ゴーストハント/悪霊シリーズでハァハァ その2

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1名無しさん@ピンキー
2名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 01:48:54 ID:yC5XiNjO
ぬるぽ
3名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 02:55:12 ID:EUZHxY34
>>2ボコッ、ゲシッ、ガッ

>>1お疲れさん
4名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 09:01:39 ID:h8HvDByw
>>1

TH時代から読んでた文字通りの原作厨(今ではリンさんより年上…)だが、
こんな素晴らしいSSの皆さんを読めるとは思いもしなかったよハァハァ
おかげで、地雷感がして未見だったアニメDVDを借りる気になったよ。
ナルがこち亀の部長並の存在感ってww

特に、アニメしか見てなかったという滝川八俣大蛇大明神のSSには、目から鱗が落ちた思いがした。
ネタバレを知らないとこういう解釈があるんだ!と(誤解を招く表現ですが神を讃えてます)。
丁寧な心理描写(原作よりも原作らしいぼーさん)、焦らしに焦らしてナイアガラドモホルンリンクルな性描写。
滝川教会を探しに行きそうな勢いww

でも実は○○○×麻衣が好きなので、ラストはちょっと(´・ω・`)だった…

チラ裏自分語りスマソ。でもこのスレには本気で感動したんだ。
今日から俺の制服は全裸に独鈷。
5名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 14:37:58 ID:bw1TNArt
6名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 12:36:52 ID:O4EH2Bls
安原さんは根っからのドSか、実は初々しいヘタレSか、はたまた誘い受けか全然わからない…
でも相手は綾子しか思いつけない自分は少数派なんだろな
7名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 13:47:40 ID:GHf9z5vY
でも麻衣は安原さんとくっついた方が幸せになれそうな気がする。
早死にする家系だって言ってたから、殺しても死ななさそうな人が相手の方がいいような。
ぼーさんも満足したらぽっくり逝ってもおかしくなさそうだし、ナルは生きることそのものに
興味なさそうだし。
リンさんはどうなんだろう…意外と長生きするのか?
8名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 22:50:24 ID:dFjv/mvN
>6
いいんでないの、安原×綾子。
自分が妄想したのは、綾子×安原だったけど。
他に好きな人がいる綾子がとりあえず体だけ安原で遊ぶというシチュで。
安原も綾子の思い人は知ってるけど、お姉さんのテクに逆らえないというお決まりさw
9名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 23:31:39 ID:kJhRybGP
安原のカプは初めて出会ったのが真砂子だったので
安原×真砂子で洗脳されたままだ。
10名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 03:08:09 ID:CtBiJsrG
少年は豊富な知識を披露しながら言葉責めしそうだな
11名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 18:54:34 ID:9qTrSXey
鬼教師にもなれるしな
12名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 19:20:14 ID:Hy3Wjn8N
安原さんはノリオとのアッー!が一番お似合いだと思う
13名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:13:02 ID:UgTgVHt2
安原×綾子でも綾子×安原でもおkだが、
安原×ぼーさんに関しては逆が想像出来ないのは俺がいる。
真砂子は麻衣みたいに笑顔効果無しで最初からナル一筋なあたり
もうちょっと報われて欲しいなぁ。
14名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 23:47:35 ID:ku2IzPMW
みなさま前スレ埋め&テンプレ作成もお忘れなく★
15名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 01:05:28 ID:gKjAuS82
テンプレは過去ログと保管庫だけでいいと思う
後はスレ立て時期かな
16名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 06:33:48 ID:VjT0eC0q
どどん麻衣
17名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 13:44:19 ID:6pKJbGOy
>>16はもっと評価されていいと思う
18名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 00:59:04 ID:2Te7ACag
16を評価することは
どんマイケルを評価することにつながるので却下
19名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 14:33:32 ID:b/xRPO7W
ナル×麻衣で言葉責めが激しいやつキボン
20名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 06:22:40 ID:PI45c3bo
ナルキッソス
21緋背β版@リン綾子:2007/06/12(火) 21:42:27 ID:1vlAobVr
スレ立てお疲れさまです。ありがとうございます。
そんなわけで夏がきたので降ろします。いや、今日できたばかりですが…


      2

 
「ここは事務所です、さすがにここでは……」
 自分を犯すのか殺すのかはわからなかった男が、正気に戻って言った言葉に、ああ、やっぱりリンだなぁ…と綾子は安堵した。しかし、それもつかの間の安らぎでしかなかった。
 リンのマンションに向かうのは初めてだ。ぼんやりと見知らぬ住宅街が視界に流れ込むのを、夢のように眺めていると、ぞっとする現状に気づき始めた。
 制限速度が四十キロ程度の、信号の多い住宅街の道を走るのに、アクセルをべったりと踏んでいたリンの顔は、
何かに憑かれているか、はたまた自分の魂すらないといった調子で、案の定五十メートル先の信号が黄から赤に変わっても、
なんら動くこともなく、アクセルをべったりと踏み続けていた。
 すんでの所で綾子が運転を代わった。納車から半年未満で廃車にされそうになった車は、妙に自分に馴染む。
そういえば、いつだったかフーガを転がしてみたいと誰かに話したような気がする。だからといって、
こんな極限状態の最中で叶ったところ、喜ぶような余裕は綾子に残されていなかった。
22緋背β版@リン綾子:2007/06/12(火) 21:43:59 ID:1vlAobVr
「綺麗ね、ちゃんと掃除してるんだ。男やもめに蛆が湧くとか言うけれど、あんたには無縁ね」
 マンションの部屋は、意外でも何でもなく、リンの性格をそのまま反映したような、折り目正しい部屋だった。無駄な物は何もない。キッチンでやたら蛍光灯を反射する包丁3本には息を呑んだが、リンは台所には全く目を向けなかった。
「松崎さん」
 艶っぽい声に振り向くと、不意に抱き寄せられた。
 はしたないと思いつつ、綾子は背広とネクタイの間のシャツに頬をこすりつけた。薄布越しに伝わるリンのなめらかな肌は、先程までの不安を一掃させ、泣きたいほどに綾子の総身を切なくさせる。
「松崎さん……」
「リン……」
 この感情をどうして恋と断定できないのだろうか。触れられるだけで、呼ばれるだけで、苦しくなる、溶けるこの想いは何なのだろうか…。今までになかった感情の萌芽に、綾子は戸惑うことしかできなかった。
「もう、名前では呼んでくれないの……」
 哀願するように囁く、リンを見上げる双眸は涙がこぼれる寸前だった。
 リンはごくりと息を呑み、肩を震わせた。
「…呼んでも…いいのですか……」 
 許しを請うようにかすれた男の声は、戸惑いが色濃く出ている。
「さっき、私が何をしていたか……忘れてはいないでしょう? あなたのハンカチを……」
「私だって…この間、見られたんだもの……だから、おあいこよ」
 あられもない姿をリンに見られた時を思い出し、綾子は羞恥に耳まで紅く染めた。
「リンだけが呼んだ、リンだけの私の名前…これからも呼んでくれるなら……」
 途端、骨が軋むほど抱きしめられた。リンから吹き出る熱を、綾子は全身で受け止めた。
「……あ―――――――――」

 ――無粋な電子音が綾子のカバンから鳴り響く、音に振り向く綾子に、リンは眉をひそめた。
「ごめん……電話が……」
「大事な用だったら、またかかってくるでしょう」
 リンの腕の中でとろけていた身体が、急速に硬くなっていく、強引に綾子は唇をふさがれた。
「ふっ……ん」
 口の中をなめくじみたいに這う舌は、かえって綾子の焦燥を助長させた。三十秒は経過したのか、未だ鳴りやまない電話、綾子の胸はざわついた。
「ごめんね」
 リンの胸を強引に押しのけ、携帯を開いた。
「……麻衣?」
 涙声の麻衣に、心臓を止められそうになる、イヤな予感がする。
『バカ綾子! 出るの遅い! あのね、あのね、ぼーさんが…』
 血の気が引くというのはこういうことなのだろうか、頭が痺れてくる、目の前が暗くなってきた。
「わかった、すぐ行くわ」
 通話が切れた途端、綾子の精神も切れて飛びそうになる、貧血に似た症状を堪え、リンに叫んだ。
「ぼーずが事故ったらしいの、行くわよ!」
 興奮状態の綾子に対し、リンは醒めた目で一部始終を見つめていた。いや、今現在入ってきた同僚の事故の一報に対しても、眉一つ動かすことさえ手間だと言うような冷酷な眼差しで、フローリングにへたり込んでいる綾子を見下ろしていた。
「……どうしたの…」
「行くって、どこへ?」
 相変わらず冷え切った視線を送るリンを綾子は不気味に感じた。しかし、恐らくリンも滝川の事故に混乱ているからだと思い直し、綾子は麻衣から聞いたことを懸命に伝えた。
「病院には少年がいるわ、麻衣も向かってる、だから私たちも急いで」
「二人いれば充分でしょう」
 綾子の言葉をさえぎって、リンが言い放った。
「私たちは医者でもない、何もできない人間が雁首揃えて周りにいたって、それが滝川さんになにかいい影響でも?」
 苛立ちのこもった冷酷な口調で切り捨てられると、怒りがこみ上げてくる。しかし、一刻を争う事態、ここでリンと口論をしている暇はない。
「外でタクシー捕まえるわ」
 リビングから駆け出すと、玄関手前、容赦ない男の力が綾子の右腕をぎりぎりと掴んだ。
「……リン」
 今更ながら、今日のリンの精神状態はおかしいことを思い出した。台所ではきらきらと包丁三本が蛍光灯の光を反射させている。
「麻衣にはもう行くって伝えたの……」
 自然と声が弱々しくなった。リンは少し考え込むと、ため息を鼻からこぼし、綾子の手を離した。
「……私も行きます」
 綾子の長い夜が始まった。
23緋背β版@リン綾子:2007/06/12(火) 21:46:07 ID:1vlAobVr

「麻衣の両親は交通事故で亡くなったのよね」
 助手席で綾子がうなだれながらつぶやいた。小雨降りしきる夜空は、綾子を更に不安に追いつめる。
「急に…大事な人がいなくなるって、どんな感じなの、ねえ……」
 ワイパーの駆動音だけが、綾子に返事をした。闇を映すフロントガラスは、心労でげっそりとした女の顔を浮かび上がらせた。
 滝川がいなくなるということはどういうことなのだろうか、想像するだけで全身が絞られる様な痛みに襲われる。明日からいない…昨日までの事が全て思い出に変わる……。
「ああ」
 綾子の嗚咽に反応する様に、信号が青になった。


「原付にちょっと引っかけられただけだってのに、大げさだなぁ麻衣は」
 だって…とむくれる麻衣を、額に絆創膏、右足に包帯を巻いた滝川が笑った。
「少年、お前か〜、俺の娘に縁起でもない事吹き込んだの」
 ねめつける様に見上げてきた滝川に、安原は「心外な」と咳払いをした。
「頭打ったんですよ、当事者としては慌てて当然でしょう。MRI異常なしと出るまでどんだけヒヤヒヤしたと思ってるんですか、ねえ?」
 処置室にて3人のやりとりを棒立ちで伺っていたリンと綾子に、安原は話を振った。
「ぼーず……」
「来てくれたのか……ごめんな、こんな夜中に」
 馬鹿と罵りたい、心配かけさせて、人がどんなに不安だったか、文句の一つでも言わなければ気が治まらない―――――

「……綾子」
 へらへらしていた滝川が、目を細めた。
「ごめんな」

「…無事…で…よかった……」
 ソファーにへたり込み、ぽろぽろと子供の様に涙をこぼす綾子の肩を、滝川はそっと抱いた。
「ごめんな」
 背中をさすられると、安心感に涙が止まらなくなった。
「…よかったの…よかったの…ぼーず…」
 ただひたすら、滝川の無事に、安堵した。
「はは、綾子もしおらしくなると可愛いな」
「馬鹿……」
「いやぁ、おれっち愛されてるなぁ」
 そうよ。と綾子は心中でつぶやくと、頭を滝川にこすりつけた。
 安心感に包まれて、全身が温くなる。時折ポンポンと肩を叩く手が心地よい。

 ――にもかかわらず背中の冷えるこの感覚は何だろう――
 そんなことは些末な問題だと、今はこうして滝川の無事を実感していたい。綾子はそのまま滝川の胸で眠ってしまいそうだった。
 ――それにしても背中が冷える――
 その分、背中を撫でる滝川の手の温かさが際だって、とろけそうになった。
 ――ますます冷えてくる――
 手では追いつかないほど冷えてくると、不快でたまらない。冷え性の様に骨が軋む。いっそ抱きしめてくれたら……
 ――綾子の心を読んだかの様に、背中は一層冷えた。ここまでくると灼けつくようだ。
 背中……背後……、後ろになにかそういう機器があっただろうか……


24緋背β版@リン綾子:2007/06/12(火) 21:51:15 ID:1vlAobVr

「滝川さんが無事でよかった、では松崎さん、そろそろ戻りましょう」
 明るさを装った声が背後から被さると同時、肩に鋼鉄の様な手が食い込んだ。
「……リン」  
 恐怖で目を見ることができない、穏やかな口調とは裏腹に、手には怒りがこもっている。
「ごめんな、リンにまで来てもらっちゃって」
「いいえ、無事が確認できて何よりです」
 見てるこっちがハラハラするような棒読み口調でリンが語る。
「そういえば、リンさんは松崎さんから連絡を受けてここへ?」
 安原の問いに、リンは変わらず穏やかな口調だった。
「松崎さんが谷山さんの連絡を受けた時、一緒にいたんですよ」
 綾子は絶句した。
「へっ? ……ああ、ごめん」
 間の抜けた謝罪と共に、滝川が綾子を手放すと、それだけで綾子は打ちのめされた、何が「ごめん」なのか。
「ちっ、違うのよ……これは……」
 なんとか滝川の肩を掴もうとしたが、リンに引き寄せられ、両手は虚しく空を切った。
「松崎さんはまだ落ち着かないようだ、こちらでなだめておきます。では、失礼します」
 肩を抱かれた綾子は、離れようとするが、リンが「ここで全部話したっていいんですよ?」と耳打ちすると、身動き一つとれなかった。リンの歩みに合わせ、ひたひたと歩く自分に綾子は情けなさを感じた。
 背後に刺さる視線が痛い、肩に食い込む手よりも気がかりだった――


     ◆
二話目お疲れさまでした。いいかげん挿入とかすればいいんじゃないかな?
あんまりにもエロが出てこないため、
三話目がここにUPできるかどうかはわかりませんが、なんとか
完結はさせたいと思います。
リン視点の話も出来上がっているのですが、
リンさんオナニーばっかしてる話なので、UPできなかろうなと思っています。
25名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 01:47:32 ID:4bJJdQ4W
待ってました!!!!

そう言わず、ここに投下してって下さい。
読み物としても、大変面白く読ませてもらってます!!

これから始まるであろう、リンさんの愛のお仕置きにwktkしながら裸でお待ちしております。
26名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 01:52:43 ID:lmBAi87h
>>25
裸で待ってて風邪ひくなよww
27名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 21:33:35 ID:zjIUIYc6
予想してたより早く夏がキタ!嬉しいお!
ぼーさんとリンさんの間で揺れる綾子可憐だよ綾子ハァハァ
今後どうなるのかwktkが止まりません
是非続きもここに投下願いたいので、自分も全裸待ち(`・ω・´)
全身の肌をテカッテカに輝かせてお待ちしております

>>26
これから暑くなるから裸が涼しくて丁度ヨスw
28名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 23:37:32 ID:QMbHcOxz
読めば読むほど狂おしい…


皆様これからの季節は裸に腕時計型カトリスでしてよ。
29名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 21:27:32 ID:YeE3a77J
保管庫いけないの俺だけ?
30名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 21:44:03 ID:Fb3xrDcN
>>29
保管庫を作った者です。
18禁の内容は削除されるそうなので、消された可能性があります。
別の保管庫を作成中なので、しばらくお待ちください。
31名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 22:53:38 ID:JthvXj8n
過去ログならここでもみれるみたいだよ
ttp://12ch.w-site.net/kako/log_eroparo.html

>>30
乙です
3230:2007/06/15(金) 00:36:26 ID:OYCNsRGu
新しく作りました。
ttp://www35.atwiki.jp/ghosthunt/pages/12.html
33名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 01:52:39 ID:Z3vnLN8A
>>32
Σ(゚Д゚)ハヤッ!
激しく乙であります。
34緋背β版@リン綾子:2007/06/15(金) 22:38:47 ID:STLeKW6g


     3


「バッグを取ったら、すぐ帰るわ」
 何故一番大切な物を忘れてきてしまったのか、それさえなければ病院から直接帰ることができたのに。
 マンションの部屋の前で告げると、案の定リンから「終電も過ぎたこんな時間に……」と言われた。
「別に、潰そうと思えば時間なんていくらでも潰せるわ」
 眉をひそめるリンと、これ以上会話をしていたくはなかった。
(だらしない女……)
 今のリンが憎くないと言えば嘘になる。ただ、それ以上に、揺れ動いて定まらない自分に嫌気がさした。
 数時間前、初めてここに連れ込まれた時は、どうなってもいいとさえ思った。リンに抱き寄せられ、あの夜をまた味わいたかった。
 しかし、滝川の電話が入って病院にいた時は、リンのことなどすっかり忘れ、リンの目の前で滝川に縋った。リンに抱かれたその身体を滝川になすりつけた――。
 罪悪感と嫌悪感が汚泥の様に、とめどもなく溢れ出る。こんな汚い自分を、リンに抱いて欲しくはない。
「……車で送ります、それぐらいはさせてください」
 ドアを開けたリンに返事をせず、無言で上がった。着の身着のままで飛び出してきたものだから、照明は点いたままだ。
 リンも見かけによらずお人好しな男だと綾子は思う。こんなだらしない女でも心配なのか、優しい男だ。
 こんな男の寵愛を受けられたら、どんなに幸せだっただろうか……
 二度と来ることはない部屋の匂いを、思い切り肺に流し込――
35緋背β版@リン綾子:2007/06/15(金) 22:39:28 ID:STLeKW6g

 ――施錠をする音がした。それも二重に。
「何で鍵をかけるの?」
 恐る恐る振り向くと、リンは無邪気に微笑んだ。
「別に――今日送る――なんて誰がいいましたか?」
 目の前の光景が写真のネガの様にどす黒くなり、リンだけが闇に浮かび上がった。
「だましたの……」
 リンはずるずると、廊下の左右の壁に置いた手を擦り付けながら綾子に近づいた。
「帰らせて……」
「帰りたくないって気分になりますよ、きっと」
「今日は抱かれたくないの……そういう気分になれないの」
「滝川さんの感触が消えない内に、それで妄想したいんですか?」
 あまりにも下卑な言葉に、綾子は耳まで赤くなった。
「いい加減にして! 今日のあんたおかしいわよ!」
「おかしいですよ、ええ。自分でも狂っていると思います」
 自覚しているのか……、そうなるといかなる説得も通じない。どうしようもない現状に、綾子は絶望した。
「あなたのせいで、おかしくなったんだ」
 リンの表情が険しくなった。
「何を……私が何をしたっていうのよ!」
 リンは睨むだけで何も返さなかった。その代わり、手だけがヌーっと伸びてきた。
「離して! いや! 助けて!」
 がっしりと捕まれ、そのまま寝室に引きずり込まれた。
36緋背β版@リン綾子:2007/06/15(金) 22:40:49 ID:STLeKW6g

 黒系統で統一された寝台に放られると、胞子の様にリンの匂いが舞った。こんな状況だというのに、総身が熱く切なくなる自分が許せない。
「松崎さん」
 チェストから何かを取り出したリンは、綾子の眼前にそれを差し出した。
「紐……?」
 赤い紐だ、どこかで……いや、よく見たことのある、これは……
「私の腰紐……」
「装束はあいにくクリーニングから帰ってこないもので……でも、これであなたを飾るのも一興」
 満足げに微笑むリン。紐で飾るとは何のことだろうか。
「服を全部脱ぎなさい」
「いや! 帰して!」
「乱暴なことはしたくないんです」
 ここまで有無を言わさず引きずり込んでおいて、なにをいけしゃあしゃあと言いだすのだろうか。
「乱暴ってなによ! 今やってるこれは乱暴じゃないって言――」
 言い終える間もなく、リンは綾子のブラウスを一気に開いた。ボタンのはじける音、糸がちぎれる音、フローリングに叩き付けられるボタンの音、音、音。
「……ひ」
 リンが悲しげな目を向けた。
「脱ぎなさい」
 洟をすすりながら、首を横に振った。総身が後から震えだした。
「……嫌いよ……あんたなんか」
 リンがゆっくりと服を脱がせ始めた。
 抵抗する気力が削がれ、震える体はリンの玩具になった。着せ替え人形の様に、一方的に衣服を剥がれた。
「……あんたなんか嫌いよ」
 こみ上げてくる悲しみは、蹂躙される運命を悲観してではない。男の暴力への怯えでもない。
「……嫌い」
 ――では何だというのだ、この狂おしい感情は――
 綾子はぽろぽろと涙をこぼすと、リンが母親の様な優しさで抱きしめた。
「……あんたなんか死ねばいいのよ」
 優しく頭を撫でられた、リンの垣間見せる優しさが更に綾子を追いつめる。
「……松崎さん……綾……」
 ひとしきり頭を撫でたリンは、無抵抗の綾子を腰紐で後ろ手に括った。余った腰紐は乳房の上下に廻って、また後ろで括り直された。
「いやぁ……何……苦しい……」
「思った通りだ、あなたには紅い化粧が似合う」
 ドア横の姿見を見る様に促されると、そこには間接照明に照らされ、赤い紐で縛られた綾子が映っていた。胸の大きさを強調する様に上下の紐が胸を絞り出している。
「綺麗だ……綾……」
「やぁっ!」
 両手を拘束され、破廉恥な格好で縛められている姿を見せられると、冷静ではいられない。
「解いて! お願い解いて!」
「嫌いだの死ねだの言っておいて、今更お願いですか?」
 不満げに鼻を鳴らすリンに、綾子は唇を噛んだ。
「ああ……綾」
 馬乗りになったリンが、掌で頂をさすった。
「くっ……いや……」
「綾の身体は素直だ、縛められて喜んでいる」
「あっ……綾なんて二度と呼ばないでよ……あんたなんかに……んっ」
「さっきは自分から呼んでとねだってきたのに、ひどいな」
 決してつまんだりはせず、指の腹で乳首をさすり続けられると、総身が切なくなる。
「やめて……いや……いや」
 どうして自分はこんなに意志が弱いのだろう。滝川に流されて、リンに流されて、こうやって卑劣なことをされて悦ぶ自分が一番醜悪な存在なのだ。
「あ……リン……あんたなんか……ああ」
「綾、私はこれでも優しいんですよ。強姦とか、そんな卑劣なことは決してしない」
 間延びした愛撫が、綾子を悶えさせる。
「こうやって一晩中、あなたの胸を愛するだけでいいんだ……綾」
 吐息がぼんやりと乳首にかかると、縛められた綾子は芋虫の様に全身をくねった。リンは自分が言った通りに、ただずっと乳首だけをさすり続ける。
「あんたになんか、二度と抱かれたくないわ……卑怯者」
 綾子が泣きついたのはそれから一時間後だった。
37緋背β版@リン綾子:2007/06/15(金) 22:44:31 ID:STLeKW6g

「優しい男でしょう? 私は」
 目の前の残忍な男が、粘ついた口調で囁いた。
「……ひぃ……もういや……」
 哀願以外の言葉はすでに出尽くした。
「いや? 何が嫌なんです? あなたのいやがることはしていないでしょう」
 リンは口元だけ歪ませ、微笑む形を作ると、真綿の様な優しさで綾子の乳首をさすり続けた。
 全身が疼く、何も身につけていない下半身からは絶え間なく蜜が溢れ、シーツをぐっしょりと濡らしている。秘豆はサヤからこぼれ、今にもはぜそうなほど肥大している。なのに、リンは触りもしなければ言葉で嘲ることもしない。延々と乳首をさすっている。
「……もうやめて……あう……助けて」
 ぱくぱくと、酸欠の魚の様に口を動かし、泣きながら哀願する綾子を、恨めしげにリンはみつめた。
 どうしてそんな目で見られなければいけないのか――
「つらいの……切ないの……」
「誰に、どう助けて欲しいんです? 滝川さんに助けて欲しいんですか?」
「……意地悪……」
「……それとも何ですか、私に助けて欲しいなんて言うんじゃないでしょうね? 死ねだの卑怯だの罵った男に助けられるなんて、屈辱でしょう」
「あう……もういや……許して……」
「許して? こんな卑劣な男にあなたは何を詫びるんです」
 何も言えずに肩先を震わせて、訴える様にリンを見上げた。
「だんまりされても、わからないな。私はとんと女性の感情に疎いもので、まどかによく叱られる」
 嗤いながら相変わらず乳首を擦るリンの目つきは、酷薄そのものだ。
「……ほしいの」
 綾子は目を反らした。
「……何がです」
 冷酷な男の声に、肉芽がひくひくと反応する。
「……リン」
「私の何が欲しいんです? うん?」
「お願い……意地悪しないで……」
 卑劣なのは、リンよりも自分だ。目先の快楽が欲しいだけで、想いをねじ曲げてねだる自分は、この世で一番卑劣なのだ。
「抱いて……うんと辱めて」
 いっそ殺して――



    ◆
もしかすると画太郎先生みたいに「なかったことにしてやり直し」
にしてしまいそうで不安なのですが、
イケイケどんどんの精神で投下しました。
ここに落としてから話が進むと言うこともあるので……
38名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 23:27:14 ID:eb/E3gsJ
>>34-37
GJ!GJ!
39名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 03:10:47 ID:g9qMvxTu
 
40名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 11:02:33 ID:otNYBOOd
正直、綾子がここまで萌えるキャラだたは思わなんだ
新境地を開いてくれた神に感謝しつつ、お約束通り全裸になりますね
41名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 11:04:22 ID:otNYBOOd
>>40
1行目の日本語が変だけど脱ぐのに忙しいので脳内補完してくだしあ
42名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 02:16:38 ID:LTSREZqg
久しぶりに悪夢を読んだんだが、もうぼー麻衣にしか見えなかった
ぼーさんが到着したら嬉しそうに駆けてく麻衣とか、
夢にうなされて悲鳴上げた麻衣の所に走るぼーさんとか、
ぼーさんを見てやっと安心する麻衣とか……すんごいハァハァした
43名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 06:11:16 ID:yu9cpDdq
普段凌辱ネタしか考えないけど、俺もボー×麻衣が好き
他のカップリング好きな人には申し訳ないけど
44名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 21:50:51 ID:LTSREZqg
陵辱といえば、触パンさんはもういないのかな?
続き待ってます
リン綾の人もいつも楽しみにしてます
45名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 02:00:15 ID:gxTSvn1C
ぼー麻衣いいよ、ぼー麻衣
46名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 05:35:39 ID:XZLDaStO
麻衣とボーさんが結婚したら
麻衣×ボー夫婦
麻婆豆腐




すまん
47名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 01:23:30 ID:likk0Srr
山田君!

>>46の座布団2枚持ってっちゃって!
48名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 14:01:03 ID:wR83YGU7
ぼーさんは棒要員
49名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 14:49:47 ID:qMTIN5x5
山田くーん

>>48の座布団ぜんぶ持ってっちゃえ。
50名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 19:33:01 ID:YH20H9ay
ぼーさん×リンさんで「ボーリング」
とかいう話を聞いてびびった事が僕にもありました。
なんかセクロス凄そうだよね、ボーリングって。
リンさん「いだあああ!痛!今自分パッカーンいいましたって!」
ぼーさん「はっはっは!ストライクだ」

取られる座布団はとうに無いわ!ということで、
>>34-37 です。
大変申し訳ないですが
緋背3話目をノーコンテストにしていただけないでしょうか、ノーコン。
今大幅に書き直しております。
51名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 20:45:49 ID:rNEvSXOq
リン×あや待ちage
52名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 00:54:38 ID:NUTJ/Zpe
トートツだが、男女間の恋愛色が薄いのは、作者がガチ腐女子のせいもあんのかな
>>50じゃないが、原作読んでると時々腐女子脳でないと理解しにくい会話とかあるし…
だからってこの作品で男同士というのも萌えないが
まぁ、怪しいのはリン位かな
53名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 03:10:38 ID:FkW/Mv88
>>50
(*´Д`)/ヽァ/ヽァして待ってる
54名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 20:27:11 ID:lHHB7Tmk
>>53
数字板へ逝け
55名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 21:28:13 ID:PMGPWTaO
>>52
小野天帝は昔っから恋愛ものが書けないお方でして…
56名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 22:25:29 ID:draOY5CG
ちょっとバレ含むかな↓


それにしてもTHの麻衣の扱いは悲惨すぎるような…
狂言回し的な役割を担っているといえば、聞こえはいいが恋の結末とかまるでピエロ
(昔読んだときは感情移入してたから、泣けたけど)
イケメンに囲まれてある意味ハーレム状態とはいえ、ちょっとかわいそうだな
57名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 05:16:13 ID:sRf/6Lby
イケメンパラダイス
58名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:17:21 ID:mGpRdYCg
イケメン地獄変

むしろイケメンだなんて思ったこともなかったが
一応ある程度顔の整ったひとしかいない事務所・・・
米が底辺ってどんなクオリティの高さだ
59名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 22:45:19 ID:c+KvAoIa
集まるべくして集まったメンツなんだねぇ…
60名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 02:28:35 ID:8PH++9t6
麻衣の学校の校長は面食いだったんだよw
61名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 20:45:36 ID:oxblCaRx
ここで突っ込んではいけないのだろうか。

TH挿絵のぼーさん
62名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:33:45 ID:3GC94SFY
>>61
シーッ!!
63名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 15:47:52 ID:nJI3POWf
あっちのぼーさんも嫌いじゃないけどね
WH版と漫画版はカッコ良すぎるし、THのがガタイもよさそう
ぼーさんは、とぼけた顔してるくらいがちょうどよい
突っ込むべきはリンさん
64名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 20:37:48 ID:nDh/jwpc
リンと少年とジョンと真砂子はそんなに変わってないなと思ってた自分は少数派か
65名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 22:25:28 ID:srtyyKMB
TH挿絵のぼーさん普通にカコイイと思う件について。
自分の趣味がおかしいのか。

林は・・・TH、WH,漫画と全然違う人だよね。
フルモデルチェンジとか言われてた
66名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 00:25:32 ID:o9CzdFE3
リンはMIBであと髪の毛がウザそうなら他はどうでもいいんだろ
そんな重要キャラでもないんだし
顔なんて飾りです、エロい人にはそれが(ry
67名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 20:24:53 ID:iC/s0g73
THは全体的に髪がくるくるしてるよね…ナルさえも。
68名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 23:42:25 ID:EVJmGtYm
くるくるパーマがおしゃれ。
そういう時代じゃったからなぁ。とババが申しておりました。
携帯どころかポケベルも一般的じゃない時代か?

久しぶりに読み返したら、THのリンさんは顎が割れてたのねw
69名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 20:41:53 ID:ktfimk15
坊主も割れてる。

THのナルを実写でやるなら稲垣吾郎
くるくる
70名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 22:40:16 ID:UjyJPmS2
>>69
それはいやだ
71名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 02:34:32 ID:NdCQzi9Y
>>70
いや意外と面白いかも知れんwww
72名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 21:45:37 ID:/xQEpQFQ
自分はすごい納得したw
73名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 06:18:23 ID:Wlk7g1vx
ナルのケツも割れてる



あたりまえか
74名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 20:45:57 ID:BntXzdGU
ナルの尻は桃尻です
75名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 12:00:26 ID:G+U663Vr
職人さんの降臨まだかいのう…
76名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 12:46:49 ID:eWuuxNsH
ついにリンスレも落ちたか…しかもメモリアルパーク落ち…ショボボーン(´ω`)
77名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 03:34:22 ID:83jt48O/
保守代わりに、ナル×真砂子置いときますね。
78ナル×真砂子:2007/07/28(土) 03:35:32 ID:83jt48O/
 広いダブルベッドの端っこにちょこんと少女がひとり、バスローブ姿で座っている。
 肩口できっちり切りそろえられた髪に、ピンと伸ばされた背筋。
 つんとすました白い顔に紅を引いたわけでもない赤い唇が引き立って美しい。
 彼女の名前は原真砂子。テレビでおなじみの売れっ子霊媒師だ。
 バスルームから聞こえていたシャワーの音が止んで、中から真砂子と変わらない年頃の少年が出てくる。
 熱のせいか普段よりもけだるげに感じられるその姿が、真砂子はなんとはなしに気恥ずかしくて顔をそらす。

「お待たせしました」
「それほどでもありませんわ」
「……では、始めましょうか」


 ベッドの上で上半身を起こしている少年の足の間に顔をうずめ、真砂子は懸命に彼の分身に奉仕をする。
 そっと白魚のような指で触れ、柔らかな唇でいたわるように口付ける。
 徐々に反応してきた昂りに舌を沿わせるとじんわりと熱くて、その感触にどうしてだか真砂子の胸の内も熱くなる。
 段々硬度を増していくそれにぼぅっとした目つきでうっとりと顔を寄せ、震えながら舌を這わせる。
 最初はおずおずと遠慮がちだったその動きも吸い付いたり、ぴちゃぴちゃと音を立てたり大胆なものになっていく。
 少年も感じてくれているのだという事実が嬉しくて、真砂子は上目遣いに彼の表情をのぞいてみる。
 しかし、少年はいつもと何ら変わりのないポーカーフェイスで、真砂子は少し眉をひそめるとうつむいてまた彼への愛撫を再開した。
 時折落ちてくる髪の毛を掻き上げつつ、裏筋や敏感な先端の部分を吸ったり舐めたりする。
 それと同時に、片手で少年のものを優しくつかみ、扱きはじめる。
 口の中がいっぱいで苦しいな、と真砂子が思い始めた矢先。

「…っ、……原さん……もう、いいですよ」

 少年が苦しそうな声を上げ、真砂子の献身を静止した。
79ナル×真砂子:2007/07/28(土) 03:36:22 ID:83jt48O/

「どうぞ」

 真砂子は身体を起こし、横になった少年に跨ると、天井に向かう砲身の照準を自分の下に合わせる。
 ぬるっとした感覚に下腹がどくんと疼き、そのまま今度は下の口から彼の熱を持った半身を飲み込んでいく。
 あまり慣らされていないそこは侵入者を拒むかのごとくきつく苦しくて、真砂子は時間をかけてゆっくりと少年を自分の中に導いていった。
 しばらくして己の内部を押し広げる感覚に対する抵抗も弱まり、真砂子は動き始める。
 ゆるゆると膝立ちになり腰を上げ、また落とす。少年の熱を解放するために。
 少年の身体に手をつきながら、苦しげに息を漏らす彼の顔を見つめる。
 少年の瞳に自分は映っているのだろうか。
 こうしてつながっていても、真砂子は一人でいるようで悲しくて切なかった。
 少年は酷い。真砂子の気持ちをちっとも分かってくれない。
 こんな事までしなければ、彼女が秘密をばらすと思っているのだろうか。
 自分はそんな女だと思われているのか。

(……言うまでもないですわね……)

 真砂子は自分の行為を振り返る。
 弱みに付け込んでデートを強要する女なんて誰だってお断りだろう。
 我が身の愚かさを嘲笑った。相手にされていないのは分かっていた筈なのに。
 それでも、真砂子は少年を諦めることを出来ないでいるのだ。
80ナル×真砂子:2007/07/28(土) 03:37:11 ID:83jt48O/
 少年に初めて出会ったのは、彼女がまだ高校に入学したての頃だった。
 知り合いのそのまた知り合いだかのたっての願いということで、とある高校の怪事件に関わる事になって……
 そこで「渋谷一也」に――ナルに会った。
 最初は半信半疑で信じられなかった。

「何が望みなんです?」

 あなたを知っている、そう告げた時のナルの不機嫌そうな顔。
 ずい分な物言いだと思った。
 彼の秘密を知っているのは本当に偶然だった。何も彼を困らせたかったわけではない。
 しかし誰にも言わないでほしいというナルを、ならばと映画だコンサートだと連れまわした。
 彼が快く思ってなかったのを分かっていたが、何度か行動をともにすれば自分に好意を向けてくれるのではと甘い期待を抱いていた。
 でもいつだってナルは無愛想で興味がなさそうで、それなのにいつのまにかこんな関係になってしまった。
 最初の時は二人とも初めて同士で、お互い痛いやらやり方は分からないやらで大変だった。

(こんな事…いくらしても仕方ないわ……)

 彼の方から真砂子に何かしてくれた事は殆どない。
 先程も少し彼女に触れただけで、それだって挿入るのに慣らす為の形式的なものだ。
 自分ひとり見苦しい姿を晒している。
 それでも、真砂子は彼のことが好きなのだ。ずっと……憧れていたのだ。
81ナル×真砂子:2007/07/28(土) 03:37:52 ID:83jt48O/
 初めてその目を見たときから忘れられなかった。
 孤独を知っている、異端者の目。
 自分は一人ではないのだと、胸が熱くなったのを覚えている。
 この人なら自分を分かってくれる、それは勝手な思い込みだったかもしれない。
 それでも一人だった真砂子はずい分勇気付けられ、この先も生きていけると思ったのだ。
 周りから嘘吐き呼ばわりされていた幼少時代。真砂子を心の病気だと思っている両親。
 叔母に手を引かれ連れて行かれたテレビ局で、やっと自分の居場所が出来た。
 でもそれも、真砂子の能力を真実だと思われているのではない事を今では知っている。
 現実に彼と会えるなんて思いもしなかった。
 そうしてみると、今のこの現実はそんなに悪いものでもないかもしれない。

「……んあっ、………ん…、っ……ふっ…………」

 強く突き上げられて、真砂子は現実に引き戻される。
 頂点が近いのか、ナルは真砂子の腰を掴む手に力を入れると腰を打ちつけ出した。
 深く押し付けられる感触に真砂子の中でそれを拒絶したい、いやもっと求めたいと相反した感情がぐるぐると渦を巻きはじめる。

「はっ……ああ………好き……好きなんです…ぁ、っくぅ………はぁ、っ………」

 激しい律動に二人の呼吸がシンクロする。
 同じリズムで腰を振り、二人で快感の頂きを目指す。
 極めつけにぎりぎりまで腰を引くと、ナルは抉るように己の肉塊を真砂子の子宮の入り口まで押し込んだ。

「あっ…ナル、っ……………」

 瞬間、真砂子は目の前が白く弾けるようなハレーションを感じ、体を震わせた。
 溶けていくような感覚にそのまま逆らわず意識をゆだねると、真砂子はナルの胸に倒れ込んだ。


「送っていきます」
「よろしいんですのよ。まだ明るいし、一人でも平気です」
「もうこんな時間だ。女性の一人歩きは危険ですよ」

 夏は日が長い。
 外はぼんやりと明るさを残していたが、時計の針は結構な時間を指し示している。

「じゃあ…お願いしようかしら」

 ナルはずるい、真砂子は思う。
 迷惑だと思っているならば、きっぱり突き放してくれればいいのに。
 こんな風に期待を持たせるのはずるい。
 だから諦めるのも悔しい気持ちになるのだ。
 ナルに付き添われ彼の部屋のドアをくぐりながら、真砂子はそんな事を考えていた。
82名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 15:13:13 ID:pk+f4d6D
>>81
GJだが、なんか切ないっす
83名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 20:16:50 ID:45ET97F/
>>81
真砂子可愛いよ真砂子。
ナルがエチしてるのって初めてな気がする。
GJ!
84名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 19:51:28 ID:8Uu4L/un
GJ!
今度は
ナル麻衣でよろしく。
85名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 23:19:28 ID:OqwTJUti0
>>83
デフォルトが不能君だからねぇ…
86名無しさん@ピンキー:2007/07/29(日) 23:57:49 ID:pQ3zm3KB0
>>85
Σ(゚д゚; )

そうだったの…?
87名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 02:11:23 ID:2fFTyAsx
でも、その設定は作者がどっかでぽろっと言ったことで、
作中には出てきてない。
だから、エロ神がここでエロいことしても、いっこうに問題ない。
おこぶ様に誓って俺はそう主張する!
88名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 13:31:46 ID:RVfUICLT
不能設定を生かすのも手だ
愛する人によって克服なんてネタもあってもよし
89名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 17:40:22 ID:ETSqHYop
>>88
すげえチープだなぁと思った自分は逝ってよしですか
90名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:00:18 ID:eUBN3/lu
>>89
そっスね
91名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 21:15:23 ID:lCfLGcQg
>>89
お前みたいなヤツをねじ伏せてぎゃんぎゃん泣かせようと
闘争心を燃やす作家が結果的に良い作品を創り出すから、
ケチつけるヤツもいていいと思うよ。
生かしてやるよ
92名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 00:03:45 ID:/D/dsoRZ
面白ければ問題なし
93名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 02:52:42 ID:FEj40Owb
エロいことがジャスティス
94名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 09:37:25 ID:/DqWkPvR
ネタバレ嫌な奴は見なけりゃいいんじゃないか?
95やっぱりもてないからリン綾を書く:2007/08/01(水) 21:51:28 ID:9Slve9p3
夏だしさ、家に籠もってエロ小説書くのもダセエって思って、
うち、海が近いんだ。歩いて10分。チャリで江ノ島にだって行ける。
だから、お前達など放っておいて、俺だけ勝ち組サーセンwwって
ナンパにナンパ、一日のセクロスアベレージ2.5人とかやろうと思ったわけ。

だめだった、ちっとももてなかった。キモオタはキモオタですブヒヒだった。
で、思ったわけ。俺だけもてないのは不公平って。だから

リ ン も 喪 男 に な る べ き だ よ な !

