【キノ】時雨沢作品でハァハァしよう9【アリソンリリトレ】
「トレイズ、大丈夫?」
……あれは……リリアの声……、僕は……
「うなされてたみたいだけど……またあの夢?」
…うん……、でも……平気だよ。
リリアにはかくしてもしょうがない、僕は最近悪夢を見るようになっていた。
「またあいつの夢? あいつはトレイズがやっつけたんだし、トレイズだって……その…お尻も無事だったんでしょ」
そう、そうなんだけどね……リリアと結婚してから僕はうなされるようになっていた。フラッシュバックというやつだろうか。
そうそれは悪夢…例の囚人四十ニ番に僕が襲われるというものだった。
確かに奴は生きてはいない筈だ、列車から飛び降りた時に奴の死体を僕は確認している。そして僕の純潔も奪われることなく無事だった、まぁもっともその後リリアに奪われてしまったけど……。
でも僕は奴に襲われるという夢をこうしてみる、あるときは大陸横断列車の展望デッキに身動きできないように縛り付けれられ流れ行く空を眺めながら無理やり犯される。
またあるときは豪華な貴賓車のベッドで……、あるいは食堂車のテーブルの上に組み敷かれて……。
そして僕はどんな状況でも奴に無理やり犯されて……感じてしまっている、そんな悪夢だ。
「……トレイズ、本当は平気じゃないんでしょ?」
リリアが心配そうに僕を見上げる。
「トレイズは立派な男の子、ヘンタイなんかじゃない、女の子が好きなノーマルな男の子よ」
……リリア、心配かけてごめん。
「さぁ来て、トレイズ……。立派な男の子だってことをあたしの体で証明して、そうすれば…きっと…」
リリア……。
「今日は大丈夫な日だから……つけなくていいわよ、それに明日はお休みなんだし…ね」
……その……ごめん…リリア……、色々してくれたのに……orz。
リリアは手だけじゃなくお口や色々なところで僕を奮い立たせようとしてくれたけど……、僕はさっぱりだった。けしてリリアに不満があるとか女の子じゃ駄目とかそういう訳じゃない……筈…だ。
「大丈夫、トレイズはちょっと疲れてるだけ……ね?、……そうだお風呂に入りましょ。さっぱりすればぐっすり眠れるわよ」
……う、うん。愛するリリアに心配かけてばかり、駄目な夫だ僕は…。
「一緒に入りましょ、背中流してあげる、でも先にお風呂に入っててね、私は準備してくるから」
あぁ、リリアありがとう、それで準備ってなんだい?
「あとのお楽しみよ、トレイズは湯船に浸かってゆっくりしてなさい」
……ふぅ……、一体なんだろうな僕は……。
「お待たせ、一緒にちゃぷんってするわよ」
ちょ、ちょっとリリア………。
…お風呂はあったかいよね。
「トレイズもあったかいわよ………ねぇトレイズ……掘られる悪夢をみるんだったら、逆に掘ってみればいいんじゃないかしら……」
えっ? 掘ってみるって……。
「さっきわたしおトイレでお浣腸しておなかを綺麗にしてきたの、だから……わたしのお尻でよければ使っていいわよ……ね?」
ねって…その……お尻でって……リリア?
「お尻でするなんて私初めてなんだから優しくするのよ、いいことトレイズ?」
えっと……その………。
…リリアの初めて…、恥かしがってそういうリリアに僕はこれまでにない興奮を覚えた。
「前を後ろも両方トレイズが私の初めてなんだから、しっかりリードしてね」
ふぅ……結局後ろ前両方で5回もしちゃったな……リリアごめん大丈夫? 痛くなかった。
「ちょっと痛いけど…トレイズの元気がでたなら平気よ…痛ッ!」
ホントに大丈夫? でも……これでゆっくり眠れるかもしれない……zzz…ZZZ…。
「トレイズ、大丈夫? またうなされてたの?」
…リリアごめん……今度は僕がアイツを掘ってる夢だったよ……orz。
吹いたwwwww
あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!wwwww
書いてるうちに違う方向へ行ってしまった。反省はしていない。
「んんっ!ぁっ!んんっ…んっ…んっ!んっ!」
切なそうに鳴くアリソンの上で、トラヴァスが激しく動いている。その反動でシーツをずらしながらアリソンも上下に動く。その手はトラヴァスの頭を抱き、トラヴァスの表情は見えないが、彼は時折熱いキス、こちらまでその音が聞こえてくるほどの激しい口付けをかわしながらアリソンの名を小さく呼ぶ。
「ハッ…ハ…アリソン…気持ちいい?」
「んっんっ…きもちいっ…んっんっんっ…」
アリソンの腰、より少し下でトラヴァスから生える黒いものが出入りしているのが見える。トラヴァスがアリソンの小振りな胸の突起をさっきのキスのように激しくなめ、アリソンがトラヴァスの頭を抱きながら、より一層呼吸をはやくする。
「ぁぅぅっ…!ぁっん…んんんっ!んっ!んっ!んっ…!」
「アリソン…」
「はっ…んん――――――――!!」
背中が浮き、弓なりにそって声が途切れる母親の、切なそうな顔を最後に見たところでリリアは飛び起きた。
「はあっはあっ…はっはっ…」
泣きそうな顔をして、かけていたタオルケットを震える手で握り締めて、リリアは今のが夢だということを確かめる。
「はぁ…は…」
そして、呼吸を整えながら考えた。ママには自分の幸せを。そう思ってたけど…。大好きなママがトラヴァスにとられてしまうような感覚を夢の中とはいえ、初めて目のあたりにしてしまった。
「ママ…」
不意に不安になり、母親の顔が見たくなったリリアはベッドから足を下ろすと自分の部屋の戸を開け、廊下に出た。隣のアリソンの部屋のドアの隙間からは明かりが漏れていて、時折紙と紙の擦れる音がする。ドアの前まで行って、リリアは自分がひどく情けない顔をしていることに気付いた。
「……………。」
軽く深呼吸して、笑顔、は引きつってしまうので真顔に戻すとノブを回し、扉を押す。
ガチャ
アリソンは手元の電灯だけをつけ、机に向かって書類を眺めて仕事をしていたようで、真剣な面持ちが一瞬だけ見えたが、ドアが開く音に気付いて頬杖をついていた手を下ろし、顔を緩めた。
「あら。リリアちゃん、まだ起きてたの?」
微笑むアリソンの顔を見た瞬間、リリアは急にさっき見た夢、あんな夢をみてしまった罪悪感に襲われて、とっさに目が泳いだ。
アリソンは顔は緩めたままで再び書類に目がいき、そんなリリアの様子に気付かないであとを続ける。
「深夜ラジオも程々にしないと…明日起きれなくても知ってのとおりママは起こしてあげられないわよ。」
「……………」
リリアが何も言わないのでアリソンが目をリリアに戻すと、目を逸らして泣きそうになっている娘がそこにいた。
「?……どうしたの?」
「……………」
普段あまり見せない娘の表情にびっくりしてアリソンが声をあげるが、リリアは何も言えなかった。というより、何といっていいのか迷っていると、アリソンがまた呼びかける。
「リリア?」
「……………」
アリソンはしばらくリリアの返答を待ってから、手に持っている紙の束を机の上で整えた後、机の端に置いて再度娘に、今度はやさしく声をかけてやった。
「どした?こっちおいで」
その言葉に反応してリリアは不安そうな目で母親を見るが、体が動かない。
そんなリリアを見て、アリソンが腰をあげ、自らリリアの方に近づいていき、リリアの顔がのぞく程度しか開いていなかった戸をゆっくり引いた。握っていたノブと一緒に引かれ、バランスを崩したリリアをやさしく支えて、アリソンはそのまま抱き締めてやった。
「よしよし、怖い夢でもみたのかな?」
「っ!」
リリアはその言葉で、堪えていた涙がぼろぼろとあふれて、アリソンのシャツに染みをつくる。
「う…うぇ…っく…ん…っぃっ…えくっ…ん…」
「よしよし」
アリソンは、シャツを握って必死にしがみつき、泣きじゃくるリリアのやわらかい栗色の髪を、落ち着くまでやさしく撫でた。
「ぐす…ん…」
「落ち着いた?」
「ん…ママ…」
「ん?」
「私…ママに…再婚してほしいって…思ってたけど…ぅっ…くっ…んっ…」
「………うん…大丈夫よ…」
「ぃっ…くっ…ぇぅぅ…」
「よしよし…今日はママと一緒に寝よっか」
「うん…」
アリソンはリリアの背中をそっと押してベッドへ促す。先にベッドに入ってからリリアを寝かすと、首の下にそっと自分の左腕を差し込み、頭を胸に抱き寄せ、右手でリリアの背中をポンポン、と叩いてやった。
「おやすみ。」
やがてリリアが寝息をたてはじめると、アリソンはリリアを起こさないようにおもむろに起き上がって、そっとつぶやいた。
「そろそろケリをつけないとね、ヴィル。」
リリアに見えないように横になって隠れていたトラヴァスがベッドの影から上半身を起こした。
「危なかったわね」
「…うん…」
「あ、ちゃんと服は着ていってね」
「…………」
いそいそと服を着て、遣り切れない目をアリソンとリリアに向け、そのままトラヴァスは玄関を出た。
外は粉雪。
火照った下半身を隠すのには、ちょうどいい。
了 ('Д')ゝ
>>663 ブラックユーモア集のようなオチわろす
>>667-668 わざわざ人名を半角かなにする必要はないだろうに。
しかしアリソン35歳は俺の大好物ゆえに超GJ
MiX300 ・ 806 ・ フィオナ(直接)
スレにうp禁止
アリソン35歳とヴィル35歳には絶妙な色気があると思っているのは俺だけでいい。
てゆーか大人アリソンかっこよすぎ。
アネゴと呼ばせて下さいハァハァ
ほす。
DVD特典の小説で、同棲時代書いてくれないかな…………
同棲時代を18(ry
そうなっても買う金もDVDを見る時間もないぜorz
やりまくりだったのは間違いないだろう
きっと野外露出とかもやったに違いない
>>676よ、こんな感じか?
