◆◆ファンタジー世界の女兵士総合スレpart4◆◆
ファルハードには、女の瞳が嘘を吐いている眼には見えなかった。
意味ありげな笑みを絶やさぬ得体の知れない女子だが、
そもそも嘘には吐く価値のある嘘と無い嘘がある。
「どうしたらその術は解ける!」
「あらまあ、医者よりもわたくしの言葉をお信じになりますの?」
「ここで病の元を欺いた所で、お前に何の利が有る? せいぜい我が心を一時惑わす程度だろうが」
「うふふ……」
「それに、お前が嘘を付くとしたら、こんな所でなけなしの信用を壊す真似はしそうにない。
もっと重要な局面で、人を奈落の底に突き落とすために欺く…… お前はそういう女に見える」
「おほほ、酷い言い様ですわねえ……」
かなり酷い言われ方なのだが、シャフルナーズに怒りの色は見られない。
愛しい男が必死に詰問してくるのを、むしろ嬉しげに受け止めている。
先には相手を詰って悦んだ女であったが、今は反対に悪し様に言われる事を楽しんでいるのだ。
ファルハードは彼女の血統から蛇と呼ばわるが、シャフルナーズの淫蕩さは
出自によらなくてもそう称されるに相応しいかもしれない。
「教えて差し上げてもよろしゅうございますが、
呪術の種明かしをするのは、魔道士の仁義に外れますのでねえ……」
「条件があるのなら、もったいぶるな」
「うふふふふ、ではお言葉に甘えて……」
細い人差し指が、ゆっくりと男の目の前に突きつけられる。
「一晩、御身がわたくしの物になって下さるというのなら、
義父上にかけられた呪いを解く方法をお教えしてもいいですわ」
「なんだと!?」
「わたしくは慎ましゅうございますから、愛しい方から貪ろうとは思いませぬ。
あの日のように一夜わたくしを慈しんで頂けるのならば、
いかなる秘密でもお教えしましてよ」
「我にお前と契れというのか?」
「はい── 別に減るものでもなし。簡単なことでございましょう」
「……そういう言い方は、姫君には相応しくないな」
「おや失礼。なにせ出自が出自でございますから、おほほ」
「他の物ではいかんのか? 一夜の歓楽よりも、形の残る謝礼を支払うぞ」
「ほう、それはどのような?」
「金でも、宝石でも、王室の宝物庫に有る物なら大抵の物は──」
「おおっほほほほほほっ……」
男の申し出がおかしくて堪らないといった風に、シャフルナーズははしたない程に大笑いした。
「お笑いして申し訳ございませんね、ファルハードさま。
ですが、金や宝物の類は、妖魔があなた達人間を堕落させ、魂を購う時に用いる代物では?」
「む……」
「妖から金銀を奪った貰ったという話は巷間に溢れておりますが、人が魔族に金を払うとは!
それこそ後の世の語り草になりましょうね…… うふふふふっ」
芝居めいた台詞とともに、幾つもの腕輪を嵌めたその白い手で笑いの止まらぬ口元を覆おうとする。
わざとらしい仕草だが、彼女の宝石付きの腕輪の価値は、
どれ一つとっても平均的なパルティア貴族の身代に勝りそうだ。
「金子や宝石は嫌いではございませんが、さし当たって不自由しておりませんの……」
「……」
「この世に金で換えがたいものは三つ。
人の命と骨肉の情、そして男女の愛── 違いまして?」
「……違わんな」
「では、悩む事はございませんでしょう?」
身を乗り出して、麗しいかんばせを愛しい男に寄せる。
芳しい花の薫りが、女の首筋から香った。
「御義父上のお命がかかっているのですから、よもやお断りになりますまい?
