その聖地が、熱い塊を認識する。
燃え滾るような熱さ。だが、やけどをするほどではない。暖かいという感触が、少しだけ温度が高くなったような、そんな感じ。
そしてゆっくりと、聖地は大きく押し拡げられていく。それと同時に、少しずつ奥へと、塊は進んでいく。
頭がのぼせるような熱さ。意識がクラクラするような熱さ。
そして・・・・・・入った。
あんなにも大きかった塊が、すっぽりと彼女の中に収まっている。
ひなげしの花でできた、彼女の小さな鞘。それが、大神の巨大な肉の刀を、根元まで完全に収めている。
彼女は痛い。だが、それと同時に、人体の不思議さに驚いてもいる。
あんなに大きなものが、自分の小さな膣に、すっぽりと収まる。
そのまま、大神は彼女を抱きしめた。
もう、何も考えられない。大神も、そしてコクリコも。
そして、二人の欲望に、スイッチが入った。
相手の少女は、男性経験などこれまでに一度もなかった。
彼女は、今回が初めて。挿入までは、処女だったのだ。
そんな処女相手とは思えないほどの、激しい大神一郎の動き。
もはや、欲望を抑えられない。ただ、本能のままに、彼女と繁殖したい。
そして、処女だったはずなのに、彼女の小さな身体は、その獣の激しい肉欲を、あるがままにすべて受け入れている。
彼女も、欲望を抑えられないでいた。
イチローの身体の、すべてを吸い上げたい。
その想いが、ますます彼女の欲望に拍車をかける。
ぎゅうっと彼女の膣肉が締まる。彼女の本能が、イチローという獣の精を欲している。
もう、受け入れる準備は出来ている。あとは、イチローの精が、彼女の聖地の最深部へと到達するのを待つだけだ。
到達すれば、彼の精と彼女の卵が結合して、細胞分裂を起こす。
そしてそれは、新しい命の誕生の瞬間。
今、彼女は、全身全霊で、その瞬間を待ち焦がれている。
身体の隅々までひくつかせて、彼女は、イチローに促す。
(早く、精子をちょうだい!)
その信号が、膣壁を通して彼の陰茎、そして陰嚢へと到達した。
その瞬間、大噴火が起きた。
大神一郎の大噴火。彼の巨大な塊から溢れ出るマグマが、一気に聖地へと流れ込む。
そして・・・・・・
大神一郎の精が、彼女の最深部へと到達した。
ちゅん、ちゅん、ちゅん・・・・・・
いつの間にか、朝日の光が差し込んでいる。
大神一郎は、そのまま寝てしまった。そして、彼女も、一緒に寝てしまったみたいだ。
「・・・・・・イチロー・・・・・・」
よだれを垂らしながらすやすやと眠る大神の頬を、彼女はおもいっきりつねった。
「うぎゃっ!!!」
大神は突然の頬の痛みに飛び起きた。
「いてててててっ!!!」
「イチロー!!!」
大神は慌てて、彼女を見た。彼女の顔が、とても怖い。
「もう、二度とこんなことしたら、許さないんだからっ!!!」
彼女はさらに、頬をぎゅっとつねる。大神は少しだけ寝ぼけていたが、すぐに深夜のことだとわかった。
「ご、ごめんよ・・・」
その言葉を聞いて、彼女はすぐににこっと微笑んだ。
「じゃあ、許してあげる♥」
その微笑みは、穏やかな陽の光に照らされて、何だか眩しい。
大神は、その屈託のない笑顔をみて、心から思う。
(やっぱり、コクリコは、正真正銘の女なんだなあ)
彼女は、体つきは子供。そして、実年齢も、子供。
だが、彼女は、女だ。
それは、既に昨日の深夜に、実証済みだった。
「そうだ!今日は朝から、シャノワールに行く日だったんだ!」
彼女はそう言うと、飛び上がるように起きた。
「イチロー!早くしないと、遅刻しちゃうよ!」
「そ、そうだったな!」
そして二人はすぐに身支度を整えると、通用門へと歩き出した。
「イチロー、手を繋いで行こっ♥」
「ああ。」
二人はそのまま手を繋いで、シャノワールへと向かう。
二人の手のひら越しに伝わる、熱い想いを胸に秘めて。
おしまい
GJ!