「やらしいなぁ、アリソン。こんな状態でも、すっごくぐちょぐちょになってるなんて……」
「や……っ。ヴィ、ヴィルのせいだもん……っ」
「へぇ……」
この後ヴィルがドSモードの突入するでおk?
678 :
こうだな:2008/07/11(金) 21:49:43 ID:oNTDDtEb
「僕のせいだと言うんなら、僕はもう手を出さない事にしよう」
「え……?」
言葉通り、ヴィルは私の股間でうごめかしていた手を止めてしまった。
「アリソンがやらしい子じゃないなら、これで終わりだよね?
さあ、服着て。僕も着るから」
「う……あぅ……」
ずるい。ずるいわ、ヴィル! わかって……わかって言ってる……!
「……どうしたんだい、アリソン? もう終わりだよ。アリソンは
いやらしい子じゃないんだろ? だったらやめても構わないよね?」
「……す」
ああ、もうっ! ……わたしには、こう言うしかないじゃない!
「何? 聞こえないよ?」
「……しい子です」
「もっと大きな声で」
「わたしは、いやらしい子です! だから、もっとして! お願いヴィル!
やめないでっ!」
……ああ、言っちゃった。けど、言ってる時に凄いゾクゾクして……ああ、
まだ触られてないのに、あそこからおつゆが出てきちゃった……。
「やめて欲しくないなら、早くそう言えばいいのに……下の口はずっと言ってた
みたいだけどね」
やっぱり気づいてたんじゃないの! もう、ホントにヴィルはイジワルなんだから!
……けど、そういう所も、好きだったりするから困る。
「じゃあ、もう一回最初からやろうか……」
最初から……つまり、キスからやり直し?
ええーん、また焦らすつもりなの、ヴィル!?
「……というわけには、ここはいかないみたいだね?」
「ひぃぃんっ!?」
期待してなかったところに、いきなり刺激が走って、私は思い切り
背を仰け反らせた。股間からは、飛沫が飛ぶ音まで聞こえちゃった……。
「不意打ちに弱いのかな、アリソンは? 簡単に潮まで吹いちゃって……」
「そ、そんなのぉ……弱いに決まっ、へぁぁああっ!?」
ヴィルの指が私の一番敏感な部分を凄い速さで縦横無尽に動きまわる。
「ひぁっ、へっ、んっ、くぁっ……いひゃああああああぅ!?」
なんだか、自分の身体が自分の物じゃなくなるような、そんな不思議な
感じの中で、私は達した。ヴィルの指で、いかされちゃったの……。
「敏感だね、アリソンのここ……まだビクビクしてる」
「……ヴィルぅ……」
私の口から、自分でもびっくりするほど甘えた声が出た。
「なんだい?」
「………………入れて」
「何を?」
「………………」
ヴィルの馬鹿っ! もう、ホントに馬鹿っ! 何を言わせるつもりなのよっ!
「ちゃんといえなきゃ……入れてあげない」
……うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!
「……おちんちん」
「ん? 聞こえないなぁ」
「おちんちん!」
「それを? どうして欲しいの?」
「ヴィルのおちんちんを入れて欲しいの!」
ああ、もう、ホントになんでこんな事言わなきゃいけないの……けど……。
「どこに?」
「わたしの……わたしのおまんこにっ!」
……言わされてる時、凄く、ゾクゾクして気持ちいい。さっきもそうだったけど、
さっきより、ずっと、ずっと気持ちいい。……はぁ……私、変態さんなのかな?
「よくできました……それじゃあ、入れてあげる」
……ヴィルも変態だし、私も変態じゃなきゃ釣り合いが取れないって事よね、きっと。
そういう事にしときましょ、うん!
「……うん……来て」
こうして、二人の夜は更けていくのでしたとさ……もう、ホント、ヴィルのばか。
コレ別にヴィルとアリソンじゃなくてもいいよな
俺とアリソンで
アーサー先輩をデレ期に入ったソフィア先輩が押し倒すSSはマダカネ!?(チンチン☆←お茶碗を箸で叩く音)
2ヶ月ほど前に「ラリー×ジェニー書くよ」と宣言した者です、忘れた頃に投下しに来ました
色々あって中断した所為で、やたらと時間が掛かってしまいました
>>645には悪いことをしました、風邪を引いていないことを祈ります
以下、一応注意事項
・ラリー×ジェニーと言いつつ、2人のエロシーンはほとんど無いです
・夏休み後の新聞部を妄想してます
・まだ『ウレリックスの憂鬱』途中までしか読んでないから矛盾があったらごめんなさい
・暴力表現があります
以上、了解してくださったら下へドウゾ
「それにしても………今年は、物凄い収穫だったな。」
夏休みが終わり、新学期を迎えて数日。ジェニーは、今は静かなその部屋で期待に胸を躍らせていた。
おそらく、この第四上級学校で1番豪華な部屋の見るからに豪華なソファの上で、素人目には解からないが、
これも豪華なティーカップを口に運びながら。時折視線を空中に向け何かを指折り数えながらにやにやと純粋
ではない笑顔を浮かべている。
「新入部員が5人、それに、警察のコネまで………ふふふ、忙しくなるぞぉ………。」
何かを企んでいる悪役のようにしか見えないその笑顔を隠そうともせず、ジェニーは想いを巡らせた。
何の気なしに、ただ何か面白そうな事件が起きはしないかと淡い期待を込めて覗きに行った、演劇部の夏合宿。
そこで、想像もしなかったような怪事件の体験と共に手に入れた………新聞部の、5人の仲間。そして、その
事件の解決に協力した結果得られた、警察という新聞のネタには永遠に事欠かない素晴らしいコネクション。
これまでは、たった独りで記事を捏造し、たくさんの人間に散々馬鹿にされながらもこの部活を存続させて
きたが………これからは、違う。これまで出来なかったことが、出来るようになる。今まで自分を馬鹿にして
きた生徒や教師たちに、今度こそこの新聞部の存在を認めさせてやることが出来るようになったのだ。上機嫌
になるなという方が、無理な話だ。
「………ふふっ。」
それに。これまでの野望の数々が遂に現実味を帯びてきた、ということももちろんあるが………それと同時に、
ジェニーは、新聞部の仲間が増えたという事実にも、純粋に喜びを感じていた。夏休みの前まで、ジェニーは
長い間たった独りで、この部屋を使っていた。機材を保管したり現像室を確保したりする意味では、この部屋
は素晴らしい場所だったが………如何せん、ジェニー独りにこの空間は広過ぎた。
広い広い、空虚な空間。話し掛ける相手も笑い合える相手も居ない、ただ黙々と作業をするだけの孤独な時間。
決して口には出さないし、もしかすると、本人すら自分の本音に気づいていないのかも知れないが………その
ことに、ジェニーは確かに、寂しさを感じていた。
あの5人………ハートネットを入れると6人。彼等と一緒にテーブルを囲んだときは、本当に楽しかった。
これからは、あれが、日常になるのだ。
「………さて!時間は待ってくれない!いよいよ新聞部の名を学校中に知らしめるんだから!」
元気に独り言を叫んで、ジェニーがソファーから跳ねるように立ち上がる。晴れやかな空から注ぐ、麗らかな
陽光が照らす新聞部の部室は、ジェニーが慣れ親しんだ部屋とは、まるで別の空間のように見えた。
そして………それ故に。
新たな幕開けに胸を躍らせ、明るい未来に気を取られていたから。
ジェニーは、気づかなかったのだ。
未だ、たった独りで活動していた頃の彼女に対する………過去からの復讐が、近づいていることに。
扉が、開かれる。
684 :
2/14:2008/07/16(水) 20:47:08 ID:Xaq1rBVO
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ラリーは独り、綺麗に掃除された廊下を歩いていた。
「(………なんつーか、律儀だな。我ながら。)」
最初のきっかけは、ほとんど詐欺にあったようなものだった。夏休みの事件をきっかけに警察に協力すること
になって………それを了解したことが、そのまま新聞部に入部することに繋がっていた。そんな、悪徳商法の
ようなやり口で入部させられた新聞部だが………夏休みが明けてからも、ラリーはこうして合宿中と同じよう
に、暇な時間を見つけては新聞部の部室に通っている。
まぁ、ジェニーに任せられた仕事さえこなせば基本的に何をしていても自由だから、トレーニングも出来るし
………なにより、夏休みの間に仲を深めた気の知れた仲間ばかりだから、居心地が良い。情報収集やら何やら
という能力も、軍人にあって困るものではないし。なんだかんだで、ラリーもあの場所が気に入っているの
だろう。
「そういや、夏休み明けたら本格的に動き出すんだったな………新学期のごたごたも済んだし、そろそろか。」
独り言を呟きながら窓の外をぼんやりと眺める。ちなみに、いつもなら隣に並んで新聞部を目指しているはず
のセロンは、図書室に用があるとかで一旦別れた。ナタリアとメグは、部活の練習の都合で今日は顔を出さない
らしい。ニックは………今日は会っていないからどうなのか解からない。
「………ん?」
そこまで考えたところで、ラリーは何かに気づきそうになったが………。
