戦隊シリーズ総合カップルスレ 5

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1名無しさん@ピンキー
こちらは戦隊シリーズの総合カップルスレです。
現在放映中の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』、前年度放映の『轟轟戦隊ボウケンジャー』等々、
戦隊作品のカップルについて マターリと語って行きましょう。
煽り・荒らしはスルー推奨。他カプ批判もNG。みんなを幸せにする修行をしましょう。


【ネタバレについて】
特撮板本スレに準じ、放映日当日・映画公開終了までのネタバレは控えてください。
もしスレ住人からの要望により、映画等のネタバレを投下する場合、
投下前にネタバレであることを明記し、NGワード用タイトルをつけること。
バレを見たくない人はあぼん推奨。


前スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161010229/
過去スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 3(dat落ち)
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 2 (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114938210/
戦隊シリーズ総合カップルスレ (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105953664/
【S.P.D】デカレンジャー総合カップルスレ【S.E.X】(dat落ち)
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080011602/

2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.arings2.com/

戦隊シリーズ総合カップルスレ保管庫
地球署の図書館
ttp://tfb.fc2web.com/index.html
サージェスミュージアム保管室
ttp://www19.atwiki.jp/gogo/pages/1.html

保管庫の避難所
PC版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/index.htm
携帯版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/i/index.htm
2名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:43:27 ID:Pz0XEcxD
3名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 01:03:50 ID:X0TXhZNf
GJ。乙
4名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 01:53:09 ID:AY8thEdj
>>1
このスレも平和に、色々な年代の物が読めます様に(-人-)ナムナム
5名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 15:01:24 ID:lAYI3jgX
そろそろゲキレンカプもみたいなぁ。理メレとか
6名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 18:34:54 ID:oJQf0N5i
>>5
同じく!!死ぬほど理メレ渇望!!!
今日の見ちゃったら…
どなたか職人様お願いします
7名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 00:01:00 ID:fJfHQYUJ
理メレか……
抱いたら冷たい、ってあたりが物悲しいな。
8名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:57:35 ID:hgnHKur7
戦隊シリーズ総合保管庫見た
デカ赤×黄最高!
またお願いします
9名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 10:00:11 ID:Rqy9VZOq
総合保管庫ができたぞ。前スレから転載

> とりあえず完成しました。
> やっていく内に大してログをもっていなかったりと、自分の能力の低さを痛感してしまいました。
> なので全部の作品はまだフォローできていません。
> 他の保管所のページはずいぶんと参考にさせてもらいました。
>
> それと「緑の独白」と「資料室」はシリーズものとしてはまとめていませんが順番だけは揃えてみました。
>
> そんなこんなでどうぞ。
> タイトルはそのままです。
>
> 戦隊シリーズ総合保管庫
> ttp://sentaieroparo.blog100.fc2.com/
10名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 10:54:23 ID:jl5O2AJA
>>9
お疲れ様です
まだまだ大変だと思いますが,住人としてうれしい
GJですよw
11sage:2007/04/16(月) 14:22:05 ID:RKSShrNX
冒険黒×黄いきます。
初同人小説のため至らないところ多々あるとは存じますが
よろしくお願いします。
12名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:23:18 ID:RKSShrNX
深夜。菜月がサロンに向かっていると、蒼太に声を掛けられた。
「や、菜月ちゃんお疲れ。チーフなら、サロンにいるよ」
「ん、ありがと。真澄…まだお仕事かなあ」
菜月は真澄の体調を気遣っている。ここのところ、真澄は連日半徹夜で仕事をしている。
「今日はもう終わりにするって言ってたけど。僕も今、陣中見舞にいってきたとこ」
そう言いながら、蒼太はぐっと伸びをした。
「陣中見舞って…蒼太さんだって、大変でしょ?」

明石前チーフと前サブチーフさくらが宇宙に旅立って一ヶ月が過ぎた。いなくなって初めて
わかる有り難さ、二人が宇宙に行ってから、現メンバーはもろもろの事務処理に追われっぱなしだ。

「はは、そりゃ、菜月ちゃんも一緒でしょ。なにしろ一番働く明石チーフとさくらさんが
 いなくなっちゃったんだから。映二でさえ、自分の書類くらいは自分で作るようになったし。でも…」
「?」
「こういっちゃ何だけど、一番意外だったのは伊能チーフだよ。真墨って、あれで結構真面目で
 几帳面なとこあるんだなあ。も少し、適当にやるほうだと思ってた」
菜月は思わず笑ってしまう。
「ふふふ、言えてる」
「ホント、真澄が新しいチーフになって、良かったよ。じゃねっ」

蒼太の後ろ姿を見送りながら、菜月は嬉しさが込み上げてきた。蒼太が真墨のことを誉めたことが、
まるで自分のことのように嬉しかったのだ。
13名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:23:50 ID:RKSShrNX
「…真澄、お仕事終わった?」
菜月がサロンに入ってみると、返事がない。
(あ…寝ちゃってる…)
ソファに倒れ込むようにして、新チーフが寝ていた。テーブルにはまだ書類が散らばっている。

菜月は着ていたジャケットを脱ぐと、起こさないように気をつけながら、そっと真澄に掛けた。
(さくらさんも、明石チーフによくこうしてあげてたよね…)
その時それを羨ましく眺めていた自分が、今こうして同じ事をしているのだと思うと、なんだか
くすぐったい気分になる。

真澄のそばにそっと腰掛ける。寝顔をそっと覗き込む。
目を閉じた真澄の長い睫。濃くりりしい(と菜月が信じてやまない)眉は、寝ているときいつも
少し顰めたようになる。
昔から、菜月は真澄の寝顔を眺めているのが好きだった。

(こんな風に二人っきりって、けっこう久しぶり…)
菜月は、いつしか、二人きりで旅していたあの頃のことを思い出していた。

真澄は厳しかったけど、優しかった。そして、いろいろ教えてくれた。教えてくれたけど…
(絶対教えてくれなかったことも、あったよね、真澄)
そのことを思い出すと、いつだって思い出し笑いがとまらない。
14名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:25:00 ID:RKSShrNX
菜月が真澄と行動を共にするようになってからしばらくして、菜月はあることに気がついた。
自分達のような男女二人には、「夫婦」「恋人」「友達」「仲間」のような、種類があるのだ。
しかし、その違いが菜月にはよく分からなかった。強いて言えば「仲間」「友達」より「恋人」「夫婦」
のほうが、より仲がよさそうだ、ということ。だったら菜月は、「恋人」「夫婦」のどちらかがいい。

「ねえ、真澄と菜月は夫婦なの?」
そう質問したときのことを菜月ははっきりと覚えている。真澄は飲んでいたココアを盛大に吹いたのだ。
「お、お前、なんでいきなりそんな事…ゴホッガホッッ」
真澄はむせながら、顔を真っ赤にしていたっけ。

「だって、お店のおばさんとか、よく菜月達のこと『あら、ご夫婦?』って、いうよ」
「そりゃ間違えてるだけだよっ、だいたい結婚してねえだろ!」
「…ケッコンって、なあに?」
「う…っ、あの、そりゃその、つまりずっと一緒に暮らすことだよ」
「菜月達もずっと一緒に暮らしてるよー」
「だ、だから、とにかく違うの!!俺たちは結婚してねえし、夫婦じゃねえの、もうこの話はお終い!!」

強引に話を打ち切ろうとする真澄に、じゃあ菜月と真澄はなんなのかと問いつめると「仲間」という答えが
帰ってきて、菜月は少なからずがっかりした。まだ「恋人」のほうが、そう言われる人達の方が、お互い
仲良くしているからだ。以後、菜月がそれに類する質問をしても、真澄は誤魔化してしまうだけだった。

(それと…あの時!真澄ったら焦りまくってたなあ)
その時以上に真澄を困らす質問をしてしまったことを思い出して、菜月は一人でにやにやしてしまう。
15名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:25:48 ID:RKSShrNX
「ねえ、赤ちゃんって、どうやって出来るの?」
その時、言ってしまってから、菜月はなんだかしまったかな、と思ったのを覚えている。真澄が飲んでいた
ココアを、前回より一層盛大に吹いたからだ。

「…ねえねえ、どうするの?」
今度も誤魔化されてしまうかも、と思った菜月は、真澄のむせかえりが一段落してからも、結構しつこく
食い下がってしまった。

「ねえ、ねえってば、まーすーみー!」
「………」
「黙ってないで、ねえったら!」
永い沈黙の後、真澄はようやく口を開いた。
「…あのな」
「なあに?」
「コウノトリが運んでくるんだよ、わかったな!!」
それきり真澄は、しばらく口をきいてくれなかった。

実を言えば菜月は、真澄のそのヤケクソな答えを、長いこと本気で信じていた。トレジャーハントで外国に
行ったときなどには、コウノトリを見かけるたびに(真澄と菜月の赤ちゃんを運んでください)と真剣にお願い
していたし、SGSに入ることが決まって日本に住むことになったときには、日本にコウノトリがいない
と知っていたので、そのことだけが本当に残念だった。

(…バカだな、菜月って)
今から思うと、当時の自分が本当に恥ずかしいし、笑ってしまう。そして、焦っていた真澄の顔を思い出し、
また笑ってしまう。

「あの頃が一番幸せだったのかも…」
菜月は我知らず、言葉に出してつぶやいていた。
16名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:26:35 ID:RKSShrNX
「夫婦」や「恋人」「仲間」の違い、また「赤ちゃんはどうやってできるのか」について、菜月が本当の事を
知ったのは、SGSに入ってから間もなくのことだった。文明という情報の洪水のなかで、真実はいとも
簡単に知ることができた。

そして知った時、菜月は二重の衝撃を受けた。
一つは、愛する二人は「そういうふうに」触れ合うのだ…ということ。
そしてもう一つは、真澄は決して菜月に「そういうふうに」触れてこようとはしなかった、ということ。

「真澄にとって菜月はなんなのだろう」
自分達は「仲間」だけど、いつかは「恋人」や、あるいは「結婚」して「夫婦」になるのだと無邪気に信じていた
菜月は、それからしばらく、その疑問が頭から離れなかった。平気な振りをしていたけれど、菜月の中にその時以来、
住み着いてしまった疑問。

そんな心の隙をつかれて敵に利用されてしまったこともある。でも、真澄はいつも必ず助けに来てくれた。

「お前を仲間にしたのは、お前が可愛かったからだ!」
「菜月は菜月だ、過去も未来も関係ねえ!」

あの時の言葉を思い出すと、菜月は胸が一杯になって泣きそうになる。心の底から嬉しくて、そう言ってくれる
真澄が愛しくて。迷惑をかけてはいけない、もう自分が真澄にとってなんだっていい、と本気で思えた時もあった。

(でも…)
菜月はため息をつく。

(でも…でも、やっぱり菜月は真澄の一番でいたいよ。菜月は真澄に…愛して欲しい…)

一時的でも平和になった今、菜月は自分の正直な気持ちを抑えるのに苦労している。相変わらず真澄は菜月を
仲間扱いしかしないし、一方で菜月の気持ちは大きくなるばかり。

(いっそ…嫌いになれたらいいのに…)
そんなこと無理だ、って、知ってるのに。

いつの間にか菜月は、真墨によりそって、静かに寝息を立てていた。
1711:2007/04/16(月) 14:28:04 ID:RKSShrNX
すみません…

初投稿で緊張して、基本的なミスをしてます。ごめんなさい。
18名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:22:26 ID:dVlnK9+C
GJGJGJ!
コウノトリと答える真墨も信じる菜月もかわいいよー!
続きはあるんでしょうか?
19名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 18:12:15 ID:5Cv4aWeM
GJ!!
ファイナルレポ読んで誰か黒黄書いてくれないかなーと思ってた所に
内容もドンピシャなのが来たのでちょっと感激。
20名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 21:32:27 ID:2+imA8Un
>>11-17
GJ!!です!幸せになれました!
前スレで黒黄リクした者です。職人様、初めてなのに有りがとうござ
いました!黒も黄も頑張れ!
21名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 23:16:28 ID:iKT8stFR
GJ!です。
菜月の仄かな甘さと切なさが良かったです。
黒黄ってコウノトリより先にキューピットを呼ばないと、
なかなか先に進みそうに無い、じれったさが何とも…
22(冒険赤桃)piece of peace3:2007/04/17(火) 01:20:16 ID:+BHMj0Cf
前スレ>>920です。イメージ壊れていないようでほっとしました。
続き投下します。が、エロなしです。すみません。次回から行けると思います。


鼓動が、互いの身体の中心で共鳴する。
高まるのは欲と恐怖、どちらが先だろう?
「お加減でも…悪いのですか、チーフ?」
囁くさくらの肩を、空いている手で包み込む。小さな震えは、一体どちらのものだろうか。

「俺はもう、チーフじゃない」
思いがけず大きく響いた声に、明石自身が驚いた。
逆立った毛を撫で付けるように穏やかさを取り戻しながら、再び口を開く。
「ただの男だ。だから…振りほどいてくれ、さくら」
心と言葉の間にある矛盾を知らしめるように、言いようのない苦しさが、明石に襲いかかった。もどかしさは、さくらに触れる指先に籠める力を、より強いものにさせる。
こんなにも、細かった。
そんなことに今更気が付いた己の愚かさに、自嘲気味な微笑みを浮かべながら。

「それならば…」
手の中のチョコレートをテーブルに戻し、さくらは声を詰まらせる。
そっと押し留めるように受け止めながら、明石の胸に触れた指先に、拒絶はない。
「命令は、聞けません。私は…」
注がれる視線は、さくらの中に息づく強さを、何よりも感じさせる。
「私の意志で、ここにいるんです。それを信じてください」
凛とした声で、明石は自分の中の苛立ちの理由に気が付いた。
23(冒険赤桃)piece of peace4:2007/04/17(火) 01:22:07 ID:+BHMj0Cf
今の今まで、さくら自身を知ろうともしなかった。
冒険を誰よりも求めていながら、本当の深みを捕えることに、背を向けていた。こんなにも長く、深くずっと、見守ってくれる人間がいたのに。

「決して逃げません。だから明石さんも、逃げないで下さい」
赦された。そう思うのは手前勝手なことだと分かっている。
でもさくらは真っ直ぐに、明石の心を揺さぶって来る。
応えたい。応えさせて欲しい。
それが正しいことなのか、今は分からなくても。
「さ…」

名前を呼ぼうとした時、室内に電子音が響き渡った。
はっとしたように身体を離し、さくらは操縦室に向かう。
明石の手の中に、沈丁花のように儚く甘い香りを残して。

「…えぇ、大丈夫です。元気ですよ。チョコレート、ありがとうございました」
僅かな会話の断片で、不意の通信は菜月からだと分かる。明石は進み出て、幼いながらも健気で元気な仲間の顔を、画面越しに覗いた。
『あっ、チーフ!』
「悪いな菜月、また後で連絡する」
問答無用の勢いで、切断させた通信回線。さくらは驚き、怪訝な表情で振り返る。
「俺の話は、まだ終わっていない」
24(冒険赤桃)piece of peace5:2007/04/17(火) 01:23:57 ID:+BHMj0Cf
無下に言い捨て、明石はさくらの背中から、全身を囲むように腕を伸ばした。上体を預け、穴が空きそうなほどに見つめる。

「逃げはしない」
逃がしもしないと、迫った。
さくらは何も言わない。顔すら上げない様は、まるで明石の傲慢さを責めているかのようだ。
「さくら…」
「明石さん、ずるいです」
二人だけの閉鎖空間だからこそ、自らを律しようと努める声色。それが厳しく聞こえるのは、さくらの心が、本当はとても優しいから。
そして、自分自身もそうであるということに、明石は気が付かない。

「今の今まで、私の気持ちなんか、物の数でもなかったじゃないですか」

瞬間、柔らかな感触が、明石の唇に花を咲かせた。
見開いた眼を凝らせば、恥ずかしそうに睫毛を伏せたさくらの姿がある。

まさか。
まさか…。
重なり合う、二つの影。
それはこじれた接点が、果てしない融合を見た瞬間だった。


(続)
25名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 01:33:55 ID:32SsK0mY
新しいスレでさっそく黒黄と赤桃を拝めるとは…!
職人さんありがとう、続き期待していますー!
26名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 04:32:09 ID:w5kSAzpH
前スレまだ埋まってないから冒険赤桃の続きまだかなぁーと待っていたら新スレにあったのね。とにかくGJです。続きが読みたいよー。
27名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 07:53:57 ID:Jf+jC7we
新スレになってから、新作が続々と……ありがたや!
職人様方ありがとうございます!

冒険黒黄、すごく可愛いです〜いいな〜こういうの。

冒険赤桃、続きが楽しみです!エロはあってもなくても
全然かまわないのでぜひよろしくお願いします!!
28名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 09:17:52 ID:brs8hkP5
黒黄、可愛いなぁ。

>(さくらさんも、明石チーフによくこうしてあげてたよね…)
>(真澄と菜月の赤ちゃんを運んでください)
        ↑
 この辺凄く好き。萌える。
2911:2007/04/17(火) 12:19:20 ID:aO97gmAv
皆さんご声援ありがとうございます。

素人じみた失敗にもかかわらず、温かいお言葉の数々、
ほんとうに有りがたいです。

さて、続編を投下いたします。
30ボウケン黒×黄 続1:2007/04/17(火) 12:20:40 ID:aO97gmAv
「真墨…?」
真墨が立っている。いつもと様子が違う。真墨の隣には、女の人がいる。

「ねえ、そのひと、誰?」
言いながら菜月は、その女性の顔を見ようとする。でも、いくら覗き込んでも
その顔ははっきりしない。

「菜月、紹介するよ。俺の婚約者。今度俺結婚するんだ」
「…うそ……」
血の気が引く。それ以上、言葉が出ない。
(いや…真墨……そんなのいや…)
そう訴えたいのに、言葉がどうしても声にならない。

「じゃあな。俺達、もう一緒にはいられないから」
そう言って、真墨はその女性と一緒に歩き出した。
(待って、真墨、いや、行っちゃいや……)
涙がぽろぽろ落ちてくる。

「いや! …いやあああああ!」
31ボウケン黒×黄 続2:2007/04/17(火) 12:21:16 ID:aO97gmAv
おい、菜月、菜月!! どうしたんだ、起きろ!」

揺り動かされて、菜月は目が覚めた。真墨が心配そうに菜月の顔を覗き込んでいる。
「あれ… 菜月、寝ちゃってた…?」
「そうだよ。俺が目ェ覚ましたら、お前俺にジャケット掛けといて、自分はそのまんま
 寝ちゃってただろ。風邪引くぞ」
言われて気がつくと、菜月は自分と真墨のジャケットを掛けていた。
(真墨が掛けてくれたんだ…)

顔を上げると、真墨はまだこちらを心配そうに見ている。
「体冷えたから悪い夢みるんだよ、気をつけろよ」
「…ごめんね…」
「ま、俺に掛けてくれたのは、ありがとな」
そう言って真墨がふっと笑顔を見せる。その笑顔で菜月は嬉しくなる。

いつも真墨はこんな風に優しい。また菜月の想いがそっと膨らむ。

(さっきのが夢で、ほんとに、ほんとに良かった…やだ、また泣きそう)
あわてて目をごしごし擦ると、菜月は無理矢理に笑顔を作った。

「もうこんな時間か…帰るか」
そう言いながら、真墨はテーブルの上の書類を整理していた。
「うん。菜月も、手伝うよ」
一緒に片付けようと、菜月はすぐそばに置いてあった大封筒に手を伸ばした。
32ボウケン黒×黄 続3:2007/04/17(火) 12:22:07 ID:aO97gmAv
その時。

「あっっ、それダメ…、馬鹿、いいって、さわるな!!」
突然真墨が、菜月の手にした封筒を奪い取ろうとした。とっさに封筒を奪われまいと
反応してしまった菜月と真墨の間で、封筒が裂けて中身が床にガシャガシャと散らばった。

「…… な、なに、これ……」
思わずそれを手にとって、菜月は呆然と呟いた。いや、これが何かは、もう菜月は知っている。
扇情的なタイトル、半裸の女性の挑発的なポーズ、そんなDVDが、数枚。

「な、何って…、その、アレだ、蒼太がさっき、無理矢理置いていって…」
目を合わさずに言い訳するのは、真墨が嘘を付くときのクセだ。

「うそ! 真墨が持ってきてって頼んだんでしょ!」
「な、何で知ってんだよ!」
「あ、やっぱりいいい!」

菜月は自分でも驚く程、怒りの感情が込み上げてきた。悔しさで涙が滲む。
菜月がこんなに悩んでいるのに…
あんな怖い夢見るくらい、苦しんでるのに…!
33ボウケン黒×黄 続4:2007/04/17(火) 12:23:07 ID:aO97gmAv

「毎日仕事で遅いから、体壊すんじゃないかって菜月心配してたんだよ!? なのに、真墨はこんなの
 ばっかり見てたなんてえ!」
「何言ってんだよ、毎日仕事してたよ! こんだけ働いてんだし、いいじゃんかよ息抜きくらい…」
「全っっ然、信用できない! 真墨のばかあ!」
「馬鹿…って、何だよ、お前にゃ関係ないだろ!」
「…!」

関係ない、と言われて菜月は絶句した。関係ない…確かに、ただの「仲間」なら、関係なんて、ない。

「ふうっ… ほら、よこせよ。これは子供が見るもんじゃない」
菜月が黙り込んだ隙に、菜月が手にしていたものを真墨が引ったくるようにして奪い返した時、
菜月は再び爆発した。

「何よ、いつもいつもそうやって子供扱いして! 菜月はね、もう子供じゃないんだから!!
 『仲間』と『恋人』の違いだって、赤ちゃんをどうやって作るのかだって、みんな知ってるんだよ!! 
 馬鹿にしないでよ!!」
一気にそうまくしたてると、真墨のほうをキッと睨み付けた。

沈黙。

カッシャーン…
真墨の手から、DVDが滑り落ちた。
34ボウケン黒×黄 続5:2007/04/17(火) 12:23:52 ID:aO97gmAv

いつもならここでまた言い返されるはずなのに、今度は真墨のほうが黙り込んでいる。顔色が、青い。

「え…? な、なに、お前…… し、知ってるって………」
青いを通り越して白い顔で、擦れた声で、真墨は呟くように喋っていた。

「…? 真澄…?」
訝しげに問い返す菜月に、真墨がようやく言葉を続ける。

「だ……… 誰と……?」

その瞬間、菜月は真墨が何を言っているのかを悟った。
「ち、違う、違うよ! 菜月が知ってるっていうのは、ホントにただ知ってるってだけで、別に、誰ともなんにも…!
 菜月はまだ…」
顔を赤くして、身振り手振り、全身で否定する。

「な、なあああああああんだ…。」
腹の底から絞り出すようなため息と共に、真墨の顔色が戻ってきた。疲れたようにソファにへたり込む。

菜月はそんな真墨の様子をしばらく見ていた。怒りの感情はとうにどこかへ消し飛んでしまった。替わりに
ゆっくりと込み上げてきた感情に、菜月は身を委ねることにした。
35ボウケン黒×黄 続6:2007/04/17(火) 12:24:57 ID:aO97gmAv

真墨に近づく。気がついて真墨が顔を上げる。その顔を両手で包み込み、菜月は目を閉じると、そっと唇を重ねた。

(あ…おとこのひとも…くちびるってやわらかいんだあ…)

唇を離して真墨の顔を覗き込む。
「あ、真墨ったら、耳まで真っ赤」
菜月も真っ赤だけど、と思いながら。

「馬鹿…、お前、そんなことしたら…惚れちまうだろうが!」
そういう真墨にいきなり力強く抱きしめられ、菜月は心臓が破裂しそうになった。

「まあ…… そもそも最初っから… 惚れてたけどな…」

(うそ…… うそ……)
突然の真墨の告白に、菜月はとっさに声が出ない。ようやく一言、
「嬉しい…」
と囁くように言葉を出すと、真墨の抱きしめる腕にまた力が籠もる。

「菜月…俺、お前のこと、ずっと…… けど、お前のこと、まだ子供だと思ってたから…」
「真墨… 菜月、もうずっと前から大人だったよ」
真墨の腕の中で菜月が抗議する。真墨は笑った。

「そうだな、さっきのキス、結構効いたぜ。でも大人のキスってのはな」
真墨は菜月の耳元に唇を近づけ、囁く。
「いいか、噛むなよ」
36ボウケン黒×黄 続7:2007/04/17(火) 12:25:41 ID:aO97gmAv

「んっ…んんっ…」
唇を、舌を吸われ、真墨が菜月の唇へと入り込み、絡み付く。声にならない声が、菜月の喉から漏れてくる。
(ま、ますみ……)

初めての感触に頭の中が真っ白になった頃、ようやく解放され、菜月は真墨の胸に倒れ込んだ。

「ほら、帰るぞ」

しばらくの抱擁の後、突然そういいながら、真墨は菜月を離すとさっさと片付けを始めた。
「えー、もう?」
あと、もう少し抱きしめてくれててもいいのに…と不満げな菜月。

しかし真墨は取り合わずに片付けている。例のDVDを集め、裂けた封筒でくるんでいた。
「あー、これもう蒼太に返さなくちゃ。あったって仕方ねえし」

「…あ、あの、さっきあんなに怒っちゃってごめんね。別に、菜月、見るだけなら真墨がそういうの、
 見たって… その… 気にしないし…」
感情を爆発させた気まずさも手伝って、菜月はおずおずと申し出た。

「だって、もう要らねえだろ、お前がいるから」
「えっ…」
「今夜は俺んとこ泊まれよ」

言われて菜月はまた真っ赤になる。
「え、ええーっ、それって…もしかして…」
「何だよ、今更ヤダったって許さねえぞ。ほら、来い」
「ちょ、ちょっと、待ってよー」

すたすたと歩き出す真墨の背中を、菜月が追いかけていく。
深夜の廊下を、幸せな二人の足音が響いていった。

<おしまい>
37名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 13:29:20 ID:l6zBhJTe
11様、乙でした!そして、超GJGJGJ!!
も…動悸が…ヤバイっす…
真墨、全くムードが無いけど、それが真墨クオリティw
菜月良かったね!何時までも、お幸せに!
38名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 22:18:37 ID:SbMu9Imb
11様GJですっ!!!!!
久々に来てみたらボウケン祭りで興奮したww
黒黄のイチャイチャまでいかないじゃれあいがすごく好き。

赤桃の方もGJです!!!!
続き楽しみにしています!
39名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 22:49:26 ID:PZFXwCAh
はやく赤桃の続きが読みたいです。
ど〜か、宜しくお願いします!!
40名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:23:08 ID:4440ZugS
つーか、書き上げてからアップして欲しい…
41名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:26:06 ID:w5kSAzpH
冒険赤桃出来たー!…けど割り込みも悪いから先の赤桃職人さん書き終わったら投稿します。ゆっくり仕上げてください!オレは作品温めながら待ってます!
42名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:45:12 ID:Kyh+c5Sl
11様GJGJ!!!!
黒黄かわいすぎる!禿萌えました!!

もしよろしければ真墨の部屋での続きも是非読みたいです!
43名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:49:52 ID:8AHlbuM2
>>41
ぜひ投下してください。
冒険終わってしまって飢えてるんでw
44名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 00:17:48 ID:+AZFfej9
11様GJです。
甘いムードとは無縁な真墨が、彼らしくていいです。
この手の不器用さは、チーフと同レベル!?
菜月相手なので、取り繕う必要が無いのかも。

次は、コウノトリ来襲ですか?
真墨って凄い子煩悩になりそうな気がします…
45933改め保管庫の人:2007/04/18(水) 01:51:30 ID:KTd4qTf5
昨日、偶然にも過去スレをゲットできて先ほど大量に追加したので報告します。
これで一気に大体の作品が収録できたかと。

現行スレの作品はもうしばらくお待ちくださいorz

それと2スレ目にあった魔法の赤×スフィンクスの作品なのですが・・・

>873 名前: ◆NvTcuX91V2 :2006/03/15(水) 01:04:47 ID:d5eV3/V3
>どもー魁ちんスフィネタを書いた物ですが…
>容量とかギリギリのようだし、前編含めてupろだに上げておきました。
>
>ttp://nijibox.ohflip.com/futabafiles/001/src/sa43303.txt.html

ということらしいので、もし現在もお持ちの方はうpして頂けると助かります。

それでは。
46名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 11:01:40 ID:i5epWJ7K
前スレの948です。
総合カプスレ及び関連スレのログをうpしました。
>>45のテキストもありましたので一緒に固めておきます。
タイムピンク、ハリケンブルーの単独スレもありましたが、
内容が陵辱寄りなので入れていません。
時間が無いのでこれにて失礼。

傘 1MB 85620 パスあり
47保管庫の人:2007/04/18(水) 14:50:02 ID:KTd4qTf5
>>46
本当にありがとうございます!
現スレが手付かずだし、まだまだ大変だorz
自分の性格上、やる気がちょびっとでもある内に一気にやらないと放置してしまうので
早めに保管していこうと思いますが、気長にお待ちください。
48名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 22:51:07 ID:/qDKRM5a
冒険赤桃の続きはまだでしょうか?職人様!!早く読みたくてうずうずしてます!
49名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 09:00:15 ID:V4djd35l

赤×桃続き、楽しみにしています。

緊張感のある展開に萌えました!
50名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 12:23:35 ID:SyZCg7lF
>>48
ええと…そろそろ言っても良いかな?
このスレの『空 気 読 め』
職人様のやる気削ぐ様な事書くなよ…一応18以上何だよな?
51名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 13:48:03 ID:VqyZZdQQ
>>50
読んだばっかで続きが気になるんだって。だから空気読めとか叩かずマターリいこうよ。
52名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 15:25:49 ID:LA0FQ50h
まあ読みたい気持ちは解るが、とりあえずコトコトだ、コトコト。豚の角煮ー!
53名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 15:30:52 ID:QnsUbgRY
ただ、『楽しみにしてます』ならともかく、『まだでしょうか?』みたいな催促はよくないだろ。
職人さんは>48の簡易萌え製造機ではない。
自分が読むのは数分でも、書くのは数分とは行かないんだぜ?
職人さんへの感謝と気配りは必要だと思われ。
5411:2007/04/19(木) 15:44:54 ID:V4djd35l

…そんな流れの中、11が投下します。

前回<おしまい>としたのですが、皆様の声援に舞い上がり、
続編を書いてしまいました。

エロ初挑戦なので、特に「ここは萎える」みたいなポイントが
あればご指摘よろしくお願いします。

では。
55ボウケン黒×黄 続々1:2007/04/19(木) 15:45:54 ID:V4djd35l

菜月は真墨の部屋で、カウチに腰掛け、ただモジモジしている。
(う〜、ついて来ちゃったけど、ど、どうしよう…)

まさか、お互いの気持ちを確かめ合ったその直後に、こんなことになるなんて…
長い長い片思い(本当はそうじゃなかったけど)の後での急展開に、菜月の頭はパンク寸前。

一方、真墨は自分のジャケットを脱いでハンガーに掛けていた。
「お前も、それよこせよ。掛けといてやるよ」

言われてジャケットのスナップを外し、ジッパーを下ろす。指が震える。
ただジャケットを脱ぐだけなのに、菜月は顔から火が出そう。

「真墨、お部屋、お掃除したんだね」
何か言わなくちゃ… でも出てきたのはどうでもいい話題。

「ああ… チーフとして、隣の部下から苦情がくるようじゃ、どうしょうもないしな」
言いながら、真墨は菜月のジャケットを掛けている。その声は普段と変わらないので、
真墨が一体どんな表情をしているのか、顔を上げられない菜月にはわからない。

「お前、シャワー浴びてこいよ」
「う…うん…」
真墨に声を掛けられて、菜月はおずおずと立ち上がり、バスルームへと向かう。

服を脱ぎ、シャワーを浴びる。心臓はさっきから、口から飛び出しそう。
ふと見ると、鏡に映る自分の上半身が、湯を浴びてほんのり桜色に染まっている。

その時菜月は思い至った。
(菜月… 一度、真墨に全部見られたことあるんだよね… )

それは前から知っていたことなのに、今の今まで気にしたことは一度もない。
菜月はそういうところが子供だったのだと、今更ながら気が付いた。

バスルームから出るときだって、一苦労。何を着て出て行けばいいんだろう…
56ボウケン黒×黄 続々2:2007/04/19(木) 15:46:51 ID:V4djd35l

ようやく、真墨の洗濯済みのYシャツを見つけ出し、それを羽織って出て行った。
リビングに入ると、丁度真墨と目が合ってしまった。

(は、恥ずかし……… )
思わず目を伏せる菜月に真墨が近寄ってきた。菜月は緊張で体が強張る。

(きた………! )

しかし真墨は、菜月の側をすり抜けざま、
「先にベッドに入ってろ、風邪引くぞ」
と声を掛け、そのままバスルームに入ってしまった。

拍子抜けしながら、真墨のベッドに潜り込む。布団にくるまって大きく息を吸い込んだ。
(あ…… 真墨のにおい……… )
菜月はちょっとだけ、落ち着いた。

菜月はこんなに緊張してるのに、真墨はどうしてあんなに平気なんだろう…。さっきの「大人のキス」
だって、真墨はどこで覚えたんだろう。菜月と出会う前… 真墨はどんな女の人を愛したんだろう…

菜月がそこまで考えていたとき、電気が消えた。

「菜月… 」
暗闇で、真墨の声が聞こえる。

ばっ、と、布団をはがされた。着ていたシャツも強引にはぎ取られる。
闇の中で、なすすべもなく産まれたままの姿にされて、菜月はハッと気が付いた。

真墨は夜目が効くのだ。
57ボウケン黒×黄 続々3:2007/04/19(木) 15:47:47 ID:V4djd35l

「や… 真墨… 恥ずかしいよお… 」
菜月はとっさに両手で体を隠そうとしたが、真墨の両腕が素早く阻む。

「恥ずかしくなんてねえよ… あぁ… 」
喘ぐような真墨のため息が聞こえた。唇にやわらかいキスを落とし、もう一度躰を起こして
菜月の肢体に魅とれている。

「綺麗だ… もう一度、見たかった… 菜月…」

真墨の言葉が熱を帯びている。闇の中で、荒い息づかいが聞こえてくる。

さっきまでの冷静な真墨は、もうどこにもいなかった。

真墨は菜月の首筋に顔を埋めた。真墨の熱い吐息と唇と舌とが、菜月の肌を滑っていく。
「やんっ、くすぐった…い… やんっ、やんっ… あぁ…ん、あぁん、あんっ…」
最初はくすぐったいだけだった刺激は、すぐに菜月の躰を駆け抜ける電流へと変わる。
真墨の掌が、菜月の太腿から腰へ、腰から胸へと少しづつ上がって、胸の先端へと這っていく。

(あぁっ… あぁっ… あぁっ……  !!)
首筋から鎖骨へ、肩へと這っていた真墨の唇が、指で刺激された菜月の突起を含んだ。
先端に温かく湿った愛撫を受けながら、菜月は脚の間の、大切な部分が、じんじんと脈を打って
いくのに気が付いた。

(あんっ…… やだ、お願い… ソコ… ソコ… )
してもらいたい欲求はあるのに、恥ずかしくて口に出せない。出せないけど…

真墨が、いきなり菜月の先端を噛んだ。菜月の躰を、電流が走る。その刺激に思わず、

「やああああんっ、んっ、お、お願いっ!! 」
「ん? 『お願い』って、何?」

真墨が愛撫を止め、菜月の顔を覗き込む。

「んんん、何でもない、何でもない… 」
菜月は真っ赤な顔で、必死でかぶりを振る。
「何だよ。ちゃんと言わないと…止めるぞ」
真墨が耳元で、意地悪く囁いた。

「だって… だって… いや、言えないよお… 」
菜月はもう涙目だった。真墨の胸に縋り付く。

「フッ、いいよ、お前初めてだし、あんまり苛めないでやるよ」
真墨は微笑ってそういうと、菜月の脚の間の高まりへ、指を滑り込ませた。

「ああん!」
58ボウケン黒×黄 続々4:2007/04/19(木) 15:48:23 ID:V4djd35l

真墨の指の動きで、菜月はもう何も考えられなかった。全身で震え、悶え、真墨の愛撫に
応えている。

不意に、菜月の中で大きな波が盛り上がり、菜月は思わず叫んだ。
「やっ、ああん!!ますみいぃっ!!」

ふっと波が引き、菜月は全身の力が抜けた。薄目を開けたが、焦点がよく合わない。
真墨が、微笑みながら菜月の顔を見ていた。
(恥ずかしい… ずっと見られちゃってたんだ… )

真墨は体を起こすと菜月の脚の間に入り、腰を引き寄せ、己の物を菜月にあてた。

「ゆっくり、いくからな… 」
菜月を抱き寄せ、優しくそう囁いて、少しづつ真墨が菜月の中に入っていく。しかし…
「痛いっ!」
菜月が思わず悲鳴を上げた。真墨が腰を引こうとすると、菜月はそれを抱き止めた。

「真墨… 菜月、大丈夫だから…」
「菜月…」
「だから、最後まで… お願い…」
菜月は、痛みよりも、真墨と繋がっていられることが嬉しかった。

真墨が菜月の中で、再びゆっくりと動く。その激しい痛みの中に、不思議な感触が湧き起こってきた。
先程の、稲妻のような激しい快感とは違う、内臓を包み込むような、優しい感触。
動く度に盛り上がり、痛みと交代していくその感覚に、菜月は再び登りつめていく。

不意に、菜月が真墨を強く締め付けた。
「うっ…!」
真墨が小さく喘ぐ。菜月の中で真墨が小刻みに震える。

(ああ… )
菜月は、陶然としながら、自分の中が温かく浸されていくのを感じた。
59ボウケン黒×黄 続々5:2007/04/19(木) 15:48:59 ID:V4djd35l

次の朝。サロンでは、蒼太が独り、パソコンに向かっている。時計は既に9時半を回っていた。

「悪ぃ、蒼太、遅刻だ!!」
「ごめんね、遅れちゃった!」

エレベーターのドアが開き、真墨と菜月が飛び込んだ。

「今何時だと思ってるんですか、完全に遅刻ですよ」
蒼太はパソコンから顔も上げず、冷たくそう言った。

「菜月ちゃん、牧野先生とズバーンが探してたよ。今朝、ビーグルの調整手伝う予定じゃなかったの?」
「ああっ、いっけない、忘れてた!」
菜月は蒼太に言われて、慌ててまたエレベーターに飛び乗った。

蒼太と二人きりになった真墨は、バツが悪そうに立っている。蒼太は、相変わらずパソコンから顔を
上げようとしない。

「悪かったよ、遅刻して… 今朝、提出の書類は?」
「それ、僕がやっておきましたよ」
「あ、それと、レスキューへの連絡… 」
「それも僕がやりました」

ここでようやく顔を上げた蒼太は、真墨を厳しい顔で見つめた。
「チーフ、これはサブチーフとして言わせてもらいますけどね、こんなことがあったら困りますよ。
 ただでさえ、今ここには僕たち3人しかいないんだから。万が一緊急出動という事態になった場合、
 どうするつもりだったんですか?」
「…済みません…」

そのまま暫く、真墨を責める視線で見つめていた蒼太が、不意に、にやっと笑った。
「ま、それはそれとして。でも、良かった、真墨に部屋を掃除しとくように忠告しといて」
「?」
「あのままだったら、菜月ちゃん連れ込めないからねえ」

蒼太は右の親指を立て、ウインクをした。
「真墨、Good Job!!」
「う…!」
真墨は顔を赤くして、絶句。

しばらく後、何とか上司の威厳を保つ顔つきに変え、真墨が口を開いた。

「蒼太…」
「はい、何でしょう、チーフ?」
「…今度、オゴるよ」
「そうこなくっちゃ!」

SGSの平和な一日が、また始まった。

<おしまい>
60名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:13:31 ID:6mU+nKkI
>>55-59
黒黄GJ! 密かに続きを待っていたので嬉しいです。
菜月も真墨も可愛いなぁ。そして影の功労者蒼太さんありがとう。
真にGJなのは君かもしれません。

…ただ、内容は萎えなかったんですが一つだけ。
ビー「ク」ルです。「ビーグル」だとスヌーピーになってしまうw
ありがとう、乙でしたー。
61名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 19:26:58 ID:bEEintsi
>>60を読んだら、スヌーピーが合体する様を想像してしまって萌えたw

黒黄の職人さんGJでした!密かに蒼太の真墨に対する口調の使い分けに萌えました。
62名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 19:39:08 ID:SSit0ofG
>「綺麗だ… もう一度、見たかった… 菜月…」

ここに萌えた(;´Д`)ハァハァ
真墨、ガマンしていたんだな、エライでw
ありがとう、職人さん。
63名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 19:51:18 ID:TEyx8lzA
黒黄GJです!二人が可愛いかったです。萎えません。萌萌でした!

話が変わって恐縮ですが、自分は前スレの後ろの方で、銀桃・赤桃の
話を書いた者です。
ボウケン赤桃で馬鹿話がひとつ出来上がりました。
でも、他の職人様の、読んでて「よかったねぇ」と思う素敵な流れが
出来てる時なので、正直投下しようかどうか迷ってます。
やっぱり時期を見た方が良いでしょうか?
64名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 20:14:32 ID:1y43JqcN
いやいや〜赤桃ファンはかなり多いはずなので、心配することないですよ!

ぜひどうぞ!!
65名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 21:29:44 ID:c7E7F/HU
>>63
どんどん投下しちゃって下さい!!
66名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 22:06:03 ID:FdU2SsZb
>>11

遅レスですが萌え転がった。GJ!
なっきカワイス。コウノトリと答えるヘタレ真墨もカワイス
あんなやさぐれた生い立ちの癖に、
精神年齢赤ちゃんの全裸の(可愛い)女の子拾って、
悪さするどころかがっつり親代わりに面倒見てやるって
どこまでいい奴なんだ真墨よ・・・
67名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 00:45:39 ID:LmWz9u2r
>>11
続きがあって嬉しかったです!!菜月テラカワイスww

>>63
職人様がいてこそのこのスレでございます。
どんどんよろしくお願いします!
シアワセな馬鹿話赤桃、期待しております!
68前スレ>>920:2007/04/20(金) 01:37:20 ID:NQDAm3yN
投下が遅くて、本当にすみません…。週末には終わらせられるよう、頑張ります。

>>41>>63
赤桃、是非読ませてください!
このまま投下出来なくなっては、スレを私物化しているようで心苦しい面もありますので…。
何より、赤桃読みたいです!どうかよろしくお願いいたします。

>>11
可愛い黒黄GJでした!
何気に青も、味があっていい感じです。ほのぼのしているのに熱くて、堪能しました。ありがとうございました。
69(冒険赤桃)piece of peace6:2007/04/20(金) 01:38:43 ID:NQDAm3yN
どうせ脱いでしまうなら、つなぎは楽でいい。
そんな下らないことを考えて、明石は逆に緊迫した時を感じ、ベッドに腰掛けた。
静けさで過敏になった神経は、部屋の外の通路、その向こう側にあるバスルームの気配さえ、拾ってしまいそうになる。
流れるシャワーはさくらの気持ちを、全て洗い流してしまわないだろうか?恐怖と自己嫌悪。それだけを残して、彼女を傷つけはしないだろうか?
まるで、地球に降る雨のような小さな水の粒さえ、今の明石には憎むべき存在だった。
さくらの身体に、傍若無人に触れて弾けると言うのなら、それだけで充分過ぎるほどに。

拙いキスの後、雷に射たれたように驚き、身を接がしたのは、さくらの方だった。
「す、すみません…っ!」
衝動的な行動を、それを制御出来なかったことを恥じ、自分自身を責めた表情。
絞り出すような謝罪の声の向こうに、一瞬の覚醒を見る。
明石は遮り、腕を取った。――逃げるなと言ったのは、お前の方じゃないか。
脈拍すらも乱れ惑うさくらを見上げていたら、何故か笑いが込み上げて来る。
睫毛を伏せていれば、あんなにも深淵で魅惑的な女性なのに、この真っ赤な顔はまるで子供のようで。
「世界中のどんな冒険より、お前は謎だな」
「どういう…意味ですか」
落ち着かない様子で、さくらは解放を願う。そうはさせじと、明石は見つめ、言った。

「興味があるということだ」

引き寄せ、やっと確かに、静かに強く、正面から抱きしめる。
明石の心を刺激して止まない、ひとつの命。
その中に眠る想いを知りたくて、すがるように、壊すように、何度となく細い身体に力を籠める。
その度にさくらの呼吸は乱れ、苦しさと心地好さを同時に得ては、また求め始める。
どんなに表面を触れても、それだけでは何も分からない。お互いに、そんなもどかしさを埋めるように――。

70(冒険赤桃)piece of peace7:2007/04/20(金) 01:41:05 ID:NQDAm3yN
ほんの数十分前なのに、もう僅かに想い出の色合いが強まっている出来事。
時は簡単に過ぎ去ってしまうものだから、一瞬一瞬をきちんと受け止め、生きて行かねばならない。
かけがえのない時間たち。冒険。今までは、それが全てだと思っていた。
でも、どんどん深く潜ったその先にいたのは…さくらだった。
明石にとってそれは、勿論前代未聞とも言うべき非常事態。だから見えないように、深層に蓋をした。無責任な言い訳にしかならないことは、百も承知で。
やがて、意識もしていなかったほど奥底から溢れ出て、壊された心の壁。
無かったことにしたのに、背を向けたのに。
明石の中に居続けたままのさくらは振り返り、にっこりと微笑んで見せたのだ。
だから…もう止められる訳がない。
認めるしかないと、こんなにも強く思い知らされたのだから。

ドアのロックは外しておいた。そもそも二人しかいない船内で、鍵をかけておく方がおかしかったのだ。
目を上げると、本物のさくらが立っていた。
そのシルエットは、触れればはらはらと散ってしまいそうな花びらの如く、頼りなく細い。
明石は立ち上がり、濡れた髪に触れる。びくりと震える身体を包み込んで重ねると、ベッドに全身を投げ出した。
「チーフ…」
あまり上等とは言えないスプリングの衝撃は思いの外激しく、明石の背中に鈍い痛みが走る。
胸の上のさくらにも、それは伝わってしまっただろう。動揺の中に、気遣う声がある。

「まだ俺は“チーフ”なのか?」
「…仕方ないです、チーフだったんですから」
「今も?これからも、か?」
問い掛けながら、唇を重ねる。さくらは突然奪われた呼吸に、背中をぴんと強ばらせた。
キスで答えろとばかりに、段々と深く、小刻みになる啄み。
初めは恐れ、逃れようと足をばたつかせたさくらだったが、明石は構わず、巧みに体勢を入れ替え、組み敷くように体重を預けた。
と、まるで全身で諭されたかのように力を抜いたさくらは、やがて明石の声を聞くのと同じように自然に、その口づけに応え始める。
71(冒険赤桃)piece of peace8:2007/04/20(金) 01:42:32 ID:NQDAm3yN
触れ合いは衝突と紙一重だけど、案外悪くはないだろう?
そう伝えたくて、明石は舌先でさくらを刺激する。

やがて、重なりの隙間から零れ落ちた銀色の糸を追うように、唇を薄い首筋へと移動させた。
耳朶にそっと歯を当て、息を吹きかけると、さくらの身体が面白いように跳ね上がる。くすぐったさと甘さの境界で、焦れたような瞳を覗かせて。
明石は自分の衣服のファスナーを開き、上半身を開放する。
一瞬息を呑んださくらは、中に着ていたTシャツを見るや、安堵の表情を見せた。が、その中にほんの少しだけ、期待を裏切られた悔しさのかけらがあったことを、明石は見逃さない。

「がっかりさせたか?」
「そんなことありません」

いつもの、寸分の隙もない凛々しい回答。明石は気にも留めずシャツに手を掛け、片手で脱ぎ捨てた。あまりの早業に、さくらはぽかんとしている。
「触りたければ、いいぞ」
そう言って、掌を自らの胸元に導いた。
真っ赤になった顔とは裏腹に、しっとりと冷えた、柔らかな指先は、熱い心臓の鼓動を拾い上げていた。

(続)
72名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 01:51:24 ID:DuoPzOe2
うぉー!!超GJ!世界観も壊さずOKでした!続き楽しみに待ってますよー!
73名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 22:07:58 ID:GgjRpb0w
キター!!
大興奮です!!GJ!!
どんな冒険よりもお前は謎だなと言ったチーフのセリフに
ぐっときました。ああ、ドキドキ。
続き、マターリとお待ちしております。遅いとか気になさらないで
くださいませね!どうぞよろしくお願いします。
74名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 04:17:06 ID:w35NL+ro
触らせてくれるチーフに激萌え!!
75名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 11:04:03 ID:wEVWxjix
馬鹿話を投下しても良いよとレスしてくださった方がいました事と、
他の職人さんが投下するまでの場繋ぎで、冒険赤桃投下します。
前スレで書いた、所有印・所有者というお話の二人。
少し時間が戻って、クリスマスのイブ騒ぎの後の話です。
今頃クリスマスの話でスミマセン。
8スレ消費予定です。
物理的に痛い表現があるので、嫌いな方、華麗にスルーお願いします。
76所有物1(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:04:53 ID:wEVWxjix
「やっぱりここにまだいたか。」
照明を落とした薄暗いサロンに明石の声が響いた。

ミニスカサンタが去った後、さくらから勤務中にデートしていたのかと詰問され、
「メリークリスマス」などと訳の分からない言葉を残して逃げた明石であったが、
それでも一応サロンに戻り、後から帰ってきたメンバーにちゃんと報告を行った。
その後解散を告げたところ、さくらはサロンの後片付けをして帰ると、先に明石を
帰らせたのだ。
 それから2時間。いくら待ってもさくらは帰ってこない。もしかして自分の部屋に
帰っているのかと、合鍵を使って彼女の部屋に入ったが、一度も帰ってきた様子は無い。
あと考えられるのはサロンしかないと来てみれば、予想通り隅の作業スペースで黙々と
手元を動かしていた。

 とにかく、今は話しかけないで下さい!背中からはそんなオーラが漂っていて、
そうなった原因が自分にあるのは重々承知している。だから誤解を解かなくてはと
彼女に声を掛けた。
「言っておくが、あれはあくまでもミッションだったんだぞ。」
「・・・・・・・。」
 反応無し。コープショットを調整する手は動き続け、視線もその手元から外される
事は無い。
「皆が面白がって冷やかすから、それに乗ってやっただけだ。」
「・・・・・・・。」
 やっぱり無視。実は調整に夢中になりすぎて、本当に気が付いてないのかと作業
スペースに近づくと、なんだか見慣れないものが視界に入った。
 さくら愛用のマグカップに突っ立った、オレンジと、黄緑と、薄緑に縁が濃い緑の
細長い棒。人参?セロリ?きゅうり?
77所有物2(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:05:36 ID:wEVWxjix
「・・・・・野菜スティック??」
「高丘さんがくれたんです。日ごろ世話になってるさくら姐さんに、愛と感謝を込めて
 クリスマスプレゼントだそうです。」
 別に話し掛けた訳ではなく、何気にポツリと漏らした言葉に、さくらはやっと反応を
返してくれた。しかし、今、気になる事を言わなかったか?
「無農薬有機栽培で、スーパーで買えばかなりの値段が付くものらしいです。」
「だからって、全部合わせても千円はしないだろう?」
「値段は関係ありません。送る人に対して、どれだけ気持ちを込めているのかが
大事なんです。」
「それはそうだが・・・」
 釈然としない明石の前で、映士がくれた人参スティックを一本かじる。太陽の光を
沢山浴びて、甘くて美味しい。「ほらよっ。」とはにかみながら野菜を渡してくれた
映士の顔を思い出した。

「映士はサンタの真似でもしたかったのか?」
 明石はさくらの表情に嫌な予感を感じ、それを打ち消すように、わざと的外れな
質問をする。
 しかし、今日の彼女にサンタは禁句だったのだ。
「・・・さあ。でも、高丘さんはかわいくない女に対しても優しいですよ。
・・・誰かさんと違って。」
 抑えようとしても、声についつい毒も、棘も、皮肉も混じる。せっかく映士の顔を
思い出して、微笑ましい気分にでもなろうかとしていたのに、次の瞬間、あのミニスカ
サンタの満面の笑みを思い出してしまったのだ。
78所有物3(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:06:19 ID:wEVWxjix
そもそも、ふたりの間ではまだクリスマスを祝っていない。
 昨夜はサロンで潰れケーキを皆でつついた後、以前から予約していた居酒屋で
クリスマス会兼忘年会、二次会はカラオケで3時間歌いまくり(と言っても2人は
ほとんど聞いてただけだが)、三次会は明石の部屋になだれ込み、ケーキの責任を取れと
明石が大量に買わされた酒やらつまみやらで、再度飲み会に突入。
 気が付けば酔いつぶれた真墨と映士が雑魚寝を始め、仕方なくお開き。起こしても
起きない2人は明石の部屋に泊まることになり、そうなるとさくらも彼の部屋にいる
訳にはいかないので、菜月を送るついでに自室へと戻った。
 後でさくらの部屋に行こうかとの明石の提案は却下。真墨と映士のどちらかでも
目を覚ました時、時間帯的に部屋の主がいないのは不自然だったからだ。
 そんな訳で、二人のクリスマスは今日に持ち越しになっていた。

 本来なら、今頃は彼の部屋で熱くラヴい、いや、暖かく穏やかな時間を過ごしてた
はずなのに。朝からそれを楽しみにしてたのに。
 もちろん、いきなりネガティブが現れて、その時間がおじゃんになる可能性はあり、
事実、昼間はそれが原因で出動していた。
 しかし、夜になっても彼の部屋に行きたくないのは、明らかに昼間のことが尾を
引いていたからだ。

 あれはミッション、チーフだって好きで振り回されてた訳じゃない。何度も何度も
心に言い聞かせ、それでも顔を合わせると何を言ってしまうのか分からなかったから
ここにいたのに。
 普段冷静なさくらの心をかき乱すのは、紛れも無くあの可愛いサンタだった。
79所有物4(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:07:44 ID:wEVWxjix
 ・・・私はあんな風に笑えない・・・
 さくらをヘコませていた一番の原因は、イヴのあの笑顔。
 明るく、天真爛漫で、周りを輝かせるようなあの笑顔だった。
 
 以前ミッションで芸能界に潜り込み、テレビカメラの前で必死に愛想を振りまいた
事があった。メンバーにはそれなりに受けた様だが、改めて自分で映像を見返すと、
――嘘っぽい。さくらの感想はその一言に尽きた。
 昔に比べれば、随分笑えるようになった。自分の思いも、少しずつではあるが言える
様になってきた。
それでも、こんなことをしたら明石は困らないのだろうかと先回りに考え、結局、
恋人なら当たり前にする“おねだり”らしきものも、自分はまだ出来ないのだ。
だから、自分が出来ない笑顔で明石を捕らえ、散々振り回すことに成功したイヴが
羨ましい。それに、・・・・さとりん。
 自分はまだ名前で呼ぶことすら出来ないのに、さとりん。さとりんw。さとりんww。
 ついでに、「来年もデートしようね。」「ああ。」「来年もデートしようねw。」「ああ。」
「来年もデートしようねww。」「ああ。」「来年もデートしようねwww。」「ああ。」

 ・・・・さっきまで、地の底に落ち込んだかの様な悲しい気持ちになっていたのに、いつの
間にかさくらの感情を支配していたのは、その地の底から上へ上へと噴火口を求める
マグマの如き紛れもない怒りであった!
「来年もデート」って何だ!!!
「ああ」って来年のイヴはイヴと過ごすつもりなのか!!!
後から後から沸き上がる怒りに、さくらはその細い肩をプルプル小刻みに震わせた。

80所有物5(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:08:33 ID:wEVWxjix
 皮肉を言ったまま押し黙ったさくらに、明石だって言いたい事はある。

 今日一日、ワガママで泣き虫なサンタに振り回され続けた。疲れた。大変だった。
でも、一方でそれを楽しんでいる自分がいた。ああ、それは認めよう。楽しかったさ。
しかし、あの程度で浮気と言えるのか?
・・・それなら、さっき映士を褒めたお前はどうなんだ?気持ちが浮ついたお前の方が
よっぽど浮気してるじゃないか!
 映士の野菜が何だ。こっちは映士の野菜の何倍も高いプレゼント用意してあるんだ。
ただ、値段の事を言うと嫌らしいから言わないだけだ。勿論心だって込もっている。
大体俺だって今夜を楽しみにしていたのに、あれしきの事でお前がそれをぶち壊しに
してどうする?
 明石の中にも、なにやら怒りめいた感情がじわりじわりと滲み出してきた。
 しかし、負の感情を抱えつつ、どこかで自分の行動に嫉妬するさくらを『可愛い』と
思う馬鹿な自分も認めてはいたのだ。

「いい加減機嫌直せ。」
 明石はさくらの座ったままのスツールに手を掛け、スツールごと自分の方へ回転
させた。しかしさくらは俯いて明石を見ようとしない。
暫くじっとその様子を見つめていたが、急に明石の手がさくらの腕を掴み、
強引に立たせるとそのまま彼女を自分の腕の中に閉じ込めた。
「離してください!!」
 いつもより強い語気と睨み付ける視線。腕の中でもがく彼女の耳に明石はそっと囁いた。

「好きなのはお前だけだ。」

 やられた!!もう怒りがしぼんでゆく。
 普段は「好き」だなんて滅多に言わないのに、こんな真摯な表情と、こんな真剣な
眼差しで言われてしまったら、もう許すしかないじゃないですか。・・・ズルイ。
 そんな悔しさを噛み締めつつ、降りてくる唇に、さくらはそっと目を閉じた。

81所有物6(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:09:22 ID:wEVWxjix
 最初は啄ばむような柔らかいキスが、だんだん深くなってゆく。角度を変え、
舌を絡ませ、息が出来なくなる程唇を貪る。
 お互いに対して感じた嫉妬は、二人の甘い関係に振りかけられたスパイス。
 油断していると誰に取られるか分からないという不安と焦燥。
今の関係に安心し、相手を信じきっていただけに、今まで感じることの無かった
刺激的なそれは、一瞬ここがサロンだという事も忘れさせお互いを求め合わさせた。
 明石の指がさくらのジャケットのファスナーに掛かる。
「っだ、ダメです!」
 慌てて唇を離したさくらが、明石を嗜めた。急に我に返ったらしい。
 そんな事を言われても、明石の中心で立ち上がったものは如何ともし難く。
 でも心の片隅で、「そりゃ仕事場じゃまずいだろ。」と僅かに残った理性的なチーフが
さくら同様自分を嗜めていた。
「・・・ここじゃまずいか。」
「はい・・・。」
 消え入りそうな声で、顔を真っ赤にして俯く。このまま押し倒したら、きっと泣かせて
しまうだろう。明石はしぶしぶファスナーから手を放した。
 でも、このまま離してしまうのも惜しく、華奢な身体をぎゅっと抱く。
 さくらも逞しい背中に腕を回し、そっと広い胸に頬を寄せた。抱きしめる分には
構わない様だ。暫くそのまま抱き合っていたが、明石はふとある事を思い出した。

82所有物7(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:10:05 ID:wEVWxjix

「・・・さくら、晩飯は?」
「食べてません。あっ、高丘さんの野菜スティックはつまみましたが。チーフは?」
「一緒に食べる予定だったろう。ずっと待ってたんだぞ。」
「・・・・すみません。」
 
結局、また自分が謝ってしまった。本当なら勤務中に可愛い女の子とデートしてた
チーフにこそ謝って欲しいのに!
 ・・・でも、これで仲直りが出来るのなら、こっちが引いてあげてもいいでしょう。
 明石が子供じみた意地を張るのは自分といる時だけという事を、さくらは分かっていた。
 だから、許す。今は明石と幸せな時間を少しでも多く過ごしたいのだ。
 
 幸せな時間を過ごしたいのは明石も同じで、さくらの髪を撫でながらこんなおねだりを
した。
「・・・さくらの手料理が食べたい。」
「えっ!手料理って、今から作るんじゃあんまり大した物は・・・」
ほんの少し腕を緩め、腕の中のさくらを見つめる。その表情ははっきり戸惑っている。
「今だと、外のお店も開いていますよ。」
「でも、どうしてもさくらが作ったものが食べたい。・・・ダメか?」
 熱き冒険者が熱い眼差しでじっと見つめてくる。こんな時に熱い視線を送らなくても
と思いつつ、そこまで自分の手料理が食べたいと言ってくれたくれた事が嬉しくて、
さくらは明石の腕の中で、にっこり笑いながら「分かりました」と答えた。

 やっとさくらが笑ってくれた。その事に明石は安堵した。それにしても、こんな風に
さくらも笑える様になったのか。そういえば、あの昼間のイヴもこんな感じで笑ってたな。

 二人でいる時に、いらん事を思い出すもんじゃない。後で明石は激しく後悔したが
時既に遅く、彼の人生で一番言ってはならない痛恨の一言をさくらに言ってしまった。
「イヴの作ったものなら何でも美味いさ。」

 次の瞬間、この世のものとは思えぬ衝撃が明石を襲った。
83所有物8(冒険赤桃):2007/04/21(土) 11:11:01 ID:wEVWxjix
 自分の身に何が起きたのか理解する前に、サロンの冷たい床に突っ伏す。
 痛みの、いや、地獄よりもたらされたかの様な苦しみの発生源は、下腹部。
 立ち上がったまま戻っていなかった自身に、さくらの膝蹴りがメガヒットしたのだ!!
 あまりの苦痛に滲む視界で見上げた女の目は冷ややかで、且つ完全に据わっていた。

「っぐ・・・。さく・・ら・・。これ・・酷す・・・」
「何が酷いんですか。これくらいされて当たり前です。」
「つっ・・、使い物にならっ・・・なくな・・たら・・・どうす」
「他の女に使われるくらいなら、そんなモン使い物にならなくなった方がましです。」
「!!・・・これはお前・・・の所有物じゃ・・」
「私のモノですよ。サバイブレードで切り落とさなかった事を感謝して欲しいですね。」

 そのまま踵を返すと、さくらは野菜スティック入りマグを持ち、スタスタとサロンを
後にしようとする。
 そして、まだうずくまったままの男の脇を通る際、氷でもここまで冷たくは無いんじゃ
ないのかというぐらい冷ややかに一言。
「そこで自分が何をしたのか、反省してください。私は帰ります。」
 シュッと軽いドアの開閉音を残し、さくらは苦しむ明石を放置したまま本当に
帰ってしまった。

 さくらに言われなくても、明石は十分反省していた。痛みと苦しみ為朦朧とする意識
の中、さくらといる時は別の女の事を考えてはいけない事。
 浮気でさくらを怒らせたら、本当に本当にほんっとーに恐い事。
 
薄暗いサロンで、脳内に『プロ野球〇プレイ好プレイ』の名ナレーターみの〇んたが
言う「これは痛〜い!」を聞きつつ、自分の身体で嫌という程反省している哀れな男、
明石暁。
 でも、せっかく反省しても、メリクリウスの石の騒動が起きるまで、プライベートでは
ろくに口も利いてくれない状態が続くことを、まだ彼は知らなかった。

                                    end

84名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 11:17:33 ID:wEVWxjix
以上、不快や痛い思いをされた方いらしたら、本当に済みません!
8スレも使って誰もが認める萎える駄文失礼いたしました。
他の職人様、自分の代わりにぜひぜひ萌えるお話お願いいたします!