諸事情で、緋背の続編を投下することは出来なくなってしまったので、
前に自分が言った「聖なる侵入」よりも時間軸が前の話を投下しようと思う。
タイトルは「もてないリンさん」で。


96もてないリンさん:2007/08/01(水) 21:53:56 ID:9Slve9p3
※保管庫への保管はちょっと勘弁してくれ。



 あと十日で新年になる。そんな暮れの最中、リンは眉間にしわを寄せ、うんざりとカーディーラーの話に付き合っていた。紙コップに入っているインスタントコーヒーに映る天井を見ながら、何で自分はこんなところにいるのだろうと自問した。
 欲しい車種も決まっている、一括で購入するつもりだから、目の前の営業マンがさっきからくどくどと説明しているローンの話など、どうでもいい。
 ただ、店に入っていきなり「これをくれ、一括で」というのも、家電を買うわけじゃあるまい、ディーラーになめられるのがオチだ。何度か思わせぶりに立ち寄って、焦らしに焦らして買うのが、車にとっても、自分にとっても正しい方法だ。

 パンフレットの山を抱え、オフィスに戻ると、リスのようにせせこまと動く少女が、紅茶の匂いを纏わせて近寄ってきた。
「リンさんお疲れさま、車買うのって大変そうですね」
「……別にお気遣い無く。こっちは半分私用ですから」
 柑橘の香りのする紅茶を、舌を湿らす程度に飲んだ。
「半分は社用だ、今は別に仕事が立て込んでいるわけじゃない。僕は構わないが」
 向かいのソファーに座っている、年下の上司が口を開いた。
「ナルもそのうち買うの?」
「そのうちな」
「そしたらあたしを一番に乗っけてよ!」
「まずは免許を取っていただかないと」
 若い二人の話の腰を容赦なく折り、パンフレットを抱えて資料室に入った。

 深く椅子に座ると、パンフレットの束から、購入予定の車のを1冊取り出し、表紙の車のラインを、指でなぞった。
 パールホワイトの車体が印刷されている、しかし、脳裏に思い浮かぶのは赤い色だった。
 深紅の情欲の炎が、ラインをなぞるたびに、胸の中でたぎり始めた。
「……ああ……」
 脳裏に、乱れ髪の女が再生される。緋色の髪を持つ女だ。
 ほつれた髪の毛と、車のラインが一致した時、股間のものが反り返った――

     ◆
97もてないリンさん:2007/08/01(水) 21:57:20 ID:9Slve9p3
 師走も半ばをすぎた時期だった。
「あんたたちふたりだけなの?」
 綾子が間の抜けた口調でリンとナルに言い放った。

 県境の山道で、ドライバーを脅かし、事故を発生させる現象が多発しているそうだ。
 事前に調べた結果、綾子をメインに置いて進めた方が解決しやすいだろうと、ナルが判断した。事務所を起点に、綾子とリン、ナルの3人がバンに乗り込み、現場に来たところだ。
 
 面倒臭そうにナルは、麻衣と真砂子は学校関係、ジョンと滝川は仕事の都合で欠席だと伝え、簡単に今回の調査内容を復唱する。
「ここから五分ぐらいのところに、使えそうな樹があるので、確認をお願いします」
「そう、じゃ、リン案内して」
 相変わらず、ぶしつけな女だと心中で呟きつつ、リンは綾子とともに山道を歩いた。
「今回のクライアントって県庁でしょ? SPRもすごいわね」
「……別に、お上だからって…。本国の時は高速道路で調査したことがありますし」
「うっそ、日本でもやらないかしら…湾岸線及び環状線C1C2封鎖! みたいに」
 一人で映画みたいな展開を夢想している綾子にため息をつき、リンは革靴で来たことを後悔しながら綾子を先導した。
 大きなブナの木の根元にたどり着くと、綾子は幹をさすった。
「どうですか?」
「すぐにでも出来るわ、いい樹ね、ありがとう」
 綾子はきりりと唇を締め、目を細めてリンに礼を言った。

「……はらいたまえ、きよめたまえ……」
 綾子の祝詞をヘッドフォン・モニターとともに確認しながら祈祷の様子を録画し始める。
 今年の夏、吉見家では随分活躍したらしい。「らしい」というのは、リン自身は実際に祈祷を見てないからだ。
 普段は、飾りのような祈祷だと嘲っていたが、今日は違う。場の空気がどんどん澄んでゆく、いつもは頼りない巫女の後ろ姿が、女神のように神々しい。
 だからナルは綾子を連れていたのかと、隣のナルを見れば、食い入るように光景を眺めていた。
 祈祷が終わると、ナルが綾子に一礼した。
「麻衣達が騒いでいた理由がやっとわかった。松崎さん、協力感謝します」
 ここで、(あーら、ナルが礼を言うなんて、天変地異の前触れかしら)と、イヤミの一つでも言うだろうと想像していたリンにとって、意外な一言が綾子から発せられた。
「……こちらこそ」
 心なしか顔色が悪く見えた。
「少し疲れちゃったから、しばらく木の下で休ませて……」
 ナルはさして気にかけず、機器を片付けるとベースに戻っていった。リンもナルと同様にベースに引っ込んだ。
98もてないリンさん:2007/08/01(水) 21:58:45 ID:9Slve9p3

 ……壁掛け時計の音がやたら気になる。
 パソコンでの検証を、急遽ナルがやるといいだしたものだから、リンは手が空いてしまった。
「リン、本国の……先月頭に録ってきたデータと比較したいんだが、どこに入ってる?」
「……ターボサーバの方です。前にも似たような質問しましたよね?」
 仕事を取られ、やることのないリンは、苛々しながらつっけんどんに答えた。
「……気分転換に、外にでも出たらどうだ? 運転しっぱなしで疲れているだろう」
 苛立ちを顕わにした部下へ、気を使うようにナルが言った。気を使うというよりは、気遣いが面倒だから追い出したいという算段だろう。
 外か……と思い浮かべば、半時間ほど前から綾子はずっと木の下にいるのだろうか。
(馬鹿な、この寒い中、あんな薄着で三十分以上も……)
 綾子のトレンチコートを掴むと、「散歩に出てきます」と伝え、ベースを後にした。
 リンは相変わらず苛立っていた、外に出たくなかった理由を、外に出て思い出したからだ。あの綾子ですらウォーキングシューズを履いていたのに、とんだ間抜けだと、泥と草でまみれた革靴を眺めながら、ブナの大木に向かった。
 あの女も女だ、普段は暑いだの寒いだの当たり散らすくせに、こんな日に限って気まぐれを起こす。脇に抱えている女のトレンチコートは、意外にきつくない芳香を纏わせている、心地よいと一瞬でも感じた自分にも苛立った。
 ブナの木が見えてくると同時、根元に赤く蠢くものを確認した。
 半時間ぶりに見かけた綾子は、幹に縋り付き、微かに震えている。
 リンは舌打ちをした。祈祷後の綾子の顔色が悪かった事を、今更思い出した。
 具合が悪ければ、尚のこと屋内で休ませるべきだったと、自分の愚かさを呪いながら、リンは綾子の元に駆け出そうと動く。
 しかし、突風で右目を覆う前髪が後ろになびき、久しぶりに両目で世界を見た瞬間、張り付いたように足が動かなかった。

「……ああ……許して……ああ……」
 女のあえかな声が聞こえると、脇に抱えたトレンチコートから、妖しげな匂いが漂った。

 樹全体から、触手のように枝葉が伸び、それらは全て綾子に絡んでいる。右目でのみ認識できる光景だった。
 綾子は頬を上気させ、眉をひそめ、鯉のように口をぱくぱくさせていた。触手が綾子に何をしているのかがわかると、そのおぞましさにぞっとした。
(これが……代償か……?)
 力を借りた代償として、巫女は精霊に我が身を供物として差し出すのか……。そうでなければ化け物の類か。
 後者なら、今すぐにでも助け出さなければならない。しかし、悩ましげに苦悶の表情を浮かべる綾子を、もっと見ていたいという気持ちが勝った。
「はぁ……こんな……いつも……私ってば……ああ」
(いつも? いつもこんなことをしているのか)
 上掛けが肩を外れ、腰まで下がると、横から揺れ動く乳房が見えた。眺めている自分から、荒い息がこぼれているのに気がついた。
 緋色の髪が、汗ばんだ背中に張り付いている。
「いいの……いいの……でも……ああ……許して」
(いいのか? あんなことをされて……)
 結っている髪はほつれ、こめかみや首筋に張り付いている。羞恥に瞼を紅く染める様は、リンの情欲を容易にかきたてた。
「だめ……許して……んっ……はぁ」
(だめなら何故自分で帯を解いたんだ、本当は好きなのでしょう?)
 ズボンの下で痛いほど自身が反り返っているのがわかると、眉間にしわを寄せた。覗きという出歯亀な行為で興奮している自分に憤りを隠せない。
(私は悪くない……そうだ)
 目の前で抵抗もせず犯されている綾子が悪いのだと自分に言い聞かせた。苛立ちも欲求も、全ての矛先は綾子に向かっていく。
 今嬲られている下半身が見たい、袴が邪魔だ…と、普段では考えることすらはばかられる様な、身勝手な妄想が増殖してゆく。どうせ犯られているんだ、もっと淫らになれ……そう思う自分は自分ではないようだ。
「くっ! ……はぁ……はぁ」
 綾子の総身が上下にガクガクと揺れ始めた。穿たれているのかと思うと、居ても立ってもいられなくなった。割り開かれた秘肉を思い描くと、それだけで精を放ってしまいそうだ。
 決して笑うことはなく、眉をひそめて、まるで苦痛を堪え忍んでいるかのような綾子の表情は、嗜虐の血を否応なしに駆り立てる。
 綾子の身体を覆う枝葉が、一気に引いていくと、肩で息をしている綾子だけが取り残された。乱れた装束は、リンの箍を容易に外した。
(綾子……)
 初めて名前を呼んだ。茂みからゆっくりと、綾子に向かって歩き始めた。

99もてないリンさん:2007/08/01(水) 22:02:14 ID:9Slve9p3
今日はここまでで。
また次回。
100名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 00:52:04 ID:+75Dh/7X
>>95
お久しぶりです!待ってましたよう
もてないリンさんってタイトルがツボにきましたw
続き待ってます
ところで諸事情ってなんですか?
101名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 22:47:12 ID:jppXBkYN
>>99
乙です!
続きが楽しみだ
102もてないリンさん:2007/08/05(日) 22:56:21 ID:dgMUZPsH
※保存庫への保存はマジ勘弁脱糞で


「……わかりました、ナル。すぐ向かいます……」
 忌々しげに携帯を閉じると、背広の内ポケットにしまった。
 こんな時でも、習慣でバイブの鳴った携帯を取る自分に嫌気がさした。男から、仕事をするだけの人間になってしまったのではと思った。
 冷静に考えると、ナルからの電話が来なければ、道を踏み外すところだったとも言える。しかし、今は礼を言うどころか、邪魔された怒りの方が遥かに大きい。ナルに対してこれだけの怒りを憶えたのは何年ぶりだろうか。
「……通信状態がよくないんですよ、これ以上はオフィスに戻ってからでないと。」
 マシンの不調はこちらではどうしようもないと説明すると、ナルは不機嫌を顕わにした。冗談じゃない、怒りたいのはこっちの方だ。

「ごめんなさい……、遅くなっちゃって」
 うつむきかげんで綾子が戻ってきた。
 リンは魔法瓶に入っているコーヒーをコップに注ぐと、綾子に黙って渡した。
「……ありがと、リン」
 まるで珍しいものでも見たかのように、目を丸くさせてリンを見た。その顔はひどく幼く見える。
 逃げるようにパーテーションで区切った別室に走っていく、そこでまたあの辱められた肌を晒すのか、そもそもあれで足りたのか? 足りないんじゃないのか。なら……
 リンは悶々と妄想を膨らませながら、機材をバンに積んだ。普段なら消し去ろうとするだろう空想を、今日ばかりは好きなだけ縦に横に張り巡らす。そうすれば、30キロのカメラだって軽い。
 片付けが済んだと同時に、綾子が着替えを終えて出てきた。いつもの綾子だった。

 行きとは違い、帰りは綾子がバンの助手席に座っていた。
 ナルはといえば、寝不足だったらしく、後部座席を占拠していた。
「具合は……よくなりましたか」
「え?」
「気分が悪いからって、樹のそばに……」
「もう平気よ」
 突っ込んだ質問をしてみたいと思ったが、寝ているとは言え、後ろにはナルがいる。煩悩を振り払い、運転に集中した。
 高速に入ると、間もなくハザードランプを付ける羽目になった。
「うっわ、すごい渋滞……」
 カーナビには渋滞を表す赤いラインがびっしりと張り巡らされている。
 綾子はため息をつくと、リンをねぎらう眼差しを向けた。
「……ちょっと疲れちゃったから、寝ていい?」
 意外だった。そんなことを言うような女だったのかと、くるりと助手席をのぞき込んだ。
「運転してもらっているのに、失礼かなって思っただけよ」
 怪訝な表情を嗅ぎ取ったのか、頬を膨らませながら綾子は呟いた。
「……別に構いません、勝手にどうぞ」
「ありがと」
 間もなく綾子は寝息を立て始めた。気を遣う相手がいなくなった途端、フロントガラスの向こうに、車だらけのハイウェイでなく、数時間前の光景が映し出された。
 深紅の髪の毛は炎のように燃え立たせ、精霊に屠られる綾子――。白日夢だと思いたかったが、時間が過ぎれば過ぎるほど、色濃くリンの記憶に蘇ってゆく。
 髪の毛の隙間から覗く背中は、思い出すだけで胸が焦がれる。今まで何人もの女を抱いてきて、あんな蠱惑的な背中を見たことがあっただろうか、いやない。
 助手席を見ると、白い太股を露わにした綾子がいる。あの時、袴の隙間から見えた太股と同じ色だと感じた。そうだ、この女と供物の巫女は同一人物だ。
 そう認識した瞬間、急に綾子の存在が近くなった。
(綾……子……)
 名前を心の中で呟けば、それだけで全身が熱くなる。こんな思いを抱えたのは何年ぶりだろうか、ここまで病的な慕情を抱いたのは――。
(綾子……か……)
 些か不可解な感情だったが、逆らうことが出来ない以上、受け入れてしまった方が楽だと経験が語っている。所詮は一時的な熱だ。目を細めて綾子を見つめると、リンの口から嗚咽が漏れた。
103もてないリンさん:2007/08/05(日) 22:58:21 ID:dgMUZPsH
「ん……ふ……んんんんっ」
 助手席から艶めかしい声が聞こえると、奮い立つを通り越して血の気が引いた。心を読まれたのか。
「ふぁ……ごめ……随分寝ちゃったみたい」
 ただのあくびかと知ると、脱力のため息が漏れた。それでも涙目の綾子を見るとゾクゾクする。
「眠いの? なら次のPAで休めば。なんなら私が運転代わってもいいわ」
 意外な一言だった。
「……保険の関係で無理なら結構。どうせ二十六歳以上でしょ?」
 綾子が免許を持っている事も、自分が想像していた年齢よりも下であることも、今初めて入ってきた情報だ。
「……いえ、お気遣い無く」
 先程からの続いている本気でおかしくなりそうな妄想を止めるため、綾子に話を振った。
「松崎さんは、車……好きなんですか」
「……そうよ。何で知ってるの?」
「C1やC2なんて、首都高を『知って』ないと出てこない言葉が出てきたので」
「あら、そんなこと言ったっけ、そんなこと」
 髪を掻き上げながら記憶を探り始めた綾子のうなじに目がいく。
「それとは別に、休まなくていいの? どうせナルは寝てるんだし、休んだ方がいいわよ」
「大丈夫です」
 目つきを険しくしたリンに、それ以上綾子は声を掛けなかった。
 車の話程度で劣情は消えてはくれない、休めだと? 休むくらいならそのまま高速を降りた方がいい、インター出口にはそういう施設が沢山ある。この女を強引にでも引きずり込んで、ああ、あの緋色の背中に舌を這わせ、精霊に嬲られた部分を順にたどるように自分も……。
「……なんだ、まだ着いてないのか」
 後部座席から不機嫌な声が聞こえた。ナルがいたことをすっかり失念していた自分に、リンは愕然とした。
 ナルの存在を消した原因である綾子は、苛立ちを露わにナルに噛みつく。
「渋滞がひどいのよ、仕方ないでしょ。あんたはいいわね、寝てただけなんだから」
 綾子は車が運転できるからこそ、運転経験のない、ただ寝ていただけであるナルの、運転者に労いのない言葉に噛みついたのだろう。あんな事があったからと、我ながら好意的に解釈してしまう自分に呆れた。
「松崎さん、車が進まないからって、ナルに当たらないでください」
 先手を打った。とりあえず、寝起きに無益な口論はしたくないだろう。憶測通り、ナルは「着いたら起こしてくれ」と二度寝に入った。
「当たったわけじゃ……」
 ばつが悪そうに綾子はつぶやいた。もっとやかましくなるかと思った分、かえって戸惑う。
 半時間ほど経ち、ナルの寝息が本格的になった頃、わざと耳元でつぶやいた。
「ナルをなだめるためだったんです、すみません」
 綾子にここまで近づいたのは初めてだ。様子をうかがうように綾子を見つめると、綾子が間抜けな声をこぼす。
「………え、何が?」
 そのまま天井を見上げ、「うーん」と考え始めた。リンは息を吐くと、インターチェンジの合流口から入ってくる車のために、少し減速した。
「あ、フーガだ。最近の日産の車はどれも微妙なのばっかりだけど、Zとフーガだけは格好いいのよね」
 ゴーンが参入してからの日産のことか。たしかにZは悪くない。
「いいなあ……フーガ」
「見た目だけで言わせてもらえば、松崎さんには、フェアレディZの方が似合いそうですが」
「そお、Z似合う?」
「なんでフーガなんですか」
「んー、なんとなく。一目惚れ」
「フーガなら、運転席より助手席の方があなたには似合う」
 自分で言って、ハッとした。何を言っているだと。
「そーよねー、女が運転するにはちょっとでかいかな」
 勘ぐられないと、安堵を通り越して腹が立つ。
104もてないリンさん:2007/08/05(日) 22:59:10 ID:dgMUZPsH
「東京駅でいいんでしたっけ」
「そうよ。あっ、八重洲線に入ったら、八重洲乗客降口で降ろして」
 京橋あたりで出て、駅前まで走らそうと思っていたリンは、聞き慣れない言葉に疑問符が浮かぶ。
「やっぱり知らないか。あるのよ、東京駅の地下に」
 東京駅中地下直結の降車専用口は、高速道路を降りることなく、同乗者を東京駅に降ろすことができる、知る人ぞ知る穴場なのだと綾子は得意げに言った。
「へえ……八重洲線に八重洲乗客降り口……」
 今日は初めてな事が多い。綾子に感心したことも、欲情したことも。
 言われたとおり、八重洲線のトンネルに入ると、東京駅八重洲地下駐車場入り口が見えた。
「この先よ、駐車場は出たときも入るときもお金がかかるの」
 綾子の言うとおり、少し走ると、緑地に白文字で『乗客降り口・ここからの乗車はできません』と書かれている看板が飛び込んできた。
 地下である八重洲乗客降り口は、地上の新丸ビルなど、東京のきらびやかな雰囲気とは無縁な、古さと無人の不気味さが合わさった、寂れたところだとリンは認識した。
 東京を象徴するような綾子とは正反対の場所を、なぜ綾子本人が知っているのかと疑問が湧く。
「憶えておくと便利よ、じゃあね、リン。あとそこで寝てる所長さんにも」
 バンを降りた綾子は、左側に歩いていく。どこに入り口があるのかと疑問に思っていたら、両端に上り階段があった。


 薄暗い自室で、リンは肩で息をしていた。
 前髪は、怜悧な頬にべっとりとへばりつき、その頬の色は普段のリンからは想像が出来ない程、紅潮していた。
 この姿を鳥瞰で眺めたら、さぞかし不様な格好だろう。それでも右手の往復運動はやめられなかった。
 目の前には雑巾のようにぐったりとしている巫女がいるのだ。やめられるわけがない。

 何も知らない女に、後ろから声をかけた。
(……リン!)
 女は咄嗟に乱れた着衣を直そうとするが、その両手を片手で押さえ込み、襟を一気に開いた。
(やめて……)
(いいんですよ松崎さん、私は全てを見ていた)
 か細い腕の皮膚は、自分の肌に吸い付く様だ。やめて欲しいと哀願しながら、自分を誘っている。
(ああ……)
 覆い被さって首筋に顔をうずめると、女の口から切なく絞り出すような嬌声が聞こえた。
(まだ足りないのですか? あれだけされていたのに)
(言わないで、いや)
 羞恥と戸惑いに、女はうつ伏せになると、緋の背中がリンの眼前に晒し出された。髪をほどくと、白磁の肌に緋色の髪が螺鈿細工のように散らばった。
(松崎さん……)
 産毛に逆らって舌を這わすと、海老のように仰け反った。すかさず後ろから胸を揉みしだいた。
(許して! あんっ)
(樹にどうされたのか言いなさい)
(いや……恥ずかしい)
 肩越しに見つめてくる女の顔は、して欲しいと言っている。ああ、思う存分恥ずかしい目にあわせてやる。
(だめ……あ……あ……リン……)
 気づけば巫女を獣の体位で犯していた。緋色の背中を眺めながら穿っていると、あの時の声が聞こえてくる。
(ああう……リン……はぁ……もう)
(浄霊の度に、こんな絡みつく淫らな器官を曝しているのですか。松崎さんはなんていやらしいんだ)
 感覚は慣れ親しんだ右手だが、想像力を働かせながら、しごき上げた。
(もう、名前で呼んで……こんなに近いのに……ああ)
(綾子……綾子っ)
 達すると同時、目の前の巫女が闇に消えた。

 爛れたぬるい風が、汗まみれの身体をスッとなぶった。
 寝台に気怠く四肢を投げ出しているリンは、自身の変調に気づいた。
 普段の自分なら、自慰後は愚かしさと虚しさに包まれ、自己嫌悪が伴ってくる。しかし今回は違う。
 まるで女の法悦のように、長くゆったりと余韻を楽しんでいる。心臓が徐々にゆっくりと鼓動を打ちはじめる様が心地よい。
(何故だ……?)
 その変化に、一抹の危うさを感じたが、寝れば治まるだろうと、目を閉じた。

 
105もてないリンさん:2007/08/05(日) 23:07:22 ID:dgMUZPsH
次回予告:もっともてないリンさん。俺のゼリー食えよこのアマ!

>>100
ボーナスがとびました、完膚無きまでに。そんな理由です

>>101
オナニーするリンさんが見たかったなんて…変態!変態!変態!
106名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:19:32 ID:loNIpgPW
>>105
イイヨイイヨー

変態上等!!
107名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 18:56:31 ID:9mLu8FxS
ハラショー!!ブラボー!!
部屋に戻ってからのリンさんもいいけど、
バンで悶々としてるリンさんも堪らなくいい。
108もてないリンさん:2007/08/09(木) 23:15:49 ID:odncgGcx

     ◆

「今日は定時であがれそうだね」
 午後も3時過ぎ、気怠そうな少女の声がオフィスに咲いた。
「いやいや、所長のことですよ。間際になってドーンと!」
 にやりと安原が麻衣に釘を刺した。
「やだー! 本気で来そうじゃん、やめてよ安原さん」
 足をばたつかせる麻衣の背後に、黒い塊がヌッと現れた。
「ドーンとくれてやれば静かになるか? 麻衣」
「げえーっ、ナル! 静かにします静かにします、へへえこの通り」
 ナルは大げさに頭を下げる麻衣の頭をファイルで小突くと、間髪入れずに発生した電子音に怒鳴った。
「携帯の電源ぐらい切っとけ! この馬鹿!」
「はいはいごめんね。あ、ぼーさん、どったの? 綾子がどうしたの…うん、わかった」
 通話を切ったと確認するや否や、ナルは麻衣の携帯を取り上げた。
「かえしてよぉ」
「早速残業をドーンとくれてやる、嬉しいか。あとで所長室に来い」
 ナルは意地の悪い笑みを浮かべ、携帯をポケットにしまうと所長室に引っ込んだ。
「松崎さんが、どうかしたんですか」
 盗み聞きして失礼、と会釈した安原に、麻衣は額に手を当てて答えた。
「綾子、なんか体調崩して寝込んでるんだって、それで……」


 ――あの調査から三日が過ぎた。
 リンは自分の変化に一種の怯えを抱いていた。そういう方面には異常なほど淡泊だと自認していたが、この三日間を思い出すと、まるで別人だと思わざるを得ない。
 あれで満足したつもりが翌朝にも夢に出た、こんな経験は初めてだ。一時的な欲求不満が、擬似的な恋愛感情を発生させたのかと思っていた。
 明日になれば、明後日になれば、慰みの対象にした罪悪感以外は風化するだろうと考えていた。
 しかし、予想に反し、見えない手が常に心臓を握っている様な三日間、この狂おしい感情は恋なのか? 何がここまで自分を惹きつける? そこらにいる女じゃないか、その上日本人だ。そうだ、確かめなければならない。
 ――――会って確かめなければならない。


109もてないリンさん:2007/08/09(木) 23:17:12 ID:odncgGcx


「……なんでおまえさんが来たの」
 駅で待っていた滝川の第一声。
「谷山さんは用が入ったので、私が代理で来ました」
 自分を見るなり滝川は頭を抱えた、自分も滝川だったら頭を抱えるかもなと自嘲した。
「松崎さんの風邪には心当たりがあります。半分は我々の責任です、だから……」
 まあまあと言った具合に手を動かした滝川は、スタンド灰皿にタバコを押しつけた後、前進した。
 駅前の住宅街に入ると、無口だった滝川が口を開いた。
「ちょっと様子が気になったから見舞いにでも行ってやろうかなと思ってさ。でも、独り暮らしの女の家に男一人入るのもどうよ?」
 そういう考えは失念していた。前々から思っていたが、こう見えて滝川は結構真面目な奴だ。
「だからさ、麻衣も誘ったわけ。あいつなら飯も作れるし」
「思惑はずれて男が二人になってしまいましたね」
「……まぁ、リンなら綾子も安心するだろう」
 どういう意味だ、と思ったが、これまでの自分を振り返れば当然かと思うと、口をつぐんだ。
 マンションの入口にて、インターホンで滝川が綾子を呼び出すと、か細い声が聞こえた。
「綾子、俺だ。大丈夫かー」
 ぎくりとした。怒りのような感情が芽生えた自分に冷や汗をかく。何だ、これは。
 五階の一室のドアが開くと、寝間着にカーディガンを羽織っている女が出てきた。
「ぼーず……、リンまで……」
 三日ぶりに会った綾子は、ひどく幼く見える。
(化粧か……)
 化粧っけの無い綾子は、学生のようにも見える。
 ベースに戻ってきた時の綾子もこんな感じだった。おそらく汗と涙で崩れてしまって、顔を洗ったのだろう。
「ゼリー買ってきたぞ、お前の好きなナタデココ入り」
「ありがとう、二人とも座ってて、お茶入れるから」
「ばかちん、寝てもらわねーと見舞いに来た意味がねーだろ」
 滝川はそうやって、お茶を入れようとした綾子を制止し、寝室に押し込んだ。
 だいぶ熱が続いているようだ、やつれた身体は紙くずのようにふわふわと、ベットに沈んだ。
110もてないリンさん:2007/08/09(木) 23:20:06 ID:odncgGcx
「どうしてリンが……」
 流れ的に麻衣が来るものと思っていた綾子は、リンの突然の訪問に驚いた。
「谷山さんは用事で……。松崎さん申し訳ありません。あの日、外に出たままの松崎さんを私たちが放って置いたから……」
 風邪の理由はそれしか考えられない。滝川と被ってしまったが、デパートで買ってきたゼリーを見せた。
「……やだなぁ、あんた達が悪いわけじゃないのよ。でも、もらっとく。ごちそうさま」
 頭を下げた綾子から、香水ではない《綾子》の匂いが微かに漂った。微熱の眼差しと合わせ、リンは失神しそうになった。
「さすがの綾子も、風邪を引くとおとなしくなるな。ずっとその方が害がなさそうだ」
 笑いながら滝川が言うと、綾子はベッドの上のクッションを投げつける、滝川はあえて顔で受け止めた。それが二人の約束事のように。
「それだけ元気なら、治りも早いな。治ったら道とん堀にでも行こうぜ」
「なんで病み上がりにお好み焼きなのよ、東京ミッドタウンあたりがいいわ」
「病み上がりにそんな人混みへ飛び込む方もどうかと思うぜ」
 綾子の嬉しそうな顔に、リンの細胞がざわついた。
「あまり食べていないのでしょう? 台所を貸していただけませんか、お粥くらいなら」
「あ、先生ハイハーイ! ミーにも! 腹減っちゃって」
「悪いわ……ってこのくそぼーず。……じゃあ、甘えちゃおうかな」
 二杯分、帆立粥をつぎわけ、残りは保温ジャーに入れた。
「うめー。今日からリンは俺の嫁」
「本当、おいしい」
 綾子がリンの腕に感心していると、滝川の携帯が鳴った。
『鮎釣りスターシリーズ! それではみなさんお待ちかね……』
「あ、メール」
「何その着信……」
「細かすぎて伝わらないモノマネのくじらだよ。…あ、ごめん、俺先帰るわ」
 呼び出しがかかったと伝えると、滝川は綾子の頭をぐしゃぐしゃと撫で、玄関に向かった。
 その時の綾子の表情は、満たされているのに泣きそうな、そんな表情だとリンは思った。
 制止する間もなく、ぺたぺたと綾子は玄関へと歩いた。
「今日は、ありがとね」
「早く良くなれよ、麻衣も心配してた」
 振り向くことなく、滝川は部屋を後にした。
 綾子の後ろに立っていたリンは、何故か切なく眉をひそめる綾子の表情を見た。

111もてないリンさん:2007/08/09(木) 23:24:09 ID:odncgGcx
「薬です」
 まだぽーっとしている綾子に、薬を飲ませた。
「長居してすみません、私もそろそろ失礼します」
 滝川が帰ってから、明らかに綾子の気分は陰っている。
「最後にお願いしていい、ゼリーを取ってもらえる? ナタデココが入ってるの」
 リンの買ってきたゼリーには、果物しか入っていない。滝川が買ってきた、
ゼリーのくせに何故かスーパーの野菜コーナーに置いてある様な大きいゼリーには、無節操にナタデココ・もも・パイナップル・みかんなど、ゴロゴロと具が入っていた。それとスプーンを渡すと、綾子は子供のように喜んだ。
「ありがとう」
「では、失礼します」
 部屋から玄関までの距離が、やたら長く感じた。

 夕暮れから闇に溶け込んでゆく街並みを、電車の窓越しに眺めても、息苦しさは開放されない。
(なんということだ)
 リンはため息一つ吐くと、腿に肘をつき、手の甲に額を当ててうなだれた。
 ナルに意地悪されている麻衣に替わり、綾子の見舞いに行った。自分の気持ちを確かめる為に、いや、否定する為に。
(否定する? そんな段階じゃない)
 もう、そんな段階ではなかった。麻衣に聞いた時点で、会えるのだと、本当は心が躍っていた。今の落胆ぶりがその証拠だ。
 見舞いのゼリーを選んでいる時も、あの女なら何にすれば喜ぶだろうとか、一体どんな風に顔をほころばせて食べるのか、そんな女々しいことを考えながら、嬉々として選んでいた。
(私が……この私がか……?)
 それなりに男女の駆け引きをして楽しんだことはある、それでも自分から働きかけることは殆どしなかった。わざわざ女の尻を追っかけなくても、言い寄ってくる女はいた、いない時もさして不満には思わなかった。
 それが今はどうだ、滝川があの女を呼び捨てにしただけで頭に血が上った。滝川が綾子を松崎と呼んだことは一度としてないにもかかわらず、だ。
(問題は、そこだけか)
 綾子を憎んだ。
 滝川の訪問を喜んでいた綾子を憎んだ。
 滝川の前で自分には見せたことのない表情をした綾子を憎んだ。
 自分のゼリーではなく滝川のゼリーを選んだ綾子を憎んだ。
 あわよくば二人きりになれたら…と甘いことを考えていた、しかし、二人きりになって吹き出た物は――
(……あれが殺意か……)
 足早に立ち去った、ここにいたら自分が得体の知れない化け物になっていく。怖かった。あれほどの恐怖がどこにあるものか。
 吐き気がする、あんな些細なことで憎しみと殺意を膿のように滲ませる自分に。こんなことは一度としてなかった、やはり三日前のあの数十分が原因か。
 あの緋に包まれた背中を見た瞬間から、着々と自分は狂い始めている。
(今日はまだ認識している、じゃあ明日は? 明後日は? 一週間後正気でいられる自信は?
 一ヶ月後一年後五年後十年後二十年後三十年後四十年後死ぬまでの一時一秒自分は狂わずにいられるのか
そもそも今の自分は狂っていないのか今この事を考えている自分は殺そうとした自分ではないのか
あの白く細い首に指を絡め肩に力を入れて頸動脈の感触を味わいながら自分の手の中で綾子は事切れてゆくのだ
やめろ何を考えているもう考えるなああ綾子幸せだろうやめろやめてくれ私は)

「渋谷〜、渋谷〜。お降りの際は――」

 全身冷や汗でホームに降りたリンは、しばらくベンチから立ち上がることが出来なかった。
 発狂寸前、思考回路がバーストし、意識が白く飛んだ。やっとのことでベンチにへたり込み、座っていたとは思えないほど音を立てている心臓を休ませていた。
(助かった……私はまだ……いやこれからも)
 脈拍が徐々にゆっくりになってゆく。じんわりと楽になってきた。
(ああ、心地よい……――――まさか)
 リンの顔から再度血の気が引いた。
 気づいてしまったのだ。この揺りかごにいるような安らぎは、綾子で慰んだ時の法悦に酷似していることに――――
112もてないリンさん:2007/08/09(木) 23:27:30 ID:odncgGcx


 事務所に戻ると、ナルが端正な顔にひっかき傷をつくっていた。
「猫が……」
「谷山さんは人間でしょう。ナル、何度言わせればわかるんです? せめて場所を選んでください」
 先程まで、隙あらば綾子を自由にしてやろうと思っていた自分を、棚に上げて…と思ったが、ここ最近のナルには節操がない。
 少しは灸を据えてやりたい。
「わかるのか」
 誰にひっかかれて、かつひっかかれた理由まで見透かしたリンに、ナルは怒りよりも驚きの方を表した。
「あなたは本当、研究以外は基本すらなっていない。長年の想いが通じたのはいいことですよ、ただ、性急すぎるのはよくない」
「早くジーンを忘れさせたいんだ……」
 麻衣が、既に死んだナルの兄への想いを引きずっているのをわかっていながら、ナルはほとんど執念で口説き落としたらしい。
 目の前の男が女を口説く姿なんてのはまったく想像がつかないが、ナルもやっぱり人の子だったのだろう。
「男なら、その思い出も許容できるぐらいの度量が欲しいですね」
 脳裏にフッと、滝川の顔が浮かんだ。
「お前にはわからないさ」
「わかりませんよ」
 自分の気持ちにさえ得体の知れないものを感じているというのに、他人の事などわかる方がおかしい。
「仲直りに、甘いもので釣ったらどうです?」
 無責任な発言を投げつけ、さっさと事務所を後にした。付き合っていたら、スーパーが閉まる。

 ダイニングテーブルに置かれた半円状のものを、リンはしげしげと眺めていた。
 買い物中、無意識に手に取ってしまったのであろうナタデココ入りゼリー。フタを剥き、スプーンで半透明の四角形を掬い、口に入れた。
「……む……」
 軟らかいような、それでも中心は固いような。慰みに惚れた女の好物を買ってきた自分の心境と同じ様に、不可思議な食感だった。
113もてないリンさん:2007/08/09(木) 23:37:15 ID:odncgGcx
これでもてないリンさんの前半全てUPしました。
後半は綾ちゃんをデートに誘ったり結局振られ、あれやらこれやらで
「聖なる侵入」「緋背(パイロット版)」へ繋がります。
後半UPできるとしたら盆明けか秋口か…と言った感じです。
この度はお付き合いありがとうございました。
114名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 23:54:21 ID:pRLS6frv
>>113
うわあ!そんなに待たずに続きが読めた!
もてないリンさんサンクスですー
ナルが麻衣を口説き落としてるところなんて…想像できない
ある意味オカルトだわw
ボーナスの件は、なんていったらいいのやら…ご愁傷様です
でも負けるなー!

