【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合11

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1名無しさん@ピンキー
     _      ここは「ゼロの使い魔」「グリーングリーン」に代表される
    〃 ` ヽ    ヤマグチノボル氏の作品のエロパロを書くスレよ。
    l lf小从} l  / 荒らし、それに反応する輩はあたしの虚無で一発なんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ /  ご・・・ご主人様が好きならSSを書いてみなさい!
  ((/} )犬({つ′  あと、次スレは480KBか、970レスを過ぎたら立ててね。
   / '"/_jl〉` j    立てないとお仕置きだかんね!
.  ヽ_/ノヘ.)〜′   分かったら返事するのよっ!犬!

前スレ
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合10
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167223501/

【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合9
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165455703/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1164035310/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合7
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162705335/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合6
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160901342/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合5
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1159793943/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合4
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1158503087/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1157554499/
【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合2
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156100259/
【グリグリ】ヤマグチノボル総合【ゼロの使い魔】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1141803280/

まとめサイト ゼロの保管庫wiki
http://wikiwiki.jp/zero/
2名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 21:50:43 ID:AaIpqs2l
>>1 205さん お疲れ様ですって……お時間あるときに続きお願いしますね。
3261のひと:2007/01/24(水) 21:52:17 ID:AaIpqs2l
前スレから引きずってるテファの続き投下しますね。

……まだ終わってないのですが。もーちょっとだけごめんなさい。
41/7:2007/01/24(水) 21:53:28 ID:AaIpqs2l
「黒い髪のおねーさんと、一緒に桃色の髪を見たの、あのねあのねっ」
 エマの説明が遠い。
 神様の意地悪。どうして? サイトの側に居たいのはわがままですか?

 懐の杖を固く握りしめた瞬間、エマが凍りつく。
「その人、どこに居たの? おねえちゃんに教えて」
 怯えた様子のエマのしどろもどろの説明を聞いて、そちらに駆け出す。会わせるものか。

 サイトはわたしを抱きしめてくれた。キスしてくれた。愛してくれた。
 あんな人他に居ないから、絶対に……渡さない。

 村に続く道はそう多くない、エマが二人を見た場所から村に続く道で、待ち伏せしやすい所に忍び込む。

 ――決めた。小さな川のほとり。道が真っ直ぐだから距離が図りやすい。
 逃がさない。絶対に一回で決めてやる。
 固い決意でルイズさんを待つ。

 サイトを守る。それだけを考える。
「……よね、シエスタ」
 声が聞こえ始める。
 ……来た。杖をもう一度強く握る。
 消してやる。消してやる。消してやる。
 サイトを奪おうとするなんて、許さない。二度とここに来ないように、サイトの記憶を全部奪ってやる。

 それとも……生まれたときからすべて消して、そこら辺の男に与えてみようか? 整った顔立ちを見てそんな事を思いつく。

 うん、そうだね。それが良いよ。
 楽しい。心が躍る。
「生きてるよね? サイト」
「わたし信じてますからっ」
 声が近づいてくる。

 絶望にも負けない強い眼差し、期待に弾む声。

 全部壊してあげる。
52/7:2007/01/24(水) 21:53:59 ID:AaIpqs2l
 道からは見えない木陰で、目を閉じて音だけで距離を測る。
 もう少し……まだ……もっと。

 ――今!!

 魔法を使おうと目を開けた瞬間、恐ろしい怪物が目に入る。
「っっっっ!!」
 それは、水面に映ったわたし。
 血走った目、青ざめた顔、醜く釣り上がった口元。
 あまりの衝撃に、魔法を使うことさえ忘れる。

「生きてるよね、サイト」
「もう、さっきからそればっかりですね。信じてないんですか?」
 すぐ側を優しい世界が通り過ぎる。
 サイトにお似合いの美しい世界。

 ……わたし……何を……

 サイトの幸せじゃなくて、自分の為にサイトの大切な人を手にかけようとした。

「さ、ミス・ヴァリエール急ぎましょうっ!」
「うんっ」

 土を蹴る音が遠ざかる。

 ――サイトに……近づいていく。
 それを止めたくても、わたしにはもうそんな資格は無かった。
63/7:2007/01/24(水) 21:54:32 ID:AaIpqs2l
 エマの所に戻ると、いきなり抱きつかれた。
「テファねえちゃん、良かった……ちゃんとテファねえちゃんだ」
 泣き始めたエマをなだめて、サイトの所に向かう。

 ……せめて、サイトには自分の口で伝えたかったから。

 サイトがいつどこに居るか、自分がこんなに詳しいことが少し悲しい。
 迷うことも無く、サイトはすぐに見つかったから。
「どうしたの?」
 サイトの声に心が震える。言いたくない。
 本当は黙っておきたかった。でも、サイトに嘘をつくのがいや。
「サイトの言ってたルイズさんって……」 
 見るからにうろたえ始めるサイトに、『ああ、やっぱり』そう思う。

 うれしそうだった、悲しそうだった、切なそうだった。
 どれ一つとっても、わたしと居る時には見せてくれなかった顔。

 涙をこらえているサイトの返事を待つ。
 辛いけれど、わたしはもう待つ事しか出来ない。

「テファ?」
 サイトが不思議そうにわたしを覗き込んで……
「ご、ごめんなさいっ」
 いつの間にか、涙がこぼれていた。
 強くならないといけないのに、サイトが居なくても大丈夫にならないといけないのに。
 涙はどうしても止まってくれない。

 胸の奥が苦しくて、そのままわたしが消えてしまいそう。
 こんな想いは初めてだから、自分でどうして良いのかわからない。
「ごめん、テファ」
 優しい腕に抱きしめられる。
「ごめん、大丈夫だから。安心して。……ちゃんと……するから」
 これが最後……そう思うと、サイトのに触れるのも辛くなる。

「責任……とるから」
 サイトの言葉の意味は分からないけれど。
74/7:2007/01/24(水) 21:55:04 ID:AaIpqs2l
 サイトのお墓で立ち尽くす二人を、サイトとアニエスさんが見てる。
 シエスタさんの手を引いて、家に戻りながら、そちらが気になった。
「サイト……さぁん……な……んでぇ?」
 シエスタさんの涙が、わたしの心に響く。

『ごめんなさい』
 声には出せないけれど、本当のことを伝えたくなる。
『側にいるよ』
 サイトが言ってくれたのは……わたしを愛してくれたから?

 それとも……責任感?

 振り返って、ルイズさんを見る。
 わたしはサイトの為にトリステインまで彼を探しに行けるだろうか?
 彼女はサイトを求めてここまで辿り着いた。

「ティファニア……さん?」
 ルイズさんを見つめるわたしに、シエスタさんが声をかける。
「テファ、で良いですよ。行きましょう」

 自分の臆病さを知るわたしは、それ以上考えずにシエスタさんの手を引いた。
85/7:2007/01/24(水) 21:55:37 ID:AaIpqs2l
 サイトの声が森に響いている。
「ルイズがっ、俺をっ……なのにっ」

 これ以上前に進めない。
 アニエスさんの膝ですすり泣くサイトに、かける言葉が無いから。
「俺はもうガンダールヴじゃないからっ……守れないから」
 何度も繰り返し、自分に言い聞かせようとするサイトの言葉。

 ルイズさんもシエスタさんも、泣きつかれて眠ったのに。
 サイトはずっと……自分を責めている。
「アニエスさん」
 サイトの頭を撫でるアニエスさんの側による。何も言わずにアニエスさんはサイトの身体を私のほう向けてくれる。
「まかせるよ」
 アニエスさんが、それだけ言って立ち去った。

 サイトが大好きな胸で、優しく抱きしえても。
 ぎゅって、抱きしめてもサイトは泣き止まない。
 わたしだったら……サイトにそうして貰えたら、何もかも忘れられるのに。
 どうやっても泣き止まないサイトに、サイトにとって、わたしって何なんだろうって、不安ばかりが大きくなっていく。

 ――どれくらい時間が経っただろう。
 サイトがやっと少しだけ落ち着いた。
「テファ……おれさ……」
 真っ赤な怯えるような瞳で、サイトがわたしに抱きついてくる。
「テファを守るから。これから大事にするから」
 サイトの手が、わたしの服を荒々しく掴む。いつもと違うサイトにどうしていいのか分からない。
「だから……テファの側にいて良いよな? ここで二人で静かに暮らそう」
 サイト……震えてる?

「ずっと、ずっと一緒だよテファ」
 わたしは……抵抗しない。
 ちがうね、出来ない。サイトが好きなように、それがわたしの喜び。

「テファ、テファ……」
 わたしの胸、サイトが毎日吸ってくれる。サイトは触るだけでうれしそうだから、最近は少しだけ好きな自分の胸。

 サイトの手で服が破り裂かれて、期待に尖った先端がサイトの口の中に消える。
「はっ……んっ……サイト……いいこね」
 あかちゃんみたいに胸を吸うサイトを、そっと抱き寄せる。
 やっぱりサイトは震えていて、泣きながら無心に胸を吸っていた。

「帰りたいの?」
 わたしの質問に、サイトは何も答えないけれど……
『サイト、今わたしの目、見てくれないね』
 それだけで、分かる。……分かるくらいにはサイトと一緒に居たから。

「ね、サイト今日はわたしがしてあげるね?」
 サイトが何か言う前に、サイトの唇を塞ぐ。
 これが最後かもしれないから……ゆっくりサイトを味わう。
「テファ?」
 サイトが驚いてる……
 わたしの様子がいつもと違うの分かってくれたのなら……うれしいな。
96/7:2007/01/24(水) 21:56:10 ID:AaIpqs2l
 サイトがわたしを感じさせてくれるのが好き。
 わたしの胸を、大切な所を、おずおずと……そして大胆にさわるサイトの指先が好き。
 サイトの唇が好き、キスしていると触れ合う唇だけで、どうにか成りそう。身体中這い回って、わたしを狂わせる唇が好き。

 でも……今日は、わたしが……

「ちょっ、テファ? ど、どうしたの?」
 そんな事を言いながら、サイトは硬く大きくなっていた。
『最後だから……』
 ちゅ、っと音を立てながら先を咥える。サイトが感じてくれているのを感じながら、喉の奥まで飲み込む。
「っっ……ぅ……テファ?」

 たっぷりと湿らせて、今度は胸の谷間に包み込む。
「テファ? ちょっどうしたの?」
 サイトがしてくれるのが嬉しいから、いつもサイトにしてもらっていたけど、今日は……
「サイト、気持ちよくなってね?」
 サイトの気持ち良い所を、、完全に胸の中に埋める。少しでも強く感じてくれるように、両手で押し付けながら。身体中を押し付けるように擦り上げる。
「……っ……ぁ……テ……ファ……」
 ゆっくりと、擦っていると、サイトのが、口の側に来る。胸をサイトに押し付けたまま咥えて、きのこの傘みたいな所を舐め上げる。

「ひっ……テファっ、それっっっ」
『うん、サイトが気持ち良さそう』
 嬉しくなったわたしは、そこを重点的にぺろぺろ舐めながら、サイトの根元に胸を押し付ける。
 サイトが何か叫びながら、ずるすると逃げようとしているけど逃がさない。
 口の中で一回り大きくなったし、今にも出そうなほどビクビクしているから、気持ちいはずだし。
「ちょっ、出るからっっ……テファっ……ちょっと、駄目だって」
『サイトの……頂戴』
 早く出て欲しいから、サイトの腰に手を回して、もっと強く胸を押し付ける。
 小さく悲鳴を上げたサイトの動きが止まった時に、ストローで何かを飲むみたいに一生懸命吸いたてる。
「……だ……っあ」
 口の中が、望んでいたもので満たされる。
『サイトの味』
 舌に絡めて、ゆっくりと味わう。

「……テファ?」
 いつもと違うわたしを、不思議そうにサイトが見てる。

 わたしを……サイトが見てる。ルイズさんじゃなくてわたしを。
 それだけで、わたしの身体の中で何かが外れた。

『見ててね?』
 目でサイトに伝えてから、サイトの目の前で音を立てて嚥下する。
 たくさん出してくれたから、何度かに分けて飲み下す。
「ちょ、テファっ、無理するなよっ」

 平気だよ、サイト。サイトのだもん。
「ね、サイト」
 サイトに見えるように……咥えるだけで潤った所を開いて見せてあげる。
「今度は……こっちに……ね?」
107/7:2007/01/24(水) 21:56:45 ID:AaIpqs2l
 テファの中にオレが飲み込まれていく。
「サイト……気持ち良い?」
 気持ち良くない筈も無い。熱く潤ったテファの襞の一つ一つが……って……
「ちょっ? なんで? いつもよりっ?」
 おかしい。おかしい位気持ちよかった。
 逝った所なのに、……そんなに持たないかも。
「……っ、サイ……トも……いいんだぁ、良かった、わたしだけ……こんなに感じてるのかっ……て、おも……ったぁ」
 テファが上に成っているから、目の前には当然革命が見える。
 思わず吸い付くと、テファの腰が跳ねる。
「ぐあぁぁっぁ」
 俺の喉が悲鳴を上げる。
 跳ねたテファの与えてきた快感は、凶暴なくらいだった。
「ひぅっ……ごめ……いま……きもちよすぎてぇ、じぶんでうごくの……つら……ぃ」
 俺の悲鳴を聞いたテファが、オロオロと説明する。快感のあまりの悲鳴とは、普通思わないのだろう。
 真っ赤になったテファの、ツンと尖った乳首を両手で交互に抓る。
「ひっっっ、あっ……がっ……ちょっ、いやっ、サイトっ……ゆるっ……てぇ」
 軽く力を込めるだけで、勝手に腰が動くらしい。自分でも思い通りにならない身体を、俺の指先一つで自由になる。
「だめぇぇぇl、きょうはっ、わたしがぁあああああぁぁぁぁ」
 テファの悲鳴すら、今の俺には快感だった。
 ねちねちと乳首を弄りながら、テファに問いかける。
「テファ、そんなに気持ち良いんだ。自分で必死にうごいてるね」
「……ひぅ……ごめ……さぃ……えっちなこで……ごめん……いっ あっぃぃ」
 テファがちゃんと返事をするのが面白くなくて、両方いっぺんに捻ると思惑通りにテファの言葉は意味を成さなくなる。
「あっっあああああぅ、ぁ……ぃ……ああぅぅぅ」
 刺激を与えられた胸は、俺から逃げようとするのに、テファの手は俺の身体を離そうとしないから、逃げようと動くたびに、却ってテファの中で暴れる。
「テファ、そんなにキモチイイコトが好きなんだ」
 あえて両手を休めて聞いてみると、荒い息のまま何かを俺に伝えようとしていた。
「……ね、……あのね、サイト……離したくない……よ、ちょっとでも、抱きしめたいんだよ」
 まるで、別れのような台詞に、俺の頭の中にルイズが蘇る。
 ……折角……考えない様にしていた事を掘り返されて、凶暴な気分になった俺は、テファの中を抉った。
「ひっ……だっ……やぁっ……ちょっとだけっ、ちょっとでいいからぁっ、やすませてぇぇぇ」
 もちろんそんなつもりは無い。意地悪な気持ちになって、テファの一番深い所をごりごりと擦る。
「あぅっ……あっっっあああっ、あぁぁぁぁっ、ぁああああ」
 俺の肩を握り締めるテファの腕を払ってから、テファの腰に手を添える。
「ひぅ? ぇ? やだっっっ、サイト……お願いっ、ぎゅって、ぎゅってさせ」
 切羽詰った様子のテファを無視して、俺が気持ちよくなるために、全力でテファの身体を使う。
「っっ、ゃぁぁぁあああっ、ひどっ……だめぇぇぇえ」
 酷く残酷な気持ちで、俺を求めるテファの腕から逃れながら、テファをどんどん追い詰める。
 テファの中が、オレを絞るように奥へ奥へと導く。覚えのある感覚に、テファの限界を悟る。
「ひっっ……う、おね……っがい、サイト……おねがいだ……からぁっ」
 テファの涙に少しだけ心が動かされる。
 でも、ほんの少しだけ。
「……やぁっ……もっ……あっ…ああああぁぁぁぁぁ」
 繋がっている所から、テファの快感が流れ込む。いつ逝ってもおかしく無かった快感に、テファの中に注ぎ込む。
 ゆっくりと崩れ落ちるテファを抱き寄せながら、ルイズの元には戻らない決意をもう一度固める。……テファが居るから。
 ルイズは守れなくても、この子の事をそれ以上に大切にしよう。そう……思った。

 ――いつもより凄かったサイト。
 ルイズさんの代わりになってあげたかった。でも……サイトがルイズさんを強く求めている事を……あんなにお互いを感じている最中でも、何度も彼女を思い出したことを。
 心の深い所を虚無に浸しながらティファニアは悟っていた。
『あなたが幸せになりますように』

 ――何度も唱えた呪文を、ティファニアは唱え始めた。
11名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 21:59:29 ID:AaIpqs2l
上に書くべきでしたが、
http://wikiwiki.jp/zero/?10-340
これの続きです。

……まだ続くですよ? ごめんなさい。
もう一回だけだと思いますので、出来ましたらお付き合いを。

今日明日中に、もう一本投下予定です。がんばるっ。

ではっ
12名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 22:21:51 ID:uevQn2q6
一番槍GJ!
。・゜・(ノД`)・゜・。テファ
13名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 22:32:26 ID:DFMLMtcj
日本槍をイタダキだ!!
GJ!
14名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 23:20:46 ID:lloTmZ2n
三本槍!トライデント?
GJ!テファかわいそうなんだよぅ〜(づ∀;)
15名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 23:45:12 ID:v+KGnAPm
>>11
四天王!
テファ幸せになるよねなるよね?
16名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 00:17:33 ID:vRxCB5GU
一つ思った、テファ万歳
切ないエロというのも乙なものですなぁ

自分も書きたいのだが電波がこないのですよ。誰かきっついの飛ばして
17名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 00:19:06 ID:rpiaPsOT
サイト×ギーシュ
18名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 00:51:18 ID:v7+IR8Bz
>>16 どっち系できつく?

アルビオン慰安なジェシカたんが、若い騎士たち食いまくりとか?

8巻の壊れかけルイズが、自暴自棄にスラム特攻とか?

サイト付きになって優遇されたシエシエに対するメイド達のイジメとか?

ん〜 いいのでんなぁ
19名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 02:55:17 ID:OhAO7Cah
もし君がSS書いたらものすごくドギツイの
できそうだねw俺はそうゆうのも好きだけどね〜
20名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 03:40:49 ID:gt/O+5qk
ネタを考えていたら
シエスタのじいさんが故郷の風習で豆まきをしていた
死後、言葉が一人歩きしていつの間にか種まきになっていた
ゴメン、何が言いたいのか自分でも良くわからなくなってきた…
21名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 04:20:28 ID:suGnAYTi
シエスタのじいさんが伝えたって設定で日本の風習系いけそうだな・・・

・・・問題は2次大戦中の人だからバレンタイン等の西洋行事とは無縁そうなわけだが
22名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 05:12:08 ID:p9AK0WTj
間違えて伝わって、節分の日には女の子は男の太巻きを頬張るといいとか。
23名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 06:03:33 ID:VB+83Txh
この恵方巻より、サイトさんのほうが、すごく、その……
24名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 06:05:53 ID:hxB6pWcF
豆・・・豆・・・お豆・・・
クリトリ¥・・、dfめ
25名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 08:04:34 ID:GVonimSc
>>21
バレンタインそのものが世界大戦以降のチョコレート会社の陰謀だからなぁ…
元はキャンディだのなんだのでも良かった筈だし
26名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 12:26:23 ID:OKL3XtG+
オマイ等ら・・・過疎ってたんじゃなくて、
SS来るまでROMってただけかよw


し、心配なんかしてないんだからねっ!!!!
27名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 13:05:19 ID:Nsacx76n
皆物陰に潜んでただけだよね。
まあ俺もだが
28名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 14:02:12 ID:rpiaPsOT
忙しいのは書き手ってことでFA
外国じゃバレンタインは女→男の方程式が成立しないんだよぅ
29名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 14:21:35 ID:eRKnVHZZ
日本の風習ねぇ。
姫初めでどうだ?
30名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 15:40:37 ID:rpiaPsOT
ちょwwwwそれじゃぁいつもと変わらんてwwww
31名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 16:04:36 ID:gGtp8rNf
>>29-30 が妬ましい件について・・・


それはそうとこのスレには足りない物がある。


・・・・・・・・・ >>1 乙!

32284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/01/25(木) 21:43:51 ID:vRxCB5GU
ども>>16です。
やっぱし皆さん隠れてただけなんすねwwwww
>>17->>30 皆さんどうもです。
節分ネタが受信されたようなので書いてみます。
また後でヨロシコ
33名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 22:11:57 ID:9J9K74zj
>>32
えー、節分?
>>18は?>>18は? と、騒いでみる。

うそ、待ってる。
34261のひと:2007/01/26(金) 01:30:07 ID:ABXgnv/D
……思ったより時間掛かってしまいましたが、投下いきまーす。
ちょと試したいことがあるので、>>35-46まで 貰ってよろしいでしょうか?

多分途中で連投規制に引っかかりますが……

ずれても泣かない覚悟でいきまーす。

あ、専ブラ推奨です。
351/12:2007/01/26(金) 01:30:40 ID:ABXgnv/D
「こいつら皆、図太いよな……」
 牢に閉じ込められていると言うのに、ギーシュ、マリコルヌはもとより、ルイズまで熟睡していた。
「貴族って……こうじゃないと生きていけねーのか?」
 そうだとしたら、シュヴァリエ返上して本当によかった。
 無意味に死に急いだり……まぁ、これは人の事言えないか。
 タバサを助けに行けない苛立ちばかりが募る。

 分かってはいた。動けない以上、きっちり休むのが正しいのだと。
 先を見据えれば、この三人の行動こそタバサのために成るのだろう。
 が、分かってはいても。
「寝れねぇなぁ……」

 気が立って眠気がまったく起きなかった。
「デルフも居ないし」
 ずっと共に戦っていた戦友。無理矢理引き離されるのは初めてかもしれない。
 いつも背負っているわけではないのに、背中が寂しい。
「やれやれ」

 ルイズを壁にもたれさせて、牢の中を一回りする。
「……だめだな……」
 逃げ道、抜け穴……そんなものが有ればいいのだが、もっとも有っても自分では見つけられないだろう。

「無事で居てくれよ」
 タバサが心配だった。自分の為に国王に逆らった所為で、今危険な目にあっているかもしれない。
 自分の所為だ。日も落ち、仲間は皆眠り込んでいるのに悶々と自責する。
 皆を起こさないように注意しながらも、ぐるぐると牢屋の中を歩き回る。

 ――ふと気が付くと、コンコンと何かを叩く音がした。
「誰?」
 助けかもしれない。甘い期待を胸に、入り口まで駆け寄る。
「よかった……起きていたか、サイト」
 押し殺された声には聞き覚えが有った。
「アニエスさん?」
 助かった、そう思った。
 師匠でもある彼女なら……
「あー因みに、助けに来たわけじゃないぞ」

 ……ちぇ
「じゃ、じゃあなんなんですかっ」
 詳しい話を聞こうとすると、あっさりと牢が開けられる。
「こいサイト……貴様に用がある」
 有無を言わせぬ目。

 その目に押されるように、牢の外まで出る。
 アニエスさんが牢に鍵を掛けなおすのを見て、この人が俺たちのために動く人じゃないのを思い出す。

 そう、この人は……
「サイト、貴様には責任を取ってもらうぞ」
 俺が付いてくるのを確信している足取りで、真っ直ぐ……姫さまの部屋に向かっていた。

 そう、この人は王の剣だった。
362/12:2007/01/26(金) 01:31:13 ID:ABXgnv/D
「んー? あにえしゅ、おかえりー」
 ……あれ? 部屋間違えました? 何この明るいお姉さん。
「陛下、サイトをお連れいたしました」
「えへー、あにえしゅ、いいこいいこー」
 アニエスさんが跪いてる……姫さま……だよなぁ?

 あまりの事態に立ち尽くす俺を、アニエスさんは力ずくで部屋の隅に引きずって行った。
「き・さ・ま・ら・の・せ・い・だ・!! 何とかしろ!!」
 なんで? そう聞こうと思っても、衿を掴んで片手で持ち上げられて……ぶっちゃけ首が絞まってて何もいえない。
「最近は只でさえ、お酒は過ぎると言うのにっ、貴様やら親友のラ・ヴァリエールやらに続けて裏切られて……」
 涙を堪える様に、俯くアニエスさん……でも……ぐは……視界が……黒く……
 ヤバイ、これ以上はヤバイ、そう切実に思った瞬間に、肺に空気が流れ込む。
「責任取るよな?」
 アニエスさん、笑顔が怖いです。この人多分、分かってて落ちる寸前まで追い込んだな?
「わかりましたよ、憂さ晴らしの相手すればいいんですよね?」
 まあ、姫さまと遊べるんなら、こっちも文句はないし、何より俺も眠れない所だったので、都合がよかった。

「うー、ずーるーいー、サイトさん、独り占めっずるいのっ!!」
 アニエスさんとひそひそ相談しているだけでも、酔っ払った姫さまは許せないらしい。
「あー陛下……その……」
 近衛って大変そうだなぁ、アニエスさんの必死の弁解を見ながらそう思う。
「のめー、じゃないと……しちゅーひきまわして、おいしいねっ!!」
 姫さまノリノリだ……言葉の意味はよく分からないが、とにかく凄い勢いだった。
「い、いただきます」
 いっそ殺してくれとでも言いたげなアニエスさんが、グラスを空けて……あれ?
「あにえしゅ、よっわーい」
 グラス一杯で真っ直ぐに倒れた。……実は下戸?
 意外な事態に戸惑っている間に、姫さまの首がぐいーんと俺の方を向く『ろっくおーん』
 な、何か聞こえた気がしますけどっ? 嫌な予感がして逃げようとするけど……
「か、鍵? なんで? 何で鍵が掛かっているぅぅぅ」
 姫さまが人前に出せない状態のときは、アニエスさんは鍵を掛けて動いているらしい。
 逃げられねぇ……
 満面の笑みを浮かべた姫さまが、にこにこと近づいてくる。
「へ、陛下」
 せめて、呼び方だけでも距離を取って、少しでも早く正気に……
「だめっ、アンってよびなさいっ、よーぶーのー」
 裏目ですか。
「アン」
 酔っ払いに逆らっちゃなんねー。アルコール入りシエスタの相手をしたとき思い知った酔っ払い対策実施。
「うふー、サーイートーさんっ」
 ご機嫌な女王様が、腕の中にぴょんと飛び込んでくる。
 上質な香水とアルコールの混ざった匂いが、熱い身体と共にって……
「ちょっ、アン。どれだけ飲んだんだよ?」
 匂いだけでも分かる。
 これは、飲みすぎだろう。

「いつもだもん、これくらいへいきー」
 上機嫌な姫……アンの言葉に、却って俺は怖くなった。
373/12:2007/01/26(金) 01:31:48 ID:ABXgnv/D
 タバサを助けに行こうとしたときの、アンの様子を思い出す。
 俺と違って、まず国のことを考えたアン。
 毎日毎日、あんな事を繰り返して……
「アン、つらいの?」
「……平気。今はサイトさん、いるし」
 ほんの少しの間だけ、素のアンが見える。
 アルコールの力を借りて、それでやっと少しだけ垣間見える彼女。
 俺とルイズはこの人に今日何をしたんだろう。
「行かれるのですね、サイトさん」
 実はそれほど酔っていないのかもしれない、彼女の質問。
 酔ったふりをして、何もかも忘れようとしている、痛々しい演技。
「わたくしを置いて、ルイズと二人で行ってしまうのですね」
 俺は何て答えればいいんだろう。

 黙りこんだ俺の前に、グラスが置かれた。どこから取り出したのか、アンがワインを注ぎ込む。
 おれの身体越しにそんな真似をするから、背中に当たる感触で、飲んでもないのに真っ赤に成ってしまう。
「わたくし、飲まないと寝れなませんの。……寂しくて」
 耳元で囁かれるアンの声。
 口の中がカラカラに乾いて、目の前のワインが凄く飲みたくなった。
 飲む前に、せめて何か伝えようと、アンの方を向いて、暫し硬直する。
「あれ全部飲んだのかよ?」
 空き瓶の山。今日一日で飲んだわけじゃないのだろうけれど、明白に身体に悪そうだ。
 目が逸らされる……飲んだんだな……

「アン、身体に悪いから。お酒はほどほどに」

「寝れないのですわ、お酒無しでどうしろとおっしゃるの?」
「毎日運動するとか」
 アンが悲しそうにたずねる。
「ひとりで?」

 そうか、今のアンは迂闊に皆とはしゃぎまわるどころか、護衛もなしに散歩すら出来ない。
 こんなに若いのに、毎日机に向かう毎日じゃ、ストレスも溜まってお酒に逃げたくもなるだろうなぁ。

俺は

>>38 せめて、お酒に付き合おう。
>>40 ホットミルクとかでも寝れますよ。
>>42 ひとりで出来る運動をアンに指導する。
>>44 ふたりで出来る運動をアンと始める。
384/12:2007/01/26(金) 01:32:19 ID:ABXgnv/D
「のも……っか」
 無力な俺。
 それでも、一緒に飲むと言うだけで、アンははしゃぎまわる。
 そう、誰かと一緒に思う存分飲むことも出来ないんだ、彼女は。

「えっと、これっ、これ、オススメなんですのよ」
 嬉しそうに瓶を抱えて、俺の元に駆けよ……って
「あぶなっ」
 意識ははっきりしていても、千鳥足のアンを慌てて支える。
「サイトさんの、えっちー」
 密着していると、薄い肌着越しにアンの体温が感じられて……
 飲む前から顔が赤くなっているのが分かった。
「ん〜、飲んでませんわよね?」
 顔っ、顔近いからっ。自分の美貌をもう少し自覚して欲しい。

 アンにそんなつもりは無いだろうから、自分ばかりが興奮しているのが恥ずかしい。
「かんぱ〜い」
 幼い頃からの躾の成果か、多少挙動が怪しくても、彼女の動きには華が有る。
 無自覚に放たれる色香に迷い、グラスを傾けるアンの仕草の一つ一つから目が離せない。
「どーしましたのですか?」
 だから、近いです。恥ずかしくてアンの方を見ることが出来ない。
 下を向いて、ちびちびワインを啜るしかなくなった俺に、アンは何を思ったのか、妙な提案をする。
「そんな飲み方をしても美味しくありませんわ……飲ませて差し上げましょうか?」
 下ばかり向いていたせいで、あっさり背後からアンに捕まった俺は、逃げられなくなっていた。
「ちょっ、ひ……じゃねぇ、アンっ」
 背中に当たる柔らかいものに引き寄せられて、アンの腕の中に仰向けに寝かせられた。抵抗は無意味。
「はい、あーん」
 酔ってる。さっきまでと違って、間違いなく酔っ払っていることが分かるアンが、俺の口元でグラスを傾ける。……飲まないとこぼれる。
「んっ……んんんっ」
 そんなに強くないはずのアルコールが、喉だけでなく頭の中まで焼き尽くしていく。
 少しだけこぼれたワインを、アンの舌が舐めとる。
「え?」
 錯覚かと思った。
 目が合うと、いたずらっぽく笑うアンが、愛らしかった。 
「今度は……別の飲み方を……試してくださいまし」
 頭の奥がガンガン響いているのは、きっと酒のせいじゃない。何も考えられないまま頷いた俺の前で、アンが自分の分のワインを干す。
 いや……口の含んだまま……唇が重なる。
「いかがですか?」
 結構なお手前で。ではなく。あまりの事に半分ほどこぼしてしまった。
「……こぼれ……ましたね」
 アンが俺の首元までつたうワインを、丁寧に丁寧に舐め上げる。
「っく、ちょ……アン、駄目だ……って」
 地球に居た頃、地元で大型犬にじゃれ付かれた時のように、なす術も無く押し倒される。
「おいし」
 もうワインは無いはずなのに、無心に俺の首を舐めるアンを抱きしめて、上下を入れ替える。
「……やりすぎ」
 怒ったふりをしても、アンはにこにこと笑うだけだった……なら。
「ほら、あーん」
 洒落じゃないぞ? 一声かけてから、ワインを口に含む。
 ……そこでなんで喜ぶか? 飛びつくようにキスを……慣れない上に、唐突だったせいで、殆どがアンの胸にこぼれる。
「……こぼれましたわ」
 ……なんでしょう? その期待に満ちた眼差し。
 もちろん答えるけど。
395/12:2007/01/26(金) 01:32:53 ID:ABXgnv/D
「はっっ、んっ……あ……」
 ワインで透けるアンの服が、俺の目を楽しませる。
 胸の奥にこぼれた分は、後のお楽しみにとっておく。
 執拗に唇と首筋を責める。
「……ぅ、サイトさん?」
 ある程度から下に触れない俺に、アンが焦れ始める。
 当然無視。
「どうしたの? アン」
 意地悪な質問に、アンの目が潤む。アルコールのせいで緩んだ涙腺が、わずかな刺激であっさりと決壊する。
「い、いじわるですのねっ」
 泣きながら睨まれると、流石にちょっと……いいなぁ。もっとやろう。
「何のこと? ちゃ〜んと言わないと分からないよ」
 背中をそっと撫でながら、喉の下に垂らしたワインを舐める。吸血鬼って良い趣味してるよな。実感する。
「くっ……あっ……ひど……るっ……っっっあぅ」
 ぐるぐると回る世界で、アンの声だけが静かに響く。
 喉を焼くように感じられたワインも、いつの間にか甘く、この上なく美味なものに感じ始める。
「……っと、下の方も……舐めてくださいまし」
 小さな懇願が聞こえた頃には、俺も我慢できなくなり始めている。

 ビリィィィィ っと、良い音をさせてアンの服を破る。

「ぁ……」
 アンの怯える顔も、興奮するための材料にしかならない。

 胸をひたすら、むにむにむにむにと揉みながら、お腹の方まで流れたワインを少しづつ舐め取る。
「ひぅ、……そっ……ちがぁ……もっと……違う所をっ……違う所を可愛がってくださいましっ」
 はっきりと口に出せないアンをじわじわと苛める。
 両手で握りしめている所に、舌先を近づけたり、うってかわってショーツのラインの側まで降りたりする。
 でも……触ってやらない。
「ひどっ……おね……がいっ、お願いしますからっ……お慈悲をっ……サイトさんっお慈悲をっっっ」

 アンの悲鳴がどんどん切羽詰ってくる。
 あー、楽しい。
「仕方ないなぁ……いやらしいこだね。アン」
 羞恥で赤く染まるアンの顔を見ながら、限界まで硬くなっている乳首を見つめる。

 ……見つめる。
「あ……の? サイト……さま?」
 いつの間にやら『さま』に昇格。俺エライ。
 もっと焦らすつもりだったけど……ご褒美。

「っっあ……ああぁぁっっ」
 尖った所を口の中で優しく転がすだけで、アンは悶え始める。
「……くっ……あっっぅ、いぃっ……で……す……」
 よほど気に入ったのか、両手で俺の頭を自分の胸に押し付ける。
 顔中が柔らかい感触に覆われて、息をするのも不自由になる。
「っく……」
 呼吸困難から逃れようと、もがいた瞬間に俺の歯がアンの胸を浅く薙いだ。
「ひっっ、だっ……やぁあああああっっ!!……」
 大きく跳ねて、姫さまが動かなくなった……へー、痛いの……良いんだ。

 あれだけ飲んだのに、喉が渇いて……渇いて仕方なくなる。この渇きを癒せるのは……目の前の甘露だけ。
「いっただっきまーーすっ」
 ズボンを脱ぐために勢いよく立ち上がった俺の視界が……真っ暗に成った。

 ――飲みすぎには気をつけましょう。

>>46
406/12:2007/01/26(金) 01:33:28 ID:ABXgnv/D
「ホットミルクに蜂蜜落とすと、よく眠れますよ」
 せめてお酒は何とかして止めたかった。

 ん〜、としばらく悩んだアンが、ツカツカと歩み寄って、アニエスさんを起こす。
「あにえしゅ、ホットミルク、はちみつつき」
「は?」
 ……おや、起き抜けにそんな事言われても。
「はっ、承知いたしましたっ」
 承知しちゃったよ……起き上がったアニエスさんが、ドアを開けて勢い良く走り去る。ひょっとしてよくある事なのか?
「サイトさんの、おすすめ〜」
 そ、そこがツボですか。やたらと楽しみにしているご様子。
「持ってきましたっっ……うぇぇぇぇ」
 はやっ、アニエスさん早っ……しかし、酔った直後に全力ダッシュは無謀すぎる。
「……あにえしゅ……これ、違う」
 アンの非情な言葉に、アニエスさんが硬直している。……蜂蜜しかなかった。
「ミルクは〜? ミルクどこ〜?」
 真っ青な顔で倒れそうになりながら、アニエスさんが最後の力を振り絞って、俺の方を指差す。……って、なんでだ?
「や、ヤツが出します」
「……? ……まてぇぇぇぇぇぇ!!」
 出るけどっ、違うだろっソレ、ってアンもなんか嬉しそうに近寄ってくるぅぅぅ
「サイトさぁん〜、ミルクくださいっ!」
 おっけぇぃ、いっくらでもどうぞぉ、っっっじゃねぇぇぇ
「ちょっと、アニエスさんやばい事言わないで……」
『返事が無い、ただの屍のようだ』
 ……酔っ払いは横にして寝かせる。吐くと危ないからね。

 ……いや、そーでなく。
「ミールク、ミルク、ミールク、サイトのミルク、おいしーミルク」
 歌ってらっしゃるし。きらきら輝く瞳で俺の事見つめてるしぃぃ。
「えと……準備が整ってませんので、デマセン」
 手伝ってくれれば、いくらでもオッケーですが。……言えないけど。

 アンの頬が、子供のように膨れる。
「やー、飲むのっ。サイトのミルク飲むのぉぉぉ」
 ……分かってやってないか? 股間が熱くなるような台詞を、目の前の女王が連呼し始める。
 しかし、ここで迂闊な行動は……
「準備手伝う」
「へ?」
「何でもするからぁ、ミルクくださいましぃ」
 ……ゴクリと喉が鳴る。
 アンが何でもする>ミルクを出す>しかも飲んでくれる。
 ……どうしよう。生まれてから今まで、最も悩んでいる瞬間かもしれない。
「っと、じゃあアン、ちょっと脱いでみようか?」
「はぁい」
 しかし、牢に居るルイズを裏切るわけには……タバサだって心配だし。
「よーし、良いこだね、じゃこの蜂蜜を……」
「んー、あん、いいこ、なのー」
 はっっっ、なんだ? 何でアンの服がもう脱げているんだ? これはっ!! 新手のスタンド攻撃か?
 自分が無意識に指示したことなどすっかり忘れたサイトが慌てている間に、アンリエッタの胸にペタペタと蜂蜜が塗りたくられる。
「できたー、……でもでもっ、ミルク出ないよ?」
 アルコールですっかり幼児退行したアンリエッタが、自分の胸に蜂蜜を塗りたくる様に目を奪われていたサイトが正気に返る。
「おっっけぇぇぇぃ、次、いってみよぅ」

 ……正気じゃなかった。
417/12:2007/01/26(金) 01:34:05 ID:ABXgnv/D
 蜂蜜に濡れた身体が、ランプの明かりをテラテラと弾いていた。
「……サイトさんの目、ちょっと怖い」
 多分限界まで開いた上で血走っているだろうから、無理もないなぁ。
 そんなアンの為に、目が合わない様に視線を胸に向ける。
 ナイス紳士! 俺様。
「アン、今からミルクを出す準備するからね」
「はーい」
 うぉぉぉぉ、アンはええ子や。そんなアンだけ下着一枚だと可哀相。
 響け俺の紳士魂。アンに合わせるために、俺も一瞬でパンツ一丁。無論モーションはルパンダイブ!!
「きゃんっ」
「へっへっへぇ、可愛いひめいだなぁ、ひめーさまだけに」
 軽い親父ギャグなど飛ばしながら、テカテカおっぱいの上の蜂蜜を舌ですくう。
「ふぁっっっ、サイト……なぁに?」
 まだ蜂蜜でベトベトの手で、アンが俺を押しのけようとしていた。
 退くわけあるか。
 媚びるが、引かない。牢屋の中の事も省みない。
「あーべとべとになっちゃった……アン、お願い」
 アンに見えるように、舌で蜂蜜を舐め取ると、無言で頷いたアンも俺の身体に付いた蜂蜜を舐め始める。
 っっっ、けぇぇぇぇぃ。口から少しだけ差し出された舌が、一度に沢山ではなく、少しづつ何度も繰り返して蜂蜜を減らしていく。
 これがハイソな食事法かぁぁぁ!! しかしっ、負けないっ。
「んっ……は……ぅっ……」
 顔や肩を舐めているアンと違って、こっちは急所をダイレクトっっ!!
「ふ……く……んぁっっ」
 はっはっは、ガンダールヴは伊達じゃないっ!
 アンの嬌声が、胸の感触が、なによりえっちぃ光景がっっ
 限界を超えて俺を興奮させる。
「立った、サイトが立ったよっ」
 ずっと立ってたけどなー。マイレコードを更新中の愚息をアンに見せ付ける……更に興奮するっっ、滾るっ、滾るぞぉぉぉアンっっ!!
 興奮しまくっているが、快感の為にアンの目は、ぼーっと見つめるだけで面白くない……
 ならばっ!! 奥義っっ!! と、心の中で叫びつつ、ビクビク震えてるオレ自身に蜂蜜をかける。ヌルヌルしてっっ、グゥゥレィトォォォ!!
 次一人でやる時に、忘れず試してみよう。心のメモ帳にメモメモ。
「ふぁ? ……なめるー?」
 おっけぇ、アンは良い子だねぇ。アルコールと快感にかすんだ目でアンが丁寧に蜂蜜をすくう。
「んっ……はっ……う?」
 首を傾げたアンが、一瞬だけ戸惑う。そして……
 ズッッッ 粘度の高い蜂蜜をソレに負けない勢いで、勢い良く吸い込み始める。
「ぐぁぁぁぁ、ちょっ、きついっ、アン……いやっだめぇぇぇ」
 悲鳴を上げる俺を無視して、アンが……こいつっ、面白がってるぅぅぅ。
 サディスティックな笑みを浮かべたまま、アンがオレの先端に舌をねじ込む。
「ちょっっ、だめぇぇぇ」
 ヤバいっ……洒落にならねぇっ……勢い良く吸い上げられ、限界近かった所にいきなり訪れた別種の刺激に、俺はあっさりと逝ってしまう。
 ビクビク震えながら迸る精を、アンが丁寧に口の中に集めて……飲み下す。
「……おししい……かなぁ?」
 ……そーいや、そうゆうお話でしたっけ?
「もうちょっと、いってみる?」
「うん〜」
 へっへっへ、おじょーさん、次はもっと……

「なーにをしとるかぁぁぁぁ」
 アニエスのこうげき。クリティカルヒット。サイトはぜつめいした。
「じょーしきてきに考えて、お前が厨房に行けと言うことだろうがぁぁぁ」

 ――いや、そんなん、わからんてー。身体中蜂蜜にまみれたまま、俺はアンのベットに崩れ落ちた。

>>46
428/12:2007/01/26(金) 01:34:41 ID:ABXgnv/D
「一人で出来る運動も有ります」
 自分でもこれ以上の深酒は危ないと分かっているのだろう。
 アンが身を乗り出す。
「毎日続く運動だと、うれしいのですが」
 アンの視線が自分のウエストの辺りに落ちる……スマートに見えるけど、女の子は大概自分の身体が不満らしいから、あえて何も言わない。
 しかし……毎日続ける……か。何か理由があれば……
「あ!」
 思いついたけど……結構な運動になるし。
「なにかあるのですねっ? 教えてくださいまし」
 ……い、いえねぇ、一人エッチなどいかがでしょう。
 でも、覚えた直後は毎日続くしぃ、良い運動になるし、ストレスだって解消できるしっ……完璧だ。まさにアンの為にある様な。
「そ、そうなのですか?」
 あれ?
「あの……口に出してた?」
「はい、それで……『ひとりえっち』について詳しく教えていただけますか?」
 ……お、俺の……バカ。
「えーあのーそのー、女の人のやり方は詳しく知らないしー」
「つまり、男女で違うやり方なのですね?」
 あ、頭良いよこの人。
「サイトさんのやり方で結構ですので、お手本見せていただけますか?」
「かっ、勘弁してくださいっ」
 アンの前で公開自慰。死ねるぜ。
「では、女のやり方をわかる範囲で教えてくださいまし」
 へ?そ、それって……
「わたくしの身体に『ひとりえっち』を教えてくださいまし、サイトさん」
 ――ぐは……鼻血吹いた。な、なんたるっ。
「えっと……まずは、ベット行きましょうか」
「はい、サイトさん」
 じゅ、従順ですぜ。このお姫さま。
 ベットの上で、後ろからアンを抱きしめる。
「あら? サイトさん?」
「いいから、動かないでアン」
 そんな事を言いながら、アンの髪の中に顔を埋めて甘い香りで胸を満たす。しばらくそんな事をしていると、流石に今の体勢に気が付いたアンが、もじもじとし始める。
「うん、良いよアン。もっと恥ずかしがって」
「え……は、はい」
 俺の指導が始まる。
「ほら……アン、今俺の手、どこに当たってるか言ってごらん」
「む、胸ですわ、サイトさん胸をっっ、そんなぁ……優しくっっ」
 後ろから抱きしめた形で胸を責めると、アンに逃げ場は無い。じっくりと苛め抜きながら、どう感じているのか、実況中継させる。
「ひっ……ぅ、……さきっちょ、だめですっっ、いやっ、な……に……へんっ、へんですのっっ……ひっう………ゆる……許してっ、許して下さいましぃぃ」
 はっはっは、アンはかわいいなぁ。
「だっ……ソコは駄目ですっっ、ソコはっ…………の、でる……所ですぅ……殿方が触ってよい所ではぁぁぁぁぁああ」
 逃げれないのを良い事に、じっくりネチネチと苛め抜く。
 感度が高く、快感を隠そうとしない、触り甲斐のある身体。
 俺の腕がアンの胸と腿とに挟まれて、アンの大切なトコロにしっかりと固定される。無意識にしているのだろうが、ぺったりと俺にくっついていた背中が、じわじわと前に進む。
 ……腰を俺の手に押し付けるために。
「良い子だね、アン」
「……っっ、あっ……ひ……っく……うあああああぁぁぁあ」
 既に何を話しかけても、意味のある返事が返ってこなくなっていた。
 どうやら初めてらしい官能の海の中で、思うさまそれに溺れている。
『そろそろ……いいかな?』
 たっぷりと時間をかけたおかげで二度ほど絶頂に達したアンが、三度目の入り口を叩いた頃……
「え? ……えぇ?」

 俺はアンに快感を送り込むのを止めた。
439/12:2007/01/26(金) 01:35:15 ID:ABXgnv/D
「サ、サイト……さまぁ?」
 泣きそうなアンが、プルプルと震えながら俺を見つめる。
 何が言いたいのかは、じっとりと濡れた指先が教えてくれている。
 でも……
「と、まぁこんな感じだよ、アン。わかったかなぁ?」
 我ながら意地悪な質問。
「……あの……サイト……さま?」
 途切れた快感を求めて、アンが狂おしく俺を見つめる。
 ほんの一押しで、何度か感じた『凄くキモチイイコト』が与えられると言うのに。唐突の中断。『オアズケ』。自由以外のものは何でもふんだんに与えられてきたアンは、我慢するのが苦手だった。
「後は自分でやってごらん」
「……じ……ぶん……で?」
 思いもかけない指摘に、アンリエッタの目が見開かれる。……が、
「あの……サイトさま?」
「ん? なに? アン」
 目の前にはサイトが居る。この状態で……自分で……顔から火が出るかと思った。
「そ、そんなっっ、そんな恥ずかしいことっ」
 出来るはずない、そう思った。……でも、アンリエッタの身体は、ソレを想像するだけで燃え盛る。
「ひぅ……ぇ? えぇ?」
 自らの変調に戸惑うアンリエッタを、サイトが楽しげに見つめている。
 ――サイトの視線。ソレを感じるだけで、アンリエッタの手は……
「そうそう、そのまま、ゆっくり手を降ろしていって」
 サイトが指摘するまで、アンリエッタは自分の手がソコに近づいて行っているのを自覚していなかった。……そして、自覚しても止まらないという事実は……
「……っっ、だめぇぇぇっ、いやっ、いやっ、いやぁぁぁぁ、見ないでっ、おねがぁぁぁいっ」
 もちろんサイトはそんな哀願一つで見るのを止めるつもりは無かった。
「そうそう、そうやって丁寧になぞって……分ける? アン、もう下着の上からでも形がはっきりと分かるよ」
 サイトの指摘に顔をそむけながらも、指はサイトの指示を忠実に守る。
 見られている緊張感が、絶頂を一歩手前で押しとどめる。
 達することが出来ないだけで、快感は澱のようにアンリエッタの身体の一番深い所に溜まっていった。
「ふ……あ……ゃぁ……みな……っで……」
 羞恥心と快感がせめぎ合い、アンリエッタはもう何度目に成るか分からないお願いをサイトに送る。
「仕方ないね、アンは」
 指一本触れられない距離で、アンリエッタを見るだけだったサイトがのっそりとアンリエッタの横に寝そべる。
「これなら気に成らない?」
 ……動くところを見られないのなら、指先を見つめられないのなら……本の少しマシだから、コクコクと頷いたアンリエッタが勢い良く指を動かし始める。
「じゃ、アンが逝く顔、ゆっくり観察させてね」
「!! ……っっ、やっああああぁぁぁぁぁ」
 さっきまでとは別の羞恥に、アンリエッタの頭が焼ききれそうになる。
「きもちそさそうな表情だね、アン」
 サイトの焦らしに、心の奥の奥で、何かが切れた。

「……いぃっ、もっ、どうなっても良いからっ……見てぇ、サイトさまっ……もっとアンを見てぇぇぇぇ」
 一切の抵抗が無くなったアンの指が、平常時なら痛みすら感じそうな勢いで大切なところを抉る。

 ……そして、もう片方の手で、大切な人を抱きしめる。
「サイト……サイト……いてっっ……ずっとっっ、ずっとアンと一緒にいてぇぇぇ」
 サイトに触れたところから、全身の感覚が狂いだす。
「っっ、あくっ……うぁ……あ、あっっああああぁっ、ぁぁぁああっっっ」
 激しい快感にのたうつアンリエッタの胸の中で……サイトは……

 ――窒息していた。調子に乗りすぎ!!

