【MH】モンスターハンターでエロパロ 3匹目【モンハン】

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6392-332:2007/05/11(金) 20:26:12 ID:9P6YVsH2
火球が街を焼き尽くした。自分が動きやすくするためか、逃げ回る人間が煩かったのか。
いずれにせよ、それらが竜の目的だったならば彼女の目的は果たされたも同然だ。
あたり一面焼け野原、その上に転がる人々の死骸。地獄の中に佇む竜は、一つ大きな咆哮を上げた。

「グァアアアアアア!!」

遠くに見える街の中心部で人が逃げ惑っているのが見える。
ちいっ、と舌打ちをして青年は状況を確認する。
人ごみに紛れないように調節されたのか、二人とも無傷だ。
もう一度火を吹くために、竜が大きく息を吸い込んだ。青年は毒でぐったりとしている“竜忌”を抱え、避ける準備をする。
赤々と燃える炎が竜の口から溢れ出し、青年が居たところを焼き尽くす。
離れていても伝わる熱と衝撃。そろそろ避けるのも限界か。青年は煙に紛れて家の瓦礫に身を隠した。
腕に抱かれた“竜忌”が切れ切れな声で青年に耳打ちする。

「ウィル…あの…竜、は…夫の…仇を、取る…と、言って…い…た、よね…?」

「あ、ああ。そんなことを言っていたね」

「彼女…の、夫…って…」

「…一週間前、僕らが殺したリオレウスのことだろうな」

地響き。竜の足音だ。青年と“竜忌”を見つけ出し、殺そうと探しているのだ。

「…やっぱり……私の…私の、せい…なんだ、よね…」

「いや、そんなことは――」

青年の言葉を遮って、竜の炎が瓦礫を吹き飛ばした。
炎は直撃こそしなかったが、衝撃で二人の体は転がった。青年がすばやく跳ね起き、“竜忌”を抱えて走り出す。
走りながら、青年は精一杯叫んだ。

「そんなことはない!!あの時殺さなければ僕たちが死んでいた! あのリオレウスが弱かったのであって、復讐なんて!!」

炎を跳んでかわす。地面に転がり、“竜忌”に馬乗りになって青年は続けた。

「復讐なんて、される云われは無い!!」

青年の必死の叫び。だが、“竜忌”の眼は既に青年を向いてはいない。
6402-332:2007/05/11(金) 20:26:52 ID:9P6YVsH2
「ごめん…ね、ウィル…もう…」

瞳孔の収縮、そして竜の気配。それははっきりと示していた。
彼女の中の、竜の覚醒を――

「ま、待って!こんな状態で暴れたら――」

「でも…もう駄目…さっきから…我慢…して、た…んだけど…ね…」

青年は“竜忌”の肩を揺さぶった。

「駄目だ!しっかりしろリューキ!」

打って変わって力のこもった腕が、青年の手を振り払った。
青年がその腕を掴もうと手を伸ばしても、彼女はもう手の届かないところまで跳んで行ってしまった。
背後からの気配で竜の攻撃を察し飛び退くと、ついさっきまで二人が居たところに竜の爪が突き立てられた。
人一人の大きさを優に超えるその凶器は、直撃なら間違いなく殺されるだろう。

「リューキっ!!」

その爪の向こうに青年が見たのは、落としていた大剣を拾い上げ、毒に眉をしかめながらも戦おうとしている“竜忌”の姿だった。
その瞳に映っているのは殺意と――憤り。

「グァアアアアアア!!」

明らかに人のものでない声。その“竜忌”の声を発端に、戦いが始まった。
いつもなら楽に勝てる相手かもしれないが、少女の体では毒の影響も大きい。
青年が見てきた“竜忌”の暴走より、動きは緩慢だった。
攻撃を避けるのも間一髪といった様子で、偶に血を吐き出す。大剣の斬撃はことごとく避けられた。

「グゥゥウウウウウ…」

竜の姿ならば避けられただろうか。竜の姿なら斬れただろうか。殆ど思考することの無い竜としての本能に、憤りが溜まって行く。
そして、苛立ちが大きな隙を生んだ。竜の目の前へ跳躍し、右手に持った大剣を左から右へ振る。
頭部を狙った一閃は、八つ当たりにも等しい力任せの攻撃だった。当然避けられ、反撃される。
竜の頭部が瞬時に目の前から消え失せ、首が、体が、後ろ足が、“竜忌”の正面に現れる。
どこかで青年が叫んでいる。

「リューキ!!」
6412-332:2007/05/11(金) 20:28:48 ID:9P6YVsH2
気が付いた時には、左から右へ、竜の尻尾に薙ぎ払われていた。左手が折れ、大剣がどこかへ飛んでいった。首にもひどい衝撃が走る。
がほっ、と口から大量に血が漏れる。視界が左へ流れていく。
地面に叩きつけられて二転、三転、停まった時にはもう体が動かない。

「ガ、はっ…」

細かく咳き込むたびに、血が口から零れ落ちた。体中が痛くて仕方が無い。
激しい憤りを抱きながら、彼女の竜は意識を手放した。

「…リューキ!!」

青年が“竜忌”を抱き起こすが、最初から戦える状態でなかった彼女は、もう心音も弱くなっている。
介抱するにも、病院へ連れて行くにも、目の前のリオレイアが全ての邪魔をするだろう。
青年がある種の諦めを感じたとき、妙にやる気の無い声がした。

「助けてあげましょうか?」

声の主は少年だった。左手の煙草と何か悟りきったような表情が大人びた印象を作っている。
銀髪と銀色の防具に身を包んでいて気障な格好だが、少年の持つ雰囲気には不思議に合っていた。
防具をつけているにも関わらず丸腰なのも不自然だった。

「…君は?」

少年は煙草を投げ捨て、地面に突き刺さった“竜忌”の剣を手に取る。軽々と引き抜き、竜に対峙する。

「“彼女”の息子です。…多分、ね」




(以上です。感想・批判などありましたら是非お聞かせください。
 ちょっと短いかもしれませんが、最近時間無いのでこれくらいが限界です。)
642名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 22:16:19 ID:uVIZFUXU
>>641
GJ!!あんな所で切られちゃ寝れないよ(;´д`)
643名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 23:14:38 ID:mWu6jGSY
>>641
GJ!!

・・・寝れないじゃんw
そしていつ頃からエロになるのかなと思う今日この頃
644名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 23:43:57 ID:2V5x5UED
>>624
>>632
>>635
>>637
つまりどの案を使えばいいんだ?
今の所妄想は固まった、後は文章に直すだけ。
645名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 05:15:40 ID:ZvHplcLG
足を引き摺りレウスが逃げ出した。
時間はギリギリだが、尻尾は切ったし、顔も爪も砕いた。武器の残りが少ないが、ミンシュは勝利を確信した。
飛び去ろうとするレウスに向かって、雄たけびを上げつつ得物を投げつける!
うおおおおおおおおおおお!!

