>1
乙
3 :
前・389:2007/01/24(水) 19:38:39 ID:QvW1m80X
>>1 乙です
そういや、前・359氏は大丈夫なのでしょうか?
なんか、ベッドから落ちたではなく、外人部隊で重症負ったみたいだけど
>>4 前スレのラストご苦労様でした
前・359さんは手はもう野戦病院を退院してリハビリしてるみたいだけど、秋菜話で秋菜の字間違え秋菜ファンに申し訳ない事をしたので、責任を取る意味で指摘された日からとりあえず3ヶ月ほど謹慎するっていってた
みそぎがすむまでは一切書き込みと話の投稿しないらしいので、俺がときどき伝言してる
前・389さんへの感想も最初か二番目に俺が伝言で書いたよ
まぁ責任は自粛じゃなくて創作で取って欲しいんですがw
秋ドラまだぁー
>秋菜話はご助言いただきましたメモに書いて……というやり方で既に書きあがってます。
>復帰した際には最初に行かせていただきますので、少々お待ちください。
だって
きまじめ過ぎる気するけどな
まぁいい書き手だとそういう傾向があるねぇ
ひまだなー
前・389氏、ちり紙氏、その他職人様、何か書いてー
伝言さん、前・359氏から何か聞いて無いの?
新作のこととか
>>8 聞いたけどクリスマス、年末、バレンタイン、真田さん誕生日、イナルバのフィギュアスケートのやつとか書けなくなったタイトルは教えてくれたけど中身は絶対教えてくれなかったよ
秋菜のあとはライネっぽい事いってたけど中身はいくらきいても教えてくれないんだよ
10 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 17:41:25 ID:NccH6IjQ
ホシュアゲアゲ
11 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 03:35:26 ID:hXzn+weB
age
12 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 03:21:04 ID:0ThdsXFo
,. -――- 、 誰かがしっとに狂うとき! しっとマスクを呼ぶ合図!!
/し, / _>. チョコを貰えない男たちの為に!レッツハルマゲドン!!
/ { \レ/,二^ニ′,ハ
|'>`ー',' ヽ._,ノ ヽ|
>>1男がしっとに燃えるとき
|^ー'⌒l^へ〜っ_と',!
>>2しっとマスクを呼ぶ合図
__ ! u' | /
>>3素顔は誰だか知らないが
/´ ̄ `! ヽ | u' , イ
>>4しっとの心を仮面に隠し
| `にこ匸'_ノ |\_!__.. -'/ /|
>>5しっとパワーに炸裂だ!
ノ u { _.. -―| :{ ,/ / \
>>6しっとビームはアベック倒し!
. / l | __ / ̄ ̄`>'´ ノ' ´ {、 \
>>7しっとファイアーはアベック焦がす!
/ |/ {'´ `ヽ. " ̄\ U `ヽ. __,,.. -‐丶 u ヽ
>>8行くぞ我らのしっとマスク
| / ヾ、.. } u' 〉、 } `ー''´ /´ ̄ `ヽ '" ̄\
>>9もてない男の希望の戦士
! :} )「` ノ、 ノ l\"´_,,ニ=-― <´ ヽ{ ノ( `、 |
>>10-1000しっとマスクはしっとの王者
>>12 ちょ、宮本はパッパラスレに帰れw
あるかどうかは知らんがw
出た、しっとマスク。
今年も来たんだね。
保守
16 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 19:10:30 ID:wRCBd2zd
保守
17 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 00:07:43 ID:FQQ+68FH
保守
18 :
名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 01:11:33 ID:BFjMXT0l
保守
現行の保管庫は無いの?
2期以降はないみたい
ho
22 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 10:59:18 ID:/varlnzw
shu
23 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 01:29:01 ID:u9wBKPr8
ほす
ほしゅ
ほ
26 :
前・389:2007/03/18(日) 21:26:11 ID:JFWdFX0c
え〜ご無沙汰です。
作品が出来たので投下します。
シチュはイナルバ×秋菜です。
27 :
前・389:2007/03/18(日) 21:27:34 ID:JFWdFX0c
〜裁き!?の女神〜
「全く、冗談じゃないわよ。何なのよ!あの二人・・・」
深夜、布団の中で秋菜が独り言をボヤく。
事の発端は数日前、ヴァルハラ星に伝わる“送り星の宴”の巫女として、選ばれたことに始まった。
それからというもの、メームとイナルバが秋菜に付き纏っているのである。
頼みのハイドラもイナルバの前では、蛇に睨まれた蛙になり、助け船にもならない。
流石の二人も夜は、上空で停泊しているメームの巨大円盤に戻っているらしく、就寝中は様子を見に来ない。
「(・・・誰か来る・・。ハイドラじゃないわ。)」
秋菜がハイドラとは違う気配を感じ取る。それは確実に秋菜の部屋に近付いてくる。
ゆっくりと部屋の扉が開く・・・。姿を表したのはイナルバだった。
「ちょっと!こんな夜中に何の用よ!?いい加減にしなさいよ!!」
日中の間、ずっと付き纏われている苛立ちからか、イナルバの登場に秋菜は不快感を露にするが、イナルバは普段の堅実な姿勢を崩さず、秋菜に歩み寄る。
「送り星の宴は、古来よりヴァルハラ星に伝わる神聖なる儀式・・・・。
故に選ばれた巫女は美しくなければならない・・・。」
「数日間、メームと共にあなたを見てきました・・・。秋菜さん、あなたは私が見込んだ通り、巫女を務めるに相応しい・・・」
「はあ、それはどうも・・。で、こんな夜中に何しに来たのよ?」
「外見だけを見ていては、人の本質はわかりません・・・。今回はあなたの全てを見極める為に、やって来たのです。
「私の本質を見極める・・?」
イナルバの言葉に疑問を抱いていると、突然、両手首を掴まれベッドに押さえ込まれた。
ちょっと!?何するのよ!?動けないじゃない!?」
必死に身体を動かそうとするが、覆い被さる様に押さえ込まれている為、首を振ることしか出来ない。
「フフ・・何をするのって?先程申し上げた通りですわ。あなたの全てを見極めると・・・。」
イナルバが妖艶な笑みを浮かべ、秋菜を見詰めている。その表情は美しい獲物を手に入れたサディストそのものである。
「い、嫌・・・。ハイドラーーーッ!!助けてーーっ!!」
28 :
前・389:2007/03/18(日) 21:28:51 ID:JFWdFX0c
ただならぬ恐怖を感じた秋菜は、嗄れんばかりの声で叫ぶ。
「ハイドラに助けを求めても無駄ですよ。今頃はメームが・・・。」
「そ、そんな・・。」
「ですから、無駄な抵抗は止めなさい。」
イナルバが、着ている服を脱がそうと手を掛けるが、
「冗談じゃないわ!あんたの思い通りにさせるもんですか!!」
秋菜は抵抗を止めようとしない。
「私に逆らうと言うのですか?」
イナルバが右手をちらつかせる。
「うっ!?(ま、まさかお仕置き時空?)」
かつてハイドラがお仕置き時空の餌食になった。その時ハイドラは、恐怖のあまり人目を憚らず、大号泣していた。
その光景が秋菜の脳裏を過り、恐怖で身体に力が入らなくなっていった。
「そう・・・・。それでいいのですよ。」
イナルバが秋菜の着ている服を手際よく脱がしていく。
「嫌ぁ・・。み、見ないで・・・・。」
ものの数分で全裸にされ、恥ずかしさで顔を紅くし、両腕で胸を隠す秋菜。
「秋菜さん、あなたは美しい・・・。」
秋菜の頬に手を添え、指で唇をなぞりながら、秋菜を見詰める。
「フフ・・・そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ。さあ、あなたの全てを私に見せなさい。」
イナルバが囁くと、胸を隠している両腕を拡げていく。
そして、露になった秋菜の双乳を円を描く様に、ゆっくりと揉みしだく。
「・・あぁ・・」
秋菜の口からかすかな甘い声が漏れる。
それを合図に乳房を揉んでいる手の人差し指と親指が、乳首を摘む。
「・・・あうっ!!」
秋菜が先ほどよりも高い声で反応する。
「ウフフ・・・。こんなに硬くなっちゃって・・余程、気持ちいいのね。」
秋菜の反応を楽しむかのようにイナルバは、手と指をフル活用し、秋菜の乳房を、乳輪を、乳首を、責め立てる。
秋菜の胸を充分に堪能したイナルバの手が、秋菜のボディラインをなぞる様に滑り落ちていく。
29 :
前・389:2007/03/18(日) 21:29:44 ID:JFWdFX0c
同時にイナルバの視線も下腹部に向け、下降していく。
モゾモゾと動いている秋菜の太股を拡げ、股間を覗く。
「あらあら、もうこんなに濡れちゃって・・なんてイヤらしいんでしょう・・・。
これはお仕置きが必要ですわ。」
イナルバが右手を構える。
「いっ、嫌ぁぁ・・・もう、やめて・・・・。」
秋菜が泣きながらイナルバに懇願するが、聞き入れられる事はなく、イナルバの右手が秘所に伸びていく。
「フフ・・・面白いわ。擦っているだけなのに溢れ出てくるわ。本当に敏感ですね。ココはどうかしら?」
指が秘裂の上部の突起を摘む。
「・・・ひっ!?」
高く短い声と同時に秋菜の身体が小刻みに震える。
「ココも敏感だなんて・・なんてイヤらしい身体なんでしょう。」
イナルバの指が秋菜の秘所で器用に動く。
親指と薬指でクリトリスを摘み、人差し指と中指で秘裂を擦っている。
「お、お願い・・・もう、や、やめて・・・・」
「フフ・・・秋菜さん。嘘はいけませんよ・・。あなたのココはもうこんなに濡れているのですよ。もっと素直に感じなさい。」
イナルバの言葉通り、秋菜の秘泉からは快感の証である粘り気のある蜜が止めどなく溢れ出てくる。
ズブッ!ズブズブッ!?「っっっあぁっっうっ!?」
イナルバが指を膣の中に捩じ込むと同時に秋菜の声が木霊する。
「あなたの身体は素直ね。私の指を締め付けているわ。」
秋菜の中に侵入した指に膣肉がまとわりつく感触が伝わる。
指を動かすと、とめどなく分泌される愛液が絡みつき、グチョッネチョッとイヤらしい音を奏でる。
意思とは逆に秋菜の身体は、イナルバの愛撫に快感を覚え、拡張されている膣口からは、水飴の様な愛液がイヤらしい音と共に漏れ出てくる
ズボッ!!「っっっっ!?」
拡張された秋菜の膣にイナルバが中指を挿し込む。
30 :
前・389:2007/03/18(日) 21:31:37 ID:JFWdFX0c
「ああっ、ダメッ!!指、に、二本、なん・・て・・・」
「フフフ・・秋菜さん。私のお仕置き時空は本来、地獄を体験させるものだけど、あなたには特別に、天国を体験わせてあげるわ。」
二本の指が秋菜の中で動き出し、快楽の頂へと押し上げる。
「あ・・・ダ、ダメッ!?もっもう許して・・これ以上は・・・・」
「何ですか?これ以上、こうされると不都合でも?ココはそうでもありませんが・・・」
秋菜の言葉を否定するか様に、わざとグチョグチョと音を立てて秋菜の膣内を掻き回す。
「お、お願い・・・。これ以上は、私・・きっ、気持ち良過ぎて・・・お、おかしく、なっちゃう・・・・・」
「気持ちが良いのに遠慮なんて必要ありませんわ。折角ですから、おかしくなるまで御奉仕して差し上げますわ。」
イナルバが一気にラストスパートをかける。
指の腹で柔肉をなぞり、爪を立て、指全体で掻き回したりと、秋菜の内側から刺激を与えていく。
「ひっ・・ひゃ・・・も、もうらめぇ・・・・・」
プシャアァァァァァーーー!!
絶頂に達した秋菜の秘泉から、イナルバの指が抜ける程の勢いで愛液が流出し、シーツに濃いシミを作る。
「うう・・うう・・・」
余韻で全身がピクピクと痙攣し、眼から涙、口からは唾液、秘裂からは愛液を流す秋菜。
「流石は裁きの女神イナルバ。罪人に裁きを下す“裁きの右手”からは、決して逃れる事は出来ない・・。一体今までどれだけの人間に裁きを下した事か・・・。」
いつの間にか、部屋の入り口にメームの姿があった。
「何だメームか。見ていたのか・・。」
指に付いた愛液をティッシュで拭き取りながらイナルバがメームに視線を向ける。
「ええ。でも本当に流石ね。あなたの裁きを受けて極みに達しない人間はいないわ。
私も一度あなたの裁きを受けてみようかしら・・・。」
「お世辞はいい。ところでハイドラの方はどうだ?」
「フフッ。あの娘もなかなか面白いわよ。こういう事になると急にしおらしくなって、可愛い声で鳴くから、つい苛めたくなるのよ。安心なさい。あなたの為にとっておいたわ。」
「・・・そうか。それはありがたい。ハイドラには是非この機会に日頃の無礼さに対する、お仕置きをしておかねば。メーム、後の処理はお前に任せる。」
イナルバが右手を鳴らしながら、ハイドラの部屋へ向かう。
「ハイハイ。秋菜さんの記憶を消すだけでしょ。全く生真面目なんだから・・。」
「あらあら、秋菜さん。可哀想に・・・イナルバにいじめられたのね・・。」
メームが未だ焦点の合ってない秋菜の頬に触れ、滑らせていく・・・。
「怖かったでしょ?でも大丈夫。今夜の事は私が全て忘れさせてあげるわ。」
メームの手が秋菜の双乳に触れる。
「そ・の・ま・え・に」
メームが秋菜の双乳を揉みしだく。
「ハァ・・・ハァ・・・」
秋菜の口から弱々しい声が漏れる。
「ごめんなさいね・・・。私、あなたを苛めたくなってきちゃったの。ウフフ・・・」
秋菜の長い夜はまだまだ続く・・・・・。
〜裁き!?の女神〜
GJ!
ご苦労様でした
とちゅうからイナルバの性格?口調?がアニメ版から漫画版っぽく変わってますね
これは意図的に変えたの?
>>前・389さん。
お疲れ様でした。
GJ!ですよ。 実に良いタイミングですねぇ。
復帰に向けてパワーをいただきました。
それとご心配いただきありがとうございました。
33 :
前・389:2007/03/25(日) 06:36:19 ID:qLTM3yA6
感想ありがとうございます。
>>31 イナルバについてはアニメ版の性格を意識しているんですが
見事終盤辺りは、漫画版っぽくなってますね・・・。
個人的には、意図的には変えようとは、していませんでが
アニメ版も漫画版も共通して、堅物な性格なんで自然と変わってしまったんでしょう。
>>32 復活待ってますよ〜
34 :
前・359:2007/03/26(月) 03:08:02 ID:Gg0UQvhC
え〜。
皆様、如何お過ごしでしょうか?
前・359でございます。
昨年末に大ポカしてしまいまして、しばらくお休みをいただいておりましたが、復帰させていただく事にしました。
これからは、あんなポカはしないようにする所存でございます。
昨年の続き秋菜シリーズの最終章「秋菜のハートブレイク・ライブ」は次回にさせていただいて、今回は少し趣向の変わったのを行かせていただきます。
これからもよろしくおねがいします。
さて、皆様。
アニメでもSSでも私の出番が少ないとお感じにならないでしょうか?
たまたま今回は私の出番が重なっておりますが、それはそれ、これはこれ。
ともあれ、今回は時期も時期。
丁度いいお話ですので、私のお話をさせていただきます。
復帰第一作なのに、エロ無しですので、ご批判は甘受いたす所存でございます。
エロをご希望の方はスルーなさいますよう。
それでは
「円盤カレイドスコープ 〜ト○ノに行くのは私でございます〜」
始めさせていただきます。
36th 円盤カレイドスコープ 〜ト○ノに行くのは私でございます〜
今を去ること1年程前、冬季五輪のフィギュアスケートの代表を巡ってさまざまな事がありました。
本当ならば、このような悶着など起ころうハズもなかったのでございますが、そうすんなり行かないのが代表選考なのでございます。
結果的には私イナルバが見事出場。 そして金メダルを獲得したのでございますが、そこに至るまでの長く険しい道程を語らせて頂きたいと思います。
「そう、そこでステップを入れてダブルサルコーだよ」
リンクにこだましますのは、時野和人コーチの声。
私イナルバを始め、ジュニアチャンピオンのライネさん、銀盤の女神と称されるワルキューレさんのコーチ。
世間の下馬評では代表は、ライネさんは年齢制限に引っかかるので、ワルキューレさんが代表濃厚。 とされており、私もそう思ってました。
しかし、時野コーチは違ったようで……
「ダメだよ。 そこのスピンはあと2回転増やさないと印象点が悪くなる!」
私に厳しい練習を課します。
「はい、コーチ」
(コーチ、どうして私なんかに……)
「あ〜ら、イナルバさん。 今日もコーチを独り占めですのね。 羨ましいこと」
ライネさんだ。
彼女は溢れる才能と愛くるしいルックス、幼い童顔に似合わぬプロポーションとダイナミックなジャンプでジュニアの大会を総ナメにしている無敵のジュニアチャンピオン。
「そんな…… ライネさん、そんな事を言ってはいけないわ」
ライネさんをたしなめるのは、やはり際立った美しさで観客、ジャッジ、そして他の競技者すら魅了してしまう演技で出る大会でことごとく優勝する、「美しきゴールドハンター」ワルキューレさんだった。
「あらぁ。 ワルキューレさんは悔しくないですの? 年齢制限で出られないあたくしはともかく、代表の座を争うイナルバさんに、愛しいコーチを独占されて……」
ライネさんは私より、ワルキューレさんと仲が良いらしく、ワルキューレさんに肩入れをする。
「そ、そんな…… 私とコーチは……」
頬を染め恥らう姿が女のわたしから見ても可愛い。
可愛いと言うのは失礼かもしれないが、完璧な美しさを持つワルキューレさんだが、やはり可愛いと思えてしまう所が、男性ファンのハートを掴んで離さない所なのでしょう。
「みんな、ムダ口叩いてないで、練習だよ、練習」
コーチが手を叩きながら言うと
「はいはい。 あたくしは練習した所で代表には関係無い事ですけど」
少々不貞腐れたようにライネさんがリンクに降りた。
シューッ…… ジャッ!
決まった。 ライネさんのトリプルアクセル。
三回転ジャンプでも最高難度のジャンプをいとも簡単に決める。
悔しいけれど、私にはとてもマネが出来ない。
私にも跳べない事もないが、演技の序盤に1回入れるのが精一杯なのに対して、彼女は疲労のたまる後半にも入れようとしている。
一方、ワルキューレさんのスピン、ステップは妖精が水面を飛び跳ねているような軽やかな、そして思わず魅入ってしまう華麗さ。
儚げな表情は妖艶で、一瞬にして会場を自分の世界に変えてしまう。
「ふぅ…」
思わず溜息が出た。
「少し休もうか?」
コーチが声をかける。
コーチはライネさんとワルキューレさんも見なくてはいけないから、今まで休みのなかった私に休めと言うのだろう。
だけど、休みたくは無かった。
休むと、2人の練習が目に入るから……
「皆、代表選考会まで時間が無いからね。 コンディションを整えて、当日、良いイメージを持ったまま演技が出来るようにね」
私を含めて3人の教え子に伝える。
・・・・・・
「ありがとうございましたぁ」×3
今日も練習が終わった。
ロッカールームの横にあるシャワー室には既にライネさんとワルキューレさんが居た。
「しかし… ワルキューレさんったらキレイな肌なさってますわねぇ。 それに、その胸……」
「えっ? いやですぅ。 もう、ライネさんったら」
ワルキューレさんが照れる。
しかし、
「いやぁ、この白い肌とその胸でコーチも骨抜きにされちゃったのでございますわねぇ」
ライネさんの言葉にはワルキューレさんも少し焦ったように
「で、ですから、私とコーチは……」
そう返すのが精一杯なようだった。
ワルキューレさんが、その長く美しい金色に輝く髪を洗い出した時
「あらぁ、コーチの期待を一身に集めるイナルバ様ではございません事」
ライネさんが私を見てイヤミたっぷりに言う。
「あっイナルバさん。 お先に使わせていただいてます」
良い所のお嬢様らしく丁寧な言葉使いのワルキューレさんが会釈しながら、挨拶をして来た。
しかし……
2人と比べて私の体は…… その魅せる要素に乏しい。
整った顔、真っ白な肌、スラリと長い手足、美しい長いストレートの髪、くびれた腰に反して大きく盛り上った胸のワルキューレさん。
愛くるしい顔、それに反するようにワルキューレさんより大きく盛り上った胸。
亜麻色の髪が少しカールしてて、クスっと笑った時の様子が小リスのようなライネさん。
私もスタイルにはそこそこ自信がありますが、この2人と比べると……
そんな事を考え込んでいるうちに、2人はシャワーから出た。
「それではイナルバさん、ごきげんよう」
「お先に失礼します」
バスタオルを巻いて2人はロッカーに向かい、私はシャワーのコックをひねった。
シャワーから出ると2人は既に帰っていた。
2人はプライベートでも仲がよく、一緒に帰ったり、食事に行ったりしてるようだった。
(孤高の天才)
かつて私がそう呼ばれたものの、あの2人の出現により
「もう、イナルバの時代は終わった」
「世代交代の波」
「下克上」
マスコミは面白おかしく書き立てるようになった。
それでも良かった。
そんな事で、世間一般の人たちがフィギュアスケートに注目してくれるなら。
(今度の代表はやっぱりワルキューレさんなんだろうなぁ)
自分でもそう思っていた。
しかし、時野コーチが私に集中的に指導する。
それを見た記者達は
「ワルキューレに危機感を抱かせる為のアテ馬」
だの
「悲劇のヒロイン・ワルキューレとコーチを奪い取った悪女イナルバ」
だの好きなように書く事がだんだん腹が立ってくる。
ある日、ついにその思いが爆発した。
「ねえ、イナルバさん。協会としてはワルキューレさんを代表にしたいようだけど、スポンサーに圧力をかけさせて、イナルバさんにチャンスを与えるように働きかけたってホントなの?」
「…………」
「時野コーチをワルキューレさんから奪って彼女を動揺させようって心理戦は上手く行ってるのかな?」
「…………」
「ねえ、どうなの?」
ぶちん!
「うるさいですわねぇ。 貴方達三流記者の色眼鏡で見た事実とやらが真実な訳ございませんしょう。 もう、いいかげんにしてくださらない!」
この一言で私は完全に悪役になってしまった。
まあ、それはそれで仕方が無い事だし、後悔もしないけど……
・・・・・・
服を着替え、帰ろうとする。
靴に足を入れた時
「・・・っ!」
痛みが走り、慌てて靴から足を引き抜く。
痛みの元である踵から血が……
白いソックスに赤く丸いシミを作っていた。
カラ……
床に落ちたのは
(画鋲…… どうして?)
(いくら記者連中でもロッカーまでは入れないから…… ワルキューレさんはこんな事しないだろうから、ライネさん? それともやっぱりコーチを独占されて、その事で恨んでるワルキューレさんが?……)
ソックスを脱いで、踵にバンソウコウを貼りながら考える。
しかし、この時は悔しさよりもむしろ、闘志が掻き立てられるのを感じた。
(わかりましたわ! ええ! それならそれで結構ですわ! やってやろうじゃありませんか!!!)
その闘志はリンクに、そしてマスコミに向けられ、鬼気迫る演技は高い評価をしつつも、その日以来磨きがかかった毒舌がスポーツ新聞を大いに沸かせた。
そして、代表選考会の日がやってきた。
私達3人の滑走順位は私、ライネさん、そして最終滑走者がワルキューレさん。
ファイナルグループに入ったのは5人でそこからは抽選で決めるので邪心は無いのだろうが、これではまるで私が前座、ライネさんが露払いでワルキューレさんが華麗に決めて代表の座を勝ち取る。
マスコミはここぞとばかりはやし立て、TVまでもが連日の取材攻勢をかけて来た。
SP(ショートプログラム)を終えた時点でトップはワルキューレさんで64.88点。次がライネさんで62.16点、私は61.71点で3位だった。
(はぁ… 元々諦めてたけど、私はワルキューレさんの引き立て役なのかしら? 優勝すれば代表は私でしょうけど…… ファンの人やマスコミはワルキューレさんを代表にしたいんだろうなぁ……)
コーチは私達3人に
「各自が出来る最高の演技をする事に期待している」
とだけ言った。
時間が来て、プログラムは進む。
そしてファイナルグループに入り、先の2人が滑走を終えたが、私達3人には及ばない。
(よし! もうどうだっていい。 私は私の演技をするだけ!)
覚悟を決め、集中を高めた時、場内に私の名前がコールされた。
・・・・・・
(出来る事はやった。 でも演技の難易度を落としたのが気がかりだった。 失敗してもいいからトライすべきだったかしら?)
「イナルバさんの得点…… 118.68点。 合計180.39ポイントで現在のランクは第1位です!」
うおぉぉっ
場内がどよめく。
(「これはいい得点が出ました。 ここに来てパーソナル・ベストを叩き出してイナルバ現在トップ。 ライバル・ワルキューレにプレッシャーをかける見事な演技でした。 時野コーチも喜びの表情」)
キス・アンド・クライのすぐ側にTV局のブースがあるので実況が聞こえてきた。
これで私の出来る事は無くなった。
控え室に戻る時、ライネさんとすれ違う。
「んふふ…… さすがはイナルバさんですわね。 お疲れ様でしたぁ」
すれ違いざまに一言残し、チラリと私を見た。
でも、その目が訴えかけていた
(見てらっしゃいな)
と。
ライネさんの演技が始まった……
・・・・・・
おおおぉぅ!
歓声と言うよりどよめき。
地鳴りのようなどよめきはライネさんの演技を見なくても凄いのが解る。
(そう。 やっぱりライネさんには勝てなかったのね)
控え室を出て、リンクの側に来て、掲示板を見る。
「えっ! 125.55点? トータル187.71ポイントって……」
負けたのは解ったけど、ここまでの差がつくとは思ってなかった。
才能も含めた実力の差を見せ付けられた気がした。
「ふふふ……」
もうこれで吹っ切れた。
(この大会が終わったら引退しよう)
会場のどよめきが治まりきらない内にワルキューレさんの演技が始まった。
!
私の目にとんでもない光景が……
観客もTVを通じて全ての人が同じ感想を抱いたはずだった。
彼女にとっては、あまりにも簡単なコンビネーションで転倒。
得意のスパイラルシークエンスでもミスを連発する。
ミスがミスを呼んで、もはや演技ではなくなっている感じだった。
演技が終わり、キス・アンド・クライで涙を流し、時野コーチが胸に抱き慰めている。
171.83点。
総合で4位にまで落ちて最終結果が出た。
ライネさんが優勝、私は2位、ワルキューレさんは4位。
この結果にはワルキューレさんは当然として、ライネさんも私もマスコミのインタビューにも答えられなかった。
私達2人もワルキューレさんが代表になる事は既定の事実だと思っていたからだった。
そして、翌日、代表1名が発表された。
「代表はイナルバ選手……」
苦虫を噛み潰したようなスケート連盟会長の顔が印象的だったが、私自身も驚いた。
その日から、マスコミの評価は二分する。
今まで通り悪女・イナルバ路線と、選ばれたからには頑張れ・イナルバ路線に。
しかし、天才少女・ライネと悲劇のヒロイン・ワルキューレの扱いはさらに大きくなったのだが……
五輪が近づき、現地に向う空港。
期待はしてなかったが、イナルバ頑張れの声はまばらで
「ライネを出せば良かった」
だの
「ワルキューレの分まで……」
はいはい。 そうですか!
せいぜい頑張りますわ。
そう言ってやりたかったが、コーチが
「堪えるんだ」
なだめるので、何とか堪えて飛行機に乗った。
現地に着いて、大会は進む。
当初期待されていた種目で全く結果が出ず、大会中なのに、協会の責任論まで出ていた。
スピードスケート、スキージャンプ、スノーボード……
大会が始まる前までは
「メダルは確実」
とされていた種目で惨敗が続き、それがプレッシャーとなって、他の種目に飛び火し、選手達は結果を残せないでいた。
フィギュアの予定が近づいて来たので、練習をする。
(!)
皆……上手い。 そして…… キレイ。
各国のチャンピオンが集まるだけあって、P.B(自己最高点)も高い。
私は焦った。
私の持ち点ではメダルなんて獲れない。
リンクの上でも、その事が頭を離れなかった。
「どうしたんだ? そんなんじゃ……」
コーチがいいかけた所で
「コーチ。 プログラムを変えて下さい」
お願いをした。
「ん?」
「コーチもご存知でしょう。 このままでは…… 私はライネさんにも… そしてワルキューレさんにも…… そして国の皆さんの期待にも……」
「何言ってるんだ!」
ピシャリと言うコーチ。
「お前は誰の為に滑ってるんだ? ライネの為? 国民の為? ワルキューレの為? そんな事は考えなくて良い。 お前は自分の為に、自分が楽しむ為に演技すれば良いんだよ」
コーチの言う事はもっともだった。
しかし、一端は引退を考えた身。
可能性の無い演技を地道にまとめるよりも、チャレンジしたかった。
それでも自分の実力を考えると、大冒険は出来なかったが。
私とコーチは部屋で演技の構成を考え直す。
電卓で得点を計算するコーチが
「ふぅ…… これでフリーは123点。 ノーミスなら184点… 」
(184点? それじゃ代表選考会のライネさんの点にも及ばない)
「コーチ、もっと… ここのコンビネーションの難易度を上げましょう」
プログラムを指差す。
「バカを言うな。 お前に後半に3回転・3回転・2回転のコンビネーションが出来るのか?」
帰ってきた答えは、当然ながらノーだった。
ライネさんじゃあるまいし、後半にそんなコンビネーションを持って来るのは無謀なのは私も解っていた。
しばらく考え込んでいたコーチが口を開いた。
「よし。 イナルバウアーを入れよう」
思わぬ提案に私は戸惑った。
「えっ! イ、イナルバウアーを…… そんなコーチ、イナルバウアーは……」
「そうだ。 今の採点基準ではイナルバウアーは得点にはならない」
「だったら、何故? イナルバウアーの数秒間でジャンプなら1つは入れられます。 少しでも得点を稼ぐ方が良いのではありませんか?」
私の意見は当然だったはず。
しかし、コーチは私を落ち着かせるように
「確かに得点にはならないが、お前の完成されたイナルバウアーは観客を魅了させられる最大の武器だ」
「……」
「会場の印象もジャッジの印象に影響を与える。 さらに、ここで入れる事で、お前も一息つける」
「……」
そしてプログラムを指差し
「そして、一息ついた直後…… ここでだ。 ここで、3回転・2回転・2回転のコンビネーションを入れて勝負に出る」
「……」
「それでもやっぱりノーミスで183〜4点台だろうが…… アクセルを除いて、トゥループ、ループ、ルッツ、フリップ、サルコウの5種類は全て入れるからあるいは……」
そんなのはムリに決まってる。この演技構成を完璧に滑るあんんて。 でも同じ得点でもこちらの方が可能性がある気がしたので、それに従うことにした。
大会は私達の代表が金メダルを1つも獲れないまま、フィギュアスケート女子になる。
金メダルゼロの状況は私への期待に変わって行く。
今まで散々悪役にしてたマスコミの扱いが変わったのが解る。
だが、そんな事はどうでも良い。
私は私の演技を… コーチと決めたプログラムで五輪を楽しもう。
いよいよSPが始まった。
(「イナルバ、「幻想即興曲」で挑みます」)
・・・・・・
おおっ!
会場のどよめきは、その高得点を表してした。
66.02点
(「イナルバ、この大舞台で自己ベストを大きく更新する66.02点。 明日のフリーに期待がかかります」)
(え?66点? 何かの間違いではなくて?)
自分でも驚くスコアだった。
しかもトップとの差は殆ど無い。
でも、不思議とプレッシャーにはならなかった。
(「いよいよ期待のイナルバ。 SPを終えて第3位。 しかし、1点差以内に3人が並ぶ超激戦。 決して逆転出来ない点数ではありません」)
TVの実況が流れ、ワルキューレは自宅のソファにかけながら見ていた。
そしてライネはまるで興味が無いように友人と遊園地で遊んでいたのだった。
「さ、行こうか」
コーチが声をかけ
「はい。 ……行きます!」
集中を高めリンクに出る。
(「イナルバ。 フリーの曲は「トゥーランドット」そしてプログラムの中にサプライズを用意してます」)
場内に曲が流れ、演目が始まる。
(「さあ、最初のコンビネーション…… どうだ?…… 決まったぁ」)
着氷した時、客席までハッキリ見えた。
(行ける!)
(「ここまでミスらしいミスは3回転・3回転が3回転・2回転になってしまっただけです、イナルバ…… ああっ! ここから、世界を魅了したイナルバウアー!」)
コーチの言ったようにイナルバウアーで一息つけ、場内の視線は私に集中した。
最後のコンビネーションも完璧に決まった。
(ああっ。 スケートがこんなに楽しいなんて)
曲が終わると同時に、場内はスタンディングオベーションとなった。
(「これは凄い。 イナルバほぼ完璧な演技でした。 得点を待ちましょう」)
TVの実況はそう言うが、キス・アンド・クライに戻った私にはどうでも良かった。
(私のベストの滑りが出来た。 それだけで……)
思わず涙が出たのでした。
遠く離れた所でTVを見ていたワルキューレも
「イナルバさんおめでとうございます」
涙を流して祝辞を述べた。
SP上位の2人が後に控えているが、この演技。
そして、この場内の雰囲気は確実にプレッシャーとなるだろう。
演技が萎縮するか失敗するか……
そうなればイナルバが史上初の金メダリストになるだろうし、例えそうでなくても、最高の演技をしたので、素直に「おめでとう」と言いたかった。
うおぉわぁぁっ!!!
(「得点が出ました… えっ? あっ…… ひゃ、125.32点…… トータル191.34点です。 イナルバ。 SP、フリー共にこの大舞台で自己ベストを更新しての高得点です」)
(「当然ながら現在トップに立ちましたイナルバ。 もの凄いスコアを叩き出したイナルバ。 メダルは確実。 あとはその色だけです」)
(「時野コーチと抱き合って喜びます。 ……ああ〜っとまだ場内のざわめきが収まりません」)
ただならぬ雰囲気の中、演技をする事になった他の上位選手はやはりというべきか、萎縮してしまい、また緊張してしまい得点は伸びず、イナルバが史上初の金メダリストとなった。
(もしメダルを獲ったらこちらに来る前にボロカスに言ったマスコミ連中に何て言ってあげましょうか?)
大会が始まる前まではそんな事も思っていたが、今はもうそんな事はどうでも良かった。
さらに7つにスピンと2つのスパイラルで最高評価のレベル4を獲っていた事、2つのステップでこれまた最高評価のレベル3を獲っていた事が報じられ、金メダルがフロックで無い事が証明されたのです。
帰国すると、空港では行きとは違って、大歓声とカメラのフラッシュの洗礼が待ち受けてました。
「悪女」と評されたのが、今は「クール・ビューティ」。
変われば変わるもんですわね。 ホント。
その後、私は競技生活を引退してプロに進みました。
CM依頼やTV出演が殺到し一躍時の人となり、国内のスケート場では、必殺の「イナルバウアー」をマネするスケーターが続出した。
「イナルバさん。 時野コーチとの間がウワサされてますが?」
(えっ? 私がコーチと? そ、そんな……)
レポーターの下世話な話題。
(コーチが私と… そんな事……)
無いとは思っていたが、金メダルを獲って自分の周りも変わった事を考えれば、
(可能性くらいはあるのかしら?)
とか思うようになったのですけど……
しかし、そんな事で悩む事はすぐに無くなってしまいました。
私が解説する大会でライネさんがとんでも無い快挙をしてしまったのです。
「ライネ。 女子で史上初200点オーバーで優勝」
の文字が新聞を賑わしました。
しかも!
数日後の新聞にはさらにショッキングな記事が……
「女子フィギュアのプリンセス・ワルキューレ婚約。 引退へ。 相手は時野コーチ」
のニュースがおどり……
・・・・・・・・・・・・
「んん〜〜〜っ!」
台本を読んでいたイナルバが顔を真っ赤にして、ワナワナ震えながら読んでいる。
「どうなさいましたの? イナルバお姉様」
ライネが煎餅を食べ、お茶を啜りながら尋ねる。
「だぁ〜〜っ! ふざけないでよ! 何ですかこれは?」
ついにイナルバが台本を破り捨てた。
「はぁ? イナルバお姉様が「私の出番が少ない」とお嘆きのようでしたので、こうやって、あたくしが一生懸命脚本を書いたのでございますわよ」
「でも、この内容だと、私は貴方とワルキューレの引き立て役じゃないの?」
イナルバがもっともらしい理屈で怒るが
「だってぇ、しょうがないじゃありませんか。 イナルバお姉様じゃ「天才少女」ってお歳じゃありませんし」
「何ですって? 私だってまだまだ……」
すかさず右手のグラブを外そうとした。
「ん〜ま。 まさかお姉様…… お気持ちは解りますけど、少女というのは、やっぱり…… ねぇ?」
真田さんやワルキューレに振るが
「い、いえ、わたくしからは何とも……」
真田さんが苦しそうに答え、ワルキューレも困ったような顔をして苦笑いをしているだけだった。
「しかもぉ、 和人様とのロマンスなんかワルキューレお姉様がお許しになるワケございませんし」
それを聞くと、ワルキューレはウンウンと頷く。
「しかしねぇ、ライネ。 ……この序盤の、靴の中に画鋲入れるのはどうなのよ? アレ、貴方の仕業なのでしょう?」
「まあ、そうでございますが、スポ根モノには必須とコーラスが言ってましたから」
全く悪びれる様子は無い。
それどころか
「ところで、お姉様、如何なさいますの? このままの脚本で撮影なさいます? 真田さんのキャメラも準備は出来ておりましてよ」
サンバイザーにメガホンを持って、監督・ライネは準備万端だったが、
「何が「キャメラ」ですか! こんなの撮るワケございませんでしょう。 ボツです、ボツ! 真田さんも、ワルキューレも婿殿もよろしいですね?」
「は、はい!」
真田さんはひれ伏し、
「はい」
ワルキューレは素直に答え
「ははは」
和人は困ったように微笑むだけだった。
「あ〜っもう、解りましたわよ。 これはお蔵入りにさせますわよ。 ホントにもう。 しかし、芸術はいつの時代にも理解されにくいモノですわぁ〜!」
ライネが悔しそうに台本を破り捨てると勝手にTVをつけた。
(「やりました。 日本の安藤と浅田。 史上初の金メダル。 そして大逆転での銀メダル。 ワン・ツー・フィニッシュです……」)
「円盤カレイドスコープ 〜ト○ノに行くのは私でございます〜」・・・・・・おしまい。
…………。
ふぅ… え〜。 以前「スポーツモノ」をリクエストさせた方がおられましたので、今の時期、旬の話なので書かせていただきました。
しかし、よりによって、この役が私とは……
さて、次回は秋菜様の最終章をお送りする予定でございます。
しかし、その秋菜様のお話をリクエストをくださいました方は今おられるのでしょうか?
ともかく、次回はその予定でございます。
はぁ……
それでは皆様、お休みなさいませ。
GJ!
お帰りなさい
言ってたフィギュアのってこれだったんですね
そうそう、たぶん知ってると思いますけど安藤美姫が史上初ではありませんよ
荒川静香が世界大会でも金取ってますから
48 :
前・389:2007/03/27(火) 20:53:21 ID:q4IBIgdY
前・359さんGJです!
イナルバは好きなキャラなので楽しく読ませて頂きましたよ。
49 :
名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 04:14:51 ID:UxVRSGsS
上げます
秋ドラマダー
ちょっと待っててください。
今、出張中なので帰り次第行かせていただきます。
感想ありがとうございました。
>>47さんは伝言さんかな?
一応存じております。
荒川選手より前にも、89年に伊藤みどりさんが、94年に佐藤有香さんがチャンピオンになってますね。
1、2フィニッシュが史上初だったので…… ちょっとしたミスですね。
しかし、復帰作でやらかすとは……
>>前・389さん。
このスレでもよろしくお願いします。
52 :
七村秋菜です:2007/04/08(日) 06:40:51 ID:6seqbPOP
え〜っと、見れる人は前スレの「息を潜めて」と「はじめてのお医者さん」を読んでからこれを読んだ方がいいかも。
とりあえず私の話の最終話
「秋菜のハートブレイク・ライブ」
を始めるわよ。
でも、今日はえっちな場面はないから注意してよね!
私と和人の「最後の放課後」から次の日、イナルバさんが来て神楽や祝詞を教えてもらった。
形式は地球のそれとあまり変わらないみたいだけど、細かい所は違ってて、簡単には覚えられそうになかった。
私は、和人との行為、和人への想いを胸に練習に明け暮れた。
そうしないと自分を保てそうに無かったから……
・・・・・・・
ここからは私の知らない事情。
私と和人が秘密の放課後を過ごしていた時、ワルキューレは真田さんから料理や炊事、洗濯、掃除と家事を教わっていたみたい。
その訓練は地獄の特訓と呼ぶに相応しい物だったらしく、和人の妻になる。 と言う事だけを心の拠り所にして、時には涙を流しながら練習をしてたらしい。
私と和人がそういう事をしてるのを知りながら。
ワルキューレもそうしなければ自分を保てなかったのだと、今になっては思える。
あんたも私と同じだったのね……
・・・・・・・
37th 「秋菜のハートブレイク・ライブ」
いよいよ星霊節、つまりは和人とワルキューレの結婚式を明後日に控えた日、メームさんが2人と真田さんを連れて来た。
「秋菜様、この度は我がヴァルハラ星皇家の慶事にご尽力いただきましてありがとうございます。 ヴァルハラ皇家の長として厚く御礼申し上げます」
さすがに皇家の長らしく、こういった挨拶にも貫禄がある。
いつもとは違っていた。
それに合わせてイナルバさんも頭を垂れ、ワルキューレも。 そして和人も……
「秋菜、本当にありがとう」
和人も私に礼を言ったけど、私は和人の顔が見れなかった。
(和人は…… もう迷いも無く、明後日に備えてる…)
そんな感じだった。
居間に通し、打合せや談笑してた時に気づいた。
ワルキューレが笑う口元を隠した時に見つけてしまった。
美しく細く白い左手の薬指に光るモノがある事を……
和人の左手を見てみると、やはり同じ銀色に輝く指輪があり、いやがおうにも2人は結婚するのだという事実を認識させられたのだった。
「!」
薬指の光るモノに目が行ったのを悟られたのか、殊更ワルキューレが私に左手を見せたような気がする。
その口元はニヤリとしているようで、
(どう? 和人は私のモノよ)
とか言ってる感じがし、さりげなく、かつ大胆に和人にしなだれかかってるようにも思えた。
挫折感と敗北感。
私の思い過ごしだろうけど、それを感じずにはいられなかった。
夜、布団に入ってもワルキューレの顔が思い浮かぶ。
幸せそうな笑顔、でも一瞬私に見せた勝ち誇ったような笑顔。
悔しい……
(な、何よ! 私と和人はね、子供の時からずっと一緒にいたんだから)
(毎日夕方までリカちゃんと3人でおままごとしたりして遊んで……)
(そ、そうよ! リカちゃんがカゼで寝込んだ時は和人とお医者さんごっこもしたんだからね!)
(和人が初めて見た、女の… その…… 大切な所はあんたじゃ無く私のだったんだからね!)
(そ、それに私の初めても和人にあげたんだから!)
でも、和人が初めて女性を抱いたのはワルキューレだろうし、ワルキューレも初めてだっただろう。
(運命の歯車が狂っていれば、それは私になったかもしれなかったのに……)
今となっては全て後の祭りだと解っていても、つい考えてしまった。
「あ〜〜〜っもう!」
布団を頭から被っても眠れない。
コンコン……
誰かがドアをノックした。
まあ、誰かといってもハイドラしかいないのだけど。
「秋菜ぁ、起きてるか?」
「うん。起きてる……」
返事をするとハイドラが入って来た。
星霊節に向けて、ヴァルハラ関係者が多く来てるし、霊力の殆どを儀式の練習の為に集中してるので、元の姿に戻っているハイドラ。
背格好が似てるのでシルエットはワルキューレに似てる。
「なあ、秋菜。 ラーメン食いに行かねぇか?」
「な? 何よそれ?」
思いもしない言葉に戸惑った。
「ちょっと小腹が空いちまってよ。 どうだ? 行かねぇか?」
「お腹が空いたのなら、冷蔵庫に何かあるでしょ」
先程の妄想もあり少しイラついた返事をしてしまった。
ハイドラは悪くないのに……
「メームのアネキから小遣いもらったからな。 オレが奢ってやるから。 な。」
「あんたねぇ。 私は……」
でも続けるのを止めた。
どうせ、このままじゃ眠れそうにないし……
「解った。 付き合ってあげるわよ。 でも美味しい店知ってるんでしょうね?」
ベッドから出て服を着替えながら訪ねてみる。
「さあな」
帰ってきた返事は頼りなかった。
「何よそれ?」
「だってよう。 シロ達が美味いって言ってた屋台だからな」
「屋台?」
「当たりめぇだろ。 こんな時間に開いてる店なんかあるかよ」
そりゃそうよねぇ。
玄関にカギをかけるとハイドラについて行く。
星霊節が明後日。
厳密には明日なんだけど、それだけに満月も近く、月明かりはかなり明るい。
月明かりに照らされたハイドラの横顔。
(あんたは何を見てるの?)
同じ皇女で、義理とは言え姉妹のワルキューレが結婚する事を。
「おっ! あったぜ。 あそこだ」
ハイドラが指差す方向に一軒の屋台がある。
暖簾の隙間から白い後姿が。
例の3人組だ。
「よう」
暖簾をくぐったハイドラにシロが声をかけた。
「おっ! 七孤神社のお嬢ちゃん一緒かい」
妙が私を見て言う。
「珍しいじゃねぇか、こんな時間によ」
丸が続ける。
「まあね、ハイドラがラーメン食べたいって言うから……」
「そうかい」
3人が席をつめて場所を開けてくれた。
「何にしましょ」
店の主人が聞く。
「おらぁ、ラーメンでいいや。 秋菜は?」
ん? 普通のラーメン? 大盛りとかじゃ無くって? あんたお腹すいたんじゃなかったの?
これは後に思った事だが、その時は考えられなかった。
「う〜ん…… ハイドラ、ホントに何でも良いんでしょうね。 後でお金無いって言ってもダメだからね。 私サイフ持ってきてないんだから」
クギを刺してみる。
「安心しろよ。 メームのアネキからはこの屋台ごと買い取ってもオツリが来るほどせしめたんだからよ」
分厚いサイフを出して見せる。
「オヤジ。 この3人の分もオレが払うからよ」
「へい」
店の主人が返事をし
「お〜う。 太っ腹だねぇ」
「んじゃ、遠慮無くゴチになるぜ」
「すまねぇな」
3人組も喜ぶが、飲んだ後のラーメンだけにそんなに入るわけでも無く、おかわりはしなかった。
「それじゃぁ、私はチャーシューメン大盛りに煮卵追加で」
「へい」
ラーメンを食べる。
誘ったのはハイドラだったけど、あまり食べない。
「日が昇っちまえば…… いよいよ明日なんだなぁ」
妙がしみじみと言った。
「そうだな」
シロが言うと、3人は残りを食べ終えるまで黙ったままだった。
「もう一軒行くか?」
丸が切り出し2人もそれに乗る。
「じゃあ、すまないがゴチになるぜ」
3人は屋台を後にした。
私が食べ終わった時、ハイドラの丼にはまだ残りがあったが
「オヤジ、いくらになる? さっきの3人の分も一緒に頼むぜ……」
お金を払った。
その帰り道。
「秋菜。 まだ何か食いたいならコンビニでも寄るか? アイスとかどうだ?」
ハイドラが誘うけど、
「もう、いいわよ。 それより、あんた。 自分から誘っておいてあんまり食べなかったじゃない? アイスは別腹なの?」
ふと思い出し言ってみた。
「まあ、いいじゃねぇか。 ハラが膨らみゃ瞼も重くなるだろうしよ。 それに……」
「それに?」
「まっ、それこそ良いじゃねぇか。 んじゃ帰って寝るか」
七孤神社に向って歩き出した。
「何よ。 気になるじゃない」
追求すると
「まあ、なんだ。 これで眠れるのなら良いじゃねぇか」
(そうか! ハイドラ。 私が眠れないのを気遣って……)
ハイドラの気遣いに嬉しくなったが、同時に
(いえ、儀式をちゃんと出来るようにとイナルバさんあたりが指示したのかしら?)
とか邪推もしてしまった。
あ〜あ。 こんな所が私のダメな所なのかなぁ。
でもおかげで、ビックリする位あっさりと眠れた。
次の日…… と言ってもその日の昼過ぎ、昼前に目が覚める。
「おう、秋菜。 良く眠れたか?」
TVを見ていたハイドラに声をかけられる。
「まあね」
夕方になるとメームさんとイナルバさん、そして滅多に見ないネスティさんが来て明日の最終的な打ち合わせや警備の話をした。
空を見上げるとハッキリと解るほど艦影が見える。
まるで戦争でもするみたいな数だと言うのが解る。
(ヴァルハラ皇家からすればこれ位は当然な一大事なんだ。 そりゃ、そうよね。 皇女の結婚式。 しかも8人の中で最初の結婚式なんだもの)
(その式を滞りなく進めるのが私の役目…… 今更だけど、したくはない。 でも…… 私は自分の意志でそうする事を選んでしまったのだから……)
「という訳で、秋菜様。 明日はよろしくお願いします」
メームさんが頭を下げ
「では、明日迎えをよこすから」
ネスティさんが言い
「ハイドラ、秋菜様に万が一の事が無いように。 それと明日は秋菜様と一緒に式場に来ればよろしいですから」
イナルバさんが言うと3人は帰っていった。
「おうよ…… じゃなかった。 はい、解りましたわ、お姉様方。 おほほ」
ハイドラは引きつった笑いを見せて姉達を見送った。
その日は平和に過ぎ、式の前日なのに意外とあっさりと眠りについた。
そして、星霊節。 和人とワルキューレの結婚式の日になった。
朝から迎えが来て式場に向う。
控え室で装束に着替える。
隣りの部屋は親族の控え室なのだろう。
「それにしてもワルキューレお姉様。 おキレイでしたわねぇ。 和人様も凛々しくて……」
ライネの大きな声が聞こえてきた。
(そりゃ、そうよ。 ワルキューレなんか普段から綺麗なんだから、ウェディングドレス姿なら尚更……)
(あ〜あ。 ホントに何で私はこんな役目、引き受けたんだろ?)
1人だと、つい考え込んでしまう。
その時、部屋の扉が開き
「七村様、お願いします」
ヴァルハラ皇家の侍女が呼びに来た。
「はい」
神殿で待ってるとメームさん達が来て席に座る。
親族だけしか入れなく、ゲストはホールで待っているようで、人数的には質素な感じだった。
関わりの深いシロ達ですらここには来なかった。
暫くして和人とワルキューレが入って来た。
「!」
ホントにキレイ……
「綺麗」とかそんあ安っぽい言葉では形容しきれない、1点の曇りも無い完璧な美しさ……
(私は女神を見ているんだ)
ハッキリそう自覚出来るほどだった。
我を忘れそうになったけど、自分の役目を思い出し合図と共に音楽が始まり、私はこの1週間死ぬ程練習した神楽を舞った。
(今の私に出来る事は、和人の幸せを祈って神楽を舞う事だけ…… ヴァルハラの繁栄なんてどうでもいい。 和人、和人だけに私の舞を……)
全身全霊をかけた舞は霊力の消費も大きい。
神楽が終わった時はフラつきそうだった。
他の神事も終わり、今度は地球式に指輪の交換が行われる。
和人から指輪をはめられたワルキューレが思わず涙ぐむ。
でもその涙はこの上なく清々しい、これ以上無い幸せな涙なのは私にも解った。
誓いのキス。
「和人様…… 私、幸せです」
「ボクもだよ。 ワルキューレ」
2人の言葉が胸に突き刺さった。
ファムさんやライネが泣いてるのをみて、私ももらい泣きしそうになる。
泣きたい気分だったけど、それだけは出来ない。
式は無事終わり、2人は退場した。
皆も退室し、最後にメームさんとイナルバさんが声をかけて来た。
「秋菜様。 本日は本当にありがとうございました。 そしてご苦労様でした」
「いえ……」
「お疲れでしょう。 披露宴は秋菜様もお客様ですから、着替えてからホールに来て下さい。 披露宴はくつろいで下さいね」
「ええ、そうさせてもらいます」
それだけ答えると控え室に戻った。
「はぁ……」
溜息が出る。
(ホントに綺麗だったなぁ、ワルキューレ。 しかも幸せそうだった……)
着替えてる間もそんな事ばかりが頭を過った。
ホールに行くともの凄い人の数。
それも、見たことの無い宇宙人が大勢。
改めてヴァルハラ星の力を見せられた気がする。
人だかりがあり、その中心はメームさんがいて、取り囲むようにいろんな星の人、しかもかなり偉い人っぽい…… 政治家っぽい人も大勢、メームさんに挨拶している。
他の皇女達にも挨拶に伺う人が大勢……
当然ハイドラにも……
(やっぱりハイドラも皇女なんだぁ)
今更ながらに思ってると、ハイドラが私の姿を見つけ、周りの人達に挨拶するとこっちに来た。
「いやぁ、まいっちまうぜ。 おらぁお固いのは苦手なんだ。 おめえが来てくれて助かったぜ」
「……」
答えられずにいると
「おめえの席はこっちだ、一応オレの横。 親族の席だが、構わないだろ? アネキ達とは別のテーブルだしよ。 美味いモン食って騒ごうぜ」
私の手を引いて席に連れて行った。
暫くして司会者が挨拶をし披露宴が始まった。
そして、主役の和人とワルキューレが入場した時はカメラのフラッシュが一斉にたかれ、良く見るとTV局かヴァルハラ政府のかは知らないけど何台ものTVカメラが2人を捕える。
(時々宇宙のニュースをやってるけど、それなんだろうなぁ)
「おお〜っ」
場内にどよめきが起こる。
「本当にお美しい……」
あちらこちらから声がする。
こぼれるような笑顔のワルキューレと和人が入場し、正面の席につくと披露宴が本格的に始まった。
私の心は、思いっきり沈んだ。
私達の横を過ぎる時、ワルキューレがこちらを見てニッコリと笑いかけた。
その笑顔とは裏腹に
(うふふ。 秋菜様残念でしたわね。 和人様は私のモノです。 もう絶対に離さない)
ワルキューレの目がそう言ってるような気がしたから。
「何だ秋菜。 食わねぇのかよ?」
ひたすら食べるハイドラが私に呼びかける。
しかし食べられるはずもなかった。
「しょうがねぇなぁ……」
ハイドラを手で合図をすると真田さんみたいな猫耳の侍女がハイドラの許にやってくる。
何事か指示すると、侍女は頭を下げ、引き下がった。
すると、今度はメームさんの許にいた侍女がハイドラの所に来た。
話を聞くと
「おい、秋菜。 アネキがこの後内々だけのパーティをするみたいだけどよう。 おめぇも参加するか?」
「……」
答えずにいると、侍女に指示して、立ち上がってメームさん達がいるテーブルに行った。
時々私の方を指差して何かを話し込んでる。
帰ってきたハイドラが
「おめぇも疲れただろ? 先に帰る。とアネキ達には言ってあるからよ」
(そうか……)
「うん…… じゃあ、メームさん達に挨拶してくる……」
「そうね。 お疲れになったでしょう。 今日はゆっくりお休みなさいな」
メームさんが言うと
「本当にご苦労様でした。 よろしければ新郎新婦の2人にも声をかけてあげてくださいな」
イナルバさんが流し目で見つめながら言う。
その口元がニヤリとしているようだった。
まるで
(貴方の役目はもうお終いですよ。 これからはヴァルハラの婿にちょっかい出さないで頂戴)
とでも言ってるように見えた。
ムカッ!
いや、多分、私の思い過ごしなんだろうけど……
でも主役の2人に挨拶しに行った時も同じだった。
「秋菜、今日はありがとうね」
和人がにこやかに言うと
「秋菜様。 ありがとうございました」
(!)
顔を上げた時のワルキューレの目。
その目は勝ち誇ったような目…… に見えた。
(ああ〜。 私ったら何被害妄想に陥ってるのよ。 せっかくのおめでたい席なのに)
反対側の和人にシロが来て和人と何か話し込んでる。
それを確認したワルキューレから笑顔が消え
「秋菜様。 もう和人様は秋菜様の許に行かせはしません。 和人様は私の…… 私だけのものです」
「なっ……!」
「学校でも…… 秋菜様に安らぎをお求めになる事はありませんでしょう。 心も体も私が……」
(! 知ってたんだ! 私と和人だけの秘密を……)
「……」
答えられない私に
「よろしいのですよ。 秋菜様と和人様は幼馴染ですし、特別な存在だったのですから。 でも今日からは…… 和人様を満足させて差し上げるのは私の役目ですから」
「ちょっ……」
「ご安心ください。 姉妹達にも言ってませんし、和人様にも何も言いませんし、責める事もいたしませんから。 秋菜様は私の知らない和人様を子供の頃からご存知で、時間を共有なされました。 でもこれからは和人様との時間は私がいただきます」
私は何も言い返せないまま、その場を離れた。
(そうか…… 知ってたんだ。 私と和人の事。 それで和人には何も言わずに自分の胸にしまいこんでたんだ……)
「おい、どうしたんだ? 顔色が悪いぜ」
ハイドラが私の顔を覗き込むように言った。
「ふふふ…… 私の完全な負けだったのね。 ふふふ」
「お、おい?」
はぁっ。
1つ息をつくと
「帰るわよ。 ハイドラ」
ボソっと言った。
「お、おう」
私は逃げるようにホールを後にした。
その時、振り返る事が出来なかった。
ワルキューレの顔を見るのが怖かったから……
式場の出口から外に出ると、朝の快晴とは打って変わって雨が降っていた。
「おいおい、雨かよ。 どうする秋菜、エアカーで送ってもらうか?」
「ううん、いい。 歩いてく」
「そうか、んじゃ、傘借りてくっから待ってろよな」
ハイドラが中に戻って行った。
私は屋根の無い所に進み空を見上げる。
(和人……)
目を閉じると雨が顔を打ち、頬を伝う。
私の涙が混ざった雨、そして涙……
「!」
雨が顔を叩かなくなったので目を開けるとハイドラが傘をかけてくれてた。
「おい、濡れると風邪ひくぜ」
「ハイドラ」
「何も言うなよ。 さ、帰ろうぜ!」
私に傘を渡し、自分も傘をさすと私を抱えで空を飛び地上に降り、私達は歩き出した。
「おっおい」
私が傘をたたんで空を見ると、驚いたように声をかけて来た。
だって、しょうがないじゃない。 こうしないと涙が誤魔化せないんだから……
「ちょっとね。 今は雨に打たれたい気分なのよ……」
「秋菜……」
ハイドラも私の気持ちを察したのか、何も言わなかった。
七孤神社に着く。 何故か猫耳の侍女が数人いてハイドラに何か渡していた。
「ちょっと待ってろよな。 タオル持って来るから」
玄関を開けてハイドラが中に入っていった。
「ほらよ」
タオルを渡す。
「ありがと……」
髪と体を拭いてると
「早く中に入れよ。 ホントに風邪引くぜ」
侍女達に合図すると彼女達は頭をさげて帰って行き、ハイドラが私の手を引っ張って中に招いた。
部屋に戻るとテーブルには披露宴の料理が並んでいた。
「これ?」
「おう、おめぇの様子だとあまり食えないだろうと思ってな。 頼んで先に持って来てもらったんだ。 どうせ、おめぇは今日はメシなんて作れないだろうし。 それに……」
「?」
「おめぇのヤケ食いにつきあってやるからよ」
ハイドラの優しさに耐え切れず涙が溢れて来た。
タオルを頭からかぶって涙は見られてないだろうけど、多分バレてたと思う。
「だけど、その前にフロ沸かしてやっから。 おめぇに風邪なんか引かれたらたまったモンじゃねぇからな」
「……」
濡れた服を着替え、ソファに座ってたらチャイムが鳴った。
お風呂が沸いたみたい。
「秋菜ぁ、フロが沸いたぜ。 入れよ」
「うん……」
脱衣所でパジャマを脱ぐと浴室に入る。
中には暖かそうな湯気は充満してた。
「オレも入らせてもらうぜ」
61 :
七村秋菜です:2007/04/08(日) 06:55:28 ID:6seqbPOP
今日はここまでね。
続きは今日か明日にでも。
それじゃ、いい休日を。
乙
63 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 14:00:59 ID:FZ4NWfj9
>>61
素晴らしかったです!!
続きを楽しみに待っています!!
64 :
七村秋菜です:2007/04/09(月) 03:08:41 ID:LFE58tZn
ゴメンネ。
いろいろ追加してたら、今回で終わらなかったのよ。
そしてエロも……
で、でもね、そう簡単にハイドラなんかに乙女の柔肌を晒してなるもんですか!
ムダな抵抗だと知ってても、ちょっとね……
とにかく昨日の続きです。
「熱っ!」
シャワーのお湯が体にぶつかり、思わず声が出た。
「ん? おらぁ別に触ってねぇぜ。 いつもの温度だろう?」
「そうね……」
表示されてる温度はいつもと一緒。
(体が冷えてたんだ)
ハイドラもそれが解ったみたいで
「体が冷えたんじゃねぇか? だからちゃんと傘させって言ったのによう」
湯桶で体を流し、先に浴槽に浸かってるハイドラが
(それみたことか)
と言わんばかりの口調で言う。
(言われなくても解ってるわよ。 でも仕方ないじゃない。 気分は土砂降りだったんだから……)
頭からシャワーを浴びる。
髪を伝ってお湯が流れるけど、やっぱり私の涙も混じってる。
「解ってるわよ…… 解ってたわよ…… 解って……」
ハイドラも、私の気持ちに気づいてただろう。
でも、それを素直に言うのはイヤだったから
「解ってたわよ。 うるさいわね! いいじゃない」
つい言ってみた。
「へいへい、そうだよな。 ……よっと」
浴槽から出た。
「秋菜、背中流してやるよ」
突然の申し出に
「なっ! 何よ急に」
「まあ、いいじゃねぇか。 今日くらいはな。 一応姉妹…… ワルキューレが世話になっちまったし。 それに……」
「それに?」
「ま、まあ、それこそいいじゃねぇか」
タオルにボディソープをつけて泡立て始めた。
(「それに…… おめぇが落ち込んでるだろうからな」とか言うつもりだったのかな? あんた意外に優しいんだね)
「……」
「……」
背中を流してもらってる間、言葉はなかった。
「ホラよ、終わったぜ。 前も洗ってやろうか?」
少しふざけた感じで言ってくる。
ハイドラなりに精一杯私を元気づけようとしてくれるのが嬉しかったが、その時はそんな余裕はなかったから
「いっいいわよ。 自分でやるから」
返しただけだった。
ハイドラからタオルを奪い取るように取ると、自分で洗う。
相変らずペッタンコな胸。
うっかりハイドラに洗ってもらったら
(「何だぁ? 背中はさっき洗ったんじゃねぇか?」)
とか言われそう。
そんな想像に腹が立ち
「うるさいわねぇ! 何が背中よ!」
思わず声に出してしまった。
「な、な、何言ってやがる。 オレは何も言ってねぇぜ」
そうだった。
お風呂場だったから良かった。
恥ずかしさで私の顔は真っ赤になってただろうから。
照れ隠しの意味も含めて
「ハイドラ、あんたの背中も流してあげる」
この提案はハイドラにとっては想定外だったようで
「な、何言ってんだよ。 オ、オレはいいよ」
あせる所がおかしかった。
「いいから座んなさいよ」
なかば強引にハイドラを座らせると背中を洗った。
背中から、後からみてもハミ出してる胸。
本当に大きい人ってハミだすのよねぇ。
あっ! それで思い出した。
時乃湯で時々ライネと遭うけどそれと同じ。
ライネは小柄だし色が白いから余計に目立つけど、後ろから見た時、モニッ! って感じでハミ出してるのを。
(ホントにライネといいワルキューレといいハイドラといい…… この姉妹はハラ立つ位に大きいわねぇ)
思わず力が入ったのだろう。
「イテテ…… おい、いてぇよ!」
ハイドラがこちらを向いて抗議してきた。
「が、ガマンしないさいよ」
シャワーで背中を流し、2人でお湯に浸かってから出た。
「さあ、メシだメシ!」
服を着たハイドラがテーブルの料理をレンジで温める。
「ちょっとぉ、これ全部食べるの?」
心配になって訊ねるが
「大丈夫だろ」
ハイドラは次々にお料理を温める。
その間に冷蔵庫を開けて飲み物を出して来た。
会場で侍女に指示して持ってこさせたのだろう。
お酒とソフトドリンクを出した。
自分のグラスにはシャンパンをつぎ、私のグラスにはジャンジャーエールを注ごうとした。
「何、あんただけお酒飲もうとしてるのよ」
「うっせえよ。ヴァルハラじゃ俺たちの歳では飲んでいい事になってるんだよ。 でもおめぇはダメなんだろ?」
確かにそうだ。
でも、今日は飲んでみたい気分だった。
よくドラマとかで
「ちっくしょ〜! 飲まなきゃやってられねぇや!」
とかってセリフを聞くけど、私もそんな気分だったから……
「別にいいじゃない。 私にも頂戴」
別のグラスを用意して差し出した。
「仕方ねぇなぁ」
そう言いつつもグラスにシャンパンを注いでくれた。
ラベルを見るけどヴァルハラ文字で書いてあるので、解らない。
それを察したのか
「これはなぁ。 超レア物なんだぜ。 全銀河でも年に300本しか出ないモノでよ。 オレ達でも滅多に飲めねぇシロモノなんだぜ。 もっとも、今日の披露宴の為に、今年の分300本は全部ヴァルハラ皇家が抑えたみたいだがな」
「ふ〜ん…… ヴィンテージってやつ? やっぱり高いのかな?」
「まあ、そんなモンだろうな。 でも、これは金では買えないらしいぜ。 ……そんなこたぁどうでもいいやな。 乾杯しようぜ」
グラスを掲げる。
「何に?」
私の問いに戸惑ったハイドラだったが、少し考えて
「何でも良いんじゃねぇか。 とにかく乾杯だ」
「…… そうね。 乾杯」
グラスを合わせると1口飲んだ。
初めて飲んだお酒の味は少し甘く、そして苦かった。
疲れた体にお酒が染み込む感じ。
料理を食べ始めた時、玄関のチャイムが鳴った。
「いい。 オレが出るから」
ハイドラが玄関に行く。
(「ハイドラ様……」)
と言ってる事からしてヴァルハラの侍女達だろう。
(「そうか、ご苦労だったな」)
ハイドラがいかにも皇女らしく侍女達を帰すと、荷物を抱えて戻って来た。
「引き出物だってよ。 オレとおめぇの分」
1つずつ開けてみる。
「おいおい。 随分ありきたりのものだなぁ」
ハイドラが開けた箱には2本のワイン。
「白が……コレは和人が産まれた年で、赤が、これはワルキューレが産まれた年のワインかよ。 誰だよこんなの選んだのは。 メームのアネキだろ? まあ、らしいっちゃあらしいけどな」
呆れながらワインを箱に戻した。
私が開けた箱には鍋のセット。
「鍋ぇ? 名古屋の結婚式じゃあるまいし」
「それ、選んだの真田さんじゃね〜か? コーラスかもしれねぇけど。 随分地球っぽいよなぁ」
「でも、リカちゃんじゃないわよね」
「そうだなぁ」
いろいろの箱を開けて中身を見ているとカードが出て来た。
日本語とヴァルハラ文字で書いてるカード。
(「ボク達幸せになります」)
ヴァルハラ文字の方は読めないけど、多分同じ事が書いてあるのだろう。
ハイドラの読んでもらう気も起こらなかった。
正方形の箱は最早お決まりのバウムクーヘンだった。
最後の箱は少し趣が違っていた。
「コレはワルキューレがオレ達にって事らしいぜ」
開けてみると中には手作りのケーキだった。
後で聞いた話だけど、私と和人が内緒の時間を過ごしていた時に家事を必死に練習してたらしい。
その成果なのだろう。
チョコのパイピングでデフォルメした和人とワルキューレが描かれている。
さらに
「時野和人・時野ワルキューレ 愛の航海に旅立ちま〜す」
とか書いてあるもんだから堪ったもんじゃない。
「……!」
「おっおい…… 秋菜」
ワナワナと震える私に恐る恐る声をかける。
「だぁ〜〜〜っ!」
立ち上がってメッセージカードを床に叩きつける。
「あ、秋菜……さん?」
「ふざけるんじゃないわよ! 何が愛の航海よ! バカにしてぇ」
グラスに残っていたシャンパンを一気に飲み干す。
炭酸とアルコールの刺激で喉が痛い。
その痛みが怒りを増幅させた。
TV台のガラスを開けるとリモコンを取り出しボタンを押す。
ガタン!
