【涼宮ハルヒ】谷川流 the 46章【学校を出よう!】
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。
Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?
Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。 嫌なときは言って欲しいのね。
Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。
Q新刊ネタはいつから書いていい?
A―――まだ―――議論……中―――?
A僕としてはこの一件を長引かせたくない。次の新刊が迫っているしね。早めにケリをつけてしまおう。
続いて投下しますね。
平成十九年の三月中旬のある日です。
その日、かねてよりの私の頭を悩ませていた謎がようやく消え去ったのです。偶然の結果めぐり合った謎は
頭の片隅に図々しくも居座り続け、絶えず私を刺激し続けてきました。何をしていても心の片隅で、出番
はまだか、とでしゃばる隙をうかがっています。
突然抱え込むこととなった懸案をいつまでたっても退治できない。そんな日々にやきもきして、普段の生
活をまるごとほっぽり出して謎解きだけに没頭したくなった瞬間もありました。
煮え切らない状態にもはや我慢ならなくなるほど時間が過ぎて、ようやくけりをつけることができたのです。
真相の上に積み重なったほこりを、閃きは容易く取り払い照らし出します。道は切り開かれて、突風が吹
き飛ばしたように不可解はどこかへ行っていました。
どれだけの時間を思索に費やし、季節が通り過ぎたでしょう。一つ二つでは数えたりないのです。ですから
晴れることはないと思われていたもやもやが消え去った時には、これでもかというほどの清々しい気持ちを覚
えました。
ただ落とし穴がありました。その奥に隠されていたカラクリは奇怪な謎とは裏腹、ひどく単純で幼稚なもの
だったのです。真相を知った私の中に巻き起こった感情といえば、氷解の疑問から導き出される歓喜とは
程遠い、落胆に似た納得だけでした。広大で真っさらな空間に一粒だけぽとりと落とされた感覚に、手を
打ち合わせて驚嘆することもなく、なるほどね、とこぼしただけです。空虚でくだらないとさえ思いました。
じれったい思いで過ごした年月とは見合いそうもないが、さりとて残念な出来事でもない。謎解き自体は
有意義だった。自分の感情に片をつけると、謎の存在そのものを葬って以前よりも仕事をこなすよう決めま
した。
だからでしょうか。楔を打ち込んだあの日から一週間が過ぎて、定例会議を終えて戻る道の最中、ここ最
近森さんずっと嬉しそうですね、いいことあったんですか、とメンバーに尋ねられた時、私は驚きました。そんな
まさかと思い、一旦足を止めて唇の形を指でなぞって確かめると、浅い皿の底のような曲線を描いています。
傍目から見れば間違いなく微笑んでいるように見えるでしょう。目元もきっと。
人の流れにまた乗りながら、機微を悟られないようにゆっくり時間をかけて原因を探します。謎解きに縛ら
れていた抑圧からの解放でしょうか。
まさか私は年甲斐もなく浮かれて、自覚さえもたずにいたのでしょうか。嘘をついてもしかたありませんから、
己を恥じながら事実を認めます。よほどひどかったんでしょうねとたずね返すと、ひどくなんてありません、それ
はもう至福の笑顔ですよ、毎日充実している様な。と評されます。噂好きで、あいつはどうも大げさだね、と
語られるメンバーの言うことですから信じられたものではありませんが……
のめりこむほどではないと思いながら、知らぬ間に心へと刻み付けられていたのでしょう。表情はおろか雰囲
気や言動からもにじみ出ていたかもしれません。もっと自制して歩かなければ下の者にも示しがつかない。デ
スクへと戻り、私が漏れたあたりをつけている間も追求をやめないメンバーの騒ぎ声を聞いて、他のメンバー
が寄ってきました。曰く。
――あの森さんがニコニコ顔で仕事しているんですよ。移動の際にはステップを踏んで華麗にターンを決めも
する。背中に「理由を聞いてみて、早く聞いてみて」と大きく書いてあるんです。信じられない。
そう聞こえてくれば、まさかつい先ほども、なんて考えます。
らしからぬ行動だからでしょう皆大盛り上がりです。あぁ私も見ましたよ、と嫌な合いの手さえも交えられ
ます。
藪をつついて蛇を出すわけにもいかず、いつか静かになるでしょうと放っていましたが、気付けば好奇の眼
差しばかりが増えてこちらへと注がれ、誰も自分の持ち場に帰ろうとしません。
これは、退屈を持て余したメンバーの暇つぶし材料とされることの予兆か。娯楽に餓えてフロアを徘徊し、
人を茶化して羽目を外すような年頃でもないはずです。「いいかげん戻りなさい」と一睨みしますが、どうも
皆獲物を逃すまいとしているのか収まりません。次から次につられてまた人が寄ってきて、説明はその度大
げさになっていきます。
視線にかまわず無言を貫いていましたが、思う以上に興味をそそる話題だったらしく、しばらくすれば私は
取り囲まれて、話の種を提供する段取りとなっていました。
休憩時間にはまだ少し早いのですがメンバー間には既に雑談ムードが蔓延しています。ネクタイを緩め
ると机の上にだらしなく伸びる者がいれば、もう当番の手によって紅茶と茶菓子が席に用意されていま
す。おもちゃにされては面白くない。きっかけを作ったメンバーも気楽なもので、飴を頬張りながら急かしてき
ます。
娯楽の要素なんてかけらもないから、期待にはそえないわよ、と前置きすれば森さんなら大丈夫と無責
任なまでのなぐさめに促されます。幾度も暗に否定しますが受け入れられない。
観念するべきでしょうか。疑問をいつまでも自分の気持ちの中にしまっておくことはできません。誰かに向
けて吐き出したい本能があります。考え方如何によってはまたとない機会でしょうが、私の口元の様子が
穏やかでない理由はひどくいびつではないかと思います。オチだけ明かして解散させればいいのかもしれませ
んが……いいでしょう。
私が口を開いたのは、なるたけ言葉を選びながら喋ろう、邪推されるようならすぐに打ち切ってしまおうと
決めてからでした。
機関に所属する古泉一樹。今は外出しているのですが、私がその古泉の立ち振る舞いに引っ掛かりを
発見したことがきっかけです。去年の今頃でした。
その日私は、たまたまトレーニングルームに設置されている自販機の前に立っている古泉の姿を目の当たり
にしたのです。トレーニングを終えたばかりのようで、半そでを肩までまくり、額からは汗が伝っていました。硬
貨を投入する瞬間から、銘柄を選択するボタンとボタンの間を指が迷い、水分補給のジュースを飲み干し、
缶を捨てて角に消えていく間までの数分。私は衝立の陰に身を潜めて、古泉の一挙手一投足を見逃すま
いと考えていました。古泉の動きに釘付けとなっていたのです。
たった今、日常から非日常へと足を踏み入れた。自分の内に張られている白く細い糸が緊張し、そう教えて
くるようでした。
ある決まった条件下で古泉の動作にはほんの数秒、わずかなとまどいが生れるのです。財布の中で何枚
残っていたのかもわからない硬貨や、どこかにつっこんだまま忘れた切符の在り処を探すような意識下のとま
どいではありません。もっと原始的な、無意識のうちに行う情景反射に似たものです。
よどみのない動作は途絶え、不審なそぶりを見せてからまた日常へと溶け込んでいき、いつしかまた繰り返
します。
街中を歩いていると、意地の悪い友人から大きな声で呼び止められた小心者の姿を思い描いてもらえば
いいかもしれません。頭から背中までぴくりと震える様子は、ささいな動きですが後ろから見ているとこっけいな
ほどです。
硬貨を投入する瞬間だけではありません、駅の改札口を通過する時や、部屋のドアーを開錠する時も同
様でした。
ここで一息つき、ちなみに誰か心当たりのある人はと周囲を見回してから、ちょうど飲みやすい温度になった
紅茶でのどを潤します。メンバーは互いの顔を見合わせます。隣同士から、端と端の者同士まで次々視線が
交錯し絡みあいました。
しかし誰もが初耳だったようで、私の観察眼に感心するか、古泉にそんな癖あったのかと疑惑を抱くのみで
す。諜報活動も行う機関員に向けて、探偵のようだと称して褒め言葉と拍手を贈られてもいかんせん喜べな
いのです。
ちんぷんかんぷんだが説明は理解している、だがそれと私の笑顔がどう関係あるのかと言っています。余計
急かされる結果を招いただけのようで、人払いはできなくてもどうにか抜け出せないものかと考えながらしか
たなく続けます。
最初、私はこっそり面白がっていただけですが、あまりに毎回繰り返すので次第に好奇心が強くなってきま
した。誰かに打ち明けるよりも先に我慢できなくなり、原因を突き止めてみようと思ったのですがこれが難航し
ました。
四六時中古泉と一緒にいるわけでもないし、現場では似たシーンをまた垣間見るだけで実りに欠ける。地
道に、要点をピックアップして共通点を見つけることから始めようにも、どうも絞り込めない。
屋内屋外といった場所によって影響されはしないようです。昼夜の時間も問いません。前触れもなく突如
表れるのです。また古泉以外の人物から引っ掛かりを覚えたことはありません。
メンタル的な発作の類かと思ってもみました。仕事が仕事ですから、重圧に耐え切れずストレスによって体
調を崩す例も報告されています。機関内にはそれ専門のスタッフが常駐し、古泉のような超能力者にはカウン
セリングの時間が設けられています。外部医師に委託する場合もあります。もしかするとずっと深刻な問題な
のかと懸念を抱いたのですが、医師に伺っても古泉に症状や傾向は認められないそうです。
手繰り寄せるための一本の糸さえ見出せない。いつまでたっても泣き止まないと知っている赤子をあやすよ
うなもどかしさがありました。無意識の動作ですから本人に尋ねたって明確な答えは返ってこないでしょう。あ
ざ笑うかのようにつきまとう謎にただ降参するのはしゃくでしたから。何故こうも惹かれるのかわからないまま、
いつまでかかったとしても、独力で点と点を結び付けみようと私は観察を継続しました。
「そして――」
「ただいま帰りました。何やら盛り上がっているようですね、僕も宴に加えてもらいたいのですが」
事の発端となった人物がやってきました。片手を挙げて挨拶します。後ろには運転手として同行していた
新川の姿も見えます。
おかえりなさい、お疲れ様の言葉に迎えられます。労いの言葉感謝します、おかげ様で……なんて受け答
えしている間も古泉は笑顔を絶やしません。が、普段は休憩室にいても散り散りになっているメンバーが、一
箇所に集って顔を寄せ合うようにしている。しわぶきひとつなく私の話に耳を傾ける光景を珍しく思っているよ
うです。
「古泉、あなたの話をしていたのよ」
「僕ですか? 怖いですね内容を聞くのが」
上着を脱ぐと背もたれにかけて、顔を斜めにすると天井に眼を投げました。深く息を吐いてもたれかかると
そのまま椅子からずり落ちそうでおっと、と座りなおします。自覚症状はなくてもやはり学生業と機関員の兼
務は堪えるのでしょうか。疲労がたまっているようです。
「ほら、ジーンズの件よ。ちょっと前にでも教えてあげたでしょう」
これだけでも十分伝わったようで、古泉は眉間を指で押さえてもみほぐします。どうも触れられることを好まな
いようです。
「……ずいぶんまずいタイミングで帰ってきてしまったようで。どこまで詳らかになったのでしょうか」
「まだ序の口よ。改札や自販機の前での挙動不審な姿に私が興味を持った。我慢できず密かに探ってみよう
と決心した。その説明が終わったばかりで原因は明らかになっていないわ」
そこが一番重要な気がするのですけれど、困りましたね、とぎこちない調子で両の掌を上にします。
「その先は秘密にしておきませんか? 少しばかり情けないエピソードですから、どうかお願いしたいのです。
それにまだあの癖はちっとも治っていないんですよ。もう広まってしまった後ですけれど、必要以上に注目され
てしまうと恥ずかしいので。これからは気配を確かめてからジュースを買わないといけないなんて、とてもとて
も気が休まりません」
古泉も覚悟していたでしょうが、周囲はそれじゃあ面白くないだろう、自分をさらけ出せよという非難の声ば
かりです。確かに聞く側からすれば、今、お預けをくらってはたまらないでしょうね。
しかし古泉は知られたくない。私は喋りたくない。丁度いい。休憩時間の暇つぶしの一環だから、どうせ明日
になれば話題に上ったことさえほとんどのメンバーは忘れているでしょう。ならばここで煙に巻いてしまえばもう
こちらのものか。
「いいわ。じゃあここまで。私だけが頭をひねっただなんて損だしね、後は各自知恵を絞って考えなさい」
お開きにしましょうかの言葉と同時に、予想通り一斉にブーイングが沸き起こります。
「誰かが出した答えを聞いて待つだけのつもり? それに教えてあげないなんて言っていないでしょう。今は駄
目。ヒントが出たでしょう、ジーンズ。私はノーヒントの状態から推理を始めたんだからコレだって譲歩している
形よ。もちろん真相にたどり着いた場合ぼかしたりせずに正解だって認めるわ」
まだ文句を連ねるようですが譲るつもりはありません。理由は他にもあります。先ほどのあまりに機関員とし
て緊張感にかけただらしない態度。涼宮さんの精神が安定するにしたがって危機感を忘れているようですが、
それを乱そうとする輩も多く存在します。敵対勢力を排斥することが本分にさえなりつつあるのですから。不要
な弛みと馴れ合いを絶つためにも、享受するばかりの姿勢をこの機会に改めさせます。
「助かります」
「私のほうにも考えがあってね。意見の一致をみたのよ」
誰かが挙手しました。きっかけとなったメンバーでした。笑顔は推理をする上で必要になるんですか? と言
います。
古泉が眼を瞬かせます。そう、古泉は居合わせていませんでしたね。この話の起点だから外せないポイント
なのかどうか聞いているのよ、と付け加えました。一拍空けてあけてから、
「はぁ」
気の抜けたようなあくびのような声を出す古泉。きっと意外に思っているのでしょう。
単純にここしばらく満面のそれとは縁遠かったですし、古泉の中に笑顔の私というイメージがないのかもしれま
せん。実際部下には厳しくあるべきだと、そのつもりで接してきました。
それに私が指摘した時は、閉鎖空間での報告を受けるついでに二言三言述べただけですから。あの時ばか
りは間違いなく笑顔でなかったと断言できます。我が事ながら意識になかった事実を指摘された古泉のひど
くうろたえる姿が思い出されました。回答を求めているのか視線をこちらによこしてきます。
「……よっぽど嬉しかったんでしょうね、私は。笑顔だったなんて認めたくないけれど」
「でしょうねって、自分のことなのに。自覚してください」
「だから混乱の真っ只中よ。さっぱり整理できない」
「堂々振舞っているようにしか見えませんよ」
そんなつもりはないのだけれど。
「直接の関係ないわ。私が浮かれていただけなんだから。それよりも古泉の行動の謎を探りなさい」
これ以上聞いても仕方がないと判断したのか一旦、皆、黙ります。真面目に思惟にふけっているようで誰も
がどんどん難しい顔つきとなり、紛らわせるように机を一定のリズムで小突いたり、髪をかきながら部屋の中
をせかせか往ったり来たりします。なるほど、物音はしますが無駄口を叩こうとはしません。もしや杞憂だった
かと思いましたがまだまだ。知恵を絞ってじっくり挑んでもらいます。
私は飲みかけの紅茶をすすりながら、ぼんやりと古泉たちを視界に捕らえ、つい最近まで頭を悩ませていた
懸案と、自身がこれまで言った内容を順になぞっていました。
古泉の不審な動きや、直感的な閃きに救われるまで謎と格闘していた時の、あの、脳を外へと押し出され
るような感覚といった、この空間を作り上げている要素がそろって甦ってきます。
派手な事件ではありませんが私の関心を引くには十分でした、そしてそれが膨れ上がった結果この時間を
もたらしたのですから不思議なものです。
自分の手で紅茶を継ぎ足しながら時計の針の動きを追います。解決済みの私は手持ち無沙汰でほかに
することもありません。
ややあって同じく暇を持て余し気味だった古泉が口を開きます。いかにもこともなげに。
「ヒントはいかがですか。きっと重要な手がかりとなりますよ」
「あら、いいの? 自分の首を絞めることになるのよ」
「サービス精神旺盛なんですよ」
退屈に耐えかねたのではなく心からそう言っている様子でした。古泉が席を立ち上がってこちらにやってくる
と耳打ちしてきます。
「奇妙なものですね。知られたくないようで知られたいんです。変な奴だと言われたのに、嬉しいようなこそば
ゆいようなあの気持ちに似ています。加えてかけがえのない同志がうんうん唸っている姿を見ると、どうも手を
差し伸べずにはいられません。ひょっとすると道化師となって人に娯楽を提供することが病み付きになったの
かもしれませんね」
「じゃあ今度はあなたが死体役になりなさい」
二人でこそこそ喋っているんじゃないよ、というメンバーに、
「失礼。では無駄なことは言いませんから聞き逃さないでください。さてジーンズなのですけれど。僕が機関の
仕事で初めて得た給料で買ったのが何を隠そうジーンズなんです。中学一年生になって、生意気におしゃれ
になりたかったんですよ」
古泉は続けます。給料が振り込まれる口座を持っていなかったものですからわざわざ開いたんですよ。郵便
局に判子と千円札を持って行ってね。口座を作りたいんですけれど、と窓口のお姉さんに伝えるだけなのに、
ずいぶん緊張したことを覚えています、できあがった通帳には頬擦りしたくらいですよ、なんて饒舌なまでに思
い出を語っています。
「念願かなってジーンズを手に入れて。機関に来る時しょっちゅうはいていましたよ、覚えていませんか? 成
長期を見越してわざと大きめのサイズを買って、丈も詰めず、折ってはいてた黒っぽいジーンズですよ」
誰かが、あぁ、と言いました。私はお世辞にも清潔そうに見えないジーンズを思い出しました。
「両膝の部分なんて翌月には破れてしまって。どこもかしこも穴だらけだったのですけれど接ぎもせず、逆にそ
れが格好いいと思ってはき続けたんですよ。ついには新川さんにだらしないと注意されちゃいましたね。本当
にボロ雑巾と見間違うくらいまでお世話となりました。僕が高校へ入学しても現役だったのですけれど、まぁ、
転校と同時にイメージの都合で引退しまして。今はタンスの奥でぐっすり眠っています。
つまり、あのジーンズ無しでは僕の機関生活が語れない位です……さて今の話を加味してもう一度最初か
ら練り直してください。重要なキーワードが含まれていました」
パン、と激しく膝を叩く音が聞こえました。若い男のメンバーです。
――わかったよ、ジーンズのチャックでアレをはさんだんだね! 相当恥ずかしいからね!
その場にいた全員が呆気にとられてから、ケラケラと笑い声が起こります。
「ははっ、残念。違います。前半の展開がすっぽり抜け落ちていますよ。でも狙いどころはあながち間違いでも
ありませんね、その発想であたっていけばいずれ事件の輪郭が鮮やかになってくるかと」
「やぁ、こんにちは。一樹君、ジーンズのチャックでアレをはさんだんだって? 痛いよね、わかるよ。持つべき
ものは友だな、色んな意味で」
遅れてやってきた多丸圭一と裕の姿が見えます。先ほどの波を飲み込むような悲鳴交じりの笑い声が起こ
ります。
圭一の方は席にどかりと座り込んで「疲れたねえ。お茶をもらえるかい」と言っていますが、裕は大きな荷物
箱を抱えているのにも関らず欠片も疲労していません。箱を撫で回すと中身を取り出します。もしや、あれは
苦痛の原因ではなく元気の源なのでしょうか、休憩時間にどこまで行って一体何を持ってきたのか。
「wiiを手に入れたんですよ。ほら、ニュースでもしょっちゅう取り上げるくらい大人気でしょう。どこへ行っても品
切れだったものでついには予約までしてね。入荷を今か今か、と待っていましたが店から連絡があったので、
近場ですからさっき抜け出してきてようやく!」
喜びを押さえ切れないのでしょうか、多丸裕は「いやあ楽しみだ」などと鼻歌を口ずさんでテレビと本体ケ
ーブルを接続します。セッティングが終了し、スティック型のコントローラを操作するとゴルフゲームが始まりま
す。裕の盛り上がりに引っ張られて、次第に興味と雰囲気は推理からゴルフへと移行していきます。
一通りコースを回り終わると裕が隣の席へとプレイを勧め、コントローラが端から順に巡るうち、一樹君もどう
だい、とお鉢が回ってきました。
では、と古泉は画面正面に陣取り、ストラップをはめて軽く素振りします。本人の好きなジャンルですから目
の奥に光が宿っているのはわかりますが、どうもギラついてやまないほど楽しみなようです。最も簡単なコ
ースが選択されます。
やけに入れ込む性質ですから、今は上下に変動するメーター値以外は視界に入ってこないようです。シ
ョットの方向を決める際、必要もないのに体ごとそちらに傾くものですから噴出して手を叩く者がいたのですがそ
れさえ意識の外。
一打目は、メーターのピークを狙ったつもりが指と意識にタイムラグがあるせいで、結果半分もたまってもい
ない状態で放たれました。ミスショット。二打目はそこをクリアしたものの方向が正反対でバンカーへ一直線。
どちらも素人とはいえお粗末なものでした。本気を出します、なんて言っています。
必要以上にぶんぶんと振り回しながらテレビに近づいていくので、予想される事態に備えて身構えます。古
泉の内面的な昂ぶりも最高潮のようですから、そろそろでしょうか。
次のショットの際に勢いあまって手首からすっぽ抜けたコントローラは、幸い誰にぶつかることもなく隅の観葉
植物まで弧を描いて飛んでいき、鉢の中に隠れました。古泉はぽかんとしていましたが、すぐに身を縮こませ
るようにしてコントローラを拾いに向かいます。
「ヒートアップしすぎたね、どうなるなっちゃうのか冷や冷やしたよ」
「壊しちゃ駄目だよ、それに危なっかしいね。もっと落ち着かないと」
圭一と裕が笑いながらたしなめます。
「すいませんでした。集中すると無意識のうちにやってしまうんです。アナログゲームでもしょっちゅう駒を指か
ら滑らせたり、度を超えて長考するものですから相手から怒られたり。早急に改善しないといけません」
コントローラについた土を払い、頭をかく古泉。そんな簡単に変えられるとは多分、圭一も裕も本人も思って
いないでしょう。
ゲームに参加せず黙って立っていた新川が、ふと口を開きます。
「ゲームも一区切りついたようですしよろしいでしょうか。実は今日、携帯電話を新調しまして。もうずいぶん長
い間使っていたせいなのかナンバー……何と言いましたか、そう、運悪くMNP適用外だったので電話番号が
変更となりました。全員集合している今のうちに新しい番号をお教えします。ご準備願えますか」
新川が言い終わるよりも先に、皆携帯電話を手にしていました。用件は一つでしょう。転送の手段はいくつ
もありますが口頭で行うようです。
「準備はよろしいですかな」
いつでも、と言います。
「すいませんもう少し待ってもらえますか。ええと、どこにやってしまったのか」
古泉がポケットを叩いています。携帯電話を手にしていないのはもう古泉だけです。年かさの者を待たせて
いる状況に焦りがひどくなり、昨日の時点ではあったのですけれど、就寝前に本部へメール送信したんです、と
体中のポケットをまさぐって次に鞄を漁ります。
「肌身離さず持っているのに本当どこへ置き忘れてしまったのか。メモを取ってあとでデータに移しておきます。
お願いします」
「一樹君これを使ったらどうだい」
wiiのコントローラを携帯電話に見たてると、耳に押し当てて裕が言いました。それに乗っかった圭一と即
興のやりとりをします。
「もうっ。勘弁してください」
「ははは、今日は全くいいところがありませんな。では、080−……」
しゃがれた声でナンバーとメールアドレスが読み上げられ、登録が完了すると、気の早い者はもう新川にメ
ールを送っていました。
私はため息を一つつきます。皆察したようでめいめいの仕事に戻ります。休憩時間はとうに終わりを告げて
いたのですが誰も触れようとしませんでした。
誰かが、しかし携帯電話どこにおいてきちゃったんだろうね、と言いました。新川は「車の中を見てきます」と
車の鍵を持って部屋を出て行きます。
機関の連絡は基本的に携帯電話を通じて行われます。閉鎖空間の発生などいち早く情報を手に入れる
ためにはやはり通信機器に頼ることとなり、情報改変の内容によっては早急な対応と人員数が求められます
から、どうしても全員分のアドレスが必要不可欠となります。
つながらなくなってから初めて機種変更による不通だと理由を知り、後日改めて相手の番号を知っては遅い
のです。新川が切り出したのもそういった理由からでしょう。前線の超能力者につながらないなどあってはなら
ないのです、仮のものでも今日中に用意させなければなりません。
「まったくです、繕う言葉も見当たりません。しかし本当どこにやってしまったのやら。見つかるとは限りません
から買い替えの準備、いや、それよりもまず悪用されないよう電話会社へと連絡をするべきでしょうか」
「昨日まであったんでしょう。なら枕元にでも置きっぱなしじゃないの」
「いえ、朝出かける時忘れないようしっかりと」
「じゃあ学校の教室じゃないの。次に部室」
「学校に置き忘れていたなら友人が回収して明日手に入れるのがベストなのですけれど。念のため学校に
連絡をいれておきます。それと今日は団活動に参加していません、いえ正確には顔を出してたのですが五
分もしないうちに部屋を出ました」
「疑うほどでもないってこと? ふん……」
新川が帰ってきます。
「後部座席の下から助手席のダッシュボード、念のためトランクまでくまなく探してきましたが見当たりませ
んでした」
こちらの線も消えた。他人の手に渡る事だけは避けなければなりません。誰だってそうなのですが、仕事上
古泉の携帯電話には公に出来ない秘密もあります。敵勢力の手に渡ったとなれば
「そうでしたか、ありがとうございます。せっかく春の季節なのに、幸先悪いなあ」
「疲れているのかもしれませんな。でも特に病むことはありません。働きづめでしたから、少し休暇をとられては
いかがでしょうか」
「でも自分が許せないんです、もっと引き締めなければ」
「あまり気張るのも考えものです。軽く軽く、リラックスして自然体でいなければ」
携帯電話の在り処云々よりもすでに二人は精神論ばかりで、機関員としての心構えの話となっています。だ
からでしょうか。思考の軌道を元に戻さなければいけないでしょう、と思った瞬間でした。閃きが降ってきたの
です。背筋に氷の槍を差し入れられたようなざわめき。
「……そうか、新川の言う通りね。ああ、でもこの場合半分は私のせいなのかしら」
古泉がはて、と首を傾げます。噛み合っていない私の発言の真意が飲み込めないようで、古泉だけでなく皆
動きを止めました。愉快な気持ちになります、古泉の表情を見ていると特に。
胸が波立つような気分でした。不思議なことですが私はこの状況に感謝していました。私自身は機関から
出ていないのに、もう一人の自分が事情を俯瞰している。あの不可解な悩みに躓いてばかりの時間も、今こ
の瞬間のためだったならば全て許してしまえそうでした。確証に満ちた考えに支えられて胸を張ります。もしか
したら私は今、メンバーの言うところの満面の笑顔なのかもしれません。
「去年から悩んでばかりだったからやっきになって知識を増やしたわ。読書量だって増えた。推理小説の古典
から犯罪者の心理を記録した書記までね。おかげで鍛えられたんでしょう、驚くほどスムーズだったわ」
私の気持ちを量りかねるのか怪訝の度合いばかりが増し、誰の頭の上にもクエスチョンマークが浮んで見え
るようです。
いち早く口を開いたのは古泉でした。
「まさか――」
「新川、車を回してくれちょうだい。さあ古泉の携帯電話を探しに行きましょう」
あっさり解かれたら私恥ずかしい……(秘所を自分の指で広げる妹の表情で)。回答編は木曜か金曜にでも。では失礼。
機関内の生活を描いたのは珍しいな。
結構アットホームな雰囲気で和んだ。
>>12ほのぼのGJ。
さあ、ここらで久々にキョン長門純愛エロを投下してくれる職人を待つ
>>15 感想書きたいけど分裂のネタバレを含むレスはいかがなものかと悩んだ末に
スレの最後に感想をまとめて書くことにした無駄な気配りの達人とかじゃね?
2レス目書いてたら先に埋められてしまった。無念というか、良かったというか。
でも、この3作品にだけはレスしたい!
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175537663/507 グッジョーブ!
いったい何を喋くっているのかと思いきや、注意すべきはwhatではなくwhereだったのですか。
ウテナの例を挙げられている通り、カメラあるいは漫画のコマがズームアウトして全体が見えるようになり……というカメラワークのトリックですが、
考えてみれば佐々木にはうってつけのネタで、あ、やられた、と感じたのは読者としてだけではなく物書きとしてもです。
しかも、ヤってまでいるのですから物分かりのいいかと思えば、いつも通り天性鈍ちんのキョン、
さらにはこの雰囲気のまま爆笑もののオチまで導いてますし、見事としか言いようがありません。
理性と論理の信者たる佐々木とベッドを共にして心理分析されてもいっこうに萎えないキョンも、彼女が言っていた通り充分変な男でしょう。嫌ですよこんな娘……。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175537663/690 グランドジョーブ!!!
暗殺者の銃弾を無自覚にかわすコントのように面白おかしく、
きわどい駆引においてもあくまで自分の価値観にこだわる人間の思考という深さがあり、
今夜はxdoujinshiフォルダを開かなくて済むほどにエロい!
大回転で真ん中を直滑降していくスキーヤーのごときキョンの鈍さはここまでくると殺人的無神経(まんま)と言えますよ。むしろ相手の女性のほうがおかしくなるでしょう。
なんでこんな主人公がモテるのでしょう、と首を捻りながらキョンとヒロインの絡みを書いてしまう俺は何なのでしょうか。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175537663/714 このSSは、ハルヒと佐々木はポジティブとネガティブの関係……という説の一つになるのでしょうか。
ハルヒの閉鎖空間は、ハルヒがこの世界への不満を誰にも迷惑をかけずにぶつける場所です。だからこそ誰もいない。
佐々木の閉鎖空間はこの世界が澄み切ってあるのみで、壊しに来る悪者はいません。それどころか誰もいない。そう、誰もいないのです!
ハルヒの空間には人間がいない理由があります。では、佐々木の空間に誰もいない理由は?
性的略取の経験に基づくこのSSは、そのことに対する一つの解答となるのではないでしょうか?
すると、誰もいない佐々木の世界を望む橘たちの目的というのは……橘の宗教団体勧誘員のような言動は……。
もちろん、そうであって欲しくはなく、万一そうであったら俺はハルヒシリーズをすべて焼き捨てますね。
浅い議論ですって?すみません、俺の頭はそれほど良くは作っていただけなかったようでして。
以上、越境長レス終了。
決して消すのが勿体なかったからではない。
>>12 スレ立ても含めて、とりあえず、おつかれです。
他のSSを読んでいても思いますが、機関の内情というのは意外にアットホームなイメージなのですね。
こんな機関を古泉は場合によっては裏切るとか言いだしているのですか。
これほどの重厚で濃いキャラクターによるSSをここまでに書き上げてしまう力量は、俺などにはとてもじゃなく真似できません……。
しかし正直、謎解きのためとはいえ、こんな読みにくい上に総オリジナルなSSを何度も繰り返し拝読するのはイヤーですぅ。
>>15-17 新スレが立つのを待ってたのだが、これじゃ何にもならんな。
前スレで埋めネタを予定しておられた職人、並びにこのスレで埋めネタを予定しておられる職人に、計6KB分の謝罪。
その意味を込めて感想用トリップつけることにしたので、顔も見たくない方はあぼーんしてくれ。
あのタイミングって狙ったのかなあ
3行まとめの人のも見たかったのにw
あやw違ったらしい。失礼シマツタ
原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。
こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
1レスあたりに投稿できる最大の目安
『容量4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行』
『書き手の好みで改行をするのも揃えるもバッチリOK』
とりあえず、前スレのをまとめてみた。
>>12 前回はまったくダメだった。今回はちょっとだけ頑張ってみる。
>>18 SSとネタ以外の長文なんぞ見る気もしないので、ありがたくあぼーんさせていただいた。
>>12 読みやすくて面白かった!
でもわかんない
>>12 ははん、なるほどね…。
おっ、このレスなんか知的っぽくない?
さて…これから謎解きしてくるか…
>26
「誰かが出した答えを聞いて待つだけのつもり?
それに教えてあげないなんて言っていないでしょう。今は駄目」
原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう。
これはもう如何ともしがたいね……
他人の感想を聞くのって面白くない?
こんな感じ方もあるのか、そうそう!って感じで俺は好きなんだが。
気に入らないのはスルーすりゃいいだけだしね。
>>18 容量を無駄にしている自覚があるのなら、長レス自体やめられてはどうか?
書き手ならば、文章を簡潔にまとめることの必要性も理解されていると思うのだが。
長文ホメルダケは馴れ合い臭がきつくて料理にはおすすめできません
自己主張はSS投下でやってほしいお
げろげろ
馴れ合いしたいならハルヒスレにでも行けばいいと思う。
キャラスレは山ほどあるが、あそこの空気は全く馴染めん。
よし! こういうのはどうだろう?
感想が「GJ!」系の時は『(*^ー゚)b グッジョブ!! 』 > 「b」 > 「 b 」1文字
気に入らないSSの時は『(-_-)バッドジョブ』 > 「bad」 > 「 b 」1文字
ネタバレや雑談やネタバレや質問や返事やその他の時は 「b」1文字
これでSS以外はかなりスッキリするんじゃね?
まぁ、俺は長文レス迎合派なんだけども。
着眼点や指摘がずば抜けて鋭いとは思わないけど、他人の感想批評は
>>29と同じように面白く思うし、長短問わず参考にしてる。
またこの話題やるの?いい加減見飽きた
苦手なジャンルのSSは読み飛ばすだろ?
長文感想嫌な奴も黙ってNGすればいい
大人な対応でいこうぜ
どこのスレでも似たような流れがあるものだな。
この空気悪いなぁ。誰か作品を投下する。勇者はいないのかな?
ジーンズ。そのヒントを聞いて、かねてよりの私の頭を悩ませていた謎がようやく消え
去ったのです。
ジーンズとは、ヨーロッパで生まれたデニムを、アメリカに持ち込んだリーヴァイ・ス
トラウスの発案により誕生しました。そう、ここで重要になるのは「ストラウス」です。
あるRPGにクラウド・ストライフというキャラクターが居ました。「ストラウス:スト
ライフ」。この類似は同義と言っても過言でしょう。
またジーンズに話を戻します。
ジーンズの起源は、イタリアの港町ジェノバで作られた厚く丈夫な布地、あるいはその
布地でできたパンツを着用していた水夫たちをジェノイーズと呼んだのが語源だといわて
います。そう、ここで重要になるのは「ジェノバ」です。某RPGのセリフを抜粋してみ
ましょう。
「ジェノバはリュニオンするものだ。 ジェノバはリュニオンして空から来た厄災となる」
勘の良い方はもうお気付きでしょう。上述したRPGとは「FF7」です。ここで重要
になるのは「ファイナルファンタジー」。これがキーワードAとなります。
さらにジーンズに話を戻します。
ジーンズと言われて最初に思い浮かぶのは何色でしょうか? 作中の古泉はブラックジー
ンズを愛用してましたが、代表的な色合いと言えばやはりインディゴブルーでしょう。デ
ニム生地にインディゴで虫除け、蛇避けを兼ねて染めたものがその起源になります。「イ
ンディゴ」。これがキーワードBとなります。
さて、ジーンズの本家として発展したリーバイ・ストラウス社ですが、2004年に業務縮
小に伴い、アメリカ国内での最後のジーンズ生産工場を閉鎖しております。「経営困難」。
これをキーワードCとします。
ジーンズから最後のキーワードを抽出します。ジーンズ、日本ではアメリカの G.I. が
履いていたので、そのパンツということでGパンとなったとする説、また、ジーンズを初
めて日本に紹介した人物が、ジーンズ (jeans) のパンツの意味で「Jパン」と名づけよう
としたが、「J」の代わりに元の発音に近い「G」を代用したという説などがありますが、
ジーパンと聞いて何を連想されるでしょうか? 答えは一つですね。そう松田優作さんの
ジーパン刑事です。「なんじゃこりゃあ!」。これがキーワードDです。
それでは、鍵が揃ったところで解答編です。
まずキーワードA+C。「ファイナルファンタジー」+「経営困難」。
つまり、古泉は財布や電車の切符、ドアーの鍵をジーンズから取り出すたびに映画版ファ
イナルファンタジーに因る某ゲーム会社の記録的大不振を思い出し、胸を痛めていたので
す! それも仕方のないことでしょう……。制作費1億3700万ドルに対して全米での興行
収入は3200万ドル。映画興行から見た場合、完全な失敗作であり、この記録的大不振はギ
ネスブックにも載ってしまう程だったのですから。
これだけでは納得できない方も多いでしょう。そこでキーワードB+Dの出番です。
「インディゴ」+「なんじゃこりゃあ!」。
「いんじゃごりゃあ!」→「いんでゃごりゃあ!」
見事にミックスアップした魂の叫びです。
これらを総合して導き出された解答は一つです。
そう、古泉は挙動不審に見えたのは、ジーンズから何かを取り出す度に映画版FFの損
失に胸を痛め、心の中心で叫んでいたからなのです!
いんでゃごりゃあ!!
ナ ゝ ナ ゝ / ナ_`` -─;ァ l7 l7
⊂ナヽ °°°° ⊂ナヽ /'^し / 、_ つ (__  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ o o
, --- 、
/ ̄´_ヽ 、\_
/ ,,=''´ ̄ム)ハ ヽ \
{ (⌒ uィァz| | 彡! ヽ
_ 、, --- 、 |i, セチ ヒリ| |-、ノ l
_r‐-、―- 、 ィニァ / , 、 uヽ\ リル| '´ rへ u ! !ノ ! !
/ 、 ヽヽ , / ,' /レリヽ |\ ム } | \ ヽ__ノ,' ! ‐r‐-、 i
/ 〈 i 、、 〉 ハ } ! , 《‐'  ̄ 丶、 レ'リ、!|イチト ` イテトi丿 / /r ` ー 'l | !ニヾ\ !
|! ヽルヾ∨イテト、l、N ノ,y‐i` '"リ>、 ! ヾ.l ー' _ ー' lノ / //二! ! |_| ヾ ヽ ! i
ヾヽ{セリ ` ' u _ノ !l ヘゝ '´u !,、| ヽu ゝ_ノ , < ,' ! | |,-‐| | 、 | | | | ヽ
` ヽ l二} u ノ l| rテz rテz ' ノ >、‐イ/7'> 、 ! l ! | | ! l | | | | ヽ
`ーr イ,,ィ!- 、 `! u 〈__ /、_ /ヘ、ヘ/_/, '^! l | │ l │ ! i | | | | ヽ
f-‐t!"/ ̄ヾヽ, 'ニ\ l __) / /〉`ニz- 、|⌒V 大‐V │ | ! | | | | | ! l レ| ヽ
/`ー|| ' , - ' ´  ̄! `_--_'/ノ¨~`ヾ\`!____」 ├‐' ! ! l ! ハ!i | / | | !、\ ヽ
ちなみに、かつてジーンズの色が一般的に藍色なのは
ガラガラヘビ対策のためにインディアン達が用いた、かのヘビが苦手な染料の色が今日の基本的なジーンズの色だったのだ
by桜井myte
これはこれで変な空気だがな…
「い――んで―――ゃごりゃあ!――――!」
下ろし立てのジーンズのような瞳が俺を見つめていた。
パーフェクトに無意味なセリフだな
>>32 馴れ合いなら長門スレがダントツでトップだろ。住人の数も一番多い。
最近はSSスレよりもSS投下が多いし。
正直あそこのスレの空気だけは受け付けない
ハルヒスレみたいなだだ甘のほうがまだ居心地がいい
君たちはいちいち他スレを持ち出さないと話題がもたないのか?
俺に言われるんじゃオシマイだと思っていただきたい。
うわああおしまいだああ世界の崩壊だあ古泉死亡だなんまいだああああ
驚愕死亡予想
◎ 古泉
○ 橘
▲ 佐々木
― みくる
縁起でもないなwwwww
古泉が死んだらキョンの背後霊になりそうだ。
で、そのままキョンのバックをつけ狙う、と。……何だか嫌な幽霊だな。
>50
●<僕はいつでも、あなたを見ていますよ…おはようからおやすみまで一人遊びの時もね…んふふ
エロパロらしく、たまにはエロい話もしようぜ!
チャイナドレスの裾から覗く脚がセクシーだ〜とかさ
エロパロらしく、たまにはパロいSSでも投下しようぜ!
キャラ暴走系。ハルヒ団と佐々木団の邂逅編です
『熱演絶唱の九曜』
最初、そこに何があるのか解らなかった。
光陽園女子高の黒い制服姿だと認めるのに数秒もかかった。
なのに認識した瞬間、少女は百年前からプロの道に立っていたような確固とした存在感を俺に与えた。なんだ、このプレッシャー!?。
異彩を放つ、という表現がこれほど当てはまる芸人の姿を、生まれて初めて生で見た気がする。
「な……?」
長門よりも白い顔のその女は、喩えようも無く黒い沖縄の黒糖飴(ウコン入り)のような瞳と、防水スプレーを吹き付けられて身悶えするカラスよりも暗い色の髪を持っていた。
「――――」
その髪は腰よりも長く伸び、おまけに、どんな仕組みなのか孔雀のようにワッサワッサと羽ばたいている。
まるで、やたらと高予算で出演料を無視した舞台装置を兼ねた衣装のような髪の毛だ。
端に行くほど左右に広がり、表面積のほとんどを髪が占めていると言ってもいい。
なにより不思議なのは髪の中に織り込まれたイルミネーションだ。時期外れのクリスマスツリーよろしく赤・青・黄、他にも様々な彩りが髪の中で煌いている。まるで宇宙や! 大宇宙の宝石箱やぁー!
電源はどこに収納してるんだろうな? 科学の進歩とはエンターテインメントから発達するのかもしれん。
「――――」
直立したままキュルキュルとワイヤーでも巻くような微かな音をたててそいつは顔を上げた。
器械よりも器械的な視線だった。どんなにへぼい日光写真でももう少し暖かい感光紙を使ってるだろう。
長門とは似ているようで種類の違う無表情だ。メーカーと工場と原産地が違う。長門がミカワヤだとしたら、こいつは小林製薬だ。
「――ああ……」
薄い唇が僅かに開いて音楽的な囁きがこぼれだした。
「―――川の流れのように―――ゆるやか」
発声に併せて髪に融け込んだ電飾が発光する。うおっ、まぶしっ!
こんな不思議イリュージョンを臆面もなく発揮できるのは――地球外生命体。長門に対応してるのはこいつに間違い無い。今すぐガンホー!ガンホー!と叫びたい衝動に駆られる。
かつて鶴屋家の帰り道で会った古(略)の台詞を思い出した。
――たとえ話をし(前略)恋の(中略)ABC(後略)――。ついに来たか(略)泉の言う、長門たちの情報統合思念体を甲としたら、乙の勢力の尖兵が。
「――今度は…………間違えない――――」
ん? さっきの続きは無しか。それは間違ったってレベルじゃないぞ。
「――まちの―――灯りが……」
歩く広告塔みたいな宇宙人が、プロ御用達のDATのようにピッチの正確な声で、
「――――とても―――きれいね……よ――よよ」
思わず口を閉じて聞き入ってしまったが少し様子がおかしい。無表情は変わらないが、何か問いたげに俺の方にチラチラと視線を投げてくる。
これは……アレか? 額にうっすらと汗まで滲ませてるし、放置するのも可哀想だな。
「「「よこはまっ」」」
期せずして俺と佐々木、そして誘拐少女橘の囁きが重なった。
「――よこはま―――ぶる……らいと……よこは――んまぁぁ―――」
俺達は安堵の息を漏らして顔を見合わせた。苦笑がもれる。
どうやら最初の難関を突破したらしい宇宙歌手は、歩道のスペースをめいっぱい使ってフラフラキラキラしながら、朗々と天上のメロディーで街角を満たしていった。
やれやれだ。持ち歌の歌詞を暗記していないにも関わらず人前で歌いだすなんて、三段階変速ママチャリのギアが五枚ばかし欠けてるんじゃないのか。
そう思いながらも電飾と旋律に惹きつけられていた俺を、低く小さな佐々木の笑い声が現実に返す。
「キョン、彼女はずっとそんな感じだよ。面白い人だろう? 僕は九曜さんと呼んでいるが、欠けているのは歯車でなくて、羞恥心に対するこだわりさ。
彼女は往来で歌うことを恥ずかしいと上手く認識できないようなんだ。いやいや病気ではないよ。端的にそういう人なんだ。それ以外に説明できない」
そうか。なら仕方ないな。
しかし……俺達は辺りからどんな奇異な目で見られてるんだ?
素早く周囲をうかがうと、案の定、通行人たちは足を止めて九曜の美声に酔いしれていた。
手拍子をするビジネスマンもいれば、リズムに合わせて体を揺らす部室で見なれた面々もいる……あぁ、お婆さん、拝んでもご利益はないと思いますよ。
まぁ無理もない。とりあえず同伴者だと思われたくないなと少しばかり考えてしまった俺は、聴衆に紛れるかと二人の少女に促そうと振り向いたのだが、さっきまで佐々木に付き従っていた橘の姿が見えない。
はて? しかし、ツインとはいえテールヘアーを見失う俺じゃないぜ! 何しろ二倍だからな! 頭皮から下なぞ付属物に過ぎないということがエライ人には解らんのです!
などと気合を入れるまでもなく聴衆の合間を駈け回る橘の姿を補足した。……なにやってんだ?
みると橘は群集の合間をせわしなく歩き回っている。チョッキにシルクハット、片眼鏡に懐中時計片手なら不思議の国のウサギさんを想起させるピョコピョコ具合なのだが……胸の前に抱えているのは磨き上げられたシーチキン(L)の空き缶だ。
九曜の歌の拍子の合間を縫って手際良く、そして慣れた様子で聴衆にオヒネリを要求している。懐が温かいのか小銭がなかったのか解らないが、笑顔で紙幣を渡してくる方たちには感涙さえ浮かべて頭を下げまくっている。
苦労してるんだな……。俺は胸の中でホロリとした。
いや待て! 部室で見なれた面々といったらハルヒ達じゃないか。
「あたしたちより早く来るなんて殊勝な事だと思ったけど、なに? プロモーターにでもなったの? いい歌声ね」
振りかえると同時に、すでに背後にまで移動していたハルヒが声をかけてきた。歌声に耳を傾け、珍しく感心したような響きを含ませている。
「まことにそのとおりかと」
「ふわぁ、きれいな声ですね」
「…………」
いつもの面々も一緒だ。というかお前ら、いつも談合して俺を出しぬいていたんじゃないだろうな。
「まさか、偶然ですよ。僕達はたまたま駅でお会いしましてね。
それよりも、あの少女、橘さんはいったい何を……」
ハルヒを佐々木が世間話を始めた隙に、古泉が返事を話を振ってきた。
「俺の想像だがな……活動資金、なのかもしれん……」
古泉の機関と対立する組織の――。そこまで言わなくても察してくれたらしい。
「それは…………」
古泉も感じ入ることがあったんだろう。言葉を失い、健気な少女を目で追っている。
九曜が歌い終えたらしく、一際大きな拍手が巻き起こって群集がばらけ、歌姫と橘がこちらに向かってくるのを確認して、ハルヒと佐々木の会話に割り入ると一つの提案してみた。
別に話題が俺の成績に関した方向に向かっていたから慌てたわけではないぞ。あしからず。
「なぁ、ハルヒ。今度こいつらとカラオケ大会でもやってみないか? 随分と歌好きな奴もいるようだし、俺も久しぶりにお前の歌を聞いてみたくなった」
「彼のご母堂が鼻エンピツ――ああ、キョンそれはいいかもしれないね」
「鼻エンピツならあたしが――え? そうね、あんたが聞きたいっていうんなら……じゃなくて!
対抗カラオケ合戦も面白そうじゃないっ! キョンにしてはいい提案ね!!」
おかしいな? 俺はもうちょっと平和的な交流会を提訴したつもりなんだが。
佐々木の背後で空き缶の中身を勘定していた橘がハッと顔を上げる。一瞬両手を背中に隠したが、逡巡ののち身を切るような苦渋を決意で押し隠しながら今日の戦利品を差し出してきた。
「んん……もうっ! ぐっ、軍資金ならあります! バッチリなのです!」
空き缶を捧げ持つ手の震えは見ない事に出来たが、人数と中身を見比べて「でも……ドリンクまでは……その……」などと小声で呟くのを聴くに至り、いたたまれなくなって古泉に目配せを送った。
「は、はい! コホン。提案したのは僕達ですからこちらが持ちますよ。そうですね、いつも彼に奢っていただいてるので僕が出しましょう。
ドリンクと言わず、スナックや軽食などのルームサービスも。どうかご遠慮なさらずに」
古泉の完璧な営業スマイルにこの時ばかりは感服した。なにしろ俺ときたら、
「そ、そんな……敵の塩をうけるなんて……でも、屈辱に耐えて受けてこそ将としての度量が……。
それにたまには鋭気を養わないと……水道水だとお腹いっぱいになってもカロリー0だから……。
ううん、弱気になっちゃだめよキョウコ! これは経済戦略なの! 歓待に応じたフリをして金銭面でかの機関に壊滅的な損害を与える絶好の機会なのよ。躊躇っちゃダメ。心を鬼にして固形物で胃を満たすのです!
ごめんなさい同志諸君。欲しがりませんカツまではの禁を破って、わたしはカツカレーを頼んでしまうのかも……」
などと少女の葛藤を耳から追い出せずに涙していたのだから。
「キョンくん? どうしたんですか? あっ。涙が出ています。ハンカチ、ハンカチ」
ポーチに手を入れて、ハンカチを出すとそっと差し出してくる朝比奈さん。
大丈夫ですよ。こんな心の汗、シャツの袖口で充分です。
古泉を見習って微笑みを返し、安心してくださった朝比奈さんを見てもう一人の鬱屈した未来野郎の事を思い出した。
そのうち地面に仰向けになってお腹を向けそうな橘と、対応に困惑する古泉に視線を戻す。
「お世話になります、古泉さん。それで三年……ううん、あと十年は戦える! どうかわたしの事はポチとでも、プメギャ虫とでも呼んでください」
「い、いえ、僕はそんな……」
なんて会話してやがんだ。
「なぁ、橘……さん。そのカラオケの時はあの……男のほうも連れて来てくれないか?」
「踏んでいただければ『プメギャァ』とか鳴いてごらんにいれるのです……え? 藤原さんもですか?」
いや、名前は知らないんだが、多分そいつか。意外と普通の名前なんだな。
「いいのですか? その……」
橘が朝比奈さんにチラチラと視線を投げているが、その為にこそ同伴して貰いたいのだ。
「ええ、是非頼んます」
なにしろSOS団でカラオケに行くとすれば、あの商店街の行き付けの店だ。団活では滅多に利用しないが、北高生御用達でもあり伝説の名曲『恋のミクル伝説』が隠れたラインナップとして存在している。
これを本人の歌唱力と完全武装のコスプレで身近に熱唱されたら、未来男の敵愾心もそれこそ「そらのか〜なた〜HEEEEE!」だ。
あとは長門と九曜か。起源を異にする宇宙存在の子供たち。コズミックな思念による不可視の攻防に及んでなければいいのだが。
「……カレーライス」
「――ナポリ―――タン……」
「……それは邪道。日本人ならおコメを主食とするべき」
「―――イン……ド? 日本――人なら……お茶漬け――」
「あれはデザート」
いや、違うぞ長門。
どうやらいきなり臨戦体勢ではないようなのでほっとした。意思の疎通はできるらしい。
「―――あの人は―――わたしの……一番星――ステキ」
「……あなたが恋を語るには早い。三年待つべき」
「――年………増……?」
「あまりわたしをみくびらない方が良い」
「―――?―――」
「……今日のような週末デートでは常に彼が費用負担。わたしは魔性のオンナ」
「――ゴク―――リ……!――」
おまえは何を言っているんだ。
それと九曜、その驚き方はちょっとおかしいぞ。
そろそろハルヒと佐々木の首脳会談も終わりそうだ。集合しとこうぜ。
ハルヒ達に向けた掌がそっと長門に握られた。どうしたんだ?
「カラオケは次の休日くらいかな。楽しみか、長門?」
「…………」
どうやら普段の省電力モードに移行したらしい長門が、手を繋いだまま小さく頷いた。
相手の目を凝視して返答するこいつが余所を向きながら、というのはなかなかに珍しいな。やっぱり他勢力の宇宙端末が気になるんだろうか、って! なんだ!?
「――――」
それまでピクリともしなかった九曜が、長門と反対側の俺の手を握っている。
いつ腕が動かしたのか、まったく目にも止まらなかった。動いた気配すら感じさせず、しかし九曜はしっかりと俺の掌、それも指を交互に絡めながら握り込んでくる。
視線で理由を問い掛けようにも、こいつはこいつで長門とにらめっこしてるので気付かないようだ。
俺を挟んでなにやら視線での攻防が始まった気配を感じたが、まぁいいさ、人体に影響はないだろうと楽観して、首脳陣の方へと手を引いて歩き出した。甘かったね。
「…………」
「――おん―――ち……?」
ブ ァ チ ッ !!
薪の爆ぜる音、なんて生易しいもんじゃない。千年を経過した御神木が雷に撃たれて爆散したような衝撃を感じた。俺の心臓は無事なんだろうな!?
見えない巨大な何かがぶつかり合って軋んでいるような、遥かな地下で大陸プレートと海洋プレートがせめぎ合ってるようなこの振動を与えているのは――。
「…………」
「――――」
――主に長門だ。通常より白くなった容貌と、引き結んだ唇。そしてプルプルと身を震わせる振動が、繋いだ手から伝わってくる。
対する九曜はといえば、そしらぬ無表情で繋がった俺の手を眺めては、漆黒のモップ髪の中で暖色系のイルミネーションを明滅させている。なんか赤系統、というかピンク光が多いな。
仲良しさんになるのかと思ってたんだが、どうやら意思疎通の段階で齟齬が発生したらしい二人を、どう宥めようかと考えあぐねていると佐々木から声をかけられた。
「なぜ手を繋いでいるんだい? キョン、僕はもう行くよ。なぜ手を繋いでいるんだい?」
「なんで手ぇ繋いでんの? キョン、ねえ? なんで手ぇ繋いでんの?」
はて……なんでだろうな? 俺が首を傾げると、佐々木とハルヒも揃って頭を傾けた。二人とも片目を細くした微妙な表情なのは、きっと重力のせいだろう。ニュートン先生も戦慄だっぜっ。
カラオケ大会の日程交渉は済んだらしく、中学の同窓会の件で一度須藤に連絡してやってくれないか、と佐々木が話題を切り替えてきた。
なぜ中継にお前を挟むんだ。須藤が気があるのは岡本じゃなくて佐々木じゃないのか?
「それはないね」
佐々木はしっとりとした口調で、
「僕はキミ以外の誰かに好かれるようなことを何もしていない。キミ以外の誰かに好意を振る舞うこともだ。それはキョン、キミが一番解るだろう?」
いや、解らんが。
「そうかい?」佐々木はくくっと笑い、「そういう対応もたまらない。薄汚れて雨に濡れた徘徊する野良犬を見下ろす目だ。情熱を持て余すよ」
謎のセリフを言い、潤んだ瞳で俺を見上げながら短く体を震わせた。風邪か? 季節の変わり目だから気をつけろよ。
それと、友人をそんな目で見下したりはしないぞ、断じて。
「では」
佐々木は纏わりつく猫のように俺に体を触れさせながら横を通り、九曜と繋いだ手を断ち切って改札口へと歩き出し、橘京子と九曜も静かに移動を開始した。
前者は古泉に向かって尻尾の変わりに頭をペコペコと下げ、後者はなにやら名残惜しそうに自分の片手を凝視しながら。
三つの姿が駅に消えるのを見送ってから、ハルヒが俺の横に並び立った。なぜお前まで手を握ってくる?
「やっぱり風変わりね。うーん、でも、あんたの知り合いにしては面白いキャラだわ。反応がちょっとアレだけど」
お前の反応もアレだと思うぞ。俺は指にかかる衝撃によって、この指を交互に絡める手の繋き方の別名を思い出していた。
恋人繋ぎ? いやいや、そんな甘いもんじゃない。指同士を全力で挟み合うこの我慢比べは、地方によって呼称が異なるかもしれないが、俺の出身小学校ではこう呼ばれていた。
ゆ び ギ ロ チ ン !
いてて! マジ痛いって!! この技は諸刃の剣だったはずだ。お前だって俺と同じくらい痛いはずだろうが!?
「あんたよりは性癖の幅広そう」
それは良い事なんだろうか? 友人としては真っ当な人生を送って貰いたいと切に願う。
なにも宇宙人や未来人や超能力者と友誼を図らんでもいいじゃないか。友達のワを広げるにしたって限度というものを設定しておくべきだ。この意見にはタモさん信者でなくとも、そーですねっ、と相槌を打ってくれるだろう。
それと、俺には苦痛を悦びを見出す性癖は無いからそろそろ勘弁してくれ。
ギシギシと指に致命的な圧力を加えてくる、100ボルトの笑みとアブラ汗を同時に浮かべたハルヒに指タップしながら、んな事を考えていたのが悪かったんだろう。
いまだにプルプルと鳴動を続ける長門への対応がすっかり抜け落ちていた。
「…‥・ち が う ! 」
な、長門?
「ゆ、有希?」
明確な苛立ちを滲ませた口調の長門に、俺だけではなくハルヒまでもが驚いて目を剥いている。。
繋いだ手からの振動は止まっていた。比較的大きな規模の地震でも、前震が観測される確率はおよそ一割程度と言われているが、断言しよう……本震が来る!
俯き加減だった長門の相貌が徐々に上方に、佐々木達の消えていった駅の方向に向けられ、その瞳は最近の温暖な日差しで温められたような黒曜石から、酸素をふんだんに供給され轟々と燃え盛る石炭へと変化し、赤熱していた。
ヒュウ、と風が鳴った。違う! 長門が息を吸い込んだんだ! ま、まさか……。
『おーとも無い世界に まーい降りた I was snow』
歌い出しちゃったよ! どうするハルヒ!? いまだに俺の手は長門に握られたままで、振り払って逃げようにもビクともしないんだ!
『生み出されてから三年間、私はずっとそうやって過ごしてきた』
「なんで煽りまで完璧なのよ! どうすんのキョン!?」
くそっ、さっきの九曜効果か早くも人が集まりつつある。
おっと、ハルヒ、俺の手を振り払って自分だけ逃げようったって無駄だぜ。この手の繋ぎ方はお互いの同意が無いと離れにくいのも特徴だからな。他縄他縛・死的諸共・俺屍越行だ。
ちなみに、長門の名誉の為に付け加えておくが、九曜にも劣らぬほどの美声であり完璧な音律だ。だが、何もこんな往来で披露する事はないだろ。
『何かがこーわれて 何かが生ーまれる 繰りかーえし 無駄なこーとさーえ
やめない人たーち 不思議な人たーち 眺める私も含まれたー
ほどけーない 問題など あーりーはーしーないと
知ってても 複雑な 段階が 物語り 創ってゆくーー♪ 』
辺りは既に人だかりが形成され、「なんだなんだ」「第二段が始まったのか」とか暢気に鑑賞してるが、視線の中心に位置する俺はもう消えてしまいたい。
ちょっと待て。なんで古泉と朝比奈さんは適度な距離を保ちつつ他人顔してるんだ。「ふ、ふわぁ、きれいな声ですね」「まことにそのとおりかと」じゃないだろ。サクラ役か?