「………くぁ………。」
不意に襲った眠気に、大きな欠伸をしたはずみで、すぐに何に気づいたのか忘れてしまった。午後に体育の授業
があり、まだまだ暑い中で全力で身体を動かしたので、疲れが出たのだろうか。
「まぁ………身体動かしてりゃ、眠気も飛ぶだろ。」
そんな、本末転倒とも思えるような独り言を呟きながら、ラリーは廊下を歩き続ける。
かつかつと、足音が響く。部室は、まだ遠い。
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部屋の真ん中であれこれと考えを巡らせていたジェニーは、不意に背後で開かれたドアの音に振り向き、何か
を言おうとして………ドアの向こうに立っていたその男の顔を見て、声を失った。
「よぉ………久しぶりだな、新聞部さんよ。」
新聞部の誰でもない………しかし、確かに見覚えのあるその顔に、ジェニーは一瞬だけ硬直した後………すぐ
に身構えるようにしてドア越しの相手に向き直った。
かたやへらへらと軽薄そうな顔で、かたやどこか警戒するような顔で………しかし、同じように鋭い2人分の
視線が、交錯する。
「………あんた………今、ここに居ないはずじゃなかった?」
ジェニーが、挨拶も抜きにドアの向こうの男に問い掛ける。声が、ほんの少しだけ、震えている。
その指が、ほんの一瞬だけポケットの中に忍ばされたが………どうやらそれには気づかず、男はドアを潜って
ジェニーに歩み寄る。2人の背丈には頭2つ分ほどの差があり、ジェニーは眼の前に立ちはだかる男の顔を
見上げながら、1度唾を飲み込んだ。
「そうだ………ああ、そうだ。こっそりここまで来るのも、苦労したんだぜ?」
そう言った男の背中に従うように、2人の男が部室に足を踏み入れる。後に入った方の1人が後ろ手にドアを
閉め、揃いも揃ってガラの悪い雰囲気を醸し出す3人の男がジェニーの眼の前に並ぶ。
「そりゃぁ、そうだろうがよ………なぁ、ジェニー・ジョーンズ?」
「………っ………。」
「俺たちは………お前の所為で、この学校を追い出されたんだ。」
忌々しげにそう呟いて、男は、その大きな掌をジェニーの赤い髪の上に乗せた。
685 :
3/14:2008/07/16(水) 20:48:55 ID:Xaq1rBVO
その男は………以前、ジェニーが書いたとある記事によって、この学校から追放された男だった。
名家出身の優等生ばかりが集う、というイメージのあるこの上級学校にも、落ちこぼれ、ならず者というもの
は存在する。それらの大半は、他の生徒たちと同じスタートラインから出発しながらも、上級学校のあらゆる
意味でのレベルの高さについて行けずに脱落した者であり………この男も、そんな連中の1人だった。
上級学校にも、悲しいかなそんな脱落者たちが作るグループが、数は少ないが存在している。その多くは、自ら
の限界を感じ自主退学するか、遊び呆けて留年し自動退学になるか、いずれにしても順次排除されていくのだが
………男が率いていた集団は、違っていた。
男は、学力的には何ら問題のない能力を持っていたが………親に薦められるまま入ったこの学校の、品行方正
を強要される生活に、嫌気が差し始めていた。そこで、一応教師たちに眼をつけられない程度の生活態度と成績
は示しつつも………その陰で、気の弱そうな生徒への恐喝、女子生徒への脅迫まがいのナンパ………酷いとき
には寮へ連れ込んでの乱暴などを、繰り返していた。
学校側も疑いの眼を向けてはいたが、生活態度そのものに問題は無く、決定的な証拠も得られず、被害者では
ないかと思われる生徒たちも、プライドの為か世間体の為か多くを語ろうとしなかったこともあり、男の率いる
狡猾な集団は長い間この上級学校で好き勝手な振る舞いを続けていた。
そして………その存在に眼をつけ、重大なニュースの気配を感じ取り。ある日、男たちが寮に女生徒を連れ込み
乱暴をしようとして逃げられた、その一部始終を写真に収めて記事を作り………男たちの暴虐に終止符を打った
のが、ジェニーだったのだ。
過去、ジェニーの記事が本当の意味で生徒や教師たちから感謝されたのは、この1回きりだった。だが、その
影響力は絶大で………写真という揺るぎ無い証拠を手に入れ、それを後ろ盾に被害に遭いかけた少女の証言を
取り付けた学校側は、すぐさま男とその仲間を素行不良で退学処分にした。そのような生徒が存在するという
ことが世間に知れることは学校側としても痛手になることは覚悟したが、市民の多くは逆に、そのような生徒
をいち早く追放し、その事実を公表した第四上級学校に対し、好意的な意見を寄せた。
その一連の出来事は、ジェニーにしてみれば、正義感や何かという高尚なものではない、単なる好奇心を満たす
ための取材の結果だったのだが………結果的に1度は学校や多くの生徒たちから感謝されることになり。そして
………第四上級学校の生徒という誰もが羨む肩書きを剥奪された男たちからは、深い恨みを買うこととなった。
名家の子息の放校処分という事態は、メディアにとっても格好の標的となり………家名に泥を塗った男たちが、
自業自得とは言え、その後に耐え難い苦痛を受けたであろうことは、想像に難くない。
その後のあまりの活動内容により、人々からのジェニーに対する賛辞はほんの一部を除いてほとんど帳消しと
なってしまったが………1度買ってしまった恨みの方はそうはいかず、今に至るというわけだ。
男の手が、ジェニーの髪を乱暴に鷲掴みにする。
「痛、ッ………!?」
その痛みに呻きながらも、ジェニーは未だ、強い視線を目の前の男にぶつけ続ける。
「なぁ、おい、どうしてくれんだよ………お前の所為で、何もかも滅茶苦茶だ………!!」
「そ、それは………あ、あんたたちが、馬鹿な真似してたのが悪いんじゃないの?」
「………あぁ?」
「自分の失態を、ひ、人のせいにするな!そもそも、この学校で悪行三昧やってたのはどっちだ!」
腕力では適うはずが無いし、出口の限られたこの部屋で3人に囲まれては逃げ出すことも出来ない。しかし、
そんな圧倒的に不利な状況にも関わらず怒鳴るように反論するジェニーの声に………男はあからさまに機嫌を
損ねたような顔をして、掴んだ髪を離し、代わりにジェニーの胸倉を掴み上げた。
「この野郎………舐めたクチ聞いてんじゃねぇぞ、チビ………!!」
男と、左右に控えた男の仲間たちから、殺気が漂い始める。その、あまりに直接的な恐怖に身震いしながらも
………ジェニーは、うっすらと涙の浮かんだその瞳で、男の顔を睨み続けた。
「わ、わたしは、本当のことを書いただけだ!書かれて困るようなことしたのはそっちの勝手で………!」
あくまでも反論を続けるジェニーの態度に、男の怒りはあっという間に沸点に達し。
「やかましいんだよ、このクソチビがッ!!」
驚くほどにあっさりと………その拳が、ジェニーの顔を殴りつけた。
686 :
4/14:2008/07/16(水) 20:49:50 ID:Xaq1rBVO
「い”、ッ………っ!!?」
何が起きたのかも解からぬうちに、ジェニーの身体がよろめき、ソファの上に倒れ込む。殴るのと同時に胸倉
を離され足元が不安定になり、ただでさえ軽いジェニーの身体は、衝撃で面白いように吹き飛ばされた。
衝撃の余韻に揺れる視界と、ズキズキと疼くような鈍痛。口の中に、錆の香りが広がる。
いくら勝気なジェニーとはいえ………今まで、こんな風に男に殴られた経験などありはしない。
「ぅ………ぁ、っ………?」
自分の身に何が起きたのか理解できていないかのように、ジェニーはその大きな瞳を白黒させた。
足腰が立たなくなる。冬の寒空の下に放り出されたかのように身体が振るえ………ほんの数秒前までは相手に
出来ると思っていた男の姿が、凶暴な怪物か何かのように見えてくる。
生まれて初めて身を以って体験する、理不尽で、それでいて圧倒的で、純粋な暴力に………それまでジェニー
の心を支えていた何かが、音を立てて崩れ落ちる。
「おおっと………悪ぃ、悪ぃ。あんまり聞き分けが悪いもんでよ。」
にやにやと薄ら笑いを浮かべながら、男は倒れたジェニーに歩み寄る。その顔を、間近に突きつけられて………
ジェニーの中に生まれた、男に対する絶対的な恐怖が、掻き立てられる。
「ひ、っ………!?」
か細い悲鳴を上げるジェニーの姿に、男たちは下卑た笑みを浮かべた。
「ははは………1発で、随分しおらしくなったな。生意気言っても、所詮は女か。」
男の言葉に怒りが湧き上がるが、それも、ジェニーの思考を爆発的な速度で支配していく恐怖を抑えることは
出来ない。反論しようとする口が、わなわなと震える。奥歯が、かちかちと音を立てる。
「面白いな、もう2,3発いっとくか?あぁ?」
「や………や、やめ、なさい………こんな、こんなことして、ただで済むと………!?」
「お生憎様。俺たちにゃ、もう無くして困るようなモンは無ぇんだよ………どっかの誰かのおかげでな。」
普段の威勢はどこへやら、すっかり顔面蒼白になったジェニーの眼の前で、再び拳を振り上げ………ジェニー
が思わず頭を抱えて縮こまったのを見下ろして、男たちはまた嫌らしい笑みを浮かべた。そして。