>>46
4410/12:2007/01/26(金) 01:37:43 ID:ABXgnv/D
「ごめん……友達だから……大切だから、出来るだけ早くタバサ助けに行くけど……さ」
 無慈悲な俺の宣告に、アンの瞳からこぼれる涙を指先ですくう。
「今夜は……アンの為に、なんだってするから……」
 こんなに広い王宮で、まるで一人無く子供の様に見えたから、俺に出来ることをなんだってしてあげたかった。
 涙に濡れた瞳が、おずおずと俺を見上げる。あ、やばい。これは……舞踏会の再現。圧倒的な魅力の前に、操られるように唇を重ねる。
 そっと預けられるアンの身体。甘い香りに包まれながら、もつれ合うようにベットに倒れこんだ。
「……貴方の時間を……少しだけ……一夜だけ、くださいまし」
 ほんの少しの安らげる時間、それが彼女の願い。俺にそれを上げられるとは思えないけれど、アンの想いに答えたかった。
「一晩だけで良いの?」
「……流されてしまいますもの」
 それでも女王であろうとするアンがいじらしくて、悲しかった。せめて……
「今だけは……流されればいい」
 そして貴方に少しでも安らいで欲しい。想いを伝えたくて、何度もキスをする。
 雨のように降る軽いキスに、アンの緊張がほぐれていくのがわかった。潤んだ目でうっとり俺を見つめるアンに、少しいたずらをしたくなる。そう、例えば仕返し。
「きゃっっ、サ、サイトさん?」
 あの時のお返しに首にキスを贈る。そんな時になって、やっと夜中に自分の私室で、しかもベットの上男と二人きり。(潰れてる近衛はノーカウント)
 雰囲気に酔っていたアンの顔が、見る間に赤く染まる。
「わ、わたくし……そ、そんなつもりじゃ……」
 逃げるのなら、抵抗するのなら……それも良いと思った。アンが安らいでくれるためなら、何もせずに一晩過ごすくらいの覚悟はしていた。
「……あ……の……」
 どうして欲しいのか、無言でじっとアンの反応を窺う。真剣に見つめる俺の目の前で、アンの身体から力が抜けていく。
 俺を見つめていた瞳がそっと閉じられ、薄く濡れた唇が僅かに開く。
 アンが一人でも寂しくないように、今から消えないしるしを刻もう。お互いに無言の中で、それでも心の奥で相談を重ねて、そうすることに決めた。
 アンの身体がそこに在る事を確かめるように強く抱きしめると、甘えるように胸に熱い息が掛かる。
 触れ合っている所が熱い。燃えるような……それでいて心地よい、際限なく求めてしまう熱。
 お互いを探るように夢中で抱き合ううちに、アンの胸の中に居た。安らいでもらうつもりが、すっかり安らいでしまう。
 少し悔しくなった俺は、抱きしめるだけで喜んでいるアンの死角から手を伸ばして、服をずらす。
「っ……」
 抱きしめていた背中を、触れるか触れないかのタッチでくすぐるように撫で上げる。
 自分の身体の反応が信じられないアンが、声を押し殺しながら俺の身体を抱きしめる。
「アン、気持ち良いみたいだね」
 恥ずかしい声を押し殺すために、息すらろくに出来ないまま、フルフルと首を振るアンの胸に吸い付いてみる。
「ひぁんっ。……サ、サイトさん」
 驚いたアンが俺の頭を離した隙に、服を捲り上げて胸を露にする。服の上から感じていたふくらみを目の当たりにしたサイトの興奮はいやがおうにも高まった。
 自分の心臓の音を痛いほど意識しながら、肘の辺りで服ごとアンの腕を固定する。
 抵抗できない体勢にしてから、アンの胸をじっくりと観察する。
「はっ、恥ずかしいですわ……あの……サイトさん……」
 人に見られるのは慣れているはずのアンが、自分でも不審に思うほど乱れる。
 臣下としか見ていない者たちの目と比べようも無いほどに、サイトの視線は熱を帯びて、
「綺麗だよ、アン」
 聞き慣れた筈の誉め言葉も、サイトの口から出るだけで、まったく違うものに聞こえる。
 両手を塞がれているアンは、せめても……と、胸を吸うサイトの額に口付ける。
「わたくしも、あなたに何かして差し上げたいですわ」
 それを聞いて笑ったサイトが、アンの耳元で囁く。
「脱がせて、アン」
 顔を輝かせたアンは、慣れない手つきでサイトの服を探るが、人に脱がせて貰うことはあっても人に何かする機会の少ないアンは、何度も挑戦して、やっとの思いでサイトの服を脱がせていく。
「良く頑張ったね」
 シャツを脱いだ所でアンの頭を撫でると、裸の胸にもたれ掛って甘え始める。
 子供のように喜ぶアンが可愛くなって、さっきのように抱きしめると、さっきとは違う感触が身体に密着する。
 裸の身体は刺激が強い。
「サイトさん」
「アン」
 名前を呼びながら、感じる所を探った。
 溶け合う様にベットの上に崩れ落ちる、とても幸せな一時が始まる。
4511/12:2007/01/26(金) 01:38:14 ID:ABXgnv/D
 じっくりとお互いの身体に触れる。
「サイト……こう……ですか?」
 いつの間にか呼び名から『さん』は外れる。距離が近くなった実感があって嬉しい。
「アンは、ここだよね?」
 背中から手を回して、お尻の側から熱く湿った入り口を触る。
「……んっ……あ、っあ……う……ぁ……」
 人に何かしてもらう事に慣れきっているアンは、守勢に回ると弱かった。
「わたくしもっ……してあげたいのにっっ」
 快感に溺れながら、それでも俺に尽くそうとするアンだけど、アンにしてもらうより、アンが乱れる所を見るほうが楽しい。
「うん、沢山気持ち良い事してね、アン」
「は……ぃ……がんば……ひぃっっ」
 頑張ろうとするアンの行動を封じるために、すっかり解れた入り口に指を滑り込ませて中を擦る。
「いっ……あぅっ……あっ、あぁあ……あっ、そ……んなっ……」
 軽く指を捻るだけで、身動き取れなくなる敏感な身体。荒い息を吐く身体を仰向けに寝かせる。
「いい? アン」
 そろそろ我慢も限界。俺を求めるように開き始めたアンの入り口に、硬くなったモノを押し付ける。
「……」
 無言で頷くアンを見て、決意を固める。指で確かめた所に押し込もうとするが、焦っているため、上手く入らず何度もアンの敏感な突起に、自分のソレを擦り付ける事に成った。
「ひっっ、な、なにっ? サイトっ……なんだかっ……き……気持ち……」
 サイトが焦燥に駆られる前で、アンの身体がどんどん昂ってゆく。もちろんそんなところを見れば見るほど、アンの中に侵入したいと言う欲求は高まった。
「っっ、たっっ」
 押し開く感触と共に、サイトが暖かいもので包まれる。
「アン……気持ち良いよ」
「いたっっ……いたいっ……」
 アンの柔らかい肉が、幾重にも重なって俺を締め付ける。痛みを訴えるアンに心が痛むけど、さっきまでおあずけ状態だったため、自分の身体なのに言うことを聞かなかった。
「アン……ごめっ……と、とまらなっ……」
「……っ、よっ……よいのです、サイト……わたくしで、存分によくなってくださいまし」
 かみしめられた唇に血を浮かべながら、シーツを掴んで痛みに耐えていた。
 そんな仕草を見ても、気持ち良すぎるため、一切手加減が出来なかった。
「アン……ごめんっ……いぃっ……これっ……すぐに……」
 少しでも早く終わらせようと、乱暴なくらいに強く中で暴れさせる俺に、アンの腕が絡む。……動きを止めるためではなく、柔らかく抱き寄せるために。
「サイト謝らないで下さいまし、わたくしは……しあわせですわ」
 微笑みながら掛けられた言葉に、俺の胸は熱くなる。そして、アンにも感じて欲しくなって、動きを止める。
「アン……ごめんね、今から優しくするから」
「……サイト……無理はなさらないで下さいましね?」
 どれほどの痛みが彼女を襲っているのか俺には分からないが、痛みを感じながらも俺を気遣ってくれることが嬉しい。
 時間をかけて息を整える。じっとしているだけで果てそうな快感を押しとどめながら、アンの中にじっくり馴染ませる。
「……ふっ……く……サイト……ちょ……っとだけ……その……」
 潤み始めたアンの目を見て、ゆっくりゆっくり動き始める。
「っっぁ……ぅ、な、なんだか……さっき……と……」
 さっきより気持ち良いのはお互いさまだった、いつ果てるとも知れない快楽の底で、アンの為にもがき続ける。
「……ぅ?……あっ……あ、あっ……あくっ……」
 甘いものが混じり始めるアンの声に、頭の奥が痺れる。ねだる様なアンの目に答えて、何度目か知れないキスを交わす。
「……サイ……ト……すき……です」
 快感に浮かされたアンの小さな告白に、俺はあっさり限界を超えてしまった。
「……アンっ、いくっ……も、我慢できなっ……」
 限界ギリギリで、これ以上耐え切れない俺がアンから離れようとすると、アンの脚が俺に絡み付いた。
「サイト……最後までっ……一緒にっっ」
 押し付けられる身体の与える快感が、最後の駄目押しをして、アンの一番奥に熱い滾りを叩きつける。

 息が整うまでの小休止の後、意識がなくなるまでアンの身体を貪った。
4612/12:2007/01/26(金) 01:38:46 ID:ABXgnv/D
 痛む頭を振って、あちこちがおかしい気がする身体を起こす。
「もうすぐ夜明けだぞ」
 アニエスさんの無慈悲な声。

 昨夜の事を思いだ……そうとした瞬間。
 ガチャリと、重たい音と共に銃口が俺のほうを向く。

「夢だ、忘れろ」

 ……そういうことらしい。
 まだ眠るアンを少し見つめてから、アニエスさんに押されるようにして、部屋を後にする。

 牢に戻ると、出かけたときとまったく変わらない状態で、皆いまだに眠っていた。
 一息ついて定位置……ルイズの隣に潜り込む。
 ルイズのふらふら揺れる頭に肩を貸す。
 ずっと揺れていた頭がやっと落ち着いて、深い息を吐いたルイズがボソリと呟いた。
「あの女の匂いがする」
 寝言だよな?
 寝言に間違いは無いと思うんだが……

 怖すぎですよ、マイ・マスター

 ルイズが今からどんな夢を見るのか、想像するだに恐ろしい。
 部屋を出る前とは違う意味で悶々と眠れないまま、時間ばかりが過ぎていった。


 それにしても……もし、あの時別の行動をしていたら、どうなったんだろう?
>>37へ?
47名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 01:42:36 ID:ABXgnv/D
思ったより難しいと言うか、投下が一番緊張しました。
連投規制は起きませんでした。起きる時は何で起きるんだろう?
が、行数は兎も角、文字数で落とせなかったのは初めてだ。
あわてて編集しましたよ。

一個一個きっちり書いたほうが読み応えあるのかもしれませんが、思いついたらやってみたくなったので……

ごめんなさい、もうしません。

アンの性格がばらばらなのはきっとお酒の所為っ。

……ごめんなさい、いや、真面目にもっと頑張るよ。

では、またっ

48名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 01:45:58 ID:OlMXv7Hj
>>47
はじめてリアルタイムで読ませていただきました。
更新するたびに新レスが増えていて面白かったです。
深夜、お疲れ様でした
49名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 09:04:21 ID:5+hCZm9O
こっここ、このやろう、GJ!
50名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 12:00:59 ID:qfjgMRq3
>>47
「あの女の匂いがする」
MIAですか?
51名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 12:47:28 ID:VJkTjkE/
>>47
なんか何やっても死にまくる某アドベンチャーを思い出しましたw
…サイトはしんのゆうしゃだったんだね!
52名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 13:58:23 ID:JV7lyUuv
>>47
GJ!です。
アドベンチャーゲームブックだっけ?あれ思いだしたw 火吹き山の魔法使いとかw
ラストが一つに収束するのもうまいなぁ。
書くのも投下するのも通常より大変だったかと思います。乙!
53名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 14:09:09 ID:Yk67XnX1
新型のタイプのSSだね、サイトは
どうがんばっても駄目みたいw
乙&GJ!
54名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 16:38:59 ID:hJULi9+4
>>47
「あの女の匂いがする」ってところが来たるべき修羅場シーンを幻視させてくれますなぁ。
55名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 21:29:47 ID:cAwi113J
>>47GJです!
ハッピーエンド?は4番目だけかぁ
アン様の性格が多少違うのは、酔ってるからなんでもアリってことで目を瞑れると思いますよ。
へんたいさんをはじめ、選択式最近増えたね。
選択とは言っても全部読んでしまうがww
56せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:43:59 ID:XZSOX453
遅くなったけど続き投下いきますよー
57雪風の贈り物 ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:44:47 ID:XZSOX453
贈り物は、贈って喜ばれるものが基本。
だから、タバサは、才人の喜びそうなモノを探した。
で、裏町まで探しに行ったら。

『ちょっとアレな旦那様にぴったり!』

という売り文句に惹かれて、入った店でオススメされたのがコレだった。
で、結果はといえば。
才人はタバサの目の前で固まっている。
どうリアクションしていいかわからないのだ。

「…サイト?」

沈黙に耐え切れなくなったタバサが、真っ赤な顔で才人を四つん這いになりながら見上げる。
当の才人は、何度か深呼吸したあと、タバサに向かって言った。

「あのさ、どういう理由でソレ選んだわけ?」

タバサは俯いて、才人から視線を逸らしながら応えた。

「…ちょっとアレな彼氏にぴったりって…」

…あの、俺そういう風に見られてるんすか。
あーそーですか。
才人の中で何かがキレた。
才人はベッドに上がると、タバサの首輪から垂れる紐を手にした。
それを軽く引くと、タバサの顔を自分の方に向かせる。

「…それでこういう格好するシャルロットもそーとーアレだと思うけど?」

その才人の言葉に、やっぱり赤くなって、タバサは。

「う、うん…。
 私も、サイトと同じくらい…その、アレだと思う…」

なんと、頷いて見せたのだ。
才人はそんなタバサを見て、くは、と息を吐くと。

「じゃあ思いっきりアレなことしちゃおうかねー!?」

ケダモノになった。
58雪風の贈り物 ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:45:33 ID:XZSOX453
とりあえず俺は裸になると、シャルロットをベッドに押し倒した。
シャルロットは抵抗らしい抵抗もせず、ベッドにころん、と仰向けになる。
頭の犬耳と尻尾のおかげで、それはまるで犬の服従のポーズのように見えた。
そっかー、犬なんだっけね今は。
そこで。
俺は、ペットの犬がもしそうしたらするであろうことを、シャルロットにもしてあげた。

「ふぁっ、やあっ」

無防備なお腹を、右の掌で撫で回す。
絹のような肌理の細かい肌が、俺の手に吸い付いてくる。

「やぁっ…サイトぉ…」

タバサが潤んだ目で訴えかけてくる。
わかってますよー。お腹じゃ物足りないんですよねー?
でも俺はその視線を無視して、執拗にお腹を撫で回す。

「シャルロット、どうして欲しいか言ってくれなきゃ?」

お約束だけども、やっぱこれは外せません。
するとシャルロットは、赤くなって視線を外して、言って来た。

「お願い、胸も…アソコも…もっといじって…」

はいよくできました。
今度は、両手でもってシャルロットの胸を覆う。
ほんの少し膨らんでいるそこを、俺は掌で押しつぶす。
そして、自己主張を始めたシャルロットの胸の核を、指の間に挟んで磨り潰す。

「あっ、あっ、はぁっ、ふぁっ」

シャルロットの声が、先ほどよりもずっと艶を含んだものになる。
表情も、先ほどまでの不満げなものと違って、完全にとろけてイヤラシイ笑顔になっている。
そんな顔がまた、嗜虐心をそそるわけで。

「シャルロット、イヤらしい顔してる」

耳元でそう囁いてやる。
するとみるみる赤くなり、俺の視線から顔を逸らし、顔を隠す。
むはー。たまりませんねー。
そんなシャルロットを見てたら、ガマンきかなくなってきた。
俺はシャルロットに覆いかぶさると、シャルロットの膝の裏に手を当ててM字に開かせ、すでに臨戦態勢の息子をシャルロットの入り口に押し当てた。

「あっ…」

それを感じ取ったのか、シャルロットの視線が俺の息子とそれに蹂躙されようとしている割れ目に注がれた。
少し腰を進めて入り口を割り開くと、ちいさな喘ぎとともにシャルロットの表情がとろけ始める。
しかし、俺の責めはこんなカンタンに済んだりはしないのである。
特に今日のシャルロットは犬なのだからして。
俺は先っちょだけ入った息子をシャルロットから引き抜いた。

「えっ…?」

これから訪れる快感に胸躍らせていたであろうシャルロットの顔が、困惑に彩られる。
さーて、本番イキマスヨー?

「今日のシャルロットは犬だから…。後ろからしようか」
59雪風の贈り物 ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:46:38 ID:XZSOX453
だ、だめ!後ろはだめ!
私は必死に頭を振って否定する。

「だぁめ。シャルロットの飼い主は俺だからね。どうしようと俺の自由でしょ?」

だ、だめなの!今日はだめ!
だって、あんな、あんな恥ずかしいのっ…!
でも、抵抗する間もなく、サイトは私を四つん這いにしてしまった。
だめっ…!見られるっ…!

「な、なんだこれ…?」

うー、は、はずかしいよぉ…。
サイトの目には今、私のお尻から生えている尻尾が丸見えになっているだろう。
そう、問題は尻尾だった。
これ、貼り付けたりしてるんじゃなくて…。

「お尻から…出てる…?」

お尻の穴に、挿して…ある。
それも、外から見える尻尾だけならいいんだけど…。

ぬぽんっ!

やっ!だめっ!引っ張ったらだめぇっ!

「うわ、すご…」

こ、この尻尾の根っこから先は…柔らかい棒に通された、不ぞろいの球体が続いている…。
だから、引っ張ると…。

ぽんっ、ぬぽんっ!

「ひ!や、だめ、ひっぱっちゃだめぇっ!」

さ、サイトが引っ張るたびに、球体が肛門を押し割りながら出てきて…まるで、出しているみたいな…!

ぬぽっ、ぬぽっ

「やぁ、だめ!だめぇっ!」

だめ、これ以上、だめぇぇっ!

ぬぽぽっ!ぬ…ぽんっ!

「ひ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

一番最後の、一番大きな球体が引き抜かれると同時に…私は逝ってしまった。
心地よい闇に、意識がしずんでいく…。
でも次の瞬間。
60雪風の贈り物 ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:47:20 ID:XZSOX453
ぬぷっ!ぬぷぷっ!

「ひゃぁぁっ!?」

お尻から走る電流に、私の意識が無理矢理覚醒する。

「尻尾ちゃんと戻さないとね?」

サイトがっ…!尻尾をっ…!押し込み始めたっ…!

ぬぷんっ!ぬぷっ!

「ひゃぁっ、またぁっ、だめえっ」
「犬に尻尾は必要だもんね?ちゃんと戻してあげる」

今度はいくつも球体がお尻に入り込む感覚に、私の中のケダモノが吠え狂う。

「らめっっ!またぁっ、くるぅっ!」

さっきとは違う快感に、また私の意識が高みに持っていかれる。
でも、トドメを刺したのは、押し込まれる球体の感覚じゃなかった。

「こっちもヨダレたらしてかわいそうだから、入れたげる」

ぐちゅうっ!

「あ、あ、あ、あ、ああぁぁぁーーーっ!」

涎を垂らして震えていた私の入り口を、サイトが思い切り貫いた。
一番奥まで貫かれる快感と、お尻を犯される快感に、私はまた…達した。

才人は腰を一切動かさず、タバサの尻尾を抜き差ししてタバサを責めていた。

「や、だめ、またくる、きちゃうっ!」

何度も肛虐で達し、タバサの秘裂は容赦なく何度も才人を締め上げる。
しかし、一切動かない才人は、その責めに耐え抜いていた。

「ふぁぁっ!」

達するたびに意識を失いかけるタバサだったが、止まない才人の責めに、強制的に意識を繋ぎとめられる。
眼鏡は止まない責めにずり落ち、その顔は涎と涙でベトベトになっていた。

「も、らめ、ひぬ、ひんじゃうっ!」

すでに上半身を支える役割を放棄した両腕は、枕を抱え込んでいた。
その枕は、タバサの涙と涎でベトベトになっている。
股間から溢れた液体は、タバサの内腿を満遍なく濡らし、シーツに染みを作っていた。
才人はそんなタバサに背中から密着し、その耳元で囁きかける。
61雪風の贈り物 ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:48:04 ID:XZSOX453
「頑張れよシャルロット、ここからが本番だからな」
「…え…」

一瞬止んだ責めと、才人の言葉に、タバサの理性が戻る。
…本番、って…?
しかし、それは一瞬だけの平穏だった。
才人は腰の封印を解除し、グラインドを開始した。
それと同時に、タバサの尻尾を抜き差しするのも忘れない。

「やぁっ、だめぇっ!なにっ、これなにぃっ!?」

膣道の中を熱く灼けた才人が前後する感覚と、腸内を球体が行き来する感覚が、破壊的な快感となってタバサの脳髄をかき回す。
今まで感じたことのない快感の奔流に、タバサの意識は焼き切れ、そしてその快感の電流に覚醒する。

「ふぇ?ふぁ、あぁ、やぁっ!らめぇっ、ひぁ、ふぁぁっ!」

もう、逝っているのかどうかすらわからない。
才人が達するまで、この責め苦は終わらない。

「ひぁ、ふぁ、あひ、やぁ、ひぃ、あふぅっ」
「しゃ、シャルロットっ…!」

そしてついに、才人が限界を迎える。
緩みきったタバサの子宮口を押し割り、才人の先端から大量の欲望が吐き出される。

「ふぁっ、はっ、あはぁっ」

その迸りを感じ、タバサはもう何度目かも分からない絶頂を迎えた。
才人は、脱力舌タバサから脱力した己自身を引き抜く。二人の間に、牡と雌の混合液の橋が渡される。
そして、ようやく、タバサは夢に落ちる事を許されたのだった。
62雪風の贈り物 ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:49:47 ID:XZSOX453
「お散歩♪」

帰ろうとした才人の後ろに、にっこにっこしながらタバサが着いて来た。
制服に、犬耳と首輪と、才人のプレゼントしたリボンをつけて。

「あ、あのーう、シャルロットさん?」

俺これからルイズの部屋帰るんだけども、と言おうとした才人を、タバサの台詞が遮る。

「私はサイトのペットだから」

言って、首輪から伸びた紐を両手で突き出してくる。
にっこにっこしながら。

「いや気持ちは嬉しいんだけどもさ」

首輪つけたタバサを引き回しているとこなんか見られたら、究極のへんたいさん呼ばわりされるに違いない。
才人はなんとかしてタバサを部屋に戻そうとしていると。

「へーーーーーーーえ」

もんの凄く冷たい声が、廊下の先から響いてきた。

「サイトさん、そういう趣味あったんだぁぁぁぁぁぁ?」

全てを凍らせる地獄の風。
その風の源は、まるで箒を剣のように背負い、廊下を一歩一歩歩いてきた。

「し、シエスタ…!」

地獄からやってきたメイドは、周囲の空間を歪ませながら、才人に近寄ってくる。

「あ、あのシエスタさんこれには色々とわけがですねっ!?」
「言い訳は後で聞きます。とりあえず今はお仕置きさせてください♪ミス・ヴァリエールのぶんまで♪」

ぱしんぱしんと箒を手にたたきつけながら、シエスタは間合いを詰めてくる。
才人はその殺気に足がすくみ、動く事すらままならない。
才人は、後ろで控えるタバサに助けを求める。
しかしタバサは、いやな笑顔を貼り付けていた。
・・・あれ?

「私も聴いてみたいな、サイトの言い訳」

しまった墓穴掘ったーーーーーーーーーーーーーーー!?
その後才人は、箒と杖でさんざん小突き回され、女子寮の外に簀巻きにして放り出され。、『究極のへんたいさん ここに眠る』と書いた紙を貼り付けられたのだった。〜fin
63せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/01/27(土) 01:51:37 ID:XZSOX453
はいしゅーーーりょーーー。
ああどんどんおばかになっていく。
既に本筋とは全く違う話になりつつあるし。
ていうかこれどこのエロ(ry

まあ明日も仕事だしもう寝ます。んじゃノシ
64名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 01:52:23 ID:HmY6tjun
リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
GJです!
65名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 03:05:20 ID:RC6BSuq5
>>61
見よ我が日本槍GJ!
むしろ『究極のへんたいさん』とは貴公の事じゃ(ry
66名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 03:06:18 ID:RC6BSuq5
あぁ間違えた。
>>63
です
67名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 03:18:16 ID:rjaVs7gW
>>63
続きktkr!! GJ。
寝る前にのぞいてみて良かったぜー
68名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 04:03:46 ID:8tJdaVPf
>>1
遅くなったが乙。

久々のアン様&へんたいさんのタバサの続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
69名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 04:14:10 ID:/sCgj0gb
>>63
GJ!何時もエッチで笑えるSSをありがとう。
70名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 05:00:07 ID:Blq1P9vL
いやほんといい仕事してますよへんたいさん。
てか感想の書き込み一気に増えるな〜
みんな潜んでんですねw
71名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 06:20:11 ID:8tJdaVPf
ところでこのスレ住人のPS2ゲーム購入は既定路線か?

まぁこのスレにはタバサ&アンリエッタ好きが多そうだからそうかな?
72名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 07:47:52 ID:ArDzVStu
アン様だけじゃないぞ、シエシエテファあにえすさんも大好きだぞ
73名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 09:34:23 ID:jKq1G9Nl
>>63
朝っぱらからむらむらしちゃいました・・・GJ!
74名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 17:55:12 ID:Bx7WTdOC
>>63なんてエロいんだ…!
ついに…ついにへんたいさんが自らSSの舞台に上がったぞ!
今度は誰をどうしてくれるんだ?!

PS2版かぁ…発売直後どっかにROM落ちてると嬉s(ry
75205:2007/01/28(日) 03:47:41 ID:7omlHF1N

へんた……いやせんたいさんを始めとした他の職人さんたちが良質なエロやギャグを書いてくれるおかげで、
自分のような場にそぐわない男のSSもそこそこ受け入れられていると実感する今日この頃。
やっぱバランスって大事ですよねはい。自分エロとギャグは苦手っつーか自信ないッス。
だってこの間従姉妹に過去に書いたもの見せたら「ギャグがくどくて若干不愉快になる」とか言われて(ry
エロに関してはそもそも自分まだど(ry

そんなこんなでSS投下。短編。ゼロらしくないのにゼロらしい、そんな話を目指しました。
76平賀さん:2007/01/28(日) 03:48:36 ID:7omlHF1N
 そのときのわたしは賑やかな居酒屋を出て、数年ぶりに再会した友人たちと、再び長いお別れを交わしたところだった。
 心配する友人たちに大丈夫だと笑って別れを告げ、女一人で夜の街を歩き出す。
 酔っているために頭が朦朧としていて、今一体何時ごろなのかもよく分からない。
 ぐらつく視界とふらつく足取り。せめて家までは自分一人で帰り着かなければと必死で念じながら、うるさい客引きを無視しつつ歩いていたのだ。
 その内気分が悪くなって立ち止まり、道端の電柱に右手を突いて左手で口を押さえた。
 嘔吐感が胸の奥からじわじわとせり上がってきたが、寸でのところで戻すのだけはこらえた。
 そうして数十秒ほど。ほんの少しだけ気分が良くなってきたとき、わたしは何となく軽く頭を上げた。
 特に、意味のある動作ではなかったと思う。まだもう少しだけその場に立ち止まって休んでいようと思っていたし、誰かに呼び止められた訳でもなかったから。
 だから、そのとき彼を見つけられたのは本当に、それこそ奇跡的と言ってもいいぐらいの偶然なのだった。
 わたしがここで立ち止まらなければ、立ち止まったとしても何となく顔を上げなければ、彼は夜の猥雑な雑踏に紛れ込んでいただろう。
 目立つ人ではなかったのだ。髪は染めていないし、特別体が大きい訳でも、小さい訳でもない。
 美形とも不細工とも言いかねる、どこにでもいそうな外見。
 本当に、彼は普通の人だった。群衆の中で黙っていれば絶対に見つけられないような、普通の人。
 だからこそ、かもしれない。
 わたしは直感的に悟ったのだ。ここで呼び止めなければ、もう一生彼に会うことはできないだろう、と。
「平賀さん」
 わたしが大声で呼ばわると、彼は驚いた様子で振り返った後、わたしを見つけて嬉しそうに微笑んだ。
 数年前と全く変わらない表情だった。嬉しそうで楽しそうで、でもどこか寂しげな、あの微笑。
 平賀さんはわたしの名前を呼びながら駆け寄ってきて、片手を上げて気楽な調子で声をかけてきた。
「よう、久しぶり」
 何の躊躇いもなくそう言われたとき、わたしは自分の心臓が一つ高鳴ったのを聞いた気がした。
77平賀さん:2007/01/28(日) 03:50:03 ID:7omlHF1N

 平賀さんは高校のときのわたしの同級生だった。でも、年齢はわたしより一つ上。つまりは留年生なのだった。
 わたしより一年早く入学して、わたしが二年生だった年の夏ぐらいから同じクラスになった。
 留年した理由については様々な噂が飛び交っていて、今でも正確には分からない。
 確かなのは、成績が悪かったために留年した訳ではないということと、出席日数が足りなかったことが決定的な理由になったらしいということだった。
 分からないのは、何故出席日数が足りなかったのかということ。
 さすがに平賀さん本人に問いただす人はいなかったから、自然と様々な憶測が生まれることになった。
 当時一番信じられていた噂は「一年ほど行方不明になっていた」だったが、それにしたって何故行方不明になっていたのかは誰にも分からなかったのだ。
 そんな風にあれこれと噂の種になっていた平賀さんだったが、本人はこれと言って変わったところのない人だったように思う。
 いや、むしろ普通の人よりも活動的で、楽しい人という印象が強い。
 留年生のくせに躊躇もなくわたしたちの輪の中に入ってきて、持ち前の明るさでいつの間にやらすっかり馴染んでいるのだ。
 文化祭などのイベント事では大抵騒ぎの中心にいたし、その癖雑用や裏方仕事の手伝いなども好んで引き受けていた。
 そんな風に人当たがいい人だったが、女子に対しては格別優しかったように思う。
 自分の前では重い荷物など絶対に持たせなかったし、具合が悪いのを我慢しているのも敏感に見抜いていた。
 とは言え下心がある風でもなく、ただ体に馴染んだ動作を自然に行っているだけのように見えていた。
 一度、わたしの友人に「平賀さんって何でそんなに優しいんですか」と単刀直入に聞かれて、
 「多分犬の根性が体に染み付いてるんだろうなあ」と苦笑していたのを覚えている。その言葉の意味は未だに分からないが。
 そんな風に飾らない人だったし顔も凄く悪いという訳ではなかったから、留年生のくせに女子の間でもなかなか人気が高かった。
 何故だか「この人なら危ないことがあっても守ってくれるかも」という妙な期待を抱かせる人だったのも、人気の理由の一つだった。
 考えてみれば変な話だ。平賀さんは格別体格がいい訳でも、強そうに見える訳でもなかったのに。
 とにかくそういう事情があって、平賀さんにアプローチをかけて実際に告白までした人は幾人かいたようだったが、
 彼の返事は決まってノーだった。理由を問いただすと、とても寂しそうに「他に好きな人がいるから」と答えていたという。
 好きな人、というのが誰なのかも、女子の間でたびたび話題になることだった。やはり、誰なのかは分からなかったけど。
 だが、それ以上に話題になったのは、その女子が誰なのかということよりも、何故その子のことを話すとき平賀さんが寂しそうにするのか、ということだった。
 何か悲しいエピソードがあるに違いない。あのいつも明るい平賀さんが、あんなに寂しそうな顔をするんだから、と。
 だが、私は知っている。彼が寂しそうにするのは、そのときだけではない。彼はいつだって、どことなく寂しそうだった。
 男子の輪の中で騒いでいるときも、体育で走り回っているときも、それこそ女の子に言い寄られているときも。
 そういうことをしているそのときこそ、本気で楽しそうだったりはしゃいでいたり困っていたりするのだが、
 一度そこから意識を離した途端、彼は決まって寂しそうな雰囲気を身に纏ってしまうのだ。
 そういうとき、彼は大抵微笑んでいた。ここにいるということがとても嬉しくて、だけど同時にとても寂しい。そんな微笑を浮かべていた。
 彼の微笑をよく覚えている。数年経った今でも、心の中に思い描くことができる。
 ずっと、彼のことを見つめていたから。
78平賀さん:2007/01/28(日) 03:51:17 ID:7omlHF1N

 夜の雑踏を遠く離れて、静まり返った小道を二人で並んで歩く。この道をずっと行けば、わたしの家が見えてくる。
 同窓会も終わって、一人で帰るところだと言ったら、平賀さんが心配してついてきてくれたのだ。
「俺もそっちの方に用事があるんだ。最後は別方向になるから、家までは送っていけないけど」
 そんな風に言って、平賀さんは酔っ払っているわたしを時折心配げに見ながら、こちらのペースに合わせてゆっくり歩いてくれている。
 そういう訳で、隣に平賀さんがいる。そのことが信じられず、酔っ払って深く眠り込んだわたしが
 見ている夢なのではないかと疑ってみたりもするけれど、やはりこれは現実なのだった。
「同窓会、行けなくて悪かったな。どうしても外せない用事があってさ」
 申し訳なさそうな平賀さんの言葉に、わたしは頭が痛むのを我慢して首を振った。別にわたしが許すことではないのだけれど。
 すると、平賀さんは心配そうにわたしの顔を覗き込みながら言うのだ。
「具合悪そうだな。ちょっと休んでいこうか」
 これにもわたしは首を振った。少しでも長く話をしたいから、本当は立ち止まりたいところなのだが、
 座ると気が抜けて寝込んでしまいそうな気がして怖い。そういうみっともないところは、出来れば見せたくなかった。
 平賀さんはやはり心配そうな表情で少しの間考えていたが、やがて気遣うような微笑を浮かべてみせた。
「じゃあ、休みたくなったら言ってくれな。別に急いでる訳じゃないからさ」
 わたしは素直に頷くことしか出来ない。彼の微笑は、数年前と全く変わっていなかった。
 楽しそうだったり、優しそうだったり。でも、その中には必ず隠し切れない寂しさが漂っているのだ。
 ということは、やはりまだ「好きな子」のことは解決していないのだろうか。
 そのことを訊ねてみたい気はしたが、後一歩というところで質問が口から出てこない。
 代わりに出てきたのは、「今は、なにを」という、ありきたりで当たり障りのない質問だった。
 平賀さんは何気ない口調で、
「ニート」
 と一言だけ答えた。
 予想もしなかった返答に、頭が真っ白になる。何も言えずにいるわたしを見て、平賀さんは大きく吹き出した。
「おいおい、そんなに固まんないでよ。会社辞めたの一ヶ月ぐらい前なんだからさ」
「あ、そうなんですか」
 わたしは話が気まずい方向に進まなかったことにほっとすると同時に、強い疑問を覚えた。
 わたしの記憶では、平賀さんはかなり成績がよかったはずである。
 騒がしい印象や留年生という立場とは裏腹に、一人でいるときはかなり勉強していた様子で、大学もレベルの高いところに進んだはずだ。
 進路に悩む様子は微塵もなく、他の生徒と比べて目的意識がはっきりしているように見えたのだが、そんな彼でも望んだ道は進めなかったということなのか。
 憑かれたように見えるぐらい何にでも一生懸命な人だったから、いわゆる「最近の若者」のように転々と職を変えるというのはどうもイメージに合わないのだが。
79平賀さん:2007/01/28(日) 03:52:35 ID:7omlHF1N

 そんなことを考えてみるものの、実際にどうなのかは本人に聞いてみなければ分からなさそうだった。
 だが、聞けない。そういう問いをするのは怖い。
 平賀さんの寂しげな微笑を覚えているからこそ、そういう問いが彼を傷つけるのではないかと思ってしまう。
 そうしてわたしは黙り込み、平賀さんもわたしの迷いを察したように何も言わなくなってしまったので、
 わたしたちはかなり長い間、お互いに無言のままで歩き続けることとなった。
 その内に平賀さんに呼ばれたわたしが慌てて顔を上げると、平賀さんが二つに分かれた道の一方を手で指し示していた。
「家、あっちなんだろ」
 そう説明したし、実際にその通りだった。平賀さんはもう一方の道を示して、
「俺はこっちだから、ここで」
「はい。ここまで、ありがとうございました」
 何かを言わなければと思いながらも何も頭に浮かばず、わたしは機械的に頭を下げる。
 平賀さんはそれを見て、穏やかに微笑んだ。穏やかで、それでいて寂しそうな、あの微笑だった。
「悪いね。気をつけて帰ってくれな。変な人についてっちゃダメだぜ」
「何歳だと思ってるんですか」
「実際の年よりゃ若く見えるからさ。じゃ、元気で、な」
 冗談交じりに別れを告げて、平賀さんは踵を返した。
 思わずその背中に手を伸ばしかけて、引っ込める。わたしは何をしようとしているのだろう。
 転々と住宅街を照らす、頼りない街灯の下。平賀さんの背中は、その足取りに何の迷いもなく小さくなっていく。
 わたしの胸に、今日平賀さんを見つけたときのあの奇妙な直感が蘇ってきた。
 ここで呼び止めなければ、平賀さんとはもう二度と話すことが出来なくなってしまう。
 わたしは消えかける平賀さんの背中に向かって、大声で叫んでいた。
「待って」
 遠く、去りかけていた平賀さんは、何故か必要以上に驚いた様子で、勢いよくこちらに振り返った。
 暗くてもよく分かる。平賀さんは、呼び止められることなど予想だにしなかったと言いたげな驚愕の表情で、こちらを見ている。
 わたしはもはや迷いなく駆け出した。どうせ今日で最後なら、疑問に思ったことを全部聞き出してやろうと決意しながら。
 暗い住宅街を歩きながら、わたしは今まで溜め込んできた疑問のほとんどを平賀さんにぶつけていた。
 平賀さんは急に饒舌になったわたしに驚いている様子だったが、問いの全てに実にあっさりと答えてくれた。
 その答えというのは、わたしにとっては全く予想外のものばかりだったのだけれど。
80平賀さん:2007/01/28(日) 03:53:14 ID:7omlHF1N

「ええと、まずは何から話せばいいんだっけ。質問いっぱいするもんだからさ、頭がこんがらがっちまったよ。
 ああそうそう、俺が高校生のときに行方不明になってたことだっけ。
 あれなあ、実は異世界に行ってたんだよ、異世界。
 そう。異世界。地球とは別の世界。あの頃流行してた、ファンタジー映画みたいな世界だったんだけどさ。
 ファンタジーだよ。分かるだろ。なんか魔法とかあってモンスターとかいて剣で切りあったり、そういうの。
 おいおい、この段階でそんな顔されても困るよ。俺はこっからもっと信じられないような話すんだからさ。
 俺はその世界で英雄になったんだよ。妙な力を偶然手に入れて、孤軍奮闘の大活躍をしてな。
 周りの人にもかなり持ち上げてもらって、いろいろ褒美ももらっちゃったりしてさ。
 でも大体一年ぐらい経ったごろにようやく帰れる目途が立ったんで、帰って来た訳さ」

 平賀さんがそこまで話し終えたとき、わたしたちはとある一軒家の前に到着した。
 広くて大きな家だ。大分古くて所々が傷んでいる様子だったが、洋風の石塀に囲まれた空間はそこらの家など比較にならないほど広く、
 庭だって走り回れるほどの広さだ。ただ、手入れされていない様子で雑草が茂り放題、池の水も枯れている様子だったが。
 こんなところに住んでいるくせに、庭の惨状には全く興味を示さない人物が主人らしい。
 だが、平賀さんはこんな屋敷に何の用があるのだろう。
 わたしが疑問に思ったのと、平賀さんがインターホンに向かって喋り出したのとはほぼ同時だった。
「あ、教授ッスか。才人です。時間よりちょっと遅れたけど、来ましたよ」
 鉄の門が勝手に開き始めた。どうやら、これが返事代わりらしい。躊躇いなく中に入っていく平賀さんを、わたしは黙って追いかけた。

「帰ってくるのに抵抗はなかったかって? そりゃあったさ。
 でもそれはあっちの世界での地位が惜しかったからでもないし、あっちの世界が凄く面白いところだったからって訳でもない。
 いたんだよ、好きな人がさ」