「な、なぁ、集合時間になったことだし、移動しようぜ、長門」
「そ、そうよ。有希が希望するなら、今日はカラオケ合戦の為の練習にあててもいいから、ね?」
が、既に無我の境地に到達したのか、俺達の必死の説得にも反応は無い。
アイコンタクトの末、俺とハルヒの動力機関車ニ連結で牽引することとなったのだが、初めて図書館に行った際の退館時よりも踏ん張る長門と、無尽蔵の体力と無思慮な膂力に恵まれたハルヒに挟まれて、俺の腕は早くも大きく左右に開き伸ばされている。
肩の付け根や肘関節からメキメキと異音を発してるんだが……。これ、なんて大岡裁き?
移動した事が功を奏して聴衆は減っていった……のだが、今度はその光景が衆目を集めてしまったらしい。
「痴話喧嘩ですってよ」「どちらも可愛いのにねぇ」「困ったものです」などの囁きが漏れていたのは早々に記憶から追い出す事にしよう。古泉がしたり顔でそこに参加していたのは忘れないが。
長門は春の訪れに求愛行動を喚起されたウグイスのようにますます声高らかに歌い続け、ハルヒはハルヒで妙なスイッチでも入ったのか、「負けないわよぅっ!」などと当初の目的を忘れて熱心に俺を引き千切ろうと全精力を傾けてやがる。
お前ら、俺になにか恨みでもあるのか。
そして朝比奈さんは……いや、朝比奈さんはおいておこう
なぜか不似合いな黒いオーラを纏いながら、「キョンくんは誰を選ぶんでしょうねぇウフフ」と笑みを浮かべていらっしゃるからな。
現在、二者択一の選択権どころか生殺与奪権を握られた俺に、『どちらを』と尋ねなかった理由はあとで聞いてみよう。
俺が綺麗に真っ二つに裂かれ、なにがしかの不思議パワーで分裂したりしなかったらの話だがな。
そんなハメに陥るくらいなら、いっそのこと世界そのものを分裂させちまってくれ。
そう考えながら、うららかな休日を市中引き回しの晒し者として過ごしたのだった。
「チャイナドレス等に見られるチラリズムの感性を重視する姿勢には同意しかねる。
古来より人類は、見えざるものに対しての探求の精神によって発展を遂げてきた。
性についてもこれが当てはまり、深く慎み隠す物を暴く事での快感は他の追随を許さない。
チラリズム的な『見えそうで見えない』なとどいう中途半端な隠蔽の仕方ではなく、
完全に隠れているものに対しての追求が望ましい。
例として、肌の露出が少ない着物、胸元の開いていないドレス、ゴシックロリータ系のフリルのついた服装。
そういったものを、スリムな女性が着ている様にこそ魅力を感じるべき。
豊満な女性が、チャイナドレスや、バニースーツや、露出過多なメイド服を着ている事に多大な性的魅力を感じる場合、
人間の在るべき探究心を思い起こし、興味の対象を是正すべき。外部からの嗜好の改変も辞さない方向」
「…なあ、あいつ一体何があったんだ?」
「どうやら、昨日涼宮さんが女性の魅力を『豊満さとチラリズム』であると声高に主張したようでして。
その際に長門さんに対しても何かコメントをしたのでしょう
ただ、あのようなことをおっしゃるきっかけになったのは、貴方ですよ」
「何故だ?」
「さっきから僕のチャイナドレスを見過ぎです」
支援
アッー! 割り込んだ。申し訳無い。
あ、ごめん。オワタ。
『かーれがいる世界に 舞ーい降りた high tension』
いや待て長門! それは二番じゃなくて替え歌だろう!?
『生み出されてから三年間、私は○ョンくんの事ばかり考えて生きてきたの♪』
ハイテンションユッキーはいろんなスレに降臨してるが、この替え歌は少しマズイと思うぞ!?
たしか替え歌のほうは長門スレに顕現していたはずだ!
『あなたが好ーきなの とっても好ーきなの 繰りかーえし 同じこーとだーけ
考えるわたぁーし 気付かないキョ○ーくん 眺めるわたしに気付いてよー
実らーない 恋愛など あーりーはーしないと
信じても ハルにゃんや みくるんや イッキーが 邪魔してくるーー♯』
俺だけ伏字でも、なんかもーいろいろと手遅れだろう!?
やめっ、やめてくれ長門! 長門ぉぉお!?
こっちのオチも考えたけど、長門のシーンが大きくなりすぎるのと、転載になるかと削ってみた。
興味のある人は「長門スレまとめwiki」のか〜なた〜HEEE!
どこからの転載・引用なのか注釈つければ、SSに絡めるのもいいのかな?
GJでした
というか
>>53に反応した脊髄反射的レスが割り込んだかと思って
肝とチャイナドレスのスリットの付け根を冷やした
軍資金がどうの、敵から塩を受け取るだけの度量が将には云々と
のたまっていた橘さんに不覚にも萌えてしまったのですよ><
>>59 確かに俺はチラリズムは好きだが、スキーウェアー萌えでもある
あの一見すると全然露出がないのに、体のラインが浮かんでくるあの様が素敵なんだ
>>58 いいね
>>52に脊髄反射した小ネタ投下します、別にエロくないですが
「性欲を持て余す」
誰ともなく呟いた。部室には今のところ長門しか居ない。
周辺視野で長門がこっちを凝視しているのを確認。
まあ、知り合いが突然そんなことを言ったら俺だって気になるさ。
ただ俺と違うのは長門は特に言及することもなく読書に戻ってしまったワケだが、これも周辺視野で確認。
しばらくしてから古泉がやってきた。
「おや、お二人だけですか」とか言いながら、いつものスマイルの仮面を顔に付けて、いつもの席に座った。
なんとなく俺から話題をふってやった。
「最近はバイトは忙しくないのか?」
「いや、性欲を持て余しますね」
話が噛み合ってない気がするのは、さて俺の気のせいだろうか。
長門が俺と古泉を交互に見やってるのを周辺視野で確認。
「そうか、実は俺も性欲を持て余す」
「おや奇遇ですね、もしや長門さんも性欲を持て余すんですか?」
なんてこと聞きやがると思いつつも、興味があるので黙っていた。
「………わたしにそういう機能は無い」
「そうなんですか? それは残念ですね」
「残念か? 性欲を持て余しちゃって大変だぜ俺は」
「確かに性欲を持て余すのは大変ですね」
「性欲を持て余す」
「まったくです、性欲を持て余す」
「………」
>>39 そんな下らないネタで佐々木の気を引けると思うなよ。
いいか、牛乳と新聞紙で窓を拭くとだな(ry
>>54 クソワロタぞ。
文体のテンポが非常に良くて読みやすい。
アホ宇宙人同士や貧乏機関員の必死さがナイス。
個人的に一番気に入った箇所は、キョンの知らない場所で謎の会話をしている団長組。
なぜ手を〜を二回繰り返す部分が最高に目に付いたw
水道水でカロリー0だとかプメギャ虫だとかどこの魔術士だよw
189P15行目から分岐の小ネタ。
「いやだと言ったら?」
「・・・」
黙ってしまっている。これではどういう事だか解らない。
・・・と思いきや、リンゴを取り出し、なにやらぶつぶつ言っている。
「知恵熱で故障させる」
「何言ってるの長門さん。リンゴで知恵熱になるわけないでしょ。冗談は止めt・・・うぐっ!」
長門はいつの間にか切ったリンゴを食わせまくっている。そして、食わせ終わると俺のところまで下がっていった。
「何のつもりよ?怒ったわよ。・・・なんか熱っぽいわね・・・うへぇ、ぶはw、っ!・・・あぁぁぁぁん!」
朝倉がぶっ壊れた。・・・そういやアダムとイヴの話に出てくる知恵の実ってリンゴだったと思う。リンゴを使った理由はそれか。
「TFEI端末が知恵熱を起こすレベルの情報をさっきのリンゴに注入した」
インターフェースってのはこういう壊れ方なのかもしれない。「あぁん」っておいおい・・・。
「正確には知恵熱ではなく1度に吸収する情報の許容量を超えてしまったために錯乱状態に陥った。故障した朝倉涼子は思考回路がショートしたので元に戻らない」
しかし放置するのもまずいんじゃないか?
「なら目立たないところに隠蔽する。じき朝倉涼子は処分される」
というわけで魔法的な謎パワーで長門が空間を結晶化して教室を戻したわけだが、その後体育倉庫の物品でよく見えないところに無駄にうるさくなった朝倉を運び込んで置いていった。
・・・後から聞いた女のうめき声ってのはおそらくその朝倉だろう。七不思議になった頃には処分されたのかその声は聞こえなくなっていた。
ダメだったらスマソ
>54
なんでブルーライト横浜なんだとか、しかも一斉にツッコミを
入れられるお前らホントの年齢は40まわってるだろうとか、
「面白い人だろう?」で済ますな佐々木とか、拝む婆ちゃんとか、
小ネタが満載で良かったよん。
あと、鼻エンピツについてkwsk (そこかよ
>69
何だろう、「その場で砂粒に分解の刑」より残酷な感じがする…
>ツインとはいえテールヘアーを見失う俺じゃないぜ! 何しろ二倍だからな!
お前は何にも分かっちゃいない。
いいか、ポニーテール萌えというのはだな、長く整った髪を「ああもう、暑いし鬱陶しいのよ」
とか言いつつもその髪を決して切らず、ただ一まとめにだけで一応解決させるという一見して
乱雑だが、実はその髪を誰より自分自身が一番気に入っているんだという心持に萌えるという
ことなんだよ。それを二つにするということは明らかにお洒落も意識しており、「髪なんてただの
付属物よ」というような突き放した態度が全くなくなってしまう。それではダメだ。もちろん髪型と
してツインテールがポニーテールに負けるということは決してなく、俺的には可愛らしさが前面
に出てくる分、髪型の魅力値としてはポニーテールよりも修正値は上の40%UPだ。
だが、数値よりも重要なものがある、それが萌えというものだろう谷口。
「いや、髪なんてただの付属物だろ実際。顔が良けりゃ」
俺は全力で谷口の顔面を殴り飛ばした。暴力ではない、これは友の情けだ。
今は反省している。
そこまでの思い入れはないが、
ポニーテールとツインテールは桜とひまわりくらいの差があると思う
3本出せば完全体の完成か?
ポニーは別として、ツインってヲタ女のイメージがあるな。
ウチの姉貴が、電車男でツインにしてきたエルメスを一発で見抜いた。
ポニーテールの魅力は、ロングなのにうなじが見えることだと力説する文章をどこかで見たな。
なんかの小説だったかSSだったか忘れたが。
フルメタ?
ロングのしっとりとした女らしさとショートのうなじの色っぽさ、
一見相反する二つの要素を両立させる素晴らしい髪形だとか
そんなことが書いてあった。
ツインは実用性でポニーに著しく劣るからな
さらに髪の毛も痛みもあるし、狙ってる感しか残らん
>>76 昔このスレで、もしキョンが熱い奴だったらっていう小ネタで、
ひたすらポニーテールの魅力について語るssを見た様な気がする。
キョン「ぽに…ぽに…」
古泉「ふもっふ」
こうか?
……すまん、何だって?
キョン「原作者の新作読むとやっぱ圧倒的な力の差を感じてしまう」
古泉「これはもう如何ともしがたいね……」
こうか?
不覚にも噴いてしまった
いきなりそれかよ
現在ツッコミ待ち中
ぽに男はキョンだったんだよ!
馬の面にじゃなくてトナカイだったんだよ!
「これより第一回、近代キョンくん概論の講義をはじめます。」
「はい。」
「出席をとります。吉村君。」
「はい。」
「今日は被験体の妹である先生とあなたの二人で実験をします。わかったかガキ。」
「イエス、サー。」
「キョンくんは一日にしてならず!」
「イエス、キョンさんは一日にしてならず!」
「よろしい。ではまず、彼の抱きつき癖についての実験だ。」
「あいまいまー。」
「ここで使用するキョンくんは、このなんともアホ面で寝ている標準的なキョンくんを用いる。」
「はい。」
「計10回の添い寝で、彼が抱きついてくる回数を計測する。」
「はい。」
「寝るのは君だ。」
「サー!」
「……あっ……撫で回さないで……
キ、キスはだめです!キスは、……んっ!?んむぅぅっ!!……ぷはっ!!……
えっ!?こ、擦りつけないで下さ……あっ、あっ、あっ……んんぅっ……」
「……」
「何故言われた通りのことができんのだ、このシミったれたガキが。」
「す……すみません……サァー」
「一度しかやらんから、その腐った目によく焼き付けておけ!」
「さー。」
「ん……あ……ダメ……ダメだよキョンくん……あっ……
舐めないで……んっ!へ、変なとこ……触っちゃやだぁ……
違うよ……あたしユキちゃんじゃないよぉ……
あ……そこ……気持ち……い……んあぁっ!!」
「……」
「はぁ……はぁ……」
「先生、」
「キョンくん……エッチだよぉ……」
「先生。」
「ハッ!……」
「……」
「……キョンくんは一日にしてならず!」
「イエス、一日にしてならず!」
続く
>>86 馬男のモデルとして実在の人物が存在するのだが。
ちなみにエロマンガ島の出身者だ。
空気を読まずに、風呂で妄想したハルヒ最終巻(仮)のプロット(驚愕の先)を晒してみる。
「涼宮ハルヒの『混沌』」
プロローグ:「遂に涼宮さんの創り出した閉鎖空間が、この世界を浸食し始めたのです」
第一章:「涼宮さんの願望昇華世界、佐々木さんの拒否提示世界。どちらを選ぶの?」
第二章:「それは破滅の喇叭を奏でる最後の手段。つまり、この世の終焉と同イ義」
第三章:「消えた、存在さえも奪われたヒト達が還ってくるなんて…信じられない現象です」
第四章:ハルヒは憂鬱に身を任せ、そいつを産み出した。―もう何もかもが無いこの異空間に。
「もうあんた達は必要ない。最も欲しい不思議をようやく…ようやく見つけたから!」
第五章:「―お前がこの世界を駆け巡り、課せられた過去の贖罪…あの少女達の無念達を晴らし、
この『アイン』に全ての名を刻んだら、玩具を一人ずつ返してやろう。
全ては、お前の記憶と違和感の察知―それが運命の刻み達を修正してゆく。心得ておけ。
精一杯足掻く事だな。―そして、私に―『俺に』―絶望に狂う姿を見せてくれ」
第六章:それでだ、この長門(小)と約束した。「もう」ん?
「あのときにもういっかい…」「…もどっていいの?」ああ、…わかってるって。
第七章:「何だかんだで、やっとわかったよ」「何がだい?」「―お前を選んだ」
エピローグ:あの髪型の奴は―…いや、他人のそら似さ。もう顔も観たくない。「…うそつき」
今書こうと、プロット作ってる。さすがに痛過ぎるかな?
後、キーワードを上げておきます。
「数秘術」「アルカナ」「七曜+弐曜」
「ドッペルゲンガー」「図書館EX」「虚数次元領域≠閉鎖空間」
「クトゥルフ神話」「マントラ・マンダラ・マスケラ」「邪悪の樹」
下書を完成させてから添削して、それからアップしていっていいかな?
当然、ネタバレあり。既刊のネタもばんばん使います。では早くて土曜にでも。
エピローグを見る限り鬱エンドのようだ。
よそでやってくれ。
別にいいけど、
個人的な感想としては、キーワードの所見てバカじゃねえのっておもったよ
書くか・面白いか・完結するかどうかも解らない人様の妄想なんぞどうでもいい。
うpするなら書き上げて推敲して更正した段階で頼む。
>>90 7章以上あるとかだと、確実に頭おかしいぐらいに容量とるから、
出来ればまとめてどこかにアップロードしてそのアドレスを出した方がいいと思う。
オリジナル要素がお前自身が思ってる以上に多すぎるし。
アレのにおいがする。タイトル忘れたけどスレ一個まるまる使ったヤツ
中二病の症状が見られますね
お薬出しておきますんで朝夕の食後に毎回飲むようにしてください
なんというエタナールフォースブリザード
すげぇ・・・・・・、こんな上質な釣り初めて見たよ
>>90 あとわたしそういうのはプロットってゆわないとおもうのね
ちょっと目を離したらすげぇ事になってるw
>>90 第5章からおかしい。
オリジナル要素入れすぎ。原作を離れすぎて誰もついていけない可能性大。
『アイン』という時点で萎える。
今書こうと〜 からは完全に自己満。こういうのを晒す時点でアウト。
>>90 よく考えてあるね
すごい
でもやっぱりアウト
つまんなければスルーすればいいんだから、別に投下していいと思うけど
あれ? 俺だけ?
>>90 俺の邪気眼が……共鳴しているだと……!?
まあ、明らかに釣りですね。
だってこれが釣りじゃなかったら中二病どころの騒ぎじゃ(ry
>>90 >さすがに痛過ぎるかな?
痛過ぎるってレベルじゃねえぞ
クマー
「谷口」
「ん?何だ……ッ!」
「いや借りてるゲームの話なんだが……どうかしたか?」
「いや、なんでもねぇよ……クソッ、なんでこんな時に……」
「調子悪いみたいだからまたにするわ」
「ああ、悪い……そうしてくれ……」(鎮まれ、我の右手ッッ)
「将棋でもしようぜ古泉」
「将棋……ですか?僕的にはチェスの方が……」
「チェス?」
「将棋でもいいですよ?僕的にはチェスの方がいいんですけどね」(将棋だせえ)
「なんだ長門、Macにしたのか」
>>90 神話やオカルトを科学的な思考材料に用いる程度ならセーフだが
マジで悪魔とか出てくるのならアウトだな。
とりあえずさわりだけなら見てみたい気もするが。
判断するのはそれからでも遅くない。
今日は閑散としてる……と思ったら反応多すぎっ。
キレイなジャイアン:
オリジナル要素は忌避されがちだけど、スムーズに導入できて説得力があれば評価してくれる人も居ると思うよ。テーマがハルヒ主体なら問題ないはず。
書くか、投下するか、面白そうかは悩まないなぁ。思い付いたら書き始めるし、出来上がったら弱気になる前に投下して、反応にビビりながらwktkしてる。
面白かどうかの自己評価は書いてる最中にこそ頭を悩ませるし、他人の評価は投下した後で住人の裁断を……
普通のジャイアン
「あんた、予告編に騙された事ってある?」
何の詐欺行為だ?
「予告編よ。それを見る限りではメチャメチャ楽しそうで面白そうな映画だったのよ。ところが小躍りしなががら見に行ったら、もうまったく面白くなかったわ。
なんでならね、その映画の中で面白かったシーンを全部抜き出して繋いだのが、まさにその予告編だったわけ。どう思う」
俺に言われてもな。きっと予告編集部門とかがあって、そこの社員が優秀なんだろう。
「じゃあ、予告編が面白くなさそうだったら?」
そ、そりゃあ……予告編集部門が、その、あれだ……。
「予告の編集が監督自らの監修だったら?」
……まぁ、なんだ……とりあえず、なんというか……落ち付こうぜ?
あークトゥルフかー
御大の本をどこまで読み込んでるかにもよるよね
定本を三回位読み込んでこいよ。創元なんかじゃ話にならんぞ。
>>103 最後の行以外同意。自己満でもいいじゃない。
多分、全部オリキャラでやった方がいいんじゃない?な雰囲気がする。
43スレ目から今スレまでで、お勧めを教えてください
さくっと読めそうなものをお願いします
>>113 うーむ。そうか。
事前に「自分、こんなに凄いこと考えてるんですよ」的なひけらかしはヤバイと思ったんだ。
読んでるうちに引き込まれてスゲーって言わせて欲しかった。
それをわざわざ事前に晒して損してるって感じだった。
余談だが、これまでにクトゥルフ系ハルヒって誰か書いた人いるのかね。
やっぱりここはエロパロらしくエロい話をするしかないね
とりあえずだね、『これ、別にハルヒである意味なくね?』な展開になりそうなのはいらないんじゃね? と思うわけだよ俺は。
>>114 保管庫を上からザバッと読んできなさい。
俺は丸一日ぐらいかかったけどな。
ハルヒ読んだことないです
見たこともないです
でも読みたいんです
じゃあ憂鬱買ってきなさい。
『迷わず読めよ 読めばわかるさ』
>>120 原作読んでからのほうがずっと面白いと思うよ、たぶん
俺予想
明 日:「涼宮ハルヒの憂鬱」(1巻)を購入
明後日:目を擦りながら早朝に2〜9巻購入
ライトノベル読みたくない
中にはアレな作品もあるけど人それぞれだし
ミヨキチシリーズは好きだがな
>>125 さっきから何を言ってるのかわからない……
イカレてるのか?
本物の基地外を見た
>>120 >ハルヒ読んだことないです
>見たこともないです
じゃあなんで43スレ目からなんだ?
なんとなくお気に入りにいれているから
ふーん、すごいね。帰っていいよ。
92 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 22:03:32 ID:yG92ZErN
別にいいけど、
個人的な感想としては、キーワードの所見てバカじゃねえのっておもったよ
97 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 22:11:05 ID:yG92ZErN
中二病の症状が見られますね
お薬出しておきますんで朝夕の食後に毎回飲むようにしてください
102 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/04/18(水) 22:18:15 ID:yG92ZErN
>>90 あとわたしそういうのはプロットってゆわないとおもうのね
突っかかるの好きだな・・・
>>130 もういいお前は黙って寝てろ。基地外はママのミルクでも飲んでろ。鬱陶しい。
春だからって何言ってもいいわけじゃないぞ
>>130 お子様は早く寝たほうがいいんじゃないか?
ああ、リアルで18歳未満のお子チャマなんだね
今日は釣り師ばっかり寄ってくる日かい?
これはひどい
>>112 国書と何が違うのかとググって見たら順番めちゃくちゃな上に書簡が入ってないのね…
139 :
90:2007/04/19(木) 00:00:56 ID:wItuxyrW
>>91〜
>>94、
>>98〜
>>113、
>>115〜
>>119、
>>121 わかった レスありがとう
とりあえず、関連書物と現本を図書館か書店で探して、読んでみる
すまんな、手をかけて。正直、俺自粛しろ
>>96 896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/03/23(金) 12:02:20 ID:x1obf3US
「あれ?ハルヒ、今日はお前だけか」
「そうよ。みんな用事あってこれないって古泉君が」
「げぇー!しまった!これは古泉の罠だ!」
全然自粛する気がないところにワラタ。
多分、プロットだけで満足するタイプだろう。
いや、クトゥルーに嵌ってしまって帰って来れなくなるとか
更に変なのに嵌って妙に熱い話を書いて来るとかあるかも知れんぞ。
「────イア……イア──フタグン?」
祈りの空より来たりて
切なる叫びを胸に
我等は明日への路を拓く
汝、無垢なる翼
デモンベイン!!
この微妙な流れを断ち切るように
朝比奈さんの長文書き込みがあるはずだ
SSないけど
こんな議論は無駄でしゅ。不毛な流れでしゅ。
こんな議論ばっかりしてると流さんみたいに不毛になっちゃいましゅよ?
あ〜……わるい
ムチャ振りだった
「あっ! あのっ! こ、こんなところで喧嘩なんて良くないと思うんですっ!
未来では、こういうときはボウルにサラダ油を入れて
「この時点より30分28秒間、朝比奈みくるによる論争の回避の方法が語られたが、
台詞の八割強が【禁則事項】の単語であったため、主張の疎通が困難であると判断し、
該当時間における音声を削除した。代わりに私の自室の同時刻の音声データを再生する」
「……(無音が30分続く)…」
「………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………ん……………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
………………あ……………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………くぅ…
………………………………………………………………………………………………
………………………………………………………………………………………………」
>148
これはこれで可愛い気もする
すみませんTSものはここじゃNG?
だめなら大人しく該当スレに行きます
該当スレがあるんならそこでやれば良いんじゃないかい?
ところでTSって何(´・ω・`)?
>>150 投下時に先にTSモノですって言えばいいんじゃない?
一言あれば嫌な人はスルーするでしょ。
>>151 TSとは性転換モノの事。
広義なら最近の女国木田モノみたいに原典と性別を変えたモノ、
狭義なら作中で主人公、ないし相手が性転換してしまうモノをさす。
例えば女キョン×男古泉や男佐々木×女ハルヒとかのカップルにすると
性的には問題ないのだが、原典の性別から見ると同性愛作品ともとれるので
嫌悪を示す人もいる。その為ネタに深く関わるとか言った話的都合が無いのなら
投下前に宣言しておくのか望ましい。
【文芸部機関誌寄稿:SSジャンルの秘密・100%ソウなのね!】より
TSって言葉が普通に通じてる思ってるおまいが寒い
なるほど、水を被ると女になるみたいな奴だな
俺もTS知ったのは、あのね商法が(ry
そいや、このスレの「かしまし〜」はまだか?
短期間でポンポン来たと思ってたらピタリ止まったな
>>153 普通のスレならともかくSSスレなら知らない方が寒いんじゃないか?
保管庫にTSモノと書かれた作品だってあるし「TSモノ」で検索すれば普通に引っ掛かるし。
まあ俺もNTRとか解らず何だそれとか思った事もあったけど。
TRITON STUDIOにしかみえねぇ
「男の人が女になって喜ぶのは『ふじょし』だけだと思うのね」
「阪中……何か悩みがあるなら相談にのるぞ?
ハルヒだって親身になって話を聞いてくれるだろう
だからまず落ち着けって」
今日、妹の友人から告白された。名前はミヨキチ。
妹と友達になったのも実は俺と仲良くなりたかったからとか。
断る理由もないので付き合う事にしたが流石に妹に黙っているのはバツが悪いので
二人が付き合っている事を話すと烈火のごとく怒り出した。
「キョンくんのバカっ! 信じられないっ!!」
ああ、やはり男同士の恋人というのは理解されないものなんだな。
「おい、ちょっとまて何だこれは?」
「何ってこっちの方が面白いでしょ。アンタが書いたのはオチがないんだもん。」
だからってここまで脚色するか? しかも名前はそのままか?
大体ミヨキチは女だ! 吉村美代子って立派な名前だってある。
「・・・・ユニーク」
長門、お前なぁ
「キョン君。がんばってくださいね」
朝比奈さん。そのコメントはボケですか? 本気ですか?
「これは―――」
古泉、 お前は喋るな!
文芸でTSといったらエリオットだろう?
きっと保守主義思想に象られたSSに違いない!
って、ウチのググル先生が言ってた
>>157 NTRといえばvipの ハルヒの妊娠 とか、
某blogでも取り上げられた 涼宮ハルヒの本当に憂鬱 とかがあるな。
まぁ俺個人としては、妊娠で長門がもし居なかったらとかを妄想して大層鬱勃起したわけだが。
当然キョンは大学3年まで童貞で、妊娠したハルヒと結婚後も母体に気を遣って1年近く童貞なわけだ。
そんで子供生まれて容態が安定したらようやっと本番なわけだが、
大学入ってからの3年間で相当こなれたハルヒ相手に、若葉マーク以下の超初心者なキョンじゃどうやってもうまくセクロス出来んわけで、
かなりのトラウマ&コンプレックスを感じるといった展開に。
つーか血の繋がらない娘とかって興奮しますネ
>大学3年まで童貞
呼んだ?今年こそ捨てたいとも思うが、まあ無理だろうなorz
>>162 その付近の保管庫浚ってみたけど無いっぽいね。単発じゃないか
>>165 44-223様:『カシマシ・インフィニット』←これじゃね
NTRはぐぐって解った! 寝取られ=NeToRaれ属性かぁ。
TSは……よく解らん。↓だとちょっと意味が違いそう。なんの略だ?
trans sexual(TS) 「性同一性障害者」の中でも、身体の性とこころの性の不一致を特に強く感じている人たちのことで、この二つを一致させるために形成外科的手術を強く望む人。
単純に性別逆転って認識でいい
男キャラのみ逆転で百合とかも有る
>>166 あの作品は苦手だな。キョン以外に体を許すのがいやだな。
ていうかアレはハルヒじゃない気がしたな。読んでて違和感ありまくり。別人じゃん。
確認のために読み返すのもいやだが。
ただ個人的にアレだったのは書き手の受け応えだな。
「違う男の子を愛することが出来るわけが無い!」って意見に、
「こっちは遊びでやってんだから、本気で文句言われてもなぁ」で引いた。
もうちょっと上手い言い方とかあるだろうに。
俺もあの作品は、ハルヒ達の名前借りただけの
まったくの別人だと思った
それにあれをハルヒワールドでやる意味がまったくわからなかったし
>>168 サンクス、見落としたかと思ったぜ。
あと、キョンが最後に「もう何も思いだせない」って言うやつと
なんか違和感を感じるってやつのタイトルわかる人いる?
最近物忘れがわるくてな
たまに妄想もいい加減逸脱して、
>>173が言うみたいな
本当に「ハルヒワールド」でそれをやる意味あるの? というSSを見ることがある。
確かに萎えるというか、読んでて気持ちが悪くなるのもある。
登場キャラの名前と性別だけが一緒みたいな。
クリティカルエラー?
そういえば、前々スレくらいで出てた、古泉が鶴屋さんの家でのんびり過ごすやつが見つからないんだ。
鶴屋さんの家は機関の監視の目を届かないから、のんびり過ごせるのです。
って感じの作品だったような。
>>176 それだいぶ昔に見た気がするぞ。
少なくとも10レス以上は遡らないと。
正直みくるはハルヒの前だと、中身空っぽなセリフしか言わせられないから出しづらい・・・
冷たい感じにすると別人だしな
>174
物忘れが悪いのか、うらやましいなw
オレなんかもー、物忘れがよくてよくて。
物忘れが多いに修正(´・ω・`)
朝倉が光彩滑刀の流法を使おうとして失敗して異常変形するSSとかはどうだろうか。
変形後の展開に悩むところだが。
>>174 見つけるべく読み漁り中。もしあったら言うよ。
>>168 ずっとトランスセクシャルだと思ってたんだが、違うのか。
ネットエロ小説の世界ではトランスセクシャルで通ってるはずなんだけどなあ。
ところで、
>>176の言うクリティカルエラーというやつを読んでみたが、なんだか妙な読後感だな。
>>182 ありがとう、自分もそれっぽいタイトルを片っ端から見てみる。
ところでNTRがMTRに見えた俺は眼科に行くべきなのかな・・
看取られ?
>>185 ワロタw
てかNTR好きはドMだな
俺なんかここでどっかの馬鹿がハルヒ寝取られSS投下しやがった時マジでむかついたぞ
>>184 MTRがMMRは精神科に行くべきだなw
間違えた。
もう寝るわ
MTRってのはギターをやってる人は知ってる人多いと思うけど
Multi Track Recorderの略だ
悪食を自認し、百合薔薇ふたなりヤンデレSもMも猟奇系もいける俺だが、NTRと輪姦と獣姦だけは駄目だな。
こればかりは独占欲に絡んでくるからなあ‥‥‥。
>>185 なんとなく、堕淫っつーエロゲを思い出した。
ロリっ子の殺し屋に刺されて出血多量で死ぬまでの間騎上位で犯され続けるエンディングだった。
被死姦は珍しいから印象に残ってるな。
192Pから分岐の小ネタ。
>>181で言った話を試してみた。ダメならスマソ
「そいつを守りながら、いつまで持つかしら。じゃあ、こんなのはどう?」
その時である。朝倉の腕の手首辺りが異常に変形し、刀剣のように・・・いや、刀剣になった。
ところがさらに不可解なのは、その刃が異様に光っているという事だ。目を凝らすと、チェーンソーのように刃が走っている。
これってまさか。
「そう、光彩滑刀の流法(モード)よ。正直言って、刃物好きなあたしはこれを見て、やってみたいと思ったのよね」
「止めた方がいい。その技には私やあなたのような、有機生命体を超越した端末でも無理があるはず。高確率で予期せぬ事態が発生する」
「知ったこっちゃないわよ。苦労したんだから。というわけで首だけ持ち帰ってあげるわ」
腕の剣をぶん回して襲い掛かってきた。もうダメだな。
「ふふふふ・・・って、なに!?」
朝倉が驚いて動きを止めた。剣に原因があるのではと思い見てみた。見なけりゃ良かったとつくづく思った。
・・・それもそのはず、それは異常変形して意味不明な形へと変貌し、変形は朝倉の肩以降にまで及んでいた。
正直、刀はもはやアブナイ匂いを出す物質でしかなかった。無意識に俺の息子が興奮している。
「あらあら。勃起してるの?なんなら精液貰っちゃおうかしら?」
原形を留めていない朝倉が襲い掛かってくる。だんだん怖くなってきたぞ。
って、アッ―――!・・・とは間一髪ならなかったようだ。
怪奇なフォームで俺の息子を無理やり挿入させようとしたところを隙を伺っていた長門が取り押さえたらしい。そして長門はこう言った。
「・・・・・・変態」
「それが最期に聞く言葉だなんて後味悪いわね・・・。でもこの醜態よりかはいくらかマシなようね・・・」
朝倉はそれきり動かなくなった。そして、結晶化した・・・。
ところで朝倉の奴が変態化したのは多分、心までも異常変形したんだろう。
我ながら駄作かもしれない。。。
>>186 ハルヒ寝取られSS?どれくらいむかつくのかが気になるので内容を見てみたいのだが。
ハルキョン好きだが流しちゃ悪いと思い見てみた。
・・・なるほど、確かに腹が立つ。
>>193 ここで書かれた寝取られ物っつーと、
ハルヒの中学時代の奴(所謂過去寝取られ)と、
長門の生活費工面の奴(これもまぁ過去寝取られと言えなくもない)と、
コンピ研部長がハッスルする奴、
それから生徒会長の野望の王国物(喜緑さんも喰う)当たりか。
ハルヒの中学時代のってどれ?
198 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 01:47:09 ID:YVNfzf7l
>>183 クリティカルエラーというやつを読んでみたが、なんだか妙な読後感だな。
読んだ事あるが女キョンが誰なのかわからんかった。女キョン=ハルヒでいいんだろうか?
>>174 つ『同窓会(全員参加)』
たぶんこれが前者だな。後者は分からないけどw
>>194 これは落語か小噺のパロかな? 聞いたような、ないような…
亭主「古女房が毎晩おつとめをせがんで困る」>間男発見
浮気相手に向かって>亭主「おまえさん、なんでそんな(辛いことを)事をなさってるんだい?」
おあとがよろしいようで。みたいな
>>197 それがSS保管庫には無かったりするんだな、これが。
具体的には、20章(過去ログ保管庫だと実質21章)の786以降の奴。
まー内容的にはかなり微妙だが…
>>200 だろうね。初見の時はすぐに分かったんだけど、現在読み返してみたら意外と分かり辛かった。
>>198 リアルタイムで読んだ人達で考察が終わってるとは思うんだが‥‥‥古参の人降臨しないかな。
違和感のある長門の言動なんて、
“魔法使いコスを長年愛用している”
“おまえまで俺をキョンと呼ぶのか”
「私達は出発点の時点で既に致命的な過ちを犯していたのかもしれない」
“何故かキョンが悪意と言う言葉を多用する”
くらいか。まあ最後のはヒントみたいなものなんだろうが。
>>202 いや、もっかい読んで違う答えが…
ハルヒ:正妻だけど『恋人を寝取った泥棒猫』(怒りと共に睨まれてる)
イツキ:アッー!『恋人』(謝られてから尋ねられてる) コレが真相かっ!?
>>198 女キョンの転生(仮)によって『想い人と結ばれ得る環境が整った人物』
・改変パワー全開涼宮ハルヒ
・禁則事項に縛られない朝比奈
・統合思念体に縛られない長門
人の悪意が致命的な過ち(クリティカルエラー)を招く>作中で悪意をより多く表に出したのは?
前スレにもヒントっぽいの出てたね
クリティカルエラーなんてどうでもいい。
じゃあ荒れないように答えだけ。女キョン=古泉
>>194 アシモフの短編Jokesterに、こんな小噺が出てくる。
ジョンスンが予定より早く出張から戻ってみると、妻が彼の親友の腕の中にいた。
彼はよろよろと後ずさりながら、言った。
「マックス!僕はその女性と結婚しているから仕方ないとしても、なぜ君までがそんなことを?」
これに類する話が元ネタじゃないかね。つーことで、きっと情報統合思念体が……
>>207 昔埋めネタでキョン古泉がそれやってたな。
「YAREYARE」
「どうしたのよキョン」
「RO-MAJI WO UTTEMO NIHONGO NI NARANAI」
「あー、あるある」
「NAGATO TASUKETEKURE」
「あんたねー、それぐらい自分でなんとかしなさいよ」
「WAKATTAYO」
「NAOTTA」
「ないわよ」
>209
「Unique」
>>199 前者はそれだ!ありがとう。
かなり前に読んで続きないのかよ・・・って思ってた。
長門の語学力。
SS投下します。5レスほど。エロなし。
長文投下は初めてなので区切りが妙でも気にしない。
『Day of Good-bye』
「えー、これにて! SOS団高校編は終了! 大学に行ったらまた作るわよ! ちょっとキョン! 聞いてんの!?」
春。始まりの季節。新たなスタートの季節で、別れの季節でもある。
俺たち、もといハルヒのSOS団は北校での活動を終え、舞台を大学に移すこととなった。ちなみに今日は卒業式で、今は式終了後の部室だ。
ハルヒの運んできた諸々も撤去されて、今となっては長机と椅子、それと文芸部所有の本棚のみで、殺風景と言うか、なんだか寂しささえ感じる。
ちなみに朝比奈さんは一足先に専門学校に進み、残り俺たち四人は全員同じ大学に進学した。俺の壊滅的成績もハルヒによる拷問家庭教師と本番一発勝負でなんとかなり、
辛うじてハルヒ、古泉、長門と同じ大学に滑り込んだ。とは言っても三人とも俺のためにレベルを下げてくれたんだがな。
「みくるちゃんは大学違うけど近いからなんとかなるわね! どうせ有希は文芸部入るだろうから部室はまたそこ使わせてもらおうかしら」
古泉曰くハルヒの能力は最早風前の灯で、朝比奈さんも「ほぼ未来は確定した」と、長門に至っては「今日中に能力は消える」と明言した。
ハルヒのトンデモ能力が無くなるとこの三人がここにいる必要もなくなるんだが、古泉は自分の意思で残り、長門はハルヒの能力の消滅と共に情報統合思念体に最後の報告をした後接続を解除、
朝比奈さんもたまには顔を出すそうで、どうやらSOS団はハルヒの思い通り大学編に突入するらしい。
「大学生になったら行動範囲も広げてガンっガン不思議探索よ! あ、でもその前に春休みの予定もあるから……」
ハルヒの演説はヒートアップし、"SOS団高校編終了解散式"だったはずなのに今となっては"春休み計画発表及びSOS団大学編プロローグ"になってやがる。正直、ついていけん。
ハルヒの言葉に適当な相槌を打つ古泉、ほへー、と口を開けたまま小さなリアクションを取る朝比奈さん、今日ばかりは読書せずに部屋の一部となっている長門の三人を見た後、
最後に俺はハルヒの百ワットの笑顔を目に焼き付けた。
「それじゃ、SOS団は北校を卒業します!」
いくら温暖化が進んでいると言っても卒業式に桜が咲くことはなく、小さな蕾のままの桜の木が並ぶ校門前。SOS団のメンバーに朝比奈さんと一緒に来た鶴屋さん、谷口、国木田、阪中を加えての記念撮影の後、
俺たちはなんとなく中庭に向かって歩いていた。先頭にハルヒと朝比奈さん、続いて長門、そして古泉と俺。三年間変わることのなかった布陣。
この三年間で俺は普通の人間じゃ考えられないほど宇宙的、未来的、超能力的現象に巻き込まれた。訳の解らない指令に翻弄されたり、無茶苦茶な状況に突然閉じ込められたり、
何度か死に掛けたり、だがそれが今は懐かしい。ハルヒの能力が無くなればそんなことに巻き込まれることも無くなるだろう。
「――なぁ、古泉」
桜が咲いてないのが残念ねー、などと言ってるハルヒたちの後ろで呟く。隣の古泉はすぐに俺の言いたいことを察したのか、いつになく真剣な表情で、それでいて得意の笑みを失くさないまま、
「……あなたのお好きにどうぞ。この件に関しては、どうなろうとも僕たちは全て受け入れるつもりです」
そいつはありがたい。感謝するぜ、古泉。
「いえ、僕個人としても、願わくば…… という希望もあるので。恐らく長門さん、朝比奈さんも同じ気持ちでしょう。それぞれの派閥の意思とは関係なしに」
そうか。それを聞いて安心した。後からとやかく言われるのも困るしな。好きにやらせてもらおう。
俺は数歩先を歩くハルヒの背中を見つめながら、しっかりと一言、刻みつけるように。
「ハルヒ」
カチューシャ付けた綺麗な黒髪が振り返る。それに釣られて朝比奈さん、長門も俺の方を振り向いた。ハルヒの目は何? と訊いてるようで、他の二人は俺の言いたいことを理解している目だ。
「何よ。こんな日につまんないことだったらぶっ飛ばすわよ」
つまらないかどうかは俺が決めることじゃないから解らんが、少なくとも無駄話じゃないぞ。
ジト目で睨むハルヒから一回目を離して、俺は朝比奈さん、長門、古泉とアイコンタクトを交わした。 ……ああ、解ってる。
もう一度ハルヒの目をしっかり見ると、
「ハルヒ。俺がこれから言うことをちゃんと聞いてくれ。信じるか信じないかはお前の自由だ。ただ、作り話じゃない、とだけ言っておく」
そう前置きして、話し始めた。
お前には不思議な能力がある。願望を実現する力。あの映画撮影第一弾の時だ、あの時は秋に桜が咲いただろう。あんな感じのことができるデタラメなトンデモパワーだ。
そんな無茶苦茶な能力をお前は持っていた。理由は知らん、あるもんはあるから仕方ないだろ。
そしてお前は宇宙人、未来人、超能力者が現れて欲しい、そう願っただろ? 確か……六年くらい前に。そうお前が願ったから、宇宙人に未来人、超能力者が現れた。それが、こいつらだ。
長門は銀河を統括する情報統合思念体によって作られた対有機生命……なんたらインターフェース、朝比奈さんは未来から送られてきて、古泉にはお前が超能力を与えた。
そしてその三つの派閥がそれぞれお前の能力を調べに来たんだが、お前は宇宙人未来人超能力者と遊びたい、そう願ったから宇宙人未来人超能力者を呼び寄せてSOS団を作ったんだ。偶然じゃない。
ここで一息つくと、ハルヒは「あんた頭大丈夫? その話なら前にも聞いたわよアホキョン」とでも言いたそうな顔をしていたが、最初に釘を刺しておいたおかげだろう、
最初にハルヒの口から出てきたのは否定の言葉ではなかった。
「……じゃぁ、あんたはなんなのよ。SOS団にいるってことは、あんたもなんか特別な属性の人間なの? 異世界人とか」
「いーや違う。俺はまるっきり普通の、超能力者お墨付きの一般人だ」
ただ、と言葉を区切る。次の一言で世界は変わるかもしれない。この言葉を言えば全てのことをハルヒは信じるだろうし、消えかけているハルヒの力が復活するかもしれない、が、言わせて貰う。
「ただ――……、 俺は、ジョン・スミスだ」
絶句とはまさにこのことを言うんだろう。ハルヒの顔がまるで瞬間冷凍したかのように凍りつき、何を言っていいのかわからずに口をパクパクさせている。でもここで話を止めるつもりは無い。
俺が高校一年の時にタイムスリップしてお前に会ったのがジョン・スミスだ。つまりあの時だけ未来人で、今は普通の人間……だ。
「あんたが…… ジョン? そんな……いえ……、やっぱり……?」
ハルヒは何か悩んでいるようだがどうやらこの瞬間に世界がひっくり返るなんてことは無かったようだ。とりあえず長門に確認の為声を掛けようとするが、
「涼宮ハルヒの力の衰退が止まる兆候は見られない。何も変わっていない」
俺の心配事は全てお見通しですか。まぁ、いい。ここからが本題だ。
さて。そのお前が持っている力なんだが、それはもうほとんど消えちまっててな、宇宙人的長門予想では今日中になくなるようだ。これでお前が無茶苦茶やって俺がその後始末に奔走することも無くなるんだがな……
一歩前に踏み出し、ハルヒとの距離を詰める。未だにジョン・スミスやら宇宙的未来的超能力的トンデモ電波話についていけない様子ではあるが、ハルヒはその顔を上げた。困惑しきった表情。
その顔を更に困惑させることになると思うと、正直胸が痛む。だが、言わなきゃいけない。
「ハルヒ。一番大事なことだ」
ハルヒに自身の能力を伝えた理由。全てが、この一言の為に。
どんな言葉よりも先に謝罪の言葉が口から出そうになるが、それを押し込んで、一言。
「――俺、死んでるんだよ」
何度かあった大きな事件でな、二年の頃に俺が入院したことがあっただろ。あの時か、それともそれより前なのか後なのかは解らないが、
どこかで致命傷を負ってたみたいでな。ただハルヒの能力で生きながらえてた、それだけの話さ。
ハルヒの能力が衰退していったことで長門が気付いて俺に教えてくれた。だから、お前の能力が無くなる今日、俺は
「ダメよ!!」
ハルヒが何かに憑かれたように大声を上げた。眉を八の字にして、まるで大事にしていたものが持っていかれた子供のような顔で。
「あんた何言ってんの!? SOS団は大学になっても続くのよ!? そんな冗談であたしを騙そうったって……」
「ハルヒ」
「第一あんたは生きてるじゃない! 今! ここで! ちゃんと呼吸してんでしょ!?」
ドン、とハルヒは俺の胸倉を掴むと、そのまま縋るように俺に寄りかかった。前髪に隠れてその表情は見えないが、俺は、ただハルヒの震える肩を抱き締めてやることしかできない。
俺はハルヒを腕の中に収めたまま、古泉、長門、朝比奈さんを見た。古泉は無理矢理に作った表情を崩さんとしているようで、長門は目の奥の感情が揺らいでいて、朝比奈さんはわかりやすく泣いていた。
喉の奥が乾いて声が出ない。何かが溢れてきそうな気がして。
「……古泉。俺がいなくなったあと、ハルヒのこと、頼めるか」
ニヤケていないニヤケ面に向かって言う。
「ええ。任せてください。『機関』一同全力でサポートすることを約束しましょう」
ああ。お前は最高の友人だ。言葉には出さないけどな。
「長門。俺がいなくなったあと、ハルヒの暴走を止める役目はお前に任せる。古泉はイエスマンで役に立たないからな」
人間になった少女に言う。
「……そう」
世話掛けた。もうゆっくりしていいんだ。観測なんてものから離れて好きに生きてくれ。
「朝比奈さん。たまにでいいから、ちゃんとハルヒに元気な顔見せてやってください」
地上の天使である未来の上級生に言う。
「はい…… ちゃんと、来ますから。絶対、たまになんかじゃなくて、……」
また俺とも会うことになるんでしょうけど、その時はよろしくお願いします。
「ハルヒ」
俺の胸に顔を埋めた、時空の歪みでも情報フレアでも神でもない少女に言う。
「大丈夫。俺が死んでもお前は立ってられる。長門も古泉も朝比奈さんもいるし、鶴屋さんだって谷口だって国木田だって阪中だって、それだけじゃない、お前はたくさんの人に支えられてるんだから」
「でも……! 一番側でキョンが支えてくれてたからあたしは……っ!」
今度は誰にでもわかるほどはっきりと声を上げて泣き崩れる。正直ここまでお前が想ってくれてたとは知らなかった。ごめんな、ハルヒ。
俺は頭一つ下のハルヒの頭を撫でながら、ふと疑問に思ったことを長門に訊いた。
「長門。ハルヒの能力が無くなったら俺はどう死ぬんだ? 消えるのか?」
長門は首を横に振って否定。すぐに薄い唇を開いて、
「能力がなくなったと同時に肉体を維持することが出来ずに急速にあなたの肉体は腐敗すると思われる。対処は不能」
「そうか……」
少し考える。ハルヒの目の前で、この世の中でありえない死に方をしたいと思うほど俺はイカれた人間じゃない。急速に腐敗する人間なんて都市伝説になっちまう。
……長門。最期に頼みがある。聞いてくれるか?
「……」
今度は首を縦に振って肯定した。それだけで長門は解ってくれたようで、彼女自身最大限に表情を緩ませた。うむ。いい顔だ。その表情が出来るなら、お前は立派な人間だぜ。
長門に最期の頼み事を終えると、ハルヒが小さな声で呟いたのが聞こえた。
「キョン…… あんたが、ジョンなのよね」
ハルヒは少しくぐもった声でそう言った後、俺の胸から顔を離して、潤んだ目と消え入りそうな声で、
「あたしの初恋の人、ジョンなのよ。だから、じゃない。ずっと一緒だったから。でも、最初から。 キョン。あんたが……」
好き、だから逝かないで――、と。 ハルヒは、そう、言った。
心が痛い。泣きたいほど哀しい。けど、ここでハルヒを繋ぎとめるようなことをすれば一番傷つくのはハルヒだ。だから、すまん。
「ハルヒ」
だから、俺は抱き締めることしか出来ない。答えられない。
だけど、その時間も、もう、無い。
俺は優しくハルヒを離すと、最期の頼みを言う。ずっと前から、長門に話を聞かされたときから決めてたこと。
「なぁハルヒ。桜の花、咲かせてくれないか?」
ちっぽけな、ほんの小さな頼みごと。
「でも…… もうあたしにそんな力は無いんじゃ……」
「大丈夫さ。何も秋に桜を咲かせろなんて言ってるわけじゃない、ちょっと開花日を早めるだけだ」
ハルヒと初めて出会ったあの日に還るように。
「んじゃ、よろしく頼むぜ」
歩き出す。
ハルヒに背を向けて、自分の場所へと還る。
一陣の風が背中を後押しする中、その風に乗って、桜の花が舞い散った。
――その風と共に 俺の身体は光の粒となって
さらさら さらさら 流れていった
以上です。
別の小説ばっかり書いてたからキョンフィルターが微妙になってしまったです。
お目汚し失礼。
. _... -−…−- .._
_..イ´:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::>..._
/::::::::::::::> ´ ̄_二ヽ:::::::::< ̄ト、
,.'::::::::::::::/ _.ィ´::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽニ,、\
. /::::::::::::::/ /::::|:::::::::::::::ヘ:::::ヘ、::::::::::::::ヽ.フ:::ヽ
/:/::::::::::! ,.'::::::::::|::::::::::::::::::ヘ:::::'.べ. ̄:::::::ヘ、:::::ヽ
,r'´:::::::::!:::::| /::::::!::::::!::::::::::::::ト、:!∨| ヽ::::::::::::',∨::::ヘ
. /:::::::::::.斗:::::!'::::|:::|::::::l:.:::::::::::::| |l. |::| ,.ィミマ:::::::::ト.V::::::ヘ
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、| ∨::|:::::|::::::::::::::ハ:::} ノ ∧ r’ ヽ
ヽ::ト、::∨:::::::/ リ ,ノ ハ '、 _ 'i、
. jノ ノヽ∨:/ _ノ
詳細を知りたいという奇特な人がいたら、すまんが郵便局にあるチラシを見て確認してくれ(キョン)
お前が氏ね
>>220 GJ!
それでもハルヒなら,ハルヒなら何とかしてく・・・(;´Д⊂)
>>220 キョン「俺死んでるじゃん…」 (´・ω・`)
キョンの魂は『消失』へ行ったのだと予想してみる。
きっとそこでSOS団を作るに違いない。
>>220 ご都合主義というか、
この話の理屈だとこの後SOS団が消滅したり、最悪の場合は世界が消滅しないか?
>>220 話に説得力が無くて、薄っぺらい。
しっかりした文章が書けるのだし、もう少し構成を練って書くべき。
「うーん、なんかこう、ピンと来るものがないのよねー」
春眠暁を覚えなくなりたいうららかな日差しの午後、
どこぞの迷惑大明神がまた新たなバカ騒ぎを企みはじめたらしい。
「なにがだ」
「萌え属性よ、萌え属性。
学年も変わったことだし、みくるちゃんにも新たな飛躍を期待したいところなんだけど、
なかなかいいのが見つからないのよね〜」
「メイドさんで十分じゃないか」
「これだからあんたはいつまでも平団員なのよバカキョン!
いい!?世の中は常に動いてるの!
確かにみくるちゃんは萌えの塊だけど、そこに安住してちゃ進歩はないわ!
もう一段強化することで、SOS団を天下に知らしめなきゃ!そうでしょ小泉君?」
「まことにもってその通りかと」
イエスマンは黙ってろ。てか、妙なことになれば苦労するのはお前なんだぞ。
「うーん、なんか良いのないかしら。みくるちゃん、自分で『これだ』ってのない?」
「えーっとそうですねぇ、じゃあ新規開拓なら、私じゃなくてキョン君にNTRなんてどうでしょうか?」
「・・・NTRって何?」
「それはですねぇ・・・ゴニョゴニョ」
「涼宮ハルヒ、私もそれを推奨する」
「キョンに萌え属性なんて100年早いけど、それ採用!!」
「ホントですか!ありがとうございますー(ニヤリ」
おい、そんなに適当に決めていいのか?だいたいお前、それが何なのか分かってないだろ。
「うっさいわね、副々団長が影で研鑽を積んだ成果なんだから、
団長たるもの黙ってポンと受け入れる度量を持たなきゃいけないのよ!
あんたもみくるちゃんを見習って、あたしを驚かすような成果を上げて見せなさ・・・」
ググったらしいハルヒがフリーズした瞬間、古泉の携帯からダースベイダーのテーマが流れた。
・・・・・・
だれか続きのハーレムエンド頼んだ
そのみくるちゃんは、やっぱりいろいろと
鶴屋さんに仕込まれ済みなのか
俺は泣いた。
この事実を長門から説明されたとき、古泉と朝比奈さん、そして長門の前で俺は泣いた。
「桜は咲いた。その事実は消えない。
だがな、なぜ俺は死ぬんだ? 生き続けちゃだめなのか?
なんで俺が生きている、この事実だけが反故にされるんだっ!?」
「…………」
長門は何も答えてくれなかった。
「涼宮さんが、そう望んだからでは?」
古泉は笑っていた。普段と変わらない笑顔だった。
「規定事項です」
この宣告が彼女、朝比奈さん(小)の最後の勤めだったのか、肩の荷が下りたようは満足げな表情だ……。
もう、なにも考えられない。いや……。
明日。
卒業式。
なにもかも話そう。何も変わらないかもしれない。
それでもいい。
ハルヒ。
満開の桜。繚乱する花弁。暖かい日差し。そして柔らかい追い風。
旅立つには最高のシチュエーションだ。ありがとな。
何かを残してやれるわけでもない。
『すきだよ』
こんな言葉を遺すわけにもいかない。だが……。
長年連れ添った相棒のようなセリフには出番は無い。悪いな。
ああ、もう視界が消えている。
だが、そっと呟くくらいならいいだろう? もう口は無いんだろうが。
ハルヒ……。
『すきだったよ』
『すきだったよ』
「こぉんのっアホキョーンっ!!」
すさまじい衝撃に、俺は意識を喪失するどころか、逆に眩暈がするほどの現実感に引き戻された。
あれ?
「あんたっ!――あんたねぇ! 今頃になってやっと白状したと思ったら、なに? 過去形で告白すんのが流行りなわけ!?
いくら寛大なあたしだって呆れ果てすぎちゃって、拒絶の返事もでてきやしないわよフン!」
ハルヒ……? ハルヒ!
真っ赤になって背中を向けた見なれた団長の後姿が見えた。
プルプル震えている握り拳。あれで殴られたのか……大丈夫か? 手。
しかし、これはいったいどういうことだ? あれは夢じゃなかったはずだ。俺は奇跡のような桜の中で……。
そっと風が俺を撫で付けた。春の日の……桜の匂い。
窓辺で読書に励む長門。開け放たれた窓からの風。窓の外には……満開の桜。
俺は周囲を見まわした。
見なれた面々。見なれない、しかい、どこか懐かしい間取りの校舎の一室。背を向けたハルヒのうなじは桜色で、その上でポニーテールが落ち付かなげに揺れている。これは……。
ハルヒに長門、古泉と朝比奈さん。そして俺。
全員が着慣れないカジュアルなスーツに身を包んでいる。十年ちょっと遅い七五三か? いや、問題はそこじゃない。
「どうしたんです? 狐につままれたような顔をなさってますよ。
今日は大学の入学式。ここは長門さんが確保してくれたサークル用の部室です。
そして、あなたは今、我々の面前で臆面も泣く涼宮さんに愛の告白をなさった。見せ付けてくれます。正直侮っていましたよ」
いつもの笑い男が、いつものように笑いながら肩を竦めていた。
だが、俺が白昼夢を見ていたと可能性はこれで消えただろう。いくら蘊蓄王でも、いまのは明らかに説明口調だ。
「いったいどうなってる?」
「涼宮さんが、そう望んだからでは?」
古泉は笑っていた。普段と変わらない笑顔だった。
「規定事項です」
この宣告が彼女、朝比奈さん(小)の最後の勤めだったのか、肩の荷が下りたようは満足げな表情だ。
パタン。本を閉じる音が耳に入り、目を向けると長門が立ち上がってこちらに近付いてきた。
透徹した、それでも暖かみのあるブラックオパールのような瞳がほんの少しだけ細められ、おかえりなさいと囁いた気がした。
「最後の情報フレアを観測した。1分37秒前にこの世界は安定し、涼宮ハルヒはその能力の凡てを失った。
だが、あなたはここにいる。そしてわたし達も」
「キョンくんが居なくなった瞬間から時間平面が複雑に増殖・分岐していったの。
キョンくんが居る世界。居ない世界。キュンくんやピョンくんが居る世界。
でも、それらは全部収束していって、ただ一つ、キョンくん、あなたが世界に統合されたです」
「あの時、朝比奈さんが落ち付いていたのは、この結末を未来から知らされていたからではありません。
信じていたのですよ。涼宮ハルヒという奇跡を。僕達も」
世界改変。そういって構わないんだろうか。
長門の処置によって記憶を保ったままの三人。ハルヒだけはあの時俺が話した内容と、それ以降の大騒動の記憶は無いらしい。
随分と都合のいい脳みそをお持ちでうらやましい限りだ。
だが待てよ。すると俺があれほど取り乱した末に、自己陶酔に浸りながら去っていこうとしたあのシーンは徒労だったのか?
「……そうではない。あなたの最後の呟きを涼宮ハルヒは感じ取ったのだと思われる。
それが……差し込まれた鍵。わたし達はそれをまわしただけ」
そうか、苦労をかけちまったな。
「いい。それよりあなたには卒業式からの現在までの記憶がない。
この世界が持つただ一つの過去、『わたし達が過ごしてきた何事も無い日常の記憶』。
その記憶情報をあなたに伝達する必要がある」
それはマズイが、今日くらいはなんとか誤魔化してみるさ。なにしろ長門の処置といえば……さすがにココではできないだろ?
「そう……後でわたしの家に。夕食等も用意する」
……俺の記憶に無い時期に何かあったんだろうか。上目遣いの長門なんて初めて見たんだが……。『等』ってなんだ?
まぁいいさ。よろしく頼む。
長門が頷くと、駆け寄ってきたハルヒがなにかの用紙を押しつけてきた。
「あんたってフラフラして頼りないイメージだからちゃんと書面に残しとかないとねっ!
