-――- 、
, ‐'´ \
/ 、 ヽ
>>1 |l l /〃 ヽ ヽ} | l ', 乙
\ .ljハ トkハ 从斗j │ ハ でも、番号が間違ってるわね。本当は13よ
\ l∧}ヾソ V ヾソ ! ! ヽ \
\ __ __ リ.人 v‐┐ /" ト、 ヽ ヽ
{心下ヽ /" >ゝ-'<{ Vl } }
ゝ<}ノ \ (:::::Y Y:::::! ヽヘ { {
7´ ̄ ) )::∨::__::ヽ }::\ \丶、
/ / /ィ'´ヽ:::::::::ノ /:::::::::ヽ ヽ `ヽ
! ≦∠__ノ:::| /ハ::::/ ゝ、:::::::::`、 リ ノ
| .:.:::::::::::l __ヾ\ ≧:::::::::'、ヽ {
l_ .:.:::::::::/ >v' l \::ヾ  ̄::::::::::::::::', }>
ヽ.:::::::::V | ! l∧::::::::::::::::::::::::::::Vリ
i::::::::::::`ドー rL.」 厶::::::::::::::::::::::::::::!
l::::::::::::::j ̄ 7:::::├‐ ト、::::::::::::::::::::::::!
\::::::/ :/::::::::::! !:::`、:::::::::::::::::::!
`/ :/ー‐‐┤ 「¨¨ ヽ::::::::::/
,′ :/ ! ! レ' ´
┴‐┴━━━ゝ-┴
3 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 14:12:40 ID:4QnCRHkX
3げっと!
あわてんぼさんな1だなあw
偶然廊下で会ったら、普通は『どこ行くの?』って話題になる。
タバサは図書室に調べ物に。
才人は特にすることもなくうろついていただけ。
そなると。
タバサがこういうのは必然というわけで。
「一緒にいこ」
袖をきゅっと握って上目遣いでそんなことを言われたら、才人に断る手段はないわけで。
そして才人は、読めもしない本を広げながらタバサの前で座っているというわけで。
タバサはといえば、何冊もの漬物石の代わりが勤まりそうな厚さの本の山に囲まれ、その中心でものすごい勢いでページを繰っている。
そして才人は当然置いてきぼりなわけで。
「…ふぁ」
とりあえず本を読むポーズだけはしてみるものの、思わず欠伸が出てしまう。
そんな才人に気を遣ったのか、タバサが声を掛けて来る。
「…退屈?」
本を繰る手を一旦止め、才人の方を見る。
問いかけられた才人はといえば。
「…んー」
まあ確かに、退屈といえば退屈なのだが。
才人の脳裏を、一生懸命調べものをしているタバサの姿がよぎる。
真剣な顔で本を繰っているタバサは凛々しく、また可愛くもあった。
「気にしなくていいよ。
俺本は読めないけど、タバサ見てれば退屈しないから」
その言葉に、タバサの頬に朱が注す。
「…そ、そう…」
そして、再び調べ物に戻るのだが。
本に目を落としたと思うと、ちらりと才人の方を見る。
「ん?」
視線が絡んだ瞬間、才人は笑顔をタバサに送る。
ぽんっ!
タバサの顔が火を噴いた。
タバサは慌てて本で顔の下半分を覆って火照った頬を隠し、才人の様子を伺う。
才人は先ほどの言葉どおり、じっとタバサを見つめて微笑んでいる。
タバサはなんとか平静を保とうと、本来の目的である調べ物に没頭しようとする。
しようとするのだが。
調べ物を続行しようとするたび、さっきの才人の笑顔がリフレインされて。
ちらっ。
「ん?どした?」
もう一度。
ちらっ。
「何?」
覗き見するたび、才人が笑顔を返してくれるので、ついついタバサは目的を忘れて才人の方を向いてしまう。
いけないいけないと自分に言い聞かせるものの、笑顔の誘惑に勝てない。
何度か視線を交わすと、才人もさすがに不審に感じたのか、
「タバサ、調べ物は?」
そう尋ねてきた。
「い、今調べてるところ…」
慌てて調べ物に戻るタバサ。そうだった、図書室にやってきた目的は調べ物だ。
タバサが探しているものは、一時的に成長する方法。
そう、かつて儀式で才人から魔力を吸収した際、タバサは成長し、『才人好みの大きさ』になったことがある。
もう一度、あの姿になって、彼の前に立ちたい。
しかし、あの方法では、術後の彼の状態がよろしくなく、しかも、魔力を放出する如何にかかわらず、あの姿を保っていられるのは半日が限度だというのだ。
できるなら、あの方法ではなく、才人の状態を変化させず、自分自身を成長させる方法。
そんな方法を探していたのだが。
「…あ」
見つけた。
それは、『形態変化』の儀式魔術を集めた書籍の中にあった。
『縮小』と『拡大』の項目の間に、その儀式のやり方はあった。
必要な触媒…よし。
必要な魔力量…よし。
必要な技術…問題なし。
一番大切な、効果時間…丸二日。ぜんぜん問題なし。
タバサはそのページに付箋を付けると、もう一度才人をちらりと見た。
机に突っ伏して寝ていた。
タバサはその書籍を借り出すと、すぐに部屋へ帰った。
もちろんその間も才人の裾を離さなかったから、才人も一緒に部屋の前まで来ていた。
しかし、ここでタバサは思い直す。
「…しばらく時間潰してて」
いつもならこのまま一緒に部屋に入るところだが、タバサはそう言って才人を置いてそそくさと部屋に入ってしまった。
才人はなんだろう、と思ったが、きっとこの本読む時間が必要なんだな、と思い直し、その言葉に従った。
さて。
サイトはしばらく外で時間潰してもらうとして。
こっちの準備にかからないと。
えっと、黒インクに血を一滴垂らして…。
水銀の残り、棚にあったはず…。
とりあえず、家具どけて…。
「おねーさまなにするのー?」
…邪魔。
「…出てくるなりそれはあんまりなのね」
言いながらシルフィードは無遠慮にこっちに寄ってくる。
…だから邪魔だってば。
「シルフィも手伝うのねー」
あっ!
そう言って、シルフィードはあっという間に私の手から書物を奪い取った。
こういうときだけすばやいんだから…!
「大丈夫なのね!シルフィだって魔法使えるもん。
儀式のお手伝いくらいできるのね!」
言ってシルフィードはどん!と胸を叩いて。
「っごほ!ごほ!」
…咳き込んだ。
…なんかものすごく心配…。
でも。
「大丈夫!豪華客船に乗ったつもりでまかせるのねー!」
シルフィードは既にやる気満々だ。
こうなったら、もう何を言っても無駄。
…しょうがない…。
「じゃあ、家具、どけるから。
魔法陣は任せる」
言って私は、準備した水銀とインクとを、シルフィードに手渡した。
そして。
一時間もせぬうちに準備は整った。
複雑怪奇な魔法陣の中央に、マントを羽織っただけのタバサが立つ。
急激な成長をした場合、服で身体を締め付けないためだ。
シルフィードは、最後に魔法陣の周囲に立った、四本の青い蝋燭に火を点す。
これで、儀式の準備は完了だ。
タバサは先ほどの書物を手に取り、最後のルーンを確認する。
どうやらこのルーンは、ただ自分の力を魔法陣に注ぎ込むためだけのもので、これ自体が儀式の中心ではないようだ。
つまり、この魔法陣こそが、この儀式の肝であった。
タバサは杖を握り締め、朗々とルーンを唱える。
青く輝く光がタバサを包み、それが一旦魔法陣に吸い込まれ、紅い光に変換される。
そして、魔法陣の周囲に置かれた蝋燭の光が収束し、その紅い光が蝋燭を介し、タバサに注がれる。
「やったのね!成功なのねー!」
シルフィードの喝采とともに、部屋は紅い光に包まれる。
そして、光の晴れた魔法陣の中央では。
中身のなくなったマントと、主を失った眼鏡が、床に転がっていた。
「…あれれ?」
俺が中庭で小一時間ほど外で時間を潰していると。
「たーいへーんなのねー!」
土煙をあげてシルフィードがかっとんで…って。
「ちょっと、シルフィードおま、なにすっ」
人間形態のシルフィードが、そのまま俺を軽々と抱え上げて走り出した。
なんだなんだ一体なんだ???
そのまま中庭を走り抜けながら、シルフィードは担いだ俺に説明をする。
「お姉さまがタイヘンなのねー!
間違いがおきたのねー!」
案の定説明になってなかったが。
しかし間違いってなんだ?
たしかシャルロットが本持って部屋ん中行って、『時間潰して』って言われたんだよなぁ。
なんか、調べ物してたみたいだけど…。
ひょっとして、魔法が失敗こいたのか?
まさかシャルロットが?
…急に心配になってきた。
「つーいたーのねー!」
俺がシルフィードの上で心配している間に、シャルロットの部屋の前に着いた。
…足はええなコイツ。
シルフィードは俺を床に降ろすと、扉を開けた。
そこには、謎の魔法陣と、その中央に、おそらくシャルロットのものとおぼしき、眼鏡とマント。
…まさか!?
魔法が暴走して…?
最悪の想像が、俺の中を駆け巡る。
「おいシルフィード、これどういうことだよっ?
シャルロットはどこだっ!?」
俺が詰め寄ると。
「お、落ち着くのね!
お姉さまならそこにいるのね!」
シルフィードの指差した、机の上には。
俺の肘から指先くらいまでの大きさの。
「…へ?」
眼鏡はしてないけど。
服の変わりにハンカチらしきものを身体に巻いた。
「シャルロットーーーー!?」
小さな、青い髪の少女がいた。
最初の間違いはタバサの台詞。
『魔法陣は任せた』
それを聞いたシルフィードは、書物の付箋の付いた部分の、『上のほう』に記載された魔法陣を書いてしまった。
そのページに記載された儀式魔術は、魔法陣を除いて全て『共通』のパーツを使う。
そして儀式を発動させたタバには…。
『縮小』の魔法がかかり、だいたい六分の一サイズになってしまったのだ。
「だだだだって!お姉さま『どの魔法陣』って指定しなかったのね!
お姉さまが悪いのねー!」
言い訳するシルフィードに、
「…後でお仕置き」
開かれた本の上を四つんばいで読みながら使い魔を仰ぎ、タバサは半眼でガンを飛ばす。
タバサは今、真っ白な大き目のハンカチを、身体に巻きつけて服の代わりにしている。
眼鏡はもちろんない。
「ひ!ひどいのねー!シルフィ一生懸命がんばったのにー!」
そう泣きながら言い放ち、部屋から飛び出していくシルフィード。
「…逃げたな」
才人はぼそりとそう呟いた。
そんな二人のやり取りは完全に無視して、タバサは黙々と解除方法を探す。
「なあ、大きくなる魔法とかでなんとかなんないの?」
才人のその言葉に、タバサは頭を振る。
もし『拡大』の術式を行ったとしても、術の効果は小さくなる前のタバサに適用される。
つまり、元のサイズに戻るには、術の効果時間が経過するか、術を解除するしかない。
そしてこの魔法の効果時間は。
「…約一ヶ月ぅ?」
才人のその言葉にタバサは頷く。
…さすがにそれは…。
「なあ、解除する方法とかないの?」
「それを今、探してる…」
言ってタバサは、検索に戻る。
普段なら、この程度の文章量ならラクに読みこなせただろう。
しかし今は、文字の一つ一つが大きく、流し読むにも首を振る必要がある。
眼鏡もないので、あまり本から顔を離すわけにもいかない。
さらに、改行があったりすると、身体ごと動かないと次が読めない。
才人からそれを見ると。
六分の一サイズのタバサが、おしりをフリフリしながら本を読む姿に、なんだかヤバいものを感じてしまうわけで。
「…あった」
「へっ?」
思わずおしりをフリフリしながら本の上で動くちいちゃいタバサに見入っていた才人が、タバサの声を受けて間抜けな声を漏らす。
タバサはそんな才人を気にも留めず、声に出してそれを読む。
「睡眠以外の意識の喪失によって解除可能」
「…つまり、気絶するってこと?」
才人の質問に、タバサは首をこくん、と縦に振る。
そして、才人に向かって言った。
「叩いてみて」
…つまり、叩いて気絶させろと。
「無理だって!女の子殴るなんてできないよ!
それにそんなサイズじゃ力加減とかできないし!」
「…でも」
薬を使うにも、このサイズでは通常の効果があるとは思えない。
杖が持てないので魔法を使うことも出来ない。
従って、最も効率的な手段は、物理的衝撃を加えて意識を喪失させること。
「だからってなあ…。
いくらなんでもさあ」
タバサの説明にもしかし、才人は首を縦に振らない。
たしかにこのままだとまずいけど、シャルロットを殴って気絶ってのもなあ…。
何か、他の方法はないものか。
才人はそのない知恵を絞って、考えてみる。
そして思いつく。
「な、なあシャルロット、こういうのダメか?」
才人の発案に、タバサは耳を傾けた。
「…い、いいと、思う…」
俺の提案を聞いたシャルロットは、赤くなって俯いた。
い、いやまあ、シャルロットがよければ、と思って提案してみたんだけど。
シャルロットも結構好きだし。
よーするに、俺の提案したのは。
「で、でも…。
このサイズじゃ、ちゃんとできない…」
赤くなって俯いたまま、小さなシャルロットは呟く。
逝っちゃえば、元に戻るんじゃないか、って事。
だってアレも、一種の意識喪失なわけだし。
「大丈夫、俺にまかせて」
言って俺は、シャルロットの身体を掴んでそっと持ち上げた。
「あっ…」
や、やーらけえ。
な、なんて言ったらいいのかな?生まれたての子猫とか持つとこんな感覚?
そして俺は、シャルロットを膝の上に置くと、覆っていたハンカチに指をかけた。
「あ、あのっ」
シャルロットが急に、俺を見上げて言った。
「や、優しくしてね…」
はーい、りょーかーい。
俺の膝の上で、シャルロットは裸になる。
いつもよりずっと小さなシャルロットがそこにいた。
…これなんてエロフィギュア?
俺はそっと右手をシャルロットの背中に回すと、左手のひとさし指でシャルロットの小さな小さな胸を押す。
ふにょっ
や、やわらけえええええええ!
「や、いたっ…」
え?
い、今のでダメっすか?
俺は顔をしかめたシャルロットに慌てて謝る。
「ご、ごめん強かった?」
結構気を遣ってやさしくいったつもりだったんだけど…。
どうやら小さくなったシャルロットは予想以上に刺激に弱いらしい。
で、でも指でダメってなるとなあ…。
撫でてるだけとかだと、ちゃんと逝かせられないし…。
俺は何の気なしに机の上に置かれたままのさっきの本に目をやる。
すると。
その脇に置いてある、インク壷の横に立てられた羽ペンが目に入った。
これなんか、どうだろう?
「じゃあシャルロット、こういうのどう?」
サイトが手にしたそれは。
普段私が使っている羽ペン。
今の私の目からは、すごく大きく見える。
大丈夫かな…。ちょっと心配になる。
でも、羽だし、大丈夫かな…。
「じゃ、いくよシャルロット」
サイトがそう言って、私を手の中に横たわらせる。
その手には大きな羽ペンが逆向きに握られている。
さわっ
「ふぁっ」
羽の先端が、私の胸に触れた…!
な、なにこれ…!
たくさんの小さな指に、撫でられてるみたい…!
「やぁっ!ひぁ、はぁんっ!」
サイトは私が感じ始めたと悟ったのか、胸の部分で羽を左右に揺らす。
は、羽の先端がっ…!ゆびみたいにぃっ…!
なにこれっ…!キモチいい…っ!
「これならいいみたいだね?」
サイトはそう言ってにっこり笑う。
「う、うん…」
私は真っ赤になって、言葉を返す…。
そして、サイトは、また羽ペンで私の身体を撫で回しはじめた。
「ひぁっ!」
やっ…こんどはしたのほうっ…!
ちくっ
「やぁぁぁっ!」
私は思わず大きな声をあげる。
は、はねの…さきっちょが…私の、大きくなった私の、さきっちょのなかに…!
サイトはそんな私を見て感じているのに気付いたのか、そこを重点的に責めはじめた…!
「やっ、だめぇっ、ひっ!へ、へんに、へんになるからぁっ!」
無数の指に責められているような感覚が、私の下半身を溶かす。
す、すごい、なにこれっ…!
「ひぁっ、は、あっ、あぁぁぁぁぁぁ−っ!」
腰がかくかくと痙攣して、私は、すぐに逝ってしまった。
はぁはぁと息をついて、サイトの掌にぐったりと身体を預ける。
…でも…。
「んー、逝けたみたいだけど…。
気絶しちゃうほど、よくはなかったみたいだね?」
…た、たしかに…。
で、でもこれ以上キモチイイのって…。
わ、私壊れちゃうかも…。
サイトはちょっと何か考えてたみたいだけど、すぐに何かを思いついたような顔をする。
「いーい事思いついた♪」
…こういうやーらしい顔してる時のサイトって…。
たいがい、へんたいな事、してくるのよね…。
果たして、私の予想は正解になってしまった。
才人は自分の膝の上で脱力したタバサを仰向けに寝させると、左手でタバサの膝を押さえ、M字に開脚させた。
その足の間では、小さな裂け目が、大量の愛液に塗りつぶされて、ひくひくと蠢いていた。
「やっぱ、入れるのが一番キモチいいよな」
言って、右の指を眺める。
やっぱ、適任は。
ぐちゅうっ!
「…ひ!…はっ…あっ…」
才人は中指を立てると、タバサの裂け目に突き刺した。
タバサのそこは、予想以上の弾力で、才人の中指を咥え込んだ。
密着した小さな隙間から、タバサの潤滑油が溢れ出す。
「サイ…トぉっ…おっきぃ…っ!」
快感と息苦しさに喘ぐタバサの腹部が才人の指の形に小さく膨らんでいる。
たしかにオーバーサイズだったが、タバサのそこはしっかりと才人を受け入れていた。
「動かすよ、シャルロット?」
「…ふっ…う、うん…」
才人の言葉に、荒い息をつきながら、タバサは応える。
ぐにゅ…ずちゅっ…
「く…はっ…!…はぁっ…!」
最初は優しく、だんだんリズミカルに。
ぐち、ぐち、ぐち!
「ひっ!あひっ!は、げしっ!ひ!」
小さな膣道が限界まで広がり、奥に達するたびに引き伸ばされる。
その隙間からタバサの雌が溢れ、水滴となって飛び散る。
「あっ!はぁっ!ひ!あっ!あっ!あっ!」
タバサの口がだらしなく開き、その端から涎を垂らしている。
身体は脱力しきって、才人の掌に完全に体重を預けている。
ただ、タバサの雌の部分だけが、力を込めて才人を包み込んでいた。
ふと、才人はあることを思いついた。
「そうだ、前だけじゃ寂しいよなあ」
一旦奥で指を止めて、才人は言った。
「あ…ひ…」
タバサの耳には、その言葉は届いていない。
強すぎる快感に意識が翻弄され、股間にしか意識がいっていないのだ。
才人は今まで折っていた小指を器用に立てると。
タバサの吹き出た愛液で濡れた、、ひくつく小さな菊門にその先端を押し当てた。
「あ…っ?」
さすがに気付いたのか、タバサが顔を上げる。
そして、押し当てあられた指のサイズに、慌てて才人を止めた。
「だめっ…!さけちゃうっ…!」
しかし。
「大丈夫だって。シャルロットのおしり、意外と柔らかいんだぜ?」
ぐぷっ…!
才人の言葉とともに、容赦なく才人の小指の先端がタバサの肛門を犯した。
「かはっ…!…ひ…!」
タバサの肺から空気が搾り出される。
下半身を巨大な指に埋め尽くされ、タバサの中を圧迫する。
才人はタバサのお尻が裂けていないのを確認すると。
容赦なく手を動かし始めた。
ぐちゅ!ぐぷ!ぶちゅっ!
あふれ出る雌が音を立てて才人の指の動きに応える。
「やぁ!らめ!らめぇ!こ、こわれ、こわれるぅ!こわれひゃうぅ!」
涙を流し、必死に頭を振って快感に堪えるタバサ。
しかし才人は一切動きを緩めず、それどころかスピードを上げた。
ぐちゅっ!ぐちゅっ!ぐちゅっ!ぐちゅっ!ぐちゅっ!
限りなく卑猥な音を立てて、タバサの秘裂は才人の中指を絞り上げる。
底の無い肛門も、最初はきつく搾ったゴムのように才人の指を否定していたが、数合繰り返すうち、その門は柔らかく開かれていった。
「ひ、あひ、ひ、あ、らめ、い、く、も、ら、めぇ、ひく、ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
タバサの身体はそして限界に達し、ばね仕掛けの人形のように大きくしなった。
そして股間から盛大に絶頂の証を撒き散らし、その意識を身体の外に放り出したのだった。
目を覚ますと。
身体が元に戻っていた。
私はベッドの上のサイトの胸の上で、目を覚ました。
そっか、ちゃんと術、解けたんだ…。
でも。
…うー、まだおなかのなか、じんじんする…。
確かに、アレはきもちよかったけど…。
ものすごい息が苦しくて、死にそうだった。
私は眠るサイトを見下ろす。
…ありがとう。でも…。
仕返ししないと、気がすまないかも。
私は、もう一度よく、サイトを見渡す。
オトコノコの生理現象が、彼の身体に起こっていた。
目を覚ますと。
全裸のシャルロットが俺の息子に絶賛ご奉仕中でした。
「ちょ、シャルロット何やってんだよっ!」
「…しかえし」
…お返しじゃなくてか?
俺の?な視線に、シャルロットは応える。
「…苦しかったんだから…」
…でも感じてたジャン…。
シャルロットは言いながら、びんびんになった俺の息子をまたぐ。
そして言った。
「サイトのせいで、広がっちゃったかもしれない」
…それは、あるかもしれないが。
シャルロットはそのまま、濡れたあそこで俺の息子を飲み込んだ。
そして言った。
「だから、一杯になるまでちょっと回数かかるかも」
言ってにっこりと笑ってみせた。
そしてそのまま、腰を動かし始める。
ま、まさか。
「いつもの『三倍』頑張ってね、サイト♪」
シャルロットの天使の微笑みが、今の俺には悪魔に見えた。〜fin
へんたいさん乙。
珍しく分割じゃないのね。
新スレ冒頭用に用意してあったのか。
YABEEEEEE
何このインモラルっぷりw さすがへんたry
GJ、読んでからタイトルの意味に気付いて納得w
こ、こここここのへんたいがぁああ!!!!!
いや、褒めてるんですよ?
20 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 19:54:18 ID:4QnCRHkX
へんたいさんの才能に嫉妬。
この発想はなかったわ。多く作品を残してるのに
質を下げていないへんたいさんにあらためてGJ!!
21 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 22:43:59 ID:3z5n3Nhx
流石せんたいさん。
GJ!
タバサがしかえしに、今度はサイトを縮めてしまうのを妄想してしまった。
>>1 スレ立て乙なのー
へんたいさんはネタの宝庫だなぁ。
素晴しい…
一回へんたいさんの脳みそを解剖してみたい…
神過ぎるだろ…
24 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 00:52:38 ID:gNWrVwVJ
僕達にはへんたいさんと言う神が居る
へんたいさんのSSさえあれば明日もがんばれる・・・
へんたいさん・・・・あんたのネタは尽きる事をしらないのか?
神だゴッドだGJだー!!!!大人タバサもたのむぜーっ
せんたいさんの固有結界、
unlimited hentai worksが発動!
住人はたんぱく質を奪われた!
ついでにティファきぼんぬー!!!!
>>26 固有結界の発動には7レス必要だ!
つまり、あれは固有結界から漏れだした副産物に過ぎないんだよ!
ΩΩΩ<な、なんだってー!
ゼロ魔のSS書くのは初めてですが投稿させてもらいます。
少々長いので前後編に分けました。後編は後ほど。
本番が無いのでややエロ薄です。
月が二つ輝く夜空に、湯気が立ち上って星をにじませる。
子気味いい音を立てて焼けた薪が割れる音を聞きながら、
才人は湯船につかって汗と疲労を流していた。
「あ゛ーー……極楽極楽……」
そう言って、頭の上に乗せていたタオルで顔にかいた汗を拭う。
何ともオヤジ臭い仕草である。
才人はタオルを畳んで頭の上に戻すと、体の向きを変えて湯から肩を出し、
風呂釜の縁に持たれかかって片手をだらんと外に垂らした。
彼のご主人様が見たら文句のひとつもつけそうなだらけきった姿だが、
それだけリラックスしてしまうのも仕方ないのかもしれない。
この世界に来たばかりの時よりも何かと忙しくなってきた才人にとって、
入浴の時間は一人で心も体も休ませられる貴重な一時であったのだから。
そんな休息の時であったが、今夜はそれもままならない――それどころか、
心労も疲労も余計に増やすことになろうとは、この瞬間の才人は想像だにしていなかった。
「ん……何だ?」
聞き覚えのある風斬り音が耳に入ってきて、才人は顔を上げた。
音のした方を探すと、星空を舞うひとつの影。才人はすぐに、
それが自分も乗ったことのある風竜であると気付いた。
「ってことは、タバサかな。こんな時間まで大変だな…」
今日は虚無の曜日である。タバサが学校外へ遠出していてもおかしくはないが、
もう夜も更けている。
そのまま学生寮の部屋の窓に入るのかと思って見ていると、風竜の影は
才人の風呂が設置されているヴェストリ広場へと降り立った。
才人が怪訝そうな表情を浮かべていると、竜の背から飛び降りた小さな影が、
風呂に向かって真っ直ぐに歩いてくる。
薪の火に照らされて、その影がタバサであることがはっきりとわかった。
「ちょ……、タバサ! 俺だよ俺! 入浴中なんだけど…!?」
才人は慌てて湯の中に両肩まで体を沈める。
「知ってる。空からお風呂の火が見えたから」
タバサは相変わらずの無表情のまま、
才人が入浴中であることなど意にも介さずそう言い放つ。
「知ってるなら何で…!?」
「入れて」
才人が言い返すと、タバサは簡潔に一言呟いた。
「……今、何と?」
才人は眉間に皺を寄せながら、風呂釜の傍に立ちつくす少女に問い直す。
「入れて欲しいの……。だめ?」
なぜかタバサは切なさを含んだ表情を浮かべ、才人に懇願する。
その頬が紅潮しているように見えるのは火のせいなのかどうなのか。
妙にエロっちいその台詞に一瞬くらっときたが、この言葉足らずな少女が
何を言いたいのか、才人はすぐに気付いた。
「あー、そっか。風呂だよな。確かにもう学園生用の浴場は閉まってる時間だし…」
才人の言葉に、タバサはこくんと頷く。外から見てもわからないが、
遠出をしてそれなりに汗などの汚れが気になるのだろう。
「お礼はするから」
「いいよいいよ。じゃ、もうちょっとしたら俺は出るからちょっと待っててくれ」
才人がそう言うと、タバサは少しだけ目を細めた。ほんの僅かな変化だが、
タバサが何かに不満を感じたのだと才人は察する。
「え、何?」
何か不都合でも…?と才人が考えていると、タバサはぶかぶかのマントを
ぱさりと落とし、ブラウスのボタンを外しはじめた。
「何で!? 待っててって言ったろ!?」
「一緒に入る」
風呂の中に入っている才人には止められないのをいいことに、
タバサはブラウスを脱ぎ去り、スカートを足から引き抜く。
まこと遠慮のない脱ぎっぷりである。
「すとっぷ! すとーっぷ! まずいってそれは…!」
「どうして?」
「どうしてって、健全な男女が一緒にお風呂だなんてね、いけませんよ! 常識ですよ!」
「メイドとは一緒に入れるのに?」
タバサの目がさらに細くなる。才人はうっ…と言葉に詰まった。
てか、どうしてこの娘が知ってますか? まさか周知の事実になっちゃってますか?
「それとも…嫌? わたしと一緒に入るのは」
タバサはふっ…と表情を緩め、不安そうな色を含ませて問うてくる。
純白のシミーズにこれまた真っ白なタイツ。それに負けないくらい白い肌の、
雪の妖精みたいな少女にそんなことを聞かれて、嫌と言える人間などいるのだろうか。
「嫌なわけないだろ。でもそれとこれとは……」
「じゃあ、一緒に入りたい?」
そこでなぜそっちがそう聞く? 才人は混乱しかけたが、その問いによって
『タバサと一緒にお風呂』の光景をつい想像してしまう。
小さくて綺麗なタバサ。精巧なお人形さんみたいなタバサ。
そんなタバサと一緒の湯船につかって、膝の間に座らせちゃったりして…。
やばい。やばいです。一見ほのぼのなのにその実この上なくインモラルです。
タバサが一瞬、にやりと笑ったような気がした。はっ、思わず頬が緩んだ?
才人が自己嫌悪に陥っている間に、タバサは残りの衣装を全て取り去ってしまう。
一糸纏わぬ姿になってしまったタバサにこれ以上文句を言う気もなくなってしまった才人は、
諦めて深いため息をついた。
外で体を洗ったタバサを、風呂桶の中に招き入れる。縁をまたいだ時に
脚の間の部分がばっちり目に入ってしまい、ぼっと頬が熱くなるのがわかった。
ふぅ…と深い息を吐いて湯につかり、目を薄めて全身から力を抜くタバサの姿は
その子供のような体つきからは想像がつかないほど色っぽく、
つい凝視してしまうのを止められない。
「あー、うー、そうだな。風呂っていっても、こんな手製の小さいやつなんて、
いつも学校の大浴場に入ってるお前には全然もの足りないんじゃないか?」
気まずくなった才人は、無理矢理作った話題をふっかける。
このままタバサを見ていたら変な気分になってしまいそうだ。
「そんなことない」
タバサはふるふると首を横に振った。
「そ、そお? さすがにお世辞じゃない?」
「……あなたと一緒だから」
ずきゅーん。
普段は無愛想な少女にそんなことを言われて、才人はのぼせ上がりそうになった。
あぁもう、あぁもうちくしょう可愛いなぁこのちびっ娘め。
ぎゅって抱きしめてかいぐりかいぐりしてしまいたいなぁ。
才人が健全なのか不健全なのか微妙な衝動に身悶えしていると、
その思考を読み取ったかのように、タバサはゆっくりと湯の中を才人の方へ移動してきた。
「あ……」
何も言わないタバサ。けれども、そのどこまでも青い瞳は下手な言葉よりも雄弁に
気持ちを才人にぶつけてくる。
だめだ、俺は、この少女の誘惑から逃れられない――!
「ずるいのねー! 二人だけでイチャイチャしないで欲しいのねー!」
と、そんな甘い空気を引き裂くような甲高い声。
え? どこから?と思う間も無く、才人とタバサの間を割るようにして、
人影が湯船の中に飛び込んできた。
「わっぷ!」「けほっ…!」
跳ねた湯をかぶって、才人とタバサが顔をしかめる。
風呂桶の底に沈んだそれはぶくぶくとしばし泡を立ち上らせた後、
勢いよく水面に顔を出してぷはぁと息をついた。
「んー! お風呂なんて滅多に入らないけど気持ちいいのねー♪」
濡れて額に張り付いた長い髪を気にもとめず、その女性……
人間の格好に化けた風韻竜シルフィードはにこにこと笑う。
「まさか空中で変身してそのまま飛び込んで来たのか? 無茶するなよ…」
「大丈夫、お湯は零れないように飛び込んだのね」
「いや、そういう問題じゃなくてだな」
予期せぬ闖入者にツッコミを入れる才人だったが、シルフィードは気にした風もない。
悪びれもない態度に、才人は毒気を抜かれてしまった。
「シルフィ……?」
穏やかなようで、確かな怒気を含んだ声。苦笑している才人とは裏腹に、
シルフィードのご主人様の方はどうやら虫の居所がおよろしくない様子であった。
「サイトと二人でお風呂に入りたいから、待っててって言ったわよね…?」
「きゅい! でもでもでも、お腹すいたし、シルフィのこと忘れてるみたいだったし…」
「言 っ た わ よ ね ?」
タバサはあくまで静かな口調なのに、ゴゴゴゴ…という効果音がどこからともなく聞こえてくる。
その異様な雰囲気に、シルフィードだけでなく才人まで戦慄した。
「きゃー! お姉さま怖いのー! 助けてほしいのね! きゅいー!」
シルフィードは大げさに恐れおののくと、才人の傍に寄ってぎゅっとしがみついた。
大きな乳房が才人の胸にあたってむにゅりと形を変える。
その感触に思わず才人の頬が緩んでしまった時……。
タバサの周囲で、"何か"が壊れる音がした。あ、やばい。才人は直感的に悟った。
自分のご主人様も、時折こうなる。ご主人様がこうなった時の対処法を才人はひとつしか知らない。
……諦める、である。
今回は他人事であるとわかっているのに、才人の背筋に嫌な怖気が走った。
「……シルフィ、後で"アレ"ね」
タバサは一言、そう言い捨てる。シルフィードの顔からさーっと血の気が引くのが見て取れた。
「きゅきゅきゅいー! いやー! それだけは勘弁してなのねー!」
シルフィードは泣いてタバサにしがみつくが、タバサの表情に変化は無い。
「"アレ"ね」
「いやー! 後でっていつー! いつなのー!?」
"アレ"って何なんだろう……。才人は知りたいような知りたくないような複雑な気持ちになった。
シルフィードは風呂の縁に手をついてさめざめと泣いている。
人は確実に来る恐怖に対してはそれを待つ時間にこそ恐怖するんだなぁと才人はしみじみ思った。
「その…何だ、シルフィだって悪気があって邪魔したわけじゃないんだし……」
才人がフォローしてやると、タバサはきっと才人の方を睨んで、それから自分の胸元に目を落とす。
その仕草を見て、才人はピンと来る。あー、この娘も自分のご主人様と一緒か。
胸の大きさなんて、どうしてそんなに気にするんだろうなぁ。
仕方ないな、と微笑ましい気分になる。彼自身が巨乳にデレデレする事実が原因なのだが、
自分のことは棚に上げて考えてしまうのが才人であった。
「ん……ちょっと待ってて」
タバサは不意に何かを思い出したような顔をすると、湯船を出て自分の荷物を置いた所へ行き、
鞄から小さな瓶を取り出して風呂の中へと戻ってきた。
「どうした? 何だ、それ?」
タバサが手に持った小瓶の中には、乳白色の液体が入っている。牛乳…ではないようだ。
「これ、入浴剤。街に寄ったときに見つけたから買ったの。珍しかったから」
「へー、このせか…いや、国にもあるんだ」
ハルケギニアでは一般家庭にお湯を張る風呂が普及していないため、
当然入浴剤というものも稀少である。それなりに資産のある貴族しか必要としない。
「学校のお風呂で使うとすぐ無くなっちゃうから……ここで使う。いい?」
どうやら、才人の作った五右衛門風呂で使用するために買ってきてくれたらしい。
「ああ、構わないぜ」
才人はそれなら、とすぐに了承する。
タバサは小瓶の蓋を開けると、数滴ぽたぽたと湯船に落としてまた蓋を閉めた。
それっぽっちでいいのか?と才人が思っていると、あっというまに湯が乳白色に染まる。
「なるほど、入浴剤も魔法薬の類なのか…」
「わぁわぁ、真っ白ー! 面白いのねー」
さっきまでこの世の終わりみたいな顔をしていたシルフィードが、急に色が変わったお湯に感激して
はしゃぎ始めた。お湯を両手で掬っては、手のひらの間から垂らしたりしている。
その様子を見て、才人は気付いた。お湯が白く染まったため、お湯の中のシルフィードの体が
ほとんど見えない。
ちょっと残念ではあるが、タバサはこれを期待して急に入浴剤を持ってきたのだろう。
そう考えると、才人は何だか微笑ましくなった。
「なんだかちょっとぬるぬるするのね」
「言われてみればそうだな」
お湯にぬめり気が出る入浴剤のようだ。マッサージローションなどを体に塗ると
こんな感じになるのだろうか。
風呂の縁に背中をもたれかけると、そのまま滑って湯の中に沈んでしまいそうになる。
「ひゃっ…!」
などと考えていたら、小柄なタバサが滑ってお湯の中に頭まで浸かってしまった。
「おい、大丈夫か?」
慌てて引き上げようとするが、手を掴んでもつるっと滑ってうまく持ち上がらない。
「おいおい、まずいぞこれ欠陥商品じゃないのか…!?」
仕方なしに、タバサの背中にまで手をまわして、ぐいっと引き上げる。
ようやくタバサの顔がお湯の外に出て一安心するも、今度は才人が滑って風呂の縁に
もたれかかる格好になってしまった。
「いくらなんでも滑りすぎだな、この入浴剤。水飲んでないかタバサ?」
「え……あ、うん…大丈夫…」
と、そこで気付く。今現在才人とタバサがとっている格好。
湯船に座り込む形になった才人の上にタバサがのしかかって、その背中を才人は抱いて。
タバサの手は才人の胸に添えられて、二人の足は絡んで、すぐ前に顔を合わせた状態。
……端から見たら、どうみても真っ最中です。本当にありがとうございました。
「あーっ! シルフィの見てる前でっ! はしたないの! けだものなのねっ!」
胸より下は濁り湯に隠れて見えないため、シルフィードは誤解して騒ぎ立てる。
「ば、ばかっ! してない! してないから!」
「やってるとこを見られた人はみんなそう言うのね」
「ちがーう!」
才人はすぐにタバサを離そうとするが、下手に動くとまた滑って転ぶことになるためままならない。
「だめ、サイト、動かないで」
「いやそういうわけにも…」
ぬるっ。タバサの背中に回した才人の手が滑って、落っこちそうになる。タバサの頬が才人の胸にぶつかる。
このままじゃまずい、と才人が手をさらに下に伸ばし――。タバサの体を捕まえた。
……才人の両手が捕まえたのは、とてつもなく甘美な感触。ただでさえ柔らかく、暖かく、すべすべであるのに、
それが入浴剤の効果でつるつるのぬるぬるになっている。
さらに、滑るお湯のおかげで強く掴んでも傷つけたり痛がらせてしまうことはない。
さらにさらに、力一杯掴んでタバサの体を引き留めなければならないという大義名分が存在する。
まさに、今、このシチュエーションでしか味わえない、奇跡の果実。
才人は直感的に、それを白桜桃(ホワイトチェリー)と命名した。才人の手の中にしか存在しない幻想の果実である。
というか、ぶっちゃけた話タバサのお尻である。
「ふぁっ…!」
「ご、ごめん!!」
謝っても、どうしようもない。放したらタバサは水中へとドボンである。
いや、仮に放しても大丈夫だとしても、この禁断の果実を手放すことなどできるだろうか。
あまり成長していない小さなお尻。だからこそ張りが素晴らしい。だからこそ精一杯掴まないと滑り落ちてしまう。
日本人が桜を愛するのはそれが儚く散ってしまうからだというが、この白桜桃もそれに通じるところがある。
……なんて、馬鹿なこと考えてる場合じゃないよな。
「悪い、じゃ、こうして…」
才人がタバサの体を引っかけるのではなく、タバサが才人の体に引っかかればよいのである。
才人は自分の足をタバサの足の間へ持って行くと、膝を折りたたんでその上にタバサを乗せる格好にした。
「よし、これにて一件落着!」
才人は名残惜しさを感じながらも白桜桃から手を離し、額に浮かんだ汗を拭った。
そして、己の太股に白桜桃を超える甘美な果実が乗っていることに気付き、固まった。
現在、タバサさんは、才人くんの太股の上に、跨っています。
「ん……だめ…」
身長差のあるタバサは、頬を才人の胸につけたまま、ぎゅっとしがみついてくる。
それでもその手と体はぬるりと滑り、湯の中に落ちまいと全身をもじもじ揺する。
そうすると、タバサの胸とは才人の体に擦りつけられ、腰は才人の太股の上で踊る。
さらに全身を震わせることになり、体が滑り落ちそうになるという悪循環。
「やぁ……ん、ふ……サイト、サイト……」
これは専門用語で泡踊りとかタワシ洗いというもの? いや、タバサは下の毛が無いからタワシではない?
自分の体の上で悶える少女の愛らしさといやらしさとその感触の良さに頭が沸騰し、妙な思考が浮かんでくる。
才人はごくりと唾を飲み込むと、膝を軽く揺すってみた。
「ひぁっ…! あ、んぁっ…!!」
タバサが一際甘い悲鳴を上げ、その体を強ばらせる。
お湯の中でも、タバサのそこが熱くとろけかけているのがわかった。
こんな姿を見せられて、才人の衝動にも火がつかないはずがない。
「タバサ……気持ちいい? ひょっとして、こういう使い方できるのを知っててこの入浴剤買ってきたのか?」
才人の口から、自分でも驚くくらいの意地悪な台詞が零れる。
「ちがっ…! あ、は…ちがうの、こんなの、知らなかったのっ……!」
「ほんとに? 使うとどんなお湯になるのか、聞かないで買ったの?」
つつー、とタバサの背中に手を回し、背筋を撫で上げる。指先がつるつる滑るのを最大限に生かし、
首筋から頬、耳の裏までをくすぐるように愛撫する。
「知ってたのね。お姉さま、この魔法薬の説明聞いて、ちょっと頬を赤らめてたのね」
蚊帳の外にいたシルフィードが、ここぞとばかりに暴露する。
「シルフィ…!!」
「ぬるぬるするお湯になるー、ってことだけ聞いて、いやらしいことに使えそうだって想像できるなんて、
お姉さまこそいやらしい人なのねー。むっつりさんなのね。きゅい♪」
お仕置きされることが決定して開き直ったのか、シルフィードはタバサの後ろに回り込み、胸に手を回す。
「あはっ、面白いの。お姉さまのかたーくなったお胸の先っぽ、指で摘むとつるってすり抜けるの♪」
「やぁ……シルフィ、やめなさいっ、やめっ……んぅっ!」
タバサは唇を噛みしめ、全身に襲ってくる刺激に耐える。雪のようだった肌は既に赤く火照り、
人形のような顔立ちは官能の火にとけている。
普段のタバサを知るものなら目を疑うような、あまりにも淫靡な姿。
「サイト、いやらしい事を期待してたお姉さまに、お望み通りいやらしいことしてあげましょうなの。
こんなにちっちゃい体なのに、ほんとにいけないお姉さまなのねー」
ちゅ、とシルフィードはタバサの頬にキスする。
「おっけ、じゃタバサ。思いっきり気持ちよくしてやるからな」
「そんなっ、やだ……サイト、シルフィ、やめっ…!」
「やめませんなのー。きゅい♪」
シルフィはタバサの首筋に軽く歯を立て、左手を胸に回しながら、右手をタバサの腰に持って行った。
まさか――!とタバサが身をすくめた瞬間、シルフィの右手の指はタバサの尻たぶを割り、
後ろの門に滑り込んだ。
「あっ、あっあ……嘘、やぁ……!」
「んふふー♪ よく滑るから簡単に入っちゃったのね」
「じゃ、俺はこっちな」
才人はタバサの体を持ち上げると、その唇に唇を合わせる。
舌を差し入れ、その体から力が僅かに抜けた時を狙って、右手をタバサの股座に持って行く。
熱くほぐれたタバサの割れ目は、後ろよりもずっと楽に才人の指を迎え入れた。
ただでさえ狭いタバサの入り口が、才人をきゅうきゅうと締め付け、吸い付いてくる。
「あはっ、やっぱりサイトの指の方が美味しいみたいなのね。ちょっとジェラシーなの」
「俺だけじゃこんなにはならないぜ。シルフィと一緒にしてるからだろ」
タバサが強すぎる刺激に体を痙攣させ、かはっ、と喉奥から声にならない声を漏らす。
才人とシルフィードの目が合い、怪しいアイコンタクトが交わされた。即席コンビネーションである。
「ひっ……あ、ああぁぁぁーーっ!!!」
才人とシルフィードの同時責めに、タバサはあっという間に登り詰め、そのままかなりの時間
降りてくることを許されなかった。
「そ、そんなに睨むなよ……」
気をやりすぎてぐったりとしてしまった状態からようやく持ち直した後、タバサは口まで湯船に沈めて
才人とシルフィードに恨みがましげな視線を送り続けていた。
「そうなのね。あんなに気持ちよさそうだったのにどうして怒るのかわからないのね。
ふふ、可愛かったぜ……なのね」
タバコをふかすジェスチャーをしながら、シルフィードは余裕しゃくしゃくの笑みを浮かべる。
後でされるお仕置きのことをすっかり忘れているようだが、どんな内容になることやらと想像して
才人は少しせつなくなった。
「んー、それよりも、シルフィとサイトはまだ満足してないのね。二人でする?」
シルフィードは才人の方を見て、屈託無く笑う。
「だめ」
タバサはやっと浮かんできて、シルフィの提案にダメ出しをした。
「だめって、ひどいのね。お姉さまは自分だけ気持ちよければいい人なの?」
「わたしもいっしょにする」
「そんなにへろへろの状態で、無茶なのねー」
と、使い魔とその主人の間柄とは思えない言い争いをしていると。
「馬鹿犬ーっ! いつになったら帰ってくるのよー!」
才人にとってのご主人様。ルイズの怒気にまみれた声がヴェストリ広場に響き渡った。
「あ、ミス・ヴァリエールの声なのね。いつも怒ってばかりで可哀想なのね」
「やば、長湯しすぎちまった……?」
平然としているシルフィードの横で、才人がぎくっと身をすくませる。
そこで湯船の中の青髪の少女二人に目をやり、顔面蒼白になった。
風呂から帰ってこない→ご主人様を怒らせた
→風呂から帰ってこない原因は別の女としっぽり入浴中だったから→\(^o^)/
ガタガタと震えはじめた才人を見て、タバサはため息をつくのと同時に、
何かを思いついたようだった。
「……ルイズにばれないようにしたら、後で言うこと聞いてくれる?」
小声で、タバサは才人に囁く。
「そうしてくれるなら願ったりだけど……もう、無理だろ。
あと何秒かでルイズここに来るぜ……あはは……」
乾いた笑い声を上げる才人を尻目に、タバサは「任せて」と呟いた。
すぐにルイズが風呂釜の前に到着して、才人を見上げた。
「いつまでお風呂に入ってるのよ! いい加減にしなさいよね……くしゅん!」
見れば、カーディガンを羽織ったその肩は細かく震えている。どうしてだろう?
あぁ、でもそんなこと考えてる時間無い。もう気付く。タバサとシルフィードに気付く。そんでお仕置きされる…!
「あ、ああああのルイズ、これはだな……」
「これはって何よ?」
…あれ? ルイズの反応が小さい。才人が恐る恐る後ろを見ると、湯船の中にいるのは才人一人だった。
「あら、あらら?」
「何ヘンな顔してるの。もういいわ。わたし湯冷めしちゃったんだから、そのお風呂を使わせなさい」
才人が首を傾げていると、その場にもうひとつ足音が迫ってくる。
「サイトさんっ! ああ良かった、まだお風呂の最中だったんですね。わたしも使わせてくださいな…あれ?」
寝間着やタオルが入ったカゴを下げてきたのは、シエスタ。
そこでルイズの姿をみつけて、怪訝そうな顔になった。
……どうやら、まだお風呂騒動は終わりそうにないらしかった。
後編に続きます。ではー。
最初からじらすとは…………わかってるじゃないか。
GJなのです。続きwktk!!
>>28 このSSは…、
そうか、あなたが僕のお父さんだったのですね。GJ!
あぁ〜後編が楽しみだ。
期待してるぜ。GJ!
やってくれんじゃねぇか・・・・、後編が投下されるまで全裸で待っててやるぞこのやろーー!!
GJ×2。
またもやこのスレに神が降り立った。
つーか、なにこのタバサ強化週間。 もっとやれwww
ロリっ気がない俺にはつらい週間だぜww
だがssが投下されるっていいな
43 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 21:55:20 ID:hii92VxR
来ましたー何だこの職人達、神杉るぜ、
>>28 やあよくおこしくださいました。ごゆっくりしていってください。
ぐっじょぶだぜ♪
>>38 素敵な反応ワロタw
たぶん今が俺の人生の峠なんだろうな…GJ
46 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 22:47:56 ID:b7/Sh6Dy
後編につなげるとじらされてる感じが
してそれがまたたまらん。ロリッ気はないが
この展開はすごく楽しみです
もういっそこのスレにタバサしか来なくてもいいと一瞬でも考えた俺はタバサ依存症
48 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:45:04 ID:i0fyGAHC
>>47 その逆で
眼鏡、無口はタイプじゃなくて読めない俺
変態でもロリでもない自分でも、このスレは面白く読ませていただいているけどな。
50 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:58:29 ID:uLrYI8/b
70年代劇画によく出てくくるムチムチおばさんが汗ムンムンしながらウッフンハアアンするのがお好みなのかしらん。
そういうキャラはゼロの使い魔には未登場だなぁ。
よし、君たちの言いたいことは良く分かった。
欲しいSSのデムパを送信してくれ、上手く受信したら届けるから。
…できたら
先生、ヴェルダンデがモンモンの薬で人化、いつも落ち込んだ時に頼ってくるサイトと会話をしている内に…という電波を受信しました!
ビジュアルや性格は控え目な感じ、性別は元々♀だった、あるいはギーシュやモンモン、ルイズ達も巻き込んで、それは入り組んだ展開が繰り広げられて、もうね、
サイト、お前代われ
>>52 凄まじい電波を受信したな。
心の中でワラタ。
みなさま覚えておいででしょうか?
>669 名前: 【大吉】 【357円】 [sage] 投稿日:2007/01/01(月) 03:50:24 ID:oZQfmmc3
>大吉だったら雌豚化SSを書く
と言ってしまったお調子乗りです。
週一ペースなんて到底書けませんが、なんとかまた投下できます。
アンリエッタ女王陛下可愛いよ陛下
てなことで
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合11
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1169642847/n360-364 【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合12
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1171789741/n219-221 の続きー
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
色街を肌も露な格好で歩かされているアンリエッタ女王は、汗以外のもので
自分の内股が濡れてきていることに気づいてしまった。
――そんな……
黒い絶望がアンリエッタの心の中に生まれてしまう。
――見られてるのに。こんな、はしたない格好を……見られてるのに…
セーラー服の下の乳首は固く立ち上がってしまっている。
ミニスカートの下の陰部は甘い熱を帯びてしまっている。
かろうじて長い髪のカツラで自分が誰か、ということはわかりにくくは
なっているが、それでもアンリエッタは自分の正体がバレてしまうのではないか
という恐怖で歩く足の膝が震えてきてしまう。
遠巻きに自分を見つめている街の人々。
その小さなささやきが風に乗ってアンリエッタの耳に入ってくる。
「なあ…アレ……まるで裸……」
途切れ途切れの言葉がアンリエッタの心を打ち抜いてしまう。
汗でじっとりと湿ったセーラー服は、アンリエッタの肌の色を透かして
見せてしまっている。
街行く人々が、アンリエッタに視線を浴びせている。
その視線は薄いセーラー服の生地の下の全裸を焼くようにヒリヒリと突き刺さる。
「ふうっ……」
アンリエッタは思わず小さな吐息を漏らす。
なにもつけていない乳房が、お尻が、下腹部が、男どもの視線を感じてしまうから。
アンリエッタは、全裸で街中を歩いている自分の姿を想像してしまう。
そしてそれは美少女の身体の芯を固く熱くしていってしまうのだった。
アンリエッタが歩いていく先の酒場の入り口で、男が売春婦に声をかけられている。
まんざらでもない、という表情をしていたその男は、すれ違いながら歩いていく
アンリエッタの風貌に目を奪われる。
ジロジロと胸を見られ、ミニスカートの下の太ももをよだれを垂らさんばかりの
視線で食いつくように見られる。
自分の方などかえりみもしない男に失望した売春婦は、アンリエッタを睨み付けた。
憎憎しげに、汚い物を見るような視線を浴びせられる。
「ナニよ、この露出狂が」
すれ違う売春婦が吐き捨てるように口にする。
「アンタ裸見せ付けて喜んでるわけ?! 信じられない!」
――露出狂……
下賎の卑語がアンリエッタに浴びせられる。
――露出狂……
下賎の卑語がアンリエッタに浴びせられる。
アンリエッタには「露出狂」という言葉は判らないが、
その意味するところは明確に理解できた。
あの売春婦は、自分のことを性的倒錯者だと罵ったのだ。
肌を人前に晒すことで気持ちよくなってしまう異常者。
最下層の売春婦からも罵られる、最低の生き物。
アンリエッタは自分をそう感じ、さらに陰部の熱を高まらせてしまう。
――そうです。私は……私は売春婦以下の、卑しい生き物なのです。
そう考えると、アンリエッタは女の子の器官がキュンキュンと震えだすのを感じる。
――清貧女王などと、崇め奉られて尊敬されるような、そんな人物ではないのです……
アンリエッタのノーパンの陰部は、もうジクジクと充血している。
男根の挿入を待つかのように、とろりという蜜を分泌してしまっている。
まだ宵の口とはいえ、名だたる色街のチクトンネ街である。
薄い透けた上衣に短すぎるスカート、そして上気した頬の美少女をほっておくわけがない。
ケダモノの一匹が、アンリエッタに近づいてくる。
「おう!姉ちゃんよぅ! オメェ、エロい身体してんじゃねえか!」
太った汚い格好の男がアンリエッタに声をかけてくる。
酔っているのか、呂律の回らない様子だ。
その男は真っ赤に染まった顔のアンリエッタの前に回りこむと、その顔を覗き込むように
絡んでくる。
「なかなか顔も可愛いじゃねえか。おめえ、一晩で幾らだ?」
――サイトさん!サイトさんサイトさん!!!
――助けて!助けてください!!!
酔漢のアルコール臭い息に恐怖を感じながら、アンリエッタは胸の中で叫ぶ。
――アンは……アンは、穢されてしまいます!
心の中で悲鳴を上げるアンリエッタ。しかし、自分の正体が露見するのを恐れる
アンリエッタはどんなに怖くても声を出すことができない。
アンリエッタの沈黙をバカにされている、と思った太っちょは息を荒げながら
怒鳴りかける。
「無視かよ! お高く止まってんじゃねえっつーんだよ!ああン?
てめえ女王陛下かっつの!」
その一言にアンリエッタは凍りついた。
背筋を寒気が走る。
「おう、どこまでも無視か? こんなケツ丸出しのエロ服着といて客選ぶってのか!?」
「おい、どうしたんでい?」
太っちょに言い寄られているアンリエッタの背後からネズミみたいな顔をした小男が現れた。
太った男の知り合いらしい。
「ああ、この女、こんなエロい格好してるくせにお高く止まってやがるんでな」
「ちょっと来いよ」
小男はいきなりアンリエッタの髪を掴むと、驚いているアンリエッタの口を手で塞いだ。
太っちょは腰を抱きかかえるようにすると、素早く物陰に引きずり込んだ。
男二人にアンリエッタはどうすることもできない。
カツラの頭を掴まれ、男のされるままに横道に連れ込まれる。
声を出そうにも、男の汚い掌ががっちりと口を覆ってしまっている。
入り組んだ路地の奥、街路からは目の届かない酒場の裏手の空間に連れ込まれてしまった。
「へへへへへ」
下卑た笑いを浮かべながら、太った男は怯えるアンリエッタの胸元に手を伸ばす。
ぎゅむっ、という荒々しい握りこみ。
アンリエッタの二つの膨らみを、セーラー服の上から骨太な労働者の手のひらで
ぎゅう、ぎゅう、と握られる。
色黒で、骨ばった汚れた手。
それが汗ばんだ純白のセーラー服を黒く汚していく。
――汚れて、汚れてしまいます!
アンリエッタは心の中で叫んだ。
――サイトさんが下さった服を汚されて……サイトさんのものである、アンの体も
……汚されてしまいます!
その叫びを押し殺しているアンリエッタは、男の荒々しい指の動きを感じてしまう。
薄手の上にアンリエッタの汗を吸って透けてきているセーラー服の上衣。
敏感すぎる女王陛下の乳房は、そんな薄い生地ごしではなおさら男の手指を
鋭敏に感じてしまう。
パン生地のように揉まれ、捏ねられると、不思議にアンリエッタの吐息の中には
なにか熱いものが混じってきてしまう。
手のひらが包み込まれる、柔らかい天上の感触を楽しんでいたデブは
それに気づいた。
「おい、コイツ、服の下でおっぱい丸出しだぜ!」
「変態の露出狂か! こりゃいい!」
ニヤニヤ笑いながら、アンリエッタのミニスカートの下に手を差し入れ、白くて
ぷりんとした尻たぶをぎゅっと握りこむ小男。
意外そうな顔を邪悪な笑みに変えながら言う。
「コイツ下も何も穿いてねえ!! おい、エロ女! なんか喋れよ!」
アンリエッタは紺色のミニスカートを捲くり上げられる。
前は両手で必死にガードしたものの、お尻の部分はまるっきり完全に捲られてしまい、
アンリエッタの85サントの真っ白な尻が男たちの目に晒されてしまう。
小柄な体の割には十分発育したそこは、むっちりとした色っぽい肉付きで、
その尻の太ももをもじもじと擦り合わせる仕草はまるで男を誘っているようだ。
「こんなエロい格好しやがって、お前貴族に飼われてた性奴隷かなんかだろ?」
――サイトさん!サイトさん!サイトさんサイトさんサイトさん……お助けください!
お助けくださいまし!
アンリエッタは二人の手から逃れようと身じろぎをする。
しかし、労働者の力強い腕はアンリエッタの力では引き剥がすことができない。
直接乳房を握りこむように揉まれると、アンリエッタは腰の裏側あたりに
熱い渦が生まれてしまう。
身じろぎをした瞬間、小男に両腕を掴まれてしまう。
そのまま両手首を後ろ手に固定される。
「めくっちまえ!」
小男が後ろから叫ぶ。
「あ……ああっ…」
アンリエッタのかすれた声が何かを叫ぼうとした瞬間、太った男の片手がそれを塞ぐ。
手も動かせず、声も出せない。
女の子にとって絶望的な状況のなか、デブはイヒイヒという笑いを漏らしながら
アンリエッタのセーラー服の裾に手を掛けた。
――いやです! こんな…街の中で…は、はだかに…させられるなんて!!
――いやです! こんな…街の中で…は、はだかに…させられるなんて!!
アンリエッタが胸の中でそう呟くと、背筋をゾクゾクと這い登ってくるような
快感が生まれる。
裸にされて。
男たちに見られて。
もっと、ひどいことをされてしまう。
その想像は、恐ろしくてイヤなはずなのにアンリエッタの芯を熱くさせてしまう。
――イヤです…イヤです……
アンリエッタはもごもごと覆われた口のなかで呟く。
見られるのはイヤだ、と叫びたかった。
怖いだけだ、と言いたかった。
でも、見られてしまうことにアンリエッタは何かを期待してしまっている。
胸の中でドキドキと暴れる心臓は、ただ怖いだけでこんなに激しく鼓動を刻んでいるのではない。
間違いなく、暗い快感を期待してしまっている。
アンリエッタは否定しても、スカートの下の女の子の園は、太ももをべったりと濡らしてしまうほど
蜜を漏らしている。太ももを擦り合わせると、その濡れた感覚がアンリエッタの肌を刺激する。
「早くしろって」
チビがデブを急かす。
「へっへっへ」
ケダモノのような笑い声とともに、汗で濡れた純白のセーラー服の上衣が汚い手でまくり上げられる。
――!!!!
汗で濡れた肌に冷たい空気が触れる感覚。
アンリエッタは頭が真っ白になった。
体から力が抜け、何も考えられない。
――みられ・・・みられて・・・
アンリエッタは薄目で自分の胸に視線を落とす。
そこにはまだセーラーカラーとタイが残っている。
胸がきついせいで、一気に捲り上げられずに乳房の下だけが露出している。
紺のミニスカートの腰から上、へそも真っ白いお腹も、晒しているアンリエッタ。
ふくよかな下乳だけを覗かせたその格好は扇情的すぎた。
アンリエッタは安心した。
安心した、と思いたかった。
見られなかったのを残念に思う自分がいるのを認めたくなかった。
「クソッ! じらすんじゃねえっつの」
太った男はそう言うとセーラー服のきつい胸を半ば破るように捲り上げる。
真っ白な乳房がぷりん、という柔らかい揺れとともに露になる。
王家の温室で育まれてきた真っ白な透き通る肌と、細身の体からは
考えられないくらいふくよかに膨らんだ二つの乳房。
重力に抗するかのようにつん、と真っ直ぐに乳首を向けているその色は
白い肌の中で恥じ入っているかのような薄い桃色。
それが色街の路地裏で、貧民二人の前に晒されてしまう。
信じられない、というように見開かれたアンリエッタの南国の海の色の瞳。
その瞳に涙が盛り上がり、全身が細かく震える。
――サイトさん……アンは……アンは……
晒された乳房が、焼けるように熱い。
その熱がアンリエッタの全身を震えさせる。
心臓が破裂しそうなくらいにドキドキという鼓動を鳴らしている。
肌を見られていることによる熱さが、アンリエッタの背筋を降りてきて、
腰の奥を炙るように熱している。
「ひぇー、でっけえなあおい」
「ああ、どんなモン食えばこんな牛みてえなおっぱいになんだ?」
男たちの下卑た口ぶりにアンリエッタは恥ずかしくて消えてしまいたくなる。
涙が一筋、アンリエッタの頬を流れ落ちた。
そして感じるもにゅ、という感触。
太った男が体の前からアンリエッタの乳房に指を埋めている。
チビは体の後ろから、乳房を持ち上げるように揉んでいる。
手首を封じられ、胸を曝け出しにされた美少女には、どうすることもできない。
唇は太った男の掌で固く封じられ、声などあげることもできない。
奥まった路地の中、助けを呼ぶことなどできないだろう。
男たちの掌が、ゆっくりとアンリエッタの乳房を蹂躙し始めた。
――――――――――――――――――――――――――
今日はここまでー
続きはなるたけ早く書きたいです。請うご期待漏れもガンガル。
かよわいアン様が好きだけど、エロいアン様も大好きなオレはアン様依存症でしょうか?
GJなのです!!続きもがんばって!
60 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 12:10:52 ID:wQpHT50t
正直アンタには期待してたんだぜ?
続編まってるぜい!
