【涼宮ハルヒ】谷川流 the 45章【学校を出よう!】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

■前スレ■
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 44章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1174652391/

■過去ログ■
http://www9.atwiki.jp/eroparo/pages/210.html

■これまでに投下されたSSの保管場所■
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

■荒らしについて■
削除依頼対象です。反応すると削除人に「荒らしに構っている」と判断されてしまい、
削除されない場合があります。21歳以上なら必ずスルーしましょう。

PINK削除依頼(仮)@bbspink掲示板
http://sakura02.bbspink.com/housekeeping/
2名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 03:22:10 ID:Ybgmfrrf
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。

Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。

Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!

Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…

Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。

Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。

Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?

Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。  嫌なときは言って欲しいのね。

Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。

Q新刊ネタはいつから書いていい?
A―――まだ―――議論……中―――?
A僕としてはこの一件を長引かせたくない。次の新刊が迫っているしね。早めにケリをつけてしまおう。
3名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 04:01:34 ID:DBoF1Wmz
>>1
どうでもいいが保管庫の現行スレはまだ43章な件
4名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 07:46:43 ID:4es24ogN
新刊ネタに関してはこの方がいいのかも?

 Q新刊ネタはいつから書いていい?
 A最低でも…………一般の――――発売日の…………24時まで――――待つ。
 A一般の発売日の24時まで待ってもらえますか? 先輩、ゴメンナサイです。
5名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 07:52:47 ID:q+fy2L6B
書ける人は書け。
読みたくない人はスルー。
議論する輩は放置して一人議論ダンスをみんなで堪能。
6名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 09:52:25 ID:KFrumo3s
スレ立て乙
7名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 11:00:46 ID:OMOI1ozx
>>1
がっぷり乙
8名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 12:24:58 ID:ziDg4MgX

うろ覚えなんですが
キョンの中に朝倉が入ってキョンを通していろんな事を見ている
なんてss覚えてる方が居たら教えて下さい
説明が下手ですみません
9名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 12:44:47 ID:qIs5hwjZ
>>8
前スレの825が答えてくれてるぞ
10名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 12:44:49 ID:1R4KaIsP
>>8
自分が質問したスレを読み返せ。
11名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 12:49:39 ID:OMOI1ozx
>>8
その質問前スレでもしてなかった?
前のヒトが答えてたよ。
12名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 16:01:46 ID:BkaBYMga
>>8
特に意味はないけどみんなレスしてるから俺も>>8にレスする
13名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 16:04:35 ID:kNb5pidM
>>8
俺も俺も
14名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 17:43:27 ID:DA8cBh5K
佐々木がキョンとエッチする時女の喋り方で喘いでいるのを想像したら
身悶えしそうになったw
15名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 17:51:40 ID:tSrpmFyc
>>14
ああ、キョンの前だと女らしくなるってことか…
じゃあその妄想をYOU書いちゃいなよ!
16名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 18:23:02 ID:mVMfFJkg
>>1

あと前スレのコレを一応載せとく

2007/03/24(土) 23:44:35 ID:TjvmsTgl
1行122文字。59行。くらいだった。ちょっと雑だったから

『1行124文字60行』

くらいで、文字密度で行数が変化でいいのかな?
17名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 18:50:12 ID:xLl2YG2W


  原 作 者 の 新 作 読 む と や っ ぱ 圧 倒 的 な 力 の 差 を 感 じ て し ま う 。


  こ れ は も う 如 何 と も し が た い ね ……
18名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 19:26:53 ID:mVMfFJkg
>>15
ていうか女性相手だと女言葉なワケだから、
橘と絡めばいいんジャマイカ?
19名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 19:51:28 ID:I+Kbnphd
>>1乙!
>>8二度も答えないからね!涼宮ハルヒの完結!
まったくふざけるんじゃないわよ!プンプン
20名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:05:24 ID:tSrpmFyc
>>18
いや…そういう時だけは男相手でも女らしくなる佐々木を想像しただけ
絡むなら、そうだな神繋がりでハルヒと百合とか…
21名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 21:06:34 ID:V4r988AG
>>17
その話はもういい。聞き飽きた。
22名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 21:21:19 ID:eOpMupKt
遅れたが一乙!
23名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 21:45:42 ID:F/SBBqvb
亀だけど>>1乙です
24名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 22:16:51 ID:NvCtj56s
いちもつ
25分裂ネタ:2007/04/03(火) 22:38:10 ID:1R4KaIsP
>>24
「はい、あんたはここまで。
 言っとくけど、あたしは笑いには厳しいからね。まずシモネタとモノマネは問答無用で却下。
 で、他に乙ある?」
26名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 22:49:03 ID:HA7FRVOf
>>1
乙カレーション
27名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:04:01 ID:WkcQq8fg
佐々木が閉鎖空間を作れるなら、ハルヒから能力を奪う必要は無い気がするんだが




それはそうと>1乙
28名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:25:18 ID:bfzZ4RNj
>>1

さっそうと3人も女性キャラが増えてしまったな
29名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:35:29 ID:R9dBnRle
次の投下があるまで一行リレー小説でもやろうぜ? まず俺から。

「ねえ有希、みくるちゃん。例えば何かの罰ゲームを受ける羽目になったとするわよね。それで、皆の前でどうしても誰かとキスをしなくちゃいけないわけ。その相手がキョンと古泉君のどちらかしか選べないとしたら、二人はどっちを選ぶ? 正直にあたしに教えなさい」
30名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:48:12 ID:d1zRx7Jd
>>29
長門「……答えは決まっている」
みくる「そうですね……」
ハルヒ「キョン!? それとも古泉君!?」
みくる「わたしたちがキスしたい人。それは……」
長門「涼宮ハルヒ。あなたとしたい」
ハルヒ「え?」
みくる「今までずっと耐えてきました」
長門「でももう我慢できない」 ハルヒ「みくるちゃん! 有希! わたしもよ」
みくる「しゅじゅみやしゃーん!!」
長門「はるにゃん!」
 
古泉「感動の瞬間ですね」
キョン「……ああ」
古泉「では……僕達も……」
キョン「いっちゃん……!」
古泉「キョンたん……!」
アッー
31名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:52:33 ID:JW+tDrZ7
「そ、そんなこと言えないです・・・わたしは(禁則事項)で(禁則事項)な(禁則事項)が・・ひぇぁっ」
「……あの人」
「二人とも誰なのよ、はっきり言いなさい!」
「ひぁぁっ」
「………………あの人」
32名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:59:03 ID:z+G/dAp8
てゆーか、キョンだと罰にならないんじゃね?
33名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:09:08 ID:ov7C8Nj5
「……と言う企画を考えたのだがどう思うかね諸君!」
「「素晴らしいです部長!」」
「そうだろうそうだろうとも!」
「それでタイトルは……?」
「エムスクランブル!これはイケる!」
34名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:09:53 ID:ZSW0bj/S
>>33
なるほどwww
35名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:17:43 ID:mKTwyj1Y
>>33
コンピ研の復讐ww
そういうことだったのか…
36名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:18:15 ID:tGAmX+55
むむ、前スレ終わったのかな。こっちに投下
前スレ44-512 『四月。ある一日』 の回答というかオマケ

5レス前後
37名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:19:06 ID:tGAmX+55
『四月。この一日』

「――このように、相手を騙すのに必ずしもウソが必要ではない、と考えた次第です」
 ふ〜ん、つまり今の長〜い説明自体が、丸ごとひっくるめて『ひとつのウソ』なんでしょ?
「さすが涼宮さん。ご名答です。かなり捻ったつもりだったのですが」
 まぁね。そもそも話が長すぎたのよ。そこが馬脚ね。蹴られないように気をつけなさい。
 趣旨を理解してる古泉くんなら、難解なウソよりもミスディレクションを狙ってくるとは予想ずみ。
 小さなウソをいくつも砂漠の中に隠す。冗長なセリフに集中するとどれがウソだか解らない。
 でも実は砂漠そのものが幻。まぁ古泉くんらしいわ。
「完敗です。では部室に戻りましょうか」
 そうね。
 古泉くんの前を歩きながら、あたしは少しだけモヤモヤした気分を味わっていた。
『古泉くん、こんなときになんだけど、あたしと付き合ってみない?』
 背が高いからね、上目遣いもオマケしたっていうのに驚いてくれたのは一瞬だけ。
 それからニッコリ微笑んで、まぁ邪気のない笑顔だったわよ。
 まるでそれが「本心じゃないのは解ってますよ」って感じだった。それがちょっとムカツク。

 馬にでも蹴られないかしら。



 そしてキョン。馬鹿だとは思っていたけどここまでだとは思ってもみなかったわ……。
 はあぁ、真面目な顔をしてなにが「ワン!ワン!」よ そのうちビスケット片手に撫でくりまわすわよ?
 あたしの説教にも歯向かってくるなんて、これはお仕置が必要のようねっ!
 食らいなさいっ! むしろ対キョン戦の為だけに今日のイベントを用意したと言っても華厳の滝なら廉太郎!
 興味なんてないけど、地道な研究の結果会得した、みくるちゃんには出来ない必殺の『ギャップ萌え』よ!!
「あんたのことが――――」
 ――――はっ!
 あたしは少し混乱しちゃったみたい。これが思考の迷路ね……。
 でもなんで? 前フリは完璧だったのに……あれ? もしかしてあたしから、なんて経験は初めて?
 いや違うわよ! ただのウソウソ大会じゃないの!?
 さっきはまったく気にならなかったもの! だから古泉くんはノーカン!
 でも、本心じゃないとは言え、こうなると『好き』って言うのはマズいんじゃないかしら。
 『嫌い』って勘違したらキョンだって泣いちゃうかも。逆に『好き』を真に受けて、ああなったら――。
「なんだったんだよ、今のは?」
 ……キョンは『ああなって』いた。
 な、なに赤くなってんのよっ!? バカ! エロキョン!! あんたはいつだってうっさいのよっ!
 いい? あたしはあんたのことなんか――――。
 『大っ嫌い』を真に受けたらキョンなんて死んじゃうかも。逆に『大好き』って勘違いして、こうなったら――。
 ……あたしは『こうなって』いた。
 いや、あっついのよね今日は〜。暑いのよっ! お弁当は外で食べるべきねっ!
 キョンのくせに暑くないくせに赤面してるくせに「さっきと言ってる事が違うぞ!」とか逆ギレ!
 もぉ! カルシウムが足りないんじゃないの!? そのうちニボシ片手に撫でくりまわすわよっ!!
 このウスラキョンカチ! こんなこと、あんたから言うのがスジじゃない!

 そのうえ「お前が赤い」とか「俺は赤くない」なんて――それこそ真っ赤なウソじゃないのっ!

38名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:20:13 ID:tGAmX+55


 次の回はあたしの待機。長いわぁ……。
 キョンを部室から追い出す時、もっと強く蹴っとけばよかった。
 「キャン!キャン!」とか鳴くのかしら? それとも「キョン!キョン!」?
 ……あいつって馬鹿ね。しっかし……なんて言えばよかったのかしら……。
 ホント、ウソ、ホント、スキ、キライ、ちょっとスキ……なの? まさかっ!

 あぁぁもぉぉお! あの辺の科学実験室とか爆発すればいいのに! スッキリしないわねっ!



 あ、危なかった……。さすが我がSOS団の誇る最強の萌え刺客ね。
 なんでか知らないけど、息をハァハァさせながら上目遣いで「囲いが出来たんですよぅ」ですよぅ?
 これは答えてあげるしかないでしょう? 人のサガをついた騙されるしかないウソ……。
「う、ウォー(ル)! カッコイーぃ………」
 ここでミラクルみくるの「騙しちゃいましたぁ、えへへぇ」炸裂。嬉しそうにモジモジしちゃってまぁ。
 思わず押し倒しちゃうところだったわ。あたしが我慢強くて命拾いしたわね、みくるちゃん。
 この子の将来が心配よ。とりあえず揉んどいたわ。
 そのままあたしの番に移行したわけなんだけど……。
「あたし、本当はオンナノコが好きなのよ〜」もにゅもにゅっと。
 抵抗が止まって暫く硬直してたと思ったら、
「……わわ、わかりました」
 え? なにが?
「わたし……涼宮さんが…そういわれるん……ったら……や、やさしく――」
 ちょっ! なに決心してんのっ!? ウソだから、ね。ウソなんだってば!?
 やめっ――あ……た、たすけ――だってあたし……こらぁ!!

 マジ危なかったわ。ウソの内容もだけど……鶴屋さんの仕込み?



「あたしはオンナノコが好きなの! でもウソなのよ!」
「……そう」
 さすがは有希ね。あたしの心配も杞憂だったみたい。
 もしかしたら映画撮影でみくるちゃんにしたように、いきなり飛び付いてきて熱いベーゼを全身に……。
 な〜んてことも無く、打てば響くみたいに小さく頷いてくれた。……良かった。
「今度は有希の番ね。始めてちょうだい」
 普段は少し無口だけど、あたしなんかよりずっと頭がいいから油断はできないわ。
 あら、随分大袈裟に頷いたわね?

 有希の言葉は、とても短くて、すごく真摯で、そして透明だった。

「おわり、でいいのよね?」
 そのまま受け止めて暖かくなった心が、隠されたウソを探してちょっとだけ疼いた。
 大丈夫、大丈夫よ。見つけた答えは間違ってない……。
 予想通り、また大きく頷いてくれたわ。
 それから最大のヒント――有希は楽しそうに微笑んでいた。
 有希の表情を読むことにかけては第一人者たるあたし。みんなは気付いたのかしら?
「ゆぅっきぃぃぃ〜っ! もおぉー! もおぉぉー! ミ・アもおぉぉぉーレ!」
 感情が弾けちゃった。解るでしょ? スペイン語で愛を叫ぶくらい。
「ねぇ有希、SOS団は楽しい?」
 気がついたら有希の頭をギュウギュウに抱き締めていた。返事も出来ないくらいに。
 でも間違えない。胸の中でほんの微かなみじろぎ。
 有希は頷いてくれた。絶対に間違えたりしない。

「あたしもよ。SOS団が大好きっ!!」

39名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:22:09 ID:tGAmX+55


「はひぃ……。な、なんですかぁ? 続きですかぁあ!?」
 ちっ、違うわよみくるちゃん! 恐ろしいコね……。
 有希と仲が悪いわけじゃないんだけど、みくるちゃんは無言の圧力に負けてる感じがするのよね。
 部室に戻ってきた時も、有希を見てプルプル震え出しちゃったし、たぶん有希のウソが解らなかったんでしょ。
「みくるちゃんは『有希のウソ』をちゃんと気付いた?」
「あぅ、いえ、あのぉ……宣戦布告なら……」
 あたしは頭を抱えた。有希だって無慈悲な宇宙人とかじゃないんだから、いきなり妙なチップとか埋め込んだりはしないと思うんだけど。あんまりビビると失礼よ?
「――違うってば……。だからね、わりと古典的な手法なのよ。
 ウソをつくのがバレてるから簡単な引っ掛けが含まれてんの。気付いちゃえば子供っぽい問題なのよ?
 それで、重要になるのがルール作り。始点と終点を曖昧にしながら、それでもシッカリ残してる」
 目をクリクリさせるみくるちゃん。ほんとに心配になってきたわよ将来。
「つまり――……アホキョン! なに盗み聞きしてんのよっ!」
 あさっての方向を向きながらイスごと近付いてきたキョンを蹴り飛ばす。
 キャスター付きだったから気付くのが遅れたけど、そのせいで壁まで滑走して激突。バカね。
 あいつも解らなかったみたい。部室に戻ってきた時もブツブツ唸ってたし。
 呆れちゃったけど、「同じセリフ」にちょっとだけチクンときた。なんでだろう?
 きっと呆れすぎたせい。ばかね。ほんとにバカキョン。同情を込めて優しく微笑んでやったわ。
 おっとっと、そうだった! 早いとこ表彰式をやっちゃってお昼にしましょう。
 さっきから「あれ? ほよ?」とか呟きだしたみくるちゃんはもう一押し……よね? キョンは一生悩んでなさい。
「つまり、『ウソをつく』は宣言でも合図でもないの。対になる合図が無いでしょう?
 有希はわりと無口だから、みくるちゃんも「始めてください」とか「お願いします」って言わなかった? そして「終わりましたか」とか聞いたんじゃない?
 これが始点と終点の対になる合図の一つ。もう一つは普段よりちょっとだけ大袈裟な二回の頷き。
 そしてウソはひとつだけ。わかるかね、ワトソンくん?」
 出題者の合図、回答者の合図。わざと二重にしたのは配慮なのかな。もしかしたら間違われるのが怖かったのかも。
 これが映画や小説だったら前後に事件が起こったり、ヒントっぽいセリフや大袈裟な情景描写を配置してミスリーディングを誘発するシーンかも。と、まぁ、この話題は古泉くん向きね。
 両手を打ち鳴らして「ああ〜、あぁ〜。あぁ〜ん、ハイハイ!」と少しずつ桜色に染まっていくみくるちゃん。

 ちょっ! ちょっとイロっぽいわよ? 有希が大人しいからって押し倒したらダメなんだからね?



 優勝者は長門有希。さすがはSOS団の万能少女ね。
 団長特製のオオカミイヤーを進呈する。大会のクライマックスなんだから注目してなさいよキョン!
 気付かれないうちに、とりあえず賞品の裏に『男はオオカミみんなオオカミ』と書き込んでおく。
 有希、あんたはかわいいんだから気をつけないとダメよ。
 ……に、似合うわね。凛と尻尾を立てた高貴な猫みたいよ? オオカミ耳だけど。
「よぉっし! じゃあ今日のウソウソ大会はココ――――」
 勢い良く閉会を宣言しようとしたんだけど……ちょっとキョン! なにジロジロ見てんのよ!?
 こっち見るな! なんか言いたいことでもあんの!? 言いたい……?
「そ、そうだわ! 天気も良いし中庭でお昼にしない? みくるちゃんが腕を揮ってくれたことだし」
 外で食べようかと考えていたの思い出したの。それだけよ。みんなも賛成してくれたみたい。
「古泉くんは先に行って場所を確保しと――」
「はいかしこまりましたおまかせください」
 みなまで言わせずレジャーシートを抱えて飛び出す古泉くん。そんなにお腹が空いてたのかしら?
 ちょっと顔色も悪かったけど太陽の下でゴハンにすれば治るわね。でもなんで携帯電話握り締めてんの?
 あたしの指示でみくるちゃんと有希も部室を後にする。
 お茶の入ったポットを抱いたメイドさんは、桜色満開でニコニコしてる。テレすぎよ。
 お弁当の詰まったバスケットを抱えた狼少女は、隙間を覗き込みながらクンクンしてる。前も見て歩くのよ。
 残ったバカっぽいしかめっ面は、二人を見送りながら廊下でウジウジしてる。気付きなさいよ。
40名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:22:52 ID:tGAmX+55
 部室の戸棚の中でゴソゴソしていた『ついでに発見した』紙コップを押しつけてやる。
 ホント気の利かない……。なんの為に戸棚の陰で髪をこうしたと思ってんの。
 ――もちろんゴハンの邪魔にならない為よっ! それ以上でも以下でも以外でもないわ!
「はい鍵!!」
 キョンは受け取ろうと手を出してきたけどちょっと場所がズレてる。
 どこ見てんのよエロキョン。こういう時は相手の目を見て――見んな!
「ハルヒ」
 チャリ、指先がちょっとだけ震えた。鍵が、落ちる。
 なによ?
「……いや、なんでもないぞ」
 ふん、見逃すと思ったの? 口を開く前に一瞬だけど目が変わったわよ。つまんないイタズラを思い付いたガキンチョみたいな目に。
 コイツは油断できないのよ。今みたいに不意に優しく微笑ってくるから、見逃すわけないじゃない。ほんとバカキョン。
「早くこないと全部なくなっちゃうわよっ!!」
 なるべく『無表情を装って』あたしは走り出した。もっとうまいセリフを考えなさいよ。
 頭の中でいろんな言葉がクルクルと踊り出す。ゲタ箱でのピットインを手早く済ませ日差しの中に飛び込んだ。
 正解は思い付かない。出来の悪い言葉遊び。でも、らしいじゃない?
 少なくとも、なにも感じなかったわけじゃないんでしょ。それでいいわ。正解なんて――
「やれやれ」
 ――わざとらしく呟いて追いかけてくる本人のみぞ知る、よ。
 さりげなく速度を調節しながら中庭に駈け込むと、見なれた顔が手を振っている。
 うん。良い場所ね。さすがは古泉くん。
 副団長自ら厳選した特等席。広げたシートの上でいつものスマイル。
 なんだろ? 科学実験室の方をチラチラ見てるけど、なにか暴れてんのかしら?
 みくるちゃんがバスケットからなにかつまみ出しては有希の口に運んでいる。
「これは自信作なんですよぉ」
「……おいしい」
 こらぁ〜! なに餌付けしてんのよっ。みくるちゃんも有希も団長を差し置いていい度胸ね。
 今日はみんな馬鹿ばっかり! あたしもそう。今日はずっと心臓が馬鹿になってる。
 春の陽気にあてられたのかしら? でもいいわ! こんな日があったって良いじゃない!

 あたしは二人の間に飛び込んでいった。

 願っていた――こんな日が、楽しい日々が、ずっと続くことを――強く、強く。
41名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:23:51 ID:tGAmX+55
『四月。あの一日』

わたしのきもち、あなたがすき―――――――。

日付の変更を確認して呟いてみた不思議な言葉。
今度は一人ずつ顔を思い出しながら呟いてみる。

わたしのきもち、あなたがすき―――――――。
わたしのきもち、あなたがすき―【エラー】―...
わたしのきもち、あなたがすき―――――――。
わたしのきもち、あなたがすき―――――――。

  昨日、ひとつだけ隠れていたウソ。
  騙したのは誰? 騙されたのは誰? 

わたしのきもち、あなたたちがすき―――――。

    本を閉じ、布団に潜り込む。
    休息形態のささやかな模倣。

わたしのきもち、あなたがだいすき―――――......。

   ……大丈夫。……目を閉じる。
   今日は夢を見るかもしれない。
  
      おやすみなさい。

42名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:25:47 ID:tGAmX+55
オワタ。埋め辺りに間に合わせたかったけど、
ハルヒ語りはなんか苦手なうえに、解説もゴチャゴチャしちゃって
43名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:53:35 ID:X5+dGTnY
乙です^^
古泉が大変そうだなwwwwww
44名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 02:21:52 ID:ly7GB71p
この流れで、長門vs朝比奈さん等々もお願いします
45名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 02:48:59 ID:y4E8bqUr
>>16
>『1行124文字60行』

ブラウザの使い方次第でいくらでも
読み方は変えられるから一行当たり文字数は気にしなくていいと思う。

一レス当たり、4096Bytes・60行が上限、ということを覚えておけば充分だよ。
2ちゃんねるブラウザ使えば簡単に出来るから
これの使用を推奨すればいいでしょう。


2ちゃんねる専用ブラウザ 「Jane Style」
ttp://janestyle.s11.xrea.com/
46名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 06:11:51 ID:tUp6pXEI
>>45
意外と、長い一文を書いた時に結構困る事態が……。>>16とは別人だけど。
 
谷川節で書くとたまに『。』一個使うのに長ぁ〜〜い『文』を使うし、
また、必要な描写の為に一形式段落の中に複数の文を組込む事もあるわけで。
意味段落として分散させたくない部分がどうしてもあったりすることも。
読みやすさを重視すると形式段落の軽視もやむなしだけど、そこは横書き掲示板だしね。
ただ、投下する時に一行の字数制限に引っかかると、焦ってヘンなトコで改行するはめに。

行数・容量はその通り。ちなみに半角2・全角4・改行6バイトのはず。蛇足だけど。
自動折返しを見ない一論理行で平均40字だとすると24行。60行フルに使うと、
一行平均で15字前後が容量限界。たぶん数えて投下してる人はいないだろうけど。
SSだとかなり行間を使った作品以外、なかなか60行まではいかないと思う。
自分だと、だいたい1レスで40〜50行かな。
 
読み方をブラウザで変えられるのは同意。
自分も、その日の気分と集中力で文字サイズや横幅を調節してる。
書き手によっては自前で改行を揃えてる人もいるけど、短い時はともかく、
読みやすい幅よりだいぶ長いときは、VIP系のまとめwikiとかでたまにある数文字しかない
次行みたいな感じで、ヘンな位置に改行が来て慌てて幅調節してるw

以前改行を揃えて投下した時、直前に誤字脱字を発見して手直しでエライ目に会ったんだけど、
使ってるエディターに選択字数で改行を揃えてくれる機能があるのかは謎だ……。
それと、改行揃えて投下したら、フォント次第で端が揃わない事に気付いて自動改行派になった。

テキストエディターで禁則処理してると、禁則文字を数え損ねて一行字数制限オーバーするのと
実験の時122文字だったから、120字辺りで余裕を持ったほうが良さそうです。

『容量4096Bytes・一行字数は全角で最大120字くらい・最大60行』語呂とキレが悪いか……。
『書き手の好みで改行をするのも揃えるもバッチリOK』。
書き手向けの内容だけど、テンプレ入りは悩むね。上手く改変できない。

で、長文だから小ネタかと思って読んだ人ゴメン。書き手さんの参考になればと書いてみた。

そしてゴメン。重ねて言うけど、>>16とは別人ですが、前スレで実験した本人。
あの時はマジゴメン。今までギコだったけど「Jane Doe Style」紹介してくれた人サンクス。
投下が楽になりました。今でも投下時は緊張に震えてるから、容量が見えるだけで随分楽。
47名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 07:41:50 ID:tFwEAo8O
・・・・
48名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 07:42:36 ID:dnG55l2z
なあに、この馬鹿?
49名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 09:03:52 ID:C2zHf++M
日本語が不自由な人なんだよ
春だから暖かく彼の成長を見守ってあげるべき
50名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 09:09:23 ID:cmo+8zK0
春は暖かくて好きなんだが、こういうのも湧くから困る
51名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 09:33:46 ID:tUp6pXEI
そうか? 長くてウザくて中学の教科書から抜いたようなアレだが
スレの役に立とうとアララやっちゃった〜、のかもしれん
俺は小ネタばっかであんま見ないが「長すぎる行があります」のエラーは結構焦るぞ

>>46 じゃなくて >>45に突っ込んでるならスマン 
52名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 10:27:07 ID:I49idQX3
「君はここから出る方法を知ってるらしいじゃないか」
「知らん」
「僕は橘さんから聞いているよ」
「………………」
「優しくしてくれよ?」くっくっくっ
53名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 12:27:34 ID:mxViCKHD
今まで投下された作品で、キョン×喜緑さんてある?
54名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 12:31:21 ID:z+G/dAp8
>>36
くるくる回転しながら壁に激突するキョンを想像して萌えてしまったではないか!!
GJ!
55名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 12:39:41 ID:mZ/wU1uR
>>53
記憶に無いな……。
二人がメインというだけならサマーデイトアグリーンデイがあるけど。
56名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 12:54:07 ID:ov7C8Nj5
「だからあたしとしては何とかして彼の協力を得たいのよ、佐々木さん」
「キョンはああ見えて義理堅いからね、正攻法じゃ多分無理だよ。だが橘さんは実についている。
周防さんだと逆効果だろうけどあなたなら、いやあなただけが使えるからめ手が一つだけあるわ」



 ……誰の仕業かなど考えるまでも無い。佐々木、お前の観察眼の鋭さは昔から知っていたが、
よりにもよってこいつに対してそのカードを使用するか。
「話を聞いてくれるだけでいいの」
 そう言って軽く首を下げる橘の後頭部で、首の動きにあわせて一房の髪が揺れ動く。
 前の時はツインテールだった髪を今日は一つにし、頭の後ろで纏めあげていた。
 美人ともベビーフェイスとも取れる橘の容姿と相成って、その姿は正直たまらないものだった。
「いやはや、実に判りやすい反応だ。君の反応を見ていると僕まで髪を伸ばしたくなる。僕がある日突然
君の前へ馬の尾結びの髪結いをして現れたら君は一体どんな反応を見せるのだろうね。こればかりはぜひとも
想像するより実体験したいと思うよ」



 そして二人で閉鎖空間へと(r
57名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 13:12:32 ID:7nBk5j7H
「馬の尾結びの髪結い」!www
佐々木なら言いそうだなぁ。

新キャラたちの脳内定着がいまいち進んでくれてなくて、
まだまだこいつら使ってSS書けねーわオレ。精進するっス。
58名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 14:24:22 ID:9vsvqzwD
四月。この一日
相変わらず分からん。誰か単純明快に説明してくれ。
59名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 15:18:28 ID:mxViCKHD
>>55
サンクス、見てみるわ
60名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 15:26:34 ID:kK2d2ylb
Style厨はなんでこう、空気も読めずどこにでも沸いてくるんだろ。
61名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 15:38:41 ID:8lA3/oq1
専ブラの話題で、普及率断トツナンバーワンのJaneStyleが
引き合いに出されるのは別に自然な流れだと思うが……
62名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 15:41:43 ID:tFwEAo8O
そういう所が、だよ
63名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 16:02:34 ID:kZWSsavj
そんなに気に入らないならスルーするなりNGワードに入れるなりしろよ
64名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 16:05:36 ID:wMk3J5za
ホットぞぬとギコナビとOpenJaneとJaneStyleなら使ったことあるけど、慣れるとStyleが使いやすいと思う。
65名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 16:09:06 ID:UDEMTeQl
>>56
GJ!
66名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 16:11:24 ID:8lA3/oq1
ギコ→Live2chと使って来て今JaneStyleと使ってるが
前二つにはもう戻れないな・・・
67名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 16:15:21 ID:P2t800Hf
下書も推敲も投下も携帯だから何の関係もない
68名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 16:46:35 ID:aBjNdIdR
>>53
涼宮ハルヒの日常
69名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 18:15:45 ID:Qh0v+T8W
>>53
ここではあまり記憶にないが、他のハルヒ関連のサイトとかでは意外に見かける。
エロいのは見たことないけど。
70名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 18:28:11 ID:P2t800Hf
『二人乗り』と『三人乗り』の作者さんは一緒なのかね
両方超楽しかった


キョン妹をハルヒか朝比奈さん、どっち側にキャラ付けするかが難しい
71名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 18:31:11 ID:NUzgP2Oa
>>53
涼宮ハルヒの妄想
72名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 20:07:42 ID:yQB8mZwz
>>55
あれは切なくてよかった。

ところで、古泉が「TFEI端末と戦えるとは光栄です」とか言って偽長門を体当たりで吹っ飛ばすSSってどんなタイトルだったっけ?
73名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 20:33:03 ID:A2tmGjs9
消失世界での佐々木とか、橘とかはどうなってるんだろう?
74名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 20:39:20 ID:ZSW0bj/S
キョンを階段から落とした奴も出てくるかもね
75名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 20:47:37 ID:mlZfij2l
>>74
消失100回くらい読み直してこようぜ
76名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 20:49:01 ID:Ji/etNvy
>>58 長門の嘘なら

「始めてくれ」・コクリ ←始点A・B
『嘘を吐く。      ←嘘
 あなたが好き』   ←本当
「終りか?」・コクリ  ←終点A・B
77名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 21:18:59 ID:NUzgP2Oa
>>75
釣られんなよ
78名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 21:20:44 ID:F7HsFG6r
佐々木「キョン…僕と ヤラ ナ イ カ」
79名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 21:42:56 ID:7nBk5j7H
>78
「何をだ、オセロか?俺はそこそこ強いぞ?」(いそいそと盤を出す)
「君は本当に変わってないな、そういうとこ」
80名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:03:27 ID:A2tmGjs9
>>79
そこまで空気読めないと疑心暗鬼になるなw
81名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:04:37 ID:DlNUe0Jd
>>70

どっちも「ノドアメ」さんじゃなかったっけ?
82名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:08:55 ID:lUDZlgrF
>>80
いや…やつは確信犯だ
83名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:10:34 ID:N1k1tL9H
九曜って髪の毛ほんとにすごいけどな
やっぱ下のほうもすごいんだろうか
ポニーテールが編めるぐらいに
84名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:18:30 ID:F7HsFG6r
ボニーテールってレベルじゃNEEEEEE
佐々木×キョン、佐々木×橘、佐々木×ハルヒで言葉攻めとかなかなか面白そうなんダナ
85名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:31:15 ID:Mb9qroXV
思ったよりアッサリ平穏に戻ったスレ
騒いだほど新刊SSこないな
86名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:49:28 ID:9vsvqzwD
>>76
ありがとう、すっきりした。
87名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:52:10 ID:RSeJpz5d
新設定で行くのは驚愕が出てからの方がやりやすいだろうしね。
エンドレスエイトに絡めた話みたく、IFの話がいっぱい来ると予想。
88名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:56:07 ID:PUrOnNDa
>85
結局、発売日当日に分裂を買えない一部のヤツが、過剰に騒いでいただけだろう。

SSについては、新キャラ・設定の消化中か、驚愕待ちなのでは。
俺は後者。
89名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:58:19 ID:hgxEjcD5
わざわざぶり返さそうとするのはやめてくれ。
ここは釣り堀じゃないんだから。
90名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:59:09 ID:8+MF+Xhm
>>89
ラノベ板には負けるw
91名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:59:21 ID:llkoEJIH
つーか、レス釣りじゃね?色々なハルヒ関連スレで似たようなレス見かけたし。
レス飽食とか、荒らしが目当てとか。
92名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:02:44 ID:1Q7SZ/ql
どうにかしてキョン×橘で書きたいんだが意外と難しくてできない。

きっと二人がデートする場所は閉鎖空間になるんだろう、という妄想だけ。
93名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:04:05 ID:fqZ/zG7k
実のところ、驚愕で事件が落着しないとキャラが掴めません。
94名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:04:44 ID:9aY9kf1Y
橘か…
頑張っている女の子ってポイント高いな
95名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:13:15 ID:0hnGP2ML
あの空回りっぷりが、同情を誘うなぁ。
96名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:15:44 ID:fqLmgqtb
ミヨキチの出てくるおすすめSS教えてくれ
97名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:16:10 ID:7583TxL0
キョン×橘期待ハァハァ
98名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:47:19 ID:KwmLQFIB
佐々木の女口調ってどんなのか妄想出来ない
僕娘のままなのかねー
99名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:48:19 ID:Y4+6nPOE
橘には橘閉鎖空間ってのがあるからな…
それはエロに使えそう
100名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:52:17 ID:vuxPTMCg
>>98
ハルヒに使ってたよ
101名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:01:14 ID:h7LDgrgi
>70
同じ人。自分のサイトに今までの作品まとめてて、そこに『一人乗り』もある。
ちなみに『少年オンザ』や『非単調』とかも書いてる神。
102名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:08:51 ID:d721VSol
ちくしょう! 今日は投下無かったのか! ちくしょう!
103名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:15:54 ID:fqLmgqtb
みんな新キャラに夢中なのね・・・
確かに佐々木はかわいかったけれども
104名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:21:42 ID:Tfj6q6qw
パンジー藤原!藤原パンジー!
105名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:24:18 ID:M9cpj4W2
>>103 古いのはとっさに題名が浮かばなかった。
前スレ、前々スレ辺りで何個かあったはず(小ネタ含)
最近のでいいなら 42-692様: 『彼女がときめく時』
43-765様: 埋めネタ とその改変の 44-143様: 吉村美代子の異常な浴場

どっちもエロだったはず
106名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:28:54 ID:IHnNwwnO
>>96
『ミヨキチの純情』は名作だよ
107名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:32:47 ID:qSGqKwTv
>>101
そうか!やはりあの方か!
『少年オンザ〜』や『非単調〜』は彼の人の代表作として度々登場するが、
『〜乗り』シリーズもまたすばらしい作品であった

一人の作者を誉称するのは禁忌とされてはいるが、
彼の人には感嘆の念を禁じえない

願わくば個人サイトの場所を教授してほしいところだが、
それはさらなる禁忌故、自力で探そう

そなたに感謝を
108名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:47:50 ID:fqLmgqtb
>>105>>106
お前らに感謝を
109名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:51:19 ID:Ifd3SwqA
それにしても佐々木はやばいな
ハルヒを裏切っちまいそうだ
110名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 01:52:34 ID:vuxPTMCg
>>109
最初から挑発してるやん

「親友」
111名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 02:10:59 ID:MFUQ9nMV
俺はどうにも佐々木は好きになれないな。
112名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 02:16:36 ID:CtZjeSoZ
橘さんや九曜やパンジーはどうでもいいけど佐々木はガチ
113名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 02:22:19 ID:Ifd3SwqA
>>110
裏切るってそういう意味じゃないってw
114名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 02:25:30 ID:Tfj6q6qw
新キャラのツボ
橘派 佐々木派 橘佐々木両手に花派 昆布派 パンジー藤原派

さああなたはどれ!
115名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 02:26:14 ID:fqZ/zG7k
梅ちゃん派
116名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 02:52:19 ID:9VkyY71w
一樹派
117名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 02:55:31 ID:S66umuD5
橘派だな
それにしても、パンジー藤原って反抗期の子供みたいに見えるんだよね・・・俺だけ?
118名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 03:01:25 ID:4qjxiN5f
未来ではアレが一般的な青年の態度なのかもしれんぞ。
みくるは現代人の振る舞い方の教育を受けているとか。
119名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 03:07:15 ID:U5Cg4DRu
投下します。
分裂の佐々木とSOS団の顔合わせのシーンからのパロディーです。
120涼宮ハルヒの汎化:2007/04/05(木) 03:11:49 ID:U5Cg4DRu
「それ、誰?」
「ああ、こいつは俺の……」
 と、俺が紹介を言いかけた途中で、
「恋人」
 佐々木が勝手に解答を出した。
 それは俺にとってもあまりにも予想外の解答だった。一瞬、その場の時が凍った。マジで呼吸すら止まりかけた。唯一動けた佐々木がSOS団のメンバーに会釈する様が目の端を掠めた。
「さ、佐々木、何言ってるんだよ!」
 俺がいち早く解凍されたのは、佐々木という特殊な性格に慣れていたせいだろう。しかしハルヒのように恋愛を精神病の一種と断言したこいつがこのようなことを言うなんて、それなりに親しかった俺ですら予想の斜め上だった。
 佐々木は興味深そうにハルヒを眺めていたが、ちらりと俺に視線をやり、
「キョン、言葉通りの意味だ。といっても中学時代の、それも三年のときだけどね。そのせいかな、薄情なことに一年間も音沙汰なしだった。これはお互い様だが」
 今度は長門のほうへと視線を向けている。
「ちょ、ちょっと! キョン、どういうこと?」
 ようやくハルヒが復活した。その顔は激情のあまり真っ赤に染まっている。まずい。しかしな、ハルヒ、俺にも事態が飲み込めないんだよ。
「説明を要する。説明して。今すぐ」
 な、長門さん、なんでそんなに絶対零度の眼なんですか。怖すぎます。
「キョン君、お付き合いしていたんですか……?」
 朝比奈さん、そんな寂しそうな眼で見ないでください。これは佐々木の妄言です。
 古泉は……青ざめた顔でぶつぶつと何か呟いている。世界、終わり、崩壊など物騒な言葉が聞こえてくるのは、この場を和ませようとする軽い冗談だよな。うん、冗談だろう。……冗談だよな?
 俺は溜息をつき、今度は朝比奈さんを眺めている佐々木を見た。
「佐々木、俺はお前とそのような仲ではなかったと断言できるんだが」
「キョン、僕は主観と客観は個別のものとは考えていない。二つは互いに関連していると思うんだ。二つは競い合うように他方を従属させようとしているんだよ。まあ、結果としてどちらがこの事象の要因となっているのかはこの際関係ないがね」
 佐々木は低く笑いながら俺を見た。何を言いたいのかさっぱりわからない。
 第一、この中の誰かと俺がステディーな関係だったらとは考えないのか? もしそのような女性がこの場にいたら修羅場発生だぞ。残念ながら朝比奈さんとはそのような関係ではないが、一体こいつは何を考えている。
「佐々木、なるべく端的に答えてくれないか」
 すると佐々木は、なぜか落胆したように溜息をついた。なんだ、その出来の悪い生徒を見る教師のような目は。
「まあ、待ちたまえ、キョン。君も知っての通り僕は内向きの性格の人間だ。自分というものを客観視するべく努力してきた。自分という主体を客観視するには、当然それ以外も客観視し理解するべく努力する必要があるだろう」
 佐々木は一旦言葉を切り、俺の眼をじっと見つめた。俺は佐々木の瞳に真意を見出そうとしたが、その瞳はただ輝いていることしかわからなかった。
 その客観視しようとする対象に俺は含まれているのか。俺という人間を客観視できているのなら、元恋人なんていう戯言は出てこないはずだろう。俺に対してだけ少し盲目的じゃないのか。
「そこでだ、キョン、中学時代の君と僕との関係を客観視した場合、僕たちは中学生らしい実にプラトニックな男女交際をしていたと考えられるんだよ」
「俺とお前のどこが?」
 断言する。そのようなものではない。
121涼宮ハルヒの汎化:2007/04/05(木) 03:15:07 ID:U5Cg4DRu
「君は女性の性分というものをあまり理解していないようだね。そしてその本能も」
 お前はこの場の雰囲気を全く理解していない。
 佐々木はハルヒたちを一瞥し、俺へと視線を戻した。
「キョン、僕は現実世界において理性や論理というものを非常に重視している。僕自身、常にそれらを体現したいと考えているんだ」
 ああ、知っているさ。だからそれとこの状況がどう関係するんだ。
「ただ実際問題、僕程度ではそんなことは不可能だ。ならば自身に感情というものがあることを自覚し、不愉快なことはなるべく排除してそれに近づこうとしているんだ。そんな僕がいくらバス代を」
「もう、さっきから鬱陶しいわね! 結局あんたはキョンとどういう関係なのよ!」
 ついにハルヒが爆発した。佐々木の言葉を遮った語気は非常に荒く、その眼は仇敵を見つけたかのように激しい感情で満たされている。
 長門も敵意をむき出したかのような瞳で佐々木を見つめ、朝比奈さんも可愛らしく眉を吊り上げていらっしゃる。そして古泉は燃え尽きた真っ白な灰のようになっている。ああ、一体どうなっているんだ。
 佐々木はどこか慇懃無礼を感じさせる笑みをハルヒたちに向けた。
「つまり、だ。僕は本能的にキョンを求めている」
 誰かが息を呑む音が聞こえた。こいつはどういう意図でこのような理解不能なことを言ったんだ。全く意味がわからないし笑えない。
 俺たちの間に深い静寂が訪れた。
 周囲を歩く人たちは俺たちを訝しげに見ているが、一体俺たちはどんな風に見られているんだろう。美少女四人の姿は非常に目立つ。しかも敵対するかのごとく睨み合っている。
 おいおい、これじゃまるで浮気相手との密会を見られた男のような状況じゃないか。ああ、周囲の視線が痛い。不躾な眼で見てくる通りがかりの連中に、俺は身の潔白を叫んでやりたかった。
「それは我がSOS団に対する宣戦布告と取ってもいいわね」
 口火を切って静寂を破ったのはハルヒだった。その語気は先ほどと打って変わって大人しかったが、感情を押し隠そうとしているのがバレバレだった。
「ええ、そう取って頂いて結構です」
 佐々木は不敵に笑った。
 ハルヒはずいと前に出ると、俺の腕を掴んで引きずるようにして歩き出した。おい、ハルヒ、人を引っ張るな。そんなことしなくても俺はSOS団の方へ行くよ。俺はSOS団その一だからな。
「キョン」
 後ろから佐々木の声がかかった。
 ハルヒと俺は歩みを止め、佐々木のほうを振り返った。
「同窓会楽しみにしているよ。また会おう」
 佐々木が笑った。その表情はどこか偽悪的でもあり無垢でもあった。
 佐々木は改札口へと向かい始めた。しかしすぐに立ち止まり振り返った。
「キョン、僕は君が変わっていないと言ったが少し訂正する。昔より背中が大きくなった。じゃあね」
 佐々木は手を振り、再びくるりと向きを変え今度は一度も振り返らず改札口へと飲まれていった。
 ふー、やれやれ。佐々木は結局何が言いたかったんだ。俺にはさっぱりわからない。相変わらず変な奴だ。
 って、い、痛い! ハルヒさん、あなたどんな力で俺の腕握っているんですか!
「キョン、色々聞きたいことがあるんだけど」
 呆けたように佐々木の後姿を見送っていた俺の背後から、おどろおどろしいハルヒの声が聞こえてきた。
「な、何だ、ハルヒ?」
 振り返るとそこに三柱の羅刹がいた。
「キョン」
「……」
「キョン君」
 夜叉たちは示し合わせたように同時に、
「死刑」
 声が重なった。
 やれやれだ。 

122名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 03:47:47 ID:q7XOXUMd
>>117
斜めに構えた俺カコイイ、みたいなアノ雰囲気のことか。
キョンとは大夫違った感じだ。
斜めに構えた俺アホスな開き直りしてるくせに、最終的には真っ向勝負に出るあたりが、キョンの一番の魅力だと言えるだろう。



そんな彼の真摯さに、純情乙女の心臓は爆発寸前さ。
もし、この場所に僕と君以外の人間がいなかったのなら、今すぐにでもその手を取って求婚しているぐらいなのだが。

「お前、さっきからなにブツブツ言ってんだ」
おっと、いけない。どうやら自覚しないままに声に出してしまっていたらしい。
もし聞こえてしまっていたなら、今のことは君と僕との間"だけ"の、ささやかな秘密ということにしておいてくれ。
「アホか。なにが二人だけの秘密か。
 そんな秘密は、そこに突っ立っているニヤけ面の顔面筋肉構成と同じぐらいどうでもいい。
 どうでも古泉じゃ、ますますもってオセロの相手にはならんだろうから、さっさと一局付き合ってくれ」
なんとこれは、"付き合う"とは。
この蜂蜜のように甘く溶ける福音のような言葉を、もう少し違う状況で聞ける機会があるというのなら、
僕の脳髄はアフリカにおけるイギリス軍前線並の勢いで、桜色の電撃戦を繰り広げてしまうのは確実だ。
この素晴らしい感情を端的に例えるなら、脳が桜色に染まってしまうということなのだが―――

「 と っ と と 座 れ 」
「もちろんだとも、キョン。君の誘いならば、僕は謹んで……ゴホン……お付き合いをさせていただくとも」
年頃の女子高生として、"付き合う"という単語に過剰反応してしまうのはいた仕方がない。
………そうだろう?理解しておくれよ。





「??? わたし、どこかで似たような光景を見た記憶があるんですけど」
「……両者の思考波長の一部は極めて酷似している」
「自分がこういうのもなんですが……お似合い以外の何物にも見えませんね。
 この場に彼女がいないのは幸運ですが………果たして、これからどうなるのでしょうか」
123名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 04:13:41 ID:yBHRzj/9
>>121
新登場キャラを含めた、いつも通りの展開に持ち込みましたね。
いつも通りついでに、乱交にまで発展しないものか……。

>>122
どっちかというと、中河を思い出したw
124名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 06:45:44 ID:qSGqKwTv
 と、いうわけで『一人乗り〜』を読了

「よもやこれ程とは…」

 今思えば、キョンは中学時分の頃から「女子と、肩を並べて下校」していたわけで
 「憂鬱」でさも憧れを抱いてるかのような発言をしているのはやはり、キョンがキョンたる所以なのだろうか

 正直自分でも何が言いたいかさっぱりわからないが、いつものように日がな無為に活動するSOS団の文芸部室で、
 古泉相手にチェックメイトをかけたキョンが何気無く
「退屈だなぁ…」
とか宣ったらどうなると考える?汝等
125名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 07:21:46 ID:NK3DAPvY
ええーっと・・
126名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 08:23:16 ID:YLgnXjJ7
えれーっと・・
127名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 08:38:59 ID:qSGqKwTv
可哀想な人を見る目が見える…
128名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 08:50:49 ID:bSebGAzI
>>75
あー、それ俺の書いたやつだ
「痛いの」とかそんな題名だったと思う
129名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 08:54:44 ID:bSebGAzI
すまん>>72だな
13072:2007/04/05(木) 09:16:40 ID:oVRNWX5j
>>128-129
作者本人からレスをもらえるとは光栄です。
古泉が超能力使って活躍する珍しい話だったので印象に残ってました。
しかしまあ、道理で見つからなかったはずだ‥‥‥三文字とは。
131名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 09:36:18 ID:c4F2H+oU
>>121>>122
GJ!
佐々木らしさが出てていいな
132『春だからか?』:2007/04/05(木) 09:57:35 ID:KwmLQFIB
ハルヒがぐーすか寝ている。

「チェックメイト」
はー、なんか退屈だな。
……どうした古泉、そんなに目を見開いて。
うおっ長門までなんだ、そんなに俺を見つめて。
「はい、お茶です。……??」
あ、どうも、朝比奈さん。二人の様子に朝比奈さんまで動揺している。
気付けば長門が本棚の前に立っていた、何時の間に。
古泉に目を戻すと本を読んでいた。サルでも分かるチェス入門?なんだそりゃ。
「もういいのか?」
本に夢中でこっちの話を聞いてない、仕方なくチェスの道具を片付ける。うお、こいつ赤線まで引いてるぞ。
道具をしまって自分の席に戻る。ジャンプ並みの厚さの本が五冊ほど置かれていた、長門か?
俺何か変な事言ったか?。

ハルヒの右腕が机から落ちた。
133名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 11:02:11 ID:/a8VIf3l
分裂出たから久々に覗きました。

「少年オンザ〜」その他もろもろ読んだけど、この作者さんすごいな…
134名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 11:49:17 ID:o47AGqsT
>>121
GJ
原作でも佐々木がこれだけやってたら祭りだったね
135名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 15:27:14 ID:ytyHemXk
【涼宮ハルヒの驚愕】のネタバレ?原作者インタビューで失言
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/cosp/1175334254/l50

   うはwww長門が本当は異世界人ってほんとかよwwww
136名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 15:31:12 ID:IxGVp2sj
専ブラでバレバレユカイ
137名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 17:00:47 ID:NljM5j99
コスプレじゃね・・・
138名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 17:53:03 ID:4qjxiN5f
もう少し捻って欲しいな。

【涼宮ハルヒ】谷口の元カノが周防だった件

今度は間違えないって谷口カワイソスw


……とか。
139名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 18:32:37 ID:mk54gAuj
「四月。〜一日」読んだ。GJ!
キョンサイドとハルヒサイドで、重複するとこの書き分けが上手いな

>>121
佐々木口調うめぇ!

>>122
スマン…女化谷口かとおもた
140名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 18:44:00 ID:mpLpG56o
不自然な出会い方をした彼女か……可能性はあるな
141名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 21:26:10 ID:FbHlk/p6
SOS団
ハルヒ「キョン!私とヤリなさい!」
朝比奈「キョン君私とエ、エ、Hして下さ〜い!」
長門「………して」
佐々木団
佐々木「なぁキョン、僕の初めてをもらってくれないか?」
橘「キョンさん、わ、わ、私を食べて欲しいのです!」
供養「―――セックス、励む―――」
142名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 21:31:49 ID:kSG0Kpph
>>141
橘がかわいい
143名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 21:38:04 ID:2vIsxAXn
>>139
女体化国木田かとオモタ。だってわざわざキョンと同じ学校を受験してるんだぜ!
>>140
あれと意思疎通してクリスマスデートとか無理じゃないか?
144名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 21:44:20 ID:3E4BcyBU
139のは佐々木だよな?
145名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 21:48:31 ID:Uw+CXWJJ
「あなたの―――ピ――は―――とても―――大きいね――」
146名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 21:49:30 ID:4qjxiN5f
>>143
でもほら谷口だし。光陽園女子だし。
消失の時、谷口の彼女が消えた理由にもなるし。
147名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 22:03:07 ID:dVJlIBhH
光陽園女子の制服のリボンって灰色だっけ?
九曜が着ているのに何か違和感感じた
148名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 22:06:24 ID:Uw+CXWJJ
>>146
そ れ だ !

でも岡本っていう伏線がまだ…
149名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 22:28:38 ID:YOnNB1ok
>>143
まて、逆に考えるんだ。

それまではちょっと世間知らずなだけだった宇宙娘が、
谷口の激しいプレイのせいで、ああなったのだと…

逆に考え……鬼畜め
150名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 22:32:58 ID:ts6whYjE
>>149
最初は消失長門みたいだったのに谷口が
あんなことやこんなことをしたせいでああなったのか
ちくしょうド変態め
151名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 22:36:18 ID:4qjxiN5f
「WAWAWA忘れ物〜」
「───音の──振動……メッセージ──」
「おう、人は楽しいと歌うものなのさ! 今の俺みたいに!」
「心地──良い……」
「歌ったらもっと気持ちいいぜ! WAWAWA忘れ物〜」
「───WA……WA……WA──」
「どうだ?」
「───すてき──」
152名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 22:40:15 ID:zAiLIY/B
れ、れれ冷静になれ!ぽまえら!!
た、たたた谷口にそんな甲斐性あるわけないじゃん!?
153名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 22:57:22 ID:7CKq/qbY
谷口に甲斐性なんか与えちまったら、影が薄くなるんじゃないか?
154名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:17:46 ID:7CNobJpv
なんか九曜が谷口の元カノってほんとにありえる気がしてきた
今度は間違えないって何を間違えないんだろう?って思ってたけど
谷口とキョンを間違えてたって考えれば辻褄合うな

でもこれって今後のストーリーの鍵になるようなことじゃないよね
155名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:22:30 ID:xmU+UZRr
周防の口説き文句はそのまま谷口の受売りっぽいし
156名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:24:36 ID:IxGVp2sj
ちょっと谷口を三枚下ろししてくる
157名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:29:10 ID:m3iD6oF1
周防九曜の「今度は間違えない」はいろいろ解釈が別れてるからなぁ。

谷口自身にも疑いがかかってたりする。
ずっとハルヒのクラスメートとか、長門と朝倉の戦いの後の登場のタイミングとか。
谷口って意外と橘の方の組織と繋がってたりするのかも。
それで周防と接触できたとか。
158名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:30:31 ID:kSG0Kpph
谷口ラスボス説
159名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:31:49 ID:IxGVp2sj
ネタバレ

谷口 = 谷川
160名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:32:25 ID:x8tC3tLx
αの後輩って勿論ポニテだよな!?
モチのロンだよな!?
ハルヒshit!!!!だよな!?
161名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:32:51 ID:xmU+UZRr
縦ツインにございます
162名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:32:59 ID:4qjxiN5f
「俺はそんな外道じゃねえ! いいかキョン、それに国木田。俺は女性には常に紳士であり続ける男なんだよ」
 なあ国木田、今日何日だ?
「五日だね」
 そうか。聞いたか谷口、ウソは良くないぞ。
「殴るぞお前ら」

「でも谷口ってほら、すぐ女の子にセクハラしそうに見えるし」
 がっついてる感はあるな。
「初めての相手に後ろとかも強制したり」
 無理矢理胸で挟ませようとしたり。
「クリトリスを剥かなきゃいけないと思ってたり」
 何故か最後は顔に掛けたりとかしそうだよな。
「え? それ普通だろ?」


 …………。
「…………」
 ……あー、俺も一応紳士だと思ってるのであまりこう言った猥談を女性に振るのは憚られるのだが
「でもやっぱ参考までに意見を聞いてみたいよね。今の谷口の意見どう思う、女性代表の涼宮さん」
「は? 涼宮?」


「谷口……悪い事言わないからあんた捕まる前に死んだ方がいいわよ」
163名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:33:13 ID:IxGVp2sj
七三分けでございます
164名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:38:56 ID:kbdqtnwq
「WAWAWA忘れ物〜」
「谷口君…歌好きなのね。」
「おう、人は楽しいと歌うものなのさ! 今の俺みたいに!」
「あ、あのね…歌が好きならコーラス部にはいらない?」
「いいぜ! WAーWAーWAー忘れ物〜♪」
「…………」
「どうだ?」
「やっぱり遠慮するなのね」
165名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 23:53:13 ID:fqZ/zG7k
さて新刊も出たことだし、さっそくネタ使わせてもらうとするか

とりあえず 石丸vs媛 あたり
166名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:04:13 ID:6sEFapJ4
>>154
谷口「WAWAWA〜〜♪忘れ物〜♪」
九曜「WAW――AWA――――忘れ――――物――――」

こうですかわかりませ(ry
167名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:05:01 ID:ImUZEW/9
投下させていただきます。10〜15レス予定
分裂ネタはありません。
168名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:05:44 ID:lA4HBmOA
「昼下がりの公園デビュー」

ちょっと興味あるけど絶対欲しいわけではないものがあるとする。この場合小説ね。買うかどうかは少し立ち読みし
てから決めようと近くの本屋へ行く。ところがその本がない。あたしは困ったことに絶対欲しいわけではないのにい
ざそれが見当たらないと何がなんでも探したくなってしまう。
春休みまで後少しのある休日、そんなわけであたしは本屋をハシゴしていた。四件目の本屋でようやく目当ての本を
見つけると中身を見ることなくそれをレジに運んだ。
「これって衝動買いになるのかしら」
微妙な後悔の念に駆られながらも早く読みたくなってきたあたしは目の前に見えてきた公園に向かうことにした。
初めて入ったその公園は大通りから外れているもののなかなか設備が行き届いていて、遊具はぱっと思い付くものが
一通りあってベンチもあった。そのベンチに座って休憩がてらこの小説を読もうかしらと思ったとき、それが視界に
入った。

クラスであたしの前に座る甲斐性なしとその男に抱き着いている少女が。

「にゃあ、にゃー」
この声は甲斐性なしのものではなく猫耳カチューシャを頭につけた少女のものだ。猫の声まねっていうとこの子みた
いに『にゃー』が一般的だけどあたしには猫の声は『なぁーお』って聞こえるのよね。だからあたしが猫の声まねし
たら…ってそんなことよりあのバカ何やってんの?!
「こぉらーっ!このエロキョンっ!」
169名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:06:20 ID:ImUZEW/9
歩く速度を二倍にして真昼間から淫行を働く馬鹿団員に近づいて行った。キョンは淫行の現場をこのあたしに押さえ
られたというのに全く動じていない。びっくりしているのは猫耳カチューシャをつけた少女のほうだった。その少女
はあたしを見るなりキョンの後ろに隠れた。
「おーハルヒ。どうしたんだこんな所で」
まるでうろたえる様子もないその顔に
「どうしたんだじゃないわよ!」
一体あんたその可愛い少女にナニしたのっ?どうせ無理矢理動けないようにしてイタズラしようとしてたんでしょ?
「は?なに言ってんだ?」
まだしらばっくれる気?淫行の現場はこの目が目撃してるの!あたしはね、あんたのこれからの暗い未来より我がS
OS団から淫行犯罪者が出たことのほうが重大な懸案事項なの!あたしは宇宙人や未来人とは仲良くなりたいけど淫
行犯罪者とは仲良くなりたくなんかないわ!…んー、でも待ちなさい。いいこと思い付いたわ。
「あのー、ハルヒ?」
黙りなさい。そうよ、あんたこれから卒業するまでずっとあたしの荷物持ちになりなさい。学校へ行く時も帰りも、
あんたはあたしの三歩後ろであたしの全ての荷物を持つの。もちろんあたしの家から学校まで往復よ。そうすればあ
んたを監視もできるし、うん、そうしましょう。そしたら今回の件は内密にしてやってもいいわ。
「お、おいちょっと待て。勝手に誤解して勝手に妄想するんじゃない!」
まくし立てるあたしに遂にキョンの顔に困惑の色が出て来た。人の親切を妄想とは失礼ね!それに誤解ってなにが誤
解なの!さっさとこのあたしに説明なさい!
じりじりとにじり寄るあたしにキョンはサバ折りされた力士のようにのけ反っていた。その後ろで猫耳少女が口をパ
クパクさせている。
170名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:07:10 ID:ImUZEW/9

「キョンくーん!ミヨちゃーん!」

あと一歩でキョンの背骨が折れそうな時、聞き慣れた女の子の声が耳に入ってきた。
「あっハルにゃんだあっ!」
ジュースを三本胸に抱えたキョンの妹ちゃんだった。

「なあんだ。それならそうと最初から言いなさいよ。相変わらず口ベタね」
「誰が口ベタだ。おまえが勝手に誤解して熱くなってただけだろうが」
「熱くなってなんかないわよ!」

キョンは妹ちゃんの友達のこの猫耳少女と劇の練習をしていただけだった。妹ちゃんによると今度六年生になる妹ち
ゃんの学年は『新一年生を迎える会』で劇をすることになったらしい。それで妹ちゃんの友達がその劇に選抜された
ので、その練習に付き合ってるのだそうだ。キョンもご苦労なこと引き受けてるけどそれにしても最近の小学生はマ
メなことするわね。
「さ、解ったらその定位置からずれた眉毛を元に戻してくれ。ミヨキチが萎縮してるだろ」
猫耳少女は相変わらずキョンの背中に隠れて恐る恐るあたしを見ていた。そんなに驚かせちゃったかしら?それもこ
れもキョンが紛らわしいことするからよ。
それにしてもこの子小学生の割に背あるわね。それに細くてスタイルもいい。
「…みよきち?あなた、ミヨキチっていうの?」
頭の中の記憶の引き出しに手がかかった。
「ひえっ?!いえそのっ、それはあだ名で…」
妹ちゃんの同級生。小学生の割に背が高くて細い。あだ名。ミヨキチ…
「あなた、ひょっとして吉村ー、」
とまで言いかけた時
「うわあああっとハルヒ!そうだこの子を紹介し忘れてた!この子は俺の妹の同級生で吉村美代子っていうんだ!」
キョンが大声であたしの声を掻き消した。電池を入れ替えたミニ四駆のようなすばやさでその子の後ろに回って肩に
手を置き
「ほ、ほらミヨキチ、せっかく会ったんだから自己紹介くらいしとこうな」
どことなく引きつった笑顔を向けられたのにも関わらず
「そ、そうですね」
律義に笑い返す女の子。そのしぐさには妹ちゃんのような幼さがない。やっぱりこの子キョンが文芸部の機関誌に載
せる為に書いた恋愛モドキ小説に登場するあのミヨキチって子ね。
171名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:07:52 ID:ImUZEW/9
「はっ初めまして涼宮ハルヒさん。私、吉村美代子といいます。ミヨキチって呼んで下さって結構です。」
マナー教則本に載っていそうな綺麗なおじぎをされて
「あ、いや、こちらこそ」
つられてあたしも頭を下げてしまった。しかし
「なんであたしの名前を知ってるの?」
キョンの顔を見た。キョンは我関せずという表情で人差し指をある方向へ向けた。
「にゃはは〜」
妹ちゃんか…
「ミヨちゃんがね、キョンくんのクラスにはどんな女の子がいるのって聞いてきたから教えたんだよ」
それはいったい何の目的なんだろう。
「妹がどこで何話してるかまでは俺も把握できないしな」
じゃれ合う小学生二人の横でキョンが肩をすくめた。ということはあたしのことだけじゃなくSOS団のことも知っ
てるってことかしら。
「でもあたしの顔を見るのは今日が初めてじゃない?えーっとミヨキチちゃん」
するとミヨキチちゃんはすぐに顔をあたしへ向き直し
「はい。でもさっきのお兄さんとのやりとりを見て解りました。」
やり取りとは?
「涼宮さんについてのお話を色々聞いているうち、きっと涼宮さんという方は明るくて活発な人なんだって想像して
いたんです。」
妹ちゃんあたしのことどう話してるのかしら。猛烈に気になるわ。
「だからさっきすごい勢いでお兄さんに詰め寄って来たのを見て…。私びっくりしちゃいましたけど」
そう言ってにっこり笑った。その笑顔にはなんの嫌味もない自然な香りが漂っていた。あたしの噂を聞き出そうかと
思ったけどなんかやる気が失せてしまった。
「そうなの。まあ説明が省けてちょうどいいわ。よろしくね、ミヨキチちゃん」
あたしはミヨキチちゃんと握手した。その手はとても華奢であたしよりずっと女の子の手だった。参ったわねこの子。
嫌味がないからかえってやりにくいわ。
172名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:08:35 ID:ImUZEW/9

「おいハルヒ。くれぐれもあの小説のことはミヨキチに話すなよ」
キョンが耳打ちしてきた。キョンはミヨキチちゃんを小説の題材にしたことを本人に話していないようだった。そん
な似合わない真顔で頼んでこなくたって喋らないわよ。
「あんたの分のジュースで手を打ちましょう」
こうして妹ちゃんが買ってきたジュースは女性陣だけでおいしく頂くことになった。
「金は俺が出したんだぞ」
ぼやくキョンにミヨキチちゃんが自分のジュースを分けようとしたけど、それは全力で止めた。飲みかけのジュース
を他人に勧めるのは良くないといくら諭しても当の本人はポカンとしていた。そんなとこだけ小学生に戻るなんてず
るいわよ。
「だからね、それは間接、」
とまで言いかけて慌てて口を紡いだ。あたし一人だけ騒いで馬鹿みたいじゃないの。すぐさまジュースの飲み口に口
をつけて、残りを一気飲みした。結局キョンは公園の水を飲んでいた。

「キョン、あたし暇だから劇の練習の見学させなさい」
キョンがいつミヨキチちゃんに発情するか解らないし。あたしは監視係よ。
「おまえ、何かの買い物の途中だったんじゃないのか?」
言われて小説の入った紙袋を手にしていることを思い出した。そうだ、この小説を読もうと思ってこの公園に入って
きたんだったっけ。
「ああ、これはもうどうでもいいのよ。それよりあたしがここにいれば色々ミヨキチちゃんにアドバイスできるかも
しれないじゃない。なんてったってあたしは映画を創った人間なんだからね!」
監督、脚本、演出なんでもできるわよ。キョンはミヨキチちゃんと一言二言何か話した後
「ま、せいぜいミヨキチの邪魔だけはすんなよ」
と答えた。ていうかさっきからミヨキチちゃんとあたしに対する態度か違いすぎないかしら、このバカキョン。

「にゃあ、にゃー」
劇の練習が再開され、猫耳カチューシャをつけたミヨキチちゃんがまたキョンに抱き着いた。
173名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:09:18 ID:ImUZEW/9
「ねえ妹ちゃん、どうしてミヨキチちゃんは猫の声マネしてるの?」
あたしはここしか見ていないのよね。
「んーとね、悪魔に魔法でネコにされちゃったんだよ」
なあるほど。それで助けを求めに来てるってこと?妹ちゃんは頷くと
「魔法は月の光の中だけで解けるの」
ミヨキチちゃんを指差した。キョンは青空を見上げて目を眩ませている。
「魔法でネコにされちゃったのよ!」
カチューシャを外して人間語になった。
「ゆうべ魔物達に襲われ、家は消され、父は連れ去られ…」
身振り手振りを交えながら演技するミヨキチちゃん。みくるちゃんよりいいじゃない。これはみくるちゃんを鍛え直
さなきゃ駄目ね。次回作映画の演出の練り直しまで考えていると
「お願い!…あっ」
猫耳カチューシャを頭に付けて、ミヨキチちゃんが崩れるように跪いた。月が隠れちゃったわけね。
「…ち、ちょっと??」
おもむろにキョンが歩きだしたかと思うと本物の子猫のようにミヨキチちゃんをひょい、と抱き上げた。お姫様だっ
こだ。
「こらっ!キョ、キョンっ!!」
思わず飛び出して二人に駆け寄った。
「何すんだハルヒ!」
キョン、あんたあたしや実の妹ちゃんの目の前でミヨキチちゃんへの欲情を抑え切れなくなったの?そんなこと許さ
ないわよっ!
「ハルにゃん違うよっ!」
ちょっと妹ちゃん、あなたの親友がイタズラされようとしてるのよ?これが落ち着いていられますかっ!!ミヨキチ
ちゃん、早くこのロリキョンから離れなさい!
しかしなぜかミヨキチちゃんはキョンにしがみついて離れない。
「こ、これも劇のワンシーンなんですう!」
猫耳少女が口を開いたときあたしはキョンの髪の毛を引っ張ろうとしていた。
174名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:09:59 ID:ImUZEW/9
「このあとだな、雲の上に飛んでいくんだ。そうすると月の光に常時照らされるだろ?それでさっきのミヨキチのセ
リフの続きがくるんだ」
うーん、とりあえず状況は飲み込めたけど…。何なのかしら、そのお姫様抱っこ、妙に様になってるのよねえ。
「話は解ったけど別に抱き抱えなくたっていいじゃない、練習なんだから」
あたしの抗議も演出だからという理由で却下されてしまった。そしてキョンから劇の台本を渡された。
「コピーだけど、それ読んでてくれ。いちいち乱入されちゃかなわん」
小説を読もうと思って公園に来たのに、まさか小学生の劇の台本を読むことになるとは思わなかったわ。
ところがその台本の内容にあたしは目を奪われることになる。

科学ではなく魔法が発達した現代社会。人々は魔法の力で栄えていた。ところがある日世界中で異変が起こり始める。
地震や台風などの天変地異。単なる自然現象だと思われていたが、ある魔学博士が自然現象などではなく悪魔の星・
魔界星が接近して来ているからだ、という説を唱える。多くの人は一笑に付し相手にしないが予言された五人の若者
と博士の一人娘が地球を狙う悪魔と大魔王デマオンを倒す為に立ち上がる。

これが劇のあらすじだ。あたしは最初の部分だけで手元の小説のことなんか本当にどうでもいいと思ってしまうほど
読み入ってしまっていた。なんなのこれ?ただ気になることがあった。
「妹ちゃん、どうして劇のタイトルに(仮)ってついてるの?」
台本の表紙には『大魔界』の文字がありその横に明らかに後書きで(仮)と書かれていた。
「んとね、先生がね、もっと優しい題にしなさいって。だからまだ決まってないの」
えっ先生が台本創ったんじゃないの?
「違うよーあたしのクラスの男の子が創ったんだよ」
ええ?これを来月六年生になる男の子が創ったっていうの?ストーリーも何かの映画を参考にしたのではなく、全く
のオリジナルの発想なのだそうだ。悪魔というのは地球上の生物ではなく他の天体から来たエイリアンだという設定
や、予言された五人の若者のうち中心となる二人は魔法ではなく科学が発達した世界から来た異世界人という設定な
んかはあたしにも思い付かない独特の切り口を持っていた。魔法のじゅうたんに乗るには運転免許がいるなんていう
妙に現実的な設定まである。
175名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:10:39 ID:ImUZEW/9
「立て!火柱!」
「おちよ水柱!」

シーンは変わってミヨキチちゃん扮する博士の一人娘は大魔王の使い魔と戦っていた。
「さっすが学年が変わる前から劇の準備に入る学校は違うわね」
SOS団の市内パトロールに妹ちゃんの小学校も入れようかしら。台本を書いた男の子に会ってみたいものだわ。

「来い!わたしが…いや、あ、あ、あた…、すっすいません!」

それまで順調だったミヨキチちゃんが突然なんでもないセリフを噛んだ。
「あ〜ミヨちゃんまただあ」
妹ちゃんが残念そうな声を上げた。どうしたっていうの?
「ミヨちゃんね、どうしても自分のことを『あたし』って言えなくて困ってるの」
俯いているミヨキチちゃんにキョンが近寄って頭を撫でながら
「流れは良かったぞ。もうひといきだな」
「は、はい」
確かに最初の自己紹介の時ミヨキチちゃんは自分のことを『わたし』って言っていたわね。キョンと練習しているの
もなんとなく理解できた。でもそんなに難しいことなの?あたしは普段『あたし』って言うけど、状況によって『私』
と使い分けできるわよ。
「ミヨちゃんは自分のこと『あたし』って言ったことがないんだって」
むむむ。これは正真正銘のお嬢様か、はたまたお家の方が相当堅い性格か。でもこの子行動力はあると思うのよね。
キョンを利用してホラー映画を観に行くほどだから。
あたしは二人に近付いて行った。キョンがミヨキチちゃんの頭を撫でていることが気にくわないとかそういうことで
は決してない。
「話は聞いたわよ!」
腰に両手を置いてミヨキチちゃんの前に立った。一瞬ひるんだように見えたものの
「な、何がですか?」
「あなたを一人前の女優にしてあげる!」
あたしの言葉に何か感じ取ったのか、じっと見つめてきた。
「またなにかつまらないこと思い付いたのか?」
脇役は黙りなさいっての。溜息をつくキョンを尻目に
「まず聞くわ。どうして『あたし』って言えないの?」
この問いに
「えっと…それは…」
返答しにくいようだった。なので
「それならミヨキチちゃんは、自分のことを『あたし』って言う女の子にどんなイメージを持ってる?」
質問の仕方を変えてみた。するとミヨキチちゃんは
「えっと、明るくて、積極的で…」
ぽつりぽつりと答えながら妹ちゃんを見た。
176名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:11:25 ID:ImUZEW/9
「それはつまり自分とは正反対ってこと?」
背の高い小学生の女の子の体がぴくり、として
「とっても羨ましいなって思います…」
うなだれるように頷いた。
「ミヨキチちゃん」
その華奢な体の両肩に手を乗せた。
「では聞くわ。あなたの中には本当にその明るさや積極性が何もないの?」
ごめんキョン。あんたの小説利用させてもらうわ。
「あなた、ご両親に内緒で年上の誰かと年齢制限のある映画に行ったことない?しかも自分から誘って」
「えっ?!そそ、それはっ」
ミヨキチちゃんの端正な目が大きく見開いた。なんて解りやすい反応かしら。キョンもキョンで実際の話をそのまま
書くもんじゃないわ。ミヨキチちゃんがその同伴者の顔を見ようとしたので
「よそ見しない!」
少し強めに言うと
「はっ、はいっ!」
すぐに正面に顔を戻した。でもあたしと顔を合わそうとしなくなった。
「つまりあなたは積極性も、男の人を退屈にさせない明るさも兼ね備えているってことよ!」
「は…はあ…」
口元が緩んだミヨキチちゃんをキョンと正対させ
「では改めて練習の続きよ。そこの雨の日の加湿器ばりに役に立っていないキョンを魔王の使い魔に見立てて」
妹ちゃんから台本を受け取り
「一番簡単なセリフ『さあ!あたしが相手よ!』を叫んでみよう!」
キョン、あんた一目で使い魔と解る動きしなさい。キョンは何か言いたそうな顔をしていたけど言葉に発しないこと
は解っていた。
177名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:12:06 ID:ImUZEW/9
「さあ!あっ…あた…あ…」
50センチ定規を剣に見立ててミヨキチちゃんが構えた。頬は赤く染まっているけど、真剣な顔になっていた。
「セリフはもつれてもいいから、最後まで言い切るのよ!」
さっきのあたしの言葉の意味解るわよね?あなたは積極性がないのではなく表現法が周りのお友達と違うだけなの。
あなたが映画を観に行くためにした行動は充分過ぎるほど積極的よ。たぶん一緒に行った相手は楽しかったと思うわ
よ。たぶんね。
「あ、あた…し…、あた…」
もう少しよ!
「ハルヒ、あまり強引にー、」
割って入ってきたキョンにうるさい、と言いかけたとき
「お兄さん、続けさせてください!」
ミヨキチちゃんが言い放った。そうよ、そうこなくっちゃね。
「さあ!あ…あた…」
そこのバカキョンをしっかり見るのよ。こいつを倒さなきゃ大魔王のとこへ行けないの。腹の底から思いのたけを叫
ぶのよ!するとー、

「あたしのことどう想ってますかっ!」

透き通るような声が公園に響いた。やった!言えたじゃない!