今日からSOS団大学編の始まりなんだから、ちゃっちゃと入団届に書き込む事!!」
わかったよ。このテンションなら今日はこいつに引きまわされるだけで、俺が口を滑らせる事も無さそうだ。
綻びそうになる表情を無理矢理しかめさせながら、俺は急遽用意したらしい入団届にサインを書き入れた。
…………なんで2枚目があるのかと思ってはいた。いたが……どんな理由でこんなモン持ち歩いてんだ?
「ふえぇ〜、こ、婚姻届ですかぁ……」
むぅ、朝比奈さんに先を越されたか。
ハルヒはといえば、少し離れたところで腕組みしながらチラチラとこちらを伺ってやがる。
かっ書き込むと思ってるのか!? 入学式らしいから印鑑も持ち歩いてる気がヒシヒシと……。
悪魔との契約書を前にしたファウストのように、ペン先を震わせながら自分の本名を思い出すべきか頭を悩ませていると、スーツのネクタイがグイと引かれた。
どうしたんだ長門。助けてくれるのか?
「……可及的速やかに記憶情報の伝達行う必要があると判断する。許可を」
いや後で、とは言えなかった。なにしろ口を開く前に長門に噛みつかれていたからな。唇に……。
「!!っ。ちょっと! 何やってののよフシダラキョン!!」
俺は何も。しかしハルヒの視点から見ればこれは噛みつきには見えなかったんだろうな。血相を変えて引き剥がしに来た。
長門がねばるものだから、噛まれた下唇がオィーッスになったのはご愛嬌だ。
まぁ、笑う余裕はなかったんだかな。ガツンとの衝撃とそれに伴った目の前の流星群が落ち着いた時には、ハルヒは長門を抱えて何やら説得してやがった。
「わ、悪いのはキョンだから気にしないのよ、有希。ささっ、早いトコ口をすすぎに行きましょっ!! こういう時は泥水でうがいするのが定番なのよ」
イジメか?
「……洗い流すつもりはない。一週間はこの余韻を維持する」
虫歯になるぞ?
「有希!? あいつはあたしのものなんだからそんなの……そうね、間接キスってアリなのかしら?」
……お前は何を考えてるんだ?
恐ろしい論理の飛躍だが、ハルヒならやりかねない。長門もそう考えたのか口元を両手で覆って部屋から飛び出していった。
「あっ! こら待ちなさい!」
「あぁ、待って下さい、涼宮さぁ〜ん」
その後を追って駆け出すハルヒ。そして何故か朝比奈さんまでそこに追随する。
この調子だと、改めて宣伝活動をする必要がなくなるくらい、構内に噂と騒動をばら蒔いて戻ってくるんだろうな。
SOS団大学編か。隠す必要はないだろう? ああ、楽しみさ。
窓の外には満開の桜。開け放たれた窓からの風。
窓辺に立つ古泉と目があった。なにか言いたそうだな。
「いえ、新年度最初のアレを拝聴する栄誉を賜る幸運に感謝してるところです」
なんだよ。やっぱり俺はこう締めくくる運命にあるのかね。
窓の外で繰り広げられる愛らしい追い駈けっこを眺めやりながら、こう呟くのだった。
やれやれ。
こ、これは……。
確かにアレだが、…GJ!と言わせて貰うぜ。
>229
それだと、キョンの周辺の女性が男を作るような流れじゃないかと……。
>229
ハルヒからキョンを寝取るのか、
キョンからハルヒを寝取るのか、それが問題だな。
238 :
229:2007/04/20(金) 19:43:30 ID:RiV0ibEh
>>236 キョンにNTR属性をつけると,ハルヒ視点でキョンは寝取られる人=キョンハーレムktkr・・・かと思ってたが,
NTR=好きな相手が誰かに取られる属性だったのか ( ゜Д゜)ポカーン
勘違いスマソ.保管庫には入れないようにしてくださいorz
>>211 後者はもうちょっとでもヒントがないと分からないな。
あと前者の続きに関しては、構想はあるけど続かないって作者さんが言ってた。
>>238 このうっかりさんめ( ´∀`)σ)∀`)
でも普通の人や知らない人からしてみると「それは何が楽しいの?」なジャンルだから分かり辛いよな。
>>211 もしかして……『クリティカルエラー』だったら笑うぞ?
>>283 眼鏡属性なんかとは別物と考えるべきだったな
>>239 確か
キョンが全員SOS団がいるのに妙な違和感が。みたいな感じです。
前者の続き続きはやっぱりなかったですか。サンクスです。
>>240 ちょっと見てみます。
8-479様: 『涼宮ハルヒの驚愕』
あれ?
>>244 違いますねぇ(´・ω・`)最近見た覚えがあるんですが・・
NTRはキャラクターに付属する属性じゃない。シチュエーションだ。
「俺は修羅場属性持ちなんだ」みたいな感じで使うのが正しい。修羅場属性ってあんまり言わないが。
しかし、
>NTR=好きな相手が誰かに取られる属性
ってのも悪くないな‥‥‥AYAKASHIのエイムみたいな感じか。
>>245 ばっ! おまっ! 消されるぞっ!!
というのはおいといて、その時期の長門はハイテンションユッキーなのか
で、
>>12の解答編まだぁ? まさか、「いんでゃごりゃあ!! 」?
何でここはいつも殺伐としているんだよ…
最近は殺伐としてなくね?
定期的に言うけど、
どのへんが殺伐としてるんだろうか?
このスレは基本的にギスギスとしているからな。
ユキちゃんと宮野の会話程度には。
>>251 荒らしたいのかも知れない。一時期なんかどーでもいいことでもすぐ荒れてたし。
なるほど、そうかも。
正直職場がキビシイ先輩が多いので、これくらいでも充分、和気あいあいしてるように感じるんだよな。
いやいや。
どうせまた驚愕発売の時は荒れるだろう。ネタバレのことで。
分裂の時に、「驚愕発売まで2ヶ月間解禁するな」とかすげぇこと言ってた人いたし。
ああいう人がいる以上、驚愕発売の時には荒れるのは必至。
ただの荒らしなのかもしれないが、真性ならどうしようもない。
>>254 ここじゃないが、2ちゃんなんだから出版から手に入った時点でネタバレOKと言ってる人もいたしな。
世界から戦争がなくならないわけだよ。
戦争のない世の中のほうが気持ち悪いし、
いきなり2行目に飛躍するお前の思考はもっと気持ち悪い
>>257 極右と極左、原理主義と原理主義、情報統合思念体と天蓋領域みたいな話だってことさ。
相手をアホだと決めつけて理解するのをハナから諦めてる。
少年よ
何を思いわざわざそんなくっだんねえことに噛み付くのか
さっそく殺伐とした雰囲気にしようとしてるのかも知れん。
実はノリノリとか。
「イエーイ! ダーリン最高じゃん!?」
実は俺、陸上競技用のユニフォーム萌えなんだ
要約すると、「このスレの住人は全員キモかわいい」ということでFA?
>>211 「違和感を感じる」を検索すると、16件あたる。
流石にそれじゃあ見当がつかないわ。
>>261 そうか……。俺は競泳水着萌えなんだ……。
お前とは、萌えるコスが同じなら、良い友になれただろうに……ッ!!
「違和感を感じる」ってなんかおかしくね?
感感俺俺みたいな
違和感がある。
それだけで良いですね。
「違和感を覚える」だな。ガはなるべく使いたくないし。
「違和感が感じる」
「違和感で覚えるエンサイクロペディア涼宮ハルヒ―憂鬱編―」
>>263 本当にすまない。もう忘れることにします。
この歳でこの記憶力の悪さはヤバイかも試練な。
後はキョンの消失とかか。
違和感と言っていいのか疑問だが。
>>11 「行き先がわからないことには車の回しようがありません。どちらに向かえばいいのでしょうか」
「閉鎖空間よ」
メンバー全員の表情、特に古泉を含めた超能力者の表情が著しく変化します。
「現在、閉鎖空間の発生は確認されていませんが……それ以前につい先ほど収束したばかりです。新川さん
の運転する車で閉鎖空間に出向き、僕は神人を退治してきたのですから。それ は同行していた新川さんが
証明してくれます」
「ここ最近ずいぶん盛んだもの、きっとすぐに発生するわ。あまり気分のいいことじゃないけれどね。もしかする
と今この瞬間にもね」
ふむ、と古泉は頷きますがまだ疑念はくすぶっているようです。
「携帯電話を閉鎖空間に置き忘れたと考えられているようですが、何故そう言いきれるのでしょうか。僕は
今日携帯電話を使用した覚えはありませんし、そもそもあそこには電波が届きませ んからもっていく必要もあ
りません。それは森さんもご存知のはずです」
「だから厄介なのよ。でも十中八九の確率で間違いないわね。確信というというよりそれ以外の可能性が残
っ
ていないのかしら。古泉の行動を信用するなら、少なくとも学校や通学路に落 としているみたいな偶然に頼
った可能性より断然高いわね」
「しかし今日一日の行動の中にヒントや材料があったのですか」
「もちろんよ」
「森さんが知っているのと全く同じ情報を、僕もすべて聞いているのですか? あれだけの中に推理するすべ
ての材料と、あの少なくとも半径数キロに及ぶ閉鎖空間のどこで落としたかまで特 定されているのですか」
「そういうこと、しかも古泉は皆よりも一つ多く得ているわよ。ジーンズの件よ」
周囲がざわつきます。
「この二つにつながりがあるとでも?」
「その通り、大きな手がかりになっているわよ」
「解けない問題集にとっかかっていると横にもう一冊ですか。僕にはどう考えても謎の片鱗さえつかめないの
ですが」
「二つで一冊だととらえていいわよ。この問題は互いの両端が絡みついているからね。ジーンズの件があっ
たからこのミステリーは生じているのよ」
「本部に帰還すれば隠しておきたい秘密が露見していて、突発推理大会が開催される。森さんが笑顔だった
と知らされればゲームで恥をかいて、携帯電話を紛失していると気付けば再び 閉鎖空間へと赴く。せわしな
いですね。大きな謎の餌食となっている気分ですよ」
やれやれと古泉が言いました。
「私はロビーで待機しております。発車準備を完了させておきますので閉鎖空間の発生を確認次第ご乗車
ください」
一礼して新川が出て行きます。
私は仕事に戻りながらメンバーに伝えます。
「私と古泉が帰ってくるまでが制限時間。その暁には全部の証拠を持ち帰ってきてあげる」
閉鎖空間発生の報告はその日の夕方近くにやってきました。機関本部から数十キロはなれた市街地を中
心に発生したため、一旦本部に集合する案は却下され、能力者が活動に従 事していた場所からめいめいの
方法で閉鎖空間へと赴くことになりました。
私と古泉は新川の運転するタクシーで向かいます。車中、古泉は鞄から取り出したピンク色の冊子を膝の上
に広げていました。ト書きの文章が写植されて、所々に蛍光マーカーでライン がひかれています。台詞直しが
幾度となく行われ、隅っこにはデフォルメされたキャラクターが落書きされています。映画の台本ですか。
「ようやくクランクアップしたんです。監督から前回を大幅に上回る演技を要求されていたものですから、ずいぶ
ん入念にチェックをしていたんです。そうしないと本番のとき頭の中が真っ白にな ってしまうんです」
「撮影は終わったんでしょう、じゃあどうして」
「時間を無駄にしてはいけないと閉鎖空間に向かう途中もよく目を通していたんです。涼宮さんの意向で特定
のシーンを撮りなおすこともしょっちゅうでしたから。もしやまた、なんてね。つい広 げてしまいました」
「入れ込んでいたのね、ずいぶん」
前作はチープさ加減も加わってほとんど理解不能でしたが、見る側と撮る側は違うのでしょう。古泉は妙に満
足げでした。
「映画撮影に限らずSOS団の活動は楽しいですから、自然と熱もこもるんですよ」
「機関員の前でよく言うわね、もっと嘘を覚えなさい」
「取り繕ってもきっと、『上には黙っておくから本当のことを言いなさい』なんて詰問されそうでしたので」
「否定はしないけれどね」
困ったものですと古泉は言います。
「森さんは機関とメンバーのことをどう思っていますか。四年前から自分を拘束している機関での暮らしを後悔
していませんか」
古泉は冊子を閉じて表紙を撫でながら呟きます。背表紙にはSOS団員の名前と役割が印刷されていまし
た。副団長である古泉は上から二番目に記されています。
「……かけがえのない一生ものの友人かしら。人生に影を落とすような辛いこともあったけれど逃げ出せるもの
じゃないし、もうすっかり染まってしまったわ。楽しいこともあったから自分を不幸だ なんて言えないわ」
今日の休憩室の光景などを見ていれば、本当に心からそう思います。
「仲違してしまい、永遠にそれっきりの友人だって世の中には沢山います」
「ひどい前提ね」
「切っても切れない関係は存在しうるのか。赤い糸に喩えられるような絶対的な縁は存在しうるのか。僕は
永遠なんてものを信用していません。新川はどうお考えですか」
新川が言います。
「家族でしょうか。いえ、志や生死さえも共にする者と四年間一緒に過ごして家族以上の絆が生れたのかもし
れません。離れていてもどこかで繋がっているような縁です。今はもう息子や孫 同然の目に入れても痛くない
者ばかりです」
最初はいささかまとまりにかける集団でしたが、と苦笑して付け加えます。
「連日メンバー同士でいさかいが起こる、パトロン探しに難航して財政難に陥る、上部と現場で意見が対立す
る……創立したての頃から目的こそハッキリしていましたが、組織として機能す るには手探りから始めなけれ
ばなりませんでした。今ではどれも必要な通過儀式だったと思えますが、当時はずいぶん手を焼いたものです。
激昂してぶつかり合うメンバーに死線で背中を任 せられるでしょうか。偶然を装って背中からブスリと、なんて
想像もしました。
寝つきのいい日など数えるほどしかありませんでしたね。やっていけるはずないと。ぶつかるうちにいつかし
ら結束が 生れましたが、あのまま歯車が噛み合わなかったら世界のバランスはとっくに傾いていたのでは、
と思います。
いつぞや、SOS団の皆様が孤島で合宿を行ったことがありましたな。あの時我々は偽殺人事件の一環とし
て芝居をうったわけですが、言い争いの場面などはどうも不安に駆られたもので す。そうです、「本当に演技
でここまでやれるものだろうか。ひょっとして、昔を思い出して知らず知らずのうちに本気でなじりあっているの
では」と思っていました。あの程度は日常茶飯事でした からな。もちろんそんなことはありませんでしたが、あ
の二人にも相容れない時期がありました」
休憩室で見た圭一と裕の姿。wiiのコントローラを使って古泉を茶化す姿は仮初のものではありません。しか
しそれは深い溝を長い時間かけて埋めたからこそ今の姿があるのです。
古泉は冊子に眼を落としたまま黙っています。
「機関も設立から四年。あと数ヶ月すれば五年目に突入でしょうか、早いものです」
窓の外にはもう夕闇が迫っていました。
駅前のロータリーで降ろされて数分歩きます。オフィス街の中心より少し外れた場所の横断歩道につくと、
古泉が目で合図してきます。仕事帰りの人々が立ち寄る繁華街と繁華街をつ なぐ通りが閉鎖空間と現
実の境です。
どうぞ、と言う古泉の手にひかれながら信号をわたると色彩に乏しい無人の空間でした。喧騒は立ち消
えて、世界が静寂につつまれます。色を失った だけで印象は一変して寒々しいものへと変わり、セピアのよう
に郷愁を誘うことはなく、青と灰に塗りこめられた空虚な空間。創造主の想いがそこかしこに満ち溢れているよ
うでした。
見晴らしのいい場所を確保するためにビルに入って屋上を目指します。閉鎖空間に出現することまではわか
っても、いつ何時どの地点に神人が発生するかまでは、つまり涼宮さんのスト レスが最高潮に達するかまで
は予測できません。不測の事態に備えるためです。数キロ先に現れるやも知れない神人の早期発見のため、
地上にいれば逃げ場もないほど落下してくるガラ ス片に対処するため、こういった手段がとられています。
懐中電灯で前方を照らしながら非常階段を使ってひたすら昇ります。私と古泉の足音が暗い響きをもって
通路に入り乱れます。いくらかすれば踊り場の窓から見える車がミニチュア模型 と大差ないほどのサイズにな
りました。
後ろをついてくる古泉は、私に話しかける風でもなく、かと言って自分自身に言い聞かせる風でもなく、ただ
淡々と事実を述べるように口を動かします。
「朝比奈さんは自分達の信じる未来のため指令に従って動く。長門さんは涼宮さんの起こす情報フレアの観
測のため、情報統合思念体の考えの元に動く。僕は機関のためです。涼宮さ んは何も知らされていない。
実質身軽なのは彼くらいですか。でも彼だってこのパワーゲームを覆す力を持っているわけではない。強いて
言えばドローに持ち込むための権利くらいですか、それさえも不確実なカードですが。我々とは違った意味で
縛られています。
この一年間、SOS団の進行方向が足並みも含めて一緒だったというのはもしかして奇跡かもしれません。
均衡は何をきっかけに揺り動かされ崩壊するかわかりません。あまりに脆いものだということは承知していま
す、互いの情によってあの部室は何とか成り立っているのですから。全く抜き差しならない関係ですよね。で
すが放課後に部室でゲーム片手にガヤガヤ過ごす時間は本当に楽しいものです。ついつい、どうせならもう
少しこのままでなんてね」
「ふん……」
「そんな人たちと裏をかかないでやっていける方法はないか。はまり込んでいくほどに壮大なばかしあいの一
部分だと思えてくるけれど、楽しいと感じている僕の感情は本物です。穏やかな気 持ちでくつろいでいる自分
がいます。
わかっているのに抜け出せない。もし団員から『お願い』をされた時、私情を挟むことなく世界にとって最善
の策を選ぶことができるのか。僕は確かめる術 を持ちません。このままミイラ取りがミイラになりそうです」
階段を昇って屋上に出れば周囲を取り囲むようにぐるりとプランターが置かれています。憩いのためのベンチ
とパラソルが数組、動物を模した子供用の乗り物、中央には小さなショーを行う ためのステージが設置され
ています。前後左右に遮蔽物はなく高さも十分、視界は開け良好でした。
まだ神人は出現していません。この機に、私は休憩室卓上のキャンディーボックスから拝借してきた飴玉を
数粒、古泉の制服ポケット、それもズボンのポケットに押し込みます。
「どうしたんですか、急に」
そわそわと落ち着かない様子でした。取り出そうとするので制します。
「飴を二三個入れただけよ。取り出しちゃ駄目。もちろん食べても駄目。ちょっと検証につきあってもらうわ」
古泉はポケットを叩いて感触を確かめました。
「いやはや実験体ですか」
物欲しそうにしているので仕方なくもう一粒だけ手渡します。ベンチに腰かけて飴玉の封を切る古泉の隣に
座ります。
飴をなめながらどこからか吹いてくる風になぶられていると、ぽう、と遠くに光の柱が見えました。古泉も気付
いたようです。
ビルとビルの谷間に現れたそれは次第に人の形をとりながら立ち 上がります。頭部と首に区別がなく唇とも
鼻ともつかない器官を顔に備えています。上半身がやけに発達し指の先は地面に届こうかというほど長いが、
足はまがり一歩ずつ踏みしめながら 移動し、服をまとわず、体の内側は満天の星空を思わせるほど煌いて
いる。
何よりも空を我が物にせんばかりの巨躯はひとつの大陸を想像させるほどでした。
神人は標的を目の前のビルへと定めると思いっきり手を引き絞りました。ぐらりと体が傾いだかと思うと、雷
のような凄まじい轟音がして土砂煙が巻き起こります。手を無造作に振り回した だけの一撃がビルを半分削
って、残りをあっけなく倒壊させます。
以前撮影された映像で見た神人は、粉塵の奥でめったやたらと手足を振り回していました。倒壊した数十階
建てのビルを持ち上げていとも容易く放り投げる姿は、忘れられるものではあ りません。こうしていても鈍重で
すが空気を震わせるようなすさまじい動きをして見せます。空気に澱みが増した気がして目を細めます。
「では行ってきます」
手早くかたづけます、そう言いたげでした。古泉の体が舞い上がると火花が散って赤い光に包まれます。飛
び立ったかと思えば、古泉はもう神人のそばまでやってきていました。やってきた 蚊を追い払うような手を避
けて輪切りにします。一人の能力者が神人の気を引いている隙に古泉が突撃し、たじろいた隙に一斉突撃す
るとすでに厄介な両腕は切り離されていました。 切り取られ宙に浮かんだ神人の肉片が霧になって解けてい
きます。赤い球を見やるだけの木偶がいなくなるまでものの数分でした。手際の良さに感心しているとひゅ
ん、と戻ってきます。
古泉はため息を一つついて肩を回します。
「お疲れ様、さてポケットを見せなさい」
不審気でしたが表情はすぐに一転します。
「……不思議なものですね」
古泉のポケットからは飴玉が一つ残らずなくなっていました。私に仕組まれた行動をとってみると、神人を退
治している間にポケットから飴玉が消え去った。古泉にとっては不可解な出来 事でしょうが――失う飴の個数
はともかく――私には予想のついた出来事でした。ああ、やはりと私は得心します。マジックを解き明かそうと
する少年の様に古泉が寄って来ます。
「どういったトリックでしょうか」
「何もしていないわ。予想が証明されただけよ。ホッとしたわ、つまりそういうことよ」
「一人で納得しないでください。説明していただけますか」
「さぁ、今度は携帯電話を探しに行きましょうか。この前に神人が出現したのはどのあたりなの?」
「質問に答えてくださいっ」
「ほら歩きなさい、私は知らないのよ」
「もうっ。北高です。それもグラウンド周辺に出現しました」
ビルを降りて線路に沿って歩いてから、丘の上を目指して坂を上ります。始終古泉はぶつぶつ言っているよ
うでした。
古泉の携帯電話は予想通り北高グラウンドに落ちていました。二手に分かれて探していると、ピッチャーマ
ウンド付近を捜していた古泉から「信じられません」と声があがったのです。近寄っ てみれば、端の部分が割
れてメッキがはがれているものの携帯電話は液晶部分とデータは無事でした。古泉はますます食いついて
きました。
「どうか種明かしをしてください。好奇心をもう押さえつけられそうにありません」
「二度手間は面倒だからメンバーの前で披露する時でいいじゃない。また私に教えてもらうつもり?」
「もっと時間があれば考えるのですけど、今は早く知りたいんです。そこをどうにか」
「考えている格好だけじゃない。だらしない。それよりも気になることがあるわ」
後ろから子犬みたいについてきた古泉と向き合います。睨み付けると距離をとって本気なのだと伝えます。
「古泉、ビルでの発言を忘れていないでしょうね。SOS団と機関の使命で揺れているなんて言いたかったので
しょうけれど。
私の質問に包み隠さず答えなさい。あなたは自分がSOS団に欠 かせない存在と成り得た、そう確信したか
らあんなことを言ったのでしょう。一年が過ぎて団員として団の一角を占めることに成功したと判断したから、わ
ざわざ私に聞かせたんじゃないの。そう でなければそれとなく匂わせたとしても他のメンバーの前で漏らすなんて
軽率な真似はしないはずよ。どう、図星でしょう」
古泉は足を止めて直立しました。次から次へと濁流のように押し寄せる感情を言葉にして浴びせかけます。
「わかりません」
「今後は下手を打つようなことがあっても、謀反の可能性を理由に切り捨てられないだろうと考えた。損得勘定
をすれば機関としてもあなたをSOS団に通わせるべき。間近で得られる情 報は何より代えがたいものだから
ね。去年の春頃ならいざ知らず、今あなたがいなくなったら涼宮さんの精神はどうなるか。必死の捜索が行わ
れるでしょう。
仮にどこかの組織の手によって拉 致監禁されたとしても、涼宮さんが不安に思い願った結果あなたはいつ
のまにか元の場所に無事開放されていたりするかもしれない」
「それもわかりません」
「あなたの行動はSOS団員としてのそれよ。機関員じゃなくてね。どういった心づもりなの」
「……確かにそうでしょう」
心情を吐露しただけの古泉に、どうして私はこんなことを言わなければならないのか。閉鎖空間の拡大を防
ぎ涼宮さんの行動を監視するための機関に所属している、という同僚よりも もっと大きな私たちを結ぶ絆。
それだけの理由によるものです。もしかしたらたった今私たちの間には決定的な、修復不可能な亀裂ができ
たかもしれません。これからまだまだ広がっていくだ けの溝が私たちの袂を分けたなら、遅かれ早かれいずれそう
なる運命にあったのでしょう。
とっくに古泉の気持ちは離れていた、踏ん切りをつけられないだけだったのかも、といじけた内省の声に踊らさ
れるままで私は抗いもしませんでした。
「帰ってからじっくり聞かせてもらうから覚悟を決めておきなさい。吊るし上げるつもりはないけれど今日は見逃
せない発言ばかりだったわ。許して頂戴」
「話を聞いてください」 違うと主張したいのでしょう。
古泉がついと一歩踏み出して地面の水溜りを跳ねたのです。しかししぶきが起こらずぬかるみに突っ込んだ
ように足をとられたので、傍目にも変だなと理解した瞬間、爆発的な勢いで水 溜りが隆起しました。
地面から次々と光が染み出して、やがてひとつの柱になります。膨張を続ける光はどこまでも空間を侵食し
続けて、天の月に届くほどとなってようやく全貌を現しました。間近で見れば見 上げることもかなわないほどの
巨躯が青白くてらてら光っています。
わずかに動いただけで私たちはその足の下敷きとなってしまいそうでした。
足首を絡めとられて逆立ちのまま古泉は持ち上げられます。暗闇の奥でうごめく器官と視線が交差して、嫌
悪感に駆られた古泉は脱出しようともがきました。神人とすればこそばゆくて 身震いした程度だったのでし
ょう。
しかしそれなりの背があるといえ神人の大きさとは比べ物にならない古泉は街路樹の頂ほどの高さから
放り出されたました。古泉は、どうにかバランスをとって体勢を変えますが変身する間もありません。私が危
ないと思って手をのばすよりも先に、背中から地面へと叩きつけられていました。体がバウンドして鈍い音が連
続で響きます。神人は 知らん顔で揺れていました。
ひっ、と咽喉元まで競りあがった悲鳴を殺して駆け寄って見ると、古泉はうずくまって苦悶の表情で痛みを
耐えています。もしもっと勢いをつけて放り出されていたなら、無事ではいられなか ったでしょう。出血はない
ようですが、傷口を確かめるために触れるだけで体を丸めてから逃れようとします。
私は古泉の体を強引に担ぐとその場を離れます。背中のすぐそばで聞こえる泣き声に似たうめきが耐えられ
ず、一刻も早くその場を逃れようとしました。障害物の見当たらないグラウンドに 現れたことは私たちにとって
幸運だったのでしょう。当り散らす獲物を見つけられない神人はのたのたと――しかしほんの数歩で――校舎
に向かいます。とにかくこの学校から脱出しなければ。
大丈夫、きっとすぐに支援の能力者がやってくると自分を奮い立たせました。
痛みを我慢できず私を引っ掻く古泉に苦労しながらグラウンドを駆け抜けます。校舎を叩き潰すたびに伝わ
る地震に腐心しながらも、どうにかもう少しで校門を潜り抜けられるところでし た。
灰色の陽光の下にいた私たちにふと影がさしたのです。より一層退廃に近づいた空間を奇怪に思い振り返
って見ると、千切られた旧校舎がグラウンドに叩きつけられ地表がめくれあがった瞬間でした。影の正体に驚
くよりも早く耳をつんざくような衝撃音と衝撃に吹き飛ばされ、古泉共々地面に這い蹲ります。転がった体に爆
風が覆いかぶさり、耳鳴りが止まず吐き気を催 しました。
ゴミ同然に吹き飛ばされたガラス片や椅子がここまで飛び散ってきました。砂塵が消えやらないうちに第二
波第三波がやってきて、安全な場所など世界のどこにもないようでした。
運動場は深くえぐられ、付近の建物は根こそぎ破壊されました。身を縮こめ、どうにか脱出のチャンスをうか
がう私に立ち上がった古泉が言います。
「少し落ち着きました。ありがとうございます、そして申し訳ありません」
私の首筋の引っ掻き傷を見て言います。
粉塵の奥では数体の神人たちが破壊の対象を探していました。
「じっとしていなさい。こんな傷よりも、叩きつけられたあなたの方がひどいんだから」
「同志が戦っているのです。どうして僕一人が逃げ出すことができるでしょう」
ようやくやって来た能力者も、粉塵に隠れた神人に狙いを定められないようでただ旋廻を繰り返すばかりで
した。飛んでくる破片を避けるだけで精一杯。いつもと同じ相手なのに近寄るこ とすらままならない。古泉は落
ち着いたと言っているものの、脂汗が浮かべてどうにか片膝立ちの体勢を維持しているだけです。
何度も咳き込み、つついただけで倒れてしまいそうなのに虚勢 を張って神人を黙視します。
「フラフラの癖につよがるんじゃないの。怪我人が飛び込んでも迷惑なだけよ」
「行きます。火花に巻き込まれては危ないから離れてください」
「無理をしてどうするの、死んだら元も子もないわよ」
「覚悟の上です」
この地域をあらかた壊し終えたのか神人は学校を抜け出そうとしていました。
どうしてこう聞き訳がないのでしょう。古泉を止められるのなら、と目一杯肺に空気を送り込んで、私は言っ
てみせます。
「あなたが今さら機関のために命を捨てて何になるの!」
「違います!」
古泉が吠えて携帯電話を掲げます。
待ち受けに設定された、新川、圭一、裕、私、メンバー、そして古泉の集合写真。結成時のものでした。
「機関が僕を変えてくれたんです! ある日突然、自分は命がけで世界を救うために戦わなければらないと知
って、部屋の隅で震えていただけの自分と決別させてくれました。要請に応じず怯えて逃げ出した僕を何度で
も迎え入れてくれました。中学生になったばかりの子供まで戦わせるのは忍びない、この子だけは日常に帰し
てあげてもいいんじゃないかとさえ。飛び回るだけの僕を 必死でフォローしてくれました。
計り知れない恩恵です。誰だって恐怖から逃げ出したかったでしょう、甘ったれていた僕には一生分の借りが
あるんです。
だから今、逃げません」
古泉が光に包まれます。火花は古泉の体力そのもののようで弱く散っただけでした。
復活した古泉のおかげでしょうか、ようやく一体撃破したものの次々に神人は現れます。能力者はその度飛
んで行きます。
私は立ち上がって頬の汚れをぬぐい、戦いを見ていました。神人があちこちに現れるたびに方向を変えます。
しばらくすると一つの赤い球がふらふらとビルの陰に消えていきました。私は我慢できずに迷惑を承知でそ
の地点へと向かいます。目測だけでその場所をどうにか探し当てる頃になっても戦 いは続いていました。
道路に倒れこんでいた古泉はもう立ち上がることもできません。変身も解け、倒れ伏したままひゅうひゅうと
浅い呼吸を繰り返していました。
――お願いだからもう出てこないで。
無常にもすぐそこのビルの向こう隣で光の柱が立ちました。次の神人が生れた証でしょう。底無しに増殖す
る神人に抗う術を持たず、古泉を庇うようにしたままただ震えるだけ。どうしよう、 古泉だけ置いて逃げるわけ
にはいきません。他の能力者の限界も近いでしょう、万策尽きたのかと思いました。
しかしいつまでたっても破壊活動の音が聞こえてきません。微生物さえ存在しない閉鎖空間で聞こえてくる
音といえば、神人のもたらす轟音だけです。静けさが破れないことを不思議に 思い恐る恐る眼を開けてみれ
ば、巨人は微動だにせず廃墟の中で遠くを見据えてただ立ち尽くしています。
どういったつもりなの、涼宮さん。
先ほどまでの世界を破壊しつくさんと暴れまわる神人と何ら変わりない姿なのに 、魂を抜き取られたように
棒立ちでいます。最初の一体からどれだけの時間が過ぎたのか、増殖もようやく止まったようでした
能力者によって神人は総べて撃破され、ようやく私たちは現実空間へと帰還しました。
支援?
結局神人の行動は涼宮さんの精神状態の変化と判断されましたが、これといった証拠は挙がっていません。
幾度も会議が紛糾した結果、以前と変わりなく油断することのないよう対処 するようにと通告がありました。
体を強く打ったものの古泉の体に異常はありません。日常生活に支障が出ることもなく、週に二回の通院治
療が義務付けられ、痛み止めが処方されるとしばらくは運動そのものをを控 えるよう言いつけられました。
翌日、気分転換に散歩したいのですが、という古泉に連れられて外に出ました。あからさまな嘘だとわかり
ながらもついていきます。
睡眠不足なのか慢性的な疲労なのか、古泉は眠たげに眼をこすります。しかし恒例行事の市内探索を休む
つもりはないようです。
ここしばらく忙しく、団活動にもほとんど参加していなか ったですから。昨日も部室に顔を見せただけだと言
っていましたね。
疑問が一つ。出かけようとする古泉がはいているのは、謎の転校生というイメージのため出番を失ったボロ
ボロのジーンズでした。普段身につけている清潔そうなシャツやスラックスとは正反 対の薄汚れた衣装で
す。上着もそれにマッチしたものを選んでいるので見ず知らずの素行不良者みたいですが、間違いなく古泉一
樹本人でした。
「涼宮さんの機嫌を損ねるような服装はつつしみなさい。自分の立場がわかっているの」
「謎の転校生キャラもいいかげんマンネリで新鮮味が薄れてきていると思います。一年経って、新入生も訪れ
る春の季節ならなおさら。ここは打開策としてアウトローな部分を垣間垣間で 見せていく、なんてどうでしょう。
肩を怒らせて町を徘徊すれば、昨日までの僕を知る人はビックリすること請け合いです。電車でご老人に
席を譲らない現代の若者像もいいですね。どうです、涼宮さんの好きそうな秘密の匂いがするでしょう」
「ずいぶんなキャラ設定ね、もしかして地?」
「さあどうでしょう」 心底楽しくて仕方ないと笑います。
「人を煙に巻いて楽しむのが本当に好きなのね」
「それに今、涼宮さんの関心は僕たちには向けられていません。想い人である彼の、いわゆる元カノ――本人
はきっぱり否定していましたけれど――が現れてからというものの団活動に没頭して いるようでその実、元カ
ノのことで頭が一杯なんじゃないでしょうか。活動計画は立てたものの団員への指示も忘れてぼうっとしてい
ることがあるほど。気になって仕方がないのでしょう。
僕は閉鎖空間の一件もそこがキーポイントなんじゃないかと思います」
早速観察対象となった少女。報告写真の中で彼女はやんわりとしていながらも不敵に笑っていました。
「古泉の服装なんて優先順位からいえば圏外ってことね」
「それはそれで寂しいものですけれどね。まぁ馴れたものです」
白い粉がぱっと舞い上がったようでした。花びらが散って風に運ばれていきます。植えられた桜はすでに半
分葉桜となっていました。もったいない。機関員は休みをとって花見をする暇もな いのです。
「ジーンズくたびれているわね」
「ええ」
古泉がポケットをつまんで裏返すとぽっかり穴が開いています。特に右の穴は拳ほどの大きさとなっていま
す。何も入りそうにありません。尻のポケットも大差ないそうです。
「てっきり所持品だとばかり思っていたわ。でも違った。環境じゃなくて問題はあなた自身だったのね」
「森さんに指摘されたときは驚いたんですから」 肩をすくめます。
「ポケットが使いものにならないだなんてよく気付いたわ。自分を褒めたいくらいよ」
「癖が抜けきらないんですよ。愛用していたものですから生活リズムまでこのジーンズに合わせるようになって。
体がついていかず、役に立たないポケットへ誤って手を入れてしまいそうで。服を変えても毎回びくりと震えて
いただなんてみっともないことこの上ない」
「だからコントローラを飛ばした時に閃いたのよ、ああコレも無意識なのかなって。古泉がどうしようもなく無意
識にならざるを得ない場所ってどこだろうって。辿っていったら見事的中していたわ 。でも閉鎖空間で飴を
突っ込ませてようやく確信がもてたのよ。
今だからいうけれど休憩室の時なんて賭け同然だった。あれだけ啖呵を切ったから間違えていた日には生
き恥だったわ」
「森さんが半分私のせいといったのもそのためですか。意識にのぼっていなければ落とす事もなかった。しか
し、電話が無事でよかったですよ。下手すると高度何百メートルから落としていたんですから、全壊は免れな
かったでしょう。実にラッキーでした。
四年分と一年分の動画やら写真が無駄になってしまうところだったんですから、日頃の行いがよいおかげか、
はたまた神様がどこかで見ていてくれたのか。
閉鎖空間 で過ごした時間は僕の方がずっと長いのに、森さんから知らされるとはちょっとショックですよ」
「ここでも涼宮さんの登場ね」
一年分のところで嫌でも気付かされます。そう、問い詰めてやろうと思っていたのですが、古泉が怪我をして
帰ってきたためお流れとなっていたのですね。
「今度は私たちが聞かせてもらおうかしら、機関とメンバーのことをどう思っているの」
怪我をしているからメンバーの前で晒すのだけは勘弁してあげるわ、とおまけします。古泉はややあって
口を開きました。
「僕は以前、一度だけ機関を裏切ってでもあなたたちの味方をする、と言いました」
「どうして」 地面がぐらついたような感覚。少なからず私はショックを受けました。
「ただそれだけです。僕がSOS団で築いた信頼関係そのものがこの一言にこめられています」
「この薄情者」
古泉のそばによってシャツの端をつまみました。涼宮さんのそばにいるあなたの行動によって機関員皆が
生死を分かつかもしれないのに。シャツを強くつまみなおしてから言いました。
「一度だけ。絶対に一度だけにするって、私に誓いなさい」
支援
支援
「僕は――」
「今ここで約束しなさい」
「ええと……」
「できないの?」
シャツをつかんで引き寄せ、すがりつきたい気持ちをどうにかしてこらえます。醜い情で気をひいてはいけな
いのです。本心から機関に帰りたいと古泉が思っていなければ何の意味もないので すから。古泉は低く「あぁ」と
肯定にも否定にもとれる返事をしました。それがどうしようもなく悔しくて、力を込めて古泉を突き放します。
驚いた顔に、
「帰ってきたらジーンズを私のところに持って来なさい。縫ってあげるわ。不便でしょう」
私なりに、いってらっしゃいの意味を込めて送り出します。しかしぴしゃりと。
「遠慮しておきます」
当然不満な私ににべもなく言います。
「このジーンズは破れているからいいんですよ。縫ってしまうと価値がなくなっちゃうんです。だってそうでしょう、
機関でのありのままの思い出が詰まっているんですから。綺麗に縫ってしまえばいつ しかこのポケットが破れ
ていたことさえ忘れちゃいます。余計なものがここを占領したら寂しいじゃないですか。
さて、余計な出費をするわけにもいきませんので、この辺りで」
言ってから古泉は、迷いを吹っ切るように元気よく歩き出しました。
おしまい。コレがバイさるってやつですか。最後の最後で思わぬロストバージン(えー)。では失礼
誰か飴と携帯が落ちた理由を解説頼む
ウホッ以外の古泉は珍しいが、この古泉はいい物だなあ………
この古泉はほんとに男だぜ。
いや、問題はソコではない。
視聴者の皆さんはお気付きだろうか? 文章内に不自然な半角スペースが含まれている事に。
長くなるのでどの部分からの抜粋かは省略させていただくが、半角スペースの前後の文字を組替えて並べてみよう。
前編に含まれている文字とその配置変換は
『ブギーポップは笑わない』「ぎいわー笑っぷはぽなぶ。」
『ラブロマンスは微睡まない』「らどぶろ巣はま内ろ満ま、」
そして後半に含まれている文字とその配置変換が以下の通りである。
『涼宮ハルヒは殺さない』「涼宮さ春なろこい火は」
これは、消失以降の時系列において、涼宮ハルヒは『死刑だからねっ!』といった類の言動を控えている事を示唆しているのだ。
それもそのはず。彼女は一度親密な関係にある異性が昏睡状態に見まわれた事があったからである。
だが、それから三日後……そこには元気に目を覚ましたキョンくんの姿が。
「いやぁ、あの時はどうなる事かと思ったが、ハルヒが看病してくれて助かったよ(※映像は本人の姿です)」
「馬鹿キョン! でも、そうね! あれから殺すとか死とかは口に出来なくなったわっ(※映像は本人の姿です)」
この二人にはいつまでもツンデレしたいただきたい。
それにしても、この森園生、実にノリノリである。
キョンの消失でもないです。
もしかしたら他所で見たのと記憶がごっちゃになってるのかも。
「名誉顧問っていう肩書も意外と疲れるわねー。これで楽できちゃうと思ったのに。
ずーっと昔、名誉顧問を鶴屋さんに押しつけちゃったけど、悪いことしちゃったかしら。
あんた覚えてる? 旧SOS団のこと」
「当たり前だ。脳がβアミロイドだらけになったとしてもあの頃だけは記憶に残ってそうだぜ」
「SOS団の精神と野望を世界に示そうって作った会社が、こんなに大きくなっちゃって。
面倒くさいこともいっぱいだったけど、今までやってこれたのって、ああいう時代があったからこそよ。
それに、あたしとあんたも。ちゃんと覚えてんでしょーね? 卒業式のときしたプロポーズの三箇条。
絶対泣かさない、絶対浮気しない、絶対目の前からいなくならない。
あたしはあんたを泣かせてないし、浮気だってもちろんないし、いなくなったこともないわ。
当然、あんたもよね?」
「まあな。泣かせたことはそこそこある気するが、いなくなっちゃいねえし、浮気だっ……て、したことは――、
ぐぇっ!? 今更言うのも何だが、いきなりネクタイ引っ張るのだけはやめろ!」
「何、今のタイムラグは? もしかしてあんた、浮気したことあるの!?
あんたの面倒見られるのはあたししかいないと思って、あんただけに操立ててきたってのに!
さあ話してみなさい! いつどこで、相手はどんな女? 今でも続いてんの?
内容によっちゃ、あんたを殺してあたしは世界を滅ぼすわよ!」
「お前の場合冗談にならないから困る。
わかったよ。いつかは話そうと思ってたんだ。ネクタイ放してしっかり座れ。
最初に会社立ち上げて、さあこれからってときお前、体調悪くて病院行ったろ?
黙ってたが、実はお前、急性白血病だったんだよ。M3ナントカの。
俺はお前を失いたくなくて、長門に頼み込んだ。あー、その……長門は、画期的な治療法を知ってたんだ。
だがその見返りに、長門は俺と一晩寝ることを要求して……」
「……それで、そうですかってやっちゃったわけ? 有希と」
「悩んださ。でもいつ大出血してもおかしくないから覚悟してくれなんて医者に言われちゃな。それに、長門から
面と向かって頼まれちゃ、とても拒めなかった」
「むー……………。
……そっか。そういうことなら許したげるわ。有希にはあたしも負い目あるもの。いろいろ。
あんたと有希に生き長えらせてもらったおかげで、今あんたとこうしていられるんだから。
だけど、有希とはその1回きりだったんでしょうね?」
「……長門とはな」
「どういう意味よ?」
「会社を順調に大きくしてった頃、次世代規格をめぐって、メーカーが世界規模で真っ二つになったことあったろ?
与した側が標準方式になるかならないかで、社運が明か暗か、ビッグバンかブラックホールかだった。
お前さえ迷いに迷って、最後は俺に、どっちを採用するか選べって投げたよな。
俺はお前とのこの会社を失いたくなくて、朝比奈さんと会った。まあその、朝比奈さんは将来どちら側が興盛するか
知る立場にあったんだ。
けど他人に伝えるにあたっては朝比奈さんにそれなりの覚悟が必要でな。『勇気をください』って言われて……」
「で、みくるちゃんと寝たのね?」
「……ああ。『初めて規定事項外の行為をしちゃいました』って……あーまあ、大それた真似って意味だろう。
でもあのあと朝比奈さん、お前も心配したくらい別人になっちまって……。二度としねえって心に決めたよ」
「ふーん。あのときあんた、迷って悩んでたわけじゃなかったんだ。そーいう悩みだったわけね。
あの後、急先鋒だったとこがイキナリ鞍替えして全体ポシャって、そっちの陣営選んだとこ一気に倒れてっちゃって。
もしそっち側に行ってたらなんて想像して、ほんのちょっぴりあんたに感謝したけど。
そんなことがあったのね。うん、あの頃なら許さなかったけど、今なら、許したげなくもないわ。
有希とみくるちゃんだけよね?」
「……あと1つ」
「ちょっと、まだあるの!?」
「上場して名実一流企業になって、技術革新に乗っかってくにはある特許が必要で、そのためには別のグループを
傘下に収めなきゃならなかったろ?
正攻法で行くつもりが、ライバルに嗅ぎつけられてて、株取得合戦になっちまったじゃないか。
最初お前も俺も楽観してたもんだから、相手より有利にするには資金足りなくて、お前ぶち切れて違法手段まで
考えはじめたよな。
俺は会社としての道を失いたくなくて、古泉に相談した。知っての通り、古泉はいろんな方面に顔利くから。
そしたら、大物株主のうち十何人かがうまい具合に古泉の一派で、アッチ系の性癖な奴ばかりでさ――」
投下させていただきます。
サマンオサの宿屋二階、今では臨時作戦会議室となっている部屋の窓からは、
憂欝で退屈な曇り空と、暗い紫色の外壁に、所々にガーゴイルの銅像が立ってい
るという一目で悪趣味と分かる外観のお城の光景が広がっている。
国全体もこのお城に合わせたようにどんよりとした雰囲気で、こんな場所に長
居してたらこっちまで気が滅入りそう。
いや、気を抜いたらダメだわ。あたしは首を振ることで、あたしの中の弱気を
追い出した。
「涼宮さん」
隣で一緒に景色を眺めていた朝倉涼子が声を掛けてきた。ちょっと前まで敵同
士だったけど、今では戦う理由もないのでその魔法の腕を買って付いてきてもら
っている。困ったような表情をしてるけど、何かマズイものでも見ちゃったのかしら。
「ターゲットにはどうやって近づくの?」
涼子は窓の景色の下の方を指差し、
「あれを突破しないと、お城には入れそうにないわよ」
涼子が指差した先は城の周辺。そこには沢山の警備兵がネズミ一匹通さないと
いった表情で睨みをきかせていた。確かにあれじゃ謁見どころか城に近づくこと
もできない。
「ふん、随分な歓迎ね」あたしは毒づき、忌々しいガードマン達を睥睨した。
……やっば、目が合っちやったわ。今は隠れてなきゃと慌てて窓から顔を離し
、ほっと胸を撫で下ろす。そうやって気分を落ち着かせていると、目の前の二つ
あるベッドの右側で淡々と読書に耽る白い横顔が目に入った。
「……」
いつでも変わらない光景を見て、あたしは平常心を取り戻す。あの雑魚共まと
めて有希の魔法で眠らせてやりたいところだけど、今日の戦いに備えてMPは温存
しておきたいし……ちょっと困ったわね。
どうやってあたし一人であの数百人単位の警備兵全員を無傷で殴り倒すか考え
ていると、もう一つのベッドに転がって四肢を完全に弛緩させながら、
「警備のことなら心配はいらないっさ。一樹くんの調べによると真夜中には警備
が手薄になるらしいにょろー」
これまた弛緩しきった声で言った。
「あら、そうなの?悪玉のくせに闇討ちに対して無防備だなんて抜けてるわね。」
いいことを聞いたわ。なら遠慮なく寝首をかかせてもらおうじゃない。死して
屍拾う者無しよ!意味はわかんないけど。
「知らなきゃあのガードを強行突破してたかもね。それと、忘れないうちにっ」
むっくりと起き上がった鶴屋さんは道具袋をごそごそとまさぐり、やがて一対
の紙とペンを取り出した。それはいつもあみだくじを作る……。
「そうそうっ。投獄されてる本物の王さまも助けなきゃいけないから、こっから
さらに二手に分かれる必要があるのさっ」
鶴屋さんは部屋の壁を下敷き代わりに左手で紙を抑えると、せっせと縦線を引
きはじめた。
さて、今あたしたちはこの緊張感のない雰囲気の中とある計画を練っている。
どんな計画なのか、その経緯について……考えをまとめるために、一からおさら
いしてみるのもいいわね。
*
あたしたち四人が今現在滞在しているこの国の王さまは、以前とすっかり人が
変わってしまったと国中で話題になっている。もとは温厚で人望の厚かった王さ
まがある日突然罪なき人を捕まえては公開処刑を繰り返すような残虐な人間にな
ってしまったらしい。
サマンオサ国の危機を感じた家来たちが密かに調査団を派遣してみたところ、
その王さまは偽者で、本物の方は地下牢の中で魔物に姿を変えられてへたばって
いた、という事実が発覚。政府はそのやたらと強いらしいニセ王様を消すべく腕
の立つ人物を捜しに世界を駆けずり回り、その結果あたしたちに白羽の矢が立っ
た、と。まさか勇者の一味として暗殺を請け負うなんて、思ってもみなかったわね。
「勇者にしか出来ない力仕事もあるってことさっ。でも、今回は親玉をとっちめ
ただけじゃ終わんないっぽいよっ」
どういうこと?
「サマンオサから魔王軍への資金援助が確認されている。これは調査の段階で分
かったこと。もっと調べる必要がある」
さっきから本にかかりっきりの有希は、それだけ言ってまた本の世界に帰って
いった。
*
古泉くんの情報通り、夜のお城は昼とはうって変わって無防備そのもの。だか
らってさすがに正面から突っこむのはさすがにマズイので、台所の勝手口から入
ることにする。
がちゃ
ぱたん
しーん
あっさり侵入成功。これじゃ拍子抜けだわ。こんな簡単だともしかして敵のワ
ナなのかしらと余計な邪推をしてしまう。
「うへっ、趣味わるっ。ドクロがいーっぱいあるよっ」
城内は黒魔法に使うような怪しい装飾や調度品の数々で装飾されていて、ひた
すら不快なむかつく匂いで溢れかえっている。この匂いは忘れもしない。ピラミ
ッドで嫌と言うほど経験した腐った死体の匂いね。
「玉座のすぐ前に処刑場が設けられている。もし捕らえられていたら一巻の終わ
りだった」
淡々とした口調。こんな時でも揺るがない有希の表情はすごい。
「へぇ、快楽殺人ね。魔物でもこんなに本格的に狂ってる奴は珍しいわよ」
有希の隣で歩く涼子も余裕の表情。この二人、恐さは感じないのかしら?
「涼宮さん、腕にすがりついもいいのよ」
いいじゃないの。何となく誰かの服の端っこを摘んでいたい気分なのよ。
そのまま大した邪魔も出ずに別れ道の階段まで到着。古泉くんの下調べによる
と右は王の寝室への登り階段、左は地下牢への下り階段となっている。
「こっからは別行動だねっ。何が起こるかわかんないから、気を付けてっ」
「あたしたちなら平気よ。鶴屋さんこそ気を付けるのよ!」
鶴屋さんは有希の手を引きつつもう片方の手を振りながら、すたこら下り階段
を降りていった。なんでも有希の魔法が王様を助けだすのに必要らしい。『アバ
カム』だったっけ?ま、それはさておき。
「あたしたちも行くわよ。こんな不気味な城、ニセモノを適当にボコしてさっさ
と出ちゃいましょ」
死臭にはあんまりいい思い出がないのよ。別に恐いとかそういうわけじゃない
からね!
何故かくすくすと笑う涼子を目の端にとらえながら、周りにゾンビでもいやし
ないか警戒しつつ、あたしは階段を一歩踏み出した。
*
階段の先は屋上になっていて、その真ん中に大きな部屋が一つだけある。何で
こんな所にあるのか分からないけど、この無駄に大きな扉の表札を見る限り王
の寝室はここらしい。
「時間が時間だから、もう王様は寝てるはずよ。準備はいい?」
無言で頷く。扉を開けた瞬間にあたしが飛び出して速攻、最後に鏡で正体を暴
くのが今回の作戦。取り逃がしたら面倒なことになりそうだから、チャンスは一回。
観音開きのドアの取っ手にあたしと涼子はそれぞれ手を掛けて、さあやるぞと
アイコンタクトを取り合ったその時、
「あっ、あっ、ああっ……ぃぃ……」
扉の向こうから、かすかに女の……声が聞こえる。コレは、まさしく……。
「……うん、お楽しみ中みたい。ま、まずその娘たちを避難させないと」
涼子は笑顔をひきつらせながら言った。多分あたしも同じ顔をしてるんだろう。
もう、なんか調子狂うわね。
*
忍び込んでも仕方ないと分かったので二人一斉にドアを開けた。豪華な赤絨毯
の敷かれた大部屋の真ん中にあるベッドの上で、国王に偽装しているらしい中年
の男が仰向けになっている。その上は女が跨がって喘いでいて、さらに男の両サ
イドに裸の女がひっついていた。何というか……呆れたわね。こいつら肝が据わ
ってんのか馬鹿なのか。
「ひぃぃぃ!」
突然の侵入者に気付いた女たちは早々と物陰に身を隠してしまった。
「だ、誰だっ!?」
さっきまでお楽しみ中だった男はまるで予想外の出来事だと言わんばかりに慌
てている。警備の薄い中よくもまあこんなくつろいで居られるわね。ま、何にせ
よお馬鹿さんで助かったわ。
「誰だっていいじゃない。アンタはこれから死ぬんだから」
折角だから暗殺者っぽいことを言ってみることにする。さっさと終わらせよう。
飛び込んで腕を振り抜けば本日の業務は終了よ、と油断したのが悪かったのか、
「それっ!」
「へっ!?」
ベッドまであとちょっとの所で誰かの掛け声がかかり、途端に視界が真っ白に
なった。何か被せられたらしい。態勢を崩してうつぶせに倒れたところで腰のあ
たりにずっしりと重みがかかる。誰かに乗っかられた。
「はっはっは!かかったな!」
いやに子供っぽい口調で喋る女の声。咄嗟にはねのけようとするが、相手の筋
力が半端じゃない!
「んんん……!」
ちょっと力を入れても無理。何よコイツ、乗られてる感じじゃ細身なのに、や
けに重い。
「ふうん、なかなか力があるね。これは拘束具がないと――」
「メラミ!」
「あぢゃああっ!」
涼子の呪文とともにあたしに掛かっていた重みが消えた。被せられたものを振
り払ってすぐに起き上がり、視界を遮っていたものが布団だと分かって心中で舌
打ちした。ちょっと油断しすぎた。
「涼宮さん、その男は王さまじゃないわ!」
涼子は『ラーの鏡』を取り出して王様達の姿を映し出す。ぼうん、という間抜
けな爆発音とともに、中年の男とあたしを襲った女のシルエットに変化が起こった。
*
中年の男は若い女に、あたしに不意打ちしてきた奴はあたしの倍くらいでっかい
緑色の巨人に姿を変えている。
「あれ?こ、こら!お前達鏡を使ったな!」
「最初から偽装は始まっていたのね。まさかわたしたちが不意打ちを食らうなんて」
男もどきを盾にして、女のまま逃げ切ろうとしてたのね。間違えて攻撃しなく
てよかったわ。
「きゃああああ!」
「ば、化け物ー!」
さっきまで偽王と一緒によろしくやってた女たちが急にわめきだした。あの娘
たちもニセモノの正体を見たのは初めてなのかしら。
「誰だぁ?王様に向かって化け物とか言っちゃった奴はぁ……?」
「ひっ」
巨人に睨まれた女の一人は腰が抜けてしまって立てないでいる。巨人はみるみ
る怒り顔となり、
「おおお前かあああ!」
腰が抜けたようにへたりこむ女に向かって組んだ両腕を振り上げた。わざわざ
ボディーを空けてくれているので遠慮なく懐に潜り込んで、
「――だあっ!」
フルパワーで右の正拳を鳩尾にぶちかました。手応えあり。巨人は――
「うぅっ、ちょっと痛いかも……」
一歩後退して腹を押さえてるだけ。丸一日何も食べられなくなるくらいの一撃
をかましたつもりだったのに。……うん。素晴らしくタフだわこいつ。
「こっち!急いで!」
あたしが引き続き攻撃している間に涼子は女たちを扉まで誘導していた。
「わたしはこの人達を安全な場所まで連れていくわ!」
一人になるのはツライけど、これで思いっきり戦える。
「ナイスよ涼子!ここは任せといて!」
さて、ここからが本番よ。気合いを入れ直したあたしは、改めて緑の巨人と向
かい合った。
「全く、何なんだお前は!勝手に人様の寝室に入りやがって!俺はサマンオサの
国王だぞ!」
筋肉質で重そうな体はいかにもパワータイプといった感じ。ヒットアンドアウ
ェイで地道に削るのがよさそうね。
「くそ……女たちまで追い出しやがって。せっかくの夜が台無しじゃないか」
「ふん。あんたのおふざけも今日で終わりよ。このお城は返してもらうわ」
「あぁん?」
偽王は不機嫌な表情で構えをとるあたしを見据え、
「なーに言ってんだお前は。ふざけたことばっか言いやがって」
そう一蹴するとのっそりとした動きでベッドの下をまさぐりだした。完全に隙
だらけ。
これにはカチンときた。舐めんじゃないわよこの緑ハゲ!
ダッシュで間合いを詰め、がらあきの顔面に蹴りをくれてやった。鼻先にめり
込むような打撃も、こいつをダウンさせるには至らない。
「このっ、このっ、このっ!さっさと倒れなさいよ!」
蹴り三発、いずれもクリーンヒット。青い鼻血は出てるけど、まるで堪えてな
いみたい。ムカつく。
「これでどう――」
「ふん!」
フィニッシュブローに移ろうとした刹那、ベッドをまさぐっていた腕が武器と
ともに飛んできた。間一髪爪で受けとめて躱す。ギィン、という耳に障る音とと
もに、あたしは後方に吹っ飛ばされた。
「きゃっ!」
壁に背中を打ってしまったけど、ダメージは最小限に食い止めた。すとっ、と
着地して構え直す間もなく、
「うぉらッ!」
巨人の両腕から繰り出される鈍器の振り下ろし。横に転がって躱し、素早く起
き上がって距離をとる。
「くそおおお!ちょこまかと動きやがって!」
苛立つ巨人の右手には鋼鉄製らしき棍棒が握られていた。それで殴られた床面
がむちゃくちゃに破壊されている。クリーンヒットしたら死んじゃうわね。
ごちゃごちゃ考えて足がすくんでしまう前に、攻撃が終わって隙のできた巨人
の懐に飛び込んで右のストレート。相手の方が身長があるからこっちのパンチが
顎に当てやすいのが数少ない利点ね。
武器を振り下ろす暇もなく顎に強打を受けた巨人は、少し顔をしかめつつ開い
た左手であたしを掴もうとする。バックステップで逃れて左手の爪で逆袈裟に切
り上げる。爪は筋肉に遮られて、大したダメージには至らない。
「くっ……」
巨人が左腕の爪痕を押さえている間に力を込めて、右膝にローキックを叩き込
んだ。これでちまちま削っていけば、あとは勝手に倒れてくれるわ。へばる前に
決めるわよ。
「どうだ!」
棍棒での凪ぎ払いが飛んできた。これも軽くスウェーバック……できない!