押し入れが開き、中から出て来たものは……
「ああ〜っ! カ、カ、カラオケかよっ!」
ハイドラが後ずさりしながら指差した。
「ええ、そうよ。 カラオケ大会の後、もらったのよ。 今まで使わなかったけどね」
「ま、ま、まさか…… おめぇ… いや、秋菜さん。 歌うつもりなのですか?」
怯えるハイドラ。
「あったり前でしょう。 歌わずにいられますかって! 何が「幸せになりま〜す」よ何が「愛の航海よ」ふざけないでよ。 全く!」
「い、いや、秋菜さん。 お怒りはごもっともですけど……」
うろたえるハイドラ。
「うるさいわね。 とにかく今日は歌うわよ!」
「まずは1曲目、行くわよ〜っ! ワン・ツー・スリー・フォー……」
「うわぁぁぁ…………」
・・・・・・
5曲を熱唱し終わった。
「さあて、次は……」
「ま、まだ歌うのかよ!」
「当たり前でしょ。 そうだ、次はあんたも一緒に歌いなさいよ」
……♪
(ん? この曲は? PASSION?)
「あの曲かよぉ〜」
「Cry〜♪! 夜はCry,cry,cry〜♪」
「仕方ねぇなぁ」
ハイドラがマイクを持った時
ボコッ、ゴトン……キーン!
マイクを落としてしまった。
カラオケ大会の事を思い出したら……
ワルキューレが歌ってたらゴーストが出てきて、和人の目がゴーストの虜になった時、ワルキューレの悲しそうな顔。
今、私はそんな顔をしてるはず……
床に涙が落ちた。 2つ…… 3つ。とカーペットにシミが出来る。
「よるわぁ… クラァイ……」
「よせよ、秋菜。 もういい」
声にならない私の肩にハイドラが手をかけた。
「ハイドラぁ… ハイドラぁ! うわぁぁ」
「もういいんだぜ、思いっきり泣けよ……」
ハイドラの言葉でいよいよ歯止めがかからなくなってしまった。
「うぐっ… ひくっ…… 私はねぇ、私はねぇ! ずっと… ずっと前から和人の事を見て…… 和人だけを見てたんだからぁ」
「ああ。 そうだな」
「ワルキューレなんかよりもずっと前から…… あんた達が宇宙(そら)から降ってくるずっと前からぁ……」
「……」
「なのに、なのに… 後からやって来て、宇宙(そら)から降って来て…… 私が何をしたって言うのよ!」
「いや、おめぇは……」
「そうよ、私は何もしてないわ。 何もしてない。 ……何もしなかったから、私は和人を失った」
「私は和人が好きだった。 あんたと同じお姫様のあの女よりずっと和人が好きだった」
「……」
ハイドラは泣きじゃくる秋菜を抱きかかえ、聞き役に徹するしかなかった。
「………っ」
「?」
「でも…… ワルキューレもいい人で…… 美人で…… 私と違って胸も大きくて…… でもね!」
「ん?」
「でも… 今回の事は何? この残酷な仕打ちは何よ?」
「な、何言って……」
「私の和人への想いを知ってるはずなのに、私に結婚式の巫女をしろ。 だなんて!」
「誰が言い出したの? メームさん? イナルバさん? それともあの女? あんたも知ってたの?」
「いや、オレも知らなかった。 お告げで選ばれたのがおめぇだったようだぜ。 でもよう、アネキ達もワルキューレもおめぇの気持ちを知ってるから、随分悩んだみてぇなんだ」
「……」
「だからよう、おめぇが断ったら別の巫女を立てるつもりだったみてぇなんだ」
「……そう。 断ろうと思えば出来たのよねぇ。 でも…… やっぱり私しか、私しかなかった。そうでないと私が認めなかったんだ」
「秋菜……」
「だって…… 和人の結婚式なんだもん」
フラフラと立ち上がるとテーブルにあるグラスにシャンパンを注ぎグイッと飲み干した。
また注いで、飲み干して……
「おい、止めろよ」
3杯目を飲んだ所でハイドラが止めた。
「ハイドラ…… んっ…」
ハイドラの唇に口を合わせた。
私の口の中の唾液がハイドラの口に入り、また戻って来る。
その味はシャンパンの少し甘い、少し苦い味がした。
ぼぅっとした頭、視界が揺らめき、ハイドラの姿がワルキューレと重なりあう。
(ワルキューレ…… 「私は和人様だけのもの」ですって! 冗談じゃないわ。 ふふふ、あんたなんか和人に顔向け出来ないようにしてやるわ。 私が汚してあげる)
大きく膨らんだ胸に手をあてがうと、思いっきり握り潰す。
「お、おい… 秋菜?」
その声に我に返った。
「ハイドラ?」
「何だよおめぇ」
ハイドラが困惑した顔で見下ろしている。
「ハイドラ……」
「何だよ」
「あんた…… キスした事ある?」
突然の質問に驚いたみたいだった。
「あるぜ、たった今、おめぇにされちまったよ!」
不貞腐れた様子で答えた。
「そうじゃなくて…… 今までによ」
「……」
返事は無かった。
だからそれこそが答えだと知り
「そうか…… あるんだ」
呟くように言うと
「…… まあ、相手は女だけどな」
バツが悪そうに答えた。
「何よそれ」
「しょうがねぇだろ。 学園惑星は女子高なんだからよ」
「ふふふ…… そっか」
「何が可笑しいんだよ」
「ううん。 じゃあさ……」
「ん?」
「じゃぁ…… 女の子、年下の娘? 部屋に連れ込んでえっちな事したの?」
「なっ! 何言ってるんだよ? おめぇ酔ってるだろ?」
「うん。 酔ってる。 で、どうなの?」
「…… 言わなきゃダメか?」
「うん。 ダメ」
覚悟を決めたハイドラが
「ああ、あるぜ。 自分で言うのもなんだが、あの頃はモテたからな」
「なぁにぃそれ。 皇女なのに」
「いや、オレだけじゃないぜ。 ホ、ホントだって! ファムなんかなかり手広くだなぁ。 水泳部のノート……」
「ワルキューレは?」
遮るように聞いてみた。
「ん? ワルキューレ? あいつは、そう言う事に疎かったからなぁ。 オレと違って優等生だったし。 同じ優等生だったファムとも違ってそんな話は一切聞かなかったなぁ。 潔癖症だったしな」
「そうか…… やっぱり汚れてなかったんだ」
「まあ、そう言う事かな。 フロの時を除けば、肌を晒したのも和人が始めてだろうし、キスも和人が最初じゃねぇかな。 ところで、それじゃ、オレは汚れてるって事なのかよ?」
「んふふ。 そぉねぇ。 ハイドラったらやらしいんだ」
「悪かったな。 どうせオレは黒がイメージカラーでヤツ(ワルキューレ)みたいに真っ白じゃね〜よ」
「じゃあさ、私にも…… してみない?」
「おいおい! 何言ってるんだよ」
その時、ハイドラの胸に飛び込んだ。
「ばか……」
かすかに震える秋菜。
その言葉に全てを察したハイドラが
「解ったよ。 おめえがそれで気が済むなら…… でもオレで慰めになるのかよ」
独り言のように呟き
「そらよ!」
ハイドラに抱きかかえられながら階段を上るのは少し不安だったけど、お酒がちょうどいい具合に回ってフワフワした感じだった。
ぼふっ
ベッドに寝かされる。
ハイドラも横に来た。
どきどきどき……
なっ何? ここに来て急に酔いが覚めたみたい……
ビクッ!
ハイドラの指が私に触れた時、弾けるように体が反応した。
「ちょ、ちょっと…… んんっ」
(「ちょっと待って」)
と言おうとした瞬間、その唇はハイドラの口に塞がれる。
スウェットの中にその指が……
口を離したハイドラが月明かりをバックにして静かに、そして何時もより低い声で私の耳元で囁く
「ここまで来てお預けはナシだぜ、小ネコちゃん。 ……オレに任せておけよ」
その一言で強張りが消え、なす術なくハイドラに全てを晒してしまった。
72 :
秋菜&ハイドラ:2007/04/09(月) 03:29:27 ID:LFE58tZn
秋菜 「ああ〜っと。 誠に残念ですが、ここで今日はお終いです」
ハイ 「コレってサギじゃね〜か?」
秋菜 「うっさいわねぇ。 と、とにかく今日はおしまいなの!」
ハイ 「へいへい。 でもよ。 ど〜せ結果は同じなんだろ? 話は出来てるんだからよ。 スパッとやっちまえばいいじゃねぇか?」
秋菜 「あんたねぇ……」
ハイ 「まあ、いいや。 つ〜事で続きは今日の夜か明日の夜だな」
秋菜 「あんた、やけに張り切るわね?」
ハイ 「おうよ。 オレはこうでもしなきゃ出番ねぇからな。 んじゃまたな!」
秋菜 「もう! ではまた。 ……はぁ」
乙乙
GJ!!
何か本当にありそうな展開ですね!
続き期待してます!
またいいところで止めるなぁ
76 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 18:54:07 ID:HMFUP5kE
ぬわー!!
いいところで、焦らし乙!!
・・・続き、楽しみに待ってますw
続きまってます
ところで亀だけど、円盤カレイドスコープでイナルバは永遠の17歳ってことにしとけば天才少女役になれたのではないかと
ダメ?
78 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 20:47:50 ID:WOnMsoqJ
あれ、続きがまだ投下されてない・・・。
え〜。
途中なのに感想いただきましてありがとうございました。
さっきまでAT−Xで第四期・第1話の再放送してましたね。
>>77さん。
実は17歳は考えてました。
「〜天才少女ってお歳じゃございませんでしょう」
「何言ってるの。 私は永遠の17歳なので〜す」
し〜ん
「ちょ、ちょっと。 そこは「おいおい」でしょう」
とか考えてたんですけど、ちょっとアレなんで止めました。
同時に小ワルの「にゃ〜の」とか大ワルに「和人様… マナが…… マナが足りません。 マナが欲しいの」とかもボツにしました。
80 :
七村秋菜です:2007/04/10(火) 22:44:51 ID:FfMHqbtH
さて、最後をいかせてもらいますね。
それにしても……
あ〜あ〜…… うん。
発声練習終了。
では。
びくん!
耳元で囁かれたら体が反応してしまった。
ハイドラはそれを見逃さず、耳元で囁き続ける。
「そう…… おめぇは何もしなくていいんだぜ。 オレに任せてりゃいい……」
(な、何? ハイドラったら妙に慣れてるわね)
その時は、まだそんなふうに考える余裕があった。
でも……
「っ!」
耳たぶを噛まれ
「あっ……」
縁に沿うように舌が這い回り、同時に手がスウェットの中に潜り込んで来ると、余裕は無くなった。
手首を使ってたくし上げ、上半身が露になる。
「や、やだ……」
つい声を出してしまう。
(自分でもあまり見たくないのに)
ハイドラの指がお腹から胸までなぞるように動く。
胸の膨らみに達しかけた所で引き返し、またお腹へ。
そこから手の平を返して爪で触れるか触れないか、微妙なタッチでまた胸へ……
「ひゃっ!」
首筋に唇のにゅるっとした感触が走り、さらに声が出てしまった。
そして、唇の隙間からヌメった舌が現れ、首筋をチロチロと這い回る。
「秋菜、我慢しないで、もっと声を出してもいいんだぜ」
意地悪く言うハイドラの言葉に抵抗するように両手で口を覆う。
しかし、ハイドラはそれを見てニンマリと笑みを浮かべて愛撫を再開したのだった。
胸の片方の膨らみを指で、そしてもう片方は舌で……
それでも膨らみをなぞり、乳輪との境をなぞるだけで、まだ和人にしか触らせた事も舐めさせた事もない乳首には決して触れてこなかった。
じっくりと… 時にはあっさりと周囲をなぞるだけ。
「ふぅ、ふぅ… ふっ」
口を押さえている両手の隙間から少し苦しげな、切なげな吐息が漏れ出す。
それでもハイドラは膨らみの中心に指も舌も進ませなかった。
(やだ。 もう、意地悪しないでよ!)
ハイドラの指や舌が乳首に触れないじれったさに、体を捩る。
膨らみの中心への愛撫を要求するように、体をズラして指や舌を招きいれようとするが、ハイドラは巧みにそれをかわすのだった。
うっすら目を開けるとハイドラがニンマリとして見ていた。
まるで
(お見通しだぜ)
とでも言わんばかりに……
心の中を読まれたようで、羞恥心が一気に昂まりまたぎゅっと目を閉じた。
(!)
空いてる手で秋菜の両手をどける。
咄嗟に口を閉じて耐える仕草をしてしまう。
指が、もうぷっくりと膨らんでいる乳輪をなぞるも、まだ中心には来ない。
(やだっやだってばぁ)
閉じられた目から涙が滲み出し顔を伝って枕に落ちる。
その時、ハイドラの唇が秋菜の唇に重なった。
(んっ!)
それでも、指が意地悪く乳輪の周囲とお腹やわき腹を行き来するだけで、肝心な部分へは来ない。
ハイドラの舌が秋菜の閉じられた口を、解すように広げた。
ちゃぷっ……
舌と舌が触れ、粘っこい音が明かりのない部屋に響く。
ハイドラが舌を動かす度、秋菜の口にはシャンパンの甘く、少し苦い香りが広がった。
まだ焦らし続ける
(やだぁ、もうやだぁ。 ハイドラのバカぁっ)
欲求が暴発しそうになる絶妙のタイミングでハイドラを顔を離した。
口が開いてしまってる秋菜は堪える事が出来ず、要求の言葉を叫んでしまった。
「やだよぅ。 もっと、ちゃんとしてよ!」
ハイドラの罠に引っかかってしまった秋菜。
それを待ってたように
「フフフ、すまねぇな……」
秋菜に再びキスをした。
「んんっ!」
今度こそハイドラの指が固く突き立っている乳首を捕らえると、体をビクンと震わせ、口を塞がれてる為、声にならない声を出した。
親指と人差し指の腹でさすり、やや強めに摘み上げると秋菜の体が断続的に痙攣する。
「ぷはっ、はぁ… はぁ…… あっああんっ」
苦しそうにハイドラの顔をどけて息をしようとしたら声まで出てしまった。
ハイドラも顔をズラしてもう片方の乳首に吸い付くと、思いっきり強く吸ったと思うと、顔を上げ、秋菜の膨らみを精一杯引っ張るとパッと離す行為を続けた。
乳首を弄っていた指は下腹部を通って、粘り気のある蜜で、しっとりと湿っている部分にたどり着いた。
一方、今度は膨らみ全体を口に含み、舌で弾くように乳首をいたぶる。
手は馴れた様子で、それほど生えてない陰毛を掻き分け、処女を卒業して間が無い粘膜に忍び込む。
にゅるっ!
生暖かいヌメリを味わうように指を動かし、蜜を纏わせると、控えめなクリトリスを覆う包皮の両側から2本の指で摘み、ゆっくりと扱き上げた。
「あっあっあっ……」
指の動きに合わせて声が出る。
まだ慣れてなかった和人では思いもつかなかった愛撫に秋菜も抵抗する術が無く、ただ声を出す事しか出来なかった。
その間も舌は乳首を弾き続け、2重の刺激に耐えられそうになかった。
「ああっ… ハイドラぁ。 だ、ダメぇっ」
秋菜の声を聞くと、口を反対側の胸に移し、今まで舐めていたヌメった乳首はもう片方の手で弄り出した。
「あぁ〜っ、ダメ… ダメ… いやぁぁ……」
両方の乳首とクリトリスを同時に責められ秋菜は呆気なく体をガクガクと痙攣させ、数回の痙攣の最後に体がぎゅっと強張ると、後は一気に力が抜けたようにグッタリとなってしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
せわしく息を吐き出す秋菜を見下ろしながら
「秋菜にコレをやるにはちょっと早過ぎたかな?」
滲む涙が溢れ、だらしなく涎を流してる秋菜を見て満足そうに呟いた。
「でも、まだまだだぜ。 オレにも楽しませてくれよ、子ネコちゃん」
まだ息の荒い秋菜の下半身に割り込むと、両手で太ももに手をかけてグイっと開いた。
「まっ、待って…… 少し…… 私、まだ……」
「ダメだぜ、このまま一気に昇りつめさせてやるからよ」
陰唇に両方の親指を当て拡げる。
(ん? こいつまさか……)
膣口の開き具合を見て思った。
処女だと思っていた秋菜が、そうで無いと感じた。
まだ回数的には多くないだろうが、処女の固い感じの膣口とは違う。
それでもまだ確証はなかった。
ヌラヌラと月明かりに光る蜜を舐め取るように舌で掬い、ねぶる。
震えるように鞘の中に納まってるクリトリスの包皮を剥き、露出させると、舌で舐める。
「んあうっ」
先程と変わらない位に体を弾かせで喘いだ。
包皮の上部を親指と人差し指で摘んで刺激し、舌でクリトリスを刺激すると、少しぬるく生臭い秋菜の匂いがハイドラの鼻腔に拡がった。
透明な蜜がいつしか白濁した、より粘り気の強い汁になり、口の中でも唾液に溶けないものに変わる。
顔を離して見てみると、膣口がまだ未熟ながらもポッカリと開いていて、その奥から、咽かえるようなより一層濃い匂いが立ち込めた。
人差し指に粘液を纏わりつかせると、ゆっくりと膣口にあてがい、少し力を入れると、ニュルリと飲み込まれて行った。
その感触に
(間違いねぇ、秋菜は……)
秋菜が処女で無いことを実感した。
「うっうんっ……」
それでもまだ少しキツいらしく、眉をしかめている所を見ると、その膣が使われた事は大した数ではないだろう。
それとも、オナニーをしている時に誤って指か、何かを挿入してしまった程度だろうか?
そんな事を考えながら、ゆっくりと指を出し入れした。
人差し指を引き抜き、中指にも愛液を塗りつけて、今度は2本同時に入れてみる。
「んっ……」
やはり少しキツそうだが、すんなりと入る。
(指より太いモンがココに入った事は間違いなさそうだな……)
これでハイドラは自分の推理が正しい事を悟った。
だが、また使い慣れてない膣の内部はそれほど気持ち良くはないのだろう。
クリトリスのような反応はない。
それでも、白濁した汁が後から後から膣中から溢れて来ている。
左手でクリトリスの包皮を摘み、舌で刺激し、右手の人差し指と中指で膣をかき回すと、秋菜はシーツを掴んで快感を受け止めた。
「あうっ、ああ〜んっ」
クリトリスを口で含んで強く吸うと大きな声を上げ、刺激から逃げるように体を捩る。
だが、ハイドラも合わせて逃がさないように愛撫を続けると、電気ショックでも受けてるようにガクガクと痙攣し始めた。
もう、意識は殆どないのか、反射的に声が出ている感じで、ハイドラの名前が呼ばれる事も無い。
舌と指の動きを速めると、秋菜に声も痙攣も断続的に、早くなり、僅かに見えるお尻の肛門がキュッキュッと締まるのに合わせて、指が出入りしている膣も収縮を始めた。
「あっかはっ…… うくっ……… あぁぁ〜っ。 和人ぉっ!」
最後にひときわ大きな声らしい声を出し、ブルブル体を震わせ、やがて小刻みな痙攣に変わると大きく息をした。
「くっううっ……ん」
最後に大きく息を吐き出すと、今度こそグッタリとなって、何の反応も示さなくなった。
「……」
ハイドラが指を引き抜いても秋菜の反応はない。
処女を卒業したばかりの秋菜には刺激が強過ぎたのか、安全装置が働いたように、意識を失ったのだった。
「「和人」……っか。 すまねえなぁ、オレは和人にはなれねぇや。 それに地球人の和人をおめぇからとっちまったのもオレと同じヴァルハラ人だしよ。 しかもオレと同じ皇女が……」
そのまま眠ってしまった秋菜から返事が無いのを知りつつ、布団をかけてやりながら語りかけた。
部屋を出てシャワーを浴びるハイドラ。
体を流しなら
「でもよぉ、秋菜。 ワルキューレよりおめぇの方がチャンスは多かったはずだぜ。 決める時決めないとこうなっちまうんだよなぁ。 決定力の差ってワケじゃねぇだろうけどな……」
「まあ、こんなこたぁ秋菜には言えねぇし、あいつもそれは解っちゃいるんだろうけどよ…… オレもツライぜ」
シャワーから出ると残っていたシャンパンをグラスに注ぐ。
明かりにかざして
「全くよぉ、秋菜にこんな思いさせちまったんだから、絶対に幸せにならねぇとオレは承知しねぇぞ、ワルキューレ…… そして和人よぉ。 おめぇらの輝ける未来に、秋菜の輝ける未来に乾杯だ」
一気に飲んだ。
長い長い1日が過ぎた……
朝を過ぎ昼前になろうかという時間。
眩しい日の光で起こされた秋菜。
(ん?…… あれ?…… あっ、朝かぁ)
時計を見ると11時を回っていた。
(ありゃ、もう昼だ。 ……痛っ! う〜頭がガンガンする)
(そうか。 昨日シャンパン飲んだから…… ん?)
「!」
(な、何で? 何で私裸なの?)
「う〜〜〜ん……」
二日酔いの頭で必死に昨夜の事を思い出そうとする。
(そうだ! あれからハイドラと……)
「いや待てよ」
独り言をいい、そんなハズは無いと言い聞かせる。
(でも、夢にしては生々しいのよねぇ。 っ!)
あまりの頭痛のおかげで記憶が鮮明に戻った。
「そうだ!」
(やっぱり、ハイドラと…… したんだ)
布団の隙間からハイドラの唾の匂いがし、丁度股間があたる部分が湿っていて、いやがおうにも昨夜の記憶を鮮明にさせたのだった。
シャワーを浴びたかった。
頭がガンガンするし、体がベタつく。
ボケた頭をスッキリさせたい……
ベッドを出て階段を降りるとリビングからTVの声が聞こえる。
ハイドラはもう起きてTVを見てるのだろう。
顔を合わせづらかったが
「おう、起きたのか?」
ハイドラの方から声がかけられた。
「お、おはよう……」
返事だけをすると逃げるようにバスルームへ駆け込んだ。
どきどきどきどき……
(あ〜。 あせったぁ)
手早くスウェットを脱ぐと中に入った。
少し熱めのシャワーを頭から浴びる。
お湯が肌から染み込むような感覚……
ここ数日のヴァルハラ神事の稽古と昨日の儀式で、疲れ果てていた体の内面からシャワーのお湯を吸収しているようだった。
髪だけ洗い、体は流すだけにして出た。
バスタオルを体に巻き付けてリビングに行く。
今度は不思議とハイドラの顔が見れた。
でも、何か話し掛けようとしたが言葉は出ず、どうしようか迷ってるうちにTVが昨日の和人とワルキューレの話題になっていた。
「ったくよう、朝からこの話ばっかりだぜ。 もう飽きちまったよ」
ハイドラがぼやきながら、ワルキューレが2人の為に作ったケーキをナイフで切るわけでもなく、フォークで削るようにして食べていた。
「あんたねぇ、ちゃんと切ってから食べなさいよ」
一応注意してみるが
「いいじゃねぇかよ。 切った所で美味くなるワケじゃあるめぇし」
実にハイドラらしい答えが返ってきた。
髪を乾かし、シャツを着るとハイドラの向かいに座った。
「それ、ワルキューレが作ったんでしょ? 美味しい?」
お腹が減ってきたので、美味そうに見えた。
「ああ。 面白くねぇほど普通のケーキだ。 あいつ(ワルキューレ)にしてみりゃ上出来だがな。 もしかしたら和人が作ったヤツだったりしてな? あいつは料理も得意だし」
でもそんな事はないだろう。
式場から帰る時の自信の裏付けともとれるワルキューレの態度。
自分と和人が逢瀬を重ねている時、悲しみと屈辱に耐えて和人の妻になる為に練習してたのだ。
これこそ自分の息の根を止める一撃なのかもしれない。
(「私はここまで出来る様になりましたよ」)
と。
(んふふ。 ダメだなぁ、私。 ワルキューレも頑張って、努力して…… それで和人がワルキューレを選んだんだから。 今度会ったらちゃんと祝福してあげよう)
「そうか、じゃあ、私も食べようかな」
秋菜もナイフを使わず、フォークだけで食べ始めた。
その間もニュース番組からワイドショーまで昨日の結婚式の話題一色。
しかし、当事者の秋菜は辺りを見渡す余裕も無かったので、初めて見たと思える映像も多くあった。
「こうやって見ると……」
「ん?」
「ワルキューレ、キレイねぇ」
「やっぱり悔しいのか?」
「まさか。 ここまで差があると嫉妬するのもバカらしいわよ」
ケーキを食べながらフォークをクルクル回して、白旗を揚げた秋菜だった。
ハイドラは自分と秋菜の為に昨夜飲まなかったジンジャーエールを冷蔵庫から出して来た。
「ほらよ」
テーブルに置く。 さらに
「そういうおめぇも夕べは可愛かったぜ」
何とハイドラから昨夜の話を降ってきた。
「ぶっ!」
ジンジャーエールを噴出す秋菜。
「あ、あんたねぇ」
顔を真っ赤にして突っかかる秋菜に
(良かった。 秋菜のやつ、少しは吹っ切れたみてぇだな)
少し安心した。
「おめぇも、いつもああなら可愛いんだけどよぉ」
からかうハイドラ
「ふっふざけるんじゃないわよ! あ、アレは… その……」
「まあ、良いじゃねぇか。 オレもそういつもするわけじゃねぇし、おめぇもオレが初めてじゃ無かったみたいだし」
「そう…… やっぱり解っちゃったんだ……」
「まあな」
「そう、私は… 神に仕える処女(おとめ)じゃなかったのよ」
「良いんじゃねぇか、別に。 ヴァルハラ神事を司る巫女は処女でなくてはならないって決まりはねぇんだし……」
「ハイドラ、聞いて!」
フォークを置いて秋菜がハイドラの言葉を遮る
「ん? どした?」
いつもと変わらないハイドラの返事を聞き、深呼吸して語りだした。
「私の…… 私の初めてはね」
決意の言葉だったが
「言わなくて良いよ。 言って何になる?」
ハイドラの言葉は冷静だった。
「で、でも……」
「それに聞かなくても誰だかぐれぇは解るしな」
「でもよ…… ワルキューレだけには言ってくれるなよ」
秋菜の方を向き直って言った。
しかし
「ううん。 もう知ってたみたい……」
「!」
一瞬言葉に詰まったが
「そうか…… 知ってたのか。 あいつ… ああ見えて結構強いんだなぁ」
しみじみ言うと
「そうね……」
秋菜もしみじみ呟いた。
「ところで」
「今度は何だよ?」
「夕べの事だけど……」
「な、なな……」
今度はハイドラがうろたえる。
「あんた随分慣れてたわねぇ」
ケーキを食べながら、横目で睨む。
「だ、だ、だから言ったじゃねぇか。 女子高だったし、あの頃はモテたんだってば」
「ふ〜ん…… 女子高でモテたらあんな事覚えるんだぁ」
「いや、あの… だな。 ま、まぁ… そのいろいろあったんだよ!」
すっかり狼狽してる様子が可笑しかった。
「ファムさんもそうだけど、学園惑星ってそんな所なの?」
少しマジメに聞いてみた。
「バカ野郎。 ファムは特別なんだよ」
「特別?」
「ああ、あいつにかかったらオレなんて…… あいつこそ女子専門だからな」
昨夜、ハイドラに刻み込まれた強烈な快感を思い出し、ファムがそれ以上と聞いて、背筋に冷たいものを感じた秋菜だった。
「オレに懐いてた後輩もファムにかかっちまったらイチコロだったからなぁ」
「そんなに……」
少しはソノ気を見せ、それでも何食わぬ顔で教壇に立つファム。
真田さんの話とかからも、それっぽい話が聞こえたが、まさかそこまでとは。
「だからよ。 おめぇも学校では注意しろよ」
ハイドラの言葉が冗談には聞こえなかった。
その時TVでは和人とワルキューレが今日、新婚旅行に出発する事を報じ、宇宙港の前でレポーターが何やら喋っていた。
さらに玄関のチャイムが鳴った。
返事をする前に玄関が開き
「ハイドラ様、やっぱりまだ、こちらにおられたのですね。」
半ば呆れた表情で猫耳の侍女が溜息混じりに言ってるのがリビングまで聞こえた。
「あ〜〜〜っ! すっかり忘れてたぜ。 すまねぇ、直ぐ行く」
慌てて引き返してくるハイドラに一礼すると侍女は帰った。
「おい、秋菜。 すっかり忘れてたけど、今日あいつら新婚旅行に行くんだってよ」
「今TVでやってるわよ」
「それでよ、オレ、見送りに行くのを忘れてたぜ」
「バカねぇ。 でも今から用意するんだったら、私も行くわ」
立ち上がってフォークをグラスを台所に置くと部屋に戻った。
「良いのかよ?」
「……うん。 今なら素直に「おめでとう」って言える気がするから」
「そうか…… でも急げよ!」
ハイドラが部屋に駆け込んだ。
秋菜もフォーマルな服装に着替えるとハイドラも正装に着替えていた。
「秋菜、捕まれ」
差し出された手を掴むと、ハイドラは浮かび上がり一気に速度を速めて宇宙港へ向う。
宇宙港の周囲は厳重な警戒で、入場も激しく制限されている。
「おい、すまねぇ。 ちょっとどいてくれ」
人ごみをかき分けると、TV局のレポーターが見つけ
「あっハイドラ皇女、如何ですか、ご親族としてワルキューレ皇女殿下の結婚について……」
「何か一言ください」
たちまち人だかりになってしまった。
その様子を見たイナルバが側近に何か告げると、警備の者が来て、人ごみをかき分けると、秋菜とハイドラを通した。
「遅いですわよ、ハイドラ」
イナルバが苦々しく言う。
「すまねぇ」
それだけ言うとメームが制し
「秋菜様、昨日は本当にありがとうございました。 今日もお見送りに来ていただいて……」
改めて頭を下げた。
「いえ……」
「あっ和人様とワルキューレお姉様ですわ」
本来なら軽装で出発するのだが、マスコミが多数おしかけてるので、ドレス姿のワルキューレをスーツ姿の和人がエスコートする形で現れた。
取材陣との距離は20m以上離れてるがライトを向けられ、フラッシュが一斉にたかれた。
皇女達の会話はマイクで拾われる事はないが、全員少し声を潜めて話す事になってしまった。
「婿殿、ワルキューレをよろしくお願いします」
メームが言葉を贈り
「ワルキューレ、貴方はもう妻なのですから、しっかりと婿殿をお助けするのですよ」
イナルバが注意を則した。
「はい」×2
「2人共、昨日は良く眠れたか?」
ネスティが半分冷やかすように言うと
「そんなワケございませんですわよ。 もう憚る事なくヤれるようになったのですから。 ねぇワルキューレお姉様?」
ライネもニヤリとして2人を見る。
「貴方ねぇ」
ファムがライネを咎めるように言うが、その目はニヤついており、その視線に新婚の2人は俯くだけだった。
「和人さん、ヒマだったらこれでも見て」
コーラスが包みを渡す。
「何それ?」
リカが訊ねると
「うん、DVD。 向こうにつくまでヒマだといけないから」
「何のDVDなのですか?」
イナルバも興味を示したが
「金色夜叉」
コーラスが答えると
「縁起でもない! これは没収します」
イナルバに没収されてしまった。
「あっあたくしもお2人にプレゼントを用意してましてよ」
ライネは紙袋をそれぞれ渡した。
中を開け絶句する2人。
「何ですか?」
メームがどちらともなく聞く
「あ、あの……」
ワルキューレが答えに窮していると
「和人様…… もう義兄様ですわね。 義兄様には新婚旅行の必需品「赤まむしドリンク」ですわ。 お土産は結構でございますから、ハネムーンベビーを期待しておりますわよ」
ライネが得意そうに言うのを聞いて
「あら、ライネにしては随分と…… その良い事を言いますわね」
メームが扇子で口元を隠しながら言う。
「コホン。 そうですわね慶事は早くて困る事はありませんから」
イナルバも同意したようだった。
「それで、ワルキューレの方は何が?」
ネスティが聞くと
「やはり新婚旅行の必需品。 コンドームだったりするワケですわ。 薄さ0.02mmバツグンの着け心地サ○ミオリジナルです事よ」
「お、恐れながらライネ様。 それでは意味が無いのでは?」
真田さんがズッコケそうになりながら物申した。
「ですからぁ、ちゃんと針で穴を開けてございますから、心配には及びませんわ」
「それこそ全く意味がない」
リカも呆れている。
「皆さん、ダメですわねぇ。 コンドーム。「今度産む」つまりは今回赤ちゃんが授かるように願いをこめての品です事よ」
「モノは言いようだな」
ネスティも思わず苦笑い。
ハイドラが2人の前に出た。
「和人、ワルキューレ…… おめぇら、ちゃんと幸せになれよ」
「うん、ありがとう」
「ありがとうハイドラ」
皆の視線が秋菜に集中した。
しかし、ワルキューレは秋菜と目が合うと、急に和人と腕を絡め、ピッタリと寄り添った。
(ムカッ! …… ううん、いいのよ、ここはちゃんとお祝いしてあげなきゃ)
気を取り直して
「和人、ワルキューレおめでとう。 幸せにね」
秋菜の言葉が終わると、和人よりもワルキューレが先に口を開いた。
「はい。 絶対に絶対に…… 絶対に幸せになります」
その後、秋菜の耳元で
(「秋菜様の分まで……」)
とつけ加えた。
(ムキーっ!)
ヴァルハラ皇家の専用機の準備が出来、2人が機内に消えた。
一段と甲高いエンジン音がするとゆっくりと上昇を始める。
ネスティが指示を出し、護衛の艦がランデブーをし、はるか下の報道陣やワルキューレを一目見ようと訪れた観客から万歳と拍手がまきおこる中、いったいいくつつけたのか、無数のワイヤーにぶら下げられた空き缶をカラカラ鳴らしながら旅立った。
「行っちまったなぁ」
ハイドラの言葉を皮切りにロビーに戻る一同。
ロビーを出るとまたもや報道陣が待ち構えていた。
メームが会見を行う手はずになっていたからで、
「オレ達にゃ関係ねぇよな」
とハイドラと帰る事にしたのだった。
数日後、いつもの日常が始まり、秋菜は学校に行く。
しかし、教室では和人の席は空いたまま。
まだ新婚旅行から帰ってきてないからで、その間の学校からの連絡事項や課題は秋菜が預かっていた。
(今日は、和人達帰って来る日なのよね。 連絡とか課題とかあるけど明日でいっか)
七孤神社に帰って境内をほうきで掃く。
夕食の準備をしているとTVでは和人とワルキューレが帰ってきた事がニュースになっていた。
次の日の夜。
秋菜は連絡事項と課題について知らせるべく時乃湯に電話をかけた。
(何かワルキューレとは話しづらいからなぁ。 真田さんかリカちゃんあたりが出てくれるといいんだけど……)
しかしそんな時に限って
「はい、時野でございます」
やっぱりワルキューレが受話器を取ったようだった。
(はぁ……)
心の中で溜息をつくと
「あ、あの…… 和人…さんいます?」
今まで通り「和人」でいい気もしたが、何せ相手は和人の妻。
(こ、これ位は気を使わないとね)
とか思ったのだが……
「あっ秋菜様、和人さ…… じゃなかった。 コホン、いつも主人がお世話になってま〜す。 少々お待ちくださいね。 (「和人ぉ、秋菜様からお電話ですよ」)」
(かっち〜ん! あ〜んど むっか〜!!! ワザとだ。 絶対にワザと言い直した。 何が「主人がお世話になってま〜す」よ。 さらに絶対ワザと聞こえるように言ってる。 あんのヤロ〜!)
怒りに震える中、なんとか用件を告げると
ガチャ!
手荒に受話器を置いた。
「おい、どうしたんだ? 何かあったのか?」
ただならぬ雰囲気にハイドラが訊ねる。
「ちっくしょ〜! 何が「いつも主人がお世話になってま〜す」よ。 ふざけんじゃないわよ!」
「おっおい?」
「何が「和人ぉお電話ですわよぉ」よ。 気持ち悪い猫なで声出しちゃって。 バカにするんじゃないわよ!」
「あ、秋菜さん?」
ハイドラが不安になって声をかけるが
「ん?」
「ひぃっ」
秋菜に睨みに怯むハイドラ。
「ふざけるなぁっ! 和人のバカ! ワルキューレのバカぁ!!!」
「ハイドラ!」
「な、何でございましょう秋菜様?」
怯えるハイドラを横目に、秋菜がリモコンのスイッチを押した。
ズィ〜ム……
「ま、また…… カ、カ、カラオケかよ。 おい!」
「そうよ。 今日は徹底的に歌うわよ。 良いわね!」
「冗談じゃねえぜ!」
「うるさいわねぇ。 もう決まったの! あんたも歌いなさいよ」
「ふざけるなぁ〜!」
こうして秋菜の「失恋ヤケクソ・オン・ステージ」(ハートブレイク・ライブ)は朝まで続いたのでした。
37th 「秋菜のハートブレイク・ライブ」・・・・・・おしまい。
91 :
秋菜&ハイドラ:2007/04/10(火) 23:10:06 ID:FfMHqbtH
秋菜 「あ〜歌った、歌った」
ハイ 「冗談じゃねぇよ」
秋菜 「それにしても……」
ハイ 「どした?」
秋菜 「何か、私の話なのにさぁ、あんた目立ってない?」
ハイ 「そりゃ、おめぇ。 オレだってやる時きゃぁやるって事じゃねぇか」
秋菜 「そう考えると、私ってホントに不幸よね」
ハイ 「やっぱり、歌がマズいんじゃね〜か?」
秋菜 「じぃ〜」
ハイ 「い、いえ。 秋菜さんの歌は素晴らしいですわね。 オホホ」
秋菜 「はいはい。 もういいわよ。 それじゃ、皆様、またの機会に」
ハイ 「あるならな」(ボソッ)
秋菜 「そんなに歌って欲しいの?」(ヒクヒク)
ハイ 「い、いえ、とんでもございませんわ。 で、ではまた〜」
92 :
前・359:2007/04/10(火) 23:13:24 ID:FfMHqbtH
あの〜。
これとその前から復帰させていただきましたが、1レスの長さとか、1行の長さが長過ぎるとかないですかね?
まだちょっと感覚が戻らなくて。
読みづらかったら一言お願いします。
ではまた。
93 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 23:47:01 ID:WOnMsoqJ
GJ!!
面白かったです〜。
38thの製作にも期待していいですか?
乙の三乗
GJ!! エロいところはエロいし、笑えるところはしっかり笑える良い作品だと思いました。
それで、その…出来れば和人とワルキューレの初夜の話も読みたいなあとか思っちゃったりしたんですが…。
96 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 11:31:14 ID:CwqGD4FF
95と同じ意見です。
GJ!
相変わらず深いですね
この終わり方がベストだと思います
せつない系にすると秋菜が救われないですから
ところで
>>95とか
>>96は新しい読み手なのかな?
初夜つーか、初体験モノなら前にあったよ
もの凄い作品だった
個人的には氏の作品のなかでもベスト3にはいると思ったやつだけど
それと特に理由がないならsageてくれないか
sageときます
>>97 それは是非、読んで見たいですね
99 :
前・389:2007/04/11(水) 23:55:48 ID:ZLgL1N3p
GOOD JOBですよ
秋ドラコンビ、良かったよ
ライネの駄洒落に満へぇ
そういえば、今回の作品のワルキューレは、和人に対する独占的な態度を、秋菜に見せ付けていた感じがしたのですが・・・
秋菜が主役だったので、秋菜目線を意識していたのですか?
オレもそう思った
ちょっとヤな姫様に見えた
ちょっとヤな姫様
だが、そこがいい
女なんて多かれ少なかれあんな感じで黒いんだよw
また作品投下してくれる人が現れるまで
目につきやすいようにageといた方がいいか?
え〜と、感想いただきましてありがとうございました。
2人の初めての話は12番目の作品で
「Agape 〜永遠の愛をあなたに〜」
という名前の作品でした。
その前11番目の作品がエイプリルフールの話でしたので、ちょうど1年位前に書いたと思います。
4スレからは残ってますが、これは3スレに投下したので、手元にはありません。
何か方法を使えば過去スレが見れるようですので、興味がある方は見て下さい。
ここからは興味無い方にはウザいと感じる蛇足的解説&言い訳ですので、いやな方はスルーしてください。
>>前・389さん、他の皆様。
この3部作は秋菜視点ですので、おっしゃるようにワルキューレが「いやな女」に映るように書きました。
でもそれだけではないです。
実は、この3作には裏の作品があり、そっちはワルキューレの視点です。
それとミックスしました。
ワルキューレにも言い分があります。
和人の過去を知ってる秋菜にコンプレックスを持ってます。
努力ではいかんともしがたい事情で、その秋菜と学校という、これまた、皇女である自分にもなんともならない、言わば治外法権の場所で逢瀬を重ねてる。
しかも、結婚を間近に控えてるのに。 ワルキューレにとっては地団駄踏みそうな位悔しい事です。
自分の手の届かない所で、自分の知らない和人を知ってる秋菜に盗られたように感じます。
その事を秋菜にも和人にも言えない。
2人の行為を見た後、その事実を自分の胸にしまい込んで、家事の修業に打ち込みます。
(結婚したら和人は自分だけのものになる)
と信じて。
秋菜視点ですので、修業の描写は入れませんでしたが、料理の練習でタマネギを切るシーンがあります。
悔しさと不慣れから、力が入ってしまい、目に沁みます。
そのせいで指を切ってしまう。
目が痛く涙が出て、切った指も痛い。
さらに、自分がこんな思いしてるのに、和人と秋菜は逢引してる。
その悔しさから、泣き崩れてしまう。
それでも、「厳しく指導せよ」とワルキューレに厳命された真田さんが、いつもなら
「大丈夫でございますか?」
とか心配するのに、主君の命令を守る為、心を鬼にして「泣いてるヒマがあったら練習しなさい」と厳しく接する。
いくら人の出来た皇女とはいえ18歳の少女。
聖人君子でないとダメな皇女でも、少女らしく感情的にもなります。
だから、七孤神社に挨拶に行った時、指輪を見せつけたりして、「仕返し」をしたのです。
そして、披露宴で秋菜が早退する時に、貴方は自分の知らない和人を知ってるけど、これからは自分だけとの時間を刻んで行きます。
と事実上の勝利宣言をして、ワルキューレの「仕返し」は終わり。
途中、秋菜がメームやイナルバの言動に「被害妄想はダメ」と思ってたけど、少しは当たってます。
メーム、イナルバからすれば
「幼馴染ですが、今日からはヴァルハラの婿ですから、配慮してくださいね」
程度の意味合いですが。
ですが、ハネムーンに出発する時のやり取りは、ワルキューレが嬉しさから出た言葉です。
今まで和人と2人きりになる事は無かった。
家ではリカや真田さんがいて、ゴーストの時も、小惑星を買った話も、何より第一期の最終話でヴァルハラ皇宮で和人をサポートして障害を突破したのが他ならぬ秋菜。
地球人なのに、宇宙まで和人にくっついてきた秋菜にジェラシーを感じてました。
でもハネムーンはワルキューレが和人と出会って以来初めての、完全な「2人きり」
その嬉しさから(今度は私が和人と2人きりの時間を過ごします。やったぁ!)程度の認識でした。
披露宴での言葉で、ワルキューレは過去を清算して、秋菜への嫉妬は無くなってます。
(これからは和人と自分の人生・時間だ)
と前向きに考え、ネガティブな感情は無く、嬉しさからはしゃいでしまった。
でも、結果的に和人と結ばれたものの、恋人と言う立場まで至らなかった秋菜にはカチンと来たのです。
さらに電話でのやり取りも完全に秋菜の被害妄想です。
コーラスにアニメ、真田さんと昼間に見たドラマとかで、「主人がお世話になってます」と言うフレーズを聞いて
「いつか使いたい」
と思ってたと設定してます。
結婚式とハネムーンでバタバタしてて忘れてましたが、秋菜からの電話で咄嗟に思い出し
(あっ! そうだ忘れてた。 あのフレーズを……)
と言う事で
「コホン、いつも主人がお世話になってま〜す」
と秋菜から見ればワザと言い直したように思えた。
ワルキューレにとっては「和人の妻」という現実と幸福に酔いしれる一言で
秋菜にとっては「やっと塞がりかけた傷口に塩どころかタバスコを塗りつけられた」と思える一言でした。
その被害妄想から生じた怒りのとばっちりを受けたのがハイドラだった。
秋菜が自分で「被害妄想は良く無い」と思ってた事は実は被害妄想では無かった。
反対に、「ワザとやった(言った)」と思ってた事が被害妄想だった。
と言うのが、この3部作、特に最終話の真相だったりします。
イスラムから見ればアメリカが悪で、アメリカから見ればイスラムが悪。
正義とは人によって違い、人の数だけ正義は存在し、1つの事実も見る人の数だけ、感じ方がある。
とか思って話を創りました。
前・389さんは覚えておられるかもしれませんが、メームの話の後2週間ほどお休みをいただきましたが、その時に考えたプロットだったりします。
それで昨年末にケガしたのと、ポカして休んでた間に練り直してこの形にしました。
しかし、長くなり過ぎるのと、ワルキューレ視点の描写は極力カットしたので、解りづらくなってしまったかもしれませんね。
表現力を含めた文章力をもうちょっとつけないとダメですね。
そこはこれからも精進していきたいと思ってます。
ではまた。
>>105.106
解説読みました。
氏はキャラの心理を多角的に見て、シナリオを書いて
いらっしゃるのですね。
感服致しました。
氏のその過去の作品群、ビューアを購入してでも是非読んでみたいと
思いました。
>>107さん。
ワタクシめは前・359と申します。 御見知りおきを。
いつも早いレスいただいてる方でしょうか?
ありがとうございます。
それにしても…… うわっ早っ!
たま〜にするんですよ。
投下しない裏の作品を頭の中で創って表裏一体みたいにするやり方。
とは言え、真田さんのシリーズを含め数本しかないですが。
それにヒマがある時限定ですし。
それと、過去の作品ですが、その…… 結構、誤字脱字が多いかもしれません。
>>107 保管庫とか詳しい?
詳しくて過去スレ見るんだったら保管庫つくるか申し込むのか知らないけどやってくれない?
誰も知ってる人いなくて更新できてないから
恐縮ですが、別板で書いたSSの設定を持ち出してもかまいませんか?
もちろん大歓迎です〜
保守
投下町
捕手
115 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:07:51 ID:OcDgx8z5
保守age
とある未来。
ついに結婚した和人とワルキューレ。
だが、いつも和人にべったりだったかわいい恋人のワルキューレはもういない。
今、時野家にいるのはかず君(仮名)のママのワルキューレさんであり、そこに和人に依存しまくってた精神年齢年下の姉さん女房は存在しなかった。
ワルキューレは息子のかず君(仮名)に夢中であり、夫である和人とはすでに冷め切っていた。
愛情がなくなったわけではない。
恋人同士のそれが家族間のそれへと変わり、息子への愛情が更にそれを上回っただけだった。
まだ若い和人は、妻を抱きたくて仕方がないのだが、妻はかわいい息子といつも一緒の布団で寝ている。
母の過剰なまでの母性愛に包まれて育った息子は3歳になった今も、乳離れが出来ておらず、今も布団の中で母の乳を吸いながら寝ている。
和人はそんな妻と息子の様子を薄目で見ながら、思考する。
もし、息子でなく娘が生まれていたならばどうだっただろうか・・・。
パパ、パパとじゃれ付いて甘えてくる幼いワるきゅーレ似の娘に妻がやきもちを焼いたりするようなほのぼのとした風景があったのではないだろうか・・・。
ふとそんな事を考える和人。
そして気づく。
息子が憎い・・・。
こうして、大人になりきれない父親による幼児虐待が始まるのだった・・・。
甜菜イクナイ
まぁこのスレ的には真田さんやライネが代わりになってくれるから
>>116を見て
ワルキューレの過剰な母性愛により、乳離れが出来ず布団の中で乳を吸いながら寝ている和人を妄想した
もといそんなSSを読みたいと思ってしまった俺は
イナルバ様にお仕置きされるべきですか?
ほーしゅ
にゃんぱらりー
朝保守
ssmada-?
125 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 07:54:01 ID:zSZ812AT
干し湯
126 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 00:12:36 ID:45iCZbZ9
夜保守
U−1か・・
129 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 16:59:36 ID:S9COrd2S
何でもいいよーん
130 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/23(月) 20:23:23 ID:H8x3Jn8j
人いねー
いるにはいるんですけどね。
話が投下されるかどうか解らないので、待機中ですけど。
最近、ワルキューレ不足だ
では数日中にその方向で。
でも、いつものように投下されたら延期させてもらいます。
134 :
名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 22:31:30 ID:zm2/ud28
職人降臨マダー?
135 :
127:2007/04/25(水) 00:06:02 ID:QZOIuK6v
私でよければ…
あまりドリームっぽいのでなければぜひ
―――ねえねえシンファシンファ、聞いた聞いた聞いた?
―――人間は原魂種と真魂種の大きく分けて二通りなんだって。
―――な・ん・だ・っ・てー!?
―――それは本当か!?シンファよ
―――うんうんうん!でね、全人類の殆どが真魂種でね、リカちゃんもその一人なんだって。
―――えー!!?俺のリカが!!?
―――何を言っている、俺のリカだ!!
―――たわけ!!俺のリカだと言ったはずだ!
―――いいや、俺の…
―――だぁーーーーーーーーーーッ!!!静かにしろ、そこの五月蠅いシンファ共!!
―――で、話の続きを聞かせてもらおうか?シンファ。
―――真魂種は胸の中に全ての魂魄系が凝縮されててね、それが……
マルイカタチナンダッテ。
『リカダマ 〜Rika's Soul〜』
それは、ある晴れた昼下がりのこと。
部屋で一緒にごはん食べながら、リカは実家で起こったという突然変異のことを話した。
「でねー、真田さんったらチビワルQをおにぎりの具にして食べようとしたのよ?」
屈託の無い笑い声。
実家の家庭事情が独特なリカは、こういう話題のレパートリーの豊富さには事欠かない。
例の突然変異をきっかけに、リカも人間の魂のことわりを知ったという。
そのリカの「魂が肉体に『宿った』地球人」という言い方に。
俺の中のリカ情報屋が騒ぎ出す。
というか、俺の魂の中にいる何人もの「シンファ」がざわざわと。
―――肉体に宿ったって…
―――その宿った魂が肉体の意志行動を管理する中心部みたいな言い方だな
―――リカの中に?
―――ってことは、魂の影響ひとつでリカの肉体に与えられる信号も違うってこと?
―――コラ!下品に聞こえること言うな!
―――俺はそんなニュアンスで言ったんじゃないよ。
―――そんな解釈するお前のほうが下品じゃないの?
―――う゛…っ
魂。
球形というれっきとした『形』を形成した霊子の密集体に、リカの全てが。
やばい、鼻血出そう。
「どうしたの?」
リカが俺の顔を覗き込む。
シンファ脳内会議が荒れていることなど露知らない無垢な瞳に吸い込まれ、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「いや…その…魂って…」
―――じゃあ、その魂を手に触れたらどうなるんだろう…
―――俺がリカの精神世界をいじれば、よりいっそう俺色に染まるとか?
ゴクリ。
俺はつばを飲む。
リカの魂って、どんな感触がするんだろう…。
魂を触るとリカはどんな反応するんだろう。
知リタイ。
スゴク知リタイ。
―――ダメだ!魂をいじるなんて!
俺の中の良心が警告を発する。
―――魂を操って人を思い通りにするなんて道徳にかなっていない!リカの気持ちはどうなるんだ!!
―――そうだそうだ!愛というのはお互いの同意の上に成り立つものじゃないのか!
今、俺の中ではリカの魂に手を突っ込みたい派と突っ込んじゃいけない派に分かれて論争を始めている。
突っ込みたい派とて、このまま黙って引き下がるわけではない。
―――じゃあ、そんな悠長なことしてる間に他の男に浮気されたらどうするんだ?
―――リカさんはそんなふしだらな女性じゃないでしょう。あなた、リカさんすら信用できないのですか?
ちょっと待って下さいよ、俺。
なんか変な喋り方の俺が現れてるんですけど。
―――アイツがそない尻軽な女やないのはよー知ってる。けどな、世の中には居るんや、愛(I)より先にHで始まる悪い男が!
―――そーよそーよ!オンナの足の間しか興味の無いケダモノにリカちゃんを傷つけられたらどーすんのよ!
―――其は汝等のことと聞こゆれど?
―――なんでやねん!!
脳内にいる色々な人格の俺が次々と怒鳴り散らす。
…それにしても、古典口調の俺とかオカマ口調の俺なんていたっけ??
「魂が?どうかしたの?シンファ?」
こうして脳内会議が続いている間にも、時間が過ぎていくリアルワールドでは硬直状態の俺にリカが声をかける。
「ねえ?シンファってばー」
―――だいたい、悪い男なんてリカさんの心の問題じゃないでしょう?僕たちが悪い虫を追い払えばいいじゃないですか!
―――それこそ束縛やんけ!自由を奪う男なんてストレス源以外の何者でもないで?
―――かくは申さざりき!此時は姫君の心あからめうるをのこなむあらじける!
―――それが、いるのよねー。
―――何ぞ!?
―――分からないかなあ?原作者の介錯先生が今まで『誰を』想ってる設定をリカちゃんに通したと思ってんの?
―――!!!? その名を口にしてはなりません!!!汚らわしい!!!
反論も忘れて動揺した僕ッ子シンファの怒鳴り声に、オカマシンファは勝利を確信した。
そして、トドメの一撃。
―――リカの魂に干渉するなんて、他の男に絶対できないじゃない? もちろん、ソイツにも。
「シンファ?聞いてる?」
シンファ脳内会議は終了した。
悲しき哉、俺の良心は脆くも崩れ去る。
俺は、疼く両手をゆっくりとリカに覆い被せた。
「リカ…」
「きゃっ!!?」
リカを後ろから抱き寄せる体勢になった。
全身に、リカの背中の温もりを感じる。
細く華奢な背中さえも、こんなに暖かい…。
「し、シンファ…?」
「リカ…さっき言った魂って、お前の中にも宿っているはずだよな…?」
「う、うん…たぶん…」
「じゃあ…その魂に触ってもいいか?」
「はあ?何言ってるの?」
…そりゃそうか。
物理的に不可能な行動の許可を申請されて普通の人間なら拍子抜けするに決まってる。
でも、俺は…。
リカを包んだ腕の片方を持ち上げ、リカの胸にあてた。
「きゃあ……!!」
リカの心臓が激しく高鳴る。今日はその動悸の理由は胸を触られたからではない。
いつもならマシュマロより柔らかいリカのふたつのふくらみに触れるはずの手が、服をすり抜けてリカの精神世界に入り込む。
「ちょっと!?シンファ!?あの…」
小さな体の中にあるとは思えない虚数の空間が広がるのを感じる。
その中は…宿主の清純さを象徴するかのように、暖かかった。
もっとも、リカとしては何が起こってるのか分からなくて戸惑っているといったところか。
精神世界の中にあってしてもリカの高鳴りを感じる。
「…気持ち悪かったりしないか?」
「そんな…感じはしないけど……えっと…」
「そうか。」
「『そうか』ってちょっとォ!!? え? え?? え???」
その温もりの中心から熱源たる光を感じる。
コレガ、リカノ魂。
俺は手を突っ込んで魂を掴んだ。
「ひゃん…!?」
リカがビクッ、と反応する。
って、え!!?
逆に俺の心臓が高鳴る。
地球人の魂ってそういうモノなのか?
…まさか、な。
と思い、魂の外壁を撫でてみる。
すると、あろうことか、
「んっ……」
うそ。
そもそも自分の魂に手を突っ込むなどというマヌケなことをする能力者もおるまいし、
まして他人の魂を引っこ抜いて魔力を奪うような極悪人でもない俺は、
こんな奇行に乗り出したことなど無かったが。
なにゆえ甲高い声で歯を食いしばるのですか?マイハニー。
「…吐き気とか無いか?…気分悪くないか?」
「わかんない……けど……なんか変……ひゃあん!!!?」
ふいにリカがひときわ甲高い鳴き声で啼いたため、俺はびくりして魂から手を放した。
原因に気付くのに数秒かかった。無意識のうちにリカの魂を掴む握力が強くなっていたらしい。
これ以上するとどうなるのだろうと一抹の恐怖が翳りながらも、
小鳥のようなリカの啼泣があまりにも可愛くて、もっと聞きたくて…
おそるおそるながら再び魂に触れた。
「あ……っ」
魂の外壁を、ゆっくりと指でなぞってみる。
「ああっ…ゃ……あんっ……」
さっきはリカの可愛い声に気を取られて気付かなかったが、魂を掴んだ感触は「無いに等しかった」。
暖かい水蒸気が球形に圧縮されたような感じで、外面に触れたのを境にそこから内側は急激に熱と光気が強い。そして、その先はとても密度が高く、これ以上奥に入りにくい。
まるで、リカの中に小さな太陽があるみたいだ。
俺はリカの魂の熱圏を突き抜け、内部に入り込む。
「ひゃぁぁぁううっ!!!?」
リカがビクビクビクッと体を震わせた。
「リカ……やっぱり気持ちよかったりするのか?」
「そんなコト聞かないでよォ…」
と、気だるくとろける目元に涙を浮かべるリカ。頬もほんのり上気している。
本気で本気なんだ…。いよいよ確信した俺は、魂の中で立てた指を掻き鳴らす。
「やっ……あっ……あん……」
リカの吐息が熱気を帯びている。
ハタから見れば、なんて意味不明な男なんだろう。
恋人の魂を弄って喘ぎ声に聞き惚れるなんて、とんだ奇怪現象だ。
世の中にはこんな人間もいるんですよ、的な相当の皮肉か、或いはネタか…。
でも、今はこんなにも可愛いリカの声を奏でて聞いているのが他でもないこの俺であるという快感でいっぱいで。
俺は指を高速にしてこちょこちょこちょこちょ…とくすぐった。
「あああっ!!!!ああンあンあああン!!!!!!!」
今まででいちばん甲高い鳴き声で、全身が仰け反って小刻みにブルブルッとふるえた後………。
リカは、塩化カリウムでも打たれたかのように全身の力が抜けて、俺に倒れこんできた。
俺は右手をリカの精神世界から抜いて、物理世界に戻ってくる。
「もうっ…どうしてこんなことするのよ…っ」
ひどいよ、とリカが泣きながら訴えてくる。
「すまない……」
胸がチクリと痛む。
「おまえの喘ぎ声が可愛すぎて…つい…」
「だったら普通にエッチすればいいじゃない…っ」
リカのむくれッ面が睨みつける。
本当だ。
魂に触れられて感じるなんて、リカにとっても意味が分からない、理不尽だったはず。
それを分かってやるべきだった…。
「悪かった…。もう魂を弄ったりしない。」
俺はリカの涙を拭いながら謝った。
「うん……でも」
リカが眼鏡を外してもう片方の目をゴシゴシ拭いて笑顔を取り戻す。
「私が欲しいならいつでも言っていいのよ?だから、もうこんなことしないで」
「すまない……本当に……」
「いいわよ、そんなに思い詰めなくても。ま、シンファのそういうところも好きなんだけど♪」
リカがまた無邪気に笑い出す。
それから金輪際、リカの精神世界に手を突っ込むことはなかった。
一人の女性を本気で愛したことがありますか?
110です。この小説は一応微々々エロってことで^ ^
いや、本当はバリバリにエロいの書きたかったけど…(ぇ
皆様はワルQ原作10巻をお読みになりましたか?
メーム様の原魂種と真魂種の説明のリカとライネのイメージイラストでリカのほうを見るとうっすらと球形の魂が見えるんですが
私はそれをネタにしました。時間軸的にはそれ以後ってことで。一番チカラを入れたのは前半の脳内会議だけど…;
リカの不幸を誘う者は誰であろうと許さない!110でした。
え〜。
皆様おはようございます。
シンファさんとお呼びすればいいのか110さんとお呼びすればよいのか解りませんが……
ここだけで無く二次創作ではオリキャラが原作キャラと絡むのは敬遠されがちです。
そのオリキャラの名前が作者のHNとかなら尚更その傾向が強くなります。
敬遠される項目とかは「SS書きの控え室」のまとめとかで見れるので、これからも創作を続けられる予定でしたら、一度ご覧になっては如何でしょう。
ワタクシめもこちらでもうすぐ40本になろうかという位書かせてもらってますが、書き出した当時は酷いモンでした。
後から控え室のまとめを読んで、冷や汗を流したものです。
敬遠される。されやすい事「してはダメ」「しない方がいい」って事をズバズバやってましたから。
それでも、こちらの住人に皆さんは暖かく接してくれまして、何とか今のワタクシがあります。
今でも完全には治せてませんけど。
「ヘタに注意すると逆恨みされるからスルーが一番」
とか対処法として言われてますが、同じ書き手として、また過去に同じような道を辿った者として、お節介なのは重々承知の上で一言述べさせていただきました。
また、書いてください。
リカが好きならリカ話オンリーでもいいですから。
そう言えばワタクシめもリカの話は1本だけ書かせてもらいましたっけ。
鬱話だったので、今度はハッピーな話を1本考えました。
予定してるワルキューレの話の後か、真田さんの短いやつの後あたりに投下を予定してますが。
110さんが次もリカ話と言われるのでしたら、投下時期は変えますので、一言お願いします。
今まで沢山書かせてもらいましたし、ライネの長編も考えてますので、いくらでも融通は利かせられますのでご遠慮なく言ってください。
それと、投下予告は出来上がってからの方が良いみたいですし、そうだとしてもしない方が良いみたいですが、ワタクシめは時々します。
ですので、今回もするつもりです。
さらに投票依頼までしちゃいます。
そこで皆様にご協力をお願いします。
次はワルキューレの少し短めのを行かせていただきますが、その次を前にした投票で決めさせていただきたいと思います。
雑談もかねて投票くだされば幸いです。
・「こんな事もあろうかと」・・・真田さんの話。短目、エロ分薄め
・「真田さん怖い……」・・・真田さんがワるきゅーレをお世話する話。ついついイロイロしちゃう真田さん。
・「オモチャでチャチャチャ 〜目からウロコが落ちましたわ〜」・・・一応完結したライネシリーズの続編。タイトル通り。
・「バーミリオン(朱) 〜バーニング・ハート〜」・・・ライネの長編の第1話。アニメ原作では無いアナザーストーリー。多分もの凄く長いやつの第1話。
の中から選んでいただければ幸いです。
さらに悪ノリさせていただきまして、この中に「良いのが無い」と思われましたら、希望のカプ・シチュのリク受けも承ります。
但し、レズとかスカとかSMとか特殊なシチュにつきましては、皆様のご意見を参考にさせていただき場合によってはご希望に添えない場合があります。
それと先の4本は話は出来てますので、直にでも投下可能ですが、新たな話は少々時間をいただく場合があります。
また、投下時期は他の職人さんの投下を優先させていただきますので、ご了承ください。
では書き込みお待ちしております。
すみません。
・「真田さん怖い……」
はナシにしてください。
代わりに
・「欲ある話」・・・ワルキューレの短編。
を追加させていただきます。
うーん
長編はライネかぁ
この長編って真田さんのやつみたいな話?
とりあえず真田さんの話が読みたいんで
・「こんな事もあろうかと」・・・真田さんの話。短目、エロ分薄め
を頼みます。あとは
・「オモチャでチャチャチャ 〜目からウロコが落ちましたわ〜」
で
ワルキューレの話がいい
自分もワルキューレの話を希望です。
149 :
前・359:2007/05/01(火) 09:35:56 ID:XC1cEChw
あの〜。
今回は前もって約束してましたワルキューレの話なんですが、その後の話を決める投票なんですが、ワルキューレの話が連続でもいいんですかね?
まあ、ワルキューレが主役ですから良いと言えば良いのでしょうけど。
それと、リカの初体験話をリストに入れるの忘れてたし。
とりあえず今回はワルキューレの話をさせていただきます。
慣れって怖いですよね?
すごく幸せな事も慣れてしまうとそれが当たり前になって……
それが解っていても、辛くて切なくて……
でもそんな時に…… あっ! この先はお話の中で……
では実に久しぶりに私のお話をさせていただきます。
題して
「ハッピ〜! ラッキ〜! サプライズ!!!」
スタートします。
日曜日の朝、カーテンの隙間から入り込んでくる日差しでワルキューレの目が覚める。
「…… う…… ううん」
眩しさを感じうっすらと目を開けると、視界一杯に肌色の光景が拡がった。
そして、布団の中を覗き込むと、やはり目の前の和人も自分も裸である。
「ん……?」
(そうだ。 昨夜は和人様と……)
週末の夜は心置きなく2人は愛の行為に没頭するのだった。
その時は2人ともクタクタになってそのまま寝る事が多く、今日も例外ではなかった。
38th 「ハッピ〜! ラッキ〜! サプライズ!!!」
時計を見ると午前9時。
普段は花嫁修業の為に朝早く起きて真田さんを手伝って朝食を作るのだが、今日は休日。
(え〜っとぉ…… あっ!)