 わたしは立ち止まった。平賀さんもそれに気付いて立ち止まる。「どうした」と平賀さんが目を丸くしているが、
 わたしは何も答えられなかった。
 好きな人。平賀さんがあんな風に寂しそうに微笑む、その原因ともなっている人。
 異世界にいるのでは、会いたくても会えるはずがない。だからこそ、平賀さんはあんなに寂しそうだったのだ。
 わたしは「なんでもないです」と答えた。平賀さんも首を傾げながら、また歩き始めた。
81平賀さん:2007/01/28(日) 03:54:47 ID:7omlHF1N

「だから、本当は迷ったんだ。多分こっちに帰ってきたら二度とあっちには帰れない。
 正直、ほとんど直前まで考えてたんだよ。『いっそこっちに定住しちまおうかな』とかさ。
 そうしなかったのは、こだわりがあったせいだろうな。こだわりってのは、もちろん好きな人に関することさ。
 その人は、凄い人でさ。貴族のくせに魔法が使えなかったんだけど。ああ、その世界では貴族って皆魔法使えるんだ。
 で、そのせいでたくさんひどいこと言われたりしたんだけど、それでもくじけずに頑張り続けてた人なんだ。
 そういうの、全部横で見てたからさ。俺がその人に惚れるのもそんなに時間はかかんなかったな。
 だから俺は頑張ったよ。今まで生きてきた中で一番頑張ったと思うよあのころは。
 それで、さっき言った妙な力のおかげもあって、それなりにその人の役に立てたんだよ俺。
 その内、まあほんのちょっとだけどその人も優しくしてくれるようになってさ。
 気持ちも通じ合って、多分、あっちも俺のことを大切に思ってくれてたと思う。
 自惚れやすい性格だけど、これだけは確かだって断言できるよ。
 だからこそ、このままこっちの世界にいついてしまおうか、なんて考えた訳だしな」

 平賀さんは、廊下の途中にあった階段を下り始めた。どうやら地下に続いているらしい。
 階下の暗闇からは、何やら機械が動いているような音が響いてきており、今の平賀さんの話の内容も相まって、
 わたしはなんとなくゲームか漫画の世界に入り込んでしまったかのような錯覚まで覚えていた。

「でも、本当にそれでいいのかとも思ったよ。
 俺がその人の役に立ててたのは、偶然妙な力を手に入れたおかげだった。
 そうでなけりゃ、俺なんざほとんど何の役にも立たなかっただろうって思うよ。
 もちろんその力がなくてもその人のために頑張ろうって気はあったけどな。
 そういうこだわりがあったから、本当に自分とその人で釣り合いが取れてるのかなんて、散々悩んだりしたもんさ。
 その人は、妙な力や恵まれた才能なんかなしに、逆境に立ち向かってきた人だったからさ。
 それと比べれば、俺は恵まれすぎてたんだ。
 それに、こっちの世界にいたって大して面白い人生遅れそうもないからって理由で、
 いろいろ自分に都合のいいあっちの世界に留まるってのはさ、何ていうか、逃げみたいに思えたんだな。
 だって、そうだろ。逆境とか大変な目に遭うこととか、うまくいきそうにないこととか。
 そういうのを恐れて都合のいい方に逃げるってのは、その人がやってきたこととは正反対の生き方だ。その人の生き方を侮辱することだ。
 だから、俺は帰って来た。自分はあれこれと窮屈なこっちの世界でも頑張れる人間だって、自分に証明するために。
 ちっぽけなこだわりかもしれないけどさ、そうでもしなけりゃ、とても自分に自信が持てなかったんだな。
 だからこそ、俺は帰ってきてから必死に努力したよ。
 学校の行事やら勉強やら、あっちの世界に行く前の数倍も数十倍も頑張ってさ。
 そのおかげで、いい大学やらいい会社やらにも入れたし、友達も前よりたくさん出来た。
 自分が、何にもない状態からそこまで出来たってのはやっぱり嬉しかったし、これできっと大丈夫だとも思えるようになった。
 またあいつに会いにいけるって。そう思えたから、俺は今日ここに来たんだ」
82平賀さん:2007/01/28(日) 03:55:44 ID:7omlHF1N

 地下は地上の建物以上に広かった。向こうの壁が遥か向こうに見える、鉄でできた巨大な長方形の部屋。
 中央にはやたらと大きな装置があった。何かの機械というだけで、何に使うものなのかはさっぱり分からなかったけど。
 その装置の中央辺りに首を突っ込んでいた人が、こちらに気付いて体を起こした。
 平賀さんはその人物に向かって親しげに声をかけた。
「どうも教授。この子、俺の高校のときの同級生。作業の邪魔にはなりませんから、少しここにいさせてあげてもいいッスかね」
 教授と呼ばれたその人物は、頭がすっかり禿げ上がった眼鏡の小男だった。
 庭の惨状同様、自分の格好にも無頓着と見えて、着ている白衣はやたらと汚れていてもはや白衣とは言い難い。
 顔が皺だらけで、明らかに老人という風体だったが、目だけが異様に鋭かった。
 腰は曲がっていたが、こちらを睨みつけてくる視線にはやたらと力がこもっていて、わたしは思わずのけぞりそうになった。
 教授は「好きにせい」と鼻を鳴らすと、また装置に取り付いて何やら弄り始めた。

「ここで何をするのかって? そりゃ、帰るのさ、あっちの世界に。
 驚くこたないだろ。俺の話聞けば、俺がいよいよ自分の心に踏ん切りつけたってのは分かりそうなもんだ。
 むしろ、必死こいて勉強なんかしてたのは、半分ほどそれが理由だからな。
 つまり、こっちの世界であれこれと心の整理つけた後、自力であっちの世界に帰ろうと思ったんだな。
 魔法の力で世界を飛び越えられるんだ、科学の力を使ったってきっと飛び越えられるはずだ。
 そう思ってたんだけど、どうも現代科学じゃ無理っぽいなあって、大学のときに思い始めててさ。
 ちょっと焦り始めた頃、この人の噂を聞いたのさ」

 この人、というのはもちろん教授のことだ。わたしも名前を耳にしたことのある、有名な大学の教授なのだそうだ。
 とは言っても、年が年なだけにもう講義等はしていないらしい。
 今は専ら、この装置の開発に没頭しているのだそうだ。
「俺は財産家の一人息子って奴でな。親父もお袋も結構早くにおっ死んじまったが、そのおかげで金だけはそれなりにあった。
 だから、大学で情報収集しながらこの異世界間跳躍装置を開発してたのさ。
 俺がこの装置を開発するきっかけになったのは、そう、忘れもしない太平洋戦争当時、俺の親友がゼロ戦に乗ったまま行方不明になって」
 と、饒舌に語り始めた教授の声を、わたしは半ば無視していた。
 この人自身もかなり変な人らしかったけど、今のわたしにとっては平賀さんの話の方がよほど重要だったから。
83平賀さん:2007/01/28(日) 03:56:27 ID:7omlHF1N

「俺より頭のいい人が、俺より長い間そういう装置の研究をしてるって聞いてさ。
 他の連中は『あの人は頭がおかしいんだ』なんつって相手にしてなかったけど、俺は飛びついたね。
 だって、俺は知ってたからな。異世界が本当にあるってこと。
 結果は大当たりさ。教授は助手なんか必要ないぐらい頭のいい人だったけど、実験体だけには恵まれなかった。
 そりゃそうだ、異世界に行けるなんて言われたって、魅力に感じる人間なんかほとんどいねえからな。
 でも、俺は違う。無償どころか金払えって言われても手伝いたかったさ。もっとも、このニ、三年ほど、ほとんど教授の話聞くだけだったけどな。
 で、そろそろ装置の完成が間近だってんで、会社も辞めて身辺整理ってのも済ませて、今夜ここに来たって訳だ。
 ま、俺の話はこんなところだな。俺が何しようとしてるのか、少しは理解してもらえたかな」

 壁際に座り込んで話を聞いていたわたしは、平賀さんの問いかけにすぐには答えられなかった。
 もちろん、話があまりに荒唐無稽なせいもある。異世界がどうのだなんて、この人たちは確かにどうかしてるとしか思えない。
 こんな装置を作っている暇があったら精神病院にでも行った方がいいのではないかと勧めたいぐらいだ。
 でも、平賀さんの言うことに嘘はないとも思う。
 異世界の存在を信じる訳ではないが、この人の中ではそれは確かに存在するものらしいのだ。
 その、好きで好きでたまらない人、というのも、また。
「一つだけ、聞いてもいいですか」
 気付くと、わたしはそう言っていた。
「こっちの世界に、未練は何もないんですか。一度帰って来たってことは、少なくとも帰って来たいとは思ってたんでしょう」
 平賀さんは困ったように頬をかきながら、懐かしむようにどこか遠くの方に視線をやった。
「そりゃ、ね。あっちの世界はすげえ不便だったし、何より化け物がうろついてたりしてて危ないんだ。
 貴族ってのは大抵いけ好かない連中だったし、悪い王様がひどいことをしてたりもした。
 何よりやばかったのは戦争だ。こっちの世界じゃ、まず体験できない経験だったな。もう二度と体験したくないとも思うけど。
 正直、住もうって思ったらこっちの世界の方が百倍マシさ。安全だし便利だし、死ぬような目に遭うことも滅多にない。
 身分制度なんてのもないから、頑張ればそこそこ幸せになれるってのが、ある程度とは言え保証されてる」
84平賀さん:2007/01/28(日) 03:58:09 ID:7omlHF1N

「それでも」
「ああ、俺は行く」
 平賀さんの答えには、微塵も迷いがなかった。わたしはなおも問いかけた。
「それは、やっぱり好きな人がいるからですか」
「ああ、もちろん。それ以外の理由なんて、ないよ」
 正直言って、わたしには理解できなかった。
 平賀さんは、こっちの世界(という言い方をすると、なんだか異世界というものの存在を認めているようで嫌だが)でも、
 かなりいい人生を歩んでいるように思う。さっきついでに聞いたところだと、
 勤めていた会社というのも安定した大企業のようだったし。
 それに、家族のことはどうするのだろう。そういうものを放り捨ててまで好きな人のところに行くだなんて、
 映画なら感動を呼ぶお話なのかもしれないが、現実に実行するというのはかなり身勝手だ。
 その行動が多くの人を悲しませ、また迷惑をかけると分かっていてなお、この人は行こうというのか。
「ああ。ってよりな、無理なんだなきっと」
 平賀さんは、またあの寂しそうな微笑を浮かべてそう言った。
「俺も一度は考えたんだ。こっちの世界でうまくやれるなら、それが一番なんじゃないかってな。
 だからこそ、何だって一生懸命やった。勉強も遊びも、それこそ舐め尽すみたいに全身込めて打ち込んだよ。
 でも、ダメだった。どんなところで何をやってようと、どんなに楽しんだり悩んだりしてても、ふと気付くと心の中で誰かが囁いてるんだ。
 ここはお前の場所じゃないぞ、お前が本当にしたいことはそんなことじゃないだろうってな。
 多分俺は、もうあっちの世界の住人になっちまってるんだなあ。それこそ、体も、心もさ」
 その言葉を聞いたとき、わたしの心の隅にわだかまっていた疑問がいくつか氷解した。
 ずっと、疑問に思っていた。平賀さんは、何故平賀さんと呼ばれるのだろうと。
 留年生で、年の差などにこだわらずにわたしたちのクラスに馴染んでいた平賀さん。
 でも、わたしたちは何故か自然と彼に敬語を使っていたし、
 誰もが平賀さん平賀さんと呼んで、呼び捨てにする者は一人もいなかった。
 平賀さん自身、そういうのを好く人ではないはずなのに、何故かそのことについては一言も言及したことがない。
 きっと、わたしたちも平賀さんも、どこかで分かっていたのだ。
 平賀才人というのが、ここに馴染める人間ではないのだということを。
「心の底からそう思い知ったのは、本当につい最近なんだ。でも、自覚したら今度こそ歯止めが利かなくなった。
 こっちの世界での安定した安全な生活のことも、積み上げてきたいろんなもののこと、仲のいい友達のこと。
 それに、俺がいなくなったら親父たちが悲しむだろうなってことも。
 全部分かってても、そういうことで迷いがあってもなお、俺は間違いなくあっちの世界に行くって、そういう確信があったんだな」
 そこまで喋り終えて、平賀さんは長い長いため息を吐いた。ずっと背負っていた重い荷物を、今になって下ろしたように。
「親父たちには、もう話してあるんだ。最初は信じてくれなかったし、異世界に帰るって言ったときは殴られもした。
 今も喧嘩別れみたいな形で出てきてさ。最後がそんな形になっちまったのは残念だけど、それでも」
「あっちの世界に行くんですね、あなたは」
 平賀さんは深く頷いた。わたしは何も言えなくなって黙り込む。
85平賀さん:2007/01/28(日) 03:59:33 ID:7omlHF1N

 いや、本当は言いたいことが一つだけあった。だが、それを言うのには躊躇いがある。
 そうしてわたしが迷っている内に、装置の準備はすっかり完了したらしかった。
 教授がこちらに歩いてきて、興奮した面持ちで言ったのだ。
「乗り込め。いよいよ世紀の瞬間だぞ、才人」
 平賀さんは「分かりました」と呟くように言って、ゆっくりと立ち上がった。
 そして、迷いのない足取りで真っ直ぐに装置の中央に向かう。わたしも黙ってそれに続いた。
 装置の中央、先程まで教授が弄っていた部分には、人一人座れる小さな座席のようなものがあった。
 周りの機械からケーブルやらチューブやらが所狭しと差し込まれており、SF映画のセットのような雰囲気を漂わせている。
 教授の言によると、この部屋を埋め尽くすほどの巨大な機械は、そのほとんどが動力源に過ぎないらしい。
 この座席に座った人を転移するためのエネルギーは、そこまでしないと作れないのだとか。
「本当に成功するんですか」
 わたしが問いかけると、教授は難しそうな顔つきで唸った。
「分からん。何せ人類史上初の試みだからな。だが安心しろ」
 と、大笑した。
「なんせこのエネルギーだ。失敗したとしても人間の体なんか欠片も残らん。完全犯罪だ」
 この人は精神病院よりむしろ警察に出頭するべきなのかもしれない、と思いながら、わたしは平賀さんの方を見る。
 平賀さんは、やはりどことなく寂しそうな表情で、自分が数分後には座っているであろう座席を見下ろしている。
 声をかけたい、問いかけたい、と思う。しかし、やはり出来ない。
 そのとき教授が「じゃ、準備しろ」と言ったので、平賀さんは座席に腰を下ろした。
 そうしてから、ベルトやらハーネスやらで体を何重にも固定する。
 たくさんのケーブルが装着された、顔が半ば隠れる型のヘルメットも装着する。
 その姿が何故だか電気椅子で処刑される直前の囚人のように見えて、わたしは気がつくと顔をしかめていた。
「よし、じゃ、いってらっしゃいだな、才人」
「いや、この場合はさよならッスよ博士」
「お約束とは逆って訳だな」
 そう言って笑いながら、教授は座席の上で開きっぱなしになっていた、大きなカバーを下ろし始めた。
 やたらと厚くて重たげなそのカバーで、平賀さんの姿が隠れようとする直前、
「待って」
 と、気付くとわたしは叫んでいた。教授が顔をしかめて振り返る。平賀さんは「どうした」と不思議そうに返してきた。
「最後に、あと一つだけ言わせてください」
 わたしは大きく息を吸い込み、言った。
「わたし、ずっとあなたのことが好きでした。この数年間は会えなかったけど、それでもあなたのことだけが好きでした。
 わたしがこう言っても、あなたは異世界に行くことを少しも躊躇いませんか」
 意地の悪い問いかけだったとは思う。だが、わたしがこの問いを口にするのを躊躇っていたのは、
 それが平賀さんを困らせたり、傷つけたりするからではなかった。
 ただ単に、分かりきっていたからだ。
「ああ」
 と、一言だけ言って、平賀さんがあの寂しそうな微笑を浮かべるのが。
 わたしは引き下がった。引き下がるしかなかった。無性に悔しく、また、悲しかった。
 平賀さんの心の天秤は、もう片方が地面につくぐらいに傾いてしまっているのだ。
 好きな人がいる異世界、という重りの前には、わたしの好意など埃ほどの重さもない。
 分かっていて、それを現実に確認しただけなのだ、わたしは。
 確認したかっただけだ。
 わたしが好きになった人は、ただ好きな人のそばにいたいという理由だけで、
 今の生活も友人も家族も、自分を慕う女のことも放り捨てて、
 遠いところへ飛んでいけるパワーと身勝手さを持った人なのだということを。
 そのとき、不意に平賀さんがわたしの名前を呼んだ。
 わたしが顔を上げると、平賀さんはあの寂しそうな微笑を浮かべたままで、言った。
86平賀さん:2007/01/28(日) 04:01:23 ID:7omlHF1N

「本当は知ってたよ。俺のこと、どう思ってくれてるかってこと。
 今日君をここに連れてきたのはさ、話しておきたかったからなんだ。
 俺が何をしようとしてるのか。そして、多分もう会えないってことも。
 俺をずっと見つめててくれた人だからこそ、話しておきたかった」
 そう言い終えた平賀さんの顔には、やはり寂しそうな微笑が。
 なんて身勝手で傲慢な男だろう。
 そこまで分かっていて、こちらの気持ちなんか微塵も考えずに異世界なんかに行ってしまうなんて。
 だが、そんな男にずっと恋焦がれていた女が、ここに一人いるのだった。
「予言してあげる」
 わたしは腹の底から突き上げるような衝動に任せて叫んでいた。
「あなたは絶対不幸になる。こっちのことを全部無視して飛んでっちゃう極悪人だもの、きっと天罰が下るわ。
 都合のいい妙な力なんか手に入らないし、あなたを持ち上げてた人もあなたのことなんかすっかり忘れてるし、
 それに好きな人だってもうとっくに他の男と一緒になってるに決まってるわ。
 あなたは誰にも受け入れてもらえずに、こちらの世界やわたしを捨てたことを後悔しながら死んでいくのよ。
 生まれた場所でもない冷たい異世界で、それこそ野良犬のように惨めになってね」
 それでも、と続けると、平賀さんは全てを吹っ切るような微笑を口元に浮かべて、叫び返してきた。
「行くさ。だって、俺はあいつのことが大好きなんだからな」
 言葉に迷いはない。平賀さんは表情を変えないまま、実にあっさりと言った。
「じゃ、さよならな」
 わたしは何も言い返さなかった。
 カバーが閉まって彼の姿が見えなくなり、装置全体が眩い光に包まれ出す。
 振動と光と耳障りな音。わたしは唇を噛み締めて、そういう不快なもの全てを見守っていた。
 やがて全てが過ぎ去り周囲が再び静寂に包まれたとき、教授は装置の中央に駆け寄ってカバーを開いた。
 中にあったのは座席だけだった。平賀さんの姿はどこにも見当たらない。
 飛んでいってしまったのだ、あっちの世界に。
 空っぽの座席を眺めていると、わたしの心も空っぽになってしまったようで、何をどう考えたものかも分からなくなってしまう。
「ああ、しまった」
 と、不意に背後で教授が叫んだ。
「これじゃ、果たして実験が成功したかどうか分からんじゃないか」
 この人はやっぱり精神病院に行くべきかもしれない、とわたしが思っていると、不意に教授がこちらに身を乗り出してきて、手を合わせた。
「頼む、あんたも行ってくれ。大丈夫、今度はあっちからでもなんか連絡つけられる手段確保しとくから」
 それはつまり、やっぱり片道切符になるということだろうか。
 わたしは再び、空っぽの座席に目を戻す。
 平賀さんの最後の微笑が、いくつもの寂しげな微笑を全て塗りつぶすほどの濃密さで、わたしの心を満たしていた。
 あの表情以外、何も思い出せなくなっている。
 わたしはこれから、寂しげな微笑ではなくてあの吹っ切れた微笑だけを思い出して生きていくのだろう。
 だが、それも当然かもしれない。わたしはさっき初めて、平賀才人という人間の本来の姿を見ることが出来たのだろうから。
 あの人の存在が、わたしの心にいつまで残り続けるのかは分からない。
 もしも消えるどころか強くなっていくようなら、わたしがこの座席に座る日もそう遠くはないかもしれない。
 未練も迷いも全て吹っ切って飛んでいく力というのは、そういう気持ちから生まれてくるのだろうから。
87205:2007/01/28(日) 04:05:49 ID:7omlHF1N

 以上ッス。ちょっとでも楽しんで頂けたならこれ幸い。
 苦手ではありますけれどもギャグやエロにもまた挑戦したいッスね。

 あと、>>261氏、いつも保管庫の運営お疲れ様です。
 最初に書くタイミング逸して以来結局書いてなかった気がするので、遅いですが改めて。
 自分、何も手をつけなくてごめんなさい。なんか躊躇してしまうのです、編集画面を見ると。
 ここはそういう人間でも安心して書けるいい環境だと思います。

 それではまた機会がありましたら。
88名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 04:12:30 ID:Kufx8XhY
>>87
GJ!!
リアルタイムでこんなにも素晴らしい作品が読めるとは…
貴方のお蔭で今日はいい夢が見れそうです!!
89名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 04:21:08 ID:6BjXlavC
ぬう・・・寝ぼけてるのか俺は・・・

何か神の姿を拝見したような気がするぜ・・・寝なおすか・・・



ぐ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っじょぶ・・>>87
90名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 04:23:46 ID:urWpE1S/
>>87
こういう毛色のは好みです! 余韻あるなーGJでしたー
91名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 04:36:52 ID:rRp0+5h9
>87GJ!!!!!
再会シーンを書かないのがまたニクイ。
色々想像しちゃうじゃないですか!
92名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 06:21:14 ID:AiwCJp1b
>>87
なるほど、なるほど。実に興味深いな・・・・。別の観点から新たなゼロの使い
魔を描き新鮮で賞賛に値する。次回作も期待
93名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 09:18:05 ID:komx4Ptk
神だ!神が降臨なされた!
94名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 09:41:22 ID:5e3P+1oR
こういうのもありなんだと、新鮮な驚きと感動を覚えました、GJ
95名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 11:23:16 ID:TC7t6D9N
これはすごい…。
久しぶりにエロ無しSSで引き込まれた。
96名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 17:39:51 ID:X39CN+C9
続きがすごい読みたい
97名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 17:41:16 ID:r3VNMWer
>>87
世の中スゲェやつがたくさんいるなぁ
GJ!引き込まれた
久々にサイトがかっこいいと思えた
98名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 18:37:43 ID:OA6cbV52
205さんは魔王以来のファンだけど
やっぱすごいな。すげえ斬新ですた。つーか見たことない
タイプのssでしたよ〜。乙&GJ!
99名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 19:51:27 ID:dr2C3n5Y
>>87
なんだこれ・・。めちゃくちゃ感動するじゃないか!激しくGJ!!
100名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 21:18:15 ID:I/Lk+fBY
>>87
ま、まさかこんな手段があったとはぁぁぁ〜〜!!!
すごいすごすぎるよアンタ最高だっ
101名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 22:15:14 ID:VP25uRiX
>>87
巧すぎ!!!!!
プロとして通じるレベルじゃないか?
102284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/01/28(日) 22:38:08 ID:I/Lk+fBY
で、流れ豚切りでスマンが、節分ネタが途中まで完成したので
投下します。キャラがおかしいのはご容赦を。
103鬼は外 ◆yJjGBLHXE6 :2007/01/28(日) 22:39:55 ID:I/Lk+fBY
「あ〜寒ぃ、そろそろ日本だと二月ぐらいだなこの寒さじゃ」
建物の裏の広場でごそごそと動く一つの影があった。才人だ。
彼はいささかボロボロのパーカーを着ていて、手に洗濯籠を持っていた。
「・・・よっと、うわ・・・水凍ってら」
どうすっかなぁ・・・めんどくせえなぁ・・・でも怒られるしなぁ・・・
と水汲み場で才人がしゃがみこんでぶつくさ言っていると、後ろからゆっくりと近づいてくる影があった。

「サーイートーさんっ・・・え〜い鬼は〜外ぉ〜!!」
「あ、シエス・・・うわぁったっとぉっっぐぴゅ」
振り向いた才人はシエスタに思いっきり砂利のようなものを投げつけられて水汲み場の方へとすっころんだ。
見事に頭から。ご主人様の下着をぶちまけて。

・・・・うわ、変な声した・・・・・・
自分が原因の癖に、他人事のように笑顔を引きつらせながら後ずさるシエスタ。
少し・・・いや、かなり非道い。
「いちち・・・な、何なんだよいきなり!!びっくりするじゃないか!」

そうか、びっくりですむのか。

「ご、ごめんなさい・・・懐かしんでくれるかと思って・・・」
そこで才人はシエスタが持っている籠の中身と周りに散らばっているものに気付いた。
「ん、なんだこれ?大豆?嫌でもこの世界にこんなもんあるわけねぇし・・」
いぶかしんで手で弄んでいるそれは大豆よりも若干小さく、黒ずんでいた。
「あ、それ家の村の周りに生えてるんです。お父さんが、ひいおじいちゃんから
『この時期には豆をまいて鬼を追っ払うんだ』って聞いたって言ってたから、
もしかしたらサイトさん何か知っているんじゃないかと思って。
でも変ですよね、こんなので鬼が逃げるわけないのに」
104284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/01/28(日) 22:41:03 ID:I/Lk+fBY
コロコロと可笑しそうに笑うシエスタを見ていて、才人は、あぁ、と頷いた。
「そうか節分かぁ、確かにここには鬼が実際に居るからな」
「セツブン?セツブンって言うんですかこれ?」
興味深そうに覗き込んでくるシエスタに、才人はようやく身体を起こして昔、親やおじいちゃんたち、
学校で聞いた知識をフル動員して噛み砕いて説明してやった。

「へぇ〜やっぱり楽しそうですね、サイトさんの世界って」
「まぁ行事なら年がら年中あるけどな・・・で、これ何の実なの?日本じゃ最後に豆を年の数だけ食べるんだけど・・・・」
そういって適当に実をひっつかんで口の中に放り込んだ。

「あぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

シエスタが普段は絶対に出さないような大声で叫んだ。
才人はその声に押されるように口に入れた物を飲み込んでしまった。
「んぐっ・・・んっ・・・な、何だよいきなり!」

「・・・た、食べちゃった・・・・・」
打って変わって青ざめたような赤らめたような顔で呆然とするシエスタ。
「なに、まずいの?毒があるとか?」
「い、いえ毒は無い、ん・・・ですけど・・・あの・・・その・・・」
今度は顔を真っ赤にしてしどろもどろになるシエスタ。
「それ・・・チダコンピの実って言って、害はないんですけど・・・」
「うん、何か身をもって理解した」
二人が一斉に視線を向けたそこは当社比1.5倍ほどにパワーアップしていた。
才人の息子さんだ。今にもズボンをはちきらんばかりに引き伸ばしている。
「これ、男の人専用の性欲増幅成分が入ってて、普通は大人の人が一日一粒で十分なんですけど・・・」

そんなもんを撒き散らすな。
105鬼は外 ◆yJjGBLHXE6 :2007/01/28(日) 22:41:59 ID:I/Lk+fBY
誰かに見つかってはまずいということで、取りあえず人の来ないところに移動することにした。
「どのぐらいで収まるのこれ?」
「わかんないんです・・・使ったの見たことないですし・・・」
天を仰ぐ才人としょぼんと俯くシエスタ。
きっとシエスタが才人を見据えるとしゃがみこんで才人のズボンを一気に引き下ろした。
「わっ、シ、シエシエ?」
「こうなったのも私の責任ですし、それに豆で鬼は出て行くんですよね?」

豆?豆なんて・・・ってまさかぁぁぁぁっ
そのまさかだった。シエスタはパンパンの怒張をあらわにさせるとおもむろに服を脱ぎ捨て、胸で挟み込んだ。
「サイトさんの、いつもより大っきくて・・・すごい熱い・・・」
先っぽを口に咥えて、双丘の先端にくっついている小さい豆をこすりつけながら柔らかなそれで包み込むようにこすりあげていく。
「シ、シエスタ、むねっ胸すごい気持ちいいっ」
シエスタが先端を舐め上げる度、先端で擦り上げる度に
才人は腰をガクガクと震わせながらそれでもシエスタの口に自らを押し付けていく
「いきなりだけど・・・ごめんっもう出るっ」
才人がシエスタの喉奥に怒張をねじ込むと、音が聞こえそうな勢いで濁った迸りを流し込んでいく。

んくっんくっとシエスタが喉を鳴らして飲み込んでいくが、常軌を逸した量に飲みきれずに顔をはなしてしまった。
「んっ・・・ぷはぁっ・・・あは、サイトさんすごい量・・・まだ出てる」
抑えを失った怒張がシエスタの顔、胸、身体を白く染め上げていく。
「はぁっはぁっ・・・ごめん、シエスタ大丈夫?」
「はい♪サイトさんのなら全然平気ですっ」
話しながらも身体についたネバネバを指で掬い取って飲み込んでいく。

「・・・あ、でもやっぱりこの程度じゃ収まんないですね・・・」
「う、うんそうみたい」
才人のそれは先っぽに先ほどの残り物を軽く這わせながらも不満げに波打っている。
「それじゃあ・・・」
そういってシエスタは身体を持ち上げ自分の花弁を広げてウインクして言った。
「こんどはこっちの豆で鬼退治ですっ♪」

やたらと楽しそうである・・・
106284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/01/28(日) 22:43:58 ID:I/Lk+fBY
今回はここまでということで・・・
次は完成したら投下すると思います。
もっと、もっとおいらに電波をわけてくれぇ〜〜〜!
では、また
107名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 22:47:43 ID:9fBlyDlh
電波送信開始!
GJだります
108名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 23:09:11 ID:VP25uRiX
シェスタさん・・・・狙ったね

284氏GJ
109名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 00:30:36 ID:YAbGbr7L
GJ!
そうか、そろそろ節分かぁ…
つうかシエスタ、豆ってwwwwwww
110261のひと:2007/01/29(月) 01:37:17 ID:/4Nyh+We
>>4-10 の続き、やっと終わりです。
1111/4:2007/01/29(月) 01:37:51 ID:/4Nyh+We
「……我の使い魔となせ」
 サイトノ記憶を消すと、その日のうちに彼はルイズさんの使い魔に戻った。
『……これでいいのよね?』
 サイトが笑ってる。
 ルイズさんも笑ってる。
 シエスタさんも、デルフさんも喜んでる。

 ……だったら、これで良いのよね?

 二人が何かを囁いて、キス。
 キス――それだけの事なのに、わたしだって、何度も何度も唇を重ねたのに、心の奥で炎が燃え盛る。
 ……サイトは覚えていないけれど。
 悲しい認識がわたしの頭を冷ましてくれたおかげで、二人のソレを見つめ続ける。

 二人が離れた瞬間、サイトがその場にうずくまる。
「ぐぉおおおおおお!」
 サイトの悲鳴に、何も考えられなくなる。
 無言で見つめるルイズさんを、殺しかねないほどの憎しみがわたしを埋め尽くす。

 ――苦しめるために、サイトの記憶を消したんじゃないのに。
「サ、サイトさん!」
 ルイズさんを睨む間に、シエスタさんがサイトに駆け寄る。
 あ……
『ほら、ティファニア、お前じゃサイトは幸せにできない、心配するよりも憎む方が大事なんですもの』
 どこかでわたしを哂う声がした気がする。

 サイトに守ってもらうルイズさん。
 サイトを誰より気遣うシエスタさん。
 ……わたしは……?

 呆然と自問している間に、サイトの声が聞こえる。
「だ、大丈夫……、使い魔のルーンが刻まれているだけだから……」
 サイトの声に胸をなでおろすけど、苦しそうなサイトに何もしてあげられないことが辛かった。

 でも、そんな辛さはほんの始まり。

 何かを確かめたルイズさんが、いきなりサイトに抱きついた。
「……っっ」
 声が出そうになる。近づいて引き剥がしたくなる。

 でも、そんな事にお構いなしに、サイトは優しく肩を抱きしめて……

 目をそらす事も、この場から逃げる事も出来ないまま、ゆっくり心を炙られた。
1122/4:2007/01/29(月) 01:38:23 ID:/4Nyh+We
 適当な理由をつけて、部屋を去る。
「ど……してなのかなぁ?」
 家の外に出て空を見る。
 真っ暗な空が、今のわたしの心のよう。
 大切な思い出も、星の光のように今や誰にも触れられない。

 ぽろぽろと涙を零しながら、ゆっくりと目的の場所に向かう。
 そこに着いても、辛いだけなのは分かっていた。

 どうしようも無い。でも……少しでもサイトの声が聞けるから。

 ――暗い闇の中、サイトの部屋の窓の外に座り込む。

 ルイズさんの泣き声が聞こえる。
 サイトの優しい声がそれをなだめている。
 いいな。
 もし……わたしがルイズさんだったら……
「もう、どこにも行かないで」
 そう……だね……そう言うね。
 聞きたくなかった言葉、サイトはこれにどう答えるんだろう。
「うん」
 サイトの声が、ルイズさんの側を選ぶ。

 空の星がぼやけて、目に写るのは暗い闇だけ。

 胸の奥がぎゅって締め付けられる。
 辛いよ……サイト。
 わたしも……抱きしめて欲しいよぉ。
 こんなに側に居るのに、伝わるはずの無い想い。

「ちゃ、ちゃんとそばにいて」
「うん」
 わたしの側には居てくれなくなるんだね。
 ほんの少し前までは知らなかった、甘い痛みに心が壊れそうになる。

 二人の囁きがまだ聞こえてくる。
 辛くて……辛くて、何も考えられないまま、夜の空気がわたしの身体を冷やしていく。

 居た堪れなくなったわたしは、静かに走り出した。

「ティファニアさん?」
「シエスタさん?」
 ほんの少し走った所で、シエスタさんとぶつかりそうになった。

「その……覗きですか?」
「っ!」
 見上げるようなシエスタさんの目に見つめられるのが辛い。
「……わたしも……なんですけど……止めといた方が良さそうですね」
 シエスタさんも?
 見つめるわたしを、シエスタさんが抱き寄せてくれる。
「辛そうですから……わたしは、止めときます」
 シエスタさんのハンカチが、優しく頬を撫でる。
「ズルイですよね? ミス・ヴァリエール」
 あぁ……この人も……サイトの事が好きなんだ。本当に大好きなんだ。

 ルイズさんを見るサイトの側に留まれるこの人は、何て強いんだろう。
 抱き寄せてくれる暖かい胸の中で、わたしは何もかも忘れて泣いてしまった。
1133/4:2007/01/29(月) 01:38:56 ID:/4Nyh+We
「……でね、学園でも大変だったんですよ」
 わたしが泣き止むまで側に居てくれたシエスタさんが、わたしの部屋でルイズさんの話をしてくれる。
 サイトから聞いた話もあるけれど、視点と捕らえ方が違って面白かった。
「で、結構人気なんですけど、サイトさん気付いてないんですよ」
 帰ったらサイトがどれだけ皆に愛されているのか分かって安心
 そして……ほんの少しだけ悲しい。
「サイト……いいひとだから」
「男の人にしたら悪い男ですけどねー」

 男の人。
 サイトが居なくなったら……わたしは……
「ティファニアさん?」
 サイトが……居なくなったら……
 子供たちの手が、わたしに触れることを想像した瞬間、わたしは窓に駆け寄った。
「ちょっ、ティファニアさん」
「ぐぅっ……ぅぇ……」
 胃の中のものが逆流しようとしていた。
 駆け寄ったシエスタさんの手が、背中をさすってくれた。
「どうしたんですか? 大丈夫ですか?」

 惨めだった。
 多分今頃……ルイズさんは……サイトを……
 少しそんなことを考えただけで、涙が止まらなくなる。
「ひっ……っく……サイト……サイトぉ……」
 おろおろしていたシエスタさんが、服が汚れるのも構わず、ぎゅってしてくれる。
「わたし達と来ますか? ティファニアさん」
 無理。
 シエスタさんはまだわたしがエルフだって知らないから……
 だから優しくしてくれるんだ。
「無理……だよ」

 シエスタさんを怖がらせたくないから、理由は言わずに断る。
「……そうですね、○○中に、旅はしんどそうですし」
 え?


 シエスタさんの一言が、わたしの世界を一変させた。
1144/4:2007/01/29(月) 01:39:27 ID:/4Nyh+We
「テファも元気で。またな」
 サイトが『またな』って言ってくれたことが嬉しかった。
 少しでも覚えていられますように。
 サイトをじっと見つめる。
 うん、ちゃんと覚えてる。

 わたししか覚えてないサイトの指も舌も、いつでも鮮明に思い出せる。

「うん。また……、またね」
 何度もこちらを振り返るサイトの姿が、だんだん小さくなってゆく。
 随分離れた所で、シエスタさんが決然とサイトさんに歩み寄った。
 そしてサイトに向かって何かを言うと、ルイズさんがこちらに向かって走り始める。
 慌ててサイトがルイズさんを抱き上げて、そのまま連れて行った。

 ……どんなに二人が仲良さそうにしていても、今のわたしは平気だった。
 ……少しは……辛いけど。

 とうとう見えなくなったサイトに、心の中で話しかける。
 二人で会いに行くから。
 お腹にそっと手を当てる。
 サイトに似てると嬉しいな。

 まだ見ぬトリステインに向かう日の事が、今からとても楽しみになった。
115名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 01:42:52 ID:rl39tJX8
続くよね?
テファとサイトの子かー
どんな子になるのかな
116名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 01:43:38 ID:/4Nyh+We
ながながと……一応終わりです。
あー、ソコの人時期計算しない。
ちょっと微妙ってか……アレですけど、サイトの子です。
……この展開で、黒髪以外生まれたら(あ、テファ似でもいいのか)ティファニア壊れちゃうからっ
黒いこと考えないでっ

原作からずれすぎない範囲で……不幸な人も少なめに……と、目指したんですがいかがでしょうか。
冒頭みたいな黒のまま真っ黒なエンドはちょっとお互い辛いかなと思って……
ダメ?
ともあれ、お付き合いいただき感謝


土日はのんびりしすぎてて、平日の方がお話書けますね。
……とゆうか、10時間眠れるのって休みの日だけなんです。

>>87 205さん 自分もここ何でもかけて好きです。
ただ自分は……質より量な人なのですけどね……手っ取り早くどばーっとレベルアップする方法はないものでしょうか……
自分なんかエロもギャグも話も文章も自信ないですよ……

保管庫は楽なのでお気になさらず……最近更新が数日置きですが……
訂正など有りましたら、掲示板でも結構ですのでご一報を、

ではっ
117名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 01:58:13 ID:blLxMunV
>>116
GJ!
お疲れ様でした
テファの気持ちの表現とかがいい感じで、面白かったです

>>115の人と同じで続きが気になりますが、次は新シリーズですか?
期待して待ってます
118名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 02:14:51 ID:pjlfvlTB
>>116
無理な事を言ってるのはわかる。だが、続きがみたいのだ!!!