………は?
あたしは台本を見直した。『どう想ってますか』…?
「あっ…!」
空気を吸い込むと同時に我に返ったミヨキチちゃんはほんのりどころかゆでダコのように顔が赤くなっていった。
「こらっキョン!なんであんたまで顔赤くなってんのっ!」
「ぐはっ!」
あたしはキョンの脇腹に右ストレートを放った。
「ミヨキチちゃん!セリフは大間違いしたけど『あたし』って言えたじゃない!」
キョンの脇腹に拳を沈み込ませたまま
「言えたからセリフの間違いは大目に見てあげるわ!」
カクカクと首を縦に振るミヨキチちゃんを視界に入れた。
「あはっハルにゃん負けてられないね〜」
そこへにこにこしながら妹ちゃんが寄って来た。それはどういう意味かしら?
「えへへ〜」
ただにこにこするばかり。この掴み所のなさ、兄譲りね、まったくもう。
178名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:12:43 ID:ImUZEW/9
「あたしが悪魔を食い止めてるあいだに急いで逃げて!」
「いくら僕でも女の子を置き去りにして逃げられるか!」
「あなた魔法が使える?悪魔と戦える?」

そのあとのミヨキチちゃんは『あたし』という言葉を噛むことはなくなった。最大の壁を乗り越えただけあって以前
ちらほら見受けられた硬さが消えセリフに感情を上手に乗せられるようになっていった。
ミヨキチちゃんはきっと小学生とは思えない大人びた人相風体が災いして周りから過剰な期待を掛けられているんじ
ゃないかしら。本当はもっと肩の力を抜きたいに違いない。映画を観に行くにしたってまず自分の姿が12歳未満に
見られることはないと冷静に自己分析できてるところなんか、中々のしたたかさを持っていると思う。

「ここで二人とも捕まっちゃったら誰が地球を守のよ!」

練習は本番のようにっていうけど、ミヨキチちゃんの演技に刺激されてキョンまで真剣になっている。これなら劇も
大成功するでしょう。あたしはミヨキチちゃんを自分の映画にも出演させたくなってきていた。
あたしがこの公園に来てからどれくらい経ったろう
「あっ早く帰らないと『アバレちゃん』が始まっちゃう!」
妹ちゃんが公園の時計を指差すと、四時半を回っていた。最近はだいぶ日も延びてきたからそんな時間になっている
ことに気がつかなかった。
「ミヨちゃんあたしんちで『アバレちゃん』観ていきなよ!」
ミヨキチちゃんは妹ちゃんに手を引かれると
「でも今からだとお家の人に迷惑が…」
少し迷っているようだった。そこへ
「いいじゃないか帰りは俺が送るよ」
キョンが助け舟を出した。パッと明るい笑顔になったミヨキチちゃんは
「それなら…」
この一連の流れがあまりにも定型句的だったところを見るといつもこんな感じで最後は夕飯までご馳走するのね、キ
ョンの家族は。
「涼宮さん」
ミヨキチちゃんがどのくらいの時間をかけてこの定型句を獲得したんだろうと考えていると、不意に声を掛けられた。
そのミヨキチちゃんに。
179名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:13:23 ID:ImUZEW/9
「今日は練習に付き合ってくださって本当にありがとうございました」
またしても理想的なおじぎをされた。でも今回はつられておじぎをすることはなく
「へっ?…いえ、その、あの」
突然のことで何と返事をしてよいのか解らず戸惑うだけだった。えっと、こういうとき、何て返せば…
堪らずキョンを見た。キョンは一瞬まぶたをぴくっとさせ
「おまえが思ったことを素直に言えばいいんじゃないか」
今日初めてあたしに微笑を向けてきた。
「えっと」
そうしてあたしが返した言葉は
「ど、どういたしまして。劇頑張ってね、ミヨキチちゃん」
棒読みに近いものがあった。けどミヨキチちゃんは
「はい!」
嬉しそうな顔をしていた。

「じゃーねーハルにゃん」
三人と別れた後、その後ろ姿を暫く見ていた。特に意味はない。妹ちゃんは本当に背が低いなあとかミヨキチちゃん
がお姉さんに見えるなあとか、そんな他愛のないことを考えていた。そしてミヨキチちゃんが突然キョンにしがみつ
いたかと思うと腕を組んで歩き始めたのを見てああこうして見るとキョンとミヨキチちゃん恋人同士に見えるなあと
も感じた。
「ミ、ミヨキチちゃん?!」
驚いた。のんびり眺めている場合じゃない。キョンは最初抵抗するそぶりを見せたもののすぐにされるがままになっていた。
「待ちなさい!キョン!」
三人の足が止まり最初に振り向いたキョンはあたしがまだ帰路についていないことにぎょっとした顔をした。ミヨキ
チちゃんはあたしの顔を見てにこりと笑った。けどどこかしら含みのある笑顔だった。あたしはそれに気付かないふりをして
「あんた、『太陽にわめけ』は観ないの?」
ミヨキチちゃんの目が一回ぱちくりとした。
180名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:14:09 ID:ImUZEW/9
「あれ再放送してるのか?」
「何よチェックしてないの?」
ミヨキチちゃんの視線はキョンとあたしを何度も往復していた。さっきまでの笑顔が消え話の内容についていけない
ことに戸惑っているようだった。
「それ今日やるのか?何時から?」
あたしはゆっくりと歩きだした。キョンの顔は餌をもらう前の犬みたいになっている。三人との距離が近付いてくる
とミヨキチちゃんがキョンの腕をぐっと自分の体に引き寄せたのが確認できた。それも気付かないふりをした。
「あんたんちで教えてあげるわ。昔から言うでしょ、壁に耳あり障子に目ありって」
「なんだそりゃ」
そうして三人と同じ位置に立った。
ごめんなさいねミヨキチちゃん。あたしは生れついての負けず嫌いなのよ。
「うりゃっ!」
「きゃあっ」
ミヨキチちゃんの両脇に手を潜り込ませるとくすぐったいのか驚いたのかキョンの腕から手を離した。すかさず今度
はあたしがキョンの袖をつまんで
「早くしないと始まっちゃうわよ!」
引きずるように歩きだした。
「待ってよ〜」
「ずるいです、涼宮さんっ」
仲良し小学生二人組のかわいい声を後ろに響かせながら。



終わり
181名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:15:38 ID:ImUZEW/9
以上です。
あのギザギザスカートはいつ見てもかわいいですね。
182名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:25:36 ID:Q8/AevPz
>>181
乙です!ミヨキチいいですねぇ
183名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:28:26 ID:CxS75zgJ
女の子って、小学生のうちからこんな恋の鞘当をやっちゃうんだ…。
頼もしいやら末恐ろしいやら、だなミヨキチ。
184名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 01:58:05 ID:ObhRbXgU
魔界大冒険は俺も大好きだ。
しかしこのミヨキチはいいな。もちろんハルヒも。無邪気なところとしたたかなところが実に。
185名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 04:26:48 ID:hU+FIvBU
>>184
言われて初めて気がついた。
あの劇は魔界大冒険だったのか。テラナツカシスw
それを踏まえて読み返したら俺の脳内でミヨキチは小山茉美の声で再生されたw
でも新魔界大冒険は声が違うんだよな(´・ω・`)
186名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 07:37:28 ID:5HtW4RU5
>>181
ミヨキチかわいいなぁ。一度でいいからこんなミヨキチ書いてみたいっす。

投下します。43-770の拡張版。
分裂ネタどころか最終回ネタwまであるので注意。
187イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:38:32 ID:5HtW4RU5

 いったい俺たちは何処で選択を誤ったのだろうか。それとも今此処にいる選択こそが正しいというのだろうか。
 この命懸けてと心に誓ったその日の夜。まるで走馬灯のように次々と思い出される知り合いたちの姿を思い浮かべながら
俺はアイツが初めて俺と出会った場所で、ただ一人星空を見上げていた。


- * -
「個人的にはあんたがどうなろうと知った事ではない。だが僕という個体からすれば、あんたは死なれると大いに困る存在だ。
腹立たしい事だが僕の生命に関わる事だからな」
 朝比奈さんと似ても似つかぬ存在のくせにただ一つ未来人という共通点だけを持つそいつ──藤原(仮称)は、まるでどこぞの
超能力者のように俺の家の前で腕を組みながら壁に寄りかかり、自分の足元へ視線を落としつつ俺の帰りを待ちわびていた。
 水と油以上に交わる事も、また交わる気も無い俺としてはこのいけ好かない未来人と話す事など何一つあるはずも無く、従って
そいつを無視して目の前を通り過ぎても何ら問題ないと判断し、いざその通りに実行しようと立ち止まった歩みを始めたところで、
藤原は腕を組んだままの姿勢を崩さず、俺をちらりとも見もしないで先ほどの言葉を告げてきた。

 流石に無視できない単語が飛び出た事もあり、俺は再び足を止めると思惑通りに尋ね返してやる。
「……俺が死ぬ、とはどういう事だ」
「言葉通りの意味さ。今はまだ低い確率だが、あんたは明日死ぬ可能性がある」
 人間は生きている限り誰だって死ぬ。低い可能性で良いのならそんなものその辺にいる誰にだってあるだろうよ。
 歯に毒を塗りつけて語る俺だが、ふとこいつの姿に微妙な違和感を感じ取った。何だ、この間違い探しをしているような感覚は。
「そんな馬鹿な理由をあんたに伝える為に僕がわざわざこの時代へ足を運ぶと思っているのか。だとしたらあんたはこの時代に
駐屯するあの朝比奈みくる以上にめでたい存在だ」
 いい加減こいつには一度煮え湯を飲ませる必要があるようだ。いやこの際熱したサラダ油ぐらいの温度でないとこいつのくそったれな
思考も俺の気分も晴れそうもない。
「こいつは警告だ。だが普通の警告じゃない、あんたが死ぬ確率を上げる為の警告だ。どうだ、嬉しいだろう。
 あんたが僕の話を聞かず信じずのスタイルをとるのは別に構わない。こちらとしても僕としてもその方が都合がいいぐらいだ。
 だが忌々しい事にあんたにこれを伝えるというのが僕の任務でね。だからまずこれだけは伝えておく」
 相変わらず俺の方へ顔を向けようともせず、ただ自分のつま先へ軽薄にして酷薄な笑みを落としながら、そいつは告げてきた。

「あんたが話を聞かなければ……まず間違いなく、涼宮ハルヒが死ぬ」

188イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:39:26 ID:5HtW4RU5
- * -
 数年前の七夕の翌日に突如宇宙人へのメッセージが現れた校庭。
 もちろん今はそんな落書きなどあるはずも無く、俺は砂と土の荒野にただ一人で佇んでいるような気分に陥っていた。
 いや、立っている場所がそんな気分にしているのではない。おそらく、荒んだ野と感じているのは俺の心なのだろう。
 俺は目を閉じると、あいつの会話を脳内で反芻した。


- * -
「ハルヒの命、だと……?」
 勢いで掴みかかりそうになるのを何とか自制し問いただす。俺がすべきはコイツを締め上げる事ではなく話を聞く事だ。
「必死だな、くっくっくっ……ほらよ」
 組んでいた腕を解き、ポケットから小さな耳栓のようなモノを取り出す。
「できる限り第三者に聞かれたくない内容だからな。僕の時代の通信機だ、それをつけろ。それだけで聞くだけじゃなくあんたの
言葉もこっちに伝えられる。ちなみに木偶連中の力も得て開発されている試作品だ、たとえあんたの万能たるお仲間であっても
こいつを通しての会話を解析するのは不可能さ。
 それを付けたら適当に散歩でもしてくれ。その意味が判らないほど見世物小屋の動物な訳でもないだろう?」

 俺は一度玄関をくぐると、出迎えた妹にノートのコピーにコンビニまで出ると伝言し、ついでに菓子を買って帰る約束を
交わして制服のまま家を出た。未来人二号の姿は既に無い。後は全てこの通信機でということらしい。
 俺は耳に通信機と言われた者をはめると自転車を再び取り出し軽い速度で適当に走り始めた。

『──あんたが何も策を講じなければ、の話をしよう。明日の午後、あんたは涼宮ハルヒと二人で街中を探索する事になる。
 そして午後三時。いいか、午後三時ちょうどだ。その時にあんたが涼宮ハルヒの手を握っていなければ、涼宮ハルヒは死ぬ』
 直接聞くより若干高い音声が耳に響く。今すぐ通信機を外し踏みつけたいぐらい不快をもたらす声だがそうもいかない。
 つまりお前を信じるなら、明日の午後三時にハルヒの手を握っておけばハルヒは死を免れる、そういう事だな。
『ああ。ただし、それには問題が一つだけある。まさにそれがあんたへ告げた最初の一言に繋がるのさ』
 最初に告げた一言、俺が死なれると困るとか言ってたアレか。
『あんたが僕の言葉を覚えていたとは驚愕だな……いや、ここまできたら皮肉はよそう。余命幾ばくもないヤツの時間を弄ぶのは
流石にいい趣味とは言えないだろうからな』
 皮肉めいた言葉が返る。だがそれもこの時までで、通信機からは嘲笑の消えた冷淡な声が流れてきた。

『……いいか、確かに明日の午後三時、涼宮の手をあんたが握っていればヤツは命を取り留める。ただしそれはあんたが命懸けで
涼宮をかばうからに他ならないのさ。比喩でも言葉遊びでも何でもなく、額面通り命懸けでな。
 そしてその未来が訪れた場合、あんたは涼宮ハルヒの代わりに命を落とす事となる』

189イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:40:15 ID:5HtW4RU5
- * -
 寒空の中、俺は竹箒で校庭に線を引き始める。俺に指示を出す者も、おぶわれてきた眠り姫も今回はいない。
 それでも俺が線を引くのは、今この瞬間確かに俺はここにいたという証を残したくなったから、なのかもしれない。


- * -
 ハルヒを助ければ、俺が死ぬ……だと。あまりに不穏当な内容に、俺は通信機へと問いただす。
『そう。この時間に於ける選択分岐はこの二つしかない。あんたがこの事を他の連中に話し、宇宙的、未来的、超能力的な力を
極限まで駆使してどれだけ回避しようとしても無駄だ。たとえある事項から死を免れたとしても別の事項が即座に発生する。
 そして必ず、どちらかが死ぬ。未来は二人のどちらか一人にしか訪れない……それがこの時間に於ける規定事項さ』
「ボロが出たな。誰に話しても構わないというのなら、何故こんな通信機で話す」
『あの場所で話せば確実にあんたの仲間はこの事を知る事になる。仲間だけじゃない、周防や橘といった他の連中もだ。
 それでも良かったのかい? あんたが自分から仲間へ知らせるのと仲間が勝手に話を知ってしまうのとでは、かなり意味合いが
変わってくると思うけどね、僕は』
 くっくっくっと相変わらず押し殺した嘲笑が聞こえてくる。だがその嘲笑に自虐的な面を感じ取ったのは何故だろうか。
『あんたと僕は一蓮托生なのさ。望む望まぬに関わらず、だ。通常時間では未来が幾ら過去へ干渉しようとも未来は揺るがない。
 だがある時間のある選択による分岐は未来の姿を大幅に変える。知らないとは言わせない、こうして僕が話せているのが証拠だ』
 ああ知っているさ。お前が邪魔したチップ探しとかはまさにそれだったからな。だがそれがどうした、何故俺が死ぬと……と、
そこまで考えて一つの仮説が思いつく。
「……そうか、お前は俺が生きている選択分岐の先にいる存在、そういう事だな」
『禁則事項だ』
 俺の将来の何らかがこいつの人生の何処かに深い影響を与えていたとして、その俺がもしその何らかをする前に死んでしまったら。
 こいつはその存在自体が消失してしまうかもしれないと、そういう事なのか。
『禁則事項だ、下らん事を何度も言わせるな。あんたが思索すべき事はそんな下らない事じゃない。明日、涼宮ハルヒかあんたの
どちらかが必ず死ぬという既定事項、あんたはそれだけを考えていればいい。何せあんたは自分か涼宮、そのどちらが死ぬか
まさに選択できる立場にあるんだからな」
 未来を知るそいつの言葉はまさに死の宣告、余命幾ばくも無い者の前に現れる死神そのものだった。

190イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:41:11 ID:5HtW4RU5
- * -
 こんなもんだったか。手本が無いので適当に記憶を辿り書いてみたがどうだろう。向こうの方にマークがあったような気もする。
 地面に引かれた図形を改めて見直しつつ、俺はどっちでもいいかと棒を放り投げ捨てると携帯を取り出した。

「俺だ、佐々木。頼みがある」


- * -
「詳細なんかは全部抜きで聞くぞ。ハルヒの手を握っていれば、ハルヒが助かり俺が死ぬ。これで間違いないな」
『それで合ってる。……本来なら今ここであんたの両手を使いものにならないぐらい痛めつけてでも涼宮の手を握らせないように
するつもりだった。だが、ふん、どうやら無駄みたいだな』
 ああ。例え両手が動かなくても俺はハルヒの手を握ってみせる。腕を切られたなら義手をつけてでも実行するさ。
『それがあんた自身と、あんたに関わる未来全てを引き換えにしてもかい? 言わせてもらうが、あんたがそこまでできた人間だったとは
僕は微塵にも思っていない。彼女の、涼宮ハルヒのいったい何が、あんたをそこまで動かすと言うんだ?』
 さあな、俺にもよく判らん。意外と未来人のお前の方が知ってるんじゃないか?
 でもまああえて今の俺として言うのなら、それは俺がこの話を知ってしまったからだと思う。
 例えば俺がハルヒを捨てて生き延びたとしよう。その場合、俺はハルヒを見捨てた事について一生後悔を背負う。
 そうなれば死んだような人生か、俺と言う精神が崩壊した状態かになるはずだ。ハルヒと言う存在を捨ててまで歩む人生が
そんなくだらないものだとするなら、俺はあいつに生きる権利を渡す道を選んでやるさ。
『そうか、ふん。だったら最後に一言だけ言わせてもらおう。後は通信機をどうしようが構わない』
 自転車を止め耳に手を添える。ほんの僅かな沈黙の後、藤原のメッセージが耳に届いた。

『くたばりな、未来人殺し』

 俺はありがたくエールを受け取ると、通信機を足元に落として踏み壊した。

191イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:41:48 ID:5HtW4RU5
- * -
「そうだハルヒ、お前に話しておかなきゃならない事が一つある」
 晴れて翌日の午後。不思議探索と称し朝比奈さんと先を歩くハルヒの腕を掴み、俺はハルヒの意識をこちらへと向けさせた。
「ちょ、何勝手に団長の手を握ってるのよ。セクハラで訴えるわよ?」
 お前がいつも朝比奈さんにしてる行為に比べりゃ可愛いもんだと思うがな。そんな事より、今は俺の話を聞け。
 時刻を確認しつつ、また横から何か言おうとした古泉を視線で制し、俺はハルヒの手を握ったままで喋りだした。

「ハルヒ、今から言う事の詳細は悪いが他のメンバーに聞いてくれ。長門でも古泉でも、朝比奈さんでもいい。きっと事細かに
全てを教えてくれるはずだ。俺がここで話すにはちょっと時間が無いみたいだしな」
「はあ? あんた、何言ってんのか全然わかんないわよ。それに時間が無いってどういう意味よ」
 いいから聞け。俺はハルヒを真剣に見つめたまま握った手に力を込めて、ハルヒを有無を言わせず黙らせた。
 視界の隅で長門が視線を何処かへ走らせつつ口を動かすのが見えた。おそらく始まったのだろう。
 終わりの、始まりが。

「……今まで黙っていて悪かった。ハルヒ、お前が中学時代に会ったジョン=スミス、あれ俺なんだ」
「え?」

 ──午後三時。
 上から落ちてくる看板に気づき、間抜けな声を発するハルヒを思いっきり後ろへと引っ張りぬく。
 次の瞬間、ハルヒを投げた勢いで踏ん張っていた俺の脚がすべりその場に転んでしまい、俺は最期にハルヒの姿を目に映しつつ
上から落ちてきた看板の洗礼を全身に受け、

 そこで俺の全てが途絶えた。


- * -
 はい、伝達しまぁす。当該事象、誤差は二分と四十一秒。
 表情空間は次元瓦解を開始、合わせて裏状空間、えっと、表情空間では閉鎖空間とか言ってましたっけぇ、その侵食が開始されました。
 でもすぐに白矮空間が介入して、何とか崩壊は免れたみたいですよ。ウフ、どうも先輩が手をうっていたみたいですね。

 はい、今は全空間とも落ち着いているみたいです。
 でもこれからどうするんですか。蛇口が壊れちゃったから、もう誰にも水を止められませんよぉ?

192イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:42:24 ID:5HtW4RU5
- * -
「……何処からお話しましょうか」
「全部よ。あいつが、キョンが何を伝えたかったのか、全部」
 式場からの帰り、あたしは三人と話をするべく有希の部屋へとみんなを集めた。いつもの制服姿に喪を表す黒の腕章を付けた
左腕をぴんと延ばし、古泉くんをはじめとした三人を指差す。
「それがジョン=スミスと名乗ったキョンの遺言よ」
 そう、ジョン=スミス。あたしの深層心理に深く刻まれ続けていた、あたしの初めての理解者。
 その名をなぜキョンが知っていたのか。そしてそれが自分だとはいったいどう言うことなのか。

 本当ならあの場に突如現れ、パニック状態に陥っていたあたしを押さえ込んだ佐々木にも話を聞きたかった。だが、
「ごめんなさい。親友を喪失して気が滅入っているのはあなただけじゃないわ。それに」
 佐々木はキョンの眠る棺へどうとも取れない視線を送ると
「キョン。僕はこれ以上、一秒たりとも君の霊前などには居たくない」
 その一言だけ残し、佐々木は友人と共に式場を後にしてしまった。

 あたしの追及に古泉くんが一度大きく肩を落とす。そしていつも付けていた他人を楽しませる為の微笑した仮面を外すと
「判りました、正直に……」
「条件がある」
 観念して話を始めようとした古泉くんを、意外にも有希が制した。
「条件? 何よ有希、条件って」
「あなたが聞きたいとしている内容は、わたしと彼が交わした会話、並びに共にした行動、その全てとなる」
 有希が静かに、だがまるで旧来の敵を見るかのような熱く黒い視線をぶつけてくる。
 こんなに情熱的な有希を見るのは間違いなく初めての事だ。
「それはわたしにとって掛け替えのないもの。わたしは誰にも、たとえ異時間のわたし自身であろうとも語るつもりは無かった。
 でも彼はあなたに教えろと言った。よって彼の意思を尊重して、わたしは一度だけあなたに全てを語る事にする。
 ただし、あなたが会話中に一度でも否定を口にした場合、わたしはその場で会話を終了させる。そして二度と誰にも語らない」

 有希の何処までも透明な瞳はストーブの燃焼状況を覗く為の雲母の窓の如く、その奥に輝く熱い意思を覗かせてきていた。
 わたしにとってはそれだけ信じられない様な内容だけれど、でも有希にとってはキョンとの大切な思い出だと、そう言いたいのね。
「そう。いつでもいい、準備ができたら」
「準備ならできてるわ。そう、この喪章を付けた時からずっと」
「……そう」
 有希は小さく頷くと、一呼吸分だけ間をおいてから思い出を語り始めた。

「わたしはいわゆる普通の人間ではない。この宇宙を統括する──」

193イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:43:07 ID:5HtW4RU5
- * -
 そこは何も無い、ただただ真っ白な空間だった。
 前と違い、空も、星も、大地も無い。ただ無垢なる白い闇が支配する空間だった。
 最初の頃は人がいた。でも今はおそらくあたしだけだろう。あたしはおそらく寝転がりながらその空間にたゆたっていた。

『何時まで此処に居るつもりなの。自分で言うのもなんだけど、どう見ても此処は快適なリゾート地には程遠いと思うわよ』
 白い影があたしの傍に立ち聞いてくる。
「……あの時確かにそれは起こったのに、あたしには何も無かった。だからこそあたしは何かが欲しかった」
『あなたは自分の価値をわたしに見出そうとした。だがいざこうしてフタを開けてみれば、わたしにも何もなかった』
 くっくっと白い闇が嘲笑する。だがあたしは不快に思うどころか、逆にその嘲笑が心地よく思えていた。
『失望した?』
「いいえ、逆です。あなたに何もなかったからかも知れない。あたしがあなたこそはと確信できたのは」
 あたしは大きく息を吸いながら胸を前に出すように伸びをする。

『それにしても見事なぐらい何もないわね。あなたから聞いていた話とは随分と違うわ』
 白い影が辺りを見回す。
「多分、彼が死んだ事であなたが気づいてしまったから」
『何に?』
「枠なんて何の意味もない。いえ、それどころかこの世界すら何の意味もないモノだったって。だからあなたは心から世界を消した」
『あなたが言うならそうなんでしょうね』
 白い影は寝転がるあたしをまたぐ形で立つと見下ろしてきた。
『世界は天秤のようなものだった。天秤を傾かせない為にはどうしたらいいか、結局はそれだけの事だった』
 腰の横へ立てひざを付き、手をあたしの方の上へとついて覆いかぶさる。あたしは白い影を見つめながら小さく微笑んだ。
「涼宮さんは天秤にとにかくオモリを載せるタイプ。その度に天秤が大きく揺れようが意に介さず次々とオモリを載せていくわ。
 そしてあなたはオモリを全部取り除くタイプ。何一つオモリがなければ天秤はバランスを取る。あなたはそんなタイプ。
 ……だと思っていたのでしょうね、わたしが仲間と呼んでいたあの人たちは。《神人》が居ないのはその為だ、と」
 覆いかぶさる影の顔にそっと手を伸ばし、頬を撫でる。

『でも違ったのね』
「ええ。天秤が傾かない方法、あなたならきっと……天秤を横に倒してしまうのでしょうね」
 違う? と世界を見回してやりながら答えてやった。天秤自体を倒してしまえばもう傾く事はない、それ以上傾きようがない。
『これからどうするの?』
「お好きに。あなたはもう、全てがどうでもいいと思っているはずです」
 そしてあたしも。心の中でそう付け足し、あたしは影にそっと抱きつくとゆっくりまぶたを閉じた。

 どうせ、この時間には未来がないのだから。

194イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:43:55 ID:5HtW4RU5
- * -
 三人から全てを聞き終えるまで、あたしは一言も喋らなかった。口を開けば絶対に否定してしまう。三人が告げた話はそれぐらい
突拍子もなく非現実的で、しかし前々からあたしが気になっていた部分全てに合致する内容だった。

「否定と取れるかもしれないけど、でも一つだけ聞かせて。……その話、キョンに誓って本当なのね」
 みくるちゃんたちはしっかりと頷く。あたしは眉間に手を当て天を仰ぐと、話を否定してくる常識意見を全て却下し全肯定した。
「あたしにそんな力が……いえ、そんな事よりも。あたしはこんなに」
 気にかけられ、狙われ、利用され、そして何より護られていた。
 そう、キョンからも、沢山。
 あたしは天を仰いだまま、声亡き慟哭を轟かせた。

「……さて、ここからが本題です」
 あたしが落ち着くのを待ち、古泉くんが静かに口を開く。
「涼宮さん、今のあなたが万能の力を手にすれば何をするか、そんなのはあなたと彼を知る者なら誰でも予想できます。
 しかし、それだけは涼宮さんでも不可能だと考えています」
 どうして。万能の力ならそれこそ何だってできなきゃおかしいじゃない。そして何だってできるのならあたしは──。
「死した魂を取り戻す、ですか。それでは伺いますが、魂とはいったい何なのでしょうか。どういった物なのでしょう?
 ……僕の予想を言います。涼宮さんが力を駆使して彼を蘇らせたとしましょう。ですがそれは彼ではない。
 おそらくそれは、涼宮さんがこうだと思っている彼を作り出したに過ぎないのです」

 あたしが知る限りのキョンとしてしか蘇らない……そう言いたいの?
「その可能性が大いにあるという事です。あなたにとっては違和感無い彼が生まれるでしょう。ですがそれも一過性に過ぎない」
「じゃあ、じゃあどうしろって言うのよ! キョン一人生き返らせられないなんて、そんな力の何処が創造主たる神の力よっ!」
 あたしの叫びと共に古泉くんの携帯が鳴り出すが、古泉くんはその携帯を取り出し目をくべると徐に壁へと叩きつけた。
 ガシャン。
 激しい音と共に携帯はジョイント部で真っ二つに別れ、ガラクタと化して床に落ちる。
「……失礼。涼宮さんのその苛立ちが閉鎖空間と《神人》を発生させたみたいです。ははは……当然です。僕だってそんな力が
あったら閉鎖空間の百や二百作ってますよ。
 全く……本当、涼宮さんの言う通りです。僕も今ほど自分が無力である事に憤慨した事は、ありません」
 ここまで感情を露にした古泉くんを見るのは始めてだ。そして有希の瞳がここまで黒く淀み沈んでいる事も。
「彼の再生を可能な限り申請したが却下された。この宇宙を統括する情報統合思念体を以ってしても再生は不可能、それが理由。
 彼はわたしの力が万能だと思っていた。だがそんな事はない。情報を統べる思念などおこがましい。われらは無知にして…………無力」
 いつもと同じ表情同じ姿のまま、流れ落ちる雫も無い。でも有希はきっと泣いているのだと、あたしには感じた。

195イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:44:37 ID:5HtW4RU5
- * -
「…………方法は……あります」
 その声は意外な所からもたらされた。あたしは、そしておそらく有希も古泉くんも、その声の発生源へと目を向ける。
 静かにうつむき、白い手が赤くなるぐらい握りこぶしを作って、身体を小刻みに震えさせながら。
「一つだけ、方法は……あります」
 みくるちゃんは何かを決意したような芯の通った眼差しで、ゆっくりとこちらを見つめ返してきた。

「長門さん……お願いがあります。わたしの、…………を」
 みくるちゃんはすっと手を差し出す。
「わかった」
 有希は立ち上がりその手を取ると、自分の顔を近づけて迷わずその手に噛み付いた。
「くふっ、うぁ、ああっ………あああああああっ!! い、いだ、く、うああああああ──────っ!!」
 みくるちゃんが激しく叫びだし、有希の首筋へ空いた手を伸ばすと強く握り始める。
「って、何やってんのよ! 有希の首をそんな風に絞めたら──」
 慌てて止めようとするあたしの肩を古泉くんが捕まえて制す。ちょっと何するの! このままじゃ有希が!
「長門さんなら大丈夫です。それより、今近づいたらあなたの方が危ない」
 ギリギリと容赦なく首を締め付けているみくるちゃんを完全に無視し、有希は手を噛み続ける。と、やがてみくるちゃんの手から
徐々に力が抜けていき、やがて首から手を離すとだらんと下に降ろす。そしてみくるちゃん自体も糸の切れた操り人形のように
どさりとその場に腰を落として座り込んだ。

「……処置を施した。あなたの深層心理に掛けられていたプロテクト、並びに罰則催眠は全て解除した」
「あり、がとう……ございます、長門、さん。……これで、お話、できます……」
 みくるちゃんは右手を撫でながら肩で息をしつつ、それでも有希に礼を告げた。いったい何をしたっていうの。
「朝比奈みくるに掛けられていた情報規制、禁則事項の枠を全て解除した。またそれに伴う精神的罰則並びに自動防衛の催眠も
合わせて解除。今の彼女に、未来からの制限は何一つなくなった」
「はい……こうしないと……話す事ができない、から……これは時間移動者の、最大級の禁則事項、だから」
 みくるちゃんがゆっくりと立ち上がる。そしてあたしたちに頷くと、

「涼宮さん。どうやってもキョンくんを生き返らせるのが無理だと言うのなら、生き返らせる必要がなくなればいいんです」

 そんな事を告げてきた。

「必要が、なくなれば?」
「涼宮さんかキョンくん、そのどちらかが必ず事故にあり死亡する。今この時間にはその選択分岐しかありません。
 だからキョンくんは自分の生きる道を捨てて、涼宮さんが生きる道を選んだんだと思います。ですが、そもそもこの二つしか
この時間に分岐がないのが一番の問題なんです。だったら、どちらも事故にあわない分岐が生まれるまで過去に戻って、そこから
二人とも事故にあわない未来への分岐を選んでいけばいいんです」
「そう言うのは簡単ですが、未来から邪魔が入るのは目に見えて確実です。こんな個人的な理由での時間改変なんてどう考えたって
未来人たちが黙認するはずがない」
 ……いや、多分大丈夫。あたしは有希と見つめあい、頷きあった。
「涼宮ハルヒの力は未来の介入より強く働く。それはわたしが実証している」

196イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:45:26 ID:5HtW4RU5
- * -
「……でました、涼宮さん。戻るべき時間は涼宮さんが力を覚醒した日、時、その三分前です」
「あなたの力が覚醒、いや元々存在すらしない事。それが分岐を生む条件」
 あたしのこの不可思議な力が覚醒したと思われる中学一年まで戻り、力を覚醒させず──というより力が無い状態でやり直す。
 それが今あたしが立つこの未来以外へと進む方法らしい。キョンひとりと神の力が等価値だなんて。
「判ってるじゃない、世界も。いいわ、キョンが生き残るって言うのならこんな力」
 あたしは言いかけて、しかしある事に気づいて言葉を止めた。ちょっと待って。
 今のあたしから力が無くなるならともかく、もしその運命の日にあたしの力が発動しなかったとしたら。

「そう。それは同時に、情報統合思念体があなたを監視する理由も無くなるという事」
「……時間震動も発生しないので、未来人がこの時代に調査に来る理由も無くなります……」
「そして涼宮さんに力が無い以上、《神人》も、そしてそれを倒す超能力者ももちろん生まれる事はありません」
 それはすなわち、あたしが、この三人と出会えなくなってしまうという事だった。

「え……そんな、そんなのダメよ! キョンだけ生き返ったって、みんながいなくちゃ意味ない! SOS団はみんながいてこそ!」
「でもそれが選択。そして、彼は選んだ」
 有希が切り捨てる。でも、でもそんなのは。
「涼宮さん」
 みくるちゃんがあたしを後ろから抱きしめてくる。その抱擁はまるで羽根に包まれるかのように、とても優しいものだった。

「何も悩む必要はないですよ。元々わたしは未来人、いずれは涼宮さんたちとお別れしなくてはならない存在でした。それが……
今に、なっただけなんですよ」
「そうですね。僕だって晴れて超能力が失せれば『機関』からお役ご免となっていたでしょう。そしてそうなった時『機関』の事を
知る僕が、今まで通りに涼宮さんたちと共に歩める可能性は、おそらく低い」
 古泉くんも笑いながら近づいてくる。哀愁こそ漂うけれど、それは古泉くん本来の微笑みだった。
 死なない運命を辿るキョンを取るか、目の前にいる三人を取るか。

「わたしも同じ。いずれ回収される運命」
 最後に有希がそう告げた時、あたしは突然にキョンとかわしたあの約束を思い出した。

『だがな。もし、万が一にだ。長門がやっぱり転校するとか言い出したり誰かに無理矢理連れて行かれようとしてたら──』

 そうだった……悩むまでも無い事だった。そんなの、答えはすでに決まっていた。きっとキョンだって同じ答えを選ぶはずよ。だから
「……わかった。あたしは」



『──好きなように暴れてやれ。その時は俺もお前に加担してやる』



「あたしは両方取る。キョンかあんたたちのどっちかを選べ? はん、ふざけるんじゃないわよ! いいこと、有希も、みくるちゃんも、
古泉くんもれっきとしたSOS団のメンバーなの! だから覚悟しなさい! あんたたちがたとえ何処にいようとも、あたしとキョンが
必ずあの部室に連れ戻してあげるんだからっ!
 有希についてはキョンと約束だってしてるわ。あんたが連れて行かれそうになったら好きなように暴れろって! だからっ!」
 あたしは抱きついていたみくるちゃんの手を握り、有希と古泉くんをしっかり見つめると声高らかに宣言した。

「あたしたちに永遠のさよならなんて必要ないわ。むしろ早く来ないかと楽しみに待っていなさいっ!」

197イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:48:15 ID:5HtW4RU5
- * -
「やっと結論が出たようですね。ところで」
 長門のマンションの屋上に立つ、その柔らかな春の風を思わせる少女は後ろに立つ黒い存在に話を振った。
「見ての通り、涼宮さんの選択はある選択分岐の未来人や思念体のいくつかの派閥、それに有機生命体の集団と数多くの敵性因子を
生み出す結果となりました。あなたたちにとっても力の喪失は手痛い選択だと思います」
 マンションを中心に数多くの衝撃が生み出されている。可視不可視、光源熱源、ありとあらゆる法則による攻撃がマンションに
向けて与えられているのに、それは一つとしてマンションの、長門の部屋にまでは届いていなかった。
 少女──喜緑江美里は後ろを振り向くと、そこにある存在へと語り続ける。
「それなのに、どうしてこちらに?」
 その存在はゆっくりと地面を見つめる。

「────彼の瞳──アイ────とても……綺麗────」

 そして今度は空を見上げる。月と、星と、それ以外の数多の何かが輝く空を。

「────あの瞳を……もう一度────それだけ────」

 何とも言いようのない感想とも取れる内容を呟き、その黒い存在である周防九曜は背を向けた。
「それはまた、何とシンプルでくだらない」
 喜緑は周防九曜に近づくとその背にそっと自分の背を合わせる。そして少しだけ重心を後ろへ預けると小さく笑った。

「素敵な理由でしょう」

 それ以上、二つの存在は何も語らなかった。

198イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:48:56 ID:5HtW4RU5
- * -
「……ふっ、ふふふっ、そうでした。完全に失念していました」
 あたしの宣言に笑いながらもまず答えてきたのは古泉くんだった。
「僕も彼と約束していたんです。長門さんが困ったら彼に手を貸すとね。いやはや、僕はもう少しで全てを反故にする所でした」
 古泉くんがみくるちゃんの手を握るあたしの、その手の前にそっと自分の手を差し出してくる。
「わたしも彼としている。わたしが連れて行かれたら、あなたを焚きつけて必ず迎えに来ると」
 有希も古泉くんと同じように手を伸ばす。そして一言。
「待ってる」
 あたしは二人の手を取ると、これ以上ないぐらい楽しい笑顔を浮かべて返してあげた。
「もちろん。それじゃまずは古泉くんからね。三人で有希を連れ出しに行きましょう! で、有希を捕まえたら最後にみくるちゃんよ。
有希、宇宙人だったら時間移動ぐらいできるわよね?」
 あたしの問いかけに有希が再度頷く。これで未来への切符も整った。あたしは古泉くんと有希の手を重ね、そこに抱きついている
みくるちゃんの腕を取って重ねた。
「オッケー。いい、みくるちゃん。たとえあなたが未来にいようとも、あたしたちは絶対に迎えに行くから。ちゃんといつもの
メイド服でお茶を用意して待機しているのよ! でないとキョンが悲しむわ。いい、これは団長命令だからね!」
「……はい、涼宮さん。ちゃんと……待ってま、しゅから」
 みくるちゃんはあたしの背中にぎゅっと抱きついて大きな声で泣き出した。


「開始する」
 有希の号令と共にあたしの身体がゆっくりと輝きだす。有希とみくるちゃんのサポートで、あたしを過去へと飛ばす予定だ。
「それじゃ、SOS団は一時解散します。……みんな、最後に一言だけ言わせて」
 自分の姿が少しずつ小さくなっていく感じがする。カチューシャが外れ、あの日ばっさり切った、キョンが好きだといった
ポニーテールを結える長い髪が蘇る。
 あわせて視界が、みんなの姿が自分からの光で見えなくなる前に、あたしははっきりと告げた。



「ありがとう」



199イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:50:08 ID:5HtW4RU5
- * -
 それはあたしの記憶に残る、中学に上がった頃の小さな小さな思い出。

『何をしているの?』
 あたしによく似た少女が、にっこり笑って聞いてきた。
「不思議なことを探してるのよ」
 あたしは答える。
『そう』
 あたしの馬鹿げた答えに少女は優しく微笑む。それは何だかあたしを全て包み込むような、そんな深く慈愛に満ちた微笑だった。
『それならあなたにいいものをあげる』
「なに? 不思議なもの?」
 少女はそれには答えず、ただあたしの頭をそっと撫でてくる。
 何だかむず痒く、それでいて少し気持ちいい感覚が全身をよぎった。
『不思議なことって、何?』
 なんだろう。あたしは少し考える。
『例えば銀河を統括する宇宙人とか、時間を越えてきた未来人とか、限定空間で暴れる超能力者とか、そういうの?』
 少女に言われてあたしは次々と「そうぞう」してみる。

「そうね。それぐらいじゃないと面白くないわ」
『でしょうね。……はい、おしまい』
「え、これだけ? まだ何ももらってないわよ?」
 頭を撫でてもらったのは嬉しかったけど。でも、不思議なことの方があたしは嬉しい。
 少女は少し考えると『そうね。それじゃかわりに面白い事を一つだけ』と言って空を見上げた。

『七夕の日に大きなメッセージを書くの。あの空に輝く数多の星に届くように』
 大きなの部分で少女が大きく両腕を広げる。あたしもつられて空を見上げ、太陽の眩しさに思わず手をかざした。
『どう?』
「いい。それ確かに面白そう。考えておくわ」
 大きなメッセージを書くとなれば、それだけの空間と線を引く物が必要だ。あたしはそれらが揃う場所を即座に思いつく。
 よし、まずは何を書くかそれを考えなくっちゃ。あたしは早速その計画をまとめる為に走り出した。
『頑張ってね』
 少女のそんな励ましを背に受けて。

200イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:50:55 ID:5HtW4RU5
- * -
 くそ長い坂を暗澹たる気分で上りきり、何処の学校でもかわり映えしないだろう入学式を終えると俺はクラスに戻った。
 着任五分でハンドボールバカとクラス中に認識された担任の指示の元、クラス初のロングホームルームで自己紹介が始まる。
 とにかく変な印象と失敗だけはしないように、それだけを心得て無難な挨拶を終えた俺は、だがしかしその緊張も気遣いも
心意気も全てが無駄だったとすぐに知ることになる。一言で言うなら驚愕、それだけの事がこの後に起こったからだ。
 もし未来を知る術があったり過去に戻ったりする事が可能だとしたら、俺は過去の俺に進言することだろう。
 平穏無事な生活が欲しいのならば、そいつにだけは近づくなと。


「あたしは、たくさんの人に護られていた事を知りました。
 あたしは、たくさんの人に愛されていた事を知りました。
 こんなにも終始平穏、万事何ごともなくただ普通に在り続ける世界は、実はあたしが思っていたよりずっと非日常な毎日が
訪れている事を、あたしは失った掛け替えの無い友人たちから教えられました。
 だから、あたしはこの世界を徹底的に楽しんでやろうと思ってます。

 ──東中出身、涼宮ハルヒ。
 宇宙人も、未来人も、異世界人も、超能力者も、もうあたしには必要ありません。
 今度はあたしが、退屈なんてしている暇が無いくらい愉快な日常をみんなに返していこうと思います。だから」


 博愛主義者なのか奇妙な電波を受信してるのかよく判らない言葉を並べるその少女は、そこで一度口を閉じると
後ろを見上げていた俺に目を合わせてくる。恐ろしいぐらいにポニーテールの似合うその少女は瞳になぜかうっすらと涙を浮かべ、
凛としつつも懐古と愉快にほんの少しだけ愛おしさを混ぜたようなその姿は、正直に言って俺の顔を赤面させ鼓動を早めるのに
十分すぎるぐらいの破壊力だった。

 涼宮……ハルヒ。
 俺が心の中そいつの名を呟くと同時に、そいつは俺のネクタイを掴むと一気に引き上げてきた。もちろん引っ張られる形になる俺は
釣られた魚のようにじたばたしながらそいつに引き寄せられる形となる。
「って何しやがる! 初対面の相手にすることじゃねえぞ!」
「残念、これが初対面じゃないのよね。一方的にだけど」
 何だと? いぶかしむ俺を無視し、こいつは俺の首根っこを捕まえると我が物顔で言葉を続けた。

「だから、この世界には面白い事が無いと日々暗澹とした気分で過ごすような、例えばあたしの前にいるこんなバカ面をした
感じの人がまだこの中にいるのならば、あたしの所に来なさい。
 世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団、その団長のあたしと、団員その1のこいつがじっくり面倒見てあげるわ!」
 なんだそりゃ。世界を……何だって? 何だか仰々しい名前だった気がするが、お前今何て言った。
 悪いが俺の未来日記にそんな怪しい集団活動に入る予定などは一文字も書かれていないはずだ。それといい加減にネクタイを離せ。
 そんな俺の数多の訴えを全て一蹴するとこいつは……ハルヒはまるで百ワットの輝きを思わせる笑みを浮かべて、


「世界を大いに盛り上げる為の涼宮ハルヒの団、略してSOS団っ!
 もしあんたたちが日常をつまらなく感じ始めたなら、迷わずあたしたちの所に来なさいっ! 以上っ!」

 そう、世界に宣言した。


201イノチ カケテト:2007/04/06(金) 07:51:43 ID:5HtW4RU5


- * -
「頑張ってね。あなたが進むその道は、いつか此処へと繋がるから」
 走り去る少女と、あたしから力をもらったあの少女がこれから進んでいく時間軸に、小さく別れを告げる。
 あたしは少女に背を向けると、自分が進むべき選択分岐へその一歩を踏み出した。

 あたしを、もう一度始める為に。
 あたしが愛した全てのモノを、もう二度と手放さない為に。


202名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 07:52:56 ID:5HtW4RU5
以上っす。小ネタ以外では久々でした。
では。
203名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 09:06:02 ID:CxS75zgJ
転載かと思っちゃいました。「佐々木入り」リメイクですか。
九曜と喜緑さんのシーンがいいっスね〜。
204名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 11:27:52 ID:6mccn1hD
193、199、201が誰と誰の会話かわからない俺はどうせ脳みそ萎縮してますよ(´・ω・`)
205名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 12:03:19 ID:CxS75zgJ
今ハルヒと、ちびハルヒでしょ?
最初の情報フレアは、結局ハルヒが自分で(過去の)自分の
スイッチを入れに行ったんだという設定で。
206名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 12:42:52 ID:6mccn1hD
あーなるほど最初の情報フレアは193ってことか。
で無になった世界でのチビハルヒと今ハルヒの会話ってことかな?
207名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 12:44:35 ID:6mccn1hD
すまん、2行目は違ったな。昔の思い出の話か。
208名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 12:54:21 ID:rFuk++3p
話の厚みがぐっと増加
非常に面白いです




193は考えるまでもないだろ
分裂読めとしか

いや、佐々木と橘
209名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 13:07:58 ID:5adhOOFz
193は俺もわからないなぁ(´・ω・`)
天秤の「涼宮さん」「あなた」の部分で誰と誰だかわからんし。
199は『』が今ハルヒ「」が昔ハルヒだろ?
201はこれからのハルヒが喋ったこと

こんな解釈でいいのかなー。俺もかなり理解力乏しいから心配だ。
210名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 13:33:01 ID:RgTBB7/n
おおーリメイクキター。マジで泣けた。すごく良かった。ダイジェストだったのに中身がついたね。
>>200のハルヒのセリフはホントに何度読んでも泣けるわ。
多分俺が想定する原作のテーマつーか終着点を、
テンポよく絶妙な言葉選びでハルヒに喋らせてるからかなと思うんだけど。
とにかくGJ。
211名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 13:47:49 ID:rFuk++3p
それでも、佐々木にも救いが欲しいな
とは思う

なんとなくオルタを想起させるこのエンドはすごく好き

あの日キョンが遺した落書きに意味があればいいな
212名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 16:09:41 ID:hxSsAwrN
ハルヒはこれ以上ないぐらいツンデレだが、佐々木って誘い受けだよな……
なにやらエロイ。
213名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 16:31:13 ID:kWCzqcXX
>>212
というか、分裂読んでると
さりげなくキョンにメロメロな描写が。
給食のシーンとか。
214名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 16:34:42 ID:3rvorTZF
今も昔もあからさまにキョンを意識してるんだよな
気付いてもらえない佐々木カワイソス
215名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 17:42:08 ID:whDAm3Dx
「キョン、君はセックスしたことあるかい?」
とキョンを誘う佐々木。
しかしキョンがその気になると、
「……その、優しくしてくれないか。それと、その、する前にできたらキスして欲しい……」
と急に初心になる佐々木。

想像したら萌え死んだ。
216名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 17:58:28 ID:KkFyGwsh
>>215
恐ろしい破壊力だ
217名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:01:44 ID:H2HnkQWl
連邦の新兵器か?
218名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:06:19 ID:EyyFnUx7
>>215
「む、胸は…その、あまり…自信がないから…そんなに、触らないでくれ…」
219名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:07:48 ID:AvwtVKfv
なにを言う!
佐々木はハルヒ並みの巨乳だぞッ!!
220名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:10:04 ID:mbBIADGV
>>219
誰の立場で弁護してるのかkwsk
221名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:13:08 ID:s0piZwU0
>>219
キョン乙
222名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:29:18 ID:Q8/AevPz
「キョン、君はセックスしたことあるかい?」
とキョンを誘う佐々木。
しかしキョンがその気になると、
「……その、優しくしてくれないか。それと、その、する前にできたらキスして欲しい……」
「分かった…キスをするぞ」
キスを交わし服の上から胸を貪るキョン
「む、胸は…その、あまり…自信がないから…そんなに、触らないでくれ…」
「そんな事ないぞ佐々木…俺のジョンも爆発寸前だ…」

223名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:36:20 ID:CxS75zgJ
ジョンて言うのよせキョンwww
224名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:43:02 ID:XDdeUDTU
>>202
このエンドだとハルヒの力が結局何処から来たのかが謎のままだよな。
でもそこが、話より一層面白くしている。
GJでした。
225名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 18:43:16 ID:rFuk++3p
落下感が並じゃないwww
226名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 20:38:15 ID:3GXDiDX1
>>202
すげー。オールスターになってる。まさか「わたぁし」まで出してくるとは。
喜緑さんと九曜のシーンも燃える。
とにかくGJっ! あんたスゲぇよ。
227名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 21:31:47 ID:+wDMhEla
>>202
ちょっとだけ残るもやもやとした読後感までひっくるめてGJ!!
この結末をきっちり予期しながら、あえてツンデレなエールを送る藤原パンジーが(・∀・)イイ!!
228名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 21:38:04 ID:MF0/zAmZ
エープリルフールのSSの感想レスを眺めてたときも思ったけど
このスレって読解力というか、理解力のちょっと乏しい人結構いるよね
229名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 21:47:06 ID:almMVq+H
>>228
お前には配慮と自制心が足りんな
つチラ裏
230名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 21:50:35 ID:H3cdCfwn
>>228
理解出来る人はなにも書き込まず、出来ない人は質問を書き込む。だから目立つ。それだけの事なんじゃ
231名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 21:56:13 ID:xZfQtbWE
>>229-230
他人を見下して優越感に浸りたい若者なんだから黙っとき。
232名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 21:58:59 ID:kWCzqcXX
そんなことより佐々木タンの萌えシーンでも想像してる方が楽しい。
佐々木は俺の嫁。
233名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 21:59:25 ID:8j43F4TK
もう春休みは終わってるはずなんだけどなあ。
234名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 22:05:54 ID:IYQTniVI
>>233
気にするな。年中休みの人だっているだろうに。
235名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 22:07:38 ID:Q8/AevPz
佐々木タソは視姦済み!
橘も捨てがたい
236名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 22:13:57 ID:zbf1xfS1
四月。 軽い作風なのになんかツボった
キョンサイドで終わり方が半端に思えてモヤモヤしたけど
ハルヒサイドの終盤読んでニヤニヤが止まらない。職人GJだ
237名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 22:33:23 ID:TbhdIhnN
毎日のように佐々木やハルヒをネタにキョンを喫茶店へ誘い、
「他の人に聞かれると困るんです」 と言って閉鎖空間へ連れて行く橘。

その先はわからない。
238名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 22:49:38 ID:xEwspMRH
>>237
まぁ確かに、キョンを骨抜きに出来ればなし崩し的に佐々木も説得出来そうだしな…
で、ハルヒの力を佐々木に移植したまでは良いが、嫉妬に狂った佐々木にヌッコロされると。

橘かわいいよ橘
239名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 23:03:51 ID:ObhRbXgU
>>202
おお。いいなあ。GJですよ。
240名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 23:26:07 ID:zbf1xfS1
>>237
「……その、今日はどうでした?」
 少しだけ気だるさを滲ませた、誘拐少女の頬にかかる後れ毛を撫で付けてやる。
 喧騒に包まれた世界に復帰して、吹き付けた涼しい風と、熱の余韻を帯びた俺の掌。
 そのどちらに橘は目を細めたんだろうな。
「ん……。ずるいのですね。なにも言ってくれないなんて」
 なんて言うべきなんだ。浮かんだ言葉はただひとつだけだった
 ……すまん。
 それが声になる前に、俺の唇は橘のそれによって塞がれていた。
 いらうようについばんでくる柔らかな感触。
 翻弄される意識が現実に引き戻されたのは、そこから漏れてきた囁きのせいだった。
「大丈夫です。涼宮さんには言い付けません。もちろん佐々木さんにも」
 あの日から幾度も繰り返された別れの儀式。
 慣れる事のない後悔の念が胸を満たす。
「だから、また会ってくれますよね?」
 ベルを聞いたパブロフの犬のように、習慣となったセリフが喉まで浮上する。
 珍しく少女がその均衡を破って言葉を付け足してきた。
「ヒミツを守るためにヒミツを重ねていく。ずるいのはわたしですね。
 もう、なんの為にこうしているのか自分でもわからないのです。
 あなたに会うために、それだけかも。それでも、また会ってくれますか?」
 名前の出た二人の少女の顔が思い出して胸が疼いた。それでも俺は――
「ああ、またな」
 デジャヴのように、この言葉に微笑して身を翻す少女を眺めるために、いつもの返事を返すのだった。

中間部分、だれか大至急頼む
241名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 00:48:17 ID:2zOyq1M8
橘「さぁ、始めましょうか?」
いつもながら裸になるのはちと恥ずかしいが…正直たまりません。
橘「ん…んっ…ちゅ…あぁん…」
濃厚なディープキスから始まり俺のジョンは張り詰めてきている。
彼女の胸と花弁を貪りながら快感に酔っていく…
ハルヒや佐々木とも肉体関係には成っているが。
彼女との閉鎖空間での行為は解放感に富み興奮度を増していく

そろそろ寝るので続きを頼む
242名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 01:22:14 ID:3gHmj6Df
ところで、長門×鶴屋さんの電波受信してしまったんだが、ガチレズは対象外か?
243名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 01:26:35 ID:Ae2Dss6d
古来より散々使い古されてきた言葉を贈ろう
「ダメと言われて諦める程度の電波なら最初から書くな」
244名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 01:30:37 ID:qEVdoB7l
出された物は残さず食べる。さぁはやく!
245名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 01:43:17 ID:/3rnbLIy
>>202
涙脆い俺が泣いた
246名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 02:54:46 ID:uPqFL4YD
だからジョンwwww
247名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 02:56:20 ID:KLoRZ/Qw
ジョン自重しろ
248名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 03:51:58 ID:8fGzQadn
ジョンの時代が来るな。

>>213
給食のシーンが見つからない‥‥‥何ページだっけ‥‥‥。
249名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 05:06:13 ID:3ELULpdL
いつからジョンって表現するようになったんだwww

いまふと疑問に思ったんだけど佐々木の外見が目で見てわかるのってある?
250名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 05:19:06 ID:Jm5TDx8z
198 :風と木の名無しさん :2007/04/07(土) 01:16:19 ID:/ITCCTjx0
「この閉鎖空間化もまた、涼宮さんが望まれたことでしょう。
激奏での第二期発表の期待は裏切られ、分裂でも僕メインの長編どころか
あなたが思わぬ方を連れてきて仲睦まじくされている始末。
こんな状態でこのスレの存在に意味はあるのか、とね。」

そう言って肩を竦めたお前のさわやかスマイルが普段の3割減なのは俺の気のせいなのかね、副団長殿。

「さてね。しかしどちらにせよ、勝ち目の無いゲームだって挑んでみるのが僕の性分だ。それはあなたが一番よくおわかりでは?」

ああ、やっぱり行っちまうのかよ。俺はな、機関だ閉鎖空間なんてもんはほっぽっちまって構わないと思ってるんだ。
なんだってそんな理不尽な奴らのせいでお前が傷つかなければならないんだ。ハルヒが世界を造り変えちまう?くそくらえ。
何度世界が更新されたって、またそこでお前を探すさ。
だからな、古泉。
俺を守るだなんて、俺を置いてくだなんて、言わないでくれ。

「泣かないでください」
「泣いてねえよ」
「困りましたね。僕はもう行かなくては」
「行くなよ」
「同志達が助力を待っています」
「行かないでくれ古泉」
「愛していますよ」
「行くな!」
「心から、あなたのことが好きだ。」

そう言うと、赤い光はウィンクするみたいに大きな弧を描いて虚空へ飛び立って行った。

201 :風と木の名無しさん :2007/04/07(土) 02:03:38 ID:RALeWV5J0
>>198
ときめきが止まらなくなった。実際にありえそうで涙が…

今更分裂ネタでスマソが、ハルヒの佐々木に対するやきもちについて
古泉が自分自身を例えにして取り上げているのに萌えたよ。
なんだよ、キョンに気にかけて欲しいんだね。とニヤニヤが止まらないw
251名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 06:33:09 ID:uPqFL4YD
>>250
やべっww感動した
252名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 11:23:22 ID:FVxS3YZs
ジョンはもういいよ…
253名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 11:38:15 ID:TTZNWL4A
ジョンか……俺が初めて見たのはキャラスレだったな。
254名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 11:55:31 ID:WdgvQtxW
>>249
分裂持ってないの?
扉絵の最後のやつと挿絵でキョンと並んで歩いてるやつあるじゃん
255名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 12:17:18 ID:rBbu6651
         i-.''"::``丶、.__,,..-‐'' ̄`>、                |
      ,-ー' |:::::::::::::::::ニニキニニェィ':":::::`'-,              |
      i:::::::::∧::::::::::::';:';::::::::V::/::::::::::∧:::::::',               |   ぷらぷら
     l::::::::::i ヽ::ヽ:::::i::i:::::::N/::::::/:/ i:::|:::::',         ((   |  
.     l/|:::|';七  ニニ、:N::|ヽ|:::|::七/ ニ|/|::;'レ               |
      l::|∧ |   ヽ{::|ノ|:::}:/  |  /レ                |
      N |:ハ ' _, ,.|:!  l:::| ,_ ./|:::i              J  ))
   フ    V .>、_ ィ レ  V.ヽ __/ レ ヽ⌒)
    ッ     /''": 7 | `><´ i: :j- .,_   `´__
.     i--ー-v: : : /: : :i∧;;;;;N: : l: : : i   /  `⊃
.     7ヽ  ノ'; : :'-、; :.i /::::', i: :_l: : : :i /:ヽ、  ',
     (_,.-': : :'; : : /: : :v:::::::v: :.'; : : : 〉': : : : ヽ,  .l
       '; : : : :'; :/:\: : ';::::,l: :/: : : :/: : : : : :/  ̄
256名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 12:41:40 ID:FVxS3YZs
「いや!やめてよ!離しなさいよ!」
逃げ惑うハルヒの体に幾つもの手が伸びる。
必死に抵抗するハルヒの腕を一人が掴むと、尽かさず何本もの手が肩や腰を掴み 椅子に押さえ付ける。
更にロープで彼女の手足を縛り、
素早く四股を椅子の足と背もたれに括り付けていく…
「こいつは足癖悪いから、足は念入りに縛っておくか?」
誰かが発した声に素早く足元を掴む手が応答し、かつ足元の束縛を強さを増す。
「こんな事して、良いと思っているの?あたしはSOS団の団長なのよ?」