孝行息子のファルハードさま」
「仮にも父を舅と呼ぶのだから、無償でしてくれても良さそうなものだがな」
「まあ、わたくしの輿入れを認めさせて下さいますの?」
「それは……」
「おほほほほ、これでも十分お負けしている積りですけれど。
パルティア王の命と引き換えでございますもの。
一晩では済ませず一年二年、いえ『正式に妻に娶れ』と言ってもよろしゅうございますが、
両家のわだかまりを考慮して、それは言い出さずに置いたのですよ?」
「……くぅっ」
ファルハードの眉間に皺が寄る。
あの晩この妖姫と契ってしまったのは知らぬが故の過ちだが、二度目はそれで済ませられない。
けれども、女の言うとおり父の命には代えられぬ。
必要とあらば肉親でも政略の具にせねばならないのが、王族としての宿命。
一夜の我慢で命が買えるのならば、たとえ醜女とでも寝ねばならぬ。
相手の意のままになるのは忌々しいが、苦渋に満ちた表情でファルハードは頷くのだった。
「判った……」
「うふふ、そう言って下さると信じてましたわ」
「だが、こちらも王子の身を差し出す以上、後で虚言だったでは済まさぬぞ!?」
「ご心配なさらず、わたくしは愛しい方にはめったに嘘を申しませんもの」
男の首筋に両腕を絡ませ、シャフルナーズは体を相手に委ねる。
紅を引いた唇が、ファルハードの唇に重ねられた。
あの晩とは逆に、女が男の唇を奪う。
音を立てて、存分にシャフルナーズは吸った。
男の頭を抱え込み、より深い繋がりを求めて啜る。
余りの激しさにファルハードが辟易しかけた頃、ようやくシャフルナーズは顔を離した。
「恋人との口付けは、火の様に熱く、砂糖菓子より甘い……、古詩の通りでございますね」
「……『恋人』との口付けはな」
「まあ、ではわたくしとの接吻はどうなのです?」
「甘いが、同時にとてつもなく苦い」
「うふふ、ではもう少し甘みを効かせた口付けを心掛けるとしましょうか」
そうして頬へキスをしようとしたシャフルナーズだが、
ファルハードは彼女の細腰に手を回すと、妖の姫を軽々と抱きかかえた。
「それよりも、とっとと寝室で事を済ませてしまおう」
「床急ぎなさいますのねえ。
慌てなくても、夜は長うございますよ」
「我にとって、今日ほど夜の長さが恨めしいと思った日はないな」
「まあ、つれないお言葉。
ファルハードさまは舌の剣で女を傷つける名人ですわね」
「お前こそ弁舌の縄で男を縛る名人だ」
「おほほ、まだお縛りしたのは御身一人でございますよ……」
ベッドの上に運ばれて、今度は男の方から唇を寄せる。
二度目の契りを、二人はそうして交わした。
・・・・・・・・・
「王都の西小路に、シンド人が多く住む一角がございますの」
「……」
「そこの赤い呪い小屋にいる老婆が、御義父上の爪を入れた泥人形をこしらえて
日々太針で責め苛んでおりますわ」
「では、その老婆を殺し、泥人形を壊せば良いのだな」
「その通りでございますわ、愛しいファルハードさま」
それだけ聞き出すと、女の艶やかな黒髪を撫でていた手を止め、
ファルハードは身を起こそうとする。
「あん、そんなにお急ぎにならなくても…… まだ約束の夜は明けておりませんのよ」
「生憎とこちらは父の命がかかっているのでな。
一刻でも速く呪いを解いて差し上げたいのだ」
「ふふふ、本当かしら? わたくしから逃れたい口実ではありませんの?」
「それも有る」
「まあ、本当に酷い方…… わたくしをこんなにしておいて、飛ぶように去ってしまうのですもの」
まだ月は傾いていないが、シャフルナーズは巫蟲の秘密を喋った。
雄獅子の如きファルハードの体躯に存分に弄ばれ、彼女は息も吐けぬほどに疲れ切っていた。
本来なら、恋人同士の甘い睦言を期待するべき所だが、男が求めているのは呪物の秘密。
せっつく相方の詰問に堪えかね、シャフルナーズはとうとう口を開いたのだった。
「お前が激しくしろと言うのが悪いのだ」
「物には限度という物がありますわ。
お忘れかもしれませんが、私はこういう事をするのは二晩目なのですよ?」
「その割りに身体の反応は良かった」
「それはもう、教師の薫陶がよろしいもの。おほほ……」
互いにきわどい台詞をかけながら、ファルハードは衣装を調える。
彼の背中に、シャフルナーズはそっとしなだれかかった。
「なんだ、秘密を聞き出した以上もう用はないぞ」
「冷たい方…… わたくしとファルハードさまの関係に免じて一つお教えしますけど、
シンド人は何の理由もなく人を呪ったりしませんのよ」
「ん?」
「呪い師は呪物を売って口を糊する稼業。巫蟲術の裏には、依頼人が必ず居るものです」
「……」
「もし御義父上の病が治った後、無実の人間を呪物で陥れようとする者が現れたら、
それが今回の一件の依頼人ですわ──」
それだけ言い、シャフルナーズは恋人の頬に唇を当てた。
背中にかかっていた感触が不意に消えファルハードは振り向くが、
既に女の姿は無い。
ただ、窓から入り込む風に揺られて、カーテンがひらひらとたなびいていた。
・・・・・・・・・
「ええい、もっと探せ! そこもさらに深く掘れっ!」
背中に突き刺す父王の視線に震えながら、第二王子アタセルクスは工人たちを叱咤した。
「そこの床も剥がしてみろ。呪物の証拠は見逃すな!」
「……」
「そっ、そうだ! 天井裏に隠したかもしれん。そっちも……」
「……もうよいだろう、アタセルクス」
うんざりした口調で、アルダシールは息子を止めた。
「これだけ探して出てこないという事は、ファルハードは無実だろう」
「はっ、しかし……」
「しかしも何も無い、お前が『此度の病は、王位を狙うファルハードの呪術によるもの』
と申すから、こうして人数を繰り出して探しているのだぞ?
