ヤマトナデシコ七変化

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
無いみたいなので立てました。まったりいきましょう〜。
2名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:32:08 ID:sJBp55J7
おお、ヤマナデのスレが立ってる!
>>1、乙! 

3名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 00:24:22 ID:iId+Dumt
恭スナ希望!
4名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 07:33:05 ID:iId+Dumt
恭スナ希望!
5名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 11:09:49 ID:rJngv8XO
神よ、降臨をお待ち申し上げる!!!!!
恭スナいいね!
6名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 03:55:38 ID:WwmrPh6B
今月の別フレは恭スナフィーバーだった!!!
7名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 00:36:19 ID:sAPVB+ET
マジで?まだ買ってないので楽しみ!!
8名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 05:42:20 ID:ryTGkDGs
ホラーなお屋敷の回のアニメを偶然見てハマった。スナコかわいいよスナコ
9名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 17:09:38 ID:Gng7LRVs
体育祭とバレンタインの回が面白かった!神降臨待ってます。
10名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 17:28:18 ID:E2JQ1N7i
おおおおおおおお!!
>>1乙!!!!!!111111

いっそ自分で立ててしまおうかと思っていたよ!
11名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 00:38:10 ID:amTTrlzp
放送日あげ!
12名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 20:06:34 ID:3bY/uU0u
あんまりエロくないんだけど、恭スナで投下しようと思うんだが・・・。
文章下手でもオk?
13名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 20:13:47 ID:xvycn6qu
>12
待ってました!是非お願いします!!
14名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 20:18:37 ID:3bY/uU0u
まだ制作途中だから少しまってくださいです。。。
なるべく早めに投下します。
15名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 22:18:03 ID:ZtMPirez
がんがれ保守しつつ待ってる
16名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 22:59:29 ID:9RJ7Xx0t
保守
1712 ◆x59qz04G1I :2007/03/09(金) 15:24:20 ID:dB9RgdET
どうしてこんなことになったのだろう?

押し寄せる快楽の波に、スナコは意識が飛びそうだった。
いや、飛んだほうが楽なのかもしれない。しかし何度その時が来ても、一人の男によって呼び戻されるのだ。
今だって・・・。頬を軽くペチペチと叩かれた。
「おい・・・落ちんなよ?」
ネクタイの目隠しが涙で濡れて気持ち悪い。肌にべたべたとまとわりつく。
『いやだわ、かぶれるかも・・・』
関係のないことを考えて、気を紛らわそうとしたが無駄だったようだ。またもこの男の手によってわけもわからない快感に攫われる。

どうしてこんなことになったのだろう?

記憶をたどるスナコ。自分は悪いことはしてないはず。そう、
この人がまた風邪をひいて、それで看病するように言われて、そして

「俺のこと嫌い?」

その一言に正直に答えたんだ。
それだけ?他に何か気に障ることでもしなかった?
いくら自分に問い掛けても、答えが帰ってこないどころか、男の愛撫は止まらない。

押し倒されて、口づけをされ、手首を押さえつけられ、

「お前・・・体、綺麗な。」

高野恭平の一挙一動に反応している自分がいる。
「っ!・・・み・・・見ないでっ・・・・・・!はなし・・・て・・・・・・、」

精一杯口を動かしてやっと出た言葉。・・・情けない。スナコはそう思った。
恭平はしばし考えると近くにあったネクタイで目隠しをした。この男の姿を見ない分、落ちられる確立が減ってしまった。タチの悪い・・・。
自分はいったい何なのだろう?今私は玩ばれてる?それとも愛されてる?

.・・・後者はありえない。絶対。

なら前者か。
再び恭平に口付けされる。
彼はいつの日かこんなことを言った。
「愛がなければ意味がない」
よく言えたものだ。
すでに抵抗をする気力も力もないスナコは、ただされるがままであった。




―――――――――――――――――――――――・・・・・・いったいどのくらいの時がたったろう?




言いようのない異物感と、下半身の鈍痛でスナコは涙をぽろぽろと流した。
「っひ・・・ぃ痛い・・・!!!」
苦しげな嗚咽は止まる事無く、唇は噛み締めすぎて血がうっすら滲んでいた。
恭平はネクタイを取った。もう顔を見ても何をしても気絶・鼻血どころではないだろう。
と、思ったのも事実だが、理由はもう1つあった。
どうしてもスナコの表情がみたくなったのだ。
単純な理由だが恭平はどうしても我慢できなかった。
ただ愛しくて、我慢できなくなった。それだけだ。
1812 ◆x59qz04G1I :2007/03/09(金) 15:26:18 ID:dB9RgdET
長い睫が濡れて輝いている。頬が羞恥心からか薔薇色に、唇が血で滲んで赤く染まっている。
普段見れないその苦しげな表情は恭平を煽るには十分だった。
さらに恭平は自身を深く沈ませた。
「ぅ・・・っぁ!」
恭平が動くたびに彼女は身を捩じらせ悶えた。
汗ばんだ肌が手に吸い付くようで気持ちいいと思った。
「おい・・・動くぞ」
耳元で囁く。
ビクッ! と、スナコが大きく震えた。
腰を動かそうとする。が、中がきつくて動けない。
小さく舌打ちすると、恭平は再びスナコの耳元に顔を近づけて囁いた。
「力抜け」
低い甘い声に身が震える。
「〜〜〜!!」
余計締め付けられ、恭平は逆効果であったと悟る。
どうしたものか・・・と少し考えてみる。そしてふと閃いた。

「ひゃぁっ!!」
耳に奇妙な快感が走った。
舐められたのだ。中を。
全身の力が一瞬抜けた。と同時に恭平が腰を進めてきた。
もうスナコは何がなんだかわからなくなっていた。
恭平自身を打ち付けられるたび痛さと共に快感が走った。
口が勝手に半開きになる。
「ふっ、ぁ、や・・・ひ、ぁあ!」
耳に入る高い声が自分の声じゃないようだ。
気がつけばスナコは、恭平の前の肌蹴たパジャマを縋りつくように握っていた。
口を口で塞がれる。
恭平の舌が入ってくる。
甘美な刺激に頭がおかしくなりそうだった。
「ん・・・ふぅ・・・」
唇が離れると同時に喘ぎ声が漏れた。

「ッ、ゃべ・・・!」

恭平が聞こえるか聞こえないかという声で何かいった。
だがスナコには聞こえなかった。
頭の中が真っ白になり、何も考えられなかった。。
1912 ◆x59qz04G1I :2007/03/09(金) 15:27:07 ID:dB9RgdET


 


―――――――――――――――――――――――・・・・・・いったいどのくらいの時がたったろう?




言いようのない身の重さでスナコはだるそうに目を覚ました。
そして何より腰が痛い。
ふと誰かに抱きしめられているのがわかった。
恭平だ。恭平の胸板が今目の前いにあるのだ。
思わず鼻血を噴きそうになる。と、その前に自分の状態に気付いた。
真っ裸だ。何も着ていない。
そのままスナコは石化した。そして五分ほどで全てを把握した。
『夢?あれは夢?じゃあこの状況は?顔から火が出そう・・・。この男、いつか殺してやる!!』

そこまで考えた所でふとキスをしたことが鮮明に思い出された。
回らない口で小さくぼそぼそ呟く。
「あれは愛がない、だから意味がない、あの行為も愛がない、だからあの行為も意味がない、あれは愛が(以下続く」

恭平は起きていた。もちろんこの独り言も聞こえていた。

「・・・愛あるっつーの・・・。」

また聞こえるか聞こえないかという声で呟いた。



もちろんガクガクブルブルしているスナコには聞こえてなどいなかった。
2012 ◆x59qz04G1I :2007/03/09(金) 15:28:49 ID:dB9RgdET
以上です。
初めてエロパロ書いた。。。
はずかしやはずかしや(´・ω・`)
21名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 23:17:51 ID:/NZwQysB
GJ!
よかったお(´ω`)
22名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 23:25:00 ID:35lPmS9g
もっと書けえええええええええええ
23名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 23:53:36 ID:Zb5AgOhE
GJ!!ありがとう!!また投下してください〜!
2412 ◆x59qz04G1I :2007/03/10(土) 23:06:41 ID:deMMFUPc
ありがとです 頑張って次書きます

なんかシュチュのリクとかないすか?
25名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 07:07:32 ID:PAfG4MOi
恭スナ希望
シチュはなんでも!!
26名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 07:48:10 ID:O+Xsw/Tl
恭スナで、今度は
「愛があるってわからせてやる!」
って感じが読みたいです!
27名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 16:52:41 ID:gG9DiKdA
GJ!
なんだっけwあの可愛い男キャラのw金髪のw
それとスナコちゃん読みたいw
28名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 17:19:36 ID:PAfG4MOi
>>27 雪之丞?
29名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 21:26:48 ID:UI0qNzxd
コミックを最近読んだけど、「ちゅー」の話が良かった!
なので恭スナでちゅーの話が読みたいです。
あと、蘭丸とお嬢様も読んでみたい!!
30名無しさん@ピンキー:2007/03/11(日) 22:05:51 ID:gG9DiKdA
>>28
アニメしかみてないから良くわからんけど
4人組みのちっちゃい人…?笑
31名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 17:26:00 ID:s9M+dnjW
よいしょっと
32名無しさん@ピンキー:2007/03/13(火) 20:27:22 ID:2LJ4sSJY
とりあえず保守
33名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 16:37:37 ID:C1AlDEuu
武長と乃依ちゃん
34名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 15:18:43 ID:lBa3o01P
だ〜れかぁ〜(´・ω・`)
35名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 16:21:30 ID:1zTZ+RGb
過疎ってんなあw

>>17
さんまた来てくれないかな?
36名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 21:24:34 ID:lfyNUkeH
おおおおおお!!!!!ヤマナデスレ建ってたのか!!
ここに気付かずに少女漫画スレで恭スナリクするところだった
ともかく>>1乙乙乙乙乙!!
そして恭スナネ申GJGJGJGJGJグッヂョォォォブ!!!
このSSの続きで、自分も>>26さんと同じく
「愛があるってわからせてやる!」
↑こんなのが読みたいです!
37名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 21:33:19 ID:lfyNUkeH
なんか微妙に卑猥なIDでたorz
38名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 22:01:27 ID:ULk/4m0E
もう過ぎちゃったけどホワイトデー的な話も読みたいな
39名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 22:34:34 ID:dzg2N6rW
ぐぐってたら偶然このスレが引っ掛かったんだけど、こんなスレあったのね。
職人さんGJです。
読みながらドキドキしちゃったよ。

少女漫画板にもヤマナデスレないし、アニメのスレは傾向が違うしで
寂しい思いをしてたのだよ。
嬉しいな。
誰か素晴しい話をぷりーず。

自分も別の漫画のスレで書いてたことあるんだけど、
残念ながらエロは書けないんだ。
ごめんよ。
40名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:22:26 ID:lfyNUkeH
>>39
エロなしでも読みたいです
41名無しさん@ピンキー:2007/03/15(木) 23:31:40 ID:lq2h94nA
>>19
GJ!GJ!
オチがイイ
42名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 01:16:30 ID:z4r9qQcU
職人さんお待ちしてます!!
43名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 01:43:34 ID:STUcdnwb
お、今日はよくあがってるw
44名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 19:38:38 ID:Wm3e4/Y2
ついこの前まですげ過疎ってたのになw笑
45名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 19:39:17 ID:Wm3e4/Y2
>>39
書いてくれんか…?
いや、まじで。
46名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 22:01:07 ID:OKl8fgFb
ヤマナデスレだなんて夢のようです!!たくさんの神が舞い降りるのを待っております!
4739:2007/03/16(金) 23:16:54 ID:qcUGt813
本当にエロじゃないけど投下していい?
どっちかっていうと原作の少女漫画的なノリになるけど。

ただ今製作中。
さっき思いついた急ごしらえ話なので期待は絶対にしないでくれ。
4812 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 00:28:01 ID:zZVc6w/K
おおなんか盛り上がってる。

>>26サンの言った「わからせてやる」的なものを書こうかと思います。
ちょいとまっててください
49名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 00:30:56 ID:tW4zgRNh
>>47
スレも活性化するし是非お願いします!
5012 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 00:31:03 ID:zZVc6w/K
きっと私は夢を見ていたんだ



あれが噂に聞く淫夢というものか。思えば十五年間生きてみたが一回も見たことが無かった。

あんなに恐ろしいものだとは…


夢の中であの人は、壊れ物を扱うように私に触れてきた
くすぐったいような怠いような、なんとも言えない甘い痺れが私を包みこんだ



血の味が広がった



ぼんやり、ぼんやりと夢心地で、夢の中の私は、夢と思えない痛みと屈辱と悲しさに堪えた

ぼんやり、ぼんやり




甘い匂い、骨張った手、絹のような髪




それらと触れるたび、私は哀しいほど切なくなった
いや、今思い返すだけでも・・・







嗚呼・・・ 嗚呼、苦しい…
51名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 00:39:31 ID:tW4zgRNh
ワクワクテカテカ
5212 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 00:43:26 ID:zZVc6w/K
スナコは部屋から出ずにいた。
いや、出られずにいた。

あの夢を見てから動けない、動く気力もない。
『あれは夢、そう夢。
 だって起きたら部屋にいたもの。
 大丈夫、現実ではないわ。
 起きたら私は自室のベッドに・・・べっど・・・に・・・、』

ここでスナコの意識は再び飛んだ。
そう、再び。
朝からスナコは起きては考え、気絶し、また起きては考えと同じことを繰り返している。


『!  ・・・いやだわアタクシったら・・・
 また寝ちゃったのね・・・・・・。』
次にスナコが目を覚ました時、その光はやってきた。

「おい、」
ドアを開けてきたのは恭平。淫夢に出てきた張本人。

「!!!」
それに気付くとともにスナコは、・・・


気を失い、ゴトリと鈍い音を立てて床に倒れた。

恭平はどうしたものかという表情でため息をついた。
5312 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 00:44:59 ID:zZVc6w/K
ちょいと休憩。

気が早いけど次は蘭嬢書きたいなぁ。。。
54名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 00:58:46 ID:tW4zgRNh
恭スナ神さま待ってました!
神にリアルタイムで遭遇するのって初めてだー
このあとどうなるのかwktkです
蘭嬢も楽しみにしてます!
5512 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 01:20:30 ID:zZVc6w/K
「おまえさぁ、夢だとおもってんの?」
伏したままのスナコに恭平が語りかける。

虚ろな意識の中、スナコの耳に恭平の声がお構い無しに入ってくる。
「・・・夢でしょう・・・?全部・・・」
蚊の泣くような声で彼女は答えた。
「現実だ。俺は、お前とヤった。現実だ!」
恭平はなおも続ける。強調するように、続ける。
「だって、おきたら自分の部屋に、」
「お前がまた寝たあと俺が運んでやったんだよっ。」
スナコが勢いをつけて起き上がる。
「何であんな事したんですか?!私が貴方の事苦手だって知ってて!!」
「やりたいからやったんだ!悪いか!」
「そんな理由で私はあんな目に合わされたんですか!?冗談じゃねーです!!!」
「そんな理由って何だよそんな理由って!!!!!」
「やりたいからなんて私的な理由、くだらなさすぎます!ファンの子にやらせてもらえばよかったじゃないですか!!!」
「誰でも良いって訳じゃねーよ!おまえだからやったんだ!」
「余計ふざけんじゃねーですよ!もーあったまきました!!出て行きます!」
「ふざけんなテメー!出てくだと?!させねーよ!」
「何でですか!所詮私は性欲処理に使うぐらいしか使い道のないしょうもない女なんでしょ!??」
「ちげーよ!好きだからやったんだよ!!!!!」
「っ?!」

二人のマシンガントークな口喧嘩がやむ。
スナコが固まる。恭平の顔がかすかに赤くなる。

「好きだから・・・、嫌われてないって聞いたら・・・我慢できなくなって勝手に・・・」
目を伏せて気恥ずかしそうに言葉を続ける恭平。

ああ、長い睫・・・、なんてスナコは現実逃避にその睫に魅入った。

こんなことがあっていいのだろうか?
世界の宝のようなこの人に、こんなことを言われていいのだろうか?

また思考が上手くまわらない、何を考えれば、何を見れば、何を言えばいいのか
何もわからない。


恭平は混乱して動かなくなったスナコにゆっくりと近づいた。
そしてあくまで優しく、骨ばった両手でスナコの頬を固定して顔を上に向かせた。
「前に言ったよな?『愛がなければ意味がない。』って。」

優しく優しく、まるで初めてするような慎重な口付け・・・。

「今のは愛があるから、意味があるぞ?」
5612 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 01:27:31 ID:zZVc6w/K
ああー眠いのでまた後日書きます。
まだ続きます。だらだらとスイマセンorz


>>gjくれた方々
ありがとう、頑張ります。
57名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 01:33:07 ID:J1gALhwl
>49
乙です!!
リアルタイムで遭遇できてよかった…。
続きも蘭嬢も楽しみにしています!!
58名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 01:34:50 ID:K3S/MWTs
GJ!
そして保守!
5939:2007/03/17(土) 01:35:23 ID:k9U1xn9D
うわー!うわー!ステキ!
いいなぁ。いいなぁ。
ネタ元のキーワードをしっかり入れつつ、料理するのがうまいなぁ。
続き楽しみにしてます!
60名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 01:38:35 ID:k9U1xn9D
いけね。アンカー残ってた。

12さんのが終了してから自分のは投下します。
61名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 01:54:55 ID:McXQnHMp
初です!コミクス18買ったら恭スナ大フィーバーして探しちゃいました。
なんで少女漫画板にヤマナデないんだろう…。

で、来てみたらちょうど盛り上がってるし!!
>>12さんGJです!>>39さんのも楽しみにしてます。
62名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 16:42:16 ID:lJsJvbM1
12さんgj!2人の会話が好きだー
楽しみにしてます
6312 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 18:00:05 ID:RW9gDOjm
うあー
>>39氏、スイマセンだらだらと・・・orz

今日中に終わらせたいと思います;;
6412 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 18:01:04 ID:RW9gDOjm
文字どうりの「痛いほどの愛情表現」に囲まれて、
一番愛して欲しい人に愛してもらえなかった。





「嫌だったら殴っていいからな。」
そう言うと恭平は真っ直ぐスナコを見つめた。
顔が近づこうが見つめられようがスナコの体は動かない。
いや、動けない。

恭平はスナコの両頬に触れている手をさりげなく動かした。
右手は後頭部に、髪を絡ませるように
左手はジャージ越しでも十分細い腰に。
そしてそのまま抱き寄せた。

顔を、首元に埋める。
『あー、なんか良い匂いする・・・』
思えば自分から女に手を出したことのない恭平。
女に触れてこんなことをおもったのは始めてであった。
鎖骨の辺りをきつく吸う。

「!」
加減なんてできない、したことがないから。
スナコが身を震わせた。おそらく痛かったのだろう。少し顔を離して触れ合った場所を確認する。
真っ赤にうっ血していた。
それは陶器のような白い肌に、見惚れるほど綺麗に映った。

スナコはいまだに現状が理解できなかった。
首元に鈍い痛みが走ったのはわかった。
抱き寄せられている、何故?
キスをされた、何故?
この人は愛があるといった、


何故?
6539:2007/03/17(土) 18:19:12 ID:k9U1xn9D
>>63
とんでもございません。
ステキな話にドキドキしております。
どうぞごゆっくりと。
12さんのお話の方がこのスレにぴったりと合ってます。
6612 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 18:19:25 ID:nmIWjuNq
今一度キスをされた。
触れるだけのものではなく、深い、濃厚なものだった。
「んっ・・・んんぅ・・・ッ!」
くぐもった声が部屋に空虚に響いた。
スナコは膝がガクガクと震え、今にもその場に崩れそうだった。
それを恭平は察したのか察していなかったのか、
流れるような動作でいとも簡単にスナコを抱き上げ、ベッドに下ろした。

スナコの頭の中で、前の記憶が鮮明に蘇った。
またあの屈辱に、痛みに、攫われるのか?

「嫌だったら殴っていいからな。」

スナコの拳に力が入った。
殴ればいいのだ、そう、殴れば。
自分に言い聞かせる。
簡単なことよ、アイスを食べられた時、我侭を言ってきた時、
殴れたじゃないか。
頑張るのよスナコ、ううん、頑張る必要もないじゃない、
いつものように  殴ればいいのよ?

恭平が、馬乗りになって顔を近づけてきた。
格好のチャンスだった。


・・・拳の力が抜けた。
するすると、ほどけるように。


殴れるわけがないのだ。この人を。神様の作った最高級品を・・・。

『残酷・・・』

スナコの思いは恭平の手によってまた薄れて行くのだった。
6712 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 18:46:10 ID:TXKie3AA
もともと自信なんてなかった。ただ好きだったから・・・
この初めての思いが通じればいいと思っただけだったのに





なんと手際のよいことだろう。
瞬く間にスナコは生まれたままの姿になってしまった。
上には恭平、その上には布団。
恭平はへそに舌を這わせた。
「っ!」
いきなりの事でスナコは身震いをした。
寒くはないが暑くもない、ぬるまったい空気が気持ち悪かった。
そのまま舌は上へと移動する。少しざらざらとした感触がこそばゆかった。
ふくよかなそれに恭平の手が触れた。
優しく、なでるように恭平は愛撫した。
次第に先が固くなっていくのが肉眼でわかった。

『無理やりやられた時は気持ち悪ぃって思ったのにな・・・』
顔を隠すように、両手を顔の前に持ってきているスナコ。
恭平はその手を無理やりベッドに縫いつけた。
少し涙ぐみ、赤くなった顔がそっぽを向いていた。
少し苦笑して谷間に顔を埋めた。
「っあ!・・・い、ゃ・・・!」
説得力のない小さい声が聞こえた。
それでも恭平はお構いなしに、一番敏感な所を口に含んだ。
「ん・・・ぁっ!!」
舌を動かしてコロコロと玩ぶたび、甘い声が聞こえる。
それは恭平の理性を飛ばすには十分なもので・・・

「っひあぁぁ!!」
甘く、噛まれた。電撃が走るように
スナコの背中に甘美な痺れが走った。
反射的に腰をよじらせる。
いつの間にか自由となっていた片手は、恭平の胸板を力なく押して抵抗していた。
もちろん今のスナコの抵抗も恭平を煽っただけであって・・・

恭平は空いている手を下へと移動させた。

6812 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 18:56:28 ID:nIXRXAsZ
スイマセン、ちょっと出かけてきます、やっぱ今日中無理かも。。。
だらだらほんとごめんなさい(´д`;;)

>>39
もしあれだったら(どれだ)投下していただいても私は構いませんので;;
重ね重ねごめんなさい;
69名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 21:24:28 ID:K3S/MWTs
待ってます!
70名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 23:13:00 ID:kcdA5wnb
のんびりいい話書いてよ!
続きwktk!
7112 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 23:33:24 ID:fUsEW+io
昨日の今日で一度慣らしたそこは、受け入れるのは容易なことであった。
恭平の指がクチュ、と卑猥な音を立ててスナコの中に沈んでいく。
「ぁ・・・ふあッ・・・!」
漏れる嬌声。
ざらついた所を見つけて執拗に撫ぜる。
「やッ、あっ、ぁっ・・・は・・・・・・んっ・・・!」
生理的な涙がスナコの目から零れた。
当たり前だがスナコはすでに何か考えるどころではなかった。
寝ているようなふわふわした感覚。
しかしそれらが現実であることを、汗ばんだ皮膚が、触れ合う肌が、握られた手が実感させた。

恭平は握った手に力をこめた。
あの時と同じ、愛しさがこみ上げた。
「・・・いれんぞ。」
耳元で囁く、昨日と同じように。
だがスナコは昨日と違い驚くような反応をした。
小さくだが、うなづいたのだ。
目もあわせようとしないし、そっぽを向いているが、小さくうなづいたのだ。
そのことは恭平にとってかなり嬉しいものだった。

スナコの体中に不意に鈍痛が響く。凄まじいほどの異物感に目の奥がしびれた。
やはりきついし、汗もうっすら浮かんだ。
恭平はあくまで優しく、ゆっくりとスナコの中に入っていったが、仕方のないことである。
なにせ昨日処女を失ったばかりなのだから。

ゆっくり動く。大きな高まりと少しの倦怠感が二人を包んだ。
動くたびスナコの口から甘い声が漏れる。
それを恭平が塞ぐ。
より深く繋がった箇所からくちゅくちゅと卑猥な水音が漏れだし、スナコは耳を塞ぎたくなった。

スナコは繋いだ手に強い力をこめた。
行き場のない感情と感覚が、不安で仕方なくなったのだ。

恭平もどこか同じ気持ちであった。
負けないくらいの力で、絡めた指に力をこめた。

腰骨を押さえ付けられて内部を掻き交ぜられると、悲鳴にも近い声がでる。
頭の芯がとろけたように、何も考えられなくなる。
貫かれた身体の奥が、痛みだけではない何かに侵食されていく。

「ッゃ・・・も・・・むりィ・・・・・・ッッ!!!」

先に限界に達したのはスナコだった。
背中に雷が落ちたみたいにびりびりと甘い甘い痺れが走った。

「ッ・・・!」

内部が一気にきつくなると共に恭平も達した。
中に何か熱いものが注がれたのがわかった。
達した余韻はなかなか消えず、スナコはしばらく身を震わせていた・・・。

恭平が上に倒れて来る。普段なら鼻血ものだが今は反れどころではない。
「ぁ・・・の・・・、早く・・・抜いてくださぃ・・・」
顔を真っ赤にしてスナコが呟く。
「・・・ぉう・・・。」
恭平は返事だけした。そして絡めた指をいったん離して、スナコを抱き寄せる。


「・・・好きだ。」
恭平の声は、今度は確かにスナコに届いていた。
7212 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 23:34:32 ID:fUsEW+io
だらだらスイマセン;
あと1レスぶんかいて終りです
もうちょっと待ってください(´・ω・`;
7312 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 23:53:29 ID:fUsEW+io
文字どうりの「痛いほどの愛情表現」に囲まれて、
一番愛して欲しい人に愛してもらえなかった。

それでも、愛すべき人が現れた。



ベッドの中で囁くように彼はいった。
「ドイツもコイツも間違った愛情表現しかしらねーでさー。
俺が言えることじゃねーかもしんないけど。
普通に愛されたことねーから、俺がお前にしてきたことも、間違いかもな。」

「・・・なんであたくしなんですか?
ブスだし卑屈だしいいとこなんてないのに・・・。」

「卑屈になんのやめろ!
・・・まぁ、それがお前だし。
いいんじゃねーの?多分お前が普通じゃねーから、俺は好きになったんだよ。」

「・・・いっておきますがあたくしはまだ貴方のことが苦手ですからね?眩しい生き物。」

「・・・てめっ・・・。」



もともと自信なんてなかった。ただ好きだったから・・・
この初めての思いが通じればいいと思っただけだったのに

それが裏目に出て、今の私はいる。

それでも、わたくしを好いてくれる人が現れてくれた。





私はこれからこの人を、愛すことができるだろうか?

愛することができることは、きっと素敵なことであろう。




まだ十五歳どうしの、二人の人生は長い。
7412 ◆x59qz04G1I :2007/03/17(土) 23:56:14 ID:fUsEW+io
以上です。
最後まとまってませんね、読みづらいしorz
吊ってきます。。。

GJくれた方々、ありがとうございました
75名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 00:08:59 ID:Zxbuz250
いい話書きやがって…
コンチクショー(ノД`);
76名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 00:09:43 ID:D51LED6x
GJ!!!!
恭平もスナコもかわいかったです。
おつかれさまでしたー!
蘭嬢も是非是非お願いします!
77名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 00:13:58 ID:UGK8ZVFe
お疲れです!
GJ!GJ!GJ!GJ!
ドキドキするような色っぽさにやられてしまいました。

またステキなお話を是非お願いします。
78名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 00:17:34 ID:yH6YnRUL
おおおgj!
2人のキャラが上手く
表現できてて
よかったです!
7939:2007/03/18(日) 01:43:42 ID:UGK8ZVFe
12さんの素晴しい余韻が残っているので、私のは明日(本日昼以降)にします。

ちなみに>>77は私のレスです。
12さん、本当にお疲れ様でした。
急がせちゃって申し訳なかったです。

タイトルは「幽霊よりも怖い話」です。
仕上がっているので、連続投下します。
12レスぐらいになります。長いです。
ついでにエロシーンは描けないので、脳内補完してください。
80名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 01:47:46 ID:Me9oP9TF
(´;ω;`)ブワッ

GJ!!!!
よかったです!
8139:2007/03/18(日) 13:28:27 ID:UGK8ZVFe
何度も予告ばかりしてしまいましたが、
ちゃっちゃと投下して終了したいと思います。
では行きます。
82幽霊よりも怖い話1:2007/03/18(日) 13:30:28 ID:UGK8ZVFe
「これはあたくしが ひ と り で使うために持ってきたんです!!」
「しゃーねーだろ!こうなっちまったもんは!!ここしか寝るとこねーんだ!」
「冗談じゃねーです!このテントは1人用テントです!!」
「うるせー!諦めろ!」

テントを前に恭平とスナコは激しく言い争っていた。
なぜ2人がテントの前にいるのか?


説明しよう。


それは土曜の昼下がりのことであった。
「あれ?中原スナコは?」
リビングに入って来た恭平は、テレビを見ていた雪之丞に聞いた。
「昨日テレビでやってた場所に行くって、さっきいそいそと出掛けて行ったよ。」
「テレビ?タレントさん御用達〜なんて場所にでも行ったとか?まさかなぁ。」
恭平は苦笑いを浮かべながらそう言った。
そんなのとは程遠いスナコである。そんなわけは絶対にあるまい。
「十字架だのニンニクだのテントだの色々持っていってたよ。何に使うんだか。」武長が呟いた。
「スナコちゃんのことだから、普通の場所になんか興味ないよね。」蘭丸も加わった。
「昨夜のテレビ欄、テレビ欄と・・・」4人は昨日の夕刊を覗き込んだ。
そして一斉に顔を見合わせた。「これだ・・・・・・・・!」

『金曜特番!恐怖!!丹沢に眠る亡霊!カメラが見た衝撃の真実!』
おどろおどろしいタイトルが踊っている。
間違いない。
スナコはこれを見て出掛けたのだ。

「あのヤロー!1人で面白そうなとこ行きやがって!!」
恭平は両手の拳を握り締め、力みながら仁王立ちになった。
「お・・・面白そう??」蘭丸、武長、雪之丞は、声を合わせて驚きの声を上げた。
「だって面白そーじゃん。なあ俺たちも行こうぜ。」恭平はウキウキしながら3人を見た。

しかし
「カ・ノ・ジョとデートなの。ごめんね〜。」と蘭丸。
「俺もノイっちと・・・」と武長。
「俺がそんなトコわざわざ行くと思う?」と雪之丞。

そんなわけで、恭平だけがスナコの後を追ったのである。
83幽霊よりも怖い話2:2007/03/18(日) 13:32:58 ID:UGK8ZVFe
東京から電車に揺られ、そこから更にバスで30分。
景色の緑が濃くなるにつれ、スナコは心を躍らせた。

神奈川の奥地に広がるその山々は、冬の面影を未だ残し、ひっそりとまだ見ぬ春を待っていた。
国道からそれた脇道をしばらく行くと、目指す山道にはちっぽけな標だけが立っていた。
「そうそう。ここ♪ここ♪」
人が1人やっと通れる程の細いその道は、これから向かう素晴しい世界への
光り輝く夢の道に思えた。
辺りには先週降った雪が残り、その上には獣が歩いた足跡も残っている。
「ふふふふふ〜♪だーれもいない山ってステキ〜。」
スナコは頬を紅潮させ、周囲を見回し深呼吸をした。
番組によると、山頂にある広場に、夜な夜なダム建設工事で命を落とした人々が彷徨うという。
「日が暮れるまでに山頂に着いて、テントを張らなくちゃ。」
スナコは急いだ。

山の日暮れは早い。
夕日のほとんど射しこまぬ、常緑樹に覆われたその場所は、既に夜の帳を下ろし始めていた。
雪でぬかるむ山道は、湿った重苦しい空気が漂っている。

「こーんなところで人魂がスーなんて飛んだら、なーんてステキかしら♪」
「草むらからしゃれこうべがコンニチワなんてしたら、どんなに楽しいかしら?」
1人歩きながら、スナコの妄想は止まらなかった。

その時である。
夕闇を突き破るような強烈な光が、背後から射すのを感じた。
「な・・・なに?このまぶしい生き物みたいな光は!」
スナコは恐る恐る後ろを振り返った。
するとそこにはこの場所には似つかわしくない、燦々と輝く光源があった。
「こんなところにアレがいるわけない・・・いるわけない・・・」
スナコの頭脳回路はめまぐるしく回転していた。
そう、ここは日常からかけ離れた暗黒世界。
私だけのファンタジーワールド。
まぶしい生き物が生息できない、異次元空間との交錯点・・・・・のはず。

しかしそこにはあろうことか、恭平がいたのである。
「みーっけた♪中原スナコ。」
84幽霊よりも怖い話3:2007/03/18(日) 13:35:17 ID:UGK8ZVFe
せっかく辛くまぶしい世界から離れ、こんな山奥までやってきたのである。
なぜにまぶしい生き物と、ここに来てまで会わにゃならんのか??
次の瞬間、スナコは脱兎の如く走り出した。
「オイ!!」恭平も慌てて後を追った。

「なんで逃げんだよ!」
恭平は後ろから叫んだ。
「アナタが追いかけてくるからでしょう!」
スナコは山道を野猿のような身軽さで突き進んでいく。
恭平もその後を必死に追う。
樹木の隙間から僅かに見え隠れしていた太陽も既に見えず、辺りは夜の闇だけが支配していた。
そして夜の訪れを知らせる鳥の声と、二人の足音だけが響いていた。

追いつかれてなるものか!スナコはますますスピードを上げた。
「待てよ!もう暗いんだからあぶねーだろ・・・」
恭平がそう言い掛けた時、コトは起こった。
「キャアアアアアアア!!!」
濡れた落ち葉に足を取られ、スナコは斜面を滑り落ちたのである。
「中原スナコォ!!大丈夫かぁ!?」
10m程下に平場があり、スナコはそこまで一気に滑り落ちたようである。
まだ暗さに目が慣れていないせいもあり、上からはスナコの状態がよく見えない。
自分の声が届いているのか、届いていないのか、スナコから返事は返ってこない。
落差はあるが勾配はそれ程でもないので、スナコの体力なら自力で登ることが可能であろう。
しかし登ってくる気配も一向になかった。
恭平は心配になり、そろそろと斜面を降りた。

果たして降りてみると、足首を押さえ蹲っているスナコがいた。
「足やったか?見せてみろ。」
恭平が傍にしゃがみ込み足を掴もうとすると、スナコはもの凄い形相でそれを拒んだ。
「触らないでください!!折れてはいません!軽く捻っただけです!全然大丈夫です!!」
恭平はヤレヤレと思った。
せっかく心配してやっても、こいつはいつもこうだ。
「ま、自分で大丈夫って言うなら、そうなんでしょう。じゃあ元の場所まで自分で登れるよな?」
恭平は言葉の端々に棘のある口調でスナコに言った。
「ええ。大丈夫ですから、先に戻ってくださって結構です!」
スナコは顔をぷいと横に向け、吐き捨てるようにそう言った。
85幽霊よりも怖い話4:2007/03/18(日) 13:37:42 ID:UGK8ZVFe
なぜこんな事になってしまったのだろう。
本当ならば、1人で楽しく心霊スポットを堪能しているはずだった。
なのに目的の山頂広場には辿り着けず、まぶしい生き物が現れ、おまけに怪我までして・・・
これならおうちで、ひろしくんやジョセフィーヌと一緒に過ごした方が、どんなに楽しかったか。
ひろしくんやジョセフィーヌを忘れ、新たな刺激を求めた罰なのか。

「こんな暗くなっちまったんじゃ、オマエを背負ってここを登るのは無理だよな。」
鬱蒼と下草が覆う斜面を見上げながら、恭平が呟いた。
「私は1人で登れますよ!大丈夫って言ったじゃないですか!さっさと戻ってください!」
スナコは必死に恭平を先に行かせようとした。
このまぶしい生き物からとにかく逃れたい。逃れなければ私は死ぬ。絶対に死ぬ。
しかし恭平は、厳しい顔をスナコに向けた。
「自分で登れるなら、オマエのことだ、とっくに登ってただろ?
自分で歩けるなら、オマエのことだ、とっくにこの場所から逃げてただろ?
それをしてねーっつーことは、つまりオマエは自分で自由に動き回れる状態ではないっつーことだ。」
そう言い放たれ、スナコは返す言葉がなかった。
全く歩けない程ではなかったが、足場の悪いこの場所から、自力で逃げ出せないことも事実だった。

「そこまでお見通しなら仕方ないです。じゃあ誰か助けでも呼んできて下さい。」
この男が助けを呼びに行っている隙に、とりあえず身を隠せる所まで這い蹲ってでも逃げればいい。
しかしその目論見も見事に外された。
「フン!どうせオマエのことだ。俺が助けを呼んでくる間にどっか逃げようって算段だろ。」
全くもってお見通しだったのである。
「テント持ってきたんだろ?とりあえずここで一晩明かすしかねーな。」
恭平はそう言うと、テキパキとテントの設営を始めた。


そしてこの話の初っ端の言い争いが始まったのである。
86幽霊よりも怖い話5:2007/03/18(日) 13:39:56 ID:UGK8ZVFe
既に日はとっぷりと暮れ、青い月の光が2人を照らしていた。
「とにかく、中に入ろーぜ。寒いし。」
「あたくしは入りません!!」
「あ、そ。じゃあテントもーらい。」
恭平はニコニコしながらテントに入っていった。

その姿をあっけに取られてスナコは見ていた。
「はぁ!?なによそれ!!」
足元の枯れ草をブチブチと毟り取った。悔しい!!
なぜせっせせっせと運んできた夜営グッズを、この男に取られなければならないのか。
だが、まぶしい生き物と同じテントはもっと嫌だ。
はん!こんなテント、こいつにくれてやるわ!