まだハッキリしない頭で考えていると彼女の太ももに熱く硬い感触がした。
目の前の和人はまだ目を覚ましていない。
穏やかな寝顔で規則正しい寝息をたてている。
ワルキューレはもぞもぞと布団の中に潜り込む。
布団の中とはいえ、ぼんやりと明るく和人の体は認識出来る。
お腹を過ぎて下半身にたどり着こうとした時、ワルキューレに目にいきり立った和人の陰茎が目に飛び込んで来た。
(えっ? ど、どうして……? ゆうべ2回…… あれ? 3回だったかな? もされたのに。 あれからそんなに経ってないのに……)
(もしかして、和人様。 まだ満足されてなかったのかな? だとしたら……)
時々、自分でも嫌になる程敏感な身体。
さらに和人に愛されているという精神的な充足感もあり、ちょっとした愛撫でも激しく感じてしまい、はしたなく濡れてしまう。
挿入されてしまえば、すぐ頭が真っ白になってしまう。
和人が激しく腰を抽送すると絶頂に達してしまい、あまりの気持ち良さに気を失ってしまう事もしばしばだった。
(いつも私だけ気持ち良くなってしまって……)
和人に対する申し訳ない気持ちでいっぱいになるのだったが、身体は言う事を聞いてくれない。
和人はいつも
「ワルキューレ。気持ち良かったよ。 最高だったよ。 愛してるよ」
ギュっと抱きしめ、キスをしてくれる。
(でも…… もっと気持ち良くなって欲しい。 私はどうでもいいから、和人様をもっと……)
そう思うこともあったので、目の前の状況に思うところもあった。
数時間前、自分を天にも昇る程の快感を与えてくれたモノにそっと手を当てる。
(あ、熱い…… 熱くて、硬い)
あまり力を入れずニギニギすると、布団の外では規則正しかった寝息が一瞬乱れた。
顔を近づける。
(うっ!)
いつも行為が終わった後は舌と口で清めてげるので、自分の唾の匂いがするハズだったが、今日は明らかに違う。
自分の膣から分泌する液の匂いが強烈にする。
あまり気分の良い匂いではなかった。
まだ半分ボケた頭で考えた答え…… それは、最後は和人の後始末をする事も出来ずに気を失ったか眠ってしまったということだった。
「はぁ……」
小さく溜息をつくと、意を決して舌を出して幹を舐め始めた。
「うっ……んっ……」
陰茎がビクンと反応するのと同時に和人が小さく呻いた。
表面を一通り舐めると、丸く口を開いてスッポリと咥え込んだ。
モゴモゴと口を動かし、中では舌で幹の裏側を扱くように舐め、幹と亀頭の境目に尖らせた舌で圧迫してみる。
徐々に顔を離し、すぼめた唇でゆっくりと引き抜くようにしてた時だった。
「うんっ…… わぁっ! わ、ワルキューレ?」
和人が目を覚ましたようだった。
慌てて腰を引いた。
布団をめくると、眩しいレモンイエローの塊が自分の股間にある。
すぼめた唇で亀頭にチュッとキスをすると顔を上げ、見上げるように和人を見て
「おはようございます。 和人様」
少し潤んだ目で見つめた。
「う、うん… どうしたのワルキューレ?」
状況を把握しようとするのだった。
「あ、あの…… その…… 和人様のココ。 その…大きくなってて…… だ、だから…… 夕べは満足されなかったのかな? 私のご奉仕が至らなかったのかな? って思って…… その……」
申し訳なさそうに、消え入るように言う恋人が可愛く思え、また嬉しかった。
和人も布団の中に潜り、ワルキューレにキスをすると強く抱きしめた。
「そんな事は無いよ。 ワルキューレの身体。 最高に気持ち良かったよ。 口も胸もアソコも……」
「で、でも……」
「これはね。 男は朝こうなっちゃう事あって……」
和人も自分の生理現象の説明に少し恥ずかしくなった。
「えっ! そ、そうなんですか?」
自分の早とちりに和人以上に恥ずかしくなった。
(ああ〜ん。 そんなわけがあったなんてぇ。 ああっ! 和人様、私の事いやらしい女とか思っちゃったかなぁ)
顔を真っ赤になって、恥ずかしさのあまり和人の顔が見れず、うつむいてしまった。
和人もそれを察して、またワルキューレの愛撫のせいで、もう射精しないと治まらないまでになってしまっていたので、
「でも、ワルキューレ…… 今は、ワルキューレが欲しい」
それだけ言うと、ワルキューレの顔を上げさせて、恥ずかしさをごまかすようにしっかりと目を閉じてキスをした。
(和人様ぁ……)
2人の間に距離が出来ると
「はい。 和人様のしたいように、気持ち良くなっていただく為に私の身体を使ってください」
布団がめくられると、和人は白く丸い胸に手を這わせ、もう片方を口に含んだ。
・・・・・・・・
居間で朝食を食べてるリカと真田さんの耳に2階からの物音とかすかな声が聞こえてきた。
絡みつくような甘い声。
兄とリカから見ればやがて、そう遠くない未来に義理の姉となる女性との愛の行為だと言うのが解る。
「ふうっ。 いくら日曜でも朝からやる? フツ〜」
トーストを食べながらリカがぼやき
「まぁっ!」
真田さんは手で口を抑えたのだった。
「何が「まぁっ!」よ。 真田さんも知ってるんでしょ? お兄ちゃんとワルQが休みの日にたまに朝からしてるの」
メガネを直しながら言い、オレンジジュースを飲んだ。
「えっええ。 まぁ。 しかし……」
「別にいいのよ。 わたしもそれをどうこう言うつもりは無いから。 あっ! それで、先に洗濯するんだぁ。 お兄ちゃんの布団のシーツとか寝巻とかワルQのパジャマって後で別にしてるもんね。 真田さんも気遣ってるんだぁ」
理解したようにリカが言うと、真田さんは
「はぁ。 恐れいります」
とだけ答え、お茶を飲むのだった。
食事が終わるとリカが食器を洗い、真田さんは洗濯を始めた。
洗濯機の音が台所まで聞こえてきたのと同時に、2回からの声がひときわ大きくなった。
それとベッドの軋む音。
パラパラとホコリが落ちて来そうな感じに
「天井抜けないでしょうねぇ。 落ちてきたらシャレにもならないわよ」
天井が抜けたら自分の部屋を直撃するだけに、少し不安になるリカだった。
洗濯が終わったようだ。
真田さんがカゴに移してる時、2階からは実に気持ちよさそうな嬌声がする。
普段は大人しくおしとやかなワルキューレからは想像も出来ない、女のリカが聞いても妖艶な声。
それと
(「和人! もっと…… もっと奥まで……」)
中学生には刺激が強すぎる言葉。
「ワルQでもあんな声出して、あんな事言っちゃうんだぁ。 そんなに良いのかな?」
ポツリと呟くと洗濯物を干すのを手伝いに縁側から庭に出た。
洗濯物を干していると2人が降りてきた。
先程まで裸だっただろうに、ワザワザ寝巻とパジャマを着ているのが少し可笑しかった。
真田さんと顔を見合わせ、クスッと笑うと何事も無かったように
「お兄ちゃん、ワルQおはよ〜」
「姫様、婿殿。 おはようございます」
声をかける。
2人は悪事が見つかった子供のようにビクッとし慌てて
「うん。 おはよう」
「え、ええ。 おはようございます、リカ様、真田さん」
その様子にさらに見合わせクスクス笑うリカと真田さんだった。
「お食事になさいますか?」
洗濯物と布団を干し終えた真田さんが言うと
「い、いえ…… あの…… 私達、ちょっとシャワーを……」
顔を赤くしてもじもじと返事が返ってきた。
まあ当然だろう。
昨夜は2人して汗だくになっただろうし、そして先程も……
「じゃあ、着替え持ってね。 カゴに入れておいてくれたら洗濯しとくから」
リカが気づかないフリをして言うと
「う、うん。 頼むね」
和人とワルキューレは逃げるようにバスルームへと向かった。
少し時間を空けてバスルームに行くと脱衣カゴに和人の寝巻とワルキューレの水色のパジャマが入っていた。
曇りガラスの向こうからはシャワーの音が。
リカが寝巻とパジャマを手に取るとそれだけで2人の汗だけで無いいろんなモノが混じった匂いがする。
(うっ…… 何か凄くいやらしい匂い)
まるで下着泥棒のように中の2人に気づかれないよう脱衣所を去った。
洗濯機の中に放り込むと、その足で2階の和人の部屋に。
「うっ! なぁにこの匂い……」
生々しい匂いは立ち込めている。
シワが寄り、丁度下半身のあたりにシミが出来ている。
顔を寄せてみた。
「うえっ! 臭〜い。 お兄ちゃん「いい匂いだよ」とか言ってるけど、全然いい匂いなんかじゃないじゃない」
種族は違えど同じ女性。
リカにとってはワルキューレの分泌物の匂いは、あまりいい物ではなかった。
(でも不思議よねぇ。 普段はワルQ甘くいい匂いするけど「あの時」はこんな匂いになるんだぁ……。 でも、お兄ちゃんにとってはいい匂いなのかな? ワルQの事が好きだからそう感じるのかな?)
ハッとして頭を振ると、窓を開け、シーツがついたまま布団を運び出した。
「真田さ〜ん。 これもお願い」
シーツを外して手渡すと真田さんは洗剤を入れ、洗濯機を回しだした。
布団を干し、真田さんが入れてくれたお茶を飲んでると2人がいつもの服に着替えてシャワーから出てきた。
それを見つけると、真田さんが庭から上がり、台所に行きトーストとジュースを用意し、2人が食べ始める。
しばらくしたら洗濯が終わったのでそれを干した。
「今日もいい天気ねぇ」
リカがしみじみと言う。
食事を終えるとワルキューレが和人の手を引いて2人は外出していった。
2人が帰ってきたのは夕方で、和人は銭湯を開ける為にボイラー室で薪を燃やし、真田さんは侍女部隊に指示を出している。
リカが夕食の準備をして、ワルキューレがそれを手伝う。
最初はリカが見ていてもハラハラするほど危なっかしい手つきと手際だったが、最近は徐々に良くなってきた。
料理の見た目も普通っぽいデキが増え、肝心の味も普通に食べられるレベルの物が増えてきた。
「あら、姫様。 お食事の用意はリカ様とこの真田が……」
銭湯の準備の方は一段落したのだろう。
戻ってきた真田さんが台所に立つワルキューレを見て声をかけた。
だが、
「いいえ、やらせてください。 私は…… お風呂屋さんのお手伝いはご挨拶しか出来ないから……」
(ん?)
その声が少し淋しげな気がしたのでリカはワルキューレの方を見ると、事実、ワルキューレの顔は少し曇っていた。
「そんな気にしなくてもいいんじゃない。 あんた達が来る前は殆どお兄ちゃん1人でやってたワケだし」
「で、でも……」
「それに今は真田さんも侍女の人達もいるんだから、前よりは楽になってるんだからさぁ」
リカが慰めるように言うが
「でも、本当は私がお手伝いしたい…… 和人様の好きなお風呂屋さんのお手伝いを…… でも…… でも今の私は和人様のお役にはたてない。 だから、せめてお食事だけでも」
「……」×2
しかしリカも真田さんもワルキューレの寂しそうな表情と声の理由がそれだけではないと直感的に感じた。
ただ、その理由は解りかねてはいたが。
(出かけてる時にお兄ちゃんと(婿殿と)ケンカでもした(なさったのかしら?)のかな?)
真田さんとリカが同時に同じ事を考えた。
その時、ボイラーの圧力が充分に高まったのか、和人が戻ってきた。
シロも帰ってきたので食事にする。
先程の事もあるのでリカも真田さんも2人の様子を窺いながらの食事となったが、見る限り2人がケンカをしたような感じはない。
そうなると、
(気のせいだったのかな?)
(気のせいだったのでしょうか?)
これまた2人は同時に同じ事を考え、その後は何も無かったように食事を済ませた。
食事が終わると和人と真田さんはボイラー室、番台に、ワルキューレはお客さんを出迎えるべく、表に出て行った。
・・・・・・
(「お疲れ様でしたぁ。 お先に失礼しまぁ〜す」)
侍女部隊の例の四人組の声がかすかに聞こえて来た。
もう閉める時間なのだろう。
時計を見るとやはりそうで
「もう、こんな時間かぁ」
自室で勉強をしていたリカが1つ伸びをすると部屋を出て戻って来る3人の為にお茶を入れた。
「いやぁ、今日はお客様も大勢いらして…… いつもこうだとよろしいのですが」
手提げ金庫を持ってホクホク顔で真田さんが和人とワルキューレに続いて居間に来た。
「ご苦労様ぁ。 お茶入れたから一息入れて」
リカがすすめる。
3人がお茶を飲んでる時、リカがまたワルキューレの表情が冴えないのを見つけた。
それでも
(皇女だもんね。 やっぱり慣れない立ち仕事は疲れるだろうし、こんなのはいつまでたっても慣れないだろうなぁ)
とか思うだけだった。
「あたし、先にお風呂入るから、片付けお願いね」
それだけ言うと居間を出た。
風呂から上がると、リカはそのまま部屋に戻って勉強を再開する。
(ああ〜っ、明日は月曜だからお兄ちゃんとワルQ。 今日はしないから集中出来る〜)
2人で決めてるのか、詳しい事情は知らないが平日や日曜日の夜には2人はセックスをしない。
リカが寝た後にするのかもしれないが、少なくとも自分の知ってる範囲ではそうだった。
実際ワルキューレは和人の学校がある前日には和人の勉強に支障をきたすといけない。 と気遣い、和人も平日はワルキューレが花嫁修業で真田さんに習って朝食の準備をする。
その為にまだ夜が完全に明けきらない内に起きるので、それを気遣って彼女を求めないのだった。
そもそも、和人も高校生らしからぬ、少し枯れたと言うか、あまりギラギラとした性欲をもてあましているワケでも無く、週末や休日の前の夜だけでも充分…… とまではいかないものの我慢は出来た。
それでも女神のように美ししい女性が同じ布団の、しかも、真横に寝ているのだから劣情がこみ上げない事は無いが、それでも健気に朝早く起きて、自分の為に朝食の準備をする彼女の睡眠時間を削るような真似は心優しい和人には出来なかった。
神が創り上げた最高傑作といって差し障り無い容姿。
輝く髪、シャンプーと石鹸と彼女自身から発散される甘い匂いが混じった心ゆさぶる香り。
寝返りをうった時にみられる寝顔も、あくまで美しく、何度その唇に口づけをしようと思った事か。
パジャマの胸元から覗く白く丸く大きなふたつの膨らみが作り出す深い谷間に和人の理性が失われそうになった事も1度や2度ではない。
それでも彼女の身体に手を伸ばす訳にはいかず、かと言って、それでオナニーをしようとまでは思わなかった。
そこまで飢えてないし、週末になれば目の前の女神が味わえるのだから。
同級生でも彼女がいない人も多いので、それから見れば自分は何と恵まれているのだろう。
とか考えてしまうと、そのままあっさりと眠りについてしまうのであった。
そして月曜日の朝が来た。
今日はここまでです。
続きは今日の夜か明日にでも。
ところで途中経過は
・「こんな事もあろうかと」(真田さん)・・・☆
・「オモチャでチャチャチャ 〜目からウロコが落ちましたわ〜」(ライネ)・・・☆
・「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」(私…じゃなかった、ワルキューレ)・・・☆☆
でよろしいでしょうか。
ところで
>>146様。
ライネの長編は真田さんのような話では無いようです。
それに「あんなのは滅多に書けないっす」だそうです。
しかし、本編とは違うアナザー・ストーリーのようですよ。
それではまた。
乙です!!
続きを激しく楽しみにしております
では続きをさせていただきます。
書いてて長くなってしまって、次まで引っ張っちゃいます。
それでは続きをどうぞ。
「それでは、婿殿、リカ様。 いってらっしゃいませ」
「和人様…… いってらっしゃいませ」
真田さんとワルキューレが登校する和人とリカを見送る。
「それじゃぁ、行ってきま〜す」
「行ってくるね」
和人がそのまま行こうとした。
(えっ! ちょ、ちょっと和人様)
「あ、あの……和人様」
不安げに、そしてやや不満げに和人を呼び止める。
「コホン!」
真田さんが咳払いし
「もう、お兄ちゃん」
リカがたしなめる
「あっ、ご、ゴメンね」
和人がワルキューレの許に戻ってくると目を閉じてチュッと唇を合わせた。
「じゃあ…… 行ってくるね」
改めてワルキューレに告げると
「あ、あの…… 早く帰ってきてください」
ワルキューレも消え入るような小さな声で送り出した。
2人の姿が見えなくなると真田さんとワルキューレは家の中に戻った。
「さあ、今週も一週間頑張りましょう!」
真田さんが腕まくりをして洗濯物にとりかかった。
その間に朝食の洗い物も済ませ、リカと自分の布団を干す。
ワルキューレも自分達が使っている布団を干し終わった頃、洗濯物が終わったのか、カゴを抱えて干した。
朝の一仕事が終わると居間でTVを見るのが真田さんの日課だった。
ワルキューレもそれに付き合う事が多い。
特売やタイムサービスを狙っての買い物は午後や夕方が多いし、出かけるきっかけも無い。
「はぁ…… 真田さん」
溜息まじりの呼びかけに
「はい、何でございますか、姫様」
ワイドショーを見ながら煎餅を食べていた真田さんが主君の方を見る。
「今日は、月曜日なんですよね?」
あまりにも当たり前の問いかけに
「はあ、さようにございますねぇ」
とかしか答えられない。
「……はぁ」
ワルキューレも溜息をつくとボンヤリとTVを見るのだった。
・・・・・・
夕方になって和人が帰ってきたが、一緒にいられたのは一瞬で、銭湯を開ける為に忙しそうに準備をしだすと話も出来なかった。
夕食の時もリカや真田さんともまんべんなく話す和人は自分だけに語りかけてくれるわけでもない。
仕方ない、解っている状況だけど、少しフラストレーションが溜まるワルキューレだった。
夜になって銭湯を閉めてから一休みする時、2、3言喋っただけ。
部屋に戻っても、和人は明日も学校。
カバンに明日の準備をし、それが終わると
「じゃあ、寝ようっか?」
ベッドに入るとワルキューレも
「はい」
とだけしか答えず和人に続いた。
「それじゃあ、おやすみワルキューレ」
そして、おやすみのキスをすると明かりを消して、しばらくすると規則正しい寝息を立てて眠ってしまった。
(あ〜あ…… 和人様は明日も学校だから仕方無いけど…… もうちょっと。 もうちょっとだけお話したり…… そ、その…… え、…えっちな事とか……)
(和人様〜。 私は、その…… いつでも待ってるんですよ〜)
既に熟睡してる和人の心の中で呼びかけるも、返事が返ってくるはずも無く、ワルキューレも諦めたように眠ってしまった。
火曜日。
「ん……」
時計を見ると6時前。
下から真田さんが朝食の準備に取り掛ろうとしてるかすかな物音がする。
(あっ私も起きなきゃ)
和人を起こさないように静かに布団を出ると、いつもの服に着替えて部屋を出た。
「おはようございます。 姫様」
真田さんが深々と頭を下げて挨拶をした。
「おはようございます。 真田さん」
顔を洗って、和人から貰ったフリルのついたピンクのエプロンをしながら台所に行くと、真田さんを手伝おうとしたのだった。
真田さんの指示に従い、手際も良くなってきたが、まだまだダメな部分もある。
それでも、真田さんはにこやかに、まるで娘の成長を見守るように優しくワルキューレに教えた。
炊飯器から勢い良く湯気が出始め、味噌汁の匂いが拡がった頃、沢庵を切り始める。
トン、トン、トン……
真田さんが切っているので、実にリズミカルに軽やかな音がする。
その音がしだす頃に、ふすまが開いてリカがセーラー服を着て部屋から出てくる。
「ワルQ、真田さんおはよ〜」
少し眠そうに、また、いつものようにやる気無さそうに朝の挨拶をする。
「おはようございます、リカ様」
ワルキューレが頭を下げ、真田さんもそれに続く。
それが終わると、いつも
「姫様、そろそろ婿殿を起こされては?」
と言うのが毎朝の流れ。
「ええ、そうね」
エプロン姿もまま階段を上り和人の部屋に行く。
コーラスに見せてもらったアニメでエプロン姿の恋人や新妻が
「あなた… 朝よ。 お・き・て」
とか言うと
「うう〜ん? もうちょっと…… あと10分…… いや、あと5分だけ」
などと言ってなかなか起きてこない。
「ダメですよ。 早く起きてください」
カーテンを開けながら起こすと、グイッと腕を引っ張られ
「あんっ! ちょ、ちょおとぉ、寝ぼけてるの? ダメよ朝からなんてぇ」
な〜んてちょっと嬉し恥ずかしの展開になってたのを見て、密かに憧れてたりしたワルキューレだったが、残念ながら和人はそこまで「困ったちゃん」では無い。
リカと2人で暮らしていた為、日常生活はキッチリとしてたし、料理等の家事も皇室育ちでからっきしダメだった自分とは違って何でもこなす。
案の定、ドアを開けると和人はシャツを着て、カバンの中身を確かめていた。
ワルキューレが声をかける前に
「おはよう、ワルキューレ」
挨拶をされてしまう。
「お、おはようございます。 和人様」
カバンを持って部屋から出ようとする。
ワルキューレの前でとまると、白い頬に手を添えで軽くキスをする。
おはようの軽いキスだが、ワルキューレは手を和人の背中に回し、ギュ〜と抱きつく。
(もう少し手がかかる困ったちゃんになってくれればいいのに!)
少々理不尽な怒りを込めて……
そして、いつもと同じように朝食を食べ、同じように和人とリカを見送り、同じように洗い物と洗濯を済ませ、同じようにTVを見る。
「姫様、何がご覧になりたいものはございますか?」
これまた同じように真田さんが聞き、さらに同じように
「いえ、私は別に。 真田さんが観たい物見て」
と答え、そしてやはり同じように真田さんはワイドショーを見るのであった。
昼前には時代劇の再放送を見て
「あらまぁ。 もうこんな時間」
とか言いながらお昼を準備して昼ご飯を食べながら、真田さんが「ミノ様」と呼ばれてる人気の司会者の出てる番組を見る。
そして、また昼のワイドショーを見る。
真田さんは
「あら、もうこんな時間」
とか言うが、ワルキューレにとっては夕方までの時間が長く感じられて仕方が無い。
何度も何度も時計を見て、その度に
(えっまだ5分しか経ってないの? この時計壊れてないかしら?)
とか思ってしまう。
だが、夕方になり和人が帰ってくると状況は一転する。
和人とお喋りしたり一緒に食事をしたり、銭湯を閉めた後のくつろぎの時間、和人と過ごす時間は一瞬のうちに過ぎ去る。
まだ数分しか話してないと思っていても
「もう、こんな時間かぁ。 もうちょっと勉強して寝よ」とリカが席を立ち、時計を見ると確かに時間は夜更けになっている。
(この時計、壊れてるのかしら?)
やっぱり思ってしまうのだった。
部屋に戻ると、和人は明日の用意をし、それが終わるとベッドに入る。
「じゃあ、寝ようか?」
といい、
「はい」
と答え軽くおやすみのキスをして明かりが消され、その日が終わる。
(それにしても…… 和人様くらいの年の殿方って…… その…… もっと女に興味を持ってる。とかファムもライネも言ってたけどぉ。 どうして和人様はこんなのかしら?)
最近また胸が大きくなったのか、パジャマがキツく感じたので、一番上のボタンを外していた。
いつもより胸元が大きく開き、たわわな膨らみが覗き、谷間も強調されていたが、和人はパジャマの中で苦しそうにパンパンに張り詰めてる胸に全く興味を示さないように
「じゃあ、寝ようか?」
とさっさと寝てしまった。
(全くどうなってるのよ! もう!)
イライラが募り、なかなか寝付けないワルキューレであった。
水曜日。
あまり眠れなかったワルキューレ。
目の前の和人の寝顔は穏やかだが、それがかえってフラストレーションを溜める原因となった。
(もう、和人様ったら!)
長い髪をうっとおしそうに払うと、着替えて部屋を出た。
とすっとすっとすっ……
(あら? 姫様?)
いつもは羽根で掃くように静かに階段を下りてくるワルキューレが今日は違う。
「おはようございます、姫様」
エプロンの紐を結びながら台所に来る主君に声をかける真田さん。
「おはようございます。 真田さん」
言葉も声もいつもと同じ優しく慈愛に満ちたものだったが、表情は少し違っていた。
少し不機嫌そうな表情……
(あまりお休みになられなかったのかしら?)
(それとも、婿殿と何か? いえいえ、お2人に限ってそんな事は……)
そんな事を考えながら朝食の準備を続けた。
パサッ!
時々、その金色に輝く長い髪を払いのける仕草が目に入った。
かくして、リカが起きて来て、ワルキューレが和人を起こしに行き2人が降りてくる。
食事を済ませると、リカと和人は登校した。
「あ、あの…… 姫様」
まだ少し不機嫌そうな主君に恐る恐る声をかけると
「別に私は見たい番組ありませんから、真田さん好きなのを観てください!」
ピシャリと返されてしまった。
「い、いや…… あの…… はぁ、いえ、さようでございますか」
本当はそうでは無かった。
ワルキューレの悩みを聞いてやろうと思ったのだが、そんな雰囲気では無くなってしまったのだった。
トン…… トン…… トン…… パサッ!
指でちゃぶ台を叩き、髪を払う。
明らかにイライラしているのだが、声がかけられない。
「はぁっ……」
時折、大きな溜息をつく。
「あ〜あ」
実につまらなさそうちゃぶ台に突っ伏す様子を見て、何とかしたいと思った真田さんだったが、朝食の時や見送りの時の様子からして和人とケンカしてる訳でも無いのは解っただけに、どう対処して良いのか解りかねていた。
しかし、夕方になり和人が帰ってくると、ワルキューレの機嫌は良くなり、
(ははぁ。 やはりそういう事でございましたか)
主君の機嫌が悪かった原因が解って真田さんも一安心したのだった。
にこやかに夕食を食べ、銭湯を閉めた後、楽しそうにお喋りしてるワルキューレ。
しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎ、寝る時間となった。
部屋に戻ると
「ワルキューレ、先に寝てて。 今日は課題が出たから」
キスをすると、机に向かった。
「えっ?」
せめて、一緒に布団に入って、2、3言交わすのがささやかな楽しみだったのに……
「あの…… 和人様、課題は何ですか?」
邪魔したら悪いとは思ったが、布団に入ると顔だけ出してつい尋ねてしまった。
(時間はかかるのですか?)
とも尋ねたかったが、それは押さえ込んだ。
「うん。 化学のね……」
ワルキューレの方を向くこと無く、参考書のページをパラパラめくりながら、ノートに何やら書き込みながら返事をした。
「化学? って事は……」
思わず聞き返すと
「うん。 ファムさんの授業でね。 この前、ウチのクラスのテストの点が悪くて……」
(ちょっとファム〜〜〜っ!)
せっかくの2人の時間。
しかも、寝る前の僅かな時間を削り取った犯人が自分の姉妹だと言うことが余計ストレスとなった。
「あっワルキューレ。 もうちょっと時間かかりそうだから先に寝てて」
振り返ること無く言い放った和人の言葉にさらに苛立ちを覚えた。
朝早い自分を気遣ってくれてるのは解るが、自分と和人は一心同体。
寝不足になっても良いから和人と一緒にいたい。
(そんな事なんてご存知のハズなのにぃ!)
イライライライラ……
(もう! 知らない!)
和人とは反対の方に体の向きを変えて布団を頭から被った。
イライライライラ……
それでもやり場の無い怒りは治まらず、ふと手がパジャマの上から胸に触れた時だった
(!)
身体中に電気が走ったような感覚がかけめぐる。
改めて、手のひらで胸に触れる
(あっああっ……)
甘美な刺激が全身を駆け抜けた。
日曜日の朝、和人に愛撫されて以来、ほったらかしにされてる身体は刺激に対して敏感に反応する。
さらなる強い刺激を求めてパジャマの中に手を入れようとしてハッとなった。
(な、何しようとしてるの私は? 和人様がお勉強してるすぐ側で。 はしたないっ!)
しかし、股間が濡れてる感じがして気持ち悪い。
和人の気づかれないようにティッシュを取るとパジャマの中に手を入れてふき取る。
(あっああんっ! ……ってダメだってば!)
(ヌルヌルになってる…… もう、何でこんなに私の身体っていやらしいのよ!)
感じてしまう自分の身体を恨めしく思いながらも数回ティッシュで拭った。
そして和人に気づかれないように丸めたティッシュを捨てると、寝ようとしたのだった。
しかし、結局は眠れず、和人が机の電気スタンドを消して布団に入ってきた時も、何故か和人にバレないようにビクビクしてしまった。
そして結局、和人が寝息を立てるまでワルキューレが眠る事は出来なかった。
ムラムラ、イライラ、そしてムカムカ!
複雑な思いが全てストレスに直結し、やたら頭が冴えて眠れない。
空がうっすらと明るくなってきそうな頃、ようやく瞼が重くなって来たのだった。
木曜日。
殆ど眠れないまま朝が来た。
「和人様のバカ!」
穏やかな寝顔の恋人の名前を呟くと着替えて部屋を出た。
どすっどすっどすっ!
今日は一段と階段を降りてくる音が激しい。
(うわっ! 姫様、今朝はまたご機嫌が悪そうで……)
真田さんの危惧通り、台所に姿を現したワルキューレはすこぶる機嫌が悪そうだ。
「姫様、おはようござ…… ひぃっ!」
うっすらと目の下にクマができている。
いつも輝くように美しいワルキューレの初めて見る姿だった。
髪もほつれてるようにパサついてる。
「真田さん、おはようございます」
挨拶にも元気がない。
それでいて、目つきは険しい。
ざくっ! ざくっ!
沢庵を切る時も、怒りが包丁に乗り移ったのか、まな板まで切りそうな勢いだった。
見送りの時も、和人に腕だけで無く脚も絡め、全身を巻きつけるようにして抱きついている。
それを見て、真田さんは全てが解った。
ワルキューレと和人のセックスがあった日は軽く唇を合わせる程度のキスしかしないが、してない日は腕を絡めてキスも長い時間してたりするのを思い出した。
それにもまして今日は大蛇が獲物を捕らえるように絡み付けてる。
(と言う事は…… 姫様のご機嫌がすぐれないのは、やはり婿殿が原因なのでしょうか?)
しかし、それが解った所でどうにもならない。
自分には和人の代わりにはなれない。
いや、宇宙の何人にも和人の代わりにはなり得ないのだから……
トントントントン…… バサっッ!
居間でTVを観てる間も仕草からして、昨日よりさらに機嫌が悪いのは火を見るより明らかだった。
ちゃぶ台を叩くペースは速く、髪を払う様子も、いかに腹立たしそうに振り払う。
(こ、これはマズぅございます!)
「ひ、姫様。 ホラ、ラッコが水族館からいなくなる恐れがあるそうでございますねぇ」
苦し紛れに言葉をかけるが返って来たのは
「私も観てますから解ってます!」
あまりの迫力に
「ひぃぃっ! も、申し訳ございません」
思わず土下座で謝る真田さん。
しかし、そこで我に返ったのか
「ご、ごめんなさい…… 私……」
八つ当たりした事を詫びた。
しかし、いつも身を省みず自分に尽くしてくれる真田さんに八つ当たりしてしまった事に激しく自己嫌悪するのだった。
(もう〜。 私のバカバカバカ!)
首を振って嫌悪する主君を見て
(ああ〜っ。 何と憐れな姫様。 その苦しみ、この真田が代わってさしとうございます! しかし、こればかりはどうにも)
真田さんも途方に暮れそうだった。
TVではミノ様が視聴者からの電話相談に答えている。
(「そりゃ、奥さん。 夫婦なんだから別遠慮しなくていいよ。 ダンナさんにおねだりしちゃえばいいんだってば」)
(「でもミノ様……」)
(「そりゃ、ダンナさんもお仕事忙しいかもしれないけどさぁ。 でも夫婦なんでしょ? 2人とも互いを愛してるんでしょ? だったらいいじゃない。 ダンナさんも奥さんから誘われるのを待ってるかも知れないよ」)
(「そうでしょうか?」)
(「そう。 あのね、奥さん。 男って弱い生き物なのよ。 奥さんが朝早いからって遠慮する場合だってあるのよ」)
(「はぁ」)
(「だからね、誘っちゃ悪いかなぁ。 って思うのよ。 誘って断られたらどうしよう。 とかさぁ」)
(「で、でもミノ様、私は主人がそうしたいなら……」)
(「そうなのよ! そうなんだよね。 奥さんがそう思ってても、そう思ってるのが解ってても、男ってさぁ、やっぱり不安になっちゃうワケなのよ。 ダンナさんみたいに優しい人は特にさ」)
(「だからさ。 今日は美味しいもの作ってあげてさ。 夜はダンナさんに思い切って甘えてみなさいよ。 ね?」)
(「はい、そうします。 ミノ様ありがとうございました」)
(「ダンナさんと仲良くね。 番組のクオカード送るからね」)
(「あっ出来ればサインを……」)
(「ん? ボクのサイン? 解りましたぁ。 サインして送りますからね。 それじゃあね」)
(これだ! これこそ現在の、時野家の状況そのものでございます。 これをご覧になっていれば姫様も……)
「姫様、今のミノ様の…… ご覧になられてましたか?」
言いながらワルキューレを見る。
しかし、ワルキューレは髪の毛を気にしていじっていたようで
「えっ? ミノ様? ごめんなさい、私観てなくて。 ミノ様が何か?」
名物コーナー「ちょっとだけ聞いてヨ! 生電話」は全く見ていないようだった。
「い、いえ…… はぁ……」
せっかくのチャンスもムダになった真田さん。
深い溜息をついたのだった。
夕方、和人が帰って来た時、そして、番台に座っている時、番台は離れる訳にはいかないので、侍女の誰かにボイラー室にいる和人を呼んでこさせて、それとなく頼んでみようかと思った。
しかし、そこまで干渉するのは臣下としてどうか? と思うと言えなかった。
ワルキューレから相談されれば和人にも言っただろうが、ワルキューレからは何も言われていない。
無論、察して気を利かせるのもアリだとは思ったが……
結局、何も言えないまま時乃湯を閉める時間になってしまった。
その後、何時ものように居間で一息入れて皆が部屋に戻る。
一足早くベッドに入ったワルキューレ。
和人もカバンに明日の準備をし終わると布団に入ってきた。
キスをして明かりが消される。
(ああっ。 明日は…… やっと金曜日。 明日の今頃は、和人様と…… そんな、いやぁん)
(も、もしかして和人様から「ワルキューレ、良いよね?」とかおっしゃられたらどうしましょう…… うふふ、そんなぁ困るわ…… いやいや、本当に困るって訳じゃなくてぇ……)
辛い現実から逃避するように明日への希望を想像する。
身を捩るようにもぞもぞとしてると……
!
(えっ?)
和人の手がわき腹あたりに伸びて、さするように触っている。
背中を向けているので見えないが、和人は間違いなく起きているだろう。
(ど、ど、ど、どうしよう!)
さっきまで想像してた事が1日早く実現しそうになったのだが、イザ本当にそうなると焦ってしまって、何も出来ず、声をかける機会すら失ってしまった。
(あっ!)
和人が髪に顔を埋め、手はパジャマの中に潜り込んで、お腹を通って、控えめなワルキューレとは相反して存在感を誇示している胸にたどり着こうとしていた。
「わ、ワルキューレ……」
今回はここまでです。
早ければ今日の夜にでもお話出来る…… かもしれません。
それではまた。
ヤバい。ワルキューレが可愛い過ぎる。
続きに超期待!
>>168 乙!
続き楽しみに待ってます。
ワクワク
途中ながら感想いただきまして、ありがとうございます。
それでは最後までお話させていただきますね。
名前を呼ばれた気がしたが、気が動転してて良く聞き取れなかった。
でも和人の手は胸の膨らみに到達しようとしている。
ゆっくりと、そして確実に……
人差し指だろうか? 膨らみ始めの境目をなぞるように指を走らせる。
(あっ…… ちょ…… どうしよう?)
完全に頭がパニックになり考えがまとまらない。
しかも、和人の指が膨らみを徐々に上り、刺激を受けて盛り上がってしまってる乳輪をなぞる。
乳輪の周囲を人差し指と中指が1周…… 2周…… となぞり、ついに頂点にたどり着こうとしている。
(!)
ついに和人の指がすっかり、硬くなってしまってる乳首を捕らえ、グリグリと乳首ごとめり込ませるように押し込んできた。
「ワルキューレ……」
今度はハッキリ聞こえた。
自分の名前を呼ぶのを。
しかし、混乱した頭がどう返していいのか解らない。
だから、体が反射的に
「は、はいっ!」
裏返った声で返事をしてしまった。
「えっ!?」
まさか返事が来るとは思ってもみなかった和人。
ビクッとして髪に埋めていた顔を離し、パジャマから手を引き抜いてしまった。
(ど、ど、どうしよう? やっぱり寝たふりしてた方が良かったかなぁ! あ〜ん。 どうしたらいいのぉ?)
和人の方を向けず、かすかに震えながら和人のリアクションを待った。
「ワ、ワルキューレ…… 起きてたの? それとも起こしちゃったのかな? ゴメンね」
ワルキューレは返事が出来ず、小さく1つ頷くだけだった。
これでは起きてたのか起こしてしまったのか解らない。
それでも和人は
「ゴメンね…… ボク、ワルキューレの寝顔とか…… その…… はだけてる胸とか…… 時々…… そのワルキューレが欲しくなるんだけど……」
(えっ? じゃあ和人様も!)
唾を飲み込むと和人の方に寝返りをうった。
「和人様……」
潤んだ目で和人を見るが、和人は恥ずかしさからワルキューレの顔を見る事が出来ず、目を反らせながら続ける。
「でも…… ワルキューレは毎朝、ボクの為に朝早く起きて、ゴハンの用意してくれるから……」
自分も和人が学業に支障をきたしてはならないと、メームやイナルバにたしなめられて、我慢してたと言うのに、和人も自分を気遣って抑えてたとは。
(バカ! 和人のバカ! 私はいつでもどこでも和人を待ってたのに!)
和人の気遣いが嬉しくもあったが、それ以上に自分に対する遠慮が気に食わなかった。
(私は和人様のものなのに。 何度も言ってるのに! 和人ぉ!)
「明日は金曜日だから今日くらい我慢すれば良かったんだけど……」
それだけ言うと、ワルキューレを抱き寄せ、キスをする。
「!」
「ゴメン…… ワルキューレが欲しいんだ。 今すぐ!」
首筋にもキスをし、再びパジャマの裾から手を突っ込み、荒々しく胸を揉みしだいた。
それに反応するように
「ああっ…… ああんっ…… 和人ぉ、私も…… 私もぉ、和人が欲しい。 欲しいの!」
想いを伝えるワルキューレの言葉を聞き、和人の唇と指に力が入る。
・・・・・・
真下のリカ部屋。
今日は遅くまで勉強していたリカに
(「ゴメン…… ワルキューレが欲しいんだ。 今すぐ!」)
(「ああっ…… ああんっ…… 和人ぉ、私も…… 私もぉ、和人が欲しい。 欲しいの!」)
2人のやりとりが聞こえて来た。
「あれ? 今日って金曜だっけ?」
週末や休みに2人がそういう事をするのは知ってたが、平日にするのは稀だったので、少し驚いた。
「それにしても…… お兄ちゃんもやる時はやるのねぇ。 それにワルQも…… 普段はあんな大きな声出さないのにさぁ。 そもそもあんな事言うなんて絶対に思えないよね」
2人の普段とのギャップに戸惑うのだった。
「さて、「防空壕」に行くかぁ」
勉強道具をまとめると、部屋を出て居間に向かった
・・・・・・
ワルキューレの言葉でさらに昂ぶった和人が血を吸うように首筋に吸い付き、指の跡がつきそうなくらいに強く胸を握り潰した。
「あっ、あんっ……」
(い、痛っ…… でも……)
「和人ぉ。 もっと強く…… して。 お願い……」
さらなる刺激を求めて、和人の頭を抱え込む。
和人の鼻腔に、うっすらと汗ばんだ肌から立ち込める甘い匂いが拡がった。
ゆらゆらとした熱気が、ただでさえ弱まっていた和人の理性を奪い、美しい女神の肉体を貪った。
目が慣れて来たのか、ワルキューレの身体を確認出来るようになって来た。
脂肪が少ない張りのある胸は寝ていても形が崩れず、こんもりと盛り上がっている。
その白い丸みの、大きさの割に少し小さ目の乳輪は色素が薄く、周囲の肌色と紛うばかりで、さらにその頂きにはチョコンとした乳首がふるふると震えている。
自分の手に納まりきらない、大きな膨らみの中心に狙いを定めると、口を一杯に開いてむしゃぶりついた。
「はうっ。 んんっ……」
いつもなら乳輪の輪郭を舌でなぞって焦らす…… というより、長くじっくりと味わうところだが、今の和人にそんな余裕はない。
一刻も早くワルキューレの全てを味わいたくて、直接的な愛撫に終始する。
ワルキューレもそうで、今日はとにかく強烈な刺激が欲しかった。
いつものように焦らされたら気が狂ってしまうかもしれない。
頬張るように口に含み、舌で乳首を弾き、カリっと噛んでみる。
「んぁぁぁん……」
泣き声みたいな声をあげ、身体を仰け反らし
「和人ぉ、もっと、強く噛んで……」
顔を押し付ける。
和人も思いっきり吸い、歯を当てて、少し強めに噛む。
「んっ……」
口を離すと乳輪の境目にうっすらと歯型がついていた。
指でまさぐって、既にヌルヌルとした生暖かい粘液を溢れさせている股間に顔をズラし、髪の毛と同じレモンイエローに輝く産毛のような陰毛をかき分けて顔を押し付けた。
深呼吸するように吸い込むと、風呂上りなのに石鹸の匂いは薄く、少し生温い愛液独特の匂いがする。
鞘から顔を出しているクリトリスに舌を這わせると、ワルキューレの身体は全身に電気が走ったようにビクンビクンと跳ね回った。
「あっああ〜っ」
ひときわ大きな声を上げ、さらなる刺激を貪欲に求め、和人の顔にグイグイと股間をこすりつけた。
クリトリスから膣口、そしてキュッとすぼまっている肛門まで何度も舌を往復させ、味が無くなるまで舐め尽くしてしまおうとするが、膣からは新たな蜜が後から後から溢れてくる。
「和人ぉ、そこ…… そこぉっ。 いいの、もっと……」
さらに、白く濁った少し生臭い汁が分泌され出し、匂い同様粘り気が強く口の中でも唾液に溶けない汁を舐め続けるが、キリがないので、身体をずり上げ、いきり立った陰茎をワルキューレの膣の入り口にあてがった。
・・・・・・
「だぁ〜っ。 うるさいわねぇ。 今日は声が大き過ぎるよぉ。 もう!」
「防空壕」に避難してたリカが天井を見上げて恨めしそうに呟いた。
異性には全くと言って良いほど興味を示さなかったリカだが、学校では日常的にそんな話題は上るし、同級生の読んでる雑誌にはその手の記事が書かれてたりする。
誰と誰がつきあってる。 とか、もうキスした。 とか、もうしちゃった。 とかそんな話も結構出たりする。
兄とその婚約者の本能に忠実な獣のような行為に慣らされてしまってるので、同級生達の好奇に満ちた言葉を聞いたところで、どうって事はない。
さらに兄達の行為とその声は、まだ経験の無い中学生が想像力をフルに動員して、ああでもない、こうでもない。 と言ってる言葉とは段違いの刺激的なものなのだ。
それだけに、際どい話題をしても冷静なリカに対してクラスメートが
「やっぱりリカには早過ぎたみたね。 こんな話はピンと来ないお子ちゃまだもんね。 リカは」
なんて言ったりするが、実践を除けば、一番生々しい情報を持ってるのはリカだったりするのだった。
無論
「知ってるわよ。 お兄ちゃん達がしてるもん」
とは絶対に口には出せないが。
それはともかくとして、兄と、兄の婚約者である女性の甘く切ない嬌声は勉強に集中出来ない、処女の中学生には耳の毒である。
「はぁ…… 「防空壕」じゃダメかぁ。 仕方無い「シェルター」に避難するかぁ。 起きてれば良いけど」
勉強道具を持って居間を出た。
リカが来たのはかつて物置だった真田さんの部屋。
曇りガラスがボウっと明るくなっている。
部屋の主はまだ起きてるようだった。
「良かった」
呟くとガラスをコンコンと叩き
「真田さん、起きてる? ちょっと良い?」
言葉をかけると
「はい。 起きておりますよ。 どうぞ」
中から返事が来たので、扉を開けて中に入った。
「如何なされましたか、リカ様?」
スケスケで胸、その乳首までうっすらと透けているベビードールにナイトキャップ姿の真田さんが、机で家計簿をつけながらリカを迎え入れた。
「それがさぁ……」
言いかけた所で
(「あうんっ。 和人ぉいい! 気持ちいいっ!」)
ワルキューレの声が聞こえて来た。
「うげっ! 「シェルター」でも聞こえるのかぁ」
リカが驚いたように言うとガバッと土下座をして
「も〜し訳ございません。 ですが、姫様はずっとガマンにガマンを重ねて来られました。 昼間から姫様の憐れなお姿を見てるだけにこの真田も……」
言いかけた所で
「いや、別にいいんだってば、婚約者同士なんだし。 でもねぇ、あの声はねぇ…… 女子中学生が勉強するには耳の毒なのよねぇ」
「はぁ…… そようにございますか。 確かに、今日みたいにハッキリ聞こえるのは珍しゅうございますが……」
「真田さん」
「はい」
「真田さんからワルQに言ってくれない? もっと声を抑えろって」
メガネを直しながら言うと
「ええ〜っ! そ、そんな、わたくしが姫様にそんな事…… 滅相もない」
真田さんが後づさりしながらイヤイヤをして言う。
「冗談よ。 第一、お兄ちゃんもワルQも私達が2人がやってるって事知らないと思ってるんでしょ?」
「まあ、薄々は感づかれておられるかもしれませんが……」
「ところで、真田さん」
「はい」
「アレってさ…… そんなに気持ち良いのかな?」
「ええ〜っ!」
「いや、だってさ、あのワルQがあんな声出しちゃうんだもん。 かなり気持ち良いのかなぁって」
さすがに恥ずかしいのかリカが顔を赤くしながら言う。
「い、いや…… その、わたくしに言われましても……」
「えっ? 何? 真田さん、もしかして「まだ」なの?」
リカが少々驚いたように言うが
「い、いえ、さすがに…… それはございませんが……」
地球に来る前から処女では無かったし、ワルキューレに頼まれて、それと、だいぶ前にメームやイナルバに依頼されて2回和人と身体を交わした事はあるし、和人とのセックスは実に気持ち良かったが、それこそリカは知らない事実なので、正直に言うことは出来ない。
それを知らないリカは
「そうよねぇ」
とだけ答えた。
「ま、まあ、リカ様もいずれ心を通わせる殿方にめぐり合えば、その時にでも解ろうかとおもわれますが……」
苦しそうに答えると、リカは特に気にも留めず
「そうねぇ。 ところで、机空いたら貸して、勉強するから」
それを聞くと、机の上を片付けて
「わたくしの用事はもう済みましたから、リカ様、どうぞ」
場所を空けてくれた。
「ありがとぉ」
リカが勉強を再開すると、真田さんは台所に行き、お茶とちょっとしたお菓子をお盆に乗せて「シェルター」に戻った。
・・・・・・
あれ?
書き込めませんね。
「んあうっ」
和人が体重をかけ、一気に押し込むと、和人の体の一部とは思えない、赤黒く所々に血管が浮き出ている見るからに凶悪そうな陰茎がズブズブとワルキューレの小さく初々しいピンクの膣に飲み込まれて行った。
ぐじゅっぐじゅっ……
結合部からは湿った音がし、和人はせわしなく腰を抽送し始めた。
いつもみたいに、ワルキューレの膣を味わう事も無く、性急に刺激を求め、女体を貪った。
「あっ… あっ… ああっ…… んっ… んんっ」
抜けそうになる位腰を引かれてそこから一気にえぐられる度にワルキューレの頭の中ではパチパチと火花が散る。
引き抜く時は、離すまいとするように粘膜が絡みつき、押し込む時は進入を拒むように抵抗する。
狭い膣内はツブツブの柔襞で覆われており、ザラザラした産道の襞は和人の陰茎を豊富な愛液を纏わりつかせて包み込み、扱きあげる。
柔肉が四方から巻き付くように絡みついて締め付ける。
その動きが入り口と奥で、そして上と下で別々に蠢き陰茎を奥に奥に飲み込もうとする。
さらに入り口がきつく締め付け、逃がすまいとしてしまい
「ワ、ワルキューレ…… そ、そんなに膣中(なか)、動かさないで…… ああっ、そんなに締め付けないで」
何度も何度も味わっているワルキューレの膣だが、毎度ながらのあまりの気持ち良さに和人が苦しそうに声をあげた。
「そ、そんなぁ、私… 締め付けてなんか…… 動かしてなんかいませんっ。 か、身体が勝手にぃ……」
それ以降は言葉が続かず、腕と脚を和人に絡め、身体を密着させた。
結合部からは絶えず、グジュグジュと湿った粘り気のある音がし、和人の腰の動きも早まる。
「ああ〜、ああ〜っ、ああ〜っ…」
苦しそうに息を吐き、それと同時に声が出てしまってるワルキューレは意識は殆ど無く、和人も背骨が痺れるような感覚を覚え、限界が近いことを自覚すると、さらに叩きつけるように腰をぶつけた。
「ワルキューレ、い、行くよ。 出すよ」
和人の言葉には答えられなかったが、薄れ行く意識の中で
(来て。 早く来て! お願い一緒に…… 出して、いっぱい……)
と叫んだ。
その瞬間
(びゅっ)
和人の陰茎から精液が放出される感覚がし、
(ばしゃ)
ワルキューレには、膣内に液体がぶちまけられた感覚が走り、2人はガクガクと身体を震わせた。
しばらく硬直したようにそのままの体制だった和人だが、絶頂を迎えたワルキューレの膣はさらに複雑な動きをし、柔肉のヒダが陰茎をマッサージするように蠢き、一番奥の上下の粘膜が二枚の舌のように亀頭の先をチロチロと舐めるように刺激する。
「ああ〜っ……」
出し切って最高の快感の中、さらに追い討ちをかけるような膣の奥深くから与えられる快感に和人は全身がとろけるような感覚に襲われて、思わず声が出てしまった。
ワルキューレはもはや、声にならず、大きく口をあけて激しく呼吸をしているだけだった。
膣の動きが弱まると、深々と埋め込まれた陰茎を引き抜き、力尽きたようにワルキューレの横に転がる。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
2人はタイミングを合わせたように同時に大きく息をし
「んっ…… はあぁん」
ワルキューレがひときわ大きな息と声を漏らした時、ヒクついていた膣から愛液混じりの精液がドロリと漏れ出した。
……。
ようやく息が整って来ると、ワルキューレはティッシュを取って股間を拭いた。
「あっボクが……」
和人が申し出るが
「いいえ。 こんなに気持ち良くしてもらって、愛してもらって、その上後始末までしてもっらてはバチが当たります」
でも
「そんな。 ボクこそ朝早いワルキューレにこんな事してもらって……」
言いかけた所で人差し指を和人の口に当て遮る。
そのまま、布団の中に潜り込んで下半身に向かう。
一仕事終えて、満足そうに萎えている陰茎には自分の愛液と精液が混ざった汁が纏わり付き、ヌラヌラしている。
そっと摘むと、舌を出してペロリと舐め、一通り舐めるとスッポリと咥え込んだ。
「ああっ…… ワルキューレ」
布団の中に和人の手が入ってきて、優しくワルキューレの頭を撫でた。
「ワルキューレ」
今度は呼びかけるような声
ちゅぽんと口から離し、和人の体を伝うようににじり上がって行き
「はい、何ですか?」
布団からヒョコっと顔だけ出して、子犬のように潤んだ目で和人を見上げた。
和人は満足して、眠くなって来たのか目がとろんとしている。
「あっ!」
そのままギュっとワルキューレを抱きしめると
「ワルキューレ。 ボクのワルキューレ……」
抱え込むようし抱きしめ、それだけ言うと、ゆっくりと目を閉じて眠ってしまった。
急な出来事でビックリしたが、和人の体温を直に感じ、しっかりと抱きしめられ、寝る前の言葉
(「ボクのワルキューレ……」)
が何度も頭の中でリフレインする。
(うわぁ。 「ボクのワルキューレ」ですってぇ。 うふふ…… はい、そうです。 私は和人だけのワルキューレです!)
和人の腕に抱えられ、胸に顔を埋めてワルキューレも眠ったのだった。
金曜日の朝。
行為のせいで睡眠時間自体は短かったが、寝起きもスッキリしてて体は羽根のように軽い。
和人の腕からすり抜けると布団を出ていつもの白いコスチュームを着て部屋を出た。
と……と……と……
今日は階段を下りる音も殆ど無く、その足取りも軽やかなのは台所にいる真田さんにも解った。
(何と解りやすい……)
苦笑いをして主君が来るのを待った。
顔を洗って、エプロンをつけて台所に現れたワルキューレに
「おはようございます、姫様」
頭を下げると
「はい、おはようございます真田さん。 今日もいいお天気ですね」
声も言葉も鈴を転がしたようで、顔を上げた真田さんは昨日までとの違いに驚くと同時に少し笑えそうになった。
白い肌はハリがあり、髪もツヤツヤ。
神々しいまでの美しさはワルキューレ本来の姿を取り戻したようだった。
(ここまで、お変わりになられるとは……)
「♪〜♪〜〜♪〜」
漬物を切る仕草1つとっても軽やかで、今にも踊りだしそうな感じだった。
「ご機嫌ようございますわねぇ、姫様。 何か良い事でもあったのでございますか?」
少し意地悪く聞いてみる。
「えっ?」
真田さんの言葉に少し驚いたようで
「あら、良く解りましたね。 さすがは真田さんですね」
ポカ〜ん!
(いや、あの…… これで気づかない方がムリでございましょう。 けど、良かった)
安心し、かつ、苦笑いして
「それはそれは良うございました。 して、その良い事とは? 出来ればこの真田にもお教えくださいませ」
さらに少し意地悪してみる。
すると、突然顔を真っ赤にして、下を向いてモジモジしながら
「そ、そんな…… ごめんなさい。 真田さんにも言えないの。 うふふ、ナイショ」
真田さんもそれ以上は追及せず
「さようでございますか。 ともあれ、よろしゅうございました。 あっ姫様、そろそろ婿殿をお起しになられては如何でございますか?」
と助け舟を出した。
「はぁ〜い」
母親に返事をする幼い娘のようなリアクションをしてから、またもや軽やかに階段を上って行った。
「和人様、朝ですよ〜♪」
部屋に入ると、まだ和人は眠ったままだった。
(まあ、和人様ったら…… うふふ)
「和人様、朝ですよ、そろそろ起きてください」
と声をかけながらカーテンを開く。
降り注ぐ朝の日差しに、眩しそうに瞼をギュっと閉じて
「う…… う〜ん。 ワルキューレ? もうちょっと、あと10分…… いや、あと5分だけ」
(こ、これって!)
憧れのシチュエーションにワルキューレの胸もときめく。
布団を優しくめくると
「ダメですよ。 起きて下さい」
と声をかけると、和人がワルキューレの腕を掴んで、グイっと引き寄せてキスをした。
「おはよう、ワルキューレ」
まだ寝ぼけてる和人が挨拶をすると、またワルキューレの唇にキスをした。
「あっ! だ、ダメよ和人。 朝からこんな事なんてぇ」
嬉しさを隠せず弾んだ声で言うワルキューレだったが、エプロン姿のまま和人に体を預けた。
「……」
「……」
下では部屋から出てきたリカと真田さんがボ〜然として互いの顔を見ている。
和人の部屋のドアが開けっ放しなので、やりとりが筒抜けだったのだった。
「何やってるのよ。 あの2人」
リカは余りの恥ずかしさに頬を染めながら言うと
「はあ、何と申しましょうか……」
言葉を詰まらせた真田さんだった。
しばらくして2人が降りて来て、朝食となった。
食べている最中
「ん? あれ? ワルQ、あんた虫にでも刺されたの? 首んトコ」
リカも少し意地悪して聞いてみた。
「えっ? 首ですか? 私は別に……」
しかし、箪笥の上にある小さい鏡に映った自分の姿、特に首筋に赤い痕があるのを見つける。
同時に昨夜のことを思い出し、慌てて
「は、はい。 その…… あの……」
その様子を見て、和人も下をむいてしまい、真田さんは
(「リカ様!」)
と少し困ったように囁いた。
「やぁねぇ。 暖かくなってくると虫が出るもんね。 それはそうとお兄ちゃん、そろそろ行かないと遅刻しちゃうよ」
茶碗を流し台に置くとカバンを持って玄関に向かって、2人は登校したのだった。
いつもとはちょっとだけ(?)違うサプライズのあった金曜日の朝のお話でした。
「ハッピ〜! ラッキ〜! サプライズ!!!」・・・・・・おしまい。
おつきあいくださいましてありがとうございました。
さて、次のお話ですが
1・「こんな事もあろうかと」・・・真田さんの話。短目、エロ分薄め
2・「オモチャでチャチャチャ 〜目からウロコが落ちましたわ〜」・・・一応完結したライネシリーズの続編。タイトル通り。
3・「バーミリオン(朱) 〜バーニング・ハート〜」・・・ライネの長編の第1話。アニメ原作では無いアナザーストーリー。多分もの凄く長いやつの第1話。
4・「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」・・・ワルキューレの話。
5・「15のまま、15から…… 〜花も恥らう受験生のメモリアル〜」・・・リカの初体験話。
から選んでいただきたい。との事です。
それで今までの経過は
1と2が1票づつで、4が2票でよろしいでしょうか?
ご意見と共に投票いただければ幸いです。
それでは皆様、良い祝日を。
乙
そういやファムってメガネ好きでレズっぽいが、リカに食指伸ばしたりしないんだろうかね
183 :
前・389:2007/05/03(木) 22:48:40 ID:T6B9vExD
GJ!
久々のワルキューレのですね。
なんか、和人の優しい性格が性的な意味で災いしてる感じがしますね。
それにしても朝からヤるとは・・・
シャワー浴びるついでにバスルームでヤってそうだな。
次の話は、「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」に一票
>>181 乙でした!
とても面白かったです。
次回作を楽しみに待っております。
ちなみに次回の希望作品は、「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」です。
あと、個人的にはハイドラの話も読んでみたかったり。
乙です
次回もワルキューレがいいです
あと個人的に
>>119みたいな感じのが読みたい
保守
読んでくれてありがとうございます。
どうやら、次もワルキューレの話っぽいですね。
ところで前・389さん、次行かれます?
なければ行かせてもらいますが。 それと月末は当方に書かせてもらいたいのですけどいいですかね?
ライネの誕生日なんで。
しかし、指摘されて調べたら、前回ワルキューレの話書いたのが、彼女の誕生日話だったから、7ヶ月、10作品ぶり……
3ヶ月謹慎してたとは言え、ちょっとアレですねぇ。
>ハイドラの話
とありますが、和人が相手か秋菜や学園惑星の時のおレズ物ですかね?
それと
>ワルキューレの母性愛が云々
と言うのは、ワルキューレが母性に目覚めて……
って話でしたら、21番目の作品に「こんにちは赤ちゃん」と言うのがありました。
赤ちゃんを見たワルキューレが和人を誘って将来の子育ての予行演習をする話でした。
和人はワルキューレのおしめを換えて、ワルキューレは和人におっぱいを飲ませてたら、真田さんと怪傑・猫耳頭巾に見られて……
とか言う話でしたが。
そういうやつですかね?
それとも、シリアスな話でしょうか?
両親から離れてるので、寂しさからワルキューレに……
とかの話ならワルキューレ、真田さん、ライネの3パターン書けますけど。
真田さんは「真田ふたたび」のシリーズが、そんな側面もある感じでしたが。
188 :
前・389:2007/05/06(日) 18:38:25 ID:R0k6EXSL
忙しかったり、壁にぶち当たったりしてまだ投下できません。
まだノートにストーリーを弄り書きしている状態なので・・・
一応終盤まで書き上げてはいます。
>ワルキューレの母性愛の話
和人がワルキューレにシリアスな感じで甘えるってのも面白いと思いますよ。
>>188 ども、お久しぶりです。
前回の作品、読ませていただきました。
壁にぶつかっているようですが、気長に待ってますよ
>>187
ハイドラと秋菜のレズ系(?)お話は以前、前389さんの作品の中で
あったので、個人的には和人が相手のお話を読んでみたいです。
110・127・135です。
このたびは大変申し訳ございませんでした。
>>144様のおっしゃる通り、私の書き方には問題があります。
よく知人から「誰もお前ほどリカを愛してるわけじゃない」「一人の『キャラ』をそこまで深く愛するなんて俺達には無理だ」と口々に言われました。
先にこのことを皆様に断っておかないと後で妄想狂ととられかねないくらい、
私はちょっとリカを好きになりすぎて・・・
あまりにもリカを好きになりすぎて。
リカのことが心配で心配で仕方なかったのです。
もし、私の知らないどこかでリカの心を傷付ける誰かがいたら?
この世のどこかにリカの不幸な未来を願う世界があったら?
皆様も小学校か遅くとも中学で歴史の時間に習ったことでしょう、アメリカの黒人奴隷制の可否をめぐる南北戦争で、
(当時工業化が発展していた北部にも被雇用者の必要という経済的しがらみがあったのは否めませんが)
奴隷制を支持する南部の言い分はこんな感じでした
「ウチの国民が奴隷をどう扱おうと国民の自由だ」
歴史を引き合いに出してあまりはっきりしたことは言えませんが、
北部にも北部の考えがあったように、プランテーションの経営が大変だった南部にも彼等なりの信念があって、北部にとやかく言われる筋合いは無いかもしれませんし、
両者の意見は互いに尊重されるべきものだったかもしれません。
しかし、奴隷にされる黒人の気持ちはどこに行ったのでしょう?
同じ人間であるはずの黒人でさえこんな扱いにされる恐れがあるのですから、
況んや作者に意見する口を持たない皆様の物語上の存在はどうでしょうか。
考えすぎかもしれませんが、
それを思うと、悲劇も全部断ち切って、傷跡も全部癒したいと何度も願いました。
たとえそれが叶わぬ願いだと言われても、
私にとってリカは単なる画面上の存在ではありません。
だから、リカを見殺しにはできなかったんです。
自分カプ設定をお好きになれない方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
ですが、私のしていることがそう簡単に受け入れてもらえないのは承知の上です。
例えば、ハブとマングースの闘蛇場ショーを書けと言われたら皆様はどうなさいますか?
マングースを主役にするのでしたらマングースが勝ち続ける活劇を演出なさいませんか?
ハブを主役にするのでしたらハブが奇跡的に勝つドラマを演出なさいませんか?
どちらにせよ、主役にしたほうを勝たせるのが良識あるSS書きの皆様の善良な答えでしょう。
でも、戦いに勝たせることが、哀しい殺し合いを続けさせることが本当に幸せなのか、
小さな命が本当に望む幸せって何だろう、と考えた結果、
戦い疲れたマングースを奄美島の狭いケージから解放してあげて、
今までの傷も直して、毒も血清で解毒して、
「もう戦わなくていいんだよ」と面倒みてあげるのが
私の考えうる唯一の最適解でした。
これでは見世物にならないし、純粋に殺し合いを見に奄美島に来られた方々の欲望は満たせないかもしれません。
でも、同じケージの中から「相手」を選ぶには、こういう作品の原作は世界が悪すぎます。それが悲劇でした。
ケージの中だけでいくら蛇や動物を動かしても、誰も幸せにできない。
『私自身』が手を伸ばさないと、悲劇の連鎖は断ち切れない。
ケージの中に傷つけ不幸にするだけの「相手」しかいないのなら、
『私自身』がもっとましな未来を約束する「相手」になればいいのではないでしょうか。
それに、本当に救うべきはマングースよりももっとずっと大切な人ですから・・・
見殺しにしてはいけない。失ってはいけない。
他の誰を助けられなくても、リカだけは・・・。
世の中に、全ての出演者が幸せになれる物語なんて存在しない。
誰かしらどこかで傷付くことになるし、話の内容によっては物語の後に不幸の影が曇る宿命かもしれません。
それでも、誰か一人のひとつの物語で幸せを約束されなかったなら、せめてリカだけは救済したいんです。
だから・・・
敬遠されても構いません。スルーされても構いません。
またいつか、私が書くのをお許しいただけないでしょうか?
そして、私のような者に真摯に接してくださり、まことにありがとうございます。
>>144様のような素晴らしい作家様にお会いできて私は幸運でした。
それぞれ守るべき人は違えど、これからも皆様に愛される素晴らしいSSを書き続けてください。
長いしその割には中身がないし・・
ドリームの中でU-1とくっつけられるリカは奴隷よりヒサンじゃないか?
奴隷でもマングースでもいいからドリームとU-1じゃなければ大歓迎だと思うよ
少なくともオレはな
>>189 前・389氏のやつ?
この前の前・359氏のやつじゃなくて?
