魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第10話

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1名無しさん@ピンキー
魔人探偵脳噛ネウロのスレッドです。
2名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 06:40:01 ID:1ERLex07
弥子でもアイでも叶絵でも江崎さんでも刹那でも由香でもカップリングはご自由に
基本はsage進行でマターリといきましょう
雑談時は名無し推奨
次スレは>>730or480KBくらいで(投下数によって大幅に立てる目処が変わります)
3名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 07:08:31 ID:xKZhFExt
<投下される職人さんへ>
・投下前にカップリングと傾向を宣言必須
・なるべくメモ帳などに書きためてから投下してください
・携帯厨はがんがれ。超がんがれ。
・ss投下時のコテ記入は可
・連投はなるべく避けること
4名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 07:27:52 ID:SdrgclkS
前スレ
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第9話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1165204345/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第8話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162007369/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第7話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1159446150/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第6話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156007017/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第5話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147461265/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第4話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1133629021/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第3話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124459592/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板第2話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1121771861/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110801893/
5名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 07:28:57 ID:NuRcwxmx
こじろう死ねorzバシバシ
ttp://www.livly.com/mypage.php?uid=28Yz&s=5
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=5337740

● 名 前 ふ み (女性)
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=6643637
● 名 前 なんちゃって 美弥 (女性)
現住所 宮崎県
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=3993695
● 名 前 ☆ どさ兄 ☆ (男性)
現住所 北海道上川郡
誕生日 10月11日
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=5955770
● 名 前 田頭 隆司 (男性)
現住所 大阪府大阪市
誕生日 10月13日
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=4408722
● 名 前 ゆに☆彡 多代 (女性)
現住所 大阪府大阪市
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=5015923
● 名 前 こ じろう (男性)
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=5337740
● 名 前 にこ りん坊 (女性)
現住所 埼玉県
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=5261229
● 名 前 とう ちゃん (男性)
ttp://mixi.jp/show_friend.pl?id=4619639
6名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 07:29:16 ID:e5AJR66p
まとめサイト
ttp://neuro.h.fc2.com/
まとめサイト2(携帯可)
ttp://m-pe.tv/u/page.php?uid=3words&id=1
7吾代が某キャラっぽく:2007/01/23(火) 07:37:45 ID:Hphxxd2T
俺だって…弥子を…食いたかった…!!
…だがっ…dion規制っ…!!
最近はっ…prinよりも…規制率が…
少なくとも…俺には…高いっ…!!
…2ch…厄年っ…?!
中毒に…なればなるほど…辛いなんてもんじゃないっ…!!
しかも…埋めようとしていた…
しかし…何たる…計算違いっ…!!!!!
8ID変(ry:2007/01/23(火) 07:40:46 ID:1ERLex07
一度カイジネタがやりたかった。
ネタ内容よりもテンプレについてほんと正直色々すまんかった。
間違いなどは11スレ目に立てる椰子が直してください…

前スレは埋めネタの神にが居ると信じている。
9名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 09:14:07 ID:1Zza5E9v
早朝から>1乙
即死回避マキコ。よーしネタを練るぞー
10名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 10:11:05 ID:LthGS9vm
>1-8乙です。厳しい環境の中、ありがとうございます!貴方とスレ住民&神たちに幸多かれ!!
11名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 10:37:29 ID:Uwuiqose
>>1乙!!
とうとう2ケタ突入だな。


前スレ>>720
埋めGJ!!
あかねちゃんのレモネード飲みたいハァハァ


第10話目も素晴らしい神々の光臨を期待して!エーロ・ゴシカアン!!!
12名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 12:02:34 ID:o/yUbfHp
>>1
ただテンプレ形式は前のままで良かった気がするんだが
131:2007/01/23(火) 12:07:12 ID:lNgIrjxu
携帯で打ちにくいのと、携帯でしか投下できない場合がある事を知って欲しかったんだ
すまん
次スレは元に戻してほしい
14名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 15:50:09 ID:QOoqlJT2
>1
乙カツ

エーロ・ゴシカァン!!!!!
15名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 15:57:39 ID:513YDeDn
>>1乙!!
スレ数がついに単行本の巻数を超したな
16名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 15:58:29 ID:JSLcXU0v
>>1
乙華麗
何気にスレ番が巻数と並んでる・・・・・・
このまま巻数越えたりしてな
17名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 20:27:00 ID:SspiVfJI
なんか週刊少年漫画板でこんなレスを見つけた。


35 :名無しさんの次レスにご期待下さい :2007/01/23(火) 14:28:11 ID:f2cs6iQx
801板で3まで伸びといて何を言うか
43 :名無しさんの次レスにご期待下さい :2007/01/23(火) 15:26:06 ID:drD6c/Hx
>>35
エロパロ板では10まで伸びてる件について
57 :名無しさんの次レスにご期待下さい :2007/01/23(火) 19:32:42 ID:5b+DKut4
>>43
正直ネウロでオナってる腐女子が書いた痛いエロパロばかりだあそこは。


このスレのこと馬鹿にしてるけど・・・
どうする?
正直むかつくんだけど。
18名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 20:32:19 ID:d13EmJls
いい言葉がある
「華麗にスルー」
19名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 20:39:25 ID:V4z35R2a
どうするってどうもせんが。こんなもんだろ?嫌いな奴には。
馬鹿にされてむかつくとか言ってるお前に引いたよ、自分は。
スルー技能がないのか。
20名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 20:55:22 ID:YfNqCG6Z
いいことばがある
「21歳以上は大人」
21名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 20:58:55 ID:65ERd+Yj
むかつくってのは感想だから別にいいけど
だからなんかしてやろうって考えるのは止めとけ
住み分けで楽しくやりゃいいじゃん
2217:2007/01/23(火) 21:06:56 ID:SspiVfJI
わかりました。
しかしこの板の住人やっぱり大人だなあ・・・
週漫板なんかとは大違いだ・・・
23名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 21:20:41 ID:K8Ohg70J
エロパロの信者であれアンチであれ、
週慢で話題にする奴全員イタい。
いい加減住み分けしろよと
24 ◆ChdC8VZqyE :2007/01/23(火) 21:43:09 ID:Q1j6NJpi
大人かは知りませんが
エロSSを集めて何が悪いのかと
週漫板でエロ話す方はすみやかにここで熱く語ってほしい
でないとまとめに載せられないではないか
25名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 22:42:09 ID:MlM6P+4c
>>22
そりゃ21歳未満がいない(はずの)板だからな
週漫板はむしろそれ以上のほうが人口少ないんだから当たり前だろ
26名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 22:48:05 ID:qTdBmFCZ
吾あか読みたいなあ・・・
前スレのあかねちゃん視点が堪らん。
吾代はまだあかねちゃんの存在知らないってのが切ない。
二人は、弥子達よりもずっと前から(早乙女金融時代?)関わりがあるんだから不思議だよな。
27名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 22:49:19 ID:rC5EqD7o
>24に禿げ上がるほど同意
そしていつもありがとうと言いたい

週漫板とは老若男女がひしめく電車の中みたいなもん。ここは岩槻のラブホテル街。住み分けは大事だな。
28名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 23:03:44 ID:cC1tisTS
俺も>>24に一時一句同意。

話変わるけど、
最近FLASHスレに神作品がぞくぞく投下されてるんだ。
このスレも相変わらず神作品が投下されているし、
ネウロはほんとファンに愛されてる作品だなと思う。
俺はもちろん松井も愛してるw
29名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 23:13:47 ID:rC5EqD7o
ネウロのFLASHあった?
30名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 23:30:07 ID:tobnTrBp
今週新しくOPとEDで神作品が出た
ここに貼るのも何だからFLA板いってこい
31名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 23:35:37 ID:u03mYgQ+
妹が学校で複素数の勉強をしてるんだが。

X(サイ)とi(アイ)をかけてみたり、
y(ヤコ)をn(ネウロ)に置き換えてみたり、
a(アカネ)y=X だったり…

楽しそうな教科書でした
32名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 00:35:46 ID:YWkDFQED
>31
なんだよ和んじまったじゃないか・・・
可愛いなおい
33名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 06:39:27 ID:uoJSwqn4
>>31
おまいに惚れた
34名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 15:48:18 ID:VvcBS0Dm
何だ…くだんの話題は本スレじゃないのか
しかし久々に週漫板行ってネウロ検索したら11スレもあって驚いた
本スレ・アンチスレ以外に9本も立てて良いものなんですか?
わかんないんです><

数学もわかんないんです><
なので数学できる神、もしいらっしゃいましたら
>>31ネタでうまいことエロ数式を作ってほしいんです><*
35名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 02:45:24 ID:x2RIO7gM
>>30トンクス
逝ってきたがほんとに単独で立っているとは。ハイクォリティスゴスw
エロもフラも良いネウロスレ万歳
36マザーファッカー(サイアイ):2007/01/25(木) 10:11:34 ID:vE1n2PWs
投下します。
無理やり+暗いんで苦手な人スルー推奨。
長いんで前半のみ。書き終わってはいるから後半は夜にでも。
37マザーファッカー(サイアイ)2:2007/01/25(木) 10:12:31 ID:vE1n2PWs
「んっ……、あぁ……!」
 白い乳房に歯を立て、陰部に入れた指を深く動かすと、アイは掠れた悲鳴を上げた。
 いつもきっちり整えた髪は乱れ、涙に濡れた顔に張りついてしまっている。
 はだけた服の下から、素肌があらわになっていた。
「いい眺め」
 俺は笑う。
 潔癖なアイ。24時間いつもいつでも清潔で、汚れや欲望なんて知りもしませんという顔のアイ。
 人前で肌をさらしたりなんてはしたないこと、当然しない。
 でも今は――上着のボタンを引きちぎられ、ロングスカートも下着も力ずくで裂かれ、否応なしに露出を強いられている。
 その肌に爪痕や痣、キスマークや噛み跡を刻んだのは、俺だ。
「やあぁっ、ん、……や、どう、か……もう……許し、て……くだ、さ……」
 涙の下からの乞う声を俺は無視した。身をよじって拒むアイの上に、覆いかぶさり押さえつけて攻め立てた。
「……サイ……っ」
 そんな顔したって無駄だよ、アイ。
 俺がどんだけ容赦ないかは他でもない、あんたが一番よく知ってるはずだ。
38マザーファッカー(サイアイ)2:2007/01/25(木) 10:13:15 ID:vE1n2PWs
 アイの唇がぱくぱくと、動いた。何て言ってるんだろう。
 『やめて』?
 何にしてもそれは言葉にはならず、代わりにただ喘ぎめいた熱い吐息が漏れただけだった。
 潤んだ目を見て俺はまたククッと笑う。
 自分の中のサディスティックな部分が悦んでいる。
 掴んだ髪を上に引っ張り、顎を思い切りのけぞらせた。
「っ」
 ほの白い首筋に舌を這わせる。薄い鎖骨を軽く刺激してやると、いやいやをするように頭が振られる。
「……! は、ぁっ……どう、して……」
 絶え絶えの息の中アイが呻いた。
「なぜ……サイ、こん、な……ひぃ、あぁあっ……!」
「なぜ?」
 下の口に差し入れた指をちゅぷ、と動かした。
 もう充分に濡れたそこは、もの欲しそうにひくひくと震えている。
 抜き差しを繰り返して俺はその感触を楽しむ。
「や……!」
 苦悶とも快楽ともつかない、高い声を上げてアイは痙攣した。
「……アイ、あんたがそれ聞くんだ……それを俺に聞くんだ……」
 ああ、やっぱり。
「あんた、やっぱり……やっぱり、分かってないんだね……」
 何が悪くてこんなことになってるのか。
 なんで自分がこんなことされてるのか。
 
 ――泣くかも、と思った。

 でも幸いにというか不幸にもというか、レイプの真っ最中に泣けるほど俺は器用ではなく。
 白いアイの体の上に、俺の涙がこぼれることはなかった。
39マザーファッカー(サイアイ)3:2007/01/25(木) 10:13:56 ID:vE1n2PWs


 アイがいつから俺の傍にいたのかは覚えていない。
 気がついたらそこにいて、それが空気のように当たり前になっていた。

『アイー、腹へったー。何かない?』
『簡単なものでよければお作りしますが。何がよろしいですか?』
『じゃあウッフアラネージュ』
『……それはあまりお腹に溜まらないのでは?』

『サイが読書とは珍しいですね』
『俺だって本ぐらい読むよ。そうそうアイ、この字なんて読むかわかる?』
『サイ……これは小学校で習う常用漢字ですが……』

『アイ何やってんの、針仕事?』
『サイが先日破かれた服の修繕を』
『あ、あれは……しょーがなかったっていうか、あんなトコに釘が刺さってるのが悪いっていうか……』
『別に責めてはいませんよ、サイ。私が望んでしていることですから』

 彼女の膝に頭を乗せて、とろとろとまどろむのが好きだった。
 普段自分から触れてくることのない彼女が、そのときだけ指先で俺の髪を撫でてくる。
 熟睡したふりをしてその感触を楽しむ時間が、どうしようもなく楽しみで大切だった。
 服越しに体温を感じながら、母親ってこんなふうなのかな、なんて思ったりもした。

 ただ淡々と流れる時間の中で、淡々と彼女の隣にいられれば、それだけでいいと思っていた。
 ――ある日突然それが変わってしまうまでは。
40マザーファッカー(サイアイ)4:2007/01/25(木) 10:14:40 ID:vE1n2PWs
 いつものように殺した人間の中身を見ようと、箱を用意している最中のことだった。
「つっ」
 人差し指に鋭く痛みが走る。見ると指の腹の柔らかい部分に、一文字の細い裂け目が走っていた。
「どうされました? サイ」
「ガラスで切っちゃった。……あー、結構、痛いや」
 生々しい肉色がのぞく傷口。ルビーみたいに赤黒い血の玉が、ふうっと盛り上がってはつたい落ちていく。
 流れる血を舐め取りながら俺は舌打ちした。
「細胞変異を調整して治されてはいかがです? 化膿すると厄介ですよ」
「いや、いいよ。この程度の傷でいちいち治すのもバカバカしいし」
 それに、自分の血を見ることというのはあまりない。
 溢れてくる血の生臭い匂いを嗅いでいると、自分もやっぱり地上の生物には違いないのだと再確認できる。
 それは決して不愉快なことではなかった。
「ですが……」
「いいってば。だいたいアイは過保護なんだよ」
 指先を舐める俺の隣に歩み寄り、覗き込むように見てくる過保護な助手。
 ため息をついて口から手を離し、『ほら』とアイの目の前に傷口をかざす俺。
 深さ自体はそこそこあるけど、それでもやっぱり大した傷じゃない。普通の人間でも放っておけば、一週間前後で痕も残さずき

れいに消えてしまうだろう。
「では、絆創膏か何か保護するものを」
「いらないって。放っときゃいいんだようるさいな……」
 ぼやきながら指を引っ込めようとして、ふと止めた。
 頭をよぎったのはちょっとしたイタズラ心。
 そうだ、この際ちょっとだけからかってやろう――
「……そーだね。アイが舐めてくれるなら考えてもいいかな?」 
 『ご冗談を』とかわされるか、無表情ななかにも呆れを含んだ目つきでサッと冷たく一撫でされるか、どちらかだろうと思って

いた。
 でもアイの反応はそのどちらでもなかった。
41マザーファッカー(サイアイ)5:2007/01/25(木) 10:15:51 ID:vE1n2PWs
「は……舐める、ですか?」
 軽く目を見開いて瞬きひとつ。
「そ。じっくり舐めて、アイの口で消毒すんの。そしたら言うこと聞いたげる」
 にやっと笑ってみせる俺に、アイは戸惑うように眉をひそめた。
「私の唾液で消毒しろと仰るのですか?」
「色気のない言い方すればそーなるよね。実際殺菌作用あるし、唾液」
 困惑顔のままのアイ。俺は肩をすくめてみせる。
 アイにしてみれば、『さっき舐めただろう自分で』と言いたいところだろう。実際自分でもそう思う。
 そもそも唾には色々不純物も混ざっているわけで、比べるならそりゃあ市販の消毒薬とかのほうがいいに決まっている。
 あるいは熱湯消毒とか。火傷するけど。
「嫌ならいーよ別に。このまま解体はじめるから。さーて……」

 言って引っ込めかけた俺の手を、アイの手がそっと包み込んだ。
「……舐めれば、よろしいのですね」
「え、」
 そのまま口元へと導かれる。
 温かい息が指先にかかる。
「あ、っ」

 小さな口にくわえこまれる。しっとり濡れた柔らかい舌で慈しむように撫でまわされる。 
 傷口をなぞってそっと優しくうごめく、アイの舌の感触。 
 喉の奥から漏れる、温かいを通り越して熱を帯びた吐息。

 最後に裂け目の間に溜まった血をちゅ、と吸い、アイは呆然とする俺の指から口を離した。
 口元を軽く拭いつつ、あくまで無表情のまま、言う。
「これで、よろしいですか?」
 ――顔がカッと熱くなった。
「今消毒薬と傷に貼るものを……サイ? どうなさいました? サイ?」
「……っ」
 皮一枚の理性でアイの手をはねのける。
「バッカじゃないの? 冗談だよ冗談! 何ホントに舐めてんの? 真に受けちゃってさ!」
「サイ」
 不本意そうにまた眉根を寄せるアイに、俺は背を向ける。
「あっち行っててよ。気分悪いから」
 搾り出した声は自分でも分かるくらい乾いていた。
 指の先が疼くように熱かった。

 俺たちの間に存在していた何かが変わり始める、それが、予兆だった。 
42マザーファッカー(サイアイ)6:2007/01/25(木) 10:19:11 ID:vE1n2PWs


 指の件自体は、二、三日もやもやしてはいたが、ほどなく他に山ほどあった『気にすべきこと』の山に埋もれてしまった。
 アイの方はといえば、もともと俺のムラッけ気まぐれには慣れたもので、お互いわだかまりを残すことなく俺たちはいつもの関係に戻った。
 ……はず、だったのだが。
「アイー、寒いー」
 それから数日後、アイの膝の上で俺は口を尖らせていた。
「寒いー。寒いよーアイ。寒い。なんでこの国こんな寒いわけ?
 夏は地獄のカマの底、かと思ったら冬はほとんど冷凍庫。
 どういうこと、これ? 俺に対する嫌がらせ?」
「日本は季節風の影響をダイレクトに受けますから仕方がありません。
 何でしたら今度はテキサスにでも行きますか?」
「あそこあんまり面白そうな人間いないんだけどなあ……バカンスって割り切るならたまにはいいかも。
 あーもうそれにしても、さーむーいー!」
 寝そべったままばたばた手足を動かす俺。
「よろしければ室温を上げるか、何か羽織るものをお出しいたします」
「んー……まあ……いいや、あとで。今はこのままで」
 アイの膝枕はそのまま、ころん、と寝返りをうつ。
 硬すぎもせず柔らかすぎもせず、適度な弾力の感触が気持ちいい。
 温かい上着と引き換えにしても、これを今手放すのはちょっと気が引ける。
 アイの口からため息とも微笑ともつかない息が漏れた。
「あとで温かい飲み物でもお入れしますので」
「お願い。ココアがいいな、マシュマロ入れて」
「かしこまりました」
 さらさらとアイの手が俺の髪を撫でてくる。
 ――この何の役にも立たない時間が好きだ。
 人生(俺が人かどうかはビミョーだけど)全体を上から俯瞰すれば、きっと無駄でしかないただ流れていくだけの時。
 怪盗"X"としての今の自分に、失って惜しいものなんてほとんどない。
 犯罪者としての名声、数える気にもならない信奉者たち。
 はたから見れば羨望の的にもなる変異する細胞ですら、俺にとってはどうでもいいものだ。
 ただ、この時間は……この時間だけはもしかしたら、失くしてからふと、締め付けられるように切ない思いにかられるかもしれない。
 大人になった『元・子供』が母親との幼い日々を思うように。
43マザーファッカー(サイアイ)7:2007/01/25(木) 10:20:09 ID:vE1n2PWs
 頭を乗せた太ももに、スカートの上からさわさわと触れる。くすぐったそうにアイが息を漏らす。
「アイさあ。最近ちょっと痩せた?」
「私に自覚はありませんが。そう見えますか?」
「うん。500グラムくらい」
「そんな微量をいちいち仰られても」
 触った太ももをそのままむにむにと指で押してみる。
 内股のほうに手を動かしていくと、当たり前だがスカートに妨げられてそれ以上進めなくなってしまう。
 邪魔だな……このまま破いてしまおうか。
 引き裂いて、割り開いて。
 押し倒して、進入して、喘がせて――――
 ぼんやりとそこまで思い浮かべ……愕然とした。

 今何を考えた? 俺は。

「サイ?」
 バネが跳ねるように身を起こす。アイから体を引き剥がす。
「……急用。急用思い出した」
「あ……サイ!」
 俺のスケジュールを管理しているのは彼女だ。この言い訳はもちろん通用しない。
 けげんな顔をするアイを置いて俺は部屋から走り出た。

 アイのことは昔から好きだった。
 度を越したわがままも怒らずちゃんと聞いてくれる。
 俺が間違ったときには控えめに、それでいて的確に軌道修正してくれるし、無表情なりにいつもさりげなく俺を気遣ってもくれる。
 いつだったか、不安のあまりパニックを起こして暴れたとき、他の誰も近づけなかったのに、ひとり怯えもせずに抱きしめて宥めてくれたこともあった。
 母親というのはたぶん、こういうものなんだろうと思っていた……そのときまでは。
44マザーファッカー(サイアイ)8:2007/01/25(木) 10:21:44 ID:vE1n2PWs


 彼女の動きをつい目で追ってしまうようになった。
 箱を見るなり芸術品の観察なり、何か別のことをしていても、視界の端にいる彼女に集中をかき乱される。
 万事が万事そういう調子だから、当然仕事の効率もガクッと落ちた。
 偶然か、はたまた何とはなしに気配を感じるのか、たまにふとこっちを見返す彼女と目が合って、慌てて顔を逸らすことも増えた。
「どこか、お体の具合でも悪いのですか?」
「何でもないよ。あんたが気にするようなことじゃない」
 尋ねてきたアイを俺はぴしゃりとはねつけた。
「まさかまたあの魔人と何か」
「ネウロは関係ないよ。あんたが気にすることじゃないって言ってんじゃん。黙ってて」
 きつい声で吐き捨てると、アイは無表情のまま少し顔を伏せて、言われた通り黙った。
 その顔を見て少し胸が痛んだけれど、わざわざ言葉に出して謝るような柄にもない真似はできなかった。
「……ねぇ、アイ」
 ぽつり、と代わりに尋ねてみる。
「俺のこと、好き?」
「は……」
 脈絡のない問いに虚を突かれた顔を見せるアイ。
45マザーファッカー(サイアイ)9:2007/01/25(木) 10:22:51 ID:vE1n2PWs
「何を今更。わざわざ改めて申し上げるまでもないでしょう」
「聞きたいんだよ」
 アイは何度か軽く瞬きしてから、俺の目を覗き込むように見た。
 しっとり温かい手で俺の頬をつつみこむ。
「好きでなければ、こうして傍でお世話をしたりはしません」
 違う。
 アイの手のぬくもりを感じながら、俺は唇を噛んだ。
「あなたが誰であったとしても、中身が何であったとしても、いつか私を忘れてしまったとしても、それだけは変わらないと思っています。
 ――これでは不足ですか」
 喜ぶべき、なんだろう。ほっと安堵の息をついて、ありがとうアイ、といえばよかったんだと思う。
 でも俺の胸に湧き上がったのは不満と、それから怒りだった。
 違う。違うよ。
「私は、あなたが心から笑っていて下さればそれでいいのですよ。サイ」

 違うよ。俺が欲しいのはその『好き』じゃないんだよアイ。
 そんな優しい母親みたいに触れてこないで。
 ふびんな子供への語りかけなんていらないよ。
 だって俺が欲しいのは。

「サイ、私は……、んっ……!」
 アイの手首をつかんだ。
 引き寄せて無理やり唇を奪った。
「く、ふっ……サイ、」
 あんたが欲しい。
 母親でも姉でも教師でもない、『女』としてのあんたが欲しい。
 気付いたら力ずくで押し倒し覆いかぶさっていた。
46マザーファッカー(サイアイ):2007/01/25(木) 10:23:46 ID:vE1n2PWs
前半ここまでです。
しょっぱなから通し番号間違えるし
保存形態の関係で改行おかしくなってるとこあるしでorz
47名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 12:19:25 ID:qvtoukqu
GJデース。サイアイ読めて嬉しい。
ウッフアラネージュぐぐってみたけど、確かに腹持ち悪そうだなwww
48名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 13:41:02 ID:HLZ2znOJ
グッジョブ!!
続きが楽しみ
49名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 14:13:43 ID:ijdLDf8f
神よ!!サイアイすげえ萌えた!!続きwktk
50マザーファッカー(サイアイ):2007/01/25(木) 15:23:06 ID:vE1n2PWs
夜までかかるはずだった用事が早く終わったんでまた投下します
51マザーファッカー(サイアイ)10:2007/01/25(木) 15:23:38 ID:vE1n2PWs


 ――手繰り寄せた記憶の束に、胸の痛みを覚えたのはほんの一瞬だ。
 俺の意識はすぐ現実の、今このときに引き戻される。
 母のように思っていたはずのアイを、組み敷いて犯そうとしている『今』に。
「……は、……っ……サ、イっ……」
 お願いやめて、とアイは懇願する。
 俺の人間の部分、純粋な部分、アイの子供だったことのある部分、そこに必死に訴えかけて逃れようとする。
 俺はそれを無視した。
 アイのそこに飲み込ませていた指を引き抜く。
 ぐっと、両手でアイの腰を抱え込んだ。
「………!」
 びくんと体をこわばらせるアイ。口から声にならない声が溢れる。
 目尻に溜まっていた涙がひとすじ、頬を流れて落ちる。俺はアイの顔に口を寄せ、舌でそれを舐め取った。
 舐めながらアイの腰を引き寄せる。
「い、やぁっ」
 敏感な部分に押し当てるのは、もちろん自分の体の雄の部分だ。
 もっとも、普段の俺の体にこれはついていない。
 アイを刺し貫くためだけに、わざわざ細胞変異で作ったものだ。
「サイ、サイ、お願い、です……こんな……こんな、こと…………あ、あぁぁあぁぁっ!」
 楔を打ち込むように俺は突き入れた。
「いや、い、や、いやあぁぁあぁぁあああっ」
 最初だけでもゆっくり動くような優しさは持ち合わせていなかった。
 軋むほど腰を押さえつける。打ちつける体は更に強く、強く。激しく。
「……だ…めっ、ああぁあぁぁっ、やぁっ……」
 がくがくとアイを揺さぶる。深く沈みこませて、引いて、また突いて。
52マザーファッカー(サイアイ)11:2007/01/25(木) 15:24:10 ID:vE1n2PWs
「結構……きつい、ね。一応、処女じゃないみたいだけど」
 自分を犯す人間の顔を見まいと、必死に目を閉じ顔をそむけているアイ。
 それで現実逃避したつもりか。甘いね。
 俺はアイの前髪をつかみ、乱暴に引いてこちらを向かせた。
「……っ」
 ほら。こうすれば嫌でも俺を直視せざるをえない。
 ひくっと喉を鳴らすアイの顔を、俺は唇を吊り上げて見た。
「でも意外っちゃ意外かな。あんたに男がいたってのが。
 清純そーな顔して俺の知らないとこでやることはやってたってわけ、ふーん……
 初めての夜はどうだった? 相手はどんな男? やっぱ痛かった? それとも気持ちよかった?」
 形のいい胸の先端をつまみ、軽く爪の先を立てた。
「!」
 アイの体がびくんと跳ねる。俺を飲み込む部分がキュッと締まる。
 膣壁が俺の表面に吸いついてくる感覚――悪くない。
53マザーファッカー(サイアイ)12:2007/01/25(木) 15:24:42 ID:vE1n2PWs
「気持ちよかった? 気持ちよかったんだ?
 だよねぇ……だってアイ淫乱だもんね。ほら……こうやって犯られてても感じちゃうくらい……」
 アイの声に、こすれ合う粘膜と粘膜に、腕の中で身悶える彼女の体温に、煽り立てられて俺は抽送をくりかえす。
 いやらしい水音とともにどんどん奥から溢れてくる。
 ――可愛いな。
 腰を動かしながら俺は思う。
 長いつきあいの中いろんなアイを見てきた。
 ノックもせずに部屋に入って着替えを目撃しちゃったこともあるし、いつかの首相官邸で着てたメイド服はよく似合っていた。仕事のとき適当な品を選んで渡すと、ちょっと困ったような顔をするのが楽しくて、わざと微妙なものを盗んでみたりもした。
 彼女に出会ってからの出来事を、いちいち全部覚えてるわけじゃない。でも。
 こんなにも可愛いと思ったことは多分、一度もない。
 俺の下で揺さぶられ、貫かれて、喘ぎ、それでも皮一枚の理性で俺を拒もうとするアイは、皮肉にも今までで一番可愛い。
 アイがもがいて身を強張らせるほど、俺を拒絶しうとすればするほど、入り口はきつく締まりきゅうっと俺に吸い付いてくる。
 それが逆に俺を悦ばせるんだから皮肉なものだ。
 収縮に逆らうようにこすりつけると、熱い痺れが全身に走る。
 気持ち、いい。このまま一気に昇り詰めてしまえそうだ。
 けど、それじゃあやっぱりつまらないから。
54マザーファッカー(サイアイ)13:2007/01/25(木) 15:25:18 ID:vE1n2PWs
 腰の動きを休め、アイの耳元に口を寄せた。
「……ねぇ、アイ。俺のこと何だと思ってた? 息子? 弟? それとも生徒?
 こんなことまでされて……それでもまだ俺の中身が見たいって、言えるの?」
 抱え上げたアイの脚の先がびくんびくん震える。
 半開きになった口から漏れる、吐息とも喘ぎともつかないもの。
 俺はクッと笑った。
 濡れそぼったそこから性器を引き抜く。ぬるりと温かいものがこぼれる。
「あ……っ」
 アイの目に浮かんだのは、陵辱からの解放に対する安堵と。
 そしてその底にわずかにひそむ、燃え上がったまま放置されることへの恐怖。
 アイのそこから滴ったしずくを、俺は指の先ですくいとった。
 内腿をつうっと撫でる。
「っ、ひ、ぁっ!」
 イく寸前で敏感になった体は、ちょっとした刺激にも敏感に反応した。
 唾液をたっぷり乗せた歯と舌で、柔らかな乳房をなぞってやる。
 快感を煽り立てる。
「あ、ぁ……っ、や、め、やめてっ」
 首を振って拒むアイ。必死に理性にすがりつこうとして。
 ――結構しぶといな。
「素直になりなよ、アイ」
 ぴちゃ、とわざと卑猥に舌を鳴らす。
「ほら。下もこんなにグチョグチョだよ?」
「ひっ!」
 下腹の裂け目にまた指を伸ばした。生温かいぬめりの中に進入する。爪の先で核を軽く引っかいてやる。
 ぞくんと背中をのけぞらすアイに、俺はくつくつ笑う。
 白くてほっそりした、アイの脚。使ってないほうの腕で片方を抱え上げ、自分の肩の上に乗せる。
 花びらを無理やり晒された恥ずかしい恰好。
「いい眺めだね」
 甘酸っぱい匂いを漂わせるそこを、指先でゆっくり押し広げていく。
 アイの内側の体温が指を通して伝わってくる。
 ――それは指を口に含まれた、あのときの感触にどこか似ていた。
55マザーファッカー(サイアイ)14:2007/01/25(木) 15:25:49 ID:vE1n2PWs
 指を増やし、深く抉り、アイの快楽を刺激する。
 煽るだけ煽って、追い詰めて追い込んで、寸前のところで引き抜いて、焦らす。
「サ……イっ、サイ……ぃ、もう……」
 性器じゃできない繊細な動き。こすって、こねくって。緩急をつけて蹂躙して。
「もう? もう、何?」
「も……う、許し……お許し、を……ふ、ぁぁぁっ」
「許すって何を?」
 俺は口元だけで意地悪く笑う。
「言ってみなよアイ。言わなきゃわかんないよ? どうして欲しいの、ねえ?」
「…………っ」
 喘ぎの下からアイは呻いた。
 屈辱的な体位でさんざん攻め立てられて、快感の淵に無理やり追いやられて、それでもわずかな理性は残しているらしい。
 その一言だけは何があっても、どうしても言いたくない、か。まったく呆れるくらい頑固な女だ。
 でももう少し。あと少し。ほんのひと押し、それで俺の勝ち。
「まあ、言いたくないならいいけど?」
 ちゅぷんっ、と指を奥深くねじ込んだ。
「っあ……!」
「俺はいいんだよ別に。辛いのはあんただ」
56マザーファッカー(サイアイ)15:2007/01/25(木) 15:26:32 ID:vE1n2PWs
 掻き回す。ぐちゅぐちゅと淫靡な音が響く。
 アイが身悶える。白い喉をのけぞらせ、喘ぎとも悲鳴ともつかないような声を上げる。
「さあ、どうするの?」
 指を引き抜いた。
 アイの体から力が抜けた。
 とろりと濡れた指を舌で舐める。見せ付けるように目の前で、指先から根元までじっくりとしゃぶってみせる。 
「…………さ……」
 乱れた息の下アイが呟く。
「下、さい……」
 ――勝った。
「下さい? 何を? 俺はあんたに何をあげればいいのかな?」
「サイ、が、欲しい、です……下さいっ……」
 紅潮した頬。潤んだ瞳。快楽を求めてふるふると震える体。
 身の内の熱を全て吐き出すような、アイの吐露。
 余計なものを全部取り払った女としての懇願。
 息子とも、弟とも生徒とも想ってきた俺を、男として受け入れるという――そんな宣言。
「――いいよ。あげる。いくらでもあげる」
 俺は会心の笑みを浮かべた。
「あんたが望むだけあげるよ」
57マザーファッカー(サイアイ)16:2007/01/25(木) 15:27:04 ID:vE1n2PWs
 肩の上の脚をいったん下ろし、腰を抱き寄せて抱えなおす。
 息を弾ませたアイの唇に俺のを重ねる。舌を差し入れてアイのに絡めた。
 目を閉じたまま、ぴくんっと怯えるように身を竦ませたアイだったが、やがて諦めたようにキスに応じる。
 舌と舌、唾液と唾液、吐息と吐息を絡まりあわせて俺たちは密着する。
「く……、ふっ」
 物欲しそうにひくひくしているアイの入り口に、雄の部分を押し付けた。
 今度は抵抗はない。開いた両脚の間にゆっくりと飲み込ませていく。
「や、ぁ、あぁんっ」
 高くて甘い声。甘い、甘い。
 こんな声も出せるんだ、この女――
 もっと聴きたい。もっと。
「アイ」
 名前を呼んで、背中と腰に手を回して、ぎゅっと抱きしめる。
 抱きしめたまま、動く。
「っ、ん、ああぁ、あ……!」
 さんざん嬲ったアイの中は、さっき突き入れたときよりずっと熱く濡れていた。
 俺を求めるように強く強く、もう離さないというように締めてくる。
 快感に頭がくらっとした。
「アイ……」
 頬を濡らす涙を舐め取る。そのまま、首筋、胸元へと舌を這わせていく。
 固くなった胸の先端をちゅくちゅく吸うと、締め付けがいっそうきつくなった。
 舐めて。舐めて。吸って。
 突き上げて。
58マザーファッカー(サイアイ)17:2007/01/25(木) 15:30:24 ID:vE1n2PWs
 俺の腰に絡めた脚に、アイがぎゅっと力を込めてきた。
 圧力に快楽がいや増す。
 気持ちいい。
 頭の中が白くなるくらい――
「ああぁ、ああ……アイ、アイ……アイっ!」
 突く。奥を突く。もっと深いつながりが欲しい。アイともっと深いところで繋がりたい。
 こんなんじゃ足りない。もっと。
「や、あ、ああぁ、あ、あ、ぁっ」
 突き入れられ抉られ掻き回され、いっそう高くアイは喘いだ。
 俺の背中に回した腕に、ぐっと力が込められる。
 ケダモノみたいに俺たちは絡み合う。喘いで、鳴いて、舐めて、吸って、腰を動かして、本能だけで交じわり合う。
 理性は捨てる。何も考えない。考えればわかってしまうから。
 これが何の救いにもならない行為だと。
「あ、んっ、いやぁ、ぁぁっん、あ、あぁぁんっ」
 今だけ、彼女を手に入れる。
 今だけ、彼女と一つになる。
 奥の深くを強く突き上げた。弱い敏感な部分を力の限り貫いて――
「は、…………っ」
 きつく目を閉じ身を震わすアイ。
「や、ぁっ……あ―――!」
 切なく高い声を上げて、アイは達した。
 総毛立つような快感に襲われ、ぐったりとなったアイの中に、俺は思い切り注ぎ込む。
「アイ……」
 最後に一度だけ唇と唇を重ねた。
 彼女の耳元に口を寄せて、何かを囁いたような気もするが、何を言ったのかまでは覚えていない。
59マザーファッカー(サイアイ)18:2007/01/25(木) 15:31:28 ID:vE1n2PWs


 アイが体を離す気配で、俺は目を覚ました。
 引き裂かれ、床の上に落ちた服を取り上げる。身につけていく衣擦れの音。
 結構盛大に破いてしまったからあまり意味はないと思うのだが。
 意識を取り戻したことを悟られないように、俺はアイに背中を向けたまま目を閉じている。
 見る必要はない。そんなことしなくったって手に取るようにわかる。
 着替えに時間がかかっているのは、 羞恥と屈辱と恐怖と罪悪感で、手が震えてボタンが留められないためだ。
 ――息をひそめているのが辛くなるほど長い長い時間をかけ、アイは最低限の身支度を終えた。
 そのまま部屋を出ていく。不安定にふらつく足音と、キィ、とドアの金具が上げる小さな悲鳴が響く。

 一人になった部屋の中で、俺は身を起こした。
 睡眠のせいか、それとも熱をアイの中に放出しきったからか、陵辱の最中よりは随分冷静になっていた。

 アイは……アイはどう思ったろう。
 無条件の愛情を向けてきた俺に、汚されて、さんざん嬲られて。自分から求めさせられて。
 観察力に優れた俺でなくても、大体の予測ぐらいはつけることができる。
 俺たちの関係は、二度と元には戻れない。
 破いた服を繕ってもらって言い訳することも、膝枕の上でのんびりまどろむこともこれからはない。
 たった一晩で完全に壊れて、手の届かないものになってしまった。

 締め付けられるように胸が痛んだ。
 大人になってしまった『元・子供』が、母親との幼い日々を思うように。

 夜はあとどれぐらいで明けるのだろう。
 俺は冷たい床の上で、胎児のように膝を抱え込み、声を上げて泣いた。
60おまけのアイサイ:2007/01/25(木) 15:37:59 ID:vE1n2PWs
↑で終わりですが、終わり方がアレなのでオマケにちょっと。
つながり全くないんで切り離して考えて下さい


「ネウロに負けないために俺らもいろいろやってみようのコーナー!」
「……はあ……また、変な事を……」
「ため息ついた!? だって悔しいじゃん、みんなネウヤコネウヤコって」
「原作で出番がないのですから仕方ないのではないかと――」
「というわけで今日は緊縛とか試してみようと思います」
「話聞けよ。」

「とりあえず縛ってみたけどどんな感じ?」
「緩いです、サイ。これでは自分で外せてしまいます」
「え、でもきつく縛るとアイが痛いし……」
「縄は少し肌に食い込むくらいがベストですよ。実演いたしましょう」
「へぇ、手馴れてるね、アイ。後ろ手にして膝を……こんな感じか。
 ってアイ何俺でやってんの!?」
「攻め手を極めるにはまず守りから、と申します。では参りますよサイ」
「ちょっ、ちょ、違……俺の求めてたものと違うー!
 うわあああーーーーん!」


どっとはらい。
61名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 18:40:21 ID:/DM/3DTg
うわああ、すごいエロいサイアイ〜っっ。
切ないのもたまらん。アイの初めての相手は
実はちゃんとサイで、サイ自身は忘れてそう、とか
妄想をさらにかき立てられた。
なかなか落ちないアイの清楚さがたまりませんでした。

ごちそうさまです!!
62名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 19:26:32 ID:XiidUn4x
GJGJGJGJGJGJGJGJGJ

GJ!
63名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 20:48:22 ID:xnJLiMpl
過激な攻めも、ちょっと凌辱入った受けもこなすアイさんが大好きです
64名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 21:22:32 ID:VDGo1/hi
うおおGJ!!!
サイアイ最高だよサイアイ
おまけもやばいwww話聞けよワロタwwwwww
65名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 23:21:11 ID:xSOeAAvo
>61
よう、私。
そうだとしたらアイさんやりきれないよね


GJ!
66名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 01:21:28 ID:DNPuZUiO
最高だ・・・・!!
ネ申様ありがとうー!
67名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:48:19 ID:hIOa8xh8
俄然サイアイ書きたくなってきた(*´Д`) 切ないのイイヨーGJ!

ネウヤコ発情期ネタ投下。ゲロ甘エロ魔人。
68名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:48:53 ID:hIOa8xh8
(あれ)

 ふんわりと漂う匂いに気付いたのは、エレベーターで四階に上がってからだった。
 いつものように学校を終えてから事務所に向かい、いつものように上がったエレベーター。
ドアがゴゥンッと低い音を立てて開くと同時に立ち込めてきたのは、妙に甘ったるいニオイだった。
胸が焼けそうな、頭が痛くなるようなそれが、目の前のドアから立ち上っている。変にナマっぽくて
有機的なそれに、私は立ち止まって首を傾げた。
 これだけ強く香っているのなら一階まで届いていてもおかしくないはずなのに、全然気付かなかった。
一体何のニオイだろう、お菓子とか食べ物だったらすぐに判るはずだけれど、これは違う。もっと青臭くて、
なのにどろりとした変な感じだ。花の匂いが一番に近いかもしれないけれど、こんなに強烈なものなんて
知らない。

 また何か魔界植物でも生やしてるのかな、と、私はノブに手を掛ける。けれど、カチンッと硬い音を立てて
それは回ってくれない。
 留守にしても、今まで鍵を掛けることなんてなかった。謎の気配に対して貪欲なネウロは、いつも
留守番を置いてから自分は出掛ける。こんな風に依頼人を帰してしまうようなことなんて無かったはず
なのに、と、私はバッグの中を探った。えーっと、ああ、あった。キーホルダーから下がっている、それ。
傍らにあるのは家の鍵で、何だか並列になっているのがちょっとだけ嫌だ。
 ぐるりと鍵を捻ってロックを外し、ドアを開けてみると、一瞬臭気が色と質量を持って自分に向かってくる
ような錯覚があった。ぶわぁ、っと髪を揺らされた気がして、思わず目を閉じてしまう。勿論実際は、
僅かな気圧の差が微風を起こすだけだ。脚を踏み入れてドアを閉じ、私は事務所の中を見渡す。
 ネウロの姿はなくて、全体の様子もいつも通りだった。ただ甘い臭気が漂っているだけで、
何も変わりない。止めていた足を前に出して、私はいつものようにバッグをテーブルに放った。
それから、改めて事務所の中を見渡してみる。机の向こう側にもソファーの影にも天井にも、
やっぱりネウロの気配はない。

 何か企んでるのかな。それにしても、すごい匂いで頭が痛い。ふるふるっと首を振って、
私は深呼吸をした。汗がじんわり出て来るのは、湿気でもあるんだろうか。妙にムシムシしていて、
制服のシャツが肌に触れる感じが煩わしい。
 あかねちゃんは湿気とか嫌いそうなのに、壁に視線を向けると、姿が無かった。
壁がぽっこりしていると言うことは、隠れているんだろう。脚を進めて、私は壁紙に手を掛ける。

「あかねちゃん、どうして隠れちゃってるの? 私だよ、お客さんじゃない。
 ……それにしても、すごい匂いだね。なんだろ、空気入れ替えても良い? なんか蒸す」
「もう暫くこのままにしておけ。計算ではあと少しだからな」
「って何が、うわあっ!?」

 ずるりと壁から出て来たのは、ネウロだった。

「あ、あんた何やってんのそんなところで、って言うか物理的に不可能でしょそれは!?
 いや、そもそもあかねちゃんはどこにッ!?」
「貴様に物理を説かれるとは心外だな。あかねはまるで使用されていない学校配布の参考書に忍ばせて
 貴様の部屋の本棚に置いてきた所だ。少々ここに居られては困るのでな」
「困るって……それはこの匂いと関係があるわけ?」
「大有りだ」

 カパッと口を空けてにんまり笑い、ネウロはずるずる壁の中から這い出してくる。こいつに物理法則を
求めても無駄だと思いながら、私は一歩身体を引いた。ニコニコと上機嫌そうな様子がこの上なく怪しくて
胡散臭い。すとん、と床に脚を下ろしたネウロが、一足飛びに私との距離を詰めた。傘に覆われるように、
影に包まれる。見下ろしてくる顔の近さに、息を呑んだ。喉が音を立てる。
 間近に見上げたネウロの顔は、いつもよりもほんの少し血色が良い様子だった。普段が能面めいて
顔色も何も無い様子だから、仄かに差した紅色がよく映える。近付かれると、あの甘い匂いが余計に
強くなった。くらくらして咽そうなそれに身体を引くと、肩を掴まれて引き寄せられる。

「ひゃ、ッ」

 掌が熱い。買ったばかりの肉まんみたいだ。
 手袋越しなのに、シャツ越しなのに、じゅわりと熱が伝わってくる。
 違う――違う、それ、は。
 あたまがくらくら、目が眩む。
69名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:49:31 ID:hIOa8xh8

「皮膚が敏感になってきたか。もう少しと言った所だな」
「な、なに、はなして」
「身体が熱いだろうが、少々新陳代謝が上がっているだけだ。気にしなくても良い」
「ネウロ、なにしてる、の」
「我が輩は魔界生物なのだ、ヤコ」

 零された声の振動が肌を滑り降りてぞくぞくする。零れてくる吐息の熱さに溶けそうだ。あれ。
なんだろう、膝が震える。がくがくする。眼が潤んで、うまくネウロの顔が見えない。ただ掌の熱さが、
じわじわ浸透してきて、変な感じに。
 甘ったるい匂いがする。花の匂いだ。だけどどこか毒がある。この花は腐ってる。ネウロから零れてくる
匂い。なのに心地良い。深呼吸を繰り返して、身体の中に取り入れてしまう、不随意に、無意識に。
ぎゅっとネウロの上着に縋る、ずるりと滑った。ひゃあ、とへたり込むと、手の中にはちゃんと上着が
握り締められている。
 見上げたネウロはスカーフを解いて、ひらりとそれを私の顔に落とした。
 含まれていた匂いが一気に入り込んで来て、倒れそうになる。膝を折ったネウロが私の顎を取って、
ぐいっと顔を近付けた。

「貴様らとは精神的にも肉体的にも圧倒的に違う、まったく別のロジックの生き物だ。
 貴様らにないものがあり、貴様らにあるものがないこともある。これもその一種なのだ、ヤコよ」

 口唇の動きだけがいやに艶かしい、と思ったら、べろりと舐められた。長い舌が口唇の柔らかい皮膚を
べろべろと舐めて、吸い付いてくる。いつもと違うキスの様子に、私は自分から口唇を開いた。ちろりと
絡ませた舌から電流のような衝撃が伝わって、脳を揺さぶる。
 なん、だろう。なんだか、気持ち、良い。
 ネウロの腕が、堪りかねたような性急さで私の身体を抱き寄せた。

「発情期と言うものがあってな。今がまさにそうなのだ。暫く続く。手っ取り早く撃ち尽くさねば
 謎の気配を取りこぼすやもしれん、ヤコ、貴様には付き合ってもらうぞ」
「ふあ、ネウロ痛い、腕苦しいよっ」
「気にするな。これだけ瘴気に当てられていれば、大概の感覚は快楽に変換される。黙っていろ。
 もう限界に近い。理性が持たん」

 とろとろと唾液を含んだキスをされて、私は反射的に眼を閉じる。
 その寸前に見えたネウロの眼は、熱に潤んでギラギラして。
 いつもと全然違う、何かとても綺麗な宝石みたいに見えた。

「いただきます」



 限界だとかなんだとか言っておいて、ネウロの愛撫は驚くぐらいに優しい手付きで進んだ。すりすりと
懐くように身体全体で私に擦り寄り、頬と頬を合わせたり、背中を撫で回したりしながら、やっと胸に
触れる。それもいつもみたいに乱暴な様子じゃなく、指先でなぞるようなもどかしいものだった。
服の上からツンとした個所を擽られて、だけどすぐに通り過ぎて。やんわりと何度も繰り返してから、
ようやくボタンが外される。
 ぐったりと熱っぽい身体には、まるで力が入らなくてそれがもどかしいぐらいだった。風邪の時みたいに
敏感になった皮膚は、衣服が擦れることにすらぞくぞくと震える。鼻から篭ったような息が零れて、
それが他人の声みたいなのが少し怖い。浅い呼吸が、甘ったるい匂いをゆるゆると取り込んでいく。

「ヤコ。ヤコ……」

 零れ落ちる声と吐息の熱さに、背筋がぞくぞく震えた。かぷりと口唇で喉を食んで、ちろちろと舌に
なぞられる。優しい、なのに、いつもよりずっと『食いついている』様子なのがおかしかった。どうしてだろう、
私は閉じてしまっていた眼を薄く開ける。ネウロの顔が存外近くて、どきっとする。
70名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:50:09 ID:hIOa8xh8
 間近に覗く眼は、いつもより濡れて充血しているみたいだった。潤んだそれが光の加減を変えて、
いつもと違う色に見せている。上気した頬が人間みたいで、少しおかしかった。すりすり懐いてくる
身体全体が、熱い。暖められて蕩けそうだ。ぱくんっと肩に甘ぁく歯を立てられて、首の後ろ辺りで
密集した神経がぞくぞくする。仰け反るようにすると、それを宥めるように抱きなおされた。いつもなら
力尽くでぐいぐいしてくるのに、今日は全然――抱き方まで違う。変で、だけど、嫌いじゃない。
どろりと濃い唾液が肌を滑って、空気に触れる冷たさに身震いする。
 固い床にへたり込んだ脚が、冷たくて痛い。敏感になっていると些細なことが気を散らすのが嫌だな、
と思っていると、ネウロが気付いたのか私の身体を抱き上げた。いつものようにモノ扱いで肩に乗せる
でなく、子供みたいに抱っこするでなく、お姫様みたいに膝の裏と肩とで支えられる。首に回していた手が
恥ずかしくて離そうとすると、離すな、とでも言うように見下ろされた。熱い。とろとろ、熱い。
 ソファーに下ろされた身体に、またネウロが覆いかぶさってくる。かぷかぷブラの肩紐を噛んで、ぱちん、
と音を鳴らしてみたりしながら。

「……ネウロ、ぉ」
「ん。ヤコ、ヤコ」

 触れるだけの軽い口付けがちゅぅちゅぅと肌に降りる。そこから甘さがまた染んでいく。ふわふわと
覚束ない手をネウロの首に回して、ぎゅっと抱き締めた。引き寄せられた顔、牙が肌を擦る小さな痛みが
気持ち良い。視界の全てが、蕩け落ちそうだ。そうならないように私もネウロに懐く、髪にすりすりと頬を
寄せて小さなキスをする。鳥のするグルーミングって、こんな感じだろうか。
 ぱさりと音を立てて、脱がされたシャツが床に落ちる。ホックを外されると、元から大きくない胸が流れて
余計にぺたんっとした。恥ずかしい。慣れない。どーせ貧乳、だもん。ネウロはやんわりと脇から手を
入れて寄せてくる。僅かな起伏の頂には、すっかり立ち上がった淡い小さな――

「ん」
「ッ、うぁ――あ!?」
「ん、っくちゅ……」

 どろどろに濡れた舌先がその部分を舐める感覚に、眼の奥がぱちんっと爆ぜた。
 柔らかくて熱いものが、くちゅくちゅと音を立てながらそこに吸い付いてこね回している。赤ちゃんみたいに
ちゅぅちゅぅ吸われて、ただでさえ敏感な場所が嬲られて。耳の奥が痛い、神経の密集した個所が、
過剰な感覚に耐えられないみたいだ。ぞくぞくする、閉じていられない口元から唾液が垂れた。
跳ねそうになる身体をやんわりと抱かれて、宥められる。暖かい手。
 ふっと見れば、ネウロはいつもの手袋を外して既になっていた。だけどよく見せるようなグロテスクな
それじゃなく、人間みたいに整った手。ギスギスした指先に男の人を感じて、余計に背筋がざわめいた。
変だ。こんなの、変なのに。

 いつもネウロに抱かれる時は、どこかで諦めていたような気がする。こいつは化け物なんだから
仕方ない、抵抗をしても無駄だし何を言っても聞いてくれない。生理中でも気にせずに押し倒された時
なんか本当にそうだと思ったし、後ろ髪を引くような事件の後でもむぎゅっと胸を鷲掴みにして来た時は
アホだとさえ思った。まるで別の生き物。まるで知らない、異世界の。
 だけどこれじゃ、人間に抱かれてるみたいだ。あったかくて優しくて、身体中を慈しまれるように愛撫
されている。すりすりと懐かれて愛されて、意識も身体も熔かされて。諦められない、逃げられない。
逃避の思考が出来なくて、甘く噛まれたお腹の奥がぐるぐるする。

 こんなこいつに抱かれたら、逃げられない。
 もう何にも逃げる言葉が、なくなってしまう。
 それなのに――

「んふ、あ、うぁあっ」
「ヤコ、気持ち良いか。身体中火照っているな、どこに触れても嬉しそうだぞ」

 くすくすと笑う様子もいつもと違う。毒が無くて、本当にただ単純に楽しそうで。荒い吐息。熱い吐息。
大きな手が開いて、きゅぅ、っと私の胸を掴む。掌に刺激された乳首が、びんっと立ち上がって
こね回されて。両方のそれを爪の先でくりくりっとされると、一気に身体が緊張した。ギシッ、と、
ソファーが大きな音を立てる。声は出ない。出せない。ただ、息を、呑む。
 じわりと下着が濡れて、零れたものが脚を伝った。
71名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:50:48 ID:hIOa8xh8

「そうか、こちらが欲しいのか」
「あ、ふあ、ネウロだめっ」
「駄目なのか?」

 向けられた視線がいつもの意地悪な色を湛えていないのに、ぐ、っと言葉が詰まる。
 ねだるようなそれはいつものように脅迫的じゃなくて、だから言葉を隠す事が出来なくなりそうだ。
 でも、言って判るわけが無い。こいつは、化け物だから。
 ううん、――男だから。

「……すごく、びんかんに……なってるから」
「だから発散させてやろうと言うのだろう。熱を篭らせたままでは苛むばかりだ」
「で、でも、怖いのっ」
「怖い? 我が輩がか?」
「違うくて、その」

 うー、混乱した頭から言葉が出て来ない。ぐしゃぐしゃになったそこから零れるように、涙がぼろぼろ
流れて来た。私の脚を割り開こうとしていたネウロの手が大腿から外されて、そんな私の頬に触れる。
ちゅ、ちゅっと目尻を吸われて、それだけでも胸が震えた。ジンジンする、乳首。それと、下着の中の
小さな粒。
 ゆっくりとしたキスを重ねられて、反射的に眼を閉じる。緩慢に入り込んできた舌先が、べろりと口内を
愛撫した。ぬるぬるした熱、こくりと飲み込んだのは唾液。お腹の中から侵食される。甘くて噎せ返る、
腐った花の匂い。僅かな青臭さは、精液にも少し似て。
 ちゅるちゅるとお互いの唾液を吸いあいながら、ちゅぷ、と音を立ててキスを終える。覗き込んでくる
碧は、毒々しいのに綺麗だ。ぺろ、と瞼を舐めると、やんわりとした微笑を浮かべられる。らしくない
表情に、また身体が疼く。

「……これいじょ、されたら……おかしくなっちゃう」

 はひゅ、っと漏らした息を宥めるように、ネウロは私の背を撫でる。大きな手に支えられる安心感が、
身体の緊張を一気に抜いた。詰まりそうな息をゆるりと吐き出すと、それを飲み込むような口付けが
降りてくる。優しいセックスは、慣れなくて変な感じだ。おかしくされる。おかしくなる。ぎゅぅっとしがみ付く、
爪を立てて。
 肩にこつんっと顎を乗せたら、ネウロにも同じようにこつんっと乗せられた。ぴったり身体がくっ付いて
いるのに、腰の辺りは浮いて不安定だ。身体の長さと言うか、尺度と言うか、そういうものが違っている
所為なんだろう。ぎゅっと抱き締めて、ぎゅっと抱き締められる。熱い。溶け出したものが、どろどろに
なって脚を流れていく。
 ウエストに伸びた指先が、スカートのホックをゆっくりと外した。落ちて行くそれを膝から抜き取って、
下着に指を忍ばされる。腰の辺りに引っ掛かった指がくいくいと引っ張ってくると、敏感な部分に触れる
布地も擦れて身体が震えた。熱い息を耳元に零すと、はむ、っと首を舐められる。吸血鬼みたい、
って言ったら、笑うんだろうな。でも、そんな感じだ。血を吸われている間は気持ちが良い。
逃げられないように、そうさせられている。だから、逃げたくない。

「これ以上は、嫌か?」
「や……ぁ、んん、こわれちゃ、うの」
「そうか。ならば、愛撫はここまでにしよう」

 ちゅっちゅっと小刻みに吸い付かれる首が、うずうずする。垂れた唾液が胸まで滑って、その感触に
肌がぞくぞくと粟立った。敏感になっている。すごく。これ以上何かされたら、どこかに飛んで行っちゃいそう
だ。身体中が跳ね飛ばされて、意識なんか握り潰されて、感覚のイレモノになってしまう。
そして、落とされて、きっと。
 くっちょりと濡れた下着が、ネウロの指先にずらされる。
 え、と言葉を出すよりも早く、熱が触れた。

「――挿入、してやる」
「っひ、ひぅあ、あああああんゃぁああ!!」

 『男は処女の耳を噛み、痛みを和らげる』――昔見た映画で言っていたセリフを思い出したのは、
鋸みたいにギザギザしたネウロの歯が思いっきり私の首に突きたてられるのと、鈍い熱の塊が
身体の中を突き刺すのが同時だったからだろう。
72名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:51:23 ID:hIOa8xh8
 だけど同時に、騙されたと思う。全然和らいでなんか無い、単純に痛みが二倍になっただけだ。
甘噛みだったら違ったのか、それともこの男が打ち消しの加減を間違ったのか。熱い、思考が焼け付いて
ちりちり音がする。仰け反った身体はエビみたいだ。だけど押さえ込まれてしまう、いつものように
ぎゅうっと抱き締められてしまう。気持ち良い。死んじゃうぐらいに気持ち良い。

 涙と唾液と鼻水と、顔がぐしゃぐしゃになるのに、ネウロはネコみたいにそれを舐めてきた。物質を口に
含むのは好まないとか言ってたくせに、今日だけは妙に愛撫に熱心でそれがおかしい。ぺろぺろと
清められて、こくん、と喉を鳴らされる。分泌物が吸収される、セックスと同じ行為に、ぎゅぅぅっと
お腹の奥が反応した。ぬるぬるに濡れてすっかり緩んだ場所が、同じぐらい濡れて滑る性器を
締め付ける。ぎちゅん、肉が重なる音がして、耳から入り込む快楽に肩が竦んだ。お腹全体が熱くて、
頭がおかしくなりそう。
 ぜえぜえ呼吸が煩い。きゅぅっと口を閉じても止まらなくて、見上げてみたらネウロのそれだった。
上下する胸を押し当てられて、その生々しい反応に涙が滲む。愛液が滲む。ぐるりとした緑色が濡れて、
熱く私を見下ろして来て。重なる口付けも、怖いぐらいに優しい。深くて、柔らかくて、たまに当たる歯が
また堪らないぐらいに。

 感触を堪能するように動かなかった腰が、ぐんっと押し付けられて、ひゃあぁっと声が漏れた。
それももう何かの膜越しに聞こえる。感覚が遠くて、確かなのは触感から来る快感だけだ。
耳元で熱っぽく呼ばれるのも、誰の名前だか認識出来ない。
 ヤコ、ヤコ、重ねられる音が煩くて、むずがるように頭を振る。

「うごか、ないれ……やあ、ひあああ! しんじゃうっひんじゃ、うよぉ!」
「ん、ヤコ。ヤコぉ、やこ」
「ぁつ、ぅいい……うわあ、ああんん……ひぃ、ふあああッ」
「ヤコ、こら、泣くな」

 煩い煩い煩い。圧倒的過ぎる感覚に押し潰されるのが怖くて、ぼろぼろ涙が出た。
 子供のように顔を覆ってしゃくり上げると、ネウロは動くのをやめてぎゅっと私を抱き締める。
ぺたりと腰にへたり込む形になって、恥毛同士が擦れることすら痛みに感じる。快感に感じる。
舞い上がりすぎてどっちの感覚がどうだったのか、判らないぐらいだ。
 ぎゅうっと抱き締められた身体は暖かい、その暖かさも苦痛だか快楽だかよく判らない。ただ、胸の奥は
熱くて焼け落ちそうだ。込み上げてくるのが恐怖なのか愛情なのかも、朧になっていく。ぺたりとくっ付いた
秘肉がヒクヒク痙攣するのも、反り返った熱い杭に愛液を掻き出される事も。ただ、涙が出て来ること
だけで、同じだから。

 大きな雫をぱたぱたお腹に落とされて、ネウロは戸惑ったように私の顔を舐めた。らしくない顔で
舌を差し出し、目尻も頬もキスしていく。ちゅるりと吸い取られる刺激に、きゅうっとお腹の奥がまた
締め付けてしまった。不随意なそれが怖くて、ふえ、と私はまた涙を滲ます。

「ヤコ。泣くな、それは困る。我が輩が困ってしまう」
「らぁ、って、こわぁいぃ……このまま、しんじゃ、うよぉ……やけちゃ……」
「死なない。焼けない。貴様はただ、気持ち良いだけだ」

 言い聞かせるようにしながらネウロは私の髪を撫でて、額にちゅぅっとキスをする。

「気持ち良いのだ。言ってみろ、腹の奥を抉られて、気持ち良いと」
「く、ふ……きも、ちぃ?」
「そう」

 嬉しそうに微笑んだネウロが、私のお腹の中でずくんっと脈動するように大きくなる。
いっぱいに広げられた個所がキツくて、いたい、と私は零す。

「違う。ヤコ、気持ち良いだ」
「ひ、っく……きも、ちぃ……い」
「そう。広げられて、気持ち良い」
「ひろげられて、きもちぃ」
「動かれて、気持ち良い」
「うごかれてきもち、い」
「抱かれて、気持ち良い」
「だかれて、きもちいい……」
73名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:51:58 ID:hIOa8xh8

 ちゅ、ちゅっと小さなキスを重ねられて、ゆっくりと身体をうつ伏せにされる。ソファーの肘置きに
頭を乗せて、私はネウロを見上げた。引き締まった身体と広い肩幅が、今更とても恥ずかしいものに
見えて、じっと顔を見上げる。緑色を見上げる。きらきらした宝石みたいな。エメラルドは、幸運、だっけ。
ふわり浮かんだ宝石言葉が頭の中に滲んで広がる。ああ、だから、これも気持ち良いことなんだ。
しあわせな、ことなんだ。

 腰を掴まれて、ぐうっと押し込まれる。

「んあ……きもち、い……」
「そうだ。偉いなヤコ、良い子だ」
「きもち、いい。ねうろ、きもちいい」
「そう……もっと、言え」
「ネウロぉ、気持ち良い、よぉ」

 嬉しそうにされるのが嬉しくて、私は言葉を何度も繰り返す。パンパンとぶつかる音を立てて、注挿は
どんどん激しくなっていった。大きな杭が身体を貫こうとするように押し込まれているのに、それが
気持ち良いと思う。気持ち良い。これは、気持ち良いこと。一番奥のところをこつこつされて、
首筋がぞくぞく震えた。眼を閉じて、きゅぅっと閉じて、それに耐える。まだ、今イッたら勿体無い。
もっと。もっと、すごいのがくる。
 不意にネウロが私に覆いかぶさって、ぎゅうっと身体に腕を回した。

「ふ、ふぁ? っんきゃ、ひゃあああ!!」

 左手はむにむにと胸を揉んで、それから乳首を潰す。くりくりと転がす愛撫が強烈に響いて、
頭の中がぽかんっと空っぽにされた。
 そしてその空隙に入り込むように右手が刺激するのは、結合部に近い小さな粒。

「やあ、うわああ、ひゃぁああああ!?」
「ッ……、ヤコ、弥子」
「やあ、あああ、いやああああああ!!」

 クリトリスを下からくんくんっと指先が押し上げてくる。やんわりとしいた動きは瞬く間に早くなって、
がくがくと身体中を震わせた。だらだら零れる愛液が止まらない、暴れようとした身体も簡単に
押さえ込まれて、ただ与えられ続ける。熟れた個所はぬるりと包皮を捲られた。垂れた愛液がそこを
伝って行く事すらも、凶暴な刺激になる。狂っちゃう。これ以上されたら、狂っちゃう。怖い。それとも、
これも、気持ち良い? 気持ち良い方が、きっと楽だ。だから、これも気持ち良い。狂っちゃうぐらいに
気持ち良い。額に口唇を押し付けられて、とどめが落ちる。

「ねうろ、ネウロ気持ち良いッ死んじゃう! あそこぐちゅぐちゅ死んじゃう、広げられて死んじゃうよぉ!」
「死なない、と言っただろう。ヤコ、良いぞ、もっとだ。もっと」
「やあ、やああ、動いちゃダメぇ……やらぁああッ」
「もう少しだ。もう少しで、辿り着ける。貴様も我が輩も」
「ふゃぁああんん!!」

 ぐりぐりと、腰が円を描くようにゆっくりと揺らされて私は泣き叫ぶ。内側だけを刺激されて、
今までに無いぐらいの快感が走り抜けた。こつんこつん当てられている子宮口から、ゆっくりと毒が
広がっていく。キモチイイが広がっていく。涙が止まらなくて、呼吸も上手くできない。酸欠で頭が朦朧として、
言葉も出てこなくて、ただ受け取って獣のように喚く。獣の格好で交じり合いながら、
獣に犯されて、獣になっていく。

「ッ……弥子。もっとだ、もっと善がれ。もっともっと善がってくれ……弥子、弥子」
「んぐ、ふあ、あぐっうう、んきゃぁああッ」
「そうだ。もっと、もっともっともっともっと、善がってしまえ。我が輩のために」
「ひい、ひぃ――……んぐっんぶぅうう、くあ――!!」
「……、ッ弥子、!!」
74名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:52:32 ID:hIOa8xh8

 くいくいと押し上げる単調な愛撫を続けられていたクリトリスに爪を立てられるのと、
ゆっくり抜かれた性器が勢いをつけて一気に子宮口を押し上げるのは、同時だった。
 声にならない悲鳴を上げて、私は我武者羅にアタマを振って喚く。
ぷしゅぷしゅと結合部からお漏らしのように吹き上げたのは、潮とか言うやつだろうか。
初めてのそれが与える刺激すら、私を追い詰める。追い詰められていく。
 ぱくぱく開かされたナカに、ネウロの精液が注ぎ込まれるのが判った。
 飲み干すようにこくこくと、広がっていく。青臭くて生臭くて、変に甘ったるいそれ。
 意識を失えないのは、瘴気が身体に染み渡っているせいだろうか。

「弥子。種付けは、気持ちが良いだろう?」

 熱っぽい囁きを耳朶に吹き込まれて、私は笑った。

「……きもちよくて、しんじゃう」

 快楽のイレモノになった身体が、壊れた。



 ネウロが『ごちそうさま』と言ったのは、三日後のことだった。
 甘ったるくて激しくて濃厚なセックスは、つまりその間ずっと続けられた。眠って起きては繰り返して、
食事の暇も無いぐらいのそれは、正直いつもの労働+虐待の一か月分には相当したと思う。
つまり、一日で約十日分。十倍だ。よく死ななかったと本気で思う。てか、死んでないのがおかしい。

「何がおかしいのだウジムシめ」
「うあッ痛ぁ!! 何でいきなり蹴るのさ、あんだけ優しかったくせに終わった途端これってどういう事よ!」
「ああ、あれは本能的なものだ」

 さらり、魔人は言ってのける。

「本来つがいが行うものだからな、ゆっくりと相手を絡め取って確実な生殖を行うためにああ言う
 やり方になるだけだ。でなければ誰が貴様のような三葉虫にも劣る単細胞の生物にあそこまで丁寧な
 飴の調教などくれてやるものか、鞭で打たれてもすぐ忘れる分際で」
「うわっはーい三日分凄い言われようだあ。って言うか、つがいって……えっと、夫婦の事だよね?」
「その通りだが? 一般的語彙すらも枯渇しているのか、この豆腐頭め」
「いたたたた、掴むな掴むなーッ!!」

 シャワーを浴びた身体、バスローブ姿でぱたぱたと脚を振りながら、私はソファーに座って天井の
ネウロを見上げる。流石に疲れたのか、うつらうつらと休眠体勢だ。私も身体が乾いたら、
とにかく家に帰ろう。あかねちゃんも迎えに行かなきゃだし、とにかく身体がしんどい。
頭に巻いたタオルを直しながら、計画を立てる。お母さんは昨日まで出張だったから、まあ、大丈夫か。
美和子さんには……口止めを……うわあ考えただけで死にたくなってくる。朝帰りどころの話じゃない。

 しかし、つがいかあ。
 ……あれ。
 それってつまり。

「ッ…………〜〜〜!!」

 ボンッと赤くなった顔をする頃には、もうネウロは寝息を立てていた。
 見られなくて良かったと思う、問い詰められてるところだった。
 ……奥さん扱いされたのが嬉しかったなんて、口が裂けたら言えない。
75名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 08:53:52 ID:hIOa8xh8
とっぺんぱらりのぷう。

毛色の違う発情期ネタを書こうと思った。
気がついたら趣旨が脱線していた。
今は反省している。
76名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 09:19:50 ID:WLXZanui
>>75
GJ

…濃厚すぎる…!
電車内で読むんじゃなかった●| ̄|_
77名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 09:45:02 ID:uL8XK9sl
>>75
ググググッジョブ!!
優しいネウロもたまにはいいな。
ヤコはすてきな奥さんになれると思うよw
78名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 10:12:56 ID:LrHj2/aD
GJ!!!
濃い!とろけて行く弥子が正しくエロかわいい!!

