☆☆☆ 本当はHな桃太郎 ☆☆☆

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25異説・桃太郎
 昔々、ある所に桃太郎という青年がいました。
 桃太郎の父と母は元々お爺さんとお婆さんだったのですが、お婆さんが川で拾ってきた桃を口にした所、ふた
りは若返り、久方ぶりに熱い夜を過ごし、桃太郎を身ごもったのでした。桃太郎はそんな数奇な出生によるも
のからお爺さんとお婆さんにそれはそれは大切に育てられたのでした。
 しかし、年寄りっ子は三文安い、という言葉もあるように、甘やかされ放題で育った桃太郎はすっかり自堕落
で面倒くさがりな性格になり、立派なニートに成長してしまいました。そのくせ、性欲だけは人一倍強く、しか
も人間として少々問題があるほどの鬼畜に育ったのでした。そんなダメ人間に女の子は寄ってくるはずがありま
せんでしたが、たまたま隣に住んでいた幼馴染三姉妹だけは桃太郎に優しくしてくれたのでした。
 三姉妹は上から雉江、猿美、犬子といい、猿美がちょうど桃太郎と同い年になります。突然若返ってしまった
老夫婦やそこから生まれてきた桃太郎に対し世間の風は冷たかったのですが、隣家の一家だけはとても良くして
くれました。ですから、桃太郎は幼い頃から三姉妹と実の兄弟のように育ったのでした。
 犬子は桃太郎よりも少し年下でしたが、くるくると良く動く瞳を持った天真爛漫な美少女でした。多少落ち着
きがない所もありましたが、桃太郎を兄と慕って良く言いつけを守る素直な子です。逆に猿美は同い年のせいか
桃太郎に対して非常にきつく当たりますが、それも明日なき桃太郎を心配しての態度であり、本当は誰よりも桃
太郎のことを思っているのでした。年上になる雉江は桃太郎の姉的存在で、どんな時も落ち着きを失わず、いつ
も優しく桃太郎を叱り、ともすれば簡単に道を踏み外す彼を正道へと連れ戻してくれるのでした。
 そして、彼女たちはいずれも目を見張るほどの美少女であり、村でも評判の三姉妹でした。この時代には結婚
の適齢期が今よりもずっと若かったものですから彼女たちにも多くの縁談が寄せられましたが、どんなに有力な
名士が見初めても、彼女たちはすべて断ってしまうのでした。幼い頃には桃太郎も彼女たちの魅力にとんと興味
がなく、一緒に野山を駆けたり川で泳いだり、時々畑から野菜をこっそり盗んだりするのを楽しんでいたもので
すが、男としての自我が目覚め始めたこの頃では、彼女たちのふとした仕草にドキリとしたりするのでした。