個人的には貴方の書いたぼーさんと綾子のお話も読みたいです
別口でハッピーエンドとか
115名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 22:21:00 ID:suHBiC4K
いつもながらハイクオリティですなあ。
小ネタの数々が何ともいえず…ダメダメなリンさんにぴったりでした。
鮎釣りスターシリーズとか…ww

後半も楽しみにしてます。
116名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 22:22:05 ID:tJ5yKX87
おお、ふと立ち寄ったら神降臨!
リンさんを可愛いと思う日が来るなんて、人生わからねえ。
麻衣に引っかかれてるナルの話もいつか拝見したいです。
とりあえず盆明けか秋口が待ち遠しいーっ
117名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 00:26:00 ID:7ViJTcro
乙です、神!
リンさんの思い詰めっぷりがいい!
隠れたナル麻衣もいいですねえ!
続きを楽しみにしてます!!
118名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 00:38:34 ID:jjrjCHAl
さりげなくナル麻衣を挟んでくるとは侮れないw
ナル麻衣は燃料少ないのでありがとうありがとう!

リンさんのだめさ加減たまらんちん(*´Д`)ハァハァ
119名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 01:13:42 ID:v+3p8Tph

    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 ナル麻衣!ナル麻衣!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J
120もてないリンさんよりもてない:2007/08/11(土) 17:19:55 ID:g+mfHd7O
みなさん感想ありがとうございます。
「別カップリングには、少しぐらいナル麻衣要素入れておくと
 反応がまた違いますよ」
と人に言われ、何の気なしに入れたら反応が良くてびっくりです。
ナル麻衣は一時期狂ったように描いた憶えが…若気の至り

もてないリンさんの続きは8/15に少しUPします。では。
121名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 21:45:17 ID:2gpeScxR
>>120
楽しみにしてます!
122夢のしずく:2007/08/14(火) 01:16:21 ID:EFEUqE8e
ちょいと失礼して、ネタバレありの話を投下。
まだ漫画化されていない部分に触れるので、ネタバレを知りたくないという方はくれぐれもご用心を。
はっきり言って半端ないくらい色々ばらしているので、漫画またはアニメしか見た事がない方は本当にお気を付け下さい。
カップリングは原作を全部読んでいる方ならお分かりの○○○×麻衣、NGワードは名前欄で。
しょっぱなからネタバレをかましているので、本文は少し下げておきます。
それでは↓

123夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 01:26:41 ID:EFEUqE8e







       『一九九〇年 長野県勝矢字勝矢支野田』







1.







    八月十四日 午後四時−午後五時







 ……ナルは『SPR』のデイビス博士で、日本に来たのは行方不明になったユージン・デイビスを――お兄さんを探す為。
 ……そしてこの湖には、お兄さんが沈んでいる。


 やっと分かった、ナルの秘密。
 ……そっか。そう、だったんだ。
 あたしはやる事もないし、バンガローを出てひとり林の中をぶらぶらと歩き回っていた。
 うーん、なんかもやもやするなぁ。気持ちの整理がつかない、っていうのかな。衝撃の事実にくらくらときてるのかもね。
 何とはなしに、落ちていた木切れをけっ飛ばす。小枝は放物線の軌道を描いて、ぽとりと地面に落ちた。
 ……どうりで、いつも馬鹿だ馬鹿だって言われるわけよね。ナルにしてみたら、あたしなんてほーんとお馬鹿で。
 あはは、と笑ってみたけどひどく空しかった。
 ……最初っから手の届かない世界の人だったんだなー。……イギリスは遠い。帰ってしまったら、もう二度と会えないんじゃないだろうか。
 ナルとあたしの立っている場所はあまりにも違っていて……なんだか落ち込んでしまう。
 ……好きだったから。
 そりゃナルにも事情があったのは分かるけど、話してもらえなかったというのも悲しくて寂しかった。
 ふん、言ってくれればよかったのにさ。こっちをぜんぜん信用してないんだから。なんでもひとりでかかえ込んじゃって……
 ふらふらと林の中をさまよっているうちに、あたしは前方に見慣れた人影を見つけた。
 ……ナル。

124夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 01:40:23 ID:EFEUqE8e
 ナルは木にもたれながら、まっすぐにあたしの方を見ていた。あたしが気付いたのを知ると、きまり悪そうにふいっと目を逸らす。
 ……なんだろう。陽射しのせいかな、やけに暗い顔をしている。
「湖を見に行ったんだと思った」
 あたしは声をかけて、ナルのいる所まで歩いていった。ふと、ある事に思い至る。
「……そだ。ごめんね、気安く『ナルちゃん』なんて呼んで」
「なぜ?」
 問いかけてきたナルの瞳は、吸い込まれそうなくらい深い闇の色をしていた。
 その視線がまるで射抜くように鋭くて、あたしはあわてて言い訳をする。
「お兄さんだけの呼び名だったんでしょ。あたしぜんぜん事情を知らなかったから……」
「それは、うんと小さい頃の話」
「ふぅん……」
 あたしはナルがもたれかかっている木の、ちょうど反対側に回って自分も背中を預けた。
125夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 01:49:14 ID:EFEUqE8e
「……ナルってすごいひとだったんだねぇ。なんか距離を感じたとゆーか……全然住んでる世界が違うんだもんなー」
「そんなことは、ない。単なる学者馬鹿だから」
 ナルが自分の事をそんな風に言うのは初めてで。
 ……一体どんな顔をして言ってるんだろう。気になったあたしはナルの背中をふりかえる。
「じきにギリスに帰っちゃうんだね」
「……たぶん」
 曖昧な返事に、あたしは林の中へと視線を戻す。
「ナルも孤児だったんだね」
「麻衣とは事情が違う。……兄弟もいたし、養父母にも恵まれたし」
「そっか。……お兄さんはどんなひと?」
「さあ」
 ……うーむ、秘密主義は健在か。
「あのね……」
 言いかけてうつむいていた顔を上げると、ナルが柔らかな目であたしを見つめていた。いつのまに反対側まで歩いてきたんだろう。目の前にナルが立っていて、あたしはびっくりした。
「探してた」
「え?」
「麻衣に少し言いたいことがあって、会えるといいなと思ってた」
 ……言いたいこと?ナルが、あたしに?
 ???こき使ってごめん?それとも最後なんだから、今までありがとう、とか?…………ま、まさか告白!!??
 …………なーんて。のわきゃあないか。それだけはない。絶ーっ対ない。
 でもあたしはちょっと期待して、どきどきしながらナルの言葉を待った。
「ナル?」
「……うん。どう、しようかな。やっぱりやめとこうか」
 ナルは視線を泳がせ言いよどむ。
 なんだよー、もったいつけて。気になるじゃないか。
「何?」
 まだためらっているのか、ナルはしばらく考えこんでいた。それから意を決したように口を開く。
「……麻衣、好きだ」
 あたしは時間が止まるかと思った。
126夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:01:02 ID:EFEUqE8e
「麻衣、僕は麻衣が好きだ」
 ……えーと。
 あたしはあんまりびっくりして、ぱちぱちと目をしばたかせた。
 きっと、あたし今すっごく間抜けな顔してると思う。
「……うそ」
「ほんとだよ。麻衣のことが好きなんだ」
 ……これって、本当に現実なの?
 あたしは信じられなくて、自分の腕をぎゅっとつねってみる。
 ……痛い。そうだよねぇ。眠ったおぼえないもん。
「一番はじめ……麻衣の学校で会ったときから、麻衣はすごくまぶしかった。いつも明るくて、元気でまっすぐで。誰かの為に必死になったり、泣いたり。僕は、そんな麻衣がすごく好きだ」
 ……なんか、すごく照れるんですけど。
「……ひょっとしたら、もう会うこともないかもしれないから、言っておきたかった」
 そう言うと、ナルは何故か少しつらそうな顔をして目を伏せた。そのまま沈黙があたしたちを包む。しんとした林の中に蝉の声だけが響いていた。
127夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:10:37 ID:EFEUqE8e
「……これって夢なのかな?」
「どうして?」
 我ながら、とんちんかんな返事をしてると思う。ナルがちょっと困ったように笑う。
「だって、ナル優しいし」
 ……あたしを、好きなんて言うし。
 そう。今あたしの前でしゃべっているナルは、とても穏やかで優しい雰囲気をまとっていて……まるで夢の中で会うナルみたい。
 そうだ。これは夢の方のナルなんじゃない?ううん……本当の、ナル。「自我」が薄くなって「魂」が――ナルの本質が透けて見えてる姿。
 ……どうして、今ナルが身体から抜け出しているのか。それは分からないけど。
「昨日ナル、学校で言ってたじゃない」
「ん?」
 聞き返してくる声がとても温かい。やっぱり、これは身体から離れてるナルなんだ。
「『霊』は『魂』と『自我』からできてて、『自我』が『魂』をくるんでるんだ、って。死んだ人の『自我』は薄い、って」
「……うん」
「あたしね、今までずっと夢にナルがでてくるの、あたしの勝手な願望なのかなって思ってた。
 ……けど違うんだよね。ナルが身体から抜け出して、あたしを助けてくれてたんでしょ」
 昨日も、この間の能登の時も。ナルが連絡を取れない状態だったから……それだけじゃない。きっと、今までのはずっと。
 ナルは静かに黙ったまま、彫刻のように白い顔をそらした。
「『身体』から離れてる『霊』の方が、『自我』が薄くなって本当のナルが見えやすいから。だから夢の中では優しいんだよね」
 やはりナルは何も言わない。あたしはすう、と大きく息を吸い込んで気持ちを落ち着かせる。
「……ごめん。本当はそんなこと、どうだっていいの。……あのね、あたしもナルが好き。いつも夢で助けてくれて、優しくしてくれて」
 起きてるときは……ちょっと違うかなー。でも夢の中では、いつも優しい顔して笑ってくれるから。その笑顔に、いつだって励まされていたから。
「ナルもあたしと同じ気持ちだって言ってくれて、すごく嬉しい」
 言いたいことを全部言って気がすんだら、あたしは猛烈に恥ずかしくなった。うつむいたあたしの顔は多分ゆでだこみたいになっているに違いない。
 こういう時って、どうすればいいのかな。脳味噌をフル回転してみたけど、なんて言ったらいいのかわからない。
「麻衣は……」
 あたしは、真っ赤になってつま先とにらめっこしていた視線をナルへと向ける。
「夢の中の僕と、現実のナルとどっちが好き?」
128夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:20:58 ID:EFEUqE8e
「麻衣は、夢の中の僕と、現実のナルとどっちが好き?」
 ……え?
 ナルはとても真面目な顔をして、あたしを見ていた。
 ……どういう意味だろう。夢ばかりを強調して、気を悪くさせたろうか。そりゃあ、きっかけは夢の方かもしんないけど……
「い、や……現実でも夢みたいに笑ってくれたり、優しくしてほしいなー、とは思うけど……」
 そりゃ思うさ、すごーく思うけどさ。
「でも、ね……現実のナルのことだって、ちゃんと好きなんだと思うのよ」
 だって結局どっちも同じナルなんでしょ。ただ、いつもは隠してる奥底のあったかい部分が表にでてるかそうじゃないか、ってことだよね。
 ……あたし、変なことを言ったかな。ぐるぐると頭の中でまとまりきらない考えがとぐろを巻いている。
「あっ……」
 突然、シャリッと下草を踏む音が聞こえて――あたしはナルに抱きしめられていた。驚いてナルを見上げる。
「ナル?」
「好きだよ、麻衣」
 その瞬間、全部どうでもよくなってしまった。見つめられて、好きだと言われて、目の前にいるナルのことしか考えられなくなった。
「……あたしも、好き……好きなの」
 どうしよう。うれしくて、涙が出そう。
 そのままナルの肩に顔を押しつける。強く抱き寄せられて、すぐそばにナルのぬくもりを感じる。そのあたたかさがとても幸せで、あたしは自分からもぎゅっとナルの体に手を回した。
 ナルの肩はあたしよりずっと広くて、男の子なんだなぁ、って思う。
 ……ふれているだけで、こんな気持ちになれるなんて……あたしは知らなかった。この幸せがずっと続けばいい。
 あたしはうっとりと、おかあさんのお腹にいたときみたいにナルの腕に包まれていた。とても安心して、だけど胸がしめつけられるくらいに切なかった。
129夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:33:50 ID:EFEUqE8e
「麻衣」
「んー?」
 声だけで、心臓がふるえる。耳元に感じるナルの声が柔らかくて、とても心地いい。
「キス、してもいいかな?」
 キス、キスかー…………って、ええっ!!え、ええええええええっ!!!!
 ナルの爆弾発言に、あたしの頭はパニックにおちいる。
 あたしはあわあわと口を動かして、挙動不審なんじゃないか、ってくらいに慌てふためいた。
「かっ、かまわないけど……っその……あ、あたしキスなんてするの初めてだから、その……どうしたらいいかわかんないっていうか……あっ」
 言いおわる前にナルの顔が下りてきて、あたしの顔とくっついて、そして離れていった。
「……僕も、はじめてだ」
 ナルが子供みたいな顔して笑う。あたしもなんだかおかしくて、ふたりしておでこをくっつけ合って笑った。
 ああ、あたしこのひとが好きだなぁ。
 あたしとナルはまた体を寄せ合って、キスをした。さっきのより、もうちょっと親密なキス。
 ナルの手が、ゆっくりとあたしの髪をなでる。その手が首筋にふれて、背中に回って、そして……
 ……ちょっと、ちょっと!!!!
「ナルっ!」
 あたしは真っ赤になって、口をとがらせる。
 ……いい、いきなり何を考えとるのだ。お前は!
「いやだった?」
 いや……じゃないけど…………きっと……たぶん……
 真顔のナル。あたしは返答につまる。
「これで、最後かもしれないから……麻衣を抱きたい」
 ――!!抱く、って…………つまり、その……そういう、ことよね。あああ、あたしたちには、まだ早いんじゃないかなー。こ、高校生だし……
「……駄目、かな?」
 頭から湯気がでそうなくらいにパニクってるあたしに、ナルは悪戯が見つかった子供のような顔をした。
 ああ、もう。ずるい。その笑顔、反則だよ。そんな風にいわれたら、あたし断れない。それに……あたしだって、ナルにふれたい。もっと……近づきたい。
 まだ強い午後の陽射しの中で、あたしはナルの誘いを受け入れた。
130夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:37:19 ID:EFEUqE8e

 木陰に腰を下ろして、あたしたちはお互いを求め合う。テレビ番組の中で見たことがある、動物の子供がじゃれてるみたいに。
 そのうちナルの手があたしの胸にさわって、シャツの下から入り込んできた。あたしは反射的に言い訳をしてしまう。
「ん……あ、ごめんね。あたし胸ないでしょ。チビでガリガリだし、ぜんぜん色気なくて……」
「そんなことないよ、やわらかくて、すごくかわいい」
 くぅっ、うれしいことを。お世辞でも泣けるぜっ。
 ナルの体重がかかって、あたしは木の根元によりかかる。
 ……あったかくて、きもちーなぁ。頭にもやがかかってるみたい。
 そろそろと下りてくるナルの手に、あたしは少し強張った。
 ……くすぐったい。はずかしい。……そして、こわい。
「……こっちも、いい?」
「……ん……うん」
 震えながらうなずいたあたしのスカートの中に、ナルの手が伸ばされる。
「……ぬれてる」
 ば、ばばば、馬鹿ー!なんてこと、言うんだよー!!
 ナルばっかり得意げで余裕そうで、あたしはくやしくなる。
「……あたしも、さわっていい?」
「うん、おねがい」
 照れくさそうなナルのズボンに手を伸ばす。
 ……なんか、固い。
 ……これを、どうすればいいんだっけ。保健体育でやったような……おしべとめしべがくっついて……ううっ、もっとちゃんと授業を聞いとくんだった……
 あたしは、その手の話題にあまり首をつっ込んでおかなかった事を心の底から後悔した。
131夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:41:14 ID:EFEUqE8e
「もう、いいかな」
「……うん、来て。あの……やさしく、してね」
「ん、気をつける」
 ……柄にもないセリフを言うのって照れくさい。……うん。きっと、どうなったって、だいじょうぶ。ナルが相手なんだもん。何があったって、ヘイキ。
 足の間からナルが内側に入ってきて、あたしは下半身に鈍い痛みをおぼえる。
 ……お尻がひりひりする。でも、ちっとも嫌じゃない。好きなひとがくれる痛みだもん。
「ごめん、痛い?」
 心配そうな顔して、ナルがあたしをのぞき込む。
 ……そんなに、痛そうな顔してるかな。あたしってば、堪え性がない。
「やめようか?」
 申し訳なさそうに言うナルに、あたしは笑った。
「ヘイキ。……ね、わらって」
 あなたの笑顔がすきだから。それだけで、もう他には何もいらないから。
 ナルはちょっとびっくりした後、しょうがないなぁと言う風に顔をほころばせた。
 どこまでも澄んでいる、どこか哀しげな目。
 ……彼のために何でもしてあげたい。喜んでくれるのがうれしくて……だって、すきだから。
「あたし、ヘイキだから。だから、ね……」
 ナルの頬にふれて、続きを促す。
 段々お腹の奥がざわざわしてきて、無性に泣きたくなる。おへその下あたりまで、じりじりと這いあがってくる変な感じ。
 ……あたし、こういうのっていけないことみたいに思ってたけど、すごく大切なことなんだ。お互いの気持ちを確かめ合って、もっと仲良くなれる。
 ナルが切なそうな目をしてあたしの体をゆらす。息苦しさに、あたしは必死でナルの体にしがみついた。
「ナル……好き、大好き」
「……麻衣……僕も…………」
 痛いくらいにナルの腕の力を感じて、あたしの中で何かが弾けた。
132夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:44:26 ID:EFEUqE8e
 あたしたちは荒く息をつきながら、顔を寄せて、キスをして、笑い合った。
「麻衣の笑った顔、好きだ。魔法みたいに元気になれる」
 なんだか、あたしと同じようなこと言ってる。案外、あたしたちって似てるのかもしれない。
「愛してる」
 あたしは思わず涙がこぼれそうになって、ナルの胸に額をなすりつけた。
 ……このまま、時間が止まってしまえばいい。もう会えないなんて、言わないで。
 髪をとかすナルの手つきが、とても優しい。
「……もう一つ、言っておきたいことがあったんだけど」
「だけど?」
「やっぱり、やめておく」
 えー、なにそれ。言いなさいよ。
 ナルが儚く笑った。
「…………僕のこと、わすれないで」
 なに言ってんの。あたしがナルを忘れるはずないじゃない。
 ――そう言おうとした次の瞬間もう目の前にナルはいなくて、前方から下草を踏む音が聞こえた。
 木の下に座り込んでるあたしの、前方斜め十五度から近づいてくるナル。
「……は?」
 ……なに、これ???
「どうした?」
 あたしは一体なにが起こっているのか分からずに呆けた表情で、近づいてきたナルを見上げる。
「本当に、ナルよねぇ……?」
「何を言ってるんだ。起きてるか?」
 まるで別人みたいな口調のナル。
 ……いや、元々ナルはこんなだったっけ。じゃあ…………
「――今までいたのは誰なの?」
 ナルは怪訝な顔をする。
 ――そして、あたしは真実を知ったのだった。
133夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 02:48:34 ID:EFEUqE8e
「誰が、いたって?」
「ナル。今まで話してたのに。確かに」
 事の不思議さに、あたしはポカーンとしてしまう。
「……今まで話をしていたって?」
 ナルは何故かひどく狼狽した様子で、その顔からは生気が感じられない。
「……それは、どういうことだ?」
 ……どういうことだって、それはあたしが聞きたいよ。
「……僕は、体外離脱できない」
「わかってるわよ。どーせ、そうでしょうとも。あんなのあたしの願望だよっ」
 白日夢。あたし、都合のいい夢を見てたんだ。…………馬鹿みたい。笑っちゃう。
「……違う。それは、僕じゃない。……ジーンだ……」
 え?……誰?
「ユージーン。双子なんだ。無表情にしてれば、誰ひとり見分けられなかった。」
 ……そんな、ことって……だって、彼はもういない。死んだって……
「……ジーンはまだこの世をさまよっていたんだ……」
 つぶやくナルの目は、どこかこの世ではないところを見ているようだった。
「……お兄さん? あれが?」
 ……ナル、じゃなかった。最初からずっと……ナルが身体から離れて、あたしと会っていたわけではなかった。
 あれは、双子のお兄さん?さっきまで一緒にいたのは、いつも夢で助けてくれてたのは……ユージンだったの?
 頭の中で深い霧が晴れたように、つなぎかけだったピースがはまっていく。
「……もう会うこともないかもしれない、って」
 ナルがあたしを見下ろす。
 ……へたりこんでいるはずの地面が遠い。どうしようもない脱力感。謎がすべて解けたはずなのに……
「さっき、そう言ってた」
「うん。死体が見つかれば……」
 あたしはナルに、なんて言えばいいのかわからなかった。
134夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 03:00:49 ID:EFEUqE8e

2.   八月十四日 午後六時以降


 お兄さんが発見されたと知らされて、あたしはバンガローから飛び出した。
 湖からダイバーの手で引き上げられた彼の遺体。 ビニールのシートに包まれたそれは奇妙で、あたしは現実感がわかなかった。
 制止を聞かずナルがめくったシートの下から、わずかに見える黒い髪。
 片割れの亡骸を見つめるナルの表情は、とても静かだった。そのまま水辺伝いに歩いていくナルの背中を、あたしはぼんやりと見送った。
 大騒ぎになって避難したバンガローで、イギリスから駆けつけてきたナルのお母さんはとても泣いた。
 あたしにはそこに割り込む資格なんかない。彼女を慰めて励ましてあげなければいけない立場なのに……
 気を抜いたら泣いてしまいそうで、あたしはこらえきれなくて外に出た。
 ……駄目だなあ。情けない。胸が苦しくて、やりきれない。……どうかすると涙があふれてくる。
「何をやってる」
 聞き慣れた声のした方には、月に照らされた彼とよく似た顔。いつもと変わらない鉄面皮。
 まったく、もう。どうしてそんなに冷静でいられるかなー。ちょっと憎らしくなってしまう。
「ちょっとは正直に泣けば?」
「あいにく僕は情感の機微がわからない馬鹿者なもので」
 ……昼間のこと、根に持ってやがんな。まあ、あたしもさんざん言ったけどね。
 あたしは月をふり仰いだ。
135夢のしずく※ネタバレ注意:2007/08/14(火) 03:14:49 ID:EFEUqE8e
月の明かりが煌々と、あたしたちを照らしていた。
「ナルはイギリスに帰っちゃうんだ……」
「ああ」
 ……もう会えないなら、言っておこうかな。
「……あのね、好きだった」
「好意を持っていただけることは、昼間に嫌というほどお聞きしましたが」 
 あのなー、そういうことじゃない。
「すごーく特別な意味で好きだったの」
「僕が?ジーンが?」
 それは……
 お兄さんにもされた質問。……きっとあたし、ナルのことだって好きだったよ。でも……
 かすかに微笑むナルの白い顔に、少しだけ彼の面影が重なった。
「だって……っ。知らなかったんだもんっ」
 ……もう会えないから、言おうと思った。もう二度と会えない……あたしの好きなひと。最後まで、ナルだと思っていた。彼の顔は、ぼやけていく視界に映るナルにそっくりで……
「あたし、知らなかったから……っ。なんにもわかってなかったから」
 相手のことを、ちゃんと見てなかった。ナルのことも、ジーンのことも。
 自分が誰を好きなのかも、わかっていなかった。一人で浮かれて、恋をしているつもりになっていた。彼はあたしを、好きだと言ってくれたのに…… 
 廃校でトランス状態に入る前に彼が言ったこと。
(「……彼らはみんな、死にたくなかった。……ああやってこの世にあった喜びは、二度と手に入らない」)
 ……あのひとは二年も、暗い水の底にひとりでいたんだろうか。
 彼の最後の言葉を思い出すとどうしようもなく悲しくて、あたしは泣いた。



携帯からは慣れないもので、やけに時間がかかってしまってすいません。(パソコン修理中なんですが、どうしても今日投下したかったもので)
西暦は『〜なりたくない』で井村さんに言った少年のセリフを基にしました。
136名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 03:21:49 ID:wFVNXyoQ
リアルタイムキタ━(゚∀゚)━! とwktk見守らせていただきました!
ごちそうさまです!
麻衣カワイソス&カワイス
じゃれあいのようなシーンがかわいくて切ないですね。
137名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 13:43:12 ID:ccgIAbim
>>135
GJ!
138名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 18:06:54 ID:WBmx3Fd7
>122
GJ!!
文章が物凄い原作っぽくてサクサク読めました
麻衣はかわいいなあ
でもテラ切なス・・

今日は彼が見つかった日と
同じ日付なのか・・
122の後書きで気付いたよ
ちょっと原作読み返してくる
139夢のしずく:2007/08/14(火) 23:29:56 ID:EFEUqE8e
>>136-138
どうにも暗いというか鬱っぽい話ばかり書いてしまうもので、そう言っていただけるとなんだか申し訳ないです。
原作っぽいのは、捏造部分以外はほぼそのままの台詞を引っぱってるせいかと。

それにしてもジーンの奴、どうみてもヤリ逃げです。本当に(ry …というか
結局、悪夢の棲む家では舌の根も乾かないうちに再開してるわけで、またその頃に続きを投下させて下さい。
それでは失礼をば。
140夢のしずく:2007/08/14(火) 23:43:16 ID:EFEUqE8e
うわ、>>139六行目は再開ではなく再会でした。お恥ずかしい。
141名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 23:26:45 ID:JNBRmaNx
>>140
「舌の根も乾かないうちに(行為を)再開」と読んだので無問題。
GJ! また投下されるの待ってる。
142名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 23:26:52 ID:6VNLdrxo
ジン麻衣、読みたかったです。
143名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 11:06:39 ID:Lc79GVPJ
ぼくは梅吉。ぼーさんに飼われている猫だ。

 ○月×日
今日は家に初めて人がやってきた。ぼーさんが前に話していた麻衣って子だ。
ぼくは「かわいい」と言ってもらって頭を撫でてもらった。えへへ。


 △月□日
今日も麻衣ちゃんが来た。このところよくやってくる。
ぼーさんは麻衣ちゃんがすきなんだろう。麻衣ちゃんが来た日はご機嫌だ。
やさしくってぼくも麻衣ちゃんが好きだ。

 ◇月☆日
いつもより早く散歩から帰ったらぼーさんが麻衣ちゃんをいじめていた。
ベッドの上で裸になっていやがる麻衣ちゃんを棒みたいなものでたたいていた。
「いやいや」と泣く麻衣ちゃんがかわいそうで文句をいってやろうとしたんだけど
二人はいつのまにか口をくっつけて仲直りしていた。人間ってよく分からない。
(麻衣ちゃんは何度も「いく」と言っていたけど一体どこに行くんだろう)
144名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 11:09:42 ID:Lc79GVPJ
↑スマソ、失敗。タイトル、梅吉君の日記な
145名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 11:40:18 ID:oNLH13NC
ぼー麻衣!
キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
ぼー麻衣に飢えてたのでテラウレシス
146名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 21:26:09 ID:UINa0kms
>>143
梅吉GJ!
147名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 05:18:27 ID:NMtPS1Ru
久しぶりにきたら棒麻衣がきてるじゃないか
148名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 22:08:21 ID:ML4fCs0s
自分も久しぶりに来た。
リンスレがいつの間にかなくなってて泣きたくなったが
ここは無事でよかった。
149名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 22:45:04 ID:xcPHbGgj
ここってやっぱ原作知らない人多いの?
150名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 01:07:55 ID:n3jPtBT8
原作のしかも一部しか知らない私が通りますよ。
寧ろファンサイトでどっぷりはまったのは内緒。
151名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 05:18:48 ID:u/xQEIjY
アニメと文庫版のコミックしか知らない
152名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 10:00:19 ID:kzlbntoj
「一人称が“あたし”の小説はろくなもんじゃない」と言ってた自分に
「そんな先輩に是非読んで欲しい、これはひと味違うから!」と
後輩がごっさり貸してくれたのがこれだった
もう10年近く経つんだな……
153名無しさん@ピンキー:2007/08/25(土) 06:24:41 ID:iwVx+2of
>一人称が“あたし”
某ドラグスレイブを使う魔導師を思い出した
154名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 21:48:15 ID:1uEpcET1
>>152
後輩に感謝…かな?
155名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 20:24:21 ID:IqK2it0/
ジーン×麻衣←ナルっていうが好きなんだが
自分だけ?
156名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 21:10:49 ID:o3u4709R
>155
よう、兄弟
157名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 23:28:01 ID:C1a5SrvU
それ、ナル報われないじゃん
158名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 00:03:19 ID:ZeWLHWjL
だがそこがいい…
159名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 22:22:54 ID:myY/OTu2
ナルはジーン×麻衣にやきもきしてればいいと思うよ。
夜に夢で麻衣とヤってる夢見て朝に夢精してショックを受けるナル希望
160名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 00:04:14 ID:CJtjDbTJ
あのさ、私は原作知ってるから構わないけど普通に名前出ししちゃっていいのかな?
一応まだ漫画の最終巻は出てないわけで…
161名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 01:36:46 ID:j1Vy/FUF
そうか、今頃またぞろ漫画なんかが出ていたのか。
まぁ、ここは「大人」の来るところなんだから名前くらいでピーピー言う香具師もいないだろうからいいんでない?
162名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 03:35:15 ID:qn6TSuam
コミック文庫版って何巻まで出てるっけ?
163名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 12:58:28 ID:Kw+o2QMW
>>162
5巻までだった気が
164名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 15:20:48 ID:ueRRUdSK
>>160
ここはコミック版オンリーじゃないわけだし、いいんじゃないかなぁ。
ティーンズ文庫の方は絶版だから読めないけど、
WH版は古本屋さんあたりで入手できるし。

まぁ、小説未読の人が多数っていうんなら、
考慮した方がいいかな、とは思うけど。
165名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 22:27:20 ID:dr7GWyXZ
NTRものってやっぱまずい?
166名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 21:05:22 ID:ZPY6f/SW
NTRって?
167名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 00:11:10 ID:QqgBlvi0
ストーリー属性で 寝取られ のことだってさ
ググッてわかった。ちょとびっくり
いいんじゃないでしょうか。最近神様いらっしゃってないし
もしよかったら読ませてください
168名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 02:02:25 ID:sDLqAhIk
>>165
自分はおいしく頂ける人だけど、極度に拒否反応を示す人もいるみたいなので
投下する時に説明と名前欄でNGできるようにしてあるといいんじゃないかと思う