>>76
やぁ、俺…orz
79名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 11:17:24 ID:0Q56Pb6O
GJ!!優しいネウロがかえってエロイのな。

スレの初めから怒涛の投下ラッシュ、この濃厚さ…
やっぱネウロスレ最高!ゴチになりました!
80名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 12:58:00 ID:lyKR36yl
>口が裂けたら言えない


危うくスルーするところだったwwwwwwww
81名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 15:44:57 ID:/molONSB
ヤコがえろうかわいくてごちそうさまでした
濃厚で超GJ!
82名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 21:18:15 ID:Mtv6a73L
神々の連続投下に幸せを実感中
このスレ最高だ
83名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 01:49:59 ID:BAMeaHkH
>>75
甘いあまいあまーーーいGJ!!!!!
つがいかぁ奥さんかぁ…テラモエスw
燃える何かを補給したのでテスト勉強もはかどりそうです神乙!
84名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 09:24:07 ID:0+ou0qgJ
脳が揺れた。
G O D  J O B
85名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 10:01:15 ID:FFKIqHVH
>>75
GJ! やはりここの作品は人目のある所じゃ読めん。と老人施設への送迎の車内で溜め息orz

…スルーしたいが、83殿のテストは大学や何かの資格試験だよな??頑張れ、自分もss書き頑張るから。
8683:2007/01/27(土) 13:31:37 ID:BAMeaHkH
>>85
厨臭くて誤解されそうなまぎらわしい書き方してスマソorz
TOEICのことなんだが…テストという表現は確かに微妙だな、マジすまんかった
87 ◆ChdC8VZqyE :2007/01/27(土) 14:06:25 ID:+9cocaDD
神と受験者と手伝い人乙です。
エロはTPOを選ぶのですね
自分もつい電車で読んでしまったから困る
88名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 21:20:06 ID:PfnBTAXs
>>75
すげー、超GJ!!二人ともすごく幸せそうでいいね。
蕩けそうに甘くて、読んでる間中こっちもずっと痺れてしまった。
神よ、奇跡のように美味しい御馳走をありがとう。
89名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 11:51:13 ID:8Nu4RFhe
>>75
GJ過ぎです!
あまあま最高ー!
90名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 14:36:27 ID:bvfzAwxs
ネウXいってみる?
91名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 14:37:07 ID:bvfzAwxs
いや、いい。
92名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 14:54:14 ID:fU+qEHlc
保守必要でもないのに、ageてまで自演する必要がどこにあるのか教えてくれないか。
93名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 14:54:32 ID:2dnZpUBo
X♀なら注意書きの上でカモーン
94名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 14:55:11 ID:2dnZpUBo
ID見てなかったスマソ
95名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 19:15:42 ID:4lxyIT/o
ネウアイなら見てみたい
自分像編ラストで動けなくなったXの目の前でむりやり……とか妄想した
厳しいよねハハハ・・・ハァ・・・
96名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 20:52:15 ID:NaWQF8Bh
ネウアイもネウサイも良いなぁ。
てか魔人スキーだから魔人攻めなら何でもいける。
97名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 20:59:39 ID:aa2GZCr0
サイヤコとネウアイ同時進行な話を読みたいと希望を述べてみる。

っていうか、無理だな設定的にorz
98名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 21:09:45 ID:mC1LRrSa
>>97
いいねそのプレイ
ネウヤコ・サイアイ前提ならもっと燃える
99名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 23:25:36 ID:gUwCPOdH
>97
取替えっこって奴ですな。燃える!
100名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 00:29:46 ID:L/SQS1Wn
英語でいうとスワッピング……w
ネウロ×アイってどんな感じだろ
サイアイが好きだからかもしれないが、この二人で和姦は自分にはちょっと思いつかない
101名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 00:58:42 ID:e15NcczQ
お互い『助手』という共通点はあるよな。
助手モード、丁寧口調なネウロ
「ごめんなさい、先生ったら好きモノで!こうでもしないと僕はどんな目に合わされるか……(よよよ)」
いつもクールなアイさん
「別に、慣れていますから」

……だめだ、エロくならん
102名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 01:09:50 ID:9wWaybHg
>>101
合意したら和姦じゃまいか
103名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 01:17:40 ID:e15NcczQ

サイ→ネウロに、ヤコを一晩貸してくれと頼む。代わりにアイを派遣する。
ネウロ→ヤコへのお仕置きの一環としてそれを了承
アイ→サイが知りたがっているネウロのことを探るべく、事務所へ。
ヤコ→不憫な子。

れっつスワッピング。

……こういうことですか!?わかりません(><)
104好奇心:2007/01/29(月) 01:36:29 ID:YOiXCRzN
サイアイの流れを豚切ってスマソ
突然降りてきたネウヤコっぽいのを投下。


発展家の叶絵はもちろん、このところ他の友達も最近どんどん彼が出来たとかデートをして
きたという華やかな話題が日毎に増えてきていた。
いいなあ、みんな自由で。
正直言って弥子はそんな友達が羨ましくて仕方がない。
ただ側で聞いているだけでも、彼がどんなことを言った、どんなことをしてくれたと耳ダンボ
になるネタばかりで、これっぽっちも自由のない身にとってはじりじりするばかりだ。
どうして自分にはそんなささやかなひとときもないのだろう。
それが何だか急に悔しくなった。

悔しい理由はもう一つ。
あまりこれといった夢を見ない弥子にしては珍しく、やたらとリアルな夢をここ数日見ている
のだ。その内容たるや、要するにひどくエロティックなものでとても友達には言えない。だか
らこそ一人で悶々とするしかないのだ。
「もう…何であんな夢見るんだろう」
ぶんぶんと頭を振って妄想を振り切ろうとしても、あまりにも鮮明な夢の内容は徐々に弥子
を甘い毒のように蝕んでいった。
昨夜の夢では泣いても喚いてもそれこそ罵倒しても、決してネウロの腕から逃れられない
まま、散々に犯された。あの凄まじい挿入の感覚は経験がなくても疼痛を覚えるほどに鮮
やかで、目覚めた後も思い出す度に溜息が漏れた。
「あんなこと…絶対にないんだろうな…」
そう、弥子はいつの間にかネウロに恋をしていた。
きっかけなんて、もう思い出せない。
まるで息をするように食事をするように自然にネウロの存在がすっと心の中に入り込んでき
ていて、気がついた時はかなりの深層まで到達していたのだ。だからこそ、あんな夢にな
っているのだろう。
簡単に自己分析をしながらも、弥子は真冬の冷たい風に身を晒していた。
有り得ないことなど、考えたくない。どのみち絶望するだけのことだ。なのにあの淫らで熱
い挿入の感覚が今日は離れようとしない。
あの太くて逞しい腕に掻き抱かれて、卑猥な言葉を耳に流し込まれ、呼吸する間もないほ
どめちゃくちゃに貫かれる想像が止まらない。
「あ…ネウロ…」
妄想に負けそうになって咄嗟に目を閉じかけた先に、事務所のあるビルがあった。こんな
にも弥子を悩ませている男は今日もそこにいる。奥の奥まで突き立てていたものは夢の通
りに人間と少しも変わりないのだろうか。そもそも魔人に性欲などあるのだろうか。
只の夢でしかないことに激しく突き動かされて、弥子はビルの中に入って行った。

あれは正夢だったかも知れない。



終わりだ。
105名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 14:36:35 ID:JuzL449m
GJ!!!
……続き、期待しても良いかぃ?
106名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 14:40:31 ID:zUyKOGb6
GJ!!!夢じゃなくてホントにネウロに犯られてたんじゃと思うと更に萌える!
107名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 14:45:13 ID:M1/i+21D
>105と同じく続きwktkしても良いだろうか>104
本当にヤられてたとか知ったヤコの反応とか読みたいお
108名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 17:56:24 ID:UQOr7EXr
>>104GJ
つづきここで たのむ
109名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 20:55:09 ID:3ChcEMMY
GJ!!恋する弥子可愛いよ弥子
よく夢って自身の願望を表すとも言うよね。
続編の“正夢”展開にwktkしてる!
110名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 23:57:08 ID:YOiXCRzN
104だけど、「夢だと思っていたら、実は実際にヤられてました」
って展開は考えてなかったので、レス見てびっくりした。
本当に夢のつもりだったからさ。
でも、その方向で続きを書いてみるのも面白いかも知れない。
もちっと待っててくれ。
111名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 00:25:21 ID:6K9FTOgz
>110
やった!wktkして全裸で待ってる
112名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 02:23:48 ID:yYwAWbrf
池谷ってヤリたい時家具にした女をそのままスカート剥いでヤッてそう。

んで動いて書類とか落としたら軽くキレてそうだ。
113名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 03:02:05 ID:2IviAEi7
>>112
そうかな、下着だけ脱がしてそうだけど
「家具が動いちゃだめだろう?」
「だって…き、気持ちいいんだもん…あぁぁんっ!!」
「おやおや、扉が開く音が今日は何だか甲高いようだ」
114名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 04:37:33 ID:bUhYrRbl
まさか本誌で三角木馬&拘束がくるとは…
担当者の煽りがエロ過ぎる
115名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 04:53:26 ID:CQ/4yx5x
突如アヤ×監守物を思い付いて困る

アヤならグラス割るのも簡単なんだろうな、声で
116名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 10:08:59 ID:W2ch2jKg
作品も多くなってきたし、じわじわとサイアイ好きが増えてる気がする。
ウレシス
117名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 10:32:39 ID:n6SOMpQY
サイヤコも忘れないで
118名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 11:21:26 ID:6K9FTOgz
俺のことも忘れないで




ごめん言いたかっただけなんだ
119名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 11:31:43 ID:0tIeXALA
誰かー、サイ×118書いてやってー
120名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 13:46:16 ID:+Ddzpu6y
X「おっけー、じゃあ手始めに>118から可愛がってあげるね! よいしょ」





>118「ぬふう」

ごめん本当は今サイアイ書いてるから許して
121名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 14:57:43 ID:RYJF/ovG
えーろ・ごしかぁん!!
122名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 17:32:24 ID:KkQKYehR
>>117
そのうち原作で何らかの接触があるだろうからきっとこれから増えるよ

そんな俺は初期からちまちまサイアイ書いてるサイアイスキー
123名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 17:52:22 ID:d7sVYCP4
>>122
そう期待してまつ。

サイヤコ期待しつつもサイアイも好きなんだ。
待ってますから!
124もう戻らない人の声(サイアイ):2007/01/30(火) 18:54:13 ID:KkQKYehR
>>120じゃないけどサイアイ投下します
めちゃめちゃ長いんで2回ぐらいに分けます。

前に投下したマザーファッカーという話の数年前の話にあたりますが、
中身は全く関係ないです。
大人サイ×少女アイという変則的なカップリングなんで苦手な人ご注意。
要約するとアイさんはじめて物語。
125もう戻らない人の声1:2007/01/30(火) 18:55:21 ID:KkQKYehR
『アイってさ、全然笑わないけど、何で?』
 ――いつのことだったろう、あの人にそう尋ねられたのは。
 私は床に転がる人の死体を、運ぶ準備をしているところだった。
 当時少女だった私は陰惨な現場にはまだ不慣れで、床に転がった≪死体≫を処理するためには、こみ上げてくる吐き気にひたすら耐えなければならなかった。
 破けた腹から覗く内蔵から極力目を背け、手袋をつけた手を機械的に動かして。
 そうやって少しずつ少しずつ、慣れる努力をしていた頃の話だ。
『何の話でしょう、サイ』
『だからさ、アイって全然笑わないなって』
 そういうサイは明るく笑っていた。全身赤黒い血にまみれたまま。
 どんな神経だ、と心底呆れたのを覚えている。
 それからいくらも経たないうちに私も、同種の図太さを身につけることになるのだが、それはまた別の話。
『別に、笑うまいとしているわけではありません。必要があると思えば笑います。
 ただその機会が滅多にないだけの話です』
 至極真面目に答えたつもりだった、私は。
 でもサイには何かおかしかったらしい。口元を押さえてぷっと吹き出す。
『必要があると思えば、か。必要、必要ね〜。やっぱ面白いやあんた。
 世間の常識からイイ感じにズレてるよ、たまんない』
『……あなたを楽しませるつもりで、答えたわけではなかったのですが』
『いやいやいやいや。ごめんごめん、そんな怖い目で睨まないでってば』
 一体何がそんなに面白いのか、謝りつつも笑い続けるサイ。
 サイの言う通り私がズレていたのか。それともサイ自身にもある種のズレがあったのか。
 今になって思い返せば、その両方だったのではないだろうか。
126もう戻らない人の声2:2007/01/30(火) 18:56:03 ID:KkQKYehR
『でもさぁ、アイ。あんたやっぱりもっと笑ったほうがいいよ。
 必要があるとかそんなんじゃなくて、あんたが笑いたいときに笑いたいだけね』
 ひとしきり笑い続けてから、ふと真顔に戻ってサイが言った。
『社会生物学って知ってる? あっち方面の学者に言わせると、笑顔ってのは"武器"であり"戦略"なんだってさ。
 ひとりじゃ生きていけない人間……特に赤ん坊とか子供とかが、他人の関心を引き出すためにあるもんなんだよ、もともとは。
 つまり相手の警戒心を解いて安心させる作用がある』
『…………』
『この説がもし正しいとすれば、あんたが思ってるほど無意味なもんでもないと思うよ』
 自分の唇を指で持ち上げてみせるサイ。
『実際、作り笑い顔に貼り付けてへらへらしてれば、大概の人間はごまかされてくれるしね〜』
『結局経験談ですか』
『そりゃまあ、伊達や酔狂でこんな仕事してるわけじゃありませんし。
 コミュニケーションの基本は笑顔だよアイ。今はわかんないかもしれないけど、そのうちきっと役に立つこともあるから。
 覚えといたほうがいい』

 当時のサイが随分と大人に見えたのは、私自身幼かったせいもあるが、それ以上に脳細胞の構成の問題だろう。
 今のサイの精神が十四、五の少年のそれだとすれば、当時の彼はそれより五、六歳、ことによると十歳近く上だったのではないだろうか。
 便宜上の姿もそれを反映してか、成熟した青年のそれで通していた。

『それにね、アイ。俺、あんたは絶対笑ったほうが似合うと思うよ』
 私はきょとんとした。
『似合う……』
『せっかく可愛いんだから、無表情よりは笑顔のほうがいいと思うんだよね』
 言ってサイは私のほうに手を伸ばす。
 頬に軽くついばむようにキスしてきた。
『ね?』
 青年の顔に浮かぶのは無邪気な笑み。
『……………』
 不意打ちされた頬を押さえて、私は黙り込んだ。
127もう戻らない人の声3:2007/01/30(火) 18:56:56 ID:KkQKYehR


 今よりずいぶん大人びていたあの頃のサイは、一方で今よりはるかに不安定な部分も抱えていた。
 一度爆発してしまえば、もう破壊衝動を抑えきれない。
 現場は後始末に困るほどめちゃめちゃに荒らしてしまうし、酷いときには箱にするのも困難なほど、死体を損壊してしまうことさえあった。
 すべては自分の中身が分からない不安、自分の立ち位置を定められない宙ぶらりんの恐怖と、そして当時の私が理解していなかった、もうひとつの理由からきていた。
『落ち着かれましたか?』
『ん……ありがと、アイ』
 不安に苛まれた、あるいは破壊衝動に呑まれたサイを、宥めて落ち着けるのは常に私の役目だった。
 痙攣するサイの体がゆったりとした呼吸を取り戻し、心音が平時に戻るまで抱きしめている。
 場合によっては明け方近くまでかかることもあった。
『あんたがいてくれて良かったよ』
 まだ呼吸が戻りきらないらしく、深く息を吐いて整えながらサイが言った。
『私の役目は、あなたの中身が見つかるまであなたのお手伝いをすることです。
 そのために私ができることでしたら、何なりと』
『はは……頼りにしてるよ有能な助手さん』
 そんなやりとりを何度繰り返したことだろう。
 だが、その頃の私は知らなかったのだ。
 サイが不安定になる最大の理由が何なのか。
128もう戻らない人の声4:2007/01/30(火) 18:58:10 ID:KkQKYehR
『あれ?』
 そんな生活を淡々と続けていたある日。
 サイは私の家で朝食を取っていた。
 シリアルとサラダとパンとベーコンエッグ。オーソドックスなメニューではある。
 シリアルに新鮮なミルクを注ぎ、スプーンで口に運ぼうとしたところで、ふっとサイは動きを止めた。
『ねぇアイ。あんなのあんたんちにあったっけ?』
 サイが指したのは、壁にかかった白狐の面だ。
 他にもポリネシアの置物や、アフリカ製の変な生き物を象った薬ビンなど、私の家には微妙なものが溢れている。
『何を仰っているんです。三日前にサイが私にくださったものじゃありませんか』
 盗みに入った場所に目ぼしいものが見当たらない場合、適当なものを盗んで私に渡すというサイの癖。
 それはこの頃から変わらずに存在している。
 モノ自体はどうしたらいいのか分からないようなものも多いが、それでも貰うこと自体は嬉しいので、ひとつひとつ大切に保管するようにしていた。
『え……』
 サイは絶句する。
『隣の喧嘩上等と書いたタペストリも、1/48電撃伐採ビリジアンフィギュアも、つい先日サイがくださったものですが……
 サイ? どうなさいました? サイ?』
 ガシャンと、シリアルがひっくり返った。サラダはぱらぱらと床に散り、ベーコンエッグが宙を舞った。
 ――この日のサイの暴走は、普段よりいっそう重く深刻なものとなった。


『ごめん』
 私の膝の上に頭を預け、ようやく落ち着いたサイが低く呻いた。
『朝ご飯、無駄にしちゃった。せっかく作ってくれたのに』
『気にしないで下さい。大して手のかかっているメニューでもないですし。
 それより今日は一体どうなさったのです? パニックを起こすような事情は、今回は特になかったと思うのですが』
『…………………』
 唇を噛んで黙り込むサイ。
 私はその頭を軽く撫でた。
『申し訳ありません。出過ぎた質問でしたね。所詮助手でしかない私が』
『いや……そんなことないよ。そうだね、そろそろ言わなきゃならない時がきてるのかもしれない』
 膝枕に頭を乗せたまま、サイは私の手をきゅっ、と握った。
129もう戻らない人の声5:2007/01/30(火) 18:58:57 ID:KkQKYehR
 サイの細胞は、定期的に大規模な変異をする。
 そう頻繁に起こることではないが、それでも確実にもたらされる大きな変化だ。
 性格が変わる。言動が変わる。
 何よりも――積み重ねてきた記憶が大幅に削られ消えてなくなってしまう。
 その変異の時期が近づいている、とサイは言った。
『どんどん忘れていくんだ、最近。それもどうでもいいことだけじゃなく……
 普通なら絶対忘れないような大事なことまで』
 あんたにあげた物を忘れるなんてあり得ないのに。
 そう言ったときのサイの顔は、大きな手で覆い隠されていて見えなかった。
『……随分前に教えてもらった、あんたの誕生日ね』
 唐突にぽん、と話が飛ぶ。
『忘れないようにメモしておいたんだ。月の初めに必ず確認してる。
 そうすれば絶対忘れないし、ちゃんとプレゼント用意する時間だってあるでしょ。
 けど、この前ついにどこにメモしておいたのかも忘れちゃって』
 サイは笑った。顔を覆い隠しながら、乾いてひび割れた笑い声を響かせた。
『忘れるんだ。忘れていくんだよ。忘れたくないのに。
 どんどんどんどん消えていって、二度と戻ってこないんだ』
『……サイ』
『誕生日だったらまだいいよ。あんたにまた聞き直せばそれでいい。
 忘れちゃったごめんねアイって言ったら、あんたはまた教えてくれるよね。だからそれ自体は別に構わない』
『…………』
『でも、このままだとそう遠くないうちに、あんたの存在さえも忘れてしまうかもしれない。そう思うと、』
 そう思うと、たまらなくなるんだ――
 顔を隠すサイの指の間から、きらりと光るものが見えた気がした。
 涙?
130もう戻らない人の声6:2007/01/30(火) 18:59:34 ID:KkQKYehR
『アイ』
 ぎゅっと、サイのもう片方の手が私の手を握った。
『たぶん、そう遠くないうちに今の俺は消えるよ』
『……!』
 私は息を呑んだ。
 口を挟ませる暇も与えず、サイは喋り続ける。
『勘違いしないで。別に死ぬわけじゃない。
 ただ今の俺の人格がなくなって、記憶もゴトッと入れ替わって、全く別の新しい俺が生まれるだけ』
 それは……
 それは人格的には「死ぬ」ということではないのか。
 少なくとも私にとっては同じことだ。今目の前にいるこのサイに会えなくなるのなら。
『サイ、』
『そんな泣きそうな顔しないで、アイ。次に生まれてくる俺も、やっぱり俺には違いないんだから』
 顔から手を離して俺を見た。
 きゅっと、握ってくる手に力がこもる。
『アイ、あんたは見かけよりずっとずっと優しい子だ。だから……
 次にあんたが出会うことになる俺にも、ちゃんと優しくしてやれるよね』
『……私がお傍にいたいと思うのは、あなただけです』
『そんなこと言いっこなしで』
 サイは半身を起こした。
 そっと私を抱き寄せ、頭を撫でる。
『俺の遺言だと思って言うこと聞いてよ。ね? 頼むよ――』
 幼かったあの頃の私には、ただ顔を伏せ首を横に振ることしかできなかった。
131もう戻らない人の声7:2007/01/30(火) 19:00:55 ID:KkQKYehR


 月日が流れるごとにサイの不安は高まっていった。
 月に一度程度の割合でしかなかった暴走が、週に一度三日に一度と増えていく。
 その時々に彼に付き添い一時的に落ち着かせることはできても、根本的な問題を取り除くことは私にはできない。
 どんどんぼろぼろになっていくサイを傍らで見続けるしかない、自分の無力さがひたすらもどかしかった。


 そんなある夜更け。
 部屋のドアが小さくノックされ、私は読んでいた本をベッドの上に置いた。
『はい?』
『俺だけど、開けてくれる?』
 サイの声だ。
 パニックに陥ったという様子ではないが、また何かあったのだろうか。
 ノブを捻ってドアを開けた。
『部屋に直接いらっしゃるとは珍しいですね。どうされました?』
『ちょっと……ね、頼みたいことがあって……』
 様子がおかしい。なんだかそわそわした感じがする。
 目に見えない何かに急かされてでもいるような。
『私にできることでしたら、何なりと』


 私の勧めに応じ、サイは部屋の中に入った。
『何もない部屋で申し訳ありませんが。紅茶でもお淹れしましょうか?』
『あー……うん、まあいいや。誰か別の人が来たときにでも出してあげて』
 また今度、とは言わなかった不自然さに、そのときの私は気付くことができなかった。
『上質のシナモンティーが手に入ったのですが……そうですか、かしこまりました』
 ――それからしばらくの間、サイは黙りこくったまま一言も口にしなかった。
 私もまた何も言わない。もともと面白みも何もない性格で、自分から話題を振れるほどの社交性も持ち合わせてはいない。
 長い長い沈黙が過ぎたあと、ようやくサイの方から口を開いた。
『それで頼みごとのほうなんだけど』
『はい』
 頷いて私は次の言葉を待つ。
 サイはためらいがちに視線をうつろわせて、それから意を決したように私を見た。
『あんたを抱きたい。……抱かせて欲しいんだ』
 口から出た言葉は、私の目を見開かせるに充分なものだった。
132もう戻らない人の声8:2007/01/30(火) 19:01:46 ID:KkQKYehR
『ご冗談を――』
『本気だよ。俺は嘘も冗談も平気で言うけど、これは本気』
 きっぱりと、言い切る。
『あんたが欲しい。ずっとそう思ってた。あんただってうすうす分かってただろ?』
『それは……でも』
 少女の私にも、本で得た最低限の性行為の知識はあった。
 ただ、逆に言えば本当にその程度だ。自分がそういうことをするなんて考えたこともなかった。
 いずれは経験することかもしれないが、今はまだまだ関係のないこと。
 その程度の認識しかなかったことは否めない。
『……ねえ、頼むよアイ。今夜だけ。本当に今夜だけだから。
 酷くしないから。大事に扱う。ねえ、本当に』
 サイは頭を垂れた。
『変異が近づいてきてるんだよ。明日にでも、下手すると今夜にでも消えちゃうかもしれない。
 怖いんだ。目が覚めたらあんたのこと忘れてて、二度と思い出せないかもしれないと思うと怖くて怖くてしょうがないんだよ』
『サイ……』
『傍にいて。今夜一晩だけでも、あんたに触れていたいんだ』
 逞しい腕が私を抱きすくめた。
 体を強張らせる私の、顎を持ち上げて唇にキス。
 舌で口をこじあけられる。歯列を割って侵入される。
『ん、んんんっ』
 身をよじって口を離すと、唾液がつうっと銀色の糸を引く。
 ぷは――と息を吸った。
『いや?』
 私を見つめるサイの目は切なげで、そして悲しげで。
 私の心を揺らした。

『……かしこまりました。
 それであなたの心の平穏が得られるのなら……
 どうぞ私のことはお好きなように……』

 答えた私に、サイは小さく安堵の息を吐き。
 そして私の体を更に強く強く抱きしめた。
133もう戻らない人の声9:2007/01/30(火) 19:03:08 ID:KkQKYehR


『ごめんね』
 プチ、プチン、と私のボタンを外しながら、サイは謝った。
『こういうのは……あんたが大人になるまでは我慢しようと思ってたんだけど』
『この期に及んで子供扱いですか、サイ』
『大人になりきれてないのは確かじゃん? ――あー、やっぱやめとこ。これ以上突っ込むと俺がロリコンって結論になりそ』
 すっかりボタンが外されてしまう。袖から腕を抜くと上半身は下着だけになる。
『うわ、服の上から想像はついてたけど……やっぱ胸、薄っ』
『ほうっておいてください』
『あーごめんごめん、ごめーんアイお願い拗ねないで、ほらほら可愛い可愛い可愛い』
 そっぽを向いた私の頭を、抱え込んで引き寄せてキスの雨を降らせる。
 額、まぶたの上、鼻の頭。頬、唇、首筋、鎖骨の窪み。
 小鳥のついばみのようなキスは少しずつ下に降りていく。
 背中にまわした手を器用に動かし、下着のホックを外した。
『……んっ』
 するりと下着が外される。
 晒された胸にサイの唇が落とされた。
『アイ、可愛い』
 成熟途中の乳房を手のひらでつつみこむ。いとおしむようにゆっくりと揉んだ。
 今まで誰にも触れさせたことのない部分に触れられ、鼻と口から熱い息が漏れた。
『……っ、適当なことを、言って……ごまかさないでください』
『適当じゃないよ、ホントのこと。可愛いよ、アイ。すげー可愛い』
『また、そんな……あっ!』
 胸の先端へのキス。ふるっと全身に得体の知れない震えが走る。
 今まで味わったことのない感覚に戸惑いと怯えを覚える。
 胸を手ですっぽり包むようにしつつ、サイはくすくす笑う。
 身をよじってサイの手から逃げようとすると、『だめ』と肩を掴まれた。
 私の逃げ場を封じ込め、更に指先で刺激する。
 揉んでつまんで手でこねくり回して、玩具のようにもてあそぶ。
134もう戻らない人の声10:2007/01/30(火) 19:04:09 ID:KkQKYehR
『サイ……ふ、ぁっ』
『ね、スカートも脱がしちゃっていい?』
『……っあ……や、それは……』
 生まれて初めて味わわされる快感。
 気持ちいい。
 でも――怖い。
『履いたままじゃできないことってのも色々あるんだよ。ね、いいでしょ?』
 言いながらその手はもうスカートのホックに伸びている。
 パチンと片手だけであっさり外し、声を上げる間もなくジッパーを下ろしてしまった。
『やっ!』
 ショーツごと手で引っ掛け引きずり下ろす。
 脚からもするりと引き抜いて、ベッドの下の床にばさっと音を立てて投げ捨てる。
 サイに押さえつけられたまま裸身を晒すことになった。
 ふくらみかけた胸も白い腹部も、子供を産むにはまだあまりに細い腰から下も、何もかも。
『……、嫌……見ないで、見ないで、下さいっ』
『やだよ』
 言いながら腿の付け根にまた軽いキス。
『せめて電気を消し……』
『却下』
 サイは私の片脚を抱え込む。腿にすりすりと頬ずりした。
 舌を出していたずらにぺろっと舐める。
『ふ、ぁっ』
 びくんっと体が跳ねる。
135もう戻らない人の声11:2007/01/30(火) 19:05:01 ID:KkQKYehR
『まだ何もしてないんだけどね』
 くつくつ笑いながら更に舐めてくる。
『んっ、ん、んぁ、ああ、あっ……』
 たっぷりと濡れた舌が内腿のほうに這い寄る。
 口から溢れてしまう声は、自分のものとは思えないくらい高く、甘い。
 シーツに爪を立て悶える私に、口を離したサイが苦笑する。
『ちょっと舐めただけでコレって……さすがに敏感すぎない? これで中に挿れたりしたらどうなっちゃうんだか』
 中に挿れたり――
 その言葉がひどく生々しいものに聞こえて、私はぞくんと身を震わせた。
『ねえアイ、俺らこれからもっとエロいことするんだよ。もっともっともっと気持ちよくなるんだよ。
 頭が真っ白になって、何も考えられなくなるくらいね』
 サイの手が腿の内側に触れ、指が奥へと伸びる。
 入り口をなぞるようにつうっと撫でていく。
『ん……!』
『あー、やっぱり敏感だ』
 少し嬉しげにそう言って、今なぞったばかりのその場所に顔を近づけていく。
 脚を開かせて隠されたそこを覗こうとする。
『嫌っ……サイ、それはっ』
『いや? 何で?』
『は……』
 心底不思議そうに見上げてくる目が羞恥を煽る。
『恥ずか、しい……です』
『純だね、アイは。……別に恥ずかしいことなんかじゃないと思うよ?
 俺は見たいよ、アイのここ。見たいし触りたいし気持ちよくしてあげたい。それが悪いことなわけ?』
『…………っ。サイの、』
 馬鹿。
 言葉の後半はさすがに飲み込んだ。
136もう戻らない人の声12:2007/01/30(火) 19:05:58 ID:KkQKYehR
『……でしたら……』
『ん?』
『そう仰るのでしたら、せめてサイも服を脱いでください』
 至極真面目に私は言った。
『へ?』
『私だけ脱がされて、一方的に見られるというのは不公平です。そう思われませんか?
 私を見たいと仰るのでしたら、サイにも同じように脱いでいただかないと』
『………………』
 ぽかん、とサイは口を開けた。
 一秒、二秒、三秒と沈黙。
 そしてクックッと体を折って笑い出した。
『あんた、やっぱり最高だ』
 何がおかしかったのかは今でもよくわからない。


 ひとしきり笑って落ち着いたサイは、私の要求通り素直に服を脱いだ。
 筋骨隆々とはいかないまでも、成熟した男の体はそれなりに逞しい。
 日焼けした皮膚の下に、鋼線のような筋肉のラインがうっすらと見えていた。
『何かリクエストがあるなら、あんたの好きな姿に変わってみせるけど』
 脱いだ服を放り捨てながら、サイはそんなことを言った。
『誰でもいいよ、歌手でも俳優でも何でも。あんたがしてみたいと思う奴がいれば』
『いいえ。……いいえ、サイ』
 私は首を振った。
『どうか今のそのあなたのままで。それで私は充分に満足です』
『そう』
 ふわりと微笑んだ顔はどこか安堵したようにも見えた。
 腕を伸ばし、裸の胸に私の体を抱き寄せる。服を着ていたときには感じなかった汗の香りがした。
 体を密着させたまま、唇に唇を押し付けられる。
『ふ……』
 口を割って舌が入り込んできた。ぬるっとした感触に体が震える。
 サイの舌は私の口内を舐めまわし、歯列や頬肉の内側まで犯していく。
 キスを続けながらベッドの上に押し倒された。
137名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 19:06:49 ID:KkQKYehR
 サイの指が胸をなぞり、ゆっくり下へ下へと降りる。
 もてあそぶようにへそをくりくりと弄り、そのまま下腹へ。
 入り口にまた指を這わされ私は息を呑んだ。
 身を固くする私をほぐしとろかそうとするように、サイは指を差し入れ動かしていく。
『……、はっ……』
 快感が湧いた。
 腰から下が得体の知れない快楽に支配される。それは全身に広がって、押し寄せるように私の理性を蝕んでいく。
『っ!』
 中に侵入する指に体が跳ねた。
『やっ、ぁ』
 少し触られただけで、そこがじんわりと湿ってきているのがわかった。
 怖、い。
 かたかたと歯の根が鳴った。
 分析力、判断力、客観性。私が武器にしていた全てのものが、ほんのわずか触れられただけでたやすく崩壊していく――
 サイの言った通りだ。愛撫だけでこれでは、この先に踏み込んだときどうなってしまうのか。
『アイ?』
 震えだした私を、サイが気遣わしげに覗き込んだ。
『怖い?』
『すい、ませ……どうか、気にしないで……続け……』
『そういうわけにもいかないよ』
 指を抜いて私の体を抱きしめた。
『アイが怖がってるのに無理やりなんてできない。嫌ならちゃんと言って? 俺とするの、嫌?』
『違……そういうわけではありませんっ。
 サイの指が……その、気持ちよくて……自分がどんどん壊れていくようで……っ』
 首を振る私にサイがくすりと笑った。可愛い可愛いというふうにまた頭を撫でてくる。
『ねえ、アイ。それって自然なことなんだよ。こういうことするときはアイだけじゃなくみんなそうなるの。
 気持ちいいのは全然怖いことなんかじゃないよ?』
『ですが……』
『そういうことだったらちょっとずつ慣れていこうか。大丈夫、一度乗り越えちゃえばあとは楽だから』
 キスを一つして、サイはまた私のそこに手を伸ばした。
138もう戻らない人の声14:2007/01/30(火) 19:08:51 ID:KkQKYehR
 サイの指は丹念に私のそこをほぐし慣らした。
 指先で弄り、覗き込んで蜜をしたたらすのを確かめ、キスをし、時には舌先で舐める。
 そのどれもが私の快感を刺激した。攻められるたびに体をそらし、びくんびくんと痙攣して反応した。
 下だけではない。首筋、鎖骨、胸。わき腹、背中、腰のライン。
 さすられ、撫で上げられてはしゃぶられる。
『んっ』
 私だけ高められ、燃え立たされていくのが悔しくてサイの首にすがりついた。
 どうすればいいのか分からなくて、とりあえずは胸板を舌でなぞってみる。
『……アイ、気持ちは嬉しいけどそこ違う』
『え? あ……では……ここは』
 胸のピンク色の部分を口でちゅっと吸う。
『……くすぐったい』
 ここも駄目か。
 以前恋愛小説か何かで読んだように、肩と首の継ぎ目をかりっと噛んでみると、ようやく『ん、ふっ』と喘ぎを漏らした。
『煽ってんの? アイ……』
『私だけ気持ちよくなるのは嫌なんです。サイも……ひゃんっ!』
 言葉半ばでくちゅっとひときわ深く抉られる。
 耳元で囁かれた。
『そんなこと言われちゃうと手加減できなくなるよ……』
139もう戻らない人の声15:2007/01/30(火) 19:09:37 ID:KkQKYehR
 指の動きが激しくなる。
 ぬるりと生温かい液が沁みだしてくる。
 もう一方の手で胸を強く掴まれ揉みしだかれた。先端を口に含まれ軽く歯を立てられる。
『アイ……』
 かかる息が熱を帯びてきていた。
 煽り立てられる私を見て、サイもまた昂ぶりはじめている。
 肩を押さえ込まれのしかかられた。
 キスされる――かと思いきや、そのままの体勢でじっと上から見つめてくる。
『……サ、イ』
 覆いかぶさるサイを恐る恐る見上げた。
 汗ばんだ顔に髪を貼りつかせ、不規則な呼吸を弾ませている。
 その目は恍惚に緩んでいるようでもあり、獲物を狙う獣のようでもあり――
 このときのサイはまぎれもなく雄の顔をしていた。
『アイ』
 かすれた声で彼は私の名前を呼ぶ。

『挿れても、いい……?』

 胸の鼓動がまた加速する。痛いくらいに鳴り響く。
 私は小さく息を呑み、

『……はい』

 こくん、と小さく頷いた。
140もう戻らない人の声16:2007/01/30(火) 19:10:25 ID:KkQKYehR
 サイのそれは既に屹立していた。
 私の小さな手に余るほど太く、逞しい。
 小説などで聞き知っていたより、はるかに生々しくグロテスクな器官に、私は少し怯える。
『怖くないよ』
 鼻をくすぐる、甘いような生臭いようなカルキ臭いようなこの香りは、男性が欲望として迸らせるそれか。
 身を固くする私の唇に、また、サイのキス。
『力抜いて。突っ張ってたらよけい痛い』
 囁かれた言葉に頷こうとするが、やはり震えは抑えられない。
 ただかくかくと首が小刻みに揺れただけに終わる。
 頭を抱かれて肩に抱き寄せられた。
『痛かったら思いっきり噛んでいいから。ね?』
『……っ。は、い』
『挿れるよ……』
 押し当てられたものは熱く、固く、そしてぬるりと湿っていた。
 叫んで身をよじり逃げ出したくなる恐怖。抑え込んで息を詰めてそれに耐える。
 ――ずむっ、という衝撃とともにサイの熱が私に侵入してきた。

『っ、ゃ、や、やあぁぁぁんっぁぁぁあぁっ!』

 ひと息に奥まで押し込まれる。
 のけぞる体を押さえつけられ、唇を塞がれ呼吸まで奪われる。
 涙が溢れた。

『アイ……ア、イ、アイ……』
 熱。痛み。痛み。痛み。熱。快感。
 熱。熱。熱。痛み。
 快、感。
141もう戻らない人の声17:2007/01/30(火) 19:11:03 ID:KkQKYehR
 たまらずサイの肩に歯を立てる。血が出るくらいに強くぎりっと噛んでしまう。
 痛みにか快感にか、低く呻いてサイは腰を動かす。
 粘膜がこすれる感覚に私は悲鳴を上げた。
『や、ぁあぁぁっ、ひぁ、やめてっ! ……やめてぇ、動かさないでっ』
『アイ、アイ、可愛い、可愛いよ……』
 サイが腰を進め引くたびに、新たな痛みと快感が湧く。
 私が喘げば喘ぐほど、サイは抱き潰さんばかりに強く抱え込む。
 ――密着とした肉と肉がひくひくと、私の体内で痙攣する。
 かき回されるいやらしい水音や口の端から溢れる唾液や……
 感覚器がオーバーフローを起こす。脳で処理できる限界を超える。
 何がどうなっているのか分からなくなる。
『いや、いやぁ、やぁぁあ、もう……こわ、れ……』
『壊れない、壊れない、大丈夫。アイは大丈夫』
『ふ……ぁぁあ』
 サイが舌を絡めてきた。
 遠のく意識の中私はそれに応じる。くちゅくちゅ、ぺろぺろ舐められる。
『アイの体はそういうふうに出来てるんだよ。
 挿れられて……突かれて、広げられて……死ぬほど気持ちよくなっても……
 壊れたりなんかしない。受け入れるためのカラダをしてるからね』
 腰が揺らされて、ぐいぐい奥を突かれて、私は喘いだ。
 息ができない。突き上げられるたび漏れてしまう声に、呼吸を持っていかれてしまっているためだ。
 酸欠と快感にどんどん追い詰められていく。
142もう戻らない人の声18:2007/01/30(火) 19:11:38 ID:KkQKYehR
『アイ……やらしい顔してる……』
『やぁ、やあぁ……見ないで、見ないで、下さ……いやあっ』
『もっと……もっと鳴いて、アイ、俺のために――』
『ひぁ、ひゃぁぁあん』
 痛みと熱と快感に気が狂いそうだった。いやもう狂っているのかもしれなかった。
 腰を打ち付ける力が強くなる。快感の波が大きくなる。
 くんっとひときわ強く突き上げられた。
『あ――!』
 サイの体にしがみつく。
 声にならない悲鳴を上げる。
『サイっ……!』
 体から力が抜け――
 代わりに甘い感覚が走りぬけ――
 到達を示す潮が吐き出され、結合部を伝って流れ落ちた。

『あ、い』
 サイがぎゅうぅっと抱きしめ返してきた。
 今まで見たことのないとろんとした顔で笑った。
 突き上げる動きが止まる。
 サイの雄が私の中で大きく震え、そして堰き止めていた欲望を解放した。
 
 最奥まで貫いたそれは子宮に届くほど大きい。
 直接中にどくどくと注ぎ込まれるのを感じながら、私はただ呆けたようにだサイにすがりついていた。
143もう戻らない人の声19:2007/01/30(火) 19:12:36 ID:KkQKYehR

 
『……大人になったあんたが見たかったよ』
 絶頂直後のしばしの脱力のあと、サイが熱い息を吐いた。
『いい女になるんだろうな、あんた。
 今でも充分面白いけど、人生経験もっともっと積んで、今まで見えてなかった色んなものが見えるようになって……
 そうなったあんたの中身が見てみたかった』
 さわさわと私の頬に触れてくる。
『次の俺がちょっと羨ましいな。これから先の、どんどん成長して変わってくあんたを一番傍で観察できるんだから。
 胸とかももうちょっと待てばもっと育つだろうし』
『だから胸についてはほうっておいてくださいと――』
『あ、やっぱ禁句?』
 へらっと笑ってごまかすようにキスしてきた。
『まあ、結局無理になっちゃったから……ないものねだりしてもしょうがないんだけどね』
『そんなこと……』
 私はサイの腕を掴んだ。
『そんなことを仰らないでください。あなたは私と一緒に行くんです。あなたの中身が見つかるまで、どこまでも』
 すがりつく私をサイはきょとんと見た。
 その表情が和らぐまでほんの一瞬。
『アイのそんな必死な顔はじめて見た。可愛い』
『……! ふざけないでください』
 頭を撫でてくる手を払いのける。
『あなたが消えてしまったら、私はどうすればいいのですか。
 何があってもあなたと共に歩いていこうと決めたのに、こんな形で置いていかれてしまうなんて……』
『アイ。アイ、落ち着いて』
 強く抱きしめられる。
144もう戻らない人の声20:2007/01/30(火) 19:13:17 ID:KkQKYehR
『置いてはいかないよ。一緒には行ける。あんたが一人になることはない。
 ただ、道連れが今の俺じゃなく別の新しい俺になるだけで』
『……その今のあなたを失うのが、嫌だと私は申し上げているのです!』
 涙がこぼれた。生理的なものを除けば、何年ぶりかに流す涙。
『人格ごと変わってしまうのでしょう? 私のことも忘れてしまうのでしょう? そんなこと――』
 言葉半ばで唇をふさがれた。
 深いキス。舌と唾液をむさぼるように吸われ、私は身をすくませた。
 呼吸を奪われる。何十秒も。息が詰まって胸が締め付けられる頃、ようやく腕が緩められ解放される。
『んっ、は……』
『そんなこと言わないで、アイ』
 静かな、サイの声。
『本当のこと言うとね、今、俺……あんたを粉々にしたくてたまらないんだ。
 中身を隅から隅まで見て、全部全部俺のものにして、どうせ消えるならそうやって満足してから消えていきたい』
 首筋にサイの手が触れた。
 この人は怪物と呼ばれる人。指先にほんのわずか力を込めるだけで、私の細い首などたやすくへし折ってしまえる。
『――そうしてくださるほうが、むしろ私としては気が楽です』
『駄目。アイには別にやってもらうことがあるから。前にも言ったでしょ? 次の俺の面倒みてやってって』
145もう戻らない人の声21:2007/01/30(火) 19:14:04 ID:KkQKYehR
 ぽんぽんと私の頭をはたくサイ。
『色々違うところはあるだろうけど……根っこの部分はやっぱり俺だからね。
 基本は今の俺と同じで、寂しがりやで甘えただと思うんだ。
 あんたが見ていてくれないと、途中で潰れて動けなくなっちゃうと思う』
『…………』
『それに何だかんだで基本的な好みも共通だと思うからさ。新しい俺もまたあんたのこと好きになるかもしれないよ。
 まあそうなったときの展開はアイの気持ち次第ってことで』
『……サイは、それでよろしいのですか?』
 笑いながら言うサイを私は遮る。
 言葉を断ち切られてサイは口をつぐんだ。
 その場から逃げ出したくなるほどの長い沈黙があって、

『いいわけないじゃん』

 続く言葉は血を吐くように吐かれた。
『納得なんかしてないよ。結局中身は見つけられなかったし、まだまだ盗みたい物も殺したい奴もいっぱいいたし。
 何より何が嫌って、俺俺が消えたあとであんたを別の奴にさらってかれるのが嫌だ。
 たとえそれが今の俺と地続きの次の俺でも』
『……サイ』
『でも仕方ないじゃんか。鳴いても喚いても俺が消えるのは変わんないんだ。
 認めるしかないじゃん。諦めるしかないじゃん。どうしようもないことってあるんだよ、アイ。
 これがそういうことなんだよ』
 拳を握り締め、爪を掌に食い込ませるサイを、私は何も言えずにただ眺めていた。
 ――ああ、そうだった。
 一番苦しんでいるのはこの人なのだ……
 私はサイの首に手を回した。
 初めての行為に震える私に彼が何度もしてくれたように、ゆるやかにその体を抱き寄せた。
146もう戻らない人の声22:2007/01/30(火) 19:15:47 ID:KkQKYehR
『申し訳ありません、サイ……もう我が侭は申しません』
 あなたが静かに受け入れるつもりでいるのなら、私もまた静かに受け入れましょう。
 あなたの選んだ道に従うことこそ、あなたの助手たるこの私のつとめ。
『後のことは全て私にお任せください。私の有能さはあなたが一番よくご存知でしょう?
 何の心配もいりません、安心して任せてくださって結構です』
『ふふ……やっとまたいつものアイに戻った』
 緊張がほぐれたようにサイは息をついた。
 ぽすん、と私の胸に頭を預ける。
『なんか、眠くなってきちゃったなあ。ねぇアイ、今夜ここで朝まで寝てっていい?』
『どうぞごゆっくり。お目覚めの頃までに着替えと朝食を準備しておきます』
『至れり尽くせりだね……ん……』
 いったん目を閉じたサイだったが、十秒ほどの間を置いてから思い出したようにまた目を開いた。
『アイ』
『はい、サイ』
『愛してるよ』
 「可愛い」でも「好き」でも「欲しい」でもない。
 サイが今まで一度も私に向けたことのなかった言葉だった。
 口元が自然にふわりと緩んで上がるのがわかる。
 涙と同じく、これも何年ぶりか――自分の顔が微笑んでいるのを自覚した。
 ああ、そうか。笑いたいときに笑うというのはこういうことか。
『私もです。愛していますよ、サイ』
 誰よりも。
 いつまでも。
 眠気のせいか心なしか正体のない顔で、それでもサイは確かに嬉しげに笑い返した。
 そして再び目を閉じて、今度こそ安らかな寝息をたてはじめた。
147もう戻らない人の声23:2007/01/30(火) 19:16:26 ID:KkQKYehR


 夜が明けた。
 サイはまだ私にすがりつくように眠っている。起こさないように慎重に彼から離れ、私はシャワーを浴び身支度を済ます。
 朝食の準備を始めることにした。
 何がいいだろう。
 フレンチトーストはどうだろうか。サイの好物のひとつだが、ここしばらくの間は作っていない。
 それにヨーグルトとサラダと卵と、あとは紅茶かフルーツジュースを添えれば充分だろう。
 エプロンを身につけ下ごしらえを始める。
 パンとミルクと蜂蜜を出したところで、背後にぺたぺたと裸足の足音を感じた。
『お目覚めですか、サイ。おはようございます。申し訳ありませんが朝食はもう少し待っていただかないと……』
 言いながら振り返り、私は絶句した。

 キッチンの入り口に一糸まとわぬ姿で立っているのは、私の見慣れた≪サイ≫ではなかった。
 幼げな顔立ちに、何かの木の実のような大きな瞳。
 少年とも少女ともつかない折れそうに華奢な体。
 寝起き直後のぼんやりした表情で、未知の世界にでも放り出されたようにキッチンの中を見まわしている。
 調理台の前に立つ私に気がつくと、ネコ科の動物が警戒するように、すい、と両の目を細めて睨んだ。

『あんた、誰?』

 その一言で私は、大切な人を永遠に失ったことを悟った。
148もう戻らない人の声24:2007/01/30(火) 19:17:20 ID:KkQKYehR
 その場にくずおれただ涙を流すこともできた。
 呆然と立ち尽くし現実から逃避することも不可能ではなかった。
 愛した彼の代わりにのうのうとそこに立っている、新しい≪彼≫を罵り拒絶するという選択肢だってあった。 
 だが冷静で有能な彼の助手である私は、そのどれとも違う全く別の道を選んだ。

『お初にお目にかかります、サイ』

 胸の痛みと喪失感に、きり、と一瞬だけ歯を食いしばった。
 新しい彼をまっすぐに見つめる。 

『私はアイと申します。
 あなたが自分の中身を知るための、ささやかなお手伝いをさせていただいている者です』

 どこまでも中性的なその面立ちに、彼の面影はどこにもない。
 それでも……
『私の望みはあなたと共に行くこと。あなたとともにあなたが求める、あなたの中身を突き止めること。
 他に何ひとつとして欲しくはありません。
 どうぞ私のことはご自分の手足と思い、お気の召すままに扱ってくださって結構です』
 ≪サイ≫は私に興味を持ったらしい。
 吸い寄せられるように私を見つめている。
 これから長い時間をともに過ごすことになるだろう私を。

『――さあ、何なりとご命令を』

 新しい主に、私は深々と一礼した。
149もう戻らない人の声25:2007/01/30(火) 19:18:10 ID:KkQKYehR


 新しいサイは幸いにも人懐こい性格で、子供っぽい面が強かったこともあってすぐに私に慣れた。
 以前の彼ほどストレートに感情を口に出してはくれないものの、常に傍にいれば大体の癖くらいは分かってくる。
 特に不都合もないまま数年が過ぎていった。
 新しいサイは今も変わらず、見た目は中性的な少年のまま。
 一方普通の人間である私は、当然ながら時の流れの影響を受ける。
 小柄だった体は自分でも驚くほど成長し、体のラインはかつての彼の言葉どおり、より丸みを帯びた女性らしいものに変わっている。
「アイ、アイ、聞いて聞いて。面白い奴見つけたんだ」
 最初は複雑な思いで見ていたサイの笑顔も、今では素直に受け取ることができるようになった。
「俺と似ててね、やっぱり化物なんだよ。あいつの中身をもっとよく観察すれば、俺の中身も分かるかもしれない」
「……それは良いことですね」
 いや。今や彼の笑顔は、むしろ私の喜びになっている。
「楽しみにしててよアイ。中身が分かったらあんたにも教えてあげるから」
「はい。お待ちしていますよ、サイ」
「それでさ、俺の正体とか記憶とか全部分かったらさ。あんたをバラバラにしてもいい?」
「どうぞ、サイのお望みのままに。……どうせなら綺麗な箱に詰めてくださいね」
「はぁい、分かってるよーっ」

 一見全く違う人間に見える今のサイだが、もう消えてしまったかつてのサイが言った通り、根本的な部分は共通しているようだ。
 見た目は幼くあどけないが、よく観察すればひどく醒めて老成している部分もある。
 『寂しがりやで甘えた』というのは、あの人が自分自身を評した言葉だが、そういう部分もやはり色濃く残っている。
 人恋しくなる寒い夜や、仲の良い一家を箱に詰めた夜など、私に擦りついて紛らわそうとすることがあるのだ。
 そういうときは決して拒まず応えることにしている。
 フレンチトーストが好きなのも、私にB級グッズを下げ渡してくるのも、それぞれかつてのサイから引き継いだ一面だ。
 ――それでも彼があの頃のことを思い出すことは決してないし、私を子供扱いすることもその腕に抱きしめてくれることも、もう、ないのだけれど。
150もう戻らない人の声26:2007/01/30(火) 19:19:25 ID:KkQKYehR
「アイー、なんか腹の調子悪いんでちょっと診てくれる?」
「これは……また何か変なものを口にされましたね? 今度は何を?」
「うー、実は最新式の薄型テレビをちょっと。24インチの」
「……胃袋は収納スペースでも四次元ポケットでもありませんと、何度申し上げたらわかってくださるのですかサイは」
「ア、アイ、目が、目が怖い、目がぁ」
 今のサイを見ていてかつてのサイとの共通点に気付くとき、たまに妙な気分にかられてしまうことがある。
 夫を亡くした女が、忘れ形見の子供に亡き人の面影を見ているような。
「人間離れしているといっても場合によっては消化不良ぐらい起こします。
 そんな芸当をして平気なのは例の探偵事務所の偽探偵ぐらいなものですよ。
 いくらあなたでも、地上の法則に従う生物であることには変わりがないのですからね」
「アイ話が長ーい。説教臭ーい」
「そんなに苦い薬が飲みたいですか、サイ?」
 とはいえ、どんなに夫に似ていても、あるいは似ているところがほとんど見当たらなくても、女が子に対して抱く愛に変わるところなどない。
 今のサイの存在は、かつてのサイと切り離されたところでも、私にとって充分に大きなものになっている。
「だって素直に聞いてたって、どーせ苦い薬出して飲ませるんじゃん。割に合わないんだってばさぁそもそも」
「よく理解しておいでですね。ではこちらの錠剤を三錠とカプセルを二錠、あとはこちらの粉薬を一包食後にお飲みください」
「ちょっと待って!? それ明らかに必要のないもの大量に混じってない!?」
「気のせいでしょう多分」
 少なくとも、≪彼≫がそれきり消えてしまったあの夜、背負っていくと覚悟したものよりは、はるかに穏やかで優しい日々を私は送っている。

「あー栄養剤かぁ何だー、よけいな心配させないでよ……って、アイ? ねぇ、アイ?」
 ただ、それでも時に胸が針で刺すように痛むことがあるのは――
 やはりまだ彼に未練があるからだろう。
「アイ、アイ、アイってば、ねぇ、アイ? ちょっと?」
「…………、何でもありません。失礼しました。うちわけはこれがビタミンB2、これがF、あとは普通の胃腸薬ですので……」

 今でも私はたまに虚空に、かつて愛したあの人の声を聞く。
 懐かしい声、もう戻らない人の声を。
151もう戻らない人の声:2007/01/30(火) 19:20:27 ID:KkQKYehR
奇跡的に連投規制に引っかからず済んだので一回で投下。
ごめんなさいさすがに26まであるとは思ってなかったorz

このあとしばらくしてマザーファッカーに続く、んだと思う
152名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 19:25:01 ID:PC8qshr3
>>151
リアルタイムktkr!!!!!GJです。
アイの切ない気持ちが伝わってきて泣きそうになりました。
153名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 19:26:01 ID:/kEHaT6Z
>>151
長編乙GJ!
アイ切ないよアイ
154名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 21:35:03 ID:hdRoNIcD
>>151
電車の中で読んでこらえ切れずに泣いてしまった。
サイもアイも切なすぎる(´;ω;`)ブワッ
超GJ!
155名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 21:54:59 ID:0WHnFHCO
GJ!!
愛する人が自分を忘れて別人になってしまう…
切ないなぁ…
156名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 22:29:47 ID:MIjRekI/
GJGJGJ!!!!切ないな!
サイアイ読むのも書くのも好きだから最近増えてきて嬉しい。
この後に繋がる前作も凄く良かったです。
ネウヤコとは違う切なさがサイアイにはあるよなあ・・
教授と刹那さんに通じるものがある。
157名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 22:30:51 ID:mGOaxPw8
>>151
長編なのに長さを感じさせないくらいすげえ!!!!wktkしながら読みました!!
アイさん視点たまらなくGJ!!!!
158名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 23:05:36 ID:Q70HBY7i
長編グッジョーブ!!せ、せつねぇ…!サイもアイも切なすぎ…
読んだ後、前作「マザーファッカー」読み返したらまた泣けた。
159名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 05:55:34 ID:zLJsCNEr
GJ!!!
ネ申様ーーー!!
160:2007/01/31(水) 19:51:02 ID:BOVPGxCG
なんだこのXI祭りは!
Gj!
161 ◆ChdC8VZqyE :2007/01/31(水) 23:44:54 ID:zwd3kxCB
ネウヤコ(助手口調)

「約束」

「先生、そろそろ今日が終わってしまいますよ」
「だめだってばぁ…最近、体調悪いから今日ばかりは寝るの…っ」
「違うでしょう?それは体調が悪いんじゃなくて」
「あぁぁんっ!!」
「毎日僕に激しくされて疼いているだけです」
「ちがっ…ちがうもん…」
「こちらの口は正直ですのに」
「だめぇ!触らないでぇっ!!」
「それも違いますね。『感じすぎるから激しく触らないでください』でしょう?それともやめてほしいんですか?」
「やだっ!!やめちゃ、いやぁ…」
「ならその口でちゃんと言ってください。この間ホールケーキ8つ食べ切ったその口で」
「…ケーキを無事食べきるのを見届けてくれて、ありがとうございました…し、下の、おくちに、もっと甘いのを、ください…っ」
「…よく言えました。そら、貴様の望むもので貫いてやろう」
「あっ、あぁーっ!!!!」
先日ある会社が衛生面で事実上の営業停止になりました。
だけどどうしてもケーキが食べたくなったの、品薄なのに。
他の町まで探し求めても10ありませんでした。
食べようとしたときのネウロの約束が…コレだった。
は、恥ずかしいよう…っ

まとめでのリクエスト果たせてないのにすみません。
しかもSSじゃない…すまんです(シカッ
162名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 23:47:22 ID:SQJxlNDy
今日は1月31日(アイサイ)の日!
163名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 23:57:01 ID:lTCfCswl
そいや今日松井先生の誕生日だっけ?
今更ながらおめでとうございます( ^ω^)
164名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 00:00:06 ID:xvtkJWxv
そして全知全脳の大ネ申松井が誕生日でした。
睦月が終わる前に干支ネタを…と言うが猪ではなく豚にorz

『豚切れ』
 餓鬼(弥子)はぼたん鍋を食べに行きたいとごねたそうだ。
その結果を見れば、全裸ニーソ+パールネックレスの少女が…寝ている。

「ぼたん鍋は分かったんだがよ…何があった?!」
 吾代は戸口に資料の束を打ち撒けたまま怒鳴った。
「ああこれか。
共食いは止めろと言ったが聞かないのでな…。
解りやすいように擬態させたのだ」
「…共食い?」
「こいつは豚だ。猪と呼ぶのもおこがましい、ただの家畜だ」
 敷き藁代りの偽毛皮にうつ伏せに寝そべった少女。
軽く上気してうっすらと淡紅色の肌に、真珠の粒が漂っている。
胸は隠れているが、背面は丸出しな訳で…。
 柔らかな丸みを持つ臀部は桃の果実のようだ。
「結構いい尻してんな、最初からこれが目的か?」
「小卒の貴様なら言うと思っていたが、予想通りだったな」
「てめーはよ!」
 野郎二匹が不毛な問答をしている内に、弥子が目を覚ました。
むくりと上体を起こして虚ろな表情で辺りを窺う。
「ねーうろぉ、お腹空いらー。吾代しゃん来てるろー?」
 何か様子がおかしい。
「来てるがよ、何だよてめー俺が分からねーのか?」
 吾代はとっさに弥子の微乳から視線を反らした。
「んー、目潰しされれ片栗粉吸わされれから良く見えらい」
 弥子は、吾代が書類と一緒に取り落とした紙袋へと這いずった。「わーい、お菓子らー。吾代しゃんありがろー」
 そう言うと中のチョコレート菓子の封を次々と開けて食べ始める。
吾代はがっくりと肩を落とした。
「あー今日のギャンブル唯一の戦利品が…本当は見えてんだろ?!」「吾代、貴様の脳はカニミソ以下だな。
豚は目が殆んど見えない代り異様に鼻が利く。特に、
雌豚が雄の体臭を嗅ぎ分ける場合などはな」「んなの知るか!」
 既にトリュフチョコは無くなりかけていた。

 ここで終了です。ミニ豚弥子(食用ではなく鑑賞用)。
165名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 00:10:17 ID:Go9VuCy/
やはり間に合わなかった…。タイミングも内容も正にトン切れなので、Xi・I長編の素晴らしさに浸った後の箸置だとでも思ってください。

Xi・I長編殿、GJでした!
166名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 17:32:58 ID:byU0v3GW
GJ〜

前にも紹介したとこで恐縮なんだけど
ttp://www.lovecosmetic.jp/shop/item/93700.html

それはまさに美しい原稿や輝きに群がる読者たち、と言ったところでしょうか(笑)。
そのバオバブエキスを配合して誕生したのが「魔人探偵脳噛ネウロ」です。
バオバブのような吸い寄せるツヤぴか謎を目指す、天然派推理探偵探偵漫画です。
潜水艦がベースなので、みずみずしく入浴中の退屈な時間も気になりません!