リアルタイムで読んでしまったよ!
このロリコンめ!!
超GJ!!
GJ!
大神のケダモノぶりにゾクゾクしたよ!
その勢いで帝都の花組も狙ってくれ!!
あ、ターゲットは1作品1人で充分だぞw
グランマに知られたらどうなるんだこれw
グラン・マは名目上の支配人でしかない。
真の支配人は、大神一郎の一物。
これにかかれば、グラン・マでさえも、単なる一人の雌奴隷でしかない。
また、隊員たちを絶対的に服従させる触媒の役目もある。
ちょっと思いつき、4の時代で今日も今日とてを書いてみようかと思っています。
せっかくだから巴里組帝都組のコンビで朴念仁を追い詰めてみようかなぁ、と…。
そこで問題なんですけど、帝都組が間違いなく余るのです。
で、メル・シーを引っ張ってこようかと思ってるんですけど、どうでしょう?もっといいアイデアありますかね?
>>947 余ってしまう3人+かえでさんで2ペア。
もしくは、帝都巴里関係なく13人でペアを作る(余るけど)。
で、それとは別に三人娘編とメル・シー編かな。
確かにメル・シーを引っ張ってくる方が面白そうだけど……
とにかく期待してます!
>>946 それでこそ鬼畜大神。久々に真髄を見たぜ!
しかしこれではタレブーさえ危険な予感‥‥
迫水大使の貞操は大丈夫なんだろうか?w
>>947 巴里からメル・シーに加えてグランマも引っ張ってきたらどうでしょう?
人数も合うし面白そうかな、とww
それにしても対極の作品がともに続編構想中とは嬉しい限りw
投下が待ち遠しいぜ!!
そういえば、硬派で朴念仁シリーズで風組主役のってあったっけ?
それはともかく、大神さんは鬼畜になったり、朴念仁になったり、大忙しだなw
「あぁ…忙しい…」
風組がいなくなり、米田支配人も引退したので、ほんとに忙しくなった。
なんだって演出から運営までやらにゃならんのだ。
みんながそれとなく手伝ってくれているけど、それがなければほんとに死んでるよ。
「大神さん、来客です。それも団体で。支配人と面会をしたいそうですよ」
来客…団体?団体で来るってことは、観光の人かな。結構いるんだよね…一番偉い奴に会わせろって人。
「さくらくん、断っといて」
「わかりました」
再び仕事に手をつける。備品の管理だ。大分大道具用の資材が減ってきている。
木材と、釘、鎹、あとはペンキ、ロープ…。足りないのはこんなもんかな。予算はまだあるから、大丈夫だろう。
「スキあり!」
「なっ!!!」
気合の声。空気を切り裂くものを感じた。
とっさに防御。両手に持った鉄製のお盆。それの真ん中がはっきりと刃の形に凹んでいる。
こんなことをやるやつは…一人しかいないな。
「殺す気か!グリシーヌ!」
「ふむ…腕は鈍っていないようだな」
反応速度は鈍っていないけど、筋力は確実に落ちたな…。手がしびれてしまった。
「まったく…ムッシュ、すまないね」
…え?