192 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 13:59:43 ID:RqG9IqNc
一度age
保守
保守
196 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 21:05:25 ID:1fS/jyu5
ろんろん
197 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 17:47:03 ID:m7ymPSC5
変化なし・・・
あ、あの…… 前回に続き、私のお話をする日は青チ〜ムが負けてます。
きょ、今日こそは頑張って欲しいですね。
さて、今回も私のお話です。
題して
「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」
スタ〜トします。
39th 「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」
夜もふけたある時、急に目が覚めたワルキューレ。
目の前の和人は穏やかな寝息をたてており、布団の下は裸のはずだった。
そして、自分も……
(そうだ、私…… またおねだりしちゃったんだ。 それで、和人様に、その…… いっぱいいっぱい突かれちゃって…… 気持ち良くなって……)
「はぁ……」
1つ溜息をついた。
(ダメだなぁ、私って…… 明日、いえ、日が変わって今日が金曜日。 夜まで待てば、その……)
(で、でもでも和人様がいけないのよ! そ、そりゃ前よりは少しは私を求めてくれるけど……)
少し恥ずかしくなって和人に背を向けるように寝返りをうった。
(そ、そうよ! もっと和人様が……)
再び和人の方を向き、その寝顔をナジるように睨み
(わ、私からばっかりおねだりさせないで、和人様ももっと。 でも、和人様は学校もあるし、お仕事もあるから仕方無いのかなぁ。 和人様からお求めになるのが週1回でも贅沢なのよね)
とりとめの無い事を考えてる内に再び瞼が重くなって来て、眠りについた。
和人がもっと積極的に自分を求めて欲しい。
そんな不満を心の声で訴えたが、身体は正直で、行為のあった次の日の朝は実にすがすがしく、体は軽い。
しかも、今日は金曜日。
休みの前日は自分が生理で無い限り、「事」はあるのだから……
午後になっても軽い身体に合わせるように、ワルキューレの心はウキウキ。
(昨日おねだりしちゃったけど、今日は金曜日だし、その…… あるわよね)
「んふふ……」
思わず笑みがこぼれたのだった。
「姫様、如何なされました?」
TVには見向きもせず、少し頬を染め微笑んでるワルキューレに声をかける。
聞かずとも、様子を見れば嬉しい楽しい事を考えているのは解るのだが、とりあえず聞いてみた。
「えっ! い、いえ…… 私はそんな……」
やっぱりと言うか、当然ながら返事はうやむやにされた。
(と、言う事は婿殿とあんな事とかこんな事をなされる妄想…… もとい、想像をなされてた。 と。 まあ、今日は金曜日ですし)
そんな事を考えていた時
「ごめんくださいましなぁ」
玄関から声がした。
「はいはい」
真田さんが玄関に行くとトートバックを持ったライネ。
「まあ、ライネ様。 如何なされました?」
「ワルキューレお姉様はいらっしゃいますの?」
既に上がる準備をしてたライネが尋ねる。
「ええ、おられますよ。 まあ、玄関でと言うのも何ですから、お上がりください」
迎え入れた。
「あら、ライネいらっしゃい」
居間でワルキューレが迎え、ライネは姉の対面に座った。
「どうぞ……」
真田さんがお茶を入れ、ライネに出す。
「これはどうも」
さっそく一口飲んだ。
……
ライネが湯飲みから口を離すのを待ってワルキューレが口を開いた。
「何かあったの?」
しかし、ライネは直には答えず、天井の方を見て
「和人様はまだお帰りになられておられませんの?」
はぐらかずような答え。
「はあ、あと1時間もすればお帰りになられると思われますが……」
真田さんが中に入るように答え
「和人様にご用があるの?」
ワルキューレも尋ねるが、返事は意外なものだった。
「いえ、和人様にはこれと言って……」
それだけ言うとお茶を飲み、全く別の話をし出したのだった。
デパ地下の試食ツアーに行こう。
とか
夏になったらお揃いの浴衣を着よう。
だの。
姉妹の中ではファムとライネが殊更ワルキューレの事を慕ってるので、真田さんも
(姫様とお話なさりたかっただけでしたか)
と思ったのだった。
しばらく話し込んだ後
「あっそうそう!」
ライネがトートバックから包みを出した。
「お姉様、珍しいチョコレートがございますのよ」
包装紙を破って箱を開け、ワルキューレに見せた。
トリュフタイプのチョコが12個並んでいた。
「あら、美味しそうね」
興味を示した姉を見てニヤリとするライネだったが、ワルキューレも真田さんも気づかなかった。
「真田さん、お姉様に紅茶でも入れて差し上げてくださらない? リーフじゃなくて結構ですので」
「えっ? 私に? ライネ貴方は、食べないの?」
言われても慌てる事も無くトートバックの中を見せ
「あたくしは後でいただきますわよ。 もう1つございますので」
確かにもう1つ箱があった。
「お茶(紅茶)でございます」
真田さんが言われたワルキューレと、そしてライネの分のティーカップを持って来た。
「まあ、お姉様お食べくださいな」
「ええ、いただくわ」
1つ手にとって食べる。
「美味しい。 ライネ本当に貴方はいいの?」
「ええ」
「じゃあ、真田さんは?」
勧めてみる。
他ならぬワルキューレが勧めてくれるが、他の皇女(ライネ)の前だし、何よりライネがワルキューレにと持って来たチョコレートなので、真田さんも素直に
「有難く頂戴いたします」
とは言えなかった。
ライネの方をチラリと見ると
(ごめんあそばせ、お控えくださいな)
彼女の目がそう語ってる気がし、
「折角のお召しでございますが、この真田にお構い無きよう」
とだけ答えた。
替わりにライネと真田さんは煎餅を食べ、3人はお喋りしながらそれぞれの、少し遅めの午後のティータイムを過ごした。
ワルキューレが4つばかり食べたのを見て
「そろそろですわね」
ライネがおもむろにティーカップを置いた。
「?」×2
「お姉様、「媚薬」ってご存知ですか?」
「ラ、ライネ様!」
ライネの言葉に素早く状況を察した真田さんが彼女を睨んだ。
(しまった! いくら妹君とは言え、真田が毒見をするべきでございました)
しかし、今となっては後の祭り。
だが、当のワルキューレは
「びやく? 媚薬って何?」
今ひとつ状況を把握してないようだった。
ガクッ!×2
真田さんとライネがズッコケそうになり、
「姫様、「媚薬」と申すのは催淫剤の事でございます。 それにしてもライネ様、どのようなおつもりでございますか? ご返答によってはいかに皇女殿下であらせられようとも……」
目を吊り上げて怒りの表情を露にする真田さんをいなすように
「だってぇ。 ファムお姉様が以前に申してましたでしょう。 ワルキューレお姉様は地球の細菌、ウイルスに対して抗体が出来ると」
「はぁ……?」
「ですので、地球の方用のお薬も効く可能性があると」
「はぁ……?」
「そこでぇ、媚薬の類も効くのかな? とか思いましてぇ」
「ですがライネ様!」
真田さんがワルキューレを心配して食い下がるのだが、当のワルキューレは
「ねぇ、催淫剤ってどういうものなの?」
このテの話題には全くついて来れないのだった。
「あのですねぇ、お姉様。 要はえっちな気分にさせたり、体をそう反応させるお薬ですわよ」
「ええ〜っ! そ、そんなお薬があるの?」
頬を染め、ここに来てようやく状況が飲み込めたようだった。
「ところでぇ、お姉様…… 如何ですの? 身体が熱っぽくなって、えっちなお気分になって来られませんこと?」
ニヤリとして聞く。
「えっ?」
そう言われれば、先程から身体が熱っぽい感じがする。
「そ、そんな事ないわよ」
慌てて否定する。
しかし、ライネは見通したように
「ふ〜ん。 やっぱり地球のお薬は効かないのもあるみたいですわねぇ」
と流し目で姉を見つめる。
慌てて視線を逸らすワルキューレを見て、さらに追い詰めるように素早く背後に回る。
「な、ちょ、ちょっとライネ!」
背中越しに手を伸ばし、いつもの白いコスチュームの上から豊かな丸い乳房を持ち上げるように触る。
「本当に、効いてませんの? お・ね・え・さ・ま」
耳元で息を吹きかけるように囁きながら、人差し指でポツンと浮き出ている乳首を転がす
「ああんっ。 や、やめてよライネ…… あんっ、ダメだってば!」
身体を捩って妹の手から逃れようとするが、ライネは執拗に敏感な部分をいじる。
「ライネ様、何とうらやましい…… じゃ無かった、はしたない。 お止めください」
思わず声を荒げる真田さんだった。
しかし、真田さんの言葉が聞こえないように姉の体を蹂躙し続けるライネ。
「お姉様、乳首の周りが…… ホラ、こんなに盛り上がって…… 乳首も硬くなって…… アソコも濡れて来たのではございませんこと? んふふ」
右手をツツ〜と下げ下半身に伸ばしかけた。
「や、止めて!」
いつも優しいワルキューレが声を荒げてライネを振り払う。
「わ、私は…… 私の身体はもう和人様のものなのです。 だから、ライネ。 例え貴方でも私の身体には…… それに、私は薬なんか効いてません!」
言葉は強目だが、目は潤んでとろんとなり、頬は染まり、声は微妙に震えている。
「あら、そうでございましたの。 効きませんでしたか。 それは残念」
意外とあっさりと諦めたライネ。
「それでしたら、大丈夫でございますわね。 ところで真田さん、少々お付き合いくださいませんこと?」
話題もすっかりと変えてしまった。
「えっ、わたくしでございますか?」
真田さんも少々意外な感じがした。
何よりライネが自分に用があるとは。
自分はワルキューレ付きの侍女ではあるが、皇室侍女長でもあるので、無下には断れない。
何か良い言い訳は無いものかと考え
「で、ですが、そろそろ婿殿もお帰りになられますし、銭湯を開ける準備もございますし……」
咄嗟に思いついた割には良い言い訳かと思ったが
「和人様のお出迎えはお姉様がおられるから大丈夫でございましょう。 それにそれ程時間は取らせませんわよ。 お姉様も媚薬が効いてないのですから、大丈夫ですわよね?」
チラリと姉の方を見ながら言う。
「そ、そうね。 私は大丈夫よ。 だから真田さん、ライネに付き合ってあげて」
まだ、頬が赤いままワルキューレが真田さんにライネに付き合うように言った。
「さようでございますか。 ではライネ様……」
真田さんがティーカップを片付け出かける準備をした。
「では、ワルキューレお姉様、ごきげんよう」
「え、ええ。 またね、ライネ」
2人が外に出て行った。
ドキドキドキドキ……
ライネに言われてからずっと鼓動が激しい。
少し息苦しく、身体が熱っぽい。
触られた所は特に熱く、神経がムキ出しになってるように敏感になっている。
(や、やっぱりお薬が効いてる……)
つい右手が左の胸の膨らみに伸びた。
!
(あっ……)
和人に触れられたような蕩けるような感じがする。
股間も熱く濡れてるのが触らなくとも解る。
(ダメ…… 私……)
「ただいまぁ」
玄関が開き、和人の声がした。
ワルキューレは弾かれたように立ち上がり玄関に和人を迎えに行く。
「和人様ぁ」
まだ靴も脱いでいない和人に抱きつき、その唇を奪うようにキスをした。
「ワ、ワルキューレ!?」
驚きを隠せない和人。
「か、和人様。 あ、あの、私…… は、早くぅ」
和人の手を取って、グイグイと引っ張り2階の自分達の寝室兼和人の部屋へ連れてきた。
「どうしたのワルキューレ?」
状況が解らない和人は焦るだけだった。
どさっ!
「ちょ、ちょっとワルキューレ?」
まだ服も着替えてない和人をベッドに押し倒すと、上に伸しかかり、強引に唇を合わせると、自分のコスチュームを脱ぎ始める。
「和人様、私、私…… 身体が熱くって、我慢出来ないの。 お願い……」
言葉は懇願だが、目はギラギラして獲物を見据えた獣のようで、和人は黙って首を縦に振るだけだった。
いつもとは逆に和人を脱がせると、陰茎に手を伸ばし扱き始める。
あまりにも急な展開に和人の陰茎はワルキューレの望むような反応はしてくれない。
「は、早く…… 早くぅ」
じれったくなったのか、指だけで無く舌で舐め、小さな口を精一杯開いてスッポリと咥え込んだ。
「んっ… んふっ…… んふぅ……」
顔を上下させる度、息とも声ともつかぬ声が唇の隙間から漏れる。
口の中では、舌が激しく蠢めいている。
どういう理由かは解らないが、とにかくワルキューレを抱いて彼女を満足させないと治まらないだろう。
そう思うと、和人もとりあえず快感を享受しようとワルキューレを抱き寄せた。
「ああっ……和人」
自らの愛撫ですっかり突き立った陰茎を口から引き抜くと頬擦りするように改めて舐め、硬さを確認すると和人に跨り陰茎に手を当てて狙いを定め、体重をかけてズブリと膣に突き刺した。
「んぁっ……んっ」
体にクイが刺さったように顔を仰け反らせると、下の和人からは大きな2つの膨らみの間からワルキューレの白い顎が目に入った。
手を伸ばしその膨らみを掴む揉みしだく。
「ああおぅぅ……んあぁぁ」
目の焦点が合っておらず、日頃の控えめなワルキューレからかけ離れた本能の赴くまま声を上げるワルキューレに少し驚いた。
いつも、行為が進んで、最後の最後にこんな声を出す事があるが、イキナリこんな乱れ方をすることは滅多にない。
下からも腰を送ると、崩れ落ちるように上体を寝かせ、荒い息を吐き出す。
「か…和人……もうダメ、上に…上になって……」
一瞬だけ意識が戻ったのか、それだけ言うと再びせわしなく激しい呼吸を繰り返した。
和人が体勢を入れ替え、正常位になると、乳首を吸いながら激しく腰を律動させる。
「ああ〜、あっ、ああ〜っ……」
目はカッと見開いているが、もはや意識は飛んでいるらしく、和人の姿が見えている様子は無い。
口からはだらしなくヨダレが流れ、本能的に手と脚は和人に絡めてされるがままになっている。
それでも、下のワルキューレも本人が意識しないうちに更なる快感を貪欲に求めて、小刻みに腰を振っている。
その動きが和人のリズムと一致した時、和人の陰茎が断末魔の痙攣をし、その動きを膣の中で感じ取ったワルキューレが和人の背中にツメを立て、体を弓なりに仰け反らせた。
「ワルキューレ、行くよ」
合図と同時に、和人の尿道口から勢い良く放出された精液がワルキューレの子宮口を直撃し、ワルキューレは身体を痙攣させて絶頂を迎えたようだった。
・・・・・・
「あ、あの…… 和人様」
抱きしめられ、髪を撫でられながら、和人を見上げて言う。
返事は無く、代わりに優しくキスをしてくれた。
「どうしたのワルキューレ? 何か様子がおかしかったけど。 そ、その、今日は金曜日だし、夜になれば…… そ、そんなにしたかった?」
和人も照れながら尋ねたが、ワルキューレも返事に困ってしまった。
まさかライネに媚薬を盛られたとも言えない。
「あ、あの……」
どう答えようか悩んだ末に昨夜、思った事を言うことにした。
「だ、だって…… 和人様が私を求めてくれないんだもん」
「え?」
「私の身体は…… 私の身体は、もう和人様にえっちな事をしてもらわないとダメな身体になっちゃってるんだもん。 それなのに私がおねだりしないと和人様、私を抱いてくれないんだもん」
頭が混乱してるのか、ワるきゅーレのような口調でナジる。
「そ、そりゃ、和人様も私を求めてくれる事も増えたけど、もっと、もっと…… その…あの…… と、とにかくガマン出来なかったんだもん!」
そこまで言うと、和人の胸の顔を押し付けてしまった。
「ワルキューレ…… うん、ゴメンね。 でもそんなに毎日は、その……出来ないかもしれないから、せめて休みの日は、今日はいっぱい…… その…… しようね。 それで許してくれる?」
別に和人は悪くないのに気遣ってくれるのが嬉しくもあり、また申し訳なく思えた。
「和人様ぁ」
でも素直に謝るより、和人の言葉に甘える方が和人も喜んでくれる気がしたので、縋りつくようにしなだれかかったのだった。
(「たぁ〜けやぁ〜さおだけぇ〜」)
いつも夕方になると近所に来る竿竹屋の声を聞き、和人が時計を見ると、そろそろ銭湯を開ける準備をしなくてはいけない時間だった。
「あっ、もうこんな時間」
慌てて起き上がると服を着て
「ワルキューレ、ゴメンね。 その…… 続きは夜に……」
それだけ言うと部屋から駆け足で出て行った。
(きゃぁ〜! 「続きは夜」ですってぇ〜。 あ〜ん、今夜はたっぷりと…… そんなぁ、困っちゃう)
(いえいえ、別に本当に困るワケではなくてぇ…… んふふ)
今夜の事に思いを馳せていたら、下で和人が会話してる声がした。
(リカ様? ううん、違う。 あっ! ライネと真田さん)
ワルキューレも慌ててコスチュームを身に付け階段を下りた。
「それじゃあ、ボクは銭湯を開ける準備するから。 ライネ、良かったら入っていってよ」
ボイラー室に向かった。
「はい、お言葉に甘えさせていただきますわ」
ライネが見送ると
「あら、お姉様」
ニヤけたライネが振り返る。
「ライネ、真田さん。 貴方達、出かけたんじゃなかったの?」
「あらぁ? あたくしは「時間は取らせません」とお断りして真田さんをお借りしましただけですわ。 ねえ、真田さん」
「はぁ」
真田さんはこの上なく歯切れが悪く、、それでいて、彼女まで自分を少しニヤけた目で見てる。
真田さんの様子が少し余所余所しい。
(ま、まさか!)
「あ、あの、貴方達いつから……」
恐る恐る聞いてみると、ライネがさらにニヤけて
「いやぁ、実はあれから直ぐ……」
さ〜〜〜!
気分は一気に引き潮。
血の気が引くような感覚を覚えた。
「あたくし達が戻ってまいりましたら、お姉様もおられなくて…… にひひ」
「なっ!」
「いやぁ、まだお天道様も出てる内からお楽しみでございましたわねぇ、お姉様。 和人様のすっかり搾り取られたような感じで…… 実においたわしかったですわねぇ。 ねえ、真田さん」
指名された真田さんだったが
「ひ、姫様、わたくしは、真田は何も聞いておりません。 ええ、聞いておりませんとも」
必死に否定するのがかえって「私は全て聞いておりました」と言ってるようで、ワルキューレの胸に痛々しく突き刺さった。
「またまたぁ、真田さんったら、ご自慢のそのお耳をそばだててお聞きになっておられましたでしょうに。 「私の身体はもう和人様にえっちな事をしてもらわないとダメな身体になっちゃってるんだもん」でしたっけ? しっかりと……」
さ〜〜〜!
さらにワルキューレから血の気が引いた。
あれは和人にだけ、和人だからこそ言えたセリフで、例え妹でも、姉のように慕ってる真田さんにも聞かせる訳にはいかない言葉だったのに。
「……」
「あら? 如何なされましたの、お姉様?」
「姫様?」
「……」
「お姉様?」
「だ、だ、だ、だって仕方無いじゃない」
一転して今度は顔を真っ赤にして反論が始まった。
「うわ! 逆ギレですわ!」
ライネが大袈裟に芝居がかった様子で驚いて見せた。
「だって、ライネ貴方が媚薬なんか…… そうでなければ私が和人様にあんなはしたない……」
言いかけた所で、手のひらをワルキューレの方に見せる感じでビシっと遮る。
「実はですねぇお姉様。 誠に誠に、まっことに申しにくいのですけど…… アレ、実は間違っておりましたの」
「……え?」
「ですからぁ、アレはあたくしの間違いだったのですわよ」
「ま、間違い?」
「ええ。 お姉様がお召し上がりになったのは、フツ〜のチョコでして……」
「えっちょ、ちょっと?」
「本物の「純度100%天然ガラナ入りチョコレート・ラブポーション」はこちらの方でしたの」
トートバックからもう1つの箱を取り出し、ニヤリとして見せた。
「つまりは、媚薬を飲まれなくてもお姉様は和人様を押し倒してあんな事やこんな事を…… という事ですわよ。 いやぁん、お姉様のえっち。 にひひひ」
「!!!」
「ライネ様、姫様をハメたのでございますか?」
一応怒ってるように聞こえたが、声は笑いを必死に堪えているのか少し震えており、目はニヤけていた。
「いいえぇ、違いますわよ。 ムリヤリ、ハメさせられたのが和人様だったと言う事ですわよ」
「まあ、ライネ様お上手! はっ!」
ワルキューレの髪がハネ上がり、炎のようなオーラが立ち込めてる感じがハッキリと解る。
真田さんのネコ耳がピンと突き立ち、シッポがゾクゾクして危険を知らせた。
「ひっ姫様……」
これ以上ないピンチ!
しかしボイラー室の方から
(「真田さ〜ん。 ちょっといいかな」)
正に地獄で仏、和人の呼ぶ声がしたのだった。
「は、は〜い、只今参ります」
(あ〜助かった〜〜)
安堵の表情を浮かべ
「ほほほ。 婿殿のお手伝いをしなくては。 姫様、わたくしはこれにて失礼いたします。 ライネ様ど〜ぞごゆるりと」
逃げるようにその場を去った真田さんだった。
「さ、さ〜て、あたくしも……」
逃げ帰ろうとしたライネの襟首をワルキューレがむんず! と掴み
「まあ、ライネったら。 せっかく和人様がお風呂に入っていきなさいっておっしゃって下さったのに、帰るなんて言わないわよね?」
笑顔でいつもと変わらぬ優しい声で言うが目は完全に怒っている。
「い、いえ。 和人様のご好意は嬉しいのですが、やっぱりあたくしも……」
しかしワルキューレは有無を言わせないような雰囲気を漂わせ
「まあ、そんな事言わないで。 ね。 お風呂の準備が出来るまで、ちょっと私とお話しない?」
「い、いえぇ……」
「いいからいらっしゃい!」
襟首を持ったまま2階の部屋に連行しようとした。
「あわわわ…… た〜すけて〜! 和人様ぁ〜」
ズルズルと引きずられて連れて行かれたライネ。
その後た〜っぷりとお説教をされたのだった。
「もうこんなイタズラしちゃダメよ。 貴方がこんなイタズラしないようにこのチョコレートは私が預かっておきます」
と「純度100%天然ガラナ入りチョコレート・ラブポーション」はあえなく没収されてしまった。
数日後、ワルキューレの肌がツヤツヤし、満腹の虎のような実に充実した顔をしてた日。
真田さんからその日、部屋を掃除した時にチョコレートの空箱を発見した事を聞いたライネ。
「んまぁ! 最後の最後まで良くあるオチでしたわねぇ。 いや、お姉様の「欲ある話」でしょうか?」
出されたお茶を飲んでいると、ワルキューレが帰って来た。
「あら、ライネいらっしゃい」
ライネの横に座ると、真田さんはワルキューレの湯飲みを取りに席を立った。
それを見計らい
「ねえ、ライネ。 あのチョコレート…… その…… どこでお求めになったの?」
頬を染めモジモジしながら尋ねて来た。
「……」
「い、いや、別に私…… ううん、私達はそんな……」
「……効果バツグンでございましたの?」
「だ、だから、そうじゃ無くって…… そんなつもりじゃないのよ。 とても美味しかったから…… その…… あの……」
「ふぅ〜ん」
ニヤけた流し目で姉を見る。
「ホ、ホントに…… だ、だから、ち、違うのよ」
「はいはい、よ〜く存じておりますわよ。 まぁったく、欲ある話ですことね」
呆れたライネが呟き、お茶をゴクリと飲んだのでした。
「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」・・・・・・おしまい。
「ち、違うのよ。 ホントに違うのよ。 和人様と私は…… ねえ、ホントなのよライネ。 ちょっと聞いてるの?」
「欲ある話 〜甘いワナにご用心〜」・・・・・・本当におしまい。
ワル 「ワ、ワルキューレで〜す」
ライ 「ライネで〜す」
真田 「三……」
ライ 「アウトォ〜」
真田 「何をおっしゃいます。 こういうのはキチンと最後まで、三波……」
ライ 「ですからぁ、アウト〜ですわよ」
ワル 「と、所でライネ、あのチョコだけど……」
ライ 「何ですの。 そんなに効果バツグンでございましたの? だったら次はあたくしが……」
ワル 「えっ? 何か言った?」
ライ 「いいえぇ。 別に」
真田 「そう言えば次のお話でございますが……」
ライ 「ハイハ〜イ! 次はあたくしのお話でございましょう」
ワル 「でも貴方の誕生日までは日にちがあるし……」
真田 「そういう時こそ、わたくし真田の短編「こんな事もあろうかと 〜できるかな?〜」の出番ではないでしょうか?」
ライ 「いやぁ、ホントに「こんな事もあろうかと」ですわよねぇ」
ワル 「で、でも、ホントに次は何か決めて無いみたいですね」
ライ 「ま、その辺りはおいおい決めて……」
真田 「では、わたくしの出番は?」
ワル 「それもおいおい…… と、とにかくお付き合いくださいましてありがとうございました」
ライ 「そうですわねぇ」
真田 「それでは皆様、良い週末、休日をお送りなさいますよう」
>>209 激しく乙
やばい、ワルキューレがかわいすぎる
乙
和人にえっちな事してもらわないとダメな身体って、ドMでエロいぜワルキューレ
萌えた、萌えつきた・・真っ白にな
つか、このワルキューレは反則だな
読んでて布団の上転げまわりそうになったよ
>>209 乙、すばらしき文才。
次回作を楽しみにしております
保守
待ち
216 :
前・359:2007/05/20(日) 05:58:49 ID:9SrkDuMt
え〜。
感想いただきまして、ありがとうございました。
今回は少し趣の変わった話を行かせていただきます。
以前
「母性に目覚めたワルキューレが和人に……」
という書き込みをされた方がおられました。
あまりにも抽象的なご意見でしたので、解釈が不十分かと思われますが、とりあえず話にしてみました。
題して
「MAMA」
それではスタートします。
40th 「MAMA」
「それじゃあ、ボクは部屋に戻るから」
和人が居間を出ようとする。
「あっ、おやすみなさいませ。 婿殿」
「お兄ちゃん、おやすみ〜」
真田さんとリカはまだ、座ったままお茶を飲み、TVを見ている。
「わ、私も……」
ワルキューレが自分と和人の湯飲みを片付けようとするのを
「姫様、わたくしがしておきますので」
と真田さんが制し、ワルキューレも
「では、お願いします。 おやすみなさいませ真田さん、リカ様」
と頭を下げて和人に続いた。
早々に部屋に戻ったところで、2人の愛の行為が行われるわけではない。
少なくともここ数日はそうだった。
「婿殿、今日もあまり元気がございませんでしたわねぇ」
真田さんが心配そうに呟く。
「アレの事、気にしてるのかな?」
リカの言う「アレ」とはここ数日、毎日のように訪れる土地の開発業者の事だった。
商店街を再開発して、周囲にマンションを建てる。
パンフレットを持参して説明する業者に和人は考える間もなく首を横に振った。
ワルキューレは口を出さなかったが、やはり和人と同じ考えだったらしく、あまりいい表情をしない。
リカも今更ながら時乃湯をマンションにしようと言う考えは無かったが、冗談で
「いいじゃない。 流行らない銭湯よりもマンションにしちゃえば」
とか言ってしまったが、その時、和人にしては珍しく声を荒げて怒った。
その日以来、和人に元気がない。
元々、それほど元気があるわけではなかったが、リカは軽い冗談のつもりでいたのに、兄を傷つけた。と後悔していた。
「そんな…… 婿殿に限って根に持つようなことは……」
リカを庇うが、その言葉にも自信は無かった。
その次の日に
「お兄ちゃん…… そのゴメンね。 あたし、本気で言った訳じゃないんだから」
登校する時、謝った。
和人も
「うん……」
とだけ答えただけだった。
一方、和人の部屋。
パジャマに着替えたワルキューレに軽くキスをすると
「その…… ゴメン。 今日も先に寝てて」
スタンドを点けるとカバンから教科書と参考書を出して机に向かった。
「はい…… おやすみなさいませ和人様」
布団に入ってから和人の方を見る。
その後姿は少し疲れているように見えた。
学校に行き、帰ってきてからは銭湯の仕事。
それでいて、ここ数日は毎日、寝る前に勉強をしている。
(お勉強も大切なのは解るけど…… ファムももう少し課題を減らしてくれればいいのに……)
そんな考えが頭を過るが、瞼が重くなって来て、眠りについたのだった。
(んっ?!)
真夜中に目が覚めたワルキューレ。
和人が自分の胸に顔を埋めるような形で寝ている。
抱きつくように……
そう言えばここ数日、朝起きた時、和人が自分に抱きつくように眠っているのを思い出した。
(もう、和人様ったら…… そ、その…… なさりたいなら、その…… いいのに)
その時はついそんな事を考えしてしまったのだが、後にその考えが甘かった事を知ることになる。
だが、今はそんな事を知るはずも無く、胸に顔を埋める和人を優しく抱くように、再び眠った。
次の日、いつもと同じように和人とリカを送り出した後、これまたいつものように居間で真田さんの出してくれたお茶を飲んでいた時
「姫様、差し出がましいようでございますが……」
真田さんがTVから目を離して主君の方を見て口を開いた。
「ええ、解ってます」
ワルキューレはその後を遮るように言い、真田さんの方を向かず、TVを見ながら答えた。
「さようでございますか」
真田さんもそれ以上は言わなかった。
「真田さん、ちょっと出かけて来ます」
昼前、ワルキューレが言う。
「では、わたくしも……」
お供を願い出たが
「ごめんなさい。 私1人で…… お願いします」
そう言われると
「はあ、さようでございますか。 ではお気をつけていってらっしゃいませ」
としか返せなかった。
ワルキューレが向かったのは和人の通う学校。
丁度昼休みになろうかという時間で、門で用件を伝えると、中に通された。
校舎に入った所の事務で用件を伝えると、2階の部屋に通された。
暫く待っていると、ドアが開いた。
「いらっしゃい、ワルキューレ。 貴方が来るなんて珍しいわね」
ファムが入って来て、ティーカップに紅茶を入れる。
「私の円盤じゃないから、ティーバッグしかないけど、我慢して頂戴ね」
ソーサーを置き、その上にカップを置くと、向かい側に座った。
「どうぞ」
ファムが勧め、自分がまずカップに口をつけた。
「ええ……」
ワルキューレも一口飲むとカップを置いた。
そして、いきなり本題を切り出すように
「あ、あの、ファム……」
身を乗り出して語りかける。
ファムもそれは想定してたようで
「時野君の事でしょ? 彼がどうかしたの?」
ワルキューレがわざわざ学校に来ると言う事はそれしか考えられなかったし、顔を見れば解る。
自分に会いに来るなんて、現在ではありえない事でもあったし。
ワルキューレも意を決して口を開いた。
最初は「課題が多すぎる」とか穏やかな語り口調だったが、最後は「もっと私の事も考えてよ」とか感情的になってしまった。
聞き役に徹していたファムが、ワルキューレの言い分を一通り聞くと、カップを置き、1つ息をついて答えた。
「コレを見て頂戴」
持って来た資料をワルキューレに見せる。
「本当は保護者にしか見せちゃダメなんだけど、貴方は実質、時野君の妻だから見せるわね。 それは時野君の新学期に入ってからの成績……」
「……」
ワルキューレも和人の成績なんて気にしてなかったし、見た所でピンとは来なかった。
「見たところで解らないかもしれないけど、まあ、中の中って所なのよ」
ファムが説明しても
「だったら、いいじゃない。 赤点じゃないんだし」
と反論するだけだった。
「今はね……」
「今?」
ファムがもう2枚資料を出した。
「こっちが去年度の年末まで、そして、こっちが年度は去年だけど、今年に入ってから学年末までの成績よ」
「あっ!」
見せられてワルキューレにも解った。
順位が上の下から中の上というようにジリジリと下がって来ている。
「言い訳する訳じゃ無いけど、私は課題なんて出してないのよ。 夜勉強してるのは時野君が自主的にしてるだけ」
「……」
「いい、ワルキューレ。 時野君はね、貴方達が来る前からリカちゃんと2人で生活してたのよ。 それでも成績はそんなに落ちなかったの」
「……」
「そりゃ、得意な分野とか苦手な問題が出たとかで成績なんて上下するし、彼は進学するつもりは無いみたいだから、どうって事はないけど、でもそんなモンじゃないでしょ」
ファムは紅茶を一口飲んで、口を湿らせると続けた。
「時野君って、凄いわよ。 皆は親御さんが家事をしてくれて、学校に来て勉強すればいいだけ。 あとは遊んだり、アルバイトしたり……」
「でも、時野君は家事はリカちゃんと2人で分担してやって、学校に来て勉強して、家に帰ったらお仕事して…… ヘタすれば私達皇女よりもハードな毎日を過ごして来た」
「それでも、それは彼が選んだ道でしょ? お仕事してるから、家事をしてるから。 まあ、家事は最近は真田さんや貴方がしてるみたいだけど。 でもそれと学業は別でしょ。 学生なんだから」
「……」
自分のせいではなかろうか?
そんな事を咄嗟に思い、ワルキューレの顔色が悪くなった。
ファムもそれを察したのか
「時野君は今までそれが出来たのよ。 だから私もその事を言ったの。 だって、貴方の夫になる人なのよ。 しっかりしてもらわないと」
「でもね……」
「でも?」
「最近ヘンなのよねぇ。 授業中もボ〜っとしてる事多いし。 私の一言でそこまで落ち込む事は無いはずなんだけど、貴方、何か心当たりない?」
聞かれて、ワルキューレも商店街の再開発の話をした。
「なるほどねぇ……」
ファムは納得したようにソファにもたれかかった。
「ねえ、何とか出来ないかしら? 私もイヤなの。 あの商店街も時乃湯もずっとずっとあのままで……」
ワルキューレが切実な願望を口にするが、ファムの答えは現実的だった。
「でも、しょうがないじゃない。 私達はヴァルハラ人なのよ。 貴方は時野君と結婚して夫婦になったとしても商店街や地域の一員でしかない。 いくら皇女でもここでは一市民なんだから」
「でも……」
「そりゃ、ヴァルハラ星の政治力を使えば何とでもなるでしょうけど、でもそんな事をして時野君が喜ぶと思う?」
そう言われると返しようがない。
「まあ、この問題は商店街の人達もあまり乗り気で無いみただから、大丈夫とは思うけど…… それより、貴方は時野君に何かしてあげてるの?」
「えっ?」
意外な言葉に虚をつかれた。
「皇女育ちの貴方に真田さん程の家事は出来ないだろうし、銭湯のお仕事も簡単じゃ無いでしょ?」
「そ、それは……」
(「私だって一生懸命やってるわよ! 家事だって」)
そういい返したかったが、まだまだ不十分なのは自分が一番知ってるだけに言葉にならなかった。
「貴方は妻なんだから、彼を支えてあげなくちゃいけないでしょ? 昼間は学校、夜はお仕事。 頼れるご両親とも離れてて時野君は大変なのよ。 あっお茶のお代わり入れてくるわね」
ティーカップをお盆に載せて立った。
(そうなのよねぇ。 私も何とかしないと。 でもその「何とか」ってどうすればいいの?)
半ば途方にくれるワルキューレにファムが持っていた教科書が目に入った。
手にとってパラパラとめくる。
ファムがそれに気づき
「それ、今使ってる教科書なんだけど、地球の高校生の化学って私達がやってたのと違って範囲が狭いのよね。 物理や数学も一緒。 宇宙物理学とかはやってないみたいだし……」
ワルキューレもファム同様、学生時代の成績は良かったが、得意だったのは政治学で数学や物理はそれ程得意という訳では無かったが、内容は解る。
(そうだ! これだったら)
何か思いついたのか、ワルキューレの表情は明るくなり、ファムも安心したように紅茶を勧めた。
時計をチラっと見ると
「ごめんね、ワルキューレ。 そろそろ午後の授業が始まるから」
話を切り上げて2人は部屋を出た。
「時野君の授業を受けてる所、見てく?」
ファムの提案に首を横に振る。
そりゃ、見たい気持ちはあったが、迷惑だろうと思い、辞退したのだった。
帰り道、先程の事を思い出していた。
(私が和人様のお勉強を見て差し上げよう。 それだったら、和人様とご一緒出来るし、和人様のお役に立てるし……)
足取りも軽く時乃湯に帰った。
夕方になり和人が帰ってきて、いつものように銭湯を開ける。
外でお客さんを出迎えてるワルキューレに丸が声をかけてきた。
「よう、あいつ(和人)、何かあったのか?」
少し不満そうな丸の言葉
「えっ?」
ワルキューレも答えようがなかった。
「どうも、ここ最近のフロはいけねぇなぁ」
妙も同じような感想をもっているようだった。
「何か…… 上手く言えねぇが、気が抜けたようなお湯だったぜ」
「そうだな。 らしくねぇお湯だったな」
「あ、あの…… お湯がぬるかったとか、熱かったとかですか?」
専門的な事は一切解らないワルキューレが必死に聞く。
「いやぁ、温度は別に…… だがなぁ、温まるのは体だけで心まで温まらねぇんだな」
「そうだな、お湯に迷いがあるって感じかな?」
(!)
2人に言われてハッとした。
和人が精神的に参っていて、それがお湯に現れてる事に。
「お嬢ちゃんに言っても仕方無いかもしれねぇけど、オレ達はココが好きだし、あいつの事も心配してるんだよ。 何も無ければいいんだけどな。 じゃあな」
「また来るぜ」
2人は夜道に消えた。
(やっぱり和人様……)
銭湯を閉め、居間でくつろいで、それで少し早めに和人は部屋に戻る。
ワルキューレも後に続き、部屋に戻るとパジャマに着替えた。
和人は今日も机に向かって勉強を始めている。
(「あの、和人様。 お勉強でしたら、私も……」)
銭湯の事はお客の出迎えしか出来ないし、家事は真田さんの方が出来る。
自分が唯一和人を助けられるのは勉強でしかない。
だが、和人はどう思うだろうか?
年上とはいえ女性、しかも妻となる恋人に勉強を教えてもらう事を気にするのではないだろうか?
そう考えると、言葉には出来きず
「おやすみなさい、和人様」
とだけしか言えなかった。
布団に入っても寝付けない。
ワルキューレが寝やすいように部屋の明かりは消されており、電気スタンドのぼんやりした明かりだけが、部屋を照らしている。
もうすぐ2時間が経とうとする頃、和人が立ち上がり、1つのびをすると電気スタンドを消すと、布団に入って来た。
眠れなかったワルキューレは慌てて寝たふりをした。
(えっ! か、和人様)
和人が少し布団に潜るようにして、ワルキューレの胸に顔を埋めた。
「父さん……母さん…… お母さん」
こすりつけるようにワルキューレの豊かな胸に顔を押し付け声を出した。
その声は心なしか震えている。
(和人様……)
自分よりしっかりしてても、そこはまだ17歳の少年。
高校生になる前から親と離れ、時乃湯を切り盛りしてる和人。
自身の成績と銭湯を含む商店街の存続問題。
和人の都合などお構いなしに押し寄せる問題に潰れそうになっていたのだった。
「お母さん……」
最後に呟くと和人は眠りについた。
パイル地のパジャマに暖かく湿った感触……
(涙?…… 和人様、泣いてるの?)
ワルキューレの目からも涙が溢れた。
最愛の人がこれほど思い悩んでいるのに何も出来ない自分が悲しかったし、何より和人が憐れだった。
和人を抱きしめる事しか出来なかった。
次の日夜もやはり和人は机に向かっている。
ワルキューレは昨夜は控えた言葉を口に出してみた。
「あの、和人様」
その声に意外そうに和人が振り向く。
「ゴメン、明るくて眠れないかな?」
ワルキューレはまた泣けそうになった。
こんな状況でも、自分の事で精一杯なはずなのに、気遣ってくれる事に。
それを堪え
「あ、あの…… 私にお勉強のお手伝いをさせてください」
「えっ?」
「あ、あの…… 国語とか英語とかの言語や歴史とかは私には解りませんけど、化学や物理、数学ならお役に立てますから……」
「でも、ワルキューレ朝早いし……」
言いかけた所でワルキューレが横に来た。
「いえ、是非させてください。 和人様のお役に立ちたいんです。 お願いします」
訴えかける潤んだ目に
「うん…… それじゃぁお願いしようかな」
2人の勉強会が始まった。
理数系の時はワルキューレが先生になり、文系の時は一緒に勉強する。
自分が年上という事もあり、まるで家庭教師にでもなった気分だった。
「あっ違うわよ、和人。 そこは……」
ついお姉さんらしい口調になってしまって、思わず口をつぐもうとしたが、和人はまんざらではなさそうだった。
・・・・・・
予定してた分が済んだのだろう。
「ワルキューレ、ありがとう。 今日はそろそろ寝ようっか?」
明日の準備をしてからスタンドを消した。
布団に入るとワルキューレが和人を抱き寄せた。
「ワルキューレ?」
和人の言葉が暗闇の部屋に響く。
それでもワルキューレは和人の頭を撫でた。
「和人、偉いわ。 良く頑張ったわね。 あなたは本当に良く頑張ってるわ……」
「!」
「和人、疲れたらお休みなさい。 私に甘えなさい…… もっとお母さんに甘えて良いのよ」
「わ、ワルキューレ?」
「んふふ、ダメよ。 今だけは私は和人のママなの」
暗くて表情は解らないが、慈愛に満ちた表情なのだろう。
その言葉に今まで抱え込んでた思い、悩みが一気に出た。
石鹸の匂いに混じった彼女自身の甘い匂いと柔らかく暖かい感触は、在りし日の母の胸に抱かれた記憶を甦らせた。
「お母さん! おかぁさぁんっ」
こみ上げる感情を隠そうともせず、ワルキューレに縋りつく。
「うっ… うぐっ……」
声を潜めてすすり泣く和人の頭を優しく撫で続ける。
「和人…… 私の和人。 貴方は1人じゃないのよ。 ……貴方はひとりなんかじゃない。 私がついてるわ」
その言葉に頷く和人だった。
母親とはあまり似てない声だったが、そんな事はどうでも良かった。
ワルキューレの言葉が和人を包み込むように降り注ぎ、柔らかい感触と甘い香りに恋人というより母性を感じる。
パジャマを盛り上げている胸の膨らみに改めて顔をうずめた。
以前より胸が大きくなり、パジャマがキツくなってきてるのか、いつも一番上のボタンを外してる。
そのもう1つ下のボタンを外し、白く大きな胸を露出させると、そっと口に含んだ。
「あらあら…… 和人ったら、こんなに大きくなったのに、まだママのおっぱいが欲しいの? そんなに吸ってもミルクは出ないわよ」
頭を撫でながら呟いた。
しばらくすると、和人の唇の動きがゆっくりとなり、やがて止まった。
「和人?」
問い掛けても返事は無い。
どうやら、そのまま眠ってしまったようだった。
「和人…… 決して貴方をひとりなんてさせない。 だって和人には私がいるもの。 何があっても私は和人の味方…… 例え宇宙の全てが和人の敵になったとしても、私だけは和人の味方」
「私は貴方の妻になります。 でも、貴方がそれを欲すならママにもなってあげる」
(私の和人…… そして、私は和人のワルキューレ……)
・・・・・・
朝。
「和人、起きなさい。 学校に遅れるわよ」
布団がめくられ、エプロン姿のワルキューレに起こされた。
ここ最近でもっとも清々しい目覚めだったが、ワルキューレの口調につい
「ん…… おはよう、母さん」
と言ってしまって、ハッとしたのか慌てて飛び起きた。
「ご、ゴメン…… その……」
焦る和人をそっと抱きかかえ
「いいのよ。 私は和人の恋人で和人の妻で、そして…… 和人のママなんだから」
和人を解放すると
「それより早く着替えて下りてらっしゃい。 もうご飯出来るわよ」
と彼女が考える母親らしい口調で言葉を投げかけて部屋から出て行った。
「おはよう。 母さん……」
目を閉じ、小さく呟くとベッドから出て服を着た。
そしてまた、1日が始まる。
でもそれは、ここ数日とは違う晴れやかな1日のスタートだった。
部屋に入り込む眩しい朝日が和人を照らした。
「MAMA」・・・・・・おしまい。
あの…… すみません。
「えっちは無しです」
と注意書きを書くのを忘れてました。
そっち方面を期待してた皆様、申し訳ございませんでした。
さて、来週27日はライネのお誕生日です。
という事ですので、次回はライネのお誕生日の話になるらしいです。
でも、来週書けず再来週以降になるようでしたら、別のお話になるそうです。
それでは皆様、お付き合いくださいまして、ありがとうございました。
良い週末を。
227 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 15:51:33 ID:Q5569VK0
GJ!
これはこれでアリかもしれない
GJです
やべぇ、このワルキューレかなりツボった
是非こんな感じのエロいのが読みたいです
然り気無くワルキューレの胸が大きくなってる所もイイ
本当にエロい身体してるなぁ(*´Д`)ハァハァ
乙
ワルキューレママに甘えたくなりましたw
次は和人×ハイドラのお話かな?
保護
え〜。
感想いただきましてありがとうございます。
実は、この設定はワルキューレじゃ無かったんですけどね。
結婚前の「今」なら真田さんで、結婚後「数年後」ならライネがこの役割をするつもりで考えてました。
ワルキューレがこのスタイルのエロは大義名分というか、もって行き方が難しいので、じっくり構想を練らないとアレなんで、また日を改めて……
ハイドラの話もこれまた難しい。
ですが、雑談からネタが浮かぶ事がありますので、感想と一緒に何か思ったこととかありましたら書いてください。
次回はライネの話にしますので、ハイドラの話はどなたも行かれないようでしたら、その次あたりに行かせていただきたいと思ってます。
ではまた。
232 :
ライネですわ:2007/05/27(日) 05:22:36 ID:qNdhaHN5
皆様〜。
ご存知でしたかぁ?
今日はあたくしの誕生日でございますのよ。(本当)
というワケでぇ、今回はあたくしのお話でございますわ。
なお、可能な方は過去の
8番目「ワルキューレ?のホワイトデー」(3期スレ)
16番目「お誕生日おめでとう ライネ」(4期スレ)
25番目「時をかけるライネ 〜もう1つの運命(さだめ)〜」(4期スレ)
をご覧になられてから、お読みいただけると解りやすいかと思われますわ。
出来ない方は…… そのぉ、そのままお読みくださいましな。
では、始めさせていただきますわ。
まだ5月であるが、夏本番を思わせる暑い日の週末。
ライネと和人が内緒のデートをする時によく訪れる浜辺にはカップルや家族連れが繰り出している。
しかし、2人には外の暑さは無縁のいつものホテルのいつもの部屋で刹那的な愛の行為に没頭していた。
「あくっ…… んくぅ……」
よつんばいになったライネに和人がのしかかるような姿勢で下半身をぶつけるように突いている。
ライネの意識は半分飛んでおり、体内に和人の陰茎が突き立てられる度に息を吐き出すのと同時に声が出ている感じだった。
「ライネ、行くよ!」
搾り出すような声で呟くと、既に妖しい蠕動を繰り返すライネの膣内に思いっきり射精した。
「かはぁっ」
今日、3回目の和人の射精を受け止めるとライネの体がブルブルと震えて、一瞬動きが止まったかと思うと、力尽きたようにベッドに崩れ落ちた。
41st 「お誕生日おめでとう、ライネ’07。 〜1st Anniversary at memory of secret love〜」
「はぁはぁはぁ……」
荒い息が整ってきた頃、突っ伏していたライネが大きな胸が潰れて苦しいのか、ゴロンと転がって仰向けになる。
寝ても崩れない、胸の膨らみが呼吸に合わせて上下している。
大きさに比例して少し大きめの薄いピンクの乳輪。 その中心にある周囲よりやや濃く色づいている乳首がふるふると震えている。
3度目の射精を終えた和人だったが、ライネを抱き寄せ、亜麻色の髪に顔を埋めると、手の平でやんわりと胸を揉んだ。
「ああ〜っ、気持ち良かったですわぁ」
部屋中に響き渡る大声でライネが快感を反芻するように言う。
身体がバラバラになりそうな位、激しい快感を得たセックスの後に彼女がいつも言うセリフだった。
そして改めて
「和人様、気持ち良かったですわ」
自分の髪に顔を埋めている和人の顔を向かせると、チュッとキスをする。
口を大きくあけて喘ぐせいか、口の中がカラカラで和人の唾液で口を潤わせるように舌を絡め、貪る。
和人も渇き気味のせいで甘味が増しているようなライネの唾を流し込み、代わりに自分の唾液をライネに送り込んだ。
胸に這わせた手をせわしなく動かすと
「ん、んんっ……」
鼻から声を漏らし、身体を身悶えさせるのだった。
「うんっ…… もう!」
口を離したライネが美しく整った眉を歪ませて和人を睨む。
「和人様、まだ満足されませんの? あたくしの身体では気持ち良くなれませんでしたの?」
少し不安げに聞いてみるが、それはポーズ。
返って来る答えは
「ううん、ライネの指も口も胸も…… アソコも最高に気持ち良かったよ」
今回もやはり、この答えを聞き、ライネは嬉しくてまた、和人の唇を求めるのだった。
長いキスを終えると、まだけだるい半身を起こしてティッシュを取り自分の股間を拭く。
今日3つ目の丸めたティッシュを捨てると、再びゴロンと横になった。
と言うより、まだ起き上がれないでいた。
特に腰が溶けたようにだらんとして、足もあまり動かない。
だが、そのまだ自分の身体でないようなフワフワした感じが好きだった。
和人にトロトロにされた事が喜びだった。
「あ〜〜〜。 タンノ〜いたしましたわぁ!」
身体だけで無く、精神的にも満足しきったのだった。
しかし、しばらくするとライネがモゾモゾとしだし
「か、和人様……」
さっきまでとは変わって、少し焦ったような声
「どうしたの?」
和人も心配そうに聞き返した。
「あのぅ、あたくし…… ちょっとおトイレに…… そ、それで、申し訳ございませんが、おトイレまで連れて行ってくださいます?」
つい先程まで激しく互いの身体を貪りあった仲であるが、恥ずかしさが出てしまい、上気した頬をさらに染めて言った。
まだライネは自分で立てないようなので
「うん」
和人が立ち上がるとベッドに寝そべってるライネを抱き抱えるとガラス張りのバスルームの隣にあるトイレに連れて行った。
「大丈夫かな?」
ライネを気遣いながら便器に座らせた。
「ありがとうございます。 ……あ、あの?」
座らせた後も和人は出て行く様子はないので、思わず声をかけてしまった。
「ライネ…… そのライネがしてるとこ…… 見たいな」
和人の言葉を聞き、ライネの顔がさらに真っ赤になる。
「そ、そんな和人様、あたくしのしてる所なんて何度もご覧になってるじゃありませんの!」
確かに和人が求める場合もあれば自分から見せる場合もあり、今回が初めてと言う訳ではない。
しかも、和人の婚約者である姉・ワルキューレにはなかなかそんな事を頼めないようなので、ライネは婚約者にすら頼めない事を自分に頼んでいる。と思うと、羞恥心を乗り越えて和人に全てを晒せるのだった。
でも……
「うん…… でも何回でも見たい。 ダメかな?」
和人も照れながら言うが、それがかえって羞恥心を煽った。
「お見せする時は、その…… 心の準備と言うか…… アレですけど、今日は、その…… 急で」
しかし、そう言ってる間にも尿意が増してくる。
「そ、その…… そんなにご覧になりたいのですの?」
半ば覚悟を決めて尋ねてみる。
「うん」
はにかみながらも期待に満ちた答えを聞くと
「もう、解りましたわ。 和人様のえっち……」
ぴっちりと閉じていた膝を開く
「ああっ……」
膝を開いただけでは満足しないのか、和人が太股も持ち上げて足を腰掛けの淵に乗せさせた。
和人の目の前にM字に開かれたライネの性器が露になる。
幼い顔立ち、小柄なライネらしからぬ、鶏のとさかのように大きくはみ出したビラビラ。
しかも、色白なのに、その部分だけは濃く色づいている。
去年のライネの誕生日に初めて見た秘密の部分。
ライネはコンプレックスみたいだったが、愛くるしい彼女の外見とあまりにもかけ離れた性器に、かえって激しく興奮したのが思い出される。
ワルキューレも真田さんもライネ同様、色が白く、その部分もそれに合わせるように薄いピンクであったり、真田さんのようにサーモンピンクだったりした。
ワルキューレは小陰唇というより全体が実に控えめでこれまた実にワルキューレらしい佇まいなのに。
無論ライネも元からそうで無く、ライネすら知らない本当の初体験、中ライネが和人とセックスをした時はぴったり閉じている縦スジからちょっぴり薄いピンクの粘膜がちょっぴりはみ出していただけだった。
そんな事を考えていたら
「ああっ…… やっぱり出ませんわぁ……」
ライネがぎゅっと目を閉じ、羞恥に震えながら呟き、和人を目の前のライネに集中させた。
指をVの字にして陰唇を開き、和人に見せるように開いており、中ではヌラヌラと湿った粘膜がぱくぱくとまるで呼吸をするように開いたり閉じたりしている。
「んっ……」
ライネがいきむと、膣とクリトリスの間のぽつんとした小さな穴の周りが盛り上がってはすぼまっている。
それでも暫くすると尿意が限界まで昂ぶったのか
「あっ、出ちゃいますわ…… 和人様、出ちゃうぅ……」
盛り上がった粘膜の中からポッカリと小さな穴が顔を出したかと思うと
ぷしゅっ…… しょわぁぁぁ……
黄金色の液体が勢い良く噴出した。
粘膜を伝ってポタポタと落ちる雫と僅かなひねりが加わり、らせん状に、ゆるやかな放物線を描いて出続けるおしっこ。
「ああ〜っ……」
たまったおしっこを出す快感と見られていると言う羞恥心が合わさった何とも言えない艶かしい声が自然に出てしまう。
やがて勢いも弱まり、暫くすると迸りが収まった。
「ふっ」
最後に息をつめると、ピュッと名残りを出し切って放尿が終わった。
「はぁ……」
一仕事終えたように息をつくと、トイレットペーパーを取って拭こうとした。
「あっ和人様、ダメですわよ」
和人がまだ拭いていない股間に顔を潜り込ませようとしているのを見つけて制した。
風呂場で、放尿をした後、和人がそのまま股間を舐める事があるが、今日は、全てに渡って心の準備をしてなかったので、躊躇われた。
サッと拭うと、コックをひねって流した。
和人もそれほど未練がなかったのか、再びライネを抱き抱えるとベッドに連れて行った。
かと言って、今日は既に3回しているので、無理してまでしようとは思ってなかった。
ライネが求めてきたらするつもりでいたが、先程のライネの言葉を聞く限り、彼女も満足しているのだろう。
ただ
「和人様、いらして……」
両手を拡げて和人を誘った。
和人がライネの横に寝転がると、手足を絡めキスをして来る。
だが、それ以上は何もせず、ただ和人と裸でもつれ合いたいだけのようだった。
「あら?」
ライネが声を上げ、部屋の端にある新たに設置されている自販機を指差した。
「うん、前は無かったのにね」
和人も興味を示す。
もう自由に動けるようになったライネが自販機に近づくとクスクス笑い出し、ポシェットからサイフを出しお札を入れ、ボタンを押す。
ゴトン!
「ホラ、和人様」
出てきた箱を差し出した。
箱をあけて出てきたのがピンク色のローター。
だが和人は
「何だろうね、コレ?」
どう使うかは解らないみたいだった。
ライネが同梱されてる乾電池を取り出し、電池ボックスに入れ、スイッチを入れると、ビィィィ〜ンと鈍い音を出しながら卵型の部分が小刻みに震えだした。
「和人様……」
電池ボックスとローターの部分を和人に渡すと、そのまま仰向けに横たわった。
「和人様、それで、あたくしの身体をあちこちイジってくださいましな」
恥ずかしいのか目を伏せながら言った。
「うん……」
白く大きい胸に当ててみる。
ヴ、ヴ〜ン……
さらに音が低くなり、振動でライネの乳輪が霞んでいるように見え、その先の乳首もふるふると震える。
膨らみの裾野から乳輪との境目に移動し、乳輪をなぞるように円を描く。
「あっ……」
吐息のような声を上げ、少しじれったそうに身体を捩る。
「あんっ」
ローターが乳輪を捕らえるとその声がハッキリとしたものになった。
「あっ…… んっ」
円が次第に狭まり、いよいよ乳首という所で、あえて乳首から遠ざかり焦らす。
「か、和人様ぁ、そんなイジワルなさらないでぇ……」
すっかりと甘く絡みつくような声で抗議してきた。
「ゴメンネ」
震えるローターを乳首に当てた。
ぶぶヴ…… ヴびぃぃ……
乳首をめり込ますようにローターを強く押しつけると、その音もくごもったものに変わった。
「あっ…… あんっ…… ああんっ…… 気持ちいい……」
うっとりと感想を述べた。
和人ももう片方の乳首を口に含み、舌で弾くとライネの身体がビクンと弾けるように反応する。
しばらくして、ローターを乳首からズラして、ライネの身体を下がっていく。
空いた中指で陰唇をまさぐると、あらたな愛液が分泌され、ヌルヌルと指を滑らせた。
「あっ、和人様、そこはダメぇ」
ライネが危惧した通り、和人は包皮の上からローターをクリトリスにそっと押し当てる。
「ああんっ…… ダメ、ダメぇっ、和人様ぁ……」
抵抗するライネを押さえ、ムッチリとした太股の間に顔をねじ込み、指でパックリとワレメを開いた。
ローターの振動に、ちょっぴり顔を覗かせているクリトリスが震えて霞んで見える。
指で包皮をめくって、露出させるとそこにローターを当てるとライネの身体は感電したようにビクン、ビクンと悶えだす。
「だ、ダメ…… いやぁ。 お願い、許してぇ、和人様ぁ……」
閉じていた膣口がまたもやパックリと開き、粘り気のある蜜を溢れ出させる。
クリトリスをローターから開放すると、今度は舌が蹂躙し、ローターは新たな獲物を求めるように、ぱくぱくと開いている膣に潜り込んだ。
「いやっ! いやぁ、ダメ…… イクっ、またイッちゃいますわぁぁ」
ローターの音からして、内部は激しく収縮しているのだろう。
指で押し続けないと、膣圧で出てきそうだった。
「ああっ、い、イク…… ぅっ……」
ぶしゅ!
愛液とは違うサラサラした液体が、噴出し、最後に断末魔のような痙攣をして、ライネがグッタリとなった。
それでも膣の中で動き続けるローターが煩わしくなってきたのか、ライネがコードを掴もうとするので、スイッチを切った。
モグモグと蠢いていた膣粘膜の収縮が外からも充分に解り、やがて、膣圧によりにゅるんと卵を産み落とすようにローターが出てきた。
「はぁはぁはぁ…… 和人様のばかぁ」
とろんとした目からうっすら涙が溢れ、弱々しくナジった。
「ごめん。 ボクも初めてなんで、興奮しちゃって。 本当にゴメン」
心配そうにライネを見ながら謝った。
「もう! さっきからずっとイキっぱなしで、頭がとろけそうで…… これ以上されたら気が狂ってしまいそうでしたのにぃ」
「ごめんね」
「いいえ、もうよろしいですのよ。 和人様がお望みならば…… ところで和人様、覚えてらっしゃいます?」
「何を?」
「昨年のあたくしの誕生日に、あたくしは和人様に「女」にしていただきましたけれど、その時に言った言葉ですわよ」
「えっ? え〜っとぉ…… ゴメン。 覚えてないよ」
「そうでございますか、まあ、それはそれでよろしいのですけど……」
(「和人様、あたくしをペットになさいます? それとも性欲処理用のドレイでもよろしくてよ」)
去年に言ったセリフ……
(覚えてらっしゃらないかぁ。 まあ、1年前の言葉ですし、和人様には冗談に聞こえたのでございますわね。 でも…… あたくしは……)
時計を見るとフリータイムが終わる30分前だった。
「和人様、シャワーを浴びて帰る準備をなさいませんと……」
「そうだね。 ライネ立てる?」
もう立とうと思えば立てるが、少し甘えて
「バスルームに連れて行ってくださいましな、和人様」
とねだった。
和人もそれは解っていたが、ライネを抱き抱えてバスルームに向かった。
お湯が出る中、和人がボディーシャンプーを使おうとするのをライネが止めた。
「今日は流すだけにしません事? ホテルの石鹸やシャンプーは匂いがしますし、今日は暑くてお外で買い食いするのも憚られますし、帰ればパーティをしていただく事になってますし……」
相変わらずライネは鋭い。
買い食いをする証拠隠滅も彼女が考えた事だし、中ライネも教えられる前に気づいた。
ガサツでいい加減そうなライネの、姉妹達ですら知らない意外な一面を見せられて感嘆してから、もう一年も経とうとしていたのだ。
さっと体を流して、バスルームを出ると、ドライヤーをかけ髪を乾かすライネ。
それが終わると、服を着る。
ベッドに放り出されているローターを見ていると
「そんなに気持ち良かった?」
和人が尋ねて来た。
「ええまぁ。 でも……」
「でも?」
「何か強制的に気持ち良くさせられると言うか…… 身体の反射を利用してまで快感を植え付けられるようで、少し刺激が強過ぎましたわ」
「そうなんだ」
「ええ。 あたくしはやっぱり、和人様にしていただくのが一番でございますわ」
しかし、しっかりとポシェットにローターをしまい込んでいるのだった。
フリータイムが終わる5分前にホテルを出た2人。
「ライネ」
デートの前に預かったデート用のお金が入った財布をライネに差し出す。
以前、ライネが和人に内緒で彼のポケットにしまいこんだお金。
それはヴァルハラ皇女の1月分の皇室予算で地球の日本円に直すとかなりの大金であるが、和人は断として受け取らず、和人のモノだがあえてライネが預かっておく。 として、2人の秘密のデートで使う事にしたお金だった。
しかし、いくら大金とはいえ、1年も使ってるのに、財布の中身は一向に減る様子は無い。
ライネが使った分を継ぎ足しているからで、無論和人もそれには気づいていたが、あえて黙っていた。
デートの終わり、羽衣町の駅に着いた時、改札を出た所でライネに返すのが常だったが、今日は違った。
「ライネ、何か欲しいものはない? 誕生日のプレゼントをさせて欲しいんだ」
「あっ、それで」
プレゼントはそれこそ自分のお金でしてくれると言う事なのだろう。
ライネの目から大粒の涙がこぼれた。
「和人様ぁ」
和人に抱きつく。
「あたくし…… 嬉しいですわ……」
ライネの頭を撫でながら
「でも、あの…… そんなに高いのは無理なんだけどね」
(金額じゃございませんわ。 あたくしは和人様のお心遣いが嬉しいのでございますわ)
夕方とは言え、通りの真中で抱き合ってるので目立つ。
通り過ぎる人々は、ある者は2人をジロジロ見て、またある者は慌てて視線をそらせてそそくさと立ち去った。
「ライネ……」
泣き止んだライネが顔を上げる。
その顔はこぼれるような笑顔で
「はい、あたくし、欲しいものがございますわ」
と微笑みかけ、和人の手を引っ張って1軒の店に行く。
中に入るとジュエリーや小物が並ぶ、少しオシャレな店で、暫く店内を見回したライネが目当ての物を見つけると駆け寄った。
ネックレスが並ぶケースの横にあるチョーカーが並んでる棚を見ている。
「これがいいですわね」
ライネが手に取ったのは幅が3センチ位の黒い皮製のもので、まるで、犬の首輪みたいで、彼女の現在の性格を考えると少々地味とも思える物だった。
鏡の前で、首に当てて眺める。
いろいろ角度を変えて見てから、後ろを振り向き
「和人様、あたくし、これが欲しいですわ」
値段を見ると「3000円」の札がついている。
「あの、ライネ。 ホントにこれでいいの? 去年のオルゴールと比べても安いし……」
いいかけた所で
「値段の問題じゃございません事よ。 ところでダメでございますの?」
小首を傾げて様子を窺うように上目遣いで尋ねる。
「ううん。 ライネがいいなら、コレを贈らせてもらうね」
チョーカーを持ってレジで会計を済ませる和人。
外に出て
「改めて…… ライネ、お誕生日おめでとう」
包みを手渡した。
「ありがとうございます、和人様。 これも大切にいたしますわ」
早速包みを開け、箱の中からチョーカーを出す。
犬の首輪のようにリードをつける事が出来る、ソフトSM用のチョーカーだったのだが、そういう方面に疎い和人は気づいていないようだった。
「和人様、着けてくださいます?」
チョーカーを和人に渡し、亜麻色の髪を掻き上げる。
「うん……」
ホックを外してベルト状にしてライネの首に巻く。
目を閉じてじっと、されるがままでいるライネの心の中を知ることも無く……
(和人様、これはあたくしが和人様のペットに、ドレイになった証でございますわ。 愛していただくなんて贅沢は申しませんわ。 でも和人様を愛するのはお許しくださいましね)
(今、この瞬間からあたくしは和人様のペット。 んふふ、和人様、ペットはちゃ〜んと最後まで面倒を見ないといけません事よ)
「はい、出来たよ。 苦しくない?」
装着し終わった和人が聞いてきた。
「はい、苦しくはないですわ。 それより和人様いかが? 似合ってます?」
「うん、凄く大人っぽく見えるね。 ちょっとドキドキするよ」
「んふふ。 嬉しいですわ。 じゃあ、そろそろ帰りましょうか」
つかの間の2人だけの時間は終わりを告げようとしており、羽衣町に帰れば、またいつもの「日常」が再開される。
でもライネにとってはその「日常」には2度と戻ることは無い、確固たる想いを確かめた誕生日になったのだった。
羽衣町に着き改札を出ると、その場で別れるいつもとは違って、そのまま腕を組んで時乃湯に向かった。
ワルキューレのはからいでパーティをしてくれる事になっているからで、ライネはポシェットからホワイトデーに和人からもらったスカーフを取り出してチョーカーを隠すように首に巻いた。
(このチョーカー…… いいえ、首輪はあたくしが和人様に忠誠を誓ってペットになって和人様に着けていただいた和人様のドレイの証、いくらワルキューレお姉様にもお見せするのは憚られますわ)
時乃湯に着くとワルキューレが出迎えた。
「ライネ、いらっしゃい。 和人様お帰りなさいませ」
「お邪魔いたしますわ、ワルキューレお姉様」
「ただいま」
中に通され、居間に行くとワルキューレが真田さんに手伝ってもらいながら作ったケーキがあった。
「それにしても、ライネ良かったわね。 和人様にお買い物を付き合っていただいて」
用意をしながら妹に、実に羨ましそうに言うと
「何をおっしゃいますやら。 お姉様はいつだって和人様とご一緒でございましょう」
「それはそうだけど…… で、何を買ったの?」
「それが…… 結局、何も」
「あら、そうだったの。 和人様、申し訳ございません。 ライネに引っ張りまわされたみたいで……」
姉らしく謝るのだった。
「さあさあ、皆さん揃われたみたいでございますし、始めましょう」
真田さんが音頭を取って乾杯が行われ、パーティが始まった。
「ライネ。 誕生日おめでとう」
リカがプレゼントの箱を渡しながら言い
「おう、おめでとう」
シロもプレゼントを渡しで祝う。
丸や妙も続き
「ライネ、おめでとう」
コーラスもプレゼントを差し出す。
「ライネ様、お誕生節を迎えられました事、ヴァルハラ臣民になり代わりまして、また皇室関係者を代表いたしましてお祝い申し上げます。 それとこれはメーム様、ネスティ様、イナルバ様、ハイドラ様、ファム様からお預かりしておりますプレゼントでございます」
真田さんが挨拶すると
「ライネ、お誕生日おめでとう」
ワルキューレもプレゼントを渡しながら祝った。
そして最後に
「皆様、ありがとうございますわ。 あたくし、とっても幸せですわぁ!」
ライネが返礼をして、ケーキのローソクを消した。
ローソクが消され、暗闇の中、隣の和人が手を握りながら
「ライネ、お誕生日おめでとう」
と祝いの言葉をかけた。
「はい、ありがとうございます、和人様」
(これからも、ず〜っとよろしくお願いいたしますわ)
ライネにとって特別な日、新たな記念日が過ぎて行ったのでした。
「お誕生日おめでとう、ライネ’07。 〜1st Anniversary at memory of secret love〜」・・・・・・おしまい。
242 :
ライネですわ:2007/05/27(日) 05:44:56 ID:qNdhaHN5
あ〜〜っ!
41番目の作品と思って41thとかつけてますが、実は42番目の作品でございましたわぁ!