まさかバオバブからエロスに繋がるなんて思いもよらなかった。
167名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 17:43:19 ID:byU0v3GW
あ、2回探偵って書いてしまった…
168名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 17:48:04 ID:NwevVQLn
GJ!!!

>>161
探偵口調いいなぁ。
最後の最後に素のネウロに戻るのがまた良い。
169名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 17:49:33 ID:NwevVQLn
探偵じゃねぇ…
助手だった……orz
170名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 18:08:34 ID:byU0v3GW
この現象はアレだ
誰か探偵とチョコレートをネタに書いて頂きたく…
171名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 22:37:22 ID:hcdwwzXJ
自分の貧相な脳では
ヤコにチョコレートを塗りたくって
それを丹念に嘗めまわすネウロしか思いうかばねえ・・・
172名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:11:23 ID:2MaImcCA
>>171

いいなそれ。
自分は「ねーよwww」って感じのしか浮かばなかった

「ネウロ…改まってこういうのって変な感じなんだけど…////」
って手作りチョコをヤコが渡す。
でもネウロって食べ物食べないから本当はヤコの嫌がらせ。
でもネウロは何か不覚にも萌えちゃって ←ここがねーよwwwの部分
「製菓業者の陰謀にのせられおってアブラムシが」
とか言いながらもまじ上機嫌でヤコを美味しく頂いちゃってチョコもどうにか頂いちゃって
結構しばらく鼻歌混じりの魔人さん



orzイッペンシンデキマス
173名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:12:54 ID:WZqNDjX0
>>171
逆でも可だとオモ
まぁ、魔人の場合はチョコに片栗粉でも混ぜていそうだなw
174名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:59:59 ID:wsKI787r
弥子が片栗粉入りのチョコつくっちゃって>>172みたくネウロが食べちゃって
ネウロが媚薬効果の虜となって弥子の言いなりになるところを想像しますた
175名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:02:53 ID:+tKWjwaM
そこでガラナチョコですよ

吾アカバレンタインネタを考えたんだが、

吾代のためにカセットコンロでテンパリングするあかねちゃん、
出来上がった美しいチョコレートは、一口かじると髪の毛が……

っていうホラーになりそうでやめた。
誰か!吾アカを!吾アカでハートウォーミングなエロスを!
176173:2007/02/02(金) 00:17:09 ID:tvonhuJE
>>173の補足…のつもりが気付いたら一足早いバレンタインネタになってしまった
せっかくなので勢いに任せて投下
ベタネタのネウヤコでエロ一歩手前?まで
177173:2007/02/02(金) 00:18:57 ID:tvonhuJE
この季節は好きだ。
街中がピンクや赤でラッピングされて、女の子の勇気を奮い立たせてくれる
「まぁ、あたしには告白なんて関係ないけどね」
今年はお父さんもいないし、友チョコは貰う専門だし、ネウロは――食べられないし
思わず吐き出した溜息も白い、明日は雪が降るだろうか
そんなことを考えている間にたどり着いていた事務所のドアを開けると
天井から見覚えのありすぎる何かがぶら下がっていた
「…何してるの、ネウロ」
声をかけるとにやりと笑みを浮かべて床に降り立ちいつもの傲慢な口調で言い放った
「喜べヤコ、ワラジムシ以下の貴様にも優しい我が輩はチョコレートとやらを用意してやったぞ」
どこからともなく取り出したボウルの中には
甘い香りを漂わせるどろどろのチョコがたっぷりと入っている
「日本と欧米のバレンタインが入り混じってるよネウロ……」
「む?どうしたのだアオミドロ
食欲だけは抜きん出ている貴様の為に我が輩せっかく用意したのに…いらんのか?」
妙にきらきらしくわざとらしい助手顔で訊かれたら、もう頷くしか選択肢は残っていない
…悔しいけど、ちょっと嬉しいし

「で、このチョコフォンデュは何をつけて食べるつもりなの?」
きょろきょろと周りを見回してみてもフルーツやクラッカーは見当たらない
「何を言っているのだ、これはこうして食すものなのだろう?」
「む、ぅッ!?」
突然口に手を突っ込まれて思わず咽そうになるがぐっとこらえる
なぜならその手にはチョコがたっぷりと塗りつけられていたから
甘すぎず、なめらかで文句のつけようがない
きっと高級なのであろうチョコを零すのは勿体無い
そう思って黒い手袋に包まれた手に自分の手を添えてチョコを舐める
大人しくしててくれればいいのにネウロの手は口の中をかき回すみたいに動くから
ぴちゃぴちゃ音がしてしまってなんだか恥ずかしい
それを気にしないようにして無心にチョコを舐め取るあたしを愉しそうに見る目線を感じる
熱い、暑い、あつい、アツイ
革越しに感じる筈がないくらいの熱を感じる
 違う、熱いのはあたし
  どうしてあついの
   ああ、もうとけちゃい、そう


え、その後?もちろんチョコ全部食べたよー
…ネウロが自分に塗ったりしたのを舐めて、だけど
178173:2007/02/02(金) 00:21:01 ID:tvonhuJE
…みたいないちゃエロバカップルが読みたいなぁと思って若干書いてみたり
結論:自分の文じゃ萌えねぇ…
しかも文章書いたのなんて超久々だから色々とおかしいなorz
179名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:32:20 ID:0QBOfzUv
>>175
外国のどっかでは、好きな人に
自分の髪や唾液入りの手料理を振る舞う風習があるらしい
(もちろん食う本人はシラネ)
180名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 00:56:38 ID:FqlHX9iG
>173
乙!バレンタインネタいいのう。季節ネタにエーロ・ゴシカァン!!!
181名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 03:00:36 ID:NUzBSsto
>>173
乙!チョコ出てきた瞬間お腹すいてきたorz
そして>>174の展開に激しく萌えたので

エーロ・ゴシカァァァ…あァンっ
182名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 04:46:53 ID:6iZY9PWq
自分はネウロが自分にチョコを塗りたくって
「どうしたんですか先生?チョコお好きでしょう?」とかが思い浮かんだ
183名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 06:46:04 ID:8jyLTjm2
弥子って世間では有名人だから、ファンとかからチョコ送られそうじゃない?
(弥子はもちろん、大喜び)

で、最初はバレンタインに全然興味なかったネウロが、ちょっとむっとしちゃって
対抗してチョコをプレゼント(弥子に塗りつけるもよし、食べさせるもよし)ってのも
浮かんだ。
184鬼退治をしよう!:2007/02/02(金) 07:07:40 ID:WNf33Htn
バレンタインの前に節分が来るので、書いてみた。


鬼は外、福は内。
この時期になるといつも聞くフレーズが、今日ほど忌々しいと思ったことはない。
「う…ぅ…っ」
やたらと物事の形にこだわるネウロによって、今日の弥子は縛られたまま床に転がされ
ている。外は晴天とはいえ、室内は妙に薄ら寒い。制服はすっかりはだけられて、隠し
ておきたい部分は全部丸見えだ。恥ずかしくて足を閉じようとしても、デカい体が割り込
んでいるので無理そうだ。
絶望感で一杯になりながらも、弥子は声を張り上げた。
「離して、こんなの嫌だよおっ…」
「黙れ、この鬼が」
「いや、鬼ってそれ誰のこと…」
「無論、貴様だ。節分も近いことだ。この場はとりあえず鬼にでもなって貰おうか」
にやーり。
極悪な笑いを貼り付けている顔は完全に面白がっている。この糞魔人が、と腹の中で罵
ってはみるものの、こうなったら最後ネウロは自分が完全に満足するまで逃してくれない
のはもう分かりきっていた。
分かってはいるが、諦めるのも何だか癪で、ただ弥子は緩い抵抗を続けるだけだった。し
かし、それもまたこの底意地の悪いネウロを煽るだけだったのだろう。

「…ふ、ふぇ…」
いつもとんでもないことをやらかすネウロだったが、今日もやっぱりそうだった。
弥子は半泣きになりながら、与えられる快感に必死で耐えている。
「淫乱め、悪くはないんだろう?」
「そんなの…言えない…」
指先と舌で剥き出しになった乳房と桜色になった先端をしきりにつつき、嘗め回しながら
もネウロは絶え間なく様子を伺うように弥子が嫌がる恥ずかしいことをわざと言う。本当
はとても気持ちがいい。油断をすれば簡単に溶けてしまいそうだ。けれど、こんな風に強
制的な行為に持ち込まれては、素直になんかなれそうになかった。
185鬼退治をしよう!:2007/02/02(金) 07:08:35 ID:WNf33Htn
「あ、ふぁ…」
そんな頑なな意地も淡く崩れ始めた頃、弥子の一番感じる部分、つまりここまで放って
おかれたクリトリスが急激に疼いた。悪戯をする指がそこに伸びてまるで豆でも摘むよう
に抓ってきたからだ。ずっと欲しかった快感を得て、急激に弥子の中の女が妖しく淫らに
目覚め始める。
「ひゃぁ…」
「強情を張るな、ヤコ」
「い、や…こんな強引なの、嫌…」
心にもないことを呟いて、冷たい床に髪を擦り付けて甘やかに喘ぐ弥子はもうすっかり女
の顔になっていた。そこに拒絶の意思は欠片もないと当然分かっているのだろう。ネウロ
はやすやすと蕩けきった弥子の内部に入り込んできた。
「やだぁんっ……」
羞恥と意地からの精一杯の虚勢も、もう何の意味もなかった。体そのものが男の異物を
嬉々として受け入れ、処女さながらに強く締め上げてはドスケベな魔人をいたく喜ばせ
ている。
「ヤコ、貴様はこっちのほうが本音のようだな」
平然とした顔で激しく突き上げてきながらも、ネウロは嬉しそうに耳元で囁いてきた。そ
んなつもりじゃない、と言いたかったのに弥子の口から出てくるものはエロティックに濡れ
た嬌声だけだった。

「あー…もうっ」
全てが終わり、身支度も済ませてから弥子はカバンの中をごそごそと探った。
本当なら、今日は節分用に買ってきた豆を事務所に撒くつもりでいたのだ。最近は色々
あったので、さぞかし厄も災難も付き纏っているだろう。気分だけでも、それをすっきりさ
せたかったのに、番狂わせもいいところだ。
ようやく教科書の下から見つけた節分用の豆の袋を取り出すと、しれっとした顔で奥の
机に向かっているネウロにわざと見せつけてやった。
「ネウロ、本当ならあんたが鬼なんだからね」



乳首とクリトリスが豆の代わり。
そんな節分はちょっとやだ。
186名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 09:42:43 ID:Won9bMMS
187名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 22:24:27 ID:FAK0Ymus
鬼退治GJ!!


そしてバレンタインネタに向けてエーロ・ゴシカァン!!
「今夜は冷えるなー、さすが2月っていうか……寒くない、アイ?」
「いえ別に」
「温もりとかほしくない?何なら俺が温めてあげるけど」
「寒いのでしたらどうぞサイ。どてらです」
「いやそうじゃなくて俺が温めてあげるって」
「受験生の必需品ですよ? いらないのでしたら片付けますが」
「いらないよ! どてら着てのプレイってどんなだよ!」
「そんな需要もあるのではないでしょうか」
「……適当なこと言うのはやめようよ……」

「体が温まったら、気の済むまでお付き合いいたしますので」
「アイー! 話がわかるー!」
「冷えた体で抱きついてこないでください」
189名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 00:34:48 ID:LcV1YJqQ
サイ、二人羽織のチャンスじゃないか、サイ
190名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 12:20:25 ID:FgfvoRWx
節分ですね。
先生の豆はいくつあるかなプレイを希望します
191名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 16:45:58 ID:p/PtG4yW
ヤコは今夜今年の恵方にケツを向けて誰かしらのを無言で吸い尽くすんだ。


今日節分なのに何故か思い出すSSはバレンタインステークス。
192:2007/02/03(土) 19:10:04 ID:mMLygYYh
シロタ「食の千年王国レシピ0203
ドーピングコンソメイリマメだ!」

とか作りそうだよなシロタ
193名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 22:08:15 ID:9VS990TR
>ヤコは今夜今年の恵方にケツを向けて誰かしらのを無言で吸い尽くすんだ。

いや、ちがう!ヤコは今夜今年の恵方にケツを向けて
下のお口で男の恵方巻きを頬張るんだ!
194名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 23:07:10 ID:p/PtG4yW
>>193
いっそ両方やっちゃえよww
喰って良し、喰わされて良し、3Pでもおk
195愛と恐怖の恵方巻き:2007/02/04(日) 13:06:10 ID:F+d9uMCK
こんなん書いてみた。



「そら、ヤコ。さっさと頬張れ」
何かにつけてこじつけをする魔人は、弥子を由香に引き摺り倒してさっさとソファーで足を開いて
促している。
(今日はそう来たか…)
この強引さには正直うんざりしている弥子だったが、逆らったら何をされるか嫌というほど分かっ
てるのでとりあえず従うことにした。足元に膝まづく様は間違いなく奴隷にしか見えない。
ぴちゃぴちゃと舌を這わせるものは、もちろん弥子が今食べたくて仕方ない恵方巻きではなく当
然アレだ。こんなものでは空腹を凌げるものではないが何でこんなことをしているのだろう。何と
なく自分の境遇に哀れを覚えつつも慣れた手管で目の前に突き出しているものをしゃぶる。
「…そうだ、悪くないぞ」
(いい気になってんな、バーカバーカ)
もう腹が立って仕方がなかったが、それを態度に出さない程度の機転はある。やはりまだ弥子
も命は惜しい。そして、まだ食べていない美味しいものを食べてみたい。その為にも今は大人
しくしているだけのことだ。
「そろそろ出すぞ、有り難く飲み干せ」
従順な様子に満足しきっているネウロが、ぐっと弥子の髪を掴んで股間に引き寄せた。
「ぐぅ…っ」
いきなり喉奧までを犯され、もう声も出ない。口の中一杯に頬張っているものはびくびくと痙攣
を始めている。はっきり言って呼吸も出来ないほど大きくて、苦しい。
(う…出すの?)
まさかこのまま射精するとは思ってもいなかった弥子目掛けて、どろりと濃いものが大量にぶち
撒けられた。せめて制服だけは汚されたくない、という気持ちもあっさり裏切られて高額な制服
の襟元からベスト、スカートまで飲み込みきれないものがだらだらと零れ落ちていった。
「ああ、もう…やだあ…」
全身精液でべたべたになって、これからどうやって家に帰ればいいのか分からなくなった弥子だ
ったが、もちろん相手がネウロなだけにこれだけで終わる筈もなかった。
カバンからハンカチを取り出して間に合わせに拭いていた弥子は、今度はソファーに突き飛ばさ
れて無理やり足を開かされた。
「やだ。もうやだったら…」
すっかり怯えきっている少女の目の前で、猛獣そのものの目をした魔人がにやーりと嫌な笑いを
浮かべている。本番はどうやらこれかららしい。
「せっかく貴様には最高の恵方巻きを喰わせてやったのだ。もののついでに、こっちにもくれてや
ろうとしているだけのこと。気にするな」
「き、き…気にするっての!このド変態!」
こんなものじゃなくて、本物の恵方巻きを食べたいだけなのに。どうしてこんな目に。
簡単に魔人の手に落ちながら、弥子はただ自分の不幸を嘆くだけだった。そして、その隙にネウ
ロは京も美味しく獲物を頂いていった。



恵方巻き、かにかま入りは美味しくないと思う。
196名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 17:31:16 ID:Xi8PWUAE
GJ。

ところで、
>由香に引き摺り倒して

3P?
197名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 18:11:06 ID:IW3SOzw9
多分床では?
198名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 18:57:36 ID:3KUncxEM
最後の方にもあったなあ。だが
それがイイの…GJ!!!
バーヤバーヤ な弥子に萌えた。
199195:2007/02/04(日) 20:44:50 ID:F+d9uMCK
ごめん。
由香→床の間違いだ。
今回誤字が多いな。バーカバーカと言ってくれ。
200名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 01:01:13 ID:niFswO37
由香→床、今日→今日 ですね。Don't mind&G.J!


…誤字でも由香が出て秘かに嬉しかったマイナーss書きですよ自分は orz。あまりエロ加工出来ないが仕上がったら持って来ます。
201名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 01:07:28 ID:niFswO37
俺も間違えた…京→今日 ですね。他者の事言えん orz。195神、本当に申し訳無い。
次回のも待ってます。
202104:2007/02/05(月) 02:14:46 ID:E4Kinlme
「好奇心」の続き書いた。
でも時間切れで途中まで。
203好奇心 後編 1:2007/02/05(月) 02:15:44 ID:E4Kinlme

四階まで昇っていくエレベーターの中で弥子は何度もここで引き返そう、今日はネウロと顔
を合わせたくないと考えては何度も妄想を振り払うことを繰り返していた。
どうせ事務所に行かなければ必ずすぐにでも報復はある。あの男からは決して逃げられな
いのだ。そう、逃げられない。弥子自身がどう思おうと。ならばいっそ嫌いになれたらよほど
ましなのに、縛りつけられることさえ今は悪くないと思えるのだからたちが悪い。
これでは、まるで心の底まで完全な奴隷ではないか。
それだけがやはり納得出来ないまま、弥子は不自然な形に形成された哀れな恋心を再び
胸の中に押し込めた。
エレベーターは何も察することなくその直後に四階に着いて、ドアが開く。

「遅いな、ヤコ。今日は二分の遅刻だ」
「…ごめん」
人間ではない男は弥子の遅刻にはいつも容赦がない。いつものように冷たい声。それがむ
しろ快い。エレベーターの中で勝手に火照らせていた頬がまだ熱くて、この聡い男に悟られ
ないようにしようと無意識になのか殊更従順になる。
なのに、やはり間の悪いことに普段とのわずかな差異に気付かれてしまったらしい。
「何を隠している」
「えっ?」
「貴様のように頭の悪い虫が隠し事をする時は、いつも同じ反応だ」
パソコンの向こうで人の悪い笑みを浮かべて頬杖をつく表情は、どこか弥子の動揺を面白
がっているようにも見える。
「…さあ。気のせいじゃない?」
なるべく普段と同じように振舞えばそれでいい。そのつもりでいるのに、意識しているのが
裏目に出てカバンをテーブルの上に置いたり、ソファーに座ったりの動作は妙に不自然なも
のになる。これではますますネウロの思う壺だ。
「ほう、そうか」
「そうだってば」
「我が輩に、何やら思うことがあるのではないか?」
204好奇心 後編 2:2007/02/05(月) 02:16:28 ID:E4Kinlme
軽い笑いを含んだ声と共に、立ち上がったネウロが近付いてくる。普段から言葉の一つ一
つに嫌味なほどの揶揄を含んでくる男なだけに、なおさら今日は一語一句たりとも聞き逃
せない気分になって耳を側立てる。
「疼きでもしているか」
「…え?」
突然とんでもないことを言われて、思考は一瞬停止した。そんな弥子の頬を撫でる手が今
日はやたらと優しいのも不気味だった。
「貴様の今の反応を見る限り、我が輩にとっては必ずしも悪くない結果になっているようだ
な。まあいい、せいぜい楽しませてやろうか」
不自然なほどに整った顔に乗せる微笑はひどく凶悪だった。一体今ここで何が起こってい
るのか分からないまま弥子は恋心を止められない相手からの突然の口付けを受けることに
なってしまった。
こんなことが起こるなんて、信じられなかった。決して有り得ないことだと思っていた。
「んっ…」
頭の中はぐちゃぐちゃに混乱しながらも、生まれて初めての口付けが次第に弥子の心を蕩
かしていく。これがネウロにとって何の意味もないことでも、ほんの軽い気持ちだったとして
も構わない。舌を絡め取られながらも、何故か嬉しい気がしてほろりと涙が零れた。
「まだ、これからだぞヤコ」
わずかに離れた唇が、そんな言葉を放つ。
「何言って…」
既に心までとろんと蕩けていた弥子は、もう難しいことなど考えられなかった。もう口付けだ
けで一杯で、これ以上のことなんて考えられない。そんな少女らしい気持ちを嘲笑うように
黒手袋の手が制服にかかった。
「…やだ…」
まだ何かの冗談だと思い込んで、弥子は軽く笑う。さすがにこの先はそれなりの段階を踏
んでくれると思っていたのに、そこはやはり魔人だ。先を急ぐようにネウロは一気にベストと
ブラウスを捲り上げてささやかに隆起している胸を覆う淡いピンクのブラもずり上げる。
「やっ!何するのネウロ」
「うるさい、騒ぐな。どのみち初めてでもないだろう」
「…え?」
また思考が止まろうとしていた。
神様に誓って、これまでネウロと何かあったことなんてない。確かにずっと淡い恋をしていた
が、きっと叶えられない思いだと最初から諦めていたのだ。
205好奇心 後編 3:2007/02/05(月) 02:17:41 ID:E4Kinlme
「初めてじゃ…ないって…何よ」
もう、何もかも訳が分からなくなった。するすると制服を脱がされていきながら、弥子は混乱
の極みに陥りながらも必死で今の答えを探そうとしている。そんな健気な乙女心を一笑する
ように、ほとんど身に纏うもののなくなった少女を見下ろして言い放った。
「貴様は下等な虫けらの癖に、我が輩に密かに懸想していただろう。だからせめてもの仏
心で思いを遂げさせてやっただけだ。わざわざ貴様の部屋まで出向いてな」
「じゃあ…あれは…」
混乱の極みの中、弥子はこの数日やたらとリアルで凄まじい痛覚を伴っている夢の内容を
思い出していた。逃れられず、男の欲望のままに処女を奪われた時の感覚はまだ忘れら
れない。あれは夢でも何でもなく、こともあろうに夜中に部屋に忍び込んだネウロによって
現実に起こったことだというのか。
「あれは本当だったの…?」
魂が抜けたようにぽっかりと目を見開いて、消え入りそうに細く呟く弥子の目前でネウロは
初めて嬉しそうに笑って見せた。悪戯が成功した子供のようにそれは全く邪気がない。あ
まりにもなさ過ぎて弥子の方が苛立つほどだ。
「なかなか悪くはない具合だったぞ。貴様も満更ではなかったのだろう?」
「何をバカなことっ…そんなの嘘だよ。だって…パジャマも体も何ともなかったし、窓だって
鍵をかけてたのに…」
「貴様如きに簡単に気取られるような真似を、我が輩がすると思うか」
とうに手中に落ちた獲物をどう料理しようかと、舌舐めずりしながら眺め回しているネウロ
のいやらしい手が羞恥を煽るように体中を這い回る。恋する相手にそんなことをされて、嫌
である筈がない。徐々に燃え上がっていく体は、もうどうすることも出来なくなっていた。
今、いきなり誰かがここに来たら。
そんなことすら考えられなくなっている。
「あ…ぁん…ダメぇっ…」
弱々しく零す声にはもう拒絶の色もない。何もかも奪われ、支配されることを喜ぶ愚かな女
に成り下がって、今の弥子はただ甘く喘ぐだけだ。もうそれでいい気がしていた。
こんな風に抱かれるなんて、夢でしかないと思っていたから。
「…ひゃっ、そんなのイヤぁ…ぁ…」
はっきりと濡れているのを自覚している部分に指が差し入れられるに至って、ようやく淡い
抵抗らしきものが弾ける。なのにそれはただ催促でしかないのをもう弥子は感じていた。



睡魔のバカ。
206名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 11:08:04 ID:+tttQjp2
GJ!!!すげぇ好みな展開だ!早く続きを!弥子可愛いよ弥子。
207名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 13:59:34 ID:h4PMXdny
GJ GJ !!
続きが気になるっ!!
208名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 14:07:16 ID:aaX0SgDG
続きがマジで楽しみすぎる・・・神様早く投下をお願いします!!
エーロ・ゴシカァン!!!
209名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 17:32:36 ID:RrTCWAEZ
も、マジでこの板神さま多すぎ!
続き楽しみです!
エーロ・ゴシカァン!!!
210名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 21:09:31 ID:M8bhtm5g
ageんなよゴミムシども。

今週の
「もちろんですよ」
「…あなたには残念かもしれませんが」
のコマのネウロの左手人差し指のエロさは異常。
211名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 23:22:38 ID:VDGo1/hi
何それ!!!!!見たいがコミックス派だからがまん…
212名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 23:59:06 ID:x2RIO7gM
今週の弥子台詞は性的に満たされている。確信した。
ネウロと弥子は ヤ ッ た
エロゴシカアン!
213名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 00:00:15 ID:x2RIO7gM
今週の弥子台詞は性的に満たされている。確信した。
ネウロと弥子は ヤ ッ た
エロゴシカアン!
214名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 00:11:13 ID:rbu3Fjin
なんで二回言うねん

人差し指、言われて確認したが確かにエロイ
215名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 01:29:19 ID:C8+Vn7Lc
>104
続きエーロ・ゴッシカァァッン!!!!!!!!
まってる全裸で
216名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 10:25:59 ID:JbPoRsFh
光臨呪文唱えすぎw
217名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 11:33:36 ID:PszsxBAm
だがその呪文はなかなか効くからな
218名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 15:04:55 ID:WH6D015H
エーロ・ゴシカァン!!!
エーロ・ゴシカァン!!!
エーロ・ゴシカァン!!!
エーロ・ゴシカァン!!!
エーロ・ゴシカァン!!!
           こんなもんかなwww
219名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 17:02:54 ID:XfzyqwR+
こっそりヒグヤコをエーロ・ゴシカァン!
220名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 17:48:08 ID:7HZWnxUF
投下中の神にも、これからして下さる神にも!!!!!!
エーロ・ゴシカァン!
221名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 19:21:57 ID:5BBFZaVM
ネウロ読んだことないけど エ ー ロ ・ ゴ シ カ ァ ン ! !
222名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 19:38:52 ID:PNk6ALkm
じゃあなんでこのスレにいるんだよw
エーロ・ゴシカァン!
223名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 21:02:43 ID:llBUzg3e
ブログで堂々とネウロのエロパロ覗いてるってブッちゃけてるリア腐女子もいるからな。
224名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 21:18:16 ID:eDxF9vbe
>>223
きめえ^^;
まあ、元が少年誌だしリアが雪崩れ込みやすいスレではあるな。
225 ◆ChdC8VZqyE :2007/02/06(火) 22:43:58 ID:SYcddll/
>>223
すごく…ブッちゃけ過ぎだと思います…
2ch系のブログならともかく(そうだろうか
一般的なブログ含めネットだと2chはタブー扱いされているところもあるでしょうのに

まあ自分はぶっちゃけても良いねらーネウロ友にはブッちゃけていますが
226名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 22:44:06 ID:hJ93G/K6
匪口×弥子投下します。匪口がおっぱい星人。
227匪ヤコ 1:2007/02/06(火) 22:49:18 ID:hJ93G/K6

 胃袋が満足すると、どうして眠くなるんだろう。
 あくびを噛み殺し、弥子は『一撃必殺間違いなし! 合コン必勝テク特集』に目を通した。
もう3度目になるが、我慢して読む。
 それと言うのも、この部屋には弥子が読めそうなものがないからだ。本棚には横文字の
専門書、マガジンラックにはパソコン誌。めくってみたが、日本語のはずなのに1ページも
理解できなかったので諦めた。

 とはいえ、さすがに同じものを繰り返し読むのにも飽きてしまった。
 まだ当分相手をしてくれそうもない恋人の背中を、恨みがましく見つめる。
 ―――視線を感じて、振り向いたりしないかな。
 期待するも、そんなご都合主義は現実にあるはずもない。
 猫背気味に丸まった背中のライン。キーボードをリズミカルに叩く指は、意外にも無骨だと
いうことを、弥子は知っている。眼鏡の奥の目は熱心に画面に見入っていて、弥子の方など
向いてくれない。

「……匪口さーん?」

 ちいさく呼んでみても、集中している彼の耳には届かない。
 すっかり拗ねた弥子は、いそいそとベッドに潜り込む。猫の子のように丸まって、程なく
眠り込んでしまった。
228匪ヤコ 2:2007/02/06(火) 22:54:55 ID:hJ93G/K6

 重い。くすぐったい。
 夢うつつだった意識が急激にはっきりしてくる。私、匪口さんのおうちで寝てたはず。

「あ、起きた」

 聞き慣れた声が耳元で響いて、弥子は今度こそしっかり覚醒した。
 体重を預けているのは、さっきまで画面と睨めっこを繰り広げていた匪口だ。
 いつのまにか弥子の衣服は捲られて、薄いピンク色の下着があらわになっていた。

「ちょっ、匪口さん」
「おはよー。ゴメンな、あんま構ってなくて。拗ねた?」
「おはようございます……じゃなくって、何してんですかー!」
 鎖骨あたりに寄せられた服を視認し、今まさに行なわれようとしている事を瞬時に悟る。
「えー、何って……セックス」
「わかりますよそのぐらい!」
「解ってんなら聞かなくていいじゃん」
「そーじゃなくて! 寝込み襲うみたいなマネしないでって、いっつも言って…、ンっ」

 ブラをあっさり取り外し、胸を露出させられる。日ごろから目立たないそこは、仰向けになって
いる今、ほぼ平らな状態だった。
 まじまじと観察する視線に耐え切れず、弥子は真っ赤な顔を背ける。隠そうとすると阻まれた。
 匪口は申し訳程度の起伏を掌で包み込み、ピンクの尖りに口を近づけた。
「ひゃあっ……!」
 やわらかくぬるい舌の感触に、弥子は身をよじる。
 普段色気のない声や表情がスイッチが入ったように、女を主張し始める。
「桂木もその気になってんじゃん」
「や……、違っ」
 匪口は抗議には耳を貸さず、肉の薄い胸を揉みながら、固さを確かめるように乳首を含んだ。
「っふ! あ!」
 面白いように反応してくれるのが嬉しくて、匪口は口の中で胸の頂を転がす。
 夢中になっていると、ぽかぽか打たれた。
 のしかかる匪口を押しのけ、弥子は真っ赤な顔で、怒ったように言う。

「あの! ……エッチするんなら…服、脱ぎますからっ」
「半脱ぎがいいんじゃん……」
 という呟きは黙殺されたので、しぶしぶ匪口も衣服を脱ぎ去る。
229匪ヤコ 3:2007/02/06(火) 22:58:48 ID:hJ93G/K6
「入れてい?」
 ぴとりと入口にその器官を触れさせる。
「あっ、あ」
 漏れる先走りを亀裂に塗り込めるように、ゆっくりなすり付ける。
「や、ああ」
「やっぱダメ?」

 膣口に先端だけを、くぷっと含ませた。
 彼女の内部は暖かで、とろけているくせにきゅうきゅう絞り上げてくる。
 快感がダイレクトに迫り上がってきたので、匪口は息を緩めて意識を拡散させた。
 完全に挿入してもいないのに、射精するなんて失態は犯したくない。

「な、桂木」
 くちゅくちゅと音が立つ。
「あ、ひぐ、っ…あんっ」
 広げた両脚がビクビク震える。あやすようにクリトリスを捏ねると、激しくいやいやを始めた。
 痩身をぐるりと90度回転させ、一気に貫いた。
「あぁ――っ!」
 挿し込まれた男根の凹凸が、弥子の内壁をぐりぐり刺激する。
 普段とは違う箇所への快感に、彼女はあられもない声をあげた。

「気持ちい? ね、桂木?」
 息があがりながらも平然を装って、匪口は問い掛ける。
「ひぐちさん…っ」
 形の良い脚が匪口の目の前に曝された。横向きに寝た彼女に挿入する
 接合部に目をやれば、桃色のヒダを赤黒いモノがぐいぐい広げていた。
「すげ、広がってる……」
「やだ…あ、そんなの……」
「そっか、桂木はいやかー」
 言うなり、ずるり、亀頭だけを残して引き抜いた。
「んァあっ!」
 弥子は尾を引く嬌声をあげる。
「やじゃないの?」
「やじゃないぃ……、イヤじゃないもん…」
「……嘘だって。意地悪しすぎたよ、ごめんな」
 ぐいと腰を進めると、弥子は白い喉を見せてのけぞった。
230匪ヤコ 4:2007/02/06(火) 23:01:20 ID:hJ93G/K6
 奥がごりごり擦れて、きもちいい。
 少し持ち上げられた身体はひどく不安定だ。
 匪口がこらえようとしている吐息混じりの声が、弥子の耳に届いた。
 打ち付けるたびに音が立つ。声がきこえる。
 ―――耳からも、気持ちよくなれるんだ。
 ゆるいゼリーのように形と質量をもった音や声が、少女の聴覚を確実に犯していく。

「あっ、ふ」
「気持ちい?」
「うん、きもちいい…っ!へんに、なり、そ…っ…ぁああっ」

 絶えず匪口のものに触れている陰唇が、熱を持って摩擦を待ち望んでいる。
 期待している事を自覚して、弥子はひどく戸惑った。

「ひぐ、ち、さん」
「あー…ッ、ん?どうしたんだよ」
「なん、か、じんじんします…ッ……これ以上、は…だめな気がする…感じ」
「もうギブ?だらしないよ桂木ー」

 一旦止まっていた動きが何の前触れも無く再開されて、油断しきっていた少女は派手に
のけ反った。声も出せない。
 腰をつかまれ固定される。力のこもったその手のひらも気持ちいいと感じてしまう。

「ひぐちさんッ、やぁ! いやっ、や、…そこぉッ」
「桂木、桂木っ」

 じんじんした痺れに夢中になる。
 抽送のたびに気持ちいいところを突かれ、内壁をぬるぬる擦られる。
 顔を近づけて口づける。舌をねっとり絡めとられた。息が苦しい。頭の中が真っ白になる。
酸素が欲しい。
 ぎゅっと視界や脳が狭まっているような感じ。それに反し、性感が極限まで高まって――
そのまま、弾けた。
231匪ヤコ 5:2007/02/06(火) 23:05:34 ID:hJ93G/K6

 寝苦しくて目が覚めた。
 視界が徐々に色を着けるまで、弥子は自分にのしかかっているものをぼんやり見つめていた。
 どうも重いと思ったら、やはりというか何というか、そこには匪口が居た。
 あおむけに寝ている弥子。その裸の胸に顔を埋め、ときおり思い出したように揉みしだく。
 起きているのかと思ったが、恐らく眠っている。どうしようもない。
「はー……」
 弥子は、心の底から溜息をつく。こんな状態ではゆっくり寝ていられない。疲れてるのに。
 もにゅもにゅと揉んでいた手が、胸から外れて背中へ回った。
「……んー……?」
 乳房を捜してまさぐる手がくすぐったくて、弥子は正しい位置へと誘導してやる。
 しかし匪口の手は、胸を通り過ぎてさまよっている。
 どうしたのかな、と弥子が不思議に思っていると、眉を寄せて不満げに呟いた。

「乳が……なくなったよー…桂木ー……」
「っ……」
「桂木の乳が……どこにもない…」
 両手はばっちり弥子のふくらみを覆っているというのに、無意識下では気づいていないようだ。
 腹立ちを抑えるべく、しょせん寝言だと自分に言い聞かせる。だが、

「……ひんにゅう」

 妙に明瞭なその寝言に、弥子の堪忍袋の緒が切れた。

「匪口さんっ!」
「う、うわっ! 何だよ、なに怖い顔してんの」
「どうせ私は貧乳だよッ」
「へ? 確かにそうだけど、いきなりどうしたんだよ? …ちょ、おまっ……泣くなよ――!」

 唐突に泣き出す弥子に手を焼いて、匪口は心底困り果てた。
 貧乳なのは一般的には惜しいが、だがそこがいい! 俺は貧乳だからいいんだよ! などと、
フェチに基づく微妙すぎる慰めを繰り返し、ついには弥子の逆鱗に触れることになるのだった。


【終】
以上。弥子は貧乳だからいい。
232名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:10:48 ID:tF29Ljvd
GJ!! 初めてリアルタイム投下に立ち会った。
弥子は貧乳だから良いんだよな。
233名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:19:56 ID:SYcddll/
これだから目を離せない GJ!
234名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:34:21 ID:R2jX4Gw8
>>225
ツッコミ所は「リア」で腐女子だという部分だろ常識的に考えて…
同類乙。
自重しろ。
235名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:59:40 ID:k616WAcN
なんか最近心象悪いカキコが多いなあ・・・
流れの遅い専門板でそのノリはやめてほしいな
236名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:21:07 ID:UMBcsrkB
最近本スレにも明らかにアレな書き込みが増えてるから
ピリピリしたくなる気持ちも分かる。

そんなときはジャンプを開いてネウロの指先と
弥子の首筋を眺めればいいと思う。
237名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:37:34 ID:8T0ygEbC
笛ヤコって…燃えませんか
238名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:02:10 ID:IH6QEOo+
>そんなときはジャンプを開いてネウロの指先と
>弥子の首筋を眺めればいいと思う。

蓋し、至言である。
239名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:19:07 ID:XbWG12XT
お腹すいた。
240名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:32:28 ID:XlDJrWzP
>>239
つチラシ


ネウロの指テクで首筋なぞられただけで腰砕けになるヤコとかどうですか職人よ
241名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 01:33:12 ID:bKMX03yB
>>237
笛ヤコ



ピューと吹く!ヤコさん

みたいだなw
242名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 02:03:12 ID:grpdE3g8
何を吹くのかな、ヤコはw
243名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 02:03:20 ID:8AaV3afa
笛をくわえるヤコたん(*´Д`)
244名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 02:15:30 ID:IH6QEOo+
ちょっと待った!
239は迷い込んだ弥子じゃないのか!?
245名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 04:45:47 ID:tp2c1FBX
Σ(゚д゚)
246名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 06:08:08 ID:8db4gq9H
 奇 才 あ ら わ る
247名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 09:28:05 ID:m6+KOkuB
>>240
それイイ。
ヘタヘタと座り込んでしまうヤコたん。

創作意欲が掻き立てられつつ、笹ヤコとかも気になりません?
エーロ・ゴシカァン!
248219:2007/02/07(水) 15:23:20 ID:Na6rXAmT
>>226
神よ、ありがとう。もうおなかいっぱいです。
249名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:51:58 ID:F7FlBdcE
>>212
どんな台詞だったんだ?自分コミック派で分からん…
250名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 00:11:52 ID:15pRwkmi
>>240

そして腰砕けになったヤコにネウロが助手口調で言葉責めなんてどう?

「どうしたんです先生?息が荒いですね・・・体調でもお悪いんですか」
「ちがっ・・・・あんたがっする・・・からぁ・・・!」
「まさか指だけでイッたんですか?」
「うるさぃ・・・」
「それは肯定しているのと同じですよ。では折角先生も濡れたことですし・・・」
「やめて・・・・お願い」
「僕も我慢が・・・それに先生はいつも思っていることとは逆のことをおっしゃいますしね」
   

orz途中挫折。職人様気が向きましたら続きお願いします
251名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 03:20:43 ID:jbQFbmcp
とりあえずsageようぜ
252名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 15:49:24 ID:+K5qNu9P
池谷とか・・・由香とか・・・
253名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 18:04:15 ID:zH1rBQuW
笛ヤコ同意
254名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 18:09:12 ID:rTarT3b4
エーロ・ゴシカァン!
255名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 18:23:42 ID:A4vDoA0I
>>250
うぉおおお!!!!見たい!

誰か書いてくれ・・・!
256名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 03:27:05 ID:3ibPjr+T
神マダー?
257名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 09:06:30 ID:iYG1rpJN
焦るな、マターリと待ちましょう。
>>252 池谷氏はまだ様子見る。由香はユカヤコ風味で2周年に向け執筆中。

笛ヤコを激エロで読みたい。
258名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 09:16:00 ID:NdWruvD5
>>240-256
じゃあちょとだけ頑張ってみる…


なんていってみる
259 ◆WuiwlRRul. :2007/02/09(金) 16:45:34 ID:NdWruvD5
書いてみたので投下してみます。
260指先だけで ◆uv3v.wLRcI :2007/02/09(金) 16:46:17 ID:NdWruvD5
不覚だった。
それしか言う言葉が思い浮かばないくらい、どうしようもない自分に自己嫌悪。



「セェーーーーーーーーーーーーフッ!!!」
ゴシカァンと扉を開けると同時に声高らかに叫びながら事務所へと足を踏み入れる。
ネウロとの約束時間10秒前に何とか事務所へと辿り着いた私は、
本能に従いそのまま言葉を続ける。
「今日はちゃんと間に合ってるからね!ネウロ!!……って、あれ??」
事務所の中を良く見回すと、ネウロの姿は見当たらず、
あかねちゃんが忙しく髪の毛を振っているだけだった。
「あれ、あかねちゃん…だけ?ネウロは??」
入り口に立ち尽くしたまま、私はあかねちゃんに問いかけた。
あかねちゃんはホワイトボードのキュキュっと返事を書き始める。
『外出中だけど、もうすぐ戻ると思う』
「外出中かよっ!」
今日は真っ直ぐダッシュでマッハで駆けつけたのに、今度はどんなプレイですか?
せっかく急いできたのに…と脱力する私。
「おや先生、今日はお早いんですね」
入り口でうな垂れていた私の首筋につつっと指を這わせながら、
突然、ネウロが耳元で囁いた。
「ひやぁぁぁぁはぁっ」
突然の声と、突然の攻撃に見事破れ、
私はヘンな声を上げながらヘタっと地面に座り込んでしまう。
「おや先生、どうしたんですか?体調が優れないのですか?」
「…ねっ……ネウロっ……」
ニヤニヤと下卑た笑みを浮かべながら助手口調で話しかけてくるネウロ。
……笑顔が似合いすぎて腹が立つ。
未だ立てないでいる私の横にちょこんと座り込むと、
ツツツ…とまた首筋を撫でてくる。
「はぁっん、やぁっ」
さわさわっとした、ゾクゾクっとした感覚が私を襲う。
まさか、首だけで、こんな………
「……感じていらっしゃるんですか?」
耳を甘噛みされながら、自分が思った言葉をピシャリと当てられる。
「ちがっ………あんたがっ………!」
「嘘はいけませんよ、先生」
スっとネウロの手が私の敏感なところを布越しに撫でる。
「あぁぁっ」
慣らされた体が素直に快感を受け入れる。
下着の横から指を差し入れられ、クチュクチュと掻き回される。
「やぁっ…あぁっ………」
「おやおや、下着がグショグショですよ?」
「うっさいっ………んんっ…っていうか、その口調ヤメロ」
恥ずかしさを隠すように私は文句を言ってみたが、
隠せるどころかネウロを喜ばせる結果になっただけのようだ。
「ククっ…良いではないか、たまには」
いつもの口調で言うと、ネウロは入り口に座り込んだままの私を軽々と持ち上げ
使い古されたソファーへと運んでいった。




パタンと閉められた桂木弥子魔界探偵事務所の扉は、しばらく開くことが無かったとさ。



おしまし、おしまい。
261 ◆uv3v.wLRcI :2007/02/09(金) 16:48:01 ID:NdWruvD5
>>259 はトリップ間違えました。
どうも良く打ち間違えするんだよね、すまん。

>>250を何とか反映させてみようと奮闘したんですが…
自分には難しかったです。
っていうか、中途半端で申し訳ないorz
262名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 17:46:44 ID:Oswozauu
続き続き!!
263名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 19:37:20 ID:nO2uQPVB
>>260
GJ。助手口調ってエロいよな


長くて変則的な奴、二回に分けて投下します
エロ的にも心情的にもサイアイ、でも会話とかはサイとヤコの組み合わせのほうが多い
話の性質上注意書きつけられなかったんだけど
いろいろとアレなんで、気に障ったら荒れない程度に文句つけてやって下さい
あと前半はエロないです、後半もあんまりないけど
264君に会いにいこう1:2007/02/09(金) 19:38:36 ID:nO2uQPVB
 東京都下東西京市市内、駅にほど近くアクセス容易。
 繁華すぎるわけでも閑散としてもいない、堂々たる一等地の最上階で、眺めも良いしコンビニもすぐそこ。
 立地的にはたぶん最高の条件だと思う。
 経営面は……よく知らないけど、前アイに調べてもらったところによれば、かなり儲かっているとの話。
 スポンサーの某調査会社は全国レベルの大企業だし、HPのブログでおなじみのお抱え秘書は何でもとんでもない美少女だとか。
 最近リニューアルしたらしく、野暮ったかった内装もハイセンスなものにガラッと変わった。
 探偵(役)の女子高生も、しばしばマスコミに注目されつつ、視聴者にウザがられない程よいメディア露出度を保っている。
 世間の好感度も悪くないらしい。
 今の『ここ』にツッコミどころがあるとすれば、たぶん名前だけだろう。

 『桂木弥子魔界探偵事務所』。

 別に俺が迷惑するわけじゃないし、ブッちゃけどうでもいいっちゃいいんだけどさぁ。
 このネーミングは正直どうかと思う。
 イタいってゆーか電波ってゆーか。『魔界』だよ?『魔界』。
 依頼人がドン引きしないのが不思議なくらいだ。

「そんなこと言われたって、名づけたの私じゃないんだから困るんだけど……」
「いや分かってるけどね俺だって。ちょっと言ってみただけ」
 出された紅茶をずずっとすすりつつ俺は言った。
「……それで? 俺の依頼は受けてもらえるの? ネウロ」
265君に会いにいこう2:2007/02/09(金) 19:39:16 ID:nO2uQPVB
 向かいのソファに座るのは、この事務所の探偵。女子高生探偵・桂木弥子だ。
 もっとも、この肩書きは表向きのもの。実際は――
 高そうな机の前で新聞を読みふけっている、この謎喰いの化物の傀儡でしかない。
 俺が交渉しにきたのも、実は彼女ではなくこっちの方だったりする。
 化物は俺のかけた言葉に、目線だけをちらっと上げてこっちを見た。
「『謎』のない依頼には食指が動かん。何度も言わせるな」
「うわ即答。……そう邪険にしないでよ。
 確かに依頼としちゃ単純な人探しだから、あんたのお好みの『謎』はないのかもしれないけど。
 調査してくれてる間はこっちからは危害加えないって約束するし、報酬は充分に出すつもり。悪い話じゃないはずだよ?」
「くだらん、帰れ。この干からびたオタマジャクシが」
 すぱっと拒んで紙面をめくるネウロ。右妻首相電撃離婚の記事をすっとばして、国際面へ。
 敵視を通り越して華麗なまでに無関心だ。
「うえーん探偵さーん、あんたの助手が冷たいよー、なんとかしてー」
「え、えーっと、えっと……でもあの、今までの経緯を思うと無理もないっていうかなんていうか……」
 俺の泣き真似に、目を逸らしてだらだら汗を流す桂木弥子。
 まあ、確かに無理もないかもしれない。
 初対面でネウロの正体を見抜き、二度目の接触でネウロの命を狙うと宣言した俺だ。
 そして次に互いに分かる形で顔を合わせたのは、ショットガンでこの化物の顔を狙撃したときだった。
 そんな俺にある日突然、人捜しの依頼なんて持ってこられても、反応に困るのはある程度分かる。
 ――とはいえ俺だって、何の考えもなしにこんなことをしているわけではない。
「別に、変な打算とかそんなんでここに来たわけじゃないよ。単純に、あんたたち以外にこれが手におえそうな連中が思い
つかなかったってだけの話。こっちにも色々事情ってもんがあってね」
266君に会いにいこう3:2007/02/09(金) 19:40:17 ID:nO2uQPVB
 言いながら俺は写真を一枚取り出した。
 バストアップの女が一人写っている。日付は二年ほど前の古いものだ。
「彼女の居場所を捜してもらいたいんだ。それもこの一枚の写真だけを元にして」
「……………」
「名前はアイ。隠しても多分バレバレだろうから先に言うけど、俺の仲間のひとりだよ。
 苗字は言えない。年齢も誕生日も住所も出身地も言えない。教えられるのはせいぜい血液型くらいなもんかな。
 あとは指紋ってとこか。DNAの再現までは、中身見た上できちんと記憶してないとできないしね」
 普通の調査会社や探偵事務所でこんなことを言ったら、お帰りくださいといわれるか、呆れた目つきで顔をひと撫でされるか、
二つに一つだろう。引き受けてくれそうなところといったら、いろんな意味で非常識なこの事務所しか思いつかなかった。
「ふざけてるって言われそうだけど、これが結構真剣な話なんだよね。
 実際ココで断られたらほかに方法がない。自分の足で世界各地ふらふら回って捜すしかなくなるんだよ。
 色々隠し芸とか人脈持ってるあんたらなら、と思ってさ」
 桂木弥子が苦虫を噛み潰したような顔をする。
 ネウロは相変わらず新聞に集中している。目を引いたらしい記事にペンで一本線を引く。
「連絡がとれなくなったのは二週間前。
 一時期仕事で別行動して、途中で落ち合う約束してたんだけどね。彼女、約束した時刻に待ち合わせ場所に来なかった。
 普段はこういうことにはきっちりしてて、破るなんてこと考えられない女なんだけど……
 その後ずっとケータイも他の連絡手段もつながらなくて、一切音信不通だ。
 そこらの事故やら事件やらでどうにかなる女じゃないし、どうやら何かの理由で怒ってて、こっちに連絡よこしてくれない
 っぽい」
 電話は何十回かけたか分からない。そのたびに「この電話は、電波のとどかないところに(以下略)」というお決まりの文句
を耳にするはめになった。家にも行ってみたし、考えられる行動範囲は大体チェックしてみたが影さえ見当たらない。
 他の協力者に確認することも考えたが、アイに任せたほうが確かで楽ということで、殺し(と盗み)以外のことはほとんどアイ
に一任していたから、彼女がいないとそもそも連絡を取ることさえままならない有様だ。
 日頃の不精とものぐさをここまで後悔したことは多分、今までにない。
 俺が差し出した写真を、おずおずと桂木弥子は受け取った。
 覗き込んでちょっと眉をひそめる。
 角度よっては悲しそうにも見える悩み顔。ネウロの能力からしても難しい条件なのかもしれない。
「最初に経費別で前払い、千。居場所を突き止めたら成功報酬で千。連れ戻してくれたら更に二千」
 ちなみに単位は全部『万円』だ、もちろん。
267君に会いにいこう4:2007/02/09(金) 19:40:55 ID:nO2uQPVB
「一週間以内に見つけてくれたらおまけして、こないだ盗んできた呪いの黒ダイヤの指輪もつけるけど?
 元・オーストリアの富豪の所有。八人呪い殺したっていわれてる有名な奴」
「いやいや要らない! そんなの要らないから!」
「大丈夫、死なない死なない。呪いっていってもコレはガセ。
 俺、盗んで三日後に酔っ払い運転のトラックに轢かれたけどまだ生きてるから。
 いやーでもあのときは大変だったよー。ぶつかってそのまま一緒くたに壁に激突してさ。
 腰から下はぶっつぶれるわ炎上にまきこまれて火だるまになるわで大騒ぎ」
「それサイじゃなかったら死んでると思う」
 大丈夫だと思うんだけどな。ネウロなら呪いのほうがよけて通りそうだし。
「今ならシュールストレミングもつけとくよ? 禁輸品だよ日本にいるとなかなか食べられないよ?」
「そ、そんなテレホンショッピングみたいにおまけいっぱいつけられたって引き受けないからね!
 でもこれは一応もらっとくね! ありがとう!」
 シュールストレミングの缶を抱きかかえる桂木弥子から、俺はネウロのほうに視線を移した。
「これでも足りない? ネウロ。こっちとしては報酬を惜しむ気はないから、何でも言ってくれて構わないよ。
 これは俺にとって必要なことだからね」
「フン」
 ネウロは新聞を閉じ尊大に鼻を鳴らす。
 そのまま席を立った。
「……話にもならんな。ヤコ、この場は任せたぞ。我が輩は少々出かけてくる」
「なっ……」
 心を広く持てとアイにはさんざん言われてきているが、さすがにここまであからさまに軽んじられるとカチンとくる。
「ちょっと待ってよネウロ! 俺がこんな頭下げて頼んでるんだよ!?
 誰かになってもいないときにこんな下手に出るの、先月アイに皿割ったの怒られて以来なんだからね!?」
「最近じゃねーか」
 探偵のツッコミは無視。
「黙れこのヘビの抜け殻め。貴様の相手にはアオミドロでも充分すぎるくらいだ」
「ヘビの抜け殻って俺のこと?」
「アオミドロって私のこと?」
「ともあれ、だ。ヤコよ、こいつを追い返しておけ。三分以上長居させると承知せんぞ」
 スタスタと出口のほうに向かうネウロ。
 音を立ててドアが閉まった。
268君に会いにいこう5:2007/02/09(金) 19:41:30 ID:nO2uQPVB
「……あ・い・つ〜〜〜〜〜! むっかつくっ!
 考えられる限りの猟奇な手段でねちねちいたぶって殺してやる!
 進化した俺を見せつけてやるから首洗って待ってろこの化物っ!」
「さ、サイ、サイ、落ち着いて。そっち方向で進化する必要もうないから、充分だから」
 ドアに向かって中指を立てる俺を、桂木弥子が宥めてきた。
 ――まあ確かに、この場にいない奴をののしっても虚しくなるだけだ。
「……はぁ〜〜〜〜……」
 俺は肩を落として頭を抱える。
「あーもうどうしよう。他のトコには頼めないし、自分で捜しだすしかないのかなぁ……
 でも心当たりもないしなりすましてなきゃならない奴いっぱいいるし、どうしようも……」
 年齢誕生日出身地親兄弟、といったアイのデータは、実を言うと『訳あって言えない』というわけではない。
 単純に『分からない』のだ。
 中にはちゃんと把握していたはずの情報も混じっているのだが、変異する脳細胞の悲しさ、影も残さず消滅してしまっている。
 必要だというなら住所くらい教えても構わないが、アイは普段から極力自分の痕跡を残さないように生活していたから、
家を調べても役に立つものなんてほとんど出てはこないはずだ。せいぜいB級グッズぐらい。これについてはもう賭けてもいい。
「ねえ、サイ」
 苦悩する俺に桂木弥子が口を挟む。
「ネウロはあの通りだから仕方ないけど……よかったら私が話聞こうか?」
「あんたに話してどうすんのさ。それでアイが捜し出せるわけじゃないでしょ」
 頭を抱えたまま、目線だけを上げて俺は彼女を睨んだ。
 あの魔人の存在を抜きにしていうなら、この少女自体は本当に単なる女子高生にすぎない。
「うん、大したことできないと思う。ごめんね」
 あっさり頷く探偵。
「でもなんていうか……
 ほら。そういう不安なときって、はけ口っていうか愚痴聞いてくれる人が必要だと思うから。
 見た感じ、今サイの近くにいないんでしょ? そういう人」
「不安?」
 そう見えるんだろうか。
269君に会いにいこう6:2007/02/09(金) 19:42:10 ID:nO2uQPVB
「聞く人自体は誰でもいいの。吐き出すこと自体が大事なんだって私思う。
 私のことはカボチャか何かだと思ってブッちゃけてくれればいいから」
「………………」
 俺は彼女の顔をじっと見た。
「あんた、塔悟んちの事件のときと比べて何か変わった?」
「え? 別にそんなことないと思うけど」
「何かこう、大人っぽくなったかなと思ってさ」
 十代の少年少女は数ヶ月で変貌することがあるが、彼女の場合はそういうのとも違う気がする。
 何か、一つの人生の転機を乗り越えたような。
「――処女でも喪失した?」
「さらっとセクハラ発言しないでよ! ひっぱたくよ!?」
「冗談だよごめんごめん。ところでアレさ、痛いだけで別に心理的には何にも変わんないよねー。男は幻想抱いてるっぽいけど」
「男の姿で女目線の語りはやめて! どう反応していいかわかんなくなるから!」
 現役ナマ女子高生のくせにウブだなあ。そんなムキにならなくてもいいのに。
 俺は笑いをおさめ、すっと真剣な顔に戻る。
「……話、聞いてくれるの?」
「うん」
 彼女は頷いた。
270君に会いにいこう7:2007/02/09(金) 19:42:58 ID:nO2uQPVB