だがしかし叫んではみたものの拘束を振り解こうとするが、
257名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 12:44:34 ID:FVxS3YZs

手足に痛みが走るだけだった。
「大声出しても無駄だよ。旧校舎だしさ…」
「……クッ…」
唇を噛み締めたハルヒは身体を動かすのを止め、暫く沈黙した後
彼等に訪ねた。
「…で…あたしをどうするつもり?」
「涼宮さん…判っている癖に」
ニヤニヤと笑いながら、自分の物を取り出した。
苦虫を噛んだ表情でそれをみつめるハルヒ。
それはヌメヌメとした薄汚い褐色を帯びている。
「コイツが今から涼宮の体内に入っていくんだよ。」
彼はそう言うと、悍ましい物を目の前に突き出す。
むせ返るような悪臭が漂う。
258名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 12:45:50 ID:FVxS3YZs
ハルヒは突きつけられたそれから顔を背けた。
目を閉じ、顔を歪めさせ、臭いに耐えているハルヒ。
教室では決して見せた事無い彼女の必死な姿を見て彼女の周囲を囲んでいた連中はニヤニヤと笑っている。
すると銘々の一物を取り出した。
「ヒッ…!?」
小さく悲鳴をあげたハルヒは信じられないといった表情でそれらを見つめていた。
そこには大小様々なヌラリとした蛞蝓の如き醜悪な物達が取り囲んでいた。
「素直に言う事を聞き入れればよかったのに…」
そう語りながら自分の物をグラインドさせると、辺りにはピチャピチャ淫猥な音が響いた。
259名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 12:46:34 ID:FVxS3YZs
続きは明日
260名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 13:15:07 ID:TTZNWL4A
残念、苦手なジャンルだ。
261名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 13:50:53 ID:t6hvpEk+
同じく
262名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 14:01:54 ID:2zOyq1M8
谷口と国木田かな?
俺は平気だけど
263名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 14:13:47 ID:nN5Fs115
正直テンプレそのままつかって書いてるようにしか見えん
264名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 14:52:34 ID:6TYOxCUu
エロパロなのにエロに言い訳を求めすぎ
265名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 16:12:10 ID:BA/yrPvt
まあ学園陵辱モノなんて名前変えればどこでも通じそうだしな
266名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 16:24:11 ID:y7cZbunW
ハルヒの能力考えれば陵辱は有り得んな。

あったとしても

未然にキョンが助けに来る

とか

「俺が一生・・・」みたいな台詞を言わせたいがために起こった

とかだね。
両方とも保管庫にあるし。
267名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 16:48:30 ID:keASFhdR
まぁ作品的に難しいってのと、需要が少ないってのがあるからね。
そういうのは他作品で充足してくるしなぁ、俺の場合。
割り切れないタイプなので。

268名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 17:10:08 ID:xB0RVxbY
ぼかしてミスリードを誘うタイプの作品じゃないのか。
269名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 17:26:28 ID:mbAhu1Sk
●<なるほど、僕の出番ということですね。
270名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 17:46:23 ID:QriQ3d6A
いやお呼びでないよ
271名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 20:18:24 ID:rgEKIy+M
いま、あの喫茶店で橘がキョンに話した事と佐々木に話した内容が違って、
それを佐々木が怒って、百合な展開に…

って電波を受信した。
272名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 21:00:32 ID:O8Mzqa84
↓どうぞこちらへ

涼宮ハルヒの百合
http://sakura02.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1146828488/
273名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 22:47:55 ID:6jgmONyE
>>215
戦艦のびぃむ砲並の(ry
も、萌力が…違いすぎる!
274名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:11:48 ID:h2tITFKp
>>202
よかったなあ。
やっぱハルヒのあの最後の台詞はガチで名台詞だよな。


皆が思うここのSSでの名台詞って何かある?
俺はやっぱ、>>200のももちろん、誰かが挙げる前に挙げておくと、
「立って戦え!! 古泉一樹!!」
ベタかもしれんが、やっぱこれは入るだろ。
275名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:17:12 ID:tLu3vzOt
けだもの一択
276名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:37:14 ID:zrdiTJ47
「立って戦え!! 古泉一樹!!」ってどれにある?
277続きできますた。:2007/04/07(土) 23:40:33 ID:FVxS3YZs
「じゃあさぁ…まずこれを舐めて貰うかな?アーンしなよ。」
褐色の代物を突き付けていた奴が無理矢理ハルヒの口の中にそれを押し付ける…
(臭い!いやーっ!苦しいよ…)
口を閉じて顔を振って抵抗する。
しかし鼻を摘まれて口を開けざるを得ない状態にされてしまう。
その間に口の中に悪臭を放つ一物が入れられしまった。
(うぅえ!)
胃の奥から嘔吐感が涌き上がる。
喉にまで胃液がせりあがりそうになるがそれを押し退ける圧力で更に深く唇への凌辱が続けられていく。
粘った物が舌に喉に絡み付き、悪臭が肺に突き刺さる。
278名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:42:25 ID:mLhyefUn
『少年オンザグラウンドゼロ』
是非読むべき
さらに、その人の作品は全て読むべき


俺が好きなのは
「これが、わたしの――禁則事項でした」
279名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:43:56 ID:FVxS3YZs
「すぐに飲み込むなよ。いい?舌の上で唾液と混ぜてよく味わいなよ。」
口の中がいっぱいドロドロとした粘液と生臭い匂いが溢れ、呼吸が出来なくなる。
(……苦しいよ…何で私がこんな目に合うの?)
ズルリと喉が滑る感触の忌まわしさに鳥肌が立つ。
気道に少し入ってしまい、ゴホッと咽び込んだ。
苦しくて涙目になったハルヒの口元から、
ツーと唾液と粘液が交わり糸を引いて滴り落ちた…
「やっぱり…本当に苦手なんだね涼宮さん。」
「お前にも苦手な物あるんだな!涼宮!」
「信じられないのね。こんなに旨いのに」
280名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:46:27 ID:FVxS3YZs
そう言う阪中はクチュクチュと音を立てハルヒに半分食べさせた「納豆」の残りを箸でグラインドさせるとズルッと飲み込んでいった。
「俺なんて毎日食べているぜ!」
「納豆は美容にも良いんだよ涼宮さん。」
ひきわり納豆を手に持ちながら国木田が言う。
「そんな事言っても嫌な物は嫌いなのーっ!」
身をよじって叫ぶ半ベソのハルヒ
「…ねぇ…もういいでしょう?早く離してよ」
「だったら素直に白状するっサ♪」
「そうなのね。本当の事知りたいのね。」
「そ、それは…いや…その」
281名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:47:03 ID:tLu3vzOt
いいよいいよ
印象派のコンクールにデジカメ写真を印刷して送るような
その才能が羨ましい
282名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:49:08 ID:FVxS3YZs

口篭るハルヒ
「それともめがっさ食べたいのかい?ハルにゃん?谷口君それ開けるっサ」
鶴屋がそう言うと谷口は目を輝かせ手元の【特大大粒納豆】わ開けた。
「無理無理!絶対無理!止めて〜!大きいのは嫌ァー」
粒の大きさにビビるハルヒ。
「わ、解ったわよ!言うわ!言うから許してっ!」



「あー楽しかったね。阪中さん」
「傍目からバレバレなのね。やっぱり本人の口から聞くのが1番なのね。」
「さっきの台詞今度はキョンに直接言えるといいなぁ」
「めがっさ素直じゃないからサ。苦労するニョロ。」


終わり
283名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:49:29 ID:O8Mzqa84
>>276
少年オンザグラウンドゼロ

二人乗りーズ書いたひとのだね
ブログでも公開してる
284名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:51:34 ID:2J0Mo2uA
>>282
俺は好き
285名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:51:57 ID:qnEH1JQb
>>282鬼才あらわる
286名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:55:10 ID:8fHmKxOj
>>274
俺は「       」 を挙げておこうか
287名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:55:22 ID:FVxS3YZs
少年オンザは良かった。あのレベルには敵わないな…
288名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:59:20 ID:agHJieaf
名セリフじゃないけど

さっきの抱擁を返してもらうぞ
古泉「どうやってですかw」
こうやってだ。
背後から古泉をそっと抱き締めるキョンと黙り込む古泉。

こんな流れの会話が印象深い。これなんだったろう?
289名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 23:59:31 ID:2J0Mo2uA
あんたもなかなか尖ってると思うぜ
290名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:09:47 ID:k9ueArl+
>>288
キョンの消失だったような
291名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:16:17 ID:uECk1IM2
>>290
それだっ! 同名のがあって気付かなかった。サンクス
292名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:19:08 ID:WLZqWfK1
>>288
たぶんキョンが女性化する話の「キョンの消失」だと思う。
キョンが長門を後ろから抱擁して、更にその後ろから古泉が抱きしめてサンドイッチになったり
みくるとキスしたり、ハルヒと酒盛りをしたりと色々と見所があったな。

エロパロで投下された中では一番好きな作品だ。
293名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:29:21 ID:uECk1IM2
「女性化キョン」って一見して小ネタみたいな世界改変かと油断したら
壮大かつ丁寧でメチャ好。。。(省略されました。続きはオススメです)
294名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:30:23 ID:uECk1IM2
44-223 の続き 『カシマシ・インフィニット』
ドタバタ系コメディ?? 10レス前後 第4部
295名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:31:35 ID:eI8w5n5s
涼宮×灼眼

時間があればかいてみたいです
296名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:32:01 ID:uECk1IM2


『――――!!』

 ……ん、あぁ、なんと言おうとしたんだろうな?
 頭の中では既に思い付く限りの悪口雑言、罵詈雑言をぶつけているはずだったんだが、とりあえず目の前の状況はこうだ。
 俺は突き飛ばそうとした左腕も喜緑さんに掴まれ、その喜緑さんの腕をまたもや長門が掴んでいる。そして理想と現実のギャップに戸惑った俺は、罵声と共に開閉するはずだった口の代わりにまぶたをパチパチパチだ。これ、なんてツイスター?
 なんでビクともしないんだよ……反則だろう。
 ちなみに俺の右人差し指だけは理想を実現し、喜緑さんのほっぺたをプニプニ突ついている。なにやってんだミギー。
 しかし、こうなったら穏便に済ませるように努力しないとな。場の雰囲気を和ませるためにも指はそのままプニプニしておこう。
「え〜、喜緑さん……というわけでここは穏便にいきませんか? 頭を切り替えて」
「わたしは最初かふぁそのつもりです。どの口で言ふゅんですか。頭を挿げ替えますよょ。
 それと突つくのはやめてくふゃさい! 涼宮さんに言いつけまふょよっ!?」
 説得の効果は抜群だったらしい。
 だが、それまで笑顔を崩さなかった喜緑さんが、ここにきて眉を釣り上げたので慌てて人差し指を握り込む。朝比奈さんみたいな口調で落ち付くんだがなぁ。
 別にハルヒなんか怖くないぞ。むしろ目の前の長門の瞳が冴え冴えとしてきたのが……それは緊迫感を出してるのであって、俺を睨んでるわけじゃないよな?
「意外に攻撃的なんですね。あなたも、後ろの彼も」
 古泉! そう、古泉はどうしてるんだ? まさかトチ狂って喜緑さんを突き飛ばそうなんて考えたんじゃないだろうな!?
 両腕を固定されて動きにくいが、なんとか首だけで背後を振り返ると……ちょっとジンときたね。
 こいつも怒りを覚えたのか、状況を諌めようとしたのかは解からない。だが、傍観することなく行動に移ろうとしてくれたらしい古泉に、不覚にもちょっとばかり感動した。
 カッコイイぞ。一歩踏み出した姿勢で硬直してる様子はかなりユカイだが、それは黙っててやるからな。
 しかし、笑顔の消えた緊迫した表情もなかなかレアだが、こいつはにやけてないと納まりが悪いな。
「落ちつけよ、古泉。喜緑さんもこう言ってくれてるし、短気はよくないぞ。
 あと、さっき言っていたラプなんとかの悪魔ってなんだ?」
「――――、……――? …………」
 予想通り声も出せないらしい。俺も体験したことがあるからな。間違いなく喜緑さんの情報操作だろう。
「喜緑さん、あいつは喋ってないと呼吸できない体質なんですが」
 穏便にとはいっても、長門に妙なことをされては困る。戦力は多い方がいい。
「やっぱりそうなんですか? それでは声だけ解除しましょうか」
「いえ、身振りを付けないとカタコトになってしまう病気も患ってるんです」 
「……音声だけ遮断したまま解除してみますね。
 長門さんが物騒なプログラム構想を始めているので、構築する前に話を進めます」
 別段これといった動作や呪文もなく、喜緑さんがそっと目を走らせただけで古泉は体の自由を取り戻したらしい。逆にいえば、また動きを封じるにもそれだけで出来るんだろう。まったくもってやっかいだ。
 古泉は一歩だけ前進してたたらを踏み、体勢を立て直してしばらく口をパクパクさせていたが、奇矯な行動は肩をすくめるジェスチャーで締めくくった。
 俺も頭を押さえる特有の仕種で返したかったんだが、両手を塞がれているので首をすくめただけで視線を戻す。
 本気で臨戦体勢に突入しかけてるらしいからな。古泉の声を封じた意図はわからんが、本腰をいれて長門を弁護する必要がある。
「そのエラーですがね、間違いとかじゃないんですか?」
「わたしも確認したい。わたしはわたしのエラーが許容値に収まっていると判断している。自己で処理できる範囲」
「本人もこう言ってますし、最近は特に変わった事件もなかったんで、そうそうエラーなんて……」
「なにもないからこそ起こるエラーもあるんですよ? わたしが気付くのに遅れたのも同じ理由ですけどね。
 このところ大きな変化が無かったものですから、昨日の夕方、長門さんからの情報流出を感知しなければ見逃すところでした」
 朝比奈さんに噛み付いた時か……ちょっとハイテンションだったしな。
297名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:33:08 ID:uECk1IM2
「長門さんのエラーが、それを認識する領域を圧迫していること。
 そして、そこから自他を欺瞞するコードが生成されています」
「……してない」
「長門さんの意思ではないのはすぐ解かりました。
 その欺瞞コードは、認識してしまえば解析・排除が容易で、稚拙で無駄が多すぎたんです。
 長門さんのクセも見られましたが、たぶん無意識なんでしょうね。
 長門さんに自覚してもらえれば……そうですね、ちょっと手を、ここに」
 喜緑さんに掴まれた手を引かれて、長門の膝の上に――えぇと、居心地悪いんですが。
 TFEIコンビはまだベンチに腰を下ろしたままで、その片方にのしかかるように太腿に手を伸ばす俺は……変質者っぽいな。
「あなたはしゃがんでください。えぇ、もうちょっと近付いて、うん、上目遣いに……そうそう!
 さ、有希ちゃんも彼の手を握って。ほら、照れないのっ」
 世話焼きのオバちゃんみたいになってますよ。それが地ですか?
 まあ、従いますけどね。二人の前にしゃがみ込むと、喜緑さんが両手を解放してくれた。これはチャンスなんじゃないか?
 もう逃げる気はないんだが、それでも納得する前にエラーとやらを弄られるのは良い気しない。男の上目遣いなんてあまり良いもんじゃないだろうが、長門、喜緑さんの腕を離して距離を取ってみたらどう――って、え? なんで? 
「うんうん、よかったね」
 喜緑さんはさっきまでの無機質な笑顔から、ほんわかした暖かい笑顔に切り替わっている。なにがよかったんだろう?
 長門は……掴んでいた喜緑さんの手を離し、なぜか俺の掌をギュウギュウと両手で捕まえている。長門?
「…………つい」
 今日は視線での会話に失敗してばかりだな。それどころか長門は掴んだ俺の手を凝視したまま、あ、こら、あんまり揉むんじゃない。ムズムズするから!
「まあまあ、気にしないで」
「……気にしないで」
 二人がそう言うなら気にしませんが……シリアスはどこにいった?
「最近、図書館に行きましたか?」
 唐突ですね。そういえば最近行ってないかな。俺は一人で行くことはないし、この前の探索の時は長門とペアにならなかった。先週は探索自体がなかったしな。長門はどうだ? 
「一緒に行くことが大事なんですよ」
「……そう。まさにそう。そういえす。ぜひ、図書館に」
 そ、そんなに行きたかったのか。まぁ、襲い来る睡魔との勝率は悪いが、そんな俺でよければいつでも付き合うぞ。
 そうだな、今度SOS団みんなで図書館探索に行くのもいいかもな。それならペアにならなくても――ん? なんだよ、喜緑さんも古泉も、困ったものですねってジェスチャーは。いでで! な、長門? ちょっと力が強いぞ。手が痛いんだが。
「まったく……。あなたは最近の長門さんに、なにか違和感を感じませんでしたか?」
「……いや別に。最近ちょっぴりお茶目かなとは思いましたがね。長門も成長しているんだなぁと」
「あなたは無駄なところで度量が広すぎるんです。気付いていて許容するのでは、もっとタチが悪いですよ」
 そうは言われても、長門が自分の意見を持って、そして話したり行動してくれるのは嬉しいもんだしな。
 古泉、なんでロックも流れてないのに前後にヘッドスパンキングしてるんだ? 今たぶん真面目な会話をしてる最中だ。会話に参加できない禁断症状でも自重してくれ。
「一番タチが悪いのは、重要な部分だけは気付かないところですね」
 人を朴念仁みたいに言わないでください。俺ほど心の機微を読むことに長けた高校生はいないと思いますよ。
 だから古泉、大人しくしてろ! BGMがヘヴィメタに切り替わったのか知らんが、髪の毛が乱れるほど首を上下してるとそのうちもげるぞ。
「いいですか? 今度『二人で』図書館に行ってきてくださいねっ。
 長門さんにとっては、エラーの抑制や解消の為『にも』、そういうささやかなひとときが大切なんです」
 そんな恫喝しなくても行きますよ。長門と図書館に行くのは、寝心地が良いのとは別にしても嫌いじゃないんでね。
 他にも含みがありそうだったが、俺の睡眠不足解消『にも』重要なのかもしれないしな。いや、寝るのが前提で行くわけじゃあないが。
 普段の騒乱とは切り離されたノンビリした時間はわりと好きなんです。本棚に囲まれて少しだけ昂揚してる長門を眺めるのを含めてね。
「……感謝する。喜緑江美里」
 そんな光景を想像していたからだろう。長門の表情が少しだけ緩んだ気がした。俺の手に加わっていた握力もな。
298名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:34:36 ID:uECk1IM2
 なにに感謝したのかいまいち理解できなかったが、思うところがあったんだろうさ。しかし、小指同士を絡めるのは何の関節技だ? 痛くはないが、ちょっとこそばゆい。
「エラーが少し解消できましたか?」
 コクリと確かに頷いて、喜緑さんに向けた長門の瞳は、
「それによって、わたしも欺瞞コードの存在を確認。処理能力の規定ラインを超えたエラーの蓄積も認識できた。処置を依頼する」
 決断に引き締められていた。それでも少し緊張しているようにも感じて聞かずにはいられない。
「……いいのか?」
「いい。わたしという個……わたしが、わたしであるために必要な措置。
 この件では喜緑江美里を信頼している」
「心配しないでください。わたし達がエラーと名付けてしまったものが、長門さんにとっては大切なものだということは理解してるつもりです。
 ですから、信じてもらえませんか? わたしは長門さんの敵ではないんです。大丈夫、まかせてください」
 二人がこうまで言うなら、もう俺がごねるべきじゃないんだろうな。
 そもそも俺が口を出して良い問題なのかも疑問だが、喜緑さんの言葉も真摯なものに感じられたし、俺も長門に暴走してもらいたくはない。
 エラーとやらが長門を圧迫していて長門もそれを感じているのなら、俺も誠意をもって頭を下げるべきだろう。
「わかりました。長門を、お願いします」
「ええ、長門さんが認識してくれたおかげで協力して処理出来ます。
 極力消去を避け、選別してエラーを圧縮。長門さんが落ち付いたら、少しずつ自分で処理できるように……それでいいですか?」
「……ありがとう」
 微かな声量で告げた言葉に、柔らかく微笑みで返した喜緑さんの顔が、そっと長門に近付いてい――え! 俺の目の前でそんな!?
 俺はたぶん不埒な想像を交えながら向けられているだろう古泉の視線を遮るべく、目を大きく開いたまま良く見えるようにと頭を動かした。あ、違うぞ、驚きに目を見開きながら、だ。
 こつん。長門と喜緑さんの――額が重なったのは数秒だけ。もちろんさっきのは歯がぶつかった音だったりはしなかったぞ。予想通りだ。
 これで終りか。やけにあっさり――うん? 長門? 長門の様子がおかしい。
「おい、長門!」
 ベンチから崩れ落ちたりはしなかったが、こいつらしくもなく体を弛緩させ半眼でボンヤリとしている。
 このデコッパ宇宙ワカメ! 謀ったな! 俺のお父上は悪くない普通のサラリーマンなんだぞ!
「落ち付いて! 安心してください。わたしが行ったのは表層域の調整、情報と処理プログラムの伝達です。
 長門さんはいま、えぇと――有希ちゃん個人の、わたしにも知られたくない部分のエラーを処理してるだけですから。
 情報統合思念体からのサポートで組み立てたプログラムですから性能は抜群ですよ。
 それに長くエラーに接するのを避けたいんです。わたしの中にもあって、今も少しずつ降り積もっているモノですからね。
 自分のエラーを処理するので手一杯」
 取り乱しかけた俺は、少しだけ憂いを含ませた表情に言葉を失ってしまったが、喜緑さんの言うとおり大丈夫ではあるらしく、繋いだ長門の手が俺の声に反応して強く握られた。
 弛緩したままでなにごとか呟いてはいるが問題はないらしい。
 喜緑さんも自分の中に育つものに困惑してるんだろうか?
 いつもの余裕のある応対は単に反応パターンが豊富なだけで、内心では人知れず頭を悩ませているのかもな。
 長門のように灼熱の情報フレアに直火で炙られることは少ないだろうが、喜緑さんも同じ対象を観測してるんだ、無駄にループしちまったあの夏休みも体験し…て……夏休み? エラー? 
 いやいや、これはもういい! それは考えるな…感じるんだ……そう、寝言でもないんだろうが、長門がむにゃむにゃ呟いてる方に集中してみると――って、おい! いま「キョンきゅぅん」とか言わなかったか!? 言わなかったよな?
 まさかお前まであだなで呼ぶんじゃないだろうな? 俺の本名は呪われてんのかと疑いたくなる。
 ハルヒは「キョンはキョンでキョン以外の何者でもないのっ!」とバッサリ斬り捨てやがったし、古泉なんか携帯電話をいじりだしたかと思えば、アラームを鳴らして「いけません。急用が入ったようです」とか青ざめた顔で帰宅しやがった。
 朝比奈さんに至っては、渋るのを一度だけと約束してお願いしたんだが、口を開いた瞬間頭を抱えて気絶する始末。TPDDの誤作動ですと言ってたが、以来トラウマになってしまったようだ。
299名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:35:44 ID:uECk1IM2
 というわけで長門、お前には期待していたんだがな。あだなで呼ばれた事もなかったし。
 以前軽く話題を振った時には「呼称の変更は推奨できない。また、将来的に現状のまま呼ぶのがより相応しい状況の発生もありえる……から」とかなんとかはぐらかされたうえに、朝比奈さんがお盆ごとお茶を取り落としてしまったり、
ハルヒが「校内探索に行くわよっ!」とかいきなり騒ぎ出し、引き摺り回されたからうやむやになっちまった。そういえばその日、勘がいいのか古泉はサボリだったな。ひどいヤツだ。
 だがまあ強要はすまい。もしかしたら俺の本名は、この世界が終わってしまう前兆のラッパと同じ響きを内包しているのかもしれないしな。
 不吉な予兆を頭から振り払うと、その代わりでもないんだろうが脇腹がチクリと疼き、ひとり、眉毛を誇示する優等生然とした少女の事を思い出した。
 ……アイツにもあったんだろうか? 一人で抱えこむには重たいと、そう思うことが。
「あの子が、もしかしたら最初にエラーを感じたのかもしれませんね」
 思わず呟いていたらしい。誰の事なのか理解したんだろう。遠く、雲を眺めながら喜緑さんが言葉を返してきた。
 もしそうだとしても、その頃の俺には、喜緑さんや長門にも、何も出来なかったんだろうな。久しぶりに再開する状況を引き起こした事件のように、止めることは出来なかったんだろう。
 今なら……今の俺達ならなんとかできるんだろうか?
 泣いた赤鬼。『転校』してしまった級友。消えてしまう時にも笑顔しか持ちえなかった少女。
「長門さんに借りた本の中にこんな一節がありました。
 『別の民族を理解するには服飾を模倣し、同じ物を口にする。なにより言葉を学ぶのだ。
 頭の中で翻訳するでもなく、ありのままの言葉そのものを理解できるまでに修得したなら、
 それは民族意識下に流れる思想の本質を獲得したことに他ならない。
 思想を構築し、表現するための言葉は、その民族の言葉にしか正しく存在しないのだから』」
 よくわかりません。今、いい感じでシンミリしてるので静かにしてください。
「有機生命体である人間の姿を得て、
 一緒に行動し、会話し、観察し、考察し、
 そして思い悩む『わたしたち』は、これから何になっていくんでしょうね?
 すこし不安で、とても楽しみなんです」
 あぁ、ちょっとだけわかりました。
 なるようになれです。なりたいものを見つけて、そして少しでもなりたいものに近付いていければ、それはいいと事だと思いますね。
 それくらいで、いいんだと思います。
 変化、か……。
 ――毎日の生活が楽しい方向に変わるような事件だったら、ちょっと素敵かもね――
 ……あぁ、そうだな。
「いろいろと苦労もかけるとは思いますが、『わたしたち』の長門さんをどうかよろしくお願いしますね」
 そんな神妙に頭を下げられても、俺達の答えはもとからひとつですよ。まか――
「まかせてください。僕達なんでもありの愉快団、特に涼宮さんはハッピーエンドがことのほか大好きですな方ですから。
 あぁ、やっと話せるようになりました。本当に呼吸困難になるかと思いましたよ」
 まかせ――。
 ……こういうところは意地悪なんですね、喜緑さん。このタイミングで古泉を解放するとは。
「ところで先ほど質問されたラプラスの悪魔なんですが――」
 今もいい。別に腹を立ててたりはしないぞ。
「そうですか……それでは時間のある時にでも」
 そこまで落ち込まなくてもいいだろうに。
 だが肩をすくめる仕種のキレといい、やはり口がきけると調子も上がるんだろう。
「それで喜緑さんにひとつ質問なんですが、よろしいですか?
 いえ、長門さんの件は、お互いに信頼して行ったことのようなので、今更僕が口を出そうとは思いません。
 先ほど『敵ではない』と仰いましたが、それを伺いたいのです。言葉を変えましょう。あなたは僕達の『味方』なんですか?」
「うふふ、あなたなら気付くと思って黙ってて貰ったんですよ」
 クスクス微笑みながら自分の唇を人差し指でなぞる喜緑さん。生徒会長もウットリですね。
 だが古泉には通用しませんよ。なぜならこいつはガチではないがバイではないとの保証はどこにも……どうした古泉?
「……いえ、なんだか失礼な視線を感じたもので。
 こほん。やはりそうですか……。
 あなたの立ち位置からすると、涼宮ハルヒ以外のアクションでの混乱は避けたい。その場合は敵ではないんでしょうね。
 ですが、涼宮さんが、いや、涼宮ハルヒの力が主導となった変動の場合……」
300名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:36:57 ID:uECk1IM2
「味方にはなれないんです。ええ。収集が付かない場合は別ですが、わたしの目的は力の観測ですから。
 こちらから誘発しようとは思いませんが、事が起きれば少し長引いてくれたほうが有難いんです」
「つまり、今がその状況なんですね? そしてこれから起こることが。
 先ほどから嫌な予感が止まらないんですよ。ただの勘違いなら良いのですが、あなたには予想がついているんでしょう。
 普段のあなたならもうすこし円滑に、速やかに用件を済ませることも出来たはずです。
 ならば今の状況は明らかな時間稼ぎ……違いますか?」
 難問に答える神童のような古泉と、その出来に満足する塾講師のように鷹揚に頷く喜緑さん。
 というか古泉、時間稼ぎだとしたら……まずくないか? 楽しくても弁舌を揮ってる場合ではないんじゃ……。
「内心の動揺を押し隠して、健気にも平常をよそおう朝比奈みくる。彼女は優秀な人材ですね。
 そしてあなたも。その洞察と直感はあなた個人の資質ですから、もっと評価されるべきでしょう。
 でも、今日は本当に偶然お会いしたんですよ?」
 小首を傾げる喜緑さんは、すっかりもとの微笑をデフェルトにした底の知れない存在に戻っちまった。
「あなたのような人物の『偶然』は信用できないのですよ。なぜかはわかりませんが」
 鏡を見てる気分だからだろ。
 それより急ごうぜ。なにか起こりかけてるんだろ、とは声にならなかった。
 長門と繋いでいた手がそっと押し戻されて、注意が逸れちまったからな。
 もう大丈夫なのか?
「…………」
 さっきまでの状態が状態だ、無言だと不安になるが……僅かに顎を引いて頷く長門の磨かれた黒曜石みたいな瞳に、煌く意思の光をみとめて俺の天秤は安心へと傾いた。
 絡んでいた小指が外れると俺達は立ち上がる。視線が集まったのは短い時間だ。
「随分ですね。真相はどうあれ、そういうことにしておいてください。
 ああ、なにか始まったようですよ?」
 耳目を集めたついでだが、「急ぐぞ」とのセリフはもう手遅れらしい。
 部室棟に可愛く顎をしゃくる喜緑さん。
 古泉は勢いよく振り返り、長門も静かに視線を向けている。
 こういう時だけは一般人属性が歯がゆいな。部室棟を眺めても何処に視線を送ればいいのかわからん。
 しかし、長門の調子も戻ったことだし、何をおいても急――
「急ぎましょう!」
 ……異論はないさ。長門と古泉の異能コンビは足早に部室棟へと向かっていく。
 俺は喜緑さんに礼を言っておくべきか悩んだんで出遅れたが、必要はないのかもな。わざと拘束時間を長引かせたらしいし。
 二人を追いかけようと向けた背中に、
「このさき、いえ、今回のことではないんですが。
 このさきなにがどうなるのか、わたしたちにもわかりません。ですから――」
 ――それまで、みんなとお幸せに、ね。
 そんな声がかけられた。
 ベンチに腰掛けた喜緑さん。
 その肩に手を置いて、笑顔を湛えた黒髪ロングの少女が佇んでいる、気がした。
 まあ、気のせいさ。
 俺は、上級生にするにしては雑な、同級生にならそれなりな、片手を挙げるだけの挨拶を残してその場をあとにした。
 これから暑くなってくるとちときついが、そうだな、いつか涼しくなったらまたご相伴にあずかるのもいいかもしれない。
 落ち付いて味わえなかったが、あつあつのオデンはかなりうまかったはずだ。
 そんなことを考えながら、先を行く二人を追いかけた。

 脇腹は疼かなかった。

301名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:37:36 ID:uECk1IM2


 さて、先に出発した二人組に追いついたのは、これが予想外に早かった。
 俺もかなり慌てていたのだが、この二人の本気なら後塵を拝することも出来なかっただろう。
 急ぐんじゃなかったのか? まだ振り返ると喜緑さんが見えるぞ。
「……いえ、気持ちは焦っているんですが……感じませんか?」
 なにをだ? 俺にはそういった類の変態パワーは――まさか、アレか?
「閉鎖空間か?」
 自分で言って胸の奥に苦いものが広がった。
 古泉には悪いが、気にかかったのは閉鎖空間そのものじゃあない。閉鎖空間が発生しても、俺に出来るのは「頑張れ古泉」と応援することだけだしな。
 俺が一番に恐れたのは、閉鎖空間を引き起こすような『ストレス』をハルヒが感じたのかって事だ。
 頭を下げるのに飽きたハルヒが、許しを貰えなかったからといって、不愉快になるような奴ではないと信じたかったし、無体にも朝比奈さんに逆ギレする様子なんか想像も……想像は容易だが、今日は絶対に有り得ないだろう?
 我ながら随分としかめつらしい表情だったと思う。それでも、そんなことはないよなと祈りを込めて確認する。
「その件もですが、お聞きしたかったのは……違和感です」
 古泉は、「失礼、靴を」と言って自分のゲタ箱に向かっちまった。やっと昇降口か。
 一旦バラけてすぐさま廊下に集合。部室棟に向かうが、速度は歩いているとしか言いようが無い。
 さっきのラプなんとかの仕返しか? 焦らすなよ。発生してるのかしてないのか。
「違和感です」
 いや、そこは繰り返さなくてもいい。
「早く状況を確認したいのですが……足が竦むといいますか、急ぎたくないと強く感じているんです。
 風の強い日に板の欠けた古い吊り橋を渡っているような、そんな気分を……あなたは感じていませんか?」
 確かに気まずい事件だ。向かう足が渋るのもわかるが、そんな場合じゃないだろう。
 まあ、本当に緊急事態ってんなら、暢気に靴を履き替えたりしないんだろうが。
「うまくご説明できないのですが、僕が及び腰になっているのでなければおそらく涼宮さんの力です。
 それに、これをご覧ください」
 古泉が意味ありげに手を差し出してきた。開いた掌を上に向け、特に何か握っていたわけでもないんだ、が――!
「おまえ、これは!?」
 目を凝らさないと見逃しかねないほど微かにだが、手首から先が輪郭線を強調するように赤く瞬いてやがる。
 洋画によくある場末のバーのネオンを思わせる淡い光が、切れかけた電飾のように明滅しながら輪郭をなぞって走り、掌の上の何も無い空間にはパチンコ玉ほどの赤玉が――浮いていたが、球形に安定することなくシャボン玉のようにはじけて消えた……。
 ……確かにただ事じゃなくなったみたいだな。
 またぞろ妖しげな生物でも……いや待てよ。コンピ研の部長氏がカマドウマになった事件だと、こことはズレた不思議時空に行く必要があっただろう。古泉の超能力は状況制限付だ。
「気付かないうちに妙な場所に飛ばされちまったとか、それともあの映画を撮った時みたいな変化が出てるのか?」
 自販機と会話が成立するような世界とか、挨拶代わりに晴れ時々脳漿が降り注ぐダークワールドは御免だぞ。
「それはありません、と断言できないのが辛いところですね。
 校舎内に、あの空間と似た気配がほんの僅かに混ざっている、僕にわかるのはこれだけです」
 お手上げってわけか。だが投了にはまだ早い。こいつが本調子に戻っていれば、の話だけどな。
「長門……調子はどうだ?」
「……いい。説明する」
 すまんが頼む。さっきの今で負担を増やしたくはないんだがな。
「いい。現在校舎内に複数の力場が形成されている。その全てが涼宮ハルヒによるもの。
 ひとつは空間の多層化。校舎内全域に複雑な空間断層が張り巡らされている。
 ふたつは精神に作用するもの。発生点への接近を忌避するよう無意識へ働きかけるフィールドと、発生点にいる二人の存在認識を阻害するシールド。
 わたしが感知したのはこの三つ」
 ハルヒも自覚が無いとはいえ、またけったいな事をしやがるもんだ。
 後の二つはなんとなく理解できる。友人を泣かせちまって気まずいから『こっち来るな』『こっち見るな』って事なんだろう。隠そうとする気持ちはわかるが、やることが桁違いだ。
「閉鎖空間に似た感覚は空間の多層化から来てるのでしょうか?」
 長門が小さく頷きを返すのが見えた。
302名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:38:45 ID:uECk1IM2
 気のせいかもしれないが、少し落ち込んでるように見えるな。エラーとやらの処理でテンションが下がったんだろうか?
「通常の閉鎖空間とは少し異なる。観測できた範囲では部室棟が四重に存在。同時に存在し全てが本物。
 精神フィールドの影響には個人差があると予測されるが、影響が弱い者ほど涼宮ハルヒから離れた界層へと分散されている」
「おそらくですが、気まぐれ程度では近付かないように人払いをし、目的を持って訪れた人には涼宮さんの存在を感じさせないような、そんな仕組みになっているのではないでしょうか。
 そしてその方たちは、気付かずに日常を過ごしている」
 そんなところか。単純な造りの旧校舎がいつのまにか、複雑怪奇かつ因縁と恩讐に彩られたウィンチェスター館のごとき迷宮になっていたらしい……とことん迷惑極めたパワーだな。
 いくらハルヒでも無関係な人間を、鉄道強盗と早撃ち決闘で賑わう西部開拓時代に飛ばしたりはしないだろうし、異空間と言えば剣呑な響きだが、それでも安全ではあるのだろう。
 部活時間真っ盛りだというのに、部室棟に向かうにつれて雰囲気が閑散としてきた理由はわかった。しかし、それだと俺達もハルヒや朝比奈さんに会えないんじゃないのか?
「涼宮ハルヒと朝比奈みくるが存在しているのはこの空間。
 一帯に偏在する他層空間への入口を回避しているが、全域が歩行速度にも反応すると判断した。
 これ以上速度を上げる事は推奨出来ない」
 これには男二人で口を噤んでしまった。黙り込んだままで階段を上る。
 ……焦って長門を追い越していたらゴールに辿り付けなかったのか。一本道なのに極悪な迷路だな。たしかに古泉の勘の良さは誉められる美徳なのかもしれん。
「到着する前に説明をしたい」
 なんだ? 今の状況はだいたい理解できたと思うんだが。
「……そう、ではない。昨日の事。今日の事。
 ……そして謝罪したい」
 一歩前を歩く長門の横顔からでは表情は伺えなかったが、代理でもないのに古泉が目配せしてきやがった。わかってるよ。
「喜緑さんも言ってただろ。ちょっと計算がズレただけさ。
 ちょっとお茶目が過ぎたかもしれないが、朝比奈さんの為に良かれとやったことだ。俺も止めなかったわけだし、後で二人で朝比奈さんに――?」
 長門は立ち止まっていた。質問に返すわけでもなく頭を左右させる姿はかなり珍しいだろう。
 少なくとも、俺と古泉の足が止まるくらいには。
「長門……?」
「どうかしましたか?」
 振り返って俺を見上げた長門がもう一度首を振る。
「……そうじゃない。事前に喜緑江美里からの情報を得ていたとしても、昨日と同じ判断を下していた可能性が高い。
 わたしは予測を立てる際に、結果よりも結果の後にもたらされる評価に捕われていた。
 そのため必要な情報が揃っていたとしても、わたしが望んだ結末へと帰結するように経過予測を歪曲したと思われる。
 わたしがわたしとして役に立ったという確信の希求を排除できなかった……わたしの失態」
 古泉が「なにもないからこそ……ですか」と小声で呟いていた。喜緑さんの言葉か?
 賞賛や感謝を求めるのは、善意を行う見返りとしてはささやかなものだろう。そのくらいは誰にも責められるもんじゃない。
「そして今日の涼宮ハルヒの接触に対して、朝比奈みくるが精神的な要因により惑乱し、対応策の根幹である反応が発現しないまま状況が推移。両名とも正常な思考を行えなくなっていくのをわたしはただ眺めていた。
 動揺……していたと思う。制止行動をとるべきだったその状況に動けなかった。
 予測の逸脱を許容出来ずに目の前の光景を否定し、わたしは失態を隠匿することまで考えていた」
 ごめんなさいと頭を下げて言葉を切った長門に、俺はちょっと微笑んでしまった。誤魔化そうと考えたことまで白状するなんて、どこまでも素直過ぎるやつだ。エラーってやつのせいにする事だって出来たのにな。
 それに、知っているか? 自発的に嘘をつこうと考えるのは自我の芽生えらしいぞ。居間に転がってた婦人誌の受け売りだけどな。
 子供と同視するのはさすがに失礼だから長門には言えない。だからさっきと同じ事を言うのさ。
「それでもだ。朝比奈さんの為に考えてくれたんだろ? 後で二人で謝りに行こうぜ。許してくれるまでな」
 加害者のハルヒも、ある意味被害者といえるんだが……これは本人には内緒にしないとな。心苦しいがやむをえまい。
「確かにちょっと失敗しちまった。そして俺も止めなかったから同罪だ。だから俺には謝らなくていい。
 失敗は誰にでもあるし、隠したいと考えるくらいは普通の事なんだ」
303名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:40:26 ID:uECk1IM2
「……あなたの期待を裏切った」
 長門と目があう。まるでそれが一番辛いと語ってるような瞳に短く嘆息した。
「なあ、長門」
 いつまでも成長しない妹と接してるせいか、中々抜け切らないクセが出た。
 同学年の女子にはかなり相応しくない応対だが、つい頭の上の手を置いてポンポンとな。まぁいいか。
「なにかあるたんびにお前を頼っちまうのは俺の悪い癖だ。だけどな」
 古泉が優しい笑顔で俺達を眺めている。俺もあれくらいうまく笑えてるなら良いんだが。
「だけど、なんでも完璧にこなす必要はないんだ。
 お前がSOS団にいるのは、他人よりちょっとばかり不思議な力を持ってるからじゃあない。そんなもんは些細なきっかけだ。
 今のお前は団員で、仲間だからここにいる。それだけさ。
 それに、俺なんか失敗ばかりだ。お前ももうちょっと肩の力を抜いた方がいいぞ」
「……そう」
 いや、肩を落とせとは言ってない。まぁ、なんだ……。
「……とは言っても、なにか大変な事が起こったらまた頼ってしまうだろうから、その時はよろしく頼む」
 我ながら情けないが、どうにも格好よく決めるのは向いていないらしい。
「わかった。……ありがとう」
 長門も誰かに頼られるのが嬉しいのかもな。頷いた仕種とその瞳には普段の調子が戻っていた。



「古泉一樹。あなたにも謝罪したい。ごめんなさい」
「いえ、僕はなにも。昨日は途中でリタイアしてしまいましたしね」
 向きを変えて頭を下げた長門に、古泉が微苦笑を返す。
「そうではない……。昨日……喜緑江美里がわたしのエラーを感知した件に関係している」
 頭を上げた長門の目は伏せられたままで……おい、どこを見ている?
「な、なんでしょうか? 昨日は喜緑さんとはお会いしなかったのですが」
 古泉もモジモジしているから勘弁してやれ。
 そういえば喜緑さんも、情報流出のおかげで長門の状態に気付いたと言ってたが、朝比奈さんに噛み付いた時の事じゃないのか? あの時は古泉が退室した後だったぞ。
「あなたが昨日の入室時に、押し付けてきた肉体の一部について――」
「変質者ですかっ!? してませんよそんなことっ」
「…………? 突きつけられた?」
 俺に判断を求められても困る……。首を傾げている長門の目にはどう映っていたんだろうな。その、古泉の前屈み具合は。
 さすがに俺も判断がつけがたいので、とりあえずは頷き返してやった。ナナメに。
「長門さんっ、事実を改竄しないでください!
 あなたもです。お得意の穏便かつ迂遠な言い回しでいいですから、長門さんに真実をありのままに吹き込んでください」
 人を煽動者みたいに言うな。自分で言うのもなんだが、俺は竹を割ったような単純な正確の持ち主であり、持って回って捻りを加えた表現は最も苦手とするところだ。しかし、そこまで期待するならば、と――。
「長門、コウノトリがキャベツを運んでくるように、オトコノコには血液とゆう小人さんが集会を開くこともあってだな、その会合場所として体の中心というか本能の中心に、パオを設営することがままあったり、パパあったりするわけで……」
「失礼ですがあなたにはすこしばかり黙っていていただきたいものです」
 どっちなんだよ。
「わたしの記録領域におけるその時点の情報に、少なくないノイズが含まれていてうまく認識できない……」
 昨日の硬直はパニックだったのか。こいつがたった一日前の出来事を正確に思い出せないとは、かなりの衝撃映像だったらしい。
 知識では知っていても、男子たるもの学校では晒したくない醜態ではトップクラスなわけだし、長門としては実際に間近で見たのは始めての経験かもしれん。
「見せ付けられた……? 肉体的変調部位について……」
 長門の語彙が容認できる程度まで落ち付いたからなのか、
「……見苦しいものを目に入れてしまったのは僕の責任ですから――」
 話題を早いとこ切り上げたかったのかはわからんが、
「――お気になさらず。この話題はここまでにしましょう」
 ねっ? ねっ! と鬼気迫る笑顔で念を押してくる古泉に、無情にも頭を左右する長門。
304名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:41:17 ID:uECk1IM2
「そうではない。あまりにも威風堂々と誇示されたことにより、混乱状態に陥ったわたしは情報統合思念体に判断を委ねようとして」
「………」
「誤ってその情報を全方位発信してしまった……ごめんなさい」
「…………」
「ちなみに発信回数は15498回」
「……………」
 正直は美徳にあらず、とはこのことか?
「なお、この数字は一秒間あたりの回数」
「………………」
 そりゃあ……喜緑さんも大慌てで観察に来るわけだ。
「……大丈夫」
 とても大丈夫じゃない状態で、チャールズ・ホイットマンばりに三点リーダーを乱射している古泉の代理で聞いてやるが、どう大丈夫なんだ?
「先程情報統合思念体と同期した際に確認したところ、この情報を他の意識存在ももれなく受信したが、通常時との形質差異が大きいため、この情報からあなたを特定することは困難であればいいなとの返信を得た。気にしないように、とのこと」
 それは希望的観測だ。思ってたより子煩悩な親分なのかもしれん。バカ親馬鹿だ。
「……きキ気にしてませんよ。ですから長門さんも気にしないでくださいネ。むしろ忘れてくださいっ!」
「……わかった」
 小さく頷いた長門も、これ以上古泉の傷口を抉るのは得策でないと遅まきながら気付いたのか、前に向き直ってゆるゆると歩を進めた。

 この一連のやりとりが長門の時間稼ぎだったとは思っちゃいない。
 それでも気付くべきだったのかもな。復調した長門さえもが足を鈍らせる事態だったのだと。
 この日、俺と古泉は、ハルヒ・朝比奈さんペアとの再会を果たせなかった。
 校内が一時的に迷宮組曲になった以外は、宇宙的未来的超能力的そしてハルヒ的な不思議現象は発生しなかった。
 ただ……いや、後にしよう。先にこれだけ言わせてくれ。

 ハルヒ、お前なにやってんだよ……。
305名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:42:56 ID:uECk1IM2
オワタ。第4部 完
306名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:43:53 ID:xz4QM6D0
>>282
そーゆーことだったのかwwwww
307名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:57:30 ID:uECk1IM2
>>282
「さっきの台詞今度はキョンに直接言えるといいなぁ」 ここの『台詞』が

「無理無理!絶対無理!止めて〜!大きいのは嫌ァー」
↑これを指してるのかと考えて、すごいキョンを想像してしまった
308名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 01:04:29 ID:UKdV5VJ0
>>305乙です。

>>307
恐ろしい…((((;゚д゚)))ガクガクブルブル
309名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 01:07:59 ID:eI8w5n5s
Sキョン・・・
310名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 01:09:08 ID:VZQa35lI
キョンはヘタレ攻め
ハルヒはなんだかんだいってセクロスの時は受けだろうね
311名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 01:11:15 ID:eI8w5n5s
キョンの言葉責めってやっぱ理屈っぽいんだろーなぁ
312名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 01:44:54 ID:hxt93Epe
>>311
理屈っぽい言葉攻めと聞いて佐々木を連想してしまった
313名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 02:08:39 ID:cvssiE+F
佐々木が理屈を語れなくなるくらいめちゃくちゃに犯してやりたい
314名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 03:01:43 ID:fnsT+Nih
むしろ佐々木はセクロス中は理屈抜きで求めに来る。
時にはねっぷりと言葉攻めを食らうこともあるぐらいにな。
315名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 06:44:37 ID:a+0a0348
みんなおはよう
316名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 07:19:33 ID:Bf80smpv
佐々木がキョンを女にして僕っ娘に改変した奴に見える
317名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 07:21:27 ID:EPe/v5Og
なんせ本能でキョンを求める女の子だからな
318映画ネタ 『こいつぁコトだぜ!』 1:2007/04/08(日) 07:28:42 ID:fnsT+Nih
ある日の放課後、いつもの如くハルヒの我が儘が始まり、
何を間違えたか、俺と古泉は二人っきりで購買と部室とを往復する羽目になった。
今日に限って、古泉のニヤけ面が妙に癪に障ったもので、
お前のニヤけ面を泣いたり笑ったり出来なくしてやると言ったところ、
どうも昨夜、お互いに同じ地上波放送の映画を見ていたと言うことが判明し、
なんだかこいつも人並みに映画を見たりするのだということに、微妙な感銘と共感を受けながらも、
今じゃニコヤカ刑事と青いウイルスさんぐらいしか生き残ってないよな、
などと、比較的どうでもいい会話(真剣に談義するべきだが)に熱中すれば、部室までの道のりなんぞは大変に短く感じる。
さて、某宇宙狩人と紫ハチマキは果たしてどちらが強いのか?と新たなる議題を持ち出しながら部室の中に再突入すると、
そこでは、お馴染みの顔達が、なにやらどうでもよさそうな話を、それなりに楽しそうにしているようだった。

「ううう、思い出しただけで泣けてきましゅぅ〜……」
「そうかしら?いかにもお涙頂戴って感じであたしは好きじゃないのよねー」
「しょっ、しょんなことないでしゅ!ジャックの最期で泣けないなんて人間じゃ……ふっ、ふぇぇぇ〜ん」

概ね想像は付くが、一体なんの話をしてるのか聞いても構いませんか、朝比奈さん?
ついでに、このハンカチでどうぞ涙を拭いてください。
「うう〜、キョンくんありがとうございまひゅぅぅ……ずっびぃぃぃぃ!!!」
百年とまでは到底行かないものの、一秒分ぐらいの恋が冷めました。
「じ、実は昨夜、鶴屋さんのおすすめで映画を見たんですぅ、そ、それで、わたくし痛く感銘を受けまして……」
「みくるちゃんってば、話思い出すだけでこの有様なのよ。あんな映画のどこがいいのかしらね?」
待て、それ以上朝比奈さんを泣かすんじゃない。
さすがの俺も、匂いを嗅ぐまではアリでも、舐めたらしょっぱいかもしれないハンカチは洗濯するぞ。
それに、映画を見てどの部分に惹かれるかなんて人それぞれだ。
長門だって…………………というか、発言からして長門はあの映画を見たことがあるのか?
「ある。様々な見聞を深めるとの名目で、朝倉涼子がVHSをレンタルしてきた」
朝倉がか?それでお前も付き合ったってわけだ。
「そう」
なるほど……長門がどう思ったのかは気になるが、朝倉の感想というのも気になるところではある。
なにかこう、意見らしき物を聞いたのか?
「朝倉涼子の弁によれば、『人間は恐怖的な体験に強く興味を惹かれる傾向があり、
 よって、恐らく観賞者の多くは、船体からの落下中に船のスクリュー部分に激突し、
 縦方向に回転しつつ、重力加速度を伴いながら海面に叩き付けられるであろう一人の人間に対して、
 共感と恐怖の感情を抱くのだろう』、とのことだった」
…そりゃ確かにあのシーンは印象に残るかもしれんのだが。だがしかし……
「朝倉涼子自身も、件の場面を痛く気に入っていた様子で、
 本編終了後も繰り返しその場面を鑑賞し、その度に酷く喜んでいるようだった」
……もういいから、長門の感想を聞かせてくれ。

「感想……」
回りの連中も、さすがに普段自分の意見を口にしない、長門の貴重な感想ともあれば耳を傾ける様子だった。
古泉はいつも通りのニヤけ面、ハルヒは机に身を乗り出して長門の顔を見つめ、
朝比奈さんは未だに鼻の頭を真っ赤にしながら俺のハンカチをガジガジと噛み……あの、すいません。痛んじゃうんですけど。
「長門さんは普段自分の意見を口にしませんからね、長門さんの感想は貴重だと思いますよ」
黙れ。俺の思考を覗いたかのような発言をするんじゃない微笑みゲイ。
「まあ、エロキョンじゃあるまいし、へ、変なシーンを挙げるってことはないと思うけど」
もっと黙れ、真っ先に濡れ場を想像してるのはお前じゃねぇか。
「そっ、想像なんてしてないわよ変態!あ、あんたが有希にセクハラ発言しないように、先手を打っただけよ!」
結果的にセクハラをしたのはお前だ!
「してないわよ!女の子同士だからノーカンよ!」
「長門さんの好きなそうなシーンって、わたし思いつかないですぅ……」
「意外にダンスシーンなどではないでしょうか?華やかで素晴らしいと思いますよ」
「わあ、素敵ですぅ!」
「女同士じゃなきゃセクハラだ!訴えられたら負けるぞアホ!」
「アホ!?大バカキョンのくせにあたしをアホ呼ばわりするわけ!?」
「わたしもダンスしてみたいなぁ………」
319名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 07:38:11 ID:fnsT+Nih

すでに状況は滅茶苦茶だった。
といっても、俺自身すでに当初の会話の目的を忘れていたわけではあるが。
ハルヒが喚き、朝比奈さんがあれやこれと夢畑に水を振りまき続ける中、
部室の一角、中空を見つめていた長門がぽつりと呟いた。

「私の感想は……」

さっきまでの馬鹿騒ぎはどこへやら、水を打ったように静まりかえる部室。
実際、騒いでいたのはハルヒだけだが。
「……朝比奈みくるが多いに感動したという場面」
おおっ、まさか長門があのシーンに関心を―――
「あの場面は……非効率的」

「「「「はあ?」」」」
計らずとも四人の声がハモる。
俺とて、感極まって涙を流す長門というのを想像したわけではない。
アカデミーを総ナメにした超ロングランかしらないが、長門はアカデミーとオスカーとサンダンスに夕張に出展された映画を全て流してみても感涙するようなことはまずないだろう。
ごめん、流石に言い過ぎた。
しかし、お前の常人ならざる感想の理由を問うぐらいは許されるよな?
「……あの作品は二人の人間関係の描写を非常に重視していると思われる。
 広義の上で差す親密な人間関係において、相方が零点下の気候下の海水に浸かり続けるのを見過ごすということはあり得ないはず」
「「「「…………」」」」
朝倉よりは映画の内容を理解してるんだな。ほっとしたよ。
……………出来れば、後半以降は聞き流してしまいたいぐらいに。
「あの気候条件、および絶対的条件下の中、飽くまで板の上に居座り続けた女性を映した時点で、
 私の主観評価は地核層まで潜行した。以上、これが私の感想」
「「「「…………………………………………………」」」」
……長門を除く四人の団員は、饒舌になった長門の代わりに延々と三点リーダーを打ち続けていた。
正直言って、どう反応のしようもない。
(あんた、どうにかフォローしなさいよ!有希のフォローはあんたの役でしょ!?)
(どうフォローしろって!?それに、まあまあで場を収めるのは古泉の役だろ!)
(…………朝比奈さんが泣き出して、場を収めるのはどうでしょう?)
(ふぇぇ!?キョ、キョンくん助けてぇぇぇ〜!?)
(古泉ぶっころ―――)
(デレデレするんじゃないわよバカ!)
(やれやれですね)
(ぶっころ―――)
(キョンくぅぅぅん!?)

バタン。と、長門が本を閉じる音と共に、何もかも終わる。
320名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 08:16:41 ID:UKdV5VJ0
流石長門だなWWW
321名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 09:56:50 ID:FODS4wi1
何故かアレ倍速再生で見たんだよな、つーか最後まで普通に観た長門を尊敬する
322名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:00:13 ID:mjKaZKwm
大して練ってない佐々木モノを一つ。

「ねぇキョン。」
「なんだよ。」
「受験、頑張ろうね。」
「うん?…ああ…」
俺達の高校受験の、1ヶ月ほど前のことだ。佐々木は俺の家に来ていた。
佐々木が成績が天と地ほど放れた俺と何故一緒に受験勉強をするのか、俺は大して気にしなかった。
こいつは俺を慕ってくれている。そう、漠然と思いながら、深く考えないようにしていた。
「突然どうした。俺が頑張ってないようにでも見えたか。」
「そうじゃない。思い出に浸っていたら、今の僕達を
 つい客観的に見てしまってね。その客観的視点からの……感想さ。」
思い出に浸りながらも、その問題でしか使えないような特殊な解法が必要な
連立2次方程式をすらすら問いている佐々木は、優しい微笑を浮かべていた。

「キョンくん?入るよ。」
ドアが開かれると、コップを2つ持った妹が入ってきた。
表情が明るくないのは……佐々木に嫉妬しているのだろう。
この頃の妹は露骨に俺になついていて、俺がミヨキチとやたら仲良くしていると、
それを理由にその日の夜中に泣き出したこともある。
可愛い頃合いと言えばそうであるのだが。
323名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:01:35 ID:mjKaZKwm
「ありがとう、妹さん。」
と言う佐々木と俺の前にコップを置いた妹は、佐々木の荷物が気になっているようだった。
「……佐々木さん、今日泊まるの?」
「え?はは、鋭いな。実はね、キョン。もう親に今日は友達の家に泊まるって言っちゃったんだ。キョンの家とは言ってないけどね。
 いいだろう?今日はキミのご両親もいないから、余計な心配をかけることもないしね。」
と言って、佐々木はいつもより大きめのカバンから寝巻きのようなものを取り出して、
新しい洋服を買った時の妹のように広げて俺に見せてきた。
「本気か?どこで寝る気だ。」
「もちろんこの部屋さ。キミと話がしたくて泊まるんだからね。
 他の部屋の布団を借りてきてもいいかな。こういうの初めてなんだ。」
こういうの、というのは友人宅への宿泊を意味するのか、男の部屋に泊まることを意味するのか。
それを考えるCPUは妹をなだめることに使わなくてはならなかった。

結局、妹も同じ部屋で寝ることになった。
324名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:02:41 ID:mjKaZKwm
「妹さんはどっちの布団で寝るんだい?」
と、俺に抱きついて離れない妹に問いかけた佐々木だったが、
返答を聞くまでもないとわかったのか布団をかぶった。
妹はまだ起きているようだったが、既にすぐ寝ると容易に推測できる表情だった。
「話ってのはね、」
佐々木は珍しく言いづらそうに話を切り出した。
「待って。妹さん寝てる?」
「聞こえてはいないだろうな。」
指で妹の口から垂れた涎を拭いながら答える。
「……僕にはこれから先、恋と呼べる感情を誰かに抱ける自信がないんだ。
 もちろん、今、キミにも抱いてはいない。」
「……」
「でもね、恋人としかできないことがあるだろう?
 僕はキミとならそれらをしてもいいと思えている。」
「……」
かける言葉が見つからない。
「そして、このまま一生恋人と呼ぶべき人間に巡り会えず、
 それらを体験しないまま人生を終えるかもしれないというのは、」
「っ!…」
何か言葉を発してその先の言葉を遮ってしまいたかったが、言葉は出なかった。
「……もう言わなくてもわかるだろう。キョン。
 キミは僕がどういう人間かわかっているからね。」
「……」
「したいんだ。」
325名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:03:49 ID:mjKaZKwm
佐々木がベッドに侵入してくる間、俺は微動だに出来なかった。
それは俺の緊張によるものでなく、佐々木の何らかの力の発現だったのかもしれないが、確かめる術はない。
「意外だな。説教されると思ってたよ。」
佐々木が俺ににじり寄る。
いつもの微笑。いつもの声色で。四つんばいになって、獲物に迫る猫科動物の如く。
妹の寝息が、この世の全ての音であるかのような感覚に陥るほど、部屋は静かだった。
「何も言えないんだろう?キミは予想以上に僕の理解者であったらしいな。」
そうだ。何も言えない。佐々木はこうするしかない人間だ。
俺にもわかっていた。
逆に、『わかっていたのにそれ以前の段階で拒否しなかった』俺も、佐々木と同じであるのだ。
その事実がまた俺から拒否の選択肢を奪う。
なされるがまま、俺は佐々木に押し倒された。
「キスはしないことにしよう。これは愛のないセックスなんだ。
 途中で耐えられなくなった僕が何を言っても、キスを与えないでくれ。」
佐々木は俺の腰の上にぺたっと座り、服のボタンを外し始める。
「わかった。キスは……しない。」
俺は佐々木の白い肌に手を伸ばした。
この狂ってしまった部屋の中、妹だけが変わらずそこにいた。
326名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:04:56 ID:mjKaZKwm
佐々木のペルソナは脆かった。
ぎこちない俺の愛撫の時点で崩れかかっていたそれは、俺を受け入れると同時に崩壊した。
「痛……い……っ……」
佐々木は普段の表情からは想像もつかないような、子供のような顔で泣きじゃくっていた。
必死に俺の肩に捕まり痛みに耐えていたが、少し動かすたびに体を震わせ、涙を流した。
「キョン……キョンっ!……」
佐々木は俺の体を触って存在を確かめながら、俺の名を呼んでいた。すがりつくように。
とはいえ俺も精一杯だった。少し動かすだけで射精しそうだったし、
もっと早く、激しく動かしてしまいたかった。
しかしそれをすれば佐々木を壊してしまう。
「キョ…ンっ…キス…して…おね…がい…」
それはできない。
「キス…してっ…お願い…だからっ…」
だめだ。
佐々木の細い四肢が俺の体により強く絡む。
俺だってキスはしたい。だが佐々木との約束がある。
これは二人の関係を崩さないための誓いなんだ。
「キョンっ…好き…愛してる…」
「言う…なよっ!…くっ…」
限界が近い。本当に、愛のないセックスにしてしまっていいのか。
考える余裕はなかった。
「ぐ…うっ!」
「ぅ……ぁああっ!?」
佐々木の中で、俺は果てた。
327名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:06:08 ID:mjKaZKwm
「…ごめんよ。キョン。」
互いに呼吸を整えていると、佐々木が弱々しく口を開いた。
「何を言ったのか覚えてないよ……はは。」
佐々木が俺から離れる。

「これでいいんだ。もし僕が愛を認めてしまったら、狂ったようにキミを求めるだろう。
 僕達は同じ高校へ行けないし、同じ大学へも行けない。これで……いいんだ。」
「……」
「キョン、キミとの関係にしこりは残せない。悪いけど、」
突然目眩がした。頭の中が揺さぶられる。
佐々木の感触が、佐々木の言葉が、思い出せなくなっている。
「記憶を消させてもらう。……ごめんよ。自分勝手で。」
佐々木の後ろ、見知らぬ女がベッドの横に立って、俺の頭に手を向けていた。
「佐々…木…?」
「……愛してる。」
目の前が白くなり、俺の意識は消えた。

「楽しかったよ。キョン。」
「楽しかったよ。って、いつもの変な話をしただけじゃないか。」
「僕には楽しかったのさ。じゃあね。妹さんも。」
俺の腰に後ろから抱きついて、顔を覗かせていた妹がコクッと頷く。
「本当に楽しかったよ。一生の思い出だ。」
と言い残して。佐々木は帰っていった。
「キョンくん、あの人と付き合ってるの?」
「いや、ただの友達だ。」
終わり
328名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:11:52 ID:Q3vEK9OX
>>260-261

つあぼーん
329名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 12:25:59 ID:HmyD9T0B
朝比奈さんのですますを、しょっちゅうでしゅましゅにしてるのは萎えるよな。
実際朝比奈さんそんな噛まないし。
330名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 13:34:16 ID:EPe/v5Og
短いSSの中で人物に『朝比奈みくる』という記号を与えるのに非常に好都合であることは事実
重要なのはSSの雰囲気に合わせて使用すること
331名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 13:43:53 ID:uuUq8LFo
>327
乙。
ササキョンもので最後までって読んだ事なかったけど、
なかなか良かったなあ。
332名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 14:35:44 ID:T6v9fBOQ
>>330
「雰囲気」だよな。小ネタやギャグなら問題ないけど。
333名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 16:36:47 ID:EPe/v5Og
暇だからと言ってうっかり『二度目の選択』を読みなおしてしまった

今度は眠れぬ夜を待たずして泣いた
334名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 17:28:10 ID:Dd+CiRJT
うっかり少年オンザ読んだ後のキョン消失はやばいな

普通に古泉の恋を応援してしまう
335名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 17:29:40 ID:9yM/kHC3
少年オンザはもういいよ
1スレにつき1回はオンザマンセーしないといけないって決まりがこのスレに出来たのか
336名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 17:33:08 ID:v0psHayp
>>335
【お勧めのSSは?】っていう質問が毎スレごと来るからだろ。
337名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 17:39:29 ID:pJcN3NdN
エロで一番のお薦めは?
338名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 18:29:52 ID:NUIbIEi9
純エロとかギャグだと感想が難しいって話題が暫く前にあったけど、
そんな理由と、短編になりがちだから一番がすぐに思い付かない
読んだ時一気に盛り上がって、スカッと忘れてしまう

純粋なエロ物じゃないけど、長編に上手く採り入れてると印象に残るな
339名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 19:02:21 ID:pJcN3NdN
>>338
そうなのか。
俺は涼宮ハルヒのGWがすきだ
340名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 19:12:32 ID:goVBBwqe
佐々木物書こうとしたらキョンにデレデレな佐々木しか浮かばなくなった
341名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 19:14:06 ID:RqS+LaGN
>>340
だがそれがいい
342名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 19:14:24 ID:WgDdnm8B
お前ら本当に佐々木大好きだなw
343名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:02:37 ID:e2kuytrr
新刊八十七ページは今まで積み重ねてきたハルヒとか長門とか朝比奈さんを放り出すくらいの魅力があったと
俺はそう思ってる
344名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:07:08 ID:DDvvtBPT
俺は僕っ子の時点でダメだ。拒否反応が出る。
345名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:09:48 ID:m5E0HnkP
僕っ娘で知的クールと来れば、某病院坂を思い出してしまい
どうしてもソッチ方面に妄想が傾いてしまうw
346名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:10:27 ID:9oAACola
逆に、新刊149頁3行目のみじろぎだけで長門スキーに拍車がかかった

最近だと鹿島市と校内放送(完結orz)がお気に入りなんだけど
ギャグとかコメディ系だとなにがお薦め?
vip@wikiの古×長とかツボだけど、こっちの保管庫は
短期間で一気読みしたからあまり思いだせない
347名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:12:41 ID:HU7SJ+OW
>>342
物語中でも変な女として前々から話には出ていたしな。話題性は十分すぎるかと。
ねたばれ知ったときから、こりゃ正式発売後は佐々木関連の話題が増えるとは
十分に予測はしていたがそれにしてもここまでとはw


佐々木は、時事ネタ的にも僕っ娘と言うと真っ先にうぐぅくらいしか思いつかなかったから
イラストのうp見て普通の女の子っぽくて意外だった印象あるな。
348名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 20:54:55 ID:Nb1HFXpe
エロは個人で色々とあるだろうから、万人に薦めにくい気がする。なんとなくだが。

30-465様: キョン×ハルヒ
36-295様: 『涼宮ハルヒの唇』
42-823様: キョン×ハルヒ
最近じゃあ、このへんが好きだ。上二つは本番が無いけどな。
349名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 21:05:36 ID:72Cy43DQ
僕っ子と聞いて、ポニーテールのファミレス格闘家を思い出した私は違和感なく・・てことはないか

同じ作品がおすすめ出てくるのは仕方がないよ
それだけの内容だったってことだろ
質問も漠然とおすすめを聞くものが多いし
350名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 21:16:24 ID:6DSD9F2r
エロか……。
──第35回 チキチキ!女だらけの……──
が頭から離れない。
351名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 21:17:02 ID:VALUC6Dd
ヴァリアブルジオの武内優香なんてさっぱり知らねーよ!
352名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 21:17:26 ID:Dny+u4bb
微笑の時みたいに叩かれたら作者が気の毒……
とオモタ。
353名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 21:28:33 ID:qPRJzGp5
                   _
                /.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、
               /:.:.:i:.:i.:.ヽ:.、:\::.:.ヽ
              /:.:.:.:イ.:|ヽ.:ト:.:ヽ:.:',:.:.:::',
              イ.:::l::/-!.|、ヽ! X:| 、:!:i:::::i
               /|::l::ト;|.ェォ、   ィェヶl/:l:i:!                 _ ― _
                 !::X:!    ,.     ,'/、r|            /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.\
               ',ハ、',   ′   //ノ           , ':.:.:.:.:.:.:.::::::::、:::.:::::..:.ヽ
                  トト、 ‐- ‐ /ィ|/           /.:/:.:.:.:/:.ィ::::,:/ヽ:.Y:::l:.::',
                ^^>t 、 _ - イ.'            ,':.:::!:.:-/7'Y:/|' "´ヽ|:::!:::::i
           ,、_ _ ─′!     / `ー 、_          !.:.:.:!:トィて',   ぅ´!:!ノ、:i:::!
           _/   ̄\   ヽ--‐/     >   ̄ j     ,':l::l::(`i ゙ ´  '   `7:::l丿::::!
, 、  __  _/   ヘ       _ヽ. /_ - ´  /  |     !:l:::l::、`ヽ  - ‐ /:/::/:|::/
 r ´'´`iY  ̄\  ヽ         |i|     /    |     ヽ!、ヽ_ト、_` t - イ:/、/ノ!ノ
. ,':::::r,::::|l   ヽ    |      ,- l!|_ , -、_ 〈      !         ハ<_ ,kヘ
ソ}::/ l::::i!      _/i     //::::::`:/ , ヽ!     |      , - T´ヽ./ヘ / `7.、
/´  __!:::::! ̄_ ̄ 'Xx-!x、__//::/`7-L/ /, tー 、_  !    i´: : ',.::',       /:/: :`ヽ
 r´xxxx:::lXXXXXXXiXXXXXx::/ |i|`トヽ`ー<ノ     ヽ   |: .ヽ:.ヽ:ヽ    /:/: : : :/:.!
 !xxx:Xl:::xxXXXXXxxiXXX/:::Xxヽ.|i| `ヾヽ        l   i: : :.!: : :ヽ:丶_//: ::::::., : :!
 !XX,xXX!xxX_x_ X',XxX::/Xxxヽji|   ヾヽ       /   |: : :l: : : : :ヽ、/: : : ::::/::::::|
. !xXx;XXXー 、:::::::::X- ´/XxxxXji|      ヾヽ _   /    |: : :ヽ: : : : : V: : : : ::::!::::::::{
. !xXX;XXXXXx:::::::|Xx ̄XXxxxxx/:i| /      T ´      !: : ::::}: : : : : :\ : :.:::::::!´::::::!
|XX;XXxX__X!:::::XXxiXXXxxxx/|!./         |      l: : :::::l: : : : : : :ヽ:ヽ:::::::|::::::::::!