こんな話でも、仲直りのエロいりますかね?
85名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 12:13:41 ID:IN0A32NY
チーフ(ノ∀`)アチャ〜
でも面白かったです!!
今度はぜひ仲直りしてあげて下さい!
86名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 13:41:26 ID:SLLmoNlb
>>75
GJ!せっかく仲直りしかけていたのに、とんでもない言い間違いで痛い目に
(文字通り)あってしまうチーフに泣き笑いしてしまいました…。
身から出た錆とはいえ、このままではチーフが気の毒なので、仲直りの
話もお待ちしています。

ただメリクリウスの石(正しくは「メリクリウスの器」)は、イブの回の前、
クエスターとホムンクルスがらみの展開の41話に登場したプレシャスですので、
時期的にその部分に当てはまるのは「闇の三ツ首竜」か「パンドラの函」
ではないかと思うのですが。細かい指摘ですみません。
87名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 13:49:25 ID:LwVc/U6G
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 祭り!祭り!赤桃祭り!
 ⊂彡

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 祭り!祭り!黒黄も祭り!
 ⊂彡

職人様方、ありがとうございます。・゚・(ノ∀`)・゚・。
88名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 13:57:10 ID:SLLmoNlb
自己レスですが>>86
×41話→○40話
タイトルになったのは41話ですが、実際には40話の時点で出ていました…。

赤桃も黒黄も好きなので、ここ最近の祭は何よりですが、他のカプや他作品の
職人様の作品も期待しています。
89名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 14:15:14 ID:ioLJiF7g
どこかに冒青黄の神はおられぬか・・・
90名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 18:11:08 ID:wEVWxjix
75です。
まず、プロメテウスの石と書こうとして、メリクリウスと書き、
なにより、時間的におかしい。
・・・ふぁあああああ!!!どえらい勘違いしてました!
>>86様、ご指摘ありがとうございました。
全裸で反省します。(←だから別スレ)
91名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 18:32:49 ID:w35NL+ro
11です。

>>60->>61

済みません、素でビーグルだと思ってました…

スヌーピーダイボウケン…
92名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 19:06:07 ID:w35NL+ro

連投ですが…

>>75-83
>「他の女に使われるくらいなら、そんなモン使い物にならなくなった方がましです。」

言い切る漢な姐さんGJ!
こんな言い方はなんですが、この赤桃すごく可愛い…
93名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 19:19:14 ID:h5uBeIn0
>>91
優しき冒険者、ボウケンチャーリー・ブラウン
94名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 19:21:52 ID:RzialeaT
青黄書いて見ましたー
ただあんまりエロくはならなかったので、暇つぶしにでも。
95レッスン1:2007/04/21(土) 19:22:51 ID:RzialeaT

教えて欲しいと彼女に言われたとき、軽く頭を殴られたような気がした。

「え、なんて?」
「…だからね、あのね…教えて欲しいの…」
消え入りそうな声音に赤くなった顔が可愛いなぁと思った。菜月の純粋さに触れて蒼太はいつしか菜月のことを好きになっていた。だけど菜月の傍にはいつだって、ある一人の人物が居た。
記憶のない菜月を育て上げた人物の名を伊能真墨と言う。
彼らの関係がどんなものか知らない。菜月が言うことを信じれば二人の間に肉体関係はないのだろう。
菜月が教えて欲しいと言った事柄はそういう事柄だったからだ。
「いいの?」
「いいの」
「本当に?」
「蒼太さんなら慣れてるでしょう?」
不慣れだとは言わないが、好きな子にそう思われているのはやや辛い。菜月が何のために教えて欲しいと言っているのかなんて、一目瞭然。
―――菜月に、セックスのことを教えて下さい。
卑猥な単語もはっきり言えば卑猥に聞こえない。菜月の口から漏れるからなのか健全にすら思えた。
「良いよ。じゃあ今晩」
「有難う!菜月嬉しい」
ぴょんぴょんと跳ねながらサロンへの扉を潜る菜月の後姿にはぁと深い溜息を吐いた。壁に背を預け、ずるずると座り込む。最良のようで最悪の展開ではないか。
言ってしまったものは仕方ない。
蒼太は覚悟を決めて、自分自身も業務へ戻った。
96レッスン1:2007/04/21(土) 19:23:55 ID:RzialeaT
ベッドの上で所在なさそうな菜月にくすっと笑いが漏れた。
「あー、馬鹿にしてるぅ」
「ごめんごめん、そんなに緊張しないで」
「はぁい」
ぶらぶらと足をさせている姿は少女にしか見えない。菜月はすっかり下着姿になっていて、目の毒だった。さくらと買いに行ったのか可愛らしい白いフリルのついたお揃いの下着とブラジャー。
部屋を暗くして、蒼太がベッドに近づく。
緊張しているのがありありと伝わってくる雰囲気に、このまま据え膳を頂いて良いのかと真剣に悩み出してしまった。
いやだがしかし。
こてんとベッドに寝転がった菜月は凶悪に可愛らしい。目を閉じて蒼太の行為を待っているのを見て、覚悟は決まった。
「キス、するよ?」
「…うん」
一応礼儀として聞いてみた。キスはダメと言われるかと思ったのだが、それはなかった。ゆっくりと近づけて…触れ合うだけのキスは、柔らかくて温かかった。
ちゅ、ちゅと何度も繰り返す。唇同士で食み合って、ゆるりと開いた隙間に舌を潜り込ませた。唾液の水っぽい音がして菜月の身体が強張った。
「んんっ…」
奥深くまで舌で愛撫していくとやがて菜月の身体からは力がすっかり抜けきった。繰り返しながらそっとブラジャーをずらして全体を手の平で味わった。柔らかなそれは、ボリュームも十分にある。
唇を引き離し。ホックを外して胸を露にさせると照れのため、菜月はきゅっと奥歯を噛み締めた。
97レッスン1:2007/04/21(土) 19:24:28 ID:RzialeaT
夜目にも白い肌にごくりと喉が鳴った。綺麗だと純粋に思えた。
あどけない顔と裏腹の身体は十分に育っていた。しかしまだ未熟である。男を知らないと思えばますます興奮してしまう。
指先で弄れば少しだけ硬くなった。蒼太はむしゃぶりつくように吸い付いた。片方は手で弄りながら、舌や唇で菜月の乳首を愛する。
「あ…やぁ…っ…」
僅かに抵抗を見せるけれど蒼太は意に介さない。甘いお菓子に夢中になるようにそこをしつこく弄った。柔らかな乳房と硬くなった乳首が堪らなく誘惑してくる。
「あっ、あぁ…変…」
「変じゃないよ、可愛い」
褒めるとにこりと幼い笑顔を浮かべた。褒められて嬉しいなんて子供と同じだ。無邪気ゆえに恐ろしい。知らずに嵌っていく。
そして指先は別な場所を求めて移動した。下着の中にもぐりこみ秘された場所に到達するとまずは周辺を弄っていく。
ひだを捲り、クリトリスをそっと撫でたら、菜月の身体が跳ね上がった。
「あ…っ!」
「感じる」
「変…変だよぉ…」
「まだ解らないだろうけど、弄っていくうちに良くなるよ」
でもそこを開発するのはきっと自分じゃない。胸への愛撫で愛液を溜めている場所へと指を差し入れた。ぬめるけれどキツい。本当に彼女に性的な経験がないことを知らさせる。
98レッスン1:2007/04/21(土) 19:25:38 ID:RzialeaT
―――本当に、良いのか。
幾ら菜月が望んだこととは言え、そこはまだ子供のすること。大人が教えてやらねばならない部分じゃないのか。
自分の身体を大事にすること。好きな人としかしてはならぬ行為であること。
「んぅ…あ、あぁん…蒼太さ…」
動かすたびにぐちゅりと音がしていく。感じやすい身体なのだと知れた。本当に知りたいのは、身体だけじゃないはずなのに。
蒼太はその場所から指を引き抜いた。
「蒼太さん…?」
不安そうな菜月に微笑みかける。
「ごめん」
「え?」
「こういうことは僕とじゃなくて真墨としなきゃね。心配なのは解るけど好きじゃない男にこんなことさせちゃダメ」
「………」
「相性もあるけど、二人で努力すれば気持ち良くなれるよ…って、菜月ちゃん!?」
視線をシーツに逸らしながら離していたため菜月の表情が読めなかった。そうして視線を菜月の顔にやると、菜月の大きな目から涙が零れ落ちていた。厳しい言い方はしていないはずなのにと焦る。
「ごめんごめん、怒ってないよ?」
「や…」
「菜月ちゃん…?」
「蒼太さんが良いの…蒼太さんじゃなきゃ嫌なの…ふぇ…」
頭が混乱していて解らない。教えて欲しいと彼女は言った。枕詞に『蒼太に』教えて欲しいと付いていたのだとしたら?
99レッスン1:2007/04/21(土) 19:26:08 ID:RzialeaT
「真墨のためじゃないの!?」
ビックリして大声が出た。菜月はこくんと小さく頷くどころは心底不思議そうな顔をした。考えてみれば誰のためだとか言ってはいない。
「さくらさんが、そういうことは好きな人とじゃないとダメって。菜月ね、蒼太さんと…したかったの。でもどうしたら良いのか解らなかったから」
「だから教えてって言ったの…?」
「ごめんなさい」
しゅんとした頭を撫でる。
子供の恐ろしさをまざまざと見せ付けられた。危うく大きな失敗を犯すところだった。柔らかな肢体を抱きしめ、蒼太は耳元で囁く。
「他の男にこんなこと頼んじゃダメ」
「頼まないもん」
「好きだよ…僕も菜月ちゃんが大好きなんだ」
言葉を理解出来ずに目をきょとんとさせている菜月が余計に愛しい。何度も囁くとやっと意味が解ったようで、ぱぁぁっと明るく笑った。
「本当?」
「とっても大好きだよ。てっきり真墨の代わりにされているんだと思ってたんだ…だから悲しくなったけど…違ったんだね」
「菜月ね、蒼太さんが大好きだよ」
「僕も。こんなレッスンなら幾らでもしたげるから、他の奴になんて目を向けちゃダメだよ?」
「…しないもん」
100レッスン1:2007/04/21(土) 19:27:11 ID:RzialeaT
子供っぽく唇を尖らせた。その唇にキス。そうそう、最初はキスからが基本だ。抱きしめる力を強くして、誘惑に耐えた。
気持ちを確認しあったのだから、段取りを踏みたい。
この世の奇跡だと思えるほどに愛しい存在が腕の中に居た。
「僕達に時間はたっぷりあるから、今日はパジャマを着て寝よう」
「えー」
「大丈夫。僕が君を好きな気持ちに変わりはないよ?お姫さま」
「ぎゅってしてくれる?」
「もちろん!」
気持ちは乾いた夜になるかもしれないと思っていたのに、心穏やかで温かい夜が二人を包んだ。

君が望むのならば何でも教えてあげる。
互いの微笑みに引き寄せられるように、唇を重ね合わせた。甘いキスだった。





終わり
101名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 19:29:01 ID:RzialeaT
以上です。お目汚し失礼致しました。
名前欄でナンバリングをしようとして、うっかり忘れてましたので
レッスン1がタイトルだと思ってくだされば幸いです。
余談ですが、実は以前に青桃を書いた者です。
その後、良かったと言って頂けてとても嬉しかったです、有難う御座いました。
102名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 20:06:28 ID:lNt11LaT
か〜わ〜い〜い〜!
GGGGJJJJJ!
103名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 21:43:10 ID:uaKdQlid
このペアは黒黄とは別の意味でほのぼのするなあw
GJ!
104名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 22:51:53 ID:VbQwKZjM
赤桃GJ!!良かった!姐さんの所有物発言に感服しました。仲直り読みたいです!…ただ、プロメテウスもメリクリウスもイヴの前みたいな…(汗)
青黄も良かったです!かわいい。GJ!
105名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 00:50:29 ID:dXraabgw
赤桃禿藁www 青黄禿萌!!!
職人さん方GJです。

>>101さん
>>101さんの青黄を拝見して、その中の台詞一つ拝借してのネタが降臨しました・・・
続編として作るつもりはなく、まったく別作品として書きたいのですが、
もし不快に思われるならその旨おっしゃってください。
106名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 00:58:48 ID:xiNkC2aR
新スレで続々職人さんがいらして(・∀・)イイ!!

黒黄は冷静なようでいて実は余裕がなかった真墨がいいし、
赤桃はい〜〜〜た〜〜〜〜そ〜〜〜〜(byガイ)だしwwww、
青黄は蒼太が実はいじらしい。

未完の赤桃さんwも続き、待ってます。
107名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 07:18:06 ID:U/tkZ0J3
>>105さん
101です。
全く問題ないですので、作品楽しみにしておりますね。
寧ろどんな作品になるのか、わくわくです。
108名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 07:54:08 ID:EHsMEXlz
おまえらのちんちんはファンタスティックなテクニックですか?
109名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 08:39:25 ID:YgkZ4bf5
像のセクハラに嫉妬する青が見える
110名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 08:43:14 ID:dXraabgw
見えた見えたw
ゲキ青黄は何となく隣にいるのがいい(・∀・)!
111名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 09:07:48 ID:nGJ3xUgd
チーフの横に常に姐さんと一緒だね。なんかいいな感。
112名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 10:42:35 ID:JoeCOh6f
前スレ
971様、赤桃シリーズの大ファンです。
新作、心からお待ちしております。
113名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 14:30:57 ID:dXraabgw
>>111
うーん・・・それともちょっと違うかもしれない。
主従的な隣にいるじゃなくて、同志的な隣にいる感がいいんだな。
114名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 16:14:03 ID:DW5dsJQO
>>111
ゲキカプで萌えてるネタを突然、冒険に変えてしまうのも如何なものかと。
一部の方だと思いますが、ちょっと冒険赤桃好きの方、もう少し、
落ち着きましょうよ。
色々な戦隊好きの皆さんが集まっている場所なんですから。
115名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 17:10:12 ID:5Hylrug1
冒険赤桃の人たちは、
「公式なんだから皆赤桃好きで当然」
と思っているようにも見えます。

自分は桃絡みの他カプが好きなので、被害妄想かもしれません…。
赤桃を否定する訳ではありませんので、どうかそこはご理解ください。
116名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 17:29:54 ID:T6cEToFU
>115
気にスンナ。

自分は赤桃好きだけど、それでも最近の一部の赤桃好きの書き込みに時々('A`)に
なる事がある。
(「銀桃・青桃に負けるな」とか、職人への催促発言とか)
特板で「赤桃厨ウザイ」と言われてるのも、こう言う配慮の足りなさだとオモ。
赤桃作品が読めるのは確かに嬉しいけれど、もうちっともちつこうよ。
117名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 17:53:11 ID:lnHPLnQ3
>>114
ゲキ知らない人は会話が終わるまで書き込んではいけないのですか?
このスレの作品読んで感想を書いたんだから、こういう場合も必ず
あると思います。とぎれてもまた続ければいいのでは?

というわけで続きを。ゲキ青黄は可愛いと思います!
118名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 18:11:13 ID:xBV/59k+
まあ、なんだ。その、空気嫁。
119名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 18:35:13 ID:JoeCOh6f
せっかく新スレで、職人さん方が
投下してくださっているんだ。
マナーを守って楽しんで行きましょうよ。
というわけで、素敵なお話お待ちしております。
120名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 18:37:39 ID:WPVGazSo
ゲキでは理メレが一番好きです。
ゲキ作品もお待ちしております。
121名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 18:39:14 ID:ftS7IsIp
どいつもこいつも、他カプ批判(それを好きな人も含めて)禁止だ!職人さんが来づらくなるだろ…
122名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 20:00:01 ID:qElGmwaS
その他カプ好きな人(一部の人だと思います、他の人はゴメンなさい)のおかげで
来にくくなってる自分はどうすればいいんですかね
123名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 20:09:14 ID:hYFNYYoB
心の中で思うだけにしとけ。
124名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 20:25:38 ID:CHMB7igo
これから赤桃を投下しようかなと思ってる職人様が
やりにくくなってしまうよ。

職人様がいてこそこのスレが成立するわけですから
どのカプも大歓迎です!!
もちろん赤桃も。
125名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 20:27:44 ID:qElGmwaS
どっかに落ちスレでもあればここで吐き出さずに我慢できるんだが
126名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 20:35:01 ID:JoeCOh6f
>>69
続きをかな〜り楽しみにしています。
この流れ、どうか気になさらず…

自分このスレを毎日楽しみにしている者です。
ゲキやマジ、デカも(特にデカ)読みたいので、職人様
どうか宜しくお願い致します。
127名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 20:49:54 ID:8jZFi829
>>122だけはもう二度と来るな
128名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 21:05:55 ID:sb3jYS7C
>>127
こらこら、そういう事言わない!
皆が、他の人の事を、ほんの少し思い合えば良いだけだ。

職人様も必要、読み手さんも必要。どっちも大事。
129名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 21:36:11 ID:5Hylrug1
先ほどは空気を悪くするような書き込みをしてしまい、申し訳ありませんでした。

せめてお口直しになればと黒獅子←メレを書いてみましたので、
流れを変える為にも投下したいと思います。
130名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 21:38:18 ID:5Hylrug1
黒獅子←メレ
二人の会話などはありません。
メレ独白のような感じです。



そこは冷たく、暗い場所だった。
緑色のチャイナドレスに身を包んだ女が一人、壁にもたれて立っていた。そこは臨獣殿。メレは自室として使用している一室にいた。
薄く開いた唇。悩ましげに寄せられた柳眉。女の掌は自らの胸に押し当てられていた。
初めは頂点を擦るような動きで。徐々に柔らかな肉が形を変える程強く握る。
「ふっ…」
行為とは裏腹に、漏れた息に艶はなく、甘さを含んですらいなかった。それは自嘲の溜め息だった。
既に死んだ躰は熱をはらまない。
生殖行為に伴う快楽も、死んだ躰が享受する事は出来ない。
それでも、指の動きを止められなかった。駆り立てる感情が何なのか、それすらも分からないというのに。
空いた手がスリットを割り、秘所を探る。乾いた感触しかもたらさないそこが哀しく思えた。
(私には、あの方を暖めて差し上げる事が出来ない……)
濡れる筈のない秘所が擦れて、ようやく痛みを覚えた。そんな痛み、胸に感じる物に較べればどれほどの物か。
「…理央さま……」
名を呼べば、凍えた躰に火が灯るようだ。じわりと胸を押し上げて、眦から溢れるそれは涙。
女として愛を捧げられない自分。
ならば、鍛えた技を。
ならば、この忠誠を。
一滴も残さずに捧げ尽くそう。
メレは衣服の乱れを直して自室を出た。
愛する者の前に向かい、膝をつき、頭を垂れる。この瞬間こそが私の幸福。私の全て。
「臨獣カメレオン拳、メレ―――参りました」
131名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 22:52:42 ID:5Hylrug1
重ね重ねのスレ汚し、申し訳ありませんでした。

上の物は忘れて下さい……。
132保管庫の人:2007/04/22(日) 23:46:19 ID:X6nP1UnU
流れぶった切って失礼します。
みなさん携帯のほうではご覧になれてますでしょうか?

自分はソフトバンクの905SHを使っているのですが、
「清らかなる泉 〜ジー・マジカ〜」
「シェアリング・ハート」
「シューティング・スター」
「シューティング・スター(続編)」
の4作品以外は一応見れました。

なのでこれら4作品は見れるようにしようと思っているのですが、
みなさんは他にも不具合とかありましたでしょうか?
133105:2007/04/23(月) 01:12:09 ID:lHeS5gEN
うぉ、何かえらい流れに。
でも流れぶった切ってボウケン青黄投下します。

死にネタです。
死にネタ、極度の妄想が苦手な方は「Dedicated to you」であぼーんしてください。
>>101さんの台詞からの連想ですが、まったく作品間に関連はありません。
勝手に申し訳ありません。
134Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:13:44 ID:lHeS5gEN
この声が枯れるくらいに 君に好きといえば良かった

別れは、突然だった。
10万年もいのちをつないできた彼女が、あっさり迎えたいのちの終わり。
「僕達に時間はたっぷりあるから、これからゆっくり一緒にいよう」
そのことばが今、刃となって自分の胸に突き刺さる。
もう、かのじょに二度と逢うことはできないと知らされたときの、
膝が抜けるような感覚を、僕はきっと一生、忘れることはない。
135Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:15:11 ID:lHeS5gEN
空虚。無。抜け殻。
どんなことばも今の僕を言い表しつくすことなんかできない。
心にぽっかり空いた隙間を埋めるように、僕は仕事に没頭した。
そういえば、ここ数日髭もそってない。
新チーフが、ときどき心配そうに僕を見ているのがわかる。
自分のことだけ考えてろよ。ひょっとしたら僕以上に、落ち込む権利があるんだから。
それに第一、今の僕にはどんな慰めもねぎらいも、鬱陶しいだけだ。

仕事に没頭すれば、それだけ仕事が速く済むのが道理。
体を引きずって部屋に帰る途中、女性居住区「だった」区画につい、足が向かった。
冷え冷えとした空間に、やっぱり来るんじゃなかった、と思う。
ねぇ、菜月ちゃん。君も、宇宙に行ったさくらさんもいなくなってしまったそこは、
まるで酸素すらなくなってしまったかのようだよ。

部屋に帰って、シャワーどころか着替えもせず、投げ出すように体を横たえる。
涙も、慟哭の声なき声も枯れはてた。
狂ったように自分を慰めても、後には虚しさしか残らない。

ミスターボイスが気をつかってか遺品として僕にくれた、
ベッドサイドのレムリアの太陽とブレスレットをぼんやりと眺める。
菜月ちゃん。他のヤツに目を向けたってかまわないと、今なら言える。
ただ君が生きて、この世界の中にいてくれるなら、僕はそれ以上は、何も望まない。

ブレスレットにはめ込まれた石の黄色が涙で滲む。
それ以上見ているとよからぬ考えばかりが浮かびそうで、
僕はぶんぶんとかぶりをふって、部屋の電気を消した。
136Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:17:47 ID:lHeS5gEN
蒼太さん・・・
夢うつつに、懐かしい呼び声を聞いた気がした。

ふっと、意識が浮上する。
覚醒しきれずぼんやりとした眼に映る、黄色い人影。
夢うつつのうちに手を伸ばし、黄色いジャケットの手首をつかんだ。
寝ぼけていても間違えるはずがない。誰よりも愛しい君。

君がいなくなった夢を見た・・・良かった、ただの夢だったんだね・・・
けれども夢の中の彼女は、悲しそうな顔をして答えない。
ああ、そうか。こっちが夢なんだ。
甘くて優しい、しかし切ない、黄色の不思議な空間。
でも、夢でもいい。もう一度君を、この腕に抱けるんなら。
そう囁くとかのじょは切なく、ふんわりと笑った。


髭の伸びきった僕の頬に、愛おしそうに彼女がほほを寄せる。
ぎゅっと抱きしめて、存在を確かめるように頬ずりをする。
さりさりとした感覚に、くすぐったそうに身をすくめたかのじょを、逃がすまいとさらに強くかき抱く。
柔らかな腕がそのままあやすように抱きしめ返してくる。

かつてこの腕に抱いたときと、寸分変わらぬ柔らかさと甘い匂い。
言葉にできない想いがあふれて、一瞬で理性がとんだ。
137Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:26:50 ID:lHeS5gEN
強引にベッドに押し倒し、僕が上になる。
なぜか着ているSGSジャケット(可笑しいじゃないか、棺の中の彼女は、
リリーナとしての正装だったんだから)のボタンを弾き飛ばすようにはだけ、
ブラをぐっと引き上げて、胸乳をあらわにする。
激情のままに荒々しく揉みしだくと、僕の下の肢体が強張った。
柔らかな胸に顔を埋めるようにして突起を口に含む。
そのまま強く吸い上げると、ひっ、と息を呑むような悲鳴が聞こえた。

かまうもんか。どうせ夢なんだから。
どうせ夢なんだから、好きなようにさせてくれ。
好きなように悪態をつかせてくれ。
何で、先に逝くんだよ。何で、僕を置いていくんだよ、菜月ちゃん。

噛み付くように口付けると、強引に舌を捻じ込んだ。
息が詰まりそうな口付け。いや、実際に息を止めたってかまわない。
そしたら、君と同じ場所にいける。

そんなことを考えながら、うっとりと目を開けると、ぱっちりとした瞳と目が合った。
口腔を蹂躙されながら、まっすぐにこちらを見つめる瞳。
その瞳の中の、紛れもない「憐れみ」の色に、頭から冷水をかけられたような気持ちがした。

「あ・・・」 
思わず唇を外す。きっと、僕はとても情けない顔をしている。
そんな顔をさせたかったわけじゃない。
自棄になった自分が恥ずかしくなり、身を起こそうとすると、
菜月ちゃんはそれを赦さず、僕の頭を胸に押し付けた。

伝わる温みと心音に、かえって僕の頭が冷える。
そうだ、たとえひと時の夢でも。
いや、ひと時の夢だからこそ、この逢瀬を大切にしたい。
その僕の気持ちが伝わったかのように、菜月ちゃんがにこりと微笑んだ。
138Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:28:03 ID:lHeS5gEN
そのまま素肌同士を触れ合わす。
ふ・・・あ・・・彼女の口から漏れる吐息は紛れもなく熱を帯びていて。
僕の欲をダイレクトに刺激した。
胸板に押し付けられ、甘えるように摺り寄せられる柔らかな乳房、その豊かな質感を感じたくて、ただ、体を押し付けた。
「菜月ちゃん、菜月ちゃん、菜月ちゃん・・・」
壊れた人形のように、彼女のものだった名前を呼んだ。

と。

かのじょが不意に、僕の目元に唇を寄せる。
ちゅ、と吸われて僕は、自分の目元が濡れていることに気づいた。
とたんに、ぽろぽろと涙がこぼれる。ダメだ、留められない。
ごめん。ごめん。菜月ちゃん。ごめん。
もう、目の前のこの女の子は、この世のどこにもいない。
夢から覚めれば、すべてのことが元に戻ってしまう。
どこを探しても、もう現実の中で、彼女に触れることはかなわない。
声を枯らして「好きだ」と叫んでも、彼女の応えが返ることはない。


・・・と、困ったように小首をかしげたかのじょが、意を決したように身を離す。
そのまま消えてしまうのかと焦って身を起こした僕を押しとどめ、
かのじょは僕の足の間に身をおいた。


顔を上げ、たんぽぽのような笑顔でにこ、と微笑む。
「!!!」
止める間もなく、彼女の小さな唇が、僕自身を口に含んだ。
139Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:29:00 ID:lHeS5gEN
ぴちゃぴちゃと湿ったような音が響く。
僕のものを大切に、愛しくてたまらない、というふうに、
菜月ちゃんの舌が愛撫している。
「う・・・は・・・っ、菜月・・・ちゃ・・・」
気持ちいい。そんなことばでもまだ足りない。体だけじゃない。
暖かく湿った口中で、ぎこちなくも丹念に這わされる舌から、
そっと添えられた手から伝わるのは、紛れもない僕にたいする彼女の思い。
そうだ、僕は愛されていた。
紛れもなく、彼女に愛されていた。
そして、今も愛されている。


彼女の口腔の熱さ以上に、胸が熱い。
足の間で口を動かし続ける彼女に、軽く抑えるようにしてその髪をなでた。
一瞬だけ目を上げて、三日月のように細めて、なおも彼女の奉仕は続く。
先端のくびれを舌が這い、ねっとりと包まれたかと思うと、不意に軽く吸い上げられる。

「!!」
ぎりぎりで耐えたものの、思わず強く頭を押さえ込むと、
喉の奥に当たったらしく、けほ、と彼女がむせた。
それが合図に、手を頬に添えて顔を上げさせる。
体を引き上げ、再び僕が上になって体を密着させ、深く、深く口付けた。
140Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:30:12 ID:lHeS5gEN
舌を割り込ませ、歯列の裏側をなぞる。
互いの舌を絡ませあうと、飲み下しきれない唾液が銀色の糸となって伝った。
うっとりと力の抜けた体と僕の体を密着させると、
僕のものを挟み込むように、熱く潤った秘所が触れた。
そのぬかるみに身を擦り付けるようにすると、ぬる、と先端が入り込む。
思わずぐっと押し込むと、わずかな抵抗。
菜月ちゃんの口からかすかな吐息とともに、ことばが漏れる。
「蒼太さん。好き。菜月は、蒼太さんが、大好きだよ。」
そう笑うと、彼女は僕の腰に両脚を絡ませ、ぐっと一気に引き寄せた。
「・・・・・・っ!!」
ずん、という衝撃。思いもかけない攻撃と、ずっと聞きたくてたまらなかった声に、僕は一度、達してしまった。


深くつながったまま、彼女がくすくすと笑う。
菜月ちゃんの方が余裕しゃくしゃくなのが、こんな状況なのに何だか癪で。
まだ硬度を保ったままの僕で内壁を浅く擦ると、ひぁ、と甲高い悲鳴があがる。
指と指を絡め、深く、浅く突くと、彼女の中で僕自身が膨れ上がる。
あ・・・ん、またおっきく・・・そんな台詞を吐く口を自分の口でふさぎ、
文字通り体を重ね合うようにして、全身で菜月ちゃんの肢体を感じた。


胸の突起同士が擦れ合う感覚も。お互いの体に絡めあう両腕も。
離すまいとねっとりと僕に絡みつき、ぞくりとした快感を伝える内襞も。
すべてを全身の細胞に刻み付けようと、僕は目の前の愛しい体を貪った。

「ひ・・・ぁん、そ・・・たさ、そうたさん、ふっ・・・ひあぁああぁん!!」
「菜月ちゃ・・・・・・好きだ、菜月ちゃん・・・!」

そして、すべての終わり。
白い奔流の中、僕は意識を手放した。
141Dedicated to you:2007/04/23(月) 01:37:10 ID:lHeS5gEN
窓から漏れる朝の太陽の光が、ベッドサイドの太陽に反射する。
その光の眩しさに、意識が急速に浮上した。

「夢・・・」
ため息をついて、でもすぐには起き上がる気になれない。
幸せな夢は、目覚めてからが余計に辛い。
君がいない現実を、見せ付けられてしまうから。
「酷いよ、菜月ちゃん・・・」

と。
「・・・痛っ・・・何・・・?」
見下ろすとちょうど左の心臓のあたりに、小さな小さなハート型の痣。
そういえば、夢の中で達する直前、胸にちくりと痛みが走ったような・・・
でも、気にする余裕などなかった。

ふっと心に、最後に見た彼女の微笑みが目に浮かぶ。
菜月、幸せだったよ。すっごく、幸せだよ。
生前の彼女のくったくない声そのままに、その痣が僕に語りかける。
そうだね。僕も、君に会えてよかったと。そう言える日がきっと来る。


朝の光に、レムリアの太陽が反射した。
「未来で幸せになれ」「未来を頼んだぞ、リリーナ」
彼女の実の両親の声がよみがえる。
レムリアの太陽を抱えて風に吹かれていた、彼女の笑顔がよみがえる。

さあ、未来を創る、新しいミッションが始まる。
君が知ることのない明日を、僕はこれから、生きていく。
142105:2007/04/23(月) 01:39:39 ID:lHeS5gEN
以上です。何かいろいろとスミマセンでした・・・


>>保管庫管理人様
いろいろとありがとうございます。
なかなか携帯から動作確認することはないのでわからないのですが、
何か不都合があればご連絡させていただきます。


>>131 リオメレGJです!ゲキで一番好きな組み合わせ・・・。
143名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 08:19:22 ID:LvQyCm5u
>>132
auのpenckでは全て問題なしでした。(ファイルシーク経由)
古い機種でアレですが、ご報告まで
144名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 13:49:03 ID:vY3UxXQM
なんか嫌な流れですね。職人様気にせずいろいろな作品待ってます。
冒険青黄よみました。なんか切ない感がもの凄くあるけど良かったです。ハッピーネタも楽しみにしてます。
145名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 19:39:41 ID:srMbNOg5
今さらですが、職人様、保管庫の方こんなすばらしい特撮小説を
投稿してくださってありがとうございます。
自分もできたらデカの赤、黄、桃関係の小説を投稿したいと思ってるので、
・・・まあここってエロパロ専門じゃないですよね?
146名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 19:47:00 ID:srMbNOg5
専門ならそれはそれで・・・
まぁできれば保管庫の『シューティング・スター(続編)』
『サプライズド・トラップ』あたりの続きをチョイスしたい・・
そういえば赤桃ってあまりないなあ、というか想像が難しいorz
147名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 21:30:49 ID:CRA5fBNG
>>105
切ないけどGJ!
黒黄に置き換えても読めそうだな。
148名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 21:45:22 ID:4Q6gYwY/
>>130はもう来なくていいよ。
149名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 22:01:48 ID:QfIJPxqb
>>148
もう、そんな言い方するなよ…
せっかく新スレで、どんどん投下してくださってるのに。
150名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 22:06:13 ID:4Q6gYwY/
このスレはゴミ箱じゃねーだろ^^
もっとレベル高い職人なら大歓迎^^
151名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 22:29:22 ID:UL+97lNC
〜スルー検定実施中〜
152名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 22:44:12 ID:97q5SYnj
>>151
何級ですか?w
153名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 22:44:44 ID:srMbNOg5
って他の人ってデカで1番のカップリングは何?
それだったら他のも含めて1番自分がいい(読みたい)と思ったのを教えて欲しい・・・
デカ、マジ、ボウ、ゲキ等それぞれを知りたい
154名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 23:14:32 ID:4Q6gYwY/
まあ、俺が言わなくても>>130がスルーされてるのは事実だしな^^

>>130は二度と来るなよ^^
155名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 23:24:15 ID:QfIJPxqb
>>153
デカでは緑桃かなぁ〜
仙ちゃんもいざというとき男らしいしな。
クリスマスの時に読んだのすごくよかったw
156名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 00:23:14 ID:f11VWlCf
>>153 
デカなら好きじゃないカプを探す方が難しいが、青黄か緑黄か犬鳥だな。
マジは父母に尽きる。
ボウケンは銀桃
ゲキは青黄が読んでみたい。

そして聞かれてないが、アバレの青黄とハリケンの蒼青、ガオの銀白にタイムの赤桃・・・
あと10作品分くらいは余裕で出てくるんだがw
157名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 00:41:13 ID:8RteY+xM
デカでは犬鳥でシリーズ序盤から萌えまくってました!!
・・が、しかしやはり犬なので・・書きづらい・・難しいですよね・・
158名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 00:55:09 ID:0uDBzgkK
>>157
犬鳥いいですよねー。
このスレッドに投下された名作もあることですし、
もし書けるようでしたら拝見できると嬉しいです。
159名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 01:34:47 ID:ddGHX+zX
デカは緑桃
ボウケンは銀桃
ゲキは黒緑
アバレは黒幻
タイムは赤桃





>>130さんの黒緑、自分は好きですよ。
また書いてくださると嬉しいです。
160名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 01:47:51 ID:fkNWdjCG
銀桃はやったら男前な、それこそ背中を預けられる戦友同士っぽいのが激しく萌え・燃えだったのだけど
ここの銀桃好きさんはやっぱ泣き叫ぶ系の乙女桃姐さんしか駄目なのかな・・(´・ω・`)
161名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 02:17:15 ID:ddGHX+zX
>>160
そんな事ありませんよ。

戦友系銀桃のSS、ぜひ読んでみたいですねー。
162名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 03:23:26 ID:5Y3prqm6
ID:qElGmwaS=ID:4Q6gYwY/
163名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 03:47:02 ID:Vzcep5yf
>>160
安心して背中を預けられる、傷つく様を想像しない相手だからこそあの叫びになったかと
戦友系、乙女系どちらの姐さんも甲乙つけ難し
164名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 04:47:11 ID:p3v2Injq
>>150-151
テメー等何様よ?作品ゴミ扱いして何がレベル高い職人大歓迎だ!職人様に失礼過ぎ。はっきり言ってマジムカつく。これで職人様が減ったら全部テメー等のせいだかんな。
165名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 07:26:29 ID:fkNWdjCG
>>163
その理屈はちょっと変w
甲乙つけがたいのは同意するけど
166名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 07:31:09 ID:mg1L0EGH
刑事では緑桃。
魔法では金青、黄桃、父母。
冒険と激はよく分からないから、
いろんなカプ作品を楽しませてもらってる。
こういうノンポリ派もいるということで。
167名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 07:50:26 ID:BBAPVGSf
マジ金青
冒赤桃
メレ様。
理も読みたいが、百合不可じゃなければ、メレ黄とか。
168名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 07:58:45 ID:xW/SFJn9
まあ、いろんなカプ好きが集まっているんだ。
というわけで、
職人さまこれからもよろしくお願いいたしますw
169名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 10:19:35 ID:AWz/8gg1
ボウケンは、何気に風が好き。カプにするとすると青しかないんだけど、
この二人を本当にくっつけようとすると、かなりの物語が間にないと
無理っぽい…

で、そんな物語を構想中。エロなしになると思うけど、完成したら
このスレで披露していいかな?どこよりこのスレが好きなんだ。
170名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 11:19:45 ID:2yzLn+fm
>>130
遅れたがGJ。メレの内に秘めた熱さが良かった。
ただ携帯厨から言わせてもらえば、自分のコメントは分けて投稿したほうがベターかな。
微妙に作品にのめり込みづらいw
171名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 19:52:52 ID:ZHP58o13
「piece of peace(冒険赤桃)」作者です。遅くなりました…。
そして、結局終われませんでした。今しばしのスレ汚し、お許しください。
172(冒険赤桃)piece of peace9:2007/04/24(火) 19:54:29 ID:ZHP58o13
恥ずかしがりながら、ゆっくりと咲く花のような彼女を、ずっと見ていたい。
明石は胸元の手を握りしめたまま、再びさくらの首筋に唇を落とした。
跨いだ足の下で、モゾモゾと膝を擦り合わせる気配がある。くすぐったいのだろうか。
無言の声に耳を澄ませ、拒否ではないことを知ると、シャワーの後で着替えたらしい部屋着の裾に触れる。脇腹に感じる熱い指先に、さくらは身を固くした。
「怖いか?」
「大丈夫です」
この後に及んで、振る舞いは気丈なまま。
怖がらせたくはない。でも、口頭でそれを言うのは憚られた。
明石が行動を起こす度、身体に走る緊張感を見ても、さくらにはこういった経験が…恐らくは、ない。
どんな場面でも、頑張ろうとする彼女。初めてであることに対し、労りを述べれば述べるほど、きっと追い詰めてしまう。
こんなことで、無理をして欲しくはない。今はただ、言葉では伝えきれないぬくもりを、分かち合いたいだけだ。

持ち上がる裾から、徐々に柔肌が露になる。薄い腰回り。握り締めたら砕けてしまいそうなほど。
さくらは無意識にか、空いている方の手を胸の前で曲げ、肩に流している。自らを庇うように、恐れを抑え込むように。
さて、これは困ったと明石は思う。そしてすぐに、本当は困ってなんかないのに変だ、と自嘲する。
それは解かれる為の、儀式みたいなもの。その証拠に、
「掴まっていろ」
そう告げると、さくらの手は素直に明石の鎖骨を通り、裸の肩をぎゅっと掴んだのだから。
173(冒険赤桃)piece of peace10:2007/04/24(火) 19:58:17 ID:ZHP58o13
ぽっかり空いた上半身。Tシャツの下にはタンクトップ。その更に下に、ブラジャーが覗く。さくららしい。デザインの質素さだけではなく、その何重にも施されたロックが。
明石は、ふくらみの輪郭を何度かゆっくりとなぞり、触れて行くことをさくらの身体に知らせる。
そっとブラジャーをずらすと、一瞬、肩に回った手が張り詰めたが、諦めたように黙り込んだ。
丸く揺れる二つの柔らかさの頂点に、紅く色付く果実。吸い寄せられるまま、明石はそこに舌を這わせる。
「……っ」
全身で震えるさくらをさりげなく腿で押さえ込んで、小刻みに舐め上げ、揺らす。
分からない。どうすればいいのか分からない。そう言いたげに、荒い吐息だけを逃がすさくら。
明石は固さを増した突起の尖端に、ほんの少しだけ歯を立てた。

「あっ…!」

零れ落ちた声は甘く、さくらの表情が驚愕の色に染まる。きっと彼女自身も知らなかったであろう、女の姿。
心拍数が一気に上昇し、走り出したい衝動を、明石は必死に堪えた。
大丈夫、気は長い方だ。そうでなければ、数多のプレシャスとの駆け引きも、越えては来られなかっただろう。

「ドキドキ…してます」
小さな呟き。胸に当てられたままの掌が、少しずつ熱を帯びているのが分かる。
大丈夫だ。と、言い聞かせるように答えたら、
「明石さんが、です」
と返されて、明石は心底驚いた。
動きを止め、少しだけ考えて、照れくさくよぎる意識を払って。
「そんなの、当たり前だろう」
まるで拗ねているかのような答えは、開き直りもいいところ。
「私と同じですね」
嬉しそうに笑う顔が可愛くて、明石は自分の胸が、甘い音を立てて弾けた飛んだような気がした。


(続)
174名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 21:32:22 ID:dSZ9tF7Q
どどどうしてこう、いいところで終わるのか…ww
さては試しているのですか、職人様w
グーーーーーーーーッジョブ!!

>>130
私もラブウォリアー、メレ大好きですよ!
ケナケナの女、セツナス
175名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 21:40:21 ID:p3v2Injq
めちゃくちゃいい!!GJです!
176名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 21:42:48 ID:xW/SFJn9
>>171
楽しみにしておりました〜
GJですww
は、はやく続きが読みたい…ハァハァ
177名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 22:00:10 ID:0uDBzgkK
お待ちしておりましたー。GJです!
続き、いい子にして待ってますw
178名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 22:31:57 ID:XcIal/id
あぁぁ〜っ!赤桃きてた〜!お待ちしておりました。
GJです!
続きを早く読みたい気持ちもありますが、焦らずに職人様が納得のいくものを書いて下さい。いつまでもお待ちしてます。


>>169
青風 読みたいと思ってました!ファイナルツアーの2人に萌えまして。でもどこを探してもなくて…。
ぜひぜひぜひ!
楽しみに待ってます!
179名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 00:28:48 ID:+c/KGvZC
>>171

文を、凝りに凝る方とお見受けしました。時間がかかるのは無理ありません。
気長に待ちますので、是非その凝縮した文章をまたご披露下さい。
180名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 00:48:43 ID:toz4qZ4C
姐さんのドキドキ…してますって台詞と明石さんがって台詞めちゃくちゃ萌えました!続き待ってますよ!がんはってください!
181名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 14:04:08 ID:e744DO+a
どうでもいいけど…ケナケナって健気のこと?
182名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 22:48:19 ID:27w3DMGf
毛無毛無だお
183名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 00:49:08 ID:+Xscn0Pv
>>169
是非お願いします
184名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 10:50:40 ID:mu2mL5xa
169です。
妄想が止まらず、書いてしまいました。
・長いです
・青×風を意識してますが、カプまではいきません
・ダークシャドウがSGS側につきます
・幻のゲッコウがバルタン星人みたいに笑います
以上が有り得ない、という方は、スルーでお願いします。
185Task 77 風牙の太刀(1):2007/04/26(木) 10:54:30 ID:mu2mL5xa

とある山の、奥深く。空気は冷たく、澄んでいた。

「蒼太、時間は? …遅ぇな、あいつら」
「えーと、今予定より18秒遅れてますね。ま、想定の範囲内では?」
「訓練だからって、油断するなよ。こういうのはきっちりやってかねえとな」
 一週間ほど前から、ボウケンジャー・チームの『山籠り』が行われている。今日は最終日だ。
 新チーフ・伊能真墨と新サブチーフ・最上蒼太は、予め決めておいた待ち合わせ地点で、間宮
菜月・高丘映二組の到着を待っていた。
「そうですね、今回は、実戦同様ですからね。でもまさか、あの人達にご協力頂けるとは…」
蒼太がそこまで言ったとき、菜月と映二が到着した。
「おう、もう居るのか、早ぇな!」
「お前らが遅いんだよ、1分遅刻! …よし、全員揃ったな、敵に気付かれないうちに、行くぞ!」
真墨の号令で四人が足を踏み出そうとした瞬間。空を切る鋭い音と共に、無数の手裏剣が襲って
きた。
「もう気付かれてるよ、ボウケンジャーの皆さん」
 ご機嫌な声で登場してきたのは、風のシズカ。
「けっ、最終日だからどんなラスボスが来るのかと思ってたがよ、なーんだ、お前か」
「黙れ銀色!!」
シズカが投げた手裏剣を、映二は余裕でかわす。
「フォッフォッフォッ… 油断は禁物じゃぞ、ボウケンジャー」
いつの間にか、梢に幻のゲッコウがとまっていた。
「そうだよー。今日のあたしは、いつものあたしと違うんだから! じゃーん!」
そう言ってシズカが得意げに取り出して見せたのは、一振りの、小太刀。蒼太は、それに見覚え
があった。
「それは… 『風牙の太刀』!」
「なあに、蒼太さん知ってるの?」
「でもアレの、どこが太刀だよ。どう見ても小太刀じゃねえか」
菜月と真墨の問いかけに、蒼太は答えた。
「ええ、あれはまだチーフと菜月ちゃんが入る前、僕らが回収したプレシャスです。なぜあれが
 『風牙の太刀』と言われるのかはわかりません。ハザードレベルも高くなかったし… ただ、
 言い伝えでは、空を切り裂き、竜の力で敵を倒すということです。ま、ただの言い伝えですけ
 どね」
「…でもなんでソレをお前が持ってんだよ」
「さては盗んだな?」
真墨と映二にそう言われて、風のシズカはぷーっとふくれた。
「ちょっとー、人聞きの悪いこと言わないでくれる? ちゃーんと、SGSから借りたんだか
 ら!」
「借りたあ!?」
「そうじゃ。いくらなんでも、4対1では訓練にならんからのう。こっちに多少のハンディがな
 くては、お主らも、折角こんな山奥まで来た意味がないじゃろうて」
「…つまり、シズカちゃんは、そのまんまじゃ僕たちに敵わないって、事だよね」
「うるさい、青いの!!」
飛んできた手裏剣を軽くかわし、蒼太が叫んだ。
「レディ!! ボウケンジャー、スタート・アップ!!」
(蒼太、それ俺の台詞… )
186Task 77 風牙の太刀(2):2007/04/26(木) 10:56:12 ID:mu2mL5xa

 明石暁と西堀さくらが宇宙へと旅立った後、誰もが予想もしない事態が起きた。突然、ダーク
シャドウが、SGSに全面降伏を申し入れてきたのだ。
 当初は何か裏があるのではないかと、ボウケンジャー・チームも情報収集に奔走したりしたの
だが、結局その3ヶ月後には、彼らの申し入れを受け入れる運びとなった。ミスター・ボイスや
牧野先生の漏らすところから推測すると、この異例の早期解決の舞台裏では、ダークシャドウと
SGSの間でトップ会談が行われたらしい。
「ま、どういう取り決めをしたかなんて細かいところは、キミ達に関係ないことなんだけどね」
いつもの、ちょっとムッとくる“上から目線”で、ミスターボイスはそう言った。
「彼らはキミ達の訓練を引き受けてくれるって。手強いネガティブが一通りいなくなったのはい
 いけど、キミ達も平和になって、ちょっとダレ気味なとこあるんじゃない?こっちとしても有
 り難いことだよ」
 そんなわけで、昔から影一族の修行場である、とある山奥までやってきたのである。さすがに
日々、チームの誰もが辛さを感じるハードな修行が待っていた。最終日の今日は、実戦訓練。影
一族の持つプレシャスをチームが回収するという設定である。

「あっ! …きゃっ!」
「うっ、ぐわっ!!… 何だ、この速さは!」
『風牙の太刀』を手にしたシズカは、いつにも増して動きが速い。慣れぬ速さにとまどうチーム
に、シズカの剣が襲いかかる。
「速い…! これがプレシャスの力?」
「ちっ、自信満々で登場したのも、伊達じゃねえってことか。だが、この程度じゃ、大したこと
 はねえ… ハッ!」
“速き冒険者”ボウケンブラックが、風のシズカを追いかけた。しかし、まさに追いつこうとし
たその時。
「うわあっ!!」
「真墨!!」
ブラックが、シズカの剣をくらって地面に転げ倒れた。
「おい、真墨、大丈夫か!?」
「…ああ、これくらい、何でもねえ… しかし、何だ、今のは? 俺はまだ、間合いに入ってな
 かったはずだ… 」
「へっへーん。だから言ったでしょ、今日のあたしはいつものあたしと違うんだって。ソレッ!」
気合一閃、シズカが風牙で空を切り払う。
「ぐああっ!」
「蒼太さん!!」
今度はブルーが切られた。
「こ、これは…かまいたち、ってこと?」
「あったりー! 当てた方には、はい、ご褒美! ハッ!」
「うわっ!」
また、ブルーが切られた。
「し、しずかちゃん… ひょっとして… 僕を狙ってない…?」
「あらそーお? 気のせい、気のせい」
「もしかして、まだデートしてあげてないの、根に持ってるとか… ギャッ!!」
「つまんないこと言ってると、なますにするよ。さあさあ、遊びはここまで!」
風のシズカが、空を舞う。
「来るぞ! 総員、アタック!!」
 今度は真墨が、ちゃんと言えた。
 この実戦訓練は、結果から言えば、ボウケンジャー・チームの勝利で終わった。なぜか風のシ
ズカの攻撃を集めるブルーが的になり、イエローとシルバーでシズカを取り押さえ、最終目的地
である御堂に隠されたプレシャスをブラックが回収。ひとえに、チームワークの勝利である。
187Task 77 風牙の太刀(3):2007/04/26(木) 10:59:35 ID:mu2mL5xa

「うう…イタたたた… 」
訓練後、装備を解き、蒼太が傷を晒す。
「わ… 蒼太さん、いたそう… 」
「うわ、酷えな、こりゃ」
強化スーツのおかげで浅いとはいえ、蒼太の体には、かまいたちの切り痕が無数に散らばってい
た。他のメンバーもそれぞれそれなりに負傷してはいたのだが、カミソリで切られたような蒼太
の傷跡は、他の誰よりも痛々しい。
「おー、こりゃまた、なかなか威力のあるかまいたちじゃったのう。ま、かまいたちだけに、出
 血はそれほどしとらんようじゃな。どれ、この薬草を擦っとくがいい」
幻のゲッコウはそう言うと、一掴みの薬草を差し出した。
「ありがとう、フクロウさん。蒼太さん、菜月がやってあげるね」
「優しいなあ、菜月ちゃんは… 」
しかしなぜだか不機嫌な真墨が薬草を取り上げ、蒼太の背中にゴシゴシと乱暴に擦り付けた。
「いだだだだーーっ!! お願い、真墨、もっと、優しく… 」
「うるさい、お前にはこれくらいで丁度いい!」
「…ったく、しょうがねえなあ」
その様子を呆れて評した映二は、ふと、風のシズカの持つ『風牙の太刀』に目を留めた。
「なあ、その刀、ちょっと俺様にも貸してみろよ」
「えええ?? なんでよー」
「どうせお前だって借りモンだろうが。いいから、貸せって」
しぶしぶ差し出すシズカから『風牙の太刀』を受け取ると、早速映二は藪に向かって一閃する。
「…あれ?おかしいな、何も起きねえ」
「ねえねえ、今度は、なつきー」
張り切って刀で空を切るが、しかし何も起きない。真墨も、蒼太も試してみたが、やはり何も起
きなかった。
「おっかしいなあ… 」
「プレシャスにも相性って、あるんでしょうね。ズバーンみたいに、持ち主を選ぶとか。確か、
 僕らが回収したときも、試してみたけど何も起こりませんでした」
「でもよー、選んだ持ち主が、アレってのも、なんだかなあ」
「…なんか言った?」
シズカが振り返り、こちらを睨み付けた。
「ま、せっかくプレシャスに選んでもらったところで、やっぱり風のシズカは風のシズカだ。今
 日だって、結局俺達が勝ったんだし。その刀も、竜の力で敵を討つって言われてるそうだが、
 俺の感じじゃ、そりゃハッタリだな」
「逆に言やあ、風のシズカ程度を選ぶくらいだから、大したプレシャスじゃねえってこった、
 ハッハッハッ」
「…ううー、ぐーやーぢーいー」
真墨と映二に馬鹿にされ、歯ぎしりをして悔しがるシズカ。幻のゲッコウが笑った。
「フォッフォッフォッ… しかしお主ら、あまり長居をしている暇はないのではないか?『風牙
 の太刀』は、こちらから直接返却しておくでな、さ、シズカ、儂らはそろそろゆくぞ」
バサバサという大きな羽音と共に、幻のゲッコウと風のシズカが空へと飛び去っていった。
188Task 77 風牙の太刀(4):2007/04/26(木) 11:03:07 ID:mu2mL5xa

 それから数日後。日は傾き、空には夕焼けが広がっている。
 影一族の隠れ家では、薄暗闇の中、風のシズカが『風牙の太刀』を前にして、座り込んでいた。
「何じゃ、シズカ。お主、まだそれを返しておらんかったのか」
「ゲッコウ様… 」
 シズカは不服そうだった。
「やっぱり、これ、あいつらに返しちゃうんですかあ?」
「そういう約束じゃからな。今、儂らの取引先といえば、SGSしかおらんじゃろう。商売は、
 信用第一じゃぞ」
「でも〜…」
ふくれっ面でそう答えるシズカに、ゲッコウは笑った。
「惜しい気持ちは、わかる。刀に選ばれるというのは、滅多にあることではないからの。儂は
 ソレに選ばれんかったが… 」
「…! ゲッコウ様、この刀を持っていたことあるんですか!? …それは人間だったとき?」
目を瞠って驚くシズカ。この刀を借りてきた時から、これにゲッコウが触ったことはなかった。そもそも、刀を所持するのは、梟の姿では、無理だ。
「フォフォ、いらんこと言ってしもうたわい。まあ、そういうことじゃ。年を取ると、昔話が
 つい出てきてしまうのう…」
「ゲッコウ様…」
「儂はこれから、出かける。明日まで帰らぬでな… くれぐれも念を押しておくが、『風牙の太刀』
 は返しておけ」
「はっ」
シズカは畏まって頭を下げた。
 いざ飛び立とうというとき、ゲッコウは一瞬気を変え、シズカの方を再び見やった。
「シズカ…」
「何でございましょう、ゲッコウ様」
「… 強うなったのう…」
「…!?」
呆気にとられたシズカを残し、幻のゲッコウは飛び去った。
(ゲッコウ様が、私を、誉めた… )
 風のシズカは、まだ驚き醒めやらぬ。

 そもそも、SGSに投降するとゲッコウが言い出したときから、シズカは
(最近のゲッコウ様は、おかしい…)
と感じとっていた。
 以前に比べ、よく笑うようになった。しばしば機嫌が良く、ものの言い方も、優しい。そんな
ゲッコウを、生まれてから今までに見たことがなかったシズカは、得体の知れない不安を大きく
していた。
 ボウケンジャー・チームの訓練のために『風牙の太刀』を借り、初めてそれを手にしたとき、シズカは目を瞠った。ずっと前から自分の物だったように手に馴染み、触れているだけで五感が
冴える。誰が何と言おうと、これは自分のものだと、シズカは強く思った。
 しかし、冴えた五感がさらに第六感を呼び、その第六感が、今やシズカに強く異変を告げている。
(ゲッコウ様は、何かをお考えになっている… 何か、いやなことを…)
 不安げに、夕暮れの空を見上げる。日は沈んだばかり、赤黒い空をゲッコウの飛び立った方向
へ見上げたシズカは、一つのことに思い至った。
(これは… 仙人ヶ原の方角…!)
 刀を返せ、というのがゲッコウ様の言い付けだった。しかし、それは明日だって構わないだろう。
(… 様子を見に行くだけでも…)
 風のシズカは、『風牙の太刀』を持つと、闇の中に消えた。
189Task 77 風牙の太刀(5):2007/04/26(木) 11:05:50 ID:mu2mL5xa

 同日の夕暮れ。SGSの、一般にはその位置さえ知られていない「執務室」で、一人の少女が、
椅子に深く腰掛け、うとうとと微睡んでいる。日暮れと共に、室内も闇に呑まれていく。
『レオナ=ジョルダーナ殿… 』
 突然、“本名”を呼ばれ、少女はハッとした。
「誰ですか?」
 闇の中を鋭く見やると、青い影が見える。
『幻のゲッコウにございます… 』
「ゲッコウ殿?」
 闇に浮かぶ青い影は、確かに幻のゲッコウ… しかし、いくら目を懲らしても、闇の中とはい
え、その姿がはっきりとしない。
『…術で、幻影のみで失礼しておりますじゃ』
「何か、緊急のご用ですか?」
 嫌な予感に眉を顰める。
『はい… 実は折り入ってお願いがございましてな。今宵、きっかり真夜中、仙人ヶ原に
 ボウケンジャー・チームを寄越していただきたい』
「え?」
『その時刻に、仙人ヶ原の封印を、儂が破壊しますでな』
 レオナは目を瞠った。
「…!! そんなことをしたら… ゲッコウ殿は…」
『一度解かれた封印は、以前のように、堅牢ではありませぬ。そのうち、自然に崩壊してしまう…
 知らないうちに壊れるよりは、万全の体制の中で壊れた方が、よい。』
「…」
『あの時退治した“奴”は、そもそも奴の本当の力の、四半分もありませぬ。残りは未だ
 我が躰の内… あの封印が解かれると同時に出てきましょう』
「ゲッコウ殿… 我々に降伏してきたのは、もしや、その為…!?」
『“奴”を我が躰中に封じたときから、この日が来るのは覚悟の上。儂はあやつを倒せなんだ、
 ならばこの身を犠牲にして封じ、奴を倒せる者が出るまで何百年でも待つ…
 それで、恥ずかしながら今日まで、老醜を晒しておりました。本来ならもっと早く決断すべき
 ところ、しかしご存じの通り、何やらゴタゴタとしましたでな』
「ゲッコウ殿…」
『レオナ殿のところのあの連中も、少し人数が欠けておりますようじゃが… しかしそろそろ、
 封印の方が限界に近づいておる、あまり猶予はありませぬ。ただ… 』
「ただ…?」
レオナが問い返す。
『覚悟の上、と申しましたが、ただ一つのことだけが心残りにござる。我が血を引く最後の一人、
 風のシズカ…… レオナ殿、どうか、あの子のことを、良きにお計らいくださいますよう… 』
「それは、そんなことはご心配いりません、しかしゲッコウ殿は… 」
急き込むレオナ、しかしその言葉を、ゲッコウは遮った。
『レオナ殿… 最後の最後に、あなた様のような御方と知り合えて、よき冥土の土産となり
 申した… さらば!!』
「ゲッコウ殿!!!」
 レオナは、自分の叫びで目を覚ました。
(今のは… 夢…?)
 しかし、素早く辺りを見回した目に、一枚の青い羽根が飛び込む。レオナは指令マイクに
飛びついた。
「ボウケンジャー、総員、緊急出動! 仙人ヶ原へ急行せよ! 繰り返す… 」

<続>
190名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 11:08:26 ID:mu2mL5xa
>>184=169です。

長いので行間を空ける、というのをしなかったのですが、読みにくいですね、すみません。
今後の参考にさせていただきたいので、厳しいご意見お待ちしてます。
191名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 12:39:04 ID:cFbF6+i4
面白かったですよ。続き楽しみに待ってます…。ただ、ゲッコウ様は殺さないで下さい!
192名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 22:43:38 ID:xhJ3SlSu
職人様 GJGJです!
ボイ子の正体までからめてくるとは!
そしてバルタンゲッコウ様、笑いました!
さらに、傷だらけ蒼太…(・∀・)ニヤニヤ シズカちゃんはSだったw

今後の展開が楽しみです。
wktkでお待ちしてます。
193Task 78 幻の月光(1):2007/04/27(金) 03:21:11 ID:5aP6pVN5

「おい、菜月、見つかったか?」
「ううん、全然。おかしいなー、前来たときは、確かにこの辺だったのに…」
 総員出動命令を受け、ボウケンジャー・チームは、仙人ヶ原でミッションを開始していた。
「しっかし、あのトンガリ野郎、封印を戻したなんて、聞いてねえっての」
「…フクロウさん、まだ無事かなあ…」
「無事じゃなきゃ困るだろ、今頃この辺りは、戦場だって」

 幻のゲッコウが仙人ヶ原の封印を壊し、魔鳥を解き放つ… そう聞いたとき、メンバーの誰もが「あれはプレ
シャスとして回収したはずだ」と主張した。
「それが… あれは、仙人ヶ原に戻したのです」
牧野博士が、申し訳なさそうに告げる。
「ええっ、何で!?」
『それが、影一族との取引の一部だったんだよ… 封印は、あの地にあるからこそ、効くんだって言われてね』
ミスター・ボイスの声には、心なしか後悔の色が混じっていた。
『とにかく、レッド君とピンクちゃんがボイジャーで宇宙に行っちゃってる今、あの魔鳥を食い止めるのは難し
 いよ。そこでキミ達には、幻のゲッコウを探し出して、何とか思いとどまってくれるよう説得してもらいたい。
 封印は、より強力な、別のやつをこちらで何とかするからってね。でも万が一の時には…キミ達に、任せたよ』

 しかし、肝心のその封印が、仙人ヶ原のどこを探しても見つからなかった。
「菜月じゃだめだ、おい、映二!お前、わかるか?」
「いや… こりゃ、結界か何かが張られてるな。影忍法ってやつだ」
「破れるか?」
「専門外。ま、どっかに、突破口はあると思うんだが…」
映二は頭を掻いた。
「しょうがねえ… 全員、散れ! 相手は幻のゲッコウ一人だ、発見したら、招集かけろよ」
「了解!」
 今宵は、満月。月明かりの中、仙人ヶ原に、4つの影が散らばった。
194Task 78 幻の月光(2):2007/04/27(金) 03:22:29 ID:5aP6pVN5

 風のシズカは、ひたすら走っていた。仙人ヶ原の封印まで、あと少し。しかし…
(おかしい… さっきから、同じところを回っているような…)
一面の芒野原ではあるが、仮にも忍である自分が、道を間違えるはずはない。
 立ち止まり、刀を抜く。月光に風牙の刀身が煌めく。その光に一瞬、反射する空間が見えた。
(やっぱり… これは影忍法の、迷わしの術… ゲッコウ様は、ここに来てる!)
「はぁっ!」
一閃、空を横に切り裂くと、その向こうには、似てはいるが別の景色が広がった。シズカは、迷うことなく突き
進む。芒を踏み分ける音だけが、辺りに響く。
 しかし、じきにシズカは、その音が一つでないことに気が付いた。
「誰だ!」
もう一つの音に向かって手裏剣を投げる。出てきたのは…
「ボウケンブルー… あんた、何でこんなとこにいるのよ?」
「ご挨拶だね、せっかく、影一族の危機に駆けつけて来てるってのに」
「危機って… ちょっと、何言ってるの、あんた何か知ってるの!?教えなさいよ!!!」
 シズカは、自分でも驚くほどの大声で、ブルーを問いただしていた。
「…シズカちゃんは知らないんだね。今夜、幻のゲッコウが、例の封印を壊すって」
「うそ… なんでそれを、あたしが知らなくてあんたが知ってるの… 」
「SGSに、魔鳥を退治して欲しいって、彼が依頼に来たらしいんだ。僕らは、彼を思いとどまらせようとして、
 探しているんだよ。 …シズカちゃん、協力してくれる?」
 シズカは、黙って、下を向いたままだ。
「影忍法で惑わされて、僕たち封印を探せないんだ。タイムリミットは、真夜中。もう、時間がないんだよ」
「…急がなくちゃ」
唐突に、誰に言うともない調子でそう呟くと、風のシズカが走り出した。ボウケンブルーが、その後を追った。
「シズカちゃんは、どうして、ここにいるの?」
走りながら、ブルーが聞いた。
「…嫌な予感がしたからだよ。ゲッコウ様は、最近、変だった…」
意外に、答えが素直に返ってきた。
「優しかったし… 笑ったし… あたし、何かおかしいってわかってたのに… そんなゲッコウ様が、ちょっと、
 嬉しくて… 何、甘いこと考えてたんだろ、こんなに大変なことが起ころうってのに。ゲッコウ様が、
 そんなことを決心されていたっていうのに… 」
泣いてるのかな、とブルーは思った。
「シズカちゃ… 」
「黙って! …ハッ!」
突然シズカが立ち止まり、空を切り払う。また、空間が開かれた。
 その向こうにあったのは、仙人ヶ原の封印。幻のゲッコウが、中央の石塔にとまっている。
195Task 78 幻の月光(3):2007/04/27(金) 03:23:41 ID:5aP6pVN5

「ゲッコウ様! …やっぱり、ここに…」
「何じゃ、シズカ。刀を返しに行けと言うたではないか」
 言葉ほど責める様子もなく、ゲッコウは静かに言った。
「幻のゲッコウ… お願いです、封印を壊すのはやめてください!」
「ボウケンブルーか。お主がここにいるということは、ボウケンジャーが間に合ったという事じゃな」
「話を聞いてください!!」
「聞かぬ… 」
 相変わらず穏やかな調子で、しかしその分凄みを増し、幻のゲッコウは答えた。
(こうなれば仕方がない、力ずくで… )
ブルーが飛び出そうとしたその時。
「喝!!!」
「うっ… !!」
「ああっ!!」
(か、金縛りの術…!!)
 二人の体が、動かなくなった。口もきけない。
「じき、真夜中じゃな… そうそう、最後に、これだけは言っておかねば… よいか、魔鳥の急所は、
 その心ノ臓じゃ。もっとも、それを攻撃するのが、どうにも難しいがの」
幻のゲッコウは淡々と語る。
「シズカよ… お前は、無理じゃ、下がっていろ。こやつらに任せるがよい。それから、その『風牙の太刀』
 じゃがな、それは儂が魔鳥と戦ったときに使った刀じゃ… 言い伝えの通りならば、奴を倒せると思ったの
 じゃが、まあ、儂の時には竜どころかかまいたちすら出なんだよ…
 お前なら、 修行を続ければ、いつかは竜の力を知ることができるかもしれん。よくよく、精進せい」
 体は動かなかったが、ブルーの位置からはシズカの顔がよく見えた。風のシズカは、やはり動けず、声も出せ
ず、幻のゲッコウを真っ直ぐ見つめながら、ただただ涙を流していた。あらゆる感情を、思いを、流れる涙でし
か示せないのだ。
 目を背けたい光景。しかしそれすら叶わず、彼女の涙を見ているしかない。ボウケンブルー…いや、最上蒼太は、この場で何も出来ない自分が、ただひたすら、悔しかった。
 突然。
 目も眩む光と共に、二人を爆音と爆風が襲った。同時に体の動きをとりもどしたブルーは、吹き飛ばされ
ながらも、風のシズカを抱きとめ、庇った。
「うっ…!」
 かなりの距離を吹き飛ばされた。咄嗟に顔を上げると、封印の石塔は、そして幻のゲッコウも、跡形も、ない。
 月明かりがふと遮られ、つられて上空を仰ぎ見る。
(なんてこった… )
 巨大な怪鳥が、満月の光を浴びて、仙人ヶ原の上空をゆっくりと旋回していた。

「蒼太!蒼太!!応答しろ、蒼太!!」
 アクセルラーから、真墨の声がやかましく響いた。
「はい、蒼太です」
「良かった… 無事か。何してたんだよ、今までつながんなかったぞ」
「…影忍法の、結界の中にいました。風のシズカと一緒に、幻のゲッコウを発見しましたが… 説得できません
 でした、ミッション失敗です」
「そうか… 急げ、ダイボウケン、行くぞ!」
「了解!」
 ブルーは、腕の中のシズカを見やった。いつもならこんなことをしていれば、平手打ちのひとつも飛んでくる
だろう… しかし、彼女は、ブルーに抱かれたまま、焦点の合わぬ目で空を見つめている。表情のないその目か
ら、また涙が伝っていた。
「シズカちゃん、僕、行かなきゃ…」
「…」
「幻のゲッコウも言ってただろ、怪我しないように、遠くへ逃げてね」
シズカは、力なく頷いた。
「蒼太、早くしろー!」
「はい、今行きます!」
 風のシズカのことは気がかりだったが、さっき彼女は頷いた。きっと自分の身は自分で守ってくれるはず。
 ボウケンブルーは、仙人ヶ原を、全力で駆け出した。
<続>
196名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 02:57:37 ID:ghZGXY43
GJです。
ゲッコウ様が切なくて、この先どうなるか楽しみです。
青風がなかなかエロに発展しないのが、もどかしいけどいい感じ。
197piece of peace11:2007/04/28(土) 17:52:28 ID:ZwdH9UIz
苦しいほどの愛しさを感じながら、明石はさくらの身体の隙間から、張りのある太股に触れる。内側の皮膚は更に柔らかく、きめ細かい。
更に柔らかな場所を探して、スカートを掻い潜った指が、そっとショーツの上から、その部分を撫でる。

「んん…」
それでもまだ、勝っているのは緊張感だろう。やや張り詰めた声が響く。
それを快感からのものに変えてやりたくて、明石はクロッチ部分に指先を侵入させた。
「えっ…」
探る。一番感じるところ。一番甘い音色を響かせる鍵盤を。
「だ、だめです!」
良いようのない切ない吐息と共に、次の瞬間さくらは、短く声を上げ、身体を逸らせる。
力が籠り過ぎないよう気をつけながら、明石は辿り着いたその場所を、ゆっくりと指先で転がした。
僅かに濡れて、滑る感触。与える度に、さくらの身体が熱く火照って行く。
妙にあっさりした手つきでショーツを脱がせると、自らもつなぎから足を抜き、放り出した。

「痛くないか?」
首を振る。
「恥ずかしい、かな?」
少しだけ悪戯な気持ちで聞くと、さくらはこれ以上ないほど真っ赤に染まった顔で、頷いた。
「じゃ、こんなのは…」
「きゃっ!」
両足首を掴み、膝を畳みながら開かせる。
自身の姿態のあまりの状態に思考が追いつかないのか、さくらはされるがままだ。
「痛かったら、言ってくれ」
明石は素早く足の間に上半身を割り込ませ、そこを見つめる。
「明石さん!」
ようやく覚醒したらしいさくらが、恥ずかしさに染まり切った抗議の声を上げた。

「もう少し、だな…」
誰に言うともなしに呟いて、舌で触れる。
瞬間、電撃に射たれたように跳ねるさくらに、明石は興奮を覚え、再び繰り返す。
甘い痺れ。衝撃と快さ、相反する感覚に支配され、声も出せないまま、紅く色付く身体。
さくらは手の甲を唇に押し当て、小刻みな熱い吐息を繰り返す。
その慣れない仕種がいじらしく、守りたくなる一方で、明石の中の僅かな加虐心に火がつくのは、何だか皮肉なものだ。

少しずつ、だか着実に溢れ来る蜜を絡め、その水源を指先で探り始める。
緊張の為か、狭さを増すそこの上部を、明石は優しく引っ掻いた。
198piece of peace12:2007/04/28(土) 17:55:43 ID:ZwdH9UIz
「あ…」
可愛らしい声に、思わず顔を見る。
紅潮した頬、僅かに開いた唇。とろけそうな視線に見つめられて、明石はたまらない気持ちになり、キスを仕掛けた。
「ん、ぅんっ…」
舌でつつき、わざと音を立てながら、執拗に口づける。すると、さくらの下半身の圧迫が徐々に薄らぎ、蜜はとろみを増して、明石の指先を暖かく包み込み始める。

甘い唇の感覚に嵌まり込むように、明石の舌の動きに応えるさくらは、気が付かない。
最大限に開かれた足。その上で、緩やかに腰を揺らしてしまっている自分自身に。

形のいい胸を柔らかく乱しながら、明石も走り出す獣性を、隠すことなくさくらに見せつけ始めた。
素早く下着を取り去ると、さくらの手を、自分のものに導く。
確固たる意志を持つかのように屹立した男自身に、さくらの唇からは驚愕と畏怖の吐息が漏れる。
それを全て呑み込んで、明石はさくらに添わせた手を、ゆっくりと上下するように動かし始めた。

尖端の辺りを強めに握るよう仕向けると、さくらは困惑を見せながらも、忠実に応じる。
細くてひんやりとした、力加減も覚束ない指先は、自分のそれとは全く異質な感触で、明石を陶然とさせた。
「…ッ…」
堪えきれず、声にならない快感をさくらの耳元に零した。
「気持ち…いいですか?」
「…あぁ」
怖々と聞かれて、呼吸を乱しながら微笑む。
次の瞬間、恥ずかしそうに笑い返したさくらの手が、積極的に動き始めた。介添がなくても、確実に明石の快感を掴んで来る不思議。
「さ、くら…!」
そのギャップと、飲み込みの良さに身を任せながら、明石もさくらに埋めた指の動きを速める。
深く、浅く、強く、緩やかに。
「あっ…あ、あん、ん…」
艶を纏った声を抑えることなく響かせ、耳から明石を刺激する。
それをもっと聞きたくて、くちゅくちゅと言う音を響かせながら、呑み込まれる角度を変えたり、本数を増やしたり。更に親指で、息を潜めている蕾を刺激してやると、さくらの身体が素晴らしく敏感な反応を示した。
199piece of peace13:2007/04/28(土) 17:57:03 ID:ZwdH9UIz
「あ、あ…何、か…」
「ん…何だ?」
耳朶を甘噛みしながら問うと、堪らない様子で首を振り、甘い刺激を振り切る。明石は負けじと唇を重ね、胸の尖端を含み、首筋に花びらを散らせた。

「へん、です。私…明石さ…、あ、あぁぁん…っ!」

仰向けのまま弓なりに反ったさくらの身体は、恐ろしいほど美しかった。肩に喰い込んだ爪の痛みさえ、明石には愛おしい。
やがて、力なく投げ出された手足と、荒く乱れた呼吸の余韻。
閉じられた睫毛にほんの少しだけ滲んだ涙は、初めての快感と混乱の残滓。

「さくら…」

明石は囁き、力一杯抱きしめた。

(続)
200名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 18:57:26 ID:7pysDKl3
>>184
青風、待ってました〜!!二人の関係はまだこれからという感じ
ですが、ボウケンジャーの後日談のお話としてもすごく面白い!
続き、楽しみにしております。