61 :
205:2007/03/26(月) 16:34:56 ID:F39+zbEK
いろいろと考えつつ実験作(?)投下です。
「パパ」
という歓声がヴェストリの広場に響くまで、その日は取り立てて変わったところのない、平凡な日
に過ぎなかった。
休日でもある虚無の曜日の昼下がりである。爽やかに晴れ渡った空の下、健康的な学生たちは幾人
かずつで様々な集団を作り、広場のあちこちで取りとめもない談笑を交わしていた。仲睦まじい恋人
たちもいれば、それに嫉妬と羨望の混じった視線を送る男子生徒たちもおり、一人木陰で黙々と本の
ページを手繰る少女の姿もある。
広場の中央では、今日も今日とて見慣れた光景が繰り広げられている。二人の少女に引っ叩かれた
り踏みつけられたりしながら必死に平謝りする黒髪の少年と、地面に敷かれた簡素な敷物に座って無
責任にそれを観戦する数十人ほどの学生たち。
今や学院の名物ともなった「シュヴァリエ・ド・ヒラガのお仕置きタイム」である。七万の大軍を
単騎で止めた英雄サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ少年が痴情のもつれの果てに二人の少女に容赦
なくボコボコにされるという、他では絶対にお目にかかれないイベントだ。
このほのぼのとした日常的じゃれ合いのエンターテイメント性にいち早く目をつけたのは、水精霊
騎士隊の実務を担うレイナール氏である。事が起こるや否や鍛え抜かれた騎士隊の面々を総動員して
素早く会場を整えつつ、鐘を鳴らして学生たちにイベントの始まりを知らせ、席料や飲み物代をせし
めるという仕組みである。
こうした訳でサイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガは、衆人環視の下、降り注ぐ鞭と拳の雨霰を必死
に避けつつ隙を見ては土下座して平謝りを繰り返している訳である。
「おお、今のをご覧になりましたか解説のマリコルヌさん」
「もちろんですとも実況のギーシュさん。うーん、ヴァリエール嬢の鞭捌きもさることながら、ヒラ
ガ氏の身のこなしも素晴らしいですね。一秒間だけ土下座しつつすぐに身を起こしてメイド嬢の手
から逃れる。我々ではとても真似できませんね」
「爛れきった私生活の果て、愛人の追及から逃れて生き残るために必死で身につけた回避術という訳
ですか」
「その通り。素晴らしいですね、これこそ厳しい環境にも必死で適応しようとする人間の生存本能の
極致とも言うべき芸術的な」
「おおーっと、ここでクリーンヒット、クリーンヒットです。素晴らしいコンボでしたね解説のマリ
コルヌさん」
「ヴァリエール嬢が鞭で足を絡め取ったところに、メイド嬢の狙い済ましたかのようなボディ・ブロ
ー。私も解説を始めて早三十回目となりますが、これほど芸術的な打撃を見たのは七回目の『ゲロ
吐きシュヴァリエ』以来久しぶりですね」
「ああ、あれも名勝負でしたね。くの字に折れたシュヴァリエの口から吐き出される大量の吐瀉物。
頭からもろに浴びるヴァリエール嬢」
「地獄絵図というのはまさにあのときのためにあった言葉でしたね。モンモランシー嬢が言うところ
によるとあの勝負で十本強の秘薬の瓶が空になったとか」
「怖いですね恐ろしいですねモンモランシー最高ですね。さて、そんなことを言っている間に倒れた
ヒラガ氏が振り下ろされる足の雨を浴びてどんどん薄汚く汚れていく訳ですが」
「ボロ雑巾というのはまさに今の彼のためにある言葉ですね。ついでに言うと美少女二人のおみ足で
踏まれるというのはちょっと羨ましい状況ですねっつーかいっぺん本当に死んでほしいですねいや
マジで」
そんなこんなでこの日のイベントも終わりに近づいたとき、三人を取り囲んでいた人垣が唐突に割
れた。
そこから、一人の可憐な少女が飛び出してくる。桃色がかったブロンドの髪を肩で切りそろえた、
非常に整っていながらもどことなくとぼけた顔立ちの女の子だ。見慣れぬ第三者の登場に、その場が
一瞬静まり返る。好き勝手に才人を踏みつけていた二人の少女もまた、突然登場した少女に驚き、ぴ
たりと動きを止める。
その場の全員が注視する中、少女は視線に気付いていないかのような何気ない足取りで才人たちに
近づき、しゃがみ込んだ。そして、倒れたままきょとんとした表情で少女を見上げる才人の顔をじっ
と見つめ、満面の笑顔で言い放つ。
「パパ」
「空気が凍る瞬間というものを、わたしはそのとき初めて目にしました」というギーシュ・ド・グラ
モンの述懐は、時代を超えて今も名言として残されている。
ゼロ戦格納庫。水精霊騎士隊の溜まり場としても用いられているこの簡素な建物の中は、重苦しい
空気で満たされていた。
裸電球よろしく天井から吊り下げられた小さなランプが照らし出すのは、一様に押し黙った友人た
ちの様々な表情。
押し殺されて噴出す寸前の怒り、常識から飛躍しすぎているこの状況に対する戸惑い、露骨な軽蔑
と嫌悪、羨望の混じった嫉妬。
暗闇の中にたくさんの顔が浮かび上がり、休みなく無数の視線が飛んでくる。何重にも巻きつけら
れた縄で椅子に縛り付けられた才人は、うんざりした気分で顔を伏せていた。幾度ため息を吐けども、
状況は少しも変わりない。そんな才人の前には古びた木のテーブルが一つ置いてあり、向かい合う形
で座っているギーシュは手を組んで口元を隠したまま沈黙を保っている。傍らには太っちょのマリコ
ルヌが佇み、苛立った顔で才人の顔を見下ろしていた。
「で、吐く気になったか」
「だから、俺はやましいことなんて何も」
「黙れ」
マリコルヌが絶叫と共にテーブルに拳を叩きつけた。
「いいかよく聞けこの撒き散らし野郎。貴様という奴はたんぽぽの綿毛みたいに無責任に種子を飛ば
しやがって。言え、一体今まで何人の少女を孕ませたんだ。今までに食ったパンの枚数よりは少な
いんだろうな」
「いや、だからさ」
「黙れと言っているのが分からんのか」
マリコルヌは太った体を無理矢理回転させて才人の頬を張り飛ばした。そのまま顔を真っ赤にして
ふうふう息を荒げる彼を、ギーシュが苦笑してなだめる。
「まあまあ、落ち着きたまえよマリコルヌ」
「しかしギーシュ」
「大丈夫だ。僕に任せておいてくれたまえ。さて、サイト」
不承不承引っ込んだマリコルヌに代わって、今度はギーシュがじっとこちらを覗き込んでくる。
「僕としても決してこんな野蛮な真似はしたくないんだが、水精霊騎士隊隊長としての面子とか役割
のようなものがあってね。友人を疑うというのは実に悲しいことだが、これも国家に奉仕する貴族
たる者の宿命。甘んじて尋問を受けてくれたまえ」
「とか何とか言って思いっきりこの状況を楽しんでるだろテメエ」
「そんなことはないよサイト。ところで僕は対岸の火事を見物するほど楽しいことはないと常々思っ
ているんだが、どう思うね」
「胸糞が悪くなるほど素晴らしい趣味だぜお貴族様め」
「お褒めに預かり光栄だよ。さて、では重要参考人にご登場願うとしようか」
ギーシュが気取って指を鳴らすのと同時に、件の少女が騎士隊の二人を伴って姿を現した。
そもそもこんな理不尽な目に遭っているのはこの少女のおかげなのだが、それを知ってか知らずか、
本人は実にのん気な笑みを浮かべて楽しげに才人を眺めている。
「こちらへどうぞ。さて、これから君にニ、三質問させて頂くことになる訳だが」
「うん、いいよ」
ギーシュの隣に腰掛けた少女が、無邪気に頷いた。見かけは十歳ほどに見えるので、実年齢よりも
少々幼い精神の持ち主らしかった。
「素直でよろしい。えーと、それではまず、君のお名前は」
「ルーナよ」
「ルーナね。それで、君は」
「この馬鹿犬とどんな関係なの」
唐突に横から出てきたルイズが、噛み付くような勢いでルーナに詰め寄る。至近距離から大人も縮
み上がるような視線で睨みつけられた少女は、しかし少しも恐れた様子を見せない。それどころかじ
っとルイズを見つめ返し、面白そうにくすくすと笑い出した。
「ふざけてんのあんた」
「まあまあルイズ」
「なによ、何か文句あんの」
ルイズにぎろりと睨まれると、ギーシュは顔に笑顔を貼り付けたままそそくさと立ち上がった。
「いや、ここは全て君に任せるのが正解という気になっただけさ。さ、どうぞどうぞ」
ふんぞり返るようにして座ったルイズは、何かとんでもなくまずいものを無理矢理飲み込もうとし
ているように顔を歪めながら、じろじろとルーナを観察し始めた。観察されている方は相変わらず面
白そうに才人とルイズを見比べては、時折小さく忍び笑いを漏らしている。
「なんか気に入らないわねこの子」
正直すぎる感想を漏らしつつ、ルイズがより一層顔をしかめる。
「まあいいわ。それで、そろそろ答えてもらいたいんだけど」
「何を」
「決まってんでしょ。こいつがあんたの何なのかってことをよ」
ルイズが椅子に縛り付けられた才人を指差すと、少女はあどけない笑みを浮かべて答えた。
「パパよ」
「よし、殺そう」
殺気立ったマリコルヌが、杖を構えて立ち上がる。「まあまあ」とそれを押し止めながら、ギーシ
ュが横から口を挟んできた。
「ルーナ。それは、血の繋がった父親という意味かい」
「血の繋がった父親以外にどういうパパがあるって言うんだよギーシュ」
「いやね、近年モラルの低下著しいトリスタニアでは、いやらしい奉仕の見返りとして金銭的な援助
を受けている婦女子が男のことをそう呼ぶことがあると。まあつまり愛人な訳だが」
「よし、殺そう」
「まあまあ落ち着きたまえよマリコルヌ。それで、どうなんだいルーナ」
「ううん、そういう意味じゃないよ。正真正銘、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガはわたしのお父
さんなの」
ルイズが震える手で杖を取り出して才人に突きつけた。
「この馬鹿犬一体いつの間にどこで誰の許可を得てお盛んな種まきを」
「待てルイズ、エクスプロージョンを詠唱する前に俺の話も聞いて」
「ちょっと待ってください」
絶体絶命の才人を救ったのは、困惑した表情で手を挙げたシエスタであった。
「あの、ルーナさん。失礼ですけれど、お年はお幾つですか」
「十歳だよ」
大体見かけどおりの年齢である。シエスタは戸惑ったように首を傾げて才人を見やった。
「それだと、ルーナさんは才人さんが八歳ぐらいのときに作った子供ということになってしまいます
けれど」
「八歳のときから噴水の如しですかこの鬼畜野郎」
「マリコルヌ、君はもう少し常識という言葉を勉強した方がいいな」
興奮しきった太っちょを冷静に押し留めつつ、ギーシュはなだめるようにルイズを見る。
「ルイズ。もう少し詳しく話を聞いてもいいと思うんだが、どうかね」
唇を尖らせながら、ルイズもまた一旦押し黙る。ギーシュは改めて問うた。
「それで、一体どういうことかなルーナ。僕としては、君が悪戯しているかそれとも有名な英雄に会
いたくて嘘を吐いているかのどちらかだと思っているんだが。そうだとしても怒らないから、正直
に答えてほしいね」
普段のへっぽこさからは想像も出来ないギーシュの尋問振りに感動を覚えながら、才人もまたルー
ナの言葉を待つ。彼女はしばらくの間、やはり興味深そうに才人とルイズの二人を見比べていたが、
やがて満足げに何度か頷いた。
「パパの言ったとおりだったわ。本当に昔はママがパパのこといじめてたのね」
少しの間、奇妙な沈黙が訪れた。誰もその言葉の意味を理解できなかったらしい。何となく地雷を
踏みそうな危惧を抱きつつ、才人は恐る恐る問う。
「昔ってどういう意味だ。それに、ママって」
「何言ってるのよパパ。ママはパパのど」
そこまで言いかけて、ルーナは「あ、違う違う」と舌を出してから言い直した。
「ママはパパの奥さん。ルイズ・ド・ラ・ヴァリエールのことじゃない。ああそっか、このときはま
だ結婚してないんだっけ」
こういった経緯により、ゼロ戦の格納庫では再び混乱の嵐が巻き起こることになった。さっきまで
の平静振りが嘘だったかのように突如として怒り狂ったシエスタが、身分制度の壁を超えてルイズと
才人を締め上げたり、止めに入ったマリコルヌが吹っ飛ばされて脂肪の弾丸の如く屋根を突き破った
りと一騒動あったものの、三十分ほどして騒ぎはようやく収まった。
「つまり、君は未来から来た才人とルイズの娘であると、こういう訳かね」
「そうよ」
ズダボロになった一同の中で一人変わらずのん気に笑うルーナが、ギーシュの質問に答えて大きく
頷く。
「本当かしら。なんだかあんまり凄い話で、信じるとか信じないとかの議論自体が馬鹿馬鹿しい感じ
だけど」
負傷者の手当てをしつつ、モンモランシーが首を傾げる。「まあ確かに」とそれを肯定しつつも、
ギーシュは特に疑う様子を見せない。
「だがあり得ないとは言い切れんだろうね。僕らもこの二年間ほどでいろいろと信じられない体験を
してきた訳だし、今更過去やら未来やらから人がやって来たって特に驚くべきことじゃないよ」
「否定できなくなってる自分がちょっと嫌だな」
ようやく縄から解放された才人が、体をほぐしながら呟く。
「それにしても、俺とルイズの娘、ねえ」
才人はまじまじと自分の娘と名乗る少女を見つめる。
確かに、桃色がかったブロンドの髪はルイズ譲りと言っても良さそうだったが、他はあまり似てい
ないような気がする。
「何を疑っているんだねサイト。目元がどことなく間抜けな辺りなんか君そっくりじゃないか」
「お前に間抜けとか言われたくねえよ。でもまあ、言われてみればそう、かもな」
何となく釈然としない気持ちで頷く。すると、ルーナもまた不思議そうに才人を見つめた。
「パパ、やっぱり昔は全然違う感じの人だったのね」
「どういう意味だよそりゃ」
「だって、わたしの知ってるパパだったら、今みたいなこと言われたら問答無用で相手を斬り殺して
ると思うし」
「どんだけ物騒になってるんだよ未来の俺って奴は」
「確かに、わたしたちの知ってるサイトさんとはずいぶん違うみたいですねえ。本当なんでしょうか」
シエスタが頬に手を当てて首を傾げる。先ほどに比べるとかなり落ち着いた様子である。だが、彼
女に反してルイズの方は先ほど以上に落ち着きを失っていた。話の中心から少し遠い場所に椅子を置
き、頬を赤らめてそっぽを向いている。苛立たしげに親指の爪を噛みながら、時折ちらちらと横目で
ルーナを見ていた。その視線を受けながら、ルーナがくすくすと笑う。
「やっぱりママは昔から恥ずかしがり屋さんなのね」
「あんたね」
と、我慢できなくなったらしいルイズが、こちらに向かって歩いてきた。両手に腰を当ててルーナ
を睨みつつ、命令口調で言う。
「そういう思わせぶりな喋り方、止めなさいよ」
「ママの喋り方だってあんまり分かりやすくないと思うよ」
そう答えたあと、ルーナは思い出すように笑った。
「そんなだから、『どうしてほしいのかちゃんと具体的に喋ってほしいな』っていっつもパパに怒ら
れるのよ」
「ふうん。あんた、随分と立場が上がってるみたいじゃない」
頬を引きつらせたルイズのじっとりとした視線が、才人の背筋を震わせる。
「いやルイズ、それ今の俺の話じゃなくて、未来の」
「黙れ犬」
「黙ります犬」
威圧的な視線に気圧されていつものように縮こまる才人を見て、とうとうルーナが腹を抱えて笑い
出した。
「おっかしいの。わたしの知ってるパパとママとは全く正反対だわ二人とも」
「正反対、ですって」
ルイズが眉をひそめた。
「どういう意味よ、それ」
「だってママ、いっつもパパに言ってるよ。『あなたなしじゃ、わたし生きていけない』とか『わた
しを見捨てないでね、あなた』とか。それにほとんど一日中休みなしに『愛してます』って。パパ
もいっつも満足げにそれに答えて」
ルーナが口真似をするたびに、ルイズの顔の赤みはますます深まっていく。やがて耐え切れなくな
ったように鞭を取り出すと、怒っているんだか恥ずかしがっているんだか判別のつかない表情で才人
に向き直った。そして降り注ぐ鞭の雨。
「この犬が、この犬が」
「痛い、痛いってルイズ」
「この犬のどの口がどんな戯言でこのわたしを。この犬が、この犬が、この犬が」
そうしてひとしきり才人の体にみみず腫れを拵えた後、ルイズは肩で激しく息をしながらルーナに
詰め寄った。
「あんた、一体どういう目的でそんな嘘吐く訳」
「嘘じゃないよ本当だよ。ママ、パパの言うことは何でも聞くし」
「つまりそれだけ愛情が深いということですね解説のマリコルヌさん」
「そうですね実況のギーシュさん」
「黙れ」
「すみませんお嬢様」
五月蝿い外野を一睨みで黙らせつつ、ルイズはそのままの目つきでルーナを見下ろす。しばらくの
間気を落ち着かせるように数度も深呼吸した後、引きつった笑みを浮かべた。ああ怒ってる怒ってる、
と才人は背筋を震わせる。彼にしてみれば主人のあの笑顔は死刑宣告にも等しい恐怖の対象である。
だがルーナは間近でそんな笑顔を見ているにも関わらず全く動じずに、逆に面白そうに瞳を輝かせて
みせる。
「わあ、ママったら昔はそんな表情も出来たのね。初めて見たわ、わたし。ママって怒らない生き物
なんだと思ってた」
自分の母親を生き物呼ばわりはまずいだろうと焦る才人の予想は大当たりで、ルイズの表情の引き
つり具合は今や芸術的と言ってもいいほどの面白さである。
「あら、未来のわたしは随分と丸くなっちゃったみたいね。こんな糞生意気なガキにきちんと躾もし
ないだなんて」
「躾ってママも使う言葉だったのね。てっきりパパ専用なんだと思ってたわ」
「どういう意味かしら」
ルイズの声が一層低くなる。限界が近いことを察して、才人は周囲の仲間に必死で手を振った。
――早く逃げろ。命が危ないぞ。
――了解、副隊長。
水精霊騎士隊の面々はここぞとばかりに素晴らしい連携を見せ、即座に格納庫の入り口付近まで退
避する。それでも会話の内容が気になるらしく、マリコルヌが杖を振って空気の流れを変えて、盗聴
の体勢を取るのが見える。
そんな外野に気付く様子も見せず、ルイズは杖を取り出して腕を組んだ。
「ごめんねお嬢ちゃん。わたしあんまり頭良くないから、あなたの言ってることがちょっと理解でき
ないみたい」
「うん、『ママは鈍いからその辺は気を遣ってやれ』ってパパも言ってた」
「へーえ。随分と気遣いが上手になったみたいねえ、わたしの子犬ちゃんったら」
見開かれた瞳がギラギラとした光を放ちながら才人を射すくめる。才人の全身が恐怖で細かく震え
出した。そんな彼を助けるかのように、ルーナは一つため息を吐いて、腰につけていたポーチから小
さな杖を取り出した。
「分かったわママ。頭の鈍いママのために、わたしが分かりやすく説明してあげる」
「そう。それはどうもありがとうね」
むしろにこやかにすら聞こえる冷たい口調でそう言ったあと、ルイズは満面の笑みを浮かべてゆっ
くりと才人に近づいてきた。だが才人は、今やルイズに対する恐怖も忘れてルーナに見入っていた。
杖を上げた彼女が、聞き覚えのある呪文を詠唱し始めたからである。
ルイズも才人を鞭で叩く直前にそれに気がついたらしい。顔に驚きを浮かべて、ルーナの方を振り
返った。
「イリュージョン」
彼女の呟き通り、それは虚無系統の魔法の一つである「イリュージョン」の魔法だった。術者のイ
メージ通りの、精密な幻を作り出す魔法である。現在、これを使えるのは虚無の担い手であるルイズ
ただ一人のはずだった。果たして虚無の系統が必ず子孫に伝えられるものかどうかは分からないが、
これでまた一つ、ルーナがルイズの娘である証拠が増えたことになる。
「ルイズ」
呆然としてしまったルイズに、才人は恐る恐る声をかける。ルイズは慌てて振り向くと、噛み付く
ように叫んだ。
「なによ。わたしはあの子のこと信じた訳じゃないんだからね。誰があんたなんかと。ほんとにもう。
嫌んなっちゃうわ。ほんとにもう」
何度も何度も「ほんとにもう」と呟きながら、ルイズは赤い顔でちらちらと才人のことを盗み見て
いる。どうやらルイズも心の底から嫌がっている訳ではないらしいと知り、才人の胸がじんわりと熱
くなった。
「いやあ、その、なんだ」
と、訳もなく笑ってみたりする。ルイズは不機嫌そうに睨んできた。
「なによ」
「いや、別に。でもなあ。その、参っちゃうなあ」
「何がよ」
「だってよう。ほら、俺とお前が、なんてさあ」
何となく気恥ずかしいようなむず痒いような気持ちで才人が頭をかくと、ルイズは無言で腹を殴っ
てきた。しかし拳には全く勢いがない。ルイズは顔を伏せながらか細い声で呟いた。
「別に、わたしはなんとも思ってないし」
このまま彼女を抱きしめたらどうなるだろう、と才人は唐突に想像した。むしろ今すぐ力いっぱい
抱きしめよう、抱きしめたいという願望が腹の底からじわじわと全身に広がっていく。我慢できずに、
才人はルイズの肩に手をかける。
「ルイズ」
「なによ」
一瞬びくりと体を震わせてから、ルイズは拗ねたような声で言った。使い魔に体を触られていると
いうのに、全く抵抗がない。才人の頭が沸騰した。これはいける、むしろいくしかないとルイズを抱
きしめようとしたその矢先、
「サイトさん」
小さな声が、二人の間に割って入った。はっとしてルイズから手を離し、声の方を見る。シエスタ
が、痛みをこらえるように胸に両手を当てて俯いていた。
「おめでとう、ございます」
声を詰まらせながら、シエスタは顔を上げた。その拍子に目の端に溜まった涙が零れ落ち、彼女の
頬に透明な筋を残す。その跡を拭いながら、彼女は笑みを浮かべた。
「わたしも嬉しいです。サイトさんの思いが通じたみたいで」
「シエスタ」
「何も言わないでください。こうなるのが当然なんだって、ずっと前から分かってたんです。平気で
すから、わたし」
才人はかける言葉を失ってしまった。ルーナはシエスタを見ても特に何も反応を示さなかったし、
話の中にシエスタという単語が出てくることは一度もなかった。それは即ち、未来の二人の周辺にこ
のメイドの少女はいないということである。
「さよなら、サイトさん。どうか、ミス・ヴァリエールとお幸せに」
「ちょっと待ってくれよシエスタ」
反射的に足を踏み出しかけた才人に向かって、シエスタは止めるように手を突き出す。
「駄目ですよサイトさん。そうやっていろんな人に優しくしてたら、いつまで経ってもミス・ヴァリ
エールとはうまくいきません」
才人は足を止めてしまった。確かにその通りかもしれない、とは思う。現在どっちつかずの状況で
迷っているところからルイズを選び出した結果が、ルーナという少女なのだろうから。
何も言えなくなってしまった才人を見て、シエスタは柔らかい笑みを浮かべた。
「サイトさんの優しいところ、本当に大好きでした。さようなら」
そしてシエスタは走り出す。零れ落ちた涙が空中できらきらと光った。才人は遠ざかる背中に向か
って手を伸ばす。だが、止める言葉が見つからない。そもそも、自分に彼女を止める資格があるとは
思えなかった。
(でも、こんな終わり方でいいはずもねえだろ)
とにかく一度シエスタを止めなければ。才人がそう思って制止の声を上げかけたとき、それをかき
消すかのように銃声が鳴り響いた。
突然の事態にその場の全員が一瞬硬直し、まず場慣れした連中が体を伏せて、次いで銃弾をそらす
ための魔法を唱え始める。走っていたシエスタも一度足を止めて、慌ててそれに習う。才人もルイズ
も同様である。しかし銃声は一発限りで、それ以降は奇妙な沈黙が流れるばかりだった。
(一体何が起きたんだ)
恐る恐る体を起こしながら、才人は背中のデルフリンガーを引き抜きつつ注意深く周囲を見回す。
風の魔法などで防御しているメイジならともかく、肉体は普通の人間でしかない自分が銃弾など喰ら
ったら致命的である。
「久しぶりだね相棒」
「悪いけど話してる余裕ねえぞ」
「いんや、そうでもねえみてえだよ。入り口のところ見てみな」
のんびりとしたデルフリンガーの声に従って格納庫の入り口に目を移すと、そこに見慣れぬ少女が
一人立っていた。
異様な風体の少女だった。うなじの辺りで三つ編みにまとめた長い黒髪はどことなく田舎の臭いを
連想させるが、それ以外の部分はそういったイメージからはかけ離れていた。
人の命など何とも思っていないような冷たく鋭い瞳、頬に走る幾筋もの傷跡と、醜い火傷のあと。
体を完全に覆い隠すかのようなマントは、闇夜のように真っ黒だ。右手では先ほどの銃声の元と思し
き長い銃が煙を上げ、左手には細い腕には似つかわしくない巨大な戦斧が握られている。背中にも物
騒な武器が多数背負われているのを見る限り、マントの中にもいろいろな武器が仕込まれているのだ
ろう。その証拠に、少女が格納庫の中に足を踏み入れると同時に重々しい金属音が響き始めた。
「見つけた」
ぞっとするほど冷たい声で、少女が呟く。吊りあがった眉と禍々しく細められた瞳は、貫くような
勢いを持って真っ直ぐに才人を睨んでいる。
(って、また俺かよ)
才人はうんざりした。どうやら今日は厄日らしい。
(しかし)
油断なくデルフリンガーを構えながら、才人は内心首を捻った。少女の顔を、どこかで見たことが
あるような気がしたのだ。もちろんこんな凶悪な雰囲気の知り合いなどいないが、誰かに似ている、
ような気がする。
少女は耳障りな足音を響かせながら真っ直ぐに才人に向かって歩いてきていたが、倒れたままのシ
エスタに気がつくと、不意に足を止めて彼女を見下ろした。「ひっ」とシエスタが短い悲鳴を上げる。
才人は思わず駆け出そうとしたが、信じられないものを見て足を止めた。
シエスタを見下ろした少女の顔に、穏やかな微笑が浮かんだのだ。それまでの危険な雰囲気が嘘だ
ったかのように、少女は優しくシエスタに囁きかける。
「待っててね、お母さん」
「は」
「今、助けてあげるから」
それだけ言い残すと、少女は再び人殺しのような表情を浮かべて才人に向かって歩き始めた。そし
て、未だに詠唱を続けているルーナの脇を通り抜け、才人と少しの距離を置いて立ち止まる。
「久しぶりね、サイト・シュヴァリエ・ド・ヒラガ」
才人にぴたりと銃口を向けながら、威圧的な口調で呟く。しかし才人は驚きのあまり固まってしま
っていて、何も対応できなかった。そんな才人を見て、少女は自嘲するような微笑を浮かべる。
「と言っても、あなたはわたしのことなんて知りもしないでしょうけど。だからこそ尚更憎らしいわ」
「いや、ちょっと待ってくれよ」
才人は銃を突きつけられている事実すら忘れ、頭を抱えた。
(この子、さっきシエスタのこと『お母さん』って呼んだよな。でもどう見ても俺らと同じ年だし。
大体、俺シエスタに子供がいるだなんて聞いたこともねえし、そもそもあり得ねえし)
頭の中で必死に情報を整理しながら。才人はちらりとルーナの方を見る。相変わらずイリュージョ
ンの詠唱を続けている娘。未来から来た、才人とルイズの娘だと名乗った少女。
才人は嫌な予感をひしひしと感じながら、恐る恐る目の前の黒髪少女に向かって問いかけた。
「あのさ。ひょっとして、君も俺の娘だ、とか言わないよな?」
少女の顔がさらに歪む。才人に向けられた銃口が細かく震えた。
「感謝してほしいわね」
少女が押し殺した声で言う。
「わたしの自制心があと少し足りなかったら、今頃あなたの頭はぐちゃぐちゃに吹き飛んでいたでし
ょうよ」
少女は一瞬目を閉じた後、泣きそうにも見えるような表情で才人を睨みつけた。
「わたしの名はエスト。お前に散々弄ばれた挙句、ゴミのように捨てられたお母さん……いいえ、シ
エスタの娘よ」
才人は気が遠くなった。
72 :
205:2007/03/26(月) 16:47:32 ID:F39+zbEK
以上で。
リアルタイムで見たw
この展開はツボw
続きあるのか?205さんGJ!
>>72 いい言葉が見つからないんでこれを賛辞の言葉としよう
「うはー、妄想がふくらみんぐ」
>>72 GJ。タイムトラベルものは大好物です。続きを激しく希望。
そして騎士隊の連中ヒドスw イベント化して儲けるとか商魂たくましすぎwww
シエスタの娘でなんかブラックラグーンのロベルタを想像した。
でも、風体はバラライカっぽいんだな
GJ!
で、どっちがカリフォルニア州知事的役割なんだ?w
205氏、あんたって人は・・・。でも、まだGJとは言いません。
完結させてくれた、その時に惜しみ無い賛辞を送れるように期待してます。
79 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 09:59:59 ID:t/Lfv8Nz
最初はサイトをいじめる話かよ。っておもったけど
後の展開に吹いたwwwサイトはホント伝説の種馬ですねwwwww
205さんGJ!
3日でこのスレ速度は速いな(≧≦)(≧∇≦)(≧▼≦)( ≧▽≦)b( ≧▼≦)b
81 :
ぺとるーしゅか:2007/03/27(火) 12:08:10 ID:CRkubU/s
とあるスレで毒されてきました
SS投下しま〜す。
ここはマリコルヌの自室
長期休暇を使って帰省してきているのだ。
マリコルヌの自室では来客の予定もないというのに声がしていた。
しかししゃべっているのはマリコルヌだけ。相手はただ聞いているだけのようだ。
マリコルヌに話しかけられている彼女は、控えめな装いに大人の上品を匂わせ、
それでいて無垢で汚れを知らないかのように可憐でもあった。
「ふ……ふ………ふふふふ、なんて君は美しいんだ!今まで見てきた女の誰よりも美しい!」
言いながらマリコルヌは彼女の、この世の人とは思えない体を舐めるように、
ねっとりと………、じっくりと………、隅々まで眺めている。
(いや!見ないでぇ!)
彼女は恥辱にふるふると震えることしかできない。
彼女には身動きどころか喋ることさえ許されてはいないのだ。
しかし彼女のある部分は既にしっとりとしていた。
その様子はまるで食べられるのを待つデザートのよう……
彼女の外見を堪能したマリコルヌは次の行動へと移る
「さて、それじゃあお洋服を脱がしてあげるね!」
そう言うと彼女の装いをゆっくりと脱がし始めた。
脱がす途中で触れてしまう彼女の柔らかい体を楽しみながら……
「ぐふふふふ」
(あん、や、やめて下さいっ!ふぁっ!ひうぅ!お願いっ…します)
彼女の願いもむなしく生まれたままの姿にされてしまった。
「ぐへへ、綺麗すぎて早く食べちゃいたいくらいだよ。」
しかし、ここでルパンダイブしてしまうと貴族の名が廃るというものだ。
ここは彼女を完全に屈服させるしかない。
「ならば、ねっとりといたぶってあげようか」
マリコルヌは彼女の体へと口を近付けた。
(ひゃっ!な、舐めちゃだめぇ!!そんなっ!舌でぐりぐりしちゃらめぇぇ!)
マリコルヌの舌が彼女の体を這うように動きまわる。
彼女はおぞましいまでの感覚にただ身を震わせていた。
「君の体はなんて甘美な味わいなんだ!この味はお子様にはわからないね。」
マリコルヌの口許から淫らな水音が聞こえてくる。
(あぁ、そんな淫らな音をだされたら……………私、わたしぃ!)
彼女の体は次第に唾液によってヌラヌラ光っていった。
(いやぁ……ぃゃぁ…)
舌は円を描きながら次第に彼女のクリの周りを責めはじめた
「どうだい?触ってほしいかい?それとも本番に行こうか?どうしたい?」
(そ…………そんなこと………言えない……!)
マリコルヌは彼女の限界が近いのを悟った。
彼女のクリに吸い付くと、とどめとばかりに歯をたてた。
(んっ!ふぁぁぁぁああああああ!!!)
彼女の体が痙攣したかのようにビクビクッと震えた
「ふっ、堕ちたか……」
マリコルヌは確信し、いやらしい笑みを浮かべる
(もう彼女はオレの矛なしじゃ耐えられないだろうな)
わかりつつマリコルヌは彼女に提案する。
「じゃあ、可哀想だしここまでにしてあげようか………?」
彼女の体は既に限界を超えていた。
彼女は知るはずもない淫らな言葉を紡ぎだしていく。
(お願いします!あ、貴方の自慢の矛で私の身体をえぐってぇぇ!
私を………食い散らかしてぇぇぇぇ!!!)
マリコルヌの非情の矛が彼女の体に突き刺さった。
「坊っちゃん。いかがでしたでしょうか?」
「うん、美味しいね!このモンブラン!」
84 :
ぺとるーしゅか:2007/03/27(火) 12:11:54 ID:CRkubU/s
完全にネタですね
《あとがき》
というわけで終わりです。
このSSは描写的には『鬼畜?』、内容的には『舐めて、刺して、パクッ』となっております。
彼女→ケーキ
矛→フォーク
クリ→栗
に変換してお楽しみ下さいm(__)m
いやな食べ方だなw
しかし、何処から来たネタか分かるのがアレだw
GJw
>>58 えっろい(・∀・)
>>72 久々の大作キタwこれからアン様やタバサ、テファとの娘が次々と召喚され大パニック
になるオチですよね。。楽しみにしてますww
88 :
カラシ:2007/03/27(火) 19:26:37 ID:LbNk8IEn
>>84 正直頭の中で人間相手にやってるのを想像してただけにオチが最高だったw
以前に保管庫に投下したルイズの夢ってここに載せて良いんでしょうか?
90 :
カラシ:2007/03/27(火) 19:58:49 ID:LbNk8IEn
人々は夢を見る。それは二つの月が空に浮かぶこの世界でも例外ではない。
夢は時として鮮明に記憶に残ることもあればまた、全くと言っていいほど残らないこともある。もちろんその夢がいい夢であろうと恐ろしい悪夢であろうとも。
時には夢の中での出来事を寝言として口にするものもいる。
ここ数日サイトは眠れない夜を過ごしていた。理由は本人もよく分かってなく、「まあすぐに寝付くだろう」と軽く考え、しばらく目を閉じ水聖霊騎士団のことや今後のことなどを考えたりしていた。
また最近はバタバタしており一人でじっくり考え事をできるいい機会だと解釈した。
ところが今日はいつもとは少し違うことが起きた。
それは自分の横で眠っている自分の可愛いご主人様――ルイズが何か寝言を呟いたからである。
「ダメ…行っちゃ……ダメ…サイトォ…」
お、俺ぇ!?
はっきり言って自分が好きな相手に寝言でもそんなこと言われるとすごく嬉しく心踊る気分である。
「私を…置いていかないで……死んじゃ…ダメェ…」
その言葉を聞いた瞬間サイトは七万のアルビオン軍を止めるためにルイズを眠らせたことを思い出した。
サイトは当時ルイズを死なせないことで頭がいっぱいになり、ルイズがどんな気持ちでいるのかあまり考えれなかった。
もちろんその後のルイズの落ち込み様や自殺の一歩手前まで追い込むほどの絶望感なども考え付かなかったのだ。
そしてルイズはそのことを夢の中で思い出し苦しそうに眠っているのだ。
「わ、わ、私のせいで……サイトが…サイトがぁ…」
そう呟くと途端にルイズの閉じられた瞼から涙が零れ落ちた。
そんな姿を見ると後悔はしないと思っていたあの時の決意が脆くも揺らいだ。
「(ルイズがこんなに悲しむなんて……俺は…)」
――なんて身勝手なんだ。そう思わずにはいられなかった。
止めどなく流れる落ちる涙を見て、ルイズへの愛おしさが込上げてきて、手がルイズへと近づいていく。
右手をそっと首もとから後頭部へ回し、左手をそっと背中に回しこみ、そしてぎゅっとルイズを抱きしめ、
「俺は、生きてるから…ずっと、側に居るから…だから安心して」
そっと耳元に呟きながら背中をトントンッっと子供を寝かしつける親のように優しくたたいてあげた。
すると、軽く身をよじって再び静かに寝息を立てて眠りについた。
91 :
カラシ:2007/03/27(火) 19:59:31 ID:LbNk8IEn
なんだか嫌な夢を見ていた気がする。
それが何の夢だかは思い出せない。
いや、思い出したくないのだろう。思い出したら大切な何かをまた失っていそうで、その夢が現実に起きてしまいそうで…。
そう思わずにはいられなかった。
でもそんな意思とは関係なく勝手に頭には薄らと夢の記憶が再生される。
真っ暗な中で自分の手元には明るく、暖かな『何か』があった。
それは自分が悔しい時、苦しい時、悲しい時、どんな時でも側に居た気がする。
とても、とても大切なその『何か』はいつの間にか自分の中でとてつもなく大きなモノとなっていた。
どんなにひどい扱いを受けようとも、どんなに嫌われるようなことをされても、常に自分の近くにあった。
だが、そんな中でその『何か』は優しく、とても優しく微笑みながら――――消え去った。
その瞬間自分の中の心が半分崩れ落ちたように感じた。
その心の隙間に流れ込んでくるのはとてつもなく大きな後悔と喪失感だった。
嫌な夢。そう思っていると、閉じられた瞼の内側から涙があふれた。
泣いているのは夢の中? それとも現実?
まだ覚醒しきってない頭ではどちらか判断はつかず、夢と現実の間を行き来しているとその暖かな『何か』が自分を優しく抱きしめてくれた。
頭の後ろと背中に感じる手の感触。
包み込まれるような暖かさ。
聞こえてくる胸の鼓動。
背中を優しくたたいてくれる心地よいリズム。
そして耳元で聞こえた言葉…。
嬉しかった。悲しみの涙とは違う、『喜びの涙』が流れ落ちる。
そっと薄らと目を開けてみると目の前に迫る服を着た人の胸板。そしていつも側に居る人の臭い……。
――――サイトだ…。
それを感じると胸の中の喪失感が幸福感で埋められていく。
再び目を閉じて眠りにつく。
夢の中では未だに真っ暗だった。
恐怖や寂しさは感じない。期待いや、自信があった。
必ず来てくれる、帰って来てくれる。そんな不確かな思いがあった。
でも私はそれを信じて疑わない。
だって「もうだめだ」と思った時だって来てくれたもの。悲しい時も側に居てくれたもの。
だから私は信じている。信じていればきっと来てくれる。
ほら、優しい『何か』そう、サイトが、私のところへ…再び……戻って…来てくれたから―――。
夢が覚めた。辺りはすでに明るくなり始めていた。
私は夢を見ていたのだろうか? 内容は覚えていない。
だが、嫌な気持ちではなかった。むしろ嬉しかったのかもしれない。
言いようのない幸福感と暖かさ……。
いい朝だ。そう感じて目を開けるとサイトが私を抱きしめながら寝ていた。
「(い、い、犬ぅぅぅぅ!)」
と顔を真っ赤にして怒りかけたが、なんだか怒る気がしなかった。
「(ま、いっか。なんだか気分がいいし)」
顔はいまだ真っ赤で心臓はドキドキしていたが、逆にそれが心地よくも感じ、また瞼を閉じた。
今日は虚無の曜だしもうしばらくこのままでいよう。
ルイズは眠りについた。――――暖かな『サイト』に包まれながら。
92 :
カラシ:2007/03/27(火) 20:01:24 ID:LbNk8IEn
続きは思いつき次第書きます
ちなみに只今もう1つサイト×ルイズネタ書いてますので乞うご期待を・・・
ほのぼの、イイ!
続きももうひとつってのも期待して待ってます。
>>92 保管庫はスルーしてたが、こういうのは大好きだ。
頑張ってくれ
GJ。そういえばルイズの自殺未遂をサイトはまだ知らないんじゃないですかね?
96 :
220 1/4 :2007/03/28(水) 01:40:56 ID:icsTs+A0
「隠し事はいけないと思うの。特にアンタって、私の見てない所で何してるかわからないもの」
「プ、プライバシ…」
「認めないわ」
この小瓶。意味が無いわけないじゃない。せっかく手に入れてきたんだから。
私は、一つだけサイトと約束して。
その小瓶の中身を飲ませた。
モンモランシーからコレを貰ったのは…今朝だったかしら?対ギーシュ用にあの子が買った物を分けて貰ったの。
本当はそう簡単に手に入らないし、学園に見つかったら怒られちゃうような代物。
嘘が付けなくなる薬(言うなれば自白剤)
あの子は研究の名目で手に入れたらしいわ。専門が水だから…こういう時私は不便なんだけど。
ただ、色がキツすぎで飲み物に混ぜるとかは無理。研究用だからって、実際に使われる様な物は手に入らなかったみたい。当然ギーシュは警戒しちゃって、使えなかったから分けて貰えたってわけ。
量的には二回分くらいしか無かったから、相手も悩んで…まずはサイトよね。も、もちろん、ご主人様として使い魔のしてる事は把握しとかなきゃいけないじゃない?
…本当は気になるの。一緒に生活してるけど私の見えてない所って結構多いし。
それじゃ、行くわよ。
97 :
220 2/4:2007/03/28(水) 01:42:03 ID:icsTs+A0
「じゃ、じゃあとりあえず…アンタのファーストキスの相手は誰かしら?」
「お、俺の記憶の限りじゃご主人様です。ハイ」
当然よね。お父様やお姉様は抜きにして私も最初の相手はサイトだったんだから。
今考えるともったい無かったかしら?単に使い魔だったからしちゃったけど順番が違っちゃって、私はその後からサイトの事を…
誰が契約のキスなんて決めたのよ…
「次…胸はおっきいのとちっちゃいのどっちが好き?」
「おっきい方です」
「…私の胸は嫌いなの?」
「ルイズの可愛い声が聞けるので好き…ブッ!」
改良の余地があるわ。この薬。正直に答えすぎじゃない。
それにしても、胸ばっかりなのはそれが原因なのね。私の胸が可愛いからって言ってたのに…もう少し控えさせなきゃ。私、あの声聞かれるの嫌だもの。
ところで…
「なんでアンタは大きいのが好きなの?」
「おっきい方がたくさんミルクが出ると思うから。男はそういうのが好きだったりする」
「…じゃあ私は出ないと思うのね?」
「うん。でもいっぱい出てもらわないと」
「なんで?」
「ルイズとならたくさん出来るような気が…ガハッ!」
わ、私がアンタの子をどーして産まなきゃならないのよ?!アンタの子になんで私がおっぱいを…
あ、私の子でもあるのよね。じゃあ…
…この質問は飛ばすわ。
「次。私以外の子を好きになった事は?」
「ある」
「それは誰?」
「覚えてない」
「今は?」
「ルイズが一番」
前は誰だったのかしら?もしかして元の世界の子?聞いてみたいけど、とりあえず一番は本当みたい。これくらいで許してあげるわ。
案外聞きたい事が浮かばないわね。大体サイトが嘘付いてるかそうじゃないかなんて、なんとなく解るもの。
有効時間は…あと少し。何か適当に言おうかしら。
98 :
220 3/4:2007/03/28(水) 01:43:00 ID:icsTs+A0
「じゃあ最後。私を襲おうと思った事は?」
「何度かある」
「私の寝てる時?」
「うん」
「私に何かしたの?」
「いや…何も」
薬が効いてる筈なのに歯切れが悪いわね。結局手を出された事は無かったけど、我慢はしてたみたい。
…そう言えば寝てる時、たまに居なくなってた時があったわ。私が寝てるのをよく確認して。
何か関係があるのかしら?
「私には何もしてないのね?」
「うん…」
「じゃあ、そう言う時はどうしてたの?」
正直に答えてもらうわ。私、知ってるもの。
「ル、ルイズを想像して、いやらしい事してた」
「ど、どんな私を想像したの?」
「は、裸とか胸とか…あと、一つになりたいとか…」
「わ、私で興奮したの?」
「うん。一緒に寝てたらルイズの匂いがして、たまらなくなった」
「…私以外の人は?」
「こっちに来てからはルイズの事ばっかり考えて…」
「そう…なの」
やっぱりアンタも…ね。別に怒らないわよ。男の子なんだし。私なんかで…私をなんかを想像してそんな事…
サイトの中の私ってどんな私なのかしら…
「これで全部よ。もうすぐ薬も切れるわ」
「…ああ。それよりルイズ」
「?」
「約束」
「…わかったわよ」
サイトの質問にも一つだけ答える。それが約束。
99 :
220 4/4:2007/03/28(水) 01:44:31 ID:icsTs+A0
それがどんな内容でも答えるって私が約束して、それでサイトは薬を飲んでくれたの。
「ルイズ」
「何?」
「なんでそう言う事を知ってたんだ?」
「…」
「そう言う話にお前は弱い筈なのに、なんで俺がそう言う事するって知ってたんだ?」
「それは…」
約束…よね
「私も…」
「?」
「私もサイトを思って…」
「俺?」
「アンタが隣に居るとドキドキしたのよ」
「えっと…」
「言わせないでよ!私もアンタと同じ事してたの!」
約束は守るわ。本当は言いたくないけど…そう言う事を自分で覚えちゃったんだから…
「アンタが隣に居て、実は私もアンタが好きなのに、何も出来なかったから…したの」
「俺を…か?」
「側にいるとサイトの匂いってわかるもの。アンタが居ない時ここで寝ると思い出すの」
「…そっか」
…
「悪かったわね。いやらしい事してて。アンタの服とか、そんなので…してたの…ごめんなさい」
きっと、サイトのイメージした私じゃないわよね…少し幻滅したかしら。でも約束は約束だから…
「じゃあ今度からはするなよ?」
「…うん」
「んで、したくなったらいつでも言え」
「え?」
「だって、もう我慢しなくて良いし、俺もルイズが好きだし、ルイズも俺の事…」
何よ。変なトコで好きにさせるんだから。
「…」
「俺でいいんだろ?一人でしなくても…」
「サイト」
「?」
「今私が、我慢してるって言ったらどうするのかしら?」
「…」
「我慢させたら…許さないんだから!」
本当におっぱいが出るようになっちゃうかも…
終
100 :
220:2007/03/28(水) 01:46:11 ID:icsTs+A0
他の職人様と比べると短い、ネタにひねりが無い。エロも無いと言えば無い。いつまでもルイズ×サイト
…orzゴメン
でもこのスレ好きです。ゼロ使新刊と、アニメ人気を願って。また、どこかで(ry
>>95 !!
ありがとう。こういう直球は大好きだ
220氏GJである。
脳内でルイズとサイトの濃厚なエロスが展開されたがそれを文章化するのは私の仕事ではないので220氏にまかした(何
さてと、他人の評価もいいけどお兄さんは作品投下しないと気のすまない人なので。
選択肢ものいきますよー。
準備はいいかなぽまえら?
その日、才人が久しぶりに部屋の掃除をしていて、懐かしいものを見つけた。
ハルケギニアにやって来るときに手にしていた、ノートパソコンである。
才人は誰もいない水精霊騎士団のたまり場で、そのディスプレイを立ち上げた。
この時間なら誰もここにはこないし、安心してコイツを広げられる。才人はそう思った。
ディスプレイを立ち上げることでノートパソコンの電源が入り、真っ暗な画面に火が点る。
蜂の羽ばたきのような細かい振動音とともに、ノートパソコンは息を吹き返した。
「まだ、バッテリー残ってたんだな」
才人はポインタを操り、なんとなしに動画ファイルを開く。
最初に目に入ったのは、動画サイトから落としてきた、「笑えるニュース」のフォルダ。
…そういや結局コレ、見ないままだったっけ。
才人はそのフォルダを開き、最新の動画をダブルクリックする。
WMPに乗って、展開される「笑えるニュース」。
『今、日本各地で『メイド喫茶』がオープンしています』
「ん?メイドが喫茶でどうしたというんだね?」
いつの間にか背後にギーシュがいた。
「ってどっから沸いたギーシュっ!」
「失敬な、人をまるでボウフラのように。
それよりそれはなんだねサイト?メイドがどうとか言っていたが」
ギーシュは興味津々な様子でディスプレイを覗き込んでいたが、
「なんだ、ただのメイドじゃないか。つまらん」
…つまらん?
つまらんと言ったかこの男ッ!?
日本の文化を!侘びを!寂びを!
つまらんと抜かしおったかこの男ッッッ!?
「…いいかギーシュよく聞け」
「なんだねサイト」
「この場合メイドというのはな?
『非日常の装置』なんだよ!普段ではアリエナイシチュエーションを楽しむためのだな」
「メイドならそのへんにいるじゃないか」
…しまった、ここそういう世界だっけ。
…この男に、日本の侘びと寂びを理解させるにはどうすれば…。
才人のない知恵がフル回転し、最も最適な解を導き出す。
「よしじゃあギーシュ想像してみようか」
「…何をだ」
「モンモランシーがメイド姿で『おかえりなさいませ、ご主人様♪』」
「…」
ギーシュはしばらく、目をつぶって考えていたが。
しばらくすると、ふるふると震えだした。
そしてサイトの手を両手でがしいっ!と握ると、
「君は、君は天才だよっ、サイトぉぉぉぉぉぉぉ!」
よく見たら鼻血が垂れている。
…何を想像したんだこの男。
「…いやしかしっ。これを想像だけに収めておくにはあまりに勿体無い!
そうだサイト私にいい考えがある!」
そしてギーシュは、己の企みを才人に吐露したのだった。
これが、例の事件の発端である。
「メイド実習ぅぅ?」
ルイズは学院の中庭にある告知掲示板の前で、素っ頓狂な声を上げていた。
そこは、学院側からの告知を掲示する場所で、主に授業の変更や、生徒の呼び出し、突発的なイベントなどの告知などがなされる。
そこには大きくこう書かれた紙が掲示されていた。
『メイド実習:女子選択科目(本年度より)』
ご丁寧に学院長の印も押してある。どうやら本当にこの科目は必修単位として設定されているようだ。
掲示板の前には女子による人ごみができており、その悉くが不満の声を挙げていた。
貴族の子女がメイドなど、と思うものが大半で、その口に上る意見の大半が否定のそれだった。
そこへ、学舎のほうからすたすたとオールド・オスマンが歩いてきた。
これにGOサインを出したのは学院長だろう。だとすればこの白髭の老人ならばこの事についてなにか一言あるはずだ。
そう思ったルイズはオールド・オスマンを呼び止める。
「失礼ですがオールド・オスマン」
「何かねミス・ヴァリエール」
「この『メイド実習』というのは」
「おお、ちょうどよい」
オールド・オスマンはそう言って集まった女生徒たちを振り仰ぐと、両手を広げて言った。
「皆も聞いてくれ!
この『メイド実習』というのはだな、さる貴族から提案された授業でな!
仕えられる貴族たるもの、仕える側の事も知っておかねばならぬ!
また貴族は王家に仕える者、仕えられる者でもあり同時に仕える者でもあるのだ!
そこで、メイドのなんたるかを学び、他人に仕える事を知り、より立派な貴族として成長してもらいたい!そう考え、この実習を必修とした次第だ」
熱っぽく語るオールド・オスマン。
すると、大半の女生徒は「なるほど」「そういう事だったの」と納得をする。
しかしルイズは納得いかない。
「で、具体的にはどんなことをするんですか」
そう、肝心の内容が記されていなくては意味が無い。
その言葉に、オールド・オスマンは懐から一枚の紙を取り出し、読み上げる。
「ええとじゃな。
まずは、専任講師による『メイド講義』を1時限。その講師による実技講習・試験を経て、その後、『実習』じゃな」
「その、実習は何をするんですか?」
「簡単じゃよ。学院内の生徒か教師を主人に見立て、奉仕する。
そしてその相手から合格をもらえば、修了じゃよ」
ざわ…!
オールド・オスマンの声を受け、女生徒が一斉に騒ぎ出す。
憧れのあの人に仕えてみたい、彼に奉仕してあげたい、などの声があちこちで聞こえる。
その中にいくつかの『シュヴァリエ・サイト』という単語を聞いたルイズの眉間に皺が寄る。
「ちょ、ちょっと!その主人に見立てる相手ってのは!」
「あ、もちろん君たちで選んでもらってかまわんよ」
きゃあああああああああああ!
黄色い歓声があがる。
このチャンスにギーシュ様落としちゃおうかしら、彼に全身全霊で使えちゃう、サイト様のところへ行っちゃおうかしら。
あちこちで上がる声、声、声。
「そ、それって重複したら」
「それはもちろん、早い者勝ちじゃよ。
もう講義の受付は火の塔ではじまっとるぞ」
ちなみに、通常一回の講義は1教室ぶん、40人程度が限度である。
つまり。
「や、やばっ」
慌てたルイズが後ろを振り向くと。
既に半数以上の女生徒が火の塔方面へ駆け出していた。
「さ、させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
ルイズも負けじと駆け出す。
その速度は、下り最速と言われた伝説の風竜、ユオもかくや、というスピードだった。
「ええのう、若いもんは〜…」
しみじみとそれを見送るオールド・オスマンだった。
火の塔の前の受付は、既に戦場と化していた。
ちょっとどきなさいよ割り込まないでよ私が先なんだから邪魔しないでよ落ち着きなさいってば…。
既に列はゆうに40人を越えており、ルイズは愕然とする。
「な、なんて速さなの…!」
しかし、こういう場合、講義の希望者から、抽選で
「はーい、ここで40人なので締め切りまーす」
締め切られた。
しかも、その声はシエスタのそれだった。
「ちょ、ちょっとなんでアンタが受付やってんのよシエスタ!」
人ごみを掻き分け、ルイズが受付の前に行くと。
受付のブースの奥で、生徒の申し込みを受け付けていたのはシエスタだった。
「あ、ミス・ヴァリエール。実はですね、私『メイド実習』の専任講師になっちゃいまして♪」
「『まして♪』じゃなああああああああい」
思わず突っ込んでしまったルイズだったが、これはチャンスだ。
「あ、あのさ、シエスタ」
「締め切りは締め切りですから、ミス・ヴァリエールの講義申し込みは受け付けません♪」
「シエスタぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
がっくんがっくんとルイズはシエスタを揺さぶるが、シエスタは微笑みを絶やさずに続けた。
「心配しなくても大丈夫ですよー。
サイトさんのところには誰一人として行かせません♪」
そしてその微笑に、ぎらりと黒い光が宿る。
「そう、誰一人として…ね」
これが、この後トリステイン魔法学院で『地獄の三大選択科目』と呼ばれることになる、『メイド実習』の始まった顛末である。
『メイド実習』…それは、貴族の子女にとって、あまりにも過酷な科目であったと言わざるを得ない。
まず、貴族に圧倒的にかけている家事一般の知識を叩き込まれる。
掃除、洗濯、炊事に裁縫。果ては日曜大工まで。
そして、それに付随する身体能力を鍛えられる。
早朝のランニングに始まり、懸垂、縄跳び、そして単独踏破。
最後に、メイドとしての心構えを叩き込まれ、試験に挑む。
「あなたたちは何ですかッ」
『メイドですっ』
「あなたたちの存在価値はッ」
『ご主人様とともにあることですっ』
「よーしよくできました!
いいですかっ、これから最後の試験を始めますっ!
私の用意した課題を、全てこなした者のみ、実習に移る権利を与えますっ!
そしてこれだけは覚えておきなさい!
あなたたちが口から何か漏らした後には必ず『ご主人様』とつけなさいっ!
わかりましたか糞虫どもっ!」
『はいっ、ご主人様っ』
そして、その最後の試験を無事クリアしたのは、半数の20人も届かなかったという…。
その中に、この三人の名前があったという。
『香水』のモンモランシー。
『微熱』のキュルケ。
そして何故か面白半分で講義を受けてしまったシルフィード(偽名イルククゥ)。
その実習の顛末は、別の機会に語られるであろう…。
鼻から流血が、そして耳から脳奬が止まらない!GJ!
はいここまで。
今回選んでもらうのは、「誰の実習風景が見たいか?」です。
1.モンモン
2.キュルケ
3.シルフィード
以上三人から選んでください。他は却下w
最初に5票集めたキャラで書き始めます。
ちなみにエロにもっていけそうにない気配なので(何)あんまり期待されても困ります(ぇ
ではよーい、どん!
きゅいきゅい
女王陛下!
モンモンモン
キュルケ
モンモンに一票
せんたいさん、GJ!
シルフィード
モンモンに入れる。
116 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 04:18:09 ID:tYvtIADj
GJ!!
シルフィに一票
sage忘れた…スマソ
モンモンモンとつ○丸先生がおっしゃってます
シルフィ、君に決めた!
きゅいきゅいに俺が今着ている服を詰め込んだ一票を
>>110選択肢にねえだろwww
是非タバサと言いたいが無いのは仕方ないから、きゅいきゅいで
とどめにも一回シルフィ
キュルケ
3.のきゅいきゅいで
遅い気がするがモンモンで
つーか、シエスタが教官で出るだけで満足です
もんm・・・ってもう決まってそうジャマイカ('A`)
127 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 12:37:50 ID:edE/EgS+
ああ..きゅいきゅいが。。。ついに。。
きゅいきゅい良いよ。きゅいきゅい。
危うく悶々になるところだった。
てかへんさいさん投下しただけでハルヒスレに負けないくらいの賑わいっぷりか。すげえな
それがへんたいさんのクオリティ。
ちなみにきゅいきゅいで
>>100 ん、なに?
もしかして俺が読み落としてるだけ?
>>131 紛らわしくてorz
自分的にかなり来たネタだったので反応してしまったんだ。申し訳無い。
さて、みんなお待ちかね!きゅいきゅい発進しまーす!
彼女は無事にメイド実習を修了できたのか!?結果はこのあとすぐ!
「それじゃあイルククゥさん。
これより実習に入ります。あなたの目的は!?」
「ご主人様にお仕えして、合格をもらって来ること!なのねー!」
『メイド実習』専任講師シエスタの前で、メイド服に身を包んだシルフィードが、何故かびしいっ!と敬礼をする。
シエスタはその敬礼に対しこれまた何故か返礼で返すと、続けた。
「ではいってらっしゃい。
幸運を祈る!」
「さーいえっさー!なのね!」
何故か英語で敬礼を返し、シルフィードはシエスタに背を向ける。
「ところで、あなたご主人様にする相手は決めてるの?」
サイトさんだったら全力で阻止しないと、と思いながらシエスタは尋ねる。
シルフィードは一度振り返ってにっこり笑って答えた。
「今も昔も、わたしのご主人様はお姉さまだけなのねー!きゅいきゅい!」
そして愛しい小さなご主人様の下へと走り出す。
シエスタは思った。
…この娘怪しいとは思ってたけど。
…最近王都で流行の百合とかってやつ…?
事情を知らないシエスタは、そんな勘違いをして、青い髪のメイドを見送ったのだった。
「…邪魔」
タバサの部屋に意気揚々とやってきたシルフィードは、即座に追い返された。
ノックもなしに部屋の中に突っ込んだ瞬間、首っ玉をタバサにひっつかまれて部屋の外に放り出されたのだ。
「どぉしてー!ひどいのねお姉さまー!」
部屋の外の廊下で尻餅をついてタバサに抗議するシルフィード。
そして気付く。
よく見るとタバサはマントをつけておらず、スカートから裾のはみ出たシャツは、ボタンが全部外れている。
タバサの身体のぶんだけ開いた扉の向こうには、ズボンだけを履いた半裸の才人が。
シルフィードは思ったことを、首をかしげながら言ってみた。
「…真っ最中だったの?きゅい?」
「------------------!!」
その一言で真っ赤になったタバサが、これでもかとシルフィードを踏みつける。
「いたいいたいいたいいたい!邪魔してごめんなさーい!」
シルフィードはたまらず、タバサの振り下ろされる足の下から逃げ出したのだった。
「…もうしらないのねあんな色ボケ娘」
タバサに聞かれたら間違いなくもう一回踏み潰されるであろう台詞を呟きながら、シルフィードは中庭で不貞腐れていた。
中庭の噴水に腰掛けると、足をぶらぶらさせる。
「じっしゅー、どうしようかなあ」
実際にはシルフィードはここの学院生でもなんでもないので、実習を修了しなくてもなんの問題もないのだが、一生懸命教えてくれたシエスタや、途中で夢半ばにして散っていった戦友たちのためにも、是非実習は修了したかった。
しかし、シルフィードには学院内に知り合いというものはそうそうおらず、そして、少ない知り合いも、もうお手つきなものが大半であった。
「どうしよーかなのー。きゅーい、きゅーい」
頬杖をついて何気なしに中庭を観察していると。
いつかどこかで見た丸い物体が中庭を横切るのが見えた。
…そうなの!あの子なら絶対誰も手ぇつけてないの!むしろ誰もつけたいなんて思わないのっ!
相当失礼な事を思いながら、シルフィードは丸い物体めがけて駆け出した。
マリコルヌは背後から聞こえる風を切る音に気付いた。
時にはもう地面に転がっていた。
「捕まえたのねっ!」
地面に転がるマリコルヌのお腹をぶぎゅると踏みつけ、シルフィードは高々と拳を挙げる。
傍目には肉食獣に捕らえられた野豚のようだ。
「ちょ、何をするんだ君ぃっ!」
シルフィードの足の下でマリコルヌはじたばたともがくが、例によってシルフィードの足の下から抜け出られない。
そして踏みつけられるマリコルヌの中で、あの忌まわしい記憶が蘇る。
『もっと僕を踏んでくれえええええええええええええええええええ!!』
訂正。いかがわしい記憶でした。
「きっ、君はっ、君はあの時のっ!」
「おー。よく覚えてたのねー」
シルフィードはそのままぐりぐりと踏みつける足にひねりを加える。
「ぼ、ぼくの女神ぃぃぃぃぃぃぃ」
ぞくぞくぞくっ!
恍惚としたマリコルヌの表情と言葉に、あの時と同じヤバいものを感じたシルフィードは、思わず足を退けてしまう。
「ああっ、ど、どうしてっ?」
いや、どうしてと言われても。
「な、なんかキモいのね!」
怯えた表情でシルフィードはそう叫ぶ。
その言葉を受けたマリコルヌは。
「…いい」
「…へ」
さらなる恍惚の表情を浮かべ、シルフィードににじり寄ってきた。
そして叫ぶ。
「もっと!もっと!なじってくれぼくを!その美しい声で蔑んでくれえええええええええええええ」
キモさ百倍。
シルフィードの中で何かが限界を超えた。
「いぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
げしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげし
踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏む踏みまくる。
「あひゅっ、これだっ、ほひっ、これだはっ、これだよほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
シルフィードに道端の害虫のように容赦なく踏まれながら、恍惚の表情を浮かべてマリコルヌは法悦に至る。
「いやぁぁぁぁぁぁ!きぃぃぃぃもぉぉぉぉいいいいいいいぃぃいいいいいのぉぉぉぉねえぇぇぇぇぇ!!!」
げしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげしげし
さらにさらにさらにさらにさらにさらにさらにさらに追加で追加で追加で踏む踏む踏む踏みまくる。
ぷちっ…
「ほひっ…」
シルフィードの百烈脚に徹底的に踏み潰され、恍惚とした表情でマリコルヌは果てた。
目を覚ますと、女神の腕の中にいた。
「だ、大丈夫なのね?」
さすがに悪いと思ったのか、シルフィードは踏み潰したマリコルヌを膝枕で抱えて介抱していた。
踏まれているときのマリコルヌはこれ以上ないくらいキモかったが、気絶していれば普通だった。
目を覚ましたマリコルヌは驚いたようにシルフィードを下から見上げる。
「も、もう罵ってはくれないのか?」
「今度ソレやったら殺すのね」
マリコルヌの言葉に、シルフィードはこれ以上ないくらいのマジ顔で言った。
本気だ。
それを悟ったマリコルヌは、ゆっくりと身体を起こす。
そしてシルフィードの対面に座り、彼女に尋ねた。
「…分かったよ。で、ぼくに何か用かい?」
シルフィードから声を掛けてきたということは、自分に何か用があるという事だろう。
マリコルヌはそう解釈した。
シルフィードはおずおずと、用件を話す。
「えと、その、私の、ご主人様になって欲しいのね、きゅい」
「えっ?」
「か、勘違いするななのね!これは『めいどじっしゅう』の一環なのね!
アンタみたいな丸いのにはメイドになりたいなんて娘がいないだろうって判断なのね!きゅいっ!」
照れたように顔を赤く染めて逸らしながら、相当失礼な事を口走るシルフィード。
「そ、そうか…ぼくを主人に…へえ」
嬉しそうにニヤニヤと笑うマリコルヌ。
はっきり言ってキモい。
そして言った。
「よしわかった、君のご主人様になってあげよう!」
「た、助かるのね!」
これでメイド実習の修了が見えてきた。
シルフィードは意気揚々とマリコルヌに尋ねる。
「それじゃあ、して欲しいことを言うのね!ゴシュジンサマ!きゅい!」
「よし!それじゃあぼくを踏んでくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
「するなって言ったのねえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」
シルフィードの蹴りが、マリコルヌを学院の外まで蹴っ飛ばした。
翌日マリコルヌは半死半生で学院の外の森で見つかったが、その際救助に来た教員は、彼がうわごとのようにこう呟くのを聞いたという。
「キミは最高だ…合格…!」
*シルフィード(イルククゥ)メイド実習 修了*
以上しゅーりょー。
エロなしですが何か(ぇ
ていうか公式でもこのカップリングは認められたみたいだし(何
ありかと思うんですわw
さて、次はキュルケとモンモンどっちがいいかな?
今度は先に3票集めたほうで書きます〜。
ではではこのへんで〜ノシ
一番槍GJ!
マリコルヌw
面白かった、GJ!
まあへんたいさんは前にきゅいきゅい苦手言ってた気がするから仕方ない気もするけど
お願い、一回踏ませて?
レズメイドにときめいた私の心を返して!
公式で認められてたのか、初めて知った。
モンモンで。
>138
GJ!