しかし丹沢の夜は寒い。
予備に持ってきた毛布に包まってみたものの、しんしんと体の奥が冷えてくる。
だが、テントにだけは入りたくなかった。
どうせテントに入ったら眩しくて死ぬし、どのみち同じこと。
ここで死んでも本望よ!!などと自身に大見得を切ってみたが、
「幽霊見る前に、あたくしが幽霊になりそう。」
垂れる鼻水を啜り上げながら、スナコは思わず弱音を吐いた。
その時テントの入口が開き、恭平が顔を出した。

「観念して入ってくると思えば、なんでそこまで我慢するんだよ。」
半ば呆れ口調でスナコに声を掛けた。
「まぶしい生き物と一緒にいるぐらいなら、凍死した方がマシです!」
スナコの吐く息が白い。外はそれだけ冷え切っていた。
「こんな寒空の下で一晩明かす気かよ。」
恭平はテントの外に出てみた。
ひんやりとした空気は、一瞬のうちに体温を奪う。
瞬間冷凍されそうな寒さだ。
しかし放って置く限り、たぶんこいつは氷漬けになっても中には入ってこないだろう。

「まーったくしゃーねーなぁ。」
そう言うと、おもむろにスナコを抱え上げた。
氷を抱え上げたかのように、やはりスナコの体は冷え切っていた。
「な・・・な・・・何をするんですかっ!!離して!!」
恭平の顔が月の光に照らされた。
青い冷たい光によって与えられたコントラストは、この男の顔のクールさと艶かしさをより一層際立たせている。
スナコは頭がクラクラした。

「私は外がいいんです!離して下さい!!」
スナコは両手をバタつかせ暴れたが、恭平はおかまいなくそのままスナコをテントに放り込み、
自分も続いて中に入った。
87幽霊よりも怖い話6:2007/03/18(日) 13:42:48 ID:UGK8ZVFe
1人用テントに2人。

狭すぎる。
あまりにも恭平が近すぎる。
スナコは恭平の体温が直に伝わってくるような妙な感覚に、一刻も早くこの場所から逃げ出したくなった。
絶対にここにいてはいけない。ここには幽霊よりも恐ろしい魔物がいる。
「や・・・やっぱりあたくし外に・・・」
スナコは先程包まっていた毛布を手に取ろうとしたが、しかしその手を恭平が掴んだ。
「な・・・なに?」
次に何が来るのかと身構えたスナコだが、恭平の口から出たのは意外な言葉だった。

「出るならその毛布置いていけ。」
「へっ?」
「この封筒型シュラフは夏用だろ。寒くて仕方ない。その毛布もよこせ。」
「ちょっと何考えてるんですか!あたくしに死ねと!?」
「ここを出るのはテメーの勝手。俺がここで快適に寝るためにはそれが必要。文句あるか?」
人のテントとシュラフを横取りした上に毛布までよこせとは、勝手なのはどっちだ?
スナコはムカムカしてきた。
足さえなんともなければ、こいつをぶっ飛ばしてやれるのに。
ああでも、寝込んだところを絞め殺すなんてのもステキかしら・・・
ナイフで切り刻んで埋めてしまうのもありね・・・
こんな山奥なら誰も見てない。完全犯罪も可能。
ウフフフフフフ・・・・・・

「おい・・・途中から全部口に出してしゃべってるぞ・・・」
恭平は冷や汗が流れるのを感じた。こいつのことだ。本当にやりかねない。
そんな恭平を振り返り、スナコは不敵な笑みを浮かべた。
この笑顔がより一層不気味である。
「では、おやすみなさいませ。」丁寧に挨拶をすると、スナコは入口を開けようとした。
しかし、その行く手を恭平が阻んだ。
「ちょっと待てよ。そこまで俺といるのが嫌なのかよ。」
「どいて下さい。あたくしは外が好きなんです。」
「外にいたら凍えるぞ。馬鹿なこと言ってないで、ここにいろよ!」
「嫌です!外へ出るんです!!!!」
テントの入口からスナコを引き離そうとしたが、どこから湧いてくるのかと思う程の馬鹿力で入口を掴み離さない。
こうなっては仕方ない。
恭平はスナコを羽交い絞めにした。
「ギャアアアアアアアアア!!」
不意打ちを食らったスナコは、まるで13日の金曜日のジェイソンに会ってしまったかのような、
鼓膜が破れんばかりの悲鳴を上げた。

「幽霊見物でこんな山奥に来たヤツが、なんでこんなんで叫んでるんだよ!」
恭平はイラついた声を上げた。
88幽霊よりも怖い話7:2007/03/18(日) 13:44:33 ID:UGK8ZVFe
確かにそうだ。
怖いのを楽しむために来たのである。
だが待て。それとこれとは違うのだ。
「アナタに比べれば、幽霊なんて全然怖くありません!!」
スナコはわなわなと震えながら、そう言い放った。
幽霊よりも怖いもの扱いされ、さすがに恭平もカチンと来た。

「いつもいつも人の姿見りゃ悲鳴を上げて、ふざけんな!
テメーは身の毛もよだつ心霊体験したかったんだろ?
ならもっと怖い体験させてやるよ!!」
そう言い終わるか終わらぬうちに、恭平はスナコの口を塞いだ。
逃げる間もない、一瞬の出来事だった。
かろうじて保っていた意識の中を泳ぎながら、スナコは恭平の唇から逃れようとした。
だが、突き飛ばそうと振り上げたスナコの腕は全く力が入らず、むなしく恭平の腕や肩を叩くだけだった。

不意に恭平の唇が離れた。
「そんなに歯を食いしばってたら、舌が入んない。」

何を言うのかと思えば、そんな事を言う恭平に殺意を覚えた。
姿形だけじゃない。言葉でも自分を惑わす・・・
この男には魂を抜かれるかもしれない。
でもそんなの冗談じゃない。
お願いだから開放して欲しい・・・
「とにかく離して下さい!!外に出して下さい!!」
なぜ自分で逃げられない?なぜこの男に懇願しなければならない?
怖くて怖くてたまらなかった。

しかしスナコの願いは空しく、恭平は掴んだ手を離さなかった。
「怖い体験はこれからが本番よ。ついでに体も温まるしさ。一石二鳥じゃん。」
そしてそのまま乱暴に押し倒した。
「▲○※□☆■×◎△▼×★×○〜〜〜〜!!!!」
スナコは言葉にならない悲鳴を上げた。

恭平の体が圧し掛かる。
再び唇が塞がれる。
恭平の指が体をなぞる。
体がガクガク震えて来る。
心臓が口から飛び出すかと思う程、高鳴っているのが分かる。
なぜ?どうして?
この状況が理解できない。
どうしてこんなことになったの・・・・・・?
この男がまぶしければまぶしいほど、自分だけが夜の闇に体をぐるぐる巻きにされていく。
そしてがんじがらめにされ、自由を失ったこの体をこの男が絡め取っていく。
何も出来ない無様な自分が情けなかった。
89幽霊よりも怖い話8:2007/03/18(日) 13:46:21 ID:UGK8ZVFe
その時、恭平が体を離した。
恭平はカタカタと震えながら、聞こえるか聞こえないかの声で
「どうして?どうして?」と繰り返し続けるスナコを黙って見下ろしていた。

今のこの状況は、普通の女の子にとっては、まさに夢のようなシチュエーションであろう。
恭平と唇を重ね、恭平の体の重さを感じ、恭平に触れられる・・・
一度でいいから経験したい、そう願う女の子たちをスナコは今までたくさん見てきた。
でもあたくしには分からない。
どうしてこんなまぶしい生き物に近付きたいのか?
あたくしには分からない・・・・
どうしてこんなまぶしい生き物に触れたいのか?
あたくしには分からない・・・
どうしてこんなまぶしい生き物に触れられたいのか?
あたくしには・・・・
スナコは両手で顔を覆った。
涙が止め処なく溢れてくる。

恭平はため息をついた。
「悪かったよ、怖い思いさせて。」
そう言うと、体を起こした。
「俺が出るから、オマエはここで寝てろ。」
「え・・・?」
「オマエは怪我もしてるんだし、ゆっくり休めよ。」
そう言い終ると、恭平はテントから出て行った。

「ううう・・・やっぱり外は寒いぜ。」
恭平はジャケットのファスナーを首まで上げ、空を見上げた。
青い月と降って来そうな数多の星たちが夜空を飾っていた。
あれらのどれかには、きっと地球のような生命体がいる星もあるだろう。
もしかしたらその生命体も笑ったり、怒ったり、泣いたりしながら毎日を送っているのもしれない。
でも中原スナコみたいな変なヤツ、そう滅多にいないだろうな・・・
そう考えたら笑いが込み上げてきた。
ホント、アイツ面白いよな。
ククク・・・軽く声を上げて笑いながら、テントの入口を振り返ってみた。

今頃アイツは何を考えてるのか?
どうせ下らない自問自答の堂々巡りでもしてるんだろう?
恭平はテントの入口を軽く叩いてみた。
案の定、返事はない。
90幽霊よりも怖い話9:2007/03/18(日) 13:47:38 ID:UGK8ZVFe
その通り、スナコは先程の問いを繰り返していた。
無論、答えなど出る筈もない。
スナコの辞書にはまぶしい生き物など存在しないからだ。

テントの中からスナコの声がした。
「どうして・・・どうして世間の女の子はあなたに近付こうとするんですか?」
「どうしてって・・・そりゃ勘違いも含めてオレのことが好きなんじゃねーの?」

「どうして・・・どうして世間の女の子はアナタに触れようとするんですか?」
「どうしてって・・・そりゃ好きだからじゃねーの?」

「どうして・・・どうして好きだと触れようとするのですか?」
「どうしてって・・・それが好きってことなんじゃねーの?」


「なあ、やっぱ寒いから中入れてくれよ。」
だがしばらく沈黙が続いた。どのぐらいの時間が経ったのだろうか。
「・・・どうぞ。」
中から震えるか細い声が返ってきた。

「あーあったかあったか。中はやっぱり暖かいねぇ。凍え死ぬかと思ったわ。」
恭平はシュラフに潜り込んだ。
スナコはテントの一番端に、空ろな目をして座り込んでいた。
流した涙の跡が残る顔に、長い黒髪が纏わり付き、先程男が触れた唇だけが、
妙に赤々と燃えるような艶を放っていた。
そんな姿は普段のスナコには見られない、憂いと色気を漂わせていた。

恭平は体が熱くなるのを感じたが、とりあえずさっきの話の続きを始めた。
「でさ、本題だけど、オマエがわからないって言ってた事だけどさ、
好きだから相手に近付きたい、好きだから触れたい、そういうのって本能でしょ?
頭で考えてするもんじゃねーよ。わかる?」
「わかりません・・・」
「オマエはひろしくんに頬擦りしたりするだろ?あれと同じなんだけど。」
「だってひろしくんは人形ですよ。」
「でも好きでもない人形には頬擦りしないだろ?」
「しませんよ。当たり前じゃないですか。」
「それと同じだとまだわかんない?」
「わかりません。」
91幽霊よりも怖い話10:2007/03/18(日) 13:50:01 ID:UGK8ZVFe
「じゃあさ、俺が今、何考えてるか分かる?」
「分かるわけないじゃないですか。」
相変わらずスナコは空ろな目をしたまま、無感情な声で答えていた。
恭平は一呼吸置き、ゆっくりと口を開いた。
「・・・・・オマエを抱きしめたいんだけど。」
その瞬間、スナコは先程の恐怖が蘇り、ゴキブリのようにテントの端にへばり付いた。
「なななな、なにを言ってるんですか!!」
「男は好きじゃなくてもできるけどさ、少なくとも俺は自分からは行かねーよ。
そんなのオマエだって知ってることじゃん。俺が自分から手を出したのはオマエだけだぞ。」
恭平はスナコをまっすぐに見据えた。
心を射抜くその視線が絡みついてくるようで、思わずスナコは視線を外した。
また心臓が高鳴り始める。
怖い時とは違う、心臓が下からすくい上げられるような不思議な高鳴りだった。
あたくしだけって・・・・?

「どうして・・・・?」
「どうしてって・・・だからそれが好きってことじゃねーの?」
スナコは硬直した。
「ちょっと待って!ちょっと待って!好きってなに?好きってなに??好きってなんなのよ!!?」
スナコは髪を振り乱し、頭を抱えてその場に突っ伏した。
恭平の言っていることがよく理解できない。
このまぶしい生き物が、何かの気の迷いかおかしなことを言い出した。
こんなの信じてはいけない。きっと何かの間違い。きっとそうよ〜〜〜!!

「寝不足は体によくないですよ。さあ明日の為に寝ましょう!」
スナコは急に別人のようなイキイキとした顔つきになり、おもむろに寝る準備を始めた。
何かどこかキレたに違いないこのパターンは、今に始まったことじゃない。
そんな姿を恭平は、ヤレヤレと呆れた眼差しで見つめた。
どうせまたおかしな現実逃避をしやがったんだろう。まったくこいつは・・・
「だーかーらー!俺はオマエが好きなの。好きだから触れたいわけ。理屈じゃねーよ!
でもオマエは俺といると嫌なんだよな?俺が近くにいるだけで怖いんだよな?」
スナコの動きが止まった。

確かに怖かった。
怖かったけど嫌ではなかった。
体が動かなかった。いや、動かせなかった。
そして心のどこかでこの状況を受け入れている自分に気付いていた。
怖かったのはそんな自分。
自分の意思とは裏腹に、この男を受け入れている自分自身が怖かった。
92幽霊よりも怖い話11:2007/03/18(日) 13:51:46 ID:UGK8ZVFe
長い長い沈黙が流れた。

「アナタが怖いのではないです・・・自分が怖いのです・・・
だからアナタといると怖いのです・・・・自分が自分じゃなくなるような気がして・・・」

スナコは俯いたまま、恭平にそう告げた。
これだけ言うのが精一杯だった。
このまぶしい生き物に負けたような気すらした。
でも誤解されているのはもっと嫌だった。

「それってさー・・・」
恭平はスナコの顔を覗き込んだ。
「良い方向に解釈していいの?」
「わたくしにもよくわかりません!」
スナコは顔を背けた。
「まあいいか。オマエさんにしては自己分析上出来。」
恭平はスナコの頭をぽんぽんと叩いた。
「まー寝ようぜ。取って食いやしねーから、安心しろ。」


そのまま2人は眠りに落ちて行った。


その日スナコの見た夢は、女を捨てる前のまだ中学1年の頃の自分の夢だった。
好きな男の子の話で盛り上がり、まだ経験していなかったキスのこと、ちょっとHなことを、
顔を赤らめながら、キャアキャア言って話していた頃の夢だった。

いつもとは違う、まぶしい生き物の吐息が感じられるようなこの小さな密室で、
浅い眠りの中を漂いながら、夢と現実との狭間で
「あの頃の自分が今の自分なら、どんな事を友達と話すのだろう?」
そんなことをぼんやりと考えた時に目が覚めた。
93幽霊よりも怖い話12:2007/03/18(日) 13:55:18 ID:UGK8ZVFe
恭平の寝顔がすぐ間近にあった。
その光り輝くその寝顔には、スナコの意識を宇宙にまで吹き飛ばす爆弾が
仕掛けられているかのようだった。
見つめていると、ふうっと意識が遠のく。
ダメだ、やはりまぶしくて見ていられない。

絹糸のような髪。
陶器のような肌。
切れ長の目。
長い睫。
そして・・・
その時、恭平の言葉が蘇ってきた。

『好きだから相手に近付きたい、好きだから触れたい、そういうのって本能でしょ?
頭で考えてするもんじゃねーよ。』

しばらく抜け殻のようになっていたスナコだったが、ふと何かに誘われるかのように、
眠っている恭平の唇に自分の唇を重ねた。
今迄何度か触れたことのあるその場所だったが、いつも突然で、いつも強引で、
まるで何も覚えていないことに気付いた。
初めて自ら触れたその場所は、ひんやりとそして柔らかかった・・・
はっと我に返った。

・・・あたくしったら何を・・・!

これが本能というものなのか?
何も考えず、このまぶしい生き物に触れてしまった。
これが好きということなのか?
いやっ!
慌てて体を引いた時、恭平が目を開いた。

「これで終わり?」

スナコは顔を赤らめたまま押し黙った。
説明なんてしなくても、この男には全部わかっているのだろう。
沈黙と夜の静寂が二人を包んだ。

恭平は無言で手を伸ばした。



そしてそのままスナコを引き寄せた。
94幽霊よりも怖い話13:2007/03/18(日) 13:57:24 ID:UGK8ZVFe
翌昼、2人は疲れ果てた顔で、懐かしの我が家へと辿り着いた。
「おかえりー!恭平、スナコちゃん。昨日帰って来なかったからびっくりしちゃったよ。
あれ!スナコちゃん足怪我しちゃったの?」
恭平に背負われたスナコを見て、雪之丞は驚いた。
「こいつオレ見て逃げて、斜面を転げ落ちたんだぜ。馬鹿だよな。
あやうく遭難するとこだったし。だから帰って来れなかったわけ。
ところで蘭丸と武長は?」
恭平は静かな家の中を不思議そうに見回した。
「また今日もデートだって。チェッ。みんなみんな男女で出掛けてさ。
俺も女の子と出掛けたいよ。」
雪之丞は口を尖らせながらそう言った。

「私たちのを男女のお出掛けの範疇に入れないで下さい。」
突然、幽霊のような形相のスナコが会話に割って入って来た。
「心霊スポット行って、怖さに磨きが掛かった・・・?」
相変わらずスナコの怖さに慣れない雪之丞である。
「で、怖い体験はできたの?」
雪之丞はスナコと恭平を代わる代わる見た。

「あー。できた、できた。ある意味超怖い体験をね。」
「ええ。あんな恐怖生まれて初めてです。」
「えーどんな?どんな??」
「内緒。行くの怖がったヤツになんか教えてやらねーよ。」
「えー!ずるーい!」

恭平はスナコを振り返った。
「2人だけの秘密だよなぁ。」
そう言うと、笑いながらスナコに目配せをした。
「ええ。誰にも言えませんよ。」
スナコはテーブルに頬杖を着き、あさっての方角を向いて呟いた。
95名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 14:01:49 ID:UGK8ZVFe
これにて終了です。
6年ぶりに書いたよ。
疲れた。

ではわたくしもこれにて消えます。

ヤマナデのパロものなんて、今迄考えたことなかったですが、
偶然見つけたこのスレで、こんな文章書けて楽しかったです。
96名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 20:06:11 ID:ihDPDCql
GJ!!!!!
2人のやりとりが凄い良かったです!!
またよかったら書いてください〜〜!
9712 ◆x59qz04G1I :2007/03/18(日) 20:17:24 ID:fsx3u+Oo
感動した!!!!!!1111
もう話もいいのに文章力もすごくて
スナコじゃないのにこっちがきゅんとするほどでした!!!

もし良かったら今後もぜひ書いてください!!!
激しくGJ!!!!1
98名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 22:41:28 ID:U8sIxREQ
GJです!
二人ともかわいい!
99名無しさん@ピンキー:2007/03/18(日) 22:58:33 ID:Me9oP9TF
GJ!!
二人のキャラをよく理解していてとてもおもしろかったです!!!
できればまた書いていただきたい(´・ω・`)
10012 ◆x59qz04G1I :2007/03/19(月) 15:49:28 ID:c8SKPVon
某曲を聴きつつキーボードをうっていたら
その曲のまんまで、やま無しおち無しエロ無しな物が出来上がったのだが
投下してもオk?
かなり歌詞と文がかぶるから投下していいかどうか・・・。
101名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 16:10:49 ID:9pXsKOPm
>>100
ぜひ。
このスレの活性のためにぜひとも。
ちなみに某曲とは?
10212改め能面 ◆x59qz04G1I :2007/03/19(月) 16:16:17 ID:petHRYD6
>>100
平●堅の「hug」っす


「結婚しました」的な設定です。。。
103能面 ◆x59qz04G1I :2007/03/19(月) 16:16:47 ID:petHRYD6
リビングの大きめのソファーには、大和撫子が座っていた。

ソファーを後ろから行儀の悪い犬のようにまたいで座る。もちろん彼女の後ろに。
先客が居るのを気にもせず、むしろ居たからこそずかずかと。
コーヒーを飲みながら先客はホラーDVDをみていた。
ほんとに夢中だな・・・と、行儀の悪い犬は呆れ顔になった。
まぁ、彼女は新品のテレビに釘付けなのでそんなことは知るよしもないのだが。

包むように後ろから抱きしめる。
大和撫子は気にしない。なんでもないという風に、コーヒーカップに口付けた。
初めて会って鼻血を拭いていた頃を思い出せば、物凄い進歩だ。

うなじに顔をうずめて、まさしく犬のように匂いをかぐ。
母親にするように、おでこをぐりぐりと押し付けた。
小さい頃、叶わなかったことを。甘えることをしてみる。
彼女は少しの間動かなくなった。でもそれは本当に少しのこと。
なんでもないというように、再びテレビに熱中。
これが当たり前、といわれているようで、綺麗な犬は小さな幸福感に包まれた。

甘く、馨る。

白い肌におでこではなく、唇を落とす。
さすがに驚いたようで、コーヒーを零しかけたようだ。
静止の声が聞こえた。けれどもそれが耳に入っても、綺麗な声だなんて考えるぐらいで
全く静止する気は起きなかった。

抱き寄せてこっちを向かせて、触れるだけの口付けを交わす。
抵抗をしないのも嬉しい。
唇を離す。顔をみると、少し切なそうに・気恥ずかしそうに眉をひそめて、頬を桃色に染めていた。
正面からしっかり抱きしめる。
ソファーのふわふわした感じが夢心地であった。
頬に耳たぶが触れる。
熱い。
初々しさに愛しさがこみ上げる。

今まで言ったことのないような愛の言葉を囁けば、
頬に触れるそれがもっともっと熱くなった気がした。

背中に細い手が回される。
お互いの体温を共有するように抱きしめあう。
至福の瞬間。
明日が来なくてもいいと思えるほどの、





それは幸せな二人の時間・・・。
104名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 16:23:37 ID:LCiPTPSR
そそそそれは是非とも読みたいです!!
105名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 16:26:51 ID:LCiPTPSR
お、すでにうpされかけてた 

スマソ
106能面 ◆x59qz04G1I :2007/03/19(月) 16:30:51 ID:WsCwGlB/
いえいえー

以上です。短いなー。
ではまた書き溜めたら投下します
107名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 16:40:35 ID:9pXsKOPm
情景が浮かんでくるようでした。
エロなしでもシチュエーションで萌えられますね。
GJです!!
またお願いします!
108名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 17:27:56 ID:ntsl/dbT
GJ!
109名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 19:43:28 ID:IHMIGDL9
GJ!!!甘える恭平にもえた!
最近投下が多いので嬉しい〜。
110名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 14:17:23 ID:XxwSBq6r
『幽霊よりも怖い話』を書いた元>39です。
GJ下さった方々、遅ればせながらありがとうございました。

気が向いたらまた書きたいと思います。
111名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 02:03:42 ID:MY5bXiCP
今日のアニメもぶっ飛んでて面白かった!
112名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 02:50:52 ID:V1jfTbdi
アニメ見逃した_| ̄|○
113名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 03:03:39 ID:GvDyGAZW
あいかわらずのぶっ飛びぶりだったな。
来週で最後とは寂しいよ。
どんな最終回を見せてくれるのか楽しみだ。
114名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 06:45:30 ID:Oycmt6U6
自分もアニメ見逃した…orz
めちゃくちゃ楽しみにしてたのに何やってんだぁぁぁぁぁぁ
115名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 21:27:02 ID:R0Fatjyx
昨日のアニメは恭平→スナコって感じでもえた。
116名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 12:09:27 ID:fWw2qBSm
来週最終回ですねなんで終っちゃうんだぁ
117名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 12:37:34 ID:U3AUSTrr
最終回か・・・
まぁDVDと漫画とドラマCDがあるさ・・・。
118名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 20:45:10 ID:c35hfzTX
少女漫画スレになかったのに初めてここ発見した。最近恭・スナ大好きなので嬉しい。2ちゃん読むばかりでほとんどカキコしたことないけど、投下したくなった。
119名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 21:21:42 ID:HeeoxHYO
>>118
いらっしゃいませー
投下楽しみにしてます!
120名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 21:47:10 ID:c35hfzTX
>>118ですが・・・
反応ありがとうございます。それではネタ考えますので、しばしお待ちを(*/ω\*)まとまりしだい投下するので、投下宜しくお願いします。
121名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 22:19:49 ID:/tgFumHX
神降臨!全裸で待機してます!wktk
122名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 22:22:45 ID:/tgFumHX
>>119
なんかIDカコイイ
123名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:18:49 ID:c35hfzTX
では、そろそろ投下しようと思います。
124名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:39:00 ID:/tgFumHX
お願いします!楽しみだー
125名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:41:50 ID:iRVoJ+9X
wktk!!!!
126名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:51:03 ID:HeeoxHYO
リアルで神に遭遇か!!
ワクテカワクテカ
127名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 00:09:59 ID:BXHi7rr7


 いつもの帰り道、スナコは急にあわてた顔で一言。
「あれ?あたくし学校に忘れ物した様です。取りに戻って来ますので、みなさん先に帰ってて下さい」
 そう言ってスナコは一人で来た道をさっそうと戻って行った。
「なんか、よっぽど大事な物でも忘れたのかなぁ?」・・・と雪之丞。
「そうだよねぇ。朝からウキウキまっくすで、早く帰りたがってたのに」
・・・と蘭丸。
「まあ、俺等も早く帰ってスナコちゃん帰って来るまでに、パーティーの準備進めとこっか!乃衣っちもすぐ来るだろうし」
・・・と武長。
「別にいんじゃねー?すぐ帰ってくるだろうし、先帰ってても」
・・・と恭平。
 そう、今日はハロウィンパーティー。スナコが一年の中で、一番楽しみにしている日である。4人は先に中原屋敷に戻り、せっせとパーティーの準備に取り掛かっていた。


「遅ぇっ!!誰の為にこんな怠いことやってると思ってんだ!?こっちは早く酒でも飲みてーんだよ!!」 恭平がいらついたようにまくしたてる。乃衣ちゃんを含めた皆が、まあまあっと恭平をなだめる。そこで武長が一言。
「でも、いくら何でも遅すぎない?もう8時まわってるよ。恭平、今から学校行ってスナコちゃん探して来てよ。もし入れ違いで帰ってきたら連絡するから」


「ったく・・・なんで俺が」 ブツブツと文句を言いながらも、恭平は一人でスナコを探しに出かけた。


128名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 01:41:24 ID:BXHi7rr7


「おーい、中原スナコ居るかぁ?」
 恭平がスナコのクラスの教室のドアを開けた。真っ暗な教室の隅には、一瞬幽霊が居たのかと思った。
「なんだ、ここに居たのか。早く帰んないと、管理人に閉められちまうぞ!みんなも待ってるし」
 気を取り直した恭平がスナコに近づく。まぶしい光に気付いたスナコだったが、よほど大事だったであろう物が見つからなかったのか、そのまま制止している。
「オマエ本当にコワイな。何無くしたんだよ!?一緒に捜してやっから」
 はぁーっと溜め息を吐きながら恭平がやれやれといった感じで、さらに近づく。スナコはボソリと呟いた。
「クラスのお友達とお揃いで買った、カボチャのストラップがなくなって・・・気に入ってたのに」
しょんぼりと俯くスナコに恭平は言った。
「そんなもん明日捜しゃいーだろ!みんな待ってんだよ!!」
「そんな物とは何ですか!?」
 それから、しばらく口論が続いた後、廊下を歩く人の気配を感じた。恭平はスナコの口を掌で塞ぎ、耳元でそっと囁いた。
《静かにしろっっ!!管理人来ちまった。こんな時間に暗闇ん中、教室居んのバレたら怪しまれんぞ》
 至近距離で、耳元で囁かれたせいか、スナコは気絶してしまった。
 恭平はスナコの体を教卓の下に隠して、自らも隠れた。管理人らしき人物は、外側から一瞬だけ確認して、扉に鍵を掛けて去っていった。
 ふぅー、バレなかった・・・と喜んでいる場合ではない。ドアは鍵が掛かって出られないし、気絶したままのスナコを背負って窓からダイブ・・・と言うわけにもいかない。
「どうしよう・・・?」
 そんなこんなで、あれこれ考えを巡らせていると、スナコが寝言を発した。
「んー・・・カボチャ・・・無い・・・カボチャ・・・」
 恭平はまた溜め息を吐いて、スナコの寝顔を見た。真っ暗な教室で、月の光だけが視界を保ってくれる。 月光に照らされたスナコの顔は、さらに一段と蒼白く見えた。恭平は何かに誘われるよう、無意識のうちにスナコの唇にそっとキスをしていた。
129名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 04:14:55 ID:BXHi7rr7


 しばらくして、唇を離すとスナコは目を覚ましていた。呆然としながら、身体を小刻みに震わせている。 せっかく目を覚ましたのに、また意識が遠退く。
「おい、いい加減起きろよ」 両手で無理矢理、身体を引っ張り起こしてみる。
「なっ・・・何をするんですかっっ!!?」
 我に返ったスナコは、さっきよりも激しく身体を震わせ、顔を背けながら小さな声で言った。それに対し恭平は
「オマエのせいで閉じ込められちまったんだろーが!!あーぁ、アイツら今頃楽しくやってんだろーな。ハロウィンパーティー」
 忘れてた・・・!スナコはショックだったのか、また俯いている。ハロウィン出来ないし、カボチャのストラップ見つからないし、オマケにまぶしい生き物とこんなところで、朝まで二人きりで過ごさなきゃならないなんて・・・。スナコはがっくりとした表情でうなだれた。
「あー、もう暗くなんな!コワイから。こっちだって嫌なんだよ、こんな床でゆっくり寝れもしねーは、しかも寒いはで!!」
 恭平は床に座り込んだまま、スナコの腕を引き寄せた。 スナコはバランスを崩し、そのまま恭平の上に覆いかぶさるように倒れた。しばらくの間、沈黙が続き
「す・・・すみませんでした」
 スナコはなるべく恭平と目を合わさないよう、俯いたままそう言った。
「おう」
 スナコは一刻も早く、恭平から離れようと身体を起こそうとするが、恭平はそれを拒み、スナコを抱き寄せる。
「ふーぅ、あったけぇー」
 そう言ってすり寄ってくる。頭を擦り付けながら、まるで猫の様に。スナコがしどろもどろしていると、今度は首筋に唇を這わせた。軽くそっと触れる様に。「や・・・やめっっ!!」
 スナコが怒りで叫びながら突き飛ばそうとすると、それよりも先に恭平が唇を塞いできた。
「っ・・・うっ」
 無論、スナコは恐怖で力が抜けてしまい抵抗できない。先程とは違う、濃厚なキスに涙を浮かべ、ただ震えている。それでも恭平は止めなかった。舌を絡ませ、執拗に口の中を掻き回す。

130名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 07:42:03 ID:BXHi7rr7
だらだらと遅くてすみません。あとで、ちゃんと続き書くんで(´ω`)
131名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 11:42:57 ID:BXHi7rr7


 唾液が交ざり合う、とてつもなく長いキス(スナコには長く感じられた)をしたまま、恭平はスナコの制服のファスナーに手を伸ばした。微かに唇が離れて
「気絶なんかすんなよ」
 そう言って今度はブラウスのボタンに手を掛ける。 スナコは恐怖で動くことすら出来ない。白く滑らかな肌が露になった。恭平はスナコの首筋から耳たぶへと、優しく口付けをしながら、片方の手は肩から胸元へ滑らせ撫でるよう様に愛撫する。
「っっ・・・!!!」
 スナコはか細く声にならない悲鳴をを上げ、反射的にびくりと身体を仰け反らした。その反応を見逃さなかったのか、今度は舌で先端を弄ぶ。
「んっっ・・・あっ・・・!!」
 恐怖と羞恥心が交ざり合い、スナコは頬を薄紅色に染める。身体が火照って行くのが分かる。恭平はさらに手を伸ばし、スナコの衣服をすべて剥ぎ取った。華奢でしなやかな肢体が、すべて露になった。
132名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 15:46:02 ID:rsBdOtix
(*´д`*)ハァハァ
133名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 23:45:50 ID:BfE8/pdg
続きが気になる!!
134名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 00:51:42 ID:awjvu1fH
続き楽しみにしてます!!!!!!!!(*´Д`)
135名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 00:59:15 ID:HNbs304b
保守
136名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 04:11:15 ID:3WtE9u5K


 次第に細く長く骨張った指先が、スナコの中を侵食し掻き乱していく。ぬるりとした生暖かいものが、恭平の指に絡み付く。スナコポロポロと涙を零しながら、懇願するが恭平は動くことを止めない。
「あっ・・・ん・・・ふ」
 恭平は限界に達していたのか、スナコの中に自分自身を深く沈み込ませた。初めて体験する痛みに、スナコは身悶えた。いつの間にか自分から恭平の背中に回し、爪を立て喘ぐ。

137名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 05:31:58 ID:3WtE9u5K
たびたび申し訳ないですが、誤字脱字多くてすみません゚。(p>∧<q)。゚゚
138名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 19:51:24 ID:3WtE9u5K


「・・・・っつ!!・・・引っ掻くな」
 恭平の背中にうっすらと血が滲む。一瞬、動きが留まったかのようだったが、再びスナコを抱き寄せ、執拗に掻き乱す。鼓動が重なり合い、湿った躰がさらに熱を増していく。
「ん・・・ふっ・・・・あぁ・・・・!!!」
 スナコは身体をびくびくと震わせながら、回した手に一層、力を込める。
「!!!」


 その瞬間、恭平はだらりと身体中の力が抜けた様、倒れこんだ。繋がった場所から、体液が交ざり合うのを感じた。
139名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 23:01:45 ID:LLenjhCn
乙です(*´Д`*)ハアアアン
140名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 05:00:45 ID:OIFN3kls
長々すみません。もうちょっとだけ書いて終わります。
141名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 06:14:53 ID:OIFN3kls


 しばらくの間、沈黙が続いた。かろうじて服を着ることは出来たが、スナコは放心状態のまま、座り込んでいる。そして、か細く呟いた。
「ど・・・どうして・・・・?」
 恭平も俯きながら
「・・・・悪かったよ・・・って、謝って済むことじゃないか」
「酷すぎです!!あたくしがまぶしいの苦手なの、分かってて・・・!!!」
「だから謝ってんじゃんか!!」


 言い争った後、スナコは震えながら
「ほ・・・ホントに死ぬかと思ったんですから!このまま溶けて朽ち果ててしまうかと!!」
「死ぬわけねーだろ」
 恭平は後ろから、優しくスナコを抱き締めた。
「傍に居ろ・・・」
 スナコはびっくりした様子で振り返った。恭平はしばらく黙りこくって、ちょっと目を逸らしながらも、照れた表情でぼそりと呟いた。
「好きだ・・・・・」


 一瞬、スナコは何が何だか分からず、固まってしまった。この、まぶしい生きものがあたくしのことを好き?そんな馬鹿な・・・!!何かの間違いだわ。そうよ、聞き間違いに決まってる。
142名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 16:57:49 ID:OIFN3kls


 スナコはぶつぶつと独り言(?)を言うかの様、自問自答を繰り返す。
「オマエなぁ、全部聞こえてるから。って言うか、この俺がここまで言ってんだぞ!!」
「だ・・・だって理解出来ません。あなたの様な美しい人が、よりによって、あたくしなんかを・・・・・」
「そんなもん理屈じゃねーだろ!俺だってわかんねーよ。とにかく、気付いたらそうなってたんだから、仕方ねーじゃんか!!」
 スナコはしばらく黙り込みながらも考えていた。まぶしいものは苦手。苦手なものはしょうがない。とても怖かったけど、嫌ではなかったことに気付く。好きとかは全く分からないけど、確かに心の何処かで、このまぶしい生きものにひかれていると・・・。


 突然ガチャリという音がした。その後
「き・・・君たち何してるんだ?」
そこに立っていたのは 先生だった。
「ご・・・ごめんなさぁーい」
 二人は一目散に走って逃げ出した。
「あー、疲れた。今日フケるか?アイツラもまだ家に居るだろーし」
「はい」
 

 家に着くと、武長、蘭丸、雪之丞、乃衣ちゃんがリビングで眠りこけていた。 もう、起きなければならない時間なのに。お菓子の残りや、酒瓶がちらかったままだ。二人の気配に気付いたのか、皆が目を覚ました。
「もう、何やってたのよ!」 乃衣ちゃんが言った。それに続いて、皆が二日酔いのせいか、頭を押さえながら責め立てる。
「えっ・・・いや、あの・・・・捜し物してたら鍵掛けられちゃって」
 恭平が答えた。
「うー、気分悪るっ!今日休むか」
 蘭丸は言った。
「俺も・・・」
 雪之丞も頷く。
「真面目な俺が二日酔いで学校休むなんて・・・」
 武長も溜め息を吐きながら仕方なく同意する。
「じゃあ、パーティーやり直すか!オマエ、飯作れ!!」
 恭平がスナコの方を見て言った。
「はいっ!!」
 スナコはいつの間にか、微笑んでいた。
・・・《あれ?スカートのポケットに何か入ってる》「こんなところにあったのね!カボチャのストラップ」
 スナコはウキウキしながら、キッチンで料理していた。
143名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 17:00:36 ID:OIFN3kls
 以上です。まとめるのヘタクソで長々とスミマセンでした(;´∩`)
144名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 19:48:58 ID:welfE47E
乙!!!
145名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 21:05:09 ID:eX/G8CX5
GJ!!
146名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 00:11:57 ID:hD+dTBfn
GJ!!!!!!!!(*´д`*)ハァハァ
やっぱり恭スナ萌えー。
14712改め能面 ◆x59qz04G1I :2007/03/29(木) 14:56:43 ID:+2oUU5CI
GJ!!萌えました(*´∀`*)

再び恭スナをかいています。
今度はちゃんと全部できたら投下しますね。
蘭嬢はまたいつかきっと・・・
148名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 15:31:16 ID:wh585UFM
>>147サソ楽しみにしてます。
ところで、原作では雪も彼女居るのにね(o‘∀‘o)やっぱ絵が違うから受け入れられてないのか?
149名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 21:43:20 ID:XXaaBr/Q
>>能面さん
私も楽しみにしてます!