『第三王子の宮を探せば、直ぐに証拠が見つかる』と言っていたのはお前ではないか」
「そ、その通りではございますが……」
「こうして何も見つからぬのでは、お前の言が誤っているとしか余には思えん」
「はっ、ははーー…… も、申し訳ございません。
ええいっ、此奴めっ! さては手柄目当てに我が弟を讒しよったか!」
「えっ?」
やおら振り向いたかと思うとアタセルクスは、何の事か判らないといった風情の侍従に対して
抜き打ちに剣を振るった。
「ぎゃぁーー!?」
血が、第三王子宮の地面を濡らす。
アタセルクスは剣を鞘に収めると、父である王に向かって跪いた。
「申し訳ございません、父上。悪人に惑わされて宮廷をお騒がせした罪、万死に値します」
「謝るなら、余でなくファルハードに言え。
お前の所為で、自分の宮がここまで荒らされてしまったのだからな」
「はっ、はい…… 悪かったな、ファルハード」
「もっと真剣に謝れんのか?」
「……許してくれ、弟よ。讒言を信じた私が愚かだった。お前の宮は私が責任を持って元に戻す」
「いえ、済んだ事をお気になさらずに……兄上」
一応そう言ったファルハードだったが、兄の謝罪の言葉を完全に信じることが出来ずにいた。
シンド人の呪術師を斬った晩に囁かれた毒が、血を分けた肉親への絆を感じさせない。
蛇王家の女が予言した事が事実なら……
ファルハードは背中に薄ら寒いものを感じ、無理矢理その疑念を押し殺そうとしていた。
パルティア王アルダシールは、病が突然だったと同じように、突如として平癒した。
王宮中が表向き国王の回復を祝ったが、
直後に第二王子が弟を巫蟲の疑いで誣告するという事件が起きたのだ。
断固として否定する第三王子であったが、門閥の後押しを受けた第二王子は
第三王子宮を調査するとして、今日国王臨御の元に強引な捜索を行ったのだった。
その様を、王宮に聳える高楼の窓からこっそり眺めていた影があった。
「にしても恐ろしい奴じゃ……
父を呪殺して罪を弟に擦り付けようなど、カイクバードの裔とは思えん悪賢い奴。
あの見事な言い逃れようも褒めてやりたいわい」
「うふふ…… でも、あいつの所為でお前は一苦労させられたのよ?」
「ぺっ、苦労したのはひい様の所為じゃろが。
この年寄りに、王子宮に埋められた呪物の証拠を掘り出せなどと命じよって」
「おほほ、そうしなければファルハードさまが罪に落とされてしまうでしょう?
念のために、呪術とは関わりの無さそうな犬猫の骸まで掘り起こして貰ったけれど、
お前には本当に苦労をかけるわねえ」
「ふんっ! 女になってから、ひい様は一層人使いが荒ろうなったわい」
第三王子宮に埋められていた、おどろおどろしい文様が刻まれた頭骨を手で弄びつつ、
女は老いた従僕の不平を聞く。
それは今日の捜索で第二王子が発見する筈であった『魔術の証拠』であった。
「こんな子供騙しの代物では鼠一匹だって呪えはしないでしょうに、救いがたい素人の浅はかさね」
「俗人は信じたい物を信じるものじゃ。贋物でも人一人陥れる用は足せるわい」
「しかし、お前の言うとおりあの王子は中々の曲者ねえ……
今回は無事に終わりそうだけど、これからが楽しみだわ」
「憎きカヤーニ家同士の殺し合いは、正に望むところ。
せいぜい諍いをおこして我らに血と魂を啜らせて貰いたいものじゃ」
「そうねえ、ファルハードさまが困れば困るほど、私に頼らなければならなくなるもの」
「ひぇいっ、ひい様に見込まれたあ奴が哀れじゃ。儂にはそっちの方がよっぽど恐ろしいわ」
「うふふふふ、おおっほっほっほほほほほほほ……────」
誰も居ないはずの高楼に、女の哄笑が響き渡る。
呪物騒ぎは落着したが、幽霊が出るとして
この日を境に塔には宮廷の人間が近付かなくなったのだった。
(終わり)
年代記
パルティア王アルダシールの治世九年
国王病に倒れ、一時危篤となるも回復。
その直後、宮廷内に巫蟲騒ぎ有り。
>>549 このお姫さま大好き!