このシーンだけ切り出すと、まるで違う作品だよなぁ。
普通の恋愛ものになってしまう。
354名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 21:35:46 ID:LJJFioRD
>>351
お前知ってるだろw
355名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:01:20 ID:h7L6iOTh
>>351
そんなアン○ラのカッコした乳揺れ女なんて全然知らねーよ!
356名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:02:49 ID:4gia1sXy
>>355
恥ずかしがらなくても良いんだぜ?
357名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:05:49 ID:pJcN3NdN
ググッたら分かったよ。
358名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:08:40 ID:G0F0wQE3
佐々木さん可愛いなあ。
359名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:09:02 ID:Dd+CiRJT
長門はかわいいなぁ
360名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:14:06 ID:cvssiE+F
じゃあ陵辱モノで一番のオススメは?
361名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:20:57 ID:pJcN3NdN
362名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 22:22:03 ID:vsBbIy3V
>>360
その質問は性癖を告白しろってのと同義かと
プリンとかVIPも見てみたらいいよ
363名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:20:58 ID:6s16ZB4C
結構いい年だろおまいら
364名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:27:46 ID:Dd+CiRJT
>>360
レイプ物かと思いきや、って奴はいくつか記憶にある
あれらは陵辱モノじゃないよな

マジな陵辱モノはなかなか珍しいと思う
365名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:34:44 ID:R/ikvRWY
最終回っぽいやつで思い出せないやつあるんだけど、なんだったっけな。
確か、キョン以外全員記憶が改竄されてたのか、高校卒業してからハルヒを探して、もっかいSOS団作るぜみたいなやつ。

あと、他にも最終回っぽいSSでオススメあれば、教えてもらえると嬉しい。
366名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:44:55 ID:3o/YyAmb
【性別】 男
【いつ】 14歳
【場所】 風呂場
【オカズ】 特になし。
【感想】 
風呂で身体を洗っている時、チンコを洗っていたらオッキした。
何か気持ち良かったので、そのまま洗っていたら「ズドン」と。
漏らした!?と恐る恐る出たモノを見ると白濁している。

そこで、俺は悟りを開いた。

精子(精液)は白いという噂を聞いた。つまり、これが精子(精液)か!
チンコがオッキするのは小便が溜まっているのでは無く発射準備段階だったのか!
(朝勃ちする。朝は無性に小便したい。チンコが立つ=小便溜まっていると思っていた。)
そーか、チンコがオッキしている時にマンコにぶっ刺して精子を発射したら子供が出来るわけかー。
エロ本見てチンコが立つとか言うけど、女の裸を見て脳がこれから、この女を犯すぞーと脳が認識するんだな。
(初AV、初エロ本は脱童貞よりも後だったので。)
ん…待てよ?精子が排水溝の中の微生物とか、ゴキブリだとか、ネズミだとかのマンコの中に入ったら…
人間の顔した虫とか、人間の身体を持ったネズミが産まれて、バイオハザードみたいな事になるんじゃ!?
ヤバイ、町内壊滅の危機だ。この精子をなんとかして始末せねば…

その後の行動…小一時間程、排水溝を熱湯責め
その夜の寝床…排水溝を妊娠させたんじゃないかと不安になり中々、眠れない
その夜の夢…タイラント(バイオハザードの敵)に家を包囲される
367名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:46:02 ID:3o/YyAmb
誤爆スマソ
368名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:51:21 ID:G0F0wQE3
バロスwwwwwwwww
369名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:51:37 ID:VALUC6Dd
ちょwwwおまwwwwwwwwwwwww
370名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:53:18 ID:PYCPZmUJ
>>365
ループタイムだろ。あれの競馬狂の長門は好き。
371名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:53:27 ID:pJcN3NdN
>>366
ワロタ
372名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 23:56:17 ID:xz4QM6D0
競馬狂長門って他にも見たことがある希ガス
373名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:05:37 ID:wryYR+Ky
>>343
よう俺!!
374名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:08:08 ID:Z4yMLlHT
ギャグ方向にズレてる長門はいいな。実にいい。
375名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:11:02 ID:nmKEpdo3
ここはエロ以外でも受け入れOKといういいスレだな……。
いやなんとなく思っただけなんだけど
376名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:11:28 ID:wryYR+Ky
>>372
たしかにいくつか読んだ気がする
終いには師匠と呼び始めるとかいうオチのもあったし、みくるのもあったはず
377名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:13:34 ID:Y3+4IxVh
「それが…おれの精通体験だ。こんなので参考になったか?」
「なった。思春期の青少年の精通体験についての知見は今後文学作品を読む上でたいへん参考になる」
 そういう長門は黒曜石みたいな瞳を俺に向けながら次の質問をしてくる。
「では、あなたの最近の自慰行為中の妄想内容について聞かせて欲しい」
「ちょ、ちょっとまて長門! なんだそれは」
「文字通りの内容。あなたが毎晩自慰に及ぶ際にどのような性的妄想を――」
「待て!待て長門!お前まさか俺の部屋を――」
「違う。私はあなたのプライバシーを尊重している。あなたの生命に危機が生じない限り
映像的音声的にあなたとその周囲の状況を直接モニターすることはない」
 長門のその瞳の色が真摯なそれに変わる。
 覗きをしているのかと疑われたのがよっぽどショックだったのだろう。
 それにしてもその質問内容はどうかと思うけどな。
「そうか。スマン長門。疑っちまって。お前は俺のことを守ってくれてるのだものな」
 そう言うと長門の頭を軽くなでてやる。掌に感じる無造作ヘアの髪の柔らかさは気持ちがいい。
 どこかうっとりしたような目で俺を見上げてくる長門。こうしてみると、コイツも――
「――それであなたの自慰行為についての質問の答えは?」
 かわいくない。
 女の子がそんなこと言っちゃいけません。
 長門は俺の体にぴったりとくっついている。
「あなたは女性の胸部に一方ならぬ興味を抱いていると想定される」
 いや、まあ、そのそれはアレだ。おっぱいが嫌いな男はいないだろ。
「朝比奈みくるの乳房にたいする注視時間がそれを証明している」
 そんなにみてるか、俺?
「みている」
 そうか、見てるのか。
「そう。あなたはおそらく脳内で裸の状態の朝比奈みくるを想像して毎晩自慰に及んでいるものと思われる」
「な、長門? お前どこを触って?」
 長門の小さな掌がズボンの上から俺のマイ・バズーカを撫でている。
「あなたはその乳房に顔を埋めあるいはその乳房で男根を挟み込まれる映像を想像しながら―――」
 長門の小さな掌が硬化したペニスを撫でている。いつの間にかチャックを開けられ、素の状態で。






続かない
378名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:14:13 ID:AOwqIDDw
>>332
みずしな孝之「ササキ様に願いを」
もう10年前の横浜の野球4コマ漫画と思う
同作者の「混セでSHOWTIME」かもしれんが
379名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:16:09 ID:AOwqIDDw
誤爆の直後に誤爆かよorz
申し訳ない
380名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:27:08 ID:vXaVwcHD
>>282
【特大大粒納豆】わ開けた。
【特大大粒納豆】を開けた。に修正
今頃間違いに気が着いた!
381名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:30:36 ID:gmdRCKQh
分裂で佐々木が、国木田はもっと高ランクの高校に行けたのにわざわざ北高に進学したって言ってたよな
これを読んで、実は国木田は女でキョンを追って北高に来た、っていう想像をしちまったんだ
ハハ…俺もまだまだ若いな
382名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:31:02 ID:MnjiJCWg
>>379
「それで僕に願い事とは何だい? ああ先に言っておくが幕張を発展させようだとかアナウンサーの
ドキドキレポとか猫漫画やゲーム日記を描く漫画家の締切りを延ばすといった内容以外で頼むよ?」
383名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 00:31:28 ID:xpYHY9bG
>>381
原作スレではかなり言われてるぞ、それ。
追加で谷口も機関員だとか。
384名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 01:28:10 ID:01T8ICr4
まぁ谷口はハルヒをピッタリマークしてるわけだしな

ただ、そんなヤツが五分でフラレるのだろうか
逆に印象付けるならアリだが
接触はタブーなんじゃないか、と
385名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 01:35:39 ID:6M2/ZmuR
谷口は一般人だろ。ながるんもそんなこと言ってるし。
386名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 01:42:07 ID:5L9voGdz
「お前に聞きたいことがある。」
 そう。これだけは確認しておきたかった。
「・・・・なんだ?」
 あまりやる気なさそうに藤原は返事をする。
「お前も、やっぱりコスプレ係なのか? ナースとかメイドとか。」
「―――は?」
 面食らう藤原。
「ふーん。あまり僕の趣味じゃないけど面白そうだね。」
「なに?」
 と佐々木。
「あ、それいいかも。」
「なんだと?」
 橘も後に続く。
「―――衣装は 私が用意する――ー」
「えーーー!?」
 九曜までが賛成した。
 俺のつまらん質問の所為で本当に佐々木の団の朝比奈さんになったか。
 しかしこれは未来人の宿命なのかもしれない。
「つーか俺は見たくないぞ。そんなもん。」
387名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 01:58:36 ID:9FDPBdmz
パンジーがいじられキャラになった瞬間を見た
388名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:03:40 ID:xpYHY9bG
ぜひ「世界を大いに盛り上げない佐々木の団」の活躍を見たいわけで。
そういうSSを希望するぜ。
389名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:05:15 ID:/gFE+r0n
「世界を住みよくあるがままに保つ佐々木の団」にしないか
390名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:07:04 ID:mdOaOO+y
>>389
それだとSSSになるような…
391名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:07:41 ID:hqQWoHlH
「ひとつだけお願いしておく。わたしを恋愛対象としてみるな」
392名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:12:49 ID:xa982Vkp
「きみはSOS団のことが本当に好きなのかい?」
 そう言うと佐々木は俺の頬を、まるで恋人にそうするように優しく撫でた。
「どういう、意味なんだ?」
 搾り出すようにして声を出した。
 俺は目の前の少女を思わず見直した。俺のベッドに腰掛けたそいつはその秀麗な顔に微笑を浮かべていた。
 一体お前は誰なんだ?
「誰って、僕は僕じゃないか」
 違う。俺の知っている佐々木はこんな奴じゃなかったはずだ。
「キョン、君が知っている僕は僕の一面でしかないんだよ。いや君はあえて僕の一面しか見ようとしていないんだろう。そうすればお互い傷つく可能性はなくなるからね。でもね、それは偽善だよ。 その中途半端な優しさで僕が君にどれだけ傷つけられたか知っているかい?」
 佐々木は言葉を切り唇を舐めた。その舌は唇同様赤く、なぜか俺はいけないものを見てしまったように目を逸らした。
「ほら、君はそうやってすぐ目を背けるんだ。キョン、気付いているんだろう。君は男で僕は女。どれだけ言葉で繕おうと態度で示そうとそれは厳然たる事実なんだよ」
 思考が追いつかない。追いつきたくない。
「はっきり言うよ、キョン。僕は、いやわたしは君のことが好きなの。大好きなの」
 その大きな瞳を閉じた佐々木は俺の首に手を回し顔を寄せてきた。まぬけなことに俺は佐々木のまつ毛の長さにいまさらながら気付いた。
 そして俺はぎこちなく、だが確実に佐々木の唇へと俺の唇を近づけていった。





ここまで書いて飽きたが燃料になれば幸い……
393名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:16:28 ID:/gFE+r0n
>>392
世界なんか正直どうでもいいから佐々木×キョンSSが読みたい団団長の俺が称えつつも叱る

そこで切るか普通オイ
394名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:21:25 ID:2R90q7hd
>>392
ノ゚Д゚#)ノミ|__|ガチャーン!




あれ?続きは?(゚Д三Д゚)?
395名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:59:10 ID:arXXw5o5
   >>381
というか、国木田が女だったっていうSSなら既に投下されているぞ。
   37-275国木田の○○というシリーズ。俺は結構好きで、続編も待ってる。
396名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 05:05:22 ID:dei6flJA
アニキャラの佐々木スレに誤爆したやつだれだ↓
おいしかったです



―――――――――

キョンのキスは、まるで雷のように僕の体を揺さぶった。
ぐらぐらと体が揺れるようで、同時に腰の辺りがふわりと揺れるような感覚がだった。
突然、閉じていたはずの目に、突然光が差し込んだような錯覚を覚える。
頭の中はとっくの昔に冷静さを失っていて、もうなにもかもがどうでもよくなってしまう。
……これが、恋というものなのだろうか?
いや、きっと違う。

僕はベッドから落ちて腰を打ち付け、カーテンから差し込む、早朝の明かりを目にしただけなのだ。

―――――――――

「……………」
佐々木は、むくりと上半身を起こすと、体に覆い被さったシーツを引きはがし、
誰の目に見ても明らかな三白眼で、見知ったはずの室内を何かを探すかのように睨め回た。
しかる後、彼女はがっくりと肩を落とし、大きく溜息を吐いてから、手元に落ちていた水玉模様の枕を抱きしめると、
アヒルのような口で、枕と存分に口づけを交わした後、腕を大きく振りかぶって、枕を壁に叩き付けた。
くぐもった音を発しながら運動エネルギーを解放し、再びベッドの上に横たわる枕を二十秒ほど見つめ、
それから目を逸らした後、心底不機嫌そうに、かつ無念そうに、ちっ、と一つの舌打ちを漏らした。

おおよそ彼女らしからぬ所作をし終えた後、部屋の床に尻餅をついたまま壁の飾り時計に目をやる。
時刻はすでに自分の定めた起床時間を超過していた。

佐々木はゆっくりと起きあがった。
体にまとわりつくシーツを上着のように抱え込み、這いずるようにベッドの上へと戻った。
彼女の屈強な理性が、『お前は愚かな夢を見たのだから、憂鬱な気分であるべきだ』と厳かに告げていたが、感情はそれを無視した。
シーツをだらしなく身に纏ったまま、ベッドの端に転がる枕を、恋人のように優しく抱きかかえ、佐々木は再び目を閉じた。
胸の奥底に、正体不明の、暖かく、優しい何かが立ちこめて、
愛しい彼の声で、やがて夢の続きが訪れるだろうと告げた。



秒針が刻む音が、ゆっくりと鼓膜から離れていく浮遊感を感じながら、
佐々木は、自分が重大な精神失調を来していることを自覚し、速やかに夢の続きへと潜っていった。
397名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 05:57:44 ID:fbO+rs92
作者の同意を得てからするべき
398名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 06:01:28 ID:01T8ICr4
『ループ・タイム』
ギャグとシリアスとエロがバランスよく振られてて面白かった

嘘だ
エロは比重軽めだ
面白かったは嘘ではない、断じて

競馬狂・長門有希、ハイテンションでもないのにあれだけ動く長門は珍しい
っていうか自由すぎwww


ここ最近保管庫で面白い作品を見付けるとどうしても紹介したくなる駄目な住人
決して、今日も仕事があるのに徹夜してしまった頭の痛い存在ではない
断じて
399名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 07:32:34 ID:7QiAJoui
>>377

× マイ・バズーカ
〇 ジョうわなにをするやめろ
400勝手に改造:2007/04/09(月) 07:44:58 ID:vXaVwcHD
 長門の小さな掌がズボンの上から俺のマイ・サン・ジョンを撫でている。
だな!
401名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 09:21:31 ID:cmFJY6Yh
>>376
俺見たのそれだ
402名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 09:54:17 ID:hR5WpH1f
佐々木スレなんてあるのか。
……なんでアニキャラに建ってんだよ。
403名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 10:02:48 ID:cmFJY6Yh
ラノベキャラ板がないからじゃね?
404なんとなく書いた:2007/04/09(月) 10:04:03 ID:LDgftg4o

中学校の卒業式でのことだ。
暖かな春空の下、俺は佐々木に呼び出され、片手に卒業証書の筒を握り締めて屋上に向かっていた。一体何の用事だろう? アインシュタインの一般相対性理論についての講義の続きでなければいいのだが。
佐々木は屋上の手すりに寄りかかって遠くを眺めていた。俺が鍵のぶっ壊れた屋上のドアを音を立てて開くと、佐々木はゆっくりと振り返って笑った。
「やあ、キョン。よく来てくれた」
風に短い髪を揺らしながらそう言う佐々木は、いつもの饒舌な口調とは違い、どこか言葉少なめだった。いつもならこの三倍くらいでまくし立てるんだが。
「君にお別れを言わなきゃならないからね。春から僕は私立高校だ。キョンは北校に行くのだろう?」
大げさだな。別に生き別れになるわけじゃないんだぜ。いつでも会いたいときに会えばいいじゃないか。
「いつでも、かい?」
「ああ、ちゃんと電話するからさ」
俺がそう言うと、佐々木は、もじもじと俯いて卒業証書の筒をぎゅっと握ったり持ち替えたりして弄っていたがいたが、上目遣いに俺を見ると微笑んだ。
「じゃあ、僕は君から電話がかかってくるのをじっと待機していることにしよう。ベルの音に反応するように訓練された、哀れなパブロフのイヌのように。約束だ、最初はちゃんと君から掛けてくれよ?」
僕からだと、寂しくて際限なく電話を掛けてしまいそうだからね、と本気とも冗談ともつかない表情で言うと、佐々木はくっくっと笑った。
「それで、そのことが今日の本題か?」
俺がそう聞いた途端、佐々木はカエルが首を絞められたような声を出してから沈黙した。おい、大丈夫か?ちょっと顔が赤いけど、熱でもあるのか?
「熱? ああ、キョン。実は、僕もある病気にかかったようなんだ。なかなか根治治療は難しいが、症状を安定させるためのちょっとした処方箋があるらしくてね、君がもしよければ、その、僕の精神病の一種、いわゆるコイの病を……え、おい、キョン? な、何で急に手を……」
ごちゃごちゃ佐々木が何か言っているが、やはり風邪でも引いたらしい。何か魚の病気にかかったとかなんとか、よくわからないが、要は熱のうわごとだな。俺は佐々木の手をとって、ぐいぐいと保健室に向かった。
「キョン。君は誤解している。非常に重大で馬鹿馬鹿しい誤解だ、さっきのは一種の比喩的な意味での告白、いや、告白的な意味での比喩というか。とにかく僕は大丈夫だ、放してくれたまえ」
「親友が熱出してるのに放っておけるか」
握った佐々木の手から力が抜けたような気がした。
「親友……親友か……それが君の答えか、キョン……」
急に佐々木はおとなしくなって、俺に手を引かれるままに保健室に入っていった。佐々木は少し寝て、少し泣いた。
「キョン、君はずるいな……」

……………………

「それ、誰?」
「ああ、こいつは俺の……」
と、俺が紹介を言いかけた途中で、
「親友」
佐々木が勝手に解答を出した。

……あれ、佐々木、なんでちょっと怒ってるんだ?
405名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 10:20:29 ID:OGnH0lZw
せつねぇ。
こりゃたしかに、傍から見れば「ずるい言い方でふった」
ことにしかならんぞキョン。鈍感どころじゃない。
やっぱ無意識的に、恋愛方面の発想にフタをしてるのかね…。
406名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 10:22:12 ID:mpJTlI6Y
>>404
本編読んでたときから思っていたことではあるが、
キョンの頭を切開して
恋愛回路の断線を修理してやりたいね。
407名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 10:22:31 ID:x24UAw1E
佐々木SSはまだ逸材がないな
408名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 11:04:08 ID:GzM77JWB
>>407
しかし新キャラだけに、どのSSも新鮮だな。
佐々木SSしか読んでないぞ俺。
409名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 12:34:10 ID:lM2AKYz3
>406
切開したら、既に●によってあれこれ書き込まれてたりして。
410名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 12:53:58 ID:cmFJY6Yh
もしそうなら、12時間ぐらい手術かかりそうだな。
411名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 13:04:08 ID:wnrdM5rN
佐々木は塾行くときはキョンの自転車の荷台に乗ってんのか
妄想が広がる
412名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 14:11:25 ID:PmQTyNXT
>>405
無意識に恋愛方面の発想にフタをしているということは、
キョンはきっと過去にトラウマになるほどの体験をしてるんだ
413名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 14:24:48 ID:dei6flJA
>>412
従姉のねーちゃんのことじゃね?
駆け落ちしたとか言う
414名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 14:40:51 ID:vXaVwcHD
たしか従姉の姉ちゃんに童貞奪われてしまってそのショックでトラウマに…
415名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 14:43:07 ID:xpYHY9bG
>>414
いいネタだ。
せつない系で書けそうだな。
416名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 14:57:14 ID:01T8ICr4
うっかりサイカノを思いだし鬱に
417名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 15:07:30 ID:ZgGBT4g5
成長期に性交をするとホルモンバランスが狂ってしまい、成長を阻害しかねない。
背だけ伸びても、骨の密度やカラダを支える筋肉が付いていけなかったりする。
割かし切実な問題だ。
418名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 16:26:59 ID:qomFQBaw
童貞よかマシでっしょ?
419名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 16:34:58 ID:Mg6YUrRq
一番性欲が盛んで体力もあるのが成長期という矛盾
420名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 16:46:23 ID:971UH4ey
俺のなんか凄くねぇ?
421名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 17:03:26 ID:9hm00OAK
「ねぇ、妹さん」
「なぁに、みくるちゃん」
「昔のキョン君と遊んでみたくない?」
「そんなことできるのー?」
「そういう夢を見ることが出来るんですよ」
「じゃあ何やってもいいのー」
「うん、いいよ。規定事項だし」
「なんかいったー?」
「ううん、何も。それじゃ目をつぶっていてねー」
(よーし、キョン君としたいこといっぱいするぞー)

「ん、どうしたのキョン」
「なんか悪寒がする」
422名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 17:17:05 ID:ailRlZKm
>>421
夢が広がリング
423名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 18:03:53 ID:+USGZUlW
>>421
禁則事項ですwww
424名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 19:37:07 ID:UarWNnZI
では投下行きます。
42-652の「ハルヒ最大の敵その名はミヨキチ」
の続編です。
13レス前後、エロ微妙。
425エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:38:06 ID:UarWNnZI
禍福はあざなえる縄のごとしとは言うけれど、今の俺には本当に不幸の後に幸福がやって
くるのか疑問を感じる。
不幸の後に不幸がやってくる、そんな気さえするこの一年だった。
いや、全てを不幸と見なしてしまうのは言い過ぎか?
なにせ俺は朝比奈さんという天使に出会えたことはこの上ない幸福であるし、SOS団の活
動が全て俺にとって不幸かと問われればそうでもないと答えられる。
だが、これから紡ぎ出されるエピソードは、俺にとって間違いなく不幸という名のアルバ
ムに種類分けされるだろう。
もはや俺には耐火金庫にでも記憶を封印してしまいたい気分だったが、あえて語ってみよ
う。
では回想シーンだ。



春の暖かな風が窓から入り込む金曜日の夕方、なにをするでもなく部屋でくつろいでいた
俺は、あまりの心地よさに脳内睡眠薬によって地上の楽園へと誘い込まれる。
まあ、安あつらえの我が寝具、つまりベッドのことなんだがな。
だが、こんな気分のいい日に部屋でむっつり勉強をしているなんて、俺の性にあわん。
ならば日の高いうちからシャミセンのように惰眠をむさぼるのはいいのか? というのは
なしだ。都合の悪いことは忘却の彼方で、遙か太陽系の外へでもほっぽり出すのさ。
ホーキング博士もびっくりだ。

だがすでに俺のまぶたは、宇宙ステーションにランデブーする寸前のスペースシャトルの
ように接合間近だ。
後の事は任せた小人達。
さらば俺を苦しめる厚さ33ミリの参考書という名の睡眠導入剤よ。ようこそまどろみの
楽しき世界。

というわけで、俺は寝る。
「ピンポーン!」
寝る。
「キョンくーん。出て〜」
お前は親父のトイレを急かすマジではみ出る5秒前か?
などと、つまらないツッコミはいい。
しょうがない、出てやるか。

俺はのそのそとベッドから立ち上がると、コントにでも出てきそうな酔いどれ親父のよう
によたり気味に部屋を出た。
急ぎながらも映画のワンシーンのようにならないよう慎重に階段を降り、すぐさま玄関に
向かった。
そして2度目のベルが鳴る前に扉を開けた。
426エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:38:52 ID:UarWNnZI
ドアの前に立っていた少女は、妹の親友にして臨時家庭教師のミヨキチ――吉村美代子だ。
彼女は礼儀正しくお辞儀をすると、勝手知ったる友人宅への訪問にしてはその表情に少し
の緊張感を滲ませ、それでもうれしそうにほほえみを見せた。
「お兄さん、こんにちは」
「ミヨキチ、キミだったのか。やあ、いらっしゃい」
だが、俺は呆気にとられてミヨキチを見つめてしまった。
というのも、ミヨキチは俺がプレゼントしたリボンで髪を結わえて、ポニーテールにして
いたのだ。
とはいえ、やや不躾だったかもしれない。
ミヨキチは俺の視線に気づくと途端に顔を赤らめ、もじもじし出した。
「あの……お兄さん、どうしました?」

ミヨキチはまるで飼い主を見上げるフェレットのように、少しおどおどしながら尋ねた。
「いや、キミのその髪型、よく似合っていると思ってね。そのリボンも使ってくれている
んだ?」
「ありがとうございます。ほめてもらってとてもうれしいです……お兄さんにプレゼント
してもらったこのリボン、これからもずっと大切に使っていきます」
俺にほめられた程度でそこまで感動することもないだろうに、ミヨキチは俺を潤んだ瞳で
見つめていた。
まあ、悪い気分はしないがね。

ミヨキチは俺の嗜好にピタリと合ったその髪型に、年齢不相応に大人びて整った容姿、そ
れを彩りさらに強調するよそ行きの装いをしていたのだ。
もしミヨキチが俺と同い年なら、とつい思ってしまいそうになる―――いや、なんでもな
い。そんな妄想をした日にはまたハルヒから『ロリキョン』という不名誉な称号を授かり
かねない。
聞かなかったことにしてくれ。
だが、この時は思わなかったのさ、ミヨキチのそのヘアスタイルがこの後とんでもない騒
動を引き起こすなんてな。

ミヨキチは俺の差し招きに従って「お邪魔します」の挨拶をするとおもむろに靴を揃えて
脱ぎ、俺が用意したスリッパに履き替えた。
そして勉強道具一式が入っているであろう手提げカバンを体の前で携え、俺の案内を待つ
かのように見上げた。
「おーい、ミヨキチが来てくれたぞー!」
と、俺は不肖の生徒である妹に声を掛けたのだが
「部屋まで連れてきてー!」
などと迎えに来ようともせず、なんと不出来な妹だと俺に嘆かせた。

しかしながらミヨキチは、いやな顔一つせずしっとりとした物腰で俺の先導に付き従って
妹の部屋まで行く。
やっぱりミヨキチはいいお嬢さんだ。
いっそのこと、うちの妹にシャミセンまで付けて交換トレードしたいくらいだ。
もっとも、一線級の投手を放出しようという球団もそうはないだろうが。

ところで、なぜミヨキチが家に来ているかというと、別に遊びに来ているわけではなく、
ちょっとした事情があって、妹と一緒に勉強するためにわざわざ家に来てくれているんだ。
というのは先日の日曜日、ハルヒとの間で一悶着あってだな、ミヨキチにしては珍しくそ
の場の勢いというか、あるいは最初に妹の家庭教師をすると提案したハルヒに対抗してか、
妹の家庭教師代わりとして一緒に勉強すると宣言し、現に今週の月曜から、俺に似て決し
て優秀とはいえない妹の勉強をけなげにも見てくれているわけだ。
427エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:39:32 ID:UarWNnZI
しかもそれが実に効果覿面で、妹の成績が鰻登りとは言わないまでも、メダカが小川の流
れをさかのぼる程度には上昇する兆しを感じさせる。
これはもう兄貴としては感謝感激するしかないね。よほどミヨキチの教えがいいんだろう
な。
それにミヨキチなら、楽しそうに罵倒したり、丸めた教科書でコントばりのツッコミを入
れたり、はたまた罰ゲームを課したりはしないだろうしな。
さて俺は誰のことを言っているんだろうね?

などと考え事をしながら歩くと、もはやすでに妹の部屋の前だ。
そこで一度立ち止まり、ミヨキチを見やった後再びドアに向き直る。
そこで別にしなくともよいのだが、紳士のたしなみとしてノックを二度三度。
「おい、ミヨキチを連れてきたぞ。入るぞ」
「いいよー」
ノブをひねり俺たちが連れだって部屋に入ると、妹はさも楽しそうな面、というよりニヤ
ついた面を向けてきた。
どうも最近こいつの考えがよくわからん。いったい何を企んでいるんだと思わせる表情だ。

そして部屋の真ん中辺りまで進むと、ミヨキチはカバンを床に置き、そこから筆記用具と
参考書を取り出しテーブルの上に並べた。
そして妹と向かい合わせに着座した。もちろん、まるで疲れたサラリーマンのようにだら
しなく座っている妹と違い、ミヨキチは姿勢も美しく正座だ。
育ちの良さと躾の行き届いた様を感じさせる見事な対比だ。
その様子に感心しながら見届けた後、俺はおもむろに口を開いた。
「おい、何でお前がミヨキチを迎えに来ないんだ。お前は言わば、ミヨキチの教えを受け
る生徒だろうが」
「キョンくん、わかってないな〜。あたしが迎えに行かない方がいいんだよ。ね、ミヨち
ゃん?」
「も……もう、何を言い出すの?」
ミヨキチは酸に浸したリトマス紙のように顔をしだいに赤らめ、妹を少し咎めるような目
つきで見た。

全く訳がわからないんだが……。
「キョンくんってば鈍感さんだね〜。これじゃあ、ミヨちゃんやハルにゃんも苦労する
よ」
なぜか俺を注文を間違えたカフェの店員を見るように睨め付ける妹。
そんな幼稚園の年長組のような表情で睨み付られたところで、蟻の足先ほども恐れなど抱
かないが、俺が責められる理由を教えてくれ。
つうか、なぜミヨキチやハルヒが苦労するんだ?

「ふっふーん。ニブチンのキョンくんには教えてあげない。ね、ミヨちゃん」
「わ、わたしに聞かないで。……お兄さん、何でもないですから気にしないで下さいね」
ミヨキチがそう言うなら別に気にしないことにしたいが、妹に言われっぱなしと言うのは
気に入らんな。
そこで俺は妹に一度、兄としての尊厳を示しておくべきか、それとも速やかに自分の部屋
に戻ってアニメの大泥棒のような様で頭からベッドに飛び込むべきかと煩悶していると、
再び玄関のインターフォンが鳴り響いた。
428エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:40:04 ID:UarWNnZI
俺には誰が来たのかは分かっている。そいつが俺に用があるということもな。
どういう事かというとだな、つまり家庭教師がつくのは妹だけではないということだ。
遺憾なことにハルヒは俺の家庭教師を無理矢理買って出て、ミヨキチと同じく今週の月曜
日から毎日通っているというわけだ。
「キョンくん、早く行かないとハルにゃんが怒っちゃうよ」
そうだ、あいつのことだ。ちょっとでも遅くなれば、罰金として家財道具を持って行きか
ねない。まるで泥棒扱いだな。
俺は急いで妹の部屋を出ると、やや足を速めながら階段を下り玄関のドアを開いた。

するとハルヒは玄関前で山門の仁王像のように腕を組んで突っ立っており、俺を見上げそ
して睨み付けた。
「おそいわよ、キョン! わざわざあたしがあんたに勉強を教えてあげようってんだから、
それなりの敬意を持って迎えてくれなきゃダメよ。あんたには師を敬う気持ちが足りない
わ」
よく言うぜ。俺のニーズもお構いなしに一方的に宣言して家庭教師になったというのに。
需要と供給のバランスをお前も少しは考えろ。
お前の場合は供給一辺倒だろうが。それじゃあ、市場原理に則っとって供給過剰で価格は
暴落だ。

「なあに? じっとあたしを見つめて……ひょっとして、髪を見ているの? 髪型だった
ら当分変えるつもりはないわ。残念だったわね」
ハルヒは何とも見当違いのことを言い出した。なんのこった。
別にそういうつもりで見ていたわけではないのだが、何を思ったのかハルヒは勘違いして
いるようだ。
ただ、ひょっとしてミヨキチのポニー姿を見た後だからつい無意識にそういった目の色に
なっていたのかも知れないが。
だとしたらハルヒの観察力というか直感力はたいしたもんだ。
だが髪型は変えないというなら別にかまわないぜ。俺はミヨキチを見て心を和ませるから
な。

ハルヒはまるでリンクの上を滑るように玄関に入ると、タイルの上で足を止め、すぐさま
靴を脱いで玄関マットの上に上がりスリッパに履き替えた。
そして廊下の上で昂然と無闇に胸を反らして顔を起こすと、原発1年分の発電量に匹敵し
そうな笑顔で、
「さあキョン、ぐずぐずしてないであんたの部屋へ急ぐわよ。特にあんたの成績は一秒た
りとも無駄に出来ない電波時計のようなものなんだからね」

何が電波時計だ。お前こそあちこちから妙な電波を受信したり、キテレツな電波を発信し
まくる電波女じゃねえか。
ハルヒはそう宣言すると俺の手を掴み、半ば引ずるようにして俺の部屋に到着した。
まったく、牽引車のような女だ。手がしびれるじゃないか。

ともあれ、俺の部屋に入ったハルヒは伊達眼鏡を掛け、すぐさま参考書やハルヒが作成し
たと覚しきプリント類を机の上に並べてスタンバイ完了だ。
ハルヒは入社したての新卒社員のように全身にやる気を満ち溢れさせ、トレードマークで
ある大きな目をさらに拡大させて俺の着席を促す。
それに従い俺が座ると、同時にハルヒの授業が始まった。
429エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:40:37 ID:UarWNnZI
こいつの教えを受けていていつも思うんだが、ほめたくはないが実に教え方が絶妙だ。
というのも、ハルヒは俺の性格や習得のリズムを知り尽くした教え方を行い、時折言い出
すご無体な罰ゲームや楽しげな罵倒も、言わばアクセントとなってリズムよく俺に吸収を
促す。

ほめるとこいつは調子に乗るから言わないが、家庭教師としても一流だ。
どうやら、天は二物どころか無制限にハルヒに才能を与えたらしいな。
やれやれ、少しは俺にもお裾分けして欲しいぜ。世の中というのはは実に不公平なものだ
な。

なおもハルヒの授業は続く。
その間もハルヒは俺が答えを間違えたりすると、実にうれしそうに「バッカ」と俺を丸め
た参考書でどついた。
まるで友達の誕生会にでも出席した小学生のように満面の笑みを浮かべ、そして楽しそう
にしているハルヒを見ていると、俺は不覚にも悪くはないと思ってしまったのは内緒だ。
いや、今すぐ俺の頭の記憶装置から証拠を隠滅したい気分だ。

さて、時間が予定の半分を過ぎたところで休憩をすることになった。
俺は一度伸びをするとベッドに腰を掛け頭と体の疲れを癒している。
ハルヒはといえば何やら本棚の裏を物色しているが、俺は別に気にしないことにした。
というのもハルヒが探しているブツはすでに処置済みで、俺の部屋にあろうはずがないか
らだ。
何か? とは聞かないで欲しい。
俺ぐらいの年の男なら大抵の人間が持っている、いわゆる男のロマンというやつだ。
まあ、この話題はこれぐらいでいいだろう。
再びハルヒに目を向けると、成果ゼロの俺の部屋の不思議探索に飽きたようで何やら言い
たげな目つきだ。

「ねえキョン、わざわざあんたのために教えに来てくれた家庭教師の先生に対して何か忘
れてない?」
なんのことだ。感謝の言葉でも欲しいのか?
「違うわよ。催促するみたいで意地汚いと思われるのはいやだけど、お茶の一杯でも出そ
うという気持ちはないのかしら?」
そういや忘れていた。
「すまん、すぐ持ってくるからちょっと待っててくれ。朝比奈さんのようなお茶くみ名人
と言うわけにはいかんが丹誠込めて用意しよう」

「飲み物は紅茶で、アールグレイをお願いね。それと、冷蔵庫にシュークリームがあった
わよね?」
なぜお前は俺ん家の冷蔵庫の中身を知っているんだ……?
ていうか、めちゃめちゃ催促しているじゃねえか。
しかし、まあいい。俺としても、家庭教師に感謝の意を込めてお茶と菓子を用意すること
にはやぶさかではない。
ついでにミヨキチたちにも差し入れをしてやるか。
430エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:41:55 ID:UarWNnZI
そう考えて俺は台所に向かい、準備を整えると盆を持ち、まずは妹の部屋を訪れた。
ノックをした後部屋に入り、二人が向かい合うテーブルに紅茶とシュークリーム並べた。
「ありがとう、キョンくん!」
「お兄さん、ありがとうございます」
2人とも花が咲いたような笑顔を浮かべた。
ただし、妹は向日葵のような、そしてミヨキチはナデシコのような、といった違いはある
が。

さて、そろそろハルヒが待ちわびている頃だろう。今頃テーブルでも齧っているかも知れ
ない。
だが、俺は2人が食べ始める前に出ようかと考えたところ、妹が呼び止めた。
「ねえ、キョンくん。ちょっとこっち来て」
「なんだ? 俺はハルヒ大魔神の元に貢ぎ物を差し出しに行くんだよ」
いいから来てと手招きされ、仕方がないので手持ちの盆を床に置き、妹に向き直った。
紅茶が冷めちまうな。また罰ゲームを課されそうだ。
すると妹は何を思ったか、あわてるミヨキチの手を引いて立ち上がらせ、ベッドにうつぶ
せに寝かせた。
「ちょっ、ちょっと、何するの?」

「おい、お前は何をやっているんだ? ミヨキチが戸惑っているじゃないか」
妹はミヨキチの背中をさすりながら、
「ミヨちゃんねえ、まだ若いのに体のあちこちが凝っているんだよ。これは絶対勉強のし
すぎだよね」
いいからお前もミヨキチを見習って学習に勤しめ。マッサージぐらいしてやるから。

「ううん、あたしはいいから、ミヨちゃんのマッサージをしてくれない?」
いきなり何を言い出すんだ、こいつは?
「ええっ?!」と驚くミヨキチ。
そりゃそうだ。この年頃の女の子は、異性に体を触られるなんてとんでもないことだろう。
だがミヨキチは一瞬躊躇したが、意を決して、まるで決戦前夜のような表情になって、
「お兄さん、ふつつか者ですがお願いします」
なんと、やる気になってじゃないか。つうかそのセリフは変だろう。

なぜこうなったかわからないが、成り行きで俺はミヨキチをマッサージすることになって
しまった。
なんでだろうね?
それでも仕方がないので俺はベッドに座り、ミヨキチの背中を押さえた。
431エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:42:31 ID:UarWNnZI
「お兄さん、わたし初めてなので優しくお願いします」
「わかった。なるべく痛くならないようにするよ」
と言って、ゆっくりと強張った筋肉を揉みほぐす。
もみもみもみ
「どうだい?」
「はい、何か体中がぽかぽかしてきました」
それを証拠立てるように、ミヨキチの顔色が徐々に紅潮し始めた。
さらにミヨキチの体を揉み込んだ。
「ふぅっ……」
ミヨキチはそう吐息を漏らし、全身のこわばりが全て解けたようだ。
俺のマッサージもなかなかのもんだろう?
「じゃあ、(力を)入れるぞ」
こくりとうなずくミヨキチ。
「痛っ!」
「すまない、痛かったかな。もうちょっと優しくするよ」
だがミヨキチはかぶりを振り、
「いいえ、もう大丈夫です。大分気持ちよくなってきましたから」
「じゃあ、ゆっくり動かすぞ」
ふたたび気持ちよさそうなミヨキチの吐息が漏れてきた。
「は……ぁあ……」

とミヨキチが声を漏らした瞬間、部屋のドアが時限爆弾が爆発したような音を立てて乱暴
に開けられた。

「ドガンッ!!」

するとブラックマンデーを迎えた証券マンのように血相を変えたハルヒが、特殊部隊さな
がらの勢いで部屋に飛び込んできた。
だが、
「あ、あんたたち、何をしてんの! このロリキョン!!」
と喚いたところで俺たちの様子を見て一時停止、たっぷり5秒ほど冷凍中。
そして状況を理解しようやく解凍、ハルヒは振り上げた拳をどう下ろすべきか、ワナワナ
としながらも対処に困ったような怒り顔だ。

まったくこいつは何を勘違いしたのか。
おそらく俺の部屋にいたハルヒが、俺たちの会話を何か勘違いして、いてもたってもいら
れなくなって飛び込んできたんだろうが、見当違いも甚だしいぜ。
「おい、ハルヒ。お前、何か勘違いでもしただろう?」
ハルヒは赤い顔を殊更赤くして弁解しだした。
「してないわよ! あ、あたしは……あんたが中々戻ってこないから、どこで油を売って
いるのか気になって、それで妹ちゃんの部屋に来てみただけ!」

語るに落ちるとはこのことだな。もはや言い訳にさえなっていない。
「じゃあ、さっきの剣幕は何なんだ? とてもただ来ただけとは思えなかったんだが」
「うっさいわね。あんたこそこんな小学生の体を触って、いやらしいわね」
と言って、ハルヒがベッドからすでに起き上がっていたミヨキチに視線を滑らせて再び動
作停止。
ハルヒのやつ、故障でもしてんのか?
432エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:43:16 ID:UarWNnZI
ほどなく動きだし、ギギギと軋む音がしそうな様子で俺に向き直ると、ハルヒは無理矢理
笑い顔にした般若の面のような表情で俺を睨んだ。
つまりなんだかわからない。
「ちょっと、キョン。この子、どうしてこんな髪型をしているのかしら?」
ハルヒはミヨキチを指して俺を詰問した。
なぜだか背筋が寒くなる。

「どうしてと聞かれても、それはミヨキチの自由だろう。彼女がどんな髪型をしようとも
な」
俺には何もやましいことはない。たぶん。
「そうです。わたしがお兄さんからもらったリボンを付けているからって、どうだって言
うんですか?」
ミヨキチ、それはまずい。
「プレゼントしたですって? ちょっとキョン、いったいどういうことなの? 初耳よ」
そりゃ言ってないからな。
しかし、俺はハルヒと顔を合わせることが出来なかった。
もちろん恐怖によるものだ。

「この間の日曜日に、わたしにお礼だと言って買っていただいたんです」
ミヨキチはハルヒに臆することなく毅然とした態度でそう言った。
「ふーん、そう。キョン、ひょっとしてあんた、今のうちから彼女を手なずけておいて、
理想の女の子に仕立て上げるつもりじゃないでしょうね?」
何を言い出すんだ、こいつは。光源氏じゃあるまいし。
ひょっとして、頭のねじでも抜けちまったか? いや、元からだがな。

だが、それを聞いたミヨキチは、憤然としてハルヒに対峙した。
「涼宮さん、お兄さんにそんな失礼なことを言わないで下さい!」
さすがのハルヒも、ミヨキチのこの態度にはたじろいだ。
俺も呆気にとられた。今後ミヨキチを怒らせないようにしよう。そう心に固く誓った瞬間
だった。
だが、この剣呑な雰囲気はいったいなんだ?

すると、ミヨキチは居住まいを正してハルヒを見据え、
「涼宮さん、ちょっと聞いていいですか?」
「な、なにかしら」
珍しく動揺するハルヒ。ミヨキチに押され気味だ。
「涼宮さん、お兄さんのことどう思っているんですか?」
なんという直球過ぎる質問だ。
それでも普段のハルヒなら軽く受け流しただろう。
しかし、なぜか朝比奈さんのようにあたふたするハルヒ。
珍しい見せ物だ。顔が赤いぞ。
ただ、俺のことなんか雑用係の便利なやつだと思っているんだろうから、そう言うのかと
思ったのだがな。

それでもハルヒは、動揺を悟られまいと殊更笑顔を浮かべミヨキチに、
「あなたこそ、キョンの事をどう思っているのかしら?」
質問を質問で返した。会話でやってはいけないことの基本だな。
「……わたしの大事なお友達のお兄さんで、わたしにとっても……その……」
後はゴニョゴニョと言ってよく聞き取れなかった。そしてなぜかミヨキチは赤くなり俯い
てしまった。
おそらく、ハルヒにこう切り返されるとは思ってなかったからだろうな。

だが、俺もそろそろ居心地が悪くなってきた。
この流れでは当然俺に矛先が向かってくるはずだからだ。
それというのも、これまでの俺の経験則から得たものさ。
その前に……。
433エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 19:44:09 ID:UarWNnZI
―――助けてくれ!

俺は必死に妹に目配せし、山で遭難した登山者のように救助を請うた。
すると妹は、わかったという表情を浮かべ、首肯した。
「キョンくん、そろそろお風呂に入る時間だよね?」
妹は二人にも聞こえるようにややボリュームを上げて、突如そんなことを言い出した。
俺を逃がそうとしているんだな。
しかし、風呂に逃げるというのは多少みっともない気もするが。この際致し方ない。

「そうだな。いつもこの時間に入っているから、時間は守らないとな」
「うん、そうだよ。じゃあ入ろ」

…………?

まてまて、なぜお前まで入るんだ。
「どうして? いつも一緒に入っているじゃない」
こら、お前はなんてことを言うんだ。誤解を招くぞ。
確かにハルヒたちの注意をそらすことは出来たが、むしろ余計にまずい状況だ。
案の定、ハルヒはミヨキチとの諍いを中断して俺に変質者を見るような視線を向けた。
「キョン、この変態! 妹ちゃんと一緒にお風呂に入っているなんて、なんて破廉恥な事
をしているの?」
ハルヒは鬼の形相で、目から怪光線を出して蝿を撃ち落としそうだ。
これはつまり、地獄から抜け出そうとして、すんでの所でさらに深い地獄に突き落とされ
たようなものか。

どうすればいいんだ?
今さら誤解を質したしたところで、ハルヒは聞く耳を持たないだろう。
ならば、道は一つしかない。
すなわち、

―――開き直れ!

「ハルヒ、お前何をいかがわしい妄想をしているんだ? 俺が妹と風呂に入って何が悪い。
こいつはまだ小学生だ。それに俺がいつも一緒に入るということは、なんのやましいこと
もないという証拠だろうが」
言ってやった。
しかし、俺は何かを失ってしまったような気がする。

それでも気を取り直してハルヒに目を向けてみると、俺からそんな反撃を受けるとは追わ
なかったのだろう、ハルヒはやや驚いた様子で咄嗟には言葉が出ないようだ。
「じゃあキョンくん、お風呂に入ろ〜」
すかさず妹が俺を促す。
すると、今まで沈黙していたミヨキチが突如口を開いた。
「あの、お兄さん。わたしもご一緒してもいいですか?」
「なんだって?!」
「なっ?!」
俺とハルヒの声が見事にハモった。
434名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 19:52:22 ID:JEKd3+XT
支援?
435エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 20:00:14 ID:UarWNnZI
「いや、それはさすがにまずいだろう、ミヨキチ」
俺はミヨキチを窘めた。
「そうよ、ミヨキチちゃん。嫁入り前の娘がこんなエロキョンと一緒にはいるなんてダメ
よ。考え直しなさい」
めちゃくちゃな言われようだ。
しかしながらハルヒの忠告を聞いたミヨキチは、それとは逆にますます決意を固くしたよ
うな表情を見せ、
「わたし、まだ小学生です。だったら、友達のお兄さんと一緒に入ったってかまいません
よね?」

いや、そういう問題ではないと思うんだが……。
だが、妹はそれに乗っかるように、
「そうだよ、ミヨちゃんも一緒に入ろ。ほら、キョンくん行こ〜」
と、妹とミヨキチは俺「ちょっと待て」という俺の言葉にも耳を貸さず連行した。

後に残されたハルヒは何やら呆然としており、もはや言葉を発することさえ出来ない様子
だった。
俺は手を引かれながら、何がミヨキチにこんな態度をとらせるのか、名探偵ではない俺に
は皆目見当がつかなかった。



というわけで、俺は浴室にいる。
先ほど脱衣所に到着した俺は、妹とミヨキチが着替えの用意をしている間にすぐさま身に
つけている衣服を脱ぎ捨て、2人が来る前に超特急で体を洗い終えた。
そして、俺が浴槽につかると同時に妹、ミヨキチ、そしてハルヒが……って―――。


―――ハルヒ!?


何でこいつまで……?
ハルヒはバスタオルを体に巻き付け、それでも恥ずかしそうに顔を紅潮させ、俺の顔をま
ともに見ようともしない。
それにしても、ハルヒが見せるバスタオルを巻き付けた姿は、ほめたくはないが、体のラ
インは見事なもんだ。そこらのモデルに引けを取らないと言っても過言じゃないな。
だが、つい凝視してしそうになって、あわててもやもやっとした思いを振り払った。

続いて入ってきたミヨキチもハルヒと同じようなバスタオル姿で、恥ずかしそうな表情が
実に庇護欲をそそる。
なお、あまり見つめるのは失礼だと思ったが、ハルヒの言うところの長門より胸があると
いう意見には同意できそうだ。
―――すまん、長門。
436エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 20:01:13 ID:UarWNnZI
そして最後に入ってきた妹は、バスタオルを巻くこともなく生まれたままの姿で起伏のな
い肢体を兄の前にさらけ出している。
うむ、少し和んだ。
だが、なぜハルヒまでここにいる?
「ハルヒ、何でお前まで入ってくるんだ?」
エロキョン呼ばわりされた俺としては、当然の質問だ。
それにこいつが入ってくるのは、俺にとって一番まずい。何せ一部俺の意志とは無関係に
反応する別人格があるもんでね。
だがハルヒは依然として目をそらしたまま、バスタオルを押さえてアヒル口を開いた。
「しょうがないじゃない。キョンのような野獣がいる中に妹ちゃんやミヨキチちゃんのよ
うなあどけない女の子を一緒にさせるわけにはいかないもの」

こいつはいったい、俺をなんだと思っているんだ? 実に失礼な女だ。
ていうか、相変わらずでたらめな理由だ。
だが、ハルヒは俺の視線に気づいたのか、ますます顔を赤くして、
「キョン、こっち見るな! あんたはお湯の中にでも潜ってなさい」
また、めちゃくちゃなことを言い出した。
俺に溺死しろとでも言うのか? 勝手に入ってきたくせに。

そんな俺の嘆きも憤りもどこ吹く風、ハルヒたち3人娘はせっせと体を清め始めた。
だが俺はもちろん見るわけにもいかず、ハルヒによって手ぬぐいで目を覆われ、今は音し
か聞こえない。
すると、なにやら妹が自作の歌を口ずさみながら、ハルヒの後ろに回り込む音が聞こえた。
そして、ハルヒの「ひゃっ」という小さな悲鳴が上がり、
「ねえ、ハルにゃん。ハルにゃんって、とってもきれいな体してるね〜」
お前はエロ親父か?
「ちょ、ちょっと妹ちゃん、キョンもいるんだからバスタオルを外さないで。こら胸を触
らない!」

「いいじゃない、減るもんじゃないし。それにさわり心地がいいよねえ〜」
「妹ちゃん、やめっ、あんっ……」
こら、なんて声を出しているんだ。
「ねえ、やめなさい。こら、こねまわさないで! ん……はぁっ!」

なおも続く妹のセクハラ。ハルヒがセクハラされるというのもそれはそれで興味深いもの
だが……このままではやばい。
収まれ……ええい、南無阿弥陀仏、祓いたまえ、心頭滅却すれば火もまた涼し…………。
最後のはちょっと違う気がするが、この際何でもいい。

俺は滝に打たれている修行僧のような心持ちになって、煩悩を必死に抑えようとした。
するとどうやら妹はセクハラに飽きたのか、ハルヒの荒い息遣いも収まったようだ。
助かったか……?


「今度はミヨちゃんだね」


何ですと!?
「ちょっと、今度はって何? やめようよ、ね?」
「いいじゃない、ちょっとだけだから」
俺はこいつの将来が心配になってきたよ。マジで。
できることなら、速やかにこの場を脱出したいところではあるが、この状態では無理だ。
出れば、ハルヒに殺されかねない。
437エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 20:02:05 ID:UarWNnZI
「うわ〜、ミヨちゃん、ホントにあたしと同い年? ひょっとして、有希ちゃんより大き
いじゃない?」
またしても比較される長門。
この会話は監視対象になっていないだろうな?
「ちょっと、やめてよ。ひゃっ!」
妹のセクハラ開始。
何が行われているか俺には見えないが、耳に入ってくる音はミヨキチの悩ましい声と、妹
の感嘆の声、そして胸を触っているであろう水のピチャピチャという音だ。
そしてそれらの音が風呂場という密閉された箱の中で反響する。サラウンドというやつだ。

正直たまりません。

「あん……ちょっ、やめ……は……んっ」
「ほらほら、どう? ミヨちゃん」
「はふぅ……ひぁ……」

この状況では音だけしか聞こえないが、ミヨキチの小学生とは思えないなまめかしい声が
俺を惑わせる。
しかし、俺は煩悩を抑えなければならない。

「はい、おしまーい」
「もうっ……」
ミヨキチは息づかいが荒く、その熱がこちらにも伝わってくるようだ。
……ようやく終わったらしい。
……だが、俺は煩悩に惑わされて、妹のセクハラを止めることを忘れてしまった。
ハルヒ、ミヨキチすまん。


先ほどの余韻を残したハルヒの声がかかる。
「キョン、もう手ぬぐいをとってもいいわよ。でもあまりあたし達をエロイ目で見ちゃだ
めよ」
見ねえよ。と言いたいところだが自信がない。
そして俺はようやく視界を遮っている手拭いを取り去り、久しぶりの夜明けを味わった。
妹はすっきりしたようなつややかな笑顔、ハルヒとミヨキチはどことなく高揚したような
瞳と赤い顔をしていた。

「ちょっとキョン、もうちょっと端に寄りなさい。あたしが入れないじゃない!」
「お兄さん、失礼します」
「あたしも入るー」
おい、みんな入るのか? いったいどういうつもりだ。無茶をするな。ここは温泉旅館の
大浴場ってわけじゃないんだぜ。
つうか、これはどういう状況だ? 俺は年齢制限付きゲームの主人公にでもなったのか?
いや、そんなわけねえ。
それとハルヒ、俺の目の前で浴槽の縁を跨ぐな。きわどすぎる。
それどころか……いや、見てない。俺は何も見てないぞ。錯覚だ。

雑念を払うためしばらく瞳を閉じていると、3人娘が湯船に入ったことにより、浴槽を満
たしている幾分かのお湯を追い出す音が聞こえた。
みんな浴槽に入ったようだが、よく4人も入れたものだ。
438エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 20:02:55 ID:UarWNnZI
では説明しよう。俺の両隣にはハルヒとミヨキチがいて、ミヨキチの隣りに妹がいるのだ。
しかし完全に定員オーバーであり、窮屈すぎた。それに密着度が高まり本当にまずい。
「ちょっと、キョン。あまりこっちに寄らないでよ」
とは言ってもだな、妹のやつがミヨキチを押して、そのせいで俺が押されて……。
「いいからもっとそっちに寄りなさい!」
「まて、押すなハルヒ!」
押し出された俺は、当然のごとくミヨキチとの密着度を高めた。
「きゃっ!」

俺がミヨキチに抱きつくような格好になってしまった。
「ミヨキチ、すまん」
「いえ、気にしないでください」
顔を真っ赤にして俯くミヨキチ。
悪いのはハルヒのはずなのに、罪悪感で一杯だぜ。
だがそれによりあわてた俺はのけぞり、再びハルヒにぶつかった。

その瞬間、どういう体勢になってしまったのか、俺は2人のマシュマロをこの手で掴んで
しまった。

2人のそれは大きさに違いはあれど、柔らかく極上の触り心地だった。
って、何を冷静に解説している? そんな場合じゃねえ!

「まずい!」と思う間もなく俺のエクスカリバーが鞘から放たれ、抜き身の姿になった。
しかしミヨキチはそれには気づかず、非難の言葉も出せずに顔まで湯につかり石化中。
また、ハルヒも入浴剤が入って白く濁った湯のため気づかず、痴漢にでも遭ったかのよう
に怒りに満ちた表情をしていたが、つい湯にたゆたう俺の分身を握ってしまった。
「……ぐっ!」
俺は思わず声を漏らした。
しかし決して気持ちがよかったから、というわけではないので誤解なきよう。

ハルヒはそれが何かはすぐにはわからず、胸を触られたことも忘れ怪訝な表情でしばらく
弄んでいたが、やがて理解できると、みるみるうちに梅の花の赤よりもさらに赤く顔を染
め上げ、
「ぎゃっ!!」
まるで台所にいる茶羽の虫でも発見したような、まことに失礼な叫び声を上げた。
そしてハルヒは、マグマを吹き出しかねないほどの顔色と形相で、
「あたしの胸を触ったうえにこんなモノまで握らせて……この、エロバカキョンっ!!」
と叫ぶと同時にハルヒが放ったコークスクリューパンチが俺の顎に見事に決まった。
その直撃を受けた俺は壁にしこたま頭を撃ち付け、100万ボルトの電気が走りあえなく
気を失った。


………………

…………

……
439エクスカリバーは突然に:2007/04/09(月) 20:03:51 ID:UarWNnZI
目が覚めると、俺は自分の部屋のベッドに寝かされていた。
そしてハルヒ、ミヨキチ、妹の3人が俺を見下ろしている。
なお、妹以外は一様に顔を赤らめており、俺を見る目も何やらよそよそしい。
「悪かったわよ。でもね、あたしの胸を触った上に、あんなモノを見せたのも飽きたらず、
それを触らせたあんたも悪いんだからね!」
「それはあやまる。すまん。だがあれは不可抗力だ! ……待て、それよりも見た……の
か?」
「しょうがないでしょ? あの状況じゃ。それに、あんたが今服を着ていることを不思議
だと思わなかったの?」

そういや、俺は裸で気を失ったのに今は服を着ている。
てことは……ハルヒだけでなくミヨキチや妹までもが……見た……のか?
「そうよ、気を失ったあんたを部屋まで運んで、服を着せたんだからね」
まて、順序が逆じゃないのか? せめて先に服を着せてくれ。
「わたし、男の人に胸を触られたのも、男の人のあんな状態を見るのも初めてです。でも、
お兄さんだったから……」
終始俯きながら、ミヨキチはか細い声で語った。
ただ、最後の方は聞こえづらかった。俺だったらなんだ?
だが、よほどショックだったらしい。
申し訳ない。
しかし、俺だってショックだ。ミヨキチにまで見られるなんてな。

……ところで、お前も見たのか?
「うん、キョンくんすごかったよ」
何がすごかったんだろう?
それでも、そんな無邪気な笑顔で大胆な発言をさらっとするんじゃない。

しかしどうも、俺は京都の国宝級の仏像のように特別展示をしてしまったらしい。
3人限定だがな。
まさに、お宝の陳列だな。だが、笑えねえ。
やれやれだ。




回想シーンはここまでだ。

この騒動以降、ミヨキチやハルヒがしばらくの間俺と目を合わせてくれず、時には顔を赤
らめることもあり、それがクラスの連中やSOS団のメンツにさらなる誤解を生んだりした
のだが、またの機会があれば語ろう。


終わり
440名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:07:12 ID:UarWNnZI
以上です。
途中でさるに引っかかり、投下が滞ってしまい失礼しました。
441名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:10:21 ID:01T8ICr4
エクスカリバーは使ってこその性、もとい聖剣

しかしたまにキョン妹は小宇宙的女性感覚を発揮するな
442名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:10:52 ID:9QpVEOwO
乙。そしてGJ!
ハルヒの反応とか、最後ら辺のミヨキチの台詞も面白かったが、とりあえずこれだけ言わせてくれ。

妹ちゃん黒っ!!!
443名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:11:03 ID:Ci14C/cw
>>440
GJ!!!
これは俺のストライクゾーンど真ん中だな
444名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:24:35 ID:vNSrCC3b
面白く読めた!GJ!
こんなストライクゾーンど真ん中の絶好球、俺のバットが黙っているはずがない。
素振りしてくる
445名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:35:30 ID:6AsVThDK
>>444
俺も練習に付き合うぜ。
練習は常に全力だがな
446名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:37:33 ID:cmFJY6Yh
さるに引っ掛かるって?
447名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:40:33 ID:vXaVwcHD
>440
GJ!良かったです!
俺の勝手にその後を想像

キョン「もう…お婿に行けない…」
ハルヒ「仕方がないからあたしがもらってやるわよ!」
するとミヨキチも
ミヨキチ「後、四年待ってください…わたし…お兄さんとなら…」
ハルヒ「…あたしならキョンが18歳になったら結婚できるわ!」
ふふふと100kW笑顔でミヨキチに対して優位差をみせつけている。
ミヨキチもハルヒを睨み返す始末。
キョン妹「ボソ………作戦成功…」ニヤリ

448名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 20:53:45 ID:UarWNnZI
>>446
連投規制です。
449名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:00:44 ID:cmFJY6Yh
あ、規制のことか。わざわざサンクス
450キンコンカンコンケッコーン♪:2007/04/09(月) 21:07:35 ID:5L9voGdz
「確かに最初から宇宙人、未来人、超能力者は敷居が高かったわね」
 今は2年の4月。今更ながらにそう言ってくれるかハルヒ。
 どうせなら去年の内に気づいて欲しかったものだが。
「で、今度は何を探すってんだ?」
「てっとり早い所で世界征服を企む科学者が作ったロボットでいいわ」
 って、おい!

 それから数日後の昼休み、
「みんな!新しい団員を見つけてきたわよ!」
 部室にやってきたハルヒは開口一番、そう言って入ってきた
「やあ。R田中一郎くんだよ。」
 そいつは挨拶のつもりか力の入ってないVサインで挨拶する
 また変な奴を拾ってきたもんだ
 というかブレザー指定の北高の新入生のくせに何で学生服だ?
「それで特技は何? 何か面白い事できる?」
 知ってて連れて来たんじゃないのかお前は
「僕はご飯をたくさん食べられるよ」
「それは素晴らしいですね」
 古泉。お前の価値観には同意できん

 てな訳で時間も時間なので昼飯を食うことにした
 ハルヒの奴は飯を用意してないとかで購買に行った様だ
 R田中なんたらはオカズなしのご飯をモリモリ食べ始める。
「今日も元気だご飯が上手い」
 ハルヒが見つけてきただけはある 何か納得だ。
「あの、よろしかったら食べます?」
 朝比奈さんは自分のオカズを分けて乗せてやった
「じゃあ僕も」
「俺も一切れやる」
 結構な量のオカズを目に複雑な顔をするR田中一郎
 なぜ泣きそうな顔をする?
「そんなにイヤなら・・・」
「た、食べますよう」
 無理にかきこむと悪いものでも食べたかのように口を押さえる
 そして突然頭から煙を出して部室を飛び出していった。
 煙をって・・・・・
「おい!あいつ今、頭から」
「黒い煙を出してましたねぇ。」
「じゃああいつやっぱり人間じゃ――――」
 その時ふと、数日前のハルヒの言葉を思い出す。

『てっとり早い所で世界征服を企む科学者が作ったロボットでいいわ』

 おいおいロボットって・・・ああ、そんなに珍しいモンでもないな
「もしかしてアイツ、お前の関係者か?」
 黙々と本を読んでいた長門に一応聞いてみる
「違う。多分あれは地球の現在の科学者に作られたロボット」
 ああ、やっぱりロボットか。でまたハルヒ絡みと
「しかしつくづく非常識な」
「非常識好きだねぇ!!」
 突然、白衣を着た妙なオッサンが窓から顔を出す。
 つーかここ3階だぞ
「常識の否定なくして進歩はなーい! ガハハハハ♪」


 元ネタが古い上によく覚えて無かったんでここで終わります
 分かる人少ないだろうなぁorz
451名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:12:31 ID:Wltu7vVi
>>450
だーいじゃうぶ!まーかせて!
ちゃんと分かるぜ
452名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:13:33 ID:OGnH0lZw
だーいじゃうぶ!タイトル読んだ時点で、スクロールする前に
ネタが分かった人が、ここに約一名。
だいたい、ハルヒもこれも「リベラルな部活」だしな。
453名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:14:08 ID:OGnH0lZw
わw鳥坂先輩がかぶったwww
454名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:16:04 ID:xpYHY9bG
>>450
懐かしすぎてなんか泣けた。
もうあーるの声が聞けないなんてな・・・

あんまり哀しかったのでスレチを承知で張っておくぜ。
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm73262
455名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:17:17 ID:kO+UwgeW
ふと思ったんだが、

なんでR田中一郎は人じゃないのに
「究極超人」なんだ?