「グラン・マ…なぜここに?」
「あたしだけじゃなくて、みんないるよ」
支配人室がにわかに騒がしくなった。確かに…みんないた。
懐かしい顔、顔、顔。巴里花組だけじゃなくて、メルくん、シーくん、なぜかローラさんまでいる。
「…えーっと。状況がいまいち理解できないんですけど。シャノワールはどうしたんですか?」
まさか店の経営全部放り出して遊びにきたわけじゃないだろう…。帝都と巴里なら往復だけで2ヶ月かかる。
「順を追って話そうか。まずはね、巴里の蒸気システムがダウンしちゃってね。巴里全域が一時的に停電になっちまったのさ。
当たり前だけどシャノワールも真っ暗で、避難もできやしない。幸い開店前だったから、お客様はいなかったんだけどね。
そこで、どこの誰とは言わないんだけど、とある隊員が非常電源に切り替えようとしたのさ。ロウソク持ってね。
エレベーターは別電源だから動くんだけど、中は真っ暗だったみたいで、間違ってロベリアの部屋に行っちまったのさ」
…エリカくんかな。顔が青くなってるし。
「で、ロベリアの部屋であることに気付かないで、奥まで行ったのさ。
そしたらそこにネズミがいたみたいで、びっくりして逃げ出したんだ。ロウソクを投げ出してね」
それで火事に…。エリカくん…顔が青を通り越して土気色になってるぞ。
「ムッシュは知っているだろうけど、あの部屋には火薬が置いてあるんだ。あとは、わかるね?」
火事のほうが、どれだけマシだったか…。
「地下4階と5階はしっかりと固めてあるから大した被害はなかったんだけど、店はほぼ全壊しちゃってね…。
修理に軽く3ヶ月はかかるらしいから、この際皆で帝都に行こうって話になったのさ。
レビューはできないし、件の戦以降巴里は平和そのものだし、たまにはムッシュの顔も見たいしってことで」
なるほどね…そんな理由でもなきゃ、店を放り出してこないな。
久々に顔を見れて嬉しいのは確かだけど、頭痛のタネも増えそうな気がする…。
「となると、1ヶ月はこちらにいらっしゃるということですね?」
「ま、そういうこと。よろしく頼むよ。宿はとってあるから、それは気にしないでくれ」
宿は別でも、共同生活に近いものになるのか。サイは投げられたってところか。俺がサジを投げないようにしないと…。
また、にぎやかになりそうだな。
とりあえず皆さん呼んでみました。メル・シー・グラン・マと帝都組絡ませてみます。
別枠として風組とメル・シーコンビの話も書きます。ローラさんをどこに出そうか結構悩んでたり。
GJ!
ローラさん登場はサプライズ〜〜!
グランマは誰と組んでも最強ペアになりそうで楽しみ楽しみww
グランマ可愛いよグランマ
冒頭編も投下したので、鬼嫁と現地妻のコンビ話を投下します。
言い忘れてましたけど、これは大神ED後のお話です。
大神一郎。硬派な男である。朴念仁でもある。
「勝負です!大神さん!」
「エリカ、頑張ります!」
「………はぁ」
溜息しか出ない。かなり低い士気で牌を混ぜる。
何故こうなったのかと言うと…デートに誘われたんだ。二人同時に。
ちょうど仕事がひと段落したところで、ここらで気分転換もいいな、ということで了承したんだけど…。
二人が行きたい場所が見事にバラバラ。しかも互いに譲歩せず。
俺の体は一つだし、両方行く時間的余裕もないということで…絵合わせでの勝負になったわけだ。
半チャンやるわけじゃなくて、一局ずつ俺と勝負して、俺に勝ったほうとデートするというわけ。
二人に負けたら仕事放り出してデート。
ちなみに俺は何も言ってない。俺の意思なんて完全無視です。
最初の相手はさくらくん。
「さぁ…行きますよ?大神さん。あたしと一緒に、仙台に行きましょう。きっちりと、報告しませんと」
「…約束と違うんじゃ…それに報告ってなんだよ?」
「ふふ…すぐにわかりますよ?」
なんでだ?なんで頬を染めて上目づかいで俺を見るんだ?そしてその顔に立ちこめる凄みはなんだ?