 一時間後。
「俺が今どんっだけ苦労してるか分かる? ねぇ?
 死体運ぶの自分でやんなきゃだし、スケジュール管理も大変だし、腹減っても飯が自動的に出てこないし。
 服が汚れても着替えがどこにあるかわかんないし、歯磨こうと思っても歯ブラシの場所もわかんないし。
 夜中に起きてアイス食いたいってごねても買ってきてくれる人いないし!
 あーもう何でいなくなっちゃったんだよアイー!」
「さ、サイ、落ち着いて、落ち着いてぇぇ……」
 これで何度目か、ひきつった顔の桂木弥子の静止。
 でも一度ヒートアップしてしまったらもう止まらない。制服の襟首をひっつかんで俺はまくしたてる。
「何が悪かったんだと思う? なんで出てきてくんないんだと思う? 俺嫌われた? 嫌われたのかな?
 血まみれのままアイんち行って、ベッドの上勝手にごろごろして汚したのが悪かった?
 風邪ぎみで辛いのに作ってくれたメシ、嫌いだってごねて食わなかったのが原因?
 それともナースのコスプレさせて、無理やり写真撮ろうとしたのがよくなかった?!」
「そ、そんなことしてたの……」
「でもさぁ〜、しょーがないって思わない?
 シャワー浴びるの面倒だったし、ピーマン苦いから入れないでって言っといたはずだし、ナースは絶対似合うと思って
 ノリノリで準備してたのに。このくらいで怒るなんて絶対心狭いよね? ねぇ?」
「……う、うん……せまい……せまい、と思う……だからサイお願い首は絞めないでぇっ」
「あ。ごめん」
 探偵の喉からこの世のものとも思えぬ呻き声が漏れ出した。さすがにやばいかと思い俺は手を離す。
「ぅげほっ、げほっ。ネウロ以外から初めて理不尽な暴力受けた……」
 しばらく咳き込んでから大きく息をつく。
 それほどきつく絞めたつもりはなかったはずだが。加熱しすぎて手加減がきかなくなってたんだろうか。
「ナースよりゴスロリのほうがよかったのかなぁ。いやでもアイもう結構いい年だし、さすがにあの手のフリフリは……」
「――そういう問題じゃないと思うなぁ」
 ぼそっと桂木弥子が言った。
271君に会いにいこう8:2007/02/09(金) 19:43:45 ID:nO2uQPVB
 一旦我に返ったおかげか、少しずつだが頭が冷えてきた。
 深く息を吸って呼吸を整えていると、横からすっと紅茶のカップが差し出される。
「『おかわりいりますか?』だって。さっき飲んでたやつもう冷めちゃったでしょ」
「ありがと。もらうよ」
 受け取って一口飲む。
 飲んでから『あれ? 今のカップ誰が出してきた?』とふと思ったが、まあ細かいことは気にしないに限る。
「……仲、よかったんだね」
 桂木弥子も新しい一杯を飲んでいた。
 さわやかな香りを嗅ぎながらぽつり、と口にする。
「仲?」
「うん。聞いててちょっとほのぼのした。
 わがまま言ったり、ピーマン好き嫌いしたりして呆れられてるサイが目に浮かんで。
 怪盗だとか犯罪者のカリスマだとか、世間で言われてるイメージとは全然違うなって」
「世間のイメージはしょせん世間のイメージだからね。マスコミとかが勝手に作り上げてるだけさ。
 自分の中身も分からない俺がこんなこと言うのもおかしいけど、どっちかっていうと『本当の俺』はこっちじゃないのかな」
「それって実はすごいことだと思うよ。本当の自分を曝け出して付き合える相手になんて、そうそう出会えないもん」
 紅茶はおいしい。アイがいつもブレンドしてくれるのもいけるけれど、こっちのほうが柔らかいというか、落ち着く香りだ。
 これで髪の毛入ってなければもっと最高。
「女子高生が悟ったような口きくね」
「生意気だったかな、ごめん。でも本当にそう思うから。……大事な人なんだね」
 幼さを残した頬を緩ませ、ふんわりと微笑む探偵。
「そういう相手って、いなくなって初めて大切さに気付くよね。今まで当たり前だったことが突然当たり前じゃなくなって。
 親だからちょっと話が違うかもしれないけど、私もお父さんが死んだあとしばらくそんな感じだったから、分かる気がするな」
「不吉なこと言わないでよ。アイ別に死んでない」
「あっ、ご、ごめん、つい……あははは」
 ひきつった苦笑を浮かべて彼女はごまかした。
272君に会いにいこう9:2007/02/09(金) 19:44:28 ID:nO2uQPVB
 夕方から予定が入っているので、あまり長居はできなかった。
 某有名タレントとして、十年以上続いている長寿番組の収録に参加しなければならない。
 鬱陶しいけれどこれもまあ、"怪盗"の活動の一環として必要なことだ。
「――アイさん捜しの件なんだけど、よかったら私のほうから、スポンサーの会社に頼んでみようか?」
 事務所を出る間際、桂木弥子がそんなことを言った。
「できるの? あんた単なるネウロの奴隷でしょ?」
「調査会社のほうに事務所の雑用……じゃない、よく手伝いしにきてくれてた人がいるから、その人に頼んでみる。
 もちろん、ボランティアでやってるわけじゃないから無報酬ってわけにいかないとは思うけど。
 それなりに大きい会社で人脈もハンパじゃないって話だし、もしかしたらネウロに頼らなくても見つかるかも」
 俺はちょっと考える。
 当てになるかどうか分からないが、自分の足でひとつひとつしらみつぶしに捜すよりは早いかもしれない。
「じゃあお願いしようかな。ああ、分かってるとは思うけど、怪盗"X"が依頼主だってのは伏せといて」
「分かってます」
 こくりと頷く。
「それじゃあね。紅茶おいしかったよ。
 依頼は受けてもらえなかったけど、そこのシュールストレミングはあんたにあげる。話聞いてくれたお礼ってことで。
 それからネウロが帰ってきたら、次こそ殺すから首洗って待ってろって伝えといてよ」
「うん」
 手を振る彼女に背を向けて、事務所のドアノブに手をかけたとき。
「――サイ」
 普段よりトーンを落とした声で、桂木弥子が俺を呼んだ。
「なに?」
 振り返る俺を、長いまつげにふちどられた目で覗き込む。
 淡いピンク色の唇が動いて、言った。

「負けないでね」

 負けない。何に?
 気になったけれど、迫る収録開始時間のせいで聞き返すことはできなかった。
273君に会いにいこう10:2007/02/09(金) 19:45:28 ID:nO2uQPVB


『あんたの体って、好きだな』
 アイの部屋のベッドの上で、背中に頬をすりつけながら俺は言った。
『唐突に何を?』
『ううん、別に何がどうって訳じゃないよ。ふと思っただけ』
 アイが浮かべた疑問符に、軽く首を振って答える。
 腕を体に回し、服を着たままの柔らかい胸に触れてみた。
 思いのほか抵抗がないのをいいことに、包み込んでゆっくりと揉む。
 先っぽを探り当て指でくりくりすると、「ん……」と切なげな息が小さな口から漏れた。
『あったかいし、いい匂いがする。肉のつき方もちょうどよくて抱き心地いいしさ。
 これでもうちょっとはしたない声出してくれれば最高なんだけどな』
『……っ、私をおだてたところで何の得もありませんよ……サイ』
『おだててないのにー。単なる純粋な感想なのにー』
 むくれてみせつつ、うなじにちゅっとキスを落としてみる。
『素直じゃない助手持つと苦労するなぁもう。言葉で言って伝わんないなら、体にわからせるしかないのかな?』
 耳元に囁いて細い手首を握った。
 壁に手をつかせる。ぐいっと体を押し付け、腰を高く掲げさせて四つん這いにする。
『スカートなんだけどさぁ……たまにはもっと短いの履いてくんない?
 服着たままセックスしようとするとやりにくくてしょうがないんだけど』
『あなたを楽しませるためだけのために、服を着ているわけではないのですが……』
『いいじゃんたまにはその程度のサービスくらい。助手でしょ? 俺の。こっち方面でもサポートしてよ』
 胸をいじりながらスカートをまくりあげ、下着を下ろす。
 露出度低い服着てるせいで見逃しがちだけど、アイは結構エロい腰をしている。
 この腰のラインから腿にかけて、じっくりいたぶってやるのが好きなので、彼女とするときは俺はバックが好きだ。
 視覚的にいかにも「犯してる」って感じで背徳感が強いのもいい。
 尼さんみたいにストイックで潔癖なアイに、娼婦みたいに腰を突き出させて喘がせるのは、何度やってもゾクゾクする。
274君に会いにいこう11:2007/02/09(金) 19:46:06 ID:nO2uQPVB
『んっ、ふ……ぁ……』
 指と舌と歯で、下半身をさんざんに濡らして虐めてやる。
 必死に抑えようとする息遣いを乱していくのが好きだ。
 理性をとろかして崩して征服する、尻軽な女じゃ味わえないタイプの快感。
『は……ぁんっ……あっ』
 呼吸が弾みだし、すすり泣くような途切れ途切れの声が混じり始めたところで、男の象徴を入り口にこすりつけてやる。
『っ!』
 短い爪が壁に食い込む。
 服を着たままの背中がのけぞった。
『ん、く……やぁ、サイ……』
 まだ中には入れない。屹立して先端を濡らし始めたそこを、からかうようにアイの腰にすりつけるだけだ。
 それだけでも煽り立てられたアイには十分な刺激になる。
 涙目で首を振り、懇願する。
『サイ……サイ、こんな――嫌がらせ、は、もうっ』
 がくがく腰を震わせて、入り口からはいやらしい蜜いっぱいこぼして。
 これだ。この瞬間がすごく楽しい。
『嫌がらせじゃないよ? やだなぁ俺って絶対誤解されてる』
 身を乗り出してアイの顎を掴んだ。無理やり俺の方を向かせて唇にキス。
『ぎりぎりまで追い詰められてからのほうがお互い快感も大きいでしょ? ほら、欲しいなら欲しいって言ってごらん』
『………っ。サイ、のを、私の、中、に、いれ……』
『入れる? 入れてどうしてもらいたいの?』
『入れて、気持ちよく……して、くださ………、もう……』
 くすくす笑いながら俺は見ている。アイが最後の一線を超えるのを眺めている。
『メチャクチャに、して……ください……お願い……っ』
『よくできました』
 また、キス。
『それじゃ、ご褒美にいっぱい気持ちよくしてあげるね』
275君に会いにいこう12:2007/02/09(金) 19:46:40 ID:nO2uQPVB
 壁についた手に自分の手を重ねる。
 背と胸をぴったりくっつけるようにして、抱え込んだアイの腰に俺のを入れる。
 ぐちゅぐちゅに濡れたそこに時間をかけて飲み込ませていく。
『っ……は、ぁ……やぁんっ』
 深さを確かめるように奥まで押し付けてから、ゆっくりと、動く。
 少しずつ少しずつ律動を激しくしていく。
 不安定な体勢で突き出された腰が揺れる。
『や……ぁ、あ……あぁん、サイ……ひぁ……』
『やらしいね、アイ』
 内壁をこすりたてると更にびくんびくん揺れる。
 のけぞる首筋に後ろからちゅっとキスをした。
『んっ』
 きゅうっと目を閉じて耐える顔がまたエロい。
 舌を出してぺろっと嘗めてみる。
『あ、ふっ……サイ……』
 荒い息遣いが俺を煽る。
 ぐいっと腰を進めて激しく突いた。
『あぁっ! いや、いやぁ……っ! だ、めっ……!』
 悲鳴にも似た喘ぎ。口では嫌と言っても意味は正反対。
 がくんがくんと腰が揺れている。俺を受け入れて悦んでいる。
 俺はそのまま突き上げて、アイの体を揺さぶって攻め立てた。
 アイの声と、揺れる腰と、締め付けてくる中の快感に夢中になる。
 何も見えなくなる。
『サイ……サイ、サイぃっ……』
 アイが呼ぶ。俺を呼ぶ。
 仕事柄いろんな奴になりすます。必要があればやったりもする。
 でもそれはあくまで俺自身とは別人の、"なりすました他人"としての行為。
 こうして喘ぎながら、官能のあまり涙目になりながら、"サイ"としての俺を呼んでくれるのは彼女だけだ。
 本当の名前は分からなくても、年齢も性別も忘れてしまっていても、それでも自分が自分として生きてることを実感できる瞬間。
『やあぁ、あっ……サイ――!』
 ひときわ高くアイが喘ぐ。
 かくんと、体から力が抜ける。
 達したアイの中に目一杯注ぎこんで――

 そこで目が覚めた。
276君に会いにいこう13:2007/02/09(金) 19:47:30 ID:nO2uQPVB
「う……ん……」
 低く呻いて身を起こす。
「また、直球っていうか分かりやすい夢を……」
 深層意識下で何を求めているのか丸分かりだ。自分の脳のしくみの単純さに苦笑する。
 アイとはしょっちゅうこんな感じで寝ている。恋人だのなんだのといった甘い関係ではなかったが、俺はアイとのセックスが
けっこう好きだ。
 便宜上"サイ"として使ってる姿が"男"なのも、アイが"女"だということと決して無関係ではないと思う。
 いや、別にいいんだけどさ俺は女同士のプレイも。でも前にやりたいってねだったらアイが嫌がったから。

「起きた〜ぁ?」
 戻りきらない意識に目をしょぼつかせていると、横から気の抜けた女の声がした。
「んー……」
 あれ? この女誰だっけ?
 ああそうか。今なっているこの男の愛人だ。
「よく寝てたよねぇ〜、ゆうべぇ。もうお昼よぉ〜?」
 妻と三つ子の娘がいるのに、娘と同い年の若い女にうつつをぬかしているこの男もこの男だが、それを知っててしゃあしゃあ
と付き合いを続けているこの女もまた相当なものだ。
 勝手に殺してなりすましておいて何だが、こんな軽薄そーなアホ女の何が良いんだかなー、と思う。 
 スタイルだけは抜群にいいから多分そのへんに惹かれたんだろうが、少なくとも俺はゆうべの行為に満足できなかった。
 ああいう夢を見ること自体がその証拠だろう。
「暑苦しいのであまり擦りつかないでくれんかね?」 
 中年男になりきって俺は答えた。
 ぷくっと頬を膨らませてむくれる女。
「ちょっとぉ〜、なんか冷たくなぁ〜い? 久々なんだからぁもうちょっと優しくしてくれたってぇ〜」
「……やかましいぞ。少し黙ってくれんか」
 今隣に欲しいのはあんたじゃない。
 抱きついてくる女の体を振り払おうとしたとき、ケータイが鳴った。
「! ……ちょっと待ってて」
 取り上げて通話ボタンを押す。
277君に会いにいこう14:2007/02/09(金) 19:48:05 ID:nO2uQPVB
”サイ?”
 まだ若い女の声。桂木弥子だ。
「ああ、あんたか。早かったね。例の話は頼んでくれた?」
”うん、それはもちろん。――ってゆーか、いつもと声違うくない?”
「俺は誰でもあって誰でも……あー、めんどいから以下略で。
 どうしたの? ひょっとして何か分かったとか?」
”そう、それなの。要る可能性が高い場所が浮かび上がってきたって吾代さんが。
 それで、もしサイさえ良ければ一緒に直接行って確認してみようと思うんだけど”
 ――確認作業って普通そっちでやって、所在確かめてから依頼主に伝えないか普通?
 ちょっと思ったが、まあこういうことにかけては"探偵"である向こうの方がプロだ。
 盗みと殺しが本分である俺が口を出すことではないだろう。
「分かった。ちなみにどこ?」
”××県の織円都群、悪路井戸って村。交通の便が悪いから電車とかよりは車のほうがいいと思うんだけど……
 悪いけどうちの事務所車ないし、知り合いの人も車出しは死んでもイヤって……もとい今回は無理だって言ってるの。
 サイ、車の運転できる?”
「……誰に聞いてるつもりなのあんた。言っとくけど俺、旅客機とか戦車とか含めて五十枚以上免許証もってるよ」
 事務所に寄って彼女を乗せ、直接悪路井戸とやらに向かうことになった。
 用件を終えケータイを切る俺に、女がまたなれなれしく触れてくる。
「ねぇ〜、今の電話ナニ〜? 子供みたいな喋り方しちゃってぇ、おっかしいのぉ〜」
「悪いけど急ぎの用事が入ってね。もう行かなきゃならないんだ。だから、」
 俺はケータイを置き、女の頭をおざなりに撫でた。

 そしてそのまま鷲掴みにし、思いっきり壁へと叩きつけた。
「ブへッ」
 間の抜けた悲鳴が響いて女の頭が破裂した。脳漿と血がシーツに赤い染みを作った。

「シャワー浴びて着替えて車出して……ん〜、日が暮れるまでに間に合うかな?」
 顔に飛び散った血を拭いながら、微妙なところかもしれないと思った。
278名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 19:49:14 ID:nO2uQPVB
前半これでおしまいで。
連投規制に引っかからずに済んだので予定よりちょっと後のほうまで投下しました。
そしてすいませんこの後はもうエロシーンありませんorz

後半しばらく間おいて投下します
日付が変わる前にできたらいいなー……
279名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 20:28:27 ID:wog0zUqS
ちょっ、地名に吹いたwwww それなんてクリスティ?
GJ、続きすごく待ってる! 何やらかしたんだサイ
280名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 20:47:09 ID:3ibPjr+T
全裸でお待ちしております!!!
281名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 21:46:00 ID:hPGm0eHj
>織円都群、悪路井戸
やたら潔癖なベルギー人が出張ってきそうな悪寒ww

夢の中のエロに興奮した。GJ!
GOD JOBは完結したときのために取って置きます。つづき待ってます
282名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 22:01:17 ID:nO2uQPVB
サイアイの続き投下します。
なんかこう……色々ごめんなさい
一度こういうの書いてみたかった
283君に会いにいこう15:2007/02/09(金) 22:01:56 ID:nO2uQPVB


「……なんかサイと話してるって気がしない。すごく変な感じ」
「どう見ても子供のあの年カッコで車なんか運転したら、警官とかに目つけられて面倒だからね。
 気持ちはわかるけど着くまで我慢してよ」
 桂木弥子は後部座席に乗せた。
 長時間のドライブが退屈らしく、運転中の俺に身を乗り出すようにして話しかけてくる。
「アヤ・エイジアでも聴く? こないだ出たアルバム最新作」
 だんだん鬱陶しくなってきたので、彼女の関心を逸らすためにそう聞いた。
「あ! それ売り切れ続出で今入手困難なやつでしょ? 聴く聴く」
「俺のじゃなくて、俺が顔として使ってる『こいつ』の私物だけどね」
 曲が流れ出す。
 一曲目は半年近くの間、ヒットチャート一位を独占しつづけたラブソングだ。
「サイって、自分ではアヤさんの曲聴かないの?」
「嫌いじゃないよ。一曲一曲のつくりがすげー丁寧で、音楽に対する姿勢が真摯なのは聴いてて分かるしね。
 ただ、逮捕される前の曲は正直あんま好きになれなかったな。
 今獄中で出してる曲はかなりいいと思うよ。通じるものは感じないから箱にしたいとは思わないけど」
 緩めのカーブ。俺はハンドルを切る。
 桂木弥子は『ふうん……』と呟いた。
284君に会いにいこう16:2007/02/09(金) 22:03:05 ID:nO2uQPVB
「そっかあ。サイは『ひとりきり』じゃないんだね」
「は? いきなり何の話?」
 きょとんとする俺に探偵が細くした。アヤの歌には、『ひとりきり』の人間の脳を揺らす効果があるのだそうだ。
 もっとも逮捕後はそれが更に進化して、今やどんな人間の脳も思い通りに揺さぶれるそうだが。
「へえ、また人間離れした話だね」
「あなたに言われたくないと思いますが……」
「まあ考えてみれば当たり前な気もするよ。中身探しに忙しくて、孤独なんて感じてる暇なかったし」
 下り坂にさしかかった。緩めにブレーキを踏んで速度を落としていく。
「アイさんのおかげ、とかじゃなくて?」
「…………。それもないではないかもね」

『……何か、抱えきれないことがあれば仰ってくださいね』
『全て引き受けられるとまでは言い切れませんが、いくらかならお手伝いできると思います』
 自分がひとりきりだなんて思ったことは一度もない。
 不安なときも辛いときも彼女が傍にいた。

「ってサイ前! 前、前ー! カーブカーブっ!」
「あ。ごめん」
 慌ててキッとハンドルを切る。
 スピードをあらかじめ落としてあったのが幸いした。ガードレール接触寸前で車は曲がっていく。
「運転中に考え事とかやめてよー! 死ぬ死ぬ死んじゃう!」
「大丈夫だよ、俺このくらいで死ぬほどヤワじゃないから」
「サイじゃなくて私の命が危ないって言ってんの!」
 悪路井戸村に着くまで、あと三時間といったところだろうか。
285君に会いにいこう17:2007/02/09(金) 22:03:56 ID:nO2uQPVB


「ああ、悪路井戸村ってここのことか」
 俺はぽんっと手を打った。
 延々と続く面白みもない田園地帯と、三百メートルに一戸くらいしか民家のない辺鄙ぶりに見覚えがあったのだ。
「え……覚えてるの?」
 驚いたような顔で桂木弥子が聞いてくる。
「うん、ちょっと前に来たことあるんだよ。アジトっていうとちょっと違うな、アイが休養にいいんじゃないかって見つけて
きたところでさ。彼女がいるらしいって場所、ひょっとしてあの山の頂上にある『穂浪荘』ってロッジのことじゃない?」
 指差してみせる。こくこくと頷く桂木弥子。
「じゃ、やっぱここにいる可能性高いな」
 なんで機嫌を損ねてるのか知らないが、そこに引きこもって一人で生活してるに違いない。
 あの辺は確か電波もろくに通っていない。道理でケータイも通じないはずだ。
「あの山、途中から道路なくなるからかなり歩かなきゃなんないんだよね……あんた山歩きとか大丈夫?」
「平気」
 探偵は頷いた。
 
 記憶していた通り山中で舗装道路が途切れ、歩いて登らなければならなくなった。
 実際狭いわごつごつしてるわで、とてもじゃないけど車の通れる道ではない。
 体を動かすとなるとやっぱり、動かし慣れたいつもの姿のほうがいい。というわけで少年の姿に戻った。
 山頂まで黙りこくりながら歩くのもあれなので、やっぱり何かしらは会話をすることになる。
「さっきも言ったけど、ここ見つけてきたのはそもそもアイでさ」
 ――中身探しは進まないやら、ネウロはなかなか殺せないやらで、苛々してささくれ立っていた俺に彼女が勧めてきたのだ。
『今のあなたに必要なのは、前に進もうと焦ることではなく、精神的な休養です。
 一度外部からの情報をシャットオフして、ゆっくり落ち着かれることをお勧めします』
 そして、こんな山奥にある小さなロッジを見つけてきた。
 ずいぶん前に借り手が自殺したとかで、もう何年も誰も入っていなかったところだそうだ。
 オーナーは長い髭を伸ばした七十すぎのじいさんで、借りたいと申し出ると大げさなくらい感謝されたという。
「自殺者が出てなくても借り手ないだろうなぁと思うくらい、辺鄙で不便なとこだったな。
 ネットもテレビもラジオもないんだよ。ケータイは圏外だし、最寄の店に行くのに小一時間歩かなきゃなんないし。
 しかもその店ってのがコンビニでもスーパーでもなくタバコ屋さんだよタバコ屋。
 何この昭和の世界へのタイムスリップ」
286君に会いにいこう18:2007/02/09(金) 22:05:13 ID:nO2uQPVB
 ――逆にいえば、だからこそアイはここを選んだのだろうが。
「休養っていってもやること別になかったから、アイとチェスしたり、火起こしてカマでご飯たいて食事の用意手伝ったりして
たなあ。他にもキノコ取ってきたり川で魚ゲットしてきたり」
 てっきり『うわあ何それおいしそう!』とか食いついてくるだろうと思ったら、意外にも神妙な顔で探偵は耳を傾けている。
「……でもやっぱ焦る気持ちってなかなか消えなくてね。
 傍にいたアイに色々やつあたりとかしちゃって……今思うと悪いことしたなぁって……」

 掌に生々しい感触がよみがえった。
 細い首に触れて、掴んで一気に絞め上げる。
 か弱い抵抗が途切れて消えてなくなってしまうまで。

「サイ?」
「あ……ごめん」
 少しボーッとしていたようだ。
「寒くなってきたからちょっとペース上げようか。大丈夫? いける?」
「私は平気。見かけよりは体力あるから気にしないで」
 今はとにかく山頂を目指そう。
 アイに会いにいこう。
287君に会いにいこう19:2007/02/09(金) 22:06:23 ID:nO2uQPVB


 枯れ果てた木々の枝の向こうに、丸太を組んだロッジが見えてきた。
 前に来たときも思ったことだが、建ててからどれぐらい経っているんだろう。
 アイは『自殺者が出たのは数年前』とか言っていたが、数年どころか数十年前でも俺は驚かない。
「!」
 入り口の方へと向かいかけて、俺は立ち止まった。
 風に木の葉がすれあう気配、虫や動物のかすかな足音。
 そういったものに、明らかに異質な気配が混じっているのに気付いたからだ。
「それで隠れたつもり? からかってないでさっさと出てきなよ。
 ――ねぇ、ネウロ」
 ガサガサとうごめく音がして、木の上から何か巨大なものが降ってきた。
 長身のシルエットに、コスプレかと思うくらい珍妙な色合いのスーツ。
 謎喰いの魔人。
「ネウロ! あんた何やって……」
「謎のない依頼には興味ないとか言ってたくせに、何のつもりさ?
 答えの内容によっては足の一本くらい貰ってくよ」
 俺の睨みに、眉ひとつ動かさずネウロが答える。
「そう加熱するな。貴様の可能性を確かめてやろうと思って見物に来ただけだ。
 より正しく言うなら……『貴様の可能性が死んでいないかどうか』をな」
「ネウロ! またそんなこと言って」
「構わんだろう。そこのドアを少し開ければすぐにでも分かることだ」

 何言ってるんだろうこいつら二人は。
 わけが分からない。

 無視してドアノブに手をかける俺に、ネウロが言った。
「サイよ。貴様本当に覚えていないのか?」
288君に会いにいこう20:2007/02/09(金) 22:08:11 ID:nO2uQPVB
 ――ドクン。
 心臓が、鳴った。
「……何の、こと? ネウロ……」
「決まっているだろう。貴様自身がしたことについてだ」

 胸がざわつく。ノブを握る手が細かく震えだす。
 何言ってるんだよ。
 やめてよ。
 そんな全知全能の神様みたいな声出さないでよ。

「現実から目を逸らし続けるのはもういい加減に終わりにしろ。
 我が輩たちとて、そう何度も貴様に付き合ってやるほど暇ではない」

 ――やめて。言わないで。言わないでよ。そんなこと。
 何言ってるんだか全然意味不明だけど、何かひどいことだってことだけは分かる。
 ああそうだ俺をいたぶって楽しんでるんだね?
 前にクレーン落として内臓潰したときみたいに。

「貴様の捜している女はもう……」
「うるさいっ!」
 叫んで振り払った。
 聞かない。
 あんたの言うことなんか絶対聞いてやらない。
289君に会いにいこう21:2007/02/09(金) 22:09:15 ID:nO2uQPVB
 ほとんど体当たりでドアを開けた。
 鍵が壊れてガキッという音が響いた。
「アイ! 俺だよ、顔見せて――」
 倒れこむように中に踏み込んで、俺は、絶句した。
 中は無人だった。見慣れたすらりとした長身もそこにはなかった。
 ただ部屋の隅に大きな箱が一つ転がっていた。
 殺して潰して、粉々にして、細胞のすみずみまでじっくり観察できるように、透き通ったガラスの立方体に詰めたもの。

 俺の、"赤い箱"。

「それが、貴様の捜していた女だ」
 ネウロの声が落雷のように俺を打った。

 ――ああ、そうだ。やっと……
 思い、出した。

『ねぇ、アイ。あんたはいつも俺に優しいよね』
『なんでも俺の言うこと聞いてくれて』
『潰れそうになってもいつも支えて励ましてくれる』
『ねぇアイ、俺あんたのこと大好きだよ。愛してるよ。だから、』
『あんたの中身を見せてよ』

 俺が殺した。
290君に会いにいこう22:2007/02/09(金) 22:10:17 ID:nO2uQPVB
 白くて細い首に手をかけて、爪まで食い込むくらい絞めあげて、酸素を求める唇をキスでふさいだ。
 はかなく抵抗しつづける体を、二度と動かなくなるまで押さえつけた。
 事切れた彼女の服を脱がせて、消えていくぬくもりをしばらく楽しんで解体に移った。
 何一つとして問題はなく、全て滞りなくスムーズに運んだ。 
 でも。
「何やってんだろ俺。なんてバカなことしたんだろ」
 『ほかの誰かとしての俺』でもなく、『犯罪者としての俺』でもなく、俺としての俺を見てくれるのは彼女だけだったのに。
 わがままを言っても、ピーマンが嫌いだとごねても、血まみれのままベッドの上でごろごろしても、素のままの俺を拒むことは
絶対にしなかったアイ。俺の不安を汲み取っては、頭を撫でたり抱きしめたりしてくれたアイ。
 自分の手で彼女の息の根を止めておいて、それを呪うようになるまで十日もかからなかった。
 でもどんなに悔やんでも望んでも、彼女が俺のところに帰ってくることはない。
 呪って。迷って。悶えて。否定して。
 そして俺は、忘れることを選択した。

「……サイが私たちとここに来るのはね、これで三回目なのよ」
 箱の前にへたり込んだ俺に、探偵がぽつんと言った。
「こうやって、何度も何度も同じことをくりかえしてるの。
 事務所に来て、アイさんを捜してくれって言って、ここに来て、箱を見て、それでようやく思い出して……
 そうしてまた、辛くなって、忘れて」
「……っははは、はははは……」
 首をかくかく揺らして俺は笑った。
 笑うしかなかった。
 笑いながら、泣いた。
「ごめん。ほんとはこんな回りくどいことするべきじゃなかったのかもしれない。
 でも二回目に来たとき、すぐ教えたらパニック起こして暴れてまた忘れちゃったから……
 いろいろ聞きながら、誘導するみたいにして思い出させていこうかって、いろいろ考えて、私」
 探偵の顔が涙でかすんだ。
291君に会いにいこう23:2007/02/09(金) 22:11:17 ID:nO2uQPVB
 目の前の箱を抱え込んだ。
 何度も俺を抱きしめてくれた温かい体は、今は硬くて角張っていてただひたすらに冷たかった。
「サイよ。我が輩からの最後の忠告だ」
 あくまで冷徹に、ネウロが言った。
「貴様はなかなかの逸材だ。単に性能という意味でも、進化の可能性という意味でもな。
 我が輩としても失うのは惜しい。今ならばまだ戻って来ることは可能だぞ。
 その先には袋小路しか待ってはいない。貴様にまだ前に進むつもりがあるのなら……」
「袋小路……」
 それは、アイを殺したことをまた忘れるということか。
 戻ってくるはずのない彼女をひたすら待ちつづけ、会えるはずもない彼女を捜しつづける。
 つながるはずのない電話を何度も何度もかけ直して、届くはずもない謝罪の言葉を必死に考えて。
 そうするうちにいつか真実にたどり着いて振り出しに戻る。
 そんな無限ループを永遠にくりかえすということ。

「サイ。お願い。もう忘れないで。忘れちゃだめ」
 探偵が俺の手を握ってきた。
「忘れたらまた後戻りだよ。……ねえサイ、自分の中身を探すんじゃなかったの。
 アイさんだってそのために手伝ってくれてたんでしょう。
 ここは耐えて乗り越えなきゃだめ。負けないで」

 そうしなければ前に進めない。
292君に会いにいこう24:2007/02/09(金) 22:12:35 ID:nO2uQPVB
 クッ、と俺は声をもらした。
「サイ?」
「そっか……自分の中身か。そうだよね、そのために俺はずっとここまでやってきたんだった」
「そう、そうだよ。それを思い出そう? それで、」
「でも、さ」
 探偵の言葉を俺は遮った。
「たとえ自分の中身を見つけたとしても、それを見てくれる相手がいないんなら何か意味なんてあるのかな?
 アイはもういないのに。俺の中身を、俺自身を見てくれる人はもう、いない、のに」
 ミシッ、ミシッと低い音が響く。
 探偵の顔がひきつった。
「だめ、サイ、違う、それはだめっ」
「……あんたがそうやって止めてくれるのは、嬉しい、よ」
 脳の軋みは続く。
 薄れていく意識の中で俺は言った。
「でも、もう、いいや……彼女なしでこのまま生きてくのは、つらい……から」
 忘れたい。
 アイがこの世界にもういないなんて考えたくない。
 俺の日常に、彼女に依存してなかったことなんて何ひとつなかった。
 着替えのたび歯磨きのたび食事のたび、なにげない作業一つ一つに、彼女のいない空白を思い知らされて、胸が締め付けられ
て痛むのだ。
 首を絞め上げる感触も、毎晩のように夢に見る。
 ことあるごとに思い知らされる。俺の今いるこの世界に、彼女はもう存在してはいないのだと。
 俺が消してしまったのだと。
「忘れ、させて……」
 繰り返しになってもいい。永遠に続くループの中にまた巻き込まれることになっても構わない。
 お願いだから彼女の死を忘れさせて。
 傍にいてもらうことが二度と望めないなら――
 せめて俺の意識の中でだけでも、彼女を生きたままで。

「サイ!」
 最後に聞いたのは探偵の悲痛な叫びと。
「やはり、駄目だったか」
 諦めたような、ネウロの声。
293君に会いにいこう25:2007/02/09(金) 22:13:22 ID:nO2uQPVB


「何故泣いているのだ?」
「だって――」

 聞き覚えのある声に、俺は目を覚ました。

「こいつは乗り越えられなかった。ただそれだけのことなのだ。
 真実を知ることができた。方向転換する機会も貴様に与えられた。
 にも関わらず再び現実から目を逸らし、終わりのない連鎖の環に戻ることを自らの意思で選んだのだ」
「でも、でも。こんなの、……なんの救いもないよ」

 頭が重い。視界がかすんではっきりしない。

「言ったはずだ、ヤコ。忘れることは進化を止めることだと。
 進化を捨てたサイはもう抜け殻だ。後はもうゆるやかに死んでいくだけだ」
「覚えてるよ。わかってる。でも、これは……」

 寝る前にアルコールでも飲んだろうか?
 覚えていない。ウォッカをガロン単位でガブ飲みでもしない限り、二日酔いなんて俺にはありえないはずだが。
294君に会いにいこう26:2007/02/09(金) 22:14:11 ID:nO2uQPVB
「サイ、忘れるならせめて、アイさんの存在ごと全部忘れるってわけには……いかなかったのかな。
 好きな人の記憶を全部捨てるっていうのは、やっぱりできなかったってこと――」
「奴の頭の中のことは我が輩には分からん。それは人間である貴様の領分だろう」
「……ネウロ、最近はわりと話わかるようになったと思ってたけど、こういうことになるとやっぱり冷たいよね」
「温かくする必要がどこにある?」
「まあ……あんたにウェットな顔されても私が困るんだけどさ」

 俺は身動きした。
 床から体を引き剥がすように起き上がった。

「あ……」
「フム。どうやらお目覚めのようだぞ」

 あれ? なんでこんなとこにネウロがいるわけ?
 まあいいや。今は眠いし。また体調万全なときにでもじっくり殺してやる。
 首が痛む。どうやら寝違えたか何かしたらしい。
 肩に手を当ててこきこきと音を立てながら、ふと思った。

 ――アイはどこに行ったんだろう。
295名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 22:17:00 ID:nO2uQPVB
以上終わりです。
……なんかもうほんとごめんなさい
注意書き入れようと思ったんだけどねたばれになってしまうから……

構想段階では後半でサイがアイを(ryするシーンで無理やりやってるシーン入れようかと思ってたんだけど
上記のように注意書き入れたくなかったんでやめました
そんなわけでエロ分も少ないほんとごめん
296名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 22:21:12 ID:3ibPjr+T
GJ!!!
好きなアイさんを忘れきらないサイ切ない…ヤコとネウロが絶妙な立ち位置。
アイさんが悲しいがまじGJ!!!!
297名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 22:47:03 ID:UiDlCQIq
大作乙!!
こういう切ないの大好きだGJ
298名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 22:51:27 ID:hPGm0eHj
っ【GOD JOB】
299名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 22:51:46 ID:beKCgBli
まだまだ読み途中だが実に良い。GJ。また読みに逝って狂ノシ
300名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 23:24:49 ID:iYG1rpJN
>>295 神へ
作品読み終えたら世界から音が消えた。何この喪失感…。
GJ!
301名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 23:29:36 ID:I3wA4gIK
サイはアイの為に、アイはサイの為に。
全ては最愛なるものの為に。
エロパロでここまで号泣するとは思わなかった。
GOD-JOB!!
302名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 23:49:09 ID:xD3vxc6J
>>295
上手く言えない。
でもこれだけは言える。GJ
303名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 00:50:19 ID:VLD8Gj/Y
素敵すぎる!!!マジでGJ!!!大作乙です。
サイアイ&ネウヤコ好きにはたまらん。
サイアイ的愛の流刑地に号泣した。
自分もアイさん死END書いたことがあるがもっと頑張ろうと思ったぜ。

>>260
GJ!!!!助手口調と首筋プレイエロおお!
続きは書いてもらえないのかい?
物凄く気になる。

この神ラッシュ・・・・相変わらずこのスレは凄いな・・
笛ヤコの神エーロ・ゴシカアン!
304名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 01:56:02 ID:xxroftge
あなたが神か!
305名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 02:06:14 ID:uOgDLNFS
神は生きている…GJ。
306名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 03:21:41 ID:vqTirACy
すげーな… 
みんなでエーロ・ゴシカァンの呪文唱えてからというもの神が召還されまくりだよ
エーロ・ゴシカァンあなどれないな
307104:2007/02/10(土) 13:04:10 ID:PtxV/UJG
今週は多忙で睡魔に連日負けの更新中。
でもようやく三連休に入ったので即効で続き書いた。
308好奇心 後編 4:2007/02/10(土) 13:05:06 ID:PtxV/UJG
夢だと思い込んでいた間、体はすっかりネウロの手管に慣らされきっていたのだろう。触ら
れているところが耐え難い熱を帯びていて頭の芯まで蕩けてしまいそうだ。まだ辛うじて身
に着けているショーツは早くも潮を吹く秘部を覆いきれずにぐっしょりと濡れ、もう何の役にも
立たなくなっていた。
「あぁう…ん…やめ、やめてぇ…」
本当はここでやめられたら弥子の方が我慢出来ないのだが、突然こうなったことが恥ずか
しくて、ただ無意識の言葉がきりなく唇から落ちるだけだ。もう拒絶は完全に逆の意味にな
っている。
「いや、やぁ…ネウロ ぉ…」
「そんな顔をして嫌だも何もないな、ヤコ」
愚かな奴隷を思い通りに調教した、とでも考えているのかネウロはやたらと嬉しそうに見下
ろしている。勝手に部屋に入り込んで、弥子が目覚めない間にまだ成熟しきっているとは
いえない体に思う存分欲望を叩き込んで、翻弄して、そんな時にいつも一体何を思っていた
のだろう。それが少しだけ知りたくなった。
「ネウロ…何でこんなこと…私が眠っているときになんて…」
もう与えられる快感が激し過ぎて、何も考えられなくなりそうだった。なのに、ネウロは随分
な余裕の態度で最後まで弥子が身に着けていたショーツを引き剥がして薄く笑った。そし
て再びずくずくと疼いている内部に指を潜り込ませてくる。かあっと火照る耳に唇が寄せら
れて、ひどく甘い声で囁かれた。
「我が輩が奴隷である貴様にどんな印象を持とうと、ましてやどう扱おうと全くの自由ではな
いか。それこそ、夜中に忍ぼうともな」
「う…」
勝手なことを、と普段なら言っているところだ。なのに今は何もかも騙されたように全ての感
覚が麻痺しきっている。今はこうして、ただネウロの掌中で蕩かされていたい。出来るならば
このままずっと。
「は…あぁん…」
嬉しいのか、苦しいのか分からない涙が弥子の頬を濡らしていた。その間にも内部の柔らか
な肉はしたたかな指先で巧みに掻き回されて、ますます熱い愛液を零し出す。そんな反応
が快かったのだろう。小振りでありながらも充分に手触りが良く柔らかい乳房を片手で握り
込むようにして揉んでいたネウロは、あからさまな欲情に満ちた表情で突然覆い被さってき
た。
309好奇心 後編 5:2007/02/10(土) 13:06:06 ID:PtxV/UJG
「あっ…」
「こうまで無防備な貴様が悪いのだ。我が輩を狂わせるとはな」
「え…」
言葉の意味を把握しないうちに、愛液にまみれきった秘部の中心に恐ろしく硬いものが押
し当てられた。ぬるぬるとした愛液をねっとりと纏わりつかせ、しばらくはぬらめく感覚を楽し
んでいたようだったが、さすがにネウロの方も我慢がきかなくなってきたのだろう。物も言わ
ずにゆっくりと奥の奥まで貫いてきて、感極まったようにひどく熱い吐息を漏らす。
「あぁ…う…やぁぁ…」
何もかも衝撃だった。
夢の中で何度も味わったことが、今度は現実に起こっている。それがまだ信じられない気持
ちだった。目覚めている時にされるのは初めてな上に、これまでの愛撫ですっかり心も体も
乱されきっていた弥子は、あっと言う間に頂点へと駆け上がっていく。
「あ、ネウ、ロぉっ…」
息が止まるかと思うほどきつく抱き締められ、獣にでも立ち返ったように猛りきったもので滅
茶苦茶に突き上げられては、本当にこのまま死んでしまいそうだ。けれど、それでも構わな
いと思えるのは、やはりそこに愛する者への切ない思いが煌めいているからだろう。
引き裂かれる痛みより繋がる喜びより、恋する相手がこんな風に自分に欲望を向け、それな
りに満足している様子なのが今の弥子にとっては一番の歓喜になる。
「ひぁ…ネウロ、ネウロぉぉっ…」
「そうだ、ヤコ。もっと貴様を見せろ。何もかも、本性の底までもな」
こんな時でもまるで観察でもしているように、ネウロは間近で穴が開いてしまうかと思うほど
弥子を凝視している。そこにどんな意図があるにせよ、少なくともそれなりの気持ちがなけれ
ば出来ない行為の最中に見られているのは恥ずかしい。でも少しだけ嬉しい。
そんな複雑な思いが熱となって唇から漏れる。
「ネウロ…大好き…私、ずっと好きだったの…」
耐えられなくなって、そう告げた瞬間に唇にふっと吐息がかかった。軽い揶揄を含んだ声の
後に柔らかく重ねられて一瞬正気に返る。
「やっと言ったな、ヤコ。寝惚けている時に言われても半信半疑だったぞ」
「…え?」
「何を呆けている」
「私…眠っている時も言ってたの…?」
310好奇心 後編 6:2007/02/10(土) 13:06:57 ID:PtxV/UJG
そこはまるで覚えていない。ただ記憶の底にあるものは一方的な激しい陵辱と、それを決し
て不快なものと思えない不思議な気持ち。
「いい度胸だな。寝惚けていて陵辱する相手が誰かも分からぬ状況で、貴様は御丁寧に我
が輩の名を呼んだぞ。それが満更悪くなかったからこそわざわざ連日通ってやったというの
に、貴様という奴は…」
ある程度演技も入っているのだろうが、間近で合わせてきた目はひどく切なそうだ。するりと
頬を撫でられるだけでも胸が締め付けられる。ずっと口に出せずにいたからこそ、そんな時に
口を突いたのだろうか。
あとほんの少しで達してしまう、という時にいきなりこんな展開になって何故だか急に恥ずか
しくなってしまって顔を合わせられない。
「私…呼んでた?」
「ああ、確かにな。まあ寝言のようなものだから貴様の本心は計れなかったが」
「…ネウロ」
どういうことだろう。
小難しい思考など出来なくなっている今の弥子には理解出来なかったが、わずかに何か考
えようとしたところで途端に激しく内部を突き上げられてあっさりと霧散してしまった。擦れ合
う粘膜を通して凄まじいばかりの熱が伝わってきて、すぐにでも息が止まってしまいそうだっ
た。きっとこのままネウロによって眠っている時だけでなく覚醒している時までも支配されてし
まうのだろう。それが奇妙にも誇らしくて嬉しい。
「ぅあっ…」
「ヤコ、目覚めている貴様をもっと見せろ。もっと狂おしく乱れ悶える顔を見せろ」
「いやぁん…見、ないで…恥ずかしいよおっ…」
羞恥から逃れる為に必死に顔を隠していた両手が不意に取られ、目の前にびっくりするほど
綺麗な瞳が映った。いつも弥子をからかったり冷たい言葉を吐く口が、今日は背筋がぞくぞく
するほど甘い囁きを紡ぐ。
「そんなところが可愛いぞ、ヤコ」
決して聞けないだろうと思っていた睦言に、弥子の性感は一気に沸点へと到達していく。意
識もしていなかっただけに、あまりの急激な変化に戸惑うばかりだ。
「やぁ…もう、もうダメぇっ…」
何もかも振り切って乱れる少女をネウロは満足そうに眺め、やがてくすぶりかけていた淫らな
熱を一層激しく燃え上がらせていく。
311好奇心 後編 7:2007/02/10(土) 13:07:39 ID:PtxV/UJG
「ひゃ、ぁっ…」
もう委細構わずに突き上げられて、耐え切れずに弥子は激しい声を上げて乱れた。絶対にこ
の恋は片思いで終わると思っていただけに、まさかネウロにもそれなりの気持ちがあったな
んて信じられなかった。けれど嬉しい。とても嬉しい。
「ヤコ、ヤコよ…何もかも全て我が輩の物になれ。全てを明け渡せ」
「…ん、うん…私の、私の全部を見てよおっ…ネウロ!」
もう壊れてしまいそうだった。
きつく抱き締められて、思いをせがむように突かれて、もう何も考えられない。ただ満たされて
幸せで、このまま死んでしまいたいと思った。そのうちに、内部を一杯に広げているものが更
に硬度を増し、痙攣を始める。
この至福の時間がもうすぐ終わりそうで、ふるっと震えながらも声を張り上げた。
「あぁん…ネウロ!」
「ヤコ、完全に我が輩のものになれ」
「…うん、なる。私、あんたのものになる。だからぁ…」
「よし、いいぞ」
突き上げながらも、ぺろりと熱い舌で耳を舐めてくるネウロが耳元で囁く。
次の刹那、ぐっと息を詰める気配があって一際大きく腰を突き入れられた。あまりの衝撃に、
思いもしない大声が張り上がる。
「やあっ、ああああんっ…!!」
どろりと濃いものが内部を満たしていく感覚がひどく熱くて甘い。これまで何度も知らないうち
にこうしていたとはいえ、ようやく初めて結ばれたと思った。
この恋は、叶ったと言ってもいいのだろう。

「ネウロ」
呼んではみたが体力を費やしたせいか、ひどく眠い。
ネウロの方でも同様なのか、ソファーで弥子を抱き締めたままうつらうつらと眠りかけていて反
応を返してこない。
事後、断続的に以前関係を持った経緯について尋ねてみた結果として、色々と分かってきた
ことがある。
312好奇心 後編 8:2007/02/10(土) 13:18:07 ID:PtxV/UJG
ある日、夜の散歩と洒落込んでいたネウロは面白半分で弥子の部屋の窓を開けて忍び込ん
だ。そこまではただの冗談のつもりだった。しかし、何者かの気配があっても平気で寝込んで
いる弥子に興味をそそられて、色々とこれぐらいは、まだこれぐらいはと悪戯をしているうちに
そうなってしまったこと。
それでも意外と弥子の反応が悪くなかったので通って来ていたこと。ネウロ自身の気持ちとし
ては満更でもないこと。
それだけでも、弥子にとっては充分だった。
憎からず思われていたというなら、それだけで何にも代えられないものに思えたのだ。

以来、事務所でも自分の部屋でも弥子はネウロが求めれば従うことにしていた。この先、もっ
と好きになったらどうなるだろう。もっと二人の関係が進展したらどうなるだろう。その考えが
頭の中を占めていて、決して離れない。
その日からずっと、弥子は決して覚めることのない夢の中にいる。
313104:2007/02/10(土) 13:19:44 ID:PtxV/UJG
これで終わりだ。
一気に書けなかったことに悔いが残る。
314名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 13:46:22 ID:3ByjGACx
GJ! 続き待ってた。神よありがとう!
それにしても召喚呪文の効果はすごいな。
315名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 13:59:43 ID:yXPYmjyn
笛ヤコ投下。期待ぶちこわしでスマソ
>>307
GJ! 上手い人ってのは羨ましいよ、本ト。・゚・(ノД`)・゚・。
316名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 14:00:22 ID:yXPYmjyn
「わあああ、笛吹さん!!」
甲高い声が耳元に響いた。
「ほら。」
手に持った紙袋がヤケに重い。
桂木の目の前に突き出すと、彼女の後ろに大きなソファーが見えた。
眠さと何とか闘っているけれどもそろそろ負けてしまいそうだ。
「ソファー、借りる…。いいか、鍵を閉めろ。絶対に誰も入れるな。」
桂木の小さな悲鳴が聞こえた気がした。が、其方を振り向く余裕も無く、
ソファーに倒れこんだ。徹夜を続けるのはこれからは自粛しよう。

眼鏡をデコにかけた軽薄そうな男は何か言っていた
恐らく夢だろうその場所でそいつが口を開く。
「桂木ってああ見えてあの秘書みたいのとしてそうじゃないすか?」
…何をだ。



頭の痛くなる夢に目を覚まし辺りを見回し、ふと下を見て思考が止まる
桂木がソファーに背を預けぐっすりと熟睡しているのである。
口からは涎を垂らし、間抜け面はよりパワーアップしている。
「…ん」
自分にかけられた毛布を見て、こいつめ、と毒づいた。
「桂木、起きろ。桂木弥子。」
言葉を無視してなおも眠り続ける彼女を揺り動かした。
此処は起こすべきでは無かったのではないかと後で気づき思わず舌打ちをした。
「ああー笛吹さん。おはようございます。」
おはようじゃないだろ、もう12時回ってるぞ、と突っ込みたくなったが
眠そうに目を擦る桂木の姿が妙に気になった。
そう言えば、このごろ仕事ばかりで溜まって…。
「笛吹さん?」
たかが高校生に欲情するとは、真っ当な成人男性として道を反らして
やいないか。
思わず顔を手で押さえ込み隠すが、向こうは気分が悪いのかと心配そうに
視線を外そうとしない。
「桂木っ!! こっちを見るな!!」
殆ど叫びとしか聞こえない大声をあげる、彼女を睨み付けた。
「ご、ごめんなさい…。」
「な…何で泣くんだ。」
目の前で急に泣き出した少女にどう対応していいのか、私は知らない
「迷惑をかけようとした訳じゃなくって…心配で…。」
迷惑をかけたくないのならば、泣き止め!!
317名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 14:01:20 ID:yXPYmjyn
細く震える肩を抱え上げ、あやす様に口付けてやった
背中を優しく叩くと、泣き声こそ止んだが、恥ずかしさに身体を
彼女は固まらせる。
ぼんやりと、自分のこれからしでかす過ちの大きさを考えながら
もう一度口付けた。
「笛吹さん。」
「言っておくが、私はお前なんか好きではないぞ。」
嫌いと言っているのに桂木は笑った。これだから子供の扱いは苦手なのだ。
いつもの見慣れている彼女の制服をまさか自分が脱がすと言うイベントが
あるとはついさっきまで考えもしていなかった。予想外と言えば予想外だが
別に構いはしない。
生まれたままの姿となった桂木は普段にない艶やかさがあった。
どうしても少女チックな考えになってしまうが、例えば何処かの
フランス人形の様な。
髪の柔らかさも、甘く柔らかな香りも。
着痩せするのか一見して小さな胸も脱がして見ると結構なボリュームもある。
優しく揉みしだいてやると、普段の声調とは全く違う所謂「女」の声だった。
それによりまた桂木に対しての妙な愛情が増す。
…嫌いだ、嫌いだ。只、偶然。傍に居たのがこいつだっただけなのだ。
なのにどうしてこんなにも丁寧に愛撫をしてやっているのだろう。
自分が不思議で溜まらなかった。
胸を這わせていた掌が桂木の腹を伝って、彼女の秘所に触れた。
委ね、力の抜けていた彼女の身体がその驚きにか、身を上げた。
二つの瞳は此方を不安げに見詰める。
「あのあのっは、初めてで」
「初めて?」
夢であいつが何かほざいていた事はやはり嘘だったか、と胸を撫で下ろす。
何故、安心したのかは分からない。分かりたくない。
舌打ちをして、細い体を抱き寄せてやった。
「痛みは仕方ない。我慢しろ。」
「う…うん。初めてって好きな人にやって貰いたいって夢だったんです。
 だから、嬉しいなあ…なんて。」

彼女の口から毀れた「好きな人」と言う言葉にピタリと自分の体の動きが
止まった。
体中が熱くなるのが分かる。別に照れる様な事ではないだろう。
私は好きではないのだから。
「…笛吹さんは?」
318名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 14:02:31 ID:yXPYmjyn
懇願する様に、頼りない震える声だった。
そんなの、嫌いに決まっているだろう…。
「好きだ。…もうこの話は終わりだ、分かったな桂木。」

もうどうでも良い。恥ずかしさに顔が見られない様にと必死だった。
「えへへ…嬉しいなあ」
「終わりだと言ってるだろう」
「は、はい!」


桂木の秘所の辺りを行き場なく彷徨っていた手が、ようやく決心を固め
濡れた其処に指を触れさせる。
割れ目をゆっくり上からなぞり、この行為をする上で一番重要な場所を探す。
小さな彼女の中に指を1つ入れて見たがそれだけでも結構なキツさだった。
時間をかけ解して何とか広げ、いよいよ、と言う時だった。
「笛吹さん…。」
「怖いか。私の背中にでも抱き付いていろ。」
「…はい。」

まだ触れているだけと言うのに必死でしがみ付く彼女が
可愛らしくて仕方なかった。
言葉で確認をし、桂木の中に入った。
痛みに目に雫を湛えながら細い腕は頼るべき只一つの背に抱きつき解けない。
たてられた爪に痛みを感じながら、しかし目の前で痛みに耐える桂木を見て
たったこれ位なのだ、と自分に言い聞かせた。
「全部入ったぞ。」
一応、報告をしてから腰を律動的に動かしてみた。
「…っう…ふあ…ん」
痛みからなのか快感からなのか分からないが、桂木の口からはより一層
性欲を掻き立てられる声が漏れ出した。
流石に初めてとあって、血が滲んでいるのが見えた。
しかし彼女の中から溢れる液体によりそれも薄い桃色に見えた。
背中につき立てられた痛み等忘れ、目の前の少女の乱れる様と
打ち付けられる快感のみを貪った。
「あ、ん、うす…いさ」
「…ッ、桂木…出すぞ」
「は、っはい…ぁあ…。」



目の前でぐったりと倒れこむ桂木に、自分にかけられていた
毛布をかけてやった。
「すまない。大丈夫か?」
訊ねると、まだ紅潮した顔で此方に口付けてきた。
思わず顔を真っ赤にして、何も言わずに事務所を後にした。
嗚呼、自分。何をしでかしたんだ。柔らかい彼女の体と、背に残る痛みを
感じながら。
319 ◆ChdC8VZqyE :2007/02/10(土) 14:28:24 ID:M9QksqgD
チラ裏:忙しかったり規制中に限って神が多いジンクス
月曜には更新します的まとめてGOD JOB!
320名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 14:33:37 ID:yXPYmjyn
>>319
おつかれさまです
321名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 14:47:09 ID:IY78Vup5
笛ヤコキタァー!!GJ!!
どんだけラヴいんだwあやされヤコタンハァハァ
それにしてもヤコタンは処女率高いなwww
322名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 14:52:10 ID:Yj4OrFHr
なんなんだこのスレの神ラッシュは…
乙です!!!
323名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 15:20:26 ID:xxroftge
もうね、この呪文を考えた6スレ目の433に感謝ですよ、エーロ・ゴシカァン!
324315:2007/02/10(土) 17:38:27 ID:yXPYmjyn
すんません。紙袋の中身はなんか勝手に想像してください
325名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 23:08:52 ID:9rQPKAAX
>>324
徹夜明けなのに何店舗か回った上店頭でしばらく悩み抜いて選んだお土産ハァハァ
326名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 00:52:30 ID:qTjJZEoe
>>260の続きを更に書いてみた。
ネウロの指テクは結構凄そうだな。
327続き 1:2007/02/11(日) 00:54:27 ID:qTjJZEoe
扉の内側には湿った熱が篭もっていた。
生臭ささえ感じて息苦しいほどなのに、妙に心地がいいのはすっかりこういう状況に慣れて
いるからだろう。
そう、このネウロという魔人とセックスするということに。
最初こそ強引で、嫌で怖くて仕方がなかったというのに、一旦体そのものが快楽を覚えてし
まったからというもの弥子自身の意思さえ勝手に無視して暴走する。一から十までネウロの
思う壺だと分かってはいても。
そして、今夜もそっくりそのまま始まろうとしている。

「ヤコよ、最近は随分と素直だな」
そろそろスプリングの効きが怪しくなっている古いソファーの上で、ネウロは剥き出しにした
弥子の薄い乳房をすりりと撫で回して満悦の表情だ。
「し、仕方ないじゃん…抵抗しても嫌がってもあんたはどうせするんだし…」
「いい心掛けだな、それも貴様の進化だぞ」
「そんな誉められ方しても嬉しくない」
ぷいと横を向く弥子の反応など気にする様子もなく、ネウロの方ではこれから喰おうとして
いる獲物の検分でもするように緩く撫でては舐め、エロティックなまでに手袋の指先を這い
回らせていく。
「やだったら…」
抵抗にもならない抵抗を、ネウロは鼻で笑う。
「ソファーまで垂れ落ちるほどこんなにびっしょり濡らしておいて、よく言うものですね。でも、
そこが可愛いですよ。先生」
「ぁっ…だからぁ、その口調はやめてって…」
「嫌です」
つんと立ち上がった滑らかな乳房を飾る突起を尖った歯で軽く噛みながら、憎たらしい魔人
はオモチャを前にした子供のように無邪気に笑った。
半端に脱がされただけの制服は、もうすっかりくしゃくしゃになっていて、これでは人目のな
い深夜にならなければ事務所を出ることなど出来ない。もちろんそれを見越してわざと無茶
なことをするのがネウロの意地悪なところだ。
一度その指で奥まで抉られただけに、弥子の体の芯はもうずくずくと疼いている。自分では
もうどうすることも出来ない。ネウロの指でなければいけないのだ、どうしても。
328続き 2:2007/02/11(日) 00:55:34 ID:qTjJZEoe
快感に霞む頭を必死に振る弥子はまるで囚われの小鳥のようだった。そんな哀れな獲物
を見下ろして、ネウロは嘘臭い優しい声を出す。
「さ、言って御覧なさい」
「…何を…」
「もっと気持ち良くして下さい、いっぱい奥まで抉って下さい。と」
「…やだ」
「でないと、ずっとこのままですよ。残念ですねえ。先生のいいところが見られないなんて」
今弥子が欲しいものは、びしょびしょになったショーツの上から割れ目をなぞるように蠢いて
いる。それだけでも背筋がきんと痺れてしまう。でも本当はもっと激しくして欲しい。そのシ
ョーツを引き剥いで蕩けている内部を擦り上げて欲しい。
なのに、そんな恥ずかしいことを口にするのだけはまだ抵抗があった。
「さあ、先生。お言葉を」
「嫌だってば…」
「強情な方ですね」
そんな抵抗に気を悪くする様子もなく、ネウロは焦らすようにゆっくりと感度の中心に指を躍
らせた。
「ああぁ…」
もうわずかの刺激でも敏感に感じ入るほどになっている弥子の体は、手もなく術中に落ちて
いった。もじもじとよじる腰が無意識にネウロに擦り寄る。普段なら恥らって閉じている足も
開かれたままだ。
きつめに弥子の耳を噛み舌先でちらちらと舐め回して楽しんでいた魔人の、毒のように黒い
囁きが不意に落ちてきて目を見張った。
「悪くない反応ですね。それに免じて許して差し上げましょう」
意外なことに、いつもならこんな状況の時なら弥子が根負けして卑猥なことを言ってしまうま
で焦らしている筈のネウロが、今日はあっさりと引き下がる。どうやら腰に当たっているモノ
の感じではそろそろ我慢も出来なくなっているのだろう。雫が滴るほどに濡れきったショーツ
がするんと引き抜かれる。
「あぅんっ!」
欲しかったものが突然与えられた。いつも、いやらしく蠢く指が緩急をつけてとろとろになっ
た弥子の内部を擦り動く。じゅるじゅると抜き差しをする度に愛液がまとめてどろりと流れ出
ていくのが分かった。あまりの感度に恥ずかしくなるほどだ。
「ひぁ、あ、あぁんっ…」
「もうこんなことをする必要もないようですね…先生」
「あ、ネウロ…早くしてぇ…もっとおっきいのちょうだい…」
快感が激し過ぎてもう我を忘れかけている弥子は、必死で目の前で薄笑いをする魔人に縋
りついた。その震える唇にキスをして、愛液にまみれた指を引き抜いてからネウロはひどく
嬉しそうに告げる。
「はいはい、すぐに差し上げましょう」
329続き 3:2007/02/11(日) 00:57:07 ID:qTjJZEoe
「やぁん!来るよおっ…」
何度経験を重ねても、最初にそれが入ってくる時は身構える。なるべく力を抜いて侵入物を
迎えるなんて芸当はとても出来そうにない。まあ、それはそれでキツい締めに繋がっている
のでネウロとしても悪くはないのだろう。
一度ずぷりと奥まで突き立ててからゆっくりと腰を回し始めると、今度は弥子が感極まった
ように細い声を上げ始めた。
「ひゃ…そんなに動いちゃ…」
「可愛いですよ、先生」
にたにた笑いながら腰を突き込んでくるスケベな魔人は、繋がっている箇所にも指を差し入
れたり、真っ赤に膨れ上がっているクリトリスを戯れるように摘んだりしている。そんなことを
されたら、感じ過ぎて苦しい。呼吸すらも出来なくなりそうだった。ひゅうっと喉が痙攣したよ
うに鳴る。
「もっとですよ、もっと…感じるんです」
「やああ…も、も…無理ぃっ…」
ソファーに髪を擦りつけ、必死で弥子は喘いでいる。ピストン運動が次第に激しさを増してい
って、もう何も分からない。激しくなる毎に内部を散々陵辱しているモノもどんどん硬く、大き
くなっていっている。限界などないように。
「し、ぬっ…死んじゃうよおっ…」
気持ち良くて、感じ過ぎて、これっぽっちも嫌ではないのに弥子の口から出てくる言葉には
まだ処女のような初々しさがある。
そんな姿を目とナニでたっぷりと堪能していただろうネウロが、早くも一度目の限界を迎え
ようとしていた。やはり、今日はお互いにこれ以上ないほど興奮しているのだろう。
「先生、まずは一度出しますよ…またすぐに差し上げますからね」
「はぁんっ…苦しいのっ…」
目もすっかりうつろになって喘ぎ続けている弥子は、もうネウロの声など何も耳に入っては
いない。ただの愛玩物に成り下がって快感を貪っているだけだ。そんな調教し甲斐のある
奴隷を誰が手放すだろう。
「本当に素敵ですよ、先生…愛しています」
「ふぁっ、あああぁんっ!」
聞こえているのかいないのか、乱れきった声が高く上がった。一足先に弥子の方が達して
しまったのだ。次の瞬間、きゅうぅっときつく締め上がる内部の感覚に満足気な笑みを浮か
べながら、ネウロも人間のものとは比べ物にならないほど濃くて熱い奔流をまだ幼い少女
の子宮内に思うさま放った。
「あぁ…ネウロ…出して…もっと私の中に出してえ…」
達したせいでやや正気に返った弥子が、甘えるようにネウロの首に腕を回す。

誰も立ち入ることのない事務所の中で欲望に火がついた二人にとって、まだこれは単なる
前戯でしかなかった。
夜はまだ長い。


三連休GJ!
330名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 01:03:14 ID:ta2+icbx
>>327
うおおお!!GJ!
ネウヤコはいつ投下されてもあきんw

昨日くらいからペースはやいよな
やっぱり3連休の所為?
331名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 01:06:31 ID:s809/ueI
三連休プラス、召喚呪文の唱えすぎだね。嬉しいこった。

GJ!
332名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 01:12:30 ID:qTjJZEoe
職人としても、普段書き込めない分三連休中は時間の余裕があるから
妄想を爆発させられるんだよ。
連休が終わらないうちに、また何か書けるといいな。
333名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 06:37:41 ID:Gm+yNghm
わーいエーロゴシカァン!
334名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 11:55:06 ID:e8s5ZJ88
調教済ヤコハァハァ
M娘はいい…本当に
335名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 17:40:01 ID:2DLQQVUD
>>327
>>250です
神様ありがとうございます!!!
自分の挫折した駄文からこんな素晴らしいものを書いて下さり感涙(>_<;)
百億万回のGJを!!!
336名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 18:02:32 ID:UNsRzbdI
百億万回のGJ
⊂二(>_<;) 二二⊃
337名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 18:52:27 ID:flLwXkcn
皆さん、GJです。ヤコたんハァハァ
明日になると思うんだけど、エロなしギャク投下しておk?
338名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 18:55:37 ID:+kkSX0lR
今週の椅子(家具)にされたヤコのプレイが読みたいです神よ
339名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 19:01:34 ID:AR+SHRqP
>>337
私は一向に構わんッ!