>>197
お待ちしておりました!!ドキドキしっぱなしですw
さくら姐さんの描写が美しすぎです。
次回も期待しております。
201名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 19:21:45 ID:dwTgdba4
赤桃続きキター!!ヤバイ、姐さん美しすぎる…。めちゃくちゃGJでした!!GJGJGJ!
202名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 21:59:39 ID:ljbjg4dl
>>197
おおおおおおおお…(感嘆)
203名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 23:26:29 ID:jIHtO5u7
>>197->>199
>>179さんの言った「文を凝りに凝る」というのが実に良く分かった文章でした。
内容もさることながら、決して突っ走らず書くその姿勢に感動です。
204名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 23:51:36 ID:fc38ZLom
>>197
ぶっちゃけさ、さっさと書いて欲しいんだよな。たいして萌えないしw
次の作家さんが投下しにくいしさww。
あと、マンセーレスが自演レベルで笑えるよね。バレバレだよwww
205名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 00:10:40 ID:527mIiC9
煽りが小学生レベルで笑えるよね。ダメダメだよww
206名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 00:17:22 ID:n+uQviWr
>>184
青風いいねえー!
ただ涙するシズカが切ない。
蒼太との関係がどんなふうに変わっていくのか、実に楽しみです。

>>197
姐さん(;´Д`)ハァハァ
チーフがエロくて(・∀・)イイ!!
文章が本当に綺麗だ〜〜〜〜!
207名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 01:14:28 ID:h46GWnFo
赤桃自体はグッジョブだと思う。
ただ、マンセーレスが非常にウザい。
208名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 01:46:15 ID:zTer/jpb
>>207
同志ハケーン!w
ちょぼちょぼ投下なのも、マンセーレスが欲しいからなんじゃね?
浅ましいね〜197タソはww
209名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 02:11:22 ID:yrvhE9Nf
>>208
書いたものを早くうぷしたい気持ちは分かる。
ちょぼちょぼ投下やめたら>>48みたいな催促来るよw

>>207
自分の萌えカプ以外興味ないのは分かるけど、
>>200>>206みたいに書けないのかね。



210209:2007/04/29(日) 02:15:28 ID:yrvhE9Nf
>>207
同意。
自分の萌えカプ以外興味ないのは分かるけど、
>>200>>206みたいに書けないのかね。

同意が抜けていた。
申し訳ないッス>207氏
全裸スレで首つってきまつ…
211名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 02:52:02 ID:kYQLIh2u
>>204
ガキだな。ぶっちゃけちゃって不快になる人だっているんだからもう少し考えろよ。萌えないだったらスルーでいいだろ。マンセーウザかったら流すぐらいの器ないの??
212名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 03:07:41 ID:nJ0Xs+18
>青風
スレッド初の風絡みの作品で楽しませてもらっています。
ただ、「えいじ」が「映二」になっているのと蒼太が真墨に対して
ですます調で喋るのがちょっとひっかかっています。

萌えよりむしろ燃えな感じの内容が「エロなしでも十分
おもしろいな」と思えてとても好きなのですが、おもしろいだけに
細かいところが気にかかってしまいました。
蒼太はサブチーフになったので、チーフになった真墨に対して
口調を変えるようにしたのでしょうが、その旨を>>184
書いておいていただけるとよかったかな。

>赤桃
練り上げられた文章、いつも楽しみに拝見しています。
続き、ゆっくりで構いません。書き上げられた時にまた
投下なさってください。
213Task79 風のシズカ(1):2007/04/29(日) 03:29:05 ID:+6BiQa0Q

 ブラック達と合流し、魔鳥の急所が心臓部だと告げる。そしてダイボウケンに乗り込もうとした時、ブルーは、
イエローにこっそり呼び止められた。
「蒼太さん、お願い、真墨を一人にしないようにして。…絶対、前のチーフとおんなじこと、考えてるから」
「…ああ、分かった」
 イエローにはそう返事をしたのだが、ブルーにもチーフの考えは理解できる。
 状況は、それほどまでに不利だった。以前に戦ったときには、ボイジャーでさえ敵わなかったのだ。怪物の力
を弱める封印は今や跡形もなく、ダイボウケンの乗組員は… 定員割れ。
「それでも、やるしかねえだろが!いくぞ、フルパワー!!」
「了解!」
戦いが、始まった。

 仙人ヶ原の封印跡で、風のシズカは、ただ、座り込んでいた。その頬を閃光が照らし、その耳に、絶え間ない
爆音が、痛いほど響く。
 しかし、彼女は、まるで聞こえていないかのようだ。長い間、そうしていた。
(あたしにはもう、何もない… ゲッコウ様もいない… そして… )
幻のゲッコウは言った、シズカには無理だと。ボウケンブルーは言った、危ないから逃げろと。
(それで、あたしは、ただ逃げるしかできないってわけ…!)
 シズカは、この仙人ヶ原で、裏切者に死の制裁を誓ったことを思い出していた。そう、あの時だって、結局奴
を倒したのは、ボウケンジャーだった。そして今、幻のゲッコウが、その存在をかけて葬り去ろうとした魔鳥と
戦っているのは… またしてもボウケンジャー。
 頭を起こし、魔鳥と巨大メカの戦いを見上げた。もう何もないのなら、せめて、影一族としての誇りだけは守
りたい、いや… 守らねばならぬ。
(それが… ゲッコウ様の血を引く者として、あたしに出来る、最後の… )
 風のシズカの目に、再び、光が宿ってきた。
(せめて、一太刀…!)
その一心で、風牙を抜く。
「 …!!」
 シズカは、目を瞠った。小太刀の鞘から滑り出てきた、月明かりに煌めくそれは… 紛れもなく、太刀。
『風牙の太刀』が、その真の姿を、風のシズカの前に現していた。
214Task79 風のシズカ(2):2007/04/29(日) 03:30:50 ID:+6BiQa0Q

( …これは、結構… ちょっとした、冒険、かな)
 ダイボウケンフルパワーで戦闘中、コクピットの中で、ブルーはそう考えていた。定員割れの中、足りないパ
ワーはそれぞれが補わなくてはならない。その為の訓練もしてはいたのだが、こんな強敵が相手では、していな
いのと同じ事だ。
 エアコンが効いているはずの強化スーツの内側に、滝のような汗が流れる。心臓はさっきから爆発しそうだ。
息があがる。ただ、気力だけで持たせている。そしてそれは、他の2人も同じはずだ。
 敵の攻撃は、単純だった。体当たり、掴みかかり、そして時折、絶叫と共に口から吐き出す怪光線。しかし、
そのどれもが強力強大で、しかも空中での動きは、その巨体にも拘わらず、信じられないほど、速い。またその
躰を覆う羽は、何か魔力が効いているのか、こちらの飛び道具では、殆ど傷をつけることができなかった。
 空中戦は、戦闘初期段階で諦めざるを得なかった。頼みのズバーンは… 敵に3度、ヒットしたのだが、4度
目であえなく敗退。サイレンビルダーの方も、こちらと似たり寄ったりの戦況だった。
「映士、ビルダー、まだ動くか」
チーフが確認する。
『ああ、行けるよ』
「ダイボウケンを踏み台にして、飛べるか?」
『 …!! んなことしたら、ダイボウケンが… お前らだって、無事じゃ済まねえだろ!!』
「やってみなくちゃ分かんねえだろ、いけるな、蒼太、菜月!!」
「ええ、まだまだ!」
「菜月も、頑張れるよ!」
明るい声が、コクピットに響いた。
 それがカラ元気だということは、シルバーにも分かっていたが… どの道、選択肢は多くない。
『… わかった、次のタイミングで、行くぞ。踏ん張れよ』
 再び、魔鳥が近づいてくる。
『行けええええええ!!!』
(来る… !!)
ブルーは身構えた。ビルダーの重量が、一瞬ダイボウケンにめり込む。
「…っっ!!」
「…っん!!」
その衝撃に、もはや皆、声さえ出なかった。
 ダイボウケンを踏み台にして、空中に躍り出るサイレンビルダー。繰り出した拳が、魔鳥に、強力なカウンター
となって命中した。
ギャアアアアアアア!!
戦闘開始から初めて、怪鳥の苦痛の叫びが、大地を大きく震わせた。
「…やったか!?」
 しかし、魔鳥は、そのまま上昇しながら旋回、再びダイボウケンに向かって急降下。
(そう簡単には、行かないね… )
 ブルーは、マスクの下で苦笑い。さっきのビルダーの衝撃は、まだ体に残っている。それは魔鳥も同じだろう… 
と、思いたい。
「また来るぞ、踏ん張れえええ!!」
モニター一杯に、魔鳥の姿が飛び込んでくる。
 しかし、覚悟したその瞬間、画面を青白い光が一閃した。
グギャアアアアアアアアアアアア!!!!
魔鳥の大絶叫が、マスクに保護された鼓膜さえ破りかねない勢いで、ボウケンジャーを襲った。
(一体、何が…? )
 モニターを確認して、ブルーは目を疑った。
 片足を切り落とされた魔鳥が、その苦痛に怒り狂いながら、激しく羽ばたいていたのだ。
215Task79 風のシズカ(3):2007/04/29(日) 03:32:48 ID:+6BiQa0Q

「…大丈夫か、みんな、状況を報告しろ!」
 コクピットに、チーフの声が響いた。
「菜月、生きてまーす」
「蒼太、同じく…」
「映士、映士は!?」
『おう、俺様が、死ぬかよ。ただ、ビルダーは、ちょっと動かねえな』
 ダイボウケンは、まだ動きそうだった。チーフが言った。
「…蒼太、菜月。お前らは、風のシズカを救出に行け。あんな奴でも、気が付いたら死んでましたって
 わけには、いかねえだろうからな」
「だめ!!!」
イエローが叫んだ。
「真墨、一人でダイボウケンに残って、何するつもりなの!? 明石さんと同じ事、考えてるでしょ!」
「何のこと言ってんだか、わかんねえなー」
「絶対、だめったら、ダメ!! 蒼太さん、シズカちゃんのこと、お願いね! 菜月は真墨のこと、見張っ
 てなくちゃ!」
「了解。…菜月ちゃんも、頑張ってね」
ブルーは、外へ出た。仙人ヶ原は、先程とはうってかわって、不気味なほど静まりかえっている。
(奴はどうしたんだ… )
訝しんで空を見上げると、魔鳥は上空を旋回していた。幸いなことに、最初見たときよりも弱々しい。
(流石に、用心はしてきているみたいだ。この隙に、早く… )
 風のシズカを見つけるのは、簡単だった。アクセルラーでハザードレベルの高い場所を検索すると、果
たしてそこには、『風牙の太刀』と共に、風のシズカが横たわっていた。まだ、息はある。
「シズカちゃん、シズカちゃん」
「… なんだ、あんたか」
声を掛けると、意識を取り戻した。
「相変わらずだね、助けに来たのに」
「助けに来たって… 冗談でしょ、あたしがいつ、助けてくれって言ったのよ」
言いながら、刀を手に取り、シズカはよろよろと立ち上がる。
「ほら、足に来てる」
 手を貸そうとするブルーを、シズカは激しく振りほどいた。
「余計なことは、しないでくれる!? …ボウケンジャー、あんた達こそ、引っ込んでな。あいつは、
 ゲッコウ様の… 影一族の、敵だ。だから、あたしが、討つ!」
「無理だ!」
 ブルーはまた、シズカの肩をつかんだ。
「君が死んだら… 僕は、幻のゲッコウに、どう言い訳すればいいんだい? 彼は、最後まで、君のこと
 を心配していたじゃないか」
「 …ゲッコウ様…」
 シズカは思わず視線を落とした。暫く、そのまま動かなかった。
 しかし、風のシズカは、ゆっくりと顔を上げると、今度は落ち着いた、しかし真剣な表情で、ブルーの
顔を、真っ直ぐに見つめた。
「ボウケンブルー、あいつは、あたしに、やらせてよ」
「シズカちゃん… 」
「あたしは、そうするって、決めたんだから」
そう言いながら、彼女はブルーに背を向け、歩み出した。
「シズカちゃん、君… 」
死ぬつもりじゃ… と言いかけて、ブルーは言葉を失った。一瞬肩越しに、風のシズカが振り返ったのだ。
(今… 微笑ってた… )
背中を向けたまま、シズカが言った。
「ボウケンブルー、いつものやつ、言ってよ」
「え?」
「ほら、いつものやつだよ」
「あ…… シズカちゃん、今度、デートしようね。…絶対、だよ」
ありったけの、敬意と誠意を込めたつもりだ。
 風のシズカは、後ろを向いたまま、返事の代わりに、無言で肩越しに手をヒラヒラさせた。
 最上蒼太は、遠ざかるその小さい背中を、じっと、見つめ続けていた。
216Task79 風のシズカ(4):2007/04/29(日) 03:33:53 ID:+6BiQa0Q

「蒼太、風のシズカは、生きてたか?」
アクセルラーに、ブラックの通信が届いた。
「はい、あの… 」
「じゃ、すぐ帰ってこい。ダイボウケンで、最後の総攻撃、行くぞ。奴も弱ってきているらしい。ビルダー
 も、動かねえ原因は簡単だったよ、牧野先生が遠隔操作で直せるってよ」
「チーフ、お願いがあります!」
ブルーは、思い切って言った。
「…何だ?」
「総攻撃は、待ってください。あの魔鳥は… シズカちゃんに、任せてあげてください」
「何言ってんだ、正気か!? …確かに、あの太刀の力はわかるが、それにしても… 」
「彼女は、きっとやります。僕は、そう信じてます」
「落ち着け、蒼太!」
「お願いです!! これは、きっと彼女の… 風のシズカの、“冒険”なんです!」
「蒼太、お前… 」
ブラックは思わず、絶句。
『おい、真墨、どーする? 蒼太の奴、明石の生霊に憑かれちまってるぜ』
 シルバーが、呆れたようにそう言った。ブラックは、ため息をついた。
「…明石の生霊じゃ、しょうがねえな… 」
「チーフ…」
「ただし、待つのはビルダーの応急処置が終わるまでだ。映士、あと何分だ?」
「7分ちょい、ってとこだな」
「処置が終わり次第、ダイボウケンとビルダーで総攻撃だ、わかったな!」
「了解!」
<続>
217Task79 風のシズカ(2 1/2):2007/04/29(日) 03:41:33 ID:+6BiQa0Q
大変すみません!!!!
Task79 風のシズカ 文がすっぽり抜けてました。
(2)と(3)の間に以下が入ります。


「何が起こったんだ!」
「足片っぽ、なくなっちゃってる!!」
ブラックとイエローも、思わず驚きの声を上げる。
 怒り狂った魔鳥が、またダイボウケン目掛けて突進してきた。しかし、また青の光が一筋…
 今度は、皆、はっきりとその目で見た。
「シズカちゃん!!」
「風のシズカ!!」
 ダイボウケンを、サイレンビルダーを足がかりとして、風のシズカが空を飛び、魔鳥を襲う。その手に
握られているのは… 青白い光を煌めかせる、太刀。
「あれ… 『風牙の太刀』じゃないの…?」
「小太刀だったはずだが… これが、伝説の力、か?」
 それは既に、皆が知っている風のシズカでは、なかった。先日の訓練時より遙かに増した速さと、その
超人的な跳躍で、彼女はまるで羽が生えたかのように、自由に空を舞っていた。
 彼女の攻撃の意図は、ただ一つ。
「シズカちゃんが狙ってるのは… 心臓だね。一人で、とどめを刺すつもりだ」
ブルーが呟いた。だけど、幻のゲッコウが言ってたじゃないか、それがどうにも難しい、って。
 しかし、風のシズカは、ひたすら心臓を狙い、魔鳥の懐に飛び込んでいく。
 魔鳥の口が開いた。
「危ないっっ!!」
 追いつめられた魔鳥が放った怪光線が、風のシズカを、ダイボウケンを、サイレンビルダーを飲み込んだ。
218Task79 風のシズカ(2 1/2):2007/04/29(日) 03:47:54 ID:+6BiQa0Q
>>212 様

>ただ、「えいじ」が「映二」になっているのと蒼太が真墨に対して
>ですます調で喋るのがちょっとひっかかっています。

名前の件、ご指摘有難うございます。Task77 風のシズカ より、修正
いたしました。すみません。

蒼太が真墨に対して「ですます」調なのは、ご指摘のとおり、チーフとしての
真墨を尊重するためにあえてそうしました。

>>皆々様
長々と続いているのにも関わらず、温かいご支援を有難うございます。
次回で終わることができると思いますので、宜しくお願いします。
219名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 05:27:04 ID:kYQLIh2u
風シリーズ面白く読まさせて頂いてます。どなたかのレスにありましたがまさに萌えではなく燃えですね。楽しみに待ってます。
220名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 08:11:14 ID:vq1pz+C4
>>風シリーズ
GJ!です!




ゲキ側は、特にカプで萌えるってことはないんだけど、
レツがランをやたら信頼してるところがいい。
エレハンに体よく引き離されるランとレツに地味に萌えました。
221名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 21:00:39 ID:RGTOiG4G
相変わらず赤桃厨はウザいでつね^^;
222名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 22:53:40 ID:4/kOTucc
冒険カプ好きは
赤桃と銀青桃でいつも争っている様に思える。
(まぁ一部だろうが)
どちらも嫌ならスルーすればいい。
スレが荒れて、他の戦隊のカプ好きにも迷惑だ。


223名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 23:37:06 ID:527mIiC9
赤桃と青桃好きで銀桃苦手ですが
別に争いやしませんよ
無難に誉めてその後スルーするだけ
224名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 23:55:04 ID:n+uQviWr
「総合」カップルスレだからね。
荒れて職人様が降臨されないようなことになるのが一番こわいね。

>>風シリーズ職人様
燃えてきましたYO!
こっそり旧チーフと同じような行動を取ろうとする真墨と
それを察して釘を刺す菜月にもひそかに萌えw
完結を楽しみにしております。
225名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 00:43:15 ID:kTeWgbcM
なんか前スレより読者側のモラル下がりすぎ。>>221の他カプ批判とか昨日の職人様への暴言野郎とか。煽りとか。萌えは人それぞれだから叩きとかいらない。スルーがベストだと思う。
226名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 03:50:42 ID:bKU4xKF5
>>225
そう思うならお前も熱くスルーしろ
227名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 22:12:10 ID:Pr42y3ms
雑談でも、書き込みがなくなると淋しいな。
228名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 00:00:06 ID:JocbxyPV
>>227
確かに寂しい。けど、荒れるよりはいくない?職人様待ちで。
229名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 00:33:07 ID:oNVhSh5f
職人様だけに萌えを作り出せってのも心苦しいって言うか、さすがにちょっと厚かましい気もする。
萌え話を気軽に交わして、その中で琴線に触れたカプの作品を投下してもらえれば、スレも活性化すると思うんだけど…。
上げれば荒れるし、でも話はしたいし、難しい。殺伐としてるのは悲しいよなぁ。
230229:2007/05/02(水) 00:35:17 ID:oNVhSh5f
>>228が、>>229の冒頭のように思ってる、って決めつけてる訳じゃないよ。言葉足らずスマソ。
231名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 00:48:42 ID:FX1Fffzv
住人皆で作品を作り上げるっていうのが理想だよね

カプ村の村民(ギャラリー)と巫女(職人)みたいなカンジ?
たまに山賊なんかも現れるけどねw
232名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 01:11:35 ID:JocbxyPV
確かに職人様だけに頼ってしまうのは悪い気がしちゃうよねー。でも、悩内の萌えをキレイに文章に出来る能力オレ無いし…
233名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 02:27:08 ID:4wdS1L8c
冒険青風で、生活に困ったシズカちゃんがキャバクラでバイト。
心配した蒼太が付きまとってやめさせようとするんだけど、
シズカちゃんがバイト先のキャバクラの常連が、重要なプレシャスを持っていて、
実は蒼太はその回収がミッションだということを知ったシズカちゃんは、
単独でキャバクラおやじに接近。


みたいなのを考えたりしたんですが、あまりに本編と違いすぎて無理ですたorz
234名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 08:31:58 ID:YKYaAWDT
>>233いいじゃんか!
キャバ風嬢…似合いそうで、たやすく想像できるw
235名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 09:42:08 ID:YSDKP/FZ
やばい、青風イイ・・・
236Task80 決戦(1):2007/05/02(水) 13:52:17 ID:SKC/HSu2

 ボウケンブルーは、仲間の元に戻ろうと走り出した。しかし、突然、轟音と共に、その足を崩すほどの猛烈な
突風が吹き荒れ、思わず手元の樹に縋りついた。
(な、何だ、これは… !!)
 原因を探ろうとして、辺りを見回す。
「あ、あれは!!」
 天地を、銀の絹糸が結んでいる… その正体は、竜巻。それが、一条、また一条と、月光に照らされ輝きなが
ら、次々に生まれている。そして、その中心に立つ、小さな青い影。
「シズカちゃん… 」
 ここまで離れているブルーでさえ、吹き付ける猛風で、立っているのがやっとだった。しかし、風のシズカは、
微動だにしない。ただ、激しくたなびく髪と裳裾が、その威力を示していた。
 ブルーは上を見上げた。相変わらず、雲一つ無い、満月の空。そこを旋回していた魔鳥は、この嵐にとまどい、
苛立っているようだ。
 竜巻は、ゆっくりと、風のシズカを中心に円を描きながら移動している。生まれた時には糸のような細さであ
ったが、少しずつ、互いに撚りあい、絡み合いながら、次第に天地を繋ぐ一つの柱となっていく。
(これは、何てパワーだ! 油断してたら、空の彼方へ放り出されてしまいそうだ… !)
 吹き飛ばされないように必死で樹に、岩にしがみついていたブルーだったが、不意に、風が止んだ。
 驚いて顔を上げる。
「…!?」
 ブルーは、見ている光景を、咄嗟に信じることができなかった。
 天地を繋ぐ柱となったその竜巻が、ふわりと空に舞う。月光を浴び、鈍い銀の輝きを放ちながら、天に向かっ
て上昇し、地に向かって下降するその姿は… 竜。
「これが… プレシャスの、本当の力… 竜の、力… 」
 その光景を、信じられぬ思いで見ていたのは、もちろんボウケンブルーだけではなかった。
『何てこった、本当に出ちまったよ… 竜、が』
「ただの言い伝えじゃ、なかったのかよ…」
「…シズカちゃん、頑張って!!」
 モニターに映るその闘いを、何一つ見落とすまいと、3人は必死に見つめている。
 風のシズカが、駆けだした。短い助走の後の、弾け飛ぶような跳躍。その足下に、風の竜が滑り込む。
 風のシズカと魔鳥の、決戦が、始まった。
237Task80 決戦(2):2007/05/02(水) 13:53:57 ID:SKC/HSu2

 一筋の銀の矢のように、竜とシズカは魔鳥に飛び込む。しかし魔鳥も、そのスピードはまだ健在だった。
 前後に、左右に、上に、下に。竜は、魔鳥の懐目掛け、あらゆる方向から仕掛けていた。
 一瞬、取ったかと思った。しかし魔鳥はその巨大な羽で、竜とシズカを振り払う。
 竜は振り払われ、宙に霧散し、風のシズカはその一瞬早く跳躍、魔鳥を飛び越えた。そしてまた、空中のシズ
カの足下に風が集まり、竜の姿が再び現れる。
 魔鳥は素早く向きを変え、決して彼女らに隙は見せぬ。ボウケンジャー・チームの攻撃によるダメージも、風
のシズカが片足を切り落としたことも、この怪物の力を削ぎ落とした程度に過ぎなかったかのようだ。
 風のシズカが手にする『風牙の太刀』は、遠目にもはっきりと、青白い炎のような輝きを立ち上らせていた。
一閃、振れば、稲妻のようなかまいたちが解き放たれる。その度に、魔鳥の叫び声が、辺りを切り裂く。
 魔鳥の羽毛が、花吹雪のように、仙人ヶ原中に舞い散っていた。
「ねえ、蒼太さんの言った通りじゃない? シズカちゃんが、本当にやるかも… !」
 ダイボウケンのコクピットで、イエローが期待を込めてそう言った。
「ああ… まさか、ここまでやるとはな… 」
ブラックも、同意する。しかし、
『… そう思うのは、まだ早えんじゃねえか』
シルバーが、言った。
「どういう事だ?」
『ああいう刀ってのは、持ち主の『気』を吸い取って力を出すと、相場が決まってる。俺様の知ってる風の
 シズカが、あのエネルギーを、いつまでも使い続けていられるとは、思えねえ… 』
「そんな… それで、シズカちゃんの『気』がなくなっちゃったら… 」
イエローが言えないその先を、シルバーが言葉にした。
『ああ… 竜は消えるだろうし、風のシズカは… 死ぬ、かもな… 』
「…映士、そっちはあと何分だ?」
『3分だ』
「竜が消えたら… 行くぞ、菜月、映士。…蒼太の奴、呼び戻さねえとな…」
そう言いながらも、ブラックはモニターを見つめ続けている。イエローも、シルバーも。
 皆、その気持ちは、同じだった。
238Task80 決戦(3):2007/05/02(水) 13:54:49 ID:SKC/HSu2

 遙か上空で、風のシズカは、魔鳥とにらみ合っていた。
 奇しくも、竜の背の上で、彼女もボウケンシルバーと同じ事を考えていた。
(あんまり、遊んでる時間は、ないな)
 最初に片足を切り落とせたのは、全くの幸運だったと、シズカは思う。ボウケンジャーが与えたダメージであいつは怒り狂い、我を失っていた、そこを、ラッキーにも不意討ちできたのだ。こちらも敵とみなしてからは、あいつもなかなか隙を見せてはくれなかった。
 それでも、あの怪物に傷はつけている。しかし、それ位ではあいつは倒せない。
 自分の「限界」も、今、はっきりと見えてきた。
(あーあ、もっと、ちゃんと、修行しとけば良かった)
あたしが、こんな所で、こんな後悔をするとはね。シズカは、思わず苦笑した。
 今更、命なんか惜しくはない。でも、ここまできて、あいつに止めを刺せないのなら…
(死んでも、死にきれぬ… )
 しかし、その気持ちに、不思議と悲壮感はなかった。自分は、刀に選ばれた。そして、忍びとしては雲の上の存在である、ゲッコウ様でさえ倒せなかった怪鳥を、このあたしが、追いつめている。
(なんだろう、この、気持ち… )
 シズカは、死さえちらつくこの期に及んで高揚するこの気持ちが、一体何なのだろうと、考えていた。
(これがあいつらのいう、冒険って、やつかもね… そういうことに、しとこ)
 風のシズカは、魔鳥の懐を見る。真っ直ぐに向かっていけば、待っているのは、あの怪光線。先程嫌と言うほど浴びたので、その威力は承知していた。
 しかし、それでも助かったのは、風牙のおかげだった。
(あの時、コレは、あの光線を切り裂いた… )
だから、今度も切り裂くつもりだ。こうなったら、最短距離で、あいつの心臓まで辿りつかなきゃ。
 風のシズカは、竜の上で息を整える。2、3度、肩を回し、深呼吸した。
 刀を構える。
(行け!!!)
 一陣の風となり、竜とシズカは、怪物に挑んだ。
 怪物の口が、開いた。
「うおおおおおおおおお!!!」
 構えた刀が、光線を切り裂く。跳ね飛んだ光が、風のシズカの、服を、髪を、肌を焦がす。胸の悪くなる臭いが、鼻をつく。刀を持つ腕が、肩が、ガタガタと震えてきた。
(堪えろ… 堪えろ!!)
 限界は超えていた。しかし、彼女は前へ前へとのめり込む、突き進む。
 時間にすれば、ほんの数秒の出来事だった。
 ふっ、と、周囲が静まった。シズカの目前に、巨大な魔鳥の懐が立ちふさがる。
 咄嗟に、切っ先鋭く『風牙の太刀』を構え直す。
「御免!」
風のシズカと、竜と、風牙が、魔鳥の懐に、突き刺さった。
 怪物の断末魔が、仙人ヶ原を揺るがした。
239Task80 決戦(4):2007/05/02(水) 13:56:07 ID:SKC/HSu2

風のシズカが、竜と共に真っ直ぐ魔鳥に突き進む。
「おい、あいつ、正面突破するつもりだ!」
「ダメ!光線にやられちゃうよ!」
 ダイボウケンのコクピットで、ブラックとイエローは同時に叫んだ。
 銀色の風が、魔鳥の怪光線に呑まれる。二人は、声も出ない。
 次の瞬間。怪物の大絶叫がダイボウケンを揺らした。
「な、何なんだ!?」
「真墨、あれ見て!!!」
イエローが悲鳴を上げる。
 魔鳥の背を突き破り、竜が、飛び出してきた。
 心臓を貫かれた魔鳥は、2、3度、力なく羽ばたくと、下降する。地上に堕ちるか堕ちぬうちに、その躰が大爆発を起こし、仙人ヶ原に、飛び散った。
 魔鳥の、最後だった。
『やった… やったぞ… 信じらんねえけど… 』
「…!! 風のシズカは!?」
「いるいる、竜の上に、乗ってる!!やったー、すごいよ、シズカちゃん!!!」
しかし、シルバーが叫んだ。
『おい… 消えるぞ、竜が!!』
 風のシズカの足下で、銀の竜が、その姿を薄くしていく。
「やべ、あの高さから落ちたら、今のあいつじゃ…!!」
「いやあああああ!!」
 しかし、一早く、行動を起こした者がいた。
「ブロウナックル!!!!」
 爆音と共に、ボウケンブルーが、フルパワーで飛び出した。飛び出しながら、ブルーは、最上蒼太は、ひたすら、一つのことを念じていた。
 間に合ってくれ… 頼む… 間に合ってくれ… !!
240Task81 エピローグ(1):2007/05/02(水) 13:57:34 ID:SKC/HSu2

 菜月は、サロンで、椅子に腰掛けてほおづえをついていた。目の前のテーブルには、大きな花束。
 エレベーターの開閉音で振り向くと、映士がサロンに入ってきた。
「よお」
「あ、映ちゃん、早かったね」
「そうか? 真墨は?」
「チーフは、まだ打ち合わせ中。もうすぐ終わるよ、待ってて、一緒にいこう」
「ああ。…蒼太のほうは、相変わらず、か?」
「うん… 」
 菜月の顔が曇る。
 仙人ヶ原での決戦から、数日が経過していた。竜が消えた後、遙か上空から落ちてきた風のシズカを、ボウケ
ンブルーが間一髪、受け止めることができた。完全に気を失っていたが、まだ息がある彼女を、シルバーが病院
に緊急搬送したのだが…
「あれっきり、まだ、目を覚ましてないんだって。お医者さんは、体力を極端に消耗しているけど、特に致命的
 な怪我はないって言ってくれたけど… 」
 その彼女に、目が覚めるまで付き添わせてくれと言ったのは、蒼太だった。
『幻のゲッコウは、彼女の目の前で… シズカちゃんは、もう、独りぼっちなんだよ、少なくとも、彼女はそう
 思ってるはずだ。せめて、目を覚ましたときに、誰もいなかったって思いは、させたくないんだ!』
 この主張は、他の3人の心を、それぞれ強く打った。皆、孤独の辛さや痛みは、嫌と言うほど知っているのだ。
 それから数日、蒼太は病院に張り付いたままだった。
「しっかし… すごかったな… 」
映士は、遠い目をした。あの戦いを回想しているのだ。
「うん… 」
「明石の奴が聞いたら、地団駄踏んで、悔しがるぜ… 」
「きっと、ね… 」
241Task81 エピローグ(2):2007/05/02(水) 13:58:20 ID:SKC/HSu2

 風のシズカは、暗闇の中で、うずくまっていた。
(あー、終わった、終わった… 何もかも… )
 魔鳥を、自分のこの手で倒した。影一族の誇りを、守ることができた。そして、このままずっとこうしていれ
ば、きっと本当に終われるだろう。目を覚ますつもりは、なかった。
 どれくらいそうしていただろう。
(シズカよ… 起きぬか、これ)
「ゲッコウ様!」
 二度と聞くことはないと思っていたその声を耳にし、シズカは思わず顔を上げた。
 闇の中に、青い影が、鈍く光って見える。
(シズカよ… ようやったな… まさか、お主があやつを倒すとは… 見事じゃった)
「ゲッコウ様… 」
(お前は、一族の… 儂の、誇りじゃ)
 シズカは、胸が熱くなった。あれだけ頑張ったことが、その一言で報われた、と思える。
(じゃが… なぜ、起きぬ)
 責める口調でそう言われ、シズカは青い影に訴えた。
「ゲッコウ様、あたしは、もう目を覚ましたくありません。目を覚ましたら… あたしは、ひとり…」
(何がひとりなものか、その手の温もりに気付かぬか)
…言われてみれば、右手が、温かい。
(その温もりを、大事にせい。これからは、お前はお前の道を歩むのじゃ、よき女となれ。儂のことは、忘れろ)
「そんなこと、できません!」
(するのじゃ。儂の下へは、ずっと、後で参るのじゃぞ… さらば、シズカよ… 儂の、娘よ… 孫よ… )
「ゲッコウ様ぁ!!」
 シズカは遠ざかる影の後を追おうとしたが、右手を誰かに掴まれていた。振りほどこうとするが、
(その手を離すでない!!!)
幻のゲッコウが、一喝した。
242名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 13:59:14 ID:Apv7G1qu
冒険銀桃、ヤンキー×委員長というコンセプトは凄い好きなんだが、
肝心の31話の桃像に 全 く 納得できなかったので本放映中は
あんまり支持しなかった。
でもここの職人さんのは萌えるし、ファイナルツアーの
「借りは返したぜ、姐さん!」「…行きますよシルバー!」
にかなり燃えたので微妙に自分内ブーム中。
激鈍赤+皆で宇宙へ、という展開を見ると今後もカプ混戦は持続しそうなw
絶妙コンビネーションの青×桃含め

黄も誰とくっついても全然不思議はなかったね。
長年の相棒黒はもちろん、
百戦錬磨の青×ピュアっ子黄もいいし、過去を捨てたかった男・銀×過去を持たない女・黄も
いいなと思ってた。(そういや銀黄SSだけは無いなここ)
青×風も初期からずっと好きだったし、本当カップリング萌が豊富で困る
243242:2007/05/02(水) 14:00:36 ID:Apv7G1qu
リロる前の割り込みすいませんorz
244Task81 エピローグ(3):2007/05/02(水) 14:00:40 ID:SKC/HSu2

(今の… 夢… ゲッコウ様が、あたしに… )
 風のシズカは、ゆっくりと瞼を開けた。見慣れない光景に、少しとまどう。
「シズカちゃん… 気が付いたんだね、良かった… 」
 声のする方に顔を傾けると、そこには、最上蒼太がいた。
「ここ… どこよ」
「病院だよ。あれから何日も、君、目を覚まさなかったから… 良かった、ホントに、良かった」
蒼太が、目を瞬かせ、顔を擦る。
「やだ、あんた泣いてんの」
「はは、ちょっとね」
 その時、シズカは、蒼太が自分の右手を握っているのに気が付いた。
「…手、握ってたの、ずっと?」
「あ、ごめん」
蒼太が慌てて離した。
「…いいよ、ありがと」
「え? …じゃ、また、握ってていいかな?」
 優しい笑顔でそう言われて、シズカはとたんに照れくさくなった。
「…好きにすれば?」
 顔を背けてそう言うと、また、右手が温かくなる。意地を張る言葉とは裏腹に、まだ回復していない気力・
体力の中で、それが素直に嬉しかった。
 その時、病室の扉が開く音がした。心臓が跳ね上がり、シズカは慌てて、手を引っ込めた。
「あ… シズカちゃん、気が付いたの?」
「ようやく、起きたか!」
 真墨が、菜月が、映士が、ドヤドヤと病室に入ってきた。
「ほら、これ!きれいなお花でしょ? 今、花瓶に挿してあげるね」
 日の差し込む病室に、色とりどりの花が光を反射して、それがシズカには眩しかった。
「ホント、悪運の強え奴だ。あれだけ戦って、生きて返ってくるんだからな」
 悪たれながらも、映士の顔には笑顔が広がっている。
「全くだ… ま、良かったよ、今日これ持ってこれて。ほら、受け取れよ」
そう言って真墨が差し出したのは… 『風牙の太刀』
「うそ… だって、これ、あんたたちのでしょ…」
「上に掛け合ったんだよ。大変だったんだから、感謝しろよ」
「真墨ったら、ミスター・ボイスと大げんかしたんだから」
「余計なこと言うな!」
 シズカは、『風牙の太刀』を手に取った。手に馴染む感触。これが、本当に自分のものになった…
「蒼太さんがね、空から落ちてくるシズカちゃんを受け止めてくれたんだよ。病院でも、ずっと、シズカちゃん
 に付き添ってて… 」
 菜月の言葉に、シズカは思わず蒼太の方を見る。にっこり笑い返されて、慌てて顔を背けた。
「全く、おせっかいなんだから…」
赤くなった顔を見られないように、枕に顔を埋めた。なんだろ、目が熱い…
 3人は、あまり長居をせず、間もなく帰って行った。
「…疲れた、あたし、寝るよ」
 まだ体力が回復していない上に、緊張したり赤くなったりしたせいか、本当に眠くなってきた。
「え? シズカちゃん、大丈夫?」
心配そうにいう蒼太に、シズカは笑って見せた。
「大丈夫、今度は、ちゃんと起きるから」
 そう、今度はちゃんと起きれるだろう。
 ゲッコウ様の言ったとおりだ。あたしは、もう、ひとりじゃない。

日の差す、暖かい病室の中。蒼太に手を握られて、風のシズカが、すやすやと寝息を立てている。

<おしまい>
245184:2007/05/02(水) 14:02:36 ID:SKC/HSu2
皆様、長々と続きましたが、ようやく終わることができました。
引き続き、厳しいご意見お待ちしております。
246名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 15:41:13 ID:4wdS1L8c
>>184さん
GJGJGJGJGJです!!!
このまま風さんの一人舞台かと思いきや…
青がブロウナックルの使い手であることすら忘れていましたw
18禁のここで発表するのがもったいないくらい力作ありがとうございました。
247名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 16:14:53 ID:Ff4/Qvvr
>>184
GJ!!!
なんか目から汗が出てくるぜ…
248名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 16:21:22 ID:+mVmxeeE
>>184
GJでした乙
前のことがあるので控えめに誉めとくね
249名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 17:07:40 ID:iJ/72SI3
お疲れさまでした。力作ありがとう!
青風は本編の最初に「お、ちょっといいかも」と思いながらも
終盤まですっかり忘れ去っていた組み合わせでしたが、
この青風を拝見していたら本編でももっと観たかったなーと
思いました。
ゲッコウ様のご冥福を祈りつつ、GJ!
250名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 18:53:25 ID:RhhyTn7z
184
GJです!!終わってしまうのが勿体ないぐらいでした。
GJ
251名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 19:22:48 ID:urHUQ2oO
GJ!大感動です!!
このスレを毛嫌いしてる特板住人にも読んでもらいたい傑作ですよ
某スレにも転載して頂いたらなぁ…なんてw
252名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 19:51:56 ID:JocbxyPV
風シリーズ完結お疲れ様です。楽しまさせていただきました!!
253名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 23:56:09 ID:qspPPTzz
風シリーズ職人様

毎回とても楽しみに拝見しておりました。
この後 シズカはどうなったのか…
もしかして、ボウケンジャーになったのか?それとも単独行動でボウケンジャーのサポート的存在に?
…と、続きを勝手に妄想しつつ、作品の余韻に浸らせていただいてます。

別の作品にも興味がありますので、機会がありましたらぜひ拝見させていただきたいです。
今後のご活躍を期待しております。
254名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 21:00:25 ID:cQqJQjLg
前スレが埋まらず落ちたー!
255名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 22:31:31 ID:52BNHw6/
前スレ結構前に落ちたよ。現スレの最初の作品の頃。前スレの最後にも職人様が短編作品投下してくれてた。
256名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 23:00:10 ID:a8AljUmw
つうか、500kb超えたんだからキチンと埋まってただろ。
257名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 02:18:31 ID:QI5JyoHv
少女は逃げていた。
しきりに背後を気にしながら走るその足はふらついておぼつかない。
その後ろを、轟音を響かせて鋼鉄の怪物―<怪重機>が凄まじい勢いで迫ってきていた。
陸に上がったのはこれが初めてではないが、二本に枝分かれした脚を交互に入れ替える作業は
水中での進行方法とは大きくかけ離れており、絶えず足元がふらつきおぼつかない。

宇宙の楽園。水の都。
最大限の賛辞で宇宙中に紹介された彼女の星は、その瞬間に楽園の座から転落した。
他星の文明との交流をほとんど持たず、また争うことを知らずにその系譜を重ねてきた
彼らに欲得にまみれた異星の密猟者に対抗する術などあろうはずもなく、ようやく重い腰を上げた
公の機関によって厳戒保護惑星に指定された頃には、かの星は乱獲によって無法地帯と化していた。
そこに棲む水棲種族はいまや絶滅危惧種となり、皮肉にもそのことが彼等の一族の
商品価値をよりいっそう高める結果につながっていった。
星の面積の8割を占める美しい海での静かな生活は一変し、彼女の母や姉達は次々に連れ去られ、別の惑星に売られていった。

258名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 02:19:13 ID:QI5JyoHv
「この子を見逃してくれたら、私がその倍を稼ぎます」

みんな、口々にそう言って、そして二度と戻っては来なかった。
彼女の銀河一美しい澄んだ水の様だと謳われた心には、自分達をプレシャスと呼び冒険者と自称する者たちへの憎悪が渦巻くようになっていった。


「追いかけっこはもう止めにしようや。どうせ、てめぇに逃げる場所なんざどこにもないんだからよ」
少女の背後は切り立つ崖で、その下は海面ではあるものの、ここから落ちれば衝撃は凄まじく彼女の脆い肉体などは藻屑と化してしまうだろう。
その時だった。
少女が背にしていた海面が大きく上昇し、波を二つに裂きながら巨大な舟がその姿を現したのだ。
「な・なんだありゃあ!?」
あっけにとられる密猟者と少女の眼前で舟は鋼鉄の巨人に姿を変えた。
「な・なんだてめぇ!! こいつは俺のモンだ! 残念だが、こいつが最後の一匹よ!
お前らに分けてやれる魚はここにはもうねぇよ!!」

「貴様が冒険者だと? ふざけるなっっ!!! 彼女は俺達が保護する。貴様ら密猟者の手には渡さない!!」

突然、天空から声が日の光のように差し込んできた。
彼女の知らない星の複雑な言語であったが、幸い彼女の種族は精神感応が発達しており言葉の旋律からそこに込められた感情を感じ取ることができた。
それは、今まで経験もしたことがないくらいに熱い感情だった。
その後。
鋼鉄の神々が織り成す激しい力と力の応酬は天と地を震わせ、劈き、そして―…
259名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 02:20:08 ID:QI5JyoHv

二人のシルエットがこちらへ向かって歩いてくるのが分かった。
密猟者と争っていた所を見る限りでは彼の仲間ではないらしい。
だが、それがなんだというのか。
彼らも自分を狙ってこの星に来た冒険者に違いないのだ。
―捕まる!
本能的な恐怖に彼女は身を堅くした。体の震えが止まらず、恐怖が全身を刺し貫いた。
しかし、投げかけられた言葉は意外なものだった。

「怖かったでしょう…もう、大丈夫ですよ」

そっと差し出された手が少女の頬に触れた。
柔らかく、温かい手だった。
少女は恐る恐る伏せていた顔を上げて、声の主を見やった。
そこには、自分がいつの間にか無くしてしまった笑顔があった。
いつも自分達を欲望の対象としてみるあの下卑た笑いとは違う、慈しむ様な表情だった。
いなくなる家族が最後に自分に見せた顔だ。
「俺達は君を保護するために来た。分かるか?」
傍らから声がする。先ほどの熱い感情の本流を見せた人物だ。
彼の言葉に嘘がないのは、感情を探ればすぐに分かった。
しかし、彼らに自分を傷つける気はないと分かっても尚、少女は緊張を解くことができなかった。
「大丈夫…大丈夫ですよ。怖いことはこれで全部お終いです…もう、何も怖いことはありません」
そっと女性の腕が背中に回り、ゆっくりと身体が抱き寄せられた。
女性の体の温もりと心の温もりが同時に伝わってくる。
「私たちはあなたを守るために来たんです…わかりますか?」
ずっと昔。母が眠れぬ幼い自分にしてくれたのと同じ温もりだった。
260名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 02:20:39 ID:QI5JyoHv

「俺たちのミッションはこの奇跡の惑星を原住民に開放すること。君がこれから先をどう生きるか、選択するのは自由だ。この惑星に残るのも、この惑星を出るのも、君の自由だ」
毟り取られ、消滅したはずの権利に少女は気がついた。
しかし、既に密猟者達に蹂躙され破壊しつくされた故郷は、もう少女の知る故郷ではなかった。
少女の居場所は、この世界のどこにもなかった。
だから、突然与えられた自由という名の権利の大きさを彼女は持て余してしまった。
サクラとサトル。
彼女が名を記憶した初めての来訪者。
そして、彼女の世界を変えた人たち。無明の闇を切り裂いて希望の翼をくれた。
この二人といれば、自分もいつか笑顔を取り戻すことができるだろうか―?

―せっかく、救ってもらったのにごめんなさい…

―でも、わたしは外の世界がどんな風だか見てみたい……

―あなたがたと一緒に行っては駄目ですか?

恐る恐る飛ばした思念を受け取った二人はしばし互いの顔を見合わせ、ゆっくりと頷き合うと少女へ向き直る。そしてにっこりと微笑んだ。

「ようこそ、小さな冒険者さん」

今度こそ少女はあらん限りの声を出して泣いた。
そんな少女をサクラはよりいっそう強く抱きしめ大丈夫、大丈夫ですと耳元でずっと囁いてくれた。
サクラに亡き母の面影を重ねて少女は涙がかれるまで泣き続けた。
サクラは少女が泣きつかれて眠るまでずっとその小さな体を抱きしめていた。

261名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 02:21:58 ID:QI5JyoHv
サトルは少女に外の世界について様々な話をしてくれた。
運勢を操る金属の盤。清らかな心に呼応する黄金の剣。奇怪な術を駆使する白い魔人。
どれも少女がこれまで聞いたことも、見たこともない話ばかりだった。
…―いつか、わたしもそれを見ることができますか?―…
そう訪ねると、サトルはいつも力強くこう言った。
「あぁ。絶対にみられるさ! もしかするともっと凄いものを見つけられるかもしれない。
冒険者はどこまでだっていける!! どこまでも行くんだ!」
“冒険”について熱っぽく語るサトルの澄んだ眼差しがきれいで、故郷の海を思いださせて、少女は好きだった。
それをサクラに話すと彼女は微笑んで、
「わたしもです」
と、そっと教えてくれた。
サクラはサトルが好きなのだ。
少女だけがそれを知っている。サトルはそれを知らない。
「二人だけの内緒です」
そう言って、二人で人差し指を唇に当てあう。
自然に頬が緩み、笑みがこぼれる。
少女が笑っているのを見とめたサトルが、なにがうれしかったんだ?と聞いてきても二人は
微笑んだまま、答えない。
ちょっと困ったようなサトルの表情にまたおかしさがこみ上げてくる。
少女は自分がこんなに素直に笑えていることにまだ、気がついていなかった。

262名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 02:22:59 ID:QI5JyoHv
夜はいつも三人一緒に寝る。
ベッドがひとつしかない(なぜなのかは二人とも答えてくれなかった)のがその理由だが、
大好きな二人に囲まれて眠るのが少女は好きだった。
身体を大きく伸ばして両手をサクラとサトルが握る。
そうして、ようやく少女は眠りにつくことができた。

「やっと眠ったか…随分、笑えるようになったが…まだ闇を怖がる。難しいな。心の傷は。…そう簡単に取り去れるものじゃない」
「大丈夫です。彼女は自分で決めたんです、自分の歩く道を。自分の意志で」
「……お前がそうしてきたようにか?」
「あなたが歩んできたように、です」
「……そうだな。俺たちにできるのはその道筋が攻めて閉ざされることのないように照らしてやることぐらいだ……」
「そうですね…でも、私は信じています。彼女が私達と歩むことを。…信じたいんです」

少女を輪に交えて旅することが、いつの間にか二人をも変えていっていることにどちらも気づいてはいない。
二人の狭間で寝息を立てる小さなかわいらしい命が二人の心の架け橋だった。
そっと、眠る少女を起こさぬように二人は互いの身体を寄せ合い、顔を近づける。
ほんの十数秒足らずの逢瀬。
それで、二人は満足だった。確かに気持ちが通じ合っているのを確信して眠りに落ちていく。

果て無き明日の冒険を夢見て―


263名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 04:12:52 ID:YJHtVCYE
>>257-262
いいですねー。読みいってしまいました。続きはあるのでしょうか?是非読みたいです。
264名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 07:10:43 ID:tINQvEKG
>>257-262
少女を挟んで、まるで父親と母親のような二人が良いです。
GJ!
265名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 09:52:37 ID:96z29BSg
やばい
前置きもタイトルも無かったから荒らしかと思ったが
読んだら普通に面白いぞ。スピンオフみたい。
第三者の目で見るボウケンジャー(チーフと姐さん)っていいね。
これはこれで完結してるけど、続きあったらきぼん
266名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 19:27:19 ID:QI5JyoHv
御好評頂けた様でどうもありがとうございます。
一応、これ保管庫の無題(未完)の最終章です。
なんか、少し間を空けたら他の方が隙間なく宇宙行きのお話を次々書かれていたので
重複もなんだなと思い、こういう形と相成りました。
一応、コンセプトみたいなものとしてはさくらが培った笑顔を次に伝えていくと言うようなものがあります。
あと、初期の公式解説文にプレシャスには絶滅希少種の動物も含まれるとあったけど、本編ではそういやそういうのなかったな、と。
まぁ、そういうことですw
267(冒険赤桃)piece of peace14:2007/05/04(金) 21:11:52 ID:q4sI37pm
ふと過ぎる、落ち着かない気分。
まるで何処かから覗かれて、聞き耳を立てられているような、そんな感じ。
さくらも、潮騒のような鼓動の中にほんの少しだけ寂しさを見ているように、明石に縋りついて来た。
それで、気付く。さくらが纏ったままの衣服。それに阻まれて、きちんと感じられない体温に。
脱がせてしまうと、再び身体を押し付けて、重なり合う確かさを得る。薄衣にさえ苛立つほど、感じていたい。

――邪魔をするな。誰も、触るな。

逃げたのは、世界を敵にしたくなかったからかも知れない。
さくらに触れる者、話す者。その全てを、憎みたくなかったから…。
何と言うことだ。一番恐れるべきは、猜疑心に駆られた自分自身だったなんて。

「もう、いいよな」
愛しても。
そのつもりで問いかけた明石を、さくらは別の意味に取ったらしい。
「すみません。私、未熟で…」
そうじゃない。
首を振り、髪を撫でた。
胸板に寄せられる頬。こうなることが必然だったかのように、ぴったりと引き寄せ合う心地好さ。

こうしていられればいい。
明石は心から、そう思った。初めてのさくらに、これ以上の無理はさせられない。
そう、今ならまだ。
今なら、我慢出来る。引き返せる。
手の中のカードは、逃げの切札としては充分有効だ。

「明石さん」
と、突然二つの腕に抱きしめられて焦る。言いかけてやめ、恥ずかしそうに深呼吸をしてから、さくらは口を開いた。

「…もっと、してください。明石さんのしたいこと、全部…」

潤んだ二つの瞳の前に、明石は守りのカードを放り出した。
完全に敗けだった。
さくらはたった1枚だけれど、ジョーカーを持っていたのだと、気付かされたから。

「…後悔しても知らないぞ?」
「しません。するはずがないです。私の宝物は仲間と、笑顔になれた自分と、そして…」
輝く、無敵の微笑み。頬を包まれて、見つめられて。
「あなたです」

今夜は何度も、茹で蛸のように赤くなるさくらを見て来たのに、自分までそんな風になるとは、計算外だった。
耳朶まで熱くなるのを感じながら、明石は所在なく頭を掻く。
俺もだと言いたくて、何故かタイミングを逃してしまったことが情けない。
もどかしさは闘争心になり、欲望へと変化する。
愛おしいのに、壊したくなる一瞬に、唇を噛み締めて。
268(冒険赤桃)piece of peace15:2007/05/04(金) 21:14:24 ID:q4sI37pm
明石はさくらの身体を仰向けにさせ、再び大きく足を開かせた。
消せない羞恥を抱えながらも、さくらは全て心得たように、横暴なその仕種を受け入れる。
もう一度、呼び覚ますように舌でそこに触れると、さくらは甘い声で啼き始めた。その様子が、先程とは打って変わって余裕を帯び、大人びて感じるのは何故だろう。
したいことをしろ、か…。
さくらの言葉が蘇って、その度に明石の渇きが募って行く。
覚悟を決めて、どんなことも受け入れるつもりのさくらと、欲望に追い立てられて、子供のように貪り始める自分。
支配したつもりでも、結局呑み込まれてしまうのが悔しい。それだけ夢中になっているのだと、嫌でも自覚した。

明石は、再び力を取り戻した自身に手を掛ける。
さくらの足を、キリキリと音がしそうなほどに開かせて近付け、ゆっくりと尖端に蜜を纏わせる。その異質な硬さと熱さに、さくらが一瞬息を呑んだのが分かった。
無意識に食い縛る唇を、明石は伸ばした指先で解き、そのまま割って入った口内で、舌先を突いて舐めさせる。
ちゅぷ、と響く擬似的な水音で、さくらが愛撫の快感を思い出せるように。

ゆっくりと、尖端部分を沈めてみる。その先に、堅く閉ざされた扉があることは、すぐに分かった。
僅かに進もうとするだけで、さくらの身体に緊張が走るから。
「痛いよな…」
思わず同情的に呟くと、さくらは健気に首を振った。それでも、眉根に浮かぶ辛さは隠せない。
そこにキスをして、胸に触れて、紛らわせてやることしか、明石には出来ない。
「平気です。やめないで下さい」
本当は怖いだろうに、明石と一つになりたくて、満足させたくて、必死に手を差し伸べ続けるさくら。
そして明石も、覚悟を決めた。
「指、噛んでもいいからな」

痛みも、苦しさも、全部俺のせいにしろ。
そうじゃないと俺は、お前に愛される資格なんて持てないままだ。

一気に、迷うことなく、身体を沈めにかかった。
扉を突き破り、一心に最奥を目指す。
さくらの濡れた声は、あまり聞こえなかった。その代わりに、口内をかき混ぜていた指に、一筋痛みが走る。
まだ動いてもいないのに、明石の呼吸は荒くなり、身体は汗でびっしょりになっていた。
さくらも同じように、息を乱している。額にかかる前髪を払ってやり、明石は囁いた。

「繋がってる、ぞ。さくら…」
269(冒険赤桃)piece of peace17:2007/05/04(金) 21:18:31 ID:q4sI37pm
さくらは瞳を輝かせた。大人になると、静かな歓びが沢山ある。これもそうだと言うように。
叶った願い。夢とまで言うのは、自惚れ過ぎだろうか。

「動いても、平気か?」
ゆっくりと、刺激を加え始める。
馴染ませるように自身をスライドさせ、段々と深くして行った。
「ん、あっ、あ、あぁ…」
最初は痛みを滲ませていたさくらの表情が、徐々に淫媚な色合いを増して行くのを、明石は見逃さなかった。
「痛いか?」
「…は…、何、だか…」
深く浅く、徐々に角度を変えて突き上げ、一際高い声が上がる箇所を探る。
「気持ち…いい、です…。んん、あっ…!」
見つけたそこを一心に責めると、明石自身にも堪らない甘さが広がり、夢中になって腰を送った。
「さく、ら…」
我慢出来ずに、快感が唇から飛び出して来る。それは名前になり、更にさくらを高めて行く。

細く、不安に駆られそうに柔らかく脆いのに、切ないほどに強い。
部下で、仲間だったさくら。その判断力の確かさ、精神力の強さを信じて、今までやって来た。
彼女は一人で立ち、生きて行く。それを見ていたいと、チーフとしての心のまま、明石は思っていた。
なのに今は、守りたいと強く願っている。
理由なんてない。恋という冒険に必要なのは、理屈じゃなく覚悟。ただそれだけだから。

乱れる吐息と、溶け合う体温。いつしかさくらに回した腕に壊れそうなほどの力を籠めながら、明石は一条の光を追いかけ始める。
星の真ん中で、果てなき宇宙を抱いて。
重なり合ったまま二人は、宙を舞った。

星の海を漂う宇宙船。
操縦室から僅かに離れた、ベッドルーム。
そこは、たった二人の乗組員たちの密会の場となりつつあった。多分、これからもずっと。

しばらくの間、この異様な状況に改めて気が付いたように、ひっそりと張り詰めていたさくらだったが、やがて疲れが出たのか、穏やかな寝息を立て始めた。
その背中に恥じらいが見えて、明石の微笑みを誘う。

引き寄せられるように白い肩に唇を寄せ、紅く己が色を刻み付けた。
「…目が覚めたら、聞いてくれ」
明石は、安寧のかけらを手にしながら、眠りにつく。さくらの耳元に、確かな囁きを残して。

その心も身体も、愛している、と。


<終>
270(冒険赤桃)piece of peace作者:2007/05/04(金) 21:21:18 ID:q4sI37pm
ダラダラ続けてしまい、すみませんでした。これにて終了です。
途中、自分のせいでスレが荒れてしまい、申し訳ございませんでした。
作品に対するレスは不要です。大好きな赤桃を書くことが出来、とても嬉しかったです。
読んで下さり、本当にありがとうございました。
271名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 22:19:48 ID:mTE3ndCJ
>>236
シズカちゃんカッコよかったです!そしてフォローを忘れない
蒼太もGJでした!! この後彼女はどうなったか、気になってしまいますよ!

>>257
ボウケンジャー宇宙編ですね!劇場版になってもいいほどの素敵なお話でした。
ええい、もう二人ともお父さん、お母さんになっちゃってくれ!
そういえば本編、男の子ゲストは多かったけど女の子ゲストはなかったなあ……

ボウケンジャーの冒険は終わらない、それを感じさせてくれる
後日談、すごく面白かったです。職人様方ありがとうございます!

>>267
レスは不要とのことですが、すみません言わせて下さい。
あんなことがあったので、続きはなしになるのではないかと
心配してましたので、完結編は嬉しかったです!!
赤桃 私も大好きなので、ドキドキしっぱなしで読ませていただきましたw
272184:2007/05/05(土) 00:21:24 ID:2LuO1Guu
自分で、誤字を見つけました
真墨は、「速き冒険者」でなくて「迅き冒険者」でした、済みません。
名乗り爆発で焦げてきます。
映士の名前も間違えるし、文をすっぽ抜かすという致命的なミスもするし… orz

>>270
自分にも言わせてください。美しい文章を堪能させていただきました。
さくらさんだけでなく、チーフも美しく描けているところが、凄いです。
273名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 00:45:14 ID:AunmJgVG
>>257-262
いいけど、前置きはおいた方がいいんじゃない?
荒らしかと思うし、苦手カプがある人だっているんだからさ。
274名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 17:28:03 ID:zMODEKdn
270さん、
赤桃、すごく良かったです。もう毎日続きが気になって気になって眠れない程でした。他の職人さんもみんな凄いです。皆さんもっとどんどん投稿して下さい!毎日楽しみにしてます!
275名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:02:57 ID:HqPdOlWQ
>>270
最初のほうから読み直しました。レス不要とのことでしたが言わせてください。良かったです。
276名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 13:24:44 ID:BgYLIFri
話も何もありません。こういうエロはどうなのかと…
冒険黒×黄投下します。
277ダイスキ!1:2007/05/07(月) 13:26:16 ID:BgYLIFri

 抱きしめたい、キスをしたい。
 白い肌に舌を這わせて、その可愛い声をたくさん聞きたい。

 菜月は、真墨とエッチする度、そんな思いが強くなる。

 たとえば、今日。真墨の部屋で、二人っきり。
 初めてのときは、菜月のほうがドキドキしてて、みんな真墨に教えてもらった。でも今は、
照れたり恥ずかしがったりしてるのは、真墨のほう。菜月がぴったりくっついて座ると、顔を
赤くして、わざとあさっての方を向いたりして。

 だから菜月も、わざといろんなことをする。スカートだって… ホントは、いつもより短いって、
真墨、気が付いているのかな。
 その短いスカートで、ちょっぴり足を開けば… ほら、真墨ったら、まるで関係ないなんて顔をして、
でも視線が菜月の太腿に、ちらちらこぼれてる。

 真墨の腕をとって、ぴったり胸にくっつける。もちろん、手のひらは、菜月の太腿に乗せてあげる。
 そのまま、
「ね、ちゅー」
と目をつむってくちを尖らせば、真墨は、しょうがないなって顔をして、菜月にキスをしてくれる。
でもね、しょうがないなって顔をしてても、菜月の太腿の上の手のひらが、さわさわと動いてるよ。

 真墨がキスを止めようとする。でも、そうはさせないの。ぎゅっと抱きしめて、唇をもっとくっつけて、
舌と唇で真墨のおくちをむにむにする。真墨はちょっとじたばたするけど、菜月のほうが力持ちなんだから。
真墨のおくちの中に入ると、真墨もちょっと力が抜ける。菜月の舌に、答えてくれる。

 そのまんま、菜月が気が済むまで、ちゅー。離してあげないの。

 それから、真墨のシャツをはだける。白い胸板に、舌を這わせて、ちゅー。この時も真墨はじたばたするけど、
無駄な抵抗だよ。それから、菜月は真墨のをさわってみる。あ、やっぱり、ちょっと、おっきくなってる。

 真墨はもう真っ赤で、こらやめろ、なんて言うけど、もちろんやめてあげないの。まだ柔らかい
真墨のって、ぬいぐるみよりさわり心地イイんだもん。むにむにとさわりながら、真墨の足のあいだに
入って、顔をちかづけると… ホラ、それだけで、真墨のったら、『気をつけ』するんだから。

「真墨のって、かわいい」
笑っていうと、いつも一言、バカって、いうんだよ。

 でも、あんまりおっきくなってるのに、いつまでもズボンの中じゃ、かわいそう。だから、ベルトを
外して、チャックをおろして、パンツだって、脱がしてあげる。出てきた真墨のに「こんにちは」って
挨拶してから、ちゅっ。
「はあぁんっ…」
真墨が、かわいい声を出す。

 唇と舌で、先っぽを、むにむに、ちゅっちゅっ。真墨の、かわいい声を聞きながら。

 菜月のおくちの中で、真墨のが、どんどんおっきくなっていく。こんどは先っぽの回りを、なめなめ、
ちゅっちゅっ。ここまでくると、真墨は、菜月の髪をくしゃくしゃにしながら、なつき、なつきって、
夢中になってる。菜月もね、ホントは、夢中なの。
278ダイスキ!2:2007/05/07(月) 13:27:00 ID:BgYLIFri

 真墨のを立てて、先っぽから付け根のほうまで、唇と舌で、いいコ、いいコ。それから、ふくろを、
おくちに入れて、転がしてみる。真墨のが、ヒクヒク震えて、
「ああっ、んっ、なつきっ、すげェ…」
って、真墨が悶えてる。
…もう、かわいい、真墨ったら、かわいい!!
 なんだか、菜月の大事なとこが、トロトロしてきちゃう。
 また、先っぽに、ちゅー。そのまま続けようとしたら、真墨が菜月を抱き起こしてくれた。

「菜月、それ以上、ダメ…」
そのまま、真墨は、菜月にキス。さっきはあんなに照れてたのに、今度は菜月がくらくらするくらい、
真墨が菜月のおくちを、ちゅー。かわいい真墨も大好きだけど、こんな真墨も、菜月は大好き。
 真墨が、菜月のお洋服を脱がしてくれる。真墨も、全部脱ぐ。
 裸でギュッってしてくれると、それだけで、頭が真っ白になっちゃうくらい、ドキドキ。

 真墨の指が、菜月の一番大事なとこに、滑り込む。
「あぁんっ…」
今度は、菜月が声を出しちゃう。
「菜月… もう、ここ、ヌルヌル… 」
「んっ… だって… だって、あんっ、ますみが、かわいい、からぁ…」
「バカ…」
そう言って、真墨はまた菜月に、キス。そして、胸にも、キス。
もう片方の胸の先と、菜月の大事なとろで、真墨の指が動いてる。
菜月が欲しいところ全部に真墨がきてくれて、菜月は、もう夢中。

 でも、一番欲しいのは…
「真墨…」
真墨のを、そっと、握る。
「真墨、おねがい…」
そう囁くと、菜月の手の中で、真墨のがぴくっと反応する。

 真墨が、菜月を、そっと仰向けにする。菜月は足を広げて、真墨のを自分のところへあてる。
 にゅるっ、て、真墨が入ってくる。ゆっくり大きく動かされると、もうたまらなくって、
菜月は真墨にしがみつく。白い胸に、首筋に、おくちをつけて、舌で、唇で、菜月がどんなに
感じてるかって、真墨に伝えるの。
 真墨の白い肌に、ピンクの花びらが散ってるみたい。

(ああっ、ああんっ、ああんっ)
だんだん、花びらの色が、濃くなってきちゃう。
(んっ…!!)
「菜月っ…!」
真墨が、小さく鋭く囁く。菜月の中で、真墨の温かさが広がる。
あ、今日も、真墨の肩、噛んじゃった…

 終わった後は、いつも真墨におこられちゃう。
「コラ、お前、こんなに痕つけちゃって、どうすんだよ」
「えへへ、ゴメンね」
「ふつー、逆だろ…」
 そう言ってあきれているフリしてるけど、でも、真墨、まんざらでもないでしょ。
 大好きだよ、真墨。
 
279名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 21:18:10 ID:d9W0DiR9
久々にエロいのktkr!
積極的な菜月GJ!黒黄のイチャコラ、ごっそさん!
280名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 10:29:16 ID:3zn3wIyC
前回、風シリーズ(素敵な呼称を有難うございます)を投稿したものです。
続編で短いものができたので投稿します。
・青×風ですが、相変わらず進展しません
・前回の話を読んでないと、わかりづらいかもしれません。
よろしくお願いします。
281恋する大剣人(1):2007/05/10(木) 10:30:05 ID:3zn3wIyC

 某地域の観光名所となりつつあるSGSミュージアムも、小雨のちらつく平日となると、人影は疎らだった。

 地味なスーツを着た女性が、ミュージアム内へと入っていく。彼女は、展示品を眺めながら、ぶらぶらと奥へ進んでいく。
「何か、興味のあるもの、ありましたか?」
青いジャケットを着た男が、声を掛けてきた。お互い二言三言、言葉をかわすと、彼女はそのまま彼の後に付いていき、
案内されるまま、扉の向こうへと消えていった。

「ゴメンね、シズカちゃん。まだ、君をここ以外に案内するわけには、いかないんだ」
 建物内の複雑なルートの先の、小さな会議室に入ると、蒼太は申し訳なさそうに言った。
「しょうがないよ。あたし達、ついこないだまで、お互い戦い合ってたんだから」
 シズカは、なんてことない、と言った調子で返す。ここに来るのは、これで2回目だ。
 今日は、彼女の、定期報告の日だった。

 ダークシャドウがSGSに降伏し、首領だった幻のゲッコウは、仙人ヶ原に散った。一人残った風のシズカは、
SGSの情報関係の仕事をすることとなった。しかしSGSも、過去に何度も対抗してきた元ネガティブの一員を、
無条件で信頼しているわけではないようだ。
(ま、いっけどね… )
 風のシズカも、そのことに不満があるわけではない。むしろ、仕事があるだけ、有り難いくらいだ。
 ただ、彼女の上司… 最上蒼太は、気にしている。いや、このことだけではない。仙人ヶ原の事件以来、蒼太は、風のシズカに
腫れ物に触るような態度をとることが、しばしばあった。

 蒼太は、ふっと息を吐くと、テーブルについた。
「じゃ、始めよっか。まず、この間の案件から… 」
 打ち合わせは、今度も、1〜2時間ほどかかった。

「…じゃ、今日は、これまでだね。何か、質問とか、あるかな?」
「いや、別に…」
「そうか… 外まで、送るよ」
 毎回、入るときと出るときには、蒼太が付いてくる。これも「用心」の一部なのだろうと、シズカは解釈していた。
 ミュージアムまで来ると、シズカは言った。
「ここまででいいでしょ。もう、外みたいなもんだよ」
「ミュージアム、案内しよっか?」
「ははっ、子供じゃあるまいし」
 苦笑いして、シズカは背を向けた。その後ろ姿を見送りながら、蒼太はふっとため息をつく。
(まだ、元気ないみたいだ… )
 お互いが敵だった頃の彼女は、もっと明るくて、いい意味で脳天気なところがあった。しかし、今の彼女は、どこか暗い影が、
そこかしこにまとわりついている。あまり気を遣いすぎてもいけない、と思う反面、彼女がよく見せる暗い目に、蒼太の顔も曇る。