作者様 超GJです。続きも期待してます
お、おもしろいやんけ!
GJ!!
新作も楽しみですが、続きが読めるのも嬉しい限り。
GJ!マッチポンプをしなくても王宮には王子の苦難の種が
ゴロゴロしているから困る
もしかして誰もいない?
ずっと前から書いているけど、話のうまいまとめ方が分からなくなって次のを投下できずにいる俺もいるよ……
いろんな作品をまってる俺も居るよ。
わりと人いて安心した。
≫556
少しぐらいまとまってなくても全然構わんよ。期待してる。
結構人はいると思う。
でも、投下がないときはみんな静かだよねw
ヘタレな魔王の物語のリクエストを姫スレでもらったのだけど、
女兵士 姫 女兵士
1 → 2 → 3
という風に変則的に投下してしまったため、ここで次に姫スレに戻るのは
混乱の元かと思ってるのですが、どうでしょうかね?
そもそもスレ違いになるかと思って 2 を姫スレに書いたのが混乱の原因なのですが。
個人的にはえちぃの相手に合わせてスレをかえるか一貫して同じスレにするか
どちらでもかまわないので作者のやりたいようにやって欲しいな。それにしても
女兵士、姫、中世ファンタジーのスレは住人も職人も掛け持ちしてる人が多そうだ
作者様が投下したいと思うほうに投下したらいいと思う。
女兵士スレに投下した時は、姫スレのほうにその事をお知らせみたいな
感じにすれば問題ないんじゃないかな>ヘタレな魔王の物語
逆もまたしかりで。
期待
アリューシアこないかなぁ。
アシュレをしつこく待ってますw
アビゲイルも…
副長殿…
568 :
邂逅]T:2007/10/16(火) 23:35:42 ID:mUvecu7P
んばんわ。アビゲイルきました。
エロくないですが。ドゾー
男の腹の上で俯く女の肩が大きく上下していた。
タイロン・ツバイからは顔にかかる前髪のせいで表情がわからない。
「あ・・・ぅ・・・」焦点の定まりきらない視線が、あたりをさまよい始めた。血をながして倒れる城主、開いた窓。
自分と男の結合部を眺め、ゆっくりとタイロン・ツバイの顔へ。鏡の中の自分の顔を認めて、あたりをもう一度見渡す。
「・・・な」今一度タイロンの開いた天眼に視線を当てた。
「な・・・んなの、これは」
しん、とした室内に彼女の言葉が響いて消えた。
まとまらない思考を奮い立たせて、アビゲイルは今自分がおかれている状況を理解しようと努力していた。
しかし下腹部は熱を孕んで脈打ち、思考を邪魔する。
「アビゲイル」
眼下にはタイロンがいる。
先程まで、この男にいいようにあしらわれていたのではなかったのか?