アニメの最終回はなにげなく武長と乃依っちが
べったりくっついてて萌ました。
150名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 16:40:35 ID:Br+2Wf1/
恭スナのエロパロが読めるなんて‥夢のようだ
もぅ死んでもいいくらい嬉しいよ

スナコ好きだー!!!!!!!!!
だが恭スナの方がもっと好きだー!!!!!!!!
151名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 23:40:50 ID:peB+gOue
やはし恭スナが一番萌えますな(*´Д`)

152名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 11:10:43 ID:OpCJio9k
恭スナ萌え過ぎる
ここいらでまた恭スナ見たいな〜age
153能面 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:35:51 ID:g0SlUm26
では出来たので投下します。
恭スナで両思い(になる?)編

5レス消費
1541/5 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:38:37 ID:g0SlUm26
色とりどりの庭の薔薇から、それを見つけた。
完全ではない、欠けた円形・・・。
漆黒の夜空には、十六夜の月が爛々と輝いていた。




「何みてんの?」
後ろから聞こえる声は、彼女にとって存在感の強すぎる人の声。
「みてわかりませんか?」
――――――・・・近づきたくない・・・・・・。
それがスナコの本音。言葉は自然と刺々しくなる。
「わかる。薔薇。」
「わかってるじゃないですか。」
恭平は気にもせずに続ける。
「綺麗だな。なんて―の?」
隣に立つ。顔を覗き込む。
「・・・。」
無言。
スナコは内心焦っていた。この前の行動、この男を受け入れてしまった行動。
あんなことをしてしまった自分が恥ずかしい。
ましてやその相手が今となりにいるのだ。

呆れたように恭平は言葉を紡いだ。
「会話のキャッチボールとかもうちょっと考えろよ・・・。なんか気まずくなるじゃん。」
心臓がバクバクいってる。そんなこと悟られたくない。
声なんか出したら裏返りそうでスナコは怖かった。
まだ無言。
スナコは黙って薔薇の小さな蕾に触れようとした。
「ィたッ!」
反射的に手を引っ込める。棘で切ったのだ。
真っ赤な血が指先で膨れて滴り落ちていく。
・・・案の定声は裏返った。
顔が一気に赤くなる。耳たぶが熱い。

とりあえず止血しようと、形のよい唇へ指を持っていこうとしたときだった。
恭平の手が、スナコの手首を掴んだ。
傷は意外にも深いらしく、血は止まらない。
スナコの手の甲を滑り落ちると、恭平の骨ばった手にも滴り落ちていった。

指先を、口に含まれる。

温かい。
スナコはますます赤面した。
じんわり視界が濡れさえした。

羞恥心。

今のスナコを支配している感情はこれだけであった。
1552/5 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:39:41 ID:g0SlUm26
体中の血が煮えたぎっているようだ。
舌で舐めたり吸ったり・・・、玩ばれる指先から血は熱くなっていく。
「な・・・、ななにしてるるるんですか・・・?!」
回らない口。砕けそうになる腰。
何とか立って正気をたもつ。
一頻りスナコの指を味わい、恭平は口を離した。
恭平もほんの少し赤くなっている。
「・・・なにって・・・消毒?」
少しだけ恥ずかしそうに言う。
その言葉にスナコは殺意さえ抱いた。
口が金魚のようにパクパクと動く。
言葉にならない声が闇に消える。

相変わらず真っ赤な頬と潤んだ瞳と、困惑気味に歪んだ表情が愛らしかった。
頬に両手を添える。吸い寄せられるように口付けをした。

「!ッ・・・んン・・・ゃ」
くぐもった声が漏れる。
キラキラと涙が滑らかな肌を落ちていった。
顎を固定されているので顔を反らすこともできず、スナコはされるがままであった。
下半身がじゅん・・・と疼いた。

口が離れる。必要以上に深かったそれは、二人の間を繋ぐ銀の糸が証明した。
焦点の定まらない切なそうな瞳が恭平を見上げる。
『ぁ、やばい、我慢できねぇかも・・・』
恭平は背中に冷汗が走るのを感じた。
ここまでしておいてなんだが、スナコの気持ちをまた無視してしまったことの罪悪感。
それに比例するような押さえの聞かない高まり。

肩に手をおきぐいっと勢いよく距離をおく。
スナコが転びかけたようだが気遣う余裕が恭平にはなかった。
腕を張ったまま俯いて肩を落とす。
『・・・またやっちまった・・・。』

そっと手を離す。
スナコは少々驚いた顔で恭平を凝視した。

「わりぃ・・・また勝手に・・・。早く寝ろよ?お休み。」
まだ俯いたまま恭平は踵を返した。
このままここにいたら・・・また前と同じことを繰り返してしまうかもしれない。
だいたい、スナコはまだ恭平のことが好きではないのだ。

『・・・いっておきますがあたくしはまだ貴方のことが苦手ですからね?眩しい生き物。』

あの言葉が頭を過ぎった。


少し早足になる。スナコはまだ固まっているのだろうなと、考えたが、
やはり戻って引っ張っていくという気遣いはできなかった。

その時だった。
1563/5 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:41:32 ID:g0SlUm26
何かに上着の裾を、ちょっとだけ掴まれ、恭平は動きを止めた。
他の下宿仲間は寝ている。おばちゃんなら派手に登場する。乃衣が来てるならまず武長の所にいく。

まぁ、こんなことを考えずとも答えはわかりきっている。
スナコだ。
裾を掴んだのはスナコしかいない。

夜風が頬をなぞった。火照った体に涼しい。

恐る恐る、後ろを振り返る。
極度に俯いているスナコがいた。
これでもかというほど掴んだ手に力をこめているのがわかった。
「な、なんだよ中原スナ」
「ずるいです!!」
大声で言葉を遮られる。
唖然とする恭平・・・。何が?という言葉しか頭の中に浮かばなかった。
まくし立てるようにスナコは続ける。
「するいです!そうやって人の意見を聞かずに自分のやりたいことばっかやって!私の気持ちも知らないで!!」

胸が、痛んだ。
『やっぱり、嫌だったよな・・・。』
大きい手で、スナコの頭を撫でてやった。
「悪かったな・・・、今まで。もう手ぇださねーから・・・。」
前に・・・最中にスナコは小さく頷いた・・・。思えば頷く状況を作ったのは自分だった。
・・・あれは、スナコの意思ではなかったのかもしれない。
「そうじゃねーです!!」
顔を勢いよくあげて怒鳴るスナコ。
あまりの迫力に仰け反って距離をとってしまった。
「あたくしが!あたくしがどんな気持ちで!!」
それでもスナコは恭平を強制的に自分に向かい合わせ、背伸びをし、胸倉をつかんで詰め寄る。
「だ、だから悪かった・・・て?!」
どすん、と、鈍い音が広い広い夜空に吸い込まれていった。
スナコは勢いあまって恭平と共に柔らかい芝生の上へと倒れこんでしまったのだ。
「あたくしの・・・!本当の気持ちなんて・・・!!!」
月影が二人を照らす。

柔らかくて温かいスナコの肢体がのしかかる。
先ほどスナコが眺めていた薔薇がこちらをのぞきこんでる。
打ちつけた背中が痛いと恭平は思った。
阿呆なようだが何か違うことでも考えていなければやばいというほど
恭平の理性はギリギリのところに立たされていた。

スナコは恭平の胸元に顔をうずめたまま、小刻みに震えながら動かなくなった。
「な・・・中原スナコ?」
流石に恭平は心配になり、肩に手をおき揺さぶってみた。
そのとき、スナコは搾り出すようにさっきと同じようなことを繰り返した。
「あたくしの・・・本当の気持ちも知らないくせに・・・。」
「・・・?!」
もちろん恭平にはどういう意味か解らなかった。顔をしかめる。
そして先ほどと同じように顔を勢いよくあげてスナコは言った。

「嫌いじゃないって!嫌じゃないって言ってるじゃないですか!!何で解らないんですか!!」
悲鳴にも近いその声は、ますます恭平に混乱を呼んだ。
1574/5 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:43:12 ID:g0SlUm26
「・・・・・・いや・・・、だから、好きでもないんだろ?」
「だから!!嫌いではないと!」
「だーかーらっ!それは好きってことじゃねーんだろ?!好きでもねー奴にあんな事されんのやだろ??!」
「当たり前です!好きな人じゃなきゃ嫌に決まってるじゃないですか!」
「だから、もうしねーって!」
「ですから、」
「好きじゃねーんだろ?!!」
「好きですよ!!!」
「!!!」

いつかどこかで聞いたことのあるようなマシンガントークの口喧嘩が止む。
辺りは静かな闇に包まれた。
「・・・いま、なんて?」
「ですから・・・!眩しい生き物の貴方が・・・・・・好き・・・なんですよ・・・。」

月明かりが逆光になり、周りがよく見えなくなっていた恭平。
ようやく闇に目がなれてきて、スナコの表情が見えた。

まだ真っ赤だ。そんなに恥ずかしかったのか。首まで真っ赤に染まっている。

辺りが静寂に包まれる。

馬乗りの状態から徐々に顔を近づけてくるスナコ。
唇と唇が触れ合う。

重ねるだけのそれは、恭平にとって生きてきた中で一番幸せなものとなった。

恭平はスナコをきゅっと抱き寄せ、鈍い動作で芝生の上を半回転した。
途中、珍獣のような色気のない小さな悲鳴が聞こえたが構いはしない。
今度は恭平が上にいる。
月光に照らされ余計スナコの顔が綺麗に映える。
今度は恭平から口、頬、目尻、額・・・とキスの雨を降らす。
スナコはずっとくすぐったそうに目をつぶっていた。
正直、鼻血を噴きそうであった。しかし、流石に鼻血を噴いてはいけないと思い、懸命に我慢していた。
「・・・ずるいってのは?どういうことだ?」
ふとスナコに聞く。
「・・・いっつも勝手にやりたいことやってずるいと。そのままの意味です。」
いつかのように赤面がそっぽを向いた。
「じゃあ、勝手じゃなきゃいいのか?」
クスクスと苦笑しながら恭平はスナコに問うた。
「・・・。」
スナコは押し黙ったままだ。
「俺はお前が好き。お前は俺が好き。で、俺は今とてつもなく中原スナコに触れたいんだけど?」
「・・・。」
まだ赤面。
「いいか?」
スナコは返事をしなかった。
ただ今度は確かに大きく頷いた。
恭平は無邪気に笑った。

「じゃあいただきます。」
言うが早いかゴソゴソとトレーナーの下に手をもぐりこませる恭平。
「こ、ここでですか?!」
「いやか?」
「せ、せめて屋内で、っふ・・・ぁっ!」
あせるスナコ。しかし次の言葉は恭平によって防がれた。
「・・・悪い、我慢できねぇ。」
1585/5 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:44:09 ID:g0SlUm26
――――――・・・・・・繋がった個所を中心に体中が熱い・・・。

「ふッ・・・ア・ぁあ・・・・・・!!」
歯を食いしばっても声はどんどん溢れる。
「気持ちイイ?」
不敵な笑みを浮かべて男が問う。
「ぁ・・・うっ・・・・ふ・・・っ・・・・・・!」
答える暇なんてない。
男自身が中で暴れているからだ。
スナコはただ揺さぶられるがままに、いやらしく喘ぐ意外には
言葉を発することは出来無かった。
「なぁ・・・名前呼んでくんない?」
少し動きがゆっくりになった。まぁ止まってはいないのだが。
そのゆっくり加減がじれったく、思わずスナコは腰をもじもじと捩った。
「スナコ・・・。」
ピクンッ、と体が反応する。この眩しい生き物に名前を呼ばれただけで・・・。下の名前を呼ばれただけなのに。
スナコは左手の甲を唇に押し当てて、少し節目がちに戸惑った。
そしてすぐに小さく声をあげた。
「・・きょう・・・へぃ・・・?」
やけに芝生がくすぐったい。
そのせいかは解らないが声が半分裏返ったような変なものになってしまった。
それでも恭平は本当に嬉しそうに笑って
「よく言えました」
と言い、スナコに深い口づけをした。
舌と、舌を絡める。
頭の中が真っ白になるようだった。恭平も、スナコも。
動きが急速に早くなる。
「っ!・やっ、あ・・・はん、ぁ、・・・あ!」
口はだらしなく半開きになる。
嫌だと思って自分の腕を口に押し当てるスナコ。
しかしその腕は恭平によって取り払われる。
「っや、きょ・・・・へ・・・・ぁ・!」
「わり・・・もう・・・っ!」

二人は同時に果てた。
縮小するスナコの中に白濁した熱いソレが溢れる・・・。

・・・しばらく絶頂の余韻に浸っていた二人。
だが恭平はあることに気付く。



『・・・コンドーさん忘れた・・・!』



夜風が円を描いて恭平の元を走り去っていく。
「まぁ・・・。いいか。」
恭平はため息混じりに呟いて、ぐったりしているスナコを抱き起こした。
鎖骨にもたれるスナコ。
「・・・責任はとるから。」
少し嬉しそうに恭平は呟いた。
だがぐったりして意識朦朧なスナコには、・・・この言葉の意味がわからなかったとさ。

少し欠けた十六夜の月。
少し欠けた十六夜薔薇。

それらのように不安定な二人。

しかし共有した幸せは、満月のごとく満ちている。
159能面 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:48:03 ID:g0SlUm26
以上です。
あああまとまりなくてすいません;

ではしばらく名無しに戻ります。。。
160能面 ◆x59qz04G1I :2007/04/01(日) 18:54:02 ID:g0SlUm26
書き忘れ。
出てきた薔薇の名は十六夜薔薇です。実在します。


それにしてもスナコ真っ赤っかwwww
161名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 18:54:37 ID:mDgYrNqv
リアで読めるとは…。

GJ!とてもキレイな文章でした。
162名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 19:08:31 ID:RyB+efeo
萌えました(/_\;)
163名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 19:31:18 ID:PYP/YOGL
萌えすぎて死にそうになった!!!!!!!!!!
GJでした(`・ω・´)
164名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 20:35:20 ID:xgAdn7AU
感想ありがとうございます(´∀`)


それにしても原作五巻の赤頭巾の小話を見て狼恭平にスナコが食べられちゃえばいいのにとか、
悪い狼(蘭丸?)に食べられたスナコを猟師恭平が救出した後に、やっぱりスナコを食べちゃえばいいのにとか考えてしまう俺は末期。
165名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 20:49:14 ID:PYP/YOGL
>>164
いえ!また良い恭スナパロお待ちしてます!!!!!!!!!!


大丈夫です!
それ俺も思ったから…wwwww
166名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 23:30:19 ID:f7/QdyFb
GJGJGJ!!!!!!!

能面様天才ですな!
167名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 01:25:14 ID:U+ChCT1H
再びですが、今度は短めでエロなし恭スナ書いていいですか?
168名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 02:53:13 ID:C4B5sWgc
>>167
お願いします!
恭スナ大好物なのでたくさん読めて幸せだぁ
169名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 03:57:41 ID:DxRosev8
>>167
是非お願いします!!!!!!!!
170名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 06:35:16 ID:U+ChCT1H
ありがとうございます。では投下しようと思います。ちなみに、前回はだらだらとカボチャストラップ書かせてもらったものです。
171名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 10:18:53 ID:KTVTnXCK
>>170
まずsageろ。それとも釣りか?
172名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 12:08:05 ID:DxRosev8
>>171
まぁそんな怒るなよ(´・ω・`)
せっかくの神がいなくなっちゃうじゃん
173名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 12:24:48 ID:KTVTnXCK
>>172
本当なら半年ROMれと言いたいところだよ
174名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 17:28:18 ID:s0RD2pM4
別にsage進じゃないだろ。
バンギャだろ、sage進に深くこだわるのって。
口調が偉そうなのも特徴w


>>170
気にせず投下頑張ってくれ。
175名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 17:59:25 ID:U+ChCT1H
>>170ですが・・・すみません。私バンギャだけど、全然sageとか気にしてなかった(´`)出来しだい投下します。
176名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 18:47:17 ID:e3DJdesA
マターリいきましょうよ。
ここのスレはただでさえ書き手が少ないんだからさ。

>>170さん楽しみに待ってるよ〜♪

昔に読んでいたスレは書き手が多くて、(10人以上いたんじゃないか?)
話は面白いけど遅筆な人は、間にどんどん別の話が投下されちゃって、
読んでいる方も話を辿るのが大変なんてことがあった。
そこはそういう意味では殺伐としていたな。
その代わり、いつ行っても新作や続きがウプされてて面白かったけど。
177名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 20:26:56 ID:KTVTnXCK
バンギャじゃないけど…

すまん、言い過ぎた。
投下しにくくして悪かった
178名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 00:01:16 ID:KqNHvV0L
マターリマターリ(*´ω`*)
179では、投下します:2007/04/04(水) 01:14:32 ID:nVN/sITD
 それは、ある日のことだった。スナコは自分の不注意から、恭平の顔に怪我をさせてしまい、(無理やり3人に説得され)看病することになった。
「す・・・すみませんでした」
 スナコはペコリと頭を下げ、枕元に苺をおいた。
「オマエなぁ、ホント凶暴なんだよ!テーブル投げるか?普通」
 一瞬ムカッとしたものの、改めて恭平の顔の傷を見て、スナコは焦った。
《どうしよう・・・あたくしが怪我させてしまった。この美しい顔に傷を付けてしまった。もし、一生消えないなんてことになったら・・・・・!!》
「お・・・お詫びなら何でもしますから、どうかお許しを。苺アイスでもエビフライでも・・・・」
「ふーん」
 スナコが冷や汗たっぷりに震えていると、恭平が少し意地悪そうに笑った。そして一言。
「じゃあさ、ちゅうしてよ」《何を言いだすかと思えばこの男・・・殺してやろうか!!》
 そんなことを考えていると、恭平がスナコの腕を引き寄せてきた。
「何でもしてくれるんじゃなかったっけ?」
 耳元で訴え掛けられ、スナコは不覚にも鼻血を吹いて、気絶してしまった。恭平は、やれやれとスナコを抱き上げ、そのままゆっくりと背中に腕をまわした。優しく頭を撫でて、微笑を浮かべる。
「ま・・・いっか。今はこれで」
 そう言ってスナコの寝顔を見つめ、頬に軽くキスをした。
180名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:21:51 ID:nVN/sITD
以上です。
181名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 04:25:13 ID:m7MmTAS0
萌えた(*´д`*)
GJでした!
182名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 21:08:23 ID:Eo+qppt2
みなさんGJ!
萌へ〜vvv
183名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 21:31:24 ID:7mNZCmhQ
アニメが終わっちまって原作もコミック出たばっかで
しばらく新しい餌がもらえないところで
(あ、ドラマCDがあるけど ・・・呉ス路利メインっぽいからなぁ)
このスレの職人さんは ネ申 です。
ごちそうさまですた。

やっぱ恭スナだねぇ。
184名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:00:58 ID:WZO7+9kY
GJ!
185名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:54:14 ID:nVN/sITD
感想ありがとう。また機会あれば、宜しく(*´∀`*)
186名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:50:48 ID:iKhv69Nk
神の皆様方GJです!恭スナサイコー!

ドラマCDはゴスロリメインなのか…
ちょっとガッカリだな
四人がスナコちゃんにトキメク話は好きだけどw
そういえば別フレ5月号ってヤマナデお休み?
187名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 19:24:13 ID:/AGNSqSs
ほっぺにちゅう萌へww
188名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 08:49:34 ID:y68Zl0qT
このスレ神だらけ(´Д`)ハァハァ

またの降臨期待しまくりです。
189名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 15:15:49 ID:euD91lf9
原作四巻の十七話最後のページの最初のコマで
恭平が何気スナコのパンツ見てるように見えてわらたw
190名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 03:03:22 ID:FHPHukQ4
別フレ予告なかったよね。けど5月号に続くってなってた。たぶん休みかな?
191名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 17:20:39 ID:wrOq2LJm
神降臨あげ
192名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 17:41:13 ID:W+0NRwv3
神待ち(`・ω・´)
193名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 16:46:34 ID:8mMEqDxP
今月休みだったね。残念(´ω`)
194名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 17:23:51 ID:v0fQ/oWe
>>193
マジかー
すごい楽しみにしてたのに残念だ(´・ω・`)
195名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:08:33 ID:7RXIAoyo
能面す

ただいま蘭嬢執筆してます。が、どうにも進まないので誰かアドバイスを…
196名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 20:30:05 ID:4gCx3qU6
>>195 能面さん

美味しいお魚でもいただきましょうということで、蘭丸とお嬢様はじいの運転で伊豆の老舗旅館にお食事に行く。
その旅館は山の上にあり、そこまでの道は一本しかない。
二人が食事をする間、じいはお嬢様の母上に頼まれたお土産を網元迄買いに行く。
しかし食事中、突然の豪雨が。
先週の台風で緩んでいた地盤がこの豪雨で一気に崩れ、唯一の道は土砂崩れで流され旅館は陸の孤島に。
災害復旧には時間が掛かり、蘭丸とお嬢様はふたりきりでその旅館に泊まるしかなくなった。

というのはいかが?
197名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 01:54:43 ID:VI25K2we
>>196
ちょっといじって使わして頂きます(*´д`*)
ありがとございます!


でもかなり時間かかる気がする。。。
198名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 17:56:32 ID:66Ii+I6S
楽しみに待ってます!!
199名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 18:04:40 ID:aQsU6TSB
次の投下があるまで繋ぎということで投下させて下さい。

恭イライザ→恭スナ
200恭イライザ→恭スナ:2007/04/14(土) 18:08:53 ID:aQsU6TSB
ギッ………ギシッ……

深夜、眠りに就いていた恭平は微かな物音で目を覚ました。

「ん……だよ?」

未だ寝呆けた眼を擦りながらよく凝らして見てみれば薄ぼんやりとした人影が見える。

「ッッッ????!!!!!!!!!」

声に為らない叫び声を上げる恭平に、白く細い手がすぅっと伸びてきて恭平の頬にぴとりと触れてきた。
その手の冷たさに、恭平はふと我に返った。

「な、中原スナコ??!」

「イライザよ。」

「はァァァァッッ??!!!!!
何言ってんだ、テメェー笑えねェんだよッ!!!!」

慌てた恭平は飛び起きて上から押さえ込むスナコ、もといイライザを跳ね退け様とするが、両手首を紐で拘束された上に元はスナコの体だけあってがっちり押さえ込まれてはびくともしない。

「あの時はひどい目にあったわ。
やっと出てこれたんだもの、あの時の分も含めてたっぷり楽しませてもらうから覚悟なさい。」
201恭イライザ→恭スナ:2007/04/14(土) 18:10:17 ID:aQsU6TSB
ふふと楽しげに笑うイライザは、ぷちぷちと恭平のパジャマのボタンを外していく。

「おいッ!!!お前いい加減にしろよ。」

ジタバタと抵抗をしてみせるも、無駄な徒労に終わる恭平をイライザはふふんと鼻で笑った。

「嫌がってるのも今の内よ。
直ぐに良くなるわ。
おとなしくなさいな。」

パジャマのボタンを全て外すと、恭平の胸板へ舌を這わしていく。

「ッん……!!」

恭平の反応に満足したのか、舌を這わしたまま右手をパジャマのズボンへと伸ばしていくと、ズボンの上からやわやわと撫で始めた。

さすがの恭平も、年頃の男の子。
口で幾ら拒絶しようと体の反応だけは裏腹に素直にしてしまう。

イライザは体を起こすとパジャマのズボンに手をかけ、下着と共に膝まで脱がしていった。

「ふん。何よ。
嫌がってる割にはこっちは随分良い反応してるじゃない?
それともこういう性癖?」
202恭イライザ→恭スナ:2007/04/14(土) 18:11:35 ID:aQsU6TSB
挑発する様なイライザの口調にかっとくる恭平だか、幾ら暴れた所て紐が手首に食い込むばかりだ。
イライザは恭平をちらりと見遣ると、そっと恭平の下半身へと舌を這わす。

「ぅっ……ゃ、めろ…」

ちろちろと恭平自身を舐め上げると、恭平の反応に満足したのか
顔を離すとにっこりと微笑み、じゅるりとくわえ込んだ。

右手を上下させ、舌を使って吸い上げてくるイライザは、恭平の反応を見ながら絶妙なポイントを突いてくる。

 さすがは500人……蘭丸ならのりのりでヤっちまうだろな………

 んな呑気な事考えてる場合じゃねェーや。
中身は違うっつったって、体は中原スナコじゃねぇかッ!!
このままじゃマジでやべェ…

びくん、びくんと恭平自身が小さく痙攣を始め、絶頂が近い事を知らせている。

「ふふ。まだイってもらっちゃ困るのよ。」

じゅるりと口を離しイライザはのそりと恭平へと覆い被さると、深く深く口付けを交わした。
イライザの舌が恭平の舌を捉え、絡ませてくる。
203恭イライザ→恭スナ:2007/04/14(土) 18:15:46 ID:aQsU6TSB
 プチ………

「え?何……」

恭平の様子が変わったのに気付いたイライザが身を起こすと、恭平は両手首を拘束する紐を一気に引きちぎった。

「ひっ!!!」

驚いて逃げようとするイライザの手首を掴むと、今度は恭平がイライザを組み敷いた。

「おい。先に誘ったのはお前だからな。
覚悟しろ。中原スナコ。」

見事に形成が逆転し、それでも気丈に彼女は「イライザよ。」と言い返す。

「ふん。薄っぺらい、ぴらぴらした服着やがって。
おばちゃんの部屋漁りやがったな。」

そう言うと恭平は左手でイライザの両手首を拘束すると
薄いベビードールの裾から右手を忍び込ませイライザの太股を撫で上げた。
204恭イライザ→恭スナ:2007/04/14(土) 18:18:41 ID:aQsU6TSB

「ぁっ……」

「あんまりでかい声出すなよ。中原スナコ。
武長に気付かれちまう。」

今度は恭平からイライザの唇へと深く深く口付けた。
くちゅくちゅと二人の口元から、静かな部屋へと水音が零れ響く。

「………中原スナコ。」


ドクンッ…ドクンッ…


 な、何?!!
折角いい所だっていうのにっ!!!
冗談じゃないわっ!!!


 い、いやよっ!!!
あんたは引っ込んでなさい。

い、いやァァァァッッ―――!!!





「はっ!!!んなっ何なんですか??!!!
てゆーか、手を放して下さい!!!」

「中原スナコか?」

名前を呼ばれ顔を向けると、至近距離の恭平の顔をまともに直視してしまいスナコは気を失いかけた。

「おい。そうはいかねェ。
気ィ失うなよ。」

ぶんぶんとスナコを揺さぶり、恭平はスナコが気を失うのを許さない。

「火ィつけたのはお前だからな。
責任取ってもらうぞ。」

205名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 18:19:38 ID:aQsU6TSB
取り敢えずここまでです。
続きが出来たらまた投下します。
206名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 20:55:53 ID:LHAZG36H
続きが気になるΣ( ̄□ ̄;)
207名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 22:27:50 ID:mZOxhDgp
「な、何で隣でちゃっかり見てるんですか!!早く出てって下さい!」

暗い部屋に置かれたテレビの画面には血まみれの女が必死に殺人鬼から逃げ回るシーンが映し出されている。
いつもの発禁物とは違い比較的優しめ(とは言えかなりグロテスク)のビデオらしい。
「いいじゃねーかよ、減るもんじゃねーし」
「あなたホラーは好きじゃないって言ってたじゃないですか」
「グロいのが見たい時もあんの」
「…じゃあ貸しますから出って下さいよ」
「…なぁ、そんなに俺がいちゃいけない訳でもあんの?」
スナコはテレビ画面をちらと見て更に恭平を急かし始めた。殺人鬼は映っていない、別のシーンに移ったようだ。
「今すぐにっ」
「お前っ殴るこたねーだろ!殴るこた!」

必死の攻防戦を繰り広げているとテレビから艶めかしい喘ぎ声が聞こえてきた。思わず二人は固まり画面を凝視する。裸体のまま腰をふる若いカップル。

アン、アン、ジャック!いっちゃうわ 俺もだよジェシイ…

「だ…だからいったのに」「これ普通にアダルトビデオだろ…」
気まずい雰囲気が流れ乱闘の際に恭平はスナコを組敷いていたことに気がついた。
「…」
「は、早くどいて!」

はずされるであろう手首の枷が逆にキツくなっている。画面の男女の喘ぎ声は益々興じてきた。
「…!は、離して!」
首元に生暖かい吐息を感じとうとう事態は差し迫った状況下にあると認識する。「あ…!…ブチますよ!」

「…バーカ、本気で追い出さなかったおめぇが悪いんだかんな」
至近距離で囁かれ一瞬不意にそうだったのかも知れないと納得してしまった。



ケータイから小ネタを(´д`)ノ
そういやホラーでお色気シーンってお決まりだよな〜と思ったので。
スナコが密かにじっくり見ててもそれはそれで可愛い。
208名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:54:14 ID:AdNWUkKD
神がたくさん・・・
う・・・嬉しい!
209名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 09:08:52 ID:3hCRe9lx
お二人ともGJ!!!
神だーーーーw
210名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 16:33:05 ID:55hJP0JF
神がたくさんいる(*´д`*)
211名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 12:06:00 ID:fB1BO2xd
キタ━━(゚∀゚)━━!!
212名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:54:45 ID:pFtS/h8g
やっぱ恭スナはサイコーだな!
213名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 15:55:49 ID:pFtS/h8g
ageちまった…orz
スマン逝ってくる
214名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 18:07:05 ID:rjUaDGH3
やっぱり続きが気になります(*´∀`*)
215名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 23:35:06 ID:UubQtWa4
神が!神がいっぱい!!!!
俺も頑張ろう…
216名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 02:44:09 ID:42wQVxX4
さっきここを見つけて1から一気に読み進めた、至福(*´д`)
興奮醒めやらぬまま自分もSS書いてみたので投下させて頂きます、
初SSで無駄に長くなってしまいお目汚しだと思いますがすみません。
217:2007/04/17(火) 02:45:31 ID:42wQVxX4
…それにしても、よく飽きねーよなコイツ。
恭平は、隣でホラー映画にかぶりつくスナコを横目で見つつ溜息を吐いた。
恭平自身、その手の映画が嫌いではない。がしかし、やっと“そういう”関係になったのに、この状況は頂けない。
お互い色気云々から程遠い性格なのは自覚しているが、折角ふたりきりでいるのだから少しはこっちに意識を向けてもいいんじゃねーの、と、要は構ってほしいのだ。
218:2007/04/17(火) 02:47:16 ID:42wQVxX4
…あぁ、集中できないわ。
スナコはテレビ画面から視線を外さないまま密かに激しく動揺していた。
大好きなホラー映画なのに内容が頭に入ってこないのだ。
原因は分かり切っている、隣にいるまぶしい生き物もとい恭平だ。
こんな風に二人で映画を見るのは初めてではないし所謂両思いというものになったのだと最近分かったのに、いや、だからこそか。
ふとした時に感じる視線が物凄く優しかったり、自分を呼ぶ声に今までに無い響きを感じる度にどうしようもなく恥ずかしくなって居たたまれなくなるのだ。
人はそれを照れと呼ぶ。
219:2007/04/17(火) 02:48:38 ID:42wQVxX4
要は、仲を更に深めたい恭平と照れてガチガチのスナコとのせめぎ合いがずっと続いているのだ。
先に行動を起こしたのは勿論堪え性が無いほうで。「おい」恭平はスナコの腕をつかみ、自分へと引き寄せ抱きしめた。
「なっ、ななななな」スナコは置物のように硬直し口をぱくつかせるがお構いなしだ。
「いい加減慣れろよ、お前」苦笑しつつ腕の中で固まるスナコを見つめると、真っ赤になって瞳を潤ませている。
鼻血を噴かなくなったのは大進歩と言えるだろう。「なぁ、俺のこと好きか」そんな単語を口にする自分に驚きつつ、恭平はじっとスナコを見つめた。
220:2007/04/17(火) 02:50:21 ID:42wQVxX4
いきなりの直球にスナコは更に固まった。
何とかこの状態から抜け出したかった。けれども、好きかと問い掛ける恭平の目があまりに真剣で、何だか泣き出しそうにも見えて。
だから黙って頷いた。顔を上げるまもなく恭平の唇が追い掛けるように降ってくる。
いつもならこれだけで気絶しそうに恥ずかしいのに、とかそんなことを薄ら頭の隅に思いながらスナコは恭平のキスを受け入れた。
遠くで映画の悲鳴が何となく聞こえているが、段々と遠ざかっていく。恭平の舌が歯列を割って入り込み、やわらかい肉が口の中で暴れている。
221:2007/04/17(火) 02:52:29 ID:42wQVxX4
いつしか映画の効果音は全く聞こえなくなっていた。
ぎこちなく舌を絡め合い、唇を食む。どれくらいの間そうしていただろう、ふと肌に冷気を感じスナコはふと我に返る。
恭平の手がスナコの衣服を取り去ったのだ。瞬間つい先程までの行為が頭を駆け抜け、猛烈な羞恥心にかられる。
「やっ」慌てて服を引き寄せようとしたその手を恭平の手が止めた。「見せろ」勿論全力で抵抗する。
「だっ、だだダメですっこんなみにくいもの見」「きれいだ」遮られた言葉に手が止まる。
「きれいだし、俺は中原スナコが好きだから、見たい。つーか見せろ」
222:2007/04/17(火) 02:54:12 ID:42wQVxX4
なにをアホなこと抜かしてやがるんですか、と言おうとしたのに、喉の奥に張りついて出てこない。
まただ、またこんな真剣な目で見るからだ。胸の中では相変わらず羞恥心が荒れ狂っていたけれど、スナコは根負けして手を緩めた。
恭平は少し笑ってスナコの衣服を取ると自分も服を脱ぎ捨てた。そしてひどくゆっくりとスナコを押し倒す。