マリコルに膝枕するなんてなんて勿体ない、そーゆうことはモレにしてくれw
次はキュルケ希望
143 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 20:30:39 ID:p7egyAkw
なあ、おまいら ↓の文に対する突っ込みはないのか?
>よく見るとタバサはマントをつけておらず、
スカートから裾のはみ出たシャツは、ボタンが全部外れている。
>タバサの身体のぶんだけ開いた扉の向こうには、
ズボンだけを履いた半裸の才人が。
sageを入れるの忘れてた すいませんこのスレの住人の皆さんorz
>>143 おいおい、相手はへんたいさんだぜ?いまさら突っ込むもなにも・・・
モンモンで。
もんもん でぇぇぇ
桃井はるこ様になら、週一で踏まれ続けたいですが何か?
ごめん、誤爆。
ほんとに誤爆か?
152 :
148:2007/03/28(水) 23:28:11 ID:TsB55nWr
ごばくだろうがそうでなかろうが、どっちでも良いだろ。
めんどくせえな。
んで、せんたいさんへのGJ忘れてた。GJ。
ねこだいすき
>>52 こうですかわかりません。
ということで擬人化モノ投下します。非エロです。
いらなかったら飛ばしてね。
ゆったりとした風とポカポカとした陽気が差し込むここ魔法学院は、今日も…
「この…あんたって奴はぁあああ!!」
「ま、まって!誤解だよモンモ…」
「問答無用ぉおおっ!!!」
「ぐぎゃぁぁああああああああああああああ!」
…平和である。
「…ったくギーシュったら、どうしていつもいつも…」
ぶつぶつ呟きながら、乱暴にガラス容器の準備をするのは、モンモランシーだ。
先ほど、性懲りもなく下級生を口説いていたギーシュを痛めつけたばかりだった。
「…今度こそ…」
モンモランシーは惚れ薬を再び作って、今度こそはギーシュに飲ませようと画策していたのだった。
以前ルイズに邪魔されたときに材料はある程度揃えてある。
貴重なものは細心の注意を払って取り寄せた。
今度こそ失敗は無い…はずであった。
「…よし、最後にこれを混ぜ……きゃっ」
モンモランシーが薬品を混ぜると、紫色の煙が混ぜたところから大量に発生した。
「けほけほっ…あれぇ?」
やたらとむせっぽい煙を手で払いながらモンモランシーは手元の資料を読み直した。
「……あ、いっけない!さっきの入れる順番逆だったわ…」
はぁ、と大仰に溜息を吐き、手の中にある不可思議な色の薬を眺める。
薬の調合は、順番が狂っただけでまったく別の薬になってしまう難しいものなのだ。
「どうしよう、これ」
手の中の物がどんなものなのか分からないため、無闇に捨てるわけにもいかない。
「とりあえず…後で調べて、処分しましょ」
密封性の高い容器に詰め、扉の外に薬を置いておく事にした。
部屋には他の薬品もあるため、下手に置いておくとまたややこしいことになる。
モンモランシーはきょろきょろと左右を確認するとパタンと扉を閉めた。
…と、向こうから鼻歌交じりで近づいてくる影がある。
「おさんぽ、おっさんぽ、楽しいの〜きゅいきゅい♪」
…学院きってのトラブルメーカーだった。
「…ん?この瓶は何なのね〜?きゅい」
あ、それダメだよ。
「捨ててあるみたいだし、貰ってくのね〜きゅいきゅい」
言うが早いか、とっとと瓶を持ってどこかに行ってしまった。
……あ〜あ。
才人は目撃していた…
「…全く、最近のメイドってのは、犬をたぶらかすことしか能がないのかしら?」
「あら、ネコ耳つけていやらしく誘惑するどこかの貴族様よりはまともですわ」
…人間史上最凶の戦いを。
二人はしばらく、ホホホ、とか、うふふ、などと笑いあい、お互い突き合っていたりしたが、
やがてエスカレートして、取っ組み合いに発展していた。
「……でかけてきま〜す…」
自分にしか聞こえないような呟きを置いて、才人はゆっくりと姿を消した。
ルイズの部屋では未だ怪獣が暴れているかと思うほどの音が響いている…
「ったく…女ってのはこえーよなあ…」
ここは中庭の才人が以前に立てたテントの中だ。
「なぁおめえもそう思うだろ〜モグラ〜」
「きゅるきゅる」
部屋の中が怪獣大戦争の舞台と化しているため、才人はテントに非難していたのだった。
もちろん、いつもの通りにヴェルダンテを引っ張りこんで。
既に失敬してきた酒が回っているらしく、才人はべろべろである。
ヴェルダンテはもぐもぐとおとなしく才人に抱きかかえられている。
「はぁ〜どうすっかな〜あ〜」
ぐびぐびと才人が酒をあおっていると、テントの入り口が急に開いた。
「あ〜なんか声がすると思ったらサイトなのね〜きゅいきゅい」
「お〜シルフィードじゃね〜か。おめえものめ〜」
才人は手招きしてテントの中に呼びこむと酒のビンを突き出した。
「ん〜私はお酒のめないのね〜きゅい」
え〜、とあからさまにがっかりする才人。
「あ、でもでも、面白いものもってるのね〜きゅい!!」
そういうとシルフィードは先ほどの瓶を取り出した。
「ん〜?なんだそりゃあ〜」
「分からないのね〜分からないから飲んでみるのね〜きゅいきゅい」
そういうと、どぼどぼと酒のビンの中に注いでいく。
「あ〜〜!!なにしてんだよ〜!」
すぐさま、なんともいえない感じの液体が出来上がる。
「さ、のむのね〜サイト、きゅいきゅい!」
「飲めね〜よ!!…しょうがねぇ、飲んでみるか?モグラ」
才人が置いてあった皿に注ぐとヴェルダンテは恐る恐る飲み始める。
「お〜結構いける口だな、おまえ」
「でも、何の薬だかよくわかんないのね〜きゅいきゅい」
「え…薬って…わっ!お、おいモグラっ」
皿のお酒を飲み干したヴェルダンテがいきなり苦しそうに暴れだしたのだ。
「ちょ、落ち着けって!」
「―――――――!!」
「だ、大丈夫か?…わっな、なんだ!?」
才人がヴェルダンテから離れるとヴェルダンテの周りに煙が現れた。
煙はすぐにヴェルダンテの身体を包み隠すが、瞬間で晴れていく。
「お、お〜い…っ!?」
「わ〜すっごいのね〜きゅい」
煙が晴れるとそこには…
「ん、んん…」
三つ編みの女の子が横たわっていた。
「ん…あ、あれ?」
「あ、目覚めたみたいだ。大丈夫か?」
「はい、有り難う御座います。あ、あなたはご主人様のご友人の…」
ヴェルダンテはそこまで話すと、今自分に起きている有り得ない事に気が付いた。
「…あら?言葉が通じ…きゃあ!か、身体が!?」
そこにいるのは茶色い巨大モグラなどではなかった。
明るいこげ茶色の三つ編みに頬に少しそばかすの乗った、田舎生まれの田舎育ち
といった風の素朴な雰囲気のある女の子だった。委員長タイプである。
「あ〜そのことなんだけど…」
才人はシルフィードと一緒に先ほどやらかした事のあらましを説明した。
信じられないような顔をしていたヴェルダンテだったが、全ての説明を終えられると
楽しそうな微笑と一緒に頷いた。
「なるほど…そう言う事でしたか。分かりました」
「いや〜悪いね、びっくりしたろ?」
「いえ、大丈夫です。本当は私、一度こうして皆さんとお話してみたかったんです」
「そ、そうなの」
「はい、いつもご主人様たちを見てて、あぁ、たのしそうだなぁ。と」
そう朗らかに笑うヴェルダンテ。
しかし、才人の顔はヴェルダンテの目を見ていなかった。
…さて、思い出して欲しい。
シルフィードがイルククゥに変身したとき、服を着ていただろうか?
否。
そう、今ヴェルダンテは生まれたままの状態なのだ。
どちらかというと大きめの胸に、ほっそりとしていてもそれなりに肉の付いた身体のラインに
才人が反応しないことが無いだろうか、いや無い。
才人は会話をしながらも、笑うたびにゆれる胸に釘付けだった。
…まあ、ルイズもいないものなぁ。
「君って…メスだったんだね…」
「そうですよ?まぁ、いつもの姿じゃ判別はできませんね」
ヴェルダンテは、あはは、と本当に愉快そうに笑う。
土の中の事など他愛もない話をしていると、足音が一つ近づいてきた。
「お〜い、ヴェルダンテや〜い…全く、どこに行ってしまったんだ僕の愛しいヴェルダンテ!!」
一人芝居をしながら、ギーシュは才人のテントを覗き込んできた。
「なぁサイト、ヴェルダンテを知らな…おわっ!!」
「あ、ご主人様ぁ〜!!わっ…きゃあ?!」
慕っている顔を見つけたヴェルダンテは思わず立ち上がるが、上手くバランスをとれずに転んでしまった。
それはちょうどギーシュにしだれかかるような格好になった。
「わ、わわ!?な、なんなんだね君は!?」
「なんだって…分かりませんか?ご主人様?」
「分かるも何も…ええい、いったいどう言う事だね、サイト!」
「あ〜実はだな…」
説明二回目
「じゃ、じゃあ君は本当にヴェルダンテなのだね?」
「さっきからそういってますよ?ご主人様」
ヴェルダンテは小さく首をかしげる。
ちなみにヴェルダンテはすでにギーシュのマントを羽織っている。
ギーシュの顔には赤い二筋の線が引かれていた。
裸が目に飛び込んできたときに噴いたものだ。
「さ、最高だぁぁぁあああああああっ!」
ギーシュは確認を行った後、おもむろに叫び才人の手を握った。
「全く、魔法というものは素晴らしいと思わないかねサイト!」
「ああ!全く同感だ!!」
「男ってのはあほばっかなのね〜きゅきゅい」
お前が言うかお前が。
こうして男同士(+使い魔)の宴会が始まった。
…が、そこに忍び寄る悪魔の影…
「ちょっと〜どこいったのよ!!犬〜」
「サイトさ〜ん、いらっしゃいませんか〜」
「ギーシュ〜?ちょっと飲んでみてほし…あらどうしたの?二人とも」
「あら、モンモランシー」
それぞれの探し人を求めて偶然にも三人は中庭に集合していた。
そして、騒ぎ声が聞こえるテントを見つけた。
当然、中を覗き込む。
「「「へぇ…」」」
そして、空気が凍りつく。
………………。
「さて、何をやってるのかしら?犬?」
「お、俺は別に…」
「じゃあ、そこにいるマントだけの女の人は誰なんです?サイトさん」
顔には笑みを貼り付けているが、自然さがむしろ怖い。
「あんた、こんなところでまたっ…」
「ご、誤解だよっモンモランシー」
「あ、そう?白を切るつもりね?」
ちなみにシルフィードは早々に逃げ出している。
おろおろしていたヴェルダンテはよせばいいのに口を開いた。
「あ、あのっ皆さん、いつも私のご主人様がお世話になっております!」
「「「…ご主人様ぁ?」」」
三者三様に怪訝な表情になる。
「サイト…ほんっっとうに、何もしてないでしょうね」
「だから、してねーよ!!」
「…ギーシュ?」
「ぼ、ぼくもやましいことは何もしていないよ!」
三人が疑念を深くする中、さらにヴェルダンテが地雷を踏んだ。
「そうですよ?酔っ払われたサイト様にテントの中に引きずり込まれてちょっと嫌がっても出してくれなかったり、
ご主人様に呼ばれて出て行くたびに抱きつかれて頬ずりされる事があるぐらいです!!」
そして、世界は破滅を迎えた。
才人とギーシュは確かに聞いた。世界が割れる音、というものを。
ルイズとシエスタとモンモランシーは、才人とギーシュをテントの外に引きずりだすと、
それぞれ念入りに準備体操を始めた。
二人は抱き合って恐る恐る尋ねた。
「「さ、三倍?」」
「ううん…」
「「「き・ゅ・う・ば・い♪」」」
「「た、たすけっ…ぎやぁぁぁぁぁああああああああああっっ!!!」」
「あ、あの、えっと…あら?」
再びヴェルダンテを煙が包むと、元のモグラに戻っていた。
「きゅるきゅる」
(し、失礼しま〜す)
こっそりとテントを抜けると、地面に潜っていった。
血の惨劇を背中に残して…
<おわり>
よーし文句のある香具師はかかって来い!!
全力で土下座してやる!
と、いうことでデムパ受信SSでした。
まともじゃね〜な。またね〜
ひんやりとした感触が顔を撫でるのを感じて才人が目を開けると、すぐ側にサファイアみたいに綺麗
な青色の髪の毛があった。視線を下へやると眼鏡とこれまた髪と同じ色の澄んだ瞳があった。
「あれ、タバサ?」
幼さと理知的な印象を同居させた少女が肯く。その手にはタオルを持っている。先程顔に感じたのは
これらしい。
「ここお前の部屋だよな? 何でここにいるんだ俺? 何かあったっけ?」
「上から落ちて気絶していたから、ここへ」
「あ、ああーご主人様に回し蹴りを頂いたんでしたっけ。窓を突き破った後もけっこう飛行感を味わ
える程の素晴らしい威力のヤツを。そっか、虐待される使い魔を親切にも部屋まで連れて看病してく
れたわけか。顔まで拭いてくれて、うわ、迷惑かけたな」
タバサは一度肯いてから首を横に振る。それは迷惑ではないと言うことだった。
「まあ今度からは放置してくれていいからさ。なんて言うか窓から蹴り落されるも慣れたからさ、は
はは」
「まだ横になっていた方がいい。頭も打ってるから」
「ああ、平気だよ。さっきも言ったけど慣れてるよ、慣れたくないけど」
良いと言われても才人は恐縮した。横たわるベットは勿論タバサのベットであり、少女らしい甘酸っ
ぱい匂いがしている気がする。そこへ地面に落ちたままの格好で寝ているのには気が引ける。
しかし、構わないとタバサは譲らない。タバサからは、自分が納得するまでベットから起こさない、
そんな言葉少ない少女らしい無言のオーラめいた物が強く感じられる。
そう言えば意外に頑固らしいからな、とタバサの事を思い出した才人は言う通り、いましばらくお世
話になることに決めた。
「じっとしてて」
「本当に大したことないぞ?」
「汚れてもいるから」
「あ、って、ちょ、ちょっとタイム、服の下など拭いていただかなくてもよいですから、ハイ」
「………」
「ど、どうした?」
パーカーを捲られ流石に慌てて止めに入る才人だが、止めるまでもなくタバサの動きはぴたりと止ま
った。深い青玉の瞳は一点を見据えている。急にどうしたんだろうと視線の先を才人が追うと、自分
の脇腹に辿り着く。他の肌とは色が違う傷跡へ。
「……………ごめんなさい」
「バ、バカ、気にすんなよ。お前は悪くないって」
愁いに沈む青い瞳に才人は慌ててまくし立てる。
「実際同じ立場になったら俺だって同じことしたかもしれないし、第一あの時はお前を刺すのが単に
怖かっただけかもしれない」
才人はスレイプニィルの舞踏会、あの夜を振り返り、考えてみれば剣を刺したくなかったのには平和
にどっぷりと浸かって育った故の『刺せなかった』が確実に含まれているのを否定できない。才人は
自嘲めいて自分はそんなに大したものじゃないと言う。
タバサは才人の瞳を真っ直ぐに見て力強く否定する。
「そんなことない。あなたは私と同じ立場だった。それに何かの為に何かを儀性にしたくない気持ち
は、きっと大切なものだと思う。それは仕方ないって何かを切り捨てない、諦めない勇気かもしれな
いから」
「な、なんか擽ったいって。そんな誉められるの慣れてないからさ。ほら、だいたいがバカ犬だから
な」
そう言って笑う才人にしてみれば、母親を人質に取られてなお一人奮戦してきたタバサの方が余程偉
いと思える。そんな彼女に手放しで誉められるなど過分すぎであり、茶化すように言わなければ居心
地が悪いほどだ。
しかしタバサの真摯な視線は変わらない。揺るがないその瞳、どこまでも青く透き通った湖を覗き込
んでいるみたいで才人を圧倒する。神秘的な青玉から作られる顔立ちもまた美しい。綺麗だとは気付
いていたが、あらためて見れば、それがはっきりと解る。
そんな少女に肯定的な眼差しを向けられているのだから照れるなと言うのが無理だ。
「ま、まあ、あれだ、どっちも無事だったし結果オーライだな。そもそもお前には何度も助けられて
るし、どっちかって言えば借りばかりなのは、こっちなんだからさ」
「………」
「オ、オイ、あんまり深刻に考えなくていいんだぞ? というかサバサバな感じの方が嬉しいんだけ
ど」
一向に納得した様子でないタバサ。あの夜には命を捧げるなど言っていたし、もしかして思いつめる
タイプなのかと才人は焦り始めた。なにより儚いまでに小柄な少女の沈んだ表情は、それだけで罪悪
感を齎らす代物であった。
どうすれば元気になるのか全然分らないけれど、何かしなければと激しい衝動に駆られる才人。頭は
一杯一杯になって結局したのはタバサの頭を撫でる事だった。
「ほんと気にするなって、なんかお前を泣かせてる悪者って気分になるから、まああれ、ここは助け
ると思って気にしないように、な?」
タバサもここまで言われれば内心は別としても折れないわけには行かなかった。寧ろより決意を固め
つつも小さく肯いてみせる。
「よし、じゃあこれでこの件は無しだぞ?」
才人は、ほっと息を吐いた。撫でるのも終わりにしようと思った。そんな時になって漸く手に感じる
青い髪の感触へと意識が向いた。
「う〜ん、髪、サラサラだな。スベスベって言うかシルクの手触りで天使の輪っかもバッチリだし」
「あまり気にしたことない」
「いや、これは気にした方がいいぞ。これは良いものだって感じなんだからさ」
才人は指を広げてタバサの頭を撫で続けた。タバサの髪の毛は、一本一本が何の抵抗も無く滑り、砂
子か水みたいに動かす指の間をすり抜けてしまう。
髪が指を擽られる気持ち良さにはまり、才人は手を幾度も小さな頭の上で往復させる。あまりにも何
度も撫でたので、終には頭の上の方で髪が跳ねてしまった。
「あ、ついつい浸ってた、ゴメン」
「別にいい」
見ればタバサは首を竦めて上目遣いになっている。不愉快と言うよりも困っている様子であった。そ
れはごく普通の表情だけれども、感情を押し殺すのが常であるタバサが見せると何か特別なものに見
える。
才人は、ずっと蕾であった花が初めて咲いているのを目撃した感動めいたものを覚えて、軽く固まっ
てしまった。その隙をつき、まるでお返しとでもばかりにタバサの手が再び才人の傷跡を撫で始める。
「うひゃっ あ、お、うっ だ、だから別に拭いてくれなくてもいいんだって」
「少し引きつってるから……………撫でてるだけ」
小さな指先は、まだそこに傷があるかの様にそっと表面だけを触れて行く。髪の毛と同じく滑らかな
指は、才人へと気持ち良いと擽ったいを存分に注ぎ込んだ。
「ちょ、ちょっと待って……う、あっ!?」
背中を這い上がる心地好い寒気に才人は身悶えた。筋肉が緊張すると指の刺激は余計鮮明になり内股
でひくひくとしてしまう。薄く浮いた肋骨を指先が辿り、骨の無い凹みを通過してまた骨へ。擽った
い感覚は身体の芯でとぐろを巻き息もできない。
そんな状況だが結構気持ち良いのは間違いない。悶えて熱くなる身体にひんやりとした指は絶妙な感
じだった。何だか逃れ難い心地に陥りつつ、ベットの上で才人は百面相となる。
「あ…ぐっ……ふ、ふうっ…はっ!」
才人は顔を真っ赤にし止める言葉も出せず痙攣する。このままでは悶絶して逝ってしまいそう、そん
なな処で、タバサの指が唐突に止まった。
「は、はあ、はあ、はあ、お、終わった? ど、どうした、って げえっ!?」
指を静止させたタバサの視線は下の方を向いていた。正確には才人のズボンの一部分で不自然に盛り
上がった場所へと固定されている。
そこでは美少女の指先に擽られ―――別の表現をすれば愛撫され―――こそばゆい刺激に股間で息子
が元気に充血していたのだ。
「い、いや、これは違う! 別に変な気になってるんじゃなくて、す、少し腫れただけ! 男の子は
たまに腫れちゃうのが普通なんだ」
正真正銘の王族であるタバサに不躾過ぎる膨張を見られ、才人はみっともないくらいに狼狽えた。真
面目に言っていた事も、タバサがせめてと傷跡を慰めてくれた事も良い部分がぜんぶ台無しになり、
才人は顔から火が出そうだった。
才人は懸命に鎮まれと股間に命じるが効果はゼロ、と言うよりもズボンの膨らみは大きくなる一方で
あった。タバサの視線があるせいで落ち着けない、いや逆に焦燥を煽られてしまい何故だかどんどん
と一物が熱くなってしまう。
「そ、そんな、ち、違うの! み、見られて嬉しいって事じゃないんだからね! たまたまなの!
って、バカか! ツンデレか! い、いや、そんな場合じゃない〜〜〜!」
ゾクゾクしてなんかいないんだからと、半泣きの才人。せめて有りがちなお姫様っぽい世間知らずさ
で股間の物体が如何なる状況なのか、タバサが分らないでくれるのを祈るが、さすがに甘かった。
博学なタバサは余裕で事態を理解していた。膨張する生物学的な原理など才人よりも詳しいかもしれ
ない。
「うう、そんなじっくり見ないで、なんでか見られると小さくならないから」
「……………」
「うわっ ご、ごめんなさい?!」
冷徹な観察者のような視線を浴びてるのにますますズボンを膨張させる才人。そのうちに愚息は下着
から顔を覗かせてしまい、それをタバサに掴まれて情けなくヘコヘコと謝る始末。かなり格好が悪い
が、タバサは真剣な顔で言った。
「私がしてあげる」
「へ?」
「私がしてあげる」
「な、なにを言ってるの?」
繰り返し聞いても才人には意味が分らなかった。する、とは一体何を指しているのだろう首を傾げた
が、青い瞳からの無言の視線がコレと示す場所は掴まれている部分。
才人はタバサの手と自分の股間を何度も見比べて漸く思い至る、小柄な少女の大胆な意図を。そして
大慌てで捲し立てる。
「お、お前、まさかこの状況が理解できてないとかじゃないよな? こっちの世界って女の子向けの
エロ本無さそうだし、有ってもお前じゃ読まないさそうだし、って事はばあやに教わってないから全
く何も知らないで言ってるとかだろ? 腫れてるのは事実なんだけど別に薬とか塗っても治るもんじ
ゃないんだぞ?」
「ちゃんと知ってる。性的に興奮してペ○スが充血して硬くなっている。この場合のしてあげるは、
刺激を与えて精液を放出させること」
「あ、ハイ、正解ですね、君はちゃんと理解してます、認めます」
学術書を読み上げるようなタバサに才人はカクカクと肯いた。雪風の二つ名通り、ぜんぜん平静にペ
○スなどと言われてかなりショックだったりする。勝手なイメージであるのは承知しているが、ズボ
ンにテントが張られているのを目撃したら、タバサなら真っ赤になって俯いてしまいそうなのに、そ
れが微塵も無いのだから動揺しないのが無理だ。
「あ、ちょっとこら!? しちゃダメって言うか、も、もっと話し合おう! 話せばわかる!」
気が付けば才人は剥き出しにされていた。タバサの細い指が根元を押え、もう片方の指が輪を作るみ
たいに握られ、それが才人の先端へと被せられると間を置かず下ろされる。
「うひゃあっ!?」
才人が仰け反る。スベスベの指と握られた指の凹凸に摩擦され気持ち良いどころではなかった。カリ
の段差にタッチが連続すると、ぎゅっと芯が気持ち良く詰まってしまう。根元へ下りたタバサの手は
休まず今度は上へと動く。幹の太さになっていた指の輪は、下りよりも強くカリの段差に当たり、才
人は腰を震わせ、快感の悲鳴を上げる。
「う、うはがあぁあっ!?」
するとタバサの動きがぴたりと止まる。あどけなさが多分に残る顔には驚きが貼り付き、そして目許
は薄紅に色づいている。
アワアワとしていた才人もやっと気付く、タバサとて平静な訳ではないと。十二分に緊張しているの
だと分った。
「な、なあ、こんなことするの恥ずかしいんだよな?」
「……うん」
「初めて?」
「そう」
「だ、だよな〜、お兄さんあせっちゃった。こんなモノ見飽きたとかでぜんぜん平気だったらどうし
ようかと思ったよ、ハ、ハハ。漢の夢を壊さずにありがとうって事で、だ、だからだな、タバサ」
「でもしてあげたい」
才人は、ウグッと詰まった。色々と考えればここは流されてしまうべきでない。しかし、サファイア
の瞳は今は色々と考えないで欲しいと訴えている気がした。もしかして自分が好きなのかと訊ねられ
れば、それはそれで何とかなりそうだが、何と言われるのかを怯えているみたいな小さな影に才人は
訊ねる言葉が無い。
それに縋るような視線のタバサを見ていると、どうにも邪な衝動が抑えられない。制服に着られてい
るみたいな華奢な肢体の白さを知りたい、そんな気になってしまう。
「あのさ、さっきも言ったけど俺はそんなに偉い人間じゃないから我慢できなくなっちゃうぞ、たぶ
ん。あ、いや、かなりの高確率で、我慢できないで先に進んじまう。だからな」
「………いい」
「だ、だろ? いや、いい、じゃないだろって、いきなり咥えるの禁止っ!?」
タバサの上体が傾いたと思ったら、才人は一物を飲み込まれていた。
「うあ、あ!」
タバサの口の中は狭く、濡れ、そしてどこまでも熱かった。頬と唾液と舌、感じられる全ての感覚が
一緒くたになって才人を熱く溶かそうとする。小さなタバサが目一杯に口を開いても楽に動く余裕が
無かったから、いきなり射精とはならなかっただけで、これまでとは次元の異なった快感であった。
咥えたままでタバサが見上げている。
「あ、ああ、すげー気持ち良いよ、タバサの口。なんか今にも出そうなくらい」
才人の答えに満足するようにタバサは瞳を閉じた。青色の髪がサラサラと揺れ、才人を頬張った唇か
らトロリと光る肉棒が姿をあらわして行く。才人の先端まで来ると、まるでキスをするように唇を捧
げ、また飲み込んで、それをタバサは繰り返す。
時折、歯がぶつかったり、口から溢れる唾液を啜ったり、先っぽを喉に当ててしまい嘔吐いたり、一
定のペースには程遠いタバサの口戯はお世辞にも上手いとは言えなかった。
「けど、そのぎこちないのがイイんだな〜。うむむむ、ど、どうにかなりそうだ」
快感と妙な満足感に才人の顔が怪しくニヤける。ちっちゃな口の粘膜は巧みに動かずとも気持ち良い
し、たどたどしい方がお姫さまに強要させているみたいな感じでゾクゾクさせる。こんな事には縁遠
そうなタバサだけにさせているのが堪らない。
「あ、ちょ、マジで出ちゃう! ヤ、ヤベっす!?」
ニヤけてる場合などではなかった。口粘膜の快感に腰を震わせた才人は忽ち昇りつめ射精する。それ
も濃く粘った精液で肉棒が一回りも太くなったと思えるほど大量に。
突然溢れる青臭い匂いと喉を刺激する圧力にタバサが目を大きく見開いた。
「んふううっ!?」
ネバネバを上手に嚥下する方など知らぬタバサの口は精液で一杯になり、思わず才人から口を離して
しまい、そこへまだたっぷりの精液が直撃する。
「わ、悪い急には止まれないもんでって――――――ぬあっ!?」
「?」
「め、眼鏡に付いてる。半分だけ汚れて、それがシトシト垂れてて、こんなの夢の光景を生きてるう
ちに見られるとは思わなかった。眼鏡を発明した人、ありがとう! んで、本をたくさん読んで眼鏡
をかける事になったタバサ、君にありがとうっっ!!」
感激するところが違うのではないかとも思えたが、白く濁ったネバネバに汚されたタバサは芸術的に
ときめく様子になっていた。射精に驚きあどけなさを増した顔に黄ばんだ精液、この組み合わせは背
徳この上ない魅惑を満載していた。
暫くすると精液は制服にまで滴り、妙な濁り越しにタバサの白い肌を透けさせて来るし、才人の内部
では諸々の事情がリセットされ、変なスイッチが完全に入ってしまう。
「しかしタバサがこれほどのドキドキを秘めているとは、この伝説のガンダールヴ、お前の力を完全
に見誤っていた。あ、もちろん口でしてくれたの最高だった」
「………良かった?」
「メチャメチャ良かった。
って、なんだよ、そんなに赤くなって恥ずかしいのか?
口でしてた時の方が平気だったのか?」
「違う、夢中だっただけ。それに、誉められた事あまりない」
「じゃあエッチな事で誉められたのは初めてか?」
「うん」
コクンと素直に肯く仕草がどうにも可愛く、才人は悶えながらタバサの躰を抱きしめる。その想像以
上に華奢な躰は意外なほどに熱かった。それに細いがしっかりと柔らかさがある。特に胸の膨らみは
控え目だけれども正にマシュマロの感触。
他はどんな感じなのだろうか、才人は確かめずにはいられなかった。背中に回した手を下へと滑らせ
れば服の上からも背中が綺麗なカーブを描いているのが分った。そのさらに下には引き締まったお尻
の肉、片方片方が才人の掌におさまってしまう可憐さ。
「お尻もちっちゃいな。すらりとしてるし。でも、弾力は絶妙というか、お尻の割れ目に指を入れて
揉むと実にフニフニしているというか、タバサ、どんなふうに感じる?」
「ん、う、擽ったい」
「そっか、嫌な感じじゃないんだ。もっと触るけどいいか? 他もだけど?」
「あなたの好きにしていい」
「才人」
「え?」
「あなたじゃなくて才人でいいって。なんちゅーか、ここまでしてアレだろ?」
こんなのどうでしょう?
>>169 どうでしょうって……これで終わりかよ!
生殺しはつらい、是非続きを……
とれびあ〜ん♪
続きお待ちします><;
…セロ?
>>174 帯がちゃちいのが惜しいな
まぁ中身はこのスレで読めるから気にすることもないさ
ギーシュ=ウザクだったのか
>>169GJ!せんたいさんのおかげで多少じらしには抵抗ついたと思ってたけど・・・・
やっぱつらいわ。続きキボン
179 :
ガチャピン:2007/03/29(木) 09:34:47 ID:C5lYwNo5
続きが読みて〜
せんたいさんのメイド実習で気になったのでツッコミ
選択科目:自分の進路や興味・関心に合わせて自由に選んで学ぶ科目
選択必修科目:必ず一科目以上受けなければならない科目
・・・つまり受けても受けなくてもいいということに?
一日に繰り出される作品がいきなり増えてびっくりさ。
みんなホントありがたいです。後生殺しはやめてw
>>180 だから人数制限があったんじゃないか?
ルイズは受けられなかったみたいだし
受けてもシエスタに脱落させられてただろうがな……
184 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 13:45:15 ID:C5lYwNo5
話はそれてしまうのですが、コミックアライブ(今月号)カラーページでゼロの使い魔 第2期アニメキャラで、三姉妹でエレオノールの髪だけが金髪に驚いたのは私だけでしょうか?ルイズやカトレア同じだと思っていた。
>>184 原作だとちゃんと金髪って明記されてるよ
タバサの冒険2か・・・本の方が良いんだけどな
186 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 14:06:35 ID:C5lYwNo5
>>185
ありがとうございました。
原作読み直します。
原作でもルイズの髪色は最初「桃色がかったブロンド」って描写だったのに
途中からはっきり桃色と書かれるようになったのでややこしい
挿し絵でピンク色なのはディフォルメ表現だったつもりなのが
ハルケギニアでは変わった髪色(青とかも)が存在する設定に変わったのかな。
188 :
205:2007/03/29(木) 15:10:15 ID:hLFEZoGb
>>187 タバサは最初から「青みがかった髪」と表現されてますね。
ガリア王族の証とかその辺の設定も最初から決まってたもんなんでしょうかね?
ところで流れとは全然関係なく特に意味もない話なんですが、
ゼロの使い魔に登場してる人格や容姿について幾分か記述がある女性キャラって
ルイズ シエスタ キュルケ タバサ モンモランシー ティファニア アニエス アンリエッタ シルフィード ジェシカ
フーケ シェフィールド ケティ シュヴルーズ アンリエッタ母 タバサ母 ルイズ母 カトレア エレオノール
モリエール伯爵夫人 イザベラ アイーシャ エルザ アネット エマ 水の精霊(?)
で全員でしたっけ?
>>177 ちなみにFFのクラウドでもある。
>>186 エレオノールだけは父親譲りの金髪だよ。ルイズとカトレアは母親譲りの桃色だが
>>189 それなんてクラ・・・(ry
>182
必修単位として設定されてる(オスマン談)わけだし・・・講義第○回目ごとの人数制限が40人ってだけかと
この場合必須として設定されてるのに掲示板告示が選択科目(受けなくても良い)のが気になったわけで
選択必修科目
例として第二外国語を考えてみたら?
今までは、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語が有って新たに外国語(この場合メイド実習)
が加わったと考えあればよいのでわ?
すまにゅ、編集時のミスなのだ>選択/必修
本当は『選択必修』が正解。消し間違えたorz
wikiの方は正しいのに直しておきましたので。指摘サンクスです
>>142 「そんなに膝枕して欲しいならしてあげるのねー
>>142」
>>142の目の前に 巨大な竜 が現れた!
君はこの竜と戦ってもいいし、来た道を引き返してもいい。
にア 臆さず戦う 引き返す
アイテム
にア モンスターボール×99
使い魔の笛
媚薬×35
ロープ
ロウソク×4
鞭
>>194 龍一匹に媚薬×35っていったい………………
≫臆さず戦う
引き返す
避けず、退かず、媚びるで――……
14送りっぽい気がする。
1.人間形態に変身してもらうよう頼み込む。
2.踏んでもらうよう頼み込む。
3.踏んでもらってアクメ。
すっかり過疎ってしまったなぁーー
それもこれもやっぱり新刊がでないからか・・・
>199
こんなに投下があるのに過疎だなんてお前はどんだけ飽食日本なんだ!!
バカ!バカ!マンコ!
過疎化していないとは思はないが、新刊がナァ・・・。
ノボル氏にはその分いい作品を期待してるぜw
友人たちと愚にもつかない会話をしながら歩いている途中、才人は目を細めた。向こうの方に見え
る火の塔の影に、何か小さなものが落ちているのが見える。
「どうしたんだね」
問うギーシュに、「なんか落ちてる」とだけ答え、才人は大股に歩いてその物体に近寄った。近づ
くにつれて、その物体が非常に懐かしい形をしているのが分かってきた。すぐそばで屈みこみ、取っ
手の部分を持って持ち上げてみる。それは、地球では珍しくも何ともない、肩に下げるタイプのスポ
ーツバッグであった。
「何だねそりゃ」
「変わった袋だな」
「ずいぶんと見慣れない形だけど」
ギーシュとマリコルヌとレイナールが、スポーツバッグを覗き込んで口々に感想を言う。
(これ、どう見ても地球のもんだよな。ってことは、これも俺と同じで召喚されたのか?)
周囲を見回してみるが、儀式の痕跡等は何も見当たらない。どうやら、これも過去の軍人や地球の
物品などのように、何か偶然の作用が働いてハルケギニアに辿りついた品のようである。才人が地球
へ帰る手がかりにはならなそうだ。
少しだけ落胆しながら、何気なくバッグ中央部のジッパーを開く。その途端、周囲の三人が「おや」「
おお」「うん?」と三者三様の声を上げた。驚きと興奮と疑問。だが、才人は声を上げること
もなく、ただ目を見開いてバッグの中身を見つめていることしか出来なかった。
「で、結局何なんだねこれは」
テーブルの上に置かれた黒い物体を指差して、ギーシュは顔をしかめた。ゼロ戦の格納庫の片隅で
ある。拾ったバッグの中身の処置に困り、とりあえずいつもの溜まり場に持ち込んで取り出してみた
のだった。
才人はバッグの中身の一つである黒い物体を手に取り、懐かしさに目を細めながら説明した。
「ポラロイドカメラだよ」
「ポラ、なんだって? というか、君はこれのことを知ってるのかいサイト」
「ああ、使い方だって分かるさ。こうやって、こうだ」
ポラロイドカメラを構えて、シャッターを押す。テーブルの上にある他の物品に手を伸ばしかけて
いたマリコルヌが、フラッシュの光に驚き、悲鳴を上げて手を引っ込めた。慌てて周囲を見回す。
「なんだ、雷か? でも外は晴れてたはずじゃ」
「雷じゃねえって。それより、見ろよこれ」
才人は笑いながら、ポラロイドカメラから吐き出された写真をテーブルの上に放った。そこには、
先程の情景が鮮明に映し出されている。テーブルの上に山と積もった物にこそこそと手を伸ばすマリ
コルヌ。ギーシュとレイナールが呆れた視線を飛ばす。
「マリコルヌ」
「いくらモテないからって、そこまで」
「違うよ、実際どんなものなのかと興味があっただけで」
「いやむしろ悲しいぞその言い訳」
笑う才人の横で、「しかし」と呟いたレイナールが、興味深げに写真を手に取った。
「凄いなこれは。こんなに精密な模写が出来る画家は国中探したっていないかもしれないぜ」
「その黒い奴の中には絵が得意な妖精でも閉じ込めてあるのかね。そうか、さっき言ってたポラなん
とかっていうのは妖精の名前だな」
「ちげーよ、これは絵じゃなくて写真だ、写真」
「この絵の名前か」
「いや、絵じゃねえんだって。まあ、説明すんのは難しいよ。俺だってカメラの仕組みが全部分かっ
てる訳じゃねえしな」
「それはそうだな。こんなに絵の得意な妖精とそれを閉じ込めて自在に操る方法が知れ渡ったら、国
中の画家がお払い箱になってしまう」
「カメラとやらのギルドのみに伝えられる秘伝の方法という訳か。すごいな、サイトは東方の出身だ
と言うけど、東方にはこんな凄いものがあるのか」
「いや、まあ、そうだな」
感心しきった様子のギーシュたちが言っていることは、もちろん真実ではない。だがいちいち説明
するのも面倒だったので、才人は黙っておいた。
「で、どうやって使うんだねこれは」
「ああ、まずそこの」
「あのさ」
才人がカメラの使い方を説明しようとしたとき、マリコルヌが思い切ったような口調で言った。
「それも凄いけど、こっちも十分問題じゃないか、なあ」
躊躇うように、マリコルヌがテーブルの上に乗っている他の物品を指差す。才人たちは顔を見合わ
せて、ため息を吐いた。
バッグに入っていたのは、カメラだけではなかった。それと一緒に、大量の布きれが収まっていた
のである。布きれには一般的な名称がついていて、その名称は才人たちというか健康な男子全般の胸
に嬉しいような困ったような、そんな複雑な感情を呼び起こすものであった。
女性用下着。すなわち、パンツである。
テーブルの上に山盛りになったパンツの山を見下ろして、四人は難しい顔で腕組みをした。
「どうするんだ、これ」
「どうするったって、持ち主に返さないと」
「誰だよ持ち主って。大体、こんなの返されたらむしろ恥ずかしいんじゃないのかね」
「それにしても、何でパンツだけこんなに入ってるんだ」
「そりゃ着替えだろう」
「着替えなら他の服だって入っていなきゃならんだろう。パンツだけというのはおかしい」
「いや待て。ひょっとしたら東方には男も女もパンツだけで生活するという民族がいるのじゃあるま
いか」
「そんな馬鹿な。いやしかしそれでなくては説明がつかないか」
「ということは、この辺りにパンツ一丁で歩き回っている女性がいると」
「ごめん僕ちょっとトイレに」
「君は実に分かりやすい奴だなマリコルヌ」
あーでもねーこーでもねーと言い合っているギーシュたちを尻目に、才人は考え込む。
(間違いなく下着ドロのバッグだよなこれ。何でわざわざ戦利品を全部バッグに詰め込んでんのか分
かんねーけど。まあ多分そういう性癖の持ち主だったんだろう。深く考えても仕方ねえからそれで
納得しておこう。カメラも入ってたってことは盗撮癖があったのかそれとも下調べのためか。どっ
ちでもいいか。そんなことより問題は、これをどうするかだな。持ち主に返すのは無理だし、返せ
たって下着ドロに盗んだ下着返す訳にはいかねえし。となると、これはどうにかして処分しなけり
ゃいけねえよな。売るか? いや無理だ。男ばっかりでこんなもん売りに行ったら間違いなくこっ
ちが下着ドロ扱いされる。配るか? いやそれも同じか。参ったな、捨てて誰かに拾われるっての
も何か嫌だし。埋めるか燃やすかするしかねえか。でもなんかもったいねえよな)
パンツの山の処理法方に悩み続ける才人の横で、話し合いが一段落したらしいレイナールが、「そ
れにしても」と無造作な手つきでパンツを一枚手に取って、しげしげと眺めた。
「変わったデザインの下着ばっかりだな」
別段何でもなさそうな口調でそんなことを言う。レイナールが持っているやけに布地の少ない下
着を見ながら才人も頷いた。
「ああ、確かに過激なのが多いみたいだけど」
そこまで言いかけたとき、不意にマリコルヌが口を挟んできた。
「ちょっと待った」
「なんだい」
マリコルヌは探るような眼差しでレイナールを見ながら、慎重に問うた。
「君、『普通の下着』がどんなのかなんて詳しく知ってるのか」
当たり前だろそんなの、と突っ込みかけて、才人は留まった。
(ここは地球じゃないんだった。ハルケギニアには写真なんかねえから当然実写のエロ本も置いてね
えだろうし、下着自体貴族しか使えないような高いもんらしいから、『普通の下着』がどんな物か
詳しく知ろうとしたら、当然直接間近で見るしかない訳で)
絵の春本の類ならあるかもしれないが、それではとても正確に知ることはできまい。増してや彼ら
はまだ子供と大人の境目とも言うべき学生身分で、その上貴族のお坊ちゃん。街に出かける機会自体
がそんなにないことも加味すれば、女物の下着などまじまじと見る機会などそうないはずだ。マリコ
ルヌが興味津々にこのパンツの山に手を伸ばしていたのも、劣情をそそられたと言うよりは実際それ
らが珍しかったせいなのだろう。彼らにとって、女物の下着とは非常に興味をそそられながらもなか
なか実態を知ることができない、未知の物体なのだ。
だが、例外もいるらしい。その例外の代表らしいレイナールは、妙に緊張した様子のマリコルヌを
見て不思議そうに頷いた。
「そりゃ知ってるさ。この年になれば当たり前だろう」
「ちょっと待て貴様」
マリコルヌが唐突に剣呑な気配を発し始めた。
「それはつまり生で見たことがあるということですか」
「ないのかい」
レイナールは不思議そうに聞き返した。馬鹿にするような雰囲気ではなく、本当に、心の底から不
思議でならないという顔つきである。
だが言われた本人にとっては逆にその方が気に障ったらしい。マリコルヌはおもむろに杖を取り出
した。
「レイナール、君との友情も今日までだ。どうやら僕は君に決闘を挑まなければならなくなったらし
い」
「どうしたんだい急に」
「うるさい、いいから杖を取るんだこの眼鏡野郎め。貴様いかにも女には興味がありませんって顔し
て抜け駆けしやがって。言えよ、一体いつ済ませたんだ。まさか入学する前からじゃないだろうな」
「そんなの覚えてる訳がないだろう。ええと、五年以上前だったのは確かだけど」
「ごねっ、貴様、そんな昔から女ったらしだったのか」
「いや、別に大して興味はないけど。貴族たるもの、やり方を知らなければ困るだろう将来」
「何だその事務的と言うか合理的な考え方。っつーか相手は誰だ相手は」
「どうだったかな。何人かいた、と思う。数は覚えてない」
「そんなふしだらな。好きでもない女をとっかえひっかえ」
「人聞きが悪いなあ。婚約者とうまくいかなくて世継ぎが出来なかったら困るんだし、あらかじめう
まいやり方を教えてもらうのは貴族として当然の義務じゃないか」
「義務って。それに、婚約者って、そんなんいるのかよ!」
「ああ。ここを卒業して貴族として一人前になったら結婚する予定だけど。いないのかい、婚約者。
普通いるだろ、貴族なら」
マリコルヌががくりと膝を突く。手から杖が滑り落ちた。重傷である。ギーシュが慌てて駆け寄り、
白目を剥いているマリコルヌの頬を何発か張り飛ばして無理矢理意識を取り戻させた。
「しっかりしろマリコルヌ、傷は浅いぞ」
「ああ、ギーシュ。僕はもう駄目だ」
腫れ上がった頬に涙の筋を作りながら、マリコルヌは掠れた声で嘆く。
「貴族なら当然。そりゃそうだよな、貴族ならさ。でも僕婚約者いないんだ。貴族のはずなのに。お
かしいよねギーシュ。僕って貴族じゃなかったのかな。貴族の夢見てる豚だったのかな」
「気をしっかり持てよマリコルヌ。確かに君は豚かもしれないが、貴族は貴族だよ。きっと。多分。
たまに自信がなくなるけど。それにほら、僕だって婚約者はいないし」
「慰めはよしてくれよギーシュ。君にはモンモランシーがいるじゃないか。最近は特に急接近してい
ると評判なんだ、もう済ませているしパンツも拝見済みなんだろう。ああ、僕は一人ぼっちだ」
この世の不幸を一身に背負ったような顔つきで、マリコルヌは泣き崩れる。ギーシュはうつむき、
少しの間何かを考えていたが、やがて決然とした表情で顔を上げた。
「君は誤解しているぞ、マリコルヌ」
「なにが」
「まだなんだ」
「だから、なにがさ」
「僕はまだ、モンモランシーとはそういうことをしていない!」
その叫びは格納庫の壁を揺り動かした。おそらく学院中に響いているに違いない。呆然と目を見開
くマリコルヌに、ギーシュは爽やかな笑顔を見せた。
「だから彼女のパンツを見たことなんて一度もないんだ。安心しろよマリコルヌ。僕も君の仲間さ」
「おお、ギーシュ。すまない、僕は誤解していたようだ」
「いいんだよマリコルヌ。僕と君の友情は始まったばかりさ」
「ギーシュ」
「マリコルヌ」
三枚目とデブが涙を流しながらがしっと抱き合う。「友情って素晴らしいな」と棒読みで呟きなが
ら、才人はレイナールに問うた。
「どうすりゃいいかな、これ」
「さてね。持ち主に返せれば、それが一番いいんだろうけど」
「そりゃ多分、いや確実に無理だと思う」
「だったらお手上げだな」
パンツの山を見下ろしながら、レイナールは肩をすくめた。
「大体にして、女性の下着ってのは高価なもので、貴族の持ち物なんだよ。東方ではそうじゃなかっ
たのかい」
才人が頷くと、レイナールは眼鏡を指で押し上げながら解説した。
「金銭的な余裕のない平民じゃ、たとえ古着屋にあったって買いやしないさ。だからって貴族の奥方
やお嬢様方が、他人のお古なんか使う訳もない」
「要するに、こいつの使い道はないってことか」
「まあね。ああ、いや、才人、君なら有効に使えるんじゃないか」
「どういうことよ」
才人が眉をひそめると、レイナールはいかにも名案を思いついたと言いたげな晴れがましい笑顔で
答えた。
「君のご主人様かあのメイドに新品だと偽ってプレゼントすればいい。喜ばれるんじゃないかな」
「喜ばれる訳ねえだろ。馬鹿なこと言うねお前も」
てっきり冗談だと思って才人が苦笑すると、レイナールは驚いたように目を丸くした。
「どうして。大丈夫だろ、君は好かれてるみたいだし、贈り物をすればきっと喜んでくれるよ」
「いやそうじゃなくてな。男から下着贈るって、なんかアレじゃないか。何を要求してるか見え見え
っぽいっつーか」
「何を要求って、『喜んでほしい』ってことだろ。プレゼントするんだし」
「いやでもパンツだぜパンツ」
「服をプレゼントするのはそんなに変なことじゃないだろう」
才人は天を仰いだ。格納庫の天井の汚れを何秒か数えた後、おもむろに視線を戻す。レイナールは
大真面目な顔をしていた。
(俺が変なのか? 女に下着を贈るってのは、この世界じゃ一般的なことなのか?)
そうであると仮定して、想像してみた。
「なあルイズ」
「なによ犬」
「これ、俺からのプレゼント。日頃の感謝を込めて」
「わあ、可愛いパンツ」
「一生懸命選んだぜ。ルイズに似合うと思ってさ」
「ありがとうサイト、早速履いてみるね。どう、似合う?」
「ああ、似合うよ。いや全く、ルイズは俺の女神様だなあ」
「やだもうサイトったら、人をおだてるのが上手なんだから」
「あははは」
「うふふふ」
想像終了。
才人は一つ頷いた。
(あり得ねえな。っつーかこんなこと考える自分が悲しくなるぜ)
才人は再びレイナールに目を戻した。やはり、大真面目な顔である。自分がおかしなことを言って
いるとは微塵にも思っていないらしい。
(婚約者がいる、とか言ってたっけ。俺らが女のことで騒いでるときも興味なさげな顔してたし、元
々性欲とか薄い奴なのかもしれねえな。で、そういう条件が重なってますます女のことなんか考え
なくなった結果、こうなったと)
一人で納得しつつ、才人は首を横に振ってみせた。
「そのアイディアは没だぜレイナール」
「どうしてだい」
「それが分かったとき、お前は人間として一歩成長することになるだろう」
「よく分からないが」
「そこをよく考えるんだ。考えれば女にパンツをプレゼントなんて馬鹿な発想は」
教師のような口調で諭していたそのとき、才人の頭の片隅に強烈な閃きが走った。その強烈なエネ
ルギーを糧として、ずっと前から久しく使われていなかった脳味噌のある部位が急激に活動を再開す
る。
ルイズ。プレゼント。カメラ。そして、パンツ。これらにマリコルヌとシルフィードを加えれば。
多くの不揃いなパーツが才人の脳の中で次々に加工され、急速に一つの形に組み上げられていく。
「いける」
「何が」
確信を持って呟く才人に、不思議そうな顔のレイナールが問いかける。才人は自信に満ちた笑みを
浮かべた。
「資金確保のチャンスだぞ、レイナール」
<つづく>
これは期待www
中古のパンツはいらんがなw期待してるぜww
ひ、久しぶりにwktkしてるんだからね!
ちょっwwwGJ!。何がおこるんだ?
この展開は新しいな
ちょ・・・ノボル、ラジオに出てる場合じゃねーよww
「…………サイト」
自分だけへと呟くように小さく呼ぶと、タバサは自分の中で凝り固まっている何かの一つがほぐれる
のを感じる。それが何かは分らない。でも、ほんのりと心が軽くなり、温かくなる。それは悪くない
気分、緊張はあっても恐怖は不思議と無い。
「どうかしたか?」
「なんでもない」
ともかく今は、サイトのしたいまま、己の心の赴くまま行動しようとタバサは決めた。眼鏡とはだけ
たシャツだけは付けたままで裸になるのも構わなかった。ただ脱ぐのを手伝われる、と言うか主体に
なって脱がされるのには羞恥が募ったが。
「じゃ、じゃあ、足を肩幅より広げ気味に膝立ちになってみて」
「こう?」
「そ、そう、んで手を後ろに回して心持ち躰をそらせるように、ちょっと膝を曲げて……そう、ソ
レ! その形です!!」
ベットの上のタバサはどこかのグラビアの1ページを飾る格好をした。腰を若干落した膝立ちで胸を
見せるような姿勢で、しかもシャツを羽織っているのでごく初級のポーズだ。
が、サイトは大感激した。眼鏡が、シャツが、一日中愛でていたい白い妖精を作り上げていた。そっ
とシャツを押し上げる胸の膨らみは白い布地に微妙な陰影を齎らし、座り掛けみたいなお尻は裾から
半分ほど覗いてチラリズムの極致。無垢な妖精がちょっとだけイタズラしているみたいな魅惑の光景
だ。
「くそっ、こんな逮捕しちゃうぜ! 特にシャツから透けてるサクラんぼが重罪だからな」
「小さいから?」
「いや、大小じゃなくて胸、胸が可愛いってこのリビドーがわからないかな?」
タバサには分らなかった。ただ才人がいつも大きな胸には注目していたのは知っている。
「大きい方が好き?」
「……………え?」
「胸は豊かな方が良い?」
「な、何故アナタはそんな事を訊くのですか?」
「いつも大きな胸を見ている気がする」
「そ、それは気のせいだ。だって、大きい小さいじゃなくて、この胸は素敵に大好きだから!」
「動揺してるし、答えになってない―――――くふぅん!」
胸は大きい方が好き、そんなふうに皆が自分のことを思っているのか焦る才人。勘弁して欲しいので
それを実地で払拭する為、才人はシャツの前を大きくはだけて平均よりも小さい膨らみの先っぽ、桜
色の蕾へ吸い付いた。
「ひゃうっ あ!」
お尻を撫でられるのよりずっと擽ったい感覚にタバサが声を上げる。自分の指を舐めるのとは訳が違
う。胸を吸われているのに背中も脇腹も首筋も膝裏も躰中が羽根で撫でられているみたく感じる。い
や、擽ったいと感じているのも違っていた。
「や、あ、や、ん!」
タバサは生まれて初めての声音を使っていた。擽ったっさが躰の内側にも生じたのだ。外側どころか
内側まで舐められている感じに驚いてしまう。戦闘で怪我を負ったり普通でない痛みには慣れている
が、この未体験の感覚には対処できない。痛み異なり耐えるものではなかったから。
「胸、気持ちいいか?」
「気持ち……いい?」
「だって乳首たってるからさ。それに今の自分の顔、どんなふうになってるか分るか? 赤くなって
泣きそうで、なんだかモジモジしてるし、普通は気持ちいいんだろうって思うよ。違うのか?」
「わからないけれど、あなたの言う通りなのかもしれない」
「才人」
「サイトの言う通りなのかも」
「じゃあ言う通りってことで決着な。なんてか嬉しいな、ただチュパチュパしただけで感じてくれる
のって。ああ、ちなみにこれも誉めてるんだから遠慮なくてれていいぞ」
言われなくてもタバサは項まで真っ赤にしていた。どうも軽い行為みたいなのに、快感をえてしまう
とは自分がエッチなのではないかと思える。それに先程の感覚が快感だと教えられると確かにそうだ
と思い起こしてしまい何だか躰がムズムズとして戸惑ってしまう。
「そういう顔はメチャ可愛いから隠そうとするの禁止だ。もっとも胸を舐めてこれなんだから、隠そ
うとしても無理だよ、きっと。ほら今度は反対を舐めて、ついでに舐めてた方は勃った乳首を指でい
じる攻撃だ」
「きゃん!」
タバサの唇が甘い叫びを放つ。快感だと意識すると才人が齎らす刺激は限りなく甘美だった。躰はど
んどん熱くなり、自分の体重が無くなり浮き上がるみたいに感じる。
「ちょっと胸がふっくらして来たかな? まあ、唾液でふやけただけかもしれないけど、ミルクみた
いな肌の魅力に止まらないんだよ舐めるのがさ」
「あ、そこ、胸じゃない……や」
「ここも舐めたい。肘をちょっと外にやる」
「んあっ!」
「タバサ、こんなトコも敏感なんだな」
腋の下を舌でなぶられてタバサは小刻みに震える。普段意識しない部分なのに舐められるだけで躰が
ゾクゾクするのがタバサには不思議でならない。
才人はいつもの無表情が嘘みたいなタバサの反応が面白く、華奢な白い肢体のそこここを舐めて回る。
そしてタバサ自身も知らない感じ易い場所を発見して行く。
やがてシャツが半分脱げたタバサの上半身は、全て唾液のいやらしい光沢を見せるようになった。臍
の穴を舌で穿るのまで楽しんだ才人の次なる目的地は、これまでわざわざ見ないようにしてまで取っ
て置いたタバサの最も秘めやかな場所であった。
「オ、オロロ〜ン! 良かったよ〜、濡れてるよ〜! 神様、始祖さん、ありがとう〜〜!
いや、これでぜんぜん変化なしとかだったら、好きにして!とか言って床に寝転がるところだったよ
〜〜〜!」
「漏らしたんじゃないけど」
「バ、バカっ、わかってるってば、じゃなければこんなに喜ばないんだ! まあ、漏らしちゃうのも
良いかもしれないが、それはまた今度な。今作戦ではタバサのちっちゃな割れ目が濡れてることを主
敵にすえるのだ!」
「……今度」
そんな事もあるのかと新たな知識に納得して首肯するタバサ。勿体なくも才人は気付かない。薄く上
品な青い恥毛とスカーレットの秘裂が織り成す鮮やかなコントラスト、そちらに目を奪われているの
だから当然だけれども。
「タバサはヨダレたらした事なんかなさそうなのに、下の口はダラダラたらすなんて自分でも信じら
れないだろ? しかも口よりも小さいのにヨダレはいっぱいで、どっから来てるのか謎だよな」
「ヨダレじゃないけれど、奥が熱くズキズキしてるからたぶん、そこから」
「ぬあっ!? お、奥って普通の単語なのに、いまのタバサから聞くと鳥肌がたっちゃうっス!」
才人は氷を背中に入れられたみたいに震えた。もうタバサの割れ目を弄らずにはいられなかった。紅
を細く塗り、噤んだまま口の中に閉じ込めた唾液を押し出しているみたいな秘裂にキスした。それも
両手を後ろに回して小振りなお尻を鷲掴みにし顔を股間に埋めてしまう熱烈過ぎるキス。
「サ、サイト…!」
タバサはひっくり返りそうなくらい躰を反らせて痙攣する。肌を舐め回されてモジモジとした疼きが
股座にあったけれど、才人の唇が触れただけで、それが感電したような衝撃となって躰を貫いた。そ
の後を追い掛けて、たまらない恍惚感と浮遊感が襲ってくる。
「ん、フガフガ、タバサの匂い。さっき舐めてた時にはミルクみたいだったのに、こっちだとイチゴ
のヨーグルトだ。あふれてるのの匂い? それとも舐めてるとこの?」
「し、知らないっ ああぁっん!」
才人のキスは合わせるだけのキスにとどまらない。股間に密着したまま、これまで以上に吸い、舐め、
タバサの構造を探り出す。タバサはイヤイヤと顔を振りたくり青色の髪を乱す。けれど知らずのうち
に太股で才人の頭を挟み込んでいた。
「ングっ 思わぬ反撃ってか、もっとして欲しいという意思表示?」
「ち、違う」
「あっそう、別に構わず舐めるけど」
「ひうぅ! サイト、犬みたい」
「言われ慣れてるから気にしないで舐めるであります!!」
才人はぷっくりと充血した幼襞を舌で掻き分けて、奥から分泌される秘密のネクターを味わった。同
時に小さな肢体が刺激に震えるのとタバサの喘ぎがどんどん甘やかになるのを堪能して、舐めるのに
終わりがみえない程。
さすが伝説の使い魔なのか、そんな状態が小一時間も続き、タバサは、自分がどうなっかたも分らな
いまでに翻弄された。ノリでも付けたみたいに糸を引き、才人の口が離れると躰を支えられずに仰向
けに倒れてしまった。
「タバサ、すげぇ…」
才人はタバサの白い躰にまたも見惚れた。タバサは、用を足すみたいに両膝を立てた格好で荒い息を
吐いている。ぱっくりと開いた股間は唾液と蜜で泥沼状態になり、湯気までのぼらせている。舐めて
一層赤くなった割れ目としとどになった青い翳りは、それでもタバサらしい清楚な佇まいを崩さずに
いて、才人は完璧に感動してしまう。
「本当にしちゃうぞ?」
「……うん」
「もうちょっと膝をひらいて、タバサのアソコにコイツでキスするから」
才人は横たわるタバサの膝に手をあてがい体重を掛ける。少年のように細い足はM字になって開脚し
てタバサの股間は全開になる。
そしてズキズキと先っぽを震わせる一物が、タバサの割れ目に密着した。
「あっ サイトが私にさわってる。とっても熱い」
「こっちも熱い。襞が開いて、ああ、タバサの口でキスされた時みたいに感じる。こっちの方がヨダ
レよりもヌルヌルが強いから、もっと気持ち良いけど。うう、何か興奮しすぎで痛くなる」
「痛いの?」
「ああ、まあ、気持ち良すぎると漢は痛くなっちゃう時もある。痛いと気持ち良いとは微妙に違って
るから、そこんとこは注意しろよ」
「なんだか難しい」
「ぐっ こ、こんな状況で小首を傾げるなよ。むっちゃ可愛くて仕方なくなるじゃん! ますます痛
くなってタバサの熱いネバネバで冷やしたくなるだろ! まあ、熱いから冷えないんだけどな!」
舐め続けられ蕩けてとろけたタバサは、今や仕草のすべてが自然の媚情となっていた。ただでさえ頭
の煮えてる才人は最早理性は欠片も無い。蜜の在処を求める本能が命ずるまま華奢なタバサの股間を
壊しそうな勢いで下半身を突き出した。
「あ、く、うっ!」
タバサの顔が苦痛に歪む。そんな表情も高ぶった才人には武者震をさせるだけ。
「ちょっと我慢してくれ」
「はくっ あっ き、気にしないでいい――――んぐっ!?」
タバサの唇が捲られ才人が徐々に埋没する。途中で先端を押し返す何かがあり、タバサはびくりと緊
張する。けれど、糸が切れるような感覚の後、ヌルヌルと才人は進み、その腰がタバサへと密着した。
「うあ は、はいった! で、でも、スゲーきつい。あ、タバサ、平気か?」
「こ、これくらいなら平気。サイト、入ったの?」
「うん、ぜんぶタバサの中に入ってる。あんなに舐めたのに中はもっと濡れてるんだな、それにやっ
ぱちっちゃくて何か膜を張り付られてるみたいだ」
「………臍の内側からサイトが押し上げる感じがする」
「そういやお腹がほんのり盛り上がってるかも。うわ〜、なんかこれは鼻血でそう。こんなほっそり
なお腹をナニで盛り上げて悪いことしてるみたいな背徳の喜びか〜。タバサの中に入っちゃってるの
をこれ以上ないくらい実感してるし」
「悪いことじゃない。望んだのは私」
純潔の紅を滲ませているのにタバサは憮然として抗議する。この行為が悪いとは認められないと強い
意思の光を青色の瞳に宿らせる。
「だ〜か〜ら〜、なんでこう次から次へとハートにズギュンとくる感じになるかな。お前、普段は本
の虫なくせに漢心を擽る天才なんて反則だぞ! まさか次はキスするのに邪魔だから眼鏡とっていい
とか言うつもりじゃないだろうな?」
「………ダメだった?」
「ぐはっ!? 本当に言うつもりだったのかよ! 今度読んでる本が変なのじゃないかチェックする
からな、字読めないけど。で、眼鏡は外しちゃダメだ!」
「んんうぅっ 中でまた大きくなった。…………………眼鏡が原因?」
「やん! 知らない知らない! もう、知らないんだからっ! 眼鏡のバカ!!」
壊れた才人は、窮屈なタバサの泥濘で律動を開始した。ポタージュを啜るような粘ついた音が自分の
股間で響きタバサは赤面する。
「は、はくっ ん、や、サイト お腹の中で響く」
タバサの躰がゆるくアーチを作る。引き裂かれた痛みは消えないものの胸を吸われたり、舐められた
りするのは気持ちが良かった。才人が何度もキスするのも心地好い。タバサの上気した肌は、躰を動
かしたのとは質の違う汗でじっとりと濡れる。
「とんでもない摩擦感で芯までヌラヌラされてるみたいだ。ああ、肌もしっとり気持ち良いし、い、
いく! で、いったけど興奮しすぎて終わんないぞ!」
才人は一物をタバサの中で痙攣させる。どっと快感が肉の棒を流れて行く射精感はあるが、肝心の精
液は出ない。痛む程の興奮で果てるきっかけを失っているのだ。
「先っぽの盛り上がりがタバサのお腹で動いてたまらん光景なのに何故に!?」
「い、いい、ちゃんと満足するまでずっとしていて」
「タバサ!」
「きゃう! む、胸」
「さっき覚えたタバサの弱点だ、気持ち良いとこ刺激しながらなら少しはいいだろ? お前、敏感な
体質みたいだし」
「べ、べつに い、いいのに あ!?」
「いろんな顔を見せてもらったけど、感じてるのが一番可愛いから、俺のためでもあるの! 見なが
らならいけそうだからな」
才人は遮二無二腰を前後させる。快感でますます一物は硬くなるが、段々と射精の糸口を感じ始める。
タバサの中で痛みと快感の比率は少しずつ後者へと傾く。ただ、九割以上快感の才人の方が果てるの
は早い。
「くわっ や、やっと、き、来たよ う、うわ、で、でもズキズキがますますで何じゃかまんじゃか
スゲーです!?」
「才人、出していいから!」
「タ、タバサの中で!!」
才人は息を止め、吐くと同時に仰け反った。反った頂点は当然タバサと繋がった場所、そこでは一本
の線の如く精液が噴射されていた。それを知覚できるのはタバサただ一人だった。
「口の時よりも多く出ている」
ひりひりと沁みる感じ、まるで自分が滴らせた蜜を補うみたいに才人の体液が入って来る。それがど
うしてか嬉しい。彼は、才人はどんな気分なのか無性に訊きたくなった。でも、自分の中の感触にタ
バサは気付いた。
「まだ、元気」
「あ、ああ、元気だな。躰の中身がぜんぶ出ちゃった気がするけど、違うみたいだ」
「じゃあ、もっと動いて。感じているサイトの顔を見ながらなら………私もいけそうだから」
「いや、マネすんなよ、マジで余計元気になるから」
才人はまた腰を震わせた。いったばかりの敏感な肉棒をタバサの割れ目が誘うように刺激したのだ。
汗でぬめる肌は、服を脱がせたばかりの瑞々しい時とは違う艶がある気がするし、ほんの一時で初々
しい蕾は美しく咲いたみたいだった。でも、満開ではない。花びらの奥はまだ見えない。才人は誰も
その知らない部分を知りたい誘惑に勝てなかった。
「お前、ほんとうはエッチさん?」
「定義がわからない。もっと行為を続けたいのを示すのならば、そう。私はエッチ」
「そ、そっか。って、真顔で言われるのって逆羞恥プレイみたいだぞ。いや、意味は考えなくていい
からな?」
タバサと居ると一向にゾウゾクが止まらないと才人は思った。
結局、才人は狭いタバサの中から精液を溢れさせるだけでなく、小さな躰も精液塗れにするまで止ま
らなかった。
「なあ、別に送ってくれなくていいんだぞ。てか、むしろ逆だろ? こんなばあい養生しろってのも
変だけどさ、ベットで寝てろよ」
「………途中まで」
「はあ〜なんちゅう強情さだ。こんななら得意の着替えスキルなんか発揮しなけりゃよかった」
「魔法で着替えられるのに、着替えさせるって………」
「あ、はい、確かに言いました。で、着替えさせるの楽しみました」
ならば良いだろとタバサはひょこひょこと付いて来る。そこには恋人達が戯れるとか、甘えるとかの
要素はあまり見られない。会話も少なく、素気もなく、刷り込みされたヒナの方がもうちょっと愛想
が良いだろう。
「はあ〜」
ほんの少し前の行動は、命以上の借りがあるから『した』とかではないか。そう考えると漢としてか
なり凹むと、才人はため息を吐いた。訊ねたいけれど、なんだかやっぱり答えが怖い才人はため息を
重ねる。
「はあ〜〜、なんだったんだろう。最後の方にはいっちゃったりしたんだけどな〜」
「なにがですか?」
「ん?」
いきなり声をかけられた才人が顔を上げると黒髪のメイドがあられた。と言うか廊下の真ん中をふさ
いでいた。
「シ、シエシエ」
シエスタは才人の後ろ、少し離れているタバサに一瞥をくれただけで無表情になる。直後それが幻だ
ったように才人へ満面の笑みを浮かべてみせる。それはとても怖かった。
「あ、あの〜シエスタさん?」
「ご安心ください、お使えする方のプライバシーには立ち入らないのがメイドですから。サイトさん
専属メイドである私も当然そうなんですよ?」
「そ、そうですか、そのわりにボクたちを見るシエスタさんは鷹の目ですけど」
「ボク…たち、ですか? どういう意味か専属メイドに説明していただけますか?」
「い、いえ、言い間違いでした、ボク、です、ハイ」
専属を強調されて才人の腰が情けなく引ける。それだけの迫力がオーラがメイドにはあった。
「サイトさん」
「ハ、ハイ、なんでしょうか?」
「メイドはご主人さまにいろいろ訊きません」
「そ、そうですか、なんだか大変感謝しちゃいます」
「でも、部外者の方には訊きます。メイドですから」
「ちょ、ちょっとシエシエ何を訊くの!?」
「ミス・タバサ、サイトさんを好きなんですか?」
才人が訊けなかった質問をシエスタは恋する女の強さを遺憾なく発揮し、あっさりとしてしまう。
「シ、シエスタさん、いくらなんでも不躾ですよ、あのですね」
「サイトさんは黙ってて!」
「うう、ご主人さまにそう言うのはオッケーなんですかメイドさま?」
クワッと大きく言われて縮こまる才人も実際タバサの答えは聞きたかった。メイドとご主人さまが緊
張して回答を待つのもあまり気にした様子もなく、タバサは暫く考えてから口を開いた。
「……もっと大切な人」
自分でも今納得したみたくタバサは肯く。そしてスタスタと才人に近付き、その頬に軽く口付ける。
「おやすみなさい」
タバサはくるりと踵を返し、飄々と部屋へ戻って行く。残された二人が呆然とするほど呆気なく。十
秒ほど経過してメイドの顔が真っ赤になり、さらに十秒後真っ赤を通り越して蒼白になる。
「サイトさん! なんですか今のは! メイドをなめてませんか? 私、メイドですよメイド、メイ
ドなめていいんですか!!」
「なめてません! なめてません! なめてなんかいないと思います!!」
「あっ!? なんかなめてるの調子がすごく変な感じ!!」
「す、するどいシエシエ‥‥‥‥‥あ、い、いや、気のせいです!!」
「サイトさ〜〜〜んっ 白状するならばいまのうちです!?」
「ど、どっから出したんだそのトゲトゲしたの、てかメイドには不必要そうなソレ何!?」
「フフ、すぐに分りますから」
廊下を一人歩くタバサの背後から、メイドの怒声とご主人さまの悲鳴が木霊した。
こんな感じで終わり
如何?