5年後とかみたいな感じでトリステインで平和に暮らすテファがみたい

・・・・そもそも一夫多妻制はだめなのか?そうするとルイズが暴れるか?
119名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 17:24:52 ID:vGFZIskI
>>106
「節分」イベントネタGJ! シエシエ… テラ策士w
才人自身が教えたことにすれば、戦後生まれのイベント(バレンタインにチョコ、とか)もありだよな…
ワザとエロ方向に嘘を交えて教えたり……

> そんなもんを撒き散らすな。
まったくだw

>>116
「第一部」完、乙&GJ!
願望はともかくw 原作と整合性を維持しつつも、テファにとって救いのあるラストで良かった。

…子供は黒髪と金髪の双子あたりでお願いしますw
120名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 22:58:20 ID:YAbGbr7L
金髪と黒髪の双子…なんかDQ5を思い出した。
アッチは金髪か青髪だが。
>>116GJ!お疲れ様です。
一応ハッピーエンドってことでいいよね?
番外編みたいので全然構いませんから数年後の世界を書いてくれると嬉しいです。
121261のひと:2007/01/30(火) 01:28:33 ID:cJYHbtWw
つ、続き……続きですか……
ちょっとがんばってみる。
1221/10:2007/01/30(火) 01:29:05 ID:cJYHbtWw
「おとうさん、貴方は堕落しました」
 は? いきなりこんな事を言われて、納得する奴は滅多に居ないだろう。
 ましてや、俺が堕落?
 今ハルケギニアが平和なのは、俺の努力がその一端を担っている。
 胸を張って宣言してもよかった。

 シエスタがもうすぐ一人目の子を産むし、少し遅れてルイズも……
 姫さまとだって続いてるし、数ヶ月に一度外交名目でガリアに出かけるが、
 仕事なんかしたことねーし。
 それでもトリステインでは英雄扱いだ。他の国に行ってもかなり我侭がきく。
 我が世の春!! そんな状態だった。

「で、君は誰だ?」
 そんな俺の事をおとうさまと……心当たりが無い訳じゃないけど、育ちすぎ。
 日本なら、幼稚園児か小学生か、そんな年頃の男の子だった。
 親に抱かれる年頃ならば、『ルイズとシエスタには内密にィィィ』と、土下座の一つも辞さないが。
「わかりませんか?」

 妙に自信満々な男の子……黒い髪、黒い目……それだ……けで?
 よーくみると結構俺に似ていた。
 俺より各パーツの出来が遥かに良いが、小さな頃の俺の面影が確かにある。
 写真の無いこの世界で、子供の頃の俺を知るのは俺だけ……
 その俺が……似てるって判断できる、この子は……
「僕の母はティファニアですよ、サイトおとうさん」
 にっこり笑う笑顔に、テファの印象が重なる。
「え? でも……テファと分かれたのが……」
 しかも、テファとは肉体関係は無い……あの頃の俺は禁欲的だったなぁ
 あの直後位から、妙に我慢が出来なくなって、手を出しまくった結果……
 戦争よりやばい数々の修羅場をくぐって……俺、よく生きてるなぁ……

 物思いにふける俺を、しばらく眺めていた男の子が洒落にならないことを言い出した。
「母は、記憶を消せるのをご存知でしょう?」
 ……まあ……ご存知ですよ……っまさか!
「貴方がルイズさんの側に居るべきだと、母は判断したそうです」
「ちょっ、ちょっと待て、じゃ……俺……」
「命の恩人に手を出した挙句、捨てて逃げた卑怯者ですね、おとうさん」
 マジでへこむ。
 テファの事は大切な思い出だ。
 美しい森の奥で、ひとり静かに暮らす妖精の美少女。俺だけが知っているその存在。
 思い出すたびに胸が温かくなる彼女の事を、まさか自分で汚していたなんて。

「……母は一人でたまに泣いていました……はっきり言って僕は貴方を許せません」
 静かな宣告に、死ぬほどの後悔が俺を襲う。

 綺麗な姿勢、歳とは不相応な言動、今は冷たいとはいえ、優しそうな顔立ち。
 出来たお子さんだった。どこに出しても恥ずかしくない美少年だった。
 ……いや、多少とはいえ自分に似ているのを誉めるのは面映いけど。
 テファは一人でこの子を育てたんだと思うと、誇らしくて……悔しかった。
 俺にも……何かさせて欲しかった。

 テファは俺の事を気遣ってくれたのだろうし、実際、子供が居ても構う暇が無いくらい激動の数年間だった。
 シエスタやルイズと子供が出来た頃、やっと各国の情勢が落ち着き始めていた。
「母はずっと待っていたんですよ?」
利発そうな少年は、俺を弾劾する手を休める事は無かった。
1232/10:2007/01/30(火) 01:29:39 ID:cJYHbtWw
「貴方をずっと待っていたのに、ここ数ヶ月は諸国も安定したのに……貴方は来なかった」
 ……シエスタとルイズの妊娠も、言い訳にはならない。
『またな』って言ったのは俺だ。
「……すまない」
 この子も……少しは俺に会うのを楽しみにしていてくれたのだろうか?
 怒りも悲しみも無く、訥々と語る姿からは、何も読み取れないけれど。
「今から……タルブに立つよ」
 シエスタとルイズに、何て言い訳しよう。
 多分、本気で起こられるだろう。
 大騒ぎするほど遠い場所ではないとはいえ、出産に立ち会えないかもしれないからだ。
「無駄です」
 どうやって説得するか、どうゆう手段で行くか、そんなことを考えていた俺を、少年は突き放す。
「なっ、なんでっ?」
 嫌な予感がした。
 そうだ、この子なんでこんな所に居るんだ?
「テ、テファはっ? テファに何か有ったのかっ?」
 ……怖い。
 全身からいやな汗が出て、震えが止まらない。
 こんな歳の子が、一人で片親を訪ねる理由なんて……
「タルブには……もう……居ません」
 全身の力が抜けて、その場に崩れ落ちる。
 地面を見つめる俺に向かって、少年の声が響く。
「貴方が危ない事をするたびに……その噂を聞くたびに、母はそうなっていました。
 ラ・ヴァリエールの所から単身令嬢を攫ったり、一人で砂漠を横断したり、
 騎士隊一つだけでガリアに特攻したり……そんなたびに母は泣いていました」
 ……ごめん、テファ……ごめんなさい。

 地面にポツポツと、黒い痕が出来る……どんどん増えていく、俺の涙の痕。

「何度も言うが、僕は貴方を許せない、それでも……母は貴方が好きなんだ……
 僕がここに来たのはね、おとうさん。名前を貰いに来たんだ」
「……なま……え?」
 泣き崩れる俺に、少しは心を許してくれたのだろうか?
 細いが、しっかりとした手で、俺を助け起こしてくれる。

 ……嬉しかった。……こんな些細なことがこんなに嬉しいのなら……
 もっと親孝行しておくんだった……
 呆然と後悔を続ける俺に、テファと同じ優しさを持つ瞳が語りかける。
「母は僕が育つところをおとうさんに見てもらえないから……そう言って、いつもこう言っていました。
 いつか、おとうさんに会ったら、子供と認めてもらえなくても良いから、一生一緒に居られるように、名前を貰いましょうね。
 いつも……そう言っていました」

 テファは……優しい。
 俺が、何も出来なかったって、後悔することも分かってたんだ……
「テファに……会いたいな」
「……来なかった癖に」
 確かに……後悔なんて……何の役にも立たない。

「一言……謝りたかったな……」
 少年が何も言い返さなかったから……
 静寂が辺りを包み込む。
 お互いに、何も言えずぼんやりと道行く人を見ていると、少年がぽつりと言った。
「なら、どうぞ……」

 少年の指し示す先には……、テファが居た。
1243/10:2007/01/30(火) 01:30:14 ID:cJYHbtWw
「テファァァァッァ、テファッ、テファッ、テファァァァ」
「っっ、きゃぁあっ、サイト? どうしたの?」
 数年前からまったく姿の変わらない……いや、姿かたちは同じだが、前よりもまとう空気が優しく……強かった。
「ごめんっ……ごめんっ、テファ……またなって……言ったのに」
「いいのよ、サイト。忙しかったのよね? タルブまで噂が流れてきてたよ」
 柔らかく笑うテファが、潰れそうなくらい強く抱きしめる。
 テファも俺を放さなかった。
「両親の仲が良くて、僕も安心ですね」

 ……こっ、この根性悪がっ、どこの誰に似やがったぁぁぁ、俺でもテファでも無いぞっ絶対!!
 ふつふつと沸き立つ怒りを抑えていると、テファが慌てて謝っていた。
「ご、ごめんなさいっ……あのっ……あのねっ、この子……ね、その……」
 切り出し辛そうな、テファに助け舟を出す。
「「知ってる」」
 ……二人そろって。

 綺麗にハモった声に、お互い苦笑する。
「因みに、嘘は一つもついてません。名前、よろしくお願いしますね?」
「……ぜーーったい、変なのつけてやる」
「おとうさんが付けて下さるのなら、それで結構ですよ」
 俺の大人気ない宣告にもまったくめげずに、さらりと言い返された。
 ……か、可愛くねぇ。

 何も言えずにガルガル吠えてる俺を置いたまま、
 少年はテファに駆け寄って報告を始めた。
「ごめんなさい、おかあさん。薬が効きすぎたみたいです」
「ダメよ? 悪い子っ。めっ!」
 怒られる方も、怒る方も、相手を大事にしているのが分かって、微笑ましかった。
 一生懸命に一つも嘘を吐いていない事を説明していたけれど、テファは笑いながらもきちんと怒るべき事は怒っていた。

 ……疎外感。俺、おとうさんなのに。

「おとうさんっ!!」
「はいっ!!」
 テファとの話が終わったのか、俺の所に来て話かけてくれる。
「ご自宅伺ってよろしいですか? 僕は数時間してから参りますので、母と積もる話でも……」
 ……こいつどんな環境で育ったんだろう?
「……こっから見えてる、ほら、あの屋敷……あと……これ、小遣い」
「うわぁ、ありがとうございます。街っていろいろ有ったから、楽しみです。すこし見物してきますね」

 ……元気な子だ……頭も良いし。
「さすがテファの子だな」
「……サイトの子だもん、恥ずかしくないように……って」
 顔が赤くなっているのが自分でも分かった。

 ……この時間なら、ルイズもシエスタも居ないよな……

 テファと腕を組んで自宅に向かう。
 ……もう少し、時間がゆっくりと流れればいいのにな。二人ともそんなことを考えながら。
1254/10:2007/01/30(火) 01:30:48 ID:cJYHbtWw
「手間の掛かる、両親です」
 ワルドおじさんや、フーケねえさん(おばさんと呼ぶと、ゴーレム詰め数時間……あれは辛い)みたいに、いつも一緒に居れば良いのに。
「出来るだけ二人っきりにしてあげれば良いんですよね?」
 出かける前に、二人に厳重に言い渡された。おとうさんに会うのがどれだけ嬉しくても、夫婦の邪魔しちゃいけないって。
 さっきのお話も、フーケねえさんが筋書きを考えてくれた。嘘は一つも無いところが怖い。
「僕、もうそんなに子供じゃ有りません」
 手の掛かる大人が、周りに沢山居ますから、いつまでも子供では居られないのです。
 おとうさんに貰った……金貨? うわぁ……こんなにお小遣いもらったの初めてだ……
 は……使いません。村でコツコツ貯めたお小遣いで、皆へのお土産を探します……
「高い……」
 おかしいです、これはどう考えても陰謀です!!
 こんなの、僕、自分で作れます。原価だって見当付きます。なんでこんな値段なんですかっ。
 ……うぅ……怒っても仕方ありません。
 お土産……困ったなぁ……おとうさんに貰ったの使えば良いんですが……
「これは……記念に置いておくつもりですし」
 次に会えるのがいつか分からないですから、貰ったものは全部取っておきたいです。
「……困りましたね」
 道の真ん中で唸っていると、優しいおねえさんが声を掛けてくれました。
「どうしたの僕?」
 僕と同じ黒い髪をした……妊婦さん。
「うわぁ……お子さん産まれるのですか?」
 村に子供は多いけれど、子供ばかりなので、妊婦さんを見るのは初めてです。
「えぇ、坊やみたいな賢い子が産まれると嬉しいですね」
「? 僕、賢くないですよ」
 お土産もちゃんと買えないのに賢いとか自分で言ってると、ワルドおじさんにお空の彼方まで飛ばされます。
 「何か有ったの?」
 あぁ、いけません、おねえさんに気を使わせてしまいました。
 ここは理由だけ言って退散しましょう。
「実は……で……」
「……わかりました、わたしが何とかしましょう!!」

 ……えと……どういう事でしょう?
1265/10:2007/01/30(火) 01:31:23 ID:cJYHbtWw
 僕は今後女の人には逆らいません。
 フーケおねえさんや、おかあさんが特殊なのだと思っていました。
「ほら、こーんなに安く買えましたよ」
 このシエスタおねえさんも、凄いです。
 全然足りないと思っていたお金が、余りました。
 思ったよりも、ずっと沢山買えましたし。

 どーやったのか、横で見てたのに分かりません。
 店の人が泣き出しても、値段交渉を止めない様は非常に勉強になりました。

「えへへ、満足です。ね、もうちょっと付き合いませんか?」
 この人には逆らえません。
 それにお土産も買えましたし、
 今から僕は時間つぶししないといけません。渡りに船です。
「はい、どこえなりとお供します」
「うん、そこの喫茶店でルイズと待ち合わせなの」
 ……き、聞き覚えのある名前ですけど、きっと街では珍しくない名前なのでしょう。
「ルイズ……さん、ですか?」
「ほら、そこの美人」
 まだ少し向こうですが、オープンカフェに桃色の髪の人が座っていました。
 道行く男の人が必ず一瞬立ち止まるほどの美貌。
 おかあさん以外では始めてみました。

「ルイズ〜」
「遅いわ、シエスタ……って、もう産んだ訳?」
「まだ入ってるわよ、ほらほら見て、そ〜〜っくり、ナンパしちゃった」
 えと……なんだか嫌な予感がするのですが?
「うわ……こんなに大きくなかったら、どこで浮気したのか問い詰めるところね」
「まったくですねー」
 凄く仲の良い二人です。姉妹でしょうか?
「あ、そういえば君、名前は?」
「……シエスタ……あんた……」
 幼児誘拐は犯罪よ? ルイズおねえさんの目が語っていましたが……まぁ自己紹介をしましょう。
「えっと、名前はまだ有りません」
 まぁ、こうなるのですが。
 因みにおかあさんが呼ぶ通称は有るのですが、秘密。
 ……もうすぐ僕にも名前が出来ると思うと、楽しみです。
「「は?」」
 最初はいつも皆さん驚かれます。
 説明も慣れたものです、物心ついたときから繰り返してますから。
「父は僕が産まれたこと知らなくって、母は父から名前を貰うまでは我慢しなさいって」
 二人とも目を丸くして驚いてます……そんなに変でしょうか?
 悪いことを聞いたのかしら? ルイズおねえさんが申し訳無さそうに尋ねてこられました。
「えっと……困らないの?」
「はい、それに……今日までですから」
「今日まで?」
「はい、この街にはおとうさんに会いに来たんです」
 二人ともほっとした様に笑ってくれました。
 いい人たちですね。
「そう……ね、名前くらいは付けさせてあげた方が良いのかもね」
「そうですね」
 あれ?
「ルイズおねえさんも?」
 よく見ると、お腹が少し……
「ええ、……シエスタにちょっと負けたけどね」
「うふふふ、わたしの方が先に愛情が奥に届いたんです」
「そんなこと無いわよっ」
「ありますー」
 何だかよく分かりませんが、とても重要なことなのでしょう。
 真面目に張り合っている女性の間に入ると死ねるのは、何度も経験してますので静観しましょう。
1276/10:2007/01/30(火) 01:32:03 ID:cJYHbtWw
 しばらく眺めていると、口論は終了しました。
 引き分けの模様です。
「あー、ごめんなさい。誘ったのに、無視して話しちゃって」
「いえ、結構ですよ、おとうさんとおかあさんを二人きりにしてあげたいので、僕は時間潰し中ですので」
「へー、どんな二人なの?」
「おかあさんは美人です。ルイズおねえさんに負けません」
「まぁ」
 笑われてしまいました。お世辞ではないのですが。
「胸だって立派です。シエスタおねえさんより大きいです」
 ……どうして、二人そろって笑い転げるんでしょうか?
「「ティファニアを思い出すわねー」」
 あれ?
「おかあさん、ご存知なのですか?」
 そういった途端、二人とも凍り付いてしまいました。
 ……な、何かまずいことを言ったのでしょうか?
「……おとうさんの名前を言ってごらん?」
「サイト……です」

 おかーさん、おかーさん、まおーがでーたーよー

 ……なんでしょう?
 なんだか凄い迫力です。
「「で? 二人は今どこなのかな? かな??」」
 い、いけません、なんだか本当なことを言ってはいけない気がします。

 ……うん、ごめんなさい。おかあさん。
 僕は今から嘘を吐きます。

「あそこの森でデート中です」
「「あっちかーーーー」」

 えと……妊婦さんは安静に……
 というか、通行人の人たちを跳ね飛ばしたらご迷惑ですよー。

 ……行ってしまいました。

 あ……困りました。
「お客様」
 ……ですよね。
「えと……おいくらでしょうか?」

 ……良いんです、僕はもう子供じゃありません。
 女の人とお茶したら、男が出すべきなのです……

 ……ごめんなさい、おとうさん。使います……
 あと、なんだか色々ごめんなさい。面倒なことになったかもしれません。
 いろいろ心でお詫びしながら、泣く泣くお小遣いを使う羽目になってしまいました。
1287/10:2007/01/30(火) 01:32:34 ID:cJYHbtWw
「おとうさんに知らせに行くべきでしょうか? まだ二人きりにしておくべきでしょうか?」
 とぅびー おあ のっと とぅびー です。
「困りました」
 街に来てから困りっぱなしです。

 村の人たちが都会は怖いといっていたのは、こういう事なのですね。
 考えながら道をとぼとぼ歩いていると、壁にぶつかりました。

 あれ? 道の真ん中で壁ですか?

「あ、すまない。大丈夫か?」
「あ、平気です。すいませんでした」
 壁だと思ったのは大きな人でした。
 慌てて立ち上がって、ぴょこんとお辞儀をします。
「失礼しました、騎士様」
 そうです、近衛の立派な制服を纏われてます。
 横に大きい騎士様と、妙にキラキラした騎士様でした。
「おや……君は僕の親友にそっくりだね」
 キラキラした騎士様が、ひょいっと僕を抱き上げました。
 細く見えるのに力持ちなのでしょうか。
「見てください、へ、……あー失礼、アン様」
 フードで顔を隠した女の人の前に連れて行かれました。
 わぁ! びっくりです。
 この人もおかあさん並です。
 おかあさんは世界一美人だと思うので、
 街って凄いです。世界一の美人が沢山です。
「あら……本当……わたくしもこんな子供が欲しいですね」
 ころころ笑うおねえさんを、二人の騎士様がギョッとした顔で見つめています。
「貴方、お名前は?」
 あれ?またこのパターンなのでしょうか?
「まだ有りません」

 説明が終わった時、僕はもう二度と街に来ないことを心に誓いました。
1298/10:2007/01/30(火) 01:33:09 ID:cJYHbtWw
 腕の中でテファが眠っている。
「いてててて」
 もう歳だろうか? あちこちが痛い……てーか。
「やりすぎたなぁ」
 部屋の中は、俺の匂いが立ち込めている。
 アルビオンからの旅で相当疲れていた筈なのに、俺が求めれば求めるだけテファは答えてくれた。
「さーて、どうするかな」
 ルイズとシエスタは怖いが……テファもあの子も手放す気は無かった。
 両方可愛すぎるっ!!

 記憶が消されているらしいが、テファの身体を俺は確かに知っていた。
 何度も思い描いた夢の身体。
 記憶は消えても、身体はしっかりと覚えていたようだ……しかも……
「エルフって……老化しないのか?」
 そう、むっちゃ若い。同じ位の歳のはずだけど、年下の愛人ができた気分だった。
 もうこれは手放せません。
「さーて、どう誤魔化すかな……」
 ルイズはともかく、シエスタは鋭いからなぁ……
「なにを誤魔化すんだ?」
 ぞわっと、総毛立つ。やっば、こんな所見られたらっっ
「って……ギーシュかよ」
「かよとは、ご挨拶だね、サイト……しかし……いい趣味だ」
 眠るテファを覗き込みながら、続けた。
「エルフとはねぇ……たまにはって事か?」
 馬鹿にするような響きを感じて、数年来の親友と言えども黙っては居られない。
「エルフだと悪いのか?」
「いやっ、違うぞっ! サイト」
 俺の本気を感じ取ったギーシュが距離を取る。
「聞けっ、サイト!!」
「いーや、聞かないね、ギーシュ、テファは今まで抱いた中で最高の女だ! 馬鹿にするのならっ」
 睨みながらの俺の言葉に、ギーシュはその場で頭を抱えた。
「……バカヤロウ」
 は?
 静々と、もう一人部屋に入ってくる人が居た。
「……最高……ですか?」
 ……へ?
「へいかぁぁぁぁぁぁ」
 や、ヤバいっ、ギーシュは気を使ってくれてたんだ……
 あそこは姫さまに気に入られるように、ギーシュに乗っとけばよかったんだぁぁぁ
「すうすう」
 テファは熟睡してるし。
「最高……なんですねぇ」
1309/10:2007/01/30(火) 01:34:08 ID:cJYHbtWw
 ガクブルしながら、アンの……陛下の言葉を待つ。
「……わたくしと比べても最高なんですものね……なにしろ、最も高いんですものね?」
 こ、こわっ……だらだらと冷や汗が……よし!
「いやいや、姫さまには適いませんよ、高貴な女性の頂点、女王さまバンザーイ。
 高貴な女性サイコー!!」
 あれ? ギーシュが何か慌ててる。
 ほうほう、人文字か。
『お』『ろ』『か』『も』『の』
 何のことだ?」
「そうですかー凄いですねー、わたしみたいな街娘では太刀打ちできませんねー」
 ……シエスタ?
 カツーン、カツーンとまた一人部屋に踏み込んでくる。

 ……あぁ……死んだなぁ……
 いやっ、まだだっ、まだ終わらんよっ!!
「おっぱいっ、おっぱい、最高。アンやシエスタサイズがさいっこー」
 ……あれ?
 ギーシュが、縄を輪にして……天井からぶら下げている。
 ……マ サ カ 
「……そ、よーく分かったわ、サイト。あなたの事がね」
 ……ルイズ……

 愛しい三人の女性がにこやかに俺の側に立つ……
 こ、こえぇぇぇよぉ。

 凍りつく空気を無視して、もう一人の親友がのそのそ部屋に入って来た。
 睨み付ける三人も、すがる様な俺の目も無視して、ベットサイドまで歩み寄る。

 全員の注目の集まる中、いきなり布団を捲ったマリコルヌが絶叫した。
「乳 革 命 キタ―――――」
「って、てめぇぇぇぇ、見るんじゃねぇぇぇ、こりゃ俺のだぁぁぁ」

 ニヤリと笑うマリコルヌ。
 げ。
 前後のことも考えずに入れた突っ込みに、三人とも反応した。
 テファは俺のもの宣言に……
「「「しんじゃえ♪」」」
 容赦の無い攻撃が雨のように降り続いた。
13110/10:2007/01/30(火) 01:37:06 ID:cJYHbtWw
 サイトがタルブに来てくれるらしい。
 それは嬉しいけど……
「どうして、そんなにぼろぼろなの?」
 朝起きたら、サイトが死に掛けてた。
「ど、どうしても……」
 ほとぼりがーほとぼりがー、って唸ってる。
 何だかよく分からないけれど……嬉しいな。
 これからはたまに来てくれるのかな? サイトが居てくれると嬉しいから……
 うん、決めた。また来てくれる気に成る様に。
「ねぇ、サイト。うーんと優しくしてあげるね」


 し、死ぬかと……いや、ルーンが消えてもおかしくなかった。
 テファも居るし、タルブにしばらく避難する事にした。
 ……しかし……身体中怪我だらけで……テファといちゃいちゃ出来ないのが辛い。
 身体が治ったら……げへへへへ寝かさないぜぇテファ。
 そんな俺の心が通じたのか、テファがそっと耳元で囁いてくれる。
「うーんと優しくしてあげるね」
 マ、マジっすか……
 よ、夜が楽しみだ。


 おとーさんの怪我は僕のせいなのでしょうか?
 なんだかそんな気がして仕方ありません。
 素直にごめんなさいと言いたいのですが……
 言いにくいです。


「おとーさん」
 今はまだ名前の無い少年が、サイトに話しかける。
「僕はもうすぐ6歳です、今までのお誕生日プレゼントを下さい」
 虚を付かれた様子のサイトだったが、我って頷いた。まだまだ子供だなと。
「1歳の誕生日プレゼントに名前を下さい」
 彼がずっと欲しかったもの。
「2歳の誕生日プレゼントは妹が良いです」
 サイトとテファが二人そろって真っ赤に成った。
「3歳の誕生日プレゼントには約束を……おかあさんを泣かさないで下さい」
 サイトが頷くまで、彼は先を続けようとしなかった。
「4歳の誕生日プレゼントは弟が良いです」
 順番はわかんねーぞ、サイトの返事にテファが笑い出す。
「……5歳の誕生日プレゼントはっ……今から言うことを聞いても怒らないでくださいっ」

 しばらくして、三人の笑いがどこまでも響いていった。
132名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 01:43:20 ID:cJYHbtWw
こんな感じでしょうか?

続きなんか書かせるんじゃなかったぁぁぁと、しばらく思ってくれたら成功かな?
局地的に不幸な人が居ますが……でもないか。テファが居れば何もいらん気がするし。
オリキャラを元気に動かしてみたり……極力避けますが。ごめんなさい。

次はパロディ気味で……エロは無いかもしれません。
黒くてエロいのと、ジョーク系ってどっちがよいのでしょうかね?

ではっ
133名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:03:28 ID:bfrBYf59
テファが住んでるのはウエストウッド村ですよー
タルブはシエスタの故郷です
134名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:03:54 ID:Jza6eQPw
起きてた甲斐があった。GJ!
残念ながら、続きを書いてもらって良かったです。
もくろみは失敗ですねw

個人的な意見だけど、黒いのはイヤなので、ジョーク系の方をキボン
135名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:06:31 ID:I1p4sRq+
三本柱見参!
GJ!
ニヤニヤが止まらないぜw
136名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:08:24 ID:cJYHbtWw
>>133さん  ぎゃあぁぁぁぁぁl
……勢いだけで書いたから……反省……保管する時補正します……

>>134さん いや、2レス目位まででテファが死んだと勘違いしてくれないかなーと

なんにしても、恥ずかしくて死にそうです……
137名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:47:27 ID:ZNKfHy8o
続き読めたことに満足して死んじゃいそうです!!GJ!!
138名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:53:40 ID:qpBnRPCZ
>>136
貴様ァ、本当は別の誰かを思い浮かべながらエロ書いてたなあ?



かな〜り気に入った〜!
G!J!
139名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:59:01 ID:J4bjiTAJ
>>132
テファが死んだと引っかかった人がココニイルヨ
続きは書いて良かったと思うよ。こっちのがハッピーエンドだしさ。
5歳の誕生日プレゼントはなんだろ?

マリコルヌ・・・いいキャラしてるわ

261さん我々読者の無理な要望に応えていただきありがとうございます。

140名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 03:28:23 ID:T7tvJAYR
GJ!
楽しませて貰いました!
141名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 03:31:13 ID:OpnHegKR
>>132
GJ!!!
続いてくれてよかった!!!

あーなんかシアワセだ。そんな気分のまま寝れて漏れもとてもシアワセです。書いてくれてありがとう。
142名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 13:15:08 ID:0jg5Nae4
>>132
続きホントにキタ━━!!!! GJ!
> 続きなんか書かせるんじゃなかったぁぁぁと、しばらく思ってくれたら
みじんも思わなかったんだぜw

> おかーさん、おかーさん、まおーがでーたーよー
盛大にフイタw 腹筋壊れるかとw
143名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 14:53:23 ID:nf4TauBH
うん、救いがあっていいね。
てっきりバットエンドかと思ってた。
GJだぜ先輩
144名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 16:51:56 ID:GqLZUNZh
本編で最近理性が緩みがちなことにこんな伏線がw
そしてワルドwwwwww

タバサには手を出してなかったんだな、サイト。
145名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 19:17:56 ID:58O2J25W
>>132GJ!
続きをありがとうございます。
やっぱりサイトには可哀相なオチが似合う
146名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 20:55:54 ID:TVdPrJh3
>>144
>>姫さまとだって続いてるし、数ヶ月に一度外交名目でガリアに出かけるが、 仕事なんかしたことねーし。

怪しくないか?
147名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 21:23:49 ID:o5r2FIXP
>>146
そこでイザベラ書いてる自分の出番?
なんて言えるほど質量が伴わない……ちょっとで10レス分も書き上げられる
方々はほんと凄いと痛感しましたよ。
148名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 22:32:25 ID:nf4TauBH
イザベラ期待保守
149せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:34:31 ID:gFOI0xw6
俺もテファ書いたー。
電波ソングに乗って書いたー。

♪イージャンイージャンヽ(゚∀゚)ノシスゲージャン♪
ttp://www.nicovideo.jp/watch?v=utX-uBVTLbwaw

というわけでテファφなる、いきますっ!
150危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:35:30 ID:gFOI0xw6
「じゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい」

ティファニアを森の入り口で見送り、才人は手を振った。
ティファニアは、森に果物を採りに出かけた。
才人は村で、薪を割る事になっている。

「なんか逆だよねー」

才人の横で同じく居残り組の、タニアがつまらなさそうにそう言った。
タニアは子供達の中で一番のお姉さんで、よくティファニアの手伝いをしている。
それでもまだ十代前半で、才人と並ぶと兄妹のように見える。

「何が?」

タニアの言葉に、才人が疑問をぶつける。

「見送る側と送られる側。普通夫が出て稼ぎにいくもんだよねー」

才人は何マセたこと言ってんだコイツ、とか重いながら、タニアのブルネットの髪をくしゃくしゃとかき回す。

「何言ってんだ。こっちもやること沢山あるだろ?じゃ、俺薪割りに行って来るから、タニアもさっさと自分のやる事やれよ?」

言って才人はタニアを置いて、薪を割るために蔵のほうに行ってしまった。

「…テファお姉ちゃんも大変だねえ…」

呆れたようにため息をついて、タニアは歩き出した。

「あんな鈍感が相手だと」


さあ!今日はちゃっちゃと仕事を片付けちゃいますよ?
俺は目の前の切り株に最初の薪を置いて、鉈を振るった。
すこーん、と小気味いい音をたてて、薪は真っ二つに割れる。
これをあと一回すれば、使える薪の出来上がり。
それを直ぐ近くの薪を入れる柵の中に一杯作れば、今日の仕事は終わり。

「おー相棒、頑張ってんねー」

近くに立てかけたデルフが、呑気にそう語りかけてくる。
そう、今日は頑張らねばならぬのだ。
なんとしても午前中に仕事を終えて、テファの仕事を手伝いに行く!
ていうかむしろ。
テ フ ァ を 襲 い に 行 き ま す。
昼間っからこんなこと考えてる俺マジケダモノ。

「相棒、涎涎」

おおっとイカンイカン。
そう、俺達は最初の一回以外、昼間にシタことはない。
さらに、野外でのプレイもあれ以来ない。
正直、普通のプレイも飽きてきたし。
俺が新たな刺激を求めて、何の問題があろうか!
自然に、薪を割るスピードが上がっていく。

「待ってろよテファぁぁぁぁぁ、今日こそはお外でむにゅってやるからなぁぁぁぁぁぁ」
「相棒、声声」
151危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:36:03 ID:gFOI0xw6
今日の目標は桃りんご。
そろそろ南の森にいいのが生るころだし、サイトも桃りんごのパイおいしいって言ってくれたし。
それに、桃りんごの皮は陰日で干せばお料理の隠し味にも使える。
日持ちしないのが欠点だけど、いろいろ使い道のある桃りんごは森の中で暮らす私達にはありがたい収穫物だ。
えーっと、確かこのへんに…。
南の森に着いた私は、桃りんごの群生地を探す。
その私の目に、すこし遠くなった、村の近くにある絶壁が目に入る。
頬が熱くなるのが分かった。
…お、思い出しちゃった…。
サイトと初めてシタ時のこと。
崖のそばでレッサードラゴンに遭遇して、身を隠すために崖の割れ目に隠れて。
サイトと密着して…えっちな気分になって…。そのまま…。
はっと気づくと、意味もなく近くの下生えの葉っぱをむしっていた。
な、何考えてんのよ私ってば!
さ、桃りんご探さなきゃ桃りんご!
で、でもキモチよかったなぁ…また外でシテみたいな。
…あったかくなったら、サイトにお願いしてみようかな…。
…ってまた!ダメじゃない私!早く帰って夕ご飯の支度もしなきゃいけないのに。
私はようやく見つけた、桃りんごの群生地に向かって小走りで駆けていった。


「こいつで、終わりだぁ!」

振りかぶった鉈を一閃、最後の薪は見事に真っ二つになった。

「おー、おめでとー。ぱちぱち」

手がないので擬音で拍手を表現するデルフリンガー。
時間は昼を少し過ぎた辺り。才人は全ての薪を割り終わった。
才人は額に浮いた汗の玉をぬぐうと、最後の薪を柵の中に放り込んだ。
そして、デルフリンガーを手に取ると。

「行くぜデルフ…明日に向かって!」
「…仕事終わったばっかだってのに…元気だねぇ」

テファのいるであろう、南の森へ向かって駆け出した。

「おにーちゃん、ご飯忘れてるよ」

七万の軍を止めた男の突撃は、弁当を手にしたブルネットの少女によって止められた。
タニアは昼ごはんを詰めたバスケットを、目の前でブレーキをかけて止まった才人に突き出した。

「お姉ちゃんのぶんも入ってるから。ちゃんと届けてね?」

なんでこの娘俺がテファのとこに向かう気なの知ってんだ?
才人が疑問に思っていると。

「ほら、早く届けないとお姉ちゃんお腹すかせてるよ。早く行ったげて」

疑問を差し挟む余地もなく、タニアは才人を追い払うように手を振る。

「お、おう」

仕方なしに才人は弁当を手に走り出す。
すぐに才人の背中は見えなくなる。

「まったくもう、世話の焼ける保護者なんだから・・・」

呆れたように言って、タニアはジムたちの歓声の聞こえる我が家へと、戻っていった。
152危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:37:11 ID:gFOI0xw6
収穫がひと段落したので、手近な切り株の上でお弁当を広げる。
中には泥団子が数個と、小さな紙切れが入っていた。
な、なにこれ!?
まさかタニア、エマたちのおままごとのバスケットとお弁当のバスケット間違えたの?
…しょーがないなー、今日はお昼抜きかあ…。
私は仕方なくバスケットを閉じようとした。
でもなんとなく、そこに入っていた紙切れが気になって、畳まれたそれを開けて見る。

『チャンスあげたから、きちんと決めてよね、お姉ちゃん。 タニア』

タニアの字でそう書いてあった。
…チャンス?何の事?
私が疑問に思っていると。

「…−ぃ、テファー」

遠くから…サイトの声っ!?
私は慌てて声のしたほうを見る。

「おーい、テファー」

視線の先には、デルフさんを背負ったサイトが、私を探していた。
え?なんで?
私はフシギに思ったけど、すぐに大きな声でサイトを呼んだ。

「サイト、こっちー!」

大きく手を振ってそう呼ぶと、サイトはすぐに気づいてくれた。
…ま、まさか、チャンスって…!

すぐにテファは見つかった。
南の森に入ると、俺は大声でテファを呼ぶ。
十分もしないうちに、テファが大声で居場所を知らせてくれた。

「ど、どうしたの?サイト」

ん?なんで赤くなってんだテファ?
まあいいか、とりあえず用件を伝えよう。

「はいこれ、お弁当。タニアが届けてくれってさ」

俺は弁当の入ったバスケットをテファに手渡す。

「あ、ありがとう…」

やっぱり赤い顔のまま、テファはバスケットを受け取る。
…どうしたんだ一体?
俺は心配になって、テファのおでこに手を当てた。

「顔赤いぞ?熱でもあんの?」

熱はない。掌から伝わるテファの体温は、彼女が健康であることを教えてくれた。
でも。
テファは見る見るうちにその長い耳の先まで真っ赤になって、バスケットを抱えたまま一気にあとずさった。
153危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:38:41 ID:gFOI0xw6
「ななななななんでもないのっ!なんでもっ!」

そしてぎこちない動きでバスケットを抱えて近くの切り株の上に座ると、わざとらしい大声で言った。

「じゃ、じゃあ、お腹もすいたしお昼にしよっかなあ!」

ま、必死になんか隠してるのは分かったけどさ。
そういや俺もお昼まだなのよね。

「俺も一緒に食べていい?お昼まだなんだよ」

そう言って俺はテファの腰掛けた切り株に腰掛ける。
切り株はあんまり大きくないので、俺とテファのお尻は密着する。

「あ、あう…」

テファは何故か、バスケットを抱えたまま俯いてしまった。
…ほんとに、どうしたんだ一体?

あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう
私の頭の中は今『あ』と『う』で埋め尽くされていた。
ちゃ、チャンスって!チャンスって!
どうすればいいのかわかんないよーーーー!
なんかサイト密着してるし!さっきからなんか積極的だし!
私はバスケットを抱えたまま、混乱していた。
すると。
隣からサイトの手が伸びてきた。

「テファ、昼ごはん食べたいからそれ貸して?」

あ、あ、そっか。
私は慌ててサイトにバスケットを渡す。

「は、はい!」
「ありがと」

サイトはバスケットを受け取ると、フタを開けて、中からサンドイッチを取り出した。
あ、あれタニアと一緒に作った卵サンド…。
サイトはそれを一口かじると、私のほうを向いた。

「あ、そういえばテファもお昼まだだったよね?」

そして。
バスケットから一個サンドイッチを取り出すと…。
154危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:39:20 ID:gFOI0xw6
「ほらテファ。あーーん」
「え」

思わず固まる私。
え?え?あーんって?あーんって?

「ほらテファ、口開けて?」
「え、え、でも、それ」

それって私の役目じゃっ…!
でも、サイトは手を出して断る仕草をする私に言った。

「食べさせてくんなきゃ、お昼あげないよー?」

言って、バスケットを抱えていたずらっぽく笑う。
…もー、しょうがないなあ…。

「あ、あーん…」

私はおずおずと口を開ける…。
その中に、サイトがサンドイッチを入れてくれる。
結局、サイトは最後まで、私に自分でお昼を食べさせてくれなかった。

お昼を食べ終わると、少し落ち着いたのか、ティファニアは立ち上がって言った。

「それじゃ、そろそろ私収穫に戻るね。夕方までにこの籠いっぱい採らないと」

そう言って示した籠の中身は、まだ半分程度だった。
それを見た才人は、当然、

「俺も手伝うよ」

と、手伝いを買って出た。
え、才人も薪割があるんじゃ、というティファニアの疑問に、昼前にもう終わったよ、と才人は告げた。
それなら、と、ティファニアは才人に手伝ってもらうことにする。
二人でなら、日が傾き始める前に終わるだろう。

「じゃあ、こっち来て手伝って」

ティファニアは才人にそう指示して、収穫場所へ向かう。
桃りんごは、普通の果物とはちょっと違う採り方をする。
桃りんごは木の高い位置に生る。
それを採るには、高い梯子か魔法が必要なのだが、それを使わなくても採れる方法がある。
桃りんごの木を揺するのだ。
そうすれば、熟れているものだけが枝から外れて落ちてくる。
しかし、熟れているものの数が多いと、それだけ取りこぼしも多くなる。一人で収穫しているならなおさらだ。
地面に落ちたものでも潰れていなければ食する事はできるが、しかしそれは売り物にはならなかった。
だから、才人の手伝いは、ティファニアの収穫の効率を倍以上にしてくれた。
ティファニアは合図とともに木を揺すり、桃りんごを落とす。
合図を受けた才人が、空中から振ってくる桃りんごを素早くキャッチする。
その連携は思いのほかうまくいき、3本も木を揺する頃には、籠の中は桃りんごで一杯になった。
155危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:40:27 ID:gFOI0xw6
ありがとサイト、おかげですごく早く終わったよ」

ティファニアはそう言って、にっこり笑いかける。
しかしそんなティファニアに、才人は真剣な眼差しで彼女を見つめ返す。
え。
その眼差しに固まるティファニア。
才人はそんなティファニアに向かって言った。

「テファ、すごく上等な桃りんごが残ってる」
「え?どこ?」

ティファニアは慌てて振り返り、さっき収穫した木を見てみるが、その枝にぶらさがっているのは熟していない若い実だけで、どこにもそんなものはない。

「サイト、それ見間違いじゃあ」
「ううん、確かにここにある」

そう言い放って才人は。
背後から、両手でティファニアの両胸を思いっきり揉んだ。


「ちょっと、サイトっ」

テファが暴れると、俺の手の中で極上の桃りんごがぽよよんと揺れる。
げへへへへへへ。にーがさないぞぉー?
隙を見せるテファが悪いんだかんね?そんなわけで今日は。
青空の下でいたしてしまいます。
俗に言うア オ カ ン というヤツです。
俺は指の間で暴れる柔らかいおにくを、むにむにと揉む。
はーーーーーーーーーーー。いつ揉んでもやーーーーーらけーーーーーーー。

「あっ、やだっ」

声では嫌がってるけど、表情と腰つきが欲情してますよー?
俺が胸を揉むたびに、テファの表情はどんどんやらしくなり、腰をくねらせる。
感じちゃってマスネ?
俺はそんなテファを抱き寄せて体を密着させると、その耳元で囁いた。

「イヤなら、本気で振りほどけばいいじゃん」
「えっ…」

そして、俺はわざと腕の力を抜いて、今度は柔らかくテファの胸をいじめる。
テファは真っ赤な顔をして、俯いてしまう。
ありゃ。ご機嫌損ねたかなぁ?
んじゃご機嫌取りいってみましょうか?
俺は、前々からやってみたかったアレを実行する。
テファの長い耳の端を、軽く噛んだのだ。

「やぁっっ!」

テファは俺の腕の中で、切なげな声を漏らす。
おや。なかなか好感触。
今度は、その耳の襞の中を舌で舐めまわす。

「ふぁっ、ああんっ!」

その度にテファの顔がどんどんとろけて、俺の掌の中で、服の上からでも分かるほどテファの乳首が硬くなってきてるのがわかる。
なーーーるほど。
エルフは耳が弱いんデスネ?
156危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:41:52 ID:gFOI0xw6
「耳、感じるんだ?テファ」

俺はそうテファの耳元で囁く。

「だ、め、なの…耳、弱いのぉ…」

はぁはぁと荒い息をつきながら、テファはそう必死に訴えてくる。
ダメだなあテファー?自分から弱点さらしたら。
それを聞いた俺はもちろん、耳の中を舌で遠慮なく蹂躙した。

「やっ、だめぇっ、あんっ、ああんっ!」

なーにがダメなのかなあー?
俺は右手をテファの右胸に残し、左手を俺のほうに突き出されたテファのお尻に向かわせる。
そして。
薄い布の上から、テファを撫でた。

くちゅっ

「やぁんっ!」

ほーほー、この音はー。
俺は左手の指先で探る。
すると、人差し指の指先に湿った薄い布が絡んだ。
そしてそれを、人差し指に絡ませる。空気に晒されたテファの割れ目に、左の中指の先を沈ませる。

ぷちゅ…

湿った音をたてて、俺の中指はテファの中に飲み込まれた。

「濡れてるねテファ」
「やだぁ…ゆびぃ…入れちゃだめぇ…」

必死に俺の腕の中で懇願するテファ。
んー?それじゃあテファさん、こういうことですね?

「指じゃなきゃいいんだ?」
「えっ…」

俺は神速の抜刀術で抜き去った俺の逆刃刀を、テファのそこに突き立てた。
157危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:43:02 ID:gFOI0xw6
サイトが入ってきたっ…!
指ダメって言ったら…。
だ、ダメなのっ、だって今日はっ

ぐりゅ!

「やぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

サイトが一気に奥までっ…!
ヤだ、だめっ…キモチ…いいよぉっ…!
私の身体から力が抜ける。
それを察したのか、サイトは私を身体ごと回して、さっき収穫した桃りんごの木に私を押し付ける。
私は木にもたれかかる格好になる。
さ、サイトが止まってる間にっ…!

「だめ、サイト、だめぇっ」
「何がダメなのかなー?」

ぷちゅっ、ぐりゅっ!

「や、あああっ!」

だめって、言おうとしたら…っ!
サイトが、腰を使い始めたっ…。

ぐちゅっ、ぐちゅっ、ぐちゅっ!

「こんなに、テファは涎たらして感じてるのに?」

やっ、ちがっ、それぇっ、サイトがぁっ。

「ふぁんっ、やぁんっ、あぅっ」

喉が踊る。止められない。
キモチイイ電流が体中を暴れまわって、私を狂わせる。
でもっ…!

「だめっ、だめなのっ!」

必死にそれだけ言い放つ。
でもそれが精一杯。

「俺からするのがダメだって?」

こりこりっ。

「ふやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

だめっ、みみかんじゃだめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
私はその刺激に、問答無用で逝ってしまった。

「くっ…!」

あ…まだ…サイト…あつい…かたいよ…。

「逝っちゃうほど感じてるのに、なんでダメなのかなあ?」

や…ダメ…。
うごいちゃダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
サイトは、私が逝ったのを確認すると、また腰を使い始めた。
158危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:45:00 ID:gFOI0xw6
「ああっ、あんっ、あんっ、あんっ!」

もうだめ。
私の理性は、もう完全に溶けてしまった。
もう、サイトを貪る事しか、考えられない。
シテ。もっとシテ。
私は無意識に、サイトの動きに合わせて腰をくねらせ始めていた。

「ああんっ、あんっ、いいっ!」
「くっ…テファっ…!」

サイトの腰がだんだん早くなる。
あ…くる…サイトが…くるんだ…。
そこまで考えて。私は思い出した。

「だめっ、サイトっ、中はダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

私がそう叫ぶと同時に。

どくどくどくどくどくっ!

サイトが…中で…弾けた…。

中で精を放たれたティファニアは、ぐったりと、目の前の木にもたれていた。
そのティファニアから、才人は力を失った己自身を引き抜く。
才人とティファニアの間に、才人が中で果てた証である粘液の糸が伝う。

「ダメって…言ったのに…」

荒い息で、ティファニアはそう呟く。
その声には、軽い嗚咽が混じっていた。

「…ご、ごめん…」

その嗚咽に、急に自分が酷い事をしたのではないかと思い、才人は木の根元にぐったりと身を預けるティファニアに謝る。
しかしティファニアは許さなかった。

「今日は…危ない日なんだよ…?」
「…え?」

才人は一瞬ティファニアの言っている事が理解できなかった。
が、しかし、次の瞬間、その意味を即座に理解した。

「…そ、そうだったのか…」

そして少しの間考え込むと。
159危ない桃りんご ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:45:30 ID:gFOI0xw6
「責任は取るよ」

真剣な眼差しでそう言った。
今度は、ティファニアが才人の言葉を理解するために数秒を要した。

「子供が出来たら…二人で育てよう」

そう言って木の根元に座り込むティファニアに手を差し伸べる。
その言葉に、ティファニアは目尻に涙を浮かべた。

「いいの?私で…いいの…?」

差し伸べられた才人の手を握り返す事が、肯定を示す手段だったが、ティファニアはまだ躊躇していた。
才人の中にはあの人がいる。アルビオンの七万を相手にしても守りたい、あの人が。
しかし才人は、そんなティファニアの手をしっかりと握り締めた。

「テファがいいんだ」

ティファニアが望んでいた言葉と共に。

「サイト……っ!」

声にならない嗚咽を上げ、ティファニアは愛しい人を抱きしめ…そして泣いたのだった。




「で、私の縁結びの話はオシマイ。
 ほんとにもう、煮え切らないカップルだったわよもう。私の後押しがなかったら今も恋人続けてたんじゃない?たぶん。
 その後どうなった、って?
 いやもうそれが笑える話でね。お兄ちゃん探しに来た元ご主人様とメイドと取り合いになって、結局全員…。
 あーこら!そこ!お母さんから言われてるでしょつまみ食いすんなってー!
 あ、ごめんごめん。どこまで話したっけ。
 ああそうそう、結局全員この村にいついちゃってさ。
 元居た子供達と同じくらい、4人で子供作っちゃって。
 …そうそう、今の子が長男。彼を筆頭に1ダース近くいるのよ。あ、今度シエスタさんが生むからちょうど1ダースかしら?
 ほんっと、どーしょーもない種馬よね、お兄ちゃんってば。
 ああそうアナタ、ロサイスいくんならいいお婿さん探してきてくんない?
 ウエストウッドのタニア、いま絶賛お婿さん募集中。
 顔は文句言わないから、節操なしじゃなくて、誠実で、お金稼げて、なるべくならロサイスに家持ってるお婿さん!
 こらー!つまみ食いすんなって何度言わせれば気が済むのよもー!
 とにかく、私ここで子守りで婚期逃すのイヤなんだってば!ホントにお願いね?
 ちゃんと一宿一飯の恩義は返しなさいよ!
 え…?俺じゃだめか、って…?


 じゃあ、聞くけど。アナタ年収はいくら?」   〜fin
160せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/01/30(火) 22:48:29 ID:gFOI0xw6
261氏に触発されて終わらせてみた(何
♪イージャンイージャンヽ(゚∀゚)ノシスゲージャン♪
ここでタニアの誕生秘話など(何
♪イージャンイージャンヽ(゚∀゚)ノシスゲージャン♪
ティファニアの打ち間違いでできたキャラだったりします(ぁ
♪イージャンイージャンヽ(゚∀゚)ノシスゲージャン♪

ああ電波。ナイス電波ソング。今お兄さんの頭の中は電王で一杯です(何
♪イージャンイージャンヽ(゚∀゚)ノシスゲージャン♪
それでは明日早番なので寝まするノシ
161名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 23:01:09 ID:nf4TauBH
うはwなんだこのオチはww
あいかわらずへんたいさんだなもう
超GJ!
162名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 00:08:03 ID:o1mGwnWM
変態山GJ!
タニアはまかせとけw
163名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 00:30:30 ID:T5uo+QQN
>>160
へんたいさんGJ!! (もはや修正しないw
「神速の抜刀術で抜き去った俺の逆刃刀」フイタw 腹筋壊す気かwww

>>162
またまたご冗談を。 タニアは俺(ry
164名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 00:36:55 ID:T6O6MhXv
ワッフルワッフルwwww
へんたいさんGJ!
165名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 00:47:32 ID:66frRDiy
みんなのキーボードの
「s」と「h」をミスタイプしてるだけなんだよ。
へんたいさん!
166名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 04:04:44 ID:isPTpBDU
ちがうよ。
へんたいさんが「h」と「s」をミスタイプしてるんだよ。
へんたいさんGJ!
167名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 09:05:22 ID:STgjwTUE
770 名前:七人の小人計画[sage] 投稿日:2007/01/30(火) 21:30:15 ID:a3mdCpNB
みんな次スレに移動したようなので、ちょっと内緒話を。
保管庫のSSの誤字、脱字、細かい文章作法を俺たちが職人の方々に内緒で修正したらだめかな?
「タルブの村」→「ウエストウッドの村」
「・・・・・・」→「……」
他にも文章の始まりを一マスあけてあげたり、みたいな感じで。
一人では無理でもスレ住人が集まって、発見係、修正職人といった感じで役割を分担して神職人の作品をスレ住人が完璧な作品に仕上げるのはどうだろうか?