人の素肌が触れ合うとこんなに熱いんだ、とスナコは熱っぽい頭で思う。
かたい胸板も、うなじにかかる吐息も、双丘を撫でる骨張った手も。
「あっ」敏感な頂を摘まれ、思わず声が漏れる。口を押さえたいのにもう片方の手はしっかと恭平に握られ叶わない。
223:2007/04/17(火) 02:55:56 ID:42wQVxX4
恭平の唇が全身に落とされ、あらゆるところを触れられて、
逃げ出したいくらい恥ずかしいのにどこかでそれを望んでいるような自分が一番恥ずかしい。
そんなこと、口が裂けても言えないけれど。「ひぁっ!!」脚の間に長い指が触れ、また声が出てしまう。
「すげぇ、ぬるぬる」入り口をなぞった指が侵入し、スナコの中をかき回す。「あ、はっ、やっ!あぁっ!あんっ」ちゅくちゅくと響く水音が耳を打つ。
腰の奥から何かがぞわぞわと駆け上がってきて、スナコは必死で恭平にしがみついた。
224:2007/04/17(火) 02:57:38 ID:42wQVxX4
「ごめ、俺限界」耳元で恭平の擦れた声が聞こえ、指が抜かれると間髪入れず恭平自身がスナコを貫いた。
「ああぁっ!!」熱さと圧迫感に悲鳴が漏れる。「すげー、きもちい」水音と共に繰り返される抽送。
「あっ、あっ、いぃっ、あぁんっ」自分もだ、と言いたいのに言葉にならない。
「すなこ」抜き差しを繰り返しながら乾いた声で呼ばれる。「すなこ、好きだ、すなこ」その声にお腹の奥がぎゅっと熱くなって。
「あた…くしもっっ…すきっ…あんっ、きょぅ、へ…」絞りだした声は、この人の名前をちゃんと呼べていただろうか。
意識が段々とどこかに昇り詰めていく。「ぅあ、締ま…っ、イクっ」
225:2007/04/17(火) 02:59:16 ID:42wQVxX4
恭平が肌を粟立て、びくりと大きく震えた。


どれ程時間が経過したのだろうか。息苦しさに目を覚ますとスナコは恭平の胸にしかと抱き締められていた。
ゆるゆると記憶が呼び覚まされ、部屋の明るさやお互いが全裸でいることに思い当たり。
「いやぁぁぁ!あたくしったら、あたくしったら何て事ををを!!!」一刻も早く服を着たい、このままでは溶けてしまう。
なのに、この愛しくて憎たらしいまぶしい生き物は自分をがっちり抱え込み離さないのだ。
起こして文句を言ってやろうと顔を上げる。
22610(ラストです。):2007/04/17(火) 03:01:03 ID:42wQVxX4
目の前には伏せられた長い睫毛と形の良い薄い唇が規則正しく上下している。
その意外と幼い寝顔に毒気を抜かれ、スナコは溜息を吐いた。
相変わらずまぶしい事に変わりはないし、正直今も少し気後れしてしまう。
でも安心したような寝顔を見ていると何だか胸の奥が温かい気分になったので、
もう少しこのままでもいいかな、とスナコは恭平の頭を撫でて目を閉じた。

227名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 03:08:22 ID:42wQVxX4
以上です。
エロパロスレなのにエロス不足な稚拙な文章は言うまでもなく、
貼りつけ方や改行なども良く分かっていないのに勢いで投下してしまった為、
大変見苦しいものになってしまい申し訳ありません。
228名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 06:12:46 ID:aMV70Xv/
>>227
GJだぜよ!!やはり恭スナは良い!!
また書き上がったら是非ともうpを!!我らに愛の手をーーーー!!
229名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 08:44:52 ID:aouLGNCq
GJGJGJGJGJGJ!!!!!!!!
頭撫でるスナコ萌えww
230名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 09:43:33 ID:zwnl2xeP
>>227
すごくよかったです!
やはり何度読んでも恭スナは萌える(*´д`*)ハァ
231名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 21:32:44 ID:42wQVxX4
>>227です。暖かいGJのお言葉、ほんとにありがとうございます!
めちゃくちゃうれしいです。
調子に乗って、出歯亀蘭丸視点物を書かせて頂きましたので投下させて頂きます。
レス数少なくまとめられるように頑張ります。
232227-1:2007/04/17(火) 21:37:25 ID:42wQVxX4
だって、確かに聞こえたんだもん、啜り泣くような甲高い女の人の声がぁ!
枕元に座り込み、可憐な少女のようにえぐえぐと泣く雪之丞を横目で見やり、蘭丸は呆れたように肩をすくめた。
事の次第は5分前。半端な時間に目が覚めた雪之丞は、びくつきながら用足しに廊下を歩いていた。
その時どこからともなく泣き声が聞こえ、竦み上がって逃げてきた、らしい。
「寝不足は美肌の敵だっつーの…」何で自分のところに来たの?と気怠げに問う。
他二人のほうが遥かに適役だろう、そういう類は。
「恭平いなかったんだもん!武長は全然起きないし…」
目蓋を乱暴に拭い雪之丞はぶすくれた。
「ふぅん、珍し。てかどーせスナコちゃんがまたホラーでも見てるんじゃないの?」取合えず夢の世界に戻りたい蘭丸は布団に潜り込みながら投げ遣りに返す。
「そぉいえば、スナコちゃんの部屋の辺りだったかも。。。でも恐いんだよぉ〜、お願いだからついてきてよぉ!」
一瞬納得した雪之丞だが、すぐに大粒の涙を溜めて蘭丸の布団を剥いだ。
こうなるとうんと言うまで離れない。「分かったって…」ふと有り得ない考えが頭を掠めたが、ゆるくかぶりを振って追い払い、蘭丸は布団を出た。
“まぁ、最近仲はいいとは思うけど、無い無い”


しんと冷え込む廊下は静かで、遠くに風が鳴っている。
雪之丞は相変わらず涙目で蘭丸の袖を掴みびくびくと辺りを見回している。
ちょうどスナコの部屋に差し掛かった辺りだろうか。「んっ…ぅ…」それは唐突に耳に飛び込んできた。
やっぱり、と叫びかける雪之丞の口をはっしと押さえ、蘭丸は耳を澄ました。
間違いない、これは…
「まじすか」取合えず、一旦ここを離れなければ。お子ちゃまには刺激が過ぎる。「んーっ、むー!」暴れる雪之丞を何とか引きずり手洗まで連れていく。
233227-2:2007/04/17(火) 21:41:54 ID:42wQVxX4
「ぷぁ!ほらぁ、やっぱ…」「しっ!」騒ぎ立てようとするのを遮り、蘭丸は雪之丞に耳打ちした。
「あれ、ホラーDVDだ、おばけなんかじゃないって」「でも…」言い淀む雪之丞に、最近子猫ちゃんと見たやつだから聞き覚えがある、間違いないと言い包め、
「だから大丈夫だって、おばけじゃないって分かったしもう平気だろ?恐かったら帰りはスナコちゃんの部屋を避けて戻れよ。俺は美貌の為にもう戻って寝るし」と さらりとまくしたてた。
我ながらとっさによくもまぁ口が回るものだ、日頃の行いの為せる業かと頭の隅で思いつつ。
「…わかったよ、蘭丸がそう言うなら…」雪之丞は訝しげではあったもののやはり恐怖が勝ったのだろう、
俺が用足すまではここで待っててね、と言い残し手洗に消えた。
「さて…どうしたもんかな」 部屋を空けている恭平、スナコの部屋から漏れ聞こえた吐息。いやはや、事実は小説より奇なり、とはよく言ったものだ。
「いつの間に、ねぇ。まったく」乃依が知ったら狂喜乱舞するだろう、間違いなく。
にやける口元を押さえながら考えを巡らせていると、用を足した雪之丞がせかせかと出てきた。
「何にやにやしてんの、蘭丸」そう言えば、さっき“まじ”とか言ってたけどなんのこと、と用を足し多少落ち着いたのだろう、幾分冷静に尋ねてくる。意外と耳聡い。
「あぁ、あれ」最近発売になったばっかの奴なのに、意外とフットワーク軽いなスナコちゃん、と思ってね。と適当に受け流し、
俺も用足してくから良い子はさっさと戻って寝なさい。と雪之丞をやんわり追い立てる。
眠気が戻ってきたのだろう、はぁいとか弱く呟いて部屋へ戻る雪之丞の背中を確認すると、蘭丸はゆっくりとした足取りでスナコの部屋に向かった。
「まぁ、恭平も若いしそろそろ終わっただろ」自分が同世代だという事実は棚に上げている。
234227-3:2007/04/17(火) 21:46:04 ID:42wQVxX4
“スナコちゃんのお部屋”とシンプルなプレートのかかった扉の前に差し掛かると、そこはひっそりと静まり返っていた。
一応レディの部屋である、いきなり踏み込むのはマナー違反、とドアを何度かノックする。が、返事を確認せず、静かにノブを回した。
「恭平〜?レディをあまり泣かせちゃダメだよ〜」ぎくり、と一瞬背中が強ばったのを視界に認め、蘭丸はほくそ笑んだ。
「てめ、何でここに」「いや〜?たまたまトイレに起きてみたら可愛らしい声が聞こえてね、」「!!!」恭平が一瞬体を強ばらせ、赤くなった。
「うっせ」ぷいと背けた横顔の耳が赤い。いいねぇ、甘酸っぱいねぇ、と一人ごち、さてどこから突いてやろうかと視界を彷徨わせた先に蘭丸は思わず目を奪われた。
はらりと流れる絹糸の髪。ひっそり閉じられた目尻にはほんのり桜色を散らしている。
毛布の上からでも分かるすんなりと伸びた肢体のまろやかなライン。
こんなにきれいな子だったっけな、としばし見惚れていたようだ。「見てんじゃねー」地の底を這うような低い恭平の声に、蘭丸はふと我に返った。
「あぁ、ごめんごめん、お邪魔しちゃったね」背中に冷たい汗が伝うのを感じ、蘭丸はこれ以上の追求を断念した。
「分かってんならさっさと帰れ」剣呑な雰囲気を漂わせる恭平に本気で身の危険を感じ、蘭丸はおとなしく引き下がることにした。
このままでは本当に殺されかねない。「はいはい、邪魔者は退散しますよ」ひらひらと手を振りそそくさと部屋を出る。
「夢中になりすぎてあまり泣かせ過ぎないようにね〜」「てめっ…!」捨て台詞を吐く位は許されるだろう。
再び真っ赤になって怒鳴りかけた恭平にウィンクし、蘭丸は静かにドアを閉めた。
「はぁ〜、反則でしょ、あれは」ベッドにぼすんと身を投げだし蘭丸は一人ごちる。
からかってやるつもりだったのに見事にあてられている自分に苦笑した。おかげで一人のベッドが妙に寂しくて仕方がない。
235227-4*ラスト:2007/04/17(火) 21:48:06 ID:42wQVxX4
肌が荒れる、と無理矢理言い聞かせ目蓋を閉じる。
が何故か浮かぶのは愛おしそうにスナコの頬を撫でる恭平の顔で。
「…」がばりと跳ね起き携帯に手を伸ばす。まだ夜明けまでは程遠い。
「朝一で電話したらどんな反応するかな…」液晶に浮かぶ玉緒の番号を見つめ、蘭丸は浅くため息を洩らした。


翌朝、気怠げながらも気丈に朝食を用意するスナコと妙に落ち着きのない恭平、珍しくやつれて隈を浮かせた蘭丸に、
雪之丞と武長が訝しげに顔を見合わせたのは、また別の話。

236227:2007/04/17(火) 21:49:34 ID:42wQVxX4
以上です。
携帯からちまちま書き貯めてたので改行等見ずらかったら申し訳ありません。
237名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 22:52:09 ID:sGOHr9uf
乙!!!またの投下待ってます。
238名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:09:02 ID:zwnl2xeP
本当にお疲れ様です!
またまた萌えさせていただきました!!!!!!
239かれこれ3度目の投下:2007/04/17(火) 23:18:30 ID:sGOHr9uf
 それはある日の出来事だった。スナコは新しいホラーDVDを探すため、店内を歩き回っていた。初めて入った店なので、ホラーの棚が何処か分からない。間違って18禁コーナーに入ってしまった。直ぐ様、間違いに気付き移動しようとすると・・・
《残虐・異常性愛》
「まあ、これはグロ画像いっぱいに違いないわ」
 パッケージを手に取ると、男女が2人ずつ(計4人)黒い衣装を身に纏い、ハードなSMプレイを行っている。鞭打ち、蝋燭、針貫通、逆さ吊り等。背景は拷問部屋。スナコは何を勘違いしたか、嬉しそうにレジに持っていった。
240名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:49:06 ID:sGOHr9uf
 ウキウキしながら部屋に戻りDVDをセットするスナコ。・・・と、その時ドアが勢い良く開いた。
「中原スナコ!!!早く飯作っ・・・・???!!!」
 ハードなスワッピングSMを大音量で、真剣な眼差しで見入っているスナコに恭平は固まってしまった。ふと我を取り戻し
「オマエ・・・そんな趣味が・・・・」
「恭平、どうしたの?」
 バタバタと歩み寄ってくる3人。画面を直視して雪之丞が震えながら
「ス・・・スナコちゃん?」
 武長も、直ぐ様冷静さを取り戻し
「確かに・・・・拷問部屋だしグロいし、スナコちゃんこーゆーの好きかも」
 それに続き蘭丸も
「俺も時々なら有りかな?針とかはヤダけど、もっとソフトなら」
 そこで3人がハッと気付いた。以前から2人きりにしたり、くっつけようと頑張ったり。悉く失敗に終わっていたが、こーゆープレイならスナコちゃん大喜びで・・・・
「じゃ、俺たち出掛けてくるから」
 そう言って3人は恭平をスナコの部屋に無理矢理、放り込んだ。
241名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 00:40:10 ID:z+5CsfXd
「じゃ、スナコちゃん、殺したり大怪我させなきゃ拷問ごっこしてもいいからね」
 そう言って去って行ってしまった。恭平がふざけんなとばかりに振り向くと・・・クスクスと笑いながらロープを手に持ったスナコがこちらを見ている。
「フフ・・・拷問ごっこ」
 背中が凍り付くのを感じながら恭平は言った。
「ふざけんな!!大体オマエにあんなこと出来んのか」
 そう言って指差した画面を振り向くと、今だ流れっぱなしのDVDでは、いつの間にか男女共に全裸になっていた。SMなので手錠や亀甲縛りはスナコいわく拷問らしいが、玩具プレイやアナルセックスはまた別モノである。スナコは腰を抜かしてしまい、あわてて部屋から出ようと這いずり回っていると
242名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 01:00:45 ID:z+5CsfXd
「待てよ!」
 恭平が被いかぶさって来た。
「あわわゎゎゎゎ」
 必死に逃げようとするが、腰が抜けているせいか力が入らない。
「てめぇ、このままで済むと思うなよ!まあ、あんなのは趣味じゃねーから俺はやんねーけど」
 耳元で囁き、恭平はスナコに深く口付けた。
「・・・・っっ!!!」
 思わず気絶しそうになるが、このままではヤバイとなんとか気を取り戻す。じたばたと藻掻いてみるが、いつの間にか恭平の手によってジャージのファスナーが降ろされていることに気付く。
「なんだよ、こーゆーのがしたかったんじゃないの!?どう見たってAVじゃん!!!このDVD・・・」
意地悪そうに恭平が笑いながら言う。あぁ・・・・絶体絶命だ。スナコは悟った。
243名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 01:03:00 ID:z+5CsfXd
以上です。変なもの書いてしまいスミマセン(´ω`)
244かれこれ3度目の投下:2007/04/18(水) 02:08:46 ID:z+5CsfXd
気が向いたら続き書きます。
245名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 03:16:50 ID:ps3oGmuf
乙です!
恭スナで、えすえむごっこの予感にワクテカ
襲うつもりで襲われるスナコカワイス

って・・・この超いいところで続きが来なかったら
住人にとって激しくMプレイですお(;ω;)ブワッ
よろしければ、ぜひ続きをおながいしますコノトーリ
246名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 07:13:02 ID:dWmglwQK
>>244
書くなら、打ちながら書くんじゃなくて書ききってから投下して欲しい。
投下しに来ても、ずっとスレ占領されてるから出来ない。
247名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 07:43:33 ID:XzyTSTjo
>>246
同意
248名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 11:40:39 ID:bFxvfU6v
また気が向いたらって言ってるんだから、きにせず投下すればいいジャマイカ(´・ω・`)
249名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 14:02:00 ID:z+5CsfXd
なんだか怒らせちゃったみたいでスミマセン(´Д`)レス占領するつもりはないので、全然気にしないで、先に投下してくださいね。

感想くれた方アリガトウ(*´∀`*)また後で続き書きます。
250名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 14:33:54 ID:lpSB7gpY
武のい需要ありますか?
251名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 15:38:26 ID:BIAtrJvo
>>246
まあまあ
確かに何も言わずに途中で放置されると、他の職人が困るけど
ちゃんと断ってくれれば分けて投下するのもアリじゃないかと

>>249
うはwww続きクルー
正座して待ちますwktk

>>250
うい!
252名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 18:28:03 ID:Q3hunn8a
分けて投下するのがダメなんじゃなくて、
まず作品をメモ帳かなんかに書いて、ある程度まとまったところで
それをコピペで短時間に投下するのを薦めてるんだと思う
そうすれば読み手にも優しく、神自身も文章を見直すことも出来るし
誤字脱字を防げてウマーってな具合で万々歳かと
まあ何にせよ神の皆さまGJ!には変わりありませんが

>>249
続き楽しみにしてます!

>>250
需要ありますとも!是非!
253名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 19:13:56 ID:lpSB7gpY
SM分かってないスナコカワユス!
それでは、お言葉に甘えてSM神(すみません)降臨までの繋ぎに武のい投下させて頂きます。
2541/6:2007/04/18(水) 19:15:47 ID:lpSB7gpY
最近、スナコちゃん(と恭平)の雰囲気が変わった、と乃依は密かに思っている。
武長に一度言ってみたら「気のせいじゃないの?」と一刀両断されたが。
どうして男の子ってこういうのに疎いんだろう、と乃依は頬を膨らませて考える。
武長が色恋沙汰に人一倍疎いから、という選択肢は彼女にはないらしい。
でも、スナコちゃん明るくなったしきれいになった、それが乃依には嬉しい。
一度二人をくっつけようと奔走した時はあまりの恋愛音痴っぷりに悔し涙を流したけれど、それはそれ。
やっぱり二人とも意識しあってたのね、とほくそ笑み、隣で小難しい本を読む恋人に目を遣った。
はぁ〜、読書姿もかっこいぃ…、じゃなくて!
一人百面相しつつ、乃依はぶんぶんと首を振る。
武長を好きになって、武長も自分を好きだと言ってくれて。それは本当に舞い上がるほど幸せで。
でも、長い付き合いの割に二人の仲はキス以上の進展が無い。
あまり気にしたことが無かったけど、最近友達が彼氏との話をしているのを小耳に挟んでから、乃依はずっと胸がもやもやしている。
“あたしって、オンナの魅力ないのかなぁ”
もう高校生だし、絆を深めたカップルが何をするか知らないわけじゃない。
実際に友達は彼氏との『初めて』を恥ずかしそうに、でもとても嬉しそうに話していた。
“恐かったけど、大好きだからひとつになりたいって思ったし、そうなれて嬉しかった”
頬を染め、照れながらそう呟いた彼女は愛されている、という自信に満ちていて。
「はぁ…」
武長は、考えたことないのだろうか、そういう事。
考えかけて少し落ち込んで、乃依はそれ以上の深入りをやめた。

もともとうじうじ悩むより行動!の乃依である、じゃあ武長を自分の魅力でメロメロに☆と言う結論に行き着いた。
寝る間を惜しんでプランを練り、その日はやってきた。


とある日曜日。あれやこれやと下宿人達に予定を押しつけて追い払い、今日は武長とふたりっきりだ。
乃依はここぞとばかりに磨き上げた体のラインを強調する、胸元を広く開けたとっておきのワンピに身を包み中原邸を訪れた。
ピンポーン…
呼び鈴を押し、出てきた武長の反応を思い浮べる。
“乃依…今日はいつも以上に綺麗だ、ときめきが止まらないよ”
「なぁんて言われちゃったらどぉしよう〜♪」いやぁん、と体をくねらせ暴走していると、かちりと乾いた音を立てて扉が開いた。
「乃依っち、いらっしゃ…」くるり、と振りかえり武長を見る。

…あれ?予想では満面の笑みで照れながら出迎えてくれるはずなのに。

2552/6:2007/04/18(水) 19:17:10 ID:lpSB7gpY
「武長くん?」
目の前の愛しい人は、表情を無くし固まっていた。
そのまま乱暴に手首を掴まれ強引に部屋まで連れていかれる。
“あれ?あれれっ?なんか…”
不機嫌?
部屋に入ると、椅子に掛かっていたシャツを肩に掛けられた。
「その格好でここまで来たの?」
声がいつもより硬い。
何でそんな態度を取られるのか分からなくて乃依は困惑した。
「うん…いけなかった、かな」
さっきまであんなに弾んでいた気持ちが、穴のあいた風船のようにしぼんでいく。
「あのね、乃依っち、女の子がそんなはしたない格好するもんじゃない」
投げられた言葉に乃依は泣きそうになった。
きれいだよって、女らしいねってどきどきしてもらいたかっただけなのに。
まるで逆効果じゃないの。
あまりにショックで、乃依は武長がいつもよりそわそわと所在なく目線を泳がせていたことにまったく気付いていなかった。
「…帰る」
このまま一緒にいたら情けなくて悲しくて泣いてしまいそうで、乃依は武長に背を向けた。
浮かれてた自分がばかみたい。はしたないって、きっと軽蔑された。
あぁ、もう泣くな乃依。


武長は弱り切っていた。
乃依は女なのだ、それはもう大輪の花のように艶やかな。
それを目の前に見せ付けられ、同時にここへ来る迄数多くの男の視線を奪ってきたのだろう事が易々と想像がつき。
早い話が欲情に駆られ見知らぬ男に嫉妬したのだ。
とにかく自分以外の誰の目にも触れさせたくなくて部屋に引き入れ、
かと言って直視も出来ず自分のシャツを羽織らせた。
これでやっと落ち着いたところで、武長は無防備な乃依に苛立ちを覚え、ついきつい言葉を投げてしまい。
しまったと思った時にはもう遅かったのだった。
「…帰る」
耳に飛び込んできた言葉が弱々しく震えていて、武長は自分の失言を悔いた。
「乃依っち、待って」
足早に出ていこうとする恋人の華奢な腕をつかみ無理矢理向き合わせる。
ふわりと薫る甘い匂いとその腕の柔らかさに頭の芯がくらりと痺れた。
「ごめん、言いすぎた」
理性を総動員して発した言葉は緊張のためか硬く響いて、乃依がびくりと体を震わせた。
怯えさせてしまった、と自己嫌悪しながら空いた手を乃依の顔に添え俯いた彼女を上向かせる。
「…っ」見開いた両目から、大粒の涙が転がり落ちた。


あぁ、困っている。考えなしの自分の所為で彼を困らせている。
そう思いつつも荒れ狂う感情を止める事が出来ない。
2563/6:2007/04/18(水) 19:18:18 ID:lpSB7gpY
「だって、武長君こんなあたしいやでしょ?!」
離して、と身を捩るが武長の手は自分の腕をしっかと握って放さない。
「あたしっ、ひっく、武長くんにっ、きれいだねって言われたくてっ、っく、どきどきしてもらいたくてっっ、
でもっ、ひっ、逆効果だったみたいだしっっ、だからっ、」
横隔膜が痙攣してうまく喋れない。それが更にイライラさせて、言葉が更に胸に詰まる。
「あたしっ、ひっくっ、ちゃんとっ、うっ、武長君にっ、女としてっ、見てもらいた」
乃依の言葉は最後まで紡がれなかった。
武長が、痛い位にきつく乃依の体を抱き締めたからだ。
「馬鹿だなぁ、乃依っち」
馬鹿と言われて一瞬むっとしたが、耳元で響いた武長の声が熱くて押し黙る。

「俺は」
喉の奥がからからに乾いている。
そう言えば乃依を部屋に招いてからお茶の一杯も出していない、と武長はぼんやり考えながら次の言葉を探した。
“女として、どきどきしてもらいたかった”どきどきしない訳が無いじゃないか。
さっきだって玄関で微笑む乃依を見て、全く平静でいられなかった。
自分が欲深い獣のようで、乃依を壊してしまいそうでずっと我慢してきたのに。
なのに腕の中の愛しい相手はそんな自分のじくじくした感情を飛び越えてくるのだ。
武長は、抑えつけてきた感情が綻びていくのを感じた。


「乃依」
武長の真剣な声音に、乃依は体を一瞬硬くした。
今、乃依、って呼んだ… 
「俺はね、乃依が女らしくないなんて思った事無いよ」
静かに武長の声が染み込んでくる。
「でも、だって今日も呆れてたし…」はしたない、という単語は思いの外乃依を傷つけた。
「呆れたんじゃなくて、あれは」一瞬言い淀む。
乃依はいつしか泣き止んで、頭上から降る武長の言葉に耳を澄ませた。
しばしの沈黙の後、ぽつりと。
「…あれは、乃依が綺麗すぎて、正直すごい動揺したから」 
あぁ、言ってしまった。
いざ言葉にするとより鮮明に乃依の艶姿が駆け巡り、
腕の中の乃依の細いうなじだとか押し付けられた二つのまろみだとか、
折れそうに細い腰だとかの意識しないようにしていた柔らかさで理性の綻びが広がる。
「綺麗で、色っぼくてどうしたら良いか分からなかった。正直、今も乃依にすごいどきどきしてる」
もう限界だ。
武長は角度を変えて乃依をかき抱き、深く口付けた。
舌を入れて乃依のそれに絡め、きつく吸い上げ、唇を甘く噛む。
酸素を求めてか逃げる唇を執拗に追い掛け唾液を送り込み、綺麗に並んだ歯列をなぞる。
2574/6:2007/04/18(水) 19:21:16 ID:lpSB7gpY
乃依は一瞬体を強ばらせたが、すぐにしがみついてきた。
こんな噛み付くようなキス、今までしなかったからさぞやびっくりしているだろうに、ぎこちなく舌を伸ばしてくるのがたまらなく愛おしい。
くたりと脱力した腰を支え、やっと唇を解放してやる。浅く肩を上下させ、少しぼうっとしている乃依の額に軽くキスを落とし、耳元に欲情を注いだ。

「乃依が欲しい」
耳朶に滑り込んできた武長の台詞に乃依は身を竦ませた。
自分の望んだことなのに、今迄唇を合わせていた武長はまるで知らない男性みたいで少しコワイと思った。
霞の掛かった頭をゆるく動かし視線を交わすと、見たことの無いような熱い眼差しを向ける武長がいる。
やっぱり少し恐い。なのに体の奥がじわじわと熱を帯びてきて視線を外せない。
どうしちゃったんだろう、あたし。
したことの無い激しいキスをして、大好きな優しい彼はまるで知らない人みたいで。
なのにもっと知りたい、もっとくっついて、もっと抱きしめ合って、ひとつになりたくて
−あぁ、これがあの子の言っていたことなのか、と乃依は薄ら理解した。
「嫌だったらしないから、」武長の擦れた声に乃依はいやいやと首を振った。
「あたしも、…武長くんとしたい、武長くんが欲しい」

言い終わると同時にまた唇を塞がれた。

体が熱い。触れ合った唇から熱を注ぎ込まれて灯を点けられているようで、苦しくて乃依は喘いだ。
「乃依」少し緊張した面持ちで、武長が優しくするから、と囁いた。
何だかドラマみたい、と乃依は少し笑った。


−熱い。さっきとは比べものにならないくらい、全身が火照っている。
壊れ物を扱うようにゆっくりと武長が乃依に触れて、至る所にキスの雨を降らす。
武長が触れる全ての点・面からどんどん体温が上がっていくようで、
羞恥と快感で何度も波が押し寄せ、乃依は武長の手をきつく握り締めた。

「きれいだ、乃依」
うわごとのように武長は何度も繰り返しながら愛撫した。
汗ばんだ肢体からは抱き締めた時よりも数段濃厚さを増した甘い薫りが立ち上り、理性を溶かしていく。
だが、自分も乃依も初めてだ。特に処女は体の負担が大きく苦痛を伴うと聞いた。
以前蘭丸に言われた事を思い出し、武長は必死でなけなしの理性を掻き集めながら、ぎこちなくも丁寧に乃依を解していく。
まろい胸を捏ね、ぴんと立ち上がった桃色を摘み、舌で転がしきつく吸う。
甘く歯を立ててやると乃依は切なげな吐息を洩らし体を捩る。
存分に乳房を味わい、締まった腹からへそを舌で辿り、柔らかな茂みをそっと広げる。
恥ずかしいのか閉じようとする脚を割り、溢れる蜜をゆるりと啜った。

「あぁぁっ!」駆け抜ける刺激に乃依は悲鳴を洩らした。
武長の顔が自分の脚の付け根にいる、それだけで羞恥に身が焼かれるようなのに。
自分でも見たことの無い場所を武長に晒している事が堪らない。
指とは違う温かな感触に、そこを舐められていると気付き、その度に襲い来る刺激と恥ずかしさに知らず涙が零れる。
2585/6:2007/04/18(水) 19:22:23 ID:lpSB7gpY
「やっ、だめぇ」汚いからやめてと哀願するも武長は貪るのを止めない。
「乃依は全部綺麗だよ、ここも」やっと顔を上げ武長は指で入り口をなぞった。
そこに触れられるたびに勝手に腰が浮き上がりひくひくと震えるのを止められない。
「あぁっ、やんっあっ」
しなやかな指が緩やかに潜り込んでくる。
腹の奥に奇妙な異物感を感じたのは一瞬のことで、乃依は更なる波に翻弄された。
「あっ、あぁあっ、は、やっ、やぁぁんっ!」
何かが体の奥から這い上ってきて、目の前がちかちかして、自分のものでないようないやらしい声を遠くに聞きながら、乃依は体を強ばらせ、一気に脱力した。
「あっ、あ、は、」短く何度も息を吐く。今体を駆け抜けたのはなんだったのか。
「気持ち良かった?」と優しく問い掛ける武長の声に我を取り戻し、あまりの恥ずかしさに顔を覆う。
だがすぐに腕をやんわり拘束され顔を向かされる。
自分だけ気持ち良くなってしまった恥ずかしさと申し訳なさに、乃依は目を伏せ、…固まった。
なぁに、あれ。視線の先には乃依の知らないグロテスクな物体…
あれ、武長君の“あれ”??
あまりの狂暴な大きさに一瞬血の気が引く。
あんな大きいもの、入るんだろうか。
うぅん、頑張るのよ乃依。そりゃ、最初は痛いって聞くけど、大好きな武長くんとひとつになりたいんだって、決めたんだもの。

どうやらまた百面相をしていたらしく、武長が苦笑した。
「乃依っち」
無理しなくていいよ、と頭をぽんぽん撫でてくれたけれど、何だか辛そうで乃依は大きく首を振った。
「だめっ、武長くんも気持ち良くなってほしいの、ひとつになるって決めたの、だから…」
我慢しないで。あと、乃依、ってさっきみたいに呼んで。
蚊の泣くような声でつぶやいて、武長の首にぎゅっと抱きつく。
「…わかった」なるべく気を付けるから、痛かったら俺の背中に爪立てて良いから。と乃依を抱き締め返し、
武長は痛い位に怒張している自身にゴムを被せた。


「ぃた…っ、うっあぁぁあっ」
めり、と引き裂かれる様な痛みに乃依は呻いた。
こんな痛み知らない。今すぐにでも止めたい位痛い。
でも、見上げた武長の顔もすごく苦しげで。


「乃依、力抜いて」
ゆっくり呼吸を整え、少しずつ少しずつ侵入していって。
乃依の顔が苦しげに歪む、が武長自身も余裕が無い。
「乃依、全部入った」
かなりの時間を掛けてやっと全体を収める頃には、二人とも汗だくになっていた。
しばらくそのまま静止していたが、乃依の表情がが少し和らいだのを確認し抽送を試みる。
「乃依、動いても良いかな」と控えめに尋ねると小さく頷いたから、なるべく負担を掛けない様にゆっくり抜き差しを行う。
2596/6:2007/04/18(水) 19:23:35 ID:lpSB7gpY
つぷっ、ぬちゅ、くちゅ。控えめな水音に比例するように、乃依の表情から徐々に険しさが薄れてきて。
呻く声の中にも少しずつ甘さが混じり始め。
あ…やばい、もういきそう。
武長は限界が近づいているのを悟る。
早い気もして情けないが、あまり長引かせるのも乃依の体に障るだろう。
「乃依、乃依…っ」
きつく抱き締め合って腰の動きを速めていく。
「武、長ぁっっ…」
初めて呼び捨てで呼ばれたのとほぼ同時だろうか、よりきつく締め付けられて武長は果てた。


はしたないことしちゃったね、と乃依は武長の腕の中でつぶやき、頬摺りする。
「いやっ、だからほんとに失言でした。ゴメンなさい」
おろおろする武長が可愛い。
「武長くん」
もぞ、と武長の腕から這い出し乃依は恥ずかしそうに耳元で囁いた。
「これからは、ずっと乃依、って呼んでね」
直後真っ赤になって顔を埋める乃依に愛しさで胸が一杯になり、武長はキスの嵐で彼女に答えたのだった。


その後着替えの最中にシーツの血痕を発見し、
スナコに洗わせるわけにいかないと二人して青くなったり赤くなったりするのも、
蘭丸が武長にした助言?の内容も、ある意味お約束。
260名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 19:26:57 ID:lpSB7gpY
以上ですー。
このスレに出会ってから四六時中ヤマナデSSのネタ考えてばっかで仕事にならんw
また何か浮かびましたら投下させてください。
お目汚し失礼致しました。
261名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 20:36:04 ID:KGm3avoO
GJ!!楽しませていただきました^^次回作まってまーす!!!
262名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 23:48:08 ID:fIGgnKLK
みなさんGJです!
ヤマナデ好きな自分にとって、ここは本当に幸せな場所だ(´ω`)
263名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 00:46:21 ID:8+GomyVM
GJ(・∀・)

264名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 01:31:56 ID:jgu2gqEq
GJ!!!
恭スナも好きだけど、武のいも可愛い!!!
265名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:33:58 ID:D07f/dnu
武のい良かったです。二人の雰囲気がすごくよかった(*´∀`*)

話がSMから逸れてしまったが、続き出来たので投下します。
266SM続き:2007/04/19(木) 18:38:30 ID:D07f/dnu
「ん???何!?もう、諦めたの!!?」
 急におとなしくなったスナコに、恭平は怪訝そうに問う。まあ、実のところ、ちょっと仕返しに脅かしてやろうくらいに考えていただけなのだが。もちろん殴り飛ばされることも覚悟の上で。もしくは、鼻血を吹いて気絶するかのどちらかだと思っていた。
267名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:45:45 ID:D07f/dnu
意外や意外、スナコはカタカタと震えながらも恭平の着ているシャツの釦をゆっくりと外しだした。 顔は背けているものの、頬が紅く染まって、体温が急上昇しているのが伝わってくる。
268名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:47:46 ID:D07f/dnu
 逆に、動揺してしまった恭平だが、懸命に答えようとする、スナコが妙に愛しく思えて、いつしか本気で欲情していることに気付く。 これでは、どちらが罠に堕ちたのか・・・等と考えながらも、再び唇を重ねた。
269名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:48:49 ID:D07f/dnu
 辺りが急に静まり返ったせいか、絡み合う舌先や吐息の漏れる音が自分達にも判り過ぎる程に聴こえて来る。ああ、DVDが終わったから静かになったのか。
「後で後悔すんじゃねーぞ・・・・」
 恭平はスナコに耳打ちすると、すでにはだけている胸元に手を滑らせた。ビクリと身震いする。優しく撫でて、桜色の先端を舌で転がしたり、軽く吸ってみたり。
270名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:50:02 ID:D07f/dnu
「っ・・・ふぅ・・・・」
 スナコの唇から吐息が漏れる。恭平は徐々に、手を下の方へと移動させ、そのままジャージの下を脱がせる。 腿の付け根に軽くキスをして、ゆっくりとスナコの中心部を指でなぞる。ヌルリとしたものが、絡み付いたのを確認すると、そのまま指を浸入させた。
271名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:51:04 ID:D07f/dnu
 初めての異物感にスナコは声にならない悲鳴を上げる。
「・・・・っっ!!!」
 中を掻き回され、次第に呼吸が荒くなっていく。息も絶え絶えのスナコに、恭平は限界を感じ、自らをも深く沈ませた。
「ひっ・・・???!!」
272名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:52:18 ID:D07f/dnu
 熱く疼いたものが、自分自身の中に浸入して来て、スナコは痛みのせいか、声が裏返ってしまった。想像以上の圧迫感に、恭平も悲痛な表情を浮かべる。
「おい・・・動けないから、力抜け!!!」
 しばらくすると、スナコの緊迫した躰が少し和らいだ。恭平はゆっくりと腰を動かし、スナコの表情を見据えた。
273名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:53:21 ID:D07f/dnu
「んっ・・・あっ、あぁ・・・・・!!!!」
 全身をビクビクさせながら喘ぐスナコ。今迄、こんな姿のスナコは想像出来なかった。恭平が絶頂に達して
「っっ!!!も・・・イキそ・・・・・!!!!」
 スナコも意識が遠くなって・・・恭平が果てると、ぐったりと倒れ込んだ。
274名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 18:56:41 ID:D07f/dnu
 あれから、何日か経った。いつもの様に、何事もなかったかの様に、普通に日常を送っている。どうして、あんなことを許したのだろう?今だって、まぶしいものは苦手だし、恋愛云々は全く理解出来ない。それでも以前とは違う。あれ以来触れたりはしていないけれど。
275名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 19:08:54 ID:D07f/dnu


 なんだか妙に優しくなった、まぶしい生き物を、不意に意識してしまう。

276227:2007/04/19(木) 19:26:34 ID:gpYVWxWB
SM神様キテター!!
超絶乙です!
控えめに積極的なスナコテラカワユス!!(゚∀゚)≡3ムハー
萌えまくりました、GJGJGJGJGJGJです!
今、恭スナ一本書いてるのですが、その前に小ネタを一つ投下させて頂きます。エロなしですがすみません。。



漂ってくる、芳香。
くる、と腹が鳴き誘われた先に。

「何独り占めしてんだよ」
いーもん食ってんじゃねぇか、と目を細める。
「だめですっ、これはあたくしがあたくしの為だけに作ったんですからっっ」
おーぉー、毛ぇ逆立てた猫みてえ。
構わず手を伸ばして掬い取る。
制止の声を無視し「ん、やっぱうめぇ」
洋酒の効いたガナッシュクリームを舌で溶かし満足気に頷いた。
「あぁっ!!あたくしの!あたくしのチョコレートケーキなのにぃぃ!!」
もうこれ以上一欠片でも渡すものかと唸る頬に指の腹に残ったクリームを乗せ、頬ごとぺろりと舐めあげた。

…一瞬の硬直のあと、怪獣のような悲鳴を上げて蹲った頭に視線を落とし、髪をぐしゃぐしゃと乱してやる。
「自分だけうまいもん食おうとすっからだ、ばぁか」
「知りませんっ、とにかくもうっ!絶っっ対にあげませんからっ!!」
だから出ていけと涙目で怒鳴るが、
「いやだね、俺は腹減ってんだよ」だから何か食わせろ、と続けかけて飲み込む。
「じゃあさ、」

ケーキじゃなくておまえを食わせろ。

「なっ…!」凍り付いた隙を見計らって皿を奪う。
「ひっ、卑怯者ー!!!」
遠慮なく平らげ、キッチンを後にする。
「ごっそーさん」
詐欺師だの色魔だのケーキ返せ人でなしだのぎゃんぎゃん叫んでいるが気にせず退散した。
長居すると刺されかねない。
「あの、顔」思い出し、くつくつと笑いが込み上げる。
「冗談だっつの」…半分は。
ほっぺた、桃みてぇだったな。
不意に思い出し、火照るのはクリームに効かせた酒の所為だと言い聞かせ。
「あー、くそっ」

―――やっぱ両方食っときゃよかった。




恭スナ、恭平視点ですがエロまで至らずです。。力不足で申し訳ありません。
恭平イライザ→恭スナ神様や能面神様の蘭嬢、など、
wktkしながら待っております!ではノシ
277名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 08:11:51 ID:4i9WTv8D


ああ…神々乙…!!!
朝から至福(*´A`*)
278名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 23:35:08 ID:sORZqdXD
武ノイ神乙!
SM神続き乙!
ケーキ強奪恭スナ神乙!