投下お待ちしてます
169名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 04:25:00 ID:H4nW4pXS
NTRと聞いただけではぁはぁする俺は変なのか
170165:2007/09/06(木) 22:08:57 ID:srgmobso
うーん、本当にいいのかね。
王道カプの寝取られなので非常に気が咎めるんだがお許しを頂けたようなので遠慮せず投下。
スレの皆様のキャパの広さに感謝です。
ナル視点のナル麻衣寝取られ。
気を付けてほしいのは、あくまでも「寝取られ」であってナル麻衣ではないという点。
NTRなんて聞いた事ないYO、私そんな属性ありません、な方は多分読まない方が吉かと…
あぼん指定は、名前欄『ゴーストハント寝取られ』で。
そうそう、バレも含んでます。お気を付けを。
まぁ、もったいつけた割に無茶苦茶短いんですが、どうぞ。
171ゴーストハント寝取られ:2007/09/06(木) 22:09:44 ID:srgmobso
「ナルー、時間だからあたし先に帰るね」
新しい論文の執筆に夢中になっていたナルはアルバイトの谷山麻衣の声に顔を上げた。
ここは渋谷サイキック・リサーチ。イギリスにある心霊研究の権威『Society of Psychical Research』の分室で、超心理学的な見地から心霊現象を解析するのがここの目的だ。
ナルはここの所長で、バイトで調査員の谷山麻衣は彼の恋人だ。
ナルと麻衣が付き合うようになって三年が過ぎた。知り合ったのは彼女が高校生のときだから単純な付き合いだけでいったらもう六年にもなる。
麻衣が大学に入学した直後に想いを告げられ、彼女を密かに憎からず思っていたナルは告白を受け入れた。
もともと男女を問わず人と付き合うのが苦手なナルだったが、麻衣だけは死んだ兄に似ていた為か特別だった。
彼女の前でだけは取り繕うことなく物を言うことが出来たし、素のままの自分をさらけ出せた。
どちらも自分を譲らない性格のせいで彼女とはいつも喧嘩のようなやり取りになってしまうが、麻衣の事は本当に大切に思っていた。それはきっと麻衣も分かってくれているはずだ。
仕事が終わり事務所を閉めようと戸締りをしていた中、ナルは給湯室に麻衣のハンカチが置いてあるのに気付いた。
それは付き合い始めの頃にナルが誕生日プレゼントとして初めて麻衣に贈った物で、それを受取った時の「ありがとう、大切にするね」と言った麻衣のとても嬉しそうな笑顔をナルは今でも脳裏に思い描く事が出来る。ナルはそれを思い出し温かい気持ちにひたる。
そういえば、とナルは不意に今日が麻衣の誕生日である事を思い出す。昼間、滝川たちが麻衣を祝いに訪れていたではないか。
ケーキでも買って麻衣の部屋に行くついでにハンカチも届けてやろうとそれを掴んだ瞬間、“それ”は起こった。
――サイコメトリ、ナルが持つ特殊能力の一つだ。物体に触れる事でそれに残る人間の残留思念をトレースする。
ナルはとても優秀でその人間に同化してまるで自分の事のように再体験する事が出来る。もっとも優秀すぎて触れただけで望まないのにそれを行ってしまう事もある。今回もそのケースだ。
意識をシャットダウンしよう――そう思った矢先、目の前にどこかで見た事のある男の顔が映った。
確か麻衣に大学の友人だと紹介された事のある人物だ。名前は覚えていない。今風の服に身を包んだその男はどこがというわけでもないが醸し出す雰囲気がなんとなく兄に似ているような気がした。
場所は何度も行った事のある麻衣の部屋。そこで麻衣はその男とキスをしようとしていた。
172ゴーストハント寝取られ:2007/09/06(木) 22:12:13 ID:srgmobso
――やめろ!!
ナルは思わず心の中で叫んだが、今ナルが見ているのは既に過去の出来事で二人の行為を止めるのには何の役にも立たなかった。
ナルは今麻衣と同調していた。そして麻衣の心は何らためらうことなくむしろ進んで男の唇を求めた。
二人は貪るようにお互いの口を吸いあい舌を絡めあった。まるで恋人同士のような甘く激しい口付けにナルはショックを受け同調を解こうとするのも忘れていた。
離れた男の口から垂れる銀色の糸が情交の激しさを表していた。
「……もう、おっきくなってるね」
麻衣が少し恥ずかしそうに男のズボンに手を伸ばす。どうやら男との逢瀬はこれが初めてではないようだ。考えた事もなかった麻衣の背信行為にナルは意識をシンクロさせたまま衝撃を受ける。
「ね、あたしにさせて」
上目遣いで男を見上げ微笑むと麻衣は男の物を取り出して愛撫をし出した。自分以外の男のペニスに愛しげに舌を這わせる麻衣にナルは同化した意識の中で呆然とする。
ナルは麻衣にあまりフェラチオなどさせなかった。自身の特殊能力のせいで人との接触を極端に嫌うナルにとってそれはなんとなく汚らわしい行為のように思われて麻衣に言われても敬遠していた。
性にも積極的なのは麻衣の方でどちらかというとナルは淡白だった。そのせいだろうか、こんな事になったのは……。
ナルが意識を遮断しようとしないので二人の行為は続く。
「おれもしてやるよ」
男はいやらしい口調でそう言うと体勢を変えて麻衣の下半身に顔をうずめた。ピチャピチャと濡れた水音が麻衣の足の間から響き麻衣は快感に身悶える。
「あっ、ああーん……はぁはぁ、きもちーよぉ」
「谷山、口がお留守になってるぞ」
「はっ…だって、いいのぉ……ああん、そこいいー、ん……ふぅ……」
男の舌が麻衣の陰部を舐め回し敏感な肉の突起をねぶる。負けず嫌いの麻衣は対抗するように必死で男の陰茎に吸い付きほお張る。激しい攻防戦の末、二人は同時にイッた。
絶頂に達した麻衣の秘唇からは愛液が迸り、麻衣の口の中に男の精液が勢いよく吐き出される。喉の奥まで突き入れられた肉棒にむせ返りそうになりながらも麻衣は男の精子を一滴残らず飲み干そうと嚥下する。
「ん……こぼしちゃった、ごめんね」
幼さの残る顔を喜悦に歪ませる。麻衣の口の端から飲みきれなかった精液が伝うのを男はテーブルの上にあった布切れで拭う。赤い糸で麻衣のイニシャルを刺繍されたそれはナルが麻衣に贈った“あの”ハンカチだった。
173ゴーストハント寝取られ:2007/09/06(木) 22:14:26 ID:srgmobso
「あたしもう我慢できないよ。早く入れてぇ」
絶頂の興奮も冷め切らないまま麻衣は己の膣口を指で押し広げて男を誘った。中からはみ出した麻衣の肉襞が真っ赤に充血して男の蹂躙を待ち望んでいる。男の物は一度射精した程度では萎えることなく再び上を向き張り詰めていた。
男は性器を麻衣の秘裂にあてがうとゆっくりと上下に動かす。擦るたびにべとついた白い液体がまとわりついていやらしい光景が繰り広げられる。
「あ……ん、焦らさないでよ……早くぅ」
「やらしいなぁ、谷山は。彼氏に申し訳ないと思わないのかよ」
「いーの、いーの。ナルは研究さえしてれば満足なんだもん。あたしの事はどうでもいいんだから。お互い様だよ」
「信じられない男だな。こんなエロくて可愛い彼女放っておくなんてさ」
男に慈しむように頬をなでられ、麻衣の気持ちが高揚する。全く罪悪感を感じていないらしい麻衣にナルはくらくらとめまいがした。
「ナルはそんなこと言ってくれないし。あたしに全然興味ないの。どっちかっていうと煩わしいみたい」
そんな事はない!!――ナルは反論したかったががくがくと唇が震えただけでそれは言葉にならなかった。いつの間にこんなに心が離れてしまっていたのだろう。麻衣の心の中にあるのは目の前の男への恋情だけで自分のことはまるで忘却の彼方だ。
「冷血人間だもんな。一度見た事あるけどきれいな顔してるだけで血の通わない人形みたいだったな。谷山、なんであんな奴と付き合ってんの?」
「んー、わかんない。気の迷いってやつ? あたしどうかしてたの」
二人の会話を追認しながらナルは背筋が冷たくなるのを感じた。もともと白い顔からはもはや血の気が感じられなかった。
「そんなことよりも、ね?」
麻衣が媚びるような口調で再び男の物をねだる。男は今度は素直に麻衣の望むものを与えてやった。一気に突き入れられ麻衣は叫んで体を仰け反らせる。
「ふ、ぁああーーーん!」
そのまま男は序盤からハイペースで麻衣を犯していく。激しい突き上げに麻衣の口からは切れ切れに甲高い嬌声が上がる。
「あっあっあっ、おっきくて……すごぉい……もっと…めちゃくちゃにかき回してぇ」
麻衣がどんな表情をしているかナルには分からなかったが、彼女が自分との情事でこのような声を上げるのはついぞ聞いた事がない。
「……谷山、おれと彼氏のエッチどっちがいい?」
男が口元をゆがめて問いかけてきた。
「はぁっ……そんなの…比べ物にもならないよぉ………あたし、ナルなんかじゃ満足できないもん………ああん…おっぱいもいじってぇ」
麻衣は甘えた声を出すと男の腰に足を絡め欲望のままに腰を動かす。怒りと屈辱とでナルのプライドはずたずただった。
「ああっ、いっちゃう……あたし、いっちゃうよぉ……」
「くうっ、おれも……なぁ、谷山。どうしてほしい?」
「なかに……中に出してほしいの……あたしの中、いっぱいにしてぇ…」
麻衣のセリフにナルは卒倒しそうになる。ナルは安全の為に彼女とのSEXでは常にゴムを着用していた。まだ学生の麻衣を妊娠させるわけにはいかない。生でなど考えた事もなかった。
「すきだなぁ、谷山は。いくぞっ…受け止めろよ」
「あっ、あぁっ、あついぃーー……中に、いっぱい出てるよぉ、はぁああーーー!」
麻衣は絶叫し男をより深く受け入れるために足を広げた。張り裂けんばかりに膨れ上がったものが麻衣の奥深くまでを占有し、受け止めきれず放出された粘液は蠕動する胎内を逆流する。
麻衣が男にしがみつき足先までピンと糸を張ったみたいに体を反り返らせる。男は小刻みに痙攣する麻衣の肩を優しく抱くと軽く彼女の額にキスをしてやった。絶頂の余韻に酔いしれながら睦みあう二人に対し、ナルの意識は絶望し深淵に堕ちていくようだった。
174ゴーストハント寝取られ:2007/09/06(木) 22:15:01 ID:srgmobso
男の物が引き抜かれだらしなく広がった麻衣の陰門からはねばついた液体がこぼれ落ちる。けだるい陶酔感に包まれ横たわる麻衣の髪を男が優しく撫でる。
「谷山、いいかげん彼氏と別れておれと付き合おうぜ」
「うーん、もう少し…卒業して就職するまで待って。そうしたら今のバイトやめられるから。同じ職場で別れる別れないってきまずいし」
「そっか、今のとこ給料はいいんだもんな」
身寄りのない麻衣の境遇に同情して破格の条件で今のバイトに誘ったのは自分だ。彼女が望むなら卒業後もそのまま受け入れる用意もあった。
「もしかしてまだ彼氏に未練ある?」
「それはないよぉ。なんていうのかな、ナルってすごい人なのは分かるけどなんだかあたしたちとは見てるものが違うんだよね。一緒にいると疲れちゃう」
何気ない麻衣の一言がずしりとナルの心に突き刺さる。
淡々と語る麻衣の心中には既にナルの居場所はない。あるのは鬱積と少しの憐憫の情だけだった。なすすべのない過去の残滓を前にナルは絶望と悲しみに立ち尽くすより他なかった。
二人は楽しそうに日常の些細な出来事について語り合う。あの教授は腹が立つ、今日の昼ご飯はおいしかっただの、流行りの歌手の新曲がどうの、そのどれもナルにとってはあまり意味のない下らない事だった。きっと自分だったらうるさいと一蹴している事だろう。
だから麻衣はこの男を選んだのだろうか。問いかけても答えは返ってこない。
男の手が麻衣の顔にかかり二人は見つめ合うと再び体を重ねた。ナルはこれ以上の拷問に耐え切れず意識をカットした。
175ゴーストハント寝取られ:2007/09/06(木) 22:15:34 ID:srgmobso
元の薄暗い給湯室に戻ってもしばらくの間ナルは激しい虚脱感に囚われて動く事が出来なかった。心は凍てついて脳と神経が上手く繋がらない。
「ナル。どうしたんです、一体……?」
その声にやっとナルは正気に戻る。リンが呆気に取られた顔で自分を見つめていた。
我に返ると、ナルは自分が泣いているのに気付いた。不審な表情のリンに「なんでもない」と言って涙を拭おうとして手元のハンカチを思い出す。かっとなって捨ててしまおうとしたが、よくよく思い返して元の場所に置き直す。
彼女にとって自分は何だったのだろう。元々麻衣は兄が好きだと言っていた。自分は所詮兄の代用品に過ぎなかったのだろうか。
こんな形で彼女の心変わりを知ってしまい、それでもなお彼女を失いたくないと思っている自分の未練がみじめだった。
麻衣の気持ちの変化にも彼女が他の男と通じていた事のも全く気付かなかった自分が滑稽で、何よりも麻衣の裏切りが悲しくて仕方なかった。
明日麻衣が何でもないような顔をして事務所にやってきても、きっと自分は受け入れてしまうのだろう。
苦い思いを噛み締めながら鉛のように重い体を引きずってナルは事務所の鍵をかけた。
176ゴーストハント寝取られ:2007/09/06(木) 22:17:34 ID:srgmobso
以上です。終わり。
177名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 23:19:15 ID:mdVLtERk
うおー、切ねえ。
178名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 06:24:12 ID:ORzdoiZY
ナルカワイソス
でも、ちょっとハァハァ
179名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 21:01:06 ID:nGY1/kzp
ナル可哀想w 切ないんだけど何で萌えるんだろこれw
研究一筋だとこうなるよなぁ、と納得してしまった。
180名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 03:51:04 ID:9bZJqPwN
麻衣以上にナルに萌えるんだよな、不思議な事に
181名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:41:33 ID:ChUQR/ay
ナル萌え


リン萌え
182名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 15:45:24 ID:ev9OUXLD
いいなぁこれ。
ぜひとも安原に寝取ってもらいたい。
183名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 18:07:01 ID:/wWs+Ed6
ぼーさんを希望する!
184名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 12:45:38 ID:JAEkAafe
>>182
それいいな。
185名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 23:24:10 ID:Yf511+GW
滝川を安原に寝取られてカワイソウなリン希望
186名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 01:32:20 ID:1Vd9MMJ2
ナル誕生日おめ
187名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 05:15:33 ID:Cs0ysDYu
ナルたち、今年でいったいいくつになったんだろ
188名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 00:36:05 ID:i69rPhx4
リンさんって鬼太郎に似てない?
189名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 01:01:12 ID:jMPrrDcH
>>188
眼科に行く事をお薦めする
190名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 03:00:58 ID:7oarGqUm
見に来たろう


鬼太郎たちをナルんとこ連れていったらどんな顔するだろう
191名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 09:58:28 ID:HUXus0Ag
(*´Д`*)ハアハアいいながら調べまくるんじゃない?www
あと研究資料としてゲゲゲのアニメ見るとかwww
192名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 21:37:15 ID:Giu7YlOt
このスレ見てたら原作読みたくなってきた。
ブック○フに行くか…。
193名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 22:42:06 ID:GRgJrdfM
それって漫画のほう?
それならあるだろうが、小説の、特にティーンズハートなんて見つからないと思うよ・・・
194名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 00:56:17 ID:tCuKU5I7
自分はこの流れから原作読みたくなってきたって
鬼太郎の漫画のことだと思った。



・・・・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい。
195名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 09:36:35 ID:JE08x9kZ
やっぱり小説はどこ行っても出回ってないのか?





(´・ω・`)ショボーン
196名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 12:49:12 ID:xoTAW+Bj
ヤフオクとかではたまに出るけど、大抵物凄い値段になってる。
197名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 15:04:10 ID:+H5X9C9O
まぁ、ブッ○オフにないのは確実だな
198名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:16:03 ID:AqRWr6Ws
10年ちょい前のブコフにはあったよ。
友達が100円(税抜き)で買ってた。

本当に。
199名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:50:31 ID:KTMOCv6x
お、目の前に積まれている。うーむ、オークションに出すか。
200名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 01:03:11 ID:B+7kp/ga
おいおい話逸れてきたぜよ。
私も越後屋が頑張る話が見たい…神が投下してくれるのを全裸で待つ
201名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 12:46:40 ID:/1WnbJWw
>>199
俺にくr(ry
202名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 16:41:45 ID:4uazbsT7
>>198
十年前はまだ書店で手に入ったからなぁ、いい時代だったよ
203名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 00:58:44 ID:ERya5xPh
私の場合、流れが12国→GHだったから、書店で普通に入手できる時に
買っておいて本当に良かったと、今心から思う
204名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 00:24:54 ID:7F6i6jV+
最近ハマった俺はどうすればいい?
205名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 01:58:18 ID:kvp7Kk1A
全裸で待てばいいと思うよ
206名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 03:09:01 ID:LQSyfrTK
>>204
1.「俺のGHはアニメで始まり、アニメに終わる! 従って、ここでこころゆくまで
  ○○のエロマダー?」と、エロを待つ。

2..「原作漫画があるんなら、文庫ぐらいは買おうかな? え、未完?
  マジでー!? いなだ新刊マダー!」と、漫画板で1000を目指しつつも、
  ここでエロを待つ。

3.「真なる原作は主上の筆のみ! よって、これから原作集めて全部読破!
  これでネタバレだって怖くねえ……って、どこにも売ってないの? うっそー」と
  講談社とかいろいろ呪いながら、ここでエロを待つ。
207名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 01:28:31 ID:CnXZwKK7
4. 何でも良いから欲求のはけ口として、ここでエロを待つ。
208名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 03:32:39 ID:L8Gauyw7
5. 自分の欲望を思いのままにぶつけてここに投下する
ってのもあるぞ
209名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 05:13:13 ID:RcA0Wryb
麻衣「あ〜あ、松茸なんてさ。外国産でももう何年も食べてないよ」
滝川「じゃー食わせてやろうか、純国産のを」
麻「ええっ!!いいの?ぼーさん、太っ腹」
滝「ただし、麻衣のアワビを食べさせてくれたらな」
麻「へっ、アワビ……?」

 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

麻「あっ、ああ〜ん!ぼーさんの松茸、気持ちい〜よお」


…………すまん、ちょっと走ってくる

210名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 11:17:59 ID:pcedjbsb
不覚にも萌えた
211下品で申し訳ない:2007/10/04(木) 23:09:38 ID:Uypjpa6t
>>209の続き(?)

「ア…アワビって……」
「というわけで、おじさんといいことしよう」
そう言うと滝川は強引に麻衣の衣服を剥ぎ取った。
「ぎゃー!! やめてよ、親父くさい。ぼーさんはそんなこと言わない!」
「いやいや、俺だって男だし」
自分も服を脱いで麻衣を押し倒す。するすると訳も無く足からパンツを抜き取ると秘部に舌を這わせた。
「さて、どんな味がするのかな。麻衣のアワビは」
「いっ、いやあーーーー!!」
最初は抵抗していた麻衣も段々その声に甘いものが混じり、股間からは汁が溢れだした。
「そろそろかな」
「え……もしかして……」
「そっ。望みどおり、俺の股間の松茸を食わせてやるよ」
「や…やだぁ……だめだよぉ……やめて」
性器に亀頭が押し当てられ麻衣は一気に貫かれた。
「いった〜い。ううっ、ぼーさんの馬鹿ぁ」
「なんだ。麻衣は初めてだったのか。でも大丈夫、すぐによくなるから」
「そ、そんなわけないでしょ。いやぁ、動かさないでよ」
緩やかな抽送に破瓜の痛みも薄れ徐々に麻衣は粘膜の摩擦に快感を感じ始める。視界がぼやけ口からは悩ましいため息が洩れて自然と滝川のモノを誘惑するように締め上げる。
「すごい絡み付いてくる。それにざらざらして…一級品だな、麻衣のは」
「ああ〜ん……ぼーさんの松茸、美味しいよぉ〜」
奥を突かれると太股がびくびくと震えた。激しくなる腰のピッチに体がついてゆけず麻衣は限界を訴える。
「あああ〜〜、もうだめぇ〜〜〜」
「よしよし、俺の松茸から麻衣のアワビにソースかけてやるからな」
「だめぇ、ソースだめぇ」
「だめだ、いっぱい出してやるからな」
「そんなぁ……あ、あ、ああああーーーーん!!!!」
一瞬爆発しそうなくらい膨らんだ滝川の陰茎がぎりぎりまで引き抜かれ再び押し込まれながら煮立った熱液が麻衣の天井に向けて発射された。最奥を突き上げながら灼かれ麻衣は潮を吹いて絶頂に達した。
精を出し尽くすように男根がしゃくり上げ、その微かな動きにさえ感じてしまい麻衣は痙攣しながら歓喜に震えた。
「ま、松茸、さいこうぉ〜〜」
その後も麻衣はぼーさんの松茸をたらふくご馳走になりお腹一杯になりましたとさ。

ムラムラしてやった。ぼー麻衣なら何でも良かった。今は反省している。
212名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 23:37:43 ID:21YBlSiy
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 松茸!松茸!
  (  ⊂彡   アワビ!アワビ!
   |   | 
   し ⌒J
213名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 10:12:31 ID:Yr3abN0T
ここは季節感溢れる情緒的なスレだねw
秋の味覚( ゚∀ ゚)ウマー ゴチでした

収穫祭のまっさなかに恐縮ですが、季節感もへったくれもないイケメンパラダイスな
ネタを投下します。完璧タイミング外してるけど許して下さい。

(注)
・麻衣総受で複数プレイ。もしかしたらあんなところとか使うかも新米。ごめんなさい。
・キャラ達はどいつもこいつも壊れてます。素敵なイケメンはいません。ごめんなさい。
・ていうかぶっちゃけパラダイスでもありません。ごめんなさい。
・調査物ではないので不可解現象は一切解決しません。ごめんなさい。
・ちょっと長いので続き物になります。ごめんなさい。

 あぼんワードはタイトルでヨロ。
214ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:14:38 ID:Yr3abN0T

「……あぁあ……んぅ……あ、はぁ…っ、あぁ……や、だぁ……」

こんないやらしい声、出したくないのに。
すごく、すごく恥ずかしい。
でも、たくさんの手でカラダのあちこちを触られて、いやらしい穴をすごくいやらしく塞がれて、
痛くって、熱くって、ずきずきして、ガマン、できない。

「……ハァ…………谷山さんの……中…、とても…いいですよ……」
あたしの中に何度も熱いのを抜き差ししながら、目の前の人が薄く笑う。
長い前髪から片方だけ覗く、すごく意地悪そうな目で。
「今日…初めて、男を知ったとは…とても思えない…本当に、処女だったんですか?」
薄い唇から吐き出す荒い息。かすれた声。
このひと、こんな声でこんな風に笑えるんだ──想像もしたことが無かった。
何ていうか、そういう生々しいものとは無縁な存在だと思ってたのに。

「バッカ、当ったり前だろー、さっきおまえさんが突っ込んだ時あんなに痛がってたじゃねえか」
あたしの胸をふにふにと揉みながらにんまり笑うこの人は、あたしの兄貴分みたいだったひと。
ちょっとおとーさんみたいって思ってたのに──父親も兄貴も、こんなことしてこんなふうに笑わない。
「だいたい、俺の麻衣が野郎とそんな汚れたコトするワケねえだろうが。
 正真正銘初めてだよなー、嬢ちゃん」
優しく、大きなあったかい手であたしの頭を撫でて、涙で汚れたほっぺたにキスをする。
この手のあったかさは、いつもと、今までと、何にも変わらないのに。

「……聞き捨て…なりませんね、滝川さん……誰のもの、ですって?」
「いいんだよ俺は。麻衣のおとうさんなんだから。娘を自分のモノだと言って何が悪い」
「滝川さん、普通のお父さんは娘さんにこういういかがわしいことはしないと思いますよー」
「……ひぅ…っ、それ…ぇ…ッ、ん…やぁ…っ」
にっこりと人の良さそうな笑みを浮かべて、あたしの乳首をきゅっと指先で強く摘みながら
冷静なツッコミを入れたひとは、この中ではあたしといちばん年が近いけど、この中で
いちばん落ち着いている。そのツッコミには全面的に同意したい。
そしてその理性があるなら、今すぐあたしを助けて欲しいと思うのに。
眼鏡の奥であたしを見つめる目は、いつもと同じようにやっぱり人が良さそうで、
けれどもやっぱりいつもと同じように何を考えてるのかいまいち掴めない。
215ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:15:17 ID:Yr3abN0T
「いやホントはおとうさんより旦那さんになりたいんだけどさ……って、んなことは
 どうでもいーんだよ。俺は麻衣の名誉のためにだなー」
「そうですなぁ。麻衣さんのあの涙は確かに清らかでいらはった証やとボクも思います。
 ……ああ、まだおつらいでっしゃろ? おかわいそうに」
女の子みたいに可愛くて綺麗な顔を悲しげに歪ませて、神父服の男の子がそっとあたしの手を取った。
その手もやっぱりほっそりしていて、まるで本当に女の子みたいだ。
でも本当はあたしよりも年上で、実は『男の子』って呼ぶのも微妙なんだよね……。
その声も握られた手の感触もとても優しくて、あたしはちょっと泣きそうになった。
けれどその優しさも、あたしを救ってはくれない。

「さあ、これを握って、お気をしっかり持っておくれやす」
彼が自分の股間にあたしの手を導いて、熱くて硬いモノを握らせる。
ズボンの中から何故かこぼれ出ていたソレは、女の子みたいなこのひとには全然似合わない、
すごく男のひとらしくておっかない感じのモノだったからあたしはびっくりした。
思わず、指がこわばる。

「おや、ブラウンさん、神父さんは女犯は罪なのでは?」
「女穴を犯しての性交ではありまへんから大丈夫でっしゃろ。それにこれは、あくまで
 『救いの手』でんがな、なのです」
「救いの手、ですか?」
「そうですー。苦しんではる人を見つけたら助けになるようにと主も言うてはりますから」
「なるほど『溺れる者は藁をも』って言いますからねー。じゃあ谷山さんは差し伸べられた手を
 ……って手じゃないですけど、まぁ何にせよしっかり握らなくちゃいけませんね」
「んじゃ俺も坊主だしこれも神から与えられた人助けの使命ってことで。ほーら麻衣ちゃん、
 これもにぎにぎして頑張って!」
絶対!どいつもこいつも一から十まで全部!間違ってるからそれ!!
……ああ、両手で握らされちゃったよぉ。なんかどっちも熱くて硬くてビクビクしてて気持ち悪い。
216ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:16:03 ID:Yr3abN0T
「あーいいなー僕出遅れてしまいました。……仕方ないなー、足でもいいか……」
リンさんにちょっと失礼しますよ、とか言いながら、安原さんがぐったりしてるあたしの足を抱えて、
爪先に自分の股間のモノを押し付けてきた。
……それもやっぱり、熱くて硬くてビクビクしてる。きもち、わるい。
でも、体の全部、どこにも力が入らないから、やっぱりこれも拒めない。
ていうか「仕方ない」って何気に失礼だと思う──いや、気持ち悪いことには変わりないんだけど。

「いいですよねーニーソックス」
するり、と安原さんがあたしの足を撫で上げた。
──その指といっしょに、ぞくり、と悪寒とくすぐったさとナニカがあたしの腰の方へ這い上がる。
「谷山さんの脚、前々からいやらしいなぁと思ってたんですよ」
「────!?」
なにそれ知らないよそんなの!
ていうかそれ言いがかりだと思うんだけど!?

「おまえさんは絶対フェチっていうかマニアっていうかとにかく特殊性癖があると思ってたよ少年」
「どうしてですか? 僕は至って平均的で標準な嗜好だと思いますけどねー。だって見て下さいよ
 この脚。特別にフェティッシュじゃなかったとしても、すごく素敵だと思いませんか?」
「んーまあ、同感だな。イイ脚してるよなぁ実際。すんげえムラムラくる」
「でしょう?」
「ボクも同感です」
「……私も、…っく、…異論は…ありませんね……ああ…本当に、谷山さん…いいですよ……」
「あーもー後つかえてるんだから早く替われよー」
「そーですよー僕なんか滝川さんの後なんですから」

──ああ。なんでこんなことになっちゃったんだろう?
あたしはもう何度目かもわからない、イミのない自問をまた繰り返す。
217ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:16:48 ID:Yr3abN0T
          *

依頼主から調査を頼まれたこのお屋敷は、レンガ造りで、壁には年期の入ったツタが
びっしりと這う、ずいぶんと古めかしい洋館だった。
入口の門はすごく立派だったけど、塗装はあちこち剥げて錆びてたし、開ける時に
ものすごく耳障りな音がしたから、きっとあまり使われていないんだろうな、と
あたしは予想したんだけど、果たしてそれは大当たりで、これまた立派すぎるほどに
立派な、玄関の重たいドアを押し開けると、やっぱり中も外観から想像したとおりの
ありさまだった。備え付けられた家具は、どれも立派で高そうだけどすごく古くて、
家中の空気はホコリっぽくてよどんでいた。よくよく館内を見回すと、天井の隅には
クモの巣が張ってたし、ここには何年もの間誰も住んでいないことが明らかだった。

依頼主の人は、この建物を最近、遠縁の遺産として相続したんだそうだ──よくある話だ。
そしてそういった物件はいわく付きなのも、またよくある話で。
ポルターガイストらしい現象や、どうにも奇っ怪で不審な事件が起きるというので、
あたしたちは調査に来たのだった。
──本当に、よくある話だと思った。
だからあたしは今回も、いつもと何も変わらない、ありふれた調査になるだろうと思っていたのだ。

たしかに、この部屋に入った途端、何だか妙な気配というか悪寒があった。
寒いような、熱いような不思議な感覚がして、一瞬で鳥肌がぶわっと立った。
みんなもやっぱり何かを感じたみたいで、それぞれが違和感を口にしていた。

──あの時、すぐに帰ればよかったんだ。
何度思い返しても悔やまれる。

           *

「ねー、なんかこの部屋、キモチわるい感じするね…」
「だなー。麻衣、具合悪くなったらおじさんが手で受けてやるから遠慮なく吐いていいぞー」
「しないよ! …ったくー、乙女に向かってなんてこと言うんだろ…デリカシーなさすぎ」
「ハハ、まぁ冗談抜きで無理すんな。しんどくなったら外に出てろよ」
「はーい、わかりましたー。んでも、これも調査員のおシゴトだからねー。
 多少は我慢して働かなくちゃ、あたし給料ドロボーになっちゃうよ」
「あぁでも谷山さん、この部屋『我慢出来なくなっちゃう部屋』らしいですよ」
218ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:17:49 ID:Yr3abN0T
床に置いたカバンの中から集音用のマイクを取り出し、数を確認しながらぼーさんと
いつものように軽口を交わしていると、隣で同じように記録用の機材を取り出していた
安原さんがいつもの笑顔で言った。──この時はまだ『いつも通り』だったんだ。

「へ、なにそれ」
「なんでも、ここの部屋にしばらくの間居ると、その人が今いちばん我慢してたことが、
 どうしても辛抱出来なくなってしまうんだとか。……例えば、食欲とか、トイレとか」
「え……それって……」
「そうなんです。女の子にこういう話も何ですが──まぁ有り体に言うと漏らしちゃったり
 するんですって。……食事の方はまぁ平和といえば平和だけど、それもこの部屋に
 居続ける間は際限なく食べちゃうらしくて」
「……うわぁ……」
「うーん、どっちもあんまり想像したくねえ状況だなぁ……」
「それでですね、そういう本能的な肉体の生理的欲求だけじゃなくて、困ったことに
 感情の方も我慢出来なくなってしまうそうなんです。
 だから『あぁこいつの事が嫌いだなー』と思ってる仲の悪い人間同士を一緒にこの部屋に
 入れておくと、それこそシャレにならないことに発展しかねないらしいんですよ。
 ……実際、ここを清掃するために訪れたメンテナンス業者の職員の間で、ちょっとした
 刃傷沙汰が起きてしまったらしくて、それで今回うちに依頼が来たんだとか」
「そ、そうだったんだ……」
あたしは実は、あまり詳しいことを知らなかった。──それもまぁ、いつものことだったから
別にいいんだけどね。
「ナル、そんなこと言ってなかったなぁ……」
「ナル坊がおまえさんに、事前に細かく説明することなんかめったにねえだろ」
「う、……まぁ、そうなんだけどさ……」
いつだって、ナルからは大まかな概要を端的にかいつまんで、あの無表情な顔で淡々と
聞かされるだけ。夢の中みたいに優しく笑えとまでは言わないけど、せめてもう少しだけでも
普通に話してくれてもいいんじゃないだろうか。
──とはいえ、おしゃべりでフレンドリーなナルなんてどうやっても想像出来ないし、
そんなのものすごくキモチわるいんだけど。
219ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:18:51 ID:Yr3abN0T
そんな考えが顔に出ていたんだろうか、安原さんがちらりとこちらを見て笑った。
「まあ、渋谷さんはそれでこそ渋谷さん、ですよね」
手際良く自分の取り出した機材のセッティングを済ませると、安原さんはすっくと立ち上がった。
「渋谷さんの恋人になる女の子はものすごく大変だろうなぁー。頑張って下さいね? 谷山さん」
「ちょ…っ! 安原さん!? 何言って…ッ!!」
「あ、僕、車に次の機材を取りに行って来ますねー。ブラウンさん手伝ってくれますかー?」
「よろしおすー」
「あ、俺も行く?」
「いえ、もうあとは小さなものばかりですし、多分ふたりだけで大丈夫ですよ。まだ大物が
 残ってますし、滝川さんはリンさんと手分けしてこの部屋で作業を続けていて下さい」
「ほーい、りょーかーい」
あたしが抗議する暇もなく、安原さんはあっという間にジョンとふたりで部屋から出て行った。
くそぅ、逃げられた。さすがと言うか何と言うか。……まぁ、大人連中ですらいつだって
安原さんには敵わないのだ。あたしごときじゃあ太刀打ちできっこない。
あの越後屋スマイルが時々小憎たらしく思えるのは、きっと自分だけじゃないだろう。
「ハハ、少年の方が何枚も上手だな」
作業を続けながら目線だけで安原さんを見送って、ぼーさんがニヤリと笑った。
「でも確かに、ナル坊の彼女とか嫁さんとかになると絶対苦労すると思うぜ? まぁ難攻不落の
 鉄壁の要塞みたいなヤツだし、そうなるのもちぃとばかり厳しいと思うけどなー」
「ぼ、ぼーさんまで……っ、い、いいじゃん別に! あたしの勝手でしょ!? ……ていうか
 別にあたしナルのことなんて…っ」
「バーカ、嬢ちゃんの考えてることなんかいっつもバレバレなんだよ。だって顔にでっかく
 『ナル大好きー』ってハートマーク付で書いてあるもん」
「う、嘘だっ!」
「今だってピンクの恋する乙女オーラ出しまくりだっつーの。……おとーさんとしては、
 娘が不幸になりそうな野郎に捕まるのは嫌なんだけどなー。なぁ、何でナルなんだ?」
「……何で、って……」
いざ改まって訊かれても、とっさには答えられない。
──だいたい、正直自分でも理由なんてイマイチ良くわからないんだから。
220ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:19:31 ID:Yr3abN0T
「……自分で言うのも何だが、俺の方がナル坊よりよっぽど頼りになるし、性格だって
 ずっとマシだし、顔だって結構いい勝負だと思うぞ?」
「……ホント、自分で言うな、だよね……」
「だからさ、なぁ、俺にしとけよ」
「へ?」
「──滝川さん」
これまで部屋の隅でひと言も口をきかずに、ひとり黙々と作業をしていたはずのリンさんの
声が突然背後から聞こえて、あたしたちは振り向いた。
「無駄口をたたきながらの作業とは、随分と余裕がおありのようですね。おそれいりますが
 あちらの機材をお願い出来ますか?」
部屋の隅に積んである大きな機材をリンさんが指差した。
リンさんの声は、凍えそうに冷ややかで、視線はざっくり刺さりそうなくらい鋭く、おっかない。
「お、おう。了解でっす」
その気配に少したじろぎながら、ぼーさんは気怠げに腰を上げた。
「あーあ、怒られちまった。麻衣から離れるのは寂しいんだが、仕方ねえからちょっくら
 あっち片付けてくるわ」
「さびしいって……いくら広いって言っても、同じ部屋の中じゃん……」
「滝川さん」
「へーへー、急かさなくてもわかってますって。やりますやります。……リン、男の嫉妬は
 みっともないぜ?」
そう言ってぼーさんが鼻で笑うと、リンさんが無言でぼーさんを睨め付け──ふたりの間で
空気がピシッと音を立てて、火花が散ったような錯覚が見えたような気がした。
突然、部屋の温度が一気に冷え込んだ気さえするくらい険悪な雰囲気になってしまって、
あたしは居心地が悪くなった。
「ちょ、ちょっとふたりとも、何でいきなりケンカしてんの!? この部屋ホントに
 イヤな感じだし、そんなことしてないで、さっさと片付けちゃおう!? ね!?」 
「……麻衣がそう言うなら」
「……異論はありません」
ふたりは嫌な空気を漂わせたまま、しぶしぶといった感じでそれぞれの持ち場へと離れていった。
221ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:20:19 ID:Yr3abN0T
          *

この部屋で最初におかしくなったのは、リンさんだった。

「……谷山さん……」
床にしゃがんで配線をしてたら、いきなり、後ろから肩をぐっと掴まれた。
「へ!? 急になにリンさ──!?」
びっくりして振り向いたあたしをリンさんはそのままぐいっと強く引っ張った。
「ひゃあぁッ! ………ったぁ……っ!? へ!? 何!? やだ!!」
あたしはバランスを崩して床に倒れ込んだ。
そしたらあたしが体を起こす間もなく、リンさんはあたしの上にのしかかってきたのだ。
「リンさん!? ちょっ、どーした、の…ッ!? え、何、何なの!? 何で!?」
「……ああ……谷山さん……なんて愛らしいんだ……」
「────!? あ、あいぃ…っ!? リンさん何言ってんのっていうか上からどいてよぉっ!」
「ずっと……私はずっと谷山さんのことを……」
「〜〜〜〜〜〜!?」
今まで見たこともないくらい、ものすごく真剣で情熱的すぎるリンさんの視線とその状況に
あたしはうろたえまくってしまった。
だってそんなことされたの、あたし生まれて初めてだった。

「あ!! おいこらリン! 何やってんだよおまえ!!」
ぼーさんが、押し倒されてるあたしに気がついてすっ飛んで来た。
「あぁぼーさぁん! 何かリンさんがヘンなんだよぉー! ちょっと助けて…っ」
「おまえばっかズルイぞ! 俺だって麻衣のことがずっと好きだったんだからな!」
「はぁ────!?」
何とぼーさんは、あたしを助けるどころか、リンさんといっしょになってあたしを
床に押さえつけてきたのだ。
なんかよくわからないけどとにかく怖くって、一生懸命じたばたもがいてたんだけど、
大きな男のひとに二人がかりで押さえ込まれたら当たり前だけど全然逃げられなかった。
スカートだから恥ずかしいってちょっと思ったけどそんなこと言ってる余裕なんて
なさそうだったから、もう後で謝ればいいやとか思って二人を蹴り飛ばすいきおいで
足をじたばたしてたら、リンさんがあたしの足の上に体重を掛けて押さえつけた。
ひっぱたいてやろうかと思ってた両手は、上半身にのしかかってきたぼーさんに
がっしり掴まれて動かせなかった。
222ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:21:06 ID:Yr3abN0T
「ちょっと離して! ねぇリンさん! ぼーさんもっ! 冗談やめ…ッ」
「……ほら麻衣、危ないからあんまり暴れてくれるな」
「え、ちょ……っ……んうぅ…ッ!」
いきなりぼーさんの顔が近付いて、あたしの顔の上に重なった。
くちびるに妙に熱くてやわらかいものが押し付けられて、それがぼーさんのくちびるで、
あたしがぼーさんにキスされたんだとわかったのは一瞬の後だった。
「……んぅ……ゃ…っ、やだぁ…ッ!」
「キスしてヤだって言われると結構傷つくなー。なぁ麻衣、逃げんなよ……」
「──んむ…ッ、……く、うぅ……んうぅぅ!」
顔を振って逃げようとしたけどそれでも逃げ切れなくてまたキスされた。
今度は押し付けるだけじゃなくて強く吸い付かれて、それから舌でべろりと舐められた。
そのちゅうっと吸われる感触が何故かゾクゾクして、体がびくん、と震えたのが自分でも
わかったけど止められなくて、それにぼーさんの舌のぬるんとした感触に妙な鳥肌が立って、
でも抗議したくてもくちびるが塞がれててしゃべれないから、仕方なくあたしはバカみたいに
ただうーうーと呻いた。
「……麻衣ちゃーん、もーちょっと色っぽい声出して欲しいなー」
「うー…っ!? な、何言って……んぅ…っ、ちょっ…と、やぁ……っ」
「舌、噛むなよ」
「や、や…ら…ぁ……んうぅ…っ……く、ふ…ぅ…っ」
ぼーさんの舌があたしの口の中に入ってきて、舌や上あごやほっぺたや…とにかくいろんな
ところをあちこちヌルヌルと舐め回した。口の中なんか何で舐めるのかよくわからないけど
でも妙に恥ずかしいことをされているんだっていう実感だけはあって、とりあえず逃げなくちゃ
ダメなんだと思ったから、あたしはぼーさんの舌を思いっきり噛んでやろうと思った。
だけど一瞬『人間って舌噛んだら死んじゃうんじゃなかったっけ?』みたいなことが頭に
浮かんで──今思えばよくそんなこと考える余裕があったもんだと笑えるけど──とにかく
あたしはぼーさんにケガをさせるのをためらってしまった。
……ああ、ちょっと噛んだくらいじゃ死ぬわけないんだし、あの時もっと抵抗してたら
今こんなことにはなってないのかな。
結局ろくな抵抗も出来ないまま、あたしの口の中はぼーさんの舌に好き勝手にされて、
それから舌をきゅっと強く吸い出された。ぼーさんの口の中であたしの舌がまた良いように
なぶられて、あたしは恥ずかしくって悔しかったけど、息が苦しくて、妙に体の力が抜けて、
どうやって逃げようか、よりも、どうしたら息が出来るんだろう、早く口を離してくれないと
あたしこのまま酸欠で死ぬんじゃないだろうか、っていうことばかり考えていた。
──とにかく、苦しかった。
223ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:22:33 ID:Yr3abN0T
そうこうしているうちに、胸元でブチブチッと音がした。
リンさんがあたしの制服のリボンを引きちぎり、制服の前をはだけようとしていたのだ。
「────!!」
あたしが驚いて目を見開くと、ぼーさんはようやくあたしの口を解放してくれた。
「……おやまぁせっかちだねぇ。そんなにしたら麻衣の制服が破れちまうだろうが」
唇に付いた唾液を指で拭いながら、やれやれと言いたげに苦笑いする。
ようやく息が出来るようになって、あたしは思い切り空気を吸い込んだけど、次の瞬間
リンさんに制服を引っ張られて、その強さと驚きにそのまま息が止まってしまった。
「────っ」
またぶつりと糸が千切れる音が聞こえ、ボタンが弾け飛ぶ。
それから小さく布が裂ける音がして、胸元が広げられ──ぼーさんが言ったとおり制服が
破られてしまったんだと気付いて、あたしは動転した。
「やだっ何すんのよ制服高いのにっ! 予備1枚しかないんだからね!!」
今月ちょっとピンチなのに制服買い足すなんて無理だ、明日からしばらく一着で乗り切ら
なくちゃ、あぁ学校帰りに直接来ないで着替えてくればよかった、だいたい担任の話が
いつも長くてホームルームが延びるのが悪い──なんてことが一瞬で頭の中を巡り、
けれど次の瞬間リンさんの大きな手に胸を鷲掴みされて、それもすぐに吹っ飛んでしまった。
そうだ──そんなことよりも、もっと心配しなくちゃいけないことがあったんだ。
「や…っ!……ちょっといいかげんにしてよ!! ふたりとも何でこんなことすんの!?
 あんたたちアタマオカシイんじゃないの!?」
「……そうかも、な」
「そうですね。おかしいかもしれませんね」
ふたりは少しだけお互いをチラリと見て、フッと小さく笑った。
「でも、それは谷山さん、あなたのせいだ」
リンさんが、あたしに唇にキスをしながら右の胸を揉む。
「そうだな。麻衣のせいだ」
ぼーさんが、あたしの耳にキスをしながら左の胸を揉む。
「……んン…っ、…ぁ…ッ、…ぅ……や…ぁ、ちょっと…やめ……んふ……っ」