「………まぁ、安心しろよ。こっちも別に、殴って仕返ししようなんて餓鬼みてぇなこと考えちゃいねぇよ。」
「ぇ、っ………?」
続いたその言葉に、ぽかん、と口を開けたジェニーの目の前で。
「つーか、殴ったくらいじゃ気晴らしにもならねぇんだよ………なぁ………?」
「………っ………ッ!!?」
男の手が、ポケットから取り出したのは………折りたたみ式の、ナイフだった。ジェニーの背筋が、凍りつく。
「おい。お前等、抑えてろ。」
男が、左右に控えた2人の仲間に低い声で命令する。2人は返事もせずに、ソファーの上で身体を強張らせる
ジェニーに歩み寄り………その両手足を押え付けた。
ナイフを眼にした瞬間に思考を停止していたジェニーは、身動きが出来なくなったところでようやく我に返り、
小さく悲鳴を上げた後、どうにかそこから脱出しようと身を捩じらせた。だが、屈強な男に2人掛かりで押え
込まれては、ジェニーにはもうどうすることも出来ない。
「や………やめっ、止めろっ!!離せ、馬鹿!!このろくでなしッ!!」
ジェニーは恐怖の涙を流しながら、半ばパニック状態で叫び続ける。ソファの傍らに佇み、絶望に染まっていく
ジェニーの表情を満足げに見下ろしてから………男は手にしたナイフを、ジェニーの胸元に突き付けた。
「ひ………っ………!?」
「怖ぇか?怖ぇよなぁ?だったら、もっと喚いてみろよ。泣いて謝れば、気が変わるかも知れねぇぞ?」
男の、おそらくは心にも無いであろうその言葉を聞いて………命乞いの言葉が、喉元まで出掛かる。
それを、どうにか持ちこたえた、わずかばかりの気力で飲み込んで。ジェニーが、なおも反論する。
「そ、っ………そんなことしたら、あんた達全員監獄行きだ!!それでもいいのか!?」
上擦った声で必死に叫ぶジェニーの顔を見下ろしながら………男は、寒気がするほど冷たい声で言い放つ。
「親にも見離されて、あっちこっちで後ろ指差されて………どっちみち、地獄みてぇな生活だ。」
そして。男がソファの上にん登り、ジェニーに馬乗りになる形になって。その腕が、高く掲げられ………。
「てめぇに復讐できるなら、ブタ箱くらい………構いやしねぇよ………!」
ジェニーが横たわるソファーの上に、勢い良く、ナイフの切っ先が振り下ろされた。
ドス、という鈍い音が、広い部屋に響く。
687 :
5/14:2008/07/16(水) 20:50:18 ID:Xaq1rBVO
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「………ふぅ。」
新聞部の部室………からは少し離れた、購買部。
部室へ向かう途中で、腹の虫の抗議の声を受けて。少しだけ迷った後、ラリーは軽く食べられるものを探しに、
そこを訪れていた。いつもならこんな時間に小腹が空くことはないのだが、午後の体育のときに、昼に食べた
分のエネルギーを消費してしまったのだろうか。
そんなことを考えながら、パンの入った籠が並んだ棚を物色していると。
「ああ、ラリー。丁度良かった。」
背後から、聞き覚えのある声がラリーを呼んだ。おや、というような顔をしてラリーが振り返る。
そこに、購買部の他の客、主に女性との視線を集めながら立っていたのは………ニックだった。
「おお。お前、何してんだこんなトコで。」
「今から演劇部の練習に出てくるので、何か飲み物をと思いまして。」
初めて会ったころに比べて随分和やかな調子で、言葉を交わす。あの金髪とニックがどうしてあんなに親しげ
に話しているのか、という女生徒たちの訝しげな視線を受けながら、ラリーはそれに全く気づかず、ニックは
気づきながらも無視して、会話を続ける。
「ってことは………新聞部は、今日は無理か。」
「ナータさんとメグミカさんも、演劇部の練習に参加するみたいですしね。セロン君は?」
「あいつは図書室。まぁ、用が済んだら来るって言ってたけどな。」
なんということは無い会話を交わし、それぞれに目当ての物の会計を済ませて。相変わらずの視線を受けつつ、
2人は、購買部を後にする。
「僕も、途中で抜けられそうなら新聞部にもお邪魔しますから。それじゃぁ。」
「おお。んじゃ、またな。」
言いながら、ラリーは早くも買ったばかりのパンに噛り付いた。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
ジェニーは、大きく見開かれた眼に涙を浮かべながら………震える瞳を、ゆっくりと自分の顔の右へ動かした。
その先、耳から数センチの場所に………男が振り下ろしたナイフが、革張りのソファを貫いて突き立てられて
いる。その刃は根元までソファの中に埋まり、今は男が握っている柄の部分しか見えない。
「………ははは。」
馬乗りになったまま、ジェニーに覆いかぶさるようにして顔を近づけて。男が、乾いた笑い声を漏らす。
「ビビったろ?殺されると思ったか、なぁ?」
「………ぁ………ぅ、っ………!?」
男は、乱れていたジェニーの髪を切り裂いてソファに突き刺さったナイフを引き抜いて、それをくるくると掌
の上で弄んだ。緊張で息をすることすらままならず、ジェニーは恐怖に引きつった顔で男を見上げる。
「安心しろ、殺しゃしねぇよ………その程度で済まして堪るかってんだ。」
「………っ………あ、あん、あんた、何、を………?」
男の言葉に、おぞましい予感を感じるジェニーの胸倉を………また、男の手が掴み。
「ああそうとも、殺しゃしねぇ………けどな………。」
ナイフが、再びその胸元に突き付けられて。
「てめぇも………死んだ方がマシだと思うような、てめぇで死にたくなるような目に、遭わせてやる。」
ジェニーが、男が何をせんとしているのかを、悟った瞬間。
そのナイフが………ジェニーの制服を、切り裂いた。
688 :
6/14:2008/07/16(水) 20:50:48 ID:Xaq1rBVO
一直線にナイフが走り、生地が高い音と共に断ち切られ、ボタンが弾け飛び………薄い下着に覆われた、年齢
の割に未発達なその身体が露になる。男の目の前で下着姿を晒され、しかしそれを隠すことも許されず………
ジェニーは青褪めていた顔を赤く染めて、普段の彼女からは想像もできないような悲鳴を上げた。
「きゃぁぁっ!!?」
薄ら笑いを浮かべながら、男は仲間の2人に命じて、ジェニーから切り裂かれた制服を脱がせる。そのまま、
躊躇うことなく下着にもナイフの刃を当て、紐を切って取り払うと、ジェニーの上半身はあっという間に裸に
されてしまった。
「や、止めろ、この変態共!!離せぇッ!!」
恐怖と羞恥と絶望と、様々な感情が入り混じってパニックを起こし、ジェニーは泣き叫びながら、唯一自由に
なる首を必死で横に振る。
「おぉおぉ、ガキ臭ぇと思ってたら、案の定色気もクソもあったもんじゃねぇな。」
言いながら、男はジェニーの胸の上、ほんの些細な膨らみの上の突起を指先で摘む。
「い、痛っ………!?」
「痛ぇか?安心しろ………すぐに、上も下も、前も後ろも慣らしてやっからよ。」
「は………っ………!?」
下卑た笑みを浮かべながら、嫌らしくそう呟く男の声に………ジェニーが、戦慄する。
「優等生のジェニー・ジョーンズ様の人生も、今日で終いだ………明日から、表歩けねぇようにしてやる。」
「な………あ、あんた達、何を………!?」
「言ってやろうか?俺たちが、今からお前をどうしようとしてるのか?」
自分が上半身裸にされているという事実を吹き飛ばすほどの衝撃的な発言に、絶望的な表情を浮かべるジェニー
を満足げに見下ろしながら、男は………ナイフが入っていたのとは別のポケットから、掌に収まるサイズの、
小さな機器を取り出した。ジェニーは一瞬で、それが何であるかを理解する。
それは、ジェニーも普段から慣れ親しんでいる………カメラの一種だ。男の意図を察したジェニーの顔から、
さっ、と血の気が引いていく。
「こんな格好の写真撮って学校中にバラ撒いたらよぉ、そりゃぁ、面白ぇことになるだろうなぁ?」
「や………止めろ、そんなことしたら………!」
「おっと、もちろん今のままで済むと思うなよ?すぐに、下も素っ裸に剥いてやるからな。」
「っっっ!!?」
瞳をぎらぎらと輝かせてそう言いながら、男はナイフをジェニーのスカートに掛ける。
「すっぽんぽんで、みっともなく両脚開いた格好で晒してやるよ。何なら、中も開いて撮ってやるぜ?」
「………や………止めッ………し、正気か………っ!?」
「そうだ、どうせならそのまま縛って校庭に放り出してやるか。中に玩具ブチ込んでも面白そうだな。」
「い、嫌………嫌だ、あ、あんたたち………く、狂ってる………!!」
「現役上級学校生、しかも顔の良い優等生のナマ写真だ………売るトコに売りゃぁ、良い値が付くだろうな。」
「っ!や………止めて!!それだけは………そんなことされたら………!!」
悪魔のような言葉を容赦なくぶつけられ、身も心も打ちひしがれて………必死に許しを乞うような表情で自分
を見上げるジェニーのスカートを、男は容赦なく切り裂く。晒された最後の1枚も、すぐにナイフに切り裂か