週末に連続でキテター
どれも本物が目に浮かぶ秀作dkdk
279名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 23:00:46 ID:T0F3wmCK
 暖かいコメントありがとう゚+。(*′∇`)。+゚


ケーキ強奪良かったです。次の作品楽しみにして、待ってます。
280227:2007/04/22(日) 01:27:25 ID:jRLsGWUG
エロなし小ネタなんぞにお褒めの言葉を頂いてしまって大変恐縮です。
ありがとうございます。
エロ有り恭スナを寝る前にこっそり投下させて頂きます。
やたら甘いかもorz
ので、それはちょっと、という方はお手数ですがスルーして頂けたらと存じます。
281227-1:2007/04/22(日) 01:29:35 ID:jRLsGWUG
お二人とも、恋なんて、ナニがそんなに楽しいのですか? 

あたくしには大いなる勘違いにしか思えないのに。と玉緒の持参した紅茶をいれながらスナコは呟いた。
昼下がりのテラス、今日は恒例となったレディ限定のお茶会である。
スナコ特製の茶菓子を頬張り、乃依はまぁたそんなこと言ってぇ〜!と小さくむくれた。
茶会の主な話題はこの眩しい二人の愛しいお相手についてが九割方を占めるのだが、いかんせんスナコには全く理解不能である。

恋について熱っぽく語るふたり。
なれそめ、惚気、この間のデートのこと。
さっぱり理解できず、する気もないのでまぁあたくしには関係ないしとガトーショコラを切り分けていると、
「スナコちゃんはどぉなの?恭平くんとは」
無駄ににこにこにっこりとした乃依がスナコを凝視していた。
「まぁ、スナコさんやはり恭平さんと…どうして教えてくださらなかったの?」
ティーカップを口元から離し、玉緒が目を丸くする。
「何がですか?」なんでここであのまぶしい生き物の名前が出るのか。
はて。とスナコは小首を傾げる。
「何がじゃないわよぅー!スナコちゃんと恭平くん、最近いい感じなの知ってるんだからぁ!」
まぁ、全く存じ上げませんでしたわと口元に手を遣る玉緒に、乃依は上機嫌で力説している。

あの、何か勘違いされてませんか?乃依さん。
食料を巡って毎度熾烈な戦いを繰り広げる姿の、どこを見てそのような結論に辿り着くのですか?
と言う地味ながら至極冷静な反論は、桃色オーラを背負う乃依の前に掻き消されてしまった。

それに…あの人が近づいてくると自分は身が竦み、非常に居心地が悪いのだ。
居たたまれないと言うか、背筋がざわつくような。
胸中が荒波のように騒めき、心臓を掴み出されるような苦しさ。
そう、言うなら恐怖というのがぴったりだろう。無駄にまぶしいし。
可愛らしく頬を染め恋人について語る二人の様な感情とは断じて違う。
いや比べるなどおこがましい、やはり自分とは違うし、
ましてやそのまぶしい彼女等と同列の体験など有り得ない、とスナコは一人納得する。

あたくしには恋なんて関係ないわ。だって二人が言っているような感情に囚われていないもの。
…だから、あれは恋等ではないのだ。本当に有り得ないのだ。とスナコは自分に言い聞かせた。


その夜。ひろしを丹念に磨きながらスナコは嘆息した。
茶会が終り帰り際、尚も期待に満ちた眼差しを投げる四つの瞳に、
自分とあの人に何かある訳が無い、胸に飛来する感情は乃依や玉緒のそれとは全く違う、
‥て何故こんなことを弁解せねばならないのですか。とひとしきり説明したにも関わらず、
彼女等は揃って「でも、少なくともそれってスナコちゃん(さん)にとって恭平くん(さん)はある意味特別って事(ですわ)よね?」
と輝かんばかりの笑みで返してくださったのだ。

「…ねぇ、ひろしくん」腹部の空洞を慎重に拭き上げながら、腕の中の大切なお友達に語り掛ける。
どんな感情だろうと、他の人とは違うものを感じるって事は、『特別』なのだ、と乃依は言い切った。
それは何となくわからなくもない。
だって、あきらくんもジョセフィーヌもスナコの大切な大切なお友達だけれども、
ひろしくんはもっと大事。順位を付けるわけじゃないけれども、スナコの中でひろしは『特別』だと思う。
大好きだ。でも、百歩譲ってあのまぶしい生き物が『特別』だとしよう、
だからってひろしくんに向ける“すき”とは全く正反対だ。
だからあの人を好き、というのは有り得ない。
じゃあ嫌いなのかと言うとそう言う訳でもない、気がする。
282227-2:2007/04/22(日) 01:38:44 ID:jRLsGWUG
我儘だし乱暴だし好き嫌い多いし、その癖食い意地張ってるし、それに…。
「あぅ」頭がぐるぐるしてきた。
何であたくしがこんな事を考え込まなくちゃいけないの。
ぶんぶんとかぶりを振って、スナコは脳内から恭平を追い出した。
手が止まっていた事に気付き、
「ごめんね、ひろしくん」
さぁ、綺麗にしてあげるからね、と無機質な体を裏返した。

「…ぁあぁ、もうっ!」
考えないようにしよう、今はひろしを磨くのだ、と意識すればする程に、
それに反して浮かんでくるのはあのまぶしい生き物で。
スナコは苛立った。
考えないようにと意識している時点で自分が恭平に捕われている事にスナコは全く気付いていない。
「どうして、どうしてあたくしの至福の時間迄邪魔をするのっ、あたくしをどこまで苦しめれば気が済むの!」
覚えのある息苦しさに襲われて更に腹を立てる。

お茶でも飲んで落ち着こう。
そう思い立ち、綺麗に磨いたひろしを定位置に立たせるとスナコはキッチンへと向かった。


湯を沸かしてティーポットに注ぎ入れる。
3分待ってカップに移すとリラックス効果があるのよ、と乃依に教わったカモミールの柔らかな香りが鼻孔を擽り、スナコは深呼吸をした。
温かい液体が喉から胃に滑り降りるのを感じ、ゆるく広がる熱にささくれていた感情が慰められていく。
ほぅ、と吐息を洩らし、スナコは先程の茶菓子を残しておいた事を思い出し戸棚を開けた。
しっとりとバターの馴染んだマドレーヌ。やさしい甘味が口の中に広がる。
「うふ。我ながら上出来」
あぁ、美味しい。一人顔をほころばせているところに、それはいきなり降ってきた。


「おっ、うまそーじゃん」一番聞きたくなかった声に、ぎくりと背中が強ばる。
「な…なんでここに」
折角緩まった気持ちが音を立てて凍り付いていく。
「夕食あんなに召し上がってたじゃないですか」
「しょうがねーだろ、食べ盛りなんだからよ、」
夜食を探しにきたのだと言う。
「うまそーじゃん、それ。俺にもくれよ」
いつもなら寄越せ、いやですと大喧嘩だがスナコは黙って差し出した。
そのままそそくさと茶器を片付けようとする。
…とにかく今はこの男と少しでも離れたかった。
面食らう恭平を極力視界から外し、流し台へと足を速める。
「なんだよ、様子おかしいぞおまえ」
まぁ、おかしいのはいつものことだけどな。と嘯く恭平にイライラが募って。
「誰のせいだと思ってんですか!」堪らず、スナコは癇癪を起こした。
「あっ、あなたのせいで今日一日あたくしがどれだけイライラしてぐるぐるしてっ!もう散々ですっ、こりごりなんですっ」
一気に畳み掛けた所為でぜーはーと息を切らす。
「はぁ?!今日一日って、俺なんかしたかよ?してねーだろ?意味わかんねぇし!」
売り言葉に買い言葉で、二人の間に険悪な空気が流れる。

先に音を上げたのはスナコだった。
勢いに任せてぶつけたはいいが、やはりこのまぶしい生き物と同じ空間に居るのが耐えられず、トレイを置いて勢い良く踵を返す。
「おい、待てよ!」訳も分からず怒鳴られて大人しく引き下がる恭平ではない。
何なんだよ、と逃げるスナコの手首を掴む。
「いやっ、離してっ!離してください!!」
頬がかっ、と熱を帯びる。
捕まれた手首が燃えるように熱い。
背筋をぞわぞわと恐怖が駆け昇る。
「あなたとっ、同じ空間に居たくねーんですっ!!」
283227-3:2007/04/22(日) 01:43:07 ID:jRLsGWUG
叫んだ瞬間拘束が弛み、スナコは手を振り払って壁に張りつく。
「…あぁ、そーかよ、そんなに俺が嫌いかよ、悪かったな!」昏い目で恭平が吐き捨てた。


「違いますっ!」
何を言っているのだ。この男は。
意図が伝わっていない事にいらついてスナコは更に声を荒げる。
「何が違うんだよ!俺と一緒に居たくねぇってのは嫌だって事だろ!」つられて恭平も怒鳴り返す。

「だからそうじゃなくて!あたくしが落ち着かないんですっ!
あなたまぶしいし!あなたが近くに居ると、胸が苦しくなって!全身がざわざわして!」
叫びながら、どうして自分は未だここに残って居るのだろう、とちらりと思う。
さっき手が離れたとき逃げられたし、この男が出ていこうとした時に止める必要もなかった筈だ。
だが、熟考する前にぽかんとした恭平の顔を見て苛立ちが再燃する。
「大体っ、『特別』って何なんですかっ全く分かんねーですしっ!嫌いじゃないのは認めますけど乃依さん達の言ってる事と全然違うじゃないですかっ」

…あぁ、何を言っているのかしら。
頭の片隅でもう一人のスナコが冷静に突っ込みを入れているのに、言葉が飛び出していくのが止まらない。
感情が昂ぶって視界が潤む。
もう、まただ。どうしてこの男が絡むとこんなにも取り乱すのか。
思考回路がぐちゃぐちゃでどうしたらいいのか分からない。

「…おまえさぁ」不意に恭平の声が力なく響いた。
次の瞬間、やんわりと全身に負荷がかかり熱っぽさに包まれる。
抱き締められている事に気付き、全身がまたざわめいた。

恐い、逃げるのよスナコ。逃げなきゃ、早く。
警報が谺しているのに金縛りに遭ったように動けない。

「…今の、マジ」
いつもの俺様っぷりを微塵も感じさせない、弱々しい声音。
何でわざわざ嘘をつかなきゃいけないんですか、と釣られて力なく答えると、更に自分を包む負荷が増した。

嫌われてると思ってた、とか細く呟く恭平に、
だから嫌いな訳じゃ無いですし、と言い返す。
なぜあたくしが弁明のような事をしているのかしら、と不満に感じたものの、
恭平の声があまりに震えていたので深追いをやめた、のだが。

「おまえ、さっきの言葉、告白にしか聞こえねぇんだけど」
飛び込んだ爆弾発言にスナコは我に返る。
「なっ!!」何を言いだすのだ、この男までも。
「なんでそーなるんですかっっ!確かに嫌いじゃないとは言いましたけどっ、あたくしはあなたが苦手なんです!!」
腕の中から逃れようとじたばたもがくが、恭平の腕はびくともしない。
284227-4:2007/04/22(日) 01:45:12 ID:jRLsGWUG
いつも、喧嘩の時はこんな事無いのに…!スナコは慄いた。

やっぱり恐い。軽くパニックを起こし胸板を叩くが逆に拘束を強められただけで、スナコはむきになって暴れる。
「落ち着けって」調子を戻した恭平の声に怒りを覚え、
「これのどこが落ち着けと…!」
「いいから落ち着いて、話を聞け」
有無を言わさぬ物言いに気押されて、思わず黙り込んだ。

「なぁ、おまえさっき俺と居ると落ち着かなくなるって言ったよな」
そーいうのって、意識してるからじゃねぇの、と抑えた低音が降ってくる。
「ちがっ…」
「じゃあ、武長や蘭丸、雪にもそうなる訳?」
言われてしばし考える。まぶしいし、落ち着かないのは同じだけどもこの男程ではないと気付く。
「でもっ…!乃依さんや玉緒さんが言うようなのじゃなぃ…」
語尾はまるで自分に言い聞かせるように、弱く消えていく。
「ざわざわして落ち着かないってのも、胸が苦しいってのも、それって好きだからそうなるんじゃねぇの。
あいつらはあいつらだ、違う人間同士なんだから感じ方が違うのは当たり前だろ」
何を吹き込まれたか知らねぇけどよ、とまるで何でもない事のように言う。
自分の導き出した結論が根底から覆され、スナコは呻いた。

じゃあ、あたくしは、本当にこのまぶしい生き物の事が、好きなの…?
『すき』と言う単語をじわじわ反芻する。ふぅ、と意識が遠退いた。
あまりにも自分の許容量を越え過ぎている。
「おい、戻ってきやがれ中原スナコ」耳元で乱暴な声がして
…耳、元?
「…ひぎゃあぁぁ!!」
そうだ、ここはまぶしい生き物の腕の中だったのだ。
「…るせーな」
辟易した表情の恭平を睨み付け、
「分かりましたから、離してくださいっっ!」
またも虚しい抵抗を試みる。が
「やだね」
恭平の力が弛まる事はない。
285227-5:2007/04/22(日) 01:48:25 ID:jRLsGWUG
「もうっ、何なんですか本当にっ、何であたくしがこんな事されなきゃいけないのっ、いいから早く離してっ」
意地になってじたばた暴れると、頭上で呆れたような溜息が漏れた。
「おまえ、ほんとに分かんねぇの?」
何がですか、と噛み付くと恭平は肩を落とした。
鈍いとは思ってたけどよー、と愚痴を吐き、スナコの頤に手を掛け上向かせ


「!!?」何が起こっているのか、理解できなかった。
いや、既に容量オーバーした思考回路が理解するのを拒否したとも言うべきか。
伏せた長い睫毛がアーチを描いていて綺麗、とか整った端正な顔や滑らかな肌が彫刻のよう、だとか、
何だかずれたことを考えていると不意に目が開き視線がぶつかった。
そのまま静かに唇が離れる。

「これでも分かんねぇ?」
フリーズしたまま無反応なスナコに大きく嘆息すると恭平は意を決したようにきっぱりとその一言を言い放った。

「俺はな、中原スナコ。おまえが好きなんだよ!」

現実逃避の海にたゆたっていたスナコの意識を、その一言が乱暴に引き戻す。
ぼんやり遠くを見つめていた瞳が緩やかに焦点を合わせ、再度二人の視線が絡み交じり合う。

今…何て言った?この男は。
じわじわと全身の神経が感覚を取り戻す。
自分を見据える瞳の煌めき、腰に回されたしなやかな腕、互いを包む熱気
―――置かれた状況及び受け取った告白を反芻し、スナコは全身の血液が逆流するような感覚に襲われた。

「…嘘、」
「嘘じゃねーよ」嘘ならわざわざこんな事するかよ。
とばつが悪そうに呟き、赤面した恭平はぷいと目を逸らした。
「なぜ…?」あまりの動揺に、自分の声が裏返るのを感じる。
「理由なんて無ぇ、気が付いたらこうなってただけだ」
返ってくる言葉も、少し擦れている。
じゃあ、おまえは理由とかあんのか?と逆に問われスナコは困惑した。
ついさっき自覚させられたばっかりなのに、分かる訳ないじゃない。
不満と困惑が表情に浮かんでいたらしく、眉間をぐりぐり押されてまた口付けられた。

―――さっきより長く、深いキス。酸素を求めてスナコはか細く喘いだ。
だが、執拗に追い掛けてくる恭平の唇にすぐに翻弄される。
何度か(事故で)合わせたそれとは全く違い、明らかな熱をスナコに送り込んできて、頭がくらくらと痺れる。
やっと離れた唇から引く光る糸を唾液だと判別するのに時間を要するほどに、スナコは惚けていた。
温みが離れるのを心細く感じ、自分からぎこちなく舌を這わす。
恭平の体がびくり、と大きく震えた。
「…かやろ、」
人が折角必死で我慢してんのに、てめぇ。
甘さを滲ませた擦れ声が耳に届いたのと同時だったか。
荒々しく口蓋を舌でこじ開けられ、貪るようなキスがスナコの意識を鈍らせていった。
286227-6:2007/04/22(日) 01:54:44 ID:jRLsGWUG
視界に見慣れない壁紙を認めて気怠く体を起こす。
「…ここは」
「俺の部屋」声の方向に目を遣る。
「うきゃぁ!!」
そこにいたのは半裸の恭平で。

段々と記憶が蘇ってきてスナコはあまりの恥ずかしさに眩暈を覚えた。
「なっ…ななななんで脱いでるんですかっっ」
あまりに神々しい眩しさを直視出来ず、枕を抱えて突っ伏す。
「風呂入ってたんだよ、おまえ起きねーし」
恐る恐る顔を上げ、時計を見やると結構な時刻を指していて。
「さっ、さようですか、じゃああたくしも」
お風呂入って寝ます、と腰を浮かし掛けたところに恭平がのし掛かってきた。

「行かせねぇ」
そのまま押し倒され、首筋に熱い吐息が掛かる。
「ひぁっ」くすぐったさに声が裏返り、スナコは羞恥に頬を染めた。
…この状況は、よろしくなさすぎる。
「あっ、ああああのっ、もう夜も遅いですしっ、」
だから早く寝ないと明日寝坊します!と何とかこの状況から逃れることを試みるが、
「明日日曜」あっさり撃沈される。
大体、何で自分はここにいるのか。
訳分からないしこの状態はなに。心中で問うた筈が口に出ていたらしい。
「俺が運んできたんだよ」
んな事くらい分かります。でも、何でこんなことに?と今度ははっきり問い掛けてみると恭平は心底呆れたような顔で見下ろしてきた。
「俺は!我慢してたの!なのにてめーが火ぃつけたんだろーがっ!」
もう説明終わり。と恭平は黙ってスナコに覆いかぶさった。
287227-7:2007/04/22(日) 01:56:54 ID:jRLsGWUG
「っひゃあっ!」
恭平の手がふくらみに触れ、スナコは羞恥とこそばゆさに身を捩らせた。
「うるさい」また唇が降ってきて強引に割り入ってくる。
歯の裏をなぞる舌の動きに、先程感じたぞくぞくするような不思議な感覚が這い昇ってきて大きく身じろぎした。
一度クリアになった思考がより鮮烈に状況を伝えてきて、どうなるのか分からない不安に身が竦む。
身体の下で硬直したスナコに気付いたか、恭平が姿勢を正した。
そのまままっすぐ見つめてくる。
「…いやなら今のうちに言えよ、まだ間に合う」
射ぬくような視線に堪らず目を逸らす。
黙り込んだスナコを恭平が静かに見つめている。
痛い程の視線を感じながらスナコは必死に思いを巡らす。
あたくしは、このまぶしい生き物を、苦手だし、恐いけど…いやじゃない。
今も胸が張り裂けんばかりにどくどくしていて、近くに感じる息遣いが全身を強ばらせるけれども。
空気を震わせ伝わる恭平の熱気がじわりとスナコに汗を浮かせて。

―何故か、離れがたいという思いに身を絡め取られ、スナコは手を伸ばした。

おずおずと、恭平の胸板に触れる。
微かに震え、激しく脈打つ鼓動を指先に感じて、何だか妙な愛おしさにきゅんとする。

「いやじゃ…ないです」
全身が、熱い塊に包まれた。
「途中でやっぱなしって言っても、もう止まんねぇからな」
耳朶を打つ声が欲情を纏って甘く滑り込む。
激しく舌を絡め合いながら、恭平の指がまた乳房に触れる。
やわやわと揉みしだかれ、知らぬ刺激にぴくりと震える。
「…やわらけぇ」唇を放し、おまえ地味にいい身体してるよな、と囁かれスナコはぼふ、と紅くなった。
「なっ!」抗議を試み持ち上げた腕を固定されてそのまま器用に上着を脱がされ、ブラのホックを外される。
拘束を解かれぷるんと外気に触れた果実の先端は、意志を持つかのように立ち上がっていた。
鋭敏になった感覚に嫌でも自覚を促されるのに、
「おまえの此処、もうこんなんなってんぞ」
敢えて突っ込む恭平の意地悪な笑みに羞恥と怒りで身が震える。
288227-8:2007/04/22(日) 01:59:29 ID:jRLsGWUG
「うるさ…あぁっ!!」最後まで発することが出来なかったのは、おもむろにそこを口に含まれたからだ。

びりりと電流が走り、身体の芯に火が灯る。
恭平が自分に触れるたびに、呼吸が乱れて訳が分からなくなって。
「あぁぁっ!」先端をかり、と甘噛みされて震えが止まらない。
脚の付け根がざわりと蠢き、知らず擦り合わせて耐えた。
なのに目聡く発見されてジャージまでも脱がされる。
ショーツの上からそこに触れられ、今迄と全く違う強い刺激にびくりと跳ねる。
「!!?」いつの間にか湿り気を帯びた薄布が張りつく感じが気持ち悪い。
「濡れてるな」甘い囁きが耳に潜るたび、下腹が勝手に疼いてじわりと染みる。

こんなあたくし、知らない。

未知の波に翻弄され、不安で堪らないのに身体が勝手に燃える不可解な感覚。
自分の枠が外れてどこかに溶けだしてしまいそうで、スナコは恭平にしがみついた。
「これは、何なの?…あたくし、どうなってしまうんですか?」
滲みだす不安で涙声になっている事に気付いたのであろう恭平が、
震えるスナコを抱き締め、信じられないような優しい声音で囁く。
「よく分かんねぇけど、おまえが俺を好きで、俺がおまえを好きだからこーなってんだよ」
好きだと下着が濡れるんですか?と素朴な疑問をぶつけると珍しく恭平は赤面し、無言で下着の脇から指を滑り込ませた。
289227-9:2007/04/22(日) 02:01:01 ID:jRLsGWUG
「ひぅっ!!」唐突な異物感にスナコはびくんと腰を浮かせる。
答えになってねーです、と切れ切れに抗議すると恭平の手がスナコの手を握り、下部へ導いた。
熱く硬いものに触れ、指を滑らせるとぬる、と何か掠める。
「っあ」恭平が、びく、と大きく震えて呻いた。
「ばっ、おま」
まさか知らないわけじゃないだろうな、と弱々しく抗議する恭平の態度にスナコはゆるりと思いを馳せ、

…一連の流れを何となく把握し。

「ぁわわわわわわ」
顔から火が出るとはこう言う事か、いや、顔どころではない、全身が燃えるようだ。

「おまえ…鈍いにも程があるぞ」茹蛸と化したスナコを抱き締め、恭平は溜息を吐いた。


ぴちゃ。ぴちゃ。ちゅくっ。部屋に響く水音。
「っ、ふぅっ…あぁん」
恥ずかしさと同じ位の快感にスナコは喘ぐ。
何だかんだで行為を再開したはいいが全て自覚した後の恥ずかしさは先の比ではなく。
意識してしまうからこそ、全てにおいて過敏になってしまう。
「…だいぶ解れたな」水音を生み出す男の指が、つぷ、と胎内を行き来する。
「ふぁぁんっ、やぁっ!!」その度にどうしようもなく揺らされて。
スナコの顔は汗と涙でぐしゃぐしゃだ。

「おい」反応良すぎ、おまえ。
わざと耳元に言葉を落とし込み、「そろそろ入れっからな、力抜け」ひくりと波打つのを見て愛でる。
290227-10:2007/04/22(日) 02:02:20 ID:jRLsGWUG
やべぇかも…マジで。
腕の中で乱れるスナコに恭平はぞくりとする。
さっきまで自分達がセックスをすると言う事を分かっていなかったのに、この反応の良さは何だ。
いつも色気のないジャージでホラーに夢中で色気も減ったくれもないのに、匂い立つ女の色香にくらくらする。
自分にしがみ付き、ぎこちなくも懸命に応じてくれている、それが恭平には堪らなく愛おしい。
焼き切れそうな理性を繋ぎ合わせ、これから与える苦痛を少しでも減らしてやらねばと思うが、自分自身もう限界に近い。
素早く避妊具を装着し入り口にあてがう。
「ぁんっ」漏れ出た嬌声にぷつんと最後の理性が切れた。


「ぃ、あぁぁあっ!ゃあぁ!!」快楽の渦から一気に痛みの坩堝に引きずり込まれ、スナコは思わず悲鳴を上げた。
焼け付くような感覚と目の奥が真っ赤に染まるような錯覚。
「おい、力入れんな」
でないと、おまえが辛いぞ。と言われても痛さに勝手に身体が強ばるのだ、力の抜き方なぞ分からない。
ただただ勝手に涙が出る。

耐えるスナコが痛々しいが、恭平もきつい。
きゅう、と締め上げてくる感覚から必死に意識を逸らし、零れ落ちる涙を拭ってやる。
宥めるように頭を撫でさすると、弱々しく背中に腕を絡めてきた。
少しは落ち着いてきたのか、荒かった呼吸が少しずつ穏やかに変わってきたのを感じ取る。
同時に自分もそう長く持たないと自覚し。
「動くぞ」緩やかに腰を動かす。
「あぅっ、んっ」まだ少し苦しげに眉目を歪めながらも、すがりついてくる姿に胸が締め付けられる。
初めての経験で快感などろくにないだろう、それでも自分を受け入れてくれている健気さに愛しさが溢れ。

「  、 …っ」
届くか分からない、微かな声で名前を呼んで。華奢な身体をきつく抱きながら恭平は絶頂を迎えた。
291227-11:2007/04/22(日) 02:05:09 ID:jRLsGWUG
再び目覚めた時も、先程と同じ見慣れぬ天井だった。
「…っ」起き上がろうとするが力が入らない。
体は綺麗に清められているようだが、下腹部に走る鈍痛に、あぁ、あれは夢ではなかったのねとスナコは一人呟く。
何だか目まぐるしくいろんな事がありすぎて、まだ頭がそれに追い付かない。

「起きたのか」
今日だけでかなり聞き馴染んだ声が聞こえてくるが、微妙な居たたまれなさに身動きが取れず
「えぇ…まぁ」顔を伏せたまま曖昧に頷いた。
「ほれ」「ひゃうっ」頬に冷たい感触が押し当てられて思わず悲鳴を上げる。
手を伸ばすとそれはミネラルウォーターのボトルで。
丁度喉が渇いていたので有り難く受け取る。

「なぁ」「あのっ」
同時に二人発した声が微かな不協和音を生み。
「…どうぞお先に」照れと気まずさに、スナコは黙りこくった。
いいのか、とでも言うような視線を感じるものの、行為の余韻が暴れ回って恥ずかしさに目を合わせることが出来ない。

暫くの沈黙の後、諦めたように恭平が口を開いた。
「その…痛かったろ、悪かった」

超絶俺様のこの男がしおらしく謝るなんて。
何事、と思わず上げた顔が相当不可思議な表情を浮かべていたらしく。
「んだよその顔はっ!」機嫌を損ねて横を向いてしまった。
292227-12:2007/04/22(日) 02:06:21 ID:jRLsGWUG
暫くの沈黙の後、諦めたように恭平が口を開いた。
「その…痛かったろ、悪かった」

超絶俺様のこの男がしおらしく謝るなんて。
何事、と思わず上げた顔が相当不可思議な表情を浮かべていたらしく。
「んだよその顔はっ!」機嫌を損ねて横を向いてしまった。
何だかその様子が可愛くて思わず吹き出す。
可愛い、なんて思った自分に少し驚いたが流すことにした。
「笑ってんじゃねーよ!」
ぐしゃぐしゃと髪を乱される。絡まると困るので身を捩って逃げた。
さっきまで気まずくて死にそうだったのに不思議な男だわ、とちらりと思う。
「で、おまえは何を言おうとしたんだよ」
あら、そうだった。何だったかしらと思い巡らすが今の遣り取りでどこかへ飛んでしまったようだ。
仕方がないので黙っていると
「あのさ」またもや恭平が遠慮がちに呟いた。

しばし言い淀み、やっぱいーわ。と黙り込む。
「別に、嫌じゃなかったですよ?」
水を一口飲んで、そしらぬ振りで言うとしょげた男が弾かれたように顔を上げた。

「そりゃ、痛かったですし強引でしたけど」
嫌だったらしねーです、こんなこと。
ちろ、と横目で見遣ると今度は真っ赤になって固まっている。
「なっ…」
あんだけ恥ずかしい行為をしておいて、何で今更そんなになっているの。つられて自分の頬も熱くなる。
「あたくしの気持ちに気付かせたのは、あなたじゃないですか」
今更何ですか、まぶしい生き物のくせに。こういう事は、あたくしより慣れているはずでしょう。
と照れ隠しにまくし立てると、乱暴に抱き寄せられた。

「うっせ、自分からこういうことすんの初めてなんだから仕方ねぇだろ!」
あと、その呼び方やめろ!
強い口調とは裏腹に小刻みに震える体。
その仕草が怯えて擦り寄る子犬のようねと感じ。

―恐いと思っていたのはあたくしだけじゃなかったのね。
そう思ったら何だか少し落ち着いて、スナコはやんわりと恭平を抱き返した。

まぶしいのは相変わらず慣れないけれども、ひとつ問題が解決した事に安堵して。
そうしたら何だか人肌の温みに眠気を誘われ。
スナコはそのままこてん、と眠りに堕ちた。

「…おい」何自己完結して寝てやがる。
恭平の問いは、虚しく宙に漂い、消えていった。
「…ま、いっか」
規則正しい寝息を立てるスナコを静かに横たえて、頬に掛かる髪をさらりと流してやりながら恭平は極上の笑みを浮かべてスナコを見つめ、
健やかな寝顔にそっとキスを落とした。
293227:2007/04/22(日) 02:14:14 ID:jRLsGWUG
終わりです。
改行エラーであわてて貼り直したので、文章のだぶりはないと思いますが
何だか無駄に長いわレスまちまちだわで見ずらくてすみません。
もっと精進します。
では、ROMに戻らせて頂きます。
294名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 02:27:37 ID:jRLsGWUG
…て言ってる傍から最後の2レス被ってるしorz
もう、本当にお目汚しで申し訳ありません。
レス大量消費してすみませんでした。では。
295名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 09:04:39 ID:W0GIkdZd
ぎゃー!朝からGJな作品が読めて嬉しいです!!
やはり恭スナは最高ですね!
296名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 10:08:58 ID:lM1+AT8N
ケーキといいこれといい…萌えすぎて禿げた(*´A`*)
師と呼ばせてほしいほどGJ!!!
297名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 12:17:17 ID:E9PDx8Tm
萌えましたー^^
298名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 12:29:22 ID:6FpGv4EM
萌えすぎて死にました(*´д`*)
299名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 14:25:00 ID:3BZ0nEPR
>>227
神すぎる…
変だな目から水が…(;∀;)
エロ系ライトノベルの作家降臨かとオモタ

ここの職人さん、うまい人が多くて幸せだ
300名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 22:31:34 ID:aEQRcA/3
激萌え(*´ω`*)
301名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:20:07 ID:H3Q39WFS
萌え過ぎて爆発した
ありがとう、ありがとう!!1!
302名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:22:33 ID:F1zhpH2O
ホントに萌えた゚+。(*′∇`)。+゚しあわせ

何度もあれなんだが、SMと同時に考えてた話があって、ほのぼのエロなしだからどうしようかと思ってたんだが、思い切って投下します。
303名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:23:33 ID:F1zhpH2O


―――とある日の出来事。
 いつもの様に、学校へ行くと、生徒達の様子がおかしい。沢山の生徒達が、何かを見て騒いでいる。どうやら、新聞部がとんでもない写真を隠し撮りして、記事にして掲示板に貼りつけていた様だ。
「マジ・・・・?」
「合成とかじゃなくて!?」
 生徒達の中には蘭丸、武長、雪之丞、乃衣も交じっていて、あっけに取られている。いや、乃衣に関しては独りはしゃいでる・・・とでもいうのだろうか。何だろう?と恭平が覗き込む。また、スナコもクラスメイトに無理矢理引っ張って来られたのか、しぶしぶとそちらを見る。
304名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:24:25 ID:F1zhpH2O
!!!!!!
 なるほど、とんでもない記事だ。以前、恭平とスナコが保健室で《ちゅー》しちゃったのを、知らぬ間に撮られていたらしい。当然のことだが、写真嫌いのスナコは怒りに身を任せ、貼りつけてある記事の、自分が写っている箇所だけをカッターで切り抜いた。
「こんなもの・・・・こんなものは、後世に残してはいけないのです・・・・・」
 恭平も相当腹が立ったのか
「ふざけんなよ!!首謀者見つけてぶん殴ってやる」
・・・・・と、まあ、こんな具合で。もちろんこれだけでは済まないのだが。
305名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:25:23 ID:F1zhpH2O
 当然といえば、当然なのだが、スナコは恭平ファンの女生徒達に呼び出されることに・・・・。恭平は恭平で、沢山のファンに追い掛けられて逃げ回る始末。
 新聞部の奴等をぶん殴ったまではいいが、これで平和になるわけではない。心配した三人が、スナコを発見する・・・・が
 時、既に遅し―――
「ひぃぃぃぃ、もうやめてー!!!」
 逆にスナコにぼろぼろにやり返された女生徒達が、残骸と化していた。
「遅かった・・・」
と、溜息を吐くが逆上した女生徒の一人が、硝子の瓶を振り上げ、スナコを背後から襲った。
306名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:26:15 ID:F1zhpH2O
 硝子の割れる凄まじい音を聴いたにも関わらず、何の痛みも無く、代わりに肩にのしかかるよく知っている重み。
「恭平!!!」
 三人が走って近づいてくる。
「・・・・・っつう」
 頭部から少し血が滲んでいる。まさか、恭平がスナコをかばいに来るとは思わず、怪我をさせてしまった女生徒もその場でへたりこんでいる。その他の女生徒達が、おどおど泣きながらも恭平に大丈夫?等と話し掛けるが、恭平の苛立ちも限界に達していた様で
「も・・・・行けよ」
 傷が痛むのか、頭を押さえながら睨み付け、もう一度、怒鳴るように叫んだ。
307名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:27:11 ID:F1zhpH2O
「行けって言ってんだろ!!!!俺が一方的にちゅーしたんだよ!!だから、これ以上イライラさせんな!!!!!」
 ごめんなさいと謝って、女生徒達は去っていく。スナコは・・・というと、恭平に抱き締められ、いつものごとく鼻血を吹いて気絶していた。
 軽く保健室で手当した後、蘭丸のおかげというか、何というか・・・・恭平とスナコは保健室の先生に先に車で自宅まで送ってもらった。