もしかすると、人生の危機かもしれない。美味しく食われるかも。あやめさんに会いにいく可能性が…。
「俺も負けるわけにはいかない…」
牌を掴む。引きはなかなか。さて…。一局勝負だから、早上がりが上策か。
しばらくは普通に切る。こっちの手には、俺の牌が3枚と、すみれくんの牌、かえでさんの牌が2枚。後は薔薇組だ。
「大神さん、頂きです。リーチ!」
ぐっ…。まずいな。ここで引く牌に、勝負がかかる。
(頼みます…あやめさん。俺に力を!)
引いた牌は…すみれくんだ!後はかえでさんの牌がくれば、あがれる。
「リーチ。これは…通るだろう」
切ったのは薔薇組。さくらくんは薔薇組の牌をすべて容赦なく切っている。まず間違いなく通るはずだ。
「通りましたけど…残念ですね!ツモ!」
「させるか!」
今こそ、すみれくんの必殺技だ!ツモ上がり阻止!
「なっ…!」
よし…。後は、こっちの引きに全てを賭ける!
来て下さいよ…かえでさん。
ドキドキしながら引く。牌は…。
「ツモ!これで、俺の勝ちだ!」
ありがとう…かえでさん。これで俺の首は繋がりました。
「あれ、負けちゃったんですか?じゃあ、エリカ、勝っちゃいます!」
連戦ですか…。
「かかってこい!負けないぞ!」
自分を奮い立たせる。緒戦は勝っても終わってはいない。
再び牌を混ぜる。今度の手牌もなかなかいい。
「さぁ、神さまのご加護を期待します」
神はどこまでエリカくんの面倒見てくれるのかな…。
「私…この戦いに勝ったら…大神さんの、ホントの恋人になるんです!」
………まだ引きずってるのか。これはこれでまずいな。下手すりゃ巴里連行だ。
とりあえずちゃっちゃと進めよう。こっちの手牌は…今度も俺の牌が3枚。
どの隊員の牌と組み合わせても役になる。幸運に感謝。
後は…とりあえずマリアの牌がそろっている。いつも思うけど、牌の種類が少ない分楽でいいなぁ。
ただ…すみれくんの牌がない分、アンパイは減ったな。ほんとに速攻で行くしかない。
「まずは私からですね〜」
切ったのはやっぱり薔薇組…嫌われてるのかな。彼ら。
まぁいい。これで薔薇組はアンパイだ。リーチになった時のその場しのぎ用に取っておこう。
引いたのは…さくらくん。これで、さくらくんの牌は2枚。とりあえずは大丈夫だ。
次に引いたのは紅蘭。これで紅蘭も2枚。薔薇組のうち1枚を切る。
「じゃ、これでリーチです!」
紅蘭が切られて、エリカくんがリーチ。これで紅蘭もアンパイ。
だけど、ほんとに薄氷を踏むような思いだ。ひとつ間違えば巴里行きの乗船券を手にすることになる。
手の汗を拭って引いたのは…さくらくん!
「よし…これで、俺もリーチだ!」
「くっ…」
次の一手。もう薔薇組は切った。次からはもう来た牌を切るしかない。
生きるか、死ぬか。
「これは、通るはずです!」
切った牌は…紅蘭!
「それだ!ロン!」
「えーーーー!?」
よかった…。勝った。見事連勝。ナーデルと戦ったよりは緊張したな。
「うー…まさか二人とも負けるなんてぇ…」
勝負だからしょうがない。というか、俺が連勝すると誰とデートすればいいんだろうか?