今のタイロンは両腕を衣類でまとめて吊り下げられ、自分に組み敷かれている。
表情は苦しげで、すがる様にこちらを見上げる・・・まるで自分がこの男を犯しているようではないか。
身じろぎをすると下腹部に快楽が走り、まとまりかけた思考が拡散しかかった。
「・・・アビゲイル、俺を見て」
かすれたタイロン・ツバイの声に導かれて、アビゲイルが視線を動かした。
お互いに、病人のように潤んだ瞳を見つめあう。
つながったまま、どれほど視線を交わしていただろうか。
「・・・説明すると長くなる」口火を切ったのはタイロンだった。
アビゲイルが見慣れた人懐こい笑顔・・・と言っても苦笑なのだが、額の真円のせいで違和感を感じる。
「とりあえず、戒めを解いてくれ」
のろのろとアビゲイルが結わえられたタイロンの手を解放するために動き出した。
どこか体を動かすたびに、アビゲイルの体を快感が走り抜ける。
ぴりぴりと走る快感に腰が砕ける所を耐え抜いて、打ち込まれた楔をゆっくりと引き抜く。
泉から溢れたアビゲイルの蜜とタイロンの残滓が、つうっとタイロンの男根を滑り下りた。
思わずうめき声が漏れる。
タイロンを足の下においたまま、アビゲイルが戒めを解きにかかった。
「ややこしい・・・」
膝立ちになったアビゲイルの下腹部が、胸地が、闇の中でもほの白く陰影をつくり、なまめかしい。
「・・・ややこしい男だと思っていたんだ」
眩しいものを見上げるようにタイロンが見ている。
その視線がアビゲイルの四肢に快楽を与えていた。
「ここまで」
苦痛をこらえるようにせり上がる快楽をこらえ、唇をかみしめる。
引きむしるように、戒めを取り払った。
「ややこしくなくてもいいのに・・・」
絞り出すようなかすれ声にとともに、アビゲイルがぺたんとタイロンの腹の上に座り込んだ。
長く戒められていたせいで、タイロン・ツバイには腕の感覚がない。
「おれもそう思う」
自嘲気味に笑うタイロンに下から見上げられ、アビゲイルがうろたえて眼を伏せた。
妖艶な雰囲気は女神とともにさり、恥らう様子がかえって淫靡だ。
儘ならない腕を操ってアビゲイルの額に張り付いた髪を取り除く。
「私には、なにがなんだか・・・わからない。」
頑是ない子どもをあやすように、頬をなでた。
「おれも」
「うそつけ」アビゲイルがため息とも吐息ともとれる長い息をはいた。
タイロンはアビゲイルを落とさないようにゆっくりと身を起こし、彼女を抱えたまま立ち上がった。
「自分で歩ける。」
呟く抗議を無視して、城主をまたぎ越えて、寝台にそっと、壊れ物を扱うように優しくおろす。
そのように扱われたことがないのでアビゲイルは戸惑い、何のリアクションも起こすことができなかった。
先程の激しい行為で限界まで高まったからだの熱に、絹地がひんやりと心地よい。
かき寄せた絹を、タイロンはアビゲイルにかけてやった。
柔らかな薄布はアビゲイルのもつ曲線を隠さないので、かえって眼の置き場に困る。
結局アビゲイルの隣に背を向けて寝ころんだ。
「何から話せばいいのかぁ・・・」
心底困り果てた声音に、アビゲイルの頬がおもわず緩む。
「正直、どこまでわかってる?」タイロンの問いに、アビゲイルが考え込む。
いいように弄ばれて、達したところまではハッキリと脳裏に浮かぶ。痴態を思い出してしまい、頬が赤らむのが自分でもわかってしまう。
「・・・とりあえず、お前、じゃないな、タイロンさまの身分。」
タイロン・ツバイの気配が一瞬こわばる。「さま、は止してくれ」
発する声は今までになく自嘲にみちていて、普段の闊達さは消えうせている。
王に連なる貴い人。身分を隠して王の目となり耳となる者。
「クンツさま裁くのをみてた・・・」
本当の、タイロンの仕事。この男の得体の知れなさが事実を知った今なら腑に落ちる。
「・・・その後は?」
アビゲイルはタイロンの声に真剣なものが含まれていることを感じ取り、思いだそうと考え込む。
が、そのあとのことは絹地の向こうの出来事のようにぼんやりとかすんでいる。
両手で顔を覆う。「ひどく・・怒っていた。」
じっと手を見れば、確かにこの指で城主から天眼を奪った感覚がある。
「城主の天眼を捨てた」
「そうだ」
ふ、とタイロンの体臭が自分の手から漂うのをとらえた。
「ひどく昂ぶった」
「・・・ああ、そうだ。」
ゆっくりと、あったことを鮮明にしていく。
この手で、タイロンの男根を引きずり出し、口をよせた・・・混乱して、王の息子にしがみつく。
身分の尊い方だったのだ。
「タイロンを犯した」
手指が、小刻みに震えるが、自分では止めようもない。
神話のような過去と直近の過去と現在がない交ぜになって、気が遠くなりかけた。
「私ではないものが、私を満たしていた・・・」
頬にぴたぴたと当てられる手の冷たさで、ふと我に返った。
真近にタイロンの天眼が鈍く光る。「タイロン・・・さま」
心配顔に影が差す。「さまはなし、だ」ため息は深い。
自分を落ち着けるために、アビゲイルは目を閉じて、深く大きく息を吸い込んだ。
「私の中にいた・・・あれは何だ?」
「お前に依ったものは、大きく、貴きものだ。」たしかに、たとえようもなく大きな存在だった。
「この大地に豊かな実りをもたらす」アビゲイルの中に母のような慈愛を満たした。
「災厄をもたらすのも、あの貴きもの次第だ」父のような厳格さに満ちていた。
「われらは母神と呼ぶ。」目を閉じていても、タイロンの黄金の目がまぶしい。
腕の中の女がくったりと脱力して自分に身をゆだねてきた。
今日はここまで。
もうちょっとで終わりますよん。
うわ〜、本当にアビゲイル来た! GJです!!