 恭平は、部屋で横になって休んでいる。まあ、かばってもらって放ったらかしも何なので、様子を見ようとノックして、ゆっくり扉を開ける。
308名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:31:20 ID:F1zhpH2O
 なんだ、寝てるのか・・・・と、スナコは差し入れのデザートをベッドの脇に置いた。先程の情景が思い出される。
 まあ・・・・確かに一方的ではあったし、あの時は突然《ちゅー》なんぞされて、出血多量で死ぬかとも思ったんだが。そういえば、他にも何度か救けられたりしたっけ。

 そんなことを、ぼんやり考えては繰り返した。いつしか、自分でも気付かないうちに、(無意識だったと思う)スナコは恭平の唇に、そっと自分の唇を重ねていたことに気付く。

あ・・・あたくしったら、一体何を!!!!!慌てて、部屋を飛び出した。
309名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:32:15 ID:F1zhpH2O
「あんな・・・自殺行為・・・・!!!」
 そして、そのまま廊下に伏して、冷や汗が流れ出るのを感じ、息を切らしていた。恭平は―――というと、扉の閉まる音と共に、寝呆け眼のまま
「今の・・・・夢!?」

 翌朝、恭平は考え事をしながら、食卓へと向かう。(やっぱ夢かなあ?あいつが俺にあんなことするわけねーし)
 まだ、料理をしている最中のスナコと目が合う。急に取り乱して、真っ赤になったスナコを見て・・・・
ああ、現実だったのかも知れない―――と、今だ熱を帯びた自分の唇を指でなぞってみた。
310名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 02:39:11 ID:F1zhpH2O
エロなしだし、元ネタから繋げて作っちゃったので、なんか申し訳ないですが・・・これで終わりです。
311名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 07:45:19 ID:zd+vDtOD
寝ぼけて夢か現実かわからないで呆ける恭平いい(´д`*)そいで無自覚なすなこちゃんもいい(*´д`*)GJ!!
312227:2007/04/23(月) 10:20:34 ID:YBtJmO5F
SM神様キテタ――!!!
朝から萌えをありがとうございます!!GJ!!!!
うぁー、原作のその後がそのまま形になったみたいだ(*´∀`*)

恭スナ甘エロ、たくさんのお褒めの言葉を頂き非常に嬉しいです。
初エロ投下がこのスレで良かった、皆様の優しいお言葉に目から汁が出る。・゚・(ノд`)・゚・。

エロ書いてる合間にどーもこそばゆくて箸休め程度の小ネタを書いてたので
こそっと投下させて頂きます。
エロパロ板なのにキスまでです、すみません。
313227-1:2007/04/23(月) 10:22:02 ID:YBtJmO5F
「しりとりしましょう!」
「はぁ?」
こそばゆいむず痒さに耐え切れず咄嗟に出た言葉に、呆れながらも乗ってくれたらしい。
「じゃあ、俺からな。」しりとり。
…さぁ、どうしたものか。
話を振ったのは自分なのに何も考えていなかったので。
「り、り…」えぇと。と必死に思い巡らし。
「臨死体験!」
まぁ、なんて素敵な言葉を思いついたのかしら。
「うひっ」単語の響きにうっとりしていると、
「うひ、じゃねーだろ、“ん”が付いてんじゃねーか!」
ったく、言い出しっぺのくせに何やってんだっつの。と頬をつねられた。
「ひっ」乱暴な態度は相変わらず、なのに瞳だけはやけに優しいから。
「…」この雰囲気が、どうしようもなく、据わりが悪い。
「まっ、待ってくださいっ!もう一回っ!!もう一回だけっ!!」
また、静かになるのが恐くてつい食い下がったのだけれども。
「わーったって」
んじゃ、つぎまた負けたら罰ゲームな。と不敵に笑うその美貌に、スナコは悪魔を見た、ような気がした。


「エビフライ」「生き埋め」「明太子」「殺し」「白飯」「死体」
「苺…っててめえ、えげつない単語ばっか並べやがって!」
「むきー!あなたこそ食べもんばっかじゃないですかっ!」
単純な遣り取りにこそ人は意外と熱中するのだ。
元来ふたりとも小難しい事が不得手な上に負けず嫌いなので、
このシンプルな勝負はなかなかの盛り上がりを見せている。
いつしか本気で睨み合い、ラリーは再開された。

「…五寸釘!」
「ぎ〜?!ぎ、…あー、ちくしょ」
勝利の予感にニヤリと口元を緩ませ、「五ぉ、四、三」カウントダウンをはじめたところで、
「求肥!!」「ちっ」首の皮が繋がってしまった。
一度掴みかけた勝利の予感に油断したのか、はたまた考えることに疲れていたのか。
「…ひろしくん!!」
反射的に出た答えがあっけなく長丁場の幕を下ろした。

「ぁ」
しまった。我に返るがもう遅い。
「はい、終了。中原スナコの負けー」
罰ゲーム決定な、と皮肉な笑みを浮かべた恭平と目が合い…何故か、目が笑っていない。
「ば、罰ゲームって、罰金とか無しですからねっ!」
このまぶしい生き物に凝視されている事が十分罰ゲームだとスナコは思うのだが。
「んー、そうだな」それも悪くはねぇけどよ、と気が無さそうに返し恭平は軽く考え込んで。
「じゃあさ」ちゅーして。
投げられたとんでもない発言に、スナコは耳を疑った。
314227-2(終):2007/04/23(月) 10:23:38 ID:YBtJmO5F
「はぃぃい!?」
聞き間違いよ、そうに違いない、ていうか聞き間違えたのねあたくしったら。いやぁね、もう。
と素早く現実逃避を始めるスナコに恭平が追い打ちをかける。
「何しらばっくれてんだよ、てめぇ」
キス、って言った方が良かったか?と駄目押しのような追撃を浴び固まった。
が、「何アホな事抜かしてやがるんですかっ!!そんなのダメですっ、あたくしを殺す気ですか、あなたはっ!」
ぐぬぬぬぬ、と唸る。
「あのな、中原スナコ」威嚇するスナコを物ともせず、
お前は勝負に負けたの。敗者が罰ゲーム受けんのは当たり前だろーが。と恭平はしれっと言い放つ。
「ったく、ヤってる時にはあんなに素直なくせに…むがっ」

それ以上言ったらほんとにぶっ殺しますっっ!!と涙目で殴り掛かるスナコに、
ちょっといじめ過ぎたか、と恭平は少しだけ反省するが、まだ少し気が収まらないので。
「わーった、もー言わねーからよ」
だから、とっととしろ。とばかりにずずいと顔を近付けた。

「〜〜〜〜〜〜!!!!」
いきなりそのまぶしい顔を近付けないで。溶けるじゃないの、と抗議するが全く聞き入れる様子もなく恭平は微動だにしない。
一応、目をつぶってくれているのは彼なりの思い遣りのつもりだろうか、さして効果はないけれど。
「うぅ…」
こんな明るいところで、この眉目整った顔を見つめ続け悩み続けるよりは、潔くキスをしてしまったほうがダメージは少ないかしら。
暫く思い悩んだ挙げ句、えぇい、ままよ!とスナコは固く目を閉じ、形の良い唇に啄むようなキスを落とした。

「ま、おまえにしちゃ上出来」
顔を離し真っ赤な顔で羞恥に震えるスナコに、恭平は無理にしなくても良かったんだぜ?と悪戯っぽく笑う。
「かっ、からかったんですねっっ!」
湯気を出さんばかりに怒るスナコの頭をぽんぽんと軽く叩き、
「からかった訳じゃねーよ」ちょっとな。と意味ありげに呟く。
「ちょっと、ってなんですかっ」ぶすくれるスナコの頬にちゅっ、と音を立てて口付けて。
「教えねー」言えるわけねーだろ、人体模型に妬いた、なんてよ。
と酸欠の金魚になったスナコの頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫で、恭平は心の中でこっそりと呟いた。

315227:2007/04/23(月) 10:25:32 ID:YBtJmO5F
以上です。
次はちゃんとエロ投下したいなぁ。頑張ります。
では、また。
316名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 15:07:20 ID:AVvv/xJm
少し見てないうちにこんなに神がきてたなんて(*´д`*)
神のみなさまGJです!
317名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 17:36:51 ID:w5vavVCH
皆さんGJです(*´Д`)
萌転がってしまいまry

皆さんはコミック既刊所持者ですか?
318名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 18:14:34 ID:zd+vDtOD
甘々GJ!!!!!!!!!!萌え死ぬ…


俺はコミックも雑誌も買ってる
店員の目はもう慣れた(´・ω・`)
319名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 18:30:55 ID:w5vavVCH
>>318
うはww

まとめたいね(・ω・`)
320名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 08:33:21 ID:uhuTQdhM
誰かまとめサイト作れないかね。自分、作りたいけど作り方わからない。
321名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 19:51:21 ID:xvvSwfQj
暖かいコメント下さった方々、ホントに嬉しいです。゚+。(*′∇`)。+゚シアワセ
ありがとう。

コミックは初期の頃から買ってました。雑誌はたまに買うけど、立ち読みで済ますことが多いかな?
322名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 21:19:07 ID:mVCtICf9
>>205
続き読みたい
323名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 15:26:14 ID:DMqiRaZ/
>>322
狂おしく同意ノシ
自分もずっと待ってる。
324名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 01:00:34 ID:h6heB1Hg
自分はアニメから入ったんだけど、コミック楽しめる?買って来ようかな(´・ω・`)
325名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 01:56:51 ID:jRtrn3R6
>>324
話のノリは原作とかけ離れてるとかは無いと思いますよー。
ただ、原作既刊が18巻まで出ているので気になるようでしたら一度ネカフェ等で軽く読んでみてからにしては?

>>205神やその他大勢の神降臨の繋ぎに蘭嬢投下させて頂きます。
終始蘭丸視点、諸設定に自己補完有りの為、苦手な方はスルーして頂けたらと思います。
326227-1:2007/04/27(金) 01:58:45 ID:jRtrn3R6
最近どうなのよ、と言外に乃依との進展を匂わせただけで慌てる武長を弄るのが最近の楽しみである。
(恭平は逆切れするのでやや放置)
乃依と出会う前の武長に思いを馳せ、蘭丸は感慨に耽る。
無関心、無感動で冷淡な淡泊を絵に描いたような浮き世離れした『殿』だったのに、
今では乃依の一挙一動に一々反応する只の純情少年だ。

いやぁ、女の子は偉大だね。
綺麗でしなやかで強かで。そんな女性達の存在を蘭丸はこよなく愛している。
色とりどりの花を愛で、豊潤な蜜を求め彷徨う蝶のように蘭丸は様々な女たちを渡り歩いてきた。
十人十色という言葉の通り、彼女等にはそれぞれの魅力がある。
妖艶で物分かりの良い人妻、入念に手入れの行き届いた髪や爪で蘭丸を楽しませる女社長…
博愛主義の名の下に、総てに対し平等に。そして総てに決して深入りせずに。
それが今迄のルールであり、これからもそれは変わらない。と蘭丸は確信していた。のだが。

「お前こそ、」武長の口から出た一人の名前が、最近自分を苛立たせる。
一目で苦手なタイプだと悟った。下手に関わると面倒だと経験が告げていた。親同士が勝手に決めてきたというシチュエーションも気に食わなかった。
なのに、何度突っぱねようとも彼女は自分の一歩後ろで涙を堪え、儚げに微笑んでいるのだ。
そしてそれを見ると、感じたことのない疼きがじくりと胸を刺す。
彼女の存在が自分の中に入り込んで侵食を始めている事に気付いた時、奇妙な温かさを感じたが同時にそれを激しく嫌悪した。
「どうもこうもないさ」所詮、勝手に決まった許婚だし。
と努めて冷静を装い蘭丸は返す。
それ以上振るな、と言う思惑は武長には通じなかったようで。
「そうか。でも良い感じじゃないか」何より、お前最近変わったよ。と頷いている。
「まぁ、俺は基本どんな女の子にもいい感じだし?」
そう、誰に対しても平等に。そう思う一方で、また、奇妙な苛立ちが鎌首を擡げる。
「ま、そうなんだろうけどさ」お嬢様と居る時は、お前年相応に見えるよ。
と悪気はないのだろう言葉に無性に気分がささくれて。
「…部屋戻るわ」武長は、もう何も言わなかった。


「あー、ったく!」刺々しい気分が収まらない。
こんな時は誰かの温もりに癒されたくて。だと言うのに示し合わせたように誰も捕まらない。

大体、武長があんなことを言うからだ。
行き場のない感情を吐き出せず、悶々としていたところに、携帯が鳴った。
327227-2:2007/04/27(金) 01:59:53 ID:jRtrn3R6
着信を見る。
先程留守電になった年上のひとだった。
「はぁい、蘭ちゃん」さっきは出られなくてごめんねぇ、デートのお誘いかしら?と甘ったるい声が耳に心地良い。
丁度良かった、向うも乗り気だ。今日泊まっても良い?と喉まで出かかっていたのに。
「や、ちょっと声を聞きたくなっただけだよ。」裏腹に発した言葉に呆然とした。
「そぅ、不思議な蘭ちゃん」じゃあ、今度はデートに誘って頂戴ね、愛してるわ。と電話は切れて。
ツー、ツー、と虚しく響く携帯を見つめ蘭丸は頭を抱えた。

「何言っちゃってんの、俺」こんな下手打ったのは初めてだ。
あまりのショックに気を削がれ、暫く何も考えたくなくて蘭丸は携帯の電源を切った。


その夜、夢を見た。
薄闇の中、ふとそこに現れたのは、良くも悪くも心を波立たせるあの少女。
手には光る鍵が一つ、覚束ない足取りで何かを探し歩く。
向かう方向に、ダメだ、そっちへ行くな。…来るな、来ないで。でも、見つけて。

…質の悪いファンタジーを見ているようで吐き気がする。

これは夢だ、という意識はハッキリと有るのに何故かさざめく感情だけがリアルで、矛盾した感覚に息苦しさを覚える。

ふと、彼女が古びた箱を見付け。
――ダメだ、それに触れるな。開けないで。
切実な願いは届かず。

かちり、と錠が外れる音を聞き、蘭丸は跳ね起きた。

全身にいやな汗をかいている。
「なんだよ…あれ」意味が解らない。…いや、本当は分かっているのだ。
ただ、まだそれに向き合いたくないだけで。
「…寝直そ」
ローブを脱いで力なく息をつき、強引に毛布を被り直した。

頭は妙に冴えているのに異様に怠い。
二度寝したせいかな、と重い体を引き摺りながらダイニングへ向う道すがらそれは聞こえてきた。
…好きの反対って何だか分かる?嫌い、に決まってるじゃないですか。
ぶっぶー、外れでーす!好きの反対はね、実は無関心、なんですー!だからねっ、
嫌いー、とか苦手!ってのは突き抜けちゃうとある日いきなり大好き、に変わるかもしれないんだよースナコちゃんっ!
よく分かりません…乃依さん、卵焼き焦げてますよ。
きゃーっ、いやー!どぉしよう、武長くん食べてくれるかなぁ…

どうやら乃依がスナコに料理を教わりに来ているらしい。
元気だねぇ、乃依っちは。
いつもなら、可愛いこと言っちゃって。と微笑ましく流すのだが今日に限ってはそうでなく。
328227-3:2007/04/27(金) 02:01:11 ID:jRtrn3R6
苦手を突き抜けると大好きになる、か…
今の自分にはひどく重く響いた。

何か飲もうとキッチンに入る。
「おはよう」
「あれ、蘭丸くん居たの?」
「居たの、って…」
いくら何でもそれはちょっと傷ついたんだけど、乃依っち。と恨みがましく零せば、
「だって、昨日お嬢様が携帯圏外だったって言ってたから、どっか泊まってたのかと思って」
もぅ、なんて返せばいいか分からなくて固まっちゃったわよぅ、と言い返してきた言葉に血の気が引いた。
「やばっ…」
電源を切って放置していたことに今更気付く。
道理で二度寝したまま寝坊した筈だ、いつも煩い位に鳴り止まない数種類ものモーニングコールが無かった事に、どうして気付かなかったのか。

あぁ、ごめんよ俺の可愛い子猫ちゃん達…!
礼もそこそこに、蘭丸はダッシュで部屋へ舞い戻った。

予想通りというか何というか。
留守電は早々に規定量を埋め尽くし、吹き込めなかったであろう女の子達のメール受信が引っきりなしに携帯を鳴らす。
とりあえず、順番にね。と留守電に耳を澄ますが。
…蘭ちゃん、蘭丸、蘭丸くん…色とりどりの不満の連続にさすがに辟易しはじめた頃。

『きくのい、たまおです。また、連絡致します』滑り込んだ控えめな声音に、知らず体が強ばった。

どくん、と鼓動が耳に響く。
意識してか知らずか。
そのまま流れるように携帯を操り、蘭丸は玉緒の携帯を鳴らした。

数コールの後繋がる。
さらりと不通の非礼を詫び、食事に誘う。
一瞬の沈黙の後、やはり控えめな澄んだ声が肯定の意を告げ、じゃあ明日ね。と電話を切った。

会って、はっきりさせよう。そして今度こそきっぱり突き放せば良い。…所詮押しつけられた関係だ、その方がお互いの為だし。

さてと、子猫ちゃんにミルクの時間だ、と残りのメールに取り掛かる。
…読んでも読んでも目が滑ってちっとも入ってこない。
何を動揺しているんだ?さっきから。
別に普通の事じゃないか、食事に誘った。それだけの事だ。
それはまるで呼吸の様に自然に行ってきた事で、結果どうなろうがスムーズに切り抜けてきた。
今回もそうするだけだというのに。

隠しきれない喜びを滲ませ喜んで、と応えた玉緒の声がリフレインする。
胸を過る感情は罪悪感か、それとも。
329227-4:2007/04/27(金) 02:02:29 ID:jRtrn3R6
「なんだよ…これ」そわそわと落ち着き無く揺れる。
その高揚感を、見知った言葉に置き換えると。
緊張…してる訳?この俺が?!
昨日の夢の所為か。振れを増す起伏の波に、蘭丸は呻いた。

もう、そろそろ認めてしまえ。と心の何処かで声がする。
鍵は開けられてしまったのだからと。
同時に、いやだと駄々を捏ねる幼子の様な自分も居て。
「まじかよ…」
思い至り形を成し始めたひとつの答に、途方に暮れた。

それから、暫く何をしていたのか思い出せなかった。
胃が空腹を告げ、そう言えば起きてから何も口にしていなかった、と気付きのろのろと部屋を出る。
リビングにはスナコとやけに満足げな乃依、そして武長がいた。

「スナコちゃん、なんか食べるもの有るかな」
大したものはないです、まぶしい生き物が食べ散らかしてしまったので。と言いつつも手早く支度を整えてくれ、
いい加減『恭平』って呼べばいいのに。等と考えている間に目の前に“由緒正しい日本の朝食”が並ぶ。
味噌汁の匂いに食欲をそそられ、ぐぅ、と腹が鳴った。
「スナコちゃんは本当に料理上手だよね、もう今すぐにでもお嫁に行けるよ」
舌鼓を打ちながら焼き魚を頬張る。
「なっ、なななんですかいきなりっ」
激しく動揺するスナコに、こりゃ、恭平となんか有ったな。と直感するも、下手に突っ込んで鼻血を噴かれると料理が台無しになるので追求するのはやめた。

「ご馳走様でした」箸を置き、両手を合わせる。
「御粗末さまでした」と、まだほんのり耳を赤らめたスナコが膳を下げてキッチンに消えて行くのを待たず。
「蘭丸くん、ちゃんとお嬢様に連絡入れた?」
ずず、と食後の茶を飲み一服していると、待ち構えたと言わんばかりの乃依が話し掛けてきた。
「電話したよ、明日食事に誘った」
敢えて目線を外したまま鷹揚に応える。
きゃー、とか、ほらぁ、やっぱり!うんうんっ、等騒ぎ出したので。
これ以上長居すると追求が煩くなる、と場を離れることにする。
「さっきはありがとね」色々と。
含ませた本当の意味にはまったく気付いていないようだがその方が良い。
「どーいたしましてっ」キューピッド役ねとご機嫌な乃依に苦笑しながら巡らせた視線が、不意に武長と合った。
何も言わず良かったな、とでも言うように軽く笑う。
330227-5:2007/04/27(金) 02:03:38 ID:jRtrn3R6
元々聡い男だ、見透かされたようで何となく面白くない。
だが、大本は武長の一言からだしな、と軽く溜息を吐き、微苦笑を返してリビングを後にした。
…全く、今回に限っては武長のことを笑えない。
途切れがちに聞こえてくるもーっ、何で引き止めてくれなかったのよぅ、という乃依の抗議の声に、
察しの良い武長の態度を今更有り難く思った。

一旦部屋に戻り携帯を手にする。
「蘭丸だけど。明日…」グループ最高峰のホテル最上階のレストランを手配して通話を終える。
菊乃井の令嬢を中途半端な店に連れていく事は出来ない、そんな事をしては森井の名が廃る。
―――さて、準備は整った。


迎えにきた玉緒と車に乗り込み予約したホテルへ向かう。
「あの…」お誘い頂いて、有難うございます。と恥ずかしそうに俯いて覗く白い首筋が、ほんのり色付いている。
「いや、いつも声掛けてもらってばっかだったしね」何でもないように答えながら、妙な落着かなさに視線を泳がせた。


贅を尽くしたレストランの華麗な空間。
紳士淑女の集う場所に場違いだと思われても仕方ない若い二人だが、
周囲も弁えているのか何も言わず訝しげな視線を投げることもない。
此処を訪れる人間は皆蘭丸がどのような存在かを識っている。
そして、彼が連れているのだからそのお相手も場に相応しい家柄の御息女だと理解しているのだ。

美しい所作でフレンチを愉しんだ後、珈琲を飲みながら。
「この後、何か予定は?」何気なさを装い、蘭丸は尋ねた。
「いえ…今日は」お稽古事もお休みですし。と見つめ返す玉緒に、じゃあもう少しいいかな、と再び問う。
「実は、ここに部屋を取ってあるんだけど」
ぱぁっ、と玉緒の顔に朱が散る。
提示した言葉の意味を理解しているのだろう、所在なく視線を彷徨わせか細く震えている。
敢えて結論を促すことはせず蘭丸はゆったりと珈琲を口にした――つもりなのだが、カップを持つ手が微かに震え参ったなと苦笑した。
「無理強いはしないけど」そのまま眼下の景色を見遣る。
返ってくるであろう拒絶の言葉を直視しながら受け取る自信がなかった。

「…あの」
困惑した声音に、やっぱりなと息をつきかけた時。
「では、お言葉に甘えさせて頂きます」
掛けられた言葉に思わず視線を走らせた。
331227-6:2007/04/27(金) 02:04:39 ID:jRtrn3R6
「…本当に、いいの」捻り出した声が思ったよりひび割れていて内心焦る。
「……はい」
念を押すように頷いた声も、弱く擦れていた。


豪奢なソファに身を投げ出し、広く余った隣に座るよう促すと、一瞬躊躇したもののす、と静かに腰を下ろしてきた。
正直、部屋に辿り着く迄の記憶があまりない。
余裕の無さに厭気が差すが隣の彼女は可哀相な位に固まっていて気付かれてはいないようだ。

「此処に来る、て事はどういう事か分かってるんだよね?」
びくりと大きく震える躰。
どうして断らなかったの。
困らせると分かっていて、なのに追い詰めるような言葉が次々に吐き出されるのを止めることが出来ない。
「俺が、きみの許婚だから?」
だから顔を立てたの?と意地悪な質問をする。
「…っ!」
弾かれたように上げられた顔はまた涙を必死に堪えていて。

あぁ、また泣かせてしまった。
ちくりと罪悪感が胸を刺すが、心は別の思いを湛えている。

もっと、俺の言葉に揺れて。曝け出して。隠さないで見せて。さぁ、早く。

胸中の嵐を微塵も感じさせず、ひどく優しげに微笑む。
「…違います」
わたくしが、此処に来たのは自分の意志です。
震えを必死に押し隠した声が、か細いながらもはっきりと蘭丸の耳を打つ。
瞳をきらきらと潤ませて、けれどもいつものはかなさは鳴りを潜めて。
「わたくしは、蘭丸さまが好きだから…だから自分で此処へ来ることを選んだんです」


こらえきれず、抱き締めた。

「意地悪言ってごめんね」
吐き出される吐息が熱い。
じわじわと充ち足りていく胸の暖かさに笑みが漏れる。
彼女が自分を好いてくれているのは分かっていた、けれどそれをより確実に実感したくて。
こんな捻くれた確かめ方をした、なのに真直ぐに返してくれた。
…降参だ。
最初から、勝負になんてなっていなかったのかもしれない。

「…俺も、きみが好きだよ。」
初めて形にした言葉に。
ぽろ、と先程まで目尻に留まっていた涙が零れ落ちたのを見た。
それは今迄に見たどんな涙よりもきれいだ、と思う。
引き寄せられるように舌を這わせ、雫を掬い取る。
そのまま、ゆっくりと唇を重ねた。
332227-7:2007/04/27(金) 02:05:35 ID:jRtrn3R6
ぴくんと震える初々しさが愛らしい。
驚かせないように、何度も短くついばむように口付け、そっと舌でノックする。
シャツを掴む手がくん、と力を強めた。
ぎこちなく開けられた口腔に、緩く差し入れ柔らかく絡ませると一度怯えたように引っ込めたがすぐに遠慮がちに応えてきた。
その何もかもが新鮮で。
汚れを知らない新雪を踏むような背徳感にぞくぞくする。
もっと求めてほしい。
そして、自分だけに恋い焦がれ、目の前を自分に染め上げて。
―――湧き上がるその感情を、征服欲と人は呼ぶ。


「先、シャワー浴びる?」
露骨に先を予感させる言葉に、玉緒の頬がじわりと赤らむ。
「いえ、あの」わたくし、爺を待たせたままでしたので退がらせないと。
…そう言えばそうだった。
何時も陰に控える忠実な初老の運転手は、駐車場にまだ居るのだろうか。
そう思ったら幾分冷静さを取り戻した。
危なかった、このまま本能のまま突っ走って泣かせでもしたら、暗殺されかねない…ような気がする。
「じゃあ、先に浴びてくるからその間に連絡すると良いよ」
分かりました、と羞かしげに頷いた額に軽くキスをして、蘭丸は浴室へ向かった。

熱いシャワーを頭から浴び、入念に全身を清める。
初な中学生か、と自嘲せずに居れない程鼓動が煩い。
「…参ったな」
遊び慣れているという自負、それなりに有った自信もプライドも、砂上の楼閣の様に呆気なく形を崩して。
過る不安に深く溜息を吐いた。

バスローブを羽織り先の場所へ戻る。
ちょこんと座る形の良い後頭部を視界に認め人知れず安堵し。

「お待たせ」連絡は済んだの?と問うとはい、と微かに微笑む。
何て言ったの?と髪を拭きながら尋ねたが秘密です。とやんわり返された。

では、シャワーお借りしますねと消えていった後姿を見つめ、いざという時って女の子の方が肝が座ってるんだよなぁ、としみじみ感じながら渇いた喉に水を流し込んだ。
333227-8:2007/04/27(金) 02:06:29 ID:jRtrn3R6
「あの、お待たせ…致しました」
大画面の液晶を何となく眺めていると、後から遠慮がちな声が掛かる。
振り向いた先には、湯上がりの気怠さをほんのり漂わせた玉緒が立っていた。
上気した薄桃の肌、長い髪を高く結いあげ、ぱらりと落ちた後れ毛が汗ばんだ首筋に張りついてやけに煽情的で息を呑む。
…これは、ちょっと反則だ。
一度寝た獣が、ゆるりと起き出すような感覚に薄ら身震いをした。

「おいで」
伸ばした手にそっと添えられた指を絡め取り、ゆったりと手繰り寄せる。
伝わる強ばりに、玉緒の中の覚悟と緊張の鬩ぎ合いを感じ取り。
「怖い?」出来るだけ優しい口調で聞いてみる。
「…少しだけ」
俊巡の後、消え入るような声音が返ってきた。
気丈に振る舞っていてもやはり不安なのだろう、ぎこちない笑顔が痛々しい。
「やっぱり、やめる?」今更こんな事言うのも何だけど、と静かに見遣るとふるふると首を振った。
「怖くないと言ったら嘘になります、…でも」わたくしが、望んだことですから。
不安と緊張、羞恥からか声を震わせながらも真直ぐに見つめ返してくる瞳に揺るがぬ決意を感じ取り、
もう後戻りは出来ないよ、と胸元に引き寄せて囁きかけた。

そのまま、ふたりゆっくりとベッドに倒れこんで。
硬直を解すように丁寧に口付けの雨を降らし反応を探る。
特に反応の良い箇所に舌を這わせてやると堪えきれない吐息が漏れた。
「ここ、好き?」敢えて言葉に出して確認するとじわりと温度を上げるのがやけに嬉しい。
熱くなった耳たぶを甘く食みながらバスローブの合わせを割り、しっとりと汗を浮かべる胸元に指を滑らせ。
「あっ…」
喉を突いて出た喘ぎに恥じ入って押さえ込もうとする両手をやんわりとシーツに縫い止める。
「声、抑えないで」もっと聞かせて。そんな余裕無くなるくらい、溺れて。
控えめなふくらみを下着越しに捏ねる。上質な生地の滑らかさと瑞々しい張りが蘭丸の指先を愉しませる。
「やっ…」
「ここは、イヤ?」
「ちがっ…あの、」自信が無いんです、だから見ないで下さいと玉緒は身を捩るが。
「どうして?すごく可愛いよ」ほら、ここも。
はっきりと分かる程に主張する蕾を柔く摘むと、びくんと大きく身じろいで甘い悲鳴を漏らした。
334227-9:2007/04/27(金) 02:07:37 ID:jRtrn3R6
浮いた背中に手を差し入れて拘束を外し、露になった双丘を舌でなぞり転がす。
強ばりが解けしなやかに身を泳がせて悶える姿にどうしようもなく劣情を誘われて。
男を知らない未熟な肢体に所有の印を色濃く刻み込んで行く罪深さに妙な興奮を感じ、
同時に腕の中に壊さぬように包み込んで庇護し愛で、守りたいと込み上げる矛盾したふたつの感情が渦を巻いて眩暈を呼ぶ。
すべらかな内腿を撫で上げ、つい、と中心に指を進ませると其処は既に熱い蜜を湛え潤んでいた。
密やかに主張する花芯に蜜を擦り付け押し潰す。
「あぁっ!!」
一際高く啼き、押し寄せる快感に蠢く腰のリズムが蠱惑的だ。
「やらしいね、こんなにひくひくしてるよ。ここ」
敢えて羞恥を煽り意識を研ぎ澄まさせる。
自覚することで更に高まる性感に慄く玉緒の脚を押さえ、指先と舌で執拗な愛撫を繰り返す。
「んっ…ふ、あぁっ、あんっ!だめっ…、やっ、ぃやぁーっっ!!」
体内で暴れる快感の所為か苦しげに躰を捩らせ。
指先が色を失うほど強くシーツを握り締め、大きく痙攣した後ぐったりと脱力した。

息も絶え絶えに喘ぐ玉緒の頬を撫で、何時の間にやらほつれ汗で張り付いた細い髪を指で梳く。
「大丈夫?」
呼び掛けに反応するものの動けないようで、視線だけで答えてきた。
煙る瞳が揺らめいて深い快感の名残を伝えている。

蘭丸しか知らないその表情にぞくりと身震いする。
だが、後程その恍惚は苦悶に取って代わるのだ。
だからこそ、少しでも苦痛を和らげてやりたくて快楽の渦に玉緒を誘い込んだ。
…知らず自分も駆り立てられつい夢中になってしまったのだけれども。


「そろそろ、入れるよ。」
乱れる玉緒に呼応するように体積を満たしていったそれは、今では獲物を目の前に歓喜する肉食獣の如く打震えながら涎を滴らせている。
手早くゴムを装着し、まだ充血し震える蜜壺にそっと押し付け侵入する。
「…!!!」
玉緒が声にならない悲鳴を上げ、蘭丸にしがみ付いた。
存分に解したつもりではあったが破瓜の痛みはやはり避けられなかった様だ。

蝶よ花よと育てられた深窓の令嬢に、拷問のような(と聞いている)痛みが耐えられるのか?