>>222 タバサファンの自分からしたら
貴方は神です。
ぜひ次はサイト×タバサにシルフィも絡ませてほしい
サイト喋りすぎwww
でもGJ!エロかった!ちびっこもイイね
このあとのシエシエ編も読みタス
オロロ〜〜ンにふいたw
シエスタきたいしてんよ〜
サイト空気嫁ww
タバサだからよかったもののお前・・・・・・
(・3・)だってタバサかわいいんだもん。
で、エイプリールフールネタはまだかね?
ご懐妊と思わせて想像妊娠?
想像と見せかけて、リアル妊娠のが面白い。
10人同時妊娠とかw
投下があるんじゃないか、とみせかけて全くないっていう笑えないジョークだったり。
>>29-35『湯けむり協奏曲』の後編です。
結局本番無かった上にラストがアレですが、大目に見てください。
「今晩は、ミス・ヴァリエール。入浴中のサイトさんにご用ですか?」
作り笑いなのが見え見えな笑みを浮かべながら、シエスタはルイズに問う。
「サイトがいつまでたっても帰ってこないから見に来たのよ。文句ある?」
ルイズは自分の肩を自分で抱きながら、そう言い返した。
「そうですか。……サイトさん、お風呂、ご一緒してもいいですか?」
ルイズと才人に特別な用が無いことを確認したシエスタは才人の方を見上げて、
今度は作り笑いではない穏やかな微笑みを見せながらそう聞く。
”ご一緒”のところを妙に強調するのを忘れない。
「ちょっと! 一緒って何よ! それに、わたしが先にお風呂使わせてもらうんだから」
ルイズは目をつり上げてシエスタに怒鳴る。シエスタは意外そうな顔をしてルイズに向き直った。
「あら、ミス・ヴァリエールは学生寮のお風呂が使えるんじゃありませんか?」
「入ったけど湯冷めしちゃったのよ。もう入浴時間終わってしまったし……」
だんだんとルイズの語気が弱々しくなる。
「大丈夫か? どうして湯冷めなんてしたんだ?」
才人が聞くと、ルイズは恨みがましい視線を才人に向けたが、特に何も言ってこない。
実は、才人が帰ってきたらパーカーを借りようと思って薄着で待っていたからなのだが、
そんなことを使い魔に対して言えるルイズではない。
「まぁいいや。じゃ、俺が出るからルイズとシエスタが一緒に入ればいい」
タバサとシルフィードがどこへ消えてしまったのかは気になるが、
さっさとこの場を去った方がいいのは明白だった。才人は平静を装い、最も常識的な提案をする。
「そんな、ミス・ヴァリエールと同じお風呂だなんて……。
それに、いつもみたいにご一緒してくださらないんですか?」
シエスタはちょっとむくれた顔をしながら頬を染める。今度は”いつもみたいに”の部分を強調。
ルイズの傍で、空気がピシッと張りつめるのがわかり、才人は青ざめた。
「い、いつもみたいにって、そんなしょっちゅう一緒に入ってるわけじゃないだろ」
「はい…一人で使わせていただく時は、何だか寂しいです…」
指を口元へ持って行き、切なげな表情で才人をみつめるシエスタ。
あぁ、何言っても駄目だこの娘。横にルイズがいるのを承知してわざとやってる。
「……サイト」
「はひっ!? ご、ごめんなさいっ!!」
「わわわ、わたしも一緒に入るわ。出ないでそこにいなさい」
「……はい?」
ルイズは視線を才人たちに合わせないようにしながら、意を決したように衣服を脱ぎ去る。
才人とシエスタは呆気にとられた様子で肌を露わにしていくルイズを見つめた。
「え、一緒にって、マジで!?」
「わたしはいつでも大真面目よ」
「シエスタはどーすんだよ、待たせるの可哀想だろ!?」
「シエスタも一緒に入ればいいじゃない。あんたがメイドとどんな風に一緒に入浴してるのか見てやるわ」
まだ湯にも浸かっていないのに、りんごみたいに真っ赤になって早口でまくしたてるルイズ。
ほとんど自棄である。
「おいおい…シエスタも何か言ってやってくれよ…」
「ミス・ヴァリエールが許してくださるなら問題ありませんわ。三人で一緒に入りましょう?」
にっこり笑うシエスタ。彼女に助け船を求めたのが間違いであった。
「はぁ……気持ち良いですねサイトさん。この白いお湯も、いつもと違った感じで楽しいです」
「あ、あぁ、そうだな。良いお湯だな…」
うっとりとした顔で才人を見つめるシエスタに、才人は歯切れの悪い返事をする。
結局才人は風呂から上がる事を許されず、先刻とは別の少女二人と一緒に
長湯を続行することになったわけだが、針のむしろに座らされている気分だった。
その居心地の悪さの原因は、顎まで湯に沈めて先程から無言でいる才人のご主人様。
照れているのか、ヘソを曲げているのか。恐らく後者だろうな、と才人は考える。
すぐに裸になってさっさと湯の中に体を隠してしまったルイズの前で、
やけに色っぽく服を脱ぎ、体を丁寧に洗うシエスタに見とれたのがまずかった。とてもよろしくなかった。
才人とのお風呂にはある程度慣れているシエスタのペースに、
ルイズはこれ以上ない敗北感を味わわされたのである。
――な、何よ何よ。やけに余裕ぶっちゃって。サイトはサイトでデレデレ鼻の下伸ばして。
男と女で一緒にお風呂に入るのに慣れてるだなんて、動物じゃない。犬そのものじゃない。
はしたないったらありゃしない。もっと慎みってものを持つべきなのよ。わたしが正常。
メイドと才人の方が異常なんだわ。羨ましくなんかないんだから。
ほとんど裸同然の格好で才人と毎日同衾しているルイズも他人のことを
とやかく言えた立場ではないはずなのだが、彼女も使い魔同様自分の事は棚に上げる性格であった。
「どうされたんですか、ミス・ヴァリエール。貴女が一緒にお風呂に入ろうって提案されましたのに」
「何よ。わたしはお風呂の中ではしゃぐ趣味は無いの」
「あら勿体ない。サイトさんの国のお風呂は和気藹々と入るものですのに。ね、サイトさん?」
「ま、楽しみ方は人それぞれじゃないかな。うん」
そう言いながら、才人の視線はちらちらとシエスタの体に向いている。
シエスタはこの濁り湯の特性を早くも理解したのか、才人に対して胸が見えるか見えないかの
絶妙なところまで体を沈めているのであった。
見えたり見えなかったりするシエスタの谷間や桃色の頭頂部は、才人は裸を直接見る以上の
情欲を刺激する。
ただでさえ蠱惑的な光景なのに、才人は少し前にタバサやシルフィードといちゃつき、
自身は満足しきっていない状態であった。ムラムラと衝動だけが高まっていく。
……そういえば、そのタバサとシルフィードはどこに消えたんだろう。
あの一瞬で気配も見せずに移動できる魔法なんて聞いたことがない。
その疑問を思い出したとき、才人の足に何かが触れた。
「わひゃっ!?」
思わず素っ頓狂な声を上げる才人。
「?」 「どうしたんですか?」
疑問符を投げかけるルイズとシエスタ。才人の方が聞きたいくらいだった。
さわさわ。才人の足に触れたものは、探るような動きで太股の方へ登ってくる。
くすぐったさと正体不明の不気味さに、才人の背筋がぞくぞく震える。
「ちょっと、どっちだ? 何すんだよ」
ルイズとシエスタはある程度才人からは離れたところにいるので、手は届かない。
湯の中が見えないのをいいことに、どちらかが足で悪戯したのではないかと才人は予想した。
ルイズとシエスタは、怪訝そうな表情で互いの顔を見つめる。
「ミス・ヴァリエール。サイトさんに何かしたんですか?」
「わたしは何もしてないわよ。そっちこそサイトに何かちょっかい出したんじゃないの?」
あれ? 二人とも何かした様子ではない。しらばっくれてるようにも見えないし……。
と、才人の混乱が高まるのと同時に、才人の股間の物……。先程から興奮はしっぱなしなのに
その衝動は吐き出せずにいたモノが、明らかにこの場では有り得ない、異質な感触に包まれた。
「ッッ……!」
思わず大声を上げてしまいそうになり、慌てて口をつぐむ。
ルイズとシエスタは互いに疑惑の目で牽制しあっていたため、気付かれていないようだ。
その時になって、タバサがどこに消えたのか。才人はようやく理解した。
タバサのやつ、さっきからずっと風呂釜の中に潜って、
上手いこと俺やルイズやシエスタの体に触れないようにしていたんだ。
……しかも、さらに付け加えると、なぜか俺のナニを口で銜えている。
『やっと気付いた。鈍感』
必死に狼狽を隠す才人の耳に、タバサの声が響いてきた。
何だこれ、魔法? 水中にいて平気なのも魔法だよな。でも、タバサは杖を持ってないはずだし…。
『きゅい。お姉さまが溺れないのはシルフィの魔法なのね。
あと、サイトにお姉さまとシルフィの言葉が伝わるのも、水の中でお話するための魔法なの。
他の人には聞こえないから安心して欲しいのね』
今度はシルフィードの声。体が小さいタバサはいいとして、シルフィードはどこに?
いくらなんでも、二人の人間が風呂釜の中に隠れていてばれないはずがない。
『シルフィはお風呂のお湯と同化してるのね。人間の形になるより簡単。
ついでに言うと、お湯がさっきより滑らないのもシルフィが調節してるのね。
勝手に転ばれたりしたらお姉さまが隠れてるのばれちゃうから』
本当に? じゃあ、このお湯を零したら元に戻った時にシルフィードが小さくなったりするのか?
『そんなことはないのね』
いつの間にかとんでもないことになっていたらしい。このそんなに大きくもない風呂釜の中に、
才人、ルイズ、シエスタ、タバサ、シルフィードの五人が入っていることになる。
「(あの、それで、なぜにタバサは俺のせつない所を口に含んでいるのでしょうか?)」
声には出さずに、水中のタバサに才人は”聞く”。
『このまま放っておいたら、ルイズやメイドと始めちゃいそうなくらい大きくなってたから』
「(……さいですか)」
『それに……さっきの”お礼”しないと気が済まない』
水中にいて姿も見えないのに、タバサの口元が意地悪く持ち上がるのがわかった気がした。
才人の両脚の間に小さな身体を潜り込ませたタバサは、顔を落として才人のペニスを喉奥まで迎え入れる。
「あっ……つ……!」
唇が根本の陰毛に触れるくらいに深く飲み込んだ後、間を置かずに引き抜く。
喉の粘膜と頬裏の肉と歯茎と歯と唇とに満遍なく擦られ、才人のペニスは一往復で完全な臨戦態勢となった。
『……大きい。もう、全部は飲み込めなくなった』
唇をカリ首の部分に引っかけ、亀頭だけを口中に含んだ状態のまま、タバサの声が聞こえてくる。
魔法を使っての会話であるため、口が塞がっていても考えていることがわかるのだ。
「(タバサ、頼む、別に今じゃなくてもいいだろ。やめてくれ……)」
『さっき、わたしがやめてって言ったのにサイトはやめてくれなかった。それに……』
「(それに?)」
『わたしも、我慢できない』
……こんな所で仕返しが来ますか。才人は調子に乗りすぎたことを後悔した。
張りつめてつるつるになった亀頭にタバサの唇が絡み、舌が鈴口を割って入る。
口の小さいタバサが好む、敏感な部分だけを狙った重点的な奉仕だった。
「くっ……ふ、ぁ……!」
才人の喉奥から掠れた声が漏れる。普段される時は、ベッドシーツなどを掴んで
体が震えるのを堪えなければならないほど強烈な責めである。平静を装ったままいられるはずがない。
「サイトさん、どうしたんですか? 先程から様子がおかしいですよ?」
「そうね、変な声出しちゃって…。大丈夫?」
さすがに何かおかしいと思ったのか、ルイズとシエスタがサイトの顔をのぞき込む。
まずい、非常にまずい。このままだと、この二人が見ている前で、別の女の子に責められて
達してしまうことになる。それだけは避けたい……!
そんなことを考えた才人に、タバサはちょっとむっとしたようだった。
ぎゅっ。
「はうっ!?」
才人の体がびくっと硬直する。タバサがフェラチオを続けながら、その下の袋を握りしめたのである。
そのまま指と手のひらで、才人の睾丸をころころと弄ぶ。
『なに? こんなに縮み上がって、出したい出したいって言ってるのに、我慢なんてできると思ってるの。
これはあなたが一方的に不利な勝負なの。負けるとわかってる闘いに抵抗なんて無意味』
口中に溜めた唾液の中に亀頭を泳がせ、舌と粘膜でじゅぶじゅぶと攪拌しながらの言葉責め。
今、このシチュエーションでなければ成立し得ない、あまりにも特殊なプレイであった。
「あっ、だめ、もう……限界っ……!」
タバサの容赦の無い責めに、才人は白旗をあげる。今まで必死で取り繕ってきた表情を崩し、
自分のペニスにむしゃぶりついているタバサの頭に両手を沿える。
『んっ……とどめ。たっぷり吐き出して』
タバサは才人の手に後押しされるように、限界までペニスを飲み込んだ。そのまま、竿に舌を絡め、
喉で先端をしごきあげる。
「………ッ!!!」
どぷっ!
ほとんどカタマリと言って良いような濃い精液が、タバサの喉奥に発射された。
今まで興奮させられるだけさせられていた鬱憤を晴らすかのように、
びゅるびゅると際限なく才人のものが脈動する。
タバサはそれを口中から一滴たりとも溢れさせることないまま、喉を震わせて嚥下し続けた。
「あっ……は、ぁ………」
長い射精が終わって、才人はようやく体を弛緩させる。
何も考えられなくなるほどの強烈な快楽であった。その顔は絶頂の余韻に呆けかけている。
「…………」
「…………」
だが、その極楽気分にひたっていられる時間は悲しいほどに短かった。
ルイズとシエスタの方から、極楽を地獄に変えるほどの怒気が漂ってきたのだから。
見れば、ルイズとシエスタは、先程の牽制のし合いとは次元の違う殺気のこもった目で、
互いのことを睨みつけていた。
「し、しし信じられない…! 遂にそこまでっ……! ご主人様の前で、メイドと使い魔がっ……!」
わなわなと肩を震わせるルイズ。
「ま、まままぁ、なんっって、白々しいことを……!
わたし、ミス・ヴァリエールは分別がある方だと信じてましたのにっ……!」
ひくひくと頬を震わせるシエスタ。
あれ。あれあれ。何この状況。一体どういう経過でこんなことになったのでしょう。
サイトはアホの子みたいな顔で二人を見つめる。
『んー、たぶんだけどー、この二人からしてみると、自分とサイトともう一人しかいないお風呂の中で、
自分は何もしていないのに、サイトが水の中で”誰か”にイかされちゃったように見えるのね。
サイトのイき顔は可愛いから、知ってる人ならすぐピンと来ると思うの。きゅい』
……解説ありがとう、シルフィ。
「サイト…? メイドの足はそんなに気持ちよかったわけ…?」
ルイズは形容しがたい恐ろしい笑みでサイトの方を向くと、震える猫撫で声で問いかけた。
「あ、ああ足ですって! サイトさんが足なんかで……!」
シエスタは驚愕の声を上げる。ああ、そんな可哀想な子を見る目でこっちを見ないで。
「ぬけぬけと何を言ってるのかしら…? この犬は足でされるの大好きよ。
知ってるからあんたもわたしの前でおイタしくさったんでしょう?」
「ミス・ヴァリエールが何を仰りたいのか全くわかりませんわ。でも、そうですよね。
あの格好からだったら、足を使う以外ありませんわね。いつも才人さんを蹴ってる足を使うしか」
二人の思いこみとすれ違いは最早修復不可能になっているようだった。
ちょっと考えれば相手が嘘をついているにしてはおかしい事くらいは気付くだろうに、
完全に頭に血が上ってしまっているのであった。
「そうよっ! あんたわたしに足でされて喜んじゃったことは内緒にしてくれとか言ったくせに!
他の女にもされてたなんてっ!」
「はぐっ!」
濁った湯の中でも狙いを損なわずに、ルイズの足蹴りが才人のせつない部分にヒットする。
タバサはそれを予期していたのか、さっさと才人の後ろ側に回り込んでいた。
「何よ! ふにゃふにゃじゃない! 年中盛ってる犬のあんたがわたしとお風呂に入ってるのに
こんなだなんて、よっぽどたくさんぶちまけたのね! 汚らしい!!」
「ちょ、やめ、痛い痛い!」
ふにゃふにゃなのはタバサに搾り取られたばっかりだからです。そう言い訳するわけにもいかず、
ナニを潰さんばかりの勢いなルイズの足から、才人は身をよじって逃げる他無かった。
だが、そんなルイズの様子を見て、シエスタも事の異常さに気がついたらしい。
「あの……ミス・ヴァリエール?
本当に、あなたがサイトさんに、その……あ、足でしたんじゃないんですか?」
「当たり前でしょ! した本人が何言ってるの!」
「いえ、わたしはしていません」
冷静に、きっぱりと言い放つシエスタ。その様子に、ルイズの頭も多少冷えたらしい。
そこに浮かんでくるのは、新たなる疑惑の対象。
「……サイト、あんた何か隠してるでしょう」
「さ、さぁ俺には何のことだか……うっ!」
ルイズの足が乱暴さを潜め、つつ…とつま先だけでサイトのものを撫で上げる。
「言いなさいよ。考えてみれば、わたしが最初にここに来たときから、何か様子が変だったわよね。
正直に言ったらちょっとだけお仕置きを加減してあげなくもないわよ。内容にもよるけど」
全然譲歩になっていない。
「ね、サイト…?」
ルイズは天使の微笑みを投げかけながら、足指できゅっと亀頭を掴む。
途端に才人のペニスに血液が流れ込み、びくん、と大きく跳ねた。
「あはっ……やっぱりわたしの足が好きなのね。
何を隠してるのか言ったら、もっと良くしてあげるのに」
「んっ…、く、ふぁ……!」
絶対嘘だ。というか、白状したらこのまま握りつぶされる。
そう恐怖しながらも、才人の喉からは抑えきれない甘い吐息が漏れた。
「あの……ミス・ヴァリエール? 本当に、足でしているんですか?」
湯の中でどんなことが行われているのか見えない状態で、才人が色っぽい声を上げるのを
目の当たりにして、シエスタはおずおずとルイズに聞く。
「そうよ。この犬はご主人様の足が大好きなの。そうでしょう?」
「べ、別に好きってわけじゃ…!」
「嘘おっしゃい。踏まれたって蹴られたって喜んじゃうくせに」
土踏まずで才人のペニスをお腹に押し付け、ぐりぐりと擦ると、才人は顎を上げて身悶える。
「……ホントに、足がいいんですか? 失礼します……」
シエスタは頬を染めて懐疑の目をルイズと才人に向けていたが、
ついに好奇心を抑えられない様子でその足を崩し、才人の腰があると思しき所へ伸ばした。
「おい、シエスタまで…」
「あ、これがサイトさんの太股ですね。これがミス・ヴァリエールの足……」
手探りならぬ足探りでシエスタのつま先が水中の才人やルイズの足をつっつき、
最後に才人のペニスをかすめる。
「うぁっ!」
「わ、本当にガチガチになってます……サイトさん……」
大げさに驚き、軽蔑の色を含んだ目で才人を睨むシエスタ。その口元には笑みが浮かんでいた。
「もしかして、いつもミス・ヴァリエールに蹴られるがままなのは、それが嬉しいからなんですか?」
つんつん、さすさす。
「そうなのかもね。それじゃあお仕置きにならないわね」
ぐりぐり、ぎゅっぎゅっ。
この状況がツボにはまってしまったのか、遠慮無く才人のものを足で弄ぶ二人。
才人にとってはあまり良い思い出のないルイズとシエスタの意気投合である。
必死で自らのペニスを防御しようとする才人だったが、4本の足に同時に責められ、ままならない。
「二人ともっ、止め、止めろってば!」
「はぁ……ふぅ……、嘘ね。ほんとはしてもらいたがってるくせに」
「んっ……ふっ………そうです。サイトさんの顔、随分と気持ちよさそうです」
いつのまにか火がついてしまったらしい二人は、息を乱しながら才人のものを足で弄るのに
夢中になっている。いつのまにかシエスタが才人のペニスを跳ねないように支え、
ルイズが細かい動きで刺激を与えるという役割分担まで暗黙のうちに行っていた。
「はぁっ、はぁっ……それで、サイト? 話は戻るけど、何を隠してるわけ?」
「はいっ……ふぅっ……わたしも、是非聞きたいですっ……」
「だっから、何でもないって! やめてくれ、頼むからっ!」
もう足で悪戯などという領域はとうに過ぎている、美少女二人がかりの足コキ。
気を抜けばすぐに果ててしまいそうな快楽の中で、才人は必死の抵抗を試みる。
「ふぅん……あっそう、そこまで言うなら信用してあげてもいいかな…」
急にルイズの語気が柔らかくなる。気が済んでくれた……?と才人が一瞬ホッとしたのも束の間。
「はぃ……でも、このままじゃサイトさんも収まりつきませんよね?」
満面の笑みを投げかけるシエスタ。それに、ルイズもうんうん、と同意する。
「ほら、ご主人様とメイドの足で、みっともなく出しちゃいなさい♪」
ルイズの足指の爪が、サイトの尿道口に遠慮の欠片もない力でぐりっと押しつけられた。
「ひっ……! ああぁぁっ!!」
頭の中に火花が散るような苦痛と紙一重の刺激に、才人は臆面もなく悲鳴を上げて、
それまで必死で我慢していたものを吐き出すほか無かった。
「あぁ…………すごいです。サイトさんのが暴れ回ってるのがわかります……ふぁ……」
蛇口を全開にしたホースのようにびゅくびゅくと白濁液を湯の中にまき散らしながら跳ねる
才人のペニスを足裏で感じながら、シエスタはうっとりとした声を漏らす。
「はぁ…はぁ……ご主人様が一緒に入ってるお風呂の中にこんなに出すなんて…最っ低、変態……!」
そう言いながらも、ルイズの瞳は潤み、吐息には情欲の色が混じっていた。
ああ、やっちまった。本気で逃げようと思えば逃げられるチャンスなんていくらでもあったのに。
ルイズたちの言うとおり満更でもなかった自分に激しい自己嫌悪を抱きながら、
才人は今度こそ湯船を脱出しようと腰を上げた。
タバサ達なら、ばれないようにしてくれると言ったのだからルイズとシエスタが出た後に
上がってくれるだろう。
……が、その才人の体は、ガンダールヴもびっくりの速度で間合いをつめてきた
ルイズとシエスタの腕に捕縛され、再び湯の中に沈んだ。
「え、ちょ、何ですかお二人さん…!?」
「ちょっとあんた、自分だけ良い目にあって帰れると思ったわけじゃないでしょうね」
「そうです。男性だったらきちんと責任はとってください」
完全に女の目……いや雌の目になっている二人。
何だよもう。俺を足でされて興奮する変態だとか罵った癖に、
そっちも足でして興奮する変態じゃないか。
「ほら、まだまだできるでしょう。あんたは一年中発情犬なんだから」
「酷いこと言わないでください。そういうのは男性の甲斐性のうちです」
竿に手を這わせ握りしめるルイズに、玉袋を撫でさするシエスタ。
「サイト…♪」
「サイトさん…♪」
両側から頬にキスされる才人。
天国と地獄が織り混ざった状況に、才人が観念して天を仰いだ矢先。
三人がもつれあっているすぐ前の水面が揺れ、小さな頭がざばっと浮き上がった。
「……ふぅ」
水を吸って重くなった髪を指で整え、久しぶりの普通の息をついた少女は、もちろんタバサである。
ルイズとシエスタは目をまんまるに見開いてその姿を見つめた後。
からくり人形のような動きでゆっくりと才人の顔に向き直った。
「やー………っぱり隠し事あったんじゃない。わたし、嘘は大っ嫌いなんだけどなぁ……」
「どういうことなのか、きっちり説明して頂かないと納得できませんわねぇ……」
とっても爽やかな笑みが水面上だけのものであることは、二人の手が才人のナニを
渾身の力でにぎにぎしていることからも明白である。既に混乱と痛みで才人の意識は
吹っ飛びそうになっていた。
『お姉さまも黙って我慢していようとしてたんだけど、やっぱり限界みたいなのね。
というわけで、シルフィもお姉さまに味方するの。ごめんなさいなのねー』
急にどこからともなく聞こえてきた声に、ルイズとシエスタがきょとんとすると。
何と、お湯が急にゼリーのような質感を持ち、二人の手足に絡みついた。
「ちょっと、何よこれ! 気持ち悪い!」
「きゃー! きゃー!」
そのまま二人の体は才人から引き離される。その様は、いわゆるスライムプレイか触手プレイのよう。
そういえばファンタジー世界といったらある意味お約束だよなぁなどと、妙に暢気なことを考える才人。
「タ、タバサ? これは一体……?」
「わたしがいる傍で別の女とするなんて、納得できない」
自らが同化したお湯の性質を変え、スライム化したシルフィードに弄ばれるルイズとシエスタの
悲鳴と怒号が響く中、タバサは静かに才人の元へ近付く。
どうやらこの二人の傍はただのお湯のままなようである。
「サイト」
才人の胸に手を置き、キスするタバサ。今まで黙って隠れていた分を取り戻すかのような、
情熱的な口付けであった。
「……っは、三回目だけど、まだ大丈夫よね」
口元から銀色の唾液の糸を垂らしながら、タバサはそう聞く。
「大丈夫なわけないでしょっッ!! 才人、後で覚悟しときなさいよー!!」
「あーん、やだやだやだー! 怖いですーっ!!」
『これ面白いのねー。創意工夫で楽しさ無限大なのねー!』
タバサの肩越しには、スライムに両手首を頭の上に固定され、両脚を大きく開かされたまま
持ち上げられているルイズと、両手を後ろ手に繋ぎ止められ、太い棒状になったスライムに
股がされているシエスタの姿。後があまりにも恐ろしい阿鼻叫喚である。
「あの、タバサ……この状況で?」
震えた声で問う才人。タバサはこくんと頷いた。
「もう、我慢できない。あの二人はシルフィに任せておけば大丈夫」
……実はこの娘、ルイズ達よりも恐ろしいのかもしれない。
『そうね、お任せなのねー。サイトとお姉さまがしてるとこを見てるだけじゃ可哀想だから、
シルフィが気持ちよくしてあげるのね。人外の快楽を味わわせてあげるのー、きゅい♪』
軟体動物のような質感になったお湯が、べろん、とルイズ&シエスタの体を舐める。
どうやら、この二人もただ事では済まない運命が決定したようである。
「それじゃ、サイト……いいよね?」
小さく微笑んで見せたタバサが、自ら才人の腰の上に跨り、秘裂にペニスをあてがった。
ああ、あれだけ平和だった俺の入浴時間が、どこをどう間違ってこんなことになったんだか。
その日のヴェストリ広場には、明け方近くまで水音と嬌声が響いていたという。
なお、この夜を境に、才人の入浴時間が安息の時では無くなったのは言うまでもない。
<おしまい>
おしまいです。初ゼロ魔SSなのに特殊設定にしすぎたかも…。
また書かせてもらいたいと思ってます。では。
リリリリリアアアアルルタタタイイイイイイムムム遭遇ktktkrGJ!!!!
こんなけしからんシチュはみたことがないぞっ!
ののの脳髄をッ!直撃するじゃないかッ!
とマリコルヌとギーシュが言ってました。GJ!!
ぬるぬるシルフィに萌えたーーーー
それにしても
タバサかわいいよタバサ
GJ!
うほっ!スライム形態シルフィの触手で俺の菊門を責めて欲しいです!
乙です
つくづく便利な淫龍ですね
>>241 ふはははは〜、いつでも来たまえ〜
GJ!
>>241 おまえさんと感性がドンピシャだ。
この手のSSもっと書いてくれ!!
>241
えろえろGJ!
せつない部分がせつなくたったw
250 :
261のひと:2007/04/02(月) 03:18:44 ID:lmkgam+I
ご無沙汰してます。
唐突に一括投下してみようと思い立って……何度かくじけそうになったけど、初志貫徹。
時間かかったです。
ちょっと長くて、ちょっと黒いです。
お久しぶりなのに、黒いの苦手な人はスルー推奨かもです。ごめんなさい。
サイトは喜んでくれるだろうか?
おかしいと思い始めたのは数週間前。
モンモランシーに相談したら、
「……あんたもか…………少し前に沢山用意したのがあるから、コレ使いなさい」
そう言って、魔法役を一瓶くれた。
怖くて怖くて仕方が無かった。
でも知らないままに日常を過ごせるほど、わたしの心は強くない。
笑いながら薬を渡してくれたモンモランシーが教えてくれた、魔法薬の使い方。
指先を少しだけ切って、にじみ出る血をハンカチに垂らす。
その血に魔法薬を浸して、数分待つ。
それだけ。
自分の部屋に閉じこもって、部屋の隅で指先のじくじくした痛みに耐えながらじっと見つめる。
赤く滲んでいた血が、鮮やかな蒼に変わる。
「……あ……」
陽性……だ。
ウェストウッドのティファニアの家で、
帰りの船の中で、
この部屋で、
何度も重ねたサイトとの行為。
その結果。
「…………モンモランシーにお願いしないと……」
今度のお願いを聞いたモンモランシーは怒って……怒って……
何度もお願いするまで、お薬をくれなかった。
モンモランシーは優しい。
……それでも……引けないわたしは、一生懸命お願いして……
――『保険』を手に入れた。
ルイズのバカ。
一度目の薬は良い。
出征前の思い出に、
死ぬかもしれない恋人に捧げたくて、
今生かもしれない別れに、ただひたすらに肌を重ねて。
自分を安売りして、数ヵ月後に青くなった娘は沢山居た。
……わたしだって、ギーシュがせまって来たら分からなかった。
側に居なくなってから、こんなことならと何度思ったか分からない。
だから欲しがる子には無料で分けてあげた。
わたしが出来なかったことをした、勇気を出した女の子がその後も怯え続けるのに納得が行かなかったから。
ほっとした子も居た、覚悟を決めた子も居た。
でも、一つだけ納得行かない道があった。
「どうしてこんな薬を欲しがるの?」
需要は有った、それでも渡すのに躊躇が無かったわけじゃない。
コレは毒薬だ。
飲めば人が一人死ぬ。
相手の戦死の報が届いて思い出すのも辛くなった、身体が弱くて母体がもたない。
――もっと、ずっと、単純に、心が弱い。
この子はそのどれとも違うはずだった。
「……サイトは……いつか居なくなるから」
「この世界にサイトを繋ぎとめるわけにはいかないから」
何度も何度も繰り返されるルイズの言葉に、
「……使うのは最後の最後にしなさい」
わたしは折れた。
「……ん」
ルイズの微笑みは、きっとずっと忘れない。
――こんな事を繰り返すわたしは、いつかきっと地獄に落ちると思う。
もしも……喜んでくれるなら……
本当はとても怖いけれど、モンモランシーと約束したから。
渡したくないお薬を、嫌々ながらもわたしを信じて渡してくれたモンモランシーに報いるために。
「サイトに……一言だけでも……」
拒絶されるのが怖かった。
邪魔だって、重い女だって、抱くんじゃ無かったって。
そんな風に思われるのが嫌だった。
「……き、嫌われたら……」
サイトはいつか帰るつもりだと思うし、サイトを助けるのはわたしじゃなくても良い。
姫さまは喜んで手を貸すだろうし、サイトとわたしを守ってくれたタバサも、最近はよく一緒に居る。
チクンと、胸の奥が痛む。
わたしはサイトじゃないと嫌だけど、サイトはわたしじゃなくても……
分かってる、わたしはわがままだし、サイトに何度も暴力を振るった。
わたしの所為でサイトは何度も死にかけたし、心臓だって一度止まった。
……胸だって、シエスタや姫さまより小さい。
サイトの事を思ったら、身を引いたほうがサイトは幸せかもしれない。
「……離れたくないよぅ……」
小さな小さな願い。
サイトが側に居ない世界が、どんなに辛いのか、今のわたしは知っている。
二度と耐えられそうに無いから、サイトがわたしを求めてくれた時は嬉しかった。
抱きしめられた時は二度と離れないと思った。
……でも……
「わ、わたしが……わたしが居ることが……サイトの邪魔になるかもしれない」
――そして、この子が。
サイトに言わない方がいいのかも知れない。
最初はそのつもりだった。
でも……モンモランシーが……
……ううん……嘘だ。
本当は……そんな事無いって、あるはず無いって分かっていても、
「サイトに……祝福して欲しい」
優しいモンモランシーは、わたしにきっかけをくれたんだ。
「サ、サイト……時間……いい?」
「ん? ……まだ日が高いのに……積極的だな、ルイズ」
「っっっ、ち、違うのっ、お願い……聞いて」
誰も居なくなった騎士隊の隊舎でサイトをつかまえた。
部屋に戻ってくるのは待てない。
部屋で言うと……泣く所が無くなるから。
「なんだ?」
穏やかなサイトの目がわたしを捉える。
サイトが話を聞こうとしてくれる、こんな時間がわたしは好きだ。
……でも、今日はいつも違って辛かった。
この目が……次に浮かべるのはどんな色なんだろう?
「あの……ね、あのね……サイト」
悲鳴を上げている心が、干上がった喉を通して聞きたくない音をたてている。
わたしの本気を感じてくれたサイトが、真面目な顔で話を聞いてくれる。
……やさしいのね、サイト。
「あ、…………あ……」
次の言葉がどうしても出ない。
もし、
『俺の子か?』
とか言われたら?
ううん、冷めた目で一瞥されるだけで、わたしの心は砕けそう。
「ん?」
サイトが優しく続きを促す。
……いつまで優しくしてくれるんだろう?
話をそらしたい、そんなことまで考える。
……怖い。
でも……今は逃げちゃだめだ。
「……赤ちゃん……できたみたい……なの」
怖くて目が開けられない。
一息に言った後、硬く目を瞑ったまま、ひたすらサイトの反応を待つ。
静まり返る部屋に、サイトの足音だけが響く。
……だめ……だ、きっとだめだったんだ。
目を開いたら、きっとサイトの冷たい目がわたしを見ているんだ。
「ご、ごめんなさいっ、だ、大丈夫だからっ、ほらっ、モンモランシーに堕胎薬貰ったから。
サイトの邪魔にならないからっ、す、すぐに飲むからっ」
目を閉じたまま、隠し持っていた薬を飲もうとした手が、
力強い腕に抱きすくめられる。
「おめでとう……いや……ありがとうか? ルイズ」
「ふぇ?」
「うれしいよ」
「……え?」
これはきっと夢。
「お父さんになる訳だな、俺」
「……い、いいの?」
「ん? 何が?」
「産んでも……邪魔になっても……いいの?」
……ほんの少しの希望を込めて。
「なんで? 何が邪魔なの?」
「……だって……帰る時に……」
「いや、帰らねーよ、ルイズがここに居るのに」
聞き間違いだと思った、だってこんなに幸せなのは有り得ないから。
「ずっと側に居るよ、ルイズ」
この夢は覚めなかった。
「いやー、しかし俺、ルイズパパに殺されるなー」
サイトが笑う。
「だ、大丈夫! 父さまはわたしが説得するからっ、父さまだって初孫だし、
姉さまは二人とも難しいし、ほ、ほらっ、未来の公爵よ、わたし達の子供って」
まだ男の子か女の子か分からないのに。
先の見えない未来の話が、こんなに楽しいのは始めて。
「……ずっと、一緒だな、ルイズ」
「……そそそ、そうねっ、こ、子供が出来ちゃったんですもの、仕方ないわ」
本当は凄く嬉しいのに、バカなわたしはこんな時でも素直に成れない。
「仕方ないのか」
サイトが笑ってわたしを抱きしめる。
優しくギュってしてくれる腕が、『分かっているよ』と語り掛ける。
それが凄く恥ずかしくって。
「わ、わたしっ、モンモランシーに報告に行ってくるっ!」
お礼も言わなくちゃ。
駆け出そうとするわたしを、サイトが呼び止めた。
「ルイズ、その薬は置いていけ、お前走るとその辺の物飲み干すだろ?」
「そ、そんな事しないわよっ」
「一回したからっ、いいから置いていきなさい……お母さん」
「そっ……なっ……う…………はい」
わたし……これからサイトに勝てないかもしれない。
「未来の公爵……か」
手の中の小瓶にしっかりと蓋をする。
面白いおもちゃが手に入った。
「……お、おめでとうございます……サイト……さん」
カーテンの陰に隠れていたシエスタが、真っ青な顔で、それでも俺達を……
俺とルイズを祝福する。
気丈な事だ。
「その子の、弟かな? 妹かな?」
降臨祭の夜に、七回にわたって流し込んだ精はシエスタの胎内でしっかりと息づいていた。
「……ど、どうしましょう……」
シエスタがルイズを大切に思っているのは知っていた。
妊娠が発覚しても、サイトに知らせると同時にミス・ヴァリエールには自分で知らせると……
せめてけじめを付けさせてくれと、涙ながらに頼んだ彼女を思い出す。
……少し面白くなかった。
「シエスタ、まだ言っていないんだよな?」
「……ご、ごめんなさい」
そんな方法などあるはすも無いのに、ショックを与えずに知らせようと、シエスタは悩み……
結局未だに伝えていない。
「コレ、飲んでみる?」
手の中の小瓶を示す。
シエスタもルイズの話を聞いていたはずだ。
何の薬かは分かっているだろう。
『オマエノコドモハジャマダ』
サイトさんがそう言っている。
ミス・ヴァリエールも言っていた。
未来の公爵だと。
サイトさんとミス・ヴァリエールは近い将来結ばれる。
なら……妾腹で年長の子供の存在など……
「薬は俺が預かっとくから……考えといて」
「……は……い……」
どこか遠くでわたしが返事をしている。
サイトさんはミス・ヴァリエールが持ってきた薬を、
わたしが洗濯したハンカチに包み、大事そうに持ち去った。
隊舎のドアが無慈悲な音をたてる。
幸せだったのに、
ミス・ヴァリエールを騙していると、疼く胸の痛みすら甘美だったのに。
……これはきっと罰。
「……ミス・ヴァリエールを……騙していたから……
天罰が下っちゃいました……ね……あはは……」
誰も居ない部屋で、
誰も居なくなった部屋で、シエスタは立ち尽くした。
遠くで聞こえる雷の音が、全てを壊そうとしている様だった。
「シエスタ?」
雨の中ぼんやりと歩くシエスタを、ルイズは慌てて連れて行った。
「ちょっと、なんでこんな……もうっ、体冷たくなっちゃってるじゃない」
「…………えぇ……そうですね……ミス・ヴァリエール」
廊下を濡らしながら、ルイズはシエスタを部屋まで連れて行った。
伝えたい事が有った。
伝えるべきだと思った。
しかし尋常ではないシエスタの様子に、ルイズは彼女を傷付けかねない言葉を紡げなかった。
「ほら……シエスタ、自分で洗濯してるんだから、遠慮しないの!」
「……ありがとうございます、ミス・ヴァリエール」
「あぁ……もうっ、下着まで……貴族用のお風呂……使えないかしら?」
「だ、だめですよ……でも……ありがとうございます」
ありったけの布でシエスタの水気を拭き取ってから、暫し考え込んだルイズはシエスタを抱きしめる。
「ミス・ヴァリエール?」
「……お風呂ほどじゃないけど……暖かくない?」
自分の熱を少しでもシエスタに伝えようと、ルイズは一生懸命に冷え切ったシエスタに抱きついた。
冷え切った体と心に、少しつづ熱が戻り始める。
うれしいのに、幸せなのに涙がこぼれた。
――ワタシのユメはスキナヒトのソバにイルコト
それは叶うのだから。
サイトさんにお薬をもらおう。
優しいミス・ヴァリエールが泣かないように。
身体が重い。
一歩前に進むのも辛い。
「ミス・ヴァリエール……怒ってましたね」
部屋を出ようとするシエスタを、ルイズは必死で止めた。
「わたしなんかを心配してくれるなんて……ミス・ヴァリエールのバカ」
わたしはずっと貴方を騙していたんですよ。
そう告白できたら、どんなにか楽になるのだろう。
でも、伝えられない。
二度と言う機会も無い。
サイトの立ち寄りそうな所に顔を出す。
真っ青なシエスタを不審げな顔で見ながらも、何人かが居場所を教えてくれた。
「隊舎に戻っているなんて……行き違いですね」
まるでわたしとサイトさんの様、自嘲気味に笑うシエスタは、
ルイズが与えてくれた温もりをもう一度冷たい雨で洗いながら、とぼとぼとサイトの元に向かった。
「サイト……さん?」
床を濡らさないように、ドアの隙間から部屋の中を窺うが、部屋の中には誰も居なかった。
「あ……はは……わたしは何をやっても……駄目ですね」
そのまま立ち去るつもりだったのに、テーブルの上に気付いた。
……気付いてしまった。
見覚えのある一つの瓶に。
引き寄せられるように部屋の中に上がりこむ。
本来なら決してこんな真似はしないのに。
薬を持ち上げる手が震えるのは、寒さだけが原因ではなかった。
小さく軽いはずの小瓶が、今まで持ち上げたことが無いもののように重かった。
「こ、これ…………で……」
ミス・ヴァリエールもサイトさんも、これから先、笑って幸せに暮らしていける。
わたしが、わたし一人が耐えればいい事なのだから。
真っ黒に染まった世界の中、薬と自分だけになった気がした。
笑うミス・ヴァリエールを、
幸せそうなサイトさんを思い浮かべる。
「さようなら」
会うことも出来なかったね、そう名のる資格も無いけれど……
『おかあさん』を許してね。
飲もう。そう決めると、荒れ狂っていた心が凪いだ。
落ち着いた手で瓶の口を開く。
ミス・ヴァリエールもサイトさんの為にこれを飲もうとしたんですもの。
ミス・ヴァリエールとサイトさん、二人の為になら……わたしだって。
口元に当てた瓶を一息にあおる。
何の味も匂いもしなかった。
でも……自分の内側が中から汚されていく、そう感じた。
そんな筈は無いのに、真っ黒い何かが自分の内側に広がっていく錯覚を覚える。
これ……で……
力の抜けた指先をすり抜けて、空になった瓶が床に落ちる。
それに引きずられる様に、わたしもその場に崩れ落ちた。
――甘かった。
こんなに……こんなに、
深い深い喪失感がわたしを覆う。
「……ごめん、ごめん……ね」
悲しすぎて、辛すぎて、凍った心は涙すら流せなかった。
「見てたよ、シエスタ」
いつからそこに居たのか、サイトさんが、ゆっくりと歩み寄ってきた。
「飲んでくれたんだね」
「はい」
……サイトさんが笑ってくれているから……
きっとこれで良かったんだ。
無理矢理自分を……
「俺の子、死んじゃったんだね、シエスタ」
……納得……え?
サ、サイトさんの子……そ、そうだけどっ、そうだけどっ、
そんなのっ、そんなの今……今言われてもっ……
「可愛かっただろうな、シエスタと俺の子」
「……だっ……え? ど……どして……そんなっ?」
「俺『考えて』って言っただけだよ? 無理強いするつもりなんか無かったのに」
「……う……そ……」
わ、わたし……わたしっ……
「シエスタはルイズと俺の側に居る為になら、俺の子殺しちゃえるんだね」
「……ひっ……え……うっ……うぁぁぁぁ」
「ほら、そんなに泣かないでシエスタ……あぁ、服が濡れてるな、脱がないと風邪引くよ」
サイトさんがわたしの服を脱がせてくれる、
でもそんな事どうでも良かった。
わたしは……わたしは……
サイトサンノコドモヲコロシタ
悲しい認識で、心が埋め尽くされていく。
「ほら、おいで」
慣れた手つきでわたしを裸にしたサイトさんは、椅子の上に座ってわたしを呼ぶ。
サイトさんに申し訳なくて、悲しくて、わたしがその場を動けないで居ると、
サイトさんは自分のマントの中でわたしを抱きしめてくれた。
「ご、ごめんなさい……」
「どうしてシエスタが謝るんだ?」
「だ、だって……だってっ……」
このまま死んでしまいたい。
こんなに悲しいのに、サイトさんの側に居るだけで不安が解け去っていく自分の心の浅ましさが、
悲しさの何倍もわたしの心を傷付けた。
泣き続けるシエスタを見て、サイトは少し安心する。
「いいこだね、シエスタこんなに泣いて」
「ち……違います……良い子なんかじゃ……わ、わたしっ、わたしっ」
優しくシエスタの背中を叩きながら、サイトは冷静にシエスタを見つめていた。
『……壊すつもりは無いし……そろそろか?』
サイトには不満が有った。
子供を自覚してからのシエスタがお腹を気遣い、易々と身体を開かなくなったことや、
抜け駆けの負い目から来るのであろう、自分のことよりルイズを気遣う行動が。
『でも……シエスタは……間違えなかったな』
もし、あそこで薬を飲まなかったら……
自分がどうするつもりだったのかを思い出して苦笑する。
『シエスタはこんなに可愛いのに、馬鹿だなぁ俺は』
シエスタに泣き止んでもらうため、強く抱きしめながら囁いた。
「あれ、水だよ、シエスタ」
「……ふぇ? ……えっ? ……ちょっ、サイトさんっ!!」
「びっくりした?」
「……ひ、ひどっ、酷いですっ、酷いですサイトさん……わたし本気でっ!!」
じたばたと暴れるシエスタを、サイトの鍛えられた腕はあっさりと取り押さえる。
裸にむいたシエスタの柔らかさを確かめながら、サイトはシエスタの死角でひっそりと笑っていた。
う、嘘でよかった……
ガクガクと震える膝から崩れ落ちそうなシエスタを、サイトが力強く抱きとめる。
「シエスタが子供やルイズの話ばっかりするから……ごめんな」
サイトさんの言葉が胸の奥まで届いて、怒っていた筈なのに、嬉しくて顔が赤くなる。
「もう、サイトさん、妬いたんですか? 妬いてくれたんですか?」
「そうだね、シエスタ。ルイズや子供に嫉妬するなんて、俺どうしようもないよな」
うれしい……サイトさんがそんなにわたしの事を思っていてくれたなんて。
「シエスタが子供を殺すほど、俺の事が好きだって分かって嬉しいよ」
「…………ぁ……」
「子供なんて、死んでも良い位俺の側に居たかったんだよな」
……や……いや……やだぁ……
「そ、そんな……そんな事言わな……い……でぇ……」
「シエスタにとって俺が一番大事で、他なんてどうでもいいことが分かって嬉しいよ」
耳を塞ごうとするわたしの手を、サイトさんは決して離さずに、
優しく微笑みながら、耳元に毒を注ぎ続けた。
「……や……ごめ……ごめんな……さ……」
「何謝ってるの? 俺はそんなシエスタが大好きだよ。
俺になんの断りも無く、俺の子供殺すなんて、最高だよシエスタ」
……あぁ……わたしが殺そうとしたのは、わたしだけの子供じゃなくて……
「サイトさんの……こども……」
「そうだよ、大好きなシエスタと俺の子供だよ。
……シエスタは邪魔なら、そんな子供でも殺せるんだよ。
大きくなったら、教えてあげような?
『お母さんは、昔邪魔なお前達を殺そうとしたことがあるんだよ』って」
……ご め ん な さ い
頭が真っ白になっていく、恐怖で背中を汗が伝う。
「わ、わたし……サイトさんの子を……こ、ころ……ころす……」
大好きな人の子供を殺そうとしたわたしが許されることなんて有るのでしょうか。
サイトさんに捨てられる、そんな予感で押しつぶされそうだった。
いい感じにシエスタが追い詰められていく。
「でも良いんだよ、シエスタ」
「え? で、でもっ、でも……わたしっ……」
「シエスタは、俺だけ見てればいいの」
優しく、これ以上無い位優しいキス。
「シエスタには最初っから、俺以外は要らないだろ?」
「サイトさん……以外は……要らない?」
子供の話をするシエスタを見てから、俺はずっと不安だった。
シエスタも、ルイズも、いつか俺の事なんてどうでも良くなるんじゃないだろうかと。
シエスタもルイズも、俺が居なくても生きていける。
……だけど……俺は?
この知り合いの少ない世界で、これ以上味方が居なくなるのは……恐怖だ。
側に居てくれると思っていた人が唐突に消える。
それがどれだけ恐ろしいことなのか、俺は無理矢理に気付かされた。
…………どこか遠くで、何かにヒビが入る音が聞こえた。
その日から……子供の話をするシエスタが、この世界に来て最大の恐怖だった。
誰一人知り合いの無い世界で一人にされる恐怖。
七万の大軍の、なんと可愛らしいことか。
シエスタは変わる、ルイズもいつか妊娠して……それに……
「シエスタには、俺が居るよ」
「…………そう……そう……ですね……サイト……さん」
――――シエスタには俺が居ないと生きていけない位、俺に依存してもらうことにした。
ルイズは……
そして……
悩むことはいくらでも有る……でも、まず
「シエスタ……いい子だね」
理性の崩壊しかけたシエスタを、慰めるように愛撫した。
「サイト……さん」
「いいから、動かないでシエスタ」
濡れて冷え切っていた身体を温めるように、じっくりと時間をかけ、
手だけではなく、足や胸まで使ってシエスタの身体に『温もり』を注ぎ込む。
俺に触れることで、シエスタがもっと狂えば良い。
そんな利己的な都合を知らないシエスタの目が潤む。
「わ、わたし……わたし……こんなに優しくしてもらっ……そんな……資格……」
「馬鹿なシエスタ、俺は資格があるからシエスタを好きなんじゃないし、
資格があるから抱くんじゃない……
好きだよシエスタ」
こぼれ始めた涙に、胸の奥で快哉を上げる。
もっとだ、もっと俺を見ろ、俺だけを見ろ。
も っ と 俺 を 好 き な っ て く れ
声にならない叫びを上げながら、温まり始めたシエスタにマントを掛けた。
「サ、サイトさん、いけません。これっ、シュヴァリエのっ」
「いいから、そんなマントより、シエスタの身体が冷えることの方が問題だから
一人の身体じゃないんだから、大事にしないとね」
「…………ごめんなさい、サイトさん」
これから暫く、何度も何度も機会が有るたびに思い出してもらう。
これはその一回目。
マントで包んだままのシエスタを椅子に座らせて、自分の服を脱ぐ。
……昨日までなら……
『お腹の子に障るといけないから』
そう言って断られた……さて、
シエスタはじっと俺を見つめていた。
少し緊張しながら、シエスタに声を掛ける。
「……おいで」
「はい」
……成功、か。
「シエスタ……」
「あっ……」
喜びを隠し切れない俺は、獣のようにシエスタに襲い掛かった。
「だ、だめですっ、マントっ、マントが汚れます」
シュヴァリエのマントを下敷きに、シエスタを床に転がすと、シエスタが変な拘りを見せた。
「いいよ……こんなの、後で洗ってくれないの?」
「ち、違います、洗いますけどっ……」
「何?」
「……好きな人にはきちんとした格好してて欲しいんです、サイトさんの一張羅を汚すなんて……やです」
身体の奥から喜びが溢れてくる。
シエスタがこんな時でも、俺の事を気にかけているのが分かって、
今までの何倍もシエスタが愛しくなる。
「こんなモノよりシエスタが大事なんだ」
「……そ、そんな……っぁ」
まだ何か言おうとするシエスタの唇を塞ぎ、仰向けに寝てもあまり形の崩れない張りの有るシエスタの胸を両手で包んだ。
シエスタが焦れるくらい弱く、優しくほぐしていく。
シエスタの腕は俺の首に回されて、俺の動きの邪魔にならないように気をつけながらも、
指先に込められた力が、俺を放すつもりが無いことを主張していた。
ためらう様に絡められた舌を吸いながら、たっぷり時間を掛けて胸を苛める。
腰の下でもじもじとシエスタの太ももが擦りあわされ始めて、シエスタが我慢しているのを悟る。
「どうして欲しい? シエスタ」
「っ……いっ、いじわるっ」
質問をした途端に、うっとりと閉じられた瞳に羞恥の色を浮かべて、凄い勢いで目を逸らされた。
可愛いシエスタ。
シエスタの一番熱い所に、そっと手を添える。
「はぅっ……そこっ……」
シエスタに浮かんだ歓喜の色が、数秒の後に曇る。
「あの……え……と……」
ピクリとも動かない俺を、泣きそうな目で見上げてくる。
「どうして欲しいのか分からないからね」
「っ……ひ、ひどっ……サ、サイトさぁん……」
シエスタの腰が浮かび、俺の指に透明な粘液が擦り付けられる。
勝手に動いた腰を自覚したシエスタは、可哀想な位赤くなって……
それでも腰は止まらなかった。
「いっ、いやぁぁぁ、ち、違う……そのっ……とにかく違うんですっ」
歯止めが効かなくなったシエスタの身体に、俺の方も我慢できなくなりそうだ。
限界近くまで大きくなったモノを、シエスタの手に握らせる。
「あ……こ、こんなに……」
やわやわと握りながら、自分の中心に導こうとするシエスタを制止し、自分はシエスタに握らせたまま、
入り口に触れたままだった指先で、シエスタの形をゆっくりとなぞり始める。
「……っっ、サイトさぁん……どしてっ……なんで今日こんなに意地悪なんですかっ」
『もう一つ目的があるからね』
胸の奥で答えてから、探り当てたシエスタの一番敏感な所を、押し潰す様に指を動かし始める。
高い悲鳴を上げながら、いやいやをする様に頭を振るシエスタに声を掛けた。
「ほら、シエスタ見てごらん」
カーテンの陰に潜んでいた人物が、俺の指示通りに姿を現した。
わたしの目に映ったのは、小柄な人影。
……学院の男子生徒の制服だった。
「ひっ……やあぁっ……やだっ、見ないでっ、見ないで下さいっっっ」
暗がりに潜んでいる相手の顔までは分からないけれど、サイトさんとの行為の一部始終を見られていた事が、
こんなにも恥ずかしいと思わなかった。
人に見せた事など無い所を、サイトさん以外に晒すのが苦痛だった。
「サ、サイトさんっ、サイトさん、あの人っ、あのひとぉぉぉ」
って、あれ?
サイトさんが居ない?
「って、何してるんですかっ……やぁっっ」
わたしが人影に気を取られている間に、サイトさんは足の間まで頭をずらしていた。
「ひ、人がっ、人が見てます」
サイトさんがうっすらと笑いながら、顔を……
「だ、だめっ、だめですっ、そんな所汚いっ……っっぁっ」
サイトさんの唇が充血していた所に当てられ、勢いよく吸い上げ始めた。
「っく…………だ……め……ひと……が、人が見てま……す」
サイトさんは何も聞こえないみたいに、容赦なくわたしを責め立てる。
湿った音の原因は、サイトさんの舌だけじゃなく、恥ずかしいのに焦らされていた身体が貪欲に刺激を求めて反応する。
ミス・ヴァリエールに気付かれないように、それだけに注意しながら、暇さえあればサイトさんに開発され続けたわたしの身体。
ほんの数ヶ月前には想像も出来なかった快感が途切れる事無く送り込まれ、ほんの暫くの間しか声を抑えることが出来なかった。
わたしの声が漏れるたび、男の子が息を呑むのが聞こえて、せめて両手で体を隠そうとすると、サイトさんがおもむろにわたしを羽交い絞めにした。
「み、見られてっ、っっやぁっ、いやっ、止めてください、サイトさん」
シエスタの胸を持ち上げるようにして見せ付けると、
「ひ、ひどっ、わたしっ、サイトさん以外に……」
可愛いことを言いながら、抵抗を続けるシエスタを、膝の上に乗せた。
すっかり硬くなったオレをシエスタの入り口に当てると、小さく息を吐いて動きが止まった。
「期待してる?」
「…………知りません」
頬を染めたシエスタが虚勢を張っているが、シエスタの限界が近いのは、本人よりも俺のほうが知っている。
人目を気にして萎縮するかもしれないと思っていたが……杞憂だった。
シエスタはいつもより数段感じている、快感を素直に表現できないことで、
水面下ではとんでもないことになっていた。
本人にそんなつもりは無いのだろうけれど、甘えた瞳が主張している。
力づくで奪って欲しいと、
無理矢理なら仕方が無いから、
俺がしたいのなら受け入れると、
言い訳さえ残してくれれば、俺の望みどおりに乱れてみせる。
期待と快感に濡れた瞳は、俺にそう教えてくれている。
でも……それじゃ面白くない。
シエスタの期待にはこたえず、穴の上を素通りした瞬間の泣きそうな表情が俺をさらに狂わせる。
太ももに挟み込むようにして、シエスタの下の唇を味わう。
「……サ……サイト……さぁん……」
「ん? なに? シエスタ……俺は凄く気持ち良いよ」
「っ…………」
『シエスタが』どうして欲しいのか。
それを口に出させるため、挿入しない様に気を付けながら、シエスタの身体を上下に動かした。
「……っ……はぁ……っ……く……っ」
押し殺した嬌声が色っぽかった。
二人きりならもうとっくに堕ちている、
それが今日は最後の一線で必死に踏みとどまっていた。
(連れてきたのは正解だったな)
見られないように、出来る範囲で捻られていたシエスタの身体が、
快感を貪るためにその配慮を忘れ始めている。
もう一息だ。
身体の内でサイトさんを感じたい。
頭の中がその事だけに染まり始める。
サイトさんの先っぽの段差に成っているところが、わたしの硬くなった所を擦るたびに喉が鳴るのを止められなかった。
……いつもなら……もうとっくに……
今日のサイトさんは意地悪だ。
人にあんな声を聞かせたくないのに、サイトさんだけの物で居たいのに。
「シエスタのココは、気持ち良いね」
サイトさんの息が耳に掛かるだけで、意識が霞むのにサイトさんはまだ入れてくれない。
初めての時を、二回目を、三回目を……数え切れない夜を思い出すと、抑え切れない欲望が中からわたしを焦がし始める。
「…………て……」
自分が何を口走ったのか悟り、慌てて口を押さえる。
目の前に居る、見知らぬ少年に聞かれなかっただろうか?