とさかさんの事を指してるなら、納得するしかないが。
456名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:22:27 ID:vXaVwcHD
懐かしいネタだね。
457名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:48:59 ID:5L9voGdz
「まったくあの生徒会長、腹立つわねー!」
 実は生徒会長の言ってる事こそもっともな訳だが
「このやり場の無い怒りは・・・・ み く る ちゃん♪ うりゃ!」
「ふぇ? あ、いや、だめです〜〜〜」
 ストレス解消とばかり朝比奈さんを背後から羽交い絞めにして弄りまわす
 ハルヒの奴、羨ましいというか何と言うか、朝比奈さんご苦労様です
 あなたの存在がこの世界を救ってるんです
 特に古泉の睡眠時間が助かってますよ
「そこ〜 痛いです〜〜〜 ふえ〜〜ん」
「だーいじょうぶ! 痛いような気がするだけで本当は痛くないのよ♪」
「そ、そんなものですか?」
 そんな訳無いですよ朝比奈さん。


書いてて思ったんだけどやっぱりハルヒって女鳥坂って言われてた元幽霊の部長に似てるな
458名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:04:38 ID:D2QwBHMz
>>457
髪型か雰囲気かどっち?
俺は両方な気も
459名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:18:07 ID:JEKd3+XT
>>440
GJ
やっぱりミヨキチものはいいね。
460名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:26:49 ID:RdYkP+xp
誰か国木田×鶴屋を書いてくれる勇者は居ないか…
あれ?鶴屋×国木田のほうが正しいか?
461名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:28:32 ID:fbO+rs92
>>460
前に見たことがあるような、無いような
462名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:31:04 ID:zgQSCYQl
>>455
たわばせんぱいのことだよ
463名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:40:41 ID:+YVLlPva
>>450
大丈夫、工房の俺にもわかった。
464名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:47:59 ID:QD73+kH9
>>463
此所は18歳未満立ち入り禁止だ
465名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:58:29 ID:vXaVwcHD
子供は来ちゃいけませんよ
466名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 22:59:01 ID:J2YRPfCE
>>460
vipで見た事あるなんて口が裂けても言えない…
467名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 23:08:37 ID:ZAyQsWpf
なんでミヨキチはこんなに可愛いんだろう
登場シーンどころか絵も無いというのに
468名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 23:09:13 ID:t/qEVol7
国木田の女体化シリーズって確か2つだけだよな?今読んできたんだけどさ、
みんなはどっちの方がよかった?
悲劇の方がよかったと思った俺はもしや異端児?
469名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 23:11:09 ID:9vnC7LIH
>>463
●<どうやらお仕置きが必要のようですね…
470名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 23:14:34 ID:zgQSCYQl
古泉…まさかお前……
471名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 23:14:54 ID:Z9s0cRjh
アッー!
472名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 00:39:42 ID:kRxOfNDO
キョンは最初九曜を本体から認識してたっぽいから一歩間違えれば統合思念体をモロに見たようになって惚れてしまったり、とかないかなあ。
473統合思念体vs天蓋領域:2007/04/10(火) 01:00:48 ID:Tv8bX4uB


「まず……一つお礼を言っておきます。わたしには、有機生命体の死の概念はよくわかりません。でも……」
喜緑さんは手にした銃をゆっくりと九曜に向け、
「あなたのおかげで、殺意は学んだ気がします。では、さようなら」
にっこりと笑った。
次の瞬間、喜緑さんの銃が轟然と火を吹き、九曜が吹っ飛んで壁に叩きつけられる。喜緑さんは微笑みながら、次々と銃の引き金を引き、そのたびに黒い髪の毛に包まれた九曜の体が跳ねるように動いた。
「あらあら、その程度ですか? 奇襲とはいえ長門有希を行動不能にした天蓋領域の力は」
動かなくなった九曜を見下ろしながら、喜緑さんが高速で口を動かし呪文を唱えると、手にした拳銃は一瞬で巨大な二対の青龍刀に変化した。
「喜緑さん――!」
一瞬、喜緑さんを止めようとした俺は、喜緑さんの目をみた瞬間、全身に冷たい水をぶっ掛けられたような気持ちになった。
ちらりとこちらを見た喜緑さんの目は、完全な無表情だった。まるで奥行きがなく、何も読み取ることができない。さっきまでの激しい言葉とは裏腹に、怒りも憎しみも映さない二つの瞳――。
あの朝倉のような。
俺はいったいどんな顔をしていたのだろう? 俺の表情を見て、一瞬、喜緑さんの笑顔が、微かに苦痛に歪んだように見えた。
そして、九曜はその隙を逃さなかった。
びゅる、
と九曜の髪の毛が弾けるように喜緑さんと俺に向かって伸びるのと、喜緑さんが俺を抱えて横飛びに飛びのくのが同時だった。
九曜の黒髪は一瞬で爆発したみたいに増殖し、喜緑さんの造った空間全体を真っ黒に埋め尽くしていく。
「動かないでください」
喜緑さんが手をかざすと、俺と喜緑さんの周りに光のシールドのようなものが現れ、九曜の髪を食い止める。
斥力なのかなんなのか、原理は俺には理解不能だったが、喜緑さんのシールドは、次第に圧力を上げる九曜の髪と拮抗している。
「――――今日は―――ここ…………まで」
蠢く黒い壁となった髪の毛の向こうから、伸びきったテープのような九曜の声が聞こえてくる。声の方向に顔を向ける喜緑さんからは、いつものにこやかな笑みは消えていた。
「情報統合思念体は――いえ、わたしは、あなたが長門有希に対してしたことを許しません。たとえあなたが単なる端末に過ぎないとしても……。またお会いしましょう、周防さん。そのときには、必ず決着をつけますから」
「――――また……会う――――? でも――世界は――――」
ねじが切れたように、九曜の声が止まる。天蓋領域の端末は何かを迷っているように沈黙し、やがて呟いた。
「――――さよなら……」
最後の挨拶は誰に向けられたものか、ずるり、と九曜の髪の毛が地面に力なく落ち、光の粒となって消えていく。
空間を埋め尽くしていた黒い髪が消えたとき、すでにそこには九曜の姿はなかった。喜緑さんが、ふう、とため息をつき、展開していたシールドを消した。
「逃げられました」
笑顔を浮かべながらも、喜緑さんは残念そうにそう言うと、さっと手を振った。
一瞬で、さっきまでいた喜緑さんの情報制御空間が消え去り、気づいたときには、俺は長門のマンションの屋上に喜緑さんと二人で立っていた。




「驚愕」の予想ssを書いてたが挫折した
474名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 01:27:52 ID:Z5v73yft
いや、いーんじゃないか、これ?俺は好きだぞ?
いよいよワカメちゃんも本筋にからむキャラになってくれそうな
予感もするし、こんなシーンもあったらいいなぁ。
しかしコンブは、やっぱり髪の毛が変形して武器になるのかw

おやこんな時間に誰だr
475名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 01:30:22 ID:cr0L+zkj
>>473
喜緑さんがかっこいい……
476名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 01:32:00 ID:hx2v0DtL
>>478
紫苑さまか…
477名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:15:04 ID:6S3xRC8K
>>478ボケて
478名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:15:29 ID:BlzP3knf
それ無理
479名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:16:30 ID:+ORSw7WH
個人的には合格
480名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:20:18 ID:foF5MrVb
そうか、やっぱ髪が伸びるのかwwwと思った俺ガイルwww
このクールな単文は、ワカメvsコンブと脳内銘々し直された。

どうでもいいっすけど、ササッキーの人気は高騰中らしいな。
481名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:22:21 ID:AY5gN48U
>>473
過去の投下分からみて、お前らに予想なんて端から無理。だから安心しろ。
俺もなー
482名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:29:13 ID:GbK9KC9d
>>440
めがっさGJ!
で、キョンに服を着せる前に3人でジョンを微に入り細をうがって観察したり触ってみたりしたわけだな?
483名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:38:24 ID:Tv8bX4uB
>>481
さんざん「中学時代の変な女」の正体を外しているから反論できん
が、やっぱりもう少し書いてみるんだぜ。5月までに終われば投下する
484名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 03:59:11 ID:RjNId6vw
>>455
超人、つまり人を超えた別な存在なのだから、意味はあってるんじゃね?
485名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 04:12:18 ID:foF5MrVb
超越的な能力を持った人間、だとするとおかしい。
486名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 06:13:07 ID:Sx+/wEOl
のいぢにはミヨキチのイラストを所望したい。
487名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 07:20:11 ID:AgRFI433
>>482
ジョン……
488名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 08:18:49 ID:Li7cpA6o


EDのダンスがモロパクリ
まるまるトレースこれは酷い^^;
パクリ元
ベリーズ工房
http://youtube.com/watch?v=n9oyr_ROyzA
パクリアニメ涼宮ハルヒの憂鬱EDw
http://www.youtube.com/watch?v=8Y8dVIkqtGA

パクリやって、嬉々として騒いでるアホはチョンと同じ。

騙されてマンセー <`∀´ > しつづけるかわいそうな子たち

早く洗脳が解けるといいね(´;ω;`)

489名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 08:58:24 ID:wE2uBkpa
たしかにこれは酷いw
490名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 08:59:52 ID:Jzt5vTRj
>>440
オレのギャラクティカマグナムから、みくるビームならぬみるくビームが出そうぽ(*´Д`)ハァハァ
491名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 13:07:07 ID:JFKkuCIj
お湯が白く濁ってたのは、実はキョンのミルク?
492名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 13:21:03 ID:ATksvMVq
橘さんのプラン。

橘「協力する気になってくれてなによりだわ!」
キョン「……で、具体的にはなにをすればいいんだ、俺は」
橘「まず、涼宮さんの力の根源である神人を、彼女の中から消します」
キョン「いきなりムリだろ。そんなんできるならとっくに……あ」
橘「そう!あれをもう一回、ううん、もっと行くトコまでいっちゃえばいいのです!!
  そうすれば涼宮さんも、もう夢見るオトメではいられなくなっちゃうわ!!」
キョン「…………」
橘「そして一方、佐々木さんには
  その一部始終を横で見ていてもらいます。
  もちろん、せっかく生まれたもやもや(=神人)を自己解決しちゃったりなんかできないよう
  ぎっちぎちに縛り上げられた状態で!!」
493名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 13:35:20 ID:ZorObGhx
橘外道www
494名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 13:55:46 ID:DNYezEuK
 しかし力なんてそんな簡単に移せるのか。
「はい。それはもうハンマーチャンスや横取り40萬ほどに。どうです、興味わきましたか?」
 ああ、何よりお前の実年齢にな。
495名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 14:26:36 ID:5XApnrS/

 ぷぅ。

「ん?」
 古泉に3子置かせたところで、妙な音がした。
 俺の聞き違いではなかったのか、古泉も顔を上げて俺を見ている。
 ちょっと待て、なんで俺を見る。

「ちょっとキョン!! あんたねぇ!」
 ハルヒは座っていた椅子が窓際にぶつかるほどの勢いで立ち上がると、俺を指差した。
 細い眉を吊り上げて、俺を指差す。
「女の子がいるところでおならするなんて、どういうことよ!! まったくもう!」
 顔を真っ赤にしながら、俺を指差して糾弾するハルヒ。
「ちょっと待て、俺じゃないぞ」
「あんた以外にいるわけないでしょ! もうっ! こんな部室で、一体あんた何考えてんのよ!」
 ふと朝比奈さんを見ると、やっぱり俺を見ていて、さらには嫌いな物をプレゼントされた子どものように困り顔をしている。
 って、俺を疑ってるのか。

「だから、俺じゃないって」
「あんた以外考えられないわ! さっさと罪を認めれば、まぁ許してやらないこともないわよ!」
 いや、音の方向から察するに、窓際から聞こえてきたような気がしたんだが。
 
 やれやれ。

「ああ、悪かったな」
「そうよ! 最初っからそう言えばすぐに許してあげたのに! まったくもう、これだから馬鹿キョンは!」
 御立腹なハルヒはぷいと目を閉じて、吹き飛んだ椅子を引き戻して座った。
496名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 14:27:31 ID:5XApnrS/

「いやぁ、さすがですね」
 帰り道で古泉は気持ち悪いにやけ面でそう言った。
「あなたが名乗り出なかったら、僕が名乗ろうかと思っていましたよ」
 なんてこった、それならもうちょっと待ってりゃよかったぜ。
「ハルヒのやつ、人のせいにしやがって……」
「まぁ女性ですから、仕方ないでしょう。生理現象を責めるのは酷ですよ」
 おかげで朝比奈さんの困惑顔は、なんだか同情するような怪しい顔になってたぞ。
 俺の株も暴落だ。また上げるから、今のうちに誰か買ってくれないかね。絶対儲かるって。
「僕でよかったら買い占めますよ」
 いらん。

 肩に提げた鞄が急に重たくなったような気がして、俺は溜め息をついた。
 当のハルヒはというと、俺と古泉の前を朝比奈さんと並んで歩いている。仲良さそうにハルヒは朝比奈さんの肩に手なんか回してるしな







「もう、みくるちゃんったら、いくらなんでも部室でおならはまずいわよ。咄嗟にキョンのせいにしたけど、みくるちゃんは我が団のマス

コットキャラなんだから気をつけてよね」
「えっ、ええっ?! あたしそんなのしてません!」
「何言ってるの、みくるちゃんでしょ? 大丈夫よ、黙っててあげるから」
「ふぇっ?! ち、違いますぅ」
497名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 14:28:12 ID:5XApnrS/
「あら、長門さん。どうしたんですか? え? お裾分け? サツマイモが安かったから箱買いしたけど飽きたからって? まぁ、ありがとうございます。長門さんにようやく人間味というものが溢れてきましたね。ふふ」






「以上が今年度の修繕費予算の……」

 ぷぅ。

「ん?」
「まぁ、会長ったら」
「いや、今のは明らかに君のほうから」
「会長、どうかお気になさらず続きを。ええ、生徒会役員は会長がおならをしたくらいでは失望したりしませんから」


498名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 14:42:32 ID:AgRFI433
ガス抜きにはいいSSですね。
宇宙人のおならはめがっさ臭いのかい?
499名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:09:16 ID:QosWWmhr
投下します。
5レス程度の予定です。
500名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:09:37 ID:Z5v73yft
長門…それはお裾分けじゃなくて、ワカメちゃんにも
同じ恥をかかせようと…

>498
誰がうまいこと言えと(略
501名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:10:35 ID:Z5v73yft
おっとかぶった、家紋!
502名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:10:44 ID:QosWWmhr
有酸素運動


「キョン、キミは英語圏の人間が絶頂を迎える時に何と表現するか知っているかい」
 随分と唐突な質問だな、佐々木。
「知らん」
 中学校の三年弱で培ってきた俺の英語力ではそういったスラングを語彙の中に含める
ほどの余裕はないし、当然アメリカ人女性とステディーな関係になったこともなく、また
恐らくこれからもそういった機会がないであろうことは容易に推測できることであり、
それを悲しむべきかそれとも余計な学習を必要としないで済むということに安堵すべき
かと俺が考え始めたところで、佐々木はあっさりと解答を出してきた。
「勿論ヴァリエーションは色々あるだろうが、典型的なのは "I'm coming." とかかな」
 それは初耳である。いや、表現自体は聞いたことがあるのだが、確かそれは――
「相手に急かされてる時に、今すぐ行くという意思表示じゃなかったか?」
「キミの語学力も、なかなかどうして、大したものじゃないか」
 いつもの悪戯っぽい微笑を浮かべながら、佐々木は言った。
 絶対褒めてるんじゃないだろ、それ。
「確かにキミの言う通り、一般的にはこれは相手に対して自分が今すぐに相手のところへ
向かう、という意思を伝達するための表現だ」
「しかしどうして "come" なんだ。行くんなら "go" だろ」
「それは単純に主語の視点一つだ。自分が相手の方へ行くということは、相手から見れば
自分が来ることに他ならない。"I'm coming" という言い方は、相手の視点から発言して
いるのだと見ることができるだろう」
 なるほど。
「しかし、僕にとっての本題はそこではない。僕が問題にしたいのは、視点がどうあれ
英語では忘我の境に至る時に "come" という単語を用いているということなんだ」
「何故それが問題になる? 今のお前の言では、自分が行くという意味を表すために
"come" という言葉を使ってもいいんだろ。それが極楽浄土か涅槃か知らないが、
自分がそこに行こうという時に "come" という単語を使って何が悪い」
 佐々木は俺の反論など当然見越していたかのように言ってきた。
「ふむ、キミのいうことは一々もっともなのだけれどね、キョン。それなら別に "go"
を使っても差し支えはないのではないかな?」
 俺は言葉に詰まった。まあ確かに俺の反駁では "go" を使ってはいけない理由には
ならない。いや、しかし極楽浄土やニルヴァーナの視点に立って言えば自分がそこに
行くわけであるからやはり "go" ではなく "come" を使うべきなのだ、という説明も
思いついたが、極楽浄土氏の視点なるものの存在可能性を考慮して口に出すのはやめた。
何も自分から率先して佐々木の横隔膜を震わせてやることもないだろう。
「まあ、確かに涅槃寂静氏の視点なるものがありうるとすれば、キョンの言う理屈は
もっともなものだと僕も認めるのに吝かではないが」
 くっくっと笑いながら佐々木は言う。人の心を勝手に読むのは感心しないぞ。
503名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:11:45 ID:QosWWmhr
「キミの不興を買ったとすれば、それは謝らなければならないな。だがね、キョン。
できれば僕の言い分も聞いてくれないだろうか?」
「どうせ不可抗力だとか言うんだろう」
 佐々木は楽しそうに笑った。
「はは、今度は僕の方が思考を読まれてしまったか」
 俺は思ったことがそんなにわかりやすく顔に出てるかと一瞬不安にもなったが、
思い返しても佐々木以外にこんなに思考を的確に読まれた記憶もない。単純にこいつの
洞察力が人並み外れて優れているのだと考えることにした。
「別にそんなことで不愉快になったりはしないがな。さっきの話の続きは気になる
ところだ」
 俺が言うと、佐々木は思い出したように講釈を再開した。
「ああ、つまりだ。僕が話したかったのは、この言葉の使い分けに、西洋的なものの
考え方を見ることができるという説があるということなんだ。キョン、一応聞いておくが、
キミは絶頂というものをどのように捉えている? もしやと思うが、精神が天堂に
向かって浮揚するのだ、などと考えてはいないだろうね?」
 まさか。詳しいことは知らないが、脳だか脊椎だかに一種の電気信号が走るとか、
そんな感じの話じゃなかったか?
「そう、現代の医学ではそうやって考える。してみると、日本語での表現方法には
事実に対するある種の誤謬が含まれていると言うべきではないだろうか。無論それが
比喩的な表現であることくらいは僕とて理解している。しかしね、それに対して英語圏に
おいては西洋医学の示すところの事実が、俗語ではあるが一般的な表現の中に認められる
ということができるのさ。すなわち、英語を母国語とする人間にとっては、絶頂とは
まさに文字通り自分に対して来るものなんだよ。そしてそれは彼らの医学が示す事実と
合致するんだ。勿論、現代医学の示す事実の正しさに対する検証可能性という問題も
あろうが、それを論ずることは今の僕にとっては本旨ではないから、問題にしないでくれ」
 頼まれたってそんな問題を考えたいとは思わないから安心しろ。
「そうかい。ではここからが僕にとっての本旨だ」
「……今までのは何だったんだ。本題じゃなかったのか」
「本題に至るための前提だったとでも言っておこうか」
 ――手短に頼む。
「なに、僕とてそのつもりさ。他でもない、僕の体感時間であと一分程度で、僕は絶頂を
迎えるだろう」


 佐々木はこともなげに言い放った。俺の下で。

504名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:12:53 ID:QosWWmhr
「なあ、佐々木。今ひとつ前後の文脈が理解できないんだがな。さっきの講義、ありゃ
一体何だったんだ? まさか何の意味もなくあれだけ長々と喋ってたわけじゃないよな?」
「半分はイエスで、半分はノーだ。いや、怒らないでくれ。別に謎掛けじゃないんだ。
まったく言葉通りの意味なんだよ」
 佐々木の態度は普段と何の変わりもない。
「つまりだ、話の内容は僕にとっては大した意味はない。僕にとって意味があったのは、
話し続けるということ、そこにこそあったんだよ」
 意味がわからない。睦言を交わすならともかく、あんな理屈っぽい話を長々とする
必要がどこにある?
「キョン、キミは人間が性的興奮の昂った時に、無意識的に息を止めているということを
知っているかい?」
 初耳だな。
「逆に言えばだ、意識的に呼吸を整え、肺に酸素を送ることによって絶頂に至る
までの時間を長くすることができるということだ。あくまで理屈の上では、だが」
「それでさっきの説法というわけか」
「そういうことさ。内容は別に何でも良かったんだけどね。それこそ日本経済の話でも
数論を用いた神の存在証明でも。しかしこんな付け焼刃ではキミの持久力の前では甚だ
無力だったということがよくわかったよ」
 口調こそいつも通りだが佐々木の息は随分あがってきている。
 いや、一応言っておくが俺の持久力は人並みだと思うぞ? 比べたことないけどな。
「それでだ、キョン。未だ恍惚に至らないキミには非常に申し訳なく感じるが、僕は
一足先に達することになりそうだ。ただね、僕が恍惚に至るにあたって、キミに一つ
頼みがあるんだ。いや、ひどく言うのが心苦しいんだがね、できればキミには、その時
には、僕を、」
「佐々木」
 珍しく言いよどむ佐々木を制し、俺は言った。
「爪、思いっきり立てちまっていいぞ」

 そういって俺は、佐々木が俺にそうしているように佐々木の背中に腕を回して、その
身体を強く抱きしめた。

「キョン、僕は、」
 佐々木が何か言いそうだったが、どうせ俺のこの行動に対する憎まれ口だろうと
思ったので、俺はその口を塞ごうとし、両手が塞がっていることに気付いたために、
自分の唇を使って佐々木の口を塞いだ。


 結局、佐々木の身体が落ち着くまで、俺は数分間そうしていた。

505名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:13:44 ID:QosWWmhr
 その後三度ほど同じやり取りを繰り返し、四度目で俺も果てた。


「キョン、キミは恐ろしい人間だ」
 俺の左腕を枕代わりにしながら佐々木が言った。ああ、どうでもいいが佐々木、
そろそろ腕が痺れてきたんでな、できれば俺の右側にでも移動してくれないだろうか。
「残念ながら却下だよ、キョン。僕はこちら側の方が好ましいんだ」
「どっちも大差ないだろう」
「それが実は大有りなのさ。こちらの方がキミの心音をより強く感じられるのだからね。
キミの鼓動は僕を非常に落ち着かせる。キョン、これは一体何故だろうね?」
 そういう話は心理学者にでも聞いてくれ。俺にはわからん。
「キミのそういうところが、僕には本当に恐ろしく感じられるよ」
 佐々木はいつもの微笑に、ほんの少しの悲哀を混ぜたような表情で、俺に言った。
「どういうところだよ」
「キミの全くに無自覚なところが、だよ」
 俺が? 無自覚? 何だそりゃ。
 考え込んじまった俺を横目に、佐々木は続けてきた。
「さっきも――そう、さっきもそうだった。僕が忘我の淵で理性をかなぐり捨てて
決定的な一言を言おうとすると、キミは実に巧妙にそれを回避する。実を言うとね、
わざとやっているんじゃないかと疑ったこともあったよ。すぐにそうではないんだ
と理解したけどね。でも、だからこそ尚更タチが悪い」
 そういう佐々木の様子は普段と変わらないが、どうやら俺を責めているらしいと
いうことくらいはわかった。だがしかし、一体俺が何をした?
 ――やっぱりアレか? アレなのか?
 男に対する時は男口調という佐々木の習癖は、事の最中であろうと変わることが
ないが、しかしそれは別に佐々木の深層心理が男性的であるというわけではなく、
どころか常に女性的であるということを俺は理解している。だが俺の前では自分のことを
僕としか呼ばない少女に対して、その言葉を言うのはちょっと……どころではなく
かなり躊躇せざるをえない。そういった理由から佐々木にこの言葉を言うのはできるだけ
注意して避けてきたのだが――どうやら腹を括らねばならないようだ。
506名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:14:45 ID:QosWWmhr
「佐々木」
 俺は佐々木を両腕で抱きしめ、その目を真っ直ぐに見つめた。
「なんだい、キョン」
 佐々木の微笑はいつもと変わりない。だが、俺にはわかる。佐々木の目はいつもより
五割り増しくらいで輝いている。こいつは、俺がその言葉をいうのを期待している。
「その、なんだ、ええと……」
 しかし、いざという時になるとやはり照れる。思わず目をそらしてしまう。
 しかたなしに俺は、佐々木と目を合わせないようにして、その耳に口を近づけた。
「さっきな。かわいかったぞ」
 途端、腕の中で佐々木が大きな溜息を吐いた。
 あれ? 俺、なんか間違えたか?
「佐々木?」
 俺の呼びかけには答えず、佐々木は何かを呟いている。
「他人の意を汲む能力には長けているにも関わらず、自分に対する他人の評価には
絶望的なまでに鈍感、無自覚、無頓着、と……ねえ、キョン」
「なんだ」
「親友として、キミに忠告するよ」
 親友、の部分を妙に強調しながら佐々木は言った。
「キミはもう少し、そう、ほんの少しでいいから、自覚的になるべきだ。
 今のままだとキミは近い将来、女性に刺されることになると思うよ」
「なってたまるか」
 まったく、何を言い出すかと思えば。言っておくが俺はそんな刃傷沙汰に巻き込まれる
ような爛れた生活を送る気はさらさらないぞ。
「――わかってはいたが、やはりキミはその部分しか論難しないんだな」
 やれやれとでも言いたげに首を振ると、佐々木は俺の左腕を枕にしたまま目を閉じた。
このまま一眠りするつもりなのだろう。
「俺も寝るか」
 室内とはいえ、十二月の空気は流石に裸の身には冷たい。肩までしっかりと布団を
被ると、隣に佐々木の体温を感じながら、俺は眠りについた。



 余談だが、一年後俺は女に刺されることになる。
507名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:16:21 ID:QosWWmhr
以上です。

>>500
かぶっちゃいましたごめんなさい。
508名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:16:38 ID:g1twy+oK
>>506
朝倉のことかーーーーー!!!!
509名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:20:18 ID:Z5v73yft
ちゅ、ちゅーがくせーがそんなっ!おとーさんはゆるしませんよっ!

ウテナのベッドシーンがそんなんだったっけな…
顔だけアップで、たわいもない話を延々しゃべり続けてて、
実はやってる最中でしたー、っていう。
510名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:20:27 ID:5XApnrS/
>>506
確かに刺されてるなw
511名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:24:09 ID:AgRFI433
消失の朝倉ね。しかし美人にもてるなキョン。
少し変わっているがな、
512名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 15:54:00 ID:foF5MrVb
こいつらヤッてる最中に喋りすぎだwww
ササッキーはエロス。
513名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 16:30:45 ID:S24ffKMJ
佐々木の可愛さが神の領域に達しつつある件について
514名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 16:40:25 ID:GM4W08QE
しかしササッキーを表現するには筆者にもそれなりの語彙力と知識が要求されるな・・・
やたらと作中で「天才」と連呼しても作者以上に頭の良いキャラは描けない漫画を思い出した
515名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 17:00:12 ID:i1I2xT5c
>>514
ナルトのことか?
516名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 17:21:56 ID:g1twy+oK
>>514
戦記物の軍師が大抵それだな。
517名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 17:28:18 ID:+ORSw7WH
大丈夫、俺の中の諸葛はツインテールロリだから
それだけでいい
518名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 17:28:35 ID:T2Hz7N8v
「すごい……こんなトリックを考えついた奴は天才よね!」
まあな。
519名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 17:39:30 ID:gRx/ujys
>>517
はわわ…の方?
520名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 18:03:51 ID:ChLOQjuP
すまん、つるやさんとみくるの卒業パーティー見たいなやつの途中でみくるが未来に帰っちゃうやつと
長門が消えてみくるはなんかの物語りの改変版みたいなのを手紙で送ってくるやつ
のタイトルを教えてくれないか、
521名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 18:09:31 ID:UNvv4XF/
>>520
> すまん、つるやさんとみくるの卒業パーティー見たいなやつの途中でみくるが未来に帰っちゃうやつ

『春の露風』だな。

522名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 18:12:15 ID:+BGaINix
>>514
本気で天才のキャラを書こうと思ったら
デスノの月やLのような心理戦やらないと無理だよな。
523名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 18:18:19 ID:T2Hz7N8v
>>520
下は電気少女だな。
524名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 19:06:25 ID:KN9iU/1y
>>507
よく佐々木の喋り方をそこまで再現できるよなぁ。
すげぇ面白かった。
あとエロい。良すぎる。
525名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 20:26:05 ID:qAofURkB
>>514-515
大した奴だ…
526名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 20:38:03 ID:6oxe7Hpf
>>514 の論評をドコで見たのか思い出せなくて喉に小骨状態だ…
デスノか、他の少年探偵物のマンガの論評だったと思うんだが。
普通に良くある指摘なだけだろうか
527名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 20:51:32 ID:ChLOQjuP
>>521
>>523
テラサンクス!てかありがとうございます。
528名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 22:17:10 ID:hSodxYxM
>>526
ヒント:ダイナマイト四国
529名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 22:19:41 ID:mBaFt3K6
俺はラッキーマンだと思ってた
530名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 22:32:47 ID:gRx/ujys
>>528
    ∧_∧ 
 ┌ー(  ゚∀゚)しっこくしっこく!
  丶J   /J
   ( ミ   < ミ
   丶 丶 丶
   (__)_)

    ∧_∧
    (゚∀゚  )ー┐ しっこくしっこく!
    しヽ   し′
    彡 >  彡) 
      /  / /
     (_(__)
531名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 23:07:50 ID:6oxe7Hpf
「シッコク…シッコク……シッコk――」カタン、キィィ…
あ! いやスマン、俺はなにも見てないぞ。邪魔したな――ってドアがねぇ!?

「視認されたことによる羞恥を誤魔化す為の共犯者が現れた……それが、あなた」
……わ、わかったよ。やるからそう睨むな。こうか? 漆っ黒!漆っ黒!

「ちがう」パシン
ひっ!?

「ひとつひとつのモーションが甘い。思い切りの良さも、動作のキレも甘い。だからわたしぶたれる。ツッコミを許す」
は、はぁ……。

「あなたは見ているべき。…スー、ハー……四っ国!四っ国!――四っ国!シッはうっ!」バタリ
ど、どうした!?

「……肉離れ……さすって」
……わ、わかったよ。さするからそう上目遣うな。こうか? モッニュニュ!モッニュニュ!

モッニュニュ!モッニュニュ! モッニュニュ!モッニュニュ! モッニュ――カタン、キィィ…

「あんた……ナニシテンノ……」

>< こうですkぁ? わかりません!?
532名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 23:33:36 ID:JYbI92jR
な、長門ォーーーーーーー!
533名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 23:36:36 ID:Z5v73yft
いつの間に空間封鎖解いた長門www
534名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 23:57:56 ID:gRx/ujys
>>531
烏龍茶吹いたw
535名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 02:07:27 ID:XFtL2EuF
>>473
やっぱりこう単純な触手じゃなくて、平面を飛び越えて襲い掛かるような‥‥‥いや、なんでもない。

>>519
はわわはおかっぱだから違うと思われ。
536名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 02:19:58 ID:KBXTmLn1
はるか昔の作品の話で悪いが、
読み返していて分からないことがあったため質問。
何か支障が無ければ、クリティカルエラーに隠された違和感の正体を教えてくれないか?
537名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 02:47:54 ID:jXDAoZta
おそらく一騎当千の諸葛だと思われ
538名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 04:19:28 ID:3kWay/Mq
>>536
分かったな?>>537が答えだ
539名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 06:00:53 ID:jXDAoZta
これが世に名高い孔明の罠か
540名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 06:53:40 ID:UMWamoq4
>>531
長門のイメージが…崩れてしまった。
やっぱり無表情でやっていたのか…
541名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 11:15:55 ID:qi4pwaew
今更だけど、パンジーってハーレム状態だな。
佐々木らとつるまないのは単なる女性恐怖症?
542名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 11:39:35 ID:OAJtkIix
そうか!ヤツはキョンに対応するツンデレキャラだったんだ!!


……というかあのひと、朝比奈さん(大)に手玉に取られそうだ。
だから朝比奈さん(小)に冷たいのかもしれん。
543名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 13:45:07 ID:jXDAoZta
古泉よりよっぽど信用できんからな、あのお方は

自分達の規定事項のためなら犠牲をいとわない雰囲気をもってらっしゃる

案外統合思念体よりも早くあの人とぶつかり合うかもな
544名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 14:47:41 ID:sRmo2/DO
とゆーかあくまで規定事項に徹しようとしてる未来人より
未来をねじまげようとしてるパンジーのが好きだ
545名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:00:48 ID:cXj+uYvD
パンジー
花言葉は
「物思い」「思慮深い」「心の平和」「思想」
(ビオラ)「誠実な愛」「信頼」「忠実」「少女の恋」

・・・!!
546名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:03:07 ID:exH+6wYv
>>545
気付いてしまたようだね…くっくっく
547名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:14:08 ID:Uwwgp+Yt
別に捻じ曲げてるようには見えないけど。
立場が違うだけで、やってることは朝比奈さん(大)と同じだと思う。
キョンの視点で見ると、捻じ曲げてるように見えなくもないってことで。
548名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:15:42 ID:UMWamoq4
>>545
パンジーの花言葉→私を思ってください。
これもだね。くっくっく
549名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:24:01 ID:UBjrjunE
パンジー=キョンの血縁
みくる=妹の血縁
って説今まであったかな?
しっかりしてくれよご先祖様・・・みたいな
550名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:29:13 ID:UMWamoq4

キョン&ハルヒ→みくる
キョン&佐々木→パンジー
分岐するならどちらかが消えるかも?あるわけないかw
551名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:31:10 ID:cXj+uYvD
>>549
それなんてセワシ?
552名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:49:53 ID:xyeNixJi
ハルヒ、古泉、長門、朝倉、喜緑、橘、周防…
彼らを見て、俺たち私たちも異能の力を得て世界を守りたいッ!?
そう願ったから数年後に、キョンやキョンの妹がタイムリープ能力を得て
彼らが藤原、朝比奈みくるになったのだ。

実は自分の妹だと知らずに憧れの朝比奈さんを誘拐してハアハアしようとして
みくる(小)を藤原(実は未来のキョン)は誘拐したのだ。
キョンが藤原を嫌悪しているのは現在の自分の醜い部分だけを抽出したような
人間だからだ。

      ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ.            ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ         /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、            ,        }    l\/  `′
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ       |   _| つまり、キョンが朝比奈さん
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |  \ ハアハア、ハアハアしているのは
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   > 決してハルヒよりもみくるのこ
553名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 15:54:48 ID:/mp4AU8I
それなんて弓兵?
554名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 16:05:27 ID:fXlmtIIf
>>552
兄妹そろってエミヤ状態かよw
555名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 16:20:44 ID:Xx2sGC+t
>>536
『ここはとあるレストラン。人気メニューはナポリタン』

と、投げるのもアレだが、推理・考察物はSS作者しか解答を知らない場合もある。
読解力を自負してたら、思い付いた答えでいいいんでない。
正解が無いかもしれんし、既読者の大半の予想と作者の思惑も違うかもしれん。
監修者が作中の出題内容をチェックして発表するような商業誌とは違うから。

『クリティカルエラー』の違和感だと、重要になるのは
少女K・少年K・ハルヒ : 能力の覚醒(譲渡)・改変整備された世界 : カップリング・SOS団
長門のハルヒ覚醒以前の詳細な状況認識。「出発点の時点で既にミス」。
最後の話題の時のキョンの返答に対する態度。悪意とミスの関連記述。

もっとあるが、単純に予想すると、  つまり! ky――ん? 誰か来たようだ
556名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 16:20:46 ID:43FvQG6h
>>552
キョン妹、みっくるんるん、みくる(大)とかもう宿題のために集結した二時間ごとのドラえもんみたいだなw
もしくはスミス
557名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 17:56:13 ID:lLNTsrsH
みちるもいるだろ?
558名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:04:10 ID:pyHLFyQK
藤原っていつパンジーって原作でいつ名前でたっけ?
読解力なくてすまんが。
559名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:07:14 ID:UBjrjunE
>>558
出てない
パンジーの花壇前で登場したからそう呼ばれてるだけ
560名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:15:08 ID:Xx2sGC+t
>>558
今回の分裂の185ページで

フジワラバンジ
「藤原万次」
案外あっさりと未来人は応じた。
「パンジーとでも呼ぶがいいだろう」 原作ではコレから
561名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:16:51 ID:Y7LH8hs6
普通そんな名前で呼べって言わないよな………
やはり、花言葉と密接な関係があるのか!
そもそも、花言葉何ぞを理解出来るほどに乙女チックか!
562名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:20:07 ID:cXj+uYvD
>>561
自分、乙女っすから
563名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:48:25 ID:qdm9Bc+4
>>554
てっきりガウルかとオモタ。

そっちはやったことないから知らんが。
564名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 18:50:22 ID:Y7LH8hs6
>>562
八重樫かとオモタ
565名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:20:47 ID:uOPdjTRr
だれか560につっこんでやれよ

●とか○とか
566名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:22:49 ID:jlZz+Awl
花言葉探すんなら藤だろと。
567名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:25:46 ID:oXk+APHY
>>565
お前のレスの
>つっこんでやれよ

>●
をみてガチホモを想像した俺は末期……orz
568名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:38:40 ID:gylFoWAn
曜日ごとにハルヒの「属性(女王様とか魔法少女とか)」
が変わって行くSSのタイトルを誰か教えてくれ。

一応自分で調べてみたが「涼宮ハルヒ七変化」ではなかったんだな。
569名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:44:08 ID:WYCq92Zs
投下しまっす。キョン×みくるえちーねたです。
570名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:44:47 ID:oXk+APHY
えっちキタ−−−−−−−−−−−−
571名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:45:48 ID:MGK3j/1H
かもーん
572名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:47:36 ID:X/4x1CXV
>>554
エミヤって何?
>>565
俺もだ。てかそれしか浮かばない
573名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 19:58:04 ID:oXk+APHY
>>569
投下まだーーーーーー?
574名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:01:20 ID:lEkg6EQA
>>568
俺も気になってる。
もしかしたらキャラスレかも
解ったら報告よろ
575名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:10:59 ID:gylFoWAn
>>572
>>574

>>574のレスにてアニキャラ個別のハルヒスレのまとめwikiにて
「涼宮ハルヒの七変化」を確認。
576名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:18:35 ID:UMWamoq4
フェイトって知っているか?
577名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:21:18 ID:X/4x1CXV
エミヤ=七変化?
578名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:22:18 ID:MGK3j/1H
あれれ、まだ投下はじまってない?
579569:2007/04/11(水) 20:24:05 ID:WYCq92Zs
スミマセン、投下は九時以降にする予定です;しばしお待ちを!
580名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:25:40 ID:k+uEr2yS
>>572
ネタバレおkならFateでググレ。
581名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:26:01 ID:oXk+APHY
>>579
俺のwktkをかえせwwwwwwwww
582名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:35:57 ID:X/4x1CXV
あぁFate関係か。把握した
583名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 20:56:57 ID:UMWamoq4
エロス来い!
584名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 21:02:08 ID:N5wBvSJx
585名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 21:03:36 ID:lLNTsrsH
586名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 21:03:36 ID:0eU8oIS+
>>552
藤原「僕を頼む。知っての通り頼りないヤツだからな。―――君が、支えてやってくれ」
587名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 21:21:34 ID:jXDAoZta
パ『―――ついてこれるか』
キ「―――テメェがついてきやがれ」
588みらいのおしごと・1(キョン×みくる):2007/04/11(水) 21:48:09 ID:WYCq92Zs

「………何ですか、それは一体」


オレの目の前にはうつむいて顔を真っ赤にした朝比奈さん。

その手には、安っぽい白い紙コップが握られている。


「………だ、出して、くだ、さい……」


朝比奈さんは、震える声でぼそぼそと途切れ途切れに言った。

でも、出すって……


「あの、その……っ…、これ、に、………せ…、せい、ぇき、を、出して、くだ、さい…」



思考がショート。


せいえき
=精液


「は、はいぃぃ!?」


そのときのオレは自分でも突っ込みたくなるようなうろたえっぷりだったが、言った本人はもっとうろたえていた。

顔が、一際赤い。

589名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 21:50:58 ID:PDfOAdkY
支援
590名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:08:50 ID:U0AWMtgD
書きながらの投下か?
591名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:11:38 ID:98GmfVPm
なにがおこったんだ
592名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:12:29 ID:MpNizSTy
IDみてるとそんな感じだな。

たのむから書き上げてからまとめて落としてくれ。
593588:2007/04/11(水) 22:16:52 ID:WYCq92Zs
スミマセン;ではかきあげてからまとめて落としにきます!今夜中には仕上がるはず…!
594名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:21:50 ID:2PMJE6Dj
あと改行スペース空けすぎだと思う。
効果を狙うのもいいけど、このままだと読みにくいよ。

偉そうに言ってすまんけど。
595名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:22:29 ID:UMWamoq4
まとめて書いたほうがいいよ
596名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:28:57 ID:N5wBvSJx
ちょっと待ってください朝比奈さん。
そもそもなんでそんなものを採取する必要があるんですか。
「そ、それは……その」
口篭もりながらもぽつりぽつりと朝比奈さんは説明を始める。
「最近、夜とかちょっと咳が酷くて……。
 思い切って長門さんに相談したら、せ、せ……を飲むと
 健康にいいからって教えてもらったんです」
な、長門ー!
「……情報に偽りはない。
 予想される採取方法によればあなたの健康に良いのは確実」
「わ、私の健康じゃないんですかぁー!?」
「考慮に値しない」
597名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:34:58 ID:izpYPaSp
だからまとめて(ry
598名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:38:19 ID:kTw6QWhk
違う人だろ。
599名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:39:28 ID:98GmfVPm
>>597
>>596は他の人が書いたネタだろ
600名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:41:47 ID:N5wBvSJx
なんとなく勝手にオチつけてみたんだ
601名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:44:03 ID:jXDAoZta
そんなに巨乳が嫌いかwwww
602名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:44:23 ID:JCu59XtL
いえ、飲むと本当に健康にいいそうですよ?
「え、でも・・・」
こんなものでよければ、いくらでもどうぞ!
「ちょ、キョンく」
どうせ捨てるものですし、どうぞ遠慮無く!!
「そ、その〜」
さぁ!俺のジョンは準備万全です!
「ふ、ふぇぇ・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
って長門!?ちょ、そんな後ろからだなんてアッ―――――!
603名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:44:49 ID:MpNizSTy
もうそれでいいよ


オレじゃなくて俺な、表記は。
604名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:45:16 ID:lLNTsrsH
>>593
がんばってね
605名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:46:18 ID:X6PMhOsp
そりゃまーこんなへぼそうなSSなら今夜中に仕上がるだろうさ。
606名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:49:11 ID:k+uEr2yS
>>588の最初を読んで検尿でもするのかなと思ったのは俺だけで良い。
607名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:50:16 ID:iht3bMJz
>>606
悪いが俺もだ
608名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:50:20 ID:Zmm1uK7k
もうちょっと暖かく見守ろうよ
609名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:52:25 ID:xDMdCsy9
>>605
今頑張って書いてるんだろうからそんなに催促すんなよ
610名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 22:54:47 ID:UMWamoq4
作品が出来上がるまでたえようや!
●<僕の山芋汁でも飲んで落ち着いてください・・
611名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:03:59 ID:4tsqfWT9
つ旦 貰うぜ

あれ?この山芋汁少し酸味があって苦い……腐ってるんじゃね?
612名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:05:10 ID:EOIjEiww
じゃあ588>>が書き上がるまでに、誰かグラウンドゼロ第3弾を書き上げてくれ。
パンジーに三年前に連れて行かれて、中一佐々木か橘とゴニョゴニョやるとか
613名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:07:30 ID:UMWamoq4
キョン「くそっ、ハルヒに一言文句言いたいが正直怖い…仕方がない、アクセントで勝負だ」

播磨「ハルーヒ、ツンデレ、ゴーマン、ヒステリック」
ハルヒ「?」
古泉「これはと某国の言葉で、日本語に直すと『ハルヒ、好きだ。結婚してくれ』となりますね。」
ハルヒ「えっ…!」
キョン「ソン、ナバカナハ、ナシアル、モンカ…」
614名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:08:02 ID:X6PMhOsp
グラウンドゼロのどこがそんなに人気があるのかイマイチわからん。セカチューみたいなもんか?
615名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:10:00 ID:UMWamoq4
やべ…間違えた。逝ってきます。
播磨×
キョン●
616名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:10:19 ID:BpSX69vW
>>596>>602はただのレス扱いするには勿体ないな。>>588の分岐ネタとして保管して頂きたいものだ
617名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:12:10 ID:4tsqfWT9
>>614
日頃の鬱憤が堪ってるのもわかる。
そりゃあ親に働けだの外に出ろだの言われてイライラしてるのも判ってる
だからそれをエロパロ板にぶつけるのは止めないか?VIPでやれ、な?
618名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:24:05 ID:Ii2rAYzw
>>615
( ´∀`)σ)Д`)
619名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:25:42 ID:6QqQvHPm
いちいち他の板を出すなよ
620名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:36:12 ID:6KpblM5a

VIPよりこっちの方がレベル低いよ
住人の
621名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:37:18 ID:2PMJE6Dj
>>614
おまえのレス難癖つけてるのばっかりなのな。
622名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:38:04 ID:iZh/LlaX
>>621
おまえっていつもスルーできないのな。
623名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:49:22 ID:3qswwKpF
>>620
( ´∀`)σ)Д`)

>>563
ジェネレーターガウルかよ。テラナツカシス
624名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:49:22 ID:a/UK/7J3
まあもちつけ
)⊃旦
625名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:52:05 ID:EmdZZ9Sz
いつもの文芸部の部室。珍しくハルヒ以下、女子の団員が来ていない。
「買い物らしいですよ。いかがでしょう? たまにはちょっとした推理ゲームでもしませんか?」
ボードゲームマニアとしては珍しいな。かまわないぜ、それで、一体お題はなんだ?
「『涼宮ハルヒの驚愕』の予想、でいかがでしょう?」
おいおい、マジか。
俺は構わないがな、そういうメタ的なssは正直どうなんだろうか。ここでやっても叩かれるのがオチじゃないか?
「枯れ木もスレのにぎわい、ですよ。ネタとして許容して頂けることを祈りましょう」


「さて、あなたに僕の仮説を一つ、申し上げておこうと思いましてね……これはあくまで推測に過ぎませんが」
そう言うと、古泉はぐっと体を乗り出してきた。おいこら、近いぞ。気色悪い。
「これは失礼……あなたは疑問を感じたことはありませんか? 涼宮さんの力は四年前に生まれたものである、という事実についてです。
彼女は世界を自由に創造する力を持っていた。あるいは、すでにそのとき、世界は涼宮さんによって創りかえられていた可能性だってあります。
ではなぜ、彼女はあれほど苛立っていたのでしょう? 果てしなく閉鎖空間を生み出してしまうほどに」
「何が言いたい。実はハルヒに神の力なんてなかったとか言いたいのか?」
古泉はやや疲れたような、いつもの輝きが3割ほど失われた笑顔を傾けた。
「最近、よく昔を思い出すんですよ。閉鎖空間がひっきりなしに発生し、毎晩神人狩りにかりだされていた頃をね。もっとも、神人の凶暴さでは比較になりませんが……」
言われてみれば、確かにこいつはSOS団一、二を争う苦労人だ。ハルヒあたりに二階級特進させて、名誉顧問にでもしてやるように進言したほうがいいかもしれん。
「ありがたいお言葉ですが、話を戻しましょう。涼宮さんは力を手に入れたにもかかわらず、彼女が望むように宇宙人、未来人、超能力者が現れることはなかった。
少なくとも、直接には。結果、彼女は非常にストレスを抱え込んでいました」
「ちょっと待て、今だって同じだろ。あいつは近くに宇宙人やらなんやらがいるって気がついていないはずだぜ」
「そこですよ。当時と今の違いはなんです?」
知らん。
「おやおや……それは当然、あなたが涼宮さんの近くにいることです」
古泉の顔は真剣だった。
「涼宮さんの力が発現したとき、そこにあなたがいました。彼女の力が求めていたのは、はっきりと言ってしまえば、あなたそのものですよ。
宇宙人、未来人、超能力者など、そのオマケに過ぎません。現に今まで、あなたと一緒にいることで、彼女の力は消滅に向かっていました。そして、鍵となるのが、涼宮さんのカウンター・パートの存在です」
……佐々木のことか?
「御明察です。機関が佐々木さんが神であるという仮説を取らなかったのは、直感的にそう感じられなかったということもありますが、はっきりといえば、一般人としか思えなかったからです。
しかし、力を行使しないことは、力がないことと同義ではありません。あるいは、こう言えばいいでしょうか」
古泉は芝居がかっているしぐさで言葉を切った。
「世界を創りかえる力に対して、世界を保つ力の存在ですよ。その力は一見目立ちません。世界が変化しないのですから。
しかし、涼宮さんほどの力を打ち消しているとすれば、話は別です。仮定の話ですが、佐々木さんの能力が、世界改変に向かったとしたら、それは涼宮さんの力と真っ向からぶつかるでしょう。
最悪、世界の破滅です。それを免れても、世界が二つに分裂する可能性さえありますね。それぞれの神を持ちながら」
本気で言ってるんだろうか?それに――
626名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:52:36 ID:EmdZZ9Sz

「分からないな。佐々木は何を保とうとしてたって言うんだ?」
「おやおや、分からないのですか?」
古泉が心底呆れたように言った。実に腹立たしい。
「もちろん、あなたとの関係ですよ。中学3年でのね。1・2年では二人の間でせめぎあいがあったはずです。最終的に、佐々木さんの力が勝利を収め、あなたとともに過す世界を手に入れた。
おそらく、涼宮さんはすでに力を放出していたためでしょう。中学3年では、その世界が固定されていたんです――ところが」
古泉は言葉を切って、肩をすくめた。
「高校に入って、一気に天秤は傾いた。涼宮さんはあなたを手にいれ、宇宙人、未来人、超能力者と同じ部室で活動している。一方の佐々木さんは一年間も親友のあなたと音信不通です。
中学3年の最後で、佐々木さんとあなたの関係に何かが起きて、これまでのバランスを破壊したと考えるべきでしょうね。
しかし、そのバランスが再び変化している。佐々木さんの周りに、宇宙人、未来人、超能力者が集ったことは、彼女の力が外向きに放出されたことを示しています。
天秤に掛けられた世界は、涼宮さんと佐々木さんのどちらの世界にふれるか、揺れている段階ではないでしょうか? ちょうど、あなたの心の揺れと同じように」
こら、邪推するな。古泉はくっくっと笑う。
「あのお二人とあなたの共通点がありますよ。どこまでも素直ではないんですね……おっと、これはあくまで仮説に過ぎませんから、お忘れなく」
そう言うと、インチキ超能力者はニヤニヤと笑った。


「そろそろ涼宮さんたちが買い物から帰ってきます。今日のところはここまでとしましょうか」
どうでもいいが、このssは失敗だな。まったくオチてないぜ。俺が作者だったら、もう少しマシなものを書くね。
「そこは、他の書き手さんたちに期待しましょう」
投げっぱなしか。俺は溜息を吐き出す。まあ、確かに、そろそろ朝比奈さんのお茶が飲みたいと俺の味覚がリクエストをしているし、長門が部屋の隅で読書をしていないと落ち着かん。
あとは……そうだな。やっぱり、あいつが――――


ばーん、
とけたたましい音を立てて、ドアが吹っ飛ぶように開く。そこから入ってくる団長の、100万ワットの笑顔から放たれる光が、部室を照らした。


「たっだいまー! キョン! 今帰ったわよ!!」
627名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 00:10:23 ID:0iTsENB3
ひどいネタバレを見てしまった。
628名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 00:26:50 ID:wVS2mXCT
佐々木は「力を行使しない」んじゃなくて「持っていない」んだろ?
橘が「願いを実現する能力は佐々木さんにこそ宿るべきだった」とか言ってたし。

それなのに閉鎖空間は維持されてるってコトがキモみたいであやしい

というSSを書き始めたら、暗い方向に向かい出した
629みらいのおしごと・2:2007/04/12(木) 00:56:58 ID:9dOyeY2Z
よーやくかけました…!続きから一気に投下です。


「それで、その……」
「まあ…いいよ」
とたん、彼女の顔が明るくなった。
「ありがとうございますっ!!」
「いえいえ、いつもお世話になってますから」

…主に夜、妄想の中で。

そんなこんなで、俺は朝比奈さんの手から紙コップを受け取った。
「じゃ、明日で良いですかね」
「いえ、出来るだけ鮮度を保ちたいので今お願いします」

「…………今?」
「はい」

朝比奈さんはいつもどおりの可愛らしい笑顔をしている。
「じゃあちょっとトイレ行ってきます」
「いえ、出来るだけ素早く採取したいので、この場でお願いします」

「…………この場で?」
「はい」
「…じゃあちょっと向こうむいててもらえますか」
「いえ、出来るだけ確実に採取したいので、目の前でお願いします」

「…………目の前で?」
「はい」


ああ、笑顔が眩しいよ朝比奈さん。
…やっぱりダメですか?」「いや!やりますとも!!」つーかんなうる目見せられたら、イヤなんて言えません。
思わず苦笑いだった。

「じゃ、じゃあ、はじめますから…」
俺は床に腰を下ろし、いつもとはまったく違うぎこちない手つきでズボンのジッパーをゆっくりと下げる。
うう、朝比奈さんが見てるよ……
中から、モノを取り出してゆるゆると擦りはじめた。

が。
「……あれ、」
いくらいつもと同じようにしても、頭をもたげない。その様子を、朝比奈さんが息を呑んで見ている。

そうか。
朝比奈さんがいるから緊張してたたないのだ。
「え、えーっと……」
気まずくて頭を掻く俺。このままだと不能だと思われてしまう。すると朝比奈さんははっとして、
「あ…ああ、そうですよね、緊張…しますよね」
そういいながら、

630みらいのおしごと・3:2007/04/12(木) 00:59:16 ID:9dOyeY2Z
「ん………」

服を、脱ぎはじめた。

「…ってええぇぇ!!」
俺がそうさけんだときには、もう鼻先ではあの(本当の意味で)夢にまで見た二つの大きな乳房がたゆんたゆんと静かに揺れていた。
「あ、あさひなさ…」
「えっと、男性はこうすると興奮すると資料で読みましたから…」
頬を赤く染めながらも、わずかにほほえんでさらに胸を近付けてくる。
あとほんの数センチの距離だ。
その乳房はありえないほど大きく、真っ白で。少し大きめの乳輪は薄く色付いて、中心の乳首は淡いピンク色をしている。
「ね、だから、キョンくん…」

いっぱい、興奮して。

かすかにそう聞こえたかと思った瞬間、口元に乳首が思い切り押しあてられた。「んむ……っ!」
思いがけない事態に、思わず乳首を口に含んでしまう。
まだ勃ってはいない、やわらかなくにゅくにゅとした乳首。
乳房より数段やわらかい乳輪に唇を押しつけられ、なおかつもう片方の乳房で顔を挟むように固定される。「ふぁ…、はぁん……」
息をしようとするたびに、逆効果で乳首を吸ってしまう。
朝比奈さんの口から、艶のある感嘆の息が漏れているのが聞こえた。
「はあ…っ…はあぁん………いぃ…おっぱぃ、きもちいぃですぅ………」
朝比奈さんは熱に浮かされたようにとろんとした目で俺を解放し、その代わりに両手を自分の胸に添えさせた。
俺は何をすべきか、本能でわかった。
むにゅり。くにゅ、ふにゅ。
「ひゃはぁ…っ!…あ、あぁん……っ」
男の手にも余るほどのその爆乳を荒々しく揉みしだいていく。
「は…っ、は…っ、は…」
いつのまにか、俺のモノは最高にいきり立っていた。そろそろやばい。
「ちょっと…」
俺は傍らに落ちていた紙コップを拾い上げた。
と、

631みらいのおしごと・4:2007/04/12(木) 01:06:52 ID:9dOyeY2Z
「だめぇっ!!」

朝比奈さんが、払い除けた。
「や、だって朝比奈さんがコレに出せって……」
「だめぇっ…や、やだあぁ……っ!」
朝比奈さんの指が、そろそろと自分の下の茂みをかき分けていく。
そしての秘肉に指を這わせ、秘所をぱっくりとひらかせた。
「はぁぅ………」
恍惚とした表情の口元からは、一筋の涎が細く糸を引いて床に落ちる。
それと同時に、ひらかれた下の口からもうっすらと白みをおびたとろりとした粘液が音もなくこぼれていく。肥大した赤い豆や花びらも、粘液に塗れてぬらぬらと光っている。

「…っはぁ……キョンくん、キョンくん…っ……」

とろんとした表情のまま、見えないなにかにしゃぶりつくように、赤い舌がちろちろと動き回っている。
「ね…もっとぉ…」
そういうと、ぬるぬるになった秘所を俺のモノにすり付けた。

…………っ

「…もう、知りませんよ」
肩で息をする彼女を荒々しく床に押し倒した。
「ひぁんっ!……は、はぁ…っ、キョンくん―――」「なんだこれ…?」

不意に、落ちていた紙に気が付いた。
「あっ!それ…!!」
紙には、「精液採取目的人間」という字と知らない男の顔写真、そして採取する際の具体的な日付などがかかれていた。

「朝比奈さん―――」
「…あのね。交配実験の卵子には、私の卵子が使われる予定なの。そして、相手の精子がその写真の人のもの。――けど。だけど……同じく交配するなら、私は、キョンくんの精子がよかった。だって、だって………」

すきだから。あいしてるから。

その言葉を最後に、朝比奈さんは泣きだした。
「それに、私はいつかは未来に帰らなきゃならなりません。だから…証がほしかったんです。未来と過去とをつなぐ証が…」

「俺も、好きです。朝比奈さん、好きです。」
「キョンくん…?」
「初めてあったときから、可愛いっておもってて。守ってあげたくて。ずっと言えなかったけど…ようやく言えた。未来とか過去とか、そんなのどうだっていい。俺は…俺は、朝比奈さんが、好きです」
「キョンくん…っ!」

632みらいのおしごと・5:2007/04/12(木) 01:09:09 ID:9dOyeY2Z
俺らは、生まれて初めてのキスをした。あんまりうまくはなかったけれど、最高に幸せなキスだったと思う。

「…ね、お願い。きて…」
「ん……」

ゆっくりと朝比奈さんのうえにかぶさり、彼女の腕をくびにからめさせる。足を持ち上げて、白い粘液がくぷくぷと音をたててあふれている秘所にねらいを定めた。
「…いきますよ」
ぐちゅんっ、くぷ…っ
「ひぁあっ…!!あ、あ…すご……っ、おっ…きいぃ…っ!!」

ぐぷっ、じゅるっ…、ぐぷ…ぐちゅ…

律動を早めると、中の粘膜が逃すまいと熱く絡んでくる。
「く……っ」
結合部からは白くあわ立った愛液がとめどなくあふれて床を汚した。
ずっぷ………っ!
「はあぁ…っ!」
最奥をつくと、朝比奈さんの声色が変わる。
「ふ…っ…いぃ…っ!おく、いいのぉ…っ…キョンくんのおちんちんのさきっぽとこすれて…っ、こりこりきもちいぃですぅ…っ!」
ぬぷっ、ぬぷっ、ぐちゅる、ぐっちゅ、ぐっちゅ…
「は…っは…っ、はあぁぅ…っ、ふぁ、も、もぅ、私……っ」
「ん…っ…俺も、…くぁ…っ…」
朝比奈さんの俺をつかむ手の力が、強くなる。
「いきますよ…っ!」
「んん…っ!いっぱい、いっぱいおくにだしてぇ…っ!!」

びゅくんっ!びゅくっ
びゅるる…っ!!

「うあ…っ!!」
「ふぅあ…っ!!あ、あついぃ…っ!きょんくんのせいえか、いっぱい…、あついよぉ……っ…キョンくんっ、きょんくん…っ!!」







愛するヒトが、俺のとなりで寝息をたてていた。
下半身は、あふれだした愛の証で少し汚れている。

「結局…実験じゃなくても交配しちゃったな」
少し苦笑して、となりの愛しいヒトを見ると、いつもどおりの…いや、いつも以上の可愛らしい表情で寝息をたてていた。
笑顔。よい夢でも見ているのだろうか。

この笑顔が、未来でも過去でも…どこででも、失われませんように。

そう思いながら、俺もゆっくりと横たわった。



「…んにゅ……キョンくん、…あいしてる……」



END
633みらいのおしごとのなかのひと:2007/04/12(木) 01:11:32 ID:9dOyeY2Z
無駄に長くなってしまいましたが、こんな感じです。エロも初めて、きょんみくでかくのも初めてだったので冒険ですた。
お目汚し失礼しました…
634名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 02:14:14 ID:bvA5L9ax
面白かった乙
635名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 03:11:50 ID:nPKOIFZa
エロパロなんだからこの位のが有ってもいーじゃない。
と俺は思った。普通に面白かった、乙。
636名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 03:13:26 ID:0iDz73Gk
実は、これすらも規定事項であるという、朝比奈(大)さんのオチは?
637名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 03:30:39 ID:bdbXuDiS
「古泉、お前が戦っている様はヴァニラアイスみたいだな」

 ジョジョの話だ、それを話題に盛り上がりたいワケではないが興味があった、この超能力少年にその手の話題が通用するかどうかをな。
 しかしいきなりヴァニラアイスと言われても、もし読んだことがあっても冷凍食品の方だと思ってしまうかもし――

「あぁ、ジョジョの話ですね? あなたも読むんですか?」

 ――微細な齟齬も無く完璧に通じてしまった。

「驚いたな、お前ジョジョなんて読むのか」
「ええ、はっきり言ってマニアと言っていいですね」

 意外だ、甚だしく意外だ。
 まさかスタンドをすべて丸暗記してたりするのか。

「マニアと呼ばれる人たちがみんなスタンドを丸暗記しているワケでは無いのですよ」
「まあ、そうだろうな」
「僕は丸暗記してますけど」
「してんのかよ…」
638すいません、勝手に続けちゃいました。:2007/04/12(木) 12:47:04 ID:OWTbwQUe

 我ながらくだらない馬鹿話をしちまった物だと嘆息し、俺はそのまま話題を変えようとした。
 ――しかして、古泉は次のように会話を続けた。

「ちなみに朝比奈さんの能力は、時間平面を跳び越えられると言う物ですよね。長門さんが持つ能力は、宇宙生命体にアクセスできると言う代物です。涼宮さんの能力については、もう貴方には言うまでもないと思いますが」

 うん? 確かにそれは知っているが、何か、話のニュアンスがおかしくないか?