数多の女を抱いてきたくせに処女を抱くのは初めてだから、こんな時どうすればいいのかがわからない。
弱りきって引きかけた体を玉緒が引き止めた。
335227-10:2007/04/27(金) 02:08:47 ID:jRtrn3R6
「わたくしは…大丈夫、ですから…!だから、続けて…」
この痛みも、蘭丸さまとひとつになれた証なのですから、と苦しげに囁く姿に胸が詰まって。
「分かった」
せめて、苦痛を長引かせないように、と。
異物を拒むきつい入り口に、一気に押し入った。


暫くの間、耐えるようにふたり微動だにせずにいたが、緩やかに律動を開始する。
強ばった呻きが、だんだんと艶を帯びていく。


もっと呼んで。もっと、俺を欲しがって。俺だけを見て、俺に縋りついて。

いつしか溢れ出る随喜の涙で滲んだ双眸に映り込む自分と見つめ合う。
腕の中でもっと乱れて、啼いて。――そうして全部俺だけで満たして。
猛り狂う感情が、高波のように襲い掛かるのを止められない。
繋がった部分から拡散する熱が、境界線の輪郭を曖昧にぼやけさせて。

そう、このまま二人飲み込まれてしまえば良い。
融けて交じり合って、全て塗り潰して。この世界には二人だけになればいい。

猛る熱に冒され、譫言の様に名前を呼び合いながら汗まみれの体を抱き締めて、一際大きく震え蘭丸は薄膜に欲望を放った。


随分と、無理をさせた。
疲れ果て、深く眠る彼女を静かに見つめる。
目尻を染める涙の跡が痛々しく視界を苛む。

けれど、渦巻く感情はまだ終息を知らない。


…見て見ぬふりをしてきた、だから認める事に抵抗があった。
かたち有るものには必ず終わりが来る。だから失って後悔するなら最初から手に入れなければ良い。
今迄ずっとそう思っていた。
掛け替えのない存在なんて、そんなもの必要ないのだと。
だからこそ、ひとつの存在に思いを注ぐ事もなく、深く与えられることもなく。
知らず渇きが充たされるのをあらゆる場所に求めた。
いつしかそれが当然になり、満足していると思っていた。
…気付きたくなかったのだ、自分が誰よりも愛に飢え渇望していることに。
なのに封じ込めて幾重にもかけた鍵を、いつしか彼女が見付け、開けてしまった。
気付かずに居れた頃には、もう戻れないのだ。

目を背けたのは、自分が必死に隠し封じ込めたものを真っ向からぶつけてくる直向きさ故。
その一途な眩しさに、虚飾の鎧を剥がれ核心が曝け出された時に気付いた。
自分が今、何よりも彼女に囚われ、求めていると。
それは深く、狂おしい程に。
336227-11(終):2007/04/27(金) 02:10:03 ID:jRtrn3R6
縺れた髪をそっと解き、手櫛で軽く整えてやっていると玉緒が薄ら目を開けた。
まだ少し微睡んでいるのだろう、視点を彷徨わせながらほんのりと微笑う。
「起きたみたいだね」
からだはきつくない?と尋ねると休んだので思ったより大丈夫みたいです。と気丈な答えが返ってきた。
泊りならもっと十分な休息を取らせてやれるのだがそう言う訳にも行かない。

「無理させちゃったね、」先程の予想外の暴走を詫びる。
開け放たれたパンドラの箱を飛び出した災いの様に、迸る感情をその細い体に受た負担は如何ばかりか。
初めてだったのにごめんね。と頬に手を遣ると、上からそっと握り返された。

「謝らないで下さい」
わたくしは、嬉しかったんです。お詫びされるような事、された覚えはございませんわ。
じんわりと汗を滲ませた手に頬摺りをし、謳う様に囁く。
「蘭丸さまは、いつも優しくて、でも、どこかで人を拒絶なさっている様で」
だから、受け入れて頂けたみたいで幸せだったんです。

思わず黙り込んだ蘭丸を見て、見当違いなことを申し上げてしまったようですみません、と謝る玉緒を抱き寄せた。
その腕が微かに震えているのを自覚し溜息をつく。
「…参ったな、ホントに」

大人しく控えめな少女だと高をくくっている間に、こんなにも見抜かれていた。
そして、そんな蘭丸を理解し丸ごと受け止めてくれた。
最近までじたばた藻掻いていた自分が適う訳がなかったのだ。

「御見逸れいたしました」
…やっぱり、女の子は偉大だ。
敗けっぱなしで格好悪いが仕方ない。
が、このままの状況に甘んじている気もないので。

「俺の愛は重いから、覚悟してね?」
わざと耳元に唇を寄せて、見つけた弱点を突いてやると玉緒は首迄赤くなって。
はい。と蚊の泣くような声で頷いた。


337名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 02:14:59 ID:jRtrn3R6
終わりです。
蘭丸がへたれすぎですみません。
失礼致しました、では。
338名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 11:58:09 ID:ztf4S+wI
蘭嬢ネ申キテター(・∀・)
GJ!
339名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 23:54:37 ID:kM9JNLUe
GJ!GJ!!!!!!
340名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 22:32:41 ID:AMREIlll
GJです(*´Д`)今回もご馳走様でしたwwハァハァ
341名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 22:40:18 ID:VrsSmpHO
GJ!
342名無しさん@ピンキー:2007/04/30(月) 16:05:40 ID:7BLijRIf
なんていうか、皆キャラの特徴をこれでもかというほど把握してるよね。

すごいわー。GJ
343名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 16:17:13 ID:NH8Vqk3P
神待ちヽ(´▽`)/蘭嬢萌えた
344名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 21:44:40 ID:wgWZLsSp
神待ちに参加しますーノシ
本スレも復活してたし、どんどん盛り上がるといいな(゚∀゚)


設定捏造しまくり欄嬢に暖かいお言葉を頂き、ありがとうございます。
ここの住人様は本当に優しい方ばかりで恐縮の至りです。
今、おばちゃんに二人の関係がばれた!怒りを買った恭平、島流しの危機!?
みたいな小ネタをベースに恭スナ書き進めてるんですがエロが進まないorz
書き上がる頃には沢山の神作品が投下されてるといいなぁ。
ではまた。
345名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 13:12:19 ID:EvsV4m0X
どうでもいいけど、おばちゃんは関係バレても祝福しかしないようなw
てかむしろくっつけようとしてたしw

ま、設定として使いやすそうだし、楽しみにしてます
346名無しさん@ピンキー:2007/05/05(土) 18:01:27 ID:PXGQ5E3D
えっ・・・私はてっきり家賃の為に付き合ってるふりしてるだけなのがバレたのかと。無理矢理くっつけられる話かと思った(´ω`)勘違いでした。
347名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 22:46:18 ID:TzF2zhU9
346神サマ
違うネタでガンガレ|ω・)
348名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 07:07:25 ID:3EiuIGxT
新たに恭スナ書こうと思ってますが、設定悩んでます。X'masネタにするか、別のものにするか(´Д`)
349名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 10:08:16 ID:2RycJLnr
神ktkr
どんな設定でも全然おkっす、楽しみにしてます!
350227:2007/05/10(木) 21:27:59 ID:b9q0T10m
こんばんは。
>>348神様降臨迄の繋ぎに、>>344のネタ投下させて頂きますね。
おばちゃんのスタンスについてご指摘頂いたのですが、ネタとして楽しんで頂ければ幸いです。
ちなみに、初エチーから少しだけ進展したという設定になってます。
3511(小ネタメイン):2007/05/10(木) 21:29:52 ID:b9q0T10m
「どういう事なの。説明なさい」
…スナコと恭平の関係が、おばちゃんにばれた。

耳をつんざく轟音とともに、嵐はやってきた。
何事かと集合した面々を素早く捕縛し、スナコちゃんはお部屋に戻っててよろしくってよ、今回はこの四人に話があるの。と浮かべた妖艶な笑みに四人は背筋が凍る。
分かりましたと去っていく背中に助けを求め送った念は届かなかったらしい。
パタン、と扉の閉まる音と共に振り向いた顔は鬼神もかくやの形相で。
そして、冒頭に戻る。


「あたくしはねっ、スナコちゃんを一人前のレディーにしてくれと言ったの、手籠めにしろなんて頼んだ覚えは無くってよ!?」
仁王立ちで踏ん反り返るその背後には怒りの業火がゆらゆらと燃え盛って揺れている。
潔く謝るべきかと蒼白になる者が一名、何とか言い包めようと策を練る者が一名、初めて知った事実にわたわたと赤面する者が一名。
それぞれの思惑は、そのどれにも当て嵌まらなかった最後の一名に粉砕された。

「どーゆー事って、そのまんまだけど?」
わーばかっ、何て事言うんだ訂正しろ恭平っ!!と言う外野の悲鳴を無視して恭平は続ける。
「悪い事をしたなんてこれっぽっちも思ってねえし」だから謝る気もねぇよ。
真っ向から言い放つ。
びし、とおばちゃんのこめかみに青筋が浮いた。

「鉄檻、シルヴプレ」
携帯を取り出し、そう言い放った次の瞬間にどこから出てきたのか檻がガシャンと恭平の上に落下する。
「んだよコレ!!出せよ!」
「あたくしの可愛い可愛いスナコちゃんを傷物にした挙げ句その態度、到底許しがたいわ、この不届き者!」
このままボルネオの奥地に島流しにして差し上げてよ!と宣告された内容に三人は震え上がった。

「で」
そこでボルネオってどこだっけ、とか相談してる三人!
ビシィ、と指を差され硬直する。
あわあわと息も絶え絶えに抱き合って怯える残りの面々に目を遣りながら
「貴方達も知ってて見過ごしてたんだから同罪にしたいところだけど」
ひぃぃ、と竦む顔をそれぞれ値踏みするように睨み付け。

「雪ちゃん」
あたくし喉が渇いたわ。お茶入れてきて頂戴。
名前を呼ばれびくんと震え、直後きょとんと大きな目を見開いた雪之丞だが、弾かれたように立ち上がると駆け足で部屋を出ていった。
3522(小ネタメイン):2007/05/10(木) 21:30:47 ID:b9q0T10m
「ひどいっ!贔屓だぁー!!」
涙ながらに抗議する二人をちらりと見遣り。
「だってあの子今知った、て顔してたじゃないの」貴方達と違ってね。
ちくり、と刺すように掛けられた言葉にうっ、と黙り込む。
恭平は相変わらず檻の中で虚しい抵抗を続けているが疲れが出てきたようだ。
あぁ、どうなっちゃうんだろ俺達…!!と罰を待つ二人は恭平を見ながらがっくりと肩を落とした。


雪之丞は走っていた。
キッチンへではなく、勿論スナコの部屋へ。
「スナコちゃん!!」大変だよ、とドアを開ける。
目に飛び込んできたグロテスクな品々にうっ、と身を強ばらすもそれどころじゃない!と自分を奮い立たせ。
「どうしたんですか?」まぶしい…と不満げなスナコに、
「恭平が!恭平がどっかの山奥に捨てられちゃう!猛獣に食べられちゃうよぅ!!」
うわぁん、と泣き付いた言葉にスナコがぴくりと反応した。
「まぶしい生きものが…食われる?」
どういう事ですか、と問い返すスナコを引っ張り、いいから来て、早く!とリビングへ急いだ。


駆け付けたスナコに後光が差して見えた、と後で居残り二人組は語る。


「雪ちゃん?あたくしはお茶を」
「おばちゃん!?まぶしい生きものが食われるって…」どういう事ですか、と息を弾ませ問い掛けてくる姪に溜息をつきながら、
「あたくしの大事なスナコちゃんをとんでもない目に遭わせたんだから、当然のお仕置きよ」とおばちゃんは言う。
檻に囚われ至る所に浅く血を滲ませたその姿は身震いするほどそそられたし、
本来なら八つ裂きの刑にしてやってもいい位よ、と憤慨するその単語に少しときめいたのだが。

「駄目ですっ!」
どこぞの山中で野垂れ死にも八つ裂きも、そんなの許せない。
このまぶしい生きものが自分の知らないところで朽ち果てるなんて認めない。その死に様を見届けるのは自分だ、とスナコは勢いに任せ豪語する。

辺りが、静寂に包まれた。

スナコちゃん、何もこの状況で趣味を炸裂させなくても…
つーかやばいよあんな発言、おばちゃんの怒りに油を注ぐだけじゃん!
えぇぇ、恭平を助けたいから来てくれた訳じゃないのー!?
と、三人はがっくりきたり青くなったり目まぐるしく狼狽を繰り返していたのだが。

「スナコちゃん」
ほらきたぁ!とばかりに震え上がった三人だったが、返ってきた反応は想像を超えていた。
3533(小ネタメイン):2007/05/10(木) 21:31:38 ID:b9q0T10m
「素晴らしいわ!なんて情熱的なプロポーズなの!!」

何ですとー!!?

全員が呆然とし、いやいやいやと首を振るのだが、おばちゃんの五感は愛(ラァブ)で埋め尽くされているらしく届いていない様だ。
「スナコちゃんっ、素敵よ!さすがあたくしの姪!!
愛(ラァブ)に生きてこそ女、貴女がそこまで真剣に交際を考えているならあたくしはもう何も言うことはないわっ(はぁと)」
背中の業火はどこへやら、降って湧いた薔薇と光るそよ風を背負いながらスナコの手を握りくるくると舞い踊る。
「あの、おばちゃん‥?」何か誤解を、と言い掛けたスナコの唇を指でそっと押さえ、もう何も言わなくていいのよと上機嫌に微笑み。

「あなた達っ!いいこと?恋は女をレディーにするわ、でも恭平一人に任せておくのは心許ないから、
引き続きスナコちゃんを一日でも早く素敵なレディーにするよう尽力するのよ、分かったわね!?」
くるりと振り返り、声高々に宣言すると。

ばらっと落ちてきた縄梯子にはっしと掴まり
「お兄さまには黙っといてあげる、アデュウ〜」
何時の間に呼んだヘリに吊られ、やってきた時と同じ唐突さで嵐は去っていった。


「た…助かったぁ〜」
緊張の糸が切れ、三人はへなへなとその場に座り込む。
「つーか、なんでばれたんだ」
「いやー、相手はあのおばちゃんだからねぇ、どこにどんな情報網持ってるか分かんないし」
「でも良かったぁ、恭平が山奥に捨てられなくって…あっ」
ふと、気付く。
…恭平、檻から出してもらったっけ。
そろり、と振り返ってみると。
「おい…」誰か出してくれ。
ぐったりと疲れ切った恭平と、頑丈な檻にうっとり興味津々なスナコがいて。
「わーっっっ!!」
…一難去って、また一難。

結局、恒例の発禁グロビデオを餌に、スナコに渋々檻を破壊してもらったのだが。
その頃には三人ともだいぶ落ち着いていてそもそもの原因を推考する迄に至っていた。
…そう、もとを正せば恭平がスナコと出来ちゃったからこんな事態が勃発した訳で。

「なんつーか…とばっちりだな」と武長が溜息混じりに呟けば。
「てかさぁ、この二人とっくに互いの両親挨拶済だし」今更どうもこうもないよね、と蘭丸も投げ遣りに返し。
「もぉ!何が何だか、てか俺は初耳だよぅー!」一人混乱する雪之丞を引きずり、
なんか疲れた、行こ行こ。と外野は早々に退散を決め込んだ。
3544(小ネタメイン):2007/05/10(木) 21:32:35 ID:b9q0T10m
――――――
嵐が去り、外野も去り。
ぽつん、と残されたのは元凶二人。
片割れはぐったりと座り込み、その相方は壊れた(壊した)檻を名残惜しげに見詰めている。

「おまえなぁ…」もっとましな助け船は出せなかった訳。
打ち付けた肩をいてて、と擦りながら恭平はぼやいた。
「はい?あたくしは思ったままを述べただけですが?」
折れた柵を弄びながらスナコは至極当然のように言い放つ。

「あ、そ」…そうだ、こいつはこーゆー奴だった。
この話題終了、とばかりに頭を緩く振る。

それにしても。
「おまえとおばちゃんってやっぱ血ぃ繋がってんのな」
思い込んだら一直線なとこ、そっくり。と先程の辺りを巻き込む暴走っぷりを思い出し苦笑う。
そうですか?と腑に落ちない表情のスナコを後ろからふ、と抱き締めた。

「ふぎゃ」
なっななな何しやがるんですっ、とわたわたして赤らむ耳元に顔を寄せる。
「なぁ」
おばちゃん、すげぇ誤解して帰ってったけどどーすんの。
「俺は、構わねーけど?」

…いちいち唸ったり固まったり、忙しい奴だなおまえ。と呆れたように息をつく。
「あっ、あなたがいきなり変な冗談言うのがいけないんでしょーがっっ!!」
相当動揺しているらしく、反論する声が裏返っている。
「別に。冗談じゃねーし」
結構、本気なんだけど?と囁くと、暫く続いた沈黙のあとかくんと首が落ちた。
「まぁた気絶しやがったな…ったく」
そのまま、ぐるりと首だけ振り向く。

「おい、てめーら」さっきから何覗いてやがんだコラ。
凄んだ声音の先に。
「えっ、なんでばれたの?」
ドアの影から退散した筈の三人が、気まずい笑みを浮かべながら顔を覗かせる。
「聞こえてんだよ、こそこそひそひそやってんのがよっ!」
見せもんじゃねーぞと咎めると、
だって雪が信じらんないって言うからさぁ、だのひどいよ、俺のせい!?だの
まぁまぁ、ばれたもんは仕方ないじゃないか。だの三者三様の反応が返ってきて気が削がれ。
「…」
無言ですっくと立ち上がり、気絶したままのスナコを担いでずかずかと部屋を出る。
「家族計画は慎重にね〜」
軽口を叩く蘭丸にうっせーよ、放っとけ!と乱暴に言い返し、恭平は自分の部屋へと歩を進めた。
3555(恭スナメイン):2007/05/10(木) 21:33:36 ID:b9q0T10m
…妙な腹部の圧迫感と、居心地の悪い振動に目が覚めた。

「起きたか」
随分早かったな。と振れて響く声に首を巡らせ。
「おっ、降ろしてくださいっっ!!」
両手足を振り回してじたばた藻掻く。
「やだね」降ろしたら逃げんだろ、おまえ。
どうやら聞き入れる気はないらしい。
「う…つうか、何なんですかこの体勢はっ!!」
腹が苦しいんですけど、とめげずに文句を言うと、
姫抱っこすっとまぶしいってぎゃーぎゃーうるせーだろ。と妙に説得力のある答えが返ってきて。
成る程と一瞬納得しかけ、違ぁう!この状況の大本は何っ、と反論を試みたところで恭平の足が止まった。

ぎぃ、ぱたん。

(不本意ながら)見慣れた殺風景な部屋に入り、床にそっと降ろされる。
「あの、何であたくしはここ迄運ばれてきたんですか?」
腹筋を擦りながら訝しむと、外野がちょっとな。と訳の分からない返事が飛んできて微妙に混乱する。

「周りに誰かいると何か困る事でも?」
更に問い掛ける。

返事の代わりに、何故か押し倒された。
「ちょ」答えになってねーです!!と沸きかけた頭をフル稼働して抗議する。
「だから、こーゆー事すんのに邪魔だろ、外野が」
そりゃそうだ。
…じゃなくて、何でこうなるんですかっ!て何器用に人の服脱がしてやがるんですかっ!!
と益々混乱を極めながら抵抗すると、おまえは都合よく記憶を飛ばしすぎだと逆に怒られた。
いきなり組み敷かれて、何で更に怒られなきゃいけないのかしら。とムッとするも、やけに真剣な目に気押される。

怒っている様で、でも何かを堪えているようなこの表情が苦手だ。
見つめられると妙に胸が騒めいて何も言えなくなって、結果この男に絡め取られる。

顔を俯かせ、此処に連れてこられる迄のことを思い浮かべる。
…気絶した経緯迄辿り着き、ぶり返した恥ずかしさに思わず身悶えた。
自分の反応を見て満足気に目を細めるのが何だか気に食わない。
「大体、あなたが変なこと言い出すからっ」しかも飛躍しすぎです、と照れも手伝って噛み付く。
「はぁ?」往生際悪いこと言ってんじゃねーよ。とまた不機嫌そうな顔に戻る。
「俺は本気だ、って言っただろーが」
直球で投げ返され、曖昧な反論が逃げ場を無くした。
3566(恭スナメイン):2007/05/10(木) 21:34:36 ID:b9q0T10m
「ま、おまえがイヤだってんなら俺からおばちゃんに訂正すっけど?」
ふい、と逸らした目は複雑な色を浮かべていて。
…違う、そういうことじゃないのに。と噛み合わないもどかしさに苛立つ。
「そういう問題じゃねーですっ!」
心情に比例して、自然ことばも刺々しくなる。
「もう、どうしてそうなるんですかっ!」
イヤだとかそんなんじゃない。いつだか分からない将来の事なのに構わないとか何で簡単に言うんですか。
なのに。
「別に、簡単に考えてる訳じゃねぇよ」
返ってきたのはひどく静かな答えだった。
「確かに先の事なんてわかんねーし」
けどな、おまえとなら無くもねーかな、って思ったんだよ俺は。
「……ずるいです」
そんな事言われたら。
そんな将来があってもいいのかもしれない、なんて思ってしまうじゃないの。
「ま、もしそーなる様ならちゃんと仕切り直すけどな」
言わんとしていることに気付き、スナコは狼狽した。
おばちゃんの中では飽く迄も“情熱的なプロポーズ”をしたのは自分なのだ。
おばちゃんの浮かれっぷりを思い出し、軽い眩暈を覚える。
やはり、訂正するべきだろうか。
思考の迷宮に踏み出しかけた意識を、生暖かい感触が引き戻した。
「!!!」
覆い被さる熱と、首筋を這う舌。
そうだ、押し倒されていたのだ、自分は。
「ちょ、何してっ」
「何って、欲情してんだけど」
相変わらず、噛み合わない。
「!だから何でっ」
頭を掴み、万力を込めて押しやる。
「てめー!首もげんだろーが!!」
ちったぁ加減しやがれ、と毒づかれながらも一応何とか中断させることに成功した。
「どーしてあなたはそう訳分かんねー事ばっかすんですかっ!」
肩で息をしながら抗議し、体を起こす。
「はぁ?訳もくそもねーだろーが」
当然の流れだ。と当たり前のように言い切り、ぶつけるように唇が重ねられた。
節榑立った長い指が耳を掠めて撫で上げてくる。
「んっ」思わずびく、と震えが走った。
「んだよ、しっかり反応してんじゃねーか」
不満げに、でも気持ち満足気に洩らし、一層深く抉るように舌を差し込んできて。
…やっぱり、ずるい。
結局こうやってペースを狂わされて、知らず翻弄されていくのだ。

絡められる舌には媚薬でも仕込まれているに違いない、と浮つきはじめた頭でぼんやり思う。
3577(恭スナメイン):2007/05/10(木) 21:35:30 ID:b9q0T10m
ふっ、と全身が浮遊する。
「結構軽いよなおまえ」
普段あんだけ食うくせによ。と憎まれ口を叩かれ、言い返そうと口を開き掛けた時にはふわりとベッドに着地していた。
伸し掛かられるかと一瞬身構えるが、降りてきたのは体ではなく手のひらで。
「ちょっと待ってろ」
そう言い置いて、恭平は部屋を出ていった。
訳が分からず頭上にぽぽぽ、と?マークを浮かべていると、何やら薄ら怒号が聞こえ。

「…ったく、油断も隙もねぇ」
激しく不機嫌な顔をして部屋に戻り、わざと乱暴にドアを閉めた恭平に。
「あの、何かあったんですか?」
状況が把握できず尋ねると、何でもねーよ、気にすんな。と流され、ぼすんと隣に体が投げ出された。

「んじゃ、続き」
今度は遠慮無く伸し掛かってくる。
「ちょ、待っ」
「待たねぇよ」
そのまま首筋に顔を埋められ、くすぐったさに身を捩る。
うなじから耳たぶに掛けて這い上がる舌の動きが平常心を奪い、腰骨から首筋まで一気にぞわりと快感が走った。
「やっ…んぅっ、ふ」
何度体を重ねても、やっぱりこの感覚に慣れなくて。
その都度勝手に喉を吐いて出る声が自分の物で無い様で。
だから、口を押さえて封じ込めたいのに目の前の男はそれを許さない。
両手首を押さえる大きな掌は、決して強い力でそうしている訳じゃない。
…なのに、振り解けない。

やっぱり、さっきのキスで毒が回ったに違いない。
息が上がるのも体が熱を帯びるのも、幾度と無く繰り返され重ねられた体から染み出した甘い毒が
少しずつ自分を狂わせているからだ、そんな気がする。
だから、こんなにも眩暈がして胸が苦しくて。
「死んじゃう…」
弱く呟いた声に、どうかしたかと見つめられ、一際大きく鼓動が鳴る。
「あなたのせいで、」
あなたがおかしなこと言うから。
あなたが、あたくしをあんまり変にさせるから。
だから、そのせいで死んだらあなたのせーです。
途切れ途切れに吐き出すと。
「…すげぇ殺し文句」
乱暴な物言いと似付かわしくない、ひどく優しいキスが降ってきた。
「ばぁか」
そっと抱き締めてくる腕がガラス細工を扱うような繊細さで躰を包む。
「そんなんで死ぬかよ」
この先も一緒に居るのも悪くないって言った傍から何言ってんだ、ったく。
耳に触れる頬が熱い。
3588(恭スナメイン):2007/05/10(木) 21:36:26 ID:b9q0T10m
「だから、そーゆーのが心臓に悪いって」言ってるんです、と言い掛けた言葉を遮って
「こーゆー時は大人しく頷いときゃいーんだよ」
ったく、何度も言わせんじゃねーよこんな恥ずかしい台詞。
乱暴に言い切って、また甘く媚薬を溶かし込んできた。


密着した体が火照る。
服を脱ぎ捨てた恭平の体は至る所に浅く擦れた傷があり、乾いた血がこびり付いている。
研き抜かれた筋肉に、それは妖しく映えていたのだけれど。
…傷が残ったら勿体無い。
手負いの獣がそうするかの様に、そっと舌を這わせ舐め取る。
間違いなく鉄の味なのに、妙に甘い様な錯覚。
「…っ」
染みるのか、恭平が体を震わせた。
痛かったのだろうか、と更に注意を払って出来るだけ優しく舌で傷をなぞる。
先程よりも大きく身動いで、もーいい。と引き剥がされた。
「染みました?」
そーじゃねぇ、と溜息をつかれる。
「…自覚ねぇってのが質悪すぎ」
あんま煽んな、さっきから。と訳の分からない文句を言われ、そのまま波に攫われた。


「やっ、あぁんっ、あっ」胎内を激しく突かれ掻き回されて、暴れ回る熱にぐらぐらと揺れる。
わざと聞こえるように淫靡な水音を立て、何度も打ち付けられる腰。
狂暴な快感に何度と無く飲み込まれ、その都度引き戻され。
「やっ、ダメっ…あぁあっ!!」
角度を変え、更に深く熱い楔が撃ち込まれる。
「…あー、すげぇ、いい」
「やめっ…!」
ただでさえ身震いが止まらないのに、恭平の声までもが新たな快楽のスイッチを押すから。
耳に滑り込んだ乾いた声音にざわ、と肌が粟立った。

仰向き横たわっていた体を抱き起こされ、繋がれたまま膝に座らされる。
自分の重みでより深く沈む灼熱が理性を剥ぎ、代わって頭を擡げた本能がより貪欲に快楽を求めて腰を蠢かす。
「ひ…!んぅっ、ぁん、」欲情に潤む瞳がお互いを捕らえ、貪るように唇を求め合った。
不意に恭平が繋がる根元に指を伸ばし。
ぐに。と敏感な部分を押され、腰が跳ね上がる。
「やぁんっ!!やっ、ダメっ!」
「うぁ、締ま、る…っ!くっ」
執拗に襲い来る波に何時しか意識が白く塗り潰され。
「も、ダメっ…やっ、あぁぁあぁぁっ!!」
しがみ付いた体もより大きく激しく揺れながら。
「うっ…、イク、っ!」
膨れ上がる歓喜の瞬間に強く身を震わせ、二人昇り詰めた。
3599(恭スナメイン・終):2007/05/10(木) 21:37:31 ID:b9q0T10m
暫くの間、糸の切れた人形の様にぐったりと躰をベッドに投げ出していた。


全身を嬲る様に乱暴に通り過ぎた波の余韻が緩やかに去り、重い体を起こす。
正常に働き始めた思考が羞恥を煽り、裸の肌を責め苛む。
…早く、服を着よう。
方々に散らばる自分の服を視界の端に見遣り、もぞ、と毛布を這い出した手首が引っ張られ、バランスを崩し倒れこむ。
「どこ行くんだよ」
「何すっ、」
抗議を口にし咄嗟に振り向いた事を激しく後悔した。
「まぶっ…!」
不満げにこちらを見る端正な顔、シーツの波間から覗く均整の取れた躰。
「おまえさぁ…慣れろよ、いー加減」何で終わるとこーなる訳、と呆れた声がするのだが。
心の準備もなく飛び込んできた凶悪すぎる光景に、折角戻りかけた平常心が瓦解する。

やっぱり、間違いなくこの男は全身が自分を狂わせる毒で出来ているんだわ。とスナコは確信した。
ある時は眩しさで翻弄し、ある時は思考回路を蕩けさせて奪い。
そうして何時しか雁字搦めに捕われる。
愛して止まない暗闇から身を焦がす光の中に引き摺り出されてしまう。
…毒と言うより麻薬の方が近いのかも知れない。
抗いつつも、結局離れ難い思いに勝てないのだから。

何やらまた考え込み始めたスナコに溜息をつきながら
「ま、鼻血噴かなくなっただけマシか」
と的外れな事を言っている恭平の胸板に、こつんと額をぶつけ。
「どうして、」こんなにも好きになってしまったの。
眩しさを堪えるように目蓋を閉じると、より確かに感じられる恭平の体温と鼓動が胸をじわりと染め上げ、甘い息苦しさに呟いた。

「…おまえ、どしたの、今日」やけに素直だな。
面食らいながらも照れを色濃く滲ませた擦れ声が耳を擽る。
「…よくわかりません」
自分でも混乱し持て余している。
この男の存在が、紡がれた言葉がそうさせているということ。
頼りなくも未来を繋ごうとする意思表示を、こそばゆく受け入れてしまっていること。
理解出来る原因はこれ位、でも十分すぎる理由で。
「こんなんじゃ、おばちゃんの言う事否定出来ないじゃないですか…」
諦めたように洩らすと、折れるかと言う程に抱き締められた。
色々な意味で呼吸が停まる。
「おせーんだよ、返事」
滑り込んだ満足気な声音に、スナコは観念した。
…毒を食らわば皿まで、か。
事態の追求を諦めて自分を包み込む甘い毒に身を浸し、スナコは笑みを刻む美しい媚薬に唇を寄せた。
360227:2007/05/10(木) 21:39:31 ID:b9q0T10m
以上です。
進展した二人ってどんなんよ、と考えつつ書いてたらとんでもなく突っ込みどころ満載になってしまいすみません。
361名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 22:27:23 ID:Wc13QtOj
うわーー!!GJです!
神よありがとうございます!!
362名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 02:05:56 ID:2WMDujUx
GJ過ぎて何も言うことはありません(;´Д`)
363名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 11:19:26 ID:rkTVT/nQ
GJゴッド
すげー鼻血吹きました(*n´◇`n*)
364名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 23:47:56 ID:eE+Vc1gc
227氏乙です。今回も神!
二次と思えないほどキャラの再現がうまいなあ
やはり恭スナ最高すぎると再認識…
365名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 21:23:15 ID:hTr22/O0
原作恭スナの進展のなさにイライラするけど、ここにくれば一気にそれが発散できる(*´Д`)ハァハァ
366名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 00:39:33 ID:0pc5aL/E
確かに原作はイライラの領域に入ってるね
あれはもう、いっそ進まなさを笑う為のギャグなのかと
ここで発散できるから原作を応援する気力がわくよ(*´Д`)ハァハァ
367名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 04:30:48 ID:fGy6UpQi
GJGJ!

でもやっぱり初結ばれが一番興奮するな!
368名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 12:06:18 ID:qPWwG78J
GJ! 興奮した。
369名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 02:45:22 ID:l0kOAShz
>>360
素敵な話をありがとうございます。今、X'massネタ執筆中です。以前SM、ハロウィン等投下させて戴いたものです。たぶん今回はベッドシーンはあるけど、エロなしになると思う。
370名無しさん@ピンキー:2007/05/15(火) 10:12:11 ID:G0LzzkDA
ageとく
371227:2007/05/17(木) 23:33:40 ID:7Y4MUq4r
こんばんは。
こそっと保守小ネタ投下します。
『ご奉仕スナコ』みたいな?
372227小ネタ:2007/05/17(木) 23:34:43 ID:7Y4MUq4r
目蓋を擽る吐息に、沈んでいた意識がゆったりと浮上した。
軽く身を捩らせ目を開け、飛び込んだ眩しさに怯む。
…また、あのまま寝てしまったのね。
まだ鈍い頭を振る。
自分を緩く抱き規則正しく上下する胸が、彼がまだ深い眠りの中にあることを伝えていた。
時計を見ると何とも中途半端な時間を刻んでいたので、寝直そうと態勢を変える。
ふにゃり、と手の甲に柔らかな熱が触れた。
何かしらと視線を落とす。「!」
見てはいけないものを見てしまった様な気不味さに一瞬硬直するが、そろそろとまた見て、
まじまじと、凝視した。
先程まであんなに猛っていたもの。
「何で、こんなものに」あんなに翻弄されなきゃいけないのかしら。
原因はそれだけではないのだが、そういう事まで気が回らないらしい。
唇を尖らせ、指先で軽く突いてみる。
ふにふにした感触が意外に心地よく馴染んで、暫く弄んでいたら。
「?」
何時の間にまた熱を持って立ち上がり始めている。
…面白い。
反応に気を良くし、根元から裏筋までをつ、と撫で上げてみるとぴくんと跳ねるので。
体を起こして片手で固定し、利き手で引き続き悪戯を続行する。
亀頭をクルクルと指で転がし、浮き出た筋を撫でていると、痛い程に張り詰めて鈴口から透明な雫を滴らせた。
指に触れるとほんのり粘るそれを先端に擦り付けてやると手の中で更に震えて撓る。
顕著な反応に妙に高揚しながら、ある事を思いつきそのまま実行していると。

「…てめ、何してんだ、」
妙に擦れた声が耳を打ち、ぎくりと身を強ばらせた。


…夢を見ていた。
愛しい彼女が股間に顔を埋めて自身を愛撫している。
ミルクを舐める猫のようにぎこちなくそうしたり、巧みな動きで赤い舌を絡め吸い上げてきたり。
有り得ない状況である、故に夢だと判断したのだが。
込み上げる強烈な射精感に身を震わせたところで目を覚まし、なんつー夢だよ、と何気なく視線を廻らせ。
視界の先に飛び込んできたのは夢の続きなのか。
過ぎる刺激に頭を鈍器で殴られたような錯覚を覚え。
「…てめ、何してんだ、」
絞り出した声は呆れるほど擦れていた。


這わせていた舌を噛みそうになりながらスナコはわたわたと身を離した。
「やっ、えっと、ここここれはそのっっ」
あたくしってば、何てことを!!
我に返り泡を吹かんばかりに焦るスナコにそのまま襲い掛かる。
先程まで見ていた夢とその続きが脳裏を駆け巡り、怒張が痛い位だ。
「てめー、責任取れよ」
こんな反則技使いやがって。
熱く欲情を囁くと、躰の下でスナコが大きく震えた。
373名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 02:44:21 ID:uXjITS4c
恭平に激萌えwwwGJ
374名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 03:02:23 ID:hiGEN4NB
>>372
こんないいところで終わっちゃうなんて゚。(p>∧<q)。゚゚
恭平カワユス
375名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:23:37 ID:Z/tpWp9y
X'massネタ行き詰まりの為ボツ。代わりに違うネタで投下します。長くなりすぎたので、2回に分けて投下します。すみませんが(´`)
376名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:24:33 ID:Z/tpWp9y
「すっごく素敵な方よ。スナコちゃんと是非ともお見合いさせたくて!」
 電話の向こうでは、おばちゃんが上機嫌で話し続けている。恭平、武長、雪之丞、蘭丸は受話器を交代で回しながら、なんとかおばちゃんの暴走を食い止めようとするが、言いだしたら聞かないのは今に始まったことではなく。
「今度こそは本気よ!恭平と付き合ってるなら、仕方ないと思ってたけど、二人とも進展なさそうだからお見合いさせるわ!スナコちゃんが16歳になったら、学生結婚ってのもいいわねぇ。そうだわ!!お見合いと同時に婚約パーティーも兼ねちゃいましょう―――」
377名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:25:24 ID:Z/tpWp9y
 もはや、反対しても半殺しにされるだけだと腹をくくる。が、いくら何でもまだ会ったことのない男と結婚前提の見合いなんて―――つくづく、おばちゃんも困った人だ思う。

 電話を切った後、はぁー、疲れたと言わんばかりにゴロンと寝転がる恭平に、責め立てるよう雪之丞が言った。
「恭平、オマエが悪いんだからな!スナコちゃん可哀想だよ」
 溜息交じりに蘭丸が続ける。
「恭平がまっとうに、スナコちゃんを女の子扱いしてたら、レディになってたかも知れないのに」
 隣で武長が頷きながら言う。
「恭平、スナコちゃんの様子見てきなさい!」
378名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:27:43 ID:Z/tpWp9y
 三人に押し切られ、ブツブツと文句を言いながら、スナコの部屋に向かう。
「ったく・・・なんで俺が・・・」 ドアの前まで来たところで、一応声を掛ける。
「おーい、入んぞ!!」
 ノブに手を掛け、開けると、そこではコレクションの一つであろう、ナイフを持ったスナコが部屋中をズタズタに切り裂き、今正に手首を目がけていた。
「ば・・・・よせ!!!」
 なんとか取り押さえ、ナイフが床に落ちたところで、ぎゅっと抱き締めた。うつろな瞳で、茫然としたままスナコはか細く呟いた。「他に・・・・他に道はないのです。ここで死ぬか結婚するか・・・・・」
379名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:28:45 ID:Z/tpWp9y
 ガクガクと身を震わせ、落ちたナイフを拾おうとするスナコに、恭平は回した腕にさらに力を込める。スナコの涙が頬を伝い、恭平の肩を濡らした。しばらくの沈黙が続き―――
「・・・ある・・・・他にも方法が・・・見合いも結婚もしなくていいから―――」
 何が何だか?と、ようやく落ち着いたスナコの疑問気な表情を見据え、ゆっくりと唇を重ねた。
「なっ・・・なななにを!!?」
 思わず鼻血を吹きそうになるが、ぐっと堪える。額から冷汗が流れ出るのが分かる。が、かまわずもう一度口付ける。先程とは違い、かなり濃厚なものである。
380名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:29:43 ID:Z/tpWp9y
 舌を絡ませながら、送り込んで来る唾液と共に、息遣いや、熱が全身を伝わり蝕ませる感覚に息苦しさを憶える。気が遠くなる感覚にに何度も気絶しそうになるが、止む事のない新たな刺激と知らぬ間に火照っていく全身に、意識を呼び戻される。
「ど・・・どうして・・・・?」
 やっと離れた口端から言葉を発してみる。恭平が少し照れたように俯きながら答える。
「どうしてって・・・・オマエ見合いなんか死んだって嫌だろ!?」
 確かにそれはそうなのだが。それとこれと何の関係があるのか?ちっとも理解出来ない。あれこれ頭を悩ませるスナコに恭平は続ける。
381名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:30:45 ID:Z/tpWp9y
「だからっ!!!オマエは見合いしたくねぇ。かと言って手首切ろうとするとか、無茶苦茶なんだよ。つまり俺とオマエがそーゆー関係になれば、おばちゃんも諦めっだろ」
 そんな・・・そんな事になったら、あたくしは自分で死なずとも、眩しい光で溶けて朽ち果ててしまう。
「あ・・・・貴方の方こそ無茶苦茶です。あたくしを殺す気ですか!!?」
 わたわたと動揺するスナコの上に、構わず覆い被さる。
「まままっっっ!!!待ってください!心配しなくてもこの家で死ぬのは止めますから!そうだ、出ていきますから」
 必死で抗議するが、動きが止まる気配はない。
382名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:31:50 ID:Z/tpWp9y
 恭平は、スナコの頬、耳たぶから首筋へとキスを降らしていく。吐息が掛かるたび、スナコはびくりと身体を強張らせる。骨張った手が、の衣服の中に滑り込むと、いつの間にか再び、スナコの瞳が涙で潤んでいることに気付いた。そして、涙ながらに訴える。
「じ・・・じゃあ、家賃のことですか?それなら・・・・」
 声を搾り出し、問い掛けると、恭平はスナコの両腕を掴み遮る。
「違うっ!!!家賃でもなけりゃ、ここで死なれるのが迷惑とか・・・・そんなんじゃない!!!!」
 そう叫んだ恭平までもが、目を赤く腫らせて、今にも泣きだしそうに見える。
383名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:33:19 ID:Z/tpWp9y
「死なせたりしねーし・・・見合いにも何処にも行かせねーよ」
 両腕を掴んだ掌は、少し震えているかの様に思える。スナコは何も言い返すことが出来ず、ただ、恭平を見つめ返している。
「好きなんだ―――自分でも気付かなかったけど・・・・多分、もうずっと―――」 あまりにも、自分の思考回路を越えている。この眩しい生き物の唐突すぎる発言に、スナコはなすすべもなく、ただポカンとするばかりだ。それでも、やっとの思いで口を開く。
「れ・・・恋愛とか全然分かんねーです。それに、貴方の様な眩しい生き物が、何故あたくしなんかを?ありえねーです!」
384名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:34:10 ID:Z/tpWp9y
 掴んだ腕を離し、今度はまるで、壊れ物に触れるかの様、優しく抱き寄せた。「悪かった・・・悪かったよ。オマエの気持ちとか考えずに、こんな方法しか思いつかなくて―――」
 声が震えている。身体を離し、立ち上がろうとした恭平の袖を掴んだ。
「そ、そんな事聞いてません。自分だけ言いたいこと言って逃げようなんて許しません」
 そう言って引き止めた後、スナコは先程、恭平に触れられた事実が嫌ではなかったと確信する。恐怖とパニックでどうにかなりそうではあったが、断じてこの眩しい生き物が嫌いというわけではないのだ。
385名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 05:40:23 ID:Z/tpWp9y
「あ・・・貴方なら、いくらでもキレーな女の子付き合えるじゃないですか!?」
 心と裏腹に、スナコはひたすらまくし立てる。さすがに恭平も根負けしたのか、答を切り出した。
「あのさー、他のオンナじゃ意味ねーんだよ。気付いたら、そーなってたんだよ!文句あるか?」
 恋愛云々等、全く理解できない。それは今も決して変わらない。けど、それならば、今のこの気持ちは何だろう?何故か離れがたく、握り締めた袖を離せずにいる。罪悪感からか、一刻も早く立ち去ろうとする恭平の後ろ姿に、いつしかスナコはしがみ付いていた。「離せって!!」
386名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 12:57:13 ID:MnPMvcGg
続きにwktk
387名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 13:42:03 ID:NRcQsj/1
続きwktk。