ブーメランがっ!

ブーメランがっ!

ブーメランがっ!

ミンシュの手を離れたブーメランたちは、空を舞い、その手に戻ってくることは無かった。天高く消えたブーメランと飛竜を見上げながら、ミンシュは大地に手をついた……。

ブーメラン使いのミンシュ。これまで怪鳥種や牙獣種のモンスターをブーメランだけで倒してきたハンターだ。今回の火竜狩りも、持てる限りのブーメランとその材料を用意して臨んでいたのだが……。

「あなたが無くしたのは、この金のブーメランですか? それとも銀のブーメランですか?」
うなだれるミンシュの前に女が立っていた。両手に金と銀でできたブーメランを持って。
「いや、俺がなくしたのは普通のブーメランさ。ってかあんた誰?」
「私はブーメランの精です。正直者のあなたには、この金と銀のブーメランをあげましょう」
「いや、そんな変なブーメランはいらないから、普通のくれよ」
「ふ、普通のですか・・・」
「無くならないブーメランとかならともかく、消耗品だから金とか銀もらってもしかたないし」
「……わかりました。あなたはとても正直者です。そしてブーメランを理解している人です。あなたに無くならないブーメランを差し上げましょう」
「まじで!?」
「受け取っていただけますか?」
「そりゃ、無くならないブーメランなんてあるなら、ぜひ」
「それでは、不束者ですが、よろしくお願いいたします」

こうして、ブーメランの精はミンシュの妻となり、二人は幸せに暮らしましたとさ。
646645:2007/05/12(土) 05:32:42 ID:ZvHplcLG
最後の一行修正。

誤)こうして、ブーメランの精はミンシュの妻となり、二人は幸せに暮らしましたとさ。
正)こうして、ミンシュはブーメランの精を手に入れた。
647名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 07:40:28 ID:NxRxXbsJ
>>644
それは貴方の思いのままに書けば良いと思うさ




生殖器にびっしりと吸盤がついていて、射精がはじまると吸盤で中に張り付き精子を作る器官ごと切り離される
切り離された器官はそのままの状態で精子を作り送り続ける
切り離した雄は死亡orまた生えてくる

やっぱり全力で引き抜こうとするわけで…
描写としては切り離された全部の器官が膣内に納まって、抜こうと藻掻くほうがいいかな
それか麻痺とかした状態で抵抗できずにとか…
どの種類に装着させるかも悩み
648名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 13:49:15 ID:kHj9zrb5
エメラまだかなー
649名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 21:28:45 ID:Qsxa7xjR
ランポス=おっきいよう・・・
ギアノス=つ・・つめたぁい・・・
ゲネポス=しびれて反撃できない・・ビクッビクッ
イーオス=体が(毒で)火照って(ry

と妄想する俺であった
650名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:22:55 ID:sX3AOBFO
イーオスに体を熱くさせられ、ゲネポスに焦らされ、ランポスに貫かれる

ハァ…ハァ…!妄想が!
651名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 06:31:02 ID:Su/G1qP0
>>647
つ「ランゴスタ」 雄のナニじゃなくて女王蜂の尻尾だけど
652名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 06:57:06 ID:H0igimYr
>>651
・モンスターの生態 - ランゴスタの繁殖について
ランゴスタの繁殖において他の生物の存在は不可欠である。
ランゴスタにはその針で麻痺させた他の生物に卵を産み付けて幼虫を寄生させるという寄生動物のような習性がある。
餌としての寄生対象となるのは主に胎生生物の雄および卵生生物だけであり、
胎生生物の雌に対しては少々特殊な寄生方法をとる。
中型から大型の胎生生物(すなわち哺乳類)の雌の生殖器内部に女王蜂の腹部を挿入して卵を産みつけ、
胎内で孵化した幼虫は雌の子宮内部で養分を得るのである。

ここまで妄想したけど俺自身が異種姦はイケても出産系がダメなのを思い出した。
653名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 09:53:48 ID:ugGwPbWg
えー、

>>612で言ってたのが出来たので、投下させていただきます
投下は初代スレ以来ゆえ、流れにちっとも乗ってませんが、申し訳ない(汗)

注意事項

・激甘
・前フリ長い
・ネタが寒い
・エロくない

ご寛恕願います(汗)
654ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 09:54:40 ID:ugGwPbWg

「…ここもずいぶんヒトが少なくなっちまったな」

集会所に入ってきた男が、赤いメイド服のギルドのお姉さん、ベッキーに
つぶやいた。彼女の居眠りがおおっぴらにとがめられなくなってからもう久しい、らしい。
それも、何か月か前までこのココット村に居たハンターたちは、
ほとんどが新たに開拓された山岳地帯の「ポッケ村」に河岸を変えてしまった
からだそうだ。以前は仕事の奪い合いで活気があったこの集会所も、今はほの暗い
闇にろうそくのちりちりという音が虚しく響くのみだった。

「ウワサじゃあ、伝説の黒竜も狩られちまったんだって?やれやれ、ヤツは
 俺が仕留めようと思ってたのにな」

「ええ、ノルスさんが出て行ってる間に…
ノルスさんもけっこう長いのに、残念でしたねえ。ところで、今日は…」

「仕事のハナシは後で。どうせろくな依頼が残ってねえだろうけど、受けなきゃ
 おまんまのなんとやらってやつだからな。とりあえずブレスワイン」

「いつものヤツですね。わかりました。まだちゃんととってありますよ」

ベッキーが奥に行って仕度を済ましているあいだに、奥にある掲示板に目を走らせてみる。
案の定、ろくな依頼が残ってない。ここに来るまでに外を歩いていて、空を横切る飛竜の姿
一匹見かけなかった。狩りつくされてしまったのか、それともこの村を警戒して生存域を
移したか…奴らはバカじゃないから、多分後者だろうが、それにしてもある意味寂しい。
655ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 09:55:56 ID:ugGwPbWg

「あっ、リリィさん!いらっしゃいませ」

冷えたワインを運んできたベッキーが、俺の座っていたテーブル越しに、集会所に入ってきた
女性に呼びかけた。狩りで何度もバディを組んだことのあるリリィだ。出会った当初は頼りなかったが、
あろうことかいつのまにか彼女は「あの」フルフルを味方につけ、更に、眉唾だが彼女の言によれば、
そのフルフルが生まれ変わったという(!)若いのと一緒になったそうだ。
ま、無論信じちゃいないが、最後に共に狩りに出たときについて来たヤツが、
ひ弱そうに見えて意外とガッツがあったのは認めている。
だが、それもけっこう前のことだ。