 風のシズカは、仙人ヶ原で、ボウケンジャー・チームの目前で奇跡を起こし、日本を救ったと言っても過言ではないはずだ。
しかし、上層部は、彼女を信頼しすぎてはいけないと判断し、その扱いを慎重にするようにと、蒼太に指示を出した。
 最上蒼太個人としては、彼女をもっとSGSの一員として扱ってやりたかった。自分がここで得たのは、信頼できる、仲間。
今の彼女に必要なのも、きっと、それなのだ。なのに自分は、彼女を信用してませんという扱いを、するしかない。
 何度かデートにも誘ってみたが、そんな気分じゃない、と断られると、それ以上は押せなかった。
(どうすれば、シズカちゃんにまた、元気になってもらえるだろうか… )
 また、ため息が出る。
 しかし、そのきっかけは、実に意外なところに転がっていたのだ。
282恋する大剣人(2):2007/05/10(木) 10:31:01 ID:3zn3wIyC

 3回目の打ち合わせの日。蒼太がいつもの通りにミュージアムまで迎えに行くと、そこには、風のシズカと、ズバーンが、いた。
「えっ?」
 思いがけない組み合わせに、蒼太は思わず立ち止まった。それどころか… 二人の(というか、一人と一本の)雰囲気が、
何というか… とても親しげ、なのだ。
(シズカちゃん、あんなに笑ってる… )
 そもそも、会話が通じてるのだろうか。しかし、ズバーンがズバズバ言ってるそばから、風のシズカの、くすくすと笑う
声が聞こえる。
 シズカが、蒼太に気が付いた。
「あ、ボウケン… じゃなかった、いたの。じゃね、ズバーン。あたし、行かなきゃ」
「ズバズバ、ズバーン」
 名残惜しげに手を振る二人。これって、まるで…
(いやいや、まさか…!)
 蒼太は、自分の馬鹿げた考えを振り払うように、頭を振った。
 風のシズカが、近づいてきた。
「どしたの?」
「どしたの…って、シズカちゃん、ズバーンと、え、なに?」
 何から聞いていいのか分からなくて、どうにも変な質問になってしまった。
「ああ、あんたを待ってたら、話しかけてきたんだよ」
「話って… 通じるの??」
「そりゃ、全部じゃないけど… でも、いい奴だよ、あいつ。それがさ… 」
 さもおかしそうに、シズカがくすくす笑う。
「今日、あたしが来るって聞いて、わざわざ待ってたんだって」
「は?」
「ファンなんだって。仙人ヶ原で、すっかり惚れ込んだなんて言ってさ」
「………ええええええええ!!!」
 ミュージアム内では、お静かに。そう注意する立場の蒼太が、館内中に響く大声を出した。
283恋する大剣人(3):2007/05/10(木) 10:31:56 ID:3zn3wIyC

 その日の打ち合わせの間中、蒼太は、表面的にはいつも通りであったが、心のどこかが落ち着かなかった。
 風のシズカも、表面的にはいつも通りなのだが、以前の朗らかさを取り戻しつつあるようだ。喜ばしいはずなのに、
言葉の端で、ちょっとした目線でそれを感じる度、蒼太の心にどういうわけかさざ波が立つ。
 打ち合わせが終わり、またいつものように、彼女を送る。
 ミュージアムに着くと、ズバーンが待っていた。それがまた、風のシズカには嬉しいらしい。
「あ、今日もここまででいいよ。これからズバーンに、館内を案内してもらうから」
「ズンズン、ズバーーーン!」
 ズバーンも、張り切っている。
「…あ、そう…」
 でもシズカちゃん。前回、僕だって、案内するって、言ったんだけど…

 蒼太が、楽しそうな一人と一本の後ろ姿を見ながら、茫然と立ちつくしていると、ポン、と、肩をたたかれた。
「よ、蒼太。で、聞くけど、一体全体、ありゃなんだ?」
 真墨と映士だった。ズバーンとシズカの仲睦まじい様子に、二人とも怪訝な顔をしている。
「そりゃ、僕だって聞きたいよ」
 蒼太は目を閉じ、ため息混じりに返答する。
「なんだよ、あいつら、随分と距離近えぞ」
「風のシズカと、ズバーンか… しっかし、あの様子、まるで恋人同…」
「そんなわけないって!」
 蒼太は、自分でも驚く大声が出た。
「ビックリした、いきなり大声出すなよ、館内だろ」
「あ、ゴメン… いや、その、さっきシズカちゃんから聞いたんだけど… ズバーンが…」
 蒼太は、事情を説明する。
「ええええええええ!!!」
 二人とも、思わず大声を上げ、その後、眉を顰める周囲の人に頭を下げた。
「ズ、ズバーンが、風のシズカに、惚れたって??? マジかよ!!!」
「あ、あいつが、女に惚れるって… !!!!!」
 二人は、同時に、ブーッと吹き出すと、肩をヒクヒク震わせ始めた。
「笑うなって、二人とも。ズバーンに、悪いよ」
「だ、だってよ… 」
「無理無理、は、腹痛ぇ… 」
 ようやく発作が収まった映士が、言った。
「だけどよ、あの様子、風のシズカも、まんざらでもねえんじゃねえのか? いや、仲いいなー、あいつら」
「まさか… だって、ズバーンはズバーン、でしょ…? 」
 蒼太が、引きつった笑みを浮かべる。
「風のシズカだって、ヤイバとか、ゲッコウとか、とてもじゃねえけど人って言えねえ奴らとずっと暮らしてただろ。
 きっと普通の人間よりも、ああいうのが、タイプなんだよ。じゃなきゃあのラブラブ度って、ありえねえって」
 真墨が、言い切った。
「らぶらぶ… 」
 蒼太は、絶句。傍目に、二人は寄り添って、笑い合って、確かに…
「いやー、まさか、こんなことがあるとはな! なあ、蒼太! …蒼太?」
 真墨に、目の前で手をヒラヒラされ、蒼太は我に返った。
「え、いや、そうだね! まさか、ズバーンがねえ…」
「…?」
「あ、そうだ、僕、まだ未整理の書類が…」
 真墨と映士の怪訝そうな視線を避け、蒼太はあわてて逃げ出した。
284恋する大剣人(4):2007/05/10(木) 10:32:35 ID:3zn3wIyC

「…というわけなんだけど、菜月ちゃん、知ってた?」
 真墨と映士から逃げ出し、サロンに来た蒼太は、丁度そこにいた菜月に事情を説明した。
「ああ、それでズバーン、シズカちゃんがいつ来るかって、気にしてたんだあ」
「え、前から、そうだったの?」
「でも、良かったー」
「なんで!!??」
 二人の仲を祝福するかのような菜月の発言に、蒼太は思わず反射してしまった。
 目を丸くしている菜月に、蒼太は気まずく咳払いした。
「ゴホ… その、つまり、ズバーンとシズカちゃんが、仲よくなってって、こと?」
「ちがうの、シズカちゃんとどうこうって言うんじゃなくってね、ズバーン、あの時から、ちょっと元気ないみたい
 だったから… 」
 あの時から、と言うのが、仙人ヶ原の戦いであることは、蒼太も知っていた。ズバーンは、あまり役に立たなかった
自分を恥じていたらしく、確かに最近まで落ち込んでいる様子だったのだ。
「この前シズカちゃんが来たときね、ズバーンがミュージアム担当だったの。姿を見かけたらしくって、それで、菜月に
 あのひとは次にいつ来るんだって… そう言えば、菜月が教えてあげたら、それから、ちょっと元気出てきてたみたい」
 菜月は素直に、ズバーンが元気になったことが嬉しいらしい。
 蒼太は言った。
「…まあ、元気になってきたのは、ズバーンだけじゃないみたいだけど」
「え?」
「シズカちゃんも、ズバーンと一緒にいて、楽しそうだったよ… すごく」
「えーそれって、ズバーンとシズカちゃん、両思いってことー??」
 菜月は両手を胸元で合わせ、目を輝かせた。
「あ… い、いや、それは、本人に聞いてみないと、分からないんだけど… 」
 菜月から目を逸らし、最後の言葉はむにゃむにゃ誤魔化して、蒼太は立ち上がった。

(僕は、何を動揺してるんだろう… )
 無敵のポーカースマイルで通してきた、元スパイ、のはずなのに。
 自分のパソコンの前で、画面を見つめているフリをしながら、蒼太は自問していた。
 プライドが、傷ついたからだろうか。
 彼女がたった独りになった瞬間に立ち会ったのは僕だったし、彼女の命を救ったのも、病院でずっと付き添っていたのも、僕だ。
そして今、彼女の上司となり、仕事の面でも繋がりは強い。
 シズカちゃんのことだって、チームの誰より気を遣っていたつもりだったし、女の子の扱いだって、慣れているつもりだった。
 だから、彼女を元気づけることが出来るのは、自分しかいない。そんな『驕り』が、僕の中に、あった。
 それが、人間ですらない、プレシャスに負けた… (いや、勝ち負けじゃ、ないけど)
 僕は、彼女を、あんな風に笑わせることができなかった… それで、動揺しているのだ。
(つまりは、そういうことなんだろう… )
 自分の中で何とか結論づけてみたが、それでも、ズバーンと笑い合う彼女の笑顔を思い出すと、気持ちが落ち着かない。
 それどころか、
『…仙人ヶ原で、すっかり惚れ込んだなんて言ってさ』
そう言ってくすくす笑う彼女まで思い出してしまい、なんだかやりきれなくなってきた。
(疲れた… 仕事、しよう)
 キーを叩いて、画面を呼び出す。いくつか、情報をチェックしていくうち、蒼太の顔に緊張が走った。
 蒼太は立ち上がり、エレベーターに向かって駆け出す。
「蒼太さん?」
「ごめん、急いでるんだ」
 開閉音と共に、蒼太は姿を消した。
285恋する大剣人(5):2007/05/10(木) 10:34:17 ID:3zn3wIyC

 ダークシャドウがSGSに投降したとき、彼らは、所持していた一切の「取引先名簿」を、SGSに渡していた。
 その情報のおかげで、多くのネガティブを壊滅させることが出来たのだが…
『残党が寄り集まって、また新しい組織を作ってるみたい』
 今日の報告で、風のシズカはそう言っていた。
『あたしも、大分恨まれちゃってるよ。裏の社会で、A級国際指名手配、だってさ』
 もちろん、過去に戦ってきたネガティブに比べれば、今回の動きは、シズカの言葉を借りれば『てんで、小粒』なのだが、
しかし彼らが危険なプレシャスを手に入れれば、どのような危機が訪れても不思議ではない。
 そして今。蒼太が気になるのは、風のシズカの位置情報と、二つの、比較的高いプレシャス反応が一致していることだった。
(一つは多分、風牙が発動している反応だ… だとすれば、もう一つは恐らく、ネガティブの… )
『風牙の太刀』を所持している風のシズカが、そう敵に遅れをとることはないだろう。しかし、万が一のことがあったら…
 現場は、ここから遠くはなかった。
286恋する大剣人(6):2007/05/10(木) 10:34:53 ID:3zn3wIyC

 風のシズカは、人気のない、倉庫群の片隅で、得体の知れない『化け物』と対峙していた。
(なんだこいつ… 硬すぎる… )
 ミュージアムから出て間もなく、付けられているのが分かった。面倒なので手っ取り早く片付けようと、自ら人気のない
場所へ向かうと、果たして、敵は襲ってきた。意外にも、化け物一匹。それ以外の姿は、とりあえず見当たらない。
 何者か、と問うて見たが、答えは返ってこなかった。斬りつけても呻り声ひとつ立てないのは、元来声を立てないだけ
なのか、それともこちらの攻撃が全く効いていないだけなのか… ま、きっと、両方、か。
 この鎧のような化け物は、風牙のかまいたちでも切ることができなかった。一見動きは緩慢で、しかしその分…
(なんか、不気味… )
 シズカは、思わず顔を顰める。天気のいい昼下がり、太陽の光が辺り一面を照らしている… それなのに、こいつと対峙
しているだけで、背に悪寒が走り、嫌な汗がじっとりとわいてくる。
 陽炎の立ち上るアスファルトに、怪物の、がちゃり、がちゃり、という足音が響き、シズカは、その音が、妙に気に障った。
…きっと逃げることは出来るのだろうが、そんなことしたって、奴は別の機会に襲ってくるだけだろう。
 それに、きっとこいつはプレシャスの力が働いているはずだ。
(SGSに雇われているからには、その正体くらい、探っておかないとね)
「はぁっ!」
 再び、一閃する。しかし、乾いた金属音と共に、かまいたちは跳ね返された。
(やっぱ、ダメか)
 次の体制に入ろうとした瞬間。シズカの目の前に、いきなり怪物が立っていた。
 血の気が引く。
(うっそー、これ、ちょっと、やば… )
 ブンッ!!
 化け物の腕が、空を切って、風のシズカに襲いかかる。
「危ないっ!!」
 叫びながら、ボウケンブルーが飛び出し、風のシズカを抱きかかえた。二人は派手に転げた。
「シズカちゃん、大丈夫? …奴は、一体?」
「ボウケンブルー… あたしにも分かんないよ… とにかく、あいつは、切れない」
 化け物が、また近づいてきた。
「サバイバスター!」
 派手に火花があがるが… 火煙の向こうから、全く意に介せず、化け物が歩いてくる。
「刀が効かない、銃もダメか… 」
「どーする、逃げちゃおうか?」
「ダメだ、こいつが町の方へ出て暴れ出したら、大変なことになるよ」
「あー、正義の味方って、面倒だなあ」
「そんなこと言ってる場合じゃ… 」
 その時、二人の耳に、なじみの声が響いてきた。
「ズンズン、ズバーーーーン!!」
「ズ、ズバーン!? どして、ここに… 」
 驚くブルーをよそに、風のシズカは叫んだ。
「ズバーン! 来てくれたんだね!」
「え?」
 シズカの声に応えるように、ズバーンは剣の姿に変わると空を滑り、ボウケンブルーの手に収まった。
「ほら、ボウケンブルー。ズバーンが、今回だけは特別に、あんたに使われてくれるって」
「な、なんだかよくわからないけど… 」
 二人の間に、ここまで信頼感があるなんて… 一瞬、蒼太の胸に正体不明の鈍い痛みが走ったが、とにかく今は、あの怪物を
倒すことが、優先だ。
「じゃ、行くよ、シズカちゃん!」
「おっけー」
 風のシズカの手にしている小太刀が、青い炎を煌めかせ、太刀に変わった。
「はあああああっ!!」
 二人の放った気合いが、倉庫の間を駆け抜ける。
 黄金の剣と青い閃光が、同時に化け物を捉えた。
287恋する大剣人(7):2007/05/10(木) 10:35:43 ID:3zn3wIyC

 ガッシャーーン!!
 鎧が、砕け、四散した。
「やった!!」
 二人は、粉々になった、敵の残骸に駆け寄った。残骸の中に、一体の人形。なにか、札のようなものが貼られている。
「こいつが、化け物の本体か… 」
 ボウケンブルーが手に取ろうとした時。人形が、突然光った。
「きゃっ!」
「何?」
 見る見るうちに、砕けた残骸が寄り集まり、整合し、再び鎧の姿を取る。間を開けず、二人に襲いかかってきた。
 ブンンッッ!!
 空を切って、腕が二人をなぎ倒す。
「うわああっ!!」
「きゃあああっ!!」
 吹っ飛ばされ、倒れこんだ二人に、怪物の影が近づいてきた。
(しまった、ゆ、油断した…!)
 ブルーが覚悟した瞬間、
「ラジアルハンマー!!」
「バケットスクーパー!!」
 ボウケンブラックとボウケンイエローのコンビネーションが、敵を襲った。
「チーフ! 菜月ちゃん!」
「おっと、俺様も忘れちゃ困るぜ。それっ!!」
 フィニッシュは、ボウケンシルバーの一閃。怪物がよろめき、膝をつく。
「どうしてみんな… 」
「お前もズバーンも、いきなりいなくなっただろ。何かあるって思うじゃないか」
「間に合って、よかった!」
 良かったって… それ言うのは、僕のほうだよ。
「蒼太、デュアルクラッシャーだ!!」
 ブラックが叫んだ。
「了解! デュアルクラッシャー、レディ!!」
 ボウケンブルーが、デュアルクラッシャーを構える。ブラック、イエロー、シルバーが、フォローに入る。
「そうだ、シズカちゃん、君も入って!!」
 ブルーが、風のシズカに呼びかけた。
「え… でも」
「あと一人足りねえんだよ、早くしろ!!」
 ブラックも叫ぶ。
「…了解!」
 風のシズカが入り、フォーメーションが、整った。
「Go!!!」
 ドリルが、うなりを上げて、火花を散らし、怪物の腹に突進する。
 鎧を割り、内部の人形にまで突き刺さる。札が焼け切れ、怪物は大爆発を起こした。
「やったー!!」
「やったぜ!!」
 ボウケンジャー・チームのミッションが、完了した。
288恋する大剣人(8):2007/05/10(木) 10:36:17 ID:3zn3wIyC

 内臓されていた人形を回収し、四散した鎧も一部、分析のために回収する。
「ズバズバ、ズバーン!!ズンズン!!」
 ズバーンが、剣人の姿に戻り、風のシズカに話しかけていた。
「…菜月、あれ、何て言ってんだ?」
 真墨が尋ねた。
「えーと、あなたが無事で良かった、あなたと一緒に戦えたのはとても嬉しいことだった、だって」
「マジかよ… 」
「ズバーン、幸せそうだよ」
「お前な、そういう問題か?」
 皆、ズバーンと風のシズカを、なんとなく遠巻きに眺めていた。ズバーンだけでなく、風のシズカも笑顔だった。
「助かったよ、ズバーン。きっと来てくれるって思ってた」
 その言葉が、何故か蒼太の胸を抉る。僕だって、来たんだけど… 蒼太は、視線をそらした。
「ほら、このコも、感謝してるよ。はい」
 そう言って風のシズカがズバーンに渡したのは… 『風牙の太刀』
「え!?」
「それって…!?」
 皆、思わず目を瞠った。
「ズンズン、ズバズバ、ズバーーーーン!!!」
 渡されたズバーンは、もう踊りださんばかりに喜んでいる。
「菜月、通訳!」
 真墨が叫ぶ。
「えと、あなたをこの手に抱けるなんて、夢みたい、だって」
「てえことは、ズバーンが仙人ヶ原で惚れたってのは… 」
「『風牙の太刀』って、こと??」
「…他に、何があるっていうのよ」
 風のシズカは、皆が驚いていることに驚いていた。
 映士が、ニヤニヤしながら蒼太の肩を叩いた。
「良かったなあ、蒼太。てっきり、強敵出現と思ったんだけどよ」
「え? な、何が…」
「でも残念だぜ。お前が、こんなことで青くなったり赤くなったりって、滅多に見られるもんじゃなかったけどな」
 言葉だけでなく、真墨は本当に残念そうだ。
「別に、僕は何も… 」
 真墨と映士の視線を避け、顔を背けると、風のシズカの笑顔が見えた。蒼太の心も、ふと緩む。
(…ま、いいか )

 蒼太はすたすたと風のシズカに近づくと、馴れ馴れしく肩を抱く。
「シズカちゃん、今度、デートしようねっ」
「な、ちょっと、それセクハラ!!」
 顔を赤くするシズカに、チャッと手を振りウインクを落とし、蒼太は歩き出した。
「蒼太… 立ち直り、早えな… 」
「チーフ、ミッション終了、帰還しますよ」
「ったく、カッコつけやがって、お前が仕切るなっての」
 風のシズカも、陽気に言った。
「んじゃ、あたしも。またねー、ボウケンジャー」

 ボウケンジャーと風のシズカは、それぞれ別の方向に歩き出す。
 しかし言葉には出さなくても、同じ道を歩み始めていることを、皆、分かっていた。

<おしまい>
289名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 14:23:21 ID:1La2Hu2Q
蒼太の嫉妬やズバーンの恋と今回もNEW風堪能させていただきました。
290名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 14:50:59 ID:FpGPwnJt
風シリーズ職人様、今回もすごく面白かったです!
最後の、ズバーンが惚れていた相手というのが・・・w
蒼太くんのこんな姿も滅多に見られるもんじゃないですよね。
GJでした!
291名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 20:45:16 ID:7C5SiuVu
新しいスレッドになってわずか一か月なのに伸びてますよねー。
まだまだ冒険は終わってないわけだ。
赤桃二本、黒黄、青風(ズバ太刀?)、それぞれに楽しませて
いただきました。各職人さん、ありがとうございます。
292ゲキ 赤黄:2007/05/10(木) 21:43:50 ID:/uFt9sAn
ゲキレン12話から妄想した、赤黄の小ネタ投下します。
ジャンのモノローグ調なので、読みづらいのは承知で漢字は使っていません。
ご了承の上、お読み下さい。
293ゲキ 赤黄:2007/05/10(木) 21:46:00 ID:/uFt9sAn
オレ、かんどうジャン!
ゲキワザしゅぎょうちゅうだ!
このまえ、ニュルニュルはゴシゴシするとニュルニュルしなくなるって
ゲンさんとのしゅぎょうでおぼえた。
せんとう、でっかくってニキニキ!

いつものしゅぎょうのあとは、せんとうじゃなくてシャワーっていうのでさっぱりする。
レツは1ばんにはいって、オレとランはそのあと。
ランといっしょにはいってあらいっこするの、オレワキワキ!
でもランは「みんなにはこのこと、いっちゃダメ!ぜったい!」っていう。
だれかにいったら、もうランとあらいっこできなくなるって。
だからオレ、レツにもネコにもおしえてない。

ランは、あらいっこしながらときどきヘンなこえをだす。
しゅぎょうちゅうはきいたことない、ジュワーンってするこえ。
ジュワーン…ちがう、ジュワンジュワン?そんなかんじ。
ランのあしとあしのあいだが、アワアワもつけてないのにニュルニュルして、
あらってやろうにもオレのて、うまくできない。
ニュルッとするからついオレ、ギュッてしちゃって
ランに「ちょっとイタイよ」ってなかれる…シオシオ。

でも、ゲンさんにしゅぎょうしてもらったから、こんどはだいじょうぶ!
ニュルニュルはゴシゴシするとニュルニュルしない!
これでラン、なかせない!いたくしない!

なあ、ラン。
ゴシゴシしたら、もっとニュルニュルしてきたぞ?
なんでだ?
んー、でも「イタイ」ってないてないから、ゲキワザせいこう?

<おわり>
294名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 22:46:54 ID:I+moenWX
>>293
ジャン、何てエロい事教えがいのある奴だ!
ランを違う意味で泣かせられる日も近いな。
日々此精進!
295名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 23:54:22 ID:pYIxZ2GW
ちょwwwwジャンwww
296名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 06:56:58 ID:cqHkcoGr
そうか!だからジャンは最初に女風呂に入ろうとしたんだな
297名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 23:36:50 ID:7bdl3GZu
テラワロス

段階を追ってテクニックを極めるジャンが見たい
ぜひ続編を
298名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 12:01:20 ID:J3PsPHgq
間違って、象に変な趣味植え付けられそうw
299名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 12:02:37 ID:50zKRaxd
久々に投稿いきます。
最初にお断りしますが、『エロ無し』です。

Task37「憧れの芸能界」の中の1シーンを
自分で勝手に妄想して赤桃仕立てで書いてみました。
全2レス、題名は「5秒間」です。

※一部、あの時点で本編にまだ出てきていない人物について
故意に触れている箇所があります。ご容赦下さい。
300ボウケン赤桃 「5秒間」:2007/05/12(土) 12:03:47 ID:50zKRaxd
「さくらさん、このカッコ可愛いよ?」
「可愛くありません!」
「結構イケてんじゃん」
「イケてませんっ!!」

「・・・さくら、デビューしろよ。芸能界」



・・・・・・・・・えっ?
今チーフ、なんて・・・・・・。
そんな、他人事だと思って軽々しくデビューしろだなんて・・・。

そりゃ確かに、堀西さくら子を演じている時は・・・最初のうちはイヤでしたけど・・・
私も女ですし・・・次第に・・・脚光を浴びるのも・・・結構悪くないな、なんて・・・。
みんな、私の・・・スカートの裾のとことか・・・・チラチラ見たりして・・・(照)
今まで・・・そういう経験、ありませんでしたから・・・・。

それに、あのゴスロリ・・・?って言うんですか?
ああいうフリフリのも、子供の頃は着せられるのイヤでしたけど、
この歳になって着てみると・・・なんというか、新しい発見といいますか・・・・。
鏡見たら・・・一瞬・・・い、一瞬ですよ?
『か・・・かわいいっ♪』とか思ったのは事実ですし・・・・(照照)

あ、後で・・・インターネットで・・・コス・・プレ?の・・・・
通販サイトとか・・・・こっそり見ちゃいましたし・・・。
そしたらメイドさんの・・・すごーーく可愛い衣装見つけちゃって・・・。
真っ赤でフリフリで・・・・いつか機会があったらこれ着てみたいなぁ・・・とか・・・。
まぁ・・・多分、無理でしょうけど・・・・。

ま、まぁともかく・・・芸能界に少し興味があるのは事実です・・・。
あの後プロデューサーさんから、正式に熱烈スカウトも受けちゃって・・・・。
それに、自分で言うのもアレですけど・・・私って・・・それなりに・・・
かっ・・可愛い・・から・・・人気もそれなりに・・・出ると思いますし・・・。
私さえ望めば・・・デビューは即可能かと・・・。
301ボウケン赤桃 「5秒間」:2007/05/12(土) 12:04:56 ID:50zKRaxd
でもっ・・・でもですよ?
だからって、「デビューすればぁ?お前のことなんかもう知らね」みたいな
チーフの態度はなんなんですかっ!(机ドンッ!)
私が居なかったらあのワガママお子ちゃま女好き乱暴者の4人組をまとめられないくせにっ!

第一、私がデビューなんかしたらお父様お母様が黙っていませんよ・・・。
ただでさえ家出同然で西堀を出てきたのに・・・。
ある日お父様がテレビつけて、私が「さくら子でーす、えへっ♪」なんてやってたら、
その日のうちに黒服20人くらいに囲まれて連れ戻されちゃいますよ・・・。
まぁ、本気で戦ったら負けませんけど・・・・。

そ、それにっ!
私が抜けた後、誰がボウケンピンクをやるんですかっ!?
どうせ誰も・・・・・ハッ?
ま、まさかあの・・・ミニスカサンタをっ・・・!?
チーフ、最初からそのつもりで・・・・。

だめだめだめっ!絶対だめですっ!!(首ブンブン)
そんなことしたら、あの泥棒猫にチーフ持ってかれちゃいますっ!
だいたい、あんなポケーっとしたような尻軽女にサブチーフなんか務まりませんっ!
なにが『深き冒険者』ですかっ!浅々じゃないですかっ!
ピンク及びサブチーフ・・・そしてチーフのパートナーの地位は、私が一番ふさわしいんですっ!
絶ッッッッッッ対に譲りませんっ!!


芸能界は、本当に本当に残念ですけど・・・・諦めます。
チーフから離れることなんて、私にはできません。
だって・・・・・・・・・大好きですもん。



「・・・・そんなことしませんッッ!」


(おしまい)
302名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 12:05:39 ID:50zKRaxd
以上、しょーもないもの失礼しました。
303名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 15:58:52 ID:SVFUnfLK
>>302
いやいや無茶苦茶ワロスwwww
さくらこ使ったギャグ篇無いかなーと思ってたんで堪能させて貰いました
GJでした!次回作も頼んます


>>風シリーズ職人様
某スレへ転載して頂いて有難う御座います
大変な作業だったでしょうに本当に感謝します
今後も両板を股にかけたご活躍期待してます!
304名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 17:55:30 ID:+QESdsAb
>>300-301
姐さんって普段は冷静なくせして、ことチーフが絡むと思考がぶっ飛ぶような気がするw
個人的な感想だけど。
さくら子ってまだまだ弄れそうなネタ満載のキャラかもしれませんね。
職人さん、ありがとうございました。
305名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 18:32:48 ID:7xk4H0R7
>>302
あのシーンに着目しましたかーw
面白い上に、とても可愛らしい姐さんの胸の内が見れてすごく良かったです。
しかし5秒間でここまで・・・・恐ろしい頭の回転ですねw
306名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 22:42:18 ID:HfOeqAmp
>>303
わざわざ手間掛けてまで、両方に投下して貰わなくても。折角の良職人さん
なんだから多くの人に観てもらえる全年齢おkの特板の方に専念して貰った方が
良いんではないかと。
ここは「エロパロスレ」だし。一応、建前上、18歳未満禁止だしね。
それと、エロネタ求めて来ている自分としては、エロ無しはそろそろ寂しいっす。
307名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 22:44:31 ID:QxqOJ2qJ
>>300-301
姐さん凄い…チーフの一言でそこまで頭回転するんですか。あの悩んでるシーンでそんな苦悩が。GJ。
308名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 23:01:38 ID:pscWyPV2
>>302
すごーく可愛い衣装、ね…
あれ、姐さんの私物だったのかw
309名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 23:30:55 ID:HPIvUVz3
なるほど
道理であんなメイド服、姐さんにしては素直に着てると思ったよw
310名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 23:48:43 ID:KWuCULsk
萌えワロタw
さくら子GJ
311名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:44:28 ID:cVaxeXxW
>>306
気持ちは分かるが特板の方ってカプネタはここの比じゃなく荒れやすいから
どちらかと言えば許容の幅が広いこっちで先に上げて、全年齢でも行ける作風になったら向こう、という流れでも個人的には良いと思う
312名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 08:00:22 ID:LsGqX3IA
>>311に同意
萌え話から新しいえろ妄想も広がるし、
マタリ進行のこっちでもいいんじゃないかと。
313名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 11:26:48 ID:ZG4Mb+N9
風シリーズ作者です。
>>306
>>311-312
あちらに転載したのは、ひとえに自分の我侭からです。これが特撮板でどう評価されるか
試してみたい、という気持ちを抑えられませんでした。すみません。
ただ、カプ話がメインだと、やはり特撮板では板違い気味になるし …難しいですね。

>>300-301
壊れ気味のさくらこちゃんGJ!あとさくらさんはスイーツでも壊れそう。
こんなさくらさんと鈍チーフのデートがあったら萌え。
314名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 12:45:03 ID:u8UFud66
そろそろ、ゲキ物も増えないかな〜(・∀・)
リオメレにジャンなつめにレツランとか。
職人様、お待ちしております!
315名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 19:13:44 ID:0yghhAUX
76―83で所有物という話を書き、チーフに〇蹴り食らわした者です。
今更なんですが、あの直後の話落とします。
時間が経ちすぎたので、もう少し時期を見て、他の職人さんの場つなぎにでもと思っていたのですが、
そのままファイルの中に放置しっぱなしの可能性が大いにあるので、思い切って投下します。
でも、赤桃仲直りエロではなく銀桃。しかもエロ無し。そして長い。13スレも消費してしまいます。
その上、色んな意味で痛い表現あり。
銀桃が嫌いな方、エロも無いのに長いのは嫌いな方華麗にスルーお願いします。
316冒険赤桃(所有権1):2007/05/15(火) 19:14:30 ID:0yghhAUX
「あれ、さくら姐さんの部屋こっちだっけ?」
 掛けられた声に、急に我に返る。振り向けば、映士が不思議そうな顔でさくらを見ていた。
 
夜も更けたSGS職員寮。明石と映士、さくらは同じフロアに部屋があり、廊下で顔を合わすのは
不思議ではない。
ただ、エレベーターを降りて、明石は右、さくらは左の突き当たりに部屋があり、自分の部屋とは
逆方向にふらふら歩いて行くさくらを映士は不審がったのだ。
サロンでの明石の一言が頭から離れない。そればかりぐるぐる考えながら部屋に向かっていた。
とにかく、当分は明石と顔も合わせたくない。勿論仕事で会うのは仕方ないが、プライベートでは
口も利きたくない。
・・・と思っていたのに、習慣とは恐ろしいもので。頭では会いたくないと考えているにも関わらず、
いつの間にか明石の部屋に向かっていたのだ。
――最近、ほとんどチーフの部屋で過ごしてたから・・・。
 その事実を苦々しく思い出していると、更に思い知らされるように映士に言われてしまった。
「あっ・・、野暮な事聞いちまったな。明石んとこだろ?声掛けて悪かったな。早く行ってやれよ。」
「全然違います!!」
 自分でも驚くほどの強い言葉に、さくら自身がたじろぐ。映士を見れば、呆気に取られた表情で、
彼女を見ていた。
 どうしようもない恥ずかしさに、さくらの頭は混乱しパニックを起こす。
―どうにかしないと、この気まずい状況をどうにかしなくては。
「た高丘さん、晩御飯食べました?」
「えっ?!あ、ああ。」 
「あ・・・。そうですよね。」 
馬鹿だ。もう9時もとうに過ぎているのに、まだ夕食を摂って無いなんてある訳が無い。やっと
出てきた言葉は、自分でも何故それを?と言えるものだった。
―― 一緒に食べる予定だったろう。ずっと待ってたんだぞ。――
 先程の明石の言葉が蘇る。それと共に、彼がした事、自分がした事も。
 さくらはきゅっと唇を噛んだ。
317冒険赤桃(所有権2):2007/05/15(火) 19:15:17 ID:0yghhAUX
 自分の言ったことにうろたえ、慌てていたかと思えば、辛そうな表情で唇を噛む。
普段ではお目に掛かれないさくら様子に、映士は彼女をそのままにはしておけなくなった。
「あのさ、今散歩してきて腹減ってんだよ。夜食程度なら付き合うぜ。」
「本当ですか!」
 とたんにさくらの表情が明るくなった。映士は自分の言葉に満足する。全然腹は減ってなかったが。
「じゃあ、クリスマスプレゼントのお返しに、私が何か作ります。」
「姐さん料理できんのか?!」
「失礼ですね!普通の女性程度のことなら出来ます!」
―― さくらの手料理が食べたい ――
 また思い出した。それを振り這うように頭をふるふる振ると、さくらは自ら映士の部屋へ向かって
行くのだった。

さくらの部屋から持ってきた、辛うじて二人分程残っていた乾燥パスタ、冷蔵庫の片隅に買った事
すら忘れていたコーヒー用のミルク、冷凍庫に使い切れずに保存してあったベーコン、それと映士の
部屋にあった玉葱と卵で無理やりカルボナーラもどきを作り、やはりさくらの冷蔵庫の中でひたすら
出番を待っていた渾身の力を込めて絞らないと出てこないマヨネーズと、彼の部屋にあるジャガイモ
ときゅうりを薄っすらマヨネーズの風味がするポテトサラダにし、何とか料理らしき物が出来上った。

 しかし・・・気が付かなくても、主な材料は映士が提供し、さくらはほとんど中身の無かった
冷蔵庫の片付けをした様なもので、最近自分の部屋がほぼ物置状態だった事を再確認する羽目に
なってしまった。
「すみません。私がご馳走するなんて言って置きながら・・・」
「気にすんなよ。それより、熱いうちに食っちまおうぜ。」
 そう言うや、映士はさっさと食べ始る。全然腹は減ってないと思っていたが、キッチン
から漂う美味しそうな香りに、本当に空腹を感じたのだ。

318冒険赤桃(所有権3):2007/05/15(火) 19:15:59 ID:0yghhAUX
美味しそうに食べてくれる映士の姿に、さくらはじんわり心が温かくなった。
 
映士は自分の我侭に付き合ってくれている。
そのお礼が、ほぼ彼の食材で料理を作っただけだというのも申し訳無い。
何か他に彼に出来る事はないか・・・・。自分が出来る事で・・・。
「高丘さん、お酒飲めるんですよね?」
「昨日一緒に宴会しただろ。」
 食べる手を休める事無く答えた映士に、さくらはミッションを実行する事にした。
「ちょっと待ってて下さいね。すぐに戻りますから。」

 部屋を出ていったさくらが、両手にスーパーの袋をぶら下げ、大量の酒とつまみを持って戻って
きたのは、僅か5分後。
しかしどう見ても、二人分にしては量が多すぎる・・・。
それに、ビールの種類やつまみの内容に見覚えがあるような・・・。
「姐さんわざわざ買いに行ったのか?」
「まさか!昨日の残りですよ。」
「やっぱり・・・。あのさ、明石何にも言わなかっ・・・」
「それじゃ、飲みましょう!高丘さん!」 
 映士の質問には答えず、さくらはビールのプルタブを引いた。そのまま、一気に喉に流し込む。
ビール独特の苦味と炭酸特有のひりひりする刺激が逆に心地良い。
 映士の為にビールを取ってこようと明石の部屋に向かったところ、部屋の主はまだ帰宅して
なかった。別に泥棒をしているわけじゃないが、彼が部屋に帰る前に映士の元に帰らなければ!と、
いつもと違う緊張感を感じていたので、今はそれから解放されて、いつになくハイテンションに
なっていたのだ。
 一方の映士も何か言いたそうではあったが、さくらが明石の部屋からわざわざ持ってきた好意の
品々を断るつもりは無く、取り敢えず一番手元にあったビールを空ける事にした。
 こうして、二人のクリスマスパーティーが幕を開けたのだった。

319冒険赤桃(所有権4):2007/05/15(火) 19:16:43 ID:0yghhAUX
「普通、人が触るなって言ってるモン、目の前でプレシャスボックスにしまうか?」
「それが任務だったんです。それに高丘さんの正体も分からないし、何より百鬼鏡自体
 高丘さんの物じゃないし!・・それより、どうやって鏡とセロリ入れ替えたんですか?」
「ああ、あれはな・・・・。」

 アルコールの力とは偉大なもので、よく考えれば、プライベートに二人きりで話をするのは初めて
なのに、気が付くと色んな話題で盛り上がっていた。
 今まで回収したプレシャスの事、ミュージアムの事、サロンの事、サイレンビルダーの性能の事、
映士が今まで旅してきた土地の事、さくらがミッション先で見た景色の事、初めて会った時の事・・・・。 
ただその中に、ボウケンジャーのリーダーである上司の事だけは入らなかった。

気が付くと、床にはビールの空き缶やワインの空き瓶があちこちに転がり、映士の目の前には
明らかにいつもとは違うさくらがいた。
「なあ、姐さん、飲みすぎだって。」
「大丈夫です!まだ酔っていません!!」
さくらを心配する映士といえば、自分より先に酔っ払った人間がいた場合、介抱する側は酔う事が
出来ない法則の通り、かなり素面に近い状態だった。
「とっくに限界超えてるだろ・・・。」
「・・・まだまだ飲めます!」
 嘘だ。映士に言われなくても、とうに自分の許容範囲は超えている。

――仕方ないじゃないですか・・・。
 普段ならむしゃくしゃした気分は、甘い物のやけ食いで晴らすのだが、今の時間に空いている
スイーツの店など何処にも無い。
 だからと言ってアルコールに走ると言うのも、みっともないと自覚はしているのだが・・。
――最低な女。
 気を晴らす為に飲んだのに、気を晴らすどころか、いつの間にかアルコールはさくらをどんどん
自己嫌悪の淵に追いやっていった。
320冒険赤桃(所有権5):2007/05/15(火) 19:17:30 ID:0yghhAUX
「姐さん、あんた変だよ。」
「なんですって!」
「お堅いさくら姐さんがこんな時間に俺の部屋にいること自体おかしいと思わねえか?
 ・・・明石と何があったんだ?」
彼との間に何かあったことぐらい、映士が気付いているのは分かっていた。
分かってはいたが、実際に彼から明石の事を聞かれると、想像以上に胸が痛い。
さくらはぎゅっと唇を噛み目を伏せた。
「話せよ。ちったあ気が晴れるから。」
「・・・・。」
「ここに居るのもその為だろ。」
 俯くさくらは顔を上げられない。ただ、貰った野菜のお返しをしたいから彼の部屋に来たのだ。
そのはずだった。でも、映士に言われて今気が付いた。
 一人の部屋に帰りたくなかったのだ。寂しくて、悲しくて、自分が余計に惨めになりそうで。
――高丘さんには見透かされていたんですね。
「誰にも言わないで貰えますか?」
「ここだけの秘密だ。」
 それを聞いても、まだ口を開くのが躊躇われる。そんなさくらを映士はじっと見つめていたが・・・。

 映士の動く気配がする。俯いた視界の中に、映士の足先が見えた。
 近くで感じる体温に、サロンで彼に押し倒された事を思い出し、身を硬くしたさくらだったが、
映士の行動は予想外のものであった。
 ふわり。あたたかな掌が彼女の頭を撫でる。子供をあやす様に優しく、ふわり。
・・・不意に泣きたくなった。でも、ダメ。今泣き出したら涙が止まらなくなる。
 だったら、まだ愚痴った方がましだ。

321冒険赤桃(所有権6):2007/05/15(火) 19:18:10 ID:0yghhAUX
「私、可愛くないんです。」
 ようやく顔を上げたさくらが蚊の鳴くような声で言った。
 普段の彼女からは想像もつかない、頼りなげで切なそうな表情で。
 映士は、優しい目をしてさくらを見つめ、「そんなことねえよ」と否定の言葉を口にした。
・・・心の中では、さくらを力いっぱい抱きしめたい衝動と戦っていたが。
「本当に可愛くないんです。自分でも分かってるんです。可愛げが無いって。」
「でもよ、前、あの、さくら子ちゃんだっけ?あれなんて中々・・・」
「本当にそう思いますか?すごく嘘っぽかったでしょう?」
「まあ、ネタ的に面白かったというか・・・」
「そうでしょう?普段の私があんなだったら・・・。」
「・・・さくら姐さんじゃなくなるな。」
 さくらは溜息をつき、また俯いてしまった。
 そんなさくらの頬に映士はそっと手を触れ、瞬間彼女の肩がびくりと強張ったがそれは無視して、
自分と目線を合わさせた。
「男の人は、可愛い女の子が好きですよね?」
「それは人それぞれだろ?」
「・・・チーフは・・・可愛い女の子が好きなんです。」
「・・・今日のミニスカサンタか?」
「・・・・。」
また、あの天真爛漫なミニスカサンタの笑顔を思い出し、泣きそうになった。
沈黙。さくらは唇を噛んで、何かに耐えるようにただ映士をじっと見つめる。
 いつもはせっかちで、まどろっこしい事は嫌いな映士も、今はたださくらを見返し、彼女が口を
開くのを待っていた。
 どのくらい見つめ合っていただろう。
やがて、何もかも吐き出すように、苦しそうにさくらが言った。
「・・・私はあんな風に笑えない・・・!!」
 
322冒険赤桃(所有権7):2007/05/15(火) 19:18:57 ID:0yghhAUX
 理性が飛んだ。さくらのあまりにも辛そうで、泣きそうで、それでいて切ない表情に何もかも
忘れてきつくきつく抱きしめた。
「高丘さん!!離し・・・」
 それ以上は言わせず、言葉ごと自分の唇で塞ぐ。執拗に舌を絡ませ、呼吸を奪うような荒々しい
口付け。身じろぐ細い身体は腕の中に強く閉じ込めた。
 彼女の身体から、徐々に力が抜けてゆくのが分かり、ほんの少し腕の力を緩め、顔を覗き込む。
相変わらず泣きそうな顔だったが、それでも精一杯の抵抗かキッと睨んできた。
「そんな顔すんなよ。だいたい初めてキスした訳じゃねえだろ。」
「高丘さん!」
「忘れちまえ、明石の事。」
 そう言い放つと、華奢な身体を抱え上げ、ベッドへ乱暴に下ろした。
さくらだって、映士が何をしようとしているかくらい分かっている。だから彼の胸に腕を
突っ張り抵抗はするが、力で敵うはずが無く容易く組み敷かれてしまった。
 こんな時、少しは防御の役に立つであろうピンクのジャケットは、映士の部屋に入った時点で
さっさと脱いで、床にお行儀良く畳まれてる。
 ほんの2時間程前の自分の行動を後悔しながら、さくらは今やほぼ映士のされるがままになって
いた。
323冒険赤桃(所有権8):2007/05/15(火) 19:19:39 ID:0yghhAUX
アンダーシャツを捲くり上げると、淡い桃色のブラに包まれた白い二つの膨らみが現れる。
その白い肌と、桃色の布地の境目。
右の乳房の中程に、消えかけていても尚さくらの所有権を主張する印。
「目障りなんだよ。」
 映士はそう呟くと、明石が付けた印を、自分の所有印で消す為に強く吸い上げた。

 わざと跡を付ける為の行為、その痛みと甘い刺激に思わず背が反り返る。
 もっと抵抗しなくちゃと、頭では分かっていた。でも、このまま流されたらどうなるんだろうと、他人事のように考えている自分もいた。
大体、酔っている所為か、身体に上手く力が入らない。
 胸を弄る映士の手の感触。大きくて関節がゴツゴツしている。それは、彼がアシュの監視者として、子供の時から戦ってきた証。
そしてこれと似た感触を、自分はもう知っている。
明石の手。ボウケンジャーとして、プレシャスを保護する為に武器を持って戦う手は、やはり
大きくて、さくらの何もかもを包んでくれた。
――違う。
 似ているけど違う。肌に触れる手や唇の感触も、伝わる身体の熱も、自分の求めているものとは
違う。
 でも、自分が求めて止まない人は、ここには居ない。だって、その人は自分が・・・。
 
324冒険赤桃(所有権9):2007/05/15(火) 19:20:25 ID:0yghhAUX
「やっぱり膝蹴りは不味かったでしょうか?」
「んあ?!」
 突然情事とは余りにもかけ離れた単語を聞きつけ、映士は発言者の顔をまじまじと見つめた。
 見つめ返すさくらといえば、自分の発言の不自然さを全く自覚していないのか、至極真面目な
顔である。
「・・・スマン。今、なんつった?」
「だから、膝蹴りは不味かったでしょうか?」
「誰に?」
「チーフに。」
「・・・・・。」
まず、何故そんな事になったのか状況説明を一切聞いていないので、答えようが無い。
ただ、ネガティブとの戦闘ならともかく、相手は上司であり恋人でもある男だ。
―明石、お前・・・。さくら姐さんに何した?!

「・・・あの、引きました?」
 暫し、自分の思考回路に嵌まり込んでいた映士だったが、さくらの不安そうな声で我に返った。
だが・・・。
「・・・あ〜、取り敢えず話聞いてもいいか?」
 勢いに乗ったソノ気は、見事に霧散していたのだった。

325冒険赤桃(所有権10):2007/05/15(火) 19:21:08 ID:0yghhAUX
身体を起こし、枕を背に胡坐を掻く。さくらも乱れた服を調えながら、映士の隣に正座した。
「・・・なんで膝入れたりしたんだ?」
「・・・呼び間違いです。私のことイヴって・・。」
「・・・そりゃ痛いな。」
「痛かったです。」
「いや、・・・明石も。」
 またさくらは俯く。多分唇を噛んで泣くのを我慢しているのだ。
 映士はそっとさくらの華奢な身体を抱き寄せ、ゆっくり背中を撫でた。そうすることで、少しでも
さくらの気持ちが楽になるように。
 次に顔を上げた彼女は、きっと微笑んでこう言うのだろう。
―高丘さん、ありがとう。私、高丘さんだったら・・・。

しかし、大体の現実は予想を裏切るものなのだ。

「私、チーフに嫌われましたよね?!」
「んあ?!」
 今夜2度目の「んあ?!」。
まあ、話の流れ的にそうおかしくは無い発言であったが、いきなり切羽詰った悲痛な声を
上げられて、先程と同様まじまじとさくらの顔を見てしまう。
「絶対絶対嫌われました!!」
「いや、まあでも、喧嘩なら誰でもするし・・・」
「でも、前に腹パンチした事あるし!今度は膝入れちゃったし!」
「明石だったらそんな事気にしねえよ。そんな器の小せえ奴じゃねえって。」
―何で俺様が明石を持ち上げなきゃならねえ?!
 心の中で大いに不満を漏らしつつ、これ以上さくらが辛くならないように、何とか取り乱した
彼女を落ち着かせようと映士は努力した。
 しかし流石の彼も、上手い慰めの言葉を思い付かない程、次の一言は強烈だった。
 
326冒険赤桃(所有権11):2007/05/15(火) 19:22:00 ID:0yghhAUX

「股間蹴ってもですか?!」
「・・・・。」
「高丘さん!!」
「・・・そりゃマズイわ。」
「やっぱり〜!!」
決壊。とうとうさくらは泣き出してしまった。それも、さめざめと声を殺して、先程の泣くのを
堪えていた表情の先にあるような泣き方ではなく、言ってみれば子供の「え〜ん」に近い泣き方で。
 偉大なアルコールは、いつもは格納庫の奥深くに仕舞い込んで、決して出番の無かった彼女の
一面に発信シフトON!!してしまったのだ。

「もうダメ〜!!」
「そんな事ねえって!!」
「ダメなものはダメなんです〜!!」
―だから何故俺様が仲を取り持つ様な事を・・・。
 まさにトホホといった感じで映士は溜息を吐きつつ、優しくさくらを抱きしめた。
それにしても子供の様に泣くさくらは本当に・・・可愛い。

―泣かせてやろう。思いっきり泣かせて落ち着いたら、改めて明石から分捕ればいい。
何せ、今は俺様の方が優勢なんだからな・・・。

 あくまで抱きしめる腕は優しく。でも顔には出さない様に、これから起きる展開について、楽しく
脳内でシュミレーションを始める映士であった。

 しかし、やっぱり現実は期待を裏切るものなのだ。

「寝落ちかよ!!」
 急に静かになったさくらを見れば、おそらく泣き疲れたのと、アルコールの所為で眠りという
泥沼の中に全身をドップリ浸していた。
 いや、これもある意味据え膳か。やれ!食っちまえ!とアシュの血(?)が騒ぐのだが、
お前それでも良いのか?と人間の血(?)も主張する。

・・・結局、さくらをベッドに寝かしつけ、自分は毛布に包まって床に寝転んだ映士なのであった。
327冒険赤桃(所有権12):2007/05/15(火) 19:22:45 ID:0yghhAUX
「うっす。」
「遅いぞ映士。」
「もうミーティング始まってますよ!」
 いつもの様にサロンに遅れてきた映士に、いつもの様に明石とさくらが声を掛けた。
メンバーと共に今日の予定と、年末に向けてのスケジュールを打ち合わる二人は、普段と全く
変わらないチーフとサブチーフで、どこにも変わった様子は感じられなかった。
 
ほんの数時間前、映士のベッドで目を覚ましたさくらは大いに慌て、しきりに映士に謝った。
幸か不幸か、どんなに酔っても記憶が飛ぶ事が無いらしく、昨夜の暴挙(彼女にしてみれば)を
さくらは深く後悔している様子だった。
羞恥で顔を真っ赤にし、泣き出しそうな彼女の瞳を覗き込みつつ、映士は一番大事な事を告げる。
「なあ、思いっきり泣いてすっきりしたろ?」
「はい。」
 俯き加減で、でも昨夜よりはずっと晴れやかな顔で返答するさくらに映士はほっとした。
「・・・明石の事、許してやれそうか?」
「・・・それとこれとは話が別です!」
 唇を尖らせ、プイッとそっぽを向く仕草は、あの泣いていた幼い少女の様な姿を思い出させる。
あまりの可愛さに悪戯心が起きて、チュッと小鳥のような素早いキスを彼女に落とした。
「っな!」
「散々泣かせてやって、おまけに二日連続、床で寝てやったんだぜ。
このくらいの礼はしてもらってもバチは当たんねえだろ?」
「もう!知りません!!」
 そう言ってバタバタと部屋を出て行く彼女を見つめながら、今日のサロンが見ものだと密かに
期待していたのだ。

―あくまで仕事とプライベートは別か?お前ら大した役者だよ。
 そんな彼らを半ば呆れる様に眺めつつ、あの仮面を剥がしてやりたいと思った。
 特にさくらの。あの可愛らしい彼女がもう一度見たい。


328冒険赤桃(所有権13):2007/05/15(火) 19:23:29 ID:0yghhAUX
「それではチーフ、私は牧野先生の所に行ってきます。」
「ああ。」

 いつの間にかミーティングは終了し、さくらは牧野の所へ行く為エレベーターへ向かっていた。
蒼太はパソコン、菜月はお菓子箱へと皆が思い思いの場所へ移動する中、なるべく不自然に
ならないようさくらに近づき、映士はその耳元に唇を寄せた。
「なあ、昨日の礼があれだけで済んだとは思うなよ。」
 ぴたりとさくらが歩みを止める。

 明石だけがこちらを見ているのは分かっていた。だから、わざと見せつける様に肩を抱き・・・。
 ピンクに染まった耳たぶに噛み付いてやった。
 明石の眉が跳ね上がる!

次の瞬間、予想もしなかった衝撃が映士を襲った。

329冒険赤桃(所有権14):2007/05/15(火) 19:24:25 ID:0yghhAUX
―これって、もしかして脳震盪ってヤツ?
 ゆっくりとスローモーションのように目に映るものが流れて行く。
左頬が痛いような気もするが、それより妙に気持ち良いと言うか・・・。
ああ、KOされたボクサーがそんな事言ってた様な・・・。
そんなことを考えながら、気がつくと映士はサロンの床に大の字に伸びていた。
映士のセクハラとも言える行為に、さくらの右ストレートが炸裂したのだ!
グルグル回る視界で見上げた女の目は冷ややかで、且つ完全に据わっていた。

「職場での不埒な行為は許しません!!」
 そのまま踵を返すと、さくらはさっさとエレベーターに乗り込み、牧野の工房へ行ってしまった。

 残されてた映士の元にさくらの声を聞きつけたメンバーがわらわら集まり、心配するどころか
容赦ない言葉を投げつけてきた。
「お前さくら姐さんに何したんだよ!!答え様によっちゃ容赦しねーぞ!!」
「不埒ってセクハラ?映士、そうなると然るべき所に報告することになるけど?」
「映ちゃんひどーい!!さくらさん可哀想〜!!」
 殴られた俺様は可哀想じゃねえの?そんな事を考えたら、脳内で今や懐かしいガイだけが
「い〜た〜そ〜お〜!!」と労わってくれた。
ふと、目の端に赤い色が入る。
さぞかし怒った顔をしているのだろうと明石を見上げてみると、予想に反して、なんとも複雑で
怒りとも同情とも取れぬ表情をしていた。

 伸びた映士と、身を屈めた明石。床上1m10cm程の所で視線を絡ませたまま、奇しくも
眩き冒険者と熱き冒険者は同じ事を考えていた。それは、
―誰も居ない所で急所に膝蹴りと、皆の居る所で顔面をグーで殴られるのとのどっちがマシか?
という、苦痛を伴った、それでいて情けない命題であった。

                                       END
330冒険赤桃(所有権7):2007/05/15(火) 19:26:21 ID:0yghhAUX
以上です。
長々と駄文を済みません!!しかも、よく見たら14も消費してるし!!
本当に本当に失礼いたしました。
自分以外の職人様、素晴らしき神作お願いします。
331316−330です:2007/05/15(火) 19:34:30 ID:0yghhAUX
済みません!!今頃になってミス発見!!
タイトルのカプ冒険赤桃になってますが、銀桃の間違いです。
その上330の名前がタイトルになってるし・・・。
うっかりしすぎました。何度も書き直したのに・・・。
他に気になる事がありましたら、バンバン言って下さい。
332名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 20:13:44 ID:GevqcQC5
所有シリーズおもしろかったですよ。次は仲直りネタ希望です。流石に今回の読んでてチーフが可哀相になってきた
333名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 21:48:40 ID:Of4zMOSi
前半のシリアスから一転した展開に吹いてしまいましたw
「やっぱり〜!!」の姐さんを見たいっっ
334名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 21:54:30 ID:64afQlHs
>>316-330
今日の超GJさん、乙でした!
何だか、久々にまともな銀桃を堪能させて頂きました。映士良い奴すぎだ(つд`)
これを期に、さくらさん、映士の事、もっと知ってやって下さい〜!
335名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 00:08:07 ID:OXcld10V
ガイの「い〜た〜そ〜お〜!!」に笑った。
336名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 07:27:02 ID:SAt2isS8
二人の男性の間で揺れるさくらさん… というより、ある種天然姐さんに
ぶんぶん振り回されるチーフと映二って展開にもなってきましたね。

所有シリーズ、性格悪いチーフ好きです。ぜひぜひ続編を!!
337名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 09:57:44 ID:5GQOpr6R
>久々にまともな銀桃を堪能させて頂きました。

「まともな」って何様だよww
こういうのがカプ厨って言われるんだろうな・・・
赤桃好きをやたら叩いてたのもこの手の人?
338名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 10:04:37 ID:ioixZZ4M
カプ厨とかいうよりも、他の銀桃書きさんが気分を悪くするかと。
339名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 10:11:02 ID:+xV5VUpo
>>335
ガイ大人気www

職人さん、GJです。Agいい人だね、不本意だろうけどw
次は私も仲直り編希望です。
340名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 13:43:37 ID:AFdBwNE0
>>331
姐さんが軽い女になりつつ有るような…。本命はチーフなんだろうけど姐さんのやったことは呼び間違えより浮気なような…。とにかく仲直り編私も希望です!職人様GJでした。
341334:2007/05/16(水) 14:10:53 ID:R3aV1/M0
>>338
言葉の選択が悪かったです。ごめんなさい。話の出来云々の意味では無く
銀と桃がお互いをちゃんと認識していて、銀⇔桃の図式が成立している
という点においての意味だったのですが、申し訳ありませんでした。
そして、他の銀桃好きさん方にも、申し訳ありませんでした。
342名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 15:06:03 ID:f6HH+GmG
>>337
>>334の言う「まともな銀桃」は、まあ「銀桃らしい作品」ぐらいの意味合い
で、他の銀桃書きさんと比べてどうこう言っているつもりではないかと。

ただ、確かに他の銀桃書きさんに対して配慮のない表現ではないかと思い
ますし、これまで他の作品やカプで作品を投下された職人さんに対しての
当て付けのような物言いとも取られかねないのでは、と思いますが。

ともあれ>>316-330の職人様、GJ&お疲れ様でした。
シリアスになるかと思ってましたら、予想外の話の展開に大ウケしてしまい
ました!
私も次は仲直り編を希望します。
343342:2007/05/16(水) 15:12:44 ID:f6HH+GmG
>>334
リロードせずに書き込んでしまい、さらに私の方も言葉が過ぎてしまったかと
思われるレスで申し訳ないです。

他の職人様、感想を書き込まれる方、そのままどうぞ。↓
344342:2007/05/16(水) 15:18:02 ID:f6HH+GmG
連続カキコ&スレ汚しすみません。

×他の銀桃書きさんと比べてどうこう言っているつもりではないかと。
○他の銀桃書きさんと比べてどうこう言っているつもりでは無いようかと。

誤解を招く表現で申し訳ないです。
姐さんに股間を蹴られて来ます…。

345名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 15:37:35 ID:AFdBwNE0
なんかいい空気ですよね今のスレ。他カプ叩きなくて。このままいきたいなーとしみじみ思った。
346名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 02:37:28 ID:rY9WBomn
冒険赤桃SS、「piece of peace」を書いた者です。
エロ無し小ネタで恐縮ですが、書けたので投下します。
347(冒険赤桃)サクラ色:2007/05/19(土) 02:38:45 ID:rY9WBomn
「お待たせ致しました」

重さをものともしない接客のプロは、流麗な仕種で器をテーブルに載せた。
晴れ渡った空、天然の屋根の下。風に乗った薄紅色が零れ落ちるカフェの片隅で、さくらは内心の高揚を抑えきれず、感嘆の溜息をつく。
バランス良く盛られたフルーツの瑞々しさ。鼻先に付きそうなホイップクリーム。とろりと溶ける、褐色のアイスクリーム…。
彼女を誘惑して止まないもの、その名はチョコレートサンデー。
柄の長いスプーンにすら期待が高まって、見事な山を切り込みにかかった、その時だった。

テラス席の反対の壁側でドアが開き、新しい客を招き入れる。
さくらの視線が吸い寄せられ、一瞬入り込んで来た雑踏の騒々しさも、すぐに掻き消えた。

「チーフ…」

驚いた。彼女の心に住む彼を、そのまま映し出したかのようだったから。
本物より、本物みたいな幻。白昼堂々、夢を見ているのだろうか。
「珍しい所で会うな」
幻は、そんな風にさくらを受け入れた。

「あ、あの…お休みは、確か来週では…」
「あぁ、蒼太と変わったんだ。外せない用事があるらしくてな。トップ二人が同時に休むのは良くないんだが、あいつがいれば心配はいらないしな」
と、一瞬明石の視線が、今まさに
348(冒険赤桃)サクラ色:2007/05/19(土) 02:39:38 ID:rY9WBomn
ふわりと柔らかなクリームに、チョコレートソース。
ページを繰る明石の指先の、三日月を逆さにしたような短い爪のアーチ。
少し溶けてしまったアイスクリーム。
滅多に見ることのない私服。その黒いシャツの胸元に、燃え盛る炎のような形の赤いロゴを見つけて、微笑みを誘われる。
季節のフルーツの、程好い甘さと酸味。
組んだ足首を反対側の腿に乗せる、生意気な振舞いを覚えたばかりの少年のような格好。

見るともなしに見入るうちに、気が付けば、咲いた花のような独特の形状の器を、底まで浚ってしまっていた。
甘さは感じたが、一体何処に入ったか分からない。そんな複雑な心境で、さくらは息をつく。何だかお腹よりも、胸がいっぱいになっていた。
芳香と共に、熱いコーヒーが運ばれて来る。同時にさくらの前の、空になった食器が下げられた。
その間も明石の視線は、本から外れることはない。
静かな熱狂は、一見穏やかながらも火傷を伴う青白いオーラになって、その身体から立ち昇っているかのようだ。

オープンテラスの向こう側を走る、子供の高い笑い声。
木々の間から降り注ぎ、グラスの縁に反射する光。
厨房でのアクシデントだろうか、陶器の割れる音が響き、さくらにほんの少し緊張
349(冒険赤桃)サクラ色:2007/05/19(土) 02:40:23 ID:rY9WBomn
「…コーヒーが、冷めてしまいますよ」
答えはない。分かっていたことだから、それでいい。
「本当に、冒険がお好きなんですね」
言ってしまってから、聞くまでもないことだったと苦笑する。

と、舞い落ちながら、まるで彼だけを目指しているように、はらはら留まる色がある。
「あ、髪に…」

悪戯な感覚が、ふとよぎる。
何処か自虐的で勝手な想いが、冬から抜け出しながらも、夕刻にはまだ冷たさが残る風の中に溶けて行く。
まるで挨拶をするように、さくらは呟いた。

「好きです、チーフ」

そう。これは、朝はおはようの、夜はおやすみの挨拶をする。そんな常識を守ることと同じくらい、自然な気持ちなのだから。
だが次の瞬間、予想もしていなかった変化が起こった。
明石は本を投げ捨てそうな勢いで閉じて顔を上げ、さくらを凝視して固まったのだ。
内心面喰らいつつも、僅かに微笑みを返す。

「今、何か、言ったか?」
意を決するように、一語一語区切りながら発する明石に、込み上げる愛しさを抑えきれなくなった。そんな自分を隠すように、さくらは腕を伸ばす。

「何も、言ってませんよ?」
掌の小さな花びらは、染め上げたかのように綺麗な桜色。

「付いていました」
大丈夫。このまま見つめていればいい。
明石には確かに、さくらの声が聞こえている。

普段は心地好い風のように流していても、いざ気持ちを、勇気を籠めようとした瞬間には、絶対に受け止めてくれると、分かったから。
納得したのか否か、明石は微妙に頷きながらコーヒーをひと飲みし、再び本の中の冒険へと戻って行く。

穏やかな春に選ばれたように、今ここにいる不思議。
さくらはそれを噛み締めながら、行き交う人々に視線を移した。
「…いつか、教えてくださいね」
唇でそっと吹いた花びらは、明石の頬を一瞬掠めて、くすぐる。
それは風に乗り、やがて見えなくなるほど高く、大空を舞い上がって行った。


<終>
350(冒険赤桃)「サクラ色」:2007/05/19(土) 02:43:55 ID:rY9WBomn
すみません!携帯からなので、1と2の間が飛んでしまいました。以下を挿入してお読み下さい。


食べられんとしていたパフェに寄せられ、すぐに逸れる。
何も言わないのは興味がないからか、気を遣っているのか。どちらなのか分からない感覚と、見られたという事実が、さくらの頬を赤く染め上げた。
「満席のようだし、ここに座ってもいいか?」
言うが早いか、目の前の椅子に腰を下ろす明石。傍若無人とさりげなさは、彼独特の強気の片鱗だ。
そしてさくらは、突然のチャンスと秘密の露呈の真ん中で、返事も出来ないまま俯くしかない。
「さくらの邪魔はしない。本を読ませてもらえれば、それだけでいいんだ」
有能な店員は、速やかにオーダーを取りに来る。コーヒーを頼んだ後、明石は早速宣言通りに、買ったばかりと見えるぴかぴかの本の表紙をめくった。
暫く様子を窺っていたさくらだったが、ミルクと砂糖が先に運ばれて来ても、隣の客がバタバタと席を立っても、明石は微動だにせずに読書に入り始める。
邪魔をしないと言うより、させないと言った感じの断固たる姿勢が見え、それはこちらにとっても同じだと悟り、さくらはやっと警戒を解くと、スプーンを動かし始めた。
351(冒険赤桃)「サクラ色」:2007/05/19(土) 02:46:22 ID:rY9WBomn
何とお詫びしたら良いやら…2と3の間も飛んでいました。以下を挿入して下さい。本当にすみません…。


が走る。だが、そんなもの気にも留めない。明石はまるで、この世に自分と冒険小説しか存在しないかのように、夢中になっている。
――今、私が黙って席を立っても、きっと気付かないでしょうね…。
それは微笑ましい、でも悔しい事実。

352名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 05:43:51 ID:w/6xoQeW
>>346
良かったです。微笑ましい二人の映像が頭の中に浮かんできました。貴方様の作品は前作も大好きです。新作待ってます!
353名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 19:07:01 ID:EXpGAjfL
>>346
すてきなSSをありがとう。
いやあ、ときめきって、いいよねえ…
354名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 23:05:21 ID:4nrC9k2d
さくら姐さん、初めてプライベートでチーフとお茶したって感じでしょうか。
二人の間をゆっくり流れてる空気が素敵です!
ところで、そーたくんがチーフに休みを変わってくれと頼んだのは彼の作戦なのかもww
…なんて考えてしまいましたw
GJでした〜!!
355名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 03:06:25 ID:dypZJ9WA
GJ! 堪能しました。
携帯からの投下、お疲れさまでした。

ただ、前作と関連のない作品である以上、わざわざ
名乗る必要はないのではないでしょうか。
冒険に限らず、シリーズもの以外の作品で「○×を書いた
職人です」と名乗ると荒れる可能性もないとは言えない気がします。
個人的には「あ、この職人さんは○×を書かれた方かなー」と
考える楽しみを残していただけたら嬉しいですし。

と言いつつ、次回作も楽しみにしています。ありがとうございました。
356名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 04:08:49 ID:IFIeG1ws
>>347
>>350
>>348
>>351
>>349
の順番でいいんだよね?読みやすいように
357名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 10:19:30 ID:DkJ/5C0Z
>>355
ここの職人さんは、このシリーズを書いたのは自分ですと
宣言するのもだめなのでしょうか。
そんなに了見の狭いスレとは思いませんが。
第一「○○のシリーズを書いたものです」と名乗るのは
よそのスレでは普通にやってますよ。
投下する職人さんに、読む側が、
スレが荒れないようにあくまでも名無しのままでいろと言うのは
余りに理不尽かと。
名乗るも名乗らないも、読む側に考える楽しみを与えるも与えないも、
それは、職人さんの自由だと思いますよ。
何よりもまだ荒れてないのですから。

一個人の考えです。ご不快になられたらすみません。
358355:2007/05/20(日) 10:56:40 ID:dypZJ9WA
もちろんスレによって状況は違いますし、私のレスも個人の意見です。
それをご不快に思う方が>>357さんの他にもいらしたのなら
申し訳なかったです。
作品とは関係ないところで荒れて一番つらいのは職人さんだと思うので
ああ書きましたが(私が見ている他のスレでは叩かれることもあるのです)、
よけいなことだったかもしれませんね。
職人さん、住人の皆様、すみませんでした。
359名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 07:22:15 ID:pan7SmnG
了見狭いよ、書き手の文章も一部除いて気持ち悪いし。
360名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 15:52:21 ID:DwybL8jm
職人さんが書いてくれるだけで嬉しい
って気持ちに、みんななろうよ。
個人的なことを言わせてもらえば、
職人さんには名乗って欲しいかな。
「ああ、アレを書いた人がまた書いてくれたんだ」
って嬉しくなる。
361名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 16:39:27 ID:mO4R/1+9
>>360
どっちでもいい。
名乗る名乗らないは職人さんに任せる。
362名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 20:25:50 ID:jhEmUV0u
マジ神様が、コテ叩きにやられて投下できなくなったりしたこともあるかな……
但し書きのみで、黙って投下がいちばん無難ではないかと思う。
363名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 21:37:20 ID:jhEmUV0u
あるかな→あるからな


失敬。
364名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 22:24:13 ID:KEaB44DD
双方、どっちにしろ職人さんを気づかっての意見なのですよね。
皆さん、乙でございます!
職人さんを叩く人がいなくなりすれば、こんなことで騒ぐことなんて
ないんだからなあ。

名乗る名乗らないも本人の自由でいいと思います。
365名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 01:26:23 ID:8VFvovXA
ゲキレン理央メレ投下します。
366ゲキレン理央メレ:9話after:2007/05/24(木) 01:27:34 ID:8VFvovXA
雨に濡れることも厭わず、じっと一点を見据える幼い自分。
瞑想の度に現れる情景。
――力を得る為の手がかりがこの中にあるのか…?――
さらに意識の深みに潜ろうとしたその時、
今まで瞑想中には見ることのなかった景色が理央の目の前に広がった。
一面に広がる墓石。
自らの手で甦らせたリンリンシー。
擬人化した姿。
沸き上がった感情。

その瞬間。

「理央様、隙アリですわ!」
静けさを破る風きり音とともに背後から右頬すれすれに繰り出された拳をかわし手首をつかむ。
――気配を感じて、あの時のことを思い出すとはまだまだ修行が足りぬようだ――
己の未熟さに思わず苦笑いが漏れる。
「理央様…
 理央様の強さは十分わかっては居りますがブラコのような不埒者がいつ出ないとも限りません。
 瞑想中の無防備ともとれるお姿を見るにつけ、メレは心配で心配で…」
躱されるばかりで触れられたことのなかったメレは動揺しているのか
いつもよりも少し早口でまくしたてる。
「あ!でも、万が一そんな痴れ者が出てきたとしても
 このメレがこてんぱんにやっつけちゃいますから安心して瞑想なさってくださいね。
 それにしてもブラコの奴、ちょっと秘伝リンギの真毒を手にしたからって
 調子に乗り過ぎでしたよね〜。そう思いません?」
いつもならばあっさりと流されるような会話。
理央が黙ったままなのはいつものことだったが、一向に腕を離される気配のない様子に
メレは不安げなまなざしを理央に向けた。
「理央…さま…?」
ブラコを処分した時、差しのべた理央の手を見てみせたあの表情。

理央は心の奥底に潜んでいた何かがずるりと動いた。

つかんでいた腕をぐいと引き寄せるとあっさりとメレの体は理央の腕の中に収まった。
鍛え上げられた体に細い肩。なだらかに続く首。薄く開いた唇。
擬人化しているとはいえ、それは生きている女性と何ら変わりのないように感じる。
違うのは、その冷たさだけ。
頬に手を添える。
柔らかい。なのに手をあてていても一向に熱の伝わることのない血の通わぬ躯。
理央は吸い寄せられるように赤い唇に口付けた。
367ゲキレン理央メレ:9話after その2:2007/05/24(木) 01:28:22 ID:8VFvovXA
暖かい、なんてそんな生易しいものではなかった。
熱い。
絡んだ舌が、与えられる唾液が、抱きしめる腕が、全てが熱い。
全てを吸い尽くされると思いきや、下唇をやんわりと甘噛みされる。
丁寧に歯列の裏をなぞられたと思いきや口内の奥まで舌を捻り込まれる。
必死に理央の動きに応えていくうちに熱を孕むことの出来ない体に
炎がともされたかのような錯覚に陥った。

理央の為ならばなんだって出来る。
理央への愛の為ならば何でもやる、そう口に出して憚ることもなかったし
その言葉に偽ることなく行動も起こしてきた。
しかし、口づけが深くなればなるほど理央の熱さを感じれば感じるほど
メレの絶望は深まってゆく。
理央の心を満たすことなど到底出来るはずもない。
そんなことはとうの昔にわかっている。
かといって、体を満たすことだって出来るはずがない。
濡れることのない屍体を抱いて満たされる、そんな男がどこに居るというのか?
『理央様を私の愛で満たして差し上げたい』
なんて大きなことを言っているけれど実際には与えられてばかりの自分。
そんな自分が出来るのは邪魔者を排除することだけ。
邪魔者を始末するだけならばリンリンシーでも十分出来る。

メレは唇を離し、理央をそっと見つめた。
――どうしてこんなわたしを傍に置いてくださるんですか…?
368ゲキレン理央メレ:9話after その3:2007/05/24(木) 01:30:18 ID:8VFvovXA
唇を離したメレが何か言いたげに自分を見つめている。
理央は頬にあてていた手を外し、手のひらを見つめおもむろに握りしめた。
手に残るのはそのやわらかさと冷たさ。

しばしの沈黙。

「…真毒を手にしたことで新たなる道が開かれた。
 この道を共に進む為にも今はブラコとの戦いで受けた傷を癒しておけ」
理央の言葉に我に帰ったのかメレはあわてて体を離し、改めて跪く。
「…今日はもう休め」
「はっ」
メレの気配が消えた。

静けさの戻った堂内で一人理央は思う。
――真毒を使いメレに命を与えたら…
埒もないことを。
沸き上がった考えを振り払うかのように体を翻し
理央は再び瞑想の淵へと沈み込んで行った。
369名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 01:37:20 ID:8VFvovXA
以上です。

すみません、空気を読まずに皆さんのお話をぶった切った上に
注意書きもろくに書かずに投下してしまいました。

拳魔カタの元で修行してきます
λ....
370名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 07:26:39 ID:XxihCjJg
いやいや職人さんありがとうGJです
ゲキレンまだ見たことないけど、見てみようかな
371名無しさん@ピンキー:2007/05/24(木) 08:44:10 ID:2vRsbwnn
理央メレ、熱く静かなラブストーリーをありがとう!GJ!でした。
372名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 11:36:32 ID:Us1eFQaa
獅子がさも当たり前にメレに腕輪と真毒預けるのに禿萌え
373名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 17:31:36 ID:zMr2HVS2
今になって冒険赤桃に萌えてしまいました
26話で妄想ができてしまったので、置かせてください
374ガラスの靴:2007/05/27(日) 17:33:00 ID:zMr2HVS2
 深夜。
 明石がサロンに向かったことに、深い理由はなかった。新しいプレシャスは無事に入手し、牧野先生に解析を依頼してある。
 正体不明のガラスの靴。その出現に合わせて起こった不可解な事件は、さくらに調べるように命じていた。さくらのことだから、この時間でも仕事を続けているのは間違いない。真面目なさくらを労おうと、明石はサロンの扉を開けた。
 照明を控えた、薄暗い室内。視界の端で人影が動いた。思わず目で追い、明石は息を呑む。
 さくらが、ひとりで踊っている。
「さくら!」
 大声で呼びかける。駆け寄るが、さくらに聞こえた様子はない。もう一度名前を呼んで、明石はさくらの足に視線を落とした。右足にブーツ、左足に――ガラスの靴。
(まさか!)
 靴を脱がせなければ危険だ。即断し、明石はさくらの両腕を押さえる。動きを止めようとしたが、逆に予想外の力で振り回された。とっさに明石はさくらの足を払い、身体をひねって床に倒れこむ。さくらの下敷きになる形で床にぶつかるが、痛みに構っている場合ではない。
 倒れたさくらの足首をつかみ、ガラスの靴を引き剥がす。さくらは先刻までの力を失い、起き上がる気配すらなかった。おそらく、気を失ったのだろう。
 明石はひとつ息を吐き、さくらの様子を窺おうとして…そのままにしていた右手に気づいた。急に気恥ずかしくなり、慌ててさくらの足首から手を離す。細い足首がやけに目につく。右手にあった、確かな感触…。
(何を考えているんだ)
 不穏な考えが浮かぶ前に、明石は手の中のガラスの靴に目を落とした。少なくとも、さくらの心配より先に考えていいことではない。罪悪感が湧き上がり、さくらに触れるのは躊躇われた。大丈夫かと声をかけることすら、今はできそうにない。
 微かに、さくらが身じろぐ。目を覚ます気配を感じ、明石は内心で胸をなでおろした。
「…チーフ」
 跳ね起きたさくらが、明石に呼びかける。明石はそれでも、ガラスの靴から目を離せなかった。
「なぜ勝手に靴を履いた?」
 低く抑えた声と共に、内心の葛藤を押し殺す。静かだが叱責する口調に、さくらが怯む気配を感じた。
「すみません」
 目をそらし、真面目に答えるさくらの声。どうやら、いつものさくらに戻ったらしい。
 謝るのは自分のほうかもしれないな、と明石はぼんやり考えた。さくらが悪くないことはわかっているのだ。俯いたままのさくらに、明石はようやく視線を向ける。いっそ不自然なほどの優しさをこめて、静かに問いかけた。

「…何があった?」
375名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 17:36:48 ID:zMr2HVS2
以上です。

改行どうすればいいかわからないのでそのまま書きました。すみません
376名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 18:09:52 ID:treK6eqA
チーフのどきどき感が伝わってきます。
また新たな赤桃書きさんが加わったのですね。やった!