と言うワケで
42nd 「お誕生日おめでとう、ライネ’07。 〜1st Anniversary at memory of secret love〜」
が正しいようですわ。
さて、とりあえずあたくしのお話はおしまいでございますわ。
次は出来れば来週、ダメならそれ以降に、他の職人さんがお見えにならない場合にお話をさせていただく予定らしいですわよ。
それでは皆様、またの機会にでも。
よい休日を。
それではごきげんよう、ごめんあそばせ。
乙!!
最高でした。
また次回作ができる、来週まで楽しみに待っています。
ハイドラの話がどうなるのか今からワクワクする
244 :
名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 09:33:42 ID:h2R/KLHC
GJ!GJ!GJ!
これもシリーズ化するのかな?
真田さんみたいなアナザーストーリーでしてほしい
ハイドラまだかなー
あ〜。
やっと日本に帰って来ました。
感想ありがとうございました。
ライネのシリーズは多分します。 内容はまだどちらとも言えませんが……
しかし、ハイドラ話は誰も行かれませんね。
このまま、どなたも行かれないようでしたら、話が出来次第投下させていただきます。
ではまた。
>>246 ども、お疲れです。
なんか空気的に、次のシナリオはハイドラになるようですね。
完成を楽しみに待っております
248 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/08(金) 13:27:05 ID:l1DDxhfb
1回age
保守
250 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 13:33:05 ID:Q9/jMAi6
保守ならage
保守
252 :
ハイドラだ:2007/06/17(日) 04:38:24 ID:mr+vLFO5
今回はオレの話だ。
正直言ってオレの出番はねぇって思ってたけどよ。
まあ、しばらくつきあってくれ。
題して
「翼をください 〜Le blanc et le noir〜」
んじゃ始めるぜ。
43rd 「翼をください 〜Le blanc et le noir〜」
梅雨の晴れ間は五月晴れ。
久々に顔を出した太陽の恩恵を受けようと、朝から洗濯物を干し、ヴァルハラの誓いにもある布団を干す秋菜とハイドラ。
「いやぁ、今日は暑くなりそうだなぁ……」
空を見上げハイドラが呟いた。
「ホント、暑くなりそうねぇ」
秋菜も珍しくハイドラに同調するほど、朝から気温はうなぎのぼりだった。
「早く干しなさいよ…… ハイドラ、ちょっと聞いてるの?」
ずっと空を見上げたままのハイドラに声をかける。
「アネキ……」
「え?」
上空に目をやると見覚えのある巨大な円盤。 と言うより母船が。
「メームさん。 何しに来たんだろ?」
率直な疑問を投げかけた。
ハイドラは布団を干し終わり、縁側から中に入っていった。
「どうせ、ヒマ潰しだろ。 ワルキューレや真田さんは災難だろうけど、オレ達にゃ、関係ねぇだろうぜ」
秋菜の疑問に、ハイドラなりの答えを述べ、中に入ると冷蔵庫からガラスの容器に入った麦茶を出しグラスに注いだ。
「おめぇも飲むだろ?」
返事を聞くまでも無くもう1つのグラスに注ぐ。
「ありがと……」
秋菜も部屋に戻って来た。
それを見てハイドラが麦茶を一気に飲み干す。
「かぁ〜〜っ。 暑い日にゃコレが一番だねぇ」
まるで風呂上りのビールを飲んだ後のようなリアクションに
「アンタねぇ……」
あきれるだけの秋菜だった。
「でも、メームさん。 今頃、和人の所に行ってるのかなぁ」
麦茶を飲みながらTVをつける。
ハイドラは番組表を見ながら、チャンネルを変え
「さあな。 それにしてもヒマだからって、こんな辺境の地球にまで遊びに来てないで、ちゃんと仕事しろって」
姉には聞こえないだろうと言ったのだった。
「いいえ、今日は仕事で参りました」
突然庭から声がした。
しかも、その声はメームではない。
「い、イナルバお姉さま。 ど、ど、どうしてこちらに? ワルキューレは時乃湯でございますことよ。 おほほ」
声の主を確認して、急に慣れないお上品な言葉遣いに変えるハイドラ。
しかし、そのハイドラの努力など無視するように、続いてメームが姿を見せる。
「ハイドラ、そろそろ貴方にもヴァルハラ皇女としての務めを果たしてもらいますよ。 秋菜様、お邪魔してよろしいかしら?」
いつものように扇子で口元を隠しながらメームが尋ねる。
「え、ええ。 どうぞ」
秋菜が迎え入れると2人はテーブルの向かいに腰をかけた。
「どうぞ……」
冷えた麦茶を2人の皇女に出す。
「ああ。 おいしい」
グラスを空けたメームが感想を漏らした。
「ええ、とても美味ですわね」
イナルバも同様の感想を述べる。
しかし、ハイドラは先程の姉達の言葉が気になって仕方が無い。
そのハイドラの気持ちを察した秋菜が口を開いた。
「あ、あの、さっきの…… 皇女の務めって?」
秋菜の言葉を聞き目を閉じていたイナルバが目を開き、持ってきたバインダーみたいなファイルから何かを取り出した。
「なっ…… こ、コレは!」
ハイドラにはそれが何か解るのだろう。
動揺した声を出した。
「そうです。 貴方の縁談のお話です」
メームが静かに事情を話す。
「ハイドラ。 ワルキューレがダメな時は次は貴方ですからね」
イナルバが切れ長の目で見据えるように妹を見つめて話しながら開けると、立体映像が飛び出した。
イケメンの見るからに高貴な男性の写真。
「お見合い写真……?」
ボソっと呟く秋菜に応えるように
「そうです。 秋菜様もご存知のように私達8人の皇女の内、1人は同盟国(星)のプリンスと結婚する決まりになってます。 本来ならワルキューレがその役目でしたが……」
そうだった!
見合いを嫌がったワルキューレが地球に来て、事故を起こして、和人と魂を共有する事になったのだ。
そして、2人が時間を共有し想いを温め、愛を育みワルキューレは元の姿に戻って、結婚までは秒読みの段階まで行ったのだ。
でも?
「でも? どうして、ハイドラなんですか? ワルキューレが和人の結婚するなら……」
「そ、そうだぜ。 いや、そうですわ。 ワルキューレと和人様とは結婚なさってるのと変わらないではありませんか。 オホホ」
しかし、イナルバの意見は冷徹だった。
「ハイドラ、貴方は忘れてませんか? まだ地球とヴァルハラ星との間には正式な同盟関係は結ばれておりません」
さらにメームが続ける。
「まあ、以前から国交はありましたし、婿殿…… 時野和人様とワルキューレが正式に結婚すれば、それを機に同盟が締結されるでしょう」
「だったら、いいじゃねぇか!」
ついハイドラもいつもの喋り方になってしまったが、それを気にしないように
「でも、ワルキューレと婿殿の結婚話は遅々として進んでおりません。 それに……」
「それに?」
秋菜が割り込むように尋ねる。
「私達、8人の皇女の内、貴方とワルキューレ、ファムにライネにコーラス……」
「同盟国でも無い地球に、ヴァルハラ星の宇宙艦隊も駐留しない星に過半数を超える5人が生活してるのは問題があると思いませんか?」
「そ……」
言いかけるハイドラにさらに畳み掛ける
「まだ、ワルキューレと婿殿の結婚式が執り行われ、その事実が公表されれば議会も同盟国も納得するでしょうけど、それにしても5人の皇女がヴァルハラ星以外の星にいるのは不自然なのです」
「で、でもよ。 オレやワルキューレが本気になれば地球そのものを宇宙から消滅させるだけの力はあるんだぜ。 護衛の艦隊なんか無くてもオレ達も、地球も安全だしよ」
ハイドラが反論するが
「議会や同盟国にそれで説明がつくと思っているのですか?」
議会を取り仕切るメームの言葉に後が続かなかった。
それでも
「じょ、冗談じゃねぇぜ。 そりゃ、ワルキューレの次はオレで、そのワルキューレを連れ戻す為にオレも地球に来たけどよう…… あいつら(ワルキューレ&和人)は事実上夫婦みてぇなモンだから、オレも……」
「そ、そもそも、何でオレ達なんだよ。 結婚しなくちゃいけねぇならアネキ達がすりゃあいいじゃねぇか」
ハイドラの言葉にイナルバの右側の眉がピクリと動いた。
そして
「出来ればしてます! でもメームは長として、ネスティは軍務尚書兼第7宇宙艦隊司令長官そして、そして私は内務尚書としての務めがあります」
さらにメームが
「そしてライネやコーラスはまだ幼いでしょう。 そうなれば貴方かワルキューレかファムになるのは当然」
と続け、さらにイナルバが
「ワルキューレは今更、婿殿と離れて他の殿方と添い遂げるような事は間違ってもしないでしょう。 例え皇女の立場を失う事になっても。 それに…… ファムは殿方には興味がございませんでしょう」
やっぱり、さすがはイナルバ。
警察機関や情報機関を統括する立場だけに、ファムは姉達には隠してるようだったが、彼女の性癖まで知っていた。
「でもよう……」
さっきまでとは変わって言葉に勢いが無くなったハイドラ。
「貴方も知ってるでしょ?」
写真を指しながら言う。
「ああ」
でも事情を知らない秋菜が
「誰なの?」
率直に聞いた。
「この方は何代も前からヴァルハラ星と同盟関係にあり、宇宙戦争の時には先陣か殿をお任せする程信頼している星のプリンスにあらせられます」
「ふ〜んそうなんだ」
説明を聞いてもピンとは来ない。
「会った事はねぇがな」
ぼそっとハイドラが言う。
その様子を見て
「で、でもハイドラはイヤがってるのに……」
言いかけた所で
「秋菜様、それが皇女というものなのです。 私が言うのも何ですが、ヴァルハラ皇女はこの銀河に絶大な影響力があり、権威と権力は並ぶものはございません」
「しかし、それはただヴァルハラ皇家に産まれただけで手に入り、力を示し続ける事は出来ないのです。 しかるべき義務なり責務を果たさないと自らの立場も維持できないのです」
「さあ、解かりましたね」
メームが手の平をかざすとハイドラにかけられている秋菜の封印を解いた。
しかし、ハイドラをそれを待ってたように
「冗談じゃねぇ!」
外に飛び出し、空の彼方に消えた。
「あっハイドラ!」
秋菜は窓まで追いかけるが、その時には既にハイドラの姿は見えなくなっていた。
(ちくしょう、ちくしょう! 冗談じゃねぇぜ! なんでオレが…… 冗談じゃねぇ〜〜〜っ!)
頭の中がグルグルと渦巻き、何1つ考えがまとまらない。
成層圏まで上昇し、ただ、本能の赴くままに地球の周りを猛スピードで飛びつづける。
地球の反対側に来たのだろう、真下の地域は夜のようだ。
その夜の部分を過ぎるとまた昼になり、また夜……
昼と夜を数回繰り返した頃、ようやく落ち着いたのか、眼下に日本が目に入った時、ゆっくりと降下した。
高度が下がると地上の様子が解ってくる。
「おっワルキューレの円盤とオレの円盤…… あそこにあるのがファムの円盤か。 オレ達ってこんなに近くに住んでたんだなぁ……」
「それに…… あの辺りにライネとコーラスが居るし。 確かに問題かもしれねぇよな」
独り言を呟くが
「だからって、何で今更、オレが結婚なんかしねぇといけねぇんだよ!」
七弧神社に帰る訳にもいかず、時乃湯を目指して降下していった。
時乃湯では布団と洗濯物を干した後、ワルキューレと真田さんがくつろいでいた。
浴室からシャワーの音が聞こえ
「あら、婿殿もお起きになられたようですわねぇ」
と呟いた。
ワルキューレは
「ええ」
とだけ答えただけ。
2人に朝風呂の習慣はないが、愛の行為があった次の朝はシャワーを浴びる。
和人の愛撫に耐え切れず、切ない声と一緒に出てしまう恥ずかしい分泌液がシーツにシミを作り、最近は夏が近いのか、夜でも気温は高いので、2人とも汗だくになってしまう。
行為が終われば2人してシャワーを浴びる事もあるが、クタクタになって眠ってしまう事が殆どなので、朝になると体がベタつきシャワーを浴びるのだった。
真田さんもリカもその事には気づいているが、ワルキューレはまだ2人が知らないと思い、怪しまれないか。とハラハラするのだった。
別に恋人であり婚約者の2人だけに、そんな行為を行うこと自体は問題にはならないが、それでもやはり恥ずかしかった。
はしたない、恥ずかしい声がリカや真田さんに聞かれているのではないか?
そんな事を考える度に、顔が赤らんでしまうのだった。
「邪魔するぜ!」
ハイドラが庭に姿を現した。
「邪魔するならお帰りください」
真田さんが最近見たTVの新喜劇のマネをすると
「おう、失礼したな」
ハイドラも同じ番組を見てるのか、乗ってしまった。
帰りかけた所で振り返り
「じゃねぇよ!」
ハイドラが戻って来た。
真田さんも
「失礼いたしました。 つい」
真田さんとハイドラのやりとりが解らなかったワルキューレだったが、ハイドラの姿を見て
「あら、どうしたの? 元に戻ってるのね?」
少し驚いたように言う。
「まあな、それより上がらせてもらうぜ」
縁側から上がってきた。
真田さんがハイドラの分の座布団を置くとグラスに麦茶を入れて持ってきた。
「どうぞ」
「すまねぇ……」
一気に飲み干すとお代わりを注ぐ真田さん。
「して、ご用向きは?」
真田さんが切り出すとワルキューレも
「そうそう、貴方がその姿と言うことは…… もしかしてメームお姉様、七弧神社に来られたの?」
と尋ねた。
「メームのアネキだけじゃねぇよ。 イナルバのアネキも一緒だった」
「ひぃっ!」
イナルバの名を聞いて真田さんが思わず身構えた。
「何かあったの? それともお姉様達にお叱りを受けるような事したの?」
産まれたのが半年程早いワルキューレだが、普段は全く意識していなかったが、つい優等生の姉が妹に諭すように聞く。
そこへ
「あっハイドラ来てたんだね。 いらっしゃい」
シャワーから出てきた和人が私服に替えて居間に来た。
「婿殿、おはようございます」
真田さんが挨拶をし、和人にも麦茶を出した。
「おめぇも一緒なら丁度いいや…… 実はな……」
メーム達が来てからの顛末を語り出した。
……
「結婚? ハイドラ、お見合いするの? おめでとう」
「これはこれは、おめでとうございます」
我が事のように祝福するワルキューレと真田さんだったが、ハイドラの様子を見て和人は祝いの言葉がかけられなかった。
その事も知らずに能天気な2人が
「これは姫様もまけておられませんわ。 婿殿との華燭の典を……」
「い、いえ、私は、その……」
とか言ってるものだから、ハイドラとしても堪ったものでは無く
「ふざけるな!」
ついに爆発してしまった。
「ハイドラ?」
「ハイドラ様?」
キョトンとするワルキューレと真田さん。
「おめぇと和人が結婚しちまわねぇから、オレにこの話が来たんだろうが! 何がめでてぇだ! 冗談じゃねえぞまったく!」
ちゃぶ台をドンと叩きながらの抗議に2人は声を失った。
「ハイドラ…… あまり嬉しくないんだ」
和人が言うと
「当りめぇだろ。 ……そりゃ、オレも皇女だしよ、自分の思い通りにならねぇ事があるって事は解ってるつもりだけどよ……」
「……」×3
「ワルキューレとおめぇが同棲してて、事実上結婚してるみてぇだから、オレ達皇女の結婚話は無くなったと思ってたし」
「それに、トリアム王子みたいにオレもワルキューレも面識があるヤツならともかく、ただ名門の子息ってだけで、会った事もねぇヤツと結婚なんてしたかねぇよ」
「それにまだオレは10代なんだぜ。 まあ、それは言っても仕方ねえが、ともかくおめぇらがとっとと結婚してたらこんな事にはならなかったんだよ。 ちくしょう!」
「ごめんね……」
和人が謝るが、和人に罪はない。 と思う。
まあ、ワルキューレには責任の一端はあるかも知れないが。
だが、それも今更言った所で仕方が無い事だった。
「ハイドラ、お姉様達はまだ七弧神社にいらっしゃるの?」
キリリと引き締まった表情でワルキューレが尋ねた。
「姫様?」
真田さんが表情を窺う。
「ああ、多分な……」
「だったら、私がお姉様達とお話してみるわ。 いくら私達が皇女でも望まない婚礼話をあてがわれる辛さは私が一番知ってるもの」
ワルキューレが出かける準備を済ますと、イナルバに顔を合わすことに抵抗を感じる真田さんも
「では姫様、真田もお供いたします」
と準備をした。
「お願いね」
皇女の長であるメームと厳格なイナルバ。 いくら姉とはいえ、その2人に面と向かって抗議をするのは心細かったので、真田さんの申し出は嬉しかった。
まあ、彼女の立場上、戦力になるとは思えなかったが……
真田さんの準備が終わると
「ボクも行こうか?」
ワルキューレとの結婚が進まないのは自分にも責任があると思ったのだろう。
和人も同行を申し出たが
「いえ、和人様のお気持ちは嬉しいですけど、ここは私がお姉様達にお話して来ます」
ニッコリと微笑むと真田さんと2人で出て行った。
居間に残された和人とハイドラ。
「ハイドラ、ホントにごめんね」
改めて謝罪する。
「まあ、しょうがねぇんだけどよ。 オレも一生独身ってワケにはいかねぇ立場なのは解ってるんだがな」
1つ大きな溜息をついた。
「ボクに何か出来る事はないかな? やっぱりボクもメームさん達に話をするとか……」
言ってはみたものの、それがベストの選択であるとはいえない事は解っていた。
ワルキューレの婚約者であっても、まだ結婚もしてない自分はただの辺境の惑星に住む、ただの高校生でしかない。
皇家の話に口を挟むのは分を超える。
でも、何かしたかった。
生意気かもしれないがハイドラの力になりたかった。
「おめぇがアネキ達と話をした所で、いや、例えオレ達姉妹の中でもデキの良い(白の皇女)のワルキューレが話をした所で、この話は無くなりはしねぇよ」
「でも……」
「仕方がねぇんだ、これも皇女の運命(さだめ)ってやつだからな。 おめぇの気持ちだけもらっ…… そうだ、1つおめぇに頼みたい事がある」
急に俯いたハイドラが意を決したように、最後は小さな声で言った。
「うん、ボクに出来る事ならなんでも言って」
和人の答えを聞いて、ハイドラが口を開いた。
「和人、あのな……」
260 :
ハイドラだ:2007/06/17(日) 04:53:39 ID:mr+vLFO5
お〜っと、今日はここまでだぜ。
続きは今日の夜か明日にでも。
いい休日を過ごせよ。
んじゃな!
乙です!
これからの展開に期待してます。
今日の深夜or明日が楽しみです。
262 :
ハイドラだ:2007/06/18(月) 06:02:42 ID:OR/FTSBb
おいっス〜!
ん? 声が小せぇぞ、もう1度おいっス〜!
……
静かにしろ。 ゴルフ見てるやつ以外は寝てるだろうからな。
さて、続きだ。
最後までつきあってくれよ。
麦茶を手酌で入れ飲み干すと、続きを口にした。
「オレと…… そのなんだ…… しねぇか?」
俯き加減に呟いたせいで和人には良く聞こえなかった。
「え? 何? ごめん、良く聞こえなくて」
覚悟を決めて切り出したのに、思いもよらぬ返事に少し落胆したが、気を取り直してもう1度言う。
「だからよ、オレとしねぇか? って言ってるんだよ」
ハイドラの顔がそれとなく赤くなってるのが解り、和人も彼女が何を言ってるのか理解できた。
「ど、どう言うことかな?」
すっかり焦ってしまった和人。
それが逆にハイドラに落ち着きをもたらせ、自分の考えを話し出した。
「だからよ、まあ見合いと言ってもこの話は断れねぇんだ。 こちらも向こうも立場ってモンがあるからな」
「うん……」
「つまりは、もうオレは結婚する運命から逃げる事が出来ねぇし、それなら潔く結婚してやろうじゃねぇか! と」
「うん、それが何故?」
「ワルキューレは決められた縁談を嫌がって逃げ出したけどよ、オレは逃げずに立ち向かってやろうって事さ」
江戸っ子みたいなハイドラらしく、縁談話を受けることにはハラを決めたようだった。
「でもな、オレだってヴァルハラの皇女だ。 結婚するヤツはヴァルハラの婿と言うことになる」
「ワルキューレと結婚してもココで生活するだろう実質ワルキューレが嫁入りと言う形になるおめぇも宇宙では「ヴァルハラの婿」だからな」
「話がそれちまったが、オレが嫁ぐ上にオレの純潔までやっちまったら丸ゾンじゃねぇか!」
別に損も得もない話だが……
「いや、別に損とか特とかって話じゃないよ。 それに初めてはやっぱりお婿さんと……」
もっともらしい事を言うが、ハイドラにはハイドラの言い分があった。
「おめぇの言うことももっともだけどよ。 それだけじゃねぇ」
「?」
「コレはオレの復讐でもあるんだ。 おめぇとワルキューレへのな」
「おめぇ達が結婚しねぇおかげで、オレは結婚する事になった。 まあ、それは仕方が無い。 でもな、仕方無いけど収まりがつかねぇ」
「……」
「だから、ある意味、おめぇの純潔をオレが奪っちまって「ワルキューレざまぁみろ」って心の中で言ってやりてぇのさ」
「そ、それは……」
「心配すんな。 誰にも言わねぇ、無論ワルキューレにもな。 オレはよ、学生時代から勉強じゃワルキューレには敵わなかったし、剣術も勝ったり負けたりだった」
「……」
「しかもだ、あいつは理想の相手と結婚出来るんだぜ。 やられっぱなしで嫁になんか行けるかよ! それに、向こうが女を抱いた事がなかったとしたら、経験済みのオレの方が勝った気分になるだろ?」
(「そんな理由で?」)
とも思ったが、言うべきではないだろう。
彼女が言うように、自分達が結婚していれば、こんな問題は無かったかもしれない。
そう思うと断るに断れなかった。
「うん、解ったよ」
しかし、その返事を聞いてハイドラの体がビクッと反応する。
自分から言い出した事だが、やはり未知の世界に足を踏み入れるのは少々怖かった。
それでも
「お、おう。 それで良いんだってば。 じゃあココじゃナンだからどこか場所を変えてだな……」
強がって見せて立ち上がった。
和人も黙って立ち上がるとハイドラの手を取る。
その手はじっとりと汗ばんでおり、微かに震えてるようだった。
階段を上がって2階に行き、自分達の寝室の前を通る。
布団は干したままだし、ワルキューレと自分だけの聖域で別人と愛の行為に及ぶのはさすがに抵抗があった。
隣の部屋、以前子供の姿になってた時のワルキューレ(ワるきゅーレ)が使ってた部屋に連れて行く。
「ここでいいかな?」
ハイドラは黙って頷き、中に通すと静かに扉を閉めた。
「よ、宜しく頼むぜ。 なんせこちとら初体験なんだからよ」
言葉とは裏腹に声は少し震えている。
引きつった笑顔に冷や汗が一筋流れた。
「ちょ、ちょっと暑いねぇ……」
冷や汗を誤魔化すように言うが、和人もそれを感じ取り
「うん、今エアコンつけるから」
ハイドラに合わせた。
「じゃあ……」
和人が声をかけ、ハイドラの肩に手を掛けると、彼女の体に電気でも流れたみたいにビクッとしてしまった。
「お、おう……」
ベッドに腰掛けると和人に身を委ねた。
そっと、優しくベッドに押し倒すと首筋に唇を這わせる。
「ひゃっ……」
思わず声が出る。
「くすぐったい? 少しガマンしてね」
和人が耳元で囁く。
(な、何だよコレ? か、体が熱いぜ……)
緊張からか体がガチガチになっているハイドラに衣装の上から手を滑らせた。
ワルキューレの衣装と同様の薄手でピッタリ体に密着してて、まだ男には見せた事が無いであろう乳首がうっすら確認出来る。
首筋を舐めながら、手で胸をまさぐってみる。
脂肪が少ないみっちりした膨らみは筋肉もついているのかワルキューレのそれより、さらに硬目で、指を弾き返してくる。
人差し指を膨らみのカーブに沿ってなぞる。
「ふっ…… はぁっ……」
和人に言われた通りくすぐったさを我慢しているものの、つい体を捩ってしまい、息が漏れた。
服の上から胸をまさぐり、ぽつんとした乳首を人差し指と中指で挟み、最初は弱く、徐々に力を入れて揉んでみる。
布越しに乳首が硬くなって来たのが指の感触で解った。
ワルキューレの衣装と似てるので、さほど苦労をしないで脱がすことが出来た。
しかし、服を下げて胸が露出した時、つい手でその膨らみを覆い隠してしまった。
和人がさらに服を下げ、手が腰にかかるとお尻の出っ張りのせいで脱がせるのが遅れた。
それでも、和人はベッドとお尻の間に手を入れ、布地を出っ張った部分から先に通過させると、スルリと脱がせる。
足首を越えて完全に脱がせると、改めてハイドラの裸体に目をやる。
ワルキューレと背格好は近いが真っ白なワルキューレと違い、少し色黒のハイドラ。
胸の膨らみの頂付近の乳輪も、さらに頂点の乳首もワルキューレより少し濃く色づいている。
ピッタリと閉じられた太股からは、ワルキューレと同じく髪の毛と同じ色の、ハイドラの場合は毛髪よりやや濃い色の恥毛が見える。
和人の視線を感じ
「お、おい。 そんなに見るなよ。 それに、オレばかりじゃ……」
(恥ずかしいじゃねぇか!)
「ごめんね」
優しく言い、和人も服を脱ぎ出した。
色白の華奢な体が露にあるが、下半身が露出した時には直視出来なかった。
それでも、何とか目を開いて見ると、色白の和人には似合わない黒々とした陰茎が目に入る。
ワルキューレの淫水をたっぷりと浴び、淫水焼けしたのだが、ハイドラにはそんな知識は無く
(な、な、な、何だ! 真っ黒じゃねぇか! 男の…… その…… アレってあんなに黒いのかよ)
と驚くだけだった。
しかも、まだ完全には勃起していない状態だが
(それに…… でけぇ! あんなのがオレの中に入るのかよ。 ワルキューレはあんなのを入れてるんだよな?)
「ゴクリ……」
思わず唾を飲み込んでしまった。
脱ぎ終わった和人が改めてハイドラの横に寝転がり、再び胸を愛撫する。
さらには、反対側の膨らみを口を開いてスッポリと含んだ。
「ううっ」
一方を指で、そして、もう一方を舐められ、舌で乳首を弾かれ、むず痒い感覚がハイドラに襲い掛かる。
ワルキューレより1回り大き目の乳輪がキュっと縮まり、乳首がツンと突き立った。
「あっ…… ああっ」
執拗に弄って舐めて、唇で挟んで引っ張ていると、ハイドラらしからぬ、少し湿ったような切なそうな声を出した。
(ダ、ダメだ。 声が出ちまう……)
和人が口で愛撫していた膨らみを指に変え、指で愛撫していた膨らみを口に変える。
「ああっ…… うっ…… うんっ」
自分の声、自分のものとは思えない声にさらに羞恥心が昂まってしまう。
和人の手が乳房から離れ、滑らかな肌をすべり、下腹部に新たな新天地を求めるように動いた。
「あっ!」
柔らかな恥毛に触れた時、ギュッと足を閉じてしまった。
それでも和人は太股に隙間に指を潜り込ませると、既に熱くヌメった蜜を分泌している部分に入り込んで行った。
「はぁっ! はぁぁっ」
唇を噛み、シーツを強く握って、シーツに放射状のシワを刻み込む。
ぬち… ぬちっ…… にちゅっ……
果てしなく恥ずかしい、湿った粘り気のある音が自分の股間から漏れてくるのが堪らなかった。
「ああっ」
和人の中指がハイドラの蜜を纏わりつかせて、包皮を剥いてクリトリスをまさぐる。
処女のハイドラのクリトリスは指紋ですらヤスリのように感じるかもしれない。
現にワルキューレの最初の頃もそうだった。
その経験を生かして、指にたっぷりと愛液を纏わりつかせてからにしたのが幸を奏したようだった。
親指にも粘り気が出てきた蜜を纏わりつかせると、摘むようにクリクリと弄ると、ここまで我慢してきたハイドラも限界を超えたのか、ビクンビクンと体を弾かせる。
「ああっ…… や、やめろぉ…… そ、それ以上は……」
それでもゆっくりと足を開き、もっと愛撫をせがむように和人の背中に手を回して抱き寄せる。
実際には2,3分だったが、ハイドラにしてみれば永遠にも感じる時間執拗に嬲られて、我を失う程の快感を得ていたが、次の刺激で現実に戻された。
和人の指が、ゆっくりと揉み解すように膣口を弄り、やがてゆっくりと指を差し入れて来た。
「い、いてて!」
我慢するつもりだったが思わず声を出してしまった。
それでも和人は
「ハイドラ、もう少しだけ力を抜いてみて」
甘く囁くように言うと、不思議と体から力が抜け、指をすんなりと受け入れた。
それでも鈍い痛みが体を駆け抜けるが、それも長くは続かず、だんだん妖しいゾクゾクする感覚を覚えた。
指を動かし穴を拡げるようにし、2本入れてみる。
ハイドラが痛がる様子はないので、少し大胆に指を動かし、さらにこれから散らす処女の膣を解す。
「ハイドラ…… ?」
和人が問い掛けると、いよいよその時が来たのかと自覚し
「おう、いいぜ」
とだけ答えた。
のしかかるように体を重ねると、ヌメリのあるハイドラの愛液を陰茎に塗りつけて、そこから亀頭を膣にあてがう。
「いくよ……」
グッと体重をかけると先端部分が押し入った。
「いてててっ! ちょ、ちょっと待ってくれ!」
指は何とか我慢出来たが、いきり立った陰茎は比べ物にならない位、大きくて太くて熱く硬い。
愛液の分泌は申し分無いだけに、あとはハイドラの緊張が原因だろう。
しかし、初めてのハイドラに緊張するなと言うのも無理な注文だろう。
一旦、陰茎を抜くと
「ごめんね。 痛かった?」
ハイドラを気遣い、体をずり下げ股間に顔を埋めた。
和人が体を動かした時、朝にシャワーを浴びたので髪からシャンプーの、そして肌からは石鹸の香りが立ち込めた。
(そ、そういやオレは、飛び回って汗かいちまってる。 なのに……)
「か、和人。 やめろぉ、そこは…… あうっ!」
和人の舌がクリトリスを舐め、そこから膣との間を何回も往復したのだった。
「や、やめろぉ…… やめ…… あううっ…… うんっ」
絶え間ない快感にハイドラのクリトリスはすっかり硬く突き立ち、膣からはさらに粘り気のある白濁した少し生臭い汁が溢れ出した。
それでも和人は愛撫を続ける。
「あっ、ああっ…… あっやめ…… ああ〜っ!」
大きくハイドラの体が痙攣し、硬直したように体を仰け反らせていたが、それがおさまると、ぐったりとし、それがハイドラの緊張を解きほぐした。
少し落ち着いたのを見計らい、再び陰茎を膣にあてがう。
「行くね」
一言声をかけ、体重をかけた。
ニュルっとした感じて陰茎が膣に潜り込む。
「あぅっ!」
さっきよりはマシだが、それでもかなり激しい痛みがハイドラを襲った。
「ハイドラ、少しだけ我慢して」
注意を即してさらに押し込む。
確かに痛いが、一番膨らんだ部分を過ぎると、後は比較的簡単に奥まで陰茎を飲み込んだ。
(は、入っちまったのか?)
痛みが先走って、感覚が無い。
それでも、完全に入ったのか、和人が
「大丈夫? 痛くない?」
と声をかけてくる。
「ああ。 大丈夫だ」
しかし、少しでも体を動かすと痛がるので、暫くは動かないでいた。
大きく口を開け苦しそうに息をしているが、ワルキューレの時とは違って耐えていた。
まあ、ワルキューレの初体験の時は自分も初めてで不慣れな部分もあったが……
ハイドラの生暖かく柔らかい膣肉の感触が心地良く、和人もそろそろ出したくなって来た。
「ハイドラ、動いていい? もう少しだけ我慢してくれる?」
(お、おういいぜ)
答えようとしたが、やはり苦しく声が出ない。
代わりに首を縦に振ると、また和人を抱き寄せた。
和人がゆっくりと引き抜き、またゆっくりと挿入する。
「か、かはっ」
トゲのついた棍棒でかき回されるような痛みが走り、焼けるように熱かったが、和人の律動は止まること無く、徐々にペースが速くなって来た。
マットについていた手でハイドラの乳首を摘むと、膣の締付けが強くなった。
断続的に締付け陰茎を絞るようだった。
その手を移動させ、クリトリスを弄ると入り口付近の締付けがさらに激しくなった。
刺激に和人もだんだん昂ぶって来る。
腰の抽送するピッチを上げ、激しく突きまくっていると限界が来たようで、背骨から腰にかけて痺れるような感覚がした。
それはいつも感じる射精間近の感覚で
「ハイドラ、出すよ」
それだけ言うと、体を震わせ、ハイドラの膣内に射精したのだった。
・・・・・・
「なぁ和人」
射精後、股間をティッシュで拭いてもらったハイドラが寄り添うように和人にしなだれかかって尋ねた。
「うん?」
「あのよう、気分を悪くするかも知れねぇけど…… ワルキューレとの初めての時はどうだった?」
「え?」
「いや、答えたくなければ答えなくてもいいんだ。 ただ、凄く痛くてよ。 あいつはどうだったのかなぁ? って思ったもんだからよ」
やはりライバル視してるワルキューレの事が気になるのだろう。
自分はともかく、ワルキューレの事を考えると言っていいものかどうかと悩んだが
「う〜ん。 実はね、ワルキューレとの時は上手く行かなかったんだ」
素直に答えた。
「ホントかよ?」
意外な答えだった。
愛し合う2人だし、痛さも我慢して初めてでもそつなくこなしたものだと思ってたからだった。
「うん。 その…… 挿れた時にやっぱり…… ね」
「何だよ、ワルキューレも根性ねぇなぁ。 オレを見習えってんだ」
初めてを無事一発で乗り越えたハイドラは「初体験だけに関する限りオレの勝ちだ」とでも言わんばかりに満足そうに答えた。
「まあ、ボクも初めてで慣れてなかったから…… ワルキューレは悪くなかったんだよ」
あくまでワルキューレを庇う和人に
(やっぱり、あいつがホレるのも解る気がするねぇ。 それと秋菜も)
とか思ってしまうのだった。
「ふぅ。 和人すまねぇが、シャワーを浴びさせてくれ」
まだフラついている感じだったが、立ち上がって部屋を出ようとした。
和人も着いて行き2人でシャワーを浴びた。
「なあ、和人」
「ん?」
「オレ…… 結婚しても…… またおめぇの沸かしたフロに入りに来てもいいかな?」
しんみりと言い、お湯か涙か判らない水滴が彼女の頬を伝って、ポタリと落ちた。
「滅多に来れねぇだろうけどよぅ。 いいよな?」
声が少し震えているようだった。
「ハイドラ……」
「なあ、和人。 オレ…… オレよう…… いや、いいや。 オレおめぇの沸かしたフロが一番だと思ってるんだ。 だからよ、良いだろ?」
「……うん。 是非入りに来てよ。 旦那さんと一緒にさ」
「和人ぉ……」
ついに堪えきれずに和人の胸の飛び込んで、声を出して泣いた。
……
暫く泣いて、ハイドラも落ち着きを取り戻し、2人は汗を流してバスルームを出た。
服を着ると
「和人、すまなかったな。 だが、謝るのはおめぇだけだ。 ワルキューレには謝らねぇからな」
「ワルキューレにはおめぇから謝っておいてくれ、言葉で謝るんじゃなくて、あいつを一生愛してやってくれ」
「……うん」
「それとな、ワルキューレと結婚しても出来れば秋菜とも今まで通り仲良くしてやってくれ」
「うん解ったよ」
「あと、結婚式には来てくれよ。 ワルキューレとおめぇに結婚式の見本ってヤツを見せてやるからよ」
「解ったよ。 参加させてもらうよ」
「改めて挨拶に来るだろうが…… 世話になったな、ありがとうよ和人」
ハイドラが七弧神社に帰って行った。
七弧神社ではワルキューレにしては珍しく姉達に抗議して食い下がっていた。
「ただいま……」
帰ってきたハイドラに
「ハイドラ、貴方からも言いましょうよ。 きっとお姉様達も解ってくださるわ」
ワルキューレが共闘を呼びかける。
しかし
「いや、もういいんだ」
憑き物が落ちたように悟ったような表情のハイドラに秋菜も驚き
「あんた、ホントにいいの?」
と突っかかった。
「だってよう、しょうがねぇだろう。 ワルキューレがモタモタしてダメなんだからオレがバシっと決めてやらねえとしまらねぇし、オレは…… オレはな、皇女なんだぜ」
それだけ言うと、冷蔵庫から麦茶を出して飲んだ。
秋菜は寂しそうな顔をしたが、それでもやはり皇女という身分・立場を考えると、これ以上は自分は口が出せないような気がしたので、言葉をつぐんだ。
かくして、メームとイナルバと一緒にハイドラはナルハラ星に帰る事になった。
「秋菜、オレの円盤は落ち着いたら取りに来るからよ…… 今まで世話になったな、ありがとうな秋菜」
きびすを返してメームの母船に乗った。
「あっ!」
秋菜が声をかけられないまま……
メームとイナルバが秋菜に頭を下げ、和人とワルキューレに声をかけてから乗り込み、メームの巨大な母船は宇宙港から飛び立った。
・・・・・・
2週間ほど過ぎたある日の午後。
「そう言えば、ハイドラ様のお見合いの件はどうなったのでしょうか?」
真田さんが疑問を口にする。
「さあ、私にも何も言ってこないけど、ホントにどうしたのかしら?」
ワルキューレも答えようが無かった。
そこへ和人が帰ってきて、銭湯を開ける準備をした。
和人と2人で暖簾をかけ
「では和人様、私はお客様のお出迎えに参ります」
頭を下げた。
「うん、頑張ってね」
労いの言葉をかけ、おでこに軽くキスをして送り出した。
和人もボイラー室で調整をしてると侍女部隊の女の子が来て
「すみませ〜ん。 侍女長がお呼びですぅ」
と呼びに来た。
「どうしたの真田さん。 何かあったの?」
番台の真田さんに声をかける。
「婿殿、申し訳ございません。 少々番台をお任せしてもよろしいでしょうか?」
どうやら、浴室や脱衣所の用事が出来たみたいなので代わる事にした。
雑誌を読みながら番台に座っていると、
ガララ……
お客さんが来たようで、扉が開いた。
「いらっしゃ…… あっ!」
来たのは秋菜とハイドラだった。
しかし、ハイドラは子供の姿。
「ハイドラ、その姿…… それにワルキューレにも真田さんにも何も連絡無かったみたいだけど、お見合いどうだったの?」
つい矢継ぎ早に質問をしてしまった。
ハイドラは答えられずに俯いたままで、その横で秋菜が必死で笑いを堪えている。
「秋菜、何か知ってるの?」
尋ねた瞬間、秋菜がケタケタ笑い出した。
「あのねぇ、ハイドラったらねぇ」
「バカ野郎! 言うんじゃねぇよ!」
顔を真っ赤にして秋菜を制するが
「いいじゃない。 どうせいつかはバレるんだし」
子供のハイドラを押さえて話し出した。
「あのね。 あの王子様はねぇ……」
「うん」
「女が嫌いなんだって…… あははははっ!」
「え?」
和人には今ひとつ状況が解らない。
「だからね、あのお相手の王子様は男にしか興味なくって、縁談話も親が勝手に持ってきた話だったのよ。 ハイドラはお見合いの相手はホモだったの」
それだけ言い終わると転げまわるように笑う秋菜だった。
「笑うんじゃねぇよ。 オレが悪いワケでもね〜んだからよ!」
秋菜に抗議する。
「そうか…… でも、良かった…… って言っていいのかな?」
ハイドラが番台を見上げると、暖かく優しい和人が笑顔で見ていた。
その顔を見るとハイドラの顔が赤くなった。
一世一代の覚悟を決めて、純潔を捧げた相手の顔がまともに見れなかった。
「おう、良いに決まってるじゃねぇか」
俯いて答えると
「そうだね。 良かったねハイドラ」
と返って来て
「これからもよろしくね。 今日はゆっくりしていってよ」
迎え入れてくれた。
「お、おう……」
ハイドラは料金を置くと、照れくさそうに脱衣所に向かったのだった。
(良かった…… ああ、全くだ。 オレはこの暖かい場所が好きなんだからな。 やっぱりオレの結婚は和人とワルキューレの後でいいぜ)
(オレはあいつ(ワルキューレ)と違ってもう少し1人身でいたほうがいいんだからよ)
「かぁ〜〜〜っ 染みるねぇ」
お湯に浸かってしみじみと声を上げるハイドラであった。
「翼をください 〜Le blanc et le noir〜」・・・・・・おしまい。
273 :
ハイドラだ:2007/06/18(月) 06:21:14 ID:OR/FTSBb
せっかく翼ももらっても相手に難があっちゃぁなぁ……
飛べるモンも飛べねぇよな。
さて、最後まで読んでくれてありがとうよ。
今日からまた一週間、学生のヤツは学校、社会人のヤツは仕事に頑張ってくれよ。
それじゃぁな!
274 :
前・389:2007/06/19(火) 18:37:04 ID:Esk9z6lp
GJです。
ハイドラの性格上、和人とヤるのは、難しいとは思ったのですが・・・
ハイドラが初めて女らしく思えました。
>>273 乙。
ハイドラと和人がヤるという難しい展開を、自然なストーリーで
描けていたのではないでしょうか。
ハイドラネタはまだまだ少ないので、これからも執筆してくれると
うれしいですね。
GJ!
いつもながらすごい
どのキャラでも違和感なく仕上げるのは素晴らしいです
ところで副題は何て言う意味?
英語じゃないですよね?
多分フランス語
ノワールしかわからん
>>276 blanc(ブラン)=白
noir(ノワール)=黒
直訳で「白と黒」
つまりワルキューレとハイドラを表した物と思われ
ハイドラいいね。
まだまだハイドラ展開を希望
>>277,278
d
教えてもらって読み直したらナットクしたよ
ワルキューレの見合い話から飛び火したり、ハイドラがやたらワルキューレを意識してるのとか
奥がふかいな
つか、このスレ結構人いるんだな
281 :
前・359:2007/06/24(日) 02:16:03 ID:+aQ78ayX
え〜。
感想いただきありがとうございました。
まだハイドラを希望されてる方おられますが、正直申しましてハイドラはキツイです。
話が出来れば書かせていただきますが、この話も日本に帰って来る飛行機の中でようやく完成したもので……
和人とする大義名分というか、展開に持っていきにくいので。
ワタクシめのようにアニメの第3期をベースにしてる身としては話にしにくいと言うか。
オリジナル作品を書かれる方の方が話にしやすいかもしれませんから。
タイトルの横は、答えてくださった方がおられますようにフランス語です。
飛行機の中で隣に座ったフランス人の方が読んでた「赤と黒」(Le Rouge et le Noir)という小説からとりました。
話の内容は似てませんが、語呂で頂きました。
ともあれ、読んでくれてありがとうございました。
また次作でお会い出来れば幸いです。
ではまた。
282 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 11:36:01 ID:d7Iin41g
ナルホド・・・・
ところでつぎは?
ごめんageた
284 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/30(土) 03:18:21 ID:B6D1yfMr
そろそろあげ
あら、今週は新作はなしか・・・
え〜。
すみません、今週はムリでした。
次も出来てる話はいくつかありますが、どれで行くかは考えてないです。
でも来週は七夕なので、多分そのあたりの話を時間があって、他の書き手さんが行かれないようでしたら行かさせていただく予定です。
287 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 17:21:43 ID:vNjbwuyP
ageておこう
>>287
新作投下は7月7日だからそれまで
エロパロ板の深海で待機せよ。
え〜! 何でお前が!
とかお思いになられた方も多かろうと存じますが、今年の七夕話はワタクシ真田の話でございます。
いや〜しかし、今年はちゃんと七夕に間に合いました。
>>288様のお言葉がプレッシャーになり、
>>289様のお言葉に焦りを感じたものでございますが、何とかお話できるようになりました。
しばし、お付き合いくださいませ。
なお、もし可能な場合はシリーズ物でない方の「真田ふたたび 〜わたくしも女でございます〜」と言う短編の話を読まれてからご覧になればより解りやすいかと思われます。
それが可能でない方はそのままお読みくだされば幸いでございます。
では始めさせていただきます。
44th 「酒涙雨(さいるいう)」
せっかくの七夕も去年と同じく空は曇り。 今にも雨が降ってきそうだった。
前もって用意していた七夕の笹飾りも心なしか寂し気に見え、ワルキューレ、和人、リカと真田さん、シロが各自心を込めて書いた短冊も色あせているようだ。
「待ちに待った年に一度の逢瀬ですのに、彦星様と織姫様にとっては文字通り涙雨でございますわねぇ」
真田さんが空を見上げながら言う。
「そうですね。 和人様と私のデートが雨でダメになってしまったら…… 私なら1年も耐えられないわ」
ワルキューレも寂しそうに空を見上げた。
「う〜ん…… なかなか晴れないんだよね。 まだ梅雨だから」
和人も残念そうに同調するのだった。
「ごめんくださいましなぁ」
その時、玄関から声がした。
聞き覚えのあるライネの声。
「ライネ、こっちよ」
ワルキューレが呼ぶとカコカコカコと軽やかに下駄の音を鳴らしながら庭の方に来た。
「ワルキューレお姉様、真田さんもごきげんよう」
白地の薄い赤と青紫の朝顔の柄の浴衣を着たライネといつもの服装のハイドラ。
そして私服のファムとコーラスが庭に来る。
「ワルキューレ来たわよ」
「こんにちは」
「おっす」
「やあ、皆いらっしゃい」
和人が迎え入れると
「じゃ〜ん、和人様いかがぁ?」
ライネが袖を摘んでクルリと回って見せる。
その姿は実に可憐で、毎度ながら雑誌のモデルとしても通用しそうだった。
「うん、よく似合ってるね。 とってもキレイだよ」
率直な感想を述べると
「うん、キレイよライネ。 ね、真田さん?」
真田さんにふると
「さようでございますねぇ、やはり若い方が着ると見栄えがいたしますわね」
やはり誉める。
「んふふ、ありがとうございます」
ライネはご機嫌だった。
「さあさあ、姫様。 皆様いらしたことだし、そろそろ準備なさいませんと」
一足速く部屋に戻ろうとした。
「そうね。 皆、ちょっと待っててね」
真田さんに続いて彼女の部屋に向かった。
残された和人と4人の皇女は他愛も無い話をしながら待った。
「お待たせ」
暫くしてワルキューレが真田さんの部屋から出てきた。
「あら、その浴衣ライネと同じなのね。 それにしてもキレイよワルキューレ」
「うん、良く似合ってるね」
ファムがライネと見比べながら言い、和人もワルキューレの浴衣姿を誉めた。
「なぁに2人で買いに行ったの? でもワルキューレやライネがこれだけ似合うんだったら、私も浴衣にすれば良かったなぁ…… 今度買いに行くからつきあってよ」
溜息混じりに言うと
「いいえぇ、これは既製品じゃございません事よ、まあ、生地はワルキューレお姉様と一緒に買いに行きましたけど、真田さんに仕立てていただきましたの。 ね、ワルキューレお姉様」
「ええ、でもきっとファムも似合うと思うわ」
同じ浴衣でより姉妹らしく見える2人に言われて、すっかりその気になったファムだった。
もう少しして真田さんも浴衣姿で戻って来た。
藍色に風鈴が描かれたシックな柄で、色白で黒髪の彼女にはピッタリ似合ってる。
「…… さ、真田さん、よく似合ってるね。 キレイだ……」
思わず見とれて、言葉に詰まる和人に
「か、和人様。 私は? 少し子供っぽかったかな?」
大人びて見える真田さんに見とれる和人の反応に心が乱れるワルキューレ。
「ううん、そんな事無いよ。 ワルキューレは可愛いと言うかキレと言うか…… そのステキだよ」
慌てて答えた和人だったが、ワルキューレはそれでも満足そうだった。
「やっぱり、浴衣は真田さんみたいな黒髪の方が映えるなぁ」
先程の決意が揺らぐファム。
「んな事ぁねえだろう。 オレはダメだろうけど、おめぇなら大丈夫だ」
「うん、そうだね。 ファムなら白も薄めのピンクでも似合うんじゃいないかな?」
そう言ってもらえたのは嬉しかったが、浴衣に興味の無いハイドラとコーラスに太鼓判を押されても。 などと思うのだった。
それでも
「それじゃ、私も浴衣着てみようかナ? 既製品でいいから。 ねえ、ワルキューレ、つきあってくれる?」
「ええ、いいわ」
決意が固まった所で思い出したように
「そういえば、その帯って結ぶの難しいんでしょ? ワルキューレは真田さんに着付けてもらったのよね?」
「ええ」
そのやりとりを聞いてたコーラスが
「でも、ライネは自分で結んでたよ」
と言うと、自慢気に胸を張るライネだった。
「そうなの? 雑誌とかで結び方とか書いてあるけど、アレって判り難いのよねぇ。 ライネどうやって覚えたの?」
「いやぁ、去年に秋菜様にご教授願いましてぇ」
「へぇ、七村さん着付け出来るんだ…… あっそう言えば彼女巫女だもんね。 私も教えてもらおうかな」
せっかくの決意だったが
「でも結び目が作ってあって、ベルトみたいになってる帯もあるよ」
コーラスが言うと
「ああ、そう言えばデパートで見たわそれ。 でも少し味気ない気がするけど」
「まあ、なんだ。 ライネが覚えられたんだからおめぇなら直ぐに覚えられるだろうぜ」
ハイドラの言葉に間髪入れずにライネが反応する。
「ん〜ま失礼な! あたくしはですねぇ……」
しかし、ライネの苦情を遮り
「ああ、解った解った。 それより早く行こうぜ。 もう縁日も始まってるしよ」
ハイドラの言葉を聞いて
「そうですわね。 実はあたくしも少々お腹が空いて参りましたわ」
「ライネってば屋台を楽しみにしてたからお昼食べてないもんね」
コーラスが事情をバラした。
「なあにそれ、やっぱり貴方は「花より団子」なの。 せっかくの浴衣なんだしもう少し皇女らしくおしとやかに出来ないのかしら」
姉らしくたしなめるファムだったが、ライネにとっては馬の耳に念仏。
「んまぁ! ファムお姉様。 その言い方メームお姉様…… いえ、イナルバお姉様みたいですわよ」
と茶化すのだった。
「姫様、こちらをお持ちくださいませ」
縁日を楽しむ為のお小遣いの入ったサイフを渡すと
「はい、ありがとう。 それじゃ和人様、真田さん行って来ます」
5人の皇女は姉妹だけで祭りを楽しむべく出て行った。
発案したのは意外にもハイドラだった。
剣道道場に通うハイドラは近所の祭りなどのイベントには詳しいし、江戸っ子っぽい彼女はお祭りが好きだった。
最初は秋菜や和人も誘うともりだったが、何時の間にか皇女だけになってしまった。
残された和人と真田さん。
リカは友達の家で期末テスト対策をしに行っているので時乃湯には2人きり。
ワルキューレ達を見送っていた真田さんがシッポの辺りがムズムズするような感覚に襲われる。
振り返ると和人が自分を見つめている。
いや、見とれてると言うべきか。
「イヤですわ、婿殿。 そんなに見つめられますと…… 恥ずかしいですわ」
ワルキューレには内緒で2人が男女の関係になって久しく、彼女の体のすみずみまで知り尽くし、味わい尽くしている和人だったが、それでも普段とは違う浴衣姿に新たなときめきを覚えたのだった。
まだ夕方だし、雨が近いのか湿度が高くむしむしする。
「……」
あえて後ろから真田さんに抱きつくと、昼間家事で動き回った彼女の汗の匂いが、彼女本来の甘い体臭と混ざって、襟元から漏れ出している。
うなじには2,3本の後れ毛が汗で張り付いており、それがかえって色っぽかった。
「む、婿殿…… ここでは……」
頬を染め、目を伏せながら言う姿も艶っぽく、和人の手を引いて縁側から中に入り自分の部屋に連れて行く。
彼女の部屋は元は物置だった為にエアコンはついていない。
それだけに昼間の熱気が残っており、高い湿度とあいまってかなり蒸し暑い。
さらに、さっきまでワルキューレと真田さんが浴衣の着付けをしたので、女性特有の甘ったるい匂いが和人の鼻腔をくすぐる。
部屋の隅に真田さんがさっきまで着ていたメイド服が畳んで置いてある。
和人はそれを手にとると鼻を押し当て、深く吸い込んむ。
「ああんっ婿殿、お止めください。 恥ずかしゅうございますわ……」
和人は自分を求める時、匂いに拘る。
メイド服の匂い、汚れた下着の匂い、髪の毛から足の先までさんざん匂いを堪能してから全身の汗を味わうように舐めまわすのだった。
そうしてるうちに和人の息は荒くなり、むしゃぶりつくように胸を揉みしだき、乳首を吸う。
そこから熱い蜜をしたたらせ、息づく性器に顔を埋めては匂いと味が無くなるまで舐め尽くす。
そして……
「さ、真田さん!」
「あっ……」
後ろから抱きつかれて、思わず吐息交じりの声が出てしまう。
うなじに唇を這わせながら、手を回して浴衣ごしに胸をまさぐる。
その愛撫といった優しいタッチではない、荒々しく女の肉体を貪る感じでこね回す。
「む、婿殿。 浴衣を……」
しかし和人はそれを許さず
「ダメ…… ううん、ゴメン。 もうちょっとだけ」
胸元から手を裾にずらして中に忍び込んだ。
熱さと彼女の体温でそこはムッとした生温い湿気が漂っていた。
裾を拡げ、顔を潜り込ませるとムッチリと肉付きの良い太ももに頬を擦り付ける。
真っ白な太ももをと、その奥から漂ってくる匂いに和人の理性は徐々に奪われて行き、衝動的にその太ももに軽く噛み付いた。
「あうっ!」
少し強く噛むと唾が纏わりついた歯型がついた。
魅惑的なももからさらに奥に進む。
徐々に左右の内股が狭まり、それが和人の両耳を挟みつけた時、ほのかに感じていた芳ばしい匂いで、真田さんの女の部分が近づいてる事を自覚した。
目の前に楚々として生え揃ってる恥毛が拡がり、和人が我慢の限界を超えて、彼女の女の部分に顔を押し付けた。
「はあぅっ…… ん!」
真田さんが声を上げ、同時に和人の顔を挟んでいる太ももがギュッと強く締付ける。
彼女の体温より熱く、部屋の湿度より高い湿気を帯びた恥毛からは限りなくいやらしい、和人を心から酔わせる性臭が立ち込める。
日中家事の一切をこなした汗と性器の内側に残っている残尿が混ざった、ただ男を興奮させるだけの役割しか与えられていない匂い。
さっき、脱いだメイド服と一緒に置いてあった彼女のショーツの匂いより温かく生々しい芳香だった。
和人は深呼吸するように真田さんの匂いを嗅ぎ、押し付けた顔を左右に振って、鼻を地肌にこすりつける。
禁じられた関係、入浴前と言う事もあり、羞恥心と共に興奮による悶え方は、日頃の慎ましやかな彼女からは想像も出来ないほどの乱れようだった。
和人は指で、彼女らしく控えめな性器を拡げ唇を這わせた。
そこは既に濡れそぼっており、和人の口周りをベトベトにする。
「ああっ…… いや。 いけません」
普段とは違う粘りつくような甘い声で拒否の言葉を口にするが、和人の舌をせがむように腰を突き上げて性器を押し付けてきたのだった。
ほのかな酸味がするが汗と残尿のあるのか少ししょっぱい味が濃い気がした。
「ああんっ…… もっと…… 婿殿、もっと奥まで。 奥の奥の方までぇ……」
彼女も我慢出来なくなったのか、和人の頭を両手で押さえつけた。
充血した陰唇と、すっかり硬く突き立ったクリトリスを舌で激しく舐めまわすと、小陰唇がぱくぱくと収縮し、その都度、奥から新たな蜜が分泌されて来た。
音を立てて蜜をすすり、汗と残尿の匂いも味も無くなった頃、和人は顔を離し彼女の肉体を這い上がる。
「真田さん。 そろそろ真田さんの膣(なか)に入りたい……」
その言葉を聞くとうっすらと目を開け、小さく頷いた。
帯を解き、はだけていた浴衣を脱いで全裸になると、真田さんは大きく脚を拡げ和人を迎え入れる準備をし、和人はその脚の間に下半身を割り込ませる。
下から真田さんが和人の陰茎に手を添え、自らの性器に導くと、ぱっくりと開いた膣口にあてがうと、和人も体重をかけ、ズブっと一気に突き刺した。
「あうっ!」
真田さんが顔を仰け反らせながら声を上げ、それに合わせるように体も弓なりに反らせた。
「あっ…… ああ〜っ、来てる…… 奥まで…… 婿殿の熱くて硬い……」
それだけ言うと、後は言葉にならず、和人に両腕を回ししがみついて来た。
和人は真田さんにキスをすると、互いが互いの舌を貪り、唾を飲み込む。
「む、婿殿。 早く…… 早く動いてくださいませ!」
キスでようやく言葉が出るように落ち着いた真田さんが腰を突き上げながらせがんだ。
和人も、陰茎を包み、妖しく締付け、モグモグと噛み締めるように刺激するヌメった粘膜の感触に昂ぶり、腰を律動させた。
「あっあっあっ。 いいっ! いいですわ婿殿。 気持ちようございますぅ。 もっと突いて下さいませ」
真田さんも激しく悶え、和人の動きに合わせる。
「な、膣内(なか)が婿殿にカキ回されて…… えぐって……」
押し寄せる快感を堪えきれないように声を出すものの、それも最早限界に来ているようだった。
その証拠に膣の中ではザラザラした粘膜に粘液が纏わりつき、それが四方から和人の陰茎を締付け、さらに奥で飲み込むような蠕動をし、前と後ろで別々に動き亀頭を擦り続ける。
和人は体全体が真田さんの膣に入ったような感覚を覚えた。
柔らかいツブツブのある粘膜がザラザラしたヒダ状に畳まれていて、それが陰茎の表も裏も、先も根元も刺激し、最高の快感をもたらしてくれた。
「む、婿殿、いらしてくださいませ」
「さ、真田さん、イクよ出すよ」
2人が同時に声を出し、和人も真田さんも来るべき最高の絶頂に身を委ねる事にした。
真田さんの膣の内部で和人の陰茎が痙攣するように脈打ち、思春期の濃い精液をドクドクと彼女の柔肉の奥にぶちまけた。
「ああ〜……」
膣の奥に和人の射精を感じて反射的に声を上げた。
和人は何回も体をうち震わせ、真田さんの膣も緩めたり締付けたりを繰り返して陰茎から精液を最後の1滴まで搾り尽くすような蠕動を続ける。
さらに陰茎が届く一番奥では、上下の粘膜が2枚の舌のようにチロチロと尿道口をくすぐるように蠢いている。
この瞬間が和人には堪らなかった。
最高の肉体、最高の膣粘膜に蹂躙され、刺激と快感に耐えられず射精した後にダメを押すようなこの刺激に耐えられる男は宇宙でも殆どいないであろうし、それを知ってしまえば他の女では満足出来なくなってしまうかも知れない。
まだ真田さんしか女を知らない和人だけにその事に気づく事は無く、ただ女の膣はこんなに素晴らしいものなのだと漫然と思うだけだった。
頭の中が真っ白になった和人が、行為のせいで汗ばんだ真田さんの体に身を預けたのだった。
「ううんっ……」
快感を反芻するように、真田さんが熱い吐息をつきながら言い、和人を抱き寄せた。
扇風機しか無い暑い部屋で貪るようなセックスをした後なので2人とも汗をかき、合わせた肌がベッタリするが、先程の快感が最高だったので、さほど不快ではなかった。
それ以上に目の前の異性から離れるのが嫌だった。
和人も汗ばんだ真田さんの頬に手を当て、自分の方に向かせると、唇を求めた。
「んっ……」
キスをしながら、右手で真田さんの胸をまさぐる。
その刺激に膣がキュッと締まり、射精を終え萎えかけた和人の陰茎をニュルンと、まるで排泄するように吐き出した。
「もう1度でございますか? それでしたら、少々お時間をくださいませ。 少し休ませていただかないと、わたくし……」
手を伸ばし、膣から出た陰茎を包み込み、にぎにぎしながら言うが
「それも良いけど、今度は真田さんの口で、それと胸でも……」
少し甘えたような声が返って来た。
「はい」
けだるそうに体を下げ、和人の陰茎を舌で清めてから口に含んだ……
・・・・・・
その後2人は軽くシャワーを浴びた。
「ねえ、真田さん。 ボク達もお祭りに行こうか」
和人も浴衣を着ながら真田さんを誘った。
「よろしいのですか?」
(「わたくしごときを」)
その言葉は慌てて飲み込んだ。
侍女長としてでは無く女としての自分が最後の言葉を口にする事を止めたのだった。
セックスで汗をかき、ぬるいシャワーで火照りを鎮めたが、喉も渇いていたので、麦茶を飲むと、互いの手を取って外に出た。
空は相変わらず重い雲が立ち込めていて、いつ雨が落ちてきても不思議ではないので、真田さんは傘を持った。
商店街を通り抜け、その外れの屋台でカキ氷を買って食べていると雨が降ってきた。
「酒涙雨……」
「さいるいう…… でございますか?」
聞きなれない言葉に真田さんが聞きなおす。
「うん、七夕に降る雨をそう言うんだ。 いろんな説があるけど、織姫と彦星が年に1度の逢瀬を成就出来た嬉し涙とも、雨が降ると天の川が氾濫して遭う事が出来ない涙雨とか、逢瀬の後、別れを惜しむ涙とかね」
真田さんが持ってきた傘に2人で入りながら和人が知っている事を言う。
和人の言葉に今の自分を重ねてみる。
(逢瀬を成就した嬉し涙? 確かにそうかもしれませんわ、それでも婿殿とわたくしは本来結ばれてはならない運命(さだめ))
(別れの涙? それはあまりにも恐れ多い…… 婿殿にとってわたくしは姫様と結ばれるまでの代用品なのだから)
和人の気持ちを確かめた訳でも無く、和人は当然ながらそんな事は思っていないし、真田さんも和人がそんな考えで自分を抱いているのでは無いと知ってはいたが、そう思わないと互いがのめり込んでしまいそうなので、あえて、そう思う事にしていた。
「あっワルキューレ達だ」
和人が指差した先にカフェがあり、その窓際の席でワルキューレら5人の皇女がお茶を飲んでいた。
主君達も雨を避けに入ったのであろう。
ライネが袖を引っ張り、ファムに見せるようにして何か話している。
その様子を微笑みながら見ているワルキューレを見て、真田さんの胸はしめつけられそうだった。
「声かけて行こうか?」
だが、そう言う和人の袖を引っ張って、逆の方向を向いた。
「真田さん?」
「い、今だけ…… い、いえ、今日は姫様方姉妹の皆様だけの水入らずですし……」
傘をワザと斜めにさし、ワルキューレ達のカフェから顔が見えないようにしながらそれだけ言うと
「うん、そうだね……」
和人は全てを察したような優しい笑顔で答えた。
商店街を抜け、祭りの喧騒から離れた裏通りを歩く2人。
しばらくすると、薄暗い提灯風の看板に
「お休み処」
と書いてある場所にたどり着いた。
通り過ぎようとする和人が引っ張られる。
彼女はその場所で立ち止まっている。
「あ、あの…… 婿殿、雨も強くなってまいりましたし…… その、裾が少し濡れて…… ですから……」
俯いてか細く言う真田さん。
和人もそれを察して
「うん、じゃあ、少し休んで行こうか?」
真田さんの手を取って門をくぐった。
(申し訳ございません姫様。 今日だけ…… 今だけ…… 真田が夢の時間を過ごす事をお許しください)
(真田は、女である事も捨て、姫様に生涯の忠誠を誓い尽くして参ってきたつもりでございましたが……)
(わたくしは、真田は「女」でございました)
真田さんの心の葛藤を表したような酒涙雨がしとしとと降るなか2人は休憩処に入って行った。
「酒涙雨(さいるいう)・・・・・・おしまい。
ワタクシ真田のお話も実に8ヶ月ぶりでございましょうか。
こう申しては何ですが、ワタクシの前作が作者の実力以上の話になってしまいました故、真田の話は書けずにおりましたが、ともあれ話させていただきました。
さて、去年もこの季節は大雨が降って被害が出た地域もあったようでございまして、今年は九州地方では大変なご様子。
こちらをご覧になられてる方で、ご家族、ご親族等関係されてる方が被害に遭われてる皆様、そして当事者であらせられる九州地方の方々には、この真田からも心よりお見舞い申し上げます。
それでは、また次作でお会いできれば幸いでございます。
皆様にあらせられましては、良い休日を迎えられますよう。
お休みなさいませ。
GJ!