視線をたどられない様に注意しているけれど、食い入るようにわたしを見つめているのがわかる。
「シエスタ、今、なんて?」
聞こえていたに違いないサイトさんが、強く胸を掴んだ。
快感に身体が震えるけれど、刺激を焦がれているのはソコとは違う。
サイトさんを感じたい、サイトさんを差し込まれて何もかも忘れてしまいたい。
目を閉じて、目の前の男の子の事を忘れてから、とうとう口を開こうとした時に、
サイトさんがもう一度口を開いた。
「子供を殺すシエスタは、さっきなんて言ったのかな?」
「ひっ…………ぅ……」
「ついさっき、俺のためなら子供も殺そうとしたシエスタは、そのことも忘れて何を言おうとしたのかな?」
「…………あ……ぁっ……ぁぁあああっっ」
身体は快感に蕩けたまま、頭が芯から冷たくなっていく。
こんなに身体は熱いのに、どうして寒気で震えが止まらないのだろう。
ほんの少し前に、自分が何をしようとたのかも忘れて……わたしは……
「でも、いいんだよ、シエスタ」
サイトさんの力強い腕が優しくわたしを包み込む。
「シエスタは、俺のことだけ考えてれば良いんだ」
「……サ……イト……さん」
「ほら……気持ち良いだろう? そのまま……」
「で、でもっ、でもっ……」
「良いんだよ、シエスタは俺のために……」
壊れかけていた心が、サイトさんの一言で救われる。
わたしは酷いことをしようとしたのに、サイトさんは許してくれる。
捕まった。
捕まってしまった。
サイトさんの優しさに絡め取られてしまった。
……もう……いいや、わたしは狂おう。
この人の為になら、もう理性なんていらない。
プライドなんか邪魔だし、人の目なんて気にしない。
「ほら……シエスタ、さっきの……もう一度言ってごらん?」
「入れて……入れてくださいっ」
何もかもかなぐり捨てたわたしの懇願は、容易く叶えられた。
「あっ……あぁあああああっ」
男の子の視線が、埋もれていくサイトさんの様子に釘付けになる。
さっきまではサイトさん以外に見せることが、あんなに苦痛だったのに。
……今は、なんて良い気持ち。
根元まで飲み込むと、サイトさんは今までの埋め合わせのように激しく動き出した。
一番深い所にぶつける様な激しい刺激。
一瞬だけ、子供の事が気に掛かる。
「……っと……もっと……もっと……シテ……シテクダサイ、サイトさんっ」
でも……ほんの……一瞬だけだった。
「ほら、シエスタ」
トン……と、サイトさんがわたしの背中を押す。
全身に力の入らなくなっているわたしを、目の前に居た蒼い髪の男の子が抱きとめてくれれた。
「ご、ごめ……さっ……」
サイトさんのなすがままに、男の子の首に手を回して崩れ落ちそうな身体を支える。
真っ赤に成った男の子が、目を逸らしながらも、ちらちらとこちらを伺っているのが分かっる。
うらやましそうな様子に恥ずかしさとよりも、大好きなサイトさんを中に迎えていることが誇らしく思える。
「ほら……シエスタ、どんな感じか教えてあげたら?」
「は……い……サイトさん」
どうしてさっきまで恥ずかしかったのかしら?
サイトさんの事を喋ることができる幸せに、他の事が考えられ無いまま、素直に感じていることを口に出来た。
「サイトさんの……おっきいのがぁ、わたしの中でうご……ってぇ……」
「……や……やめ……て……言わないで」
「奥に届くたびに、おかしく……なって……わたし……わたしぃ……」
「やっ……そんな事……、そんな事……」
痺れたような頭では、男の子にしては、声が細いことも高いことも、分からなくて……
近くで見ると整いすぎるほど整った繊細な顔立ちが、わたしの一言一言に怯えている事実に、
サイトさんに触れてもらっているときとは違う、昏い悦びが胸を満たす。
「サイトさんに、愛してもらうのは、とぉっても気持ち良いんですよ。
ほら……サイトさんも気持ちよくなって、こんなに硬くしてくれるんです」
「…………な……んでぇ……いや……こんなのいやぁっ」
認めたくないものを見せ付けられているかのような反応。
なんて潔癖な子……
悪い事を教えている……そんなイケナイ悦びに身を震わせていると、
サイトさんの手が男の子の手を取って、わたしの胸に押し当てるた。
男の子は火傷でもしたかのような勢いで、手を引こうとしたけど……
サイトさんは許さなかった。
サイトさんとは違う、白く細い指先に身体が竦む。
わたしが戸惑っている間に、押し付けるサイトさんと、
逃れようとする男の子のせめぎ合いが、
今までに感じたことの無い刺激をくれて……
「も……っと……もっと……触って……きもちいぃのぉ……」
男の子が泣きそうに見えたのはどうしてだろう?
「ほらシエスタ、口が止まってる」
「ご……ごめんなさ……っっだ……サイトさんっ……サイトさぁん……」
声も立てずに瞳で訴えかけてくる蒼い髪を横目に、シエスタの身体を味わう。
楽しい。
事態が全て自分の思い通りになる万能感は、何物にも換えがたい。
俺の身体から離れられない様に、じっくりゆっくりシエスタを染めていく。
恥じらいを捨て、見知らぬ相手に自らの手で胸を触らせ始めたシエスタに、
俺は深い満足を覚えた。
身体を支えるために俺以外に抱きついていても、視線と意識は常にこちらに向け、
途切れ途切れに俺の名前を呟いている。
なんて健気で可愛いんだろう。
「シエスタ、大丈夫?」
「はっ……はい……サイトさん……あのっ……あのねっ」
快感に曇ったまま、真っ直ぐに俺をとえら得た瞳が、少しだけ力を増す。
必死に言葉を紡ぐシエスタに、少し意地悪をしたくなり、俺は動きを加速させた。
「っっく……だめ……ちゃんと……いいたいの……にぃ……サイトさんの意地わ……る……」
どうやら俺は意地悪らしい、意外な事実を教えてくれたシエスタに感謝を。
「あっ……あああっ、きゅうにっ……いやぁっっ」
行動で示した俺の感謝に、シエスタの身体は素直に答える。
奥へ奥へと、熱い肉体が絡みつく。
「っ……ひぁっ……もぅす……ぐ……ちゃぅ……だ……め……」
「俺も気持ち良いよ、シエスタ」
「……あの……あのね……サイトさん……っく……
わたしっ……貴方に愛してもら……て……」
口付け、絡み合いながらの、シエスタのたどたどしい告白に、背筋をゾクゾクと快感が這い上がる。
蕩けるような快感に、抑えの効かなくなった俺は、背後から力いっぱいシエスタを抱きしめた。
それが最後の一押しとなって、堪えに堪えていた二人の限界が、同時に訪れた。
「いっっあぁあああああぁぁぁぁっ…………」
シエスタの嬌声が部屋中に響き渡り、その場にクタリと崩れた。
腕の中で重力に引かれるシエスタの身体を手放すことが出来なかった俺は、絡み合ったまま、ぐしゃぐしゃに成ったマントの上に倒れこんだ。
「……し……あわ……せ……です」
小さく耳に届いたシエスタの言葉に頬が緩む。
やっと、『タイセツナモノ』が手に入った実感に、喉の奥から漏れる哂いを抑え切れない。
おもわず……俺も何か叫んだのかもしれない、
俺たちを見つめる蒼い瞳に悲しみがあふれていたから。
サイトは意地悪だと思う。
男の子の制服を着ろって言われた時は何事かと思った。
逆らうつもりはないけれど。
『この命は、あなたに捧げる』
そう言った瞬間から、この人が望むことを何でもしてあげたかった。
誓いの夜にわたしの部屋を訪ねてきたサイトが、身体を求めるのにも抵抗出来なかった。
最後だと……そう思っていたから。
すぐに母さまを助けに行くつもりだったから。
死ぬ覚悟は出来ていたけれど、女の子らしい幸せも……一度位は感じたかった。
『始めてだったら痛いから、今日は無理にしねぇよ』
そう言って、わたしだけを感じさせてくれたサイトの優しさが嬉しかった。
一晩中鳴いて、気が付いたらお昼だった。
……気持ちよかった。
母さまが大変な目にあっているかもしれないのに、サイトの指先に逆らえなくなった。
そうしたいって、一言言ってくれたら、いつでも最後まであげるつもりだったけれど、
息吐く間もくれないサイトに、自分からは何も言えないまま数日が過ぎて、
(このままじゃ、駄目な子になっちゃう……)
そう思ったわたしは、母さまの所を目指して旅立って……
……母さまの幽閉されている城までの旅で、サイトに会えない切なさに耐え切れなくなった、
寂しくて悲しくて、泣きながら学院を目指した……
死ぬつもりだったのに、母さまを助けて、アイツを殺しに行くつもりだったのに。
……『死』が怖くなった。
……いつ死んでもいいはずだったのに、復讐しか見ちゃだめだったのに。
あの人の側に居たかった、あの人がわたしを見てくれなくっても。
それだけだった筈なのに……
サイトは変わってしまった。
「お帰り、タバサ」
「……た、ただいま」
サイトの様子がおかしいのには直ぐに気付いた。
この人の目は、こんなに冷たくなかった。
この人の微笑みは、もっとずっと柔らかかった。
側にいるのも恐ろしい、黒い気配の持ち主は、それでも確かにサイトだった。
「どうしたの?」
ごめんなさい、最初の言葉は決めていたのに、あまりの変化に先に疑問をぶつけてしまう。
うつろに笑うサイトが、ゆっくりとわたしに近づいてきて、いきなりその場に引き倒された。
「っ…………」
「どうしたの? タバサが居なくなって、心配してたんだ。
タバサの命は俺に捧げたんじゃなかったのか?
みんな……みんな変わるのか?
俺を好きだって言ってくれる言葉を信じちゃいけないのか?」
――相談もせずに消えたわたしを迎えてくれたのは、
寂しさで『変わった』サイト。
目の前のわたしではなく、サイトはどこか遠くを見ていた。
「シエスタに俺より大事なものが出来た途端にタバサが消えた、
二人とも俺を好きだって言ったのに、
…………怖いんだ、怖いんだよ……
抱き合っている時はあんなに暖かいのに、気持ち良いのに。
ほんの少し離れただけで、タバサは消えた!
シエスタは触れられるのを拒むようになった!!
……なら……きっと、ルイズも……ルイズだって……いつか……」
力強いサイトの腕の中で、全身の骨が悲鳴を上げる。
痛みで視界がチカチカした。
…………それでも、久しぶりのサイトの体温にわたしは目を細める。
たとえこの身が砕けても、サイトの気持ちが落ち着くのなら。
そう思って、じっと耐えた。
ルイズの好きな香水の移り香が甘くて、胸に痛かったけど。
「もう逃がさない」
緩んだ腕と引き換えに与えられたのはそんな言葉。
「もうどこにも行かない」
「……うそだ」
他の人の事なんてどうでも良かったのに、この人に信じてもらえないのは、どうしてこんなに切ないの?
「信じて……」
「じゃあ復讐、諦めるか?」
「…………ぅ…………」
父さま……母さま……
ずっとわたしを形作ってきた、昏くても重要な欠片。
……サイトは大切だけど、長年掛けて編み上げた感情はそう簡単にほどけない。
返事が出来ないわたしを、サイトは冷たい目で見つめていた。
「……ほぉら……やっぱり……」
「ちがっ、ちがうっ」
慌てて否定しても、わたしの声はもうサイトに届かない。
「みんな、居なくなるんだ……
いつか、この世界で一人に……なるん……だ……」
サイトの声が小さくなっていく、他の誰とも違うサイト。
ほかの誰も、彼の事を本当に理解できない。
特別な世界を持つただ一人の人。
生まれ育った優しい世界に、二度と戻れない。
その辛さは、わたしだって良く知っているはずなのに。
少し考えれば分かったはずなのに……
少しづつ、少しづつ集めたに違いない、『大切な者』に折角加えてもらったのに、
わたしは彼を裏切ってしまった、
傷付けてしまった、
この人が変わったのは、わたしの所為。
……この人に……『別れ』を教えてしまった。
「……ごめんなさい」
やっといえた言葉は、この人の届くのだろうか。
「……そんなの、聞きたい訳じゃ無いっ!」
叫んだサイトがわたしを置いて駆け去って、一人その場に残されて、
どれだけ時間が流れても、この悪夢は覚めなかった。
それからサイトは毎日わたしを苛んだ。
誓いをを確かめるように、怯えるように、確認するように。
一度失った信頼は、犯してしまった過ちは、容易く取り戻せはしない。
その指先がわたしを狂わせても、わたしの方からサイトに触るのを決して許してくれなくなった。
サイトに触れたいのに、気持ち良くなって欲しいのに……
……わたしのココを……使って欲しいのに。
以前のように優しさではなく、一度裏切ったわたしを最後までは許さないと、
そう宣告するように、サイトは頑なにわたしの処女を奪おうとしなかった。
「……少し、変わったことをしようか?」
何か思いついたんだ、そう……思った。
いつもサイトは変なことをする。
特に好きなのが、メイドやシエスタとの行為を見せ付けること。
サイトに触れる腕を、サイトに絡む脚を、サイトを迎え入れる……を。
何も言えないまま見つめるのは悲しかった。
一人最後までしてもらえないわたしが、取り残されたような絶望を感じるのを、
サイトはいつも嬉しそうに見ていた。
今日も……物陰で一人泣いていると、サイトと目が合った。
『こっちにおいで』
サイトの目がそう言っていた。
い、いいの? 許してくれるの?
理性の痺れたわたしが物陰から姿を現すと、サイトが楽しそうに哂う。
「ほら、シエスタ見てごらん」
え?
「ひっ……やあぁっ……やだっ、見ないでっ、見ないで下さいっっっ」
あ……
サイトがどうして男の子の格好をさせたのか、ようやく分かった。
メイドの子は、わたしが男の子だと思って慌てている。
タバサの事なんて考えてないよ。
サイトの態度が言っている。
わたしとの時は、優しく優しく丁寧に……なのに……どうして?
あんなに激しくされているのに……
「み、見られてっ、っっやぁっ、いやっ、止めてください、サイトさん」
どうして、あの子はあんなに乱れているの?
わたしだったら痛みを感じそうな刺激を、成熟した身体は快感として受け入れていた。
……わたしも……わたしも……サイトに……あんな風にされたいのに。
ぎゅって押し付けて、気持ち良さそうなサイトを見ていると、羨ましかった。
「……俺は凄く気持ち良いよ」
サイトの言葉が胸をえぐる。
酷いよ……サイト。わたしが聞いているの分かってるくせに。
わたしには触れさせもしてくれない所が、敏感な入り口を擦って、見る間にメイドの理性を溶かしていく。
……そんなに気持ち良いんだ。
生えてくるみたいに、太ももの間から顔を出すサイトのモノを、食い入るように見つめてしまう。
後ろからサイトが、大きな胸をギュって掴む。
両手でも収まりきらない胸を見ていると、全然成長していない自分が惨めになった。
……おっぱいが無いから、サイトいろいろしてくれないのかな?
もっと大きくなったら……
でも、それまで待てないよ……サイト。
わたしが悩んでいる間も、サイトとメイドは溶け合っていて。
サイトが耳元で何か囁くたび、大きく暴れたメイドを胸で支えている。
うらやましい……気が付くと、わたしは二人に引き寄せられるように、
一歩、また一歩と近づいていった。
「入れて……入れてくださいっ」
メイドの叫びに、自分の喉が音を立てる。
……あんなに大きいのに、メイドはやすやすとサイトを飲み込んでいく。
快感に歪むサイトの表情に、言いようの無い感情が胸の中で暴れた。
「……っと……もっと……もっと……シテ……シテクダサイ、サイトさんっ」
色に狂ったメイドが憎い。
サイトと愛を交わす相手が許せない。
そんなわたしの想いを知らないサイトが、メイドの身体をわたしに向かって小さく押した。
「ご、ごめ……さっ……」
わたしを抱きしめるように崩れるメイドを、反射的に抱きとめる。
触れたところが、熱くて柔らかい。
……成熟した女の身体。
……わたしとは……違う。
泣きそうなわたしの耳元に、熱い吐息が掛かる。
「サイトさんの……おっきいのがぁ、わたしの中でうご……ってぇ……」
……っ、ひど……い……ひどいよぉ……
「……や……やめ……て……言わないで」
必死に絞り出した声にも構わず、メイドはわたしを追い詰める。
「奥に届くたびに、おかしく……なって……わたし……わたしぃ……」
「やっ……そんな事……、そんな事……」
わたしだって……サイトが……サイトがしてくれるならっ!
「サイトさんに、愛してもらうのは、とぉっても気持ち良いんですよ。
ほら……サイトさんも気持ちよくなって、こんなに硬くしてくれるんです」
「…………な……んでぇ……いや……こんなのいやぁっ」
嫌がるわたしの手を、そっとサイトが握ってくれて、少しだけ落ち着く。
でも次の瞬間、わたしの手がメイドの胸にめり込む。
……やわらかい…………こんなの……ずるいよ……
こんなの付いてたら、サイトだって触りたくなるに決まってる。
わたしなん……て……自分には無い感触に悲しくなった。
そのまま腕を引こうとすると、サイトが嫌がらせの様に胸の中にわたしの手を押し込んだ。
「も……っと……もっと……触って……きもちいぃのぉ……」
…………い……や……ぁ……
こんなの……こんなの、もう……やだよぉ……サイ……ト……
タバサが思考することを放棄しても、その目は目の前の行為を見つめ続けた。
サイトは崩れ落ちたシエスタに、そっとマントを掛けた。
シエスタが凍えない様に、注意深く包むと思い出したように顔を上げて、
「……サ……イ……トぉ……」
堰が切れたように泣き出したタバサを、優しく抱き寄せた。
……逃げなかったな……
ほっと……サイトの身体から力が抜ける。
シエスタはこれで俺から離れる事はもう無い。
理屈ぬきで、サイトはそう確信していた。
「ひどっ……ひどいよぉ……サイト……なんっ……でぇっ」
タバサには感謝していた。
少なくとも今はそのつもりだ。
『人の絆』の儚さを教えてくれたタバサのお陰で……
「これでシエスタは、俺を捨てない」
シエスタが手に入った。
競う者が側に居れば、嫉妬心の強いルイズは決して離れないだろう。
……いや、離れたとしても、彼女の心に残るであろう傷は、サイトの事を忘れさせないに違いなかった。
俺の一言を聞いただけで、タバサはどれほどの事を悟ったのだろうか。
驚きと……恐怖……か? で、目を見開いていた。
「頭の良い子だね、タバサ」
「…………ち、ちが……う、わたし……は」
のろのろと言葉を紡ごうとするタバサの唇を無言で塞ぎ、
大きく開かれた目が閉じるまで、時間を掛けてたっぷりと味わう。
気が付くと俺にもたれかかる様に体重を預けたタバサが、もじもじと膝を擦り合わせていた。
そういえば……ずっとオアズケだったっけ?
キスをしたまま、制服のボタンを外す。
最後まで脱がすことはせずに、タバサの細い身体を抱き寄せる。
「俺が怖い?」
一度逃げたタバサは、いつ居なくなるかわからない。
……それこそ、今この場から走り去り、二度と俺の前に現れないかもしれない。
いっそ居なくなれば、諦めも付くのに……
「怖くない」
ならその身体の震えはなんなんだ?
……タバサを……人を信じたいのに、俺の心は疑うことばかり上手になっていく。
怖いはずなんて無かった。
この人は傷ついている。
どれほど深く傷ついているのか、やっと少しだけ理解できた気がした。
何もして上げられない自分が悔しくて、
母さまを助けに行ったことが悔やま……れ……
そこまで考えて、わたしは愕然とする。
……わたしは……なに……を……
母さまを助けに行くのは、娘として当然のことなのに。
今だって……放っておくわけには……いかない……はず……なのに……
身体が小さく震えだす、わたしはこの一週間で、何回母さまを思い出したのだろう?
以前は毎日毎日そのことばかり考えていたのに……
……今は……サイトの事ばかり考えている。
……どうしよう……母さま、シャルロット悪い娘になっちゃった……
ごめん……ごめんなさい……
何年もわたしを形作っていたモノを、知らず知らずのうちにおざなりにしていた事に、
足元が崩れ去るような恐怖を感じていた。
「おいで」
そんな時に優しいサイトの声がする。
幻かもしれないけれど……昔のサイトに見えた。
わたしの為に命を掛けてくれた人に。
支えを失ってしまったわたしの心が、音を立てて傾いていくのが分かる。
……だ……め……こんなの……わたしの為にも、サイトの為にもならない。
今のサイトに依存するのは危険。
分かって……分かってるのにっ……
「わ、わたし……悪い……娘に……なっ……」
何も言わずに抱きしめてくれる手が、優しさだけで出来ているのではないことを理性は悟っているのに。
わたしの身体は無意識に温もりを求める。
駄目なのに、今のサイトを頼っては。
彼に必要なのは、わたしにとってのサイトやキュルケみたいに、心を助けてくれる人。
真っ直ぐサイトを見るメイドすら疑うほどの不信を、彼に植え付けてしまったわたしなんか、
今の彼の側に……
「タバサはいい子だよ」
サイトの声がわたしを繋ぎとめる。
ここから立ち去ろうと思っていたのに、たった一言で彼はわたしを支配する。
サイトの腕の中に絡め取られる事を渇望する身体に、弱い心は押し流されて……
離れなきゃ……そんな想いと裏腹に、わたしの足はサイトに近づいていった。
サイトが制服の下で湿った音を立てている。
「だ……め……やめ……て……」
サイズの問題かもしれないけれど、男の子の制服はエッチだ、サイトが服の下で何しているのか、さっぱり分からない。
舌先が乳首に当たるたび、幸せそうに寝息を立てているメイドと自分を比べてしまい、
サイトに触れられるのが、どうしようもなく切なくなる。
「やだ……見ないで……」
服の中からサイトは、わたしの視線を辿って苦笑すると、
背中に回された腕に力を入れて、ぎゅってしてくれた。
そんな行為に、また少し……少しづつ、
逃げようとか、抵抗しようという意識が溶かされていく。
わたしが嫌がった所為だろうか、サイトの唇が胸の上から動かなくなった。
「……ま……って……やだぁ……」
自分でも硬くなっているのが分かる先端を少し強めに吸ったり、
胸全体を舌で押すように舐めたり、胸ばかりを苛める。
わたしの胸なんか、あの娘に比べたら、触ってて楽しい筈も無いのに。
サイトは一生懸命にわたしを感じさせてくれる。
「っ……ふぁ…………む……ねばっ……りぃ……」
「へぇ……他の所も触って欲しいんだ」
そ、そんなつもりじゃないのに。
恥ずかしさで何も言えない内に、サイトの指が背中に回って、
触れるか触れないかの刺激が、下から上に這い上がってきた。
「ひゃぁぁんっっっ……っ…きゃあっっ」
背中の刺激に反り返った途端、突き出させる形になった胸に、サイトが優しく歯を立てる。
「そんなに触って欲しかったんだ」
「……ち、ちがぁっっ……やあぁぁぁっっ」
胸を気にしたら、背中から。
背中を庇ったら、胸を。
逃げ場の無いまま、サイトの好きなように操られる。
おもちゃに成った錯覚を覚えそうなほど、たっぷりと時間を掛けて苛められた。
「ふっ……ぅ…………ぁ……」
息……苦し……ぃ……よぅ……
ぐっとりとしたわたしを、サイトがそっとテーブルに寝かせてくれた。
途中から腰に力が入らなくて、サイトが支えてくれないと、その場で倒れそうだった。
力が入らなくなったのをいい事に、サイトはわたしを好きに扱ったけれど。
「大丈夫?」
優しい言葉を掛けてくれるのが嬉しくて、何とか頷いてみせる。
まるで前のサイトみたいだ。
快感の余韻に浸っていると、腰の辺りで何か音がしたけど、
頭を上げて確認するのも億劫なわたしは、何もせずに息を整えることに集中する。
サイトがわたしを持ち上げたり降ろしたりしているのも、凄く気持ちよくて、
頭の回らないわたしは、何も考えずにされるがままに成っていた。
少しだけ落ち着いた頃、サイトが笑いながらわたしの頭に『何か』乗せた。
「返すな」
……返す……って事は、わたしの物?
まだぼんやりした頭で、頭に乗せられた物を理解しようとする。
真っ白い布で、ちょっと……ううん、結構濡れ……て?
嫌な予感に、そーっと視線を下にずらしていく。
「っ! こ、これっ、わたしのっ」
上半身には、ボタンが止まっていないとはいえ、大きめの制服を着たままなのに、
下は…………
「な、何も穿いて無いっ!」
「いい眺めだな」
慌てて制服の前を合わせて、サイトからあちこち隠す。
こ、こんな格好のままぐったりしてたなんて……
恥ずかしくてどうにか成りそう……
「い、いじわ……る……」
声が泣きそうになってる。
比べられた。
絶対向こうで寝てる娘と、あちこち比べられた。
サイトに物足りないって思われたんだ……こんな子もう触るの止めるとか思われてたらどうしよう。
不安に震えていると、サイトが側まで来てくれた。
「タバサは可愛いね」
……っ……どうせ可愛い胸だもん。
頬に血を上らせたまま、サイトから目を逸らせる。
暫くわたしが怒っているのを不思議そうに見ていたサイトは、
いつまで経っても自分を見ないわたしに、そっと近づいてきた。
「タバサ?」
意地でもサイトを見ない。
サイトがもう触ってくれなくなるのかもしれないけれど、今ちょっと泣いてるのが知られるのも嫌だった。
「誉めたのに、何で泣いてるんだ?」
……胸とか見ながら可愛いは誉め言葉じゃないと思う。
「知らない」
焦れたサイトは軽々とわたしを持ち上げると、わたしごと手近な椅子に腰掛けた。
否が応でもサイトに密着してしまい、顔を逸らし続けるのが難しくなる。
何も言わないサイトに、今度は黙っていることが辛くなった。
「小さい……から……可愛いって……」
そこまで言って、サイトはやっと納得した顔をする。
サイトは鈍い。
……ルイズは凄い子かもしれない。
「そんなつもりで言ったんじゃねーよ」
嘘だ。
さっきまで大きな胸を嬉しそうに揉んでたくせに。
意地になったわたしを膝に乗せたまま、サイトが愛撫を再開させた。
「タバサは可愛いよ」
「っ……またっ……胸触りながらぁっ」
今度はわざとだ……
顔を隠すようにサイトにしがみ付くと、前をあわせていただけのシャツが解けて、
折角隠していた身体がサイトに直接密着する。
「あ…………」
何か硬いモノが、サイトの指の向こうにあるのが分かった。
「……ちゃんと反応してるし、可愛いは誉め言葉だぞ?」
……うれしい。
わたしで硬くしてくれているのが分かって、凄く嬉しかった。
「……ごめんなさい」
サイトが本当のことを言ってくれていたのなら、さっきまでのわたしは凄く嫌な子だ。
申し訳ない気持ちで、サイトにしがみ付いていた腕に少し力を込める。
サイトは黙ったまま、わたしにキスをくれた。
「あ……あれ?」
自分では動いているつもりなんて無いのに。
サイトが感じてくれている事を知ったわたしの身体の、熱くなっている所がサイトに押し付けられる。
「ご、ごめ……」
背筋が凍る。
以前勝手にサイトの身体を触った時に、火が付いた状態のまま一晩放って置かれた。
一度裏切ったわたしは、サイトの大切な所に触る資格なんて無いと、何度も何度も思い知らされていて、
快感に追い詰められている状態でも即座に気付けるほど、しっかりと躾けられていた。
「タバサ?」
「っ……ごめんなさいっ、ごめんなさいっ……」
サイトの声の質が変わる。
怖い……怖いよ……
甘くて幸せだった空気を奪い取られる予感が、全身を震わせる。
死にたくなるような絶望がわたしを包む。
「ためじゃないか、タバサ」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
熱の無い目、止まった指、凍った声。
サイトよりも、快感に酔って歯止めの効かなかった自分が憎い。
サイトは何も悪くない。
悪いのはわたし。
あんなに何度も繰り返したのに、わたしはまだサイトの望み通りに動けない。
「俺が気持ちよくなっちゃ、タバサが困るだろう?」
……え?
なん……で?
どうして、サイトが気持ちよくなった困るの?
「ど……して? サイトが気持ちよくなってくれたら嬉しいのに」
サイトがわたしに触らせてくれない理由。
最後までしてくれない理由。
何度か聞いたけれど、教えてくれなかった。
「子供が出来たら……」
こ、子供が出来たら?
「タバサの、大事な大事な復讐の邪魔だろう?」
え?
「復讐の?」
「あぁ、俺を捨てていくほど大切な復讐の邪魔になるだろう?」
「……ち、ちがっ……復讐なんかっ……復讐なんかっ……」
あぁ……母さま、ごめんなさい。
シャルロットはもう戻れません。
「復讐なんかどうでもいいよぉ、サイト……サイトの方が大切っ、大事だからぁっ」
サイトはわたしの為に、最後までしないでいてくれたの?
嬉しい、サイトの意地悪だとばかり思ってた。
喜ぶわたしの視界の端に、ある物が写っていい事を思いついた。
「あ、あれ、あのお薬も有るっ、出来たらあれ飲むからぁっ……最後まで……最後までしてぇ」
メイドとやり取りは聞いていた。
あのお薬を使えば……サイトにそれを伝えると……
サイトは喜んでくれなかった。
「……へー、まだそんな事……復讐の事考える余裕あるんだ」
観察する様にわたしを見ていたサイトの目が、ますます熱を失う。
……な、何か間違えたの?
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
わたしから離れようとするサイトに、力の限りしがみ付いて、
声を限りに叫び続けた。
「ち、違うのっ、復讐なんかどうでも良いからっ、
サイトの側にいるからっ、離れないからっ……だからっ……」
……最後までして下さい。
潤んだ瞳と熱い身体に乗せて、思いの丈をサイトにぶつけた。
黙りこんだサイトに怯えながら反応を待つ。
「本当に? 本当にどこにも行かない?」
「行かない、離れたくないっ」
一度口に出してしまうと、もう止まらない。
言葉は呪文の様にわたしを縛り、引き返せない所へとわたしを連れてゆく。
「子供できても構わないんだ?」
「うん、うんっ、出来てもいいの……だからっ……だからぁ……」
確かめるようなサイトの口調に、熱に浮かされたまま答え続ける。
答えていれば、思いが伝われば……
サイトが最後までしてくれると、そう……信じて。
「復讐より……俺が大事?」
「うんっ、サイトが大切なの」
喋れば喋るほど、わたしの中でサイトの存在が膨れ上がる。
まるで自分に暗示を掛ける様に、繰り返し繰り返し誓いの言葉を口にする。
「タバサの……シャルロットの……大切なモノを……貰って……
貴方のモノにして、サイト」
精一杯の告白。
伝え終わった時、サイトの腕から力が抜けて一瞬凄く怖くなった。
「……った……に……った……タバ……おれの……」
サイトが何か呟いている。
よくは聞こえなかったけれど、サイトの表情に隠し切れない喜びが浮かんでいて、
わたしの思いが伝わった事を確信できた。
わたしが上になったままで恥ずかしいけれど、今からベットを探すどころか、
テープルにもう一度横になるのさえ、時間が惜しかった。
「いくよ、タバサ」
……シャルロットって呼んで貰おうか?
少しそんなことを考えもするけれど、父さま、母さまの復讐に生きたわたしはもう居ない。
なら、もうこれからは、サイトの為のタバサで居よう。
身も心も捧げることに決めたわたしは、過去を捨てる決意をする。
「はい」
全ての想いを込めて、一言だけ返事をすると、
サイトの手がお尻を掴んで、わたしを誘導した。
何度も望んだ瞬間がついに訪れる。
そう思って身体を硬くしていると、サイトの硬いモノが押し当てられる。
その大きさに少し不安に成る。本当に入るのだろうか?
でも……もし、わたしが痛くても、サイトが気持ちよくなるのなら……
「……サイト……わたしで、気持ち良くなって……」
サイトの耳元で囁くと、サイトは嬉しそうに笑う。
「そのまま腰を下ろして」
サイトを想って自分の中に指を挿れた事を思い出して、
どうすれば上手に入るのか考える。
考えているわたしが困っているように見えたのか、サイトがそっと腰を突き上げて、
どうすれば良いのか教えてくれる。
「……んっ……」
自分の中に異物が侵入してくる。
ゆっくりと身体の中でも屈指の繊細な所が広がり、痛みと共に切り開かれていく。
「……った……い……よぉ……」
溢れる涙をサイトが唇で拭ってくれた。
「諦める?」
「…………やだ」
折角、折角サイトが貰ってくれるのに、
やっと思いがかなうのに、
「最後まで……貰って……」
サイトの気が変わらないうちに……
わたしは一息に奥までサイトを迎え入れた。
痛い……痛い……身体が悲鳴を上げている。
痛みには強いつもりだったのに。
「タバサ、大丈夫?」
「平気」
嘘だけど。
痛みで動けないわたしが、サイトにしがみ付いていると、背中と頭に何か暖かいものが乗った。
「がんばったな」
サイトの手……暖かくて……うれしい。
「うん」
サイトは動きたいんだと思う。
メイドとの時は、あんなに激しく……
「ごめんなさい」
「何が?」
悔しくて何もいわずにサイトに抱きついていると、サイトの指がわたしの身体の上を跳ね回った。
「っ……な……に?」
「じっとしてて」
痛みを忘れさせようとしてくれる、サイトの気遣いが嬉しい。
わたしが反応するたびに、おなかの中でサイトがビクビク動いているのが分かって、
とても幸せ。
「……動いて……いいよ」
少しだけ痛みになれたわたしは、サイトに身体を任せる。
自分で動く自信は無かったけれど、サイトに気持ちよくなって欲しいから。
「でも……」
「サイトの……赤ちゃん頂戴」
出来るだけサイトに密着して、身体を擦りつけながら精一杯のお願い。
唇を重ねて、サイトに最後の一押しをする。
「っ……いいんだな?」
「ん」
もうわたしは全部サイトのモノだから。
力を抜いてサイトに全てを任せた。
タバサの中はきつい。
ルイズやシエスタの初めてのときと比べても、ずいぶん窮屈か感じだ。
小さな体格と相まって、幼い子に悪戯しているかのような背徳感が、
ゾクゾクと俺の快感を高める。
「動い……て……」
俺の耳元に囁くために、タバサが姿勢を少し変えるだけで、狂いそうな快感が俺を襲う。
「あ……あぁっ……動く……ぞ……」
両手でタバサの腰を持ち上げて、軽いタバサを腰の上で踊らせると、
みるみるうちに限界が近づいてくる。
「…………き、気持ちい?……わたしの身体で、気持ちよくなってくれてる?」
俺の事ばかり気にかけている事に、大切にされている実感に狂喜する。
時間を掛けたかいが有った。
「……サイト、サイトの子供……タバサに……頂戴」
タバサを持ち上げることがもどかしくなって、繋がったまま立ち上がった俺は、
少し離れた所にあるソファを目掛けて歩き始めた。
「っっっ! サ、サイトッ……っめぇっ……奥……奥がっ……ひっ……ぅ……あっぁぁ」
俺の身体しか支えの無くなったタバサが、必死で俺にしがみ付くが、
タバサ自信の体重で、深く深く繋がることは止めようも無かった。
「……かっ……はぁっ…………き……つぃ……よぅ……」
息も絶え絶えなタバサを寝かせて、動きやすい体勢をとった俺は、
タバサが一息つくまもなく責め始める。
「あっ……あぅ……え? な……に? う……そ……気持ち……いい?」
タバサの感触を確かめるように動き始めると、タバサの目に微かに快感が浮かぶ。
……初めてなのに……よほど相性が良かったようだ……
お互いに。
「……タバサ……ごめん……いく……」
奥歯を噛み締めながら情けない報告をすると、幸せそうな笑顔が俺を迎えた。
「……ん、気持ちよくなって……サイト……わたしの中で……いって……ね?」
これは……反則だ……いつもの超然としたタバサとのギャップが、最後の一押しになって、
思いがけない大量の精を解き放つと、安心したようにタバサは俺の腕の中で力尽きた。
二つの寝息が部屋に響く。
二人とも……もう俺ものだ……。
……これで……皆……俺の側に……ずっと……
窓の外を見ながら、俺はひっそりと笑った。
「くぉぉぉの、駄犬!!!!」
「ぐはっ」
冴え渡るエクスプロージョン!
実は二人目、サイトがそう報告した途端詠唱が始まり、
観念したサイトが一歩も避けないまま、勢い良く壁に叩きつけられた。
「ご、ごめんなさいっ、ミス・ヴァリエールっ、わ、わたしがっ」
「そ、そうだぞ、ルイズ、シエスタがわるっ……」
サイトの言葉は最後まで告げられることも無く、口の中にルイズの爪先が直撃した。
「だまんなさい、だまんなさいっ、だまんなさいっっ!!」
じたばたと暴れながら、ルイズは全身で自己主張した。
「どゆこと? なんで? サイトっ、あんたどーゆーつもりなのよっ!!」
「いやーほら、ヤっちゃた事は仕方ないというか……」
反省の色の無いサイトを、視線で射殺そうとするルイズの耳に、ぽそりと小さな声が響いた。
「……やっぱり……わたし、これ……飲みますね」
シエスタの手には、見覚えの有る小瓶。
「……って、駄目――――――!!!」
ルイズの蹴りは、一撃でシエスタの手の中の小瓶を打ち砕いた。
「でも、シエスタ、一回それ飲もうとしてるし」
サイトの一言に、ルイズは怒りの矛先をシエスタに向ける。
「なななな、なんでっ?」
「……ミス・ヴァリエールが……お怒りになると……思って……」
「お、怒んないわよっ、二度とそんな事しちゃだめだからねっ!!」
ルイズの一言にサイトは飛びついた。
「ラッキー……がはっ」
サイトの鳩尾にルイズは飛び蹴りだ。
「は、反省の色がなぁぁぁぁい」
流れるような連続技を繰り出しながら、ルイズの叫びがどこまでも響いていた。
なーんで、シエスタはサイトをあそこまでかばうのかしらっ!
サイトをつるし上げようにも、もう片方の当事者のシエスタが、事有るごとにかばう為、
自分ばかりが怒る訳にもいかないルイズは不完全燃焼だった。
……なんだか嫌な気分ね……
複雑な感情を抱きながらも、ルイズは教室でタバサを探す。
シエスタと二人で、ちょっとした約束をした。
……サイトは留守番よ!
探すまでも無く、相変わらず無表情で、いつも通り自分の席で本を読んでいるタバサを見つけると、ルイズは声を掛けた。
「あ、居た居た、タ〜バサ〜」
「なに?」
用事は他に有るのだけれど、
最近少しサイトと仲の良いこの少女を、少しだけ牽制する。
「あのね、わたし……サイトの赤ちゃん出来ちゃった」
「……おめでとう」
「ふえ?」
「? 聞こえなかった? おめでとう」
誰に話しても驚きが先に来ると思っていたのに、まず祝福してくれたタバサをルイズはかなり見直した。
「あ、ありがと……その……それでね」
そもそもタバサを探していた最初の理由。
「次の虚無の曜日に……街まで連れて行って欲しいの。
……その、ベビー用品のお店とか……」
「出産祝い」
それだけ告げると、用は済んだとばかりに本に目を戻す。
「ま、まだ産んでないもん」
連れて行ってくれるつもり。そう理解したルイズはタバサにじゃれ付いて、
本の邪魔にならない限り、タバサもそんなルイズを邪魔にしなかった。
「あのねっ、わたしたち……シエスタもだけど……
皆で幸せになるのっ!
本当よ」
今だって幸せそうなルイズの笑みを見ながら、タバサも微笑む。
「そうね……皆……幸せになれるね」
机の影でタバサの右手は、そっと自分のお腹に添えられていた。
長すぎてごめんなさい。
書いたり削ったりしているうちに、自分で適正な推敲できている自信が無くなってとりあえず投下……
サイテーかもですが。
前みたいなペースで書いたら3、4回分なのですが、纏めて投下しようとすると書くのに妙に時間が掛かりました。
保管庫の更新だけでもしようかとも思ったのですが、人の文章読むとついつい影響されて、
前後と雰囲気変わっちゃって、巻き戻って書き直しを繰り返すうちに書き終わるまで他のを読むまいと……
ごめんなさい、近日中に保管庫の溜まってる分何とかします。
暫くは忙しいかもですが、もう少ししたら前のペースで投下できたらいいなと思ってます。ではっ
……忘れられてるかもですが……
>>294 いいね、月並みな言葉だけど最高だよ
ある程度ハッピーエンド的な終わりをしているのが個人的に好きかな
自分のことしか考えない身勝手すぎる才人を殴りたくなりました。
逆に言えばそれぐらい感情移入できたってことで、いいSSだと思います。
超蝶編キタ。まさにクロの使い魔だぁ!新作期待してます!
>>294 ぐれいとおぉぉぉぉぉぉ!
堕ちたサイトっ!鬼畜っ!
ついでにティファもおとしてっ!
最初純愛モノだと思ったら、見事に裏切られました。GJです。
ルイズは疲れていた。その日の授業の内容が、少し発展した錬金の実習だったためである。虚無系
統の魔法に目覚めたと言っても、他の系統の魔法が使えるようになった訳ではない。だから、実習の
授業は相変わらずルイズにとっては苦難の場なのであった。いや、努力しても他の系統の魔法が使え
る訳ではないとはっきり分かった今となっては、むしろ前より苦痛が増している。
それでも努力を怠らないルイズは、今日も今日とてシュヴルーズがやんわり止めるのを振り切って
錬金に挑戦し、何回目になるか分からない教室爆破回数の記録を更新したのであった。ド・エレーヌ
が「これで〜回目だぜ」とか笑っていたので後で爆発頭にしてやろうと思っている。
そういった諸々のことで疲れ果てていたルイズは、部屋に帰ったら夕飯まで何もせずのんびり休ん
でいようと考えていた。だが、彼女は部屋の前で言葉もなく立ち尽くすこととなった。
「すまねえ、ルイズ」
部屋の中でうなだれている才人が、申し訳なさそうにそう言ってくる。隣には困惑した様子のシエ
スタが立って、こちらの反応を窺っている。ルイズは二人には何も答えず、ふらふらと部屋の中に足
を踏み入れた。そして、絶叫。
「なんなのよこれは」
ルイズの部屋は滅茶苦茶に荒らされていた。荒らされていた、と言っても誰かが暴れて物が壊され
ているという意味ではない。机の引き出しが根こそぎ引き抜かれ、クローゼットも中身がごっそりと
無くなっている。他にもそこそこ値打ちのある物が数点無くなっているようであった。物取りに荒ら
されたらしいことは明らかだ。
予想出来るはずもなかった部屋の惨状に、数秒ほども頭が真っ白になる。が、やがて幾分か事態が
飲み込めてくると、腹の底からふつふつと怒りが湧いてきた。ルイズは申し訳なさそうにうなだれて
いる才人に向き直り、思い切り怒鳴りつけた。
「あんた、ご主人様の部屋が好き勝手に荒らされてたってのに、どこで何やってたのよ」
「すまねえ、ゼロ戦の調子を見ようと思って少し部屋を空けてる間に入り込まれたみたいで。でもホ
ントにちょっとの間だけで」
そこまで言いかけて、才人は不意に口を噤んだ。
「いや、言い訳にはならねえよな。すまんルイズ、俺の責任だ」
「よく分かってんじゃないの」
「とりあえず早く犯人を捜して盗まれた物を取り返すことにするよ」
「当然でしょ。ま、お仕置きはそれまで待ってあげるわ。どうやらあんた用の鞭も盗まれてるみたい
だし」
ルイズがちらりと部屋の片隅、すなわちいつも鞭が置いてある場所に目をやると、才人は顔を引き
つらせて身震いした。これで脅しは十分だろう。そのとき、話が一段落したのを好機と見て取ったか、
シエスタが遠慮がちに口を挟んできた。
「あの、ミス・ヴァリエール。今夜はどういたしましょう。服、ほとんど盗まれちゃってるみたいな
んですけど」
「え、本当?」
「はい。特に下着類は根こそぎ」
「うええ、気持ち悪い」
ルイズは顔をしかめた。犯人は変質者なのかもしれない。今頃自分の服がどんな風に扱われている
か想像すると、取り返したいという気持ち自体が萎えてくる。
だが、今はそのことよりも今夜のことを考えるべきだろう。ルイズは腕組みして唸った。
「どうしようかしらね。さすがに制服のまま寝るっていうのは嫌だし」
「わたしの服でよければお貸ししますけど」
「それは嫌」
ルイズが即答すると、シエスタもすぐに「そうですよね」と笑顔で応じた。
「余っちゃいますもんね、どことは言いませんけど、一部分が」
「あんた最初からわたしの答えを想定して言ったでしょ」
余裕の笑みを返そうとしたら頬が引きつった。そうしていつもどおり不穏な空気が生まれようとし
たところで、不意に才人が二人の間に割って入った。
「服のことなんだけどさ」
「なによ」
「困るだろうと思ったから、街までひとっ走りして買ってきたんだけど」
ルイズは眉を上げた。
「あんたにしちゃ随分気が利いてるじゃない」
「今回のことは明らかに俺の責任だしな。そのぐらいはするよ」
才人は部屋の隅から小さな櫃を引っ張り出してきた。どうやら、既に部屋に運び込んでおいて、出
すタイミングを窺っていたようである。蓋を開けて中を覗き込むと、大して高価には見えないものの
それほど見苦しくもない服がニ、三着ほど畳んでしまいこまれていた。
「へえ。あんたのことだからまたいやらしい服でも買ってきたんじゃないかと思ったけど」
「だから反省してるんだよ俺も」
「どうかしらね。ま、お仕置きのほうは少し軽めにしてあげても」
試しに一番上の服を引っ張り出したルイズは、その下にあったものを見て硬直した。上にニ、三着
服が置かれていたために見えなかったが、その下には見慣れないデザインの下着が何枚か畳まれてい
たのであった。ルイズは無言で服を戻すと、きょとんとしている才人の襟首を引っつかんだ。
「前言撤回。どうやらあんたには今まで以上にきっついお仕置きをしてあげなくちゃならないみたい
ね」
「ちょ、待ってくれよルイズ。俺、なんかまずいことしたのか」
才人は何故自分が主人を怒らせているのかまるで分かっていない様子である。それがますます怒り
を煽り立てる。ルイズは目の前の阿呆の顔を何発殴ったら謝罪の言葉が引き出せるだろうかと計算し
始めた。その計算が終わる前に、シエスタが背後で叫んだ。
「まあ、なんですかこれ」
振り向くと、シエスタが例の見慣れない下着を何枚か手に取っていた。顔が赤いのは、その下着の
布地が明らかに少なすぎたり、あるいは無闇に透ける生地で作られているせいだろう。
「なにって、パンツだけど」
才人がさらりと答える。シエスタの慌てぶりとは対照的に、いたって平静というかほとんどとぼけ
ているようにしか見えない。
(殴ろう)
ルイズは拳を固めて腕を振り上げた。蒼ざめた才人が両手で頭を庇う。
「だから待てって。せめて俺が殴られるべき正当な理由を教えてくれよ」
「あんたね、あんな物買ってきといて白切ろうとはいい度胸じゃないの」
「あんな物って、俺が買ってきた服になんか問題があったのか」
才人はまるで訳が分からないという様子で、少なくともこちらが怒っているのを見て楽しんでいる
ようには見えなかった。
「あの、ミス・ヴァリエール」
シエスタが背中を突いたので、ルイズは仕方なく才人を解放した。急き込む彼のことは放っておい
て、メイドの少女と顔を突き合わせる。
「ひょっとして、サイトさん本当に分かっていらっしゃらないんじゃないでしょうか」
「どういうことよ」
「ほら、サイトさんって他の世界の人なんでしょう。ひょっとしたら、サイトさんの世界ではこうい
う布地の少ない下着が一般的なのかも」
「そんな馬鹿な話がある訳ないでしょうが」
「分かりませんよそんなこと。だって、あの『竜の羽衣』だって、わたしたちの常識では考えられな
いものだったじゃないですか。それに、サイトさんの世界とわたしたちの世界じゃ、服装だって随
分違うみたいですし」
ルイズはちらりと才人を見る。確かに、彼がいつも着ている「パーカー」というらしい服は、これ
まで見てきたどんな服とも違っていた。素材はもちろん、その構造や外見もである。今は慣れたが、
最初の頃はずいぶん珍妙に見えたものだ。だが、才人の世界ではそれはごく一般的な服装であるという。
「だからって、あんないやらしい下着が普通だなんて」
「サイトさんにとっては特にいやらしくもない下着なんじゃないですか。だって、もしもそうだとし
たら、あのサイトさんがあんな平静に振舞えるはずありませんよ。絶対にやけるとか顔が赤くなる
か目をそらすとか、そういう風になるはずです」
「そりゃ、そうかもしれないけど」
才人は嘘を吐くのがあまり上手くない。ルイズ自身察しがいい訳ではないが、彼が嘘を吐くときは
どこかしら様子がおかしいと感じていたものである。だが、今の才人には特におかしなところなど感
じられない。
(ってことは、あいつ、本当にこの下着に対して変な感情は持ってないっていうの)
ルイズは改めて才人を凝視した。何故自分がこうも疑われているのか、全く理解できていない表情。
どれだけ見つめていようが、その表情が崩れることはない。どうやら本当に、下心はないらしい。だ
がどうにも納得できかねたので、ルイズはいくつか質問してみることにした。
「サイト、あんた、これどこで買ってきたの」
「どこって、そりゃ古着屋だよ」
そう言ってから、才人は慌てたように腕を振った。
「いや、そこに関しては怒んないでくれよ。俺の手持ちの金じゃ新品の服なんてとても高くて手が出
せなかったんだからさ。ほとんど全財産はたいて、ようやっとそれだけ揃えたんだぜ」
「それはまあ別にいいわ。我慢してあげても。それより、これ買うとき変な目で見られたりしなかっ
たでしょうね」
「そうだなあ」
才人は腕組みしてしばらく考えたあと、困ったように首を傾げた。
「別に、変なことなんてなかったと思うけど。普通に金出して、普通に服買っただけだぜ」
「本当でしょうね」
「ああ。あ、でも、なんか特別な品だとは言ってたな、それ。服何着か買いたいけど金がなくて困っ
てるって言ったら、誰も買ってくれなくて処分に困ってる服があるから安く譲ってやるとかなんとか」
ルイズはため息を吐いた。
(要するに、こんなはしたないデザインの下着なんか誰も買ってくれなくて売れ残ってたところに、
のこのこカモがやってきたから『捨てるよりゃマシだ』って言って売りつけた訳ね)
だが、まだ完全に納得することはできない。ルイズは櫃の中に手を突っ込んで、特にきわどい外見
の下着を数枚取り出すと、才人の眼前に突きつけてみた。
「あんた、これ見てどう思う」
「どうって」
才人は目の前の下着をしげしげと眺めた後、こちらがどういうリアクションを期待しているのか全
く分かっていない自身なさげな表情で、ぽつりと呟いた。
「パンツだなあ、と」
「そうね、パンツね。パンツよね。パンツだわ」
ルイズは歯噛みした。どうやらこの男はこういうデザインの下着が非常にいやらしくて履くのも躊
躇うようなデザインだということが本気で分かっていないらしかった。いっそ「これわたしが履いた
らどんな感じになるか想像してみなさい」だとか言って、自分が買ってきた物体を再評価させてやり
たい気分になったが、こっちも恥ずかしくなりそうなので実行するのは躊躇われる。
シエスタがまた背中を突いてきた。
「ミス・ヴァリエール。あんまり怒るとサイトさんが可哀想ですよ」
「でも」
「サイトさん、本当に分かってないみたいですし。ミス・ヴァリエールのことを考えてしたことなん
ですから、許してあげましょうよ」
そう言われると、うまく怒りを発散できなくなってしまうルイズである。確かに、買ってきた下着
に問題があるという点を除けば、才人の行動は主人のことを一番に考えてのことだとも言える。「代
わりの服を買う前に犯人を捜せ」と言いたいところではあるが、目の前で神妙な顔をしている使い魔
を見ると、そうする気もまた萎えてくるのだ。
煩悶の末にとうとう観念し、ルイズは深いため息を吐き出した。
「分かったわ。とりあえず、あんたは犯人を捜して出来る限り早くわたしの持ち物を取り返すこと。
部屋の片付けはシエスタにやってもらうから」
「おう。任しといてくれ。泥棒に入られた責任、きっちり取ってみせるぜ」
真剣な表情で頷いた才人が出て行ったあとで、「それにしても」とシエスタが下着を一枚つまんで、
また頬を染めた。
「すごいですねこれ。もうほとんど下着じゃないですよ。むしろ紐というか」
「誰が考えたのかしらねこんなの」
「さあ。だけど」
シエスタは先程よりも更に頬を染めると、ちらりと探るような視線を送ってきた。
「あの。これ、一枚頂いてもいいですか」
「何を企んでるのかしら、あんたは」
じろりと睨むと、シエスタは恥らうように視線をそらした。
「企んでるだなんてそんな、人聞きの悪い。わたしはただ、サイトさんにこの世界の常識について学
んでいただきたいなあと」
「要するにそれ履いてサイトを誘惑しようって訳ね。なんていやらしいのかしら。あんたの頭の中は
相変わらず春真っ盛りみたいね」
「だって、これ履くんでしょうミス・ヴァリエールは」
「履かないわよ」
「え、履かないんですか」
「別に、下着なんて一日ぐらい換えなくたって」
「不潔」
シエスタの眼差しにじっとりとした軽蔑の念が宿る。ルイズの口元が引きつった。
「ごめん、よく聞こえなかったわ。もういっぺん言ってみてくれる」
「不潔。不衛生。ばっちいです」
「あんたね」
「わたしのような村娘ならともかく、貴族であるミス・ヴァリエールが下着も換えないなんて。不潔
です。サイトさんも幻滅するだろうなあ」
それを言われると弱いルイズである。こんな奇抜すぎるデザインの下着を履くのは躊躇われるが、
さすがに誰かに下着を借りるというのもどうも躊躇われる訳で。
「まあ、あいつが犯人捕まえて服取り返すまでの間だけだし」
結局、ルイズは妥協することにした。すると、シエスタもいい笑顔を見せて下着を一枚掻っ攫う。
「じゃあ、わたしもこれ頂きますね。ミス・ヴァリエール一人に恥ずかしい思いをさせる訳にはいき
ませんし」
「あらありがとうシエスタ。わたしあなたの友情に感動して涙が出ちゃいそうだわ」
「いえいえそれ程のことでも」
互いを牽制するように視線をぶつけ合いながら、二人はしばらくの間笑い続けた。
ルイズの部屋を飛び出した才人は、その勢いを衰えさせないまま階段を駆け下り、黄昏時の広場を
一気に駆け抜けてゼロ戦格納庫の中に飛び込んだ。隅っこのテーブルに集まっていた仲間たちが一斉
に振り返る。才人は彼らのすぐそばまで走り抜け、固唾を飲む仲間たちに向かって親指を立ててみせた。
「成功だ。後は撮るだけだぜ」
ギーシュとマリコルヌが歓声を上げる。レイナールも「やれやれ」と呟きながら肩を竦めた。
「大丈夫なんだろうな、サイト。ばれたらひどいことになるぜ、君」
「安心しろよ。この日のために何日も準備してきたんだぜ。ルイズは俺があのパンツのことを何にも
思ってないと信じ込んでるはずさ」
「それならいいけどね」
「で、そっちの準備は大丈夫なんだろうな」
「任しておいてくれよ」
ギーシュがカメラを、マリコルヌが杖を構えて自信ありげに笑う。レイナールも頷いた。
「こっちも何とかなった。彼女のお眼鏡に適う肉を用意するのには骨が折れたけどね。何も言わずに
協力してくれるそうだよ」
「よし。それじゃ、決行は明日だ。いいか皆、しくじるんじゃねえぞ」
「おうとも」
「任せてくれ」
「心配はいらないさ」
才人の声に、他の三人がそれぞれの声音で応じた。
翌日の昼時、ゼロ戦の格納庫の前に立った才人は、午前の授業が終わったことを告げる鐘の音を、
やや緊張しながら聞いていた。間もなく、犯人捜しの進展を聞きにルイズがやって来るはずである。
そのときが、彼らの決戦のときだった。
上空を見上げて目を細める。こちらからぎりぎり見えるか見えないかの高度に、小さな点のような
ものが見える。遥か上空で滞空しているシルフィードである。レイナールの言ったとおり、最上級の
肉につられて嬉々としてこちらに協力しているものらしい。その背には、カメラを持ったギーシュと、
杖を構えたマリコルヌが乗っているはずだった。
格納庫の中に目をやると、壁のそばに控えたレイナールが頷き返してきた。外からでは見えない位
置である。その手には、やはり杖が握られている。
(頼むぜ、皆)
そのとき、広場の向こう側に小柄なシルエットが現れた。ルイズである。少し周囲を見ましてこち
らに気付いたらしく、小走りに駆けてくる。才人は彼女に向かって大きく手を振った。それが、作戦
開始の合図だった。
<つづく>
305 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 11:49:51 ID:vAtFxGG0
GJ、展開が読めねー、続き期待しています。
風で捲り上げて激写(゚∀゚)
一気にレス進んだと思えば長い文の作品と
パンツの続編きてたのね。お互いGJだぜ!
GGGJJJ!!
309 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 22:24:32 ID:BFUxA+Lp
サイト「コルベール先生、なんでこんなことになったんですかね?」
コルベール「おや?君は『東の世界』に帰りたかったのではないかね?」
サイト「そりゃそうですけど……」
「こういう形は、ちょっと」
デルフ「まあ!相棒いまさらジタバタしてもはじまんね−よ。」
サイトがそう言うのも無理はない。今、彼らはB−29の中にいてもっか
「東の世界」に移動中である。しかも、人質に限りなく近い。
て言うか人質である。出るのは溜息ばかりでコルベールにいたっては
B−29に興味津津で、人質などどこ吹く風である。
???「うるさいわね!あんたら、もうすこし静かにできないわけ」
この怒鳴りつけてきたのは、ガリアの王女イザベラである。
どうやらこの姫様は、かなりご立腹のようだ。人質にでもなれば、
しょうがないことかもしれないが。聞くところによるとタバサの親戚らしが、
性格が正反対である。物静かなタバサにたいして、
こっちはやかましやらあつかましやらで、
どうあつかっていいものかわからず途方にくれているところで、
サイトに言はせればまったく勘弁してくれという感じである。
310 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 22:36:59 ID:BFUxA+Lp
すまん、中途半端にだしちまった。タイトルも未定でござる。
とりあえずきりのいいところまでだします。
終わった?終わった?
じゃあいくよ、モンモン編〜。
ちなみにエロ抜きです(またか
大丈夫。自然にしてればばれないはず。
あの馬鹿結構周り見えてないし。
大丈夫、絶対大丈夫だから。
そして扉が開く。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
あくまで自然に。
まるで、最初から自分がそうするのが当然であるかのように。
そして、相手がそうされることを当然だと思うように。
そこに『不自然さ』や『ぎこちなさ』があってはならない。
「お疲れでしょう。お召しものをこちらへ」
気付かれてはならない。
狡猾に、繊細に、大胆に。
あるがままであるように振舞えば、全てはうまくいく──────。
はずだった。
「さ、最高だよっ、モンモランシィィィィィィィィィ!」
「落ち着けこの馬鹿っ!」
扉の前で固まった状態からルパンダイブに移行したギーシュを、モンモランシーのアッパーが撃ち落した。
モンモランシーが『メイド実習』のご主人様に選んだのは、もちろんギーシュ・ド・グラモンその人だった。
ギーシュにメイドとして仕えるなど、ある意味危険極まりないことだが、モンモランシーに選択の余地はなかった。
他の娘をこの男に近づけさせないためにも、自分自身が犠牲になる必要があったのである。
そして今。
ギーシュはメイド姿のモンモランシーに踏まれていた。
「あ、あの、モンモランシー?」
「質問は却下。
私は今からあんたのメイドとして仕えるけど、それは実習の一環だから。それ以上でも以下でもないから。
もし変なことしようとしたりしたら、溺れてもらうからね?」
言ってモンモランシーがいつの間にか手にしていた杖を振ると、ギーシュの目の前にこぶし大の水の泡が浮かぶ。
「わ、わかったよモンモランシー」
「わかればよろしい」
モンモランシーは杖をしまい、ギーシュの背から脚をどける。
ギーシュは埃を払って立ち上がると、まじまじとモンモランシーを見つめた。
「…な、何よ」
はだけてもいないのにモンモランシーは思わず胸のあたりを隠す。
そんな彼女に、ギーシュはうっとりと呟いた。
「モンモランシー。君は本当に何を着ても似合うなあ」
「ほほほほ、褒めたって何も出ないんだから!」
思わず照れて赤くなってしまうモンモランシー。
そして歴史は繰り返す。
「そんな可憐なキミもステキだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「するなっつってんでしょうがっ!」
今度ははたきおとされた。
メイドに手を出せばどういう目にあうか、さんざんギーシュの身体に教え込んだモンモランシーは、まず最初に何をするべきか考えた。
やっぱりここは。
「で。何かして欲しいことはない?」
ご主人様に尋ねてみるのが一番。
「どうせなら」
「ヤらしいこととか言ったら溺死させるからね」
釘を刺すのも忘れない。
「うぐ」
やっぱりか。
ギーシュは言葉につまり、モンモランシーの鋭い視線に思わず仰け反る。
呆れたように見つめるモンモランシーに、ギーシュはあーでもないこーでもないと考えをめぐらせる。
…どうしよう。
ギーシュはヤらしいことしか思い浮かばない自分に驚愕していた。
こ、これがサイトの言っていた『ワビ・サビ』の魔法というやつか!
ちょっと違う。
「…して欲しいことないんなら勝手にやらせてもらうわよ」
悶えるギーシュに、モンモランシーが歩み寄り、その肩に手を掛ける。
ギーシュがはっとしてモンモランシーを振り向く。
「や、やっぱりそうなんだねモンモランシぃぃぃぃぃ」
そして両手を広げて抱きつこうとする。
「止まれ馬鹿」
ごっちんとモンモランシーの拳とギーシュの頭が音をたてた。
痛みにうずくまるギーシュ。
モンモランシーは軽く痛む拳をさすりながら、うずくまったギーシュの肩をむんずと掴む。
「…やっぱり」
「…な、何がやっぱりなんだいモンモランシー?」
疑問を口にするギーシュには一切応えず、モンモランシーは無理やりギーシュを立たせると。
ベッドに向けて、うつ伏せに押し倒した。
また何か言おうとするギーシュの頭を、今度は発言する前にベッドに頭を押し付けて口を封じた。
じたばたともがくギーシュの頭を抑え付けたまま、モンモランシーは呟く。
「最近、水精霊騎士団の演習とか出ずっぱりじゃない?
疲れてるだろうと思ってさ」
言って今度はギーシュの背中を押す。
ガッチガッチに凝っていた。
普段、まともに身体を動かすことの無い貴族が、毎日演習だ訓練だで身体を酷使しているのだ。当然といえば当然だった。
モンモランシーは凝っている部分を中心に、マッサージを始めた。
「どう?きつくない?」
モンモランシーのマッサージは、それなりに気持ちがよかった。
「うん、なかなか上手だねモンモランシー」
それは、メイド実習で習った成果なのだが、褒められて悪い気はしない。
モンモランシーは凝った部分を解しながら、言った。
「ほんとにもう、凝りすぎ。何をこんなに頑張るんだか」
呆れたように言うモンモランシーに、ギーシュが応える。
「決まっているだろう、もちろん君のためだよ」
不意打ちだった。
「僕には君を守る力が無い。前の戦いでそれを思い知ったんだ。
だからちょっとでも君を守れる男になれるよう、自分を鍛えているのさ」
いつもの演技くさい声ではなかった。
生の、ギーシュの声だった。
マッサージを受けているせいもあるのだろう。ギーシュはモンモランシーに本音を吐いていた。
「まあ、お陰で毎日筋肉痛だけどね。普段鍛えてないとこういう目にあ」
ぎゅう。
モンモランシーは突然、ギーシュの首を後ろから抱きしめた。
「え?え?モンモランシー?」
驚くばかりのギーシュに、モンモランシーは囁くように言った。
「…ばか。そんな頑張らなくたっていいのに」
自分のため。そう言ってくれたのがこの上なく嬉しかった。
モンモランシーはそっとギーシュの横顔を覗き込む。そして、彼の耳元で、囁く。
「…私、守ってなんかもらわなくても、ギーシュがそばに」
よく見るとギーシュの鼻の穴が2倍ほどに膨らんでいた。
背中に密着した胸がやっぱりまずかったようである。
「モ、モンモランシィィィィィィィィ!ぼかぁ、ぼかぁもぉっ!」
器用に上と下を入れ替えて、ギーシュが上になる。
そのまま食虫植物のように伸びた唇がモンモランシーを襲い。
正気に戻ったモンモランシーの拳が、ギーシュを壁まで吹っ飛ばした。
この、せっかくいい雰囲気だったのにこのバカはっ!