次回作も楽しみにしています。
377名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 18:11:54 ID:fJ2zuS64
もうデカは飽きられたのか・・・
378名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 19:22:54 ID:XhomEJ3w
うおっ。
「ガラスの靴」のあのシーンはいろいろ妄想が膨らみますよね。
個人的にはこの後も続きがあればいいなーと思いますw

改行ですが、句点や文章の区切りのいいところでしたほうがよいかも。
読みやすいし、何より職人さんの意図していないところで文章が切れるのは
残念ですから。

>>377
デカの職人さんも待ち遠しいですねぇ。
379名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 00:41:29 ID:wQ/RxfNS
>>377

最近デカ見て今が旬な自分ノシ

桃可愛いよ桃。黄色最高だよ黄色。
380名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 01:37:50 ID:SYLDETz8
愛なし、かといって無理矢理の凌辱でもないものはどっちに投下したらいいんだろう。
房中術で激気を高めようと考えるラゲク×カタの、
お互い合意だが乾いた関係ネタを思い付いてしまった。
381名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 07:38:21 ID:W6mOD7eh
>>380
こっちでいいぜベイベー
ってかお願いします
382名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 21:44:16 ID:WHGfusQz
冒険銀桃を投下してくれる神はもうおられないのか……。
383名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 21:54:53 ID:afYf3Vim
>>382
銀桃はたまに投下して下さってるよ〜
>>377
デカ、いいですねぇ。職人さま久しぶりに読みたいですww
384名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 20:00:59 ID:7Vj99xgw
>>375
ガラスの靴見ながら読んでたらさらに萌えた。GJ。
385名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 04:33:54 ID:tCEuTOLF
赤桃に萌えない自分はどこかおかしいんだろうな。
386名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 08:08:46 ID:liAqnEi9
人それぞれだから、萌える萌えないのツボは違って当たり前
だと思いますよ。マイナーカプとか特に
387名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 08:37:00 ID:7eBuYxju
>>385
萌える・萌えないは個人の嗜好の違いなので全くおかしくはないが、
この流れでわざわざそういうことを書くメンタリティはおかしいと思う。
388名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 09:56:36 ID:HdKI7E1r
>385
お前のソレは誘い受けを装った単なるカプ批判だ。
>1を100回音読して来い。

萌える萌えないは人それぞれ。
誰もおかしいとも悪いとも言ってない。
389名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 12:40:52 ID:KWDefrg4
まぁまぁ
もういいじゃんね
390名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 13:03:36 ID:7eazskGY
一生やってろバカ共wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
391名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 16:22:44 ID:QLF+pJmr
冒険赤×桃←銀 投下します。
392或る月夜(1) 冒険赤×桃←銀:2007/05/31(木) 16:24:43 ID:QLF+pJmr

 最近にしては珍しく、映士は日暮時に、仕事を終えることが出来た。
 
 冬の寒さが緩み、日が沈んでなお暖かさが体を包む。
 SGSの建物に沿って、映士は一人、歩いていた。
 
 ふと、顔を上げると、正面に満月が登っている。

(満月、か…… )

 月は東に日は西に。
 その黄色く輝く円を、映士は格別の感慨で見つめている。


 少年の頃から長い間、映士は、満月を見たことがなかった。
 月は、己の内に潜む“アシュ”の血を、騒がせる。
 月が太り、満月ともなれば、最早錫杖だけではその血を収めることができなかった。

 月夜の晩、映士は自らに結界を張り、その中心に息を潜める。
 抑えても抑えても内に沸き上がってくる“アシュ”と闘いながら、ひたすら、穢れた血を呪う。

 我を失いそうになる。己の躰に爪を突き立て、その痛覚で“人”を取り戻す。
 錫杖が、自分の体温で熱くなる。闇の中で感じるのは、その銕の臭いか、血の臭いか。
 滴る汗。食いしばった歯の間から、止めようもない呻き声が、漏れる。

(俺様は、絶対、アシュを、絶やす…… 自分の代で、必ず、決着を付けてやる…… そして…… )
 縋りついている錫杖を、更に堅く握りしめる。闇の中で、映士の目がぎらぎらと光る。

 アシュは、奴らだけではない。奴らを葬り去った後、この錫杖でやることは── 一つ。

(それで…… 終わりだ…… )
 こんな日々を、終わりにするのだ。
 その日まで、ただ、生きていくだけだ。

 あの頃の、絶望と、たった一つの、希望。



(その俺様が、まさかこうして、生きて満月を見上げているとはな…… )

 当時のことはもう、記憶の霞の向こうに、ぼんやりと感じるだけだ。
 それはそれで、いいことなのだろう。

 アシュの血を鎮めるために、やれることは何でもやった。精進は元より、五穀を絶ち、血反吐の出る
ような修行もしてきた。それが今では、酒さえ飲んでも、何ともない。
 まあ、野菜は旨いから、今でも食ってるわけだが。

 それもこれも、あの馬鹿が付くほどの冒険野郎のおかげなのだ。

(だから…… だから、俺様は── )

393或る月夜(2) 冒険赤×桃←銀:2007/05/31(木) 16:25:48 ID:QLF+pJmr

 そこまで思いを巡らせた映士は、この先にあるものを、思い出した。丁度、季節はそんな頃だ。
 一瞬ためらい、しかし歩き出す。人気のない通路に、映士の足音が、ひたひたと音を立てる。

 建物の角を曲がった先に広がった光景は── 満開の、桜。
 満月の光に、白く、ほのかに紅く、輝いている。

 まだ花を散らしてはおらず、その美しさが、映士の胸に、響いた。
 一瞬、熱い、熱い想いが、込み上げる。


── あの男だからこそ、諦められたのだ。美しい、さくらを。



 明石が宇宙に行ってしまうと知ったとき、悄然とするさくらを、映士は見るに忍びなかった。
 ヤケクソで放った自分の言葉が彼女の背中を押したのだということは、後で、蒼太に聞いた。

『……そんなに離れたくないんなら、付いて行きゃ、いいじゃねえか』

 そう言ったのは確かに自分だった。しかし本当に二人で行ってしまった、という事実を受け入れるのに、
映士は時間が掛かってしまった。女々しいとは思いつつ、去年は花見の誘いを、全て断った。

 満開の桜が、彼女を、彼女への想いを、抉り出す。映士は、どうしても、見ることが出来なかった。


 しかし、今──

 アシュとの闘いと同様に、その想いにも、少しずつ霞がかかる。去年はどうしても見る気になれな
かったその桜の木の下で、今はこうして立っていられるのだ。

 あのひとに寄せた想いを、後悔はしていない。

 昔はただ綺麗だとだけ思っていた桜が、これほどまでに、切なく、儚く、そして凛々しく咲くもの
と知ることができた。ただそれだけでも、あの恋に価値はあったのだ。

 日は既に沈みきり、しかし都会の夜空はほのかに、明るい。
 映士は、改めてその夜空を見上げる。満月に、桜。星。そして、その宇宙のどこかにいる、二人。


── いつか、還って来たときには、俺様は笑って出迎えるだろう──



 映士が、月に、桜に、背を向けて歩き出す。
 その後ろで満開の桜が、今年最初のひとひらを、はらはらと、落としていた。

<おしまい>
394名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 19:23:42 ID:KFzOpH0j
映士いい男だなぁ。職人様GJ
395名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 22:54:31 ID:hlWrVLSW
まぁ考えるとデカ、ボウは色々あるけど、
マジは兄弟だからあまり小説がないなぁ・・・
デカは緑×桃がメジャーかな?
でも保管庫にある赤×黄を書いた人はどんだけ天才なんだ・・・
396名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 01:10:37 ID:2P92pIEF
マジは金青とか黒白とか雷桃とか好きだ。
敵方だと竜蛇と飛竜吸血と鯛猫が好き。
397名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 06:36:11 ID:ive7Ll4Y
>>385
同志。赤桃厨がここまでうざくなければ、少しは好意ももてたかも、とは思うが。
398名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 08:02:07 ID:sOVSjKlA
なんか赤桃が嫌いな人ってわざわざここに「赤桃厨ウザイ」とか書きたがるよね。
このカプスレ全体の雰囲気が悪くなること知ってて書き込むなんて常識がない人って
バレるのにね。

デカとかハリケンとか大好きなんですが、自分では書けないのがつらい……


399名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 08:47:51 ID:Mj2gHAeo
>>385>>397
見え見えの自演乙。
400名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 08:51:37 ID:VG0Z1nxQ
>>398
ハリケンは私も好きです!
保管庫に一つしかSSがなくてさびしい。
職人さま、お願いします!!
401名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 08:52:18 ID:vbkorC21
         \   ∩─ー、    ====
           \/ ● 、_ `ヽ   ======
           / \( ●  ● |つ
           |   X_入__ノ   ミ   そんな餌で俺様が釣られクマ――
            、 (_/   ノ /⌒l
            /\___ノ゙_/  /  =====
            〈         __ノ  ====
            \ \_    \
             \___)     \   ======   (´⌒
                \   ___ \__  (´⌒;;(´⌒;;
                  \___)___)(´;;⌒  (´⌒;;  ズザザザ
402名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 14:33:39 ID:9yhq8TUf
もうホントに赤桃だけ単独でたてたらどうだ?
単独でいけるくらい作品は投下されそうだし。そのほうがお互いのためになりそうだけどな。

正直赤桃の話題のたびに揉めるのいいかげんにしてほしい。
403名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 20:51:18 ID:jSo8mUOe
>>402
最近そう思う。
404名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 01:37:58 ID:biFnAHRR
別にしなくてもいいよ。赤桃で揉めるのはスレのルール理解してないガキか大人になれない大人が五月蝿いだけだし。嫌いなら読まなければいいことだしさ。荒らしもスルーって事で前まとまってたじゃん。
405名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 07:38:20 ID:5JoNe85H
まあそれは正論なんだが、おそらく論争を煽って喜んでる愉快犯の仕業だろうからなあ…

こういうのが付くとややこしいし、ましてやシリーズの総合スレだから
他作品のファンからのボウケンという作品自体の心象が悪くなることもある。

自分にも似たような経験があるからそういう人の気持ちがよく分かるし、それだけに
「信者の様子や論争がちらついて見る気が起こらなくなった」とか思われるのが一番悲しい。
406名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 09:49:16 ID:AiEBYDN8
他作品カポのファンだけど、ボウケンは大人受けする作品だったから
小説のネタになりやすいのも分かるし、なにより終わったばっかだから
過去作品よりファンが多くいるのも理解できる

赤桃作品が数多く投稿されても別に無問題だよ
むしろこのスレ全体の活性化に繋がるからどんどん(・∀・)コイ!!って感じ
407名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 09:58:30 ID:cyh8OwW6
もめる原因のカプは単独スレ作ってやって。という
考えはいけないと思う。
一度それをやってしまったら、これからも気に入らないカプが
あればその度に荒らして他スレにしてしまおうって輩が絶対
出てくるから。

荒らしがでないスレなんてありえない。出たらスルーして
雰囲気元に戻すってのが一番無難だと思う。
408名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 10:05:49 ID:cyh8OwW6
カプ批判より、自分はこんなカプが好きだ!萌える!
職人さんどうぞよろしく〜!!な意見の方がいいね。
(職人さんまかせなところが心苦しいのですが……ああ自分では
書く才能がないのが辛い)

デカ緑×フローラとか好きです。マイナーですが
409名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 10:20:43 ID:skv2yhmU
自分はマジ父母が好きだ!萌える!
410名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 15:21:09 ID:0Mp5RmiF
>>408
同意! 待ってる人がいると分かれば職人さんも降臨しやすい気がする
ハリケン以前の作品とかもあれば嬉しいな。個人的にはメガw
411名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 16:14:27 ID:k8pxxt/a
デカ赤×黄好きな人いないかなあ・・・
412名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 18:57:31 ID:QGrtMc/Y
>>411 ノシ 赤黄好きだけどエロが妄想できん。
413名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 23:57:31 ID:5JoNe85H
>>396 >>409
腕がちぎれるくらいノシノシノシ
魔法黒白萌えすぎる
何もかもツボだ
414名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 00:32:49 ID:2f8R8iV8
古いですけど、ダイの緑孔雀。
その頃ネットが発達していたら、その当時の戦隊のSSもたくさんあったんだろうなぁと思うんだけど…。
415名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 01:42:04 ID:kKr5mJjJ
個人で言うけど、デカなら赤×黄、赤×桃だな。
でも保管庫の赤桃は(総合計)1つしかないからなあ・・・
でちらも想像が難しいし。
416名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 11:51:23 ID:R95sdIee
>>411
俺もデカは赤黄が好きだ
もし投下を考えてる人がいるならどんどん投下してほしい
417名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 12:00:16 ID:TWq3syK0
リオメレやばい。すげえ萌えたし、燃えた。
どなたか職人さまお願いします!
418名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 13:21:51 ID:1m1uokkN
リオメレもそうだが、今日のゲキレンはヤヴァイだろ!w
ゲラク様えろすぎるよ!男女問わず全員に対して攻め出来る女拳魔ktkr
ぬこへのストーキング告白もあったし、カタとも何かあってもおかしくないな。
419:名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 17:17:55 ID:dAS836YL
今日のゲキ、リオメレでかなり燃え萌えたが、ラゲク→ぬこやラゲクとカタとの
関係も気になった。
巨大戦ですらゲキトージャに絡みつくラゲクがエロく見えたよ。

そういう訳で>>380の職人様、ラゲク×カタSSの投下お待ちしています。
420名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 20:07:11 ID:G7Fc0gID
380ですが、PCを修理に出すことになったため投下が遅れます…

そしてプチミス。激気じゃなくて臨気ですねw
ラゲク様の予想を上回るエロさにはこちらもやられました。ぱふぱふ+触手責めのコンボとかできそうで…
421名無しさん@ピンキー:2007/06/04(月) 13:36:55 ID:7HaQH8gY
最近のこのスレ、エロ分が少ない気がして飢えている。
というわけでラゲク様に期待するwww
422422:2007/06/05(火) 01:10:35 ID:jMnF7l40
リオメレ大好きなのに、死体だから抱かれられないというポイントに禿げ萌えしているため、エロが書けないというジレンマ。

ラクゲ様!エロ臨技を使えば、リンリンシーでも房術つかえますか!?
423名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 21:01:17 ID:LYCLtyim
そこで死姦ですよ
424名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 00:49:22 ID:96I62S8+
ラゲク様なら触手プレイでメレ様もヌルヌルのベタベタだよ
425名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 13:21:58 ID:GYVuTTVj
ラゲク様参ります。

お品書き:「臨獣殿十八禁房」 ゲキ ラゲク×(理央+メレ) 触手・やや陵辱
注意書き:ゾワゾワの場合は「君子危うきに近寄らず」で、読んでからキモキモの場合は
     秘技「脳内あぼーん」奥義「完スルー」でどうかひとつ。 
426臨獣殿十八禁房・1:2007/06/06(水) 13:23:58 ID:GYVuTTVj
「ああ…揃ったわね、理央ちゃん、メレちゃん」
ラゲクはのんびりと二人の名を呼ぶ。

「マスター・ラゲク、本日はいかなる修行か」
「……うふふ…。そう急いちゃいけないわ。私のレッスン…分かってるでしょ?」
理央に流し目をくれるラゲクに、メレは固い口調で異を唱えた。
「私を使って理央様に嫉妬心を芽生えさせようというのなら、無駄です。
 理央様の強さは既に、私などとは桁違いなのですから」
信じて疑わぬといった様子のメレの横顔を、理央は伏せた目の端で見た。

くくっとラゲクは喉の奥で笑う。
「一途なのね、可愛い……。ま、いいわ…今日は、また違うレッスンだから」
無表情に自分を見つめる臨獣殿の若き主に近づき、その瞳を覗き込んだ。
「いいこと、理央ちゃん?……何もしては駄目。それが今日の課題……」
「何も?」
ほんの少し眉を寄せて聞き返す理央に、触れるほど顔を寄せ、囁く。
「そう、何も……。できるかしら?」

「――っ…」
言葉を挟もうとするメレをラゲクはちろりと見て、言い放つ。
「貴女もよ、メレちゃん。何があっても、ここに立っていらっしゃい。いいこと?」
「………」
応諾しないメレに、理央は顔を逸らさずつぶやく。
「案ずるな。修行を終えた時、我等はまた強くなる」
理央の怜悧な横顔を見つめ、メレはようやく頷いた。
「…仰せの通りに」

「…もう、仲がいいんだから……妬けちゃうわ…」
ラゲクは一旦理央から離れ後ろに歩むと、指を曲げて彼を招く。
「来て、理央ちゃん…」
理央は数歩で近寄り、ラゲクの前に立つ。
と、何の前触れもなく、するりとラゲクの腕が理央の背を抱いた。
427臨獣殿十八禁房・2:2007/06/06(水) 13:25:21 ID:GYVuTTVj
理央はぴくりとも動かなかったが、メレが慌てた。
「ちょ、ちょっと…!」
「動かないで!」
メレを制止したラゲクは、これ見よがしに理央の背を撫で回す。
「えらいわ、理央ちゃんは……うふふふ」
「何もするなと言われた。それが修行なのだろう」
理央は無表情に返す。
「そうよ…、その通り。……分かった、メレちゃん…?」

「うぅ…」
拳を握るメレを、ラゲクは楽しそうに眺めた。
背に回した手をゆっくりと下げ、引き締まった尻を抱き寄せる。
「……ああ…。理央ちゃんの身体、素敵……。もう溢れてきちゃった…」
ラゲクは自ら下腹部を押し当て脚を絡ませる。
「や、やめて…」
メレは呻いた。

ラゲクはにやりと笑う。
「いいわ……メレちゃん。……でも動いちゃ駄目。まだまだこれからよ。……ねえ、
 理央ちゃん?」
そう言って理央の首に腕を回すと顔を触れ合わせる。
「ん……綺麗な顔…。凛々しいわ、とても……」
理央の頬を撫でる様子に、メレは肩を震わせた。

「その顔が歪むのも素敵なのよね…」
無数の白い触手が、ざわざわと理央の身体に絡み付いた。
「ラゲク様、何を!?」
メレは顔色を変える。
「安心なさい、毒など使わないから。ただ焦らすだけよ…狂いそうなほどに、ね」
「り、理央様……!」
428臨獣殿十八禁房・3:2007/06/06(水) 13:26:25 ID:GYVuTTVj
理央は眉を寄せ目を閉じる。
身体の上を這う無気味な感触は闘いで受ける痛みとは全く違う。
防御する手立てもなく身体を蝕まれてゆく感じがした。
それをもたらすラゲクよりも、未知なる感覚に呼応する己の身体に戦慄する。
「…く……」
食いしばった歯の間から声が漏れた。
「ふふ…気持ちいい?……もう降参…?」
「…いや…」

心を落ち着かせようと深い呼吸をする理央に、ラゲクは囁く。
「臨気を高めても、放出するなんて駄目よ。溜めるの……身体の奥に」
「…え?」
「出してしまったら、勿体無いでしょ……うふふふ」
粘つくような吸い付くような触手が、素肌を滑った。
「ぅ、あぁ…っ」
禍々しい快感がびりびりと走って、理央は声を上げる。

「感じちゃった?……やっぱり若いわね、理央ちゃんは。ほらもう、こんなに…」
ラゲクは理央の股間に手を伸ばした。
「う・く…」
誇り高き獅子は恥辱に顔を歪ませる。が、手足はきつく縛り上げられたも同然で、
身動きひとつ出来ない。
「あぁん…、すごい……。熱く、強く、脈を打ってるわ…」

「や、やめろ!…理央様を辱めるなっ!」
身を震わせ、怒りに燃えたメレが叫んだ。
「お馬鹿さん。これは修行だと言ったでしょ?…だから、理央ちゃんは耐えてるのよ
 ……貴女に見られていても」
「えっ…」
確かに理央が本気になれば、ラゲクの腕から逃れる事は難しくはないだろう。
修行ならばこそ、敢えて恥辱を受け入れているのだ。
429臨獣殿十八禁房・4:2007/06/06(水) 13:27:28 ID:GYVuTTVj
「理央…様…」
メレの胸が熱くなる。
「やっと分かった…?――だから貴女も耐えなさい、理央ちゃんと共に」
「は…」
潤んだ目で理央を見、メレは頭を下げた。

「いい子ね…。…さあ理央ちゃん、……もっと気持ち良くしてあ・げ・る…」
触手の先がするすると服の下に潜る。
「くぅ、…ぁ…っ!」
理央は硬直して呻いた。
粘液をまとったおぞましい触手が、胸を、腰を、脚を、背中を、隅々まで這い回る。
耐え難いほどのおぞましさは同時に例えようもなく甘美で、理央は己の制御が徐々に
失われてゆくのを感じた。

後ろにぐらりと傾いた理央の身体は、触手に支えられ捧げ物のように宙に浮く。
ぬめりつく縄がゆらゆらとその身体を覆い、淫猥な愛撫を施す。
「ぁ、あぁ…っ…」
理央は上気した顔を歪め、ひく、と身体を震わせた。
「…可愛い声……。楽になりたいの?……でも、まだ駄目…うふふ…」
目の前に浮かぶ理央に、ラゲクはにんまりと笑いかける。

「り、理央様っ……」
理央のただならぬ様子にメレは気が気でなかった。
だが屈辱的でありながらも、その姿は変わらず凛々しく美しい。
理央への愛がメレの胸を締め付ける。

(ああ、理央様…!…修行でなければ今すぐお側に行って、すべての汚辱を、すべての
 苦痛を、この身に引き受けますのに…)
430臨獣殿十八禁房・5:2007/06/06(水) 13:28:53 ID:GYVuTTVj
「…まあぁ、いやらしい子……。理央ちゃんを見て、興奮したのね…?」
いつの間にか、ラゲクの触手がメレの脚を上ってくる。
「ひ…っ」
「張り詰めちゃってるじゃないの……、おっぱいも、…ここも……」
メレの形の良い胸に触手が巻き付き、秘部を包んだ小さな布の隙間にぬるついた先端が
滑り込む。
「い、いや…」

「ご覧なさいな、理央ちゃん。貴方のあられもない姿に欲情したんですって……」
ラゲクはせせら笑って嬲るような言い方をする。
「…ち、違う、違いますぅっ!」
メレは首を振った。

「さぞかし……あら、濡れてないわ。私はもうびしょびしょなのに……」
メレの脚の間に割り込んだ触手が粘液を吐き出し、塗り付ける。
「…やっぱり、女は、溢れてなきゃ……」
割れ目をなぞる先端が奥に入ってくる。
「あ…はあっ…」
気味悪く蠢く侵入物にメレは声を漏らす。

「本当は…理央ちゃんの立派なおちんちんが欲しいのよねえ……?…こんな風に、
 壊れるくらい、奥まで……」
触手がぐちゅっぐちゅっと音を立てて出没する。
「…い…っ・あぁ…っ!」
メレは立ったままがくがく震えた。両足の間に液体が滴り落ちて染みを作る。

「…イっちゃいなさい。愛する理央ちゃんの前で、獣のように……」
足が地面から離れるほど、メレは激しく突き上げられる。
「――う、ぐぅ…っ!」
無理矢理押し広げられた膣からは粘液がどぷどぷとこぼれた。
触手に蹂躙された粘膜がびくびくびくっ、と痙攣を始める。
431臨獣殿十八禁房・6:2007/06/06(水) 13:31:48 ID:GYVuTTVj
「ぁ…ぅうっ…!…はぁああ!…り、理央様!…理央…さまぁ――っ!!」
メレは悲しげに叫んで、理央のいる方に手を伸ばした。

(理央様、どうか耐えて。耐えて下さい、強くなるために…!)

高い悲鳴に、力なく閉じていた理央の目が開く。
その瞳に崩れ落ちるメレの姿が映った。
手を差し伸べようとしたのか、指先が僅かにぴくりと動く。

「…他愛もないこと。――さあ…、次は貴方の番……」
ラゲクの目が妖しく光り、触手が小刻みに振動を始めた。
「は、…うぅ…っ」
喘ぐ理央をうっとり見つめながらラゲクは吐息を漏らす。
「素敵……。理央ちゃんはどんな顔をしてイくのかしら…?」

露にされた下腹部に無数の触手が這い回る。
屹立した男根をゆるゆると扱き、陰嚢を締め上げ、肛門に侵入する。
「うあ・ぁあ…っ…!」
理央は背を反らせて苦しげに呻いた。

もがく理央の姿を見て、ラゲクは責めの手を強める。
「うふふ、まだ我慢できるの?…じゃあ、もっとしてあげる………」
「ぐ……」
理央は拳を握り、ぎりっ、と奥歯を噛んだ。

「…ああっ…理央ちゃんのおちんちん、…今にも弾けそう……。ほら…、ほら…」
触手が、幾重にも絡まった蔓のように、怒張した男根を捻り上げる。
ぬちゃり、ぐちゅり、と粘液が立てる淫靡な音が響く。
「あーっ、…あぁ…ぁっ…」
理央の全身がわなわなと震え出した。

「……いいわ、イきなさい…、出すのよ、いっぱい出すの……!」
身体から白い燐光を立ちのぼらせ、ラゲクは触手を激しく蠕動させる。
「…ぐ…うぅ・うおぉ――っ……!」
咆哮と共に精液が噴出し、触手に、そしてラゲクの上に降り注いだ。
「あ…ぁ…、理央ちゃん……、す、凄いわぁ…ッ……!」
ラゲクは感嘆の叫びを上げ、ざわめく触手が理央の身体を覆い尽くす。
432臨獣殿十八禁房・7:2007/06/06(水) 13:33:06 ID:GYVuTTVj
静まり返った部屋。
床の上には、気を失ったままのメレと理央が倒れている。
その側にラゲクが佇んでいた。

「……貴方の精、とっても美味しかったわよ、理央ちゃん…」
白い顔がにまりと笑む。
「大したものね…。私の責めを受けながら、燃え上がる臨気はすべて自身に環流させ、
 外へは漏らさなかった。…ちょっと悔しい気もするけど、合格。
 次のレッスンもあるし、今は二人でゆっくりお休みなさい……」

そう言って踵を返し、部屋から出ていく。
「やっぱり若い子達はいいわ…。私も若返ったみたい……ふふふ、役得、役得…」



――終劇――
433名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 13:42:44 ID:c6QMbFFH
むしろ陵辱メインが理央なのにワロタw
434名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 19:08:29 ID:bPm5LPCY
ラゲク様エロすぎです!
ゲキレン側も総嘗めにしちゃってください!!
435名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 22:11:40 ID:vv4iigrE
ツボ過ぎて感想が言葉にならない…! ありがとう職人様!
436名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 22:28:50 ID:ljBzNDwJ
GJGJGJ!!!!
ラゲク様のエロさとリオメレの関係が完璧に再現されてますねハァハァ
437名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 22:54:56 ID:Pr3KHHU7
GJ!です!
つうか、エロ文章上手いっすね!
いんやらしい感じが最高っす!
438名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 23:45:29 ID:2SLOakKh
ありがとう…!ありがとう神よ…!
ピクリと指が動いた理央に萌えた…( ゚∀゚)=3ムッハー
439名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 22:33:47 ID:L5J1aG6P
ラゲク様目当てにゲキレンを見てみるか...
440名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 08:06:58 ID:QGAl5OQW
久しぶりの男性向けw
441名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 14:25:40 ID:ZrG3ofoM
女だけどポエムっぽいのより即物的なのが好きだ
淫語 触手 汁 どれも好物

>>438
同じとこ萌えた リオメレいいよリオメレ
442名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 15:05:00 ID:5pIMykEF
>>441
私も女だけど全文同意する
443名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 09:52:11 ID:l5ougYW5
ラゲク様はクラゲのくせにエロすぎだな
444名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 10:18:46 ID:OPLoj/FL
腐臭がしてきましたねこのスレ
445名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 20:06:15 ID:UNt/7Kx0
私も女だけど(笑)
私も女だけど(笑)
私も女だけど(笑)
私も女だけど(笑)


ガ板の某スレを思い出した。
446名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 00:15:09 ID:ca/KyCtS
女が汁だくエロ好きじゃおかしいの?

真墨の女体化&鬼畜輪姦モノとか超読みたいし。

チーフ女体化で、さくら姐さんに攻められたりすると(・∀・)イイ!!と思う よ!
447名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 01:01:42 ID:qPADb1Ax
女体化はちとカンベン
どうしてもというんなら、職人さんには前置きしてからの投下をたのんます。
448名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 07:40:31 ID:n6IY7Z70
他所池、糞腐が。
さっさと逝け、クソガキ。
449名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 07:46:02 ID:QToX23mz
まぁまぁ
450名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 10:19:23 ID:gjxWN9vA
>>446 >>447
女体化は専用スレに落とした方がいいよ
専用スレ貼っとく↓

【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】4話目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163930291/
451名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 12:33:42 ID:ca/KyCtS
じゃあ、エロエロなさくら姐さんに精液を搾り取られて喘ぎまくるチーフとか!
逆でもいいけど。

ああもう、想像しただけで子宮がきゅんきゅんするぅ〜(*゚∀゚)=3ハァハァ光臣テラモエス
452名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 17:08:07 ID:hAaaT8CJ
う〜と、釣り?

そうじゃなかったら、頭大丈夫?
453名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 20:00:53 ID:nkYti7qb
まぁまぁ。ゲキにしろボウケンにしろ、
汁ダク腐エロも愛さえあればおいしくいただけるw
ここはそういうスレなんだし。

>>425
ただ、あえて希望を言えば陵辱SSは陵辱スレに落として誘導を願いたい。
注意書きはあったが自分からすると「やや」じゃなくて「モロ」陵辱だったように思う。
その辺り個人の感じ方なんだろうけどな。
454名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 21:55:45 ID:nEXM5nDg
腐はいらないよ
801板に池
455名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 05:30:20 ID:hZr5b7DT
今週のゲキレン見て

ヤドカリ、メレにキス成功、乗っ取る
→この姿なら大丈夫だろうハアハアとラゲク様を襲う
→ラゲク様、中身ヤドカリと知りつつメレの体だからノリノリで相手する

てな妄想が浮かんでしまった。
が、しかし、このシチュだと、バエが出てきて、
メレ(ヤドカリ)vsラゲク様の実況をノリノリでぶちかましてくれるような気がしてならないw
ところで、理央はバエがいること事知ってるっけ?
456名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 07:56:42 ID:ecaV6f+h
まぁ、ここのスレに限らずルールというか触れちゃいけない事というか、そういうのはあるだろう。
801や百合で男女のセックスネタを投下されたら不快なことこの上ない。
457名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 13:44:48 ID:/ButQojX
久しぶりにスレ覗いたが荒れすぎだろ。職人様が投下しにくくなるよ。流れぶった切る作品お待ちしております。
458名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 14:18:37 ID:Vmv14iPJ
いや荒れてる訳じゃ無く、ちょっとこのスレを誤解してる人がいただけ。
>>455のネタに期待。
459名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 01:18:24 ID:cM2WeozY
ゲキネタで盛り上がっている時に非常に申し訳ないのですが、冒険で落とします。
現スレ76−83でチーフに〇蹴りを、316−329で映士に右ストレートをかましたものです。
続きの話。赤桃でエロ有りです。11スレ消費予定です。
冒険赤桃嫌いな方、性悪な赤い人が嫌いな方、何より長い文章はウザーな方、
華麗なるスルーお願いします。
(エロについては、自分で「これでハアハアするのか?」と自問自答しながら書いたので、
 エロに期待大な方も、スルーした方が良いかもしれません・・・。)
460冒険赤桃(所有地1):2007/06/13(水) 01:19:22 ID:cM2WeozY
「ん?どうした?」
 宙に漂う紫の煙を眺めながら、この光景を見るのは2ヶ月ぶりだとぼんやり考えていたら、
隣で気だるそうにタバコをくゆらせている人が、いつもの調子で尋ねてきた。

 破壊された街の救援活動をレスキュー部隊でもある映士と共に行い、ようやく一区切り
ついたのは、ガジャが深い海の底に帰ってから3日後の夜だった。
 その間、自室にシャワーと着替えに戻った程度で、それこそ不眠不休で救助活動を行って
いた為、牧野の伝えるボイスの「明日は丸一日お休みでい〜よ〜。」というお言葉は、本当に
有難かった。
 明石は現地で皆に解散を告げ、自分は一人誰もいないサロンにやってきた。
 そのはずだった。

「さくら・・・。」
「・・・お帰りなさい。」
 誰もいないはずのサロンにさくらがいた。てっきり部屋に戻って休んでいるとばかり思って
いたから、少々戸惑う。
 そんな明石に微笑みかけ、さくらは「コーヒー淹れますね。」と言って、給湯室へと向かって
行った。
 いつものサロンで目にする当たり前のやり取り。
 多分さくらは自分がここに来るのを分かっていて、待っていてくれたのだ。
 彼女のいる給湯室へ目を遣りながら、生きてここへ戻ってきた事を、明石はようやく実感
した。

 ドロップされたコーヒーの雫を見つめながら、さくらは深い安堵のため息を吐く。
――やっと戻ってきてくれた。
 明石がダイボイジャーと共に皆に合流してからずっと一緒にいた。
 でも、目を離したら、またいなくなりそうで、不安で怖くて。
 サロンに明石が帰ってきた今、ようやくさくらは長い緊張から解放されたのだった。

「どうぞ。」
「ありがとう。」
 コトリと音を立てて専用のマグをテーブルに置く。
 疲れている彼の為に少し多めに砂糖とミルクを入れたコーヒーを、美味しそうに飲む姿を
見て、さくらは胸を満たしてゆく幸せを噛み締めるのであった。
461冒険赤桃(所有地2):2007/06/13(水) 01:20:09 ID:cM2WeozY
「ところで、あれはなんだ?」
「あれ?」
 明石の視線の先。そこには「トンガリ野郎」の名言(?)と共に、さくらにヒビを入れられた
モニターが無残な姿を晒していた!
「あっ!あれっ!!あっあの、だっ誰があんな事を?!さっ早速修理しなくては!!」
 まさか自分がやりましたとも言えず、うろたえ慌てるさくらをじっと見つめていた
明石だったが。
「ックック。・・・・アハハハハハハ!!!」
 耐え切れなくなって笑い出した。
「チーフ?!」
「お前以外の誰がやったって言うんだ?」
――全部お見通しだったんですね!
 からかわれている事に気付いたさくらが、真っ赤な顔をしてそっぽを向く。なんだか
子供みたいで可愛らしい。
「怒るな。大体自分で言ってたじゃないか。サロンで一晩待ったけど誰も戻らなかったと。
 みんなはまだここには来てないはずだし、お前以外の誰がやる?」
「だって!アクセルラーの機能が回復しないとチーフが助けられないのに、いくら呼んでも
ボイスは出てきてくれないし!私一人でもうどうしたら良いのか分からないし!!」
必死に弁解しながら、自分をからかってさぞ面白がっているであろう明石を見れば、
予想に反して、真剣な眼差しでこちらを見ていた。その表情にさくらはハッとする。

「・・・ずっとお前の事を考えていた。」
「・・・私の事?」
「ああ。真墨は必ず戻ってくるし、俺がいなくてもお前達なら大丈夫だと信じていた。
 ・・・だが、チーフである俺がいない分、サブチーフのお前に掛かった重圧を考えると・・・。」
「チーフ・・・。」
「・・・ありがとう、さくら。ずっと支えてくれて。お前がいてくれたから俺はチーフとして
何とかやってこれたんだ。これからもお前を頼りにしている。」
 ただじっと彼の言葉を聞く。サブチーフとして今までの事が全て報われた一言。
微笑みを浮べ、でも上手く返事が出来ないさくらを見ながら、残りのコーヒーを飲み終えた
明石が、「俺達も部屋に帰ろう」と言った。

462冒険赤桃(所有地3):2007/06/13(水) 01:20:59 ID:cM2WeozY
 エレベーターを降りて右が明石の部屋、左がさくらの部屋。
 でも、足を踏み出す前に明石に腕を取られ、そのまま彼の部屋に連れて行かれた。

 ドアが閉まった瞬間重ねられた唇。強く抱きしめ合う腕。
センサーで間接照明が灯された薄暗い空間。
そこにはチーフとサブチーフでは無く、ただの恋人達がいた。
――良かった・・・。本当に良かった・・・。
さくらの閉じられた瞳からぽろぽろと涙が零れる。ずっと泣くのを堪えていた反動か、
それは止まる事無くさくらの頬を濡らしていった。
始めから激しく求め合い、息をするのが苦しくなる程の口付け。
 言葉は要らない。ただ、お互いが生きてまた逢え、ここにいる喜びを感じたい。
 お互いの存在を確かめ合うように、舌を絡め合い、唾液を交換しながら、ひたすら唇を
貪った。
 
口付けながら、明石の手がさくらのジャケットに掛かる。
 ファスナーを引き下ろし、ベルトを外す手はひどくもどかしそうだ。
 さくらも明石のジャケットのスナップを外してゆく。
 お互いに脱がし合ったそれが、同時にパサリと床に落ちた。
 首筋に熱い感触。そしてチリッとした痛み。一つ、また一つと明石はさくらの白くて細い
首筋に所有印を残してゆく。誰から見ても、さくらは自分のものだと分かる様に、また一つ。
 さくらは涙を零しながら、明石の独占欲故の行為を受け入れた。それすら嬉しかった。
 アンダーシャツから潜り込んだ明石の手が、さくらの胸の谷間でピタリと止まり、さくらも
同様に、明石のシャツの中に手を滑り込ませ、彼の胸板に手を置く。
 確かな鼓動が掌を通して伝わり、その事に今更ながら安心した。額をこつりと合わせて、
お互いを目に映しながら笑いあう。
 そうしてまた、唇を重ねてお互いの存在を確かめ合った。 
463冒険赤桃(所有地4):2007/06/13(水) 01:21:55 ID:cM2WeozY
ゆっくりと明石の手が背中に回り、パチンとブラのホックが外される。
シャツとブラをたくし上げ、右手で強く乳房を掴み、左手はスカートの中へ。
 ショーツの上から敏感な蕾を撫で擦り、その刺激に息を乱すさくらを満足げに見下ろした。
 膝に力が入らなくなり、明石の背中に縋り付いた手が、ぎゅっと黒いシャツを掴む。
 壁にもたれた背中で辛うじて身体を支えていたさくらが、ショーツの隙間から直に触れて
きた指に声を上げた。
「やあっ!あっ!!」
 それが思った以上に大きく響いて、さくらは慌てて自分の手で口を塞いだが、指の隙間から
微かに喘ぎが漏れるのはどうしようもなかった。
 そんな様子にわざと気付かないふりをして、明石は長い指で濡れた花唇を撫で、更に彼女を
追い詰めてゆく。
 ふるふると首を振りながら、潤んだ瞳でこちらを見上げるさくらを、もっと乱してやりたい。
 ねっとりと甘い蜜を指に絡ませながら身体の中に潜り込ませれば、秀麗な眉をきゅっと
寄せて、快感を耐える表情が更に愛しい。
口の端を上げ、さくら以外の誰にも見せない凄みのある、それでいてひどくエロティックな
笑みを明石は浮かべた。

「チッチーフ・・・!」
 苦しい息の下、さくらが懇願するような声を上げてきた。「どうした?」と耳朶を甘噛み
しながら答えたら、びくりと反応するのが面白い。
「あっ・・・やあっ!あん・・・。ベッド行かせて・・・。ここじゃ誰かに聞こえ・・。」
「そんな事どうでも良いだろう。」
「だめぇ!・・・お願い・・・こっ声、我慢出来ない・・!!」
 必死に声を耐えるのがそそられて良いんだと言ってやろうとしたが、泣き出しそうな彼女の
表情に多少は胸が痛む。それに。
――確かにここじゃ集中は出来ないな。
普段はクールで冷静沈着、落ち着いた声音で話す彼女が、我を忘れて甘い声で鳴く様を
見るのが好きな明石としても、今は彼女の提案を受け入れることにした。
 
ゆっくり離れてゆく体温に、ほっとしつつ、どこか寂しく感じてしまう。
そんな自分に苦笑しながら、まだ靴も脱いでいなかった事にさくらは気が付いた。
隣で明石が身を屈めて靴紐を解く。それも面倒臭そうに乱暴に。
すらりと脱げたブーツを揃えたさくらは先に、フラフラとまだ照明の点いていない部屋の
奥へと向かって行った。
464冒険赤桃(所有地5):2007/06/13(水) 01:22:40 ID:cM2WeozY
 手に触れたスイッチを無意識に押すと、キッチンが明るく照らされる。
 テーブルの上にぽつんとグラスが一つ。何だか一人寂しく過ごしていた明石の様だ。
 シンクにグラスを持って行き、軽く洗う。そう言えば、ここに最後に来たのは・・・。
――クリスマス。
 明石の承諾無く、冷蔵庫の中からビールを片っ端から持ち出した。映士へ届ける為に。
――2ヶ月しか経ってないのに・・・。
 ずいぶん昔の事のように感じてしまう。
 喧嘩自体はお互いが謝りもしないまま、うやむやに終わっていた。
 年が明けて会話も普通に交わすようになり、ここに来ようと思ったら来る事も出来た。
明石だってさくらの部屋に来る事は出来た。でも、来る事は無かった。
 感情のわだかまりもあったが、なにより真墨がいなくなり、お互いにチーフとサブチーフと
いう責務を優先し、自分達の事は二の次になったのだ。
 下手すれば、ぎくしゃくした関係のまま、逢えなくなっていたのかもしれない。
 シンクの前で呆然と立ちすくみ、その事実の恐ろしさに身体が小刻みに震えた。
――何で今更。
 でも、溢れる涙も身体の震えも止めることは出来なかった。
 
「大丈夫か?」
背後からそっと震える身体を包み込む腕に振り返ると、心配そうな明石の顔。
「・・・ここにいますよね。」
「えっ?」
「チーフはここにいますよね!幻じゃないですよね!」
「勿論だ。」
 明石はそう力強く言い、抱きしめる腕に力を込めた。そのまま、さくらの良い香りがする
髪に鼻先を埋める。
 伝わる体温。抱きしめる腕。そう、彼はちゃんとここにいる。
 さくらは再び、深い安堵のため息を吐いた。
465冒険赤桃(所有地6):2007/06/13(水) 01:23:34 ID:cM2WeozY
 いい香りがする。髪だけじゃない。さくらの身体全体から花のような匂いを感じる。
 さくらを抱く度にどんどん彼女に溺れてゆくのが分かる。それが分かっていて止められない。
――また俺がいなくなったら、さくらはどうする?
 不意に頭を過ぎった不吉な予感を振り切るように、明石は抱きしめる腕に力を込めた。
「・・・ッチーフ!」
 圧迫されて苦しかったのだろう。さくらが腕の中で身じろぐ。
 鼻先を掠めるさくらの匂い。
 ああまた。
溺れてゆく。

髪をそっと避け、うなじに赤い印を付けた。さっきとは別の震えが閉じ込めた華奢な
身体から伝わる。いつもここなら跡を付けるのを許す。皆に見えないから。
 さっき整えたばかりのアンダーシャツを、今度は背中からたくし上げた。
 既にブラのホックは外していた為、遮るものの無いすっきりした背中が現れる。
新雪が降ったばかりのような滑らかな白い肌に、子供が足跡を夢中になって残す様に、
次々と自分の跡を付けていった。
「っあ・・・。」
「背中も弱かったな。」
 少し笑いを含んだ声で囁きかけると、抱きしめた腕に爪を立ててきた。
 お返しとばかり、今度は右手をショーツの中に潜り込ませる。
「ヤッ!!ダメ・・」
 抗議の声はいつもの様に無視。繁みで遊びながら、指の先にぷっくりと触れた珠を弄れば、
すぐに息が乱れてゆくのが分かった。
 左手はブラを押し上げ形の良い胸を揉みしだく。わざと強めに。自分が触れている事が
はっきり分かるように。
 そして唇は背筋を、肩甲骨の窪みを巡り、幾つも跡を残していった。
466冒険赤桃(所有地7):2007/06/13(水) 01:24:17 ID:cM2WeozY
「チーフ・・・。ベッ、ベッドに行くんじゃ・・・」
「気が変わった。それにここでも外には聞こえないだろう。」
 確かに聞こえないかも知れないが・・・。ここで?!
 適当な所で切り上げて、然るべき所でと思っていたさくらは慌てて明石を振り解こうとした。
しかし明石の暗がりで遊ぶ指は、滴たる蜜を塗り込む様に彼女の秘所を這い、大きな手は乳房
全体を包みながらも、指の間で先端をキュッと摘まみ、唇は首筋に押し付けているのかと
思えば、跡を付ける為強く吸い付いてくる。
 異なる場所を同時に刺激され、腕を振り払うどころかどんどん力が抜けてゆく自分の身体を、
さくらは恨めしく思った。
――こんなんだから、チーフは図に乗る・・・。
 縋る様にシンクの縁を掴んだ時、不意に明石が離れた。

「チーフ・・・?」
 もしかして気が変わったのかと微かな期待をして振り向けば。なんてことは無い。単に
勢いよく服を脱ぎ捨てているだけだった。
 厚い胸板と割れた腹筋。突然鍛え上げられた上半身が目に飛び込み、さくらは慌てて目を
逸らした。
 勿論、明石の裸を見るのは初めてではない。でも、暫く肌を合わせていなかった為か、
何だか恥ずかしくてまともに見ることが出来ない。
 そんなさくらにはお構い無しに、さっさと邪魔な下着まで取り払った明石が、再度彼女を
後ろから抱きしめてきた。
「お前もここで良いって事だな?」
――・・・あっ!
 そうなのだ。明石が服を脱いでいる間に、自分はベッドに行けば良かったのだ。
 それなのに、彼の裸の上半身だけで慌てふためき、唯一の逃亡のチャンスを逃してしまった。
後悔先に立たず。
さくらは降伏する事に決め、白旗を揚げる代わりに自ら明石に唇を寄せていった。

467冒険赤桃(所有地8):2007/06/13(水) 01:24:57 ID:cM2WeozY
「ッンン!!」
 振り向きながらのキスは苦しかったのだろう。さくらが小さく息を漏らしながら唇を離す。
再開される愛撫。明石の熱い唇が、大きな手が、長い指がさくらを乱してゆく。
そうしながら、ショーツに指を掛け、一気に引き下ろした。膝の辺りで一旦止まったそれを、
観念した彼女が自分で取り去る。
 スカート越しにそそり立った自身を腿に押し付けてやれば、さくらが緊張したように身体を
硬くした。
――でも、今更止める気は無いからな。
 さくらは久しぶりで緊張しているのかも知れない。
多分、今はもっと時間を掛けて、リラックスさせた方が良いのだろう。
――でも、もう我慢できない。
 彼女の足を開かせ、スカートを捲り上げた。
「みっ見ないで下さい!!」
「見えるものはしょうがないだろう。」
 むき出しの自分のヒップにひたすら恥じ入るさくらに、人の悪い笑みを見せ、彼女の
恥らいの元である双丘にも跡を付けてやった。逃げられないようにがっちり腰を掴んで。
「いやっ!止めてください!!」
「じゃあどうして欲しい?」
 突然そう返されたところで、答えられるわけが無い。そんな事は明石も分かっているはず。
――分かっててこの人は!!
 俯いて黙っていたら、潤んで熱を持った密やかな場所に、熱い明石自身が押し付けられた。
慌てて振り向こうとした瞬間、身体の奥に遠慮なく侵入してくる圧倒的な圧迫感。
「あっ!ああああっ!!」
 その鋭い快感に貫かれ、さくらはしなやかな背を反らせた。


468冒険赤桃(所有地9):2007/06/13(水) 01:25:49 ID:cM2WeozY
「いつもこんなにキツかったか?」
 深い吐息を漏らした後、素直な感想をさくらに囁いたが、彼女には答える余裕など無い。
 元々明石も答えなど求めておらず、なるべく自分の方が先に追い込まれる事は無い様、
ゆっくり動き出した。
「あっ・・・。あふ・・・。んっ。」
 久しぶりに聞くさくらの甘い鳴き声。かき回すように腰を擦り付けたら、上気した顔が振り
返った。そのまま誘われるように唇を合わせる。顎を捉え、しっかりと舌を絡ませて。
「んんっ。んっ!!」
 解放したら、やはり振り向いての口付けは苦しいのか、激しく肩が上下している。
 それに済まないと思いつつも、腰の動きは早くなっていった。思った以上にさくらに飢えて
いたらしい。
 明石の動きに合わせてふるふる揺れる胸に手を伸ばし、ぎゅっと揉む。
 いっそう奥へと突き上げれば、激しさに耐えかねたように腰が逃げようとするので、腕で
しっかり捕まえ、より繋がりを深くした。
「・・あっ。ああっ!ダメ!!こんなにしたらもう・・・!!」
「もう何だ?・・・一緒にイクか?」
 耳に直接囁けば、ガクガクと首を振り、明石に一番の高みへ連れて行って欲しいと、無言の
懇願をするさくら。こんな時表情が見えないのが惜しい。
視界に入る、強くシンクの縁を掴んださくらの手が小刻みに震えている。その手を覆う
ように自分の手を重ね、ひたすら腰を打ちつけた。
肉がぶつかり合うパンパンという乾いた音がキッチンに響く。
「・・・さくら。」
「チーフ・・・。チーフ!!」
 名前を呼ぶのが精一杯で、もう喘ぎも出ない。さくらはハッハッと短い呼吸を繰り返し、
眉を寄せ、眦から涙を零しながら、明石よりもたらされる快感の渦にひたすら身を任せていた。
 それでいてさくらの中は、貪欲に明石を求め、包み、絡みつく。
 恥らう彼女からは想像出来ない淫らな身体。
 最奥まで激しく突き上げられた時、さくらの中で得体の知れないものが弾けた。
「やあ!!・・・ああああああっ!!」
 喉を反らし、いっそう高く響く絶頂の声を上げながら果てるさくらを見届け、明石も
さくらの中へ熱を解放した。
そして呼吸も整えず、繋がりを解いてすぐさくらを抱え上げ、ベッドに連れて行く。
お互い分かっている。愛も欲もまだ満たされていないのだ。
469冒険赤桃(所有地10):2007/06/13(水) 01:26:40 ID:cM2WeozY
ベッドで一糸纏わぬ姿にされ、再び彼の身体が覆い被さってくる。
 欲しくて欲しくて堪らなかった体温、匂い、感触。
 逞しい腕の中で強く思った。
――ここは私の所有地。誰にも決して渡さない。
 そのまま彼の事をもっと深く感じたくて、そっと目を閉じた。

「ん?どうした?」
「これ、頂きますね。」
 そう言って、明石が銜えていたタバコを横から取り上げる。そのまま自分の口へ運び、一息。
「健康に悪いぞ。」
「その悪い事を教えたのは誰でした?」
 また一息。明石も新しい一本を取り出し、ライターで火を点けた。
 二人でベッドレストにもたれながら、不健康な行為に勤しむ。
――それにしても・・・。
 キッチンで抱かれ、ベッドに移動して何度も昇りつめらされ、「もう限界。」と訴えれば、
「まだ足りない。」と却下され、はっきりいつ終わったのか憶えていない所を見ると、どうやら
最後は気絶したらしい。
――で、朝お風呂に入って・・・。
 二人で入ったのが不味かった。何となくそういう雰囲気になり、バスマットに押し倒され、
身体を洗った後なのに再度洗い直す羽目になり、その後服を着る前にベッド連れて行かれて、
また気絶して、今、夕方。
「欲が満たされたら、タバコが欲しくなるんでしたっけ?」
「性欲はいいとして、食欲が満たされてないな。」
 怠惰に喫煙している風で、実は頭の中は夕食のメニューに飛んでいるらしい。
即物的というか、子供っぽいというか、ついつい笑い出したくなるのを堪えつつ、明石が
手に持った灰皿でタバコをもみ消した。
 ふと視線を感じれば、明石がじっとこちらを見ている。さくらの体中に付けた跡を。
「それにしても、我ながらケダモノみたいだな。」
「・・・そんな事を言ったら、ケダモノが気を悪くしますよ。」
 身も心も十分満たされ幸せな気分のまま、タバコを消す明石にそんな軽口。
・・・しかし、幸福な気分は時として油断を生む。
さくらは明石から、思いもよらない反撃を受けてしまったのだった。

470冒険赤桃(所有地11):2007/06/13(水) 01:27:29 ID:cM2WeozY
「ところでさくら。去年のクリスマス、映士の部屋に泊まっただろう。」
「・・・はい?」
「映士に聞いた。」
「っそ、そんなまさか!だって高丘さん絶対言わないって・・・。」
 そこまで言ってさくらは気が付いた。自分がとんでもない失態をしてしまった事に。
「やっぱりな。」
「チーフ・・・。」
「あの後、お前は自分の部屋にもいなかった。もしかしてとカマを掛けてみたんだが・・・。
実際当たると気分が悪いな。」
そう言って見つめてくる瞳には、何の表情も読み取れず。もしかしてポーカーフェイスは
明石の方が上手いのかもしれない。
「っで、でも!何もありませんでした!私酔っ払って!高丘さんは床で寝てくれたし!」
「浮気した本人がいくら弁解しても、説得力は無いな。」
「浮気してません!」
「とにかく償いをしてもらわないと。俺は心身共に大いに傷つけられたからな。」
 何故今になってあの時の話を持ち出すの?!はっきりそう言えれば良いのだが、さくらは
哀しいかな、何もかも潔白です!!と言い切れる程、自分に都合良く生きられない性質なのだ。
「じゃあ、今から焼肉奢ります。」
「・・・俺が浮気しても、お前はスイーツ食べ放題で許したりはしないだろ。」
 それを言われると非常に痛い。恐る恐る明石の顔を上目遣いに見上げれば。
――面白がってる・・・。
 さくらの気持ちを知った上で、弱みを握った優越感。
非常に人の悪い笑みを口元に浮かべ、何かを企んでいる時の顔をしていた。
「今すぐ償えとは言わない。まあ・・・、罰ゲームが何になるのか楽しみに待ってろ。」

 「焼肉を食べに行こう。」と言って服を着る背中を見つめつつ、さくらは反省していた。
 つまらない喧嘩はしない事。怒っても暴力は振るわない事。でないと、後でとんでもない
要求をされる可能性がある事。
 シーツを身体に纏わせたまま、去年の事を今更ながらに後悔する女。西堀さくら。
 しかし、罰ゲームは想像以上のモノで、明石暁という男と付き合い続けるのは、ちょっと
した冒険どころかえらい冒険になってしまう事を、彼女はまだ知らなかった。
                                       END

471名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 01:28:13 ID:cM2WeozY
以上です。長々と駄文失礼いたしました。
落とす前にチェックはしているのですが、毎回ミスがどっかにあります。
読まれて気になる箇所がありましたら、どんどんご指摘お願いします。
それでは失礼いたします。
472名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 01:48:36 ID:5JmjXDCe
GJ!
罰ゲームが気になるうううう!
473名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 02:50:43 ID:UYfPaVsq
エロ書くときに疑問持って書いちゃダメダメ
自身が性欲ぎんぎんの状態にならないといいものは出来ない、と
某小説家さんもおっしゃっておる
474名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 09:31:46 ID:yqVrAkLR
>怒っても暴力は振るわない事
この辺、激しく姐さんらしくてワロタwwwえらい冒険をkwsk!
475名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 16:16:29 ID:hAgi5XmR
今回は所有地ですか!いいですねー。ダークと言うか姐さんといる時のチーフは普通の男性に戻ってるかなっと思いました。好きな彼女と常に一緒にいて2ヶ月我慢してたら爆発しますよ!それを全て受け入れる姐さんも良かった!乙でした。GJ!
476名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 02:32:51 ID:CMkr4yxp
GJGJ!

姐さんのチーフに対する惚れっぷりがいいです。続きwktkで待ってます。
477名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 16:43:07 ID:oM4D3S1A
>>453
無効住人でもある自分から見ればあれは陵辱ではスレ違いだと思う。
「修行という名目上、合意の上で行われてること」だし。

そもそも持っていくなら悪の女幹部スレになるんじゃないか?
478名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 22:06:42 ID:fJB3Tzll
つーか肝杉
此れじゃ叩かれる訳だよなあ
479名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 23:02:34 ID:71ddPzyS
>>477
悪の女幹部スレなんてあるのか!
すげー。
480名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 00:31:37 ID:yqphvaJB
ヒロイン陵辱スレがあるぐらいだし
481名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 03:27:39 ID:AFBQ+tZG
>>478
叩くなら読むなって書いてんだからスルーしろ。スレ荒らすな。
久々の冒険ネタあざーす。堪能しました。次回作待ってます。
482名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 13:44:49 ID:cyarSSqR
此処って過去戦隊もあり?
気!気!の青桃の姐さんカプ、初兄弟の黒黄の双子イタズラエチ、鳥人間の黒青の手解き、気力の赤桃の熱血&クールを想像すると、未だに萌えるんだが…。
特に鳥人間、青を可愛く書いてみたい。
483名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 21:30:54 ID:qQnEBNJ/
>>482
過去戦隊あり?どころか大歓迎っす
おそらくワクテカして待ってる人も多いはず
鳥人間、首を長くしてお待ちしております
484名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 22:48:28 ID:iC7tYZ0w
>>482
自分もwktkして待ってます!
気!気!の青桃、かなり好きっす!
女子の方が、ほんの少し強いカプが好みです。
485名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 02:20:12 ID:bMG/o8fl
あ、
486名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 02:21:06 ID:bMG/o8fl
487名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 20:18:41 ID:kBdu4KmW
保守
488名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 22:04:35 ID:oFGWmrTv
>>485
なに??あ、あって。
489名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 16:43:04 ID:3XLK4bRL
荒らしにレスアンカー付けない方がいいよ
削除してもらえなくなるから
490名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 04:54:40 ID:NzgrtOM3
過去戦隊に期待が高まる中、すみません。470でさくら姐さんに罰ゲーム予告したものです。
連続で落とすのはどうかと思ったのですが、こちらが最近とても寂しいので、他の職人様が
神作を投下されるまでの場繋ぎとして、冒険赤桃落とします。
ただ、所有地の続きではなく、その上、374様のガラスの靴にネタ思いっきり被っており
ます。職人様すみません。しかもエロ無し。3スレ消費予定です。
491冒険赤桃(所有欲1):2007/06/23(土) 04:55:35 ID:NzgrtOM3
「さくらっ!!」
想像以上に切羽詰った自分の声に驚く。
さくらなら絶対大丈夫だと思っていたのに。
そんな誰とも知れない王子など求めていないと思っていたのに。
それなのに。
―お前の王子様は俺じゃなかったのか?!

 さくらは美人だ。スタイルも良い。だからと言って勿論落とそうと思ってスカウトした
訳じゃない。
理由は唯一つ。
―あの西堀財閥の令嬢が自衛隊特殊部隊?面白そうな奴だ。
 狙った獲物は必ず仕留める自信はあったし、実際さくらはボウケンジャーになった。
 一緒に仕事をしてみれば、思ったとおり面白い奴だったし、実に有能なサブチーフとして
俺をサポートしてくれ、正直メンバーの中で一番頼りにしていると言っても良い。それが・・・。

いつからだろう、さくらが側に居るとひどく安心している自分に気付いたのは。
 一人で居る時、いつの間にか彼女の事を考えていた自分に気が付いたのは、いつからだろう?
 そして、自分を見つめるさくらの瞳の中に、『尊敬』や『信頼』以外のモノも混じるように
なったのはいつからだ?
 サロンでいる時も、ミッション中でも、向けられるその眼差しが、表情が、俺に対してだけ
特別なモノだと分かっていた。だから確信した。
―さくらは俺に惚れている。
 そのはずだった。

「何故勝手に靴を履いた?」
 自意識過剰な自分に対する怒りからか、それとも俺以外の王子様とやらを待っていたさくら
への失望からか、ひどく冷たい言葉が零れる。
上司としては、プレシャスに捕らわれた部下の身を案じる方が大切なのは分かっていたが。
「・・・すみません。」
 項垂れたさくらを見て我に返る。そうだ、私情を挟むな。ここは職場だ。
だから、なるべく冷静に、あくまでもさくらの尊敬する上司として声を掛けた。
「・・・何があった?」

492冒険赤桃(所有欲2):2007/06/23(土) 04:56:33 ID:NzgrtOM3
 さくらを幻想の中へ連れて行く女に、サバイバスターを託した。
 何かあった時、それでさくらが自分の身を守る事が出来るように。
・・・ついでに俺以外の王子様をそれでぶちのめしても可だがな。

現実の世界に引き摺り出されたシンデレラの王子は、はっきり言ってブサイクな化け物以外
の何物でもなかった。
 あれに俺は嫉妬していたのか?!・・・馬鹿らしい。
 それにしても、王子様を夢見る乙女心を傷つけられたからか、数々の女性を犠牲にしてきた
男に対する同性として怒りなのか、今回のさくらはいつにも増して勇ましくて凛々しかった。
 最後のゴーゴーマリンで突撃なんて、さくら。
お前、男前過ぎるぞ。

 今までは、さくらがとても優秀な部下だから、一緒にいて安心するし、ほっとするんだと
思っていた。でも違う。そうじゃない。
 部下とか仲間とか言う前に、女として。
 嫉妬する自分に気付いて、ようやく自覚した。
俺はさくらが好きなのだ。



493冒険赤桃(所有欲3):2007/06/23(土) 04:57:42 ID:NzgrtOM3
「わたしもいると思いますよ。王子様。」
 ええええええ!!お前王子様ぶちのめしてきたじゃないか!!それとも何か?あんなのじゃ
なくて、もっといい男探すって意味か?
 内心の動揺を抑えつつ、努めて冷静に質問する。
「お前も待っているのか?王子様を。」
「待ったりしません。捕まえるだけです。」
・・・なるほど、さくららしい。今の笑顔もお前にしか出来ない極上のものだ。
だが、さくら・・・。真墨と映士が怯えてる。

 それにしても、お前は本当に面白いヤツだな。いつも俺の予想を超えた事をしてくれる。
だから、俺を楽しませてくれるお返しに、お前が王子様を捕まえる手間を省いてやろう。
 俺は不滅の牙。狙った獲物は逃さない。そして獲物はさくら、お前だ。
 俺がお前を捕まえる。
暫くは上司と部下で良いと思っていたが、所有欲が湧いたとでも言えば良いのか?
 