 古泉はいつもと変わらぬハンサムニヤケ面に、少しだけ偽悪的な色合いを混濁させ……おいおい、何やら嫌な予感がするぜ。

「何故、僕たち四人が揃いも揃ってSOS団に加入したのだと思います? 覚えていますか? 『スタンド使いはスタンド使いと惹かれ合う』……ジョジョの中に出てくる有名な台詞ですよ。そうそう、まだ僕のスタンド能力の名を、貴方に教えていませんでしたね」

 くっくっと不気味な笑い声を漏らしながら、古泉は糸のように細めた双眸で俺を見据えた。
 ふざけるな。つまらない冗談もいい加減にしておけよ。冗談だろ? 冗談だよな? できれば冗談であって欲しいんだが。

「良いですか? 僕が持つスタンド能力の名前は――」
639名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 13:31:19 ID:bdbXuDiS
あ、どうぞどうぞ、というか是非!
640名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 14:12:31 ID:07IDieUT
朝比奈さん(小)のスタンドが朝比奈(大)、もしくは朝比奈さん(大)のスタンドが朝比奈(小)?
641名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 16:40:55 ID:FnRGg43h
脳内で謎の後輩がラバーソウルになっちまった。
「ど〜したんですかぁ、キョン先輩〜(レロレロ)」
642名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 16:46:33 ID:cXk/qSZU
佐々木は依存症で、理性がそれを拒否するから恋愛を忌避してると思うんだ
643名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 17:02:24 ID:cIx5ING/
佐々木がハルヒの神パワーでキョンから遠ざけられてたとしたら
ミヨキチがノーマークだったのは変だな

タイトルがハルヒの分裂だし佐々木ってハルヒの作った何かとかだったりして
644名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 17:19:11 ID:IXOkxeJA
>>643
佐々木はハルヒの作ったヒューマノイドインターフェースかも(ry
645名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 17:25:29 ID:7P8ACTuR
つか、佐々木も改変能力を持っているようにしか思えないんだが
そんな俺は橘スキー
646名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 19:38:33 ID:/Ytro9C1
>>642
恋愛うんぬんは抜きにしても、依存のレベルで色々キャラの見せ方を操るなんてのもありだな。
依存性じゃなく依存症ならLv3 でお医者様にご登場いただくか、それを見て奇異に感じない世間体を整えなければならない。
何が言いたいかというとエメラルドに澄んだ海のそばでお
647名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:07:35 ID:gtGsZUXj
まだ橘の説明でしか佐々木の能力が説明されてないけど

四年前に涼宮・佐々木の覚醒と閉鎖空間を感知した古泉派・橘派の能力者。
橘「涼宮さんの能力は本来佐々木さんの…」  古泉「m9(^∀^)プギャーw」
橘「改変能力は佐々木さんにこそ相応し…」  キ・佐「m9(^∀^)プギャーw」
橘「んん……! もうっ!」   九・藤「m9(^∀^)――プ――ギャー……w」

キ「能力の移植でもすんのか? できっこないだろう」
橘「そうでもないわ。あなたと佐々木さんがうんと言えば」
キ「m9(^∀^)プ…… ( ゚Д゚ ) まじで? どうやんの?」

覚醒時に佐々木も能力者と閉鎖空間を作ったけど、それ以上の能力は
ハルヒが独占しちゃってて、それを佐々木に委譲したいってのが橘の説明だよな?
648名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:20:37 ID:dzsh3+1a
ちょっと応援したくなる
649名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:28:21 ID:BoFzfHrA
橘さんの提案する方法がだな

ハルヒとナニすることでヘンテコパワーをキョンのナニで引き抜いて
さらに佐々木とナニすることでキョンのナニを経由し注入するのだよ

という電波を北北東から受信

キョンのナニにヘンテコパワーを留めておけるのが五分とかだったら喜劇になる

長時間留めておけても、宇宙的未来的または超能力的なパワーをもつあらゆる勢力がキョンのナニをかけて争うという喜劇

「大丈夫…わたしがさせない」
650名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:29:55 ID:2y/4iBgl
佐々木と橘たちが接触したのっていつなんだろう
春休み最後の日にキョンと再会したときより前なんだろうか
だとするとあの再会は佐々木が探りを入れてきたように思えるのだが
651名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:59:16 ID:5uVyx4tD
俺はキョンと会う前だと思うなぁ。
そもそもキョンの方が中河らに言われてようやく「年賀状でも出した方がいいかな?」と思い至るくらいだし。
ワザとじゃないと何時までも邂逅しないような気がする。
橘も遅かれ早かれとか言ってるしな。意図的なんだろう。
652名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 21:03:19 ID:uKxZ0L8Y
ていうか機関はハルヒやキョンが中学一年の頃から存在してたはずなんだけど
中学時代の佐々木はノーマークだったのかね?
そこいら辺は不思議だな、機関ライバルが注目する神として監視対象にはしてなかったんだよね?
653名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 21:07:39 ID:FnRGg43h
>>649

《佐々木荘》 λ...《ハルヒ荘》


と《神人》が引っ越しする。
654名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 21:13:29 ID:BoFzfHrA
ハルヒはなんだかんだいって常識的思考の持ち主だから、世界に異変はないけど
佐々木は世界に対する執着が薄いというか、あってもなくても同じと捉えてるフシが
簡単に消えちゃったりな、世界
655名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 21:15:24 ID:gtGsZUXj
>>649 安部定・長門を想像した…ガクブル

>>650
最初の再会が春休み末日。二回目が次の週末の不思議探索だから、事前に接触してた可能性のが高いかな、と思う。
佐々木が進学校+予備校だから時間を取り難いだろうし、詳しく説明したいだろうから。

>>652
古泉機関は橘機関の方だけ動向チェックしてたんじゃないか。
『能力の無い佐々木』を重要視していないってウチの古泉がゆってた
656名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 21:56:10 ID:KFPvcZSu
>>649
むしろハルヒから佐々木に直接で
そのためにはキョンが人生を捨てる台詞を吐かねばなりません

「ハルヒ」
「な、なによ」

「実は俺、ふたな(ry
657名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 22:36:18 ID:qJGT+kvT
>>656
ちょwww
658名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 22:57:12 ID:5ReSDadE
空気を読まずにエロ分投下いかせてもらいます。
保管庫に収納してもらっている36-295『涼宮ハルヒの唇』の続編です。
あまりのエロの才能の無さに、書いたはいいけどお蔵入りになってたものですが、
今スレ348さんみたいに気に入ってくださった方がいたようなので、調子に乗って手直ししてみました。
例によって本番はありませんが、キョンが暴走気味なので、嫌いな方はスルーヨロ。
新刊絡みはありません。8レス予定。
『涼宮ハルヒの口腔』
659名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 22:58:42 ID:5ReSDadE
幸せの余韻を十二分に満喫したあと、我に返った俺たちは、クライマックスシーンで映画館をあとにするという暴挙に出ざるを得なかった。
いくら周りに人がいなかったとはいえ、音を聞かれてたら、何をしてたかは容易に想像がつくからな。
てか、ここってこういう利用者多いんじゃね?
慌ててハルヒの手を引いて外に出ると、あのハルヒが今にも消え入りそうな顔で、真っ赤になってうつむいている。
暗がりでは、あんなに大胆だったが、光の下では普段の団長様に戻ったということだろう。
なんとなく気まずい思いで、なはは、と苦笑いしつつ顔を見合わせると、ハルヒの顔には先程の残渣が、まだ少しこびりついていた。
そのちょっと怒ったような、はにかんだ笑顔と、あり得ないはずの物体のコントラストが、光の下でより鮮明に映える。
まずいなこりゃ。さっきあれだけ出したのに、またムクムクと元気になっちまいそうだ。
「あー、ハルヒ、その、ちょっと化粧室に行ってきたほうがいいかもしれないぞ」
「え?まだ残ってる?」
俺の視線に気づいたのか、不思議そうな表情で自分の顔をぺたぺたと触りながら、
その指を舐めるハルヒは、自分の大胆すぎる行動に気づいたのだろう。
うなじまで真っ赤になりながら、小声でバカッと叫ぶと、全速力で化粧室に駆けていった。
5分程かかって出てきたハルヒの顔は、すっかり朝に会ったときと変わらぬ様子に戻っていた。
もっとも、目が合うたびに真っ赤になってそっぽを向いてしまうから、朝とまったく同じってわけではないけどな。
「えーと、今日はこれからどうする?腹ごなしに喫茶店にでも行くか?」
「・・・そ、そうね」
蚊の泣くような声で答えるハルヒは、さっきからしきりとスカートのすそを気にしながら、
もじもじと落ち着かない様子で辺りを見回している。
自分でも信じられないくらいの量を飛ばしたからな、目立たないけど、どっかにこびりつけちまったのかもしれん。
「あーハルヒ、喫茶店の前にちょっと服屋にでもよっていこうか?」
「ひゃ!?え、いや、なななんでもないわ!じゃあ○○デパートに行くわよ!」
「OK。そうしよう」
ということで、とりあえず俺たちは、最寄りのデパートの女性向けファッションのフロアーを目指した。
ここは男一人では絶対にうろつけない魔境だからな。これを機会にちょっと一回りするのも悪くなかろう。
と、思っていたのだが、エスカレーターを降りたところで、ハルヒに足止めされてしまった。
「あんたは、ここで待ってなさい」
「ああ、別に構わんが、なんでだ?」
「すぐに戻るからつべこべ言わないの、いーわね!」
ビシッと人差し指を突きつけると、俺の素朴な疑問にも答えず、ハルヒはターっと小走りでどこかに駆けていってしまった。
ああ見えても年頃の女の子だし、男に見られたくない買い物でもあるんだろう。ちょっと寂しいが仕方あるまい。
妹もいつかはこんなことを言い出す日がくるんだろうかと、感慨にふけりつつ、待つこと数分。
さっきとはうって変わって、落ち着いた様子で戻ってきたハルヒだが、目だけは不安げに泳いでいた。
「ま、待たせたわね」
「いいさ。それじゃ、ちょっくら他の階でも探索するか」
あからさまにほっとした顔を見せるハルヒの様子を察して、とりあえず、雑貨屋などが集まるフロアーに移動することにした。
さっきまで目をあわせようとしなかったハルヒも、奇妙キテレツな小物をためすがめす見ていくうちに、
いつもどおりの元気を取り戻してくれたようだ。
「見なさいキョン!これ、あんたにそっくり!」ってなんでここでまたトナカイねたを蒸し返すかね。
「ねえキョン、これ可愛いと思わない?」「ああ」「キョン、これ可愛いと思わない?」「そうだな」
「こ れ か わ い い と お も わ な い ?」「ハイハイ分かりましたよ」
3回目であっけなくギブアップした俺は、そのへんてこりんなヌイグルミをプレゼントさせられる羽目になった。
「ありがとっ!」ってコラ、無理やり買わせたくせに、そんな満面の笑顔で礼をいうな。反論する気も失せるじゃないか。
どこがいいんだか俺にはさっぱり理解できんが、ハルヒはその物体をまるで宝物のように、ぎゅっと胸に抱えて、
ずーっとニコニコと微笑んでいる。まあこんなに嬉しそうなら、その価値は十分にあるに違いない。
660名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:00:24 ID:5ReSDadE
そうこうするうちに、時計はそろそろ12時を越えていた。
「昼飯はどうする?ハルヒ、どっか行きたいところあるか?」
「ここのデパ地下は、○×レストランのランチメニューがテイクアウトできるって前にテレビが言ってたわ。
いつかSOS団でレストランを開くときの偵察よ。がっちり味わってやろうじゃないの!」
ううむ。有名ホテルのレストランランチをテイクアウトときましたか。最近のデパ地下はすごいね。
と、戦々恐々してみたものの、意外なほどのお手軽値段でランチボックスを手にした俺たちは、
デパート屋上のベンチでお昼を頂くことにした。
昔は安っぽい遊具が散在していた屋上も、今はすっかり様変わりしちまったようで、
都市緑化なんたらの影響か、小奇麗な庭園になっていた。
しかも日曜の割には空いていて、そこかしこに陣取るカップルにとって、意外に便利な穴場になっているようだ。

4月前とはいえ、ぽかぽか陽気が心地良い。ランチボックスはさすがにハルヒが厳選してきただけあって、
お値段が逆に法外とも思えるほどうまかった。
といっても、その9割は満面の笑顔で、ほおばるハルヒの様子を見守っていたせいであるが。
俺の視線に気付くと、ハルヒは真っ赤になって、ぷいっと横を向いてしまった。悪いことしちまったかな。
こいつも一応女の子だ。食べている様子を見守られるのは、それなりに恥ずかしいのかもしれん。
「あ、あのさ・・・その、さっきは悪かったわね」
ああ、そっちのことか、と、ちょっと安堵しつつ、腹がいっぱいになった俺は、うららかな日差しの下で、
チラチラとこちらを睨んでは目を逸らす団長様との会話を楽しむことにした。
「いいって、デパートで待ちぼうけを食らうのは、妹の世話で慣れてるからな。
といっても、あいつの場合はおもちゃ売り場だけどさ」
そうなのだ。デパートに行けば、最低1時間はおもちゃ売り場から離れない妹を監視するのは、いつも俺の役割だった。
その間に両親は、つかの間の夫婦水入らずを楽しむんだろうから、これも親孝行ってもんだろう。
「いや、それだけじゃなくてさ、その、映画館で・・・あのさ、あんた、あたしのこと軽蔑した?」
俯いたままのハルヒは消え入りそうな声で、きわどい質問をぶつけてきた。
でもまあ、なんというか苦笑いするしかないかな、これは。
「そのことだったら、こっちこそすまん。いやいや、ありがとう、だな。それにあれは100%俺のせいだから、気にしないでくれ。
そんなに気にされると、思い出しちまって、また収まりがつかなくなりかねないし。なーんてな、ははは」
と、笑い話にしてこの話題を打ち切ろうとした俺は、初めて見るハルヒの怯えるようなまなざしに気付いた。
「ちがうのよ。あれは、あたしが・・・その・・・あんたさえよければ、いつでもまた・・・」
と、そこまで言って、その言葉の重要性に唖然とする俺の表情に気付いたハルヒは、
「なんでもないわっ、じゃねっ!」
顔をこわばらせてパッと立ち上がると、脱兎のように駆け出した。
ここでこいつを行かせてしまったら、おそらく俺たちは一生ぎこちない笑顔でしか話せなくなる。
無意識に動いた右手は駆け出そうとしたハルヒの腕をつかんで引き寄せ、逆にひざの上で横抱きにしていた。
パニック状態でワタワタと暴れるハルヒをみて、自分でも気味が悪いくらい冷静にな判断を下したと思う。
そう、俺は迷わずその桜色の唇を吸っていた。
「!!!」
驚愕ですべての動きを停止したハルヒは、やがて観念したようにゆっくりと目を閉じた。
なんか順番が逆な気もするが、一応これがこの世界でのファーストキスってやつだ。
心ゆくまでたおやかな唇を堪能した俺は、名残惜しいながらも、いったん離れた。
661名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:01:45 ID:5ReSDadE
「どうしたんだよハルヒ?言ってみな」
至近距離で目が合うと、まぶしそうに逸らすハルヒは、必死に何かを伝えようとして、それでもかたくなに口を閉ざしたままだった。
喉まで出掛かっている言葉は、こいつにとって、命をかけてもいいくらいの一生一代の告白なのだろう。
わなわなと震える唇が愛おしい。
今ここでこいつの言葉を引き出してあげなければ、俺の方がずっと後悔を抱えることになりそうだ。
「ハルヒ。言え。言わないと、今日のことをみんなにばらすぞ」
全くでたらめだ。そんなことをすれば、自分の方がずっと困るにきまってる。
だが、逃げ道を開ければ、言葉は自然とあふれ出す。
「ちょっとそんな。でも・・・その、あたしは・・・」
もう一押しが必要だな。それにしても、どこをどう間違ったら、こんな言葉が出てきたんだろう。
いくら思い返しても分からない。が、結果的に、それは俺たちの今後を決める言葉となった。
「お前は今日から俺のものなんだハルヒ。いやとは言わせないぞ!」
その強い口調に、ハルヒはびくっと震えて全身を硬直させた。
そして、かたくなに閉じられた目が再び開かれたとき、その瞳には、安堵と恍惚の光が浮かんでいた。
「そっか。今日からあたしはキョンのものなんだよね」
ハルヒの心を縛っていた理性の光が消え、代わりにちろちろと情欲の炎があふれ出す。
「ああ、そうだ。今日から涼宮ハルヒは俺のものだ。だから、言いたいことがあるんだろ。全部言え」
「うん。あの、あのさ、あたしはきっと変態なのよ。前に恋愛は精神病って言ったけど、あたしのはかなり重症。
だってさっき、キョンの、その、キョンのをしゃぶりながら、あたし気持ち良すぎて意識が何度もなくなってた。
あたしは昔から指しゃぶりの癖が抜けなくて・・・何度も直そうとしたけど、ダメだったの。
あたしんち、昔から親の留守が多くて、小さいときは指をしゃぶっていれば安心できたんだけど、今はその・・・」
そこまで言って、おずおずとこちらを見上げるハルヒの頭を、俺はゆっくりとなでた。
くすぐったそうにするハルヒは、安心したように、告白を続ける。
「今日ようやく分かったの。あたしは口で感じるのよ。
さっきキョンのを口に挿れてもらったとき、あんまりにも気持ちよくて、びっくりして離しちゃったの。
それからまた挿れてもらって、口の使い方を教えてもらって、口全体がキョンでいっぱいになって、
なんか頭がキョンで溢れてきちゃって。それで・・・」
きょどきょどと目を泳がせるハルヒは、許しを請うように何度もこちらをチラチラと見上げては、慌てたように視線を逸らす。
そんな必死な反応が可愛くて、ついつい虐めたくなってしまった。
「じゃあもしかして、ものすごい濡れちゃったのか?映画館のトイレに行ったあと、もじもじしてたろ」
ハルヒはヒッと小さく悲鳴を上げたあと、うなじまで真っ赤にしながら、観念したように小さくコクリと頷いた。
「だってしょうがないじゃない。その、びっくりするくらいびしょびしょで、
トイレで脱いだけど、替えなんて持ってきてないし、それで、さっき、洋服屋さんで」
そりゃあそんな理由で下着を買うとこを男に見られたくないよな。どうりで慌てて走っていったわけだ。
「ってことは、映画館からここまでは、ノーパンだったってことか?」
俺のぶしつけな質問に、またびくっと震えたハルヒは、今にも泣きだしそうな顔で、
朝比奈さん張りの小動物のような視線を俺に向けた。
やばい。可愛すぎる。こんな顔されたら、ますます虐めたくなるじゃないか。
自分のどこにこんな加虐心があったんだか知らないが、俺は不思議なほど自然に、命令を下していた。
662名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:03:04 ID:5ReSDadE
「ハルヒ、今日買ったやつ見せてみな」
??という顔をしたハルヒは、ヌイグルミの袋に手を伸ばそうとするが、ぎゅっと抱きしめてその行動を止める。
「それじゃなくて、他に買ったんだろ」
さらに???という顔をしていたハルヒは、俺のいった意味が分かった途端、プルプルと激しく首を降った。
だめだ。可愛すぎる。これじゃ、もっと虐めてくださいっていってるようなもんだ。
あくまで優しく頭を撫でながら、俺は冷酷に命令を続けた。
「俺のものになったんだろハルヒ。じゃあいま身につけてるものも俺の物だ。俺は自分のものを確認するだけだよ」
「な、なに言ってるのよ、このエロキョン!だってほら、ここじゃ誰か他の人に見られちゃうかもしれないし、
それにそれに慌ててたから、可愛いの選べなかったし、えーとそれにほらその」
パニくりながら必死にスカートのすそを押さえて言い訳を考えるハルヒ。
だが、よく聞いてみると、別に俺に見せることを拒否してるわけじゃないな。じゃあ、そのわだかまりを取っ払ってあげましょう。
ってことで、俺はジャケットを脱ぐと、横抱きにしているハルヒの肩からかけた。
しおらしく縮こまってしまった華奢な体は、それだけですっぽり覆われてしまう。
「よし。これで見えないぞ。ほら周りを見てみな」
「キョ、キョン〜」
一歩一歩追い詰められながらも逡巡するハルヒは、目尻に涙をためて許しを乞うてきた。
しかし、俺は、その瞳に一瞬浮かんだ恍惚とした光を見逃さなかった。
「だめ。ハルヒは可愛いからダメ。ほれっ自分でスカートずり上げて、下着を見せなさい」
駄々っ子に言い聞かせるように、よくわからない理屈で諭すと、ちらりと周りに目をやったハルヒは、
ぎゅっと目を閉じたまま、観念したようにジリジリとスカートを上げていった。

ゆっくりと顕になっていくハルヒの太もも。
ピンと今にも弾けんばかりに張り詰めたそれは、劣情を抱くことをためらわせるほど、健康的に輝いていた。
だが、ぴっちりと閉じられた股の付け根から布地が現れた瞬間、
その健康さは、布地と織り成すコントラストと相まって強烈な破壊力をともなって、俺の理性を突き崩した。
次第に顕になっていくハルヒの秘部を守る最後の砦は、シンプルなコットン製で、しかも、スカイブルーの横じまだった。
ぐはっ!わかっていらっしゃる!!!正直堪らないとかいうレベルじゃねーぞ!!!!!!!!
ハルヒにしてみれば、初めて好いた男に魅せるための下着は、もっとかっこいいものがよかったのだろう。
だが、これは、どんなに高級な下着よりも、男の理性を奪うのに効果的だった。

状況を確認しよう。今、俺は燦々と輝く太陽の下、人目が少ないとはいえ、
デパートの屋上で、ハルヒの下着と、それを恥らう乙女の表情をじっくりと鑑賞している。
そして、その体勢は、ハルヒが俺のひざの上に横抱きに座っている状態だ。
つまり、ハルヒの小ぶりながらも、みっちりと存在感を示すお尻の下に、愚息が息づいているわけだ。
当然のことながら、この天上の神々すら垂涎するであろう眺めで反応しないほど、俺は年を食っちゃいない。
いくらジーンズとスカート越しとはいえ、密着しているハルヒには、自分の行為が、俺にもたらす反応をはっきりと認識しているはずだ。
ハルヒよ、すまんが、これは条件反射みたいなもんだと思ってくれ。愚息の窮屈さを悟ってくれたのだろう。
ハルヒはちょっと位置をずらそうと、もぞもぞとお尻動かした。当然、柔らく弾力に富んだ感触がダイレクトに刺激する。
663名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:07:47 ID:5ReSDadE
うん。これ無理。てか、この子わざとやってない?
ぎりぎりの理性を保っていた最後の砦があっさりと崩れると、俺は片手でハルヒの肩を強く抱き寄せて、
もう一方の手でハルヒの太ももをまさぐった。
しっとりと滑らかで、きめ細かく指に吸い付くような感触。それでいて指を押し返す弾力。ぐっと力を入れれば、
指の間からみっちりと柔肌がはみ出るくせに、一瞬後にはその完璧な形に戻っていく。
俺の興奮に反応するように、ハルヒの太ももはしっとりと汗ばんでいった。
白磁のような肌は、うっすらと上気して桃色がかっていき、より滑らかで、吸い付くような感触を増していく。
夢中でハルヒの太ももを楽しんでいた俺は、頬を朱色に染めて苦しげに浅く息をつく桃色の唇を発見し、
おぼれるものが空気を求めるように、むしゃぶりついた。
激しく口をこじ開けようとする俺の攻撃に対し、おずおずと迎撃に差し出された舌を乱暴にすすり、
さらにおかえしとばかりに、唇の裏側から頬の内側までを丹念に嘗め回す。
さっきとは違う濃厚な大人のキス。1分も続けないうちに、ハルヒの秘部を守る布は、明らかに分かるくらいに湿り気を帯びてきた。
こいつが口で感じるってのは、本当のことらしい。ついうれしくなって、ハルヒのすべてを貪らんばかりに、その小さな口を蹂躙し続けると、
5分もしないうちに、びくりと体を硬直させ、ぐたっと体の力を抜いた。キスだけで、本当にいっちまったのか。
末恐ろしい感度だ。だがこれで満足してもらっちゃ困るぞハルヒ。これから息子でさらに満足してもらうんだからな。

俺は幸せそうにボーっとするハルヒに荷物を持たせ、お姫様抱っこで抱え上げると、なるべく人目のつきにくそうなベンチに移動した。
途中で我に返ったハルヒは、恥ずかしさのあまり、パタパタと暴れて降りようとしたが、ぎゅっと強く抱きしめると、
すぐに観念したようで、軽い怨嗟と媚を含んだ目で俺を睨んでいる。周囲からは、バカップルを見守る生暖かい視線が突き刺さる。
普段の俺なら恥ずかしさのあまり逃げ出していただろうが、ハルヒの瞳は俺の羞恥心を麻痺させるのに十分な威力を秘めていた。
664名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:10:09 ID:5ReSDadE
ちょっと行くと、ちょうどいい具合に生垣と丸テーブルに遮蔽されたイスを発見した。
これならあまり目立つことはあるまい。俺はそこにハルヒをそっと下ろして、隣に座った。
すがりつくようにぴったりと身を寄せてくるハルヒからは、男の理性を根こそぎ奪いつくすフェロモンが漂ってくる。
とりあえず、先程の続きで太ももを撫で回すと、潤んだ瞳を閉じて唇を突き出してきた。
それをわざと無視して、おでこに軽くフレンチキスをすると、ちょっと不満げに尖る唇が愛しい。
「またキスでイきたいのか、ハルヒ?とんだ淫乱だな」
びくっと震えたハルヒは脅えた様子で目をそっと開けた。軽蔑されたと勘違いしたのだろう。
その目には涙が浮かんでいる。その切なくなるほど不安げな表情を十分に堪能した俺は、謝るようにゆっくりとキスをした。
うっとりと目を閉じたハルヒは、今度は自分からおずおずと舌を絡めてくる。
その積極性をほめるように、その甘い舌を吸い上げると「んっ!」と悩ましげな声を上げたハルヒは、
顔を斜めに傾けて腕を首にからめ、積極的に唇を貪ってきた。
あえて何もせずにいると、自分の敏感なポイントを俺に教えるかのように、長く濃厚なキスを施してきた。
何度もお互いの唾液が行き来し、唇の端から垂れる。
初フェラであれだけのテクを披露した才能はここでも遺憾なく発揮され、小さな舌がリズミカルに俺の口内を舐め上げていった。
やばい、このままじゃ背骨まで蕩けそうだ。
悩ましげな吐息を漏らしながら、スパートをかけるハルヒの唇を、俺は断腸の思いで引き剥がすと、
その華奢な肩をぐいっと掴んで股間の辺りに引き寄せた。お互いの口から濃厚な唾液がたらーと糸を引く。
なんで?と問いかけるように小首を傾げるハルヒは、何をすべきか分かった瞬間、顔がぱっと明るくなり、
命令される前にいそいそと俺の足の間に挟まれるポジションに跪いた。
ジッパーに伸ばされる手を押しとどめつつ、回りを確認し、俺はハルヒを隠すように、ジャケットをふわりと膝にかける。
「これで周りからはほとんど見えないからな。さて、ブラウスのボタンを外してみようか」
興奮に上気していたハルヒの顔が強張る。
一年前ならいざ知らず、初めて好いた男に肌をさらすのが野外となれば、いくらハルヒとはいえ、嫌がらないはずがない。
「キョ、キョン!いくらんなんでもそんな、でも、その・・・」
羞恥で真っ赤になったハルヒは、両手で胸元をぎゅっと押さえ、フルフルと頭を振りながら、懇願の視線を俺に送ってきた。
やっぱり今日のハルヒは可愛すぎる。だが、その目はいじめてくださいって言ってるようなもんだぞ。
俺はその手を引き剥がすと、きっちりと留められたブラウスの第一ボタンを外した。
無理やりに怒ったような表情でこちらを睨むハルヒ。だが、ボタンを外しやすいようにちょっと胸をそらせたのを見逃すはずもない。
やれやれ、こいつは露出の素質もあるようだ。
665名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:10:16 ID:9PMtyjhU
支援
666名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:11:59 ID:5ReSDadE
ゆっくりと順々にボタンを外して行くと、ほんのりと桜色に染まった首もとから、華奢な鎖骨がのぞいた。
そのあまりのか細さに、つつっと指を滑らせると、滑らかでひんやりとした感触が脳髄にまで響いた。
「ぁんっ」
ゾクゾクするような加虐心にあおられた俺は、ボタンがはじけるのも構わずに、襟元に手をかけ、一気にバッと押し開いた。
シンプルなデザインの白いブラが白磁の肌に映える。
いつか体育の前の着替えで見ちまったときもずいぶんとグラマーだと思ったが、こいつは想像していた以上に着痩せするようだ。
1年の時の流れの雄大さに余裕をなくした俺は、真っ赤になってうつむくハルヒに命令を下した。
「自分でブラを外せハルヒ。俺に胸を見せるんだ」
ハルヒはもはや一切の抵抗を見せず、弟のわがままに仕方なく付き合う姉のような視線で咎めつつも、
どこか嬉しそうにブラのホックを外した。
朝比奈さんには及ばないものの、十分な質量を持った乳房が、拘束を解かれてプルンと弾ける。
それは見事なくらいなお椀型で、そのふくらみは胸部全体を覆うように、たおやかに広がっていた。
そして、すでに十分な大きさを持ちつつも、将来さらに豊かさをますであろうスロープの先端には、
綻びはじめた蕾を思わせる薄桃色の乳首が息づいている。
その可憐さと相反するように、何かを期待してピンと勃った乳首に手を伸ばし、
中指と人差し指の間に挟んでコリコリと刺激すると、ハルヒは堪らず甘い吐息を漏らした。
「んっぁっふぁっ」
初々しい反応が、激しく劣情をそそる。
初めて男から与えられる刺激に戸惑うように喘ぐハルヒを見た瞬間、俺の中から抑えようのないドロドロとした劣情が沸き起り、
気がついたら人差し指と親指でその華奢な乳首をつまむと、思いっきりねじり上げながら、グリグリと左右に捻っていた。
「きゃふっ かっはぁぁっん」
ハルヒが白目を剥いてビクンと跳ねる。男からは想像も付かないが、強烈な痛みを伴う刺激なのだろう。
さすがにやり過ぎたか、と反省した俺がその手を緩めると、ハルヒは下唇をかみながら、咎めるような視線を向けてきた。
だが、そこには非難よりも明らかな期待と媚が混じっている。
このマゾ女め。ムラムラと湧き上がる理不尽な怒りをそのままぶつけるように、
俺は再びハルヒの豊饒な胸に手を伸ばし、一切の遠慮をせずにグリッと鷲掴みにした。
「あはぅん!かはぁ、んっあんぁん」
ハルヒは苛烈な揉みつぶし攻めの痛みを、涙を流しつつも嬉々として受け入れ、嫌がるふりをしながら、さらに誘うように胸をそらした。
刺激になれていない柔肌が、情け容赦ない力の前に真っ赤に変色していく。
その悪魔的な美しさに、残虐なほどのドス黒い欲望が巻き起こり、俺は脂汗を流すハルヒの様子にかまわず、
無我夢中で変幻自在に形を変える豊かな乳房を蹂躙していた。
その天使のような柔らかさを十二分に堪能し、ふと我に返ると、
ハルヒは顔を涙でぐしゅぐしゅに濡らしながら、完全に意識を飛ばしていた。
667名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:14:04 ID:5ReSDadE
やばい、またやりすぎちまったのか!?
慌てて抱き起こし、人工呼吸を施すように舌をからめると、ハルヒはその刺激によって意識を取り戻したようだ。
顔から首筋、胸板のすべてが桜色に上気し、浅く荒い息でたおやかな胸が上下する。だが、その虚ろだった瞳に、
包み込むような優しさと、ゾクゾクするような劣情が含まれることを確認した瞬間、俺の中で、また何かがはじけた。
俺はまだボーっとするハルヒを無理やりひざまずかせると、その小さな頭をがっしりと掴み、喉奥にイチモツを突き入れた。
口内を性感帯とするハルヒは、その刺激によって否応なく完全に覚醒させられ、暴力的な刺激を嬉々として迎撃し始めた。
目尻から涙をこぼしつつ、突きこまれる瞬間に思い切りバキュームし、引かれるときは唇をすぼめながら、
舌を丸め、頬の裏側を最大限利用してカリ裏をこそげるように刺激する。
まったくこれでフェラ初日だからな。慣れたらいったいどこまで上達するのやら。

いったん冷静になった俺は、この口を十分に堪能することにした。
闇雲に突き立てるのではなく、ゆっくりと味わうように棒でハルヒの口をかき回すと、
俺の意図を察したハルヒは、少しバキュームを緩め、上目遣いで挑発的な視線を送りながら、
こちらの動きに合わせるように丁寧に舌を這わせてきた。
とりあえず、モチモノ検査と行きますか。
まずは、上顎裏。カリで引っ掛けるように引きずると、複雑な襞が心地良い。下の口で言えば数の子天井ってヤツかね?
まったくこんなところまで完璧だなんて、本当に器用なやつだ。
そして頬の内側。こちらは押し込めば押し込むほど、モノ全体を包み込むようにどこまでも伸び、
キュッと頬を窄めたフェラ顔からくっきりと亀頭の形が浮かび上がる。
気の強い団長様の顔を内側から愚息がかき回す様が激しく征服感をそそり、突き破らんばかりの愛しさがこみ上げてくる。
次に、唇。一度くわえ込んだら二度と離さぬと言わんばかりにキュッと棒を締め上げつつ、
その感触はあくまで柔らかく、常に密着しながら理性を根こそぎ溶かしていく。
アヒル口の女はフェラが上手いってのはどうやら本当のことらしいな。
さらに、自在に動く舌。ちょっと硬めな先っぽでコリコリと鈴口を刺激しながら、
適度にザラついた刺激と粘り気をもつ舌全体が、奥へ奥へと引き込むようにネットリと締め上げる。
てか、どうやったら1枚の舌でこんな動きができるんだ?
そして、これらすべてを掻き分けながら突き進むと、
その奥には、まるで俺の形に合わせたような狭い喉奥が、強烈締め付けで迎撃してくる。
いわゆるディープスロートってヤツだ。普通ならこんなに深く侵入されたら、苦しさで吐き出してしまうはずなのに、
ハルヒは陶酔の表情を浮かべながら、さらに奥に引き込むようにバキュームを強める。
縦構造は唇、舌、喉穴の3連コンボ。それに横からは頬が密着し、上顎裏が絶え間なくカリを刺激する。
そして、これらが一瞬の遅滞もなく見事な連携を保ちつつ、頭を大きく振りながら舐め上げるんだから、もはやこっちは打つ手なしだ。
668名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:16:20 ID:5ReSDadE
存分にハルヒの口を堪能した俺は、変幻自在に動くハルヒの頭をがっしりと固定すると、再び容赦なくガンガンと腰を打ちつけ始めた。
本来なら地獄の苦しみも、口全体を性感帯とするハルヒにとっては、すべての刺激が脳をとろかす快感となる。
壊れたおもちゃのように、なすがままにされているハルヒであったが、
その瞳は弟の手を引いて公園で遊ぶお姉ちゃんのようにキラキラと輝いていた。

「出すぞハルヒ!」
壊さんばかりに喉の最深部にイチモツを突き入れた俺は、胃に直接注ぎ込むように白濁を放出した。
ほとんど意識を飛ばしていたハルヒは、それでも条件反射で、射精直前に思い切り吸い上げる。
何倍にも加速された射精感は、何乗にも倍化された愉楽を伴ってハルヒの喉を駆け下り、
体内のすべてを染め上げんばかりにぶちまけられていった。
いったん腰を引いて喉奥から口中へターゲットを変えると、さっきあれだけ出したのに、まったく衰えを知らない濁流は、
たちまち口いっぱいに溢れ、唇の端からこぼれ始めた。
必死なバキュームで喉をコクコクと鳴らすハルヒの健気さに突き動かされるように、
俺は射精しながらピストン運動を行い、ハルヒの気の強い顔を犯し続けた。
かき混ぜられた白濁がブクブクと泡立ち、顎先から粘液が糸を引いて落ちる。
容赦なく口内を暴れまわる俺の愚息に、さすがのハルヒも苦しげに眉根を寄せた。
俺が欲しいのはその顔なんだハルヒ!
更なる欲情にあおられて後頭部を引き寄せ、止めの一撃を喉奥に叩き込むと、
最後の一滴まで放出したことを確認したハルヒは、だんだん力を失っていく俺のものを咥えたまま、ニッコリと微笑みを浮かべた。
それは泥だらけになるまで遊んできたわが子を、目を細めながらたしなめる慈愛に満ちた聖母の微笑みだった。
快感の余韻に虚脱状態に陥った俺に対し、ハルヒはきっちりとブラウスのボタンをはめながら、
お掃除フェラを施し、俺の身づくろいまで整えると、いつかのように俺の手を引いて全速力でこの場から離脱した。

「今日からは、勃ったらいつでも遠慮なくあたしの口を使うこと!オナニーなんて一切厳禁だからね!
これは団長命令!逆らったら死刑なんだから!」
へいへい。そんな極上の笑顔で言われなくても、一生そうさせてもらいますよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
おわり
支援さんくす
669名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:19:12 ID:lY1it0kC
乙です!次は本番ヨロ!(;´Д`)ハァハァ
670名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:21:04 ID:6Ei65Acw
GJ!!!
前作も好きだったし今回のイイ!!!!
エロの才能充分あると思うぞ。
671名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:22:59 ID:OuqqNwVs
エロス!←褒め言葉
つーかキスの描写だけでも充分イイ(・∀・)!!
上手いですよ才能ありますよGJ!!
672名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:52:44 ID:upfVWYHP
乙でーす。

ハルヒが…ハルヒがかわいい
673348:2007/04/12(木) 23:58:41 ID:5uVyx4tD
はわわ(>_<)
実に……良かったです(*´д`*) 最高。
674名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 00:05:41 ID:1eCGAuVE
興行収入でタイタニックと並ぶ、喉にクリトリスのあの映画を思い出した。GJ
675名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 00:18:29 ID:8PlUfO+D
やっぱハルヒはMだな
676名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 00:42:12 ID:LMaBess+
キョンに依存しているハルヒの描写が非常に良かったです。
二人の間にある信頼が感じられるので、SM系の作品にありがちな
陰惨さや後味の悪さが中和されている点もお美事です。
677658:2007/04/13(金) 00:54:27 ID:aSdXx5eZ
GJを頂いてしまったので、さらに調子に乗っておまけ。


翌日、ずいぶんと長くかかる朝比奈さんの着替えの間に、
一日中笑顔だったハルヒに負けず劣らず、ニヤニヤと嬉しそうなスマイル野郎に話しかけられた。

「昨日はお楽しみでしたね」
!!!!
「おっと、そんなに怖い顔をしないでください。機関の者は何も見ていません。
昨日、護衛チームから、あなた方の存在を一時的に喪失したとの緊急連絡を受けたんですよ。
それで異常事態として関係者一同、長門さん宅に集合したわけです」
あーそのなんつーか、やっぱり長門は全部見てたんだよな。
「まぁそれが彼女の任務ですからね。もっとも、あなた方の周りには、非常に強力な情報遮蔽フィールドが張られていたそうで、
朝倉さんを非常招集してまで頑張った長門さんですら、漠然としたことしか分からなかったそうです。
ちなみに抽出した情報の解析を試みた喜緑さんは、今日は過労でお休みです」
でも、いったい何でそんなことを教えてくれるんだ?
「おやおや、やはり他の方々の様子には何も気づいていませんか。
昨日、女性陣の会話を小耳に挟んでしまいましてね。こいつはちょっとした忠告なんですよ」
そのザマアミロとでも言いたげな、初めて見る偽りじゃない笑顔が非常に癪だが、ありがたく承ろうじゃないか。
「ご存知の通り、涼宮さんは中学時代に友人を遠ざけていましたからね。性的な知識には、かなり乏しいわけです。
そこで、朝比奈さんと鶴屋さんが、お姉さんとして教えてあげることになったようなんですが・・・。
言うまでもなく、涼宮さんが信じたことは実現しますからね。
一晩にリボルバーじゃ物足りないわよね、フルオートで25ヤードピンヘッドが常識でふゅ、という程度ならまだしも、
ダース単位ならさすがのハルにゃんも援軍がほしくなるに違いないっさ、それならグロス単位で数えるべき、
いいえこの1ゼプト秒に16ヨタ回変化する流動的情報素子を解く鍵を得るには、それ相応のサンプル数が必要です、
なんて会話を耳にすると、同じ男としては、さすがにちょっと冷や汗が止まりませんでした」

おい、まさか今、中では・・・
678名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:22:19 ID:IZblgex4
>>668
ぬいた!
本番よりエロス
679名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:27:16 ID:vhXyXAIf
>>613
播磨ってなんて読むんだ?
680名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:31:57 ID:1eCGAuVE
>>679
播磨=ハリマ 「ああ播磨灘」といふ相撲漫画の主人公
横綱であり、金髪ツインテールやアホ毛ヒロインとの大一番が人気
681名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:37:39 ID:g3aMXLys
 夜風に頬を撫でられ、俺は大きく欠伸をした。
 自転車を押しながら再び欠伸をひとつ。
「どうしたんだいキョン。随分と眠たそうにしているが」
 隣を歩いていた佐々木が、面白がるように微笑を浮かべてそう訊ねてくる。
「今日は授業中も欠伸の連続だったね。夜更かしでもしているのかい?」

 そんなところまでわざわざ見てるのか。ご苦労なことだね。
 俺はつい先日買ったばかりのゲームに熱中していて、ちょっと攻略に詰まっていた。
「ああ、ゲームなんだがな。なかなか面白くてつい」
「へぇ、そうかい」
「お前もやってみるか? 面白いぞ」
「いや、遠慮しておこう。君が遊興に耽っているものに興味が沸かないでもないが、生憎僕はゲームのようなものは時間の無駄だと思っているのでね」
「時間の無駄ねぇ……」
 確かに無駄といえば無駄だろうが、そうあっさり言わなくてもいいじゃないか。
 高橋名人の言いつけなんか無視して一日何時間でもやってる俺なんか、今まで一体どれだけの時間を無駄にしてきたんだろうね。
 いやいや、計算するのが怖い。

 いっそ適当に計算してみようかと思ったが、単純な計算でさえも今なら間違えてしまいそうな気分だ。
「本当に眠そうだね。夜はちゃんと寝たほうがいい。健康のためにもそうあるべきだ」

 俺と佐々木は近道のために、公園へと進んだ。塾へ行く時は通らないのだが。
「ほいっと」
 公園の入り口にある数段の階段を、自転車の前輪を浮かせて通過させる。
 夏の夜空が俺たちの頭上を覆う。ふと見上げれば、星が綺麗に散りばめられていて、なんとなく自分がちっちゃくなったような気がしてしまうね。
 俺たちの他には誰もいないのか、随分と静かで、どっかで鳴いてる犬の声くらいしか聞こえてこない。
682名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:38:17 ID:g3aMXLys

「ところでキョン」
「んあ?」
 何度目かわからない欠伸が混じった声が出てしまう。佐々木はちょうど頭の上にある夜空を嵌め込んだような瞳で、じっと俺を見つめていた。
「君は週に何回くらいマスターベーションをするんだい?」
「……5回くらいだな」
 って、何マジメに答えてるんだ俺は。

「お前、いきなり何を訊いてくるんだ」
「そうか、週に5回か。そういうものなのか。いやなに、参考になった」
「参考になったって、お前……」
「キョンも既に精通しているだろうし、となれば日々自慰行為に勤しんでいるんだろうと思ってね。しかしそうなると、僕がたまに触れる君の右手は、自身の性器を扱いていた後のものだったのかもしれないな」
「ちゃんと洗ってるぞ、手は」
 大体、そんなこと気にしてたら男はみんな握手なんかできねぇよ。
 なんでいきなり猥談なんか始めやがる。つっても、こいつが言うとあまりいやらしさは感じられない。
 例えるなら保健体育の教科書に載ってる女の裸と、エロ本の差か。って、俺は何マジメに考えてるんだろうね。

「ちなみに僕もそのくらいの頻度だ」
「何がだ?」 
「マスターベーションだよ」
「……そ、そうか」
「君が答えたのに、僕が答えないのはアンフェアだろうと思ってね。君にとっては知りたい情報でもないだろうが」
 ああ、特別知りたいと思う情報ではないな。
「まぁ友人同士、こういう話題も別に構わないだろう。むしろ、自らの内面に近い性の話題は、互いの距離を縮める良いアイテムだと思うけれどね」
「そうかよ」
 佐々木は目を細め、狐じみた笑い声を漏らした。

「ところで、君は誰を想って自慰に耽るんだい?」
「はぁ?」
「俗に言うならズリネ」
「言わんでいい」
 佐々木の言葉を遮る。一体どうしたというんだ佐々木は。俺と同じように、眠気に頭をやられてるんじゃないだろうか。
 猥談自体は別に構いやしないがな。
683名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:39:13 ID:g3aMXLys

「岡本さんかい? 彼女はかわいいし、気立てもいい」
「岡本? なんであいつなんだよ。お前が何を考えてるのか知らんが、普通は知り合いをそんな風に、あれだ。考えたりしないだろ。普通にエロ本だよエロ本」
「……そうなのか?」
「そうだろ普通は」
 後はAVくらいか。
「そうか、なるほどね。男性は視覚からの情報によって性欲を誘引されるというが、なるほど。そういうものなのか……」
 妙に関心したように、佐々木は顎に手を添えてやや視線を落とした。

「ちなみに僕はねキョン、君を想って自慰に耽るよ」
 唇の端を引いて、佐々木は目を細めた。
「俺の裸なんか思い浮かべて楽しいか佐々木よ」
「楽しくなんかないね。ふふ、どうやら男女では随分と性欲を起因させるファクターに差があるらしい。君は視覚から得る情報を多大に評価しているようだが、僕はそうでもない。いや、女性一般がそうなのかな」
 ふいと手を振って、佐々木はそう言った。
 静かな夜に、俺たちの硬い足音だけが地面から聞こえてくる。街灯の薄いオレンジが道を照らしていて、そいつらが時々くしゃみをするように途切れたりを繰り返していた。

「最初はただ、疲労感から妙な、いや、むずむずするような気持ちになってね。それが何かはよくわからなかったが、自分の体に触れていると気持ちが良かった。ああ、その時は特定の箇所を触るといったようなものではないよ。
 そんなことが何度かあって、たまたま君のことを考えていたらより気分がよくなった。その時、ようやく自分の体が性欲に蝕まれていることに気づいたのさ。
 驚いたさ。あまり意識していなかった性欲というものを、僕ははっきり感じることが出来たんだからね。三大欲求のひとつに数えられる性欲だ。僕の手は自然と胸や股間に伸びた。
 柔らかく触れてみたり、さすってみたり、それだけで快感を覚えることができたよ。そんな感じだったね」

 突如として自分のオナニーを語り始める佐々木。大丈夫かお前は。そう言いたくもあったが、こいつが変わり者なのはよく知ってることだし、興味が無いわけでもない。
684名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:40:57 ID:Ug+X/WB0
支援
685名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:41:01 ID:g3aMXLys
「それから、まぁさっきも言ったように、週の何回かの頻度で僕は自慰行為をしているわけさ。ちなみに、僕の妄想の中での君は、僕が知る君よりも乱暴物だね」
「人を勝手に乱暴物にしないでくれ」
「ふふ、いいじゃないか。ただの妄想だよ。妄想に罪は無い。そうだね、先日はこの公園で君に犯されることを想像したよ。ほら、見てくれ、あそこに少し大きな木が生えてるだろう」
 佐々木が指差した先には、確かに木があった。暗くてそいつの周りはよく見えなかったが。
 
「君は突然僕の手を掴んで、あの木の辺りまで連れて行くのさ。どうしたんだいキョン、不意な行動に狼狽した僕に構わずあの辺りまで僕を連れてくると、君は突然ズボンを脱ぐ。
 そして屹立した男性器を僕の目の前に晒すのさ。さすがに勃起した実物を見たことがないので、このあたりは僕の想像力の限界を感じざるを得ないが、まあそれはいい。
 とにかく、君は僕を暗がりへ連れ込み、男性器を晒し、僕の髪を掴む。あろうことか、キョンは僕の顔を君のペニスへ近づけるのさ。
 僕は怯えながら、どうしたんだキョン、と弱弱しく声を出す。荒い息だけしか帰ってこない。友人の豹変に戸惑いながらも、僕は君のペニスから目が離せない。
 君は何を思ったのか、舐めろ、と命令する。僕の髪を掴むキョンの手に、さらに力が込められる」

 時折、妙に感情の混じったセリフを発しながら、わざわざ妄想の内容を披露する佐々木。

「力では敵わない。ああ、僕はキョンの言うとおりにするしかなかった」
 いやいや、蹴飛ばしてでも逃げろよ。俺くらいならなんとかなるぞ。
「……これは僕の妄想さ。残念ながらリアリティには欠けているだろうけれどね。そして僕は君のペニスに舌を伸ばすのさ。
 舌先で、怯えた子猫がミルクの入った皿に舌を伸ばすように、おっかない仕草でね。舌がキョンの性器に触れると、君の性器が一度びくりと震えた」
 そんなに動きやしねぇよ。
「何度もぺろぺろと舐めたさ。こんなことをするのは初めてだ。ああ、ちなみに僕は処女だよ。オーラルセックスの経験もない」
 オーラルセックスってなんだ? なんでそんな言葉を知ってるかねこいつは。元々語彙の豊富な奴だったが。

「キョンはぎこちない僕の動きに業を煮やし、掴んだ髪を一気に引き寄せて、僕の口腔へ自らのペニスを突き立てる。
 突然のことに驚き咽る僕のことなどおかまいなしに、君は僕の頭を掴んで性器を出し入れする。少しだけ慣れてしまったのかもしれないが、僕もその動きに応えるように舌を這わせて、唇を窄める。
 ああ、なんてことだろう。僕は君の行為を心で受け入れてしまっていた。太く硬くなったキョンのペニスを舐めることに、大した抵抗もなくなっていたのさ」

 いや常識で考えれば気持ちの悪いことだと思うがね。そう簡単に受け入れるなよ佐々木。お前、犯されてるじゃないか。
686名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:42:06 ID:g3aMXLys
「僕の口からペニスを引き出したキョンは、僕を見下ろしてにやりと笑う。僕の唾液で濡れた性器が、夜のわずかな光に煌いていて、それがとてもグロテスクに見えた。
 キョンは僕を立ち上がらせると、あの木に僕を押し付ける。そして、僕のスカートを後ろからめくりあげた。
 やめてくれ、そう言った僕の言葉なんか聞いていない。君は僕の下着に手をかけると、それを引き摺り下ろした。ああ、僕の下半身が外気に晒され、そして君の視線に貫かれる。
 君が何をしようとしてるのかは解っていた。けれど、僕は抵抗も出来ず、いや、する気がなかったのかもしれない。
 キョンになら、僕は犯されてもいいと思えた」

 思うなよ。そんなすぐに諦めてたら、大変なことになるぞ。
 佐々木は立ち止まって話しを続けた。俺もそれにつられて立ち止まる。瞳を輝かせて、ふっと夜空に視線を移す佐々木。
 
「僕の腰に両手を添えた君は、後ろから、僕の体を貫いた。処女喪失の瞬間だよ。身を裂くような痛みに悲鳴をあげる僕の体を、君は一心不乱に腰を振って、ペニスを突き立てる。
 痛いっ、やめてくれ。そう言いながら、僕は木によりかかり、背後から僕を犯すキョンの熱い息を感じる。腰と腰がぶつかる音が次第に間隔を狭めた。
 僕の体に、キョンのペニスが入ってきている。そう思うと、体が熱くなった。肉体的な痛みと、精神的な痛みの二つに襲われる。
 信じていた友人が突然僕をレイプしたんだからね」

 そんなことしないから安心してくれ。俺は女に優しい男と評判なんだぞ。主に妹から。それと妹の友人。

「キョンの息の荒さが際立ってきた頃だ。君は、もう出る、と呟く。その意味を理解するのに、ゼロコンマ7秒はかかった。
 それだけはやめてくれ、キョン、やめてくれ。叫ぶかのように僕はそう言葉を放った。けれど君には届かない。僕の膣内で君の性器がびくびくと暴れまわった。
 そして暖かさを感じた。君がふぅ、と成し遂げたように息を漏らし、僕はああ、と嘆きの声をあげる。ようやく僕の膣からペニスを引き抜く。
 ぬめった音がした。僕はくず折れてその場に手をついた。そして、僕を犯した男を見るために振り返ろうとして、中途半端に膝あたりでひっかかった下着に足を取られる。
 キョンは、まるで教室で一緒にいる時と同じように微笑んでいた」

 そんなに笑ってる印象は無いんだがね。
687名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:42:55 ID:g3aMXLys
「ああ、そして君は自分のペニスを手で掴むと、再び僕の眼前に突き出した。キョンは何も言わない。でもその行為が意味することはわかっていたのさ。
 これを舐めろ、ってね。僕の破瓜の血でペニスは赤くなっていた。それに舌をつけろと言うのだ。
 ……僕は何も言うことが出来ず、従った。屈辱だよ。僕を犯した男の性器に、舌を絡ませて、付着した血液を舐め取るんだからね。
 涙が出そうだ。でも、僕は自分の行為を止めることができなかった。いや、それどころか娼婦のように君のペニスに指を絡ませ、舌の腹で全てを舐めた」

 感極まった指揮者のように、佐々木は腕を広げた。呆けたように空を見上げ、きらきらと輝く瞳がわずかに濡れているように見えた。
 おーい、佐々木。大丈夫か?
 そして佐々木は広げた腕を狭め、胸の前で組んだ。喘息に襲われたかのように苦しげな表情を作る。

「僕は君に屈した。君の奴隷になったのさ」
 暗黒時代じゃあるまいし、奴隷もなにもあるものか。全人類平等だと学校で教わっただろう。それに、犯されたのなら警察に行ったほうがいいんじゃないのか。
「それからというものの、僕は学校のトイレや、塾のトイレで、君のペニスを舐めさせられた。もう君のペニスを口に含むことに抵抗なんかなかった。
 むしろ、喜びさえ感じていたのかもしれない。そのまま君を射精に導き、放たれた精液を僕は飲み込んだ。そんなことが何度も繰り返された。
 僕の両親が出張で家を空けた日には、君は僕の家へやってきて僕を犯し続けた。もうこの頃には僕は自分から腰を振ることを覚えていた。
 学校や塾で会う時は普通の友人さ、けれど二人きりになったらキョンは僕の体を貪る。若い君のことだ、加減もせずにせっせと僕の膣にペニスを挿入するだろう。
 君は自身の性欲を、果てなく満たすことが出来る道具を手に入れたのさ。いつでも自分のペニスを舐めてくれる女の子をね」

 佐々木はくっくっく、と含み笑いを漏らし、肩に提げた鞄を背負いなおした。
688名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:43:58 ID:g3aMXLys
「あのな、佐々木」
 俺は自転車のサイドスタンドを立ててから、佐々木の肩に手を置いた。
「おや、どうしたんだい?」
 にやにやと笑う友人をわずかに見下ろす。
「いいか、男に襲われそうになったら、まずは逃げろ。それからまず、絶対人気のないようなところに行くんじゃない。その、あれだ、犯されなんかみろ、もしかしたら妊娠したりするかもしれないし、そうなったらお前の人生とか体にとって大きな傷になる。
 そんなことになったら、お前もお前の両親も、俺も、心が痛むし、犯人を憎む。正直、お前がそんな目に遭ってみろ、俺は怒り狂って犯人を殴りに行くぞ。
 襲われたら、抵抗しろよ。相手が一人だったらな、金的を打てば勝てるから。そもそも、まずは襲われないようにするのが先だな。
 一人で夜出歩くのは危険だぞ。今はまぁ、俺がいるけど、正直俺じゃ暴漢に勝てるかどうか自信はない。けどまぁ、時間稼ぎくらいにはなれるさ。俺がボロボロにやられてる間に逃げてくれ」

 きょとんとしている佐々木。ちょっと頼りなかったかね。俺はひとつ咳払いをして、
「とにかく、そんな簡単に諦めるな。絶対に抵抗したり、助けを呼んだりしろよ。な?」
「あ、ああ……。そうだな、そうするよ」
「見た目も良いんだし、そこらへん自覚しとけよホント」
 夜風が吹いた。佐々木から、いつもとは違った香りがした。香水でもつけてるんだろうか。

「ちょっと寒くなってきたな。帰ろうぜ、お前のとこの門限も、もうすぐだろう。バス間に合わないぞ」
 俺はサイドスタンドを外すと、自転車を押して歩き始めた。
「ああ、別に急ぐ必要はないんだ。今日は両親が出張で留守にしていてね、ゆっくり歩いて帰ろうと思っていたのさ。バス代ももったいないしね」
「そうなのか。じゃあ家まで送るぞ、乗れよ」
「……ああ、なるほど。わかった、じゃあお言葉に甘えよう」
「なるほど? なんのことか解らんが、さっさと乗ってくれ」
689名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:44:49 ID:g3aMXLys
 後ろの荷台にちょこんと腰掛けたのを確認すると、俺は一気にペダルを踏み込んだ。夏の夜の風が気持ち良い。
 点け忘れていたライトを、足で蹴って点灯させると、ジーッというモーターの回る音がした。さすがに人を乗せて、ライトまで点けるとペダルが重いな。

 俺は佐々木に道を尋ねながら、およそ20分ほど走り続けた。家まで送ると言ったことを少しばかり後悔したのは、額を流れる汗が何条かわからなくなった頃だった。
「そこだ、そこが僕の家さ。ああ、自転車はそこに停めておいてくれ」
 俺の家よりかは立派な三階建ての住宅を前に、佐々木はそう言った。ゆっくりとブレーキをかけて停まると、佐々木は体を自転車から下ろした。
 少し疲れたからか、再び眠気に襲われて欠伸が出た。ああ、そうだ。やりかけのゲーム、さっさと家に帰って続きをやろうと思ってたんだ。

「さぁキョン、どうしたんだ? 疲れただろう。お茶を出すよ、あがってくれ。汗が気になるのなら、シャワーでも浴びてくれればいい」
「いや、遠慮しとく。さっさと家帰ってゲームやりたいしな」
「……ゲーム?」
「ああ、ちょうどいいところでやりかけなんだ。じゃあな佐々木、また」
「え? あ、ああ、また明日……」

 俺は片手を挙げて、来た道を引き返した。
 その後、ぶっ続けでひたすらゲームをやり続け、落ちるように眠り、翌日妹のフライングボディプレスを鳩尾に食らって悶絶した挙句の果てに遅刻した。



「なぁキョン。君が言ってたゲーム、もしよかったら僕に貸してくれないか?」
「ああいいぞ、もうクリアしたしな。ハードは? 無い? じゃあそれごと貸してやるよ。お前も勉強ばっかりじゃなくて、たまには息抜きしたほうがいいからな」
690終わり:2007/04/13(金) 01:46:28 ID:g3aMXLys

「なんていう詰まらなさだろう。僕はこんな幼稚なものが存在していることに怒りを覚えるね。そもそも、仮想現実の世界での物語に一体どれほどの価値があるというんだ。
 シナリオも十分ではないしご都合主義。これなら薄っぺらい娯楽小説のほうがよっぽど愉快さ。ああ、こんな物に時間を費やした自分が愚かに思えて仕方ない。
 キョン、これは君にも言いたい。君はこんなものに熱中していたのかい? 今すぐこんな無意味なことに時間を費やすのは止めるべきだね。人にとっての時は有限だ。慎重に取り扱うべきものだろう。
 特に僕たちのような受験を控えた生徒にとって、時間こそが命綱の強度と言ってもいい。
 とにかく、僕はこんなくだらない物を認めない。こんなくだらないものに熱中していた君もね」

 せっかく貸してやったのに、なんていう言い草だろうねこいつは。
 クリアもせずに途中で放り投げたとかいうから、多分攻略できなかったんだろう。だからこんな言い方になるのかもしれない。
 俺も、一度は諦めかけたからな。あそこだけは本当に辛かった。どうすりゃいいのかサッパリわからなかったからな。

「なぁ佐々木」
「なんだいキョン」
「水の神殿の仕掛けだけどな。あれはブロックをちゃんと移動させて水の流れを整えてからじゃないと進めないようになってる。まぁそれが大変なわけだが、お前ならなんとかなるさ。もうちょっとやってみろよ」
 佐々木は絶句して、大きな目を見開いて俺を見ていた。そして次に目を細めて、俺を睨みつける。

「キョン、もし将来、君に恋人が出来たら、すぐ僕に紹介してくれ。是非その尊顔を拝みたい」
「いきなり何を言い出すんだお前は」
「おそらく君にはね、周囲を巻き込んでまで自分の理想を追求し、自己中心的で他人の意見を聞き入れるようなことのない、独特な価値観を持ってる人が向いてるよ」
「そんな奴には関わりたくねぇよ。こっちから願い下げだね」


691名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:50:10 ID:Ug+X/WB0
乙!
佐々木かわいいよ物凄く
692名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:56:10 ID:99wkcSHO
なんてフラグクラッシャー……
693名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 01:56:22 ID:tbmmvVCH
GJ!
佐々木かわいいよ佐々木
ゲームに負けたからって気にするな

キョンのヘタレぶりに怒りを覚えるw
694名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 02:01:20 ID:YU5r16er
キョンはもう一度朝倉に刺される刑に処すべきだな
695名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 02:04:08 ID:0iJzgAs0
キョンは、ものすごいフラグクラッシャーだな。
696名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 02:41:47 ID:/7F4qx1w
いや、でもここで引くのは健全な反応だとも思う ヘタレは否定できんが
697名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 02:44:57 ID:1oCXKCnp
これはもうアッー!としか思えないだろキョン…
698名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 04:03:09 ID:vhXyXAIf
>>680
そんなんあるんだ、勉強になった
699名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 04:03:29 ID:RPDvUAcc
佐々木は言葉攻めの達人なのですか!!
700名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 04:17:00 ID:UKL8E3tZ
>お前、犯されてるじゃないか。
その発想は無かったわ。

しかしまあ、ぶっ通しでゲームをやり続けた辺りにキョンの苦悩が感じられるか‥‥‥。
701名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 04:52:51 ID:0+PpxShA
これはまたなんというフラグクラッシャー。
でもキョンの説教からは佐々木を大切に思う気持ちが伝わってくるな。
そういう点では好感がもてる。
702名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 05:30:32 ID:OEWAdHZG
こんなに佐々木がいじらしくて、キョンが誠実に馬鹿で、
滑稽なやり取りされたら、ああもうw
これいいわ、最高w
703名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 06:37:44 ID:OoD3WC91
次は本番きぼん!

(;´Д`)ハァハァ
704名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 06:42:04 ID:HSV8QkWT
フラグへし折ってるというか………根本から引っこ抜いて破砕した後さらに焼却してるぞ。
705名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 06:48:13 ID:uC6uVwOn
これは良いな
うん、実によい
706名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 06:49:50 ID:IipLDdKE
オチてて面白いんだが
これだけで導入部を使い捨てにするのもなんだかもったいない。
せっかく丁寧に描ききれているんだもん。
気が向けばイフモノでキョンが佐々木の家に上がった場合も是非書いてほすぃ
707名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 07:17:29 ID:OEWAdHZG
不粋なやっちゃなあ。
歳幾つよキミ?
708名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 09:29:47 ID:DZ4Lt/Gz
キョン……
お前は最高だよ…
709名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 09:31:47 ID:8H9y/ha1
なんか変なのが出来上がった。題名からはズレた。
鬱系? サイコホラーみたいな感じ。苦手な人はスルーよろしう
710名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 09:33:17 ID:8H9y/ha1
『説得失敗の橘』

「あなたは涼宮ハルヒさんに、あんな力を持たせていたいのですか?
 それであなたは、いつまでも涼宮さんに振り回されていたい?
 解っていますか。振り回されるのは、この世界全てなんだってこと。
 だからですね。あたしは涼宮さんが改変能力を発揮したりしないようにしたいの。
 そうしたら、あなただってビクビクすることもなくなるのです」


 祈るように見上げてくる橘京子に俺はこっそりと嘆息した。
 ぜぇはぁと息を切らしながら必死の説得を試みる少女に、一抹の気まずさを覚えてやまない……。
 なんと説明したらいいんだろうな?
「ふむ、キョン? キミにはなにやら思うところがありそうだね。
 苦い顔をするのはコーヒーが届いてからでも遅くは無いだろう。
 まだ幾ばくかの時間が必要のようでもあるし、ぜひ開陳してみてはどうかな?」
 佐々木に柔らかく促され、座り慣れているはずなのに普段よりも居心地の悪い椅子の上で居住まいを正した。
「あぁ、なんというかな。つい最近……でもないが……。
 去年の年末のことなんだが、数日間だけ平和な日常と呼べるかもしれない世界を体験した事があるんだ。
 宇宙人も未来人も超能力者も神様もどきの存在も、ただの人間になっちまった、そんな世界をな」
 橘がきょとんとした表情で固まっている。まあそうだろう。こいつの説得の骨子は『アブナイ奴よりマトモな人格者に力を』って事だったからな。
 だが、俺がいま語ったのは――。
「橘さんが言うところの『世界を改変する力』そのものが存在しない世界ということかい?」
 そういうことだ。さすがにこいつは話がはやい。
「それだけじゃない。さっき言った特殊なステータスを持った連中も、軒並み一般人的な生い立ちの普通の人間になってたのさ。
 不思議なパワーなんてどこにも存在しない、思い付きで気付かないうちに太陽が二つになったり、勝手に祭り上げた神様に一喜一憂する事もなけりゃあ、成層圏やら時間の壁を超えてまで観察しに来るようなことも無い、そんな世界だ。
 寝ぼけてたわけでもないし、違う世界に行ってきたわけでもない。
 そのままほっとけば、今だって平穏な世界に落ち付いていたかもしれん」
「そっ、そんなの、改変する力を悪用したからじゃないのですかっ!!」
 椅子を跳ね飛ばして立ち上がった誘拐少女の言葉に思いっきり顔をしかめてやった。
「ハルヒが世界を変えたわけじゃない。たぶん、そいつにも出来るんじゃないか?」
 テーブルを挟んだ向かい側に、立地を無視して発生した洞窟の入口みたいな漆黒の存在に顎をしゃくってやった。
 正確にはハルヒの力を長門が流用して行われたんだが、説明して無駄に知恵を付ける必要もあるまい。
 それと、誘拐犯が悪用って言うな胸糞悪い。
「だけど今は平穏な世界としての連続性を維持していない。
 つまりキミはその世界を看過しなかったんだね。むしろキョン、キミが、かな?
 橘さんの反応を見る限りでは、世界は一度こちら側を選択され、それに立ち会ったのはごく限られた人間のようだ。
 そしてその中にはキミも含まれている。違うかい?」
 違わないさ。
 しかし、頭の中から捻り出して口からこぼすと随分と大仰な響きになるもんだな。
 単純に知り合いの配置が気に食わなかった、そしてそんな知人との積み重ねを失いたくなかった、その程度の視野で判断しちまったってのに。世界の選択なんて大袈裟には考えてもみなかった。
「期限付、一回こっきりの選択肢が、たまたま俺の前に飛び出してきただけだ」
 実際は探し回って奔走したんだけどな。
「俺にとっては世界を戻すって一択しか思い付かなかった。だから、今のままなのさ」
 橘がストンと椅子に腰を下ろすのが見えた。良かったな、椅子が派手にズレてたら、呆然とした表情も台無しのコントになるところだ。
「やはり面白い。キミはとても面白いよ。できるなら聞かせてくれないかな?
 一連の状況をと言いたいところだが、まず、どうしてこちらを選んだのかということを」
「さぁて」
 寝物語に童話の続きをせがむ童子の如くきらきらした瞳を向けてくる佐々木を傍らに、口を開いて気軽になってきた俺と入れ違いで居心地悪そうにしている橘へ、少しばかり意地悪な笑みを送ってやった。

「こっちの方が面白いと思っちまったのかもな」
711名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 09:34:24 ID:8H9y/ha1

「んん……! も、もうっ!」
 話の腰、というか説明と説得の背骨を折られた橘は、協力者らしき未来人と宇宙人には陰気な無視と無機質な無反応を返され、崇め奉る神様本人のくっくっと喉を鳴らす独特の笑い声を聞くに及んで、勢い良く顔を上げた。
「手を出して。体験してみればわたしが言ってることを理解してくれるはずです」
 まずお前が理解しろ。誘拐は大罪で、あの時の恐怖と不安と焦燥と絶望はどうやったって拭えるわけが無い。
 加えて佐々木本人がいらんと言ってるのに、俺が犯罪者の言い分に納得する理由がどこにある。
 謝罪されたからといって和気藹々唯々諾々と同調すると本気で思ってるなら、古泉の機関で切開して脳に直接書き込んで貰ってこい。多分保険が適用されない上に、縫合無しかも知れないが。
「キョン、橘さんの言うとおりにしてあげてくれないか。なんだか可哀想になってきた」
 古泉で思い出したが、橘は敵対勢力の中では誘拐否定派だったか。なら、少しくらいは妥協しておくか。
 佐々木の言に頷いて手を伸ばした。俺も可哀想に思えてきたからな。
「目を閉じて。すぐにすみます」


「で、見たのかい? 僕の内面世界とやらを」
「ああ」
 幻覚でなけりゃ、行ってきた事になるんだろう。
 俺が閉鎖空間に入った経験は二度。
 古泉と入った時は、閉鎖空間の崩壊と共に現実に復帰した。終幕はマッガーレスペクタクルだったな。
 ハルヒと行った時は……まぁ、ジークムント先生の哄笑が聴こえたくらいだ。この時は世界から消えてたハズなんだが……はて?
「感想はあるかい?」
「まぁ、いろいろと」
 侵略型宇宙ガエルの曹長みたいに「くっくっ」と笑うのはいいが、佐々木、俺はあまり笑える心境からは遠ざかってきたぞ。
「お恥ずかしい限りだよ。心の中を暴かれたも同然だ。収穫はあったのかい?」
「どうなんだろうな。まず、そこの誘拐少女に聞きたいんだが、いいか?」
 キラキラが四割ほど減衰した瞳で見上げてくる佐々木から、氷水……氷をガリガリと咀嚼して喉を潤している橘に視線を振った。
「橘です。なんですか?」
「あぁ、スマン。キッドナッパー橘に聴きたいんだが、古泉の……ハルヒが発生させた閉鎖空間にも入ったことがあるんだよな? そして古泉が今の閉鎖空間に入った事も」
「キョウコ・橘です。えぇ、先程お話した会合の時に。お互いの閉鎖空間には相手側の引率が無いと入れませんが」
「お前は赤玉になったりは出来るのか? つまり、古泉の側の閉鎖空間に入ったなら解るだろうが、あんな風に空を飛びまわったり出来るのかってことだ」
「出来ませんよ。そんな必要が無いのですから。佐々木さんの世界ではあんな破壊――」
 駅前に発生する熱心な勧誘者へと変貌しかけた橘の言葉を遮る。
「まず質問にだけ答えてくれないか。無人の世界だ、電灯や自動ドアから電気が来てるのは解ったが、バスや電車は動かないだろう。バイクや車は動かせるのか?
 いや、まどろっこしいな。あの世界はどこまで広がっている?」
「確かめた事は……。あ! 解りました! 古泉さんが言っていた事ですね? 閉鎖空間が世界全部を覆ってしまったら――」
「世界そのものが崩壊する、解ってしまうんですとか言ってたな。そしてお前らの方はアレがどこまで広がってるか知らないと来てる。
 その中心が佐々木だと解ってるなら、海外旅行にでも行って空間の端を確かめたりはしなかったのか?」
「そんな予算は……。いえ! そんな必要はないじゃありませんか! 佐々木さんの閉鎖空間はあちらの物騒な物とは違うのです。わたし達には解ってしまうのですから」
 少し痛い所を刺激されたのか落ち込んだ橘だが、すぐに気を取り直してパタパタと身振りを加えて力説してくる。
 だが……古泉に対応する表裏にしてはちと頼りないな。古泉にはいつも気の回し過ぎや考えすぎを指摘しちまうが、橘には逆の指摘を打擲として加えたくて仕方が無い。
「橘、お前はハルヒが『能力』を独占していると言ったな。そして佐々木が持つのが相応しいと」
「は、はい。わかってもらえましたか?」
 まともに呼ばれてどんだけ嬉しかったのか知らんが、高速で左右する尻尾まで見えそうな顔をするな。古泉なら笑顔の中に憂慮を滲ませるシーンなんだぜ。
712名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 09:35:25 ID:8H9y/ha1
「そうじゃない。佐々木が『能力』を受け取ったら、あの世界も多少は変化するんじゃないのか?
 『能力』を持ってない現状で能力者とあの空間を作り出せた理由は謎だらけだが、古泉側の例の暴れん坊が、お前の言う能力の移動で出現する事が無いと言い切れるのか?
 古泉が言うには、あれはあれで理性的な思考の発露だと言ってたぞ。現実でなく、限定空間で暴れるからこそ被害が最小限で済む、ってな。超能力者が肝を冷やす以外はさほど影響がないらしい。
 だが、佐々木がハルヒの『能力』を受け取った時……既にあの空間が世界を覆っていたらどうなるんだ?」
 あっちの空間の進行が既に完了していたら、それは世界の崩壊を意味するんじゃないんだろうか。
 佐々木の閉鎖空間は確かに光に満ちていた。だが、あの神人の活動すら求めてしまうほどの寂寞感・寂寥感にはとてもじゃないが馴染めそうにない。
 ハルヒがストレス発散で壊す為の箱庭を造るのはまだ理解できる。そこに生き物が存在しない理由もだ。
 だが、そうすると佐々木があの世界を造る理由が無い。観察や散策なら無人である必要も――いや、それが邪魔と感じていたら? それこそが理想だと考えたなら……。
 超能力者の「なぜか解ってしまうのだから仕方ありません」。これは信じるとしよう。しかし橘の発言には希望的なバイアスが否めない。特に状況が変化した後の予測については。
「佐々木さんはそんなことを望むような人物ではないのです!」
「それはハルヒも同じだ。超能力者でなくても解る。今も世界がそのまんまなんだからな。
 それでだ、今度は佐々木に聴きたい。あの空間が発生した四年前からこっち、大きなストレスを全く感じないで過ごして来たのか?」
 こいつを言い表すのに泰然自若ほどピタリな言葉の浮かばないが、それでも心的動揺を促す出来事の一つや二つはあっただろう。
 佐々木にだって苦手な人物傾向があると本人も語っていた事だし、なにより精神的に大きく変容するこの時期にフラットな精神状態を維持していたというのなら、それこそなんらかの精神異常を疑わざるを得ない。
 精神状態が起伏を失って平坦になるというのは精神障害の前段階として有名だ。そのまま無感動に陥るか、大きな振幅を顕わすかは個人の――
「そうだね。どの程度で内面世界とやらに影響を及ぼすのか僕には知り得ないのだけれど、それなりにストレスを感じる出来事は相応に経験してきた、とは思うのだが、概ねフラットな精神状態を維持してきたとも自覚しているのが実情だ」
 ストレスを感じても神人が現れないのなら、それで橘側の閉鎖空間の不完全さを示唆出来ると思ったんだが……佐々木の返答は意外なものだった。
「僕からも質疑を挙げさせてもらおうか。涼宮さんが不可思議な能力を開花させたのは僕と同じ時期のようだが、きっかけになった出来事が彼女にもあったとすれば、キミには思い当たる節があるのかな?」
 キラキラの全力展開時から比較すると、残存勢力二割といった瞳を向けてくる佐々木に俺は背筋を震わせた。
 佐々木の表情は笑顔の分類に入るのだろうが、それでもテンションが……いや、雰囲気が底冷えのするものへと変質し始めている。
 いや、まず佐々木の質問について考えてみるか。
 そういえば詳しい時期を問い詰めた事は無かったな。中一の七夕には遡行出来たわけだからそれ以前なんだろう。長門が「有希」の名を選んだのは最初に雪を観測したかららしい。すると冬以前……小学生か? 思い付くのは……。
「ハルヒが小学六年の事を語ったヤツかな。今のハルヒをハルヒたらしめてるのは、聴いたところだとこれしか思い浮かばないんだが」
 ぜひ聴かせてくれと促されて、俺はハルヒから聞かされた野球場で受けた衝撃と思考形態の変容を説明した。
 ほとんど世間話みたいな内容に対する佐々木の落胆は、瞳の輝きの全滅をもって俺に認識させた。笑顔だけを張り付けた表情の中心で、瞳は虚無的な昏さを湛えている。
 どんな内容を期待していたんだろうな? 