輪島塗みたいにたくさんの職人がひとつの作品に魂を込めて、出来上がってみたら神に近づいていた、なんてことやってみたい。
文章作法に明るい先輩方の意見を聞きたいです。

-----------------------------------------------------------------------------
不要だし失礼だろ
168名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 10:01:43 ID:t2q1uBeK
169名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 10:13:40 ID:m0Wlu1o6
頭の空白なんか横書きじゃあまりないしな。
第一文章は作者のものだからね、勝手にいじったらいかんですよ。
まあ明らかに誤字だと分かるミスはもったいないから直したくなるけどね。
170名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 12:26:22 ID:vqFpEs+A
>>167 意見を聞きたいとか言いつつ、自分で埋めた770がらぶりー♪
171名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 14:30:06 ID:xlLM8wfZ
誰かが日本語を勉強してサイトと逢引ってどうかな
ルイズにバレたらサイトが合い挽きにされそうだな…
172名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 14:53:47 ID:4J2+bP1x
諸事情でこの板の五年前からのログをあさってみたが、当時はむしろ文句つけるのが推奨されてたな
そもそも職人自身がそれを求めてた
173名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 15:11:32 ID:KvhInaDz
>>172
o2onかい?
だとしたらdat放流は任せた!
174名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 15:15:33 ID:CvnTAtos
>>むしろ文句つけるのが推奨されてた

このあたりを読んでジェネレーションギャップを感じずにはいられないのは俺だけか
175名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 17:22:18 ID:g0NKZ3M3
>>174 いや、批評自体は、今の職人もウェルカムかと
(何スレか前で、言ってた)

五年前の文句ってのの向きがわからないけど、文書作法が〜
とは別かもしれんし。
職人の求める物は変わってないんじゃないか?
176172:2007/01/31(水) 18:15:34 ID:zMlxFDum
すまん、この場合の文句ってのは重箱の隅をつつくような細かい指摘のことな。
結構キツいこと言ってたわ。今なら職人のモチベーションに配慮して、さすがに遠慮するような内容
177名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 11:05:01 ID:2W/an5cW
きっと弟はツンデレなんだ。
性的な意味で。
178 ◆jjbv6h9Bpg :2007/02/01(木) 23:01:02 ID:96VR1fSq
ども、前スレの770です。
雑談スレの職人さん達の反応はよかったみたいだけど、このスレの住人の反応はいまいちだったみたいで……
いや〜、なんというか、すまなかった、ごめん。
文才と根気はないけど、職人さん達になにか手伝えことはないかなと思っている気持ちだけでもわかってもらえたら嬉しいです。
誤字、脱字の修正を望んでいる職人さんもちらほらいるみたいですし、了解のとれた職人さんのssから修正してもいいのかな? と思ってマス。
雑談スレで誤字、脱字の情報を出し合って、修正職人さんが直していく形がいいかな〜とか。
多分、一人では不可能だと思うので、修正職人さんも情報屋さんもたくさんいたらいいな〜と思ってます。


あ、『七人の小人計画』っていうプロジェクト名はダサいと思っているので変えようと思ってます。

『か、勘違いしないでよね、あ、あんたの為に繕ったんじゃないから計画』
『サイトさん、ボロボロの服、繕っちゃいますから今ここで脱いでください。全部。計画』
『一時の安らぎさえ恋しい、女王としての命令です。あなたの……でわたくしのココロとカラダを繕ってくださいまし計画』
『桃りんごを拾っていたら服のとめ金がどこかに飛んでしまったの、サイト、ふ、服……抑えてて計画』
『お兄ちゃんが乱暴にするから……お兄ちゃん……キスのしかたと服の繕い方、教えて計画』

やっぱりプロジェクト名は重要だよね(あry
とにかく、雑談スレで修正職人さん達を大募集したいなと。
そんなわけです。
職人さんも修正して欲しい所とかして欲しくない所とか言ってもらえたら助かります。

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7927/1162204142/
179名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:27:43 ID:7qkY9lok
修正を望んでるなら職人さんが自分で直せばいいんじゃないのか?
許可貰っていても他人が修正ってのはいい気分じゃないだろ
なにより荒れる可能性もあるし
180名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:37:27 ID:CTPNp8X8
誤字だと思って訂正したら実は意図的に変えてあったとか
あるかもしれないしな
181名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:48:05 ID:J/QMWllV
気持ちはわかるけど荒れたりしたらいけないからやめておいたほうがいいんじゃないかな?
職人さんの中には一々修正の是非を問われるのは嫌な人もいるかもしれないし。
それで書き込みが減ったら元も子もないからさ。

ただ>>123の[タルブ]⇒[ウエストウッド村]
みたいな《間違い》だけ修正して《誤字・脱字》は各自で脳内変換していったら問題ないでしょ
前後の文で判断できないものはないだろうしさ
182名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:53:40 ID:eel3/tNu
>>179-181
了解の取れた職人さん、って書いてあるのに……
183284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/01(木) 23:59:59 ID:cjJj3tvh
はぁ・・・はぁ・・・ま、間に合った・・・ぜ・・・
う、受け取ってくれ・・・節分ネタ、パート2を
それじゃあ、いくぞぉ・・・・ぐはっ
184鬼は外 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/02(金) 00:01:30 ID:k4L6ycSp
 シエスタは才人のビンビンのマグナムに跨ると、削り上げるように自分のそこを擦り付ける。
「ッサイトさんのっ・・・すごい熱っ・・・」
擦り付けるごとにシエスタは除々に湿り気を帯びていき、数分もしないうちに怒張はシエスタのそれでべとべとになっていた。
「シエスタッ・・・すごっ・・・気持ちいい」
「私もっ・・・サイトさんので削られてっ頭・・・変になりそうですっ」
二人はより大きい快感を貪るために前後のストロークを合わせていく。
片方が下がるともう一人も腰を引き、すぐに互いに腰を打ちつける・・・といった様に。

互いに限界まで下がり、才人の傘がシエスタの豆をはじくたびに
シエスタの腰が電気を当てられたように跳ね上がる。
「やぁあ・・・サイトさっ・・・だめぇ・・・お豆ぇ・・・とれっとれちゃうぅぅ!!」
「シエスタ・・・こっちも・・・すごいことになってるっ」
才人が目の前のつんと張った先端を咥えると、空いている方を手で摘み上げながら思いっきり吸い上げた。
「やああぁぁぁっっ・・・も、らめぇっお豆っお豆ぇ・・・気持ちいいのおおぉぉぉっ!」
上下の尖りを同時に擦り上げられて、シエスタは才人に身体を押し付けるようにのけぞって限界に達した。

シエスタが数回大きく痙攣して才人に力なくしだれかかると、才人は跨ったままのシエスタをしっかりと抱きしめた。
「まだ鬼退治は終わってないよ?」
そう囁くとシエスタを軽く浮く位に持ち上げて、いつもより数倍凶暴になった相棒を
一気にシエスタのまだひくついている裂け目に突き刺した。
185鬼は外 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/02(金) 00:02:37 ID:cjJj3tvh

鬼畜スイッチオーーーーーーーン!!

才人は薄く見た方が軽く引くぐらいの笑みを顔に貼り付けて容赦なく腰を突き上げていく。
「ふやぁぁっだめっサイトさっ・・・まだ少しイっててっ・・・っやぁぁあんっ」
「うわっシエスタ、中すっごい熱いよ」
シエスタの腰を押さえて一番深い場所をノックしていくと当たるたびにシエスタは腰をのけぞらせて喉の奥を鳴かせていく。
「んっやあっだめえっ!・・・いつもより大きくてぇ・・・またっ」
「ちょっとゴメンね」
才人は跨らせていたシエスタを一度引き抜くと、自分の腰よりも少し高い木箱に座って
もう一度シエスタを深く沈みこませた。 手を離して床に落とすように。
シエスタは足がギリギリ届かずに、サイトだけで支えられている格好になる。
「え?・・・・・・いっあっやっ・・・はっぁぁぁぁぁぁぁぁんんっ」
普通では当たらないようなところまで突き刺さったものにシエスタは体中に電流を走らせた。

才人は奥まで入り込んだのをのを確認すると、激しく腰を突き上げ始める。
「やぁぁサイトさんのがぁ・・・奥までぇっ! すっごいきもちいいのぉぉぉぉ!!」
「シエスタッすっごい締め付けてくるっ」
「も、もうらめぇぇ・・・頭の中おかしくなっちゃうぅぅ!!」
味わうように絡みつく内壁のなかで怒張がひときわ大きくなる。

それを合図とするように二人の動きがより早くなっていく。
「ふあぁぁっサイトさぁん・・・わたしっ・・・もうっ!!」
「俺もっ・・・シ、シエスタッ」
「サイトっサイトさんのっ!!サイトさんの中にいっぱいきてぇぇえ!!」
シエスタがひときわ才人を締め付けて限界にひっぱりあげた。
「うあっだめだっ・・・出すよっシエスタッ」
「も、いっちゃ・・・いっちゃうぅぅぅぅぅぅぅ!!」
才人がたまりきった欲望をシエスタの最奥に注ぎ込んでいくと、後を追うようにシエスタも絶頂に引っ張り上げられていった。
186鬼は外 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/02(金) 00:04:11 ID:k4L6ycSp

・・・あは、サイトさんの・・・いっぱいでてるぅ・・・

シエスタはおなかの中を満たすものを感じながら、ゆっくりと意識を閉じていく。
繋がっている隙間から入りきらなかった白い迸りがこぼれ、床に水溜りを作っていった。

「セツブンってとっても楽しいですねっサイトさんっ」
「あ、ああ・・・そうだね」
二人は広場のベンチに寄り添って座っていた。
日もある程度のぼり、ポカポカとした陽気が広場を包んでいく。
「サイトさん・・・いつもよりすごかったですね!」
えへへ、と顔を赤らめながらシエスタは才人の腕に巻きついてくる
シエスタの中の節分の認識は明らかに間違っている
「まぁ、戻ってよかったよ」
あの後なかなか収まらずに、二人がパイルダーオンした回数は二桁を越えていた。

・・・・・・ナイスファイト
シエスタの顔色がいつもよりつやつやしているのは気のせいだと思いたい。

「ま、たまにはこういうのも・・・・・・・」
「へぇ〜人が探しまわってる間にずいぶんとお楽しみだったようねぇ・・・犬?」
ゆったりとしていた空気が一瞬にして凍りついた。
ギギギ、と音がしそうなほどぎこちなく首を回すとそこには・・・
「ご、ご主人さま?その手の中のものはいったい?」
「これ?もういちど犬の調教が必要だと思ってね」
腕を振り下ろして素振りをするたびに空気が切り裂かれる音が響いてくる。

・・・お、鬼だ・・・鬼がいる・・・
「・・・シ、シエスタ・・・豆って・・・」
「やだなぁサイトさん・・・あるわけないじゃないですか」
だよねぇ、と乾いた笑い声が数秒響いた後、才人の肩に手が置かれた。
「覚悟はいい?い・ぬ?」
「いや待てこれにはワケが・・・」
「 問 答 無 用 」
「すいません申しませんごめんなさいもうしないから助け・・・・・・・・」

(電波が遮断されました、受信を終了します)
                     ・・・・・・どっとはらい?
187284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/02(金) 00:08:29 ID:k4L6ycSp
節分関係無いですね・・・

あと、明らかに空気呼んでません。ということで首つってきます。
あ、自分は明らかな間違いは修正してくださるとありがたいかなぁと。
文章構成の決まりごとはあまり詳しくないので・・・・

も、もうだめだ・・・お邪魔、しまし…た・・・
(返事がないただの屍のようだ)
188名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:24:49 ID:A+7H5rlF
>770 名前:七人の小人計画 投稿日:2007/01/30(火) 21:30:15 ID:a3mdCpNB
>みんな次スレに移動したようなので、ちょっと内緒話を。
>保管庫のSSの誤字、脱字、細かい文章作法を俺たちが職人の方々に内緒で修正したらだめかな?
>「タルブの村」→「ウエストウッドの村」
>「・・・・・・」→「……」
>他にも文章の始まりを一マスあけてあげたり、みたいな感じで。
>一人では無理でもスレ住人が集まって、発見係、修正職人といった感じで役割を分担して神職人の作品をスレ住人が完璧な作品に仕上げるのはどうだろうか?

>輪島塗みたいにたくさんの職人がひとつの作品に魂を込めて、出来上がってみたら神に近づいていた、なんてことやってみたい。
>文章作法に明るい先輩方の意見を聞きたいです。

で。「意見」なんだが、職人に失礼とかいうそれ以前の問題として、そこまでするほどのことじゃない。
改行を変えたり、一文字空けて段落を区切り、三点リーダーを使い、間違いを修正する。つまり校正程度のことなわけだ。
たかがそれだけの作業に「一人では無理でもスレ住人が集まって、発見係、修正職人といった感じで役割を分担して」って、
そこまでする必要性が全く感じられない。一人で十分だが、誰もしてないのはその必要がないから。その程度の間違いなんて脳内で修正して読める。

で、>輪島塗みたいにたくさんの職人がひとつの作品に魂を込めて、出来上がってみたら神に近づいていた、なんてことやってみたい。

この程度の脳内で修正できる文章の間違いや、日本語の書き方を正しいものにしたくらいで神作じゃないものが神作になることはまずない。
脳内で修正できる程度の校正なんぞよりも内容がよほど問題なわけで。
表現や構成がまずく、そこを直せば神作になるものがあったとしても、そこの部分を変えたら、もうそれは、その作者の作品じゃなくなる。

結論として反対だってこと。長文だが、770が気持ち悪すぎて書かずには居られなかった。
189名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:35:45 ID:lA8oXwwn
>>187 GJ! 時事ネタは難しそう、
さ、次はVデーだねw


>>188
気にしてるの、一部読み手だけみたいだしね。
意味が変わる訂正じゃ無いから、気になるなら一人ででもして、
それが良いようなら、手伝ってくれる人もいるだろう、wikiだし。
現状誰もしてない=需要が無いだとおも。

自分で手直ししてるっぽい職人もいるし、色々難しそう。

それでも、どうしてもやりたいなら、まず自分が動く。
190261のひと:2007/02/02(金) 01:02:19 ID:hw8rwMR1
仕事……嫌い……数日ぶりで、久しぶりだなぁと感じる自分がちょっと危ないかもしれないですね。

なんだか、自分の誤字と言うか、間違いのせいか……ごめんなさい。

さて、エロなしですが、行きます。
191 ◆jjbv6h9Bpg :2007/02/02(金) 01:02:29 ID:uuHmPap7
ま、納得いかない人の気持ちもわかるけどな、ssを読んでセンタイサンマンセーマンセーマンセーとか261ステキステキステキだけでいいのかと思うわけで。
読まさせてもらっている立場ってのを忘れてはいけないと思うんだよ。
脳内補完がどうとか、需要がなんだとか、そんなくだらない理由でマンセーだけして職人のサポートひとつできない住人はおかしいし気持ち悪いと思ってるだけなんだよ。

あと、なるべくこっちに書いてくれない?

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/7927/1162204142/
1921/7:2007/02/02(金) 01:02:53 ID:hw8rwMR1
 なんて幸せなんだ。
 ギーシュは廊下を跳ねるように歩いていた。
「待っていてくれ、モンモランシー」
 彼女に呼び出されただけで、騎士隊の練習もサボり、悩まずその元へ。
「授業が終わって一時間ほどしたら部屋に来てくれなんて……素敵だモンモランシー
 なんて情熱的なんだ」

 もちろん、レディーを待たせるつもりなど無い。
 授業終了後、モンモランシーが居なくなったらすぐに行動開始。
「サイトばかりにいい思いをさせてなるものかっ、あいつが部屋に帰るとメイドかルイズが高確率で着替えてるらしいじゃないか」
 狙っているわけではないぞ? あらぬ方向に自己主張。
「まぁ、女性の着替えには時間が掛かると言うし……
 部屋に入って3分待とうではないか」

 これから始まる、ハプニングに胸を躍らせる。
 わざとじゃないんだから、モンモランシーだってそんなには怒らないだろう。
 つい、早めに来てしまった僕に非は無い筈だ。
 なにしろ僕は、一刻も早く彼女に会いたかったのだ。
 そういえば許してくれるに違いない…・・・
 許しついでに、もう少し色々許してもらいたいな。
 立ち止まってニヤニヤ笑い出したギーシュの不気味さに、誰も近寄ろうとはしなかった。

 部屋に入るタイミングを計るため、モンモランシーの後をこっそりつけていたギーシュだったが、
「しまった、見失った!!」
 甘い想像にふけるあまり、現実のモンモランシーを見失ってしまった。
「ご、ごめんよぉ、モンモランシー! 僕はもう浮気しないよ!!」
 浮気なのだろうか?
「さ、先に彼女の部屋に着くわけにはいかないし……失敗……か」
 がっくりと崩れ落ちるギーシュに、最後の希望が思い出される。
「ま、まぁ、待ち合わせしているのは事実だし……ちょっとでも彼女との時間を楽しむとするさ」
 くじけそうな自分に言い訳をして、ゆっくりとモンモランシーの部屋に向かった。
 
 
 ――僕はゴキブリです。
 金の髪をなびかせて、モンモランシーの部屋のドアにへばり付いていた。
「な、中で物音がするじゃないか……」
 神は死んでなど居なかった。ニーチェの嘘つき。
 ありがとう、始祖!! ありがとう神よ!!
 さーて、うっかりドアを開けるとするかな?
 アンロックの詠唱を小声で……
「じゃ、いらないの?」
 あれ? 話し声が……
「そ、そんなこと……言ってないわよ」
 ルイズの声にその場で崩れ落ちる。
 ……神さまなんか死んじゃえ。
「じゃあ脱ぎなさい、ルイズ。時間の無駄よ」
 は?
 あまりの展開に凍りついたのは一瞬。
 神さまキタ――――
 ごめんなさい、今日から出家します。
 ドキドキしながら耳を澄ませる。
「で……でも」
「薬……いらないのね?」

 な、なんだってぇぇぇぇぇ
1932/7:2007/02/02(金) 01:03:31 ID:hw8rwMR1
 僕の彼女が麻薬で、同級生を薬漬けですか?
 だめだっ、そんな事は断固として止めないとっ。
 固い決意を持って……

 ――ドアにへばり付いた。

「捨てちゃおうかしらー?」
「だっだめぇ」
 ル、ルイズが……あんな追い詰められた声を出すなんて……
 泣きの入った小さな声が、耳から入って脳で響いた。
 ぐあぁぁぁ、ごめんサイト、僕、君の事バカだバカだと思ってたけど……
 これにやられたのか……納得。


「じゃ、ほぉら」
「やっ、やぁ、脱がせちゃだめぇぇ」
 ぬ、脱ぎ始めたでありますか?
「うふふ、やっぱり好都合ね、この身体、準備なんていらないんじゃない?」
「い、言わないで……」
 な、中で何が起こっているんだ?
 自分の心臓の音すら邪魔なくらいに、耳に集中。

 いや、マジでうるさいから心臓止まれ。

 しゅるしゅる聞こえる、きぬずれに僕の妄想全開!!
 見てくれサイト、僕の脳内のルイズを!!

 ネコミミ付けて
『今日は貴方がご主人様にゃん』
 とかモンモランシーに言ってるぜっ

 あ り え な い け ど な !

「いや……恥ずかしい」
 モンモランシーって、テクニシャンなのかぁぁぁぁ?
 だ、だめだ、だめだだめだぁぁぁ

 僕は何をしているんだ?
 自分の彼女が道を踏み外していると言うのに、やってることは妄想だけか?
「それで良いのか? ギーシュ・ド・グラモン」

 ――否、断じて否!!

 麻薬など、あってはならぬ誘惑に君が負けてしまったことが悲しいよ、モンモランシー。
 そして、僕は親友になんて伝えればいいんだ? ルイズ。

 いや……嘆くまい。

 悲しむことは後でも出来る……
 今出来ることは……小さく唱えるアンロック、開いたドアを開け放ちながら、思いのたけを彼女達にぶつけよう!!

「なにをしているんだ、君たちっ!! 僕もまぜたまえぇぇ!!」

あれ?
1943/7:2007/02/02(金) 01:04:05 ID:hw8rwMR1
 ――半裸のルイズに2秒でギタギタにされました。
「このっ……このっ、このっ、この、のぞきぃぃぃぃ」
 ルイズの罵倒も痛いけど、冷たく見つめるだけのモンモランシーも……いい!

 はっ、ちがくてー
「き、君たち、麻薬など止めたまえ」
 そう、僕はそのために踏み込んできたんだっ、決して……決して下心なんて。

「……麻薬? ……この薬の事? ……てゆーかギーシュ」
 モンモランシーが手の中の瓶を小さく振り回す。
 あぁ、あの中にルイズすら屈服させる、ステキ魔法がっ!!
 思わず目が釘付けに……

 あれ? でもルイズまともそうに見えるんだが?
 あれ? ルイズもいつの間にか、冷たく僕を見つめているね。惚れた?
「ギーシュ、あんた立ち聞きしてたわね?」
「なっ、何を言うかね、ルイズ!! それは濡れ衣だ」
 間違いなく座ってました。

 つ、とモンモランシーの人差し指が唇に当たる。
 うぉ、なんて扇情的な……素晴らしいよ僕のモンモランシー!!
「正直に言ったら、ご・ほ・う・び」
「聞いてましたぁぁぁぁ」
 
 ――二人がかりで踏まれました。

「まったく……手伝っては貰うつもりだったけど、来るの早いわよギーシュ」
『き、君に一刻も早く会いたかったんだ』
 口が動いたら言いたかったです、はい。

「うー、サイト以外に見られた……」
『サイトならいいのかぁぁぁぁ』
 後で闇討ちしよう。そうしよう。

 部屋の隅でボロクズのように成っている僕に、二人は何をしていたのか説明を始めてくれた。
1954/7:2007/02/02(金) 01:04:41 ID:hw8rwMR1
「つまり、サイトに構って欲しいわけだね?」
「ちちちち、違うわよっ」
 その振り上げたコブシは何ですか?

 サイトよくルイズと付き合えるよな……
 この日頃の鍛錬があったればこそ、七万の大軍を止めれたのかも知れんな。
 やたらとタフに成りそうだ。

 ――コルベール先生が亡くなって、騎士隊にのめりこんでいるサイトが自分を構ってくれない……
 なら、自分が騎士隊に入ればいいじゃない?
 
 と、言うことらしいが……
 捨て身だな、ルイズ。
「だって……部屋に戻ったらシエスタが居るし……
 授業とか訓練とかで、二人きりの時間なんて、全然取れないし……」
 
 いじけるルイズをみて、モンモランシーを微笑みあう。
「ま、協力できることはしてもいいけどね」
「わたしも最初からそのつもりだけどね」

 ルイズが差し伸べられたモンモランシーの手を取って、作戦会議が始まった。

 ――だれが聞いているわけでもないのに、ついついヒソヒソと話してしまうのは何故だろう?
「この薬? 髪染める用よ。この髪じゃ多少の変装は意味ないし……
 逆に言えば、これだけでもずいぶん印象変わるし」
「僕は去年の制服を持ってこよう」

 さっきは去年の僕の服でサイズが合うのか、確かめようとしていたらしい。
 どんなイベントシーンだったのか、楽しみにしていたのだが……
 
 ……ルイズにメジャーを巻きつけているモンモランシーもいいな……

 あれ?
「モンモランシー、なんで去年の僕のサイズなんて分かるんだ?」
 
 そこでやっと気がついたのか、ルイズも不思議そうにモンモランシーを見つめていた。
「ど、どうでもいいしょう? いいからさっさと取ってきなさいよっ!!」
 ……真っ赤になるほど怒る事ではないと思うのだが……

 やはり、女性は不可解だよ。
1965/7:2007/02/02(金) 01:05:18 ID:hw8rwMR1
「あー、それでだね、サイト……これが……」
「ルイス・ド・グラモン」
 精一杯の低い声……だ、だめだ……バレバレだ……
 クラスの皆は既に笑いかけてるし。

 ――髪を黒に染めて、男子の制服を着て、緩く髪を結んだだけでも、確かに印象は変わるけど……
 元がルイズだからなぁ……
 
 せめてキラキラした目でサイト見つめるの止めればいいのに。

「へぇ、グラモンってことは、ギーシュの弟?」
 あれ?
「あっ、あぁ……そういう設定」
「設定?」
「いやっ、そうだよ、うん」
 ……こ、こいつ気づいてねぇぇぇえ、鈍い鈍いとは思ってたけど、ここまでか?
 隊のみんなも、あまりの展開に硬直している。
 そりゃそうだろうな……

「あれ? でもお前末っ子じゃ?」
 あ、しまった。

「隠し子なんです!!」
 まてぇぇぇぇぇ、何を言うかルイズっ、ではなく
「ルイス、なんて事をっ!」
 父の名誉を汚すなぁぁ
「あー、ギーシュの親だもんなぁ」
「ちょっと待て、親友!! それはないだろ」
 サイト……お前もかっ
 てゆーか、騎士隊の皆もそうなのか? って顔で見るなぁぁぁ。
 どう見てもルイズだろ?

「僕も、シュヴァリエになりたいです……サイト……さん」
 男子の制服を着て頬を染めるなっ、しなを作るなっ、サイトを見つめるなぁぁぁ!!
「あれ、でもルイズに似てないか?」
 ……! チャーンス
「あぁ、ルイズには内緒だぞ? サイト」
 くっくっく、『何を言う気』ルイズどれだけ睨んでも無駄だ。
「父の浮気相手はルイズの母親なんだっ!!」
「「「なんだってぇぇぇぇぇ」」」
 ちょと待てぇぇぇ、
 言っといてなんだが、あまりの反響に怖くなる。

 ……あと、血走った目で睨むルイズも怖い
『母さまの名誉をぉぉぉぉ』
 いや、僕も父の……やめておこう。

「そうかー、ヴァリエールって浮気の一族だもんなぁ」
「寝取られの歴代当主……今回も……」

 そういえばそんな一族だっけ?
『今なら訂正効くけど……止めておかないか? ルイズ』
 目で訴えかける。
 結構洒落にならない噂になりそうな……
「そ、そうなんですよ、シュヴァリエ!!」

 あ、親の名誉売ったね? ルイズ。
1976/7:2007/02/02(金) 01:05:51 ID:hw8rwMR1
 ごめんなさい、母さま。
「ルイズに会わなくていいのか?」
「そんなっ、あの天使のようなルイズ先輩に会うなんて、恐れ多いですよ!!」
 ……何よギーシュもモンモランシーもその目は。
「でも、ルイズが来るかもしれないぞ?」
「今日は、来ないわよ」
 ナイスフォロー! モンモランシー。
「用事があるらしいから……」
「へー、そうなんだ」
 むか、なにその、無反応。
「じゃ、始めようか、皆」
「「「「おうっ」」」」
 サイトの声に、隊員が応える。
 いつもは端で見ているだけだけど、今日はわたしも一緒。
 それだけでも、変装したかいが有ったわね。
 
「……隊長は、僕なんだが……」
 ぽつりと呟くギーシュは無視!

「シュヴァリエ、よろしくお願いします」
 皆が二人組みになり始めたので、迷わずサイトに駆け寄る。
 他の人にサイトは渡さないんだから。
「え? いいの?」
「はいっ!!」
 
 何故かしら? 皆変わったものを見る目で、わたしを見てる。

「ルイズ……じゃない、ルイス、今日の訓練は……」
 何かを言おうとする、ギーシュをサイトは手で制して、
「いや、うん、いいや、じゃ、打って来いよルイス」
 木剣を構える。

 あら?
「今日は剣の訓練なんだ」
 あら?
「いや、いつも俺の相手いなくてな。正直助かるよルイス」
 
「サイト手加減下手だからな」
 あら?あら?
「そっちが来ないなら、こっちからいくぞ?」
「ちょっ、まってっ」

 慌てるわたしを見て、サイトが動きをゆっくりと止める。
 あ、やっぱり優しい。

 でも……

「貴様に”剣”を教えてやる」

 ……それが言いたかっただけかぁぁぁ
 わたしは必死で逃げ始める。
1987/7:2007/02/02(金) 01:06:24 ID:hw8rwMR1
 腕重い、足重い。
 それより、なにより。
「体いたぁい」
「はっはっは、ルイス、俺の受けた訓練はこんなものじゃなかったぞ?」
 しらないわよ、そんなのぉぉ。
 息が上がって、抵抗も反論も出来ないわたしをサイトは見下ろしている。

「よし、痛かったら手を上げてみろ、ルイス」
 お、終わってくれるの?
 期待をして、全力で右手を上げる。
「よーし、痛かったら……我慢だ」
「なっ!!」
 ……なに、このサディストぉぉぉ
 その満足げな顔……アニエス……あんたどんな訓練したのよ……
 サイトが染まってるしっ。
 
「まぁ、これで手がまだまだ上がることは分かったな」
「ひ……ひど……」
 終わる様子が無いから……諦めてよろよろと立ち上がる。

 ――どれくらい、逃げただろう……
「いくぞっ!!」
 もー好きにして。
 その場でふらりと倒れこむと、運良くサイトの剣の軌道から外れた。
 倒れただけなんだけど……、サイトの予想外の動きだったみたい……
「なにっ!」
 驚くサイトが、わたしの至近距離でふり……む……

 ――ビリィ!

 は?
 その拍子に、サイトの服に引っかかって、ギーシュの制服が……って
『む、胸がぁぁぁぁ、丸見えぇぇぇぇ』
 悲鳴を上げる体力も無いし、腕が重くて身体を隠すことも出来ない。

『バレタわね……』
「お、お前……」
『そーよ、犬、ご主人様をこんなにして……せ、責任とってもらうんだからね?』
 サイトの看病で、優雅に数日過ごすことを考える……
 シエスタは部屋に立ち入り禁止!!
 少しくらい我侭でもいいわよね?
 やっぱり『あーん』は外せないし、お、お風呂とかも痛くて一人では入れないかもっ!

 それなら、まぁ、この苦労も……

「もっと食って、肉付けないと、強くなれないぞ」
『ナヌ?』
「よーし、みんな、今日はここまでー」
『ちょっ、ちょっとっ、待ちなさいよぉぉぉ』

 ――モンモランシーが助けてくれるまで、動けなかったわたしは……



 とりあえず部屋に帰って、サイトをギタギタにした。
199名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 01:10:50 ID:hw8rwMR1
>>191さん 誉めてくれるだけでもずいぶん励みになりますよ。
感想もらえたらもっと頑張れるかな、どこが良かったかちょっと言ってくれる人が居るだけでずいぶん嬉しいです。

この話もうちょっと引っ張るか、別の書くか悩み中。
美味しい所が過ぎた気がするけど、ルイズ男装ネタが活かせてないので、もうちょっと頑張った方がよかも……と。

引っ張れと言われても、ネタが浮かばないかもですが……

では、またっ
200名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 01:25:35 ID:LbaA+Y/4
>>191
いや、そもそもそちらがここでしかレス返さないから、必然的に返事もここになるわけで・・・・

悪意はないのかも知れんが、
体裁整えるのって、そこまで重要か?
職人にメリット有るか?
雑談の方も、賛成してるけどやるならやればって流れだろ。

ここ最近の、字下げがないと読む気がしないだの
体裁が〜体裁が〜っての、効果的にはほぼ荒らしなの理解してる?

わざとじゃないと思いたいけど、こっちにしかレス返さないこととかと併せて、そう取られても仕方ないよ。

それでも、職人のためって言いたいのなら、内容について感想を書くのが良いじゃないかな?

長くなってスマソ
201名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 02:17:41 ID:Uxxk0L9d
>>199
GJ!
ルイズどんだけ胸無いんだよとw
202名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 02:43:47 ID:wggQ3C1l
>>187 GJ! で、この行事には、どこで参加できるのかね?

前半限定でw

>>199 ぺたん娘 ばんざーーい!


203名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 04:18:53 ID:IVDHkaVz
>>187 節分なんて存在そのものをわすれていましたよ。小さな頃はしてたんですけどね。
>>202 異世界に旅たてば可能性が・・・(笑

>>199 男装ネタ、思いもよらなかったですよ。楽しくよめました。

サイトが部屋でルイズにギタギタにされた理由にきずかずに何時もの事とかんちがいして
ルイズはルイズでサイトにかまってほしくて再び訓練に参加。
そこにアニエス登場⇒二人でルイズを特訓・・みたいなのを想像した・・ごめん。凡才だわさ。
204名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 06:28:44 ID:sNmwMEbV
>>192
GJです。

ふと、「やっぱり漢なら裸の付き合いも必要なんだぜ」と言いながら騎士団全員で風呂に入ると言うネタが電波の如く…
205名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 09:58:39 ID:RmxqAXmL
>>199 GJです!
261さんの書くキャラはいつも原作から抜け出てきたみたいでたまらんです。
ネタが浮かんだら続きも読みたいです。

自分は「修行の結果、敵の攻撃を軽やかにかわせるようになり、才人と阿吽の呼吸で戦うルイズ」を妄想しました。
206名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 17:14:05 ID:nIVMZK+i
>>191
修正職人なろうかと思っていたけど、今は無理っぽいと思った。
修正すれば200みたいな人が火病を起こしてSSそのものを消しかねないからね。
スレがおちつくまでおとなしくするのが吉ですよ。
207名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 17:42:15 ID:Uxxk0L9d
何で>>206のように、自分の言ってる事は正しいと思い込んで反論する奴を全員拒絶するような連中が出てくるかな?

だいたいそこまでして修正したい理由がわからない。「直してる俺カッコイイぜ!」と思いたいの?
迷惑だと思われていることにいいかげん気付いてほしい。
208名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 18:09:42 ID:1ExFDVAd
まあまて、みんな落ち着くんだ。
てかここで言わなくてもほかに言う場所
あったよね?そこでおねがいします
209名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 18:19:30 ID:Pg3WAlJX
>>199
GJです

なんて残酷なオチだw
210名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 19:26:09 ID:i4lBbNo0
>199
男装ネタご馳走さまでした。ルイズがいー感じに
動いてて良かったです。
また別のネタも読みたいです。


>206
職人じゃなくてただのスクリプトでしょそれは。
各自が脳内でやるから要らないよ。
やるのは勝手だが、自分のメモ帳の中だけでドゾー
211名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 20:14:59 ID:qfXwofvM
このスレが気に入って、記念カキコみたいなノリで、役に立ってると思いたいんだろうけど。
>>191,200投下前後に口論してるダケってぶっちゃけ邪魔。

あと>>206
理屈は200のが納得できた、火病そうなのは・・・・・
いまだに書き込みこっちだしw
212名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 20:22:32 ID:rccuj4KR
ここまでウザイのは久しぶりだ
職人のサポートとか言っちゃって痛い痛い
俺たちは読者であってアシスタントや編集じゃないのにな、なんつーか目立ちたがり?
それに作者が気になるなら自分で直すだろう
自分が読んでて気になるならコピペして編集すれば
213名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 20:27:38 ID:U2Sg1Lch
作品以外の長文ウゼェ って言うかいきなりスレの雰囲気が変わりすぎ
続けたければ 意見所作る or コテ付けるか or #意見 でやってくれないだろうか?出来ないなら荒らしで報告してくるからさ
214名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 20:30:54 ID:IVDHkaVz
>>129 
>>もう歳だろうか?
>>「エルフって……老化しないのか?」
>>そう、むっちゃ若い。同じ位の歳のはずだけど、年下の愛人ができた気分だった。

サイトが召喚されたのが17歳。それから約1年後にテファと出会って8ヵ月後に出産。
子供はもうすぐ6歳。
だからサイトは今24〜26歳
それ位の年齢ってそんなに年取ったと気にするもんなんでしょうか?
自分10代なもんですから・・皆さんはどう思いますか?
215名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 20:47:36 ID:qfXwofvM
けっこー違うってか30代だけど、24と17どっちかとつき合えるおなら、選択の
余地はないw

10代の例なら高校生と中学生、3年しか違わん訳だ。

んで、だ。
20越すと、何でそこまでって、男に理解できない位ちがうっぽいぞ

迂闊な行動で殴られるくらいはなw
216名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 21:18:40 ID:VE062JQR
>>214
通常の3倍くらい搾り取られてるから…
217名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 21:21:33 ID:hhRx6OP9
18歳の俺はどうすれば…!!
218名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 21:59:05 ID:fIU4I7V2
ようするにタバサ最強ってことだろ
219名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 00:06:26 ID:kw+ocSLR
アニエスがサイトにひたすら尽くす話はまだですか?(*´Д`)
220191の者:2007/02/03(土) 01:04:13 ID:V9sAEwYv
上の>191とは別でだらだら続けさせてもらってる方のですが…
個人的事情でまた少しだけ投下させてもらいます。
221イザベラ慣らし3:2007/02/03(土) 01:07:36 ID:V9sAEwYv
「襲われた時は夜陰だったから判りにくかっけど本当に良く出来てるもんだな。
 噂じゃ外見以外も色々映しとれるらしいけど、これだけでも美術品で飾れそうだ……」

 後ろ手に拘束されたまま大人しくしているスキルニルを眺めつつ、そんなことを言っている。
――貶さないのはともかく本人を前にその裸像をまじまじと観察するのは止めて欲しい――
 そう思っていると男もベッドに上がりスキルニルを私に向ける形で抱き起こし、自分はその
後ろに座って軽く抱擁するように両腕をまわしてくる。

「どこから触って欲しい、とか要望はあるかい?」
「さてね、人形相手に欲情できるような性質じゃないからね。自分で考えてみたらどうだい」
「やれやれ、じゃそうさせてもらうさ」

 言うと、男は胸に添えていた両手をなぞるように動かし始める。
下から持ち上げるように滑らせたかと思えば乳房を包み込むように指を広げると
乳首を指の隙間に覗かせるようにして揉みこんでいく……。
「いいな、この触感といい、手ごろな大きさといい馴染むようだ」
うなじの辺りにうずめていた顔を右耳に近付かせて囁くと
『…………ッ』
 先刻まで無表情だったスキルニルがわずかに反応した。
据わったように宙に放たれていた視線が胸を揉む手を注視している…
見れば乳首に引っ掛けるように指で押さえ、弾力ではずれるのを利用して刺激しているらしい。
断続的に加えられるその刺激に応えるように乳首がプックリと膨らんで来ている

『………ッ……ァ』
存在を主張し始めたのに気付いた男の指がまた動きを変えスキルニルの反応が増え始めた。
『っ……ひぅ…ゃ!…そ、そこは』

膨らんだ乳首をすり潰すように刺激し、軽く摘んで引いて……両手で時に同じ動きをしたかと思えば
不意に片方を反転させたり停めたり強弱をつけて丹念に愛撫を加える、その都度スキルニルは
身体を硬直させたり、耐え切れずにこぼしたかのような短い声をあげる。

『ぁ……ふぁ…あぁっ…』
――まさかスキルニルが女として感じてる?
それは人形の声というには余りに肉感的な響きを帯び始めていた。
こころなしか、肌の色も赤みを帯びつつあるし、動きもガーゴイルのような無機質さよりも
人のそれに……が、何より切なげに眉根を寄せ瞼を閉じ、与えられる刺激に集中している表情――
 それが自分の顔をそっくり映したマジックアイテムでしかないと知っていてもなお、
いや判っているからこそ不思議な感覚がいっそう強くなる。
鏡の前に立つ自分は何もしていないのに映し出された影だけが躍っているような……

「えらく熱心に見てるが、気に入ってもらえたのかな?」

 投げかけられた声に呼び戻され、自分を見つめている視線に気付く。
仮面にさえぎられて目元の細かい表情まではうかがえなかったがスキルニルのみならず自分にも注意を払っていたらしい。

「ま、この反応からして聞くだけ野暮か」
 と、スキルニルの顔を覗き込んでいる。ひとしきり観察し終えたのか、こちらを見続けながら
スキルニルを振り向かせていた手を頬、喉、鎖骨、肩、二の腕…と這わせつつ下半身へと運ぶ。
その意図を測りかねているうちに自分の体の違和感が減っていることに気付く。
――両腕の痺れが治っている! 視線はこれを暗に教える為?
  さっき投げさせられた杖は……あった…この距離なら椅子ごと転がっても取れる? ――
無意識に先程投げさせられた杖に視線が走る。
222イザベラ慣らし3:2007/02/03(土) 01:09:15 ID:V9sAEwYv
――いや、緩められたとはいえ両足が縛られていることに変わりは無い。
椅子ごと転がるなんてまねを試したこともないし、杖を掴めても詠唱を終えるまで賊が大人しく
待っていてくれるだろうか――

 機を窺うイザベラをよそにスキルニルへの愛撫は次の段階へと進もうとしていた。
『……こ、今度は何処…?』
 左手を胸に残し、腕から腹へと進められた右手がヘソの周りを数回なぞる、がそこから蒼い叢には直行せずに脚の付け根、太ももと滑らせていく。
焦点の定まらない動きに焦らされたかスキルニルが身をよじる。
――既に何を≠ウれるかではなく何処を≠ウれるかという思考になってるわね――
 散々道草をして、ようやく目的を思い出したように指が蒼い叢に伸ばされる。
叢を抜け目的の場所に到達してなお、その周囲を検分するかのように撫でていく。

『…っふぅ……そ、そっちじゃ……な、なくてぇ…』
「そっちじゃわからないな、もっと判りやすく言ってくれないと」
『もう少し……』
そう言いかけて俯いてしまうのをからかうように、蜜を滴らせ始めた花弁を指の腹で擦りあげる
「こっちかな?」
『ひゃうっ、うっ…あ、やぁっ』
「違ったかな、じゃあこうか?」
『んっ……んんっ!』

叢にかけて掌で数度往復させ面での刺激を与えた後、人差し指と薬指で花弁をこじあけるようにして
中指を滑り込ませる。
うなじに舌をはわせつつ、侵入させた指を蠢かせるのに応じてスキルニルの肢体が軽く震えた。

『はぁ…そこ…気持ち、いい…』

イザベラは眼前で繰り広げられる痴態を関心半分呆れ半分に見ていたが
――全く……でもそんなに心地いいものなのかしら?――
 物理的束縛を受けているのは麻酔が切れた今は足だけであり先刻かけられた毛布のおかげで両手は
ある程度、賊に気付かれずに動かせる……
 つまり、スキルニルが受けていることを模倣できるということ…
鏡像が本体に従って動くべきところを鏡像に本体が従うという、荒唐無稽な考えが脳裏をよぎる。
――どうせ向うは危害を加えてくる気配もないしそう勘付かれるような動きをしなければいい――
などと開き直ってしまう辺り、案外気が緩んでしまっているのかもしれない。
そして、イザベラは自らの手とスキルニルを愛撫する手の動きを同調させはじめた……。
223191の者:2007/02/03(土) 01:13:11 ID:V9sAEwYv
と、今はここまでです。果たしてこの趣向で受け入れられるのか、とか
また規制で投下できない日が続きはしないだろうか、と怯えつつ。
でも、それでも書きたいコラボがあるんだ!と。
規制が無ければ週末中には続き上げたいと思います、では。
224名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 01:39:43 ID:vCVi3pqE
ひ、ひどい……こんなところでやめるなんて、こ、こここここのドS!!
ままままままま待ってるから……早く続きを投下しなさいよね!いつまでも……ま、待ってるから……。
225名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 03:39:01 ID:XXYRQ6Bt
このスレ必殺のじらし。ともあれGJ!
226名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 10:47:28 ID:0B9RN4eO
なんという手管
本番前からワクワクしてしまった
このサイトは間違いなくジゴロ
227名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 12:39:13 ID:kV7AEi8m
い、い、い…(・∀・)イィ!
続きwktkしてるよ
228261のひと:2007/02/04(日) 03:08:10 ID:jhvuEaNM
>>192-198の続き行きます。
2291/8:2007/02/04(日) 03:08:44 ID:jhvuEaNM
 昨日からルイズが口を聞いてくれない。
「なー、ルイズどうしたんだよ」
 無言で睨まれるだけで、一言も喋らない。
「サイトさん、なにしたんですか?」
 いや、俺が聞きたいんだけど。
「昨日からこうなんだ……あー」
「何があったんです?」
 そうだ……思い出した。
 ルイズがほんの少し……少しだけ耳をこちらに向ける。

 ……やっぱり……アレだよなぁ……

「ミス・ヴァリエールがこんなに怒るなんて……何したんですか?」
 いやー、ルイズはいっつも怒ってると思うけど。
 でも、ここまで怒るって事は……
「昨日ちょっと……さ」
 聞こえたらしいルイズが、何かを期待するように俺を見ている。

 ……やっぱり……か。
「ルイズ……ごめんな」
「な、何がよっ」
 あぁ、一日ぶりに聞くルイズの声。

「実は俺……昨日……」
 ルイズもシエスタも身を乗り出している。

 ルイズに隠し事をしたのが悪かったんだな。うん。

「お前の弟と……」
「っっっ、ばかぁぁぁぁぁぁ」

 枕やら、始祖の魔道書やら、机やら、ベットやらが飛んできて、俺とシエスタは部屋の外に放り出された。
2302/8:2007/02/04(日) 03:09:29 ID:jhvuEaNM
 なんで一晩たっても気付かないのよっ!!
 怒ってはいたけれど、昨日は機会があるたびに胸を強調して見せた。
 それなのに……
「なぁぁぁんで、見向きもしないし、気もつかないのよぉぉぉ」

 ルイズが怒っているから他の事に気を回す余裕が無いだけなのだが、ルイズにしてみたら何をやっても無反応としか見えなかった。

「ど・う・し・て・く・れ・よ・う・か・し・ら?」
 冬眠前の熊のように、いらいらと辺りをうろつきまわる。

「……ルイズ……何よこれ?」
「モンモランシー」
 手には昨日の小瓶。
「念のため、今日もいるのか聞きに来たんだけど……止めといた方がいいわよ。」
「なんで?」

 モンモランシーの一言を聞いた時、わたしの復讐方法が決まった。
2313/8:2007/02/04(日) 03:10:02 ID:jhvuEaNM
「なっ、ルイズっ、どうして来たんだい?」
「間違えないで、ギーシュにいさん。僕はルイスです」
 一人だけ正体を知っているギーシュの口を素早く封じる。

 サイトはまだ来てないみたいね。

「に、にいさん」
 ギーシュがなんだかその場で硬直してる。

「ル、ルイズじゃないんだよな?」
 うるさいわね、風邪っぴき。
 昨日気付かなかったこいつら皆敵だっ!!
 でも、今は復讐の為に耐え忍ぶ。
「はい、先輩。今日もよろしくお願いします」
 にっこりと。
「……お、男でもいい……」
 な……なんで、わたしを見つめるのかしら?