――だって、そのワイヤーでグルグル巻きにしたい王子様は俺なんだろ?さくら。

                                     END


494名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 04:59:43 ID:NzgrtOM3
以上、場繋ぎ駄文失礼しました。
他職人様の神作、心よりお待ちいたしております。
495名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 23:52:29 ID:24QuYrHE
所有シリーズ作者様
またまた面白い作品ありがとうございます。
またお願いします!
496名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 00:36:49 ID:REbRun7X
>だって、そのワイヤーでグルグル巻きにしたい王子様は俺なんだろ?さくら。

そんな自信タプーリなチーフは大好きだw
GJです!
497名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 07:34:05 ID:JF5Yeq+K
所有シリーズ職人様、ありがとうございます。GJ!

こういうの好きです。2週連続で拝めてありがたや…
498名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 22:45:44 ID:Mkl1Xaf/
GJ! お疲れさまでした。
こうやってさくらは不滅の牙にロックオンされてしまったわけか、と
妙に納得してしまったw
『ガラスの靴』は妄想を刺激される回ですね。

そういえば>>41さんの冒険赤桃はどうなったんだろう。
もう職人さんはここにいらしてないのかな?
まだいらしているのなら、投下お待ちしています。
499名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 23:59:53 ID:rb8knQsV
休止続きで寂しいのでゲキレン投下しますー。
>>293が面白く、触発された部分も多々あり、作者様にはお礼申し上げます。
赤黄青で、エロ未満、オチなしですが、よろしければ。
※一部スカっぽいところがありますので、お嫌いな方は読まないで下さい。
500鼓動戻し後日譚 1:2007/06/27(水) 00:01:50 ID:Mvs9/daa
うわあああ、と叫びながらランが駆け込んできた。
「た、大変です、美希さん、マスター・シャーフー!!」
顔は蒼白である。
「どうしたの?」
「ほほ、ランにしては珍しい慌て方じゃの」
「あのあのあの、ジャンとレツが……!――いいから早く、来て下さい!」

三人がゲキルームに入ると、鼻をほじっているジャンと寝転がったレツがいた。
「あ、ねこだ!」
「はて、大変なようには見えんがのう。相変わらずマイペースではあるが」
美希は険しい顔をする。
「…いいえ、マスター・シャーフー。ジャンはいつも以上に子供っぽい感じがします。
 それにレツ。彼が寝そべって涎をたらすなんて、有り得ないと思いませんか」
「うむむ、確かに」
「この様子はまるで、『鼓動戻し』の時みたいだわ」
「そう、そうなんですっ…!」
ランが泣きそうな顔をして同意した。

「私が来たら、二人はもう、こうなってて……」
ロボタフで遊ぶジャンを目で追いながら、ランは言う。
「身体は変化せず、頭の中だけ子供になるなんて。『鼓動戻し』の副作用か何か
 でしょうか?」
「いやあ、そんな話は聞いた事がないのう…」
シャーフーは腕組みをして考え込む。
「これから、どうすればいいんでしょう?!」
「困ったわねえ」
ランも美希も頭を抱えた。
501鼓動戻し後日譚 2:2007/06/27(水) 00:03:23 ID:Mvs9/daa
「ねえ、ランママ。つまんない。どっかいこ」
ロボタフを揺すっていたジャンが言った。
「ええ〜?…っていうか、その顔で『ママ』なんて呼ばないでよ……」
ランは唇を尖らせる。
「それより痛々しいのはレツだわ」
無邪気な顔をして寝そべったままのレツを見下ろし、美希がため息をつく。
「ギャップが有り過ぎて見てられない…」

「ほんとですよね…」
ランもレツの顔を覗き込む。
するとレツは、うきゃあ、と嬉しそうな声を上げて手足をばたばたさせた。
「あら、喜んでる。ランがママだった事を憶えてるのね、きっと」
「でもこの大きさじゃ、だっこもできませんよ……」

ぶりっ、と奇妙な音がした。
美希とランは顔を見合わせる。
「あっ、くせー!…レツ、ウンコしたあ!ウンコもらしたあ!」
ジャンが目ざとく気付いて大声ではやし立てた。

「み、美希さん………どうしよう…」
ランはすがるように美希を見たが、美希はくるりと後ろを向いた。
「ごめん。あたし、重役会議あるから!あとよろしく!」
そう言って足早に出ていく。
「そんなあ……。マ、マスター・シャーフー、あの、私……」
「よし、ワシはちょいと古い文献を漁ってくる。二人を頼んだぞ、ラン」
シャーフーもたちどころに姿を消した。

「うっ…うそ……」
ウンコを連呼するジャンと、不機嫌な泣き声を上げ始めたレツ。
大きな子供二人を委ねられて、ランの目の前が真っ暗になる。
502鼓動戻し後日譚 3:2007/06/27(水) 00:04:24 ID:Mvs9/daa
「……ランママ。ランママってば。レツ、泣いてるよ」
肩を揺さぶられ、ランは我に返った。
「う……。私だって泣きたいわよ……」
顔を歪ませるランに、ジャンが言う。
「泣くなよ、ランママ。…オレ、おてつだいするから」
「えっ…」
「な?」

にっこり笑いかけられて、ランはハッとした。
(ジャンは、私の事心配してくれてるんだ……。あの時も、ちっちゃい身体で
 私を助けに来てくれたっけ…)
ランも笑顔に戻る。
「うん。ありがと、ジャン」
「オレ、どうすればいい?」
「えーとね……」

既に大声で泣いているレツの、両手をジャンが、両足をランが持って、シャワー室へ。
「うるせ。よく泣くなあ、レツのやつ」
「しょうがないよ、赤ちゃんだもん」
とはいえ、身体は立派な大人なのだった。

「ふー、やっとついた。重いよレツ」
「ごくろうさま。じゃあ、次はレツの……ズ、ズボンとパンツを脱がせようか…」
思わず口ごもる。
「えー。やだよ、ウンコついてるじゃん」
「うっ……」
男同士、ジャンに任せようと思っていたランは当てが外れた。
(お手伝いするって言ったのに、もう!)
503鼓動戻し後日譚 4:2007/06/27(水) 00:05:32 ID:Mvs9/daa
「……じゃあ、ママがやるから、ゴミ箱持ってきて」
「はあーい」
今度は素直に言う事を聞く。
「レツ、今キレイにしてあげるからね。ちょっとごめん、動かないで…」
ランは、じたばたして泣いているレツのズボンをそっと下げた。
下着のゴムに指が触れて、それも一緒に脱がす。
横を向き目を細めて、はっきりと見えないようにしながら、どうにか全部脱がせ、
くるくると丸めてゴミ箱に突っ込んだ。

「ジャン、シャワー出してくれる?…温度に気をつけて」
「わかった。……ん、だいじょうぶ、熱くない」
「ありがと」
ジャンからシャワーヘッドを受け取ると、レツの尻に湯をかけた。
どうやら汚れも落ち、ほっと一息つく。
のも束の間。

「はい、せっけん」
「え?」
「ちゃんとあらわないと、レツ、かわいそう」
「そ、そっか……そうだね」
一旦シャワーを止めて石鹸を泡立て、レツの尻に塗り付けた。少しためらうが、
目をつぶって股間に手を入れ、洗う。
「ジャン、シャワー出して」
「うん……、あー、レツ、オシッコした!」

「ええっ?!……きゃああ!」
ジャンがよそ見をしたので、シャワーの湯がランにかかった。
「あっ、ゴメン……!」
慌てて手首を返すと、ジャンにも湯がかかる。
二人ともずぶ濡れになって顔を見合わせ、思わず吹き出した。
504鼓動戻し後日譚 5:2007/06/27(水) 00:06:40 ID:Mvs9/daa
「ふふ、濡れちゃったね」
「ゴメン……。あ、オレ、ランママ、あらってあげる」
「いいよ、大丈夫だよ」
「…じゃあさ、じゃあさ、あらいっこしよう?」
ちびジャンの無邪気さで、大人の顔をしたジャンが誘う。

「えっ、いや……、あの…」
ランがためらっていると、ジャンが悲しそうな顔をした。
「だめ?」
(レツは洗ってあげて、ジャンはダメってわけにはいかないよね。ママとしては、
 ここはやっぱり……)
「いいわ、洗いっこしよう」

にぱあ、と笑顔になったジャンは、物凄い勢いで服を脱ぎ出した。
たちまち全裸になると、ついでにレツの上半身も裸にする。
さらに飛び跳ねて歌う。
「はやく!はやく!ランママ!はやく!」
(うう…、前は隠して欲しい…。…でも今は、ママと子供達なんだから、大丈夫っ…!
 ……恥ずかしくない!)
そう自分に言い聞かせ、ランも服を脱ぎ裸になる。
「お待たせ。洗おうか」
「うん!」

ランは蛇口をひねって、二人で湯を浴び始めた。
「あ、そうだ、レツをお座りさせた方がいいかな」
「オレ、やってあげる!」
ジャンはひざまずいてレツの身体を起こした。
「壁に寄りかかるようにして……」
指示しながら、ランも手助けをする。
505鼓動戻し後日譚 6:2007/06/27(水) 00:07:45 ID:Mvs9/daa
突然、んまんまんまんま、とレツが声を上げた。
「――えっ、何?」
顔を見ると、目は一点を見つめ、涎がだらだら糸を引いている。
「あー、ランママのおっぱいみてる」
「や、うそ!」
ランが両腕で胸を隠すと、レツの顔が歪んで赤くなった。
「レツ、泣くよ。おっぱいほしいんだよ」
「そんな、私……おっぱいなんて出ないよお……!」

「ふ、ふええええ……!」
「ああっ、待ってレツ……」
泣き出して傾いた大きな赤ん坊をランは慌てて抱きかかえる。
その白い乳房の先端に、レツはぱくりと吸い付いた。
「お、重…」
ランは体重をかけられて後ろに倒れ込む。

仰向けになったランの乳首を、ちゅっちゅっちゅっ、と無心に吸うレツ。
「あっ……、あ、あぁ…っ、く、くすぐったいよ……」
小さく身体をくねらせるランを、ジャンが恨めしそうに見る。
「…ねえ、ねえってば、ランママ」
「え……、な、何?」
「オレも、ちゅうちゅうしたい。レツだけ、ずるいー」
「だって……レツは、赤ちゃん…」
「おんなじ大きさだもん!ずるい!ずるいー!」

ランは訳が分からなくなってきた。
そう言われれば確かに、二人とも同じ大きさだ。
「わかったわかった。いいよ、ジャンも……」
「やったー」
「でも、痛くしないで…そっとして」
「うん。……ランママ、だーいすき」
幸せそうな笑顔で抱きついてくるジャンを見て、素直に可愛いと思った。
(ママもね、あなたたちのこと、大好きだよ……)
506鼓動戻し後日譚 7:2007/06/27(水) 00:08:55 ID:Mvs9/daa
「ランママ、ホワホワだ。…ここは、スベスベ」
乳首をくわえたジャンが、ランのお腹に手を滑らせる。
「…あ…っ…」
くすぐったいけれど気持ちが良くて、ランは甘い声を出した。
ジャンの手が下りてゆく。
「ここ、ムチムチ。ちょっと、シトシト。……あれ、ここ、ニュルニュルだ…」
閉じた腿の間に、ジャンの手が入り込む。
「や、…あ、ぁ…ん……。だ、だめよ、ジャン……」
「なんで?きもちくない?」

「う、ううん。気持ちいいよ……」
(だけど、大人の身体のジャンにされると、何か違うような気もするの…)
「よかった。ランママ、いっぱいきもちくなって」
「…うん。ありがと…」
「オレ、ランママといると、ホワホワ…」
そう言うと、乳首をちゅうちゅうと吸い立てた。
「あぁっ、…あ、はぁ…あ…っ…」
ランは小さくのけぞって声を上げる。

レツとジャンの唇が、それぞれ美味しそうな音を立ててランの乳首を吸う。
それだけでなく、言葉にならないレツの声や、下腹部を撫でるジャンの手の感触、
立ちのぼる湯気の温かさに、ランは気が遠くなるほどの心地良さを感じた。
腕を回して、レツとジャンの頭を優しく抱く。
(いいのかな、こんな…。でも、気持ちいい…。幸せ。ずっと、こうして……)
うっとり目を閉じて、はああ、と濡れた溜め息をついた。
507鼓動戻し後日譚 8:2007/06/27(水) 00:10:16 ID:Mvs9/daa
「おーい、ランよ、ここか?…二人のお守りは大丈夫かの?」
突然、シャーフーがシャワー室のドアを開ける。
そこには三人の愛弟子が全裸で寄り添い、横たわっていた。
「ぬぉっ?!!…おぬしら、なんちゅう気持ち良さそうな事をしておるのじゃ…!」

「――きゃああああああ!!!!!!」
ランは仰向けに寝たまま、師に向かって拳を繰り出した。
「にゃおおおお――ん!!!」
シャーフーは吹き飛ばされドアの外に消える。

「ど、どうしよう…。見られちゃった……マスター・シャーフーに…」
「…ねこに、何をだ?」
ジャンが頭を上げてランを見た。
「何だよ今の騒ぎ……。…って、あ――っ、なんで裸!!しかもみんなで!!」
レツが体を起こして大声を出す。
「あははー、レツ、ちんちん丸出し!ランも、ぱいぱい丸出しー!」
「指差すな!…ちょ、一体何が!」

「ひ、ひどい……、どうしてこのタイミングなの…っ…」
拳を震わせるランの顔は引きつり、裸身から凄まじい激気が立ちのぼる。
「――二人とも、元に…、大人に戻ったのかな…?」
あまりの迫力にジャンとレツは声が出なかったが、二人の股間にそそり立った物が
悲しいまでに肯定を表していた。
「…そう…。戻ったの、ね……」
ランはぼきぼきぼき、と握った拳の指を鳴らした。

「ラン、待て、は、話せば分かる。ていうか、まず何があったか話し……」
「…だめだ、ラン、メラメラだ!逃げるぞレツ!」

「うううー…っ!!!…も、猛・母・打――――っ!!!!!!!」

(おわり)
508名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 01:31:06 ID:w4ke/Z5s
スカはやめてくれ
509名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 05:19:06 ID:0ivhGThR
いくら注意書きありでも、スカはルール違反だと思うけど。
エロなしスカありって、一体誰が必要としてるのかわからない。
510名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 05:22:24 ID:bEbgOgLZ
ま、どの程度が許容範囲か人それぞれだからな。
ラン、超乙だ!w
つうか、ネコ、勝手に風呂場入ってくんなよwww
511名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 08:22:48 ID:vSIWFTrj
なにこの老人介護
512名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 09:08:52 ID:Vx64m88N
>>499 乙!続き激しく希望!
エロ未満オチ無しって書いてるんだから、
嫌な人はスルーね。
513名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 17:02:12 ID:QKMENSFs
子供生んだばかりのDQN親は(ひょっとしたらDQNだけじゃないかも知れないけど)
ファミレスのど真ん中でオムツ交換しても気にならないんだってね。自分たちだけは。
514名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 17:56:38 ID:3XtoKnC2
赤ん坊が漏らしてるのと、いい大人が漏らしてるのじゃ
読者に与える嫌悪感が桁違いだと思うよ。
しかも、何をどうやって排泄物を始末しましたって解説つきで…
515名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 20:08:00 ID:GzVektVM
スカトロでもdat落ちよりはましだよね、 d a t 落 ち よ り は 。

作者にとっては「TVでやってたネタだしたいしたことない」んだろうし、
看護学生だの老人介護の勉強中だったり、あるいはガキこさえたばっかりで
シモの世話に抵抗が全くない人なのかも知れないけど、
他人の価値観ってものを少し考えて欲しい。
あの話の内容とは印象が全く違う。これは「スカっぽい」じゃなくて、立派なスカトロ。
正直、人を選ぶフェチネタは該当スレ行ってやって欲しい。
なんのためにいくつもジャンルスレがエロパロにあるかわかってない人大杉。

いっそのことヒロイン陵辱スレと統合する?そんなにdat落ちが怖いんなら、さ。
そうしたら、少なくともdat落ちだけは防げるよ。
516名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 21:12:32 ID:Z0UMZ4fZ
>いっそのことヒロイン陵辱スレと統合する?そんなにdat落ちが怖いんなら、さ。
そうしたら、少なくともdat落ちだけは防げるよ。

いや、それはいくら何でも勘弁…。
前の部分で

>人を選ぶフェチネタは該当スレ行ってやって欲しい。

とも書いてるから、わざとそう書いてるのはわかるけども。
あそこの住人とは求めてるものが違いすぎる。
517名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 21:57:35 ID:r3DnFN55
もうそろそろよくね?
これ以上はさすがに作者が可哀想
518名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 22:05:53 ID:0ivhGThR
無駄に「dat落ちを怖がってる」人が多いよね、本当に。
dat落ちが嫌だから、保守代わりにエロなしを投下する人がいて
いつの間にか容認されるようになっちゃったけど
本来はそれだってスレ違い、というか板違いだよね。
エロなしならピンク鯖でやる必要がないし。
519名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 22:10:10 ID:0ivhGThR
前は、エロなしだから別スレに投下します、みたいに
棲み分けもちゃんとできてたはずなのに。
dat落ちが怖いから、ってなんでもかんでも容認するような
流れを作ってしまうのはよくないよ。
520名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 23:13:14 ID:DFZA9E3t
確か初代くらいのスレに、エロなしでも受け入れられるように
「カップルスレ」って名前にしたとあったような気がする。


自分は原作準拠だしいいじゃん、と思ったけどね。後半は微妙にエロいし。
苦手な人はスルーできるように注意書きつけるようになったんだし
521名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 00:16:45 ID:MM/IpuJ/
ようはエロ有りで一般的に苦手な人が多いネタ(スカとか死にネタとか)じゃない妄想で
スレが溢れればいいんだな。

よーしがんばって妄想するぞー!
それを文字に起せるかが問題だがな!


orz
522名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 08:16:26 ID:cULFHsZF
部外者ですがね。
ココの人、「汁だくだろうが腐だろうが、愛があれば」みたいな事言ってましたよね。
いいんじゃないの?
ガタガタ抜かしてるが、別に文句言う必要ないじゃん。
このスレの趣旨って、そうなんでしょ?
523名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 10:17:24 ID:aSyI24vT
>趣旨

主旨ね。
汁も腐もそれ相応のスレや板がありますが何か?
どうして何でもかんでも1つのスレで済まそうと思うのかな?
それってただの怠慢じゃない?
スレ引きこもり?dat落ち恐怖症?
たんなる2ちゃん依存にしか見えない意見をどうもありがとう
524名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 11:04:33 ID:zNx2RjxX
今日の昼飯カレーにするー!
525名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 12:02:15 ID:ZZwGq8jI
あのさ・・・
注意書きしとけばセーフ、と作者は思っていたけど
読み手からすると不快の度合が想像以上に高くて一部の人には受け入れられなかった、って話でしょ?

皆の反応を見て作者にもそれが充分伝わっただろうし、もう同じことはしないと思う。
ROMってる他の職人さん達にとっても今後書く上での参考になったと思うし。
スレにそぐわないところがあれば学んで改めればいい。
もうそれでいいじゃん。元の流れに戻ろうよ。
526名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 13:00:24 ID:cULFHsZF
>>523
黙ってろよ、クソ依存症ww
527名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 16:15:14 ID:NNh9WRCd
>>525
そうそう、賛否両論だもんね
大人用板らしくいきたいね。
528名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 17:55:18 ID:4NJIVVOm
なんで賛否両論にしたがるのかな?
そんなにスカトロネタが読みたいわけ?
赤ちゃんのお漏らしシーンで濡らすほど興奮したわけ?
529名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 18:15:22 ID:Auy8cNyp
>>520
そんな事実はなかったわけだが。
おかしくなってきたのは3の途中ぐらい。
それまではエロ無しは専用スレに誘導出来ていたのに、それ以降
gdgdになってエロ無しSSばっかりになってしまった。
530名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 18:16:05 ID:0e+ScJ44
>>525
>一部の人には受け入れられなかった
じゃなくて、一部の人には大好評だったけど大多数には不評だった、の間違いじゃないですか?
勘違いすなやボケ
531名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 18:53:50 ID:JEF8+YXV
久しぶり覗いたらまた荒れ放題になってるな。
つーか、読みたくないならスルーでいいじゃん。オレは指示通りスルーしたし。痴話喧嘩すんならスレ立ててそこでやれ。今のスレじゃ職人様投下しにくいだろ。大人なんだからもう少し考えろよ。
532名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 19:02:47 ID:Auy8cNyp
>>531が大人の口調じゃない件について
533名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 21:17:54 ID:0e+ScJ44
痴話喧嘩の意味わかってないゆとりへ
年齢ばれるよwww
534名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:45:13 ID:6vqqBa3O
冒険の赤×桃が多いなぁ・・・
デカの赤×桃はないの・・・?
535名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 22:56:27 ID:zryEZmY+
>>534
デカ赤桃は>>9の総合保管庫にも一つしかないからなぁ…。
「こんなネタを読んでみたい」ってふってみたら
職人さんが拾ってくれるかもしれないよ?
536名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 01:54:35 ID:1Vsf+5vU
ガオで書いてくれる職人さんいないかな
537名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 06:11:33 ID:NNlXWH3m
こういう流れの中の投下ですが…
冒険ネタで失礼いたします。他戦隊でなくてすみません。11レス消費します。

冒険青×風です。一応念のため断っておきますが、風シリーズとは関係ありません。

自分ではコメディ路線エロ風味で書いてみたつもりです。ハードな展開をご期待の方は
スルーでお願いします。

ツクモガミの造り方に関しては適当なので、本編とは違うと思いますがお許しください。

お目汚し失礼いたしますが、宜しくお願いします。
538○Task210 貧乏神の祠(1):2007/06/29(金) 06:12:32 ID:NNlXWH3m

(全く…… しくじったなあ…… )

 両手足を縛られ、倉庫の床に転がりながら、風のシズカは自分のドジを、心から後悔
していた。

 プレシャスを所持するネガティブの情報を得て、どうせ悪い奴らなんだから盗んだって
構わないだろうと思い、忍び込んだまでは良かったが、プレシャスを奪って逃走途中で
非常ベルが鳴り響いた。何かのトラップに引っ掛かったらしい。

 普段ならこんな連中、見つかってから逃げたって振り切れるはずなのに、逃げ手逃げ手
が裏目に出て、終いには何かを踏んで、滑って転んで捕まってしまった。

「フフフ…… まさか、このお宝をただ盗もうとする、馬鹿がいたとはな」

 不細工でハゲのおっさんが、ニタニタ笑いを浮かべ、拘束されたシズカをじろじろと
眺め回す。

「何見てんのよ、ハゲ!!」
「強がるのも今のうちだ、ダークシャドウの、風のシズカだな。こいつは高く売れる」
 売り飛ばす前に、当然楽しませてもらうがな、と付け加え、その男は行ってしまった。

(──こういうときのために、アレ、持ってきてるんだけどな…… あーあ、退屈……)

 売り飛ばすだのお楽しみだの、脅し文句を並べ立てた割には、いつまで待っても何も
起きる気配がなかった。どうせダークシャドウを恐れて、いざ手を出す段になると怖じ気を
震っているのだろう。
 でも、それじゃ困る。何かが起きるその時を狙って脱出しようとしているのに、何も
起きないんじゃ、逃げ様がないじゃん。トイレにだって行きたいのにー。
539○Task210 貧乏神の祠(2):2007/06/29(金) 06:13:19 ID:NNlXWH3m

 その時、部屋の外で騒がしい音がした。

(やった! 待ってました!)

 ドアが開く。しかし、シズカの期待していたような展開には、ならなかった。

「ほら、お前もここでおとなしくしてろ!」

 連中にそう言われて、一人の男が部屋に突き飛ばされてきた。シズカと同じく
ぐるぐる巻きにされたその男は── 最上蒼太、だった。

「ボウケンブルー…… あんた、何してんのよ」
「や、奇遇だね、シズカちゃん」

 この状況でも、やっぱりこいつはウインクをしてきた。

「何余裕かましてんのよ、捕まってるのに」
「そういうシズカちゃんこそ、先に捕まってた割には、元気だね。やっぱり、あのプレシャス
 持ち歩いて、捕まったんでしょ?」
「……やっぱり、って、どういうこと?」

 問い返すシズカに、蒼太は意外そうな顔をした。

「まさかシズカちゃん、ここのプレシャスが何か、知らないの?」
「うっ……」

 実は痛いところを突かれた。つい、ムキになって反論する。

「だって…… 最近、金目のいいやつは、みんなあんた達がかっさらってくじゃん!
 お宝が何かなんていちいち調べてたら、また鳶に油揚げ攫われるって思ったんだよ!」

 蒼太は、ぷっと吹き出した。
540○Task210 貧乏神の祠(3):2007/06/29(金) 06:14:02 ID:NNlXWH3m

「ちょ…… 馬鹿にしてるでしょ!」
「別にそんなこと…… 僕が、教えてあげようか?」
「……いいよ、自分で、後で調べるから」

 ぷい、と横を向くシズカを、蒼太はニヤニヤしながら眺めている。

「ホントは、知りたいでしょ」
「べ・つ・に! でも、どうしても、あんたが教えたいって言うんなら……」

 そう言いながらちらと見るシズカに、蒼太はまた吹き出した。

「じゃ、教えてあげるよ。あれは、貧乏神の祠、さ」
「びんぼうがみ……?」
「あれを手に取っただけで、ことごとく運が悪くなる。ここじゃ、結界の中に入れてる
 みたいだけどね。気に入らない敵に、さも有難そうな装飾をして、プレゼントする。
 あとは、相手が悪運で自滅するのを待つだけってわけ」

 じゃ、あたしが裏目裏目で捕まったのは…… シズカが腑に落ちていると、蒼太は、
まだこちらをニヤニヤしながら見ていた。

「シズカちゃん、あれ、結界も使わずにただ持ち歩いたでしょ。最後、君、何を踏んで
 転んだか知ってる?」
「な、何だって言うのよ…… 」
「バナナの、皮」
「ば…… ばなな!?」

 笑い転げる蒼太を前にシズカは一瞬茫然としたが、はっと我に返った。

「ちょっと、あんた、何笑ってるのよ!」
「だって、忍者が、バナナの皮で滑って転んだ……」
「言うなーー!! ボウケンブルー、あんたこのこと、絶っっ対誰にも、言わないでよね!!」
「そんなに恥ずかしい事じゃないよ、うちの前のチーフだって、昔似たような……」
「あんたんとこの冒険馬鹿と一緒にしないでよ!」

「何やってんだ、うるせー!!!」

 一瞬ドアが開き、ごつい男が怒鳴り込んだ。しかし、シズカと蒼太がギッと睨むと、
男は慌ててドアを閉めた。
541○Task210 貧乏神の祠(4):2007/06/29(金) 06:16:39 ID:NNlXWH3m

「ま、ここの連中は、あの程度だね」
「……その、程度の低い連中に、あんただって捕まってるくせに」

 さっきのお返しで痛いところを突いたつもりのシズカだったが、蒼太は意に介さなかった。

「だって、こうすれば、手っ取り早く君の居場所がわかると思ったからね」
「えっ…… ワザと、捕まったっていうの? その…… 」

 シズカは言葉を濁した。蒼太の言葉を解せば、つまり、自分を助けるためにこうなった、
ということになる。
 何となく顔をそらしてちらと見ると、蒼太はいつものように、微笑っていた。

「それにしても、この縄きついね。シズカちゃん、縄抜け、出来る?」
「出来るくらいならとっくにやってるよ。あんたは出来ないの?」
「いやー、連中、意外に頑丈に縛ってくれてさ。ここまでやられると、ちょっと……」
「じゃあ何のために捕まったのよー」
「まだ君、プレシャスの悪運を引きずってるのかもねっ」
「あたしのせいにしないでくれる?」

 シズカは、困った。縄抜け云々ではない。そんなものどうでもいいほどの『手札』を今、
持っているのだが、この状況でそれを使うとすれば……

(やっぱ、あたし、まだ運が悪いのかも……)

 どうしよう。でも、あまり迷っている余裕はなかった。蒼太が来る前から、トイレに、
行きたかったのだ。

 言おうか言うまいか、それでも迷うシズカの様子に、蒼太の方が声を掛けた。
542○Task210 貧乏神の祠(5):2007/06/29(金) 06:18:18 ID:NNlXWH3m

「シズカちゃん、何? 何か言いたいこと、あるの?」
「……あ、あのさ…… その、御札、持ってるんだけど……」
「御札…… あ、ツクモガミの?」

 一瞬納得した蒼太だったが、すぐに疑問の顔になった。

「それ、どこに?」
「…………」
「ポケットとか全部、探られたよね?」

 シズカは耳まで赤くなっている。俯きながら、ようやく声を出した。

「………………の、なか……」
「え? 聞こえないよ?」
「パンストの、なか!」
「…………」

 今度は、蒼太が沈黙した。

「あのさ、それって、どうやって…… シズカちゃん、自分で取れる……」
「わけないでしょ!」

 言ってしまって開き直れた。シズカは、蒼太の爪先にスカートを引っかけ、もぞもぞと
体を動かし、裾をずり上げ始めた。蒼太が、焦った声を出す。

「ちょ、待ってよシズカちゃん、そんなに急がなくても…… 」
「うるさい、あたしはトイレに行きたいの!!」
543○Task210 貧乏神の祠(6):2007/06/29(金) 06:19:58 ID:NNlXWH3m

 そんな告白と共に、スカートを腰までずり上げ、中身も露わに、シズカは蒼太の前に
横になった。

「ほら、取ってよ!」
「シズカちゃん…… これ一体、何のプレイ……」
「ばかっ、エッチ! しょ、しょうがないじゃん、こういう状況なんだから!」
「取るって、僕も縛られてるんだけど、どうやって……?」
「く、口で取ってよ! そんなこと、あたしに言わせないでくれる!?」

 黒のパンスト。おしりの、太腿の、柔らかそうな部分がボリュームたっぷりに薄い色を
呈し、奥まっている濃い黒とのコントラストが刺激的だ。ショーツは、風のシズカらしい
といえばいいのか── 白、だった。
 じっくりと観察した蒼太は、運命と貧乏神に、深い感謝の祈りを捧げた。

 しかし一方で、なかなか行動に出ない蒼太に、シズカは焦れた。

「ちょっと、何見てんのよ、早くしなさいよ!!」

 ところが蒼太は、平然と言った。

「人に頼むとき、そういう言い方は、ないと思うけどな」
「……どういうこと」
「お願いします、は?」
「!?」

 シズカは一瞬、何を!? と思ったが…… 背に腹は、変えられない。
 ようやく、呟くような小声で、言った。

「………………お、お願い、します」

(人の弱みにつけ込んでエラそうに!! 絶対、このお返しはしてやるんだから〜!!)

 ちょっぴり涙目でそう思っていたシズカだったが、蒼太がこの一連の流れを想像以上に
堪能していたとおぼこな彼女が知ったのは、また後日の話である。
544○Task210 貧乏神の祠(7):2007/06/29(金) 06:20:56 ID:NNlXWH3m

「じゃ、いただきまーす」
「他に言い方、ないの……」

 力なく呟きながら、まな板の上の鯉の気持ちで、シズカは蒼太の行動を、待った。

 しかしなかなか、物事はシズカの期待通りには進まなかった。

「……シズカちゃん、御札がないんだけど」
「そんなハズないわよ、確かにそこに挟んだんだから」
「じゃ、ズレたんじゃないかな。ちょっと向き変えてみてくれる?」
「そんなあ……」

 蒼太の指示で、もぞもぞと向きを変える。後ろを向き、横を向き、前を向く。その度に
露わな下半身をしげしげと眺められて、シズカはなんだか、体の奥から、むずむずした。

 つい足をぴったり閉じてしまい、所作に妙な女っぽさが加わってしまう。顔はどんどん
赤くなる。蒼太の方にまともに顔が向けられなくて、横目で、上目でちらちらと見ると、
時々視線が合ってしまって、その度に慌てて目を逸らした。

「あ、あった」

 ようやく上がった蒼太の声に安心したのもつかの間、続く言葉に仰天した。

「シズカちゃん、足、開いてみて」
「え、ええ!!!!」
「しっ! 表に聞こえちゃうよ」

 シズカは、慌てて口をつぐむ。

「あ、あんた、ふざけてるんじゃないでしょうね!?」
「だって、御札、そこに……」

 言われて自分で見下ろしてみると、確かに、右足の内太腿とストッキングの間に、
白い紙が見える。緊縛されているのは足首だけなので、足は開かないことはない。
545○Task210 貧乏神の祠(8):2007/06/29(金) 06:22:04 ID:NNlXWH3m

「よりによって、こんなトコに…… じゃ、取ってよ」
「取るって、いいの?」

 そう言って蒼太がシズカの足の間に顔を沈めようとしたので、シズカは慌てて飛び退いた。

「な、何すんのよ、いきなり! パンスト腰から下ろせばいいでしょ!」
「だって、ウエストにゴム食い込んでて、これだと口だけじゃ下ろせないよ……
 シズカちゃん、最近、太った?」
「……ボウケンブルー、アンタ、シニタイノ……」

 恥辱に震えながら、食いしばった歯の間からそうは言ったが、しかし情けないことに、
蒼太の言い分は、シズカ自身も認めざるを得ない。

「で、でも、下ろせないんじゃ、どうやって……」
「だから、ストッキング喰い破ってあげるよ。はい、足、開いて」

 まるで医者が患者に指示するように、ごく自然にそう言われて、思わず警戒心が薄れた
シズカは、ぱかっと足を開いてしまった。すかさず蒼太は、両太腿の間に顔を埋めた。

「きゃっ……」

 敏感な太腿の内側に蒼太の熱い息がかかる。思わずびくっと身震いし、声が出てしまった。
 慌てて歯を食いしばる。

(やだ、これ、ちょっと……)
 自身を見下ろせば、両足の間に蒼太が埋まっているその構図が、想像以上にいやらしい。
 シズカは、焦った。

 一瞬、早くしろ!とどやしつけたくなったが、口を開けばそれがあられもない声になって
しまいそうな気して、結局シズカは何も言えない。

 恥ずかしい── そう思えば思うほど、何故か全神経が蒼太と蒼太の触れている部分に
集中してしまう。開脚しているとはいえ、足首は縛られているので、どうしても、蒼太の体
と両足が密着するような形になる。

 羞恥心から、無意識に足を閉じようとしてしまう。すると蒼太の頭がくいくいと振られ、
より開脚するように、促した。観念して、また足を開く。

 ストッキング越しに感じる蒼太の髪が、頬が、太腿を撫でる。その感触に喘ぎそうに
なるのを、シズカは、なんとか、堪えていた。
546○Task210 貧乏神の祠(9):2007/06/29(金) 06:23:02 ID:NNlXWH3m

 息が、少しずつ、乱れてくる。

 足を開いて自ら蒼太を迎え入れているその情景、下半身に密着する蒼太の感触、蒼太の
躰からふわりと漂うコロンの香り。
 そして体の自由がきかないこと、声を、トイレを、我慢していること──

 全てが重なって、シズカは、頭が、くらくらしてきた。

「んんっっ!!」

 蒼太の口が、太腿に押しつけられた。あれほど我慢していたのに、声が出てしまう。
 続いて、つ、と、痛みが走る。

「痛い……」

 蚊の鳴くような声で、訴えた。

「ごめん…… 思ったより、ストッキングが足に貼り付いてて……」

 蒼太がその言い訳を顔を上げずにするものだから、温かい息が内股を撫で、シズカはさらに
じんじんと高まってしまう。止められない身震いが、ひくひく、と出た。

 ピイィィ…… 
 足の間から、布が裂ける音がした。

(やーっと、終わった……)

 ほっと、吐息と共に体の緊張を解いた瞬間。

 剥き出しの内太股の付根を、蒼太の唇に吸い付かれた。
 その刺激に貫かれ、全身が、びくんと跳ね上がる。

 ──ああぁんっっ……!!


547○Task210 貧乏神の祠(10):2007/06/29(金) 06:28:56 ID:NNlXWH3m

「……なっ、なにっ、すんのよ……」

 しばらくして、やっとの思いで言葉が出てきた。
 でも汗ばんだ赤い顔で、息を荒く弾ませているのだから、シズカはちっとも凄めなかった。

「ごめんごめん、御札取ろうとして、間違えちゃった」

 足の間から聞こえる蒼太の声が、微笑いを含んでいる。

「あんた…… わ、ワザとでしょ……」
「だって、シズカちゃんがあんまり可愛いから、つい……」

 口の端に御札を咥えながら、蒼太が沈めていた顔を上げた。

 こっちは耳まで赤くなって、目は涙目、息を乱しているというのに、蒼太は全く涼しい顔
をしている。余裕の微笑を浮かべながら顔を近づけ、囁いた。

「感じやすいんだね、一生懸命、声、我慢してたでしょ。しなくても良かったのに」
「…………なっ、なんのこと…………」
「でも最後は、すごく、可愛かったよ」
「お、おおおっ、覚えてなさいよ〜〜」

 声を震わせながらも何とかそう凄むと、蒼太の目から一瞬微笑が消え、シズカはたじろいだ。

「何、仕返し、してくれるの、どうやって?」
「うっ……」
「じゃ今度は、僕が足開こうか?」
「ば、ばかっ、ええ、えっち!」

 我ながら情けない罵倒だとは思いつつ、シズカはそう返すのが精一杯。
 案の定、蒼太に笑われた。

 そんな思いで取り出した御札を、とりあえずその辺の何かに貼り付け、ツクモガミを
造り出す。縄を解かせ、表の見張りを一撃でのすと、シズカは一直線でトイレに向かった。
 その間随分辺りが騒がしかったが、シズカは正直、それどころではなかった。

 用を足し終わり、ほっと一息廊下に出ると、そこには蒼太が待っていた。
548○Task210 貧乏神の祠(11):2007/06/29(金) 06:29:55 ID:NNlXWH3m

「ボウケンブルー…… まだ、何か用があるの?」

 思わず間合いを開けてそう問うと、蒼太はシズカに、取り上げられていた武器を差し出した。

「はい、これ。必要でしょ」
「え? もう取って来たの?」

 驚いてよくよく見れば、蒼太のホルダーにはアクセルラーが装着され、その腕にはSGSの
プレシャス回収BOXが収まっている。

「い、いつの間に……?」
「実はね、捕まる前に僕、連中の結界を、こっそり壊しておいたんだよ」
「え!?」

 シズカの顔色が、変わった。

「貧乏神の祠の力は、怖いね。これを回収しにいく間にも、銃撃戦の痕はあるし、なぜか
 クレーンが建物に突っ込んでるし、そうそう、なんだか、ガス爆発もあったみたいだよ。
 まあ、こうなると思って、巻き込まれるといけないから君を助ておこう思ったんだけど……
 今建物は、もぬけのカラ。みんな、どこ行っちゃったんだろうね」

 何食わぬ顔で語る蒼太の前で、シズカは、ワナワナと、震えた。

「ボウケンブルー、あんた………… なんでソレ早く言わないのよ!!!!」

 叫ぶと同時に、シズカはハイキックを次々と繰り出した。蒼太は、紙一重で避け続る。

「だから言ったでしょ、そんなに急がなくても、って。それにシズカちゃん、トイレに
 行きたいって、言ってたし……」
「うるさいっっ、このこのっっっ、ヘンタイ!! エッチ!! スケベブルーーー!!!!」
「そんなに足上げると、生足に白のショーツ、丸見えなんだけど」
「!!!」

 はっっと、シズカは足を閉じ、スカートの裾を抑える。そんなシズカに蒼太は、Good Job!
サインと、ウインクを送ってきた。

「じゃね、シズカちゃん。美味しい太腿、ごちそーさま!!」
「…………ううう、ぐ〜や〜ぢ〜い〜。これって、また負けたってこと〜〜〜?」

 機嫌良く去っていく蒼太の後ろ姿を見送りながら、風のシズカは、自分のドジを、
心の底から後悔しているのだった。
                                    <終わり>
549537:2007/06/29(金) 06:32:21 ID:NNlXWH3m
以上、駄文失礼しました。

ドジで隙だらけの風と、それを逃さずいただいてしまう青というのが
存外気に入りました。続編構想中です。

また投下する機会がありましたら、宜しくお願いします。
550名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 14:10:10 ID:SrbaKeqT
>>537
GJです。自分はこういう感じ好きなので、次回も期待してます。
551名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 17:54:21 ID:bcXoWJNW
>>536
ガオ放映当時は、銀巫だったが、最近になって銀白もイケる事に気付いた。
>>534
デカの赤桃って、普段は抜けてそうだけど決める時はバッチリ決める赤に
こっそり感謝してる桃とか、そんな感じを受ける。
552名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 22:24:52 ID:CMBcWphE
>>537
いいね!シズカちゃん可愛い〜!
据え膳食わぬはなんとやらw
553名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 01:57:46 ID:I+AaJV2/
>>537
面白かったです!シズカが可愛い〜
ただ、読点が多かったかなーとも思います…
554537:2007/07/01(日) 00:40:42 ID:WVK2I9Fu
>550>552>553様

御感想ありがとうございます。

>読点が多い

御指摘ありがとうございます。すみません、癖で…
次回から改善します。
555名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 17:38:51 ID:kNylT0TX
エロ無しSSばっかりになってしまった。
って言ってた人いましたが、やはりエロ無しって皆さんイヤですか?
もともとエロパロスレだし読んでる人はやはり男性が多いだろう……
とは思ってたんで、やっぱりエロ無しだと歓迎されないのは
覚悟してたんですが。
御意見聞きたいです。

556名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 19:07:09 ID:WNAHdWYO
>>537
GJ! お疲れさまでした。
青風はけっこう好きな組み合わせなので、またの機会を
楽しみにしています。

>>555
それこそ好みの問題かと。
ここはエロパロスレなんだから、と言われるのはもちろんわかるし、
エロなしは嫌だと言う人がいるのもしょうがない。
自分はどっちも好きです。エロありはやっぱりここならではだと
思うし、でもエロなしでも好きな話はたくさんあるので。
自分にとってだめなものはスルーすればいいだけの話じゃないのかな。
557名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 19:18:30 ID:610DFpsy
>>555
一応エロパロ板に立ってるんだから、エロがあったほうがありがたい。
だけどエロ無しが全く嫌ってわけでもない。
結局はバランスの問題かな。
多すぎなければエロ無し話があってもいいと思う。
558名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 21:35:33 ID:G3xf20zR
>>537
遅ればせながら 堪能させていただきました。
この展開 大好きです!
続編、ぜひぜひ投下して下さい!お待ちしてます。
559名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 22:21:48 ID:rc1PZksw
>>555
贅沢を言ってしまうと、本編を補完する面白さでしかもキャラの破綻なく
萌えるエロってのが最高なんすけどね。
でも話によっては直接なエロがなくてもおk。お色気程度でもね。
ただ「ラブラブな雰囲気だけ」っつーのは正直勘弁。かなり食傷気味。

それより今危惧しているのは、例えば
激リオメレ→死姦キモイ よそでやれ
魔法赤桃→近親相姦キモイ よそでやれ
刑事犬鳥→獣姦キモイ よそでやれ
みたいな了見の狭い困ったちゃんがいることだ。
職人さんのスレ離れが進まないことを祈るのみ。
560名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 23:05:35 ID:Wi2R7cbL
やっぱりボウケンは赤桃だよね☆
ってゆぅか公式カプなんだから、他カプなんかまぢあり得ないってゆぅかー。他カプの人って本当にボウケン好きなの?って思っちゃうι
作家さんは赤桃いっぱぃ書いてくだサイ☆
561名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 23:30:30 ID:g1r9k+52
>>555
エロ無しの度合いにもよるよね。
挿入しなくても、それに近い絡みはほしい。
ていうか、ここの住人って9割がた女性だと思っていたよ。
562名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:19:27 ID:wApk6dzk
>>559

>いることだ。

いないよ。決め付けんな
腐とか汁を他所でやれっつってるのとは
別次元だろそりゃ。
作品の根幹に関わる部分(カップリング)を忌避するのと、
特殊な嗜好を忌避するのとの区別も付かないゆとりか?
好きなだけグロでも女体化でも書けばいいよ。叩かれても知らんがな。
563名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 05:58:16 ID:ghqoMdXe
横ですが。
特殊な嗜好の場合、読んでしまった後の衝撃がちょっとなあ。
某全年齢版スレで禿暴&陵辱を読んでしまい(最後まで読めなかったけど)
自律神経に来たよ。
前置きすれば何してもいいんだろうか…

まあ「押すなよ、絶対に押すなよ」と言われて押してしまう
自分の性格が一番悪いんですけどね。
スレ違いすみません。
564名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 12:44:58 ID:4D1NKbr1
>>563
あぁ、例のヤツね。あれは明らかに嫌がらせでしょ。

>>562が、この前の激の話の事を言ってるのなら、そろそろ終わりにしてやんなよ。
職人様だって嫌がってる人がいるって判ったし、意地でも「こういうのを書いて
行く!」って言ってる訳でも無いし。
もっと穏やかな気持ちになって、今後のスレの方向性を話し合おうよ。
自分は、もう少しエロが欲しいかな?キスだけでもエロい雰囲気出るし。
そんな話が私は読みたい。
565名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 20:19:29 ID:u1I0cAva
「職人様はもう書きません」って数回にわたって断言してる人は本人かな?
信者のように振舞うよりコテつけて謝ったほうが印象いいよ。
566名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 23:07:52 ID:7pAtol82
>>565
ハイハイwwww
ワロスワロスwwww
567名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 04:42:07 ID:b1Xzj+Gj
>>565
ちょwwwwおまwwwwwどんだけ上から目線だよw
こんなに上から目線の人は、去年の映画ネタバレ嫌厨以来だな。
568名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 08:17:49 ID:yGrIuKY3
荒らしになりきりアンチ、すごいことになってるね。
ちょっと某板のような狂いっぷりw緑ちゃんとかw

>>567
そうなんだ。
久々に来て、投下する書き手さんの余りの低姿勢ぶりに驚いたんだが
読み手の高圧姿勢と相対してるのかもね。
569名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 14:33:37 ID:+40P52kL
>>551
よくわかってますね〜
570名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 16:15:48 ID:euAQ4nb0
作者さん本人はどこいったんだろうか。
571名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 18:09:14 ID:at9HUVKr
>>568
職人さんは職人さんで気を遣ってるんでしょうね。
もちろん読み手のほうだって、職人さんが投下しやすい雰囲気を
作ろうとしている人が大半のはずなんだけど。
時々とんでもなく上から目線な人がいるからなー。

昨日の花君を見て、ハリケン鍬七こないかなーと勝手にwktkしてる自分w
572名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 19:36:55 ID:5n4w4JGQ
読み手がちょっと・・・かなり横着だと思う。
573名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 20:17:18 ID:Z1S232DC
確かに〜、自分も鍬七みたいです
574名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:32:24 ID:14WHi+m3
>>555です。
意見くださった皆さん、ありがとうございました。
結果的にエロにまでならない場合でも、シチュエーションで
魅せることが大切なんですね。勉強になりました。
575名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:37:57 ID:xAM2umcP
>>572
横着?
読んだらさぼらず感想なり欠点なり書いて欲しいってこと?
576名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 23:49:18 ID:ufol+Vmj
えー、一読者として意見書かせていただきます。

一人の職人が原因で荒れたとして
他の人まで無理に低姿勢になる必要は無いと思いますよ、と。
少なくとも荒れた原因がはっきりしてる時は。

それと、職人も読者も極端に低姿勢な人は、個人的に見てて気分が悪くなります。
信者のようになってる人はとくに。
宗教ならともかく、こういう場でそういう振る舞いをするのは、
好きな作品や職人の価値まで貶める行為の様に思えてなりません。
だからといって横柄になっていいはずもありませんが。
577名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 00:32:26 ID:pip/O2mK
ここの人間は単に、「嫌な物は嫌」って言ってるだけで横柄でもなんでもないんじゃね?
横柄だって思ってるのは作者連中だけ。上でさんざ叩かれて以来行方不明になったんだか
名無しでもぐりこんでるんだか知れない誰かとかねw
何書いてもへーこら土下座してくれる連中にしか読んでもらいたくないならVIP行けば?
あの流れの速さで保守ツール使うことも許さずに、「落としたら二度と書いてやんねwwwww」
なんて無茶言う特定のコテに信者が何人もつく板だしねwww
578名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 01:41:19 ID:Es5qTxlS
うっかり前にグロ投下した人は、事前のフォローもその後の謝罪もしてるから
別にいいよ。あれはあれで終わった件。
なのに、その後に
便乗してしつこく「なんでもありでいいじゃん」「読者が威張りすぎ」とか
書き散らす勘違いした人たちがいるから荒れるんじゃないの?
579名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 02:40:19 ID:meyH1QOz
>>578
>>577が言ってるのはグロじゃなくて
すぐ上のスカトロの件だと思う
580名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 00:54:00 ID:aNm0kbP9
職人さんにコテるな、関連がないなら過去作も記載するなって奴もいたが、どんだけ〜?
下らんいちゃもん付け続けた結果の過疎化が、今のこの状況だな。
581名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 01:01:00 ID:g5AlFGHb
トリアーエズモチツケ喧嘩両成敗
これから作者さんもROM組もマターリ行こうぜ。
荒らしはスルー
ルール無視するヤシもスルーでヨロ!
582名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 04:45:05 ID:qe5fYdyI
>>580
根に持つのイクナイ
今ここで恨みぶつけてもスレが荒れるだけだよ
583名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 08:04:59 ID:wlmxs2h/
作品書き上げるは大変なんで、投下がしばしなくなったらすぐ過疎化
だとか言うのも哀しいよ。
マターリお待ちしましょう。

>>576
信者のようになってる人がいたのですか?
スレみてましたが全然気付かなかった……
584名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 12:59:08 ID:Xr2ow24i
>>583
あの、ちょっと前にいた冒険赤桃の続きを「まだでしょうか?」とか、
一日一回「赤桃もっと読みたい!」とか書き込んでた人は明らかに
信者の鏡の様な人だったな…。職人様に一日も経たない内に催促した人を
初めて見たんで、結構ビビったw
世の中、色んな人がいるもんだと思ったよ。
585名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 00:19:33 ID:tG1oVM0C
信者は赤桃に限ったことじゃないだろ
流れに便乗して支援ぶつけるのやめれ>>584
586名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 00:20:15 ID:tG1oVM0C
×支援
○私怨
587名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 00:26:49 ID:TF7HXEMW
>>580
コテになるなって気持ちもわからんでもないよ。自分はそいつじゃないけど。
コテ化すると信者がつきやすくなるし、そのコテの作品ならなんでもいいって流れにもなる。
で、コテ様がどんな無茶をやらかしたり、傍若無人になっても文句が言いずらくなる。
機嫌損ねると次の作品が来なくなるって考えちゃうんだろうね。
そういう風になって、さらに特定のコテアンチが増殖して収拾がつかなくなったスレはいくつもあるよ。
588名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 14:01:39 ID:Qx0c0d73
585の間違いに何か和んだw

いや、信者と言える感じの人と言えば、あの人位しか思い付かなかったから
書いたまでなんだ。
ここ、二三年位通ってるけど、あんなに鼻息荒い人、初めて見たから。
それとも、やっぱり、ここは赤桃の人の事を何か書くだけでアンチ認定
されちゃうスレになっちゃったのかな…( ´・ω・`)寂しいな…。
589名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 23:03:10 ID:gTdHMYwn
>>588

585は正直過剰反応に思えたけど、

>それとも、やっぱり、ここは赤桃の人の事を何か書くだけでアンチ認定
>されちゃうスレになっちゃったのかな…( ´・ω・`)寂しいな…。

こういう書き飛ばしっぷりを見るとあなたが赤桃(好きな人への)アンチと
言われても仕方ないなと思う。
もって回った言い方が何か嫌らしい。本当に私怨でないのなら黙っておくべき。
590名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 18:12:01 ID:+L+QLdFT
ボウケンは単独スレ立てたら?
カプ信者が荒らしまくって、他戦隊好きにはいい迷惑なんだよ。
591名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 19:14:39 ID:ifwzGz1y
>>589
>嫌らしい
気持ちもわかるがもう少し優しい言い方はないのか…

既出で却下されているが、いっそボウケン赤桃単独スレ立てた方がいい。
仮にボウケン単独にしても赤桃好きと他の桃受け好きが争ったら身も蓋もない。
何より自分も大好きだからこそ赤桃が原因でこのスレが荒れるのがイヤだ。
それに荒れれば荒れるほど赤桃自体の印象が悪くなる気がしてorz
592名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 22:33:22 ID:v8AKNPLY
臭いものには蓋ですか。
ボウケン始まる前まで荒れたことが皆無みたいな言い方だけど、
赤桃排除したところでここの体質は変わらないと思うけどね。
ま、自分は基本ROM専なんで好きにしてください。
593名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 22:58:45 ID:yOxSabCN
鼻息荒い
イヤラシイ
だけ見て色んな事想像したのは俺だけですか?

もー言い合うのやめてさーエロ投下まとうよ。
投下されたSSが嫌ならスルーすればいいだけだし。
大人なんだから喧嘩すんなー
594名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:03:03 ID:H/bctySY
スカトロネタで荒れてたのになんで冒険赤桃ネタに矛先変えてんの?わけわかんね。オレも赤桃好きだし戦隊カプスレなんだから赤桃ネタあってもいいだろ。
595名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:04:59 ID:Ymk5psNq
以前の戦隊の時も毎度毎度気に入らないカプに対して、必ず過剰反応する人たちいたな。
自分が受け入れがたい物をスルーできずに、ただ排除するのは得策ではないと思うけど。
スレが活性化するたびに気に入らんと叩いて追い出して、それで何度過疎化させてんの。
このスレの趣旨を思い出せ。

>戦隊作品のカップルについて マターリと語って行きましょう。
>煽り・荒らしはスルー推奨。他カプ批判もNG。みんなを幸せにする修行をしましょう。
596名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 00:11:54 ID:q86i75ig
つーか「赤桃以外の桃受け好き」って認識でもう違うと思う。
「赤オタの赤桃好き」と「銀オタの銀桃好き」で争ってんでしょ。一般ブログでも
銀オタで赤桃叩きが凄い人見たことあるし。
特撮男優オタの腐女子は士ねばいいと思う
少なくともここで主張するこったない
597名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 00:48:08 ID:dqleqa9z
単独スレとか寂しいこというのやめよーぜ
過度な信者・アンチはスルーすればいーじゃん。
派閥なんか作らずもっと心広く持ってさ。
カップル別に分かれていったらなんかつまらんよ。
おもいがけないカップルが以外にツボとかいう楽しみもなくなるしさ
598名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 02:06:50 ID:kvN2iOg8
職人さんがどう思っているのか聞いてみたいけど、発言してくれたその人が
間違いなく職人さんだってわかるのは投下のときだけなんですよね。

これじゃ職人さんいなくなっちゃいますよ。
冒険赤桃職人さんだけじゃなく、他カップリング、他戦隊の職人さんも。
18歳以上が集まっているスレには見えないです、今の状況は。
時々流れを変えようとして「投下を待とうよ」ってレスをつけてくれる人がいても
すぐに蒸し返されますし。

「総合カップルスレ」である以上、カップリングの好き嫌いで荒れる場合があるのは
避けきれないことだと思うけれど、そういうときにスルーできるかどうかが
スレの明暗を分けるんじゃないですか?
容量かレス数が残り少ないなら、いっそのこと一度スレを終わりにして
しばらく様子を見ることもできるけど、まだまだ先は長いしなぁ。
599名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 05:30:34 ID:r+oU/H5a
自分はこのスレに作品をいくつか投下したものですが、個人的には最近の
流れは非常に勉強になってます。

職人と言えど所詮は人間、需要のないところに投下して受けなかったり、
書き上げたそばから推敲もせずに投下してしまったり、そもそも作品自体が
厨作だったりといろいろ失敗がありました。独りよがりだったです。

それでも書きたいという思いで今も書いてますが、せっかく投下するなら
需要もあり厨作認定もされない作品にしたい。つまるところはウケたい。
それには読んで下さる皆様の本音を、書き手として受け止める必要だって
あるんじゃないかと思いました。

とかえらそうにいいつつ、まだ修行中の身ですのでまた失敗するかもしれません。
そのときにはすみません。
600名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 06:55:27 ID:UFnrnWUu
>>599
強烈なエロおながい
最近のは緩い作品多くてw
なかなか満腹にならないよー
601名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 07:47:49 ID:630boVJu
メモ帳ソフトに書きかけのやつがいっぱいある・・・
いっつもネタ考えてはダーッと書き始めるんだけど
日を跨いだりすると急にテンション下がってきて筆が進まなくなるんだよね

今も一つ構想が頭にあるが、なかなか第一歩が踏み出せないorz
602名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 12:43:19 ID:UNdC9WcC
>>599>>601
気長に待ちます!

それと、以前いらした過去物挑戦中な職人さんも応援してます。
603名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 06:57:22 ID:KItruEtG
今更ながら今週のゲキレンだが、お持ち帰りされたぬこはラゲク様に触手責めされるんだろうか。
しかしぬこなのでいまいち陵辱的想像がつかん…じゃれつかれてる感じにしか。
604名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 19:18:04 ID:blqNCOrm
ただこういうのもいいかなと思っていってるってこと?
605名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 20:36:14 ID:gFCCWj9U
>>603
ラゲク様からの無数の触手攻撃も「ニャ!ニャッ!」とか言いながら
かわすけど、ちょろっと顎の下を撫でられただけで、転がされそうw
確かにエロくはならないけど、楽しい画図面は想像出来るw
606名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 06:56:47 ID:cBmOwTDD
馬鹿抜かせ
おすぬこはなぁ

毛の間から乳首を探し出して指でいじると
妙な表情でこっちを見たままだらけて動かなくなるし
横向きの時太ももの内側を延々撫で続けると射精するんだ



今では反省している
607名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 12:12:50 ID:ciqzAcyK
ぬこカワユスwww

とりあえず、ラゲク様にそんな事されて、だらけてるぬこ師匠を想像した!
608名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:11:34 ID:mHsIatOw
流れぶった切って済みません。
エロい馬鹿話出来上がったのですが、問題はそれが冒険赤桃だという事。
投下するのはもう少し時期を見てからの方が良いでしょうか?
609名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 00:19:54 ID:rTmL6ML3
エロは好きだがエロ馬鹿話はもっと大好き
余人の依存がなければ是非投下してほしい
610名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 06:12:04 ID:VsnUiX3D
>>608支援
611名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 07:41:13 ID:qoyIAMxu
とりあえず

とっとと姦れw
612名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 18:58:09 ID:dV8m7aX2
>>608
お待ちしてます。

ゲキレン、ラゲク様攻めで盛り上がってますが、自分はこれ↓に萌えてしまった。

>∇Δ∇こんなゲキレンジャーは、一撃必殺!!∇Δ∇
>606 :名無しより愛をこめて:2007/07/12(木) 09:58:14 ID:38t0YT8V0
>シャーフーが来ると知って、普段より化粧も念入り、アクセサリーもふやしてオシャレしているラゲク
>
>
>ラゲク「か…勘違いしないで! アンタのためなんかじゃないんだからねっ!」

ぬこの前では乙女なラゲク様…
613名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 20:33:14 ID:WxYzj8nj
ケダモノは気持ち悪いから出すな
614名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 21:07:07 ID:nuNbNdgU
>>613
チビデブハゲのお前程気持ち悪くないから俺はすごく読みたいぞw<ぬこ師匠×ラゲク様のSMショー
615名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 21:11:08 ID:mHsIatOw
ゲキレン話ぶった切ってすんません。
冒険赤桃でしかも馬鹿話でも落して良いよとレスして下さった方がいらした事と、
他職人様が投下されるまでの場繋ぎとして投下します。
470で姐さんに罰ゲーム予告した者です。
あの時説明だけで終わらせた朝風呂のシーンがえらい具体的な形になりました。
冒険赤桃でエロ有り、9スレ消費予定です。
冒険赤桃嫌いな方は勿論、誠実なチーフと生真面目なサブチーフが好きな人も鮮やかな
スルーお願いします。赤い人だけじゃなく姐さんも壊れ気味です。
616冒険赤桃:所有地:2007/07/13(金) 21:13:01 ID:mHsIatOw
「コレはちょっとしたソープ・・ッイテ!!やっ止めろ!!何してんだっ!!離せっ!!」
 何言ってるんですか!これぐらいされて当たり前です!!

 のんびり朝風呂を楽しんでいたら、一緒にお風呂に入ろうと後から入ってきた彼が「体を
洗ってくれ」なんて言うから、「お背中お流ししたら宜しいでしょうか?」なんて言いながら、
本当に背中を洗ってあげる事にした。それにしても、よく見ると小さな傷跡があちこちにある。
アクセルスーツを装着していても防ぎきれなかった沢山の怪我。
 自分の身を盾にしても私達を守ろうとする姿勢を背中が物語っている様で、何だか切なく
なる。私がこの背中を守りたいのに・・・。
 そんな事を考えていたら、両肩に何本かの赤い筋を見つけた。比較的新しい。
「爆破に巻き込まれそうになった時付いたんですか?」
 指でそっと辿りながらそう尋ねたら・・・。
「・・・付けた本人がそれを言うか?」
 呆れた様な答えが返ってきた。
・・・付けた本人?・・・あ。
そういえば、肩だけじゃなくて腕にも。こっちは強く掴みすぎた所為か、引っかき傷どころ
かくっきり爪あとが残ってる!!
そうだ、チーフ痛いかもしれない、なんて妙に冷静に考えた様な気がする。
すぐに何が何だか分からない状態になったけれど。
「・・・あの、痛かったですよね。済みませんでした。」
「いいさ。それだけ良かったという事だろう?」
「なっ!・・・洗うの、もういいですか?」
「まだ前を洗ってもらってない。」
「前?!」
「体を洗ってくれと言ったんだ。傷ついてまで頑張ったんだから、それぐらい良いだろう。」
・・・前って・・・。かなり恥ずかしいんですが・・・。
でも、ここで拒否したら後で色々ゴネそうだし・・・。
「・・・洗うだけですよね。」
「体を洗う以外何があるんだ。」
「いえ・・・。分かりました。」
 そうして溜息を一つ吐くと、首筋から泡立てたスポンジで洗い始めた。
617冒険赤桃:所有地:2007/07/13(金) 21:14:38 ID:mHsIatOw
 首から肩、両腕を洗って上から下へ胸、お腹とスポンジを滑らせて、このままコースの順で
行くと、まもなく・・・。
 そこは敢えてスルーして、足コース。つま先を洗うついでに足ツボマッサージ。私の自己流
ですが。それから、指の股も丁寧に洗いますね。
「わざと無視してるだろう?」
「何の事ですか?」
「一番大事な所を洗って無い。」
「・・・そっそれくらい自分で洗ってください!」
 せっかく意識しないようにしてたのに、そんな事言われたら、そもそもこんな格好で彼の
前にいること自体がいたたまれなくなって、慌ててスポンジを広い胸に押し付けたけれど。
「洗ってくれと言ってるだけだろう。別に獲って喰う訳じゃない。」
「・・・その言葉に偽りはありませんよね?」
「勿論だ。」
 じゃあ何で口の端吊り上げているんです?こういう時のチーフ、ロクな事考えてませんよね?
・・・でも、嫌って言ったらやっぱりゴネそうだし・・・。
「分かりました。」
 またもや溜息を吐いて、彼の希望を叶えてあげる事にした。
618冒険赤桃(所有地:一緒にお風呂3):2007/07/13(金) 21:16:42 ID:mHsIatOw
 いくら愛している彼の体の一部だと言われても、直視するのは恥ずかしすぎる。というか、
・・・・生々しすぎる。
 だから、視界に入らないように顔を背けつつ、スポンジでそろそろ洗っていたら、
「デリケートな部分だから手で洗ってくれ。」
 なんていけしゃあしゃあと言いながら、あっさり私の持っていたスポンジを取り上げ、
直に握らせてきた!
「デリケートな部分なら自分で洗えば良いじゃないですか!」
「俺はお前に洗ってもらいたいんだ。」
 そんな事言われたって!ちょっと、いえ、かなり抵抗あるのですが!!
「・・・そんなに嫌なら無理にしなくていい。」
「本当ですか!」
 私の苦悩を見兼ねたのか、無茶な要求は取り下げてくれる事にしたみたい。
 何だかんだ言っても、やっぱり私のこと大事に思ってくれているんですね・・・!
「その分ここを出た後にベッドで埋め合わせて貰うだけだ。」
 甘かった。
貴方は職場じゃ真面目で大人な上司の振りをしている反動で、プライベートじゃ子供並に
ワガママな男になるんでした・・・。
「・・・私、色んな意味で疲れてるんですが。」
「俺もだ。」
「だったら、大人しく休もうって気にはならないんですか?!」
「男は疲れた時程ヤリたくなるんだ。もっとも言う通りにしてくれたら、後は無しで良い。」
「・・・本当ですか?」
「勿論だ。」
 やっぱり口の端が吊り上っているのですが。でも、今は「後は無し」という彼の言葉を
信じるしかない。・・・・物凄く疑わしいけど。
 溜息吐くの3回目?とにかく直接見ないように、両手を添えて、ゆっくり上下させた。

・・・洗うだけですよね?何か、だんだん大人しくなくなっている感じなのですが。
そう思って恐る恐る彼を見上げれば、「ん?」なんて言いながら、いつもと変わらぬ様子。
何だか硬くなってきているなと感じるのは、私だけなんでしょうか?
 感触を確かめる為、ほんの少し力を入れて握ってみた。
619冒険赤桃(所有地:一緒にお風呂4):2007/07/13(金) 21:17:49 ID:mHsIatOw
「コレはちょっとしたソープ・・ッイテ!!やっ止めろ!!何してんだっ!!離せっ!!」
 言うに事欠いてこの男は!!人を何だと・・・!!
「よりにもよって人をソープ嬢扱いして!そっちこそ何考えてるんですかっ!!」
「痛い!とにかく離せっ!!」
 思いっきり握ったのが本当に痛かったらしく、かなり強引に手首を掴まれ、無理やりそこ
から引き離される。でも、私の方が怒ってるんですからね!
 私の怒り具合を察して、彼が神妙な顔をする。当たり前です!
「・・・さくら、お前は職業で人を差別するのか?だとしたら見損なったぞ。」
「・・・は?」
「何故ソープ嬢になったのか、各々事情があるだろうし、そもそもあれは立派な肉体労働だ。
 それとも何か?自分は大金持ちのお嬢様だから、風俗で働いている女性を馬鹿にする権利が
 あるとでも言うのか?」
「っち違います!馬鹿になんかしてませんっ!」
「じゃあ証明して見せろ。次、口で。泡は流しといてやる。」
 ・・・真面目な話に見せかけて、今トンデモナイコト言いませんでした?
 私の気持ちなんてお構い無しにさっさとシャワーを浴び始める彼。ついでに私の手に付いた
泡もシャワーで洗い流す。
「はい。どうぞ。」
 ・・・「どうぞ」って・・・。私にどうしろと?いえ、どうして欲しいのかは分かってます。でも恥ずかしいんです!直に触るのだって抵抗あるのに!
「やっぱり風俗嬢と同じ事をするなんて、私のプライドが許さないか?」
「そうじゃありません!」
「だったら出来るだろう?」
 ・・・しなかったら後で補填作業が待っている。
 結局、どっちに転んでもチーフが得する事に変わりは無いんですね・・・・。
「分かりました。」
 わざとらしく今までで一番大きな溜息を吐くと、やっぱり直視は無理、根元に手を添えて
目を閉じたまま、ソロリと舌を這わせた。
620冒険赤桃(所有地:一緒にお風呂5):2007/07/13(金) 21:18:48 ID:mHsIatOw
 根元から舐め上げてくびれた部分を舌でつつくと、上で息を呑むのが分かる。
 そのままパクンと先端を口に含んだ。
「ウッ・・・!」
 苦しそうな呻き声。でも、コレはチーフがしてくれって言ったんですよ。
 それにしても、これからどうすれば良いの?
取り敢えず口に入るだけ入れてみようと、どんどん頭を落してみた。
そうすると、先端で喉が刺激されうっかり吐きそうになったので、今度は元来た道を戻る。
 ゆっくりとそれを繰り返していたけど、慣れていない所為か時々歯が当たっている事に気が
付いた。
 痛くないか心配で彼を上目遣いで見上げたら、案の定眉間にシワを寄せて、苦痛に耐えて
いる様な顔をしているから内心慌てる。
「ひわいへすか?ひーふ?」
「何だって?」
「痛いですか?チーフ?さっきから歯を当ててしまって・・・」
「痛くは無いさ。ただ・・・思ってた以上に良すぎるだけだ。」
「・・・良いんですか?」
「ああ。」
 安心しました。寧ろ嬉しいです。
 ・・・・私、技術的にはともかく、心理的にはもう慣れてきている。
 “習うより慣れよ”ってこの事?まだソレをまともに見るのは恥ずかしいですが。

621冒険赤桃(所有地:一緒にお風呂6):2007/07/13(金) 21:19:42 ID:mHsIatOw
 再び根元から舐め上げて、歯が当たらないように注意しつつも、頬をすぼめて口腔全体で
彼自身を柔らかく包み込んだ。
 不意にくしゃりと私の髪に絡まる長い指。
 その手の動きに導かれる様に、舐めて、吸い付き、擦り上げる。
「・・・アッ!」
チーフでも、そんな声出すんですね。
自分が彼に快感を与えている事を嬉しく思いつつ、ふと湧いた疑問。
アレってどんな味がするんですか?
苦いとか聞いた事があるような・・・。まさかイカ味?!・・・それは流石に無いですね。
そんな考えをおくびにも出さず彼を見上げたら、時々呻きながら気持ち良いのに苦しそうな
顔をして、じっとこちらを見下ろしていた。
 よく考えたら、コトの最中にチーフの顔をじっくり見るなんて初めてかもしれない。
 多分チーフは私の事、いつもよっく観察しているんでしょうけど。
裂け目にチロチロと舌を這わせ、先端を強く吸い上げたら、ギュッと頭を掴まれた。
 刺激が強すぎました?