その時、軋むドアの開かれる音がした。
「────あの、皆さん、何してらっしゃるんですか?」
224ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:24:29 ID:Yr3abN0T
さっき出て行ったふたりが戻ってきたのだ。助かった、と思った。
「や、やや安原さん……っ! ああよかった!! お願いこの人たち何とかし…」
「おう少年、おつかれさん。ジョンもな。おまえらも混ざるか?」
「は!?」
何言ってるんだこのクソ坊主! 冗談もたいがいにしろよこんにゃろう。
「……ははーん。さてはこの部屋のせいで我慢出来なくなっちゃいましたか」
「ああ、そうみたいだな。自分でも解ってるんだけどもう止まんねーの。ちなみに
 先におかしくなったのはリンだけどな」
「あー納得です。リンさんってキレやすそうだなーと前々から思ってました」
……何で、何でこの人たちこんな状況で普通に会話してるんだろう?
あたし悪い夢でも見てるんじゃないだろうか。
「んで? どーすんの。混ざる? やめとく?」
「じゃあせっかくのお誘いですから喜んで仲間に入れていただこうかな」
「はぁ──!?」
「こんなおいしい機会逃したら一生後悔しますからねー。据え膳食わぬは何とやら、って
 言いますし。……ブラウンさんはどうしますか?」
「ええ!? ボクですか!?」
この異常な状況を飲み込めずに、安原さんの背後でぼんやり突っ立っていたジョンは
いきなりの誘いに目を白黒させていた。
──もしかしてこの人なら!! そう思ったあたしは必死で助けを求めた。
「ジョン!! だめだよこんなヘンな人たちのおかしな言葉聞いちゃダメ!!
 お願いだから助けて!!」
「……麻衣、さん……?」
あたしの声に振り向いたジョンと目が合う。
「ジョン!! お願い!!」
「…………麻衣……さ…ん………」
ジョンがあたしの姿を見て一気に顔を赤くする。それを見てあたしは今自分がどんな
ことになっているのか改めて気付かされた。
「……や…っ、見ないで……!!」
「麻衣さん……」
「……ふーん、やっぱりジョンおまえも男だったんだなー。どうよ、麻衣可愛いだろ?
 こんなに可愛い麻衣を目の前にして、おまえ平静でいられる?」
「……あの……ボク……」
「ちなみにおまえがどうしようが、俺たちは止める気ないから」
225ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:25:18 ID:Yr3abN0T
「ぼーさんいい加減にしてよ! ジョンしっかりして!!」
あたしを凝視するジョンの目の色が、すぅっと変化したのがわかった。
「……主よ、お許し下さい」
「──そん…な……、……うそ……だ……」
「そうこなくっちゃ。じゃ、おまえらもこっち来い。ほらリン、場所ちょっと空けてやれ」
「……なんで滝川さんが仕切ってるんですか。大体、本当は谷山さんを独占した」
「あーのーねーリン、麻衣を独り占めしたいのはおまえだけじゃなくて俺もなの。
 でもここでそういう気持ち全開にしたらそれこそバトルロイヤルの殺し合い状態に
 なっちまうでしょーが。だから皆で仲良く分けっこ。OK?」
「……仕方ありませんね。了解しました」
どうしてあたしのことなのに、あたし抜きで話が進んでいくんだろう。
本当に、どうしてなのかよくわからない。

──けれども止めることも出来ないまま、こうしてあたしのカラダに触れる手は
4本から8本になってしまったのだった。

            *

「きゃあ…っ、やだぁ…ッ! そん、な……とこ……さわん、ない…でぇ……っ!」
「うわー谷山さん結構エッチな体してたんですねー。僕本気で興奮してきました」
下着を脱がされて足を大きく広げられ、丸見えにされていたそこに安原さんの指が伸びる。
「ピンクでキレイでかわいいなぁー」
「んぅ…っ、はっ、あぁ、や、あ…っ」
指先がくすぐるみたいに前の方を触るたびに、あたしのそこはじんじんと痺れてうずいた。
どうしてそんなところをさわるの。どうしてそこをさわられるとおかしくなっちゃうの。
「ああ、濡れてきましたねぇ。ほら、音が立ってきた」
言われなくてもピチャピチャと水たまりではねるみたいな音が聞こえてたから知ってた。
こんなの、恥ずかしくてたまらない。
「麻衣ー、こっちも気持ちいいよなー」
ぼーさんに胸の先っぽをちゅうっと強く吸われる。
「ひゃうんっ」
「……谷山さん、ここはどうですか?」
リンさんに足の親指を口に含まれ、ねっとりとしゃぶられる。
「あぁあん…っ、それ、い、やぁ……っ」
226ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:26:03 ID:Yr3abN0T
「麻衣さん、じゃあこっちの指はいかがどすか?」
今度はジョンが左手の人差し指に舌を這わせた。
「は…っ、ああぁ…!」
「いっぱい舐められて気持ちよさそうですね。じゃあここも舐めちゃいましょうか」
「んああぁ……っ、それっ、や、だ…めぇっ、はっ、ああぁっ」

8本の腕4つの口にあたしの全身は好き勝手にされて、もうトロトロだった。
頭の中も、胸も指も腕も足もおなかもあそこも、汗とかよだれとかいろんなもので
ヌルヌルしてドロドロして溶けちゃいそうで気持ちよくて気持ちわるい。
カラダの全部が中も外も熱くってたまらない。もう泣いちゃいそうだ。
でも泣いたらこいつらを喜ばせるだけの気がするから、絶対に泣きたくない。
だけどどんどんおかしくなりそうで、どこかにいっちゃいそうで、あたしは
そうならないように今ここにいない人を一生懸命呼んだ。
「……あぁ……ナル……助けて……助けて、よぉ……」
その名前を聞いて、皆が動きを止めた。
そしてニヤニヤとイヤな感じで笑い合う。
「いやーナル坊がもしここに居ても絶対仲間に加わってると思うぞ?」
「そーですよねー渋谷さんムッツリスケベっぽいですもんねー」
「いや、ナルもおまえには言われたくないと思うぞ、少年」
「でも渋谷さんに性欲……えらいお綺麗でいらはるせいか、正直ボクにはあまり想像が
 出来まへんのですが……」
「ジョン……それもナルはおまえさんにだけは言われたくないと思うぞ……まぁでも実際、
 ナルってそういう性欲とか無縁そうなツラしてるもんなー。……実はすっげぇ小さいとか
 全然勃たないとか言われても、俺は驚かんぞ」
「あぁ、渋谷さんって正直ブツが付いてる方が不思議っていうか…」
「ああーわかりますわかりますー」
「ナルは一応生物学的には男性で間違いないですよ。……ただ彼の生殖機能に優劣に関しては
 私も存じませんが」

あ、あんたたち好き勝手なことばっかり言って…っ!!今の会話、まるっとそのまんまナルに
聞かせてやりたいよ。……でも出来ればその前にあたしを助けて欲しい。
なんでナルは今ここにいないの。あたしを助けてくれないの。ねぇ、どうして。
227ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:26:38 ID:Yr3abN0T
「まーいーや。頭数少ない方が順番早く回ってくるしな」
「そのとおりでおますな」
「じゃあ順番決めますか。何がいいかな……やっぱりここはオーソドックスにじゃんけんが無難かと」
「さんせーい」
「異論はありません」
「ボクはごっつう残念なのですがそれには参加できまへんのです」
「……あー、そっか。ジョンは神父だもんなー。まぁしゃーねーから、ジョンはそこで指咥えて
 嬢ちゃんの可愛いところゆっくり眺めてろ、な?」
「視姦プレイですか。なかなかいいですね」
「速攻でそういう発想が出来るおまえが俺はときどき怖いよ少年。おまえ本当はいくつなんだ」
「お褒めにあずかり光栄です。僕はよく年齢不詳だと言われますけど正真正銘ピチピチの19歳ですよ。
 滝川さん僕の若さが眩しくて妬ましいからって襲ったりしないで下さいね」
「するかよ……」
「安原さんはボクより年上にしか見えまへんもんなあ」
「ブラウンさんはお若く見えますもんね。僕老け顔なんで羨ましいです。……リンさんは」
「少年、リンにその話題振るとはおまえ本物の勇者だな」
「私の年齢がいくつであろうと皆さんには関係ないと思いますが。……とりあえず滝川さんより
 年上なのは確かですがね」
「ほらもー空気が極寒になるじゃねぇかよー。麻衣が凍えちまうだろー、なぁー麻衣」

話振らないで。ていうか胸もむな生臭坊主。

「ほーらあったまってきたかー?」
「あー滝川さんずるい僕も揉みたい」
「……あのー順番は決めはらへんのでっしゃろか…?」
「そうですよ脱線してないで早く決めて下さい」
「あーわかったよわかったよ。リンさんや、年甲斐もなくせっかちになるなよ。もしかして早漏か?」
「……滝川さん、後で覚悟しておいて下さいね。とにかく順番を」
「なんだよ図星か? うわー本当に早漏とはなー、あ、もしかして童貞? それとももう老化始ま…」
「あーあー聞こえない僕は何も聞いてないですよー」
「ボクも耳の調子がえらいおかしゅうなってもうたみたいですー」
「あーハイハイ、道教の教えにのっとって年長者のご意向は大事にしないとな。んじゃ、みんなで
 じゃんけんすっかー」
「最初はグー、からでいいですかー?」

……ホントにジョン以外の男3人でじゃんけん始めた……それもものすごい真剣に。

アタマ、痛い。


228ALL MAI LOVE:2007/10/06(土) 10:27:09 ID:Yr3abN0T
本日はここまで。続きは来週末の予定です。
229名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 12:04:48 ID:ODc9TZWP
乙!
230名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 13:41:36 ID:0XRksqf7
うおおおおおなんか新作きてたー!!
つづきはらいしゅうまつ!?待てねえぇえええ
231名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 15:11:18 ID:e36fBlPy
>>228
超GJ!
来週末が待ち遠しい…
232名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 15:45:35 ID:MDeZkZqZ
わろたwwwww
続き待ってる!
233名無しさん@ピンキー:2007/10/06(土) 17:34:37 ID:Oa5d8Mfs
イイヨイイヨー
続きが楽しみだー、全裸で待ってる!
234名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 05:06:11 ID:Pqf/JbXg
逆ハーレムGJ!!
235名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 05:03:19 ID:eA7IOTI/
久しぶりに来たらw
236名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 01:01:21 ID:1Ej0GqyE
嗚呼、週末が待ち遠しい…
237名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 01:08:12 ID:HvtybTX6
>>228
続きマダァー?
238名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 15:12:57 ID:ZrZFZq0s
>228

.   ∩____∩゜.:+___∩: :.+
ワク. | ノ      ヽノ     ヽ+.:
:.ワク/  ●   ● | ●   ● | クマ
  ミ  '' ( _●_)''ミ'' ( _●_)''ミ クマ
. /  ._  |_/__ノヽ__  |_/__ノヽ
 -(___.)─(__)__.)─(__)─
239名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 00:31:12 ID:ea4btdEt
クマー!!
240名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 22:48:54 ID:/ethfPP4
神よ、続きはまだなのですかー。

ついでにage
241名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 03:15:40 ID:iPRyoBuu
リン綾の作者様はまだいらっしゃってるのだろうか…
密かに続き待ってます
242名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 04:44:47 ID:Vgl4Dvj/
続きまだ?
243名無しさん@ピンキー:2007/10/24(水) 05:12:05 ID:HHkgW34L
続きが気になる
244名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 05:06:35 ID:QFRs69f7
リンさんに会いたい・・・
245名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 06:41:23 ID:Jh1avWrG
そのうち再生怪人とかの話作られないかな
蘇ったおこぶ様や浦戸、蟲毒などがいっせいにSPRの面々に襲いかかる
でも再生怪人は弱いと相場が決まっているので、あっさりやられるんだろうな
坊さんにタワーブリッジされて白目剥いて泡ふく浦戸や
「神はボクに一丁のロケットランチャーを与えたもうた」とか言って
一発でおこぶ様を粉微塵にするジョンとか想像してまう
246名無しさん@ピンキー:2007/10/27(土) 16:53:28 ID:3c7m+jlT
>>245 
ちょwww それ某ゴーストスイーパー神父wwwwww
247名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 14:58:04 ID:4UCYUuMJ
>>228
GJGJGJGJGJGJGJGJ!!

続きwktk
248名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 23:30:54 ID:RrdJZO1W
>>247
とりあえずモチつこう。な?
んで気長に待とう
249名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 05:22:04 ID:eEwguaIH
W_ゝ`)<それでは一緒にダンボール肉まんでも食べながら
     待ちましょうか。
250名無しさん@ピンキー:2007/11/02(金) 15:57:40 ID:XTP5sTkB
そして、その次は毒キノコか……。全裸で。
251名無しさん@ピンキー:2007/11/03(土) 17:54:56 ID:GsFilLp8
>>249
それって美味しい?
それよかリンさんのフランクフルトを味わいたいです
252名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 23:04:59 ID:wJZonfx/
W_ゝ`)<ナル、そんなに私のフランクフルトが食べたいんですか?
253名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 14:41:10 ID:V+a3/a9x
いや、結構だ。 (´<_`;
254名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 16:21:58 ID:WHmJ6qMP
それなんてリンスレ
255名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 17:44:37 ID:iuaOwCg3
リンスレってこんななのかyo!
256名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 06:08:49 ID:MOmDs6Ap
〃ナルヽ
c ´_ゝ`)<そんなことも知らないのか?
257名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 06:29:55 ID:Q6cXsGJN
リンスレがなくなって以来物足りなさを感じていたよ。
俺だけじゃないはずだ。
258名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 22:20:16 ID:K8VSRvPc
257はリンさんの自演
259名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 23:54:05 ID:giC+jUgA
>>257
リンさん乙
260名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 02:38:40 ID:WrWNs8au
いなだスレもリンさんとおこぶ様がよくいるな
261名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 14:02:55 ID:oOjV76wQ
>>228を信じて待ち続ける俺
262名無しさん@ピンキー:2007/11/21(水) 21:06:05 ID:Bq0ADD9N
俺も待ってるんだが
263名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 22:49:26 ID:52z5NUuY
私も全裸((((((;゚Д゚))))))ガクガクブルブルで待ってるんです
264名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 21:03:54 ID:HW/1RNCS
>>263
服着ろw
265名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 22:50:29 ID:fZAMmHNO
>>263
リンさんですか?
266名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 02:57:22 ID:stt/q5Cb
回避保守
267名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 23:31:17 ID:MXiOMrvi
W_ゝ`)<この間、谷山さんの制服を着て
     鏡の前でポーズをとっているところを
     谷山さん本人に見られてしまいました。
     それ以来谷山さんが口をきいてくれません。
     どうすればいいのでしょうか?
268名無しさん@ピンキー:2007/11/29(木) 23:53:18 ID:2ycNOUxh
>>267
とりあえず、身長が40cmも低い子の服をどうやって着たのか知りたい
269名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 01:07:00 ID:+8tzArfg
W_ゝ`)<気功によるミラクルです。
270名無しさん@ピンキー:2007/11/30(金) 23:59:51 ID:nrI6fC7V
流石リンさん!
271名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 11:18:13 ID:Jnohn2WQ
続きはやく〜
272名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 23:42:01 ID:h4OlppBq
神はどこへ行かれたのだ…
273名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 00:12:24 ID:HerU6ahr
冬の祭典準備中なんじゃない?
274名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 05:29:00 ID:ygB0pTXP
待てない!
275名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 18:07:30 ID:nM099oaQ
もうすぐクリスマスだから、サンタさんにお願いしとけ
276名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 19:40:51 ID:7h8zvMYm
W_ゝ`)<谷山さんとできますように
277名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 23:08:35 ID:rDXjGHMm
>>276
…リン麻衣か
うん、悪くない!
278名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 06:03:36 ID:tRYlcURo
神の不在が長いので、保守ついでに書きかけを投下。

☆坊主×勤労少女。少しむりやりめ。
☆実験的にタッキーの三人称を法生にしてみた。
☆名前欄タイトルNGで。
279『夏休み』 坊主×麻衣:2007/12/13(木) 06:05:19 ID:tRYlcURo

 閑静な住宅街。大通りから二本も三本も脇に入って、比較的大きめの家が立ち並ぶ
その一帯は世間の喧騒から切り離されたかのごとくひっそりと静まり返っている。
 八月も残りわずかの日曜日。暦の上ではとうに立秋を過ぎたというのに暑さは依然
として残り、照りつけるような夏の日差しが続いている。
 音楽活動のかたわら副業として拝み屋を営む滝川法生は目的の建物を前に足を止めた。

(暑いねー、ほんと……)

 夏特有の熱気が肌にまとわりついて鬱陶しい。振り払うようにかざした手の甲で
べとつく汗を拭った。
ずいぶん前から売りに出されているというこの民家は荒れ果てて、美しく整えられた
周りの景色から異質に浮いている。依頼人の指示通り正門の横――今は鍵のかかっていない
勝手口から中へと入る。

「しかし、女を襲う幽霊……か」

 早い話、それを退治してほしいというのが今回の依頼なわけだ。

(ただの痴漢だったりして……)

 霊を視ることの出来ない法生にとって、目の前で起こる物理的な怪異でなければそれが
心霊現象かどうか、判断をつけづらい。――昔は法生にも視えていたのだが、ある時除霊
で事故って以来頭の配線が変わってしまったようだ。断じておっさんになったから視えな
くなったというわけではない。
 まあ、とりあえず除霊を行って、後でいつも世話になっている心霊事務所にお伺いを
立ててみることにしよう。手っ取り早く済まそうとベルトに挟んだ独鈷杵に手を伸ばした
その時。

「イヤァァ――――」

 生ぬるい夏の風に乗って、かすかな女の悲鳴が法生の耳に届いた。声の感じからして、
まだ少女かもしれない。

(――人がいるのか!?)

 法生は勢いよく戸を開けると中に飛び込んだ。乱暴に靴を脱ぎ捨てた視界のなか、
どこかで見た覚えのある女物のスニーカーが三和土に並んでいた。ぎしぎしと抜けそうな
廊下を走ってその先で法生の見たものは――。

「麻衣ぃ――――っ!?」

 谷山麻衣。法生が副業の方でなにかと親しくしている女子高生だった。
280『夏休み』 坊主×麻衣:2007/12/13(木) 06:09:13 ID:tRYlcURo
「さて、これでなんとかなったと思うんだが、……麻衣、今の奴まだいるか?」

 法生は少女を拘束していた悪霊を退けると、腰に手を当て息を吐いた。金縛りから
解き放たれ床に投げ出された少女に手を貸して起こしてやる。

「ううん。もう、いないよ。ぼーさんの真言で完全に消えちゃった……とおもう」
「おーい、しっかりしてくれよ」
「うー、自信ないなあ。あたしはほら、半人前だしさ」

 麻衣は体勢を整えて床に座り込むと、肩をすくめる。

「いや、ほんと頼りにしてますって。自信持ってよ、潜在的なESP」
「んー、だいじょぶだと思うけど……」

 まだ不安げな少女を落ち着かせるように法生はその頭をぽんぽんと叩いた。

「んじゃ、これで終わりかな」
「おつかれ、ってかありがとね。そーいえばぼーさん、なんでここに?」
「そりゃ麻衣のピンチを察してだなー、てのは冗談で仕事よ。仕事。麻衣こそ、なんで
こんな所にいたんだ?立入禁止って書いてあったろーが」
「そ、れは……」

 少女はばつが悪そうに視線を泳がせて呟いた。

「それは?」
「……肝だめし」
「ハァ?」
「こないだの登校日にね、みんなでひとり一ヶ所ずつ、これに載ってる場所に行って
度胸試ししようって話になって……」

 麻衣が鞄から取り出した雑誌には『あつーい夏こそ 背筋も凍る心霊スポット!!』と
大きな見出しで特集が組まれていた。頭の悪そうなその企画に法生は脱力しため息をつく。

「お前ねー、そういうのはやめろって」
「だって、学校のみんなでわいわいやるの久しぶりだったし。こんなの雑誌のお遊び企画
だと思って……」

 苦学生の麻衣はバイトに時間を取られることが多い。夏休みといえどなかなか友人と
はしゃいだり遊びに行く機会もないのだろう。しかし、それならそうと大人数で来れば
よかったものを。

「実際怖い目にあったろ。もう二度とするんじゃない。大体なあ、不法侵入っていうんだぞ、
こーゆーのは。」
「……うん。ごめんなさい」

 麻衣は項垂れて素直に反省の様子を見せる。だが果たしてその効果はあるのだろうか。
何度言ってもこの少女は感心する位に自分から危ない場面に飛び込んでいくのだ。
281『夏休み』 坊主×麻衣:2007/12/13(木) 06:13:35 ID:tRYlcURo
「それにしても、だ……一体どんな目にあったんだ?」

 我ながら下種な好奇心だと思いながらも法生はすっとぼけて探りをいれた。麻衣の顔が
一瞬のうちにカァーッと赤く染まる。

「なっ――!!フツーそういうこと聞く!?信じらんない。このエロ親父、破戒僧!!」

 噛み付かんばかりの剣幕で睨み付けてくる麻衣に法生はしてやったりと人の悪そうな
笑顔を浮かべる。

「んにゃ、俺はまだ何も言ってないけど。まー、依頼主によるとスケベな霊が出るって
話だったんだが……なにかな?やっぱりエロいことされちゃった?」
「ぼ、ぼーさん、最っ低ぇ!知ってんなら聞かないでよね!!」

 それを聞いた法生は調子に乗って、怒りで完熟トマトのような顔になった麻衣をニヤニヤ
しながらからかい始めた。

「いやいや、ちょっとおにーさんに言ってみなさいって」
「何がおにーさんじゃ、図々しいわ。このおっさんが!!」
「胸でも揉まれたか、んー?」

 ケタケタ笑いながらふざけているうちに、ふと彼女の衣服――胸の辺りが変に盛り上がっ
ているのに気付き眉をひそめる。

「おい、麻衣。それ」
「あっ!!」

 慌てて麻衣は指摘された部分を押さえ隠そうとする。彼女のブラジャーが外れてワイヤー
が服を押し上げていたのだ。

「……さっきのやつにやられたのか」
「ばか、あっち向いててよ」

 二人の間の空気が変わり、微妙に張り詰めた気まずい雰囲気になる。法生は隣にかがみ
込むと、ささっと横を向いた麻衣に少し座った目付きで詰め寄った。
282『夏休み』 坊主×麻衣:2007/12/13(木) 06:14:11 ID:tRYlcURo
「なあ、嬢ちゃんや。真面目な話、どこまでされたんだ?」
「そんなもんっ、言えるか!!」
「ほーお。あんの色情霊、言えないようなことをしてくれたってわけだ」

 隠すように己を抱きしめたまま、麻衣は不機嫌そうにぷいっと横を向いて頬っぺたを
ふくらませる。法生の中にも静かな怒りが沸きあがり、顔の筋肉が不自然に引きつるのが
自分でも分かった。
意外に固くて女は男が守るもの、という信条の法生には女性に乱暴を働く行為自体
軽蔑に値するのだが、被害にあったのが他の誰でもここまで腹は立たなかったろう。
何よりも麻衣がそんな目に合わされたという事そのものが気に食わなかった。もちろん
麻衣は法生の恋人でもなんでもないが、法生は彼女を異性として意識していた。
大切な仲間だとか、可愛い妹みたいなものとか、それだけではない。自分がそばにいて
守ってやりたいという優しい気持ちと共に、自分のものにしたいというみだらな欲望も
あった。年の差もあるし、麻衣にしてみたら自分は保護者かその程度の認識なのだろうが
嫌われてはいないし、彼女がもう少し成長するまで待ってゆっくり関係を暖めていけば
いいと考えていた。
結局のところ、自分が狙っていた女に手を出されたのが悔しくて仕方なかったのである。
憤懣やるかたないとでもいうのだろうか。相手をぶちのめしてやりたかったが、あいにく
既に自分が滅してしまった後だ。
うだるような大気の熱さがまた法生の怒りを増幅させる。
そのまま沈黙が続いた。蝉の声だけがやけに頭に響いて、暑さのせいだろうか――この
世界に麻衣と二人きりなんじゃないかと妙な錯覚を起こす。
そういえば今年の夏はやけに暑かった。ふてくされている麻衣を見ると、そのうなじには
いくつもの汗の玉が光ってやけに色っぽい。
引かれるように、法生の手が目の前の少女に伸びた。
283『夏休み』 坊主×麻衣:2007/12/13(木) 06:16:18 ID:tRYlcURo
「……ぼーさん、なに…………きゃあぁっ!! いい、いきなりなにすんの!?」

 訝しげに法生を見上げた麻衣の胸が外れたブラジャーごと服の上から乱暴に揉みしだかれ
る。麻衣は驚いて大声を上げた。

「何されたか、麻衣の体に直接聞く」
「そんな方法があるかぁっ!! あっ、や…めてよ。こら、セクハラで訴えるぞ、
おっさん!!」
「じゃあ、お前話すか」
「お、教えない。……って、うわあ!! ちょっと、タンマ!」
「タンマなし」
「ぎゃーーーー! っき、気安く人の胸をもむんじゃない」

 麻衣は焦って法生から体を離そうとする。震える腕で押し戻すが、その腕は易々と
掴み取られかえって法生の下に体を引き寄せられてしまう。法生の体がすぐそばまで近寄り、
お互いの熱気で吹き出た汗が洋服ににじんだ。
必死で抵抗するものの、少しずつブラジャーがずり上がり、その内に法生の手と麻衣の
胸をさえぎるものが薄地のタンクトップだけになった。小振りだが形の良い二つのふくらみ
が重ね着されたタンクトップの布越しに力を加えられ形を変えられる。そのいやらしい
手つきに麻衣の中で怒りがふくらむ。

「……このっ……いい……かげんに…………」
「こんな風に服の上からされただけか……ブラ、外されたってことは中からも触られたんだ
よな」
「やっ……ちょっ、だめーーーー!!」

 服の中にまで入り込もうとする不埒な手を麻衣はトップスの裾を押さえて防いだが抵抗も
空しくあっけなく侵入を許してしまう。じっとりと汗ばんだ掌が吸い付くように瑞々しい
麻衣の素肌に馴染んでいく。
くすぐったいだけではない。むず痒いような痺れるような変な感じだ。
体の上を滑るその熱い感触に何故か麻衣の胸は高鳴って、思わず切なげな吐息を洩らす。

「ふ………ぁ、ん………ば…かぁ……なんで、こんな事すんのよぉ……ぼ……さんの変…態
ぃ……」

 おへその上、脇腹から背中と撫でさするように腕を回され、何かがぞくりと背筋を駆け抜
けていく。体験した事のない未知の感覚が脳の中枢にまで揺さぶりをかける。遅れて、体の
方にも変化が現れる。激しい運動をした後のように動悸がして、全身が熱を帯びる。頬は
赤く上気して、法生を押し退けようとする腕にも段々と力が入らなくなった。

(…………なに、これ……? なんなの? あたし……こんな……………………)

 体の奥で眠っていた性感を無理矢理呼び起こされ、麻衣は己の変化に戸惑った。
法生は麻衣を壊れ物のように繊細に扱いながらもゆっくり快感を引き出していく。
なだらかな丘陵地帯のすそ野にたどり着いた手の平が焦らすように辺りをうろつく。
じわじわと嬲られ、麻衣の芯が我慢できずはしたなく疼いた。下腹の奥からとろりと熱い蜜があふれ出す。自分の中を伝う熱い液体に麻衣は知らずぶるりと体を震わせた。
腰が抜けて体に力が入らない。麻衣の息は上がり、瞳は潤んで段々と視界がぼやけていった。
284『夏休み』 坊主×麻衣:2007/12/13(木) 06:17:28 ID:tRYlcURo
「そもそも今時の若い娘さんは無防備というかなんというか。麻衣もなあ、いくら暑いから
ってこんな下着まがいの格好で表をうろついて……全く」
「あの……なあ、言ってる……ことと……やってることが違う、だろうが……このお、
っふわぁっ!!」

 突然感じた電撃のような甘い痺れに麻衣はびくりと飛び跳ね、気の抜けた叫び声を上げて
しまった。緩やかな起伏の上まで移動してきた手が、爪で引っ掻くようにその頂きを掠めた
からだ。麻衣自身、驚いてしまう程の明らかな反応に気をよくした法生は、彼女への責めを
そこに集中させた。

「ん? なに? 軽くさわられる方が好み?」
「………そんなの………しらな、あっ…………は……ぁ………」
「それともここ……弄られるのがいいのか?」
「うっ…ん……ちが………うっ……………つまんじゃ………、ぁ………いやぁ……」

 先っぽをやわやわと刺激してやると、そこは途端に硬くなり立ち上り始めた。
その突端を悪戯に弾いてみたり、指の腹で押し潰すようにしてやると、麻衣の口は
こらえ切れずひっきりなしに悩ましげな声が奏でる。感じやすい先端を優しく転がされ、
きつく摘み上げられると、そこから甘い痺れが全身を支配し、もう麻衣は逃げることも思いつかないのだった。
形ばかりの抵抗と拒絶の言葉を口にしながらも従順に男のもたらす快楽にその身を焦がす。
いつのまにか鎖骨にまでたくし上げられていた服のもとで、青い双乳に乗った桜色の果実
が法生の前に差し出される。ふるふると震えながらも、まるで触って下さいと言わんばかり
に突き出された尖端に、法生も興奮し鼻息が荒くなる。つんと勃ち上がった印を、見せつけ
るように強弱をつけてひねり麻衣の羞恥心を煽った。

「麻衣、見ろよ。お前のここ、もうこんなになってる。ほら、こんなに硬くなって……
いやらしいな」
「ひっ…ん………恥ずかしいこと……いわないでよぉ…………」
「すごく可愛い。俺に食べてほしいって言ってるみたいだ。さっきも、こんな風にされた
のか? こんな風に……感じた?」
「ぼーさんの…あほ………あたし、感じたりなんか……してな、ひっ……あ……ん………」

 そうは言っても敏感な頂上部をくりくりと捏ね回されると感じてしまって反論のしようが
ない。
優しげだった法生の手の動きはどんどん大胆になり今や麻衣の淡いふくらみは法生の手の
中で激しく揺らされていた。すっぽり掌に包み込まれた小山が円を描くように撫で回される。
下から持ち上げるように揉み上げられ耐えるように結ばれた麻衣の唇からはくぐもった声が
漏れる。指の間に挟まれた桃色の果実を時折転がされるたび麻衣の体は揺れ細い顎を仰け反
らせた。
285『夏休み』 坊主×麻衣:2007/12/13(木) 06:18:42 ID:tRYlcURo
(なんで? ……なんでこんな風になるんだよ〜? さっきはこわいだけで、こんなじゃ
なかったのに…………こんな………ぼーさん、だから……?)

 麻衣の頭は快楽にぼやけながらも懸命に思考を巡らせた。
先程ここで霊に襲われた時は混乱と嫌悪のみで快感を感じるという事はなかった。
金縛りで捕らえられ絶対的な恐怖が麻衣の心を支配した。法生が現れどれだけ安心しただろう。
そして今その法生に同じような目に合わされている。しかし今度は少しの嫌悪も恐怖も
感じていない。相手が日頃から心を許し多少なりとも好意を抱いている法生だからだろうか。
麻衣が法生に抱いているのは恋愛感情ではなかった。何か――もっと大きい思慕のような感情。
それでも彼に触れられるたび、熱いものがわきあがってどうしようもなくなってくる。
 一方、法生も愛しい少女の生々しい息づかいを聞くうち昂ぶってきて、己の分身が痛い
くらいに張りつめていた。欲望が服を押し上げ、外からでも分かる程にその存在を誇示している。
うつむいた視線の先に法生の高まりを目にしてしまった麻衣は、驚愕に目を見開いたあと
すぐに顔を背けた。

(う、うそ!!? あ、あれってぼーさんの…………や、やだ、やだやだやだ)

 処女の潔癖さか、ジーンズの張り出しから目を逸らす麻衣の心とは裏腹に、既に
とろかされた体は着々とそれを受け入れる準備を始めていた。内側からとろとろと
流れ出る潤滑油に身悶え、麻衣は無意識にひざを擦り合わせる。
そんな麻衣をよそに――いや分かっているのか、法生は執拗な愛撫を続けた。 

「感じやすいな、麻衣は。小さい方が感度がいいっていうが」
「う……ちい、さいって……言うなぁ……あっ…………は、ぁ………や…………」
「わりぃわりぃ。でも、ほんと……食べちまいたいくらいに可愛い」
「へ? ……あ、あ、ああぁぁっ!!」

 法生は引き寄せられるように、うっとりと顔を寄せると、硬くなった麻衣の果実を
口に含んだ。乳首を唇に挟み、舌先で転がしたりたわむれに歯で引っぱったりしてみる。

「んっ……ふ……噛んだら…………あ、……くぅん………………」

 軽く甘噛みされるだけで麻衣のの奥はキュッと脈動して悦びのしるしをこぼす。
下着の中は己の出した液体でぐちゃぐちゃになっていたが、もうそんな事など考えて
いられなかった。体の中から切なくなるような、経験したことのないその感覚にかき乱され
頭の中までぐちゃぐちゃになっていく。
 口や舌でねっとりと性感帯を刺激され、湿った感触が麻衣を包む。
ちゅうちゅうと子供が母親にするように乳首を吸われると、麻衣はなんだか倒錯的な気分になった。解放されたと思ったら今度は隣の果実をしゃぶられ、お預けを食ったもう一方を再び指で捏ね回される。濡れた指が滑るぬるりとした感触は先程とまた違う快感を生み出した。
 唾液をなすり付けられるその行為を、不思議なことに麻衣は少しも嫌だと思わなかった。
それどころか、いつの間にか法生の肩に手を置いて、抱き寄せるようにその身を任せていた。
愛しげに頬をすり寄せられ、強い安堵感に涙がこぼれそうになる。
心臓の真上に感じる法生の熱い吐息を、とても心地いいと感じていた。
 だから法生の腕がそろそろと下に降りていっても、与えられる快楽を受け止めるのに
必死で大して気にも留めなかった。
286名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 06:20:12 ID:tRYlcURo
と、まぁここまでなのですが……もしかしてタンマって死語ですか?
287名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 07:25:31 ID:F4ollqC/
うぉっ、早朝から投下乙です!
麻衣かわいいよ麻衣ハァハァ

原作が書かれた時代を考えれば、「タンマ」もアリかと。
今の女子高生が使うかどうかは詳しい方にお任せしますが
個人的には、麻衣が「KY」とか「どんだけ〜」なんて言うよりは
「タンマ」のがよっぽどいいです。
288名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 19:05:23 ID:nQSsk9iJ
子供が使うイメージ
289名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 22:37:42 ID:k5vTfdMQ
>>286
続き!続き!!
290名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 23:30:10 ID:n6iY13YN
W_ゝ`)<・・・どうして谷山さんの相手が私ではなく滝川さんなのですか?
291名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 00:49:43 ID:U9o3bcxO
聖夜の奇跡をお待ちなさいな
292名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 23:30:01 ID:SVnZvZsg
W_ゝ`)<谷山さんはミニスカサンタでお願いします
293名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 19:54:35 ID:mKlEAJ0r
             \
               \
                 ◎r───◎、 ウイーンガッ
   ._〃ナルヽ                   \   ミ:. 、
   |:|::c ´_ゝ`) <贅沢       。   ◎   )|i!l
   |:|:( O¶¶O   言ってんじゃねえ     / 人 彡
 | ̄ ̄| ̄|i_____}| ̄|            ゚ 。/〉  〃    ∩
 |_i⌒i_|_|ー‐'::|_|           。・ // .  Y WД´)/ アイヤー
294名無しさん@ピンキー:2007/12/16(日) 20:13:38 ID:VirWtF0M
>>292
(*´Д`*)ハァハァ
295名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 00:43:57 ID:lj4lm4yb
はい質問

ぼー×タカって有りですか
296名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 16:25:07 ID:EJUGBSRT
>>286
gj!!