この二人が結ばれるには、もう少し時間がかかりそうである。〜fin
追記:モンモランシーに脅されて、ギーシュは合格を出したらしい。
はい終了です。何を血迷ったのか今回もエロ抜きです。
ていうかこのカップルエロにもっていけません。
ギーシュの性格なんとかしてください。
あ、あとそれと将来編の続きを適当に書いてみました。
長いんで保管庫の方に直接あげときました。↓
http://wikiwiki.jp/zero/?X00-03 かなりオリ要素強いんでここには相応しくないと思って。
見たい人だけ見てね。一応えろ抜きです(何
ではではノシ
317 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 22:49:00 ID:BFUxA+Lp
>>309の続き
ところでなんでこなことになってしまったのかというと、話は、
三ヶ月前に遡る「東の世界」(ロバ・アル・カリイエ)から、
突然ガリアに対して侵略が始まった。当初は、
ガリアの圧勝かと思われたが、見たことのない兵器(ハイテク?)
の前に劣勢を余儀なくされてしまう。王権同盟に従い、
トリステイン、ゲルマニア、が参戦するのだが各個撃破されてしまう。
(ロマリアは参戦せず。)戦況が悪化していくうちに、
アルビオンでまたもやクーデターが発生、
他方ゲルマニアでは幽閉されていた皇族を中心に反乱が起こり、
ガリアでは、オルレアン公派が叛旗を翻した。
止めは王都リュティスにたいする、B−29の空爆である。
空爆の中で、ジョゼフ王は生死不明になり。とても、
戦争が継続できる状態ではなくなり、各国のトップが
リュティスに集まり休戦会談をすることになった。
結果、ガリアは、政権交代でタバサもといシャルロットが王位につき新女王誕生。
アルビオンは、旧領土を全回復。ゲルマニアは、
反乱は鎮圧したものの領土の放棄と莫大な賠償金。トリステインは、
アルビオンにおける領土の放棄と人質の差出。
へんたいさん乙!
319 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 22:55:38 ID:BFUxA+Lp
>>317の続き
アンリエッタ女王と仮面の男(東方の世界)の会談
仮面の男 「これこれは、女王陛下ご機嫌麗しゅう」
アン 「お世辞は結構、早速本題に入りなさい。」
仮面の男 「失礼しました。」
「早速ですが、わが国が望むのはアルビオンにおける貴国の領土と一切の権益の返還、そして、人質です。」
アン 「ひとじち?」
仮面の男「はい。人質です。」
「でその人質なんですが、」
アン「ちょっとお待ちなさい、ゲルマニアには確か賠償金を要求したはず、なぜ人質なのですか?」
仮面の男「貴国にそのような財産はないでしょう。」
アン 「……… 」
仮面の男 「なんで知っているのか、ていう顔をしていますね。」
「わが国の情報網をなめないでください。」
「話を元に戻します。その人質になるのは……」
マザリーニ「どうでした女王陛下、どのような難題を?」
アン「アルビオンからの完全撤退、そして2人の人質です。」
マザリーニ「人質ですか?それで、どのような人物を」
「母君ですか?」
アン 「それが……」
320 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 23:01:59 ID:BFUxA+Lp
とりあえず、ここまでだしました。
へんたいさんの邪魔してすみません。この作品自体も、
オリジナルがかなり強いです。エロ抜きですみません。
せんたいさんも名無しさんもGJです。投下が多くていいですね〜。
保管庫に直接投稿してくれた方もかなり面白かったですよ!GJなのです。
って、直接投稿もせんたいさんだった………………………orz
GOD JOBです。これしか言えません。
せんたいさんに掛けるべき言葉が『ノボル仕事しろ』以外に浮かばない件について。
いきなり増えててびっくり!
みんなに期待してるぜ
せんたいさんは神だな。
私は一生ついていくよ。
投下ラッシュキタァー!全てにGJを
>>316 確かにオリジナル要素高いがこいうのは大歓迎さ!!
とりあえず今日からの再放送、オマイらなら見るよな?
>>328 当然DVDは全巻有るが、何か?
無論見る。
>>328 こんな朝からその話をするおまいにもGJww
俺?聞くまでもないだろ?
地方だから見れぬ。
レンタルで見た後に原作を揃えたがな。
>>328 DVD全巻あるが入れなおしが面倒なので
最高画質でエンコして1〜13話を家にいる間ノーパソで延々ループして流してる
ノーパンで延々に見えた
>>332 ノーパソがノーパンに見えたから危うく同意する所だったじゃないか!
紛らわしい書き方はやめてくれ!!
205氏 あなたの未来はどっちですか?
せんたいさん きっとこんな未来
なんか問答してるみたいだなw
336 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 14:39:28 ID:is2K/REx
神・・・・このスレには神がいる!!!!!
>>335 それで行くと、一人地獄に堕ちている件w
マリーウェザーに鬼萌えした件。
元気系ちみっこってもろ俺のストライクゾーンじゃねーかwwwwww
339 :
さんざむ:2007/04/03(火) 18:44:58 ID:vk/5MgKm
この投下ラッシュに便乗
いちおうサイト×ルイズになる予定です
340 :
桃色の花:2007/04/03(火) 18:45:34 ID:vk/5MgKm
暖かな陽気が差し込むヴェストリの広場を才人は散歩していた。
タバサをガリア王国から救出して以来とくに事件という事件は発生せず、トリスタニアには平和が訪れていた。
「まぁ、平和なのはいいんだけどさ」
才人は中庭を見渡し呟いた。
「なんかおきねぇかなー・・・」
今日は虚無の曜日なので水精霊騎士隊の訓練も無く、部屋にいても特にすることが無いため中庭に来てみたものの
結局なにもすることが無く、才人は空を見上げた。
「もう帰るかな・・・」
ルイズに無断で出てきたためそろそろ帰らないとお仕置きされるかもしれないと思うと自然と体が震えた。
そして行き先をルイズの部屋に向けて一歩踏み出そうとした瞬間、
「ま、待ってくれ、僕の麗しのモンモランシー!!」
「だ・れ・が!あなたのモンモランシーなのよ!!」
才人は咄嗟に振り向いて、すぐにまた前を向いて歩き出した。
あの二人はいつも同じような事を言い合っているため、才人はすでに飽きていた。
一応付き合っているんだったらもう少し仲良くしろよと思いながら、才人は溜息をついた。
後ろからギーシュの必死の言い訳が聞こえてきたが才人は勝手にやっててくれと言わんばかりに再び歩き出す。
すると、今度は爆音とともにギーシュの叫び声が聞こえてきた。
「うわああああああああ!サイト!そこをどいてくれ!!」
才人はなんだよと思い、振り向いた。
そして飛んできたギーシュと衝突して――――
あれ。
なんだこれ。
なんか柔らかい感触が唇に・・・・・・
でも気持ちいいというよりは気持ち・・・悪い・・・?
才人が恐る恐る目を開いた瞬間、絶句した。
なんとぶつかった衝撃でギーシュの唇が才人のそれに押し付けられていたのだ。
才人の顔が見る見る青ざめていく。
才人は慌ててギーシュを突き飛ばし、地面を転がりながら奇声を上げた。
「うぎゃjbkjfだgくdgdbkvふじこw」
ショックを受けたのはギーシュも同じで、地面に突っ伏したまま泣いていた。
「ああ・・・僕の情熱の薔薇のような唇がサイトに・・・・ああ・・・あああああああ」
「もうこれ死ぬしかねぇな、この事実を背負って生きていく自信がない・・・じゃあなみんな生まれ変わったら会おうぜ」
「さらばモンモランシー、僕はこの永遠という名の時計仕掛けの摩天楼を・・・・・」
才人達が地面を転がったり悶えたりしていると、騒ぎを聞きつけたシエスタが才人の下へやって来た。
341 :
桃色の花:2007/04/03(火) 18:47:22 ID:vk/5MgKm
「サイトさん!大丈夫ですか!!」
「ううっ・・・・シエスタ・・・・」
「いったい何が、何があったんですか!」
「オイラ・・・オイラ汚されちまったよぅ・・・」
「???」
シエスタは何が何だかわからないというように首を傾げると唇を押さえたまま白目を剥いているギーシュが
目に飛び込んできた。
そして才人に目を戻す。
時々801がどうとかボーイズラブとかギーシュエンドとかシエスタにとってワケのわからない単語が才人の口から漏れていた。
いやな予感がシエスタの頭の中を駆け巡る。
まさか・・・まさかサイトさん・・・。
ミスタ・グラモンと・・・。
時既に遅し。
才人の顔は既に生気を失っていた。
「サイトさん、しっかりしてください!」
「ダメだよ・・・シエスタ・・・俺は毒を受けちまった・・・・もう先は長くない・・・・最後に夕日が見たかったなぁ・・・
シエスタ、俺の最後の願いだ・・・俺の死体は土に埋めてくれ、モグラだから・・・・」
才人の遺言の毒という単語にシエスタは閃いた。
シエスタはなぜか顔を赤らめ、才人に覆いかぶさる。
「シエスタ・・・?」
「サイトさん、毒なら私が吸い出して差し上げますね♪」
えっ、それってどういうこと?と言おうとした才人の唇は、シエスタによって塞がれていた。
あー・・・そういやシエスタって大胆になる時多いんだよなぁ・・・・。
じゃなくって!!やばいってこれ!ルイズに見られたら間違いなく死刑だよこれ。
心ではそう思っていても体がいうことをきかず、されるがままになっていると口の中に、にゅるっ、としたモノが入ってきた。
才人はそれがシエスタの舌だと気づくのに時間はいらなかった。
「ん・・・んむっ・・ちゅ・・・っ・・んんっ・・」
それはさっきシエスタが言った吸い出すという表現がよく合うキスだった。
いつのまにかギーシュもそんな熱い口付けを正座して見入っている。
ちょ・・・ギーシュそんなに見るんじゃねぇよと思っていると、
ギーシュが爆発して吹き飛んだ。
342 :
桃色の花:2007/04/03(火) 18:48:43 ID:vk/5MgKm
「え?」
シエスタはおもわず口を離しギーシュの行方を追った。
才人もギーシュがいた場所からゆっくりと視線をずらし、ギーシュを探した。
ギーシュは先ほど正座していた所から数十メートル離れた場所に、栽培マンに自爆されたヤムチャのごとく横たわっていた。
ま・・・まさかこれは・・・・
全身から冷や汗が、どっ、と溢れてくる。
ガチガチと体を震わせながら視線を元に戻し、なおも首をギーシュが吹き飛んだ反対方向に向ける。
そして、想像通りの人物の姿が視界に入った。
「こ、ここここここの使い魔ったら真っ昼間から中庭でメイドとななななななにやってるのかしら?
中々帰ってこないから心配して来てみれば・・・・」
まずい、殺られる・・・・・
こうなってしまったルイズにはなにを言っても無駄なことは今までの経験上わかっていた。
才人は怯えるシエスタをよそに猛ダッシュで逃げ出した。
「た、助けてくれぇええええええ!!」
「こらぁーー!逃げるな!待ちなさいこの、馬鹿犬ーーーーーっ!!!」
結局ギーシュとモンモランシーだけじゃなく、この二人も同じようなことを繰り返しているのであった。
「さて、馬鹿犬?」
「は・・・・はい・・・・」
才人は逃げ出したまでは良かったものの、壁際に追い詰められ籠の中の鳥となっていた。
「大丈夫よそんなに怯えなくても、別に怒ってないわ」
「えっ、そうなの・・・?」
「ええ、怒ってないわ」
「ホ・・・ホントデスカ?」
「ええホントよ、怒ってないわ、怒ってないけど・・・・・死ねぇえええええ!!!!!!!!!」
ルイズはそう叫ぶと杖を振り下ろした。
すると、杖の先から放たれた力が才人の目の前で爆発した。
そして無音の空気に包まれていた中庭を、爆発音と才人の叫び声だけが響き渡った。
343 :
桃色の花:2007/04/03(火) 18:50:37 ID:vk/5MgKm
「ふぅ・・・・」
ルイズのおしおきフルコースを受け、才人は痛む頭を擦りながら廊下を歩いていた。
まったく少しぐらいは手加減して欲しいよ。
でも、俺が悪いんだよな・・・・。
あんだけ好き好き言いながら他の女の子とキスなんかしちゃったからな。
でも、しかたがないの。
オトコノコだもん♪
そこで初めて才人は今の自分がとてつもなくキモかったことに気づき、辺りを見渡した。
そして、なんか悲しそうな表情でこちらを見つめているシエスタと目が合った。
才人はその場の空気に耐え切れなくなりこっちから話しかけた。
「ど、どうしたんだシエスタ?」
「あ、いえ、その・・」
シエスタは少し俯いて、さっきとは意味の違う悲しそうな顔をして才人の目を見つめた。
「あの、さっきはすみません。わたしのせいでミス・ヴァリエールに・・・・」
「え、ああ別にいいって。慣れてるから」
シエスタは上目遣いで才人の顔を覗き込んだ。
「ホントですか?怒っていませんか?」
「ホントにホント。それに怒ってなんかいないって」
すると急にシエスタの顔が明るくなり、がばっ、と才人の胸板に顔を押し付けた。
「シ・・・シエスタ?」
「よかった、嫌われたと思っていました、ホントによかった・・・・」
シエスタはそういいながらぐいぐいと顔を胸を押し付けてくる。
才人はもうそれだけでおかしくなりそうだった。
ちょ、なんでシエスタはこうなのかなぁ〜。
どうして俺のツボを的確に刺激してくるのかなぁ〜コノヤロー。
才人はさっきのルイズのお仕置きを忘れシエスタの感触を楽しんでいると
「あ、そうだわ、わたしサイトさんにお願いがあったんです」
お願い?
え、もしかしてお願いってあれですか!?
この状況でお願いってあれしかないですよね!?
才人はドキドキしながらシエスタの言葉を待っていた。
「実は・・・・」
344 :
桃色の花:2007/04/03(火) 18:55:05 ID:vk/5MgKm
そのころルイズはというと、
「ああああああんの馬鹿犬ったらまたどこほっつき歩いているんだか、シエスタとまたキキキキキキスなんかしてたら今度こそ・・・・」
とたいそうご立腹な様子であった。
誰が見てもかわいらしいという顔を怒りで鬼の形相に変え、杖を片手に節操のない使い魔をさがしていた。
「ほんっとにあの馬鹿犬ったらどこにいるんだか、ご主人様に探させるなんてそれだけで罪よ罪!」
もうあれね、例え一人でいたとしてもご飯抜きじゃすまないわね。
さてどう罪を償ってもらおうかしら。
ルイズは鬼の形相に不敵な笑みを足して見るもの全てを圧倒するオーラを放ち、女子寮の階段を登ると、
「いたいた、ちょっとサイ・・・・」
才人を見つけ、呼ぼうとした口を慌てて抑えた。
なんと才人の奴、懲りずにまたシエスタといちゃいちゃしているではないか。
あああああの馬鹿犬まままままたシシシシシシエスタとなにくっちゃべってんのかしらぁああ?
的確に才人をロックオンしたルイズは、いつ飛び込むかタイミングを計っていた。
うーん、いま行ってもサイトに適当に言い訳されるわね。
どうせなら証拠を掴んでからボコボコにしたほうがよさそうね。
ルイズは慎重に作戦を立て、足音を立てないようにゆっくりと近づき物陰に隠れた。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・!?」
んー、ちょっと聞こえづらいわね。
ルイズは息を殺し、聞こえてくる会話に耳を傾けた。
「・・・それで・・・結婚・・・・」
「それって・・・俺が・・・・」
ルイズはところどころ聞こえてくる結婚という言葉に驚愕した。
え、結婚ってどういうことよ!あのメイドったらサイトにプロポーズしたの!?
最初は混乱していたルイズだったが、しだいに笑みをこぼし始める。
ふ、ふふん、そんなの断るに決まってるじゃない、サイトはね、わたしのこと好きっていいましたからー残念!
『結婚してくださいサイトさん』
『それはダメだよシエスタ』
『なぜですかサイトさん!』
『俺はルイズが好きなんだ、だからシエスタとは結婚できない』
『そんな・・・・』
『アンタなに言っちゃってんの?馬鹿じゃないの?このダメイド!』
ルイズは自分の妄想の中で才人に寄り添いながらシエスタを見下していた。
アンタなに考えてんのよ、サイトはね、わたしの使い魔なの。
だからわたしと一生一緒にいなくちゃいけないの。
もうちょっと物事を考えてからいいなさい。
しかし、妄想とは180度違う才人の発言にルイズは一気に現実に戻された。
「わかったよ、シエスタにはいろいろ恩があるから、俺でよかったら喜んで」
「本当ですか!?サイトさん」
え・・・・
「じゃあ、今後の詳しい話もあるので厨房でゆっくり話しませんか?」
「そうだな、ここじゃあちょっとあれだしな」
何言ってるの・・・?サイト・・・・・・?
予想を遥かに超える才人の言葉にルイズはひどく困惑した。
そして、考えるより先にルイズは二人の前に飛び出していた。
345 :
桃色の花:2007/04/03(火) 18:56:47 ID:vk/5MgKm
「だ、だめぇーーーーーーー!!絶対だめぇーーーーーー!!!」
「うわっ、ルイズ!?」
「ミ、ミス・ヴァリエール!?」
才人は急に目の前に飛び出してきたルイズに駆け寄った。
「ど、どうしたんだよルイズ?なにがあって・・・」
才人はそこでルイズの頬を雫が伝っているのに気が付いた。
「お、お前っ・・・・なんで泣いて・・・・」
才人の問いに、ルイズはゆっくりと口を開く。
「・・しちゃやだ・・・・・」
「え?」
「わたし以外の人の結婚しちゃやだーーーーー!!!」
そうルイズは叫ぶと、才人に抱きつき大声で泣き始めた。
「うぇっ・・・ひっく・・なんでよぉ・・・わたしのこと好きって言ったくせにぃ・・・」
「ルイズ・・・・?お前まさか・・・」
才人は、こいつすげぇ勘違いしてやがる、と思った。
しかし、正直今のルイズはかわいかった。
才人がそんな甘ーい感情に浸っていると、ルイズの口からとんでもない言葉が出てきた。
「サイトは・・・サイトはわたしと結婚するの!!!!」
ぐはぁ!!!!
「えっ、ちょ、おま・・・」
「な・・・ミ、ミス・ヴァリエール!?何を言って・・・」
シエスタがルイズを止めようとすると、ルイズはキッとシエスタを睨んだ。
そして、おもむろに才人の唇に自分のを押し付けた。
「んっ・・・」
「ん、んんんんんーーー!?」
「ああああああーーーっ!!!」
ルイズはそっと唇を離すと、才人の目を潤んだ瞳で見つめた。
才人はこのまま押し倒してやろかと思ったが、ぶんぶんと首を振る。
落ち着け俺、こいつは今勘違いをしているんだ。
才人は深呼吸を一つするとルイズの肩を掴み、真剣な眼差しでルイズの真っ赤な顔を見つめ返した。
そして慎重に説明を始めた。
「あのな、ルイズ。お前は今ものすごーく勘違いをしてるんだ」
「勘・・違・・・い?」
「ああ、勘違いだ」
346 :
桃色の花:2007/04/03(火) 18:58:00 ID:vk/5MgKm
不安そうな顔をして見つめてくるルイズに一瞬ドキッとしたが、無理矢理続きを話した。
「お前、俺がシエスタと結婚すると思っているだろ?」
「うん」
「それが勘違いなんだよ、別に俺は結婚なんてしないから」
「えっ?」
「そうだよな、シエスタ?」
急に話しを振られ少々戸惑ったが、慌てて才人の言葉をつないだ。
「そ、そうなんですよミス・ヴァリエール」
「で、でもそれならなんでさっき結婚って・・・・」
「あれはわたしの友達が結婚するんです、それでわたし司会を頼まれたんですけど一人じゃ心細くて
サイトさんにいっしょに司会をしてくれるように頼んでたんです」
「そ、それで俺はシエスタの頼みだし今までお世話になってるしまあいいかなーなんて思って」
そして二人は顔を見合わせて、ねー、と頷きあった。
ルイズはただ呆然と立ち尽くしていた。
え、何?全部わたしの勘違い?
なーんだ、心配して損しちゃった。
そうよね、馬鹿犬がご主人様をほっといて結婚するはずないわよね。もうわたしったら。
あれ?
わたし勢いにのってなにかすごいことを言ったような。
えーと・・・確か・・・・
「ル・・・・ルイズ〜〜、お〜い・・・」
いきなり黙り込んでしまったルイズが心配になり、ルイズの顔の前で軽く手を振る。
しかしルイズはまったく反応しなかった。
ルイズはそんな才人の顔を見て、全てを思い出した。
わわわわわたしったら勢いとはいえなんてことを・・・!!!
けけけけけけ結婚するってわたしが!!!サイトと!!!!
いいいいいいっちゃった、いっちゃったよぉーー!!!
急にぷるぷる震えだしたルイズに再度才人は呼びかける。
「おい、おい!ルイズ!!どうしたんだよ!!!」
才人の呼びかけに我に返ったルイズはたっぷり顔を赤らめたあと、言葉にならない声と共に強烈なボディーブローをかまし、
ものすごい勢いで走り去ってしまった。
「あれ、何これ・・・天井と意識が遠のいていく・・・・・」
理不尽なお仕置きを受けた才人はその場に倒れこんだ。
347 :
桃色の花:2007/04/03(火) 19:02:10 ID:vk/5MgKm
とりあえず今回はここまでです、エロはまた後日ということで・・・・・
え?文の長さがバラバラだって? ・・・そういうことは思ってもいっちゃダメなの!!
ま、逃げるが勝ちってことで ε=┏( ・_・)┛
>>347 シエスタが可愛いのみならず
ルイズもちょっとだけ可愛い
シエス子派の俺にそう言わせたんだからたいしたもん
エロパートも楽しみに待ってるぜ
全裸で。
349 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 19:20:23 ID:QjSd6xyu
GJ!とてもおもしろいでござる。
投下ラッシュ万歳。
これはいいラブコメ 続きワクテカですな
そしてヤムチャの所でリアルに吹いたw
351 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 19:29:04 ID:QjSd6xyu
しかし、こうレベルが高いと投下しづらいですな。
352 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 19:46:25 ID:+oZ2laYX
11巻はいつ発売? アニメ第二期はいつから?
>351
YOU! 書いたんなら投下しちゃいなよ!
トv'Z -‐z__ノ!_
. ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,
rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|::: ,.、
、 ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ ミ ∧!::: .´
ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf:::: ~
r_;. ::Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ::: ` ;.
_ ::\,!ィ'TV =ー-、_メ:::: r、
゙ ::,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ::: ._´
;. :ゞLレ':: \ `ー’,ィァト.:: ,.
~ ,. ,:ュ. `ヽニj/l |/::
_ .. ,、 :l !レ'::: ,. "
355 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:10:33 ID:QjSd6xyu
>319続き
所変わって魔法学院
サイト「あ痛い、痛いってもっと優しく」
シェスタ「もう、無茶するからですよサイトさん」
サイト「仕方ないだろう。ああするしかなかったんだから」
シェスタ「3万の軍の中、駆け抜けるなって」
デルフ「まったく、よく生きて帰ってこれたもんだぜ」
サイト「でも、なんで銃で撃ってこなかったんだろう?連射式なんだから、
間違いなく当たっただろうに」
敵の司令官(仮面の男)がサイトを生け捕りにするように指示したからである。サイトが知る由もないが。
ルイズ「このバカ犬、このバカ犬」
ルイズが言いながら蹴りをいれてくる。いったいいつの間にきたんだ。
それにこれで最低、戻ってきてから5回以上もらってるんですけど<蹴りを>
サイト「痛い、だから痛いって!」
この痛みを実感しながら俺って生きているんだなぁとしみじみと思うサイトであった。
サイト(しょうがねーだろうが、ガリアの奴ら自分の主君(イザベラ)を見捨てていくんだもんよー)
と心の中で訴えかけるサイト。仕方がないので、
イザベラと馬に二人乗りで敵と戦うという非常に困難(おいしい?)状態になりながらも、
3万の軍の中なんとか逃げ切ることに成功したのだが、これを口に出してて言うようものなら、
ご主人様に何されるか分かったもんじゃない。
356 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:16:34 ID:QjSd6xyu
サイト「所でルイズ、会談の結果てわかったのか?」
ルイズ「うーん、それがね姫様が帰ってきたらしいだけど、とても落ち込んでるらしのよね。」
シェスタ「会談は失敗で、また戦争ですか?」
ルイズ「いや、それはないみたいなんだけどね」
「かなり、厳しい条件をつきつけられたみたい。」
シェスタ「賠償金が高くて、悩んでるとか?」
ルイズ「かもしれないわね。」
シェスタ「税金高くなっちゃんですかね。」
ルイズ、シェスタ、サイトの間に重苦しい雰囲気が漂う。とそんな時、重苦しい沈黙を破ったのはタバサの使い魔シルフィ−ドであった。
シルフィ「きゅいきゅい、どうしたの、どうしたのね。」
こいつもいつの間に来たのやら、
サイト「お前はいいよなぁ〜、たくほんとに。」
シルフィ「ほめられたのね、シルフィほめられたのね。」
タバサ「少しうるさい、ちょっと黙れ」
シルフィ「おこられちゃったのね」
タバサ 「ちょっと、話がある。」
サイト「俺に?、いったい何?」
「わりいルイズ、シェスタちょっといってくる。」
357 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:20:59 ID:QjSd6xyu
不満そうにしながらも、
ルイズ「後で、御主人様にちゃんと報告するんだからね。」
シェスタ「包帯の交換はもうすみましたから。またなにかあったらいつでもいってください。」
サイト「うん、わかった。ありがとう。じゃいくか。」
こくりとタバサが頷く。
タバサとサイトが一緒に歩いていくのをみて、
シェスタ「はっきり言って、ヤバイですよね。ミス・ヴァリエール」
ルイズ「ななななな何がヤバイのよ」
シェスタ「だって………」
「サイトさんは実はああいうのが、好みかも」
ルイズ「そそそそそんなわけあるはずが……」
ないとはいいきれないのが悲しいところである。
358 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:22:46 ID:QjSd6xyu
デルフ「相棒はもてるね−」
サイト「茶かすなよ」
「で話ってなに?重要なこと」
重要だから、わざわざ2人きりになって話をするのだか
タバサ「時間がないから、用件だけいう。」
「今、すぐ逃げて」
サイト「いや、そのいきなり逃げろと言はれても、意味が分かんないですけど。」
「 第一どこに逃げろと」
タバサ「自分で考えて」
サイト「お前はどうするんだ。お前も一緒に逃げるのか?」
首を横にふるタバサ、それからおもいもがけない言葉が返ってきた。
タバサ「私は、ガリアに戻る。」
サイトは一瞬この少女がなにを言っているのかわからなかった。
あれほど、ガリアから苦労してタバサと母親を奪い返したというのに、
またそこに戻るとは。
サイト「ちょっと待てって、戻って何をするんだ?まさか復讐か?」
タバサの父親がガリアの王に殺されたのはキュルケから聞いている。
またも首を横に振るタバサ
タバサ「やることがある。」
「お嬢様お時間ですじゃ。」
と執事のペルスランが声をかけてくる。
タバサ「わかった。」
「とにかく、どこでもいいから逃げてお願い。」
「それと、いままでありがとう。そしてこれはお礼」
そういうがはやいか、サイトの顔を強引に両手で自分の顔付近にもってくると
サイトの唇に自分の唇を重ねあわせ、まさに『マウスちゅうマウス』の状態になり、
サイトは何が起きたかわからず目をぱちくりするばかりで、一方タバサはなかなか
離れようとはせず、一分くらいたちようやくサイトを解放し、
執事のいる馬車まで走っていってしまった。
デルフ「あ…… 相棒大丈夫か?……」
この一声でようやく我に返ったサイトは
「ああ、多分」
気のない返事をしていると、突然シルフィ−ドが現れ
「シルフィもお礼(?)をするのねー」
と言ってサイトにキスした後、竜に変身してタバサの後をおいかけていった。
サイト「なんだったんだ?」
デルフ 「さあ、なんだったんだろうな」
と言っているうちに、後から凄まじい殺気を感じてロボットのように
“ギギギギ”という音をたてて首を回してみると、ご主人様とメイドが
“氷の微笑”をうかべてたっているじゃありませんか!?
サイト「デルフ」
デルフ「なんだい、相棒」
サイト「男の幸せってなにかな?」
デルフ「なんだろうな」
この後、サイトがどのような運命をたどったか言うまでもない。
1時間後ぐったり気絶しているサイトを見ながら
ルイズ「どんな話だったのかしら?」
シェスタ「愛の告白だったりして」
ルイズ「ありえるわね。(しかもキスしてたし)」
「後で聞きださないと。」
シェスタ「まったくです。」
デルフ「相棒、大変だなぁ……」
359 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:27:56 ID:QjSd6xyu
とりあえず、以上で終わりです。
タイトルは、いまだきまらず。
うまくまとめられるかなぁ。
360 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:35:03 ID:QjSd6xyu
文章がよみづらくなってすまん。
一応>>309につなげるまで書くつもりです。
>>359 ん、GJ!
長編っすか?先生。
タイトルはぼちぼち考えていけばいいかと。
できればトリップをつけていただけると分かりやすいです。
362 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 21:07:14 ID:QjSd6xyu
>>361
わかりやした。
ID:QjSd6xyu
18歳以上になったらまた来ような
364 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 22:32:11 ID:QjSd6xyu
>>363
一応、20歳越えているのだが……
学生やっているためお金がなく、緑のままだ
確かに、緑だと違和感があるとは自分でも思う。
緑?
>>364 おまえさん、よく『半年、ROMれ』って言われないか?
368 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 23:03:20 ID:QjSd6xyu
すまん、何せ素人なものだからよくわからなかったのだ。
荒らすつもりはなかった。
>>368 ・メールアドレスの欄に半角でsageと書く。
・>>(全角)ではなく>>(半角)で。
とりあえずこんなとこで。
まあこれに懲りずにまた投稿して下さいな。
他の人がSSを投下した直後に自分も投下するのは
マナー違反だから気をつけよう。
>>370 ときどき疑問に思うんだけど、最低限どのぐらい間置くべきなんだろう。
1レスでもついてたらいいとか、そんな感じ? 皆としてはどうよ?
ありがとう、これからも間違っているところがどあったら指摘してください。
さて終わったかな?かな?
「ハヤテのごとく!」のOPでナギが「サイトー!」って叫ぶ夢を見たせんたいさんです(ぁ
メイドキュルケの前に、どこかの誰かの言ってた「万愚節」ネタいくよん♪
>>370 本人の良識の問題じゃない?
「自分はここで投下しても、前に投下した人が感想をもらう機会を
妨害することにはならない」と思えるタイミングならどうぞ、って感じ。
タバサは自分を指差してこう言った。
「明日、誕生日」
その日、廊下で出会うなりタバサはそう言った。
「へ?」
いきなり言われた才人は目が点になる。
そういや、俺シャルロットの誕生日なんて知らなかったっけ。
そしてタバサはにっこり笑う。
その笑顔の意味を才人は探す。
えっと。つまり。
シャルロットは俺に誕生日を祝って欲しい?
「えっと?」
才人が続きを言う前に、タバサはこくんと頷いた。
そして言う。
「明日、部屋で待ってる」
そして笑顔のまま、才人に手を振る。
「あ、あの、タバサ?」
タバサは才人の言葉を完全に無視して、手を振りながら去っていく。
拒否権はないらしい。
才人はそれから一日、タバサへのプレゼントの事で頭を捻ることになる。
しかし一日で物理的に用意できるものなどたかが知れていて。
結局才人が用意できたものは。
「…ご、ごめんっ、こんなのしか準備できなくてっ」
タバサの誕生日当日。タバサの部屋の前。
才人がタバサに突き出したのは、校庭で集めた花々を集めて造った、安っぽい花束。
タバサはそれを、両手で受け取る。
「いや、もっとちゃんとした物捜そうと思ったんだけどさ!
時間も金もなくてさ!あはははははははは」
とりあえず笑ってごまかす才人。
ここはなんとか誤魔化す。誤魔化しきる。
しかしタバサはそんな事は気にしていなかったようで。
嬉しそうな顔でその安っぽい花束をぎゅうっ、と抱きしめると。
「ありがとう。…嬉しい」
花束の向こうから、にっこり笑って、才人を見上げた。
潤んだ瞳と輝く笑顔が、まるで花の妖精のようだった。
うは。わかええ。
なんて思っていると。
タバサははっと何かを思い出したように顔を上げると、振り向いて才人に背中を向ける。
いけないすっかり忘れてた。
タバサは胸元から一枚のメモを取り出す。
そこにはこう書いてあった。
『しょっぱいプレゼント>無理難題』
そして手にした花束を見つめる。
にへ。
…じゃなくて。
タバサは緩みそうになる頬の筋肉を必死で張り詰めさせ、一度深呼吸すると、いつもの仏頂面になってもう一度才人を振り向く。
「…?どうしたシャルロット?」
必死に頬の筋肉を維持する。
ちょっとひくついてたかもしれない。
「…これだけ?」
悟られないように、できるだけ無表情。
不機嫌そうな声にするのも忘れない。
…ちょっと上ずってたかも。
「へ?」
案の定、才人は不思議そうな顔をする。
…一度喜んじゃったのが間違いだったかな?
でも、ここからでも盛り返せるはず…!
タバサはできるだけトーンを落として、花束を才人に突きつけながら言う。
「こんな、花束だけ?」
「あ、あのシャルロットさん?」
そうだ、誰かこういう時ムチャな要求しそうな知人を真似てみよう。
…ちょうどいいのがいた。
ル イ ズ 。
タバサはできるだけルイズを真似て言ってみる。
不機嫌に。可愛くならないように。
「こんな安っぽい花束が贈り物なの?」
「さ、さっき喜んでたじゃ」
「…反論は認めない」
そう言うと才人はうぐ、と黙り込んでしまった。
なんだが、とても反論しづらい空気だったからだ。
才人は気付いていなかったが、タバサの醸し出している雰囲気は、主人のそれと同じものだった。
才人は条件反射で主人の言う事に従う。
そのことに、無意識のうちにタバサは気付いていたのだ。
「埋め合わせ、しなさい」
「…え?」
「埋め合わせ」
タバサは花束を突きつけたまま、淡々と要求だけを述べる。
才人はそんなタバサにたじたじと後ずさるだけだ。
しゃ、シャルロットってこんな怖かったっけ…?
それがタバサがルイズを真似ているせいだという事に、才人はまだ気付かない。
「そ、そんな急に言われても」
慌てて色々考えるが、才人にいいアイデアが思いつくわけもなく。
チャンス。ここから一気に畳み掛ける。
タバサは決心し、ずっと練っていた言葉を、計画通りに告げる。
「じゃ、じゃあ、きょ、今日一日、私のモノになりなさい」
うあ、ちょっと噛んだ。
「…へ?」
目を点にする才人を、タバサは部屋に引きずり込んで、扉に『ロック』を掛けてしまった。
二人きりになってタバサがまずしたことは。
いきなり才人に抱きつくこと。
「お、おいシャルロット」
才人はタバサのいきなりの行動に驚いていた。
…イヤじゃあないけど。
タバサはそんな才人に、彼の胸の中から言う。
「今日は一日サイトは私のモノ。反論は認めない」
言って、さらに強く才人を抱きしめる。
タバサの腕の中で、才人はやれやれ、と天井を仰ぐと、決心した。
シャルロットの言うとおりにしてやろう。せっかくの誕生日だし。
「了解、ご主人様」
言って才人は、優しくタバサを抱きしめる。
タバサはそのまま、才人の胸に顔を埋め、そのまま彼の匂いと体温を楽しむ。
才人の腕の中からは、花の香りとタバサの香りが立ち上ってくる。いい匂いだった。
しばらくそうしていたが、才人の方にちょっと異変が起きてきていた。
息子がおっきっきしてきたのである。
「あ、あのさシャルロット、いい加減離してくんない?」
「だめ」
案の定タバサは否定してきたが、このままでは気付かれてしまう。
「…あ、あのさ、このままだとシャルロットも動きにくいだろ?」
しかしタバサは、致命的な一撃を返してきた。
「だめ。今日はずっと一番近くにいるって決めた」
そして才人を見上げて、にっこり笑う。
いかん。スイッチ入った。
むくり。
「…あ」
さすがにタバサも気付いたようだ。
見上げた頬が朱に染まる。
「…だ、だから言ったじゃんか…」
才人は照れたように頬をぽりぽりと掻く。
しかしタバサは、なんと満面の笑顔になった。
「当たってる…サイトの…」
そしてさらに身体を擦り付けてきた。
うひょおおおおおおおおお?シャルロットの柔らかいおなかが!おなかのおにくがぁ!?
タバサは腰を押し付けて、立ち上がった才人の棒を無理やり押し倒す。
「ちょ、シャルロット何してんだよっ」
「密着してる」
言いながら、腰を左右に振って才人のナニを左右にうにうにする。
「ちょ、まずいってソレ!」
「痛かった?」
タバサはそう言って、下から見上げてくる。
不安そうなその顔があまりにも愛らしくて。
やべ、限界くせえ。
才人は思い切りタバサを抱きしめて言った。
「いや、違ってさ。
キモチよすぎて…出ちまいそうなんだ」
言ってから照れて視線を逸らした才人に、タバサはたまらない愛しさを感じた。
「じゃあ…」
その言葉に、タバサはようやく身体を才人から離し。
手を握って、才人をベッドへと導く。
そして、ベッドの端に腰掛けて、言った。
「勿体無いから」
左足は床につけたまま、右膝の裏側に手を回して持ち上げ、スカートの中身を才人に晒す。
そして続けた。
「私の中に…出して」
薄い水色のショーツと、薄い桜色に染まった白い太股のコンストラクションが、才人の理性を吹き飛ばし。
才人はそのまま乱暴に、タバサを押し倒したのだった。
ショーツをずらすと、既にそこはしっとりと湿り気を帯びていた。
「あれ、準備しなくても濡れてるな?」
才人は意地悪にそう言うが、今日はタバサの方が一枚上手だった。
「…うん。
サイトの匂いが、気持ちよくて」
匂いで感じた、と来た。
くはぁ、と才人は息をもらす。
か、かあいいこと言ってくれんじゃないかっ!
才人がそうやって萌だえていると。
「もっと気持ちよくして」
浮かせ技で浮いた所にとんでもない追撃がきた。
タバサははにかんだように微笑んでそう言ってみせたのである。
才人の欲望は限界に達した。
「じゃ、遠慮なく♪」
すでにズボンを下ろして外に出していた一物を、才人は露出されたタバサの入り口に突き立てた。
「あっ…♪」
その感覚に、タバサの顔が綻ぶ。
そして言った。
「一番近くまで…きて…」
両手を広げて、才人を促す。
才人は腰を進め、そのままタバサを抱きしめた。
タバサは才人が最奥まで来たのを確認すると、両足を才人の腰に絡めて、脚で才人の腰を固定した。
「お、おいシャルロット…」
このままでは腰が動かせない。才人がタバサに抗議しようとすると。
タバサは才人の首に手を回し、言った。
「このままが、いい…。
サイトの一番、近くにいたい…ダメ?」
かは、と才人は息を吐く。
な、何で今日はこんなにかーいいんだコイツ…。
そんなかーいいシャルロットには、仕返ししてやんなきゃな…?
才人はそう考え、タバサに言葉を返す。
「じゃ、もっと近寄らなきゃだめだな?」
「…え?」
これ以上、どうやって近づくんだろう。
タバサが疑問に思っていると。
才人はタバサの眼鏡を外して横に置くと。
タバサの唇を己の唇で覆った。
…そういうことかぁ…。
納得したタバサは、そのまま才人の行為を受け入れる。
予想通り才人はタバサの唇を舌で割り開き、口内を犯す。
タバサもそれに習い、才人の舌を己の舌で愛撫する。
腰は抜かない代わりに、何度も奥を突き上げ、捻りを入れて抉る。
「んっ…ふっ…んふっ…」
お互いの口の端から吐息が漏れ出し、鼻で行われる呼吸が絡み合い、熱さを増す。
タバサの蜜壷はとろとろにとろけ、奥まで刺さった才人の牡に絡みつく。
ぐちゅ…ぴちゃ…ぷちゅ…。
「ふぅッ…ん…ふっ…」
舌と性器を絡ませる卑猥な水音と吐息の漏れる音が、閉じられた空間で淫靡なセッションを奏でていた。
ぷちゅ!ぐちゅ!ぶちゅくっ!ぐちゅっ!
やがて才人の腰のリズムが早まり、彼の限界をタバサに伝えた。
タバサも限界に近いどろどろの秘裂で彼を咥え込み、脚を絡めてより奥へ彼を導く。
「ふうっ!ふぅっ!んふぅっ!」
絡み合う唇の端から泡立った唾液の筋が零れ、激しくなった吐息が、隙間から漏れ出す。
そして。
「────────────────────っ!!」
どくどくどくっ!
絡み合った唇のせいで声を立てることもできず、お互いに身体を震わせ、二人は達した。
唇を離すと。
白く濁った唾液が、お互いの間に粘つく粘液の糸となって渡された。
「な、なかなかスゴかったよ、シャルロット…」
言って才人は脱力した己自身をタバサから引き抜こうとする。
しかしそれは適わなかった。
タバサが脚に力を込め、腰を密着させてきたからだ。
「ダメ」
タバサは眉をへの字にして言う。
「え、ダメって」
不審を露にする才人に、タバサは抱きついた。
そして、もう一度才人の唇を奪う。
「今日は一日中、こうしてるの」
「え、ちょっとま」
才人の言葉を、タバサは遮る。
「反論は却下」
いたずらっぽく笑って、今度は胎内で力を失っている才人に、腰をくにくにと動かして刺激を与える。
その刺激に、才人の牡は敏感に反応した。
「今日はずっと、サイトの『いちばんそば』にいるから」
言ってにっこりと笑う。
才人は諦めて、一応お願いしてみた。
「休憩くらいは、サセテネ?」
「中でなら休んでいい」
言って今度は、タバサから腰を使い始めた。
こうして、才人の長い長い長い一日が始まった。
ちなみに。
タバサの誕生日は今日じゃなかったりするのだが。
才人がそれを知るのは、ずいぶん後のことである。〜fin
はい終わりましたー。
まああんまり表題どおりにいかないのが世の常で(何
思いついたはいいが途中でバラすのもアレだなあ、と思ってw
さて、明日も夜勤なのでこのへんで。
それではノシ
ルイズの真似するタバサかぁ〜。
……いいね!想像しただけで萌えてきた。GJ!
384 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:25:10 ID:tyyx4j6F
せいたいさんキターーーーーーーーーーーーーー!!
もうね。このスレはせいたいさんの為にあるようなものだと思いましたよ。ほんと。
せいたいさんGJ!!これからも頑張って下さい。
今ならこの流れを変えられる!!
ル イ ズ は ま だ で す か
そうだ、みんな忘れてきてるぞ!ヒロインはルイズだ!!
まぁロリコンな僕にはタバサの方g
>>385そしてその流れをまたタバサに変えるタバサ依存症の俺。
タ バ サ は まだ で す か ?
せんたいさん神GJィ!今更だがやっぱ神だわあんた
すまん。うち間違えた
いやヒロインはいつもサイトの一番側にいるデルフ・・・
ん?こんな時間にお客さんか?
390 :
261のひと:2007/04/04(水) 01:47:17 ID:Fmaw2vgn
ゆきます
391 :
1/12:2007/04/04(水) 01:47:50 ID:Fmaw2vgn
「いやいや、本当にサイトがうらやましいよ」
騎士隊の訓練が終わって、部屋に帰ろうとするサイトを掴まえたマリコルヌは、
無理矢理食堂にまで引きずっていった。
……こんなに体力あまってるのなら、明日からのもうちょっと訓練増やしてもいいな。
サイトの密かな決心を知らず、マリコルヌは調子に乗って話し続けた。
「専属のメイド……専属のメイドだよ? ……いいなぁ……」
確か同室にシエスタがいるのは嬉しい。
……が、マリコルヌの目は、何か別のことを揶揄しているようで、
ニヤニヤと粘っこい目つきでサイトや、食堂のメイドを見ていた。
「何が言いたんだ?」
「いや……べーつーにー」
マリコルヌの奢りで、幾つかの料理がテーブルに運ばれてくる。
今日はシエスタが何か料理を用意してくれる日なので、余り食べたくないサイトが、申し訳無さそうに詫びた。
「あーごめん、マリコルヌ今日はシエスタが料理を……」
「あーあー、これですよ、流石専属メイドは付く人は違うなぁ」
「……ごめん……って、さっきから専属メイド専属メイド言ってるけど、何か有るのか?」
わざとらしい繰り返しに、流石にサイトが聞きとがめた。
掛かった! マリコルヌは胸中で喝采を上げながら、計画通りに話を始めた。
――遠くで雷が鳴り、それに照らされたマリコルヌの顔が、醜悪なピエロに見えた。
「……じょ、冗談……だよな?」
「いや、本当だよ。そもそも実家のメイドは基本的に、領民だからね」
真面目な顔のマリコルヌが、両手で隠した口元で舌を出しながら続けた。
サイトの性格を理解しているマリコルヌは、更にサイトを染め上げる。
「まぁ、それでも食べながら話を聞けよ……サイト」
「……あぁ……で、でも……さっ、そんなのっ」
「まぁ、聞けよ、そもそも……」
マリコルヌの話が終わって、サイトが席を立った。
「濡れるぞ?」
雨の中をふらふらと歩くサイトに、マリコルヌが声を掛ける。
「……別に……いい……」
びしょ濡れに成りながら歩み去るサイトを、マリコルヌが笑って見送っていた。
392 :
2/12:2007/04/04(水) 01:48:21 ID:Fmaw2vgn
「あら、おかえ……きゃーー、サイトさんっ。びしょ濡れじゃないですか」
部屋に帰った俺を、シエスタが迎えてくれる。
くるくると走り回るシエスタの身体に視線を奪われた。
『故郷だったら、自分付きのメイドなんて……』
マリコルヌの言葉が、脳内で繰り返される。
頭を強く振って、邪念を祓う。
シエスタに……そんな……
「サイトさん?」
覗き込んでくるシエスタの邪気の無い瞳に、俺の理性が見る見る焼き尽くされる。
「っち、近いっ、シエスタ、近すぎるから」
「わあ、ご、ごめんなさい」
俺が騒いだ所為で、シエスタが慌てて飛び退く。
……いつもはもっと密着して寝ているのに、今更何を……我ながらそう思う。
俺がシエスタを遠ざけたことに、ショックを受けた様子だったが、
人差し指を頬に当てて少し考え込んだ後、花が開くように笑う。
「ひょっとして……意識してくれました? ……だったら、嬉しいですサイトさん」
綺麗なシエスタ。
ふわりと笑ってから、軽やかに距離を取った時に翻るスカートから、ちらりと白い肌が覗く。
そこに居るだけで強く自己主張する胸元や、手の中にすっぽり納まりそうな細い腰に目を奪われた。
……喉が……渇いた。……ひどく……喉が渇く。
ゴクリと喉を鳴らしてから、マリコルヌの話を……また……思い出した。
『好きに扱える玩具だよ。あれだけ可愛ければ毎晩楽しいだろう?』
っ!!
シ、シエスタはそんなんじゃねぇっ!
どうして俺はあの時マリコルヌを殴らなかったんだ?
そんなの嫌がるだろう……当然俺は反論した。
『いや、本当だよ。そもそも実家のメイドは基本的に、領民だからね』
……吐きそうだ……
393 :
3/12:2007/04/04(水) 01:48:54 ID:Fmaw2vgn
『そういう訳で、僕ら付きのメイドなんて、逆らえないんだから玩具も同然さ』
……黙れ……黙ってくれ……
『今は貴族が微笑む時代なのさ』
……頼むから……頼むから黙ってくれ……
マリコルヌの話が、繰り返し繰り返し頭の中で流れる。
立ち尽くす俺を不安げに見守るシエスタの仕草の愛らしさが、
俺の恐慌に拍車をかけた。
……い、いいん……だよ……な?
前に言ったもんな、シエスタ。
『何も遠慮することないんですよー』
って。
……じゃあ……
「サイトさんっ!」
俺の頭に、優しくタオルが掛けられる。
「あ…………」
「ほら、いつまでも濡れてたら風邪ひいちゃいます」
何も知らずに、シエスタが俺の側にいた。
俺の目の前に立っている為、タオルの所為で少し下げられた俺の視界には、
控えめに開かれた、大きな胸があった。
……コレ……オレノ……
思わず俺は両手をシエスタの腰に回し、その胸元に顔を埋めていた。
394 :
4/12:2007/04/04(水) 01:49:30 ID:Fmaw2vgn
柔らかぁい!
至福! 感動!!
冷え切っていた身体が、中からも外からも温められる。
両の頬に当たる、ふにゃんとした感触がたまらない。
「……サイトさん?」
怪訝そうなシエスタの声を無視して、荒い息を吐いてその香りを堪能した。
「サイトさん? ちょっ、大丈夫ですか?」
……は?
大丈夫ってなんだ?
悲鳴を上げて逃げるとか、抱きしめてくれるならまだ分かるんだが……
大丈夫?
怪訝に思いのろのろと顔を上げると、真剣な表情のシエスタと目が合った。
「サイトさん! こっちへ」
「う……うん」
シエスタはガシガシと頭を拭きながら、俺を……ベットに連れて行った。
……さ、誘ってる?
期待したのも束の間。
「座ってくださいっ」
「はい」
手際よく俺の水気を拭き取ったシエスタが、じーーーーっと至近距離で俺を見つめる。
な、なんだ? 何が始まるんだ?
緊張する俺の髪を優しくかき分けたシエスタは、耳の後ろにそっと手を当てた。。
水仕事でもしていたであろうシエスタの手は、ひんやりと俺の理性を目覚めさせる。
……っ! 俺って奴は……なんて事をしようとっ!!
反省する間もなくシエスタの顔が近づいてきて、今度は別のパニックに襲われた。
(っきゃぁぁぁぁ)
情けない位心臓がバクバクと鳴る。
悲鳴を上げて逃げ出したいが、真剣なシエスタの目は俺に行動を許さない。
ほんの数秒が、数分にも数時間にも感じられている間に、シエスタの顔はどんどんと近づいてきた。
395 :
5/12:2007/04/04(水) 01:50:02 ID:Fmaw2vgn
コツン、小さな衝撃と共にシエスタの額と、おれの額が接触した。
「なっ……なに? なに? なんなの、シエスタっ」
「……やっぱり……ちょっと熱いです」
……いや……あの……普通、女の子にオデココツンされて、体温上がらない訳無いかと……
「濡れて帰ってきて、ぼーっとなさったり、その場で倒れたり……
目の前にわたしが居なかったら、怪我されていたかも知れませんよ?」
…………いや……倒れたんじゃなくて、最初から胸を狙ったんだけど?
……い、いぇねぇ。
あまつさえ、全開で襲うつもりでした。
……更にいえねぇ
「ほら、今日は暖かくしてお休みしましょうね?」
「……う、うん」
……ま、まて、俺……うんってなんだ?
腰に手を当てた、年上のお姉さんモードのシエスタに、ついつい幼児退行してしまった。
「まずは身体拭きましょうね?」
――シエスタが濡れた服を剥いだり、何度もタオルを変えて水気を……
ごめん、幼児退行は嘘だ。
シエスタがあちこちを拭くたびに、むにゅむにゅと胸が当たる。
押し付けられたこともあるし、もっと慣れているつもりだったけど……
顔を埋めた所為で、身体に掠るたびに感触が蘇って……
「サイトさん、着替えましょう……立てますか?」
「……ごめん、無理……」
勃ってるから、恥ずかしくて立てません……
到底言えない事態だが、シエスタは別の意味に取った。
「そ、そんなに調子悪いんですか?」
あーごめん、泣きそうな顔しないでー
396 :
6/12:2007/04/04(水) 01:51:21 ID:Fmaw2vgn
「へ、平気だから……ちょっと時間が経てば治るって」
いや、マジで。
「でも……でもぉ……」
その場に土下座したい気分だったが、そういう訳にもいかず、とりあえずシエスタの頭を……
「……どーゆー事態?」
「……ナンデモ・ゴザイマセン・ゴシュジンサマ」
ポンとシエスタの頭に手を置いた時、部屋の入り口に立つルイズに気がついた。
「ミ、ミス・ヴァリエール」
シエスタの目が涙で濡れて……って、おい
「ちょっ、まっ……なんで杖構えるんだよっ、ルイズぅぅぅぅ」
「……何でも無いで、シエスタ泣かしてるんじゃないわよぉぉぉぉ」
「わあわあわあ、ちーがーいーまーすー、駄目ですっ、ミス・ヴァリエール」
俺でも止められないルイズを、シエスタは手振りと声で押し止めた。
「な、何がよ」
ルイズの殺気が薄れ俺は胸を撫で下ろした。
アルビオンから帰ってから、シエスタとルイズは仲が良いのか悪いのか分からない。
牽制しつつも尊重しあっている感じに、俺はたまに疎外感を覚えるほどだ。
「……で、…………なんです」
「なんですってぇぇぇぇ」
あれ? 疎外感を覚えている間に、シエスタがルイズに何か説明を終えた……
「あ、あんた立てないほど体調悪いんなら、大人しくしてなさいよぉぉぉ」
泣きそうな顔が、もう一つ増えていた。
397 :
7/12:2007/04/04(水) 01:52:24 ID:Fmaw2vgn
雨の中を、ザクザクと音を立てて目的に進み、
濡れることも構わずに木に登る。
「くっ……食べ過ぎたか……」
ミシミシとしなる木に怯えながらも、目的の場所にたどり着いた。
「ここだ……」
魔法で飛んでも良かったが、精神力は温存したかった。
ドットのマリコルヌが本来使えないはずの魔法を使うからだった。
「そろそろ、破局の時間だよな……」
ルイズの帰る時間を計算した上でサイトを開放したマリコルヌは、
サイトが自分望みどおり動いていることを願い、その場合に起きるであろう騒ぎを楽しみにしていた。
「メイドに手を出せるわけ無いだろう」
学園のメイドは領民ではないし、そもそも、そういう年頃になると学園に放り込まれる。
思春期の貴族が暴走するとどうなるか……
六千年の歴史が証明していた。
そんなわけで、メイドに手を出す不心得者等(ほぼ)皆無なのだが……
「学園のメイドに手を出せば、軽くて謹慎……場合によっては退学か……」
マリコルヌには夢があるッ!!
「モテモテに成りたーーーーいっ!!」
拳を握って雷雲に叫ぶ!!
前途は遠い……
しかし諦めないマリコルヌが今回計画したのが……
『モテる奴がモテなく成れば、相対的に俺! モテモテ!!』計画
だった……
女子の『誰も選ばない』を度外視してる辺り、穴だらけの計画なのだが……
「まずは、サイトからだぁぁぁぁ」
そんな事に気が回る性格だったら……
計画の成り行きを見ようと、マリコルヌが詠唱を始める。
彼の得意な風の魔法の中でも、最も得意な魔法。
本来彼が使える魔法ではないのだが、この魔法に限って彼はトライアングルに匹敵する精神力を発揮する。
「歪めぇぇぇ空間、見えろやぁぁぁ、遠くぅぅぅぅぅぅ」
別名・覗き魔法
……モテない筈である。
そもそも、女子寮の最適な覗きポイントを知っているだけで、殆どの女生徒にはアウトであろう……
そんなマリコルヌの魔法が効果を表した瞬間……
「な、なぜだぁぁぁぁぁぁ」
彼の叫びが、魂の悲鳴が響き渡った。
398 :
8/12:2007/04/04(水) 01:53:16 ID:Fmaw2vgn
「寒くないですか?」
「うんー、へいきー」
背後からシエスタの声が聞こえる。
「い、いいから、大人しくしてなさいっ!」
「はーい」
腕の中でルイズが丸くなってる。
……すーげー、今俺が置かれている状況を説明しよう。
まだまだ寝るには早いが、俺たちは皆寝巻き。
早く寝る=皆で寝る
と、言うことらしく、いそいそと二人とも着替えた。
ちょっと恥ずかしかったが、俺についてはルイズとシエスタが二人係りで着替えさせてくれた。
……あちこちに色々当たって幸せだったことを特に記す。
部屋にはどこから用意したのか、大量の布団、毛布、クッション。
体調不良(……ごめん)の俺が食べやすいようにと、各種スイーツ。
コレだけも幸せなのだが……
「横になったほうが良くないですか?」
「いやだっ!! まだ横にならない!!」
成ってたまるかぁぁぁぁ、言おう! 至福である! と。
「サイト……あんた…………っ、きょ、今日だけだからねっ」
ルイズの視線がちょっと痛いが……今日の俺の枕は素晴らしい。
ベットサイドに大量に積まれたクッションに……シエスタがもたれ掛り……
俺 は そ の 上 !
……つまり……
「おっぱいクッション!!」
「は、恥ずかしいです……サイトさん」
「……犬……あんたねぇ……」
俺の首に後ろからフィット。
窒息しないように仰向けに! 誰だよ、このステキシステムの発案者!!
……俺だ、サイトさまだぁぁぁぁぁ
「あ……あんたって……」
「ルイズも……気持ちいいよ」
不満気だったルイズが、真っ赤に成って黙り込んだ。
399 :
9/12:2007/04/04(水) 01:54:03 ID:Fmaw2vgn
無論ルイズにも役目がある!!
俺はご主人様を仲間はずれにしたりはしないっ!!
ルイズは俺の身体が冷えないように……
風邪が酷くならないように……
その体温を持って俺に密着。
凹凸の少ないフラットなボディーのお陰で、最高の密着を誇るッ!!
シエスタだとこうはいかないっ!!
つまりっ
「ルイズ、ぶとーーーん!!」
「だ、黙んなさいっ」
「……ミス・ヴァリエールの方が軽いですしね……」
なんか背中でシエスタがヘコんでる……
「おっぱいまーくーらー」
「まぁ……♪」
「ルイズ、ぶーとーんー」
「……もぅ」
ふぅ、モテる漢はつらいぜぇぇぇぇ
何この最強布団セット。
誰? こんなの思いついたの!! 俺!! 俺だよ!! 俺俺ぇぇぇぇ!
サイトだよぉぉぉ
げへぇぇぇぇ、なんてスバラシィィィィ
この世の天国……プライス・レス
っつーか売らねぇ、絶対売らない。
「サイトさん、ちょっとは何か食べませんか?」
「はーーい」
……なんてっ……幸せ。
400 :
10/12:2007/04/04(水) 01:54:41 ID:Fmaw2vgn
むにょんむにょんむにょん
(うひょぉぉぉぉぉぉ)
み、耳から脳が垂れる……、
「はい、ミス・ヴァリエール」
「うん、ありがとシエスタ……はい、サイト……あーーん」
「あーーーー、うん。おいしー」
解説しようっ
おっぱいまくら状態のシエスタが、そのままリンゴを剥いてくれる。
腕が動くたびに左右から、柔らかな壁が迫り……
究極!!
しかぁも、ルイズの『あーん』で食べるリンゴは格別だ!!
……なお、ルイズのリンゴ剥きで血を見たことだけ明記しておこう。
「もっと要りますか?」
「……んーー」
マリコルヌに勧められて、いくつか料理を食べた俺は、そんなにお腹は空いていない。
もちろん、その事を二人には言っていないけれど。
「しょ、食欲無いんですか?」
「それは重大な問題ね!」
食欲位無いフリしないと、体調不良の信憑性が……既に怪しい気もするが。
「……し、仕方ない……わ……ね……」
ルイズがシエスタに目配せをして、更にリンゴを剥かせる。
仕方ないとか言いつつ、やたらとにやけているのは気のせいか? ルイズ。
シエスタに指示して、さっきまでより細長く切り分けられたリンゴをルイズが口にする。
って、自分で食うのかよ。
そう思い、俺が呆れてルイズを見た瞬間、片目が軽く閉じられた。
可愛いウィンクにどぎまぎしていると、ルイズの手が俺の肩に回されて……
「ひゃぃ……わーーーーん」
わぁお
401 :
11/12:2007/04/04(水) 01:55:16 ID:Fmaw2vgn
コレを食べずにすむ筈があろうか?
ってーか、コレ食べたくない奴いるか? 我慢できる奴いるか?
少なくとも俺には無理!!
「あーーん」
大きく口を開けると、ルイズの目がうっとりと細められる。
しゅると衣擦れの音が妙に耳についた。
俺のお腹に乗っていたルイズが、ゆっくりと口元に来る。
ルイズの身体がお腹から胸、胸から首へと這い上がってくる。
「もぉ……ミス・ヴァリエール……ずるいです」
シエスタの囁きが起こした風が耳元に触れ、快感が背中を跳ね回る。
得意気にシエスタを見たルイズが俺の口の側でその動きを止めた。
?
不思議に思っていると、少しだけ口の中にリンゴが入ってくる。
……ほんの少しだけ。
シャリ……と、音を立てて俺の歯がリンゴを噛むと、またルイズが少しだけ進む……
楽しんでるな……ルイズ。
俺も楽しい。
一つのリンゴをたっぷりと時間を掛けて味わう。
密着しているルイズが、小さく動くたびに暴れだしたいような快感が巻き起こる。
この状態では、何をするにしてもお互いの身体を擦り合わせるほかは無い。
前後からの心地よい感触を味わううちに、りんごの最後の一欠片が口の中に転がり込む。
惜しいことをした……だが、そんな感想を抱く暇もルイズは与えてくれなかった。
チロっと可愛い舌を出して、俺の唇についたリンゴの果汁を舐め取る。
「っっ! ル、ルイズっ」
悪戯っぽう笑うルイズを、シエスタだけが不思議そうに見ていたが、
「……サイトさん……まだ……要りますよね?」
「……勿論」
楽しい食事はまだまだ続いた。
402 :
12/12:2007/04/04(水) 01:55:53 ID:Fmaw2vgn
至高の一夜だった……
思い出すだけではにゃぁぁんと、頬が緩む。
あの状態で寝れたのか? だって?
寝れるはず無いと思っていたが……
「子守唄……歌ってあげますね?」
「わたしもよ……寝るまで頑張るからね」
……二人の可愛い歌声に、案外あっさり負けてしまった。
食事を取った後は、真面目に心配してくれた二人が俺を休ませよう休ませようと、一生懸命頑張ってくれたのだ。
二人の身体もなんと言うか……適温で気持ちよかったし。
最も……あの究極の布団セットで一晩過ごした俺は……
『素晴らしい夢』を見て……起きた直後は二人の顔が直視できないは、
シエスタにばれないようにパンツ洗いに行くのが大変だったはで……
ま、それはいい。
「また……いつでも言って下さいね?」
「……む、無理はするんじゃないわよっ」
……どうやらいつでもオッケーらしく……
今日も体調不良になる予定だ……
何て幸せな日々だろう……
幸せに酔う俺の前に、なんだか急いでギーシュが現れた。
「あーサイト……知ってるか?」
「なんだよ?」
「……マリコルヌがなぁ……」
……殴るべきか感謝するべきか……悩みながらギーシュの言葉を待つと、
「謹慎食らったらしいんだよ……『俺もおぉぉぉ』って叫びながらメイド宿舎に突っ込んだらしいんだ」
……とりあえず……殴るのは勘弁するとして……
「それよりギーシュ、美味しい果物を知らないか?」
「ん? あぁ、アルビオンからの桃リンゴの初物がそろそろ……」
夜が楽しみだ。
おしまい
エッチなくて、ごめんなさい。
……続編は考えてあるけれど、誰も望まない方向の様な気がする……
マリコルヌメインのパロディ方向を……
普通に他の書いた方がよろしいかもですが、なんにしろそのうちにー、ではっ。
あ、と質問なのですが、
普通>黒いの は展開的に書きやすいのですが、
今回のような展開だと読みにくいでしょうか?