 ・・・今のチーフって、多分私の思いのままなんですよね。
 何だかちょっと・・・楽しくなってきた。
 何となく要領も分かったし、だったらアレが何味か確かめる為にも頑張りましょう!

622冒険赤桃(所有地:一緒にお風呂7):2007/07/13(金) 21:20:35 ID:mHsIatOw
「キャッ!!」
 人がこれからって気合を入れたのに、いきなり引き剥がされバスマットに押し倒される。
 えっ?えっ?
「・・・上の口はもういい。下の口で食って欲しくなった。」
 したのくちでくってほしくなった。したのくち。下の口・・・。
 あっ!何身体割り込ませてるんです?!
「口でしたらいいって言ったじゃないですか!」
「オプションコースと言う事で。」
「何がオプ・・!!やあっ!止めっ・・・ああん!」
 お風呂に入っていたんだから、濡らす手間なんて要りませんでしたよね!
 おまけに自分は人使って準備完了だったし!
「やっぱりこっちの方が良いな。まあ、人それぞれだろうが。」
 もう知らない!!いっつも自分勝手でワガママな事ばっかりして!!

「あっあんっ・・・やぁ!ああ・・・!」
 喘ぐ自分の声がやけに耳に付く。
 好き勝手されて、それでも無意識の中に逞しい腰に自分の足を絡ませていたり。
 荒々しく奪う様な口付けに貪る様に応えたり。
 足を肩に担ぎ上げられて、より奥まで突き上げられるのを悦んでいたり。
 
 そう、自己中男と分かっていて尚、愛しい気持ちに変わりは無くて。
 自覚してます。
 だから許してしまう。
 こんなに感じてしまうのです。
623冒険赤桃(所有地:一緒にお風呂8):2007/07/13(金) 21:21:26 ID:mHsIatOw
「そう言えば、昨夜から避妊してない。」
「・・・い今更何っ言って・・んん!」
「中で出すぞ。今更だから。」
「ダメぇ!外に出して・・・。」
 確かめたい事があるから。
 でも、憶えていられる?

・・・もう何が何だか分からない。
気持ち良いし、嬉しいし、ただチーフと溶け合って一つになりたい。

「やあ!!・・・ああああっああん!!」
「クッ・・・!」
 多分イッたのは二人同時。
 意識を繋ぎ止めておくことで精一杯だった私に比べて、チーフは冷静だった様で。
 下腹部にお湯とは違った温度のトロリとした滑り。
 初志貫徹しようと、洗い流される前に指で掬って舐めてみたけど・・・。
味はよく判らなかった。
624冒険赤桃(所有地:一緒にお風呂9):2007/07/13(金) 21:22:29 ID:mHsIatOw
 人に髪を乾かしてもらうのって気持ち良い。
 あの後、少しは悪いと思ったのか、チーフは私の身体を洗って、拭いて、今やドライヤーで
髪を乾かす事までしてくれている。
 やっぱり大事に思ってくれているんですね・・・!
 でもバスタオルを身体に巻いただけって、いい加減湯冷めしそう。
 早めに服着ないと。

 ドライヤーをoffにして、鏡越しに「これで宜しいでしょうか?さくらお嬢様。」なんて
彼がふざけながら恭しく聞いてきたから、わたしも「宜しくてよ。」なんて大金持ちのお嬢様のよろしく鏡越しに答える。
 そして振り返ってキス。
 さっきの事、もう許してあげてますからね。

 そろそろ風邪を引いてはいけないと、下着に手を伸ばしかけたら、いきなり足元から床が
消えた。そして目に飛び込んでくる天井と、口の端を吊り上げたあの笑顔。
 問答無用で横抱きにされ、さっさとベッドに連行されてしまった。

「今したばかりじゃないですか!」
「追加サービスと言う事で。」
「・・・追加?!」
 追加って、追加って・・・!!

 何か言い返す前に唇を塞がれて。
舌が絡んできて。
本当に疲れているから、抵抗する気力も湧かなくて。
それでいて、こんな事されても嫌いにならない自信だけは妙にある。

でも、言わせて欲しい。心の中だけでいいから。

『この、野獣!!ケダモノ!!大嘘吐き!!冒険馬鹿じゃなくてただの馬鹿!!!』

                                       END
625反省職人:2007/07/13(金) 21:27:19 ID:mHsIatOw
以上、(チーフだけが楽しい)ソープごっこでした。
ホント駄文で済みません!
おまけに616と617のタイトルおかしくなってるし!
正しくは(所有地:一緒にお風呂1)と(同2)です。
海の底にでも行って反省してきます・・・。

他職人様の素晴らしき作品、心よりお待ち申し上げております。
626名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 21:48:52 ID:WxYzj8nj
>>614
見たくねえよ、アホ。
他所でやれくず、蛆虫が。
627↑↑↑↑:2007/07/13(金) 21:54:23 ID:nuNbNdgU
いちいちageてレスすんなやキモデブw
テメーが他所逝けよクズ。
628名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 23:21:34 ID:laWaSLFt
>>615-625
GJ! お疲れさまでした。
チーフやりたい放題だなw
それがだめなのではなくて、「男は疲れた時程〜」とか
「オプションコース」とか、腹の底から笑わせてもらいました。
ありがとう、楽しかったです。
629名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 01:40:04 ID:jOJvXmLV
自分も『所有シリーズ』ダイスキです。
嘘つきチーフ、最高っす。
グッジョブでした。ごっそーさん^^

はやく海の底から帰ってきてください。w
630名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 01:46:23 ID:sh5yHGx9
>>625
>>616に構成ミスを感じた
上二行は要らんとオモ

「バカ」でもないと思ったが
631名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 05:50:17 ID:T/GrllVu
GJ!お疲れ様です。
相変わらず姐さんチーフに惚れぬいてますね。
しかしあのワガママチーフと付き合ってて、姐さん咥えるの初めてなのね。
あのチーフなら初期段階でさせてそうだったので、ちょっと意外。
632名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 10:02:46 ID:KCZKNnlR
冒険ネタで失礼いたします。10レス消費します。

冒険青×風、ドジで据え膳の風とおいしく味見をしてしまう青のパターン、2回目です。

自分ではコメディ路線エロ風味で書いてみたつもりです。前回より風味を強くしてみたつもり
ですが、職人の腕が未熟故、あくまで風味にとどまっております。ハードな展開をご期待の方は
申し訳ありませんが、スルーでお願いします。

お目汚し失礼いたしますが、宜しくお願いします。
633○Task211 洞窟の罠(1):2007/07/14(土) 10:03:48 ID:KCZKNnlR

「そこまでよ、ボウケンジャー!!」

 毎度お馴染みの台詞と共に、風のシズカが岩陰から姿を現した。傍らには一体のツクモガミ。
 SGSがプレシャスの隠し場所の鍵を入手したということも、その隠し場所がこの洞窟の奥に
あるということも、今度はちゃんと調べておいたのだ。

「やっちゃいな、エホンガミ!!」

 シズカの号令でエホンガミが腹に付いている頁をめくると、怪光線が発射され、それが
ボウケンブルーを直撃した。

「蒼太!!」
「蒼太さん!」

 ブラックとイエローは唖然とした。ブルーのいた場所には、見事に蒼い、カエルがいたのだ。
 その隙を突き風のシズカが飛び込んできて、カエルを奪った。

「やった! 大成功!! エホンガミはね、お話に出てくる呪いを使えるんだよー。とりあえず
 こいつには、カエルになってもらったけど」

 シズカはそう得意げに語って聞かせたのだが…… 聞いている二人の反応は、鈍かった。

「お前な、前にも似たようなのいただろ、俺を犬にした奴。ツクモガミもネタ切れか?」
「ぜーんぜん、おりじなりてぃーってもんがないんだからあ」
「う、うるさい!! あんたら仲間が心配じゃないの!? こいつを元に戻して欲しかったら、
 お宝の鍵を渡しなさい!」

 しかしブラックとイエローは、顔を見合わせるばかり。

「ちょっと、あんたたちいい加減にしなさいよ! 鍵、どこよ!!」

 焦れたシズカがそう叫ぶと、二人はシズカの手中のカエルを指さした。

「え? まさか……」
「そのまさかだよ、鍵は蒼太が持ってんだよ!!」
「シズカちゃん、蒼太さんと一緒に、鍵までカエルにしちゃったでしょ」
「えーーーーー!?」
「さあ、お前も鍵が欲しけりゃ、蒼太を元に戻すんだな!!」

 あっと言う間に立場が逆転してしまった。シズカはうろたえ、エホンガミに向き直った。
634○Task211 洞窟の罠(2):2007/07/14(土) 10:04:24 ID:KCZKNnlR

「ちょ、ちょっと、なんでお宝の鍵にまで呪いがかかるのよ!?」
「だって、身につけている物がそのままでないと、元に戻ったときに恥ずかしいでしょう。
 カエルにされた王子が乙女の前に姿を現したとき、まさか裸というわけには、いきませんよ」
「そんなこと聞いてないっっ!! と、とにかくやり直し! これ元に戻しなさい!」
「できません」
「で、できないって、あんた……」

 絶句するシズカに、エホンガミは重々しく答えた。

「この呪いは、清らかな乙女のキッスでなければ解けないのです」
「ええええええ!!!」

 シズカは咄嗟にイエローの方を見た。しかしイエローはぶんぶんと手を振る。

「え、ダメダメ、だって菜月はもう…… やだあ、ねぇ、ますみー」
「ば、ばか、お前こんなとこで何言ってんだよ」
「もー真墨ったら照れちゃって、かわいいー」
「コラ、任務中だぞっ」
「あ・ん・た・ら、イチャイチャしてんじゃないわよ!!!」

 シズカは思わず赤面して叫んだ。ついでに、どう見ても自分よりお子様だと思っていた菜月が
実はそうではなかったと知って、ちょっぴり自尊心も傷ついた。

「どうやらこの男を元に戻せるのは、この場ではシズカ様しかおられないようですな」
「そそそ、そんな……」
「さあ蒼太を元に戻せ、早くしろ!!」
「あ、シズカちゃんもしかして、ファースト・キス?」
「う、うるさーーーーーいっっ!!!」

 自棄になったシズカは、カエルを懐に押し込んだ。

「エホンガミ、こいつらは任せた! あたしは先に行く!」
「承知しました」
「あ、コラ待て!!」

 ボウケンジャーVSエホンガミの戦闘を後に、シズカは洞窟の奥へと向かった。
635○Task211 洞窟の罠(3):2007/07/14(土) 10:05:00 ID:KCZKNnlR

(あああ…… どうしよう……)

 洞窟の奥の扉の前で、シズカは長いこと頭を抱えていた。

 よく考えたら、こいつを元に戻したところで大人しく鍵を渡すわけがない。また、よりに
よってあんな戻し方で、こんな人気のないところで二人きりになるのは…… 危険……
 シズカはこの前蒼太にエラい目に遭わされたことを思い出してしまい、耳まで赤くなりながら
ぶんぶんと頭を振った。

「うう、しょうがない…… こうなりゃ、強行突破よ!」

 意を決して、刀を抜く。扉の鍵をこじ開けようというつもりだ。
 しかし今にも刀を鍵穴に突き立てようとしたとき、懐でカエルがもぞもぞ動き回った。

「きゃあ!! なにすんのよ、カエルのくせに!!!」

 慌ててカエルを懐から引きずり出そうとしたその瞬間。

 シズカは突然弾け飛び、岩壁にしたたか打ち付けられた。

(いたたた…… 何が起こったのよ……)

 火花飛び散る目をなんとか開けると、そこには最上蒼太の後ろ姿があった。

「……え?? な、なんで???」

 予想もしない事態に、シズカの頭は混乱した。
 しかも、体がなにやら涼しい…… いや、涼しすぎる…… 
 猛烈に嫌な予感を覚えながら、恐る恐る自分自身を見下ろすと……

「きゃあああああああああああ!!!!!」

 シズカの服は殆ど全てがボロボロに千切れ、パンストだってもう使い物にはならなかった。
かろうじて破れ掛かったショーツが大事なところを覆っている。咄嗟に蒼太に背中を向け、
しゃがみ込んだ。
636○Task211 洞窟の罠(4):2007/07/14(土) 10:05:43 ID:KCZKNnlR

「シズカちゃん……」

 蒼太がこちらを振り向いたらしい。

「み、見るな見るな見るな見るなーーーー!! もー、何でこうなるのよ〜」
「えーと、何でこうなったかって言うと…… 僕が思うに、今ちょうど真墨達がエホンガミを
 倒したところ、なんじゃないのかな」
「そ、そんな……」

 確かにそれなら、乙女のなにやらが無くったってカエルは元に戻れるだろう。その可能性を
全く考えずに、不用意にカエルを懐に入れてたとは……
 シズカは、自分のドジを、深く深く後悔した。

 しかしその時、シズカは背後から蒼太が近づいてくるのを感じた。全身がさっと赤くなる。

「や、やめて…… お願い来ないで、ごめんなさいっ、カエルにしたのは謝るからぁ……」

 情けないことに震えが止まらない。しかし足音は構わず近づき、すぐ後ろで止まった。

 ぱさ。
 シズカの小さな白い肩に、蒼太のジャケットが掛けられた。

「それ、着ててね」
「あ………… ありがと……」

 まだ少し震えながらもシズカがジャケットに袖を通している間、蒼太はボウケンブルーに
変身する。そして突然、爆音が洞内に響いた。

 驚いて振り返ると、ボウケンブルーがサバイバスターで、ここに通じる入り口を爆破し封鎖
したところだった。

「なななな、なにしてんのよ!!!」
「入り口を塞いだんだよ」
「そんなの見りゃわかるわよ、何でそんなこと……」

 言いかけてシズカは口を噤んだ。ま、まさか……
637○Task211 洞窟の罠(5):2007/07/14(土) 10:06:45 ID:KCZKNnlR

 しかしブルーは平静な口調で言った。

「エホンガミが倒されたって事は、真墨達がここに追いついて来るって事だよ。シズカちゃん、
 その格好見られたい?」
「そ、そりゃ、見られたくないけど……」
「じゃ、これでいいんだよね」
「え、それだけのために………… っって、どうやってここから出るのよ!?」

 シズカはブルーの心遣いに一瞬感謝しかけたが、それより脱出できるが心配になった。

「特にこの宝物部屋の周辺って、こう見えてかなりトラップが仕掛けてあるんだよね。だから
 出入口が塞がれた場合の脱出経路も、ちゃんと事前に調べておいたんだよ、誰かと違って」
「うっ……」
「それよりシズカちゃん、僕言いたいことがあるんだけど」

 ブルーがシズカの方に向き直る。マスクで表情は読み取れないが、その口調からブルーは
怒っているらしい。シズカはたじろいだ。

「な、なによ、カエルにしたのはもう謝ったじゃない……」
「そうじゃない! さっきシズカちゃん、扉の鍵こじ開けようとしたよね? それがどんなに
 危ないことか、分かってるの?」
「う…………」
「どんな罠が仕掛けてあるかも分からないのに、危険かどうかも判断しないで不用意な行動を
 するなんて── それだったら、プレシャス探索なんて今すぐ止めた方がいい!」
「………………ご、ごめんなさい……」

 ブルーの気迫に押されたのか、シズカはいつになくしおらしかった。素直に謝ると、ブルーは
ちょっと笑ったらしい。

「僕が言いたかったのは、それだけ。分かってくれたならいいよ。僕これからプレシャス回収に
 行ってくるけど、シズカちゃん、そこで大人しくいいコにしててね。でないと、また罠に
 掛かっちゃうからね」

 そうシズカに釘を刺すと、ブルーは鍵を取り出して扉を開け、中に入っていった。
638○Task211 洞窟の罠(6):2007/07/14(土) 10:08:26 ID:KCZKNnlR

 ブルーがプレシャスを回収し終わり、脱出経路を説明する。その脱出経路だが……

「え、こ、これ?」

 宝物部屋の奥にもう一つスペースがあり、天井に垂直の穴が延びている。シズカは見上げて、
思わず嘆息した。普段なら行けないこともない道なのだが、先程岩壁に叩き付けられて、あまり
思うように体が動かない。

「大丈夫だよ、僕につかまってれば」

 当たり前のようにブルーに言われて、シズカは思わず後ずさりした。

「どしたの?」
「どしたのって…… あ、あんた、変なこと、しないでしょうね?」
「変な事って── どんな事?」
「へ、変なことは変なことよ!!」

 絶対こいつ、あのマスクの下でニヤニヤしてるに違いない! 赤い顔で言い返しながら、
シズカはそう確信していた。

「でも、ここもまたトラップが仕掛けてあるんだよね、よじ登る人向けに。だから、僕に
 つかまって飛んでいくしかないと思うけど」
「……本っっ当に、変なことしないでしょうね!?」
「しないよ、ほら」

 おいで、というように腕を差し出され、シズカはついふらふらとその中に入ってしまった。
 肩にブルーの腕が回される。強化スーツに包まれた体にぎゅっと押しつけられ、シズカは
ちょっとだけ、呻いた。

「痛い?」
「だ、だいじょうぶ……」

 小さな声で答える。しかしボウケンブルーの体は思ったほど──最上蒼太の体に比べて── 
『変な』感じは、しなかった。

(これならきっと、大丈夫……)

 半分ほっとして、シズカは身を任せることにした。ブルーの体に腕を回す。
639○Task211 洞窟の罠(7):2007/07/14(土) 10:09:14 ID:KCZKNnlR

「しっかりつかまっててね…… ブロウナックル!!!」
「うっ……!!」

 重力が掛かり、痛めた体にちょっと効いた。しかしそれが過ぎると、ふわりとした浮遊感が
心地よく体を包む。

(うわあ……)

 一瞬うっとりし、しかしブルーにそれを気付かれてはならじと慌てて気を引き締める。
 次の瞬間にはもう、体に重力が感じられた。外に出て着地したのだ。

 そしてシズカは焦った。

 気が付けば、蒼い強化スーツではなく、シャツ一枚の蒼太の胸板に顔を埋めている。肩には
細身だが力強い腕が、しっかりと回されていた。

 いつの間にか蒼太が変身を解いていたのだ。

 汗とコロンの入り混じった匂いと蒼太の体温に包まれて、一瞬気持ちが持っていかれそうに
なる。慌ててもがいたが、蒼太の腕はびくともしない。

「ななななな、なに、ちょっと……」
「いや、折角だから、堪能しておこうと思って」

 言いながら、蒼太が腕に力を込めた。シズカの口から、ふっと吐息が漏れる。

「な、なんでよ、離してよっっ」
「もう一つ、プレシャス回収しないとね…… さっき貰い損ねちゃったから」

 蒼太の掌がシズカの顎を捉える。くい、と上を向かせると、そのまま柔らかく唇を重ねてきた。

(!!!)

 あまりのことに体が震える。自分の心臓の音がはっきりと聞こえるくらいだ。
 蒼太の唇が密着し、やわやわと撫でてくる。その感触に膝から力が抜け、シズカは必死で
蒼太にしがみつくしかない。
640○Task211 洞窟の罠(8):2007/07/14(土) 10:09:53 ID:KCZKNnlR

 ようやく蒼太が、顔を離した。
 シズカは顔を見られたくなくて、俯いて小さな声で抗議した。

「う、嘘つき…… 変なことしないって、言ったじゃん」
「僕変なことしてるかな」
「な……」

 思わず顔を上げて言い返そうとしたとき、また蒼太が口を吸った。開きかけた口に舌が入り
込み、絡み付く。

「んんっ、ん、ん……」

 抗議のつもりで上げた喉声も、甘えた鼻声に聞こえてしまう。それが蒼太を駆り立てるのか、
口中での動きが大胆に激しくなっていく。蒼太の舌が柔らかい粘膜に吸い付き、シズカの中を
愛撫する。抵抗するシズカの舌はいつの間にか蒼太の口中へ導き入れられ、蒼太の口を味わわ
されていた。

 慣れないシズカは溢れる唾液をうまく飲み込めず、苦しい。すると蒼太がシズカの口から
それを吸い取り、ごくりと喉を鳴らして飲み下す。

 その音にシズカの躰は、反応してしまった。

 臍下の臓器がきりきりと悶え、体液がとろりと垂れていくのがわかる。
 堪らず、身をくねらせた。甘い音が喉から漏れる。

 腰に回されていた蒼太の手が、ジャケット越しではあるが躰を這い登ってきた。その掌が胸の
ふくらみに掛かり、きゅっと握られる。
 探るように撫で回す指が服越しに胸の突起をとらえ、弄ぶ。快感が躰中に響いた。同時に
その布越しの愛撫にたまらなく焦らされ掻き立てられ求めたくなり、しかし辛うじて残る羞恥心
がそれを必死で押さえ込む。

 わけがわからなくて苦しくて、でも気持ちよくて抵抗できなくて……

 蒼太の手が胸から外され、ジャケットのファスナーに掛かった。

「!!」

 一瞬、シズカは我に返った。思わずその手を掴み止める。
 胸元で二人の手が少し揉み合ったが、シズカはそのまま掴み続けた。

 蒼太の舌が止まる。
 そっと、口がはずされた。
641○Task211 洞窟の罠(9):2007/07/14(土) 10:10:38 ID:KCZKNnlR

「シズカちゃん……」
「だ、だめ…… だめだってば……」

 蒼太の手を掴んだまま涙目で、耳まで赤くした顔をふるふると横に振る。
 ふっと、蒼太が息を吐き、手をほどくとシズカを軽く抱きしめた。

「──わかった、今日はこれで許してあげるよ」

 その口調にいつもほどの余裕は無かったのだが、それ以上に余裕のないシズカはそのことに
気がつけない。

 しかし、ぱっとシズカを離した次の瞬間には、蒼太はいつもの蒼太に戻っていた。

「じゃね、シズカちゃん。美味しかったよ。今日はいろいろと、ごちそうさま」
「うううう……」

 蒼太はにこやかにウインクを落とす。

 こっちはまだ心臓がバクバクしているというのに、何だってこいつはこんなに余裕かまして
いられるのだろう──
 平然と立ち去ろうとしている蒼太の姿を見て、シズカは何だか、猛烈に悔しくなってきた。

 それに…… 毎回毎回手ぶらで帰るわけにだっていかないのだ。
 あまり寛容とは言えない首領のことを思い出し、シズカは一気に正気に戻った。

「ちょっと、待ちなさいよ!!」

 シズカが呼び止めると、蒼太は立ち止まり、半身で振り返る。

「あ、あたしだって、立場ってもんがあるんだから! そのお宝、こっちに寄越しなさい!!」
「どしたの、急に怖い顔して…… さっきはあんなに可愛かったのに」

 にやりと笑ってそう付け加えられ、シズカは一瞬ひるんだ。

「!!! かっ、関係ないっ、勝負よ、ボウケンブルー!!」
「今日はもう、やめといたほうがいいと思うけど」
「うるさーーいっ!!」
642○Task211 洞窟の罠(10):2007/07/14(土) 10:11:19 ID:KCZKNnlR

 叫ぶと同時に、シズカはバッと飛び出した。ところが蒼太は避けようともしない。
 間合いに入り、蒼太の顔めがけて拳を繰り出そうとした時──

 バサッと、ジャケットの前が、大きくはだけた。

「??????」

 一瞬動きを止めたシズカの耳に、ピュ〜ッという蒼太の口笛が響く。

「………………きゃああああああああああああああ!!!!!」

 慌てて前を掻き合わせたが、遅かった。

「ななななな、なな、なんでこうなるの??????」

 顔を赤くし青くしその場にへたり込んでガタガタ震えるシズカに、蒼太は言った。

「言い忘れてたんだけど僕、そのジャケットのファスナーとスナップ、激しく動くと外れちゃう
 ように、細工しておいたから」
「な、な、な……………」
「だから言ったでしょ、大人しくいいコにしてないと罠に掛かるよ、って」
「わ、罠って…… あんたが仕掛けた罠じゃないの!!!」

 思わず攻撃体制に入ろうとしたシズカだったが、蒼太の期待に満ちた視線に気付き、慌てて
また前を掻き合わせる。

「じゃまたね、シズカちゃん。素敵なプレシャスおまけしてくれて有り難う。そうそう、その
 ジャケットだけど、洗わないで返してくれると嬉しいな」

 最早言い返す言葉もなく口をぱくぱくさせているシズカを後に、最上蒼太が立ち去っていく。

(ままま、ま、また、負けた……)

 一体いつになったらボウケンジャー、いや、ボウケンブルー相手に一勝できるのか。

 蒼太の後ろ姿を茫然と見送りながら、風のシズカは、もう何から後悔していいかわからない
けど、とにかく、後悔しているのだった。
                                      <終わり>
643632:2007/07/14(土) 10:14:25 ID:KCZKNnlR
以上、駄文失礼しました。

なかなかエロくならずにすみません。次回構想が形になればそちらでいけると
思いますので、そのときにはよろしくお願いします。
644名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 15:42:27 ID:r1rkiyDw
デカ頼む・・・
645643:2007/07/14(土) 16:34:47 ID:T/GrllVu
>>644
すみません、戦隊はボウケンからしか知らなくて、今のところ自分にはボウケンしか書けないです…orz

しかし保管庫の過去戦隊作品は非常に楽しませていただきました。
また職人見習いとして大変参考にさせていただきました。
過去戦隊の職人様の降臨は自分もお待ち申し上げております。
646名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 22:06:32 ID:D/f0iWXY
632様、素晴らしいです!
次回も楽しみにしております。
647名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 22:31:48 ID:I8SFVXrM
>>632さん
蒼太好きのはずが、シズカちゃんがあまりにもかわいくて、そっちに感情移入してしまいました。。
この二人で、このノリで最後まで行くのが全く想像つかないんですが、次回作もお待ちしています。
648名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 22:46:26 ID:suVHgosz
おぉ!所有シリーズがあった。楽しまさせていただきました。姐さんがくわえながら楽しむ壊れ気味なところが萌えたっす。
649名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 23:45:50 ID:8CfqPR3+
シズカちゃん可愛すぎる・・・

そうたはやくくっちまえー
650名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 18:39:19 ID:pyYAOqXv
青×風すばらしい!
ずっと待ってたよ、青×風〜
651名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 14:54:08 ID:6XNnONCb
メレ様がカタに悪戯されるの希望
652632:2007/07/16(月) 19:42:27 ID:mDyFWuKc
>>646>>647>>649>>650
ご感想有難うございます。
特に今回はゼロからの見直しを含めて何回も書き直して苦労したので、
褒めて頂いて涙が出るほど嬉しいです。

>>553
ご指摘のおかげで文章を改善(自分比)でき、感謝しております。
確かに自分読点多かったです。
本当に有難うございました。
653名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 18:00:07 ID:Q1YBYCzJ
さ〜て、次は何かな〜?
激か冒険か魔法か刑事かアバレかハリケンかガオかタイムか救急(ry
ああ!とにかく、何か読みたいって事で。
654名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 09:42:20 ID:OY5vr0SM
20話のラストの3人が異常なほど仲良く見えて、
心技体のトライアングルを完成させるため、
身も心も1つになる…なんて妄想をしてみた。

と言いつつ、自分は魔法の兄妹or姉弟が読みたいと思ってたりする。
655名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 20:42:48 ID:ACDulscq
タイムなんて読んだことないので
興味あるが、シズカちゃんの続きも
気になるなあ。
656名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 20:43:47 ID:xa/f+FRk
過去戦隊OKとのことだったので、大好きだったカプを書いてみました。
光/戦/隊(何と略せば良いものか)の青桃です。桃青か?
まだ途中で恐縮ですが、迅速にラストまでUPしたいと思います。
すかぱの録画を実家に置いて来てしまったので、資料がなく記憶書きの状態です。
大人になりたい青と、お茶目な姉さんの桃を目指しましたが、キャラ違ってたら突っ込んで下さい。
657光青桃 「PARADE」:2007/07/20(金) 20:49:12 ID:xa/f+FRk
彼女の部屋を訪れるのは、今だに慣れない。
窓辺で彩りを振り撒く花たち。ミラーの前のリップ、そしてイヤリング。
いつも美しい笑顔に負けぬ輝きを放つそれが、今はぽつんとひと組取り残されているのを見て、不思議な気分に陥る。
響く水音は、彼女の身体をなぞるシャワーのもの。湯気に包まれて上気している様を思い描いて、狂おしくなった。

「あら?アキラ、いるの?」
やがてドアが開き、問い掛けの声と共に、バスローブを身に纏った彼女がやって来た。自慢の黒髪はタオルに包まれ、代わりに色づいたうなじが覗いている。
「まったく、勝手に入らないでよね。皆に見られたらどうするのよ」
「だってモモコ、最近素っ気ないじゃない」
意識より先に拗ねた声が出て、はっとする。が、時既に遅し。
モモコは横顔で笑いながら、室内に据えられた小さな冷蔵庫から缶を取り出し、彼に渡した。
「だってアキラ、すぐに顔に出ちゃうじゃない」
真似るような口調で返すと、ベッドに腰を下ろしたモモコはタオルを外し、髪を解放する。
「ポーカーフェイスなんて、出来ないでしょ?」

閉じ込められていた湯気と甘い香りが漂って、アキラの鼻孔をくすぐる。が、惑わされる自分を気取られたくなくて、缶の?
658光青桃 「PARADE」:2007/07/20(金) 21:00:37 ID:xa/f+FRk
リングに指を掛けた。躊躇なく開いた隙間から、泡が溢れる。
こんな場面でも炭酸飲料を出されてしまう、言いようのない切なさ。そして、変に真面目なモモコへの理不尽な苛立ちを混ぜ合わせて、アキラは中身を煽った。
片側に首を傾け、モモコはそっとタオルで髪を押さえて水分を拭き取る。
俺が目の前にいても、髪の方が大事なの?
小さな不満は、さすがに口に出せなかった。うっかり言おうものなら、この先どれだけネタにされるか知れない。
大人なようで、ただ澄ましてるだけじゃない。ちょっと天然で、困るくらいイタズラ好きで、それがモモコの可愛いところだと思って、俺は一体どれだけなのかとアキラは苦笑した。
659光青桃 「PARADE」:2007/07/20(金) 21:04:39 ID:xa/f+FRk
「なぁに?」
自分を笑ったのかと思ったらしいモモコが、顔を上げる。嘘のない視線、綻ぶ口元。
あぁ、やっぱり。
アキラは立ち上がり、彼女を囲むようにベッドに片足を乗せた。
「モモコ、独り占めされるの嫌い?」
毛先に触れると、しっとりとした柔らかさが、アキラの指を湿らせる。
モモコは思いがけない問いに、束の間考えながら瞳をきょろきょろさせ、やがて最良の答えを見つけたように、表情を輝かせた。
「内緒」
「……。」
楽しげな顔に、もうアキラは何も言えない。
言葉では、いつもこんな風に負けてしまう。いや、実際は勝ったのか負けたのか、それすら分からないままになってしまうのだが。

心の中にある、果てしない荒野。
それは人間誰しもが持っているものなのに、ことモモコの世界となると、アキラには広すぎて遠すぎて、走っても転がっても掴めない陽炎のようだ。
本当は、どう思ってるんだろう。
わざと言ってるの?それとも、深い意味なんてないの?

絶望にも似た混乱の中で、不意に伸びて来た腕に捕まった。
笑みを崩さないまま、モモコが唇を重ねて来る。
「ほんと…すぐ分かっちゃうんだから」
隠せない感情を、また見透かされた。
660光青桃 「PARADE」:2007/07/20(金) 21:05:49 ID:xa/f+FRk
首筋に絡む腕の重み、窮屈な姿勢。
すべてのことを自然な状態にしてしまいたくて、アキラはモモコの身体を押し倒した。

胸元の合わせ目を開き、なめらかな素肌に頬を寄せると、モモコはくすぐったそうに身を捩った。
捕まえておきたくて、アキラは噛み付くように唇を落とす。
白い肌に、紅い刻印が施された。
「アキラ…約束」
注意を促すモモコの声。見えるところには付けるなという、初めての時からの彼女からの条件。
「もし破ったら?」
普段なら従うアキラだが、今日は何故か、何処か解放されたような、自棄っぱちと表裏一体の自由を感じていた。
試しているのはモモコか、自分か…。分からないままで、無謀なことをしようとしている。

モモコは呆れたように息をつき、アキラの鼻をぎゅっと力を籠めて摘んだ。
そのまま指先は肩へ、首へと下がり、深い青のシャツのボタンを外して行く。
覗く肩口。決して筋肉質という訳ではないが、剣を鮮やかに振るう腕は、華奢過ぎもしない。
そのバランスは、大人と子供の境目に立つアキラにしか持ち得ないものなのかも知れない。本人は、いつももどかしそうに羽ばたこうとしているけれど…。
661光青桃 「PARADE」:2007/07/20(金) 21:07:28 ID:xa/f+FRk
そんなことをつらつらと思いながら、モモコが少し笑うと、アキラは怪訝そうに眉をひそめた。
シャツを腕から抜き取ると、モモコは僅かに身を起こし、そっとアキラの肩に唇を触れさせる。
いつにない行動に戸惑いつつも、その仕種を受け止めるアキラを見つめ、にっこり笑う、その一瞬の後。

「いででで!モモコ、痛いよッ!」

アキラは驚きと痛みに悲鳴を上げ、周囲の静けさを思って、慌てて口を噤む。
がっちりと、まるで獲物を見つけたピラニアのように、その肩に噛みついたモモコは、きっぱりと言い渡した。
「あたしを試すなんて、100年早いっ!」
アキラは涙目になりながら、自分の肩に残った痕に視線を走らせ、恨めしそうに呟いた。
「モモコはね、そういうとこが…ガキなんだよ」


(続)
662光青桃 「PARADE」:2007/07/20(金) 21:08:45 ID:xa/f+FRk
出先から携帯で書き込んだため、字数制限に引っかかってしまいました。
読みづらくなり、すみませんでした。
663名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 21:49:00 ID:7y43036/
>>656
アキラが可愛いと思う自分は間違ってるんでしょうかw
どう続くのか楽しみです。GJでした〜。

>>482さんが少し書いていらしたけれど、他の過去戦隊
(この辺りのちょっと古いやつ)でのカップリングで
お好きなものって皆さんありますか?
作品にするのは難しいかもしれませんがちょっと聞いてみたいなぁ。
664名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 00:48:48 ID:8oNqfk+k
ちと古いけどチェンジマンの赤白とか見てみたい。割とベタですが。
更に古くていいならデンジマンの赤桃とかも見てみたい気もしますが。…いくら何でも古過ぎるか(苦笑)?
665名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 08:24:27 ID:kT5RFCsM
>>664同意
デンジマン赤桃、見てみたいです!!
あと、超電子赤黄(黄は初代)とか。
666名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:07:31 ID:D5TJ5/ng
バトルケニア&マリアとか。
667名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 14:05:10 ID:5PWlgF1z
>>664-665
電子赤桃、激しく見てみたいです!
赤は桃に想いを寄せていながらも古風な所もあるので、婚前交渉(死語?)
などもっての外、と考えていて、あくまでも仲間としての関係を保とうと
するけれど…、という感じで。
そうなると中々エロにはならなさそうですが…。
668名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 19:05:23 ID:IMRVEFVb
そこまで古くはないけどメガの黒黄が読んでみたいな
669名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 21:31:00 ID:L+TCUkpC
光青桃GJでした!
子供の頃は分からなかったけど、大人になってから観たら、超萌えな
二人でした!続きが気になります!楽しみです!
670名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:57:15 ID:VzlIQ6cx
光!!いや懐かしい!!
そうそう、大人扱いされない青いましたね〜。当時としては珍しい
高校生(じゃなかったかもしれないけど、それくらい若い)戦士。
あのあとターボレンジャーが出てきてアキラの価値が下がってしまった
とがっかりした記憶があります。

古い戦隊では、超新星でイエローとサー・カウラーというのを放送当時
妄想してました。本編話はほとんど覚えてないのに、そんなことばかり
思い出せる自分って…
671名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 01:11:32 ID:P9E+ODnR
自分はターボレンジャーの赤桃を放送当時からいまだに
妄想してるものの、彼らが高校生だからなのかどうも
罪悪感がありますw

古い戦隊は作品にするのが難しいかもしれないけど、職人さんが
何かしらネタを拾ってくれるといいですね。
672名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 19:25:45 ID:gyfyaXTx
自分はカーレンの赤×ゾンネットが好きだ。
673名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 22:38:18 ID:CeQNF/F8
電子赤桃&電撃赤白のカプ、子供心にも好きだったなぁ。
電撃だったら長崎でアハメス様に囚われた白を赤が助けに行くとか、赤が実験台になる話で白がもうちょっと恋愛感情だしちゃうとか妄想してた。
どんなエロ小学生だったんだ…orz
674光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:11:11 ID:qC+9oj1T
遅くなりました。光青桃続き〜ラストです。

「生意気言うのは、この口かしら〜?」
「ひた、ひたひ…」
起き上がったモモコが、左右からアキラの頬を引っ張り上げる。痛みに回らない舌で必死に抗議しながら、アキラは必死でその手を掴み、睨みつけた。
「楽しんでるんでしょ」
「楽しいよぉ?」
あっけらかんとしたモモコに、溜息をつく間もない。何だかバカバカしくなって、アキラはベッドに身体を投げ出した。
「折角いい雰囲気になってたのにさ。嫌なら嫌って言ってよ」
真っ正直な言葉に、モモコは吹き出す。
「ごめんごめん。からかい甲斐がありすぎるのよね、アキラは」
「もう、ちょっと黙っててっ」
「はーい」
素直に答えて、モモコは口と、何故か眼まで同時に閉ざす。見えてしまうと耐えきれず笑ってしまうとでも言いたげに、肌蹴た胸元もそのままで。
「…誘ってたりする?」
そんな問いには答えずに、時が過ぎるのを待つように瞳を、唇を開かないモモコに、アキラはついに我慢の限界を越えた。
腕を引いて、自分の下に引っ張り込む。
唇を重ね、差し込んだ舌先で、静かな吐息を引き出しにかかった。
675光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:14:18 ID:qC+9oj1T
「…っ…」
啄むほどに、増す愛しさ。
身体の奥から熱が生まれて、細い肩に触れる指先に力を与える。
頭の下に掌を通して少しだけ身を起こさせ、より深い混ざり合いを求めると、モモコもまた、堪えきれなくなったように強くアキラの身体を抱きしめて来た。
角度を変え、何度となく繰り返される口づけの合間に、二人はふと同時に瞳を開き、穏やかに微笑み合う。
「終いに食べられちゃいそう」
呟くモモコの声は、艶めいたトーン。
「まだそんなこと言う」
左右からモモコ顔を囲むようにしながら、アキラは両手で頭を撫でる。
年齢も身長も、彼女には足りない自分。そんなこと、まったく何の障害にもならないと信じられるこんな瞬間が、とても好きだ。
「でもそういうトコ、俺は嫌いじゃないよ」
囁きながら、バスローブの紐を解く。
覗く白い肌と茂みの対比に、背中を興奮の稲妻が駆け上がった。

デジタル時計の電子音が響き、日付を跨いだ瞬間を知らせる。
何故か急かされたような気になって、アキラはモモコの膝を割り、指を忍ばせた。
「ちょっと、急ぎすぎ…」
上半身への愛撫もないまま、突然触れられたことに、モモコは小さく批難の色を見せる。
676光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:16:26 ID:qC+9oj1T
「でも、結構…」
決して少なくない蜜の音と共に呟くと、拳骨が飛んで来た。
頬をほんのり染めているモモコに、慕情が高まる。
「じゃあ、どうしたらいいのさ?」
今度は喰らわないよう両手を押さえつけ、足を挟むように固定すると、みるみるうちにモモコの顔が真っ赤に燃え上がった。
負けず嫌いな気性か、性的な昂りか判断がつかないまま、アキラは自分の中の炎を自ら煽る。妬きついて、切れてしまいそうな感覚が堪らない。
「ばか、何言わせようとしてんのよ!」
赤くなった耳元に、そっと吐息を送ってみる。

モモコが、毎日付けているイヤリングを、初めて外してくれた夜を思い出す。
耳朶の丸みが可愛くて、柔らかい感触が愛しくて、何度も何度も触れた。モモコはその度にくすぐったがり、そんなに耳に触るなんて変なの、と呆れた様子だった。
だが何を言われようと、アキラはそれをやめなかった。
初めて見る耳、綺麗な身体の大胆な動き。それが本当に、嬉しかったから。
――何で俺、あんなに泣きそうに嬉しかったんだろう。そんなの決まってる。だって…。

「モモコ、ごめん。もう我慢出来ないかも」
「え…えぇ!?」
アキラは素早く、自らを覆う戒めを解いた。
677光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:18:05 ID:qC+9oj1T
欲望のエネルギーを感じ取って戸惑う彼女を他所に、無理矢理過ぎると自覚しながらも、止められずに身体を重ねる。
「あ、ん…っ!」
まだ準備が整っていなかった女の中に、アキラは捩じ込むようにして進んで行った。モモコは拒むように押し返し、背中を強ばらせる。
苦く甘い感触に包まれて、少しでも楽になるようにと、アキラはその胸の頂に吸い付いた。
「今更、おそいっ…」
耳を引っ張られたが、めげずに桃色の実を味わうように舐め、転がし、反対側の胸を揉みしだく。
モモコの身体が次第に柔らかみを増し、指先がアキラの髪に埋まった。繋がった部分が、じわじわとぬくもりを増して行くのが分かる。
胸の先端を挟むように強く摘みながらキスを求めると、モモコは素早く逃げた。
表情に見て取れる怒りは、無茶をするアキラと感じてしまう自分、恐らく両方に向けられたものだ。
ふっと、アキラから力が抜けた。モモコを見つめるが、彼女は益々怒った顔になり、唇を明け渡そうとしない。
678光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:18:54 ID:qC+9oj1T
「…だってさ。好きなんだもん、モモコのこと」

額、頬、こめかみ、唇の端っこ、耳元。顔中にキスをして、髪を鋤く。
次にアキラが見せた表情に、モモコは密かに胸を高鳴らせた。それはあまりにも、優しい男の瞳だったから。

過剰な庇護と労りを、最近の彼は苦し気に遠ざけたがる。
きっとそれは、こんな風に自分と夜を過ごすようになってからだ。
子供でなんかいたくない。守りたいんだと、アキラはモモコを見つめる。どんな時も、どんな瞬間も。
だからモモコは、瞳を逸らす。それは意地悪ではなく、確かな秩序を守るため。同じ苦境を背負った仲間達への、彼女なりの気遣いによるものだ。
相手を想う心は、時に誤解を生じさせる元になる。
今夜アキラがここへ来たのも、きっとそんな疑心暗鬼の芽が、花を咲かせてしまいそうになったからだろう。
分かっていても、実のところモモコにはどうしようもない。
アキラの望むように行動することは、戦いの中にある今の生活では厳しいことだからだ。

だからこそ、身体で伝え合う。二人の気持ちは、そこに行き当たる。
大切なことも、行き違いの溝も、すべて溶かしてしまえるように、強く抱き合うしかない。
だからこんな風にして、ここにいるんだ。
679光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:20:35 ID:qC+9oj1T
――負けた。
腕を伸ばし、モモコはアキラの肩に額を付け、強く抱きしめた。

「あたしも…そうみたい」

大きさと深さは、きっと違う。永遠に、重なり合いはしないかも知れない。でも。幸せにしたい、愛していたい。その気持ちに、嘘偽りはないから。
「キスして、モモコ」
甘えた声を閉じ込めるように、唇で封をした。絡め合う舌から、淫靡な水音が響き渡る。そうしながら、どちらからともなく回転し、身体の位置を入れ替えた。
モモコに見下ろされる、いつもの感覚。でも今は、快感が勝る。
唇が下りて来て、首筋になめらかな感触がもたらされる。やがて、皮膚が吸い込まれる痛みがあって、アキラに真っ赤な花を咲かせた。
「お返し」
それが合図だったかのように、アキラは身体を動かした。
不意の突き上げに、モモコは敏感な反応を示す。
「あ、あ…!」
寄せられる眉根も、少し開いた唇も、すべては快楽の扉を開く鍵。
「は、んっ、あ…あっ…」
アキラを跨いだ姿勢のまま膝を付き、モモコは身体を上下させ始める。角度と位置を変えながら、自身を搾られるような感覚に、アキラは堪えきれず吐息を洩らす。
先ほどとは違い、充分潤ったモモコの中は温かい媚薬に溢れて、アキラを酔わせて行く。
680光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:21:37 ID:qC+9oj1T
「あん、ん、あぁ、っ…!」
一人用のベッドが、苦しげな悲鳴を上げて軋む。高い音はモモコの甘い声に重なって、室内を満たして行く。
「モモコ…」

好きなんだと、どれだけ言っても足りない。抱きしめても、こんなにももどかしい。
戦いがなければ、出会えなかった相手。一体いつの間に、こんなに消せない存在になっていたんだろう。
絶対に、絶対に、失いたくない。その為なら、何だってする。
決意をぶつけるように、モモコの身体を突き上げた。
しっとりと吸い付くように、汗ばんだお互いの肌。
細いモモコの身体は、アキラの情熱でいっぱいになったかのように、 甘く苦しげな震えを称え始める。
それはアキラにとっても、切ないほどの心地好さとなり、音速でやって来る何かに連れて行かれるような感覚。

オーラの力を会得した時のように、光が見えて来て。
やがて二人は、その向こう側へと飛び込んだ。
手を繋いだままで。

「おはよう」
「おはよ〜」
明けて、早朝。
トレーニングをサボる訳には行かず、モモコはふらつく身体を必死に支えながら、廊下を歩いていた。
たっぷり眠った様子のハルカが、脇に立つ。
「寝不足?たるんでるわねぇ」
「違うもん」
681光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:22:30 ID:qC+9oj1T
半分しか開いていない眼を上げると、ちょうどタケルとケンタが、やって来たエレベーターに吸い込まれて行く所だった。
「アキラは寝坊かしら?」
ハルカの独り言が、自分に向けられたもののように思えて、モモコはドキッとして立ち止まる。その不自然な間に、ハルカの不審な表情を見る直前、前方でドアが開いた。
「あ、おはよっ。今日もいい天気だねー」
元気なアキラの顔が覗く。3つとは言え、妙な形で年齢差を実感させられて苛立つ。
…あれだけ無茶苦茶して、何でそんなに元気なのよ…。
昨夜繰り返された行為が蘇りそうになって、モモコは頭を振った。

「…?」
不意にハルカの視線が、何か不思議なものを見つけたように一点に吸い込まれて、しばし留まった。何だか分からないまま、モモコは立ち尽くす。
次の瞬間、満面の笑顔で近づいて来たハルカは、少しだけ開いていたモモコのジャケットのファスナーを、上まで完全に閉じた。
益々訳が分からなくなって、思わずアキラに視線を送ると、耳元で囁きが聞こえた。
「黙ってるから、後で奢ってよね」
含み笑いのニュアンスのまま、ハルカはさっさと歩き出す。
通りすがりに、アキラの肩を思いっきり楽しげに叩いて、エレベーターに乗り込んで消えて行った。
682光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:23:33 ID:qC+9oj1T
「…へ?」
回らない頭のまま、モモコは仲間の謎の行動に疑問を消せないでいる。
その傍に、アキラがやって来た。何の予告もなく、きっちり上げられたモモコのファスナーに手を掛ける。
「ちょっと、何す…」
抗議の声は、何かを見つけた風なアキラの眼差しに消える。
「あちゃー…」
間の抜けた声と、指された首筋。
「ごめん!」
パンッ!と、目の前で勢い良く柏手を打って詫びるアキラに、やっと合点がいった。
同時に、モモコの顔が真っ赤になる。
それは怒りか、恥ずかしさか…。判明するより先に、アキラはその場を逃げ出していた。

「アキラ――ッ!!」

ビル全体を震わせる、モモコの怒鳴り声。
その瞬間司令室では、姿が朝の穏やかな瞑想を破られ、床に転げ落ちていた。
東は、突然起こった巨大なエネルギーによって、大事なデータの詰まったコンピュータを破壊され、目眩を起こして倒れた。

そしてその後、アキラがどうなったかは…推して知るべし。
パレードのような、賑やかな一日の始まりに…。

―合掌―。


【終】
683光青桃 「PARADE」:2007/07/23(月) 11:24:15 ID:qC+9oj1T
以上です。御目汚し失礼いたしました。
684名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 12:11:52 ID:aqBA4ilN
>>683
GJ!! お疲れ様でした!!
青のもどかしい気持ちが切なくてほほ笑ましくて可愛らしいかったです。
685名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 12:35:55 ID:swd80bVf
>>683
光青桃GJ!でした!
光の世界観もちゃんと踏まえていて凄く良かったです!
アキラ、超ガンガレ!w
686名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 20:08:26 ID:7rCWmxrL
>>683
光青桃、楽しませてもらいました。ありがとうございます!
お互いの心と体が溶け合っていく感じを堪能しました。
モモコに負けるな、頑張れアキラw
GJでした〜。
687名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 22:36:54 ID:uTN+Re1B
>>683
お疲れ様でした!エロ場面萌えました、GJ!!
ただ贅沢を言えば、オチが少し弱いかなあ。このオチだと、ハルカに
見つかってからアキラが謝るまで、気持ち引っ張りすぎと思った。
読んでる方はハルカが何を見つけたかすぐ分かってしまうので。
モモコの怒オーラ爆発は良いです、笑えたっす。
また過去戦隊wktkしてます、頑張って下さい。
688名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 22:53:54 ID:+XZmbcXQ
青桃GJ!可愛くて良かったです!

>>663
大昔の作品ですが大戦隊の黒×桃が好きでした。
689名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 13:09:40 ID:kODVlwUg
高速の赤桃読みたい!今時高校生でも普通におこなってるからいいんじゃない?
690名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 20:24:47 ID:VB5aGyXg
秘密桃緑とか思ったが、流石に古過ぎるので、↑の光青桃を
秘密桃緑に変換して妄想してみたり。
691名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 01:19:28 ID:zcnLQMeV
>>663です。
意外とレスがついたので驚きました。昔から戦隊シリーズを
見ている方がけっこういらっしゃるんですね。

もし近年の戦隊で作品を投下しようとなさっている職人さんが
いらしたらすみません。皆さんにこれ以上レスを書くなとは
もちろん思っていませんが、この辺の萌え語りは萌え語りとして、
作品を投下していただければ。
旧作も近作もひっくるめて、いろいろな萌えが拝見できることを
祈りつつ。

ちなみに話題を振った本人は>>671さんや>>689さんと同じく
高速赤桃を拝見したいですが、「あの当時の」高校生と考えると
>>671さんと同様やっぱり罪悪感がありますw
692名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 22:46:01 ID:N68DNy33
保守&投下待ちage
693名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 05:01:28 ID:oqYt0ZGB
他戦隊への期待が高まる中で恐縮ですが、冒険黒黄を投下します。
6レス消費予定。
他カップリング、他戦隊をお待ちの方はスルーをお願いいたします。
題名『愛しき者、その名は』でNGワード指定をしてください。
694愛しき者、その名は(冒険黒黄) 1:2007/07/28(土) 05:03:50 ID:oqYt0ZGB
ますみ。
だいすき。

そう囁かれた途端、体中の血が沸騰した気がした。


灯りを少しだけ落とした室内で、真墨は菜月に覆い被さる。
ジャケットを脱がせる手が震えていて内心で舌打ちしたが、
菜月の緊張は真墨の比ではないようで、彼女は全くそれに
気づいていない。
大きな目がきゅっと閉じられ、睫毛が微かに震えていた。

「菜月」

そっと名を呼んでみる。脱がせたジャケットを床に落として
菜月の頬に触れると、目を開けて真墨を見上げてきた菜月が
「なぁに?」と問いかけた。
これから真墨が何をしようとしているのか、彼女は分かって
いるのだろうか。
顔を近づけて唇を奪う。菜月が微かに喉を鳴らしたが真墨は
構わなかった。
……いや、構えなかった。

菜月を強く抱きしめて、角度を変えながら何度もキスをする。
初めはされるがままだった菜月が少しずつ応え始め、それが
尚更真墨を煽った。舌を絡め、合間に息をし、ただひたすら
菜月を貪った。

「真墨……」
不安げな眼差しが真墨を見つめる。真墨は菜月を見つめ返し、
菜月の髪をくしゃりと撫でた。
695愛しき者、その名は(冒険黒黄) 2:2007/07/28(土) 05:05:28 ID:oqYt0ZGB
「怖いか?」

そう尋ねてみる。だが仮に「怖い」と言われたとしても多分
もう引き返せないだろう。
腕の中に包んだ愛しい少女は、小さく笑うと小声で答えた。

「ちょっとだけ。でも大丈夫。
だって、真墨だもん」

理屈らしい理屈ではないのに、菜月が嘘をついていないのが
分かる。それが何だかおかしくて、けれど嬉しくもあって、
真墨は菜月に笑い返した。

出逢ったときには言葉もろくに喋れなかった彼女を根気よく
世話し、仲間として共に旅をした。
ひょんなことからボウケンジャーとなり、兄と妹のように、
あるいは父親(不滅の牙に言わせれば「母親」だったが)と
娘のように、ずっとずっと傍にいた。
けれど彼女は幼すぎたから、こんな風に抱きしめられる日が
来るなんて思っていなかったのに。


『子供は成長するもんだ』

そう言ったのは前チーフだ。
旅立つ少し前のこと、きっかけは忘れたが菜月の話になった。
「あいつはまだ子供だから」と呟いた真墨に暁が言ったのだ。

『……何だよ、それ』
『子供はいつまでも子供じゃないぞ。親が気づかないうちに
成長している。
気づいてやれ』

余裕の笑みが気に障り、「何だそりゃ」としか言えなかった。
だが彼の言っていたのがこれを意味していたのだとすれば。

(……だったらさくらねえさんの気持ちにも気づけっての)

真墨はふっと笑い、再び菜月に唇を重ねた。

696愛しき者、その名は(冒険黒黄) 3:2007/07/28(土) 05:06:53 ID:oqYt0ZGB
ジャケットを床に放り出し、タンクトップも脱ぎ捨てる。
菜月のシャツを脱がせた真墨は下着の上から乳房に触れた。

「んっ……」

菜月の喉から声がこぼれる。華奢な体に不釣り合いなくらい
豊かな胸をそっとさすると、菜月は再び声を漏らした。

「あ……ますみぃ……」
「……大丈夫か?」

眉が切なげに寄せられる。真墨は思わずそう問いかけたが、
菜月は「わかんない」と首を振った。

「何か……むずむずする、感じ……」

そうとしか言い表せないのだろう、菜月は何やら不安げだ。
その様子さえ愛おしく、真墨はそっと笑いかける。
菜月はその笑みに安堵したのか、真墨に向かって笑い返した。

その名の元になった花のような、柔らかな笑顔。

「続けて、いいか?」

菜月はこくりとうなずいた。


互いに下着一枚になり、真墨は菜月に体を重ねる。太股から
手を滑らせて下着越しに彼女自身へ触れると、菜月があ、と
喉を鳴らした。今まで聞いたことのない声に鼓動が早くなる。
ゆっくりそこに触れていくと、次第に指が湿り気を帯びた。
697愛しき者、その名は(冒険黒黄) 4:2007/07/28(土) 05:08:21 ID:oqYt0ZGB
「ますみっ……」
「菜月……」

胸の頂きを口に含むと、菜月が弱々しく首を振った。次第に
立ち上がるそれを今度は指で摘んでいく。撫でさする動きに
菜月が震え、真墨は弾けそうな意識を必死に繋ぎ止めた。

「ああん……はあっ……」
「菜月っ……」

耳元で甘い声が響き、真墨は菜月を強く抱く。急ぎすぎだと
分かっていても自分を止めることができなかった。
ずっとずっと、待っていたから。
こんな夜が、来るのを。

菜月の中に指を入れると、菜月がひときわ高く声を上げた。
思った以上にそこは狭い。これでは彼女にかなり痛い思いを
させてしまいそうだ。

「真墨っ……あんっ」
「痛いか?」
「違……んんっ……」

菜月はひたすら首を振る。快感そのものを知らないからか、
自分が「何を」感じているのかを言えないようだった。だが
真墨にしてももうさほど余裕はない。硬度を増した己自身を
既に持て余し気味だった真墨は、菜月の髪をそっと撫でた。

「菜月。
力、抜いてろよ」

互いの下着を取り去ると真墨は避妊具を着け、菜月の中へと
身を進めた。途端に菜月が「痛っ!」と叫ぶ。

「ます、み……痛いっ……」
「菜月……」

菜月の中は狭くてきつい。より苦痛を与えるだろうと思うと
動こうにも動けなくて、真墨は菜月を見下ろした。中に入る、
ただそれだけで既に体の至る所から汗が吹き出ている。
浅い呼吸を繰り返しながら菜月がそっと目を開けた。真墨を
見上げた彼女はうなじにすがりつくように腕を回す。
698愛しき者、その名は(冒険黒黄) 5:2007/07/28(土) 05:09:40 ID:oqYt0ZGB
「ごめんね、真墨……大丈夫、だから……。
菜月、平気だから……」
「菜月……」

平気なはずがない。だがそれでも微笑もうとする菜月を見、
真墨は彼女に囁いた。

「ごめんな、菜月」

他には何も言えなかった。己の欲がどれほど深いか、真墨は
もう知っていたから。
少しでも菜月の苦痛を減らしたくて、真墨はゆっくりと腰を
動かす。菜月は真墨にしがみつき、震える声で真墨を呼んだ。
繋がっている場所から響いてくる音と、名を呼ぶその声しか
もう聞こえない。

「真墨っ……真墨っ……ああんっ……!」
「菜月っ……!」

高みへと昇りつめ、真墨は菜月の中で果てる。菜月が肩へと
爪を立て、微かな痛みがよぎっていった。だが真墨が彼女に
与えた痛みはこんなものではないはずだ。
恐る恐る菜月を見つめる。それに気づいたのか否か、菜月は
閉じていた目を開くと、真墨をじっと見つめ返した。

「菜月……その……」

何を語りかけていいか思いつかずに、真墨は菜月を見下ろす。
だか菜月は小さく笑い、真墨に向けてぽつりと言った。

「真墨、大好き」

――それは、彼女が最初に言ってくれた、言葉。

「……俺も、好きだ」

そのままでいたら何だか泣けてしまいそうで、真墨は菜月に
覆い被さると彼女をそっと抱きしめた。
699愛しき者、その名は(冒険黒黄) 6:2007/07/28(土) 05:12:11 ID:oqYt0ZGB
シャワーを浴びたら疲れが襲ってきたのか、少しして菜月は
寝入ってしまった。真墨は菜月に寄り添って彼女の髪に触れ、
一房手にとって口づけた。
こみ上げてくる愛しさは、菜月だけに感じるもの。

出逢うはずのなかった、相手だった。
もしあの日、真墨があの遺跡に足を踏み入れなかったら。
いや、そもそも菜月が「リリーナ」のままだったら。
こんな風に想いを寄せることも、体を重ねることもなかった。
十万年の時を経て出逢えた、ただひとりの相手。

一人用のベッドの上で菜月をそっと抱きしめる。窮屈ささえ
今は気にならず、真墨は眠る菜月の頬に唇を寄せた。


愛しき者、その名は。
間宮菜月。
――真墨自らが名付けた、たったひとつの宝物。
700名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 05:13:35 ID:oqYt0ZGB
以上です。お付き合いありがとうございました。
見直しながら投下しましたが、誤字があったらすみません。
701名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 05:20:40 ID:/oOFEpAA
久しぶりの冒険黒黄。GJでした。
702名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 08:12:12 ID:YgEpjHSN
黒×黄萌えた!!超GJ!!
個人的に黒×黄はイチ押しカプなのでうれしかったです。
幸せなSSありがとう。
703名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 11:30:59 ID:VOqupUsQ
萌えすぎて禿げた>黒黄
GJ
704名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 17:37:30 ID:J3Qz+BnA
冒険黒×黄、初々しくて可愛らしくて、GJでした。
伊能菜月となる日も、近い!?
705名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 18:18:09 ID:8h3BMqka
冒険黒黄、凄く可愛かったです!優しい気持ちになりました。
菜月可愛いよ〜、GJでした!