 サイトが来るまで、ルイズじゃないと言うことを周りにアピールする。
 これからの復讐で、わたしがルイズだとばれると、効果が半減するもの。
2324/8:2007/02/04(日) 03:10:34 ID:jhvuEaNM
「へえ、今日も来たんだな、ルイス」
「はい、シュヴァリエ」
 サイトが来た。
 今からどんな恥をかくかも知らずに。

「サイト、今日の訓練だが……組み手でいいのか?」
「うん、その予定だろ?」

 そう……今日の訓練は、武器無しで、ルール無用の組み手。
 ……見てなさいサイト。
 いつもみたいに地面に這って貰うわよ。
 しかも、今日は下級生に負けたことになるの。
 伝説のガンダールヴともあろう者が。

「んー、じゃあまた皆てきとーに組になって」
 その言葉が聞こえ終わるより先に、サイトにタックル。

「うおっ」
「シュヴァリエ、僕とやりましょう」
 また皆が一斉に静まり返る。

「こりてねー」
「実はマゾ?」
「いや、ルイズ似だけあって、サイトに構いたいんだろう」

 好き勝手言ってるわねー、でもあんた達は知らないのよ。
 サイトが武器持ってないと弱いって。

 ギーシュにだってやられてたのに、シュヴァリエに成ったからって怖がりすぎよ。

「みどころあるな、ルイス」
 な、なによ、優しく笑っても許してあげないんだから。
「流石ルイズの弟だな」
 ……コロス

 このわたしの事を微塵も分かってない犬っころを調教してやるぅぅう。
「でも、ルイズのタックルはもっと鋭いぞ!!」
 いや、まて、両方わたしだから。

「行きますよ?」

 さあっ、教育してやるっ!!
2335/8:2007/02/04(日) 03:11:50 ID:jhvuEaNM
 いつも通りに間合いを詰めて、股間を蹴り上げるっ!!
『避けられるものなら、避けて見なさいよっ』
 あら?
 いつもはちゃんと当たるのに?
「……怖い奴だな……お前」

 おかしい、避けられた。
 何で?
 毎日ちゃんと練習してるのに。
「喧嘩か? 妙に慣れてるよな、ルイズかと思った」

 ……胸見ても気付かないのに、蹴り見て怪しむなんてぇぇぇ。
 許さない!!

 今度こそ当てる!
 的の大きい胴体を狙うことにする。
 狙うのは身体の中心、心臓に向かって固めた右拳を突きこむ。
 ヒットする瞬間に、右手を内側に捻りこむ。
「っと」
 まーたーよーけーたー
 姉さまの修行を、もっと真面目にやっておけばよかった。
 姉さまなら、どんな相手でも今の一撃で気絶させるのに。
 わたしはせいぜい一瞬動きを止める程度。

 一瞬でも止まれば、股間に一撃入れてやるのに!!

「あールイス、なんか攻撃に殺意を感じるんだが?」
「気のせいです、シュヴァリエ、もーちょっとお願いします」

 もーちょっとで楽にしてあげるわよ?
 ゆっくり眠るといいわよっ、地べたでっ!!
 サイトから足が見難いように、低い姿勢で踏み込む、
 サイトの腕を掴んで、膝でサイトのお腹を狙うけど……それはフェイント。
「っと、大技が多いなールイスはっ」
『避けさせてあげたのよっ!!』
 密着状態からサイトの足の甲に、踵を……

「っったぁぁぁぁぁいいっ」
 足がっ!! 足がぁぁぁ!!
「あー軍用のブーツだから鉄板入ってるぞ?」
 さ、先に言えぇぇ、サイトの卑怯ものっ
 じたばたと周りを転がってから、またサイトと向き合う。

「はっ……はっ……はぁ……っなんでっ?」
 ――休み無くサイトを攻め続けているのに、わたしの攻撃はかすりもしない。
 いつもならサイトはもうぼろぼろなのに……

 ……もしかして……いっつもサイトわざと?
 わたしだから……避けずに……
 ちょっと嬉しくなる。

 仕方ないわね……わたしの変装が完璧だっただけだし……そろそろ許してあげようかしら?
 そう思っていた矢先、
「そろそろ、俺からも行くぞ?」

 えぇぇぇ? またぁぁぁ?
 二日続けて泥まみれになった……わたし女の子なのにっ!
2346/8:2007/02/04(日) 03:12:48 ID:jhvuEaNM
 どろどろのルイスが、荒い息をついて地面に倒れている。
「生きてるかー?」
 ルイズと同じ顔に気が引けて、結局殴ったりは出来なかったけど……

 投げたり絞めたりした。

 ……逆にきつかったかもなぁ?
 いまだに起き上がれないルイスは、ぼそぼそと何かを喋っている。
「ふくしうしてやる、ふくしうしてやる……」

 ……元気そうだな。

「サイト今日はいつも通りに?」
「あぁ、寝てる奴は運んでやれ」

 俺もルイスに肩を貸す。
「……もー、動けないわよ」
 わよ? ま、いいか。
「動かなくていいさ、しばらく大人しくしてろ」
 うわ、こいつ軽いなー、投げ飛ばしてる時も思ったけど。
 持ち上げてしばらくすると、規則正しく浅い呼吸音が聞こえてくる。

 疲れて寝ちまったのか。

 さて、騎士隊全員、泥まみれだ。
 組み手の時はいつもそうだ、ちゃんとルールや場所あるならともかく、どちらかがダウンするまで、土の上で取っ組み合いだからなぁ……

「みんなー風呂いくぞー」
「……おー」

 なぜかギーシュが大騒ぎしているが、とりあえず先に進んだ。
2357/8:2007/02/04(日) 03:13:47 ID:jhvuEaNM
「う……ん……」
 ……脱衣所で、ルイスを除く全員が真っ裸。
 いつまで経っても起きないから、さーてそろそろ起こそうかな……
「と、思ってるんだが……」
 なんだ、この色気。こいつ本当に男かよ……

「サ、サイト……寝てる間に脱がしちゃっても……」
 いや、それはまずいだろ、マリコルヌ。
 てゆーか、ルイズと同じ顔を、皆の前で脱がせるのは、俺の精神衛生上ひじょーによろしくない。
「みんな、先に入っておこうではないかっ!! ルイスも気が付いたら入ってくるに違いないさっ」
 ギーシュは強硬に風呂に入りたがるし。

 さて、どうするかなぁ。とりあえずマリコルヌを殴っていると、ルイスが目を覚ました。
「あ……れ?……ぇ?……って、きゃああああああ」
 うをっ、凄い悲鳴で、騎士隊の半数がKOされる。
 
 ……こいつ殴るより悲鳴の方が強いんじゃ?
「なっ、なにっ? なんなの?」
 錯乱しているルイスの前に立って声を……なんで赤くなってるんだ?
「起きたか?」
「う……うん」
「じゃ、脱げ」

 あ、灰になった。
「なななな、なんでよっ」
「風呂に入るからだ」
「お、お風呂?」

 なんでそんなに怖がるのかね?
 貴族用の大浴場、シュヴァリエになったし俺も皆と裸の付き合いだ。

「やっぱり漢なら裸の付き合いも必要なんだぜ」
 だからマリコルヌ、お前は何でそんなに張り切ってるんだ?
「さ、ルイス君もぬ〜ぎ脱ぎしましょーねぇ」
 とりあえず、拳で黙らせる。

「まぁ、交流もかねて……だな……」

 なんでそんなに壁際で、追い詰められた小動物みたいに……
 ルイスは必死に視線を彷徨わせて、やっと見つけたギーシュに叫んだ。
「ギーシュ……じゃないっ、ギーシュおにいちゃんっ、助けてっ、助けてよぅっ」
 ムカ。
 あれ? なんだこの、ムカって。

 ちなみに……
「お、おにいちゃ……ぐはっ」
 ――ギーシュは鼻血吹いて倒れた。

「さ、ルイス……脱ごうか?」
2368/8:2007/02/04(日) 03:14:48 ID:jhvuEaNM
 全員で囲んで部屋の隅にルイスを追い詰めた。
「い……いやぁ……」
「もう逃げられないぞ」
 泥だらけのルイスの服に手を掛けると、涙を流して懇願した。
「や、止めて、サイト……お願いよぅ」
「……だめだ」

 汚いまんまだと、廊下とか汚れるしな。
 震える肩を掴んで、力任せに引っ張る。

「やあっっ……いやっいやっ、いやぁぁぁぁ」
「あーもうっ、抵抗するなよ。面倒だなぁ」
 振り回される腕を取って、軽く捻って間接を極める。
 そのまま体重をかけて、床に押し付けて、服をむしり始める。

「ひっ……痛っ……痛いよぉ、サイト……やめっ……許してぇ」
 ルイスの妙に色っぽい喘ぎ声……って

「黙れ!」
 一喝する。

 ヤバイ。平賀才人、一世一代のピンチだ。

 お っ き し た ! !

 落ち着け、サイト!! こいつは男だ!!
 でも……ルイズと同じ顔で、はらはら涙を零すこいつを押さえつけてると……どうも……興奮する。

 油断一瞬・怪我一生。

「……サイトが……サイトが立ったわぁぁぁぁ」
 誰かの声に、一瞬で部屋中が静まり返る。

「あいつ……男押さえつけて……」
「そういえば、皆で風呂って……サイトの……」
「ね、狙われているのか?」
「抱いてよ」
「ちょっ、誰だよ今の?」

 ズサァっと、人の空白地帯が出来る。

 ちょっ……
「まてっ、誤解だぁぁぁ」
 慌てて立ち上がると……抑えてないのにほどけたタオルは落ちなかった。

「サイトのばかぁぁぁぁ」
 破れかけた服で、必死に身体を隠しながらルイスが逃げ出す。
「ちょっ、まてっ」
 廊下に飛び出した俺の前には通りすがり大量の女生徒が居て……

 ――半裸の美少年を追って、風呂を飛び出したシュヴァリエサイトの伝説は……しばらく収まる事は無かったと言う……
237名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 03:15:46 ID:jhvuEaNM
保管をさぼり気味、起きたらやるます。ごめんなさい。

ではっ
238名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 05:02:56 ID:L7KuK36W
カールになってるよルイズが!
239名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 05:56:37 ID:EMmq0sk8
サイトwww
なにやってんだかねw
GJだぜ
240名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 11:29:34 ID:VXQSauN1
261さんGJ!

ルイスの正体にこれっぽっちも気付いてないのに本能で反応するサイトに爆笑。
ルイズの蹴りが決まるのは、好きな女の子に与えられる苦痛が嬉しいからか?と邪推しました。
241名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 13:24:24 ID:VNVvSpuj
サイトもとうとう修羅の道に…ペアルックでvsかw
242191の者:2007/02/04(日) 20:51:29 ID:J777Izlq
う〜ん鬼畜なつもりもドSなつもりもないんだけどなぁ…
でも足掛け三ヶ月はだめっすねw では後半部を投下です。
243191の者:2007/02/04(日) 20:52:30 ID:J777Izlq
 掛けられた毛布を隠れ蓑に、眼前のスキルニルに施されていく愛撫を一拍遅れる形で追随する。
――とはいっても気分が乗り切ってないからそのままは無理じゃない?――
などと思慮しながら手を胸と秘所へと伸ばしてみるがその感触に杞憂を知る

「!……なん、で…」
いつもの薄い寝間着だけであれば身体の火照りに、夜気の寒さなりで気付いていただろう。
だが掛けられた毛布によって保温されていたせいですっかり失念していたようである。
「わ、た、し…感じ…ちゃって…た?」
朝ビスチェに、夜も寝間着に着替えさせる時、多少触れるモノ程度にしか意識しなかった胸の先端は
いつもよりも膨らみ指が触れるか否かという距離でも背筋に向けてむず痒いような感覚を伝えてくる。
下半身の反応も上半身に負けていなかった。

「こんなに…濡れてるなんて」
椅子の足に拘束されいくばくか股を開かされていたのがやはり仇となったか、知らず知らずに蒼の草原
は蜜に浸されていた。
そしてその根源たる花弁へと指を進めれば、そこは今尚次々と新たな蜜を湧き出させている。
しかも…
『んうっ…ん…あ……あん!』
眼前で賊に弄られているスキルニルの嬌声に合わせるようにひくつき、濡れる。
『や、そんな…に、ふぁっ』
仰け反るように身を捩じらせ与えられる刺激からスキルニルが逃れようとする度、男の腕に抱きすくめられている。男の方も与え過ぎた快感が程よく引くまで待つつもりかその間は手を止める。
「そんなに強張るな、何もお前を壊そうってんじゃないんだから」
『で、でも…こ、声は出ちゃうし…身体も勝手に…! あ、はぁ、っ……んんっ…あぁうっ』

――なんだかすっかり二人の世界じゃない?まぁ変にさっきみたいに話しかけられるよりはいいけど――
だから私も自分の鏡像を愛撫する男の動きに集中できる。
私が動かしているのは、私を愛撫しているのはあの男の手、指……
あの男に抱きすくめられ愛撫されているのは人形ではなく私自身……
ちょっと軽い自己暗示をかけつつゆっくりと見える範囲、覚えられる範囲で動きをトレースし自分に施してゆく。
相手の注意が逸れているという認識からくる安心感か、声を漏らすことにも躊躇は無かった。
「ん…っ…は、はぁ…う…」
『あ、あぁっ、ん…』
『「ふ、ひぁっ、あうっ、ん、ああっ!」』
はじめは輪唱になっていた嬌声が少しずつ重なり始める、
あたかもイザベラとスキルニルの昂りがそうなるかのように……。
244イザベラ慣らし4:2007/02/04(日) 20:53:38 ID:J777Izlq
『「あん……んん…ぁん…んくっ!」』
 古代魔法技術の驚異、とでもいうべきだろうか。
サイトの手指の動き一つに双子のような一人と一体のあげる嬌声がステレオのように反応する。
『「ふぁ、ぁ…あん……ん、ひぁっ……はぁぁ!」』
しばしそれが繰り返されていたが、流れはまた変わりつつあった。
「さてとこっちは…」
草原というよりもはや湿原と表記できるだろう場所を抜け、泉へと至る途上に在るモノ
ベールをかけられるかのように保護されているソレに泉に浸されていた指を近づける。
蜜を馴染ませた指の腹でこすり落とすように包皮から開放すると軽くつまむ。

 迂闊にもイザベラは最前までの愛撫と同じレベルの認識で追随してしまった。
『「ひゃあっ!」』
一際高い声と身体が仰け反るような感覚に襲われる。
『だ、だめ! そこはっ、ぁあっ、ひっ、あああ!』
「だ、だめ! ここはっ、ぁあっ、ひっ、あああ!」

――な、何よコレ!さっきまでの、なんかより何倍もゾクゾクって、や、また…
はぁっ、あっ、あっ、あああっ! わ、わけわかんな、くぅっ! だ、ダメ、このままは
向うに気付かれちゃう! で、でも止められ……な――

 かろうじて寸前で動きを緩め意識を保ったイザベラだが、スキルニルには無論不可能である。
『や、あふ、はぁっ、んっくぅぅ……あああぁぁっ!』
先刻を上回らんばかりの嬌声とともに大きく身体を震わせ、数秒後にガックリと脱力し前方に
倒れこもうとするところを男の腕に引き止められる。

 すっかり脱力しているスキルニルをベッドに寝かせると男は立ち上がり水差しを手に戻ってくる。
べッド脇の小机に水差しを置くとスキルニルを抱き起こし耳元に二言三言囁く。聞き終えたスキルニル
が小机に備え付けのペンを取り何かをしたためる。
命じた作業の終わりを確認すると男はスキルニルの口を開かせ粉状の何かを含ませる。
そして水差しと対のグラスに注いだ水を一口含みスキルニルの唇を奪うように重ねた。
245イザベラ慣らし4:2007/02/04(日) 20:54:17 ID:J777Izlq
 一連の流れをおぼろげな意識で眺めていたイザベラだったが、ベッドの上で寝ているはずだった一人と一体がごく間近に立っていることに気付く。

「さて、仕舞ということにしてこいつを解除してやってくれ。
ただし、こいつのキスが終わってからだがね」
 男の言葉と入れ替わるように鏡を眼前におかれたようにスキルニルの顔が迫り唇が重ねてくる、が
ただの接吻ではなく舌で唇を割り開くと何かを流し込んで来た。
わけもわからずに飲み込んでしまうと耳元に解除のルーンが囁かれ復唱するよう促される。
促されるままに呟くが効果は現れず男は、あぁそうかとばかりに杖を拾った。持たせようとして毛布
から右手を引き出した男の動きが一瞬止まるがそのまま解除を済ませ、再び杖を取り手を戻す。

「いい娘だ、だからこれはサービスしておくよ」
言うや毛布の上からイザベラの手に添えるように押さえると軽く振動させた。
その刺激で収まりかけていた火が再び燃え上がりイザベラの理性を炙る。
「ゃ…せ、せっかく…収まって、きてたのに…ま、また変にっ! な、なにか……
なにかが、く、来る! き、来ちゃう! あぅっ、んうっ、あっふぁぁ」
一層振動が激しくなり意識が白く染まって行く……
「ああっ! あああぁぁぁっ!」
一気に追い上げられた身体が仰け反り痙攣し…一拍おいて弛緩すると背もたれによりかかる。
「あぁ、それとお前のところの七号の命、俺が貰い受けた」
薄れ行く意識の最後に意外な言葉を聞きながら、イザベラの視界は暗転した。

翌朝、プチ・トロワの人々が目覚め、主の寝室に出向いた時
そこには寝台で寝息をたてるイザベラとその脇の小机に小さなメモ、小さな黄薔薇の造花が置かれていたという…
246191の者:2007/02/04(日) 20:57:53 ID:J777Izlq
>243の名前欄入力ミスった(汗
ともあれようやく書きたいことの直前まで投下できたのでもう一頑張り。
次回は多分エロ分なさげなので期待せずにお待ちくださいw
247名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 21:34:00 ID:BOy6Oo4E
>>246 GJ! もーずっとネチネチいって下さい。
エロ抜きでも続きが楽しみです。
248せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/04(日) 22:21:35 ID:nkhMBd+V
PCかえたー。
ミスってバックアップデータ半分とんだー(泣
まあ大事なデータは全部脳みそに入ってるから無問題だけど!

じゃあ投下いきます。
明日早番だから出だしだけだけど
249女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/04(日) 22:23:23 ID:nkhMBd+V
急な呼び出しに、アニエスは戸惑っていた。
銃士隊の演習中に、アンリエッタに呼び出されたのである。

「…火急の用件だと言うが…一体なんなんだ」

まさか、また反アンリエッタ派の陰謀か?
陛下を狙う不貞の輩が、まだ残っているというのか…。
自分が呼び出されるということは、女王直々に、ある程度の武力を必要としているということ。
それなりの覚悟を決め、アニエスは王室のドアをノックした。

「入りなさい」

聞きなれたアンリエッタの声にアニエスは執務室のドアを開け、中に入る。
質素な執務室の奥には、清貧女王アンリエッタと、その側近のマザリーニが、今日の執務をこなしていた。
アンリエッタはアニエスの姿を確認すると、マザリーニに言った。

「少し、席をはずしていただけるかしら?枢機卿」

マザリーニはは、と一礼すると、すぐに部屋から出て行った。
特に事情を聞くことはしない。それだけ、マザリーニがアニエスを信用しているということ。
それだけ銃士隊の任務は特別で、重要なのだ。
アニエスは軽い緊張に背筋を伸ばす。
そして、敬愛する女王に尋ねた。

「用件とはなんでしょうか、陛下」

その質問にアンリエッタは椅子から立ち上がり、すぐ後ろの窓から外を眺めた。
…すぐには言い出せないほど、重要な任務ということか…。
アニエスは、己の認識が甘かったことを後悔した。

「あなたに、聴きたいことがあります」

アンリエッタの言葉に、アニエスは応える。

「は、なんでしょうか陛下」
「…一昨日、王都の表通りの仕立て屋に行きましたね?」
「…はい」

確かに行った。
ちょっと大事な買い物があって、そこでしか買えないものを買いに出かけたのだが。

「…それが何か?」
「真紅のレース付は、勝負下着ですか?」

ぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
アニエスは思わず噴出した。
250女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/04(日) 22:23:55 ID:nkhMBd+V
「ななななななな、何を言い出すんですか陛下っ」

あわてるアニエスに、ジト目でアンリエッタは詰め寄る。

「…私の想い人だって知ってるクセに、あなたはサイトさんにその下着で迫るんですか?」

恐るべきは恋する乙女の嗅覚。
アンリエッタは、アニエスと才人の非番の行動を知って、二人の関係に感づいたのである。

「ちょ、違ってっ」
「違いませんっ。そうやってサイト様を寝取るつもりなんだわっ。信じてたのに酷いわアニエスっ」

よよよ、と泣き崩れるアンリエッタ。
まさか呼び出された用件ってコレのことかー!
確かにアニエスは才人と肉体関係がある。しかしそれは、なんていうかオモチャと主人で、恋人とかそういうのではない…のだが。
この女王に説明して分かるだろうか?

「い、いやあのですねえっ、サイトと私はその、師匠と弟子っていうか」
「師匠と弟子がそういうことするんですかっ」

やっぱりいいいいいい。
ここはアレだ、言い訳がましいけど。

「いやあのですね、陛下のお相手として相応しいように、サイトを鍛えているわけでありまして。稽古です稽古」

かなり言い訳臭い。
しかし、その言い訳にアンリエッタは。

「…なら私も混ぜてくださいまし」

へ?

「私もサイト様のお相手が務まるよう、そのお稽古に混ぜてくださいまし」

何を馬鹿な、と反論しようとしたアニエスにしかしアンリエッタは。

「もし混ぜていただけなのなら、あなたの騎士資格を剥奪しますよ?」

絶対権力者のわがままの前に、アニエスに逃げ場はないのだった。
251せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/04(日) 22:24:53 ID:nkhMBd+V
今日のところは以上。
短くてごめんorz
252名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 22:31:06 ID:w/ngPxBi
こ、この流れは3Pか?
いや、せんたいさんのことだ! われわれの想像の少し斜め上を行く!
253名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 22:36:44 ID:8V6lte6A
どうしよう。もう原作読んでもこのアン様しか想像できねえー
へんたいさんGJ!
254名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 23:07:59 ID:YcFOqcWY
GJです

しかしアニエスも苦労が絶えないな・・・w
255名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 23:59:53 ID:ptr0E1xP
>>246
紫のバラの人のオマージュかwww
256名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 01:26:59 ID:C/y0o/z4

「いいいい、犬――――! あんた、ど、どこ舐めてんのよ!」
「ん? えあ、洗濯板にバターが垂れちゃって、もったいないからさ」
「だだだ、だれが洗濯板ですってぇ!? ……やっ、……ん」
「アレ? なぜか洗濯板にチェリーが付いてら」
「ひっ……、そ、それチェリーじゃない、よう……!」
「なんだか硬くなってら」
「あああああ、転がさないで!」
「ん? このチェリー、板から取れないや。んじゃ、吸ってみるかな」
「す、す、吸わないで! う〜〜〜」
「ご主人様、どうかしましたか?」
「な、な、……ひっ……なんでもないわ」
「そうですか。では、犬は洗濯板の掃除に戻ります。しっかり舐めて綺麗にしなくては」
「うう〜〜〜〜、そ、そんなに頑張って綺麗にしなくても……ひぅ、あっ!」
「そうですか? じゃあ、そろそろ止めにしましょうか」
「あっ、や、止めないで……違っ……ななななな、なんでもない。そうね、もう遅いし、そろそろ眠らなきゃ」
「嘘です。まだまだ止めません。満足するまで続けます」
「ま、満足って、なに? ああああ、もう、やー。サイトのばか」
「サイトじゃないです。犬です」
「いいいいい、犬――――! あぅ。あんた、ごご、ご主人様を、な、な、舐めすぎなのよ。あっ、もうダメ……」
257名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 01:28:10 ID:C/y0o/z4
駄目だこれ。
258名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 03:30:49 ID:GodeYF8d
へんたいさんのアンリエッタキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

まじ楽しみにしてます!
259名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 07:05:11 ID:3UI/Spda
>>256
GJ。俺こういうの好きだわ
260名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 08:22:06 ID:5a9uM5rL
なんか休日あけて見にきたら大量に!
皆さんGJ
261名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 14:04:33 ID:+eUfQMXn
へんたいさんの作品は普通に笑えるから好きだ。
お仕事がんばっておくれ。
262名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 21:56:58 ID:wHY/9Rnk
せんたいさんが1次創作の人のように思えてならない。
あくまで俺の想像なんでスルーでよろ。
>>251アンとアニエスとで3Pかぁ…wktkwktk
263名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 22:29:43 ID:AUnU3Xql
                    / A \
               _/ ∀  `ー―vヘ、
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       l  /      |  ヽ_/        l   l
       │ j"      |            ヘ  |    |
アンリエッタ女王陛下がこのスレに御興味を持たれたようです。
264名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 22:42:50 ID:GodeYF8d
>>263
(;´Д`)俺は許しちゃうヨ! ハァハァ
265名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 22:55:26 ID:/VDarwcS
>>263
女王仕事しろwww
266ルイズ×テファ:2007/02/05(月) 23:39:33 ID:C/y0o/z4
 天窓から射し込む冴え冴えとした月明かりの下、ティファニアは優美な肢体をくねらせ、幼な子の出すような甘い声をあげていた。
 流麗な金色の髪は身体の淵をなぞるように流れ、月光に煌きながら、時折思い出したように揺れている。
 ティファニアは眉根を寄せ、懸命に、我が身を襲う快楽に抗おうとしていた。
 額には玉のような汗。
 全身を引きつらせ、涙やよだれなど、身体から流れ出るあらゆる体液にまみれながら、ティファニアはベッドに横たわっていた。
「なにその、あられもない声。やっぱり胸が大きいと、頭だって悪くなっちゃうみたいね」
 部屋の暗がりから、とがめるような、きつい声。
「ち、ちが……」
 ティファニアは反論しようと試みるけど、言葉の端はもう声にならない。
 それどころか、足先から頭の奥までが、濁った快感で満たされ、物事をちゃんと考えることができないでいる。
 あう、と呻き声をあげながら、ティファニアは指先で下腹部を押さえる。
 先ほどから、その辺りが狂ってしまったみたいに悦楽的な悲鳴を上げつづけている。
 それに――信じられないくらいに濡れてしまっているのだ。
 わたし、どうしちゃったんだろう? と、ティファニアは思う。
 けど、そんな考えはすぐに散り散りになって消えてしまい、再び、溶けるような悦楽に頭の中は満たされてしまう。
267ルイズ×テファ:2007/02/05(月) 23:42:55 ID:C/y0o/z4
「あらやだ。シーツをびしょびしょに濡らしちゃって。ティファニアってば、ほんとに淫らなんだから」
 暗がりから、声の主が姿を現した。
 桃色がかったブロンドをした、ほっそりとした少女。
 ルイズであった。
 ルイズは鳶色の瞳に妖しげな光を灯して、しどけない格好で身悶えするティファニアを興味深そうに見つめいていた。
「いけない娘ね。わたしの使い魔を誘惑しようなんて思うから、そんな目に合うのよ」
 実際には、ティファニアは才人を誘惑しようなどと思ったことはない。
 しかし、恋する乙女である今のルイズには、なにを言っても無駄なんであった。
「ねえ、見て」
 そう言って、ルイズは自らの顔の前にかざすように、青色のクリスタルで作られた洒落た形のビンをティファニアに向かって差し出した。
「マジック・アイテム。禁制の媚薬よ。一滴あれば、処女が淫乱に豹変するわ。あんたはそれを一瓶まるごと飲んじゃったってわけ。ま、わたしが飲ませたんだけど」
「あう」
 ティファニアはルイズの顔をおずおずと見上げ、そしてまた、すぐに悦楽の渦に呑み込まれた。
 全身が敏感になって、ぬるぬるした触手に這いずり回られているような感触がするのである。
 気を抜くと、快感で失神しそうになってしまう。
268ルイズ×テファ:2007/02/05(月) 23:46:15 ID:C/y0o/z4
 ベッドの上でティファニアは、びくびくと艶かしく身体を震わせていた。
「ふ、ふん。なによばか。ちょっとくらい胸が大きいからって。そそそそ、そんな、ちょっとだけ色っぽいからって。あんたなんて所詮、ハーフエルフじゃないの」
 ティファニアは涙目で、瞳に淫蕩な色を浮かべながら、
「あう……わたし、もう駄目。か、体がおかしいの。助けて……」
 と哀願する。
 しかしルイズは……、
「ダメよ。もっと悶えなさい。でないとわたしの気が治まらないわ。それに、苦しいんじゃなくて、気持ちいいんでしょ? 薬が最大限に効いたら、街に連れ出して売春の客引きでもさせてあげるから、そのつもりでいなさいよね」
 と、とりつく島もない。
「あんた、初めてでしょ? きっと、夢みるみたいに素敵な、めくるめく初体験ができるはずだわ」
 ルイズはしばらく、その場に佇んだまま、褥に横たわるティファニアを眺めていたが、やがて、ふと思いついたかのようにティファニアの元に歩みよった。
 ルイズ、ティファニアの衣服を剥ぎ取ると、やおら、ティファニアのたわわな胸を揉みしだきながら、指先で先端の突起を擦りはじめた。
「あっ……、きゃ!」
 瞬間、ティファニアの身体が跳ね上がり、小刻みに痙攣してから、ぐったりとなった。
 ルイズが顔を見ると、ティファニアは双眸に涙を溜めながら、瞼をぎゅっと閉じ、眉に頼りなげな皺を刻んで息を弾ませている。
「イッちゃったの? こんなので? へえ、エルフもイッちゃうんだ」
269ルイズ×テファ:2007/02/05(月) 23:48:59 ID:C/y0o/z4
「う……、もう許して」
「まだまだ、これからじゃない。これから夜の街に出て、知らない男に股を開くんでしょう? きっと、すっごく気持ちいいわよ。蕩けちゃうくらいに」
 ルイズの瞳に狂気が宿っている。基本的にルイズはサドの気があるのだ。他人を苛めるのが大好きな性分を持ってるのである。
 ルイズの気持ちは段々エスカレートしてきていた。
 ルイズはティファニアの身体を責め始めた。
 まず、ティファニアの豊満な胸にいらいらしながら舌を這わせると、左の指先で乳首を摘んで擦る。
「ふあっ、あきゃっ」
 次に右手をティファニアの秘部にあてがうと、人差し指と中指で柔らかく刺激を与えていった。
「ひ、……っく!」
 ティファニアの秘部は信じられないほどに濡れてしまっていた。
 ルイズは、くすりと意地悪く笑うと、ティファニアの秘部を繊細な指使いで愛撫していった。
「ぅあああう!」
 痺れるような快感がティファニアを襲った。
 下着の上からとはいえ、女同士の的確さで、ルイズの指先はティファニアの一番感じる箇所を丁寧に愛撫していった。
 ルイズの指はティファニアの肉を擦り、振動させ、弱いところを刺激していく。
270ルイズ×テファ:2007/02/05(月) 23:54:58 ID:C/y0o/z4
「あぅ、もう無理!」
 ティファニアが耐え切れずに、身をよじらせて逃げようとするが、
「なに言ってんの。すっごくびしょびしょに濡れちゃってるじゃないの」
 ルイズに押さえられ、再び組み伏せられてしまう。
 というか、既にティファニアの身体は、抵抗できるだけの力を入れることができなくなってしまっているのである。
「あふ、無理……です」
 ティファニアは全身を、くたっとさせて、ルイズのなすがままになってしまう。
 ふん、と呟いて、ルイズはティファニアの下着を剥ぎ取った。艶やかな金色の陰毛が見える。
「気に入らないわ。こんなトコまで綺麗だなんて」
 そう言うとルイズ、ティファニアの脚の間に顔を埋めて、舌で秘部を舐め始めた。
「あううっ」
 ぴちゃぴちゃと卑猥な音が響き、ティファニアがまた身体をびくびく震わせる。
「ひっ……」
 すぐに仰け反ると、足先を痙攣させる。達してしまったようである。
 ティファニアが、ふにゃっとなると、
271ルイズ×テファ:2007/02/05(月) 23:58:04 ID:C/y0o/z4
「ダメよ。まだまだ終わらせないわ。こんなんじゃわたしの気が済まないもん」
 顔も上げずにルイズは舐めつづける。割れ目だけでなく、突起や、その周囲まで丹念に、時に激しく。
 舌先を尖らせて割れ間に差し入れ、内部を刺激することも忘れない。
「はひ。あうう」
 ティファニアは目も開けられず、ルイズの責めにびくびく反応しながら、従順に声を漏らしつづけている。
 ほどなく再び達してしまったが、もう本人でも、それが何度目の絶頂なのかが分からなくなってしまっている。
「指、挿れるから」
 そのうちに、低い声でルイズが宣告した。
 ルイズはA級のサドなので、ティファニアをもっと苛めたくなってしまったのだ。
「あんたの処女は、わたしが貰っちゃうわ。いいわね?」
 ティファニアは、それだけは許してください、と懇願したかったが、その時には、もうそんな気力さえ残されてはいなかった。
 それに全身に媚薬が回り切ってしまっていたので、正直なところ、なにかを挿れて貰いたくて仕方なくなってしまっていたのである。
 でも、初めてが、同じ年頃の女の子の指だというのは果たしてどうなんだろう? などと、ぼんやりした頭で、ちょっとだけそんなことを考えたりしていた。
「じゃ、挿れるわね」
272ルイズ×テファ:2007/02/06(火) 00:00:33 ID:C/y0o/z4
 ルイズの予告する声と同時に、指先がティファニアの膣に、ぬらぬらと入ってきた。
 焼け付くような快感が、ティファニアの体内に広がった。
「ぅああああっ!!」
 痛みはなかった。
 その代わりに、淫らな快楽が、ティファニアの体内を暴力的に満たしていった。
 ルイズは挿入した指先を、一定のリズムで出し入れした。
 ちゃんと気持ちいい場所に当たるよう、ティファニアがこれ以上なく身悶えるように、気を配りながら出し入れしていった。
 その甲斐あってかティファニアは、ますますあられもない声を上げ、腹を反らせて瞼をきゅっと閉じ、涙を流しながら悦んでいる。
 ルイズの指には処女の証だったティファニアの血が滴っている。
 なによもう。とルイズは思った。サイトのばか。あんたが他の娘にふらふらいっちゃったりするから、この娘がこんな目に合うんだからね。だからこの娘が処女を失ったのはサイトのせいよ。ふん、あんたのせいなんだから。
 そんなことを考えながら、ルイズはティファニアを苛めつづけた。
「あう。あうあう。あうっ!」
 鼻にかかった甲高い声を上げながら、ティファニアは今夜何度目かの絶頂を迎え、全身を震わせながら、くたりと意識を失った。

  終
273名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 00:24:49 ID:Geq9cxJo
>>272GJ!
前のSテファも良かったけど、Mテファの方がしっくりくるねぇ〜
ルイズにもGJ。
274名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 03:41:13 ID:IalKfvjj
つまりルイズはサイトが責任を取ってテファと付き合えと…あれ?

GJ
275名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 12:34:53 ID:SN5B2UdV
このルイズにはお仕置きが必要だな。
276名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 15:58:13 ID:kdkh+5lQ
むう。こういう趣向もなかなか…
とりあえず乙
277名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 16:45:27 ID:g0tS/Kwz
いっぱい分岐できそうなssですね
278名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 17:28:43 ID:T/pPwUUT
ルイズサイト分が不足してるな。
ソフトSMのルイサイss希望。
279名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 17:46:50 ID:m3WAiNqG
もちろんSサイMルイな?
280名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 18:57:54 ID:T/pPwUUT
>>279
当たり前さ。
ルイズの場合は、かなりのMプレイでもサイトとなら喜びそうだから暗くならないのが良い。
281名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 20:58:42 ID:4xeZn5Rw
どっちがSでもMでも違和感ないなw
282名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 21:36:33 ID:H249ALHb
じゃあサイト:S ルイズ:M 実況:ギーシュ 解説:シエスタで
283205:2007/02/06(火) 22:23:47 ID:WcqLB2V+

そんな流れには全く関係なく短編投下です。
284幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:24:21 ID:WcqLB2V+

 あらシエスタ、どうしたのそんなに慌てて。
 違うわよ、後少しで面倒な仕事が全部片付きそうだから、ちょっと一休みしているところよ。
 勝手にどこかに行っちゃうなんて、サイトじゃないんだから。
 大丈夫よ、もう少し頑張って終わらせたら、ちゃんと休ませてもらうから。
 あらいい香り。そうね、せっかくだからいただこうかしら。
 うん、今日も変わらずいい腕だわ。悔しいけど、紅茶に関しては絶対にシエスタには敵わないわね。
 ああ、これ? これはね、サイトからの手紙よ。きっと今頃は船の上ね。
 全く、妻と領地をほったらかして冒険の旅なんて、いつまで経っても子供なんだから。
 ご心配なさらずに。少しも怒ってなんかいないわ。むしろ安心しているぐらいよ。
 サイトが冒険なんかに現を抜かしていられるぐらい、世界が平和だってことだものね。
 早いものね。わたしたちが東から帰ってきてもう一年も経つんだわ。
 え? それはもちろん覚えてるわよ。わたしの人生で一番幸せだった時間だもの。
 忘れる訳ないでしょう、結婚式のことなんて。急にそんなこと聞くなんて、変なシエスタ。
 でも、何故かしら。あまり詳しくは思い出せないのよね。
 浮かんでくるのは学院での生活や大変だった戦争中のことばかりで。
 そうね、あの頃があんまり大変すぎたから、今こうして皆で生きていられるのが嘘のように思えるのかもしれないわね。
 ところでシエスタ、サイトが旅立ってから今どのぐらい経つんだったかしら。
 ああそうね、まだ半年だったわね。おかしいわね、忘れるなんて。わたし、ちゃんと見送りにも出たはずなのに。
 ま、何にしても、この分だとあとニ、三年はサイトの顔見なくてすみそうだわ。
 ふふ、ご名答。ホントはちょっと寂しいんだけどね。寂しがってばかりもいられないわ。
 それに、サイトのためにちゃんと犬小屋を残しておいてあげないと、いつもみたいに拗ねちゃうかもしれないしね。
 どうしたの急に欠伸なんかして。わたしの眠気が移っちゃったって訳でもないでしょうに。
 ごちそうさま。今日もおいしかったわ。さ、仕事頑張らなくっちゃ。
 サイトが帰るまでは、わたしがこのデルフリンガー男爵領を守らなくちゃいけないからね。
285名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 22:25:30 ID:qkynDZj6
先生。
炉痴女ものが読みたいです。
286幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:25:30 ID:WcqLB2V+

 あらあら、神聖ゲルマニア帝国の女皇帝様が遠路はるばるおいでになるだなんて、身に余る光栄ですわ。
 なんてね。堅苦しいのはなしにしましょうよ、久しぶりに会えたんだから。
 ええわたしは元気よ。あんたこそ老けたんじゃないの、帝国の統治に忙しすぎて。
 ふふ、そうそう、やっぱりキュルケはそうでなくちゃ。
 ちょっとね、心配だったのよ。なんか妙に暗い顔してたから。
 なんですって。あのねえ、サイトが今何やってるのかって、それはあんたが一番よく知ってんでしょう。
 なに変な顔してるのよ。手紙で聞いてるわよ、ようやく地方領主の反乱が治まりそうだって。
 皇帝のくせに自分の国のこと忘れるなんて、やっぱ疲れてんじゃないのあんた。
 でも、なんだか懐かしいわねえ。学院にいた頃は、しょっちゅうあんたとこんな口喧嘩ばっかりしてたっけ。
 そうね、あの頃が一番楽しかったわ。今思うとほんの些細なことで意地張ったりして。
 失礼ね、そういうことには真剣だったわよ。少なくとも、あんたよりはね。
 そうそう、コルベール先生は元気? サイトの手紙によるとまた髪の毛が少なくなったって。
 え、それ本当? そんな薬本当に作っちゃったんだ。
 あ、でもあんたにとっては微妙なんじゃないの。知性の輝きとか言ってたし。
 はいはい、ごちそうさま。全く、普通結婚して五年もすれば少しは熱が冷めるもんなんじゃないの?
 お生憎様、わたしたちは何の問題もなく夫婦やってるわよ。
 って言っても、サイトが留守がちなせいで結婚してからほとんど顔会わせてないんだけど。
 おかげで、今じゃ領民だってわたしのこと「男爵様」なんて呼ぶんだから。
 しかも、からかったり冗談で言ってるんじゃないの。ごく普通によ?
 わたしは男爵夫人であって男爵本人じゃないのにねえ。
 信じられる? 前に冒険の旅から帰ってきてから、この領地にサイトがいたのってほんの三日ぐらいよ。
 ええそう、ちょうどそのとき狙いすましたかのようにあんたから手紙が来て、
 サイトは他国の戦争に巻き込まれることになったのよ。
 おかげさまで、折角会えた三日間の記憶だってほとんどないのよ、わたし。
 今だって、思い浮かぶのはあの頃のサイトの顔ばっかりだもの。
 ええそう、学院にいた頃の、よ。わたしもいい大人になったってのに、未だにあの頃のサイトと恋愛してる気分だわ。
 なによ急に。ええもちろん愛してるわよ。会えないのなんか関係ないわ。
 大体、あいつったら三日に一度は手紙寄越すんだもの。しかも毎回毎回何度愛してるって書いてるんだか。
 その上ね、なんか妙に字が綺麗なのよ。まるで女の子が書いたみたいな上品な文字で。
 そうね、サイトにとっては外国語だもの。意識して丁寧に書いてるのかもね。
 ま、そんな訳で、わたしは少しも寂しくないわ。それに、シエスタだってそばにいるしね。
 なによ急に、気持ち悪い。言っとくけどね、あんたよりもずっと長生きするつもりだからね、わたしは。
 そうよ。お婆ちゃんになる前に隠居して、サイトと一緒にのんびり過ごすのが夢だもの。
 まあ、今の状況から考えるとなかなか難しそうだけどね。
 あらもう帰るの。皇帝陛下ともなると忙しいわね、友達ともなかなか会えないもの。
 ええそうね、わたしたちはいつまでも友達よ。ま、腐れ縁ってやつだけど。
 冗談冗談。ありがとう、キュルケ。サイトにも早く帰ってきてって伝えておいてね。
 変なキュルケ、返事もしないで出ていっちゃった。
 どうしてあんなに急いでいたのかしらね、シエスタ?
287幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:26:12 ID:WcqLB2V+