若しくは黒い話だとスルーされるかな?
ちょっと気に成ったので、出来ましたら……
>>403 キタコレコレキターーーー!
シェス子もルイ子もかわいいよかわいいよもうかわいいよ
えっち有りの続編を待ってますよ待ってますよもう
ジャギ様もステキ
エロなしもイイネ。GJ
ふと思ったんだけど、シエスタとタバサって仲良いのかな?
こういう幸せお馬鹿全開なのも大好き、GJ
>>407 そりゃもうエロ本を積極的に貸し借りする仲ですよ
最近は週始めが投下ラッシュだな。みんな何の仕事やってんだwww
週末に書いて週始めに投下ってパターンかな?
>>407 無口なタバサに世話焼きのシエスタだから相性は悪くないと思うぞ
410 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 10:25:43 ID:xX4ZJWhy
俺が夜中に布団の中で妄想してたことが
本当にそのまま文章になってて感動した
ごめんageてた
>>403 クッション&ふとん吹いたwwそしてGJ
>>412 ふとん吹いた?ふとんを口の中から出したのか?
>>413 明らかに範馬勇次郎です。
IDにちょびっとでてるじゃないですか。
416 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 08:39:00 ID:EMb5AgGs
第2期は、7月から放送でいいのかな?
417 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 08:42:46 ID:EMb5AgGs
いきなり話し変えてすまん。でも、どうしてもきになって
ここは小学生のくる場所じゃありません
ごめん
>>71 この世界に銃ってありましたっけ(大砲ならあった)。
未来からやって来たという設定のはずなので問題ないのでわ?
>>420 マスケット銃やフリントロック拳銃は原作に出てるよ。
…ってか『銃士』隊がおるがなw
っていうよりアニエス達銃士隊が使ってるよ!
連続ですまんm(__)m
ああ、名前だけだという認識が何故かあった(銃より剣がよく出て来た三銃士とか)。
すまない。礼を言う。
大地から遠く離れた空の上、地上とは比較にならない勢いで吹き荒れる風になぶられながら、シル
フィードの背に跨ったギーシュとマリコルヌは、ただじっと時を待っていた。カメラを手にしたギー
シュが普段はタバサの定位置である背びれの辺りに陣取り、マリコルヌはそのすぐ後ろで杖を構えて
いる。「遠見」の魔法で、眼下の格納庫付近の様子を観察しているのである。
「もうすぐだな」
マリコルヌの呟きに、ギーシュは無言で頷き返した。このときのために、直前の授業をさぼってま
でこんなところにいるのである。気合は十分だった。十分すぎると言ってもいい。カメラを握る手に
も力が入る。
(そうだ。僕は、今日こそ)
今日こそ、何なのだろう。ギーシュは心の中で苦笑した。気合が入りすぎて意味のないことを力い
っぱい考えてしまっているようだ。
「しかし、意外だったな」
おかしそうな声に振り返ると、マリコルヌがこちらを見て笑っていた。
「まさか、ギーシュほどの男がパンツを見たことがないだなんて。何人もの女の子と交際していたじ
ゃあないか。どうしてだい」
一瞬答えが浮かばずに、ギーシュは気まずくなって目をそらす。少し考えてから、友人に笑いかけた。
「ほら、僕は紳士だからね。本当に愛している女の子以外に、そういうことはしたくなかったのさ」
「ちぇ、選択肢のある奴は羨ましいよ、全く」
ひがむように口を尖らせたあと、マリコルヌは「まあいいさ」と唇をつり上げた。
「今日ばかりはそういう発言もどうでもいい。なんたって、パンツが見られるんだからね。それも、
ただのパンツじゃない。ルイズのパンツだ。しかもあんな大胆かつ過激な。ああ駄目だ。想像した
だけで鼻が熱くなってくるよ」
マリコルヌの顔がどんどんにやけていく。そのしまりのない表情を見て、何故かギーシュは羨まし
いと感じた。
「ねえねえ」
不意にシルフィードが会話に割り込んできた。
「何のお話してるの。パンツがどうしたの。シルフィにもお話して。きゅいきゅい」
「悪いがこれは男同士の話なんだ。女性は黙っていてくれたまえ」
やたらと尊大な口調で言い返した後、マリコルヌは不意に目を鋭くして叫んだ。
「ギーシュ、合図が来たぞ」
ギーシュも口を引き結んで頷き返す。
「きゅいきゅい。合図って何なの、何なの」
ただ一人、詳しい事情を知らないシルフィードが、首を動かしてこちらを覗き込んでくる。ギーシュ
は苦笑混じりに答えた。
「後で教えてあげるとも。それより、段取りは分かっているね」
「んーと、ギーシュさまが『今だ』って言ったら広場全体に上に吹き上がる風を起こせばいいのよね。
それでお肉がたくさんもらえるんだったらお安い御用なの。きゅいきゅい」
「うむ、頼むよ。マリコルヌ、まだかい」
「そろそろだ。ルイズが近づいてきた。ギーシュ、カメラの用意を」
「了解だ」
ギーシュは少し上半身を乗り出して、手に持ったポラロイドカメラを下に向けた。とは言え、ここ
は空の上である。覗き窓の中に写るのは、ほとんど玩具のようにしか見えないほど小さくなった学院
の全景と、その周囲に広がる緑豊かな大地だけだ。それを撮るのもそれはそれで趣があるかもしれな
いが、もちろん今の彼らの目的はそれではない。ギーシュは一度ファインダーから目を離し、肩越し
にマリコルヌを振り返る。
「いいぞ、マリコルヌ。接続を開始してくれ」
「分かった」
普段の彼からでは想像もつかないほど真剣な表情で頷いたマリコルヌは、すっと目を瞑って静かに
詠唱を始めた。「遠見」の魔法である。本来、この魔法は先ほどマリコルヌがやっていたように、自
分が遠くのものを見るために用いる。だが、魔法を知らぬ才人が提案した「遠見」の活用法は、その
本来の使用法とは全く異なるものであった。
「カメラに『遠見』をかけて、遠くのものを写すことはできないのか」
誰も試したことのない方法だった。そもそもカメラというもの自体、ギーシュたちにとっては未知
の物体である。だが、試しにやってみたところ、ファインダーは遥か遠くの梢に止まっていた小鳥の
姿を鮮明に写し出した。こうして実験は成功し、作戦は実行可能となったのである。
詠唱を終えたマリコルヌが、杖の先をカメラに向ける。ギーシュは再びファインダーを覗き込んだ。
すると、草の間を縫うように行進する蟻の姿が映し出された。
「近すぎるぞマリコルヌ」
「分かった」
ファインダーの中の風景が遠ざかる。隅に写っているベンチの大きさからするに、もう少し近づけ
なければ目当てのものは捉えきれないはずである。
「マリコルヌ、あともう少し近づけてくれ。ああ、ダメだ、近すぎる。もう少し……今度は離れすぎだ」
細かすぎる要求に従って、風景が近づいたり遠ざかったりする。ファインダーに釘付けになってい
るギーシュには見えないが、今マリコルヌは全身全霊をかけて「遠見」の魔法を使っているはずであ
る。だが、それでもなかなか適正な距離にならない。この数日間、自由な時間をほぼ「遠見」の魔法
の練習に費やしてきた彼だったが、やはりベストな位置に視界を持っていくのはなかなか難しいらし
い。だが、やってもらわなければ困るのだ。
そのとき、四角く区切られた視界の隅に、小走りに駆けるルイズの後頭部が映りこんだ。ギーシュ
は息を飲み、慎重にカメラの角度を微調整する。視界がルイズのマントの上をゆっくりと滑り、つい
に尻の辺りを中央に捉えた。
だが、それだけではまだ足りない。この数日間死に物狂いで鍛えぬいた腕を発揮して、ファインダ
ー越しに走るルイズの尻を追う。完璧なカメラワークだ。これならば、作戦の遂行は容易いに違いな
い。
だと言うのに、何故「今だ」と声を上げられないのか。
(どうした、早くするんだギーシュ・ド・グラモン。お前がしっかりしないと全てが台無しになって
しまうんだぞ)
手の平に汗が滲む。腕の震えが四角い世界をぐらつかせる。呼吸が荒くなり、痛いほどに喉が渇く。
求め続けた獲物をファインダーの中に追いつめたというのに、どうしても合図の声を上げることがで
きない。体のどこかから発生した鈍い痛みが、ゆっくりと全身に広がっていく。ギーシュは動けなく
なった。
(緊張しているのか。違う、僕は怖がっているんだ)
急に寒くなってきた。四肢の感覚が消え失せてしまうほどの凄まじい悪寒が、全身の至るところで
暴れまわる。ギーシュは心の中で悲鳴を上げた。
(何を怖がる。何を恐れているんだギーシュ・ド・グラモン。お前はモテる男のはずだろ。今までだ
って何人もの女の子と親しい関係になってきたじゃないか。自信を持つんだ、僕ならやれる)
しかし心は定まらない。荒れ狂う嵐の真ん中に放り出された木の葉のように、ただただ恐怖に翻弄
されるばかり。
(駄目だ、怖い。どうしてだ。何故なんだ。僕は何を恐れているんだ)
何度も必死で問いかける内に、胸の奥から何かが浮き上がってきた。初めて自覚したその感情に、
ギーシュは驚愕する。
(いや、違う。僕は、この感情を知っている。ただ、今まで目をそらしていただけだ)
それは、心の奥底に深く沈められていた、ギーシュの本当の気持ちだった。それを覆い隠し、押し
留めていた虚勢という名の膜は、極限状態で破れてしまった。遮るものもなく真っ直ぐに、生々しい
べたついた感情がギーシュの意識に飛び込んでくる。
(僕はパンツを見るのが怖い。僕にとってパンツというのが未知の存在だからだ。僕はパンツを見た
ことがない。見ようとしたこともない。怖かったからだ。キスまではうまくやれても、それから先
のことをうまくやる自信がなかったんだ。だって、パンツなんだぞ。パンツを見たらもう最後なん
だ。最後までやらなくちゃならないんだ。それを知っていたからこそ、僕はあえてパンツを見たい
とは思わないようにしていた。『僕は紳士だから』なんて言って誤魔化していたけど、違ったんだ。
僕は怖かったんだ。ただ怖かっただけなんだ。僕は、パンツを見るのが怖い)
鎧が剥がされ、吹き飛ばされていく。今やすっかり無防備となった心に、風は容赦なく吹きつける。
(そうだ、僕はパンツを見るのが怖かった。だから出来る限りパンツを見ないで、それでいてプレイ
ボーイとしての面目が保てるように、必死で取り繕ってきたんだ。でも、それも今となっては不可
能になってしまった)
ギーシュの脳裏に、一人の少女の姿が浮かび上がる。見事な巻き毛の、金髪少女。愛しいモンモラ
ンシー。
(僕はモンモランシーが大好きだ! 愛していると言ってもいい。彼女を思い切り抱きしめたい。と
言うか抱きたい。でも自信がない。うまくやれなくてモンモランシーに幻滅されたら、僕はおしま
いだ。色男の仮面は剥がれ落ちて、残るのはパンツも見れない情けない男だけだ。だから、まだ他
の女の子に気がある振りをしたり、折角のいい雰囲気を間抜けな言動でぶち壊したりしてきた。そ
うすることで、顔はいいけどお間抜けなギーシュ・ド・グラモンの仮面を守り続けてきた。でもも
うそんなのは嫌だった。モンモランシーを抱きたかった。だから、僕はこの計画に参加して、自分
が恐れずにパンツを見ることができる男だと証明したかった。自信が欲しかったんだ)
極限状態に置かれて、ギーシュはようやく己の本心に気付くことができた。
だが、もう遅い。暴かれた本当の気持ちは、目の前の現実に対してあまりにも無力だった。パンツ
を見るのを恐れていては、作戦の遂行など幻想に過ぎない。
こみ上げてくる涙を拭うことも出来ずに、ただぎゅっと目を閉じた。
「ギーシュ、まだなのか、早くしてくれ」
「ねえねえ、まだなのギーシュさま。きゅいきゅい」
マリコルヌとシルフィードの喚き声が、じょじょに遠ざかっていく。
(駄目だ、僕には無理だ! 助けて、誰か、助けてくれ!)
気がつけば、ギーシュは暗闇の中で泣きわめていた。無力感で胸が張り裂けそうだった。
(ああ、駄目だった。やっぱり僕は、優秀な兄さんたちとは違う。貴族の風上にも置けない落ちこぼ
れだったんだ。プレイボーイを自認しておきながら女の子のパンツ一枚見ることができないだなん
て。色男揃いと名高いグラモン家の恥さらしだ)
そんな風に嘆いていたとき、懐かしい誰かが、ふとギーシュの耳元で囁いた。
「何だ、まためそめそ泣いているのか、ギーシュ」
顔を上げると、兄がいた。軍人らしくない、気さくな微笑みを浮かべた三番目の兄。
驚いて周りを見回すと、そこはもう暗闇ではなく、懐かしいグラモン邸の中庭の片隅であった。咲
き誇る薔薇の香に囲まれたそこで、子供の頃のギーシュはよく泣いていたのだ。
「どうした、また誰かに『口だけの弱虫』とかっていじめられたのか」
兄が隣に腰掛ける。ギーシュはしゃくり上げながら首を振った。
「違うのか。じゃ、どうしたんだ」
「兄さん」
ギーシュは兄の顔を見上げた。自分とよく似て、線が細い、整った顔立ち。だが兄が自分と違うの
は、やることなすこと何もかもが様になって見えるところだった。色素の薄い唇は穏やかな微笑を浮
かべ、人の心に染み入る詩を澱みなく謳い上げる。細く繊細な指先は軽やかにリュートを爪弾き、優
雅に髪をかき上げる。見る者全てをはっとさせるような所作の一つ一つが、多くの女性の心を捉えて
離さないのだ。
彼ならば、自分の疑問に対する答えを持っているかもしれない。ギーシュは兄の瞳を真っ向から見
据え、決死の覚悟で問うた。
「パンツとは、何ですか」
兄は一瞬驚いたように目を見開いたあと、感慨深げな微笑を浮かべ、じっとギーシュの顔を見つめ
返した。
「そうか。お前も、もうそんな年か」
しみじみと呟いたあと、ふと遠い目で彼方を見やる。その視線を追って振り向くと、ずっと向こう
の地平線に沈みゆく夕日が見えた。彼らはいつしか、穏やかな風の吹く夕暮れの草原に佇んでいたの
だ。
「パンツ。パンツか」
どう答えたものかと考えるように、兄は細い指で顎を撫でた。長い金髪を風に遊ばせながらしばし
熟考した後、「ふむ」と一つ頷いて答える。
「そうだな。言うなれば、甘き蜜溢るる至高の楽園へと続く、最後の扉といったところかな」
その言葉は、圧倒的な余韻を持ってギーシュの胸に浸透した。甘き蜜溢るる至高の楽園へと続く、
最後の扉。
(なんて詩的なんだ。やっぱり兄さんは凄い。誰もが認める最高の色男だ)
感動に体を震わせるギーシュに、兄は警告するような視線を送ってくる。
「だが間違えてはいけないぞ、ギーシュ。この扉には頑丈な鍵が取り付けられているんだ」
「鍵、ですか」
「そうだ」
兄は重々しく頷き、再び地平線の向こうに目を移す。端正な横顔が、黄昏の光に赤く染まった。
「特別な鍵だ。偽物では開くことができないし、かと言って無理矢理こじ開ければ、待っているのは
甘き蜜溢るる至高の楽園どころか、雑草がぼうぼうに生い茂っているだけの乾いた荒野だ。人間は
そんなところでは幸せになれない。鍵が必要なんだよ、ギーシュ。最後の扉を開くための、この世
にただ一つしかない鍵がね」
「その鍵は、一体どこにあるのですか。教えてください兄さん」
必死に問いかけるギーシュに、兄は謎めいた微笑を浮かべてみせる。
「教えることなんてできないさ、ギーシュ。いや、教える必要なんてないんだ」
「どういうことですか」
「聞くなよ。聞く必要だってないはずだぜ。お前はもう、その鍵がどこにあるのかよく知っているは
ずだ。もっとも、お前が真に楽園への鍵を手に入れることを望んでいるというのなら、だが」
ギーシュは苦悩した。兄の言わんとしていることが、どうしても理解できない。
そんな弟を見て、兄は「やれやれ」と呟き、苦笑した。
「仕方ないな。まあ、教えてやることは出来ないが、助言なら出来るかもしれん。ギーシュ、心を静
かにしろ。雑念を捨てて振り返るんだ。その先に、答えはある」
兄の教えに従い、ギーシュはまず目を閉じた。ニ度、三度と深呼吸を重ねる。徐々に気持ちが静ま
っていく。昂ぶりも恐れも、何もかもが風のように吹きすぎていく。そうして訪れた沈黙の中、不意
に一つの音が響き渡った。それは、一滴の水が水面に落ちる、高く澄んだ音だった。
ギーシュは振り返り、カッと目を見開いた。
最初に見えたのは、風に舞い散る薔薇の花びらだった。赤、白、黄。とても判別できないほど色と
りどりの花びらが、澄み渡った蒼穹で渦を巻いている。目が痛くなるほど過剰に色づいた光景のはず
なのに、不思議と不快感を感じない。むしろ、様々な表情を見せる花びらの渦が楽しく、同時に何故
だか誇らしかった。
その中心に、彼女がいる。金髪巻き毛の、愛しい少女。
「モンモランシー」
薔薇の花びらが風に舞ってその色合いを変えるたびに、モンモランシーの表情もくるくると移り変
わる。
ムッとした怒り顔。
つんと上向くすまし顔。
鼻高々の得意げな微笑。
己の未熟さを責める悔しげな顔。
ほっと息をつく和らいだ笑顔。
そのどれもが魅力的で、どうしようもなくギーシュの心を惹きつける。移り気だったはずの自分が、
気がつけば彼女のことばかり見つめている。
ギーシュの胸が熱くなる。気付くと、花の渦の中心に向かって、そっと囁いていた。
「僕は君が好きだ。愛しているよ、モンモランシー」
今まで何度も口にしてきた言葉だが、何故か今になって初めて口にしたような気がする。
そして同時に理解し、実感した。これこそが、全ての答えなのだと。
花びらの海の向こうで、彼女が微笑んだ。
ギーシュははっとして目を開いた。いつの間にやら、周囲の風景が様変わりしている。真っ青な空、
吹き荒れる風、そして怒鳴るマリコルヌ。
「おいギーシュ、一体どうしたんだよ、そろそろ限界だぞ」
その声に一瞬で状況を把握し直し、ギーシュは慌ててカメラを持ち直し、ファインダーを覗き込む。
だが、四角い窓の中に写るのは丈の短い芝生だけだ。
(見失ったか。いや、まだだ)
一瞬絶望しかけながらも、ギーシュはカメラを動かして獲物を探した。何故か、すぐに見つかるよ
うな確信があった。そして、実際に見つけた。手を振る才人に向かって小走りに駆けていく、ルイズ
の背中を。
(ようやく気持ちが定まったよ、兄さん。僕は鍵を見つけてみせる。いや、鍵はもう見つかっている
んだ)
ギーシュはカメラを持つ手に力を込めた。焦らず慎重に、その上で素早く角度を微調整。先程より
も良好な位置に視界を固定したまま、ファインダー越しにルイズの尻を追う。
(今か。いや、まだだ)
甘き蜜溢るる至高の楽園へと続く、最後の扉。その姿を完全に捉えることの出来る好機を、ただた
だじっと待つ。
「おい、ギーシュ、いい加減にしろよ。早くしないと僕のパンツが」
急かすマリコルヌの声が急速に遠ざかっていく。ギーシュはただひたすらに、覗き窓の向こうに全
神経を集中させた。徐々に感覚が研ぎ澄まされていくのが分かる。走るルイズの速度、シルフィード
の魔法が発動するまでのタイム・ラグ、シャッターを切るときの微妙な手のブレ。様々な情報が一瞬
で収束し、分析されていく。そして弾き出された究極のタイミングが、
「今だ!」
ギーシュの叫びに応じて、シルフィードが魔法を解き放つ。眼下の草原に凄まじい突風が吹き荒れ
た。四角く区切られた視界の中で、前屈みになったルイズが必死にマントとスカートを抑えようとし
ている。だが、無駄な抵抗だ。
(モンモランシー、僕はもうパンツのことを恐れない。その向こう側にあるものを手に入れたいと、
心の底から思うんだ。心の底から力が湧いてくるんだ。甘き蜜溢るる至高の楽園へと続く最後の扉
を、恐れずに開け放つための力が。僕は今こそ、君という至高の楽園へと続く鍵を手に入れてみせる)
そしてついに、ルイズのスカートがマントごと風に捲り上げられた。ほんの一瞬の好機を逃さず、
ギーシュは全身全霊をかけてシャッターボタンを押し込んだ。
じょじょに風が止み、周囲に静寂が戻ってくる。
「ねえねえどうなったのどうなったの、何がどうなったの」
無邪気に問いかけるシルフィードに、ギーシュとマリコルヌは何も答えなかった。ただただ固唾を
呑んで、ポラロイドカメラが小さな音を立てるのを見守った。
そして、カメラの下部から一枚の写真が吐き出される。
そこには、こちらに向かって突き出された小ぶりな尻と、その大切な部分を覆い隠す魅惑の布きれ
が鮮明に焼き付けられていた。
二人の人間の気狂いじみた歓声を浴びたシルフィードは、「きゅいきゅい。変なの、変なの」と呟
いた。
<つづく>
431 :
205:2007/04/05(木) 16:16:09 ID:fMXRH0Zi
わたしは今日、一つの答えに達しました。
皆さんにも問いかけたい。パンツとは、何ですか?
>>431 ただの飾りです。エロイ人にはそれがわからんのです。
ただの布です
しかし時として男にロマンを与える夢の布です
この世の神秘です。
>431
GJ!!!
ギーシュ ナニかの階段を一歩上るww
つか問答はカッコイイんだが、内容がパンティと盗撮かと思うと思いっきり笑えたw
>パンツ
女性のはアルカディアへの入り口
野郎のは、リンボの果てのナニか
秘密の花園です。
マリア・テレジアは当時としては珍しい恋愛結婚だったらしいな。
19歳で結婚して、20歳で初産。
その後も全部で16人もの子供を生んで、最後は39歳に生んだからかなりのハイペース。
当時の日記には「女王は常に妊娠している」なんて記述があったとか。
パンツとは乙女の秘密と漢のロマンを守る盾であると同時に、男の理性を突き破る槍でもあります
ぱんつを語るギーシュ兄のイケメソっぷりに濡れたw
>>431 何なんだこのプロジェクトXw
感動したぜw
たかがパンツで…明鏡止水の境地に達するとは……!
ここって欝っぽいのはダメですか? しかもエロなしで。
ばちこーい
どんと来い!鬱展開。
がんばって書いてみます。
出来れば投下直前に警告してくれな
漏れみたいに苦手なやつもいるし
>>441前にも投下されてたからOK。確かサイトが死んでテファがルイズの記憶操作するやつ
>>431 前途に困難な日々が待ってます。
でも、もうどうでもよいのです。
私は山の頂上でパンツを見たのだから。
私も長生きがしたい。
長生きするのも悪くないが、今の私にはどうでもいい。
この計画を実現したいだけです
てかそろそろアン分とアニエス分とティファニア分が一気に不足してきた。特にアン分が枯渇してきた
452 :
261のひと:2007/04/06(金) 02:44:16 ID:V7SE0jqH
不足分を埋めれなくてごめんなさい……
とりあえず、パンツで思いついた妄想を書き上げたので投下。
453 :
1/12:2007/04/06(金) 02:44:53 ID:V7SE0jqH
「ちょっと頼まれてくれない?」
モンモンから頼み事って、珍しいよな。
そんな事を考えながら、サイトは大人しくモンモランシーに付いて行った。
「もうすぐ出かけるから手短にな」
「ああ、貴方は買い出し付き合わなくていいわ」
人目を忍ぶ逃避行の最中とはいえ食事だって要るし、当人達は必需品と断言する各種消耗品の補充……
街を通りかかるたびに、『女の買い物』に付き合わされて、
いつもうんざりしていたサイトにとっては助かる話だったが、
「いいのか?」
「うん、ちょっと用事があるのよ、ルイズには言っとくから」
買い物に行くメンバーには、迂闊にこの国を歩き回れないタバサは論外として、
何時もならキュルケかモンモランシー、それに荷物もちが同行する。
荷物もちは腕力の関係でサイトの比率が高い。
キュルケもモンモランシーも、物価の相場を知っているし、無駄な買い物も……
基本的にはしない。
ルイズが買出しに出たときは、買った物を見て二人とも返品に走り回った。
そんな訳でルイズは買出しに余り参加させてもらえなかったのだが、
それが面白くないルイズは、ごねてごねて……今回はお目付けのモンモランシー付きで、
やっと買出しに参加する許可が(多数決で)出たのだが、
「ちょっとわたしも、外せない用事があったのよね」
気まずそうに言いながら、サイトを……
「あれ? ここって……」
「うん、タバサの部屋……さ、入って……って、わたしの部屋じゃないけど」
苦笑いと同時に部屋が開かれる。
少し緊張しながら部屋に入ると、そこには眠り姫が居た。
454 :
2/12:2007/04/06(金) 02:45:25 ID:V7SE0jqH
浅い息が静かな部屋に響いている。
僅かに上下する胸が、しっかりと生きていることを主張するが、
よほど深く眠っているのか、サイトやモンモランシーの気配にも起きる様子は無かった。
「この子、ちょっと疲れ気味だったでしょ?」
「あ……あぁ……そうだな」
タバサの整った顔に注意を引かれていたサイトの返事が少し遅れる。
そんな事はお構い無しに、モンモランシーは言葉を続けた。
「一服盛ってあって、数時間起きないからこの子見ててほしいの」
…………?
……一服?
「……はぁ? ちょっ、モンモンお前何してんだよ」
あまりと言えばあまりの事に、サイトは事態を理解するのが少し遅れた。
友人に一服盛る女……モンモンは思っていたより怖い女かもしれない。
「……本人納得の上よ……あの子、最近あんまり寝てないのよ」
「そう言えば……元気ないよな」
気付いてたんなら、何とかしなさいよ。
モンモランシーが呻くように言いながら、サイトを説き伏せる。
「わたしが付いているつもりだったけど、そうも行かなくなったし。
キュルケはタバサのお母さんの面倒を見てるし……」
まるで頭痛がするように指先でこめかみを押さえながら、モンモランシーが言った。
「貴方が嫌なら、ギーシュかマリコルヌに頼むしかないんだけど?」
「……やるけどさぁ……」
選択の余地など無かった。
「そもそも、何で今日飲ませるんだよ」
「ちゃんとした宿で眠った方が良いでしょ? 次に泊まるのいつか分からないし」
宿に泊まると言うことは街に居ると言うことで、どうしても買出しと重なるのだ。
「本当はルイズに見てもらうつもりだったんだけど……あの子あーなったら止まらないし」
ルイズのしわ寄せって、いっつも俺に来るのな。
サイトは自分の運命を悟った。
「いいよ、俺が見てる……荷物もちは?」
「二人とも連れて行くから、何か有ったらよろしくね」
上手く隠れて旅を続けているとはいえ、一応逃避行の最中なのだ。
人より遥かに鋭敏な感覚を持つシルフィードが、街の周りを索敵してくれているが、
天然ボケの彼女を全面的に信用するのは……失礼だが怖かった。
「部屋から一歩も出ないよ」
「それが良いわね」
ほっと一息ついたモンモランシーが、部屋を出ながら思いついたように付け足した。
「二、三時間は何が有っても起きないけど……悪戯しちゃダメよ?」
「……さっさと行ってこいっ!」
455 :
3/12:2007/04/06(金) 02:45:57 ID:V7SE0jqH
静かな部屋に、浅い寝息が響いていた。
稀に寝返りを打つだけで、確かにタバサはまったく起きる様子が無い。
「…………困った……」
サイトは困っていた。
モンモランシーの言った様に悪戯をする衝動を抑えているわけでもなんでも無く。
「暇……だ……」
本読むわけでもすることが有るわけでもないサイトは、
時間を潰す術が無かった。
地球に居た頃から落ち着きの無かったサイトにとって、退屈と言うものは随分厄介な敵だった。
「しまったなー」
とはいえタバサをギーシュやマリコルヌと二人きりにするのは危険すぎた。
「俺にはルイズが居るけど、お前も結構可愛いもんな」
つんと、滑らかな頬を指先でつつく。
よほど深く眠っているらしいタバサは、それでも起きる様子は無かった。
「おーおー、よく寝てるなぁ……」
マリコルヌだったら何するか分からんな、サイトが笑いながら手慰みにタバサを突付いていた。
「コレも悪戯になるのか?」
ぷにぷにと柔らかい頬の感触を楽しんでいると、ふと本当に眠っているのか不安に成った。
『眠っているフリをしてたら、突付かれた』
『やっぱり悪戯したのね?』
『犬――――――!』
……実はタバサとモンモランシーの悪戯で、ルイズに告げ口しようとしている可能性を考えて、
サイトは少し怯えた。
「い、いかん……タバサに手を出したらロリコンじゃねーか」
そう口にしたサイトだったが、実は自分とタバサが二つしか違わないことを思い出した。
……許容範囲だよな?
そんなことを考えた瞬間から、部屋の居心地がとても悪くなった。
<ちょっと年下の女の子と二人きりの密室>
である。
多感な高校生が緊張しない方がどうかしている。
……学院ではほぼずっとそうだった訳だが、ここには主人と使い魔というくくりも無い。
――――サイトは立ち上がって部屋の鍵を確かめた。
456 :
4/12:2007/04/06(金) 02:46:34 ID:V7SE0jqH
「お、起きてるかどうか確かめないとな」
悪戯だったら困るからな。
誰とも無しに言い訳をしたサイトが、ぐっすりと寝入っているタバサを軽く揺すって見る。
「……ん…………」
起きる様子はまったくなかったが、起きだした方がサイトは驚いたかもしれない程、
サイトは慌てていた。
「か、軽っ……」
羽のように軽い少女がサイトに従って容易く転がった。
女の子特有の柔らかさを備えながら、子供の様に……
いや、子供よりもずっと軽い感じがした。
「こいつちゃんと食べてんのか?」
柄にも無くサイトがそんな心配をするほどだった。
気になったサイトはタバサの身体の下にそっと腕を差し込み、少しづつ力を入れる。
俗に言うお姫さま抱っこである。
腕の中にすっぽりと納まる華奢な身体に、サイトは触れているのが怖くなるほどだった。
「タバサ?」
念の為に、当初の予定通り眠っていることを確認。
……返事は無い。
サイトも心の底では理解していた。
自分が単に言い訳を必要としていただけだと言うことを。
腕の中のタバサを見つめながら、仄かに伝わってくる体温に心が騒ぐ。
「こ、こいつ……最近可愛くなった……よ……な……」
心配事が減った所為だろうか?
仲間が信用できる相手が増えた所為だろうか?
ぴんと張り詰めていた気配が緩み、以前よりずっと親しみやすくなっていた。
……そんな事を……今、思い出していた。
「っ……い、いつまでも抱き上げてちゃ駄目だよな」
起きる筈無いと分かっているけれど……
それでも優しくベットの上にタバサを寝かせた。
タバサを腕の中に捕らえていたのはサイトだった筈なのに、
二人きりの部屋の中で、タバサに捕まったのはサイトの方だった。
457 :
5/12:2007/04/06(金) 02:47:07 ID:V7SE0jqH
意識してしまうと、最早どうしようもなかった。
「み、見るなっ、見るなよ! 俺!!」
必死で目を逸らすが、気が付くと眠り続けるタバサを目で追っていた。
さっきまでは平気だったのに、女の子の寝顔を見つめることが、
どうしようもなく不埒な行為に思えた。
じっと腕を見て、柔らかだった感触を思い出す。
「……っ」
人形のような少女の、淡い温もりを逃さないように……と、
気が付いたらサイトは彼女を抱きしめていた腕を、しっかりと胸に押し付けていた。
「な、何してるんだっ、俺はっ」
叫んだサイトが慌ててタバサの方を窺っても、規則正しい寝息は変わらなかった。
そして一度見てしまうと、もう視線が離せなくなった。
「……だ、だめ……だぞ、サイト……ね、寝てる子に」
『悪戯しちゃダメよ?』
モンモランシーの警告を思い出すが、頭に残るのは『悪戯』の言葉だけだった。
「……ね、寝てるんだ……し……」
サイトの自制心が打算に負けた。
何度も確かめたのに、もう一度眠っていることを確かめる。
今度は口元に耳を近づけ寝息を聞いた……
「し、しまっ……た……」
間近で見るタバサの寝顔にサイトは打ちのめされて、弾かれたように立ち上がった。
「っ……はーっ……はーー……はぁ……はぁ……」
苦しい息を整えたサイトは、無意味に部屋を見回して誰も居ないことを、何度も確認してから、
震える手で部屋の鍵をもう一度確認した。
――――誰も居ないし誰も入って来れないことを、サイトは確認した。
458 :
6/12:2007/04/06(金) 02:47:39 ID:V7SE0jqH
「お、俺に……こんな事頼んだモンモンが悪い」
バクバクとうるさい心臓の音でタバサが起きないだろうか?
そんな事に怯えながら、カラカラに渇いた喉を唾で潤した。
「お、落ち着け俺……起きないって……言ってただろ……」
俺が悪いんじゃない、タバサが悪い。
……こんなに可愛すぎるのは卑怯だ。
訳の分からない言い訳をしながら、サイトは衝動に任せてタバサの胸に耳を当てた。
自分のより遥かに落ち着いた、小さな音で自分を取り戻そうとするが、
「……ぅぁ…………っ……」
耳を当てた胸の感触に、落ち着く所ではなくなった。
大きい胸に触れた事は何回も有った、ティファニアやシエスタの胸は今でも魅力的だが……
小さい胸もコレはコレで……
サイトが何かに目覚め始めた。
スリ……と、僅かに顔を動かすと眠ってはいても胸を圧迫されるのが苦しいのか、
タバサの顔が少し歪む。
「ご、ごめん」
サイトは慌てて飛び起きると、思わずタバサに詫びていた。
苦しそうだったのはほんの一瞬で寝顔はすぐに安らいだが、
神聖なものを汚している感覚に、サイトはもう一度顔を近づける度胸はなくなっていた。
「く……そっ……」
そこに確かに存在するし、思うままに触れることも可能な筈なのに、
サイトは自分の心が生み出すジレンマに悶えていた。
……そして、そんな感覚さえサイトは深く愉しんでいた。
459 :
7/12:2007/04/06(金) 02:48:12 ID:V7SE0jqH
うろうろと部屋を歩き回っていたサイトが、意を決したようにタバサに近づいて行く。
……今度は足元から。
学院の制服のシャツにスカート、それだけの格好でタバサは寝入っていた。
……オールド・オスマン万歳。
彼の趣味であろうか? 学院のスカートは非常に短い。
ひょっとしたら男子生徒の総意かもしれない。
いつもはソックスに包まれているタバサの脚はこんなときに限って素足で、
サイトの正気を確実に削っていく。
「あ……脚も……いいかも……」
ひり付く喉を何度も鳴らしながら、床に這いつくばったサイトが舐める様に見つめる。
女の脚ではなく女の子の脚だった。
細く小さい脂肪の乗っていない脚にそっと手を乗せる。
つーと、指先で輪郭をなぞる。
どこまでも白い脚を、下から見上げていると……
「うあっ…………あ……っ」
遥か向こうに、ちらりと白いものが見えた。
右足と左足の……交わる所であった。
「ぱ、ぱんちゅ……」
サイトの舌が回らなくなった。
「うあぁぁぁぁぁ」
頭はもっと回らなくなった。
見たい……触りたい……色々したい。
どこまでも膨れ上がる欲求を抑制するのも皮肉なことに同じ欲望だった。
触れて、見て、タバサを感じれば感じるほど、
サイトの中にタバサを愛しく思う心が大きく育ち、
この『大切な少女』を守りたいと言う倒錯した想いも、同じ速度で成長を遂げていたのだった。
460 :
8/12:2007/04/06(金) 02:48:44 ID:V7SE0jqH
「み、見るだけ……なら……」
サイトの妥協点はそこらしい。
しかし、問題点がいきなり浮上した。
「み、見えない」
脚を開かせないと、『秘密の花園』を覗けないのだ。
角度的につま先辺りから見上げれば何とか見えるが、そろそろその距離では我慢できなくなり時始めている。
「ちょ、ちょっとだけなら……」
古来この台詞を吐いて、ちょっとで済んだ試しのなんと希少なことか。
サイトは両手を膝の間に差し込むと、すこーしづつ力を込めていった。
眠っているタバサは抵抗することも無く、易々とサイトは望みを叶えた。
「も、もうちょっとだけ……」
腿に触れた感触にサイトは手が離せなくなり、タバサに触れたまま白い聖域を観察し始めた。
艶やかな光沢はシルクの様だった。
ガリア王の用意した衣服は高級なものが多く、タバサは気に入った物をいくつか持ち出していた。
「髪が蒼いと……下も……なんだよ……な……」
見たい……
だが下着を剥ぐ度胸の無いサイトは、せめてもう少し側で見ようとタバサの下腹部に向かって顔を近づけた。
膝を掴んだままの手は、邪魔になった足を退けるために上に持ち上げられ……
タバサが起きていたら悲鳴を上げていたに違いない。
サイトの目の前でタバサの脚はM字に開かれていた。
461 :
9/12:2007/04/06(金) 02:49:26 ID:V7SE0jqH
……あれ?
太ももを擦る様にしながら、時間を掛けて視姦したサイトが丹念に目的の箇所を眺める。
ぴったりと張り付いた下着は……
「ひょ、ひょっと……して……」
サイトは興味の赴くまま、指先を近づけていく。
じりじりと震える指先が近づくほどに、サイトの緊張も増していく。
イケナイコトをしている。
その背徳感は何者にも勝った。
「……お……ぉ……」
つ……と指が触れると、サイトの口から歓声が漏れた。
さらさらしたシルクの感触の下に、想像できなかった柔らかさが張り詰めていた。
そっと指先を上下させると、タバサの喘ぎ声が聞こえたような気がした。
「……ふっ……はっ……はっ……はー……はーはー」
サイトの息がどんどん荒くなっていく。
左右に動かしたときも、上下に動かしたときも、薄い布の下にざらついた感触は無く……
「は、生えてな……い?」
なら……この布の下は?
興奮で視界がチカチカ霞む、見たかった……もの凄く見たかった。
しかしサイトは悟っていた。
「も、もうちょっと触る……」
今までの経験で、じっくり時間を掛けた時の方が感動が深かった。
まずはこの感触を堪能する。
そう決めたサイトは、そのために存在しているに違いない撫で回しやすいシルクの上で、
指を遊ばせ始めた。
462 :
10/12:2007/04/06(金) 02:49:59 ID:V7SE0jqH
「ふぁ……んっ……」
確かに聞こえた唐突な声にサイトは飛び起きた。
起きたのか!?
全身を恐怖に浸しながら、じっとタバサを窺った……
1分……2分……
タバサは何の反応も示さなかった、
?
不思議に思ったサイトが、もう一度タバサの顔を覗き込む……
確かに眠っている。
……さっきの声は?
その瞬間、偶然サイトの膝がタバサの一番柔らかい所に触れた。
「……んっ……はぅ……」
聞こえた可愛い声と、その理由に……サイトは狂った。
「ふぁん……ひぅ…………ひゃん……はっ……あ……」
サイトは間近でタバサの声を聞き、苦しげにも見える顔を見つめていた。
「……あ……ん? はぅっ……ふっ……くっ……ひ……」
タバサの感じる所を、たっぷりの時間を掛けて確かめていく。
薬によって眠ったまま、タバサの身体は何度か力尽きているのが経験の無いサイトにも分かるほどだった。
眠ったままサイトに抱きついてくるタバサが、サイトは可愛くて可愛くて仕方が無かった。
……これ以上の事をしたかった。
……コレ以上彼女を汚したくなかった。
そんな想いを抱えながら、無心にタバサを操り続けた。
463 :
11/12:2007/04/06(金) 02:50:30 ID:V7SE0jqH
コンコンと……部屋にノックが響き渡った。
「寝てるの?」
「モ、モンモン?」
「あ、起きた? ごめん、帰ったから代わるわ、開けてくれる?」
「ちょ、ちょちょちょっと、待ってくれ」
サイトは高速でタバサを寝かしつける……
ポケットから取り出したハンカチで、タバサの汗を拭く。
……シエスタに感謝。
こんな用途の為に用意したのではないだろうけれど。
乱れた着衣を整え、自分の服もしっかりチェック。
シーツや布団は大丈夫!
勃ちまくってた分身は、ノックの瞬間縮み上がった。
「い、いいよ」
鍵を開けると荷物を抱えたモンモランシーが雪崩れ込んできた。
「あ、助かったわ」
「い、いや……いいよ……どうって事無かったし」
サイトは冷や汗を流しながら、一刻も早く立ち去りたがった。
「……まさか本当に悪戯でもした?」
「ま、まさかっ!」
我ながら過剰な反応で怪しすぎると思うが、買い物で疲れているのか、
モンモランシーの追求は無かった。
「ん〜、もうちょっとで目が覚める時間だけど、どする?」
「……部屋に戻るよ」
ほっと一息吐きながら、サイトは部屋から逃げ出した。
464 :
12/12:2007/04/06(金) 02:51:07 ID:V7SE0jqH
頭がぼーっとする。
「起きた?」
「起きた」
目の前にモンモランシー、最近悩んでいるわたしに、おまじないを教えてくれた。
「どこか痛い所は無い?」
変なことを聞かれる。
「別に?」
どういうつもりだろう?
随分あからさまに安心した様子のモンモランシーを不思議に思いながらも、
渡してくれたお薬のお礼を言う。
「ありがとう、よく眠れた」
「……いい夢見れた?」
多分わたしは今赤くなってる、あの人がずっと側に居てくれる夢だった。
「秘密」
「おまじないの効果の方も楽しみにね」
……魔法薬でもないのに……効果あるはずは無いと思うのだけれど。
「楽しみにしておく」
折角気を使ってくれたのだから、ちゃんとお礼を言う。
「じゃ、後でね」
「ん」
モンモランシーが立ち去ってから暫く夢の余韻に浸る。
幸せが身体から溢れそうになってから、そっと廊下に出るとあの人が目の前に居た。
「おおおお、おはよう、タバサ」
「? もう夕方」
「そ、そうだなっ」
わたしが眠っていたの、知っているのかな?
疑問に思いながらサイトを見つめ……あれ?
サイトがチラチラとわたしを見ているのが分かる……む、胸とか、脚と……か、その……あの……えと……とか。
「な、なに?」
「べ、別にっ」
お互い何も喋れなくなって、もじもじと部屋の前で立ち尽くす。
――――モンモランシーにお礼……もっとちゃんと言わなきゃ。
女の子って見てくれてなくて、昨日まで切なくて眠れなかった位なのに……
好きな人がわたしを意識してくれるおまじないはとってもよく効いたみたいで、
これからの毎日がとても楽しみになった。
あんまりパンツじゃ無いですが……思いついたのがコレでした。
本当は前回の続き、マリコルヌのパロを書くつもりでした……
あと2回分で、2回目にマリコルヌを好きな女の子でも出そうかと……
結局他の書いたわけですが、彼はこういう運命なのでしょうか?
では、またっ。
保管庫は土日に触ります、最近遅くてごめんなさい。
>>465 GJだ
タバサかわいいな
どうかサイトと進展させたげてください・・・
なぁアニメ全部見終えて、原作買おうと思ってるんだけど、
何冊ずつかうのがいいかな?
たくさん買うのが愛の証だと思うのなら好きなだけ買うがいい
まあ普通一冊だろ
470 :
ゼロ厨:2007/04/06(金) 09:51:19 ID:uKuVo7z9
いや読める人は三冊ずつだろ
ID:uhfE1Xk3さんはドンくらい本読むのかな?
俺は三冊ずつ買ってたが・・・
個人差はあると思うけど
参考までに読むのに掛かる時間は1冊辺り2時間くらいだな
>>465 才人完璧に性犯罪者w
でもキモチはわかる、一緒にドキドキしますた
GJ!
1〜6巻までは1冊ずつでもいいと思うが7巻以降は2冊ずつ買った方がいいと思う。
投下したいんだけど、
ここで鬼畜やっていいのかな?
無問題
鬼畜が嫌いな人は、スルーして下さい。
多分、救いはないです。
478 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:34:52 ID:6zurOImY
設定
もしも、アルビオンとの戦争に負けて
銃士隊が捕虜になったらの話です。
479 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:36:04 ID:6zurOImY
「クロムウェル様、仰せの通り捕虜どもを連れてまいりました。」
戦闘終結からほどなく勝利に湧くアルビオン軍の本陣に、
捕虜となった銃士隊がならべられていた。
囚われの身となった銃士隊たちは見せ物台に縛りつけられていて、
敵前に秘部をさらしている。
「ふん、いいざまだな」
「っ!?」
下半身を突き出した扇情的な格好のまま身動きもとれず、
銃士隊長アニエスは屈辱に顔を歪める。
「クロムウェル、我々をどうするつもりだ?」
アニエスに問われ、クロムウェルは口元を歪めながら言葉を返す。
「まず、手始めとして……」
背後に控えているアルビオン軍の兵士たちに合図を送る。
アルビオン軍の兵たちは顔に下卑た笑みを浮かべて、
動けない銃士隊へと迫っていく。
480 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:37:40 ID:6zurOImY
「こいつらの相手をしてもらう。貴様らが肉便器としてふさわしかどうか、
ためすためにな」
顔をひきつらせる銃士隊たちに、アルビオンの兵は一斉に襲い掛かった。
野太く凶悪な肉棒を突きつけられた銃士隊たちの悲鳴が響き渡る。
「きゃああっ!」
「さ、触るなぁっ!」
「いやあ、許して! わたし……ま、まだ処女なんです!」
アリビオンの兵たちは怯えて震える銃士隊たちの秘部に、
肉棒を突き入れていった。
「いやああっ! さ、裂けちゃう!ひぎいぃっ!」
「ああっ!あっ、ぬ、抜いてぇっ!」
殆どの銃士隊員がアルビオンの兵に犯されているということに
堪えきれず泣き出してしまう中、ただ一人、隊長のアニエスだけは
気丈にも抵抗を試みようとする。
481 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:38:43 ID:6zurOImY
「貴様ら……こっ、このようなこと、許さんぞ!」
「許さん、だって?そんな格好で何ができるってんだ?」
アニエスを極太の肉棒で貫いてるアルビオン兵が膣内を抉ると。
「ぐううっ!あっ、ひぎいぃっ!」
呪詛の言葉は瞬時に悲鳴へとかわった。
「アルビオンの女もスゲェが、トリステインのオ○コも
なかなかいいじゃねえか」
「ひああっ、くあ……こ、壊れるっ」
アルビオンの兵が腰を振るたび、アニエスは矯声じみた悲鳴を上げる。
肉棒に掻き出され、捲くれあがった襞の間から破瓜の血が混ざった粘液が
滴り落ちていく。
482 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:39:37 ID:6zurOImY
「へへ、憎らしい銃士隊でも、これだけ可愛ければ肉便器には
丁度いいですぜクロムウェル様」
アルビオンの兵たちは快楽に口元を歪めながら、絶頂に向けて容赦なく
銃士隊たちを責め立てていった。
「ぐふふ、中にだしてやるぜ」
アルビオン兵の無慈悲な言葉を聞き、アニエスは顔を強張らせ
「ひっ」と空気が抜けるような悲鳴を漏らす。
「そ、そんなのダメぇっ!お願い、な、中にはださないでぇっ!」
アニエスの悲痛な叫び。他の銃士隊員も口々に膣内に射精しないでと
懇願をはじめる。
「そうだな……じゃあ、もっとオマ○コ犯して、気持ち良くしてと叫んで
俺たちを楽しませてみな」
「そ、そんな……はうっ、くぅぅっ!」
483 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:40:30 ID:6zurOImY
屈辱的な条件にアニエスが躊躇っている間にも、アルビオン兵は
抽送の速度を上げて射精へと突き進んでいく。銃士隊が敵兵の子を孕むことなど
あってはならないこと、アニエスは屈辱に下唇を噛み締めて呻くように
敵兵の言葉を口にした。
「オ、オマ○コ犯して……気持ち良くして……ください……」
「そんな小さい声じゃ聞こえねぞ。早く言わないと本当に
中にだしちまうぜ」
敵兵のからかいの言葉に、アニエスは悔しさと羞恥がいりまじった顔で
歯噛みする。しかし、膣内射精から逃げるため、屈辱に耐えて恥ずかしい
言葉を大きな声で放つ。
「オマ○コ」犯して!もっと犯して気持ち良くしてっ!」
アニエスが口火を切ると他の銃士隊員達も膣内射精から助かろうとして
我先にと卑猥な言葉を連呼し始めた。
「私も犯して!もっとたくさんオマ○コ犯してください!」
「私も!私のオマ○コもおかしてぇっ!」
484 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:41:15 ID:6zurOImY
助かるために浅ましい様子を見せる銃士隊員たちをアルビオンの兵たちは
嘲り笑う。
「けけっ無様な連中だ。そんなに犯してほしいなら、望み道りにしてやるぜ」
アニエスを蹂躙している敵兵は思い切り腰を叩き付けた。
「そ、そんなっ!あっ!ああうっ!」
「孕んじまいな、この淫売女が!」
敵兵の肉欲棒はアニエスの中で膨れ上がり、そして大量の精液を撒き散らす。
放たれた敵兵の欲望液は結合部から溢れ出すほど放出されても
まだとまらず、アニエスの足元にドロドロとひろがっていった。
485 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:46:56 ID:6zurOImY
「ああっ、やぁ……いやあああっ!」
「そ、そんな、約束が……」
中に射精され、魂が引き裂かれるような悲鳴をあげるアニエスをみて
他の銃士隊員は顔を青ざめさせる。
「言う通りにしたのに……私たちを騙したの!?」
「心配するな。お前もすぐああなる」
騙されたことに気づいて愕然とする銃士隊員の膣内に、
敵兵たちは次々と精を放っていく。
「ああ、汚れたものが入ってくるぅ、やあぁぁっ……」
「いやあ、熱い……ふああ……」
嫌がりながらも銃士隊たちは、膣内を満たす精液がもたらす
未知の快感に身震いした。射精を終えた敵兵たちが離れると、
船を栓を抜かれた銃士隊たちの膣口からビュクビュクと勢い良く
白濁液が噴き出してくる。
486 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:48:49 ID:6zurOImY
「う、ううっ……に、妊娠しちゃう……」
「敵兵の赤ちゃん……出来ちゃう……」
「やだぁ、受精したくない……」
膣内射精されたことを嘆く銃士隊員たち。彼女たちはまだ解放されることはない。
487 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 15:50:10 ID:6zurOImY
とりあえず、ここで前編終了です。
読みにくくてごめんな。
一番槍頂きぃっ!
鬼畜スキーな俺にはGJ!
後編も期待(* ゚∀゚)=3
いや、マジGJ!
犯されまくるクソ生意気な銃士隊のメス共もGJ!
490 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 16:27:37 ID:6zurOImY
>>480で
アルビオンがアリビオンになってた。
すまん、入力ミスだ。
さて長らくお待たせしました。
メイド実習、いよいよもオーラス。キュルケ編でございます。
今回もエロ無s(殴
キュルケが主人に選んだのはもちろんこの人。
「ダーリーーーーン♪」
メイド姿のキュルケは、そう叫んでコルベールの私室のドアを勢いよく開いた。
開いたドアの向こう側では、コルベールが机の上で書類を整理していた。
もちろん目が点になっている。
「あ、あの?ミス・ツェルプストー?」
学院長から実習の事は聞いていたが、まさか自分がターゲットになるとは思っていなかった炎蛇であった。
全くもって認識の甘い中年である。
コルベールの時間を凍りつかせたまま、キュルケは無遠慮にコルベールの私室に入り込み、さらに無遠慮にコルベールに抱きつく。
「あら嫌だ、キュルケとお呼びになって♪」
「そうじゃなくてですねえっ」
首に回された手を乱暴に振り払うコルベール。
首筋に当たるやわらかい何かが気持ちよかったが、とりあえず無視しておくことにした。
「なんですかその格好っ」
まさか自分がターゲットになるとは露ほども思っていなかったので、当然実習の内容までは聞いていなかったコルベールだった。
全くもって、どうしようもなく認識の甘い中年である。
「あら、ご存知なくて?これは選択必修科目の『メイド実習』の一環ですのよ」
言ってキュルケは、にっこり笑ってくるりと回ってみせる。
長いエプロンドレスがひらりと舞い、黒と白と褐色と紅のコントラストが目に眩しい。
「帰ってください」
しかし数多の戦場を駆け抜けてきたこの男には通じないらしい。
コルベールはそれだけ言うと、そっぽを向いて書類の整理に戻ってしまった。
そのコルベールの態度に、キュルケは唖然とした。
自分でも行けると思ったのに。
普段見慣れない格好で気になるあの人に急接近!
恋愛のテクニックとしては中級クラスの技である。
普通の男なら、これでくらっとこないはずはないのだ。
いい例がルイズと才人である。
普段口うるさく騒ぎ立てるだけのルイズが、ちょっとドレス着てしおらしくしているだけで、才人の見る目は270度ほど変わる。
あのぺったんこのラ・ヴァリエールですらあの鈍感魔人を反応させられるのに!
このツェルプストーが!『微熱』のキュルケが!
こんな冴えない中年一人反応させられないなんてっ!
自分の想い人だというのに酷い言い草である。
しかしふと思い直してみる。
この実習、主に選ばれたものに拒否権は無い。実習開始時にシエスタからそうつたえられ、学院の教師や生徒にもその旨は伝わっているらしい。
ちらりとコルベールを見る。
視線が合った。
するとコルベールは、慌てて目を逸らす。
ははーん。
やはり学院長のお触れは、この冴えない中年教師にも伝わっているらしい。
コルベールの頬に伝った冷や汗が、その証だった。
「ねえセンセ」
キュルケの口がにやりと笑みの形に歪む。
「な、なんでしょうかミス」
コルベールはキュルケとは視線を合わさず、冷や汗をだらだらと垂らしている。
「学院長の指示を無視した教師はどうなるのかしら、先生?」
コルベールの汗の量が倍になる。
その場合、よくて減給、下手をすれば配置転換である。
復帰したばかりで色々物入りで、さらに自分の研究もあるコルベールには、どちらも勘弁願いたかった。
「そ、それはですねえ」
「何も先生を困らせるつもりはありませんわ。実習の間だけ、私の主になっていただきたいのです」
そう言ってまた、コルベールの背後に回りこみ、首筋に手を回す。
本当に、仕様がありませんねえ…。
コルベールは覚悟を決める。
「分かりました、その話お受けしましょう。
ただし条件があります」
「なぁにダーリン?」
「無用な接近と過度のスキンシップは禁止とします。
あと、『ダーリン』も禁止です」
「えぇ〜?」
「じゃないと合格は認めません」
そのコルベールの言葉に、キュルケは慌ててコルベールの首から腕を離す。
そして尋ねた。
「じゃあ、なんと呼んだらいいのかしら?」
「そうですねえ」
コルベールは少し考える。
『ダーリン』もまずいが、メイド姿のキュルケに『ご主人様♪』も相当まずい。
…そうなると、答えは一つ。
「『先生』とお呼びください」
「えー」
「反論は認めません。嫌なら不合格にするまでです」
「…それじゃあ、こちらからも交換条件を」
「なんですか?」
「実習の間は私はあなたのメイドです。キュルケ、とお呼びくださいまし」
「え、でも」
「反論は認めません♪」
そうして、キュルケの『メイド実習』は幕を開けた。
結論から言って、実習は、キュルケの思惑とは大きく外れたものになってしまった。
コルベールはいきなり、散らかった研究室の清掃・整頓をキュルケに命じた。
元々かなり散らかっていたものが、数週間の放置で埃が溜まっていた。
「…い、いつになったら終わるのよ…」
尽きない資料の山と埃の海に、キュルケは辟易していた。
掃除を始めてから、もう半日は経つだろうか。
始める前よりはずいぶんましにはなっていたが、まだコルベールの研究室は混沌の様相を呈していた。
「全く…研究熱心なのもいいけど、ちょっとは整理整頓ってものを覚えないと…」
「すいませんね昔から部屋の掃除だけは苦手でして」
いつの間にか背後にコルベールが立っていた。
はっとしてキュルケは口をつぐむ。
そんなキュルケの肩をぽんと叩いて、コルベールはすぐ近くの本の固まりを整理し始めた。
「ちょ、そんな先生、掃除は私が」
「二人で一緒にすれば早いでしょう?」
にっこり笑って、コルベールは手にした本を本棚に入れた。
そして言った。
「ね、キュルケ?」
にっこり笑って笑顔を向けられた瞬間、キュルケの頬が朱に染まる。
わ、私が、『微熱』のキュルケともあろうものが、名前を呼ばれただけで…。
「ほら、貸してください。重い本は私が」
「え、でも」
そしてキュルケの持っていた分厚い辞典を奪い取る。
相手が自分のいう事を聞かないのは少し癪だったが、好きな人に優しくされて悪い気分ではなかった。
「ほら、早く終わったでしょう?」
「ええ、そうですわね」
二人で協力した甲斐もあって、掃除は昼を少し回った頃に終焉を迎えた。
部屋はまるで別の場所のように整理整頓されていた。
キュルケもコルベールも、掃除の疲労でヘトヘトだった。
二人で椅子の背に身体を預け、脱力していた。
ぐぎゅぅ〜っ
唐突に、犬の唸るような音が響いた。
「…あ」
キュルケの腹の虫であった。
キュルケの頬は羞恥で赤く染まる。
「お腹、すきましたね。そういえば」
言ってコルベールはにっこりと笑う。
そして立ち上がる。
「用意してきますよ、お昼」
「え」
それは本来、メイド実習中であるキュルケの役目である。
そう思ってキュルケは、コルベールを止めようとしたが。
「待ってください、それは私の」
「キュルケはここで待っていてください。命令ですよ?」
コルベールはそう言って、部屋から出て行ってしまった。
コルベールが戻ってくると、何故かキュルケは椅子の上でむくれていた。
「どうしました?」
コルベールは厨房でもらってきたサンドイッチを机の上に置くと、キュルケに尋ねた。
「どうして」
「はい?」
「どうして先生は、私に何もさせてくれないんですか?」
悲しそうな表情で、キュルケはコルベールを見上げる。
コルベールはその疑問に、笑顔で応えた。
「してくれたじゃないですか」
「え」
「キュルケは私に仕える、そう言ってくれました」
そして、キュルケの前の椅子に腰掛けて、サンドイッチを手にした。
コルベールは続ける。
「人に仕えるという事は、何でも命令を聞くということではないんですよ。キュルケ」
「え…じゃあ、どういう事なんです?」
「人に仕えるという事は、その人の望みを叶える手伝いをするという事です。
人の望みとは、その人の手によってのみ叶えられるもの。
他人には決して与えられるものじゃないんですよ」
言って笑顔をキュルケに向ける。
その笑顔はどことなく泣いているようで。
キュルケに、コルベールの見ている世界の一部を垣間見せたように感じさせた。
キュルケはそんなコルベールの差し出したサンドイッチを受け取って、微笑んだ。
「…ほんと、先生って不思議な人ね」
「変な人、とはよく言われますが。不思議な人と言われたのは初めてです」
そしてそう笑顔で返す。
その笑顔には、先ほど感じた悲しみのようなものはもう感じられなかった。
「じゃあとりあえず、今の望みを聞きましょうか。ご主人様?」
笑顔でキュルケはそう尋ねた。
「そうですね。
…キュルケと一緒に、お昼ご飯を食べること、ですかね?」
コルベールの言葉に、二人は声を出して笑ったのだった。
*キュルケ メイド実習 修了*
いいねぇ。ほのぼのだねぇ
ラス書いてて思った事。
俺はキュルケよりコルベールに萌える人でしたまる
そこ!変な目で見ない!お兄さんはノーマルだ!
ただちょっとイカス中年に弱いだk(ry
ていうかこのカップルもエロに持っていけませんどうしましょう
コルベールさんカタすぎです人格もアソコも
炎蛇「いっぺん燃え尽きてみますか?」(にっこり
やっぱりへんたいさんはへんたいさんだった
500 :
銃士隊前編:2007/04/06(金) 19:21:14 ID:ObVOOVTF
せんたいさんは、
やっぱり素晴らしい。
このスレのエースだ。
そもそも炎蛇の人の愉快なヘビくんはちゃんと機能するのかt
ほのぼのしたぜ。エロなしでもこういうの
なら大歓迎だぜへんたいさん。お疲れ〜
503 :
さんざむ:2007/04/06(金) 20:42:19 ID:QCEh6mop
そろそろ投下してもよろしいのか?
以前投下直後に投下するのはマナー違反と聞いたので・・・
さすがへんたいさん。
恋愛上手なはずのキュルケが恋愛下手なはずのコルベールに容易くあしらわれるってのはもう王道だな。
>>503 スレッド自体に管理人がいる訳じゃないし、誰も勝手に許可なんて下せないって。
流れを見て「そろそろいいかな」と自分で判断できたらさっさと投下するが吉。
505 :
さんざむ:2007/04/06(金) 21:01:54 ID:QCEh6mop
506 :
桃色の花:2007/04/06(金) 21:05:09 ID:QCEh6mop
「なぁ、ルイズ・・・・」
しかし返事は無い。
「そろそろ出て来いって」
才人はそういいながらベッドに腰掛け、布団にくるまったまま出てこないご主人様を促す。
さっきからずっとこの調子だった。
才人が部屋に戻ってきてからもう数時間が経ったが、ルイズは一向に顔を見せようとはしなかった。
だがそれもしかたあるまい。
なぜなら先程勢いとはいえ才人にプロポーズまがいの発言をしたため、恥ずかしいやら貴族のプライドやらいろんな
気持ちが混ざり、出ようにも出れない状態が続いているのだった。
しかしそれは唯の言い訳に過ぎない。
本当の気持ちは、普段ルイズが心の底で思っていることを口に出してしまったから恥ずかしいのだ。
才人がルイズの事を好きなように、ルイズだって才人のことが好きなのである。
だからこそ余計に布団の中から出れないわけで・・・・・。
「ルイズ、いいかげん出て来いって。別にさっき言った言葉が気になるんだったら俺忘れるからさ、ほら。」
――何忘れようとしてんのよバカ犬。
「まぁお前の気持ちもわからなくはないって。勢いとはいえあんなこと言っちゃったんだしな。」
――なにが「お前の気持ちはわかる」よ。全然わかってないじゃない。
「俺、お前に好かれてるなんて思ってないからさ、気にしないしもうこの話題は出さないからさ。」
――違う。
「独占欲っていうかなんていうか、そんな感じで俺を繋ぎ止めておきたかったんだろ?」
――違う。そんなつもりで言ったんじゃない。
「だからさ・・・もう俺」
「違う!!!」
ルイズは一気に跳ね起き、才人を睨みつけた。
いきなりルイズが叫びながら起きたため、才人は転げ落ちそうになった。
507 :
桃色の花:2007/04/06(金) 21:05:39 ID:QCEh6mop
「ル・・・・ルイズ・・・どうしたんだよ、急に・・・」
「違うって言ってるでしょ・・・」
「違うって・・・何がだよ」
「そんなこともわかんないのに何が『お前の気持ちはわかる』よ。ばか・・・・」
急に怒鳴ったりしおらしくなったりするルイズに才人は困惑したが、今にも泣きそうなルイズを見て
とりあえず頭を撫でてやる。
ルイズの呼吸が落ち着いたのを見計らって、才人はゆっくりとルイズに語りかける。
「なぁ、どうしたんだよ。俺、なんか気にさわること言ったか?だったら謝るからさ。」
「そうじゃないわよ・・・」
「じゃあなんで」
「わたしが冗談であんなこと言うと思ってるの!?」
才人はハッとした。
ルイズが怒っているのは恥やプライドのせいじゃない、ルイズの気持ちをわかってやれなかった俺自身に
腹を立てているんだ。
でも・・・それってもしかしなくても・・・
「じゃ、じゃあさ、さっきのってもしかして・・」
才人が期待に胸を膨らませながら尋ねた。
するとボッ、とルイズの顔が一瞬にして真っ赤になった。
そして慌てて布団の中に潜り込むが、才人に引っ張り出されベッドの上に座らされた。
「な、なにするのよ!」
言うが早いかいきなり才人に抱きすくめられ、呼吸が止まる。
しばらく才人の抱擁力にうっとりしていたが、暴れだす。
「な、ちょ、離しなさいってばぁ。馬鹿犬!!」
「嫌だ」
「な、なんでよぉ・・・」
最初は激しかったルイズも段々語彙が貧弱になってきた。
そんなルイズを才人は愛おしく思い、腕にさらに力を込める。
「ルイズが好きだから」
「・・・・・・!?」
160キロの直球をど真ん中に受け、ルイズの顔はますます赤く染まっていく。
才人は言葉を続けた。
「好きだからそばにいたいって思った。もっと抱きしめて、くっついていたいって思ったから
抱きしめたんだ。俺の言ってること変か?」
「別に・・・変じゃないわよ、ばか・・・。」
ルイズはそういうと自ら才人の胸に顔を埋めた。
508 :
桃色の花:2007/04/06(金) 21:07:26 ID:QCEh6mop
やばい。
今の俺、超かっこいい。
今ならどんな女でも落とせるような気がするぜフハハハハ。
しかし。
才人はゆっくり深呼吸をした。
まずいな、非常にまずい。
才人は軽く体を離し、ルイズにばれないように股間を覗き込む。
するとそこは既にどんな兵器でも壊せないような塔がそびえ立っていた。
おお我がムスコよ、頼むから静まってくれ、あやまるから、とりあえずあやまるから。
ごめん、興奮しちゃってごめん。
そんな才人の訴えに対し、反抗期真っ只中のムスコはせまいよーと言わんばかりにズボンを押し上げる。
くそっ、落ち着け、落ち着くんだ、奇数を数えて平常心を保つんだ。
奇数は物事を2で割り切れない優柔不断な数字。俺に力を与えてくれる。
1,3,5,7,9,11,12,あ間違えた,13,15・・・・・
才人が精神統一をしていると、ルイズから鼻腔をくすぐるいい匂いが漂ってきた。
ああもうどうして女の子ってなにもしてないのにこんないい匂いがするんだよ。
ヤッベ、もう限界。
ついに限界に達した才人は抱きしめていたルイズを離し、見つめる。
そしてゆっくりと唇を近づけた。
これでルイズが拒否ったらもう潔く諦めよう、もし拒まなかったら・・・・ええいもう知るか!!