「――がはっ!」
猛スピード飛んできた横凪ぎが左脇腹に食い込んだ。あばらが数本持っていか
れたのを感じる。何で?どういうこと?……それにしても凄い破壊力……
「あぐ……」
痛くて声が出ない。その場にうずくまる。
「あはははは!どうだ!痛いだろー!」
子供みたいに笑う巨人の手には、さっきまで無かった武器が握られている。
鎖鎌だった。
さっきの一撃はコイツが得意げに回している鎖分銅。破壊力は落ちたものの、
動きが早くなった分避けるのが難しい。鎖での武器封じも恐いわね。捕まったら
まずいことになる。
「どんどん行くぞ!」
痛む脇腹を押さえて鎌の一撃を上半身を反らせて躱す。続く分銅も飛んでくる
タイミングを予測してジャンプ。
「ほらほら、早く逃げないと死んじゃうよ?」
「うわっ、ちょっ!危な!」
避けないと本当に死ぬような一撃が何発も繰り出される。間一髪で避けるあた
しを余裕の表情で眺めている巨人。
形勢が、逆転してる。
「くっ!」
懐に飛び込もうとするが、ぐるぐる回している分銅をバリケードにされて近付
けない。どこかに隙はないかしら。
「それっ!」
考えている暇もなく分銅が飛んできた。反撃に出るために横っ飛びしたあとす
ぐさま前方に飛び込み、その勢いで右脇腹に爪の一撃。脇腹が痛むけど、この機
会を逃すわけにはいかない。さらに傷口に蹴りで追撃して怯ませる。蹲る巨人の
鼻を蹴りあげて、がら空きになった首に爪――
「うわああああ!」
がきん。
またしても通らない。爪が入る寸前にどこからか持ってきた盾に阻まれてしま
った。持っていた鎖鎌は消えている。一体どうなってるの?
「危なかった……首が飛ぶかと思ったよ」
もう!あとちょっとだったのに!
肩で息をする巨人に構わず飛び蹴り、正拳、回し蹴り。全て防がれて効果がな
い。それどころか攻撃するごとに脇腹に響いてこっちのダメージになってしまう。
「いったー……」
激痛に思わず蹲る。これじゃ強打が打てない……本格的にピンチかも。
「終わりだっ!」
顔を上げると武器を棍棒に持ちかえた巨人が腕を振り上げていた。痛みと考え
事のせいで回避動作が間に合わない。このままでは足に当たって動きを封じられ
てしまう――
「やっほーい!」
刹那、軽快な声とともに目の前にシルエットが現れたかと思うと光り輝く何か
で巨人の武器を受けとめ、もう一つのシルエットが至近距離での爆発系の呪文で
巨人を後方へと吹き飛ばした。
「ハルにゃんっ!調子はどうだいっ?」
「あんまり良くないみたいね……間に合って良かったわ」
「……」
さっきの攻撃は鶴屋さんと涼子のもの。そしてあたしの身体は有希が回復魔法ですっかり元に戻してくれ
ている。
「みんな、ありがとう!」 窮地からの復活に、あたしは心の中でガッツポーズした。
*
「なぬ!?援軍かっ!」
巨人は吹っ飛んだ際にしこたま打ち付けてしまった頭を押さえて涙目になっている。
やっとまともに攻撃が効いてくれたみたいね。
「ボストロルは物理防御力が極端に高い戦士タイプの典型。武器防具の出来如何
が彼の戦闘力となる」
つまりあの巨人はさらにアホ面になったキョンみたいなもんね。そう考えたら
だんだん弱そうに見えてきたわ。
「なんにせよ素手じゃ分が悪い相手よ。魔法で片付けたほうが早いから、私たち
に任せて」
有希と涼子が呪文を唱え、二人の掌からそれぞれ氷柱と火の玉が敵目がけて投
射される。が、巨人は盾を身体の前に突き出すように構えてこれに対抗。受け流
すことで回避した。
「……堅い」
「まずったわね。魔法まで聞かないなんて」
涼子が指先に立ちこめる煙をふっと吹いて呟く。有希は顎に手を当てて何かを
考えるようなポーズを取った。
「くそっ!何なんだお前らは!」
巨人が構えていた盾は今度はあたしの目の前で杖へと姿を変えた。
「あれれ、どうなってんのかな?あの武器はっ?」
「変化の杖。あれはサマンオサ王家に伝わる秘宝。あらゆるモノの姿を変えるこ
とができる」
それで武器がコロコロ変わっていたのね。納得。
「へえーっ、それで王さまに化けていたわけだねっ?」
「ふふ、そういうことさ。例えばこんな風に!」
巨人は自慢げに杖を掲げ、
「それっ!」
それをあたしたちに向けて振りかざした。咄嗟に身を屈めて未知の魔法から身
を守る体勢をとる。
「…………へ?」
エフェクトも何も起こらない。敵さんの声は山彦にもならずに虚しく辺りに響
き渡った……?
「なんか起こったのかなっ?とりあえず攻撃させてもら……あれ?」
鶴屋さんは手をにぎにぎしながらきょとんとしている。
何が起こったのかしら。
「雷の刄を出そうとしたんだけど、出ないや。わははっ、どうしちゃったのかなっ」
鶴屋さんはカラカラと笑ってるけど、それって結構ピンチじゃない?
「はーっ!」
隙ありとばかりに巨人が杖を鶴屋さんに振り下ろす
「うわっと!」
鶴屋さんはそれを護身用のダガーで軽く流し、後ろに飛び退いて間合いを取った。
「魔法封印とはちょっと毛色が違うみたいだねっ。さっきの杖の力かい?」
ボストロルは武器を鉄棍棒に変えて横凪ぎを繰り出す。鶴屋さんは飛び上がっ
て攻撃をやり過ごした。
「そう。職業をシャッフルされた――」
巨人の横凪ぎは鶴屋さんの隣にいた有希を巻き添えにしようとしている。
「やっばい!有希!」
いつも最低限の動きしかしない有希。こんな時になっても両手を突き出してい
るだけだった。そんなガードじゃホームランどころの騒ぎじゃないのに!
庇う暇もなく突き出した掌の辺りに棍棒がジャストミートして有希の小さな身体を吹き飛ばす。
「フン。まず一匹――?」
物凄い勢いで投げ出された有希は壁に足をついて着地、壁を蹴って再び巨人の下
へ舞い戻る。その手には、一振りの太刀が“ほとばしって”いた。
「――よって今のわたしには、勇者の力が行使できる」
それは本来は勇者だけが使える『雷』の力。その雷の刄を、有希は突っ込む勢
いと共に振り下ろしていた。
「うっ!」
有希の一撃は棍棒によって受け止められ、有希は相手の武器の間合いの外に逃
れる。さらに追撃するも、モーションが丸見えなせいで簡単に避けられてしまう。
「有希、下がって!あたしが代わりにぶん殴ってやるわ!」
万能選手の有希にも弱点があったなんてね。焦れたあたしは即座に飛び出し、
巨人に拳を突き出した。
ぺちっ
……あれ?力が入らない。
「くそ、舐めてんのか!」
水平方向の攻撃。運動神経が狂ったせいで反射が遅れた。苦肉の策として殴ら
れる方向にステップして威力を殺しつつ腕でガードを作る。
すると、巨人の棍棒が腕にめり込んで腕が破壊される寸前、あたしのガードに
反応したかのように赤い光が身体を包み、巨人の攻撃を弾いてくれた。そのまま
左方向に吹っ飛ばされる。
「いた!」
今の何?
「あなたには長門さんの職業が割り当てられたみたいね」
すっ転んだままのあたしを涼子が凄い力であたしを抱き上げて右斜め前方に飛
ぶ。後ろから炸裂音がしたので振り返ると、さっきまであたしが倒れてた場所は
もう鉄棍棒でぐちゃぐちゃになっていた。
「さっきのスクルトが証拠よ。防御体勢に合わせて魔法が出せるようになってる。
強制的に変えられたとは言え、若干MPも増えてるはずよ。」
そんなの困るわ。あたし魔法なんて使ったことないのよ?
「あなたと同じようにみんながみんな持て余してる。あたしも武闘家並の力が付
いたってパンチの打ち方もろくに知らないし、長門さんもさっきの調子……。
頼れるのは、彼女だけね」
涼子がくいっ、と顎で促した先では鶴屋さんがダガー一本で巨人を軽々とあし
らっていた。まるで強さが変わっていない。シャッフルしたのなら鶴屋さんには
涼子の職業がついてるはずだけど……?
「シャッフルしたのは職業だけらしいわ。ほら、この通り」
そう言って涼子は人差し指からマッチ大の火を放つ。これは普通の魔法とは違
う、パイロなんたらとかいうやつだっけ。
「今の彼女はあえて言うとするなら『すっぴん』ってとこかしら。色々ステータ
スも下がってるだろうし、あの調子じゃ根負けするわ」
言ってるそばから棍棒が鶴屋さんの左肩をかすめた。四人もいるのにまともに
戦えるのは一人だけなんて……これは対策を練らなきゃね。
「うん、それについてはもう長門さんと考えてあるわ。まずはこの長門さんから
のプレゼント、受け取ってくれる?」
涼子はさっきから手にしていた栞をあたしに手渡した。お手本のような明朝体
で書かれたしち難しい言葉が段落に分かれてびっしりと羅列してある。
「作戦を実行に移す前に大前提、涼宮さんには基本的なMPの使い方を教えるわ。」
涼子は作戦の概要とごく初歩的な魔法の出し方を一通り説明し終えると、今度
は鶴屋さんのもとへ駆けだしていった。
*
鶴屋さんたち三人が敵を引き付けている間、あたしは敵の現在位置に気を付けな
がら涼子から手渡された栞――呪文の詠唱文が書かれたカンペを、間違えないよ
うに丁寧に読み上げていく。
(――「攻撃魔法っていうのは破壊のイメージをMPの力で具現化することなの。
手順は『詠唱』『チャージ』『発動』の三つ。どう?簡単でしょ?具体的には……」――)
栞に記された言葉を一時一句違えずに読み終えると、それに反応するかのよう
にカンペから青い光が発生した。涼子の言葉を思い出しつつ、今度は栞に『MPを
注ぎ込む』イメージを頭の中に思い浮べる。
合間に戦っている三人の様子を見てみると、有希と涼子がそれぞれ慣れない剣
術と体術に
苦戦している様子が見て取れた。この状況を長引かせたらいけない。とりあえず、
今はあいつを倒すためにあたしが出来ることをしないと。
(――「その栞には吹雪の呪文が一通り書いてあるわ。実際に使ってほしいのは
上から三番目。涼宮さんはそれを発動させて、相手を“足止め”してほしいの」――)
栞に今持っている申し訳程度のMPを全て注ぎ込んだところで皆に合図。散々に
引かせたあと、こっちに突進してくる巨人に向かって呪文発動のトリガーとなる
言の葉を放った。
「ヒャダイン!」 (――「一番最初に炎弾をぶつけたときから分かってた。あいつは魔法に滅法弱
いの。だからあの都合よく出てくる盾さえ弾いてしまえば……」――)
氷の刄を伴う吹雪が巨人の周囲を包む。案の定、巨人は手持ちの武器を盾に変
えて防御に転じる。亀みたいに丸くなってる巨人を見ながらあたしの魔力も捨て
たもんじゃないわねと一人自分を誉めていると、
「ガードを無効化する」
吹雪の圏内にノーガードで飛び込んだ有希が、出力を最大限にまで引き伸ばし
たらしい、激しく輝く雷の剣でもって巨人の身を守る盾を逆袈裟にすくい上げた。
三日月を描く剣閃。バガン、という耳をつんざく金属音とともに盾は真上にふっ
飛んで、その勢いで天井に激突してぱたりと落ちる。
(――「……そうすればあいつは私の炎の前に崩れ去ることになるわ」――)
「それーっ!」
盾の落ちた反対方向で、鶴屋さんが猛火の炎を纏ったダガーをダーツの要領で投
擲する。ロケット花火のようなブーストを引きつれたそれは巨人の眉間にさくっ
と刺さり、涼子の能力だろうか、巨人の身体に炎を燃え広がらせた。猛火の炎を
咲かせた巨人はしばらく暴れて見せたが、最後は小規模の爆発音とともに消し炭
となって崩れ去った。
勝利!
「ふう……」
「のわっはっはっはっは!乱れ雪月花ってね!」
鶴屋さんの盛大な笑い声を聞きつつ、あたしはその場に座り込んだ。慣れない
魔法を使ったせいかしら、いつにも増して疲れた気がする。
そんな中有希は巨人の忘れ形見にふらふらと近付いて手に取ると、
「杖」
ぽそりとそう呟いた。すると今まで盾だったものがバフンというチープな爆発音
とともに杖へと代わり、有希はそれをあたし達の前に振りかざすと何事も無かっ
たかのようにふらふらと出口の方へ歩いていった。特に何かエフェクトが出たわ
けでもないけど、職業を元に戻したんだろう。
さて、サマンオサに巣食う魔物も退治したことだし、宿屋に帰って寝るわよ!*
あたしはすっくと立ち上がってゆるゆると歩く有希をすぐに追い越し、やたら
大がかりなドアを勢い良く開いて部屋から飛び出した。
その時、
「きゃっ!」
「うわっ!」
突然目の前にでっかいものが出てきてぶつかってしまった。扉の前に誰かいたな
んて。うかつだったわ。
「す、すいません!大丈夫ですか?」
いかにも気の弱そうなトーンで平謝りする大男は悪魔神官の服を身につけた化け物。
顔には鳥のような觜があり、手には鋭いツメが輝いている。ぱっと見で分かるこ
とは、明らかにボストロルよりも強そうってこと。
「ほ、ほら大丈夫よ。あたしも気を付けるわ」
でも殺気や敵意の類は感じられないので、あえて敵に回すようなことはしない。
こっちもかなり消耗してるしね。すっくと立ち上がってみせると、魔物はさらに
慇懃に頭を下げた。
「いや、本当すいません。お気に入りの娘に傷を付けたらボスト……王様に何と
言われるか。ところで王さまは……?」
うっ。
新たな敵の質問に一瞬目が泳ぐ。まさか今さっき炭にしましたと言うわけには
いかないだろう。
「え、ええとね……」
「寝てる」
後ろから有希がフォローを入れてくれた。ベッドを見るとさっきまで消し炭だ
った巨人は王さまに変化して布団をかぶっている。
「参りましたね。連絡があって来たのに」
「起こしたら殺すと言っていた」
有希が説明している間に妙に真剣な表情をした涼子と鶴屋さんが有希の横をす
りぬけて部屋から出た。あたしの向かい側に来た鶴屋さんが一生懸命に「こっち
に来て!」と体全体でジェスチャーをしている。
「仕方ない、起こすしかありませんね。あなた方は危険ですから下がっていてく
ださい」
いろいろありがとうございます、とまたお辞儀をする魔物が王室のベッドに向
かって歩き始めた、次の瞬間――
がばっ
「!?」
突然後ろから抱きしめられて部屋から引っ張り出された。反応する間もなく、
「ルーラ!」
あたしの体は重力の束縛から解放され、早い話が物凄い勢いで空中に投げ出された。
*
「もう、いきなりだからビックリするじゃない」
「めんごめんごっ、緊急だったから許してほしいっさ」
あたしを後ろから抱きしめて飛ばしたのは鶴屋さんだった。今は引き続き鶴屋
さんに抱きしめられて山々に囲まれたサマンオサ上空を眺めている。
「何か事情があったんでしょ?気にしてないわよ」
「んふ、ありがとねっ。あのバケモンを見た瞬間、コイツは最大級にヤバいって
感じたのさっ。だからハルにゃんも突っ掛からなかったんでしょっ?」
そうね。あんな慇懃な奴じゃなかったらどうなってたことやら。
「長門さん、彼は一体何だったの?」
「魔王バラモス」
……へ?
「本物」
有希は何でもないように言ってのけたけど、有希以外は言葉が出なくなってる。
「いやぁ危なかったねぇっ、あたしは今という瞬間が生きられて幸せな気分だよっ」
確かにンっもっとレベルをあんっ、上げなきゃ。特にあんっ、あたしはみくる
タウんっ、に着いたらあふっ、特訓よっ、て鶴屋さあんっ
「わははっ。ついいつものクセでっ」
と言いつつあたしのおっぱいをにぎにぎする鶴屋さん。もう、あたしはみくる
ちゃんじゃないんだからね。
「おっ?今なら漏れなくみくるになれるっさ。おーい!有希っこやーい!」
「ユニーク」
すでに有希はみくるちゃんの姿で空中散歩を楽しんでいた。有希もあの凶器じ
みたおっぱいを体感してみたくなったのね。気持ちはよく分かるわ。
「おおっ、今日の有希っこはエロさが割り増しだっ」 鶴屋さんはあたしを涼子に預けると、今度は有希を襲いだした。無表情で時々
ビクンとなるみくるちゃんっていうのも、何だか人形じみてて可愛いわ。
「面白いな、変化の杖ってのは」
――っその声は!?
「俺の口調って大体こんな感じだろ?いや驚いたぜ。姿はもちろん声とか匂いま
で再現されてやがる。こりゃサマンオサの連中も騙されるわけだ」
あたしを後ろから抱きしめている涼子はいつのまにか杖を使って姿形を変えて
いたらしく――ちょ、ちょっと待って涼子、それはダメよ。反則よ!
「ほら、あっちも楽しんでるみたいだし、こっちも仲良くやろうぜ」
ちょ、こらキョン、じゃなかった涼子!離しなさい!
「絶対離さないからな」
こ、こらそういうことを耳元で言うなっ!きつく抱きしめるのも駄目!おっぱ
いはダメだってさっきひゃん!
「ほら、もっとリラックスしろ。気持ち良くしてやらんぞ」
涼子はキョンの声で甘い言葉を囁きつつあたしの体愛撫して、何だかんだでそ
れをあたしは受け入れそうになってしまっている。こうなったら関係ないことを
想像して紛らわすしかないわ。
オーブはあと二つで、ひとつはみくるちゃんが探してて、もう一つはキョンが――
「――っ、!!!」
思考にノイズが入ってしまったせいで頭が真っ白になってしまった。そんなあた
しを胸の中で抱きしめる涼子。もうキョンの匂いでいっぱいで、何も考えられない……。
こんな馬鹿なやりとりをしながら、あたしたち一行はみくるタウンへ戻ったのだった。
つづく
ここだけの話、俺はドラクエをやったことがないんだ。
D&DとかWizならわかるんだが。
無駄に長すぎる……さすがに飽きちゃうよ
もうちょっとダイエットしようぜ!
310 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 04:59:05 ID:r9buSqje
ドラクエ知らない上になんか長くて読む気にならないなぁ。まぁがんばり。
あれ? 面白いと思うんだがね
ドラクエやったことないのに十分楽しめてるが
ドラクエは知らんが、ダイの大冒険なら最近ブックオフで立ち読みしたぜ!
やっぱオンニャノコには多少お色気のある衣装がゲフンゲフン
ムダに引っ張ったあげく最周回だけ回想シーンに(ry
>>291 もっと具体的な情報があればね
会話の内容とか
ハルヒも長門も朝比奈さんも古泉もいる。でもなんだこの違和感は。
みたいなくだりがありました。
お手数かけて申し訳ない。
ドラクエ続きキター!
待ってたぜ!
VIPのハルヒスレは見ないんで違います。
ここ最近のスレで見た記憶があるような・・・
ドラクエ3を知らない世代が増えてるんだな・・・
今時の子にとってはRPG=プレステ以降のFFとかなんだろうな
>>319 後半から順番にスレか保管庫を見直した方がいいね。
その検索ワードじゃ難しいよ。
ドラクエついに来たな!
ただ、改行が細かすぎだと思った。
DQ知らない=今時 というわけではないだろうし、
今時でもいいRPGはあるはず。
ぶっちゃけ国産品は全く知r(ry
長門とかコンピ研で洋ゲー三昧になってそうなイメージがある。
RPGといったらメガテンなのはたぶん俺だけ
324 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 14:57:36 ID:r9buSqje
つーかRPGといったらWIZだろ…
ドラクエとかFFとかわかんねぇ。
しかもWIZといったらXthだろ…
>>320 今年20歳の俺がスーファミ版ドラクエ3の直撃世代だから、このスレにいる奴らは結構知ってるんじゃないか?
小学生時代にドラクエは5、6、3(SFC)、FFは6、7、8あたりをやった世代だ。
327 :
45-867:2007/04/21(土) 17:22:14 ID:5+gtoK7D
投下します。
エロなし。小ネタ。2レス。
>>307 なんかドラクエだけじゃなくてFF5やらサガやら混ざってないかw
すっぴんやら乱れ雪月花とかw
―――――――――――――――――――
そして少年は大海原をたゆたう
―――――――――――――――――――
ある晴れた日曜日の昼下がりの話だ。
二度ある事は三度ある、という言葉の通り、舞台はいつもの公園である。
ふと気付くと、あたり一面に大海原が広がっていた。
「何なんだ、これは?」
「現実逃避か? まあ、あんたの知能レベルで出来る事といえば所詮そんなもんだろう。僕には関係ない事だし、別にどうでもいいがな」
よし、とりあえず落ち着け、マイソウル。
いつの間にか隣に座っている藤原(自称)へとロックオンされている、俺の意思に反して飛び出しそうな握りこぶしを、気合という名の未来人もびっくりな方法で押さえつけながら現状を整理してみる。
散歩中に、いつもの公園に足を踏み入れた瞬間、少しふらっと来たかと思うと、大海原に浮かぶ小さなベンチの上で、生理的に受け付けない未来人野郎と二人きりになりましたとさ。
………どうやら世界ってやつは俺の敵らしいな、うん。
「何で俺達はこんな大海原に浮かんでるんだ?」
「あんたの事なんて知るわけがないだろう。それと、僕はただのメッセンジャーさ。馬鹿馬鹿しい、本当に笑える無駄骨だ」
肩をすくめるその仕草は、意識してやっているとしか思えないほど、絶妙に俺の癇を串刺しにしていきやがる。
当然の事ではあるが、こっちは全く笑えない。
つーか、そっちがそんな態度なら俺がわざわざ友好的になる事は無いな。
「さっさとそのメッセージとやらを言え。そんでもって即消えろ、願わくば俺のいる世界からな」
「僕よりももっと消えたほうがいい存在が、あんたの近くには大勢いるんじゃないか?」
「喧嘩売ってんのか、てめえ」
今なら大特価買取中だぞ。………ただし未来的パワーの使用は厳禁な。
「やれやれ、それだけの価値が自分にあるとでも思っているのか? 随分とおめでたいな、あんたは」
………嫌味な態度もここまで徹底していると、いっそ清々しく感じられるから不思議なものである。
藤原は『低脳な方々にはもうこれ以上付き合いきれないざます』と言わんばかりのため息をつきながら、メッセンジャーとしての役割を果たした。
「こちら側の機械人形からだ。
『―――待ってて』、だとさ」
………ん?
「なあ、まさかとは思うが、それだけか?」
「そうだ。全く、何の意味も無い時間だった」
つーか、なあ、
「わざわざ直接伝えなくても、紙に書くなりなんなりすりゃあよかったんじゃねーのか?」
そういった瞬間、嫌味なニヤケ面が瞬間凍結された。どうやら俺に指摘されてようやくその事に気付いたらしい。
「はっ、あんたににひょん語が読めるとはおみょえにゃかっちゃきゃりゃ………」
カミカミである。
「べ、別にあんたや機械人形のためじゃない! これがたまたま僕達にとっての規定事項だったからだ!」
ツンデレである。
そんなふうにして、一気に憎まれキャラから萌えキャラへとクラスチェンジした藤原を万歳三唱で祝おうとしたその時、
「―――待った?」
無口系電波キャラである九曜が、空気を読む事も無く、気配を出す事も無く、伏線を張る事も無く、いきなりその場に登場した。
………何故かは知らんが、スクール水着で。
藤原は緊迫していたし、俺は油断していたのだろう。
突然の出来事に二人とも脳内ブレーキをかける事が出来ず、九曜独特のラインを見ての素直な感想という大事故が大海原に響き渡った。
「「女は、ボインだろー!」」
まるでそれが全時間軸での真理であるかのように、綺麗にハモッた現代人俺と未来人藤原の会心の一撃に、世界が断末魔の叫びを上げるかのようにゆがんだ、次の瞬間、
………大魔王九曜が放った痛恨の一撃により、大海原が真っ赤に染まった。
大海原の真ん中にどっしりと根を生やした大木。
その枝にくくりつけられ、逆さづり状態の馬鹿一号こと俺と、根っこにくくりつけられ、プカプカ浮いている馬鹿二号こと藤原。
「なあ、お前も巨乳好きなのか?」
「………ふんっ、禁則だ」
「そんな状態で格好つけてもなぁ………」
「………僕にとっては、これが規定事項だ」
何故だか笑いがこみ上げてきた。
嫌な出来事も嫌な野郎も、結局は『見方次第』という事なのだろう。
その証明になるかどうかは分からないが、
―――こうして逆しまに見る世界は、随分と楽しいものなのだから。
ま、今回はこんな感じで。グダグダなまま、いつものやつを。
「何なんだ、これは?」
俺の疑問に、
「現実逃避か?」
少年はそう返した。
―――波のまにまに、たゆたいながら。
331 :
45-867:2007/04/21(土) 17:26:56 ID:5+gtoK7D
以上です。
あと一人。
では、また。
もうすぐラーミアの復活ですね
巫女は誰を使うんだろう・・・
妹&ミヨキチ
wktk
336 :
>>90:2007/04/21(土) 18:10:27 ID:EOTFiGN1
例の小説、関連書物読んで、まとめて、
どの部分からでも書けるように準備したけど、
プロローグa(グッドエンド)
プロローグb(バッドエンド)
両方書こうと思う。どの章から読みたい?
最初からでいいかな?
ファイル形式を指定してくれれば、
全部、今日からアップ出来る。
プロローグ投稿はまだ早いか。
ネタバレ読みたい奴は、mail欄に書いておくから、
質問はそれをみてからしてくれると嬉しい。
大人でありたい
>>336 別にどーでもいいが、書いてから来いとしか言えん
誘い受けはいらねえ
>>336 とにかく投下。
焦らしは一番嫌われるというのに。
誰か
>>331GJと言ってやれよ‥‥‥。
俺この作者さん好きなんだが。
342 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 19:17:01 ID:r9buSqje
そろそろ、ベットの中に入ろうとしていると、
「キョン君!一緒に寝よう! 」タタタタッボフッ
「ウグッ・・コラコラ乱暴に飛び込んではいけません!」
「はーい!でもこの方が楽しいし。」ニパァと飛びっきりの笑顔でこっちを見ている。
「やれやれ…仕方がないな。早くドアを閉めなさい。」
するとドアからミヨキチがネグリジェ姿で顔を赤く染めながら立っていた。
「ふつつか者ですが宜しくお願いします。お兄さん…」
と言いながらドアを閉めた。
俺の力ではもう無理だスマソ
ここで流れを無視して投稿してみる。
分裂ネタバレ有り、エロ無し、パロ?なSSというか小ネタ。
2〜3レス程度を予定。
wktk
γー1
どうしてこう俺の知り合いには奇矯な奴が多いのだろうか。
SOS団御用達の喫茶店でホットを啜りつつ思索にふけりながら外の景色を眺めていると、横からくくくと笑いながらつっこまれた。
「キョン、それは多分に君もその奇矯な人間の一人だからではないのかな?」
佐々木よ、お前は人の頭の中が読めるのか。
まさか。と佐々木は声こそ押し殺しているもののかなりウケているようだ。伊達に中学3年の一年間側にいたわけではない。目じりに若干涙が浮かんでいるのを俺が見逃すと思うなよ。
「お二人が大変仲睦まじいことは分かりましたから、いいかげん私の話を聞いて欲しいのです」
ちっ、このまま適当に時間をつぶして帰る気満々だったというに。
「そうはいきません。以前にもお話しましたけれど、あなたには是非とも協力してほしいの」
相変わらず単純に聞くだけなら真摯さが伝わるのはなんでだろうな。
橘京子はこちらの目を凝視しながら俺の返答を待っている。悪いが俺のアイコンタクトスキルは目下のところ長門にしか通じない低性能なんでね。まあハルヒと古泉をそこに含めないこともないがな。
ええぃ、佐々木も変な視線を送ってくるな。僕はそこに含めてもらえないのかいだと? だから何でお前は人の頭の中をだな……
「お二人さん」
橘はおほんと咳払いすると
「お願いだからちゃんと話を聞いて」
それこそ今にも泣き出しそうなほどに悲壮な響きで懇願してきた。
「ごめん、君やキョンの反応が面白くてね。ついつい……」
おい、本当に泣いちまうからその辺にしてやれ。
俺の視線に気づいた佐々木は我らが副団長殿ばりの0円スマイルで肩をすくめた。
はぁ、やれやれ。全く、なんでこんなことになってるんだろうね。
ということで回想スタート。
始業式も無事終わり、気持ち良く新年度のスタートをという俺の目論見は初日からつまづくこととなり、
更にその数日後似非SOS団な連中との邂逅によって今年も神様は俺を暇にはしてくれない
――もっともその神様とやらがハルヒであるからこそ忙しいとも言えるのだが――と早くも今年一年を諦観しようとしていたのが昨日。
週末恒例のSOS団市内探索を終え家に帰ってきた俺を待っていたのは受話器を抱えた妹だった。
「このまえの人からお電話ー」
だからこの前の人じゃ分からんだろうが。ちゃんと名前を聞けと何度言ったら分かるんだ妹よ。
「もしもし」
俺に受話器を渡すとそのままハミングしながら居間に戻っていった妹を見送りながら、内心誰が掛けてきたのか分かってしまう自分に嫌気が差しつつも俺は受話器を耳にあてた。
「もしもし」
何だかつい一週間前にも同じようなやり取りをした気がするが気のせいか?
「いや全くその通りだね、キョン」
とまあ、おおよそこんな感じで先日物別れに終わった俺と似非SOS団との話し合いの第二弾――もっぱら橘がそれを推し進めていて、佐々木が俺に連絡してきたわけだが――を開催するに至ったわけだ。
今回は最初から指定されていた喫茶店の中で相手を待つこと数分、佐々木と橘が現れた。
ん? 2人だけ? 未来人野郎とデッドコピーな宇宙人は来ないのか?
藤原と九曜が居ないのは俺としてはありがたいが、相変わらず向こうの超能力者に求心力がいま一つ欠けていることを再確認して、敵ながら心配してしまう俺も大概お人好しだ。
「キョンはホットでいいかい?」
そう言いながら俺の横に陣取る佐々木。待て、この場合お前と橘が俺の対面に座るべきだろう? 速攻でハブられてものすごく悲しそうな目で橘がこちらを見てるんだが。
「ホット3つ」
俺の視線をあっさりとスルーした佐々木が注文を取ると、なしくずし的に俺と似非SOS団との第二回会合が始まったわけだ。
はい、回想終了。冒頭に戻るってわけだ。
「何度言われても俺の答えは変わらん」
そう、去年の年末あたりに俺は今の世界と今のSOS団を守る側になることを決めたばかりだしな。まだ半年も経たないうちに誓いを破るのは初詣の時にお祈りした神様に申し訳ないからな。
「でもでも、世界をこのままにはしておけないのです」
その件に関しても意見はどこまでも平行線だぜ。
ハルヒのことを知りもしようとしない輩と肩を並べる気は毛頭ない。俺はSOS団の団員その1であって似非SOS団の団員まで掛け持ちしようとは思わん。まあ、佐々木に免じて聞かなかったことにしてやるからとっとと出直してくるんだな。
「私達のどこが気に入らないんですか!」
そういう言い回しは止めてくれ。周囲の視線が痛いじゃないか。大体にして俺が気に入らないのはお前や藤原や九曜であって、佐々木はそこから除外してるからこの場に限れば達という表現はおかしいぞ。
どうにもやりづらいな。おいこら、橘のテンパり具合を楽しそうに眺めてないで、お前もなんか言ったらどうだ佐々木。
何? この笑顔は気に入らないリストから除外だったからだって? ああもう分かった分かった、どうせ俺はお前には敵いませんよ。ってまたこのパターンか。
このままだとマジで橘が泣き出すからどうにかしろ。奴が泣き出したら俺は速攻で逃げ出すからな。そこ、チキンって言うな。
俺の真摯な訴え――主にアイコンタクトだ――をようやく汲み取ってくれた自称我が親友が橘に助け舟を出してくれた。
「まあまあキョンも大概に頑固、まあこれは前から知っていたことだがね。ただ断るだけでは多少なりとも礼儀に欠けるとは思わないか? せめて2,3具体的に述べてあげてくれないだろうか」
前言撤回。汲み取るどころかハードル上げてきやがった。古泉のも大概アレだが佐々木のスマイルもなかなかにひねくれているな。具体的にだと? まず生理的に受付な……分かった、分かったって。ちゃんと考えるよ。だから泣くな。な?
とはいったものの、なぁ……。泣き出す寸前でこらえた橘を視界の端に捉えつつ、俺は無い頭を捻ってみたものの、客観的に見ればSOS団の活動内容も大概キテレツなのでそれこそ他人のことは言えんしなぁ……。
悩むこと数十秒、俺の頭に珍しく天啓が舞い降りてきた。
「名前だ」
「名前?」「名前?」
俺の素晴らしい回答に橘も佐々木も付いて来れないらしい。
しかしだ。よく考えても見ろ。名称不明の非公式団体だぞ? おお、改めて言葉にしてみるとなんといういかがわしさだ。その上扱う内容が頭のネジが何本か飛んでしまったとしか言えない様な超常現象系ときている。
そんな団体に進んで加入しようというなんて奴はよほどの変人に相違ない。
……なんだか言うほどに自分で自分の首を絞めている気がしなくもないがとにかくそういうわけだ。
「さすがはキョンだ。なるほどそう来るか」
先ほど以上に笑いを堪えながらコメントされてもつっこみようが無いぜ、佐々木よ。
「そんな、そんなふざけた理由で……!」
そっちが理由を挙げろというか言ったまでだ。それで怒られても困る。……いやはや、我ながらたいした詭弁だね。
結局、その日はもはや平和的な話し合いという雰囲気にならず第二回会合もあえなく物別れに終わった。
そして翌週明けの月曜日、登校するやハルヒの市内探索反省会に付き合い、放課後もいつも通りにSOS団の活動に従事し、こうして帰宅の途についているという訳だ。
「やあ、キョン」
「うわっ」
頼むからその心臓に悪い登場を止めてくれ。
「君が無用心なだけだろう?」
昨日の今日で一体何の用だ? それにしても携帯なり家の電話なりにかけてくればいいだろうに、なんでわざわざ俺の帰りを待ち伏せてるんだお前は。
「橘さんから伝言でね」
佐々木もすっかり似非SOS団のメッセンジャーである。
「そう、まさにそれのことなんだ」
は? 何の話かさっぱりわからんぞ。
「世界をあるべき姿に戻すための佐々木さんの団、略してSAS団だそうだよ」
まさか昨日のあれか? 律儀というか何というか……。大体にしてその名称だと万が一ハルヒの変態パワーが佐々木に移ったら使えなくならないか?
「その場合は、世界をありのままに受け入れる佐々木さんの団、やっぱり略してSAS団とのことだ」
だからそのテレパシーは一体何なんだと。
「ちゃんと名前が決まったから次までにちゃんと答えを考えておくようにと彼女から伝言だ。それじゃ、キョン。また連絡する」
あくまでもマイペースに踵を返した佐々木の後姿を見送りながら、俺はしばらく立ち尽くしていた。
ようやく思考が追いついた俺は、帰宅を再開しつつ先ほどの伝言とやらについて考えていた。
SOS団にSAS団だと? 紛らわしい上に字面だけみるとますます物騒な感じだな。これじゃ平和な一年なんてものは望むべくも無いな。
全く、だれか不思議な出来事に有休の取り方を教えてやってくれ。今年も騒がしくなりそうだね、やれやれ。
351 :
347:2007/04/21(土) 21:00:59 ID:oK1HTwm7
2〜3レスどころか区切りを間違えて4レスになってしまったorz
しかも改行が少ないから極めて見難くなってしまいすまない。
タイトルは良いのが思いつかなかった。誰かいいネタを提供してくれ。
「γ−1」を先に使われてしまった。
今書いてるSSにちょうど使っていたんだが……。
δにでもしようかな。
353 :
347:2007/04/21(土) 21:20:43 ID:oK1HTwm7
>>352 それは悪いことを……突発的に書いてしまったのでいろいろなところに被害を撒き散らしそうだorz
867 :イラストに騙された名無しさん :2007/04/03(火) 20:07:42 ID:+QkjrGPT
ここで流れ読まずに、俺の考えた分裂&驚愕ルート分岐とエンディング予想。
ω′→橘京子の提案を受け佐々木団の一員となったキョン。
ο< 世界は変わらず平穏だ。だが、本当にこれでよかったのだろうか?
κ< φ →ハルヒの力が暴走し、世界は再構築されてしまった。
ζ< π< 残されたハルヒとキョンは、新世界のアダムとイブになるのであった。
γ< λ< χ →死闘の末、最後の戦いで周防九曜を倒した長門。
α< η< ρ< だが彼女もまた既に力尽き、昏い闇の中へと消えていった…
START< . δ< μ< χ′ →SOS団最大の危機は去った。だが彼女達の冒険は、まだまだ続く!
β< θ< σ< (ノーミスの場合、ラストに「来年はアニメ二期!」のテロップあり)
ε< ν< ψ →あなたは未来の図書館で『涼宮ハルヒシリーズ』を読んでいる読者だった。
ι< τ< 「ふぇ〜とっても面白かったでしゅ!」「規定事項だがな」
ξ< ω →死闘の末、最後の戦いで橘京子を倒した古泉。
υ< だが彼もまた既に(ry
φ′→国木田「僕たち、ずっと友達だよね!」
こんなのも有ったから、両人気にすんな
俺としては完全武装・朝比奈みくるの暴走編をみたいけどな
「ハルヒ、この映画絶対に成功させるぞ!」
ハルヒは真っ赤になってキョトンとしている・・・・・・。
〜次の日〜
「さあ!古泉君! みくるちゃんを犯っちゃって!」
「ふぇぇぇ! 嫌です! あ、脱がせないでくださぁぁぁい!」
「・・・・・・ハルヒ、それは違うセイコウだ。」
終わり
‥1.金魚は人間がヒブナを意図的に交配させて作り出した人工生物。野生の金魚なんて存在しない。
2.金魚は体色が目立つ上に泳ぎが遅いので自然界で生き抜くことはできない。
3.金魚は人間が手を加えずに自然に繁殖させれば3〜4代くらいでフナに先祖帰りする。
したがって、金魚が進化することはありえない。 ‥
-子供へのメッセージどころか、生物の知識自体間違えてる・・・。
この漫画の情報源は何なのかと小一時間(ry
やっぱり勉強は大事ってことか。-
「ねえねえ‥キョン‥-森木君-、これって本当なの?」
「知らんが、図説には定説として書かれているな」
「だったら、確かめにいかないか?」
どこによ。野生いないんでしょ?
「バカ、フナを改良方法を現地のヒト…そうだな、」
あー今度の大型連休のレポートの話してるんだった。…めんどい。
じゃあ、お祭りついでに…皆誘おうかな?
「三人でいーっての」
…そっか。そーだよねー
はは、何言ってんだあたし。
358 :
>>90:2007/04/21(土) 22:43:35 ID:EOTFiGN1
すまん、とある作品のInsperiae(発音通りだとこうなる)で驚愕予想の短編書く。
これをやっとかんと、『混沌』がなりたたん。
一応佐々木(a)とハルヒ(b)を両方、同時進行してくわ。
アンカー用意しとくから、先に作るのはaとb、どちらがいいか、よく考えてくれ。
>>360に全てを委ねる。明日か今日に投下する。海ザル終わったときにまた来る。では。
えーとどうしたらいいですかね
悪いんだが……正直読みにくいな。
プロローグだからかもシレンが。
なにがなんだか…
>>358 考えてくれも何も、期待してるやついないと思うぞ
投下するなら黙ってすりゃいいんだよ、しつけーな
まあそっとしておいてやろうぜ。
すでにプロローグの時点で、「誰が」「どのセリフを」話しているのかわからない。
しかも情景も何もわからない。読んでる人は付いていけない展開。
わずか1レスの内容でだぞ。俺だけかもしれないが。
長編を予告しているようだが、頼むから読者放置のものだけは勘弁して欲しい。
それとスレ住人に「選べ」とか、もうこの時点で何かが違うような気がするのだが。
まさに俺ワールドだな。オナニー甚だしい。
そこまで言うからには相当クオリティ高いと思ってたんだが……期待外れだな。
自分のサイトでやった方がいいと思うぞ、叩かれないで済むから。
ていうか、森木君って誰だ。
>この漫画の情報源は何なのかと小一時間(ry
この2ch用語を使っているのは誰だ?
原作に徹底して準拠しろとは言わないが、この時点で厳しいぞ。
真面目な長編ならなおさら。
>「バカ、フナを改良方法を現地のヒト…そうだな、」
日本語がおかしい。推敲するべき。それと最後の「、」は何?
「涼宮ハルヒの憂鬱」の世界を使って表現する意味が本当にあるのか。
この辺から考えてみて欲しいのだが。一応は期待して待つが…
オリキャラ、オリ設定をふんだんに使うなら、評価はそうとう厳しくなるのを覚悟の上でな。
それからな。
どっちが先がいいかなんて知らん。自分で決めてくれ。
つーかそのメル欄はいったいなんなんだ?
ネタバレ……と本人は書いてるな。
>>366 多分彼の脳内設定でのキョンの本名
木がよんこ、だからキョン、ってことなんじゃない?
>>370 それだと家族全員がキョン君キョンちゃんと名づけられてしまうなw
何でおばに付けられたのに名字由来なんだ?
全体的に説明不足が著しい
はっきり言って何が何だかわからない
作者以外に話の大筋さえ捉えきれないなんて
まさにオナニー
>>370 榊より後で谷口より前って設定は無視なのかw
原作準拠にしても森木はねーよw
しかし
>>370はよく気づいたな。
佐々木並みの推理力と言えよう。
たった1〜2レスでこの反応の
>>358に嫉妬
これはおいといて、まずイロイロおかしい。記号の使い方とか。
「‥」「…」「−(―)」等を区切りとして使い分けしようとしてるのかも知れないが、2つで1セットとして使うという
基本を押さえてから、解りやすいアレンジとして使うべき。自己流だと混乱するだけで暗号にしか見えない。
レスや小ネタなら意味が通じればいいけど、解り難い部分を補完するために使うならなおさら。
>>Insperiae(発音通りだとこうなる)
普通カタカナで表記するとか発音記号を使うならともかく……造語を作られても扱いに困る。
現存する単語ならスペルを調べるなり、何故かエキサイト出来ない、とかするべき。
>>370 分裂で、姓じゃなく名が由来だってあったような…ちと見てみるか
>>374 もしかして、もりき、と書いて、しんぼくorしんもく、って読むのかも
って、ねぇわな、そんなの
分裂83Pから、
下の名が「キョン」というあだ名に変形できる、っていう事実ははっきり読み取れるな
>>348 キョン…アイコンタクト通じまくってるよ
そもそもハルヒの前の席だから、イニシャルはSの可能性が高い。
アニメ版だと鈴木〜涼宮の間だっけ?
>>378 下の名前を佐々木が聞いて「それでキョンに?」ってあるね。
叙述トリックとか言って姓名複合の可能性も有るけど、下は確実に絡むッポイ。
姓名複合で木が4つ
木林木(キバヤシ・モク)
林彬(はやし・あきら)
木四(さじ)
木森 (キモリ)
林林(りんりん)
鬼が四つで「魑魅魍魎」
「慧」縦に分解するとキョンと読めなくもない
キキ
ヨ
ン この辺まではラノベ板にも既出だった
俺は勝手に辻一(つじかず)君だと予想している
高貴で壮大さを感じさせるというキーワードもあるから、
俺的には「慧」というのが一番可能性あると思うがな。
いずれにせよ
>>358の投下にはいろんな意味で期待。
妙な前振りはあれだけやめとけと言ったのに……
>>382 高貴でも壮大でもないというか
実に親しみの持てる名前だなw
貴洋ってのが一番の有力候補だと思う。キョンの名前ね。
高貴っぽくて、壮大なイメージで、「キョン」という発音に近いって話だし。
だからどうって話じゃないけどさ。
とりあえず
>>358は誰にでもいいから他人に自分の文章を読んでもらってみた方がいいと思うな。ネットでなく、リアルで。
意見文とかすごく苦手だったりするんじゃない?
そもそも叔母が名前をもじって勝手に呼んだと退屈のころから言ってるわけで。
ってちがう。憂鬱のころからだ。テラハズカシス
>>385 読みは「たかひろ」で「きよう」と読んでキョンになるのか。
ハムテルを思い出したのは俺だけでいい。
分裂までは「キョンザワ・キョンイチロウ」がマイ設定だったのになぁ。
漢字表記できないが…
>>386 「氏・名」「姓・名」と違って、「名前」だと苗字も含む可能性もあるっしょ。
390 :
45-867:2007/04/22(日) 00:20:56 ID:8k6uelDG
投下します。
エロなし。小ネタ。2、3レスほど。
―――――――――――――――――――
そして少女は少年の世界に色をつける
―――――――――――――――――――
俺的に言わせてもらうと天丼は三回が限度であるのだが、残念な事に、今回もある晴れた日曜日の昼下がりの話になる。
人間の三大欲求の一つである惰眠をむさぼっていたところを佐々木に呼び出された俺は、厄介事が肉食動物のように襲い来る予感にうんざりしながら、呼び出し場所であるいつもの公園へと辿り着いた。
先に来てベンチに座っていた中学時代の同級生であり、即席神様候補生でもある知り合いの少女(ようするに佐々木だ)は俺を見て、何故か安堵したかのように話しかけてきた。
「やあ、来てくれたんだね、キョン」
別に『こいつがとりあえず無事っぽいのを確認して安心した』というわけではないのだが、押さえつけていた眠気がじわじわと表に出てきた事だし、とっとと話とやらを終わらせて家に帰って寝なおす事にしよう。
「で、何だ? 何か厄介事か?」
話を進めようとする俺の疑問を無視するかのように、
「告白と脅迫って響きが似ているとは思わないかい? これらはどちらも相手を手に入れたいという感情からくるものだ。おそらく元となるものが同じだから響きも似たものになったというのが僕の持論なのだが、どうだろうね?」
佐々木はいきなり口早にわけの分からない話を始めた。
「何が言いたいんだ、お前は?」
「ん、すまない。何しろこういうのは僕も初めての経験なのでね、多少緊張しているようだ。悪いんだが僕の緊張をほぐすためにも、少しだけ本題とは別の話に付き合ってもらえないか」
………俺は眠りたいんだがなぁ、やれやれ。
「確か、告白と脅迫とかいう話だったか?」
一つ一つは普通なのに二つを一括りにすると随分心を病んでそうな話題になる。食い合わせみたいなもんかね。
「そうかい? 僕はそうは思わないがね。むしろそうまでして手に入れたいと想われるのは女冥利に尽きるというやつだよ。………ああ、そういえば告白と毒殺も響きが似ているね」
俺補正がかかっているせいかもしれんが、夢見る少女二割増しな瞳で愉快そうに語っているように見えるヤンデレラ。
「ヤンデレラか、どんなお話になるんだろうね?」
王子様がヤンデレラから逃げるため、ガラスの靴を叩き割るお話だろうよ。
「ヤンデレラはガラスの靴の破片で王子様の背骨を串刺しにし、半身不随にした後で、仲良く一緒に暮らしましたとさ、一生ね。これにて一件落着、めでたしめでたし」
「逃げてー! 王子様逃げてー!」
マイメルヘンが大ピンチである。
「知ってるかい? メルヘンを並べ替えるとメンヘルになるんだよ」
「何そのびっくり進化論!」
ダーウィンやらグリム兄弟やらが草葉の陰から提訴してくるかもしれんぞ。
「てか、そんな世界は嫌すぎるだろうが」
「そう、世界の話だ」
いきなり話題が変わるらしい。こいつが知り合いでなければ帰っているところだ。
「キミは以前、僕の世界を見ただろう?」
それは多分、佐々木の作った閉鎖空間の事だろう。クリーム色に近い、とても明るいゴーストタウン。
「自分の中を覗かれるというのは正直とても恥ずかしい事なのだが、今回はそれが本題というわけではないので慰謝料というやつで手を打つ事にしよう」
取るのかよ、慰謝料!
「出世払いで構わないぞ」
なんだ、払わなくていいのか。………やかましい!
自分の将来をネタにしてセルフツッコミをかます俺をさらっと無視して、佐々木は話を続けた。
「最初、わたしの世界は『無』だったの」
………何故かは知らんが、女言葉で。
「小さな頃からずっと、わたしには欲望というものがなかったわ。平凡な家庭で平凡に育って、普通の人と普通に結婚して、そのまま何事も無く人生を終える。………そんな何でもない望みすらも、ね」
俯きながら話すその顔は、俺からは見えない角度。
見えない彼女は見せないままに、朗々と自分の心を解析する。
「推測でしかないけれど、おそらく家族を失ったとしても、取り戻したいとすら思えなかった過去のわたしの世界は、あなたが見たゴーストタウンよりもっとひどい、本当に何も無い世界だったと思うの。そしてわたしはその何もない世界で満足していたわ」
でもね、と一区切り、そして顔を上げる。
「いつの間にか、わたしの世界に『光』があったの。その『光』は間違いなくある特定の個人から与えられたもので、そしてその人はどんどんわたしを変えていった。本人はそんなつもりは無いんだろうけどね」
俺が今まで見た事がない、泣き笑いのような笑顔。
「付いて行こうと思ったら出来ない事も無かった。でも、恐かったから。………わたしを根底から変えてしまう、そんな『光』が、恐かったの。だから、志望校は変えずに、その人とは違う高校に進学したわ」
笑顔の中に確かに含まれている真剣さ、そして緊迫した声。………間違いない。
これがこいつの言う『本題』なのだろう。
「でも、『光』は消えやしなかった。与えられた『光』は本当にもう『わたしの光』になっていたの。もう、わたしは『無』には戻れないのよ」
俺から視線を逸らす事無く、
「戻れないなら戻れないでいいの。でも、『光』を与えた責任は取ってもらわないとね。あなたもそう思うでしょ、キョン」
決して視線を逸らす事無く、
「あなたが、『光あれ』って言ったんだから」
彼女の世界が猛スピードでぶつかってきた。
たった二文字ですむ内容を金塊が金箔になるくらいにまで引き伸ばした、そんな不器用で遠まわしな彼女の告白。
まあ、どちらにせよ、輝いている事に変わりは無いわけだし、俺は真剣に答えなければならないのだろう。
とは言え、予想外の所から飛んできた銃弾に打ち抜かれ、綺麗に固まっている俺に、答えなんてすぐ出せるはずが無いのだけれど。
とりあえず、落ち着くために深呼吸。
佐々木は笑顔のまま、俺を眩しそうに見つめている。
ああ、もう、本当に、
「とんだ厄介事だなぁ。何だ、こりゃ?」
やれやれ、とため息をつきながらそう言う俺に、
「告白、だよ」
彼女はそう答えた。
―――今度は逃げずに、真っ直ぐと。
393 :
45-867:2007/04/22(日) 00:26:56 ID:8k6uelDG
以上です。
では、また。
>>393 GJです! 九曜はどこに隠れて覗いてるのかと読みなおして探してしまった。
>>393 一連の話がそれぞれ纏まってて上手いなぁと素直に思う。
が、それ以上にこのスレの流れで平然と投下できるあなたにマジで敬服した。GJ!
396 :
>>90:2007/04/22(日) 00:43:46 ID:mpyP0tBN
一応、
>>360の言う通りに、
二作に分けました。
詳しい説明は清書と添削、
その後、友人に読んでつっこんで貰ってから検討します。
>>393 まさにGJというにふさわしい内容。これぞ二次創作。
上の流れで疲れ果てた俺の心が癒された。
398 :
>>90:2007/04/22(日) 00:45:40 ID:mpyP0tBN
>>393 あなたの文章力に感服。
申し訳ないです。出直してきます。
森さんのやつだけど脇役の一人称で書かれた文章は辛い。
あと機関を中心に書くとどうしてもSOS団やハルヒが悪役に思えるので爽快感も減少。ダメポ
>>393 おまいさんは今日のサンクリ原稿(SS)をいまだに書いてる俺に
ひと時の安らぎをくれたぜ……GJ!
いや、書いてるのはハルヒじゃないんだけどさ。
つか書けよ、俺orz
エロパロ板なのにエロがごぶさたってのもあるな。
俺自身ハルヒのキャラではエロい妄想がしづらい。
>>393 いいな、実によい。GJと言わざるをえない
>392
>「あなたが、『光あれ』って言ったんだから」
これには参りました。脱帽っす。
>>331 おい、九曜はボインなのか??トップとアンダーの差は?
巨乳なのか?それともまさか爆乳なのか?
というか形と感度は一体どうなってるんだ?
それに答えて貰わない限りはGJと言うことは出来ないぜ。
ただしただのレスは要らないぜ。
解答はSSにて提出してもらうッッッ!!
これで九曜がダイナマイトだった場合、
SOS団と佐々木団間における宇宙的和平は絶望的になるな
・・・・そもそも九曜がキョンに撃墜されていることに誰も違和感持たないのがすげえなw
いや、そういう風に素直に納得させる職人さんがすごいって事でもあるんだがww
>>404 貧乳だから怒ったんじゃない?
>>406 だって原作でもキョンに会った直後に口説いてきたじゃんw
>>408 『独特の』という引きから、九曜のボディラインは他の宇宙人と比較しても取り分け特異なラインを保持していると予測した。
それに、どうせなら大きい方がいいじゃないか?
>354
ラスボスがクジラなのは、どのルートですか?
411 :
ゑ腐:2007/04/22(日) 07:30:27 ID:KSPZntds
>410
一番泣けるのは亀エンドでしたねえ…………
大王いか嫌いだったな。
クリオネルートもなかなか良かった
414 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 08:46:49 ID:5aAXPzVw
みっみっみらくる(・∀・)みっくるんるん♪みっみっみらくる(・∀・)みっくるんるん♪
素直に「死ね」と〜♪言えないきみも〜♪
Hey! ATTACK!(攻撃)
今更なんだけどさ、ニ涼辺三角関係って、他にどの作品書いた人のなんだろう。
投下された時は少年〜の人だとばかり思ってたんだが、どうやら違うっぽいし。
どの辺を見て同じ人だと思ったのかの方が不思議だ
作風も文体も全然違うじゃないか。
さらっと初期ダライアスの話すんなよw
>>393 シリアスからコメディまでこなす貴方に脱帽
もしかして以前プリンで書いてたりしなかった?
エスパるなよ。
作風や文体が安定してる職人のSSは、スムーズに頭に入るから
内容は覚えても、文章の癖を記憶しにくいかも解らんね。
このスレは特に、続き物以外はコテなし職人多いから、作者で探すの難しすぎ。
俺は前スレの鬱系「説得失敗〜」と
>>62が同じ職人さんでいいのか気になってる
>>418 そ、そうか……。ただ単に語彙というか言葉の引き出しの豊富さでそう思ってしまった。
少年〜と少女完全も、最初同じ人だと思った俺はもうなんというか。
もしかしてキョン×橘の長編は俺が最初になるんじゃないのかなと思いつつ投下。
「目を閉じて。すぐにすみます」
四月某日。
お世辞にも堅固とは言えない偽SOS団のチームワークが未来人と宇宙人によって披露された後、誘拐犯こと橘京子は俺の手を握りながらそう言った。
敵対組織のものであろうとこいつが超能力少女だとするのならば、昨年も似たような目にあった気がする。いや、気のせいじゃないな。
古泉が俺の手をひしと握っていたことを思い出すと今でも良い気分はしない。
――極めて失礼な発言とも取れるんだろうが、そこら辺は標準的な男子としての性だ。許せ。
第一、野郎と仲良く手を結んで喜ぶ輩は少数派だろう。少なくとも俺はそう思っている。
朝比奈さんみたく可愛らしい女子なら誰だって諸手を挙げて喜んで――いや、ちと軽薄だな。
しかし女の子と手を繋ぐ、なんて単純かつ稚拙ですらある共同作業が心ときめくものである事に間違いは無いだろう。あってたまるか。
ああ俺にもそんな可憐なイベントがあったらな――。
――と、ここらで現実逃避を終了する。必死にこの状況を喜ばしいものと思い込もうとしたが、無駄骨だった。
そりゃ今俺の手を握ってる奴は一般的な見解からすれば可愛い子に分類されるさ。問題なのはその目的だ。
親交を深めるわけではなく、況してや伝説の空中都市を崩壊させる呪文を二人で唱えるわけでもない。新たなトラウマを植えつけられる羽目になるやもしれん。
「キョン。目を」
佐々木から二度目の忠告を受ける。後ろ足を踏みたがる俺に多少なりともじれったさを感じているのだろうか。
――腹を括るしかない。俺は、ゆっくりと目を瞑った。
覚醒☆くるくる橘 -如何にして男子高校生は変態へと至るか-
「もう開けていいわ」
右手以外の感覚神経が瞬時にして死滅してしまったかのような静寂。虚無感。
ブラームスの雅音と客のダベり声のミスマッチした歌唱が途絶えている。
俺が目を閉じていた時間は二十秒にも満たない筈だったのに。
その間に、誰も彼もが消失した。俺と、橘京子だけを、この喫茶店に残して。
どんな手品だ? ――いや、馬鹿げた一人漫才はよそう。
「閉鎖空間……」
もしくは、その類の何か。所謂次元系ってやつだな。あいつはデジョンでも使ったのかね?