れて………ものの数十秒で、ジェニーの身体は、生まれたままの姿に剥かれてしまう。毛も生え揃っていない
最も大事な部分を、隠すことも許されずに卑劣な男の眼の前に晒し………しかし、その羞恥心よりも、未来を
粉々に崩壊させられる恐怖に支配され、ジェニーはただ、泣き濡れながらか細い声で呟く。
「や………嫌だ、も、もう………許して………!!」
身体の自由を奪われ、衣服を奪われ………遂に精神的にも屈服し。ジェニーは、それまで決して口にしようと
しなかった言葉を口にする。
「ごめ………ごめん、なさい………あ、謝るから、だから………ッ!!」
「ハッ、今更許せってか。冗談キツいぜ。」
ひとまずの役目を終えたナイフを、ソファの背もたれに突き立てて。男は、眼の前で震えながら怯えた視線を
向けるジェニーにカメラのレンズを向けて、そのシャッターを押した。フラッシュが焚かれて、ジェニーの
あられもない姿が、その中に記録される。
「後悔する時間なら、たっぷりくれてやるよ………本当の地獄は、これからだぜ?」
「………ぇ、っ………?」
男の不穏な言葉に、ジェニーの眼が見開かれた。
689 :
7/14:2008/07/16(水) 20:51:15 ID:Xaq1rBVO
「まずは、綺麗なまま撮影会………その後は、俺たち3人とお楽しみだ。」
「ひ、ぃ………い、嫌っ………ゆ、許して、そ、そんな………そんなの………!!?」
「処女だろうがなんだろうが、全身グチャグチャになるまで犯してやる。泣こうが喚こうが知ったことか。」
若干息を荒げながらそう言って、男は………その舌をジェニーの胸に這わせ、指先を、まだ他人を受け入れた
ことのないジェニーの秘裂に添えた。敏感な部分に触れられ、全身が粟立つような怖気を覚え………ジェニー
が、絶叫する。
「い………嫌あぁぁッ!!は、離して!!来るな、よ、寄るなぁっ!!」
「どれ………中も撮ってやる。おい、撮りやすいようにこっち向けろ。」
何枚か写真を撮った後、男は仲間たちに命じてジェニーの脚を開かせ、その腰を持ち上げた。晒された秘裂を
男の指が押し開き、その様をまたカメラが記録する。あまりの叫び声に、周囲に知られることを懸念したか、
仲間の1人が放り出されたジェニーの下着をその口に押し込む。
「………っし。じゃぁ、次は………。」
涙の浮かぶ眼をきつく閉じ、曇った叫び声を上げながら必死に身を捩るジェニーの秘所を撮影した後。男は、
自分の指に唾を絡めて………それを、全く湿り気を帯びていないジェニーの秘裂に、捩じ込んだ。
「ひ、ぐ………〜〜〜ッッッ!!?」
突如として進入したその異物感に、ジェニーは全身を痙攣させるように震わせ、背筋を反らせた。
「どうだ?初めての、男の指の味は?」
せせら笑うようにそう言いながら、男は差し込んだ指をぐねぐねと蠢かせる。指が曲げ伸ばしされるたびに、
ジェニーはそれまでに感じたことの無い感覚の波に襲われ、ぞくぞくと身体を震わせる。
「ん、ぐ、あ”っ………ひ、ぃっ………!?」
「イってる顔もバッチリ撮ってやるよ。ホラ、遠慮なくイっちまえ!」
ジェニーの内部を抉るように刺激しながら、男はカメラのレンズをジェニーの顔に向ける。精神の許容量を
超える刺激と感情とに襲われ、正常な思考をすることすらままならなくなったジェニーは、ただ、情け容赦
無く秘所を攻め立てる男の指の感覚に身を震わせ、徐々に自分の奥底から沸きあがってくるような熱に、困惑
していた。
「ん”、ひぅッ………ん、んぐぅぅぅっ………〜〜〜ッ!!?」
「オラ、イけ!!イけよ、この野郎!!」
怒鳴り散らすような声で、男が叫ぶ。吐き気がするような嫌悪感とは裏腹に………ジェニーの身体は、刺激に
対して従順に反応し、秘所を潤ませ、確実に絶頂へと向けて高まりつつあった。
………そして。
「しぶといな………けど、こいつでトドメだ………!!」
業を煮やした男が………秘裂の上、赤く充血したジェニーの肉芽に芽をつけて。
「オラ、とっととイっちまえ!!」
「ひ………ッッッ!!?」
それを、捻り潰すように容赦なく刺激し。
「あ”、っ………〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!???」
一瞬の、間の後………ジェニーが、全身を痙攣させながら、激しい絶頂を迎えた。
その、直後。
「うぃーっす………。」
気の抜けた挨拶と共に、扉が、開かれた。
690 :
8/14:2008/07/16(水) 20:52:08 ID:Xaq1rBVO
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
挨拶と共に開いたドアの向こうに広がっていた光景を眼にして………ラリーは、硬直した。
ジェニーが1人で居るか、あるいは誰も居ないか………と思っていた、新聞部の部室。そこで待っていたのは
………何故か生まれたままの姿でソファに横たわっているジェニーと、それを取り囲む見知らぬ3人の男たち
だった。
裸のジェニーの姿を見て………驚きや恥ずかしさを通り越したラリーは、やけに冷静に、その光景を分析して
いた。見た所、男たちはジェニーの身体を3人掛かりで押さえつけているように見える。床には、無残に切り
裂かれた女子の制服や女物の下着が散乱している。ジェニーが裸で居るのを見ると、おそらく彼女のものか。
ソファの背もたれに刺さっているナイフで切り裂いたのだろうか。まさか、ジェニーが大事な新聞部の備品を
あんな風に扱うはずがないし………つまり、あれを刺したのはこの男たちの誰かで、あれはこの男たちの誰か
の持ち物なのだろう………と、そこまで考えて。
ラリーの中で………徐々に、その結論が導き出されていく。
「………逃がすな。こっち連れて来い。」
ソファの上でジェニーに馬乗りになっていた男が、低い声で呟いて。それを合図に、ジェニーを左右から押え
込んでいた2人が、威圧的な態度でラリーに歩み寄ってくる。1人が1本ずつ、ラリーの腕を掴み、部室に
引き入れて、誰も来ないだろうと高をくくってうっかり掛けずに居た鍵を掛ける。腕を掴まれた拍子にラリー
はカバンを床に取り落とした。
「………どこの誰かは知らねぇが、運が悪かったな………。」
2人に挟まれて連れて来られた先で、ラリーはジェニーの上から床に降りた男に、頭の上からそう言われた。
その顔を見上げながら、ラリーは、今までの思考の結論を導き出して………男の傍ら、ソファの上でぐったり
としながら自分を見上げ、怯えるように身を縮こまらせるジェニーを見やった。
「………ぃ………で………っ。」
そして。涙を流し、ラリーを見上げながら。
「………で………み、見ないで、ぇ………っ………!」
涙に押しつぶされたような、掠れ切った声でそう呟くジェニーの姿を見た瞬間。
「………ッッッ!!!」
ラリーの心の中に、たった今生まれた感情が………瞬時に、爆発する。
「見られちまった以上、ただで帰すわけにゃ………。」
「ぐげっ!」
「ぐぼっ!」
ソファのナイフに手を伸ばしながら続けられた男の言葉を、美しくない声が遮る。何事か、と男が視線を戻した
その先では………仲間の2人が、今まで捕まえていたはずのラリーの手による拳を鳩尾に喰らい、今まさに悶絶
しながら崩れ落ちているところだった。
「………お前等………。」
「………え?」
何が起きたのか解からず呆然とする男を………ラリーは、鬼のような眼で睨みつける。男が、ひ、と情けない
悲鳴を上げて身構える。が、その中途半端な構えをあっさりと突破して………渾身の力を込めたラリーの右拳
が、男の顔面に炸裂した。
「ぐぺっ!!」
他の2人にもまして美しくない声を上げて、男がソファを超えて壁際まで吹き飛ばされる。行儀悪くソファを
乗り越えて男の前に降り立ち、立ち上がる準備をする前の男の胸倉を掴みあげて、ラリーは額と額が触れる程
の至近距離で、射殺すような視線を男にぶつけた。
「お前等、さっき、何してた………?」
「ぐへ………げ、ほっ………!?」
「男3人で寄って集って、女1人に………ジェニーに、何しやがった!?」
さきほどまでの大きな態度もどこへやら、完全にすくみあがった男は、なんとかラリーの手を振りほどこうと
抵抗する。が、鍛え抜かれたラリーの身体にそう簡単に対処できるはずもなく………化け物を見るような怯え
きった眼で、ラリーを見つめることしか出来ない。
691 :
9/14:2008/07/16(水) 20:52:59 ID:Xaq1rBVO
「お、お前………げほっ………な、何だ………!?」
あまりに漠然とした問いに、ラリーが威圧的な声で答える。
「俺は、新聞部のラリー・ヘップバーンだ。」
「し、新聞部………って、へ、ヘップバーンだぁ………!?」
ジェニー以外の新聞部部員が居ることも、眼の前に居るのがかの有名な軍人家系ヘップバーン家の息子である
ことも知らなかった男は、もはや何が何だか解からず、眼を白黒させた。
「お前等、ウチの部長に随分なことしてくれたみてぇじゃねぇかよ………。」
「い………いや、それは………そ、そいつが………!」