「しょうがないですね。大神さんが行きたいところでいいですよ」
「俺は中庭でゆっくり休みたいよ…。汗たっぷりかいちゃったからな」
「じゃあそれで。さぁ、レッツゴーです!」
一人で休ませろって言ったつもりだったんだが…。エリカくんだからしょうがないか。
さくらくんも当たり前のようについてくるし。
「あー…涼しい…」
中庭にある大きな樹。その木陰で休んでいた。
吹き抜ける風が汗を飛ばして、一緒にいい匂いを運んできてくれる。
あぁ…いいなぁ。平和だ。この二人がいなければ。
エリカくんは右腕。さくらくんは左腕。なんで二人して俺の腕を掴むんだ。身動きが全く取れない。
しかも…。
「くー、くー…」
「すぅ、すぅ…」
二人ともおねむだよ。きっちり俺の腕を抱いたまま。いい加減仕事しないと、かえでさんに怒られるのに…。
「さくらくーん、起きろー」
頬をつっつく。ううん、と小さくうなっただけで、起きる気配はない。
「エリカくーん…」
エリカくんの頬もつっついたけど、やっぱり起きない。無心に眠っている。
「もういいや。俺も寝よう。仕事は夜に回せばいい」
だんだんいろんなことがどうでもよくなってきたよ。
開き直って、眠気に身を任せる。起きたときに、しっかりと抱かれた腕が痺れてそうな気がするけどね…。
大神一郎。硬派な男である。朴念仁でもある。
そして、天性の女たらしでもある。
今日も今日とて、その才を如何なく発揮している。
毎回大爆笑です、GJ!!
こんなオイシイ状況になっても朴念仁な大神は
いっそ天然記念物に指定するべきではなかろうかw
>>955 本当にGJです。
何故、さくら対エリカで絵合わせという選択肢が思い浮かばないんだよw
しかしこうなると、花火の相方が気になるな。
普通は誰なんだろう?レニ?
GJ、相変わらず面白い。
特にナーデルが絵合わせ以下の扱いだったのに吹いたw
お、次スレ立ったか
だみゃ〜ん氏ご苦労様です
>>960 花火の相方‥‥カンナはどうだろう?
初対面のときショック受けてたほどタイプ違うから
逆に面白そうだがw
>>964 カンナって面白そう。俺は紅蘭で考えてるけど。ヤンデレ+謎の道具=フリーダムw
大神一郎。硬派な男である。朴念仁でもある。
「終わり…と。休憩にするかな」
トントン、と書類の尻をそろえて、大きく伸びをする。緊張した筋肉がほぐれていった。
まだ昼間だ。メルくん、シーくんがマメに手伝ってくれるおかげで最近は楽になった。
自室で休もうかと階段を上がると、サロンがちょっと騒がしい。
どうしたことかと思っていると…すみれくんとグリシーヌが…。
因縁の対決再びかと思いきや、和やかなムード。杞憂でよかったよ。
「あら中尉、中尉も休憩ですの?」
「丁度いい。貴公も付き合え」
同席を求められた。別に断る理由もないか。ひとりでいても本読むぐらいだしな。
「わかった。ついでに新しいお茶淹れてくるよ。冷めちゃったらまずいもんな」
厨房に行ってお湯を沸かす。ついでにシーくんのクッキー生地を(勝手に)貰って、オーブンに入れた。
これで良し。さっきまで料理をしていたみたいで、オーブンはまだ熱い。すぐに焼き上がるだろう。
茶葉はサロンにあったから、自分のカップと熱湯入りのポットを持って戻る。
「ただいま。二人のお茶も淹れなおすよ。ちょっと待っててくれ」
まずはカップにお湯を入れて温めて…一旦そのお湯を捨てる。
そして十分な茶葉で出したお茶を最後の一滴まで注ぐ…と。
「ほう、手なれたものだな」