ならば俺はお約束に従って「あーれー」とでも言わなければなるまい。
さあ行くぞ? せーの、あ
「古泉さんはそう呼んでるみたいね」
橘京子が席を立ったことでふと我に返る。
……どうやら、存外に俺は混乱しているらしい。
「案内するほどでもないのですけれど、ちょっと外に出てみませんか?」
てくてくと店の出入り口まで進み、佐々木と入った時と同じように自動ドアを開けた。
仕方が無く俺も外に出た。
巨人の不在。色調の相違。それに伴う雰囲気の良さ。
この三つが橘京子が俺に佐々木が神の力を得るに相応しいと訴えたい根拠の一部らしい。
二人並んで空間内を散歩しながら聞いた情報をまとめるとそんな感じだった。
どうにも新興宗教の臭いがぷんぷんとする。
俺は現実世界での己が身の心配をしつつ、橘京子は言いたい事は全て話した、と喫茶店の方へと身を翻した。
その時だった。
「きゃん!」
突如目の前から奴の姿が消える。
か細い悲鳴と共に、橘京子が俺の視界から消滅してしまった。
瞬間移動でも使ったのか? いや、わざわざ自己のサイキックっぷりを証明する必要は無いだろう。
常に平穏が保たれている筈の世界で起こった変異。あのフロイト先生にすらこの現象を佐々木の深層意識やら何やらから分析するのは不可能であろう。
しかし、俺には今あいつが何処にいるのか分かる。特殊能力の一つも持ってないし精神学など齧ってすらいない一般ピーポーだが。
正確な位置さえも特定できる自信がある。そんじょそこらの一般ピーポーだが。
――すまん。意味も無く色々と回りくどい言い方もしたが、つまりはだな。
こけた。
そりゃもう見てるこっちが気持ち良くなるくらい古典的にひっつまずいた。
朝比奈さんじゃあるまいし、何も無い所でこけるなよ。
「い……いたぁい……」
女の子座りになって痛む箇所を擦る様は、吃驚するほど弱弱しい。
捻挫でもしたのかなかなか立ち上がらない。
しょうがないと思い、俺は手をさし伸べてやろうとした、が。
――待て。
俺はこいつから、二月半ばにあったあの誘拐について面と向かって「ごめんなさい」を言われていない気がする。まあ、真に謝罪されるべきは朝比奈さんなのだが。
古泉は橘京子は拉致作戦について否定的だったと言っていた。
しかし――しかし、だ。
俺は目の前の誘拐犯に対しての憤怒を抑えただけであって消し去ってはいない。
手を突いて起き上がろうとする橘京子を改めて見やる。
こいつ、思った以上に弱そうだな、と。
少しくらい小突きてえな、と。
いろいろと朝比奈さん誘拐の件についてあちら方の組織に釘をささせなきゃならんな、と。
俺はそう思った。
そして何も邪魔が入らないと断言できる今こそ実行すべきだ。
確固不抜の信念を持ってやり遂げて見せよう。
誘拐犯がやっとの事で立ち上がるのを見届けながら、決心する。
「おい」
我ながら乱暴な口の聞き方だと思う。
一方、橘京子はスカートの埃を払いながらきょとんとした目で俺を見ていた。
「なんですか? あ、ひょっとして佐々木さんの説得に協力することに決めたんじゃ」
そのままでも文意は通じるが、多分、「ないんですか」と続くところだったのだろう。
されど俺がその言葉を聞く事は無く、橘京子がその言葉を発する事も無く、更に言えば未来永劫俺が佐々木の神格化に肯定的になる事は無い。
少女の手を強引に引っ張りながら、俺は小走りで喫茶店に向かう。
後ろから「へ? あのっ、ねえっ」などと聞こえるが敢えて無視する。
自動ドアが見えた。何も変わっていない。寂々とした様子。音楽室のような人工的な無音のままだ。
さっきと違う事を挙げるとするのなら、それは俺が先陣を切っているという事だけだろう。
「な……何を、するつもりなの?」
橘京子の手首を喫茶店のテーブルに押さえつけると、爛漫としていた表情が色を寒色系に変えていくのがはっきりと分かった。
――怯えている。
何らかの能力を発揮する様子は無い。
青ざめた顔のまま、俺の動向を伺っているだけだ。抵抗と言えるものも、精々足をじたばたとさせるくらいのもんだ。
勝てるな、俺でも。他に誰もいないし。
自らの優位を確信すると共に、ちょっとした悪戯心が湧き上がってきた。
誘拐犯のレッテルが先行していて気付かなかったが、こいつもなかなか可愛らしい顔立ちをしてるじゃないか。
ポニーでないのが惜しい所だが、ツインテールもいいもんだ。
ああ、美味そうな首筋だ――っておい。待てコラ。いい加減に目を覚ませ俺。
おかしい。
明らかに今の自分は常軌を逸している。
俺は無力な少女を見て興奮するようなキャラだったか?
そんなのは長門辺りに撃墜される三下だけで十分だ。
ヤバいだろ。常識的に考えて。
ツインテだとか首筋だとかはどうでもいい。俺は謝罪請求をしているんじゃなかったのか。
そうだ。目的を忘れるとこだった。いけねいけね。
――そういえば女子相手にここまで強勢に出たことは今まで無かったな。
ハルヒにゃいつも負かされてるし、朝比奈さんには恐れ多い。長門に至っては俺が返り討ちに会うに決まっている。
あ、ちょっと涙目だ。クソ、可愛く見える。Sの素質でもあるのかね、俺。――いや、こいつは敵なんだぞ。何考えてんだ。でも性欲を持て余す。
そうだな、例えばこの鎖骨とか――。
「やぁ……あ、んんっ……く、くすぐったい、です」
おお、ただ舐めただけなのに良い反応だ。というよりも敏感すぎじゃないのか。
硬い骨に被ったふにふにした皮が何とも言えずグッド。
いつのまにか橘京子は足をばたつかせて足掻く事すら止めている。
腕にも力が入っていない。ぐんにゃりと、俺の手の平にもたれかかっていた。
「あ……ひゃあ……や、やめて」
開いている胸元に舌が伸びると、そんな声が聞こえた。
"止める"?
何処と無く違和感を覚える。何故行為の中断を俺は避けているのか。
――ああ、また本来の目的を忘れていた。
俺はお前にお仕置をする筈だったんだよ。
「お、おしおき……?」
そうだ。二月に朝比奈さんを勾引かそうとした事を忘れちゃいまい。
その事に対してきちんと落し前をつけたいんだよ、俺としては。
「そんな……だ、だからって、こんな事ぉ……やぁっ」
男は、原始の頃から女性の胸部、または臀部に大きな関心を抱いていたそうだ。
俺は生物学的にも精神的にも紛れも無く野郎であり胸に心惹かれるものがあるのは俺の常日頃からの朝比奈さんへの視線から考えても確かだ。
橘京子のそれは小さめではある。しかし貧相と言うものでもない。
B……いや、C? 服の上から、それも舐めただけだとよく分からんが、程よい大きさって奴だろう。
「や、やだぁっ」
柔らかい。単純かつ何も考えてないような感想ですまんね。
手は壁に押さえつけたまま。足がフリーなのはちと怖い。こいつがその気なら俺の鳩尾にピーターアーツお得意の膝蹴りが打ち込まれるね。ひょっとしたら金的かもしれんが。
どうして抵抗しないんだろうね?
洋服の生地と、多分下着。
それらの緩衝材を挟みながらも、橘京子は喘ぎ声を上げる事に余念が無い。
一体何がお前をそこまで昂ぶらせると言うのだ。疑問が募る。
心付いた点が出来たので、とりあえず口にしてみた。
「なあ、何だか一部分だけやけに硬い所があるんだが、一体何なんだろうな?」
これだけではまだまだ仕置きには程遠いんじゃないかと思い、言葉責めにも手を出す事にしただけだ。
「そ……そんなのぉ……わ、分かってるんでしょ……」
だって意外なんだよ。自分でも信じられん。
服の上からペろぺろと舐めただけで女性がここまで過敏に反応するなんて何処のエロゲだ。
俺は断じてこの道の熟練者ではないし、第一これが初体験だ。その割には変態入ってるけどな。
俺がペッティングに関して天賦の才を秘めていたと見るか、橘京子の性感帯を偶然にも探り当ててしまったと見るか。
ともかく、硬いものが一体何か分かってはいるが、口にしたら負けだ。
本人の口から、無理矢理にでも言わせる事に意味があるのだ。
勿論、物理的な責めは止めない。
舌先だけの小賢しい愛撫だが、相手の反応が面白いので止められない。
「早く答えろよ」
賢明な方々にはお分かりいただけるだろうが、橘京子の着衣は首根っこの辺りから今俺の頭がある辺りまでゆったりと開けており、且つ暴かれている部分を隠すようにもう一枚内側に服を着ている。
畢竟するに、俺がこれから何をしたいのかと言うと、
「え……ちょ、ちょっと! あ……」
布を一枚でも取っ払って舐めてやりたいわけさ。
俺は顔だけを上着の中に潜り込ませる。
じんわりとした熱気が艶かしい。
「あっ、んっ、だ……だめぇ……」
おっぱいに被りつく俺の姿は傍から見れば相当に情けないものなんだろうね。でもいいや。
中着とでも言うのかは分からんが、俺が直面している布地はかなり薄い。
だから例の突起物も――うわ、むっちゃ硬い。生地も唾液でべとべとだから肌に引っ付いて更に浮き出てるな。
この感触だと、もう他には下に何も着てないんじゃないのか――。
――ん? 待てよ。……おい、まさか。
「お前……ブラ、してないのか」
「あ……あうぅ……」
爆ぜちまうんじゃないかと思わせるほどに橘京子の心臓が動いていた。
ノーブラ、ノーブラ、ノーブラ!
頭の中でファンファーレが鳴ったぜ。もうこりゃ完全にエロゲだな。
「だからぁ……駄目って、言ったのにぃ……」
その声は弱弱しいを通り越してエロス。
エロい。エロティックさ。性欲を持て余す――こりゃさっき言ったか。
もう辛抱たまらんね。据え膳食わぬは何とやら。お決まりの文句を心中で呟いて、ついでにいただきますとも呟いて、
「い、いたぁいっ!」
橘京子の桜桃に歯を立てた。勿論性的な意味ので。
「あっ、いやぁっ、ちくび、噛まないでぇ……」
脳内に設置された俺フィルターを懇願の声が通り抜けられる筈も無く、責めは続行する。
可愛い。有り得ん事だが可愛い。誘拐犯だと言って嫌っていたのは誰だ。けしからん。
嗜虐心をそそると言うか何と言うか。ハルヒとも朝比奈さんとも長門とも違ったこの情動は一体何物だろうね。
充血した肉が持つ独特の硬軟。甘く噛んでやるとコリコリと小気味の良い噛み応えがある。
鼻腔には甘酸っぱい匂い。頭の中はピンク色。如何に表現すべきか困るこの高揚。
舌の腹で胸の肉と共に舐め上げる。
ベロは突起に引っ掛かり、限界まで達するとぷるん、と重力に従って滑り落ちる。
俺の顔にも橘京子の肌着にも唾液が塗りたくられている。
脳みそが焼け付くような感覚を覚えつつ、止めを刺してやろうと思い切り吸引してやると、
「も……だめぇっ!」
あっけなく陥落した。らしい。
"お仕置"の間ずっと握り締めていた手首を離してやると、力が抜け切った少女はぺたんと喫茶店のフロアに尻餅をついた。
上半身のみ着衣が乱れ、そしてぐちょぐちょだ。主に俺の仕業だが。
息が荒い。俺も、こいつも。
橘京子は眼を閉じて、チャームポイントのツインテールのくっついた頭を上下させている。
俺はというと、だ。
いきり立っておられる。いや、姿勢ではなく息子が。有体に言えば肉棒が。
そうだな、今からナニをすべきかなんて分かりきってるよな。
ここまできたら溜まりに溜まったリビドーを発散――。
待てよ。
ここから先の領域に足を踏み入れると言うのは十二分に法に抵触する行為に相当しないのかい?
それはヤバいって。レイプだぞレイプ。
目の前にはぐったりとして頬を赤らめてさえいる世間一般の判断基準で見れば高水準とも言える容姿をした少女。
そして眼下には屹立した俺の分身。
――どうするよ、俺?
脳内で理性と欲望のサミットが始まって、
いや、もうこれ以上するもしないもたいした差じゃ――いやいや大問題だって――いいじゃねえかよ、まだ「ごめんなさい」の言葉を聞いてないだろうが――そういえばそうだよな!
あっさり終わった。
そういえばそうだよな!
俺は誘拐犯の脇に手を差し込み、近くにあるテーブルまで連れて行く。
誰もいない閉鎖空間で良かったなぁ、と思いつつ橘京子をうつ伏せにさせ、抵抗も無くスカートを捲り上げた。
「……あ、あれぇ? 何、するんですかぁ……」
意識が軽くだが戻ったらしい。
強いて言うならば、お仕置きの続きだよ。
そう言って、俺は下着に手を掛けた。
「……! あ、い、いけませんっ! それだけはっ……」
やかましい。
もうぐちょぐちょに濡れてるくせしやがって。
「そんな……あたし、感じてなんかっ」
口答えの回数が多い。
足を上下に動かし必死に足掻く。
その両方を止めるべく、俺は濡れそぼった秘所を軽く撫でた。
「あっ……! あ、やぁん……」
ここまで思い通りに行くと返って気持ちが悪い。
見て直に触った感じでは、あまり毛は生えていない。
局部の陰毛も含めて、体毛というのはどうも個人の年齢やら幼さやらを視覚的に実感させるものらしい。
橘京子の年齢は俺とさほど変わらない筈だが、妙に毛が薄いそこはこいつが俺よりも年下だとデモクリトスが挙げた甘い物の原子形状についての論拠並みに感覚に頼り切ったやり口で俺に印象付けるのであった。
しかしこいつはちっこい。長門よりは大きいが、それでも小柄な方だろう。
その小さい臀部に両手を当て、マイサンの先っぽを女性器に押し当てる。
「覚悟しろよ」
俺は悪人のような台詞を吐き、晴れて童貞とさようならをした。
夜の友として絶賛活躍中の18歳未満には鑑賞が進められていないビデオではもうちょいとスムーズに進入していたと思う。俺のものが濡れてなかったせいなのかね。無理に挿入したせいだろうな。
橘京子の体内に息子を侵入させてから、まだぴくりとも動いていない。というよりも、キツくて動けん。
さあどーすっかねー、と気楽に考えながら手に新たな感触がしたのでそちらを見るとだ。俺はびっくりしたね。
……赤い、液体。破瓜って奴か。
処女膜をぶち破ってしまったことに罪悪感を覚える。が、
「んぁっ……お、おっきいです……」
意外にも嬉しそうな声を出しやがったので俺は罪の意識を道頓堀に投げ捨てた。
こいつめ。痛い事をされて喜ぶというのか。Mなのか。俺はSだが。
なら、やってやろうじゃないか。思う存分。手加減無しで!
「……っ! あっ、はぁん……やぁ……い、いいのぉ……」
くぐもった声が興奮を煽る。
もう労わるものか。とことん痛めつけて何としてでも謝らせてやる。
にちゃにちゃと淫靡な水音。
力の限りを込めて前後運動を繰り返す。ピストンだっけ?
保健の授業の時に教科書に載っていたワギナを思い浮かべてみるも、快感のせいか上手く図を脳内で再現できなかった。
そういや初プレイというのに俺はやけに冷静だな。しかもバックで、避妊具も無い。
相手はついさっきまで処女だったと言うのにすっかり語尾にハートマークを付けている順応性の高すぎる誘拐少女。
体格差もあるだろうが締め付けが非常にヤバい。お、折れる。
根元から雁首まできゅうきゅうと圧搾される。果ててしまいそうになるが、必死になって堪える。
狭い。そして熱い。
さっきからコンコンと亀頭が子宮口と衝突している。
硬いそこにぶつかる度に、
「あぅ、ひぁあっ」
などと嬌声が飛ぶ。……ひょっとして、喜んでたりすんのかね?
ちょいと腹が立った。
俺は少なくとも橘京子に折檻をしているのだ。
だというのにこいつからは悔悟の念など微塵も感じられない。しかも善がってさえいる。
「ぁあっ! あっ、はぁっ」
俺は揉み応えのある尻を掴んで、円運動を加えた。
橘京子がぐい、と身体を反り上がらせる。
何のサインなのかを計る必要も無さそうだ。違いない。
「キョンさん! キョンさん! もっと、もっとぉ……」
こいつ、悦楽に酔いしれてやがる。
お前もその名で俺を呼ぶのか。
しかも全く逆効果ってか。
そして更に強く締め付けるな。要求するなよ。
「あ……なかでぇ……あ、あばれて……ああっ!」
膣が収縮する。
俺の一物は勿論その動きに巻き込まれ、遂に音を上げた。
「う、うああっ!」
息子の芯から流動体が迸る。
際限が無い。次から次へと、まるで橘京子の締め付け、もとい求めに応じているかのように。
熱い。さっきもそう思ったのだが、その時とは比べ物にならんくらい熱い。
人の熱量ってのは凄いよな。人だけじゃなく、動物全般について言えるが。
例えば凍傷にかかったエスキモーがアザラシの体内に腕突っ込んだり。別に俺はそんな過酷な環境にいるわけじゃないがね。
人の温かさってのは何物にも代え難い物なんだな。今更ながら思い知ったよ。
いやはや本当に熱い。とろけるんじゃないんだろうか。バターみたいに、とろ、とろに――。
わけの分からないことを考えながら、俺は力尽きて少女に覆いかぶさった。
さて。
俺はこの短時間に様々な事に気付かされたね。
自分がドが付くほどのSな事とか。
誘拐少女はドが付くほどのMな事とか。
つい数十分前にはコーヒーが運ばれるのを待っていた場所で強姦なんてな。
人生、何があるか分からないよな――。
――すいませんでした反省してます。
「で、見たのかい? 僕の内面世界とやらを」
「……ああ。一応」
あの後、気絶した橘の服の乱れを整えてから揺り起こし、俺は無事に現実世界へと生還した。
どうやら佐々木製の閉鎖空間に移動しても俺の身体が喫茶店から消失する、なんて事は起きず、ただじっとエスパー少女と手を握り合っていただけだったという。
「感想はあるかい?」
いや、それはどうにも言い難いんですが。
「?」
佐々木は何も言わない俺を訝しげに見ている。
何か言わなきゃならんらしい。というかお前は自分の中に誰かが入ってきたって実感があるのかね。
出来れば、そのやけにきらきらとした純真な眼で俺を見ないでくれ。
ひどく自分が矮小な存在に感じるんだ。
「強いて言うなら、何もねえな」
秘技・お茶濁し。
だって言うわけにはいかんだろう。気付かれてたら怖いが。
……待てよ。気付くも何もはっきりと一部始終を見てたんじゃないだろうな。
内心気が気でない俺を見ながら、
「くっくっ」
佐々木はいつものように喉を鳴らした。
――大丈夫、なのか?
問い尋ねる事も出来ず、俺は水を口にした。
「ねえ――」
ずっと黙っていた橘京子が口を開いた。
佐々木に神になるよう再度頼むのかと思えば、
「キョンさん」
何故か俺を呼んだ。
おい待て。何故俺をそんな熱を帯びた眼で見る。なんだか潤んでるぞ。顔も赤い。
「また来週、ここで会えますか?」
一週間後。
SOS団に新メンバーが参入する事も天蓋領域の攻撃が始まる事も無く世界は平和そのものだった。
ウインドウ越しに先週と全く同じ位置にちょこんと座っている橘京子を見つける。
俺は改めて、自分の頭の螺子が二、三本抜けてたんだなと思い知った。
なんて俺は軽率な事をしたのだろう。橘は敵対機関の幹部だった事をすっかり忘れていた。
……逆襲か。それとも、慰謝料請求か。
リンチでもおっぱじめるつもりじゃないだろうな。
恐々としながら俺は席に着いた。
「待ったか?」
自然にそんな言葉が出た。
馬鹿か。デートじゃないんだぞ。
「いいえ、気にしないでください。そんなに待ってませんから」
朗らかな笑み。
そこに俺は恐怖を感じた。
無関係な立場から見れば随分と微笑ましい光景なのだろうと思うのだが。
「えーとですね、今日は――あの、その」
もじもじと膝上で手を摺る橘京子。
俺ではなくテーブルを見ているその様にはどこか恥じらいのようなものが見られる。
それ以降言葉らしい言葉は出さず、「あ」だの「え」だの聞き取れない音を発するのみだった。
「んん……! もうっ!」
上手く話せない自分に少々苛立ったらしい。
一、二回深呼吸をすると、俺に矢のような視線を射るようになった。
やべえ、怖い。
コンクリ詰めになるのだろうか。それとも毒殺か。バラバラは止めて欲しい……というかデッドエンドはどいつも御免被りたい。
「は、はっきりと言いますねっ、あ、あのっ!」
俺は息を呑んだ。
この少女の言動に己の運命が映し出されるのだと考えると足がすくんだ。
上下の唇が離れる――ああ、もう駄目だ。おしまいだ。
「お……おしおきしてくださいっ!」
――ああ、父さん、母さん。
どうやら調教フラグが立ったようです。
おしまい。
--------------------------------
一日で思い付くまま書きなぐっただけだから色々と粗があると思う。
でもいいや。
きょこたん 万歳!
おれも、とてもすごく、それでいいと思う
>>433 なんというか…GJとしか言えない…
エロ描写も良かったし、橘が理想通りのキャラだったから良かった。
とにかく良かった。それだけ。
yabeeeeeee
早速矛盾点をめっけてしまった 余裕のある人は各自脳内補完してくれ
>「な……何を、するつもりなの?」
> 橘京子の手首を喫茶店のテーブルに押さえつけると、爛漫としていた表情が色を寒色系に変えていくのがはっきりと分かった。
テーブル→壁 で頼むよ
佐々木がキョンにお仕置きまだ〜?
やっぱりたちばなは
エロい
な
やば、ちんk
>>220の、
>>231とは別バージョンの続きを書こうと思う。某ナゾトキファンタジーのネタが大いに含まれるので注意。
キョンが某漫画の死神のように砂になった。あたしは悲しくなった。
この世界にキョンを連れ戻そうととっさに思ってみる。それがどうなるかは分からないけど、そう考えてみた。
「キョーーーーンッ!」
力が暴走する感覚がする。そして上空に雲が雷鳴を轟かせながらあたしたちの上空を中心に竜巻のように巻いて、まばゆい光が照射されるのを不思議だと思って見受けた次の瞬間、意識が途絶えた。
--------
・・・俺はどこにいる?どうせ昇天中なんだろうがよく判らん状況にあることは確かだ。
まあ、天国も地獄もあるか判らないからどうでもいい話であるが、俺の意識はどこかへ向かっている。・・・はずだった。
ある瞬間、光の渦のような物がSOS団自主映画の展開のごとく唐突に現れ、俺を飲み込んでしまった。
そして・・・どこかに転げ落ちた。
「いててて!」
え。感覚があるぞ。何故だ。どこかに着いたってのか。
「そうだ。お前は涼宮ハルヒが悲しみのあまり暴走させた力によって、一時的に特殊空間に隔離された。私がこの空間の管理役を務めることになったらしい」
え。あいつ、桜の開花時期を早めろといったはずなのにそんなことをしでかしたのか。ふと声のする方を見ると、いつだったか聞いた後光のような光が球体となって大人びた声で話している。あんた、情報統合思念体か。
「そうだ。主流派のな」
「主流派というと、長門の親玉か、あんた」
「そうだ」
確かに光という無形で存在している意識だけの宇宙人のようだ。
「どうやら涼宮ハルヒは暴走してパワーアップした力を振るってお前を地球上の俗に言う「この世」に戻すための何かに自分自身らを放り込んだようだ。
それよりもお前のいるこの空間は涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、長門有希、古泉一樹らの視点及び周りの様子が見られるようだな。そこのスイッチがそうかもしれない。適当に押すがいい」
確かに床にスイッチと思しきものがある。ポチッと押したその瞬間、俺はハルヒたちを見た。
--------
車の音が聞こえる。って、車?あたしたちはどうなってるのか状況がつかめないまま外を見てみた。・・・田舎道だった。
チラリと見えた車の外装は黒かった。あたしはその車にいるらしい。前の席にはよく見えないけど、横にはみくるちゃん、有希、古泉くんがキョロキョロしているのが見えた。
「どうやらあなたの力で別の空間へ飛ばされたようですね。彼のことと少なからず関連があると思います。どう思ったか言ってみてください」
「うーん・・・。キョンをあたしの力で戻そうかと思ったわね」
「ふえっ?キョンくんがどうかしたんですか?」
そういえばみくるちゃんにはまだ連絡してなかった。みくるちゃんに一切の事柄を話すと驚いて黙り込んでしまった。
「気がつきました?」
いつぞやの怪しい執事さんがいた。古泉くんと話している。
「ええ、大丈夫です。どうやら涼宮さんが力を暴走させてこのような自体を発生させたようです。あなたたちはどうなるか判りませんがとりあえずいつの間にかあったこの地図の通りにお願いします」
「・・・。変ですな。入り組んだ地図で、町がいくつもあります。ええと、文によれば「どの町ともつながっていない町」ですから・・・ふむ、これですな」
どうやら行き先は判ったみたい。車はその町へと向かっていった。
--------
どうやら俺は漫画やアニメで言うところの「神の視点」でハルヒたちを見ているらしい。立体映像っぽい光の壁が各視点での映像を写している。上空からの視点によると、
ハルヒたちは黒塗りのタクシーからタクシー的要素を抜いたような車にいるようだ。新川さんも運転手として乗っていた。森さんはいなかった。
「あー、もう。キョンは本当に世話の掛かる団員ね」
余計なお世話だ。
そして、ある町に着いたらしいハルヒたちは車から降りた。・・・と思ったら新川さんは挨拶をしてこれまた唐突に現れた光の渦へと車に乗って消えていった。この時この世のものであるらしい駐車場に、その車が現れる映像が出てきてすぐに消えた。
ハルヒたちはすぐ向こうの壁に上がっている橋を管理しているらしいおっさんに、何かの紹介状のようなものを不思議に見た後、それを見せてこう言った。
「レインフォード氏の遺族から、『鍵の遺体』のことで紹介状貰ってるの。通してもらえないかしら?」
「うーん、よそ者が入るのはちょっとよろしくない気分だがまあいい。よし、次の謎が解けたら通してやろう」
こんな問題だった。
10個のカプセル薬があり、今日から1日1個ずつ毎日飲まなければならないとする。それぞれ成分量が違うのだが、飲む日が決まっているという。
色や形が一切同じなので見分けが付かないので、間違えないよう1から通し番号を書くことにした。いくつの数字をかく必要があるのだろうか。
「うーん・・・。10個の数字をつけるんだから10までつければいいのよね・・・。」
「2日目から9日目までの8個のカプセルにつければ問題ない」
長門が言った。しかも数字の数だけでいいのにこいつらしく正確に言った。俺の近くにいる光とは接続を切ってるようだが、なんですぐ判ったんだ。
「彼女自体の機能として高度な知能を持たせたからだ。非常時に備えて、私たち情報統合思念体からの切断が途切れても、ある程度の能力と高度な知能は仕様としてTFEI端末には持たせてあるのだ」
ふーん。
「正解だ。橋を降ろしてやろう。」
橋がおっさんのハンドルを回すのに連動して降りていく。それを見ながらハルヒは長門にこう言った。
「どうしてそうなるのよ?」
「まず、今日飲み始めるカプセルはすぐに飲むのだから数字をつけなくていい。また、最後のカプセルも、最後に1つだけ残るためつけなくていい」
「そういえばそうね」
そんな解決編っぽい会話を交わした後、降りた端をハルヒたち4人は渡っていった。
というわけでとりあえず1章ここまで。2章はいつ書くか判らんが、そのうち書く。
あと誤字った。445、最終行の「端」→「橋」。
ちなみにレインフォードとしてるのは、元ネタそのまんまではアレだからな。
幕を下ろした作品の勝手に続編はあまり感心できない。
しかも明らかに力量の差が……
力量って……
え? これネタじゃないの?
力量についてはよく分からんが、
某ナゾトキファンタジー的なハルヒを書きたいという気持ちばかりが先行してる気がする。
そのせいかキョンの語り方やらが説明臭くなってるのでそこを改善するよう努めては?
>>231みたく、ざっと小ネタで片付けるならいいが、これはそもそも
>>220の続きである必要がないんじゃないか?
プロローグを追加して、別物でやった方が良いのでは?
とお節介を言ってみる。
読む価値のあるもんをアンカーでまとめてくれ
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ
457 :
>>90:2007/04/22(日) 20:50:54 ID:mpyP0tBN
「これで涼宮さんのターンは終了、永続トラップ『情報連結解除』で、
あなたの場のモンスターは全て墓地に送られ、私の勝ちよ」
「何、勘違いしているんDA☆」
「…?」
私のバトルフェイズはまだ終了してないわよ!
「特攻魔法発動!『バーサーカーソウル』!」
…「狂戦士?それがどうかしたの?」
全ての憂鬱シリーズを黒歴史に捨て、効果発動!
「このカードは、今までの声優業の経歴を抹消し、その数だけ、
アンチと信者に攻撃表示を提示、追加攻撃が出来る!」
…!あのときの…
ー『ナマコ』の効果で、アンチ効果は亡くなる。
その代わり、プレイヤーの声質は300ポイントダウンするがー
「涼宮さん、そこまで考えて…」
「では行くわよ!まず一枚目!」
ドロー、モンスターカード!
『NHKでのアナウンスのバイト』を墓地に捨て、
「『平野綾』、『TFEL三人姉妹』に、スイカ攻撃!」
はぁぁっぁぁああ、サップ!
「きゃあぁああああ!!!」
二枚目…モンスターカード!
…これじゃ、わたしはまた…!
「追加攻撃!」
サップ!
「うぐっ…あああぁ…ー…!」
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
459 :
最終回:2007/04/22(日) 20:52:28 ID:mpyP0tBN
「もうやめろ、ハルヒ!」
「HA☆NA☆SE!」
もう、とっくに朝倉のライフはゼロだ!
「もう、勝負はついたんだよ!」
………「朝倉、私だ、約束だ。言え、相棒はどこだ!」
…朝倉aaaaaaaa!言え、相棒は、どこだaaaaaaaaaaaa!!!
何言ってるんだ…
「もう、わかってるんだろ?もう、朝倉の心は、長門に取られてしまったんだ」
だから…そんな約束、果たせるわけないんだよ…
「う、うぁaaaaaぁああああああ!!!」
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
ドロー モンスターカード!
「引退後も、ずっと綾のターン!」
ちょwwwwwwwwwいま丁度その動画見てたんだがwwwwww
あー
地の文、誰がしゃべってるんだかさっぱりだぜ!
>>459 もしこれが
>>90で言ってた第1章から第7章までのうちのどれかなんだったら面白いな
早速だが、状況以前の概略を俺なりに説明する。長いのは承知の上でだ。
まず、佐々木達の邂逅から幾週間すぎ、未だにこのSOS団は新入部員候補達を
振るいにかけている。それが団長の意思であり、団員一号(仮)の定めである。
お前さ、聞く耳持たんのは知っているが、罪なき者への断罪は
命に関わるぞ。他人様からお借りになった銃をいつまでもむけ続けるな。
むけるのは俺の団…男k…ーすまん、脱線した。
つまり、今度団長が眼を離した隙に彼らの時間を割いて、言わねばならん。
お前ら、部活以上に将来を考えろ。
「そこまで思い詰めるのは、あなた独特の感性の賜物ですね」
俺は新入生達から歓声を貰って、先輩気分を味わいたいだけだっての。
「ええ、このままでは気分どころか、団が『奇聞』化していくのは避けられないでしょう」
うむ、しかしながら、こいつの理系としての論理性には相変わらず舌を巻く。
今季受験生の先輩にセンターのヤマでも振ってやれ。赤本なら、
文芸部部長がそれこそ富士山の頂上級に匹敵する蔵書を提供してくれそうだ。
しかしながら、長門に参考書関連は一生無用だろうがな。
「いえ、あながち彼女と勉学書は切っても切れない関係があると思われます」
ああ、言われるどころか、チョモランマの登山料並の知識を蓄えた者だ。
「ええ、それに加え、我々の進級はそれこそ、団の存続に深く関わっていく…その事は自明です」
…実力で進級した事だけは他人にも自慢したいんだが、お前のバックグラウンドに
足を踏み入れたとしたならば、それは辞退して、高校の中退を検討領域へ移行させてもらう。
「あなたの疑心は僕の知恵では果たせそうにありませんね。アダム・タイソンが
蛇にそそのかされ、禁断の実を神の樹から強奪した原罪…それは現在に進歩を進めても、
完全なる進化は皆無に等しい。歴史学と老古の情報の採集は、どんな立場の人間…」
空気を読むなら、最後まで読め-………?
何の話だそれは。
「ええ、今神話の著作を長門さんのふるい…それこそ素数を振り分ける、
エラトステネスの篩を彼女から『教え』として承り、今の部分までの要約を言ってみた…」
それだけです。………ああ、その教本に俺は興味がない…といえば嘘になるな。
「そう、人類の歴史の開始の状況は、もはや考察と時代考証を後100年続けても、
1には戻れますが、0には到達するのは、理論上不可能に限りなく近いのです」
おおお、ああ、それはガキの頃にあいつに聞いた…ああ、懐かしさをぶちまけたいです。
「もう、その話は結構です」はっきり言うなこのハードゲイが…!
「阿部高和さんは尊敬に値する人材ですよ。生きる事はYとXの染色体に左右されるのですから」
むむ、アーッ!なんて言う事をさりげなく期待したが、そううまくいくはずもない。
「コンピ研なら即釣れるがな」まるで、あの、占いのーーー
なんだっけ。
「あなたは、タロットの事を言及したいのでしょうか?」
違うわガチホモ。…ここに変態が居まーすっー…
長門さん。朝倉の悲劇をこいつにもやってやれ。
1書きながら投下してるのか? .ある程度の量をまとめて投下してくれ。
2.日本語、「現代文」とまでいかなくても、「こくご」「国語」は習ったのか?
3.メモ帳と掲示板を混同してないか?
4.実はアラシ?
もう相手にしないほうがいいんじゃない?
>>466 投下終了を待ってる人たちの身にもなってくれ。
いつ始まって、いつ終わるのかも分からないのでは読んでるこっちが辛い。
規制に引っかかっているのなら仕方ないかも知れないが、
書きながら投下は論外と知ってくれ。
それとここを一読する事をお勧めする。
ttp://www.raitonoveru.jp/ 「小説」を書く基本であれば、ここで充分に足りる。
あなたが「人に読んで欲しいと思っていない」のであれば別だが。
ええ、と頷きを横目で流しつつ、妖気を隠した玉藻の九尾と類似した
今や17歳…彼女の身体が訴える年齢は4歳と言い換えても、概念に支障のない事情を
俺たちにしか披露してくれない、サービス精神に垢抜けた文学少女を視線に捉えた。
…長門はあのとき以来、派手な行動を一切せず、ただ消失した人間性を引き摺ったまま
黙示黙のラッパをポッケに入れたまま、今日もまた、窓辺に立ち、涼しさを運ぶ春風を日元に
受け入れ続けている乙女…長門有希、春と言う季節を知識でしか提示出来ない哀れな万年雪、
そう、いまここにいる。あの俺が100円で買ってきた椅子は気に入らなかったか。
「………」…………「……………」………………だー、これがこの團の象徴なのだ。
やれやれどころか、はれはれ、愉快愉快。お日様は雲どもを春一番でデバックし、
全くの快晴が魔法以上のユカイを…ー勘弁してくれ、ホント。
「…日光の悪質性日光勘遮スクリーン」え?
「それが全てを守ってくれている」すべてか。それはわかってるさ。
「天頂の蠅の王は大地と天空の慈悲を喰らい、自らの子個を次元領域に蒔いていく」
「ガイアの魔王は混沌を今々、忌々しく…憎み、卍力を振るい」
「…銀の鍵を神の靉として、無数の髑髏へ改竄し」
「ー聖戦を天の天使へ神威の心を贈り断つ」
「…ある男の何でもない手記」
それが、あの曜を司り、ハルヒに呼び込まれたのが…
「混沌の王。今は亡き死の詩を綴り、壱阡の戰策を無意識に解き放つ者」
…あの乳製品か。乳酸菌取ってる?
「全ての名をあざ笑う」
…火と時を五体に握りし、太陽の化身。
「それがあなた」
嘘だ。そんな力などお前達にすべてやっちまったよ。
「…『Trickster』が最も恐れおののく切り札」
「53枚目のジョーカーですよ」
つまりは…
敵は三人。そいつを止められるのも三人。
「だから、元々意味がない」
「我々はどうやら、無駄な時間を彼らに与えてしまったようですね」
だとしたら、奴らの目的の鍵は…銀の銃弾は……
「ー2つのSを持つ、世界の覇者と女帝」
「『ス』ズミヤハルヒ…」俺はただ、つぶやく事しか出来なかった。
「-『さ』さき…」そこからは俺しか知らない。これだけは断言出来る…おれですら。
「遂に涼宮さんの創り出した閉鎖空間が、この世界を浸食し始めたのです」
最近すごいな…
痛々しいというか何というか…
473 :
>>90:2007/04/22(日) 22:52:21 ID:mpyP0tBN
もう、投下はやめます
難しいどころか、添削量が並大抵じゃないので
もっと本読んできます
読んで下さった方は忘れて下さい
まだ章はどこも途中までしか溜めてないので…
乙
乙。
乙。。
ご英断です。
なんというか乙。
また、評価の高かったSSを読んでみるのも良いかと思う。
きっちり書き終えてからの再チャレンジを期待してる。
各キャラの一人称とか二人称とか纏めてるとこって無い?
480 :
>>90:2007/04/22(日) 23:14:09 ID:mpyP0tBN
アドバイスから、段落を意識して、状況説明を増量して書いていくつもりです。
ありがとうございました。また下書を溜めていくので、またいつか。
先に挿絵を用意します。おそらく原作のお二人方もそうしていると勝手に思っているので…
表紙はカバーともう一つ作ります。下書と構図は今夜作成に取りかかるので、
全章が添削段階に入り次第、どこかにフォルダごとおいておきます。
とりあえず、設定の付け足しを独自に進めていくので、
長門の100冊のタイトルを探していきますので、ちゅるやさん短編で馴らしておきます。
いちいち報告しないでいいです。
だまってがんばってだまって書き上げてだまって投下してだまって帰るのが、一流だ。
>>480 ……どうもわかってないなぁ。
書き上げてからの投下。それだけだ。それ以上も以下もない。
未完成のものは作品じゃないし、それを投下したり批評してもらうなんて論外。
下書き、構図(なんだ? 構想のことか?)、いりません。
添削段階に入ったものなんて不要。完成したものだけを発表してくれ。
どうも全体的に「自分はこんな凄いことを考えてるんですが、どうですか」的な匂いが強い。
そういうのは「オナニー」って一番嫌われるんだよ。上でも散々言われてるじゃないか。
語るなら作品の中だけで語ってくれ。
>>481の言う通り。黙って頑張れ。そして完成したら投下なり発表なりするんだ。
こんな設定考えましたとか、もうやめてくれな。
484 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 23:43:50 ID:itFLxfcF
え?なに乙って言えって?はぁ…そんなの
へ へ|\ へ √ ̄| へ
( レ⌒) |\ ( |\)| |/~| ノ ,__√ /7 ∠、 \ . 丶\ _ __
|\_/ /へ_ \) | | | |∠ | |__ | / ! | | |_〜、 レ' レ'
\_./| |/ \ .| |( ̄ _) | ) | | i | へ_,/ ノ ,へ
/ / ̄~ヽ ヽ. | | フ ヽ、 ノ √| | ! レノ | !. \_ ー ̄_,ー~' )
/ /| | | | | |( ノ| |`、) i ノ | | \_ノ ノ / フ ! (~~_,,,,/ノ/
| | | | / / | | . し' ノ ノ | | / / | |  ̄
\\ノ | / / | |___∠-". | | ノ / ノ | /(
\_ノ_/ / (____) し' ノ/ / / | 〜-,,,__
∠-''~ ノ/ (_ノ 〜ー、、__)
小学生が
「俺すごいこと思いついた〜、聞きたい?」
って言うじゃん?そんな感じ
なんつーか、
数年後に発見して死にたくなる設定を書き綴った
ファンタジー小説ノート(挿絵入り)を
無理矢理見せられてる感じだな
>>487 頼むから思い出させるようなこと書かんでくれ。
エターナルフォースブリザード吹いた
一昔前に流行ったデスノコラで
>>487ほぼそのままのがあったんだが、
画像ファイルはどれも一緒くたに保存してるから行方不明でうpできねぇ
>>480みたいなのってなんで沸いてくるんだろう
しかもそういう奴って100%クオリティ低いよな
取りあえず今日は橘SSが投下されただけで俺はもう大満足だ
んじゃお前がクオリティの高い作品書いみろよ。
たった数レスなのに、ざっと見ただけで軽く10個は日本語の間違いが。
>>487 俺はもちろん今でも大事に保管してるんだぜ?
>>492 たぶんここのスレでSS書いて投下する人間なら、
>>90よりも読めるSSは普通に書けると思うが。
というか、問題なのは「未完成」ってこと。作品以前の問題なんだよ。
あのままじゃ評価に値しないっての。
というか自分で言ってることに矛盾があるような……
って俺らが構いすぎなのがいかんのよ。きっと。そして俺も。
>>485 阪中は地味に間違う。
ハルヒ→キョンの場合「阪中」
ハルヒ→阪中の場合「阪中さん」
まぁ、ナニが言いたいかっていうとチャイナミニもセクシーっていうかエロスで俺は好きだぜ、と
>>490 文章力と精神年齢(実年齢)は必ずしも比例しないが、ある程度の相関関係はあるからなあ。
人格がガキのままで文章だけやたら上手い奴もいるだろうが、そういう奴はプロに行くだろうし。
俺は
>>90みたいな奴は人間としては嫌いじゃないが(俺も昔色々と恥かいた覚えがあるし)、
だからこそ言っておく。二度と顔を出さないでくれ。
お前らは馬鹿か
俺は天才でもなんでも無い只の一高校生にすぎないんだぜ
日本語の一つや二つは間違える
なんたって只の高校生だからな
あぁなんで二度言った?なんてことは聞くなよ
>>498 こうこうせいはこのいたにはきてはいけません。
わかったかな?ぼく?
佐々木も扱いが難しいなぁ。
会話する相手の性別によって口調が変わるっぽいけど、女性に話しかけてるシーンが
少ないというか、廻りに誰がいてもキョンにばかり話しかけてる気が……はっ! ラブ?
ハルヒや橘と会話したくらいか。女言葉ってか、多少柔らかく丁寧になるくらいなんかな。
自称が「わたし」「あたし」かまだ決まってないよね? 「わっち」?
>>501 「わっち」ってwww
佐々木のふいんき←(何故か変換できない)からして「わたし」と言いそう…ってか言って欲しい。
にしてもだ。佐々木の口から発せられる言葉をSSにすると何を言いたいのかわからなくなってくる…取り敢えずブルーバックスから知識借りてるけど支離滅裂な文章になるから困る。
佐々木ってどのくらいの学力なんだろうね。
>>501 おまいはラ板の抱き枕スレの住人だなwww
多分、わたし、だと思う。雰囲気的に。
とりあえずお前さんはこんなところで油を売ってないで、梱包作業に戻るんだ。
同じく「わたし」派なんだけど、「あたし」と言わせてハルヒとの類似性を見せたSSを読んで
「なるほど、その手もあったか」と印象に残った…が、どこで見たか忘れた。
梱包する前に抱いて眠ってくる。
「これはッ!? 北高のスレッド!?」
放課後、部室の扉を最初に開けたのは俺だった、珍しく長門の姿は無い。
まあそんなこともあるか。
暇だったので、なんとなくネットサーフィンをしていた。
そこで俺はなんと北高の掲示板を見つけたのだ。
「こんなものがあったのか……」
さっそく見てみよう。
1 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/6(月) 23:29:09 ID:foXhouNd
北高のスレッドでございます。
情報交換などに活用してください。
荒らしはご遠慮願いますぞ。
2 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/6(月) 23:32:05 ID:koIzUmiI
お疲れさまです。
3 :谷口 :2007/04/6(月) 23:33:13 ID:ThePenis
1ゲット!!
4 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/6(火) 23:45:24 ID:foXhouNd
ちょw 本名をさらす必要はありませんぞw
5 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/6(月) 23:56:01 ID:koIzUmiI
なにやってんですか谷口さんw
6 :谷口 :2007/04/7(火) 00:02:56 ID:ThePenis
うるせえ!おまえらに1ゲットできなかった俺の悲しみのなにがわかるってんだ!!
7 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/7(火) 00:11:12 ID:koIzUmiI
すいませんw わかりませんw
8 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/7(火) 00:13:06 ID:foXhouNd
1ゲットは物理的に不可能ですぞw
9 :谷口 :2007/04/7(火) 01:28:02 ID:ThePenis
うわーそうか!!しまった(核爆)
10 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/7(火) 01:36:37 ID:koIzUmiI
核爆w
11 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/7(火) 01:37:37 ID:tosHokAn
ユニークw
12 :実はおれ名無し萌えなんだ :2007/04/7(火) 01:39:26 ID:foXhouNd
だから本名は(ry
――これはっ……! 谷口、まさかここまでアホとは計算外だ。
やれやれ、と書き込もうとしたが特定されそうだからやめておいた。
IDに吹いたwwwwww
>>498 キョンの一人称って事で書いたのにひらがなで諭されててワロタ
foXhouNdが分からん
誰か教えてくれないか
新川=スネーク
だからfox(ryなのかー
さりげなく古泉がかなり鬱陶しいなwww
>>506 これぞ文章力の恩恵
孔明の罠を佐々木達にどこまで移植出来るか
佐々木一人称SSは意外と敷居高いぞ
それに比べて、ここまで本編が動いたのはある意味奇跡
ごめん、SSって、佐々木と涼宮にかかってると思った
どう考えても偶然棚こりゃ
>>502 ×ふいんき
○ふんいき=雰囲気
ごめん、つっこまずにはいられなかったんだorz
気にするな、俺など知らずに本気でつっこんだことがある。
>>506 調子にのって書いてしまった。
ある人が立てた場合。
1 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 06:59:09 ID:Haruharu
北高の不思議発見スレッドです。
宇宙人・未来人・超能力者等は書き込みをお願いします。
普通の人は書き込まないでください!以上!
2 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:00:09 ID:koIzUmiI
お疲れさまです。
3 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:00:59 ID:ThePenis
4様!!
4 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:01:19 ID:tosHokAn
ユニークw
5 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:01:59 ID:Haruharu
>3ちょっwwwwバカじゃないの?
6 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:02:09 ID:ThePenis
うるさい!>4-5氏ねじゃなく死ね!
7 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:02:29 ID:koIzUmiI
そういう書き込みは止めてください。
8 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:02:49 ID:tosHokAn
ID:ThePenisは基地外バーカwwwプッ
9 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:03:29 ID:Kyoko
>3は荒らしでしょう?スルー汁
10 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/6(月) 07:03:53 ID:ThePenis
>1不思議なんかあるわけないぜ!基地外さんwawawa忘れ物〜!
11 :実はあたしは不思議萌えなんだ :2007/04/22(月) 07:04:08 ID:Haruharu
あんた谷口ね。覚えておきなさいよ!
次の日谷口は学校を休んでいた。やれやれ…
俺なんて最近まで
>>515みたいなのに本気でつっこんでた時期があったからな。
2ちゃんのネタもどんどん高度化してるってことだなwww
キョンの橘調教の続きとかないかな・・・。
osHokAnってなんな?
マジわかんねえ
>520
tが抜けてたら、そりゃ分かんないわな
kyokoって誰だ?キョンか朝倉か
今気付いたけど、保管庫の九曜SSに変なのが混入してるな
橘
>>524 いちおう、連絡掲示板で管理人には伝えといた。
>>506 こんな感じか
1:【新型バナナ】谷口くんカコイイよね (性能20倍) (1) 2: 朝比奈みくるは北高の天使 26ひゃ〜い (216) 3: キョンタン(;´Д`)96ハァハァ (367) 4: 北高∞不思議 (11) 5: 鶴屋、実は標準語ペラペラだった (280)
6: キョンタン(;´Д`)95ハァハァ (1002) 7: 【無口】有希の可愛さは異常36冊【凛凛】 (59) 8: 涼宮さんを語るなのね 32ワン (68) 9: キョンはあたしの婿 敵75匹目 (893) 10: 【ドンファン】アンチ・キョン 56人斬り【カサノヴァ】 (194)
11: SOS団被害者の会 4告訴 (581) 12: 北高総合 (12) 13: 試験勉強したら負けかなと思っている (67) 14: 【生徒会長】同スモーク臭に嫉妬書記ブチ切れ【鶴屋女史】 (455) 15:【男の】アンチ・キョン 55人斬り【敵】 (1008)
16: 鈍感な男子から告白させる方法107 (317) 17: 【せめ】いつきん17キン【うけ】 (32) 18: 鶴屋を家まで送って消えた人の数8人目→ (725) 19: 北高ハーレム部伝説 (921) 20: 今日の2の5 観察56日目 (468)
これも追加で
【運命は】コンピ研 part2【残酷】
>16: 鈍感な男子から告白させる方法107 (317)
これについて詳しく。
キョン>長門>ハルヒ>みくるなのか‥‥‥
匿名掲示板ネタw
つーかキャラスレで見たぞこの流れ。
投下行きます。
エロなし10レス前後。
「分裂」158ページからの分岐です。
533 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:35:41 ID:uGfmNmK6
δ−1
『もしもし』
こだまのように返ってきたその声は、今朝聞いたばかりの女の声だった。
こいつの声を聞いて、なぜかはわからないが、俺にはこいつからそろそろ電話がかかって
きそうな予感がしていたし、実際かかってみると最近同じように電話で話をしたような錯
覚にとらわれた。
それはいいんだが。
「佐々木か?」
「正解だ。キョン、キミが僕という個体を第一声で認識してくれたことには痛快の念を禁
じ得ないよ。先日涼宮さんにキミの親友だと宣言した手前、僕の声をキミのシナプスが伝
達することに齟齬をきたすとなると、少々居心地が悪いのでね」
それを聞いて俺の脳内42型モニターに、先日の佐々木との邂逅の映像がビュンビュンと3
倍速で再生された。音声付きでだ。
だがなぜか、縁日で買い求めた変身ヒーローの出来損ないのお面のような、不思議とも何
とも表現しかねるハルヒの表情までもが再生され、理由もなく頭の中がチリチリした。
「ところでキミは入浴中のようだね。すまない、今さらだがかけ直した方がいいかい?」
いやかまわないと答えると、
「そうかい、では手短に話そう。キョン、キミは明日暇かい?」
俺が忙しいということは世界の危機が訪れているか、それともコペルニクス的大転回に巻
き込まれていることだろうぜ。
つまりは暇だ。
「そうだろうと思ったよ。いや、失礼。実は今、僕の手元に映画の鑑賞券がある。それと
いうのも、かつて東インド会社から発祥した市場主義経済における人類にとって重要な発
明の一つである株式の恩恵を享受できうる立場に僕の父がいるのでね」
つまりはどういうこった。
「端的に言うと、僕はある映画会社の一株主である父から映画の優待券の提供を受けたの
さ」
佐々木はそこで言葉を一度切り、一呼吸おいて再び話を続けた。
「昨日キミにはやや不愉快な思いをさせた詫びということもあるし、再びキミとの友誼を
厚くしたいという僕の願望もある。よければ明日、共に映画を見に行かないか?」
意外な提案だが、こいつと遊びに行くというのも悪くはないな。
別に躊躇することもないので即決した。
「ああ、いいぜ」
「そうか、承諾してくれてほっとしたよ。……では明日、いつもの駅前で午前9時に集合
でいいかな?」
佐々木は修学旅行の予定表でも見ているかのようにそう提案した。
別に異論はない。
明日ならハルヒが来ることもないだろうしな。
かまわないぜと俺が返答すると、次に佐々木はまさにコペルニクス的大転回とも言うべき、
予想もしなかった提案を投げかけてきた。
「そこでキョン、キミに頼みがあるんだが……。明日、涼宮さんを誘って連れてきてくれ
ないか?」
534 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:36:32 ID:uGfmNmK6
俺には一瞬、佐々木が何を言ったのかわからなかった。
すまん、なんだって?
「キミが驚くのも無理はないが……ではもう一度言おう。明日僕とキョン、そして涼宮さ
んの3人で映画を見に行かないか?」
突如目の前に、ベルリンの壁が成層圏に届きそうなほどに立ちふさがったような気がした。
……なんと言おうか、次の日に台風と地震と大津波がやって来ると分かってしまっている
のにもかかわらず、しかもそれでも決行されることが決まっている遠足の前日のような心
境にさせる提案だ。
「聞いておこう。誰が、そしてなぜ誘うんだ?」
「誰がと言う質問にまず答えよう。もちろん、誘うのはキミに頼みたい。僕はいくら涼宮
さんが有名でも彼女の電話番号を書き留めているわけではないし、またそこまでの間柄で
はないからね」
俺がどう言ったものか呻吟していると、佐々木はまるで交差点で一時停止を忘れた車のよ
うにとどまることなく話を続けた。
「次に何のため、だが、キミがツレと称した涼宮さんに興味を覚えてね。出来れば彼女の
人となりを知りたいと思ったのさ」
「確かに興味深い存在だが、ハルヒは端から見ていれば笑っていられるのであって、実際
に近くにいると、荒れ狂う台風の勢力圏にいるのと同じで、否応なく巻き込まれるんだぜ。
無闇に関わらない方がお前のためだ」
佐々木はくくっと一笑いし、
「キミの忠告には謝意を表したいが、僕はむしろますます会ってみたくなったよ。君がそ
こまで言う人にね。すまないがキョン、頼めるかな?」
世の中には人が見向きもしないようなモノを蒐集したがる好事家がいるというし、ハルヒ
に積極的に関わろうとする阪中のような物好きだっている。
佐々木がどういう気持ちで言ったのかはわからんが、まあそういったことだろう。
それとも、昨日の橘京子や周防九曜が関わっているんじゃないだろうな?
「キョン、その心配はしなくてもいい。今回の件に関しては彼女たちは無関係だ。この提
案は純粋に僕の願望から来るものさ。だが形而下ではなく形而上ではあるがね」
小難しい言葉を羅列しないでくれ。俺の青カビが生えたような脳みそではフル回転させて
も理解するのに小一時間はかかりそうだ。あまりの混乱で、俺の灰色細胞が創作ダンスで
も踊りそうだぜ。
すると何がツボだったのか、佐々木は再びくくっと笑い。
「いや、すまない。だが、そう言った切り返しをしてくれるのはキミしかいないな。ああ、
つまらないことを言ってしまったな。では涼宮さんの件はよろしく頼むよ。それと、キミ
のかわいい妹さんにもよろしく」
そう言い残して佐々木は受話器を置いた。
どこが手短だ……?
結局長湯になっちまった。茹だりそうだ。
しかも佐々木のやつ、厄介な宿題を出してくれたもんだぜ。
ハルヒを誘えだって? まるで罰ゲームだ。
俺は長嘆息して首を振り、湯船から足を浮かせてそのまま風呂場を出た。
そして手早く部屋着を着て自分の部屋に戻ると、子機を手に取りハルヒの携帯番号をプッ
シュする。
回線がつながり、ワンコール目の鳴り始め、まるで西部劇の抜き打ちガンマンのようにわ
ずか0.5秒ほどの素早さで電話に出るハルヒ。
早過ぎるだろ。お前は携帯電話を常時監視でもしているのか?
535 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:37:19 ID:uGfmNmK6
「キョンよね。なあに? いったい何の用なの?」
出るなりそれかよ。
ふて腐れた面をしたハルヒが目に浮かぶようだぜ。
「では単刀直入に言うぞハルヒ。……明日は暇か? 別に暇じゃなければそれで良いんだ
が」
ハルヒは思ってもみなかったことなのか、3秒半ほどのシークタイムの後、やや怪訝そう
な声色で返答した。
「そうね。明日は特別何か用事があるってわけじゃないけど……。だったら何? また不
思議探索でもやりたいっていうの? それとも小テストに備えて、勉強を見て欲しいのか
しら?」
そのどちらでもないさ。
「実はな、明日映画を見に行かないか? 実はチケットがあるんだが、佐々―――」
俺が佐々木と言いかけたところで、ハルヒはまるで早押しクイズのように最後まで聞かず
に返答した。
「映画を見に行こうって誘っているの? しょうがないわね。あんたじゃ他に行ってくれ
る人もなさそうだし、いいわ、一緒に行ってあげるわ。これもあたしの団員たちへの優し
さの表れよね」
まるでうんうんと頷く姿が電話の向こうに見えるようだぜ。
「ちょっと待て、だからなハルヒ、佐々―――」
そこでまたもハルヒは、俺の会話の途中で声を覆い被せた
「良い? 明日の9時にいつもの場所で待ち合わせだからね。遅れたら死刑だから。じゃ
あね、早く寝なさいよ」
「おい、待てハル―――」
切っちまいやがった……。
ハルヒのやつ……俺と2人で行くものだと思っているんじゃないだろうな……?
しかも、そんなに嬉々として切ることもないだろうに……。
だが考えても仕方がない。なるようになれだ。
とは思いつつ、まるで目的地も聞かずに突っ走ってしまうタクシーに乗ってしまったよう
な、言いしれぬ不安でいっぱいだ。
俺はやれやれと古泉のように肩をすくめ、だがいつもよりやや早めにベッドに入った。
翌日、波状攻撃のごとく襲い来る睡魔に負けそうになり、妹の実力行使で名誉の戦死を遂
げてしまいそうになりながらも、普段より心持ち早めの起床と相成った俺は、身支度を調
えると一段一段踏みしめながら階段を下り、ダイニングへと向かった。
ダイニングのテーブルに着くと、妹はすでに口いっぱいにパンをほおばって間抜け面をさ
らしているところだった。
「キョンくん、今日はハルにゃんとデート〜?」
そううそぶく妹に即座にハリセンでツッコミを入れたいところだったが、面倒なので黙殺
した。
それに下手に答えようものなら、勝手について来かねない。
ちょうどトースターの焼き上がりのブザーが鳴ったのをこれ幸いにと、焼きたてのトース
トを妹から受け取りそれをかじった。
未だ脳がよく働いていないせいか、ハルヒが見ていればおそらく罰ゲームをありがたくも
授かるであろう表情でトーストをくわえながら、今朝のニュースをぼんやりと眺めた。
そうして一度ブルブルッと頭を振ると、眠気覚ましを兼ねた苦めのコーヒーで残りのパン
を流し込み、朝恒例のイベントが終了だ。
536 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:38:02 ID:uGfmNmK6
それからしばらくソファーでくつろいだ後、時間になったので今日薄くなることが約束さ
れているマイ財布をポケットに突っ込み、ショルダーバッグを引っ掴んで玄関に向かいそ
のまま外へ出た。
そこで玄関前に用意していたママチャリに跨り、ゆっくりと発進させた。
穏やかな春の匂い立つ風が吹く中、いつもの不思議探索とは違いゆったりとしたスピード
で駅前にたどり着いた。
そのまま自転車を駐輪場に預けると、佐々木かあるいはハルヒが待っているであろう公園
に向かう。
昨日と変わらぬ風景を瞳から俺の脳に流し込みつつ、ゆったりとした足取りで公園に到着
すると、予定の時間より20分も前だというのに佐々木がすでに待っていた。
律儀なやつだ。ああ、そういえばそうだな、佐々木はこういう女だった。
しかし、どうやらハルヒはまだのようだ。
俺は佐々木に近づくと、舞い散る桜の花びらのように手をひらひらとさせて合図した。
「やあキョン、約束通り来てくれたね。しかし、君が先に来るとは意外だったよ。まさに
青天の霹靂だ」
そこまで大げさに言うこともないだろうに、親しい仲とはいえなかなか失礼な発言ではあ
る。
すると佐々木は手を口にやり、くくっと一笑いするとさも楽しそうに俺を見上げた。
「これは失敬。親しき仲にも礼儀ありとはいうが、僕はキミに対すると、どうもあまり考
えることなく気安く発言してしまうようだ」
まあ、久しぶりに会った今でも、あの頃と同じように気安い会話が出来ると言うことも悪
くはないがな。
そこでしばらくの間俺たちが談笑していると、佐々木が不意に俺の背後に向かって微笑み
かけ軽く会釈をした。
なんだ、背後霊でもいるのか? と思ったのもつかの間、突如シベリアの永久凍土に放り
込まれたかのように猛烈な寒気と怖気がゾクゾクと俺の背筋を襲い、わけもなく血の気が
引いた。
「キョン、いったいこれはどういう事?」
振り返ればハルヒがいた。
ハルヒは顔つきこそはっきりとした喜怒哀楽は示していないものの、ハルヒが周囲にまと
わりつかせている空気というか雰囲気は、明らかに異質のものだ。
……やっぱり勘違いしていやがるぜ。ハルヒのやつ。
「よ、よう、ハルヒ。今来たのか」
何をどもっているんだ俺は……?