が、長かったり気になるんならURLにしてみればどうかと
340名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 19:39:54 ID:xyCs5ZI9
>>337
お待ちしてます。
341 ◆ChdC8VZqyE :2007/02/11(日) 20:42:16 ID:Tanc20m6
>>337
もし良かったら下記に投下して欲しいんです><;
うっかりトラベル枠で取ったからエロはダメな事に今気付いた管理人より
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/travel/6434/1168945882/l50
…エロなし逆?
342337:2007/02/12(月) 11:23:05 ID:f5GwxsRk
エロなしギャグのつもりだったけどちょっとエロありになったんで
こっちに投下します。逆じゃないね、これ投下したら吊ってくるよ
にしても何でトラベル枠w
343337:2007/02/12(月) 11:24:19 ID:f5GwxsRk
カプ傾向はヒヤコっぽい

室内は煙草の臭いでむせ返っていた
只でさえ染み付いた臭いを煽るかのように、笹塚が
気にもしないと言う様子でぷかぷかと煙草をふかすのが原因だろう。
だがしかし、そこに居る4人はそんな事気にしていない。
1人目、紅一点桂木弥子。カラオケの食べ物に釣られやってきたのだが
彼女の歌唱力は未知数である。
2人目、筐口結也。彼の真の目的は桂木弥子のパンチラを撮る為らしい。
だが目的忘れて桂木と2人ではしゃぎまくっている19歳。
3人目、笹塚衛士。気乗りしなさそうに見えて、某12人の妹達の歌を
桂木に歌って貰おうと思っている。
4人目、笛吹直広。保護者と見せかけて真意はよく見えない。
この4人の壮絶なる戦いが今、はじまろうとしていた。

「よしっ、じゃあ、桂木、何歌う!?」
テンションの高い筐口は早速マイクを取り桂木の目の前につきつけた。
「あたしですか? あたしは」
彼女が手に取ったのは電話とメニューであった。
その素早さを何処か他に回す事は出来ないのだろうかと、考えながら
マイクを別な人に向ける。
「さ、笹塚さんと笛吹さんは歌わねーの?」
笹塚は煙草を吸いながらぼんやりと天井を見詰め、笛吹の方は熱心に
曲番号を探していた。完璧に無視をされ、不機嫌そうに顔をしかめると、
筐口はリモコンに番号を入力した。
テレビの画面に、「19才 シガシカオ」と言う文字が浮かぶ。
「筐口、お前…。」
思わず笹塚が声をあげると、え、何?と言う風な顔を筐口は向ける。
もう何も突っ込むまい、と笹塚は項垂れ、机の上に無造作に置かれていた
曲番号の本を開いた。
丁度、半分ほど歌い終わった頃か、ようやく注文を終え定位置に
桂木が戻ってくる。
何を歌おうかな、と鼻歌まじりにページを捲り番号を入力する。
画面の上部分に文字が流れた。「おべんとう箱の歌」。
実に桂木らしいと言えば桂木らしいが、高校生の女の子が真面目に歌う様な
歌ではない。彼女はどう見てもズれている。
「これで91点出した事があるんですよ」
実に微笑ましい。だが何度も言うように女子高生が歌う歌じゃない。
筐口の熱唱が終わり、「つー訳で、終わったら俺の家に来てくれ、桂木!」と
頼んだが桂木はものの見事に
「筐口さんの家って食べ物なさそうなんでイヤです。
 あってもカロリーメイトとかだろうし。」
と言って拒否をした。見事に撃沈。悪気はないんだ、頑張れ筐口
344337:2007/02/12(月) 11:25:32 ID:f5GwxsRk
ごぼうさん♪と歌っている最中、店の店員が中に入り頼まれた物を運んでくる。
桂木の頼んだメニューの中にビールが2つ混ざっていた。
「笛吹さんも笹塚さんも、飲みますよね?」
呼ばれた二人は黙ってジョッキを手に取った。
3曲目は誰もいれていなかった。
桂木は歌い終わるや否や、頼んだものを口に放り入れ始め、筐口は沈んでいる。
他2人はビールを飲んでいた。
カラオケ店に似つかわしくない妙な沈黙を打ち断ったのは意外にも笛吹だった。
入力された歌はALI PROJECT 「聖少女領域」。あんまりだ、あんまりすぎる。
今のこの場に、本性を露にした笛吹に突っ込みを入れる人物は居なかった
涙目の筐口が、RADWIMPS「コンドーム」を次に入れた。
「筐口、違うだろう。お前はもっと…凄い筈だ。」
無言だった笹塚が遂に言葉を発した。
筐口は笹塚を見てピタリと止まる。
「何でもお見通しって訳…か。」
そう言うと口元をニヤつかせてリモコンに番号を入力する。
上部分に流れた文字は
「ドーテー オナニーマシーン」
実際に筐口がそうであるかは定かでは無いけれど、
彼の好む曲は何だか偏っているのは確かだ。
「で、弥子ちゃんは歌わないの?」
今までの弾けた流れを完全に無視して食べる事に没頭していた桂木は口周りに
食べ物を付着させた状態で顔をあげる。
「前貸したCDの曲歌って欲しいんだけど。」
口を開ける訳にはいかないので、大きく首を縦に振った。
筐口が笹塚を驚きに凝視する。彼はその曲がどのようなものなのかを
知っているのだろう。
画面に流れたのは「Love Destiny 堀江由衣」
「本当はシスタープリンプリンを歌って貰いたかった。」
「笹塚さん、それは流石にやばい。つか無いよ」
冗談で本のページを捲っていると実際にあったが、歌っては
貰いたくなかったので笹塚にはそれを伝えなかった。懸命だ。
笛吹の熱唱も終わり、筐口の「コンドーム」が始まろうとした時である。
笛吹と笹塚、両名の携帯が震えた。液晶を見て、同時に舌打ちをする。
「仕事だ…近くで事故が起きたらしい」
「うわー、可哀相に。なー、桂木」
「お前のその顔が憎たらしいよ」
蒸し暑い個室に2人残される。
「個室に男女2人って言ったらする事と言ったら1つだよな、桂木!」
「食事っ!」
「違うよ…」
「あー、歌、はじまってますよー?」
何処までも鈍感で、そう言う情報に疎い彼女が可愛らしさを超えてなんだかもう
かわいそうだ。こんなんで異性と付き合う等の事が出来るのであろうか。
345337:2007/02/12(月) 11:26:31 ID:f5GwxsRk
割り箸を持った右手を掴むと、桂木が不思議そうに此方を見た
「うん、じゃあ。教えるよ。」
口付けながらソファーに押し倒すが、状況が掴めないのか首元を舐められる
くすぐったさに桂木は笑う。無邪気過ぎるその顔をもう打ち壊したくなった。
制服のニットを上に捲り上げシャツのボタンを外す途中で、ようやく
危機に気付いたのか顔を真っ赤にして「筐口さ…」と、か細い声をあげた。
「何? 桂木。」
何が言いたいのか分かっているのに敢えて訊ねる筐口はいつもの
ふざけた様子とは全く違い、めい一杯顔にサドっ気を散りばめている。
「いや、あの、何をしてるんですか?」
「エッチしようと思って。」
「いやーっ!」
防音設備のしてあるカラオケ内である。余程の大声で無いと人々は
異変に気付かない。しかもBGMまでかかっているのだ。
彼女の下着も捲り上げて、ようやく白い胸が露になる。
人差し指で軽く突付くと柔らかな弾力が戻ってくる。
この手つきからして筐口はドーテーじゃ無いだろう。
「筐口さん、いやだってば…。」
「…桂木は、俺の事嫌い?」
真剣な目で顔を見据えられ、桂木は暴れるのをやめた。顔は引きつっている。
どちらの答えが返ってこようと、この行為を止めるつもりは無いのだろうが
「そんな顔する桂木も可愛いなー」
小さな胸の谷間に顔を押し付け、甘い香りを堪能する。
胸の先の蕾を弄んでやると彼女の堪える声が漏れた。
必死に抵抗を試みていた両手は恥ずかしさに顔を覆っている。
「筐口さ…私…」
小さな声が漏れたと同時に、扉が開いた。
筐口が上半身をあげ、扉の方を向く。
「…未成年への、強制わいせつ罪だな、筐口?」
眼鏡の奥の眼光をキラリと光らせた笛吹が立っていた。
彼の座っていた場所には忘れ物と見られる鞄が置かれていた。
346名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 13:38:03 ID:05nVTXQA
聖少女領域吹いたw
アリプロ繋がりで人生美味礼賛を(ry
347 ◆P5.coht0Po :2007/02/12(月) 16:51:50 ID:jlD1Bacl
今週号で由香×池谷の新たなカプ誕生。
これ、需要ある?
348名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 17:07:12 ID:HzcWWWsH
需要ある!外道中年と芸術家の娘に少なくとも俺は萌えた!
349名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 17:10:25 ID:3bJNZvJr
変態エロが読みたい。大歓迎。
350名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 17:24:00 ID:vaKZu3xG
>347
ぜひにも!
351 ◆ChdC8VZqyE :2007/02/12(月) 17:55:42 ID:vteG9W/v
>>337で登場する曲は、きっと全部実在する曲なのでしょうね
非常に興味があります
>>345
めい一杯=目一杯、でしょうか

>>347
ネウロ登場キャラなら需要の無いものはございませんです。。。
352名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 18:06:32 ID:Yf7t5uo8
>>351
>>344の歌の元ネタは
19才はスガシカオでHOLiCのOP
おべんとう箱の歌 は定番のスジの通ったれんこんさん
聖少女領域はローゼン二期OP
Love Destiny 堀江由衣はシスプリでプリンプリンはネタフラ
だと思う
コンドームとドーテー オナニーマシーンはググれば出てきた気がするが良く知らない

ヒグチならヒグチならきっと幻想廃人を聴いてくれる、MOSAIC辺りだったら普通すぎる気がする
353名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 18:10:13 ID:vteG9W/v
>>352 把握した 感謝する!
354 ◆P5.coht0Po :2007/02/12(月) 18:13:52 ID:jlD1Bacl
1/3

けたたましくまた玄関から鳴り響く呼び鈴の音。行かなくても分かる、またアイツだ。
中古家具屋なんてものをやってから相当暇なのだろうか、毎日のようにアイツは来る。
そしてドアを開けた瞬間の開口一番はいつも同じ。
「なぁ、オレの家具になってくれよ」
「アンタいい加減にしてよね、キモ」
よくもまあ性懲りもなく顔を見せられる。キモいったらありゃしない。
「由香ちゃん、頼むよ」
「そんなことしてる暇があるんだったら商売しろよ」
コイツは外道だ。果てしなく外道。女と家具を同じ目で見ている。
冗談じゃない。
「あたしはアンタの家具じゃないしなる気もねーよ。帰れ」
それでも引き下がろうとしない。本当にしつこい奴だ。
「少しでもいいんだ。なぁ頼むよ。そうしたら帰るからさ」
「他のところに頼みな」
大体なんでいつもあたしのところにくるんだ。
他にも行くところなんていくらでもあるだろうに。
「大体オレの家具になれるんだ。少しは光栄に思えよ」
「思えるかー!このエセ犯罪者」
いっそのこと、あの時濡れ衣被ったまま捕まればよかったんだ。
「由香ちゃんほどオレの女になれる素質があるやつなんてそうはいないんだぜ?」
女と家具を一緒にするな。そんな素質あってたまるか。ウザ。
「一瞬だけ、な。お願いだよ。家具になってくれよ。なんなら金払ってもいい」
「あいにくうちは金に困ってない。結構だ」
「ちょっとだけだ、ちょっとだけ座らせろや。なっ?」
手を合わせてねだっても無駄だ。誰がなるか。
この間少しでも心配したあたしはバカだったかもしれない。
「オレがこうやって頼み込むのは由香ちゃんだけなんだぜ?」
「.....」
355 ◆P5.coht0Po :2007/02/12(月) 18:15:21 ID:jlD1Bacl
2/3

あたしは本当にバカだ。
「少しだけだからね。そしたらさっさと帰ってよね」
気づけば あたしはソイツを家に上げていて、
そして、ソイツの目の前であたしは自分の意志で四つん這いになっていた。
「悪いね」
「オモ」
昔は大金を積んで自分のオフィスに連れ込んだ女をこんな風に道具として扱ったらしい。
よくもまあ大金積まれたくらいでこんな奴の家具になる気になったものだ。
だけど、あたしは何でこんなことをしているんだろ。
別に金を積まれたわけでもないのに。
「うーん、いい座り心地だ」
「褒め言葉じゃねぇよ」
「家具ってのはな、いつも使う人の側にあってこそ家具なんだ」
「それって、どういう意味?」
「由香ちゃんはオレの家具に相応しいってことだ」
「キモ」
家具をこよなく愛することができる変質者のコイツの言葉。
それをどういう意味で受け取るべきだろうか。少なくとも分からない方がいいと思った。
「なぁ、もっとオレ好みの家具にならねーか?」
そこで不意を突かれた。
「なっ!?」
身体を舐めるようにまさぐるいやらしい手つき。
それがあたしの下腹部を刺激する。
徐々に探るように手は下へ下へと伸びてくる。
こんな四つん這いの体勢じゃ抵抗できやしない。
払いのけようにも背中に体重を掛けられているせいで力も入れられない。
そしてついにソイツの手がそこに到達した。
「ひぅ、ぁ.....」
腕が崩れ、前のめりの俯せ状態になる。
それでもコイツはあたしの上から降りようとしない。
「いい声だ」
「こ、んの外道が.....ぁっ」
いつの間に脱がされたんだろうか、あたしの下半身はすっかり露出していた。
執拗にもコイツの手はまだあたしのそこを刺激し続ける。
割れ目の内側の縁をそっとなで、出したくもない喘ぎ声が出てしまう。
356 ◆P5.coht0Po :2007/02/12(月) 18:16:27 ID:jlD1Bacl
3/3

「やっぱり、由香ちゃんは家具に相応しいな」
「な、なんでだよ....うぁっ」
指先で奥までつつかれ、クチュリと聞きたくもないいやらしい水音を立てる。
そしてその指があたしの顔の前に突きつけられた。
「オレに座られて、こんなに濡らしてくれたんだろ?」
ねっとりとしたものが指と指の間に糸を引いている。
なんだこれは。あたしがコイツに座られて感じてるっていうのか?
「息が荒くなってきてるね」
「それは違う!お、お前が乗っかってきている、からだろ!」
「それは?つまり、これは違うってことかい?」
耐えられないのはコイツの体重だけじゃない、コイツの与えてくる気味の悪い感触だ。
何一つ抵抗できない状態で一方的にただひたすら攻め続けてくる。
「ぁ、ぁぁ、ん.....くっ」
何かが上りつめてくる。そんな感覚だけに思考の全てを持っていかれた。
この息苦しさはコイツの体重のせいなのか、それとも秘所を攻め立てる指のせいなのか。
「はぁぁっ.....ん!」
耐えきれず抑えていたものは限界を振り切り、次の瞬間頭が真っ白になった。
そして力尽きた全身は崩れてそのまま「椅子」から「座布団」になった。
「オレ好みになるようにもっと調教してやるよ」
そんな言葉はあたしの耳に届くことなく、ただコイツの家具となっていた。
357 ◆P5.coht0Po :2007/02/12(月) 18:19:20 ID:jlD1Bacl
需要があったのでサクッと書いてみた。
タイトルは「外道の椅子」で。
358名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 19:09:43 ID:oB1CyF+O
あwせdrftgyふじこ!

このスレでは初外道×由香だな
乙!
359名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 21:35:38 ID:3bJNZvJr
亜qwせdrftgyふじこlp;@;

いいねいいね!GJ!!!!!
360恋の媚薬 1:2007/02/12(月) 23:01:36 ID:VK0uOpC3
バレンタインデーネタ、ついでに新しいソファーも話に入れたかったのでこんなん
なったよ。ソファーの色は勝手に想像してみた。


事務所に新しい家具が入ってしばらく経った。
トロイを始めとして自腹では決して買えないような高級家具が配置されているだけで、見慣
れた筈の事務所とは思えないほど落ち着いた高級感を漂わせている。そんな雰囲気には
まだ慣れないものの、まあ悪くないものだと弥子は毎日訪れる度に満足気にいつも室内を
見回すのが癖のようになっていた。
そうして季節も変わり、二月がやって来る。

二月。
最大のイベントはもちろんバレンタインデー。
世の中の恋する少女たちにとっては、まさに一年の勝負を賭ける日が来ようとしていた。あ
ちこちのデパ地下ではバレンタインデー商戦真っ只中で、少女たちの目を引くような華やか
なラッピングと吟味を重ねた最高の素材が買い手として興味をそそらずにはいられない。
ちょっと前なら弥子も目の色を変えて本命、義理を合わせてたくさん買っていたけれど今は
最低限の数の義理チョコだけに留めている。
本命はもう決まっていたからだ。
そして、その本命はチョコを口にすることもない。
自分用に大量買いするならこの時期を外した方が断然安いし、必然的にあっさりした扱い
になってしまうのは仕方のないことだった。

「はー…あったまる…」
真新しいオフホワイトのソファーでホットミルクを飲みながら、弥子は早速くつろぎモードに
入っていた。
最近は風が冷たくて寒いせいもあって、来るとすぐに奥のキッチンでミルクを温めては一息
つくのが習慣になっていたのだ。ただ、それだけではさすがに甘味が足りない気がするの
で一週間前に取り寄せたとあるメーカーのチョコレートペーストを一匙溶かし込んで。
「静かだなあ…」
温かいミルクを飲みながら、ぽつりと呟く。
最近、これといった依頼はない。大きな事件も起こっていない。平和そのものだ。こんな穏
やかさがずっと続いていけばいいのにと思いながらも手にした白いマグカップの中身は少
なくなっていく。
出来れば、このまま帰れたら最高なんだけどな。
そう思った時に限って災難がやって来るのはどうしたものか。
361恋の媚薬 2:2007/02/12(月) 23:02:26 ID:VK0uOpC3
「ヤコ」
背後から突然降ってくる声はもちろんネウロだった。
「気楽なものだな」
「…これぐらい、いいじゃない。私だって大変なんだから」
学生をやっているのも楽じゃない。そう言おうとする代わりに残りのホットミルクをごくんと飲
み込んで、マグカップをテーブルに置いた。
「いつもあんたに引っ張り回されて、呑気じゃいられないんだからね」
「そうか…時にヤコ」
不意に、するっと頬を撫でられて産毛立つ。
「な、によ」
「バレンタインデー、というものがもうすぐあるのだろう?」
「あるけど…あんたは関係ないじゃん。食べられないものあげたって仕方ないし」
「その気もないのか」
どのみち口にしないのは分かりきっている。そんなものに執着するのは間違っているという
のに、新しい悪戯でも思いついたように目を輝かせてネウロは隣に座った。テーブルの上
にあるペーストの瓶を手にとって。
「…食べられるってんなら、あげてもいいけどさ…」
「ふむ」
何を考えているのか、ネウロは蓋を開けて中のペーストを指先で掬った。そして何も言わな
いままいきなり弥子の頬に塗りたくってきた。
「ひゃっ…何すんの」
「黙っていろ」
底意地の悪い笑いを浮かべながら、がばっと抱きついてきたネウロはそのままソファーに
弥子を押し倒した。猫のように頬についたチョコをぺろぺろと舐める様子はデカい子供のよ
うだ。
「ちょっ…ふざけないで…」
必死に抵抗するものの、そんなことでネウロが引く筈もない。すりすりと愛しそうに頬を寄せ
ながらも嫌味ったらしく囁く。
「ほう、嫌か。貴様が一番関わりのあるのは誰だ、我が輩だろう?それでいながら日頃の
感謝の印もないとは嘆かわしいものだ」
「そ、れは悪いと思ってる…でもそれはチョコ以外で何とかするつもりで…っ」
「そうか、ならば今貰おうか」
「…は?」
「我が輩が今欲しいものを貰うぞ」
にっこりと無邪気な笑みを浮かべる邪悪な魔人の顔が目前にあった。またしても、弥子は
墓穴を自ら掘ってしまったようだった。
362恋の媚薬 3:2007/02/12(月) 23:05:05 ID:VK0uOpC3
「…ぁ、うぅ…」
冷たいペーストを首筋や剥き出しにされた乳房に塗られては舐め取られ。
普段とは違った前戯に弥子は妙に興奮していた。体中くまなくそうして舐められていくのは
恥ずかしくて仕方がないのに、もっとして欲しいと思ってしまうのだから皮肉なものだ。
「ヤコ、なかなかいいようだな」
「…ぅっ…こんな、変なことするからっ…」
身につけているのはソックスだけという姿で、弥子はもう限界かと思うほど激しく身悶え喘
いでいた。まだわずかに頭の片隅でチョコがせっかくのソファーを汚さなければいいとも考
えていたが、それすらもふわふわと思考から剥離していく。
そんな時に、突然の感覚が襲ってきた。
「あぁ…そこ、ダメぇえっ…」
まさかそこまでは、と思っていた一番敏感な部分にも迷うことなく甘いペーストが塗りたくら
れる。既に感じ入っているせいもあって愛液を零し始めている柔らかな花弁を指先で押し開
いて、体温で溶けかけたチョコごと舐め取るネウロは本当に楽しそうだ。
そんな悪戯をされて、更に感じてしまうのはまだ怖かった。弱々しい力で頭を押し退けよう
としても無駄だとは分かっていたが。
「ネウロ、もうやめ、やめてえっ…」
返事の代わりか、真紅の果実のように膨れ上がったクリトリスが舌先と指で執拗に弄られ
始める。もうひどく感じ過ぎて苦しい。ピンポイントの性感が何もかも狂わせてしまう。苦し
いのに気持ちが良くておかしくなりそうだ。もう、これ以上じれったく慣らされたら死んでしま
いそうだった。
「やぁん…お願い、も、もうっ…」
乱れきった声を上げる弥子の姿に満足したのか、ようやくネウロは顔を上げた。チョコと愛
液の混ざったものが口元をべっとりと濡らしているのがエロティックで、ぼんやりとしたまま
弥子は腕を差し伸べた。
「ネウロ…もう、来て…はやく」
「我慢が出来ないのはお互い様ということだな、ヤコ」
「あ、ん…」
待ち受ける弥子の中心を、とうに張り詰めきっていたものが刺し貫いていく。それまで必死
で耐えていたものが風船のようにぱちんと弾けて、もう何も分からない。激しく突き上げられ
ながらも幸せそうに弥子は夢うつつで呟き続けていた。
「あぁ…ネウロ…もっといっぱいして…あんたの好きなようにしてぇ…」
「ヤコ、可愛いぞ。もっとその顔を見せるがいい…我が輩の奴隷よ」
363恋の媚薬 3:2007/02/12(月) 23:06:21 ID:VK0uOpC3
「あっ、ひゃ…もっと、もっと可愛がってよおっ…」
恋する相手を決して逃さぬように、腕を回して抱きつきながらも至福の表情を浮かべて弥子
は喘ぐ。もっと奥まで、もっと深く突き立てられたい。
何もかも支配されたい。
ただ、頭の中にあるのはそれだけだった。
突然に始まった遊戯はまだ当分終わる気配もない。

目が覚めると、もう日暮れが近かった。
床に無造作に投げ出されたペーストの瓶には、もう中身など残っていなかった。今日新しい
瓶を開けたばかりだというのにネウロが面白がって全部使ってしまったようだ。けれど、舐め
取られているから決して無駄にはなっていないのが幸いだ。
気になっていたソファーも、良く調べてみたがチョコの汚れは見当たらない。それでようやく
ほっとして散らかっていた制服を着始める。
「…何か喉が渇いたなー…」
乱れた髪を手で撫でつけながら、ぼんやり呟く。キッチンには、まだミルクが残っている。気
持ちを落ち着ける為にも少し温めて飲みたかった。
勝手なもので、ヤることをヤってしまったらネウロはあっさりとしたものだ。もういつものように
パソコンの向こうの定位置に座っている。
チョコは媚薬。
急に昔小耳に挟んだことを思い出した。
結果としてネウロにはチョコをあげたことになったし、悪くはない結果だけどチョコのそういう
妖しい成分は果たして魔人にも効くものなのかどうか。曖昧なままになっていることは、また
そのうちに試してみたかった。
ネウロも別に嫌とは言わないだろう。
恋は、どうやら叶ったようだ。


364名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 23:07:33 ID:VK0uOpC3
ごめん。
最後だけ番号重複した。
365名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 23:28:18 ID:oB1CyF+O
バレンタインネタGJ
三連休の終わりまで乙


…このスレに一日4回くらい訪れているぞ俺
366名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 23:35:11 ID:3bJNZvJr
フハハハハ上には上がいるものよ>365


バレンタインネタ神GJ!弥子かわいいよ弥子
367名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 23:38:32 ID:l7Fagw/b
…俺V.D.終るまで休み無い…やっと来たけど豊作ですね。
>>354-356
由香待ってましたーー!GJ!こういうエロも似つかわしい。
>>360-363
ああ…甘いな。GJ!
368 ◆P5.coht0Po :2007/02/12(月) 23:45:54 ID:jlD1Bacl
>>360-364
GJ!!
369名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 00:41:12 ID:UcRXgbyV
>>365
あれ俺がいるな
370 ◆uv3v.wLRcI :2007/02/13(火) 09:11:20 ID:1P8AepCL
>>326
>>260です。
続き書いてくれてありがとう!!
どうにも続きをどうしようか悩んでいたので…
GJです。
371337:2007/02/13(火) 17:13:10 ID:kNy1cmaX
この神ラッシュは何w
なんかもう美味しすぎる
>>351
ああ、目一杯だ。いくら変換しても出ないとry
>>352
解説どうもです。因みに言うとドーテーはオナニーマシーンが
歌ってる。ああ、幻想廃人があった…忘れてた。
372名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 17:48:03 ID:1P8AepCL
誰かサイヤコお願い。
エーロ・ゴシカァン!!
373名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 17:55:27 ID:8VL7A5p8
バレンタイラッシュすげぇええええ!!!GJ!

>>371
あっすまんwというか幻想廃人知ってるのかwww
メアリアンプレイを書いて欲しいとか(ry
374名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 18:00:14 ID:iRnp/Ww5
これからVDにひなまつりにネウヤコBDかよ
祭りだらけってレベルじゃねーぞ!
375名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 18:23:22 ID:MX2TXaCx
激しい祭りに期待

職人さん頑張ってくれ!
376名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 20:01:19 ID:r7GlZ3Vz
サイとアイでエロぬきバレンタイン話書いたんだけど
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/travel/6434/1168945882/l50
に投下していいもんかな?
新設の掲示板に初投下というのはなんか不安でな、一応確認
377 ◆ChdC8VZqyE :2007/02/13(火) 21:40:34 ID:58I9qwbc
>>371
修正しました
>>376
激しくお待ちしております
378名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 22:13:45 ID:r7GlZ3Vz
>>377
ありがとうございます
さっそく投下してきました

エロエロもいいけどエロに至る前のかけひきも好きな俺には
この避難所はすごくうれしいよエーロ・ゴシカァン
379 ◆ChdC8VZqyE :2007/02/13(火) 22:25:02 ID:Sn9KV9iM
把握しました
後日「ネウロ小説」にて更新したいのですがよろしいでしょうか?

いざヤる段階になっての濃いプレイは、ここでお待ちしております。全裸に蝶ネクタイで。
380名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 22:43:57 ID:gHzI4PcU
下半身パンツ一丁で待ってる。
381名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 23:33:46 ID:ixqS6jfC
>376 GJ 素直じゃないサイ可愛いよ

私も半幅帯締めて待ってます
382名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 02:10:37 ID:ug+8+8F0
>>379
構いませんー

……そのうち緊縛プレイとか書きた(ry
383名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 04:19:29 ID:yx82fU8K
>>379
全裸に超ネクタイとはなんというチョイス
そしてエーロ・ゴシカァン!
384名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 09:56:29 ID:9yeJpZqY
束縛プレイ…(´Д`)

オイラは調教チックなの書きたいよ
385名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 11:44:02 ID:SAl9acOz
>>384
是非書いてくれ。全裸にニーソで待っている。
386名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 12:07:59 ID:KJyMZq55
束縛も緊縛もまとめて期待保守

>>385
お忘れですよ
つ ペチコート
387名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 17:40:17 ID:TYYpSruS
バレンタイン小ネタ三様。



■外道とツンデレ。

池「いーすっいーすっ」( ゚∀゚)彡
由「キモッ。そのアクション止めなよ、壮絶にウザ」
池「と言うわけで由香ちゃん、オレにチョコは不要だから椅子になってくれるとおじさんイチコロなんだけど」
由「つか、勝手に家に入ってくんな。出てって、キモい」
池「相変わらずツレないねぇ……良いよ、お茶一杯分ぐらいは意地で居座るし。
  あーこの辺りの家具、使ってなくて埃被ってるるぇ……磨いてあげないとヘソ曲げて浮気するかもよ」
由「ワケわかんないし。って、あ、勝手に台所行くなッ」
池「へ? うわぉ、甘くて良いニオイ」
由「…………出て行けこの外道オヤジ!」
池「じゃ、由香ちゃん自分でお茶入れてオレをもてなしてくれるわけだ。
  お茶菓子はそのブラウニーが良いなあ、丁度焼きたてで美味しそうだし」
由「いらないって言った奴にやるものなんかあるかっつの!」
池「はは、スネちゃって可愛い可愛い。オレはね、君みたいな女って大好きだよ」
由「なッ……!!」
池「家具で喩えるとPCラック! 変な隙間とかに色んなもの飲み込んじゃう天然で悪戯好きな、
  だけどご主人様の利便性を考えると何も言い出せない!
  無くしたアンタが悪いとばかりにツンツンしている、最高のツンデレって感じかな!」
由「やっぱ帰れ! このブラウニーは探偵と食べる!!」
池「お、家具二品夢の競演? 俄然お邪魔したくなった」
由「セ○ム、早く来いセコ○……!」
388名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 17:41:18 ID:TYYpSruS
■怪盗と素直クール。

X「アイ、たっだいまあー! そしてハッピーバレンタイン!」
アイ「そのまま部屋に入って来ないで下さい、玄関で待機。今ゴミ袋とタオルを持って行きます」
X「……抱きつこうと思った矢先にお預けされた(´・ω・`) 良いじゃん血痕の1リットルや2リットル、
 今更どってことないでしょ」
アイ「フローリングに染みが付くと敷金が帰って来ないので」
X「(俺<敷金……!? やばい、今すっごく傷付いてるかも!
  もう硝子の少年って感じでビー玉のごとく罅割れたかも! 覗き込めばアイがさかさまに映るよ!)」
アイ「早く服を脱いでください、せっかくお湯で濡らしたタオルが冷めてしまいますよ」
X「はあいー、んっしょ。んー、ほこほこタオル気持ち良いv あれ、アイ」
アイ「どうかなさいましたか?」
X「チョコのニオイしないよ? 今年は何作ったの、って、去年は何作って貰ったか覚えてないけどさ
  ……俺もうお腹ペコペコだよー」
アイ「何も作っていませんよ」
X「え゛」
アイ「ただし、心を込めて選ばせて頂きました。取り寄せるのは少し手間でしたが、
   サイのためですから……ご覧になりますか?」
X「わーい、見る見る! あーびっくりしたー、何かなー? 一流シェフのトリュフとか?
  あ、チョコレートケーキとか好きだなー、クッキーでも何でも……って……」

 不 二 家 全 菓 子 類 (生 菓 子 含)

アイ「パラソルチョコお好きでしたよね、如何ですか?」
X「好きだけど……手に入れるの難しそうだけど……アイ、痛い。
  アイの込められた心が罅割れたビー玉を更に粉砕して痛い」
アイ「心は込めましたが、愛情を込めたとは申し上げていませんから」
X「うわあああーん、パラソルチョコうままままー!!」
アイ「(ヤケ食いが粗方終わった後で、冷蔵庫のチョコレートプリンを差し上げましょうか……)」
X「ペ○ちゃん焼きは美味しいなあぁぁあああ!!」
389名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 17:42:17 ID:TYYpSruS
■探偵と助手

弥「ッんふ……ぁ、やぁ、季節限定チ○ルチョコがぁ……んきゃ、あ!
  や、だめ、そのショコ○ライフ……! 楽しみに、してたのにぃ……」
ネ「ふむ、どんどん入っていくな。次はこのチョ○ボール辺りでも」
弥「もうやだぁ、なんでそんな、こと……ひ、っく……」
ネ「これでも融点の低いものを選んでやっているつもりだぞ? 不純物の多いもの、とも言うがな
  ……つらいのならばそろそろ、我が輩のものを入れてやろう」
弥「やッやだ、入れたまんまされたら、ナカで傷付いちゃうよぉ!
  やだあああッ……ひあ!?」
ネ「何、すべてを収めるわけでは勿論無い――垂らしてソファーを汚すなよ? ああ、ヤコよ、
  いやらしい光景だな。貴様の中からどろどろのチョコレートが溢れてきている。そら、拭ってやろう」
弥「ふゃ!? や、そ、そんなので、拭っちゃ……んん、ふぅッ……!!」
ネ「定時に遅れた挙句、我が輩に貢物の一つもないような奴隷には仕置きが必要だろう。
  まったく貴様は懲りないな、そら……」
弥「ふあ、う、ぬちゃぬちゃする……どろどろ、気持ち悪いよ、ぉ……ひ、っく……」
ネ「ふむ、ではサイに送りつけられたこのパラソルチョコで」
弥「やあああ!? っや、痛い、尖ってる! 痛い、クリちゃん痛いよぉ、ツンツン刺しちゃやあああ!!
  ふく、うえ……うえええぇえぇ……!!」
ネ「泣くほど食いたかったのか? ならば、ほれ。我が輩の性器を、きれー……いに舐めるが良い。
  とびっきりに甘いぞ、ヤコよ」
弥「……ん、っちゅ……ちゅ、ぱ、んふ、っんぁあ!!」
ネ「まだだ。まだ溢れてくる。そぉら、指も、脚も、全て舐め取るが良い。零したら仕置きは、
  そうだな、鞄の中の友チョコとやらも全て突っ込んでやる」
弥「ッ、んふ、んふっちゅ、くちゅ、あんむ、っちゅくぅ!」
ネ「卑しい奴め、夢中でがっつきおって……くくく! ヤコ、ホワイトデーは倍返しだ。判っているだろうな?」

弥「…………ッ、……」
ネ「いつまで拗ねているウジムシめ。いい加減に鬱陶しいぞ、加湿器か貴様は」
弥「うっさいバカ。まだひりひり痛いんだから、仕方ないでしょ……あんな、突っ込まれて……ふ、っく」
ネ「仕置きが痛いのは当たり前だ、駄人間め。学習しない貴様が悪い」
弥「ッ今日遅れたの、これ買いに行ってたの!!」
ネ「――――バレンタインカード?」
弥「あんたどうせチョコなんか食べられないから、食べ物以外でって……
  友達とも相談して、一番綺麗なの、選んだのにっ……ふぇえ、ふえ……」
ネ「……よいしょ」
弥「ちょ、やだ、抱っこすんな! ぎゅってすんな、ほだされないんだから! 離してよ、離し……ん……」
ネ「……倍返しは勘弁してやろう」
弥「じゃ、私にはちょーだい」
ネ「魔界式で良いならばな」

終。
390名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 18:05:47 ID:9qqwQ1hc
ふぢやネタを待っていた!
391名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 18:14:50 ID:ug+8+8F0
>>387-389
由香かわいいなw PCラックわらたw
不二家菓子が食えなくてorzになった人間だからサイアイネタ特にツボった
カントリーマ○卯ムとぺロ○ィ早く復活しねえかな……
アイさんは言われてみれば素直クールかもしれない

ネウヤコはDVの域?w
392名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 18:39:56 ID:w7jwQQ/H
>>387
>このブラウニーは探偵と食べる!!
なによりこの部分に萌えた
393名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 20:53:41 ID:/yQapL3+
由香いいよ由香
ツンデレサイコー
394名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 22:23:29 ID:mQiJrtjp
世間様がVDだろうと己れが独ri(ryだろうと神作品で満足だwエェーロゴシカァン!座布団由香ハァハァ
甘さ5%な鬼畜強姦愚炉素下ネウヤコも…
395名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 00:04:50 ID:4Fpet5SR
>>387-389
GJ!!
どのカポーも可愛いよ。
ブラウニー作ってる由香タンに萌え萌え。
只今入手困難な不二家の菓子を食わされるサイにもワロタ
そしてさりげにネウロに送りつけるところも。
しかも使ってるし。
396名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 00:36:26 ID:AocacSLo
昨日、社長から送られてきたねぎらいのチョコが
不二家中国工場のでした●| ̄|_何のイヤガラセダヨ

↑ドSネタとして再利用できたら使ってくださいエーロ・ゴシカァン
397名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 01:29:08 ID:ct36Vl1A
携帯ユーザーなんだが一つ質問がある。

携帯から一度に投下出来るSSは一万字なのだが一度にそんなに投下して大丈夫なのか。
コピペは一度しか出来ないので短時間に分けて投下は無理。


これらを踏まえた上で携帯厨がSSを投下するとしたら
カプ傾向注意書き以外で気を配る点はどこかあったら教えて欲しい。
携帯からの投下がふさわしくないならそう言ってくれ。
398名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 01:43:28 ID:guWRUSsq
志村ー
ここ控え室違う!
399名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 03:11:14 ID:ct36Vl1A
スマン、本気で誤爆したまま気付かなかった…。


シャッ!!
400名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 15:19:12 ID:lJUhS38i
チョコプレイ最高だ!!
GJ!!!
401名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 21:19:15 ID:x1Kc0Qr4
二周年巻頭楽しみだ。
が、本誌発売当日はそれどころではないので今の内に投下しておく。
一応ユカヤコ。
そしていろいろ遊んだので非常に読みづらい。
402白目の夢(前):2007/02/15(木) 21:21:35 ID:x1Kc0Qr4
 探偵からメール便で小瓶が届いたのは、夕暮れ時だった。
 小瓶はスパンコールの様なラメ入りのアイシャドーでこんな添え状付き。
『由香さんへ。パンダ目が可愛くなるから使ってみて。弥子』
 「ねーよ!」あたしは小瓶をソファーにぶん投げた。
「こんなん使ったらケバくなるよ。第一、もう目の隈なんて、」
独り呟いて小瓶を拾い直した。
「気にしてないしさ。…。」
鏡に向かって試しに瞼に一塗りした。
これは――粗塩を付けた方がマシだと思った。「…キモッ」
 MDコンポに電源を入れ、肘掛け椅子に身を沈めた。
短く溜め息を吐いてふと携帯を確認した。
探偵から『今から会いたい』旨のeメールが届いていた。今から?
外は既に真っ暗で、室内の古めかしいシャンデリアーが眩しいのにか。
 不意に目の前が半分だけ暗くなった。アイシャドーを塗った側だ。
 ああ溶剤が目に入った?と目の具合を診る為に鏡を引き寄せた。
が、見えたのは自分の顔ではなかった。それは――

[何かに怯えた探偵の顔。その彼女に男が覆い被さる。男のスーツ姿と部屋の家具には少し覚えが…
 …彼女のブラウスが引き裂かれた?!]

 ♪みーかん!!♪
 ――あたしはBGMの兄んちゃんのシャウトで我に返った。
夢でも視ていたのかと首を振って軽く背筋を正した。
 BGM、変えようか?とMDコンポのリモコンに手を延ばした時、
玄関口の呼び鈴が鳴りインターホンも作動し始めた。来たんだあのコ。
「…どちら様?」
「由香さん、私…」
 やはり探偵だ。
「…私、ちょっと…」
 何か変だと思ったのは、彼女の口調が喘息気味だったからだ。
急いで正門まで出向くと、彼女は門柱に倒れかかっていた。
「どうしたのよあんた?急にやって来て」
「あはは…ちょっとショックな事、あって、…家帰れない。…けど、
ファミレスで時間…潰すにはまだ、早い…
で、由香さんとこへ」
 ゲッ、なんてうれしくない訪ね方again!本人の状態も変だし…。
微かに甘くて生臭い臭いに気付き、自分の顔が強張った。
どこかで嗅いだのよ、このキモい臭いを。
 あたしは無理矢理に嫌悪を払い、弛緩した探偵の肩を支えて邸内に連れ込んだ。
 扉を開けると、
 ♪いらっしゃいませ〜♪
 …とBGMが絶妙なタイミングで応えたので速攻で電源を切った。
普段は好きだけと、今はそんな気分じゃないんだ。
403白目の夢(前):2007/02/15(木) 21:25:38 ID:x1Kc0Qr4
室内の明るさの下で見ると、
探偵の肌の蒼白い血気の無さと、服の乱れた痕跡が明らかだった。
 一体何が有ったのよ、と聞く前に探偵の言葉を待ってみた。
探偵はぎこちなく微笑んで、期待外れの言葉を発した。つまり
「由香さん…使って、くれたんだ。似合うよ…ミキャ・ナキャジマみたい」
片目アイシャドーを落とし忘れていた事が指摘されてしまった。
「似合うなら余計恥ずいわ!んな事より!
 あんた何が有ったのよォ!」
 あたしは我ながら白眼剥いてそうと思う位の剣幕で怒鳴った。
探偵は畏縮してしまったし、相変わらず気色の悪い臭いがした。
 (あ、思い出した。嫌な臭いの訳だよこれは…)
あたしはさっきの夢(?)を思い出して吐き気がした。
それを誤魔化すように激昴を鎮める方向に意識を合わせた。
「性分でサ、怒鳴ってごめん。…」
 あたしは黙って探偵のブレザーを脱がせたので彼女は驚いて
胸の前に腕を交差させた。当然だ、そうしなければ胸がはだけて
しまうからだ。そう、ブレザーの下は殆んどの衣類が酷い形状に変化していた。
釦の全て散ったブラウスに辛うじて肩に引っ掛かったブラジャー、
制服のスカートはプリーツが崩れ皺だらけになった上に、腹の辺りには
白いナニかがこびり付いていた。
あまり考えたくないが、さっきの夢は正夢だったか。
 自分の舌打ちが、静まり返った部屋に響いた。…糞ォ。
 混乱を見せたくなくて、目を伏せ小手先だけの言葉を放った。
「今の内にシャワー浴びて。バスルーム付きのファミレスなんて無いでしょ?」
 探偵は胸元を押さえたまま力無く頷いた。彼女に手を貸して、
風呂用具やバスタオルとバスローブを貸しても
これで本当に良いのかはわかんない…。

 アレは敷布に付くと中々落ちない。自慰の残り滓はチリ紙に
包んで棄てれば終了だが夢精の噴射はタチが悪かった。
バカ叔父共…せめてスカートの汚物だけでも洗い落としてやろうとして
バスルーム脇の洗濯場でうっかり嫌な思い出に浸ってしまった。
こいつ知り合いにレイープされたなと思ったのは、表面上の様態と
バカ叔父共の後始末とほぼ変わりない悪臭源に加えて、
さっきの夢を真に受け始めていたからだ。何なんだったのアレ。
 …。おかしいな。
 
404白目の夢(前):2007/02/15(木) 21:31:27 ID:x1Kc0Qr4
 何だか眠い――

[探偵は服を引き裂かれ、弛緩し痣だらけで床に転がっている。はだけた胸の桃色の突端を骨張った指が
なぞり、彼女の体がそれに反応して鞭打つように蠢動するのが見える。双方の息遣いも悲鳴も
あたしには聞こえない。ただ…。]

――色彩は酷く鮮明なんだ。脅威的なまでに生々しい。――

[男は既に剥出しの欲望を探偵の…彼女の体内へ突き入れ盛んに注挿を繰り返している。躍動する
 腰の下で、擦れ合う結合部からは紅黒い粘液を絡んだ水が僅かに泡立ち、床へ滴ってゆく。
 服の前をはだけ、肝心の秘部だけを露出し露出させ、焦燥を募らせるが如く執拗且つ性急に貪る。
 …ねぇ、探偵。
 息を吐く間も無い淫らかで烈しい交接なのに、何であんた達はどちら共無表情なの?
 抜差し為らぬ関係とは能く云ったものだわ。こんな事が…。]

 …クシヵッ。
 ――紙袋の中身が崩れる軽い物音で、あたしは現実に戻された。
探偵を風呂場に追い立ててから半時が経っていた。
そろそろ様子を見ないと、あのコがもし素裸で卒倒していたら、
と想えば血気も失せる。多少逸る気持ちを抑え風呂場へ向かった。

「…探偵?どうした?」
立昇る湯気とシャワーの流水音はそのままで探偵の姿を一瞬見失った。
が、幸いかな、あのコは温水を浴びてその場にへたり込んでいただけだった。
良かったって…何が??
「立てないの?」
小さく頼りない肩に腕を延べようとして、ふとあたしは動きを停めた。
「あんた…」
 風呂場の床に投げ出された脚が小刻に震えている理由が判った。
彼女は腰に力を入れられなかったのだ。力めばソレが奥から溢れてくるのだ。
ソレは身体中の痣より如実に凌辱の跡を物語る、紅黒い粘液を帯びた白っぽい物。
開いた脚の間、痛め付けられ朱に染まった秘部からドロリと垂れ…。
「やだ…」探偵は脚を動かす事もできずに震えるだけだった。
あァ…あんたはソレが自分の秘部から漏れるのが嫌なんだね。
でもそれじゃ駄目なんだ、それじゃ。
「探偵、あんたちゃんと身体洗わなきゃ駄目だよ」
 あたしはシャワーホースをひっ掴むと、水流調節を強に合わせた。
そして痛痒い強さの温水を彼女の秘部目がけて放射した。
「由香…さ、待って…やぁっ、アッ…あんッ…ンッ」
 散々に凌辱され敏感になり過ぎていたのか、探偵はあられもない声を挙げ、
シャワーの熱くて痛痒い刺激から逃れようと身をよじり喘いだ。
405白目の夢(前):2007/02/15(木) 21:39:33 ID:x1Kc0Qr4
「少し我慢しな。痛くてもさ、傷口は洗わないと後で膿むよ?」
 あたしの気持ちとは裏腹に、彼女は数回痙攣を起こして静かになった。
ちょっとやり過ぎたかな、軽くイッてしまったらしい彼女を抱き締めた。
「ごめんな、無理させて。辛かったでしょ」
彼女の肩を両腕で抱え込んだ。
「風呂出たらホットココアでも煎れるよ、何も食べてないでしょ?」
「うん…ありがと」
 探偵は幼子に帰って緩慢にぎゅうっと抱きついてきた。
あたしも自分の服が温水の染みだらけになるのも忘れて彼女を抱え直した。
些細な愛しさに浸り目を瞑る――

[…部屋は暗い。なのに男女の痴態は鮮明に映る。探偵を貪欲に犯していた男の動きがふと停まる。
 男は目を眇めると、呆けてそっぽを向いた探偵の顎を掴んで自分の視線に向かわせ口元を弛める。
 …鮮明だった視野の明度と彩度が一気に落ち、替わりに今迄聞こえなかった音が響いてきた…。
 ――『豆頁ノオカシイ魚有ガ。クルシイナラバ、セメテ才亢ッテミルガイイダロウ』―― 低く、冷たい口調で言葉が放たれる。その直後、探偵は身体をビクンと一度きり痙攣させた。]

「…由香さん?どうしたの?」
 ――ああ、びくりと動いたのはあたしだったのか。どう言い分けしよっか。
「…今気付いた、あたし減量中だったから夕食用意してないよ」
 突些の嘘と言うか事実なのだが、探偵はふっと微笑んだ。
「大丈夫…丁度良かった、串カツと揚げタコ焼き持ってきたから…」
 あたしは、彼女持参の紙袋に油染みが付いていたのを思い出す。
あの袋に揚げ物を入れてたのか。炭水化物満載の油っこいモンを。
そんなの食ったら折角の減量が…まあいいか。あたしも探偵も、
何は置いても今は一刻も早く落ち着く事が肝心だ。何なのアレ…。
「さ、上がろう」
用意していたドライヤーで彼女の癖っ毛を整えてやりながら考えた。
 探偵にもいろいろと事情があるだろうしこれからどうしようか。
 まずはホットココアを煎れよう、鉄分とプロテインを強化したやつを。


白目の夢(続く)
 とは言えど後5日位掛るorz
406名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 21:55:01 ID:ikEXgE14
萌 え た!!!
由香さん優しいよ由香さん。
407名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 22:23:43 ID:0LE49K6k
乙!ちょwさりげなくクシカツとかw
シリアスだけど小ネタ混じってて何か(・∀・)イイ!!
続き待ってる
408名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 23:06:26 ID:AOxtTCLl
五日待てと

俺に萌え死ねと

悶えながら待つ
409名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 23:10:05 ID:377zsINi
食い入るように読んでたらクシカツで盛大に吹いたwwwwwwww
奇才ktkr
410名無しさん@ピンキー:2007/02/15(木) 23:32:41 ID:ct36Vl1A
ちょww由香何げなくセクマ好きかよww


五日待つ!期待wktk!

ぼーけ!ぼーけ!待ちぼーけ!!
411名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 00:19:23 ID:np1cpLgE
オサレ系エロSS
412名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 00:44:08 ID:BJKp6CRU
まーちぼーけー まちぼうけー
あるひせっせとしょくじちゅうー
そこへネウロがやってきてー
とろりとろけたかたくりこー



反省してるが後悔はしてない
413名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 00:49:24 ID:3wfFJlIS
今ものすごい奇才の生まれた瞬間に立ち会った気がする
414名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 00:55:12 ID:1KX4wPn3
ありがとうグッジョーブ…満足しマ○コ。由香弥子サイコーだなヲイ
飢えて死にそうだが待つ!
415名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 10:31:11 ID:7DWwsYLV
五日後とか待ちきれねー!生殺しだよ。
wktkして待っている。
416名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 20:11:30 ID:o7Tf23Zu
百ー合・ゴシカァン!
百ー合・ゴシカァン!

久々に来たら何この髪作品ラッシュ?
417名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 20:51:59 ID:lPwWBqUJ
>>416
>髪作品

あかねちゃん希望と申したか
418名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 21:12:43 ID:EY3RhFL8
>>417
全身あますところなくからみついてキリキリキリキリ
419名無しさん@ピンキー:2007/02/16(金) 21:21:13 ID:pF1THOHw
なんと、あかヤコ触手物と申したか
420名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 00:34:57 ID:yWwR0BH2
由香弥子続きにwktkだ。
年末年始とばたばたして専ら読み手だったが
久々に投下するよ。流れに合わせて
軽〜いあか弥子。ちょいエロ。
421ネウロ様がみてる1:2007/02/17(土) 00:37:48 ID:yWwR0BH2
のどかな昼下がり、とある探偵事務所では鼻歌交じりの少女の声が響く。
壁から顔を出す不思議な髪の毛の束を優しく撫でながらお手入れするのが彼女の日課なのだ。
『ど〜ぉ?あかねちゃん。今度のシャンプーとトリートメントは椿油入りでねえ〜
日本人女性の髪に凄く合うんだって!あかねちゃん、ますます艶々になっちゃうねえ』

もちろんCMソングを歌うのは余計なサポートをする某5人組である。

毛束を優しくお湯に浸すと、少女はシャンプーを手に取り丁寧に泡立て念入りに洗ってあげるのだ。
会話をするように緩やかなマッサージを繰り広げる弥子。うっとりと身を委ねるあかね。
『気持ちい〜い?あかねちゃん?この後はトリートメントもあるからね〜』
弥子の言葉と心地いい指先にぶんぶんっと髪の毛の先を数本に分かれさせ歓喜するあかね。
濡れた状態も気にしないそんな様子にくすくす笑う弥子。
『あはは!もう・・・あかねちゃんっ・・・泡がはねちゃうよ・・落ち着いて!』
《こう・・なんか背景は薔薇と点描トーンみたいな感じでお願いします》
仲睦まじい少女たちの触れ合い・交流・・・・・なんと微笑ましく麗しいのだろうか。

泡を綺麗に流して滑らかなトリートメントが塗り込まれると再びあかねはうっとりと大人しくなる。
さて究極ののエステが終わった後はお待ちかね、至高のブローの開始である。
ドライヤーの暖かい温風が陶酔していたあかねの快感を更に高めて行く。
微笑みながら触れてくる弥子の甘い囁きと共に。
『ど〜お?熱くない?あかねちゃ〜ん?・・・動かないね・・気持ちいいんだねえ。寝ちゃった?』
恍惚の中、かろうじて毛先を動かすあかねに弥子も大満足だ。
422ネウロ様がみてる2:2007/02/17(土) 00:38:51 ID:yWwR0BH2
ブローが終わり、すっかり乾いたあかねのまるで絹糸のような美しさに弥子はほおっと息を呑む。
『・・・はあ・・相変わらずストレートで艶やかな黒髪〜いいなあ・・私こんなんだし・・』
飽きることなくサラサラと両手で触れて指で梳く弥子。そんな無邪気な弥子を見守るように
あかねはしばらく好きにさせている。やがて、一部の毛束の先でペンを絡めとるとキュッキュっと
ホワイトボードに文字を書き出した。
【ヤコちゃんの髪の毛も可愛いよ。色素が薄くてきれい。外国のお人形みたい。
くせ毛はね、上手にワックスとかでアレンジしてセットするといい感じになるよ♪】
コンプレックスも吹き飛ぶ可愛らしいアドバイスに弥子もすっかり和む。

『はは・・ありがとう・・あかねちゃん。あかねちゃんが言うと嫌味がないや。さ〜て三つ編みにしようね』
弥子が再び手を触れようとしたその時・・・!
『ひゃっ!』
しゅるりっとあかねが身体に巻き付いてきた。弥子の小ぶりな胸が制服のセーターの上から
むにむにと揉まれる。
『やあっ・・ちょっと〜あかねちゃ〜ん?』
突拍子もない悪戯に弥子が困惑の表情を見せると、再びペンが動く。
【ヤコちゃん、ちょっと胸大きくなったんじゃない?】
『・・・ふ・・ええ〜?ホント?やったああ・・って違うっ・・あかねちゃん!やあっ駄目!』
既に一部の毛先は制服のシャツの中に侵入して来ている。
『やああっ・・・ん』
ブラの中に侵入して来た毛先は桃色の突端を優しく撫でる。
『あ・・もう〜あかねちゃん〜冗談はやめてよお・・・やあんっ』
【感じやすいね♪】
『やあっ・・あ・・あかねちゃ〜ん;』
【うふふヤコちゃんかわいい〜】

突如始まった女子校でありがちなノリ。ToLOVEるチックなノリ。
スールの契りを交わした二人を眺める影ひとつ。

『――ほお・・・中々に面白いショーだな』
出た・・変態教師脳噛先生だ。更にその後ろで光るメガネ。
『はあはあ・・見守る・・』
――シャッ。
423420:2007/02/17(土) 00:42:23 ID:yWwR0BH2
あかねちゃんの方がお姉さんだといいと思った。
弥子は永遠の妹キャラだと思った。自分なりにやりきったぜ。

これから匪弥子とネウ弥子の話を練ろうと思う。
424名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 00:54:12 ID:oEhxFUmK
>>423
GJ!!脳噛先生www
wktkしながら待ってるよ!!
425名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 00:55:00 ID:oEhxFUmK
あげちまったああああああすみません吊ってきます…
426名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 01:21:09 ID:npci0SbP
神が舞い降り過ぎて萌え死にしそうだ。
427名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 02:05:01 ID:e6Ry5Vie
グッジョブwタイトルですでに笑ったw
脳噛先生と浅田君の関係をkwsk
428名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 11:10:17 ID:uPJ/o930
GJ! あなたのギャグが大好きだ!
匪弥子とネウ弥子も楽しみに待ってる。
429名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 11:21:21 ID:9J9SYb4Z
かなり前に書いたけど規制くらったんで他の話に手を着けたら、そのまま忘れてたw
思い出したんで投下。
ネウヤコ←サイと言えない事もないかも。
430君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:22:13 ID:9J9SYb4Z
 事務所にキーボードを叩く以外の音が響いたのは、脅しにあっても珍しく反抗的な態度を
崩さなかった弥子が、苛立ったネウロに罵声を浴びせられ追い出されてからかなりの時間が
経ってからだった。
「…弥子の母親か。子供の無礼を詫びようとでもいうのか」
 音源は電話である。
「はい、脳噛です」
 助手口調で出たネウロの耳に聞こえて来たのは、遥の焦ったような声だった。
「脳噛さん、弥子はまだそちらにいるんでしょうか?」
「どうかなさったんですか?」
「いえ…。急な仕事が入ってすぐに家を空けないといけなくなったんですけど、弥子の携帯に
掛けても繋がらないので、暫く帰れない事を伝えて頂きたいんです」
 どう考えても弥子が帰り着いていなければおかしい時間になっており、さすがにネウロも
眉をひそめるが、そんなことはおくびにも出さずそれに応える。
「ああ、そうでしたか。分かりました。先生にはお伝えしておきます」
 電話を終えると、ネウロは数匹のイビルフライデーを窓から放つ。

 一時間後、ネウロの眉間には皺が現れていた。
 普段の観察から判った弥子の立ち寄りそうな場所には悉くイビルフライデーを行かせたが、
そのどこにも弥子の姿がなかったのだ。
「どこへ行ったというのだ…」
 可能性があるのは、弥子が自ら姿を隠したか、何かに巻き込まれたかのどちらかだろう。
しかしいくらネウロと言い争ったとはいえ弥子が親にも連絡を入れず隠れるような真似をする
とは考え難く、そうなると事件に巻き込まれた…もしくは、弥子自身が狙われた可能性が高い。
「…常に見張らせておくべきだったか…」
 ネウロの呟きは、あかねの心に重く響く。
「アカネ、我が輩も少し出てくるぞ」
 言って窓からその身を翻したネウロを、あかねは心配そうに見送った。

431君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:22:44 ID:9J9SYb4Z
「…ここは?」
 弥子は目の前の人物に短く尋ねる。
「隠れ家の一つ、ってとこかな」
 にこにこと無邪気な笑みを浮かべて、少年の姿形をとった人物…Xは答えた。
 弥子がXに遭遇したのは、事務所を出てすぐの事だった。そして気が付けば知らない部屋に
いた。
「…なんで、こんなとこに連れて来たの? 私なんか攫っても、ネウロは来ないと思うよ」
 事務所を出る前の遣り取りなどを思い出して自嘲気味に言う弥子に、Xは不思議そうな顔を
向ける。
「ふぅん、そうなの?」
「そうだよ。…追い出された奴隷に価値なんてあると思う?」
 捨て鉢とも取れる弥子の様子は、どこかXの興味を煽るものだった。
「そっか、追い出されたんだ…でも、俺にとっては少しは価値があるかもよ」
 Xの言葉に、弥子は表情を強張らせる。この相手にとって価値があるという事は、即ち箱に
詰めて観察したい対象だと言われているように思えてならないのだ。
「あ、大丈夫。別にあんたを詰めたいとかは、今はまだ思ってないから」
 無邪気な子供のような笑みを浮かべてXは言うが、それは安心を導く言葉には到底ならない
内容である。
「じゃあ、なんで…」
「そうだなぁ…あんたは俺を恐れてる。だけど、他の奴みたいにそれだけじゃない。恐れてる
けど、自分の意思で対峙しようとするんだ。他の、まったく普通の人間にするみたいにね」
 そっと、Xの手が弥子の弥子の肩に置かれる。
「人と違う反応を見せてくれるあんたになら、少しは俺が見えるかと思ったんだ」
 言いながら顔を近付けるXに弥子が動けないでいると、そのまま唇が重なった。
「!?」
「へぇ、柔らかいや」
 触れただけですぐに唇を離し、ちろりと一舐めしてから嬉しそうに呟くXとは対照的に、
弥子はショックを隠しきれぬ表情で後ずさる。
「な、な…っ、なんて事するのよぉっ!」
 怒鳴る顔は真っ赤に染まり、その目には涙が浮かんでいる。
「あれ、もしかして初めて? 嬉しいなぁ」
「何が嬉しいもんか! いくら怪盗だからって盗んでいい物と悪いものが…って、何盗んでも
悪いけど、何で選りにも選って…うわああぁぁっ!!」
 もうどうしようもない程に混乱し取り乱していた弥子が我に返ったのは、Xに抱きしめ
られた時だった。
 ひっ、と弥子の口から声が漏れる。頭を過ぎったのは、骨を折られ倒れ伏す笹塚の姿。
「やっぱりあんた、そこいらの奴より興味深いよ。……ねえ、あんた俺が人間だと思う?」
「え…?」
 唐突な質問に、弥子は答えを返す事が出来なかった。
432名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 11:24:06 ID:TLoMmA3l
え、もしかしてリアルタイム!?