珍しくグリシーヌが褒めてくれた。ちょっと嬉しい。
「すみれくんにみっちり鍛え上げられたからな。はい、どうぞ」
カップをソーサーに置いて、二人の前に差し出す。
嬉しそうなすみれくんの顔に反して、グリシーヌはあんまり浮かない顔だな。
「…?あ、そうだ。クッキー焼いていたんだ。そろそろいい具合だと思うから、持ってくるよ」
「へぇ、結構気が利きますわね」
これも珍しくすみれくんが驚いたような顔をしている。
「グリシーヌの召し使いをやったことがあったからね。こういうことは上手くなったよ」
席を立つとき、ちらっと二人の顔を見た。
グリシーヌはなんだか誇らしげな顔をしていて、対するすみれくんは悔しそうな顔。
(…俺、なにかやったのかな)
まぁいいや。とりあえずクッキー持ってこよう。
クッキーを持ってサロンに戻ると、少しだけ険悪な雰囲気になっていた。
とりあえず二人の間に座って、雑談再開。ほんとに他愛もないことばっかり。
軽口を言ってみたり、ちょっと笑わせてみたり。場の雰囲気改善の為に全力で軽くなる。
顔は笑顔でも、背中では油汗かいてます。
「中尉もずいぶん軽くなってしまいましたわね。
あの時…わたくしが無理やり結婚させられそうになった時…。にっちもさっちも行かなくなっていた部隊。
復活の希望、神崎財閥の支援を断ってまで、わたくしを選んでくれたあの凛々しさはどこへ行ってしまったのかしら」
閉口したような口調に反して顔は笑っている。
俺は苦笑いを返すだけだ。今さらあの時の話をされるとは思わなかった。
ちょっとグリシーヌの方を見る。こっちをにらんでいるように見えるのはきっと気のせいだろう。
「全くだ。貴公はそんなに軽い男ではないだろう。
あの大海原…二人っきりの海賊船での事を忘れたのか?
海に落ちそうになっていた私を優しく抱きとめてくれたあのたくましい腕はどこに行ってしまったのだ?」
グリシーヌ…こっちを見る目はすごく優しい。でも、すみれくんに向ける目は敵を見る目だぞ…。
なんて言ったらいいのかわからず、こっちにも微笑みを返すだけ。
「中尉…今の話、詳しくお聞かせ願えないかしら?」
「私も貴公に聞きたいことがある。…答えてくれるな?」
待ってくれ。なんで二人とも俺に殺気を向けるんだ?俺をどうしたいって言うんだ?
なんですみれくんの手には薙刀があるんだ?なんでグリシーヌのハルバードは的確に俺の頭を狙える位置にあるんだ?
(これは…)
すっくと立ち上がり、一呼吸置いてから、猛然とダッシュ。
「逃がしませんわよ、中尉!」
「逃げるな、隊長!」
大神一郎。硬派な男である。朴念仁でもある。
そして、天性の女たらしでもある。
今日も今日とて、その才を如何なく発揮している。
GJ!!
笑いが止まらんwww
何かやればやるほどドツボにはまる大神もGJ!
GJ、実は必死なのに軽くなったと言われる大神さんが不憫だw
あと、花火の相方は織姫だと勝手に予想してた。
てんてこまいとハーフ(花火はクオーターだけど)つながりで。 …安直だな
花火の相方には恋人に先立たれ要素でマリアを推してみる。
はい、自分の趣味です。すみゃーせん。
そんな自分はグラン・マ最萌えw
いっそのことひと組ずつなんてケチなこと言わないで全部書いてしまおうか…。
朴念仁in紐育は書かないつもりですし
書きたいなら誘い受けせず自分で決めて黙って書けばいいと思うよ
>>971 in紐育以外なら、なんでもOKっすよw
でも全部って大変じゃないんですか?