>>295
俺はアリ
297名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 21:29:43 ID:dCd46q2h
>>295
麻衣が好きなので、俺には地雷
298名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 23:37:45 ID:/EBAFu18
個々人の嗜好を聞きたいのか、投下を迷っているのか判断しかねるが
後者なら需要は供給の後に発生するので、カプさえ明記してくれれば無問題。
んで個人的には全然あり。
299名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 00:20:16 ID:CBtnu0WH
>>296
>>297
>>298
d

好きなんで書いてみたいと思うが
文章力は厨並なんで期待して全裸で待ってないでくれ

風邪引いちゃうのよさ
300名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 23:24:32 ID:HGaAhPgp
W_ゝ`)<それでは谷山さんの服でも着て待っていましょうか。
301名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 19:14:44 ID:3lFULHje
>>300
また気功によるミラクルを起こすのですか
302名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 21:23:08 ID:1/GfGnym
W_ゝ`)<今度からは私のことを  ミラクル☆リン  と呼んでください
303林興除の妄想:2007/12/25(火) 11:18:45 ID:6SdQ9JBG
今日は十二月二十五日。朝から冷え込みが厳しい。
街中は浮かれたカップルであふれているが、私は今日も一人データの解析と資料の整理に勤しんでいる。
年下の上司のお守りだかなんだか、遠い異国の地に飛ばされて早○年。
祖国を離れ、ささくれだった私の唯一の慰めは。
――トントン。
ノックの後に扉が開いて、愛らしい少女が姿を現す。
谷山さん。
思わずにやけそうになる口元を引き締める。
「リンさん、お茶入ったよー」
トレイを片手に微笑みかけてくる少女。
そう、彼女こそ私の心のオアシス。マイ・スイート・エンジェル。
しかも何ですか。
今日はミニスカートなんかはいちゃって。
ミニスカサンタですか。ふふふ。
太ももを覆っているニーソックスとの絶対領域がまぶしいですよ。
「あと、これ。調理実習で作ったんだけど、よかったら。クリスマスケーキ」
湯気の立ったティーカップと共に小皿が差し出される。
「あんまり上手く出来なかったんだけど」
はにかみながら言う彼女に鼻血を噴きそうになる。
あああ、あなたの作ったものなら、例えゴミ箱の残飯でも、生クリームのかかったなんだかよく分からない物体でも残さず食してみせますよ。
部屋の外に消えていこうとするのを名残惜しげに見つめていると、思い出したように声を上げた。
「――あ! そうそう。ナルに言われた本、持ってかなきゃ」
書棚を物色し始める。
脚立の上で分厚い本を何冊も抱えている足元のおぼつかなさにハラハラしていた矢先、彼女はバランスを崩し足を踏み外した。
「キャアッ!!」
「谷山さんっ!!」
慌てて駆け寄り、地面に落下する直前の少女を掬い上げ、事なきを得る。
「大丈夫ですか?」
「あ、うん」
非常に驚いた、といった様子で目をパチクリさせている。
私はどさくさにまぎれて、こんな事でもなければ触れられない彼女の体をここぞとばかりに引き寄せた。
とても……柔らかいです。
「あぶなかったぁ。ありがと、リンさん。みっともないトコ見られちゃった」
「気を付けて下さいよ」
へへっ、と悪戯っぽく舌を出す。
はあ、とりあえず谷山さんに何もなくて何よりです。
それにしても、この体勢は少し興奮するというか。
今の私は彼女の後ろから両脇に手を入れて抱え込んでいる状態で……
こんなに体を密着させたのは初めてじゃないですか。
今までにも結構、枯れ井戸から押し上げたり、ホルマリンの充満した部屋で意識不明のところを抱き上げたり、とまぁ色々ありましたが、今回はいつにもまして彼女の感触を感じるというか……
ああ、髪の毛からただようシャンプーの匂いが気持ちいい。
フレッシュシトラスですか。ふふふ、谷山さんによく似合って……
304林興除の妄想:2007/12/25(火) 11:19:08 ID:6SdQ9JBG
「あ、あのっ……リンさん……」
上擦った声を聞いて初めて私は、いつの間にか自分の手が彼女の胸のふくらみの上を動いているのに気付いた。
彼女は真っ赤になって困惑している。
はああ、私は天使になんてことを!
視線が痛い。違うんです、谷山さん。これは私の意志ではなくて……
陰謀だ。この手が……このいやらしい手が勝手に!!
そ、そんな軽蔑した目で見ないで下さい。
しかし、その間にも言う事を聞かないマイハンドがセーラー服の下に潜り込んで……
うわー、違うんだ。私のせいじゃない。
そうだ。谷山さんがあまりに魅力的だからいけないんですよ。
それに冬場なのに肌着も身に着けていないなんて、風邪を引いて……
「や……リンさん、やめて…………」
なんだかんだで私は彼女の胸をブラジャーの上から揉んでしまっている。
うーん、これは……70のA、といったところですか。
まあ、将来性に期待というか。いや、私はこのままでも全く構わないんですけどね。
って、だああ!!
もう、しょうがない。こうなったら――。
私は自棄くそになって、彼女の胸を揉みながら耳元で囁いた。
「谷山さん。私は前からあなたの事を」
嘘ではない。ハアハアいいながら彼女に思いの丈を伝える。
「やだ…………そんな…………」
戸惑いながらも抵抗が弱々しくなる。
そこに当て込んで、耳に息を吹きかけ舌を這わせる。
「あ、っ……ん…………う……」
彼女は少し迷っていたが、その可愛らしい唇に口付けをしてやると、もう抵抗の意思はなくなったのか、ぐったりと私の胸に背中を預けた。
「…………ひゃぅっ! ……あ……ん……」
固くなっていたマイサンに驚いて背筋を反らした彼女を優しく愛撫し続ける。
瞳が潤んで赤く染まった顔からは切なそうな息がこぼれる。
「あ…………だめ……もう…………」
そう言うと彼女は身を硬くし、短く震えた後、気だるげに私にもたれ込んだ。
涙のにじんだ双眸で荒く呼吸を繰り返す。
「胸だけでイッてしまったんですか?」
からかうように言った私を、可愛らしく睨みつけてくる。
そんな彼女の唇を私は再び自分のもので塞ぐと、彼女の下肢に手を伸ばした。
スカートをくぐって辿りついた禁断のそこは既にしっとりと湿って……
305林興除の妄想:2007/12/25(火) 11:19:46 ID:6SdQ9JBG

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄
W_ゝ`) <フフ、フフフフフ…………




〃ナルヽ  
c ´_ゝ`) <いい加減、妄想の世界から帰って来い。

〃"´ ⌒ヽ
i ノ 八M川リ
从リ*‘凵e)<リンさん、キモい。
306名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 00:41:06 ID:IIwMwcz9
>>303-305
超GJ!
リンさんの妄想暴走っぷり、サイコー!!
307名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 09:42:17 ID:HpVkf7MT
〃ナルヽ
c ´_ゝ`) <麻衣、リンがキモイのは今に始まったことではない。
308名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 16:03:44 ID:WVLp581n
スクリプト荒らしのため保守
309名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:13:18 ID:jbWMVlgS
310名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:36:39 ID:WVLp581n
保守
311名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:53:46 ID:9PXkEzus
保守
312名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 21:14:15 ID:5g0uZFWV
W_ゝ`) <皆さん、私はナルが言うほどキモくはありませんよ?
313名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 22:53:18 ID:75T6GAqm
>>312
(゚д゚)カポーン

どこが、笑うところですか?リンさん…
314名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 00:49:15 ID:KZP5Qj5A
今日ここにたどり着いた。
まだ保管庫の坊さん×麻衣を読んだだけだが我慢できない

職人さんGJ!!!!最高すぎる
今年は保管庫制覇で年越します!本当にありがとう。ありがとう。
315名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 01:15:32 ID:0p2G3y45
自分はリン×綾子の神の帰りを来年もずっと待ってるよ…
316名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 22:47:20 ID:ndVI8R+G
>>228の言葉を信じて待ってたら年末になっちゃった
317名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 22:01:48 ID:MtD7rWLX
W_ゝ`)<私はロリから熟女までOKですよ
318名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:04:29 ID:90eKc6eJ
新年初カキコ
みなみなさまあけおめー
319名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:05:20 ID:90eKc6eJ
新年初カキコ
みなみなさまあけおめー
320名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 23:48:17 ID:tb8QQ5Zg
W_ゝ`)<あけましておめでとうございます。
321名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 03:35:37 ID:b8/IvXmd
触手スレに浦戸×真砂子を投下してきました
よろしければ見てやって下さいませ
322名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 08:21:54 ID:YpHVqCIk
東南アジアって‥‥去年から考えてたんかいww
乙です。新年早々のお年玉ゴチになりました。語り口調が秀逸ッスw。
ていうか蝕パン氏じゃないですかw
ただ真砂子の一人称が‥‥‥(正しくは「あたくし」)
すいません、けちつけてるんじゃなく気になったので。
作品はエロくて最高でした。麻衣の続きも引続きお待ちしてます。
323名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 19:51:24 ID:VpttpWt/
おまいらあけおめ

>>228はいつ帰ってきてくれるのでしょうか
324名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 00:58:22 ID:N39NHjUS
>>323
きっと、新刊が出る頃には戻ってくれるよ
325名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 21:28:01 ID:B5/MjxRw
>>324
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
326名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 23:27:30 ID:jphy9T1Q
W_ゝ`)<新刊が出るまでは私がお相手いたしますよ?
327名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 01:21:39 ID:K+EQhYuV
>326
巫女が本当に処女なのか調べて来い
328名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 11:31:43 ID:cE8XOI6C
(W_-) <ひっぱたかれて24されました……
(∩∩)
329名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 00:07:44 ID:2OOnrs2J
〃"´ ⌒ヽ
i ノ 八M川リ
从リ*‘凵e)<リンさん、キモい。
330名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 23:36:11 ID:Hd4NCdMy
リンさんがキモいのは仕様デス
331名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 17:01:30 ID:p8R1WgnO
いやいや、ネタならともかく原作のリンさんは
ちょっと暗いだけの変な人だよ‥‥‥あれ?
332名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 16:55:09 ID:dOn933b5
リンさんの誕生日忘れてた
333リン綾:2008/01/18(金) 23:21:58 ID:fbEH/f5p
ヤンジャンのガンツの展開があまりにも開いた口がふさがらないので
ショックのあまりリン綾創作を投下するわ。

来月の今頃には終わるのを目指して、バレンタインものです。
334リン綾:2008/01/19(土) 00:41:18 ID:inEUZDW8
 子供の頃、チョコレート工場で倒れたことがある。

 口の中で溶ける時のチョコレートの匂いは好きだった事を憶えている。
 消えゆく甘露の時間に反比例するように、名残として残るその匂いは好きだった。
 社会科見学の授業でチョコレート工場に行くと決まった時は胸が躍った。
 きっと「チャーリーとチョコレート工場」のような世界を垣間見ることが出来るのだろうと、想像しただけで眠れなかった。
 指折り社会科見学を待ち続けた。
 しかし、当日工場で自分を待ち受けていたのは、強烈なチョコレート臭だった。
 あの自分が愛した仄かな匂いとは比べ物にならないほど、それはひたすらに甘ったるく、又他の香料や原料の匂いも混じり、自分が受け入れられる匂いの領域を越えていた。
 気づけば既にバスの中にいた。
 バス独特の臭いも苦手だったが、先程のに比べればまだ楽になれた。
 深呼吸を繰り返していると、周りの仲間が見学の土産でもらったチョコレートを一斉に開け始めた。
 周りがその臭いで充満すると途端に胃から食道が一気に熱くなり、私は――――



「えっ! リンさん! なんでここに……」
「……どうして谷山さんが」
 久しぶりに吐き気のこみ上げる臭いと共に、場違いな少女に出くわした。そして目的の人物はこっちには見向きもせず、臭いの元である鍋を鼻歌交じりでかき混ぜていた。


〜〜リンさんの手作りチョコ教室〜〜


「あんた、今日帰ってくるんだったの?」
 気にしていなかったわけではなかった、しかし、自分の家に直行してくるとは思わなかった。
「え〜っと、綾子……どゆこと?」
「どういうことって、こういうことよ。ほら、さっさとそれ温度調節しないと濁るわよ」
「いや、チョコレートどころじゃ……ねえ……リンさん?」
 リンは右手で鼻から口を覆いながら、半ば睨むように二人を見据えると、重々しく口を開いた。
「何、やっているんですか」
「明日はバレンタインだから、チョコレート作ってるのよ」
 テーブルには製菓用の割チョコや、コーティング用のクーベルチュールチョコレート。
 湯を張ったアルミボウルの上には、テンパリングしてつややかに光る液状チョコレートが甘い匂いを漂わせ、横のバットには、コーティング済みのトリュフチョコレートがころころとラッピングされるのを待っていた。
「麻衣が作るの初めてだって言うから、一緒に作ってるのよ。トリュフのほかにブラウニーも焼いたし、あと」
「……どれくらいで終わりますか」
 目の前の菓子に全く興味も関心もないといった具合に、リンは綾子の話を中断させた。
「どれくらいって……あと1時間ぐらいはかかるわよ」
「……そうですか」
 リンは当てつけのようなため息をこぼすと、家主である綾子の許可も得ずにずかずかと廊下の向こうの寝室に籠もってしまった。
「……綾子……」
 不安げに見上げる麻衣に、綾子は「ごめんね」と耳元で囁くと、腕まくりをして調理の続きに取りかかった。また一からテンパリングをやり直さなくてはいけない。
「リンさんこの間から出張でイギリスに行ってて、明日かそんぐらいに帰国するって聞いてたんだけど……って綾子は知ってたか」
「まさかいきなりこっちに来るとは思わなかったわ、気遣わせちゃってごめんね」
 別室にいるリンを気にしているのか、麻衣は終始無言だった。
 絞ったガナッシュを丸めてはクーベルチュール液に浸し、固まったらデコペンで模様を描いたり、固まる前にココアパウダーをまぶしたりと、気づけばいびつながら愛らしいトリュフチョコレートが出来上がっていた。
「ありがとね綾子、おかげで可愛いチョコできちゃった。明日みんなに渡すのが楽しみ」
「転ばないように気をつけて帰りなさいよ」
 玄関で靴を履き終えた麻衣は綾子にそっと耳打ちした。
「今度、馴れ初め聞かせてよ」
「馬鹿。わかったわ」
 扉が閉まると、まだ8時とはいえ心細いのではと思い、駅まで一緒について行こうかとドアノブを掴もうとしたその時、
「綾……」
 絞り出すような声に気づくと同時に、背後から撫でさするようにリンに抱きしめられる。
 ぬくもり、ほのかに漂うリンの匂いが三週間ぶりに綾子の体の芯を熱くさせた。

335リン綾@あとがき:2008/01/19(土) 00:53:37 ID:inEUZDW8
リンさんはきもいかと聞かれたら、ノーと答えざるを得ない。
「リンさんはキモかっこいい」
キモくてかっこいいではなく、きもいからかっこいいのだと、
そっと君の耳元で囁くOh My Baby……

というのは大嘘で、リンさんはキモいというよりか
年より老けて見えるくせに年よりも遙かに子供っぽいところがあるアンバランスさが
なんともいえないんじゃないかと思ってみたり。

次回はリンさんがハブにされます。
336名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 02:01:37 ID:oHdFzAIo
>>335
リン綾キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
次回も楽しみにしてマッスル
337名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 21:24:32 ID:N9OXMbxI
おおっリン綾!!GJ!
てかチャーリーとチョコレート工場とかwかわいいなリンさんww

次回もキモかっこいいリンさん待ってます!
338リン綾:2008/01/19(土) 22:54:27 ID:inEUZDW8

「ひどいな、綾……私は帰国の飛行機の中からここまでずっとあなたのことしか考えていなかったのに、あなたときたら……」
「だって……明日かと思ってたから……言ってくれれば迎えに行ったのに」
 互いに廊下に座り込むと、どちらからともなく唇を合わせた。
 合わせるだけでは既に満足できない、唾液で汚れることも構わず貪り合った。
 愛を確かめ合う行為がこんなにもふしだらで汚れた行為だとは今まで知らなかった。
「はぁ……あや……」
 目の前の男が自分に教え込んだのだ。何も知らなかった自分の体を、それなしでは生きてられないぐらいにまでに押し開き、刻み込んでいった。
「ん、リン……」
 リンの鼠蹊部に触れると、中心からそそり立つ器官の先端が熱く熱を持っている。
 スラックスの上から手のひらでさすった。長旅で疲れているはずなのに、どうしてこうも元気になれるのか。
「今日はずいぶん積極的じゃないですか、……来た甲斐があった」
 先程とは打って変わって、上機嫌に潤んだ目で綾子を見つめたリンは、自らベルトを外し、スラックスの前を開いた。
「そんなつもりじゃ……」
 困惑する綾子の頭を導くように左手で押さえるリン、もどかしげに右手で充血したものを取り出した。
 独特の匂いが綾子の鼻腔を突いた、生臭さが恋しいと思うほど自分はいやらしい体になってしまった。
「もう……」
 髪をかき上げ、先走り液で濡れた先端にゆっくりと唇を近づけ――
339名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 20:45:14 ID:08DcULrg
どようびからはじかれっぱなしだよ
340名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 00:06:10 ID:FOS4sH8v
W_ゝ`) <ハァハァ
341リン綾:2008/01/22(火) 00:10:01 ID:PDgFuYyx


     ◆


 電子レンジの音が鳴り響くと、さっきまでのじらすような仕草から一転、
 今目の前で求めていた恋人である自分のことすら歯牙にかけていないといった具合に、綾子は走り去っていってしまった。
「……は?」
 むなしい、むなしすぎる。
「やーったぁ! 上手に焼けてるじゃない、うんうん」
 キッチンの方から綾子の嬌声と、甘ったるい匂いがしてきた。
 方や自分の方ときたら、おあづけを喰らったままの息子が、生臭さを放ちながら上を向いて綾子の帰りを待っている。
「冷ましている間にクリーム作らないと、あとシロップも」
 こっちは冷めない内に戻ってきてほしい。しかし願うもむなしく、綾子はキッチンからもどっとこない。
 冷静に見ると、玄関で性器をむき出しにして待ちぼうけを食らっている自分がひどくばかばかしく感じられた。
342リン綾:2008/01/22(火) 00:11:58 ID:PDgFuYyx
「綾」
 髪をくくった綾子が熱心にボウルをかき回していた。
「綾」
 三週間ぶりに戻ってきた恋人には見向きもせずに、鍋を見たりボウルと戯れている。
 何だ? 私は鍋以下の存在なのか?
「……あや」
「ごめん、今ケーキ作ってるのよ、後にして。これ時間が勝負なところがあるから」
 なんなんだその変わり身の早さは、三週間、三週間ぶりの逢瀬じゃないか。
 三週間前のあなたはずいぶんと寂しがっていたじゃないか。
『三週間も会えないなんて……』
『毎日少しだけですが電話しますよ』
『仕事の邪魔はしたくないわ、メールだけでいい……それに、声を聞いちゃったら……』
『興奮して眠れなくなるんですよね、綾は』
『もうっ! 馬鹿! だから今夜は……三週間分……』
 あの晩の綾子の妖艶さと健気な奉仕はなかなかのものだった。
 おかげで私自身は出張中二日に一回は綾子を想って自慰に耽る羽目になった。
「先にお風呂入って、あと長旅で疲れてるでしょ、ベッド使っていいからもう寝たら」
 こちらを見るのも億劫なようだ。今の綾子の恋人は鍋らしい。鍋って。
「早く終わらせましょう、何か手伝えることは?」
 このまま寝かしつけられるのは癪だ。後ろから抱き寄せ、耳元で囁いた。
「ん〜も〜、無いわよ、こっちは今真剣勝負なの! ひっつかないで」
 ここまで邪険にされるとは思わなかった。憎々しげに舌打ちをしたが、綾子はそれに構うことなく、焼き菓子をスライスしていた。
 居場所も男としての立場も失ったリンは、すごすごとキッチンを後にした。

 三週間分の鬱憤を何倍にもさせられて、すやすやと眠れるわけがなかった。
 作業を終えて寝室に入ってきた綾子を気を失うまでいたぶってやりたいと思った。恥ずかしい格好に縛めて、うんと嬲って、そして……
「綾?」
 居眠りしてしまった、時計は3時を指している。しかしベッドに綾子の存在は確認できない。
「……」
 呆れてものがいえない。綾子はテーブルに突っ伏して寝ていた。
 風呂上がりも作業をしていたのか、タオルバンダナを巻いたままスヤスヤと寝息をたてていた。
 横にはまるでプロが作ったような、ショーケースに飾られているようなケーキが仕上がっていた。
「風邪引きますよ、綾」
 綾子をベッドに運びながら、たまには甘いものを食べてもいいかもしれないと、リンは顔を綻ばせた。
343リン綾:2008/01/22(火) 00:16:11 ID:PDgFuYyx


     ◆


 目覚めると寝室だった。
「……リン」
 仕事に行っていますという書き置きのみが残されていた。
 当然だ、時計はもう十時を回っていた。
 昨日は三週間ぶりだったというのに、リンを蔑ろにしてしまったなと、思い出すと少し胸が痛んだ。
 しかし、こちらの都合というものもある。たとえ恋人同士でも節度というものはあるだろう。昨日なんてインターフォンも鳴らさず、合い鍵でずかずかと上がり込み、先客の麻衣には会釈すらしなかった。
「やっぱり悪いのはリンよ」
 我が儘な恋人を持つと苦労するな……、そう思いながら自信作のケーキを箱に詰め込んだ。
344リン綾:2008/01/22(火) 00:17:28 ID:PDgFuYyx

「わーすごーい! 売ってるやつみたい〜」
 SPRの応接ルームは、昨日麻衣が悪戦苦闘したチョコレートに、
 真砂子の手土産であるドーナツ、そして綾子の自信作のケーキが鎮座していた。
「なんか食べ放題会場だな、あーこのケーキうめえ」
 意外と甘党な滝川が先陣を切って食べ始めた。
「松崎さんも一つくらいは取り柄がございますのね、ほろ苦くて美味しいですわ」
「あんた褒めるかけなすかどっちかにしなさいよ」
 今年のケーキは、三層のスポンジに洋酒をたっぷり塗り、ナッツ入りのガナッシュクリームを均一の厚みで挟み込み、
 仕上げはカールの美しい削りチョコを表面にあしらった物だ。
 綾子自身も随分これを気に入っている。真砂子のイヤミのような賞賛も素直に受け止めているのが本音だ。
「ぼーさん、あたしのチョコも食べてよー」
「いいのか? 俺達で食べちゃっても」
 所長室に視線を送る滝川に、麻衣は人差し指を唇に当てて回答する。
「ナルには後で二人きりのときに別包装の渡すの」
345リン綾:2008/01/22(火) 00:18:42 ID:PDgFuYyx
「あっ! 危ねぇ〜〜いっ!」
 滝川の素っ頓狂な叫びが響いた。
「何が危ないのさ、ぼーさんが今一番やばいよ」
「ふふふふたりっきりだと! そんなのお父さん許しませんから!」
 何を今更、一年以上も前からナルと麻衣は付き合っているのだ。このご時世、くっついた男女二人が一年もまごまごしているわけがないだろう。滝川と、オロオロしているジョン以外の全員が、醒めた目で滝川を見つめた。
「いや、なんだ、ほら、よくあるじゃないか。お前とチョコを一緒に食べてしまおうとかって、ワカメ酒ならぬチョコで……」
 滝川が言い終えぬうちに横の麻衣が脳天を、安原が首にチョップを掛けた。
「いくら愛するノリオの言葉でも、今回はさすがに下品すぎます」
「ぼーさんの中のナルはどこまで変態なのさ」
 むせかえりながら滝川は懲りずに反論した。
「馬鹿野郎、お前達おぼえとけよ、知能指数の高い奴はそれに比例してヤることも高度になってくんだからな。とくに理系は」
「滝川さん、その……ワカメがなんなんです?」
「原さん、もう二度とその可愛いお耳に滝川さんの汚れ声を入れないようにしてください」
 滝川が真砂子の耳に手を当てている安原を指さし、怒鳴った。
「真砂子ー、安原なんてメガネでムッツリ、まさにその典型だからな」
「僕は文系です」
346リン綾:2008/01/22(火) 00:20:10 ID:PDgFuYyx
 呆れる安原をよそに、綾子がため息混じりで口を開いた。
「案外当たってるんじゃない?」
 滝川と麻衣が凍り付いた。
「頭のいい人間は良い分だけ変態って話」
 リンが正にその典型だ。機械以外興味がないといった朴念仁みたいな面構えをしておきながら、思い出すのも恥ずかしい事を平気で要求してくる。
 三週間前など凄まじかった、『三週間分あなたが欲しい』と求められた時は、この男を愛してしまった自分を恨んだぐらいだ。
「どうしたのよ」
 疑問を投げかける視線を二人に送りながらチョコをついばむ綾子と、顔面の固まった滝川と麻衣には、埋められない温度差が存在した。
 ほどなくして安原・真砂子・ジョンの顔が強張った。
「松崎さんはそんなくだらない俗説を肯定する人なんですか、へぇ」
 通路側を背にする綾子の背後に凍てつく波動を出す人物が立っていた。
「な……る……」
 頭の良さ、理系。全てを満たしている男が冷気を纏わせて立っていた。
「滝川さんだけの問題にしようと思っていましたが、この際松崎さんへ仕事を回すのも考え直した方が良いみたいですね」
 口元だけを歪ませ、ゴミでも見るような目線を二人に送る。
 滝川含め、全員が生きた心地がしなかった。
347リン綾:2008/01/22(火) 00:22:38 ID:PDgFuYyx
「麻衣! いいかげん片付けろ! 仕事に戻れ!」
「ぎゃーす! ごめんなさい〜〜」
 落とされた雷に慌てふためき、本日の茶会はお開きとなった。
「あ、ケーキ余ってる。……ナルは……食べないわよね」
 ケーキが一切れ、寂しげに箱の上で佇んでいる。
「じゃあ俺食べるわ」
 滝川は何の躊躇もなく手で掴むとかじりついた。
「うっわぼーさんのびた食いだよ」
「いーじゃねーか、ちゃんと手洗うし」
「あ」
 滝川親子の掛け合いに乗っかるような声が、綾子の背後からかかった。
「リンさん……」
 資料室からコップ片手に出てきたリンが、相変わらずの無表情で立っていた。
「もしかして、食べるんだったの?」
 滝川が口をモグモグ動かしながら、手に残っているほんの少しのケーキとリンの顔を見比べる。
「あんたはどーせ食べないでしょ、最初から頭数に入ってないわよ」
 綾子はリンに一瞥をくれると、そのまま食器を片付けに給湯室に入っていった。それにシンクロするような形で、リンも資料室に籠もった。
「……リンさんて甘い物食べませんよね、何で滝川さんあんなこと聞いたんです」
「いや、見てたから」
 安原の指摘に対し、滝川は歯切れの悪い返事しか返せなかった。
「ドーナツとチョコなら残ってますし、あとで持っていったら……」
「いや、それは喰わないな」
 真砂子の提案を切り捨てると、滝川は給湯室に逃げ込んだ。
348リン綾:2008/01/22(火) 00:24:53 ID:PDgFuYyx
「――ちょっとあれじゃあリンさん可哀相だよ」
「別に。あんただって昨日見たでしょう? 匂いだけであのイヤそうな顔」
「ん、麻衣、おまえさん、綾子とリンのこと知ってるの?」
 流しに割り込んだ滝川が、麻衣にひそひそと問いかけた。
「昨日綾子ん家で鉢合わせした……」
「まじでぇ! なんか想像しただけでキツそうなんですけど」
 滝川の青色吐息に反応するように、綾子がシンクに拳を叩き付けた。
「聞いてよ、あいつそんなにチョコ嫌いだったのかしら、めちゃくちゃイヤな顔して私たち見てたのよ! しっかもインターホンも鳴らさずに――」
 麻衣と滝川が同時に頭を抱えた。
「何よ二人とも」
 昨日のあの態度は、自分たちが菓子を作っていることと、自分を迎えなかった事への当て付けではないのか? 
 綾子は二人の態度が理解出来ないでいた。
「いや、綾子、あれはあたしのタイミングが悪かったわ」
「麻衣は悪くないわよ。ったく、あいつももう少し大人になってくれれば……」
 ぶつぶつと文句を言いながら洗い物をしている綾子を後目に、滝川親子はまたひそひそと話し始めた。
349リン綾:2008/01/22(火) 00:25:31 ID:PDgFuYyx
「お前もさっき見たべ」
「うん、あれはある意味ナルより怖かったわ」
「綾子が『頭のいい人間は良い分だけ変態』って肯定したときさ……」
 滝川は思わず息を呑んだ。
「資料室のドア開いたよな。少しだけ。」
 麻衣は少し体を震わせると、自身を抱きしめた。
「〜〜つーかさぁ、なんであの二人がくっつくのさ……心臓に悪いよ」
「とにかく、綾子が上手く手綱を握ってくれればなぁ……ナムナム」
 二人の思惑をよそに、綾子が鼻歌を歌いながら洗い物を続けていた。
350リン綾:2008/01/22(火) 00:30:17 ID:PDgFuYyx


     ◆


 モニターには、「余った材料で作れるレシピ」と謳ったウェブサイトが表示されている。
 今朝見た限りだと、チョコレートは相当残っていた。
 恐らくは少女が失敗しても平気なように、綾子が多めに用意したのだろう。
「谷山さんには感謝しないといけませんね」
 リンは一人呟くと、半開きのドアに顔をしかめた。
「直そう直そうと思いながら、一年近く経ってしまった」
 去年の春頃からか、資料室のドアの金具が馬鹿になってしまい、
 気づけば勝手にドアが開くのだ。鍵を閉めれば治るが、閉める様な環境でもない。

「……あの時綾が言っていたのは誰なんだ?」
351リン綾:2008/01/22(火) 00:31:10 ID:PDgFuYyx
 たまたまドアが開いた時、『頭のいい人間は良い分だけ変態』と、
 綾子がため息をつきながら発言していた。
 綾子は自分と付き合う前も、色んな男と交際していたらしい。
 きっとその中にそんな男がいたのだろう。
 滝川の短絡的な考えに同意する訳じゃないが、学者や真面目な奴に程、案外いるものだ。
 そんなスカを掴まされた綾子はきっと怖い目にあったのだろう。
 その傷を癒すのもパートナーである自分の役目だ。
「今日は優しくしなければいけませんね」
 消灯、施錠を終えたリンの足取りは軽やかだった。
352リン綾@あとがき:2008/01/22(火) 00:35:49 ID:PDgFuYyx

無駄に分割してすまない。なんかちょっとでも多いと
しかとされてしまうのでこうなってしまった。
やっぱリンさんがうざすぎるからか…

この後、ようやくエロシーンに入ります。
挿入どころじゃないシーン目白押しと自分の首を絞めてみます。

ちなみにこの話は「綾子視点三人称」「リン視点」でお送りしております。
エロシーンはどっちがいいですかね
353名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 13:44:56 ID:4ARpkWOA
変態フィルターでリンさん視点を是非www
だが、綾子の視点も捨てがたいなw
354名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 00:50:47 ID:cnkzYolX
>>352
両方!って言ったらだめ?
355名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 03:24:32 ID:sqtQUX8q
どっちでもいい、楽しみにしてる。

から、途中でおれらを置いてかないで・・・
356名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 11:41:33 ID:L4SYiouP
朴念仁を林念仁と読んでしまった…
357リン綾:2008/01/25(金) 12:26:18 ID:XjOPRuYZ


     ◆


「あんたアレ食べたかったの!?」
 部屋に入って開口一番、『私もあのケーキが食べたかった』とリンに言われた綾子は、驚くことしか出来なかった。
 どういう風の吹き回しか、よりにもよってリンが「ケーキ食べたい」だ。
 付き合う前ならまず考えも付かない発言だし、今現在の間柄ですら想像が出来なかった。 
「匂いも苦手だって言ってたじゃない」
「……」
「昨日だって、すごいイヤな顔で私たち見てたじゃない」
「……」
「だんまりじゃわからないわよ!」
 綾子が軽くテーブルを叩くと、リンは重々しく口を開いた。
「……それは」
358リン綾:2008/01/25(金) 12:26:51 ID:XjOPRuYZ

 ――自分がいないくてもあまり寂しげじゃない事に拗ねた――

 リンは今まで何人の女と付き合ったのかは知らないが、喧嘩を回避するコツなのか、妙なところで素直になる。
 こちらが身構えた時に限ってころりと折れるのだ。
 それがいつも綾子を憤らせては、力を抜けさせる。ある意味『卑怯』な戦法で、丸く収めてしまう。
「……もぅ」
 立ち上がり、コツンとリンの額を小突くと、リスのような目で見上げてきた。
 普段は切れ長の狐のような鋭い目で周りを威嚇しているのに、こういう時に限って子供のような目を綾子に見せる。
「わかったわよ、おばか」
 すっかり戦意を喪失した綾子は、リンの額に口づけをした。
359リン綾:2008/01/25(金) 12:28:21 ID:XjOPRuYZ

「でも、小麦粉もバターも卵もないわ」
 麻衣が失敗しても良いようにチョコレートは多めに買い込んだが、ケーキを作るのに必要なものは全部切らしてしまった。
 生クリームなんかはもちろん使い切っている。これではブラウニーすら作れない。
「今ならまだスーパー開いてるから……」
 経緯はどうあれ、リンが自分の趣味に興味を持ってくれたことは嬉しかった。
 苦手であるのも関わらず、自分が作ったものなら……と言ってくれるリン。
 9時も過ぎてしまったが、彼のためなら――
「今から外に? 湯冷めしてしまう」
 リンは止めるように綾子の肩に手を置いた。綾子はその瞬間、体の芯が熱くなったのを感じた。
「じゃあ、明日でいい?」
 考えてみれば、リンとは三週間ぶりの逢瀬なのだ、体が熱くなるのも生理的に当たり前だ。
 ケーキ作りは明日に回して、今夜は久しぶりに抱いて欲しいと思った。
「いえ、今日でなければ」
360リン綾:2008/01/25(金) 12:28:56 ID:XjOPRuYZ
「バレンタインにこだわるなんてリンも結構可愛いじゃない。でも材料ナシでケーキは作れないわよ」
 綾子が首を横に振ると、リンはテーブルの上に置いてあった割チョコを手に取り、ウラ面を指さした。
「これでもいいです」
 ……チョコレートフォンデュと書かれている。ケーキと違い、チョコを溶かすだけのお手軽な菓子だ。
「ケーキが食べたかったんじゃないの?」
 チョコレートなら何でもいいのだろうか、リンはこくりと頷いた。
「綾の手腕を発揮するまでもない物ですが、一緒に食べられればそれで……」
「――もーっ! 可愛いこと言ってくれるじゃない!」
 笑いながらバシバシと肩を叩く綾子に、叩かれているリンも思わず微笑んだ。
361リン綾:2008/01/25(金) 12:29:33 ID:XjOPRuYZ

「牛乳は入れないでください」
 作り始めると、リンの妙な注文が飛んだ。
「チーズフォンデュに白ワインを入れるように、これも牛乳とか生クリームを入れてのばさないと食べづらいわよ」
「いいんです。昨日谷山さんがやってたように程良く溶けた状態のがいいんです」
 テンパリング状態を指しているようだ。
「あっちの方がツヤツヤで綺麗だものね、別に良いけど……」
 チョコレートを溶かし終えると、何ともいえない甘い匂いが部屋に充満した。
 テーブルにはリンが処理をした苺が皿に盛られている。
「苺だけじゃ寂しくない? バナナもあるわよ」
「何を見ているんです、あるじゃないですか、もう一つ」
 テーブルを見渡しても、苺と溶けたチョコレートのみだ。
「何よ、どこにもないじゃない」
 リンに肩先を掴まれると、テーブルに容赦なく押し倒された。
「きゃぁっ!」

「ほら、ここにあるじゃないですか」
 目を細めてリンは嘲笑った。

362リン綾@あとがき:2008/01/25(金) 12:31:51 ID:XjOPRuYZ
荒らし対策とか言われて自宅では一切書き込めなかった。

応援してくれたみんなありがとう。
お礼にリン視点あやこ視点両方で残りのシーンを書きます。
ニンニン
363名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:38:17 ID:ZahFBVwT
>>362
多謝!
続きwktkで待ってる!!
364名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:45:09 ID:tdBBUJXs
女体盛りフラグキタ━━━(゚∀゚)――!!!!