 やだ、こうして会うのって何年振りかしら。
 もちろん覚えてるわよ、変なこと言うのねタバサったら。ああごめんなさい。シャルロットだったわね。
 気を悪くしないでね。何だか学院にいた頃のことばっかり思い出しちゃって。
 ええそう、わたしったらこんなに感傷的だったかしらって思うぐらい、あの頃のこと思い出してばっかりなのよ。
 サイトのこと考えると、どうしても最近の思い出よりも昔のことばっかりになっちゃうのよね。
 長い間会ってないせいかしら。あいつったらどうしてこう忙しいのかしらってぐらい、飛び回ってばっかり。
 ええと、五年前にゲルマニアの戦争から帰って来た後はどうしたんだったかしら。
 確か……変ねえ、思い出せないわ。手紙は櫃にしまっておけないぐらいたくさんもらってるのにね。
 え、嘘でしょ。ガリアにいるの? どうしてまたそんなところに。
 やだ、今度は邪竜退治ですって。それもあなたの代わりに? どういうことなの一体。
 へえ、サイトったら帰り道にわざわざ遠回りしてまでガリアに寄るなんて。
 まさかあんたたち、わたしに黙って二人っきりで会ってるんじゃ
 うそうそ、冗談よ、本気でそんなこと思うわけないじゃないの。
 どうしてそんなにムキになるのよ。かえって怪しいわよ、それ。
 ふふふ、いちいちあなたに言われなくたって分かってるわよ。
 ま、あいつったら女の子には優しいから、昔はよく誤解してたけどね。
 ええもちろん、愛してるわよ。なかなか会えないけど、心はいつだってそばにいるつもりよ、わたしたち。
 やだ、どうして泣くのシャルロットったら。ええ、ええ。そうなの、お父様たちのことを思い出して。
 そうね、わたしもサイトも、シャルロットのお母様たちのように、ずっと仲良くしていきたいわね。
 そういえば、本当に良かったの。今のガリアの国王って、あのジョゼフの娘なんでしょう。
 あなたが邪竜退治なんか命令されたのだって、下らない嫉妬と逆恨みのせいでしょうに。
 そう。そうね。その子も、昔のシャルロットと同じかもしれないものね。
 でもだからって、あなたが馬鹿正直に恨みを受けるのもおかしな話だわ。
 あなただって女の子なんだし、自分の幸せも考えてみるべきよ。
 そうなの。そんな風に一人で背負い込むことないのに。
 サイトだって今はガリアにいるんでしょう? あんなので良かったらいくらでも頼りにしてくれていいのよ。
 でも不思議ねえ。邪竜出現なんて大事件でしょうに、領民の噂にもなってないわよ。
 その上領主であるサイトがそれを退治に行ったんだとしたら、もっと騒いでもいいと思うのだけど。
 なあにシエスタ。ああそうね、確かにここは町とは少し離れてるし、領民の声なんて聞こえなくても仕方ないか。
 ふふ、でもそれはシエスタのせいでもあると思うけど?
 そうなの、聞いてちょうだいよシャルロット。
 シエスタったら、なにかと理由をつけてわたしをこの城に閉じ込めようとするのよ。
 たまに領地の視察に行っても、「どこに暗殺者が潜んでるか分からないから」って、なかなか領民と話もさせてくれないし。
 そうね、わたしに何かあったらサイトが悲しむでしょうけど。だからってねえ。
 冗談よ。わたしだって子供じゃないんだし、我侭ばかり言ってもいられないわ。
 それに、領地の統治はジュリアンが補佐してくれるおかげでずいぶん楽になったし。
 ああ、シエスタの弟よ。何年か前から働いてもらってるんだけどね。
 シエスタにもずいぶん助けられてるから何となく悪い気がしてたんだけど。
 ずいぶん真剣な顔で「サイトさんへの恩返しがしたいんです」だなんて頼まれちゃ、ね。
 え、なあに。もちろん幸せよ。こうやってたまに友達が尋ねてきてくれるし、世界は平和だし、
 なによりサイトがいるからね。もっとも、あいつったら本当にたまにしか帰ってこないんだけど。
 こんなんじゃ思い出作ってる暇もないわ。ま、手紙だけはたくさんあるから、いいけどね。
 そう、もう帰るのね。道中お気をつけて。無理しないで、わたしたちのことも頼りにしてね。
 それにしても、まさかサイトがガリアにいるとはね。
 決めたわシエスタ。今度帰ってきたら、鎖に繋いでもトリステインに置いておきましょう。
 ずいぶんほったらかしだった分、今度こそわたしたちの我侭たくさん聞いてもらわなくちゃ、ね。
288幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:26:47 ID:WcqLB2V+

 ごめんなさいね、悪気はなかったのよ。ただ、ちょっとおかしくて。
 あのみっともなくて口ばっかりだったギーシュが、今や名誉あるトリステイン軍の元帥様だなんてね。
 ちょっとそんなに怒らないでよモンモランシーったら。悪気はないんだったら。
 わたしったらどうしてこんなに昔のことばっかりなのかしら。
 あれから十五年も経つっていうのに、未だに皆のイメージが昔のまま止まってるのよ。
 そう、まだギーシュが情けなくて、水精霊騎士隊の隊長を変わってくれってサイトに頼み込んでた頃よ。
 懐かしいわねえ。サイト、そういうのはお前向きだ、なんて言って、結局副隊長のままだったっけ。
 でもその判断は正しかったのね。元帥にまでなるんだもの、ギーシュはやっぱり人の上に立つ人だったのよ。
 その辺サイトはダメよねえ。作戦なんか立てずに突っ込んでばっかりだし、
 領地のことはわたしたちに任せっきりで、あっち行ったりこっち行ったり。
 そうそう、ガリアの邪竜退治から帰って来た後も、今度こそどこにも行かさないつもりだったのに。
 でも姫様からの命令じゃ、断る訳にはいかないわよねえ。
 あ、そうそう、姫様といえば、あの馬鹿また鼻の下伸ばしてるんじゃないでしょうね。
 やだ、急に何言うのよ。そりゃサイトがわたしのこと愛してるっていうのは疑わないけど、
 そんなことできるはずない、なんてのは言いすぎよ。ま、わたしもそう思うんだけどね。
 だけど、本当にあの馬鹿の戦い方なんて参考になるの?
 そりゃ戦士としては一流だけど、誰かに真似できるものでもないでしょうに。
 ま、確かにそうかもね。あれだけ強い男と戦えば、たとえ負けても何か得るものはあるかも。
 トリステイン兵の訓練なんて、いかにもあいつ向きの仕事なのかもね。
 それで、あいつは最近どうしてるの。前に帰ってきたのは、ええと、何ヶ月前だったかしらシエスタ。
 なんですって? 一ヶ月? おかしいわね、よく覚えてないわ。
 ああ、そうそう、帰ってきて早々領民の家に飲みに行ったんだっけ。思い出したわ。
 全く、あいつときたら妻であるわたしのことほったらかしにしてばっかり。
 なによモンモランシー。……ふふ、そうね、その方があいつらしくて安心するのかもしれないわね。
 そういえば覚えてる? あいつが水精霊騎士隊の皆とこっそり学院を抜け出して、町にお酒を飲みに行って。
 やだ、わたしったらまたあの頃の話してる。ごめんなさいね、本当に。
 そうだったわ、最近のあいつの様子、聞きたかったんだっけ。どう、真面目にやってる?
 どうしたのギーシュ、そんな言いにくそうに。まさかなんか問題起こしたんじゃ。
 あはは、相変わらず大げさすぎるわよギーシュ。一生の目標だなんて。
 あんなの迷子の犬ッコロみたいなもんなんだから。元帥様とじゃ比べ物にならないわよ。
 ああ、サイトの話ばっかりしてたせいかしら。なんだか急に会いたくなっちゃった。
 いやね、年を取ったってことなのかしら。
 ほんの一ヶ月前に会ったばかりなのに、なんだかもう何十年もサイトの顔見てないような気がするわ。
 ああびっくりした。どうしたのかしらモンモランシーったら。あんなに急に出て行ったりして。
 あ、ギーシュ、どうしたのモンモランシーは? え、なんだか具合が悪いみたいだから帰るって?
 ダメよそんなときに動いたりしちゃ。泊まっていきなさいよ、どうせ部屋はたくさん空いてるんだし。
 なんならサイトの部屋を使ったっていいのよ。
 どうしたの急に。そんなに怒るなんて、ギーシュらしくもない。
 本当に帰るのね? ごめんなさい、わたし、なにか怒らせるようなこと言っちゃったかしら。
 そう? 本当に? 良かった、わたし、雰囲気読めないなんてサイトにからかわれるものだから、心配になっちゃって。
 ええ、モンモランシーにもお大事にって伝えてちょうだい。
 あの子はお母さんだもの、もしものことがあってはいけないわ。
 わたしも、お婆さんになる前にサイトの子供が産みたいものね。それじゃ、ごきげんよう。
 大丈夫かしらモンモランシー。なんだか心配だわ。
 あらあらどうしたのシエスタ、急に泣いたりして。
 大丈夫よ、サイトだってすぐにまた帰ってくるだろうし。
 心配しなくたって、悪いことなんか何も起こりはしないわ。
289幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:27:19 ID:WcqLB2V+

 ああお懐かしゅうございますわ姫様。いえ、女王陛下とお呼びした方がよろしゅうございましょうか。
 そうですか、ではお言葉に甘えさせていただきますわね。
 お久しぶりでございます、姫様。前にお会いしたのはいつだったでしょう。
 四十年前、でございますか。いつの間にか、時はそんなにも長く過ぎてしまっていたのですね。
 姫様はなかなかこの領地を訪れてくださいませんでしたから。
 そうですわね、姫様は今やアルビオンで静かに暮らしておいででですから。
 ここに来るまででもずいぶんな長旅だったのではございませんか。
 そうですか、アニエス様が。あの方は今も変わらず姫様の剣として尽くしていらっしゃるのですね。
 姫様が女王の座を降りられてから、世の中はずいぶんと変わりましたね。
 それでもこの国が変わらず平和なのは、全て姫様のお力の賜物でしょう。いえ、ご謙遜なさらないでください。
 トリステイン王国という国がなくなっても、わたしたちがこうして穏やかに暮らしていられる。
 それは全て、あの日に備えて姫様が持ちうる限りの力を尽くされていたおかげでございます。
 本来であれば、わたしも夫も領民に命を狙われていたかもしれませんもの。
 ええ、それはもちろん、善政は敷いてきたつもりですわ。
 あの馬鹿みたいに人がいいサイトが、悪い領主だなんて言われるのは我慢できませんでしたから。
 夫は本当に留守がちで、この三十年間この城にいた期間なんてほんのわずかでございましたけど。
 それでも、このデルフリンガー男爵領の領主は、ヒラガサイトその人だけですわ。
 領民だってそのことはよく知っているはずです。今はもう、男爵領なんてものはなくなってしまいましたけれど。
 そういえば、どうしていますか。
 誰って、もちろん、わたしの夫のことでございますわ。
 今はアルビオンの復興に尽くしているのでございましょう。
 少し前、久方ぶりに姫様にお会いしたという手紙を受け取ったのですけど。
 ああ、思い出していただけましたか。夫はどうしていましたでしょう。
 もう年ですから、無理をして体を壊していなければいいのですけれど。
 ふふ、おかしいですわね。こんなことを言っていても、やっぱりわたしの頭に浮かぶのはあの頃のサイトの顔だけ。
 今はもうわたしと同じで白髪も皺もある老人になってしまっただなんて、なんだか実感が湧きませんわ。
 そうですか、好かれていますか。それは良かった。
 夫は、よく手紙にアルビオンの子供たちのことを書いてくるのですよ。
 各国の分割統治という形で治められていて、今でもそれ程治安がよくないのに、子供たちの瞳はいつも輝いていると。
 まるで自分の子供のことのように書いてくるんですの。
 わたし、それを見たらなんだか嬉しくなってしまって。
 結局わたしとサイトの間には子供はできませんでしたけれど。
 でも、その分サイトは世界中を駆け回って、自分の子供たちをたくさん作ったのだと思うのです。
 わたしも、そんな夫の手助けが出来て、とても幸せな人生でしたわ。
 もちろん、まだまだ元気に生き続けるつもりですけれども。
 きっとサイトももう少しで落ち着いてくれるでしょうし、そしたらこの城も引き払って、
 二人だけでのんびり暮らしていこうと思っておりますの。
 それこそ、犬小屋みたいな小さなお家で、ね。
 あら、もうお帰りですの姫様。もう少し……やだわ、もうこんな時間でしたの。
 道中気をつけてお帰りくださいましね。アニエス様がいらっしゃるなら大丈夫でしょうけれど。
 それではごきげんよう、姫様。今度はサイトと三人で、またお会いしましょうね。
290幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:28:05 ID:WcqLB2V+

 ふふ、サイトったらこの年になってもまだ子供みたいなこと言ってるのね。
 あらどうしたのジュリアン。珍しいわね、お客様? どうぞ、お通ししてちょうだい。
 ようこそ、剣の城へ。わたくし、主の留守を預かっておりますルイズ・ド・ラ・デルフリンガーと申しますわ。
 こんな格好でごめんなさいね。最近足が痛くて、もう立つことも苦しくて。
 あら、失礼ですけれど、どこかでお会いしたことがあったかしら。
 気のせいですわよね。
 こんなに若々しくて、美しい金髪の方と知り合う機会なんて、わたくしのような老人にあるはずがありませんもの。
 ああ、だけど本当にどこかでお会いした気がするわ。
 失礼ですけれど、その帽子を脱いで顔を見せてくださらないかしら。
 まあ、テファ。ティファニアじゃないの。
 ええ、もちろん覚えているわ。友達の顔を忘れる訳がないでしょうに。
 本当に懐かしいわ。あなたはちっとも変わっていないのね。やっぱりエルフの血が混じっているせいかしら。
 ああごめんなさい、悪い意味で言った訳ではないの。許してちょうだいね。
 そう、ありがとう。だけど本当に嬉しかったのよ、わたし。
 何故かしら、一人ぼっちになってしまった気がしていたのよ。
 キュルケもシャルロットも、ギーシュやモンモランシー、姫様にアニエス様。
 皆、ずっと前にお亡くなりになって。半年前にはシエスタまで死んでしまって。
 その頃からかしらね、何故だか急に元気がなくなってしまったの。
 変よね、一人ぼっちだなんて。わたしにはまだサイトがいるっていうのに。
 今ではもう食事も満足に食べられないのよ。折角作ってくれるジュリアンには悪いのだけれど。
 ああ、これ? これはサイトからの手紙。
 サイトったらこの年になってもまだ子供みたいに世界中を駆け回っているのよ。
 そんな元気な人の妻なのに、わたしは今や夫からの手紙を読み直すぐらいしか楽しみのない、寂しい老人だわ。
 ううん、そのはずだけれど、あまり寂しくはないの。
 サイトは今でも三日に一度は手紙を送ってくれるわ。
 考えてみれば不思議よね。この六十年間、どんなところにいても、サイトからの手紙が途絶えることはなかったもの。
 本当に、いろいろなことがあったわ。もっとも、わたしはずっとこの領地を守っていただけだったけど。
 その間、サイトは帰ってきてはすぐに出かけていって。
 今度こそ落ち着いてくれるかと思っていたら、思い出を作る暇すらなくすぐにどこかへ。
 だけど、そういう人なのよね。
 世界のどこかにあの人を必要としている人がいて、そういう人がいる限り、あの人は躊躇いなく飛んでいくんだわ。
 結局、わたしの記憶に色あせずに残っているのは、六十年前の、まだ子供だったサイトの姿だけ。
 でもね、わたし、それでも後悔はしていないのよ。
 だって、ずっとサイトを支えてこられたんですもの。
 困ったり、泣いたりしている誰かのためなら、自分のことなんか省みずに助けに飛んでいく。
 そんな人の妻として、いつか帰ってくる場所を守ることができたんですもの。
 だから、とても満足しているのよ。
 人は不幸な女というかもしれないけど、わたしは胸を張って言うことが出来る。
 わたしの人生は、他の誰よりも幸福なものでした、ってね。
291幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:28:57 ID:WcqLB2V+

 そうそう、今サイトがどこにいるか、知ってる?
 今はね、西の大洋の上よ。
 サイトが年がいもなく西に向けての航海に旅立ってから、もう何年かしら。
 ほら見て、あの人からの土産話がこんなにもたくさん。
 それにね、あの人ったら、昨日の手紙にこんなこと書いてたのよ。

「いま、帰りの船に乗っている。長い間待たせてばかりですまなかった。
 今度こそ、ずっと一緒にいよう。もうすぐ、お前のところへ帰る。愛しているよ、ルイズ」

 ふふ、馬鹿ねえ、今頃そんな風に気を遣わなくっていいのに。
 ああ、だけど、聞いてちょうだいテファ。
 わたし、最後の最後にサイトを悲しませることになりそうなの。
 そう、死期が近づいているのよ。サイトが帰ってくるまでは頑張ろうと思っていたんだけど、
 自分でも分かるの。わたしは多分あと一ヶ月、ううん、きっと一週間も生きていられないだろうって。
 だから、ね、テファ。友人として、わたしのお願いを聞いてもらえないかしら。
 せめて、わたしがいなくなってもサイトが静かに暮らしていけるように、遺言を残しておきたいの。
 ええそう、サイトはずっとこの領地を留守にしていたから、今自分がどのぐらいの財産を持っているかなんて
 全然知らないと思う。確かにわたしたちはもう貴族ではないけれども、それでもいくらか財産はあるわ。
 そういうことでゴタゴタさせて、サイトを疲れさせたくないの。だから、ね。
 そう、ありがとう、テファ。それじゃあ今から遺言状の内容を言うから、口述してくれないかしら。
 ええそう。ごめんなさいね、もう手も満足に動かせないの。サインだけは何とかするから、ね。
 どうしたのテファ。そんな悲しい顔をするなんて。
 謝らないで。あなたは何も悪くないでしょう。ね、お願い、テファ。
 わたしの最後のお願いを、どうか聞いてちょうだいね。
 ああ、ありがとうテファ。それじゃ、お願いしますね。
 
 ……ありがとう、テファ。これで遺言は全てよ。
 さあ、サインをしなくっちゃ。ごめんなさい、体を支えてくださるかしら。ええ、ありがとう。
 あら、テファ。不思議ね、あなたの文字、びっくりするぐらいサイトにそっくりだわ。
 ええ、サイトの方がもっときれいだけど。本当に不思議。どうしてこんなに似ているのかしら。
 ああ、そうだったわね、まだ力が残っているうちに。
 これでいいわ。この遺言はジュリアンに渡してちょうだいね。
 本当にありがとう、テファ。これで、思い残すことなく逝くことができる。
 ふふ、そう、嘘よ。本当は、最後に一目だけでいいからサイトに会いたかったわ。
 だけどおかしいわね。最後に思い出すサイトの顔も、やっぱりあの頃のままなの。
 本当に、おかしな人生だったわね。だけど、楽しかったわ。
 ああ、泣かないでちょうだい、ティファニア。
 わたしはとても幸福なの。幸福なままで、死んでいくのよ。
 悲しいことなんて何もないの。だから泣かないでね、ティファニア。
 あなたが泣いたら、きっとサイトは悲しむと思うから。
292幸せな男爵様:2007/02/06(火) 22:33:15 ID:WcqLB2V+

 その日、かつてデルフリンガー男爵領と呼ばれた地の片隅で、一人の老女がひっそりと息を引き取った。
 彼女が残した遺言により、城はその地の住民たちのものとなり、わずかばかりの財産は貧しい人々のために寄付されることになったという。
 老女の葬式は、彼女がかつて貴族だったとは思えないぐらい、実にささやかなものだったが、
 城が建っている小山へと向かう葬列は、麓の町の大通りを埋め尽くすほどに多く、
 生前彼女がどれだけ慕われていたかをよく現していたという。
 葬式に参加した者たちは、皆一様に涙を流しながら、
「気は狂っていたが、わたしたちにはとてもいい領主様だった」
「ただ一点についてのみ正気をなくされていたことを除けば、実に誉れ高い御方だった」
「あんなにもお優しかったために、心を壊されてしまったのだろう。
 彼女の苦しみが終わったのは喜ばしいが、彼女を失ったことはとても悲しい」
 などとそれぞれの思いを込めて彼女を偲び、葬式が終わって以降もしばしの間町全体が悲しみに沈んでいたということである。
 これが、後に「気狂いルイズ」と呼ばれることになる、偉大なる女男爵の死に様であった。

 彼女の亡骸は、城の裏手の森のずっと奥に葬られることとなった。
 彼女自身は死ぬまで気付かなかったようだが、そこには一つの墓があり、墓標の代わりに一本の大剣が突き刺さっていた。
 今、物言わぬその剣の下には、二つの亡骸が寄りそうにして眠っている。

 なお、六十年ほど前から頻繁にこの地を訪れていたという帽子を目深に被った金髪の美女は、
 「気狂いルイズ」の死後も変わることなくこの地を訪れ続け、
 人々が彼女のことを忘れ去って以降もずっと、剣の前に花を手向け続けたという。
293205:2007/02/06(火) 22:34:34 ID:WcqLB2V+

以上で。ではまた。
294名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 22:38:41 ID:qkynDZj6
Gj
295名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:00:42 ID:7t3sJMh1
・・・・何?才人が死んだ現実を直視出来なくて壊れたルイズの話か・・・?

・・・・・つД`)・゚・。・゚゚・*:.。..。.:*・゚ さっきゲームを予約してきたばっか
だってのに・・・・
296名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:01:27 ID:wlY5TVbq
全ハルケギニアが泣いた
297名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:08:33 ID:Geq9cxJo
>>293途中でサイトがもう死んでるんだなってのが分かったけれど読まずにはいられなかった。
ルイズはシャルロット母と同じ病(呪い?)にかかってたってことか?
いや、サイトが死んだショックで狂ったのか。
泣けたよ…GJ。でも無駄に長いって言うと語弊があるようなないような、なんだが、
少し読みにくかった
298名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:13:03 ID:Ip2mXT1z
>>293
これは感動モノ
299名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:37:32 ID:OA/kMBeH
ルイズ。・゚・(ノД`)・゚・。
気狂いはちょっとひどいと思ったがGJ
300名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:52:12 ID:OJ2CQa5L
自分も多少読み辛さを感じた。
リーダとかダッシュを使ってないとかじゃなくて
ルイズが一人だけで畳み掛けてるみたいで相手の存在が掴みにくいとかね。
一呼吸というか一拍おかれるような間が欲しかった。

でもそんな些細なことはさておき、GJ
301名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:14:59 ID:aGDBSdDE
ここはエロパロスレのはずなのに、何故涙が・・・畜生・゚・(ノД`)・゚・。
302名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:16:36 ID:wf17JX/X
>293
泣いた・・・


悔しいがGJ。次なんか書くときはルイズを幸せにしてやってくれよぅ・・・
303名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:23:44 ID:o0NPprkm
>>293
GJ!

そうか、近未来では養毛剤が……
304名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:08:11 ID:YzuYEVw+
>>293
GJ

なんかこれを読んで、他の女性キャラはサイトがいなくても生きていけるけど
ルイズだけは駄目そうだな〜と思ったよ。
実際自殺しかけたしな。
愛しすぎるのも不幸だな。
305名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:13:23 ID:wf17JX/X
>>304
だよね

自分はシェス子派だけど、ルイズの次の二号さんでいいと思うの。
306261のひと:2007/02/07(水) 01:16:00 ID:t26d1gtk
むー、今投下して良いのかちょっと悩みますが……
実験的に 二本投下。

ちなみに一本目と、二本目に関連性は無いです。
ヒロインは同じ。 最近忘れられ気味の人です。

二本目はちょっと黒いので、名前欄に 黒め鬼畜と入れときますね。

二本続けて読む人に、目指せ2HITコンボって感じです。
307名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:16:32 ID:t26d1gtk
 朝起きて、誰も居ない部屋で一人着替える。
 
 意地悪な人は、玉の輿に乗りそこなったねって、捨てられたねって言う。
 優しい人は、いい人が見つかるから、忘れたほうが良いって言う。

 サイトさんは、陛下の許可を頂いて来るって。
 そう言って出掛けて、……帰って来たのは手配書だった。
 
 どうしてわたしは無力なんだろう?
 サイトさんを助けてあげたいのに。
 わたしに出来ることなんて……
 
 誰も居ない部屋、サイトさんもミス・ヴァリエールも居ない。
 綺麗な部屋、毎日毎日掃除している部屋。

 ――二人がいつ帰って来ても良いように。

 マルトーさんが用意してくれる三人分のお食事を、毎日一人分だけ頂く。
 
 もうシュヴァリエじゃないサイトさんの事しかないから、周りの皆の目も段々冷たくなっていく。
 
 でも……わたしに出来ることは信じることだけだから。
 きっと帰ってくるって信じて、毎日毎日お掃除する。

 誰も居ないベット。
 
 昔住んでいた部屋から毛布を持ってきて、床で眠る。
 あそこは三人の場所だから。
 次もまた、三人で眠りたいから。

 今は我慢。

 日が暮れて、部屋の隅で丸くなる。

 今日もサイトさんの事、何も分からなかった。
 昨日も何も分からなかった……明日は?

 信じるのが辛い。
 期待するのが怖い。

 ……もし……帰ってこなかったら?
 綺麗に拭き掃除した床の上に、ぽたぽたと涙が落ちる。
 
 どんな時でも側に居たいのに、『捨てられた』のだとしたら?
 
 寒くて、切なくて、胸が痛い。

 メイジみたいに飛べたら、真っ直ぐに彼の元に急ぐのに。

 ……わたしには何も出来なくて……

「待ってていいですか?」

 呟く声も闇夜に溶けて、今日もまた、一人で凍えていた。
308黒め鬼畜 1/4:2007/02/07(水) 01:17:26 ID:t26d1gtk
 背中が痛かった。足も腕も。
 手足には鎖が付けられて、自由に動くことも出来ない。
 無理な姿勢を続けている所為で、全身が軋むようだった。
「動くな、椅子が」
 四つん這いになったシエスタの上で、机に向かったアニエスが仕事をしていた。
 
 サイトが出奔して手がかりを探しに来たアニエスに、その場で捕まった。
 しばらく牢に閉じ来られていたが、帰ってきたアニエスは、非常に期限が悪かった。

「お前は今日から、椅子」
 最初言われた時、シエスタは自分の耳を疑ったが……

 ――次の日からシエスタは椅子だった。
 家も家族も知られているシエスタに、抵抗する術は無かった。

 アニエスの同僚が、部下が、じろじろとシエスタを見つめる。
『み、見ないでっ……』
 男は皆立ち止まって、シエスタを見る。

「椅子は服を着ないだろう?」
 そう言ったアニエスが、楽しそうにシエスタの服を切り裂いた。
『ごめんなさい……ごめんなさい、サイトさん』
 どうやって調べたのか、サイトにプレゼントしてもらった服を着せた上でズタズタにした。

 ……大切だった服は、誰かがどこかに捨ててしまった。

 泣いて頼んでも、声が枯れるまで叫んでも、誰も何もしてくれない。

「良い椅子ですな」
「枢機卿」
 男に見られるのに、いつまで経っても慣れないシエスタは、側にマザリーニが来ただけで竦み上がる。

「お貸ししましょうか?」
 アニエスの一言に、身が凍る。
 もし、そんな事になったら?
 どんな目にあうか想像して、目の前が真っ暗になる。
 ……サイトさんに、会わす顔が……そう思って、自嘲する。
『そんなの、とっくに……』
 もう何人に見られたのだろうか?
『数えるのも……』
 悲しい認識に、枯れ果てたと思っていた涙がこぼれる。
 小さな嗚咽が、喉から漏れる。

「おや、可愛らしい小鳥なのに、声が掠れておりますな」
「えぇ、一度粗相をしましてね、水をあまり与えておりません」
 機会があるごとに繰り返される説明に、シエスタは頬を染める。

 それにしても、声が掠れるほどに? 首をかしげるマザリーニに、アニエスが嬉しそうに説明した。
「生きるぎりぎりは与えて有りますので、死にはしません。
 倒れても、メイジにお願いして回復させます。ですが……水は最小限」
「ほぅ? 何故ですかな?」

 楽しそうに、心の底から幸せそうにアニエスが哂う。
「もうすぐ何でも喜んで飲むようになりますよ、プライドを残したままね」

 その意味は分からないまま、シエスタはアニエスの腰の下でひたすら震え続けた。
309黒め鬼畜 2/4:2007/02/07(水) 01:17:58 ID:t26d1gtk
 何度もアニエスと約束を繰り返したマザリーニが、やっと立ち去る。
『よ……かっ……た』
 安心して力が抜けると、身体に掛かる重さが何倍にも感じられる。
 椅子になった直後に、『重い』思わずそう言ってしまった直後の責めを思い出す。

 涙をこらえながら、必死に耐える。
 声も出せない。椅子は喋らないから。

 もし喋ると、アニエスが何をするのか……シエスタには見当も付かなかった。

「つまらんな」
 アニエスの呟きに身が竦む。
 
 この呟きの後は、大体……

 アニエスの指が、シエスタの膣に突き込まれる。
「っ……っ……!」
 
 痛い。
 それでも声を上げずに耐えるシエスタを、蛇の様な目で見つめながらアニエスは最近このために伸ばしている爪を突き立てる。

「……んっ……くっ……」

 カリカリと、しつこくしつこく痛みを与えると、シエスタの身体が防衛反応を……潤滑液を分泌する。

 自然な防衛本能。しかし……シエスタはそれを知らない。

「流石だなぁ、ほら、また濡れてるぞ?」
 部屋中の隊員が……同性の笑いさざめく声が、シエスタの心をまた少し殺す。
 性教育等を受けていないシエスタの知識は、いかがわしい本によって得た物だった。
 
 ぼんやりと、アニエスの指に光る自分が感じた証を見つめる。
 初めて見せられた時は、泣き叫んだ。
 二回目は羞恥のあまり何も考えられなくなった。
 三度目も、四度目も……決して慣れることなくシエスタをいたぶる。

「さて、『アレ』なら喋っていいぞ」
 アニエスの宣告に、親衛隊員の笑い声も気に成らなくなる。
「ほら、どうした? 喋って良いんだぞ?」
 
 黙っていることは出来ない。
 アニエスは何が何でも喋らせる。

 ここ数日で、身にしみていた。それでも……それでも口に出す辛さに変わりは無かった。
「わ……わたしは……」
 掠れた声、それでも出来るだけ大きな声で。
 声が小さいと、やり直せと、こんなに辛いことなのに、もう一度口に出せ……そう言われるから。
「サイトさんに……」
 こんな時でも、サイトの名前を口にしただけで、幸せに成れた。だからこそ続きを言うのが辛かった。
「ふ……相応しくありま……せん」

 毎日、コレだけが口にすることを許された言葉で……

 嘲る声が響く部屋の床の上で……死にたいほどの絶望に身を浸す。
 死ねば弟を代わりに連れてくると、アニエスが口にしていなければ……とっくに……

「何をしているのですっ!!」
 どこかで聞いた声が響いた瞬間も、シエスタはまだ泣き続けていた。
310黒め鬼畜 3/4:2007/02/07(水) 01:18:30 ID:t26d1gtk
『暖かい……』
 誰かがシエスタを抱きしめていた。
『誰?』
 目が霞んだ。
 十分な水分を与えられていなかったシエスタの目に、十分な涙は無かった。
「さ、もう大丈夫ですわ、ほら……これを……」
 口の中に差し込まれた何かから、水が零れる。
 むせながらも、数日ぶりの十分な水を、何度にも分けて与えられた。

 水が……こんなに美味しいなんて知らなかった。

「もう一度お休みなさい」
 綺麗な声。
 どこかで聞いたことが有った。

「ごめんなさい」
 髪を撫でる優しい手に全てをゆだねて、シエスタはもう一度眠りに付いた。

 ――何度か目を覚ました気がする。
 その度に誰かが、水を飲ませてくれた。
 頭が痛いと言ったら、魔法を掛けてくれた。
 怖いと泣いたら……抱きしめてくれた。

 まさか……そう思っていた。

 シエスタの隣で、女王陛下が眠っていた。
「へ……へ、へい……か?」
 城に来てからの辛い思いも何もかも吹っ飛ぶ衝撃だった。
「ん〜」
 あどけなく寝返りを打ったアンリエッタが、シエスタに甘えるように抱きついた瞬間、フリーズしたシエスタの意識が暗転した。

「おはよう、……シエスタ?」
 ――夢じゃなかった。
 夢のように美しい女王が、シエスタの手を引いて立ち上がらせる。
「アニエスが貴方にひどい事をしてしまって……ごめんなさい」
「ひぅ? ひぇ? ひぇいか?」
 見た事は有った、声を聞いたことも、想い人が同じことも知っていた。
 それでも、こんなことが起きるとは考えたことも無かった。
「一緒にお風呂に入りましょう? あ、わたくしの事はアンとお呼びに成ってね? シエスタ」

「おやすみなさい」
 夢だと断定したシエスタは、断固としてもう一度眠りに付いた。


 ――陛下は怒ると可愛い人だった。
「もう、シエスタはわたくしと居るのがお嫌ですか?」
「め、滅相もございません」
「ルイズのお友達ですもの、わたくしとも仲良くしてくださいましね」
 
 ……サイトさんがよろめく気持ちがよく分かる……
 シエスタは、話せば話すほどアンリエッタに惹かれていった。

「この部屋なら、アニエスも滅多に入れませんから、ゆっくり養生してくださいね?」

 ……お城にもいい人居るんだ……シエスタは久しぶりに笑いながら眠りに付いた。
311黒め鬼畜 4/4:2007/02/07(水) 01:19:02 ID:t26d1gtk
 シエスタと共に起きたアンリエッタが、シエスタを置いて執務室に向かう。
 
「陛下」
 いくつか廊下を曲がった所に、アニエスが控えていた。
「上々です、アニエス」
「はっ」

 シエスタには見せなかった冷たい顔の女王は、アニエスを見下ろしながら続けた。
「もう数日は回復させるように」
「……よろしいのですか?」

 目を閉じたアンリエッタの脳裏に、無防備に笑うシエスタが浮かぶ。
 ……それでも……
「どこに行くのか分からぬ猫に、鈴は付けねばなりません」

 アニエスが何を言おうとしているのかは分かっている。
 それでも……
「あの娘には……サイトさんより、わたくしを重視してもらわねば成りません……」

 楽しかった……幼い頃のように……
 何も、相手の裏を考えずに笑いあった……
 
 それでも、彼女は王だった。

「あと数度、追い込みなさい……わたくしに……依存させるのです」

 命を懸けてサイトを追うであろう彼女が、自分に連絡を取り続けさせるために……
 そのために、アニエスに命じたのだから……

 演技だったはずなのに……大切に成りつつある彼女の存在を押し殺して、
 アンリエッタは計画を進めた。
312名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:22:10 ID:t26d1gtk
続かない。
ってか、続けると皆不幸になりそうなので、二本目はこれにて終了。

……数週間前に、某漫画読んで脳内にあったけど、一本目と並べたら面白いかなと、実験。

最新刊の後半、彼女が何をしているのかなんでサイトは気にしないんだ……

……こんなんなら忘れておいてくれと言われそうですがっ、ではっ
313名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:23:55 ID:8/iwUvsp
>>293
GJ

出来ればサイトが死んだ経緯とか書いて欲しかったなぁ〜って思ったり
後、土地の名前が平賀領とかサイト領じゃなくデルフリンガー領なのはサイトが既に死んでいたから?
314名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:39:00 ID:3LXTSrwv
ひさびさにきてみれば作品結構きてますね。
205さんはやっぱすごいわ。ここエロパロだよ?w
てな位泣けました。ななしさんもへんたいさんも
GJですよ。
315名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:44:49 ID:xmfLfeEx
>>312黒いなぁ…止めたのは賢明だったと思う。
少なくとも俺にとっては。
ともあれGJ
316せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 01:59:40 ID:wfGnIMzv
PC再調整してたら遅くなっちゃった
続き投下いっくよー
317せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:00:26 ID:wfGnIMzv
その日、才人は『いつものように』アニエスに呼び出されていた。
呼び出された場所は銃士隊宿舎の、アニエスの部屋。
つまり、今日の『稽古』はアッチの稽古、というわけだ。

「…正直しんどいんだけど…」

なら断ればいいのだが、そうできない理由があった。
アニエスさんめっちゃ巧いんだもの。
いや、確かにルイズとかシエスタとかシャルロットもいいんだけど!
やっぱ、豊かな経験に裏打ちされたテクニックも大事、みたいな?
などと才人が不埒なことを考えていると、宿舎の前に着いた。

「…じゃ、一丁気張りますかぁ!」

才人は両頬を掌で張り、自分に活を入れた。
たしかにアニエスは巧いのだが、才人が手を抜くとすぐに不機嫌になる。
そうなると、イキたいときに逝かせてもらえない、枯れ果てるまで搾られる、などのお仕置きが待っている。
…それだけは避けたい。
しかし感じているときの普段とのギャップもまたタマランわけで。
才人の気合いが入るのもむべなるかな、である。
才人がそうして宿舎の門をくぐると。

「待っていたぞサイト」

門のすぐ裏側で、アニエスが待っていた。
珍しいこともあるもんだな。
普段、アニエスは自分の部屋で才人を待つ。門まで迎えに来ることなど、今までなかった。

「どうしたんですかアニエスさん?門まで出てくるなんて珍しいですね」

才人が当然の疑問を口にする。
アニエスはそんな才人に、うむ、と濁った返事を返し、俯く。
少し、気が引けるが…。
アニエスはとりあえず、才人をだますことにする。

「いやなに。少しお前を驚かせようと思ってな。今日は部屋にちょっとした仕掛けがしてあるんだ」

…ちょっとした仕掛け?
才人の頭の中を妄想が駆け巡る。
それは、いつぞやの深夜TVで見た、SMの部屋。
三角木馬やら拘束具やらの置かれた部屋に佇む、ボンテージのアニエス。

『女王様とお呼びっ!』

…確かにハマってるけど…。
その台詞は、どっちかっていうと…。

『女王様とお呼びくださいまし♪』

…いかん、姫様のが似合う。しかも姫様に笑顔でンな事言われたら靴だって舐めちゃいますよ俺!?

「…サイト?」

暴走する妄想に引きずられかけた才人を、歩き出したアニエスの言葉が連れ戻す。
あやうくアッチの世界に行きかけていた才人は、慌ててアニエスの後を追った。
318女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:01:56 ID:wfGnIMzv
ほどなくして、二人はアニエスの自室に着いた。
そこは重厚な扉に隔てられた部屋で、かなりしっかりした防音が施されている。
もちろん才人との情事を外に漏らさないためだ。
…表向きは機密漏洩防止のため、なのだが。
アニエスは、その扉を開く前に、才人に言った。

「かなり驚くと思うが、大声は出すなよ?」

才人はちょっとやそっとのことでは驚かないことを、アニエスは知っていた。
だが、今から見せるものを見て、才人が声を上げない保証はない。
だからアニエスは念のため、才人に釘を刺したのだった。

「そんなに驚くようなものなんですか?」

相変わらずの抜けた顔で、才人はそう尋ねる。
…驚くようなものだから言ってるんだが…。
しかし問答しても何が変わるわけでもないので、アニエスはゆっくりと扉を開く。
その中には。
見慣れたアニエスの部屋。
手前に鎧やその日着る服を掛ける台がある。その奥には円卓と椅子のセットがあり、ここで食事などができるようになっている。
さらにその奥に大きな天蓋つきのベッド。その奥には鎧戸に覆われた窓がある。
そのベッドの前に、それはあった。

「!?ひめさ」

思わず上げてしまった才人の大声を、アニエスがその口を掌で塞ぐことで防ぐ。
アニエスはそのまま才人を抱え、部屋の中に転がり込んだ。

「大声を出すなと言っただろう!」

アニエスは才人の拘束を解いて、後ろ手に扉を閉めると、そう言った。

「え、だって、その、姫様が」

才人は目の前の『それ』を指差して慌てふためく。
そこにいたのは、王冠こそ頂いていないが、見まごう事なき、女王アンリエッタ。
しかも普通の格好ではない。
肌が透けて見えるほどの薄いネグリジェ。レースのついた、白いシルクの下着。
俗に言う、『寝巻き』というやつだ。
しかし。
アニエスにははっきりと分かった。
…全力でヤル気じゃないか陛下…。
見まごう事なき勝負下着であった。

「あー、これはだなサイト」

とりあえず突っ込みは心の中だけにしておいて、アニエスはあらかじめアンリエッタと決めておいた台詞を出す。

「陛下の姿をした、スキルニルだ」

たとえ稽古とはいえ、一国の女王とむにゅむにゅ、というのはアレなので、建前上そういうことにしてある。
アニエスは知らないが、実はとうの昔に才人とアンリエッタはいたしちゃってるわけなのだが。
そんな事は関係なく、才人はへー、とそのアンリエッタに近寄る。
スキルニルは何度か見たことがある。確かに、本人と寸分たがわぬ外見をしていたのをよく覚えている。

「で、なんで姫様のスキルニルがあるんですか?」

といあえず事情を飲み込み、落ち着きを取り戻した才人がアニエスに尋ねる。
319女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:03:16 ID:wfGnIMzv
アニエスはこれまた、アンリエッタと決めておいた設定を話す。

「なに、ちょっとした趣向、というヤツだ。
 このスキルニルは陛下の経験も継いでいる。初心な陛下も交えて、三人で楽しもうと思ってな」

さささささささささささ3Pっすかーーーーーーーーーーー!?
アニエスの説明に才人の脳髄は一気に沸点に達する。
そんな才人を、アニエスはベッドの方へ引っ張っていく。

「とりあえず、だ。
 はじめるぞサイト」

才人は全裸に剥かれ、ベッドの端に座らされた。
その目の前で、アニエスが大胆に服を脱いでいく。
上着が捲くれ上がり、形のいい胸が弾けそうな弾力でぷるんとゆれる。
アニエスはそのままかがみこみ、ズボンも脱ぎ去ってしまった。
その下から現れたのは、真紅の下地に、黒いレースを纏った面積の小さな下着。
才人の視線は、否が応にもその紅に注がれる。
アニエスはその視線をからかうように、才人に絡む。

「目つきがエロいぞ、サイト」

アニエスは才人の足元に跪くと、紅の下着を強調するように尻を高く上げる。
にやりと笑うと、屹立した才人自身を軽く握った。

「あ、アニエスさんがそんなエロい下着着てくるから…」

才人の反論に、アニエスは才人を握り締めることで返す。
才人はその刺激にうっ、と呻きをあげる。
そんなアニエスの足の先を、何かがつついた。
…しまった忘れてた…。
アニエスが後ろを向くと、放置されて不機嫌そうな顔をしたアンリエッタがいた。
…混ぜて。
視線がそう語っていた。

「さ、さてサイト、これからが本番だぞ?」

慌ててそう言って、アニエスは才人を握ったまま、アンリエッタを手招きする。
アンリエッタは誘われるまま、開かれた才人の足の間に跪く。

「え?」

行為を中断されはしたものの、二人の肌もあらわな女性が足元に跪くという扇情的な光景に、才人の剛直はいよいよ固くなる。
そんな才人を、アンリエッタはじっと見つめる。
…あ…ほんものの…サイト様のにおい…。
その匂いだけで、アンリエッタの雌が目を覚ます。
そんなアンリエッタに、アニエスが語りかける。

「さあ、まずは先端に口付けを」
320女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:03:53 ID:wfGnIMzv
まず、アニエスが見本とばかりに、才人の先端の左側に唇を押し付ける。

「うっ…」

才人の喉からうめき声が漏れ、快感が伝わっていることを二人に知らせた。
アンリエッタもそれに続き、残った右側の頂上を、唇で塞ぐ。
そのまま二人は、何度も啄ばむように才人の先端にキスの雨を降らせた。

「くっ…」

一人の愛撫ではけして得られない波状の快感に、才人は必死に耐える。
アニエスはそんな才人に満足し、さらにアンリエッタに指示を出した。

「さあ、今度はそちら側の茎を咥えて、唇でなぞってみてください」

アンリエッタは言われるまま、才人の茎の右側を咥え、柔らかい唇で優しくグラインドしはじめた。

「うわっ…姫様っ…!」

姿を模したスキルニルと分かってはいたが、才人はアンリエッタが送り込んでくる快感に、爆発寸前になる。

「ふふ…上手ですよ陛下」

アニエスはそんな才人とアンリエッタに、嗜虐心を刺激される。

「さて、ガマンできるかなサイト?」

その嗜虐心を満足させるべく、アニエスは才人の腿の上に上半身を投げ出すと、アンリエッタとは反対側の茎を、同じように唇でグラインドしはじめた。
さらに、手で才人の陰嚢を、優しく揉んだ。

「うわっ、それっ!」

その刺激に、才人は一気に限界に持っていかれる。

「だ、ダメだっ!」

どくどくどくっ!