大丈夫ならどーぞどーぞ
>>971 期待してます。
けど、どっちのスレに書くのでしょうか?埋めネタには惜しい気がしますがね。
ガンガレ
大神一郎。硬派な男である。朴念仁でもある。
「大神さん、この書類の処理は終わりましたよ」
「ありがとう、メルくん」
「隊長、この荷物はここでいい?」
「助かるよ、レニ」
ほんとに助かる。メルくんもレニも真面目な性格だからきっちり仕事してくれるし、やり方も効率的だしな。
そのお蔭で、今日はかなり早く仕事が終わりそう。わざわざ手伝ってもらったんだし、何かお礼しないと…。
そうだなぁ。食事にでも誘うかな。
「2人とも、一緒に夕食に行かないか?手伝ってもらったお礼をしたいんだけど」
「いいんですか?ぜひご一緒させてください」
「了解」
二人とも嬉しそう。近頃は言葉以外から感じるものをしっかり読み取れるようになった。
レニのおかげでね。そういう技術がないといつも怒っているような感じするし。
「よし、それじゃさっさと仕事終わらせてしまおう」
大分薄くなった書類の格闘を再開。二人ともさっき以上のスピードでこなしていく。
やっぱりご褒美があると人間燃えるもんだね。
小一時間で仕事は終わった。着替えて玄関に集合、と言って一時解散。
時計は6時半。夕食にはちょっと早い気もするけど、まあいいだろ。
「お待たせしました」
「お待たせ、隊長」
「ん……?」
珍しいな。二人ともおめかししている。
メルくんはいつものメイド服じゃなくて、深い青のキュロットにちょっとだぶっとしたシャツ姿。
なんだか男の子みたいな印象がある。いつもと違った可愛さがあるね。
レニは格好こそいつもどおりだけど、薄く化粧している。
いつも思うけど、顔立ちがキレイな分、紅引いた姿は奇麗だよなぁ。普段から化粧すればいいのに、もったいない。
「…変じゃないですか?大神さん」
「何言ってるんだよ。すごく可愛い」
「あ、…えーっと…ありがとうございます」
恥ずかしそうにうつむいた…そういう反応されるとこっちまで恥ずかしいことを言った気分になる。
「あんまりお化粧って慣れてないから自信ないんだけど…どう?」
「ほんとにキレイだよ。普段から化粧したほうがいいと思うよ。俺だけが見てるなんてもったいない」
(それがいいんじゃない…)
何か小声でつぶやいたみたいだけど、よく聞こえなかった。レニはレニで顔を赤く染めている。
「よし、それじゃ行こうか」
二人を連れて、食事処…というか、帝国ホテルに向かう。
熱烈なファンのなかに帝国ホテルのシェフがいて、ぜひ食べに来てくれと言われていたんだ。
全員一緒はまず間違いなく無理って言っておいたけど、ウチの看板にハクがつくから、一人でもいい、と。
熱意に押されたわけだ。御馳走する、なんて言ってた。もちろんきっちりとお金は払うけど。
帝国ホテルの中を歩く。ライト館はいつ見ても立派だな。初代館もなかなか良かったんだけど。
「さ、ついたぞ。俺はちょっとシェフに挨拶してくるから、何か適当に頼んでいていくれ」
ボーイに事情を説明して、伝言をお願いした。すぐに火照った顔の男性が出てくる。
俺たちを見て感激しきりと言ったところで、腕によりをかけて作らせていただきます、と張り切っていた。
挨拶を済ませたところで、二人が待つテーブルへ行く。まだ何も注文していないみたいだ。
「なんだ、何か注文しておけばよかったのに」
「一緒に注文しとようかと思って。何を注文すればいいのかわからないし」
「そうか…とはいえ俺も何を注文すればいいのか…。あ、そうだ。さっきのシェフの方にお任せするか」
「名案ですね」
お任せのコースメニューもちゃんとあった。それを注文して、しばらくの雑談。
「それにしても、あんな仕事量よくこなせますね。前任のムッシュ・米田も同じような仕事していたんですか?」
「いや、そういうわけじゃないんだ。米田支配人と一緒に事務員もいなくなっちゃってさ。
事務員というか、風組のみんななんだけど。知ってるでしょ?」