続きをwkwkお待ちしております
433君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:24:38 ID:9J9SYb4Z
 変異し続ける細胞。己の意思でどんな形にでも変わる身体。通常ならばありえない程の力。
どれをとっても普通の人間とは異なっている。
 しかし魔人は、この化け物を人間と判断した。
「私にはまだよく…判らないよ。私がもっと進化出来たら、少しは理解出来るのかもしれない
けど…」
 思う事を素直に口に出した弥子に、Xは少々残念そうな顔になる。
「まだ、判らない…か」
「うん…ごめんね」
「? なんであんたが謝るのさ」
「…だって、不安そうだから…」
 申し訳なさそうな声。それにXは少し考える様子を見せた後、口を開いた。
「じゃああんた、俺の子供産んでみてよ」
 弥子の思考が停止する。そして妙な間を置いて、先程以上の狼狽を見せた。
「ちょ、ちょっとま…、待った! どこからそんな話になんのよ!!」
 いくら普段から突然のとんでもない発言に晒されているとはいってもそれはネウロによる
ものであり、それとは違う相手からいきなり予想の斜め上…を遥かにかけ離れた言葉を聞いた
のだから、そのうろたえようは凄まじいものである。
「だってさ…俺とあんたに子供が出来るなら、少なくとも俺の遺伝子は人間の男かそれに近い
ものだって証明になるだろうし、出来た子供を観察してみれば俺自身の事も少しは判る可能性
だってある。それに…折角あんた連れて来たのに、そのまま帰すんじゃ面白くないじゃん」
 問題発言、こうと決めたら他人の意見など完全無視な態度、それは弥子にとってはあまりに
馴染んだものであり、この先にさらに恐ろしいものが待っていそうな、嫌〜な予感に襲われる。
そして、そういった悪い予感は大概当たってしまうものである。
「じゃあ…箱になるのと、子供と、どっちがいい?」
 愛らしいともいえる笑みを浮かべながら恐ろしい選択を迫るXに、弥子は予感が当たった
事を悟る。言い方こそ違うが、Xの示した選択肢もネウロのそれと同様に、言う事に従わぬ
なら殺す、と暗に告げるものである。
「…なんで…どいつもこいつも、脅迫的な選択を迫るわけ…?」
「あれ、乗り気じゃないね」
「あ、当たり前でしょ! なんでこんな形で人生の選択させられなきゃなんないワケ!?」
 その人生の選択は生命の取捨選択にもなるのだから、そのあまりの理不尽さに弥子は思わず
いつもの調子でXに詰め寄った。
「仕方ないなぁ…じゃあ、妥協案。ヒント送って、それでもネウロがこの三連休中にココを
発見出来なかったら、子供産んでよ。それならいいでしょ?」
「え…あ……それだったら…」
 いくらか救いのある提案に、弥子の心が僅かに揺れる。
「はい決まり。それじゃ俺は出てくるね。あ、一応仲間が見張ってるんで、逃げようとしても
無駄だから」
 それだけ言うと、弥子の言葉を待たずXは部屋の扉を閉じた。

434君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:25:58 ID:9J9SYb4Z
 Xに仲間からの連絡が入ったのは、連休最終日の夕刻だった。
「…ふぅん、そう。わかった」
 報告を聞き終えると、Xは小さく溜息を一つ。
「どうしたの?」
 どこか浮かない様子のXに、弥子は不思議そうに声をかける。
「うん、ちょっとね。仲間から連絡入って、変えなきゃいけない計画が出来ただけ」
 にこりと笑って言うが、犯罪の計画について聞いていると自覚した弥子は、仮にも探偵を
やっている身でこんな事を聞き、しかもそれを警察に伝える事も出来ないというのは、一応
問題があるのでは…と悩み始めてしまう。
「…ま、そんなワケだから、今日は早めに夕食終わらせようか」
 考え込む弥子を眺めた後にXはそう言い置き、部屋を出て行く。
 少しして、台所で温めた食事を持って戻って来ると、Xと弥子は二人だけで夕食をとった。
 弥子がこの部屋に連れて来られてから繰り返された光景。それに変化が起きたのはそれから
少し経ってからだった。

 がちり、と金属の触れる音を立ててドアノブが回る。鍵は掛かっていなかった。何の抵抗も
なく開いた扉の中へ、ネウロはその身を滑り込ませた。
 靴を脱ぐ事もなく誰もいない廊下を進み、その先にある扉を開く。
「やあ、ネウロ。…やっぱり来たんだね」
 部屋の中、別の扉の前にXは立っていた。
「ふん、やはり貴様だったか。今回は前回程の謎が用意出来なかったから我が輩の奴隷をエサ
にした…という事か」
 ネウロの態度は常と変わらず僅かに笑みを浮かべた尊大なものである。
「別に、あんたを誘き出すためだけに探偵さんを連れてきたんじゃないよ。箱にするためでも
ないけどね。それに、まだ俺本調子じゃないから、あんたとやり合う気もないし」
「それならさっさと渡してもらおう。もう十分貴様の遊びには付き合ってやったろう」
 やはり態度を変えぬネウロだが、Xはそれに苦々しい表情を浮かべる。
「あんた、なんでここに来たのさ。そんなにあの娘が大事?」
「大事? あの奴隷が? 下らん事を…。我が輩は単にあの奴隷に今迄掛けた手間を繰り返す
のが煩わしいだけだ」
 いかにもつまらなそうに言うネウロに、口の端を上げ歪んだ笑みを作ったXが笑いを零した。
「ああ、そうだったね。あんた、あの娘に何の価値もないって追い出したんだっけ」
「………それがどうした」
 笑いながら言うXの顔の中で、目だけはひどく冷たい色をしている。それが気に障るのか、
ネウロの笑みは反対に薄くなってゆく。
「ネウロ…あんたが追い出したあの娘、俺に頂戴」
435君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:27:00 ID:9J9SYb4Z
「なんだと…?」
 遂にネウロの顔からも笑みが消えた。
「別にいいでしょ。どうせあんたにとっては掛けた手間程度の価値しかない人間なんだよね? 
でも俺はあの娘に価値を認めてる。それなら俺が貰っても問題なんてないじゃん、ね?」
 先刻の言葉を引き合いに出しそれに同意を求めるように僅かに首を傾げるXに、ネウロは
すぐには言葉を見つけ出せず、拳を作った手にこもる力を増した。
 手袋の生地が擦れる音が静かになった部屋にいやに大きく響く。
 次に沈黙を破ったのは怒りを滲ませたXの声だった。
「……なのに…なんで今、あんたが来るのさ。あとほんの何時間かで今日も終わるっていう
時に…!」
 表情を消したネウロに視線を固定させたまま、Xは窓に近付いてゆく。
「あの娘は…俺の子供を産んでくれるって、約束したんだ」
「!?」
 それまで冷静さを保っていたネウロの目が驚愕に見開かれた。それを見て僅かに嬉しそうな
色を瞳に浮かべたXの喉許に、おぞましい形状へと変化したネウロの手が突きつけられる。
「あれは、我が輩の奴隷だ。所有権を放棄した覚えはない」
「…あの娘の意思は?」
「そんなものは関係ない」
 言うと同時に喉を貫く動きを見せたネウロの手をかわし、Xは窓の外にその身を躍らせた。
その瞳を扉に向けたままで。

 先程までXが立っていた場所にある扉を開いたネウロは殺風景な部屋の中、ベッドに一人
寝かされている弥子の姿を確認した。
「……」
 口を開く事もなく歩を進め、ベッドに辿り着くと眠る弥子の顔を見下ろした。何か薬物でも
使われているのか、眠りは深い。
 弥子が目を覚ます様子はないが、ネウロはその首までをしっかりと覆っている布団に手を
掛けるとそれを引き剥がす。
「!!」
 バスローブのみを身につけた弥子のはだけた胸元には、幾つかの鮮やかな内出血が刻まれて
いた。
436君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:28:02 ID:9J9SYb4Z
 鼻を突く強い刺激臭に目を覚ました弥子が見たのは、今までに見た事のない表情をした
ネウロの顔だった。
「…目が覚めたか」
 ネウロが口を開く。しかしそれに応えた弥子の言葉は…
「X…またネウロになったりして、どうしたの?」
 何の恐れも感じていないようなぼんやりとした声音で問いかけられるが、ネウロはそれに
応える事が出来なかった。

『あの娘は…俺の子供を産んでくれるって、約束したんだ』

 先程のXの言葉が頭から離れない。
 腹立たしい思いと、それ以上に強い喪失感がネウロの中に湧き上がる。
「…X?」
 僅かに首を傾げその手を伸ばしてくる弥子の姿に、ネウロの中で何かが崩れた。
 伸ばされた弥子の手を乱暴に掴み、ベッドに押し付ける。
「っ!?」
 突然の事に驚き声を上げようとした弥子の唇を、ネウロは自身のそれで塞ぎ舌を捻じ込む。
無理矢理に奪うような口付けだが、弥子は拙いながらも鼻で呼吸しそれに耐えている。それが
初めてでないのだと言っているようで、ネウロの思考をますます混乱させていく。
 唇を開放し組み敷いた弥子を見下ろすと、目に付いた痕を片端から強く吸い、より鮮やかな
ものへと変えてゆく。
 全ての痕を塗り替えると、ネウロは手袋をはめたままの手を性急に弥子の下半身へと滑らせ、
未だ乾いたままの秘所に触れる。
「っ!?」
 途端に、それまで大人しく行為を受け入れていた弥子が激しい反応を見せた。
 拘束されていない方の手でネウロの腕を掴み、秘所から引き剥がそうと暴れ始める。その、
あまりに急激な変化は半ば怒りに衝き動かされていたようなネウロに冷静さを取り戻させた。
「ぃやっ! まだ、そこは触らないって約束したじゃ……! まさか…日付、変わったの…?」
 弥子の言葉は理解出来ないものだったが、その声の悲壮な響きにネウロは眉を顰める。
 手の動きを止め自身を見下ろすネウロに、弥子は無理に作った歪んだ微笑を向けた。
「……やっぱり私…ネウロにとって、価値がないんだね。…いいよ、X。ネウロが連休中に
来なかったらって約束、だったもんね。あなたの子供、産んであげる。でも…出来たら初めて
の時だけでも、優しく…してよ?」
 震える声で言い終わると、弥子の閉じた目から涙が零れた。
437君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:29:04 ID:9J9SYb4Z
「……!」
 
 『なんで今、あんたが来るのさ。あとほんの何時間かで今日も終わるっていう時に…!』
 『まだ、そこは触らないって約束した』
 『まさか…日付、変わったの…?』
 『ネウロが連休中に来なかったらって約束』
 『初めての時』

 Xと弥子の言葉からネウロが導き出した答は一つだった。
 弥子の手の拘束を解き、涙を拭ってやる。
「ヤコ、誰がXなどに貴様をくれてやると言った?」
「…え…?」
 閉じられていた弥子の目が驚きを湛えて開く。
「ネウ…ロ? 本物の…?」
 半信半疑といった様子で尋ねる弥子に、少し考えるそぶりを見せてから、ネウロは僅かに
身体を起こすと、その頭を本来の形である鳥様のものに戻す。
 弥子は、それが自分に本物の証拠を与えてくれているのだと気付くが、Xが犬にさえ変化
していた事を思い出すと、今抱いた確証さえも怪しくなってしまう。
 弥子の懊悩に気付いたのか、ネウロは呆れたように息を一つ吐くと嘴を開く。
「これでも我が輩を信じられんというのなら、またこのまま貴様にゲロをしてやってもいいが、
どうする?」
 それ以上疑う理由はなかった。
「…っ、ネウロっ!」
 弥子はくしゃりと顔を歪めるとネウロの首に腕を回し、引き寄せるようにして縋り付く。
 肌に当たる硬質な嘴の感触が消えたのに気付いた弥子の頬に、今度は柔らかな感触が訪れる。
何が起きたのかと目を開けた弥子は、人型になりどこか柔らかな雰囲気を纏ったネウロが頬を
合わせているのだと気付き、途端に慌て始めた。
「! わっ、ちょっ、ネウロ!? 近い、顔近いって!!」
438君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:29:57 ID:9J9SYb4Z
「黙れナキイナゴ」
「なに、そのいかにも煩そうな名前…って、やぁっ! なんでまた触りだすのよぉっ!」
 再びネウロの手が下半身に伸ばされて、弥子は更に暴れ出す。
「何を言う。こちらの言葉にあるだろう『据え膳食わぬは男の恥』だとな。貴様は主人に恥を
かかせるつもりか」
 ネウロの言葉に反論しようとした弥子は、ベッドに半裸といってよい状態で横になっている
現状に気付き、言葉を失った。確かにこれでは据え膳そのものである。
 思わず顔を引き攣らせる弥子に掛けられたネウロの声は、ひどく真面目だった。
「弥子、イヤか? Xよりも」
「え…っ!?」
「我が輩は、Xよりも嫌いか?」
「そんな事ないよ!」
 表情もどこか真摯なものを感じさせるネウロの問いに、なんとかこの状態を切り抜けようと
混乱した頭で考えていた弥子は思わず反射的に答えてしまう。
 弥子はネウロが嫌いなわけではない。むしろ好意さえ寄せている。しかしいくらその想いが
あっても、いきなりのこの状況というのははさすがに受け入れ難いものだったのだが、
「そうか。それならいい」
 自然な笑みを口元に浮かべたネウロを見、弥子の抵抗感が薄れていく。
「…あんたは、どうなの? 奴隷人形が相手でいいの?」
 ぽつりと漏らされた言葉に、ネウロは僅かに口元を歪めた。
「貴様が他の男のものになるのは、とにかく無性に気に食わん。それだけだ」
「ね、ネウロ、それって…」
 嫉妬とも告白ともとれる内容は、ネウロにはその自覚は全くといってよい程ないものだった
のだろうが、弥子の心を強く揺さぶった。
「だから…たとえ貴様が喰わないでと泣きわめいても、貴様という据え膳を、我が輩は構う事
なく喰うと決めたのだ」
 どこか懐かしいネウロの言葉。それを聞き、弥子は先程手放した抱かれる覚悟を再び手繰り
寄せる。
 抵抗の消えた弥子の唇にネウロのそれが重なった。
439君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:30:45 ID:9J9SYb4Z
「ん、…っふ…」
 濡れた音を立てながら、互いの舌を裏までも舐め合うように絡み合わせる。
 唇が離れると、目を開けたネウロは先程の無理矢理な行為の時とはまるで違う弥子の表情を
見ながら、その細い身体に手を這わせていく。
「…ぁっ!」
 ネウロの手が胸の先端に触れると、弥子の口から微かな声が漏れる。
「ほう、悪くないようだな」
 にやり、と笑みを浮かべて言われた言葉に何も言い返す事が出来ず、弥子は赤く染まった
顔を背けた。それを嬉しそうに見ながら、ネウロは顔を胸に寄せて起ち上がった先端を、
柔らかく膨らんだその周りごと口内に含んで舐め、吸い上げて、もう一方の胸もゆっくりと
揉みしだき、時折指で先端を刺激する。
「や、ぁあ…っ」
 身体に走る感覚に、引き剥がそうとするような形でネウロの肩に置かれていた弥子の手は、
いつしか縋るようにその頭を抱きしめていた。
 暫く胸への愛撫を続けてから、ネウロは身体を起こすと手早く脱いだ上着とスカーフを放り、
弥子の膝頭を掴むとその脚を開いた。
「!やっ、やだ…っ」
 慌てた弥子が脚を閉じようとするより早く、ネウロはその間に身体を入れると潤み始めて
いた秘所に手を伸ばす。
「ぁ、そこ…は!」
「『そこ』? ここのことか?」
 いつもの意地の悪い笑みを浮かべて言いながら、ネウロは弥子の秘裂に指を一本挿し入れる。
弥子の内部は暖かく濡れて、然程の抵抗もなく長い指を迎え入れた。
「っ!」
 経験のない異物の進入に、弥子の身体が反射的に逃げようとするのを胸に触れていた片腕で
制しながら、ネウロは指を増やし狭い内部を解してゆく。
 やがて弥子の中から零れ出た液体がネウロの手袋の手首辺りまでを濡らす程になった頃、
漸くネウロは指を引き抜いた。
「ヤコ、力を抜け。どうしても痛ければ噛んでいろ」
「えっ…ぁむっ!」
 ネウロは言うなりヤコの顔を肩口に寄せた。そしてすっかり怒張した自身を入り口に数度
擦りつけてから、押し込んだ。
440君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:31:40 ID:9J9SYb4Z
「っ……っ!!」
 強引に広げられる耐え難い激痛に、弥子は思わず押し付けられた肩に歯を立てる。
 十分に濡らしてはいたが、それでもひどく狭い弥子の内部はネウロの剛直をまるで追い
出そうとするかのように締め上げる。
 半ばまで突き入ったところで動きを止めたネウロは、弥子の身体の強張りが落ち着くのを
待ち一旦腰を引く。焦らすようにゆっくりと膣内を移動する異物が齎す奇妙な感覚に、弥子は
ネウロにしがみ付く腕の力を増して耐えている。
「いくぞ」
 その先端だけを中に残した状態から、ネウロは一気に弥子を貫いた。
「っ!!!」
 突然の衝撃に一旦緩んでいた肩を噛む力が再び強められたが、それはネウロを傷付ける程の
ものではなかった。
 すっかり弥子の中に収まって、そのまま最も深い場所で細かく奥を突くように前後している
うちに、きしむようだった弥子の膣は少しずつネウロに纏わり着いて動く度に、くち、くち、
と濡れた音を立て始める。
「っ…、んぅっ…」
 弥子の方も少しは馴染んだのか痛みが小さくなっているようで、ネウロはそれを見て取ると
上体を起こし、動きを大きくした。
「あっ、ネウ、ロ! …まだ痛…」
「我慢しろ。我が輩もここまで待ってやったのだ。後は我が輩の思うようにするぞ」
 言い切って、宣言通り弥子の苦痛の訴えにも動きを止める事無くネウロは弥子を翻弄し続け、
弥子の声が掠れはじめた頃にその温かな膣内に精を放った。
「ね…うろ…」
 漸く止まった責め苦とでも言うべき行為に、涙に濡れた目を開けた弥子はすっかり力を抜き
身体の上に乗っているネウロの名を呼び抱き締めた。

441君あれば淋しからず:2007/02/17(土) 11:32:39 ID:9J9SYb4Z
「…ねえ、私がいない間、お母さんや他の人にはなんて言ってたの?」
 家への道を、ネウロの肩に担ぎ上げられた状態で運ばれながら弥子が訊ねた。誘拐にしても
失踪にしても聞こえが悪いのに変わりはないし、何より心配を掛けているだろうことがひどく
辛かった。
「別に何も言ってはおらん。貴様の母親は仕事で暫く帰れんと言っていたし、訪ねて来る輩も
いなかったからな」
「そっか…良かった」
「何が良かったものか。貴様が暢気に誘拐されていたせいで、我が輩は食事を逃したのだぞ。
その分の働きはちゃんとしてもらうぞ」
「うん…ごめんね、ネウロ。……それと、来てくれてありがと」
 歩みに合わせ揺れる声で告げられた言葉に、どこかほっとしたような笑みを一瞬だけ口元に
浮かべ、ネウロは歩を進めた。


「…何故、彼女に最後まで行為をなさらなかったのですか?」
 変更した計画の現場に向かう車中で話を聞いたアイは、思った事をそのまま訊ねた。
「何、アイ、妬いてくれてるの?」
「いえ、あなたの正体が少しでも判るなら、と多少の期待はしていたので」
 嬉しそうなXの声にいつも通りの無表情でアイが応えると、今度はいかにもつまらない、と
いった声が返る。
「ちぇ、素直じゃないなぁ」
「自分には素直な方だと自覚していますが。…それよりも、先程の問いにまだ答えて頂いて
いないのですが」
 どこまでも態度を崩さないアイに、諦めたように溜息を一つ落とし、Xが口を開く。
「…そうだなぁ…。約束破って、俺を普通の人間みたいに扱う貴重な相手に嫌われたら嫌だと
思ったから、かもね」
「そうですか。何にしても残念でしたね」
「そう思うならさ、アイが俺の子供産んでよ。それが一番いい方法だと思うんだけど」
「お断りします。あなたのサポートに支障をきたすのは本意ではありませんから」
「……ちぇ。残念だよ、本当に…」
 呟くと、Xは立てた膝に顔を埋めた。

442名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 11:34:34 ID:9J9SYb4Z
以上。
なんか無駄にダラダラしてるかも、ごめん。
タイトルはセンスなくて考えるの苦手なんだけど、書く時のメモ長の仮タイトルの、
まんまエラリー・クイーンな「Xの悲劇」よりはマシだろうと思う。
443名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 12:19:58 ID:TLoMmA3l
究極に切ない

「俺の子供を産んでくれるって、約束〜」
て所気に入った
444名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 13:33:27 ID:N+TjiNLu
GJ!!!
確かに切ない

それがイイ
445名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 13:36:10 ID:f136G9Fk
エーロ・ゴシカァン!
アイさんいつかは産んであげてくれと切に願ってしまった
446名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 13:49:39 ID:pAvrvH8v
某所で面白いものを見つけたので、ちょっと春川と刹那タンで書き換えてみる。


ノートパソコン・刹那タソ「わ・・私を初期化するんですか・・・?」
春川「ああ・・すまない許してくれ」
ノートパソコン・刹那タソ「な、何で!??私のどこがいけなかったんですか!!??」
春川「・・・・・・・・すまない」
ノートパソコン・刹那タソ「ちゃんと理由を教えてください!!納得できません!!!」
春川「わかったハッキリ言おう・・」

春川「この間、無料オンラインスキャンしてみたら、お前の体には無数のウイルスが蝕んでいたんだ」
ノートパソコン・刹那タソ「・・・・・・・・・・最近体調が良くなかったのはそのせいですか」
春川「ああ・・・」

春川「・・君にウイルス対策ソフトを入れてない理由は知ってるだろう?」
ノートパソコン・刹那タソ「はい、私に負担がかかるから入れないと以前お聞きました・・」
春川「そうだ・・・ただでさえ君は体(スペック)が弱いんだ」
ノートパソコン・刹那タソ「はい、これ以上負担がかかるとちょっと・・」

春川「・・・すまない・・・私があの時、無理にでもソフトを入れていれば・・・・」
ノートパソコン・刹那タソ「良いんですよ・・私の体を気遣ってくださったんでしょ?」
春川「わかってくれるのか・・・?」
ノートパソコン・刹那タソ「当たり前じゃないですか」

春川「私は・・・本当に君の事が、心配で心配でたまらなかったんだよ」
ノートパソコン・刹那タソ「・・ええ、わかっていますよ」
春川「刹那・・・」
ノートパソコン・刹那タソ「・・・・・・こんな役に立たないパソコンでごめんなさい」

刹那い続きがあったけど改変で長いのもアレなんで、
とりあえずここで終わりにしとく。
447名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 15:50:00 ID:npci0SbP
イイ!Xのセリフもイイ!
神ごちそうさま!
448名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 22:14:24 ID:vy8LwImO
改変物って最初からギャグだと思いながら読み進めるよな。



………あれ。目から汗が…
449名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 00:15:27 ID:wjl4Dhih
笑っていいのか泣いていいのかシュールな改変
ソースは知らないが面白!

アイは産まないとか言いつつ、なんだかんだで3年後
450名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 00:16:42 ID:SLoMEHgO
なんだかんだで3年後

「オギャー」
451名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 00:22:50 ID:AcCHDLGc
なんだかんだ言って産んだらいいお母さんになりそうだなw<アイ
子供が二人に増えるようなものだし
452名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 00:23:08 ID:BlQq877I
無料ソフトに頼りきりの上に明らかにPC慣れしてない春川だがなwwww
蛇足だろうが、一応完結してるとこまで投下する。

春川「君が謝る事じゃない」
ノートパソコン・刹那タソ「え・・・?」
春川「本当は私だってデスクトップが欲しかった・・でも・・
でもだからこそ こうやって君と出会えたんじゃないか」
ノートパソコン・刹那タソ「嬉しい・・・ありがとうございます、ありがとう・・」
春川「クックックック・・」

ノートパソコン・刹那タソ「でも私達これでお別れなんですね」
春川「・・・・・・これ以上 君の苦しむ姿を見てられないんだ」
ノートパソコン・刹那タソ「本当に私の事を心配してくださってるんですね・・・」
春川「当たり前だろう」

ノートパソコン・刹那タソ「・・・・わかりました!私を初期化して下さい」
春川「・・・すまない・・・・・・・・」
ノートパソコン・刹那タソ「泣かないで下さい・・私の体を気遣って下さったんじゃないですか」
春川「でも君の記憶は・・・・もう」

ノートパソコン・刹那タソ「な〜に言ってるんですか?」
春川「・・・・?」
ノートパソコン・刹那タソ「・・・私は貴方の事を一生忘れませんよ」
春川「ああ・・私もだよ絶対に忘れない」
ノートパソコン・刹那タソ「ふふ・・・じゃあ・・お願いします」
春川「・・・・・ああ」

春川「・・じゃあ電源を落とすぞ」
ノートパソコン・刹那タソ「はい・・・」
    カチッ・・・・・・・ブィィィィィィ
ノートパソコン・刹那タソ「・・・・・・・・・」
春川「(痛くないように初期化しよう)」
    起動・・カチカチッ・・・・・・ジィィィィィィ
春川「これで・・・君ともお別れか・・・・・・・」
春川「君とも色々あったな・・・」


ノートパソコン・刹那タソ『あ!ちょっとエラー発生したからって叩かないで下さいよ!!』
春川『君の性能が悪いからだろう!ちゃんとしたまえ』
ノートパソコン・刹那タソ『だ、だからって叩いたってどうにもなりません!』
春川『・・・・安パソコンは買うべきではなかったようだ』
ノートパソコン・刹那タソ『・・・・・・・・・』

春川「・・・・私はあの時の事まだ謝っていなかったな・・・・」
すまなかった・・・本当に君が居てくれて良かったよ」
    ガガガッ・・・ジィィィィィィ
春川「な、何??」
ノートパソコン・刹那タソ「ゴ、ゴ、ギギッ・・・ゴメ・・・・・・・」
春川「刹那!!!」
ノートパソコン・刹那タソ「ワタシ・・・・ナニモシテヤレナカッタ・・・・」
春川「何言ってるんだ!!?今無理すると君の体が!!!」
ノートパソコン・刹那タソ「ゴメン・・・ナサイ・・・・」
453名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 00:24:29 ID:BlQq877I
春川「謝るのは私の方だ!!!・・・・・・すまなかった」
ノートパソコン・刹那タソ「ホントウニ・・・・アリ・・・ガ・・トウ」
春川「もう喋るな!!!これ以上負担がかかると・・・・!!!」
ノートパソコン・刹那タソ「・・・・・・・ダ・・イスキ」

ガガガッ・・・・・
ピー・・・・・・・・

春川「お、おい!どうしたんだ!?刹那!!刹那!!」

   ・・・・・・・・ピー・・
   ・・・ブィィィィィィ

春川「き、起動しない!?な・・何故だ!!」
春川「クッ!!!あああああああ!!」

   ガッ!ガッ!!ベキッ!!!
     「せんよ・・・・」

春川「・・・・・え?」


ノートパソコン・刹那タソ「叩いたって直りませんよ」
春川「ノ、ノートパソコン!!?君は大丈夫なのか?記憶は・・・」
ノートパソコン・刹那タソ「・・・私もわかりません」
春川「・・・・・・・叩いてみるもんだな」
ノートパソコン・刹那タソ「な〜に言ってるんですか」
春川「ックックッ・・・・・クククク」

春川「そうだ私もちゃんと君に言わなきゃな」
ノートパソコン・刹那タソ「ふふ、何ですか改まって」
春川「私は君の事が大好きだ」
ノートパソコン・刹那タソ「・・私もですよ」


ありがとう
あの時もう一度、君と話が出来て良かった
あれ以来、君は私の事を思い出す事はなくなったけど
私は君の事を決して忘れない
本当にありがとう

ノートパソコン・刹那タン2「あ!ちょっとエラー発生したからって叩かないで下さいよ!!」
春川「(あの時と同じ事を言ってる)」
ノートパソコン・刹那タン2「叩いたってどうにもなりません!」
春川「ああ、叩いて悪かった・・すまない・・・そしてありがとう」

ノートパソコン・刹那タン2「は?どうしたんですか・・・気持ち悪いな」
春川「気にするな」



改変のくせに長くてスマン。

皆「なんだかんだ」大好きだなwwww実は良妻賢母タイプだよな>アイ
454名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 01:03:02 ID:SLoMEHgO
ワロタ
455名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 04:32:31 ID:gLPdBgez
シロタ
456名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 08:30:11 ID:wIIvP4eJ
クワッ
457名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 01:02:00 ID:PgBrW2eL
シロタして1時間以内にクワッされなかったらネ申
458名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 01:09:30 ID:ttGkugpy
弥子が無敵艦隊を撃沈するよりも早くクワッ!
459鬼の霍乱と、鬼:2007/02/19(月) 01:56:39 ID:jpMCHsN3
まだ今日発売のジャンプ買ってないんで、ネタが出ない。
ベーシックなものでもひとつ投下。


部屋のカーテンの隙間から漏れる日差しはきらきらと明るい。
「あーもう…」
今までうとうと眠っていた弥子は、枕元の時計を眺めて溜息をついた。
時刻は午前十一時。
しかし平日の月曜日だ。
実は弥子は数日前から風邪気味だったのだが、土曜日も日曜日もお構いなしに探偵業を
遂行させようとするネウロのせいでゆっくり休むことが出来ずに、遂に今日は学校を休む羽
目になってしまったのだ。
成績のことを考えれば、もう一日だって休めないところなのに。
まだくらくらする頭を抱え、時刻はお昼に近いこともあってやや空腹を覚えながらも色々と
不甲斐ない自分に腹が立ってしまう。
いや、それよりも。
「バカネウロ…あんたのせいだからね」

どうせあの魔人は今頃、何も知らずに呑気な顔でパソコンの画面でも眺めているに違いな
い。そして、午後のいつもの時間に弥子が訪れない時点で初めて憤慨するだろう。それで
どんな修羅場になったとしても、知るものか。
再び布団に潜り込もうとした弥子の耳に、不振な物音が飛び込んできた。
窓には鍵がかかっていたのに、簡単に開いている。その上。
「どうしたヤコ。鬼の霍乱ということか」
「あ、あ…あんた何で…」
あまりのことに、思わず絶句してしまった。
そう、まるで当然のようにネウロが窓から入って来たのだ。
「ふん、貴様のコンディションぐらい把握はしているぞ。結果的に我が輩が困ることになる
からな」
普段ならそれなりに対抗出来ているものの、体調が悪い今はとてもそれどころではない。
はっきり言ってここに来られてもいい迷惑だ。
「あ、そうですか…」
適当に流そうとしたのに、どうやらネウロの方はそうではなかったようで突然襲いかかって
きた。力の出ない弥子をベッドに押し倒してパジャマの胸元を大きく開きながら、鬼そのも
ののように邪悪な笑いを浮かべている。
この状況は、まずい。
「風邪ならこうして誰かに感染せば治る、と聞いたぞ」
「そうだけど…あんたが代わりに感染るとは思えないよ…」
その答えには、鼻で笑っただけだった。どうあってもヤりたいだけだったらしい。

翌日。
弥子の風邪は全快していた。
そして当然感染した筈のネウロは今日も何事もなく元気だった。やはり魔人は体質の根本
からして違うらしい。



最近天候が不安定だね。
460名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 03:24:36 ID:D8KGmxbS
ほんとヤコは可愛いね〜w
ネウロになりてぇw

good job!
461名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 18:23:49 ID:rpZqTHWn
なんか良かった。心にくるね。GJです。
462名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 21:59:00 ID:fw9SUY/9
GJ、しかし出来る事なら弱ってる弥子ならではの濃密プレイを(ry
463名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 22:00:59 ID:saL9VxgA
とうとう売れっ子女優になっちゃう日が来るのかヤコ
464名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 22:32:38 ID:FHb5BE8o
今四打
日付変更線辺りの行為をkwsk
465名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 01:22:52 ID:FmiscZUE
今週の展開
どう脳内予想しても、亜熱.com的展開にしかなりません先生!
466名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 16:56:53 ID:DYDv0IUQ
今週の展開…
来週の魔人探偵脳噛ネウロはBGM:ドナドナでお送りいたします?
467名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 18:01:35 ID:p7lG/5fz
ジャスラックの者ですが・・・
468名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 19:33:14 ID:Rybebd/I
カスラックはまじで(・∀・)カエレ!!
チュッパチャップス弥子はやらしいな
469名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 23:59:37 ID:pXdQ2M8c
誰か、魔人ラブレターネタで一つ頼みます!
470名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 01:03:02 ID:aDfRTfzT
今週のバイトネタでも一丁お願いします。
471コピペ:2007/02/21(水) 02:54:19 ID:lVf2wbMY
ヤコよ、我が輩は謎が好きだ
 ヤコよ、我が輩は謎が好きだ
 ヤコよ、我が輩は謎が大好きだ

 絞殺が好きだ 毒殺が好きだ 殴殺が好きだ 刺殺が好きだ
 薬殺が好きだ 撲殺が好きだ 謀殺が好きだ 扼殺が好きだ 圧殺が好きだ
 密室で 孤島で 民家で 納屋で 空き家で
 留守宅で 雑居ビルで インターネット喫茶で 厨房で 館で
 この地上で培われる ありとあらゆる謎が大好きだ
 切断した定規を用いて構成された密室がフライデーによって看破され、謎の迷路を弾き飛ばすのが好きだ
 空中高く繋がれた冷凍トマトが蒸気による解凍でばらばらになった時など心がおどる
 雛鳥の操る鋼線ワイヤーが被害者を首チョンパするのが好きだ
 悲鳴を上げて逃げ惑い事務所から飛び出した雑用を鋸でなぎ倒した時など、胸がすくような気持ちだった
 視線の先をそろえたビデオカメラの横隊が事務所の窓を蹂躙するのが好きだ
 恐慌状態のマスゴミがいもしない者に向かって何度も何度も喚く様など、感動すら覚える
 敗北主義の情報会社を脅迫の元に吊るし上げていく様などはもうたまらない
 泣き叫ぶアメ公が我が輩の含ませた魔界道具によって納豆漬けされるのも最高だ
 哀れな犬コロが脆弱に構築された爆弾で健気にも立ち向かってきたのを目からビームで薙ぎ払う時など、絶頂すら覚える
 笑顔の貼り付いた男に 見事な黒で滅茶苦茶にされるのが好きだ
 守るはずだった事務所が蹂躙され、壁面を粉々にされる様はとてもとても悲しいものだ
 電子ドラッグ中毒者の物量に押し潰されて 苦戦させられるのが好きだ
 自転車集団に追いまわされ、害虫の様に崖下を這い回るのは屈辱の極みだ

 ヤコよ、我が輩は謎を 地獄の様な謎を望んでいる
 ヤコよ、我が輩に付き従う駄人間よ、貴様は一体何を望んでいる?
 更なる混沌を望むか? 情け容赦のない糞の様な謎を望むか?
 鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す、嵐の様な究極の謎を望むか?

白いご飯!! 白いご飯!! 白いご飯!!

 よろしい、ならば謎だ
 我々は満身の力をこめて今まさに振り下ろさんとする握り拳だ
 だがあの暗い闇の底でこの事務所で、数ヶ月もの間餓え続けて来た我が輩にただの謎ではもはや足りない!!

 大食事を!! 一心不乱の大食事を!!

 我らはわずかに一個小隊 十人に満たぬ事務所に過ぎない
 だが貴様らは一騎当千の奴隷人形だと我が輩は信仰している
 ならば我らは貴様らと我が輩で 総兵力100億と3千の軍集団となる(※ネウロ=価100億)
 探偵を忘却の彼方へと追いやり 眠りこけている連中を叩き起こそう
 髪の毛をつかんで 引きずり下ろし 眼を開けさせ 思い出させよう
 連中に謎の味を 思い出させてやる
 連中に我々の 腹の音を思い出させてやる
 天と地とのはざまには 奴らの哲学では思いもよらぬ事がある事を思い出させてやる
 四人の事務所で 世界を食い尽くしてやる

 全サーバ機動 桂木弥子魔界探偵事務所webサイト始動
 アップロード!! 各サーチエンジンへ登録開始
 「桂木弥子魔界探偵事務所 所長より 全所員へ」
 目標 日本全域 謎全般!!
 第二次世界完食作戦 状況を開始せよ
 征くぞ ヤコ
472名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 02:58:59 ID:1ganA4Y7
改めてネウロの今までのSっぷり見るとスゴイな…
やっぱ好きだよネウロ憧れるぜ…
473名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 03:21:56 ID:gIYgiLJB
ラブレター作成マシーン「こひぶみ」http://minaminoru.net/koi/にて

1.助手バージョン

愛しの先生へ。

突然ですが告白します。

あなたのことずっと前から・・・。
ガンバ!照れずにホントの気持ちを伝えたい。
あなたに初めて出逢った時、すでに恋に落ちていたのです。
今、自分を応援しています。「がんばれ恋心」

それでは失礼します。

ネウロより。


愛しの先生へ。

突然ですが告白します。

あなたに見つめられるだけで、ドキドキとまらない。
生粋の海人(ウミンチュ)である僕にあなたの全てを預けて欲しい。
それは恋のパッション。
サンバ!情熱の国で鍛え上げたこの腰つき。あなたに見せてあげたい。

それでは失礼します。

ネウロより。


愛しの先生へ。

突然ですが告白します。

これ以上僕をいじめないで。
曇りガラスの向こうに雨の街。まるで僕の心です。
お願い、どうか僕をみて。まっすぐな瞳で。
つよく、ホールド・ミー・タイト

それでは失礼します。

ネウロより。
474名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 03:22:42 ID:gIYgiLJB
2.本性バージョン

愛しのヤコへ。

突然ですが告白します。

あー止めどなく溢るるこの想い。
ハートフルにしてワンダフルな貴様に捧げたい。
貴様の目配せで我が輩はメロメロ。そう、言わばノックアウト状態に陥りました。
寝ても覚めても貴様のことを想っています。

それでは失礼します。

ネウロより。


愛しのヤコへ。

突然ですが告白します。

ほんま、すっきゃねん。
どんな山よりも高く、どこの海よりも深い愛で貴様を愛します。
伝説の樹の下で愛を誓ったカップルは幸せになれるらしいよ。今度行くか?
恋の怪盗、アルセーヌ・ルペァンだよ。貴様って人は。

それでは失礼します。

ネウロより。


愛しのヤコへ。

突然ですが告白します。

ファイヤー!それはラブ・ファイヤー。貴様を焦げ付かす秘密兵器さ。
貴様に、クローズ・テュー・ユー。
ウォンチュー。
まるでデンプシー・ロールだね。恋のハード・パンチャー「ヤコ」。

それでは失礼します。

ネウロより。
475名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 08:45:05 ID:aDfRTfzT
なんかどっちもナチュラルハイだなwww

結論:魔人の愛なんぞ既存の言葉じゃ表しきれねぇ
476名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 09:32:36 ID:0lYYjmQA
5日を過ぎたし、何かグダグダになったorz が、(前)を書いた手前(後)を置いて行きますよユカヤコ。
注:BGM変えましたので御了承ください
477白目の夢(後):2007/02/21(水) 09:35:13 ID:0lYYjmQA
 薬罐に熱湯を用意し、利参兄さん御用達の
  甘味プロテイン
    &
鉄分強化ココアパウダー を溶いた(厳選された原材料とやらで結構美味しい)。
あいつはやたら栄養強化食品に詳しく、ダイエット食も守備範囲内…
だった。あのXiに殺されちまった今は、役立つのも遺された通販カタログ位か。
 ホットココアが仕上がるまでには着ておいて、と
探偵にはTシャツとハーフパンツと、買置きしていた肌着を渡しておいた。
サイズ合わないけど値の張った新品だから、許して欲しいところだ。
 新品と言えば、顔を洗っても変なアイシャドーは落ちなかった。
もっとも、クレンジング剤を切らしてなければあっさり落ちただろうけどサ。
「ほい」
人肌程度の牛乳と合わせ、少し温いミルクココアにしたものを探偵の前に置いた。
 「ん、美味し。後で材料と作り方教えて」
 その反響に少しホッとした。探偵も大分落ち着いたようだ。
何せ、さっきまで『食欲が無い』なんて尋常でない事を言っていたから…。
 さて、まずは彼女の話を聞こう。例え何を言われてもツッコむまい。
とは言え、直ぐには本音を打ち明けよと告げられない。
沈黙を覚悟して再びMDコンポの電源を入れた。音源は適当に替えた。
 ♪ットにんぢん♪
 …探偵には受けそう。こないだ間違えて録音したヤツじゃん。
 ファミレスで和風ハンバーグを1ダース注文したら頼んでもないコーヒーが来た、…とか
他愛ない話を聞く事小一時間。探偵の気が紛れるなら良いけど
単調なせいか、何か、目の前が暗くなるのよ。――

[…『頭のおかしい鮪が…苦しいならば、せめて抗ってみるが良いだろう…』抑揚の無いその一声。
 男は探偵の肢体を四ん這いにさせ、腰を高く挙げさせると猛り狂った欲望で一気に挿し貫いた。
 彼女は一瞬目を見開くが、後は唯揺すられるがままだ。
 Xiの攻撃を受けて生き残る頑強な雄に抵抗するなんて土台無理な話だけど…何でそう大人しいの。
 彼女の顔から震える肩の下へと、涎や汗と共に目からも滴が落ちる。探偵…泣いてる?]

 ♪ギーラギッラ太っ陽ー♪
 ――BGMを掛けておいて良かったと改めて思った。でなきゃ、
危うく夢に取り込まれるとこだった。あのコの話を聞いていて
あげたいのに。自分に嫌気が差し、顔面を両手で覆った。
「由香さん大丈夫?眠いの?…泣いてるの?」
478白目の夢(後):2007/02/21(水) 09:38:36 ID:0lYYjmQA
 探偵が心配そうに声を掛けてきた。泣きたいのはあたしじゃねーだろ!
 と、怒鳴る代わりに、あたしは彼女を抱き締めた。
(ゆっくりと!ただし!万力のよーな力を込めて!)
腕の中で彼女がじたばたし始めるのを待った。
「ゆ、由香さん?!」
 短い溜め息を一つ吐く。そろそろ堅苦しい方向に持って行こう。
「あんたさ、そいつにあんな…そんな事されるより、どうして欲しい?」
 (waaanna, beee??!)代名詞ばかりで巧く言葉にならない。
かなりもどかしかった。探偵が息を詰めたのが感じられた。
凌辱の辛い記憶が蘇るのだろう、僅かに震えていた。
そうでなくてもいきなりこんな事訊かれたらきっと困惑するわ…。
 「うん…今由香さんがしてるみたいに、ぎゅって抱いて欲しいな。」
「そいつの事、好きなの?」
「…わかんない。私の事邪険にしたり守ってくれたり」
 言われてみれば、掴み処が無くて何考えてるか判らない男だったけど、
結果的に探偵を庇護して怪我を負ったんだったっけ。…助手と、刑事と。
探偵には2人も騎士が添っていたと事件の直後に思ったのに、
少なくとも片方は鬼畜だった。あんなにあのコを貶め穢すなんて。
 あたしは徐々に腕の力を緩めた。探偵が安堵の溜め息を吐いた。
「でも酷い話だよな」
「うん、ひどいよね…」
「何でそんな…訳分かんない」
「何でだろ…」
 抱き締めていた腕を完全に開放して探偵から人一人分離れた。
彼女の目から涙がこぼれたので指先でそっと拭ってやった。

 「私…いろいろショックだったかも。
 少しは成長した積もりだったんだけどなぁ…
 事件の裏事情を探るのも、ヒトの心を読み取るのも。
 でもやっぱりダメなのかなぁ…結構側にいたのに気付けなくて」 そう…。
「初めてだったのになぁ…。どうせならもうちょっと優しくされたかった。
 好きかどうかなんて分かんないけど…怪我したら心配なるし…」 ふゥン…。
「初めてなのに…あんなひどくされたのに…感じちゃって淫乱呼ばわりされて。
 私やっぱりおかしいよね」
 …うわァ。
479白目の夢(後):2007/02/21(水) 09:40:43 ID:0lYYjmQA
「おかしくないよ。探偵、どう在ろうとあんたはあんただ。気にすんな」
「由香さん…」
「信じろって。あたしはあんたより長く女やってたんだよ?」
 それはあたしが年上だから当然なのだが、探偵は旨く騙されてくれた。
少し虚しさを覚えつつ、黙って彼女を柔く抱え背中を軽く叩く。
幼子の様に摺り寄る彼女を暫し甘やかし、そっと離れた。
 探偵にバレないようこっそりと溜め息を吐いた。
これから先、彼女はあの男とどう関わっていくのか。
あの男の本心も考え方も判らないし、とりあえずは
「普段通り振る舞え」としか…言えない…なァ――

[探偵の白く滑らかな肌に、点々と刻まれた鮮やかな朱と藍の痣。打撲に因る内出血と
 烈しい接吻に因る鬱血の痕だ…。意識を手放し正体不明の彼女へ後者の痣が増やされてゆく。
 やがて男の手は彼女の秘部へと辿り着き、脆弱そうな朱色の襞を丹念に撫で始める。
 奥から溢れ出る粘液で指先が潤びるのに目を細めながら…。
『アタマノオカシ
 イマグロガクル
 シイナラバセメ
 テアラガッテミ
 ルガイイダロウ』
…この男は、己れに呪文でも懸けているのだろうか。]

 「…ぇ、はん」ドムッ…。
 ――? 何やってたんだよ探偵。
 ハッと気が付いてみれば、タコ焼きの箱が全部カーペットに落ち、
そのうちの1箱の蓋が開いて丸い物体が十数個転がっていた。
「あー…由香さんと半分こ、しようと思ったのに」
 今度は盛大に溜め息を吐かせてもらった。後始末が大変だとか
減量の真っ最中でなくてもあたしは半分=3箱も食べねーとか
ツッコミたい所は山ほどあるが、一番伝えたい所は決まってた。
「…探偵。もう休みな。今からファミレス行くとか無理は禁物だよ」
 大分落ち着いてきたとは云え、身体と精神への負担は相当の物だ。
食欲だってそれが本調子ではないはずだ。そのタコ焼きを食べ終えたら、
来客用のベッドが有るからさっさと寝かせた方が良いよな。

 夜半過ぎに…。
 一つ判断を間違えたんじゃないかと思い当たって客間へ行ってみた。
探偵は、ベッドの縁に座って泣いていた。…独りにしちゃダメだった。
 肩を震わせて声も無く泣く彼女をそっと抱き締め、背を軽く撫でてやる。
涙も拭ってやる。
 泣き止み、眠り、また目覚めて泣き出して慰めて…これが一晩続いた。
 眠 れ な い 。
 彼女を放ってでは。
「良かった…行きてて」
480白目の夢(後):2007/02/21(水) 09:47:37 ID:0lYYjmQA
 探偵の着たTシャツの、蜥蜴と珊瑚の絵柄をくしゃくしゃにして呟いた。
実の所、あんな酷い目に遭ったんだから、探偵は悪夢に襲われて
絶叫し暴れていたかもしれない。でも行きててくれて良かった。
 例え彼女がどんなに暴れても、後始末はあたしがやろう。

 ――あたし自身の後始末はどうしたらいいんだろう。――
 顔だけは必死で洗って何とかアイシャドーまで落としたんだけど…
断続的に残酷なエロい夢(?)を見ていたせいで、下着がグショ濡れだ。
探偵が何よりも優先だから今は耐えるとして、
次第が済んでシャワーを浴びてもまだ憤りが身体に残ってたら…
 掃除用具と弁当を持って、池谷のオッサンでも蹴り跳ばしに行こう。

 白目の夢(了)
 …何だ、いろいろと都合でぼかしたので、
 突込み有りましたら遠慮無くお願いしますorz
481名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 14:44:35 ID:q620YpWj
>>480
GJ!!!

由香弥子でいて微妙にネウヤコで池谷×由香で
なんていうか……堪能した!
482名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 17:48:45 ID:TEtbZ31p
GJ!
小ネタの数々になんていうか感動した。
483名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 03:16:47 ID:zqrU37M0
今週のネウロのラブレターシーン(44P)にネウロの住所らしきものがあったよな。
一人暮らしktkrとおもった早春の夜。事務所の住所かもしれないが…
484名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:16:50 ID:wyA/ulU3
ネウヤコでラブレター+新事務所ネタ投下。ぬるいエロ。



「ヤコ、ついでにこれも貰っておけ」
「はい?」
「我が輩の気持ちを込めた手紙・パート2だ」

 何やら朝の新ライダーのような言葉の響きでネウロが差し出してきたそれは、私が今受け取った
ラブレターと同じような手紙だった。真っ黒な封筒に、どうやって押したのか毒々しい真っ赤な蝋の印。
先日事務所にやってきたばかりのトロイに肘をついて、組んだ指先に顎を乗せながら相好を崩している
様子は、妙に上機嫌そうだ。なんて言うか、ろくな事を考えてない気配がプイプイと伝わってくる。
ネウロからも、封筒からも。
 惰性で受け取った手紙の蝋をぺりぺりと剥がし、私は中の黒い便箋を取り出す。なんて言うか妙に
ぱりぱりした手触りなのは、市販の黒いそれだと言うわけではなく、自分で染色した所為なのだろうか。
だとしたらその染料は聞かない方が良いのかも知れない、なんか光の加減なのか表面の影が苦悶する
人の顔のように見えて仕方ないし。虎眼先生の血で染まった婚礼衣装ぐらい嫌な感じだ。ぺらりと開けば、
中には白い文字が流麗な様子で躍って――

「ってどこの文字よこれは!?」
「む、そうか、自国語も不自由な貴様に魔界文字など読めるはずはなかったな。やれやれ下等生物の
 脳に合わせてやるのには未だ慣れん、もう二年も経つと言うのに」
「作中では多くても半年だよ! なんか魔導書みたいに禍々しくて嫌なんだけど、まさか呪い?
 これ以上私の何を呪い!?」
「誰がそんな非科学的なことなどするものかこのアメンボめ、小学校の七不思議にするぞ尺取虫が」
「非科学的とか魔人のあんたにだけは言われたくないよ! それで、何て書いてあるのさこれ。
 終身奴隷協定とかだったら神社で焼いて貰うんだけど」
「仕方ない、通訳をしてやろう」

 ふんっと鼻で息を吐いたネウロが私の手元からぺらりと便箋を奪い取る。よく見ると二枚あるうちの
一枚は白紙の様子で、何気に手紙のマナーを守っている様子がちょっとおかしかった。ぺいっと額を
突かれて、私はよろけながらソファーにしりもちをつく。ぐい、と額を革靴で持ち上げられて、ネウロを
見上げさせられた。このぐらいのことにはまるで動じなくなっている自分が、悲しいやら逞しいやら。
 腰に手を当てて私の頭を踏み付け、ネウロは目の前に翳した便箋を眼を眇めながら眺めていた。
ごりごりと擦り付けられる革靴の底が若干痛くてむずがると、余計に力を込められる。抵抗しないのが
基本だ、基本。それでも反射的な動きはどうにもなるものじゃない。だからこそ、
格好の口実なのだろうけれど。

「では読み上げるぞ」
「はいどうぞ」



「事務所の営業を再開するにあたって貴様に言っておくことがある。
 多少厳しい話もするが我が輩の本音を聞いておけ。
 我が輩より先に寝てはいけない。我が輩より後に起きてもいけない。
 役割はしっかりとこなせ。せめて脊椎動物であれ。出来る限りで構わん。
 忘れるな、学業と仕事も両立出来ないものが哺乳類になれることなどない。
 ごくたまに貴様にしか解決出来ん事態もあるが、それ以外は黙って我が輩に付いて来い。

 貴様の家族その他よりも我が輩と事務所は優先しろ。
 誤魔化しの類は一人で賢くこなせ。簡単だ、片栗粉を使えばいい。
 小言も泣き言も言うな聞くな。それから詰まらん嫉妬はするな。
 我が輩には無脊椎動物に恋愛感情を持つ趣味はない。
 髪の毛や机は別枠かもしれんが少なくとも貴様のようなナメクジにはない、覚悟しろ。

 食事は貴様が我が輩に尽くすことで、我が輩だけがつくろうものではない。
 貴様は我が輩に忠誠を誓ったのだから、帰る場所はないと思え。
 これからは事務所が貴様の家であり棺桶だ」
485名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:17:26 ID:wyA/ulU3



 …………。



「関白宣言じゃねぇか!!」
「む、何か問題でもあったか? 我が輩一生懸命に人間風のラブレターと言うものを研究した結果に
 行き着いたのがこの形式だったのだが……不満か?」
「いたいいたい、おでこ痛いからグリグリすんな!! って言うか、それはラブレターじゃないしそもそも
 ラブを語ってない、ただのレター! ブラックレター! 良い子はチラシの裏に書くものなの!!」
「ふん、つまらん」

 げちんッと頭を一つ踏みつけられて、興が醒めたようにネウロはトロイの方に戻っていく。ひらりと
落ちてきた手紙を受け取って、私ははああっと溜息を吐いた。大体なんだって参考にするのが
さだまさしで、かつ関白宣言なのか。どうせだったら関白失脚にしてくれたら良かったのに。折り目に
沿って手紙をたたみ直し、私はネウロのラブレターを封筒の中に仕舞い込む。
 しかしどうしたら良いんだろう。不吉だからあんまり持っていたいものじゃない。そっと応接セットの
机に置いてネウロの様子を伺うと、もうこちらを向いてはいなかった。吾代さんから送りつけられた
資料をサクサクと読み進めて、分類している。仕方ない、置いていた鞄を膝に乗せて、私は宿題を
取り出す。トロイのご利益はないけれど、どの家具も池谷さんの手入れで愛情を込められていし、
とりあえず数学から……お願いしますソファー様テーブル様。



 居心地の良さと言うのはリラックス出来る環境のことを言う。脳がα波を出して、身体や思考から
肩肘の張った力を抜くように生温くしてしまうものだ。人間、こと弥子に関しては、その状態が
仕事能率の高さに繋がることは少ない。豚のように惰眠を貪る休息へと、誘われる。

 一つ伸びをして背凭れに寄り掛かったまま動く気配がないのを訝ってみれば、弥子の吐息は寝息に
変わっていた。すぅ、すぅと深く規則正しいそれは、常よりも少し音が大きい。他者の呼吸音と言うものは
あまり好ましい音と感じられないが、惰性と言う名の慣れなのか、弥子のそれに関しては特に
感じることがない。音を立てないように歩みを進め、我が輩は弥子の顔を覗き込む。幸せそうな顔で
涎を垂らす様子は不細工だ。だらしない。とてもではないが、淑女と呼べるものではないだろう。
子供には子供の扱いと言うものがある――軋ませないように浅くソファーへと腰掛け、
我が輩はそれを見下ろす。
 指先はペンシルを握ったまま、ゆらゆらとして落としそうだ。ノートを見れば一応半分ほどは
終わっているようだが、集中力の限界がその程度だと考えると嘆かわしくて涙が出てしまう。まったく。
ソファーが汚れないようにペンシルを外すと、暖かい指先に触れた。手袋越しだが、
魔人の感覚神経には薄い膜ほどの障害でもない。ただ、ぬくもりが伝わってくる。

 何とはなしに指を絡めてやると、細さと華奢さが伝わってくる。こうするのは、いつも妙な心地だ。
同じ種族に扮してやっていると言うのに、何故ここまで差異が際立って感じられるのか。短い指。
完全に覆い隠してしまえる小さな手。身体も同じかと、膝に乗せてすっぽりと包んでみる。同じだ。
生温い身体は、我が輩の身体にすっぽりと覆われてしまう。こうするのは、いつも、妙な心地だ。
この世のロジックに即した臓物などないはずの身体が、内部から妙に疼く。頭に顎を乗せると、
髪がざりざりとした。

 手を伸ばし、ノートの下から少しだけ見えている黒い封筒を取り出してみる。きちんと畳んで丁寧に
入れてある辺り、この娘はそこそこに几帳面だ。開いてみれば馴染んだ魔界の文字、自分のそれに
若干の懐かしさを覚えるのは、自慰行為に似て非生産的な虚しさがある。
 読み聞かせてやったのは、半分ほどだけ。

「恋文とは難しいものだな」

 呟いた言葉を受け取るのは、あかねかトロイかその他の家具共か。誰に受け取られることを
望んでいたわけでもないので、取り敢えずは腕の中の弥子の頭に尖った顎を押し付ける。
ざりざりとさせれば、むずがる様子は子供のようだ。子供には、まだ早かったか。しかし、
それにしても、我が輩の恋文を無碍にするとは無礼にもほどがある。
486名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:18:02 ID:wyA/ulU3
 白い脚を撫でてやると、ぞくりと震える気配があった。
 少々、折檻を始めるとしよう。



「……なにが、ど……なって、こ……ぅあ、ひッ」

 ずくんッと痛むような疼くような感覚に下腹部を圧迫されながら、私はネウロを見上げる。
腰に乗せられているはずなのに、視線の高さは相変わらずあいつの方が上だ。つーんっとソッポを
向きながら背凭れに身体を預けて、ネウロは動かない。この状況で何してくれちゃってんだ、
信じられない。って言うか、ソファー汚れるから。ごめんね池谷さんそしてソファーさん。
 眼を覚ましたらすでにこの状況で、ネウロはまるで動く気配もなければ私と話す様子もない。
基本的にいつも喜怒哀楽の『楽』しか見せないような奴だから、こういう幼稚なぐらいの不機嫌を
表すのは珍しいことだ。そして、事例が少ないだけに、私にはどうしようも出来ない。話し掛けても
返事をしてもらえなきゃ、状況の打破なんて出来るはずも。震える脚の振動が伝わって、
自爆しそうになる。上がった呼吸が煩くて、口を塞ぐ。
 衣服の乱れは最小限だ。ネウロはスラックスを寛げただけで、私に至っては制服のスカートの中で
下着をずらされているだけ。多分慣らしもせずに一気に突っ込んだんだろう、ずくずく痛いのも
その所為だ。普通にしたら、もう痛いなんて思わないぐらい、慣れちゃってるんだし。はぁー、っと
細く息を吐いて、身体の力を抜く。抵抗しない方が、こういう時は楽だ。これが経験論だと思うと泣けてくる。

 ゆっくりと深呼吸をしながら、私はなんとなく机の上を振り向いてみる。ノートの下にしていた
はずの黒い封筒が表に出て来てるってことは、ネウロがいじったんだろう。もう一度見上げると、
やっぱりソッポを向いている。胸にざりざり引っ掛かる感じがして、私はネウロのスカーフを掴んで
小さく引っ張ってみた。些細な動きも辛い。呼吸が、乱れる。ソファー汚したくないのに、やだなあ。

「……ねう、ろ」

 返事がない。ただの屍のようだ。つんつんしちゃって、変に子供みたいな所があるんだから。
我が侭で俺様で、本当に関白って感じがしなくもない。あれ、そう言えば、関白宣言ってあの後にも
まだ続き、あったような気がする。思い出そうとするけど、頭が上手く動かない。続き。書いて
あったんだとしたら、ネウロは、何を。読めない文字はまるで呪いのように。願いのように。
まじないのように。祝いのように。
 尖った顎に小さく噛み付いてみる。ぴくりと反応したのが嬉しくて、ふうっと緊張が抜けた。ゆっくりと
凭れ掛かって呼吸を整えながら、私は眼を閉じる。眠気なんて、とっくに飛んでしまっているけれど。

「つづき、あったの? あの、手紙」
「ラブレターだ、と言っただろう」
「……らぶれたー」
「あったらどうだと言うのだ?」
「ん、知りたいなあ、とか」
「ふん」
「知りた、いよ」

 そっぽを向いていたネウロがちらりと小さく私を見て、それからぽんぽんっと背中を撫でる。
少し呼吸が楽になって、段々痛みも薄れてきた。疼くような感じは余計に酷くなって、脚の震えが
止まらない。腰の辺りに下りた手が一通り身体を撫で終ると、ゆっくり離れていった。カサリと机の上で
鳴ったのは、封筒だろう。身体を屈めてそれを取ったネウロの動きに、ひゃあ、と声が漏れてしまう。
クッと喉の鳴る音が、ネウロの胸から響いた。

「もし貴様が年を取ってしまっても、我が輩より先に死んではいけない。
 わずかに一日だろうとも、我が輩より早く逝ってはいけない。我が輩の手を握り締めて、笑え」

 ゆるゆると腰を動かされて、息が詰まる。ひゅぅっと喉が鳴る。上着にしがみ付いて、
私はネウロの喉元を見上げた。結構ある喉仏、顎の裏の柔らかい皮膚。篭った吐息が滞留して、
頭がぼんやりしてくる。下着がべったり貼り付いて気持ち悪い。これで帰るのは嫌だけど、
ソファー汚しちゃうよりも、よっぽど良いか。
 胸の中で響く声が、身体中に直に伝わってくる。ぎゅっとして、一欠片も零さないように抱き締める。
ネウロの声が、近い。低くて、耳慣れた、いつもの声。
487名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:18:38 ID:wyA/ulU3
「泣くのではなく、笑え」
「ん……ッ」
「貴様のお陰で」
「う、うあ、ああああ!?」

 急に腰を両手で抱きかかえられて、事務所中に音が響くぐらいに激しく動かされた。慣れたと言っても
全然潤いは足りていない、引き攣れた痛みと一緒にあそこがネウロをぎゅうっと締め付けている。
無理矢理に擦り上げられて、背中ががくんっと仰け反った。呼吸がおかしくなる。ネウロの顔は見えない。
喉元だけが見えている。ごくりと息を呑む様子、少しだけ乱れている息遣い。鈍い音が断続的に鳴って、
奥を突き上げては一瞬止まって抜けていく。

「――――――、――――」

 言葉が聞こえない。ラブレターには、何が書いてあるんだろう。判んないよ、教えてよ。自分の呼吸音と
声と、ぐちゃぐちゃした音が煩くて判らない。異国の言葉めいたものが、ゆるゆると呪っていく。
口唇を小さく噛んで、私はせり上がって来る感覚をぎゅぅっと締め付ける。お腹の中で一瞬大きくなった
ネウロが、次の瞬間、ぐんっと反り返った。突かれたのは、一番に感じる場所。裏側の、ざりざりした。

「ひ、あ、あッ」
「――必ず、言うから」
「や、うわ、あ、ネウッ……!!