驚くべき事が起こった。
才人の唇からルイズまでの距離はまだあったはず、それなのに才人の唇は何か柔らかいもので塞がれていた。
才人が恐る恐る眼を開くと、照れながらもしっかりと才人の頭を掴んで自分のそれを押し付けているルイズの姿が飛び込んできた。
つまりそれはルイズからしてきたというわけでして・・・・。
「・・・っ、ルイズ!!!」
耐え切れなくなった才人はルイズを強引にベッドに押し倒した。
そして乱暴に口の中を貪る。
「っつ・・・ちゅ、ん・・・はぁ・・っ、ルイズ・・・ルイズ・・」
「んむ、はぁっ・・ちゅ・・ちゅっ・・サイトぉ・・・」
二人の口の間からは情愛の吐息が漏れ、二人を一つにしていく。
名残惜しげに唇を離すと、銀色に輝く糸が繋がっていた。
それから先は、よく覚えていない。
気が付いたら、お互い全裸で、俺はルイズの上に覆いかぶさっていた。
いつの間にこんな事になったんだろう。
思い出そうとしても押し倒した辺りから思い出せない。
でも、照れながらこっちを見ているルイズを見たら、そんなのどうでもよくなってきた。
「ルイズ・・・・・」
才人はルイズの首筋に吸い付き、そのまま口先を胸の先端へと持っていく。
「ひゃあっ、ああん」
そして強く吸い上げ、硬くなったそこに軽く歯をたてる。
さらに下半身への攻めも忘れない。
左手を伸ばし、ルイズの秘所に指を差し込む。
「んふっ、あっ、そこは・・・」
「どうしたんだよ、もう濡れてるぜ?」
グチュグチュと卑猥な水音をたてるそこは、才人の指を待っていたといわんばかりに締め付ける。
才人が指を動かすたびにどんどん蜜が溢れてくる。
大分ほぐれたことを確認すると、指を2本3本と増やしていった。
「んんっ・・やぁっ・・ああっ・・・」
与えられる快楽が増えた事により、経験の無いルイズはすぐに達してしまった。
509 :
桃色の花:2007/04/06(金) 21:07:57 ID:QCEh6mop
正直才人は焦っていた。
ここまではなんとなくで進めてきたものの、もちろん童貞だった彼はどうすればいいのかわからなく
なってしまったのだ。
大丈夫だ才人、さっきルイズをイかせてやれたじゃねぇか、何を怯えている。
こんな時のために日本で説明書(エロ本)を何度も読んだだろ!!
そんなこんなで知恵を振り絞っていた才人に、完全に放置されていたルイズが不安げに口を開いた。
「サイト・・・どうしたの・・・・?」
「いや・・・やっぱり俺も初めてだからな・・・・さすがに・・・その・・・」
「緊張してるの?」
「えと・・・まぁ、そんな感じ・・・・」
それを聞いたルイズは上体を起こし、才人の頬にそっと口を付けた。
そして才人に尋ねる。
「どうして?」
「えっ?」
「どうして緊張してるの?」
まさかそうくるとは思っていなかったため、言葉に詰まる。
少し考えた後、才人は思った事を素直に語った。
「なんていうかさ・・・・・その、ルイズの事を大事に思ってた分、本当にこんなことしていいのかなって思ったり
好きだからこそ自分の手で汚したりするっていうのがなんていうかその・・・」
ルイズは心の中で軽くため息をついた。
この使い魔はもうちょっと気のきいたセリフが言えないのかと思ったりもした。
しかし、自分をそこまで大事に思っていてくれた事に少しドキドキもした。
「わ・・・わたしも・・・その・・・・」
「ルイズ?」
ルイズは才人の耳元で、ずっと自分が言えずにいた言葉を、言ってしまったら才人が元の世界に帰る時の足枷に
なると思い、心に留めていた言葉を、今にも消え入りそうな声で囁いた。
「好き・・・・だから・・・わたしも・・・」
「・・・・・!?」
「大事かどうかはわかんないけど、アンタといたらドキドキするし・・・・だから」
「ルイズ・・・・お前」
「アンタがしたい事全部していいから、だから・・・」
次にルイズが放った言葉は、才人にとって忘れる事ができないモノとなった。
「ずっと・・・・・わたしのそばにいて」
ずっと・・・・・そばにいて・・・か。
ずるいよ・・・ルイズ、俺、異世界の人間なのに・・・。
いつかは、帰るつもりだったのに・・・。」
なのに・・・そんなこと言われたら・・・・・・。
「当たり前だろ?今更何言ってんだよ。」
つい、こんなこと言っちまうじゃねぇか。
510 :
桃色の花:2007/04/06(金) 21:08:28 ID:QCEh6mop
窓から辺りを見る限り、限りなく夕方に近い夜だということが判別できる。
ランプを付けていないため薄暗い部屋の中で、二人の男女がまさに今交わらんとしていた。
才人は自分のモノをルイズの秘所にあてがい、鼓動の高鳴りを落ち着かせる。
『ルイズ、いいのか本当に?』などというヤボなことはあえて聞かない。
自分だってそれなりに空気は読めるはず・・・だと思う。
そういや今までいろんな事があったなぁと思い出にふけっていたが、すぐにやめた。
大切なのは過去じゃない、今実際に起きている現実こそが大切なんだ。
今俺いいこと言ったぞ。メモっとけ。
「いくぞ、ルイズ」
ルイズは何も言わずに頷いた。
それが合図。
才人は躊躇わずに、一気に最奥まで貫いた。
「――――――っ!!」
途中何がが千切れる音がした。
先程の愛撫でかなり濡れていたものの、とてつもない激痛がルイズを襲う。
「いっ・・・ああっく、ふぅん・・あっ・・・」
しかし才人は止まらない、いや、止まれなかった。
容赦なくギュウギュウと締め付けられ、軽く暴走ぎみの才人は自分の快楽を高めるためだけに
腰を動かしてしまう。
「っっつ・・はぁ、くっ」
「ああっ・・いっ・・・サイ・・・ト・・・つぁあ・・・」
しかし何度も腰を打ち付けていく度にルイズにも段々と快楽が込みあがってきた。
才人はルイズの頬に手を添えた。
「くっ・・はぁ・・・・ルイズ、俺・・・・もう・・・」
「ああっ・・んん、はっ、わたしも・・いっちゃ、イっちゃうっ・・・」
そして、次の瞬間―――。
「ああああああああっ!」
ルイズの大きな喘ぎ声が、辺りに響き渡った。
511 :
桃色の花:2007/04/06(金) 21:09:02 ID:QCEh6mop
「ごめんなさいまじですんませんもうしないんでほんとかんべんしてくださいわたしがわるうございました」
「・・・・・・・・」
ベッドの上でペタンと座っているルイズの眼前に、全裸で土下座している才人の姿があった。
股間のムスコもさすがに悪い事をしたと反省しているのかシュンとしていた。
なんとも情けない姿である。
「犬、アンタ自分が何をしたかわかってるの?」
「はい」
「わたしね、初めてだったの。だからね、もんのすごく痛くて苦しかったの。それなのにこの犬ってば!」
ルイズは立ち上がると才人の頭をぐりぐりと踏みつけた。
「犬、今からアンタに『罰』を与えるわ」
「やっぱりっすか・・・」
才人は頭を上げてルイズの顔を覗き込んだ。
するとなぜかルイズは顔を赤く染めるとそっぽを向いた。
「もう一回しなさい」
「は?」
「ききききき聞こなかったの?もももももももう一回しなさいと言ったの!!」
才人の頭はスパークした。
「でも、つ、次痛くしたらアンタ覚悟しなさいよね!!」
もうルイズの声など聞こえるはずがない。
才人は勢いよくルパンダイブした。
「ぃよろこんでぇえええええーーー!!!」
結局この日ルイズが満足するまで才人は頑張ったとさ。 第一部、桃色の花 終
512 :
さんざむ:2007/04/06(金) 21:11:20 ID:QCEh6mop
くっ、やはりへんたいさんとは比べ物にならないか・・・・orz
だがいつの日にかへんたいさんと肩を並べて投下できる人物となってやる!
次回予告
「どこいったんだろ、シエスタ」
―――消えたシエスタ―――
「シエスタ?さぁ、最近見かけねぇな。どうかしたのか?」
「彼女ならさっき火の塔に向かって走っていったよ。なんだか泣いてるようにも見えたなぁ」
―――高まる不安―――
「それはサイトさんのほうがよく知ってるんじゃないですか?」
「わたしが、何も知らないと思ってたんですか?」
―――真実を知った黒髪のメイド―――
「苦しいんなら苦しいって言ってくれよ!嫌なんだったら嫌って言ってくれよ!!じゃないと・・・俺・・」
「どうして嫌がらないといけないんですか?」
―――優しき心を持った二人の男女の結末は―――
『真実(まこと)の黒』 近日公開予定
このスレの職人は神か……
やっと終わってスッキリしたと思ったら次回予告とかマジかよ
そんなに俺に勉強させたくねぇのか?
あ、言い忘れた
GGGGGJJJJJ!
>>487 まさか後編は姫様も・・・・ (;´Д`)
515 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:32:49 ID:ObVOOVTF
いやその、今回は姫様は……ちょっと
516 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:36:39 ID:ObVOOVTF
とにかく、投下しますね。
517 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:37:48 ID:ObVOOVTF
銃士隊たちが陵辱されていた様を眺めていたクロムウェルは、
今まで銃士隊を犯していた兵士に交替するように告げる。
「こ、交替……?」
ショックで呆然としていたアニエスは、クロムウェルの背後に
何十人という敵の兵士が控えているのを見て目を見開いた。
「ま、まさか……?」
「へへ、待たされた分せいぜいたのしませてくれよ」
順番待ちをしていたアルビオンの兵士たちは、モノを抜き出すのも
もどかしいと言わんばかりに、一斉に銃士隊たちに襲いかかっていく。
「もういやあっ!
「助けて!もうやめてぇ!」
518 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:38:57 ID:ObVOOVTF
絶望して泣き叫ぶ銃士隊たちは休む間も与えられることも泣なく、
凌辱を再開させられた。精液の残る膣内を、銃士隊たちは肉棒で
容赦なく掻き回され突き上げられていく。
「はあっ、あっ、やだ……壊れちゃう……壊れちゃう……ん、ふあぁ……」
激しく腰を叩きつけられていくうちに、銃士隊の中に
うっすらと艶を帯びた喘ぎ声を漏らすものが出始めてきた。
「ああ、敵に汚されているのに……熱い……こんなの初めてぇっ……」
数名が漏らしたのがきっかけとなったのか、それまでただ痛がってる
だけだった他の者たちも、徐々に快感を自覚していく。
初めてしる性の快感に銃士隊が戸惑っている間にも敵兵たちは容赦なく
腰を叩きつけ、射精へと向かっていく。
519 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:40:10 ID:ObVOOVTF
「も、もう中にはださないで!お願いだからっ!」
「なに言ってやがる後が詰まってるんだ。ほらよ!」
「あふうぅっ!イ、イクうぅっ!」
再び膣内に射精されると。銃士隊たちは皆始めての絶頂を迎えた。
銃士隊たちは始めて味わう絶頂感に全身を痙攣させ、唇から膵液が
たれるのも構わずに大きく喘いでいる。
「どいつもこいつも中だしされてイッちまいやがった。
俺たちの精液がよっぽどきにいったみたいだな、ええ?」
敵兵に罵られ、絶頂の余韻に浸っていた銃士隊たちは
僅かながらの理性を取り戻す。
「うう……また中にだされた……」
520 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:41:59 ID:ObVOOVTF
悲嘆にくれる銃士隊たちに、またも別の兵士たちが群がるり、肉棒を
挿入し始める。銃士隊たちは抵抗しようとするが、
2度の射精で高められた快感には耐え切れず、挿入されると途端に
甘い声を響かせてしまう。快楽に侵された銃士隊たちは、
いつしか自ら進んで腰を振り始めるようになっていた。
肉棒が行き来するたび、膣内の精液が押し出されて、赤く腫れた陰部
から断続的に飛び出してくる。淫らに腰をくねらせ、貪欲に快楽を
もとめるようになった銃士隊たちに、以前のような誇りはもうない。
「くうっ、はあぁっ……もっと抉ってぇ、滅茶苦茶にしてぇっ……
またイキそうなのぉっ!」
「くくっ……そうかい」
銃士隊たちが再び絶頂を迎えそうになると、敵兵たちは突然腰の動き
を止めた。
「んあっ……な、なに?」
521 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:43:17 ID:ObVOOVTF
「へへっ……勝手にイカせたりしねえよ。おねだりするんだ、
オマ○コ出してください、お願いします、ってな。
そうしたら続きをしてやる」
屈辱的な申し出に銃士隊たちが躊躇していると、そのなかの
一人が堪えきれなくなったように声を上げた。
「ザ、ザーメンを……ザーメンをオマ○コに出してください!
お願いですからぁっ!」
「いいだろう、イカせてやるぞ」
言うなり兵士は勢いよく腰を動かし始めた。
「いいっ、いいよぉ……んっ、ひああうっ、気持ち良いのおっ!」
522 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:45:53 ID:ObVOOVTF
求めていた快楽を与えられると、銃士隊員はガクガクと全身を
震わせて、蕩けきった矯正を響かせる。完全に快楽に屈したその姿が
、他の銃士隊たちから自制心の最後の一欠片をも奪い去った。
「ああっ、わ、私にも……オマ○コしてください!」
「もっと……グチョグチョに掻き回してぇ!」
快楽の毒に侵食され、口々に卑猥な言葉を叫びはじめる銃士隊たちの
様子に満足した敵兵たちは、それぞれが思い切り腰を叩きつける。
「ひいいああっ!いいのぉっ、いいっ!良すぎて壊れる……
壊れちゃううっ!」
「はああっ……中に、中に精液ちょうだい!精液ぃぃっ!」
「精液でイク……イッちゃうよおっ!」
立て続けに絶叫が上がり、銃士隊たちの結合部から敵兵の精液と
淫蜜が勢いよく噴き出していく。
523 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 22:53:32 ID:ObVOOVTF
銃士隊たちは絶頂の余韻に浸って震えながら、まだ物足りないのか
腰を振ってさらなる快楽を懇願していく。
「ふっ……堕落させるのは容易いものだな。お前たち、
後は好きにしていいぞ 」
クロムウェルの言葉を受け、欲望に駆られた無数の兵士たちが
銃士隊たちの体に覆い被さっていく。
「死ぬまでおかしてやるぜ」
「ああんっ、きてぇ!犯してぇ!」
快楽に狂った銃士隊の声を背に受けながら、クロムウェルは
その場からたち去った。
〜Fin〜
524 :
銃士隊後編:2007/04/06(金) 23:02:06 ID:ObVOOVTF
>>514 その何ていうか……
期待をうらぎったようで大変もしわけない。
次、考えてるのは
その姫の母親がいいかなと思っているだけど……
最近は作品多くていいなあ。
銃士隊の話の人も後編待ってます
投下多っ
・・・・てか知らない間に新刊出てないよな?
それが激しく不安なのだが・・・
細かい感想付けようにも、流れが速くて無理だ。
みんなGJ!!!!
妙な電波を受信したので書いてみた。
投下いきまっせ
「…どうしよう」
完成した作品を手に、モンモランシーは呆然としていた。
元々自分で使う予定の物だったが、いざ自分で使用してみようとすると、躊躇してしまった。
…いや別に、イヤってわけじゃないんだけど。
問題は、合成に使った、最近評判の薬『オーガの血』。
貴族の間で嗜好品として取引されている秘薬で、ものすごい人気で中々手に入らない。
男性が使えば強力な精力剤として機能し、女性が使えば強力な催淫剤として機能する。
当然モンモランシーにそういった行為の経験は無いので、どの程度の分量の『オーガの血』が適量か、分からなかったのだ。
モンモランシーはビーカーに入ったその粘着質の液体を赤い顔で見つめる。
「…どうしよっか」
これを彼女は、ギーシュとの事の際に使うつもりだった。
だって痛いのヤだし。
既に経験済みの子から聞いた話だと、初めてのアレは物凄く痛いらしい。
その子は婚約者との最初のアレの時、あまりに痛くてのしかかる婚約者を蹴っ飛ばし、気絶させてしまったという。
正直、そんな初体験は勘弁願いたかった。
そういうわけで、モンモランシーはコレを調合したわけなのだが。
どうしても、自分で試す気にはなれなかった。
誰か、こういうの使う相手がいる知り合いに使ってもらって、その使用感を聞くのが、常道なんだけど…。
心当たりをちょっと考えてみる。
すぐ思い当たった。
ルイズ・フランソワーズ・ル・ド・ラ・ヴァリエール。
本人だけが認めない恋人の才人と、コレを使ってもらおう。
そんでもって使用感を聞けばいい。
根は人のいいルイズの事だ、きっと聞いてくれるだろう。
「な、なななななななななな、なんてもん作ってんのよモンモランシー!」
「しっ!声大きいって!」
モンモランシーはルイズの部屋を訪れ、薬を手渡して事情を説明した。
薬を手渡された瞬間は、なにこの薬、とか言って興味を示したルイズだったが。
その使用目的を聞くや、真っ赤になって叫んだのだった。
「こ、こんなもん作って恥ずかしくないワケっ?」
そう言いつつまるで汚いものをつまむように指の先で薬品の入った試験管をつまみ、それでもソレは離さない。
「…だって痛いのイヤじゃない」
赤くなってそう言うモンモランシー。
すでに事情は話してあるので、ルイズは事の次第を了解していた。
ルイズはそんなモンモランシーに応える。
「そんなの、最初だけよ。回数こなせばすぐ良くなるから」
「…ルイズは何回くらいかかったの?良くなるまで」
興味本位からモンモランシーは尋ねる。
その質問にルイズは一瞬で真っ赤になる。
そして薬を取り落としそうになりながら、
「ょ…ょんかぃくらぃ…」
真っ赤になって試験管を両手でいじりながら、俯いてそう応えた。
真っ赤になって試験管を両手でいじりながら、俯いてそう応えた。
「…四回もかかるんだ…」
モンモランシーは言って、はぁ、とため息をついた。
その間、痛い思いをしなきゃいけない。
それに、四回でよくなるとは限らないのだ。
ギーシュが下手だったり(一番ありうる)、相性が悪かったり、自分が不感症だったり(ないと思いたいが可能性は否定できない)したら、もっと回数がかかる。
それどころか、ずっと良くならない可能性だってあるのだ。
「それなら、薬使ってでも、最初から…のほうがいいわ…」
モンモランシーの意見も尤もだ。
今でこそ才人とのセックスで快感を得られて、しかも癖になりつつあるルイズだったが、最初の2回目くらいまでは、正直相手が才人でなければ蹴飛ばしていた。
しょうがない。ここは。
「わ、わかったわよ…試してあげるわ」
「本当?」
モンモランシーは素直に喜んだ。
「で、でも、本当はイヤなんだからね?嫌々薬使うんだからね?そこんとこ勘違いしないでよね?」
あくまで自分は薬には屈してない、というスタンスを貫きたいルイズだった。
「わかってるわよ。
じゃ、使用上の注意だけど…」
そう言おうとしたモンモランシーを、ノックの音が遮った。
「誰?」
部屋の主たるルイズがノックの主に誰何の声をあげる。
その声に、ノックの主が応えた。
『あの、モンモランシー先輩、みえてますよね?』
それは、後輩の女生徒の声だった。
面倒見のいいモンモランシーは、結構後輩に慕われている。
特に同性の後輩に受けがよく、よく相談事を持ちかけられるのだ。
モンモランシーはルイズに一言ごめん、ちょっとまっててと伝えると、ドアの向こうの女生徒のところへ向かった。
ドアがぱたんと閉じられ、足音が離れていくのが分かった。
「頼られてるなぁ、モンモランシー」
そんなモンモランシーに、自分が頼られている。
ちょっと嬉しくなるルイズだった。
…頼られている方面がちょっとアレなのが玉に疵だけど…。
そう思って、手元の薬を眺める。
モンモランシーの説明によれば。
これは、痛みを消す薬ではなく、快感を数倍にすることで、痛みを感じる暇をなくさせる薬らしい。
…ちょ、ちょっとすごそうよね、あの痛みを感じなくさせるんだから…。
ルイズは初めてのときを思い出す。
最初に才人に貫かれたときは、痛くて身動き一つ取れなかった。
もしあの時、才人が獣欲に負けて自分の中を削っていたら。
きっと、あの痛みは数倍になって自分を襲っていただろう。
…たしかに、ちょっとした拷問よねアレは…。
そしてルイズは、その試験管を封じていたコルクの栓を抜いてみる。
ちょっと甘い香りがする。
そういえば、こういう薬は事前に飲んでおくのが常道よね、とルイズは考える。
すると。
ごぼっ!
「────────────!!」
傾けた試験管から一気に薬が流れ出し、ルイズの喉を満たした。
そしてなんと、ルイズの喉を塞いで、止まったのである。
「────!!────!!」
息ができない。ルイズは必死に喉に詰まった液体を吐き出そうとするが、できない。
そして異変は起こった。
ごぼぼっ!
急激に液体がその体積を増やし、ルイズの口から逆流しだしたのである。
「ごほっ!えほっ!」
逆流したお陰で喉につかえていた液体が抜け、息が通る。
しかし喉にはまだ大量の液体が残っており、息がままならない。
溢れた液体はルイズの細い顎を伝い、制服の白いシャツをべとべとに濡らす。
そこでもまた、信じられない事が進行していた。
液体はまるで意思を持つようにルイズの服の下に入り込み、肌に張り付く。
その液体はまるで溶いた片栗粉のようにねばねばっていた。
ルイズの身体と服の間に入り込んだソレは、じわじわと量を増やしながら、下へ下へと侵攻を開始する。
己をルイズの肌に塗りこみながら、じわじわとゆるやかなカーブを描く腹を伝い、腰に回り込み。
そして。
下半身でひくつく、才人しか知らない小さな穴に辿り着く。
「────!!ごぼっ!」
その間にも、ルイズの口からは液体が溢れ、まるで大量の唾液をこぼしているように見えた。
「ごめんルイ───えっ!?」
戻ってきたモンモランシーは驚愕した。
ルイズの口から粘液が溢れ、彼女の身体を覆いつくそうとしていた。
「ばかっ、コレ飲んじゃったの!?」
その言葉に、ルイズは朦朧としながら首を縦に振る。
「これ、これ……、塗り薬なのにっ!」
モンモランシーは言って、慌てて部屋を飛び出した。
才人を捜すためである。
あの薬は本来、秘所に塗りこんで使う。
そして少量塗り込めば、膣道と秘唇を粘液が満たす仕組みになっていた。
それに使ったのが、自己増殖型のスライムである。
もし、ソレを飲んでしまえば…。
口腔内で爆発的に体積を増し、喉を塞いでしまう。
とにかく今は、才人を見つけて、ルイズの口からあの薬を吸い出してもらわないと、ルイズが窒息してしまう。
自分で吸い出してもよかったが、あの薬を自分が吸ってしまったら、たぶん。
薬にやられたルイズと、問答無用で百合してしまう。
それだけは避けたい、モンモランシーだった。
しかし続くだったり(何
ていうか、オクラ食べてて「これが喉で大きくなったらイヤだなあ」とか思ってたら電波が(何
あ、そうそう保管庫に俺の電波の元を上げときました(ぉ
気になる人だけ見てね
http://wikiwiki.jp/zero/?X02-03 ちなみに文章ネタでもなんでもないんで期待しないようにw
ではではノシ
ぅおおおおい!そこで止めるか!
でもGJ。
わっふるわっふるわっふる
>>524 GJ!鬼畜戦士現るw今度は姫様のママンかよ!アニメに出てきてたねww
新たなジャンルを開拓しそうだwwww
>>531 こちらもGJ!ってか思った。モンモン×ギーシュがダメならモンモン×ルイズ
の百合プレイがあるじゃないか!Resolutionは俺もゼロのOPに合ってると思ったねw
はいせんたいさんGJGJGJGJGJGJGJ!!!久々に寸止めをされた気がするな。
題名に吹いたw
ぜんぜん健康法じゃないじゃんw寸止めかよ〜〜
期待してまっとる
日本語でおk
540 :
銃士隊後編:2007/04/07(土) 11:52:08 ID:xZZwQiSf
すまん、ちょっと聞いてくれるか
昨日、投下している最中に画面が
「人大杉」になってこまった。
どうすればいいかな?
やはり、
壺をダウンロードするしかないのか?
専ブラでいいと思うよ
Janeとかそんなのね
543 :
銃士隊後編:2007/04/07(土) 12:04:58 ID:xZZwQiSf
みんな、助言ありがとう。
素人なもだから、よくわからなくて。
544 :
落日の大后:2007/04/07(土) 13:55:15 ID:xZZwQiSf
>>524で言っていた
大后をメインにした話です。鬼畜ですので、
嫌いな人はスル−してください。
今回は、プロロ−グです。
設定
アルビオンとの戦争に負けて、
アンリエッタを逃がすため母親である
大后がアルビオンに囚われたらた話。
「クロムウェル様、捕らえた大后の処遇ですが……いかがいたしましょう?」
アルビオンの仕官が見上げる玉座には、女王ではなくクロムウェルが
着いていた。悪くない座り心地を堪能しながら、クロムウェルは「そうだな」
と言葉を漏らす。
「民の前に引きずり出して、辱をめくれてやるのもいいが……」
彼が座る玉座の持ち主の母親、つまり大后に冷笑が向けられる。
17歳の娘がいるが、それでも美しさと気品が溢れる大后は毅然とした
態度を崩さない。
つい数刻まで大后と呼ばれていたマリアンヌは拘束され、無造作に
床に転がされている。
「おのれクロムウェルめ、そのような真似、断じて許さぬぞっ!」
マリアンヌを護る近衛兵たちが叫ぶ。
「今に天の裁きが下る!貴様の命もそれまでだ!」
しかし今、その近衛兵たちも主であるマリアンヌと同じように縛り上げられていた。
それでも彼らは胸から怒りの炎を消すことはなく、目の前の敵を呪詛し続けた。
「吠えるな犬ども。粋がるだけで女一人護れなかった雑魚が」
「何だと!?」
気色ばむ近衛兵たちに、玉座の上からクロムウェルの邪悪な笑みが
投げかけられた。
「そうだな、この前手に入れた“アレ”をためしてみるか」
邪悪な笑みと共に、不吉な言葉も投げかけられた近衛兵たちの背中を
なんともいえない冷たい感覚がよぎった。
547 :
落日の大后 :2007/04/07(土) 13:59:27 ID:xZZwQiSf
今回は、予告みたいなものだっと
思ってくれたら幸いです。
とりあえず、前編投下しますね。
しばし後、マリアンヌは拘束を解かれていた。その傍らにはクロムウェル
が立っている。
「貴様!マリアンヌ様に何をする気だ!?」
彼女を護る近衛兵たちも拘束を解かれていた。だが反撃はできない。
彼らはアルビオンの兵に槍や剣を突きつけられ、壁際においやられている。
「いいから、そこで黙って見ていろ」
唇の端を吊り上げたクロムウェルの手が、大公マリアンヌの身体を
まさぐった。
「くうぅ……や、やめなさいっ」
「やめろぉっ!」
「貴様ら、この女の身体をすきにしたくはないか?」
肉感的なマリアンヌの身体をまさぐりながら、クロムウェルは
近衛兵たちに目を向けて言う。
「わ、我らを愚弄するか!今すぐマリアンヌ様からその汚らわしい
手をどけろ!」
「うっ……!?」
近衛兵たちが色めき立つ中、不意にひとりの近衛兵が短い呻き
を発して立ち上がった。
その近衛兵はアルビオン兵の間をすり抜け、玉座に歩み寄ったかと思うと、
いきなりマリアンヌの乳房を鷲掴んだ。
「ひっ!?な、何をするのですっ!?」
「貴様ぁっ!」
仲間たちから怒りの視線をぶつけられ、無礼を働いた近衛兵は慌てた。
「ち、違う!違うんだ……マリアンヌ様、これは違うんです!
か、 身体が勝手に動いて……」
「くっく……クグツの種が効いてきたようだな」
「クロムウェル、我々に一体なにをして……うわっ!?」
近衛兵たちは、先ほど敵兵から何かを飲まされていた。
正体不明の種に見える物だ。毒か何かだと思ったが、苦しくなったり
痛みだしたりせず怪訝に思っていた。
動揺を見せる近衛兵たちの体内で、飲まされた物……
クグツの種が効果を現し始める。
「感謝しろ。つまらぬ道徳心や忠義心から貴様らを解きはなって
やったのだ」
「くそ、身体が……」
近衛兵たちは次々と立ち上がり、身体が自由にならないことに
苦悶の表情を浮かべながら一歩また一歩と大后の元へと歩み寄っていく。
「お、お前たち……」
「ぐ、ぐう……お許しをマリアンヌ様……身体が勝手に……」
近衛兵たちは体内の種に操られるままに、恐怖で顔を強張らせる
マリアンヌの身体をまさぐり始めた。
「さあ、大后を犯せ!」
クロムウェルの命令に従い、近衛兵たちは大后の前で陰茎を
露にする。
彼らの肉棒は、どれも痛久しいほど勃起していた。
「こ、これは……お前たち……」
「マリアンヌ様……お、お逃げください……このままでは……」
言われるまま逃げ出そうとする体后をクロムウェルの冷たい
声が止める。
「大后よ、お前が拒めばこの者たちの命はないぞ」
「く、なんて卑劣な……」
クロムウェルの卑劣さに、マリアンヌは悔しげに歯噛みした。
「マリアンヌ様!御身を第一にお考えください。私らの命など……」
「私のことなら大丈夫です。このようなことで、お前たちの命を
無駄に捨てさせる訳にはいきません」
気丈な言葉と裏腹に、大后の身体はこれから始まる恐怖の予感に
震えている
「ぐっうう……マ、マリアンヌ様っ!」
己の中で蠢く魔の胎動に必死になって抵抗していたが、
その甲斐もなく近衛兵の一人がマリアンヌの身体を押さえ付け、
そそり立つモノで大后の秘部を刺し貫いた。
「ああっ、あくぅっ!」
前戯もなしに肉棒を挿入され、マリアンヌの顔が苦痛で歪む。
彼女を気遣う思いとは裏腹に、操られている近衛兵は激しく腰を振り、
熟れた大人の秘洞を責め立てていく。
「うあ、あふ……はぐ、そんな、無理を……しない、でっ……」
「も、申し訳ありません……マリアンヌ様……うぅ」
彼女の秘洞のあまりの気持ち良さに、挿入している近衛兵は数回
腰を動かしただけで、早くも達してしまった。熱い欲望の奔流が
マリアンヌの中に叩き込まれる。
「あああ、中に……中にぃ……」
大きく脈打つ肉欲棒によって膣内に精液を撒き散らされ、体后は悲観で
震える声を漏らす。
「ああ、なんということでしょう……中に……中にだされるなんて……
ああ、陛下、ごめんなさい……」
大后は快感の余韻でフルフルと震えながら亡き王に謝罪する。しかし、
声は甘く潤っていて謝罪の気持ちは感じられなかった。
これで前編は、終わりです。
誤字、脱字が多くて大変申しわけないです。
なあ、このシリーズどっかで見たことあると思ったら
エロゲーの戦乙女ヴァルキリーのエロシーンまんまなんだ
クグツの種の部分で確信した。
557 :
さんざむ:2007/04/07(土) 23:11:31 ID:3kz4NL/R
いえいえ、そんなことないですGJですよ。
続きも頑張ってください、わたしも頑張っているので
新刊か〜〜〜〜。
星屑の王冠wktkwktk
そろそろ新スレの時期ですね。
次は「14」ですのでお気を付けて。
すまん、書き上げようと思ったんだがそろそろ限界。
続きは明日になるが投下しまっす
才人はすぐに見つかった。
才人はヴェストリの広場で呑気に素振りをしていた。
モンモランシーは才人に駆け寄って、才人に主人の危機を伝えた。
「ルイズがヤバいのっ!」
才人の目が点になる。
いきなり出てきてご主人様がヤバいとか言われても。
「ホラバカ面下げてないでっ」
いきなり手を掴まれて全力疾走。
「ちょ、おま、モンモン説明ぐらい」
「そんなの後に決まってんでしょっ!事態は一刻を争うのよ!」
才人には事情がよく飲み込めなかったが、モンモランシーの慌てっぷりから、その『ヤバい』が本物であることは察知できた。
仕方なく才人はモンモランシーに付いて走る。
女子寮の入り口を駆け抜け、階段を駆け上がる。
そして、毎日通る廊下を走りぬけ、ルイズの部屋に駆け込む。
そこには。
半透明の粘液に半身を覆われたルイズがいた。
口から溢れているらしいその粘液のせいで呼吸が出来ないのか、ルイズは青い顔をしていた。
「ルイズっ!」
才人は慌ててルイズに駆け寄り、粘液に汚れるのも厭わず、ぐったりとしたその身体を抱き上げた。。
モンモランシーは冷静にドアを閉め、才人に言った。
「喉に詰まって息が出来ないみたいなの!吸い出して!」
モンモランシーに言われる前に、才人はルイズの口から粘液を吸出し始めていた。
自分の口に含めるだけの粘液を吸い上げると、すぐに脇の床に吐き出し、もう一度ルイズの口を吸い上げる。
…さ、さすがね…。
モンモランシーはちょっとルイズが羨ましくなった。
…ギーシュも、もうちょっと仲良くなったらこのくらいしてくれるのかしら…。
こんな状況で不謹慎だったが、普段から口だけの想い人の事を考えるモンモランシーだった。
「えほっ!げほっ!」
しばらくする才人の吸出しの甲斐もあって、ルイズの喉に詰まった粘液は全て吸いだされた。
ルイズは両手で身体を支え、空気を貪った。
「よ、よかったぁ」
モンモランシーはほっと胸をなでおろすが。
「こらモンモン」
才人がそんなモンモランシーにガンを飛ばす。
「え?何?」
とりあえずここはとぼけて
「お前ルイズに何した」
誤魔化せなかった。
才人の目は完全に据わっていた。
…うわ、サイトってルイズのためならこんな顔もできるんだ…。
ちょっとカッコイイかも、とか思っていたが。
よく考えたら私ヤバい?
「いや、その、違って!
薬を間違ってルイズが飲んじゃって!」
慌てて後退しながら両手を振って言い訳するモンモランシー。
そんな彼女に才人は容赦のない視線を飛ばす。
「ご、ごめんなさぁぁぁい!」
バタン!
耐え切れなくなったモンモランシーは、扉を開けて逃げ出した。
「…ったく、俺のルイズに何してくれてんだよ…」
言って才人は、自分の言った台詞に慌てた。
よく考えたらここにルイズいるじゃん。
よく考える前に普通は気付くものだが。
「いやごめんルイズ!そういう意味じゃっ!」
だったらどういう意味なのか。
慌ててルイズを振り返り、手を振って言い訳する。
その手を。
ルイズの濡れた両手が、きゅっ、と握った。
「え」
才人の目が点になる。
ルイズの頬は赤く朱が注し、その瞳は今にも泣き出しそうなほど潤っていた。
そして、呟く。
「サイト、だぁ…」
ほぅ、と熱い甘いため息を漏らし、ルイズは。
手にした才人の右のひとさし指を、はくん、と甘く噛んだ。
「え、ちょ、ルイズっ?」
状況が飲み込めず慌てる才人だったが、薬の成分に侵されたルイズは、そのまま自分の欲求に忠実に、身体を動かす。
才人のひとさし指に舌を絡ませ、まるでそこに甘い蜜でも塗りこまれているかのように、ちゅうちゅうと吸い上げた。
才人は性感帯をいじられているわけでもないのに、ルイズの行為に快感を覚えた。
「サイトぉ、ほしいよぉ」
ルイズは熱に浮かされたようにそう言いながら、今度は舌で丹念に才人の指の間を舐める。
「うぁっ」
手を舐められているだけなのに、才人は異常な興奮を覚えていた。
その間にも、ルイズはぴちゃぴちゃと才人の手を舐めている。
「サイトの、あじ、だいすきぃ…」
そう呟いて、才人を見上げる。
「…ん」
目が覚めた。さっきまでの夢と現実の区別がつかなくなるような求愛が、過ぎ去った闇の静寂の中で。
夜の月は風流…なんて言うのはガラじゃない。ただ、差し込む光に自然と惹かれて、なんとなく夜風を浴びたくなった。熱くなり過ぎた頭を冷ましたい思いもある。
「…すー」
動くには、胸を枕にしている少女をどけなければならない。
こうなる事、今夜がどんな夜になるかを予想して、入念に洗っていた桃色の髪からは優しい香りが鼻をくすぐった。
寝息を立てている柔らかな唇も、規則正しく呼吸に合わせて上下する、将来は母になるであろう体も
全て自分が汚してしまった。望んだ事とはいえ痛い思いもさせ、涙を見てしまった。
その責任は、自分の一生で償うべきだ。
だから今朝は、愛しい者と共に祝福の道を歩んだのだ。
この世界の伝説、始祖の前でこれからもその者を守る事を誓って。
夢の世界から引き戻さない様注意して、体を引き抜く。一つのベッドに一緒に寝ているとは言え、貴族の寝床は二人でも大きい。床に着くのに距離がある程だ。
どうか起きないでくれよ…
自分が居なくなった後の空間に、冷たい空気が流れ込む。この冷たさが最愛の人の素肌に当たり、眠りを覚ます事だけは勘弁して欲しい。
「よっと…」
ベッドの横にある机には、使い慣れたズボンと下着が置いてあった。きれいに畳まれていた事に首を傾げたが、彼女を待つ間の、自分でも理解不能の行動で畳んでいたと思う。
上着はシャツ一枚だけ。春先の夜風は寒いかも知れないが、冷ますと言う目的にはちょうど良いだろう。
行く先は豪勢なベランダだが、目を惹かれるのはその先の景色にある。
あまりにも淫らに光るその視線と、朱に彩られた可憐な表情に、才人は。
思わずルイズの唇を奪っていた。
ルイズはその行為に応え、才人の首に手を回し、そして舌で彼の唇を割って、口内に侵入する。
才人も負けじときつく抱きしめ、ルイズの口内を犯し返し、互いの唾液を絡ませる。
そして、深いキスをしながら、才人は気付いた。
そうか、モンモンの薬で、ルイズおかしくなってんだ。
…まあ、悪いのモンモンだし?俺のせいじゃないし?
ここは一つ楽しみましょうかね?
才人は唇を離すと、ルイズに言った。
「ルイズ、ガマンできないの?」
ルイズはなんの躊躇もなく応えた。
「ガマン、できないよぉ…。して、サイトぉ…」
そしてそのまま、粘液に塗れた自分の身体を遠慮なく才人に擦り付ける。
平坦な胸が服越しに潰れ、ルイズの吐息がさらに甘くなる。
そしてさらに。
ルイズは才人の太股をまたぐと、なんと粘液でべとべとになった秘所を、ショーツごしに擦りつけて来たのだ。
「サイトぉ、おねがい、いっぱいいじって…」
ルイズのギアスが発動して、才人に命令を打ち込んでいた。
「イエス、まいろーど♪」
才人はそのままルイズをお姫様抱っこで抱き上げ、ベッドに運ぶ。
その間も、ルイズは才人の首筋に顔を埋め、彼の肌を吸い続ける。
「ちょ、ルイズ、くすぐったいって」
「やだ。やめない」
ルイズは小さい子供のようにそう言って、才人の肌に新たなキスマークを造り続ける。
すぐにベッドに辿り着き、才人はルイズをベッドに座らせたが、ルイズはまだ才人の首に絡みつき、肌を吸うのを止めなかった。
それどころか。
今度は、才人につけたキスマークの上を、丹念に舌で舐めはじめた。
「うわっ、ちょ、ルイズそれっ」
なんという背徳的な快感。
肌に付けられた痕を、その痕を付けた相手が舐めて労わる。
今まで味わったことのない行為に、才人の中でどんどん快感が膨らんでいく。
「…くっ、このっ!」
才人は必死に力を振り絞ってルイズを引き剥がし、押し倒した。
これは、戦いだ。
男と、女の─────。
「サイトぉ、はやくぅ」
しかしその戦いの幕は、ルイズの全力で甘える視線と声によって一瞬で閉じられた。
負けでいいでーす♪
才人は乱暴にルイズの足を開く。
その眩しい白い太股の間では。
もうすでに下着の意味を成さぬほどに粘液と雌の液体で透き通ったショーツが、ひくつくルイズを露にさせて待っていた。
566 :
220:2007/04/08(日) 01:07:29 ID:SuOW14ld
しまっ…投下予告しないのが裏目に出…
せんたいさんスミマセン!とりあえず10分後まで引っ込んで来ます!
今日はここまで〜。
で、こぴぺみすがあったので。
>>529と
>>530の間に、
そしてルイズは試験管に口を付け、傾けた。
という一文が入ります。エディタからぶち込むときにミスったヨ
そういうわけで、明日も仕事なのでこのへんでノシ
初の一番槍GJ
せんたいさん…………。完結させるまでGJはおあずけですww
モウホントorz
>>566 自分の身長を裕に越える窓、と言うよりベランダへの入り口を開けた。裸足にその床は冷たかったが構わず手すりまで進み、ひじで上半身を預ける。
白塗りの床は月光に照らされて青白い。いや、幻想的な変化を起こしているのはそればかりでは無かった。眼下に見える森も、遠くに見える山も、距離が圧倒的に違う筈なのに一様の変化だ。緑がさらに深くなり、碧とも翠とも全く違う緑を見せる。
むしろ蒼いのか?元々、緑の物が蒼く見える事は無いとは思うが、目の前に見えるのは蒼い夜の景色だった。
故郷と違うのは月光の光源が二つである事。この蒼さの中で唯一、「燦然と」輝いている。
夜の風は肌を少しだけ撫で、鼻と口を抜けて、最後にはこの体をすり抜けていくように、風を感じさせてくれた。
景色を楽しむ癖など無かったのに、何故かベッドに戻れなくなっている。妙な安心感を覚えて。
「なにしてんのよ?」
「…起きたのかよ」
「そんなに窓を開けっ放しにして、寒い思いをさせるとは思わなかったのかしら?」
ならそんな格好で出てくるな。と言いたい。彼女が来ているのは薄手の…下着同然の寝間着。確かに肌触りは良く、その愛らしさに虜にされたのは自分だが、実用性は無いだろう。
何しろ薄手過ぎて素肌を触っているのと殆ど差が無かったからだ。触れれば体温を感じる程に。
「お陰で目が覚めちゃったじゃない」
「悪かったな」
「もう!……まだ寝ないの?」
「…うん。もう少し…」
「そう…」
隣にやってきて、同じように月を眺める。どうやら一人で寝るつもりは無いらしい。桃色の髪からは、相変わらず優しい香りがした。
「風邪引くぞ」
「ありがと…」
肩を抱き、寄り添う。華奢な体を、いつまでも守りたい相手を、傍らに置いた。
「似合わないわよ」
「わかってるよ」
「…」
「…今日は可愛かったな」
「うるさいわね」
「それにすっげぇ綺麗だった。式の時も、さっきも」
「それがアンタのモノになってあげたんじゃない。素直に喜べないの?」
「喜んでるよ」
「足りないわよ。もっと…表現しなさいよ」
「はいはい」
「…さっき」
「うん?」
「さっき、風で目が覚めたのは嘘。隣にアンタが居ないって気づいたから」
「…そっか」
「今日はずっと抱きしめてて欲しかったの。アレしてる時も、寝る前も、目が覚めた時も、アンタが居るって…感じたかったのに…」
「ごめん」
「もう良いわ。今日はおめでたい日だから…じゃあ、先に寝るわね」
どこで彼女は傷つくかわからない。いつも彼女の事で頭を一杯にしていないと、彼女はすぐに離れてしまうだろう。
それだけやきもきさせて、すれ違って、ようやく手に入れた人だから。
「ルイズ」
「なに?」
「戻る。一緒に寝ようぜ」
「…うん。それと…」
「わかってるって。お前が寝るまでは起きてる。俺が寝てても離さねぇよ。ルイズ」
「…ま、まあわかってるならいいわよ。あなた…で良いのかしら?」
「…無理すんなよ?」
「わ、私もアンタのお嫁さんになったんだから、ちゃんしなくするわ…よ」
微笑んでしまう。嬉しくて。
完
572 :
220:2007/04/08(日) 01:17:11 ID:SuOW14ld
自分で何を書いたのかわからない物を書いorz
初夜モノ…難しいモノでした。スミマセン
それでは、新刊の発売+投下ラッシュを祝って。(ry
う〜〜ん。この表現力、羨ましいです。私もこんなの書いてみたい。
GJ!!
574 :
220:2007/04/08(日) 01:35:07 ID:SuOW14ld
おっ、俺を殺すつもりだな!
何が目当てだ!保険金か?
GJ
>>575 もちろんお前の体じゃー!
ふおおおおおおおおGJ
このスレには神が多すぎる。幸せすぎるなぁ
578 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 03:39:01 ID:6mi0HNa8
多分日本一すばらしいSS職人達がいるスレだと思うよ。いや、マジで。
作品の数は多くても作品の質が落ちないんだよね。
ここの職人さんたち
580 :
ゼロ厨:2007/04/08(日) 09:50:58 ID:jdhJTV9f
>>577>>578>>579 同意!
神職人がたくさん居ていいですよね!
これからの活躍に期待っ!GJ!
ちなみにゼロの使い魔11巻は、5月25日発売予定ですね
もう容量が少ないんだが立ててみてもいいかな?
次は14だよな?
>>582 14であってる。お願いします。m(__)m
埋め代わりに途中まで投下します。
586 :
八年後:2007/04/08(日) 17:40:24 ID:gWPlH1vm
ラ・ヴァリエールの屋敷の中で、若い二人の乙女が話をしていた。屋敷を照らす二つの月はその建物の情緒を一層引き立てているかのようだ。
二人の乙女が話をしているのはルイズの部屋。二人はお互いにベッドを挟んで向かいあい、その間のベッドにはサイトが腰をかけていた。
「ひめさまひめさま!女王が人の使い魔を横取りしたらおかしいですわ!」
そう騒ぎ立てているのは、桃色の髪が眩しいルイズ・フランソワーズ。
今年十六歳になる彼女は、服のデザインの素晴らしさを三割引するような虚無の身体を震わせて、自分の主君に注進した。
「女王さまはこんなところまで男を漁りに来ませんわ。女王さまはお城に貴族の素敵な方がいらっしゃるでしょう?」
一番の親友にそう言われ、思いっきり眉をひそめたのは、御年十七歳になるトリステイン王国女王、アンリエッタである。
彼女はこの年の夏、ルイズがサイトを連れて帰省すると聞いて、ラ・ヴァリエールにやってきたのであった。
「だって、サイト殿といたいんですもの」
つまらなそうな顔で、アンリエッタは言った。十七歳の彼女からは、王族の持つ気品と彼女固有のか弱さが顔を覗かせている。
「女王様はこんな平民あがりと一緒にいませんわ。姫さまは今や女王なのですから……」
ルイズは間にいるサイトを少し引き寄せた。
「サイトの躾は主人である私にお任せください。姫さまは、ちゃんとあの、お城で……」
「そんなのイヤ。わたくし、サイトさんと一緒にいたいのよ」
「ちゃんと身分をわきまえてくださいまし。躾をするのは、主のわたしでございます。姫さまは女王なので政治をしてくださいな」
アンリエッタは露骨に頬を膨らませた。
587 :
八年後:2007/04/08(日) 17:41:50 ID:gWPlH1vm
「ずるいわ。あなただけずっとサイトさんと一緒にいるじゃないの」
「だからこれは躾を………」
「何よ!サイトさんのこと、好きなんでしょう!?」
アンリエッタは嫉妬むき出しにして、ルイズに向かって必殺の言葉をくりだした。
図星をつかれたルイズも、なんとか堪えてアンリエッタに向かって睨みつける。
「なによ!『いやだわルイズ。もし、そんなことになったら、わたくし死んでしまうわ』とか言ってたのどちら様でしたっけ!?」
「あら?じゃあサイトさんのこと好きだって認めるのね!?」
「「う〜〜〜」」
アンリエッタとルイズは、お互いの髪を引っ張りながら、取っ組み合いを開始した。
間近で見守っていたサイトはおろおろと慌て始めた。喧嘩などしてほしくはないが、下手に手をだすと自分が死にかねない。
「お…おい……二人とも……や……やめた方が……よろしい………かと………」
しかし二人にはそんな言葉も届かない。ますます怒り狂い、発情した雌犬もドン引きする勢いで絡み合う。
どうにかしないと、と一人悩むサイトの前に救世主が訪れた。
桃色の長い髪をふわりと風にそよがせた、美しい女性である。年相応かそれ以上に均整の取れた身体を白い上着で包んでいる。
何処をとっても非がないので、むしろ洋服が彼女の魅力を三割引しているかのような神々しさであった。
おっとりした雰囲気と見るものをほっとさせるオーラを纏い、彼女は喧嘩している二人を見て、にっこりと微笑んだ。
「あらあら。まあまあ」
「カ、カトレアさん!」
サイトはすがるような目で桃髪の美女を見つめた。カトレアと呼ばれたその女性は髪の毛を引っ張り合うアンリエッタとルイズに近づいた。
「ちいねえさま!」
「カトレアさん」
二人は近づくカトレアに気づき、争いを中断した。カトレアは笑みを絶やさず、
「あらあら。いったいどうしたの?そんなふうに暴れたら美貌が台無しよ」
ルイズとアンリエッタは恥ずかしそうに顔を伏せる。
588 :
八年後:2007/04/08(日) 17:43:03 ID:gWPlH1vm
「ルイズ、あなたは今や陛下の一番の臣下なのよ。それが髪の毛掴んでどうするの?」
「だって……」
姫様とサイトが…姫様とサイトが…、とブツブツ言っていたが、そんなルイズにカトレアは、
「あなたは立派なレディよね?ルイズ。ねえさんはあなたを信じてるわ」
ルイズは頬を染めて頷いた。
傍らで見ていたサイトは驚いた。
ご主人様がこんな子供みたいにあしらわれているのを初めて見たのだ。
(す、すげぇ……!!)
そんな感想しか出て来ない。
(いつもなら『うるさい!うるさい!うるさい!』って怒鳴りちらすところなのに…………)
ついでカトレアはアンリエッタに顔を向けた。
アンリエッタは女王となって既に何人もの貴族と対面しているが、それでもカトレアの優しい視線に恥ずかしくなってしまった。
カトレアはアンリエッタの前に膝をつく。
「陛下、妹のご無礼をお詫びいたします。ルイズがやったことはあねであるわたくしに責任があります。
どうか罰を与えるならわたくしにお与えくださいませ」
「頭を上げてくださいまし。わたくしも無理を申しましたし……」
アンリエッタも幼い頃から慕っているカトレアには勝てないようだ。
二人が反省したのを見たカトレアは満足したかのように笑みを浮かべた。サイトもほっとする。
カトレアは立ち上がると二人に仲直りを促した。
「あなたたちは、レディよね?」
アンリエッタとルイズが頷く。
「では、決着をつけなさい。レディのやり方で、ね」
二人はそろってサイトの方を見た。
(アレ? ナニカ マチガッテ イマセンカ?)
戸惑うサイトに二人はゆっくりと近づいてくる。
「それじゃあサイト、覚悟しなさいよ」
「精一杯、ご奉仕させていただきますわ」
「ふ、二人とも……やめ」
続きは後日、次のスレで、容量的にも辛いですし。
それでは(´∀`)ノシ
590 :
ゼロ厨:2007/04/08(日) 17:57:24 ID:3e5JmyCq
テスト
591 :
八年後:2007/04/08(日) 18:14:22 ID:gWPlH1vm
サイトを口止するかのようにルイズがキスをしてきた。
舌を入れる大人のキス、まだぎこちなかったが大好きな人にキスされて嬉しくない訳がない。
戸惑いながらもサイトはルイズの舌に応え始めた。
暫くお互いの感触に酔った後ルイズは名残惜しそうに顔を離した。
サイトとルイズの間には銀色に光る橋がかかり、それを見るだけでもルイズは恥ずかしさに頬を染めた。
アンリエッタはその間にサイトのズボンを手際よく降ろすと、現れた男の象徴に指を這わせた。
彼女の、白く細い指に弄ばれサイトは驚きの声をあげる。
「ひぅっ!ひ、姫様?」
「キスをしただけでこんなに大きくなるなんて、はしたないですわ、サイト殿」
言うとアンリエッタはサイトのそれを自らの口に含んだ。
(姫様の口の中、あったかくて気持ちいい……)
ルイズも、よりサイトに体を預けるようにしてキスをしてくる。
自然とサイトはルイズを受け止めるようにして抱く形になった。
その手は知ってか知らずか、ルイズの可愛らしいお尻に触れてしまう。
(えっ?さ、サイト?)
使い魔の突然の行動に驚くルイズ、しかし頭の後ろをサイトのもう片方の手が押さえているため喋れない。
サイトは調子にのり、ルイズの臀部を撫でたりしはじめた。
「んっ!……ん〜〜…ん!」
体をサイトに預け、頭をサイトに押さえられているので、自然と動くのは腰になってしまう。
(ルイズ、そうやって動かれると……)
感じる度に腰をくねらせるご主人様の姿はこの上なく扇情的でサイトの槍はますますその硬さを増してしまった。
「もぉ、ふぁいほふぁんはら〜、ほんなにかはふひひゃっへ〜」
(いえ、姫様。何言ってんのかわかりませんし、ナニをくわえて喋らないで〜!)
サイトの心の叫びもルイズとのキスに消えて、サイトの興奮はいよいよ最高潮となってくる。
二ヶ所からの淫靡な水音がサイトの脳を汚していく。
(も、もう……ダメ……)
アンリエッタが裏から先端までを一気に舐められると、サイトはいとも簡単に達してしまった。
女王の顔、髪が白濁に汚される。
「あらあら、こんなにたくさん」
アンリエッタは顔についたものを指ですくうと一口舐めた。
「うふっ♪おいしいですわ」
(姫さま……エロすぎです……)
592 :
八年後:2007/04/08(日) 18:16:13 ID:gWPlH1vm
一国の女王が自分のを舐めている。この状況に否応なしにサイトの槍はまた硬さを取り戻した。
「まだ元気みたいですわね。でもこれ以上やると服を汚してしまいますし……」
言うや否やアンリエッタはそのドレスを脱ぎ始めた。
普段はドレスの下に隠されている、まだ踏まれていない雪のような白く柔らかそうな素肌。
重力を感じさせない張りのある禁断の果実が露となる。
「そ、そんなに見ないでくださいまし」
いや、姫様が勝手に脱いだんじゃ……、というサイトの心の中でのツッコミも虚しく、アンリエッタは恥ずかしさに頬を染め、体を震わせていた。
体の震えにあわせて禁断の果実がプルプルと揺れている。
(確信犯だ……!絶対にわかってやってるよこの御方!)
そうとわかれば手伝ってあげなければ男じゃない、ということでサイトは姫様の有られもない姿をじっくりと堪能することにする。
「あれぇ?ひめさまぁ、手で隠してしまわれては、お姿がよくみえません。手をどけてくださいませんかぁ?」
「むっ無理ですぅ。は、恥ずかしくて……」
「そんなことないですよぉ。ひめさまはお綺麗なんだから自信もって!」
「そうですかぁ?じゃあちょっとだけ……」
ちょっと頭のネジがゆるくなったかと思われる会話をしながら、アンリエッタとサイトは二人の世界に入ろうとしていた。
だが、こんなやりとりを聞いて黙っているご主人様ではない。
(むきぃぃぃいいいいいい!!)
姫様の姿に鼻の下をのばしている己れの使い魔を見てルイズはこれ以上ないくらい怒っていた。
(キスしたくせに!キスしたくせに!キスしたくせに!……………)
もちろん平和な頭をしているので自分からしたのは忘れている、なんとも都合のいいご主人様だ。
だが姫様に負けるわけにはいかない。ルイズは意を決して自らも脱ぎ始めた。
しかもキスした時から動いていないので、サイトの目の前で。
593 :
八年後:2007/04/08(日) 18:18:55 ID:gWPlH1vm
「ル、ルイズ?」
そりゃもう天晴れな脱ぎっぷりであった。恋する乙女に敵はいないのである。
別にあんたのためじゃないんだから……、など呟いてはいるが、体が嘘をついているのである。
「綺麗……だな……」
以前から、裸同然の付き合いをしていたようなサイトも、改めて見るご主人様に感嘆の声をあげるほどの美しさ。
ルイズの体は空気抵抗を感じさせないような流麗な曲線を描き、その姿は彼女の誇りと威厳を表しているかのようだった。
銃の弾丸にしてもその威力が期待できそうである。(これは彼女が弾丸のような性格だと言っているのではない。)
まぁ、言ってしまえばツルペタなのだ。
「………………サイトだけ服を着てるなんてずるい」
(へ?)
「ご主人様が脱いでるっていうのにこの使い魔はぁぁぁ!」
サイトの視線に恥ずかしくなったルイズはサイトの服を脱がしにかかった。
「ちょっ……まっ…て…」
「やだ」
使い魔に拒否権はないようだ。
これで使い魔がご主人様に勝てたためしがない。ものの数秒でサイトは全裸となってしまった。
「へ、へぇ〜〜」
「わぁ、これがサイトさんの……」
(なんか恥ずかしすぎ……死にたい)
モグラモードになりかけるサイト、だがまだ二人の淑女の戦いは続く。
「サイト殿……わたくし、貴方の姿に胸がドキドキしておりますの」
むにゅ
アンリエッタはサイトの手をとるとそれを自らの果実へともっていった。
サイトの手にアンリエッタの柔らかな感触が伝わる。
(やわらけぇ〜〜〜〜)
それだけでサイトのテンションははねあがる。ご主人様と似て、忙しい使い魔……。
ちょっと手が動く度に聞こえるアンリエッタの甘い声にサイトは悪戯したくなる。
ちょっと揉んでみよ(むにゅ)
もうちょっとだけ…(むにゅ)
この感触をもう一度(むにゅむにゅ)
「あんっ、サイトさん……そんなぁ、ふぁ……気持ちいぃ」
ご主人様も負けちゃいられない。
「サイトぉ、わたしの、濡れてしまったところ、拭いてほしいんだけどぉ……」
ルイズはサイトのもう片方の手を自らの既に十分に潤った割れ目へとあてがった。
(ルイズ……もうこんなに濡らしてる)
「ひぅっ!そう、そこを拭き取ってぇ」
「サイトさん、気持ちいいですかぁ?」
594 :
八年後:2007/04/08(日) 18:22:08 ID:gWPlH1vm
ルイズとアンリエッタはサイトの手に自分の秘処を委ね、全身を使ってサイトに奉仕していた。
ルイズのまだ幼さを残す肌が、アンリエッタの柔らかい禁断の果実が、サイトの腕に押し付けられる。
彼は今極楽にいるかのような心地だった。
「んっ!さいとぉ?きもちいぃ?」
「さいとさまぁ、わたくしのっ!アンのからだはぁ!いかがですかぁ!?」
二人は次第にサイトの腕に自身を擦りあわせることによって生まれる快楽へと酔っていった。
(二人とも、こんなにエッチだったなんてな)
貴族の高貴な女二人が淫らな行いを自らしている、という背徳感すら快感へと変えて二人は絶頂への階段を上がっていく。
「らめぇ、サイトぉ、気持ちいいよお」
「こんな、こんなのってぇぇ!」
ルイズとアンリエッタは既に勝負を忘れ、ひたすらに快楽を求めていた。
いつの間にか立場が逆転していることにも気付かない。
「二人とも、イキたい?」
「「お願い、イカせてぇえ!!」」
ルイズとアンリエッタの声がユニゾンする。サイトはその言葉にニヤリと笑うと手の振動を速めた。
「あ、あ!ひぁ!ひぃ!あ!やぁ!」
「あふぅ!ひぐぅ!いぃあぁ!ふぁん!!」
二人の秘処でサイトの指が奏でる、終りのない水音の円舞曲がその速さを増す。
「「いっイクぅぅぅううううう!!!!」」
ルイズとアンリエッタは仲良く絶頂を迎えた。力無くベッドへと倒れこむ。
だがサイトの槍は未だに自らを収める壺を欲していた。
まだ容量あったみたいなのでここまで。
まだ続きます。次は本番を……。
(´∀`)ノシ
-――- 、
, ‐'´ \
/ 、 ヽ
|l l /〃 ヽ ヽ} | l ',
\ .ljハ トkハ 从斗j │ ハ
\ l∧}ヾソ V ヾソ ! ! ヽ \
\ __ __ リ.人 v‐┐ /" ト、 ヽ ヽ
{心下ヽ /" >ゝ-'<{ Vl } }
ゝ<}ノ \ (:::::Y Y:::::! ヽヘ { {
7´ ̄ ) )::∨::__::ヽ }::\ \丶、
/ / /ィ'´ヽ:::::::::ノ /:::::::::ヽ ヽ `ヽ
! ≦∠__ノ:::| /ハ::::/ ゝ、:::::::::`、 リ ノ
| .:.:::::::::::l __ヾ\ ≧:::::::::'、ヽ {
l_ .:.:::::::::/ >v' l \::ヾ  ̄::::::::::::::::', }>
ヽ.:::::::::V | ! l∧::::::::::::::::::::::::::::Vリ
i::::::::::::`ドー rL.」 厶::::::::::::::::::::::::::::!
l::::::::::::::j ̄ 7:::::├‐ ト、::::::::::::::::::::::::!
\::::::/ :/::::::::::! !:::`、:::::::::::::::::::!
`/ :/ー‐‐┤ 「¨¨ ヽ::::::::::/
,′ :/ ! ! レ' ´
┴‐┴━━━ゝ-┴
容量オーバーでこのスレはお終いね。次スレはここよ。
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合14
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175996758/