オードブルが運ばれてきた。流石に帝国ホテルというべきか、キレイな盛り付け。
ちょっと食べてみたけど、味もいい。二人も食べ始めている。
「あぁ、彼女たちですか。事務員までこなしていたのは初耳ですね。私とシーの役目を帝都でやっていたってことですか?」
「そういうことだね」
「最近の隊長は見てて可哀そうだよ。もっと気を抜いてやればいいのに…。
今はボクたちが手伝えるけど、いつまでもそうとは限らないよ?」
心配はごもっともだな。でもね…。
「確かにもっと気を抜いてやったほうがいいんだろうけど、気を抜けない性分でさ。
俺が頑張らなきゃ、レニや他のみんなに迷惑をかけることになる。舞台に集中できる環境を作るのが俺の仕事さ」
「隊長…。すごいね、ボクじゃ真似できないよ」
恥ずかしそうにほほを染めた。赤い顔のレニはずいぶんかわいいな。
滅多に表情を見せないだけに、貴重だし。
今度はメインディッシュが運ばれてきた。これもうまいね。赤ワインとよく合う。
「しかし、それでは倒れてしまいます!もっと仕事を任せるぐらいの余裕がないと、ダメですよ」
怒ったような顔。いや、実際怒られてるのかな。気遣ってくれているから、怒られているって感じはしないけど。
「でもね、メルくん。俺が仕事を任せると、任された誰かがけいこできなくなる。
そうなると、舞台に影響が出る。俺たちはお金を貰って劇を見せているんだ。手抜きの舞台を見せたら、申し訳ないだろ?
俺たちの舞台を見るために遠方からはるばるやってきて下さるお客様がいるんだ。
手抜きの舞台…そんなものを見せるわけにはいかない。だから手抜きをしない。させない。これは俺のプライドだ」
「信念ですね…素敵です」
きっちりと正面から受け止めてくれた。ほんとに素直な子だ。
お酒のせいか、ずいぶん顔が赤いけど。
ちょっとずつつまんでいた、という程度だったのに皿の料理はなくなり、もうデザート。
「ん…もうデザートか」
ちょっと時計を見たら、すでに8時を超えていた。
「さあて、これを食べたら帰ろうか。いい加減帰らないと、マリアに締め出されちゃうからな」
ほんとに、そういうところは厳しいからな…。
デザートを食べている間も、話し声は止むことはない。いい気分転換になった。
「払いを済ませてくるから、ちょっと待っててくれ」
大神が会計に向かう。残された女二人。
「本当に、いい人ですね」
「そうだね」
二人とも視線を合わせずに、大神の背中を眺め続けていた。
「…釣り合わない、かな。私みたいな子じゃ」
「それはボクたちが決めることじゃないよ。誰を選ぶかなんて…隊長が決めることさ」
それもそうですね、と頷いていた。
「…負けませんよ?」
「ボクもね。譲る気はないよ。隊長だけは」
大神一郎。硬派な男である。朴念仁でもある。
そして、天性の女たらしでもある。
今日も今日とて、その才を如何なく発揮している。
ありがとうございました。次からは新スレに投下します。
メルがキュロット着たらきっと可愛いと思います。
GJwwwwwwwwww
これは平和wwwwwwwww
おおっと、これは意表をついた展開だ! GJ!!
ずいぶん静かに話が進むと思ってたら、こう来ましたかw
メルもレニも可愛いよ〜〜
キュロット姿見たいぞ!
面白い。いいなぁ
レ二とメルは予想してたけど、こんなに早く出てくるとは思わなかった。
他の2組に比べると控えめだけど、こういうのもいい感じだ。
面白かったです。レニとメルかぁ……なるほど。
しかし、大神どうするんだ。このままでは、もうそろそろ事件が起きるぞ。
>>984 事件というと‥‥大神一郎殺人事件とか?
被害者=大神一郎
容疑者=女性登場人物全員
こりゃあ迷宮入りだなww
加山が犯人に仕立てあげられます
事件など常に起こってるではないか
しかし大神本人は事件だと思ってないぞ
日常と化してるからなw
新スレに投下するって言いましたけど、だみゃ〜ん氏が投下していましたので、今回はこっちに投下します。
大神さんの出番がほとんどないという珍しい回になりました。たまにはね。