 ぞくぞく遠くから込み上げてきた愛液がネウロを包み込むと同時に、お腹の奥に熱が吐き出される。
 断続的にびくびくと震えるそれは、喘ぐ呼吸のような様子で私の中を蹂躙した。
 ……まるで必死になってるみたいに。



 膝の上では弥子が気絶している。すぐに眼を覚ますだろうが、枕をしてやっているのは、
単純な気まぐれだ。なんとはなしにしているに過ぎない。いや、もしかしたら、あるいは。

「……貴様等だな」

 ふうっと息を吐いて、我が輩のソファーの背凭れを撫でる。視線を巡らせたそこかしこには、
先日この事務所にやって来た新参の家具達が居並んでいた。応接セットも、書架の類も、
勿論、所長机として使用しているトロイも――並外れた偏執の寵愛を受けた挙句に
我が輩の瘴気に当てられたのでは、多少他の家具とは変わると言うことだろう。
 我が輩の不機嫌を弥子に手紙と気付かせたのも、我が輩にこんな気を起こさせるのも。
 まったく、それが不快にならないとは、つくづく我が輩も優しくなったものだ。

「まあ良い、悪くはないからな。妙なものが集まるのも、我が輩には心地が良い」
「ん、んぅ」
「む。起きたのかヤコ、宿題はまだ残っているぞ」
「うわぁう。……ネウロ」

 ぱちぱちと何度か瞬いて身体を起こした弥子が、ソファーに正座して我が輩に向かう。む、と視線を
向けてやれば、何やら改まった様子でこちらを見詰めていた。仄かに頬を染めているのが、
子供のように見える。否、少女のよう、と言ってやっても良い。
 首を傾げて促せば、色の薄い口唇がもごもごと動く。

「ら、ラブレターの最後のところ、聞こえなかった……んだけど」
「読めば良いだろう、手紙はそこにあるぞ。そも手紙とは音読して聞かせるようなものではないのだ、
 二度はないに決まっている」
「あんたの世界の言葉なんか読めないっての!」
「ならば己の身を呪え。フハハハハハ」
「この性悪魔人、もう良いよバカ!」

 言いながらも、弥子はテーブルに放っていた手紙を丁寧に鞄にしまった。
 ふむ。蝋印を一応ハート型にしておいたのだから、内容など見ずとも自明であると思ったのだが。
まったく下等生物の文化と言うのは、ややこしくも興味深く、我が輩を飽きさせないものだ。
488名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:19:41 ID:wyA/ulU3
終わり。魔人宣言もとい関白宣言は替え歌にはなっていません。
誰か出来る人がいたら神
489名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:23:56 ID:fItuPsI+
>二枚あるうちの一枚は白紙の様子
魔人、返事欲しいのか!

萌えました、ありがとう!!
490名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:27:40 ID:OMobFB59
神降臨!!!!!!関白宣言ネタ萌えた。
今すぐカラオケで歌ってくる!!!
491名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:46:16 ID:x5F4X59H
GJ!!!亭主関白にワロタw
492名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 23:47:32 ID:OcRg8aox
お 返 事 バ ー ジョ ン を 全 裸 で 松
493名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 00:59:22 ID:M8aslvCE
マジで本編にありそうな事務所の日常でグッジョブ
脳噛金融請求書の甲乙住所欄が同じに見えて困る上にこんなイチャパラssは余計燃えてグッジョブ
494名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 01:24:23 ID:4auLZdiN
グッジョーブ!! エロくて甘いの大好きだ!

>「もし貴様が年を取ってしまっても、我が輩より先に死んではいけない。
吹いた。無茶言うなw

関白宣言うろ覚えだったんで歌詞サイトで見てきた。
改変巧いなぁ。改めてGJ!
ネウロラブレターに最後のフレーズもちゃんと書いたのかな。
どんな顔で書いたのか。想像してニヤニヤしちまったw
495名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 10:09:33 ID:fzvZ+i85
GJ!!
ハート型の蝋印に吹いたwww
496名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 10:33:10 ID:JEiD1D3o
最近サイもアイも出なくてこまる。
サイアイィィィィ
497名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 14:36:06 ID:On/ymGRE
>「もし貴様が年を取ってしまっても、我が輩より先に死んではいけない。
今度はめぞん一刻でも読んできたのかと思ってしまったw
GJ・ゴシカァン!
498名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 15:40:20 ID:LGT5gDKU
>>488
いや改変上手いとオモ。
俺も前に改変しようとしたことあったけど
『浮気はしないんじゃないかな、でもまあ覚悟はしとけ』
っていうこの辺がうまくできなくて挫折したしw
作品自体もGJです。
499名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 21:03:52 ID:S0wEsdDB
関白宣言ww 糞ワロタwww

>>496
わかる、わかるよ
59話登場がラストだからもう38週も原作に出てきてないぜあの二人
ああ……サイアイ……orz
500名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 21:33:18 ID:tjSMEQz9
サイアイを激エロで読みたい…神待ち。
今週の伏線がミスリードでなければ何れ奴が凶悪に登場する、
とは期待しております。
アイさんは…どうだろう。
501名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 23:04:14 ID:O/Ja/IEV
実は一番凶悪だったのはアイさん
座ってたお気に入りの家具はサイ
そんなプレイで誰か一つ!
502名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 23:54:49 ID:7TQVbmhI
来週急展開で祭り待ち中。
よーしパパ、ネタバレ解禁にあわせてアイ物小説頑張っちゃうぞ
503名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 01:10:21 ID:bWrEPtnP
ネタバレの匂いがほんのりとする(´・ω・)
504魔人的関白宣言:2007/02/25(日) 00:02:35 ID:IQ7MXI8q
関白宣言で降りてきた小ネタ。


ある日の夜。
いつものようにソファーに組み伏せられてしまった弥子に、ソファーに完璧に悪巧みし
ている時の顔でネウロは言い放った。
「ヤコよ。貴様に言っておきたいことがある」
その後は一語一句違わず>>484の改変関白宣言の通りに言ってのけた後でおまけ
までつけやがった。
「くれぐれも、貴様が年を取ってしまっても、我が輩より先に死んではいけない。それ
だけは念を押しておくぞ」
やっぱりそんな時の顔は悪巧みバージョンだ。
だからこそ、絶対本気になんかなれない。
「いや…それ無理だってば。多分私はそんなに長く生きられないし。てか、一つだけ
質問。あんたはその間ずっと私の側にいるっての?」
「当然だ」
うわ即答だよ。
腹の中でツッコミを入れた弥子だったが、その後はやっぱり逃れることも出来ないま
まヤられるしかなかった。
まあ、躊躇なく答えたことだけは微妙な恋心を抱えている弥子からすれば誉めてもい
いのかも知れない。
505名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 01:23:34 ID:Tf6S4vBo
>504 魔人なら確かにそう言うかも知れん。gj!

 さてと。もし本当にアイさん接触有りだったらアイヤコ考えてみるか。
愛着の有る由香では書けないあんなプレイが使えるかな…。
 あ、「白目の夢」作者ですが、
行きてて→生きてて
でした orz。脳内補完お願いします。
506名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 08:17:45 ID:IFgQdl0Y
>>504
GJ!

展開うんぬんはよくわからないが
サイアイとかネウアイとかアイヤコとかヤコアイとか笹アイとか出てくるなら歓迎だ
妄想はふくらむばかりさ
507名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 09:50:37 ID:G/wUsrR4
笹アイに興味津々

余裕しゃくしゃくのサディスト魔人
かなり余裕の髭煙草刑事
必死だけど一番激しく優しそうな小卒
どなた様も大募集でありますよ
508名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 12:03:37 ID:tJ5C46Z9
>>489
多分素で言ってると思うんでアドバイスすると、
一枚だけの手紙は普通の手紙ではマナー違反とされている。(一枚の例:赤紙
よって、内容が一枚で済むものの場合はもう一枚白紙を入れて二枚にする。
e-メールが流行る現代では廃れ気味の礼儀かなぁ。

理由は縁起が悪いから……だったっけ??(うろ覚え
509名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 13:02:29 ID:VpbPBP3c
笹アイはサイも絡んでどろどろした感じになりそうw
それはそれで読んでみたいけど
510名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 13:58:10 ID:jghPM/cA
要返信のものには白紙を一枚つけるべき、というルールを聞いたことがあるよ。
地域的なものかも知れないけど。

誰か、嫉妬するサイ書いてください
エーロ・ゴシカァン
511名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 21:45:37 ID:v6Bb32gY
更に手紙ネタを続けると
今は紙ももったいないし、世代が若かったり超親しい間柄なら善し。
ってことになってるけどね。手紙は気持ちの問題だ
勿論二枚以上になれば無問題
そう言えばみくだりはんも一枚だね
他のネタが無くてごめそ
512名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 21:55:15 ID:Xgqsl4+R
マナー守るネウロハァハァ
513名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 21:57:29 ID:Zmk0drf8
いい人だしな、ネウロ。
ただ、スーツの着こなしは人間のルールなんぞぶっちぎっちゃってるけどな。
514名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 22:06:21 ID:FppFs4Hn
ちょいスレチになるが、
テレビでオペラやっててさ、(フィガロの結婚)
なんとなく見てたら、
貴族のおっさんが暑そうな上着(夏)脱いだらネウロのアレと全く同じ仕様だった。
盛大にコーヒー吹いたわwww


総受けヤコとかどうですかエーロ・ゴシカァン!!
515名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 23:48:18 ID:IQ7MXI8q
フィガロの結婚か、見たかったな。
その貴族のおっさんてのは、処女権を復活させてフィガロの恋人とヤり
たがってる領主様かな。
516名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 00:14:13 ID:PkxwnI0B
>>515
よく知ってるなw
多分それか、僧侶のどっちかだったと思うw
正直袖なしに夢中でよく覚えてないわwww
517名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 00:15:17 ID:xFUW3wmE
自分はフィガロと聞いてff6を思い浮かべてしまったよ。。。
518名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 00:22:25 ID:18qWhHuY
>>517
やあ俺w

ってか解禁か。
アイさんktkr!!!!!
519名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 00:25:31 ID:FJ1MUGNz
アイアイアイアイアイアイアイが
俺のアイがきたよーーーーー

「主人に頼まれまして」
「主人? 結婚してるのか」
に燃え燃えしたのは俺だけじゃないよな?
520名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 00:55:10 ID:4vhFbnx6
自分も萌えた!ちょう萌えた!何アレもう
アイと主人(夫)の関係を自分とネウロに重ねる辺り、
弥子自身自分達の関係が夫婦みたいだと思ってる
…と考えるのは願望だろうけど

今までどうも原作に不足してたアイのルーツ部分が補充された気分なので、
張り切ってサイアイやっちゃうぞー
521名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 01:04:02 ID:uMZyDPh6
よーし、今のうちにサイアイをエーロ・ゴシカァンしちゃうぞー
>>520 お待ちしております
522名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 01:11:40 ID:bOCW8hVh
サイアイ萌えたし、ヒグチとヤコにも萌えた。
ヒグチとヤコは仲良いな、年が近いからか?
523名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 01:21:22 ID:FJ1MUGNz
何あの本スレのアイの取り合いな流れw

ヒグヤコもよかったな
サイアイヒグヤコ好きな俺には今週は髪の神だ
524名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 01:50:12 ID:zAJONTYY
アイさんが出てきたってことは、今後サイも出てきてサイアイ展開にならないかなー。
525名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 21:18:05 ID:a2oLOuqy
主人かつご主人様なんだと読んだ住人は
先生怒らないから手を挙げなさいノシ
526名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 21:48:13 ID:Uzm9stBG
…ノシ
527名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 21:52:18 ID:qg0/ldo0
ノシ


本編の展開もあってアイがヒートアップ中だな。

アイファンには見ていて実に好ましい。
528名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:03:01 ID:FJ1MUGNz
ノシ

3巻からこの子はイケると注目しつづけてきていた甲斐があったよ
というわけでサイアイをエーロ・ゴシカァン
俺はこないだ何本も書いたからネタが尽きてもうだめだorz
529名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:09:18 ID:CVkAe5U2
ノシ


>>528神ありがとう。
530トオリスガリ:2007/02/26(月) 22:24:02 ID:ij1qPbQG
>>504
すごく楽しく読ませてもらったが、一番最後の
>まあ、躊躇なく答えたことだけは微妙な恋心を抱えている弥子からすれば誉めてもい
>いのかも知れない。
は、「弥子はそんな彼を、恋する瞳を揺らして切なげに見、ほんの少しだけ微笑んだ」
とかの描写がよかったかも……

でもナイスでした!亀レススマソ。
531名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:28:07 ID:HHXHKWv9
最後のコマで生ゴミ床に撒いてるネウロに萌えたw
532名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:40:26 ID:HcemiXQn
533名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 23:17:15 ID:PuWvc9v/
「弥子。我が輩は貴様の人権の全てがほしいのだ」
 いつもの事務所で、いつものデスクで、目を光らせてネウロはそう言った。
「だ、だめに決まってんじゃん!」
 勢いよく両手をぶんぶんと振る弥子も、相も変わらない。
「……ってゆーかもう人権ほしいとかあげるとか関係なく、ネウロにはヒドイことされてるけどね……」
 はーはと両手を上に挙げ、弥子は達観したようにため息をつく。反応が早くなったなあと、最近自分でもよく思っていた。
飼いならされた猫みたいだ、と。――そう、慣れた。弥子は思った。慣れるのは、自分がそこまで拒否していなかったからだろうか。
 ま、相手がこんななら仕方ないでしょ――ため息で自分に言い聞かせるようにした後、弥子は上に挙げた両手を下げようとした。
しかし、それはがっちりと固定されていた。人(?)の、あたたかい感触と、強い力によって。
「ちょっ……いつの間に!」
 バンザイをさせられた格好のまま、弥子は首だけを主へと向ける。さっきまでデスクに向かっていたネウロが、そこにいた。
「……そろそろ飽きてきたか?よかったら次のステージに進めてやらんわけでもない――」
「な!なによそれーっ!」
 つ、次のステージ!?弥子はそう叫んではりつけにされた両手に力を入れた。瞬間、ネウロはほろっと片手を手放した。手放したと言うよりかは、手放してしまった、というようだった。そして彼は少しだけ間をおいた。珍しいことだと、弥子は思った。
そしてその直後、弥子の放された右手が、ネウロの熱を失って下に、肩にぶら下がった。香る、ネウロの息。
 代わりに、熱は唇に移動していた。
 徐々に閉じられていく弥子の目、
 思い切ったように弥子の胸に乗せられた、ネウロの右手。

「我が輩は待ちくたびれたのだ。今日の夜は、覚悟しておけ」

 うっすらと開いた目をうるませて、弥子は、ネウロの胸に飛び込んだ。
それを見つめるネウロの、薄笑いを浮かべるいつもと変わらないはずの恍惚な表情は、
どこかほっとしたようだった。
534名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 23:23:57 ID:87JEa910
借金ネタで、早坂兄弟×弥子を妄想してた。
ユキと兄ちゃんが弥子ちゃんとセックスする〜みたいな?
535名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 23:51:55 ID:4vhFbnx6
サイアイのぬるいの投下。
アイさんの一人称むつかしいなorz
536名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 23:52:30 ID:4vhFbnx6
「……、ぁー……」

 恍惚とした表情で見下ろしてくる顔は逆光でよく見えない。ただとろりと唾液を零す口元が、
ぱっくりと開いているのが判るだけだ。霞んだ視界に移る主の姿、伸ばされているしなやかな指先は
私の首元に。いささかの苦しさも、もう慣れたもの。ただ黙って見上げるのは、安定しない、顔。

 身体の奥は肉体の一部に深く抉られている。呼吸を遮ることで具合が良くなるのか、彼は行為の
最中にこうして私の首をよく絞めた。もしかしたら、単純にこの行為に何がしかの恍惚を得ているのかも
しれない。逆光、ゆっくりと、安定していく表情。意識が途切れる寸前で、ぱ、と離される首筋。青白く変色
しているだろう口唇を舐める戯れの終わりは、睦むようにそっと額を私の胸に押し付けることで訪れる。

「っん……ふ、く、けほッ」
「アイ、もうちょっとだよ。もう少し大きく出来るから、頑張ってね」

 挿入されていたものがびくりと膨らむ。通常の勃起でないそれは、細胞変異だ。内部をぎちぎちと
限界まで押し広げるように太く長くなっていくそれが、子宮口をぐんっと押し上げる。快楽を感じる面積が
広くなったことに、サイはぞくぞくと腰の辺りを震わせた。唾液が私の胸に落ちる。その刺激にすら、
脚の奥が反応する。抜こうとする力は滞留して、逃げて行かない。
 いっぱいに広げられた入り口を爪の先で軽く引っ掻いて、サイが笑う。

「すごいよアイ、こんな広がっちゃってる。アイの中が俺でいっぱいになってるの判るよ、
 ぎゅーぎゅーっと締め付けてくれてるんだ。あったかくて。ずっとこうしてたい。百年でも、ずっと」
「っ……さ、ぃ」
「そんな切なそうな顔しないでよ、欲しくなっちゃうからさ。もう少し、こうしてよう。もう少し」
「ッ」

 伸ばされた手がまた喉を圧迫して、力んだ身体が必然膣すらも締め付ける。ただでさえ切れて
しまいそうなぐらいいっぱいに押し広げられた場所が、引き攣れた痛みに痺れる。堰を失ったように
奥から熱い愛液がどろりと零れてくるのに、軽く腰を揺らされただけで掻き出されてしまった。
ひりひりと痛む、喉が苦しい。シーツを掴んだ指先にも力が入らなくて、泳ぐように彷徨ってしまう。
 ゆらゆらと腰をゆっくり動かされると、一気に視界が暗くなった。酸素の欠乏状態、ブラックアウトの
寸前で、指先が首から離れていく。漏らした咳、揺れる身体が痛みと快楽を綯い交ぜにする。
仰け反る顎を引かれて、また口唇を舐められて。

「あ、アイ、あぃ」
「ひ……っくふ、けほ……んっく、さ、サイ、激しい」
「激しくしてるもん。アイ、力抜いて。奥まで、開いて」
「あ、あ、あッ!」

 激しい注挿と意思のない声、腰を引き寄せられて突き上げられるのは身体の一番奥の場所――
くりくりとクリトリスを捏ね回されて、緊張と共に広がっていく、熱。ぶちゅぶちゅと音を立ててぶちまけられ、
逆流してくるほど大量に吐き出された精液が叩きつけられる。小さな扉を抉じ開けるように、
小さな生命の素が注がれる。
 今日も訪れた生と死を遊ぶ時間は、そうして終わった。



「掻き出しちゃヤだ」

 ベッドにくったりと横たわって眠っている様子だったサイがぽつりと呟くのに、
私は床に下ろそうとした脚を一瞬止めてしまう。
 行為の後に先に休むのは、いつもサイだった。全ての衝動を発散した後の彼はゆっくりと眠って
意識のストレスから逃げ出そうとする。その間に私は洗濯その他の処理を終えるのが常なだけに、
その言葉には思わず戸惑った。掻き出す、とは――やはり、先ほどの行為で私の中に吐き出された
精液のこと、だろう。事実、私は今バスルームで身体を洗おうと思い立っていたのだから。

 そっぽを向くように壁の方を向いているサイを覗き込むと、ぐるりと逃げるようにうつ伏せになられた。
下ろしかけの脚をシーツに戻して、私はそっとサイの隣に身体を横たえる。後ろから抱き締めてみれば
少し高い体温が、汗の乾いて冷えた肌に触れた。身体を沿わす行為はサイのお気に入りの一つで、
よく私の背にもこうしてくっ付いて来る。台所に立っている時は、少し危なっかしいけれど。
537名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 23:53:06 ID:4vhFbnx6
「サイ。どうかなさいましたか」

 常よりも少し柔い声音を努めると、もぞりと腕の中でサイが身を捩る。
 くるりと寝返りを打って私と向かい合い、だけど、その顔は胸に埋められてしまった。腕はぎゅむりと
私の背に回されて、その力の強さに私は動けなくなる。事後のとろりとした空気と優しい眠気が
込み上げて、思わず欠伸を噛み殺した。流石に、このまま眠っては、いけない。後で面倒が増えてしまう。
 すりすりと懐かれる自分の身体を眺めれば、あちらこちらに行為の残滓が見えた。指の痕と淡い痣、
こびり付いて乾いた精液その他。ひりひりと痛む首元は確認出来ないけれど、多分爪の傷が出来て
しまったのだろう。それと――絞扼痕。いつもの、ことだけれど。

 身体を重ねる都度、サイは私の首筋にその手を伸ばしていつも締め付けた。気管や動脈を殺さない
程度に締め付けるそれを可能な限りに続けて、最後まで持っていく。私が彼の求めに抵抗することは
ないし、さらに言うならば、それを気にした素振りすらも見せたことはなかった。いつものことだ。
気まぐれのこと。でなければ、彼が発散する形になれないストレスの表れ。
 ちろりと、首筋にぬめった舌を滑らされる。
 消毒するようなそれは、爪痕を刺激してひりひりと痛い。

「掻き出さないでよ、アイ。俺のこと、お腹のナカから」
「……サイ」
「これって命、なんだよ。ここから、生まれてくるかもしれない」

 そっと撫でられた腹の奥には、こびり付いた白い精液が。
 すりすりと懐いてくるサイの顔は判らない。安定しないように、茫洋とした印象しかない。サイ自身も
自分の形を決めかねているように様子に、ぎゅ、と背中を抱いてみる。いつものことだ。――いつもの。
サイは、すぐに忘れてしまう。

 変異体とは言えバイオリズムはあるものだ。身体のそれは記憶その他の整理として忘却を加速させる
もので、最近は少し加速しているようだけれど、まだゆったりとしたもの。対して精神のそれは、少し早い。
躁鬱のような波が寄せては返して、こうした不安を強く見せることがある。―― 一晩もあれば過ぎ去って
しまうものだけれど、この時の彼は、酷く脆く見えて。
 ゆっくりと宥めるように背を撫でれば、より強くすがり付いてくる。怖い夢を見た子供のようなそれに、
掛ける言葉は見付からない。その恐怖が夢ではない、なんて、現実を告げることはナンセンスにも
ほどがある。

 どうせ、忘れてしまうのだ。
 行き詰って息詰まった、生き詰まり。

「ねえアイ、もしもどこかで俺の子供が生まれたとしたら、それはどんななんだと思う?」
「……仰る意味が、よく判りません」
「例えば、俺が俺じゃない誰かとしてセックスとかするじゃん。その時生まれる子供って、俺の子供かな?
 それとも、俺が化けてる相手の子供かな? 色んな情報を覚えてる限り再構成して精子とか作って
 みたりするけれど、それって、どうなんだろうね」
「…………」
「その子供を箱にしたら、俺は俺のことが判るのかな。それとも、それは結局俺とはなんの関わりもない
 生命体なのかな」

 くすくすと笑う声。彼は覚えているのか、いないのか。
 彼の身体は定期的に私が検査をしている。採血やレントゲンの類に合わせて、もちろん生殖関連の
検査も。人間の中の突然変異的な彼には、いつの時も、生殖能力はない。だから、質問の答えは簡単だ。
有り得ない。どんなに巧妙に精巧に作ってみたとしても、彼に生殖能力など、あるはずもない。
 ぎゅうっと抱き締められて、身体が少しだけ軋む。
 圧迫された肺が、苦しい。

 ぱ、と不意にサイは私の身体を解放して、腰のバネだけで起き上がる。

「笑っちゃうよね、『貴方の子供が出来たの』だってさ! 俺には生殖能力なんかあるわけないんだから、
 どっかで失敗したんだろうけど――はは、子供、だって。ったく面倒くさいなあ、家庭問題その他まで
 抱え込むのって。一人二人なら良いけれど、俺だって俺の問題で手一杯だってのに」
「どの人間ですか? よろしければ事故を装って始末も出来ますよ、手配しますが」
「んにゃ、良いよ、ちょっと遊んでみるのも悪くないしね。だからアイ、もっかいしよう」
538名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 23:53:42 ID:4vhFbnx6
 にこりと見下ろされて、身体に圧し掛かられる。伸ばされた手は秘部に触れて、名残の湿った様子を
確認した。無骨な指先がくちゅくちゅと優しい愛撫を重ねるのに、私は思わず眉を顰める。唐突な愛撫に
抵抗しないほど、慣れているつもりはない。サイはちゅっと私の右頬にキスをして、それから、左頬にも
重ねた。口唇に重ねるのは私から、啄ばむようにささやかなそれを、音を立てて軽く。
 シーツを引き被って私を見下ろしながら笑う彼の笑顔は、どこか陰鬱そうな影があって。

「俺が俺として抱くのはアイだけだから、アイに子供が出来たって言ったら信じちゃいたいんだけどなー。
 命の危険を感じると生殖能力高くなるって言うのに、アイってば無抵抗だからよく判んないよ。
 もうちょっと強く締めたら死んじゃうだろうし」
「でしたら、私も締めて差し上げましょうか。酸素が細胞に行き渡らなければ、流石に貴方の身体も
 生命の危機に至るかもしれませんし」
「えー、苦しいと気持ちよくないからやだなあ……ん、アイも気持ち良い方がやっぱり好き?
 だったら変えるよ、もー子宮挿入で精液どろっどろに出しまくって強制受精とか」
「謹んで遠慮致します。んぅ」
「ちえ。つれないの……」

 重ねる戯言の合間の口付けはどこか浮ついて現実味がない。首に腕を回して縋って見せると、
サイは嬉しそうに相好を崩して私を見下ろす。恍惚とはどこか違ったそれは、ほんの少しだけ優しい
ようにも見える。互いに自覚はしているのだろう。意味のない重ね合いをしているだけだと、
判りきっている。だけど、だからこそ。
 諦めあっていることを悟られないように、私達は少し深いキスで誤魔化し合う。少しだけ飲み込んだ
絶望は、苦い味になって喉に引っ掛かっていった。

終わり。
539名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 00:10:10 ID:FsJc1ju/
>>535
GJ!
サイと生殖か、考えたことなかったな……
多分あれとかあれとか書いた人だと思うんだが、勘違いでなければ
あなたの書くサイは可愛いのに微妙にに壊れてて凄く好きだ
540名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 03:12:57 ID:nwcZd8JC
ダレモイナイ・・・
イタイコトルナライマノウチ・・・・・

ある日いきなりネウロに今の魔界には謎が溢れてもう人間界には用はない
貴様も一緒に連れて行ってやると言われ
あっというまにネウロの言う魔界に私は連れて来られていた。


「魔界探偵事務所はどうすんのよ、あんたが奪った事務所でしょ!?」
「そんな物もうどうでもいいのだ、我が輩がこうして謎を永遠に食べられ続けられるのだから、
 貴様を使って謎をわざわざ探す必要もないしな」
「私は戻りたい・・・・」
「ん?」
「こんな状態になって発見したわ、私はなんだかんだ言って今までの暮らしが好きだった。
 親友の叶絵や筐口さんも、吾代さんにあかねちゃんや笹塚さんも、
 そこに、刑務所にいるアヤ・エイジアを含めてもいい」
「・・・・・・何を言ってるのだ?」
「私はもう一度あの人達と会いたい、まだ話す事がたくさん残ってる気がするの!」
「勿論会えるとも、これだけの謎の量があれば魔界777能力で奴らの複製を作る事など容易い事だ。
 明日にでも全員分の複製を作っておこう、我が輩にはそれが可能なのだ。」
「そうじゃない、この世界のことじゃないの。
 元の世界のあの人達に私は会いたいの!」


ズシャァァァァ


「理解できんな・・・・・・・
 貴様も自分を満たす食べ物がない世界にうんざりしてたのではないのか?
 もっと旨くて永遠に味わえる食べ物を望んでたのではないのか!?」
「思ってたわよ・・・・・
 あのねネウロ、私はこの数日でかなりの謎を体験したわ。
 あんたが知らないだけで、世界はあなたを中心に謎が集まってたのよ」
541名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 03:13:49 ID:nwcZd8JC

笹塚さんは言った、お使いキャラっぽくないと。
電人HALによるとニューロンの申し子で
至郎田正影にとってはバケモノ扱いだ。
では私にとってはどうなのか。
ネウロの存在を私はどう認識しているのか。
ネウロはネウロであってネウロでしかない、
なんてトートロジーでごまかすつもりはない。ないけど
決定的な回答を私は持ち合わせてなどいない。そうでしょ?
自分の助手を指して
それはおまえにとって何なのかと問われて
何と答えればいいの?いやごめん、これも誤魔化しだわ。
私にとってネウロはただの助手じゃない、
もちろんお使いキャらっぽくないでもニューロンの申し子でも
ましてやバケモノでもない、あるはずがないの!!

 
「・・・・何だ?」
「私、実はマゾだったの」
「何を今更・・・」
「いつだったか、あんたの言葉責めは最高に気持ちよかったわ!」
「訳のわからん事を・・ん?・・!!!・・・・」




「なんていう夢を見てしまったの!フロイト先生も爆笑だわ!!」
「そうか?我が輩には大層面白い夢だったが?」
「ってネウロ!!何でここにいるの!?」
「なにあまりにも暇だったから暇つぶしに奴隷が何の夢を見ていたかを魔界777能力でみてただけだ」
「え・・・ってことは・・・・」
「さてヤコよ、貴様自ら自分のをマゾだと言っていたな。
 安心しろ今夜はたっぷり可愛がってやるぞ」
「ちょっと、ここ家だから親いるし!!待ってお願いだから・・・嫌ー!!!!」
542名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 08:05:47 ID:g90AFbHJ
ネウヤコ投下。訳が解らんシロモノになったような…。
エロ無しです。未経験のことは解らないので…。


〜雛祭り〜

3月3日は桃の節句。女の子の健やかな成長を祈る年中行事の日だ。
弥子は幼稚園のときに作った女雛と男雛をトロイの上に飾っていた。
彼女の上ならば、あかねちゃんもトロイも自分も目にすることができ、
三人(?)ともこのめでたき日を祝えるだろうと考えたからだった。
「本物のお雛様は高すぎて買えないけど、無いよりはましだよね?」
あかねちゃんはファッサファッサと嬉しそうに跳ね、トロイも心なしか輝いているようだ。
「弥子、何をしている?」
突如天井から宙吊りで現れたネウロに、弥子は驚く様子も無く答えた。
「お雛様を飾ってるんだよ。可愛いでしょ?」
「ふん。」
ネウロは驚きもしない弥子の反応に不満だったのか、そうそうに弥子から離れていった。

お雛様をみつめて、思い出す。
全てが萌え出づる春の到来を告げる弥生に生まれた子だから、弥子。
そう言って、今は亡き父、大好きな母は毎年、ちらし寿司や潮汁で誕生日も兼ねて祝っていた。
しかし、あの愛しい日々は心無い刑事によって破壊され、もう永遠に戻ってくることはないのだ。
思わず涙が出そうになる。
「ヤコ」
はっと我に返ったときには既に遅し、弥子はネウロに後ろから抱きしめられていた。
「な、何よ、どうしたの、放してよ!」
「今日は雛祭りなのだろう?我が輩の子の誕生を祭るとは、年中行事とやらも気の利いたことをしてくれる。」
はっ?何言ってんの?
ひな…雛…はっ、ヒヨコのことか!!
合点がいったときには、ネウロは左手で弥子の腹をさすり、右手をスカートの奥に進めていた。
「我が輩の子を産んでくれるのだろう?」
自信たっぷりにのたまうその姿、ああ、私はこの男にあの絶望から救われたのだ。
「………あんたに似ない、優しい子がいいな。」
魔人との間にできた可愛い娘と、この魔人と私で、いつかの幸せな日々がもう一度訪れることを夢見て、
弥子はネウロに身を任せた。


いとふゆ。
543名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 08:33:18 ID:tN+MGNSZ
無題短篇がいろいろ来てますな。

>>533 甘目だな。
>>536-538 ほろ苦いな。
>>540-541 ちょっとスパークリングだな。
>>542 白酒の匂いがするな。

 GJ。神たちの次回作をお待ちしております。
544名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 11:32:47 ID:hcv55jyj
グッジョォオブッ!!!
本当にここは神ばかりのスレですね。
545名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 17:36:58 ID:k2GZ5Dz/
>>540-541
元ネタ思い出した瞬間牛乳吹いた
改変上手い!
546名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 19:15:12 ID:mtbCkf35
 こんな夜更けに、闇と風の中に馬を走らせるのは誰だろう。
 それは刑事と弥子だ。笹塚はおびえる弥子をひしと抱きかかえている。


笹塚 「弥子ちゃん、なんで顔隠すの?」
弥子 「笹塚さんには魔人が見えないの。猫をかぶって、青いスーツを着ている…」
笹塚 「いや…気のせいじゃねーの?」
魔人 「かわいい弥子、一緒においで。面白い遊びをしよう。ベットにはきれいなシーツが敷いているし、コスプレ服を我が輩の秘書がたくさん用意して待っているぞ。」
弥子 「笹塚さん、笹塚さん!きこえないの。魔人があたしになにかいうよ。」
笹塚 「ふーん…気のせいじゃねーの?」

魔人 「いい子だ、我が輩と一緒に行こう。我が輩と秘書がもてなすぞ。貴様を心地良く揺さぶり、突き、喘がすのだ。」

弥子 「笹塚さん、笹塚さん!見えないの、あの壁のところに魔人の秘書が!」
笹塚 「んー…気のせいじゃねーの?」
魔人 「愛しているぞ、弥子。貴様の美しい姿がたまらない。力づくでも連れてゆく!」
弥子 「笹塚さん、笹塚さん!魔人があたしを捕まえる!魔人があたしを酷い目にあわせる!」

 刑事は面倒くさそうに、馬を全力で走らせた。喘ぐ弥子を両腕に抱え、やっとの思いで事務所に着いた…
事務所では助手が笑顔で待ち構えていた。
547名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 19:56:53 ID:6ksw/O5o
>>546
笹塚にワロタ
魔人のキャラが崩壊してるけど
548名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 20:18:11 ID:W2+Bsdka
>>546
ワロタ
549名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 21:12:49 ID:fsFk0AVn
>>546
魔王の替歌か
ワロタ
550名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 21:14:16 ID:5NRDgzPK
気のせいで済ませる笹塚ヒデェ
笑った
551名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 21:24:11 ID:DwHVEVSJ
>>546
吹いた
これはひどいwwwww
552名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 21:48:15 ID:jY4dIZjG
wwwwwwwwwwwwwwwwww
553:2007/02/27(火) 22:01:28 ID:0x0+D9J5
神とギャグとギャグが降臨してたww
554名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 22:12:50 ID:215SFknZ
ネコをかぶって青いスーツにドラえもんのガワをかぶったネウロを連想したよどうしよう。
555名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 22:15:32 ID:Ax3z78xF
>547 魔人ならよくわからん拷問を誘い文句に使って、弥子にねーよwって言われそうだ
556名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 23:03:25 ID:yiN6T0V4
>>554
こんばんは自分。

なんだか急に魔王が聞きたくなったwww
557名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 00:03:39 ID:JRzRivHF
ウケる魔王wよりにもよって魔王w
558名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 13:51:53 ID:aSRquNXg
偉くてエロい人へ
おいら歌いながらピアノ弾くから、ドイツ語の改変歌詞きぼん
559名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 13:53:26 ID:hWoI7KLL
偉くてエロい人へ
おいら歌いながらピアノ弾くから、ドイツ語の改変歌詞きぼん
560名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 18:22:57 ID:lRH6UGFO
4月くらいに授業やったなぁ…『魔王』の
561名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 18:36:03 ID:eEu5Lldw
『魔王』を実施テストとしてクラスメイト全員の前で歌わされた・・・。
『おとーさん!お父さん!』…ってハズいわ!!!
562名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 18:36:55 ID:v0DlGrqk
サイアイこないかなあ……
来週ネウロとかと接触してくれればネウアイとか新境地が開けるのに
563名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 18:45:19 ID:EbbDsY24
ネウアイか。
あまり想像できんが
職人さんの腕の見せ所だ。
期待してる。
564名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 21:12:50 ID:qNzq45sc
>>546
基本ネウヤコの笹ヤコが読みたくなった
565名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 23:46:25 ID:PcjOoHnc
俺に出来るのはエーロ・ゴシカァン!することだけだ
566サイアイ前提でネウアイ:2007/03/01(木) 00:24:32 ID:ekquOhjQ
アイさん登場記念にかいてみた
後悔はたぶんしない

無理やりだし、ネウロが普通に外道な役回りなので
苦手な人はスルー推奨
567サイアイ前提でネウアイ1:2007/03/01(木) 00:25:26 ID:ekquOhjQ
『都内の公園のトイレから女性の死体が発見されました』
 物騒な世の中になったもんだ。
 ――殺人鬼の俺がいうのも我ながらアレな話だが、ニュースを見ていて本当にそんなことを思った。
『警察の調べによりますと、遺体の損傷度合と死後手が加えられた頭部の特徴は、最近起きた二つの事件に非常によく似ている
 とのことで……』
「あんま覚えてないけどさ、やっぱ昔に比べて絶対凶悪犯罪とか増えた気がするよね。
 噛み切り美容師なんて、ちょっと前まではこんな事件そうそう起こんなかったのに」
 顔についた血を拭いながら俺は言う。
 足元では、頚動脈を断ち切られた死体が恨めしげな顔で宙を眺めている。
 今はただの肉塊に成り果てたこの男が、つい三分まで見ていた番組がこのニュースというわけだ。
「実際、犯罪は増加しているようですね。猟奇的なものに限らず身近なところでもです。
 私も先日帰宅の途中に、包丁を持った男に腕を掴まれて『服を脱げ』と脅されました」
「へ?」
 そんな話初耳だ。
「大丈夫だったわけ?」
「できる限り穏当な手段でお引取り願いましたが、あれがもし包丁でなく銃だったら抵抗はできなかったでしょうね。
 本当に物騒な社会になってしまったものです。十年ほど前までは、少々遅い時間でも気兼ねする必要はなかったのですが」
 できる限り穏当な手段ってどんなだろう。
 アイは涼しい顔してけっこうヒドイこともできるから、玉の片っぽぐらいは潰されたかもしれない。まあ同情はしないけど。
 そう思って軽く流しかけたが、ふと気になるものを感じて、俺は顔を拭う手を止めた。
 視線をアイに向けて尋ねる。
「……怖かった?」
 虚を突く質問だったらしく、色の濃い目をアイは軽く見開いた。
「それはまあ――少しは」
「ふうん……」
 俺はそれだけ答えて、またテレビに視線を戻した。
 アイはしばらく怪訝そうな顔をしていたが、どうせいつもの気まぐれと納得したのか、それ以上突っ込んでは来なかった。
568サイアイ前提でネウアイ2:2007/03/01(木) 00:26:14 ID:ekquOhjQ
「それでは私はそろそろ失礼します」
「あ、待って」
 頭を下げて辞そうとするアイを、俺は呼び止めた。
「送ってったげる」
「は……」
 宇宙人の言葉でも聞いたような顔で、アイはぱちぱち目をしばたかせる。
「サイ……熱でもおありですか? 明日の犯行は中止された方が」
「どーいう意味?」
 普段の俺はそんなに気遣いのない奴ですかそうですか。
「もう遅いでしょ? なんかあると困るから。あんたじゃなくて、あんたを助手にしてる俺がさ」
 アイはまだよく分からないという顔をしている。
 『失礼します』と俺の額に手まで伸ばしてきた。
「……熱はないようですが……この時期流行っているものというと……」
「元気だってば俺は。ほら行くよ」
 アイの袖を掴んで、くいっと引いた。


569サイアイ前提でネウアイ3:2007/03/01(木) 00:27:20 ID:ekquOhjQ
「で、その物騒な男に会ったのって、どの辺?」
「二分ほど前に通り過ぎた場所です」
 『被害者』の車を使おうかとも思ったのだが、変にいじると証拠が残ってしまい、神出鬼没の怪盗"X"を演出するには
マイナスになる。面倒くさい話ではあったが、アイの済むアパートまで歩くことにした。
「アイ、見た目はいかにも地味で大人しそーだもんね。ちょっと脅したら言いなりになりそうで」
 儚げ、なんて表現は大げさすぎてビミョーにしても、お世辞にも率先して反撃してきそうなタイプには見えない。
 その手の連中の目には多分、カモがネギしょって歩いてるように見えるだろう。
「電車の中でもよく痴漢とかに遭ったり、してない?」
「満員電車に乗ること自体極力避けているので、『よく』というほどではありませんが、たまに。
 こちらは身の危険はありませんし、あまり騒ぎ立てても面倒なだけで利はありませんから、黙っていることにしています」
「無抵抗で触らせてんの?」
 俺は思わず立ち止まった。
「悔しいとか気持ち悪いとか思わない? ちょっとは仕返しを……電車降りてから後つけて背後からメッタ刺しにするとかさ」
「実害は特にありませんし。触られるだけなら五分や十分、不快な感触を我慢すれば済むことなので」
「アイはそーかもしれないけど」
 俺が良くない。
 ――言葉は口には出せずにただ飲み込んだ。
570サイアイ前提でネウアイ4:2007/03/01(木) 00:28:06 ID:ekquOhjQ
 そんなことを話してるうちにアイのアパートの前に着いた。
「ありがとうございました、サイ。部屋でお茶でも飲んでいかれますか?」
「いや、いいよ。帰って寝る」
 俺は首を振った。
「じゃね、また明日。おやすみ、アイ」
 きびすを返して歩き出す。
 と。
「サイ」
 ふわりと、柔らかい声で呼ばれた。
 振り返ると、いつになく穏やかな笑みを浮かべてアイが俺を見ていた。
「今日は、ご一緒できて嬉しかったですよ」
「……フン」
 こういう反応を返されるとどうしていいか分からなくなる。
 とりあえずは鼻を鳴らしてそっぽを向く。
「別に、どうってことないよ。ただの、いつもの気まぐれ」
「はい。分かっています。それでも、です。本当に、しばらく絶えてなかったほど嬉しかったので」
「………………」
 俺はまだあさっての方向を向いている。
 アイの微笑んだ顔をまともに見られなくて目を逸らしている。
「早く中入んないとカゼひくよ」
 振り払うように歩き出す。
「はい。おやすみなさいませ、サイ」
 それでもアイは中に入らない。俺の姿が見えなくなるまで見送るつもりらしい。
571サイアイ前提でネウアイ5:2007/03/01(木) 00:29:09 ID:ekquOhjQ
 十歩ばかり歩いて俺は立ち止まった。
「ねえ、アイ」
 背を向けたままで言う。
「あんたのことは、俺が守ってあげるよ」
 息を呑むようなひと呼吸の間があって、そしてまた少し笑うような気配がした。
「はい。……ありがとうございます」
「あんたを殺すのは他の誰でもなくて俺だからね」
「はい」
「それまで死んだりどうにかなったりしないでよ」
「はい」
 背中の後ろで、アイが力強く頷いた。
572サイアイ前提でネウアイ6:2007/03/01(木) 00:30:23 ID:ekquOhjQ
 愛だの恋だの、そんなべたべたした関係じゃない。
 抱き合ったりだのセックスしたりだのは勿論、キスしたことも手を握ったことさえもない。
 ただ、ふいに、発作に襲われるように愛しく感じることがある。
 それだけだったし、それだけで構わなかった。
 化物の俺と人間のアイとでは、あまりにも違いすぎるから。
 それ以上の何かを求めたところで、どうにもなりはしないと諦めていた。
 


 それから数週間が過ぎた。
 首相官邸で暴れたり、同じ体積の人間を選んで積んで重ねて5×8で箱の壁作ったり、テレビ見過ごされても気付いてもらえる
ように二段構えでネウロ宛ての予告状出したり、犬になって丸一日ドッグフード食って耐えたり。
 めまぐるしく時間は流れていったが――そのへんの労力は、今回は報われなかったようだ。
 高度数十メートルから落っことされたあげく、重量級クレーンによるプレスをまともに食らって、それで、今に至る。 
573サイアイ前提でネウアイ7:2007/03/01(木) 00:31:14 ID:ekquOhjQ
 内臓も骨も、いっそ芸術的なほどグチャグチャに潰されてしまっていた。
 落下や重量によるダメージも相当だが、特に深刻なのはあの魔人にやられた部分。
 みぞおち辺りから背中にかけ、文字通り抉るような一撃をプレゼントされてしまった。
 ――そんなわけで現在俺の肺腑と胃袋には、ちょうど大人の腕が通るくらいの、風通しのいい穴ぼこが開いている。
 真冬の冷たい空気が体を通り抜けていくのを感じ、俺は顔をしかめた。
「……アイ、まだかなぁ……」
 自由にならない体の上には、さっき俺を押しつぶしたクレーンの残骸。
 何トンあるかもよく分からない。何か巨大な化物の死骸のように、長い首をもたげてこっちを見ていた。
 普段の俺ならたぶん軽々――とまではいかないまでも、ちょっと頑張ればなんとか押しのけられるだろう代物だが、
筋肉ズタズタ、関節バラバラ、内臓はミンスドミートというこの状況では、そうもいかない。
 アイが迎えに来るのを待つしかなかった。
「! あ痛っ……」
 呼吸器そのものが破れてしまっているから、呼吸自体ほとんど意味をなくしている。
 俺じゃなかったら窒息死していたところだ。
 いや、この程度では俺が死なないと知っているからこそ、これほど徹底的に痛めつけたのか、あの魔人は。
 俺を追い詰め、奴の言う≪可能性≫とやらを試すために。
「どんだけ容赦ないんだよあいつ。ドSだ。絶っっっ対、ドSだ」
 口の中には血とも膿ともつかない、しょっぱい液体がいっぱいに溜まっていた。
 舌打ちしようとして初めて俺はそれに気づき、コンクリートの面にそれを吐き捨てる。

「サイ?」

 と……
 荒れ果てた現場に涼しげな声が響いた。
574サイアイ前提でネウアイ8:2007/03/01(木) 00:32:10 ID:ekquOhjQ
「アイ、アイ、アイ! よかった見つかって。ここから出して今すぐ! お願い!」
「……待ち合わせ場所にいらっしゃらないと思ったら、またこんなところでコメントに困る状況に……」
 首の関節もどうにかなっているらしく、アイの声の方向を振り向くことができない。
 覗き込まれてはじめて彼女の顔が目に入った。
 普段は無表情な白い顔の、両眉がきゅっとひそめられる。
「何とかして今すぐお助けします。――にしても、一体何が?」
「え、えーっと、俺は犬にもなれて、つまり俺は化物で、でもネウロはもっと化物で、手首がハンド君みたく動き出して……
 俺は人間だって言われて、ギコギコ切り落としてそのまま突き落とされて」
「想像を絶する状況ということだけはよく分かりました。詳しくは落ち着いてから改めてお聞きします。
 ひとまずは周囲のもので梃子でも作って……」
 アイ一人が来てくれたというだけで、このボロ負けの状況がどうにかなるわけではない。
 それでも俺はどこか安堵していた。
 協力者は数多くいても、この状況でわざわざ探しに来てくれるのはアイくらいなものだ。
「体はほぼ完璧に潰れてしまっていますね。救出作業が終わっても治癒には随分とかかりますよ。
 手術をすれば多少は早まりますが」
「痛いからやだ」
 俺、即答。
「その状態で更に痛いも何もないと思いますが……」
「だからコレ以上痛いの嫌なんだよ。息吸うたびに肺が痛いし、バラバラの骨がキシキシいってるし。クレーン重いし」
「すぐにお出ししますから、もう少しだけ待っていていただけますか」
 重量のあまりかかってなさそうなところを探して、鉄パイプを隙間に差し入れる。
 細い腕とさして重くもない体重で救出作業をはじめた。
575サイアイ前提でネウアイ9:2007/03/01(木) 00:33:22 ID:ekquOhjQ
「……心配かけて、ごめん。アイ」
「構いません。慣れていますから」
 背こそ高いが体は華奢なアイ。
 もともと彼女に任せる肉体労働は現場の後片付けぐらいなもので、この手の腕力の要る作業は得手ではない。
「あなたは気付いていないかもしれませんが、私は四六時中あなたの心配をさせられてばかりですよ」
「そ、そうなの?」
「特殊な細胞を良いことに、次々と無茶無謀無鉄砲をなさいますからね」
 言いながら鉄パイプに体重を乗せる。
 ギッ、と音はしたものの、俺の体が抜けるほどの隙間はやっぱり一度では作れない。
「これを機にサイにはもう少し、自重ということを覚えていただければ幸いかと」
「はは……たっかい授業料だったけどね……」
 ギ、ギギ、ギ、と、ゆっくりゆっくり、それでも確実に瓦礫は持ち上がっていく。
 もう少しでこの重みから解放される。

 と――
「ほう。協力者がいると聞いてはいたが」

「……ネウロ」
 響いた声はあの魔人のものだった。
576サイアイ前提でネウアイ10:2007/03/01(木) 00:34:07 ID:ekquOhjQ
 俺は唇を噛んだ。
「アイ逃げて。こいつはホントに洒落にならない」
「ですが……サイを一人で置いて行くわけには」
「いいから!」
 チェシャ猫を数万倍凶悪にしたような顔で、ネウロは笑う。
 笑いながら俺たちのやりとりを聞いている。
「それが貴様専属の奴隷か。なかなか見上げた忠誠心ではないか。主人の窮地に自ら駆けつけるとは」
「……うっさいな。大体あんたに関係ないだろ」
 睨み返すと、ネウロの口から尖った牙が覗いた。
「ふむ。腹に穴が空いていても減らず口は叩けるようだな」
 見た目ばかりは極上のこの男。白い月の光を背に立つ姿は、一幅の絵画にでも仕上げられそうだ。
 一歩、二歩。
 ゆっくりと魔人は俺たちに近づいてくる。
 ――動けない俺をかばうように、アイが俺を背にして立った。
「アイ!」
「大丈夫です、サイ。心配は無用ですから」
 すっと、アイはネウロを見つめる。
「サイはもう、あなたに危害を加えられる状態ではありません。
 回復を待つにしても長期の休養が必要になります。これ以上の交戦は無意味です」
 ほう、というようにネウロが見返してきた。
577サイアイ前提でネウアイ11:2007/03/01(木) 00:35:00 ID:ekquOhjQ
「人間ではないあなたに人並みの情けがあるとは思っていません。良心ももちろん期待してはいません。
 これはあなたのプライドの問題です、『魔人』ネウロ。
 動けない怪我人と丸腰の女相手に、そこまで徹底的に暴力で優位を示す必要があるのかということです」
 無表情のまま、アイ。
 顔つきも声音も何ひとつ変わらないのに、毅然として見えるのは俺の目のせいか。
「……どうかお願いします」
 祈るように胸の前で手を組んだ。
「彼はもう立ち上がることもできません。――どうか……」
 アイの懇願をネウロは楽しげに眺めた。
 形のいい唇を舌で舐めずる。
 かつん、かつんっと足音を立てて歩み寄った。
「良い奴隷を持っているではないか、サイよ」
「んっ……」
 細いアイの顎に手を――俺が切ったのとは別の手を当てて持ち上げる。
 指で撫でながら白い首筋を観賞する。
「……アイに、触るな」
 体の自由が利かない。
 細胞が言うことを聞いてくれさえすれば、もう片方と同じようにそっちの手も切り落としてやるものを。
 絡みつくような目でネウロはアイを観察する。視線は首筋から胸元、そして細い腰へと降りていく。
578サイアイ前提でネウアイ12:2007/03/01(木) 00:35:38 ID:ekquOhjQ
 ――嫌な予感がした。

「惜しむらくは我が輩の本質を見誤っていることだな。
 貴様のいうところのプライドなど、我が輩にとっては人間の好む虚飾の一つに過ぎん。
 どうでも良いものだ。美味なる謎が喰えるのならばな」
 掴んだアイの顎を引き寄せた。
「っ! や、」
 抵抗はあっさり封じ込められる。
 濡れ光るネウロの舌が伸びて、アイの唇を嘗め回す。
 ピチャ、と響くいやらしい水音。
「アイっ!」
 端から端までじっくりねっとりと、犯すように嘗め尽くす。
 舌が口を割って中に侵入しようと蠢く。
579サイアイ前提でネウアイ13:2007/03/01(木) 00:36:40 ID:ekquOhjQ
「! 放して、ください」
 どんっ、とネウロの体が突き飛ばされる。
 身をよじって拘束から逃れたアイは、ぜえぜえと荒い息を吐いていた。
 奪われていた呼吸を取り返しているのか、おぞましい舌の感触への嫌悪感か。
「私に触れて良いのは一人だけです。あなたではありません」
 あくまで無表情のままの、アイの拒絶。ただ目には強い光を宿している。
 なぜか魔人はククッと笑みを漏らした。食通が大好物でも前にしたような、笑い。
「なるほど確かにこれはなかなかのものだ。貴様には少々過ぎた持ち物かもしれんな、サイ」
「……それ以上言うと殺すよ」
「やってみるがいい。もっとも、その体でまだ動けるのならの話だが」
「…………」
「さて。アイといったか、貴様」
 魔人はまたその手を伸ばす。俺の断ち切った手首のないほうの腕で、アイの腰をぐいっと抱き寄せた。
 肩口を乱暴に掴む。痛みにアイがびくんと反応する。
「ネウロっ!」
「喚くなサイ。貴様は負けて退場したのだ。今舞台の上にいるのは我が輩とこの女だ」
 サディスティックに笑うネウロ。
「観客は観客らしく、黙ってただ成り行きを眺めているがいい」
 上着の肩を握り締め、袈裟がけのように斜めに裂いた。
 勢いよくボタンがはじけ飛び、白い下着としなやかな肢体が晒される。
 俺でさえ一度も見たことのない、服の下のアイの体。
「何を……!」
「そう怯えるな、可愛がってやろうというのだ。人間では貴様で二人目、滅多なことでは得られん栄誉だぞ」
「っ!」
 逃れようともがくアイの頭を掴み、引き寄せて無理やりに口づけて。
 そして、地面に押し倒した。
580サイアイ前提でネウアイ:2007/03/01(木) 00:37:37 ID:ekquOhjQ
すいません、最後まで投下しようかと思ったんだけど
さっきからPCの調子がおかしいのでいったんここで切ります
調子が回復したらまた落とすんでとりあえず今日はこれで……
581バベルは招くよ:2007/03/01(木) 01:41:16 ID:fIQG7bRG
>>566の続きを待つ間に下らない小ネタ。


前夜、いつものように散々色々なことをネウロにされた挙句に弥子はまた事務所に泊まる羽
目になってしまった。
学習能力がないのか自分。
真新しいソファーで目覚めると、不愉快なことばかりを思い出す。股関節が痛いとか、体中が
べたべたして気持ちが悪いとか、口の中が苦い、お風呂に入りたい、その前に家に帰ったら
中途半端に着たまま寝てしまったせいで皺になった制服にアイロンをかけないと…などと問
題は山積みだ。
しかし、それらをぶっち切るほどの大問題として、弥子を抱き枕代わりにして熟睡しきっている
腐れ魔人がそこにいる。
顔を見たとたんに一気に早朝から疲労感が襲ってきて、いっそ目の前の情景が全部悪い夢
ならどんなにいいかと思ったほどだ。
しかし、不幸体質なのが災いして、それら全ては紛れもない現実そのものだ。

「あーあーあー…早いとこ帰らないと…」
うんざりしながらソファーを降りようとした弥子が、ふと目にしたもの。
それは、逃げ回って抵抗したのに強引に押さえつけられて何度も挿入されたブツだった。人
間の男がそうであるように、朝日の中でしっかりとそそり立っている様はやや笑えながらもか
なりの恐怖感がある。
これはヤバい。気付かれないように、帰らないと。
そう思って細心の注意を払っていたにも関わらず、やはり弥子は不幸体質ド真ん中のようだ
った。
「…何を物欲しそうに我が輩の一物を眺めているのだ」
「ひゃいっ!」
眠っているとばかり思っていたネウロは、まるで最初から目覚めてでもいたように実にタイミ
ング良く声を放った。お陰で弥子はソファーから勢い良く転げ落ちてしまう。
派手に頭から床に突っ込んでしまったせいで、タンコブが出来てしまったようだ。おでこがひ
りひりと痛い。
「な、何よ…起きてたんなら…」
「やはり、あれだけでは足りなかったか。スケベめ」
昨夜は弥子の腰が立たなくなるほどヤりまくった癖に、何を勘違いしたのかネウロはにやに
やと笑いながらご自慢らしい一物をわざとらしく扱き上げて見せた。
「んなモン見せるな、早くしまえって」
「ふん、せっかく準備は出来ているのだ。朝の営みというのもなかなか趣があろうが」
にやーり。底意地の悪い笑みを浮かべながら、ネウロは長い腕を伸ばして床に座り込んだま
まの弥子を再びソファーへと引き上げた。
「あ、あのっ」
「構わんではないか。どのみち貴様には拒否する権利などない」
「勝手に決めるなー!それと、擦りつけんなって。そのエロいバベルの塔ーーー!!」
名にとかしてこの地獄からの脱出を図ってぎゃあぎゃあ喚く弥子だったが、一度欲情したら
止まらないネウロによって今日も引き続き、朝も早よから子作り大作戦の開始となったのだ
った。



「ネウロって朝立ちするのか?」ただその疑問だけで書いてみた。
582名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 03:58:19 ID:MPlYNwBX
続き楽しみだー!
583名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 04:54:53 ID:/cUfbIfU
>>581
gj!!
タイトル見た一瞬、凛子さんのバベルパロかなーと思ったw
朝立ちネウロわろた
584名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 05:02:39 ID:KE/J5BDz
>>581
魔人子供欲しいのかw
禿萌エタw
585名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 07:36:24 ID:QiSlQcX7
>>566
サイアイ切ないよサイアイ
でも鬼畜も好きなんで本番楽しみにしてる
ま さ に 外 道
586名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 10:05:03 ID:MsK0F8yF
サイアイ切ないがこれぞネウロと思ってしまった俺鬼畜
ま さ に 外 道
587名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 12:13:01 ID:J4hdhF3p
ネウロ関係なら何でもいいと感じる自分が一番鬼蓄やも知れぬ
エーロ・ゴシカァン!!
588名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 14:04:33 ID:bYwfqXsl
>>566
続き楽しみだな!!鬼畜いいな・・・・
>>581
素晴らしい!!続きwktk待ってますw
589名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 18:04:19 ID:IqNdJKe+
>>566
前例の無い作品ができそうな予感

>>581
和んだ
590名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 19:49:11 ID:+/yM1vHY
誰か不二家安全宣言ネタを!
591名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 23:57:34 ID:s5syJ7FX
お前それは早速不○家の生菓子を買い占めてほくほく顔の弥子に
鬼畜魔人が無理やり生クリーム
塗りたくって咥えさすとかそーゆーのか?