ついに真田さんがきた
まちくたびれたけどまっててヨカタよ
マジで不倫カップルみたいで、すごくふんいきあっていいね
乙です
なんとも言えん、ひとつ屋根の下での不倫
そういや今月の23日は和人の誕生日だったね
何があるか楽しみだ
302 :
前・389:2007/07/14(土) 22:35:37 ID:JKBqdp2V
皆さんお久しぶりです。
台風接近で大変な方もいるとは思いますが・・・
作品が出来たので投下します。
※結構壁にぶち当たったので、キャラ壊してるかもしれません。
303 :
前・389:2007/07/14(土) 22:37:04 ID:JKBqdp2V
〜ああっメーム様!?〜
「イナルバ様、こちらの書類にもサインをお願い致します。」
ネコミミの侍女が机の上に置かれた書類の山を更に積み上げる。
「全く、こっちは忙しいというのに・・・メームやネスティーは何をやっているのだ!?」
「はあ・・、ネスティー様はモーラ星軍との会談があると仰っていましたが、メーム様は・・・」
「やれやれ、また私に仕事を押し付けて何処かに行っているのか・・。長たるあいつが、あんなに体たらくとは・・・・。」
書類にサインしつつ、イナルバの口からは、メームに対しての不満が次々と漏れる。
「イナルバいるか?・・・って、なんだその書類の山は!?」
会談を終え、ヴァルハラ星に戻ってきたネスティーが驚く。
「何って?メームが私に押し付けた書類よ。手が空いてるなら、あなたも手伝って頂戴。」
「メームは長として、自覚が無さ過ぎる!!いつもいつも私に仕事を押し付けて・・・」
時折、紅茶で喉を潤しながらイナルバは、ネスティーに不満をブチまける。
「メームは、あれはあれで真面目だと思うが・・・。まあ、お前の気持ちもわからんでもないが・・・」
「ネスティー、お前からもメームに一言、言って・・・」
突如、イナルバに激しい睡魔が襲い、身体が床に崩れ落ちていく。
「(な、何?この激しい眠気は・・・?)」
瞬く間に、イナルバの意識は闇に消えた・・・・・」
「悪く思うなよイナルバ・・・。これもメームの命令なんだ・・」
一体、どれくらい眠っていただろうか、気が付くとイナルバはベッドに寝かされていた。
そしてすぐに、自身の異変に気付く。身体が動かない・・・。
両腕が鎖付きの手枷で拘束されている。
両脚は布団で確認できないが、動かせないことを考えると、両腕同様に拘束されている事は間違いない。
「一体誰がこんな事を・・・?」
「あら、イナルバ。もう目が覚めたのね。よく眠れたかしら?」
部屋の扉が開き、メームが入ってきた。
304 :
前・389:2007/07/14(土) 22:38:44 ID:JKBqdp2V
しかも何やら、ワイン、グラス、そして、何かが入っている小瓶と、小道具が入った箱を乗せた台車を押してやってきた。
「メーム。お前の仕業か!?何のつもりだ!!早くこれを外してくれないか。」
「慌てなくても後でちゃんと外してあげるわ。それより、このワイン美味しいわよ。あなたも飲む?」
注いだワインを一口飲み、グラスの中で回しながらイナルバの顔に近づける。
「私は、お酒は飲みません!!」
イナルバが顔を背ける。
「あら残念・・。せっかく美味しいワインを飲みながら、女同士の裸のお付き合いをしようと思ったのに。」
落胆の表情を浮かべ、ため息を漏らすメーム。
そして、徐にイナルバの身体に掛けられた布団を勢いよく剥ぎ取る。
「キャッ!?何ッ・・・?」
思いもよらぬ光景にイナルバは顔を赤らめる。
両脚が拘束されている事は予想していた。だが、自分が全裸だという事は全く予想していなかった。
「みっ、見るな!!早く服を・・・!?」
イナルバの言葉を遮るかの様にメームが唇を重ねる。
「んんっ!?」
メームの口内からイナルバの口内へと何かが流れ込み、ゴクリ・・・と、瞬く間に喉を通っていった。
「ゴホッ!ゴホッ!メーム、一体何を飲ませた?」
「どう?このワイン美味しいでしょ?それともお酒を飲まないあなたには、少しキツかったかしら?」
「私は、お酒は飲まないと言ったはず・・。それに私を捕えて何がしたい?」
「フフ・・・、さっき言った通りよ。女同士の裸のお付き合いと・・・。」
グラスを置き、メームは服を脱いで全裸になる。
「綺麗な身体ね・・・。イナルバ。」
グラスに残ったワインを飲み干し、再びグラスにワインを注ぐ。
「イナルバの美しさに乾杯・・・・。」
イナルバの口をこじ開け、口内にワインを注ぎ入れ再び唇を重ねる。
そして舌を侵入させ、口内でワインをかき混ぜ、喉に通す。
メームが、その作業を繰り返しているうちに、イナルバに異変が起きる。
アルコールの摂取により、身体が熱を帯びたように肌が艶やかな桜色に染まり、頭の中が真っ白になりそうなくらい、ボーッとしてきた。
305 :
前・389:2007/07/14(土) 22:39:35 ID:JKBqdp2V
「ハァ・・ハァ・・メーム、一体・・・何を・・する・・・・気だ?」
先程と比べて、イナルバの言葉が弱々しい。
「何度も言うけど、裸のお付き合いよ。もっと厳密に言えば気持ちいいこと・・・かな。」
メームが耳元で囁くと、イナルバの胸を揉みしだく。
「なっ、やめ・・メーム・・・あっ・・!?」
「触ってみると意外と大きいのね。着痩せするタイプなのかしら?それに感度も良好のようね。」
片方の乳輪を口に含み強く吸い付け、舌で乳首を転がし始める。
もう片方も、指が既に硬くなっている乳首に伸び弄る。
「はあうっ!!あうっっ!?」
両乳首から来る刺激にイナルバは、嬌声をあげ身体を弓なりに反らし悶えている。
その表情も普段の堅実さが消え、しおらしい女性の表情に変化している。
「あああぅぅぅっっっ!?」
メームが片方の乳首に歯を、もう片方の乳首に爪を立てると、弓なりになっていたイナルバの身体が力を失った様に崩れた。
「あら、もしかしてイッちゃったの?」
乳輪から唇を離しイナルバを見下ろすと、身体がピクピクと痙攣しグッタリとしているが、先程まで弄られていた乳首は未だに自己主張を続け、強く吸われた乳輪には、唇の後がクッキリと残っている。
「ここが気持ちいいのね。」
メームが硬くなっている乳首を指で弾くと、イナルバがピクッと反応を示す。
「ウフフ、可愛いわね・・・。お酒が進むわ。」
イナルバの反応を楽しむかの様に乳首を責め立て、それを当てにワインを飲むメーム。
相当飲んだのか、メームの肌もイナルバ同様に熱を帯び、桜色に染まっている。
「ハァ・・ハァ・・」
弱点を執拗に責められ一度絶頂に達したせいか、イナルバの身体に思うように力が入らない。
初めは抵抗していたが、快感が生み出す脱力感により、次第に抵抗が少なくなっていく。
「・・・や、やめ・・ろ、メーム・・・」
それでも気丈な態度を崩さないイナルバ。
「相変わらず強いわね、イナルバは・・・。その強さがいつ崩れるか楽しみだわ。」
306 :
前・389:2007/07/14(土) 22:40:31 ID:JKBqdp2V
メームはニコリと笑うと、持っているグラスをイナルバの乳房の真上で傾ける。
真紅のワインが滴り、乳房から脇の下へと伝いシーツを紅く染める。
「あら、ごめんなさい。こぼしちゃったわ。」
「(絶対にわざとだ!!)」
イナルバは心の中で、そう思った。
「綺麗にしてあげるわね。」
ワインが滴り落ちた脇の下に口付け、舌でワインを舐め取っていく。
そして、豊かな膨らみへと下を這わせていく。
「やめろ!舐めるな!?気持ち悪い!!」
身体の自由が利かない為、顔を左右に激しく振り乱すイナルバ。
チュッ・・・「はあう・・ん・・・。」
メームの唇が乳首に触れると甘美の声を漏らし大人しくなる。
それとは、対称的にメームの活動が活発になる。
唇、舌、歯を巧みに使い、イナルバを責め立てる。
「ひゃあぁぁ・・うぅん・・・」
瞬く間にイナルバは二度目の絶頂に達してしまった。
「二回もイッたのに、あなたの乳首は、まだ硬いままだわ。」
メームは一旦イナルバから離れると、小道具の入った箱の中からクリップを取り出す。
「あなたの、そのイヤらしい乳首には、お仕置きが必要ね。」
そして徐に、取り出したクリップで、イナルバの乳首を挟む。
「あああっっ、いっ、痛い!?」
思わず悲鳴をあげるイナルバ。
「痛かったかしら?じゃあ気持ち良くなる様に、おまじないをしてあげるわね。」
乳首からクリップを外すと、今度は鳥の羽毛を手に取る。
「は〜い。痛いの痛いの飛んでけ〜。」
おどけた口調でクリップを挟まれた痕を羽毛で擽る。
「ああん・・・・。だ、だめぇ・・もう。」
乳首が一層硬く、そして充血していく。
もはや、乳首に与えられる痛みや痒みといった感覚全てが、快感となってイナルバの全身を駆け巡っていく。
「ああっ!だめぇ、イク!!いっ、嫌!?見ないで!?」
プシャャャアアアアーーッ!!
三度目の絶頂と共に、イナルバの秘所から快感の蜜が溢れ出る。
「お漏らししちゃったの?いけない子ね。イナルバは」
307 :
前・389:2007/07/14(土) 22:41:27 ID:JKBqdp2V
気が付けばメームは、イナルバの股間に顔を埋め、まじまじと彼女の性器を見つめていた。
「なっ、何をしている!メーム、み、見るな!?・・・ひゃう!?」
メームの唇が割れ目に軽く触れただけで、イナルバの身体は敏感な反応を示す。
「ココも気持ちいいのね。」
舌で割れ目を舐め回し、指でクリトリスを摘み弄る。
ジュプジュプベチョベチョ・・メームがイナルバの膣口を舐め回す度に、部屋中に卑猥な音が響く。
「ひゃっ・・・。いやっ、また出ちゃう!!」
イナルバの言葉でメームが顔を離すと、二度目の潮を吹いた。
「我慢しなくていいのよ・・・。あなたの身体はまだ欲しがっているんだから。」
休む間もなくメームの責めは続く。今度は指を入れ膣内を掻き回す。
「メーム・・お願いだ。もう、やめてくれ・・・。」
四度も絶頂に昇らされ、肉体的のも精神的にも激しく疲労し、弱々しい口調でメームに許しを請うイナルバ。
「礼儀を弁えていませんね。長で私に許しを請うのでしたら、それなりの誠意を込めてもらわないと、いけませんよ。」
勝ち誇った表情で自分を見下ろすメームと目が合った瞬間、イナルバの心の中を言い様のない敗北感が支配し、自尊心が脆くも崩れ去った。
「お願いします・・。メームお姉様。お許しください・・・。」
「はい。よく言えました。」
メームは、イナルバの手足に付いている拘束具を外すと、彼女の身体に跨り騎乗位の体勢をとる。
「さあ、次はあなたが私を気持ち良くさせる番よ。」
そのまま上半身を屈めて、イナルバの顔に胸を密着させる。
「んんっ!?・・はぁ・・・上手よ、イナルバ。」
谷間に埋もれた顔を少しずらし、乳首をむしゃぶるイナルバ。
メームが胸を離すと、乳首が唾液でテラテラと光っている。
「次は、こっちのおっぱいを味わってね。」
メームが再び胸を近付けようとする・・・が、イナルバが顔を上げ乳首にしゃぶりつく。
「やん・・・せっかちな子ね・・。」
両手をイナルバの後頭部に回し、自分の身体と彼女の顔を下ろしていく。
コリッ!?「きゃあん!!」
「ごめんなさい、メームお姉様。その・・歯を立ててしまって・・・。」
308 :
前・389:2007/07/14(土) 22:42:18 ID:JKBqdp2V
甘噛みするつもりだったが力が入ってしまい、強く噛んでしまったようで、驚いた拍子にメームが手を離してしまう。
「ううん。良いのよ・・・。気持ち良かったから。」
「・・・本当にごめんなさい・・・・。」
詫びるかの様に歯を立てた乳首をチロリと舐める。
「イナルバは優しいのね・・・。」
メームがイナルバの顔を自分の胸に埋め、頭を撫でる。
「今度はこっちよ・・。」
身体の位置をずらし、両太股でイナルバの顔を挟む。
「メームお姉様のココ・・・凄く濡れてる・・・・・。」
イナルバの眼前に映るメームの蜜壺は、既に愛液が溢れ鼻を衝く匂いを発している。
舌を伸ばし、愛液が溢れ出てくる膣口をペロリと舐めると、メームがビクンと身体を震わせる。
「んんっ!そ、そこ・・・」
イナルバの後頭部を持ち上げ、自分の股間に密着させる。
「あぁん・・・もっと、もっと深く味わって・・・。」
メームの言葉に応える様にイナルバの舌が動き出す。
膣口に口付け、舌を膣内へねじ込ませていく。
柔肉が舌に絡みつき、吸い尽くせない程の愛液がグチュグチュと音を立てて溢れ出てくる。
「あ・・はあ・・上手よ・・・・。」
メームの口から力の無い声が漏れる。
同時に身体の力が抜け、太股で挟んでいたイナルバの顔が解放される。
「ありがとう、イナルバ気持ち良かったわ。」
愛液で汚れたイナルバの口周りをハンカチで綺麗にし、軽くキスをする。
「お礼にご褒美をあげるわ。」
そう言ってメームは、台車に乗っている小瓶を手に取る。
「それは・・・?」
「フフ・・・これはね、ファムが研究に研究を重ねて開発した媚薬なの。」
「・・・媚薬?」
「そう・・この媚薬を身体に塗るとね、凄く元気になって、凄〜く気持ち良くなるのよ。」
蓋を外し小瓶を傾けると、粘り気のある透明な液体が姿を現す。
「ファムからたくさん貰ったから、たっぷり塗ってあげるわ。」
イナルバの身体に、得体の知れない液体を垂らし塗り広げていく。
特に、敏感である乳首には丹念に塗り付けていく。
309 :
前・389:2007/07/14(土) 22:43:16 ID:JKBqdp2V
数分・・いや数秒もしないうちに、イナルバの身体に変化が表れる。
「(何?身体が熱く・・・疼く・・)」
身体が更に熱を帯び、乳首が痛いほど勃っている。
「あらあら、敏感なあなたには、刺激が強かったかしら?」
「ああっ!!はあうっっ!?」
メームが軽く指でなぞる・・・・それだけでイナルバの全身を快感が駆け巡り、電気ショックを受けた様に、ピクピクと身体を震わせる。
「流石はファムね。女性の身体を知り尽くしているだけの事はあるわ。」
「イナルバ・・・。今日の事は私が仕組んだことだけど、実は協力者がいるのよ。」
「入っておいで!」
部屋の扉が開き、メームの協力者が姿を現す。
「・・・ネ、ネスティー。どういう事だ?」
突然のネスティーの登場に戸惑いを隠せないイナルバ。
「こういう事よ。」
メームがネスティーと唇を重ね、激しく舌を絡ませる。
その間に、メームの手が大きく露出した胸の谷間に忍び込む。
「や、やめろ・・・イナルバが見てる・・。」
「あら、イナルバに見られて興奮しているのね・・・あなたもイヤらしい子ね。」
「ち、違う・・これは、メームが・・・」
メームがネスティーの軍服のボタンを外し手際よく脱がしていく。
続けて、ズボンとショーツも脱がし、あっという間に全裸にしてしまう。
「さあ、ネスティー。これを・・・。」
ネスティーに媚薬を渡す。
「ファムの作った媚薬か・・。フッ、こいつに病み付きにならない女は、いないな・・。本当にやるのか?」
「ええ。」
「どうなっても知らんぞ・・。」
媚薬を受け取ると、ネスティーはイナルバの上半身を起こし、彼女の背後に回る。
「許せよイナルバ。長であるメームの命令は絶対・・・。それが軍の掟なのだ。」
耳元で囁くと、乳房を揉みしだき、乳首を指で捏ねる。
「はああぁ!!ああううん!?」
「可愛い声を上げるな・・。ココが良いのか?もっと気持ち良くしてやろう。」
310 :
前・389:2007/07/14(土) 22:44:37 ID:JKBqdp2V
メームから渡された媚薬をイナルバの乳首に塗り付けていく。
「や、やめ・・ろ、ネスティー・・あぁ・・・!」
「イナルバ、我慢することはないぞ。身体は欲しがっているのに・・・。」
「ネスティーの言う通りよ。あなたのココはもう、トロトロよ・・・」
メームがイナルバの膣口をなぞると、グチョグチョと音を立てて粘り気の濃い愛液が溢れ出てくる。
「もっと気持ち良くしてあげるわ・・・。」
指で膣口を拡げ、小瓶を宛がう。
「・・あぁ・・・」
小瓶のヒンヤリとした感触が火照った身体に心地よく駆け巡り、イナルバの口から、うっとりとした声が漏れる。
宛がわれた小瓶から媚薬が、ゆっくりと膣に向け流れていく。
「・・・んっ・・はぁ・・はぁ・・」
媚薬が効いてきたのか、イナルバの身体が更に熱っぽくなり、赤みを増していく。
「あらあら、どうしたのかしら?そんなに身体をモジモジさせて・・・」
メームの手が、忙しなく擦り合っているイナルバの太股に伸びる。
「ココが、痒いのかしら?」
指で膣口を擦ると、イナルバの下半身がピクリと反応する。
「・・・!?ああっ!!」
快感に浸る間もなく、指が膣内へ侵入していく。
挿入した瞬間、それを拒むかの様に愛液と媚薬でヌルヌルに潤った膣肉が、指にまとわりついてくる。
指を動かすと、ビチャビチャと音を立てて、愛液と媚薬が入り混じった粘液が膣外へ流れ出ていく。
「そろそろね・・・。」
メームがネスティーに目で合図を送ると、再びイナルバの胸を揉み始める。
メームが膣を、ネスティーが胸を、緩急自在に責め立てる。
「ああっっ!?んあああううっっ!!はあああん!」
二人の愛撫は確実に、イナルバを快楽の津波へと飲み込んでいく。
「・・ひっ、ひゃっ!!もっ、もう・・・らめぇ!?き、気持ち良過ぎて・・お、おか・・・ひ・・・・く・・・」
ウィークポイントを執拗に責められ、イナルバは絶頂に達すると同時に、グッタリとベッドに身体が崩れ、意識を失った。
311 :
前・389:2007/07/14(土) 22:45:57 ID:JKBqdp2V
「・・・・んっ・・」
次にイナルバが目覚めた場所は、自分の部屋のベッドの上だった。
意識を失っている間に身体を洗ってもらってあるのか、バスローブを身に纏っているし、汗臭さも感じない。
普段着ている服は、ベッドの横にある机の上に綺麗に畳んである。
「あれは・・・夢だったのだろうか・・?」
イナルバの脳裏に、意識を失う前の光景が浮かぶ。
メームに、あの手この手で辱しめられた挙句、得体の知れない媚薬を塗られ、更にはネスティーも加わり数えきれない程、絶頂に昇らされた・・・。
しかし、イナルバの言葉とは裏腹に、今も尚、疼いている身体が全てが現実であると物語っていた。
「・・凄く気持ち良かった。でも・・・まだ足りない・・・。」
ベッドから起き上がると、バスローブ姿のまま部屋を出ていくイナルバ。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・・・」
バスローブが身体に擦れる度に、イナルバの全身に快感が駆け巡る。
その為か、フラフラとした足取りで廊下を歩いていく。
やがて目的地である、メームの部屋に到着し、入り口の扉が開く。
「あら、イナルバ。身体の方はもう大丈夫なのかしら?」
「メーム!!・・・いえ、メームお姉様・・・。そ、その・・・。」
普段の押しの強い口調から、急にしおらしくなり視線を逸らすイナルバ。
「フフ・・・可愛い子ね。さあ、こっちへいらっしゃい。身も心も愛してあげるわ・・・・。」
〜ああっメーム様!? fin〜
312 :
前・389:2007/07/14(土) 22:53:58 ID:JKBqdp2V
以上です。
やっぱ、あの三人を書くのは難しい。
週末は、三連休の方が多いと思いますが、大雨による災害が多発しているので
ご注意してください。
ではまた。
GJ! !
レズビアンもたまにはいいね
でも個人的には前・389氏の和人×ヒロインの
話の方が好きやわぁ
314 :
前・359:2007/07/16(月) 02:06:34 ID:mt6lJIZh
GJ!
いやぁ、今週は絶望的で台風モノの小ネタでも行こうかと思ってたので、助かりました。
年長組3人扱いにくいですけど、アニメ版より漫画版の方がさらに困難な気がします。
そういう意味では良く出来てると思いますよ。
ところで、ワタクシめの話への感想で和人の誕生日の話ありましたが、どうです?
去年から誕生日とかDVD発売記念とかイベント系は全部、当方が貰ってるので、今年辺りは是非。
そうそう、ワタクシめに感想いただいた方々、ありがとうございました。
315 :
前・389:2007/07/17(火) 18:46:25 ID:QMxJhV/R
感想戴きありがとうございます。
>>313 この作品は女性キャラが多いのでレズネタのカップリングに関しては、
レパートリーが豊富な方です。
逆に、和人×ヒロインですが、ワルキューレと秋菜は比較的簡単なのですが、
それ以外のキャラは、難しいですね。
アニメでも、いいムードだったカップリングは、
和人×ワルキューレの他に、森川君×リカ、深見君×メームくらいだったし・・・
前・359氏
和人の誕生日の話ですが、突発的に浮かんだネタが投下できそうです。
あまり時間がなかっただけに、話が短くエロも薄めですが・・・
すまないが誰か過去ログうpしてくれないか?
>314,315
横から失礼するけど。。。
そう思うと前・359氏は凄いね
真田さんとかライネとかありえない組み合わせでも違和感ないし
ところで、どちらの職人さんでもいいからヤンデレとか鬱EDとか書いてくれませんか?
スクイズみたいな。。。
>316
どうやってやるのかおしえて
前スレからなら専ブラに残ってる
凄いというならライネ、真田さんよりむしろハイドラだろ?
ライネは好意を寄せてるし、真田さんはエロイから判らなくはないがハイドラこそありえない組合せ。
ヤンデレ・鬱は自分的にはちょっと・・
>>317 同じID!
もしかして同じマンション?
関西?
>319
関西
近所につぶれそうなスーパーがあれば同じマンションだと思う
今から行くから良かったら合流する?
他の人に迷惑かかるからそろそろ止めようよ
321 :
前・359:2007/07/18(水) 19:41:02 ID:zjw5h7RA
>>前・389さん
ではお任せします。
鬱展開とかヤンデレは嫌がる人も多いし、ワタクシめもあまり好きではないのでご期待には沿えないかも……
スクイズってスクールデイズの事ですかね?
あそこまで救いようが無いのは過去に1本書きました。
リカの話で、さすがにノコギリは出ませんでしたが、電車はあったし。
1本づつ完結させて3〜4本の予定でしたが、1本で止めました。
あらすじだけ書いた続編ではリカは死ぬし、リカと和人の娘がワルキューレと和人の娘をガラス片で…… とか。
あまりにもスレと元の作品にそぐわないので。
それ以来、鬱とかレズとかスカとかSMとか読む人を選ぶ作品の場合は、初めに但し書きを入れます。
昨年のエイプリルフールの話はヤンデレ・ワルキューレの話でしたよ。
あとワルキューレが見た悪夢の話もそれっぽいですけど。
あまり酷くならないのなら書けるかもしれませんが、死ぬとか精神崩壊とか強姦とかは多分書かないと思います。
行くところまで行くのを期待されているのでしたら、ワタクシめにはご期待に沿えません。
すみません。
実は過去ログのうp仕方わかんないんだ
職人氏達もうpの仕方わからんのかな?
自分の持ってる以前のが読みたい
>321
前・359氏、そのリカの話読みたいです!
でもリカと和人の娘がワルキューレと和人の娘。。。って和人が鬼畜?
>>323 前・389氏の鬱EDは読んだことないから分からないけど、前・359氏の鬱EDはマジでかんべんして欲しい。
リカのSS読んだけど、情景描写、心理描写が生々しいというかリアルで(書き方がうまいといえばそうだが)鮮血、グロがなくてもマジでヘコんだから。
あれで鮮血、グロがあったらと思うと。
スクデイは誰が悪いとかいえるだけましで、前・359氏のは誰が悪いわけでもなく、ただ運命の歯車が悪い方へ悪い方へ行く本物のどん底なので精神的にこたえる。
前・359氏のSSを読みたくないというのではなくて、氏は鬱EDを書かせてもうまいと思う。
それだけに読みたくないな。
大ワルが和人を監禁したのがいっぱいいっぱいだね。
過去ログうpは俺も分からん。
職人の両氏はどうかな。
なぜにくちゃんを閉鎖してしまうんだ
まあ、そう言う需要が有るのは解りました。
ドン底はともかく、たまにはご期待に沿えるよう心がけます。
それと、ワタクシめのうpの仕方は解りませぬ。
前・359でした。
327 :
名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 12:08:47 ID:d1hoeBvl
ヤンデレとまではいかなくともワルキューレがやきもち妬きまくって…
ってのが読みたい
>>321 過去の傷痕を蒸し返すようで恐縮ですが、
当時のあなたはどうしてそこまでしてリカを修羅場に突き落としたかったんですか?
そうなると知っててリカを和人のものにする価値が一体どこにあったんですか?
リカを修羅場に引きずり込む可能性のある邪悪な死神に、大切なリカのカラダを奪われていいわけが無いんです。
そんな呪われた男にリカは渡さない。それだけです。
理科厨うぜー・・・
夏本番。
前にU1につごうよくレイープされるドリームSS書いたひとだよな?
あんなペラペラなSSとはモノが違ってた。
読んでもいないのに批判する人間性を疑うね。
前・359氏のあれってカプかシチュをリク受けして書いたとおもったが。
U1ドリームの時ひとりだけ構ってくれてアドバイスしてくれた氏を事情もしらず叩くなんてどうよ。
|/-O-O-ヽ| ブツブツ・・・
| . : )'e'( : . |
` ‐-=-‐
/ \
||\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \
||\\. \ ∧_∧
||. .\\ \ ( ;´Д`) オイ、なんか変なのがいるぞ
. \\ \ / ヽ.
. \\ / .| | |
. \∧_∧ (⌒\|__./ ./
( ´,_・・`)目合わせるなって ∧_∧
. _/ ヽ \ ( ) うわー、こっち見てるよ
処置なしだな。
334 :
前・389:2007/07/23(月) 01:17:08 ID:zNlo7uyp
日付が変わり、今日は7月23日
和人の誕生日ですので、予定通り和人の誕生日のお話を投下させていただきます。
335 :
前・389:2007/07/23(月) 01:17:54 ID:zNlo7uyp
〜バースデイ・サプライズ 最高のプレゼントをあなたに〜
7月中旬、大地を濡らしていた雨が去り、雲に隠れていた太陽が顔を出し眩しく照らし出す。暑い夏の到来である。
「へぇ〜。今年は23日に商店街のお祭りがあるのかぁ・・。昔、お兄ちゃんと一緒に行ったなぁ・・・。」
回覧板に貼られた告知を見てリカが思い出に浸る。
「そういや、23日ってお兄ちゃんの誕生日だったよね。いい機会だし、ワルQと二人で行ったら?」
「え、ワルキューレと二人で・・・」
「たまには、二人で楽しんでこいよ。」
とシロが後押しする。
「そうだね・・。ありがとう、リカ、シロ、二人で楽しんでくるよ。」
その瞬間、ワルキューレが「やったぁ!!」と言わんばかりに目を輝かせていた。
その日の夜、ワルキューレはリカの部屋を訪ねていた。
「あら、ワルQ珍しいじゃない。何か用?」
「あの、和人様の誕生日の事なんですけど、何かプレゼントを差し上げたいのですが・・・」
「お兄ちゃんにプレゼントねぇ・・・う〜ん・・・・・」
これはリカでもお手上げの難題である。何せ和人は生真面目で、あまり欲が無い人間だからである。
「それは、私にもわからないわ。ごめんワルQ、力になれなくて。」
「そうですか・・・・。」
「でも、プレゼントじゃなくても何か愛情を伝えれば、お兄ちゃんは喜ぶんじゃない?」
「愛情を伝える・・・ありがとうリカ様。私がんばります。」
リカの助言が効いたか、拳を握り闘志を燃やすワルキューレであった。
7月23日夕方、和人とワルキューレはお祭りらしく浴衣姿で、たくさんの人が溢れる商店街を歩いていた。
人込みの中ワルキューレは和人にピッタリと密着して歩いている。
「ああ・・・胸が見えそうで、恥ずかしい・・・」
着ている浴衣が小さいのか、それとも豊満な胸が災いしているのか、ワルキューレの胸元が少しはだけている。
それが原因で周りの視線が気になるのである。
336 :
前・389:2007/07/23(月) 01:18:56 ID:zNlo7uyp
商店街の中心までやってくると、地元の青年団が威勢の良い掛け声と共に神輿を担いでいるせいか、活気に溢れている。
日が暮れても一向に活気が衰えることなく盛り上がり続けている。
「!?ちょっと、ワルキューレ!」
人込みから神輿を見ていた和人をワルキューレが凄い力で引っ張っていく。
「和人様、しっかり掴まっていて下さい。」
人込みから抜け出すと、和人を連れて空に舞い上がり、時乃湯に向かって飛んでゆく。
時乃湯に着地すると、今度は和人の部屋へと向かっていく。
「一体どうしたの?ワルキューレ。急にこんな所に連れてきて・・」
「ごめんなさい・・・。どうしても二人っきりになりたくて・・・」
申し訳なさそうに、ワルキューレは俯きながら答える。
「和人様に・・、誕生日プレゼントをお渡ししたくて・・・。」
「誕生日プレゼント?」
スッ・・・。
ワルキューレは自分の浴衣の帯を解いていく。
完全に帯が解けると、はだけていただけの胸元が露わになり、スルリと浴衣が床に落ち瞬く間に生まれたままの姿になった。
「和人様・・・。私は、身も心も魂もあなたにプレゼントします。だから私を好きにして下さい。」
ワルキューレが和人を力一杯抱き締める。
「ワルキューレ・・・」
和人は、ワルキューレの頭を優しく撫でると、布団の上に寝かせ、自分も全裸になる。
ワルキューレの首筋に口付け、舌を這わせ滑らせていく。
「う・・あん・・」
両手は乳房を揉み、人差し指と親指が乳首を摘んでいる。
舌が乳首を捉えると、余った手が引き締まったウエストを滑り、股間の茂みへと辿り着く。
茂みを掻き分け、既に濃密な雫を分泌している膣口に指が触れる。
「あ・・か、和・・・人・・様、早く・・・来て・・・・」
ワルキューレが太股を拡げると、和人も自らの欲望を抑える事なく、自分以外の人間が踏み入ることが許されない聖域へと、自身の分身を埋めていく。
337 :
前・389:2007/07/23(月) 01:20:03 ID:zNlo7uyp
柔肉と愛液が陰茎にまとわりついてくる。和人にはこの生暖かい感触が堪らない。
恐らく、ワルキューレも同じ気持ちだろう。
今まで何度かワルキューレと肉体を交わせてきたが、回数を重ねる毎に、奥へ深く誘い、「もう、離さない!骨の髄まで搾り取る!」と言わんばかりに、締め付けが強くなる。
和人はその度に、ワルキューレの膣の最奥に愛を注いできた。
「動くよ、ワルキューレ・・」
和人が腰を動かし始める。初めはゆっくりと、そして徐々に動きが早くなる。
「あっ・・、はぁっ!はあああん!?」
和人の律動的な腰の動きに合わせる様に、ワルキューレも甘美の声を上げる。
膣内の柔肉が更に強く陰茎を締め付けた瞬間・・・
「ワ、ワルキューレ・・・イ、イクよ!!」
「か、和人様!わ、私も・・」
二人がお互いの背中に腕を回すと、和人が最後の一突きと同時に、ワルキューレの膣内に射精した・・・。
「誕生日プレゼントありがとうワルキューレ。大切にするよ。」
最愛の人であるワルキューレから最高のプレゼントを貰った。それが和人にとって堪らなく嬉しかった。
同じくワルキューレも最愛の人である和人に愛される喜びを感じていた。
「和人様・・・。私は、あなたのワルキューレ・・・。」
「そして僕は、あなたの時野和人・・・。」
どちらからともなく、互いに口付け、和人がワルキューレの胸に顔を埋めた。
ワルキューレはそれを苦にすることなく、慈愛に満ちた表情で和人を受け入れる。
暫くすると、和人がワルキューレの胸を枕代わりにスヤスヤと寝息を立て始めた。
「お休みなさい、和人様・・。私も最高のプレゼントが出来て幸せです。」
和人の額にチュッと軽くキスをすると、睡魔に身を任せる様に目を閉じた。
〜バースデイ・サプライズ 最高のプレゼントをあなたに〜fin
338 :
前・389:2007/07/23(月) 01:48:26 ID:zNlo7uyp
以上です。
時間があまり無かったので、内容が短くなりましたが・・・
満足してもらえれば幸いです。
ではまた。
GJ!
丁度書こうと思ってたネタだったので少しビックリしました。
ワタクシめの場合はライネでしたが。
それにしても誕生日とはいえ、実にナイスなタイミングでしたねぇ。
良かった良かった。
誰もコーラスのは書かんのな
コ〜ちゃんはねぇ……
ゴースト・・・
アニメでは、あんなにエロく和人を誘惑してたのに・・・
コーラスについての構想…ってか妄想w
その1
偶然、和人とワルキューレとの性行為を目撃してしまうコーラス。
憧れの姉と紳士な和人に対して罪悪感は感じつつも、毎晩行われる二人の性行為を覗くように。
そして深夜になると、いつしかそれをオカズに自家発電するようになるコーラス。
で、落ち?として、毎晩押し入れの中でガサゴソと自家発電しているところをリカに見つけられ終了。
「もう、コーラスったら毎晩何やってるの?」
ガラッ
「!」
「あ…」
みたいなw
その2
ライネと学園惑星で性教育の授業を受け、試しにやってみようとかなんとかで
ライネとレズプレイ
これもまたファムに見つかって
「あらあら…二人共…」
以下大変なことにw
その3
毒電波に侵され行動が淫乱にw
そして誰も予想だにしなかった夢の……
コーラス×真田さん
が見られる
最後、真田さんは感電
ストーリー性無し^w^;;;
↑
書いちゃえ書いちゃえ
今職人さん二人しかいないから負担を軽減させる意味でも職人デビューしちまえよ
そうですねぇ、それが良いかも。
ワルキューレは別にして前・389さんはメーム、イナルバが好きだろうし、ワタクシめは真田さんとライネが好き。
超難関のハイドラも書いて、あと書かれてないキャラと言えばネスティとファムとコ〜ラス位なモンですから、丁度良いですよ。
是非。
エラそうな事言いますが好きなキャラじゃないと、なかなか良いのが書けないんですよね。
一生懸命書いてはいるんですけどねぇ。
その2は、話を書いた事が無いと、まとめるのが難しいと思います。
次にその1が難しいでしょう。
登場キャラが少ない方が書きやすいと思われます。
構想があるなら、是非とも書いてください。
>>345>>344 某は職人の方々に書いてもらいたいのであり、某のヘタクソなSSを書いてみたいということではありません。
だから、某が書くことを期待されてるようですが、それはできません。
第一、某には文才の欠片ですらございません。従って書いてもろくなものになりません。
単なる自己満足のスレ汚しになること間違いないでしょう。なにせ某自身が胸を張って太鼓判を押すのだから。
というわけで、誰かコーラスのエロSS書いてくれ。
おね^^
学園惑星
限りなく広がる大宇宙の中のひとつの宝石
他の星の住民が想像もできないほど完成された究極の学問のためだけのスペース
整然と美しい校舎が立ち並び、選ばれたごく少数の者だけが出入りできる学園
その少数である彼女らは有力者…ヴァルハラ宮の8皇女の内の2人…
連綿と続く平和な日々をを学校という名の温室で過ごしていた
「何やってますの?コーラス、早くしていただけないと困りますわ。」
ライネのイライラとした感じの急かす声がコーラスの耳に届く。
「ん、あと少し待って。」
「既に10分も待たされてますのよ。」
「あと3分待って。」
コーラスは適当に相槌を打つと、のろのろと机上の勉強用具を整理し始…
「もう!!次の授業は移動教室なのですわよ!!このままじゃ遅れてしまいますわ!!」
「ライネはせっかちだね。…焦る乞食は貰いが少ないよ。」
険悪なムードのライネに対し、少しも表情を崩すことなく飄々とコーラスは言い放つ。
「こ、こっ乞食って…まぁ!!誰のせいでこんなせっかちに催促してると思ってるんですの!コーラスったらあなたのせ…」
コーラスはライネの言葉にはまるで耳を傾けずに、サッサと次の授業の場へと向かってしまう。
「…いなんですのよ。それにこの前だって…ってちょっと!!コーラスー!!待ってくださいましー。」
全速力で教室へ向け走ったものの結局二人して遅刻処分扱いになったのは難とも無情な話。
「何をしていたのですか?始業のチャイムが聞こえなかったのですか?早く席につきなさい。」
と、二人して注意を受けてしまった。
(わたくしヴァルハラの皇女なのに…とんだ恥をかきましたわ…
……それというのもコーラス!あなたのせいですわ。
酷い…
わたくしはいつもコーラスを気遣っていつも思いやっていつもコーラスに合わせているのに…なのに…コーラスったら全く私に親切にしてくれない…
わたくしはいつもいっつもコーラスに振り回されてばかり…酷いですわ…
…そうですわ、これまでずっと振り回されてきたんですもの。わたくしが少しばかりコーラスを酷い目にあわせるのも…全く問題無いし、むしろバランスがとれて良いかもしれませんわ。)
こうしてライネのコーラスに対する言い様の無い怒りは着々と形成されていき、ライネはその手段を考えるようになる。…授業中であるのにも関わらず。
(何かコーラスに一泡噴かせる名案はないことかしら?)
教壇には先程ライネとコーラスを叱りつけた先生が、まるで催眠術のように単調なリズムの声色で講義を延々休むことなく続けている。
(何か…名案…)
(!!!)
(閃きましたわ!そう、これですわ!これ!こんなことが…我ながら天才ですわ…クスクス…ウフフ…)
「クスクス…ウフフ…アハハハハ…」
退屈な講義からヒントを得て舞い降りた名案にライネの心が躍り、つい現実に声を出して笑ってしまう。
「ちょっとそこ!何一人で笑ってるんですか。まじめに聞きなさらないのならば、廊下で立ってなさい。」
「あれ?これはこれは…ごめんあそばせ。」
こうして幸か不幸か、移動先での退屈な授業が、ライネにコーラスへの復讐の方法の着想を提起させる契機となったのであった。
コーラス…目にものみせてやりますわ…
放課後
放課後
日は西に傾き、二人で一部屋の寮の個室を赤々と照らす。
「ホンット失礼しちゃいますわ。」
ムスッとした表情で、部屋のベッドに腰掛けるライネ。
コーラスはベッドの下で体操座りをして縮こまっている。別に反省をしている訳ではない。毒電波がでているから…とはコーラスの弁。
「コーラスがもたもたしているから、わたくしまで巻き添えくらいましてよ。あの時コーラスがもうちょっと速く…」
「ライネの胸の質量が無駄に大きいから、いざという時に素早く動けないんだよ。」
ライネからの非難を遮り、別の話にコーラスはもっていこうとする。
しかしながら、コーラスも口にはしないものの、少なからずライネとのプロポーションの差に劣等感を抱いている。
「なんですって〜!?(はっ、ここは抑えて冷静に振舞わなければ)…はぁ、やっぱりあなたと上手く付き合うには一々細かいことを気にしないほうがいいのかもしれませんわ…」
「いつに無く、熱しやすく冷めやすいね。」
「そうですわ少し聞きたいことが(作戦開始ですわ!!見てご覧なさい!!一泡も百泡も噴かせてみせますわよ)。」
「?」
ベッドの下から這い上がりコーラスはライネの隣に腰掛け、話を聴く体制へとなる。
「先程の移動教室での授業…」
「人体の生理学?」
「そう、それですわ。で、そのぉ…」
ライネの口調が急にもじもじとしてはっきりしないものに。
(我ながら最高の演技ですわ!)
「子孫を残すメカニズムという内容でしたわよねぇ?」
「うん」
「で、私たちのような種族がどのように生殖行動をするか、を講義しているとこまではわかったのですが…肝心の、その手法の所が理解できなくて。」
「あぁ、あの辺はぼやかして説明されているからね。先生方も少し恥ずかしく感じる関係で、ああいうわかりづらい表現を使っているんんだよ。わからなくてもライネの低脳のせいじゃないよ。」
(ピクッ…て、低脳?………我慢我慢ですわ!わたくしファイト!)
「それでもし良ろしければ、その手法を教えていただけませんこと?」
知らない振りはしているものの、やはりライネは内容を知っているので顔を少し紅潮させてしまう。
「そう。まず生物には子孫を残すための器官があ…」
「あっ、そうじゃなくて…さっきの講義でもわからなかったのですわ。ですから口頭で伝えるのではなく…試しにその、あの、えと、実演というかたちで…」
「うーん…まぁいいけど…女同士だから子供はできないよ?」
コーラスの表情が一瞬だけ変わったように見えた。だがライネは作戦が上手くいってることに有頂天になり、その変化には気付かない。
(案外軽く承諾してくれるなんて…)
ライネ、心の中でガッツポーズ。
「そ、それぐらいはわかってるつもりですわ!」
「君が良いって言うなら僕も良いけど。」
「それじゃあお願いしますわ。」
(ここまでは作戦通り…わたくしナイスですわ!)
ん…じゃあ始めようか。」
言いながらコーラスはライネの背後にまわり、後ろから抱きしめるような姿勢になる。ほのかにライネの香水の甘い香りが漂い、嗅覚を揺さぶる。
「はい。」
心なし自身の声が震えているようにライネは思えた。
「服を着ていては無理だから。ライネ、裸になって。」
「えっ…いきなりそんな恥ずかしいことは…ちょっとできませんわ。(やっぱりちょっと恥ずかしいかもしれませんわ…)」
「じゃあまずは上だけでいいから。」
「う、上だけ、ですわね?…わかりましたわ。」
言われるがまま、ライネはお洒落な感じの制服のボタンを少しずつ外していき、一瞬ためらった後、決心したかのようにシャツを脱いだ。
学園一、皇女一、と噂されるライネの柔らかくたわわな乳房を辛うじて受け止めているブラジャーが、ゆさゆさと揺れに耐えながら露出した。色は白。
(やだ…コーラスとお風呂に入ったこともあるのになんだか裸を見せるのかと思うと…恥ずかしいですわ!)
「ブラジャー、外して。」
「え?あ、わかりましたわ。」
色々と考えていたライネにはコーラスの当たり前の言葉に少し驚いてしまうような隙があった。思ったより自分が動揺していることに動揺していることもあってブラを外すのに僅かばかりてこずる。
ブラジャーが外れても形の崩れない上向きの形のいい乳房が露出するやいなや、背後から胸をコーラスに鷲掴みにされる。
「きゃっ、ちょ、ちょっとコーラス!」
ライネは何の前触れも無くコーラスに胸を揉まれて驚いてしまった。
「?」
「触るなら…触るって言ってくださいな、もう。」
「やっぱりライネの胸は無駄にでかいね。」
と言いながらライネの胸を色々いじってコーラスは遊ぶ。
「話聞いてますの?」
「胸触るよライネ。」
(カチン…何を今更…抑えて抑えて!ファイトですわ!ここで怒っては全てが水の泡…なんとか乗り切ってコーラスを見返したいものですわ。)
「あぁっ…」
胸が大きい分、感度がいいのか胸を触られだしてから1分もしないうちにライネは声を出してしまう。
(やだっ!恥ずかしい声だしちゃう…今のコーラスに聞かれたかしら?)
常識的に考えて聞かれてないはずがないがその話は置いておこう。
「こうやって胸を揉むことで、お互い生殖行為前の雰囲気を作っておくんだよ。この準備行動が次の行為をやり易くさせる。」
「んん…もぉ、あぁあ…へ、へーですわ。あぁん」
ギュッ
「あっ痛い!(でも…)」
突然コーラスに乳首を摘みあげられ強い刺激を覚えたライネは体をビクビクさせた。
「やっあぁー、も、あっ…またうふっぁ」
何を思ったか、たて続けに乳首ばかり責めるコーラス。
ライネは我慢ができない。何度も何度も体をビクビクと反応させてしまう。
「ちょ…あぁん!なんでコーラス、ね、もぉそんな…きゃっ乳首ばっかり…ひ」
「気持ち良いかい?」
(気持ち良いわ…このままもっとコーラスに揉んでもらいま…はっ!いけないいけない。)
「ひゃんっ…あぁコーラ、あぁコーラス。んんぁ…ちょとストッふぁあストップ…」
「んー?そんな喋り方じゃ何言ってるのか聞こえないなー。」
意地悪にもコーラスは聞こえない振りをする。それどころか更に集中的にライネの乳首を責め立てる。軽く捻ったり、突っついたり弾いたり…なかなかやむこと様子がない。
「あっあっふ…やん!あーぁん、ん…ストッうぁぁ、スひゃ」
必死に「ストップ」を言おうとする。だが断続的に押し寄せるコーラスの責めに合わせて襲いかかる快感。なかなか発言することができない。ただただ玩具のようにいじられ続けるライネ。ライネの下の方は…
「もう、だからひゃぁん!ストーップ!!…はぁはぁはぁ」
タイミングを見極め辛うじてライネはマトモに喋ることができた。ようやくコーラスの責めがやむ。
「はぁ…はぁ…はぁ…(危ない所でしたわ…あと少しやってたらと思いますと…)」
「どうかしたのかい?ライネ。」
どことなくニヤニヤした表情でライネの顔を覗き込む。
案の定、そこには胸を責められる快感に頬を紅潮させ息を荒げているライネの表情があった。
「その、わたくしばかり気持ちよくなっていては…悪くありませんこと?」
「そうでもないけど。」
即答された。
「え、でも、ほら、あの、いや(しっかり!わたくしファイトですわ!)」
「わたくしばかりが行為の準備をしても…おかしいですわよね?」
少しの間があった後…
「そうかもしれないね。」
「そうですわよねっ!(やたっ!後はもう…ウフフアハハッハ)」
「何にやついているんだい?ライネ。気持ち悪いよ。」
(カッチーン!!メラメラメラメラ…)
とうとうライネの堪忍袋が切れ、怒りの炎が火の手をあげたその時!
「それじゃ…脱ぐから…」
その言葉を聞き、ライネはギリギリのところで踏みとどまることができた。
(…)
(…っ危ないところでしたわ…それにしてもコーラス…本当ひどいですわ!)
「それじゃあ…交代ですわね。ささ、コーラスも服を脱いでくださいな。(あと少しですわ!!)」
と言いながら、今度はライネがコーラスの背後にまわり、後ろから抱き締めるような体制に移行する。コーラスは香水をつけていないが、その髪からはほのかにシャンプーの匂いがした。
「あ、うん。」
緩慢な動きで少しずつ制服のシャツのボタンを外しはじめる。時折、上目遣いでチラチラとライネのほうを伺う。
「あら?どうなされましたの?コーラス。」
コーラスの動作に、妙にセクシーな臭いを感じ取ったライネはすかさずコーラスに尋問する。
「ちょっと…恥ずかしい…」
普段は青白いと言っても過言で無いほどのコーラスの肌が、赤みがさしてきているのがライネには強く感じられた。
「その…恥ずかしいから…脱ぐののはもうやめ…」
「恥ずかしいのがどうかしましたの?」
コーラスの弱気を感じ取ったライネは次のコーラスの言葉を予測し語調を強め、言わせないようにした。
「いや、別に、なんでも、無い。」
コーラスの金色の瞳が小刻みに動いているだろうと背後からでも予測できる。まるでロボットの様な返事しか返せない状況に陥ってるコーラスを見て、ライネは自然と自身の表情が綻びるのを感じた。
(アハハハハハ、コーラスが…こんなに可愛いなんて…後でワルキューレお姉さまに教えてあげようかしら?ウフフ)
そんな能天気なことを考えられるまでに、ライネとコーラスは先程とは完全に形勢逆転していた。
コーラスがシャツを脱いだその時
(!!!)
「まぁ!!コーラスったらブラつけてないのね!!」
コーラスはブラをつけてなかった。
「声…大きいよ…」
モジモジしながらもライネの無神経な大声に少し機嫌を悪くして、コーラスは眉をひそめる。
(クスクス…このこともワルキューレお姉さまに教えてあげようかしらっ♪)
ますます浮かれるライネ。
「それでは触らせてもらいますわよ。」
黙って小さく頷いたコーラスを確認すると、ライネはゆっくりとコーラスの胸を揉…あれ?改めてゆっくりコーラスの胸を揉もうと…ん?
「コーラス。」
「な、なに?」
見ればコーラスは目を強く瞑って小刻みに震え怯えている。
「そのー…言いづらいことなんですけど・・・」
「?」
「揉むとこが無い …みたいですわ」
………
気持ち悪い間が空いた。
コーラスからの返答がない。
気持ち悪い間が空いた。
(いけませんわ!今のはちょっとまずかったかもしれませんわ!どうすれば…)
「と、とりあえず乳首、ありますから、これ、いじらせてもらいますわ。」
「…」
ライネはコーラスの板のような胸にポツンとある桜色の突起をどうしたものか、とりあえず摘んで見ることにした。
「あっ…んん」
「あら?コーラス…これいいの?」
ライネは更に突起に刺激を加えていく。
「ひゃうぅん…んぁあ…あっあっ…!!」
コーラスからは返事はなく代わりに嬌声が返ってきた。
(まぁ…わかりやすいこと。これも後でワルk(ry)
勝手がわかったライネはコーラスの乳首だけを責める。時には優しく。時には激しく。時にはジワジワと。
「んぁ…僕、あっ…ん、ぁぁん…その…ん…変な気持ち。」
「なんか…ひゃっ!あぁんあー体があつひぃっ…!」
ライネは自分の動きにすぐに反応する操り人形のようなコーラスを楽しみ。
コーラスは、「ライネに生殖の仕組みについて教授する」という目的も忘れて、ただひたすらライネからの責めを受け続け、快感に喘いでいた。
日はもう沈んでいる。それでもまだ二人は部屋の電気を点け行為を続けていた。
「そろそろいいかも…?」
そういうとライネは徐にコーラスのパンツを脱がせて、コーラスの秘部に手を伸ばした。
「やっ!?やぁぁん」
突然のことに驚く。多少の抵抗を覚えた。でもすぐにライネが湿った部分を刺激すると、身体をクネクネとよがらせることしかできなかった。
ライネは自身がコーラスに対して具に興奮しているのが自分でもわかった。
ライネの手がコーラスの秘裂に触れ、入り込むような確かめるような手つきで弄ってくる。コーラスは既にグチョグチョに濡れているのを認識。
「ひっ…あ…あっあっ…」
コーラス自身ですらいじってみたことのないその場所を、ライネに弄ばれるのは、まるで感覚神経のほとんどが麻痺したかのように感じられる。
「コーラスったらこんなにベチョベチョに濡らしてちゃって…」
「だって…う…ぁ」
ライネは一通り栗をいじるとコーラスの割れ目を軽く広げてみせる。
「ん…ライネ…何を…??」
「…大丈夫みたいですわね。フフフ。(ついにこの時が…!コーラス!)」
「…なに?」
怪しげに微笑むとライネは行動を開始した。
コーラスは驚いた。
今までの驚きとは比べようもないほどに。
言葉がでない…
その美しい金色の瞳は見開かれ、赤みがさした表情は完全に固定されていた。
コーラスにはスローモーションに見えた。ライネの、動きが。
ライネは自らのスカートに手をいれる。パンツを掴む。パンツを引き摺り下ろす。脱ぎ捨てるとコーラスの前に仁王立ちになる。スカートをまくしあげる。
そこには、熱く硬く充血しパンパンに膨らんだ男のモノが。
(!?)
コーラスは驚愕した。
初めて見るモノにも驚きではあったが…
理解できなかった。どうしてライネの股間に男のモノが…?
「ライネ…これは…?」
「コーラス…あなたが悪いんですのよっ!いつもいっつも私のこと馬鹿にして軽く扱って〜〜〜!もう我慢の限界ですわ!!」
言うだけ言うと、ライネはまだ一度も貫通したことのないコーラスの桃源郷へと一気に侵入しようと試みる。
先程ライネが広げたものの、やはり狭いコーラスの入り口を勢いだけでライネは無理やりに入り込もうとする。怒りや焦りの感情でなかなか上手く入らない。
やっとライネの先端がコーラスの入り口をとらえると、太い塔がメリメリとコーラスの中に喰い込んでくる。
痛い…ジーンとする…痛い…痛い…熱い…痛い……痛い!
ジュプッとライネのが全部入りきると、接合部からドロリ、となんともいえない官能的な香りのする液体と血液が混ざったものが垂れでてくる。
「コーラス!きついですわ…!んああああああ!」
ライネはやっと入れたことにハイテンションになり、早速ピストン運動を開始する。
「いっ、痛い!痛ぁい!やめ…」
ライネの激しいピストン運動。未だかつて経験したことのない強烈な痛みを感じた。コーラスは意識が飛びそうになる。それでも持ちこたえてライネに止めるよう懇願する。
「ひぎぃっ!うああああ!痛い!やめてよライネ!い、い、いたい!やめ、やめて!…うぁ」
パンパンと乾いた淫らな音をたて二人の影が揺れる。
「あなたが悪いんですわよっ!今日のこともあなたがシャンとしてくれれば…!!怒られないで済んだのに!」
「わたくしはいつだっていつまでもコーラスと一緒に仲良くしたいと思ってるのに〜どうしてあなたはいっつもいっつも!」
「わたくしはコーラスのことがこんなにも……それなのに…それなのに…」
ライネは自分自身が泣いてるのか怒っているのかさえもわからず、ただただ快感と激情に身を任せ渾身の力で腰を振り、上下運動を続ける。
ブチャブチャと音をたて何度もぶつかり合うライネとコーラスの腰。
だが止め処なく続くと思われたコーラスの痛みは、次第に和らいでいった。
二人を結ぶ接合部から止め処なく溢れ出すヌルヌルとした破瓜の血と愛液が潤滑剤となったお陰で。
それと合わせるように次第に突き上げるような快感がコーラスを襲う。
「ひゃっ!ああんあラ…イ…ネ…ライネ…」
「んぁっ!コーラス…!」
コーラスもライネも涙を流してお互いの名を呼び合う。
汗をかき愛液を分泌し続ける二人。ベッドのシーツはビショビショになり、床には点々と水滴が落ちている。
たった今開いたばかりのコーラスの中は非常に締め付けが厳しい。
粘々とライネのモノを捕らえて、ライネは吸いこまれるかのような感覚を覚える。
故にライネのは強く強く締め付けられ、それでいてヌルヌルと滑らかに往復する。その快感はライネには耐え難く限界が近づいていた。
コーラスも初めての刺激に幾度となくイキそうになる。いや、既に何度か絶頂に達したのかもしれない…
何度も突き上げ何度も喘ぎお互いの名前を呼び合う…
それもそう長くは続かなかった
「コーラス!!…もうダメ…出ます!出ますわ!!」
「あ!ライネ…あぁ…ライネェ…!」
その声とともにライネは白く濁った粘性の液体を大量に放出し…あれ?大量にコーラスの中に放出しようと…ん?
「ハァハァハァハァ」
「ハァハァハァハァ」
「コーラス。」
「…」
「わたくし、やっぱり女ですわ…」
………
「あっそう。」
結局のところライネは女だった。従って射精することは不可能。
下半身だけを男に変身し、コーラスにぶかっけるという復讐はなんだか微妙な形で終結。
「ライネ…」
動きは停めたものの、二人は抜くことなく会話をする。
「こ、コーラスがいけないんですのよっ!…もうっ」
「怒ってるの?」
「…怒って……「た」ですわ。」
(作戦は上手くいかなったけど…)
「そっか。…さっき、僕と…ずっと仲良くやっていきたいって…」
「あ…それがど、どうかいたしましたの?」
ライネは照れてしまう。
「そんな風に思ってくれてるんだね…」
「ライネ…」
「コーラス…?」
「僕は…」
突然
ガチャ ギィィー
不 吉 な 音 が し た 。
ここからはスローモーションでお送りします。
ガ ライネ(ガ?はて?一体何の音なのかしら?)コーラス(生体センサーニ反応アリ)
チ ライネ(ガチ…?もしかして…?) コーラス(熱源体接近中。数ハ1)
ャ ライネ(ガチャ…?あ…鍵しめてなかった) コーラス(最モ最良ノ対策ハ)
ギィィー ライネ(ど、ど、ど、どうしましょー!?) コーラス(「死んだふり」ガ最適)
そして…部屋の扉を開けて入ってきたのは…
ファムだった
(きゃああああ!ど、ど、どうして!?ファムなの!?よりによってファムなの?最悪ですわ!誰か助けて!助けてくださいまし!神様仏様メーム様……!)
「コーラスちょっといいかし………あら?」
コーラスに用事があるらしく数冊の本を抱えて入室。
が、すぐに異変に気付く。気付かないほうが無理がある。
(!!!)
「あらあら…」
「まぁまぁ…!」
「あらあら…まぁまぁ…二人とも…一体なにをしているの?…こぉんな時間に…こぉんな格好で…二人っきりで…私とぉっても気になるわ。」
白々しい。
「あらあら!まぁまぁ!二人だけで……楽しんでいたのね…クスッ…ズルイわ、私も混ぜてくださいな。」
そう言いながらどこから出したのか、怪しげな巾着袋をドチャと机の上に乗せる。
「さぁーてと、どのオモチャがいいかしら…?♪」
怪しげに微笑ながら袋の中身をガサゴソさせる。
「このピンク色の…バイブなんて…どうかしら…ねぇ、ライネ?」
「ひぇえっ!ファム姉さま…その、わたくしは…あの…そろそろ眠ろうかと…」
「あらやだ。今夜は眠らせないわ♪」
「なにせ可愛い子猫が二匹もいるんですもの…」
「ひっっ!!い、嫌ですわぁ!ワルキューレお姉さま〜助けてくださいまし〜!」
(死んだふり死んだふり死んだふり死んだふり)
学園惑星
そこは中心の星から地方の星の有力者が
愛する娘に最高の学問のスペースを用意したいと思い
留学させる場所…
ただそこには…
眼鏡をかけた緑の悪魔がいることを忘れてはならない…
さぁライネをコーラスの運命はいかに!?
続きはWebで
>>355 ID:6stKy433は以後NGワード推奨だな
IDの名前の通り、空気読めてないKYバロスwwwww
糞SSで埋めんなハゲ
謝罪汁
読まなかったけどGJ
読まなかったけど乙
読まなかったけど保守
〜園惑星 まで読んだ
そうですね、個人的にはマザー2のテレポートαが好きですね
フォムガ買います耳よろ^^
とかで良いので感想クレクレ厨。
うわぁー
初投稿きんちょーしたぁー
誤字脱字は各自で脳内変換してくれると嬉しくなんかないぞ!コノヤロウッ!
んでもってクレクレ
某はクレクレ厨なので。
誰かコーラスの話書いてくれ
>>356 乙
初めてにしてはまあまあだと思うし少なくともオレより文才があるのは分かった
けど何かが足りない気がするんだが、何が足りないかはオレにはわからない
職人さんあたりの分かる人が指摘するかもしれないけど
それと
>>356の自虐書き込みはやめとけ、よそだと良くてスルーで普通なら叩かれるから
>>357 その辺のことが感じられ理解できることが職人と呼ばれる所以…
とか思いました。
よろしければ、漠然とでも言いのでなんか言ってください。
改行が気になったとかで
指摘されなければ、スルーされたままで一生気付かなかったかもしれません。
以降、過度な遠慮は避けるようにします。
アドバイスありがとう。
>>356さん
え〜。
書いてくれたんですね、お疲れ様でした。
ワタクシめはこちらにお邪魔させていただいております前・359という者です。
1番難しい2番目になさるとは…… チャレンジャ〜ですね。
まとめるのに苦労されたのが何となくではありますが解ります。
改行はですね、あくまで人それぞれですが、5〜10行程度に1回、あくまで文が途切れた所とか、間を置きたい所で1行だけ開ければいいんじゃないですかね。
恐らく、空白行で間を表したかったのだと思われますが、それだとまとまりに欠けます。
間を表すには難しいですが地の文でした方が話の構成力をつけるには良いです。
まあ、ワタクシめがデビュ〜した頃は改行も無く真っ黒で、随分と読みにくかったのであまりエラそうな事は言えないんですけどね。
もし違ってたら申し訳ないですが、この話はあらかじめ途中まで書いてあって、それに文章を継ぎ足したと言うか、後で書いてません?
それはまあどうでも良い事なんですが、もう少しセリフ以外の文章を混ぜた方がよろしいかと。
当方も時々やってしまいますが、慌てて書くとセリフばっかりになってしまって後で後悔する事あります。
セリフばかりだと、余程しっかりしたセリフでないと軽くなってしまいますので、次はそこらあたりを考慮されては如何でしょう。
>>357さんがおっしゃる「何かが足りない」は多分「地の文」ではないでしょうかね?
全体の上手いヘタはワタクシめなんかがエラそうに述べられる立場ではございませんので、言うつもりはございませんが、勢いは感じます。
話を書く事に慣れて、文章の形を整える事に躍起になって、初期のような上手いヘタを超越するような勢いと言うか凄み(自分で言うのもヘンですが)を無くしてしまった当方には刺激的な作品でした。
次回も期待させていただきます。
これからも頑張ってください。
そうそう、照れがあると文章に出てしまいますよ。
そうなると読んでる方も悪い意味で恥ずかしい。
「エロを書くには開き直り!」
が良いですよ。
>>359 頭の中で色々イメージが湧いたのが、その2だったので。
書き始めてしまってから、レス内容見て「一番難しいやつを選んでしまった!!」と嘆いたのは秘密です。
そうです。
ある程度書いてから思いついては付け足し、思いついては付け足しして書きました。
後から読み返してみると矛盾が点在してるのに気付いて全然スムーズに読めないです。(-_-;;
なんか書き方?の手本みたいなものはないでしょうか…
エロ…書いてて恥ずかしかったです(>_<
甘い吐息が漏れた。とか、背筋がゾクゾクした。まるで花びらだ。等の表現を入れようかと思ったんですが、なかなかに恥ずかしくて、肝心のエロの箇所を軽くしてしまった感が否めないです…
地の文と開き直りですかぁ…
出来るかわからないかもだけど、次、機会があるならば意識して試してみようかと思います。
…欲望垂流しヘタクソスレで練習するかなw
ご指摘ありがとうございました。(^ヮ^)ノ
誰か来ないかな
誰かネスティー×真田さん書いてクレクレ
もはや、力試しとか修行に近い、難解な組み合わせですねぇ。
ワタクシめには咄嗟にシチュエーションが浮かばないです。
まだ妙×ネスティの方が作りやすいかも?
ところで、お盆はどなたか行かれます?
>>365 期待してます。
お盆だから怖い話やら肝試しやらに絡めて書いてホスィなぁ。
草木も眠る丑三つ時、七狐神社に集って百物語を…
廃病院で肝試し。以前宇宙通販で注文した透明人間になれるスプレーを使い、暗闇に乗じて猫耳頭巾がワルキューレを…
学校にわざと大事な忘れ物をした秋菜。夜になって「明日どうしても必要。一人じゃ怖い」とかなんとかで、無理やりに和人を連れていく…
勿論、ハイドラは強制参加^w^
白、丸、妙は可愛いのでヒヨコみたく卵から生まれる卵生。従って胎生では無いため、直接的なセックスはしない。
……とか妄想した。
お盆といえばご先祖様
ご先祖様といえばゴーストでしょ
別にゴーストでなくてもいいけど
>>367 言われてみたらそうだけど…
一体あなたはゴーストが見たいのか見たくないのか…なんかわからんコメントでオモシロw
ってかここの掲示板のルールよくわからないんだけど、下がり過ぎると危ないのかな?
だとするとアゲたほうが良いのかな?
え〜。
総合しますと
「お盆だから、ゴーストが来て、百物語をした後に肝試し。 ゴーストも参加して、肝試しのカップリングの組み合わせで真田さんと組む事を狙ってネスティとゴーストの大バトル」
「その後勝った方が真田さんとあんな事やこんな事を…… ムフフのいや〜ん。 な展開」
と
「しかも白、丸、妙のエース3人組も脅かし役だったのに、妙が抜け出していつの間にやらネスティとごにょごにょ……」
「さらに、ワルキューレと和人、秋菜とハイドラも闇に紛れてハッスル、ハッスル!」
「途中ではぐれた和人にゴーストの魔の手が伸び、ワルキューレにはネスティの餌食になった真田さんの陰謀が……」
「夏の野外でしちゃったもんだから、み〜んな虫に刺されて、朝になってそれを見たリカがボソっと「ホント、バカばっか!」と言ってどっか〜ん!」
って事でしょうかね?
う〜ん……
エロパロと言うよりコントみたいですねぇ。
まあ、これは時間的にムリでしょうけど、どなたも行かれないようでしたら、何か書かせていただきます。
>>368さん
圧縮に関しては、最終書き込み日とか専ブラで見れるスレの勢いとかじゃ無いですかね?
でもヨソで圧縮回避アゲみたいなしてるとこあるし、実際はどうなんでしょう。
和人を夜這いするゴーストが読みたい
レス番700までいったらageるか
>>369 ぜ…全部で6回!!
そんなに発情されたんじゃ、恐ろしい地縛霊とかいても確実に逃げていきますね…w
まぁもとより秋菜いるし…
んで、どれが読んでみたいかと言うと…
ゴースト辺りがぁ妥当だとぉ思いますぅ。(上カラ目線スマソ(>_<
でも
リカの「ホント、バカばっか!」
が見たかったりして。。。
へぇー、それじゃあ書き込みがストップしない限りは大丈夫ってことですか。
>>371 結構未来の話になりそうやね…
まだ読んでないけど漫画って10巻で終わったのかな?
だとすると完全に燃料切れで、かなりマズイ状態なのかも(p_q゚。
某、過去スレ見られないんですが、過去スレにコーラスの話ってありますか?