「久しぶり、ノルス。しばらく見なかったじゃない」
「ああ。ちょっと静養に出ててな。金がなくなったんでまた稼ぎに来たのさ。例の元フルフルの
旦那さんは達者かい?元フルフルってんなら、あっちのほーもスゴそーだよな。ハハ」

まぁ、こういう下世話な軽口くらいは叩ける間柄だったということさ。
だが、期待に反して彼女の口から出たのは、やや寂しげな答えだった。
656ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 09:56:57 ID:ugGwPbWg
「お生憎様。彼は今は居ないわ」
「へぇ?あれだけイチャイチャしといて、今更そりゃないだろ。やっぱり、
…あっちのほうの不一致かい?」
「違うったら! 彼は今、ポッケ村に先に行ってもらってるの」
「…ふーん」

その言葉に含むものを知覚して、俺も自然と声が低くなった。そうか、彼女も…

「思い出がたくさんあるここから離れたくないってはもちろんあるけど、正直、もう仕事がね。
やっぱり子供がいると、いろいろとね…」

ま、そりゃそうだよな。どんなとこでも結局は食っていかにゃならんしな。それも自分だけじゃない。

「それに、子供達には、もっといろいろな世界を見せてあげたいんだ。あそこなら、
ここよりはドンドルマに近いし」

「ふーん… すっかりいいお母さんになっちゃったもんだなあ。
このテーブルで一杯ビール喰らっただけで突っ伏して寝てた嬢ちゃんが」

ややぎこちなくなった雰囲気をごまかすように、茶化して見せたが。

「いいお母さんかどうかは、わからないけど… そうね、変わっちゃったのは、わかるわ」

やべ。逆効果だったか。だがまぁ、逆という意味で考えれば、彼女にとっては新しい旅立ちだ。
まぁ同期のようなモンなら、なんとかカッコつけなきゃな。
657ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 09:57:49 ID:ugGwPbWg
「ほれ」
「えっ… あっ」

俺が腰から出した耐熱袋を放ってやると、リリィはそれを落としかけて、
あわててその手に握り締めた。やれやれ、こういうとこは変わってないな。

「帰りがけにポーチを漁ってたら出てきた紅蓮石さ。
俺はアチィのが趣味じゃないのは知ってるだろ?餞別だ、持ってけよ」

「…ありがとう、貰っとくわ」

やれやれ。石っころ一つでそんな顔されちゃ、今までのオレはなんだってんだ。

「ところで、貴方はどうするの?もう皆、出払っちゃったんでしょう?貴方は行かないの?」

「あ〜… 今はな。あっちに行くには武器をギルドにくれてやらなきゃならんのだろ?
この鬼斬破はオレのお気に入りでね。手放すのは忍びなくてな。
ま、こいつが擦り切れる頃になったら考える、さ」

「おか〜さ〜ん、早く行こうよ〜!」
「行こうよ〜!」

外からおチビさんたちの声がする。ふぅん、大きくなったもんだ。ま、俺の目から見たら、
リリィは十分にいいお母さんだと思うが、ね。
658ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 09:59:18 ID:ugGwPbWg

「いけない、もうすぐアプノ車の時間…」
「お、そうか… すまんな、引き止めちまって」
「ううん… ベッキー、これ私のハンターライセンス。今までありがとう。
またきっと遊びに来るから」

「それじゃ… ノルス、ベッキー、またね」
「んじゃ、またな。あんま張り切りすぎて旦那やガキに心配かけんなよ?」
「リリィさん、またいらしてくださいね。きっとですよ」


「…やれやれ、行っちまったか。ポッケ村までは遠いだろうに、女ってのは強えーよなー」
「そうですね… これでこの集会所にいるハンターは、ノルスさん一人」
「え゛!? そうなの?」
「これ名簿。確かめてみます?」
「…… 仕事、ある?」
「伝書クックも最近来ませんし… まぁ、探してみます」
「……」
「ノルスさんもポッケ村に行ってくれれば、私も配置換えできるんですけど」
「お?つれないねぇ〜?俺と一緒じゃ、不満かい?」

軽口をたたきつつベッキーのお尻にタッチ。
途端に、今だに見切れないベッキーのビンタが頬を襲った。

「じょ、冗談だよ…  …それになぁ」
「それに?」
「もう女にゃあ、こりごりさ」
659ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:01:18 ID:ugGwPbWg

前置きが長くなったが、オレはノルス。ここココット村の、いまや最後の一人となってしまった
ハンターだ。久しく村には帰ってなかったが、ほうほうの体で逃げ帰ってきたってわけさ。
誰からだって? いままで入れあげてた女からさ。

自慢じゃないがオレはハンターとしてはそこそこ腕がいいほうだ。ツラもまぁ、そこそこイケてる
ほうだと思う。ただ、女を見る目はなかったっぽい。武器防具まで質に入れてさんざ貢がせた
あげく、「やっぱドン大出のカレのほうが将来性あるし〜」だと。ひでぇ。イヤな世の中だ。
今まで「ワイルドなあなたがスキ♥」って言ってた君はどこへ行ったんだ。ジーザス。

ま、そんな女だってのを見抜けなかったあげく、えらいクソまじめに働きアリを演じてたオレも
アレだったんだけどな。なんとかこの鬼斬破だけは取り返して来たよ。ん?じゃそのレウス
メイルその他はなんだって?ぁあ、これは段ボールだ(泣) オレマメな性格なんだよ…
いいトシしてなにやってんだろとは思うけどさ。まじめにスキだったんだから仕方ないだろ。
「性根がウブなんですよ」と、いつかベッキーは言っていたけどさ。ああ、こうやって人は
汚れていくんだねママン。

ともあれ、ハンターは喰わねどなんとやら、というわけにはいかん。
実際帰りの道で所持金ほとんど使い果たした。鼻毛まで抜かれたわけじゃないが、さっき
リリィにあげた紅蓮石は今夜のメシ代だったことを思い出した。…ヘヴィだぜ…

そんなわけで、ポッケ村に行こうにもライセンス更新料も無いときた。
手持ちの素材は換金してくれるっつーけど、今はクックすらみかけねーらしいこの村で
素材が云々じゃなし。リリィたちも辛かったろうな。
まぁそれ以前にオレは全部貢いだわけだがorz
660ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:02:51 ID:ugGwPbWg

「ああ、ありました、ありました… 翠ガノトトス討伐ハンター募集… まだ期限は切れてない
みたいですね」

「へぇ?そんな仕事がまだあったんだ。意外だなあ」
「なんでもメチャメチャ強いガノトトスらしいですよ。ちょうど産卵期ですし… どうします?」
「どうせオレしかいないんだろ?日干しになってノドから手が出る前に、受けておくよ」