完結篇も楽しみにしてます!
乙です!
続き正座して待っております
20kbを切ると長めの話は最後まで収まらなくなるので、
そろそろ次スレの季節と思われますが如何?
おお!そろそろ新スレの時期ですね。
自分は立てられないので、どなたか立てていただければありがたい。
, __ 、 __
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´ 乙
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'
エロ無しですが埋めます。
女将軍が養子を迎える話で、全体のシメにあたります。
女将軍は死に瀕していた。
敵からは死神の如く恐れられ、味方からは畏敬の念を抱かれた彼女であっても、
有象無象の雑兵のと平等に死を迎え入れようとしていた。
「──私が死んでも、決して包囲を解いてはならぬ。なんとしてもあの街を落とすのだ」
「ははっ……」
ベッドに横たわる女の声は、かって馬上で軍兵を叱咤した頃とは比べ物にならぬほど弱弱しい。
しかし、まだ幕僚達にその執念を伝えることは出来た。
この街さえ陥ちれば、戦争の帰趨が見えてくる筈なのだ。
兵法上の常道に背いて市壁を囲んだままの越冬に臨んだのはそのためだ。
寒気に兵士が殺されていくなか、外部からの援助を断つために封鎖は続いている。
壁の内側も、飢えと寒さでさぞや惨いことになっている事だろう。
だが、冬は女将軍をも捕らえた。
軍中にはびこる流感が彼女の古傷を悪化させた。
剣を取れば未だ誰にも敗れたことの無い勇者が、いま病に敗れようとしている。
それも数日もかかるまい。
すでに発熱する病状は過ぎ、全身が寒気に襲われている。
意識の有るうちに、部下達に指示を残しておかねばならなかった。
「ブラッカ、そこに私の鎧櫃があるな?」
「はい、閣下」
「櫃の蓋は二重になっている。その間にあるモノを取り出すのだ」
彼女の忠実な副官は、命令の通りにそこに挟まれていた物を取り出した。
ブラッカは、既に腕を伸ばす力も無い上官のために、目の前にそれをかざす。
それは、一通の封筒だった。
あて先は彼女たちの主君である。
将軍の印章が押された封蝋が破られて居ない事を確認し、彼女は頷いた。
「では、────それを燃やしてくれ」
「……宜しいので?」
「いいのだ。今更未練がましい事だった」
将軍自筆の署名のある国王宛の封書であったが、本人がそうせよと命じた以上、
ブラッカは逆らうわけにはいかなかった。
幕僚達も、あのような場所に隠された密書の内容に興味はあっただろうが、
封筒は燃え盛る暖炉の炎にくべられる。
こうして公開されれば王国の行く末に波紋を投じかねなかった文書は、灰となって葬られた。
火が紙を焦がし、秘密が炭となって朽ちてゆくのを彼女は静かに眺めていた────
・・・・・・
「まあー、あだー……」
彼女の腕に、赤子が抱かれていた。
まだ生まれて一年に満たぬ子だ。
「ふふふ、可愛らしい御方だ」
「お前でも、そんな風に思うことがあるのだな」
「フッ、私にも可愛らしいものを愛しく感じる気持ち位あるさ」
テーブルをはさんで坐るのは大剣を背に帯びた傭兵風の男だった。
女将軍は相手の挑発めいた言葉さえ気にならぬように、腕の中の赤子に微笑みかけていた。
紅葉のように小さな掌を伸ばして、女将軍に手を繋いで欲しがっている。
「んん?、あくしゅですか? はーい、あくしゅですよー」
「国元の連中に見せてやりたいものだ。泣く子も黙る女剣士が、赤ん坊と『あくしゅ』とはな」
「貴様の言う『国元』とやらは何処の国だ? 私は反逆者と母国を同じくした覚えなど無いがな」
「……」
三つの瞳が、挑発的に交差する。
過去に横たわる恩讐は晴らされた訳ではない。
むしろ時間を重ねたことで、より一層複雑に絡み合ってさえいる。
「……う、ういぃゃぁーん! あぁーん!」
二人の間に漂いかけた不穏な空気を察したのか、赤ん坊は泣き出した。