誰か見られる人教えてクレクレ。
373 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 03:43:48 ID:Qci1k6ws
え〜。
一応700超えましたので上げましょうか。
>>372さん
漫画の方は、う〜ん…… って感じでしたね。
ワタクシめは2期スレの終わりの辺りから書かせてもらってますが、コーラスの話はテンプレにある保管庫に無かったら多分無いです。
書いてないし、この前の話以外は読んだ事無いですから。
しかしゴーストか…… まあ、お盆ですしね。
でも去年もゴーストでしたからねぇ、お盆は。 どうしたものか……
日が変わっちゃったけど、お盆、そして私のお話……
即興で話してるから、展開がどうなるか解らないけど、まあ私の話につきあってちょうだい。
題して
「陽炎」
始めるわよ。
45th 「陽炎」
暑い夏の日。
(「あっ、ああっ…… ダメ、もうホントにダメぇっ。 和人、ダメぇっっ」)
2階の和人の部屋から聞こえてくる声にリカは少々呆れ気味だった。
時間はもうすぐ12時になろうとしている。
「もうさすがに、「次」はないわよね?」
リカに語り掛けられ
「はぁ……? わたくしからは何とも」
真田さんも答えに困った。
「だって、あたしが起きてからもう2回もしてるんだよ。 あたしが起きたのもワルQのあの声で起こされたんだから」
「はあ…… 誠に申し訳ございません……」
真田さんも、そうとしか言えなかった。
「でもさ、あたしが起きる前からしてたんだよね? 真田さんって朝早かったんでしょ? で、どうだったの?」
「えっ? い、いや、あの……」
彼女の狼狽ぶりからして図星のようだった。
真田さんが起きたのが7時過ぎ、台所で朝食の準備をしてた時の事は起こった。
どちらから誘ったかは解らなかったが、恐らく7時30分ごろの事だったと思う。
1回目が終わり、2回目のの途中でリカが部屋から出てきた。
つまりは途中で休みを入れてはいるが、今が4回目。
(「……」)
何か和人が言ってるようだが、聞き取れない。
しかし、次のワルキューレの言葉はハッキリときこえた。
(「和人ぉ、お願い。 もっと…… もう1回…… あと1回だけ…… お願い、もっと欲しいの!」)
「……」
「……」
リカが頬を染めながら、目を丸くして真田さんを見た。
真田さんも自分の事ではないのにバツが悪そうに俯くだけだった。
「んで、結局コレで何回目なの?」
リカが尋ねると、真田さんは俯いたまま、黙って右手を開いた。
「ご、5回目ぇ?」
さすがに呆れた声を出した。
「予定では、姫様は週末あたりから生理になるやも知れませんので、それで……」
主君の健康というか、体調を管理する侍女としてワルキューレの生理予定日を知ってるのは「さすが」とは思ったが、それ以上に
「生理前に性欲が増すのって、ホントにあるんだぁ」
クラスメートが休み時間に読んでる雑誌にそのような記事があったが、自分の身に当てはめるとそうでもないので、今ひとつ解らなかったが、実際に今、自分の頭上で行われている行為で、それがあながちウソでない事が解ったのだった。
「ま、まあ、個人差や同じ方でもその時によってバラつきはあろうかと思われますが……」
事実そうであるし、主君をさりげなくフォロ〜するが
「でもさぁ、お兄ちゃんが夏休みに入ってからず〜っとあんな感じだよね? お兄ちゃんの部屋のゴミ箱もティッシュで一杯だし」
「はぁ……」
……
下で妹と侍女がそんな会話をしてるとは夢にも思わず、2人は2人の世界、2人だけの時間に没頭していた。
まあ、今のワルキューレにはそれどころか、自分が誰かすら解らなくなっており、本能の赴くまま、目の前の雄を貪っているだけだったが。
「来たわよ」
庭から声がし、そちらの方を見たリカと真田さんの目に入ったのは……
「わっ出た!」
リカが声を上げる。
「何よ、人をおバケみたいに。 ……ん? どうしたのネコ?」
「ひぃぃっ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ〜スト」
おののく真田さんだったがリカは冷静に
「だって、アンタっておバケみたいなモンなんでしょ? ワルQ達のご先祖様の怨念なんだし」
「怨念じゃないわよ、私は失われた4つの月。 4人の皇女の思念が形になった存在……」
伏目がちにリカに言うが
「ハイハイ、それは前に聞いたわよ。 まあ、上がれば」
冷静なリカも意外だったが、それ以上にあっさり招き入れる事に驚いた。
「り、リカ様! よろしいのですか?」
言ったものの
「だって、どうせ、追っ払っても帰んないでしょ。 それにお盆だし、ご先祖様が帰ってくるのはアリなんじゃない。 ゴーストはウチのご先祖なんかじゃないけどさ」
リカが手招きすると、ゴーストが入って来た。
仕方が無いので、真田さんが麦茶を出すと
(「ああ〜っ、あっ…… んっ、うんん……」)
もはや言葉にもなっていないワルキューレの呻き声が聞こえて来た。
「あらまぁ、随分お盛んなのね、あの2人。 上手く行ってるみたいね」
天井を見上げながらポツリと言う。
「上手く行き過ぎて少々困り物なのよねぇ、乙女の受験生には耳の毒なんだから」
リカが言い終わるとゴーストがさりげなくリカの背後に回り、小さな肩を包み込むように腕を回し、耳元で囁いた。
「そうれじゃぁ…… 私が教えてあげましょうか? 乙女じゃ無くなれば気にならないかも。 ふふふ……」
「ひぃぃぃっ ちょ、ちょっとぉ冗談でしょ!」
ゴーストを振り払って真田さんの後ろに隠れた。
「ちょ、ちょっと、真田さん。 ゴーストはあんたの担当でしょ。 何とかしてよ」
矛先を向けられた真田さんだったが
「ひぃぃ。 滅相もございません。 わたくしもそちらの趣味は…… にゃんまんだぶ、にゃんまんだぶ〜」
真田さんもイヤイヤをした。
「冗談よ……」
ゴーストが元の席に戻り言うがリカと真田さんは懐疑的な目で見る
「なに? ホントに教えて欲しいの? メガネのおチビちゃん。 私なら構わないわよ」
妖しげな微笑で言うと、リカの背筋に冷たいものが走った。
「あ、あたしは構うのよ! 絶対にイヤだからね!」
真っ赤になりながら、拒絶をする姿を見てクスっと笑うと
「だから、冗談よ……」
グラスの麦茶を飲み干した。
それと同時に
(「あっ…… おあうっ…… ああ〜っ……」)
(「……」)
喘ぎ声と言うより、獣の咆哮のような声を出し、その後はベッドの軋みも止み静かになった。
「終わったみたいね」
「だといいんだけどね」
「さようでございますわね。 さすがに、もう……」
ゴーストが同意を求めるように言い、ゴーストの言葉を信じて座ったリカと真田さんだったが、2人には確証が持てなかった。
しばらくしてると、2階では意識の戻った2人が愛の囁きでも交わしているのだろう。
かずかな話し声が聞こえる。
10分程して和人の部屋の扉が開く音がして、2人が下りてきた。
「あっ!」
和人がゴーストの姿を見て声を上げると
「えっ! ど、どうして……?」
ワルキューレも驚きの様子で、まるで鏡でも見ているのかと錯覚するように自分とそっくりの女性を見つめた。
「お久しぶりね、私達の思念を色濃く受け継いだ白の皇女。 それと幻の恋人…… 和人」
ゴーストが立ち上がると、ワルキューレは和人の前に出てゴーストに立ちはだかった。
ごめんなさいね、時間が無くて今日はここまで。
続きは今日の夜か明日にでも。
……べ、別に、今後の展開をどうするか迷ってる。 とかじゃないのよ。
ホ、ホントに時間が無いんだから!
そ、それと、お盆休みもお終いで、今日から社会人の人は仕事が始まるけど、頑張るのよ!
まっこと久しぶりに投下の息吹を感じたぞ!!
続き期待。
381 :
前・389:2007/08/17(金) 00:09:33 ID:3pOtNPcz
久々の投下ktkr
今後の展開・・・
妄想すると
1、和人とヤる
2、ワルキューレに手取り足取り教える
3、やはり、真田さん
4、和人×ワルキューレ×ゴーストの3P
意外とリカに魔の手が伸びるとか・・・
……。
遅くなったけど、続きをさせてもらうわね。
べ、別に1,2,3,4の中に予定してた正解があって慌てて書き直したワケじゃないのよ。
そ、そ、それにしても昨日は暑かったわね、汗が止まらなかったわ。
「何…… しに来たの?」
困った顔をしてゴーストを見つめる。
その顔を見ると無性にイラだった。
見た目は殆ど自分と同じなのに、彼女は実にクールで常に自分を上から見下ろしている感じがする。
今日も……。
だが、和人は生来の人の良さからか
「やあ、いらっしゃい」
と番台でお客に言うように、にこやかに迎え入れた。
「仲が良いわね、妬けちゃうわホント……」
ゴーストが2人に言葉を投げかけるが、目線はワルキューレの方を向いたまま。
カチン!
妙に挑戦的な態度が余計に腹立たしい。
2人の間にバチバチと火花が散っているのを察知した真田さんが
「ま、まあまあ姫様に婿喉、おはようございます」
しかし、
「もう、お昼よ。 ホラ、お日様ももうこんなに高いし…… それに朝からずっとしてたなんて、まるでケダモノみたいな声出しちゃって…… ふふふ」
ゴーストの言葉が2人を見据える。
「えっ! ちょ、ちょっと何を……」
あまりに突然だったので返事が出来なかった。
「貴方があんまりいやらしい声出してるものだから、ネコもメガネのおチビちゃんも困ってたわよ。 おチビちゃんなんか私にイロイロ教えて欲しい。 なんて言うものだから私も参っちゃったわ」
「こらぁ! 誰がそんな事言った! お兄ちゃん、ワルQウソだからね! あ、あたしは」
必死に弁明するリカだったが和人は理解してるようで
「うん、解ってるよ」
とだけ答えた。
「ケ、ケダモノだなんて、私と和人様は、私たちは2人の愛を確かめ合っていただけです。 愛の行為です。 そ、それに、例えそうだとしても貴方に関係ないでしょう。 か、和人様は私の和人様なのですから……」
行為がバレてしまったこともあり、ワルキューレは真っ赤になって言葉とは裏腹に俯きながら小さな声で返すのが一杯だった。
「まあ、そうね。 でも話は後にして先に体を流して来なさいよ。 さっきからいやらしい匂いがぷんぷんしてるわよ」
言われて改めて体が汗や和人がぶちまけた精液などでベトベトなのを思い出した。
「……っ!」
「ふふふ……」
ゴーストもリカも真田さんの顔も見れずに逃げるようにバスルームへ駆け込んだ。
和人を後に続き、居間には元の3人が残る。
「ヤなご先祖様」
リカが言うと
「あの娘(こ)を見るとついね…… 別に怨みも無いんだけど」
「見た目がソックリだから?」
「いいえ、見た目があの娘と一緒なのは、幻の恋人、貴方のお兄様が1番惹かれる女性があの娘だからよ。 それに私達4人の力、意思を1番色濃く受け継いだ子孫があの娘なだけ」
「本当でございますか?」
真田さんが割り込んだ。 ワルキューレの事だけに放ってはおけなかったのだろう。
「ええ…… あの娘が彼の事になるとムキになるのが可愛くて、ついね、からかいたくもなるのよ」
「うわっ! それはそれで問題発言!」
リカがたじろぐが
「あら、貴方のおじい様やおばあ様も貴方の事可愛がらなかった? 先祖が子孫を可愛く思うのってそんなに問題かしら?」
「でも、それは事実であっても全てではございませんでしょう?」
真田さんが2人が風呂場から出てきてもいいようにと窓を閉めてエアコンをつけながら言う。
「そうなの?」
リカが身を乗り出してゴーストを見る。
「んふふ、さすがはネコ。 ちゃんと解ってるのね」
「どういう事?」
リカには解らないようだった。
「私達4人の話は知ってる?」
「うん、前に聞いた」
「私達はあの娘(ワルキューレ)位の歳で私達の命と未来を捨ててヴァルハラ星を刻のブリザードから救った」
「うん、それは知ってる」
リカが麦茶を飲みながら返事をする。
「自らの意思とは言え、私達は恋もせずに未来も命も捨てたのよ。 それがあの娘ったら、何の苦労もせずに、愛しい人と一緒になって朝からイチャイチャ。 あ〜ハラが立つ!」
麦茶を飲み干し、グラスをドンと置くと
「あ〜…… それが本音か」
リカが悟ったように言い、真田さんはウンウンと頷くのだった。
「でもまあ、子孫の幸せは私達の幸せでもあるから、どうでもいいのよ」
「どうだか……」×2
リカと真田さんがボソっと言うがしっかり聞こえていたが、あえて続けた。
「本当なの! でも去年から全く進展がないし、する事してるのに子供も居ないし、それどころか、あの姉妹達誰一人として結婚すらしてないでしょ。 先祖としては心配で心配で……」
「何か雰囲気変わってない? おばさま(メーム)か真田さんっぽくなってると言うか」
「メーム様はともかく、わたくしは」
2人が勝手な事を言うが、ゴーストはそれを気にもとめない。
だが、自分達のやりとりを聞いているゴーストの顔を見て真田さんの顔が曇った。
「まだ、何かございませんか? 別におっしゃらなくても結構でございますが」
真田さんにも確証は無かった。だが、彼女の野生がそう言っている感じが止まない。
リカは別に気にならなかったのかTVをつけた。
しばらくして、2人がバスルームから出てきた。
いつもの白いコスチュームを着たワルキューレはますますゴーストにそっくりで、真田さんも先程までの警戒感も薄れてしまった。
ワルキューレとゴーストが対面して座ると、真田さんはやっぱり2人の間にちゃっかりと座った。
(ああ〜。 これでちっちゃい姫様がおられて、わたくしのヒザの上なんかにチョコンと座られたりしたら、それはそれは……)
「それで、あの、何をしに来られたの?」
シャワーを浴びてる間に和人に説き伏せられたのか、冷静になったのかは解らないが、いつものワルキューレに戻っていた。
「だって、貴方達が呼んだのでしょ、私を」
縁側を指差しながら言う。
そこにはキュウリとナスに割り箸を刺した馬と牛、そして先祖の思い出を綴った走馬灯が回っている。
「あの馬に乗ってね。 ふふふ。 そう言えば貴方の妹にも馬になる娘(こ)がいたわね」
ハイドラの事だろう。
だが、今はそんな事はどうでもいい。
「で、でも、あの馬も牛もこの時野家のご先祖様をお迎えする為に……」
ワルキューレが言いかけるが
「でもホラ、これに時(刻)の鍵があるわね。 これって、ヴァルハラの先祖の事でしょ?」
そう言えばそうだった。
和人と走馬灯を作った時に入れたのだった。
「だったらヴァルハラ星に行けば良かったのに。 皇女の長であるメームお姉様もいらっしゃるし……」
ワルキューレがまだ乾ききってないしっとりとした髪をいじりながら言うが
「ヴァルハラ星の繁栄はもう知ってるもの。 それに、あそこには幻の恋人はいないし」
聞き役に徹していた和人ににじり寄った。
「ちょ、ちょっと!」
慌てるワルキューレだったが事情を知ってるリカと真田さんはクスクスと笑う。
「?」
不思議そうに見つめるワルキューレに
「ねえ、幻の恋人…… 和人を今年も1日貸してくれないかしら?」
だが
「ダメです! 和人様…… いえ、和人は私だけの和人ですから」
去年はしぶしぶ承認したが、今年はキッパリと断る。
「つれないわねぇ、まあ、いいわ。 今日1日はゆっくりさせてもらうつもりだし」
ゴーストの言葉にワルキューレが反応する。
「どういう事?」
するとまた、ゴーストは縁側を指差す。
「だって、来るときは馬で、帰るときは牛でしょ? 来る時は一刻も早くお越しくださいって意味で帰る時はなるべくゆっくりとお帰りくださいって意味。 だから私もゆっくり帰ろうと……」
「さ、真田さん、キュウリ残ってませんか?」
「ホント、つれない子孫ねぇ」
白と黒、2人のワルキューレのやりとりをそれこそ微笑ましく和人は見守っていた。
数時間後、和人とワルキューレの間に大問題が起こる事を知るはずもなく……
今日はここまで、続きは間違いなく明日になると思うから。
それじゃあ、みんな、お休みなさい……
>>388 そういうのはヨクナイ
ここはマッタリスレ
>>387 今後が決まってないなら荒れるからリカはやめて
ラス見たら和人とワルキューレとなってるから大丈夫か
お騒がせしてすみません
続き期待してます
ごめんなさいね。
いろいろあって、昨日はお話出来なかったけど、今日は一気に最後まで話させてもらうから。
賛否はあると思うけど、まあ、最後までつきあってちょうだい。
今日は銭湯もお休み。
夕食を終えると
「今日は、お風呂やらないのね。 だったら私と出かけない? ココじゃ無粋な子孫とネコが邪魔だし」
和人の手を取って立ち上がった。
「ちょ、ちょっと! ダメ!」
ワルキューレが慌てて反対側の腕にしがみつく。
「あら、どうしてダメなの? ちょっとお話がしたいだけなのに。 んふふ」
妖艶な笑みを浮かべてワルキューレの顔を覗き込む。
「そ、そんなの信じられません。 前に和人様を連れ去った事があったじゃない!」
かつての出来事を思い出して言う。
だが、あの時は和人に危害は加えて無かったし、和人も意識を失っていて性的な行為が行われた形跡もなかった。
去年のお盆はそういう事がなされる前にゴーストが自分に譲ってくれた。
でも、だからと言って今回もそうなると言う保証は無い。
「私は、何もしないわよ」
相変わらずクールに流すゴースト。
「そ、そんな事解らないじゃない」
和人の腕にしがみつきながら、自分ソックリな「ご先祖様」に食ってかかる。
「そうね。 そうかもね、ただ私は和人が求めて来ない限りは何もするつもりは無いわ…… 今回はね」
ゴーストのこの言葉が引っかかった。
「そ、そんな事あるはず無いわ。 和人様は私だけを愛して下さってます」
ワルキューレが和人の腕を掴む指に思わず力が入る。
「そうかしら? 私は貴方と瓜二つ。 私にもチャンスがあるのではなくて?」
ゴーストが本気で和人を狙ってないとは思うが、口元は微笑んでいるが目は笑ってない。
元々表情が豊かでないゴーストの真意は測りかねる。
「わ、私は…… 私は信じてます。 和人様を信じてますから! 私達の間には誰も入り込む余地なんてありませんからぁ……」
ワルキューレの大きな目にうっすらと涙が浮かぶ。
「そ、そうでございますとも。 姫様と婿殿の間には何人たりとも入る余地などあろうはずがございませんとも。 ええ」
真田さんが当然のごとくワルキューレを援護する。
そこへリカが
「でもさぁ、何でお兄ちゃんがそこまでモテるの? ただの、フツ〜の男子にしか見えないんだけどなぁ。 妹のあたしが言うのもナンだけど」
不思議そうにゴーストを見て言った。
「貴方は、妹だからこそ、ヴァルハラの人間じゃ無いから解らないのよ、「幻の恋人」の意味と価値と存在が……」
ゴーストが答えるが
「そんなモンなのかなぁ」
リカはさほど興味を示さず、それ以上は何も言わなかった。
「まあ、いいわ。 ところで、本当に和人を信じてるの?」
ワルキューレに向かって言葉を投げかける。
「ええ、そうよ。 私は何があっても和人様を信じてるもん!」
「あらそう、だったらいいわ」
ゴーストは和人の手を離し、再び座った。
居間にはTVの音声が流れるが、全員口は開かずギスギスした空気が場を支配する。
やがて、ポツリポツリと会話が産まれ、そこからは一応団欒らしい雰囲気にはなった。
そして、時間は過ぎて寝る準備をする時間になる。
「おチビちゃん、一緒に寝ましょうか?」
ゴーストがリカに振る。
「ええ〜! 冗談じゃないわ。 どうしてあたしが。 それにあたしはそんな趣味は無いんだってば。 真田さんはともかく」
振られた真田さんは
「わ、わたくしもそちらの趣味は…… でも姫様となら……」
何故か頬を赤らめて言うのだった。
「ですって。 じゃあ貴方、ネコと寝てあげなさいな。 私は和人と寝る……」
「ダメです!」
言い終わる前にワルキューレは和人の腕を掴みながら遮った。
「で、では…… 仕方ございません、わたくしがゴーストと……」
ワルキューレ本人では無いが、何と言ってもゴーストはそのワルキューレと瓜二つ。
昨年のお盆には、それこそ夢のような時間を過ごした。
(黒い姫様とあんな事やこんな事……)
実際のワルキューレは和人にベッタリなので、したくても出来ない事をゴースト相手にした事を思い出した。
まあ、それ以上にゴーストにされてしまったのだが……
「ネコねぇ。 他に部屋は空いてないの?」
にゃ〜ん(ガ〜ン)!
「わ、わたくしと一緒なのはイヤでございますかぁ?」
涙目で訴えかけるが
「だって貴方、昼間もさっきも「そっちの趣味はない」って言ってたじゃない」
「そ、それは…… 時と場合と相手に……」
真田さんが必死に弁明する。
しかし、それを聞いたリカが
「ちょっと待て! と言う事は「そういう事」をする前提であたしのベッドで寝ようとしたんかい? 絶対にイヤだからね。 いい、部屋に入ってきたらダメだからね」
逃げるように部屋に戻っていった。
和人が
「じゃあ、ボク達の部屋の隣の部屋が空いてるよ。 ベッドもあるし」
かつてワルキューレがワるきゅーレの頃に使ってた部屋。
「えっ?」
かつての自分が使ってた部屋をゴーストに差し出す事に少し抵抗を覚えた。
でも、それ以上に和人とゴーストが一緒なのは耐えられないから仕方がない。
そもそもまだ自分は和人と結婚していない居候で、和人の決定には逆らえない。
異議は唱えられなかった。
「それではおやすみなさいませ」
真田さんが頭を下げ部屋に戻ると、残された3人も部屋に戻る。
「それじゃあ、おやすみ」
和人がゴーストに声をかけると
「ええ、おやすみなさい和人。 そして貴方も」
2人に声をかけて部屋に入って行った。
和人とワルキューレも部屋に戻ると
「じゃあ、おやすみワルキューレ」
いつものように軽くキスをすると寝巻きに着替えて布団に入った。
「あ、あの和人様、おやすみなさいませ」
ワルキューレの口調と表情から、彼女が自分と触れ合う事を望んでると知った和人が
「うん、おやすみ」
ワルキューレの手を握って、もう一度キスをすると安心したように眠りにつき、和人も目を閉じると寝入ってしまった。
・・・・・・
どれ位の時間が過ぎたのか?
カチャ……
扉が開いた。
(ん……? 誰?)
ゴーストがいるので警戒してたワルキューレは微かな物音でも目が覚めた。
影がベッドに近づく。
「んふふ、ちょっと和人を借りるわよ……」
影から声がしてかざした手が一瞬鈍く光る。
バシュ!
(えっ! あっ…… ちょ、ちょっと!)
意識はあるものの、体が動かなくなり、声すら出なくなった。
かろうじて目を開けると、そこにはやはりゴーストの姿が。
「貴方…… 和人を信じてるのでしょう? だったら大丈夫よね? 和人を借りるわ」
ニヤリとしながら言うと、和人の体を揺すって起こす。
「和人…… 和人、起きなさい…… 」
「え……? あっ! どうしたの?」
ゴーストの姿を確認すると、完全に目が覚めたようだった。
「ちょっと、私に付き合って頂戴。 この娘(ワルキューレ)は寝てるから起こさないようにね」
事情が解らない和人は、小さく頷くとそっとベッドを出た。
(だ、ダメ。 和人様ダメ)
意識だけはハッキリしてるワルキューレが心の中で必死に呼びかけるが届かない。
和人を先に部屋から出すと、扉の前で振り返り
「ふふふ…… ごめんなさいね……」
妖しい笑みを浮かべて扉を閉めた。
(いやぁ! 和人様ぁ。 和人!)
どこに行くのだろうか?
家の外に連れ出すのだろうか。
しかし、暫くすると隣の部屋から物音と、かすかな声がした。
(えっ? 隣の部屋?)
意識を集中すると、話し声が聞き取れる。
(「ねえ、和人。 去年の今頃の事覚えてる?」)
(「え、う、うん……」)
(「……」)
(「…… それは」)
耳元で小声で言ったのかゴーストの言葉は聞こえないが、少し驚いたような和人の声は聞き取れた。
だが、それが尚更、ワルキューレの不安感を煽った。
(「私は完全に想いを遂げたわけじゃないのよ…… 去年は最後の最後であの娘(こ)に譲ったから…… 解るでしょ?」)
(「……」)
(「…… で、でも!」)
何となく聞こえる2人の会話で、何をしようとしてるのか理解できる。
(ちょ、ちょっとダメよ、和人様やめてぇ)
枕に顔を押し付けてる形で動けないワルキューレは心の中で叫ぶだけしか出来ない。
しかし、次の言葉がワルキューレを凍りつかせた。
(「ねえ、和人。 貴方ってあの娘以外の女を知ってるの? 例えばネコとかあの娘の姉妹達とか、あの巫女の子とか…… 」)
(「まさかメガネのおチビちゃんとは無いでしょうね? 妹なんだし」)
!
あまりにもストレートな言葉に固まってしまう。
真田さんとそういう行為があったのは自分も立ち会ってるので知ってはいる。
だが、それ以外の事は無いはずである。
と言うか、そうであって欲しい。
(「……」)
(「ふうん……」)
和人が言葉にしなかったのだろう、頷いたのか首を振ったのか……
ウソがつけない和人だけに真田さんの事があるから頷いただろうが、それすら解らないので、余計にヤキモキしてしまう。
(「まあ、それは仕方ないわね…… でも他の女も知っておいて損はないわよ」)
(ええ〜っ! ちょっと、冗談じゃないわ! 何言ってるのよ!)
ワルキューレの心の声が聞こえてるかのように和人が放った言葉がさらに追い討ちをかける。
(「うん、解ったよ」)
(そ、そんなぁ。 和人様)
困惑するワルキューレの姿が見えているかのように的確なタイミングで
(「んふふ…… 安心してちょうだい。 あの娘には黙っておいてあげるから」)
ゴーストの言葉がまるで、自分に言ってるように感じられた。
(「で、でも……」)
それでも和人は困惑してるのだろう。
しかし
「(「んふふ、大丈夫…… 私に任せて。 貴方はじっとしてるだけで良いから……」)
……
(「いい子ね、可愛いわ……」)
ゴーストのセリフにワルキューレは頭を殴られたような感じがした。
(いやぁ! いやぁ! いやぁっ! 和人様ぁ、和人ぉ)
(「あっ……」)
和人のか細い声が聞こえると、自分の首を締め付けられてるような気がする。
隣の部屋での行為が止められないのならせめて布団の中に潜り込みたい。
和人が自分以外の女と戯れている姿…… というより声だけでも聞きたくは無かった。
でもそれすら出来ない。
(どうして? どうしてなの? ゴースト、貴方は私のご先祖様なのに。 ヴァルハラの未来と繁栄を願ってた存在なのに)
(私の和人に手をかけないで。 お願い。 どうして?)
涙が止まらなかった。
溢れ出た涙が枕を濡らす。
(「あ、あの……」)
(「あら、良くなかった? 指よりは良いと思うけど…… やっぱりあの娘の方がいい?」)
からかうように言う自分とソックリの声が耳に届くと、絶望感が押し寄せた。
(和人様…… 和人様……)
そこからは言葉らしい言葉は聞こえて来ず、何やら小さく呻くような声がするだけだった。
……
1時間程経っただろうか?
隣の部屋から再び声がした。
(「これ位でいいわ…… あの娘の許に戻ってあげて」)
(「うん…… でも本当にいいの?」)
(「ええ。 でもこの事はあの娘には絶対に内緒よ」)
(「うん……」)
ゴーストが和人を解放したようで、隣の部屋の扉が開く音がし
(「じゃあ、おやすみ」)
(「ええ、おやすみなさい…… 私の…… 私達の永遠の幻の恋人、和人」)
2人の声がしたので、慌ててしまったが、体が動かないので、どうしようもない。
だが、瞼だけは動くようになったので、目を固く瞑って寝た振りをした。
扉が開き、和人が近づいてきた。
「ワルキューレ……」
目を閉じてる自分に語りかける。
!
どう言う意味があるのか解らないが、頬にキスをすると布団に入り、暫くすると穏やかな寝息を立てて眠ってしまったようだった。
和人が眠ると同時にワルキューレの体が動くようになった。
だが、それまで必死に体を動かそうとして力が入ってた為にあちこちが痛い。
体の痛みもあるが、それ以上に心が痛かった……
寂しくて、辛くて、悲しくて、切なくて……
かつて、自分の目の前で和人が連れ去られた時の記憶が鮮明に蘇った。
「和人……」
和人に縋りつくように身を寄せると、和人の胸に顔を潜り込ませた。
(!!!)
明からに自分とは違う、それでも確実に女のものであると解る匂いがした。
ゴーストを何をしたのだろう?
確かめたかった。
かと言って和人を起こして問いただすわけにもいかない。
寝巻きを脱がせて、和人の体や陰茎に憎らしい先祖の匂いが残ってないか確かめたい。
でも確かめるのが怖かった。
状況から、何かはあった。 と考える方が自然だろう。
それでもそれは、したくなかったし、何より出来なかった。
(和人……)
また涙が溢れ、改めて和人の胸に縋りつくと、和人の寝巻きに涙のシミが出来た。
声を殺して泣き、やがて疲れが襲ってきて、ワルキューレも眠ってしまった。
「さあ、あの娘(こ)はどう出るのかしら? ふふふ……」
隣の部屋ではゴーストが窓から見える星空を眺めながら呟き、夜は更けていった。
・・・・・・
ワルキューレが目覚めたのは夜明け前の、空がうっすらと明るくなってきた頃だった。
隣で和人は穏やかな寝息を立てている。
和人を起こさないようにベッドを出ると、静かに部屋を出て隣の部屋の扉をノックした。
「うん? だぁれ? 開いてるわよ」
返事が聞こえたので中に入った。
ゴーストもワルキューレだと解っていたようで、彼女にしては珍しく目をつりあげて怒りの形相を隠さない姿を見ても驚いたような様子は見せなかった。
「何? こんな時間に。 話があるなら後でもいいじゃない」
「なっ……!」
トボけるゴーストが実に腹立たしく思える。
わざとらしく布団を被りなおそうとするゴーストの手を掴んだ。
「和人様に、何をなさったの?」
強い口調とは裏腹に、目からは大粒の涙が溢れている。
それでも
「何って? 別に…… 私は和人とお話しただけよ」
煩わしそうに答えると、振り払って布団を被ろうとする。
「うそ!」
布団を剥ぐと、ゴーストも諦めたように体を起こした。
「だったら、和人に聞けばいいじゃない。 貴方に出来ればだけど」
意外な答えだった。
「でも出来て? 貴方は和人を信じてるのでしょ? 昨日そう言ったわよね? 和人は自分以外の女は抱かないって信じてるのでしょ?」
「……っ!」
「だったら、そういう事は無かったと言うことよ」
ゴーストの答えは正論かも知れないが到底納得出来るものではない。
理性では納得しても感情が納得しない。
「そんな、和人様に聞くなんて……」
「どうして? 貴方たちは恋人同士。 いずれは夫婦になるのでしょう? なぜ出来ないの?」
「だ、だって……」
答えに窮するワルキューレ。
「あのねぇ…… 貴方は和人を信じてるのでしょ。 だったら最後まで和人を信じれば良いでしょう」
追い討ちをかけられる。
だが、その言葉がワルキューレの覚悟を決めさせた。
「解りました。 私は和人様を信じます。 貴方を信用するのではなくて、和人様を信じます」
子孫の言葉に少々意外な気がしたようだが、落ち着いて
「そう。 それならいいわ」
冷静に答えた。
「もし、貴方と何かがあったとしても和人様が私におっしゃるまでは、私の胸にしまっておきますから」
ゴーストの目を見ながら力強く語った。
「あらそう。 夫婦の間にも秘密はあると言うから、それもいいんじゃない」
ありがたくも無い先祖の言葉。
だが
「夫婦ですって? 結婚どころか恋愛すらした事もない貴方に何が解るの? この切なさ、寂しさが貴方に解るの?」
ワルキューレにしては珍しく毒づいて詰め寄る。
「解るわよ…… 私達は貴方よりもずっと長い時間、宇宙の星の、人の営みを見続けてきたのだから。 例えこの身で実感出来なくても……」
!
そう言われて、強く言ったことを少し後悔した。
しかし、素直に謝る気にもなれない。
心の困惑を察したのか
「和人に問いただすも、貴方の胸にしまっておくのも貴方と和人の好きにすればいいわ」
「……」
「相手を最後まで信じるのも愛だし、互いが納得するまで話し合うのもまた愛」
「盲目的な愛情もあれば、全てを知るのも1つの愛の形。 貴方達の未来なのだから貴方達が最善とする愛の形を見つけて追い求めるのが2人の為なのよ」
「もうすぐ朝ね。 和人も起きるだろうから、その時に決めなさい」
言われて外を見るとだいぶ明るくなってきている。
「解りました。 でも私は貴方を許した訳ではありませんから。 何も無かったにせよ、私の和人を私が眠っている時に、身動き取れない時に連れ去った事を」
「どうぞ、ご自由に…… 今までの経緯からして、貴方が私を良く思っていない事位は知っていたもの……」
言葉は強気だったが、その表情は少し寂しげだった。
ゴーストの真意は計りかねたが、ワルキューレはその場を去った。
少し時間が経ち、
(「おはようございます、和人様」)
(「おはよう、ワルキューレ」)
2人が起きたようだ。
部屋を出て、1階に下りていくのを確認するとゴーストも起きて部屋を出た。
「皆、おはよう」
居間に顔を出して挨拶する。
ワルキューレは何かを振り切ったような清々しい顔をしている。
朝食を済ませ、何もなかったような平和な1日が過ぎようとしていた。
夕方になり
「それじゃ、私はそろそろ帰るわ…… 」
縁側から出ようとした。
ワルキューレが駆け寄り
「あ、あの…… 私怒りませんから、おっしゃってください。 和人様と……」
言いかけた所で
「あら? 彼に何も聞いてないの? 何があったか知りたければ、彼に聞きなさい。 私から言うことは無いわ、ホントに何も無かったのですからね、んふふ……」
ワルキューレの耳元で囁くと、
「それじゃあ、和人、おチビちゃん、ネコ。 さようなら」
黒装束の体がフワリと浮いた。
「ちょっと、最後までイジワルするなんて酷いわ」
ワルキューレが抗議するが
「だから、未来は貴方達が自ら選択して進むものなのよ。 自分で考えて行動しなさい」
それだけ言い残すと夕闇の空にゴーストの姿が消えた。
「何の話?」
和人が聞くが
「え? い、いえ、あの…… その……」
顔を曇らせて上手く答えられなかった。
(夫婦の間にも秘密はある)
(盲目的に信じるのも愛、全てを確かめるのも愛)
「何か」があったのなら聞いたところでショックだし、何もなければ和人に聞くことは彼を疑った事になる。
これはご先祖様から与えられた厳しい「宿題」なのかもしれない。
(和人様。 ホントの所はどうなの? 聞きたい。 でも怖い。 聞くのが、聞いて何も無かった時も怖い……)
その時、和人はどんな顔をするだろう?
自分の事をどう思うだろう?
和人を疑って、何も無かったとなれば、和人も自分を信じてくれなくなるかもしれない。
この件はしばらく後に解決する事になるのだが、それはまた別のお話。
ともあれ、重く苦しい宿題を突き付けられた今年のお盆は終わろうとしていた。
「陽炎」・・・・・・おしまい。
お盆の話はこれでおしまい。
最後までつきあってくれてありがとう。
それじゃ、またの機会があれば、その時まで。
みんな、おやすみなさい……
素晴らしいとしか言いようがない
言い忘れた、>>403乙でし。
和人とゴーストの間に何があったのかは
読者の想像にお任せするということですねw
406 :
名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 01:30:58 ID:SuSSgzsd
さりげなく次につなげるのも上手い。
>>403 GJ!
途中で路線変更してもこれか、読ませ方がうまいな
続きをぜひ
お疲れ様、GJです。
ワルキューレの疑心暗鬼というかジレンマというか…な感情の描写が面白いですね。
ってか即興で書いてるって…嘘でしょ…?その上続きもんだとは…
続き期待してま。
亀だけど
>>373 どうも情報ありがとです(^ヮ^ノ
…やっぱしないのかorz
GJ
季節ものと、思いきや続きものとは。
是非、続きが読みたいです
漫画も終わったから、もはやこのスレが希望の星
この人ならOVAのシナリオ書けるんじゃないか?
次作も期待してます
411 :
前・359:2007/08/22(水) 20:44:01 ID:NiKLBbcl
え〜。
感想いただきありがとうございました。
しかし…… 後日談は続きモノにするつもりは無く別の話にする予定だったんですが、続きモノになりそうですね。
さて、ここでお聞きしたいのは、次の作品(あくまで46番目の作品で、投下は他の職人さんが見えたら後に回すと)にした方がいいでしょうかね?
それとも、別の話を入れてそれからという方がいいでしょうかね?(個人的な番号で47番目以降)
さらに、この続編は現在2パタ〜ン考えてます。
1つは、あまあまバカップルのいつもの形。
もう1つは、少し前にご要望があった鬱展開。 ヤンデレ話です。
死にこそしませんが、精神崩壊…… っという感じに予定してます。
どなたか、おっしゃったようにワタクシめは書き貯めが出来ず、その場で書く事しか出来ませんので、時間に余裕がないと書けないのですが、週末あたりに書けるかもしれませんので、取り急ぎご要望がありましたらご意見ください。
書き手としては、あまり良いやり方でないのは解ってはいるのですが……
ワタクシめでは判断しかねますので、ご希望があればおねがします。
読んでくれて&感想いただいてありがとうございました。
甘々で
>>411 ハッピーエンドと、バッドエンドの両方かもーん
415 :
前・389:2007/08/24(金) 18:10:11 ID:nKR9bgD+
>>411 二つの中から一つを選べと言われると、どちらも読みたくなる。
この際、二つとも書いたらどうでしょうか?
個人的にも両方読みたいですし、他にも両方読みたいって人は多いし
ええ〜! りょ、両方…… ですか?
わ、解りました。 ではお話させていただきますね。
でも、この2つのお話はあくまで独立したお話。
あくまで「お盆スペシャル」ですから、ご了承くださいね。
それに、少し長くて…… えっちも後半までありません。
ご注意くださいね。
では、題して
「オルタナティブ 〜満月の愛〜」
スタ〜トします。
お盆が過ぎて1週間ほど経ったある日の事。
そのお盆以降、ワルキューレはさらにベッタリと和人にくっつくようになった。
以前からもそうであったが、袖を摘むというような感じでは無く、家の中を歩く時ですら腕を絡めてしまう。
ゴーストと和人の内緒の夜。
身動き出来ないワルキューレは微かな声を頼りに状況を探ったが完全には把握できなかった。
意地悪なご先祖様は何も教えてくれず、和人もその事には触れないでいた。
それが却ってワルキューレの不安を増長させた。
その不安をかき消すようにワルキューレは夜な夜な和人を求め、和人もそれに応える。
「あの夜」の事を恋人の自分に隠す為に、誤魔化す為になのか、以前よりも積極的に求めてきた気がする。
それともゴーストが言ったように本当に何も無かったのだろうか?
多少の不安と疑念は和人の指が、口が舌が、そして陰茎が自分の身体を蹂躙すると消え去り、快感に身を委ねるだけだった。
46th 「オルタナティブ 〜満月の愛〜」
瞼が開くと、そこにはいつもの和人の寝顔。
少しだけ見えてる首筋から下は寝巻きの白色では無く肌色が見え、布団の中に顔を入れてみると当然ながら和人も自分も裸だった。
睡眠時間としては短いが、目覚めが良く、やけに身体が軽いのは昨夜和人と愛しあったから。
(「もっと、今日はもっとワルキューレが欲しい」だなんて…… 和人様ったら、いやぁん)
昨夜の事を思い出し思わず布団の中でモゾモゾと身をくねらせてしまった。
(いけない、いけない。 和人様を起こしてしまうわ)
そっと布団を出て、いつもの服を着ると部屋を出る。
階段を降りると、台所では真田さんが既に朝食の準備をしている。
音を立てないように階段を降りてるのに、彼女はワルキューレに気づくと
「姫様、おはようございます」
ゆっくりと頭を下げて挨拶して来た。
「はい、真田さん。 おはようございます」
和人とリカを起こさないように、少し小さな声で返事をした。
顔を洗ってエプロンを着けると台所に行くと、朝食の準備は殆ど出来ていた。
時計を見ると7時前。
普段の学校がある時ならならいざ知らす、まだ夏休みの真っ最中なのに……
「真田さん、今日は少し早く準備なさったのですね」
言葉をかけると
「さようでございますね。 あっそうそう、そろそろ婿殿を起こしていただきませんと」
「え?」
意外な言葉だった。
(まだ、夏休みだし、昨夜は2人で……)
もう少し寝かせておいてあげたいと思っていたから、戸惑った。
しかし
「あら? 昨夜婿殿がおっしゃておられましたじゃございませんか。 「明日は登校日だから」と」
(ええ〜っ! そ、そんな事おっしゃてたかしら?)
(…… そ、そう言えば、銭湯を閉めた後に和人様が何かおっしゃてたわ。 私ったらボ〜っとしてて聞き漏らしたんだわ)
お盆のゴーストの言葉について考える事が多くなり、傍目から見るとボ〜っとしてる回数は増えていた。
(ああ〜っ和人様ごめんなさい。 和人様のご用時を聞き漏らすなんてワルキューレはいたらないダメな女です)
「え、ええ。 そうですね。 起こしてきます」
自分のダメな所を見せたくなくないので、それとなく誤魔化すと2階の部屋に和人を起こしに行く。
そっとドアを開けると和人は既に起きていて、シャツにズボン、学校の夏服を着ていた。
「あ、あの和人様、おはようございます」
声をかけると和人が振り向き
「あっ。 うん、おはようワルキューレ」
声をかけ、カバンを持って近づいて来て、ワルキューレの前に来るとカバンを下に置き、頬に手をやって寄せると軽くキスをする。
口が離れると
「和人様、今日は登校日なのですね」
いかにも昨日から知ってたように言ってしまった。
(ああ〜。 私ったら何かズルしたみたい)
自己嫌悪。
しかし
(で、でも和人様も私に確認くらいしてくださっても良かったのにぃ。 真田さんに伝わって無かったら私が朝の準備をやって、和人様を送り出さないといけないのにぃ)
心の中でナジった。
まあ、気遣いにおいては問題ない真田さんが聞き逃すはずはないのだが、それを思うと自分のいたらなさに少し苛立った。
下に下りていくとセーラー服姿のリカが既に慌しく食事をしていた。
「リカ様、おはようございます」
「リカ、真田さんおはよう」
2人して声をかけるとリカはいつものように
「お兄ちゃんワルQおはよ〜」
とヤル気の無さそうな返事が返ってくる。
でも真田さんは
「婿殿おはようございます、ご指示頂きました通り、今朝は軽めのお食事と言う事でパンにさせていただきました」
「うん、ありがとうね」
返事をすると和人は洗面所に向かった。
(ええ〜っ! 和人様ったら昨日、そんな事までおっしゃてたの?)
ワルキューレは冷や汗を抑え切れなかった。
和人が戻ってきたので、食べ始めると、リカはTVの時間表示を見て
「うげ! もうこんな時間?」
慌ててパンを口に入れた。
「んん〜っ!」
ドンドンドン……
喉につかえたのか、顔を赤くして胸を叩いている。
既にリカのグラスはカラで
「おひぃひゃん、ひょっとひょうだい」
和人が1口飲んだグラスを取るとパンを流し込むようにジュースを飲んだ。
(あっ! リカ様そこは…… 和人様がお口をつけた所。 い、いくら兄と妹でも、そ、そんな…… か、か、間接…… その、キスだなんて……)
無論、和人とリカの当人同士は全く意識してなかったが、ワルキューレは驚愕してしまう。
(た、確かにリカ様にとって和人様はお兄様ですけど…… わ、私の和人様なんですからね!)
「ふぅっ」
リカが一息つくと、もう一枚のパンを銜えて
「いっへひま〜ふ」
カバンを持って出て行った。
「ははは。 リカにしては珍しく慌ててたね」
和人が微笑みながら言うが
「あらぁ、そうでございますかぁ? リカ様、時々慌てて出て行かれますよ」
真田さんが返すと
「あれ? そうだっけ?」
(カチン!)
2人のやり取りを聞いててちょっとイラついた。
まるで、
「あら、あなたは何もご存知なにのですね」
とか仲の良い夫婦のやり取りに聞こえたからだった。
「あっ婿殿、お飲み物を……」
リカが殆ど飲んでしまったので、真田さんが和人のグラスにジュースを継ぎ足そうとする。
(カチン!)
(もう。 和人様は真田さんの旦那様じゃないんだから!)
「あ、あの…… お飲み物は私が……」
心では怒っていても口には出せないワルキューレだが、そこは長年仕えて来た真田さん
「あっ! さようでございますね。 では姫様、お願いいたします」
と全てを察して譲った。
その姿勢が、落ち着いた大人の仕草、対応に思えた。
自分とあまり歳が離れていないのに、大人と子供のような差を感じる。
今度は少しだけ気分が落ち込むワルキューレだった。
かくして、和人も出かけたので、後片付けをする。
それが終わると洗濯や布団を干し、その後はいつものようにTVのワイドショーを見ていた。
「あ〜あ」
ワルキューレにしては行儀悪くちゃぶ台に突っ伏してため息をついた。
「如何なされました姫様?」
少々心配気味に主君の顔を覗き込む。
「だってぇ…… 今日は和人様とおでかけしたいなぁ。 って思ってたから……」
ハッ!
言い終わってから慌てて口をつぐんだ。
今まで控え目に、自分の欲求はあまり堂々と口にして来なかったので、今の自分の発言は単なる我が儘、エゴと思ってしまったが、真田さんは小さくなってたワるきゅーレとも長く一緒に居たので、微妙に懐かしく、また日頃から
(わたくし達にも、もう少しご自身を主張なさればよろしいのに)
とか思っていただけに、暖かく微笑んだ。
「それはそれは…… 残念ではございますが、学校行事ですし。 でもお昼には戻られるみたいですから、そこからでもよろしいのでは?」
「う〜ん…… そうかもしれませんけど……」
今日は午前中から日差しも強く、気温も高い。
遠くに聞こえるセミの声も騒がしく、まさに夏本番。
肌にピッタリとフィットしてる衣装を着ているワルキューレには余計に暑く感じるのか、うっすらと汗ばんでいる。
それを見た真田さんがエアコンを入れた。
部屋の中が涼しくなったころ、外は黒い雲が広がり始めていた。
ゴロロ……
「ん? ひ、姫様。 雨が降るやも知れません。 お洗濯物を取り込みませんと」
真田さんがしきりに耳の後ろから顔にかけて手でこすっている。
彼女の「野生」が雨が降ることを予見していたのだった。
2人は慌てて布団と洗濯物を取り込み部屋に戻る。
「ひぃひぃ、暑うございます〜」
曇っていても気温は高く、湿気もあり一気に汗をかいてしまった。
しかし、苦労した甲斐があったようで、間もなく強い、叩きつけるような雨が降り始めた。
だが、強い降りは直ぐにおさまり、梅雨のようなしとしとと降る雨になる。
「そう言えば、そろそろお帰りの時間みたいですが、婿殿は傘をお持ちでしょうか?」
独り言のよに真田さんが呟く。
「……!」
ワルキューレがハッとしたように真田さんを見ると
「姫様、誠に申し訳ございませんが、婿殿をお迎えに……」
「はい、行きます!」
言い切る前にワルキューレが言い、
「それじゃ、真田さん行ってきます」
急いで出て行った、自分のさしてる傘だけを持って……
学校に着くと、傘を差した生徒は帰路に着き、そうでない者は校舎で雨宿りをしたり、小降りになって来たのでカバンを頭に乗せて慌てて走って帰ったり……
校門の側にある木陰で和人を待っていた。
(もう、帰られたって事はないわよね?)
少し不安になって来た時、正面の玄関から和人らしい姿を見つけた。
いや、見間違うはずはなく、和人そのもので
「かず……」
手を挙げて和人を呼ぼうとした時だった。
和人が後ろを振り向き校舎に入っていった。
10分程して和人が出てきた。
しかし、今度は和人だけではない。
横には秋菜が……
玄関の屋根の部分から空を見て2人で何か話している。
天候の事だとは察しがつくが、ワルキューレの胸はチリチリと焦がれた。
(カチン!)
そして、諦めたように和人が傘を開くと2人で一緒に入って向かってきた。
(もう! 和人様、傘をお持ちだったなんて。 それよりも、秋菜様。 和人様とご一緒するなんて、ダメ! 和人様は私の和人様なんだからぁ!!!)
そんな心の声が届いたのか、2人がワルキューレを見つけた。
「あっワルキューレ、迎えに来てくれたんだ。 ありがとう」
和人の暖かい微笑みを見て。先程までの嫉妬もどこかへ飛んでしまった。
「はい」
返事はしたものの相合傘をしている和人と秋菜が気になる。
しかし、和人はワルキューレの傘を見て
「秋菜、この傘使って。 ボクはワルキューレに入れてもらうから」
(やったぁ!)
思わず踊り出しそうになった。
同じ女性として、また同じ和人を好きな秋菜は、ワルキューレの笑顔を見て心が沈んだが、帰り道が逆方向でもあるし、まあそれは仕方無いと割り切り
「うん、じゃあ借りるわね。 和人、ワルキューレ。 バイバイ」
傘を借りて帰っていった。
雨は小降りになって来たが、傘を拡げると
「さあ、和人様……」
愛しい人を中に招き入れる。
「うん、ありがとう。 でも雨の中迎えに来てくれるなんて…… ごめんね。 それとありがとう」
おでこにチュッとお礼のキスをする。
「あっ……」
咄嗟の事で声が出なかったが
(きゃぁ〜、きゃぁ〜! やったぁ!)
嬉しくてたまらなかった。
しかし、次の瞬間
(お優しい和人様、やっぱりあの日は何も無かったの? ゴーストの言うように…… でも……)
逆に、ゴーストとの間に「何か」があって、その後ろめたさから自分に優しくしてるのかとも思える。
(「ワルキューレ、いいかな? ワルキューレが欲しい」)
(「ワルキューレ美味しいよ…… 気持ち良いよ」)
(「凄く良かったよ。 ワルキューレ」)
いつもの行為の途中、後に言う愛の言葉も今思えば、申し訳ないという気持ちからの「サービス」ではなかろうか?
ふと、そんな事を考えてしまった。
折角の相合傘も、和人を話す事も無く考え事をしてて、和人が何かを話し掛けても聞こえなかった。
「ワルキューレ」
和人が肩を軽く叩く。
「えっ! は、はい」
我に返って返事をすると、和人は空を指差し
「雨、上がったみたいだよ」
「あっ! 本当」
空を見上げると、雲は消え夏の日差しが降り注いでいた。
傘を畳み、並んで歩いた。
やがて、家についた。
玄関を開けると
「お帰りなさいましなぁ」
ライネの聞き覚えがある声が居間からする。
声の後、ライネがパタパタと玄関に出てきて
「和人様、おかえりなさいましな。 ワルキューレお姉様もお疲れ様でした」
2人を出迎え
「和人様、おカバンお持ちいたしますわ」
和人のカバンを預かろうとした。
(カチン!)
まるで夫の帰りを出迎える新妻のようで、それがワルキューレの心を乱す。
そんな気持ちも和人には解ろうはずも無く
「ライネ来てたんだね。 いらっしゃい。 それとただいま。 ありがとう、お願いするね」
いたって普通にカバンをライネに手渡した。
(かっち〜ん!)
「ちょ、ちょっとライネ」
和人のカバンを大事そうに抱える妹に声をかけるが
「はい? 如何なされましたのお姉様?」
ライネは何も気づいてないようだった。
「か、和人様のカバンは私が……」
しかし、当のライネは
「あらぁ、別に構いませんことよ。 そんなに重いものでもございませんし」
当然ながら姉の気持ちには気づいていない。
(あ、貴方は構わなくとも、私は構うのよ!)
中に入り
「和人様、カバンはお部屋に置けばよろしいのですの?」
既に階段付近まで行っており、尋ねて来た。
「う……」
「ら、ライネ。 カバンは私がお持ちします。 お召し物の着替えもありますから」
和人が返事をする前に遮り、その役目は自分のものだと主張する。
ライネはライネで
「あら、そうでございますの。 それではお姉様、お願いいたしますわ」
カバンをワルキューレに渡すと居間に戻ったのだった。
部屋に戻る和人に着いて行き、着替えを手伝うと居間に下りる。
居間では真田さんとライネがTVも付けっぱなしで何やら話している。
「何の話?」
ワルキューレが話し掛けると
「いえ、今年の水着を買ったけど、着なかった。 という話ですわ」
「あら、ライネ。 貴方去年買わなかった? キレイな花柄の水着」
去年、和人の誕生日に海に行く事になって買い物に出かけたら、デパートでライネに会い、その時彼女が花柄のビキニを買ったのを思い出した。
同時に、せっかくの2人きりの海だと思っていたら、姉妹一同が押しかけてきた事も……
その時、ライネが着てたのは、その時買った白地にカラフルな花柄が描かれていたビキニの水着だった事も。
「ええ、まあ。 でも今年は今年のを買ったのでございますけど……」
亜麻色の髪をいじりながら言うと突然
「そうですわ!」
ライネがバッグを持って部屋を出た。
「落ち着かない子ねぇ」
溜息をつきながらちゃぶ台に座る。
しかし、向かいでは和人がクスクスと笑っている。
「?」
「いや、ごめんね。 今の言葉って何かメームさんかイナルバさんみたいで」
和人の言葉を聞き
「んま、婿殿ったら。 しかし、お声とかは似ておりませんが、確かに……」
「え、そ、そうかしら」
ワルキューレは複雑だった。
姉達を敬愛してるが、彼女達は自分より年上で、ヴァルハラ星の政務を行ってる事もあり、大人びてる感じがしてた。
もっと言えば、少女の自分と大人の姉達。
さすがにリカが言うように「おばさん」とは思わなかったが、自分やハイドラ、ファムの3人とは感覚がズレているというか、違うと思っていた。
でも、ライネやコーラスとも明らかに違っており、彼女達は「今時の子供」という感じで、メームやイナルバから見れば信じられないのだろう。
口うるさく注意するのも解る気がした。
(で、でも、私もお姉様方と同じような考え方って事は、私がオバさ…… じゃなかった、お姉様方のようになったのかしら?)
などととりとめの無い事を考えていたら
「じゃ〜ん! いかがぁ?」
水着に着替えたライネが戻って来た。
豹柄というかアニマル柄のホルターネックのビキニ。
布の面積が少ないビキニより、かえってライネの大きい胸の重量感が強調されてる感じがする。
「ええ、良く似合ってるわ、ライネ」
グラビアアイドルのような妹を見て
(私も、ああいうのって似合うかな?)
とか思いながら誉めた。
「うん、とっても似合ってるよ」
和人も素直に、かつ少しはにかみながら誉めた。
「んふふ。 ありがとうございます、和人様」
(カチン!)
妹を誉められるのは嬉しい事だが、今回は浴衣などとは違って肌の露出の多い水着姿。
(もう! 和人様ったら)
しかし、かと言って和人が「似合わない」とか言うはずも無く、複雑な気分になる。
また、ライネも和人が必ず誉めてくれる事を知ってて尋ねてると思え、つい
「ライネ、今年も、そ、その、ワンピースじゃ無くビキニなのね」
和人の前でおヘソ丸出しの妹をそれとなく叱るように言うが
「そうなんでございますわよお姉様。 どうもあたくしに入るワンピースは少のうございまして」
彼女は彼女なりに悩んでいたようだった。
「お姉様や真田さんもお解りになられますでしょう?」
ライネが言うと
「さようでございますわねぇ」
あまり肌の露出の多い水着より隠す部分が多い水着を欲しがってた真田さんがしみじみと返事をした。
自分もそうだった。
真田さんやライネ、自分のようにサイズはともかくカップが大きいと、なかなかそれに合うワンピースがない。
肌を露出させるのは恥ずかしいし、可愛い色やデザインが多いワンピースを着たかったが、それが無いのが少し不満ではあった。
ピンクの可愛らしいワンピース水着のファムを少しだけ羨ましく思ったが、肝心の和人が自分のビキニ姿を悦んでくれたので、結果的には良かったのだが、今回は自分では無く、妹の水着姿。
思いは複雑だった。
「ねえ和人様ぁ、海にでも連れて行ってくださいましなぁ」
すかさずライネが和人のもとに駆け寄り、しなだれかかるように身体を密着させ、甘えたような声で言う。
(かっち〜ん!)
「コホン。 ら、ライネ。 あ、あまり和人様を困らせるような事を言っては……」
心の乱れを悟られないように静かに言うが
「お姉様もご一緒に参りましょうよ」
今回に限ってライネには邪心はないようだった。
だが、その直後
「和人様ぁ、海がダメでしたらぁ、プールでも結構でございますからぁ。 プールならお姉様や真田さんがお忙しくてご一緒出来なくてもあたくし達で行けますでございましょう?」
(カチン、カチン、カチンったらかっち〜ん!)
「ライネ!」
思わず声を荒げてしまった。
「あ〜ん、和人様ぁ、ワルキューレお姉様が怖〜い。 ……もう、お姉様ったら、そんなにお怒りになられなくても。 冗談でございますわよ」
全く悪びれずに言い、また和人に匿ってもらうように大袈裟に身体を密着させた。
(きぃ〜っ!)
朝から腹が立つ事ばかりだったので、ワルキューレの怒りは頂点に達しようとしていた。
今日はここまで。
続きは多分明日になると思います。
さて、皆さん。 このお話はハッピ〜エンドの方だと思われます?
それともアンハッピ〜の方だと思われますか?
まあタイトルでお解りになる方もおられるかもしれませんね。
さて、皆様まだまだ暑い日が続きますが、お体には気をつけてくださって、良い休日を過ごしてくださいね。
>>427 乙!
ワルキューの嫉妬がすごい・・・w
続きが激しく気になります
途中ですけど感想ありがとうございます。
続きをさせていただきますね。
でも、今日では終わりません。
えっちも含めてもうちょっと引っ張りますから、そちらをご期待の方は今日の分もスル〜なさってくださいね。
では行きますね。
(もう! ライネたら)
姉の心の声が聞こえるはずも無く、ライネは和人と楽しそうにお喋りしている。
しかも、水着姿。
和人の方が目線が高いので、ライネの飽和状態にまで膨らんだ胸が作り出す深い谷間がいやがおうにも目に入り、目のやり場に困ってるようだった。
「ライネ、そ、そろそろ服を着たら。 女の子が殿方の前でそんな格好でいるなんて……」
ワルキューレがそれとなく注意するのだが
「あらぁ、あたくしは別に構いませんことよ。 下着じゃなくて水着でございますし」
(だから、貴方が構わなくとも私が構うのよ!)
「和人様ぁ、あたくしのこの格好ってお嫌いですかぁ?」
水着ごしであるが、胸の膨らみを押し付けて、先程までと違って男を誘うようなとろんとした目で和人を見上げる。
(かっち〜ん!)
しかし、自分も和人を求める時はこんな目をしてるに違いない。 少なくとも胸を押し付ける…… いや、和人に擦りつけるように密着させるのは自分でも解ってる。
自分の恥ずかしい姿を見た気がして余計に腹が立った。
「ライネっ!」
まともや声を荒げてしまった。
「ハイハイ、解りましたわよ。 じゃあ、和人様、お姉様でもよろしいですから、今度プールに連れて行ってくださいましな。 ね? それ位はよろしいでしょう?」
しかしワルキューレは不満だった。
自分はともかく、和人にプールに連れて行ってもらうと言うことはデートなのだから。
「解ったわ。 今度ファムやコーラスも誘って行きましょう。 だから、ね」
「約束ですわよ」
ライネが妹の目に戻って嬉しそうに言うと、居間を出て服に着替えてきた。
今更ながら良く見ると、ライネは商店街かファムの行くデパートあたりで買ったと思われる私服を着ている。
白いブラウスから水色のブラジャーが透けて見えた。
ピンクのスカートも似合っていて、妹ながら可憐な服装に憧れた。
ワルキューレも私服は持っているが、あまり着る事はない。
それは自分はヴァルハラ星の皇女だという自覚があるからで、正装とも言えるコスチュームを極力着ているからだった。
(私も…… 地球の服装をもっと着ようかな? 和人様もその方が喜ばれるかしら?)
そんな事を考えていると和人が立ち上がった。
「あっ和人様どちらに? お供します」
慌てて和人に着いて行こうとするが
「いや、そろそろ銭湯の準備をしなくちゃ。 今日は雨が降ったからあまり濡れてない薪を選んで割らないとダメだし」
煎餅を食べながら和人の言葉を聞いたライネがポンと手を叩き
「これがホントの銭湯(戦闘)準備でございますわね」
「……」×3
「ライネ様、恐れながら申し上げます……」
「う、うんっ。 コホン。 言わなくて結構でございますわ。 あたくしも失敗したと解っておりますから」
「さようでございますか……」
苦笑いをした和人が
「ライネ、お風呂入っていってね。 準備が終わったら一緒に夕食にしようね」
微笑みながら言い部屋を出て行った。
「はい、ありがとうございます、そうさせていただきますわ」
ライネも可憐な笑顔で和人を見送った。
(カチン!)
自分もライネに言おうとした事だが、和人に言われて喜んでる妹を見て無性に苛立ちを覚える。
(もう〜っ! 和人様ったらライネに優しすぎよ! うううん、ライネだけじゃ無くリカ様にも真田さんにも)
(和人様の性格からすると仕方無いかもしれないけど…… 和人様ぁ、その優しさも笑顔も私だけに向けて欲しいナ)
(でもそれは我がままなのかなぁ? ううん、そんな事ないわ。 そんな事は。 だって、私は和人様の恋人で婚約者なんだもん)
「……なんだもん」
「えっ? 何? どうしたの?」
前を歩いていた和人が振り返った。
「えっ? い、いえ、別に……」
最後の方は思わず声に出してしまっていたようだ。
(ああ〜ビックリしたぁ)
胸を撫で下ろすと和人と一緒に庭に出た。
ブルーシートをどけて和人が薪を割り出す。
割った薪をワルキューレがボイラー室に運ぶ作業をした。
ボイラー室にはあらかじめ使わなかった薪や予備の薪が置いてあるが、それの横に置く。
この作業をしてるとワルキューレの苛立ちも薄れていった。
(和人様の大切なお風呂屋さん。 そのお手伝いを私がしてるんだわ。 和人様と私がお風呂屋さんの準備をしてる…… んふふ)
そう言えば、最近真田さんが銭湯の責任者になる為の資格取得の勉強をしてるのを思い出した。
時乃湯はあくまで和人の銭湯なので肝心な所は和人に任せるが、それ以外は自分が手伝えば和人も楽が出来るだろう。 とか考えている。 と真田さんが言っていた。
真田さんの事だから資格は直ぐに取れるだろう。
「私も、お勉強しようかなぁ……」
まだ火の入ってないボイラー室でボソッと呟いた。
暫くして和人がボイラー室に入って来て薪をくべ出す。
夕方とは言ってもまだ夏。
部屋の中はどんどん暑くなる。
額の汗を拭いながら薪をくべ、ボイラーの圧力計を見る和人を見て改めて
(銭湯のお仕事って大変なんだぁ。 和人様のお風呂は最高だけど、和人様が頑張られて心を込めて沸かしてくださるからなのね)
愛しい人の後姿を眺めながら、そんな事を考えた。
準備がだいぶ終わった頃
「姫様〜、申し訳ございませんが……」
台所から真田さんの声がした。
(!)
まだまだ家事が未熟な自分は真田さんについて料理や洗濯、掃除等の家事を教わっているのだ。
「は、は〜い。 和人様、あの……」
真田さんに返事をして和人に言うと
「うん、頑張ってね」
ライネにしたのと同じ笑顔を自分に向けてくれた。
「はい」
(んふふふふ…… やったぁ)
足取りも軽く台所に向かったのだった。
今日はライネも台所に立って見学していて、時々メモを取っている。
仕事が嫌いでグ〜タラなイメージがあるライネが珍しい。
だがライネも
「たまにはあたくしやコーラスも料理をいたしますけど、あたくし料理は不得手でございまして……」
少しバツが悪そうに言うがワルキューレは驚いた。
努力とか一切しないで、自分のしたい事しかしない、ちょっと困った妹のライネ。
公式行事もすっぽかして、よその星の美容院やエステに行ったりしてたライネがいかに自分が食べる為とは言え、努力をしてるとは。
だが、単に自分とコーラスが食べるだけなら店屋物を取るかコンビニとかで買えば済む事。
あえて、料理を勉強するなんて……
いつまでたっても小さいというイメ〜ジがあるが、ライネも年頃。
恋の1つもしてるかもしれない。
(まさか、本当に和人様?)
少し疑心暗鬼になる。
夕食の準備をしてるとリカも帰ってきた。
和人も戻ってきて夕食になった。
その時はやっぱり和人はリカや真田さん。 それに今日はライネもいるので、皆に話し掛けると自分に話し掛けてくれる時間がさらに減ってしまう。
大勢で食べる食事は美味しいが、それでも……
「あっ和人様、お代わりは如何ですか?」
せめて何時もより積極的に和人に関わった。
「うん、ありがとう」
和人が茶碗を差し出すと、ジャーからご飯を注ぐ。
「あっ!」×2
リカと真田さんが同時に声を出した。
「えっ? ええっ?」
ワルキューレが驚いて2人の方を見ると
「あ、あの姫様……」
「それじゃあ多過ぎるよ」
和人を見ると少し困ったような顔をしている。
「そ、そうなんですか? で、でもどうしてリカ様も真田さんも解るの?」
少し落ち込みながら聞く。
「えっ? う〜ん……」
「はい、わたくしも何となくでございますが、婿殿のお声の具合とか、おかずの残り具合で何となく……」
(そ、そんな…… リカ様はともかく、真田さんまで和人様の言い方でご飯の量が解るなんて…… まるで夫婦みたいじゃいない!)
(あ〜っ! もう何なのよ! わ、私が和人様の妻になるんですからね! もう)
しかし、それはいかに和人を見ていないかと言う事だった。
誰よりも和人を見ていると思ってただけにショックは大きかった。
「まあ、その内お姉様にもお解りになられますわよ」
あまりの落ち込みように見るに見かねたライネが声をかけるが、慰めにもならなかった。
それ以前に理不尽な怒りで聞こえてなかったと言うのが正解だったが。
食事が終わってリカとワルキューレが片付けをしてる。
ちゃぶ台では和人と真田さんが打ち合わせ。
それを聞いたところで仕方無いのだが、ライネも一緒にいる。
「ちょっと、ライネ。 あんたタダ飯食べたんだから、洗い物位手伝いなさいよ」
リカが言うのだがライネはいつものように
「あらぁ、ごめんあそばせ。 あたくし洗い物は不得手でございまして……」
目を瞑って手をヒラヒラさせながら言うと
「はいはい、いつもの不得手ですか」
諦めたようにリカが言い洗い物を続けた。
2人のやり取りを聞いて
(んふふ、リカ様とライネって姉妹みたい…… 歳からするとライネがお姉さんなのかな? でもリカ様の方がしっかりされてるし……)
!
(ちょ、ちょっと待って。 ライネとリカ様が姉妹って? 和人様とライネが結婚したらそうなるけど…… って冗談じゃないわ!)
「……って冗談じゃないわ!」
またもや声に出してしまった。
「うわっ! なによぉ。 ビックリするじゃない」
リカが怒っている。
(ま、またやっちゃった)
「い、いえ…… その……」
その場を取り繕って洗い物を続けた。
打ち合わせをしていたのを聞いていたライネが
「お姉様、今日は和人様が番台の上がられますので、お姉様は横でご覧になるようにですって」
台所のワルキューレに声をかけた。
「えっ?」
今までお客を迎え入れるだけしかしてなかったのに……
「姫様、わたくしは本日、ボイラーの方をお勉強させていただきますので、姫様は婿殿について番台を見学くださいますよう。 よろしゅうございますか?」
やはり真田さんは火元責任者になれる資格を取るつもりのようだ。
そうなれば自分が番台に立てるようになると和人に楽をさせてあげられる。
「は、はい。 解りました。 和人様、よろしくお願いします」
自分に言い聞かせるように決意の言葉を投げかけると
「うん、覚える事があるから1回じゃムリかもしれないけど、頑張ってね」
「は、はい!」
(が、頑張らなくっちゃ!)
和人の力になれる第一歩を歩み始める事に改めて嬉しさと決意を自覚したが、世の中なかなかそうは上手くは行かないもの。
いかに仕事とは言え舞台は銭湯。
ワルキューレにとって好ましくない状況が山積する場所でもあり、ワルキューレのストレスが昼間の気温同様うなぎ昇りになるのだった。
それを思い知るのは、すぐ後の事だった。
今日はここまでです。
次が多分最後になろうかと思いますけど、続きは明日…… かな?