「ふにゃ〜…zzz  ェイダ〜! ニャ…! 痛っ!なにするニャ〜! …あ!旦那!久しぶり!」
「ジャンルが違うジャンルが。…よぉ、レオン元気だったか」
「見ればわかるニャ」

久方ぶりに帰った借家は意外なことに綺麗に掃除されていて、
俺が居たときよりもピカピカなくらいだ。俺が出るときに雇っていたアイルーたちには
退職金を渡してヒマを取ってもらったわけだが、なぜだかコイツだけは最後まで出て行こうと
しなかった。アイルーは家に付くって言う言葉はこいつのためにあるのかもな。

「俺が居ない間、どーやって食ってたんだ?もー狩場でおこぼれ漁る仕事もねーだろーに」
「旦那からもらった退職金を、ポッケ村の開発事業に投資したニャ。
月々の歩合でボク一人なら十分食べていけるニャ」
「ほんっと、そーいうとこマメだよな〜。世話女房ってカンジ。まぁだヨメさんもらってねーのか?」
「旦那に言われたくないニャ。『もう帰ってこないぜ〜』なんて言っておいて、今更どのツラニャ」
「…それを言うなよ… 過ぎたことさ…iiiorziii」
「ごめんごめんニャ。そーだ、ちょうど今から夕飯作るとこだったニャ。久しぶりにボクの腕を見せるニャ」
「そーもいってられねーんだよコレが。今から仕事なんだ。多分今日は帰れないと思う」
「ふにゃ〜。そーかニャ。なら… コレを着ていくニャ!」
「コレって… お、お前!?」
661ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:04:11 ID:ugGwPbWg

レオンが道具箱のスミから出したのは、使い込まれているようだが整備が行き届いた、
ガレオスSグリーヴ等の装備一式だった。胴系統倍加で激運付きだよ、スゲェ。

「どーしたんだ、コレ?」
「開発事業は裏でイロイロとあるらしいニャ〜。
ま、ハンターにしろアイルーにしろ結局はココだニャ、ココ!」

自慢そうに肉球で自分の額を指してみせる。アイルーの額は狭くとも取引のセンスは抜群だそーだ。
どーやら利権がなんとかで、だれかのお古だったのをパク… 横流ししてもらったらしい。

「そんなヨレヨレの段ボールメイルじゃ被弾即死がオチだニャ。ボクはどーせ着れないし、旦那にあげるニャ」
「ほほ〜。随分と根回しがいいじゃねーか。でも一歩誤ったら無駄足になってたところだぜ?」
「旦那が村を出て行くとき…」
「ん?」

「こいつは絶対打ちひしがれて帰ってくる、と思ってたニャ」
662ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:05:32 ID:ugGwPbWg

「ど〜なってるの〜この村は ココット!(かすれ声)」

ややヤケになってここ、密林までやってきたはいいが、ベースキャンプはボロボロだし、
ハチの巣はハチが移住してカラだし、いつもなら真っ先に取り囲んでくるイーオスども
もいないと言うアリサマだ。回復薬を使ってるときに飛び掛られたりすると
「こいつらコロス!ぜってーコロス!」などと思うもんだが、いなくなると妙に落ち着かないもんだ。
川沿いのエリアにはいちおうファンゴ様が居たよ、ウリ坊だけどな。取っても肉無さそーだし
必死にドスドス膝カックンしてくるのを無視して、手持ちの携帯食料を齧る。
前はいろんなモンスターがいたもんだが、人間って、けっこー罪深い生き物かもしんねーな。
まぁ、ハンターの俺がそんなこと言える立場に無いってことだけは確かだな。

「さて… ほんとーに居るのかな。ガセじゃねーだろーな」

こんな様子では本命のガノトトスの存在も危ぶまれる…と、思ったら… イター。
確かにご立派な背びれ!今まで見た中でも一番の大きさだ。この距離から見ても
どうどうのキングサイズだってことがわかる。まだこんな大物が残ってたのか。

背中の鬼斬破の柄に触れる。ぴりっとした感覚が指先に走り、俺の意識を集中させる。
まずは音爆弾で地上に引きずり出して、おもむろに大タル爆弾テロだ。
ガノトトスはそうとう狩って来てる、呼吸は飲み込み済みだぜ。
なんといつも邪魔してくるウゼーランゴスタどももいねーよーだし、
コイツはいい!オレはツイてる!いままでの投資分が帰ってきたようだな。

よし、行くぜ。三枚におろしてやる!
663ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:07:49 ID:ugGwPbWg

…慢心でした、スイマセン。

なんだよコイツ、スゲーつえー。音爆弾で上がってきてくれたのはいいが、
もうなんというか、全ての動作が倍速になってるみたいだ。
水圧カッターは絶え間なく俺を刻もうと襲ってくるし、かといって近づけば
斬りかかるヒマも無くショルダー(?)タックルだ。オレの自慢の鬼斬破は
いまやディフェンダー的な扱いを余儀なくされている。
刀身から漏電した電流でバチバチ来てるぜ。
だがオレには切り札がある… もうちょい右… そこそこ… 落ちたぁ!

言い忘れたが俺の二つ名は「ダイビング落とし穴のノルス」だ。
カッコ悪いが得意分野を表すには最適な名前だろう。
ぶっ飛び回避ついでに仕掛けておいた落とし穴にはまったガノトトスがもがいている。
でか過ぎて左足しかはまってないが、動きを止める分には十分だ。
ともかく、流れをこちらに引き寄せることが第一だ。

「いまだ!大タル爆弾… ぁ」

しまった、タル爆は最初のときに水圧カッターで誤爆させられたんだった。
水で爆発するってどういうことだクソックソッ!ともあれ、急いでかわりのタルに火薬を詰める…

度重なる水圧カッターで火薬がシケってたみたいだ。「もえないゴミを入手した」
…ぇえいこのダイオキシンの発生源がっ!とか言ってる間にガノトトスは体勢を立て直してる…

しかたねー、こーなったらゴーフォアブロークだ。持ってくれよ、俺の鬼斬破!
664ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:09:16 ID:ugGwPbWg

「喰らえ!愛と怒りと哀しみのぉ… ぶべらっ!!!」

ガノトトスの顎に切り上げをヒットさせた俺を、
ベッキーのビンタよりも早いガノトトスのしっぽビンタが襲った。
視界の端に、攻撃を受け止めきれずまっぷたつに折れた鬼斬破が見えた。
ああちくしょう、アレ作るのにどれだけ苦労したと思ってるんだ。
そんな思いとともに、走馬灯のようにベッキーの顔が浮かんできた。