「キョン、どうして佐々木さんがここにいるわけ?」
声が冷たい。まるで太陽系の果てのように冷え冷えとしている。
「ハルヒお前が何を誤解しているのかはわからんが、昨日俺は佐々木と一緒に映画を見に
行かないかとお前を誘おうとしていたんだぜ」
「はぁ? どういうことなの。あんた、あたしを映画に行かないかって誘ったじゃない」
537 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:38:48 ID:uGfmNmK6
「そもそも、それがお前の早とちりなんだ。だいたいお前は人の話を聞かなさすぎる。頼
むから最後まで俺の話を聞いてくれ」
しかし、俺とハルヒのそんな諍いをしばらくは静観していた佐々木までもが、胡乱な表情
で口をはさんだ。
「キョン、キミはいったいどう言って涼宮さんを誘ったんだい? これでは、どうも僕が
君たちのデートの邪魔をしてしまったように見えるじゃないか」
「佐々木、お前は何を言っているんだ。俺はこいつを誘うとき、きっちり説明しようとし
たさ。だが……」
と言いかけたところでハルヒがそれを遮って口を出す。
少し頬に朱が差して見えるのは俺の気のせいか?
「そ、そうよ。佐々木さん。あたしは別にそういうつもりじゃなくて、キョンがどうして
も映画に一緒に行って欲しそうだったから、仕方なくつきあってんのよ。だから、デート
だなんてとんでもない誤解よ。天地がひっくり返ってもありえないことだわ!」
そこまで言うこともないだろう。さすがに凹みたくなるぞ。たとえハルヒが相手でもな。
しかし勝手なことを言う女だ。そもそもハルヒが俺の話もろくすっぽ聞かずに勝手に早合
点して電話を切っちまったんじゃないか。
俺のつぶやきを耳にした佐々木はくくっと笑い、俺の耳に口を近づけ囁いた
「そうかい。それを涼宮さんはキミと二人きりで出かけるのものだと思ったわけだね」
まあ、そういうことだ。
佐々木はそれを聞いて頷くと、今度はハルヒに向き直り、その透き通った瞳でハルヒを見
つめた。
そして佐々木はハルヒに簡単に事情を説明すると、すかさず、
「ごめんなさいね、涼宮さん。キョンがきっちり説明しなかったせいで勘違いさせてし
まって」
佐々木の女言葉での謝罪にハルヒは一瞬戸惑い、なぜか俺を一度ねめつけた後すぐに佐々
木に向き直り、そしてかぶりを振った。
「ううん、佐々木さん。あなたが謝ることはないわ。悪いのはこのバカキョンだから」
待て。俺か? 俺が悪いのか? いや、どう考えても悪いのは勝手に勘違いしたハルヒだ
ろ。
そんな俺の心の叫びにはまるで斟酌することなく、ハルヒと佐々木は笑顔を向けあった。
今度は佐々木が再び口を開く、
「涼宮さん、よければ私たち3人で映画を見に行かないかしら? それともキョンと2人
きりがいいのなら、私はここで失礼してもいいけど」
「そ、そんなわけないでしょ。別にキョンと2人が良いってわけじゃないんだから……い
いわ、佐々木さん。みんなで一緒に行きましょう」
佐々木も快く頷く。
ともあれ、これで丸く収まったな。
ただ、ハルヒが単に佐々木にうまく乗せられたようにも思えるが、気にしないことにした。
ともかく、それはとりあえず置いて、俺たちは連れだって駅の改札へと向かうことにした。
538 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:39:34 ID:uGfmNmK6
俺たちは私鉄を利用してここらで一番の大都市に向かった。
そこのターミナル駅を後にすると、お目当ての映画館へと足を進める。
その間地下に潜り階段を上るなど、複雑な道のりを経て歩くこと10分少々、さすがに地
下街のジャングルにも飽きが来たところ、俺たちはまるで姫がとらわれている塔を探し求
める勇者一行のように、やっとのことで目的地に到着した。
その映画館では常時3本ほどの映画が上映されており、今回俺たちが入館するのはそのう
ちのひとつの劇場で、そこではどうやら恋愛ものの映画をやっているようだ。
それにしても、恋愛否定組の2人にしちゃ似合わない選択だが、これしかなかったのか?
「たまにはこういったジャンルも良いだろう? キョン。自分の主義主張とは全く真逆の
ものにも関心を持つということは、個々の感性の幅に厚みをもたせるものさ」
そう言いつつ、佐々木とハルヒがずんずんと入り口へと進んでいく。
そこで佐々木が例の優待券をバッグから取り出し、受付のもぎりのバイトに引き渡して中
へと進んだ。
館内が暗闇に包まれて約2時間、上映はつつがなく終了し、俺たちは劇場を出た。
ああ、映画の内容だが、俺は途中で新大陸を探し求めるコロンブスのごとく船を漕いでし
まっていたので、ほとんど見ていない。
なにしろ内容と言えば、古泉のごとく人類の敵のようにツラのいいやつと、朝比奈さんに
も似た可憐な一輪のヒナギクのような女性との恋愛模様だ。
気分のよいであろうはずがない。
やれやれ、古泉が朝比奈さんを口説いているところを想像してしまったぜ。
まったく、むかっ腹が来る。明日古泉に一発お見舞いしてやろうか。
チケットを提供してくれた佐々木には悪いが、見ていられなかったな。
だが、もしハルヒか佐々木に感想を聞かれれば、適当に「よかった」とでも答えておくか。
それでごまかせるとも思えんが。
俺は護送中の容疑者のように二人に両側を固められ、映画館を後にした。
そして俺たちが映画館の外へ出て、これから昼飯でも食いに行こうかと足を地下街へと再
び進めていると、ハルヒが道路沿いの植え込みの近くで立ち止まり、おもむろに口を開い
た。
「キョン、映画どうだった? 感想を100字以内で述べなさい」
さっそく来たぜ。つうか、記述式の問題かよ。
それでもさっき考えていた感想を口に出してみる。
「ああ、中々よかったんじゃないか?」
だがハルヒは俺に続きを言わせず、下手人を裁く名奉行のように即座に切って捨てた。
「嘘ね。あんた、1ミリ秒も考えずに用意していた答えを出したでしょ? わかってんの
よ。キョン、あんた映画が始まって15分ぐらいからずっと寝てたでしょ」
ばれてたのか……。
しかも、佐々木が歩兵の援護を行う砲兵のようにさらに追い打ちを掛ける。
「その後クライマックス寸前で目を覚ましていたみたいだけど、ラブシーン直前で再び意
識レベルがゼロに限りなく近づいたようだね。キョン、僕はキミに仮眠室を提供したつも
りはないのだが、それほど環境の良い寝場所だったかい?」
539 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:40:29 ID:uGfmNmK6
俺の行動が逐一二人に監視されているような気がするが、まあいい。
だが幸い二人は特段怒ってはいないらしく、俺をからかっているだけのようだ。
「すまん、佐々木。なにしろ座席の座り心地はいいし、劇場内は眠気を誘う暗さだったも
んでつい、な。悪かったよ、せっかく誘ってくれたのにな」
本当の理由は言わないでおく。
俺の弁解を聞いて、佐々木は少し表情を緩めると俺を悪戯っぽい目線で捉えながら、
「薄々予感はあったよ。映画に行く前からね。僕が言うのも何だが、キミが関心を持ちそ
うな映画ではなかったからね。僕の選択ミスかな」
それなら別の映画にしてほしかったのだが。
「でも、悪くはなかったわね、あの映画。ちょっとご都合主義が過ぎるところもあるけど、
及第点はあげられそうね」
などと、おべんちゃらを言えない辛口の映画評論家のようなことをのたまうハルヒ。
「なかなか的確な感想ね」
そう言うと佐々木は、ハルヒに対して微笑みかけた。
実にほほえましい情景で、しかも黙ってさえいれば絵になりそうな美少女と言えなくもな
い二人が並んで立っているのだ。
そのせいか、他の通行人たちがこの二人と、そしてなぜか俺に対しても好奇の視線を無遠
慮に投げかけている。
これではどうも、尾てい骨の辺りがむずむずして仕方がない。アイドルのマネージャーに
でもなった気分だ。
だが、俺はこれ以上衆目にさらされると、羞恥心を感じる程度にはまともな人間なんだ。
不導体のハルヒと違ってな。
いたたまれない気分で一杯だぜ。
そこで俺はハルヒと佐々木の二人を促し、再び地下街へと足を踏み入れることにした。
俺たちは多くの人が行き交う地下街でひとしきり飲食店を物色し、あれでもないこれでも
ないと迷ったあげく、ハルヒの鶴の一声で、卵料理を出す店に入ることになった。
こいつも意外に、普通の女性が好むものを食おうと思うんだな。
トンカツなんかをガツガツ食い散らかしそうなイメージがあるが。
俺の思いこみ、というか偏見か?
テーブルに着いた俺たちはメニューをためつすがめつし、各々が好きなものを注文した。
しばらく談笑していると、注文の料理が運ばれてきたので俺はスプーンを手に取り、一口
それを運ぶ。
うん、なかなかいける。
ハルヒと佐々木も満足そうだ。
すると佐々木は俺に向かってある提案をした。
「キョン、よければキミのを少し交換してくれないか?」
ああいいぜ、と言って互いの皿から一口掬って口に運ぶ。
これもなかなかいけるな。
「…………」
「どうしたハルヒ?」
沈黙のハルヒに声を掛けてみたが、あわててかぶりを振った。
「なんでもないわ」
ハルヒはなんとも表現しがたい表情で、だがことさら感情を消しながら俺たちを見つめて
いたが、すぐに何もなかったかのように振る舞った。
540 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:41:22 ID:uGfmNmK6
その後昼飯を食べ終えた俺たちは、若い女性向けの服を扱っている店へと足を運んだ。
俺は激しく遠慮したかったんだがな。
女性向け店舗の中で男が一人で待っているという状況は、針山に座禅を組まされているよ
うな居心地の悪さを感じるものだ。
そろそろ勘弁して欲しい。
すると、試着室から佐々木が真新しい服を身につけて出てきた。
「キョン、この服はどうだろう。キミに意見を求めたい」
俺に聞かずにハルヒにでも聞けばいいのに、と思いながらも論評した。
「ああ、よく似合っているぜ。お前のその細身の体には、そういった服が似合うのかも知
れないな」
そう答えると、佐々木はやや複雑そうな表情で、
「ほめてもらうのは光栄だが……。キョン、キミは今、僕の身体的特徴を遠回しに貶さな
かったかい?」
なんのことだ? 俺にはまったく覚えがない。
「分かっていないのか。いや、それなら良いんだ。それでこそのキョンだものな」
佐々木は頷きながら俺を見上げ、そしてくくと含み笑いをした。
何やら俺がバカにされたような気がするが。気にしないでおこう。
「…………」
ここでもそうだ。
すでに買い物を終えたハルヒは、沈黙したまま俺たちのやりとりを見つめていた。
なんだろうな?
「ハルヒ、トイレにでも行きたいのか?」
我ながら間抜けな質問だと思う。
「違うわよ、バカっ!」
案の定こういう切り返しに合うんだ。
途端にハルヒからはやや怒気を含んだ視線が感じられて、頭の中の火災報知器がイタズラ
押しされたようにジリジリと鳴った。
不穏な空気を感じとった俺は、佐々木がレジをすませるのを待って速やかに店を出た。
そこでとりあえず茶店にでも入って、ハルヒの機嫌直るのを待とうと思ったんだが、俺と
佐々木が中学の頃のことを話していると、見てもわかるほどにハルヒの表情が変化してい
き、ストローをくわえたまま仏頂面で俺たちに視線を固定している。
そして時折『ズゾゾッ』とストローで氷を吸い、穴を穿った。
しかし何に対して怒っているのか、ハルヒは自分でも分かっていないように見受けられた。
もちろん俺にもわからない。わかるはずがない。
佐々木は気づいているのかいないのか、平然としているが、そろそろ出た方が良さそうだ。
そう考えた俺は、もう時間だからと二人を促して茶店を後にした。
ともあれ、俺たちは今日一日、楽しいひとときを過ごしたことを手みやげに、再び私鉄の
電車に乗り込んで、北口駅前まで戻ってきた。
541 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:42:21 ID:uGfmNmK6
俺たちは最初の集合場所である駅前の公園に解散場所として向かうことにした。
俺は二人に先んじて駅の階段を下り、預けていたママチャリを引き取りに向かう。
地上に降り立つと、やや風が強めなのか公園に植わっている緑なす木々が揺れている。
そういえば少し寒くなってきたか?
俺はママチャリを押しながらそう感じた。
だが公園にたどり着ついて俺を待っているハルヒはその強風に身じろぎひとつせず、また
彼女の極小スカートも翻ることなく、まるで5キロの錘を下げているかのようで、この風
にも揺らめく程度だ。
佐々木はといえば、そのサラサラとした髪の毛を抑えながら風に耐えている。
俺はその様子を目の端にとめながら、ママチャリを二人が待つ公園まで運んできた。
ハルヒは俺の到着とともに、不機嫌そうな表情を続けつつ顔を見据え、やおら口を開くと、
「じゃあ、そろそろお開きにしましょう」
俺と佐々木はうなずき、佐々木がハルヒと会話を2、3行った後、俺に近づき、
「キョン、よければキミの自転車に乗せていってくれないか? あのころのように」
気のせいかも知れんが、ハルヒの表情が険しくなったように感じた。
だが俺は少し躊躇したが、すぐに承諾し自転車の荷台からホコリを払い落とした。
「すまないね」
といいながら佐々木は俺の後ろに座り、俺のサドルに手を添えて体を固定する。
「…………!!」
だが、またしてもハルヒの体から滲み出ている、どんよりとしたこれから雷雨でも降り注
ぎそうな空気が、俺の肌をタワシでこするようにガシガシとまとわりついてきた。
その雰囲気に俺は振り返ることも出来ず、ハルヒ向かって「じゃあな」の言葉だけ置き捨
てて、手をひらひらと振りつつ自転車を発進させた。
公園を後にした俺は、ほぼ1年ぶりに佐々木を荷台に乗せ、帰り道をゆったりとしたス
ピードでペダルを踏み続けた。
口には出せないが、後ろに座っている佐々木は1年前より重くなったように感じる。
成長の跡が感じられたようで、喜ばしいことではあるが。
だが、漕ぎ始めてしばらくの間は、佐々木は考え事をしているのか何も話しかけてはこな
い。
何を考えているんだろうな。
佐々木はそれを気配で察知したのか、俺が緩やかな勾配をえっちらおっちらペダルを踏み
込んで上りつつあるときに口を開いた。
「キョン、今日僕は涼宮さんと共に行動していて、一つ感じたことがある」
こんな息の切れそうな状況で話しかけてこなくてもとは思いつつ、
「それはなんだ?」
「涼宮さんには僕と共通点があることが分かったよ」
542 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:43:09 ID:uGfmNmK6
何を突拍子もないことを言うんだ。お前とハルヒじゃ性格も考え方もまるで違うじゃない
か。
それを聞いて佐々木はくくっと笑うと、
「表層的には確かにね。彼女は動的、例えるなら興味津々に対象物に好奇をぶつける猫か
な。それに対して僕は内向きの思考で静そのものだ。確かにそうだ」
何を言いたいのかわからない。ハルヒの精神分析でもやろうというのか?
「だがね、彼女と僕とは共通する点が一つある。今日、彼女を見ていてよくわかったし、
身につまされもしたよ」
聞こうじゃないか。その共通点とやらを。
後ろで頷くような気配がして、佐々木が話し始めた。
「涼宮さんの心の中には、こんなものはまやかしだとは思いつつも、それが積もり積もっ
てどうにもならない感情が、まるで崩れる寸前の土砂のように堆積しているのさ。だがそ
れを肯定するには彼女の主義が許さないし、かといって否定ももはやできない。本当に、
一年前の僕と同じさ」
何の事やらさっぱりだ。古泉の話よりもわかりづらいぜ。
「すまないね。だが、キミはわからなくてもいい。それでも聞いていてくれないか?」
俺は佐々木の意志のようなものを感じ取り、黙って頷いた。
「最後にもう一つ、僕の中にもあの頃の揺らめきが蘇ってしまったよ。一年前に胸の奥に
しまって置いたはずなのにな。ふふっ、キミたちと一緒にいたせいかな」
佐々木は自嘲気味にそうつぶやいた。
だが俺は言うべき言葉も見つからず、ひたすらペダルに回転運動を与えていた。
佐々木は少しの間沈黙し、そして意を決したように再び口を開いた。
「キョン、明日涼宮さんに会ったら伝えてくれないか?」
ああ……いいぜ。なんて言うんだ?
「『あなたから取り戻す』と、そう伝えて欲しい。ああ、キミは理解できなくてもいいよ。
理解できればなおさらよかったのだがね」
俺は相変わらず佐々木の言う内容の10%も理解できず、それでも伝言を伝えることを承
諾した。
その後は会話をすることもなく、俺は太陽が沈みゆく赤らんだ空を背にして佐々木を自宅
まで送り届けた。
途中からサドルを掴んでいた佐々木の手が、俺の腰に回されていたことに気づかないふり
をしながら……。
543 :
宣戦布告?:2007/04/23(月) 16:44:10 ID:uGfmNmK6
その日の夜から翌日まで、いろいろとやっかいな事が我が身に降りかかってきた。
まずはその日の夜、ハルヒから怒りの電話だ。
「キョン、彼女のどこが親友なのよ!? あれじゃあ、まるで……」
まるで、なんだ?
「うっさい。バカキョン!」
そう喚いて切りそうになったところあわてて呼び止め、佐々木から言付かっていた伝言を
伝えた。
ハルヒは10秒ほど沈黙し、
「……これは……ううん、何のことかよくわからないわね。でも、無性に腹が立つわね。
……それじゃ、もう切るわよ。それからあんた、明日打ち首だから」
打ち首かよ。やけに具体的だな。
そして翌日の学校―――
「あなたは僕に死ねとおっしゃるのですか?」
神人退治(通常の倍はいたそうだが)で一睡もしていない古泉に問い詰められ、
「…………」
全てを見透かしているんだろう、氷室から出たばかりのように凍り付きそうな視線でまん
じりともせず俺を見つめ続ける長門。
これでは、ハルヒが来ても誰も擁護してくれそうにないな。
打ち首決定だ。
終わり
以上です。
では。
修羅場ktkr
>>542の宣戦布告の部分が実に佐々木っぽくて良い。個人的にこのSS一番の見所に感じる。
しかし体重について言及出来ないとホザいてるくせに、
服屋での発言は全くもって理解してないとはどういうことだ畜生め。
クロスカウンター「あーん」とかありえねーし、ありえねーし。
結論:佐々木かわいいよ佐々木。
キョン鈍感過ぎるぜちくしょい。介錯してやるから安心しろキョン。
なんか佐々木が出てきてからキョンのにぶちんさが際立つなw
佐々木とフラグクラッシャーキョンの相性の良さは異常w
ああ、もう本当にこの二人が好きだ!
>>544 鈍キョンと佐々木という組み合わせがツボな俺にとっては
とてもうれしいSSだった、惜しみないGJを贈ろう。
>>544 よかったヨ。修羅場スキーの俺にとっては最高
>>544 この言葉以外に言うべきことは無い! GJ!
>>554 >>556 読み返して思ったんだがクロスカウンターなのか?
単純に
「互いに(相手の皿から自分で)一口掬って……」
ということだと思うのだがどうだろうか?
というかむしろいくら鈍キョンでもアーンはないないw
>>553 俺は普通にそうとらえたがw
さすがにアーンはないだろバカップルじゃんww
くそうまんまと騙されたぜ。
でも仮にキョンなら違和感なくやった上に、佐々木相手じゃどうのこうのとケチをつけそうだ。
おまけに小ネタを3レスほど投下。
「長門一つ聞きたいことがあるんだがいいか?」
「……なに?」
長門はいつものように表情を変えることもなく、漆黒の瞳で俺を見つめている。
「こんなことを聞いても良いのかわからんが、お前、いったいどこから資金を得ているん
だ?」
そう、俺はいつも疑問に思っていたのさ。長門は普通のサラリーマンでは一生かけてロー
ンを払い続けなければならないような高級マンションに居を構えている。
まあ、相手が情報統合思念体なんていう変態的な存在である以上、そこから資金が出てい
ると考える方が常識的なんだろうが、それでも俺は聞かずにはいられなかったのさ。
「その質問に答えることはできない」
長門の答えは実に簡単明瞭だ。
だめか?
「だめ」
禁則事項か?
「禁則事項」
まるで、九官鳥に話しかけている気分だ。
それでもなおも食い下がると、一つだけ答えてくれた。
「今は別の方法で資金を調達している」
それを言うが早いか、もう話はそこまでだとばかりに手に持っている本に目を落としてい
る。
だが『今は』ということは、以前は俺の考えたとおり情報統合思念体からの提供か?
ならば、現在はどうやって?
ひょっとして、俺たちに言えないようないかがわしいバイトをやっているとか。
ないな。想像も出来ない。
あの愛想の悪さで付く客がいるとも思えない。
それとも通貨偽造でもしているのか?
長門にはたやすいことだろうが、わざわざ犯罪を犯すとも思えない。
だが普通のバイトでは、生活費に加えてあの高級マンションの管理費や諸経費を払うこと
さえ出来ないはずだ。
ではなんだ?
わからない。
……とりあえず、長門に密着してその秘密を探ってみるか。
1日目、学校帰りを尾行中、途中で長門を見失って終了。
ひょっとして気づいたか?
2日目、同上
3日目、4日目、以下同文
だめだ。長門のような能力者には、俺の尾行など森で木を探すほどに容易なことらしい。
コンピ研の部長氏に聞き込みもしたが、長門は超絶プログラマーとしての技術で糧を得て
いるということもないそうだ。
よし、最終手段だ。
俺は翌日の朝、登校してすぐにSOS団に直行し、ビデオカメラを設置した。
そして放課後、SOS団の活動が終了した。
俺以外の連中が帰った後カメラを回収し、再生を試みた。
こまめにバッテリーと録画用メモリを取り替えておいたおかげで、今日一日の様子が録画
できているはずだ。
最初の数時間は何の変化もないため、10倍速で流し見る。
変化が起きたのは午前の授業が終わってからだ。
午前の授業の終了と昼休みの開始を告げるチャイムが鳴り終わるやいなや、まるでさっき
からそこにいたかのように平然とパイプイスに座っている長門。
いつの間に……?
長門はカレーパンをかじりつつ、ノートパソコンを3台並べ、それを起動した。
そしてOSが立ち上がると、長門はあるソフトを起動させパスワードを打ち込んでいる。
他の二台のパソコンも同様だ。
その画面に映し出されたのは、どこかで見た覚えはあるがそれが何かははっきりわからな
い。
だが、数字や何かの名前が羅列してある。それと枠の中に様々な形状をした線が描かれて
いる。
住金? 新日鉄? 日立造? なんのこった。
だが、どこかでみたことがあるんだよな。
何だっけ?
そうか、テレビやなんかでたまに映し出される証券会社の株ボードか。
て、ことはあれは会社の名前か。それと画面の中に数本の線が描画されているのはチャー
トってやつだっけか?
よくわからんが。
しばらく長門はマウスを握りつつ、三つの画面を凝視していたが、時刻が12時半を差す
と同時に、猛烈な速度で画面を切り替えたり、キーボードをまさに目にもとまらぬ早さで
打鍵している。
そして画面に映し出されているデータも激しく移り変わっている。
表示されている数字が赤や緑に明滅したり、画面の中に無数の細かなドットが描画され、
それが上下したりと、見ているこっちが混乱に陥りそうだ。
しかし長門はそれら全てを見つめつつ瞬時に判断し、マウスを操り、そしてキーボード上
のテンキーを打鍵している。
何やら買ったり売ったりしているようだが、あまりの早さに凡人の俺の目ではまるでつい
て行けない。
それに、たまに「ちっ」と聞こえたような気がするが、気のせいだよな?
時間はあっという間に過ぎ、昼休みの終了を知らせるチャイムが鳴る5分ほど前にようや
く長門は手のスピードを緩め、順番にパソコンを終了させていった。
そして、売買注文に使用していたメインのパソコンを最後に終了させる前に本日数十分間
の釣果を確認している。
俺もそれを凝視し、そして確認した。
その利益……。
―――100万超!?
ただし、俺の目とこのカメラの画面が正常ならば、だが。
これって、いわゆるデイトレードってやつだよな。
長門はそれで日々の生活費を稼いでいるって事か。
しかし、わずか数十分の取引だぜ。
あとは溜息しか出ず、ただただ画面をうつろな目で見つめるだけだった。
ただ、未成年が証券会社の口座を開設できるのかと思うのだが、そのあたりは長門の力で
なんとでもなるんだろう。
こんなことを昼休み中にやっているんなら、そりゃ話したくはないよな。
どれだけ時間が過ぎたのだろう。ドアが開く音ではっと気がついた。
頭を2度3度振ると、いつの間にかハルヒが背後で仁王立ちしていた。
なんだ、ハルヒか。
だが、様子がおかしい。ハルヒは噴火3分前のピナツボ火山のように真っ赤になって俺を
睨み付けている。
「あんた、何見てんのよ!!」
は? なにって……。
俺は再び画面に目を落としてフリーズした。体の全機能が非常停止ボタンを押されたよう
だ。
そこにはなんと……。
―――着替え中のハルヒと朝比奈さんが映っていたのだ。
ああ、そういえば今日は珍しくハルヒもチャイナドレスを着ていたっけか?
しかも間の悪いことに、2人が下着姿のシーンじゃないか。
ハルヒは拳を握りしめ、俺を撲殺せんばかりの形相だ。
「覚悟は出来ているでしょうね?」
出来てないといっても殴るんだろ?
「こんの、エロキョン!!」
ハルヒの拳は見事に俺の顎を捉え、俺はそのまま気を失った。
教訓・盗撮は犯罪だ。
終わり
以上です。
では。
( ;∀;)イイハナシダナー
>表示されている数字が赤や緑に明滅したり、画面の中に無数の細かなドットが描画され、
>それが上下したりと、見ているこっちが混乱に陥りそうだ。
でいつぞやのポケモン現象を思い出した。
「これでお前の場にあるモンスターは攻撃終了。
『ポイズンバタフライ』の効果でおまえのライフはゼロDA!
ヒャーヒャひゃひゃhya、俺の勝ちだー!」
そのとき、闇涼宮の瞳は、熱い闘志を秘め、そして…
「ー何勘違いしているの」平然とした姿を魅せ、それはある意味虚勢だった。
「私のバトルフェイズは、まだ終了していない!」確かにそうだが、…この状況で、一体…
特攻魔法発動!チェーン効果を『蝕み』にダイレクトフェイズ!
「バーサーカーソウル!!!」
…!そのカードは、長門の…なるほど、これなら、
いける。勝てる。ハルヒを俺は信じる。それしかない!
「いけ、涼宮!」
ふっ…と不適な笑みを晒し、その流し目の色は、まるで朝倉の気迫とほぼ同じだった。
「この瞬間、すべてのラウズカードは墓地へ特殊移項。…手札の効果を一枚のみ伏せ、
…ターンエンドだ」そうか、ここさえしのぐ…ライフの回復効果か。いや、違うな。
「そして、魔法カウンターの効果を今一度発動、魔導戦士ブレイカー、最後の追加攻撃!」
ドロー……………
来い、あのカードさえ、引けたら…谷口を解放してやれる。
「魔法カード発動。この瞬間、墓地に捨札とした、ラウズカードはデッキより除外され、
特攻トラップ、永続効果を廃棄し、ライフを100祓う事で、効果追加!」
永続罠カード『ハレ晴れユカイ』
このカードは相手ターンのみ発動出来る。
チェーンするにはライフが残り100以下でなければならない。
効果は、相手モンスターに装備させ、チェーンした魔法カードを再び裏表示に変更し、
攻撃力1000以下のカードは、プレイヤーの指示で、チェーン効果を特攻効果させられる。
「これで決まった」「俺にもわかるぞ」
サレンダーしろ。そして、
「覚悟しろよ、この虫野郎!」
>>562 (゚Д゚)<通報しますた
@゚( )>
/ >
「なら、行くぞ!まず一枚目、」ドローっ…
「モンスターカード!」『惣流・アスカ・ラングレー』を墓地に捨て、
「惑う戦士ブレイカー…スイカ攻撃!」…いま、ウァターメレン食わせたな?
ふ、「…終わりよ」死になさい♪…やっぱり、このカード、デッキから外そうぜ。
ぬわぁぁっぁぁぁあああああaaaaaaaaaAAAA!!!
これこそ悲痛の極み。だから負けを認めろとあれほど…
闇の千年パズルを解いた、俺たちの団長様を舐めるなよ…
「効果は永続!二枚目ドロー、…」しまった、モンスターカード切れ…
『監獄ライフ』を3枚入れて、デッキサイクルさせんの、すっかり忘れてた!
…しかし、ハルヒの笑みはもう止まらない。
止められないのだ。もはや、俺ですら。
「モンスターカード!」…今度は…そうか、
タッグ魔法カード!そいつを引いたのか!
『TFEL三姉妹』を墓地に送る事により、捨札から、三枚のモンスターカード、
アルカナ、『イントルーダー』、『TFEL』を回収し、
場に一枚、攻撃力1200以下のカードを守備表示で特殊召還、そして…」
このカードを裏表示にし、
最後のエンドフェイズをお前に託す。ダイレクトターン…
「終了か」なんとなくつぶやいてしまった。
「だが、涼宮さんよ、こいつを観ろよ…」谷口…まさか!
そうさ、神のカードの小アルカナ…こいつを返して欲しいんだろ?団長様よ?」
…まさか…それは…
!ー俺と、…闇涼宮は言葉を失った。そのカードこそが、俺たちの目的、
「そうさ、『長門有希』が封印されたカードさ」くそ…計算してやがったな、古泉…!
「…ーっ!」歯を食い破る覇気を一時、理性で破棄し、ハルヒは叫んだ。
「それは、それは!……」ーどこにある!いえ、谷口ィ…!
もう、SOS団員は戦慄した…俺も、この小カード、
『ちゅるやさん』もこの状況におびえているのがわかる。
にょろーん…それだけじゃすまんぞ。
「俺観たんだよ…お前ら、SOS団が封印されたカードをさ…」
まさか、あの石盤を、千年アイテムをどれか、奴らに奪われたのか!?
佐々木…だから、橘京子を信用するなと何度も言ったのに…!
「そんでさ、こいつを、古泉のデッキから抜いてきたわけよ」く…
「いや、返してやってもいいんだぞ?
…だってさ、俺だってSOS団の端くれだからさ…」
「返してくれるのか…ー早く、それを渡せ!」いや、こいつのことだ…
「やーだよ。こんな糞カード、こうしちゃうよ」うう…ああ、ぁぁぁぁぁっぁ…
もう、長門は帰ってこない。もう、この世からいなくなったから。
「ウワァッァァアァアァァァァァァアアア!!!!」ハルヒ…俺だって、おれだって…
「覚悟しろよ、この虫野郎!」…!嘘だろ、まさか…闇涼宮…
諦めていないのか?今、こいつに勝っても…意味は…
『神のカード』小アルカナを場に特殊召還!
「それを渡せ、キョン」え、あ、ぁあ…
「このカードは、効果により、
デッキに入れずとも、場に表表示で召還出来る!」
「何!」ふ…我らのヒロイン、
マスコット『ちゅるやさん』を舐めるな。なんてったてな…
コレ、書きながら投下してるとかいうアレか?
「─」(ダッシュ)と「ー」は違うぞ、と突っ込んじゃダメか?
>>544 イイねw キョンも修羅場の雰囲気を敏感に感じ取ってるクセにスルーだもんな。
>>560 なんというバットタイミングw
>>567 文体から見ておそらくそう。
何度言ってもわからん奴らしい。
1)未完成SSを投下するな
2)書きながらなんぞ論外
3)ちまちま投下するな
4)文章が未熟過ぎる。紹介されたサイトを100回読み直せ
5)未熟という以前に、誰が何を話しているのかすらわからん
反省してる振りして全然反省してない。
神のカード小アルカナ『ちゅるやさん』攻撃力200/守備力400
このカードは、場のモンスターを全て生贄にする事で、
デッキの中に無くとも、「鶴屋さん」をデッキから墓地に送る事により、
場に表表示、攻撃表示で召還出来る。
そして、今までラウズしたカードの特殊効果を一つ、ちゅるやさんに装備させる。
その瞬間、召還プレイヤーのライフは、
フェイズ終了ごとに、攻撃力の値だけ回復される。
「そして…このカード、遂に真価を発揮する!」いいぞ、もう遠慮するな!
「特攻魔法発動、『バーサーカーソウル』!!!」
(BGM:ずっと俺のターン)
「手札を全て捨て、効果発動!」カードが墓地コーナーに入れられ、
「『ちゅるやさん』の効果により、
『蝕み』のダメージにライフ回復を上乗せ、」そしてこのカードをオープン!
………やれやれ。本当に準備周到な奴だ。
罠カード『食いしばり』!
この効果は、ライフが零になった瞬間、チェーンが可能になる。
ライフ回復を、フェイズ、ターンを問わずに強行し、
相手のバトルフェイズは自分のターンに上書きされる。
「最後の切り札…チートとは言わせないぜ!」ああ、もちろんだとも。
「では、イクぞ!」ちょ、(悪いインターネットに騙されない!)
行間よりも、「」の前にその人物の名前を書いて欲しい。
「」の前に人物の名前を書かないとわからないほど稚拙ってことだな
小説とは呼べない
まあ、俺は1レス目の途中から読んでないのだが
>>571 個人的には名前入りなんてのは表現力のない奴のネタレスぐらいでしか許されず、
つまるところ『名前入りのネタ=SSですらない』という評価しか下せないのだが。
>>562 荒らしたいなら荒らしたいってはっきり言えばいいじゃない。
いや、普通に荒らしだろ
相手しちゃダメだって
大丈夫、既にあぼんしてるから!
576 :
うふ〜ん:2007/04/23(月) 23:00:37 ID:RVSAmv/k
これが伝説の、日本語でおk、か……
578 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 05:20:09 ID:3kNZjEUE
今日も平和。
変な奴が居たみたいだね。
>>544 佐々木もいいが、キョンからのデート誘いだと勘違いするハルヒがかわいい。
あと、キョン。お前は佐々木の貧乳を無意識に貶すとは許さん。
>>580 佐々木は肉体的な数値においても成長を見せたはずだ
だから微乳
正直言って佐々木は着やせしてる。
よって普乳。
普乳って初めて聞いたわww
ふにゅ〜んw
「願望を実現する力……」ペタペタ
「――ゴク―――リ……!――」ペタペタ
「んん…もうっ! そうなのです!」
ジトー…
「橘さん……あなたは黙っててください」ジロッ
「―あなたの…胸部は…とても―敵性」ギロッ
「ひいっ」
ガクガクブルブル
「頑張ろう! 九曜さん」ガシッ
「――コク―――リ……」ガシッ
「ふ、ふん、規定事項だ」ガシッ
「「え……?」」ポカン
「――え……?――」―ポカ…ン―
…………
「僕の胸も……ふん、これ以上は禁則だ」
………
……
…
やれやれ。
>585
こらパンジーw
佐々木とハルヒが完全に対比しているなら
古泉(男)←→橘(女)
みくる(女)←→パンジー(男)
長門(女)←→九曜(男)
となるはずなんだがなあ。九曜は実は女装した男ということはないのだろうか?
「キョン、僕の全てを見て」
そう言うと服の上から自らの胸を揉み始めた。
「僕は毎日、君の事を思って自慰をしているんだ」
手の力が強くなる。
「次第に服の上からじゃ物足りなくなって」
少し躊躇ってから服を脱ぎ、ブラジャーを外す。
「上半身裸で、君にされていると妄想しながら乳房を揉み、乳首を弄っているんだ」
唖然として固まっているキョンの股間に佐々木の足が触れる。
「苦しそうだよ……、キョンも、見せて」
艷っぽい声で、胸を揉みながら。
躊躇いも無くズボンとパンツを脱ぎ捨て、ペニスを擦り出した。自慰の見せ合いという異様な光景に興奮したペニスは、そう長く持たなかった。
「佐々木っ……、そろそろ、出るッ」
「んっ、キョンっ、僕に、かけて、せーえき、かけてぇっ!」
キョンは立ち上がり、胸に、乳首を弄る手に、佐々木に向けて射精した。
今まで出した事の無い量が佐々木の胸と手を白濁に汚した。
――その瞬間ッ!佐々木の胸に異変がッ!どんどんと膨らみッ!Fカップ並みの大きさになったッ!
「って夢を見たんだ」
なら何故脱ぐ?
ひどい夢オチwww
っとこれは佐々木→橘かな?
「……んんっ、もう! 分かりました。頑張らして頂きますっ!」みたいな。
きょこたん、鼻血出てるよ!
投下します。
初めてSS書きました。へたくそですいません
2レスくらい?みくる×キョンです
かもーん
俺は今、いつもとは違う駅前である人を待っている。
同じ場所だと見つかる可能性が高いからな。で、誰を待っているかというと……
「今日はこれにて解散!また明後日の放課後、部室に集合ね!」
ハルヒが100万ワットの笑顔を振り撒きながら不思議探索ツアー(もう市内遊びツアーといっても問題ないだろう。)の終了を宣言し、駅へと姿を消した。
古泉も続いていつものさわやかスマイルで駅前を後にし、長門も俺を一瞥し消え行くように歩いていった。
そして俺の精神安定剤並びにSOS団お茶汲み係の朝比奈さんが笑顔で手を振りながら帰っていった。うーん和むね。
さぁ、俺も帰ろう。いつも通り自転車を走らせ家に到着。玄関で靴を脱いでいると妹が軽い足取りでやってきて「キョンくんなんか面白いもの見つかった〜?」
とニヤニヤ顔で聞いてきた。腹立たしい。見つけてもお前には教えてやらん。うーケチーと口先を尖らせている妹を無視して部屋に入った。
ベットで寝転んでいると携帯が着信メロディーを奏でた。ディスプレイには「朝比奈みくる」の文字。待たせてはいかんな。
「もしもし?」
『あ、キョンくんですか?』
「はい。たしかにキョンですが…どうしたんですか?」
『えっと…あ、あの…お願いがあるんですが…』朝比奈さんの上目使いが目に浮かぶようだ。
あなたからのお願いならできうる範囲なら確実に実行しますよ。
『ふふ。……じ、じゃあ明日…そ、その…暇ですか?』朝比奈が俺の予定を聞くのは何故だろう。デート?それとも…後者の可能性の方が高いな。と思いつつ「無論暇ですよ。また未来からの指令ですか?」
『いえ。今回はお仕事じゃあないんです。…その一緒に行ってほしいところがあるの。…付き合ってくれますか?』
まさか前者だと考えていなかった俺は動揺した。「も、もちろんです!」つい声が裏返ってしまった。
『よかったぁ…じゃあいつもの所「ちょっと待ってください。あそこだとハルヒ達に見つかるかもしれない。だから一つ駅をずらしましょう。てか、朝比奈さんは俺とどこに行きたいんですか?」
『えっと…その…遊園地に行ってみたくて…』
「遊園地ですか。俺もしばらく行ってないなぁ…。じゃあいつもの時間でいいですか?」
『はい!それじゃあまた明日。』「はい。よろしくお願いします。」あさひなさんと遊園地デート
…ヤバイなんかドキドキしてきた。……その後、飯と風呂を済ませて布団に入ったのだが…明日の事を思うと緊張してなかなか眠れなかった。まぁどうにか眠りについた。
そして朝がやってきた。いつもより数倍目覚めがよく、体も軽い。チャリを漕ぐ足も永久機関を得たように回り続ける。
俺は待ち合わせの時間より30分程早く着いてしまった。ーーーーーーーーここまでが今の状況説明だ。
時計は今20分前を指している。『キョンく〜ん。』朝比奈さんの声が聞こえた。
俺がそっちを向くと朝比奈さんは手を振りながら小走りでこっちへ向かってくる。本日の朝比奈さんはピーコも文句を言えないようなかわいらしい出で立ちで、駅前にいる他の男共の注目を集めていた。
『遅れちゃってごめんなさい。』
「いえいえ。まだ20分も前ですよ。」
『今日楽しみでなかなか眠れなくて…』次の日が遠足で興奮して眠れなかった小学生のようなことをおっしゃっている。もう可愛すぎてたまらん。
俺が感慨に耽っていると『どうしたんですか?』上目使いで心配そうに聞いてくる朝比奈さん。んーたまらん。
「いやいや、なんでもないです。それじゃあ行きましょうか。」『うん!』こうして駅まで向かうのだった。
〜続くかわからない〜
1レスで収まった・・・以上です。
駄文失礼しました
改稿わからんorz
ガンガンダメだししてください。
続きも考えているのですが・・・
それでは
( ゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
(;゚д゚)
(つд⊂)ゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) 終わってない…?
とりあえず…キョンが朝比奈って呼び捨てるはずがないだろwww
その辺は単なる脱字だと思うので突っ込みゃせんがw
原作意識した文体なんだということはわかるが、それにしては味付けが薄い感じ。
もうちっと語彙が多くないとキョン特有の持って回った変な言い回しが出せないので、まんま劣化版のような印象になる。
この文体で長く書いてあっても途中で読み手がダレると思うし、
書き出しのあっさり感からして、起承転結が上手くまとめられないでgdgdな流れになる悪寒もする。
とりあえず1レスだけでわかるもんと言えばこれぐらいだが、
解決策としてはもっと別の文体や書き方を模索してみるか、
あるいは今のまま書く練習を続けるかのどっちかにしたほうがいい。
>>596 ( ゚д゚ )
え、ええと……電話のみくるが『』なのはOK。だけど、目の前にいる場合の会話は「」で。
括弧を閉じる時は【、。】は省略。 ○「〜です」 ×「〜です。」
あとの文体の荒さは気にならない程度……けど、これイベント無いよ!?
小ネタ・短編なら、デートの約束して集合してオシマイだと話として弱い。
続編を書く書かないに関わらず、一つの山場(事件・イベント)を盛り込むか、
ちょっとしたオチをつけて欲しいところ。
待ち合わせで振り向いたらボイスチェンジャーを付けた長門が!?
「……声変わり」
いや、明らかにおかしいだろその装置。にしてもだ、履歴は朝比奈さんからだったはずだ。
「大丈夫。情報操作は得意」
するなよ。インチキはよくないぞ。
『……キョンく〜ん♪』
スイッチを入れるな。あとそのセリフで無表情はよしてくれ。
「…………」
……遊園地、行くか?
『ひゃ〜い♪』
ま、いいさ。行くぞ長門。
小さく頷いた長門から謎の装置を取り外してやり、俺達は夢の国を目指して駅へと向かうのだった。
『コーフーコーフー――先を――こされた……コーフーコーフー』
変声機を装着し、一見ダースベーダーな九曜が後をつけているのに気付いたのは昼食時のことである。
/芥\ <コーフーコーフー いや、ギャグを目指せと言うわけではないんだけども。
普通のSS書いてたのに、どうにも気に食わない出来になっちゃった時、
テンションの任せるままにギャグに書き直すと意外な気分転換になったりする。
ーと─は違うと言うに。
なんていうか短編の「真夜中のピクニック」を読んだときの気分だ。
な!? 本編無いのかよっ!
>>600 なるほどそう言う事か?
待ち合わせで振り向いたらボイスチェンジャーを付けた藤原が!?
「…ふ、ふん、規定事項だ…」
いや、明らかにおかしいだろその装置。にしてもだ、履歴は朝比奈さんからだったはずだ。
「ふん、これ以上の質問は禁則だ」
本当かよ。ふざけるなよ。
『キョンく〜ん♪』
スイッチを入れるな。あとそのセリフで喋るんじゃない気持ち悪い。
「規定事項だ」
……遊園地、行くか?
『ひゃ〜い♪』
ま、いいさ。行くぞ藤原。
大さく頷いた藤原から謎の装置を取り外してやり、俺達は夢の国を目指して駅へと向かうのだった。
『先をこされましたか』
変声機を装着し、一見ツナギ姿の古泉が後をつけているのに気付いたのは昼食時のことである。
>602
あっそうか、例の「─の替わりにー使ってる君」だったのか!納得
>603
>ま、いいさ。行くぞ藤原。
キョン度量が広杉wwww
605 :
593:2007/04/24(火) 19:34:14 ID:ioXSmrEq
お目を汚してすいません。
いつになるかわかりませんが皆さんにGJ!と言われるような続きが書けるように精進いたします。
593の次回作にご期待ください(ジャンプ打ち切り風)
>>603 なるほどこう言う事か。
待ち合わせで振り向いたらボイスレコーダーを手にした喜緑さんが!?
「録音音声の使い回しです」
いや明らかにおかしいでしょうその装置。にしてもだ、履歴は朝比奈さんからだったはずだ。
「ああ、前にわたしの番号を朝比奈みくるで登録しておきましたから」
うわ、朝比奈みくるがふたり登録されてるし!
『キョンく〜ん♪』
スイッチを入れないでください。
『なんでやねん』
しかもまだ入ってるんですかその俺の声! つーか人のネタですからそれ!
「ほら、エロパロですから」
……遊園地、行きますか?
『なんでやねん』
そこで突っ込むのかよ!? まあいいです、行きましょう喜緑さん。
柔らかく微笑む喜緑さんからどうにかして装置を奪い取ろうと決意しつつ、俺たちは夢の国を目指して駅へと向かうのだった。
その後誰か出てきそうな雰囲気だったが、結局誰も出て来なかった。
ただ会長が変な機械を付けたまま事故にあった、と言う事実は伝えておこう。
キョン総受け?w
弄り過ぎだお前らwww
>>601の言う気分転換を満喫するんじゃあない!
>>607 ふむふむこういう事だな?
待ち合わせで振り向いたら朝比奈さんを抱えた長門が!?
「……客寄せパンダ」
いや、意味微妙に違うし、お前の回はとうに終わってるはずだ。
「ワンパターンを打ち破る意外な展開」
これのどこがだ。だいたい、いかなる場合でも楽屋ネタってのは最悪なんだぞ。
「キョンく〜ん」
つーか朝比奈さん、長門と一緒にいてよく平気ですね。
「あ、あれ? これ長門さんですか? ふわっ、あたしはてっきりこの前の誘拐犯さんかと!」
……遊園地、行きますか?
「ひゃ〜い♪」
ま、いいさ。予定通りですよ朝比奈さん。
極上の蜂蜜のように笑顔を輝かせる朝比奈さんを長門から解放してやり、俺たちは夢の国を目指して駅へと向かうのであった。
「………」
置いてきぼりを喰らった長門の、宙に手を伸ばし何かを掴もうとする仕草に気付いたのは―――
>>601 あるあるwwww
前にヤンデレ書いてたら途中でやる気なくして夢オチギャグものになったwww
>>605 まあ、がんばれ
逆にいちゃラブ書いてた筈なのにヤンデレ・エログロになってしまった事ならあるぞ
ハルヒで落とそうとして、結局長門で締めるクセがついてしまった
>>610 長門(´・ω・)カワイソス
キョン山芋ネタがハルヒ納豆ネタになった事があるな。
長門締めのほうが出落ちの谷口よりましじゃないか…
長門はインパクトのある台詞言わせやすいからな。
オチ要員として重宝したくなる気持ちは良くわかるw
デニムのマイクロスカートのエロさは異常だろ
618 :
617:2007/04/24(火) 21:20:48 ID:fxbii5vt
華麗に誤爆です
>>595 あ! ツッコミ忘れた! 100万ワット!
どこかのスレでも『ハルヒの笑顔なら100万ワットだよな』ってレス見たが。
原作ではハルヒの笑顔(の輝き)を100W(ワット)で喩えてる。
これは照明器具としての比喩表現だと思うんだ。100万ワットだと望遠鏡で太陽を……
「うおっまぶしっ!」
笑顔でなく、行動的なところから仕事率としての100万ワットなら…1,360馬力。F1並か?
>>618 「……カレーに誤爆?」
何なんだ長門、お前にしてはレア物だと言えそうな表情して。
あれ?100「万」だっけ?「ジゴ」じゃなかった?
>>619 F1はそんなに馬力無いんじゃないか?
車はよく知らないが、あれは余計な機能を削ぎ落として車体重量と馬力のバランスを極限まで偏らせるのが主題のはず。
623 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 22:35:31 ID:k3ebpNk2
ターボ時代は1000馬力くらい行ってたな…って年がばれる
上げちまった、まじごめん
F1は馬力で言うと800の前後だったと思う。
一般的に1000馬力超えるような車は、改造車(Nascar)とかドラッグレースの専用車両だな。
>>417 今回はハルヒVSミヨキチに挑戦してみました
エロなし。長い(75kbくらい)です。
30〜35レスくらいお借りします。
ユラユラと身体がたゆたう感覚がした。
揺りかごのような緩やかな周期の柔らかい振幅が心地良い。
もう少しこの波に身を任せていたいと、再び意識を霧散させようとしたその矢先だった。
「――――ン! ――――――ョンッ!」
誰かが誰かの名前を呼んでいた。
音感からして俺が呼ばれてるような気もせんでもないが、どうだって良かった。
うるせぇなぁ。もうっ……、なんだっていいから静かにしてくれ、と眠りと覚醒の狭間で悪態を吐くと、仕返しとばかりに途端に揺れ方が乱暴になった。
うわっ、こらっ、やめろ!
非難も空しくいいように翻弄され、呼び声が見る見る鮮明になっていく。
「ョ―――ン! キョン! キョンってば!!」
目を覚ますと、寝起きかと疑うほどにばっちりと目の焦点が定まった。
目の前には不安げに俺の顔を覗き込むハルヒの顔。
意識を取り戻した俺に一瞬安堵の表情を浮かべるが、覆いかぶさるような姿勢で真正面から見つめ合っていることに気づくと、そそくさと離れた。
やれやれ、忙しない奴だね。
校舎の外、お世辞にも仕上げが丁寧とは言い難い石畳の舗装の上で俺は大の字になっていた。
見上げた空はこの世のものとは思えないモノトーン。不気味な事この上ない不祥な世界にが広がっていた。
二度ほど見覚えがあったが、こればっかりは何度見ても慣れそうにない。
一度目はようこそとばかりに古泉に連れられて、二回目は無意識のハルヒによって引き込まれて、そして一年近くの時を隔てて今回が三度目、か。
むくりと身を起こすと、軽くホコリを払う。ハルヒはそれを手伝ってくれながら、落ち着かない様子で切り出した。
「ねぇ、キョン。ここどこなんだろ……」
さぁ、な。少なくとも北高には違いなさそうだ。この配色はどうにも悪趣味で好かんけどな。
ハルヒは昼間の勢いとテンションを現実世界に置き忘れてきたかのように弱々しく色を失っていた。
その様子を見ていると少し可愛そうな気もしたが、喜怒哀楽の両極端なこいつのことだ。今はこれくらいでちょうどいいのかもしれない。
やれやれ、世話が焼けると俺は感慨に浸る。
さぁ、お膳立ては整った。細工は流々、仕上げをごろうじろってな。
失敗は許されない。悠久の宇宙の歴史の存続を賭けた乾坤一擲の大博打だ。
武者震いがした。
しかし、ここまで来た以上もう後には引けん。
要はやり方次第と俺はきつく腹をくくった。
//////////
穏やかな日差しに恵まれた街角で、道行く過半数の人が笑顔で生き生きとレンガ舗装の洒落た歩道を闊歩していく。
そんな昼下がりの休日の瑞々しい光景に汚点を穿つかのように、俺たちの周囲の雰囲気だけ翳りが差したようにくすんでいた。
我ながらなんの嫌がらせなんだろうね。
街角で重厚な銀行の壁にだらしなくもたれ掛かりながら、モラトリアムの浪費も甚だしく死んだ魚のような精気を失った目で無為に過ごす俺たちは傍目から見ればさぞかし浮いていることだろう。
天下の往来で『女の尻を追っかける』を見事に体現している谷口を見守って、せめて最期に骨くらいは拾ってやろうというある種の義務感から視界の端でその姿を追うこと半刻。
事態は一分の進展すらも見せる気配はない。
一声掛けて数歩進んでは立ち止まり、翻っては声掛けて数歩進んで立ち止まる。
この単純運動を繰り返すだけだ。
あまりに規則的で周期が短いために、谷口は実はロボットで隣に佇む国木田が操ってスリラーダンスでも踊らせてるんじゃないかと錯覚がするくらいだぜ。
チラリと傍らに視線を投げる。国木田は俺の馬鹿馬鹿しい予想に反してリモコン類ではなく一冊のハードカバーを持っていた。
谷口が秘伝書なるものぞ、と阿呆らしくも俺に託し、すぐさま俺が放棄するように国木田に押し付けた『レオナルド・ダ・西川口著、ゲキ×モテ! ナンパ術〜こんなにモテちゃっていいの? ――いいんです!〜』に律儀にも目を落としていた。
思い出すだけで知能指数が下落しそうなタイトルに軽い頭痛を覚える。
いくら手持ち無沙汰とは言え、よくもまぁページを開く気になるもんだね。
天下の往来でその下世話な背表紙を晒して読み始めようものなら、俺は早々にこの場から退散していただろうが、さすがに国木田も最低限の良識は持ち合わせていたらしくカバーがあつらえられていた。
確かあの馬鹿から手渡されたときは下品なピンクの表紙がむき出しになっていたはずだ。
良く見るとカバーのサイズが微妙に合ってない。手持ちの文庫本かなんかから手際よく移植したんだろうな。この飄々としながらも抜け目のなさがなんとも国木田らしいと自然と苦笑が漏れた。
谷口に視線を戻すと、相変わらずシカトを連発で食らい続けていた。その非生産的な行動っぷりはコードの繋がってない発電機を延々と回し続けているようで、いい加減見るに耐えん。
「なぁ、もう帰らないか? このままでは『努力は必ず報われる』という金言が嘘になってしまう気がする。救えないにもほどがあるぜ」
「まぁまぁ、十回に一回くらいは付き合ってあげないと、さ。谷口が拗ねるから――――、ナンパの極意その参、声を掛けるときは後方から、なるべく視線の高さを落として相手に警戒感を与えないようにしましょう、……だってさ。ふーん」
友情を大切にする心がけは見上げたもんだが、その本を朗読するのはやめろ。
やれやれ、団活のない貴重なオフだというのに儘ならんね。
俺は大きく息をついて空を見上げた。春の訪れを感じさせる高く澄み切った空が広がっていた。それはもう、憎らしいくらいに。
「僕達もやってみない? せっかく電車賃払って街まで出てきたんだし」
本をパタンと閉じた国木田が思い立ったようにとんでもないことを口走った。思わず空耳かと疑ったくらいだ。弾かれたように国木田の表情を確認する。
冗談かと思いきやその顔は割とマジだった。
お前正気か。まさかその怪しい本に感化されたなどと言うんじゃないだろうな。
「いやぁ、さすがにこんなに都合よくいかないでしょ。ちょっと待ってて、行ってくるよ」
国木田は一方的に本と荷物を俺に渡すと、ててて、と小動物を思わせるような小走りでバスターミナルの方へ向かった。
意外過ぎる行動に完全に呆気にとられた俺は、制止するのも忘れてその小柄な背中を見送る。
……なんだろうね。こっちの方がドキドキしてきちまった。身体を張ったネタをお前が披露するなんて、もしかしたら初めてなんじゃないだろうか。
国木田は辺りを見回すと早くもターゲットを絞ったらしく、躊躇うことなく歩みを進める。向かう先は――――、交差点で信号待ちの人だかりか。
一体どの女性を狙うんだろうか。
セーラー服を着た女子中学生、洒落た私服で着飾っている大学生風の女性、化粧が濃い目の制服姿のOL等、様々な身分と年齢層の女性が信号を待っている。国木田の一挙一投足に目が離せない。
「お前、よりにもよってそっちかよ……」
完全に意表を突かれた俺は思わず声を漏らしてしまった。
国木田が挑んだ相手はなんとベージュのビジネススーツにかっちりと身を包んだキャリアウーマン。年は三十代前半、いやもっと上か? 遠目なのもあるが、それ以前に若造の俺には正直見極めがつかん。
一つだけ言えることは、少なくとも普段まともに高校生活を送る限りではまず接点が無さそうで、よしんばその接点を取り持ったとしても歯牙にも掛けてもらえなさそうな『大人の女性』に国木田は声を掛けていた。
国木田は女性の斜め後方から歩み寄っていた。視線はヒールを履いた女性の方が高いため、自ずと国木田が少し見上げる形になる。
基本に忠実な奴だな、お前。
振り向いた女性は一瞬驚いた素振りを見せたが、国木田が身振り手振りを交えて話を進めると手のひらに乗せた雪が解けるようにその表情が和らぐ。
一拍置いて女性は軽く頷くと、アルミ製と思しきカードケースを懐から取り出した。そして、そこから一枚の紙片を抜き取るとたおやかな仕草でペンを走らせて、国木田に手渡す。
国木田は芸能人からサインを貰うように少し場違いなはしゃぎ様で紙片を受け取った。あまりの無邪気さに中てられたのか、 テオドシウスの城壁並にガードの堅そうな女性から笑顔がこぼれる。
リアクションが何か間違っているような気もするが、正直驚愕モンだねこりゃ。
見計らったようなタイミングで信号が青に変わると二人は手を振ってごく自然な感じで別れた。
未だ目の前で繰り広げられた光景を受け止めることができない俺は季節を先取りして突発的に花粉症を発症したかのように何度も目を瞬かせたが、国木田が一発で番号なりアドレスなりをゲットした事実は覆らない。
あまりの処理速度の遅さから伝達物質が絶縁処理されてしまったんじゃないかと疑いがかかっている俺の脳細胞が現象の解析を終える前に、国木田が戻ってきた。
一体どんな魔法を使ったんだ?
「そんなの使えるわけないじゃない。ただ挨拶して、正直にメールアドレスを教えてくださいって言っただけだよ」
本当かよ? しかし、このはにかんだ様な仕草からとてもこいつが特別な裏技や小細工を使ったようには思えない。
「なんかさ、可愛いねとか言われちゃったよ。褒め言葉なんだろうけど、男としては複雑だよね」
……勝因はそこか。
「いや、しかし相手の選び方といいお前は自分をよく分かってるよ」
自覚のないらしい国木田はきょとんとしてクエスチョンマークを頭上で浮かべるだけだった。
思いの他「可愛い系」ってのは侮れんことをしっかりと刻み込むように学習することになった俺とは対照的にな。
ふと谷口を見やると、いつの間にか路上ダンスを中断して、アホ面丸出しでこちらを向いて立ち尽くしていた。
そうやって歩道の真ん中で立ち止まると輪を掛けて通行の邪魔になるぞ。あと宇宙人を目撃したようにこっちを指差すのは止せ。
どうやら見てはいけないものを見てしまったようだな。
認めたくないのは痛いほど分かるが、これが現実ってもんなんだろう。所詮ナンパなんぞファーストインプレッション。つまりは見た目なんだよ。
生暖かい視線で語りかけてやると、思いの外アイコンタクトが通じ合っちまったらしく、無尽蔵のスタミナと折れないハートはどこへやら、何かに慄くようにズルズルと後退してベンチにへたり込んでしまった。
さすがにこれで少しは懲りただろう。と、一人で勝手に締めに入ろうとしていた俺だが、
「さぁ、次はキョンの番だよ」
と、想定外の待ったがかかった。
「お前ね、無理言うなよ。断っておくが、俺がやっても何の面白みも期待できんぞ? ヒネリもなく普通に声掛けて、然るべく無視されるのがオチだ」
「そうかなぁ。むしろヘンに気合入ってない方が良いと思うんだけど。自然体で行けって西川口先生の本にも書いてあったよ」
やる気を煽るのか殺ぐのかはっきりしろ。
「あはは、ごめんごめん。でも、せっかく三人で来たんだからさ、一回くらいやっていこうよ?」
国木田の言うことは、まぁ……、分からんでもない。
なにせ貴重な休日を食いつぶしてまで久々に谷口に付き合ってやると決めた日だ。何もせずにこのまま解散するにしても、平穏な分だけ無駄に過ごした後悔に苛まれるような気がする。
なら、いっそのこと勢いで馬鹿をやってみるのはどうだろうか。
自虐趣味などないが、この際のついでにお互いを笑い飛ばし合う日を戯れで作ってみるのもそんなに悪くないんじゃないか?