全裸にリボンのみ装着して
『あたしを食べて♪』
なグラビアポーズをとりつつ続きをお待ちしとります!!
365リン綾:2008/01/26(土) 13:10:36 ID:PUJco7qu


     ◆


 もう少し抵抗すると思ったが、意外と落ちるのは早かった。
「やぁ……何、するのよ……」
 裸にした綾子をテーブルの上に寝かせると、改めてその美しさに感嘆とした。
 神の供物であり、自分だけが侵していい至高の女。
「するって……もちろん食べるんですよ」
 人差し指でボウルのチョコレートを掬うと、綾子の頬になすりつけた。
「やっ! 何、いやぁっ!」
 頬を舐め回すとチョコレートの他に、仄かに綾子の味が感じられた。
 三週間ぶりの味だ。
366リン綾:2008/01/26(土) 13:11:38 ID:PUJco7qu
「これならいくらでも食べられそうだ」
 レードルでチョコレートを掬い、胸元からみぞおちにかける。
「ぅぅぅん……」
 綾子の全身が粟立った、かなり妖しげな感覚らしい。
「ばか……やめなさいよ……ばか」
「まだこんなに残っているのに、食べ物を残すのはよくない」
「食べ物で遊ぶ方が、あああん」
 みぞおちから胸元まで一直線に舐め上げると、切ない喘ぎがキッチンに反響した。
「いやっ……はぁっ……ばか」
 見下ろせば、綾子が涙目で抗議している。綾子は学習能力がないのだろうか、そんな目で見られたら、もっといじめてしまいたくなるだろう?
「せっかく苺があるんだ、これも食べましょう」
 白い胸にたっぷりとチョコレートをかけ、そこに苺を滑らせた。
「うう……くぅ……やだ、そんなの食べないで……」
 口の中に苺を放り込むと、綾子が息も絶え絶えに非難した。
367リン綾:2008/01/26(土) 13:13:01 ID:PUJco7qu
「こんな食べ方をしたら、もう普通の食べ方はできそうにもない……」
 6つ程、そうやって苺を食べていると、綾子がしゃくりあげてきた。
「ふふ、ごめんなさい綾。意地悪しすぎましたね」
「ばか……嫌い……やぁ」
 自分ばかり食べていて、綾子の分をすっかり忘れていた。一つ苺を綾子の胸に滑らし、綾子の口に持っていった。
「ほら、綾子、口を開けなさい」
「いやっ! いらないわよ!」
 さっきまでべそをかいていたのに、もう怒り始めた。コロコロ変わる様は、時に鬱陶しいが、今夜はだいぶそそる。
「好き嫌いはよくないですよ」
 鼻をつまんで口にねじ込むと、綾子は泣きながら咀嚼した。
「ほら、今までの何倍もおいしいでしょう?」
 そんなことを続けていると、苺は残り一つになった。
「私が食べていいですか?」
「勝手にして!」
 拗ねられてしまった。じゃあ勝手にしよう。
368リン綾:2008/01/26(土) 13:13:39 ID:PUJco7qu
「……! ぅあっ……ひっ!」
「あなたがどんなに泣いても怒っても、体だけは嘘をつかない」
 最後の苺で綾子のあわい目を上下になぞると、すぐ苺はベトベトになった。
「随分と悦んでくれてるみたいですね、ほら」
「やめっ! いやぁ! 入れないで!」
 苺で入り口付近を嬲ると、くちゅくちゅと淫らな水音が広がった。
「苺がこんなになっちゃったじゃないですか」
 蜜でコーティングされた苺を突きつけると、綾子は眉間にしわを寄せた。
 その様をみつめながら苺を食べると、信じられないと言った具合に綾子が目を見開いた。
「ひどい……ばか」
「チョコレートよりもこっちの方が私は好きだ」
 今度から、スーパーのいちご売場を見ただけで猛ってしまいそうだ。
369リン綾:2008/01/26(土) 13:14:53 ID:PUJco7qu

「確かに、苺だけだと寂しいですね」
 キッチンに置いてあるバナナを一本ちぎり、帰りがけに買ったコンドームをそれに被せた。
「綾は一人の時、こういう遊びをしませんでしたか?」
 こりこりになっている乳首をバナナで弄びながら聞くと、「してないわ」と綾子の怒号が飛んだ。
「そんなはずないでしょう? 週末は必ずと言っていいほど私に抱かれているのに……未だ指でしか?」
「うるさい! ひっ!」
 バナナで入口をつつくと、先程と変わらずに潤んだ感触が伝わってくる。
 果物なんかに期待しているのか、この女は。
「お願い……リン……しないで」
 何がやめてほしいのか、本当は毎晩していたんだろう? 
 だから昨日私を見ても何の反応も起こらなかったんだ。
 なのにそんな可愛い嘘をつくなんて。
370リン綾:2008/01/26(土) 13:16:17 ID:PUJco7qu
「ひっ――あああああっ」
 根元まで一気に突き刺し、同じ速さで引き抜いた。
「何がいやなんです? しっかりくわえこんでいたじゃないですか、逆に抜く時は抵抗を感じた」
「やめてっ! いやっ! いやぁっ!」
 テーブルの上に寝かされ、M字で思い切り開脚させられ、異物を押し込まれてぐちゅぐちゅと気持ちの良さそうな音を出す。
「私が出張に行っている間、こんな風に慰んでいたんでしょう? 正直にそうだと言いなさい」
 動きをエスカレートさせていくと、綾子が自分を蹴りはじめた。
「やだっ! やめてリン! こんなのいやっ!」
「綾、行儀が悪い、やめなさい!」
 両足首を左手で押さえ、そのまま覆い被さった。
 左手の力と自分の体重で動けなくなった綾子は、モゾモゾと虚しく体をくねらせた。
「ほら、言いなさい、そうしたら許してあげる」
「ひっ……ひぃっ! あう……してな……あうぅ」
 バナナを伝って、自分の手までベトベトになってきた。
 綾子は身動きが取れなくなるような状況下だとさらに敏感になる。
 そろそろ限界だろう。
371リン綾:2008/01/26(土) 13:17:54 ID:PUJco7qu
「あああ……やめて……んん……お願い……」
「いくんですか? 果物なんかでいくんですか?」
 追い打ちをかけるように言葉で嬲り、激しく抜き差しを繰り返せば、
 綾子の背は弓なりに仰け反り、断末魔のような喘ぎ声を上げた。

「……あ……ああ……」
 虚ろな目で天井を見上げる綾子に妙な違和感を感じたが、それよりも右手のバナナに意識がいった。
「確かに、いちごだけじゃ足りない」
 バナナに被さっているコンドームを外し、皮をむき、残りのチョコレートをかけた。
「……まさか……食べるの? やめてよ! 汚い!」
「汚くないですよ、普通のバナナだ」
 綾子の味を期待しなかった訳じゃないが、やっぱりただのバナナだった。
 悔し紛れに綾子の耳元でかじり続けた。

「ああ、もう食べ終わってしまった」
 
372リン綾@あとがき:2008/01/26(土) 13:24:18 ID:PUJco7qu
お疲れ様でした。この後綾子視点の本番で終わります。

やっと結ばれた二人の話なのに、続編が相変わらず陵辱ぽくて
綾子が不憫だなと思っています。
373名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:42:52 ID:T7clWGOC
>>372
超GJ
374リン綾:2008/01/29(火) 20:15:33 ID:GWQkefCA


     ◆


「――わぁあああん」
 柄にもなく大声で泣きはじめた綾子に、リンは戸惑いを隠せなかった。
「綾? どうしたんです?」
「んっ、んっ……信じてよ」
 しゃくりあげながら、たどたどしく言葉を紡ぐ様は幼子のようだ。
「あ……んたがいない時、っく……ずっと、我慢してたの」
 リンが抱き寄せようとすると、綾子はそれを払いのけ、テーブルの足元に縋りながら泣き続けた。
 うちひしかれたその姿はリンの余裕を消すのに十分だった。
「何もしてない……っく……変なこと……っく……しないわ」
 リンがいない間、一度も自身を慰んだことはなかった。
 只でさえ多忙な彼の事、出張中ずっと体を酷使しているだろうと思い、
 そんな中自分だけそんな行為をすることはいけないと感じた。
375リン綾:2008/01/29(火) 20:16:22 ID:GWQkefCA
「なのに……そんな……果物なんかで……」
 三週間ぶりに恋人から受けたのは屈辱だった。
 リンではない別の物で辱められ、あげくに果ててしまった。
「もう……いやよ……こんなの」
「綾……」
「お風呂、入る」

 中心を念入りに洗うと、また涙がこみ上げてくる。
 何を言っても信じてもらえない事は、愛されないよりも酷ではないのだろうか。
 思考が排水口に流れる髪の毛のように、絡んではへばりつき、感情を堰き止め溢れさせる。
「綾、入りますよ」
 了承も得ずに入ってきた男の表情は、ひどくバツの悪そうな顔で、
 親の許しを請う子供といった風情だ。
376リン綾:2008/01/29(火) 20:17:45 ID:GWQkefCA
「……」
「あなたに風呂場で泣かれると、居ても立ってもいられないんです」
 キッチンで泣く分には構わないのか。
 憤った綾子は掴んでいたスポンジをリンの顔面に投げつけた。
「!」
「体、洗ってよ。あんたのせいでよごれちゃったの! 
 あと服着なさいよ、一緒に入る気ないから!」
 今日はもう帰ってほしかった。この先を冷静に考えたい。
 これだけやればリンも帰るだろう。
「綾……」
 脱衣所にはリンの夜着が畳んで置いてあった。
 リンが来る前に、あらかじめ綾子が準備していた物だ。
 リンは奥歯を噛み締めると、着てきたYシャツに袖を通した。
「フン……帰ればよかったのに」
 自分の言う通りに服を着てスポンジを持つリンの姿は滑稽だったが、
 愉快な気分には到底なれなかった。
 むしろ、従順に洗われてゆく体に反比例するように苛立ちが募った。
「変なところ触らないでよ!」
 言いがかりをつけると、手桶でリンに湯をかけた。
 頭からスラックスまで容赦なくずぶぬれになっても、黙々と体を洗うリンにますます苛立った。
377リン綾:2008/01/29(火) 20:19:43 ID:GWQkefCA
「髪も洗って」
 シャンプーを手で泡立てさせ、地肌を揉むように洗わせた。
 美容室でシャンプーをしているみたいな心地よい感触だ。
 自分にはない長い指と握力が、いつのまにか自分の心をもみほぐしてくれる。
「かゆいところは?」
 自分の顔が緩んでいるのか、リンが微笑みながら尋ねてきた。
「ないわよばか」
 シャンプーを流した後、リンはコンディショナーではなくヘアパックの容器を取り上げた。
 使い方をしばらく凝視したリンは、タオルで綾子の髪を軽く拭き、
 ヘアパックをぺとぺと付けはじめた。
「……これで、いいんですか?」
「地肌にはつけないでよ」
 浴室にヘアパックの匂いが漂うと、苛立ちが切ない気持ちに変わってゆく。
「……綾」
 いつもの低い声だった。しかし、そこに反省が色濃く出ていると、
 一年近く付き合ってきた綾子には分かった。
「……すみません」
 長い指が、綾子のためだけに動く。
「もう二度としない、許して下さい」
378リン綾:2008/01/29(火) 20:20:57 ID:GWQkefCA
 
 綾子が出た後、入れ替わるようにリンが風呂を使った。
 濡れたYシャツとズボンを干した綾子は、髪も乾かさずベッドに横になった。
「痛みますよ」
 風呂から上がったリンに起こされると、そのままドライヤーで乾かされた。
「最後までやります」
 丁寧にブローされた髪は、自分が行う時よりも綺麗に輝いていた。

「あなたの髪の毛、好きです」

「初めて聞いたわ」
 普段からリンは綾子の髪の毛を触るクセがあった。
 そうだろうとは気づいていたが、面と向かって言われたのは初めてだった。
「あなたの背中に流れる、この緋色の髪の毛が……」
 毛先にそっと口づけるリンに促されるように、綾子は夜着のボタンを外した。
 夜着が肩から滑り落ちると、背中がまろびでた。
「髪の毛だけなの……?」
 緋の髪の毛越しに見える背中の白さに、リンは息を呑んだ。
「綾……」
 後ろから抱きすくめられると、綾子はこれ程度で許してしまう自分の弱さを嘲りながら、
 リンの胸に縋った。
379リン綾@あとがき:2008/01/29(火) 20:23:47 ID:GWQkefCA
この後は「リンさんも普通のセクロスできるんだよ」です。
次で終わればと思っています。
380名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 03:28:28 ID:D9UHNMff
リンが可愛いハァハァ
381名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 23:42:13 ID:BmPd54Fa
久々に通りかかったら、神降臨中とは!
普通のセクロスしてる二人も楽しみ。
382名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 13:01:28 ID:hpHQwKKe
GJ!
俺の中のリンさんが壊れていくwwww
383名無しさん@ピンキー:2008/02/07(木) 16:16:59 ID:CzUiqKxI
2次創作ばかり読んでるからか、久しぶりに原作小説読んだら違和感が…
リンさん出てくるたびににやけてしまう…
384名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 00:36:18 ID:Ccs9twNZ
最初、友達にGHを薦められたがここに来て読もうと思い
その友達に借りたらはまった。
ていうかリンさんのキャラが違っててショックだった
ていうかリンさんってここでのネタキャラだと思ってた
385名無しさん@ピンキー:2008/02/19(火) 11:20:48 ID:0zeJL540
>>384
日本語でおk?
386名無しさん@ピンキー:2008/02/20(水) 10:52:39 ID:1tHZTxXs
>>385
これ(>>384)がGHクオリティだから仕方ないんだよ
387名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 13:56:09 ID:41xPux7E
保管庫消えてない?
388名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 23:17:01 ID:C4JWH9j1
>>387
>32
389名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 13:17:03 ID:QmvQdbai
ageときますよっと
390リン綾:2008/02/29(金) 19:46:14 ID:9+fYzgZt

「本当に、寂しかったんだから」
 ベッドに腰掛けると、綾子の方から唇を求めた。熱い鼻息がリンからこぼれると、たまらず舌を差し入れた。
 互いの胸を合わせてキスをするのが綾子は好きだ。鼓動を通じてリンがもっと身近に感じられる。リンの舌戯も相まって、とろけてゆく。
「ん……」
 綾子はリンの腿の付根に触れると、リンはその手を掴み、股間へ誘った。既に充血していたそれは、三週間前の交わりを思い出させ、ますます綾子を火照らせた。
「……ねぇ、口でさせて……」
 蚊の鳴くような声で綾子が囁くと、リンは唇を緩め、足を広げた。
「昨日は寸止めだったものね」
 床に座り込んだ綾子は、リンの膝に割って入ると、先端を優しく撫でながらキスを落とした。
「んふ……ん」
 最初は怖かった。人体から唯一飛び出している器官、全てが異質で、獰猛で、自分を傷つける物……。
「大分上手くなりましたね」
 それが今では、見ただけで体が火照り、自ら奉仕してしまう。リンに教えられた通り、唾液を溜め、塗りつけるように舐め回す。くびれも根元も丹念に愛撫する。
「さっきまで怒ってたのに、何故してくれるんですか?」
 行為に集中していると、リンが微笑みながら尋ねてきた。
「……うるさい……寂しかったからよ」
 ふてくされながら行為を再開する綾子の頭を、リンはたまらず撫でた。持ち主に反し、髪の毛はリンに吸い付いて、さらさらと指先をなぞる。その妖しい感覚に思わず先走り液をこぼした。
391リン綾:2008/02/29(金) 19:47:12 ID:9+fYzgZt
「二人一緒にしましょう」
 上擦った声でリンが提案すると、綾子は首を振って拒否を表した。
「いいわ、別に。どうせ届かないんだし」
 比較的背の高い綾子であっても、リンとの身長差は30cm近い。互いの性器に顔をうずめるという酔狂な姿勢をとるには無理がある。
(恥ずかしい……どうしてそんなことしたいのかしら)
 引き続き行為に没頭していると、急にベッドに引き上げられた。
「いいでしょう? ね」
 あっという間にあの恥ずかしい姿勢をとらされた綾子は、必死に体勢を戻そうと躍起になった。
「だっ、だめ! だめよリン」
 否定しつつも、がっしりと尻を固定されると、加えられている圧力に秘芯がうずいた。
「届かないなら、指を使いますよ」
 リンはそう言うと、指先でやわやわと内ももをさすり始めた。
「いやっ! あぅ……見ないで……」
 むき出しになったそこを、ずっと凝視されるのは恥ずかしかった。見られるだけで興奮し、ぬるぬると溢れさせるところを凝視されるなんて、想像しただけで恥ずかしさに消え入りたくなる。
「見てほしいんでしょう? 綾は見られるのが大好きなんだ。ほら、早く口を動かしなさい」
 逃げるようにリンの怒張を口に含んだ。しかし、意識はどうしてもリンの頭の方にいってしまう。
「……ぁあぅっ! いやっ! だめっ!」
 リンに充血した肉豆をさすられ、とろとろに開いている花弁に指を押し込まれると、たまらず綾子は肉棒を吐き出した。
「こんなに丸々と太らせて……。私は何もしてないのに」
「言わないで」
 こんな恥ずかしい格好を見られている……その事実がさらに綾子の体を火照らせた。
「ほら、綾子も続けなさい」
 軽く尻をはたかれると、きゅっと挿入されている指を締め付けた。
392リン綾:2008/02/29(金) 19:49:08 ID:9+fYzgZt
「ああぅ……ごめんなさい」
 口に含むと噛んでしまいそうだったので、側面を丁寧に舐め回した。
「ぅん……リン……好きよ」
 見られて感じ、奉仕して感じ、スパンキングでも興奮してしまう……どうしようもない女だと自己嫌悪に陥ってしまいそうだった。
 でも、リンはそれで構わないと言った、そんな自分に心底惚れているとも言ってくれた。ならば今夜は、その言葉に甘えて、最低の女に成り下がってしまおうか。
「ああん! だめっ! そんな激しいの……!」
 泥濘のようになっている綾子の蜜壺を、リンは指を増やして容赦なく責め立てた。
 部屋中にぐちゅぐちゅと卑猥な音が響き渡った。
「綾! はぁっ……ん」
「きゃあっ! だめ! 舐めないで」
 我慢出来ないといった具合にリンは綾子の尻を引き寄せると、指を押し込んだまま舐め回した。
 肉豆を口に含んで、飴のようにしゃぶるリンの舌に、早くも綾子ははぜてしまいそうだった。
 こうしてる間に指の抽速も激しさを増した。
「だめぇ……だめなの……」
 とろとろにとろかされながら、必死でリンから離れようとした。
 綾子は絶頂の時、腰をぐりぐりと押しつけるクセがある。
 リンの顔にそんなことは出来ない、にもかかわらず、リンは自身の顔を綾子に押しつけ、性器そのものを食べるように味わっていた。
「三週間ぶりの綾の味なんだ、もう少し堪能させなさい」
「変なこと言わないで……だめ……もうだめ……ひぃ」
 両手両足を握りしめ、必死に堪え忍んでも、リンの貪欲な愛撫には勝てなかった。
「ひぃーっ! イクの! だめっ! もうだめなのぉ!」
 理性を手放した綾子は、涙をこぼしながら腰をリンに押しつけた。
「ごめんなさい! イクっ! ごめんなさぃい!イクっ! イクっ!」
 脳裏に、普段から睨みつけるようなリンの顔が浮かんだ。
 あの怜悧な顔に、自分のどろどろに溶けた穢らわしいものを押しつけている、綾子の心臓は押しつぶされそうだった。
393リン綾:2008/02/29(金) 19:50:36 ID:9+fYzgZt


「ぁあううぅうっ!」
 獣のような絶叫を上げると、びくびくと体を震わせながら果てた。


「本当にごめんなさい……」
 前髪はぼさぼさに乱れ、口元から鼻先にかけてベトベトに汚れたリンに、綾子は平謝りした。
「……」
 呆然としているのか、機嫌を悪くしたのか、黙ったままだった。
394リン綾@あとがき:2008/02/29(金) 20:01:37 ID:9+fYzgZt
告白すると、実は普通のセックスニガテデース。

そんな自分が書いたノーマルセクロスいかがだったでしょうか。
とはいえまだ前半部分の「アヤちゃん顔面騎乗でイクッ!の巻」ですが。
次回はようやっと、ようやっとの挿入です。実は挿入もニガテデース。

ところで、顔面騎乗ってノーマルプレイでしたっけ?
395名無しさん@ピンキー:2008/03/01(土) 09:18:58 ID:7jNUYvnP
神きてたー!
可愛すぎる綾子に毎度ハアハアしてしまう
神もリンさんもノーマルエロガンガレwww
396名無しさん@ピンキー:2008/03/06(木) 19:29:44 ID:SkBTSj9N
gj!
397リン綾:2008/03/06(木) 19:56:49 ID:ibKyeHz0
「ごめんね、拭かなきゃ……」
 サイドボードにウェットティッシュがあった事を思い出し、ベッドの上を四つんばいで這った。
「たしかここら辺に……ぇ? やっ! ああん!」
 突き出た尻を両手で固定され、そのままずぶりと後背位で一気に貫かれた。
「やぁん! そんなっ、いきなりだめぇ!」
「あんなに乱れた綾を見て、我慢なんてできませんよ!」
 先程の名残で、潤沢な愛液に満たされて挿入はスムースだった。
「だめぇ! 後ろからなんて……だめっ! だめっ!」
 豊満な乳房をゆさゆさと揺らしながら、三週間ぶりに打ち込まれたリンの欲望に蹂躙される。
「ああん……好き……好きなのリン」
 女としてこれ程幸せな事があるのだろうかと、綾子は涙をこぼして悦びに打ち震えた。
「綾、顔を見せて……」
 結合したまま向かい合わせに座った二人は、どちらからともなく唇を合わせた。
「あなたが汚したんだ、綺麗に舐め取りなさい」
「はぁ……ごめんなさい……はぁ、はぁ」
 口元から鼻にかけて、自分の愛液で汚れたリンの顔を丁寧に舐め回した。
 複雑な心境だったが、リンの頬を舐めるという行為に、また体の芯が熱くなった。
「相変わらず吸い付いていい具合だ、今夜はうんと可愛がってあげますよ」
 背を倒したリンは、勢いよく綾子を突き上げ始めた。
398リン綾:2008/03/06(木) 19:57:20 ID:ibKyeHz0
「ひっ! ひぃぃぃっ! あうっ! だめぇ!」
 三週間焦がれたものが、自分の下で暴れている。だらしなくはみ出た花弁を巻き込み、敏感な粘膜を押し広げながら、ずぼっ、ずぼっと音を立て摩擦している。
「きもちいの……くっ……」
 会陰全体を刺激するリンのふさふさした陰毛の感覚にとろけていると、尻を叩かれた。
「さっきの激しい動きはどうしたんです? あなたも動きなさい」
「ひっ! ぶたないで! いたっ! 痛いのっ、あん……」
 リンの骨盤に手を置き腰を揺すると、リンの手は打擲をやめ、やんわりと撫で始めた。
「ぁあ……意地悪……」
「何がです?」
「三週間ぶりなのに、どうして優しくしてくれないの?」
「あなただって邪険にあつかってくれたじゃないですか」
 お互い様だとリンはこぼすと、体を起こし、そのまま綾子に倒れ込んだ。
「やっぱりこの姿勢が一番いい……乱れたあなたを特等席で見れる」
 乱れさせている張本人が優越感に浸りながら囁いた。
「ああっ……や、いや……そんなに脚を上げないで」
 赤子のおしめを替えるように太股を上げると、綾子の花びらが天井に向かって咲いた。
399リン綾:2008/03/06(木) 19:59:06 ID:ibKyeHz0

「最初は指を入れるのも窮屈だったのに、今では平気で私のを飲み込む……」
 蹂躙の末充血した花弁は、それでも涎を垂らしてリンの怒張をしゃぶっていた。
「あんたのせいよっ……あんっ……全部あんたのせいなんだから」
 初めてリンと体を合わせた日から従順に飼い慣らされていく、行き着く先には何が待っているのだろうか。
「いや……ぁ……脚、掛けないで……ぉう……奥に……ぁあっ!」
 リンの腕に脚を掛けられ、身動きの取れない状態になってしまうと、さらに敏感になってしまう。
「動けないと興奮するでしょう」
 首を左右に振って抗議するも、リンの情欲を煽り立てるだけだ。嬉々としてリンが腰を打ち付けてくる。
400リン綾:2008/03/06(木) 19:59:45 ID:ibKyeHz0
「だめぇっ! あうっ! 激しいのっ……だめ……きちゃう……きちゃううぅ」
 シーツを握っていた手はいつのまにか自分の胸を慰んでいた。
「自分でそんなことをして、私のだけでは足りないんですか?」
「だって……だって……きもちよくて……ぁう……切なくって」
 思考も、発する言葉も舌足らずになってゆく。
 限界まで押し広げられた膣内からは、ぐちょっ、ぐちょっ、とはしたない音を立てて愛液が掻き出される。
 流れ出た愛液はすぼまりも濡らし、そこにリンの睾丸が当たると、ひくつく菊穴に妖しい快感を伴わせた。
「綾、そろそろ……」
 腰が砕ける程の激しい抽速に、リンの限界を感じ取った。
「あうっ! おうっ! リンだめぇ! イクのぉ! またいっちゃうのぉ!」
「綾……くっ! 綾!」
 途端、体の中心に熱いものが注ぎ込まれた。
 びくびくと痙攣する陰茎に合わせて、搾り取るように綾子自身も妖しく蠢いた――
401リン綾:2008/03/06(木) 20:00:40 ID:ibKyeHz0


     ◆


「変な弱みがまた増えちゃったわ」
 自分の膝の上でココアを飲んでいる女がふてくされながら呟いた。苦手だったチョコレートの匂いは、いまは好物の匂いになっていた。
「麻衣にねだられて、デパートのゴディバでチョコレートドリンクを飲んだのよ。ほら、あの高いの。」
 綾子のマグカップを取り上げ少し飲み、「それで?」と話を促した。
「その……店に入った時からだったんだけど、チョコの匂いとか、味とかで……もう……」
 頬を紅く染め、睫毛をふるふると震わせながら告白する綾子が可愛い。カップをテーブルに置き、その手で綾子の太ももをなぞり、布越しに秘芯を押した。
「んんっ!」
「匂いだけでこんなに興奮しちゃうんですか」
 じっとりと下着を湿らせている綾子の顔は眉をひそめつつも、熱っぽく潤んだ目で自分をみつめている。
402リン綾:2008/03/06(木) 20:01:26 ID:ibKyeHz0
「そうよっ! ばか! 麻衣に気づかれなかったかヒヤヒヤしたもの!」
 拳を握った綾子は自分の胸をポカポカと叩き始めた。
「可愛い、綾」
 頬に唇を寄せると、腕で押し返された。
「んもー! チョコの匂い嗅ぐ度にヘンな気分になっちゃうなんて、身が持たないわよ! あんたが変なことするから悪いの! リンのバカ! この変態!」
「それなのに、うちに来てココアですか……」
「……だって……」
 耳まで紅く染めて黙りこくった綾子を抱え上げ、寝室まで運んだ。


 自分の下で甘い声を上げる綾子を見つめながら、一つ思い出した。

 ――チョコレートは昔、媚薬として使われていたという――



「綾、ホワイトデーは何がいい?」


END


403リン綾@あとがき:2008/03/06(木) 20:06:21 ID:ibKyeHz0
夏に三部作を完成させて以来の新作ですが、いかがでしたでしょうか。
リンさんもですが綾子も比例して変態になっていく話でした。
404名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 00:15:01 ID:I+Q4vJFL
待っててよかった…!
ありがとう神ありがとう!!
405名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 02:00:16 ID:50Rrj9MD
>>403
もうGJ!の言葉しか出てこない…!
406名無しさん@ピンキー:2008/03/10(月) 21:38:49 ID:lsxr6BBx
久々に立ち寄ったら、神キテター!!
エロ可愛くて最高でした!
407名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 01:09:19 ID:Q//PgwZk
久々に来たら…リン綾GJ!!
綾子(;´Д`)ハァハァ

ついでに保守age
408名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 16:10:23 ID:EcPjwrhp
>>403
GJ!興奮した!

>>228の続きはもう無いのかな
409名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 20:46:09 ID:c/FsB9BY
>>403
ありがとう!!
とても面白かったです
GJ
410名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 12:12:43 ID:wVpPKUzQ
保守age
411名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 23:15:07 ID:sWiDFsfK
もっと変態なリンさんが見たい。
412名無しさん@ピンキー:2008/03/31(月) 22:07:55 ID:mykPk2xS
どのような変態をお望みかね
413名無しさん@ピンキー:2008/04/02(水) 07:56:06 ID:Vq7UMMhX
寝ている麻衣タンの靴下でシコるリンさん
414名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 05:45:16 ID:oYYq/LJ/
変態に犯される麻衣や真砂子が見たい
415名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 01:19:14 ID:H7VOUVCv
漫画10巻発売age
416名無しさん@ピンキー:2008/04/12(土) 02:16:41 ID:qt1RZD+7
お、漸く発売か
買ってくる
417名無しさん@ピンキー:2008/04/26(土) 12:17:39 ID:FHZv9Ni4
e
418名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 14:32:53 ID:BXhdgT5d
ro
419名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 17:15:53 ID:sk/MSo3A
420名無しさん@ピンキー:2008/05/04(日) 16:27:42 ID:s/yCnC2z
hosu
421名無しさん@ピンキー:2008/05/17(土) 13:34:57 ID:nzpOoX/4
ホシュ
422名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 01:14:30 ID:HG5AMorC
hosu
423名無しさん@ピンキー:2008/05/21(水) 02:29:27 ID:f4L6yWXY
保管庫の小説読んだがこのスレレベル高いなw
424名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 14:17:06 ID:Qhnkjh51
安原少年の話を書こうと思っていたんだが…
難しいな。しゃべらせにくい
425名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 23:47:59 ID:cvicHE2k
原作を基準にしてる自分にとって、マンガの少年の喋りはなんか違う
426名無しさん@ピンキー:2008/05/27(火) 22:26:45 ID:VdSQ/HlI
保守
427名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 23:24:42 ID:B/kJoyeR
真砂子と麻衣の百合が見たい
428名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 23:02:18 ID:kvPXb6AX
保管庫にある
429名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 00:07:14 ID:qSZzIt/E
>>428
トン!
430名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 02:18:55 ID:99zsQaUu
やばい…リン綾にめちゃめちゃハマってしまった…
リン綾神に脳髄を犯された…
際限なく読みたいです。リン綾神再び光臨キボンヌです。
431名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 21:29:52 ID:+qMIhSc8
最近神が現れないのは夏祭りのせいか
432名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 23:52:25 ID:6yxx+pMH
age
433名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 21:18:16 ID:gZHZqjXg
434名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 23:46:09 ID:NPqDVGWX
ナル×麻衣を誰か…!
435名無しさん@ピンキー:2008/07/06(日) 11:18:27 ID:Fdpprr7M
文庫さいずのコミックって全5巻て書いてあったけど
小説版とかも昆布様の話で終わりなの?
436名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 22:36:40 ID:gQONs0tX
>>
437名無しさん@ピンキー:2008/07/14(月) 22:38:01 ID:gQONs0tX
ミスた

ALL MAI LOVE を待ち続けて半年以上が経ちました
438名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 00:06:40 ID:OdzsHlfs
>>425
昆布様ワロタ
そういや昔おこぶ×ミニーとかいうネタを考えてた
439かいちょ:2008/07/18(金) 03:44:06 ID:+RxrFICh
こんな朝早くだか夜中だか分からない時間帯からサーセン/(^o^;)\
リン麻衣が好きなんだが、サイトにも同人にもあまりにもなさすぎて、とうとう自分で書いてしまったんだ。

PHSからだから、めちゃめちゃ展開早い上にごじだつじ、さらには漢字が出てこない、とかあったんだけど、気にしないって方だけ次からどうぞ。

軽く、軽く、ホントにかるーくソフトSMっぽい…?/(^o^;)\

440『秘密の情事』 ばい かいちょ:2008/07/18(金) 03:59:09 ID:19zNRiQE

「り、んさん、っ、」
息もたえだえにそう漏らす彼女に、知らず口角があがる。
「どうしましたか、谷山さん」
「っ、早く、これっ、ぁっ…!」
「これ、とは?」
「あぁっ、ん、リンさ、んのイジワル―――ッ!」

この日、麻衣は朝から恋人であるリンに執拗に迫られていた。仕事だから、とようやく解放されてから一緒に事務所に来てみれば、そのままリンが仕事中に使用している資料室に連れこまれ、さらには、麻衣は朝の名残で少しだけ緩んでいる秘部に小さな玩具を入れられた。
抵抗むなしく、されるがままでいた麻衣に、リンが言ったのは、「今日1日はそれで過ごしてください」と。さすがにすぐさま抗議したもの、玩具のスイッチをいれられてしまえば、悲しいかな、快楽に溺れた体は逆らえない。

半日はなんとか無事に過ごしたものの、夕方、休憩のためにお茶を持ってきた麻衣。
リンはそれを視界に納めた瞬間に、ポケットに入っているスイッチに指をかけた。
「あぁ―――っ!」
途端崩れ落ちるようにお茶をのせたお盆を机に置き、そのまま滑るように床に座り込む。
それを椅子に座ったまま眺めるリンは、握る指先をさらに動かす。
弱から強へ。強から弱へ、中へ、と。それが中で動き回るたびに、ひくりひくりと体が波打ち、あられもない声が発せられる。
「あっ、あぅ、んんっ、あ、あぁっ」
もじもじと膝を擦りあわせ、頬を蒸気させ、瞳を閏わせ、半開きに開かれた唇からは矯声と滴る唾液。その必死に耐えている姿にぞくりと背中を震わせ、存分に視姦してからそっと麻衣へと近づく。
「いやらしいですね、そんなに濡らして。」
くつりと笑いながらそう言えば、どこか懇願するような瞳と出会う。しかし、それにすぐには応えず、ゆっくりとした動作で太股を幾度と撫であげる。
「つっ、ぁ、そんなことっ…」
「違うと言えるんですか?」

―――ぐじゅり、

「あぁっ、ぁんんっ!!」
容赦なく、下着の合間から、濡れそぼったソコへと指をつきたてる。
「あぁ…こんなに音がしますよ。聞こえますか?」
「いやぁ、そ、なことっ、いわないでぇっ!あんっ!」

―――じゅぶ、じゅぶ、じゅぶ

最初はジラすようにゆっくりと、でもそのうち中をえぐるように回し、指を1本から2本に増やして暖急をつけてひっかきまわす。
「いくら防音されているとは言え、そんなにあられもない声を出していれば、ナルに気付かれますよ…?」
「やっ、だめっ、んん…っ!」
その言葉に必死に声を漏らすまいとする麻衣に、リンはさらに嗜虐心を煽られ、手早く自身のジッパーを下ろし、既に起ち上がっているソレを、早急に突っ込んだ。


後編へ
441『秘密の情事』 ばい かいちょ:2008/07/18(金) 04:00:18 ID:19zNRiQE


「くぁ、ぅ、っ!」
いきなりの衝撃に背中をのけぞらせる麻衣。
それと同時にその背中に腕を回し、挿入したままグルッと回転させる。
「あぁーっ!」
麻衣がそれに耐えきれずに言葉を漏らす。
そしてそのままリンはグッと腰を掴み自身を最奥へと導く。
「はっ、はぁん、ん、ぁ、つっ!」
獣のように背後から犯されるその姿に残り少ない理性も完全に飛ぶ。
「くっ!あなたは、いつも、そんなに淫らにあえいで、腰を揺らして、こうして私を誘う。」
「ぁ、ん、り、んさぁ、あんんっ、ふっ、ぅあっ!」
「っ、隣には安原さんが、その向こうにはナルがいてっ、滝川さんた、ちもいつ来るか分からない状態なのに、っ、あなたはなんて淫乱なんだっ」
「んんっ、だって、そうさせてるっ、のは、りんさんだもんっ!んあぁっ!」
ぐっ、ぐっと締め付けるソコに神経を集中させがら、彼女に覆い被さるようになり、後ろから腕を伸ばし胸をいじくる。
「あんっ、んっ、やぁっ」
「何が嫌ですか、こんなに尖らしてっ」
ピンっととがった乳首を親指と人指し指で挟み、クイッとつねあげる。
「あぁっ!いやぁ、それっ、だめぇっ!!」
「つぅ、!な、にが駄目ですか。谷山さんは乳首をいじられるのが好きなんでしょうっ?」
「いや、ちがっ、ぅあっん!」
否定する言葉を発せられる前に両方の乳首を押し潰すように捻り、さらに腰を突き上げるように奥へと幾度となく挿入した。
「あ、ぁ、あ、あぁああぁぁぁぁ―――っ!!」
「くっ、っ、た、にやまさ、んっ!!」
乳首をきゅっとつまんだまま、グイッと力強くえぐるようにさらに最奥をつけば、中がピクピクと痙攣して自身をしめあげる。その快感にも身を委ねながら、リンは、自分の腕の中で震える彼女をそっと包むように抱きこんだ。



終われ。

442かいちょ:2008/07/18(金) 04:02:13 ID:19zNRiQE
お目汚しサーセンでした…orz

でも、なんかやっぱりリン麻衣好き出し、のわりに少ないから今からサイトでも作ってくるwww

ヲタクっていいなぁ\(^o^)/

443名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 07:35:59 ID:dLm9l66c
>>かいちょ
ごちそーさまでございました
444名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 00:45:29 ID:pxn5CgTc
ホシュ
445名無しさん@ピンキー:2008/08/09(土) 01:21:23 ID:vvu0wzZp
ほしゅ
446sage:2008/08/17(日) 21:01:10 ID:YnEVA7nv
リン麻衣好きだお
447ほしゅ:2008/08/18(月) 22:30:07 ID:7RScCpme
ぼー麻衣ハァハァ(*´Д`)
448名無しさん@ピンキー:2008/08/19(火) 22:22:09 ID:EuA5iCrj
じゃあ自分は安麻衣萌え〜と言ってみる
449名無しさん@ピンキー:2008/08/20(水) 00:33:03 ID:B+UVME94
麻衣ナル...
450名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 09:51:14 ID:5FpwYn6g
>>449
ナル麻衣じゃなくて麻衣ナルとは…。
451名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 00:38:04 ID:KWFOzopi
ナル受けですね、わかります
452ナル麻衣 被験者M:2008/08/23(土) 03:41:31 ID:ffjfKYCb

初投稿で、失礼がありましたら申し訳ないっス。
お目こぼしいただけましたらありがたい。
誤字脱字もご容赦ください。

『被験者 M』


「・・・・・ふっ・・・・ぁん・・・」

耐える様に歪んだ唇から、微かに声が洩れる。
目覆おう黒い布は頭の後ろできつく結ばれ、両腕は彼女が座る椅子の肘掛けに据え付けられたベルトで動かないよう固定されていた。
そしてその華奢な体から伸びる両足は、座面に対し浅く腰掛けるように前にせり出され、大きく左右に開かされている。閉じる事が出来ぬように膝と足首は、椅子でベルトに固定されている。
執拗なまでに自由を奪われたその様子は、見る者が見れば無残としか言い様がないほどに、サディスティックな光景だった。
椅子に繋がれた彼女に出来ることは、耐えることだけだ。

麻衣は唇を噛み締める。

声を堪えているせいで、息継ぎすらままならない。強く握った両手の拳は、血の気を失って蝋のように白くなり、時折小刻みに揺れる躰には、うっすらと汗が浮いていた。
自分の眼前で大きく足を開いた状態で喘ぐ麻衣の姿を、ナルは口角を緩やかな上げて酷薄な笑みを浮かべ眺めていた。

滑稽で愚かな姿だ。

荒く上下する胸に、うす桃色に色づいた胸の蕾がツンと天井を指しているのがわかる。身につけているものといえば、肌が透けるほどに薄い簡素なシャツとショーツだけだ。
この行為に際して、ナルが許可したもののすべてだ。だが、麻衣に与えたものがもうひとつある。
すっぽりと握り込んでしまえるぐらい小さなモノを、手の中で遊ばせながら、ナルはくつくつと笑った。それについたスイッチをゆっくりと動かすと、くぐもったモーター音が水音と共に室内に響き渡った。


――――――ブブブブブブブブブ。


「ああぁあああああああ!!!」
麻衣の躰が震える。
身につけているショーツは躰の中心から溢れ落ちる大量の蜜を存分に吸って、床を濡らすほどにぐっしょりと滴っていた。もはやショーツの役割などまったく果たしていない。
黒い陰りの奥に艶かしい赤が見え隠れするその場所から、いやらしいモーター音は聞こえている。
身悶える麻衣の姿を見下ろし、ナルはなお手の中の物を指で操り続けた。
秘所に埋め込まれたローターが強い振動を放つ。
膣の入口を抉るように暴れまわる刺激に、麻衣は声を堪えるのも忘れ唯一自由な頭を激しく振りかぶった。


続く・・・・か?
453名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 05:11:29 ID:d9gQcyFO
ナルによる麻衣調教(実験?)
ワクテカ
454ナル麻衣 被験者M:2008/08/23(土) 12:07:13 ID:ffjfKYCb
『被験者 M』 続きデス。
一回分のカキコ量がわからずお見苦しくてスンマセン(汗)



「いやいやぁぁ!!!」
「我慢しろ」
「な・・・ナル・・もう・・・だめっぇぇ・・・ひぁっん・・・」

出力を落としてやる。
麻衣は浅く呼吸を繰り返して叫んだ。

「だめぇ・・・もう、うぅふっ、んんん」
「麻衣、変な声を出すな」
「ああっん・・・・・で、でもっ・・・・・」
「何度言ったら解る。恥ずかしくないのか?」

これでは安原さんにもリンにも外に丸聞こえだ、そう冷たく言い放つと、麻衣は喘ぎながら目を覆う布に涙を滲ませた。
すり合わせたいが為にプルプルと揺れる膝頭は、きつく押さえつけられたベルトに阻まれたままだ。
過ぎる快感は苦痛でしかない。やり過ごせない感覚に五感のすべてを狂わされ、そのすべてが足元から掬われ突き落とされる。

「データを採取するための実験なんだが?」
「・・・わ・・・わかって・・・わかっている・・・けど・・・ひっぃ!!!」

リモコンの出力をもう一度最大に戻す。

「ああっっあああああ」

容赦なく加えられる無機質な振動。
執拗な責めに麻衣が椅子を軋ませて大きく仰け反った。

「いやらしいな麻衣は。どこがそんなに気持ちイイんだ?」
「そ、んなっ・・・こと・・・な・・」

恥ずかしさに嫌々と首を振る麻衣の尖った胸の蕾を、ナルは薄布の上から指で弾いた。
小振りだが形のいい乳房がぴくんっと震える。

「ひぃぁんんんん!!イヤっいやぁぁぁぁ」
「嫌?違うだろ。毎日に毎日、楽しくて堪らないんじゃないか」

ローターはうねった音を響かせ続けている。
麻衣の唇から声にならない悲鳴が漏れ、ひくひくと白い喉が動く。口元のわずかな隙間から、血を滴らせたような紅色の舌先がチラチラと覗く。
指先で乳房の頂を摘み、ナルは押しつぶすように強く捻り上げた。
苦痛にも快感にも、そのどれにも麻衣は既に堪えられなかった。

「ひっぃぃぃぃぃぃ!!」

ひときわ大きな喘声をあがる。
絶頂を迎えたらしい躰があっけなく脱力する。
首がだらりと前に下がった。
だが、麻衣の華芯ではじゅぶじゅぶと音を立て続ける淫具がまだ蠢き続けていた。