『なんでもメチャメチャ強いガノトトスらしいですよ。ちょうど産卵期ですし… どうします?』

そーだ、そーいや翠ガノトトスってメスだったな、俺も相当女運が悪いな…

それが俺がこの世で考えた最後の思考だった…



…と思ったんだが。

俺はまだなんとか生きてるらしい。やれやれ、どーやら地獄も満員のようだな。
しかし生きてるには生きてるが、体中きしんで目も開けられねえ。あたりから、
ぴちょん… ぴちょんと音がするところを見ると、どうやら水辺の近くらしいな。
665ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:10:49 ID:ugGwPbWg

「…う」

俺の額に、誰かが手を触れた。ひんやりとしていて、とてもすべすべな手だ。
ナゼか触れられているうちに、そこから鈍痛が消えていくようだった。

「……」

なんとか、必死に瞳をこじ開けてみる。かすんだ視界が、砂漠地帯の中にある
地底湖の光景を映し出す。そういや、密林の川はここに注いでるというウワサを聞いた
ことがあったな…

「…!」

目を開けた瞬間、やっぱり俺は死んでたんじゃないかと思った。目の前に女の子がいる。
しかも、う、生まれたままの姿で… 俺ってそんなに善行積んでたっけ?
と、ともあれ、俺は年甲斐も無く必死に両手で顔を覆い、素っ頓狂な声を上げていた。

「うわああ!」
「ッ…!?」
666ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:11:39 ID:ugGwPbWg

ぴゅー。俺の顔に冷たい水流がヒットした。そのショックで、曖昧だった意識がはっきりしたようだ。

「…っ… き、君…は…?」
「よかった、き、ついた」

彼女の声はとても綺麗で、その内面にある心の無垢さが伝わってくる。洞窟の広い空間に響いて、
いっそ神々しいほどだ。やっぱ、天使サマ?

「き… 君が助けてくれたのか… ありがとう」
「…たすけた…? ちがう」

へ?と思わず聞き返した俺に、彼女はいっそ淡々と応えた。

「わたし、あなた、つれてきた。いきなり、けんか、ダメ」
「…?」
「ここ、いたい…」

そういうと、彼女はしなやかな手で自らの顎を指差した。白い肌に縦に一つ、細い切れ目が走っている。
かすかに、血がにじんでいるようだ。

「いきなり、けんか、ダメ」

彼女はちょっと眉をそばだたせ、俺の目をまっすぐみつめて、再び同じ言葉を繰り返した。
667ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:13:16 ID:ugGwPbWg

ポク ポク ポク ポク ポク

      \ | /
       (Ω)
チーン!   目

「え!? 君… 君って… まさか、ガノトトス!? さっきまで戦ってた!?」

彼女は俺の問いかけにこくんと、頷いて応えた。きれいに耳を覆った髪が、しなやかに揺れた。

「…オーケーオーケー、ちょっと待った。ちょっと待ってくれ」

俺は手で額を押さえてつぶやく。いったいどういうことだろう。まさかなぁ… 俺も結構これでいろいろと
経験してきたけど、ぶっちゃけ生まれて初めてだって、こんなこと。

「いや… だって… 君は どうみて…も…」

改めて、彼女に視線を移す。綺麗な緑色の瞳に、端正な顔立ち。すべらかな肌。
身長は俺と同じか少し上くらい?俺も結構背が高いほうだけど、そんなことは微塵も気にならない。
組んだ両腕で申し訳程度に隠された胸はけっこう大きくて、Bちょい上くらいは…
ど、どこに目をつけてるんだ俺は!と思いつつ、
嘗め回すようにみつめてしまう。水の抵抗をまったく受けないであろう流線型にくびれた腰、そしてそこから
伸びるつややかなおみ足… しかし、よくよく見れば、耳を隠している髪からはちょこんとヒレ?のようなものが
飛び出しているし、腰やくるぶしも同様だ。手の指の間には薄い水かきのようなものもついている。
668ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:14:42 ID:ugGwPbWg

俺は再び両手を使って、目をこすろうとした。そのとき…

ぴゅー。

彼女が口から水を吹きかけてきた。今度はさっきよりも強めだ。

は、はは、やっぱ現実なんだ、これって…

しばし無言のまま、みつめあう俺と彼女。ついちらちらと胸とかゴニョゴニョみつめてしまうが、
その視線にも彼女はまったく恥らっていないようだ。反応に困るな、これ…

(ああ… リリィが言ってたこと、本当だったんだ)

ほうけたように彼女をみつめていたとき、唐突にずきんと痛みが来た。
どうやら足が折れてるらしい。まったく、少しは空気読めよな!

「いっつ…」

足を押さえてうずくまる俺を見て、彼女は唐突に立ち上がった。
当然いろんなとこが見えてしまうわけで…
なんだこのヘルアンドヘヴン。
669ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:16:04 ID:ugGwPbWg

俺が見ている前で、彼女は地底湖の淵に立つと、惚れ惚れするほど流麗な飛込みで、水の中へと消えた。
息継ぎが必要じゃなさそうなのは、さすがガノトトスというべきか…
しばらくして、彼女は両手に、なにやら緑色のものを抱えて上がってきた。
そして口にはついでにサシミウオ。シュールだなあ…

彼女は再び俺のそばに来ると、取ってきた藻のようなものを、手でこねてやわらかくしていった。
やがて、それを俺の折れた足に… ガレオスSグリーヴ越しに塗ろうとした。

「あ、いや、その」

なぜかはわからないが、俺は痛む両手で手早く装備を外していた。
…まぁ、そんなに酷くはないようだな。ただヒビが入ってるだけかもしれない。
さらけ出された俺の脚に、彼女が丁寧に藻を塗っていく。
気のせいか、さっきまで疼くように痛んでいた痛みがすぅっと、消えていったような気がした。

「あ、あとはいいよ、自分でやるから」
「…」

彼女がまたそっけなく、こくんと頷いた。その時、彼女の視線に止まったもの、それは…

「…? ここも、 いたい?」

「い、いやそこは違あqwせhj」

やぁ、こんなときでも元気だな。いやそうでなく。俺はなぜか真っ赤になってあたふたした。と、まぁその時…
670ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:17:48 ID:ugGwPbWg

ぴょん

藻の中から現れたのは、いつも俺たちハンターがガノトトスを釣るときに使う、釣りカエル。
それを見た途端、彼女の目の色が変わった。

「☆♥!」

いきなり口を開けて飛び掛るのかと思ったら、彼女はその両手で、
なにやら慣れない様子でカエルに掴みかかった。
でも知ってのとおりアレって意外とすべるからさぁ、手からすぽっと逃げ出したんだな、これが。
そのカエルを必死に捕まえようとしている一糸まとわぬ少女… シュールだ…

「んふふ♥〜」

やっと捕まえたと思ったら、もう見えなくなった。速えぇ。口をもごもごさせて味わっている彼女の顔は、
まるで天使の微笑みのようで、俺は改めて彼女を「かわいい」と認識しなおした。

    …あ、足はみ出てる…

「う…」

彼女の繊細な眉が曇った。どうやら思い切り噛んだ時に、顎の傷口が開いたらしい。
見る間に、彼女の瞳に涙が浮かぶ。

「…ちょっと見せて」

「ん… (ごっくん)」
671ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:18:58 ID:ugGwPbWg

どうやら最後に斬り上げたときについた傷のようだ。リキ入れて斬ったからなぁ…
一瞬、でもあれだけやってコレかと、チクチクつっついてくるランゴスタの気持ちを
理解したような不謹慎な気持ちになったが。

俺は鎧の裏側に縫い付けてあった正真正銘最後の切り札、
いにしえの秘薬を取り出して、彼女の傷に塗ってあげた。
すぅ…と、傷が消えていく。流石だ。いにしえの人々GJ!