なんの気まぐれかそんな風に割り切ると、驚くほどに心が軽くなった。
「……分かったよ。帰る準備して待ってろ」
焼けクソ気味なのがやや引っかかるが、乗りかかった船とばかりに俺は友人のために笑いのネタを提供してやることにした。
たまには付き合いの良い所を見せても罰は当たらんだろう。
そうと決めたらもたれかかっていた壁を背中で蹴って歩き出す。
なんて声を掛けるかはおろか、どの娘に声を掛けるかすら決まっちゃいない。ただ、慣れない緊張で早鐘を打つ鼓動に触発されたかのように脚だけが動いていた。
ターミナルの方を見やると谷口とばっちり目が合った。古伊万里の大皿のように目を引ん剥いてこっちを見てやがる。
やれやれ、現金な奴だねまったく。そんなにバッサリ斬り捨てられる俺を見たいかね。
その滑稽な所作に思わず笑みが漏れると、思いの外緊張が解けた。奴でも役に立つことがあるもんだ。
視線を前に戻すと一人の女の子が歩いてくる。その姿を横からとらえた。
淡い黄色のカーディガンを羽織って、春を感じる穏やかな日差しに少し浮かれたように丈の短いスキニーパンツを軽快な足取りで交差させている。
スレンダーで小顔なせいか見かけの頭身がかなり高い。
女性にしか描けない優美なシルエットに瞬時に惹かれてしまった。横顔しか拝むことはできないが、その容貌は少なくともクラスで上位戦線に食い込めるくらいに可愛らしいことが容易に想像できる。
あまり相手のレベルが高いと釣り合わない自分が滑稽に見えるんじゃないかという躊躇いがあったが、
急いでいる風でもなく呼び止め易そう、
なんとなく年下っぽい感じで親しみやすそう、
穏やかそうに見えるからやんわりと断ってくれそう、
といった甘やかな思惑が打ち勝って、俺は衝き動かされた。衝き動かされてしまった。
「すいません」
「っ、はい?」
女の子は少し大げさな反応でこっちを振り向いた。初めて面と向かう形となり、彼女の菫が咲いたような儚くも可憐な容貌と相対する。
思わず息を呑んだ。
予想以上に可愛い子だったからだ。それはもうヤバいくらいに。分かりやすく言えば我らSOS団が唯一無二に誇れる華やかな女性陣と比しても全く遜色ないくらいに。
一気に勢いを削がれて萎縮してしまいそうになる。F1のタイヤ交換も真っ青の手際のよさで俺の心臓は生来の小市民仕様である蚤サイズのものへと換装作業を終えていた。我ながら情けないったらない。
しかし、このままキョドって春の陽気に誘われて出てきた不審者にカテゴライズされてしまうのだけは勘弁被りたい。
折角声を掛けたのに、気圧されてる場合じゃないだろうが、俺!
「そんなに驚かないで。キャッチとかそういうんじゃないんだ」
要するに怪しいものではないということを主張したかったわけだが、この台詞は思ったほど功を奏さず、女の子は俺の形貌をスキャンニングするがごとく、視線を忙しなく走らせている。
その姿を見ていると非常に申し訳ない気がした。これじゃあ困惑させるばかりだ。
ナンパの心得以前にとことん向いてそうにないことを思い知り、俺はこれ以上無理に続けるのを止めた。
そう、こんな茶番は迷惑もそこそこに手早く切り上げるに限るのさ。
「びっくりさせてしまったみたいでごめん。可愛い子が歩いてるな、と思って反射的に声を掛けてしまっただけだから」
その俺の一言に女の子がピクリと身じろいだ。くりくりした大きい目を瞠目させて、口元には手が添えられる。
このリアクションはなんだ? 気づかないところでまた失言を口走っちまったか?
最早は何を言っても逆効果なだけかと自己嫌悪に沈みそうになったが、とにかく幕引きだけは終わらせることにする。
後は「ごめんね」の一言でカタがつく。軽く頭を下げようとしたその矢先だった。
「お、……お兄さん?」
はい? お兄さん?
阿呆みたいに鸚鵡返しになってしまったのも無理はない。ついでに間抜けに声がちょっと裏返ってしまったのも大目に見てやって欲しい。
それと言うのも、文脈を完全に無視したそのイレギュラーな単語はそれまでの会話と何の繋がりを見出せないからだ。
混乱して言葉を失った俺は、もう一度女の子の顔を真正面から見た。
照れることも放棄して ばっちり視線を絡ませたままじっくりと五秒はそのご尊顔を拝み、ひたすらモンタージュと人物検索に専念して、ようやくポンコツな脳が照合を終える。
その結果に俺は愕然となった。
解に辿り着いてわだかまりが消えた爽快感なんぞどこにもない。今となっては分からず終いだった方が幸せだったと思えるくらいだからな。
軽薄で軽率な行動に対する後悔の念で嘆くばかりだ。
やっちまった感で半ば放心状態の俺は掠れた声をこう搾り出すのが精一杯だった。
「ミヨキチ……なのか?」
できることならば否定して欲しかった。よりにもよって妹の同級生、しかも小学生をナンパしてしまった愚行が取り消されるならば、どれだけ俺は救われることだろう。
しかし、目の前の少女は長い睫毛を伏せて頬を染めて恥らいながらも、
「……はい」
と頷いて問答無用で俺の希望的観測を粉砕する。
髪型と服装と化粧のイメチェンコンボで見事に化けたミヨキチの前で俺は棒立ちになるしかなかった。
//////////
海辺に建てられたショッピングパークで海を望むデッキを歩いていた。平日でも人が集まる人気スポットだが、今は合間を縫ったように閑散としていた。
程よい潮風に包まれて穏やかに波止場に打ち付ける波の音に耳を傾けると、えも言われぬ開放感に浸ることができる。
いつまでもこうしていたいもんだ。
普段の俺なら迷わずこう思うんだろうが、実は今日に限って本命は別にある。なんとも、贅沢なことだがね。
あくまでも右手に感じている柔らかくて温かい感触が心地よかった。
貼り敷いた木板の上を滑るように繋がった二つの影が這い進む。
少し長い影が十分な時間の経過を示していた。
全く楽しい時間ってのはなぜこうも早く過ぎてしまうんだろうかね。
街でたむろって澱んでいた午前中と比べると遥かに時間の流れが速い。雲泥の差って表現がこうもハマるのも珍しい。最早別次元と言っても差し障りがないくらいだ。
「女の子として声を掛けてくださったのなら、今日は妹さんの友達じゃなくて一人の女の子として扱ってくださいっ」
ターニングポイントはミヨキチのこの言葉だった。
説明すべきなのか、謝るべきなのか、いっそのこと冗談とすっとぼけるべきなのか。
それまで自我を三大派閥に分けて脳内で緊急サミットを絶賛開催中だった俺は、ミヨキチの真摯な姿勢のおかげで、
「これは、その、なんだ……、何かの間違いなんだ」
などと、歯切れの悪い惨めな自己弁護に拘泥することから開放された。
「でも、さっき私のことを、……その、……『可愛い』って言ってくれました。これも間違いだったんですか?」
「お兄さんに声掛けてもらって、……すごく嬉しかったです」
「お兄さんさえよければ、このまま……誘って欲しぃ……です」
と、ミヨキチは選ったように対戦車ミサイル並に破壊力の高い台詞を重ねて順調に俺の心の壁を撃破し、先の台詞で完全にトドメを刺した。
おおげさじゃないが、俺は本当に電撃が身に走るのを感じたんだ。雷に打たれたようなってのはこういうことなんだと思うくらいにな。
目が覚めたというか、あれこれ言う前にとにかくやることがあるだろってね。
年下の女の子にここまで言わせて、まごついてる野郎がどこにいる?
そう自分に問い掛け終わるのを待たずに俺はミヨキチの手を引いていた。
にこやかに手を振る国木田と、完全に灰と化して再起不能になった谷口を尻目に、近くの港を模した人気のデートスポットに向かい、ミヨキチと楽しい一時を過ごして今に至る。
事情を知らない二人はてっきり俺がナンパに成功したと勘違いしていることだろう。
勘違いさせたまま無用に騒ぎ立てられるのと、気づかずに知り合いの小学生をナンパした事実を告白してコケにされるのと、どっちがいい?
どっちも御免被りたいね。どちらも冗談と笑って済ませられる範疇を超えている。気が進まんが嘘に嘘で塗り固めるしかなさそうだ。
―――さて、それはさておき。これからどうしたものか。
高い空に向かって少し伸びをした。
ファミレスよりもワンランクの高いレストランでランチを摂って、ウィンドウショッピングで軽く雑貨屋を冷やかして、お約束の如く映画を観た。
都合よくミヨキチお目当ての俳優が出演しているタイトルが上映されてなかったらしいので、何でも良かったのかもしれないが、彼女は控え目に恋愛映画を推した。
ちなみに、今回は年齢制限のない超健全な青春恋愛映画だったってことを付け加えておこう。
こうやって消化したメニューを挙げると、お手本のように典型的で気恥ずかしいが、俺はこのデートと言っても差し支えのない内容を心から楽しんでいた。
ただ、楽しい時間はいつまでも続かない。既に終盤に差し掛かっていることは間違いなかった。
ドヴォルザークのメロディーが流れてきた。時計台の時刻を確認すると午後五時。誰でも知ってる旋律だが、曲名までは知らん。クラシックってのは案外こういうのが多いと思わないか?
「お兄さん」
半歩だけ後方から控え目に声が掛かった。足が止まる。
振り向けば、ミヨキチが真っ直ぐに俺を見つめていた。頭の上のリンゴを狙うウィリアム・テルのように真摯に、そして真剣に。
「今日は楽しかったです。わがままを言って困らせたりしてすいませんでした」
「誘ったのは俺だから。随分とカッコ悪い所を見せてしまったけどね」
自嘲する俺をミヨキチはかぶりを振って本気で否定する。
「お兄さんは……カッコ良いし、高校生でオトナだから。その、ナンパとかしても全然変じゃないです! それに、私と気づかずに声を掛けてもらったのが、すごく……嬉しくて」
前半までの勢いはどこへやら、語尾のあたりは消え入るようなか細さでフェードアウトしてしまった。竜頭蛇尾を発言で体現するかのような妙な調子だ。
ミヨキチは顔をトマトのように染め上げて俯いていた。
俺はどうにも解せない。知り合いに対して本人と気づかずに声を掛けるのは失礼な行為なんじゃないかと思ったからだ。
だがミヨキチは確かに嬉しかったと言った。こんなにも照れが入る理由もよく分からない。
すれ違う気持ちに間が持たないこともあって、俺は上方漫才芸人にようにノリだけで合いの手を入れてしまった。
困惑がつい口を突いて出てしまったって感じだが、正直今日、いや午後唯一の失言だ。後になって気づいたが、これほど無粋なことはないだろう。
「ミヨキチは家にも来るし、俺の妹みたいなもんなのにな。まったくなにやってるんだろうね、俺は」
笑い話をしようとしか思ってなかった俺に対して、顔をゆっくり上げたミヨキチは――――、少し悲しげな顔をした、ように見えた。一瞬で素面に戻ったため、ヘボい俺の動体視力では判定がつけられない。
「お兄さん。最後にわがままをもう一つだけ聞いてもらってもいいですか?」
「あ、ああ。うん。何かな」
ミヨキチは意を決したような強い視線で俺を射抜いていた。
「さっきの観た映画のラストシーン、覚えてますか?」
てっきり何かしらの要求が来ると身構えていたが、ミヨキチは更に質問を重ねてきた。 予想外の振りに、俺は大慌てで早くも記憶の底で分解しかかっていた映画のシーンを繋ぎ合わせて、ストーリーラインを紡ぎ直す。
映画のあらすじは確かこんな感じだった。
憧れの女子に中々想いを告げることができない高校生の男子が、友人の後押しと自助努力によって告白を敢行して見事に恋を実らせる。
実は相思相愛だったため二人は順調に付き合いだしたが、それぞれの部活動で強化指定選手に選ばれるという晴天の霹靂に見舞われる。
練習が増えて二人は時間が合わなくなり、不安やすれ違いに苦しむが、最後は恋を選んでハッピーエンドという、なんともご都合、いや、心が温まる青春ラブストーリーだった。
そして、肝心のラストはというとだ。男の子が遠征に向かおうとする女の子を引き止めて、二人は逃げ出して辿り着いた海岸線で抱き合ってキスをする――――。
正直に言おう。ここまで思い出した時点で俺は『何か』を察していた。厭な予感というと語弊があるんだが……。
それはまさかこんな展開はないだろう、それこそ映画じゃあるまいしと、すぐに自分を窘めたくなるような出来の悪い妄想じみたモノだった。
しかし、回想から戻ってくると、案の定凍りつくような光景がまるで俺の眼前に差し出されたように在った。
ミヨキチは心持ちあごを上げて、目を瞑っていた。
「ミ、ミヨキチ?」
潮風が目に沁みた?
いきなり眠くなった?
両方の目に虫が入った?
どれも無理があり過ぎる。しかし、俺は敢えて確認しようとしていた。このシチュエーションで確認もへったくれもないだろう。間抜けにも程がある。
ミヨキチはゆっくり目を開けると、
「今日一日だけは女の子として扱ってくれるって約束でした。だから最後は……、こ、恋人みたいに……その、キスして、別れたいです」
ひたすら真摯にそう言うと、再び目を閉じて俺を待つ。今度は祈るように両手を胸の前で組んで。
写真で切り取れば今夏公開の映画のワンシーンとして使えるくらいに様になっていた。
これが芝居で済むなら俺は迷わず唇を重ねていただろう。ガッついてNGを出されたかもしれない。
オシャレをして薄く化粧をしたミヨキチの外見は冗談抜きにマジで彼女にしたいと思えるくらいに可憐に大人びていた。
しかし相手は妹の親友だぞ? それにバリバリ現役の小学生だ。
前から薄々感じてはいたが、ミヨキチは俺を好意的に見てくれている。そうでなきゃ、こんな顔でこんなことできやしないだろうよ。
良く見ればミヨキチの唇は小刻みに震えていた。よっぽど緊張しているんだろう。それだけ真剣だってことの表れだった。
冗談なのに真剣なのは矛盾してるぞ、ミヨキチ。
そもそも『一日限りの恋愛ごっこ』なんてのは俺にとってもレベルが高過ぎる。最近習った漢文の反語を使うなら、いわんや小学生をや、だ。
勢いでキスしても、理由をつけて拒んでも、後々しこりを残すことになりそうなのは明白だった。
だから俺は折衷案を採用することにした。古典的ではあるがこれしかない。
一歩寄ると気配を悟ったのか、ミヨキチが一層身を強張らせたのが分かった。肩をそっと掴むと、ミヨキチは震えながらも健気に俺がキスし易いようにあごをくいと上げた。
フワリとシャンプーの香りの中に女の子の甘い匂いを感じて、軽い眩暈に襲われる。手のひらに柔らか温かい体温と華奢な骨格を感じながら、網膜には美少女の顔が過去最大の倍率を更新して大写しになっていた。
額にキスをするだけ。それだけだ。
だが、磁石の斥力が働いているかのように顔の距離を近づけることができない。
完全に雰囲気に呑まれて怖気づいてしまっていた。
この時、愚かしくも俺は二つも失敗を犯していたことに気づけないでいた。
一つはこの状態で躊躇って焦れてしまったこと。
そしてもう一つはミヨキチの身長が成人女性の平均と比べて十分に高いことを忘れていたことだ。
混乱の渦中に居た俺の視界が突然翳る。
唇には、この世のどんなものにも例えることができない瑞々しくて柔らかい感触。
炙ったハマグリが口を開けたような突発的な動作で、ミヨキチは爪先立ちになって自ら俺に唇を重ねていた。
時間を測ればきっと2秒そこそこの出来事だったと思う。見事な奇襲だった。
ミヨキチはすぐに離れると、紅潮した顔を隠すようにそそくさとお辞儀をして、
「ごめんなさいっ。今日のことは忘れてください。っ、さようならっ」
と、逃げるように駆け出した。引き止める間もなく、その姿は見る見るうちに小さくなる。
俺は魂が抜け落ちたように立ち尽くしていた。できた事と言えば、待てとばかりに右手を差し出したことだけだった。人影のないデッキで一人取り残されていた。
一陣の風が巻いて緊張で汗をかいた俺の身体を乱暴に冷ました。
黄昏時に吹く風は昼間とうって変わって冬の名残を感じさせるくらいに冷たく吹き荒ぶ。
空を掴んだ手を唇の辺りにやると、リアルな感触が蘇る。
寂寥と冷気に身震いしそうだったが、唇だけは灼けたようにいつまでも熱を持っていた。
//////////
明けて月曜日。
終業式まで後僅かという高校生にとって一年で最も気が抜けた時期であることと穏やかな春の陽気が見事なツープラトンをかまして俺の気だるさを増幅させていた。
春休みになればこの強制ハイキングからも開放されると思うと、少しは心が躍るんじゃないかと期待してみたが、良く考えれば春休みというイベントをハルヒが放置するわけがない。
どうせロクなことに付き合わされるに違いない。そう結論に至ると底なしの沼にどっぷりと気持ちが沈んでいった。
正直花見なら歓迎するんだがね。いや、考えるのは止そう。易々と思い通りになるほどあいつの思考回路は単純じゃないし道理にもかなってもいない。
それを実証するかのように、今朝の当人は廊下で顔を合わすなり意味不明に機嫌が悪かった。
下手に関わると春休み前のささやかな充電期間まで奪われる気がしたので軽く流しておいた。触らぬ神に祟りなしってやつだ。
視線を上方にくれると、鳩の一群が空を遮って流れていった。そう言えば昨日もこうやって高い空を見上げたっけな。
そうしていると昨日の椿事が思い出された。
朝の一番から谷口と国木田から質問攻めに遭って、それを必死にかわしたばかりでこの話題は正直食傷気味ではある。
馬鹿正直に顛末を明かすわけにもいかず、ミヨキチの正体を隠した上で女の子とは一緒に昼食を食べただけだと言い張って煙に巻いておいた。
で、結局俺の中でどう整理をつけたかというと、しばらく心の奥底にお蔵入りすることにした。
もちろんさんざん考えて悩んださ。夕方からメシも食わずに夜半まで。
しかし、思考は同じところをループするだけで一向に解に辿り着けなかった。
俺の中でミヨキチはどこまで行っても妹の友達だったし、世間体を考えても高校生が小学生に手を出すわけにもいかない。
一方ミヨキチはというと、昨日のことを忘れてくださいと言った。俺を好意的に想ってくれつつも、今すぐ付き合いたいとかそういうんじゃないってことなんだろうよ。
二つを総合すると二人の仲を違う形に変化させようとするのは違うような気がした。
この確認作業とも言える思考を何度も繰り返して、とうとう寝る前にこの件を封印する決定に至ったのさ。
次にミヨキチに会ったときにどういう態度を取れば良いのか分からんが、それはきっと今まで通りでいいってことなんだろうな。
とりとめもなく考えながら、俺は会社でリストラを食らって偽装出勤中にデパートの最上階で時間を潰す不惑のサラリーマンのように、屋上のフェンスにもたれ掛かっていた。
一応断っておくが、俺には屋上で物思いに耽るなんていう優雅な趣味はない。
いい加減痺れを切らした頃を見計らったように油の切れかけた蝶番の音が来客を告げた。
「やぁ、待たせてすみませんね」
言葉面に反して特に悪びれた様子もなく、そいつはいつも通りの軽薄そうな笑みを顔に貼り付けて現れた。
人を呼び出しておいて待たせるとは良い根性してるじゃないか。
「食堂が混んでいましてね。いや、申し訳ない。お詫びといってはなんですが」
古泉はそう言って缶コーヒーを寄こすと、流れるような動作で俺と横に並ぶ形でフェンスに背を預けた。
甘ったるいモンは要らんと突き返そうとしたが、見透かしたように無糖ブラックだった。余計にいけ好かない。
俺はせめてもの苛立ちをぶつける様にプルトップを力いっぱい開けて一口煽った。
改めて辺りを見回すと、昼過ぎの屋上は俺たち二人だけだった。全てはこの強風のせいだな。こう埃っぽくては弁当を広げる気にはならんだろう。
「用件は何だ?」
「異なことを言いますね。僕があなたを呼び出す時ネタは決まっているはずです」
どうせなら朝比奈さんとそんな風に阿吽の呼吸で通じ合いたいもんだ。
古泉は少し吹き出す風に笑うと、一口飲んで真顔になった。
「昼休みの時間も限られています。率直に問いましょう。あなたは昨日、どこで何をしていましたか?」
アリバイ調査を受けているようでどうにも良い気分がしないね。
人は大抵動き回ってるもんだ。せめて答え易いように配慮して訊いてくれ。
「これは失礼。では、カマをかけるわけではないですが……、『夕方のショッピングパーク』、このキーワードにピンときませんか?」
心拍が跳ね上がった。
反射的に古泉の顔色を伺うことで俺はその問いに答えることになってしまった。
古泉は俺のリアクションに口の端を歪めると、視線を前方に据えたまま続ける。
「カマをかけると言ったように、あなたを付け回していたわけではありません。ほとんどあてずっぽうですよ。ただ、僕の中で虫の知らせがありましてね。それを確認した次第です。見事的中したのは喜んで良いのか悪いのか……」
芝居がかった風に眉間に皺を寄せて、お決まりのお手上げジャスチャーをして見せた。
「昨日、涼宮さん『も』ショッピングパークでオフを楽しんでいたようです。伝聞調なのは僕が尾行していたわけではないのと、機関としても四六時中べったりというわけにもいかないので100%の確証はないからです」
間が悪いというのはこのことだろう。普段のプライベートならば観察するに値する要素など何一つないと胸を張って言えたが、昨日だけは事情が違う。
アレをハルヒに見られたとしたら、朝ハルヒが超絶に不機嫌だったことに説明がついてしまいそうだった。
まさかの不安が流行りのコンピュータウイルスのように爆発的に増殖していく。
「あなたなら既に察してるかもしれませんが、機関の動向もいささか騒がしくなってましてね。……是非お聞かせ願えませんか? 昨日あなたがショッピングパークで何をしていたのか」
決して古泉に促されたからではない。俺は危機を案ずる一心で語ることにした。
事情が込み入っていたためにかなりの時間を要した。
顛末を伝え終えたとき、俺の喉はカラカラに渇いていた。話した量が多かったせいか、緊張のせいかは定かではない。
古泉はロダンの考える人を勝手に現代版にアレンジしたような格好をしてあごに手をやり、しばし考えに耽ると、
「……これは弱りました」
心底参ったように切り出した。
オーバーリアクションは冗談のときだけにしろ。マジな話にそれは心臓に悪いぞ。
「昨日の夕刻にこのところ観測されなかった大規模の閉鎖空間が発生したんです。すぐに召集がかかって現場に向かったんですが、そこで待っていたのは未だ僕達が見たことない光景でした」
毎度の如くいちいちもったいぶらんでいい。
「神人が懊悩して苦しむように悶えてたんです。街の破壊などそっちのけでね。あるモノは頭部を抱え込んで啼き叫び、あるモノは自分の身体を殴打し、挙句の果てには神人同士で取っ組み合って諍いを始める始末ですよ」
俺は忠実にその姿を想像して絶句した。まともな知能など到底持ち合わせてそうになく、破壊以外の行為を知らないとすらとも思えるあいつらが自滅行為や仲間割れをおっぱじめただと?
「まさしく。我々が最も危惧しているのが世界の破壊ですから、この状況はどちらかと言えば好都合ではあるのですが―――」
古泉はそこで一度言葉を切ると、フェンスに背中をもたせ掛けるのを止めて俺の前に回りこむ。
「神人が暴れてることに違いないため世界の破壊がゼロではないのが性質が悪くてね。放置することもできずに、昨日から断続的な出動が続いています。例によって寝不足ですよ」
そう言って自分の目元を差した。
もしかして「ホラ、眠そうでしょ?」とでも言いたかったのか? 悪いが普段のお前の細目とどこがどう違うのか区別がつかん。
で、結局のところ何が言いたい?
お前のことだ、さぞかし俺には思いもつかんような、アッと驚く推理を用意してくれているんだろうな。
「その神人の行動異変の原因は何なんだ? 何かが起こる前触れか?」
いささか投げやり調の俺のこの発言がいたく不満だったらしく、古泉はミクロンオーダーで眉を顰めた。
「あなたがいくら女性の機微に疎いとはいえ、まさか本当に素でそう思っているわけではないでしょう?」
途中から薄々予測していた馬鹿馬鹿しいオチがほぼ確定して、俺は頭痛に眉間を押さえた。
やれやれ、くだらないにも程がある。
状況から考えてミヨキチとのツーショットをハルヒに見られたのは間違いなさそうだ。どの瞬間を目撃されたのは定かではないが、いろんな意味で迂闊だったことには違いない。その非は認めよう。
俺が危惧していたのは、それを見てあらぬ勘違いしたハルヒが本格的に神人を稼動させてアルマゲドンでも起こそうとしてるんじゃないかってことだった。
しかし、実際は危機的状況でもなんでもなくて、要約すればハルヒが勝手にもやもやして、それにお前が踊らされてるだけときたもんだ。
そっくり返してやるよ。
「まさかお前こそ、ハルヒの心情を閉鎖空間で神人が身体を張って代弁してるっていうギャグみたいな話に付き合えって言ってるのか?」
ったく、俺の昼休みと提供した情報を返せ。
脱力感に見舞われた俺は屋上を去ろうとした。古泉の横をすれ違う。
お約束のように背後から待ったがかかったが歩みは止めない。
「待ってください。確かに状況はあなたの言う通りかもしれません。しかし『風邪はひき始めが肝心だ』と言います。これだけは心に留めて置いてください」
吹き荒ぶ春風に掻き消されぬように、最後の方はらしからぬ大声になっていた。
相変わらずうまいこと言うじゃないか。
その言葉だけは素直にアドバイスとして受け取っておくとしよう。
合図とばかりに振り返らずに軽く手だけ挙げて無言で立ち去ろうとしたが、寸でのところで思いとどまる。こういうキザったらしいことをやるのはこいつだけでいい。
「分かったよ」
とだけ肩越しに告げて、俺は校舎の中に入った。
//////////
学年末で教師も流しモードに入っているせいか、ホームルームもあっさり終了して解散となった。
ここ一年の習慣で、放課後となればとりあえず俺の行く先は文芸部室と決まっている。
ちなみに今日ハルヒとはまともに口を聞いていない。
部室でハルヒと顔を突き合わせにゃならんと思うと正直気が重いが、逃げれば余計に変に勘ぐられるだけだ。
俺は鞄を取って勢い良く教室を出ようとした。
その瞬間、
「うおっ」
「わっ」
ドンッと胸に軽い衝撃が走った。
慌てて相手を確認すると、ギョッとした。
鼻先を押さえたハルヒがそこにいたからだ。
ホームルーム終了と同時にダッシュで出て行ったはずだが、忘れ物でも取りに戻ってきたのか?
ハルヒは痛そうに顔をしかめていたが、ぶつかった相手が俺と認めると泡を食ったような表情を見せたがそれも刹那のこと、ワイヤーで操作してるんじゃないかと思うくらいに鋭く眉を吊り上げてすぐに警戒態勢を取る。
「悪い。大丈夫か?」
反射的に手を差し伸べたが、問答無用で払われた。
「どいて。邪魔よ」
ハルヒは突き刺さるような冷淡さで俺を押しのけて強引に教室に入る。
触れれば凍傷を負うような刺々しさ全開で、まるで真冬に逆戻りしたかのような寒気を感じた。
正直ゾッとできるね。
あくまでもこいつを基準とするならば一年前の春に巻き戻ったかのような錯覚を覚えた。斬り捨てられるような感覚も随分と久しぶりだ。
しかし、今朝よりも更に機嫌が悪くなっているのはどういう了見だ?
机を乱暴に漁って取るものを取ったハルヒは、椅子を脚で蹴って詰めるという淑女にあるまじき振る舞いで足音も激しく肩を怒らせて戻ってくる。
「どうした? 今日はやけに機嫌が悪いじゃないか」
努めて友好的に切り出した俺の改心の一言も馬の耳に念仏よろしく無視を決め込まれて、ハルヒは競歩でもやってるかのように歩く速度を微塵も落とさず、俺の横を抜けようとする。
「ハルヒ!」
「うっさいわね! 話し掛けるな!」
仁王様も腰を抜かすような剣幕で牽制をかまして、韋駄天様も真っ青のスピードで駆けていった。
あっという間にその姿はは視界から消え失せる。
教室に残っていた連中が何事かと騒ぎ出す。全く良い晒しモンだぜ。奇異の目から逃げるように廊下に出ることにした。
「なんだぁ? いつになく荒れてんなぁ。ついに爆発したって感じか」
不意に背後から声が掛かった。なんだ、谷口か。
トイレから帰ってきたところらしく、ひらひらと手首を振って水気を切っていた。
「どういうことだ?」
「気づいていなかったのか? 午前中の休み時間にお前の机でダベってるとき、後ろで涼宮がイライラしっぱなしだったんだぜ。すげぇむくれたツラで頬杖ついて窓の外見ながら、壁をつま先でゴンゴン蹴ってた。思い出しただけでも怖ぇ」
谷口はそう言いながら身を掻き抱くような仕草を見せた。おどけるにしちゃ様になり過ぎている。マジでビビってるようだった。
俺はこいつらとの午前中のやりとりを思い出す。
確か、昨日のナンパの話で持ちきりだったはずだ。
会話自体は健全な内容に収まるものだったはずだが、「俺が連れ出しに成功した」とか「相手の子、結構可愛かったよな」というような煽り文句が飛び交っていたかもしれん。
普段のハルヒならば俺たちの馬鹿話なんぞに耳を傾けようとしないだろうし、よしんば耳に入ったとしても一笑に付して片付けただろう。
だが昨日の今日ではそうもいきそうにない。
なるほど、格段に不機嫌なのはこういうことだったか。
古泉よ、重要な情報は朝一で教えて欲しかったぜ。
「キョンよぉ、今日も文芸部室に行くのか? どう考えても日が悪そうだぜ?」
「……いや、そのつもりだったがやめることにした。おとなしく帰ろうぜ」
「本当かよ? 待ってろよ。今鞄取ってくっからよ」
何がそんなに嬉しいのか、谷口は躍るように教室の中に消えていった。
やれやれ、しかし重症だねこりゃ。
ハルヒが駆けていった廊下の突き当たりを見通しながら頭を掻いてそうつぶやいた。
しかし言葉とは裏腹に行き詰った感は無い。
それどころか俺は左脳が寄こして来た天啓に一縷の希望を見出していた。
我ながらたまにはいい仕事をするじゃないか。それでこそ試験中すらもアイドリングで休ませていた甲斐があるってもんだぜ。
よかったな古泉。うまくやれればお前の苦労も減るかもしれん。これっぽっちも保証はできんがね。
確かに今のハルヒは話せる状態じゃない。俺が部室に行っても気まずい空気を撒き散らすだけで傍迷惑になるだけだろう。険悪ムードにひたすらオロオロする朝比奈さんを見るのは忍びない。
だが、俺が部室に行くのを止めた理由は別にある。
それは今会わなくても、厭でも顔を合わすことになるだろうということを薄々感じ取っていたからだ。そして仕掛けるならそのタイミングだということを信じて疑わない。
それは問われれば根拠などまったくないが、やけに確信が持てる言わば不思議な勘というべきものだろうかね。
俺の胸には予感めいたものがあった。
あの様子なら今晩にも証人喚問がかかるだろう、ってね。
//////////
長い前振りになってしまったが、その予感めいたものはものの見事に的中し、冒頭の展開を経て今に至る。
ハルヒは影を落とした表情で悄然とした様子で呟く。
「あたし前にも、こんな夢をみたことがあるわ……」
俯き加減で何やら少し考え込んだが、
「とにかく学校から出ましょう。他に人が居ないか探すのよ。無駄かもしれないけど」
唐突に顔を上げて、俺の袖を掴んで歩き出す。
敷地中を引きずり回されることを覚悟していたが、脱出は半分諦めていることもあってか、確認作業もほどほどに俺たちはあっさりと部室へ戻って待機を決め込んだ。
「前回は光の巨人が出たのよ。背丈が校舎の倍以上あってそいつらが派手に暴れるの。超弩級の大スペクタルだったわ」
ハルヒは興奮気味にそう言うと、窓から神人の姿を探した。
未だ神人の登場はない。古泉の登場もパソコンを使った長門からのメッセージもない。
実に緊迫感に欠ける閉鎖空間だったが、むしろ好都合だ。わざわざ朝倉の台詞を借りるならば、『またとないチャンス』だった。
「……ねぇ、もしかしたら、アンタも覚えてる?」
だるまさんが転んだで不意を突くようにハルヒが振り返る。気まぐれの質問のような軽いノリではあったが、面は意外に真剣だった。
俺はどう答えようかと一瞬迷ったが、半ば無意識の内に、
「ああ」
と、肯定する言葉を出していた。
ハルヒはそんな俺のリアクションに驚いたような様子を見せたが、何かを思い出したようにそっぽを向いて俯く。正面を向いた頬は桜色に染まっていた。
それに触発されたかのように記憶の最深部でNGラベルを付けて封印していたあの問題シーンがフラッシュバックする。
墓穴を掘ったとはこのことだぜ。なんとも気恥ずかしくて居たたまれない。
しかし、これでは本末転倒だと気を取り直す。
昼間の閃きを今一度思い出す。
『転んでもタダじゃ起きない』、『災い転じて福と成せ』が、たった今からの俺の座右の銘二本柱だ。
うまく使うんだよこの状況を。
ここで起きたことはどんなことでもすべて夢で済まされる。恥も外見もここでは無用の長物だ。プライドも全部捨てろ。捨てるんだよ!
ちゃちな自己暗示で開き直った俺は、いよいよ切り出した。
「この状況で言うのもなんなんだがな。お前に説明したいことがある」
「……何よ。藪から棒に」
「昨日、いや一昨日になるのか? 先週末にお前がショッピングモールで目撃した光景についてだ」
途端にハルヒの顔が強張った。本人から裏が取れてるわけではなかったからここで外したら正直どうしようかと思ったが、どうやらビンゴらしい。
「一緒に歩いてた女の子は妹の友達なんだ」
一気に誤解を解く好機ではあったが、焦った俺はこの言葉足らずな一言で逆にハルヒの反感を買ってしまう。
ハルヒは目に鋭い眼光を取り戻して、バンと机を叩いて反駁した。
「嘘つきなさいよ! あんなマセた小学生がいるワケないじゃない。遠目でもあたしらとそう変わんないくらいの女の子連れてることくらい分かったわよ!」
その道の人も竦ませるような剣幕に一瞬怯むが、 不渡り寸前の状況で新商品のセールスポイントを売り込む自営業の経営者のように、決死の覚悟で巻き返しを試みる。
「待て、落ち着け。面識は無いがお前も知ってる娘なんだよ。文芸部の機関紙で書いた俺の小説の中で妹と同級生で大人びた娘が出てきただろうが」
「……それって、あの『ミヨキチ』って娘? キョンとホラー映画に行った娘? 吉村美代子ちゃん?」
……まったく恐れ入るよ。まさかフルネームまで覚えているとはね。
だが、おかげで随分とハルヒを鎮めることができた。
この時ほど機関紙の存在がありがたかった瞬間はないね。もし、生きて明日が迎えられるとするならば生徒会長に礼を言いに伺いたいくらいだ。
「そう、そのミヨキチだ。ここ一年ろくに顔を合わせない内に彼女更に成長してて俺もびっくりしたんだよ。オシャレしてたら十人中八人は高校生と間違えるくらいに大人びてたぜ」
「…………ふーん。で、午前中ナンパしてたあんたがなんで午後はミヨキチちゃんと『デート』なの?」
ハルヒは疑惑の視線を向けて俺に一歩詰め寄る。お馴染みの逆三角の目だが、いつもと迫力が桁外れだ。今にも疑念が形を成して目から出てきそうだぜ。
心なしか『デート』という単語に妙なアクセントが置かれて聞こえたのは俺の気のせいか?
それにしてもなんて鋭い奴だ。痛いところをピンポイントで突かれてしまった。
古泉よ、どこに隠れてやがる。こういうときこそ胡散臭い論理で相手を丸め込むのが得意なお前の出番だぞ。
「そ、それはだな……」
話すのか? 恐らく俺の生涯を見渡しても無かったことにしたい出来事ベスト10にランクインするのは堅い未曾有の大失態を。
いや待て。これは夢なんだということを今一度思い出せ。最初に確認しただろう?
そうさ、どんなに格好悪くてもいいんだよ。もう、どうにでもなってくれ。
開き直りと観念を両立させて、俺はありのままの事実を正直に話した。
事情が込み入っているので自ずと説明の量も増えるが、情けない内容にも関わらずハルヒは黙って聞き入っていた。身も凍りつくような疑念のまなざしのままで。
「つまり要約すると、だ。気づかずにナンパでミヨキチに声を掛けて、そのお詫びにショッピングパークで相手の要望通りに遊んだ。ということなんだ……」
説明を終えた俺はどっぷりと疲れていた。喋った量も半端じゃなかったが、それ以上に精神的な負荷が大きかったからだ。思い出すのも恥ずかしい内容満載なのが何よりも堪えた。
一仕事やり終えて汗を拭った俺に対して、
「馬っっっっっっ鹿じゃないの?」
と、キレのある見事な罵声が返ってきた。
ハルヒは呆れ果てたのか、眉を下げて薄く笑んでいた。
爽快ですらあるね。漸くハルヒの顔に笑顔が垣間見えたんだからこれ以上清々しいことはない。
しかし、溜飲を下げたのも束の間、ハルヒは一瞬で真顔に戻る。
「あんたさ、まだ一つ隠してることあるでしょ?」
ドキリとした。確かに俺は全てのいきさつを語ったものの、ラストをお茶に濁したままだからだ。そしてそのラストこそ、最も問題のあるシーンだから性質が悪い。
つまり、全部見られてたってことか。一体どこから見てたんだ? 本人の弁じゃ遠目だって言うから店の建物の上階からってとこだろうか。
「……遠くからだったからよく分からなかったけど、別れ際にあんた、ミヨキチちゃんと抱き合ってたように見えたわ。まさか小学生にいかがわしいことしてたんじゃないでしょうね?」
ハルヒが腕を組んで俺の瞳の奥底を探っていた。一片の揺らぎも見逃さない。そんな強い意思が感じられる。
最大の山場がやってきた。
ここをどう自己弁護するかで、今までの労が功を成すか泡に帰すかが分かれそうだ。
しかし、これだけは馬鹿正直に話しても逆効果のような気がした。本人曰くよく見えなかったバッドな衝撃映像をわざわざつまびらかにするのは愚かしいことだろう。
「帰り際に駆け出すもんだから、躓いてバランスを崩したんだよ。それを助けた瞬間がそう見えたんだろうよ」
自分でも無難な作り話だと思ったが、すぐにハルヒの視力と洞察力を甘くみたことに後悔することになる。懲りないね、俺も。
「あたしには向かい合ってたように見えたけどっ。それと、ミヨキチが爪先立ちになったのはなんで?」
ハルヒは見透かしたように不気味に嗤っていた。痙攣気味に口の端を吊り上げて努めて不自然に。
……めちゃめちゃ細かいところまで見えてるじゃねぇかよ。
窮する俺にハルヒは威圧的な態度を一転し、腕を下ろして俯いて表情を隠した。
「……キス、したんだ?」
最後通牒のような有無を言わせない様子に息を呑んだ。
それは身体の奥底で渦巻くあらゆる感情を完全に押し殺し、強制的にノーマライズしたような不自然に平坦な問いだった。
まるで背骨を抜かれて氷柱を突っ込まれたような寒気が走る。
「違うっ! 不可抗力だったんだ!」
矛盾する俺の言葉をハルヒは肯定ととったのか、女子とは思えない瞬発力で俺の横を抜けて部室から駆け出ようとするが、こっちも必死だ。
ここでハルヒを逃がしたら冗長とも言える段取りと前振りを使って一体何をやってきたのかが分からなくなる。
反射神経を総動員すると、幸運も後押ししてハルヒの腕を掴むことができた。全力で引き寄せる。
ハルヒを背中から捕まえる形になった。釣り上げられた魚みたいにハルヒはめちゃくちゃに身を振り回して暴れる。
「バカバカバカァ、このバカキョン! 離しなさいよ! このぉ、離せぇええぇぇぇ―――――――!!!」
誰もいない校舎に耳を劈くようなハルヒの絶叫が響き渡った。あまりの大音響にガラスがビビって割れそうな勢いだ。
「良く聞けっ! 複雑な事情があるんだよ。せめて全部聞いてから暴れるかどうか判断しろっ」
「何よっ、嘘ついてごまかそうとしたくせにっ。最っっっ低!!!」
キ―――――――――――――ンンン!!!!!
という、グロッケンシュピールの高音部の鍵盤を打ち鳴らしたような衝撃が下半身から背骨を伝って脳髄まで一気に突き抜けた。
耳から聞こえてきた音じゃない、俺の体内からせり上がってきた痛覚伝達の奔流が奏でた合成擬音だ。
羽交い絞めのポジショニングがどうもマズったらしい。
暴れたハルヒはあろうことか俺の急所を思い切りカカトで蹴り上げやがった。せめて無意識でやったと信じたい。
激痛に体中が弛緩し震えが止まらなくなる。そして程なくして糸が切れた操り人形のように俺は昏倒した。
「キョン! どうしたの? ねぇキョン! キョ――、キ、―――――ン」
夢の冒頭でも聞いたような声が今度は逆に遠ざかっていく―――。
//////////
ドサリと、不快な落下感の後の打撲に叩き起こされて俺は目を開けた。
お約束のようにベッドから落ちたらしい。
日が昇る気配も無い深夜だった。
のそりと起き上がってベットに腰掛ける。
金的の痛みがないのが不幸中の幸いだ。胸を撫で下ろす。
しかし単なる夢ではああもリアル過な痛覚は再現できない。改めて俺は閉鎖空間に居たことを思い知った。
それにしても、なんつー展開だ。
実質上は夢と言い聞かせていたが、あれが閉鎖空間という現世で実際に行われたことだという現実を逃げずに受け止めると、ダブルパンチとばかりに頭を抱えるしかなかった。
自業自得の部分はあるとはいえ、こんな尻切れトンボでしかも下品な終わり方ってあるか?
是非ともすぐにリベンジさせてくれと、無理やり布団を引っかぶって眠りの底に落ちる。
しかし、閉鎖空間に戻る希望は適わなかった。
//////////
明けて火曜日。
気だるいだけだった月曜日の日中と相反して、俺のボルテージは朝から高まっていた。
妹のフライングボディーアタックを食らうことなく自発的に起きれたくらいだ。
しかし、授業の内容は相変わらず頭に入ってこなかった。夜に備えることしか眼中になかったからだ。こう表現すると何だか語弊があるが、まぁいい。
ダメ仕様の脳みそではあったが、リベンジに燃えている勇姿は評価してやって欲しいね。
授業を全て聞き流す形で消化し、俺は春のうららかな日差しを浴びながら文芸部室に向かっていた。
ちなみに今日のハルヒは、……総じておとなしかったと評することができるだろう。
顔を合わせづらいと思っていたのはお互い様らしく、朝、教室に到着して一度だけ目が合ったとき、ハルヒは背筋を正すという分かり易いリアクションで応え、一頬を赤らめると逃げるように窓の外に視線を移した。
平静を装ってはいたが、俺も紅潮していたかもしれん。
構うなオーラを漂わせていたため、特にこっちからの接触は試みていないが、谷口評によれば昨日のよりは格段に落ち着いていた、らしい。
その証拠かどうかは分からんが、ホームルーム終了後解散時に、
「今日は団活ないから」
とだけぶっきらぼうに伝えて去って行ってしまった。
少なくとも口も聞きたくもない状態からは脱することができたってことなんだろうね。
そう思うと昨日のアレは成功の内にカウントしてもいいのかと思ったが、それは自分を冒涜する行為だとすぐに思い直した。
おっと、考え事に執心してると文芸部室を通り過ぎるところだったぜ。
気を取り直してドアに向かい、ノックをする。
……、返事はない。
当然か。団活は中止なんだからな。
俺は戸惑うことなくドアを開ける。
「よう」
一声掛けると部室の主は俺に一瞥をくれただけで、一昔前のヤンキーが防護のために服の下に忍ばせるのに重宝しそうな分厚い専門書に視線を戻す。
俺はいつもの指定席に腰掛けた。
暖かい光に満ち溢れた静寂なる部室は実に居心地が良い。居眠りするなら最高の場所だ。
だが、その前に用事を済ましておかないとな。
「すまん。読書の邪魔をするのは気が引けるんだが、少しばかり話をしてもいいか?」
「……」
長門は再び本から視線を上げる行為で肯定の意を表す。底の計り知れない漆黒の瞳が俺の姿を映し出した。
「お前ならすでに知っていると思うが、ハルヒがまた閉鎖空間を作ってややこしいことになってるってのは本当か?」
「本当。ただし危機的状況ではない。二日前から断続的に発生した異常な時空間と昨夜から未明にかけてあなたが巻き込まれた異常な時空間は性質が異なる。けれどどちらも実質無害」
噛むなんて無縁然として、滔々と長門の口から言葉が流れ出る。
それは決して滑らかではないが、それでも出会った頃に比べれば幾分温かみが感じられる。
長門の言葉を聞いて確信できたぜ。
やはり昨晩の出来事は夢では無く、ハルヒの変化も俺の勝手な思い込みなんかじゃないってことだ。
「今回お前は動かないのか?」
「ない。情報統合思念体は静観する方針」
そうかい。曲がりなりにも俺が蒔いた種だ。自分でケツを持てってことなんだろうな。
「発生の予測はできるのか?」
「不可能。発生の法則、要因等も不明」
そうか。できれば今晩あたりにまた発生して欲しいんだがな。
「私からも質問事項がある」
珍しいな。長門が俺に訊くことなんてあるのか? 脳に保有する情報の包含関係を図示すれば圧倒的に俺が部分集合のはずだ。しかも俺の領地は電子顕微鏡の最大観察倍率でようやく確認できるくらいの大きさに違いない。
「昨夜涼宮ハルヒが創造した異常な時空間での活動内容を教えて欲しい」
まったく、安請け合いなんてするもんじゃないね。
実に答え難い質問だ。
「えーっと……、それは情報統合思念体が欲している情報、なのか?」
「…………」
長門は思案する。何を躊躇うことがあるのなど想像もつかんが、無言の裏側ではデジタル的なモノが凄い勢いで処理されてるに違いなかった。
「そう。ただし思念体の中では当該情報のランクは下位に設定されている。今の問いは私という個体を主体としたもの」
この何の変哲もない答えを導出するのになぜそんなに時間を要したのかが興味深いところだが、ここで話の腰を折るのも気が引けるので自重することにする。
「そうかい。手前味噌にもならんので他言は控えてくれよ? えーっと、何をやってたか、だよな。……強いて言うならハルヒの誤解を解いていた、ってとこか」
至極簡潔にまとめることができたと思ったが、長門は微動たりのリアクションも見せない。
あー、もしかして説明が足りてないか?
首肯する長門に俺は言葉を慎重に選びながら続ける。
「俺のことでハルヒの奴が怒ってるんだよ。この理由はできれば訊かないでくれ。しかしだな、それは誤解なんだ。だからそれを昨日解いてたんだよ。アクシデントで中断を余儀なくされたがな」
「意思疎通の齟齬の解決を異空間で敢行する意義が私には理解できない」
鋭い指摘に俺は言葉に詰まった。
いかに自己を見失っていたかを思い知る。水をぶっかけられたような気分だった。
長門の言う通りだ。痴話喧嘩の仲直りのためにわざわざ空間を捻じ曲げるなん馬鹿馬鹿し過ぎる話だからな。
だが現実世界じゃ矜持というか意地というか見栄というか、そういう感情的なモノがどうにも邪魔になるんだよ。
嗚呼、こういうのなんて言うんだっけ?
いつまでもうまくまとめて説明できずに居ると、スッと手のひらが差し出された。
「いい。無理はしないで、いい」
窓から差し込んでくる淡い西日を浴びて長門が優しく笑んでいる、ような気がした。
「……すまん。何て言えば良いのか言葉がまとまらん」
気にするなの代わりに長門は本に目を戻す。
再び静けさに包まれる。春休みの大会に備えて各クラブは猛練習中のはずだが、何の偶然か野球部の掛け声も陸上部のピストルの音も吹奏楽部のトランペットの音も聞こえてこない。
規則的に長門がページをめくる音が催眠効果を促進したのかは定かではないが、俺は徐々に瞼が重くなる。
一時間くらい昼寝していくか?
そんな一瞬の隙を睡魔は逃さず、あっという間に意識を飲み込まれてしまった。
薄れゆく意識の中で、
あまのじゃく―――
まるでどこからともなく風に乗って運ばれてきたような、ささやかな空耳を聞いた。
//////////
家の近くまで帰ってくると、すっかり日は落ちて真っ暗だった。
一時間だけという自分との約束は紙切れ同然に破棄され、結局三時間も惰眠を貪ってしまった。
くそっ、目が冴え過ぎて今夜眠れないんじゃないのか?
などと悔やんだが自業自得の外なんでもない。
飯を食って早めに風呂に入れば少しは眠くなるかもしれんと歩みを速めようとしたその時、見慣れたランドセル姿が二十メートルほど先を歩いているのに気づいた。
見習い不良っ娘め。ここはガツンと言ってやろうじゃないか。
「こらっ、こんな遅くまでどこ行ってた?」
能天気なスキップをビクリと止めて、恐る恐るといった感じで振り返ったマイ妹は、いけねっ☆、とばかりにチロリと舌を出した。
来年はもう六年生だろうが。いつまでも可愛くごまかせるなんて思ってるんじゃない。
俺は妹に小走りで駆け寄った。
「親が心配するだろ。ちゃんと連絡入れてあるのか?」
「うん。ハルにゃんがケータイ貸してくれたもんっ。そこまで送ってもらったしバッチリ!」
「ハルヒだぁ?」
その問いに妹の表情が急変する。どこ吹く風とあさっての方向を見て、「あ、見て見てキョン君ー、北極星!」などと不自然に騒ぎ出した。
分かり易くて逆に助かるね。
「ハルヒと一緒に居たのか?」
「ないしょー! 早く帰らないと晩ご飯キョン君の分まで食べちゃうぞー。がおー」
妹は跳ねるように疾走して逃げ出す。
妙な擬声をあげるのは止しなさい。いい近所迷惑だ。
苦言を呈する間に妹は飛び込むように玄関に入って行った。
その後、自宅で改めて尋問にかけてみたが悉くシラを切られた。風呂上りに棒アイスを半分に割ってそれを餌に交渉してみたが、それまで拒絶された。相当悩んではいたがな。
しかし驚いたねこりゃ。待ち合わせたのか偶然かは定かではないが、団活をサボってハルヒが妹と会っていたとはね。
口止めをしている理由が引っかかる。
一体何の話をしていたんだ? 俺の悪口か?
さっぱり見当が付かん。
//////////
何に促されたわけでもなく自然に目が開くと、そこは件の色も風も音の無い無味乾燥な世界。
願ったり適ったりには違いないが、わざわざ志願してまでこんな所に来る物好きもいるもんだと自嘲気味になった。
ひんやりと冷たい感触を背中に感じて、毎度の如く俺は校庭の所定位置で寝そべっていた。
なんでいつも決まったようにここなんだ?
演出はいらんとしても、このエントリーの形式はなんとかならんもんかね。
見えない相手にぶつくさと零しながらも立ち上がると、気を取り直して意を決する。
昨晩は不本意な事故で強制退場となったが、効果があるのはお墨付きだ。
今日こそ誤解の決着を着ける!
ハルヒの姿は見えないが、居場所の心当たりといえば唯一つだ。
迷うことなく俺は部室棟へ足を向けた。
ハルヒは文芸部室で窓際に佇んでいた。
俺がこっちに向かう様子を見ていたのか、特別驚いた様子はない。
「よぉ、今日は起こしに来てくれなかったのか?」
「連日あたしの夢に出てくるなんて物好きね、あんたも」
噛み合わない妙なやり取りから俺たちの会話の歯車が回り出す。
開口一番に毒を吐いてみせたハルヒだが、急に落ち着かない様子を見せてチラチラと俺の顔を窺うばかりで、なかなか自分から切り出してこない。
やれやれ、今夜のハルヒはやけに弱気だね。
「……か、身体の方は、その……、大丈夫なの?」
「今はな。でも、昨日みたいなのは勘弁してくれ。マジで死ねるぞ、あれは」
そういや、俺が気絶してその後ハルヒはどうしたんだろうね?
気絶して泡を吹いている俺を思い出しているのかは定かでないが、ハルヒは少し青ざめた表情で俯いていた。どうやら反省はしているらしい。
「お前に言いたいことがあるから今日も来た。聞いてくれ」
殊勝な様子で俺に視線を合わせるとハルヒは静かに頷いた。
俺は包み隠さず全てを話した。
ミヨキチが別れ際にキスを求めてきたこと。
約束をした手前、無碍にはできなかったこと。
唇では応えられず、額にキスしようとしたこと。
けれど、いざという直前でビビってしまったこと。
焦れたミヨキチに不意に唇を奪われてしまったこと。
ハルヒは遮ることも暴れることもせずに、おとなしく聞く姿勢を維持していた。。
笑ったり、神妙になったり、呆れたり、憤ったりと慌しい百面相を披露しながら。
そして熱弁を奮って全てを語りきったとき、ハルヒは――――――、口をすぼめて十八番のアヒル口になっていた。
文句の一つも言いたくなる俺の体たらくだ、憤懣やる方なしとされても致し方ない。
「で?」
厭な返し方だが、立場上反発することもできん。
これ以上促されても俺にはもう語ることがない。無い袖は振れんぞ。
「そうじゃなくて。結論をまだ聞けてないんだけど。事情は分かったわ。突っ込むところは両手で数えられないくらいあったけどっ。で、結局のところキョンはどうしたいわけ?」
気色ばんで捲くし立てるハルヒに気圧されずに俺は答える。
「お前が間違った認識をしているようならその誤解を解きたい。予想外のアクシデントがあったが、俺とミヨキチはそういう仲じゃない」
「…………、言葉だけじゃ信用できない」
「は?」
「は? じゃないわよ。 んっ!」
何を思ったのか、ハルヒは唇を真一文字に結んだまま篭ったような発声を始めた。人差し指で口元を指している。
一体なんのまじないだ?
呆気にとられるばかりの俺とは対照的に、ハルヒは何がそんなに恥ずかしいのかこれ以上ないくらいに顔面に血液を集めて、顔全体を朱に染めていた。
じれったいわねとばかりに、今度は目を瞑って
「んんっ!」
と、件の奇妙な発声とともに下あごを突き出すような仕草をした。
――――――――――――そういうことかよ。
小学生のミヨキチのがよっぽど上手に雰囲気作ってたぞ、など言うものならこのまま世界が終わってしまいそうなので、余計な口には封をする。
歩み寄ってハルヒの肩を掴むと、熱病に浮かされたように火照っていた。
紅潮した額には汗が浮いている。
やれやれ、全く素直じゃないね。俺が言うのも何だが。
焦れることも淀むこともなく、何年も付き合ってきたカップルのようにごくごく自然な感じで俺たちは唇を重ねた。
艶やかで弾力に富む何とも言えない感触は麻薬のような快感で、いつまでも離していたくない気持ちに駆られる。
セカンドキスは長い長いキスになった。
「っ――――、はぁっ」
しかし、その結末は肺活量の差が出るというなんとも締まらない幕引きとなる。俺の方が先に息継ぎでギブアップしてしまった。
インターバルもそこそこに、雛鳥が餌をねだるようにハルヒはもっととばかりに貪欲に続きをせがんできた。
「キョン……」
俺の名を切なげに呼ぶしおらしいハルヒは反則的なまでに可愛かった。思わず見とれてしまうほどにな。
が、それが仇となる。
伸びをして俺に身を預けてくるハルヒを支えきれずに、俺はそのまま受身も無しで押し倒される形になってしまった。
三半規管はさんざん警報を鳴らしていたが、肝心の身体がハルヒに骨抜きにされちまっていたのさ。
ガツン!
と、派手に後頭部を打ち付けるとブラウン管のテレビが消えるように、ブチンと視界が一度だけ明滅して俺は断絶した。
//////////
抜け殻の身体にいきなり魂を注入されたような衝撃で俺は目を覚ました。
そこはかとなく心臓に悪い気がする。寿命とか縮まったりしてないよな?
代わり映えのない私室の天井が現世の標。徐々に覚醒が確立されるとそれと引き換えに先刻までの記憶が蘇ってきた。
性懲りもなくまた気絶かよ。我ながら芸が無い。
ったく、どつき漫才やってるんじゃねぇ、と起き抜けに悪態を吐く。詮無いことだった。
置時計の時刻は午前五時。空が薄っすらと白んできている気配がする。
閉鎖空間に居た時間は昨日よりは確実に短いはずだ。当然のことかもしれんが向こうとこっちじゃ時間の流れ方が違うってことなんだろうな。
一息ついて気づいたが、息子が痛いくらいに元気になっていた。
おとなしく諦めろ。続きは無期限のお預けだ。
しかし、これでどうなるんだろうか。
連夜の失神オチは心底気に食わんがこれでハルヒとの誤解は解けた、はずだ。
明日会うハルヒはどんな態度を見せるんだろう。
そう考え始めると気になって眠れない。手ごたえがあるだけに余計にな。
布団の中で悶々としながら俺は太陽が昇るのを待った。
//////////
明けて水曜日。
二日連続で妹の急襲をかわして、ひょっとしたら北高で二番目にテンションが高いんじゃないかと思うくらいに意気揚々と登校した。
一番は誰かって? 鶴屋さんに決まっている。
廊下を死霊のようにダラダラと歩く睡眠欲に飢えた同級生達を追い抜いて、教室の引き戸を開けると―――――、俺の後ろの指定席にハルヒの姿は無かった。
今日は遅れてるのか?
大抵は俺より早く登校しているんだが、肩透かしを食らった気分だ。
俺はとりあえず自分の席に腰掛けてハルヒを待つ。だが、ひたすら来ない。
とうとうホームルームにもやつは姿を現さず、岡部から体調不良で欠席と告げられた瞬間、俺は唖然とするばかりだった。
あの健康優良児の代表格が病欠だと? ふざけるな。どうせならもう少しましな理由を用意しろ。
憤る気持ちを抑えきれずケータイにかけてみたが、音声案内が流れるだけで繋がらない。
くそっ。……本当に具合が悪いのか?