「そもそも、男3人で女をどうにかしようってのが気にいらねぇ………それなりの覚悟は出来てんだろうな?」
青筋を浮かせながら低い声で威圧され、男の眼にうっすらと涙が浮かべ始め………直後。その視線が、眼の前
のラリーの顔から、その背後へと移された。
「ラリーっっ!?」
ジェニーの声が響く。ラリーが振り返ると………さきほどの一撃から立ち直った2人が、今まさにソファーを
乗り越えて、ラリーに襲い掛かっている所だった。
「舐めんじゃねぇぞチビ助がぁッ!!」
「どこの坊ちゃんだか知らねぇが、関係無ぇ!!ブッ殺してやる!!」
「ばっ………てめぇ等………!?」
殺気に満ちた野獣のような眼で襲い掛かってくる2人を一瞥して………ラリーは、男の胸倉を掴む手に力を
込める。男たちの中で唯一、ラリーの身元に気が付いている男は、身の危険を察知して何かを叫ぼうとしたが
………それよりも先に、その視界がぐるりと縦に回転した。
「げぼぉっ!?」
「が、はっ!?」
「うげぇっ!?」
ラリーの肩越しに軽々と放り投げられた男と、それを正面からもろにぶつけられた2人が、折り重なるように
してソファを飛び越え、派手な音を立てて飲み掛けの紅茶が乗ったままだったテーブルの上に落下した。
ラリーは1度部屋を見渡し、部屋の隅の棚に被せてあった埃避けの布を手に取って、ソファの上で耳を塞いで
縮こまっていたジェニーに投げて寄越しながら………重なった男たちを見下ろす位置に歩み寄った。
「………死にたくなかったら、今すぐ消えろ。」
ボキボキと指を鳴らしながら、怒りに満ち満ちた声で呟く。苦悶の表情を浮かべていた男たちは、その一言に
まるで死刑宣告でも受けたかのような蒼白な顔になり、我先に逃げ出すかのようにテーブルから這い降りた。
真っ先にドアに辿り着いた1人は、さきほど自分たちが鍵を掛けたことをすっかり忘れて開かないドアに激突
した後、震える指に手間取りながらそれを解除した。
が。そのうち、おそらくリーダー格であろうラリーに投げられた1人が、何かに気づいて辺りを見渡す。
その視線に気づき、ラリーが同じように部屋を見渡すと………脚もとに、何やら小さな機械が落ちているのを
見つけた。部室にジェニーが置いていた雑誌で見かけたことがあったので、ラリーはすぐにそれがカメラだと
気づき、同時に、部屋に入ったときに男がそれを持っていたことも思い出した。
そう思っているうちに、男が慌てた様子でラリーの方へ駆け寄ってくる。そこには既に、ラリーに対する敵意
は感じられなかったが………ラリーは男がそれを拾おうとしているのだと気づき、伸ばされた腕を、遠慮なく
上から踏みつけた。
「ぎゃっっ!?」
男が叫び、怯えきった顔でラリーを見上げる。
「死にたくねぇなら、今すぐに、消えろ………3度は言わねぇぞ?」
今すぐに、の部分を強調しながらそう言って、ラリーは脚を上げる。男は、あと1歩進めば手が届く距離にある
カメラを1度見やった後………ラリーの刺さるような視線を感じ、先に逃げ出した仲間の2人を追って、一目散
に部屋を飛び出した。
そして。部屋には、静寂と………怒気を纏ったままのラリー、薄布1枚に包まったジェニーが残される。
しばしの、沈黙の後。
「………えっと………。」
鬼のような気迫が、す、と収まり。いつも通りの表情に戻ったラリーが、頭を掻きながら、ソファの上でなお
も震え続けているジェニーに歩み寄って。
「その………大丈夫か、ジェ………。」
ジェニー、とその名前を呼ぼうとした、瞬間。
白い布の中から伸ばされた細い腕が、ラリーの腕を掴み、引き寄せた。
692 :
10/14:2008/07/16(水) 20:53:29 ID:Xaq1rBVO
「うおっ!?」
完全に不意を突かれ、ラリーはよろめき、崩れ落ちるようにソファに腰掛ける。そして………その腕にすがり
付くようにして、ジェニーが、ラリーの身体に擦り寄ってくる。
「うお、おい、ちょ、待て………ジェニー………!?」
「うるさい!な、何も………何も、聞くな!!」
思わず狼狽するラリーに、ジェニーが震える声で叫ぶ。その声に気圧され………そして直後、ジェニーの身体
がガタガタと激しく震えていることに気が付いて、ラリーは、言葉を途切れさせた。ジェニーの様子を窺うが、
顔は布の中に隠れてしまっているので、解からない。
「………あー………え、っと………。」
「す、少し………少しだけ、う、腕、貸せ………!」
必死で普段通りを装おうとしているような声で、ジェニーが呟く。その手は、まるで親とはぐれまいと必死に
なっている子供のように、強くラリーの腕にしがみ付いてくる。
「その、なんつーか………。」
「少しくらいいいだろ!う………動けないんだよ!ちょっとくらい、じっとしてろ!!」
「いや………そ、その前に、服………。」
「無い!部長命令だ、黙ってろ!!」
それだけ言ったきり、ジェニーは黙り込んでしまう。ラリーは今更になって、ジェニーが服を着ていない、と
いう事実に尋常ではない気恥ずかしさを覚え始めたが………ただただ必死ですがり付いてくるジェニーを振り
ほどくわけにもいかず、仕方なく、ジェニーが納得するまでそのままの格好で固まっていた。
すぐに、腕に纏わり付く布の一部が湿って、布の中からすすり泣くような声が聞こえてきた気がしたが………
ラリーは、気づかない振りをした。
//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
数分後。ようやく震えが収まり、腕を開放したジェニーの隣に座って。
「とりあえず………着る物っつったら、体育で使った運動着くらいしか無いな。」
ずっと抱き疲れていた腕に若干の痺れを覚えつつ、自分のカバンの中を漁りながら、ラリーが言った。その
隣で、相変わらず布に包まったままのジェニーは、少し赤くなった頬にラリーが用意した氷嚢を当てながら、
時折ちらちらとラリーの横顔を見つめつつ、視線をあちこちに漂わせている。
「………あんまり、女に着せるようなモンでもなぁ………汗がなぁ………。」
「………………。」
「ナータに相談して………いや、でも、あんまりに騒がない方がいいか?」
「………………。」
「………聞いてるか?」
「………え………?」
そう問われたところで我に返り、ジェニーが間の抜けた声を上げる。しばしの間の後………ジェニーは、その
頬を赤く染めながら、つ、と視線を逸らせた。
「………なんだよ。」
「なに、って………その………。」
普段の、良く言えば明朗快活な様子はどこえやら、何やらもじもじと恥ずかしがっているようなその様子に、
釣られてラリーも顔を赤くしてしまう。怒りのあまり意識の外に弾き出されていた、部屋に入ったときに確か
に見たジェニーの裸が思い出されてしまい、それを振り払うように頭を振る。
「あー………その、なんだ。」
「………………。」
「なんつーか………軍人ってのはな。訓練されてるから、口は硬いんだ。そこは安心しろ。」
「………っ………。」
「お前が何も言うなってんなら、この事件のことは他の奴には喋らないし………それに………。」
句読点ごとに言葉を探しながらそう語り………ラリーは、更に顔を紅潮させる。
「………もちろん、その………み、見たことも、言わない。」
「………っ………。」
「それと、不可抗力だが………見ちまったことに変わりは無いから、一応、謝っとく。すまん。」
そこまで語って、1度頭を下げて。深く息を吐き、ラリーは再び、カバンの中を物色する作業に戻る。
693 :
11/14:2008/07/16(水) 20:54:09 ID:Xaq1rBVO
そして。たっぷりと数十秒の、間隙の後。
「………あの………。」
ジェニーが、視線を逸らしたまま口を開く。返事はせず、視線だけを向けるラリーに向けて………。
「………あ………有難う………。」
「っ!」
ジェニーは、ぽつり、とそう呟いた。ラリーが、意外そうな顔をして………また、頬を赤らめる。
「………こういうときは、ちゃんと礼も言うんだな。」
「そ、そりゃぁ………それくらいは………。」
「まぁ、でも………なんつーか、当然のことをしたまでだからな。俺は、俺がやりたいようにしただけだ。」
顔ごと視線を逸らすジェニーに向かって、ラリーは、まるで何でもないことを語るようにそう言った。
「さっきも言ったけどよ………男が力で女をどうこうしようなんて、俺は許せねぇ。しかも、3人掛かりで。」
「………っ………。」
「男とはなんたるか、ってのは、昔っから叩き込まれてるからな。」
ジェニーは、ラリーに見えないように、ほんの少しだけその表情を変えた後。
「………追い払うだけなら、あそこまでしなくてもよかったんじゃないか?」
その言葉にラリーは、ぐ、と言葉を詰まらせる。
「い、いや、その………それはなんつーか………勢い、か?」
「いくらなんでも、問答無用で殴るのはマズいだろ。」
「………ま、まぁ………。」
ラリーは言葉に詰まり、視線を眼の前のカバンの中に落とした。
確かに………普段のラリーなら、あの状況で、怒りにまかせてあそこまで暴れることは無かっただろう。単に