それでは皆様、おやすみなさいませ。
あんたにアニメの脚本書いてほしいよ
>>436 俺もそれ書いた
もうOVAなんて贅沢は言わない、同人アニメでいいから
>>436 続きまってます
あ、あの……
ごめんなさい。
夜まで待ってください。
今日は必ずお話しさせていただきますので。
遅くなってごめんなさい。
今日でお終いですけど、凄く長いですし、えっちは最後の方ですので注意してくださいね。
では、後ほど。
和人が暖簾を持って外に出る。
ワルキューレもそれに続いて、2人でかけた。
(今日も和人様と私の…… いえ、まだ私は何もお手伝い出来ないけど、いつかは「和人様と私のお風呂」に沢山のお客さんが来られるといいな。 だって和人様のお風呂は宇宙で1番なんですもの)
2人で暖簾をかけるのが当たり前になっていたが、ワルキューレはこの瞬間が好きだった。
殆ど毎日、同じ時間に暖簾をかけるのだが、その日に見られる空の色、雲の形どれとして同じものは無く絶えず新鮮な感動を覚えた。
同時に同じ時(刻)は2度と来ないのだと言う事を実感し、今この瞬間を大切にしよう。 と思うのだった。
ガラッ
暫くはお客さんも来なかったが、今日のお客さん第1号が来たようだ。
「いらっしゃい」
「おう、来たぜ」
「おおっ。 1番ってのは気分がいいねぇ。
女湯側にいるワルキューレには声しか聞こえないが、丸と妙のようだった。
「今日はお姫様はおやすみかい? 外にはいなかったが」
妙が言う。
知り合いのので少し安心して番台から覗き込むように顔を出し
「いらっしゃいませ。 ごゆっくりどうぞ」
ニッコリ笑って迎えた。
「おう、今日は中の仕事かい?」
急に声がしたので少し驚きながら妙が聞いた。
「はい、番台のお仕事を覚えるように。 って」
それを聞いた丸が
「しっかりやんなよ。 これ2人分だ」
励ましの言葉を送り、料金を置いた。
「はい、頑張らせていただきます」
「ゆっくりしてってね」
知り合いとは言え、とりあえず今日もお客さんが来て和人もホッとしたようだ。
リカが「儲からない」とボヤいてはいるが、真田さんと侍女部隊の人達の頑張りで経費が抑えられ、徐々に利益が出てきている。
それでも、和人にとっては安心はしてないし、そもそもお金よりもお客さんがお風呂を楽しんでくれる事の方が重要なのだろう。
その和人の嬉しそうな顔を見てワルキューレも自分が番台に座って和人を手助けする未来を描いて思わず
「うふふ……」
楽しい気分になった。
まだ、開けたばかりでお客さんもそれ程多くはない。
お客が途切れるたびに和人がワルキューレに声をかけ、お客さんから受け取ったお金とおつりは別の所に入れる。 とかシャンプーはどこ、リンスはどこ、石鹸は、カミソリは、回数券はどこにある。 とか説明したのだった。
さらにタオルの貸し出し、バスタオルの貸し出しやら説明するとさすがに頭のいいワルキューレでも一度には覚えきれないのか、苦悶の表情を浮かべた。
銭湯だけに気温が高く湿気が多いからだろうか、それとも冷や汗だろうかワルキューレの白く丸い頬に汗が滴り落ちた。
「一度に覚えなくていいからね。 覚えられる事だけを覚えてくれればいいから」
和人が気遣うが
「は、はい」
ロクに返事も出来ず、真剣な様子で言われたことを覚えこんでるようだった。
徐々にお客さんが増え、最初はヒマそうにしていた侍女部隊の女性達もパタパタと忙しそうに働いている。
ガララ……
女湯の扉が開いた。
「いらっしゃい」
「い、いらっしゃいませ」
侍女部隊の仕事振りを見ていたワルキューレが出入口の方を見ると商店街の外れにある教会のシスターだった。
頭に大きな羊のような角が特徴的な、見た目も色っぽい大人の女性という感じの常連さんだった。
ワルキューレも何度も外で出迎え、見送りをした覚えがある。
和人と女性が軽く世間話をしてる時に女性はチラチラとワルキューレを見た。
料金を置くと、ロッカーに脱いだ服を入れていく。
無論、その様子は和人は見ないが、女性が全裸にバスタオルを巻いた恰好で番台に来た。
「あの、番台さん。 石鹸をいただけます?」
整った美しい顔がニッコリと微笑むとバスタオルからはみ出ている胸の谷間をさらに腕で強調し、和人の視線の真下で言う。
和人にはそれが目に入るのだろう。
顔を赤らめて
「は、はい。 石鹸ですね」
はにかむ様子が可愛らしいと思っているのだろう、石鹸を受け取った後も何やら話し込んでいた。
(むっかぁ〜! ちょっと何よ! 私の和人様に何なさるの! ご用が済んだのなら、早くお風呂に行ってください!)
でもそれは声には出せない。 さらに
(もう! 和人様も和人様よ! 何よ何よ! あんなに照れちゃったら余計にからかわれます。 もう〜!)
ワルキューレにとっては和人がからかわれている事はそれほど重要で無く、その内容に問題があるのだった。
(でもお風呂屋さんだから女性の裸が目に入るのも仕方ないのよねぇ…… で、でも和人様ももっと毅然となさるべきよ!)
(うん、そうよ。 そ、そんなに女性の裸が見たいなら…… そ、その… 私の…… い、いえ、別にそういう訳じゃなくて……)
(ううん、べ、別に和人様がそれをお望みなら、それはそれでいいんだけど…… って、そうじゃないわ! 今はお仕事中なのにぃ!)
熱気と目の前の状況にすっかり混乱してしまったワルキューレ。
だが、女性が番台を離れるとキッと和人を睨んだ。
しかし、そこはやっぱり和人。
「えっ? 何? 少し疲れちゃった?」
全く気づいてないのだった。
しかし、そんな余裕も無くなる。
男湯も女湯もお客さんが一気に来て、侍女部隊の女性達の動きが慌しくなり、だんだん処理しきれなくなって来た。
「ワルキューレ、悪いけど真田さんを呼んできてくれるかな?」
大勢のお客さんが来て嬉しいはずの和人が少し焦り気味にワルキューレの頼む。
「は、はい!」
急いで真田さんを呼びに行った。
「婿殿、申し訳ございません。 コレを」
ボイラーのマニュアルと資格試験のテキストと番台に置き、侍女部隊のメインの4人を指示を出すと、やがてその指示が全員に伝わる。
真田さんもモップを手にして床を拭く。
(す、凄いなぁ…… 真田さん)
真田さんの指示が行き渡ると混乱は収まり、その管理能力に驚いた。
上手い具合に初めに来たお客さんが帰りだし、少しだけ余裕が出来る。
真田さんも女湯と番台から身を乗り出して男湯を見回して
「ふぅ」
1つ大きな息をついた。
濡れた床にモップがけをしながら番台に近づいてきて
「婿殿?」
和人に声をかけると
「うん、ありがとう。 もう大丈夫みたいだね」
和人も返事をした。
(……チクッ!)
全てを言わなくても用件が伝わる。
真田さんが時折見せる和人との無言…… 少ない言葉で解り合ってるのを見るとワルキューレの胸が痛んだ。
「うんっ!」
一息つけた真田さんが背筋を伸ばした時だった
パチンッ!
それ程大きな音では無かったがワルキューレにも番台の和人にもハッキリ聞こえた。
真田さんのメイド服の胸が少し前方と横側に膨らんだ。
「あ、あら?」
真田さんは何が起こったか解ったのか、モップを番台にかけると服の中に両手を入れてモゾモゾと動かした。
暫くすると真田さんの手が、その大きな胸の膨らみを掴んでるのがメイド服ごしにも解った。
どうやらブラジャーのホックが外れたようだった。
「んっ」
息とも声ともつかない声を出すと背中で何かを合わせたような仕草……
「ふぅ」
無事、ホックを留め終えたのだろう。 また息をついた時。
パチンッ!
ブラジャーを装着し終えたと思い安心して胸を張った時、また音がした。
ぶるんっ!
そんな音が聞こえてきそうな勢いで、真田さんのメイド服の胸は大きく弾んだ。
「あら? あら?」
また真田さんの手が服の中に入り、中でモゾモゾと蠢いている。
夏用の薄手のメイド服なので、手の圧力から逃れるように、豊かな膨らみが動き回っている様子が外からでもよくわかる。
「ゴクっ……」
唾の飲み込まれる音のした方を見ると和人が顔を赤くしながらも目を丸くして、それこそ凝視していた。
「う、ううんっ」
ワルキューレが咳払いすると我に返ったように真田さんから視線をそらした。
(もう〜〜〜っ! 和人様!)
声にこそ出さなかったが、睨みつけるように和人を見た。
「あら、やっぱりダメですわね」
器用に服からブラジャーだけを取り出して見ると、ホックが壊れている。
「結構気に入ってたのですが…… おほほ。 とんだ失礼おばいたしました」
和人とワルキューレに一言詫びるとため息をつきながら丸めてポケットに入れた。
しかし、メイド服の小さいポケットには入りきらず、再びモップがけをしようと2、3歩進んだ時ポケットから白い布が落ちた。
「もう!」
いまいましそうに拾い上げると
「申し訳ございませんが、こちらに置かせておいてくださいませ」
番台にブラジャーを置いてモップがけを再開したのだった。
ブラジャーを置きっぱなしにするわけにもいかないので、和人が番台の中にしまおうと手に取る。
さっきまで着用していた木綿のブラジャーは彼女の汗を吸い込んでるのか少ししっとりとしており、彼女の体温が生ぬるく残っていた。
つい拡げてじっくりと見てしまう。
「大きいなぁ……」
ついうっかり口にしてしまってからハッとして傍らを見ると……
(な、な、な、何? そんなにいいの? ただの下着でしょう? それも私のじゃなくて真田さんの)
(そ、そんなに下着がいいなら、わ、私のを。 きょ、今日は…… そ、その、下しか着けてないけど、そ、それで良いなら)
(ホントは恥ずかしいし、良くはないけど…… でも和人様がお望みなら…… 和人様ぁ)
怒りと悲しみが混ざった表情をして見ている。
目は怒りに満ち溢れ美しいレモンイエローの髪がユラユラと揺れてはいたが……
「い、いやワルキューレ、その……」
珍しく和人が言い訳をする。
普段なら、それを可愛く愛しく感じるのだが、朝からずっと蓄積されたストレスがそうさせなかった。
「知りません!」
プイと横を向いてしまった。
「ゴ、ゴメンその……」
実に申し訳無さそうな顔で謝るのを横目で見て
(許してあげちゃおうかな?)
とか思ったが
「はっほっほいっ」
真田さんが脱衣籠を揃えて端に置いた。
その後はまた元気良く小走りに作業をする。
薄手のメイド服の中では支えを失った大きな乳房が上下左右に暴れ回り、左右が別の生き物のように自由奔放に動いている。
男とは悲しい生き物で、あまり性に対して積極的でない和人も思わず魅入ってしまった。
バンっ!
番台が激しく叩かれる音に我に返り見ると
「和人様っ!」
目を吊り上げて、見るからに
「私怒ってます」
というのが汲み取れるワルキューレがいた。
「い、いや、あの。 ホントに違うんだ」
必死に取り繕う和人。
でもワルキューレも解ってはいた。
自分とのセックスの時に、たまに和人が時間を忘れる位長い時間自分の乳房を愛撫する事があり、膨らみを揉むだけでなく、乳輪や乳首をこね回したり、少し強めに抓ったり。
口に含んで舐めたり、噛んだり、舌で転がしたり……
気が狂ってしまいそうになるほど胸だけで深い絶頂を迎えた事も1回や2回では無い。
それほど長い間、自分の胸を味わう事がある。
(「和人様、私の胸…… おっぱい好き?」)
恥ずかしさを堪えて聞くと
(「うん、ワルキューレの胸、白くて大きくてキレイで……」)
指で乳輪や乳首をイタズラしながら
(「ココもピンクで、美味しそう。 ううん、とっても美味しくて、大好きだよ。 胸だけじゃなくワルキューレの全てが大好きだよ。」)
和人の言葉を思い出し、和人だけでなく男が女の胸が好きな事ぐらいは理解はしていた。
だからと言って
(「はい、そうですね。 真田さんの胸はステキですね」)
と言う訳にはいかない。
(そ、そんなに胸がご覧になりたいのでしたら、わ、私の胸を…… ご覧になられるだけで足りなかったら、どんな事でも恥ずかしい事でもして差し上げるのにぃっ! もう、どうなってるのよ!)
理性では納得しても感情は納得できない。
その対象が自分に尽くしてくれてる真田さんであってもダメなのだ。
(和人様は私しか見ちゃダメぇ! 胸が見たいなら見せて差し上げますから、アソコを見たいなら今度は部屋の明かりをつけたまま見せて差し上げますから)
(いっぱい汗をかいた恥ずかしい匂いを嗅ぎたいならいくらでも…… ちょっと恥ずかしいけど、良いですから、シャワーを浴びる前のアソコを舐めていただいても良く…… は無いですけど、我慢しますからぁ)
(だから……)
「和人様ぁ、そ、その…… 胸なら今夜私が…… だ、だから……」
そこまで言うと真っ赤にした顔を俯かせて何も言えなくなった。
「ゴメンネ」
和人が番台を降りて、ワルキューレの手を引き下駄箱の所に連れてきた。
「あっ! うっ……」
振り向きざまに和人がワルキューレを抱きしめてキスをしてきた。
(もう、和人様ったらぁ。 こ、こんな事で誤魔化されないですよ。 でも…… 和人様)
和人の背中に腕を回そうとした時だった。
「あのぉ…… 参りましたわよ」
ライネが入って来た。
「わっ!」
「えっ? ちょっとライネ違うのよ。 和人様と私は決して淫らな気持ちで……」
必死の言い訳もライネの視線は冷たい。
「はいはい、解っておりますわよ。 それよりお邪魔したみたいで、すみませんでしたわねぇ」
ニンマリとしながら言うとワルキューレは下を向いたまま
「い、いいえ、そんな事ないわ。 い、いらっしゃい」
そう言って出迎えるだけしか出来なかった。
「ワルキューレお姉様のえっち……」
すれ違いざまに言う。
「だ、だから違う……」
「別によろしいじゃありませんか。 にひひ」
中に入ると
「和人様。お言葉に甘えて、お風呂をいただきに参りましたわ」
ポシェットからサイフを取り出す。
「いや、いいよ。 ボクが誘ったんだし」
遅れて入って来たワルキューレにも和人の言葉が聞こえた。
少し複雑な気分。
(和人様がライネをお風呂に誘った)
無論、和人とライネにそんな気持ちは無いのだが、いらぬ邪推をしてしまう。
(ああ〜。 何か今日の私ってダメだなぁ)
思わず溜息が出そうになった。
それでもライネは
「でもぉ、そういう訳には……」
ワルキューレと真田さんをチラリと見ながら言う。
(カチン!)
(何よ? 私が和人様がお決めになった事に逆らうとでも思ってるの?)
当然ライネは時乃湯の売上を心配してるのだが、今のワルキューレにはそこまで頭が回らなかった。
「じゃあ、回数券を下さいましな。 丁度無くなった所でございますし」
硬貨をしまってお札を出す。
「でも、悪いよ。 ボクがお願いしたのに」
和人が申し訳無さそうに言いながら回数券を渡した。
ライネがその中から1枚ちぎると
「はい、これでようございますでしょう? 回数券のオマケの1枚ならあたくしも和人様もフトコロが痛むわけでもありませんし」
「ホントにいいの?」
和人が受け取るとライネがニッコリして
「ええ、あたくし。 和人様のお風呂が大好きでございますから」
(ズキッ!)
妹の屈託の無い笑顔と言葉が胸に突き刺さる。
タダと聞いたら、そもそも和人が誘ったのだから、タダなのは当然! とでも言うと思ってたライネの態度……
「わ、私だって和人様のお風呂が大好きよ。 和人様の沸かしてくださったお湯は宇宙一ですから!」
ムキになって口を挟んでしまった。
「如何なされましたの?」
不思議そうに少し小首を傾げて姉の顔を覗き込むと
「い、いえ。 ごめんなさいね。 別に何も……」
としか答えられなかった。
いつからだろうか?
以前は恥ずかしがって番台から1番遠いロッカーで服を脱いでたライネが今日は「1」と番号が振ってある番台に1番近いロッカーを使っている。
番台に座る事のある真田さんやリカ、和人は知っていたが、ワルキューレはそれを見るのは初めてだった。
さらに、脱ぎ方が実に堂々としていて、以前ヴァルハラ星や地球に来て間もない頃の、彼女の童顔と小柄な身体に似つかわぬ大きな胸を隠すように、それこそ人目を避けるようにしてたのに。
実に見事な脱ぎっぷり。 と言うか、今は自信に満ち溢れているようだった。
プチン
ブラウスを脱ぎ、ブラジャーのホックを外すと
「ああ〜っ、この開放感が堪りませんわぁ。 あたくしブラジャーはあまり好きではありませんわぁ。 締め付けられる感じがして苦しくて」
独り言のように言うが、何にせよ番台に1番近い所なので、和人にも丸聞こえだった。
(「ちょ、ちょっとライネ。 和人様が目の前にいらっしゃるのに」)
ライネに近づいて小声で囁くと
「でもお姉様、ここはお風呂でございますでしょう? それに和人様はそんな邪なお気持ちで番台に立たれてはおられませんでしょうに」
(ズキンッ!)
この言葉は効いた。
お盆にゴーストに対して
「私は和人様を信じてます」
などと言ってたのに、1番年下の妹ライネの方が和人を信用…… それ以上の信頼すらしてるようだった。
(ち、違う! 私は和人様を信じてる。 誰よりも私は和人様を信じてる!)
落ち着かない心を静めるように言い聞かせる。
だが、次のライネの行動がワルキューレを現実に引き戻した。
全裸のままライネが番台の和人の正面に立つ。
手や腕で胸も下半身も一切隠さず。
(ちょっとライネ。 少しは隠しなさいよ)
ワルキューレの心の声が届くはずも無く、
「あのう、和人様。 今日はたまたま来たのでタオルもバスタオルも石鹸も…… 何もございませんので、一式お貸しいただけませんかぁ」
ちょっとした仕草でぶるん! と揺れる胸をむしろ和人に見せつけるようにしながら言う。
「それとぉ、シャンプーとコンディショナーもお願いいたしますわね」
番台に手をついて、和人を見上げながらサイフからお金を出す。
「い、いいよ。 悪いから……」
和人が遠慮するが、ライネはお金を下げる様子は無い。
仕方がないので、お釣りを渡したとき
チャリ〜ン。
小銭が落ちてしまった。
「んまぁ! よっと」
ライネが足元を抜けてやや後方に転がった100円玉を拾おうとして和人に背を向けた状態で、大きく前かがみになった。
番台の和人には真正面に白く丸いお尻の間に瑞々しいと言うより淫靡と形容するに相応しい、ライネの女性器がパックリと口を開いてるのが見える。
そのやや濃く色づいた粘膜までハッキリと見えた。
「あっ!」
それを注視して、思わず声を上げた。
やがて小銭を拾い終わると
「あらぁ、ごめんあそばせ」
お風呂道具一式を持ってロッカーに戻り、バスタオルだけをロッカーに入れるとカギをかけて浴室に入って行った。
「……」
「……」
和人とワルキューレの間に重苦しい空気が流れる。
「和人様……」
何時もの弾むような声では無く、重く低い声。
「わ、ワルキューレ。 い、今のは事故だから」
「今のは? と言う事は今までのは事故では無かったのですか?」
ワルキューレの目は座っている。
「ち、違うよ。 ボクはそんなつもりじゃ……」
どっか〜ん!!!
音こそしなかったものの、時乃湯の脱衣所の空気が振動したのを年配のお客さんですら感じられた。
「もぅ〜っ、もぅ〜! もうったらもう!!! 和人様…… 和人お話があります」
和人の手を掴むと家の方に引っ張る。
「姫様? 婿殿?」
真田さんが駆け寄ると。
「真田さん、番台をお願いしていいかしら?」
言葉は柔らかく笑顔だったが目は少し血走っており、声はワナワナと震えている。
「あ、あの…… 姫様?」
恐る恐る声をかけたが
「良いですね!」
ピシャリと言われると、
「は、はい〜!」
ひれ伏して拝命するだけだった。
「ちょっと待ってよ、ワルキューレぇ」
「いいから、いらしてください!」
引きずられるように連行される和人。
「ひぃぃ〜、何事かは存じませんが、にゃんまんだぶ〜、にゃんまんだぶ〜」
事情がさっぱり解らない真田さん。
今回は溺愛する主君よりもその恋人の為に手を合わせる真田さんだった。
部屋につくまでワルキューレは無言だった。
「ど、どうしたの? ワルキューレ」
和人が問い掛けても返事は帰ってこない。
部屋に入るとワルキューレが振り返った。
その顔は今にも泣き出しそうで
「和人様どうして? 私は和人様が大好きで、和人様しか見てなくて……」
「な、何を……?」
「わ、私は。 そ、その和人様が初めてで、これからも和人様にしか…… だから和人様も。 なんて私が勝手に思ってる事だけど……」
まくしたてるワルキューレに気後れしてしまう。
「でも、今日は酷すぎます!」
とうとうワルキューレの大きな目から一筋の涙が溢れた。
「ど、どう言う事? ボクが何かしたんなら謝るから。 ボクもワルキューレが大好きで、ワルキューレしか……」
彼女が何故怒ってるのか意味も解らない和人だったが、自分が彼女を傷つけたとと思い謝る。
でも
「ウソ……」
ワルキューレの怒りは収まらない。
「ほ、ホントだよ」
「じゃあ、今朝のリカ様は?」
「えっ? リカ? 何の事?」
和人はますます混乱してしまった。
「だって、和人様がお口をつけた所でリカ様が。 いくら兄妹だからって!」
冷静に考えるとこれは和人が悪い事ではないのだが、今のワルキューレにはそこまで判断は出来ないでいた。
「それと真田さんも……」
別の名前が出てさらに混乱する。
「真田さん?」
「そうです。 和人様と真田さんってあまり言葉を交わさないのに互いに理解しあったりして。 まるで、その…… あの、夫婦みたいだし」
これも別に和人が悪いワケではない。
「晩御飯の時だって……」
これもそう。 これは真田さんの注意力や洞察力が鋭いだけで和人に落ち度はない。
でもワルキューレには許せなかった。 半分は自分への怒りであるのだが。
「そ、それに学校でも秋菜様と、同じ傘に入られて……」
まあ、これに関しては軽率だったかもしれないが、
「秋菜は幼馴染だし、そんな事考えた事も無かったけど…… 気を悪くしたならゴメンネ」
ワルキューレを気遣って謝る。
「そ、それとライネの事です!」
また別の名前が出てきて、最早何が何だか……
「ライネ?」
「そうです。 昼間の…… ライネが水着に着替えた時…… 和人様ライネに、その…… ライネに優し過ぎです!」
これは何が悪いのかサッパリ解らない。
ライネはワルキューレの妹で、ライネは姉妹の中でもファムと並んでワルキューレを敬愛しているし、他の姉妹が敬遠しがちなライネをワルキューレは分け隔て無く可愛がってる。
「あ、あの…… ライネに優しくしちゃダメなの? ワルキューレの妹だしワルキューレも可愛がってるし……」
「ダメじゃないけど、ダメなんです! だって、ライネが和人様のこと慕ってるのはお解りでしょう? なのにぃ」
まあ、さすがにそれはいくら鈍い和人でも解る。 それに……
だが、それは言えないし、ワルキューレが怒るのも仕方が無いとも思えた。
「ボクはワルキューレが1番好きなんだよ。 でもリカも秋菜も真田さんもライネも大切な人には違いないんだ。 これからは気をつけるから……」
ワルキューレを抱きしめて謝るが、ワルキューレは振りほどき、さらに続ける。
「じゃあ、あのお客さんは?」
「お客さん?」
これこそ訳が解らない。
「あの、教会のシスターをなさってる方です。 あの方、いつもああのですか?」
言われてやっと思い出した。
「ああ、あの人。 う〜ん、確かにキレイな人だし、あの人ボクをからかうのが好きなのかな?」
「で、でも、ちょっとえっちな姿を見て悦んでおられませんでしたか?」
「えっと…… ちょっと目のやり場に困る事あるけど……」
和人の言葉にカチンとした。
「和人様が恥ずかしがるから、からかわれるのです!」
そんなムチャな。
とか言いたいが今言えば火に油だろう。
しかし、慣れないものはしょうがない。
これでもだいぶ慣れた方ではあるが、そんな事を言って通用する状況でもない。
「そ、それとライネも」
またライネの名前が挙がった。
「ライネの、その、む、胸をじかにご覧になられたし、そ、その…… アソコも……」
これは理不尽だ。
「で、でもお風呂だから……」
それはワルキューレも解ってはいる。 解ってはいるが言わずにいられなかった。
「違うんです! 解ってるんです。 でも、ダメなの! ダメなんです! 女性の女の胸が…… おっぱいをご覧になられたいのでしたら、私が、私が好きなだけ、何時でも何処でもお見せしますから、他の女の人のはダメなんです!」
ここに来て何となく解った気がした。
ワルキューレは自分がお客さんやライネの裸を性的な目で見てると思っていて、それを快く思ってない事が。
無論、いくら性欲が旺盛ではない和人も年頃の男。
特別な関わり合いのあえうライネはともかく、他の女性客に目が行くことが皆無とは言えない。
が、それはあくまで愛情や劣情とは別物。
「……」
和人は返事に困った。
「それと真田さんも……」
「真田さん?」
「はい、そうです。 真田さんの、ブラが外れちゃった時の事です」
「えっ?」
「真田さんのブラを見て嬉しそうなお顔されてたじゃないですか! わ、私も少ないけどブラなら持ってますから、和人様がお望みなら…… その…… ブラで物足りないなら、あ、あの…… ショーツでも……」
さすがにワルキューレにとって、この申し出は恥ずかしく、顔を真っ赤にして両手で顔を覆ってしまった。
「い、いや、あの…… あれは……」
言いかけたが遮って続ける。
「それに、その後真田さんの胸が…… ゆ、揺れてるのをご覧になられたじゃないですか! 私知ってるんです、和人様がご覧になられたのを」
「ご、ごめん…… つい……」
「つい? 和人様! 女の胸ならお客さんでもライネでも真田さんでも良いのですか? 私だけじゃダメなんですか? 私だけじゃ…… 私は和人様のお望みの事なら何でもします」
ワルキューレの訴えかけは和人にも響いた。
「ゴメン」
しかし、言葉少なく謝るだけしか出来なかった。 それ以外の言葉が思いつかなかった。
ワルキューレはコバルトブルーの帽子を取ると、服を脱ぎ始めた。
「今から、私の胸を見てください。 私の胸を弄んで、イジって、満足してください。 それで…… それで、お客さんの胸もライネの胸も真田さんの胸も忘れてください」
コスチュームを脱ぎ、ショーツだけになったワルキューレは向き直って言い、その後は和人に縋り付き、小さく嗚咽をしている。
「ゴメンね。 そんなつもりは無かったんだけど、ボクはワルキューレを傷つけてしまったんだね」
ゆっくりとベッドに近づき、ワルキューレの白い身体を横たえた。
「和人様ぁ……」
涙が溢れている目で見上げ
(和人様、キスして)
心の中で訴える。
和人も彼女の目を見ると、そっと口を合わせた。
(良かった、ちゃんと和人様、解ってくださって…… あっ!)
和人の手がワルキューレの胸に伸びる。
「この胸はボクだけのもの…… 誰にも渡さない」
ワルキューレの耳元で囁くとワルキューレの身体が一気に熱くなった。
(はい、そうです。 私の胸も…… 身体全部、和人様だけのものです)
和人の背中に腕を回して、ギュっと抱きしめた。
だが、胸を数回揉んだだけで、手は下半身に滑り降りる。
ファムとライネと一緒に出かけたデパートで買ったシルクのショーツ。
そのクロッチの部分、全身にフィットしてる衣装の為、性器の割れ目に沿って僅かに食い込んで溝になってる部分に和人の指があてがわれる。
下からなぞり上げ、ミゾの最上部の敏感な突起に差し掛かると、その指に少し力が強まった。
「ああっ……」
恥ずかしい声が出てしまい、ワルキューレの羞恥心がさらに煽られる。
汗ばむ陽気だった為、ワルキューレの身体からは彼女本来の体臭と汗の匂いが混じって、陽炎のようにユラユラと立ちこめた。
再び和人の指が下から擦り上げ、クリトリスの突起に触れると、少し強めにグリグリと指で刺激する。
「あっ、ああっ…… ダメ……」
身体を微かに震わせながら言う。 身体を捩ると、甘い体臭がさらに拡がる。
「ダメなの?」
和人がワルキューレの顔を覗き込んで尋ねる。
「イジワル……」
それだけ言うと和人の顔を引き寄せて唇を求めた。
(あっ! また?)
途中で数えられなくなる程、ショーツごしの刺激は続き、身体の中から何かがこみ上げてくるようで、理性が失われる。
それでも執拗に愛撫は続く。
!
和人の指がショーツのギャザーの中に入り込み、徐々に下げる。
胸を見て欲しい、触って欲しい。
そう言っただけに和人は胸を見たり触ったりするものと思い込んでいたが実際は下半身を攻めている。
思いもよらない行為に心構えが出来てなかったワルキューレの身体はいつも以上に過敏に反応してしまう。
「ワルキューレ、その、少しだけお尻を浮かせて……」
いつもなら和人が脱がせるのを手伝うように腰を浮かせるのだが、今日は心構えが出来ておらず身体が強張ってしまっていた。
言われて、その通りにすると、ショーツはお尻の丸みを超えて、それ以降はスムーズに脱がされた。
和人の手がワルキューレの性器を通過するとき、生暖かい感触がした。
脱がせたショーツを眺め裏返して性器が当る部分を見てみる。
うっすらとしたクイコミがついており、それにあわせて既に白っぽく粘り気のある汁がベットリと付着していた。
「いやぁっ。み、見ないで。 お願い……」
和人からショーツを取り上げようとするが
「だって、ワルキューレ。 下着を見せてくれるって言ったじゃないか」
少し意地悪く言うとその部分に鼻を近づけた。
「だ、ダメぇ」
ワルキューレの否定の言葉は和人をさらに昂ぶらせただけで、ショーツのクロッチを顔にピッタリと押し付けると匂いもろとも大きく息を吸い込んだ。
染み込んだ汗と乾いたおしっこの匂い、それと性器から分泌されたちょっと生臭いワルキューレの蜜の香り……
思わず口に出してしまう。
「ちょっと、酸っぱい匂い、それにおしっこ、それと……」
「ああっ、いやぁ、お願い、もう許して! 言わないでぇ」
ワルキューレは顔から火が出そうな位恥ずかしく、両手で顔を覆ってイヤイヤをした。
「いやらしい匂いがする。 ワルキューレの身体からこんないやらしい匂いが出ているなんて……」
改めて女体の神秘を感じて率直な感想を述べてるだけだが、ワルキューレを攻め立ててる役割しか果たしていない。
「やめてぇ…… お願いですから……」
指の間から涙が流れ出す。
「ワルキューレのえっちな匂い、好きだよ」
さんざん匂いを嗅いだ後、舌を出してペロリと舐める。
やはり汗とおしっこの味だろう、少ししょっぱい味がする。
和人が言葉を発しなくなったので、指の間から見上げると、和人が1番恥ずかしい部分を舐めているのが見えた。
「だ、ダメ。 それだけはダメです。 汚いから……」
これから、まず間違いなく直接性器の匂いを嗅がれ、舐められるのだろうが、その事よりも今目の前で行われている行為が恥ずかしかった。
ある意味、直接性器の匂いを嗅がれ、舐められるより恥ずかしいかもしれない。
一通り舐め終わるとワルキューレが危惧していた通り、和人がムッチリとした肉付きの良い太ももの間に顔を割り込ませて来た。
「あああ〜っ」
覚悟はしていたが、恥ずかしくて仕方が無い。
クンクンと鼻を鳴らして匂いを嗅いでいる、荒い息使いが聞こえ、和人の吐息がふんわりと控え目に生え揃ってる陰毛を撫でると、ワルキューレの頭の中が真っ白になった。
和人の唾液と自分の恥ずかしい分泌物が混ざり合い、それと唇や舌で舐め回す音が部屋に響く。
「ワルキューレ、今日は汗、いっぱいかいたんだね。 少ししょっぱい味がする。 とってもいやらしい味……」
「ダメぇ! 言わないで、もう、恥ずかしい事言わないでぇ。 お願ぁい」
和人の言葉で我に返ったワルキューレはさらなる攻め立てられた。
恥ずかしい……
あまりに恥ずかしさに、いっその事気を失ってしまいたかったが、その願いは叶う事は無かった。
和人の舌と指が薄いピンクの、実に彼女らしく控え目な佇まいの性器を蹂躙しつくすと、当初の目的をはたすべく身体ごと這い上がる。
輝くように白く、見事に盛り上がった胸の膨らみが和人の目の前に迫ってきた。
「あうっ!」
いつもは優しいタッチで始まる胸への愛撫も今日はギュっと握り潰すような強い力で始まった。
「はぁはぁはぁ……」
和人の息は既に荒くなっており、目つきもいつもの優しいものではなく、獲物を捕らえた獣のように鋭い。
「あんっ…… うん」
焦らすような回りくどい愛撫は無く、乳首を指で押さえつけ、浮き輪の空気を入れる部分を内部に押し込むようにグリグリとめり込ませる。
もう片方の乳首は既に和人の口の中にあり、まだ、固く突き立ってない乳首を舌で弾き、軽く歯を当て、時に口全体に1杯に膨らみを頬張って強く吸う。
「あ、ああん……」
いつもの優しい、全てを包み込むような愛撫も堪らないが、和人の性欲が昂まってる時の荒々しい愛撫も好きだった。
和人のモノになってる。 という気になれるから。
・・・・・・
「あっ、あっ…… あっああっ……」
時計を見る余裕は無かったから、どれ位胸への愛撫が続いたのか解らない。
既に胸だけの愛撫で軽い絶頂を迎えたから、少なくとも20分は和人に胸を蹂躙され続けたのだろう。
やっと和人が乳首から口を離した。
強烈な愛撫が続いたので、乳輪や乳首が少し痛い。
それでも嬉しかった。
あの和人が我を忘れて自分の胸に夢中になってくれたのが。
この痛さが、自分が和人の所有物であると言う事を実感出来るから。
和人が身体を起こすと、下半身をワルキューレの顔の方にずらす。
「!」
和人の陰茎はいきり立ち、血管が浮き出てビクンビクンと弾んでいる。
「挟むよ、ワルキューレの胸に」
ゴクリ……
思わず唾を飲み込む。
「はい、ど、どうぞ…… お好きなだけお使いください」
ワルキューレの返事を聞き終わる前に既に大きな膨らみが造り出す谷間に陰茎を埋め込み、両側から絞るように圧迫する。
両手で胸を捏ね上げ、腰を前後に動かすと乳房に和人の陰茎の熱さが伝わってきた。
だが、いつもはワルキューレが前もっておしゃぶりして陰茎を濡らしたり、ワルキューレの膣に差し込まれ、その粘り気のある愛液を纏わりつかせてから乳房で扱くのだが、今日は何もついていない。
摩擦で熱くなり、ヌメリがない分こすれて痛い。
多分、和人も痛いだろう。
それでも、和人は乳肉から陰茎を引き抜く事をせず扱き続けた。
「んくっ、はぁはぁ……」
和人の熱い吐息がかかり、ワルキューレが見上げると和人が蕩けそうな顔をして快感を受け止めている。
(わ、私の胸で…… おっぱいで和人様が……)
次の瞬間、快感を受け止めるために目を閉じていたが、カっと見開かれ
「ああ〜っ、ワルキューレ。 で、出るよ。 出すよ! ワルキューレっ!」
乳房に陰茎の微かな痙攣を感じ
「はい、いらしてください。 出してっ和人様!」
ワルキューレも和人の手の上から手を沿えて和人の陰茎を扱き上げた。
「あうっ!」
小さく呻き声が聞こえ、一瞬間を置いて胸の間と、勢いよく飛び出した精液がワルキューレの胸板、喉元に飛び散った。
(あっ…… 熱い……)
余韻に浸る間もなく、和人がさらにずり上がり、まだ尿道口から白濁した汁を放出してる途中の陰茎をワルキューレの顔に持ってきた。
「ワルキューレ、しゃぶって」
ワルキューレの頭を抱えて、口に陰茎を押し付ける。
「んっ……」
ワルキューレも小さな口をいっぱいに開けて、陰茎を含んだ。
舌で裏側を扱き上げると、尿道の中に残っていた精液がドロリと出てくる。
それを舌で絡め取ると唾液と混ぜて、徐々に飲み込む。
どこで覚えてきたのか解らなかったか、和人が教えてくれたように舌の表と裏、ほっぺの裏側で亀頭を刺激し、指で幹を扱くと最後の一滴まで絞り出たようだった。
その後も、膨れてピンとした張りを取り戻しつつある亀頭を、まるでアメ玉をしゃぶるように刺激すると、幹も硬さを取り戻した。
「ワルキューレ……」
和人が自分の名を呼ぶと、口を開けて陰茎を開放する。
引き抜かれた陰茎には唾が纏わりつきヌラヌラと光り、その粘っこい唾液が糸を引いた。
「ワルキューレ、うつ伏せになってお尻を突き上げて」
まだ興奮覚めやらぬ和人が要求する。
部屋の明かりは消されてないので、性器はもちろん、肛門までハッキリ見えてしまうだろう。
普段なら恥ずかしがって、明かりを消す事を要求するが、それでも結局はそのまま最も恥ずかしい部分を和人に晒す事になるのだが、今日は自分も興奮しているし、快楽を中断されたくなかった。
明かりを消す時間も惜しい。
言われた通りにし、お尻を高く突き出すと、その両側の肉を和人の両手が掴み、大きなパンを割るようにグイっと拡げた。
和人の目には水あめのようなシロップが溢れ、一部は太ももを伝い、一部は長い糸を引いてシーツに落ちてシミを作っている。
「!」
そのまま陰茎を挿入してくると思ったが、和人は再び性器を舐め始めた。
そして、その舌はさらに上へ……
「ああ〜っ!」
無防備な肛門を和人の舌が襲い掛かり、尖らせた舌が肛門内部への突入を試みているようだ。
キュっと締まっている肛門とそれをこじ開けようとする舌との攻防はワルキューレが息を吐いた瞬間に終わった。
息を吐き、肛門の締まりが緩んだ一瞬を和人の舌が逃さず進入した。
(ああん、ダメ。 和人様、そこはダメぇ)
恥ずかしくて堪らないが、押し寄せる快感が拒否の言葉を発するのをやめさせた。
性器以上に生々しい刺激臭と少し苦味のある味が無くなるまで和人は舐め続け、それが無くなるとようやく舌をやや濃く色づいた肛門から引き抜いた。
「あうっ!」
何の宣言も遠慮も無く、熱く硬い陰茎が濡れそぼる粘膜を押し拡げる。
膣内部の粘膜が陰茎の進入を拒むように抵抗し、ザラついた粘膜の刺激が和人の陰茎に襲い掛かる。
互いが激しく刺激し合う壮絶な快感を2人は貪るように受け入れた。
「うっうっうんっ!」
陰茎が出入りするたびにワルキューレが息と同時に声が出る。
(「気持ち良いよ」)(「ああっ最高だよ」)
いつもは目の前の美しい女性の膣内の感触に感嘆の声を挙げる和人だったが、今回はそんな余裕はないようだった。
一心不乱に腰を振り続け、ぶつけるように激しく突き入れる。
ぶしゅっぶちゅっ…… ぐじゅっ……
明かりが煌々と照らされてる部屋には2匹の雄と雌が本能の赴くまま行為に没頭し、その結合部から湿った音が響くだけだった。
「うっ、あっ、あうっ…… あうんんっ…… おあうっ」
愛を交わす声と言うより獣の唸り声のような声がこだまし、それはやがて咆哮に近いものに変わっていく。
「うっ…… くぅっ!」
和人が息を詰め呻き声を挙げると、ワルキューレの身体もうっすらピンクに染まり、やがて小刻みに痙攣を始める。
「あああおうんっ……」
大人しく控え目なワルキューレらしからぬ大きく激しい声を出すと、身体の痙攣はひときわ大きくなり、ガクガクと打ち震えた。
・・・・・・
少し落ち着いた2人。
和人の胸に顔を埋め、和人は優しく抱き抱えてレモンイエローの髪を優しく撫でている。
「和人様、気持ち良かった…… です」
顔を胸から離して見上げながら言う。
和人はニッコリと微笑んでワルキューレの顔を上向かせると軽くキスをした。
口が離れると
「和人様は? 気持ち良かったですか? 私の身体…… 私の胸、私の口、私のアソコで和人様は満足されましたか?」
最初の「気持ち良かった…… です」の時に和人の返事が欲しかったようだったが、それが無かったので催促した形になる。
和人はさらに強くワルキューレを抱きしめると
「うん、気持ち良かった…… 最高に気持ち良かったよ」
耳元で囁いた。
「良かった……」
和人がそう言う事は解りきってはいたが、あえて口にしてもらって、安心を覚えたのだった。
お風呂の時、鏡に映る自分の身体を見るたびに、大きすぎる胸、最近になって張り出したお尻。
艶かしいカーブを描くボディラインを見るたびに
「何か…… いやらしい身体……」
自分の身体ながら見てて恥ずかしかったが、和人がその身体で満足してくれる事が嬉しかったし、いやらしい身体でも和人が満足してくれるならそれで良かった。
「か、和人様」
ワルキューレが何か決意したように口を開いた。
「どうしたの?」
和人も表情を固くして聞く。
「あ、あの…… 私は和人様が大好きです。 愛してます、宇宙で1番」
「ボクもだよ……」
「だったら、あのごめんなさい。 御気を悪くなさらないで欲しいんです。 お願いします」
彼女の真剣な眼差しが訴えかける。
「うん、何?」
和人も覚悟を決めて尋ねた。
「あの、お盆の夜……」
「お盆?」
「あの夜…… ゴーストとは何も無かったのですか?」
ワルキューレの言葉に少し驚いたが、同時に凄く安心したように、ホッとしたようだった。
「ああっ。 やっと聞いてくれたね」
「えっ!」
和人の言葉にワルキューレは驚いた。
「あ、あの、どういう……」
尋ねると、柔らかな笑顔で語り出した。
「あの夜は本当に何も無かったんだよ。 信じてくれないけもしれないけど」
ワルキューレは小さく2回、首を振った。
「で、でも隣で和人様の、その…… ちょっとえっちな声が……」
言われると、少しバツが悪そうに
「実はね、ちょっとだけ、ゴーストがボクの体を触ったり、舐めたりして…… その時ちょっと…… 出ちゃったんだ」
「……」
「でも、ワルキューレが起きてたって事を聞いて、納得したよ。 どうしてゴーストがあんな事をしたのか、その後、「今夜の事はあの娘(こ)が聞いてくるまで何も言っちゃダメ」って言ったのかが」
2人だけの時間流れてたが、その安らぎの時間はカーテンが風に揺らめいた時に打ち消された。
「あっ!」
カーテンが揺れている。
窓は閉まってるはずなのに。
「お邪魔するわね」
音も無く静かにゴーストが窓から入って来た。
「ゴースト!」
まだ、腰の辺りに力が入らないワルキューレが、フラつきながらベッドから飛び出すと、全裸のままゴーストの前に立ちはだかる。
両手を広げ、和人を守るように……
だが
「大丈夫よ、今日はお話に来ただけだから」
そう言うとゴーストは和人の机の椅子に腰掛けた。
それを見てワルキューレはベッドに戻り、和人にしがみつくように体を寄せた。
「どうやら、聞き出したみたいね?」
切れ長の目で2人を見つめて言うと
「貴方、ご存知だったのでしょう? 覗いていたの?」
ワルキューレが食ってかかる。
「まあまあ、そんに怖い顔しないの。 和人が見てるわよ」
さらりと受け流すが、ワルキューレの表情は厳しいまま。
「どうして、あんな事をしたの? 私達…… ううん、私を試したの?」
「まあ、そうね。 貴方が「和人を信じてる」と言ってたからその想いがどこまで本当かって。 ごめんなさいね、意地悪して」
素直に謝るゴーストが意外だった。
「私言ったわよね? 「相手を最後まで信じるのも愛だし、互いが納得するまで話し合うのもまた愛」って。 貴方達がどちらを選ぶか見たかっただけ」
「……」
「そして貴方は選択した……」
「どちらが、どちらが貴方にとって正解だったのですか?」
ワルキューレが聞くが
「そんなものは無いわ。 最初から正解あんんてないのよ。 貴方と和人、2人が選んだ道が正解なのよ」
「何故そんな事を?」
「だって、特に貴方。 「和人を愛してる」とか「信じてる」とかいう割にはそうでない事も多いでしょう?」
「!」
「それに迷って、恋愛に自信が無くて…… だから気持ちがすれ違ったり。 今日なんかどうだった? 貴方は和人を信じてた?」
それを言われると何も言い返せない。
「だから貴方達の選んだ道、「話し合う」が必要なのよ。 貴方は和人の全てを知りたい。 それは貴方が和人に全てを晒しているから。 違う?」
小さく頷いた。
「これが出来れば、貴方達はもう大丈夫。 どんな障害も超えられるわ」
「……」
「かと言って詮索し過ぎると和人がイヤがるかも知れないから、程々にしておかないとダメな部分もあるけど、それは和人より貴方が学ばないとね」
「ううっ……」
イヤなご先祖様だなぁ。
でもやられっ放しじゃ気が治まらない。
「も、もう、大丈夫です。 私はそれでも和人様を信じてますから、和人様がおっしゃらない事は聞かなくても平気です!」
「あら、言うわね。 じゃあちょっとテストしてみましょうか?」
言った手前、ワルキューレも引く事は出来ない。
「ええ!」
返事が返ってくると
「じゃあ和人、ちょっと来て」
和人を呼んだ。
和人が来ると、手で口元を隠して耳元で囁いた。
(「貴方、あの娘の妹とはどうなの? あの小さい亜麻色の髪の娘のこと」)
(「!」)
和人が驚愕の表情でゴーストを見た
だが、ゴーストは関係ないのに横目でワルキューレを見て、ワザとらしく指差して続ける
(この事だけは何があっても、あの娘に聞かれても絶対に喋っちゃダメよ。 いいわね」)
操られたように和人が頷くと
(「んふふ、いい子ね。 それにしても大人しそうな顔して、貴方も……」)
ああっ気になる。
でも今しがた啖呵を切った以上、根を上げる事は出来なかった。
(「いいこと、火遊びも程々にしないと火傷するわよ。 まあ、私としてはあの小さい娘も子孫だからどちらが「幻の恋人」の子を宿しても関係ないけど…… 貴方達はそうはいかないでしょ」)
(「安心していいわ、私も絶対に言わないから、あの娘(ワルキューレ)は私達4人の思念を1番色濃く受け継いだ子孫なんだから不幸にしたくないから」)
固まったように和人が頷いた。
それを確認すると、ゴーストが和人の耳元を隠していた手をどてて、ワルキューレを見る。
「どう? 気になるでしょ?」
「き、気になんかならないです!」
強がってる様子が手に取るように解る。
クスクスと笑うと、今度は和人を試すように
「じゃあ和人、貴方から今話してた事を教えてあげれば?」
一瞬和人の顔から血の気が失せるが
「う、うん。 あのね、「ワルキューレは私の可愛い子孫だから、不幸にしたらゴーストは許さない」って」
苦しかったがウソは言っていない。
ゴーストは
(それで良いわよ)
と言う感じにウンウンと頷く。
「あのね、知ってしまえば「なんだ、そんな事か」と呆れる事もあるわ。 だから、全部が全部相手に聞き出す事は相手を縛り付けることになる」
「それが2人にとって良くない方向に向かう事だってあるから、注意しなさいね」
「これで貴方達も大丈夫ね、それじゃ、私は帰るわ」
「あ、あの……」
この前は言い過ぎたと謝ろうとしたワルキューレだったが
「私もそろそろ帰らないといけないから、言いたい事があったら来年にしてちょうだい。 それじゃあね、白い皇女と幻の恋人…… 私達の子孫と、私達の幻の想い人……」
ゴーストがフワリと風に乗るように満月に向かって飛び去った。
次の日以降、ワルキューレは必要以上にベッタリとくっつく事は無くなった。
またライネが遊びに来て
「ねえ和人様、今日も暑いですし、プ〜ルに行きませんこと?」
コンビニで買ってきたアイスを食べながら和人に甘えかかる。
「ライネ様」
ワルキューレが怒ることを心配して真田さんが声をかけるが
「んふふ、ライネ。 だからあまり和人様を困らせてはダメよ。 でも…… 和人様、折角ライネも水着を持ってきているようですから、参りませんか?」
昨日までと違って余裕しゃくしゃくの態度に驚くと同時に少し拍子抜けした一同であった。
(だって…… 私は和人様を信じてるもん……)
「オルタナティブ 〜満月の愛〜」・・・・・・おしまい。
これでお終いです。
ですけど、最初にも書きましたが、このお話はあくまで独立したお話ですので、ここでの状況や相関関係、事実関係は以後のお話には継承しませんから、悪しからず。
それにしても480kb。
ホントは485〜490kb位になるつもりでお話させていただきましたが、少し見込みと違ったみたいです。
さて、書き忘れましたが、途中ながら感想頂いた皆様ありがとうございました。
過分なお言葉いただき恐縮いたします。
との言葉を賜ってます。
さて、まだまだ暑い日が続きそうですので、皆様もお体には充分お気をつけてお過ごしくださいませ。
それでは、おやすみなさい。
>>458 お疲れ様〜GJです。
う〜ん
ワルキューレの空回り具合が凄まじくて……読んでてホント面白かったです。
最初、ヤンデレ展開かな?とか思ってたんで、一体どこでワルキューレが耐えられずに暴走して、和人を監禁しちゃうのかと、ハラハラしましたよ…w
「私の和人なんだから私だけを見るのが当然」とか言って…
憎いねぇ…ゴースト…あんな試練だったとは……憎いねぇ…(ナニ
あと…
(こういう個人的な意見書くと荒れるのかな?気に障ったらすみません。スルッとスルーする推奨)
あんましライネがワルキューレのこと慕ってないような…悪女過ぎるような…
>>458 GJ!
ニクイねぇ
見せ方読ませ方が上手い、もうかたっぽにも期待してます
でもアドリブつか即興で書いてるんだよね?
これで何時間くらいかかったんだろ
>>459 確かにどちらにももっていける展開だったな
でも監禁はないんじゃないか? たしか前にあった気がする
ライネはアニメでも和人に乗り換えてるし、それ以降はワルQにべたべたしてないしこんなもんじゃないかと思うけどな
>>458 乙
やっぱり和人とゴーストの間には何もなかったんですね。
それにしても、いつもながら素晴らしい作品ですた・・・。
もう一つのストーリー(BADエンド)にも
期待。
そういえば今回はエッチシーンで和人に後ろから
入れられるシチュ(バック?)はめずらしかったですね。
大抵、この2人がヤル時はいつも正上位でしたからw
462 :
前・389:2007/08/31(金) 23:55:53 ID:kI6O0m5Y
乙
それにしても、ワルキューレの和人に対する独占欲が凄まじい
バッドエンドの方も期待してます
え〜。
感想いただきありがとうございました。
以後はこの話にあたっての語りですので、ウザイと感じられる方はスル〜してください。
この話は投下直前までハッピ〜にしようかアンハッピ〜にしようか迷いました。
ですので、出だしはどちらともとれる内容にしたつもりです。
独占欲や嫉妬がヤンデレへの引き金になりますから、そこを特化したワルキューレにしたのですけど。
ライネが悪女に見えたのは嫉妬とか独占欲といったフィルターがかかってるのと、どっか〜ん! の引き金を引くのはライネにしてもらおうと思ったからです。
それにライネは学園惑星の時ほどは敬愛してないようにアニメ版を見る限り感じられ、「姉妹の中では1番好き」くらいに思ってるのではないかと考え、このようなキャラにしました。
ワルキューレのヤンデレについて、監禁は
>>460さんがおっしゃるように去年のエイプリルフールの話でやりました。
な〜んちゃって!オチでした。 ですので、今回は別の形にしたいと思ってます。
どうでもいい事ですが
>>460さん、今回ラストは45KB程ですので大体7時間弱です。
ワルキューレのえっちはバックもそこそこあるんですけど、復帰してからは少なかったかもしれないですね。
バックはライネと真田さんでよくしますし、何より姫様は清純派ですので、丸見えは恥ずかしいのです。
それでもワルキューレか和人が盛り上がった時にはしてますが、恥ずかしいので、基本的には敬遠してると考えてます。
でも、何かの拍子に…… があるかもしれませんね。
ところで、残りが微妙な長さですけどどうしましょうか?
もう片方は絶対にこの容量では入りきらないので、何か小ネタでも挟みますか?
どなたか行かれません?
それと今月はワルキューレの誕生日がありますけど、和人同様>>前389さんお願いしてもよろしいでしょうか?
ともあれ、最後まで読んでくれてありがとうございました。
なるほどね
職人さんもニクイねぇ
じゃあ、職人さんが気持ちよく新作を投下できる
ように誰か新スレ立てるか?
職人さん達の動向を見てからでもいいんじゃね?
次スレ告知とこのスレのまとめいれてもまだ490にもならないだろうし
あまり人いないところだから早く立てすぎたら落ちるかもしれないし
保守
ほしゅ
次スレ建てるんだったら「介錯作品総合二次創作短編小説」にしたら?
円盤皇女ワルキューレは漫画も終わっちゃったんだし。
今やってる介錯作品は「ハザマのうた」だけだっけ?
ワタクシめは個人的には絶対に反対です。
作品もスレタイも「円盤皇女ワるきゅーレ」だから書いてるので。
板の状況を見るに介錯作品でスレがあるのってココだけじゃないですかね?
総合にしたところでワタクシめと前・389氏がワるきゅーレしか書かなければ一緒だし。
潜在的に他の作品を書きたい職人さんや職人さん候補がいれば問題無いのですけど。
それで、総合にして他の作品を書きたい職人さんが集まってスレが賑わうのなら、それはそれで良いかもしれませんが、総合スレでもワるきゅーレばかりになってしまえば後から来た職人さんも書きづらいかもしれない。
さらに読み手の方々が介錯作品を全て網羅してるとは限らない。
たるとは見て(読んで)てもくるみは見てないかもしれないし、ワるきゅーレは見てても京四郎は見てないかも知れない。
二次創作はキャラやアニメ・原作の補完がキモですから、思い入れや愛着が無いと楽しめないでしょう。
職人が頑張ってもの凄くいい作品、俗に言う神作品なら知識や情報が無い読み手さんも楽しめるかもしれませんが、いくら職人を名乗っていても所詮は素人。
コンスタントにそんなズバ抜けていい作品が書ける保証は無く、むしろそうで無い場合の方が多いでしょう。
そんな時、元の作品を知らない方や興味無い方の反応次第によってはスレが荒れる可能性もあるでしょうし。
またワタクシめも含めた職人諸氏や読み手の方々、住人の間で作品ごとの派閥とかが出来たらまず荒れます。
以上の理由で反対ですね。
まあ、ワタクシめが他の作品の話を書くつもりは無いから。 という理由もありますけど。
でも他の方々の意見も聞いてその総意が総合スレというなら異存はありませんが……
前・359(真☆359)でした。
>>470 そうですか…
このままでは過疎っていく一方ではないかと思ったのですが、荒れる可能性があるならできる限り避けたいもの
このスレの数少ない書き手さんがそう思う以上、やっぱし今のまんまが良いみたいですね…
自分もここが荒れるのは嫌です…
>>471 え…あ、ごめんなさい(p_q
473 :
471:2007/09/10(月) 00:54:08 ID:hoqb0IVa
そだな
氏ねとか市ねとか死ねはよくないよ
職人さーん小ネタとかなんかないですかー
雑談も無いな
皆様、おはようございます。
なかなか埋まらないので、今日は私と和人様のちょっとしたひと時のお話をさせて
いただきます。
でも、えっちな話じゃありませんから悪しからずご容赦くださいませ。
それでは
「そこにある「日常」」
スタートします。
47th 「そこにある「日常」」
真夏の暑さも一段落し、日差しも柔らかくなってきている。
そんなある日曜日のお話……
「和人さ……」
居間にいるはずの和人に声を掛けたが、和人は転寝をしてるようだったので、控えた。
窓を閉め切っていると少し暑い感じもし、和人は額にうっすら汗を滲ませている。
ワルキューレは設定温度を高めにしてエアコンをつけた。
「和人様……」
新学期も始まり、慌しい日常を過ごしている和人。
そんな休日だけに、ついうとうととしてしまったのだった。
穏やかな寝息を立てている和人の傍らに座ると、そっと和人の頭を持ち、膝を崩して正座した太ももに乗せる。
そっと髪に手を当てて、ゆっくりと、実にゆっくりと撫でる。
「んふふ……」
思わず笑みがこぼれる。
「姫様ぁ〜、晩御飯の……」
真田さんが居間に顔を出して主君を呼ぶか、ワルキューレは首だけ振り向いて、人差し指を口元に当てて
(「真田さん。 しぃ〜……」)
目で合図を送った。
(「あっはいはい!」)
真田さんも理解したように頭を下げると居間を辞した。
しばらくしてタオルケットを持ってきてワルキューレに手渡す。
(「ありがとう、真田さん」)
囁くとタオルケットを和人にかけた。
それを見届けると、真田さんは再び居間から出て行った。
……
どれほどの時間が過ぎたのだろうか?
ゆったりとした時間が流れた。
和人は規則正しい寝息を立てていて、会話を交わすことは無かったが、ワルキューレはこのゆったりとした時間が嬉しかったし、幸せだった。
何故なら……
「んっ……?」
ワルキューレの太ももに乗っていた頭がもぞもぞと動き、意識が戻る。
「お目覚めですか、和人様?」
上からかけられた声と、自分の頭の下にある柔らかく、それでいて程よく引き締まった太ももの感触。
体の向きを変えてワルキューレの方に向くと、真っ白の彼女のコスチュームと金色に輝く長い髪が目に入った。
コスチュームごしに伝わるワルキューレの体温とほんのりとした甘い香り。
「あれ? ボク…… 寝てたんだ。 ゴメンね、重くなかった?」
確かに寝たときは1人だったはずだが、現実にワルキューレの膝枕になっていたので、謝って、急いで体を起こそうとした。
しかし、ワルキューレが頭にそっと手をかけて
「いいえ。 しばらくこのままで…… ね?」
ワルキューレが言うと和人もそのままの姿勢で彼女に身を委ねた。
「お疲れになられたのですか?」
頭を撫でながらワルキューレが言うと
「えっ、そんな事は無いと思ってたけど…… でもやっぱり少しね。 この前学校でね……」
和人が先週の出来事を語り出した。
彼にしては珍しく自分から積極的に。
「そうなの……」
和人の髪を撫でながら聞き役に徹し、時折相槌を打つ。
「それでさぁ、課題は出るし体育では鉄棒で懸垂とかさせられて、そこから持久走とかするんだよ」
和人にしてはさらに珍しく愚痴をこぼす。
それでもワルキューレはうんうんと頷いて、温かい笑顔で和人を見つめている。
1通り語った和人がハッとして
「ゴメン、あまり面白い話じゃなかったかも知れないね。 学校の話なんて」
和人が言うがワルキューレは首を振り
「いいえ。 もっと聞かせてください。 私、今とっても幸せなんです」
「……?」
「和人様、前にやった花嫁修業ゲームを覚えてますか?」
だいぶ前の話だが、確かにした覚えがある。
「あの時、和人様のパートナーは小さい私でしたけど、最後に引いたカードでは私がパートナーになりました」
和人も思い出したのか
「うん、最後は「日常」のカードだったね」
懐かしそうに言う。
「はい。 あれはゲームでしたけど、今私達は現実のありきたりの時間、「日常」を過ごしてます」
「……」
「私が本来の私に戻ってだいぶ経ちますけど、私はもっともっと和人様と過ごす「日常」の記憶が欲しいです。 小さい私の記憶も残ってはいますけど、今の私が私本来の姿で過ごす和人様の時間がもっと欲しい…… だから今それが出来てるから…… 私、とっても幸せなんです」
潤んだ目で和人を見る。
それを聞いた和人も相槌ではなく本心から
「うん、ボクも…… ワルキューレとの時間がもっとあればいいかな」
と答えた。
和人の返事を待って、
「お料理もお掃除も洗濯もまだまだダメですけど……」
「ううん、ワルキューレは頑張ってるよ。 ありがとう。 そして、これからもずっとボクとの時間を一緒に過ごしてくれるかな?」
(はい)
ワルキューレは黙って頷くと手を和人の顔にかけ、そっと顔を近づけた。
2人の距離が近づき、やがて……
夕方になり、やや茜色に近い日差しが2人を包み、2つのシルエットがゆっくりと重なった。
「そこにある「日常」」・・・・・・おしまい。
う〜ん、これでも少し短かったでしょうか?
でもでも、これにこのスレのまとめと次スレの告知&誘導で、容量行きますよね? ね?
次スレで「お盆スペシャル」のもう片方をお話させていただきますが、今度の週末は確約出来かねますし、再来週は私の誕生日のお話があるかもしれません。
ですのであくまで「近日中」と言う事にされてください。
それと前・389様、私の誕生日のお話は如何なされますか?
和人様のお誕生日も行かれましたので、お時間がゆるされましたら是非ともお願いいたしたいのですが。
それでは皆様、第7期スレでもよろしくお願いいたします。
では、学校、お仕事にがんばってくださいませ。
>>479 GJ!
こういうのいいね
穴埋めにするにはもったいない気がする
職人さん方、次スレも期待してます
481 :
前・389:2007/09/12(水) 19:38:57 ID:XEvhN163
>>479 ワルキューレの誕生日OKですよ。
和人の誕生日同様少し短いですが・・・
あと小ネタ乙です
>>479 過疎スレ(?)でこういう事言うのは憚られるけど…
正直あんまし面白くないなぁ〜っと思いました。
前々から日常の描写が巧みだな〜っと思いながら読ませてもらってるんで内容そのものについては悪くはないと思いますが、折角の小ネタなんだから、なんかこう…パンチの効いた奴を見てみたいです。
和人が膝枕してもらってる際に寝言で「ライネ」とつぶや…やっぱしいいです。間違えましたすみません。いや、だからその先ほどのは(ry
次スレかぁ…
a
>>482 喧嘩するつもりじゃないけど言わせてくれ
このSSオレはすごくいいと思う
アニメでもSSでも平凡な日常の中でなにかイベントがあった時のことが作品になってるのが基本だろ
平凡な時間の流れが平坦な線だとしたら、地震計の振れみたいになってるところがアニメやSSになる
日常なんて何もない日の方が多いのだから和人とワルQの時間の積み重ねを描くにはドハデな描写がなくてもいいと思うけど
それに、オレは前・359氏がどうも信用出来ない(あくまで褒め言葉として)
どうでもいいネタでもSSに繋げるし、小ネタでも手を抜くとは思えないし、次のバッドエンドの布石とか伏線じゃないかとか思えるんだよな
絶対なにかあるようにしか見えないんだよ
次がバッドエンドだから嵐の前の静けさみたいな役割を持たせてるとか
そうでないとしても起承転結もヤマ・オチも無い起伏に乏しい文章だけど、それだけに奥は深いと思ってしまうよ
a
486 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 15:02:57 ID:sgLBfS8O
>>1が以前の保管庫と言っていますが、現在は別に?
>>484 なるほどそうかもしれませんね。
二次創作の基本である原作の補完、発展であり且つ、次回作へ向けての伏線であると…
まぁ、三百五十九さんがこのネタを以後どう扱うかで良くも悪くも変わってくるんだろうけど…
漫画の九巻(だっけ?)にある「日常」の話を題材にしたんだと思うけど、何というか…捻らなすぎな感を否めない
っと自分は感じる。
え〜と、とにかく自分が思ったのは
小ネタなんだから、四コマ漫画みたく簡潔で味のあるものを期待したいなぁ〜ってこと。
うん、主観だ主観。
次スレどうなんだろ?
>>487 なんだお前、喧嘩売ってるの?
実在しない職人を引き合いにだすなよ
ここに定期的にSSを落としてくれてるのは前・359、前389の両氏でヘンテコな漢数字の職人はいないのだよ
前・359氏のネタの続きをどこの誰かもわからない職人に勝手に書かせる権限がお前にはあるのか?
そうじゃないよな?コケにしたんだよな?うっかりやっちゃった。なんてヘタなごまかしは聞かないぜ
金も出さずタダで読んでる身分で職人をコケにするお前は何様だ?
職人と住人は同じ立場であってどちらが上ということはないだろうが名前をワザと間違って書くのはあまりにも無礼だろう
喧嘩するなら受けるぜ
でもここじゃ迷惑になるからどっかよそでやろうぜ
>>470 エロパロ板を見渡せば、作者総合やメーカー総合で複数の作品を一つのスレで扱っている例は幾らでもある。
というより、2chも含めて作者総合のスレってのはごく当たり前の在り方であって、同作者の異なる作品を同じ場所で語れば荒れるなんて短絡思考は珍しいな。
つうか、ぶっちゃけた話が、自分が独占してる住人のマンセーを奪われたくない、
せっかく神扱いされてるのに、今さら大勢の中の一人に落ちぶれたくない、
それが本音だろ。
スルーで
>>486 保管庫は今も
>>1のやつ。
多分「以前投下された作品の保管庫」って意味だと思う
ワロタワロタ!
謎がとけたよ。職人がいて定期的にSS落としてて住人もいて、ワルQの誕生日SSとバッドエンドSSがほぼ確定してるのに、必死になって過疎ってるとして統合しようとするのか
書く場所がない職人だったのね
スレ立ててSS落としても読んでくれなければ寂しい、そこでここの職人と住人もろとも統合スレに引っ張って自分のSSを読ませるのが目的だったと
スレ乗っ取りが目的だったとはかんがえたね。頭いいよほんとに
ぶっちゃけちゃったからもう住人としても職人としてもだめだから新スレはワルQスレで問題ないよね?
立てようか?
同作者の別作品まで扱うようになったらワルQに興味無い住人も入ってくる、
そいつらはワルQのSSを投下しても自分をマンセーしてくれない、
確かに大問題だな、
これを派閥闘争というかどうかは知らんがなw
しかし、書き手はたった二人、しかも原作は終了してジリ貧なのに住人が増えたら困るって言い草も凄いよなあ。
で、立てようか?で30分も堪え切れずに立てましたってか、
自作自演もゴクローサン
495 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:27:37 ID:UTS4oUO4
と池沼が申しております
496 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:28:29 ID:UTS4oUO4
うめ
497 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:30:33 ID:UTS4oUO4
うめ
498 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:31:41 ID:UTS4oUO4
499 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:32:46 ID:UTS4oUO4
生め
500 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:33:23 ID:UTS4oUO4
容量500到達マダー?
あ
501 :
名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 01:34:48 ID:UTS4oUO4
500
500
502 :
名無しさん@ピンキー:
500
500