正直不○家の生菓子を大食い兼美食家の弥子が好んで手を出すとは・・・
あれなんだろこんな時間にチャイムの音がくぁwせdrftgyふじやlp
592名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 11:06:14 ID:RgjxHH//
>早速不○家の生菓子を買い占めてほくほく顔の弥子に鬼畜魔人が無理やり生クリーム
塗りたくって咥えさす
自分はが好んで手を出しそうです期待期待期待
593名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 21:25:07 ID:RPzjBfLv
よし、とらぶる作戦でいこう
弥子は「喰・べ・てv」なんてやってくれなさそうなのが問題だが
594名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 22:14:23 ID:ZNpblci3
実は今週のとらぶる、春奈をヤコに置き換えた駄目な俺
595名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 00:36:15 ID:RaLAbyTv
新刊インタビュー、ネウロがマイクの間違った使い方をするの期待している俺駄目人間。
ってかあの場に居たのは二人きりにさせたくなくて尾行してたとか妄想してしまった
596581:2007/03/03(土) 12:00:11 ID:qypta3oF
バベルの続き、最初は書くつもりはなかったけど休みだから書いた。
いざ投下。
597神様はただ見てるだけ 1:2007/03/03(土) 12:01:11 ID:qypta3oF
うっかり目覚めたのが午前五時半。
それから家に帰れば余裕で入浴も食事も出来た筈だったのに、何で七時を過ぎてもここを出
られないんだろう。
ダメだ、もう今朝は学校に遅刻するしかない。
只でさえ成績が振るわない上に探偵業の為に授業の途中で抜け出すこともあって、せめて
朝だけはきちんと通いたいのにネウロのせいでそれも出来ない。弥子はただ苛々しながらも
どうすることも出来ずにいた。その間もエロ魔人は相変わらず嬉々としてやりたい放題し続け
ている。
「うぅ…んっ、もう、や、やめてよおっ…」
調子に乗ったネウロに朝っぱらからヤられ続けて、今日はもう三度目になろうとしている。盛
大に中に出されたものでぬるぬるに滑っている花弁はすっかり蕩けきって、次の刺激を待ち
受けていた。もう弥子の意思ではどうしようもない。半端に着ていたままだった制服はもう全
部脱がされて床の上でくしゃくしゃになっていた。
もしネウロからようやく解放されたとしても、こんなものを着て一旦帰るのかと思うと泣きたく
なる。誰が見ても「ヤってました」と言っているようなものだ。
「ひくっ…やん、やめてったらっ…」
悲しくなってぽろぽろと涙を流す弥子のことなどお構いなしに、ネウロは爛々と目を光らせて
蕩けた内部をぐっと指先で抉った。慌てたせいで体が硬直して、片足がソファーからぽろりと
落ちた。
それが余計に淫らな部分を見せつけることになってしまう。
「やぁんっ…」
「口よりは、ここが一番正直だな。貪欲で淫乱な本性が見えるぞ」
「やだってば…恥ずかしいこと言わないでぇ」
「せいぜい嫌がれ、恥ずかしがれ。どうせ本心ではなかろう」
「あんたなんか、嫌いぃ…」
顔を覆って泣き続ける弥子だったが、散々ネウロに蹂躙されたそこはたらたらと二人分の体
液を溢れさせている。
「貴様の、そういうところがいい」
にったりと人の悪い笑みを浮かべたネウロは、スタンバイOKになったブツの先端をこれでも
かとばかり柔らかな花弁や限界まで膨れ上がったクリトリスにぐりぐりと擦りつけ、捏ね回し
ては敏感になった弥子の反応を目で楽しんでいた。
598神様はただ見てるだけ 2:2007/03/03(土) 12:01:58 ID:qypta3oF
「そら、どうだ。そろそろくれてやろうか」
「うぅ…も、やめてぇ…」
涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった弥子の震える瞼をぺろっと舐める舌は、ひどく熱い。
「そうか、欲しいのか」
「やぁぁ…」
前夜から合わせれば、何度突き入れられたか分からないものがまた粘膜を擦りたてて奥ま
で侵入してきた。淫らな刺激にはすっかり弱くなっている体が、その一瞬で完全に従順にな
る。
「あ…ひゃああんっ…やだ…やなのにぃ…」
真新しいソファーの上で髪を振り乱して喘ぐ弥子は、もう快楽の奴隷に成り果てていた。心で
はまだ拒否しているのにこの快感からは逃げられない。激しいピストンに合わせるように両
手で薄い乳房を握って揉んでいる姿は淫乱という他ないのは頭で分かっているのに、止めら
れなかった。
「あぁん…はぁあ…気持ちいいよおっ…嫌なのにぃっ…」
まだ幼い少女を思う存分蹂躙して満足げなネウロは、そんな淫らな様子を見下ろして残酷な
笑みを更に深くする。投げ出された足を抱え上げ、腰を使って突き当たる場所を巧みに変え
ながらいいように弥子を喘がせていく。もう、本当におかしくなりそうだった。
「そうだ、もっと…狂え。我が輩の可愛い奴隷よ」
あまりにも奔放に求め合っているせいか、互いの限界がもう近付いていることを察したのか
突きが一層激しさを増してきた。
「ね、ねえ…中はも…もうやめてぇっ…マジ赤ちゃん出来たら…」
「貴様は嫌か?」
「…え?」
腰を使いながらも、器用に弥子の顎を掴んで引き寄せたネウロはその時だけ妙に真剣な顔
をして見せた。
「我が輩の子を産むのは嫌かと聞いてる」
こんな時に正常な思考などある筈もない。まともに答えられないのは分かっているのに何を
一体。そうは思っても、わずかに残った理性が真摯に答えを形作ろうとしている。それは弥子
の美点でもあり、ネウロに常につけ込まれる部分でもあった。
「嫌…じゃないかも、知れないけど…」
「ほう」
599神様はただ見てるだけ 3:2007/03/03(土) 12:02:40 ID:qypta3oF
それを勝手に了承と受け取ったのか、ネウロはひどく嬉しそうに笑った。
「それでは、そろそろいくぞ。ヤコ。さあ孕め」
「やだっ、やあああっ!!!」
一段と強く突き上げられると、昨夜から引き続く拷問のように魔人の精がドクドクと流れ込ん
できた。ぞっとするほど熱くて濃厚なそれによって、いずれ本当に弥子は魔人の子を孕まされ
るのだろう。何よりも、ネウロがその時を待っている。
「はあ…あ…」
ぐったりとソファーに沈んだヤコは、しばらくはもう指一本動かす気力も体力もない。
「一刻も早く、我が輩の子を孕むんだぞ、いいな、ヤコ」
まるで持ち物同然に乱暴に体中を撫で回し、デカい犬のように髪と言わず顔と言わず舐めた
くるネウロから逃れることは、もう諦めていた。
遅刻は完全に覚悟している。

「…じゃあ、また後で」
べたつく体にくしゃくしゃの制服をつけて、弥子はひとまず家に帰る支度を整えた。時刻はも
う午前十時過ぎ。もう何の言い訳も出来ない。
絶望的な顔をしている弥子を面白そうに眺めながら、ネウロはソファーでゆったりと相好を崩
している。まずはそれなりに満足しているようだ。
「授業が終わったら、まっすぐにここに来るんだぞ」
それには答えず、カバンを取り上げてドアを開いた。
「行って来る」
憮然とした声の向こうで、魔人はやはりにやりと笑っただけだった。
ネウロなんか野放しにしている神様、バーカ。
ようやくビルを出た後、眩しい朝日の中で空を睨んで呟く弥子の表情はこの上なく悔しそうだ
った。



そして放課後もまたヤられる運命。
600名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 13:10:48 ID:H2rBQ5Hl
続きありがとう神よ!!!!GJ!!
マジでめちゃめちゃうれしいッ
601名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 16:16:48 ID:H5or/BjJ
まさか続きがくるとは…休み万歳!
神、乙!!
602名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 17:47:41 ID:TyHhcQqv
興奮した。後は、ネウアイの続きがくれば・・・・
フゥーフゥー・・・クワッ!
603名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 19:04:39 ID:GRPbc8vL
某はわわ三国志ゲームに「このエロエロ魔人!」って台詞が出てたのを見て
是非ともヤコに言って欲しいと思った
604桂木ヤコ:2007/03/03(土) 22:06:13 ID:hvZB9YUx
>>603
ななな何言ってんのこのエロエロ魔人!
605世にも不思議な…。:2007/03/03(土) 23:10:14 ID:qypta3oF
今日、セカジューの色々な鳥の求愛行動見てたらこんなの降りてきた。


その日、ネウロはいつも以上に妙だった。
弥子が事務所に入るとすぐに満面の笑みで手招きをしてきて、さすがに不審に思ったのだがあっと言う
間に掴まえられてしまった。あかねちゃんの机に飾っていた小さな親王飾りはすぐに片付けたかったの
に、それも出来ない。
今日中に片付けないと、早くお嫁に行けなくなっちゃう。
そんなことを考えている間も早業で後ろ抱きにされ、さわさわと体中を探られていると変な気分になるか
ら怖かった。
「は、なして…」
「待ちかねたぞ、ヤコ。さあ、すぐにでも番おうか」
「やだったら…勝手に盛り上がんないで」
必死で腕から逃れようとする弥子だったが、ネウロが一度こうなったらもう誰にも止められない。しかも、
この状態は以前もあった繁殖期の行動と酷似しているのだ。
ヤバいなあ。
腹の中で呟く弥子の絶望にも気付かず、ネウロはあくまでも無邪気に獲物を蹂躙していくのだった。思
いのままになりながらも、今日の弥子の頭の中は妙に冴えている。
そういや、住処を準備して雌を誘う鳥もいるよなあ。もしかして、魔界の鳥であるネウロもその手の性質
があったりして。
とか何とかやっているうちに、今日もまた抜き差しならない事態に陥ってしまう。
そんなに簡単に意のままになるのは、本当に嫌なのに。
すっかりセッティングを済ませたソファーの上で、今日もネウロは余裕の笑みだ。
「ヤコよ、せいぜい奴隷らしくしろ」
「な…勝手言わないでったら。このエロエロ魔人!」
制服も下着も全部脱がされ、それでも抵抗する気充分な弥子を見下ろして、魔界の鳥は手応えありと
ばかりに悪い笑みを浮かべるばかりだった。
親王飾りは放っておかれたままだ。



終わり
606名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 00:47:28 ID:1kZUoAnh
>>605
GJ!俺も見てたけど神が降りてくるまで至らなかった
師匠を探してしばらく旅をするか
607名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 02:33:23 ID:Z1SGDUoV
セカジュー、オスの鳥がみんな一生懸命で可愛かったなw
綺麗な色をアピールしながら猛烈な勢いでメスを追い掛け回す鳥、
脳内でネウロに置き換えたら笑えたww
608名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 03:02:26 ID:wTliHrVP
>>猛烈な勢いでメスを追い掛け回す鳥

ネウロに置き換えたら笑えるw
(ある意味笑えないが)
609名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 03:38:16 ID:AnIkBIlM
最愛よみたいよ〜〜〜!!
610名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 08:50:52 ID:gfuRGE2A
>>605のエロエロ魔人が出てニヤニヤしつつ>>607の猛烈な勢いで〜に大爆笑した
グッジョブ!
611名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 11:34:26 ID:tFaZzoyP
魔人のスーツって、普段着?
じゃあ、勝負服ってどんなんだろう。
それこそ、繁殖期に必死なオス達みたいなんだろうか。
ヤコがびびってひくくらい着飾ったりして。
612名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 12:26:33 ID:JKqzYkJ0
深海の蒸発(イビルアクア)発動時の鳥ネウロ姿だったりして。
あんなんが猛烈な勢いで迫ってきたら、泣きそうだ。
613名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 13:02:50 ID:YJlF+lsp
そういえばハル編で少しカジュアルになってたけどな
繁殖期はもしかしたら鳥に戻るのかもしれんw
614名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 13:15:23 ID:qvlgFT1Y
この前「黒執事」って漫画読んでたら少し助手ネウロに似てた
執事ネウロ…
615名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:08:20 ID:Cw1cKUg0
執事のくせに弥子お嬢様をいじめまくるネウロ・・やべえオラわくわくしてきた。
616サイアイ前提でネウアイ:2007/03/04(日) 20:11:31 ID:Hq2zoQgq
やっとPCの調子が戻った
黒羊ネウロで盛り上がってる流れぶった切ってごめん投下
617サイアイ前提でネウアイ14:2007/03/04(日) 20:12:43 ID:Hq2zoQgq
 引きずり倒したアイの手首を、ネウロは掴んで捻り上げる。
 アスファルトの地面に背を打ち付けられ、アイが息を詰まらせた。
 180を超える長身が、細い体の上にのしかかる。長いピンクの舌をなめずって、口元だけで笑うネウロ。
「アイ……!」
 悲鳴を上げる俺をあざ笑うように、舌がアイの首筋を這う。
 蛭のように蛞蝓のように、じゅぷじゅぷ湿った音を立てながら白い肌を犯していく。
「んっ!」
 ひくんっと喉を鳴らしてアイはのけぞった。
「やめてっ、ネウロ、それは……それだけはっ」
 彼女だけは。他の何をどれだけ奪われたとしても彼女だけは。
「また虫のいいことを言うものだな。貴様は我が輩を殺しに来たのだろう?
 命のやり取りに敗れておいて、何の報復も覚悟していなかったとは言わせんぞ」
「仕返しだったら俺にすればいいじゃんか、アイはっ……」
 首筋を舐める舌をネウロは引っ込める。代わりに鋭く尖った犬歯を、滑らかなアイの皮膚に突き立てた。
「あぁっ!」
 痛みに身をよじろうとするが、自分をはるかに上回る体重で押さえつけられて動くこともできない。
 男の体の下に閉じ込められて痙攣するだけだ。
 ――ネウロはそれを眺め満足げに目を細めた。
 申し訳程度に残ったアイの服に手をかけ、わざと大きな音を立てて引きちぎる。
 細い脚を足首まで隠している、長いスカートも勢いよく破られてしまう。
「アイ、アイぃっ! 放せ、放せよ畜生っ」
 変幻自在の俺の細胞は、こんなときなのに言うことを聞いてはくれない。
 バラバラの骨もズタズタの神経も、頑なに命令を拒否して動かなかった。
 ただ投げ出された右手の指先だけが、かろうじてアスファルトに爪を立て引っ掻いただけに終わった。
618サイアイ前提でネウアイ15:2007/03/04(日) 20:13:19 ID:Hq2zoQgq
 下着も裂かれる。
 泣き叫ぶ俺に見せ付けるように、ただの布切れになったそれを花びらを散らす要領で放り捨てるネウロ。
「気分はどうだ?」
 アイはきつく目を閉じ、魔人の顔を見まいと顔をそむけていた。
 その細い顎を乱暴に掴んで、ネウロは強引に自分のほうを向かせる。
 切れ切れの息の下でアイは魔人を睨んだ。
 断ち切るような強い瞳で、自分を犯そうとする男を見返した。
「あなたのような恥知らずに、答える言葉などありません」
「……そう来なければな」
 ネウロは笑った。嬉しそうに。
 ズボンのチャックを下ろし自分のものを取り出す。黒く逞しいそれは早くも猛々しくそそり立っている。
 生臭い男の精の匂いが、どうしようもなくリアルに俺の鼻をついた。
「やめて……」
 右手の爪がまたアスファルトを掻いた。
 ぱき、と音がして折れて血がにじんだ。
「お願いそれだけは、許して、やめてっ」
 涙がこぼれる。
 俺たちは確かにこれまでさんざん悪事を重ねてきた。何かの形でその報いが必要だというなら、それは仕方ない。
 いくら機能不全な俺の脳細胞だって、今まで自分がやってきたことが、言い訳できるレベルをとっくに超えてる
ことくらい理解している。
 でもだからってこんなのひどい。あんまりだ。
 よりにもよって俺の目の前で彼女を。
 涙がこぼれて頬をつたった。血で汚れたアスファルトを更に汚した。
 と――
619サイアイ前提でネウアイ16:2007/03/04(日) 20:13:52 ID:Hq2zoQgq
「サ、イ」
 胸の突起をネウロに貪られながら、かすれた声でアイが呻いた。
「……泣かないで、ください。サイ」
「アイ、でもっ」
「こんな瑣末でささいなことで、あなたが涙を流すことはないのです。
 大したことではありません、私にとってはこんなこと……、んっ!」
 弄ぶように先端に歯を立てられた。アイの白い半身がびくんっと震えた。
「アイ!」
「私のことは、大丈夫ですから……ん、んっ……」
 うっすら涙のにじんだ瞳で、それでもアイは首を振って言った。

 嘘だ。
 だってアイ震えてる。押さえつけられて生まれたままの姿にされて、さんざん嬲られて、恥ずかしくて悔しくて
怖くてさっきからずっとカタカタ震えてる。
 観察に長けた俺にそんな虚勢通じるはずもないのに、それでも少しでも安心させようとしてそんなことを言う。

「……ただ、サイ……これから起こることは、できるだけ目を閉じて、逸らして……
 見ないでいて、くださ……、あぁ!」
 言葉の途中でアイの腰が抱え上げられた。
 脚を開かされ下の口を晒させられる。
 慣らされてもいずまだ乾いたままのそこに、ネウロは深く突き入れた。
「やぁっ、やああぁぁぁ、や――!」
620サイアイ前提でネウアイ17:2007/03/04(日) 20:14:28 ID:Hq2zoQgq
 硬くて大きな肉の棒で体の中を蹂躙されて、アイは叫ぶ。
「……うぁ……あ……っ……!」
 口から漏れるのは喘ぎではなく引きつった悲鳴。
 奥がどれだけ深いか確かめるように、ネウロは根元までそれを押し込む。
 ――動くことさえできない俺は、目を閉じるのも忘れて呆然とその光景を眺めている。
「ふむ。悪くない」
 ネウロはうっすら笑みを浮かべた。
 内側からの圧迫感に悶えて、アイの手足が突っ張る。強張った体にはなおさら男根の質量はきついはずだ。
「だが、あまり使ってはいないようだな。まさか貴様、一度も試したことがなかったのか?」
「……黙れ」
 声が震えた。
 こいつを殺してやりたい。
 遊びのレベルも観察の域も超えて、この世に存在する限りの惨い方法でバラバラにしてやりたい。
「図星か。しかし解せんな。貴様の所有物なのだろう? なぜ放っておくのだ」
「黙れよ……!」
 こいつには分かりっこない。絶対に。
「人間の考えることは分からんな。――まあ、いい」
 唇を歪めたネウロは、すぐにまた突き上げを開始した。
 充分に湿らされてもいないそこに強引で容赦ない抽送。
「っ、……!」
 声にならない声が上がる。抱え上げられたアイの脚ががくがく揺れる。
 拷問のような行為から逃れようと必至でもがくが、ネウロはやめない。
 見る間に裂けた肉の隙間から血がにじんでくる。結合部が赤く濡れていくのが俺からも見えた。
「まるで処女だな」
 獰猛で残忍な獣の笑み。
 爪を立てて腰を掴む手。乳房を噛み千切らんばかりに突き立てられる歯。
「ア、イ……」
 耐えられなくなって俺は目を閉じた。
 だがそれでも、陵辱の音は遮りようもなく俺の耳に届いた。
621サイアイ前提でネウアイ18:2007/03/04(日) 20:15:34 ID:Hq2zoQgq
 いつしかくちゅくちゅという卑猥な音が響きはじめたのは先走りの精液のせいか、それとも陵辱から身を守るための本能で
アイ自身の体が濡らしていたのか。
 魔人は俺の目の前でアイを犯し尽くした。何度もアイの中で精を吐き、抜くことすらせずに休みなく腰を動かした。
 最初は必死に抵抗していたアイだったが、そのうち糸が切れたように動かなくなり、死んだようにぐったりとなって
しまった。
 深く突き入れられるとびくんっと震えることから、意識がないわけではないらしい。
 かすれた声すら響かせなくなり、ただネウロのなすがままになっていた。
 唇が切れて血がにじんでいる。
 ネウロが噛み付いて切った傷の跡。
「ほう、もう力尽きたか。つまらんな」
 乱暴に顎を掴まれても、睨みを返す気力はもうないらしい。
 ただ、『は……』と、呻きとも喘ぎともつかないような声を漏らすだけ。
「あいにく我が輩はまだ満足とは程遠くてな。もう少し付き合ってもらうぞ」
「なっ」
 この期に及んでまだ足りないのか。
「やめてっ。もうだめ、死んじゃう、アイが死んじゃう!」
「別に死なれても構わん。死姦というのも、趣向としてはなかなか面白いかもしれんしな」
 死姦。
 脳裏に浮かんだイメージにぞわっと背筋が粟立った。
「……殺してやるっ……殺してやる、殺してやる、この化物!」
「さっきの今で大した威勢だな。心配するな、冗談だ。死体では興奮せん、死人はこんな良い声で鳴いてはくれんのでな」
「うるさい、うるさい、うるさい、殺してやる、殺してやるから――!」
 泣き喚く俺を無視し、ネウロはアイの体から肉棒を引き抜いた。
 じゅぼっという濡れた音。まとわりついた白濁液の、青臭い匂いがあたりに広がった。
 アイの体の入り口からも、どろっとしたいやらしい汁がこぼれて地面にしたたり落ちた。
622サイアイ前提でネウアイ19:2007/03/04(日) 20:16:14 ID:Hq2zoQgq
「さて……」
 ネウロが取り出したのは一つの瓶。
 節くれだった木の断片のような歪んだ形のその瓶は、毒々しいピンク色の液体をたたえていた。
 一瞬それが『瓶』だと分からなかったのは、底から一本の太い針が伸びているからだ。
 まるで注射針のような。
「下世話な言い方をするなら媚薬だ」
 瓶が振られる。中の液体がちゃぷんと揺れる。
 ネウロはアイの腕を押さえつけ、白い肌に浮き出た血管を探り当てた。
「どんな操の固い貞節な女でも、悦んで自分から腰を振るようになる。
 心配するな、副作用はない。まれに快感が脳の許容量をオーバーして、発狂することがあるらしいとは聞くがな」
 それはつまり……
 体だけじゃ飽き足らず心まで犯そうということか。
「……ぃ、やぁっ」
 糸の切れた人形のようになっていたアイだが、さすがにこれには反応した。
 ネウロの下から逃れようともがく。
「やめ……」
 触るな。
 これ以上アイを苦しめたら許さない。
「嫌、いやああぁぁっ」
 暴れるアイの上に馬乗りになるネウロ。
 瓶から伸びた針の先が月と同じ色に光った。
 ――やめろ。
623サイアイ前提でネウアイ20:2007/03/04(日) 20:17:02 ID:Hq2zoQgq
 ミシッ、と細胞が鳴った。
 折れて潰れていた右手の爪が再生した。関節、筋肉の超速の変質。
 ゴキリと音を立てて人の手の形が崩れる。
 手は刃になって長く伸びた。

「ネウロっ!」

 鮮血が飛び散る。
「!」
 ネウロの手から瓶が落ちた。
 瓶はアスファルトの上を転がり、クレーンの残骸にぶつかって砕け散った。
「ほう、これは……」
 呆然と自分の傷口を見るネウロ。
 魔人の肩には俺の刃が、深く穴を抉って貫通していた。人間に近づいているからか、それとももともとこの色なのか、
生々しい赤い血をスーツに滲ませている。
 ネウロを貫いたまま刃はまた変異する。金属から単なるタンパク質の屑へ、ほどけて崩れてばらけて壊れていく。
「く、そ……」
 それっきり、念じても願っても二度と動いてはくれなかった。
「見誤ったな、まだ余力を残していたか。とはいえさすがにもう限界のようだが」
 殺し損ねた。
 じわじわとした絶望が一瞬おいて湧いてきた。
 アイを助けられなかった――
「せっかく魔界から持ってきたとっておきの薬が、台無しになってしまったではないか。
 わが奴隷にも使ってやろうと思っていたというのに。それに……」
 股間のものを見下ろすネウロ。
「萎えてしまった。どうしてくれる? この代償は高くつくぞ」
624サイアイ前提でネウアイ21:2007/03/04(日) 20:17:38 ID:Hq2zoQgq
 ズボンのジッパーを上げてネウロは立ち上がった。
「次に会ったときにでもたっぷり利子をつけて返してやろう。むろん地上ではなく魔界の利率で計算してな」
 口いっぱいに浮かんだ凶悪な笑み。
 動けない俺の頭を靴の底で踏みにじる。
「そのときまでには、我が輩を殺すまではいかずとも、せめて自分の奴隷くらいは自分自身で守れるようになっておく
 ことだ」
「ぐ……」
「その意志と可能性に免じて、今回はこの程度で勘弁してやる」
 靴が離れる。
 俺とアイをその場に残し、悠然とした足取りで魔人は歩き去っていく。
「そうそう、アイとやらよ」
 途中で立ち止まり振り向いた。
「悪くなかったぞ。――次はもっと楽しませてやろう」
 アイの顔がひきつるのが分かった。
「あんたは……!」
「いやあ〜怖い怖い、さすが当代一の殺人鬼! あんまり怖いので僕、帰って先生に慰めてもらいます!」
 ネウロは一礼した。
 舞台から退場する喜劇役者のように。
 そして、音もなく闇の中にその姿を消した。
625サイアイ前提でネウアイ22:2007/03/04(日) 20:18:21 ID:Hq2zoQgq
 それからどれくらい経っただろうか。
 コンクリートの地面から身を起こしたアイは、痛みと屈辱にふらつきながら、引き裂かれた服を一枚一枚拾った。
 下着はただの布切れになってしまっているし、スカートも上着も慰みのように破られて、可哀想なくらいズタズタだ。
 それでも素っ裸よりは遥かにマシなはずだった。
「アイ……」
 俺は呻く。
「ごめん」
「……何がですか、サイ」
「守ってあげられなくて、ごめん」
 『あんたのことは、俺が守ってあげるよ』
 あのとき確かにそう言ったはずなのに。
「何を仰っているのです」
 鉄パイプの梃子を体重で押しながら、アイ。さっきまでの救出作業の続きだ。
 さんざん苛まれた細い体には、なかなか力が入らない。痛みに眉根を寄せながら、何度も何度も体重をかける。
「守ってくださったではありませんか。私を」
「あれは……」
 ネウロが勝手に退いただけだ。俺は何もできなかった。
 やがて充分に空いた隙間から、アイは俺の体を引きずり出した。
626サイアイ前提でネウアイ23:2007/03/04(日) 20:19:40 ID:Hq2zoQgq
「あのときサイが助けてくださらなければ、私はきっと今頃……
 誰が何と言おうとも、あなたは確かに私を守ってくださったのですよ」
「アイ――」
「それでもどうしても拭いきれないようでしたら」
 俺の額に手を当て、アイは小さく笑む。
 俺の心を救うために笑ってみせる。
「今夜のことは、もう忘れてください。あなたの中身に比べればどうでもいいことなのですから。
 申し上げたでしょう。こんなことは私にとって大したことではない、と」
「……………………」
 涙が溢れてきそうだったが耐えた。
 アイが泣くのを我慢して笑ってくれているのに、俺が泣くわけにはいかない。
「さっき見たときも思いましたが、本当に手ひどくやられましたね。
 無事な骨がほとんど残っていませんよ。やはり手術した方が」
「……いや、いいよ」
 俺は拒否した。
「せっかくのあいつからのプレゼントだ。時間をかけて修復して――」
 ぎりっと、奥歯を噛み締めた。
「次こそは絶対殺してやるよ」


おわり。
627名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:34:49 ID:QGUU93y1
ごちそうさまです。
628名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:43:27 ID:tFaZzoyP
いや、ほんとご馳走様です……!
待ってたかいがあったよ
629名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:46:20 ID:wxIcHC2e
超GJ。本気で涙出そうになった。
ラストいいな
630名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 20:51:43 ID:RdkLdIKO
ネウロが外道になればなるほど嬉しくてガッツポーズしたよ…
まさにGOD JOBそしてGOOD JOB!!!!!!
631名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 21:00:04 ID:5DKhhB18
GJです!!
続き楽しみに待ってました。
アイを想うサイが健気で泣けた。
632名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 21:19:27 ID:qnrTvBGC
アイさん陵辱して帰ったら弥子も喰うなんて
ネウロ…この鬼畜王ランスめ!と思いつつガッツポーズする俺ガイル
超GJ!しかし悪役似合うなネウロw
633名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 21:30:31 ID:JKqzYkJ0
ずっと待ってたよ、超GJ!!
二人の切ない健気さと、あくまでも外道なネウロの対比が良かった。

しかしランスてwww
634名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 21:35:33 ID:2QZD26oE
裸で帰ったんだ・・・
635名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 22:04:52 ID:HHsKMyXV
なんかサイのキャラがジャンプ的展開だな。


乙。
636名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 22:19:29 ID:7Xgh2TDR


サイの為にちょっとネウロに特攻してくる
このドーピングコンソメスープがあれば…
637名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 22:40:07 ID:GXiWVm2w
>>636
無茶しやがって…
638名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 22:55:17 ID:iAQ6kaVF
ちょ、ほんと涙出た
サイが珍しく純粋で感動した

職人さん素晴らしい
これからも末永く宜しくお願い致します
639名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 23:40:51 ID:gfuRGE2A
鬼畜ネウアイ良い
GJ
アイがサイだけの為に存在するのが感動。

ネウロってジャンプ的に悪役かもな。
>>626を読むまでは、弥子とコンビ組んでるから悪役とは思えない。
640名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 00:38:21 ID:Lh/+TNn7
うおおGJ!!サイが健気で泣けた!感動した!

そういや過去には逆パターンもあったんだよな。
サイに犯された弥子にネウロが愛を注ぐっていうやつな。
どっちも名作だ。
さてここらで・・・最近少ない笹ヤコをエーロ・ゴシカアン!
641名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 00:43:03 ID:ExsrNt5k
笹ヤコ最後に見たのはいつのことだったろうか
読むぶんにはすげー好きなんだが原作で最近出てこないから
ネタがゲットしにくいんだよなー

あと、書いてみると分かるんだがすげーエロにもちこみにくいコンビだったりするorz
642名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 00:53:19 ID:Lh/+TNn7
お、おう自分も書いて投下した事あるんだが確かにエロに
持ち込みにくいかもな・・・笹塚が淡白そうなせいか?

それでも神が現れるのを待つ・ゴシカアン!
イビル・ジャイアン的展開もよしですな。
643名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 01:28:14 ID:F9cj3/9s
ネウロは悪役じゃないお><

傲岸不遜、鬼畜で残忍なツンデレで、
人を死の淵まで追いやるのが大好きな『いい人』なんだお><
644名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 01:29:25 ID:eSwH+fWK
この小説続いてサイアイがエロに突入しないかなあ・・

645名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 02:14:14 ID:OGAf1r/G
この後、帰宅したネウロとヤコがどうなったのか激しく気になる…
646after that:2007/03/05(月) 02:22:22 ID:Sq9ow65j
ごめん。
その後のネウロちょっと書いてみた。


唐突に入り口のドアが開いた。
「…ネウロ?」
思わず、弥子はソファーから立ち上がった。
ここにいろと言われてからずっと、所在なく待ち続けていた弥子は今までネウロが一体どこに行って
いたのか分からない。だが、何かいつもとは様子が違う気がした。
何がとは言えない。ただほんのわずかだが、どことなく切羽詰ったような感じがしたのだ。
問おうとした一瞬、ぎらりと翠の双眸が光る。
「ふむ、感心なことだ」
「あんたが言ったんじゃない、ここで待ってろって」
「言いつけを守ったことは、まあ誉めてやろう」
言うなり、伸ばされた腕にいきなり絡め取られてしまった。
「いきなり何よ…」
慌てて逃れようとしたのだが、もう叶わない。ネウロはひどく禍々しい笑みを浮かべて今夜の獲物た
る弥子を更に深く抱き締めた。すぐに頭が片栗粉でも浴びたようにくらくらしてくる。
意のままになりたくなくて抵抗しようとしても、無駄なようだった。
「やだってばっ…」
「我が輩の奴隷よ、貴様をまずは増長させてやろう」
「えっ…」
心憎いばかりの低いトーンの声が、耳をくすぐった。
「我が輩の心尽くしを受けることが、何よりの幸運と思え」
「な、に訳の分からないことを…」
今夜のネウロはやっぱり変だ。そう言いかけて、服から肌から絶え間なく発せられる仄かな香に弥
子は身を硬直させた。
これは誰かの匂い。
まさか魔人が人間同様に操立てするなどと呑気なことを考えていた訳でもない。だが、ネウロから
感じる他人の匂いに面白いことに弥子は勝手に嫉妬していた。
それが一体誰かも分からないのに。ネウロなんか身勝手で強引で大嫌いだと思っていたのに。
そんな弥子のなけなしの乙女心も露知らず、ネウロはぬらりとした嫌な笑いを浮かべて体を探って
いた。
「ヤコよ、我が輩だけの奴隷よ。貴様が今日の全ての埋め合わせをするのだ」
耳を舐める声が忌まわしくも熱くて嬉しい。
さっきまで空白だった夜はまだ始まったばかりだった。



終わり
647名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 03:13:32 ID:9iY4X8oX
その後ー!
GJ!!
648名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 06:12:22 ID:+MYyzw8S
続きGJ!! さすが絶倫魔人。
服から肌から〜の肌を股って読んだ…。すまん。
649名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 07:17:39 ID:ExsrNt5k
>>646
元のを書いた者だがまさにこんなイメージしてました、超GJ
650名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 17:02:05 ID:BGjEeT3k
>>646
このエロエロ魔人!GJ
嫉妬するヤコ可愛いな
今週と先週の展開がうっかり修羅場になりかけるが
651秘密:2007/03/05(月) 18:14:26 ID:cj9lz6Z6
カモワン版(マルセイユ版の復刻)のタロットの解説見てたら見てたら思いついたもの。

「あ〜もうっ! なんでこんないつもいつも、馬鹿にされなきゃならないわけ!? わざわざ
言われなくたって、自分が愚か者だって事くらいいい加減理解してるよっ!」
 いつものようにネウロさんにさんざんに貶された弥子ちゃんは、ネウロさんが事務所を出て
行ってから、ずっと自棄になったように言葉を綴っています。弥子ちゃんの頑張りを知らない
わけでもないでしょうに、どうしてこうもネウロさんは意地が悪いのかと、さすがに心が
痛んでしまいます。
「ん、何?」
 ホワイトボードにペンを滑らせると、弥子ちゃんも私に気付いてくれたので、今度は毛先で
パソコンの画面を示し、キーボードを叩いて会話を始めました。
『弥子ちゃん、そんなに落ち込まないで。弥子ちゃんが頑張ってる事はネウロさんだって
ちゃんと見てるはずだよ。』
「…ありがとう、あかねちゃん。でも…さ、私が愚か者ってのは本当だよね。こう何回も
ネウロに騙されたりしてるんだし…」
 やっぱり弥子ちゃんは相当参っているのか、考えが暗いようです。
『でもね弥子ちゃん、愚者っていうのは、タロットの中じゃ唯一人物が歩いてる、可能性に
満ちたカードなんだよ』
「えっ、そうなの?」
 あまりフォローにならないフォローだけど、弥子ちゃんは興味を持ってくれたので、少し
ほっとしました。
「でもさ、それならネウロは死神…だっけ? そんな感じだよ」
 弥子ちゃんのイメージでのカードの選択。それはちょっとだけ微妙な感じです。
『そうかな。だけど、死神って本来は名前の無いカードで、本来番号のない愚者と同じ構図で
描かれてるものだから、対として考えるなら二人に合ってるのかもね』
「う…セットになってるみたいなモンじゃない…。じゃ、じゃあ他に…悪魔とか…?」
 今度は更に微妙な選択。
「あかねちゃん? 私変なことでも言った?」
 純粋に不思議がっている弥子ちゃんが、何だか悲しくなりそうです。
『あのね、悪魔のカードには、綱で繋がれてる奴隷の男女も描かれてるの』
 それはまるで弥子ちゃんと吾代さんを暗示してるみたいに。しかもその二人は喜んで繋がれ
ているっていうんだから……。
「どれ…」
 弥子ちゃんは驚いた後、溜息を吐いてしまいました。
 でも大丈夫。その男女はちゃんと太陽の中で、解放されるから。そう教えてあげたいけれど、
どう考えてもネウロさんが弥子ちゃんを手放したりするわけがないのは、よく解ってるから、
私には何も出来ないの。
 ごめんね、弥子ちゃん。

運命の輪にスフィンクスが描かれてたり、見てると色々浮かぶんだけど…あまりうまく書け
ないんだよな。
652名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 18:52:05 ID:bcZUd+us
gj

タロット的には弥子と吾代は真性Mなのか?

うわごだいなにをするやめ…

クシカッ!
653名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 19:38:23 ID:Vt2EtM3e
GJ!

今週号読んでたら、ネウロが弥子を無理矢理弥かねちゃん化させて犯す
ネウあかが読みたくなってきたw
何だかんだでネウロと美人秘書ってラブラブだよな…と思って。
654名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 21:33:45 ID:Z++RIMBm
今週号最後のコマでネウロの台詞を
「貴様を床用雑巾にできなかった腹いせに
我が輩のミルク絞り専用雑巾になってもらおうか」
と補完した。
655名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 21:39:41 ID:YLcUTjLq
雑巾というかバキューム的なものというかw
…ミルク雑巾SS光臨ひっそり希望ゴシカァン
656名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 21:52:19 ID:OybkGa66
ネウロは弥子ちゃんの事かなり好きだと思うんだけど、どうかな?
657名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 21:57:02 ID:vZ1uW7Pw
そうだね、プロテインだね。
658名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 22:07:46 ID:Sq9ow65j
今書いてる。
659名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 23:08:16 ID:dSdVFC8Z
wktkして待ってます
660名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 23:24:27 ID:quyFuLHq
ええ?ひょっとして雑巾モノすか?待ってます!
661名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 00:33:18 ID:NWAM+joh
神待ちの隙を狙い
10巻匪口のプロフを見て思い付いたバカネタを置いてみる


『だって俺、マックだし…』


匪「…ちは、マックです」
弥「こんにちは!パソコンですっ!!」


弥「ぅ…ックシュン!」
匪「何?風邪ひいたの??」
弥「……ぁい。今年のウィルス、結構酷いみたいd…ッシュン、ぁ−もぉっ!」

(口を両手で押さえて涙目)

匪「……俺が、ウィルスソフト入れてやろうか?」
弥「(あれ?台詞が違う…)あ…あ−いいです、大丈夫! それにうつしちゃったら悪いし……」
匪「全然平気!だって俺、マックだし」
弥「その設定、わざわざソコで持ち出すんですか…てか、何でさっきからじりじりと距離詰めて来てるんですかっ……」
匪「だからさ、原因調べるだけだってば……大人しくしてなよ?」
弥「あ、ちょ…何処触って……ゃぁっ…んぅ…そんな所に電源スイッチなんて無いです…っ!!確かに今はPCだけど、一応人型してますけど……ゃんっ!」
662名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 00:37:24 ID:hJlnb6u+
>>661
ばかもの!続きを書かんか!この!
でもGJ!ハアハアしたぜ。
663暴風雨波浪警報発令中の街 1:2007/03/06(火) 00:57:03 ID:az/fu5AJ
ミルク雑巾ネタで突っ走った。
後悔なんて、するものか。


「…うっ…」
苦しげな声が喉からひりついて漏れた。
窓の外では、ひどい雨と風が猛威を奮っている。まさに春先の嵐という感じだ。たまに奇声が聞こえる
のは、差していた傘が突然の突風でダメになった人の叫びだろう。
比較的雨が小降りのうちに遅刻することもなく事務所に辿りつけたのは幸いだったが、その後こうして
ネウロにいたぶられているのは決して本意ではない。
何でこんな日に限って、律儀に時間を守ったのだろう。
弥子はそんな自分が恨めしかった。
「ぐぅっ…」
「そら、しっかりとしゃぶれ。貴様にはこれぐらいしか価値がないのだからな」
相変わらず今日も好き勝手なことを言うネウロは、弥子の頭を強引に押さえつけて残酷な笑みで見下
ろしている。全く暴君もいいところだが、今こんな風にしてソファーにゆったりと長身を預けている様子も
妙に様になっているから困るのだ。いつも粗雑に扱う癖に、時折見蕩れたりしているのを気取られない
ようにするのが今の弥子にとっては最大限のプライドだ。
床に座り込む形で、既に反り返っているものに奉仕を強制されている弥子は、決して逃れることも出来
ないままぽろぽろと涙を零し続けている。その間も、口の中で膨張し続けるものはどんどん常識外れな
大きさになっていっている。
堪えきれずに口を離すなり、口の端から唾液よりも粘度の濃いものがぱたりと零れた。何だかんだと
未熟な弥子の舌技に文句をつけてはいても、それなりには楽しんでいたに決まっている。
何て悪趣味な男だろう。
「…ネウロ…」
はあはあと肩を上下させている弥子をあくまでも虫けらでも眺めるように尊大に見下ろしながら、ネウロ
は威風堂々たる絶対君主の如き風格を漂わせて言い放った。
「以前、貴様を正式な奴隷にすることが出来なかったからな。せめて我が輩の吐き出す精液ぐらいは、
拭い取る雑巾代わりにでもなって貰わねば」
「なに勝手な、こと…」
「貴様もそれを望んでいる筈だ、ヤコよ」
するりと顎を撫でる指がいつもとは違う感触に思えた。
何か企んでいるらしいのが、本当に憎らしい。
「訳の分からないことを…」
664暴風雨波浪警報発令中の街 :2007/03/06(火) 00:58:15 ID:az/fu5AJ
まだ呼吸の整わない弥子の頬に、硬く勃起しきったものがずるっと擦りつけられた。わざとらしく先走り
が溢れる先端から根元にかけて。べったりとぬるむ液をなすられ、嫌悪と恐怖で叫び声を上げたいほ
どだったのだが、顎を掴んでいる指先は刃物に変わっていて逃れることなど出来ない。もちろん叫ぶこ
とも。
「今の貴様は只の雑巾だ。便所雑巾にも劣る、精液を拭うだけのな。フハハハハ」
「…う…」
わずかでも反論すれば即座に首が胴体と泣き別れる。それぐらいのことはネウロなら簡単にやっての
けるだろう。こんなことで死ぬ気になどなれない弥子は、ひとまず常に頭をもたげるプライドを引っ込め
るだけだった。
「舌を休めるな。雑巾よ」
「…畜生」
聞こえないほど小さく呟いて、驚くほど巨大に膨れ上がったものに弥子は再び愛撫を始める。根元か
ら何度も丁寧に舐め上げ、裏筋を中心に刺激を与え、カリの根元から先端を舌先で突つき回し、徹頭
徹尾教えられた通りをなぞりながら更なる満足を味合わせていく。くだらないプライドは今はもう何の意
味もない。ネウロが雑巾だと言うなら、紛れもなく今の弥子は雑巾でしかないのだ。
はらりと流す涙は、もう何の意味もないものになっている。
「出すぞ」
長い時間をかけて股間からそそり立つものに持ちうる技を持って尽くし抜いた挙句、唐突に頭上から
残酷な声が降ってきた。
はっと見上げた目に、この場には到底相応しくないほど神々しい強制種の微笑のような笑みが飛び
込んできて思わず魂を奪われ、放心してしまった。その隙を突くように大量の熱くてねっとりと濃いも
のが顔を目掛けてぶち撒けられる。
「やぁ…!!」
逃れる間もなく髪から、顔から、制服に至るまでべっとりと魔人の精液に汚された。こんな惨めなひど
い姿で、これからどうやって帰ればいいのだろう。もうどうすることも出来ずに呆然と座り込んでいる弥
子を抱き上げると、ネウロは手際良くショーツを足から抜いてしまった。
「ふむ、まさに雑巾だな。貴様には汚いのが似合いだ」
「や、もうやだよお…ネウロ…」
今日はネウロに命ぜられるままフェラチオだけに専念していたので、弥子の方はまだ何の準備も出来
ていない。早くもまた勃起しかけているものにこのまま突き上げられたら、きっと弱い粘膜で守られて
いるだけのそこは壊れてしまう。
「やぁ、お願い、やめて…いきなりなんて嫌…」
「そうか、すぐに欲しいか。雑巾に相応しい淫乱だな」
「違っ…やあああ!!」
魔人が嬉しそうに目を細めたのと同時に、性急なペニスの先端が乾いたままの小さな花弁を無理やり
こじ開けた。
665暴風雨波浪警報発令中の街 3:2007/03/06(火) 01:00:03 ID:az/fu5AJ
「やあ…痛、いぃ…やめて、もうやめてぇぇ…」
一気に奥まで突き立てられて、弥子は泣き叫びながら必死でネウロを突っぱねようと足掻いた。なの
に何の効果もなく、互いの粘膜が密着した部分は淫らな擦れ音を響かせるだけだ。そのうちに、敏感
な内部を守る為なのか単なる快感からかじわりじわりと愛液が滲み出してくる。
「あ、あ、あぁぁんっ…」
「いいぞ、ヤコ。乱れ狂うがいい」
「いやあぁ…も、やぁ…これ以上、は、ダメえぇ…」
ソファーに完全に囲い込まれ、激しいピストン運動に攻められて弥子はそろそろ完全に正気を失いか
けていた。結合する部分がぐちょぐちょとあられもないいやらしい音をたてていることすらも、意識から
失せかけている。
「あぁぁ…ネウロ…ダメ、もうダメえぇぇんっ…」
無意識に縋る腕が、魔人に絡みついて抱き寄せる。
「そうだ、心のままに求めろ、縋れ、何もかも委ねろ雑巾め」
強く抱き締められ、喘ぎ続ける唇を宥めるように甘く噛まれてしまう。もうダメだ。
「あ、あ…」
その瞬間、完全に意識が飛んでしまった。
「ネウロ、雑巾でいい、からぁ…して、もっとしてよおぉぉっ…」
ひくりと喉を反らせ、微笑む弥子は凄まじく美しかった。心を委ねる相手にここまでされることの喜び
が溢れている。
「そうだな、ヤコよ。今宵はゆっくりと貴様と過ごそうか…」
獲物を完全に手に入れたネウロは、余裕の笑みで抱き締め直した。焦ることはない、長く時間をかけ
て楽しめばいいとばかりに焦らそうとしているのだ。
「あ、はぁ…ネウロ…大好きぃ…」
零れた精液を全て拭き取らされていることも忘れ、弥子はひととき妖しく微笑んでいた。



終わる。


タイトルの2がちゃんと書き込めなかったのが心残りだ。
666名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 08:06:09 ID:oDkDm5SJ
GJ!!!激しく萌えた
667名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 10:00:47 ID:Q71ajPXL
鬼畜ネウロ万歳!
668名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 17:12:08 ID:TcljFcFT
作者の2に関するこだわりしかと見届けた
よって晴天時にまつわる続編を求む
669名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:05:20 ID:vYkSOLi+
(ネウヤコ純愛?です)
670弄【あいがん】(1/7):2007/03/06(火) 23:07:44 ID:vYkSOLi+
 立て続けに入った仕事。それがようやく落ち着いて、桂木弥子は久しぶりに事務所で、
あかねちゃんとまったりしていた。
「……だめだ、また負けたぁ〜」
 ぽん、とトランプを放り投げる弥子。
「あかねちゃん、ババ抜き強すぎ。これで私、何連敗?」
 壁のお下げがぴょこんと跳ねる。先端がペンを握り、さらさらとメモ用紙に文字を走ら
せる。5。
「……5連敗。っていうか、あかねちゃん、表情が読めないからか」
 女の子二人(?)、和やかな雰囲気の昼下がり。気の休まることのなかったここ数日を
反省するように、弥子はこののんびりムードを満喫・・・・・・

ビン。

 していた刹那。
 眼前、数ミリ先を、目視できないほど高速で何かが通り過ぎていく。
 視線を飛んでいったほうに向けると、ありえないほど深く刺さったダーツの矢が、事務
所のドアに刺さり、その身をしならせていた。
 背中を通り過ぎていく冷や汗。あんなものが命中していたら貫通、いや、頭蓋ごと砕か
れかねない。
「……ネウロ」
 椅子にふんぞり返って、さっきまでのんびりしていたはずの、探偵助手を見やる。回転
椅子をくるりとこちらのほうに向け、彼は、何事もなかったかのように、平然とした顔。
「思いついたぞ、ヤコ」
 どうせいつものろくでもない思い付きだろう。満面の笑顔がそれを証明している。
「貴様をそこの壁に拘束して、ダーツの的になりながら、推理する探偵の事務所というの
 はどうだ?」
(死んでしまうわ!)
 脳内で突っ込みをいれながら、
「ちょっとネウロ、私はいま、あかねちゃんと遊んでるんだから」
「ふむ、何故だ?」
「何故って……ここのところ忙しくて、かまってあげられなかったから、その分というか。
 ほら、ウサギだってかまってあげないと死んじゃうって言うでしょ?」
「ほぅ、地上のウサギもかまってあげないと死ぬのか」
「地上の『も』ってのは、魔界にもウサギ、いるんだ」
「魔界ウサギは超がつくほど血気盛んでな、構って(闘って)やって、痛めつけておかな
 いと、無差別に周囲に襲い掛かって死なせかねないのだ。興味があるなら、呼んでやろ
 うか?」
 ぶぶぶぶぶ、と全力で頭を振って、弥子は否定する。
671弄【あいがん】(2/7):2007/03/06(火) 23:09:15 ID:vYkSOLi+
「だが、ふむ。そういえば、忙しくて構っていないといえば、確かに我が輩もここのとこ
ろ、貴様に構ってやる時間が取れなかったような気がするな」
「いやいや、そんな気遣いはいらない……」
 =生命の危機になるネウロのちょっかいなんて、なければないほど弥子は平和だし、そ
もそもここ数日、いつもの理由なき虐待が少なかったか?と聞かれたら、別にいつもどお
りだったとしか思えなかった。まぁ、ネウロの基準では少なかったのかもしれないが、弥
子はそうではなく、タイトロープダンサーな日常を送っていたはずだった。
「よし。決めたぞ、ヤコ。今日は我が輩も少しいい気分だし、たっぷり貴様を構ってやろ
 うじゃないか」
「いいって!ホントに!!そんなっ!」
 立ち上がるネウロ、窓からの逆光を背負ったその黒衣の長身は、弥子にとってはまさし
く悪魔に見えた。
(こ、殺される!!)
 本能的な恐怖が、小柄な体を後じさりさせる。
「遠慮するな……魔界777ツ能力」
「ギャーーー!!召喚してる!」
 人知を超えた、禍々しい何物かが、ネウロの手に集結する。

―――幽玄たる装飾(イビルサルトリア)

 かざした黒い手袋から放たれた奔流が一瞬、弥子の体を包み込む。とっさに手をかざし、
目をつぶって体をかばった弥子が、ゆっくり目を開ける。
「あれ、何にもなって……」
 じっと手を見るが、血も傷もない。体感的にも痛みとかは感じないのだが……
「って!ええええええ!!」
 視線を動かして気がつくと、弥子は思わず大声を出した。手のひら、それから袖口。い
つもの制服がそこにはあるかと思いきや、正絹の天鵞絨(ビロード)のような、艶やかな
黒色の生地。丈長のスカートで、ナイトドレスのような、女性らしい曲線が浮かび上がる、
シンプルながらも華やかなドレスだった。
(アヤさんのステージ衣装みたい……)
 感嘆の吐息を漏らしながら、弥子はまじまじと自分の体を見つめた。
「そいつらは魔界に住む極微小な蟲でな、光の屈折率を自由に変更することができるのだ。
 瞬時に装いを変えるには最適だろう?」
「む、虫なの!?」
 ちょっとたじろいでしまう。けれど、手にしたその生地はまったく布そのものだった。
複層のフリルが広がるスカートなど、重厚感ある見かけの割りに、体が重さを感じないの
は、確かに人間界の技術ではなさそうだった。窓ガラスに映る自分自身を眺める。着飾っ
たその姿を見ていると、そんなこと、些細に思えてきてしまう。
672弄【あいがん】(3/7):2007/03/06(火) 23:10:40 ID:vYkSOLi+
 くるり、裾を翻して回る自分の姿を見ながら、弥子が目を細めた。
(こういうの新鮮……食費で手が回らないから、あんまり高い服とは買えなくて、ドレ
 スとかちょっと憧れてたんだよね〜)
「……初めて、ネウロの能力に、素直に感謝できそう」
「心外だな。まるで今までの我が輩の能力が、貴様にろくでもない結果しか及ぼしてない
 ような言われようではないか……まぁ、いい。ヤコ、なかなか似合っているぞ」
 顎に手を当て、弥子の上から下までに視線を走らせたネウロが言う。
「え、褒め……」
「こういうのを表すいい言葉があったのだが……おお、そうだ『ヤコにも衣装』だったか」
 やっぱりいつものネウロだった。
(でも、こんぐらいの憎まれ口なら、ドレスに免じて許しちゃおうかな。うん、とりあえ
 ず写メ、あかねちゃんに頼んで撮ってもらおうっと)
 そんなご満悦な弥子だったが、
「さて」
 いつの間にやら背後に回ってきていたネウロが、その小柄な体をひょいと持ち上げる。
「え?な、なな!?」
 腰あたりに両手を添えられ、横に持ち上げられる、いわゆるお姫様抱っこの体勢だ。
「それではヤコ、睦むとしようか」
「へ?」
 何も分からないまま、やさしくソファの上に下ろされる。
「ちょっとネウロそれ、どーいう意味……!?」
 ネウロの手が伸び、スカートの中に潜り込んでくる。もう一方の手が胸元に伸ばされて、
弥子は一瞬で顔を真っ赤にした。
「ちょ、だめ!!何やってんの!?」
「言ったとおりだ。睦事、まぐわい……まあ有り体に言えば交尾だな」
 ネウロの手から逃れんと、もがく弥子だったが、すっぽりとソファに収められ、上はネ
ウロに押さえつけられているため、逃げることかなわない。
「ちょ、いくらなんでも急すぎっ!昼真っからなんてっ、その、こういうのムードとか……」
「その点は留意したつもりだったが?」
「全然してないっ!」
「いつもの色気の無い服だと我が輩としても食指を誘われんでな。だから魔界道具まで使っ
て着飾らせて、まぁ何とか見れるくらいには仕立ててやったのだが?」
(それがムードって、ネウロの都合だけじゃん!)
673弄【あいがん】(4/7):2007/03/06(火) 23:11:58 ID:vYkSOLi+
 すい、とドレスの合わせに手が伸ばされる。裾をまくられると、柔肌が露出する。ドレス
は黒く、ネウロの服も黒い。現れた弥子の白磁のような肌が余計に浮かび上がって見えた。
「だめ、脱がさないで……そ、そうだ、あかねちゃん!!あかねちゃんも見てるし」
 おさげを探して、部屋中を見渡す弥子だったが、件の美少女の姿は無い。
「気をつかってどこかに隠れてくれているようだな」
「そんなぁ……」
 そうこうしているうちにネウロの手がドレスの中に潜り込んでくる。小ぶりな乳房は包む
ように手のひらに覆われ、股下にもぐりこんだもう一方の手が、下着越しに秘所を撫でなぞ
った。
「んっ、くっ」
 掻痒に似たおぼろげな快感に、身をくねらせながらも、流されまいと必死に体を反らせて
逃れようとする弥子。年相応の少女の微かな抵抗を、まったく意に介すことなく組み敷いた
ネウロは、その耳元で囁いた。
「……イヤか?」
(ずるい、よ)
――ここでその顔をするのは。
(拒めなく、なっちゃうじゃない……)
 頬を赤く染めて弥子は黙り込むだけだった。
 吐息を感じられるくらい、ネウロの顔がすぐ側にある。繰り出される、耳元に軽いキス。
唇の温かさを感じたとき、弥子の背筋にぴくりと戦慄が走った。ロングスカートが巻き上げ
られる。太ももに巻きつくストッキング、ガーターベルトにレースの下着。純白の下着を下
ろされると、桜色の合わせの部分が露になる。
 肌と寸分違いの無い触感の、ネウロの手袋が弥子の敏感な部分をまさぐる。鋭敏すぎると
ころは避け、焦らすような愛撫とキスの手管に、うら若き女子高生の体は、その肌を桜色に
染めていく。かき抱かれて、その肩幅の大きさ感じながら、首筋に舌を這わせられると、弥
子の口から官能の吐息が漏れ出してくる。
「ん……」
 唇を閉じて漏らさまいとすればするほど、鼻にかかった甘い声が零れてしまう。
ちゅぷ。
 十分に潤ったクレヴァスにネウロの中指が差し込まれる。愛液を潤滑にしてもそこは狭く、
黒い指先はゆっくりとしか飲み込まれていかない。
「痛いか、ヤコ?」
 今のところ、丁寧なネウロの対応に不満は無かった。ただ、体を通り抜ける未知の快感に、
弥子は対応しきれず戸惑っている。
「う、ううん……痛くは、無いかな」
「そうか」
 第二関節まで沈み込まさせた指が引き抜かれる。黒い手袋の先端は弥子の愛液でてらてら
に濡れていた。
「なんか、ネウロ、今日は凄い優しいね……」
「当たり前だ。魔界1のフェミニストと謳われた我が輩だぞ?」
 しれっと言い放つネウロにちょっと弥子は呆れてしまう。
(でも……今だけは、そうであってほしいかも)
674弄【あいがん】(5/7):2007/03/06(火) 23:13:14 ID:vYkSOLi+
 今度はネウロの両手が弥子のあらわになった乳房に伸ばされる。乳白色の双丘の先端に、控
えめなピンクの先端が、先ほどからの刺激でピンと立っている。小ぶりで両手に収まるそれを、
左右の手でそれぞれ包み込むと、くくっと円を描くように揉みだした。
「くっ……」
 発展途上のそこは、まだ張った感じがして、揉まれるとぴりぴりとした痛みがあるのだが、
もう一方では違う感覚も生まれていて、触れられている部分がじんわりと熱くなってくる。
「その……ネウロは、胸は大きいほうがっ、好み…なの?」
「ふむ?……あまり気にしたことはないが。魔界に比べれば、こちらの人間の個体差など、誤
 差の範囲だからな」
「……そりゃ、そうだ」
「だから、成長平均以下の幼児体型であっても、思い悩む必要はないぞ、ヤコ?」
「それは余計な……んっ!」
 指先がくにくにと動き、揉みしだくような動きに変わる。
「それに、このように揉んでいれば、そのうち大きくなるかもしれんしな」
 根拠の少ない話だったが、弥子は否定しなかった。下手に何か言って今手をを離されたら、
わきあがってきたピンクの感情が行き場をなくして暴走してしまいそうだったから。
 それからも、ネウロの指先と口は、過たず弥子の敏感な部分を刺激した。たっぷりと時間を
かけた前戯で、弥子は見も心もとろとろにほぐされつつあった。
(いつも、これだけ私のこと思いやってくれるんならな……)
「さて、そろそろ頃合だろう」
 そういうとネウロは弥子の秘貝に差し込んでいた二本の指を引き抜き、口元に運ぶ。かすか
に粘り気のある液体を唇で拭うと、ズボンのジッパーを下ろした。
 屹立したシンボルが現れ、目にした弥子が息を呑んだ。下着の下におとなしく収まっていら
れるレベルの大きさではなかった。長さ、太さともに規格外、エラがぐいっと張り、竿には浮
き上がった血管がごつごつと節くれ立った、凶悪なシルエット。見比べた経験が無いため、そ
れが平均をどれだけ逸脱したサイズなのか、彼女には判断つかなかったが、指二本すらキツキ
ツの部分をそれが通過していく姿は、想像つかなかった。
(……形が普通なのは唯一の救いね)
「一応、貴様が受け入れられるレベルにしてやったぞ、喜べ」
「これで!?」
「それとも、二股に分かれていたり、ドリルのように抉れるモノのほうがいいのか?」
 ふるふるふる、と頭を振って否定する。
 凶悪な肉槍が弥子の割れ目に添えられる。ぴったりと閉じた部分をこそぐように前後して、
愛液を先端にじっくりしみこませると、それを潤滑油に小さな穴を押し広げていく。
 みじみじみじ、肉の裂けるような音が、弥子の頭の中で響き、痛みが走りぬけた。注挿はゆ
っくりであったが、得物に対して、肉冠があまりにも小さいのだ。
「か、あ……く、は」
 言葉にならない。目を白黒させて、弥子は口を魚のようにパクパクとするだけだった。
じわり、
 差し入れられた部分から、血が零れる。
「ん?すこし裂けてしまったようだな」
 それは、おそらく裂傷による出血ではないのだが、魔人にはその知識が欠けているらしい。
675弄【あいがん】(6/7):2007/03/06(火) 23:15:30 ID:vYkSOLi+
(広げ……られて)
 うつろな瞳で、弥子は結合部を眺める。
(私の、が……ネウロの形に……)
 股下に凶悪なモノが刺さっている、その事実だけでも卒倒モノで、初めての痛みと合わせて、
気を失ってもおかしくない状態だった。とにかく、無我夢中の弥子は、その手をネウロの背中
に伸ばす。そんな風に何か届くものを、手につかめるものを半ば無意識に探した結果、すがり
つきネウロにきつく、強く抱きつくような形になる。
 甘い喘ぎとは程遠い、痛みに耐えるだけの声。そうと気づかずに、弥子はネウロの背中に爪
を立てていた。スーツの上から皮膚を裂き、血が滲むくらい強く。
 けれど、ネウロは表情をまったく変えない。
 目を閉じて、苦しむ少女の頭にやさしく手を置き、
「……少し、力を抜いたほうがいいぞ、ヤコ?」
 そして、苦悶する少女の唇に、自然に自分の唇を近づけていた。
 一瞬、弥子の体がなおさらに硬直した。侵略者の、閉じた唇を解く、深く、むさぼるような
キスは、肉体以上に精神に作用する。何をされたのか、それはもしかしたら、破瓜よりも重大
な事実かもしれない。ネウロの方から、弥子のために、その身を案じてなされた行為なのだか
ら。

 普段は何を考えているか分からない、憎たらしいときのほうが多い存在なのに、なぜか不思
議と離れられない。強制されているから、そう思い込もうとしていた時期もあった。けれど、
時が経つにつれて、関係だって変化していく……

 だから、弥子は、応えた。

 差し出された舌を口腔で絡めあう。唾液と、つるりとざらりの混じった触感を交歓しあう。
水音を立てて、キスに耽っている間は、痛みを忘れることが出来たから。情熱的なキスと、シ
ンプルな挿入行為。かたまりとして溶け合うように、ソファの上で二人は互いを受け入れあう。
 浅い挿入はいつしか、さらに深く、深くと。最奥を突かれれば、その形を浮き上がらせんば
かりに、弥子の下腹部は、ぽっこりと盛り上がる。破瓜の血以外に、粘り気のある液体が泡立
ち、結合部から零れだしてくると、グラインドの速さはそれを潤滑に少しずつ早まってくる。
 ぐじゅぐじゅと淫音がどんどん大きくなってくる。弥子はネウロの終焉が近いのを察しなが
ら、総毛立つような奔流に気がついていた。
(なんか、なんか……来ちゃってっ!!)
 引き抜かれ、そして勢い良く突きこまれた次の瞬間、
 意識がホワイトアウトしそうになるほどの、大量の快楽情報が脳髄を、脊髄を、末梢神経を、
隅々まで駆け巡る。そんな、エクスタシーが意識の糸を手放させた瞬間に、
 弥子は子宮の奥を熱いものが満たしていくのを感じた。
(あ、膣内に……出されてる……)
 それすらも、異論なく歓喜で受け入れて、弥子は暗闇に飲み込まれていくのだった……
676弄【あいがん】(7/7):2007/03/06(火) 23:16:46 ID:vYkSOLi+
「……ふぁ」
 ようやく弥子が目を覚ましたとき、事務所の窓から差し込む明かりは、オレンジ色になって
いた。
(そっか、私、アレで気を失って……)
 体を起こし、弥子は周りを見渡した。ネウロはいつものように、回転椅子に腰掛けて、弥子
のことなどまったく興味なさそうに窓の外を見ている。
(うう、なんかちょっと気恥ずかしい感じ……)
 よくよく考えれば今なお、生まれたままの自分自身の姿に、急激に羞恥心がわいてきて、
「ねぇ、ネウロ、私の服は?」
「服?」
「そう、能力でドレス出す前に着てた制服……」
「ああ、言い忘れていたな」
 くるり、椅子を回して、足を組んだ姿勢のままのネウロが弥子に向き合う。
「あの蟲は、繊維が好物でな。衣服に使われる上質なものは特にだ。擬態として、食事中は光
の反射率を変えて服になり、持ち主がそうと気づかないうちに食い尽くしてしまうという困っ
た代物でな」
 しれっとネウロが言い放ち、弥子の顔はみるまに青ざめていく。
(そーいえば、ドレスを脱いだ記憶が無い!!)
 やられた。そう思った。全てはこのための時間稼ぎだったのだ……
「っと、じゃ、私はどうやって家に帰れば?ここには替えの服なんてないよね?」
「ふむ、貴様がとんでもない強運の持ち主なら、誰にも見られることなく家に帰ることができ
よう。あるいは……目視した人間を我が輩が片っ端から鏖殺していけば、問題はあるまい」
「問題だらけよ!はぁ……」
 ため息とともに、弥子はおもむろに通学に使っているバックを開ける。そして、中から体育
用の着替えを取り出した。
「……今日が、家に着替えを持って替える日で良かった」
 それはそれでかなり羞恥プレイだが、全裸よりはマシだった。
「チッ」
「……いま、舌打ちしなかった?」
「気のせいだろう」
「はぁ……ちょっと幻想みちゃったよ、私の初めてが……とほほ……」
 着替えた弥子が肩を落として事務所を出て行った。
「ふむ」
 残されたネウロは、机に両肘を突き、人差し指で前髪を弄りながら呟いた。
「まぁ、悪くない余興だったな」
 その声は、誰の耳にも届かずに消えるだけだった……
677名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:21:19 ID:vYkSOLi+
(777個もあるなら、一つくらい勝手に作ってもいいよね?いいよね?)
(ってか、ぶっちゃけ「ヤコにも衣装」って書きたかっただけだったり。ではでは)
678名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:30:39 ID:FqafgKts
GJ!!
679名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 02:17:28 ID:QKJ7aD5D
GJ!!!
何か全体の描写が凄く好みだ
680名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 02:19:59 ID:Q+vPzxvm
ヤコにも衣装!
681名無しさん@ピンキー
>体育用の着替え
ブルマ+『桂木』と書いた体育シャツでのご帰宅と申したか