追い払うだけなら関節技でも使って力量の違いを見せ付ければいいだけだ、何も顔面を殴ったり背負い投げを
した人間を相手にぶつけて吹き飛ばす、喧嘩紛いのことまでする必要は無かったはずだ。
その、はずなのだが………あのときのラリーには、湧き上がる激情を押さえ込むことが、出来なかった。
それはもちろん、あの3人が男として、人として許し難かったこともあるが………今になって思うとそれ以上
に、ジェニーの涙と震える声が、ラリーの怒りを暴走させていたように思う。
見ないで、と掠れた声でジェニーが訴える姿を見た、瞬間。ラリーは………ジェニーをそんな姿にした男たち
を許すことが、出来なくなった。
普段あれだけ明るく騒がしい彼女が、弱々しく震えて縮こまっている姿など、あってはならない………とでも
言えばいいだろうか。ともかくあの瞬間のラリーにとって、ジェニーをそんな姿にまで追い込んだ男たちは、
許されざる大罪を犯した憎むべき怨敵と認識されていたのだった。
ラリー自身、自分が何故そこまで怒りを燃え上がらせてしまったのかは、理解できなかった………というか、
それを理解してしまうと、何か自分自身に取り返しがつかなくなってしまいそうな気がしてしまったから。
ラリーは敢えて、そのことを考えようとはしなかったし、口に出そうともしなかった。
「………やっぱり、マズかったか?これで処分とかになったら………。」
ジェニーの追及に困り顔を見せるラリーの様子を、しばらく観察した後………ジェニーは思わず、ふふ、と
微かな笑い声を漏らした。ラリーが、きょとんとした顔をする。
「………安心しろ、わたしもこう見えて口は硬いからな。さっきのことは、誰にも言わない。」
「………でも、あいつ等がバラしたら、俺マズいんじゃないか………?」
「よく考えろ、そんなことしたら、あいつ等がしたこともバレることになるんだぞ?」
「ああ………そうか。だったら、自分からはバラせねぇわな。」
ジェニーの言葉に心底安心したかのように、ラリーが息を吐く。その様子を見つめて、微笑みながら………
ジェニーは、男たちが落としていったカメラを摘み上げた。
「………まぁ、多少の乱暴はされたけどな………コレが無きゃ、あいつ等はこれ以上何も出来ないだろ。」
ジェニーの手から受け取ったそれを、ラリーがしげしげと眺める。そして………あんなに弱々しく無き濡れる
まで痛めつけられたことを、多少の乱暴、と言ってのけたジェニーの横顔を1度見やってから。
「なら……こんなモン、無かったことにしちまうのが1番か。」
そう言って………手にしたそれを床に落とし、踏みつけた。バキ、と金属がひしゃげる音がして、カメラが
原型を失い使い物にならなくなった。それを拾い上げ、放り投げる。綺麗な放物線を描いて、それは部室の隅
に置かれていたゴミ箱に吸い込まれ、カラン、と高い音を立てた。
「………さて、じゃぁ………服、どうすっかな………。」
全てにケリをつけて、ラリーはまた、当面の問題の解決を思い出し、カバンの中を探り始める。
694 :
12/14:2008/07/16(水) 20:54:42 ID:Xaq1rBVO
………が。
「………ぉ………。」
「ん?」
すぐに………ジェニーが醸し出すただならぬ雰囲気を感じ、その視線を隣に移す。ジェニーは、カメラの残骸
が飛んでいった方とラリーの顔を何度か見比べ、わなわなと口を震わせてから………。
「お………お前は、馬鹿かぁッ!!」
突然、そんなことを叫んだ。思わぬ言葉に眼を丸くするラリーに、ジェニーが捲くし立てる。
「おまっ………何も、壊すこと無いだろ!?なんてことしてんだ!!」
「は?いや………だって、アレ残ってたらマズいんじゃ………。」
「マズいのは写真だけだ、本体は関係無いだろ!!最新式の小型カメラだぞ、今の!?」
「え、お前………何言ってんだ?」
「中のフィルムだけ処分すれば、あとは普通に使えたんだぞ!?なんて勿体無いことしてんだ、この馬鹿!!」
さきほどまでのしおらしさや笑顔が嘘だったかのように、すっかり普段通りの勢いを取り戻したジェニーに、
ラリーはしばし唖然とした後………理不尽な叱責が無性に頭にきて、つい、同じような調子でやり返す。
「お前、人がせっかく気ぃ利かせてやったのに、そりゃ無ぇだろ!?」
「うるさい!あれはもう立派な新聞部の備品だ、弁償してもらうぞ!!」
「はぁ!?お前、助けて貰っといてそれかよ!?ふざけんな!!」
「そんなの当然のことだって言ったのはあんただろ!!」
「お前、珍しく可愛………お、女らしい態度になったと思ったら、急に掌返しやがって!!」
「うるさい!!部長命令に逆らうな、このチビ!」
「なッ………お前だって人のこと言えねぇだろうが、チビ!!」
「何をぉッ!?」
静かで穏やかな雰囲気は、残らずどこかへ吹き飛ばされて。ジェニーが、まるでさきほどの男がしたのと同じ
ように、ラリーの胸倉に掴みかかる………が。
「う、わっ………待っ、お前、ち、ちゃんと前隠せ!!」
「あ?………〜〜〜ッッッ!!?」
胸倉を掴まれたまま突然顔を真っ赤にしたラリーに指摘され、怒りの余り忘れていた事実を思い出す。両腕で
ラリーに掴みかかったせいで、身体を覆うたった1枚の薄布は乱れ、はだけて………下着の1枚も身に着けて
いない、起伏に乏しいその身体が、今、ラリーの眼の前に惜しげもなく晒されている。
「ひ………ひやぁぁッッッ!!?」
ボッ、と瞬時に頬を染めながら年頃の少女らしく可愛らしい悲鳴を上げて、ジェニーは慌てて、はだけた布で
身体を覆い………そして。
「うおぉっ!?」
「きゃぁっ!?」
そのままバランスを崩して、ラリーの身体の上に倒れ込み………そのまま、床に転げ落ちた。ラリーが下敷き
になり、その上にジェニーが布ごと覆いかぶさるという形で、2人は低い呻き声を上げる。そして………自分
たちが取っているその体勢に気づき、またジェニーの纏った布が乱れて、というか今度は完全にずり落ちて、
その裸体が晒されていることに気づき。
「う、っ………!?」
「あ、あぁ………っ!?」
叫び声を上げかけた………その、瞬間。
「………随分騒がしいけど、どうかしたのか?」
静かな声と共に、扉が、開かれた。
695 :
13/14:2008/07/16(水) 20:55:23 ID:Xaq1rBVO
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講義の課題で使う資料を探しに図書室に行き、用事を済ませて新聞部へと顔を出し。
そこに広がっていた光景を眼にして………セロンは、硬直した。
ジェニーとラリーとニックと、誰かしらは居るだろう………と思っていた、新聞部の部室。そこで待っていた
のは………微妙に制服の胸元を乱して床に横たわったラリーと、何故か生まれたままの姿に布を羽織ったまま、
ラリーに覆い被さっている。
2人の姿を見て………驚きや恥ずかしさを通り越したセロンは、やけに冷静に、その光景を分析していた。
見た所、ラリーはどうやらジェニーに押し倒されているように見える。ジェニーがあんな格好でラリーと普通
に一緒に居るのを見ると、おそらくこの状況は2人共納得済みのものなのだろう。単純な腕力でラリーが押し
倒されるわけもないだろうことを考えても、おそらくそれは間違い無さそうだ。それでは、そもそもジェニー
がラリーと2人きりというこの状況で、何故服を脱いでいるだろうのか………と、そこまで考えて。
セロンの中で………瞬時に、その結論が導き出される。
「………ラリー。」
男子と、あられもない姿をした女子が、2人きりで部屋の中で重なり合っている。傍から見たとき、その状況
が果たしてどんなものに見えるのかを想像して………セロンに見つめられた2人は、さ、と顔を青褪めさせた。
「俺は………色々なことで、お前に感謝してる。お前のことを、親友だとも思っている。」
「せ………セロン………?」
「だから………安心してくれ。」
「………何を、だ?」
「俺は、お前が知られたくないと思うことを他人に喋る気は無いし………お前の邪魔をするつもりも無い。」
ラリーが絶句し、セロンの登場の段階で絶句していたジェニーは、ただ死にかけた魚のように、声の出ない口
をぱくぱくと動かしながら、みるみるうちに顔を真っ赤に染めていく。
「俺も、もっと頑張ろうと思う。良かったら、経験者としていろいろ教えてくれると有難い。」
「おい、セロン、よく聞いてくれ………は、話せば長くなるんだが………。」
「いや………何も言うな。ジェニー、ラリーのこと、よろしく頼む。」
そう言って自己完結し、セロンは悟ったような微笑を浮かべる。セロンが完全に思い違いをしていることには
気づきながら、しかし、この状況をどう弁解したものかと考えているうちに………セロンは1度潜ったドアを
再び潜りなおし、部室を出た。
そして、その去り際。
「ただ………鍵くらいは、掛けた方がいいと思うぞ。」
そう言って苦笑しながらドアを閉めたセロンの姿を見て………ラリーは自分に覆い被さったジェニーの身体を
押し退けて、部室を走り去った。
「待て!待てセロン、誤解だ!は、話を聞いてくれ!!セローン!!」