「……!」

驚いている様子の彼女は、傷に手を触れて、しばらくなでなでしていたけど。
その後、俺のほうを向いて、口を小さく動かしていた。なにか、思い出そうとするような…
そして、ようやく確信を得たみたいで、
さっきの笑顔をおとなしめにしたような微笑で、こう言った。

「あい… あち… … あ…

 あり、が、とー」

「!」




ビリっと来たァー!
672ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:20:12 ID:ugGwPbWg

多分、顔真っ赤になってんだろうな、と思いつつ、俺はなんとか自我を保とうと努力した。
やっぱ、俺ってベッキーが言うとおりウブなんだろうなぁー…

「そ、そういえば、さ… 名前、まだ、聞いてなかったね。俺の名前はノルス。君は?」

「な、まえ?」

「そう、君の、名前」

「な、まえ… しらない、 らない、 …ない」

「!…」

「わたし、ずっと、ひとり」

返答に窮して口ごもる俺に、彼女はぽつりぽつりと語り始めた。
ヒトのコトバをしゃべるのは苦手みたいだったけど、その言葉に包まれた感情は、十分に伝わってきた。

…どうやら、彼女は生まれてすぐの子供(稚魚?)のときに、群れのみんなとはぐれてしまったらしい。
激流にでも流されたのか… 本来、群れとはぐれた稚魚はすぐに他の生き物のエサになってしまうけど、
彼女は違ったらしい。どうやら、底なしの滝つぼに落ち込んだ。

そして、そこでずっと、ひとりで、迷い込んだカエルなどを糧にしながら、大きくなってきたという。
673ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:21:54 ID:ugGwPbWg

「ずっと、ずっと、まえ、やっと、あな、みつけた。そと、みえる。でも、もうだめ。わたし、おおきい。でられない」

彼女はずっとその穴から、ずっと外を見てきたんだそうだ。見晴らしはよかったみたいで、
外で生きているいろいろなモンスターたちの生き様を、ずっと、見てきた。モンスターたちと、
ハンターとの戦い(彼女いわく、「けんか」)も、たくさん見てきた。
ヒトのコトバも、それで「ヒアリング」を覚えたらしい。俺はモンスターの知られざる一面を垣間見た気がした。

でも、彼女のところには、だれも来ない。来ることができない。
密林の底無しの滝つぼと言えば、俺たちハンターの間でも有名だ。

そして、ずっと、ひとり…

気のせいだろうか、彼女の顎の傷は治ったはずなのに、彼女の瞳が、再び潤んだような気がした。


「まえ… ひと、ふたりきた。こんなひとと、こんなひと」

そういうと彼女は頭の後ろに手を回して、ツンツンとしてみせた。そして、
口の両端に手を当てて、あっかんべーのようなしぐさも。ぁあ、たぶん、リリィとあのフルフル(?)だ。

「ふたり、ずっと、いっしょ。わたし、… いいな、おもった」

「いいな、おもった」

「そしたら。ふたり、ひかった。あかい。まぶしい。とても、びっくり。め、とじた」
674ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:23:10 ID:ugGwPbWg

彼女には、それ以上はむつかしくて説明できなかったみたいだ。
どうやら、その光に驚いて、ねぐらに帰ったら…

こうなってた、らしい。夕日が沈んだ、夜の間だけ、この姿になれるんだそうだ。
そういや周りの発光苔がいつも以上に発光してる。あれから数時間は経ったようだな。

「わたし、びっくり。でも、うれしい。でられる。でも、はじめ、こわい。でない。でれない」

まぁ、そりゃそーだろうな… んで、ようやく意を決して、出てきて… 俺に会った訳だ。
…そりゃあ、ファーストコンタクトで斬りかかられりゃ、ああもなるさ。

「なんで、あなた、わたし、いたい…?」

…どうやら、この子は、モンスターが成長の過程で知るはずの
「オキテ」というのを知らずに育ったみたいだ。
穴の中から見ているだけでは、実感しづらかったのかもしれない。
俺も初めてモンスターをとったときから、ずっとこの身に刻み続けてきたことだったけど。

…でも、そもそも、「オキテ」ってなんだ?

「いや… その… 何だ」

…むつかしいことはニガテだ。


「…だから、俺を助けたのか?」

「……」
675ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:24:35 ID:ugGwPbWg

しばし無言で見つめあう俺と彼女。こんなとこでもなきゃ、お茶でもご一緒したいとこだが、
あいにく今は手元不如意でな…

ぴゅー。

硬直している俺に、三度彼女が水を吹きかけた。いっそすがすがしくなって来るな、うん。


「わかる。もうすぐ、わたし、タマゴ、うむ」

「へ」

「だから、あなた、ひつよう」

「…はぁ」

「だから、わたし、あなた、たべる」

「……え?」

………
676ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:25:55 ID:ugGwPbWg

な、ななな何ですとぉぉー! 食われちゃう、食われちゃうのか俺!
そりゃそーゆーときにはエーヨーが大切だよな、うん。
なんだかんだ言ってわかってるじゃんこのコ!うひゃー、どーすべ。

「うっく…」

まさかこんなコ相手に斬りかかるわけにはいかんし、それ以前に俺の鬼斬破はorz
しかたがないので立ち上がろうとしたが、やっぱり足が言うことをきかん。
ええい、この恩知らずが!今まで養ってやってたのは誰だと思ってる!

「うごく、ダメ」

彼女が俺に向かってその小さな唇を近づけてくる、ノルスはじめてだから痛くしないでね… って、違う!
俺は覚悟して目をつぶった、そして…


「ん…」

…?