そんな自分は、光青桃を書かせて頂きました>>656です。
レスを下さった皆様、ありがとうございました。
あれから、すっかり光にハマり直しています。
投稿に関しての質問なのですが、長文はどのくらいまで大丈夫でしょうか?
最終回後を書いていたら、エチに行き着くまでがやたら長くなってしまったので駄目かな、と。
よろしければ教えてください。
706名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 21:31:01 ID:oxlmeqyQ
>>705
必然ならば、長くても気にならない。
過去戦隊読みたいしどんどんカモーンw
しかし、つくづくと職人さんが気を使わねばならない状況か・・・。
707名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:31:29 ID:hlPPibEk
>>705
保管庫見てもかなり長編ってあるし、用は面白ければ。
wktkっす、お願いします。
708名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 16:01:10 ID:2DgUHwNc
過去戦隊なら私は激走の赤×ゾンネットが見たいかな
709656:2007/07/29(日) 18:14:01 ID:ywaDQkaw
>>706-707
ご意見ありがとうございました。書き上げてみたら、前回と同じくらいの長さに収まりました。
あまりエロ度高くなく、暗めなので恐縮ですが、投下させて頂きます。
710光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:15:16 ID:ywaDQkaw
真冬の海と、高い波の音。低い太陽はすぐに翳りを見せる。
ほのかな潮の香りを身体に纏わり付かせたまま、5人は基地へと戻った。
「…お帰りなさい、みんな」
今日の日まで全てを見守っていてくれた東博士が、今にも泣き出しそうな笑顔で迎えてくれた。
全員の心を代弁するようにゆっくり、大きく最初に頷いたのはタケルだった。
次いで、ケンタがはにかみながら鼻を擦り、アキラが極上の笑顔を見せる。ハルカは零れそうな涙を隠すように上を向いて息を吸い、モモコは静かに口元を綻ばせた。

一つの戦いが、今ここに終結した。
言葉に出さなくても、互いの想いが伝わってくる。
嬉しい。それは勿論のことだが、それだけじゃない。失ったものも、たくさんあったから。
命、人、心。感傷が心に流れ込んで、切なく美しいメロディを奏でている。
それはきっと5人ばかりでなく、基地内にいる大勢のスタッフに共通する想いだろう。
ただの戦闘なら、勝てば終わり。だが彼らは、愛を抱いてこれまで戦ってきたのだ。そのうちの一つが同時に幕を閉じたとあれば、余計にそれだけでは済まない。
成り行きを見届けた彼らに、歓びを手放しで表せる余裕は、今はまだない。
711光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:16:08 ID:ywaDQkaw
「なぁ、腹減らないか?」
突然、場にそぐわない頓狂な声を出したのは、その張本人たるタケルだった。少なからず驚くメンバーをよそに、彼は大きく伸びをする。
「今日は勿論、パーッとやれるんですよね、長官?」
「あぁ。調理班は、張り切って準備をしているはずだが」
タケルの、周囲を沈ませたくないという気遣いを即座に見抜いた姿が切り返すと、同様にアキラが嬉しげな声を上げる。
「やったね、美味しいもん食べようよー!」
途端に、緊迫した邂逅の時は過ぎ去り、皆の肩から力が抜けた。
「まーったくもう、食い気ばっかりなんだから」
「あ、ハルカはご馳走いらないってさ、みんな」
「そんなこと言ってないでしょ!」
湧き起こる、大きく温かい笑いの渦。
それが感情の全てじゃないと、皆知っている。でも今は、この時を愛おしむ。
そうすることが、癒しに繋がっていく。

「はー、食った食ったー」
ケンタが満足げに感嘆しながら、腹を押さえた。
文字通りのご馳走が並んだ、素晴らしい晩餐だった。
今日の歓びは極上のワインで流し込んで、皆特別話題にはしなかった。その代わり、馬鹿なネタと取るに足らない会話を、たくさん交し合った。
別れとセットになってしまった勝利。
タケルがそれを、笑顔で語れる日がいつか来るようにと願いながら。
712光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:17:20 ID:ywaDQkaw
「あれ。モモコ、何処行くの?」
ハルカの問いかけに誘われるように、アキラは顔を上げた。
「ちょっと飲みすぎちゃったみたい。風に当たってくる」
笑顔のまま、ひらひらと手を振ったモモコの手前で、ドアが閉まる。
アキラは、後ろで組んだ掌に頭を乗せ、ソファに沈み込む。乾杯の瞬間に、一口だけ飲まされたワインが、妙に身体を重くさせているような気がした。
「さて、あたしは休ませてもらうわ」
ハルカが立ち上がるのを皮切りに、ケンタを始め、リビングに留まっていたスタッフも一人、また一人と去っていく。
時計を見る気はしなかったが、随分遅い時間に違いない。何しろ大人たちは、全員ダラダラと飲んでいたから。
「俺もそろそろ…」
タケルが立ち上がって、アキラは何とはなしにその姿を追いかける。
と、まるで知っていたかのように戸口で振り返り、タケルは天井を指差した。それはモモコの居場所。
行ってやれと、その目が促す。
アキラは、心の行方を見透かされていたことに驚き、勢い良く起き上がった。
「なんで…!?」
柔らかく目を細めて去っていくタケルの大きさが、改めて沁みてくる。
秘密。そんなもの、この世にはないのかも知れないと実感しながら。
713光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:18:20 ID:ywaDQkaw
都会の真ん中。星よりも瞬く夜景。その中に、人々の生活がある。
たくさんの命が息づいている。守ることが出来た世界。
フェンス越しにそれを見つめるモモコの肩が、不意に温かさに包まれた。膝掛けのチェック柄。それが愛用の品だと知っているのは、基地内ではただ一人。
「アキラ…」
「風邪引くよ」
そう言う彼の方こそ、普段着のシャツのままで寒々しい。
が、指摘する余裕を今は持てなくて、モモコは膝掛けの前を合わせた。

普段の二人の間に、無言の時間はそうない。
身を縮めるようにしたままのモモコと、フェンスに指を掛けて白い息を吐くアキラの上空の雲の中を、国際線の飛行機が低い音を立てて飛んで行くのをぼんやりと感じていた。
多分、思っているのは同じ事。
でもきっと、細部は違ってる。男と女の視点は、いつも絶対に交わらないから。

「俺、いない方がいい?」
モモコは首を振って否定しながらも、アキラを見ようとはしない。
まるで、心を通わせ合うのは罪だとでも言うように。
「…そんなの、モモコが背負ったってしょうがないじゃない」
タケルと美緒。目の前で終わりを告げた恋。
「そうよ。傲慢だって、分かってる…」
714光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:19:06 ID:ywaDQkaw
同情なんかじゃ、決してない。でも、そんな残酷な現実を目の前にして、自分たちばかりが寄り添うことへの罪悪感に、モモコは打ちのめされそうになっていた。
そんなことを思ったところで、二人が元に戻ることはない。でも、二人のことを考えずにはいられない。
タケルたちが、こんな憐憫を他人に望むわけがないだろう。だからモモコは、自分は綺麗事ばかりだ、と深みに嵌る。
労るふりをして、それは結局自己満足でしかないのだから。

良くも悪くも、女の子だな、とアキラは思う。
しても仕方のない後悔を、他人に対して抱いているなんて。
でも、今夜は仕方がないかもしれない。タケルと美緒は、確かにそれだけ憧れる要素のあるカップルだったから。

「タケルさ。知ってたよ、俺たちのこと」
「え…?」
モモコの眼が、ここへ来て初めてアキラを捉える。
アキラは殊更勢い良く、モモコの手を握った。
触れ合うことが罪だなんて、思って欲しくない。世界で一番モモコを好きな自分のことを、何よりも強く考えていて欲しい。

「…あたし、美緒さん好きだった」
アキラの行動に戸惑いながら、いつにない早口で、モモコが切り出す。
715光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:20:30 ID:ywaDQkaw
「イアル姫として生まれたのが先かも知れないけど、あたしにとって彼女は美緒さんでしかない。タケルと幸せに笑っていた、大事なお姉さんだったのに」
泣き出しそうに声を詰まらせて、モモコは一気に心情を吐露した。
「平和になったって、どうして?どうして地上と地底を区切って、こんな風に別れなければいけないの?」
普段は控えめに、皆の声を受け止めているモモコが、こんなに深層を明らかにするのは初めてかもしれなかった。
零れ落ちる涙に、アキラは一瞬息を呑む。だが次の瞬間、無敵を見せつけるように声を出した。全てを引き受ける覚悟と共に。

「バッカだなぁー!」

風に舞う長い髪をひと房拾い上げて、アキラは指先で弄ぶ。
「そんなの、これからだよ。美緒さんはね、新しい世界を作りに行ったんだよ?地底人も地上人も関係なく、分かり合えるようになるためにさ」
アキラの発言に、モモコは虚を突かれた。
「俺たちも、それを手伝おうよ。いつか、タケルと美緒さんがまた出逢った時、今度は離れないでいられるように。ね?」
明るく未来を見据えて笑う目の前の少年から、目が離せなくなった。
なんて楽観的で、シンプルな真実。
そして、自分が与えて欲しかった答えなのだろう。
716光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:21:26 ID:ywaDQkaw
「で、大事なのはここからなんだけどね。そのためには、俺とモモコはずっと一緒にいなくちゃいけないんだ」
いつの間にか、その強気な姿勢に巻き込まれてしまっている。

正面からアキラの顔が近づいてきて、目線が近くなったことを知った。
あぁ、背が伸びたんだ…。
人生の扉、成長の証。
アキラの傍にいると、事も無げにそんな奇跡の一瞬を見せつけられてしまうような気がする。
人が生きる力の強さを知って、もしかしたら、と、再び自分の道を信じることが出来るようになる。
その気持ちを抱いて、戦ってきたのだ。

「だからさ。…覚悟はいい?」

何の?と返す間もなく、奪われた唇。
僅かに縮まった身長差を完全に追い抜かれる頃には、もっと世界は近いものになっているといい。
次はそのために戦う。
モモコは誓って、アキラの背中に腕を回した。
肩に羽織った膝掛けが、二人を包み込むように宙を舞った。

「ん…っ。アキラ、ちょっと待って…」
「嫌だよ。すっかり冷えちゃったんだから…温めてよ、モモコ」
使い古された文句でも、押し潰すようなハスキーボイスで囁かれると、途端にモモコから抵抗する力を奪う魔法に変わる。
アキラは噛み付くように、歯で左右のイヤリングを外す。
717光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:22:24 ID:ywaDQkaw
身体はひどく疲れ、悲鳴を上げんばかりに軋んでいた。その境界で、切れそうな程に強くモモコを求め始める。
明かりを消したままの室内。冷えたベッドにモモコの身体を押し倒し、上着を脱がせた。
すばしっこい動きで上に重なり、静かな圧迫を加えて押さえつける。
「は…」
首筋に舌を這わせると、早くもモモコは息を荒げ始めた。シャツを握り締めて、アキラに密かな火を点けていることにも気付かない。

二つの冷たい身体が、熱を広げるように抱きしめ合う。
ぴったりしたシャツの裾を探し出し、腰から手を忍ばせると、モモコの無駄のない腰周りと張りのある肌が、柔らかく掌で踊った。
「絶対待ったりしないからね、俺…」
子供っぽい口調でも、その声は甘く優しい男のものだ。
そのまま溶けてしまいそうで怖くなったモモコは、アキラの首に縋り付く。宥めるようなキスは次第に深いものに変わり、何度も何度も繰り返される。
「あ…」
舌を絡め、呼吸を奪い合って、身体の芯が熱くなる。

シャツとブラジャーを同時にたくし上げると、小振りながら形の良いモモコの胸が覗く。自分だけのもの。誰にも渡したくないもの。独占欲をひけらかすように、アキラは先端の赤い実を口に含んだ。
718光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:23:07 ID:ywaDQkaw
子供のように吸い、転がしながら、モモコの身体に手を這わせた。布越しに太腿に触れると、くすぐったそうに膝を擦り合わせて弾き返そうとする。
「だーめ」
言いながらアキラは指先を引っ掛け、素早くスパッツを引き下ろしにかかる。
どれだけ回数を重ねても、どんなに暗くしても、その瞬間にモモコの中で高まる羞恥の感覚は消せない。
「かわいい」
真っ赤に燃え上がる頬が見えるようで、アキラは笑った。
遊ばれるのは癪だが、アキラの期待に応えてやりたい。モモコは恥ずかしさを堪えながら、脱がせやすいように密かに身体を動かす。
スパッツとスカートを床に落とし、上半身に残った衣服も剥がすように捨てる。
「アキラも…」
その求めに応じるまでもなく、窮屈な下半身から先に解放した。

低めの身長からは想像出来ないほど鍛え抜かれた厚い胸に、モモコは頬を寄せる。
耳の底に響くのは、心臓の音。
初めの頃は、アキラの緊張をそのまま表すかのように早かった鼓動も、今は高まる愛しさを知らせる確かなものに変わっている。
今夜はあたしの方が、子供みたいにどうしようもなく胸を鳴らしているのかも。そんな事を思いながら、キスを受け止めるのは嫌いじゃない。一番敏感な部分に触れられるのを待つことも。
719光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:23:46 ID:ywaDQkaw
「あっ…、や、ぁん…」
腰のラインをなぞっていた指先が、そこに下りて来た。
甘く溢れる泉を掬って、器用に動き始める。
弾けそうな蕾を弄ると、花びらのようにモモコの髪が揺れて、散った蜜はアキラの指を淫らな温度で浸して行く。
「あぁ、ん…」
周囲に響くことを恐れてか、モモコは小さく声を漏らしながら、浅く呼吸を繰り返す。

本当は、もっともっと響かせてみたい。
でも出来ないと、妙に状況に配慮するアキラは、不完全燃焼をモモコへの愛撫に込めて行く。
何も知らなかったアキラに、静かだが過敏な反応で、行為を教えてくれたモモコ。
彼女自身も知らない快感を、自分の力で見つけ出して、与えてやりたい。
指をその中に沈めると、温かく柔らかな壁を、そっと突いて回る。
「や、アキラ…あぁっ」
小さな熱い炎がアキラの背を撫で上げて、中心へと向かう。追いかけてみると、それはモモコの手だった。ゆっくりと握られて、吐息が零れる。
720光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:24:24 ID:ywaDQkaw
「今日は…もうだめみたい。…きて?」
初めて聞く淫らな求めに驚いたが、モモコの中の締め付けは、それを嘘とは思わせないほどに強くなっている。
気持ちの昂りも同じようなものなので、アキラはそのまま進んでいった。
少し引っ掛かるような感覚は痛みと紙一重で、モモコは分かっていながらも、つい怖さに彩られた声を上げてしまう。
だが、馴染ませるようなゆっくりとしたアキラの動きに、次第にそれは丸みを帯びた吐息に変わっていった。
温かなモモコに包まれ、快楽よりも先に訪れる安心感に感謝したくなって、アキラはキスを繰り返す。

白い壁を撫でるように、柔らかな吐息が溶け合う。
仕切られた小さな空間は、誰も知らない二人だけの楽園。

手足を絡め合って、重なり合わないところが一つもないように、お互いを掻き抱く。
何もかもを独占したい。心も身体も、視線も時間も、これから先の未来をも全て。
別れが来ることが、怖いわけじゃない。
別れが来ないまま、その日を思い続けてしまうことが怖いのだ。
そう気が付いて、モモコはアキラの背中に爪を立てた。

このままでいたい、そんな永遠の一瞬を抱きしめて、夜に沈んでいく。
721光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:25:09 ID:ywaDQkaw
窮屈なベッドの中で、エアコンを付け損ねた寒さを分け合ううちに、アキラは眠ってしまったようだ。
安らかな寝息と、伏せられた目蓋の長い睫毛に見惚れているうちに、これが生きて行くということかと、モモコは漠然と悟る。
果てしない巡礼へと旅立ったイガムも、恐らくは同じ想いを見たのだろう。
生きると言うのは、それだけ重い。
捨ててしまうことの方が遥かに楽だとすら思えるのに、それをしなかった彼女は哀しく、そして美しい。せめてこれから先、少しでもその身に人らしい温もりが齎されるようにと、願ってしまう自分がいる。
許せるわけではない。それだけのことを、罪もない人々にしてきた相手だ。
でも、いつかは許したいと思う。憎み合ったままでは終わりたくない。それが叶うなら、何でもしたい。モモコは、そんな風に思った。

出逢った頃よりも短く切られたアキラの髪を、手櫛で掬う。
心なしか、肩幅が広くなった。手も仕種も、少しごつくなったように思える。
こんな風に、毎日変わっていく彼を見ていたい。これからもずっと。
「ん…モモコ?」
伸びて来た腕に頭を引き寄せられて、その胸に頬が乗った。
722光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:26:19 ID:ywaDQkaw
これまで、朝まで一緒に過ごしたことはなかった。夜明け前に起き出してそれぞれの部屋に帰るのが、二人が決めた暗黙のルールだったから。
いつかは朝日の下で、一番に相手に会いたいと願っているのは、どちらか一方だけではないはずだ。
寄り添うことは無敵だ。だが、一人で乗り越えた夜があるからこそ、叶った日々なのかも知れない。
タケルと美緒も、今はそれぞれに孤独を見つめ合っている。いつかは誰もが笑い合って過ごせるようにと想う、それはモモコの夢。
眠り続ける鼻の頭を、突いてみる。僅かに歪むアキラの表情に、小さく微笑んだ。

触れ合う温度を味わいながら、やがて二人は白い朝に包まれていく。


<終>
723光青桃「Blue Bird」:2007/07/29(日) 18:29:12 ID:ywaDQkaw
以上です。
最終回のみを切り取って書いたので、相当なご都合主義展開になり、すみませんでした。
724名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 19:23:54 ID:eiVBncnR
光青桃GJ!
今回はシリアスモードですね。
アキラに成長が感じられてよかったです。
725名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 06:40:02 ID:Cl9hQ1fV
光青桃、今回も楽しみにしていました。
本筋のアキラとモモコの描写もよかったのですが、今回は
タケルにやられました。細かい描写に泣かされた…。
スカパー放送が初見でしたが、タケル×美緒、好きだったなぁ。

ちょっと切なかったけれど楽しませてもらいました。ありがとうございます!
726名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 08:36:19 ID:Kss38fxm
光青桃GJ!
昔戦隊の中で、本放送で一年じっくり見た唯一の戦隊が光でした。
細かい話はほとんど忘れていましたが、このSSを読ませていただいて、
ラストのタケルと美緒のアンハッピーエンドやイガムの旅立ちなど
記憶が蘇ってきて、SSの内容と相俟って懐かしくも切ない気持ちに
なりました。
727名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 23:41:06 ID:Qx4YI79k
保守。新旧問わず、職人様待ってます〜
728名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 20:36:33 ID:e8CQsi0B
今週の週刊プレイボーイのトップにシズカが!
妄想がー!
729名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 19:58:52 ID:6VKohc+P
今週のジャンとお嬢様に萌えたのは俺だけなんでしょうか?
730名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 23:24:53 ID:+HU4HwYZ
>>729
ここにもいるから安心しろ。
自分はなつめとお嬢様とのジャンサンドイッチを妄想した。
731名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 09:14:30 ID:EZWC0kZp
>>729>> 730
今し方観たばかりの静岡県民です。はげどう。
732名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 20:02:39 ID:sxGzLgxc
劇場版の理央様とメレ様に萌えた俺参上
733名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 23:24:02 ID:ilITLIWJ
すごい理央メレって聞いた>劇場版
楽しみに行ってまいります
734名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 23:39:29 ID:c273x2Qx
どなたかレツランもお願いします
735名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 02:29:12 ID:xdaGgeAZ
もう劇場版の季節なのか。
早いなぁ。
736名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 06:29:02 ID:wVjNb54B
数年前まで秋公開だったもんね。
737名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 18:10:10 ID:KA/GdkZN
今日の新キャラとメレもいいかも試練
理央とメレ二人きりの臨獣殿もよかったけれども、
顔出しキャラ登場で怒濤のメロドラマが妄想できる…かな?
738名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 08:03:03 ID:HkApUOIR
午後一時半からはじまる奥様ドラマのような
展開ですか臨獣殿…それもよし。
739名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 10:40:19 ID:xQorZivo
りおめれ読みたい
740名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 19:02:03 ID:r16DHsiE
ゲキレンで盛り上がる中失礼します。冒険青×風です。

据え膳風と食べる青、完食編ですが、話が長くなってしまいました。
前・後編の前編をお送りします。後編は近日投下予定です。

コメディ路線です。ハードでダークな展開をお望みの方はスルーで
お願いします。

お目汚し失礼いたしますが、よろしくお願いいたします。
741○Task212 アモルの弓矢(1):2007/08/07(火) 19:02:59 ID:r16DHsiE

 風のシズカは、眩いばかりの白いウエディングドレスに身を包み、会場の隅で一人、
ぽつんと座っていた。

 髪はきらきらと輝く飾りを散りばめて美しく結い上げ、白いうなじを見せている。
 大きく開いた胸元、ふんわりと広がるスカートは引き摺らない程度の長さで、その
裾から、小さな可愛らしい白い靴が覗いていた。

 その可憐な姿とは裏腹に、シズカの表情は険しく、不機嫌だった。

(あいつ、一体どこうろついてんのよ……)


 某巨大結婚式場のウエディングイベントで、プレシャス『アモルの弓矢』が賞品に
与えられる、という情報が入った。主催者側はそれを単なるアンティークと考えており、
SGSの引き渡し交渉にも、まるで応じなかったらしい。

 さてこっそり盗むか、強奪しようかと考えてみたけど、なまじ手荒い真似をすると、
せっかく引き下がったSGSに出張る口実を与えるだけだ。

 そこで思い出したのは、冒険学校を開いたときのこと。純粋に冒険を教えたいという
建前を出してる間、連中は手も足も出せなかった──
 なら今回、そのイベントに正規に参加して、正々堂々と賞品を受け取ればいい。
もちろんズルはするつもりだが、何バレなければいいのだ。

 イベント自体は、シズカには他愛なく思われた。カップルで参加し、数々の審査を
勝ち抜いてベストカップルに選ばれれば、プレシャスを含む賞品その他が貰えるという
わけだ。

 そんなわけで、シズカはツクモガミを若い男に化けさせ、このイベントに参加する為
今ここに待機しているのだった。

 しかし、会場の様子を見に行かせたツクモガミが、なかなか帰ってこなかった。

 もう待てない。このわさわさする衣装で出歩くのは嫌だけど、ツクモガミを探しに
行こうと立ち上がった時── 聞き覚えのある声を聞き、シズカは飛び上がって驚いた。
742○Task212 アモルの弓矢(2):2007/08/07(火) 19:03:40 ID:r16DHsiE

「やあシズカちゃん。そのドレス、とても似合ってるよ」
「ボ、ボウケンブルー!!!」

 振り向けば最上蒼太が、にやにやしながらこちらを見ている。

「なんであんたがここにいるのよ……」
「決まってるでしょ、プレシャス回収のためだよ。それにしてもシズカちゃん、
 それなかなか上手い作戦だね」
 いきなり核心を突かれて、焦る。シズカは必死でとぼけた。

「なっなんのこと? あ、あたしはただ、このイベントに参加して、彼と一緒に……」
「彼って、あのツクモガミのこと?」
「うっ……」
 もうバレてる…… 嫌な顔して蒼太を睨んだシズカは、この時はっと思い当たった。

「ま、まさか、イショウガミが戻ってこないのは……」
「へー、彼って、イショウガミっていう名前だったんだ」
「………だった…………って、あんた……」

 青ざめるシズカに蒼太はにっこり笑ってウインクし、親指と人差し指でバキュンと
やってみせた。

「僕、デュアルクラッシャー生身で撃てるようになったんだよね、実戦で試したのは
 初めてだけど」
「え、ええええええ!!!」

 い、いきなり、負けた……
 シズカは、がっくりと肩を落とした。

743○Task212 アモルの弓矢(3):2007/08/07(火) 19:04:17 ID:r16DHsiE

 イショウガミを倒されたシズカは、蒼太から取引を持ちかけられた。一緒に出場して
賞品を手に入れよう、というのだ。

「絶対、イヤ!! そんなことして、あたしになんの得があるって言うのよ!」
「アルバイト代払うよ。シズカちゃんだって、このままゲッコウの所へ帰れないでしょ。
 僕らも、どうしても引き渡し交渉に応じてもらえなくてね。それなら優勝した人達
 に交渉しようと思って今日来てみたんだけど、また断られても困るし。僕と君で、
 ベストカップルに、なろうよ」
「じょ、冗談じゃないっっ!!!」

 シズカはさんざんゴネたのだが、とうとう最後に、協力して報酬を得るか、この場で
デュアルクラッシャーを喰らうかという二択を、爽やかな笑顔で迫られた。
 一瞬、協力するフリをして最後にお宝を掠め取ろうかという考えがよぎったが……
ここ最近の黒星と“デュアルクラッシャー”の単語が、その気力を萎えさせた。

 そんなわけで今度は蒼太と二人、ベストカップルを目指すことになったのだが──

(も〜〜〜〜、一体何の罰ゲームなのよコレ…………)

 イベントが進むにつれ、シズカだんだん泣きそうになってきた。
 
 これはウエディングイベントで、しかもベストカップルを選ぶのだから、数々の審査
では二人のラブラブぶりをアピールしなくてはならない── わかっていたはずなのに、
蒼太とそれをを演じることは、シズカをとことん消耗させた。

 ある審査では、シズカはもう降参しそうになった。
 壇上で、ちょっぴり涙目になりながら勘弁して欲しいと小声で訴えたが、しかし蒼太
にきっぱりと却下された。

「でもシズカちゃん、君これをツクモガミとやるところだったんだよ」
「うう、そこまで考えてなかったよう……」
「ミッション完了しないと、バイト代払えないけど」
「わ、わかってる……」
「じゃあにっこり笑って、幸せそうな顔して。大丈夫、すぐ終わるから」
 そして蒼太はシズカをさも愛しげに抱きしめ、キスをした。
 しかもすぐ終わると言ったくせに、しっかり舌まで入れてきてたっぷりと愉しまれ、
シズカはもう何が何やら、ふらふらだった。

 大体においてそんな調子で、審査もいよいよ最終段階。
 蒼太・シズカ組は、目論見通り選考に残った。
744○Task212 アモルの弓矢(4):2007/08/07(火) 19:04:56 ID:r16DHsiE

 専用の控え室では、シズカがよれよれと椅子にへたり込んでいる。
 蒼太が、シズカの頭をよしよしと撫でた。

「お疲れ様。あと少しだから、頑張ってね」

 シズカは恨めしげに蒼太を見上げた。

「ボウケンブルー…… あんた、面白がってるでしょ」
「そりゃ楽しいよ、シズカちゃんに『大好きっ』なーんて告白された時なんて……」
「いいいい、言うな!!!! 忘れて、お願いだから!!!!」
「お姫様抱っこしてあげた時に、可愛く笑ってほっぺにチュッてしてくれたのも──」
「それも言うなーーー!! いや、そっちを先に忘れて!!!」

 蒼太がくすくす笑ってシズカのすぐ隣に腰を下ろし、シズカの肩に遠慮無く腕を
回して抱き寄せた。その絶妙の間合いに、シズカは抵抗する間もなくすっぽりと蒼太の
腕の中に収まってしまった。

 蒼太が、楽しげに囁いた。
「じゃ、前に僕がキスしてあげたことも、忘れちゃった?」
「!!!!」

 蒼太の腕の中で、シズカは一気に茹で上がった。ちょっとじたばたしてみるが、
蒼太は相変わらずびくともしない。

「口だけじゃなくて、こんなとこにもしてあげたのに」
 言いながら、蒼太が衣装の上から、シズカの足の付け根辺りをつんつんとつつく。
「痕つけたつもりだけど…… 消えちゃったかな」
「ししっ、知らないっっ」
 シズカは精一杯虚勢を張るが、声が震えるのはもうどうしようもない。

 蒼太が小さく笑って、唇を重ねてきた。そのキスが唇だけを味わうような柔らかく
優しいキスで、シズカは不覚にも── 一瞬ときめいてしまった。
 口が離され、なんだか惜しくて小さく息を吐いたのを、蒼太は見逃してくれなかった。

「もっと、する?」
 そう囁かれても、いいともいやとも言えるはずがない。俯いて黙っていたが、蒼太は
返事を聞くつもりもなかったようだ。
745○Task212 アモルの弓矢(5):2007/08/07(火) 19:05:31 ID:r16DHsiE

「前にも言ったけど── 声、我慢しなくていいからね」
「!! な、なにするつもり…… やんっ」

 耳朶からうなじ、肩、鎖骨へと、蒼太の唇がシズカを優しく啄んでいく。剥き出し
で冷たくなった肌に、熱い刺激がぞくぞくするほど気持ちいい…… うっとりと目を
閉じかけた自分に気付いて、シズカは慌てて、また抵抗を試みる。

 しかし腕に力を込める度、既にシズカの弱点を勘よく捉えた蒼太に耳朶を、鎖骨を
熱く舐め上げられ、却って大きな声を出してしまった。

「ひっ、ひどい……っ、ばか、あんっ……」
「シズカちゃん、それ抵抗してるのか誘ってるのかわからないんだけど」
 そう言う蒼太の口調は癪に触る程いつも通りで、喘いでいる自分がたまらなく
恥ずかしくなる。

「このあいだ、ココすごく悦んでくれたよね」
 言いながら、蒼太が襟元から手を入れてきた。蒼太の手に直接胸を包まれ、シズカは
息を呑む。柔らかく動かく掌が尖端を転がし、シズカはビクッと躰を震わせた。

「あ、あ、あっ、ああぁっ」

 ここ何回かの“接触”のせいで、蒼太に素直に応えてしまう。あの時欲しかった刺激
を貰えて、理性とは別に、躰が奥から悦んだ。声は我慢してもしきれずに、シズカは
蒼太の首に縋りつき、その耳元でたくさん啼いた。

 今までにない反応に、蒼太は駆り立てられるようにシズカの唇を奪った。啼き声が
喉声に変わり、蒼太の愛撫に併せて白い喉からリズミカルに漏れていく。

 蒼太が手を止めふっと体を離し、シズカを見下ろした。白くふわふわした布地に
埋もれるように包まれて、シズカはくたりと力なく蒼太に身を任せていた。

 頬を染め伏せた睫に滴が宿り、半開きの口元は互いの唾液で濡れ濡れと光る。熱い息
を吐く唇が、僅かに震えていた。見えている肌は──おそらく見えていないところまで
全部──桃色に染まり、ずり落ちた襟元から、豊かな胸と欲に膨らむ尖端が覗く。

 清純を表す白いドレスを纏いつつ淫れたその姿が、蒼太を煽った。

 再び身を沈めた蒼太の口が、大きくした胸の先を含んだ。熱くねっとりとしたその
刺激に、シズカは目を閉じ眉根を寄せ、ひくひくと躰を震わせる。

「あ、ああ…… あん、んんっ……」
 蒼太の唇と舌に尖端を舐られ、たまらない。無性に何かに縋りつきたくて蒼太の頭を
ひしと抱え込み、胸に押しつけた。

 薄目を開けると、自分を貪る蒼太が見える。胸に吸い付いた口が蠢く様がとても
いやらしくて、でもシズカは目を離せずに見取れてしまう。
(や…… なんか、これ…… すごく、えっち……)
746○Task212 アモルの弓矢(6):2007/08/07(火) 19:06:14 ID:r16DHsiE

 下腹部の臓器は痛いほど悶え、体液が股を濡らしているのが自分でもわかる。
 躰の底から、ガクガクするような快感が立ち上ってきた。

「っっ、はぁんっ……!」

 蒼太を抱える腕に一瞬力が入り、そして緩む。荒く深い呼吸で、胸が上下した。

「イった?」
 蒼太に問われても、シズカは上気した顔をふるふると横に振るばかり。

「──可愛いね」
 そっと抱きしめられてそう囁かれ、まだ熱いままのシズカの躰が少し震えた。

 蒼太は再び唇を重ねる。舌を絡め唾液を吸い上げ、それで満ち足りようとするかの
ように、ひたすらシズカの口中を貪った。

 そして最後に蒼太は、不満足の溜息をついた。

 わさわさという衣擦れの音をたて、蒼太がスカートをたくし上げる。
 シズカは慌てた。

「だ、だめ、だってまだ仕事…… ドレス皺になっちゃう……」
「でも白いドレスに赤い染みを付けるって、たまらなくソソられるんだけど」
「!!!!!!!」

 さすがにシズカは血の気が引いた。目を丸くし必死で頭をぶんぶんと横に振る。

「だだだだだ、だめだめだめ、それは絶対ダメ……」

 シズカが声を震わせ必死でそう訴えると── なんと、蒼太は笑っていた。

「なーんて、うそうそ、冗談だよっ」
「なななな、なな………………」

 蒼太は体を離すと、動揺のあまり固まってしまったシズカの衣装と髪の乱れを手際
よく整え、仕上げに髪と唇に軽くキスを落とした。
 次に自らの衣服を整えながら、蒼太はいつもの微笑いを浮かべて、言った。

「ごめんね、からかい過ぎたかな」
「ううう……」

 そんなこと言われても、シズカはまともに返事ができなかった。そして、蒼太が
どういうつもりでこんなことするのかとちょっと考えて── 疲れた。

747○Task212 アモルの弓矢(7):2007/08/07(火) 19:06:50 ID:r16DHsiE

 シズカが立ち上がり、ふらふらと扉に向かって歩き出す。
「どこ行くの?」
「ちょっと、外の風に当たってくる…… お化粧も直さなきゃ……」
「なんか、足下ふらふらしてるけど大丈夫?」
「だっ、誰のせいよ!!」

 廊下に出て外の風に当たれるところを探そうと歩いていると、主催側のスタッフに
声を掛けられた。
「すみません、三十番の組の方でしょうか?」
「え……」

 振り向いて相手の顔に見覚えがあると感じたのと、腹に当て身を喰らったのはほぼ
同時だった。
(こいつら、同業か……)
 薄れる意識の中で、シズカは自分のドジを、またもや後悔してたのだった。


 シズカが目を覚ますと、椅子に拘束されていた。部屋に数人の男女がいる。どれも
馴染みの顔だった。
「ダークシャドウ、最近落ち目なんだって?」
 一人が偉そうに口をきく。まあその通りなんだけどと、シズカは心の中で呟いた。

「こいつ、一般参加のフリしてたんだよ、図々しい」
「じゃじゃ馬がよく勝ち残ったな」
 そういって連中はげらげら笑った。
「こいつの相方はどうする?」
「調べてみたが、怪しいくらいに怪しいところの無い奴だったよ。うるさく騒ぐよう
 なら捕まえておけ」
 ああどうやら蒼太のことはバレてないようだと、シズカはほっとした。それにしても、
自分は面割れしていたというのに、蒼太がうまく誤魔化せていたのは面白くない。

「あんた達、いつから結婚式場なんて、こんな表の商売に手を出したのよ」
「ついこないださ、たまたま乗っとれただけだよ。しかし表の顔は便利だねえ。SGS
 がしつこく来たが、お引き取り下さいって言えばちゃんと引いてくれるよ」
「お前、コレ欲しかったんだろ?」

 そう言って一人が取り出したのは、一見アンティーク風の弓矢。『アモルの弓矢』
とも『キューピットの弓矢』とも言われているが、身も蓋もなく言ってしまえば
催淫の呪いをかける道具である── 矢が当たれば、つまりヤルまで気が収まらず、
最悪の場合は命を落とす。
748○Task212 アモルの弓矢(8):2007/08/07(火) 19:07:28 ID:r16DHsiE

「わざわざプレシャスを賞品に出したりして、なんでそんなこと──」
「ダークシャドウの、風のシズカを掴まえようと思ったからさ。見事にかかったなあ」
「ええ!? あたしが目的ぃ??」
「そうだよ、ダークシャドウを押しのけて、俺らがネガティブのトップに出る。お前
 さえいなけりゃな」
「……ううううううう、くっ、悔しい〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 まだSGSに馬鹿にされる方がましだ。しかもまんまと引っ掛かっている自分が、
情けない。最近下調べ不足を度々蒼太に指摘されていたが、今度という今度は、シズカ
は本気で反省した。

「これ、当ててみようか」
 一人がプレシャスを手にとってそう言い出し、シズカはちょっと青ざめた。
「あ、あんた達、そんなことしてどうなるか、わかってるんでしょうね!?」
「さあね。だが、ヤイバのいないダークシャドウなんて、怖かねえよ」
「ううっ……」

 しかしその時、入り口がもの凄い響きを二回たて、三回目の音と共に吹っ飛んだ。
 蒼太がドアを派手に蹴破ったのだ。

「お、遅い!!」
「ごめんねシズカちゃん、君が見えなくなった時点ですぐ気付けば良かったんだけど」
 そう言いながら蒼太が、片手に担いでいた男を床に放り出した。シズカに当て身を
喰らわせた男のようだ…… が、ぼこぼこで顔の判別が難しい。
「……これ、あんたがやったの?」
「なかなか白状しないから。アレやるよりマシでしょ」
 ウインクしながら、蒼太が指でバキュンとやった。

「誰だお前は! ダークシャドウの新顔か?」
「──名乗るほどの者じゃないけど」
 シレッと蒼太が言い放ったのを合図に、乱闘になった。蒼太が縄を切ってくれて、
シズカも参戦することができた。

 いつもの戦闘服に姿を変え、この時とばかりにお返しをする。
 ただシズカは、いつもより頭に血が上っていたかもしれない。だからなのか── 
例のプレシャスで狙われていることに、気づけなかったのだ。

「危ない、シズカちゃん!!」
 蒼太が叫んだが、シズカはもう避けられなかった。
 しかし矢はシズカに当たらない。

 蒼太が、庇ってくれたからだ。

「……ボ、ボウケンブルー」
 蒼太の体にアモルの矢が深々と突き刺さっているその光景に、シズカは思わず、
青ざめた。
                     <『●Task213 解呪の秘薬』へ続く>

749740:2007/08/07(火) 19:12:38 ID:r16DHsiE
以上、駄文失礼しました。

これが最後と思って、設定なんかもいじったりして滅茶苦茶ですが、
多少のことは大目に見ていただければ幸いです。
750名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 20:20:38 ID:OwCYbjBz
おお!待ってました冒険青×風!
蒼太がノンストップに!?
続き楽しみにしてますー
751名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 22:42:20 ID:ksKLGo9F
野獣蒼太に期待(*´Д`)ハァハァ 
つか、この職人さんの書くシズカ、カワエエ
752名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 00:58:41 ID:jsGhltS0
青風きてたー!
放送時からずっと萌えてた組み合わせだからうれしい!
この二人の関係がほんとたまらんw
753740:2007/08/08(水) 06:08:27 ID:1SgKQKJw
>>皆様
大変申し訳ありません。あの、次回皆様の期待ほどエロくないと思います。
職人の力不足を痛感しております。
754名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 21:54:18 ID:NJhnkEX6
連投気味で済みません、冒険青×風 続編投下です。

青完食の巻、後編です。これが最後になります。

コメディ路線ですので、ハードでダークな展開をお望みの方はスルーで
お願いします。

お目汚し失礼いたしますが、宜しくお願いします。
755○Task213 解呪の秘薬(1):2007/08/08(水) 21:55:16 ID:NJhnkEX6

 風のシズカは、ダークシャドウの隠れ家で、家事に炊事にと忙しくしていた。
 しかしその仕事ぶりは、無性に手を動かすかと思うとぼんやりと宙を見つめたりして、
心ここにあらずといった様子だ。

「はああ……」
 シズカは、この日何十回目かの溜息をついた。


 昨日、結局最後は連中を一人残らずのし上げ、プレシャスは蒼太が回収、犯罪人は
シズカを除いて全員警察に引き渡された。

 その顛末は、その日のうちに幻のゲッコウに報告した。だが蒼太が自分を庇った話は、
よけいな感情が入らないように、特に気を付けなければならなかった。

「ほお、矢が胸にな。それで、あ奴に外傷はなかったのか」
「はい。あいつが自分ですぐに引き抜きましたが、血の一滴も出ていませんでした」
「面白いのう。そのお宝、手に入れば調べてみたいくらいじゃが…… まあ仕方
 あるまい」
 SGSと勝手に取引したことは、あまり怒られなかった。手ぶらで戻るよりはマシ
と判断されたのだろう。

「じゃがボウケンブルー、敵ながら天晴な男じゃのう。あれが当たってなお、女に
 狂わぬばかりか、事の始末まで付けていくとは…… 並の精神力ではない」
「そ、そんなもんなんですか?」
「まあ、おぼこのお前には分からんじゃろ」

 矢が刺さっても変わらず行動する蒼太に、あの連中も驚いてはいた。確かにいつも
より辛そうだったが、その姿に、シズカは単純にプレシャスが大したことなかっただけ
と思っていたのだが──

「それで、あの…… その、プレシャスの効果って、取り消せないんですか?」
 シズカが恐る恐る尋ねると、ゲッコウは事も無げに答えた。

「此度に限っては簡単なこと、男と女でナニすれば、一発で終いじゃ。あ奴らも、
 それは知っとるじゃろ」
「だ、だから、それ以外の方法って──」
「何でそれをお前が聞くのじゃ」

 じろりとゲッコウに睨まれて、シズカは少し顔を赤くした。
756○Task213 解呪の秘薬(2):2007/08/08(水) 21:56:03 ID:NJhnkEX6

「い、いえ別に…… ただ、あいつらに借りを作ってもしょうがないと思って……」
 目を逸らして言い訳するシズカを、ゲッコウは疑わしげに見つめる。

「フン、まあ良い。じゃがあの男なら、女に不自由もしとるまい。こちらで余計な気
 なぞ使わんでも今頃とうに── 何じゃシズカ、その顔は」
「ううっ……」
 ゲッコウに指摘されて気付いたが、シズカは面白くない気持ちをありありと顔に
出していた。慌てて、顔から感情を引っ込めようと努力した。

「もうよい、下がれ。あとはSGSが、お前の報酬を実際どれだけ払うかだけじゃ」
「はっ」

 しかし、その後シズカは、ゲッコウの言った一言がどうしても頭から離れなかった。

 ── あの男なら女に不自由もしとるまい…… 今頃とうに──

「はあ……」
 また溜息が出る。ぶんぶんと頭を振って目の前の仕事に集中しようとしたとき、
シズカはゲッコウから呼ばれた。

「お呼びですか……」
「おお、来たか。お前に使いに行って貰おうと思ってな」
「はっ。どちらへ」
「SGSへ行ってこい」
「ええっ、な、何で?? ……ですか?」

 ゲッコウの嘴から思いがけない使いの話が出て、シズカは驚いた。

「連中が、昨日のお前と同じ事を聞いてきよったぞ。この儂に聞くとは、あ奴らも
 藁にもすがる思いなんじゃろ、気の毒だから、教えてやろうと思うてな。無論、
 今後のことも見据えてのことじゃ」
「今後って……どういうことですか?」

 シズカは思わず問い返した。しかしゲッコウは即答しない。
 暫く目を閉じ考え深げに黙っていたが、やがてその嘴を開いた。

「お前もわかっておるじゃろう、ガジャもリュウオーンもアシュも居らん今、我らだけ
 ではあ奴らに対抗しきれぬ。ツクモガミも、造る傍から壊していきよる……
 昔から、長いものには巻かれろと言うじゃろう。SGSは、長い」
「…………」

 そこでじゃと言いながら、ゲッコウは梟の足で文箱から器用に紙包みを取り出した。
「これを届けろ。中に解呪の秘薬が入って居る。よいか、確かに届けるまで、帰って
 くるでないぞ」
「はっ」
「しかしその前に──」
「?」

757○Task213 解呪の秘薬(3):2007/08/08(水) 21:56:42 ID:NJhnkEX6

 全ての言い付けを片付け終わった頃、午後はもう遅かった。それでも今から行けば、
夕方には着くはずだ。

 予想通りの夕刻、シズカはSGSの建物群の一角に立っていた。

 建物の一室に、ベランダから侵入する。何だか泥棒みたいだが、これはゲッコウに
指示された通りの行動だった。

(…………って、なに、ここ…………)

 指示された通りに行動しているはずなのだが、シズカは、コレなんか違うと思った。
 ベランダから覗く限り、ここは誰かが個人的に暮らしている部屋にしか見えず、
取引の場所に相応しいとは言い難い。

 嫌な予感を抱えつつ、シズカは部屋の中へと入っていった。ひょっとしてあたし、
また何か間違えたんだろうか──

 きょろきょろと辺りを見回していると、背後で声がした。

「ああっ? シ、シズカちゃん!!」
「きゃっ!」

 突然驚かれて、逆にシズカが驚いてしまった。最上蒼太が、部屋の入り口に立ち
つくしている。
 ここが蒼太の部屋なのだと、シズカはこの時初めて気が付いた。

「どうして、ここに……?」
「え、だだ、だって、ゲッコウ様がここだって言ってて、あ、あたし、やっぱり
 間違えた……??」
 シズカは焦った。これが間違いだとしたら、こんなに恥ずかしいことはない。

 その時蒼太が一歩近づき、シズカは思わず飛び退いてしまった。

「……酷いなあ、僕をお化けかなんかみたいに」
「ごっ、ごめんっ」
「でも確かに、あんまり近づいたら取って食べちゃうけど」

 蒼太は軽口を飛ばしてにやりと笑うが、その口調に余裕がないのはシズカにもわかる。
 それでも蒼太の顔を直接見て、シズカは少し安心した。
758○Task213 解呪の秘薬(4):2007/08/08(水) 21:57:22 ID:NJhnkEX6

「……大丈夫そうみたいね」
「はは、やせ我慢してるだけ。それで── ゲッコウからの返事、どう?」

 聞かれて、シズカは紙包みを取り出した。

「これ。ゲッコウ様は、解呪の秘薬って言ってたけど」
「さすが! 本当に助かるよ」
 包みを投げると、蒼太が受け取った。

「じゃ、確かに渡したから。あたしはこれでっ」
 シズカはそそくさと帰ろうとする。
 
 しかしその時、蒼太に呼び止められた。

「待って!! シズカちゃん、これ、薬なんて入ってないけど」
「ええ?? だって、ゲッコウ様は確か…… じゃ、御札とかは?」
「見たけど、そんなようなものは何も……」

 問い返された蒼太が、改めて紙包みを探り直す。

「あ、手紙が入ってる、幻のゲッコウから僕宛だ…… やあ、達筆だね」
「そ、そんなことどうでもいいから! 何て書いてあるの? あたし、確かに渡すまで
 帰ってくるなって言われてるんだけど」

 蒼太はしばらくゲッコウからの手紙を読んでいた。その顔に、次第に何とも言えない
表情が浮かぶ。気になって、シズカはまた尋ねた。

「な、なにが書いてあったのよ?」
「いや…… まあ、何というか……」
 蒼太は言いにくそうにしていた。

「シズカちゃん、これを渡すまで帰るなって、ゲッコウに言われて来たんだよね」
「う、うん……??」

 蒼太の言おうとしていることが分からなくて、シズカは首を傾げた。
 すると蒼太が、手紙を読み上げた。
759○Task213 解呪の秘薬(5):2007/08/08(水) 21:58:26 ID:NJhnkEX6

 『ボウケンブルー 最上蒼太殿
  
  御問合せの解呪方法、矢張り愚老の知り及ぶ限り女子といたすより他是無く、
  よって影の衆 風のシズカを差し向け候、かの女にて存分に呪を解かれたし──』

「……シズカちゃん、大丈夫?」
 蒼太は思わず声を掛けた。シズカが、両手をついて床にへたり込んでいたからだ。

「ゲ、ゲッコウ様…… かっ解呪の秘薬て、あたしのこと?? でもそう言えば……」

 そう言えば出掛けに、顔を綺麗に洗ってけ、いやいっそ風呂にでも入れだの、更に
戦いに行くのでないから戦闘服は着ていくなだの、やけに煩く言われてきたのだ。
 取引場所を、わざわざここに指定したのだって──

「まだちょっと続きあるんだけど、読む?」
「続き!? きっ聞きたくないっっ………………………… けど、読んでよ」
「じゃ、えーと……」

 『──尚我が一族も少子高齢化及び後継者不足の折にて、この機会に子種でも
  仕込んで下さればなお幸いと存じ候、このことくれぐれも宜しく申し上げ候
                                   幻の月光』

「…………ゲ、ゲッコウ様…… 今後のことを見据えてって、見据えすぎ……」
「僕らのボスもいざって時に結構アレなんだけど、君のとこも、たいがいなんだね」
 蒼太が、同情してくれた。
 しかしシズカはへたり込んだまま、ワナワナ震えるばかり。

 蒼太はさてどうするかと一瞬だけ悩んだが、それ以上は悩まずにつかつかと近づくと
シズカをひょいと抱き上げた。

「ちょっ、正義の味方って、ここ、こういうとき、遠慮するんじゃないの!?」
「僕、人の好意を無に出来ない性質なんだよね」
「ああ、あたしの都合は聞いたりとかしないの……??」
「それはカラダに聞こうと思って」
「ななっ…………」

 絶句している間に寝室まで連れて行かれて、気が付けばベッドの上だ。
 ホントに遠慮無く、蒼太が覆い被さってきた。

760○Task213 解呪の秘薬(5):2007/08/08(水) 21:59:52 ID:NJhnkEX6

 『ボウケンブルー 最上蒼太殿
  
  御問合せの解呪方法、矢張り愚老の知り及ぶ限り女子といたすより他是無く、
  よって影の衆 風のシズカを差し向け候、かの女にて存分に呪を解かれたし──』

「……シズカちゃん、大丈夫?」
 蒼太は思わず声を掛けた。シズカが、両手をついて床にへたり込んでいたからだ。

「ゲ、ゲッコウ様…… かっ解呪の秘薬て、あたしのこと?? でもそう言えば……」

 そう言えば出掛けに、顔を綺麗に洗ってけ、いやいっそ風呂にでも入れだの、更に
戦いに行くのでないから戦闘服は着ていくなだの、やけに煩く言われてきたのだ。
 取引場所を、わざわざここに指定したのだって──

「まだちょっと続きあるんだけど、読む?」
「続き!? きっ聞きたくないっっ………………………… けど、読んでよ」
「じゃ、えーと……」

 『──尚我が一族も少子高齢化及び後継者不足の折にて、この機会に子種でも
  仕込んで下さればなお幸いと存じ候、このことくれぐれも宜しく申し上げ候
                                   幻の月光』

「…………ゲ、ゲッコウ様…… 今後のことを見据えてって、見据えすぎ……」
「僕らのボスもいざって時に結構アレなんだけど、君のとこも、たいがいなんだね」
 蒼太が、同情してくれた。
 しかしシズカはへたり込んだまま、ワナワナ震えるばかり。

 蒼太はさてどうするかと一瞬だけ悩んだが、それ以上は悩まずにつかつかと近づくと
シズカをひょいと抱き上げた。

「ちょっ、正義の味方って、ここ、こういうとき、遠慮するんじゃないの!?」
「僕、人の好意を無に出来ない性質なんだよね」
「ああ、あたしの都合は聞いたりとかしないの……??」
「それはカラダに聞こうと思って」
「ななっ…………」

 絶句している間に寝室まで連れて行かれて、気が付けばベッドの上だ。
 ホントに遠慮無く、蒼太が覆い被さってきた。

761○Task213 解呪の秘薬(6):2007/08/08(水) 22:01:45 ID:NJhnkEX6

「やん、ちょっと…… ん、んんっ……」
 口を貪られてこんなにくらくらするのは、初めてだ。下りてくる蒼太の唾液も、
今度は呑める。絡めてくる蒼太の舌に、拙いながらも必死で答えた。

 蒼太の手がスカートを捲り、太股の内側を撫で上げた。
 口を繋げたまま、切なげな喉声が上がる。

 手はそのままストッキングを脱がそうと試みて気を変え、指を掛けると一気に引き
裂いた。シズカは少し藻掻いたが蒼太に躰ごと押さえつけられ、一層口を吸われた。

 蒼太の指が、下着の上からシズカの割れ目をなぞる。そこがもう十分に湿っている
ことに、触れられて初めて気が付いた。

「んんっ……!! ん! ん!」
 指が、一番感じる部分を布越しになぞった。もう息が苦しくて口を外して欲しい。
 下着の脇から侵入した指にくちゅくちゅと水音をたててかき回されると、堪らずに
身をくねらせてしまう。

 十分に濡れているのを確認した蒼太が、口を外してシズカを見下ろした。
「ごめん、僕もう限界……」
 つい、と躰を離す。続いてベルトを外す音が聞こえ、シズカはなんだか恥ずかしくて
目を瞑る。

 下着を取られ、蒼太が足を大きく開かせる。秘部が剥き出しになり、蒼太に晒された。
 見られてるんだという思いで躰が紅潮し、体液がまたじわり溢れた。

「ああっ……」
 蒼太自身の先端で溝を下から上まで舐め上げられ、快感に震えた。
 しかし秘部に押し当てられたその太さ堅さに、戦慄する。

「ちょっ、無理、入らな……」
「ダメ」
 構わず蒼太が押し入ってきた。

「ひっ!」
 ぐいぐいと侵入する異物に中を裂かれ、思わず小さく悲鳴が上る。
「ああっ、凄い、シズカちゃん……」
 感嘆の喘ぎを漏らしたのは、蒼太の方だ。
 奥まで押し入ると、シズカに再び覆い被さり、口を吸う。

 体内の異物感と鈍い痛みに悩まされながら、蒼太の口づけに答える。じわと沸き
上がる捉え所のない快感を下半身に感じて、それがシズカを僅かに焦らした。
762○Task213 解呪の秘薬(7):2007/08/08(水) 22:03:44 ID:NJhnkEX6

 蒼太が、腰を揺らしてきた。痛みを堪えきれずに顔が歪むが、同時に例えようの
ない悦びがおぼろげに沸いてくる。

「ああ、あ、はっ…… ぼ……」
 ボウケンブルー、と言いかけて、蒼太にまた口を吸われた。
 ねっとりと舌を絡めてから口を外し、蒼太が囁く。

「シズカちゃん、僕、最上蒼太って名前があるんだけど」

 薄目を開けると、蒼太の顔が近かった。こちらを切なげに見つめている。

「こんな時くらい、名前で呼んでよ」
「えっ……」

 蒼太の甘えたような口調に驚き、照れて、紅潮した全身がより一層赤くなる。
 しかもその申し出が今更、恥ずかしすぎた。

「だって…… そんな、恥ずかし……」
「僕たち今、よっぽど恥ずかしいことしてるよ」

 そ、そう言われればそうなんだけど……
 でもやっぱり恥ずかしくて、目はどうしても逸らしてしまう。

 シズカは、小さな声で言ってみた。

「そ、そーた………… あ、あっ」
「っ! く、シ、シズカちゃん……!」

 名前を呼んだだけなのに。シズカの躰が反応し、蒼太に熱く絡み付き、喰わえ込んだ。
 強まった異物感で、足の先まで電流が走る。
 蒼太は辛うじて堪え引き抜き、息を整えまた捻じ込むと、今度は激しく突き動かしてきた。

 乱暴にされて痛かったが、すぐにどうでも良くなった。
 シズカは、ただ蒼太に縋って蒼太をひたすら感じていた。 

 蒼太、蒼太。たった今呼べたばかりの名をうわ言のように繰り返す──

「っ!!!」
 躰が収縮し、震える。一瞬遅れて蒼太が短く呻いた。
 シズカの中で小刻みに震える蒼太の感触に、また少し感じてしまい、頬が染まる。

 間を空けて引き抜かれた蒼太の先に、桃色に混じり合った体液が付いていた。

「シズカちゃん…… ありがとう」
 蒼太が激しく喘ぎながら、息が詰まるほど抱きしめてきた。
 ああ、これで終わったのだなと、シズカは思った。
763○Task213 解呪の秘薬(8):2007/08/08(水) 22:05:54 ID:NJhnkEX6

 後始末は蒼太がしてくれ、その後で、シズカは服をきれいに剥かれた。
 シズカは大人しく、されるがままだ。
 蒼太も服を取り去り、ぴったりと肌を重ねてくる。シズカの躰にキスを降らせた。

 優しいキスをたくさん落とされ、シズカもうっとりと目を閉じる。
 肌の密着する感触が、たまらなく心地よかった。

 でも── シズカは、どうしても気になることがあった。
 こうなってから確かめるのは遅い気がするが、それでも聞かずにはいられなかった。

「あの、あのさ──」
「何?」
 問い返す声が優しくて、一瞬聞くのを止めようかと思う。

「あの……………… 他に、いないの、つまり、こういうこと頼めるひとっ」
 一気に言ってしまって、耳まで赤くなった顔を見られないように伏せた。
 その様子に、蒼太はくすっと笑う。

「いないよ、君の他には」
「…………ほ、ほんとに?」
「疑ってるの? 酷いな、僕これでもシズカちゃん一筋なんだけど」
「なっ、そ、それ言い過ぎっ」
「言い過ぎじゃないよ── 君が僕を助けてくれた、あの雨の日からずっと」

 言いながら蒼太が、シズカを腕の中にぎゅっと収めた。
 その日のことは、シズカだって覚えていた。

「た、助けたって…… 別に、あたしはただ声かけただけで……」
「でもあの時君に会えなかったら、僕こそあのまま、ただうろうろしてただけだったよ。
 仲間のことも忘れて、独りで」
「そんなこと、ないと思うけど…… だってあんた、ボウケンブルーでしょ」

 シズカがそう言うと、蒼太は一瞬の間をおいて、声を立てて笑った。

「あ、あたしそんな変なこと言った?」
「そうじゃない、そうじゃないよ。ただ── 僕が君にそう言われて、すごく嬉しいっ
 てだけ」
「………………」
 シズカの方は、蒼太にそう言われて、ひたすら照れくさかった。
 朱く染まった首筋に、蒼太が楽しげにキスを散らす。
 シズカは、恥ずかしげに目を閉じた。
764○Task213 解呪の秘薬(9):2007/08/08(水) 22:08:57 ID:NJhnkEX6

 蒼太が躰を起こし、胸に手を掛けようとする。しかし、急に思い出したようにシズカ
に覆い被さり、顔を両手で挟み込んだ。シズカは顔を固定され、俯くことも逸らすこと
もできなかった。
 正面から覗き込む蒼太は、妙に楽しげだ。

「そうそう、僕もシズカちゃんに聞きたいことあったの、今思い出したんだけど」
「き、聞きたいことって……」
 蒼太の微笑みに、シズカは少し嫌な予感を覚える。

「前から、シズカちゃんって経験ないのに感じやすいんだなって、思って」
「な、なにが言いたいの……?」
「──ひとりで、シてるでしょ」
「!!!!!!」

 顔から、火が出た。

「ね、いつも、どんなことしてるの? どこでしてるの?」
「しししし、知らないっ、しらないっ」
「イクとき、いつも僕のこと考えてくれてる?」
「そそ、そんなこと、言えるわけないじゃないっっ!」
「あ、やっぱり、シてたんだ」
「ううっ……」

 すぐ近くで面白がる蒼太の顔が見える。穴があったら入りたいくらい恥ずかしいのに、
蒼太は顔を逸らさせてくれなかった。

「教えてくれないんだね。それって、秘密ってこと?」
「そっ、そうよ、ひみつひみつっ!!」
「そっか──」
 シズカは、これで引き下がってくれるかと一瞬期待したが、甘かった。

「でもシズカちゃん、悪いけど僕、隠し事探り出すの得意なんだよね」
「えっ、ちょっ、どこ触ってっ、きゃっ……ああだめぇっ、あ、あんっ……あん……」

 弱いところ殆ど全てを把握されたシズカは、もう蒼太に逆らうことができなかった。


 元秘密捜査官の“取り調べ”は深夜に至るまで精力的に執り行われ、シズカは結局、
洗いざらい白状する羽目になってしまった。

 ようやく解放され、シズカは疲労感と敗北感と満足感を抱えながら、蒼太の隣で
眠りについた。

(やっぱり、こいつには敵わない……)

 でもシズカはもう、あんまり後悔はしていなかった。

                                  <終わり>
765754:2007/08/08(水) 22:12:04 ID:NJhnkEX6
以上、駄文失礼しました。

全体を通してあまりエロくなくて済みませんでした。

皆様の温かいご支援でここまでこれました。
長いことお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
766754:2007/08/08(水) 22:14:09 ID:NJhnkEX6
すみません、今気がつきました、(5)連投してしまいました。
申し訳ありません。
767名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 00:25:50 ID:MDgFizVg
青風…(*´Д`)ハァハァ
神様ありがとうっ!!
768名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 01:31:37 ID:v15tJ7m2
青風GJ!
シリーズ通してとっても「らしい」二人が読めて、ものすごく萌えた!
あと「洞窟の罠」でちょこっとでた黒黄の描写がすごく自分好みだったので、
黒黄も書いてくれたらうれしいなーといっておくw
769名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 01:57:58 ID:vnj8+yl7
>>754
GJでした〜。
エロの描写は、何度も読み返しちゃいました…(*´Д`)
3部作を通して、シズカのドジをしちゃうところとかキャラがしっかり立っているなぁと思いました。
ゲッコウ様の手紙が、本当にそういう文章を書きそうですよねw
770名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 02:18:08 ID:eAprJ6sX
>やあ、達筆だね」
>「そ、そんなことどうでもいいから!

この辺のやりとり、細かいなぁ〜と笑ってしまったw

771名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 04:43:56 ID:pgBIb84K
ランちゃん受けが読みたいなあ………(;´д`)
ジャンに翻弄されるランでもいいし、レツにデレるランでもいい(笑)
エロいとなおいい(笑)

もしくはリオメレで……そこはかとなく純愛なかんじ(*^∀^*)
772名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 05:56:01 ID:wIEMNG3X
>>754さん
秘密捜査官の夜の取り調べワロスwそして、モエス(*´Д`)
蒼風シリーズのお話はどれも素敵でした。ごちそうさまです!

そして、自分も>>768さんと同じく黒黄の描写に萌えたので、
黒黄も読んでみたいと言っておきます。
773名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 07:15:00 ID:5vFvDSmu
青×風GJ!
元秘密捜査官の取り調べ・・・ハァハァ
774名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 11:38:30 ID:ySD5cSZG
自分で駄文でいうのやめなよ。
謙遜も過ぎれば卑屈。せっかくの作品がもったいない。
775名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 11:39:07 ID:ySD5cSZG
自分で駄文でいうのやめなよ。
謙遜も過ぎれば卑屈。せっかくの作品がもったいない。
776名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 11:51:19 ID:H2XqAXiE
そうだね
777754:2007/08/09(木) 12:27:17 ID:vRneGeBD
>>774-776
>謙遜も過ぎれば卑屈
自分の場合、謙遜というより卑屈と考えていただいて丁度いいかと

>せっかくの作品がもったいない。
そこをなんとか、自分個人の資質と別に考えていただけないでしょうか
778名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 20:57:55 ID:bYyjFl4i
ゲキレンの略って「獣拳」じゃなくて「激」なんだね。
さっき保管庫見て来て、一瞬「激走」のことかと思ってwktkしちゃったやorz
779保管庫の人:2007/08/09(木) 22:32:34 ID:XmObfBUD
保管庫の人です。
最初作ってるときにゲキレンジャーの略ってなんだろうと悩んだ結果、
「激」と勝手に命名しました。

ただ、スレの中でそこまで使われてないような気もしてます。

勘違いをさせてしまったようなので、いっそのこと変更したほうがいいですかね・・・。
780名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 22:57:27 ID:vcJEg+Nf
「激走」は略すと「車」・・・?
ごめん、センスなくて。

>>754
我慢強い蒼太萌え(*´д`*)ハァハァ 
一見涼しげな顔して実はぎりぎり・・。イイヨーイイヨー(・∀・)
781名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 08:49:22 ID:kw0IEs7T
>>779
保管庫の人、いつも乙です。
782名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 11:10:48 ID:0o+A/U5S
>>777
読み手の質の問題
社交辞令ってもんが分かっていないとも言える
放置するよろし

>>779
私もご挨拶
スレが荒れてるときも穏やかなときも、保管作業ありがとうございます
感謝
783名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 14:09:07 ID:j6FX2GcO
>>779
ゲキレン=獣拳
カーレン=劇走
結局、その戦隊を漢字で表すならこれが一番無難なような気がします。
まぁ何の工夫も芸もセンスもないと言われてしまえばそれまでですが…。
784名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 21:37:08 ID:s6Lpxct3
>>779
いつも乙です。かなり有り難いです。
785名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 10:17:49 ID:heEXj7lX
駄文云々より、でしたましたが多いのがなんだかなー>後書き
786名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 21:57:05 ID:aRXfW2Ta
>>785
>全体を通してあまりエロくなくてごめんね。
>皆様の温かいご支援でここまで来たよ。
>長いことお付き合いいただき、本当にありがとう。

これならいいのか?w
787名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 22:51:19 ID:wxcWvgtL
作品がおもしろいので
後書きが卑屈だろうがなんだろうが
どーでもいいのです。
次回作も期待してますよ〜。
788名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 03:57:04 ID:5U6k9DQ3
>>786
そんな感じw

某作家の影響で、意図的じゃなく同じような単語が繰り返されてる文章に
どうしても違和感を感じてしまう性分なもんで。ごめ
789名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 18:43:58 ID:1MZniEH4
なつめの父親説が本スレで浮上したゴウとミキさんでエロいのお願いします
790保管庫の人:2007/08/12(日) 22:44:37 ID:bWyzEumE
ちょっと書いただけなのに、皆様からお礼の言葉を言われてちょっとビックリしてますw

保管庫でのゲキレンジャーの略を『獣拳』に変更しました。

これから様々な戦隊の素晴らしい作品が出てくることを保管庫から見守っています。
791名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 22:51:39 ID:YbqEJ2u3
先週のエロハンとペンギンの絡みがやけに明るいエロだと思った。
「獣拳武装〜」で後ろから腰抱きなんてお前あからさまだろ入ってるだろその体勢はw
ラゲク様がねっとりエロなら、ペンギン(とエロハン)はあっけらかんとしたエロっぽい。
792名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 00:05:57 ID:jC3DT6VH
>>789
ゴウと美希は来週次第って気がする

ていうか、なつめの父親はやっぱりゴウなのかな
そうだとしたら、たまらんな
十数年ぶりに戻ってみれば、チビだった弟はいっちょまえに
かつての恋人(推定同年代)は熟女に
そして、見に覚えが多分ある子供が小学6年生か……
793名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 06:21:19 ID:gLzZ71cc
リオ様がゴウと同世代のおっさんだったことにオドロキ
昔はリオ、ゴウ、ミキでトライアングルだったわけだ。
794名無しさん@ピンキー:2007/08/13(月) 10:18:15 ID:TTrCVy4U
映画観てきた。リオメレが読みたくなってしまった
795名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 12:58:20 ID:zJkIM9nG
>>793
チーム結成当初、ゴウ→ミキ→リオの一方通行関係だったら、更に萌える。
796名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 13:48:48 ID:vY7g8yf4
リオ→ゴウ
797名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 00:46:17 ID:i/vO8XIK
そろそろ次スレ?
798名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 21:47:32 ID:Rzugclma
いや、まだまだだろ。
作品投下待ちage
799名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 22:23:05 ID:PpJy+PPt
>>797-798
500KBまでしか書き込めないんじゃなかったっけ。
今491KBだけど大丈夫かな。
800名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 05:48:45 ID:UdUT8d/6
俺は512だと思っていたが。まあ、どちらにしても危ないのは確か。
801名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 08:00:55 ID:mB0h8Q28
とりあずまずはテンプレを作っておこうか

保管庫のURL、古いものも一応残しておいたけれど、
これでいいだろうか?

〜〜ここから〜〜

こちらは戦隊シリーズの総合カップルスレです。
現在放映中の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』、前年度放映の『轟轟戦隊ボウケンジャー』等々、
戦隊作品のカップルについて マターリと語って行きましょう。
煽り・荒らしはスルー推奨。他カプ批判もNG。みんなを幸せにする修行をしましょう。


【ネタバレについて】
特撮板本スレに準じ、放映日当日・映画公開終了までのネタバレは控えてください。
もしスレ住人からの要望により、映画等のネタバレを投下する場合、
投下前にネタバレであることを明記し、NGワード用タイトルをつけること。
バレを見たくない人はあぼん推奨。


前スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176541347/

過去スレ
戦隊シリーズ総合カップルスレ 4(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161010229/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 3(dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1142719752/
戦隊シリーズ総合カップルスレ 2 (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1114938210/
戦隊シリーズ総合カップルスレ (dat落ち)
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105953664/
【S.P.D】デカレンジャー総合カップルスレ【S.E.X】(dat落ち)
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1080011602/

2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.arings2.com/

戦隊シリーズ総合カップルスレ保管庫

戦隊シリーズ総合保管庫
ttp://sentaieroparo.blog100.fc2.com/


地球署の図書館
ttp://tfb.fc2web.com/index.html
サージェスミュージアム保管室
ttp://www19.atwiki.jp/gogo/pages/1.html
保管庫の避難所
PC版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/index.htm
携帯版 ttp://spdlib2.h.fc2.com/i/index.htm

〜〜ここまで〜〜
802元保管庫の人:2007/08/17(金) 13:49:11 ID:2senB+ue
冒険保管庫「サージェスミュージアム保管室」を作っていたモノです。
総合保管庫の誘導のために今まで残していましたが、
次スレができたら削除するつもりだったので、テンプレから外していただけるとありがたいです。
803名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 19:12:49 ID:xvfjQgsk
>>799-800
確か専ブラとIE(他)で違うんじゃなかったっけか、書き込みの限界。
どっちが500KBでどっちが512KBだったか忘れちゃったけど。
804名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 17:51:49 ID:JAY0SPPb
もうこのスレが終わりかあ。いろいろあったけど、楽しかったなあ。
805名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 13:56:38 ID:BVCX87H6
理央メレを切望する俺はだめですかそうですか
806名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 15:22:23 ID:L1/yNhL9
>>805
よう俺
807名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 17:55:38 ID:i8u6gTbg
何カプでもいいから作品投下してくれる神いないかな。
808名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 18:10:36 ID:9srHSDka
神も新スレ待ちかな?
809名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 18:43:22 ID:IlThlvYe
立ててみた

戦隊シリーズ総合カップルスレ 6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1187689343/
810名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:49:25 ID:BPAwZHWI
>>809
スレ立て乙です。ありがとう。
新スレも盛り上がるといいですね。なるべく荒れないよう心から祈ってます。
811名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 19:59:09 ID:Ue2PZlEe
このスレ(前スレ)の影響でデカレンを見てるんですが…なんかメインの6人よりも、ボス×スワンに萌えてる私はズレてますか?
812名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 20:11:04 ID:E2eoGKcu
いや、ずれていない。
あの二人見ていて良いよね。
813名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 21:04:58 ID:lCXqQ3sC
ボス×スワン好きだったなー。
恋愛とも信頼とも取れる関係性がつぼだった。
814名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 01:49:06 ID:0q4oWrMq
メイン六人は誰をどう組み合わせても美味しくて好きだったが
犬鳥猿の三角関係が何よりの好物でした。
815名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 23:58:25 ID:B4E4LuzC
このスレってこの後普通に埋めちゃっていいの?
816名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 00:15:39 ID:yhvG9ofk
犬鳥大好きです!!
オトナって感じだ。
犬鳥銀とかだったら微笑ましい。
817名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 00:23:04 ID:NA9PjcAg
むしろちゃっちゃと埋めちゃったほうがよいかと
818名無しさん@ピンキー:2007/08/27(月) 01:34:00 ID:Gs3SoVXX
デカ話に便乗埋

今日の電王にデカ青が出てたせいでデカ妄想が再熱した。
ヒロビの浴衣特集の写真とか、好きだったな・・・
819名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 00:06:17 ID:TGVvlCHU
>>818
デカ青、大好きです。
どうか新スレでその妄想を爆発させてください。
820名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 00:09:58 ID:WqH9xxEs
埋。

デカは女の子二人だったのもよかったのかもなー。
その分カップリングのバリエーションが広がるよね。
しかしたいていの場合犬鳥は鉄壁だなw
+猿とか犬←黄とかも見かけるけど。
821名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 00:55:20 ID:bF8Navgs

犬鳥大好きだった。
というか、PCの中にあの頃の産物が落ちてるような気が……
発掘してくるか
822名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 01:29:43 ID:EdwK4PH+
>>821
待ってる。発掘できたら落としてくれー。
823名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 07:11:19 ID:SuBXGXIq
デカレンの犬鳥のシーンでどれが好きですか?私はメダルをあげる所かな最初キスかと思って焦った
824名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 16:53:18 ID:URYl6HXL
デカ赤×黄のシューティングスターの続きが読みたい・・・
825名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 17:02:20 ID:OzzfeXsY
>>823
13話だったか、犬が鳥を助け出してお姫様抱っこというシーンがあったけど、
自分はあそこで最高に萌える。
826名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 21:46:55 ID:XnN94GMG
>>823
そのシーンの後、ホージーがテツの形をぽんって叩いてるのに笑った。
失礼決定でなぐさめられてるのかとw

犬鳥は良いシーンいっぱいあったよね。
自分は年末のテツがアリエナイザーに惚れられる回の
「スワンさんに惚れた?!」なアリエナイザーにボスが嫉妬してるのが好きだった。
827名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 22:16:31 ID:Nr2hAGw3
「いくぜボス!」
「ロジャアァァァァァッ!!」
の流れは可愛かったな
828名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 23:06:02 ID:u0MS5ZGY
>>825
あの回なあ
その前の犬の百人斬りに燃え
犬鳥姫抱っこに萌え
興奮しすぎて禿げたよ…
特撮にあそこまで熟成したカップルが出てくるのは珍しい
829名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 00:46:34 ID:E6pWdYWD
マジvsデカで、マジマザーに「あなたたち、とてもいい感じよ」(うろ)と
言われてうろたえる二人もけっこう好きだ。
いまさら照れるなとw
830名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 22:44:43 ID:s07pb6uB
自分もあの照れるところがけっこう好きだ。
>>828が書いてるように熟成されてんのに、あそこの犬鳥は妙に可愛い。
しかし犬鳥スキーこんなにいたのかw
831名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 00:36:50 ID:boHUshmZ
やっと映画観れた〜。理央メレかわいいな!
ラストの空港のジャンとなつめも可愛かった
832名無しさん@ピンキー:2007/09/03(月) 19:25:53 ID:Miz6Keej
デカレンはボスワンだけだったな…46話のセンウメを見るまでは
833名無しさん@ピンキー
スレ違いなんですが、自分初めてSSを書いてます。

でも、一文が長いみたいで、どこで改行を入れていいか分かりません。
あとセリフも、長ゼリフみたいになってしまって、片方は「…。」ばっかり。
そこら辺に注意して、過去の職人さんの作品を読んでみると、みなさんセリフも一行でまとまっている感じで…。
それに地の文も、「いた」が続いたりして、かなり苦戦しています。

改めて職人さんたちのすごさを感じている今日この頃です。