 俺はそう考えていても、聞きたいとは思っていなかったのだと後悔する事になる。

713名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 09:36:18 ID:8H9y/ha1

「橘さん。あなたとキョンは本当に良くない出会い方を体験したようだね。後で詳しく説明してくれるのかな?
 それでは、キョン。今度は僕の思い当たるきっかけを披露することにしよう。
 今まで誰かに話した事もないし、おそらく今日以降に口にする事も無いだろうから是非聴いてくれたまえ。僕としては後日にキミの感想を聴いてみたい。自覚は無いかもしれないがキミの観念的思考は考察の一助に価するものだからね」
 不吉な予兆を確かに感じていたはずなのに、この佐々木の発言で自分の耳を塞ぐという行動は阻害された。
「そんなに構えないでくれ。僕の経験もそれほどたいした出来事ではないのかも知れない。主観者である僕自身ですら曖昧にしか記憶していない程なのだ」
 軽く肩を竦めてからテーブルの上に組んだ手に顎を乗せて訥々と語り出した佐々木に、それまで無反応だった藤原までもが集中する気配を感じた。確認する余裕はなかったが。
「誘拐というワードがどうにも琴線を爪弾くものだから。いや、冗長に引き伸ばす気は無いよ。簡潔にいこう。
 僕は小学生生活の終盤の折に誘拐されたことがある。とは言っても休日の半日程度で解放され、目立つ外傷も無く、誰も気付かなかったので事件にもならなかった。目的が営利でも身代金でも無かったからね。
 単純な略取と監禁、それに付随したあれこれか。顔も知らない相手が吹聴していなければ、僕とそいつの二人だけしか知りようの無い事件だ」
 写真などの映像を残さなかったのは双方にとって良好に働いただろうね、そう付け足してゆっくりと目蓋を下ろす佐々木。
 それを開かせたのは橘だ。
「そ、そんなことって……」
 俺まで橘並の顔色だとしたら、この店は保健所への通報を余儀なくされるだろうな。今すぐ踏み込んで来てくれ。
「橘さん、これはあなたの言うわたしの内面世界が構築された時期よりも、少しだけ古い出来事なんです。
 そちらの彼が言う時空間の断裂だったかな? その向こう側にしか真相は無い。だからあなたは信じたいものだけ信じればいい。
 今の件から中学に入学して暫く経過するまでの記憶は、紗幕を透して俯瞰したように曖昧模糊としてるので自覚がないのだが、おそらく他覚もないだろう。誰も僕に変化があったとは気付かなかったのだから。
 もっと重要なトリガーとなる事件があったとしたら、それはそれなりに記憶に残っているとは思うんだけどね。
 どうやら僕は自失状態でも違和感を感じさせない応対が出来るようだ。聞いているかい、キョン?
 解放されて帰路についた僕は、家族に対しても上手く取り繕えたらしい。その時期に符合する記憶の中で、最も印象に残っているのが帰宅した時の母との会話だ。
 『おかえり。なにか良い事でもあったの?』『ただいま。特になにも』。解るかい? 僕は笑っていたらしい。どのような内情から表情を操作していたのか、今となっては思い出せないが。
 確かに笑える事もあった。服飾の目立つ部位には損傷が無かったが、行為の残滓や出血は引き裂かれた僕の下着で拭い去られ、傷口にそれが詰め込まれていた。身繕いの折にお尻からも出てきた時には失笑を禁じえなかったよ。
 どんな目にあっていたんだろう、とね。
 あぁ、これは失礼した。自制していたつもりなんだけが少しばかり話題が外れてしまったようだ」
 喫茶店の一角で沈黙の帳の包まれたテーブルには、夜鳴き鳥のように陰鬱な佐々木の笑い声だけが響いていた。

「それで、橘さん。あなたとキョンの良くない出会い方は、後で詳しく説明して貰うとして……。
 わたしに涼宮さんの力が移し込まれたら、あの世界とこの世界にはなにが起こるんだろうね? 楽しみになってきたかな? それとも……?
 今のわたしには表現力か、力そのものが足りないのかもしないけれど、今でもあの世界にはわたしの内面を象徴する何か紛れ込んでいるのかも知れないね。
 世界を破壊するような巨大な存在ではなく、世界の広大さに紛れた、等身大の人型の何かが……ところで」


  「これからも一人であそこを散策する気概はあるのかな?」
714名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 09:38:11 ID:8H9y/ha1
オワタ。
715名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 10:25:52 ID:YnTq86Du
>>714
うん…これは…欝になるわ( 'A`)
前のSSの佐々木がかわいかった分余計に欝になるわ。
716名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 11:05:02 ID:vqhJsAma
>>714
鬱だけど良かった
例えるなら、地獄少女を見た後のような読了感

このあと、キョンが佐々木を守ってやらなきゃ、みたいな展開が待っていれば素敵なんだけど、
キョンっぽくない・・・気がするなぁ・・・orz
717名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 11:26:33 ID:StTMP0zm
円谷プロが作った実写・神人の姿 
http://www.nicovideo.jp/watch/sm116608
発生してもけっしてセットは壊さないエコロジーなこの神人は
佐々木仕様だったりして

橘「どう?これで佐々木さんが神の力を持つに相応しいって分かってもらえたかしら?」
キョン「・・・・・つーか、これはこれでどうかと思うぞ。」
 しかも歌は水木一郎かよ。
橘「え〜〜〜?」
718名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 12:51:05 ID:+8SxNKFA
サイコホラー……確かに。これはもう佐々木の閉鎖空間には怖くて入れないぜ。
719名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 13:57:35 ID:yOHqV1xd
そこはアレでしょ。
佐々木強姦の犯人はキョン、と。
720名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 15:01:23 ID:IHx5cyLJ
つまりキョンが過去に戻って佐々木を助けてワカーンすれば、
佐々木ハッピー+変なチカラに目覚めずにすむ。
涼宮一行ハッピー、
新勢力も迷わずに済んでみんなハッピーというわけだな。

顛末を知ったときのハルヒ以外は。
721名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 15:23:04 ID:k57E0KMD
>>714面白かった、確かにホラーだ
722名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 15:29:18 ID:SF55zsRB
>>714
橘があっさり論破されたり、神の力の獲得と強姦を絡ませたり、
安直で作者のご都合主義な話のような。
723名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 15:43:34 ID:IHx5cyLJ
しかしハルヒも佐々木も
「恋愛なんて精神病の一種」
と言っておいてアレか。
そしてその対象はウルトラスーパー鈍感か。
724名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 16:37:00 ID:HSV8QkWT
ハルヒと対照的に、佐々木が積極的であるように書かれてるのにちょっと違和感を覚える俺。
佐々木は完璧に自己を殺してるイメージが強い。
理性>>>感情の人って感じ。>>714の文で表されてるような、精神失調気味に精神が平坦なんじゃないかと。
725名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 17:32:15 ID:Z5WL1tHc
ハルヒを閉じる鍵がキョン
佐々木を開ける鍵もキョン
726名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 17:37:50 ID:v0ODomb4
佐々木の理性のタガが外れたら物凄いことになりそうだな。
727名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 18:02:29 ID:JhdZ2xVq
理性が外れた佐々木はまさに精神病だな
728名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 18:02:45 ID:CTm0obKL
アハ、あははははははは――
                    キョン僕を、僕を犯してよ

九曜「ぎゃあああああああああああああああああす」
729名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 18:16:39 ID:7LOvyecC
そういや佐々木って自分の閉鎖空間には入ったことがあるのかな?
なんかどちらとも取れる描写だったような気がするけど。
730名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 18:28:08 ID:OoD3WC91
>>725
確かに例えるとだな。
扉=女
鍵=男
青髭思い出した。
731名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 18:49:53 ID:oSYjTcCa
キョンはハルヒも佐々木も長門もみくるも朝倉さんも喜緑さまも開けてしまう
マスターキーだよ
732名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 18:55:22 ID:FJh9GOMW
鶴屋さん、鶴屋さんはっ?!
733名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 18:59:53 ID:IHx5cyLJ
あの人は最初から誰に向かってもある程度オープンだから。
734名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 19:32:29 ID:OoD3WC91
谷口にあう扉は…
735名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 19:37:10 ID:Z5WL1tHc
ちゅるやさんはオープンだけど
そのオープンさが壁になるお方だ
736名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 21:36:18 ID:XVIsY8u8
>>722
いや、橘はむしろあっさり論破されるキャラだろ。
737名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 21:43:36 ID:eq7FrqUP
とゆうかそもそもキョンが鈍感であるとは未だに思えないんだけどな

実際キョンとハルヒの関係って強制されてるようなもんだし、そこでブレーキかかってるんじゃないか?
(涼宮さんとくっつかないと世界が滅ぶからくっつけよみたいな)
正直キョンがもしハルヒのこと好きじゃなかったらキョンの立場ってふざけんな的なもんじゃまいか
まぁキョンはハルヒ好きだからおKなんだけど


妄言スマン(´・ω・`)
738名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 21:47:01 ID:6ka8cPIz
小ネタです。


さて、ある晴れた日の事だ。
珍しくも休日なのにいつもの集まりが無く、
俺は何となく起きてしまったはいいが、やる事も無かったので、家でゴロゴロもせずに
駅前の本屋まで歩いて行っていた。
空では太陽と雲が仲良くまじっている。

うむ。実にいい天気だ。

今ごろシャミセンが家で妹と言う名の音波兵器を相手にしながらひなたぼっこしてるだろう。
まぁそこはさておき、とりあえず俺は新学期も近いので赤ペンやら消しゴムやらノートやらを
ろくに使わないのに知らず知らずの内に消費してしまっているので補充し、ついでにマンガでも立ち読みしてこよう
という魂胆で売れない作家のように徘徊している。
閑古鳥が鳴いてる文房具屋に入った俺は試し書きの紙を2、3枚と本屋が開くまでの時間を潰し、
赤ペンと黒マジックと修正液を買って店を後にした。

文房具屋から本屋は300mぐらいあるのでゆったり歩いていた俺なのだが、ここで俺はある事に気付いた。
『もしかしてさっきから後ろにいる人に俺はつけられてる?』
そう思った途端に軽く冷や汗が出かけた。
さて、どうするか?

某カードのCMじゃあるまいが、どうする?俺?
畜生。向こうの…橘だっけ?の組織なのか?だとすれば捕まったら恐らく終わりだな。
考えてる内にとうとう追いつかれ、影が交わった時に俺は心臓が本当に止まるかと思った。
「おっと動かないで。キミは一体どこに行こうとしているのかな?」
おいおい、本屋ぐらい平和に行かせろよ、と突っ込める程俺もバカじゃない。
「家に帰るとこですよ。」
とりあえずそう答えておき、
冷や汗を垂らしながら全方位からナイフでも来たらどうしようかとか考えてる内に
いきなり、生暖かい何かが俺のうなじをなで上げた。
そして俺が驚いてる間に犯人は俺の耳元で囁いた。
「これは嘘をついている味だね。キョン。」


おい佐々木。お前いつの間に第5部読んだんだ。
739名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 23:36:54 ID:IADHLlLB
ちょw 最近ジョジョネタ多いなw
740名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 12:23:19 ID:p2yBvqFo
残り393か…
741名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 13:15:31 ID:d1sb/OpQ
107だろ?
742名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 13:18:42 ID:nG3OC6r8
いまから鶴屋さん×キョン
書こうと思ってるんだけど
鶴屋さんて長門と古泉のことなんて呼んでたっけ?
743名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 13:25:24 ID:BI7Zblrq
ユキっこ。
744名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 13:49:31 ID:i23sPL/B
>>742
鶴屋さんの古泉に対する呼称は『溜息』では一樹くん、『暴走』以降は古泉くんとなっている
745名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 13:58:44 ID:xzYgbiUE
ミヨキチと佐々木と橘の画像ください
746名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 14:03:28 ID:i23sPL/B
>>745
誤爆?
747名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 14:06:05 ID:tftFqYOl
>>745
くれくれ厨乙
748名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 14:06:11 ID:xzYgbiUE
>>745いや、顔がわからないんで
749名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 14:23:50 ID:bRviZRkg
分裂読んでないのか?
750名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 14:29:14 ID:xzYgbiUE
アニメだけなんです^^;
751名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 14:36:28 ID:p2yBvqFo
顔出しは橘と佐々木。ミヨキチはまだだな。
>>740
だよね。
752名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 14:57:45 ID:SNyBSkD/
ミヨキチって劇中描写では朝比奈さんより大人っぽい容姿なはず。
小4の時におさげにしてるから現在はもっと髪が伸びてロングかセミロング辺りか。
753名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 15:08:16 ID:m+zVp9+7
新キャラ絵って、もう描いてる人結構いるのかね。

普段巡回とかやらないから分からんわ。某わ○き屋に佐々木絵が来てたが
754名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 15:12:52 ID:3kVyD0w9
アニメだけとか終わってるね
ちゃんと文庫まで読んでから来るといいよ
755名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 15:15:16 ID:LoRUCLPb
それどころか普通に原作読んでないだろ。その質問は。
756名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 15:16:26 ID:LoRUCLPb
リロってなかった。スマソ。
ミヨキチは描写はあるんだが、抽象的で掴みにくくはあるな。
757名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 15:33:12 ID:SFO9VpEj
>>752
切ってるかm
758名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 16:01:38 ID:OE865Lcs
>>757
「長くなってきたし、そろそろ髪を切ろうかと思っているんですよ」
 それを切るなんて と ん で も な い !
「え、あ、お兄さんがそういうなら……」
759名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 16:06:03 ID:XhoA0iDs
ハルヒの写真を見たミヨちゃんは
いきなりハサミでばっさばっさするかもね
760名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 16:07:32 ID:6fPdgTpt
>>758
是非、ポニーテールにしてくれないか?
「お兄さんがそういうのが好みなら、一度してみます」

「わたしがさせない」
長門、いつの間に……?
761名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 16:25:35 ID:XhoA0iDs
なあ長門よ、お前は一晩で髪が倍以上に伸びるのか
762名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 16:33:57 ID:BQ18lQY6
ね○うさプリンに、ミヨキチの想像描写があるな。
分裂でも再登場したし、次の次あたりの新刊で立ち絵が出てくるかもな。
763名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 16:39:06 ID:LoRUCLPb
津波姉さんのように、出てこないままだったりして。いやこの場合は逆なのか?
764名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 16:39:55 ID:nG3OC6r8
>>743 >>744
サンクス。
完成したら投下します。
765名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 17:13:11 ID:SFO9VpEj
>>758
おまww
766名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 17:41:21 ID:ljWyTfEz
ミヨキチは水銀燈の飼い主(病気のやつ)みたいな容姿と予想
767名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 17:44:18 ID:SYSRKS7O
ミヨキチはまちがいなく成長したシャナ
768名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 17:56:06 ID:QWiKVNbw
ミヨキチはハルヒの生き別れの妹
769名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 17:56:31 ID:lEQxRKiN
キョンを先輩と呼んでいたのが、ミヨキチなのではないかと邪推。
770名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 17:58:25 ID:6fPdgTpt
ここでミヨキチものを投下する人間はいないか?
771名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 18:01:52 ID:6dx5MAFF
一人もいないね。全くないからね。いや本当に人気ないね。
772名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 18:04:11 ID:YROCiKkg
しかし、速度速いな
773名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 18:09:53 ID:x6Uujm2l
>>769
マジレスするとあの一年女子だろう
774名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:08:21 ID:BN88J1UN
>>730
ゴーストバスターズ思い出した。
775名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:18:06 ID:qck/QfgB
佐々木の下の名前ってなんだろ
776名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:21:53 ID:io9nT8SC
>>775
今のところ、主浩か優子が有力候補に挙がっている。
777名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:23:21 ID:QWiKVNbw
主浩ってどう読むのさ
778名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:28:11 ID:p2yBvqFo
>>777
かずひろ
779名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:28:45 ID:7T2AUgk7
>>777
主浩(はまのだいまじん)
780名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:32:20 ID:TlvUjBlV
涼宮ハルヒの〜 では
異能の持ち主は全員フルネームが判明している という法則があるようだが、
じゃあ佐々木は異能の持ち主ではない、ということなのか。

でもそれじゃあ、藤原の存在が矛盾しているし。
781名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:38:08 ID:wc2dyw+S
>>780
吉村美代子もそう
782名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:38:33 ID:+9NZZo2g
>>778
かづひろだろ
783名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:39:01 ID:L31/Z6J7
ミヨキチと電気屋のおっちゃんもフルネームだがな。
例外有りかもしれないし、実際に変わっているのかも。
784名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:41:08 ID:+ghR69kg
>>783
電気屋のおっちゃんが異能力者だったら超展開過ぎるだろw
意図してやってる訳じゃない とおもうよ
785名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:48:03 ID:p2yBvqFo
>>784
実は機関の関係者だった。
786名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:51:11 ID:+ghR69kg
>>785
それは十分超展開だろ……伏線無いし。これから伏線入れても、
どうみても後付けです。本当にありがとうございました。
787名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:56:33 ID:ruljTIl6
最近だとミヨキチってむしろ多くね?
788名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 21:01:03 ID:S67zzXRH
ミヨキチはヨシム・ラミヨコというフィリピン人
78940-355:2007/04/14(土) 22:02:33 ID:3efswkeG
投下します。
エロなし。10レス予定。
新刊内容は含みません。
790電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:04:04 ID:3efswkeG
Prologue.

 本題の前にちょっと質問なんだけど、好きな人が自分の事を友達としか思ってくれてないとするじゃない。しかもその好きな人は自分とは違う別の誰かが好きだったりするのよ。………こんな状況で、あなたなら、どうする?
 大人しく身を引いて応援する?
 愛は戦いだ、なんて言いながら奪い取る?
 駄目元で告白してみる?
 えっと、何もしないっていうのもあるわね。

(………)
 そうね、もちろん答えは一つじゃないわよ。そもそもこれって正解なんてない質問だしね。
 でもね、あたし達の未来、………ううん、運命ってやつは一つしかないの。
 現実であなたが選べる選択肢、あなたが迎える結果ってものはどちらも一つだけ。
 そしてこの質問は現実の出来事であると仮定するわね。………あくまで仮定よ、仮定。
 それならば、一つだけ選ぶとするならば、あなたは………、どうするかしら?

(………)
 え、あたし?
 むー、それをあたしに聞くかなー、普通。
(………)
 ………あら、そうなの。あれからの事は知らないんだ。
 うーん、じゃあ、仕方ないか。

 えっとね、あたしは、………応援する、のかな。
 あっちの世界でも、結局、応援しちゃったしね。
 自分をなくして、自分を殺して、自分に嘘ついて、結果ここに至る、みたいな。
 そうね、あたしの応援した恋の結末を、多分あなたが知らない部分を、ちょっとだけ教えてあげる。
 自分で言うのもなんだけど、凄いわよ、これ。全宇宙ナンバーワン大ヒット間違いなし、聞かなきゃ絶対後悔後の祭り、ってやつね。ふはは、崇め奉るが良いわー!
(………)
 あっ、冗談だってばー! お願い、電源切らないでー!

(………)
 あうう、ごめんなさい。……えっと、ね。ホントは、ね。最期だと思うから聞いて欲しいな、………なんて思ったり。
(………)
 え、聞いてくれるの! サンキューマイガール、愛してるわ!

(………)
 あっ、やめてー、水をかけないでー!


―――――――――――――――――――――――
 電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?
―――――――――――――――――――――――


791電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:06:21 ID:3efswkeG
1.

 早いもので高校生活も二年目に突入し、右と左くらいなら自信を持って分かると言えるようになってきた。
 まあ、学業方面では今でもたびたび前後不覚に陥るのであるがそれは若さゆえの過ちの一種であるかもしれないと言えなくもないという事で気にするな特にマイマザーアーユーオーケー。
 そんな益体も息継ぎもない逃げ口上を考えながら、早朝の眠気100%の我が身には富士山頂に登るよりしんどく感じる、我が校へと続くうんざり坂(命名俺)を溜息当社比二割増でのり越える。
 月曜日の朝という現実に攻撃を受け、メンタル的にヘロヘロになりながらも一年の時から教室以外は予約チケットを押し付けられたかのように変わらない、窓際後ろから二列目の指定席というゴールに辿り着いた。
 遅刻しないという偉業を成し遂げた俺に息をつかせる暇も与えずに、これまたずっと俺の後ろを指定席にしてきた腐れ縁の女生徒が話しかけてくる。

「おはよう、キョンくん」
「おう、おはようさん、朝倉」

 嫌味のない笑顔で俺の後ろに存在する朝倉涼子委員長。谷口いわくAAAの美少女らしいのだが、俺はこいつと話すと何故か脇腹が痛くなるので俺的ランクはそんなに高くない。ま、いい友人といったところだな。
「ね、ね、昨日、どうだった?」
 まるで井戸端会議に出席している主婦のような口調での質問。
 昨日、とはおそらくSOS団という良く分からない集団による花見の事をさすと思われる。
 SOS団とは何か、との説明は、ただでさえ登校というダメージを負っている俺の精神に回復不能な大ダメージを与えるものであるので、申し訳ないがここでは割愛させて頂く事にする。
「でも、SOS団ってキョンくんが提案したんでしょ?」
 周囲が言うにはどうやら俺が名付け親らしいのだが、正直俺自身にはそんな記憶はないんだよ。
「あ、そっか、ごめんなさい」
 場の空気が悪くなってしまったので、慌ててフォローという名の換気扇を回す。
「謝るなって。別に二・三日記憶がない事くらい気にしてねーよ」

 去年のクリスマス前の話になる。俺は登校するなり朝倉や他のクラスメイトに、何故ここにいる、などいろいろ妄言を放ち、天使というセカンドネームを持つ上級生の方に狼藉を働いた挙句、他校にいた自己中暴走爆弾娘を核融合させたらしい。
 らしい、という言葉から推察できるように俺はその間の事を何一つ覚えていない。ふと気付いたら夕焼けに染まる文芸部室で、
「ちょっとジョン、どういう事なのよ。あたしに分かるように説明しなさい」
 という言葉と共に、涼宮ハルヒという名の馬鹿女に百万馬力で首を絞められていたのだ。
792電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:07:22 ID:3efswkeG
 ま、こんな出会いからまともな友人関係ってやつができるはずもなく、それから半年にも満たない間に涼宮という悪魔の手によって、世界中の不幸が流星群のように俺に降り注いでいるわけである。
 具体例は多すぎて一々列挙する気にもならない。滝壺から飛び散る水滴をいちいち一滴ずつ説明してもしょうがないだろう?
 大体昨日の花見からして俺になんの断りもなく涼宮のやつは………、
「いや、あたしは涼宮さんの事は聞いてないから」
 ん、ああ、朝比奈さんなら間違って酒を飲んじまったらしく、ふみふみふー、などと可愛らしいお声と共に睡眠という天国へと帰省中だったぞ。
「………朝比奈さんでもなくてね」
 あーと、まさかお前、古泉の野郎が気になるとかか? まあ、悪い奴ではないと思うが、あいつには他に好きなやつが、
「………」
 無言で殴られた。暴力はいけないとお父さんは思います。

「な・が・と・さ・ん、とは、どうだったのかなー?」
 一文字一文字を一打サヨナラの場面のような力を込めながら投げ込んでくるピッチャー朝倉。
 しかし、こいつにこうされると全身がめった刺しにされるような感覚におちいるんだよなぁ。気を抜くと思わず俺がこの世からサヨナラしてしまいそうだ。
「………どうもないぞ」
 目で訴えてみんとする俺、外角低めあたりに標準を合わす。
「嘘ね」
 ばっさり切られた、ど真ん中ストレート空振り三振バッターアウト。
 しかし、最近の日本人は他人を信じる心を大切にできない人が多いなぁ。………まあ、どうもないってのは嘘なんだけどな。
 何とかごまかそうとする俺であるが、朝倉の追撃は止む気配を見せない。
「長門さん、昨日帰ってきてから様子が変なのよ。食事中にいきなりへらへら笑い出したり、急に真っ赤になって布団に飛び込んだり、これはもう絶対キョンくんが何かしたからでしょ!」
 どちらかというと俺はされたほうなんだがな、と思ったが口には出さない。藪蛇という言葉の意味くらいなら俺の学力でも何とかなるのさ、多分。

 敏腕検察官のごとくなおも追求しようという姿勢を崩さない朝倉であったが、岡部が現れた事で法廷は一時中断となる。
 もう、時間がないのに、とわけの分からない言葉を呟く朝倉を意識の外に追い出しながら、俺は昨日の花見でのいつも通りといえばいつも通りなSOS式暴走劇を思い出していた。


793電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:08:28 ID:3efswkeG
2.

「キョンくーん、だいすきー」
「………誰だ、お前?」
 SOS団恒例春の花見大会『欠席者は死刑だから』(命名涼宮、好きにしろよ、もう)が始まって二時間ほどだろうか。俺の目の前には、はにかみ屋の文芸部部長である長門有希がいるはずだった。
「ゆきりん、って呼んでよー」
 少なくともこんな懐き小動物系きゃぴきゃぴキャラは俺の知り合いには居ないはずだ。
「むー」
 誰とも知れない美少女Aは眼鏡の蔓をはむはむ噛みながら、上目遣いで俺を見つめてくる。
 ………正直、俺、クリティカルである。眼鏡属性は無いはずなんだがなぁ。
 吐息に混じるブランデーのにおいがまた堪らない、って、ブランデー?

 気付いたところで既に手遅れだったようだ。どうやら俺以外のメンバーは全員酔っ払っているらしく、あたり一面に阿鼻叫喚の不条理世界が侵食を続けている。………帰りてぇ。
 ハルヒは何やら度数が50をオーバーしている、おそらく普通に火がつくであろう液体入りのビンを男らしくラッパ飲みしながら、『分かる、古泉くん』などと桜の木にからんでやがる。
 うわ、いきなり『ネッシー発見』などと叫びながら桜の木をよじ登りだしやがった。
 一般人である俺から言わせてもらうと、木を登りきって『逃げたかー!』と雄たけびを上げる酔っ払いこそがUMAと呼ばれる存在なのではないだろうか? ………とりあえず、全力で他人の振りをしよう。
 ちなみにどうでもいい事ではあるが、古泉は『全くその通りかと』と弁当箱に頷きかけていた。

 朝比奈さんは完全に酔いつぶれているらしく、鶴屋さんの膝を枕にして時たまかわいらしい寝言を発しながら、すやすやと眠っている。
 その枕代わりの鶴屋さんは一見すると正常のようだが、声をかけようとしたら『邪魔すんな』と言わんばかりのすごい目で睨まれた。
「おねーさんの幸せを邪魔するようないけない子は、大変な事になるにょろよー」
 ていうか、言われた。どうやら鶴屋さんは朝比奈さんに酔っているらしい。
 朝倉は休みだし、どうやらまともな人は一人も残っていないらしいな。うん、マジ帰りてぇ。

794電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:09:36 ID:3efswkeG
「ジョンのバカー、何であたしの気持ち分かってくれないのよー」
 そんな言葉と共に、脳内に広がっていたであろうネス湖から帰還なさった団長様が、やるせない思いで百合の花園を眺めている俺に抱きついてくる。どうやら俺の事はちゃんと認識できるらしい。
 しかしこいつも顔が真っ赤だな。本当に誰だよ、酒持ち込んだのは。
「ジョンー、ジョンー」
「むー、ハルハルずるいー。キョンくん、わたしもー」
 両端から二人の酔っ払いに絡まれる俺。いったい何なんだ、この世界は。

 そうぶつくさ文句を言いながらも、『まあ、退屈はしないな』とか、『何となく物足りないような気もするがこれはこれで幸せなんだろうな』とか、そんならしくない事を考えちまったのは俺も酔っ払っているからだろうよ。………何に酔っているのかは知らんがな。

「ははは、楽しそうで何よりです」
「こ………古泉、見てないで助けろ」
 声が裏返りかけたのは動揺したからじゃないぞ。
「ふふふ、あなたがそう言うのを待っていましたよ」
 その古泉の言葉を聞いて、何故だか今まで感じた事のないような寒気が全身を駆け巡った。
「お任せください。一撃で終わらせます」
 何をだ? 俺の命をか? 
 切実なる俺の訴えに耳を貸さず、ニヤリという悪役の笑みを浮かべながらにじり寄ってくるキラーマシン。やべえ、こいつも大分酔っ払っているみてえだ。
「ははははは、これは天の裁きですよ」

 とりあえず戦略的撤退をと思ったが、左右の腕を酔っ払いどもが引っつかんでいるため動けない。
「ジョンー」
「キョンくーん」
 二人の瞳には俺しか映っていない。………命の危険にさえさらされていなければ、この状況はまさに男子の本懐ここに極まれりな状況であるのだが。

 そのまま二人の顔が俺に近づいてきて、
 ………、

「ふんもっふぅー!」
 良く分からない悲しい叫びと共に、俺は頭部に衝撃を受け夢の世界に強制的に旅立たされるはめになった。
 そのせいか前後の記憶がどうにも曖昧で、何が起こったのかはよく覚えていない。


 聞くわけにはいかない……よなぁ、………やれやれ。


795電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:10:50 ID:3efswkeG
3.

 そんな感じの曖昧なバッドエンド風味の証言を法廷に提出できるはずもなく、朝倉検事兼裁判官からの追求に黙秘権を行使しまくった俺は、放課後掃除当番の彼女から逃げるように文芸部室へと向かった。

「長門、いるかー?」
 と言いながらドアを開ける。
 文芸部室の鍵が開いている時点でこの学校で唯一の文芸部員である長門が居ないはずはないのであるが、これは挨拶代わりの戯言のようなものだと考えてくれればいい。
 ちなみに最近の俺は放課後になるとこうして文芸部室へと行くのが習慣になっている。どうやら長門の横で静かに過ごすってのは意外と俺にあっているらしい。
 ま、週に二・三回は呼び出されて二人一緒に涼宮ハルヒという騒がしい世界に巻き込まれるんだけどな。

 どうせ毎日来ているんだし、そろそろ入部届けを出しても良いかなー、などと考えながら部室に入り、いつも長門が座っている席に目をやると、
「あ、あう」
 何故か顔を真っ赤にした文芸部部長と目が合った。

「ん、どうしたん………」
 そこまで言って、記憶にない何か柔らかい感触を体が思い出しやがった。………言っとくがほっぺだぞ。
「うあ……」
 頬から全身に熱が広がっていく。
(やべえ、俺も赤くなってる)
 昨日は言えたのに、と呟きながらうつむく長門と、ステータス混乱状態から抜け出せない俺と、赤面率100%の男女が部室に二人きりである。
 これなんて青春白書? なんて現実逃避してみても一度上った血液はなかなか降りていってくれない。

 一足早く立ち直った長門が、何かを決意したような目でこちらを見上げてきた。彼女にしては珍しく視線を逸らす気はないようだ。
「わ、わたしは、」
 つっかえつっかえ、必死で言葉を絞り出そうとする。
 長門の言いたい事は、彼女の気持ちは、何となく、分かる。まあ、俺のうぬぼれとか勘違いとか言う可能性もあるのだが。
 ただ、俺が彼女の気持ちに答えられるかというと、………どうなのだろう?
 何故か俺の脳内には、涼宮の姿が浮かんできていた。

 ―――違う!

 そこで俺は強烈な違和感に襲われた。
 俺の脳内の涼宮は、何故かうちの高校の制服を着ているし、髪の長さは肩を少しこすくらいまでしかない。
 いや、そんな見た目だけじゃない。何となくだが、分かる。こいつは『涼宮』じゃない。

 そうだ、俺が髪型について指摘した次の日に、いきなりポニーテイルの似合う髪をばっさり切ってしまった彼女は、

 ………こいつは、

「………ハ…ル……ヒ?」

 思わず名前を口にしたその時、急に脇腹に激痛が走った。
 それと同時に浮かび上がる映像群。

796電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:12:16 ID:3efswkeG
――――――――――――――――――――
 冬
 まだ暗い早朝
 校門で棒立ちの長門
 俺を見て驚愕の表情を浮かべる
 長門に向けてピストル型装置を構える俺
 誰かに後ろからぶつかられる
 脇腹に刺さったナイフ
 倒れこむ俺
 冷たい道路の感触
 嗤う朝倉
 振り上げられるナイフ
 ナイフの刃を素手で掴む少女
 眼鏡はかけていない
 地べたに尻を付けている長門
 眼鏡のせいか表情は見えない
 二人の朝比奈さん
 どこかで聞いた事があるような声

 ………そして、ハルヒ
――――――――――――――――――――


 窓は閉じられていたはずなのに、一陣の風があたりに砂埃を巻き上げながら俺達二人の間を隔てる壁になるかのように通過する。
 浮かんできた映像群に茫然自失としながらも、砂が入らないように目を閉じ開いた一秒にも満たない刹那の時間。

 そのほんのわずかな時間で、周囲は全くの別世界に変わっていた。

 白い、ただただ白い世界。すぐに終末を迎えるであろうこの世界の中で白以外の色は俺と彼女の二人だけだ。
 俺以外の色である、しかし白い結晶を名前に持つ少女が泣きそうな声で呟いた。
「時間切れ………だね」
 そして俺はようやく全てを思い出した。

 何をだって?

 俺が選んだ事。

 俺が選ばなかった事。

 ………それら全てを、さ。


797電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:13:28 ID:3efswkeG
4.

「覚えてる?」
「ああ」
 お前の世界の事なら覚えてる。平和で穏やかな世界、俺が普段言っている理想そのものなパーフェクトワールドだったな。
「思い出した?」
「ああ」
 そう、確かに思い出した。
 それなのに俺は、非日常な危険がシャンパンの栓のように陽気にポンポン飛び交う元の世界を選んじまったんだよな。
 俺は『涼宮』じゃなく『ハルヒ』を選んじまったんだ。
「……………………そう」
 長い沈黙の後、何かをあきらめたような泣きそうな顔で、少女はそれだけを呟いた。

 俺のわき腹、ちょうど朝倉にナイフを突き立てられた場所から光の粒子が噴き出している。………いや、噴き出していたのだろう。今はもう、ポロポロと、落ちていくだけの光のカケラ達。
「それが、その傷が、あなたをわたしの世界に繋ぎとめていた楔。おせっかい焼きのわたしの友達の、最後かもしれないプレゼント」
 最後と聞いて、不安に思った事を尋ねる。
「お前の世界はこれからどうなるんだ?」
「分からない。わたしはわたしの世界の住人に過ぎないから。でも、」
 彼女はまるで親兄弟と今生の別れをするかのように悲しそうに続けた。
「あなたの記憶は、わたしの世界でその傷を付けられてからの記憶は、その傷と共に消える」
 ………そりゃまた随分と勝手な設定だな、俺の意思は関係なしかよ。

「わたしの世界の『別世界のあなた』はその全てが『彼女』によって維持されていたから。『彼女』が消えると同時に、『わたしの世界にいた時の別世界のあなた』は消えてしまう」
 こちらの長門は難しい単語を並べ立てる事はしないらしい。………どちらにせよ、分かりにくい事に変わりはないが。
 ただ、やはりどちらも、俺に嘘をつくような事はしないだろう。
「どうしようもないのか?」
「ない」
 今にも泣きだしそうなその顔は、それが逃れようのない真実なのだと俺にはっきりと理解させた。
「………俺に何かできる事はないか?」
 彼女が泣かないようにと発した俺の馬鹿げた質問を聞いて、長門は彼女特有のかすかな微笑を浮かべて言った。
「じゃあ、わたしの世界に残ってくれる?」
 優しい少女の意地悪な問いかけ。
「すまん」
 俺なりの誠実さを三文字の言葉に込める。
 俺はもうネジの二・三本飛んじまってる神様を選んじまったんだよ。そしてそれはお前の世界で生きた記憶がある今でも変わらない。もう一度やり直したとしても、俺はやっぱりエンターキーを押すだろうな。

「うん、分かってたよ」
 微笑を浮かべたまま、優しい言葉が繋がっていく。

「じゃ、最後に一つだけ、お願い」
 優しい光が消えていく。

「忘れていい、でも覚えていて」
 最後の光が俺の脇腹からふわりと舞い上がり、

「わたし達は、………わたしは、」

 ………消えた。


798電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 22:15:36 ID:3efswkeG
5.

 光が消えると同時にあらゆる感覚が消失する。
 俺は今、はたして落ちているのか、進んでいるのか、それとも止まっているのか。
 昨日が明日に、一秒が百年に、時間の感覚もあやふやだ。

 自分が溶けていってしまいそうな暗闇の中、ぽつんと光る文字のようなものが見える。
 消えそうになる意識をそこに集中させた。


――――――――――――――――――――

YUKI.N>

――――――――――――――――――――


 それは、俺が選ばなかった世界からの言葉。
 俺と彼女の最後の繋がり。
 彼女の願いを込めた、今にも消えてしまいそうな、とてもちっぽけな存在証明。


――――――――――――――――――――

YUKI.N>わたしはここにいた

――――――――――――――――――――


 その言葉をしっかりと心に刻みつける。
 英単語や公式なんぞは覚えてなくても何の問題もない。
 テストで0点とろうが人間どうとでも生きていけるからな。
 でも、これを覚えてなかったら、俺は人間じゃなくなっちまうだろ。
 だから頼むぜ、学業方面前後不覚なマイ鳥頭さんよ。
 忘れてもいいから、ちゃんと覚えてろよな。

 おそらくもう二度と会う事はないだろうけれど、
    ―――確かに彼女は、親愛なる我が友人は、『ここ』に存在していたんだ、ってな。

 儚い文字列が、揺らいで、消える。
 次の瞬間、フォウンというパソコンの電源が切れるような音と共に、俺の意識は完全に消失した。


799名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:20:03 ID:N+fYpdbF
しえn
800名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:20:55 ID:YROCiKkg
ネクストプリーズ!
801名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:20:58 ID:WCUPwkuW
支援?
802名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:22:13 ID:qxBPtSUN
GJ!!
くぅ〜〜っ、涙がとまらねぇ。何故だ?!
答えは簡単。↑これを読んだから、だーーーー!!!
803名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:39:17 ID:GxGu8LUt
この作者のはだんだん狙いすぎ感が漂って来たな
泣かせよう泣かせようって凄くあざとくて今回は駄目だった
804名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:48:55 ID:rY6GG7eT
あれ?終わりなの?
805名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:55:00 ID:SGqYgjXo
というか、このパターンのラストは流石に食傷気味。

こうも繰り返されると、ハルヒを選んだからとかじゃなくて、単にキョンが現実の女性と
男女の関係として向き合えない異常な部分を持っているだけなんじゃないかと思ってしまう。

ハルヒを選んだんじゃなくて、ハルヒならそういった感情と向き合わなくても誤魔化せる、みたいな。
806名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:58:16 ID:SFO9VpEj
790が長門と誰の会話かわからない、俺の馬鹿っぷり笑ってくれ。
807電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 23:07:01 ID:3efswkeG
Epilogue.

 そして全てを忘れて元の世界で目を覚ました彼は、病室で涼宮さんと再会したのよ。
 その後もまあいろいろとあったんでしょうけど、それはもうあたしよりあなたの方が詳しいでしょう?

 さて、これがあの世界での、とある恋の結末よ。
 本当に小さく、儚かく響いた恋のメロディーの最終楽章。
 ………どう、泣けたかしら?

(………)
 え、結局あっちの世界はどうなったのか、ですって? むー、そんなのあなたが知らないのならあたしが知ってるはずないじゃない。
 あたしはキョンくんの中にかろうじて残ってた、光にすらなれなかったほんの小さな残りかすよ。この原始情報媒体に潜り込んで生き延びるだけで精一杯だったんだから。
 ま、その残りかすも、もうすぐゼロになっちゃうんだけどね。
 これが有機生命体の言う『死』って概念なのかな? うーん、やっぱり最期まで良く分かんなかったなー。

(………)
 やだなー、そんな顔しないでよー。はっきりとは分かんないけど、多分あたしは満足だよ。あなたのために生きられたし、最期にあなたに会えたからね。
(………)
 うん、憎んでないよ。憎めるもんですか。だって、あなたは『あなた』なんだから。
 あたしはいつだって『あなた』の幸せを祈ってるわ。それは、覚えてて欲しいかもね。


 あ、もう時間切れみたい。

 それじゃ、ね、長門さん。

 え、本題って結局なんだったのか、ですって?

 うん、………あのね、あたしは、


 ―――フォウン


―――――――――――――――――――――――――
 サ……ューマイ……ル、愛し…る…。
  バ……イマ…ガー…………てたわ。
―――――――――――――――――――――――――


808名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:07:57 ID:XrrakGck
消失世界の朝倉(司会)と、通常世界の長門(……)、かな?
809電気少女は恋物語の終わりに何を思うのか?:2007/04/14(土) 23:08:03 ID:3efswkeG
Her dream.

 北風将軍様が無駄に猛威を振るう冬、この地方には珍しく雪まで降ったある日の事、部室のドアを開けると今日の天気と同じ読みをする名前の少女が、SOS艦隊がコンピ研軍団から戦利品として略奪したノートパソコンを開いていた。
 どうやらパソコンの電源は切れているようだが、それと同様に停止してしまったかのように動かない彼女が心配になって声をかける。

「何やってんだ、長門?」
「………」
 俺の質問には答えず、無言でこちらを見つめてくる長門。圧力をかけて無理矢理凍りつかせているようなその表情は、珍しく俺にも読めないものであった。
「わたしは」
 はたして彼女が凍らせたものはなんだったのか? 
「わたしは、彼女達の幸せを願う」
 ………長門の言う彼女達が誰なのかは分からない。ただ、俺はその言葉を聞いて、あっちの世界のはにかみ屋の読書娘とおせっかい焼きの委員長の事を思い出した。
「そっか」
 そう返事した後で、凍らせきれずに流れ出していた不器用で優しい電気少女の雪解け水に気付かない振りをして、外を見た。

 雪解けにはまだしばらくかかりそうな冬の景色が窓の外に広がっている。
 この景色のように心が凍り付いてしまうような悲しい出来事は、確かに、ある。
 それらは大抵が避けようのないもので、もしかしたらそんな時俺達にできる事は氷の下で冷たい絶望に耐える事だけなのかもしれない。
 それでもいつか、必ず春はやって来るのだ。生きてる限りは、誰の上にも平等に。
 俺の言葉を証明するかのように雲の切れ間から太陽の光が部室内に入り込んできた。

 眩しさに目を細めながら、願う。
 長門の凍りつかせた『思い』がいつか完全に溶けて、彼女の大切で温かな『思い出』になりますように。
 そして、こいつが幸せを祈る事で『彼女達』とやらに、小さじ一すくいほどでもいいから、暖かな幸せが降り注ぎますように、ってな。


(ありがとう)

 聞こえるはずのない誰かの声が、聞こえた気がした。


(大丈夫だ、俺は覚えているよ)

 体のどこかから湧き出してきたそんな言葉を、目を閉じて、誰にも聞こえないよう、心の中でそっと呟いた。
81040-355:2007/04/14(土) 23:08:50 ID:3efswkeG
以上です。
すみません。連投規制に引っかかり時間がかかってしまいました。
811ゑ腐:2007/04/14(土) 23:12:13 ID:ngxRj0Tk
初めてですが、SS投下させて頂きます。
佐々木らしさを出すのは難しい…………
812名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:15:11 ID:SFO9VpEj
>>808
そうだったか。ありがとう。
>>810
あんたの御蔭で曲を書く気がでてきたよありがとう。
813ゑ腐:2007/04/14(土) 23:17:04 ID:ngxRj0Tk
『馴れ初め』



「大丈夫か、佐々木?」
「…………ああ、かろうじて思考能力は維持してるよ。もっとも、さっきから君の顔が歪んで見えて仕方ないが」
 いつもと変わらない僕の口調に、キョンは心配して損したと言わんばかりのガッカリした顔でこちらを見下ろしている。
 相変わらず締まりのないその表情は、でも今日に限って僕に安心感をもたらしてくれていた。
 いや、それはもしかすると常にそうであって、今日はじめてその事実に気付いたというべきなのかもしれない。
「あんまり無理すんなよ。お前は他人の事に鋭い割に、自分の事には結構いい加減だからな」
「くっくっく、キョン、それは君も同じだろうに」
 図星を言われたせいか、キョンは渋い表情で唸っている。
「それにしてもキョン、プリントを届けるくらい別に明日でも良かっただろうに。何か早急に処理しなければならない事象でもあったのかい?」
「いや、まあ、それは確かにそうなんだが、二日も寝込んでると流石に心配だったからな」
 そこまで言って、何故かキョンは羞恥心一杯の表情で急にあたふたし始めた。
「か、勘違いするなよ。お前が風邪で寝込んでると聞いたウチのお袋が変な気を回してうるさいもんだから、いつもの減らず口を叩くくらい大丈夫っていうのを確認する為に今日来たようなものであってだな。
 でも友人としてちょっとはお前の風邪が気になっていたもんだから、その確認もついでにやろうと思ったり思わなかったり…………」
 聞いてもいない事を次々と喋る彼の姿は本当に滑稽で、でも眺めるだけで心が落ち着いていく。彼の締まらない顔と声には、どうやら精神を安定させる作用があるようだ。
 しかし理由はどうであれ、人から心配されるというのはなかなか悪くない。
 心配してくれる相手がキョンであると、余計にそれが実感できる。
「くっくっく」
「…………どうしたんだよ佐々木、急に笑い出して」
 僕の笑い声に、それまで焦ったように喋り続けていたキョンはますます渋い顔でこちらを見やった。
「いや、君には普段から色々世話になっているなと、再認識させられただけだよ。いつも有り難うキョン、心から感謝している」
「あ、ああ、そうか」
 憎まれ口を叩かれると思っていたのだろう、身構えていた彼は僕の言葉に虚を突かれた様子だ。
 風邪を引いたのはまさに僕の不覚だったが、布団の中から彼の心配そうな表情を観察するのも新鮮な気分である。
 こういう貴重な体験を味わえるのであれば、たまに風邪を引くのも悪くはない。
814ゑ腐:2007/04/14(土) 23:18:20 ID:ngxRj0Tk
ま、まあそれはともかく、俺に出来る事があったら何でも言ってくれ。今日は出血大サービスだから、何でもお前の願い事聞いてやるぜ。
 あ、でも願い事増やせとか、俺に不可能な願い事とかは無しな」
 現実的かつ無粋なフォローを入れる辺りは、本当にキョンらしい。
 そんな事を考えている内に僕の悪戯心がざわめき始めたのか、一つの願い事が頭に浮かんだ。
「…………それじゃお言葉に甘えて、一つ要望をあげてみようか」
「お、なんだ?」
 僕の声に、身を乗り出すキョン。
 あまり近付かれると緊張するのだが、そういう当たり前の事に気付かない辺り、彼は鈍感を具現化した存在であると改めて認識させられる。
「君の体温で、僕を暖めて欲しいんだ」
 恐る恐る切り出した僕の言葉に、だけどキョンは驚きながらも笑顔で頷いた。
 …………驚いた、冗談で言ったつもりだったのに。どうやら彼を侮り過ぎていたようだ。
 そう思いながらも、僕は彼を拒むことなく布団の中へと招き入れていた。
「はじめてなんだから、優しく頼むよ」
「OK、お安い御用だ。任せておけ」
 そう言ってキョンは僕と巧みな口吻を交わすと、汗で湿った僕のパジャマを丁寧に脱がし始め――――
815ゑ腐:2007/04/14(土) 23:18:50 ID:ngxRj0Tk
「とまぁ、これが僕とキョンの馴れ初めともいうべきイベントだったんだが、涼宮さん聞いてるかい?」
 改めて前を見れば、そこには怒り心頭と表現すべき紅潮した顔で、キョンの首を締め上げている涼宮さんの姿があった。
 手加減抜きの全力でやっているせいか、タップする余裕すらない彼の身体は中空で小刻みに痙攣している。
 昼間人通りの絶えないこの駅前で堂々と殺人未遂行為を実行する辺り、彼女はある意味大物だった。
「…………佐々木さん、それって本当なの?」
「勿論、出来の悪い冗談だよ」
 その言葉と同時に、口から泡が噴き出ていたキョンの身体がすとんとアスファルト上に墜ちた。
 絞殺の危機からようやく解放された喜びからか、彼は実に旨そうな表情で数分ぶりに味わう新鮮な空気を堪能している。
「そ、そうよね、このアホキョンにそんな大それた真似が出来る筈なんてないわ!」
「全く、涼宮さんの言う通りだ。実態はさっき話したのと逆の展開でね、風邪で寝込んでいた彼を僕が襲ったというのが真相さ」
「…………うがーー!!」
 僕の言葉を聞くや否や、涼宮さんは雄叫びを上げながらマウントポジションでキョンを殴打し始めた。
816ゑ腐:2007/04/14(土) 23:21:14 ID:ngxRj0Tk
以上、終わりです。
つまらなかったらスルーして下さいorz
817名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:27:30 ID:sw0Db8N0
>>816
オチなし!?
818名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:28:13 ID:JZGzVz7O
>>813-815
イイヨイイヨーGJ!
これはなにかががががこみ上げてくる

> 僕の言葉を聞くや否や、涼宮さんは雄叫びを上げながらマウントポジションでキョンを殴打し始めた。
みたいに佐々木視点でハルヒの暴挙を淡々と書いてるがかなり好き
819名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:33:40 ID:SGqYgjXo
これはないわ
820名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:51:59 ID:XrrakGck
>>810 乙です!

>>816 乙です。
(上からの物言いみたいで申し訳無い)自分的に許容範囲内。
810が丁寧だから荒さは目立つけど、慣れたら上手い短編作れそうな気がする。
オチにもうちょっと佐々木の心情が欲しかったかも。
あと、佐々木は女性と話す時は女言葉で、僕を使わないらしいよ
821名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:55:02 ID:M5b2ragb
 
822名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:03:29 ID:lhPJtGzv
ハルヒとP・K・ディックて以外に相性いい気がする
ユービックとかも合うかもしれない
823名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:10:29 ID:8i0W6oDr
ディックといえば神林長平もそのスジだし。
今回も永久帰還装置入ってたしなぁ。

そういや永久帰還装置についてはここではどう考えられてるん?
「世界改変能力」を持つ犯罪者を追う刑事の話ってやつ。
824名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:11:52 ID:vEThvMIN
>>820
でもキョンもいるから僕で話してんじゃないの?多分。
825名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:20:10 ID:5LQRzLiQ
たまに消失if物の、消失側世界のSS読むと感じるんだけど、

何らかの分岐点でアクションを起こすと
A.未来が変化する。
B.平行世界として分岐する。
基本的に一作品内でA・Bは両立しない。

これが頭に引っかかってしまうのは自分だけだろうか?
826名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:21:01 ID:7PIBnv3M
今度はキョンの本名は何だろ?
827ゑ腐:2007/04/15(日) 00:21:28 ID:IoJJT/mo
感想有り難うございます。
やはり荒さが目立つようですね、機会が有れば『馴れ初め』の真相編でも書こうかと思います。
…………需要無さそうですがorz

 
しかし、今確認したら頭に『「』が抜けてる罠orz
 
>ま、まあそれはともかく、俺に出来る事があったら何でも言ってくれ。今日は出血大サービスだから、何でもお前の願い事聞いてやるぜ。
 あ、でも願い事増やせとか、俺に不可能な願い事とかは無しな」
828名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:23:32 ID:Tc1ZT6TH
ていうか、sageようぜ
829名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:35:20 ID:NPo0xIya
そうだ、sageようぜ。
ついでに佐々木は女相手にはb(ry

バイセクシャル。
830名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:36:43 ID:XjNrI3cm
>>823
ここじゃどう考える、たって
蛍光色背表紙のラノベしか読まない人口が大部分占めてるんじゃねーの?
神林もラノベっちゃラノベだが
831名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 07:45:01 ID:CvLWpbdd
エッチなのまだ〜ぁ? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
832勝手にオチ:2007/04/15(日) 09:28:58 ID:u70eG26p
マウントポジションで涼宮さんはキョンを殴っている。少しキョンが可哀想なので本当の事を言うことにした。
「涼宮さん。それも冗談だよ。キョンとは何もなかったから安心してくれ。」
すると顔つきが般若から途端に飛びっきりの笑顔になる。
「そ、そうよね。中学生がそこまの関係がいくわけないし、まぁアタシは解っていたわよ。」
顔を真っ赤にしながらキョンを見つめている。
何だか良く解らないけど面白くない。涼宮さんをまたいじりたくなった。
「そう言えば橘さんがまたあの場所に一緒に来てほしいと言っていたよキョン。」 
すると涼宮さんはキョンの耳をひっぱりながら近所の公園に強制連行していった。
「くっくっく、本当に素直じゃないな。それは僕も一緒かな?」
今度会ったらキョンにはもっと優しくしてやろう。そうすれば……彼女に愛想つかして僕の所に帰ってくるかもしれないかね。


833名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 14:07:49 ID:CvLWpbdd
●<僕の出番はなしですか?そうですか…
834名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 15:43:12 ID:lrc1P5pf
おはようハルヒ
今日もチャイナドレスのスリットから覗く脚がセクシーだね
835名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 15:45:59 ID:ce4KhQwL
おはよう佐々木さん
今日もブラウスの襟元から覗く鎖骨がセクシーだね
836名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 15:46:08 ID:xTVqgm9c
とりあえず




起きんのおせーよ
837名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 16:17:31 ID:I6J9qk7M
xTVと言うことはあやしいテレビか。
838名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:11:22 ID:iWOR/v8s
まとめの『同窓会(全員参加)』っての見てたんだが
続きってないんですか?
839名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:19:06 ID:sI/A2vnK
なんか書こうかと思ったけど、考えてみりゃそんな時間ないわ
840名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:24:53 ID:t9IV/YoG
投下します。
エロなし。4レス。
1.

 放課後の部室で、昨日『彼』に渡された鳥を探す兄妹の童話を読んで、有機生命体のいう幸福の概念が知りたいという欲求に駆られた。
 とりあえず掃除当番で遅れている『彼』以外の、部室にいる他の仲間に聞いてみる事にした。


CASE.1
「宇宙人や未来人や超能力者を探し出し一緒に遊ぶ事よ!」
「……そう」
 彼女らしい答えである。
「あ、でも、有希やみんなと一緒なのも幸せ、かな」
 温かい言葉だ。それを『彼』の前で言えたら彼女はもっと幸せになるのだろう。

CASE.2
「そうですね、幸せという言葉をどう定義するかによると思うのですが………」
 10分42秒にわたる彼の講釈を要約すると、幸福というものはその個体の経験や現状によって変遷していくものであり、唯一なる定理は存在しないという事らしい。
「僕個人的なものであるならば、やはりあなたが読まれていた童話そのものですかね。いえ、童話というよりは寓話と限定したほうが良いのかもしれません。そもそも………」
 放置しておくと、この後また10分以上講義が続くと予想されたので早めに礼を言い、話を打ち切ってから、次の人に質問する。

CASE.3
「ふええー、禁則事項ですー」
 ………何の役にも立たないオチがついた。


842名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:27:26 ID:4/Gxz3qh
支援
2.

 どうやら幸福の概念を知るためには、わたしだけの幸福というものを見つけないといけないようだ。
 他の知り合いにも話を聞きたいと願い、涼宮ハルヒに頼んで早退させてもらった。
 とりあえず出会った知り合いに自身の幸福について尋ね、それを参考にしてわたしだけの幸福を定義しよう。


CASE.4
「んー、生きてるだけで幸せっかなっ! 風は気持ちいーし、ご飯は美味しーし、みくるは可愛ーし、うーん、おねーさん人生丸儲けだねっ!あっはっは、幸せいっぱい夢いっぱいだよっ!」
 本当に幸せそうな声でそんな事を言う。
「もちろん、有希っ子もめがっさ可愛ーっさっ!」
 力いっぱい抱きしめられる。
 ………まあ、嫌ではない。

CASE.5
「ふむ、そうだな。私が努力する事でこの学校が少しでも良い方向へと向かうのであれば、それが私の幸福なのだろうよ」
 次にわたしが出会ったのは、この学校の生徒会長と、
「あらあら、うふふふ」
 その後ろで謎の笑顔を浮かべる書記であった。
「何故笑うのかね、喜緑くん」
「にゃーにゃー」
「何故に猫の鳴き真似? いや、何となく言いたい事は伝わってくるのだが………」
「そんな、わたしは『被るのは体の一部分だけで十分でしょう』なんて思っていませんよ」
「………キミとは一度じっくりと話し合ったほうが言いようだね」
「うふふふ」
「はははは」
 わたしを無視して痴話喧嘩を始める二人。
 要するに、これが彼等二人の幸福なのだろう。

CASE.6
 次なる知り合いを探して学校を出る。
「コ、コンピ研は素通りなのかい?」
 ………素通りである。
「つ、冷たい。………だがそれがいい!」
 ………無視である。


3.

 駅前まで来た所で、
「おや、そこを行くのは、えっと、長門さん、で良かったかな」
 春に知り合った四人組みに声をかけられた。
「うん、どうやら正解だったようだね。最近は塾やら偏差値やらにかまけていたので、人の顔を覚えるという能力が劣化していないか不安だったんだが、どうやら僕はまだ社会的不適合者ではないようだ」
 どうやら今日は未来人の男性がいるので男言葉モードらしい。
 そうだ、この四人にも話を聞いてみる事にしよう。


CASE.7
「そうだね、今僕達は幸福について話をするために喫茶店に来たわけなんだけど、頼もうと思っているコーヒーが美味しかったら、とりあえず僕は幸せかな」
「そ、そんなんじゃ駄目です。もっと大きな夢を、世界征服のための力が欲しいとかないのですか?」
 泰然自若と挙動不審、対照的な二人である。
「佐々木さんは力を持つにふさわしい人なの。少なくともあたし達はそう考えているんです」
「うん、それがキミ達の幸福だからだよね」
「ああっ、もうっ!」
 幸福の定義も対照的である。
 なるほど、個体によって変化するとはこういう事か。

CASE.8
「真っ赤な―――夕焼け―――とても………きれい」
「はっ、どうせそれすらも作られた幻だろうに」
 こちらは意思の疎通が難しい二人組みである。
 どうやらお互い会話らしきものを交わしているようだ。
 わたしが質問するまでもなく、二人で勝手に幸福について喋りだした。
「わたしの………幸福―――幸せ………何?」
「くだらない。機械人形に幸福なぞあるはずがないだろう。それらしいものを感じたところでそいつは単なる勘違いさ」
「勘違い―――それは―――あなたも?」
「ふんっ」
 そっぽ向く彼。しかし、否定の言葉はなかった。


 もしかしたら彼の言葉通り、幸福とは勘違いなのかもしれない。
(それでも構わない)
 そう思うのだ。
 
 それでも知りたい、と思うのだ。


4.