慌てたように、女剣士は襁に包まれた赤子を持ち上げる。
「ああ、申し訳ございませんね! ほーら、高い高ーい」
必死になってなだめる女剣士を見ながら、男は杯を傾けた。
彼の左目は眼帯に覆われている。
それを奪った敵は、今目の前で子供をあやしている。
皮肉な事だ。
かって自分たちを引き裂いた女に、彼らは縋らなければならなかった。
さもなければ、子を産んで体力が衰えていた──妻を連れての逃避行は不可能だったろう。
「やれやれ、ようやく泣き止んでくださったか……
もうお休みさせた方がいいかもしれないなあ」
「そうだな。明後日には国境を越えたい。早めに寝ておいた方がいいだろう」
「……」
「国境を越えてまで、お前について来て貰う事はできない。済まなかったな」
「礼を言われる筋合いは無い。今回の事は私の罪でもある……貴様を生かしておいた」
五年前、彼女は一度だけ騎士の誓いに背いた。
その負債の証が、目の前にいる男と腕の中に居る赤子だ。
男の隻眼に僅かに殺意が含まれかけたが、直ぐに霧消した。
女の方も、それ以上のことは言わなかった。
共に剣を取って戦っている時だけは昔の戦友同士に戻れるのだが、
武器を鞘に収めれば、わだかまりは容易に溶けない。
「止めよう、もう終わった事だ」
「そうだな……」
「これからあの方を連れてどこへ行くつもりだ?」
「東へ、五年間で俺にも知り合いが増えたからな」
「逃げ切れるのか? 例え地の果てへでもこの国は暗殺者を送り込んでくるぞ」
「覚悟の上だ。あの方と共に死ねるのなら本望だ…… 今も、五年前もそうだった」
「……」
しばしの沈黙の間に、二人ともがあの日のことを思い出していた。
三人の運命が切り裂かれ、今に続く宿命が準備されたあの日のことを。
再び女剣士が口を開いたとき、その声には厳とした決意が込められていた。
「この子は私が預かる」
「なんだとっ?」
「貴様とあの方は死んでも本望かもしれんが、赤子を巻き込むのは止めろ。
この方は私が養育する」
「そんな事は……許さん。あの方にとってもこの子は心の支えなのだ」
「冷静に考えろ。身体の弱ったあの方と子供を連れて、これから先も逃げおおせられると思うのか?」
「……」
「私にとっても主筋にあたる方だ。決して粗略な扱いはしない──」
・・・・・・
「ブラッカ。あの子は私の刀を継ぎたがっていたが、
身体が大きくなって細身の刀法を使うのは、かえって窮屈な思いをするだろう……
もっとおおらかに、そして精緻に武器を扱う技を修める方があの子のためだと思う」
「はっ、ルーシス卿は剣術師範として多くの優れた弟子を育てております。
彼の元で修練なされば、閣下の様な達人になられるでしょう」
「私には財産を譲るべき身内は少ない。
公証人に遺言状を預けてあるが、お前は後見人として見守ってやって欲しい」
「お任せを、閣下」
「それから…… 困ったな、主君に申し上げたいことよりも、
あの子のために言い残したいことの方が多いではないか?」
「それが、母親の情というものでありましょう」
「母か…… あの子もそう思ってくれているだろうか」
「疑うまでもなく、ラズリオン殿は閣下のことを母と慕っておいでですよ」
「そうか」
その言葉を聞き、女将軍の目元が緩んだ。
一条の雫がそこから零れ落ちたのが、ブラッカには判った。
「最後に一つ頼みたい事がある。あの子の両親の事だ」
「はい」
「もしも、あの子の二親にその気があるのなら、きっと何時の日か名乗り出てくるだろう。
それまでは私の子、ラズリオンでいるがいい── そう伝えてくれ」
「……承りました。確かにお伝えいたします」
信頼する副官に養子の行く末を委ね、安堵したかのように彼女は笑った。
「国王陛下にはお詫び申し上げてくれ。
功をもって大罪を償おうと思っておりましたが、私めはこれ以上お役に立てませぬとな」
上官の言葉に、部下達は戸惑いを憶えた。
偉大な女将軍がいつどのような罪を犯したというのだろうか。
戦場での大功はあれど、償おうとしていた大罪とは一体なんだろうか?