暗闇の中で感じる、やわらかい感触… 彼女の唇が、俺のそれと重なっていた。

「んむ…」

彼女の舌が俺の口の中に入り込んでくる。滑らかに、俺の口の中をなぞる。やば、このコ積極的… じゃなくて。

しばらくそうしていたあとで、彼女が顔を離した。その後、その唇で俺の首筋をたどってくる。ていうか、これって…

「あのー、なんか勘違いしてません?」

「…?」
677ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:27:25 ID:ugGwPbWg

彼女が不思議そうな顔で俺を見上げた。また顔赤くなってんだろうなー…

「つんつんのひと、こうしてた。たべちゃうぞ、いってた。  …ちがう?」

………そーいうことか。


だぁー!近頃のハンターの風紀はどーなってんだァー!ていうかあいつら仮にも狩り中に(…)
そのような秘め事を!くっそー、いいなぁ… じゃなく、て。まさに壁に耳あり狩り中にガノの目ありだ。


「わたし……だめ?」

彼女の端正な眉が、再び儚げに下がった。俺によりかかって、不安そうに見上げてくる。




ズキューンと来たァー!!!
678ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:28:31 ID:ugGwPbWg

いかん、パニくってきた。こーいうことの経験はなきしにもあらずだが、
これほど胸が高鳴ったのは初めてだ。
だが俺は過去の経験からこういうときの対処法を学んでいた。
ともあれ、まずは行動ありきだ。

…若さって何だ? 振り返らないことさ!



「いや、多分、違わない、と、思うよ…多分ね」

「…目、閉じて」

「…?」

「…いいから」
679ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:30:45 ID:ugGwPbWg

そう言うとノルスは、困惑げに瞳を伏せた彼女に、そっとキスを返した。
ついばみあうような、軽いフレンチキス。
そして、さっきのお返しとばかりに、今度はこちらから舌を絡ませていく。

(やっぱ、こういうのは気持ちの問題だからな…)

「ん、む、はむ…」

彼女の口の中はさっき吹いた水でひんやりと冷たくて、
それでも、唇を重ねていくうちに、お互いの体温で温もっていくのがわかる。
吸いあうたびに、彼女の端正な小ばなが、ノルスのそれと睦みあった。
ノルスには見えなかったが、いつのまにか、
彼女が薄目を開けて、頬をほんのりと上気させていた。

「ぷは…」

先ほどとは違う、今度はお互いに求めあう感覚に、
彼女は、自分の体の芯から湧き出してくる感覚を覚えていた。

「こらしょっ、と」

「…!」

ノルスは右手で、彼女をぐいと抱き寄せた。
怪我をした足とは逆の足に、彼女を乗せる。彼女のお尻が、ぺたんとノルスの左足に乗っかった。
680ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:32:03 ID:ugGwPbWg

「触って… いい?」

「あ…」

一応は同意を求めるが、その返事を聞かぬうちにノルスの手は、
彼女の胸のふくらみへと伸びている。
片手で包み込むようにおさえた彼女の乳房が、まるで吸い付くように掌に収まった。

「…… は… ぁ」

最初はやわやわと、全体を撫で回すように。時折、押し付けるように、彼女の胸を弄ぶ。

「んく… んんっ!」

敏感に立ち上がってきた先端を、二本の指で挟んでみる。
無論、残りの指でパイ生地のようなぬくもりをこね回すのも忘れずに。
交互に、両方の双丘を攻め立てていく。

(何故だろう… こんなにも心が素直になっているのは…)

心の隅でそんなことを考えながら、彼女の背中の線をたどって、指でなでおろしていくと…

「…!っひゃんっ」

指先が、彼女の背中で可愛く自己主張している小さな背びれに触れた。
そのとたんに、彼女の体がぴくん、と震える。
681ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:33:34 ID:ugGwPbWg

(ははぁ… ここが弱いのか…)

もう一方の手も後ろに廻し、彼女のなだらかなお尻を撫で。胸は口での愛撫に切り替える。

「ぅう… わたし… なにか… へんっ んぁふ!」
「別に変じゃないさ」

そういって、彼女の肩に自分の顎を乗せ、先ほどからぷるぷると震えている耳のひれをくわえた。

「んあっ!!」

先ほどよりも大きく震えたはずみに、ノルスの腿に乗っていた彼女の両足が開く。ここぞとばかり

に、お尻を撫でていた手が、彼女の秘所に滑り込んだ。

「…ん…」

彼女は一瞬身を硬くしたが、別に拒絶の意志は見られなかったので、ノルスは躊躇せず、いま

まで誰にも触られたことのないだろう、イノセンスな無毛の場所の奥にある、き裂に指を這わせ

た。すでにそこは、ノルスが顔に浴びた水とは違う湿り気で濡れ始めている。

「きゃ… … ああっ」

ノルスの背中に両手を回して、必死にしがみついている彼女の反応は、どう見てもヒトそのものだ。

(御伽ばなしで聞いた人魚って… もしかしたら彼女のようなヒトたちだったのかもしれないな)

そんなことを思いつつ、愛撫を続けていると。

「あぅっ…」
682ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:36:10 ID:ugGwPbWg

ノルスを抱きしめている腕に力が入り、少し彼女が苦しげな声をあげたので、ノルスはふと手の

動きを止め、彼女の肩から顔を離して言った。

「ごめん、辛かった?」
「……あぅ」

彼女はそのエメラルドのように透き通った翠色の瞳で、ノルスの目をまっすぐみつめ。自分の
感情を整理するようにもじもじしていたが、やがて、水かきの付いた両手で口を覆って、言った。

「…やめな、いで」

その恥じらいのコトバに、ノルスは否が応にも高まった。きつく彼女を抱きしめ、彼女が感じる
トコロと、彼女の秘所を、少し乱暴に攻め立てる。

「ん…ぁっ… あ、あ… あぅ!」

最早十分に濡れそぼったそこに、慎重に、指を差し込んでみる。その新しい刺激に、
彼女はまた震えた。そろそろと探っていくと、
少し進んだところにある指に当たるもの。

(ああ、初めてなのか)

わかりきっていたことのようであったが、今再びそれを確認して、ノルスのハートが一つ大きく鳴った。

「はあっ… ん、きゃぅ… ん、んぁああっ…  んん〜……っ  …!」

強く攻められて、彼女の中が、差し込まれた人差し指を挟み込むように締め上げ、彼女は達した。
瞳を閉じてノルスの肩を強く抱きしめ、のど元まで出かかったあえぎを飲み込むようにして、

大きく震える。秘所から、控えめに飛沫が飛び、ノルスの左腿を濡らしていった。

「…はぁ… はぁ…ぁ」

力が抜けたようにノルスに寄りかかる彼女の髪を、いつしかノルスは自然に撫でていた。
683ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:38:25 ID:ugGwPbWg