やかましい足音と、ラリーの声が遠ざかっていく。ラリーが嵐のように走り去った後、再び、部室には静寂が
残される。押し退けられたままの格好でしばし呆然とし、ソファに腰掛けて………またしばし、沈黙して。
「………〜〜〜っ。」
様々なことを………主に、ラリーがあの男たちを追い払ってからのことを思い出して、独り頬を染めた。
そして………またしばしの間の後。思い出したように、さきほどラリーが拾って手近な紙袋にまとめてくれた、
制服の残骸を探り………そこから、さきほどラリーが踏み潰したカメラと同じようなサイズの、しかしレンズ
のついていない機械を取り出した。無言でその機械を操作し………やがて、カチ、とスイッチを入れる。
すると、その機械………小型の録音機から、しばし派手な音と遠くから聞こえるような人の声が再生された後。
『………ジェニーに、何しやがった!?』
さきほどの、ラリーの怒鳴り声が再生された。
「………っ………。」
それを聞き、ジェニーはしばし、ぽう、と惚けたような顔をした後………何度か、撒き戻しと再生を繰り返し
た。同じ音声が何度か再生され………ジェニーはただ無言で、その作業を繰り返す。
「って………何やってんだ、わたし………。」
しばらく経ってから、そんな独り言を呟いて。独り、両手で顔を覆った後。
ジェニーは、置き忘れられたラリーのカバンを漁り、そこから丸められた運動着を取り出した。
696 :
14/14:2008/07/16(水) 20:56:31 ID:Xaq1rBVO
「………こんなの着せるつもりだったのか、あいつ………。」
土埃に汚れたそれを見て、一瞬顔をしかめた後………また、どこか惚けたような顔になり。
「………当然のこと、か。」
1度、自分が纏った布をまじまじと見つめた後………それを脱ぎ捨てて、ジェニーは勝手に、ラリーの運動着
へと着替え始めた。
数分後、ラリーがカバンを取りに部室に戻ったときにはもう、部室にジェニーの姿は無く………ただ、綺麗に
畳まれた布と、軽くなったカバンと、中身の零れたティーカップがテーブルの上に乗っているだけだった。
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………新聞部の部室には、ジェニーしか知らない何台かの隠しカメラが設置されている。それは遠隔操作により
作動し、数秒間に1枚のペースで自動的に、密かにシャッターが切られ、部屋の様子が記録されるものだ。
それは、以前、新聞部の記事によって被害を被った人間に復讐されかけたジェニーが、誰かがこの部屋に押し
掛けてきたときの為に、証拠を押さえるものとして設置しておいたものだった。もちろん、この部屋に押し入ら
れて逃げ場が無くなり自分が襲われる、というのは最悪のケースである。隠しカメラの出番は、録音機と共に
出来る限り少ないことが理想だったのだが………あの日、ジェニーは3人の男に襲われ、ポケットに忍ばせた
リモコンからの信号を受けたカメラは、男たちが3人掛かりでジェニーを襲う様子を克明に記録した。
結局、襲われているジェニーの姿をも記録したその証拠写真に出番は無かったが………その写真のうちの何枚
かは、ジェニーの手で密かに現像され、彼女の生徒手帳の中にひっそりと仕舞われていた。
ジェニーを襲った男たちを、ラリーが撃退する姿。ラリーがジェニーに服代わりの布を投げて寄越す姿。
そして………その後の、ラリーとジェニーの姿。
その何枚かの写真を、ジェニーが密かに肌身離さず持ち歩いていることを知っているのは、今の所、ジェニー
本人ただ1人である。
fin
はい………以上、お粗末様でした
どう見ても捏造カップリングです本当に(ry
とりあえずジェニーへの愛だけは死ぬ気で注ぎ込んだつもりなので許してください
では、乱文失礼致しました
いろいろ引っ掛かるところはあったが、新刊読んでないならまぁ仕方ないか
とりあえずジェニー可愛過ぎて死ぬ
GJ!!
セロンww
ジェニー可愛いよジェニー(*'д`)ハァハァ
そろそろ次スレの季節?
双眼鏡を逆から覗くのはやっぱりお約束だな。
(´;ω;`)オブゥッブエェッヴェッブヴェッ
…………誤爆すまそ…(´;ω;`)
ワラタ
>>697 神J!
やっとTシャツ着れるよ、ありがとう。
ジェニー可愛いすぎるw
また書いて欲しい、今度は濡れ場アリで
それにしても下半身が寒いんだがなんでだろ?
保守
アリソン「ねぇ、ヴィル……」
ヴィル「何、アリソン?」
アリソン「…………やっぱり胸、大きい方がいいの……?」
ヴィル「そうだねぇ……」
アリソン(や、やっぱり今のサイズじゃ満足していないのかしら……)
ヴィル「……アリソンの胸なら、どれでも……」
アリソン「ヴィ、ヴィル……っ」
ヴィル「……それに」
アリソン「それに?」
ヴィル「もめば大きくなるって言うしね」
アリソン「ヴィ、ヴィル……?」
ヴィル「もう一回、しようw」
アリソン「ちょ、ヴィルっ!!ま、まって!!」
ヴィル「無理w」
最近誰もいねぇな、ってことでほす。
708 :
名無しさん@ピンキー:2008/08/08(金) 03:29:29 ID:Zk0UUM9d
ほす
しおらしくなったジェニー萌え!!!!
何だかリリトレ話が多かったから書いてみた。反省はしていない。
好きあった人同士で交わりあいたい、と思うのは至極自然なことで、今までもそうした交わりあいが幾度となく繰り返されてきた。
そしてその少年と少女もその例に漏れず、たった今から真白いシーツの上でその行為に及ぼうとしているところだった。
「んっ、ぅー……っは、」
「ふ、……ぁっ、ん」
ちゅ、ぴちゃ、部屋に響く音が二人に耳からも伝わって、そこまでそうしているような、
――舌を絡ませあい、求めあう、深い深いキスをしているような、そんな気分にさせる。
「はぁッ、――んっ」
「ぅぁ…ふ」
苦しいのか、ひどく荒い息の二人。
はぁはぁ、二人の熱い息までが絡む。
「は…」
「ふ…」
ちゅっ、最後に音をさせて、息を洩らしながら二人が離れた。
つ、と細く糸を引いて二人をまだ繋いでいる舌が、真赤な色をして相手を誘う。
「リリア……触るよ」
少年が荒い息を治める前に、自らがリリアと呼んだ少女に向かって言った。
リリアはこくん、と頷き、自らベッドに背から落ちて、恥ずかしそうに手を身体の前から退かした。
「……いいわよ、トレイズ」
リリアは、自らがトレイズと呼んだ少年から目を逸らし、顔を朱に染めた。
トレイズが熱い息を吐きながら彼女の身体に手を伸ばし、
「んっ……!」
指先が触れた瞬間、リリアの身体がぴくんと小さく跳ねる。
するすると二つの手が肌の上を滑っていく感覚。
慣れない感覚に、どこを触られても声が漏れる。
「ひ、ゃ……ッ!」
ある程度触られることに慣れてきたその時、トレイズの右手が彼女の左胸を柔く揉んだ。
しばらく力の加減次第で指が胸に沈み込んでいく感覚を楽しみながら、さわさわと全身を左手でまさぐっていたが、両手で触ってみたくなったらしく、やがて左手もリリアの右胸に添えられた。
ふに、と揉んで、さわり、とぴんと張ってきている突起に触れないように撫で上げる。
焦らすように、焦らすように。
たちまちリリアの息は荒くなり、いつまでも求める刺激がもらえないことに焦れて、
「ねぇっ、おねが、い…っ、乳首も…触ってぇっ」
と、ひどく甘い声で懇願した。
トレイズはその声にこくりとぎこちなく頷いて、指を期待に震える胸の先に持っていき、それをくり、と摘んだ。
「―――っぁ!!」
次の瞬間、リリアはいままでよりも大きい快感に大きな声を上げた。
胸の先端部は両方摘まれ、丹念にこねくり回される。
「っ、くぁ…んーっ!」
リリアは先程までベッドの上に投げ出されていた腕を顔の位置まであげて、自分の人差し指を噛んだ。
それを見て、
「……リリア」
「――っ、な、なぁに……?」
「声、…聴かせて」
トレイズは片手を胸から離して、彼女の口から噛んでいた指を外した。
「や、――ああっ!!」
彼は途端に大きな声で喘ぎはじめたリリアを見、小さく笑って、
「うん。――そのほうが、可愛いよ」
「ひ、んんっ! な、に、バカな、――あっ! ことっ!」
本当のことだよ、と呟いてから、ぱっと手を離した。
「ひ、ぁ――あ、れ?」
ぎし、と音をさせながら自分の上から退いたトレイズを、リリアは潤んだ目で不思議そうに見つめた。
「な、なんで…やめちゃう、の?」
不満そうな声を聞いて、違うよと首を振った後、
「…ちょっとごめんね」
そう言いながら、ぐ、とリリアの足を軽く広げた。
「きゃ…ッ!」
されることがわかっていていながらも、身を固くしたリリアに、
「怖い? 大丈夫、俺も少し怖いんだ」
緊張を解すように、優しげに声をかけるトレイズ。
く、ともう一度腕に力をこめて足を広げれば、リリアは今度は素直に従った。
「ぁ、……」
恥ずかしそうにそこへ目を向けたトレイズが、小さく声を漏らした。
その声で見られたんだ、と思ったリリアの秘部は、見せ付けるように一度きゅんと痙攣した。
つ、と透明な雫が秘部から流れ落ち、シーツを濡らしていく。