できれば投下を一段落をする際は、今日はここまで、と一言入れていただけると
コメント入れやすいです。
あと、30字くらいで改行を入れていただけるとさらに読みやすくなるかと思います。
他板と違って確か1レスに改行50〜60行(2048文字=4096バイト)くらいまで行けるはずなので。
388名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 15:55:53 ID:Z/tpWp9y
>>387
色々とありがとうございます。参考にさせていただきますね(o^∀^o)
続きは明日くらいには投下できると思います。
389続き:2007/05/25(金) 06:14:14 ID:k3qbEakB
 振りほどこうとするが、無理矢理引き止める。しばらくの間、二人は取っ組み合いのごとく、必死の攻防戦を繰り返し―――やがて疲れが見えたのか、お互いに座り込む形となった。

 やがて落ち着いたのか、スナコは口を開く。
「な・・・んで、そんな自分勝手なんですか?」
 恭平はしばらく黙り込んだ後、ゆっくりと答え始める。
「俺だって、どうしたらいいか分かんねーよ。・・・相手がオマエじゃー、どうしよーもない。最初から無理だ・・・・」
 俯いたまま、目を合わせようとしない。静まり返った空間で、時計を刻む音だけが鳴り響く。
「そんな事・・・・」
 スナコは恭平の頬に、そっと触れた。そして、そのまま自らの腕を回し、抱き締める。
「やめろ!!そんな同情みたいな真似すんな・・・・」
390名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 06:15:13 ID:k3qbEakB
 恭平の叫びにスナコは妙な苛立ちと悲しみを覚える。
「違います!!!そんなんじゃありません。あたくし・・・あたくし分からないのです。自分で自分の気持ちが・・・・好きとか分からないけど、貴方と居るのは嫌ではない。さっきだって怖くて驚いただけで・・・・別に嫌ではないのです」
 ずっと下を向いていた恭平だが、やがて顔を上げ、スナコの目を見据えた。
「変な期待させてんじゃねーよ」
 ブンブンとかぶりを振り続ける。
「本当です。嫌なら引き止めたりしません」
 やがて、恭平も震えるスナコの肩に腕を回し、二人は抱き合う形となった。
「オマエさあ・・・言ってる意味分かってんの?俺はオマエが好きだから・・・つまり、その、そーゆー事もしたいわけで・・・・・」
 一瞬、固まりそうにもなったが、意を決したかの様、毅然と応える。
391名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 07:20:49 ID:k3qbEakB
「わ・・・分かってるつもりです!!」

 再び唇を重ね、お互いを確認するかの様、舌を絡ませる。恭平の手が、スナコの衣服を剥ぎ取り、胸元へと滑り込む。
 掌で撫でると、それに応じる様、敏感になったところが、立ち上がる。硬くなったそれを、今度は舌で転がしたり、口に含んでみたりと弄ぶ。
「あっ・・・・・」
 スナコはか細く声を漏らす。決心はしていたものの、やはり心臓はどくどくと脈打ち、不安感に襲われる。
 あたくし、一体どうなってしまうのかしら・・・・?
 そんな思いを余所に、恭平は至る所に唇を落としていく。首筋から鎖骨、耳元で熱い吐息を漏らし、スナコが身を捩らすと、手を下の方へと移動させた。
 全てを脱がし終えると、腿からゆっくりと、中心部迄を指先でなぞって行く。
392名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 07:22:31 ID:k3qbEakB
すみません。とりあえず時間ないので、残りは明日すべて投下します。執筆は終わってますので(><)
393名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 16:17:15 ID:k3qbEakB
 入り口に触れると、ヌルリとしたものが、絡み付いた。そのまま指を沈めてみる。
「ん・・・・ふあ・・・・・」
 スナコが大きく身動ぎし、頬を紅潮させる。が、緊張のせいか、指でもきつい。一度、差し入れた指を抜き、唇を這わせてみる。今迄とは違う生暖かい感触に、スナコはびくりと震え必死で声を絞りだした。
「だっ・・・・ダメです!!!そんなとこ・・・・・!!!!」
 羞恥心から涙ながらに懇願する。
「嫌!?キモチよくない?」
 入り口から、紅く膨らんだ場所迄を、舌先で愛撫する。
「そっっ・・・・そ・・・じゃなくて・・・・・っあ・・・!!!」
 初めての経験で、そんな所を至近距離で見られては、羞恥でどうにかなってしまいそうだ。にも関わらず、この眩しい生き物の動きは止まることはない。
「じゃ、いーじゃん。どうせヤるんなら、キモチイー方がさあー」
 等と言ってのける。舌で愛撫されながら、時々確かめる様に、中を指で掻き回されたりと。鼓動が早くなり、息が乱れる。段々と高みに昇り続け―――
「あっ!!!!あ・・・んっっあ・・・・・!!!!!」
394名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 16:18:22 ID:k3qbEakB
 スナコが到達すると、恭平は今度は自分自身を、深く侵入させた。吸い付くような感覚に、眩暈がする程だ。
「っ・・・!!!」
 ゆっくりと動きだし、スナコの顔を見やると、痛みのせいか、悲痛な表情を浮かべている。
「痛いか・・・!?」
 優しく声を掛けてみる。「だ・・・大丈夫です・・・・」
 そうは言っても、本当はかなりきついのだろう。それでも、必死で受け入れようとしてくれる、そんな姿がまた愛しい。恭平はスナコの唇にキスをして優しく髪を撫でると、抱き締めた。
再度動き出すと、小刻みに震えながら、途切れ途切れに喘ぎ声を漏らした。恭平は、既に限界に達しそうになっているのを、感じていた。
「好きだ・・・・」
 耳元で囁いて、何度も口付ける。
395名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 16:23:06 ID:k3qbEakB
 熱く疼いたものが、中で踊り狂う。スナコの呼吸がさらに、乱れて。
「あっ・・・んっ、ああ―――っ!!!!」
 動きが段々加速すると、繋がった箇所からは、ぐじゅぐじゅと卑猥な音を立て、苦痛ではない新たな快感が押し寄せる。
「あ、イッ・・・・っっ!!!!」  恭平がびくりと身を捩らせ、頂点に達すると同時に、スナコの意識も遠退いて―――。


 久々に会ったおばちゃんは、とても上機嫌で、スナコの元へやって来た。
「やっぱり恋はいいわねえー。なんだかスナコちゃん、前とは違う雰囲気が出てるわ」
 相変わらずジャージ姿で、ホラーに夢中で、眩しい物、美しい物が苦手なスナコだが、おばちゃんの目にはそうは映っていないようだ。
スナコの様子を見に行った恭平が、なかなか戻って来ないので、三人がどうしたものかと途中まで、聞き耳を立てていたらしい。 当然、その話はおばちゃんに知れ渡り・・・・・。
396名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 16:25:24 ID:k3qbEakB
 二人の中は認めてもらえた様で、お見合い話も無くなった。

 そんな中、スナコは一人試行錯誤していた。あの日の出来事。これから、どうやって生きていけばいいのか?あれこれ考えていると、背後から恭平に抱き締められた。
「何、一人でブツブツ言ってんの?」
 振り向くと、あまりにも眩しすぎる・・・・・。
「いえ、何でもないです」
 あぁ、もう後戻りは出来ない。確実に、この眩しい生き物に魅かれている。そう確信した―――。


397名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 16:27:52 ID:k3qbEakB
なんだか、だらだらと長くなってしまい申し訳ないですが、これで終わりです。
合間に考え付いた小ネタがあるので、また今度投下させていただきます。
398小ネタ:2007/05/25(金) 20:26:59 ID:k3qbEakB
例の小ネタですが、こそっと投下しておきます。
キャラ設定改造しまくり?になってしまった
399名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 20:30:38 ID:k3qbEakB
 特に意味はないのだが、なんだかむず痒い感じがしたので、スナコはそっとその場所に触れてみた。
(一体、どうしたのかしら?)
 取り敢えず、ジャージの下を脱ぎ捨て、指で擦ってみると、ふわふわとした妙な感覚に襲われる。何だろう?等と考えていると、いつの間にか、下着が湿り気を帯びていることに気付いた。貼りつく様な感じが気持ち悪い―――。
 そう思って、今度は下着の中へ、直接手を忍ばせてみる。指先に絡み付いた、透明な液体を、まじまじと眺めてみた。不思議な感覚に、もう一度指で優しく辿ってみる。
 徐々に、全身が熱を帯び始め、汗ばんだ身体を冷まそうと、スナコはジャージの上のファスナーを下ろした。息苦しさに、ブラのホックを外すと、双丘の頂が硬直しているのが分かる。
400名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 20:32:02 ID:k3qbEakB
 奇妙な罪悪感に苛まれながら、片方の手は胸の中央の突起した部分を、もう片方の手は、一番敏感な箇所を見つけては、指で撫でたり、時折内部へと侵入させたり―――。

―――と、その瞬間ドアが勢いよく開いた。
「おーい、腹減っ・・・・・え、えっっ!!!?」
 人の部屋に、遠慮なく無断で足を踏み入れて来たのは、恭平だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 さすがに、どうしていいか分からず、お互いが固まってしまった。見てはいけないものを見てしまったとばかりに、恭平は頬を赤らめ、その場に立ち尽くす。
(どうしよう?・・・・・っていうか、やっぱ女もするのか・・・・・って、そんな事考えてる場合じゃない・・・・・マジでどうしよう・・・・・)
「いやあぁぁぁっっ!!!!???出てって!!出てって下さいっっ!!!」
 スナコはベッドの上の掛布団で身体を隠し、近くにあるビデオや骸骨の置物を、次々と投げ付けた。はっと我に返り、早く出て行こうとする恭平の腹に、その置物は直撃した。
「ってえ・・・・!!!」
401名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 20:39:33 ID:k3qbEakB
 今ので、かなりムカッと来たらしく、恭平はズカズカとスナコの方へと歩み寄って来た。
「てめぇは―――」
 スナコは負けじと暴れ回るが、恭平も引き下がりはしない。
「ほう・・・・。で、オマエさっき何してた?」
 わざと意地悪く言ってのけると、顔を真っ赤にして、殴り掛かってきた。本気で殺される―――といった様子なので、一先ず退散することにした。

 恭平は部屋へと戻り、そのままベッドへと突っ伏した。目を閉じると、先程見てしまった光景が甦り、スローモーションで、幾度もスナコのあんな姿だけが、繰り返される。
(最低だな、俺・・・・・)  大きく溜息を吐き、促される様、恭平は自らを慰んだ。


 終
402名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 19:33:50 ID:XNSHG6Og
長編・小ネタ投下乙です。
盛り沢山で満腹(*´д`)

今、へたれ恭平×スナコ(軽く焦らしプレイ)をさくっと書いてますので
出来上がったら投下させてください。
その前に、小ネタをひとつ。
完璧第三者視点の語り、しかもエロなしなので、嫌な方はスルー推奨でお願い致します。
403小ネタ(他者から見た恭スナ):2007/05/27(日) 19:35:56 ID:XNSHG6Og
最初の頃は打算みたいなのがなかったって言ったら嘘になります。
意外といいコなのかも、って少しずつ喋ったりするようになって、これをきっかけに
恭平くん達ともお近付きになれるかな、って正直ちょっと期待しました。
だって、それ迄近づく隙が無かったんですもん全然。
ほら、あの集団って格好良すぎて近寄りがたいオーラ出てるじゃないですか、だから
舞い上がっちゃったのも仕方ないかな、なんて。
あ。今はそんな事考えてないですよ。
今じゃ中原さんと普通に仲良くなりましたし。
てか、ますます望み無くなっちゃいましたし…や、告ったりは出来なかったんですけどね、結局。
何て言うか、見てたら分かるじゃないですか、何となく。

…話逸れちゃいました。
それこそ最初はずるいなぁとか、あんな美形集団に囲まれて羨ましすぎ、とか思ってたんですよ。
まぶしいー、って確かに眩しいけど大げさじゃないの?とかね。
でも、見てたら本気で嫌がってたんですよ、信じられないでしょう?
相手はあの恭平くん達ですよ?!
不思議な子だなぁ、やっぱり。ってその時妙に納得したの覚えてます。

あ、そうそう!
それに、やっぱり一緒に住んでるなら皆の色んな一面を知ってるんじゃないかって、聞いたんです。
したら、出てくるの恭平くんの話ばっかなんです、しかも、食べ物のことばっかり!
まぁ、それはそれで可愛いな、とか思ったんですけどね。あ、ばれました?
てかバレバレですよね、そうなんです、私恭平くんの事好きでした。
だから、中原さんに色々聞いてから何だか妙な親近感が湧いたりして
前より注意して恭平くんの事見てたんです。
そしたら、気付いちゃったんですよ。恭平くんの態度が中原さんに対してだけちょっと違うって。
基本、恭平くんって硬派じゃないですか。女の子達が話し掛けても煩そうにするし
近寄んじゃねー、みたいなオーラばりばりなのに、中原さんにはすごい普通に話し掛けたり、じゃれたり…。
最初は、一緒に住んでるから打ち解けてるんだな、としか思わなかったって言うか
前に恭平くんの本命は中原さんらしいって噂が流れて、そんな事無いって確認したかったのかも。
でも、見れば見るほど何だか苦しくなって。
だって、中原さんにちょっかいかけたりしてる時の恭平くん、目が物凄く優しいんです。
しかも、他の女の子達は近寄らせても貰えないのに自分から中原さんによく近づくし、
帰りも迎えに来て、暴れる中原さん抱えて帰ってったりするし…。
近づいたからこそ色々見えてきちゃってちょっと辛かった。
でも、振り向いてもらいたい!って頑張るには遠過ぎて、
そう諦めた時に恭平くんへの片想いは終わりました。
結局は憧れの芸能人みたいな存在だったのかな、て思います、今では。
そうやっていつも見た目で騒がれてるからこそ、そういう目で見てこない中原さんを
好きになったのかな?恭平くんは。
だとしたら、中原さんは恭平くんにとって安心できる存在なのかな。
…って想像でしかないんだけど、もしそうなら応援してあげたいな、ってちょっと思ってます。
中原さん、鈍そうだから。
404227:2007/05/27(日) 19:38:10 ID:XNSHG6Og
以上です。
なんつぅか…色々な意味でお目汚し失礼致しました。
次はエロ投下します。3レス位になると思います。
では。
405227:2007/05/28(月) 22:20:52 ID:cPYOkHHV
連日お邪魔致します。
へたれ恭平じらしプレイ投下させて頂きます。
406へたれ恭×スナ 1/3:2007/05/28(月) 22:22:42 ID:cPYOkHHV
「ん…っ」
掠めるように番(つが)わせて柔らかな唇を味わう。
片手をそっと耳元に差込み、慣れた仕草でそのままゆっくりと押し倒した。
段々と深く捻じ込んで口蓋を抉じ開け、控えめに惑う舌に絡めながら唾液を送る。
「ふ、…んぅ」
苦しげな愁眉が妙に色っぽい。
存分に嬲った後つ、と透明な橋を架け唇を開放してやる。
濡れて艶めく緋色がひどく扇情的で、ごくりと唾を飲みこんだ。

急かされるように衣服に手を掛け取り去る。
…前ファスナーとかさぁ、もっと脱がせやすい服着ろよ。
尤もな意見を述べたつもりなのだが殴りかかってきた。
空を切って勢いよく撓る細腕を受け止め、華奢な手首に口付けを落とす。
そのままちらりと見遣ると、真っ赤になって視線を逸らした。

体を重ねるようになって暫く経つというのに、いつもこうして恥じらう。
今更照れることかよ、と呆れた様に呟くと、あなたが変なことするからです!と
むきになって反論してくる。
変なことも何も、もっとやらしー事いつもしてんじゃねーか。と言い返したら更に赤面して黙った。


いやじゃないとは言っている、気持ちが一方通行でない事も分かっている。
自分等が他人に比べ色気のない部類であることも存分に承知している。
だが、最近気付いてしまった事がある。
…『好き』と言葉に出して言われた事がない。

そう気付いた時地味に落ち込み、落ち込んでいる自分の女々しさに更に凹み。
そう遠くない昔、人体模型に負けた過去を思い出し暗澹たる気分になり、
だからと言って面と向かって聞くのも何となく躊躇われ。

…なんで、よりによって今そんなこと思い出してんだ、俺。

はー、と肩を落として組み敷いたスナコに視線を落とすと、まだ仄かに頬を染めたまま訝しげに
見つめ返してくる。
眉間の皺を乱暴に指で押し広げると抗議の声を上げたが、遮る様にまた唇で蓋をした。

***
何だか食べられているみたいだわ、と唇を貪られながらぼんやり思う。
強引なのは今に始まった事ではないのだけれど。

「…んぅっ!」
先端を摘まれ、緩やかな思考は一瞬にして掻き消された。
いきなりの強い刺激に体が跳ね、そのまま否応なく駆け上がる快楽に翻弄されて行く。
「っ、…ぁん」
唇を食んでいた舌が喉元を滑り乳房を捕え、ちろちろと先端を苛む。
それだけで総毛立つような感覚が身を駆け巡り喉がわななくのに、尚も責めたてるように
片方の手はふくらみを弄び、もう一方は内腿をそっとなぞるように撫でてくる。
4072/3:2007/05/28(月) 22:23:42 ID:cPYOkHHV
「やんっ、ちょ、待っ、あぁっ!」
至る所に一度に与えられ点された快感の種火が全身の熱を上げ、苦しさに身を捩った。
がくがくと膝が笑い出し、じわりと湿る鼠蹊に羞恥が込み上げる。

なのに。

…もっと、触って欲しい。
裏腹に、からだは貪欲に快楽を求めている。
もどかしく蠢く脚を分かっているであろう、けれど恭平の手は膝から腿を辿るだけで
決して中心には触れない。

“違うの、そこじゃなくて…”
脳裏を過ったあからさまな催促にスナコは慄いた。
いやだわ、何で、そんないやらしいこと…!
ぶんぶんと頭を振って追い出そうとするのに相反して溢れ、緩やかに這い回る手の動きに
煽られる欲情に激しく狼狽した。
「どした?」
少しばかり機嫌のよい声が降ってくる。
見透かされているのだろうか、という葛藤であまりに恥ずかしく顔を向けることが出来ない。
「狡、ぃ…、っ!ひぁんっっ!!」
「ここか?」

一瞬、掠めた指に理性が灼かれた。

もう、何事もなかったようにまた手指は太腿を滑っている。
「…意地、悪…っ、」
涙目で睨めつけると、満足気に笑った。

***
「言わなきゃわかんねーけど?」
敢えて焦らしてやると、羞恥と欲情で潤んだ瞳が揺らめいた。
本当は、かなり煽られている。
恭平だって健康な男子である、一刻も早く襲ってしまいたい気持ちが渦を巻き荒れ狂っているのだ。
けれども、どうしてもスナコから求めて欲しくて。
「どーしてほしい?」
ダメ押しのようにやんわり責めたてると視線を彷徨わせ言い淀み、か細く吐き出した。
「脚じゃなくてっ…そのっ、触って、ほしい、です…!」
焦らされて昂ぶって堪らないと言わんばかりの声音に、逆に屈してしまいそうになるが何とか堪える。
「どこを?」
すべらかな腿を敢えて撫でたまま、更に問う。
「だからっ…!さっき、触った、とこ…って、もうっ、何で」こんな事言わせるんですか!と
羞恥に身悶えながら返してきた答えに、満足と迄はいかないものの己の昂ぶりと天秤にかけて譲歩し。

そっと中心に手を伸ばし、指で撫でてやる。
「はぁんっ!!!」
薄布の上からでもはっきりと分かるほどに、そこはじっとりと濡れていた。
軽く触れただけでびくびくと波打つ姿にどうしようもなく劣情を掻き立てられながら下着を脱がし、
露わになった花弁を撫でさすると待ち焦がれたかのように溢れる歓喜の蜜が指をしとどに濡らす。

わざと奥に指を進ませず、割れ目をなぞると苦しげに身を捩って喘いだ。
「…も、やぁっ…!!おねがぃ…!」
して、と蚊の鳴く様な哀願が耳に滑り込んで。
焦がれた言葉に反射的に視線を投げると、熱に浮かされた様な蕩けた瞳を逸らさず見つめ返してきた。


何か気の利いた文句を言おうと思っていたはずだったのに。
…疾うに我慢の限界に達していたのは自分の方だったから。
求めてくれた嬉しさと爆発しそうな下半身と、両方に素直に身を任せてそのままスナコを貫いた。
4083/3:2007/05/28(月) 22:24:32 ID:cPYOkHHV
指で慣らしていないのに、難なく其処は恭平を飲み込んだ。
粘り気のある音を立てて絡みつく粘膜が快感の渦に恭平を誘い込む。
遮るものが無く直に伝わる熱と質感が脳髄に響いてくらくらと痺れた。
「ぁあんっ!んっう、ふぁ、やぁっ!」
散々焦らした所為か、いつになく乱れたスナコが縋りついてくる。
「あっ、あぁん、気持ち、いぃっ…んぅっ、んっ」
「おまえ、すげ、ぬれ…っあ、くっ」
ぐちゅぐちゅと混ざり合う水音と肉のぶつかり合う乾いた音が部屋に響く。
仰け反ったスナコの首筋に引き寄せられるように顔を近づけ、所有の印を刻む。
首筋から胸元へ舌で辿り、幾つも紅く散らした。

昔は無理矢理に付けられて嫌悪感しかなかったそれ。
なのに、スナコの肌に散らした印は何だか妙な充足感を自分にもたらして不思議な感覚を覚える。
肌を吸う度にきつく締め付けられて正直限界が近づいていたそのとき。

「きょ…へ、ぃ」
このタイミングで名前を呼んでくるなんて、とんだ不意打ちもいいところだ。
「ん」
腰の動きを緩やかに早めながら、髪を撫でてスナコを見つめる。
「んっ、すき…です、ぁあっ」

反則だ。

今、自分はどれだけ情けない顔をしているのだろうか。
スナコの羞かしげな笑顔に負けず劣らず、いや、それ以上だろう。
…やっぱ、柄じゃねぇな、こーゆうの。
でも、初めて大事にしたいと思った存在が自分を受け入れてくれて求めてくれている、
それがこそばゆくも嬉しくて。
「俺も、スナコが好きだ」
見詰め合って、やっぱり照れくさくてどちらとも無く唇を寄せ。
そのままきつく抱きしめて抉る様に腰を打ち付ける。
「あ、はんっ、あっぁあっあん!ぃやぁあぁぁあっ!!」
スナコの胎内が大きく収縮し、身体を一際震わせてがくりと崩れ落ちる。
恭平を飲み込まんとする粘膜の動きに逆らうように自身を引き抜き、白い腹に欲望を吐き出した。

***
肌を汚した白濁を拭き取っていると、擽ったそうに身を捩った。

「なぁ」
さっきの、もっかい言ってくんね?
場の雰囲気で出た言葉ではないのだと、素の状態で確認したくて。
丸めた紙屑を塵箱に放りながら、何気なさを装って口にすると。
一瞬固まったスナコが俄かに頬を染め、物言いたげに口籠もる。
「…やっぱいーや、無しな、今の。忘れろ」
何言ってんだ、俺。
どうも調子がおかしい、と軽く首を振る。
何を感傷的になってんだ?と自嘲気味に薄く笑ったとき。

「あたくしは…その、きょ、恭平が、…好きですから、ちゃんと」
不意をつかれて顔を上げると、真っ赤になってぷいと横を向いた。
二度は言いませんからね!と照れて膨れる頬を摘み、ぐしゃぐしゃと頭を撫でる。
「ほんと、おまえ好きだわ、俺」
そのまま抱き寄せると、茶化さないでください!と胸板を叩かれる。
「茶化してねーって」
ありがとな。とこっそり呟いた。
好きになったのがおまえでよかった、というのは照れ臭いのでもう暫く言わないでおこうと思いつつ。

いつか胸を張って言える時が来るだろう、とスナコを抱きしめたままそっと微笑った。
409名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 03:10:16 ID:gcwE9daw
GJ!
410名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 01:43:13 ID:QMBhGeXh
スナコが恭平の名前呼ぶって…
新鮮だな(*´д`*)
411名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 02:43:06 ID:XbrXO4h2
みなさん、キャラクターをきっちり表現できてて、すごい
いいっす。
401の、(最低だな、俺・・・)ってとこ、サイコー!!

ああ、もっと読みたい。
412名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 03:38:28 ID:S93qYx7w
コメントありがとー
(´∀`)
只今、小ネタですが執筆中ですので、出来たらまた投下します。
なんか一方的な恭平の独り言みたいなネタですが。
413出来たので投下します。:2007/06/05(火) 04:12:42 ID:oWW3hEUN
 背後から、何者かに口を押さえられた。意識が遠退いて行く。何か薬を嗅がされたらしい。

 意識を取り戻すと、見慣れない天井。起き上がろうとするが、手枷と足枷によって、どうにも動けない。「何処だ・・・・?」
 目を見張ると、知らない女が自ら股がって、腰を上下させている。
「な・・・っ、止め・・・・・!!!」 口では拒絶するものの、否応なく、身体は反応してしまう。両手両足を拘束され、抵抗することが出来ない。周りを見渡せば、大勢の女達が、次は私とこちらを見据えてくる。絶頂に登り詰めた頃、やがて屈辱感に襲われる。

 ハッとして、飛び起きると、隣には無垢な寝顔をした、愛して止まない彼女が居る。
「昔の夢・・・か・・・・」
414名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 04:19:09 ID:oWW3hEUN
 恭平は眠っているスナコの髪を、優しく撫で頬に口付けた。幸せなのに、何故か不安で。
一方的な独りよがりで、昨夜、彼女に触れてしまった。自分の存在に、怯え震えていた。結局、受け入れて貰えたのは、単に同情してくれたのか、逃げられなかったのか。
愛されてる自信など、無に等しい―――。
(だとすると、俺は自分がされたことと同じことを、こいつにしたのではないだろうか?)
 いつの間にか、起きていたスナコが、寄り添う様、そっと恭平を抱き締めていた。
「どうして・・・泣いているのですか?」
 恭平は、聞こえるか、聞こえないかという様な、小さな声で、スナコに囁いた。
「・・・・・・」
 スナコはしばらくの間、黙りこくっていたが、やがて微笑んだ。
「あたくしも・・・・貴方が好きです」
415名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 04:20:44 ID:oWW3hEUN
以上です。色々とキャラの人格壊してしまいましたが(´ω`)
416名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 23:21:40 ID:Y4VVcPAw
>>413
GJ!!!
感動しました。じわっときますね。
恭平にはいろいろ過去のトラウマもあるようですから、私はキャラ壊れて
ないと思いますけど。
417名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 11:29:21 ID:ntRdlA4M
保守
418名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 00:12:27 ID:pq9de9ER
神様待ち、保守!
419名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 03:28:28 ID:r7XVpJW/
保守あげ
420名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 19:01:10 ID:H7zwkaDw
まとめサイトってないの?
421名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 00:16:10 ID:NoCWZiZB
保守!
422名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 14:28:50 ID:22P1eCJG
グGJ!
413の恭平過去に胸を打たれつつ
短文なのに凄いですね
まだまだ恭スナwktk
423名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 19:16:23 ID:CTGUBG3J
こんばんは。227です。
ここ最近多忙&スランプという負のスパイラルに巻き込まれてますorz
リハビリに恭スナ短篇書いてみたんですが、エロまで辿り着けませんでした、
ほんとすいませんが保守がてら投下逃げさせて頂きます。
424恭スナ小ネタ1/2:2007/06/26(火) 19:18:38 ID:CTGUBG3J
まぶしい生き物が倒れた。

どうやら過労と睡眠不足らしい。
往診にきた医者は、若いから大事はないと帰ってしまった。
そういえば、ここ最近新しいバイトを見つけたからとあまり顔を会わせていなかったかも知れない。

医者を見送り、部屋へ戻ろうときびすを返すも、外野がうるさく騒ぐので
大きくひとつ溜息を吐いてキッチンへ急いだ。


小さな土鍋に卵粥を作り、苺を盛った小鉢を添え。
バランスを崩さぬように慎重に盆を捧げ持ち、スナコは恭平の部屋に足を踏み入れた。


部屋の主人は深く眠っているようで、微かな寝息以外の音は何もなくひっそりと静かだ。
ベッドサイドに盆を置き、身じろぎすらしない恭平をちらりと見る。
光り輝く美貌が色濃く疲労に侵食され、退廃的な雰囲気を醸し出していた。

「何でこんなになってまで働きたいのかしら」

以前は、そう思っていた。不思議で仕方なかった、金銭への異様な執着。
だが、ともに暮らしていく中で色々なものを見てしまったから。
身を守るために、安息を手に入れるためにがむしゃらになっていると知ってしまったから。

「…別に、あなたがどうなろうがあなたの勝手ですし」
ただ、家族の一員が倒れてるのに何もしないってのも落ち着かないだけですから。
もやもやと渦を巻く息苦しさに適当な着地点を与え、スナコはそっと恭平の額に触れた。
薄く浮いた汗で張りついた前髪を撫でる。
「…だから、早くよくなってください」
ちいさく息をつき、部屋を出ようと踏み出した脚が止まった。
4252/2:2007/06/26(火) 19:21:43 ID:CTGUBG3J
「…待てよ」
「ひっ…!!あゎわわわ」
寝てたんじゃなかったんですか。
全身から冷や汗が吹き出し、振り返ることも出来ず、握られた手を解くことも出来ずに
硬直するスナコの耳に飛び込んできたのは。

「…一人にすんな」
消え入りそうな、弱い声音だった。

「はぃ?」
予想外のリアクションに拍子抜けして振り向くと、気怠げに横たわる力ない双眸が自分を見つめている。
「なんもしねぇから」だから、ここにいて。
「…」
そんな顔されたら、突っぱねられないじゃない。

「わっ、わかりましたから、その、手を…」離して。
「やだ」
「な!!何もしないって」言ったじゃないですか!
「これ以上しねーから、ホントに」
「でもっ…!」
「るせーな、ひろし壊すぞ」
「そればダメですっ!」
「じゃあ、こーしててな」


しばし悩んで結局根負けし、諦めてベッドの脇に腰を下ろした。

「おかゆ作りましたから、ちゃんと食べてくださいね」
掌があつくて、猛烈に恥ずかしくて顔を合わせることが出来ない。
「ん、サンキュ」
珍しく素直な答えを返してくるも動く気配がない。
…スナコとしては、さっさと食事をしてもらって膳を下げ、退室したいのだが。

「…あのっ、だからごはんを」
沈黙に耐えられず顔を上げた先には、いつの間にまたうとうとと微睡む恭平がいた。

「〜〜〜〜〜〜〜!!」
今ならまだ間に合う。さっさと起こしてご飯食べさせて、そうして部屋に戻ればいい。
頭のなかでは至極まっとうな結論が出ているのに、意に反して躰が動かない。
ただ、長い指に包まれた自分の右手だけがリアルな熱を伝えてくるだけ。


「もぅ…なんでこんな…」
力なく肩を落とし恨みがましく睨んだ顔は、視線を跳ね返すような穏やかな寝顔を浮かべていて。

「このままじゃ、あたくしの方が倒れてしまうじゃない」

何でこんな事になっているのかと、スナコは何度目か分からない溜息をついた。

426名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 09:45:11 ID:kUxwIIBr
GJ!
暴言吐きながら甘える恭平ゴチです!
227氏、どうか無理をなさらずに…!<多忙&スランプ
427名無しさん@ピンキー:2007/06/28(木) 02:47:18 ID:J/mSlc8Y
ぎゃふー!
こういうのも大好き!
エロ無しオッケー!

もっと見たぁい!待ってます! ・・・でも無理しないでね、待ってますから・・・
428名無しさん@ピンキー:2007/07/01(日) 19:28:37 ID:S+ubBsl5
人がいないお(´・ω・`)
429名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 20:26:40 ID:v9mREnr/
恭スナ萌えage
430名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:46:11 ID:UC1ZdTKY
過疎ってるなぁ。
職人さんを待ちつつ保守
431乃依視点小ネタ 227:2007/07/14(土) 22:37:08 ID:Ai+hbpfY
続き浮かばなかったので、保守がてら小ネタとして投下します。
中途半端ですみません。


※※※※※※※※※※※※
「スナコちゃん、恭平くんと何か有った?」
がらがらがっしゃん。
けたたましい音を立てて鍋を取り落とし、金縛りに遭ったように立ち尽くすスナコに。

やっぱりー!!

あぁもう、どこから突っ込むべきなのかしら、と思わず弛む頬を押さえ、乃依は思いを巡らせた。

からりと晴れた日曜の昼。
いつものように中原邸に遊びに来たのだが、微妙に様子が違う。

スナコが同居人に素っ気ないのは仕様だが、ある一人を徹底的に避けているし、
該当人物も何だかそわそわしているのだから間違いないだろう。

もうっなんで皆気付かないのかなぁ!こんな分かりやすく意識しあってるのにぃ!!

やっぱり男の子って鈍い。
すこし呆れて息をつきながら、スナコの落とした鍋を拾う。

…さて、どうやって聞き出そうか。
432名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 02:31:43 ID:zCphmpkd
>>431
続け!!というか続いて下さいお願いします。
433名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 03:20:04 ID:zCphmpkd
「なっ!! そんな所…なに…ん…してる…ぁん…ですか」
「何って、ナニしてるんだけど?」
「ふ…っぁ…ふざける…んじゃ…ァア…ねーです!!」
「ふざけてねーし、あのなぁ…中原スナコ…いい加減に慣れろよなこれ位」
「ちょ…ァ…も…ムリィ……見ない…でぇ」
「まだ駄目だっつてんだろ…終わるまで寝かせねえからな、覚悟しておけよ?」
「ぃやぁ…も……むり…だから」


「あ〜あ、もう落ちちまったか、しかしコイツ何でこんなにマッサージ機に弱いんだ? しかも妙にエロいし」
「まぁ良いか…代わりに俺がお前のブクマしてる2chスレ、保守しといてやるよ」
「恭平…言っちゃ何だが、山なし谷なし落ちなしだな」
「言うんじゃねーよ、武長」

て事で保守、反省はするが…後悔は……してる、多分…
434名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 11:50:50 ID:i4NZOLGq
保守
435名無しさん@ピンキー
hosu