「すご… かった… わたし、はじめて」

「……そ、そう」

なぜかノルスのほうが顔を桃色に染めて、瞳があらぬ方に泳ぐ。
自分がウブな男だということを、改めてわきまえざるを得なかった。

…ごそごそ

「ん?」

なにやら彼女がノルスの腰のあたりを探っている。
視線を戻すと、そこには早くも外気に晒された己が。

「つぎ、わたし」

「え!?」

否やもない。なにより己自身は期待でいっぱいのように元気だ。ノルスはなにか言いかけたが、

それを口に出す前に、彼女がそれに舌を這わせていた。

「んふ… しってる。 みんな、…あむ… こう、してる。おぼえた」

改めてハンター間の風紀を考えさせられる発言だったが、次の瞬間にはもう考える余裕などなかった。
684ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:40:17 ID:ugGwPbWg

「ちゅる… ん… す… ちゅ」

彼女のいたいけな唇が、舌が、ノルス自身のうらすじをたどって上下し、
白い肌に冴える赤い舌がカリの下をつついた。
諸手は竿の部分をやさしく扱く。火照ったとはいえ、
冷ややかとした彼女の手が、指が、熱くたぎったノルスのそれを、
先ほど彼にしてもらったように、愛撫した。

「んむ… あつ、い… ふ、ちゅ、ちゅう」

彼女の唇がノルスのものをくわえた。唾液がからんだ舌で、全体をまんべんなく撫で回す。
その様子を見て、ノルスのそれが彼女の口の中で更に立ち上がる。
口に収まりきらなくなった部分の隙間から、彼女の唾液と先走りが混じったものが垂れ、
そのぬるみがしたたった玉に、彼女が逆手で刺激を与えた。

「んちゅっ… ちゅる… ぢゅ」

吸い付くのと同期して、彼女の水気を帯びた髪がさらさらと上下に揺れた。ノルスは計らずも、

動かす痛みすら気にせずに、彼女のやりやすいように足を移動させていた。

「…ちゅる、ん、むちゅ… ん、む、んんっ…!」

彼女が奉仕してくれているという事実と、その手と口と舌から与えられる愉悦に、
ノルスは割りとあっさり堰を切ってしまった。
止め処なく出る白い液体が、まだそれをくわえていた彼女の口の中を白く染めあげる。
なんとか、咽喉の奥に出さないように努力したのがきいたのか、
彼女がむせ返るようなことはなかった。もっとも、だいぶビックリしてはいたようだったけど。
685ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:41:34 ID:ugGwPbWg

「ん… ぷ… 」

ちゅ、と音をたてて、口を離した彼女だったが、口の中に含んでいるものが
どういうものかは理解しているらしく、大事そうに口を閉めていたが…

「ぷ、はぁ…」

彼女の中にもまた湧き上がっていた感覚と、酸素を求める肺が、彼女に薄く口を開けさせた。
恍惚とした彼女の唇の端から、白い糸が垂れる。なんとも艶かしい、そして、罪のない光景だった。

「ぅ、あ…! む」

それに気付いた彼女は目を見開き、あわてて口を閉じて、顎にまで流れたそれを手ですくった。
しばしそれをみつめていたが、やがて思い切ったように口を開くと、口中にあったそれを両手

に受けて、大事そうに、それを己の秘所へと持っていった。こぼさないように丁寧に自分のなか

に塗りこもうとするけれど、その動作の感覚すら、甘美な刺激となって彼女を襲う。

「んはっ… う… ぁ、ああ…」

瞳を伏せて、ふるふると震える彼女の体にあわせてぴくぴくと動く耳のヒレ。半開きになったちい

さな口からは、自分自身がもたらしている快感に反応してつむがれる小さな喘ぎと、新たに糸を

引いた透明な流れ。

それを見て、ノルスの中で最後の一本が「キレ」た。
686ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:42:36 ID:ugGwPbWg

足に力が入らないので、上体を伸ばして、彼女をやや強引に抱き寄せた。
お互いに頬が染まっている中、
ノルスがややどもりがちに言った。

「そ、それじゃ… ダメだと思う… よ?」
「………ん」

彼女もそれを察して、ノルスの膝の上で位置を変えると、再び手を、ノルスのそれに添わせた。

「最初は、きっと、痛いと、思うけど…」
「……」

なんとか残っていた最後の理性の一片で、彼女に問いかける。「痛い」というコトバに、
彼女がぴくり、と反応したが…
ノルスの瞳の奥にあるものを感じて、こくん、と、頷いた。

「……して?」
687ガノトトスといっしょ:2007/05/13(日) 10:44:25 ID:ugGwPbWg

「ん… んうぅ〜……!」

彼女の腰を支えているノルスの手に導かれながら、彼女が腰を落としていく。
まぎれもない純潔である彼女の入り口はきつくて、
最初はどうなることかと思ったノルスも、もう後戻りはできなかった。

「んぁっ… う…」

彼女の最奥を守っている最後の膜に先端が当たったとき、
ノルスは腕に力を込めて彼女を支えた。彼女の呼吸が落ち着くまで、
その姿勢で支えていてあげる。

「ノルス…」

彼女が、その翠色の瞳から透き通った涙の粒をこぼしながら、
ノルスの名前を呼んだ。気丈に微笑み、再び、こくんと頷いた。

「うあっ! … ぃ… ぁ…」

重力と彼の手の押し付ける動作で、ノルスのそれが彼女を貫いた。
彼女は目をつぶってノルスにしがみつき、破瓜の代償をこらえていた。
重なった部分から赤い雫が流れ、
ノルスも、そんな彼女の痛みを慰めるかのように、彼女をきつく抱き返した。

お互いに、自分の一番深いところで繋がって、相手の体温を、鼓動を感じていた。
688ガノトトスといっしょ

「力を抜いて…」

そう言って、ノルスが彼女の首筋にキスをした。背中を抱きしめていた手が、
垂れてしまった彼女の背びれを優しくさすってやると、
ノルスのそれを受け入れているそこが、だんだんとやわらかくなっていった。

「…動くよ」

再び、しばらくの刻をはさんだ後、ノルスが彼女の耳にそっと、ささやいた。

「ぃ… ん、はぁっ… っく、ぁ…」

ゆっくりと動かしていても、彼女は辛そうだったけれど、ノルスが優しく彼女の体重を受け止め、

無理なく沈み込むようにしていったためか、だんだんと、彼女のもらす喘ぎが変わっていった。

「んんっ…んく、ぁ… ん、ん、ぁ… ぁん…」

新たに染み出してきた彼女の想いが、互いの抽出をなめらかにしていく。それにつれて、
彼女の表情もだんだんとほころんでいくようだった。

「んっ… まだ、痛い?」

「ぅ…すこ、し… でも…」

「でも…?」

「きもち… いいっ… あぁっ!」

ノルスが腰を突き上げるたびに、上下にたおやかに揺れる胸。いつしか、
彼女もノルスの胸に手を付いて、繋がっているこの一瞬を永遠にまで引き上げようとする。