二人の唇の間で才人が一瞬膨らみ、弾けた白い噴水が二人の顔と髪を汚した。
…あ…サイトさまの…サイトさまが…いっぱい…。
アンリエッタはその熱さと匂いに呆け、無意識のうちに顔についた才人の精液を舐め取っていた。
アニエスもまた、自身に飛び散った才人を、丹念に漉き取り、口に運ぶ。

「ふふ…今日は一段と濃いな、サイト」

言って淫靡に笑い、放出の余韻にひたる才人に密着する。

「だって…あんなの…キモチよすぎますよ」

首に手を回し、未だ強烈な自分の匂いをさせる顔を近づけてくるアニエスに、才人はそう応える。

「じゃあ、今度はもっとキモチよくしてやるぞ?」

言いながら、硬さを取り戻し始めた才人を右手で撫で上げて、アニエスは才人の下半身を跨いだ。
真紅の下着をずらし、雌の果汁を滴らせる割れ目を晒すと、直立する才人をその裂け目に導いた。

「覚悟しろよ…サイト」

そしてそのまま、才人の剣を、自らの鞘の最奥まで、一気に納めた。
321女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:04:35 ID:wfGnIMzv
目の前で痴態を繰り広げる見知った二人に、女王は言いようのない劣情を感じていた。
ぺたんと腰を落とした床の上からは、上下する二人のつなぎ目が見て取れた。
赤黒く膨張した才人の肉棒が、アニエスの果肉を裂けんばかりに割り開き、果汁を滴らせながら出入りしている。
アンリエッタは、まるで自分の中にそれが入り込んでいるのではないかという錯覚を覚えた。
身体はその錯覚に反応し、雌の液体を股間から溢れさせる。
しかし現実にはその隙間は埋まっていない。
それを埋めるべく、女王は今自分にできる事をし始めた。
膝を立て、己の身体を開くと、ショーツを脱ぎ去って、ぽっかりと開いた自身の裂け目を、自らの指で犯し始めたのだ。
白磁と称えられたその指が、みだらな動きでアンリエッタの蜜壷をかき回す。

「あはっ…はぁっ…」

切ないため息が、アンリエッタの喉から溢れる。
その間にも、才人は激しくアニエスを突き上げ、アニエスは腰を振って才人に応える。
後ろから見ると、アニエスの腰の筋肉が動き、才人を締め上げているのが見て取れた。
…そっか…ああいうふうに力を入れるんだ…。
才人が入っている事を仮定して、アンリエッタは目の前の二人の行為にあわせ、指を出し入れし、腰に力を込める。
入るときは、緩める。出るときは、締める。
そのように動くアニエスの腰に、自身も合わせる。
それとともに、高まる劣情。
アンリエッタは指を出し入れするだけでなく、もう片方の手で最も敏感な突起を愛撫しはじめた。

「あっ、あっ、あっ」

喉が踊り、指の動きが激しさを増す。
秘裂からあふれ出る雌の粘液が飛び散り、床に小さな染みの群れを作る。
徐々に高まる身体とともに、目の前の二人も高まっていった。

「あ、アニエスさんっ、俺っ、俺もうっ」
「いい、いいぞ、サイト、出してっ、全部出してっ」

雌を露にしたアニエスが、最後の締め付けで才人を責めあげる。

「くっ、出るっ、出るっ!」

ごぼっ、ごぼぼっ、ごぼっ…。

才人の動きがアニエスの最奥で止まると、不規則な律動とともに、アニエスの中に欲望を流し込む。

「あ、あ、あ、あああああああーっ!」

自らの中心をつねり上げた女王は、その迸りを自身で受けているような錯覚を感じ、達した。
アニエスは才人が脱力するまでその欲望を吸い続けるようにくわえ込み、やがて脱力した才人を吐き出す。
才人にまたがっているせいで開いたその裂け目から、才人の牡とアニエスの雌の混合物が、どろりと流れ出した。
そのままベッドに倒れこむ二人を見ながら、女王はまだ納まらない自分の中の獣を、持て余していた。
322女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:05:31 ID:wfGnIMzv
隣では、アニエスがうつ伏せになって行為の後の休息をとっていた。
交わった後の心地よい疲労に身を任せていた才人だったが、下半身に感じた違和感に覚醒した。
その刺激の元を見ると、下半身でアンリエッタが才人自身を咥えていた。
あれ?スキルニルって命令がないと動かないんじゃ…?
才人の不審に応えたのは、隣で浅い眠りに落ちるアニエスではなく、全裸になったスキルニルのアンリエッタだった。

「私は本物ですわ、サイト様」

え?それってどういう…?
混乱する才人に、またしても言葉を待たずアンリエッタは応える。

「スキルニルの振りを、していたのです…。アニエスもそのほうがいいだろうって。
 でも、もうガマンできません」

そう言って、アンリエッタは完全に復活した才人の息子をきゅっと握り締めた。
才人はその刺激にうっ、と唸る。

「ください…サイト様の、熱くて、どろどろしたの…。私にも、たくさん、ください…」

そう言って、アンリエッタは才人を咥えた。

「ちょ、姫様っ?」

才人は思わず声をあげる。
その声に、隣でまどろんでいたアニエスが目を覚ます。
そして隣で繰り広げられる光景に、思わず叫んだ。

「へ、陛下っ?なにをしてるんですかっ?」

しかしアンリエッタは応えず、夢中で才人にむしゃぶりつく。
アニエスはそんなアンリエッタを慌てて才人から引き剥がそうとする。
しかしそれは適わなかった。
不意にベッドサイドから伸びた4本の腕が、アニエスをベッドから引き剥がしたのだ。
そこにいたのは、全裸の才人が2人。

「え…?」

アニエスはその光景に愕然となる。
それは、以前アンリエッタが買い求めた、2体のスキルニルだった。

「案ずることはありません…その2人は私のスキルニルです」

アンリエッタの言葉に反応し、2人の才人は動き出す。
才人の姿を写し取ったそれは、呆気にとられるアニエスの両膝を抱えあげた。
咄嗟のことで、アニエスは抵抗できない。空中でM字にアニエスの足が開かれる。
まだひくひくと蠢き、才人の精を溢れさせる裂け目を、アニエスの目の前に立ったもう一人のスキルニルが一気に貫いた。
323女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:06:13 ID:wfGnIMzv
「あはぁっ!」

それに引き続き、後ろでアニエスを抱えた才人が、今度はアニエスの膝を落とし、自分の先端にアニエスの菊門を押し当てた。

「やっ、そこはっ」

しかしスキルニルはまったく聞き入れず、一気にアニエスの肉門を貫いた。

「やぁっ、だめっ、こわれるぅっ!」

思わず目の前の才人に抱きつき、必死に訴えるアニエス。
経験の豊富なアニエスといえど、一度に二人に犯されるのは初めてだった。
二人の才人の間で揺れるアニエスを尻目に、アンリエッタは口淫で着々と才人を高めていった。
口全体で吸い付き、下で茎を嘗め回す。
スキルニルの才人で学習した、才人の『ツボ』だった。

「うわっ、ひめさまっ?」

予想よりはるかに巧みなアンリエッタのテクニックに、才人はまた高みにもっていかれる。
二度達した後にもかかわらず、才人の量は多かった。

どくっどくっどくっ!

喉の奥で才人を受け止め、ごくごくと飲み干すアンリエッタ。
そして、胃に才人が流し込まれるたび、アンリエッタの裂け目は淫らな粘液を分泌していく。
才人をすべて飲み込むと、アンリエッタはようやく口を離した。

「姫様、のんじゃって大丈夫なんですか?」

苦かったりするし、平気なんだろうか、と才人が心配していると。

「へいきです…。サイト様の、熱くて臭くて、とってもおいしいですから…」

淫靡に笑うアンリエッタに、才人の喉がゴクリと鳴る。
そして、才人の剛直は再び持ち上がり始めた。
そんな才人を見て、アンリエッタは満足そうに微笑むと、才人に背中を向け…なんと四つんばいになってみせた。
さらに股間から右手を差込み、指で己を割り開くと、才人を誘った。
324女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:06:53 ID:wfGnIMzv
「さあ…きてくださいまし…。
 才人様の剣で、アンリエッタを思い切り貫いてくださいまし…」

白磁の指で割り開かれたアンリエッタの禁断の果実が、淫らな果汁を滴らせて才人を誘う。
才人の理性は即座に振り切れ、獣のようにアンリエッタを後ろから貫いた。

「ああっ!サイトさまぁっ!すてきですぅっ!」

天上に最も近い高貴な声が、才人の律動で淫らな言葉を囀る。
そのギャップがたまらなく、才人の腰はさらに加速する。

「いいっ、いいのぉっ、サイトさまのっ、サイトさまのっ、かたくてっ、あつくてぇっ」

雌の喜びにアンリエッタの顔がふしだらにほころび、淫らに踊る喉が天上の調べを奏でる。
その隣では、アニエスが前と後ろから二人の才人に休むことなく犯されていた。

「やぁっ、だめぇっ、さけちゃう、なかっ、こすれっ、だめぇっ」

ありえない快感に何度も達し、アニエスの腰は完全に抜けていた。
もう、アニエスには己を操ることもできず、脱力した肉体でスキルニルの才人が果てるのを待つしかない。

「くっ…姫様、だすよっ…!」

ベッドの上では、才人が限界を迎えていた。
腰を打ち付ける速度が速まり、アンリエッタに才人の限界を伝えていた。

「あっあっ、くださいっ、サイトさまをっ、わたくしのなかにぃっ、くださいぃぃぃぃっ!」

アンリエッタは先ほどアニエスがそうしていたように最後の力で己の腰に力を込め、才人を締め上げる。
そんな中、ベッド脇の二人の才人も、限界を迎えていた。

「くぅっ、出るっ!」
「こっちもだっ…!」

どくどくどくどくどくどくどくっ!

倍の量の精液が、アニエスの中で灼熱の奔流となって暴れ狂う。

「やぁ、らめ、しんじゃう、しんじゃぅぅぅぅぅっ!」

そのあまりの量と熱さに、アニエスは焼き切れ、がっくりと意識を失う。
その声をBGMに、才人がアンリエッタの中で弾ける。

「姫様っ、姫様ぁっ!」
「あ、あ、あ、あああああああああああああっ!」

どくどくどくどくっ!

アンリエッタの限界とともに一際きつく締め上げられた女王の聖域を、流れ出す才人の欲望が征服していく。
アンリエッタは、アニエスを見習い、才人が全てを吐き出すまで、想い人を離すことはなかった。
325女王の花嫁修業 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:09:18 ID:wfGnIMzv
アニエスはまた、女王に呼び出されていた。
…き、昨日は死ぬかと思った…。
軽く痛む腰をさすり、アニエスは執務室の扉をノックする。

「入りなさい」

アンリエッタの了承の声に、アニエスはドアを開ける。
いつものように、そこではマザリーニとアンリエッタが執務をこなしていた。
アニエスの入室を確認すると、アンリエッタはまたマザリーニに退室を命じた。

「昨日はごめんなさいね、アニエス」

申し訳なさそうにアニエスを見つめ、女王はいきなり謝った。
…ホントに。いきなりなにをするんだか…。
そしてアニエスは、昨日から疑問に思っていたことを口に出した。

「陛下、ひょっとしてスキルニルで練習してましたか?」

以前才人とアンリエッタの逢瀬を手助けしたことのあるアニエスは、二人の仲が尋常ではないことを知っていた。
そこはまだいい。
まさかアンリエッタがあんなものを使って練習しているとは。

「え、ええ。は、はしたないとは思うのですが、その、サイト様に喜んでほしくて…」

恋する乙女の表情で、恥ずかしそうに女王はそう言った。
…全く、この女王は。
年の近い妹を持ったような感じがして、アニエスはなんとなく嬉しくなった。

「…今度から、私の非番に暇ができたら、おっしゃってください」

アニエスのその言葉に、アンリエッタの顔がほころぶ。

「で、では…」
「今度から、陛下も一緒に『稽古』しましょう。本物のサイトで」

サイト、これからが大変だな。
ちょっとだけ才人の身を案じ、アニエスは微笑んだのだった。 〜fin

一方その頃魔法学院では。

「で?このマントに染み付いた女物の香水の出所を聞きましょうか?」

犬より嗅覚の鋭いご主人様に、使い魔がギタギタにされる直前だった。 〜ホントにオシマイ
326せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/07(水) 02:11:52 ID:wfGnIMzv
エロシーン長っ(ぁ
ていうかこれどこのエロ(ry
むしろここからアニエスorアンリエッタ調教パートに(黙れ
ああだめだだめだエロコメ目指してたのにコメディ薄すぎorz
精進しなおしてきましゅ

ていうか明日も仕事だしねるーノシ
327名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 02:13:00 ID:m8DM2gAU
光の速さでぐっじょーぶ!
328名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 02:18:40 ID:Zc/ZDhsY
のぞみの速さでぐっじょーぶ!!
329名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 02:48:27 ID:o0NPprkm
>>326
禿ワロしましたw

GJです!
330名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 02:52:40 ID:3m8dXuq2
GJ!サイトだけにエロい姫様ハァハァ
331名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 04:49:26 ID:eIvIeAn+
さすがはへんたいさんだ!
3P超GJ!
332名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 10:47:09 ID:/z7NvCDO
流石変態、良好・・・アン様アニエスコンビいいですわー♪
333名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 14:32:36 ID:1FQcXoPz
おきっしたじゃないかこのやろうめw
しかしいい職人がそろったスレだね。
へんたいさん エロと笑いの伝道師
205さん 鬼才
ほかの人たちもみんないいエロスですね。
334205@言い訳:2007/02/07(水) 19:11:25 ID:HjcKHyxe

誰も仕掛けに気付いてくれないなんてくやしい……!
いや自分の書き方が下手だっただけなんですけれども。
っつーか今日読み直してみたら「そりゃこれだけじゃ伝わらんわなあ」と思い、
「あ、こうすりゃ良かったじゃん」と思いついたり。
仕方ないので補足的にSide-B的なのを書くことにしますですはい。いつになるか分かりませんけども。

ええと、何のことだか分からない人が多いと思いますので一応書いておきますと、
>>284以降のSSは、「サイトの死を直視できずに心が壊れてしまったルイズの話」ではないということです。
本当は多くの人が「あ、そういうことね」と気付けるSSになるはずだったのですが。
申し訳ありませんでした。練り込みが足りなさ過ぎました。
今後二度とこんな風に言い訳せずに済むように精進していきたいと思いますですはい。
335名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 19:33:46 ID:A8tMhIpU
…実はルイズ以外でサイトを独占していて最後までルイズは気付かなくて、みんなが自責の念にかられてるSSなのか?
336名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 20:11:07 ID:zy1j5PaX
>おかげで、今じゃ領民だってわたしのこと「男爵様」なんて呼ぶんだから。
コレか?
337名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 20:44:16 ID:4i7FMg/L
>>334
結婚式のことをあんまり覚えてなかったり
記憶の中のサイトが学院時代で止まってたり
定期的に来る手紙の字がテファの筆跡に酷似してたり

・・・テファ絡みですか?
338名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 20:56:56 ID:YLTsEAgF
いや、実はテファの忘却で記憶を消していたSSなのか?
339名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 21:24:09 ID:Ew7WJVjr
>>334
ちょ、待っ、お前、昨夜の俺の感動は単なる勘違いだったのか?
340名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 21:31:48 ID:xmfLfeEx
>>335俺も最初はそう思ったけど、夕べ書き込んだようにサイトの死によるショックなのかな?って最後は思った。
違うのか。>>334さん待ってます。
>>326へんたいさんいつもいつも良いエロをありがとうございます。
最終的にはサイトが3人での5Pかぁ。GJGJ。
341名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 22:02:59 ID:kqK06lPY
実はサイトが自分をルイズだと思い込んでるとか?
342名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 22:17:28 ID:8MOyDXkH
最初から墓にはふたり埋葬されていたんだな
343名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 22:37:06 ID:eIvIeAn+
読み直してみた
・サイトはすでに死んでいるが、テファがルイズからその記憶を消した
・サイトからの手紙はテファが書いていて、サイトが帰る時期になる度に記憶を消している
・友人達は事情を知っているから話を合わせている
・事情を知らない領民達は、死んだサイトの事を待っているルイズを見て狂ってしまったと思っている
こんな感じかな
344名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 22:52:14 ID:YLTsEAgF
>>342それは違うんじゃない?それなら遺言とか領主とかの設定が意味不明にならない?


・・・・でもやっぱりサイトが死んだとしかおもえね〜〜〜
345名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:13:53 ID:YzuYEVw+
>341

それだと確かに「デルフリンガー男爵」って呼ばれてるのがピッタリ来るな。
読んでるとき、ルイズと結婚してるなら何でヴァリエールじゃないんだろうって疑問だった。
結婚する前にルイズが死んじゃってるんだったら納得だ。

うわあああああ正解を教えてくれえええ205さん、気になってねむれねええええ
346名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:21:26 ID:Zc/ZDhsY
自分をルイズだと思い込んでるサイトを演じているマリコルヌでFA
347名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:29:36 ID:7rOyagyb
なんだこの勢い……

いや、マジで何が有った?

とりあえず GJ>ALL
348名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:37:25 ID:FjsK9kK+
>>326
さすがはゼロスレの最後の変態さんwwwww良いアン様でしたww

ところで・・・へんたいさんの才人×タバサ×アンリエッタを見たいのは
俺だけじゃないはず。二国の王族を・・・・(;´Д`)
349名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:42:13 ID:Jn4v9w/Z
>>341
サイトがルイズを演じるなら、最後の死んだのが老女というのはおかしくないか。
あと、サイトはルイズが死んでも狂いはしないと思うが。
350名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:45:13 ID:YLTsEAgF
>>348
それは見たいが今は205さんの正解の方が見てみたい〜〜〜
351名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:46:34 ID:FjsK9kK+
職人さんがSIDE-B書くってるし今はwktkしながら待つしかないんじゃないか?

まぁあれこれ考えるのも楽しい時間なのか。
352名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:57:44 ID:jbpiwXHN
205氏は結果的にスレをいい感じに盛り上げてくれたな。
side-Bを待ちながら答えを考えていよう。
353名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 00:14:22 ID:jlnAyiPr
>>346
マリコルヌの場合、姫さまはじめこんなにたくさん見舞いに来ないだろうしし、
そもそも嫌らしい体つきをしたメイドが側にいるわけもな・・・

やめた。悲しすぎる。
354名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 08:48:19 ID:3nmaOLpm
読み直してみて1回寝て思考をリセット……

一見、病床のルイズを知己が見舞いに来てる、ようでいて実はテファ以外来ていない。
テファの力を借りるなりなんなりで、各地の友人達の夢枕に意識を飛ばして今際の挨拶にまわり
巡り終えて「これで遺言は済んだ」と最後にテファに礼を言って往生。
(気違いうんぬんはサイトの世界の常識とかに影響された先見性故とかで
いたって正常だが領民には突飛過ぎたとか)

相手の存在が感じにくいという感想から敷衍してこんな予想解答をひとつ。
355名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 10:43:37 ID:66fmrGnM
久しぶりに来たら2スレも進んでてびっくりした。職人の皆様いつも楽しませてもらってます。
しかし…まだ初スレから一年経ってないのね。豊作だなぁ…。
356名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 13:31:21 ID:hUlzgci+
保管庫、携帯からのリンクが切れてる…。
357名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 14:13:35 ID:5XEsm+sL
205さんの改めて読み直してみたけど
俺の頭じゃチンプンカンプンだ。実は
ルイズはサイトに振られていたって話?
それとも地球に戻ったのか?ますますわからんw
358名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 23:21:52 ID:1ZWgzZUR
205さん
幸せな男爵様の補足的物語ま〜〜〜〜だ〜〜〜〜〜〜???

359名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 01:19:13 ID:j6Joc1WO
<<358その補足話はもうちっと
後になるみたいですよ〜。
3609-669:2007/02/09(金) 01:51:32 ID:Y1yyrg6m
皆さん。覚えておいででしょうか?9スレの669です。

>667 名前: 【豚】 [sage] 投稿日:2007/01/01(月) 03:44:57 ID:utcaHTxS
>大吉だったら
>シエスタか王女でSS書いてね!

>668 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/01(月) 03:47:48 ID:utcaHTxS
>・・・・・・
>じゃあ王女が牝豚化するまでの過程でよろしく

>669 名前: 【大吉】 【357円】 [sage] 投稿日:2007/01/01(月) 03:50:24 ID:oZQfmmc3
>大吉だったら雌豚化SSを書く

>670 名前: 【吉】 【1705円】 [sage] 投稿日:2007/01/01(月) 03:50:34 ID:oZQfmmc3
>・・・マジ?

>671 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2007/01/01(月) 03:53:04 ID:utcaHTxS
>>670
>フヒヒすいません

>672 名前: 【大吉】 【1682円】 [sage] 投稿日:2007/01/01(月) 08:36:16 ID:VttrzuGK
>>669
>よろしく頼む

>673 名前: 【大吉】 【1189円】 [sage] 投稿日:2007/01/01(月) 13:10:41 ID:oZQfmmc3
>すぐって訳には行かないけど、誓ってちゃんと書くよ。


というわけで、構想一ヶ月のアン様エロエロ化SS「チクトンネ街の女王」の第一次投下を開始します。
楽しんでいただければ幸いです。
3619-669『チクトンネ街の女王』:2007/02/09(金) 01:53:39 ID:Y1yyrg6m
 その路地はトリスタニアの裏通り、チクトンネ街にあった。
 ただでさえ猥雑なその街の外れともなると、そこは賭博場や売春宿や娼館の集まる色街だ。
 そこに溢れているのは、女を買いに来た男どもの欲に満ちた顔と、その男どもに
媚を売る売春婦たち。
 客引きの猥雑な呼び込みの声と酔漢の怒鳴る声と酌婦たちの嬌声。
 半裸の踊り子にダンスをさせる楽器の扇情的な音色と、その淫蕩な体つきを
はやし立てる客の声。

 そんな場末の繁華街の街頭を、一人の美少女が歩いている。

 年のころは十代後半。上だとしても二十は行っていないだろう。
 少女と女の間の年齢の美少女。
 その女の子は、ダークブラウンの美しい長い髪が目に付く。
 うつむき気味に歩いているせいで垂れた前髪で見えにくくなっているが、
その中の瞳は南国の海の色で、その肌は透き通るような白。

 どこにいても男の目を惹く、まぎれもない美少女だった。
 そして、こんな婬売宿の軒先を歩いているような美少女ではあるはずがなかった。
 その面差しは気品すら感じさせる怜悧な美しさで、色街の街娼たちの媚びるような目つきや
どことなく卑しい顔立ちなどとは比べ物にならない。
 麗しい、と評したほうがいい目鼻立ち。
 しかしその秀でた面差しはどことなく落ち着かない様子だ。

 その美少女は衣服も目立っていた。
 上衣は水兵のそれだが、下に穿いているのは丈の短いスカート。
 サイトがアルビオンの水兵服から改造した「セーラー服」である。
 すらりとした手足。驚くほど細い足首。女性らしい丸みを帯びた尻。
 それらをセーラー服に包み、その美少女――アンリエッタ女王陛下は、色街の裏通りを
一人で心細そうに歩いている。


――こんな…こんな、はしたない格好で表を歩いているなんて……
 その美少女、アンリエッタ女王は震える膝をすり合わせるようにしながら歩を進める。
 恐怖と、それ以外のなにかの感情に酔いながらアンリエッタは一歩一歩、震える足を
前に進める。
 緊張と興奮のあまりか、薄いブルーの瞳の視線は落ち着きなくキョロキョロと動いている。
 白い頬を酔ったように紅潮させながら、目だけを動かして周囲をうかがう。
 幾人かの酔漢が自分のことを見ていることに気づき、さらに緊張を高まらせるアンリエッタ。
 万が一にも身分がばれないように、とサイトに被せられた同じダークブラウンの長い髪の
カツラの下で、アンリエッタは秀でた額に汗をじっとりとしぶかせていた。

 そのうっすらとかいた汗にまみれてもなお気品のある顔立ち。
 その相貌が、はしたない格好で街を歩いている…歩かされている、という興奮で紅潮し
赤に濁っている。
 透明感のある肌は、その内側の毛細血管を透き通らせる。
 高貴な高い鼻も。ふっくらとした頬も。気品のある小さな耳たぶも。
 布地の少ない衣服で街を歩いている緊張と興奮で赤く染まっている。

 その姿は、清楚でありながら色香をまとわせている。
 アンリエッタはまるで、自涜を覚えたばかりの少女が恐る恐る
自分の身体を弄り始めているときのような表情を浮かべている。
 心細そうな、それでいて快感に対する期待と興奮とで目をとろんと
潤ませているような、そんな表情。
 酔漢に見られている、という恐怖で足を止めたまま、アンリエッタは
愛しい男の名前を心の中で呼んだ。

――サイトさん……

 自分にこんな服を着せた、大好きで大切な想い人。
 自分のことをただの一人の女の子として扱ってくれる、世界でただ一人の人。
3629-669『チクトンネ街の女王』:2007/02/09(金) 01:54:57 ID:Y1yyrg6m
 アンリエッタはついさっきのサイトとの会話を思い出すだけで、身体の芯から心地よい
震えが走る。
「下着を脱いでコレを着て」とサイトに命令されたとき、身体の中を突き上げてきた熱い塊。
 王宮の茂みの陰で、ブラジャーを外してセーラー服を着たときに上半身に感じた頼りなさと、
その後のサイトの視線の痛さ。
 スカートをめくられてパンティを見られ「これも脱ぐんだよ」と言われたときの絶望感。
――そう言ってくるサイトさんの目が……あの目の色が。
――…まるでモノを見るような、冷たい目でした。
 アンリエッタは思い出しただけで、ズキズキという熱を胸の奥に覚えてしまう。

 そのセーラー服の上衣はルイズのサイズにあつらえ直したものなので、
ルイズよりもずっと大人な――ボリュームのあるアンリエッタの胸は
セーラー服を内側からこんもりと盛り上げてしまっている。
 そして胸が盛り上がったぶん、裾は足りなくなり、真っ白いお腹の肌が
スカートとの隙間から常に見えている。脂肪のほとんど付いていない
ほっそりとしたその肌は、身じろぎすると縦長の健康的なおへそまで覗かせてしまう。

 ルイズの小さな腰にちょうどいいサイズのミニスカートは、
やはり大人な安産型のヒップのアンリエッタには小さすぎた。そして短すぎた。
 裾は高くずり上がり、太もものそのほとんどと、もはや太ももというよりも
お尻といっていいくらいの柔らかな内股の肉すら見せてしまっている。


 そう。
 今まさにアンリエッタは、
 きついセーラー服の上衣と、
 超ミニのスカートだけを穿かされて、
 色町を一人で歩かされていた。

 下着を一切つけることを許されずに。




 街の平民の視線を感じるたびに荒く早くなっていく呼吸が、アンリエッタの双乳を揺れ動かす。
裸の胸の先端が、セーラー服の生地に触れる。
 ザラザラしたコットンの生地。
 その内側と、アンリエッタの固くなりかけた乳首が擦れあう。
 瞬間、アンリエッタはそこから微かな痛みを感じた。そして、明らかに痛みではない
不思議な感触も。

――胸、ドキドキして……ヘンです……

 アンリエッタは今はもう乳房全体が充血している。激しい動悸で微かにばら色に染まり、
ふっくらと大きさを増した女王のおっぱいは、ただでさえ小さいセーラー服を
さらにきつく狭くしていた。

 聞き耳を立てている者がいたら、間違いなく欲情を誘うような切ない吐息を
その美少女は小さくこぼすと、切なげに形のよい眉を寄せた表情のまま、ゆっくりと
歩き出す。
 一歩、また一歩と足を進めるたびにアンリエッタのセーラー服は敏感になった全身の皮膚を
撫でていくようだ。
 そもそも水兵の軍衣に過ぎないその上衣には内張りなんてものはなく、荒いコットンの生地が
このお姫さまの玉のお肌をかすかに優しく、しかし確実に擦りあげて刺激していく。
3639-669『チクトンネ街の女王』:2007/02/09(金) 01:56:51 ID:Y1yyrg6m
 生ぬるい夜風が両足の間をすり抜けていく。
 その下にはなにもつけていない。穿くことを禁じられた下着は、王宮の裏口から出る前に
サイトに取り上げられてしまった。
 だからちょっとした風にゆれるスカートも、あまりにも頼りなく感じてしまう。

 服やスカートに触っちゃダメだよ、とサイトに言われていたアンリエッタは風で
超ミニのスカートがまくり上がらないよう祈ることしかできなかった。

――駄目です! 風…風吹いちゃ、あ、だ、ダメっ!
 何も穿いていない下半身を見られてしまう、という恐怖がアンリエッタの背筋を駆け上ってくる。膝から力が抜けそうになる。いま転んだりしたら絶対に見られてしまう、という恐ろしい思いが
アンリエッタを必死に立たせ続ける。

――サイトさんが先ほど撫でて下さったお尻も。
――サイトさん以外に、誰にも見せたことのない女の子の秘密も。
――見られてしまいます。……見られて……しまう……だめ……

 ひらひらと風に踊る濃紺のスカートは、夜風を受けてアンリエッタの太ももをその
上部まで晒すと、見るものをじらすように二三度大きく揺れて――また元に戻った。










―――――――――――――――――
本日投下ぶんはここまで
書くのが滅茶苦茶遅いので週一でこのくらいのペースでしか書けません。ごめんね。
これで全体の1/10くらいかな?がんばります。
364名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 03:07:38 ID:RDA+0X6L
自分が>>360で発端となったID:utcaHTxSなんだが完全に忘れてた
心からありがとう
365名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 03:24:07 ID:kVOsKzw0
>>363
有言実行素晴らC!期待してるぜ!!

10巻のあとがきでノボルが主人公は登場する女の子すべて?と恋愛しなければ
ならないとか言ってたが・・・・カトレアやイザベラ、シルフィードとかもか・・・?
366名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 10:13:40 ID:7CoHbaEo
シュブルーズもな( ゚д゚ )
367名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 12:32:11 ID:5udObb7k
このスレの三大職人の作品内容を分析してみた

261氏
デフォルトは黒。
たまに壊れてお馬鹿になる
キャラクターは原作重視

せんたいさん
基本コメディ。
原作を拡大解釈するのが得意
キャラクターはオリジナルと言っていいほど原作から離れているが、原作より萌える上にえろい

205氏
シリアス・長編が基本
原作のアナザーワールドと言えるほどの完成度を誇る
キャラクターは基本原作重視だが、ストーリーによっては大幅にオリジナル寄りのことがある
368名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 15:06:13 ID:/Ti+EPPR
まぁ脳内でやるのは勝手だが何故それを脳から出した?
今までにも何度かやめた方がいいと言われてきたのに。
369名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 16:11:42 ID:xU9dTLQi
約束をなんだかんだでしっかり守るとは。
漢だな!wktkしながらまってまふ
370名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 18:37:55 ID:NlHfUbGz
>>367脳内で留めておくべきだった
>>363GJ!そういや、ハルケギニアにブラはあったっけ?
それだけ違和感あったけどアン様羞恥プレイいいねぇ
371名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 22:23:50 ID:w/KJCWPT
まぁこれを見てくれ
携帯でな
http://flagame.net/login/rec.cgi?id=17118
372名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 23:36:30 ID:P3gK+7iP
>>371
PCからじゃ見れんがどういう内容なんだ?
なんとなく予想は付くが…
373名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 23:40:29 ID:NlHfUbGz
エロゲのサンプル
374名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 05:05:49 ID:1SvPznLk
初めて書き込みます。
皆様のSSに感化されて私もSS書いてみようかなぁ・・・と思いました。
書いてみてもよろしいでしょうか?
375名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 05:45:17 ID:AiJE8ZsK
>>374
とっとと書きやがってください。
376374 :2007/02/10(土) 05:53:35 ID:1SvPznLk
ちょっと待って下さい。
なにぶんSSなんて

初めてなんです。
ゆっくり、優しく シテください。

377名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 07:47:58 ID:v3caRw9f
がんばれ〜。てかゆっくりでいいから
誤字脱字がないようにねw
378名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 18:19:10 ID:0GYsG797
まぁガンガレ。期待して待ってるさ。
379374 :2007/02/10(土) 20:16:25 ID:1SvPznLk
参考までに皆さんのリクエストを
教えてください。
早ければ連休中に仕上げたいと思ってます。
380名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 20:19:48 ID:DcBHMBEy
姫様メインで!
381名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 20:57:41 ID:Cxr1Dvfd
ラブエロで
ハーレムだと最高
382名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 21:13:02 ID:LOJsRV9e
ドS才人×ドMルイズ
でキボン
383名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 21:30:01 ID:qYgD2qnS
体つきの良い方々のを所望
384374 :2007/02/10(土) 23:08:53 ID:1SvPznLk
>>382
ドS才人×ドMルイズ
でキボン
ドはむずかしいけど頑張ってみます。

>>380
姫様メインで!
もできたら頑張ってみます・・・

>>383
体つきの良い方々のを所望
・・・ヤってみたいなぁ
385284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/10(土) 23:15:30 ID:9C/4JDgn
どうもこんにちは。
新作を続きまで書いてみたのでざっと投下してみたいと思います。

>>374
むちゃくちゃ期待するので自由気ままにかいてくださいwktkしてまっとります。
386ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/10(土) 23:16:24 ID:9C/4JDgn
 それは〜よく晴れた日のことじゃった〜

「・・・・っんの、バカ犬ううううううっっ」
「ちょ、待てルイズ、誤解だっ・・・ぎゃああぁぁayつえjwhぐばpがんb@」
 縦に長い塔の一室から、ルイズと呼ばれた桃色がかった茶色の髪をした少女の怒号と
肉の塊を殴打する音が聞こえてきた。

「あんたはっいったいっ何回っ言えばっ分かるッワケッ!?」
「・・・かはっ・・・くはっ・・・・・・gふぇあ・・・・・・・」
 がっごっ、と声の合間に、もはや痙攣を繰り返すしか出来ない人らしき物体を叩く音が断続的に響いている。
「あんたはもう今日ご飯抜き〜!!」
 一瞬窓が光りガラスがたゆんだかと思うと、耳を破るような爆音と共に窓ガラスが四散し、一つの人影が吹き飛んできた。

「・・・ったく、才人のバカ・・・・・・」
肩で息をしながらルイズはドアを足で蹴り破ると、ずかずかと何処かへ消えていった。
一方、才人と呼ばれた黒髪の少年は地面で横たわっていたかと思うとゆっくりと
身体を起こし、胡坐を掻くと深くため息をついた。
「いてて・・・ったく、あそこまでやる必要ねぇじゃんか。ちょっと下級生に囲まれてただけだっつの」
 やってらんねぇなぁ、と頭を振って立ち上がると才人も何処かへ消えていった。
387せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/10(土) 23:19:15 ID:4hyPC9DQ
さーて皆様お待ちかね!
選択肢モノの時間がやってまいりましたぁ!

覚悟はいいか?神様にお祈りは?モニタの前で(ry

んじゃ投下イキマス
388ある日の出来事 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/10(土) 23:20:19 ID:9C/4JDgn

「・・・でね、才人ったら女の子にちやほやされてたからって鼻の下でれでれと
伸ばしちゃって。『今度遊びに行きましょうよ〜』なんて言われて、尻尾振っちゃってさ〜」
「本当、いい加減にして欲しいですよね〜やっぱり今度二人でガツンと言わなきゃだめですよね〜」
「いいね〜シエスタいい事言う〜。ガツンと、よねガツンとぉ〜!!」
「そうだ〜〜〜〜〜」
「お〜〜〜〜〜〜」
 先ほどの部屋にルイズともう一人、シエスタの姿もあった。
・・・が二人の周りには宴会でしか消費しないような量のワインの空き瓶も転がっていて
今も尚、新しい瓶に手をかけて二人は更に顔を赤くしながら愚痴談義に花を咲かせている。
「サイトさん帰ってきたら説教れすね〜」
「ほうね〜」

・・・もはや、ろれつが回っていない。

そうして女二人、どす黒いオーラを纏いながら楽しそうにワインを空けていくのだった。

「・・・いやサイト、それはお前が悪いと思うぞ?」
「なんでだよギーシュ、普通のことじゃねぇか」
「いやだってお前、ルイズが居るのに他の女に現を抜かしてたら、
そりゃルイズだって気持ちのいいものではないだろう?」
「ん〜〜」
「・・・それよりそろそろ僕のヴェルダンテを放してくれないか?」

 才人は巨大モグラをぬいぐるみのように抱きかかえながら、ギーシュという金髪の男に管を巻いていた。
「だいたい君はだね、一人に決めた人がいながらあっちにふらふらこっちに・・・」
「うっせえ、お前だって似たようなもんじゃねぇか」
「なにをいう!僕はいつだってモンモランシーひとす・・・」
「あ、姫様が空飛んでる」
「え!?どこどこ!?」
「ほれみろ、どこが一筋だこの色ボケ隊長」
 
ぱくぱくと何か言いたそうに口を動かすギーシュを尻目に立ち上がって歩き始めた。
「しょうがねぇなあ・・・後何発か殴られて許して貰うか・・・」
「いやだからヴェルダンテはおいていきたまえ〜!!」

脇に抱えていたヴェルダンテをおいて才人は真っ直ぐに寮のある方へと歩いていった。
389284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/10(土) 23:21:58 ID:9C/4JDgn
とりあえず冒頭部分です。
ギャグものになるかどうかは気分しだいなんで悪しからず。
では、また
390せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/10(土) 23:23:43 ID:4hyPC9DQ
すまにゅ、リロード忘れてたorz
謝罪と、そいでもってGJをw
酔った二人に襲われる才人の姿が見えます…。


では改めて投下開始!
391聖女の日 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/10(土) 23:25:20 ID:4hyPC9DQ
「いい?明日は絶対部屋から出ちゃダメなんだからね!?
 それと、何か届いたら必ず受け取ること!
 ご主人様は今日明日いないけど、明日の夕方には帰ってくるからね!
 ちゃ、ちゃんといないさいよ!わかった?」

真っ赤になりながら、今朝ルイズはそう言い放って部屋から出て行った。
…なんなんだ一体。
外出する用件も話さず出かけたルイズを不審に思った才人だったが、久しぶりの自由を満喫するために、今日は一日外遊することにした。

…なんだかみんなそわそわしてんな。
俺が最初に感じたのはそれ。
すれ違う生徒のそれぞれが、まるで祭りの前夜のようにそわそわしている。
明日なんかあるのか?その準備でルイズも出かけたのかな?
俺はそんなことを考えながら、水精霊騎士団のたまり場に向かっていた。

「い、いよいよ明日だな!」
「いいよなギーシュは、今年はほぼ確定だもんな」
「い、いやしかしだな、僕の愛は普遍のものだからして。分かっていても正解を出すわけには…」
「とか言って。明日、君の部屋に贈り物が届いたらどうなるかな」
「ああ、ああ!愛の女神よ、なぜにあなたはこうも残酷なのだ!」

…もう酔ってんのかこいつら。
倉庫の傍らの円卓で、むやみに騒いでいるギーシュとレイナールを見て、俺は半分呆れた。
昼間っからめでたいやつらだよ実際。

「なーギーシュ、なんでお前らそんな浮かれてんの?」

挨拶代わりに俺は質問した。
だってなあ。みんな浮かれてるのに俺だけ理由もわからずにいるなんて。
なんか祭りからハブられてるみたいで。
寂しいんだもん。
そんな俺に、ギーシュは『何をぬかしているんだこの唐変木は』ってな顔をした。

「…サイト、君もこちら側の人間だろうに」
「…いやだから。何で浮かれてんのかって」

理由聞いてんのに『こっち側』もクソもないだろうに。

「サイト、ひょっとしてお前知らないのか?」

レイナールが驚いた顔をして俺に尋ね返してきた。
…悪かったな知らなくて。俺は元々こっちの世界の…まあいいや。
俺はレイナールの言葉に素直に頷いた。
知ってるふりしても何の得にもならないしな。

「しらねーよ。なんか祭りでもあんの?」

俺の言葉に、ギーシュがいきなりがばぁっ!と俺の肩を掴んだ。
ちょ、おま、鼻息!近いって!

「さささささサイト!君は知らないのか?『聖女の日』のことを!?」

『聖女の日』?なんだそりゃ?
俺が満面に『知りませんそんなの』って表情を湛えていると、ギーシュが肩をすくめながら言った。

「全く…ルイズもうかばれないな」
「…ルイズになんか関係あんの?」
「あるとも!大アリさ!ブリミルの物語にガンダールヴがつきもののようにね!」
392聖女の日 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/10(土) 23:25:58 ID:4hyPC9DQ
…よくわからん。
ギーシュは前置きが長いんで、俺はレイナールに視線で『ナニソレ?』と尋ねる。
レイナールはちゃんとその視線の意味を組汲んでくれた。

「分かりやすく言うと、女の子から、好きな男に贈り物をする日なんだ」

…つまり、こっちのバレンタインみたいなもの?
それだけなら大したことないんじゃ?
俺がそんなことを思っていると、ギーシュが大仰に振りなんかつけながら、レイナールの言葉を継いだ。

「しかぁし!それだけじゃないぞ!
 そう、話は数百年昔に遡る!あるところに、それは美しい聖女がいた!
 彼女には想い人がいた!しかし彼女は始祖に仕える身!想いはかなわない!
 そこで彼女は、想い人にありったけの愛を籠めた贈り物をしたのさ!差出人の名は付けぬまま、ね!
 しかし想い人はそれが彼女からの贈り物だと、見た瞬間に分かったのさ!
 それを知った始祖は、二人の愛を認めた!そういうわけなのさ!」

…いや俺が聞きたいのは昔話じゃなくてさ。

「つまり、そういう伝承を基にした、習慣なんだよ。
 女の子は、手作りの贈り物を、差出人の名前を書かずに、好きな男に届ける。
 そして、贈り物を受け取った側は、その日のうちにその贈り物の贈り主を当てる。
 それが『聖女の日』ってわけ」

そう、レイナールが補足説明をしてくれた。
へえ。結構面白そうだな。
あーそれでルイズあんなこと言ってたのか。なるほど納得。
でも、そこまで浮かれるようなことかぁ?

「でもさ、そこまで浮かれるようなイベントかそれ?」

日本のバレンタインと比べても、この盛り上がりは異常だと思う。
好きな相手に告白するってだけだろ?なんでそんな盛り上がるのか理解できん。
しかし、ギーシュの答えを聞いた俺は、その理由に納得した。

「いや、問題はその先だよサイト。
 贈り主を当てた場合、そして二人が両想いだった場合…」
「だった場合?」
「二人は真実の愛で結ばれるのだよ!『真実の愛』!この意味がわかるかねサイトーっ!」

言ってまたギーシュはがばぁっ!と俺の肩を掴んだ。
だからっ!鼻息っ!近いってコラ!
俺はギーシュを両手ですっとばすと、『真実の愛』について考えてみた。
つまりそれは、話からすれば神職の女性がその資格を失うような愛なわけで。
つまりそれは、うまくいっちゃうと十月十日後に実っちゃったりする愛なわけで。
…な、なるほど、それは興奮するわけだな…!
ちょ、ちょっと俺も興奮してきたぞ?
話を聞くと、どうやらレイナールも心当たりがあるっぽく、それでギーシュと盛り上がっていたわけだ。
で、ギーシュは当然モンモンと。でも、ほかの女の子の愛もないがしろには…とか言ってる。
実際、ギーシュは毎年複数の女の子から贈り物を貰い、その度に全部外してたらしい。
…でも今年はモンモン本気だろうからなあ。他の女の子の贈り物なんか、握りつぶしそうだ。そのままの意味で。
そうして俺たちが盛り上がっていると。
393聖女の日 ◆mQKcT9WQPM :2007/02/10(土) 23:27:22 ID:4hyPC9DQ
「くく…くくくくくくくく…」

地獄の底から響いてくるような、昏い地響きのような含み笑いが、倉庫に響き渡った。
俺たちはその声の出所を振り向く。
そこは倉庫の入り口。開かれた扉の真ん中に、まん丸な人影が、俯いて笑っていた。
その名はマリコルヌ。風上のマリコルヌだ。
…ヤツは、俯きながら、含み笑いを漏らしている。そこ声はあくまで昏く、まるで笑っているというより啼いているようだった。

「あああーーーーーっはっはっはっは!」

そう笑いながら、マリコルヌは顔を上げた。
…笑いながらマジ泣きしてる…。
ドン引きの俺たち三人に、マリコルヌはゆぅらりゆらりと、まるで酔っ払いのように歩み寄り、言った。

「聖女の日に贈り物をもらえる男は…。
 死 ぬ が よ い」

そして、倉庫の中を暴風が荒れ狂った。
394せんたいさん ◆mQKcT9WQPM :2007/02/10(土) 23:29:32 ID:4hyPC9DQ
さえ冒頭は以上。
今回君たちに選んでほしいのは…。

『才人に贈り物をした女性キャラ』

である。
今回は、早かった順に上位3キャラ分を書こうと思ってます。
禁則事項はオリキャラと年増と男と人外!

それではレディー・ゴゥ!
395名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:31:00 ID:i7OZ6xHG
アンリエッタでお願いします
396284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/10(土) 23:31:50 ID:9C/4JDgn
せんたいさんGJ!!
被りなんぞ気にしないでくだせぇ!むしろありがたy(だまれ
ということで
ターバーサー!!よろしこ
397名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:31:51 ID:Uh+unxje
どうせ最終的にはタバサをかくんだろうから、ティファニア!
398名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:35:12 ID:qYgD2qnS
早っwwww
結局皆から貰うんだろうなぁサイトは。
俺もアン様で!
399名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:37:40 ID:AiJE8ZsK
>394
シエスタ!シエス子可愛いよシェス子!!
400名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:40:33 ID:AU4SF15K
やっぱルイズが良いです!
401名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:40:49 ID:gDI+2XgJ
くっそ出遅れちまった!!
アニエスさんはもうだめなのか・・・
402名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:41:58 ID:jeOqByur
正ヒロインであるルイズを誰も言わない件について・・・

・・・え、自分?
もちろんタバサに決まってるじゃないですk
403名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:44:35 ID:LYFY3gDr
せっかくだから俺はテファを選ぶぜ!
404284 ◆yJjGBLHXE6 :2007/02/10(土) 23:44:56 ID:9C/4JDgn
な・・・十分も立たずに終了だと!?ええい、せんたいさんのSSは化け物か!!

つか皆真っ先に主人公のあの人書いてあげてよwwwww
405名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:59:05 ID:3sPXbpOy
ルイズ一票
406名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 00:08:05 ID:bAU1v653
はえーよおまえらw

けど>>395よくやった!

へんたいさん!
姫様タバサティファニアのジェットストリームアタック楽しみにしてます!
407名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 00:22:58 ID:2i0evuET
姫とシエスタがどうにもダメな俺は異端?

別にアンチじゃないので騒いだりはしないけど
408名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 00:48:12 ID:yyoJ16id
>>407
それは単にヒンニュー教徒なだけではないかと。
もちろん私もそうですが。
409名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 01:20:46 ID:pNgRQTQr
ルイズはSSが書かれないとしても
>>391の前振りに対応するなんらかのフォローがあるといいなぁ
410名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 01:27:38 ID:POZq/QPA
人外…って事はきゅいきゅい♪は駄目なのか…?
ティファもどうなんだろ…
411名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 01:37:42 ID:E7IRf3h6
人外だろうが外人だろうがドンとこいだ
412名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 01:50:35 ID:2i0evuET
やっと目が覚めた………
ちょっと貧乳を探しに異世界に旅立ってくる
413名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 02:23:17 ID:saaZhdAF
おれ基本的にルイズのやつしか見てない
最近少ないけど><
414名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 02:38:32 ID:bAU1v653
そりゃあ好みは人それぞれだろう。
俺だって基本はアンリエッタ派の清純女王確信派だけど
ダメ女王派のダメ女王維持派や天然悪女派の気持ちも分かるし
姫様エロいよ派のM女王調教派にも一定の理解は示すけど
淫乱女王派は認めたくないし、懐古主義者にも同調できない。

ただ自分の好みは何だからどうするとかは
あまりココに書くべきじゃないと思うんだ。
415名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 02:44:29 ID:zukNxDd4
>禁則事項はオリキャラと年増と男と人外!
シルフィード不可かよ……orz
416名無しさん@ピンキー
人間形態は良いんじゃね。