物にあたってもしょうがないと、ケータイを必要以上に丁寧に閉じる。
そのときの俺は傍から見れば、さぞかし散歩のおあずけを食らった犬のようなやり場の無い悲しい目をしていただろうよ。
ほとんど放心状態のまま三時限目まで過ごしてたが、生理現象まで無視することはできずトイレで用を足すと、
「やぁやぁキョン君っ! どうしたにょろ、そんな浮かない顔してっ。悩み事ならみくるが聞くよっ?」
その帰りにハイテンションランキング一位の御方から声を掛けられた。
その隣には「えぇっ?」と、目をくりくりさせて慌てふためく朝比奈さん。
麗しき上級生のお姉さま方に粗相があってはならない。
俺は姿勢を正して、笑顔でお二人をお迎えする。
「いや、大したことはないんですよ。ああ、そうだ。朝比奈さん。ハルヒが今日休んでるんですけど、何か聞いてませんか?」
「ううん、何も。昨日お昼に会ったときは元気そうだったけど……」
朝比奈さんは記憶を辿るように語る。
とすると仮病でサボってる可能性がますます高いな。
一人で考え込むと、朝比奈さんが遠慮がちに覗き込むように見上げてきた。
狙ってやってるんじゃないってことはげっぷが出るくらいに分かっているが、抱きしめたくなるくらいに愛らしい。
「あ、あの。キョン君?」
なんでしょうか?
「涼宮さんと何かあったんですか? せ、詮索とかするつもりはないんだけど」
昨日長門に訊かれたときもそうだったが、まったく答えに困る。
いかに今の状況がみんなに迷惑をかけているのかが分かるな。
早く元の鞘に戻るに尽きるね。
「ややこしいことがあって誤解がこじれてる、って感じです。余計な心配をかけてすみません」
「やだ、キョン君、頭を上げて」
お辞儀をして謝ると、朝比奈さんは胸の前で両手を振って狼狽した。
姿勢を戻して向き直ると、一拍置いてから母性溢れる優しい目をして切り出す。
「昨日の涼宮さん、一昨日に比べれば機嫌が随分良くなってました。仲直りしようってがんばってるんだよね?」
なんとも気恥ずかしい。だが、ベクトルはどうであれ朝比奈さんの言ってることは間違っていない。だから頷くことにした。
その反応を窺って朝比奈さんは柔らかく微笑む。一歩引いたところで鶴屋さんもなにやらうんうんと一人で納得した様子だった。
「早く仲直りできるといいね」
「詳しい事情はよく分かんないけどさっ。あたしにできることがあったら協力するから。がんばれっ、しょーねん!」
四時限目のチャイムを前にお二人と別れた。
やれやれ、出会い頭に面倒はかけまいと意識しつつも結局しっかりと元気付けてもらってしまったな。
しかし、このままじゃ埒があかない。
理屈じゃ別に今日じゃないとダメってわけじゃない。だが、どうにも今日中に顔を合わせて話をせずには居られない。
居ても立っていられないってのはこのことだ。逸る気持ちを抑えられずに、気がつくと俺は駆け出していた。
校門を出て通学路を下る。ハルヒが居そうな場所、駅前のターミナル、喫茶店、図書館、光陽園駅前公園、思いつくままに駆けずり回ったがすべて空振り。
柄にもなく勢いだけで暴走なんぞするもんじゃない。
挙句の果てにはハルヒの家まで行こうとしたが、俺はハルヒの住所を知らない。自宅に帰れば住所録はあるが、親に堂々とサボってるところを見られるわけにもいかん。
古泉に聞けば分かるのかもしれないが、この期に及んで他人の手を借りるのは気が引けた。
無駄に疲弊しきった俺は帰巣本能に導かれるように部室へ帰ってきた。思い当たる場所がもうここしか残っていない。
学校をフケた人間が放課後に顔を出すとは考えにくいが、でたらめなあいつなら逆に最後の望みがあるだろう。
椅子に崩れ落ちるように腰掛けて身体を休めた。
上半身をだらしなく机に預けたままケータイで時間を確認すると午後二時過ぎ。結局放課後になる前に戻ってきていた。
徒労感と疲労感が睡眠を要求してくる。意識が途切れるが抗えない。
ハルヒよ。どこで何してやがる……。
憎まれ口を置き土産に、俺は深い眠りへと落ちていった。
//////////
ユラユラと身体がたゆたう感覚がした。
揺りかごのような緩やかな周期の柔らかい振幅が心地良い。
もう少しこの波に身を任せていたいと、再び意識を霧散させようとしたその矢先だった。
「―――ん! ――――――さんっ!」
誰かが誰かの名前を呼んでいた。
はっきりと聞き取れないが、どうも耳慣れない音感だ。俺のことじゃないだろう。
うるせぇなぁ。もうっ……、なんだっていいから静かにしてくれ、と眠りと覚醒の狭間で悪態を吐くと、仕返しとばかりに途端に揺れ方が乱暴になった。
うわっ、こらっ、やめろ!
非難も空しくいいように翻弄され、呼び声が見る見る鮮明になっていく。
「お―――ん! ―――きてください! お兄さんっ!!」
目を覚ますと、寝起きかと疑うほどにばっちりと目の焦点が定まった。
目の前には不安げに俺の顔を覗き込む―――――ミヨキチの顔。
……おい、間違ってるぞ。
俺はイカレた眼球に渇を入れるべく瞼をこすった。ボヤけざまの見間違いなら勘弁してやるが、あからさまな視覚情報の改竄は許さん。
しかし幾度目を擦ろうが叩こうが、網膜に写りこむ人物に変化はない。
「お兄さん。ここ、どこですか? 怖いです……」
いい加減現実逃避を止めて俺は飛び起きた。
はじまりはいつもここから。もはやお馴染みになった石畳の舗装の上で立ち尽くす。
仄暗い空の下で、16色に減色したかのような校舎と木々が聳えている。
眼前に広がる世界はまごう事なき閉鎖空間だった。だが登場人物がおかしい。
なぜミヨキチが居る? ハルヒが招待したってことなんだろうが、その意図が分からん。まさか俺の言うことだけじゃ信用できないから参考人招致ってことか?
「大丈夫だよ。きっと夢を見てるだけだから。目が覚めれば元通りさ」
気休め程度に言ってみたが、俺自身も展開についていけてない。
そもそも昼間に閉鎖空間が発生するのもイレギュラーだ。
ミヨキチは耐えられないといった様子で俺の袖口をギュッと掴んできた。その双眸には大粒の涙が湛えられている。
いくら発育が良くてもそれは背格好だけの話だ。ここは嘘でも頼りがいのあるお兄さんを演じねばなるまい。なんとかしてやらんとな。
俺はミヨキチの頭を撫でた。細くて櫛通りの良い艶やかなキューティクルに目を瞠る。首をもたげた邪念をなんとか押し殺して、ミヨキチを安心させることに腐心した。
今気づいたがミヨキチは日曜日と全く同じオシャレ仕様だった。俺は制服姿なのにな。どういう基準で服装が設定されるのかさっぱり分からん。
っと、こんな悠長なことを考えてる暇などなかったな。真打が登場する前に打ち合わせておくことがある。
俺はミヨキチの両肩に手を置いて真正面から向き直った。
「お兄さん?」
訝るミヨキチに優しくだが真剣に言い聞かせるように切り出した。
「ミヨキチ。今から話すことは冗談のように聞こえるかもしれないけど、実はここを脱出するための大事な鍵になることなんだ。だから、よく聞いてくれ」
動揺の色が隠せないが、三拍ほど空けてミヨキチは頷いてくれた。
時間がないかもしれない。だが、端折り過ぎるのも禁物。
難しい要求に胃に穴が空きそうだ。だが、やるしかない。
「もうすぐ涼宮ハルヒって女がここに現れる。俺のクラスメートだ」
「……お兄さんと一緒に部活動している人ですか?」
俺は目が点になる。ミヨキチはハルヒと全く面識がないはずだが……。
いや、情報漏洩源が身近に居た。ペラペラとしゃべってる様子がありありと想像できる。
「妹か」
「はい。休みの日に出かけたり、泊りがけで旅行に行ったりしてるって聞きました」
軽い頭痛を覚えて額を押さえた。
いくらでも好きに曲解してくださいと言わんばかりの八方破れの言い回しだ。
「確かにそうだが二人きりでやってるわけじゃない」
「じゃあ、ハルヒって人が……その、お兄さんを……『げぼく』にしてるというのは……」
予想だにしない単語が飛び出して、俺は思わず噴出してしまった。
マイ妹よ。帰ったらオシオキ確定だ。覚悟しとけよ。
「違う。断じて違う。妹の言ってることを真に受けちゃだめだ」
ミヨキチは俺の言葉に胸を撫で下ろすように身体の力を抜いて大きく息をついた。
とんだタイムロスだ。巻いていかんと洒落にならんことになる。
「話が逸れたけど、そのハルヒってのが登場する。奴は先週の日曜日にショッピングパークで遊ぶ俺とミヨキチを見たらしく、俺たちが恋人だと誤解しているんだ」
ミヨキチは恋人をいう単語に反応した。それを言った本人も妙な気分だが構っている暇はない。
「やつはおそらく俺とミヨキチの関係を問い質してくるはずだ。そのとき、君の口から事実を説明してやって欲しい。できるか?」
ミヨキチを見据えると切なげな表情をしていた。しばらく唇を堅く噤んで何かに耐えるように佇んで、逡巡した挙句に「わかりました」と返ってきた。
ザッザッザッ
砂利を踏みしめたような音が無音の世界に響き渡る。
振り返ると下駄箱のある玄関口からハルヒがこちらに向かって来ていた。
その表情は険しく、早足でグングン距離が詰まる。そして手前数メートルの距離をとって立ち止まると、俺とその傍らに少し怯えたように控えるミヨキチと対峙した。
「……どういうこと?」
「俺が聞きたいくらいだね」
ハルヒは鼻を鳴らすとミヨキチに視線を移した。礼儀のできたミヨキチはちょこんとハルヒに会釈をする。
「ミヨキチちゃんよね? あたしは涼宮ハルヒ。キョンとは同じクラスで一緒にSOS団っていう部活みたいなものもやってるの。そこではあたしがリーダーで、キョンの面倒を色々とみてやったりもしてるのよ」
さすがに俺よりは幾分表情を和らげてミヨキチに自己紹介をするハルヒ。しかし、それはいつも見せる外面の良いこいつじゃない。警戒の姿勢は崩していないようだった。
「吉村美代子です。お兄さんの妹と同級生で、たまに家にお邪魔して遊ばせてもらってます」
「たしか……、映画が好きなのよね? キョンと一緒にホラー映画観に行ったことあるって聞いたわ」
ミヨキチは俺を窺う。実際は喋って伝えたわけではないが、小説のネタにした時点で同罪だ。俺は申し訳ないとばかりに頷く。
「……はい」
「で、先週の日曜日もキョンと映画観に行ったんだ?」
「……そうです」
ミヨキチはハルヒの目を見ずに俯いて答える。その様は何か深く考え込んでいるようでもあり、何かを溜め込んでいるようでもあった。
まずいな。一方的なハルヒのペースを危ぶんだ俺はフォローに入ろうとした。しかし、突如ミヨキチがかぶりを上げるのが早かった。
「…………お兄さんが誘ってくれたんです」
しん、と。空白の時空が流れる。そして、
「へ、へぇ……」
と、ハルヒが顔を引きつらせたまま相槌を打つのを合図に一気に不穏な空気が漂い始めた。
待て待て待て、なんかおかしいぞ?
「どうして二人きりで行くのかしら。お友達の妹ちゃんも誘って三人で行けばいいじゃない」
「それは……、それは……」
ミヨキチは苦しげに言い淀む。言葉を搾り出そうとするが中々言い出せない。そんな雰囲気だった。
ただ俺にはその喉の手前で引っかかっている言葉が、爆弾ワードである気がしてならない。レフェリーストップだと強制的に割って入ろうとしたが時すでに遅し、
「お兄さんは特別でっ――――――、私の大切な人だからっ」
存外に声量が豊かでよく通るミヨキチの台本破りのトンデモ宣言が突き抜けるように無人の世界に木霊する。
同時に、ピシリと、張り詰めた空間がひび割れたような気がした。
「ハルヒさんも私と同じ気持ちなんですか? 私よりもお兄さんが大切だって胸を張って言えるんですか?」
「あ、あたしは……、違うわよ! そんなんじゃない! ……でもね、キョンがSOS団の団員である以上、あたしには監督義務があるの。団則で恋愛は禁止よ。だからおとなしく諦めなさい」
嗚呼、これがまさに修羅場というやつなんだろう。
死ぬまでに一度は経験してもいいんじゃないかと軽く考えていた自分を呪う。この際吉宗でも越前でもいい、人は選ばん。飛び入りゲストとして名判官の緊急招致を切に願う。
それにしてもすごいぞミヨキチ。ハルヒと互角にやり合うなんてな。
でもやりすぎだ。もはや事態は俺の手どころか身体全体にも余る。
バチッ!!!!!
猛々しく対峙する乙女の間にモノホンの火花が咲いて散った。
それは人を巻き込めば三回は殺せそうな洒落にならないほど強力な放電だった。
実際身の危険を感じて目を瞑って身構えた俺の身体が、そのヤバさを物語っていた。
目も耳も、ともすれば五感全部を疑ったが、今しがた目の前で起こったことは妄想でも冗談でも心象表現でもなく、それは間違いなく目の前で起こった正真正銘の物理現象。
辺りには生々しい焦げ臭い煙が漂っていた。
それを認めた瞬間、俺の生存本能が生命の危機を訴えてきた。
おいおい、なんだよこれ? いくらなんでもでたらめ過ぎるんじゃないか? いつから本格派美少女バトルにジャンルが変わった? 超常現象は神人だけで腹一杯なんだよ。
「小娘が色気づいてんじゃないわよ!」
「乱暴な人にお兄さんは渡せません!」
重力場が歪んているのかに二人が立つ周辺の地面が浅く陥没していた。それに反して、その外周では小石が緩やかに空に浮き上がっている。
質量を伴う超次元の裂帛の気概が衝突して弾けると、紙切れのように容易く俺はその衝撃に吹き飛ばされた。なんとか手をついて踏ん張って校舎との激突を免れる。
台風の真っ只中にいるような暴風が吹き荒れているせいで、最早立つことすら適わない。
ちくしょう、このまま何もできずに指をくわえてるしかないのか?
砂埃が乱れ舞う中、薄目を開けるとハルヒとミヨキチに挟まれた空間が泥水をかき混ぜたように捩れてその中心部からまばゆい光が漏れ出ていた。
それは素人目にも分かるほど凶悪で危険な様相を呈しており、程なくして炸裂するようにこの世界全体を飲み込むであろうことが容易に想像できた。
なんてこった。こんな最悪な結末は許されない。
「やめろぉ――――――――!」
渾身を込めた叫びも虚しく、空間全体が大崩壊に飲み込まれて全てが消滅していく。焼かれるような強烈な光を浴びて南無三ときつく目を閉じた。
//////////
「うわぁあぁぁぁあぁ!!!」
叫びながら飛び起きる。
すぐに視界に移りこんできたのは見飽きた配置の文芸部室の備品、目の前でチェスを広げている古泉、お茶っ葉を換えている最中の朝比奈さん、窓際の指定席で本を開いている長門と順番に目が合った。
鳩が豆鉄砲を食らったような雁首が揃いも揃って並んでいた。あの長門ですら例外じゃないように見てとれた。
「キョン君、どうしたの?」
「大丈夫ですか? 」
古泉と朝比奈さんが気遣って駆け寄ってきた。
なんの変哲もないありふれた光景がここに在る。
どういうことだ、世界は無に帰したんじゃなかったのか?
呆けていると、びっしょりかいた顔の寝汗を朝比奈さんがハンカチで拭ってくれた。
「ああ、すいません。自分でやります。……後で洗って返しますよ」
洗い立ての洗剤の匂いを吸い込むと、少しだけ気分が落ち着いた。
ケータイを開いて確認すると某年三月某日、水曜の午後三時半。昼寝前との時間的な食い違いはない。メールの着信がある。ハルヒからだ。
『緊急招集! 学校サボったけど放課後から団活のため登校するわ。ちょっと遅れるかもしれないけど部室に集まっておくこと!!!』
相変わらず勝手気ままな奴め。
「古泉。一つ確認させてくれ」
「なんでしょう?」
「閉鎖空間が前に発生したのはいつだ?」
キーワードに古泉の表情が引き締まる。
「昨晩深夜から今朝明朝にかけて発生していたようです。僕達が介在できない特殊なタイプのものですがね。あなたが一番知ってるのではないですか?」
「記録上それが最後か? 何か他の異常はなかったか?」
古泉は少し怪訝な顔をしながらも確固とした自信を伴って頷く。
「ええ、確かなことです」
夢、だったのか――――――。
良く考えればここに居る三人ほど信頼のおける証言者はいない。疑う方が間違っているだろう。
酷い悪夢だ。笑いさえこみ上げてくる。
ハルヒとミヨキチのオーラがぶつかって爆発――――、ね。妄想も大概にしろと頭蓋骨の上から脳みそを小突いた。
「みんなお待たせー!」
部室のドアを蹴破ってどうしようもない粗忽者の待ち人が現れた。
マグネシウムフラッシュを炊いたような輝かんばかりの笑顔を久しぶりに披露したハルヒは出席を取るように部室全体を見渡す。
長門、朝比奈さん、古泉と視線を走らせ、最後に俺とばっちり目が合う。
どういうリアクションをしたら良いのか戸惑う俺に構わず、ハルヒは不敵に微笑んだ。
もうイライラのハルヒはどこにも居ない。それどころかいつにも増して晴れやかに充実しているようだった。
「学校をさぼってどこをほっつき歩いてた?」
「気になる?」
よくぞ聞いてくれましたとハルヒは意味深な目つきになる。
自分でもったいぶりながら実は言いたくて仕方がないらしく、俺の返答を待たずしてハルヒは口を開いた。
「あんたが機関紙で書いた小説の中にミヨキチって娘が出てたじゃない? どんな娘かずっと気になってたのよね、あたし」
あくまでも全員に聞かせたいらしく、部屋の奥へと進みながらハルヒはみんなの表情を窺って続ける。
「そしたら昨日偶然妹ちゃんとミヨキチちゃんが一緒に居るとこに鉢合わせちゃって、ワクドのハンバーガーとシェイクをご馳走しながら話し込んじゃったのよ」
ミヨキチと会っただと?
いや、待てよ。辻褄が合うじゃないか。よくよく考えれば昨日妹がハルヒと会っていた時点で勘付くべきことだったかもしれない。
「ミヨキチちゃんってすっごく可愛くて、礼儀正しくて、謙虚だけど芯が一本通った大和撫子みたいな娘でさ。いっくら話しても話題が尽きないのよ」
ハルヒは心底楽しそうな顔を浮かべながら団長席にどかっと腰を下ろした。
「で、全然話足りなかったから今日はお互いに学校をサボってとことん語り合ってきたってわけ」
ハルヒはなぜか俺の方に生命力に満ち溢れた強い視線を向けて挑戦的に口を歪めた。
さらっと話しやがったが、とんでもなくおかしい内容が紛れ込んでるぞ。
昨日会ったばかりの二人が示し合わせて学校をサボって語り合ってきたって、どう考えても普通じゃないだろ。
ミヨキチを悪の道に引きずり込むな。
しかし、ハルヒとミヨキチは丸一日かけて一体何を話したのかね。
夢の影響か一瞬不穏なシーンが過ぎったが、ご機嫌なハルヒの態度を見る限りそれは杞憂だと信じたいがね。きっと誤解もミヨキチが上手く解いてくれたんだろう。
その過程でどのような会話がなされたかが気になるが、そこはもう二人の良心に任せるしかない。
「妹ちゃんと並んで北高入学の暁には是非とも我がSOS団に迎えたい逸材とスカウトを申し込んだのよ。そしたら二つ返事でオッケーをもらえたわ。これで向こう十年SOS団は安泰ね」
進路を勝手に決めるな。そもそも相手はまだ中学にも入ってないんだぞ? 間の世代はどう埋めるつもりだ。
と適当なことを言うハルヒにツッコみながら、俺はようやくいつもの調子がもどってきたことを実感した。
きっと想像するのも恐ろしい紆余曲折があってこの結果があるんだろうが、そこはもう目を瞑ろう。
何を隠そう閉鎖空間と夢の混同が一番堪えた。夢のような現実も、現実のような夢も懲り懲りだ。最低でも向こう三年は遠慮願いたいね。
疲れきった俺は再び机に伏そうとしたが、
「あー、なんか今あたしすごく気分が良いのよね。久々にコスプレでもしてもいいくらいにっ。決定、今日はコスプレデーにするわ! ほら有希もやるのよ!」
、
ハルヒの思いつきの一言で一息つくことも儘ならず廊下に追い出される羽目になった。やれやれだ。
//////////
人影も疎らな放課後の廊下で古泉と二人で並んで待ちぼうけ。
黙って待つことを知らない古泉は十秒と間を空けずに代わり映えのしないスマイルを向けて切り出してきた。
我慢のできない男は嫌われるぞ? 色んな意味でな。
「どうやら丸く収まったようでなによりです」
「表面上はな。俺の知らない所で別の何かが始まってしまったような気がするせいで、どうにも不安だね」
何が可笑しいのか古泉は噛み殺したように笑い始めた。
察しの良い奴はこれだから性質が悪い。
「何がそんなに可笑しい」
お決まりの台詞で誘ってやると、
「――――『正夢』だったってこと、でしょうか」
最低のブラックジョークが返ってきた。
ジロリと視線をくれてやると、さすがに流石にそれ以上は押し黙った。
締め切った窓の外からは眩いばかりの光線が降り注いでくる。その光の強さに俺は新しい季節の訪れを確信した。
二週間後の活躍を待ちわびるかのように風に吹かれて所在なさげに揺れる桜の蕾が、くだらないやりとりを交わす俺たちを窓の外から微笑ましく見守っていた―――。
―完―
終わりです。
最後まで付き合ってくれた人に感謝の意を捧げます。
GJ。
ずっと読ませてもらったよ。
GJ
割り込みする前にリロード押してよかった。
乙です。
明日読もうっと。
GJ
やっぱミヨキチかわいいよミヨキチ。
修羅場ktkr
ちょっwww修羅場ktkr
そーいやミヨキチは未だに本編に登場してないし
イラストすら描かれてないんだよな。
だが妄想は進む…ッ
ミヨキチはいいねえ……
ピュアっつーかなんつーか
佐々木とか長門とかも修羅場ってほしい
SS自体は面白いんだが……キョンが他の女性と絡むシーンをハルヒが見て
むくれたり、嫉妬したりして世界が大変な事態に、
んでキョンが奔走してキスの一つでもくれてやって機嫌直ってハッピー! 大団円。
ってパターンみんな好きだよね。
でも読むと個人的に腹立つ、我儘自己中なハルヒに。
懐が狭いんだろうな、おれ。
し、正直テンプレに則っただけの作品と思ったんだからねっ。文章はこなれていて量も十分なんだけど
いかんせん予定調和の出来事ばかり。緊迫感がないんだからねっ。ネタはもっと冒険してもいいんじゃね?
乙です。なんかいい雰囲気w
文体で揚げ足を取らせてもらうと、地の文は文頭に一マス置くけど、「」の場合は置かない方が読みやすいと思う。
>>670 そういう作品ってあんま見ないような気がするな。有り触れてるせいか逆に少なくないか?
>>670 俺キョンハル好きだけどちょっと分かるわ
ハルヒはキョンを束縛しすぎ
ありえないがキョンがハルヒ以外のキャラを好きになってもハルヒの能力でやっぱりハルヒとくっつくことになるんだろうな
>>670 すごい分かる。
ハルヒがキョン以外どうでもいいみたいな態度だと萎える
確かに気付いてくれないから怒るっつーのは理不尽なんだが、
しかしキョンにもそれ相応に悪い点はある。
押せばタライが振ってくるボタンに『押すな』と書いてあるのに、
キョンはいつまで経ってもそのボタンを押そうとしない。
仕掛けた側も見てる側も激怒するのが当然だ。
いや、俺なら怒るね。
>>677 分かる分かる。
しかもそれについて指摘すると
「いや、『押すな』ってここにかいてあるじゃん」とか
空気読まない反論するんだよな。
>>660 ミヨキチ絡みのSSだとニヤニヤが止まらない俺ガイル
いいもん読ませていただきましたありがとうありがとう
憂鬱YOPで妹が学校に行く時に、遠くに映ってる二人の内の一人がミヨキチじゃないの?
どっちも子供っぽいから別人?
>>677 キョンに誘い受けは通用しない。コレ定説。
>>660 GJ
ミヨキチは古泉曰く「キョンの自慢の彼女」だし、本編でもレギュラーメンバーと絡む日が来ないかと願っている。
谷川作品でも他に類を見ない超正統派年下ヒロインなんだよな。
恋愛感情なんて我侭で自己中なもんだろ。
ハルヒ自身が「キョンがアタシのものにならないなら世界が滅んでしまえッ!!」
と自覚して行動してる訳じゃないのだから、その責任まで押し付けるのはアレだろ。
>670のような展開は原作でも一回きりでしかもキョンとしては不本意だったのだから
本来、責められるべきは其れに沿った話を繰り返してしまう我々にあるのではないか?
まあしかし、毎度毎度こまかいよなおまえらw
まったくどうでもいいことだが、キョンは地の文で
「マジ」という言葉を使っていたかな
気になって読み返すことも出来ない
マジで危ない5秒前的な文章をどっかでみた気がする
朝倉に殺されそうになるトコだったと思うけど、あれはアニメだけだったかな
>>684 朝倉に襲われた時に「マジ」と口にだしてはいるな。
「冗談はやめろ。マジ危ないって! それが本物じゃなかったとしてもビビるって。だから、よせ!」
まあ憂鬱での話なんで、今のキョンの性格付けとズレた部分はあるかもしれんが。
モノローグとクラスメイトとの会話では言葉使いを変えてるんじゃないか?
>>686のようにクラスメイト相手だと「マジ」のような今風の言葉も使ったりさ。
佐々木だって男子と女子で会話の仕方が全然違うらしいし。
>>617 アソコに行っていたんだな。今わかったよ。
>>683 俺ら凡人な書き手は、頼りない己が感覚やセンスを、客観的な論理と解析でカバーしなければならん。
>>684 地の文なら例えば、『憂鬱』p.12、ここでは「本気」(あるいは「真面目」)の意。
『孤島』p.221、ここでは「本当に」の意。
『シャドウ』p.188,203,214、ここでは「本(物)」「本当に」の意。
ついでのおまけとして『ラプソディ』122p.。
なお、口語では谷口が比較的よく使っている。
>>687 モノローグでも「マジ」って言ってるよ。
憂鬱なら、「大マジなのだ」とか「マジで死ぬかと思った」とか。
エンドレスエイトなら、「勘弁してくれよ、マジで」とか。
消失なら、「中途半端な制服だぜマジで」とか。
溜息なら、「マジで行き倒れていたかもしれん」とか「このいかにも無理してる感が堪らなくいいんだ、これが、いやマジで」とか。
ミステリックサインなら、「こいつはマジな超能力だったな、そういえば」とか。
孤島症候群なら、「朝比奈さんはマジでビビっているようだった」とか。
たぶんまだある。
モノローグでやたらにレトリックを多用してるから、
直接的な表現をされると逆に違和感があるんだろう。
書き手からすると厄介なことこの上ないというか、つくづくキョン視点書くのは難しい。
なるほど、俺がモノローグ口調と主観日常口調を混同してるから違和感があるのか
確かにキョン視点の中でもさらに主観と客観に分けられみたいだ
別に原作と違和感あったって気にする必要ないのに
二次創作なんだから
ばかみたい
「アンタが全部あたしのモノにならないなら、あたし何もいらない!」
よく考えれば愚かなことに気付くものの、一時の感情でそんな風に思ってしまうことはありえる。
その上、
>>682の指摘通り、無自覚の欲望に力を働かせてしまうこともあるため、コントロールは
非常に難しい。
もしもボックスでのび太が似たようなことをやってしまったような…
流れをぶった切って質問。
他にミヨキチものSSでおすすめってある?
「キョンっ」
なんだ。
「あたっ、あたしのものになりなさいっ!」
なんでだよ。
「いいからっ」
無理。
「なんでよ!」
寧ろお前が俺の物になれよ、逆に。
「なっ、何言ってんのよ!ロッキーの真似なんかしてっ」
ロッキーはロッキーでも浪速のロッキーだけどな。
「ローカルすぎよ!」
で、何の話だったけ?
「あたしがあんたの奴隷になるって話よ!」
なんかいちいちオススメとか聞かれるの面倒だな。
いっそのこと保管庫に 『タイトル』 ☆☆☆☆☆←オススメ度 キョン×ハルヒ
みたいにできないのかなぁ。できないよなぁ。
面倒なら答えなきゃいい
>>2に橘がまだいないんだな。
注意書きを増やさなければいけないようなことは起こらないに越したことはないが、
ちょっと寂しい。
佐々木の方が喋り方が特徴的で使いやすいか?
と思ったら、佐々木はもういるな
で、ミヨキチのお勧めSSまだ?
なんか教えてよ
小ネタです。元ネタは察して下さい。
「お前だったのか」
「そうよ。意外だった?」
夕日を背に立つ朝倉は手短にどこぞの熱血刑事のような事を述べたあと、
急に制服の右袖を捲った。何だ?4匹の竜の名前でもあんのか?
「面白いもの見せてあげる。」
何か嫌な予感がした。まぁ結果的にその予感は当たったわけなのだが、
俺の予想妄想空想を斜め上どころか、四次元方向にいってしまっていた。
何と急に朝倉の右腕が何か…剣みたいになっていた。
「これがハンプティダンプティ。神の卵の力よ。」
いや、何を言ってるのかさっぱりわからんし、お前の右腕凄い事になってるし、
気が付いたらドアとか無くなってるし。
とりあえずちょっと待て。
その右腕は、って振るな!うわ動けねぇ!ありかよそれ!
俺が完全にパニクってると同時に誰かが目の前に急に現れ、朝倉を吹っ飛ばした。
よく見ると、長門だった。
「あなたは…そうか。さあ!長門さん!私を連結解除しなさい!」
何言ってんだ?コイツ。人の事殺しかけたと思ったら次は何とか…解除しなさい?
「情報連結解除開始」
長門が静かにそう言ったはいいが、俺にはまださっぱり状況が掴めてない。
「そう!早くその能力で私の中にいる人ごと消し去って!」
どういうことだ?コイツは一体何をしに来たんだ?
「しまった…」
どうした長門?
「うかつ」
何がだ?と、尋ねる前に朝倉の肩より少し下まであった髪がうなじぐらいまでに急に切れて落ちた。
そして髪型は普通のボブカットに、眉毛も顔のパーツもどんどん変化していっている。
そしてどうも変化が止まったらしいソイツはこっちをハッキリ見てこう言った。
「待っていたのは私も同じなのね。M-83」
お前が朝倉を4人作ったのかよ。
終わり
わけワカメ。及び昆布。
ARMSね
>>697 「いいわねキョン、最初から全開で行くわよ!」
ああ解ってるさ。62秒でケリ着けてやるよ。
朝倉=キース でおk?
>>707 そこで『吉村美代子の異常な浴場』ですよ
ペドだって?ありがとう、最高の褒め言葉だ
ミヨキチがキョンのことを好きなのはFA?
小泉曰くあからさまらしいしな
>>717 日本語でおk
ミヨキチがキョンのことを好きなのはは?
ミヨキチの様子がキョンの主観でしか書かれてないから分かりづらい
取り敢えず好意はあるんだろうが、「友達の優しいお兄さん」なのか
出来ればお付き合いしたいおませさんなのかは俺には判別出来ん
キョンフィルターの恐ろしさを思い知らされたな
キョンフィルターにかかればどんな好意も勘違いだからな!
橘へのおしおきがあると聞いてきました。
……見つかんねぇよ(´・ω・`)
>>722 エマーソンとな?
If the stars should appear one night in a thousand years,
how would men believe and adore,
and preserve for many generations
the remembrance of the city of God.
ラルフ・ウォルドー・エマーソン
なんちって
うわ、灯台下暗しとは正にこのこと。
まとめ見に行ってもないはずだよ。
いや、しかしまぁ気付かない俺も俺だな〜……
んんっ……もうっ!
>>731 橘
1レスあたりに投稿できる最大の目安です。
『容量は4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行です』
『んふっ。書き手の好みで改行をするのも揃えるもバッチリOKです』
藤原
1レスあたりに投稿できる最大の目安だ。
『ふん、容量4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行だからな』
『どう書き手の好みで改行をするのも揃えるも僕にはどうだっていい。勝手に書いてくれ』
>>727 キース・エマーソンかとオモタ
ナイフ繋がりで
エマーソン・レイク・アンドパウエルかと思った
キース・エマーソンと言えばローズマリー・バトラーを思い出す俺はオサーン…
和製ジェフリーダーマーかと
>>734 パウエルって誰だゴルァ。
………佐々木はEL&P好きそうだな。
今度CDを持って行ってあげよう。
>>727 Nightfall? ここにSF者はいないと思うぞ
>738
ドラマーにコージーパウエルが加入していた時期が…
あー、無理やりハルヒに絡めて見ると長門ってプログレっぽくね?
ハルヒはどう考えてもブルデス。
●はスカイラーク全部
>>738 佐々木が〜 どこらへんでそう思った?
俺はむしろコールマンあたりに傾倒していってその先でハルヒのある一部分と一度邂逅し
最後は音程とリズムの無い音楽に終始しそうだと思う。
ハルヒは佐々木よりも先に(バンドのアレは無しとして)そういった要素を作る当事者へとなっていくんじゃないだろうか。
SS書こうとすると中二病丸出しになるから佐々木が絡むとまったくかけない。というより佐々木はそもそも書く気がしない。あれこそ中二病の権化。
>>742 佐々木団のハルヒポジションだぜ?
中二病で当たり前。
>>743 2行で納得した。際立って見えてるから余計にそう感じるんだな。トンクス
まあ
>>742から高二病の臭いがするのは黙っておいてやろう。
だ、ダダ漏れだと!?
>>747 ググるとか素人すぎるだろ‥‥‥。
一度しか言わないから良く聞け小僧。
>>1にあるリンクからSS保管庫に行って、「ライトノベルの部屋その8」に入れ。
それからctrlとFを同時押しするとページ内検索ができるから、「異常な浴場」といれて検索する。
ページ内検索がよく分からなければ下から見ていけ。43-765のところにある。
見れたか? ならいい。
国木田が実は、男装した女だったシリーズは、最初から読めないのか?
ふと「ハカセくん、妹ちゃんに一目惚れ」なんて微笑ましいこと考えちまったぜ
>>742 たぶんお前さんの場合は同属嫌悪だな。安心しろ大人でも中二病はくさるほどいるから。
>>745 オマエモナ だ、ダダ漏れだっ!止まらないぜ
>>749 最初から、という意味が良く分からんが、37-240「Kの悲劇」ってのと、37-275「国木田の憂鬱」ってのが国木田女体化
の代表的SS……というか、この二つしかないような気がする。
余談だが、「国木田の乱交」は、アレは一体何だったんだろう……。急にエロシーン、しかもそれのみだったからびっくりした。
作者のリビドーが暴走したのかね。
保管庫がおかしい、6スレまでの作品しか見えん
一時ファイル消したら見れた
スレ汚しスマソ
>>753 最も書きたいシーンを書きたい、という気持ちは同じく連載を持つ身としてわかるのだが、
作者氏には耐えてほしかったね。前からの繋がりなくイキナリ読まされたってオリキャラが暴れてるとしか見えない。
472kB そろそろ次スレの季節かな。
すぐ建てるにはまだ早いけど、作品投下するときは残量に注意してね。
>>627-660 二人の怒りがキョンに向かわないのが変な感じ。キョンのしらばっくれかたにもイライラした。大まかな流れは憂鬱だけど、原作と違ってキョンがむちゃくちゃ不誠実だ。
ハルヒも、騒ぐだけ騒いで相手の気持確認もせずにキスしろとかどんだけプライドないんだよ。
一人称うまいしミヨキチナンパするあたりまではおもしろかったのに。久しぶりに二次創作で嫌な気分になった。
最後に長門のプログラム(?)が衛星で使われてる
って話のタイトルわかる人いますか?
原作のハルヒも確かにワガママだけど、ちゃんと分をわきまえたワガママって感じだ。
あくまで俺の印象だが。
一般人にエアガンぶっ放したりしてなかったか
糞天気の中をストーブ取らせに使いっぱしりを出したり、
上級生を裸にひん剥いたり、取り敢えず世界を崩壊させちゃうのは果たして分を弁えているだろうか?
逆に考えるんだ。
「しかし、そこがいい」
そう考えるんだ。
今のハルヒだから違和感があるんだと思う。
まともな人付き合いできるようになって、もう無関係な人間傷つけないし世界崩壊させないしのはキョンのお墨付きだし。
せいぜい友だちにコスプレさせて、キョン使いっぱにするくらい。
お礼も言えるし敬語も使える。やきもちだって表に出さない。
ハルヒに振り回される描写を勘違いするとキョンがただのへたれでは済まされず、
無気力で不実な人間になってしまう事はままあるよな。かと思えば、
「貴方の先程の行動には正直、がっかりさせられましたよ」
とか
無言で見つめる長門の瞳には、怒りというよりもむしろ侮蔑と嘲笑に彩られたものだった
とか
朝比奈さんはけして俺に視線を合わせようとはしなかった
とか
酷い対応取られてるのに、キョンがしたことと言えば、団活サボっただけだったり、
ハルヒの遠まわしなアプローチに気づかなかっただけだったりする事もある。
お前ら目茶目茶言い寄るなぁって思う事も…文章書くって難しいね。
自他共に認める神作SS投下しようと思ったけど
才能に嫉妬して見当違いな批評するアホばっかだからやめた
素直な反応が得られるVIPとかのほうが8億倍マシ
>>765 俺も44辺りから書き留めてた作品できたけど、今のココの状況じゃ投下する気が失せるな……
厨房消えろよ
うんうんそうだね、じゃあ投下しなくていいし、レスもしなくていいよ。
>>765 自分で神って言ってる時点で作品の底が見えてる。
才能とか言うならさっさと賞に応募しろよ。二次創作なんてやってないでさ。
自画自賛で出し惜しみかよw
神が俺にばかり才能を与えたからってプンスカ怒るなよ才無き凡夫ども^^;
お、ひさびさの釣り人!
まぁ確かにこの釣られっぷりに何かを期待するのは間違ってるかもね
もうちょっと大人になれよ
いちいち触んなよ
無駄かもしんないけど
VIPで待ってればいいんだよね?
なんだ荒らしか
777 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 22:44:57 ID:sLyfaM9a
でもまあ人がせっせと書いたSSに勝手な作品観押し付けた挙句
「久しぶりに二次創作で嫌な気分になった。」
とか言う奴もどうかと思うね
筆者もその作品を面白いと感じた他の読み手も否定された気分になる
アドバイスと押し付けは違うんだよ
嫌なら読まなくていいよ
>>765 自他共に認める神作うp
SSを投下した方>>>(超えられない壁)>>>ただの読み手>>>
>>765みたいなやつ
否定的な感想は厨房呼ばわりかよ。ちゃんとつまんない理由も書いたのにな。
俺がつまんないと思った作品おもしろいって言ってる人もいるんだし、感想なんか人それぞれだろ。
…と思ったけど、確かに書き方悪かったな。感情的になった最後の一言は余計だった。
悪かったよ。
わからねー奴らだな
バカカスのおまえらでもわかるように掻い摘んで言うとだな
「朝倉さんで抜くからエロSSうpしろ」ってことだよ
批判とかそんなのはどうでもいいんだよ
>>779 あ、いや厨房呼ばわりしたわけでは…
最後の一言が気になっただけで押し付けってのは言いすぎだった
こちらこそすまんこ
>>780 本性を現したな変態仮面
>>777 押し付けてないだろうに。
それにアドバイスってなんだ?感想はいけないのか?
嫌な気分になった理由も前文に書いてあるし、当てつけの煽りではない。
>>758は一個人の感想であって、他の読み手に干渉するものではないとおもうけど。
よし、みんな川原で殴り合おうぜ
そのあとで朝倉さんのエロさについて語り明かそうぜ
朝倉ってキョンの事なんて呼ぶんだっけ
あなた
そいつ
刺し殺しかけた時に「あんた」とも呼んでいるという罠。
俺も朝倉さん好きだぜ。
健康的でエロくて活発でフトモモでポニテで眉毛で明るくて素直かつ小悪魔的で。
だんだん荒れてきたから、職人さん早くSSうpしてみんなの気を静めてくれ。
この流れに乗っかって朝倉物投下したかった
早く投下しないと過去ログか同人で妥協しちまうぞ
それでもいいのか?
いいのかと言われましてもwww
次スレ建ててきても良いかい?
『画面の前のみなさん、今晩は。「リョウコとユキのお料理☆バンザイ」の時間よ。突然カナダに転校した朝倉涼子です。
お隣は、アシスタントをしてくれる、文芸部の長門さん。長門さん、自己紹介お願いできる?』
『…………長門有希』
『はい、ありがとう。ここ、あとで編集ね。それじゃあ、三分しかないの、さっそく、お料理してみようと思わない?
長門さん、何を作ろうかしら?』
『…………カレー』
『うん、それ無理。じゃあ、ちょうど美味しそうな肉が765グラムあるから、ハンバーグを作りましょうか。
つぶして混ぜて、レンジに入れるの。簡単でしょ? 仕上げは……ラカダンルテッカワョシデンナキストコノンクンョキ……
(チーン)はい、できましたー、長門さん、あっつあつのおでんよ!』
『パーソナルネーム朝倉涼子の情報連結を解除』
『え、まって、そんなぁー』サラサラ……
俺は敬意を表する
書き途中というのが現状
努力はする
無駄レススマソ
ただ今編集中。投稿するが次スレの方がいいかな?
携帯だから時間がかかるな。
青鬼か
おっ、久々にエロいのが来るのか?щ(゚Д゚щ)カモォォォン
>792
その呪文、万能だなw
800 :
795:2007/04/27(金) 00:17:00 ID:J3LnNG3R
>>797 乙!編集が明日までかかるな。全て出来たら投稿だな。
>>792 というかせめて
二行前に宣言したとおりのものを完成させてください朝倉さん!!www
>>766 >書き留めてた作品
「書き溜めてた」作品ならわかる、スゲーよくわかる
だが「書き留めてた」作品っていったいなんだ?
>>802 ・さんずい書き忘れ
・単なる間違い
・途中まで書いてしばらく放置していたSSを最近になって書き上げた
・書いてる最中に新刊がでてしまい圧倒的な力の差を(r
まるで予想だにしなかった奴が黒板の前に立っていた。
「遅いよ、キョン」
朝倉涼子が俺に笑いかけていた。
まっすぐの髪を揺らして、朝倉は教壇から降りた。
教室の中程に進んで歩みを止め、朝倉は笑顔をそのままに誘うように手を振った。
「入ったら?」
引き戸に手をかけた状態で止まっていた俺は、その動きに誘われるように朝倉に近寄る。
「お前か……」
「そう。意外だろ」
くったくなく笑う朝倉。その右半身が夕日に紅く染まっていた。
「……何の冗談だ?」
くつくつと笑い声を立てながら朝倉は、
「何が?」
小馬鹿にしたように言った。
「お前は俺の事をキョンとは呼ばないだろ」
「そうだっけ?」
「それに、その口調は何だ」
「あなたの彼女――」
「違う」
条件反射の如く、言い切った。
「――そうよね」
納得した様な感じで言った朝倉はポケットから携帯を出し、ボタンを数回押してアンテナを伸ばした。古いのか?
何か音が流れだし、俺の目の前に携帯を突き出した、横向きに。
『――市の私立高校で女子生徒が血を流して倒れている所を発見されました。女子生徒は意識不明の重体で――』
「――佐々木」
振り下ろされたナイフは夕日より赤かった。
ってのを書こうとしたけどブラックすぎてやめた
お‥重い‥それは流石にキツい‥
鬱物って書いてる人は書いててどんな気分で書き上げるんだろうね?
あそこまで耐えながら書けるのはすげぇと思うんだが。
うん、それはやめてくれてありがとうって感じだ…
オープニング〜タイトルコール
S2…CORD:E[b]ーーーver.1,0,0
断罪より逃れる術は、もはや天の日曜に焼かれ、
時を示す亀は眼と生を閉じた。
この世界に未練はもはや一切もないようだ。
ここは闇よりの獄中。他にいるのは有象無象。
話す相手は悪魔と死神だけだ。
探し始める必要がある。それがEVEの子である。
全てはこの本に破算され、あとは鐘の音を待つのみ。
-「存在しない男と少女の日記」より-
S2…CORD:A[a]-----ver.2,0,0
死はイ義をなくし、地獄の存在に今は関心が全くない。
人と人など、全ては無意味な関係しか造りえないものだ。
だが、もはや一000の名の羅列は絞りきり、
二つの要素を姫めた数がここに3つ。
…メモはあえてしないでおこう。
すぐに気付くものがでる。一輪の花に隠した鍵は
今、既に未来より、下にある。それは規定だ。
…現世の義弟をまた呼ばねばならない。
俺がここからでるにはまだまだ時間がかかる。
したがって、一人の少女を今選んだ。
まだ、俺のAirは少しばかり残っている。
リリンの祝福は神によるもの。ならば、
私と名乗る、あの者を使う他あるまい。
では、鍵を持っていくとしよう…
…まだ、この穴を閉じませんか?…
閉じる/もう飛び込む/この世界から部室に戻る
思わず厨房乙と言いたくなる見事な文章の羅列ですね
●<穴と聞いて飛んできました
精神汚染を観測した。
汚染除去プログラムを起動する。
・・・4分18秒待って。
部室についた俺が見たのは、珍しくパソコンに向かっていた長門だった。
少々尋ねたいことがあって俺が声をかけようとして返って来た反応が
冒頭のこれだ。
何かネットで見たのかね?
履歴でも確認したいところだが、長門のことだから宇宙的パワーを
使わなくてもキレイに消してありそうだから無理だろうな。
長門は本棚から一冊の書を取り出すと、いつもの自分の席に座り読
み出した。
その一連の動作は、いつもよりちょっとだけ、俺ぐらいでようやく気付く
ぐらいのレベルのぎこちなさを感じさせた。
これが精神汚染とやらの影響によるものなら、かなりのダメージを長門の
心と体に与えてるんじゃないのかね?
見てみたい気もするが、そんなレベルのものを俺が見たら、きっと再起
不能のダメージを受けかねないから、やめておくべきだろうな。
何しろ、汚染除去プログラムとかたいそうな名前で読んでいたが、長門
がやっているのは、お気に入りの本を読むことによる気分転換なんだから。
そして、その気分転換のために長門が選んだが、こないだの不思議探索
でとある古書店で見つけたネクロノミコン(ギリシャ語版)なんて物騒な
しろものだ。
長門が何をネットで見たのか、想像するだけで正気が失われかねん。
俺が自分と長門の分のお茶の準備をしていると、予告した通りの時
間になると長門は顔を上げて俺の方を向く。
「なに?」
そこには、落ち着きを取り戻した、いつもの長門の顔があった。
俺はお茶を差し出しながら、手短に要件を伝え出した。
前置き無しに書き始められると、判り難い作品は付いていけないのが辛い
ネクロノミコンと聞くとキバヤシソングが浮かぶ俺
ネクロノミコンと聞くとデモンベインが浮かぶ俺
好きな本を読んで気分直しを「汚染除去プログラム」と呼ぶってのは、
長門らしくて可愛いな。
ネットで何を見たのか…ひょっとするとキョンの想像するような
ショッキングなものじゃなくて、萌えすぎる仔猫の写真とかかも。
とりあえず黒歴史ノートフォルダに保存した。
>>815 そういや長門は猫好きっぽい描写があるよな。
キョンもにゃんこ萌えだし。ていうかながるんが猫好きなのか。
学校を出ようにも居たな。猫限定テレパス。
>>805 いや、書いているうちにネガティブハイテンションとでも言うべき状態になるから意外と辛くないんだ。
ヒロインを苛めるときはサディストに。主人公をいたぶるときはマゾヒストに。欝エンドを書く時は悲劇に酔って一気に書ききる。
人によって違うだろうが、俺はこんな感じだな。
>>804 そこでキョンが聖闘士聖矢ばりにキレて小宇宙が爆発!朝倉を圧倒、って展開に!
……ゴメン、女神の戦士を聴いてたせいで、テンションがおかしなことになってるんだ
この俺に一度見せた技は、効かぬ!通じぬ!
はい、ごめん、うそです。
あっ、そこ、朝倉さん、復活を心から祝ってあげるから、その
以前よりパワーアップしてるナイフ、しまってくれるかな?
「うん、それ無理」
>>58 :トンデモ発想とそれをSSに仕上げられる才能ウラヤマシス。
原作改変とはいえ、論理ぶっとんだキワモノネタのくせに、ごく当たり前のように文章を書けるセンスが素晴らしいな。
描写といいモノローグといい、長文でも気持ちよく流れにのめり込める文章とはこうした文章のことなのだろう。
前半、九曜が突然歌っているというトンデモない佐々木団に比べ、後半、いつも通りのハルヒ団の展開で失速気味なのが残念だった。
電飾に受けた。長門や周防なら、ボーカルとギターとベースを一人でやってしまいそうな気もするがな。
>>220 :愁嘆場にしてはおとなしすぎないかい?
おめでたくもSOS団大学編が始まるかと思いきやだ。これはこれで悔しいが泣ける。
だが、きびきびした文体に影響されてかキョンが淡々と悟りすぎてる感があり、ハルヒの諦めが早かったり、
何より他3人の態度がいつも通り過ぎる。この様子じゃ嘘っぽいなと思ったのに本当にキョンが死ぬ話である。
それに、キョンが死ぬ理由もテキトー過ぎる上、ハルヒの能力が無くなればその力の影響のあったものがナシになるという解釈は……。
仮に百歩譲るにしたって、それまでまともな人間だったキョンの肉体が急速に腐敗するのはそれこそ都市伝説だろう。秘孔でも突かれたのかね。
>>234 :中途半端ながら、即興作品として評価。
バッドエンドを救う続編を書くと辻褄合わせに力点が置かれる自己満足なSSとなってしまう場合もあるのだが、そういった感なく
SOS団大学編へ繋げるナイス作品。これを即興で書けるとは。
「こんなこともあろうかと」(by 長門・朝比奈・古泉)的なご都合主義であり、告白したのにハーレムパターンだったり婚姻届が出てきたりと
ネタも中途半端ではあるが、上記作になかったキョンの人間らしさ(往生際の悪さ)が補完されてるのがいい。
長門は接続解除されても能力は残るのだったけか?
>>287>>307 :二次創作として読む側の身になって。
ざっと見て、長いだけで退屈そうなので、パス。
ハルヒシリーズに求めるものが俺とは違うのだろう、きっと。
>>331 :二次創作は個性あってこそその存在価値がある。
原作を把握しながらも、自分のスタイルをしっかり持って二次創作を書ける人らしいな。
ただのファンとしてSSを書こうとすると、原作を読めば読むほど、アニメにはまればはまるほど、テンションやキャラクターに拘束されてしまい、
結果、いつもながらのプロット、誰でも一度は思いつくようなストーリーになりがちで、自分なりの味が出せなくなってしまう。
豚肉とジャガイモと人参を見たらカレーか肉じゃが以外思いつかない書き手に見習ってほしいものだ。
ま、原作関係なく思いついたネタにキャラクターだけ合わせてるだけかもしれんが。
>>351 :キャラいじめネタは明るく楽しく。
いつの間に橘の個性は必死な勧誘員になってしまったのだろうか。
キョンと佐々木のシニカル達観コンビに手玉にとられるのはもはやパターン。面白いからいいのだが。
しかしそのツケは結局主人公たるキョンに回ってくる。キョンとともに苦難を乗り越えて行くスレが立ちそうだ。
ところでトリップはつけるべきだったな、書き手を識別するために。
>>393 :実は佐々木は少女趣味?
漫才を思わせるノリを絡めながら本題に入っていく流れは非常に楽しい。
その雰囲気を話し方を変えることで払拭しシリアスへ切り替えるキャラクタライズド合理的方法も秀逸。
だが、告白の文句が夢見る少女の甘美で浅いイメージで、知性と教養ある佐々木っぽくないと思ってしまうのは、
元ネタがあってそれを俺が知らないだけだろうか?
さらに、それほど大仰に輝ける存在になり得るのか我らが主人公殿は、という月並みな疑問もあったりする。
ウザッ
>>433 :キョンに女を犯させるのは大変。
佐々木閉鎖空間内で彼女を弄ぶネタ自体は以前から出ていたが、きちんと仕上げたものをここで見るのは初めてだ。
このSSを読めばわかることだが、このネタを書くためには、キョンが常識的フラグブレイカーらしからぬ積極的で非道な行動をとらねばならないのだ。
キョンにそうした行動をとらせた時点で、陵辱される橘がいくら泣きわめこうが、勝手に場所使用された佐々木が怒り心頭に発しようが、
読者にとりそこは原作と異なる(=リアリティのない)世界となり、コミカルタッチに読めてしまう。
これを避けるためにはキョンを相当に追いつめねばならないが、そのためには長い前置きが必要になる。
そうした「言い訳」を背負わない本作なのだから、あっさり奴隷と化す橘の対応(と本番描写)のご都合主義的ワンパターンさも、ほぼ必然の結果だろう。
原作の文句をなぞる箇所において、おそらく作者の意図しない笑いがあるのが、少々慰めになるだろうか。
このネタでシリアスなSSを書くには、経緯をすっ飛ばして佐々木閉鎖空間で橘を犯「している」キョンから描くか、本格的な鬼畜の道に入るかしかない?
>>544 :キョンがわざとらしいカマトト。
キョンは果たして恋(自身あるいはハルヒの感感)を「恋」だと認識しているのかを考えてみた。以下考察。
結論を言えば『憂鬱』のラストにおいて既に認識しているはずだ。では何故彼はそれを用いて自身もしくはハルヒの態度を説明しないのか。
原作では、いくつかの二次創作にあるような、
「答え」(自身あるいはハルヒの恋愛感情)を薄々知っているくせにカマトトぶって逃げを打っている様子は、字面だけなら、ほぼ無い。
一見、不思議を求める同人として嫌々ながら協力する、不器用でシニカルながら面倒見のいいお人好しの態度に過ぎない。
すなわち読者にとっては、キョンは見たもの感じたものを、「答え」を交えず、自分が常識と信ずる価値観(フィルター)を通して
感覚的に描写しているのみに「も」思えるのである。
しかし、先に述べた通り彼は結論を既に出しているのだから、やはり彼は無知を装っている嫌味な人間に過ぎないのだろうか?
一つの解釈だが、彼にとって「答え」とはいわば、財布の中にあるカネでなく、山内千代が隠していた臍繰であり、
常ならぬ一大事にのみ取り出され、その日が来ない限り封印しているものではないだろうか。
ハルヒと一緒に日常世界にある非日常を楽しんでいる限り、そしてハルヒから「答え」を求められない限り。
だが臍繰であるから、身内に発見されたり、泥棒にかっさらわれる可能性もある。
それは、無自覚の神を自覚させ神の能力を引き出すことができるが非常に危なっかしいという彼の「切り札」に隠喩されているのでは?
思えば恋愛とは、この世界に「神が在られる」ことにある日突然に驚愕し感動するのとほぼ同じ、
つまり「キョンがいる」「ハルヒがいる」ことがこの上なく素晴らしい事だと気付くことであり……。
以上、ほとんど作品と関係のない考察となってしまって申し訳ない。
感想としては、キョン語り自体は他の職人と比べ少々ぎこちない。不要なものを切りつめる努力をしてみては。俺が書くのも変な話だが。
>>560 :ひねりなさいひねりなさい!
ネタ自体はありがち。だがオチのアイデアは上手い。ハルヒにビデオを見せるやり方に、もうひとひねり欲しかった。
>>661 :文章のうまさはこのスレでもピカイチ!
文章は素晴らしい。惜しむらくは、それが重大な欠陥であるのだが、突っ込みどころが多すぎる。
原作にない設定を持ち込むためには相応の言い訳(必然性やリアリティや伏線)が必要だ。
例えばキョンが、逃げ出したハルヒを捕まえたり、さほどの逡巡なくハルヒにキスするのはご愛敬だとしても、
しごくあっさりとハルヒとミヨキチの恋心を悟っていたり(時間が経っているならともかく1年生3月らしい)、都合2度目の閉鎖空間を前もって予期している。
しかもハルヒのほうもそんなキョンの期待に応えて『証人喚問』の場という個人的場当たり的な意図で閉鎖空間を自在に「使って」しまっている。
閉鎖空間を都合の良い道具として扱うこのへんの発想は、他の二次創作作品の影響だろうか?
また、そのハルヒの空間内でキョンがミヨキチと最初から二人きりになれるのもヘンである。
(キョンあるいはミヨキチ側の閉鎖空間だとか本当にキョンの夢だとかなら輪をかけて酷い)
何度も書くようだが文章は非常に巧い。一コマ一コマ絵はすんげ〜神なのにストーリーが無理矢理すぎて引いてしまう同人誌を読んだような気分だ。
もったいないとはこのことだな。
前回の反省を踏まえ。
>佐々木かわいいよ佐々木
まで読んだ。
つーかブログでやれば?
さすがにこれは自分の投下の感想が含まれているとしてもうんざりして読み飛ばしますわ
まさにチラシの裏だな
容量がもったいない
新スレも立ったことだし、埋めのタイミングを待っていたことには
敬意をはらおう。
そうか、こんなスレに何故NGがいるのかと思ったら長文のアレがいたのか。
マジで自分のblogででもやればいいんじゃないかと。
もし>822がblog作ったら、毎日更新確認に行っても良いけどなあ。
って言っておけば余所でやってくれるようになるかな、と内心では考えている。
>>828 いや、2ちゃんねるニュース系サイトみたいに
それはそれで需要あるんじゃないのかな?
批評が上手なら。
忙しい人にとって「これが面白そうだな」と探す手間が省けるだろうし。
まぁ、コテトリ付けてNGしやすくしてるんだから生暖かくスルーしとけ。
長レスとはいえ
>>820なんか複数の感想をまとめて書いてるから長く見えるだけで…
Σ(゚Д゚)
>>822 ( ゚д゚ ) ナガッ…
831 :
433:2007/04/27(金) 20:20:09 ID:/UnWEI7b
でも何らかの指摘を受けて内心嬉しかったりもする。
832 :
433:2007/04/27(金) 20:22:42 ID:/UnWEI7b
連レススマン。
埋めと思えば苦にならんさ。『埋め』なら、ね。
ウザいと思うならあぼ〜んすりゃいいのにわざわざいちゃもん付ける方が余程ウザい。
感想なら関係あるが、感想の文句なぞそれこそチラシの裏。
いちゃもん付けたいだけならトリ付けてくれ。NGするから。
感想なら関係あるが、感想の文句に文句なぞそれこそチラシの裏。
いちゃもんにいちゃもん付けたいだけならトリ付けてくれ。NGするから。
,. -───- 、
/'´ `ヽ、
シ~ /" `ヽ ヽ `'、 ト、
//, '/ ヽハ 、_Vヽ
〃 {_{`ヽ ノ リ| l |、,i|
レ!小l● ● 从 | } i|
ヽ|l⊃ r─ォ ⊂⊃jノ}j| キョン君、キョン君
r‐‐-、__|ヘ '、_ノ /| ! | そろそろ次のスレに移るにょろ?
{ (` /:::::| l>,、 __, イァ_i ||
"ヽ /:::::/| | ヾ:::|三/ / //ァ||
ヽ< | | ヾ∨_:/ // ハ||
>>835 あの、その意見には是非とも賛同したいんですが、次スレてどこですか?