結局、彼らはその言葉を彼女なりの謙遜か、病に冒されたが故の言い間違いと受け取った。
その裏にどれだけの意味が込められていたのかは、手紙が燃えた以上誰にも判らぬことだった。
秘密を胸に仕舞い込んだまま、女将軍は明け方には死んだ。
攻囲は春まで続いたが、本国からの増援が遅れたために街は陥落しなかった。
彼女の死は無駄になったが、その功績と家門は後世まで伝えられている。
(終わり)
GJ!ラズリッサのその後の話ですか
ぐじょーぶ
そして埋め。
埋めついでに富士見とか昔の角川とかみたいな
いかにもな冒険者ものをみてみたいと呟いてみる
じゃあ、最近、新潮文庫の某冒険物を読んだオレが
, __ 、 __
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´ 埋めるぜ
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'
, __ 、 __
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'
, __ 、 __
il ー )ヽ)、'´,'´__,ィ,
, -‐゙ ´ "ニ、
, '/ ヽ_`,
i、、_! ン´
ヽ、゙ , , 、 、 、 ヽ
,', - /, ' i ,' ヽ ヾヾ、、`i 'l
、_彡' ' ,'i,'_l、ヾ l、l_l」i, , ミー
_ン ゝ、ilrlモi=、 lr'iモiゥ,イ,イン、´
'´,ゝi ー‐' `ヽー‐'l',ィ'、`
, -‐ ´/i,iヽ __ ,イlヽ、` ‐- 、
,<´ /l ' 'l i` 、'/゙`/!l ' lヽ `ヽ,、
/ ヽ /l ヽ "`´ / l、ヽ / ヽ、
/ ヽ /l ヽ / l 、 / l
| , ' ヽ / l /|\ヾ '/ィ'`iヽ、 l 、, / 、 l
/ 、 ヽ l` '、´ | i i`V´i l | _ >' i / , i ヽ
|, l l l > | l l ゚// | \ ヽl l l ヽ
/ 、ヽ l,l/ , '´ | l´゙"7 | \ ヽl l ヽ
/ ー- ヽヽ、l/ \ | ├┤ | / ヽ l,__‐-- `、
/ `〈 \ | l l | / 〉´ ヽ
〈 \ ヽ | l l | / / l
i..、 \ `、 | l .l | / / /|
| \ \ l | l l | l / /::::::|
|:::::::\ `ゝ、| l l | l∠ /::::::::|
|:::::::::::::`ヽ、 /´ ,ゝ l l |<´ ヽ /::::::::::::::|
|:::::::::::::::::::::::\ / / ヾ l/ `ヽ、 \ /::::::::::::::::::::l
|:::::::::::::::::::::::::::\/、 /ヽ ヽ / r'、ヽ/、/:::::::::::::::::::::::/
l::::::::::::::::::::::::::::::::::`i::::::l Y l:::::`l:::::::::::::::::::::::::::::::::/
〉、::::::::::::::::::::::::::::::::l:::::i i i イ:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::/
〈 ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::l:::r゙ 、 、 〉 i .レ::::/::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ
∧ 〉::::::::::::::::::::::::::::::l〈,ィil / /i !__!‐'::::/:::::::::::::::::::::::::::::∧ /l
/ V∧::::::::::::::::::::::::::::::l::::゙-'ー'i-'i:::::::::::::l:::::::::::::::::::::::::::::::::| ´ l、
, -‐/ / |::::::::::::::::::::::::::::::,ゝ:::::::::i:_:i:::::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::|l l ヽ、
/ / / |:::::::::::::::::::::/ l-‐´ ̄  ̄`‐-l- 、:::::::::::::::::::::::::| l ヽ \
/ / / ` ー-- イ l i ,' `i 、_::::::::::/ ヽ ` \
/´ / /' l _l l l ヽ  ̄´ ヽ ヽ
`ヽ、 _ /--――‐フ< `ヽ、 )、 ̄  ̄`l , -‐ヽ、___ _ヽ ヽ
 ̄ , '´ `ヽ ヽ, ィ'-'l l`ー-、/ , '´ ̄ヽ `ー――‐'  ̄
i゛='、____, ゝ‐'ニ-‐´ ヽ _、`´、 , ,',i
`ー ニニ-‐'´ ヽ 、`二ニ-'