455ナル麻衣 被験者M:2008/08/23(土) 12:15:14 ID:ffjfKYCb


サイ能力のデータを取る実験を行うと告げたのは5日前。

所長室で行われるソレは、一方的に施される淫らな調教行為に他ならない。
体内で発生する『気』の力を数値として採取するためと、蜜壺にローターを仕込んだ。
偽りの実験内容を説明するナルに、麻衣は何の疑問も抱かないまま、無垢な少女の体を彼の前に開いた。
二日、三日と毎日繰り返される実験と称する淫行に、麻衣の躰は徐々に飼い慣らされ、5日目を迎えた今では、彼女のソコはどんなときでもドロドロに熱く濡れるようになっている。
デスクの上にスイッチを切ったリモコン放り出すと、ナルはさも可笑しげに笑った。
彼女はまだこれが実験だと信じているのだろうか。
いまどき珍しい位、肉欲の知識についてウブなのは、彼女の不幸な境遇が作用しているものなのだろう。
さすがに服を脱げと言ったことについては当初多少の抵抗があったが、『お前は医者の前で恥ずかしがるのか?』返せば、それ以上余計な反抗を示すことはなかった。
押し広げられた足の間にナルは膝を着く。
一人の雄が持つ欲望の前に、隠されるべき花園は無理矢理暴かれようとしている。
ショーツの隙間から指を入れ、甘い涎をだらしなく流し続ける淫芯に触れる。
入口で遊ばせていたオモチャを避け、ぬるりとした感触を楽しみながらクレバスに沿って指を潜り込ませる。
意識のない主に反し、花壺は明確な意思を持って奥へ奥へとナルを呑み込んでゆく。

くちゅり。
くちゅり。

蠢く壁に指を増やし、ぐるりと引っ掻くように掻き回す。慣らすのに5日掛けたが、相変わらず狭い。
だが充分だ。
抜き差しするスピードを速めると、粘りのある体液が泡立ちながらどんどんと溢れた。
そこから立ち昇る咽返るような匂いは、もはや盛り狂う雌でしかない。
気を戻していない筈の麻衣が微かに肩を震えさせる。


「そろそろだな」

低い声で誰にとはなく呟く。
拘束を解き、人形のようになった躰を椅子から抱き上げて所長室の仮眠ベッドに横たえた。
麻衣が身につけているシャツの襟に手を掛けいっきに引き裂く。あっけなく破れてゆく寄る辺のない布の音をうっとりと耳に聴く。


――――――麻衣を犯す。

脳裏に浮かべた言葉に、ナルの心は言い知れぬ暗い歓喜に包まれていた。



まだ続きます・・・・ヌルーで遅くて・・・ヘタレ(涙)

456名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 14:31:17 ID:57ByyLfF
GJ!!
神降臨☆
続き楽しみにしてます♪
457名無しさん@ピンキー:2008/08/23(土) 21:32:44 ID:l8HermP7
神キテター!!
続き待ってます!全裸で
458ナル麻衣 被験者M:2008/08/24(日) 11:03:16 ID:hWbJQ36q
続き投下デス。読み返すと誤字多くて赤面・・・・・。
イロイロスンマセンが、勢いで逝かせて頂きたい。

以下、ネタバレ内容が出てきますので、いやんな方は避けてくだされ。

****

引き裂いたシャツを躊躇なく床に投げ捨てる。
目隠しをされ弛緩した身体を曝け出したこの少女は、まさに悪魔へと捧げられる憐れな供物だ。
これから辱めようとしている生贄を睥睨し存分に視姦する。
青白い蛍光灯の灯りに晒された姿態は、オーガニズムがもたらす興奮に微かに紅潮していた。
しっとりと汗を含んだ肌に触れると掌にぴったりと馴染む。
その感触は上質な絹を思わせる。
鳶色の目を隠す布のすぐ下にある唇は、ぷっくりと瑞々しいまでに濡れて見えた。
親指を唇にあてがいながら押し込む。
歯列を割ってもぐりこませ指先を濡らすと、ナルは唇の彎曲を辿って耳朶から首筋、鎖骨の窪みへと濡れた線を描いてゆく。

乳房の形、さくら色をした固い蕾。
少しでも力を入れれば簡単に手折ってしまえるか細い肢体。

そのすべてを、彼は触覚と視覚から脳内に刻み付ける。
押し返すような柔らかな肉の感触を追いかけ、鳩尾へとつづくなだらかな稜線とその先にある筈の茂みを隠す布に行き着く。
膝裏に手を入れて立たせ左右に開くと、淫液にまみれたショーツの中心部が露わになった。
ナルの口から、思わず『ほう』と息が洩れた。
濡れた布越しに、淫部の輪郭がはっきりと視える。

この先に麻衣のすべてがある。

ショーツ始末を迷い、どうしようかと考え、ナルはおのが我欲に任せ先程と同様に乱暴に引き千切った。

びり。
びりりりりり。

眼前にてらてらとした淡紅色の華芯が顔を覗かせる。
ナルは目を閉じ、顔を近付けた。
色素の薄い柔らかな恥毛は濡れそぼっていた。舌先で探りながら、割目の奥に隠れるクリトリスをねぶる。
口の中へ麻衣の味がいっぱいに広がり、その甘さにどうしようもなく酔いしれる。
抑えることの出来ない衝動に請われるままに歯を立てる。

「――――――――ん・・・・ん」

もたらされた刺激に、麻衣の意識がわずかだが戻った。
身じろぐ。
だが、極限まで上り詰めさせられた身体はすぐに動く事が出来ない。

「麻衣」

体を起こし耳朶に口を寄せナルは囁く。
声に応え、視界を奪われたままの麻衣が恍惚として、その名を呼んだ。

――――――― 『ジーン』と・・・・・。
459名無しさん@ピンキー:2008/08/24(日) 13:50:33 ID:JDoWTCOb
続きっ!! 続き待ってます。
最後のセリフ…ナルがちょっと哀れになっちゃいました。
ナル頑張れ!!
460ナル麻衣 被験者M:2008/08/24(日) 17:40:30 ID:hWbJQ36q
凝りもせず続きデス。
相変わらずネタバレまっしぐらん。
いやんな方は退避してくだされ。



どちらがより憎いのかと問われれば、即答しただろう。
兄よりも、麻衣がより憎いと。



麻衣には事前に向精神薬の一種をカプセルで飲ませてあった。
体内で融け吸収されたそれは、催眠作用と共に擬似的な酩酊状態を作りだす。
「麻衣」
もう一度呼び掛けるとのろのろと右手があがる。
彷徨うに出された手に同じ右手を重ね、ナルは指を絡ませてやんわりと握り込んだ。

「ジ―――・・ン・・・?」

嫌いだ。
自分を好きだと言ったその口で、死んだ兄が本当は好きだったのだと泣き崩れた彼女が嫌いだ。

悪意がなければあの言葉に罪がないとでも?
――――――馬鹿な麻衣。僕はお前が憎くて堪らない。

「そうだよ」
「・・・・・ここ・・・ど・・・こ」
「どこでもない。いつものところ、ふたりだけの場所。何かみえる?」
「う・・・うん、何も・・・見えない・・・まっくら・・・」
「そう」
「ジーン・・・?」

冷徹に振舞う自分に心がないとでも?
――――――結局お前も同じ。僕とジーンの区別すらつかなかった。

「なに?」
「こ・・・こわい・・・あたし・・・こ・・わいよ・」
「だいじょうぶ」

中有の狭間で何度も逢瀬を重ね、心を繋げ合うふたりに昏い焦燥を感じている自分に吐き気がした。
黒服を脱ぐ。麻衣と肌を重ね合わせると、その熱さに焼かれるようだった。
おぞましく歪んだ笑みがナルの白い顔に浮かんだ。

「きみのすべてを僕に頂戴」
461名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 00:25:22 ID:WPMILy72
ここに感想カキコしますよー!
ちみっと愛が見え隠れするのは幻覚でしょうか??
ぬるくなかったっす!十分エロかったです!
ここで終わるのは酷ですーーー!!
なんとかしてーーー!!
462名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 22:48:54 ID:uD+ntP2j
つ〜づ〜きぃぃ〜!!
待ってます☆★☆

ばかりなコメントでごめんなさい…
でも、楽しみに待ってます。
麻衣は何気に罪作りですね…
ナルが不憫な気がしますが、そんなナルに激しく萌えてしまいます♪
463ナル麻衣 被験者M:2008/08/26(火) 07:36:54 ID:LjjrcRoL
肝心なところで間が開いてしまって申し訳ないorz
ネタバレ注意(そういえば無理矢理注意とかも・・・)


***

ジーンを演じるナルの言葉に、麻衣は濁った意識の中でコクリと頷いた。
両足を大きく開かせ、その間に腰を落とす。
既に猛ってギチギチに固くなった己の欲望を、小さな赤い裂目にあてがい焦らすように上下に動かすと、華芯にぬちゃぬちゃと擦れ合った。
半開きになった唇から、気だるい息が抜けてゆく。
媚薬代わりに与えた薬に麻衣は酔っている。
何も知らないはずの躰は男を求めて淫靡に腰を揺らす。内股を濡らす蜜の香りが、さらなる色情を掻き立てた。
開かれた翳りの奥に、鮮やかな朱色の襞がある。ぬっぷりと粘る膣壁が蠢くそこへ、ナルは肉欲の先端をずぶりと突き挿した。

「あぁぁぁぁぁぁっ!!」

薬の酩酊で痛覚を鈍らせているとはいえ、すべてを騙すことは出来ない。
ひゅっと麻衣が息を呑み、躰を強張らせた。
雁首まで挿入し、ナルはいったん動きを止めた。中はさきほど指で確かめたときよりも狭く、そして酷く熱かった。
彼女が溢れさせた蜜が纏わりつき、気を抜けば精を放ちそうになる。

「―――――くっ」

限界は想像以上に早く来そうだった。
だが、まだだ。
力の入らない弱々しい身体で麻衣は抗うように身を捩る。

ベッドに抑えつけ、麻衣のすべてを略奪するべく、ナルはひと息に腰を進めた。


****

あと二回ほどで終わると思います
まだ続きますデゲス
464ナル麻衣 被験者M:2008/08/26(火) 20:37:06 ID:LjjrcRoL
ネタバレ注意/言うまでもなく鬼畜、無理矢理注意(遅すぎ・・・・)

****

混濁していた麻衣の意識がわずかだが覚醒し、細い腕がナルを押し返そうと足掻いた。
身を捩らせて振り乱れた髪が、周囲に汗を散らせる。

「イッ・・・・・ヤぁぁぁ、ジ――――・・・・ン、イヤぁぁ―――――」

身を貫く太い杭は、堪え難い苦痛を麻衣にもたらす。
目隠しの下で涙を流しているに違いない彼女を見下ろしながら、ナルは自身の中心に集まってゆく残酷な嗜虐心が止められなかった。
根元まで埋め込んだモノが生み出すのは絶対的な快楽だ。

「やめっ・・・・や・・・だぁ・・・・ああああ」

力の入らない麻衣の両足を、肩へと更に担ぎ突き上げる。その反動で胸につくほど深い角度で彼女の躰が折り曲がった。
ナルの眼下に、恥丘とそこから繋がる結合部が大胆に晒される。大きく口を開けた陰裂のみぎわに、この数日間ローターで快楽を教え込んだクリトリスが赤く充血しているのが見える。
足と上半身の間で淫らに押しつぶされた胸の突起を片手で弄り、もう片方の手で淫芽を擦るように摘むと、麻衣は柔らかな喉を仰け反らせ声にならない悲鳴を上げた。
ナルは斟酌なく貪欲な願望のぶつけて、麻衣を何度も打ち据える。
粘膜と擦れ合う猛りが強引に壺をかき回し、粘りのある陰湿な音が淫部から響く。

「あああっ・・・・・あああぁぁ・・・・だぁ・・・だめぇぇ」

破瓜の苦痛から逃れたいという本能が、わずかな快感の尾を必死に追い掛ける。
ナルはたたみかけるように唇を奪い、舌を絡め口腔を貪った。
混ざり合った互いの唾液が、重ね合わせた口の端から流れ落ちる。
次々と与えられる享楽に、性に未熟な少女が堪える術などあろう筈がない。
喘声に、痛みを堪えるだけではない甘い色が含み始めるのに、そう時間は掛からなかった。

「ふぁ・・・・んんん」

解放の刻が迫る。
挿入のスピードを激しくし、ナルはその最後の仕上げに掛かった。
465ナル麻衣 被験者M:2008/08/26(火) 20:38:09 ID:LjjrcRoL



―――――これは贖い。



完全には引き抜かぬよう注意を払い、猛りを引き出す。ぱっくりと口を開けた裂け目から、血の混じった愛液が零れ尻へと伝ってゆく。

「・・・・じ・・・―――――ン・・・ジーン・・・」

うわ言のように呟く麻衣の淫芽を指で潰す。
唇を震わせ、甲高い悲鳴が喉を突いた。


―――――その罪を刻みつけ為の。


至高を登り詰めようとする躰を、ナルは大きく貫いて淫猥の直中に突き墜した。
麻衣の中に、白い欲望を解き放ち、注ぎ込む。

「あああああぁぁ―――――!!!!!」

再び嬌声があがり、麻衣の躰から力が失われる。
ナルは麻衣の視界を奪う布に手を掛けると、すばやくそれをむしり取った。

涙に濡れた瞼がうっすらと開く。

眩しさの中でも虚ろなままの瞳がナルを捉えた。

その眼に光がもどり、大きく見開かれる。


『僕は、ジーンじゃない』

妖艶な笑みで、ナルは断罪の剣を振り下ろした。

466ナル麻衣 被験者M:2008/08/26(火) 20:39:26 ID:LjjrcRoL

***


コンコン。

ノックの音に、身支度を終えたナルが自ら扉を開ける。
所長室の入口にはリンが立っていた。
あまりにもタイミングがいい。ナルは口角を上げ、皮肉の笑みをリンに向けた。
「・・・・なんだ、待っていたのか?」
リンは僅かに眉を顰めた。
「横やりを入れて欲しいならそうしますが」
「無粋だな」
「貴方に言われたくありませんね」
リンは扉の向こうに広がる光景を一瞥して嘆息した。
先ほどまでの熱の痕跡はまだ完全には消えていない。そこには、所長室の仮眠ベッドで痴態を露わにしたまま気を失った麻衣が横たわっている。
だが、どちらもそのことを気にしていない。
「谷山さんの進捗は?」
「おおよそはいい。来週には仕上がるだろう。それよりも松崎さんと原さんの方はどうなっている?」
ナルの問いに、リンは手に持っていたファイルに目を落とし報告する。
「松崎さんのほうは昨日、私の方で完了しました」
「ふうん。あっけないものだな。気が強いのは外見だけということか」
「素直ですよ、彼女は」
チラリと視線を向けたナルに、彼はめずらしくうっすらと笑って応えた。
ナルは肩を竦める。
「原さんの方も、安原さんなら心配要らないだろう」
何事にも上手く立ち回る彼ならば、期日までに仕上げて来る。
「そうですね」
リンが頷く。
ジーンとナルの双子は――――特にジーンだが・・・――――その躰を使い好色なパトロン達から莫大な研究資金を集めていた。
だがその片割れが死に、研究に没頭したいナルに、もはやパトロン達を相手にする余裕はない。

「三人にはせいぜい稼いでもらおう。僕のために」


ぱたりと扉が閉まる。
後には静寂だけが残った。


BAD END・・・・・・・。
467ナル麻衣 被験者M@あとがき:2008/08/26(火) 20:44:25 ID:LjjrcRoL

とことんエロ/とことん鬼畜

そんなモノを目指したのにヌルイかったですね。
そこはかとなく愛憎なんぞをちりばめ、
ピカレスクに仕上げてみましたが、いかがだったでしょうか。


最後の「リン綾/安真砂子」の調教は、個人的ドリームを詰め込んでみました。
468ナル麻衣 被験者M@ラストお詫び:2008/08/26(火) 20:46:35 ID:LjjrcRoL

誤字脱字が多くてすみませんでした!!

orz
469名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 22:20:50 ID:OeIsrvlM
お疲れ様でした。
ナル、とことん鬼畜ですね…リンさんも…
途中でナルに同情したのに…
でも、すっごく良い意味で裏切られた展開だったです。
☆神様ありがとう☆
また、来てください♪
470名無しさん@ピンキー:2008/08/26(火) 23:03:55 ID:isLi/5yI
>>468
誤字脱字なんて一一謝らなくていいよ。
気にする人は気にするし、気にしない人は気にしないだけのこと。
寧ろ、気にするくらいなら自分で読み返せばいいのにそうしないで言い訳のように謝罪を書く方が余程鬱陶しい。
471名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 07:02:00 ID:EK98yO3R
>>470
そんな風に書いちゃう君がうざー。

しかし…
楽しませて頂きましたよー!
そーかー、そういうオチかー。
ううう、途中随分悶えさせていただきましたが…
頭はドナドナですー。

お疲れ様でしたー!次回作ヨロですー!
472名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 09:41:43 ID:9N3Urjad
>>467
乙でした。おもしろかった!
ナルの行き過ぎた愛憎が上手に表現されてて、読み応え有りました
オチがBADじゃなかったらどうなってたんだろ

次回作もあるなら楽しみです
473名無しさん@ピンキー:2008/08/27(水) 19:19:02 ID:ABHCHVLA
なんという自演
474名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 02:11:28 ID:QyCKKdXN
自演??
475名無しさん@ピンキー:2008/08/28(木) 15:24:28 ID:YQC5hR/W
>468
面白かったよ
ただ、いちいち、言い訳しなくても、最後に簡単にまとめて書いとけば
よかったんじゃないか
誤字脱字に関しては、470に同意
次回作も、あるなら楽しみにしてる
476名無しさん@ピンキー:2008/09/03(水) 22:11:52 ID:Hlc0kACL
ホシュ
477名無しさん@ピンキー:2008/09/11(木) 07:42:32 ID:ecrCNf9B
ほす
478名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 23:20:59 ID:u9NSW3tt
>>468
GJ!
続きに期待!
479名無しさん@ピンキー:2008/09/19(金) 19:29:22 ID:JIpDSfo7
本日双子のバースデーなり〜!
ハピバ〜!
480ネタバレ:2008/09/20(土) 04:27:43 ID:Eva2Ja9r
あれ、もう言ってよくなったの?
自分が知らないだけで、コミックスの最終巻とか出た?
481名無しさん@ピンキー:2008/09/23(火) 12:46:43 ID:9ljWPQCS
テンプレに入ってないし、書き手も気を使ってないようなのでいいのでは
てか過疎りすぎorz
482名無しさん@ピンキー:2008/09/26(金) 23:30:27 ID:OZgXVvps
だね。
今もここに来てる人で、ヘイキ!の内容を知らない人っているのかな。
483名無しさん@ピンキー:2008/09/29(月) 23:30:44 ID:5R3jxdGZ
フツーにいると思うよ
484名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 19:05:49 ID:DPMytrJb
SS職人・・・どなたか来てっ!!

神〜
485名無しさん@ピンキー:2008/10/02(木) 17:57:30 ID:GMUGUhP/
ヲリキリ様でもしようか
486名無しさん@ピンキー:2008/10/03(金) 02:46:17 ID:3Iks/c2F
それより建物の増築をしよう
487名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 19:34:12 ID:7LNhJjHH
奉るのを忘れたから、オコブ様に祟られてるのか
488名無しさん@ピンキー:2008/10/15(水) 20:30:53 ID:Anqsj/mg
本気で過疎ってるな・・・・
489名無しさん@ピンキー:2008/10/16(木) 21:47:11 ID:I19Df1Zk
ミニーの相手で忙しいの。
490名無しさん@ピンキー:2008/10/23(木) 16:23:16 ID:FBLf//VB
保守
491名無しさん@ピンキー:2008/10/25(土) 16:42:56 ID:5Fjr58qF
hjdeahvui
492名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 02:05:11 ID:GOpNPpka
本がでるペースが遅いから、思わずホワイトハートの方を買ってしまいそうになるよ〜!!
493名無しさん@ピンキー:2008/11/06(木) 18:57:27 ID:0Z0a/NVr
保管庫消えた?
494名無しさん@ピンキー:2008/11/07(金) 17:39:24 ID:Of8MuHwh
>>493

>32
495名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 02:28:38 ID:RMhKa7a+
ぬるぽ
496名無しさん@ピンキー:2008/11/19(水) 22:43:49 ID:JYYMRH4a
がっ
ついでにあげ
497名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 05:07:39 ID:1XU3nKlj







のあき
498名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 02:41:41 ID:AIQv4Rcd
過疎ってんなあ
アニメ化したのはいつの事だったかいのお
499名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 11:24:42 ID:9LGotMKn
さあ……わたくしの住む田舎町では放映されずじまいでしたゆえ、
そのようなことはもうすっかり忘れてしまっております。

……それよりも、貴方、こちらに来てはいただけませぬか?
(廃屋の、とうてい人が入る余地はない隙間の陰から手招く)
500名無しさん@ピンキー:2008/12/28(日) 22:18:50 ID:pZpiNDTL
久しぶりにぼー麻衣読みたいなぁ…
501名無しさん@ピンキー:2009/01/03(土) 23:38:21 ID:22EyC/sV
明けましてお正月。
ジャパニーズ嫌いのリンさんに和服を着せようとしたらスゲー嫌がるだろうから、
そこで綾子の帯くるくるを餌にして着て貰う方向にもっていくのがいいと思う。
502名無しさん@ピンキー:2009/01/06(火) 12:14:39 ID:/+8R6+Im
綾子「着物の下はショーツなんてはかないのよ、ラインが見えるから」
麻衣「やだぁ、スースーするよぉ」

リン(…いいなあジャパン文化…)
ナル(オイオイオイ、正月早々ノーパン祭りかよ、すごいな日本)
503名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 03:59:13 ID:hyxZDFDF
>>502
ちょ、ナルの心の声www
彼の日本語の語彙に『ノーパン祭り』なんてのがあるのかと考えるとおかしくて仕方ないwwwww
504名無しさん@ピンキー:2009/01/10(土) 00:50:28 ID:VJC7kEGb
そういう語彙教えてるのは多分ぼーさんだろうなw
505名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 17:07:53 ID:3T4n/jzU
>>502
ナルも男の子だったんですねww
506名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 06:12:08 ID:SC8xEGvm
神はまだ?
507名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 09:23:50 ID:VId2d+UQ
神といえばおこぶ様
508名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 00:10:26 ID:vtvARZnI
綾子がおこぶ様を性的に鎮めるのですね?
509名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 01:49:53 ID:4mQ9dKa0
>>507-508に触発された突発短文
陵辱ものなので注意

(もう……駄目なのかなあ)
 洞窟の岩壁にもたれながら、あたしはぼんやりとした思考で考える。
なんだかひどく現実感が薄い。
 坊さんの呪もジョンの祈りもリンさんの符術も、ナルの気功さえ通じなかった。
 洞窟の入り口は固く閉じ、内部の空間は不気味に脈動している。
 背後の岩壁も、まるで生命持つもののように蠕動していた。
 折り重なるように倒れている安原さんとジョン。坊さんもおこぶ様に弾き
とばれて蹲ったままだ。さっきまで立っていたナルも崩れ落ち、リンさんも
気を失っている。
 綾子と真砂子は、意識は失ってはいないのだろうけど、力なく座り込んだまま
動かない。
 みんなを助けなきゃ、なんとかしなきゃって、どこか遠くで叫んでるあたしが
いる。けれど、体はピクリとも動かない。動こうという気さえ起きない。
(神様に対抗しようなんて、やっぱり無理だったんだよ……)
 諦めが心の中に広がっていく。
 洞窟の奥には、お社に収まったおこぶ様。あたしたちが洞窟に入ったときから、
わずかの変化すら顕れていない。――わずかな変化も、あたしたちは与えることが
できなかったんだ。 
 ぼうっとおこぶ様を見つめていたあたしは、不意に洞窟の様子が変わっているのに
気がついた。
 不気味な脈動は変わらないけど……なんだろう、ひどく生臭くて、ベタベタと不快な
感じがする。
 思わず鼻を押さえようとして、あたしは腕が動かないことを知った。
 腕に不透明の何かが巻きついて、壁に釘付けにされている!
 背中を氷塊が落ちていく。
 慌ててもぎはなそうとしたけれど、がっちりと固定されていて動かない。
510名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 01:50:25 ID:4mQ9dKa0
「やっ」
 壁を蹴りつけようとした足も動かない。あたしはますます動揺する。
 そのうち、不透明なものはその一部を伸ばしてきて、服の間からするすると
入り込んできた。肌を撫でられて鳥肌が立つ。
「な、なに……」
 Tシャツの裾から潜り込んできたソレは、器用にブラジャーを外すと、あたしの胸に
巻きついてきた。平べったく広がったソレが、右胸を包んでやわやわと揉みしだく。
そうかと思えば左胸にとりついたソレが、細く尖って乳首をギュッとつまみ上げる。
「やだあっ」
 あたしは全身に力を入れて、壁から体を放そうとするけどかなわない。
 足首から侵入したソレは太ももをぬめぬめと行き来し、ウエストから入り込んだ
ソレは無遠慮に下腹部を撫で回して、その下へと進んでいく。
「や、いやぁ!」
 誰にも触られたことのない、女の子として大切な部分を妖しのものに侵される
不快感に総毛立つ。だけど、なぜか次の瞬間、全身がカッと熱くなった。
(なに、これ……)
 じんじんと痺れるような感覚があたしを支配する。ぬるぬるした生暖かいソレが、
あそこを何度も何度も擦りあげる。同時に胸を吸い上げられ、激しく捏ねられて、
体が勝手にくねってしまう。
 なにこれ。なにこれ。なにこれ。
 オナニーをしたことがないわけじゃない。だけど、自分の手なんかとは比べ
ものにならない快感。ソレが動くたびに、体を蕩かすような電流が送り込まれて
きて、意識が白く弾けてしまう。
511名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 01:50:54 ID:4mQ9dKa0
「あ、あ、ひゃ、ああっ」
 唇からはとめどもなく嬌声がこぼれ落ちて抑えられない。
 嫌だ、気持ち悪いと理性は拒否しているのに、快感がそれを凌駕する。
 Tシャツは首元までめくりあげられ、ジーンズもショーツも引き下ろされて。
 大きく広げられた両足の間には、細い蔓のようなソレが何本も入り込んで、
ぐちゃぐちゃと音を立ててかき回している。欲望のしずくは次から次へと
溢れて、腿を伝って滴り落ちいてく。
「んぁっ、あっ、ああっ、んんっ」
 聞いたこともないような甘い喘ぎがあたしの口から漏れる。
 嘘だ。こんなのは違う。あたしじゃない。
 そう思うのに、頭ではそう叫んでるのに、あたしの体はソレの動きに合わせて
腰を振り、もっともっとと身もだえる。
 快楽の涙でゆがむ視界には、不透明の触手に全身をさぐられ、あたしと同じように
喘ぐ綾子と真砂子の姿が映った。


続かないw
突発で直書きしたので、原作も確かめてない。
矛盾とかおかしいところあったらすまん。
512名無しさん@ピンキー:2009/01/17(土) 11:30:11 ID:+S/BBaf8
おこぶ様GJ
もっとやってくれ
513名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:07:43 ID:5y6H0hYl
続かないと書いたけど調子に乗った
綾子編
陵辱・触手・バッドエンド注意

(おこぶ様、どうがお応えください。おこぶ様)
 綾子は心の中で必死に神に向かって呼びかけていた。
(私が巫女となります。一生をあなたに捧げると誓います。ですから
どうぞ、他の仲間たちは解放してください)
 綾子は巫女だ。神道の修行を正式にしたわけではないが、その才能を
樹木の精に認められ、幼いときから力を磨いてきた。
 神にとっても、決して魅力のない存在ではないはずだ。
 不意に洞窟の雰囲気が変わった。
 ねっとりとしたその気配に、綾子は神が求めるものを知る。
(……私の体を差し上げます。いかようにもお使いください。どうか
仲間だけは……)
 神と取引はできない。
 綾子にできるのは、ただ願いを訴えることだけだ。
 苦しげな滝川の呻きが聞こえる。その体がぼうっと淡く光ったかと
思うと、消え始めた。
「坊……!」
 手を伸ばそうとしたが、洞窟の壁から伸びた半透明の何かにとらわれて
動けなかった。
(いつの間に……)
 続いて、リンとナルの体も消えていく。
 これは神が願いを叶えたということなのだろうか。それとも、彼らは
神の力で消滅させられたのか。
 どうか前者であって欲しいと願う綾子の身体に、ぞろりと半透明の
触手が伸びてきた。
514名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:08:00 ID:5y6H0hYl
 意図的にジョンと安原の方を向かされる。彼らはまだ消えてはいない。
 綾子の視線を固定したまま、触手は身体を這い回り始めた。
(願いは聞き届けられたってことかしらね……)
 あまり動かせない視線を無理矢理動かすと、壁にもたれかかる麻衣と
うなだれて座り込む真砂子も見えた。
 彼女たちには“神の手”は伸びていないようだ。
 そのことに綾子は安心する。
 彼らを助けるのは綾子が神のものになった後、ということなのだろう。
「半分先払いしてくれるなんて、気前がいいじゃな……んっ」
 襟元から忍び込んだ触手に首筋をなで上げられて、綾子は身体を震わせた。
 ぶよぶよとした感触に不快感がこみ上げるが、同時に官能も呼び覚まされる。
 触手が綾子の拘束をゆるめて、手をシャツの上に移動させた。自分で脱げ、
ということなのだろう。
 綾子は唇を噛みしめると、ゆっくりとボタンを外していった。
 身体が震える。
 綾子に男性経験はない。今までに好きな相手がいなかったわけではないが、
巫女であるという自覚が、最後の一線を越えさせなかった。
(神様相手に処女喪失ってのも……まあ、悪くはないわね)
 それでみんなの命が助かるのなら上等だ。
 綾子はシャツとスラックス、下着まですべて取り払って、おこぶ様の社の前に立った。
すらりとしたと肢体が、薄暗い洞窟の中で、ぼんやりと白く浮かび上がる。
 視線……というわけではないのだろうが、社からの圧迫を感じた。検分されている、と
綾子は思った。
 次の瞬間、四方から伸びてきた半透明の触手に身体を捕らわれ、宙づりにされた。
触手は――いや、すでに触手とも呼べないかもしれない――大きく広がって、
すっぽりと綾子を包みこむ。
515名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:08:14 ID:5y6H0hYl
「あ……?」
 何をされるのかと恐怖にすくんだ身体が、大きく跳ねた。
「あああああああっ」
 綾子を包んだ半透明の膜の内側にびっしりと生えた繊毛、それが一斉に蠢いたのだ。
 首筋、耳の穴、脇腹、尻、背中……繊毛はまるで綾子を知り尽くしているかのように、
弱い部分を攻めてくる。
 繊毛だけではない、膜自体も揺れ動いて豊満な胸を揉みし抱き、太ももを抱え上げて、
敏感な粒を吸い上げた。
 快楽のスポットを同時に責め立てられて、綾子は泣き叫んだ。
「いやあああ、あああっ、ひゃあああああああ」
 覚悟はしていた。自分は神の玩具になるのだと。
 けれど、その覚悟など甘いものだったのだと思い知らされた。
 思考が灼かれる。快感に脳髄まで侵される。
 宙づりにされた身体は、どこにも快感を逃がす場所がなくて、ただひたすらに悶える
ことしかできない。だが、それは繊毛の刺激を激化させて、快楽をますます増幅する。
「あああっ、や、ぁっあああっ、イっちゃ、あ、あ、ああああああああああああ」
 真っ赤に熟れた粒を捻られて、綾子は快楽の頂点へと放りだされた。思考が白く溶け、
全身が痺れて力が入らない。
 絶頂の余韻に浸るまもなく、責めが再開される。繊毛は敏感になった肌をゾロリと
撫であげ、ぬとぬととした突起が乳首をなめ回し、愛液にまみれた秘所をかき回す。
「あ、ああああっ、やめ、やめて、ああああああああ、ま、またイっちゃううううう」
 休む間もなく絶頂へと押し上げられ、全身が痙攣する。それでも執拗な責めは終わらない。
 細く長く伸びた触手が綾子の中に入り込む。無数の繊毛が膣襞に絡みつき、引っ掻き、
吸い上げる。灼熱の快楽が神経を駆け巡り、思考回路をショートさせる。
「ひゃああ、んはっ、ああああああ、も、もう、あああああああああんんんんっ」
 もはや綾子は自分が何を言ってるかもわからなかった。
 長い髪を振り乱し、涎を垂れ流して、与えられる圧倒的な悦楽をただ受け止める。
 何度目の絶頂を迎えた後だろうか。
 膣壺を掻き回していた触手が消えたのに、綾子は気がついた。
 気がつけば、社がぼんやりと光って、ご神体が宙に浮いていた。
 綾子の身体を包んでいた触手が、彼女の身体をご神体へと向ける。その刺激に、
また綾子の身体はぴくりと跳ねた。
516名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:08:34 ID:5y6H0hYl
 ――ご神体を、自分の内に受け入れるのだ。
 それが契約になるのだと綾子は悟った。
 これで自分は夷神の巫女となり、おそらくは陽の光の下へは一生出られない。
(それでも、みんなが無事なら――)
 そう思って、むしろ自分から足を大きく広げ、おこぶ様を迎え入れようとした
綾子の耳に、少女の喘ぎ声が飛び込んできた。
「ああっ、はあっ、あっあっ」
「んんんっ、あああ、んっ、あああっ」
 驚愕した綾子は、自由にならない身体を必死に動かして、洞窟内を見渡した。
 ジョンと安原の姿はいつの間にか消えていた。
 だが、麻衣と真砂子は――衣服も半分はぎ去られ、半透明の触手に全身を
嬲られて、快感に身体を震わせている。
 ――麻衣! 真砂子!
 叫びは声にならなかった。
 触手が綾子の口の中に入り込み、言葉を封じ込める。
(そ、んな……)
 騙されたのだ。
 いや、綾子が自分に都合よく解釈しただけで、最初から神は願いを叶えるつもり
などなかったのだろう。
 神は自分の欲望の奴隷となる存在が欲しくて、邪魔になる存在を排除した。
きっと、ただそれだけのことだったのだ。
 綾子は力を振り絞って口の中の触手を噛み切ろうとする。だが、逆に膨れあがった
ソレに口腔内を圧迫されて、顎すら閉じられない。
 せめても九字を切ろうとしても、両手はがっちりと触手に絡みつかれている。
 大きく開かれた綾子の股間に、ゆっくりとご神体が近づいてくる。
「んーっ! んんんーっ!」
 綾子の顔が恐怖に歪む。しかし、どれほど足に力を入れても、1ミリたりとて
動かせない。
517名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:10:30 ID:5y6H0hYl
 触手によって解されたその場所にご神体が潜り込んだ。異物が身体の中に挿入
される激痛。しかし、それはすぐに爆発的な快感にすり替わった。
(な、なにこれ……っ)
 膣壁を抉るご神体に内部から炙られる。身体をつかんだ触手たちも再び蠢き出す。
 快感のパルスが絶え間なく送り込まれ、綾子を浸食する。
 ずるりと綾子の口から触手が退いていった。だが、もはや彼女は真言を唱える
こともできなかった。
「やめてやめてやめてええええええええええええ」
 気が狂う――
 ご神体にあるいくつもの瘤が膣襞に絡み、媚肉を捏ね回し、この上もない
快楽を綾子の身体にたたき込んでいく。
 固く尖りきった乳首は繊毛にくすぐられ、据われ、乳房は形を変えるほど
激しく揉みしだかれている。媚唇からは白く泡だった蜜が零れ落ち、その先の粒は
真っ赤に腫れ上がって、撫でられただけで身体が跳ねるほどの刺激になった。
 その粒を触手は包み込み、ぬとぬととした何かを塗り込めて、振動させる。
触手がご神体に絡みついて、一緒に内部へと潜り込み、膣を掻き回す。
「ああああひぃああ、や、もういやぁぁぁああっ、こわ、壊れるうううううっ」
 神経を直接掻き回されるかのような愉悦に綾子はよがり狂った。
 ひときわ強くご神体が突き入れられ、身体の奥から快感の疼きが全身に広がる。
落雷を受けたかのような衝撃に綾子は身体をのけぞらせる。
「ああああぁぁああああああああああああああぁぁぁ――――っ」
(麻衣、真砂子、ごめん……)
 “綾子”の意識はそこで途絶えた。


前回、不透明と書いちゃったけど、半透明の間違いでした
ちなみに男性陣は一応生きてます、たぶん
518名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 20:18:48 ID:gn0VPu4x
おお、真砂子編も楽しみにしてるよw
519名無しさん@ピンキー:2009/01/30(金) 01:01:09 ID:Os2hRwNG
真砂子編マダー
520名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 22:20:06 ID:sCSeTiiM
>>509
自分>>507なんだが、何気ない自分の一言からこんな良・陵辱モノを読めることになるとは……
久々に保守しにきてよかった。ほんによかった。
どうもありがとう>>509、もし続きがあるのなら、謹んで読ませていただきます。
521名無しさん@ピンキー:2009/02/04(水) 23:57:43 ID:5GsbLApg
男キャラ排除するおこぶ様にワロタ
522名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 01:38:42 ID:XmYmXop9
男キャラもわりとイケメン揃いだし、まとめて×××しちゃえば良かったんでないか?
選り好みするなんてちょっともったいないぜおこぶ様。
523名無しさん@ピンキー:2009/02/09(月) 01:55:24 ID:FLdSQf1W
まさか安田美沙子か…、脱いでいたなんて。
http://host.sexy.st/~katai7/web/
524名無しさん@ピンキー:2009/02/28(土) 02:38:51 ID:kbRtd87S
あげ
525名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 19:28:42 ID:tTbWw9lA
期待保守
526名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 16:57:49 ID:smq7kh/0
保守
527名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 22:22:28 ID:3R6ibM3U
日本にもどって続けたいといったら 

母と父がくすくす笑ってた

なにを勘違いしてるんだ
528名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 12:12:16 ID:H753x/7o
保守
529名無しさん@ピンキー:2009/04/17(金) 00:02:24 ID:0yWOTCSr
保守

 綾子また麻衣に服やったの?
 
 クローゼットにあったいらないのをあげただけよっ

 やさしいとこあるよなお前 麻衣 苦労してるもんなぁ

 なにいってんのよっもう うっさいわね 
530名無しさん@ピンキー
リン綾神待ちあげ