 結局、今日一日ではわたし自身の幸福を定義する事はできなかった。
 この国の表現で言う肩を落としながらの帰り道で、偶然『彼』に出会った。
「おう長門、今帰りか。どうだ、幸福ってやつは見つかったか?」
 そうだ、まだ『彼』に聞いていなかった。


CASE.9
「あー、正直良く分からんのだが、幸福ってのは言葉で伝わるものではないと思うぞ」
「………?」
 良く、分からない。
「定義しようとしても無理だって事だよ。ただ感じる、それだけで良いんだ」
 そう言って、『彼』は幸せそうに笑った。
 そこで別れ道が来たので、最後に一つだけ聞いた。
「あなたはわたしといて、幸福を、……感じる?」
 答えはなく、ただ頭を優しく撫でられた。


LAST CASE
 わたしの頭を撫でている『彼』の掌から、確かな温かさを感じる。

 もしかしたら、と思う。
    ―――これが、幸福、なのだろうか?
846名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:30:50 ID:t9IV/YoG
以上です。
では、また。
847朝倉が仲間になったら小話:2007/04/15(日) 17:31:14 ID:YZv4f4Na
ある休日の朝のことだった。
「キョンくん……」
朝、俺がウスウスと目を覚ますと聞き慣れない声がした。
……誰だ……
「キョンくん……あたし……大きくなっちゃった……」
俺はフッと眼を開いた。そしてベッドの横にいた人物を見て……跳ね起きた。

「長門、今すぐ来てくれ。……来られない?代理?
 代理でも何でもいい。とにかくよこしてくれ。」
胸の成長でボタンが弾け飛んだ妹の寝巻きと
下着を脱がせ、俺のTシャツを着せた。
「寒い……寒いよ。」
妹を抱き寄せると、その体が氷のように冷たく、
微かに震えていることがわかったので、俺は服を脱いで抱き絞めた。
妹は顔を赤らめてそれを拒んだが、すぐに腕の中で大人しくなった。

数分後、朝倉涼子が窓から侵入してきた。喜緑江美理を期待していたんだがな……。
「あら妹さん、少し見ない間にずいぶん大きくなったわね。」
冗談はやめろ。とりあえず妹を落ち着かせたい。
「わかったわよ。」
朝倉が妹の額に手を当てると、妹の震えが止まり、寝息を立て始めた。
朝倉は俺の方に向き直った。
「で、どうするの?」
その指示を仰ぐために、お前なんぞを呼んでるんだよ。
「やけに素直ね。」
微笑。
848名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:32:13 ID:YZv4f4Na
「原因は涼宮さんよ。でも何故こうなったかは、わからないわ。」
お前には治せないのか。どうすればいい。お前よりも発育のいいこの女を、
小学生と偽って生活させるわけにもいかないだろう。
「妹さんの自慢は後にしてくれる。そうね……まず私には治せない。
 これを起こした涼宮さんの動機を探って、その目的を何らかの方法で満たすしかないわね。」
動機……聞いた方が早いか。

「なに?キョン。」
「ハルヒ、昨日うちの妹と何か話したか。」
「えっ、」
思い当たる節があるらしい。
俺の両肩に手を乗せて、後ろから身を乗り出している朝倉と目を見合わせる。
「妹とどんな話をした?」
「……妹ちゃんが、あんたとあたしがしてるのを見てたみたいで……
 終わった後に、あたしがシャワー浴びようと思って廊下に出たら、会っちゃったのよ。」

「で、何の話をした。」
「それは言えないわ。……あ、思い出した。あんたさ、帰ってきた朝倉と
 仲悪いみたいだけど、なんかあった?」
背中に胸を押し当て、耳に息を吹きかける朝倉の妨害を受けながら、
俺は適当に覚えがない、知らない云々と伝えた。
「ならいいけど。じゃあね。」
……切られてしまった。
849名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:33:15 ID:YZv4f4Na
「お前と仲が悪いせいで聞き出せなかった。」
「あなたが私に冷たくしてたツケね。」
などと言っている場合ではない。ハルヒと俺の行為を目にした妹が何かを言い、
そしてそれを受けて、ハルヒがその力でもって、妹を成長させた。情報はこれだけだ。

「妹さんの願いを叶えてあげたとも推測できるわね。
 つまり妹さんがあなたとセックスをしたい、と言ったのよ。」
馬鹿みたいな推測はいいから、さっさと宇宙的演算パワーで導き出した答えを教えてくれ。
頭のレベルを俺に合わせなくていいんだよ。
「嫌よ。私は何か興味深い情報が得られると思って、ここに来てるのよ。
 今あなたが、自分で考えた推測を1つや2つ披露することが、私の雇い料金だと思いなさい。」
話にならん。長門のありがたみがよくわかる。
後であいつに、日頃の礼をしよう。プレゼントでも買うか。

「キョンくん……」
ハッと振り向くと、妹が目を覚ましていた。
……なるべく避けたかったが、当人に聞くことにする。
「昨日、ハルヒに何を話した。」
「えっ……」
「これは重要なことだ。言いたくないかもしれんが、言ってもらう。」
850名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:33:46 ID:FxY6GFTE
>>843
コンピ研よwwwwww
851名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:34:16 ID:YZv4f4Na
「『何してたの』って聞いたの。そしたら、『大人になるとすることよ』
 って言われて……あたしは泣いちゃったの。」
「どうして。」
妹は涙ぐんでいた。
「またあたし……キョンくん達に仲間外れにされたんだなって思って……
 それから先は、何て言ったのか覚えてない。
 ……迷惑かけて、ごめんなさい。」
「そうか。よく言ってくれた。まあハルヒのしたことだ。
 お前は悪くない。寂しい思いをさせて悪かったな。」
俺が頭を撫でると、妹は一層泣きじゃくった。

大体想像はついた。泣きながら検討外れの
年齢差別を訴える妹にハルヒが同情し、夢を叶えてやったのだろう。
相変わらず思考が読めない奴だ。
「朝倉。原因はハルヒの願望ではなく、妹の願望
 だったわけだが……この場合どう決着をつける。」
「妹さんがもう昨日のことで悩んでいない、ということを
涼宮さんに伝えればいいわ。そこで質問なんだけど、妹さん?
あなたの目的は果たせたかしら? それともその体になっても、
叶わない夢だったと感じたかしら。」

「ハルにゃんに……電話させて。」
「そう。」
朝倉はいつもより2割増しの微笑を浮かべていた。
852名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:34:23 ID:4/Gxz3qh
水の惑星でゴンドラを漕ぐエミリーを幻視してしまったw

ほのぼのエンディングでいいね。
フジパンは、意外と誠実なやつかも知らんな。
853名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:37:25 ID:YZv4f4Na
「ハルにゃんあのね……昨日の話なんだけど」
「昨日の話?」
「……あたしは忘れてたの。キョンくんはあたしが病気とかになると、いつも優しく
 してくれて、ホントはすごく大事に思ってくれてるんだ、ってことを。
 でもあたしはもっとキョンくんを独り占めしたがってたの。」
「……」
「でももう大丈夫。変な相談してごめんなさい。」
妹は、嬉しそうだった。
「わかったわ。あたしずっと心配してたの。あたしのせいで妹ちゃんが、
 寂しい思いをしてるんじゃないかと思って。
 でもどうすればいいかわからなくて、モヤモヤしてた。
 わざわざ電話してくれてありがとう。キョンと仲良くね。」
「うん!」
電話が終わると妹の体は、元に戻っていた。

俺は妹を寝つかせてから、朝倉と話をしていた。
「しかしわからんな。妹が疎外感を感じていたのをどうにかしたいと思って、
 なぜあいつは妹を成長させた?」
「さあ。あなたが朝比奈みくるにばかり、優しくしてるからじゃないの。」
ウッ、と息を詰まらせる。そうかもしれん……。
「私はもう帰るわ。役に立てたかしら。」
「全然。……てのは嘘だ。お前のお陰で
 妹が心を開いてくれた気がする。ありがとよ。朝倉。」
「ふふっ。どういたしまして。じゃあね。」
朝倉はフッと消えてしまった。

やれやれ、もう夕方か。
せっかくの休日だというのにろくに疲れも取れなかった。
だが代わりに我が妹の可愛らしい寝顔が
見れたと思えば、決して無駄な一日ではなかったのだ。

―終―
一度読み返したら朝倉が何もしてなくて焦った。
本当は朝倉が「妹さんがどう思っていようと、
関係ない解決方法を思いついたわ」って言いだして、
キョンと妹を無理矢理セックスさせる予定だったんだが、
それだと朝倉がいいヤツになれないのでやめた。
854名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 17:41:25 ID:4/Gxz3qh
おっと、感想書いてる間に新しいのが。>852は、>846宛てで。

>853
キョン妹に異変の記憶を持たせたまんまなのは、やばくね?
ぜったい次にハルヒに会ったときに「はるにゃんに電話したら
治ったのー」とか言うぜ?
855名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 18:01:54 ID:S8LYUvkA
>>846
GJ、普通に面白かった
本編では九曜のキャラ立てがまだよく分からないけど
この方向性はなかなか良い感じだと思う
856名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 18:25:38 ID:CvLWpbdd
キョンとハルヒは何を見られたの?
857名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 18:26:27 ID:4/Gxz3qh
大人になったらすることだよ。
858名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 18:30:51 ID:mPk1CMcV
女体化国木田マダー? できれば朝倉との絡みで・・・
859名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 18:53:33 ID:isxZDrms
>>858
どっちの〜?
860名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 19:25:43 ID:DPDWhJH2
両方ともコンセプトはいいんだがオチがつまらんな
861名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 21:01:00 ID:isxZDrms
ある日の放課後の事だ。いつも通りに部室に行き、ノックをして入ったところ、
古泉のやつがコンピ研から頂戴したノートパソコンを開いていた。
まだ部室には長門とコイツと俺しかいない。
「やあ、ちょっとあなたに見て頂きたい物があるんですよ。」
そう言って古泉は2つの小説のようなものを俺に読ませてきた。
一つは「Kの悲劇」、もう一つは「国木田の憂鬱」と題されてるものだ。
読み終わった俺を見て古泉はこう切り出した。
「どうでした?あなたのお友達が女性になられる話は。」
「どうもこうもねぇよ。っつーか一体これはなんだ?」
「あなたはネット上にある大型掲示板の存在についてご存知ですか?」
あ〜つまりそれは2ちゃんねるとかの事か?
「その通りです。そこにある某スレッドにこのようなお話をお書きになった
二方がいらっしゃるんですよ。顔も名前も知りませんが。
それでですね、この2作品は連載ものなのですが、どうも最近続編が出て来ないんですよ。
一方は一方的に犯されるエロ展開豊富な作品。かたやもう一方は日常パートが多めながら
エロ展開は未だにない作品。
あなたはどちらの続編を待ち望んでますか?」


古泉。俺にとってはどちらでもいいが、
お前高校生だろ。
862名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 21:15:08 ID:Z55e2QBu
対有機体生命体用コンタクト用ヒューマノイド用・イン夕ーフェース

誤字は?
863名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 21:17:16 ID:gQbS0Fxf
>>862
対有機生命体用、ヒューマノイド用の2箇所
864名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 21:23:08 ID:Ndtl23GS
「んーっ、そういえば最近国木田書いてなかったわ。たまには続き書かないとね。
 でもこれ以上進めたらそろそろあたしも絡まないといけないのよねぇ……。
 あー、Kの方の人がうらやましいわ」

「そういえば最近国木田のを書いてなかったな。キョンにさりげなくさぐりを
いれてみたが相変わらず飄々としているようだし、僕の知る彼のままで
書き続けて問題ない様だが……ふむ。こういう時憂鬱の作者が羨ましく感じるよ」


「ふひぇーん、指令が忙しくて感想が書けないですぅ……。
 文字制限かかるぐらいたくさんたくさん伝えたい事があるのにぃ……」
865名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 21:31:42 ID:QaWA27e1
>>864
ハルヒと佐々木の仕業だったのか!w
866名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 21:32:44 ID:4/Gxz3qh
>865
いや待て、三人目はスルーかいw
867名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 22:12:07 ID:t9IV/YoG
投下します。
エロなし。小ネタ。2レス。
868名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 22:12:53 ID:4/Gxz3qh
かもーん
869そして少女は少年の観測を開始した:2007/04/15(日) 22:13:16 ID:t9IV/YoG
―――――――――――――――――――
そして少女は少年の観測を開始した
―――――――――――――――――――


 ある晴れた日曜日の昼下がり、俺は公園のベンチに座っている、いかにも太陽熱を吸収していそうな黒い物体を発見した。

「何してんだ、お前」
「―――観測―――もしくは………散歩?」
「何で疑問系なんだよ」
 多分、俺的観測史上まれに見る、ほどよい温かさに脳が麻痺していたんだろう。
 俺はそのまま、よっこらしょっ、と出来の悪い人間失格型宇宙人こと九曜周防(あるいは周防九曜?)の隣に座り込んだ。
 そのままポスポスと九曜の頭を叩くように撫でる。彼女の持つ世界中に広がっていきそうな形状の黒髪は、長時間太陽に照らされていたであろうにもかかわらず、熱を吸収して熱くなっているという事はなく、むしろそれを全反射したかのように冷たかった。

「わたしは―――観測する―――存在」
 俺の手を払う事もむずがる事もなく、彼女はチューナーが必要かと思われるほどの、ずれたテンポで言葉をつむぐ。
「観測される―――存在では………ない」
 三拍子と四拍子の間を蛇行しながら直進するような、九曜の言霊の織り成す独特なリズムが、俺たちの間をところどころでつまづきながらも、ヘタウマなフォークダンスを踊るかのように流れていく。
「でも………あなたは―――わたしを―――見つけた………何故?」
 九曜は無表情のまま、首だけを、比喩でもなんでもなく本当に関節可動域を超えるまで、折り曲げる。………疑問に思う、という事を表しているつもりらしい。

 ああ、本当に、こいつは出来損ないだ。
 ジグソーパズルをしている奴に将棋の駒を渡してくるようなちぐはぐさ。
 それらが寄り集まって構成されているのが九曜という存在なのだ。
 普通の人間だとそんな存在には近寄ろうとすらしないだろう。
 だから、俺はこいつの疑問にこう答えるのさ。

「それは、お前がここに、いたからだろうな」

 言葉と同時にわしゃわしゃと一際強く頭を撫でる。
 力を入れていないせいか、俺の手によって九曜の頭はメトロノームのように容易に左右に揺さぶられる。
 普通の人間は、こいつには関わろうとはしないだろう。
 だったらそれは朱に交わって藍より青くなっちまった、この俺の仕事だって事さ。


870そして少女は少年の観測を開始した:2007/04/15(日) 22:14:39 ID:t9IV/YoG
 しばらくの間、そうして俺にされるがままになっていた九曜であったが、いきなり何の予兆もなく30度ほど傾いたところで俺の腕ごと急停止し、ポツリと呟いた。
「あなたの………てのひらは―――とても―――温かい」
 そしてそのまま、彼女は体ごと俺の膝の上に倒れこんできた。
(………本当に何を考えているんだ、こいつは?)
 人の膝の上で表情一つ変えずに、ただ、存在している。

 ―――けれども確かに、存在している。

 九曜が触れている部分から彼女の熱が伝わってきた。
 それは多分、一介の高校生には手が届かないほど遠くからこっちを見下ろしているだけの太陽様のおかげなんかじゃなく、現在ゼロ距離で触れ合っているこの俺が与えた熱なのだろう。
 そう思うと、このくらいの意味不明さなら許してやろうか、というような気分になる。
 だがまあ、一応これだけは聞いておかないとな。


「何やってんだ、お前」
 俺の疑問に、

「―――観測」
 彼女はそう答えた。

 ―――今度はちゃんと、断定系で。

871名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 22:15:20 ID:t9IV/YoG
以上です。
では、また。
872名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 22:17:59 ID:4/Gxz3qh
そこへハルヒが通りかかり… え、終わり?

キョン警戒心なさ杉だなー。
そういうオープンなところに撃墜される女子も多そうだが。
873名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 22:23:47 ID:tPlo66FB
なんという昆布……
こいつはないわと思っていたのに完璧に萌えてしまった
間違いなく俺は愛玩動物系ヒロイン好き
874名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 22:45:24 ID:wI9qqqWe
今日は投下が多いな 変なヤツもいるが・・・
875名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:13:36 ID:Z55e2QBu
>>862 タ > 夕 
876名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:15:29 ID:T/Lvis4A
どんどんキョンがエロゲの主人公みたいに見えてくる・・・。
って最初からか。
877名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:15:43 ID:r1eWueLt
こ、これはありかもしれん…
明らかに愛で方が不思議生物を相手にしたようなソレだが
何だか和んだ
878名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 23:41:08 ID:SpVPUUMX
疑問形
断定形

SSの出来は良いが、リアルで間違えてるなこの人。
879助けてSOS! 〜俺と彼女と神人と〜:2007/04/16(月) 00:52:47 ID:k5BEavIv
 恒例の市内不思議探索と名のついた暇つぶしも何事も無く終了し、心休まる土曜の夜の自室であったが、
何故こうも戦々恐々としているのかというと、帰り際に長門に手渡された一通の手紙のせいだった。
「あなたの明日の行動は、未来を大きく変える可能性がある。読んで」と手渡された真っ白な封筒は、
恐らく便箋が一枚か二枚しか入っていないような重さだったが、俺には無限の重さを持っているように思えた。
 …もしこの封筒の一枚目に、『この文章を読んだ後 後ろを振り返ったとき お前は 死ぬ』とか書いてあったら、
それがたとえジョークでも、その瞬間に俺の心臓は恐怖で停止するだろうな。
 まあ長門が渡した手紙だ。ジョークどころか冗長な文章は一文字たりとも存在しないだろうから、
馬鹿なことを考えずにさっさと読むか。

 さて、封筒の中に入っていたのは2枚の便箋だった。例のごとくワープロで印字したかのような整いすぎた文体で、
見覚えのある名前と、時間、場所、それに…これは何だ? 意味不明な一文と妙なマークが並んでいる。

ハルヒは   …13:00 駅前広場 ニア荷物を半分持ってやる    『自室でドッキリ! 机の写真は誰のもの?』
朝比奈さんは …15:00 商店街  ニアイヤリングをプレゼントする 『触れ合う指先!? 禁則事項は守れない』
長門は    …17:00 スーパー ニア折角だからご馳走になる   『思考回路にノイズ発生 優しいエラーの除き方』
古泉は    …22:00 自宅前  ニア守りたいもの位あるさ    『守るべき世界 硝子の仮面を外した時に』
鶴屋さんは  …11:00 通学路  ニア一度見てみたいですね    『俺が婿殿!? 鶴屋家・沈黙の掟』
妹は     …12:00 自宅台所 ニア思わず抱き留める      『今日だけは一緒に お兄ちゃんはいつも大忙し!』

…OK、落ち着け俺! SOS団員はうろたえないっ!!
この一見、というかどうみてもエロゲの攻略にしか見えないメモは、あの長門大明神様から貰った物だ。
明日降りかかるであろう災厄を回避するためのヒント違いない。内容はともかく、とりあえず続きを読むべきだ。

阪中は    …14:00 住宅街  ニア敢えて阪中の頭を撫でる   『ルソーはキューピッド!? 涼宮さんには内緒なのね』
! 朝倉!? …16:00 教室   ニア一度見た技は俺には効かない 『届かない刃 伝わらない想い』
喜緑さんは  …10:00 生徒会室 ニア勿論手伝います       『誘惑でしょでしょ? 生徒会室の甘い罠!』
佐々木は   …19:00 自宅玄関 ニアたまには散歩でもするか   『理性だけじゃ止まらない! 抑えきれない身体の衝動』
橘は     …09:00 駅構内  ニア話くらいなら…       『ずっと二人きりで… セピア色の閉鎖空間』
九曜は    …18:00 公園   ニアこっそりポニーにしてみる  『言葉では伝えられない あなたの瞳に写るもの』

 どうみてもエロゲです。本当にありがとうございました。てか『一度見た技は俺には効かない』って何だよ。どこのバトル漫画だ。
最近出会った佐々木団(俺命名)の面子まで入ってるし。こいつらにフラグ立てた覚えなぞ一片たりとも無い。
これは、この時間にこの場所でこの選択をするなってことだよな? 俺は急いで二枚目を見た

『明日は最もルートの分岐が集中する、いわば特異日。直前のセーブを推奨する。
 なお、キャラによっては性交渉も発生する可能性がある。起床直後に『シャワーを浴びる』を実行すると失敗確率が減少する。
 …私という個体は、あなたと夕食を共にすることを強く望んでいる』
 
 …そうか。でもな、明日は朝一で国木田と谷口を誘ってゲーセン巡りをすることにするよ。
チキンと言う無かれ。各行の最後に書かれたダース単位の神人とエラーのマークを見れば誰だってそーする。
 そうして俺は、古泉のデカいハートマークと、鶴屋さんの禍々しい拳銃のマークを見なかったことにして、手紙を屑籠に放り投げた。
880名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 00:56:02 ID:EApsGEgc
>>878

その「リアルで」の使い方もどうかと思うが
881名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:03:10 ID:JdRuR/Yg
>>879
笑ったw……でもやけに気になるイベントが多いなオイ!

>誰だってそーする
おれもそーする
882名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:18:45 ID:eVU7eJ1h
>879
これは良いフラグ王ですね
そして鶴屋家の掟を思い出した自分ガイル

それはそれとしてキョンの行動を時系列順にまとめてみた

橘    …09:00 駅構内
喜緑   …10:00 生徒会室
鶴屋   …11:00 通学路
妹    …12:00 自宅台所
ハルヒ  …13:00 駅前広場
阪中   …14:00 住宅街
朝比奈 …15:00 商店街
朝倉   …16:00 教室
長門   …17:00 スーパー
九曜   …18:00 公園
佐々木 …19:00 自宅玄関
古泉は …22:00 自宅前

それにしてもこの男活動的である
883名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:23:36 ID:ocaG1KYc
全通りのエピソード書いたら神になれるぞw
884名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:36:38 ID:oSknmlh9
>882
なつかしの「同級生」のチャートを見ている気分だ。
885名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:40:42 ID:waIg5rad
書き手さんたちがこれを連載してくれたら、母の病気も治ると思います
886名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:43:15 ID:gS7DWsZA
全通りのエピソードの開示を求めるっ!
というのはさすがに鬼畜だから、良質のフラグクラッシャーキョンが一日で全てをこなす
一作品で良いよ……と考えてたら、トリが古泉でアッー!が頭から離れない!アッー!
887名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:45:02 ID:UInNODRB
しかし国木田ルートに分岐してしまう罠
しかも選択肢で性別が変化
888名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 01:52:34 ID:cegZyhh2
>>879
これは二次創作SSのまとめか、めっさワロタ。エロゲってこんなんなのね。
セピア色が個人的にツボ。なんで最初からセピアww
全部こなさないと死ぬフラグきぼん。
889名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:01:00 ID:OihRZzFW
実はこの世界は改変されているというオチ。
原因は、ある日キョンが叩き折った12本のフラグ。
890名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:09:31 ID:CwV6GYb6
投下したいんだけど容量どうかな? 10KBくらいなんだけど……。
891名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:16:22 ID:n/vaJL43
「────あなたの……投下を──待つ────」
892名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:19:11 ID:CwV6GYb6
ならば、行きます!

久しぶりに投下します!

「国木田が男装した女の子だったら」第8弾です!

キャラの性別が変わるのが苦手だという方はスルーして下さい!
国木田がオリキャラ化しているので、苦手な方はスルーして下さい!
エロオンリーなので苦手な方はスルーして下さい!

それでは、いきます!

893国木田の乱交:2007/04/16(月) 02:20:22 ID:CwV6GYb6
ふと気づくと、俺は見知らぬ部屋に居た。
頭を振って思考を回復させる。俺の記憶が正しければ、いつものように部室で古泉と将棋を指していたはずだ。
その後朝比奈さんのお茶を飲んで……。
そこで俺の記憶は途切れている。ということは、だ……。
俺は部屋を見回した。予想通りの人物達が集結しているのを発見する。まったく勘弁してほしいもんだね。

俺はつかつかとそちらへ向かう。歩いていた途中で気がついたが、ここはラブホテルのようだ。
丸見えのシャワールームや回転ベッドを見れば誰でも気がつくだろうがな。

その回転ベッドの上でたむろっている連中に、俺は声をかける。
「……今回の言いだしっぺは誰だ?」
「何の目的でこんな所へ連れてきた」とは言わない。言わなくとも分かっているからだ。

俺の問いに、全く悪びれた様子も無く元気に手を挙げたのは国木田だった。
「ごめんねキョン。悪いとは思ったんだけど、ボクも我慢出来なくってさ……。」
恥ずかしそうに笑いながら国木田は言った。国木田、その仕草は中々可愛いと思うしグッとくるものもあるが、だったら普通に誘えよ。
何も人をさらってラブホに連れ込むことはないだろう。しかもこんな大勢で。AVか何かの撮影だと思われてるぞ絶対。

「うるさいわよキョン! 大体何! アンタは可憐な女の子に、『これから一発やりたいからアタシとラブホへ行ってくれない?』とかって
 言えっていうの!? アンタがそこまで外道だとは知らなかったわ!!」
誰もそんな下品な誘い方をしろとは言ってないだろ。頼むからもう少し優しく喋ってくれ。ベッドの中ではあんなに従順なのに、何で普段は
こんななのかね。

しかし毎回誰かが俺とヤリたくなる度にSOS団全員(古泉除く)で絡みまくるってのはどうなのかね。ソドムやゴモラ並に爛れまくった
生活と言えなくもないな。
「でも仕方ないです……。みんなキョン君のことも、SOS団のみんなも大切なんですし……。どうせなら、やっぱり皆で幸せになった方が
 良いじゃないですかぁ。」
そう言って俺を潤んだ瞳で見上げる朝比奈さん。それだけで俺の股間の波動砲にエネルギーが充填され始める。
全く貴女の愛らしさは犯罪級ですね。でもお願いですからお茶に睡眠薬を仕込むのは勘弁して下さい。素直にお茶を楽しむことが出来なく
なってしまいます。

まぁ睡眠薬を飲んだからといって、大の男をここまで運ぶのは容易ではない。お前も色々したんだろ長門?
俺が目で問うと、長門はミリ単位ではあるがしっかりとうなずいた。何故か、何か大きな仕事をやり遂げたかのような、誇らしげな顔を
している。お前の感情表現が増えているのは嬉しいが、こんな所で余計なことを覚えるようなことはしなくて良いんだぞ。
894名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:21:13 ID:CwV6GYb6
「ところで古泉はどうした?」
俺は国木田に尋ねた。まさかとは思うが途中参戦なんてされたらたまらんからな。
「うん、彼ならキョンをこのホテルへ運ぶのを手伝った後、用があるからって帰ったよ。『僕には僕でやることがありますから』
 って言ってけど。」
あいつのやることねぇ。どうせロクでもないことなんだろうが。

さて、ではお邪魔虫が来ないのは分かったことだし、さっさと始めるか。正直、こんな連れ込まれ方をされたのにあっさりと行為を行なおう
とするのは自分でも人としてどうなのかとも思うが、慣れちまったもんは仕方が無い。それに、俺もやっぱり若いしな。

ブレザーを脱ぎながら国木田を抱き寄せる。国木田の瞳は劣情で潤みきっていた。軽くキスをしてやっただけで、腰が砕けてしまう。
「はあぁ……。キョン……もっとぉ……。」
国木田はうわ言のように俺を呼びながら、体、特に股間を俺にこすりつける。
国木田の体は凹凸が少ないが、それでも女の子特有の柔らかさはしっかりと備わっている。胸をもみながら深いキスをしてやると、国木田は
歓喜のあまり、身を震わせた。

俺と国木田が絡んでいる中、ハルヒ・朝比奈さん・長門は制服を脱いで下着だけになっていた。
そしてこれもいつものことだが、俺と国木田の服を脱がせていく。これは暗黙の了解のようなもので、俺と、最初に絡む人の服は他の人が
脱がす、というものだった。ちなみにこのあたりからハルヒは少し大人しくなる。今も、俺の制服を大事そうに抱え、皺にならないように
畳んでくれている。

そのいつもとのギャップに見とれていると、舌を噛まれた。視線を国木田に戻すと、恨めしそうな瞳を向けてくる。
ボクと愛し合っているのに他の女性に気を取られるってどうなの? と目で語っている。
お詫びの意味も込めて、ブラだけになった上半身、その背中をつっと撫で上げてやる。
それだけで国木田の瞳は再び桃色に染まる。膝が笑い出し、立って居られなくなる。本当に感じやすいなお前は。
「だってぇ……キョンなんだもん……。キョンだから、ボクはこんなにエッチになるんだよぅ……ボクがいやらしくなるのは、
 キョンの前だけなんだから……!。」

そんなことを言われたらスイッチが入ってしまうじゃないか。俺は国木田をベッドに横たえると、その体にむしゃぶりついた。
「ああっ! キョン! もっと……ボクを貪って! 汚してぇっ!!」
国木田はシーツをつかみながら乱れる。髪を撫でながらキスをし、そのまま首・鎖骨と下がっていく。胸を揉みながら、触るか触らないか
という愛撫を乳首に加える。綺麗な桜色をしたそれは、健気なくらいにいきり立ち、精一杯の自己主張をする。頃合を見計らい、思いっきり
吸い上げると同時に片方の乳首をつねりあげる。

「ひっ! ひぎいいいいいいいいっ!!」
まるで感電したかのように国木田の体が震える。既に露わとなった股間からは、潮が激しい勢いで噴出し、俺の下半身を濡らした。
「あっ? ボ、ボク……またやっちゃった……。」
国木田は震えだす。俺の下半身を自らの潮で汚してしまったという事に対する恥ずかしさと申し訳ない気持ち、そして、それによりこれから
加えられる俺からのお仕置き。それらへの畏れと期待から、国木田の瞳は震えていた。

「そうだな、またやってしまったな国木田……。それじゃあお仕置きだ!」
俺は他の三人にうなずきかける。他の三人もうなずきかえすが、その目は全員情欲の炎に彩られていた。
895名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:22:15 ID:CwV6GYb6
まず、ハルヒがディープキスを敢行する。舌を深く差し入れ、国木田の口腔内を思う様に蹂躙する。国木田が少し苦しくなって離れようとしても
それを許さずに顎をつかんで離さない。二人の唇の間から幾筋も垂れる唾液がエロい。

次に朝比奈さんが胸に吸い付く。更に、自らの豊満なお胸を国木田に押し付ける。同性同士とはいえ、やはりその巨乳の感触は気持ちよいらしく、
胸を吸われ、いじられる度、また胸を押し付けられる度に、国木田は背中を弓反らせる。

そして俺。俺は国木田の股間に吸い付いている。とめどなく溢れる愛液を飲みながら、国木田の急所を責め立てる。クリトリス・膣を指で、
舌で可愛がる。国木田の反応が良くなるにつれて、更なる責めを加える。クリトリスをそっと口に含み、膣口と菊門にそれぞれ指を添える。
「えっ!? キョン、まさか……! だ、駄目、今そんなことされたら……!」
俺は国木田の懇願を無視し、一気に攻めた。クリトリスを吸い上げ、同時に膣と菊門に指を挿入。Gスポットと直腸を責め立てる。

「ひぎぃぃぃっ!! キョン! キョン! らめぇぇぇぇっ!!!」
獣のような声をあげながら国木田は乱れる。その様を楽しそうに眺めながら、ハルヒは国木田の耳たぶを甘噛みした。

最後は長門。長門は国木田の足の指や、その間を一本一本丁寧に、じっくりと執拗に舐め上げている。
俺は最初、こんなものが効くのか疑問だったが長門にやられてあられもない声を上げて射精してしまってからは、その認識を改めた。
人によるのだろうが、足というのは結構な性感帯のようだ。国木田は長門に、更に足の裏を舐め上げられて切ない声をあげている。

さて、それでは本番に行くとしようか。いつもは皆にこってりとフェラをしてもらうのだが、今日はもう我慢が出来ない。
いきり立った愚息を国木田の秘裂にあてがう。皆で交わるときは、女性陣はきっちり避妊の準備をしている(主に長門によるが)ため、
生で行為を行なう。それは、直接俺を感じたいという女性陣の望みでもあった。もちろん俺の希望もあるが。

国木田と、一瞬視線を合わせる。微かにうなずいたのを確認し、一気に挿入する。
「あ、あああっ! キョン……熱くて固いよぉ……。」
国木田とは何度も交わっているが、相変わらず中がきつい。更に、肉襞が蠢き、油断するとすぐに射精してしまいそうになる。
俺は歯を食いしばり、ゆっくり、馴染ませるように腰を動かす。国木田の秘所からは愛液がとめどなく溢れ、お互いの陰毛をぐしょぐしょ
に濡らしている。

俺は国木田の背に腕を回すと、そのまま抱きしめると同時に自らの体を後ろへ倒す。いわゆる騎上位へと移行する。
「はぁっ! 深い……子宮に当たってるよぅ……。」
国木田は体をわななかせた。そのまま腰を使いはじめる。
俺は他の三人に、国木田を責めるよう指示を出した。
三人は嬉々として国木田を責め始める。

ハルヒは後ろから抱きつき、自らの美乳を押し付けつつ、背中を舐め上げる。
朝比奈さんは俺の顔に跨りつつ、国木田にキスをし、そのまま胸をいじり始める。
長門は俺の脇に陣取り、両手を使ってクリトリスと菊門を責め立てる。
896名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:22:55 ID:CwV6GYb6
これだけの責めにあった所為か、国木田の膣は容赦無く俺を締め上げる。限界が近づいてきた。
それを察した国木田が髪を振り乱しながら叫ぶ。
「あはっ! キョンのおちんちんピクピクしてる……。イクの? イクんだね? いいよ! ボクの中に出して! 思いっきりぶちまけてぇっ!!」
そう叫ぶと国木田は腰を激しく振ると同時に自らの意志で膣を絞め、俺を責め立てた。

流石に限界を迎えた俺だったが、最後の一責めを繰り出した。
「よし国木田、たっぷり中に出すからな! 俺の射精を受けてイッちまえ!! そんで、そのイき顔をみんなに見てもらえっ!!」
「ふぇぇっ!?」
国木田の膣の締めが更に強くなる。それはそうだろう。自分がイク時の姿を見られることほど恥ずかしいことも無いだろう。
しかし、その羞恥心によって国木田も絶頂への階段を上り始めたようだ。

お互いに相手の名前を叫びながら腰をひたすら振る。やがて。
「くっ! 国木田、もう出すぞっ!!」
「キョン! ボクも……ボクももうだめだようっ!! あっ……ああっー!!!」

そして。自分の欲望の全てを国木田に吐き出す。俺の愚息から精子が注がれるたびに、国木田は体を震わせる。
「あっ……キョン……出しすぎだよう……。」
通常よりも大分長い射精を終えた俺は、愚息を国木田から引き抜く。
ごぽり、という音と共に大量の精子が流れだした。大変エロい。

俺は国木田の髪を撫で、そっと口付けた。国木田は、まるで聖母のような笑みを浮かべた。あんなにいやらしく乱れたのに、そのすぐ後に
こんな清らかな笑みを浮かべられるなんて。女は本当に凄いな。

そのまましばらく抱き合っていた俺たちだったが、ハルヒに頭を蹴られて中断させられた。痛いよお前、何するんだ。

「こらキョン! 気持ちは分かるけど私達の相手がまだなんだからね! そんな終わったような雰囲気を出すんじゃないわよ!!」
む、確かにそれはそうだ。すまんなハルヒ。

俺が素直に謝ると、ハルヒは満足したように笑い、ぺたんと座り込むと俺に向かってM字開脚を展開した。
「ほら、私のここ……もうこんなになっちゃってるんだから、早くあんたのモノを突っ込んで……。そして私を……滅茶苦茶にして……。」
M字開脚をしながら自分の秘裂をくぱぁっと俺に開いてみせるハルヒ。

まったくそんなものを見せられたら俺はケダモノになるしか無いじゃないか。朝比奈さんや長門をどう責めてやるか考えながら、ハルヒ
に覆いかぶさって、そして俺は心の内で呟いた。


やれやれ。

897名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:23:55 ID:CwV6GYb6
そしてとある一室。壁全体に埋め込まれた大量のモニターを見ながら自分の愚息をしごいている少年がいた。
「あぁ凄い……そんなに大きくして……。それに何という精子の量……。僕にも大量に注いで欲しいものです……。」
機関の息がかかったラブホテル、特に監視カメラが無数に埋め込まれた部屋で絡み合うSOS団員たち……特にその中の一人……を見ながら
その少年───古泉一樹───は、一人恍惚の表情を浮かべながら自慰にふけりつづけた。

「僕もいつかはあの中に混ざれるのでしょうか……。もっとも僕が絡みたいのは彼だけ……。彼さえいれば良いのですが、ね。
 ……あぁ、またイクのですね!? では僕も……僕も一緒に……うぅっ!!」

彼の望みが叶う時は……果たしてやってくるのであろうか? それはスレの住人次第である……。
898名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:27:45 ID:CwV6GYb6
以上ですー。

どうも本編では中々エロシーンを入れられそうにないので、番外編としてエロシーンのみ書いてみました。
いつかはこれに佐々木チームもからませてみたいですね。

リアルに忙しかったり他のSSに浮気をしたりして中々書けませんでしたが、ぽちぽち頑張ろうと思いますー。

エロももっといやらしいものを書けるよう精進しますー。ではー。
899名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 02:28:04 ID:rLjQHzbF
終わり?
900名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 03:47:19 ID:LOsLQjV9
わっふるわっふる わっふるわっふる
901名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 05:03:32 ID:AlMBykIW
わっふるわっふる わっふるわっふる
902名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 08:29:34 ID:hLh3A2o7
>>885
母さんになにがあったんだ!
903名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 08:58:35 ID:MnFFfn52
最低12回しなけりゃいかんのか………………
朝は橘から始まり古泉で終わる。
作家さん誰か書いてくれ!
904名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 09:56:01 ID:MkPn8Gb9
あれ?ミヨキチとふg(ry
905名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 11:33:44 ID:MnFFfn52
>>904

8:00 ミヨキチ

中略

23:00 藤原
906名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 12:41:15 ID:ZkOKjTHc
あれ?森さんと新川さ(ry
907名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 13:41:57 ID:cw8jLc1g
>>879
橘が微妙に怖いんだが。
邪悪系ヒロインの予感がする。

>>882
DCみたいなマップ移動式だと考えるんだ。
908名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:57:06 ID:UFzQ4kTf
恥ずかしいよなんてね邪魔でしょっ!

んで俺は鶴屋さんの家にいるんだっけ。
しかもなんでふたりきり?
おまけになんで二人とも上半身裸なんだ。

以下、回想。
「キョン。今度の日曜日のパトロールは中止よ。ちょっと用事が出来たの。」
お前にSOS団より優先させる用事があったのか。何事だ。
「うるさいっ!あんたには関係ないわよ!他の団員にはあたしが伝えとくからあんたは帰れ!!」
下駄箱にきて考える。久しぶりに自由な日曜日というものをいかに有効に活用すべきか。
いや悩む必要もないな。日頃の疲れを解消すべく一日中家で寝ていよ…
「やあっ!キョン君元気かい?今度の日曜日暇かな?」
鶴屋さん…暇ですよ。さっき暇になりましたとも。
何事ですか?
「ちょっと私の家に来てほしいんだよ。めがっさ見せたいものがあるんさ!」

というわけで日曜日、SOS団名誉顧問、
鶴屋さん宅に行くことになったわけだ。
ゆるやかな日曜日よさらば。
ハルヒに振り回されるよりはるかに楽しかろうがな。
何度見てもすごい家だ。
909名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:58:17 ID:UFzQ4kTf
恥ずかしいよなんてね邪魔でしょっ!

んで俺は鶴屋さんの家にいるんだっけ。
しかもなんでふたりきり?
おまけになんで二人とも上半身裸なんだ。

以下、回想。
「キョン。今度の日曜日のパトロールは中止よ。ちょっと用事が出来たの。」
お前にSOS団より優先させる用事があったのか。何事だ。
「うるさいっ!あんたには関係ないわよ!他の団員にはあたしが伝えとくからあんたは帰れ!!」
下駄箱にきて考える。久しぶりに自由な日曜日というものをいかに有効に活用すべきか。
いや悩む必要もないな。日頃の疲れを解消すべく一日中家で寝ていよ…
「やあっ!キョン君元気かい?今度の日曜日暇かな?」
鶴屋さん…暇ですよ。さっき暇になりましたとも。
何事ですか?
「ちょっと私の家に来てほしいんだよ。めがっさ見せたいものがあるんさ!」

というわけで日曜日、SOS団名誉顧問、
鶴屋さん宅に行くことになったわけだ。
ゆるやかな日曜日よさらば。
ハルヒに振り回されるよりはるかに楽しかろうがな。
何度見てもすごい家だ。
910名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:59:00 ID:uLl9uGjf
>>907
同級生? と思った自分は
時代にとりのこされているのでしょうかw
911名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:59:52 ID:UFzQ4kTf
「キョン君!待ってたよ〜っ!さあさあ中に入った入った!」
「鶴屋さん。見せたいものとは?」
「ああ、ええっとねぇ、その前に質問。キョン君はさ、今までに女の子を抱いたことあるにょろ?」
…………はい?
「だからさあ、Hしたことあるのってことさ!」
いや、そんな笑顔で過激な質問されましてもですね………ないですよそりゃ。
「そりゃあもったいないよ!
ハルにゃんにみくるちゃんにユキっこに囲まれて、
周りの男子が聞いたらあきれちゃうよ。」
ああ〜まあ端からみれば羨ましいでしょうねえ。
ハルヒの性格がああでなければ。
「というわけであたしが女の子の扱い方を
一からてほどきしてあげようというわけさ!
一度経験してしまえばキョン君も少しは積極的になるだろうよ!
あたしってめがっさ優しいと思わないっかなあ?」
?!……というわけでってどう言うわけですか?!
えっなんかもう服脱ぎ始めてるし。
ちょっと待ってください鶴屋さん。
はやまるのはやめましょうよ。御両親が見たら泣きますよ。
「大丈夫だよ。この部屋にはあたしが呼ばない限り誰も来ないからさ。
あ、下着のはずし方も覚えなきゃね。じゃ、あたしのを脱がせてちょうだいな!」
「ちょっと待ってくださいって!俺とそんな事したって…んぐっ!」
鶴屋さんの唇によって言葉は中断された。
さらに俺のほうへと舌の侵入が始まる。って、なんだこれ?錠剤?
一旦離れて謎の物体について問うてみたいのだが、俺の頭は鶴屋さんに抱き抱えられたまま動かない。
零距離で目があう。…飲めってことですか?
まさかこんな状況で毒を盛られたりしないよな。
だいたい鶴屋さんにそんなことをされるほど
恨まれるようなことはしていない。
…ゴクン。
飲みました。そろそろ離してください。酸素不足です。
912名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:00:47 ID:UFzQ4kTf
「…っぷは!」
二人の口を一本の糸がつなぎ止めすぐに切れた。
今鶴屋さんにキスされたよな?しかもあんなネットリしたものを。
「ちゃんと飲んだみたいだね!えらいえらい!」
「今のは一体?」
「すぐにわかるさ!毒じゃないから安心しなさい!
あたしもさっき同じものを飲んだしね。さっ、続きだよ!脱がせ方は試行錯誤してみつけてちょーだい!」
俺に背を向ける。ブラジャーの金具が目に留まった。…はずしていいのか?
どう考えてもヤバいことをやろうとしてる気がする。
けどここまできて(俺はまだ何もやっていないのだが。)引くのはもったいない。据え膳食わぬは男の恥か。
よし、もう止まらん。なんか頭が働かなくなってきたし、本能の赴くままいってしまえ。
…はずし方がわからん。適当にいじってればとれるか?
………………とれた!ってええっとっちまった!
わああっ振り向かないでください!心の準備がっ!
「うつむいちゃだめじゃない!ほら、前むいて、目開けてにょろ?」
あけていいんですね?あけますよ。どうなっても知りませんよ。
ゆっくり、鶴屋さんの裸体をみる。
綺麗だ。
やべっ、体中熱くなってきた。特にさっき息子は異常だ。
……ちょっと熱くなりすぎじゃね?まさかさっきのは…
「気づいたかな?さっきの薬は媚薬だよ!でもねぇちょい作戦ミス、
先に飲んだのはあたしだから、あたしのほうが早くおかしくなっちゃうんだよね…」
そこにいるのはいつもの鶴屋さんとは違う、妖艶な笑みを浮かべた少女だ。
俺の服に手を伸ばし、シャツのボタンを一つずつはずし、はだけた胸に顔を寄せてきた。
913名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:01:34 ID:UFzQ4kTf
――――まあ、こういうわけだ。
我ながらとんでもない状態だと思うさ。
だか薬のせいか、男の本能かもう止まることができなかった。
鶴屋さんの胸にそっと手を伸ばす。
「ひゃうんっ!」
そんな声出されても…これであってるんですか?
「いいよ、そのまま続けて…」
恐る恐る、柔らかい丘を揉んでみる。
「んっ、いいよ…」
すげぇ、こんな感触なのか、興奮しすぎて目眩がしてきた。
鶴屋さん、すいません、くわえさせていただきます。
「はんっ!キョン君くすぐったいってっ…きゃっ!」
鶴屋さんを仰向けに押し倒し片乳首をに吸い付きもう片方を指先でつねった。
さらに鶴屋さんのパンツの上に手を触れてみた。
もうほとんど無意識だ。
「んんっ…すごいよ、やればできるじゃない。」
鶴屋さんのパンツはもうすでに濡れていた。しかもかなりの量だ。
布ごしに撫でるだけで艶めかしいあえぎ声をあげ、体を震えさせる。
もっと先へ進んでいいですか?薬のせいでアレがすごいことになってます。
「いいよ…早く脱がせて…」
ゆっくりとパンツを下げる。当然だか女性器をみるのは初めてだ。うっすらと毛に覆われた秘部が露わになる。
俺のきかん棒は挿入させてくれと激しい自己主張をし続けている。
「キョン君…早くぅ…もう我慢できないよ…」
俺より先に薬の影響を受けている鶴屋さんは限界突破しているようだ。
ここまで来たら細かいことは考えるな。本能と勘を頼りに息子を鶴屋さんにいれる……
「はんっ…気持ちいいよっ!…動いていいよ…」動いていいと言われましても…もうすでに快感が凄すぎて出ちゃいそうなんですが。でも動きたい気もします。
「いいよ…中に出して。今日は大丈夫だから。」
最後の理性の欠片は砕け散った。
AVの高速ピストン運動とはかけ離れた、ぎこちない上下運動だが、着実に臨界点は近づいてくる。
「はんっ!んんっ!いい!あんっ!やっ!イっちゃうよぉ!」
ドクン ドクン…
同時に絶頂をむかえてしまった。
914名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:02:13 ID:UFzQ4kTf
…初体験。
いろいろ想像していたものとは違うところはあるのだが、
何よりも異常なのはいましがた役目を果たしたはずの息子だ。
萎えるなどというものとは正反対。やる気に満ちていきり立っている。
「あははっ。まだやりたりないでしょ。大丈夫!あたしもさ。
じゃーん!ローションだよ。これでまだまだ、めがっさ気持ちよくなれるよ!」
そう言うと鶴屋さんは、ビンに入った液体を自分の体にたっぷり塗りたくって、
(胸にはより入念に、陰部に至ってはビンをひっくり返して直接かけてしまった)
俺の体に抱きついて全身を使って刷り込んだ。
なんなんだこの液体は。上半身に塗られてるだけなのにめちゃくちゃ気持ちがいいじゃないか。
「これはねぇ、感度が上がりすぎるから市場には出回ってないレアものなんだよ。
じゃ、そろそろ下の方も。」
俺の息子をローションまみれの胸な挟んでシゴキ始めた。
!!これヤバい!我慢とか全然できない。あ!出るっ!
本日2度目の射精。しかも今度は鶴屋さんの顔と胸な多量の白濁液をぶちまけてしまった。
「ご、ごめんなさい!ええと、なんか拭くもの…」
「いいよっ!こっちもそのつもりでやったんだしさ。でもちょっと早すぎ。そんなに気持ちよかった?」
口元についた精液を舌で舐めながら、笑顔で訊いてくる。
そりゃあもう。この世のものとは思えないくらい気持ちよかったですとも。
「じゃ、次キョン君の番ね!」
仰向けで、何かを期待するような目で俺を見つめる。
今なお息子は暴走しており、俺自身もそう簡単には止められなくなっている。
中毒性があるんじゃないか?これ。
先ほどと同じように、鶴屋さんの全身を愛撫する。
「ひゃああんっ!…やっぱりこのローションすごい…」
適当なタイミングでクリをつねってみると大きく弓ぞりしたまま鶴屋さんはイってしまった。
915名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:02:58 ID:UFzQ4kTf
責めと受けを交互に繰り返しながら、俺は何度も射精する。
おそらく15回は越えたと思う頃、お互い息も絶え絶えで倒れ込んだ。
「キョン君…今日は…最高の日だよ……」
俺もですよ。ハルヒが今日休みにしてくれたことに感謝してやらねばなるまい。
「あ…キョン君は知らないのか。ハルにゃんはただ休みにしたんじゃないんだよ。」
えっ?なんですか?何か裏があると?
「実はねぇ、今日の一部始終を見る為さ!」
ガラガラッ
部屋の扉が開いた。
そこにいたのは、誰であろう涼宮ハルヒその人だ。
つまりあれですか。二人は組んでたわけですか。
「こら、キョン!なにいつまでも抱き合ってんのよ!とっとと鶴屋さんから離れなさい!」
俺と鶴屋さんの方へ大股で歩きながら、途中ローションの入ったビンを手にとり、「これ、飲んでも効果あるわよね。」と言いながらローションを一気飲みしてしまった。
「さあ、キョン。今度はあたしが相手よ。覚悟なさい。」
いや、ちょっと、俺は今日もう打ち止めで…
「だったらあんたもこれ飲みなさい!」
有無を言わさずローションを口の中に押し込まれた。
一応突っ込んでおくが、これは飲み物ではないぞ。
「やっぱりお似合いのカップルだね!ハルにゃん、キョン君。」
「ほら、さっきの鶴屋さんの時みたいにしなさいよ。あんたのチ○チ○はそんなもんじゃないでしょうが!!…ほら立ってきた立ってきた!」

916名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:04:25 ID:UFzQ4kTf
・・・
翌日、俺はベッドから降りられないほどの筋肉痛と疲労だったことはいうまでもない。
ちなみに昨日だけで、鶴屋さんに17回、ハルヒに14回射精したらしい。
(ハルヒがしっかり数えていた。自分のほうが少ないことに若干腹を立てていたようだ。
仕方がないだろう。どんなに刺激ん与えてもなんの反応も示さなくなっちまったんだから。
俺は半気絶状態でよく覚えていないが。)
体力無尽蔵のお二方は翌日もいつもどおりのテンションだったが、
俺は授業中も休み時間もほとんど動けなかった。
登校しただけで勘弁してくれ。



鶴屋さん×キョンでした。
感想いただければ幸いです。
917名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:32:17 ID:OihRZzFW
典型的な山無し落ち無し意味無し(801)に徹している気ガス。
しかしながらヤルだけ物の肝であるエロ描写が大変淡泊なので、
鶴屋さんをめがっさ愛している方のイメージプレイを補助する程度の役割しかないと思われます。

進むべき道は三つ。
1.エロ小説を読みあさり、エロ描写に磨きを掛けてエロキングになる
2.エロはバッサリと切り捨てて、人物・情景描写を磨き正統派SSを書く
3.綿密なキャラ描写に基づきエロSSを書く、萌えエロマスターになる
918名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:33:46 ID:uLl9uGjf
>>917
●<4.腐女子路線はないのですか?
919名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:37:37 ID:UFzQ4kTf
>>917
まともにエロSSを書いたのはこれが初めてなので
自分の路線など考えたことはありませんでした。
エロ描写は少ないですね。
精進します。
920名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 16:26:55 ID:2SZbPax3
なんか、感想(批評)が欲しいと言われてポンッと出せる>>917に感心した。
モヤモヤと浮かぶんだけど、全然まとまらないんだよねぇ……。

導入部と、それに繋がる回想の締めくくりが弱い。
シチュエーションと行為、行為に至る描写がアッサリしすぎ。
行為に深みを出すリアリティーとキャラ性が薄い。こんな感想かな。

一日31回は無理ッス! ヒトじゃないッス! 古泉じゃない赤玉が出るッス!
媚薬にはイロイロあるけど、詳しく書こうとしたら長くなったので削除したッス!

乙です。
921名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 16:47:46 ID:/kL+KN1g
童貞の書いたSSのニオイが……

ともかく乙です。
922名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 17:13:42 ID:UFzQ4kTf
>>920
やっぱりそうですよね。
手探りだとこうなちゃいました。
31回は無理ですか。

>>921
正解!

次回は非エロの小説を書いてみたいと思います。
923名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 19:42:19 ID:UNOh0Oib
どうでもいいが女体化は801板の方が相応しいだろ
924名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 19:43:34 ID:AYUvYw6w
さっさと次スレ立てろよ荒らし
925名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 20:15:54 ID:0MLfHwVV
●<お呼びですか?
926名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 20:18:49 ID:MkPn8Gb9
>>879
ハルヒ以外を選ぶと神人の影響で古泉が死ぬわけですね。
927名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 21:32:37 ID:ZnXHKn9g
てことは●選んでも●は死ぬのか……

なんか複雑な気分だ。
928名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 21:45:09 ID:OihRZzFW
●選ぶと超能力に目覚めて機関員として活動するルートになる。
きょこたんや森さんのアナザールートへご招待。
929名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 23:35:15 ID:79fedtLS
次スレだが、
「一行」当たりの文字数について

>1行122文字。59行。くらいだった。ちょっと雑だったから
>『1行124文字60行』
>くらいで、文字密度で行数が変化でいいのかな?

これはどうする?
個人的には合った方が良いかと思うんだが。
930名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 23:48:09 ID:/QbC2CUF
>「一行」当たりの文字数

書く方としては 文字数は書いてる人にお任せ だと有難いんだが。
読みやすいよう心掛けて書いてはいるけど、文字数がプレッシャーになる性質なんで。
931名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 23:54:54 ID:/VaqKJDH
次スレたてていいですかのう
932名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 23:57:06 ID:NGq5H+I6
929がいってるのは投稿できる最大の文字数と行数の話だろ?
連続投稿の途中で行数エラーでて編集しなおすことよくあるから目安示されるとありがたい。
が、その書き方だとわかりにくいから、きちんと「投稿できる最大の目安」って書いておいたほうがいいな。
933名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 23:57:36 ID:MZLZybJ4
みんなディスプレイけっこう大きい?
俺はノートだからそんなに大きくないし、横に長い文章も全く気にならないんだが。
てか、左のお気に入りの表示を横に伸ばしたりとかじゃ解決にならないのか?
934名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 00:02:40 ID:/VaqKJDH
935名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 00:07:41 ID:1wWjE3KG
いや、ディスプレイの問題じゃない……というか、122文字も1行で表示できるディスプレイって、どんだけ大きいんだ。
そうじゃなくて、横に長すぎるとそもそも投稿で弾かれる。
んで、改行ふやすと今度は行数制限にひっかかって、(OO/OO)とか
あらかじめレス分けして番号ふっておいても狂うことがあるんだわ。
93645-867:2007/04/17(火) 00:07:56 ID:VAw8hq/J
埋めます。小ネタ。2レス。
937名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 00:09:26 ID:i6yDBl+6
本来改行していいのは句読点か文末記号や鉤括弧の後だけだぜ
938そして少女は友人に束の間の休息を与えた:2007/04/17(火) 00:09:27 ID:VAw8hq/J
――――――――――――――――――――
そして少女は友人に束の間の休息を与えた
――――――――――――――――――――

 二週連続で俺的観測史上最高のポカポカ日和を更新した、そんなある晴れた日曜日の昼下がりの事になる。
 俺は先週と同じ公園の中で、沈黙の黒い生物が超能力者亜種の少女を捕獲している場面に出くわした。

 九曜の膝を枕に、髪を毛布にするようにして眠っている橘京子。
 その眠りは安らかなものとはほど遠く、『それは食べ物じゃあないのー』などと不憫な寝言つきでうなされている。
 どうやら夢の中まで不幸という名の空回り走り車を、止まり方が脳細胞からすっぽ抜けたハムスターのごとくカラカラと回しているようだ。
 とりあえず彼女は放っておく事にして、ピクリとも動かないが、おそらくはちゃんと起きているであろう九曜の方に質問する。

「何してんだ、お前」
「―――膝枕―――あるいは………お手軽―――三分間クッキング?」
「前者にしとけ、カニバリズムは日本では認められていないぞ」
 九曜のいつも通りのズレっぷり何故か安堵を覚えながら、いつものように彼女の頭をポスポスと叩くように撫でる。
 膝の上で『お慈悲をー』などとうめいている橘京子のためなのかどうかは知らないが、今回はちゃんと人肌並みには温まっているようだ。
 そう、見た目はどうであれ、触れているちゃんと温まるのだ、この人型毛布セット(宇宙産)は。

「だからそれは足に履くものなのです!」
 そんな埒もない事を考えながら九曜の髪を撫でていると、謎の叫びと共に橘京子が九曜の膝の上から飛び起きた。
 そして俺は、インドの人が笛を吹いたら籠からモグラが顔を出したのを見た時のマングースように、思考が完全に一時停止してしまっている表情の彼女と顔を突き合せるはめになる。

「おはよう」
 とりあえず、日本の中ならどこでも通じるであろう、起きた人への共通語を送信した。
 苦労人二号(一号は分かるだろ。自覚はあるんだ)はようやく俺を認識したらしく、ただまだ自分の置かれた状況は認識できていないようで、周囲を見渡しながら俺にこう尋ねてきた。
「あ、おはよう、あれ、なんであたしこんな所に?」
「俺が知るかよ。隣の黒い子に聞いてみたらどうだ」
 まだ寝ぼけているのか、黒い子こと九曜に素直に質問をぶつける、苦労の子こと橘京子。

「えっと、何であたしはここにいるのでしょう?」
「―――とても………深い………質問ね」
 とても綺麗にすれ違っているな、うん。


939そして少女は友人に束の間の休息を与えた:2007/04/17(火) 00:10:50 ID:VAw8hq/J
 どうやら橘京子は『機関』の敵対組織が開く集会に参加するため、この公園を通り抜けようとしたところで意識を失ったようだ。
「疲れていたみたいね。ご迷惑をおかけしたみたいで申し訳ないです」
 そう言って立ち去りかける超能力少女を、カメレオンの舌のように目にも止まらない速さで再度捕獲する宇宙少女。
「あなたは―――まだ………疲労している」
 そう言って捕獲対象を掴んでいない方の手で自分の膝をポンポンと叩く。
 もう少し寝ていけ、という事らしい。
「えっと、そういわれても」
 橘京子の言葉が濁る。この後も用事があるというのを暗に示したいのだろう。

 しかし残念ながら、お節介という行動を覚えたての地球外生命体は、言葉の裏を読むという高等技術まではまだ習得できていないようだ。
「脳血流を―――遮断……すれば―――眠れる?」
「何なのですか、その暴力的な子守唄は!」
 どうやら寝る事は既に確定事項になってしまい、問題は眠る方法へとシフトしたらしい。
 てか脳血流遮断って、その方法はちゃんと起きられるんだろうな?
「―――五分五分」
「「安全性、低っ!」」
 思わずハモリで突っ込みを入れる俺達だった。

「あたしには諦めるという選択肢しか残されていないの?」
 確認に近い疑問文を発しながら九曜の膝を枕に横たわる橘京子。どこからかドナドナが聞こえてくるような、切ない瞳をしている。
「ドナドナ―――ドーナ………ドーナー」
 ………と思ったら、九曜が実際に歌っていた。
「何なのですかー?」
「―――平和的な………子守唄」
 壊れかけのラジオから聞こえてくるかのような、全世界の子牛さんに思わず土下座したくなるような、悲しみよりもむしろ脱力感が先に来る電波系ドナドナがあたり一面に響き渡る。

 それでも気付けば、橘京子は安らかな寝息を立てて眠っていた。
 単にこいつがめちゃくちゃ疲れていただけだ、という可能性も否定できない。
 でも、まあ、九曜の歌にそれなりの何かがこもっていたからっていう理由の方がしっくりくるだろう?
 それが何かってのは、蛇足だろうから言わないけどな。


 九曜はポスポスと、橘京子の頭を叩くように撫でている。
 ま、お約束ではあるし、一応これだけは聞いておこう。


「何やってんだ、お前?」
 俺の疑問に、

「―――膝枕」
 彼女はそう答えた。

  ―――何だかすごく、楽しそうに。

94045-867:2007/04/17(火) 00:11:39 ID:VAw8hq/J
以上です。
では、また。
941名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 00:16:49 ID:qZWr0PHW
*このレスには分裂のネタバレを含みます

>>42
最後の、ポニーテールを見たキョンと見られたハルヒとの心の通い合いが、この二人らしく秀逸です。
女性に見とれてていた男がはっと目をそらして、「いや、なんでもないぞ」。それだけでも充分「何でもなくない」やりとりなのに、そこへさらにエイプリルフールを乗せた上で、クイズのネタとも絡ませるとは。
頭が良くないと小説は書けない、それを実感させてくれるSSでした。
ただ、余計なものが多すぎ、しかも二本立てで、シェークスピア喜劇かスパゲッティプログラムかという状態になってしまっているのは、評価の分かれるところでしょうか。

>>162
な、何やらトラウマが……過去書いた思い出したくないSSが……。コメントを控えます。

>>181
どうもこんにちは、フヅコ事務所の方から来た者ですが…w
俺としては、もっと評価されていいSSだと思います。
よく描かれるような、裏表を意識的に使い分けて(いるとしか思えない態度で)ツンデレのハルヒを手玉にとるような、大人びたミヨキチではなく、
意外にしたたかなのに人前では無意識でブレーキをかけてしまう、実に人間的な少女ミヨキチがいて、
その彼女がハルヒとのやりとりの中で(言い方は悪いのですが)本性をむき出しにすることができた、その成長記として。
ハルヒ一人称をキョン的な書き方で綴ったのも、キョンと同等のツンデレぶりを描くには良かったと思います。
もっとも、ハルヒなら他人の作った台本など自流に蹴散らしかねないのですが、ミヨキチの存在が気になり自制しているのでしょうか?

>>202
いやはや。一度書き上げた作品にキャラを追加して書き直し投稿するなどという愚を犯されるとは。
俺ならばそうした遊びは自サイトで行うに止めておきますよ。よほどの理由があったのでしょうね。

>>282
なるほど。納豆ネタのみならず、最初から最後まで普通に仲良し3人組だったというのも含めたオチになっていますね。
かしまし3人娘成立にはイマイチ薄い阪中を使わざるを得ない。今後の本編で、佐々木がそのポジションにならないものか。
1レスで納めなかったのは、スレッドが1000まで行くようにとの配慮でしょうか?

>>319
長門ならば得意分野の科学的な分析をすると思いきや、人間心理を絡ませた見事な(?)考察をするという着想が意表を突かれました。
ただ長門には、難しいとは思いますが、このレスのように長々と、饒舌に語らせるべきだったのでは?
また、団員の反応が大げさすぎます。それと長門はいつ登場したのでしょう?

>>327
好奇心を言い訳にして行為に持ち込むのはツンデレものにありがちな展開ですが、
その不器用さが双方了解の上で、しかも事後ではなく行為中に(「初めてだったのか」などという陳腐な台詞を使わず)堪えきれず本心を開かし、さらに相手にも求めるというのは、
そのありがちの中にあるリアルっぽさのように感じられて、これだけの話なのにグッときました。
俺としては、キョンの記憶を消さないほうが良かったと思いますよ。分裂に繋がりにくくなるのは承知で。

>>392
これぞ佐々キョンSSの雛形と言えるべきものではないでしょうか。
逆にキョン自ら佐々木に接近するような展開は……谷川先生にしか書けないかもしれませんね。

>>404
こちらはキョンの芸術的なまでの天然朴念仁ネタの雛形と言えますね。
フラグをフラグと気付かないこんな主人公じゃ(ry
いつまでも親友だよなという台詞は全ヒロイン攻略失敗した後にしてください。

>>440
グッジョーブ!
焦って動詞中心に進んでいってしまいかねないネタを、心情中心にコツコツ丁寧に書いていけるのは才能だと思いますね。
「年齢制限付きゲーム」のように(妹を便利キャラとして)都合の良い展開になってはいるのですが、
元々キョンはそうした世界に放り込まれたキャラであり、だからこそ一行一行がおかしいわけですよ。
こちらのキョンは女心を自覚しかけた瞬間に意識の外に追い払いはぐらかしていて、また別の個性「ツンデレ」と「苦労人」全開といったところでしょうか。
友達の誕生会というのはそんなに楽しいものでもありませんけどね。ハルヒにとっては楽しいのでしょうけど。
942名無しさん@ピンキー
                 __
           _ - ´: : : : : : : : : : :` ー 、
        _ - ´: : : : : : : : : :\: : : : : : : \\
      / : : : : : : : : : : : : : : :.:.ヽ: : : : : ::.:.:.:\\
     / : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.ヘ: :. : : : : : .:.:.ヽ.:\
   / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.:.:.:ト: : : . : : : : .:.:.ヽ:..ヽ
  / : : ,: : : : : : : : :.i: : : : : : : : : : :.:.:.:!\: : ヽ: : . :.:.:.:.ヘ:.:ヽ
  /. : :/ : : : : : : : : :l: : : : : : : : : : :.:.,':|  \.:.:ヽ:.:.:.:.:.:.:.:.!:.:.ヽ
  !. :./: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : : ,'.:.!    \:ヽ : :.、:.:.:!:.:.:.ヽ
 l: . .!. : : . : : . : : : :.!: : : : : : : : : : :,':./   _ゝ‐-: :|、:.!:.:.:.:.ヽ
 !. ..l. : . : : : : : : : : :|: : : : : : : : :l: イ;.!, -'"´    ト:.:.:!:l:..|:.:.:.:.:.:!
. !. . |: : : : : : : : : : : :ト; : : : : : : :.! l !イ       !ヽ |.!/:.:.:.:.:.:.:l
| : !: : : : : : :',: : : :, x-─ :.:...:.:l!.| レ    彡≠、k_ヾ:..r-、.:.:.:.:.!
. !: . .! : : : ヘ: : ,x '´: : ト、ヽ . :.:.:!レ    ー斗匕て',ラ゙:.:.:.:!., ヽ.:.:.:}
. l. . :.',: : : : :.X: :.ヘ-、:.::fヽ \_,'     "ヘっ_..::.ノ.! :.:.:.:k' /:.:.:.i
 !. : : ',: ヽ:.´.:ヽ、:.ヘ xz≠ミk           ゝ- ´ ! :.:.:.:.Y.:.:.:...ヘ
 l. : : : ヽ: ヽ、:.\X〈!ら::..:;.ぅ           |:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.|.:ヽ
  ',. : : : :.` -`_t xz、 ヘヒr- ´    、        |. :.:.:.:.:.!.:.:.:.:ト、.:ヽ
  l : : : : : : :.:..iヘしヽ           ,     ,.l :./:l./:.ィ:ハ.}  ー`
   ', : : : ヽ :.:.:.ヽ ニ >       ー "´     イi:.////ソ リ
   i; : : : :.ヽ: .:.:.::.:.:.:..:.:.ヽ、 _           / リ/iイ'
    }: : :ト: :、ヽ:.:\.:.:.:.:..:.:.:.:.、ニ ― t - '   メ
    | : :.ヽヽ:.ー 、_ヽ_Zー‐ ̄ー` i        ' ,
    l: ハ:トヘ  ̄             j        ` - _
   // ゙ー              /            ` - y`ーv、__
                    /               <: :/: : : : : 入
              /レ '  __    r ' ´ ̄    <´: :/: : : : : : : :.i
            _ ,ヘ: :.ラ      `          そ: / . . : : : : : : :ヽ
          ,´: : : :ヽ::}            _ ― :.: ̄i      . : : ヽ
          ,' : : : : : : y _ - ―..- ‐  ̄ ..::.....    {      . . : : i
            ,  :.   /:..    ..::::::::::..      ::::_ - ヘ     . . : : : : : {
         ヘ   :.. ,':::__:..     _ - ‐  ̄      ',  . . : : : : : : :!
          ',  .: /      ̄  ̄/ /         .ヘ. : : : : : : : : : : !
           i.  /           /    . . . : : : : : . . : :イ: : : : : : : : : : : l
             !: : :! : : : : : : : : : : . ./. . . : : : : : : : : : : : : : : :.! !: : : : : : : : : : : !
           l: : ヘ: : : : : : : : : : : . : : : : : : : : : : : : : : : : : : ! !: : : : : : : : :|: : l
              !: : : ヽ: : : : : : : : : : : : : \: : : : : : : : : : : : : |  !: : : : : : : : |: : :.!
            ',: : : :ヘ: .: : . : . : . : . : : : : \: : : : : : : : : : : {   ',: : : : : : : |: : : l
              } . : . : ', : . : . : . : . : . : : : : : \: :: : : : : : : :l   l: : : : : : :|: : : :l

      次回のスレッドも実に愉快なものになるだろうことを僕は確信している。場所はここだ。

             【涼宮ハルヒ】谷川流 the 46章【学校を出よう!】
         http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1176735464/