☆☆☆ 本当はHな桃太郎 ☆☆☆

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1名無しさん@ピンキー
桃太郎(18禁版)を語るスレです!
とりあえず犬と猿と雉、それと鬼たちが全員女の子で
エロパロを作りませう!

レッツ・オニタ・イジ!
2名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:23:51 ID:Yb8q+vcM
逸話や童話世界でエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162899865/

こっちでどうぞ
3名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:24:11 ID:mzH1OXQ7
実際の桃太郎は、でかい桃食って若返ったじじばばがセクロスしてできたんだっけ
4名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:29:45 ID:mzH1OXQ7
犬……従順系でDカップ。なでなですると喜ぶ。
鬼畜プレイとかM役を買って出る。
猿……ロリでつるぺた。桃太郎を「お兄ちゃん」呼ばわり。
雉……おねいさん。ぼんきゅっぼん。ドSで言葉責めのスペシャリスト。
5名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:35:00 ID:mzH1OXQ7
じじ……桃食って若返った。痛いタイプのDQN
ばば……桃食って若返った。バカ系ビッチ。
桃太郎……おにんにんがでかくて雑食。典型的なヒモ。
ダメ人間だが旅を通じて更正していく。
6名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:36:03 ID:mzH1OXQ7
誰か書いてくれ
7名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:43:41 ID:eWFYKQ33
>>4-6
GJ!!
もっともっと盛り上げていこうや!!
8名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:58:06 ID:mzH1OXQ7
きびだんご……動物を人化させることができる。
桃太郎はプロのヒモなのでそこから犬猿雉を仲間にしていく。

赤鬼……レイプでしか欲情しない屑。鬼ヶ島を乗っ取り、
現地の人を困らせている。
青鬼……ホモでペドで死体愛好家。死体を犯したり解体したり、
断末魔の叫びを聞いたりしないと射精できない。
赤鬼ですらドン引きしている。
9名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:58:43 ID:byKpYZUG
鬼の娘→桃太郎の肉奴隷とか?

桃太郎が女で百合ってのは有り?
10名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:59:04 ID:mzH1OXQ7
俺は書かないぞ
11名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 01:21:28 ID:rqdNGrPo
>>9
ありじゃね?
凄い勢いで書き上げてくれ。
12名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 00:24:53 ID:HgNF/1OK
>>9
鬼娘いいね
きびだんごは媚薬や精力増強丸など色々使い道がありそう
桃太郎の外見は白皙の色男でもいいが、ムキムキマッチョの益荒男というのも捨てがたい

しし肉をたらした布袋腹の醜男というのもあるが・・・
13名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 01:13:38 ID:WLhARB/a
ツンデレ美少女の桃太郎とか、お姉さまな桃太郎とか…

「べっ、別にアンタの為に作った吉備団子じゃないんだからっ!」

「私の吉備団子(ロザリオ)…受け取ってくれるかしら?」

うん、馬鹿だ俺。
14名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 22:27:46 ID:Q995y+M0
とりあえず犬の設定がたまらんな
15名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 23:54:44 ID:9gOrEU9x
犬はDカプでおk?
16名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 00:09:13 ID:V+UoeVYf
>>15
犬猿雉っているから、きょぬーひんぬー中くらいのどれかに配分するのがいい。
Dカップはいいよ
17名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 22:35:25 ID:LzvQlTJA

桃太郎
ちょっと気が弱いがヤる時はヤる優男系。
ずいぶんと立派な刀を持っている。


桃太郎さん一筋でいつも一生懸命な女の子。
桃太郎を誰よりも信頼し、忠誠を誓っており、彼のためなら何でもする覚悟。
命令されると嫌がるより先に身体が反応してしまう。


わんぱくでいつも明るく元気な女の子。
優しい桃太郎を慕っており少し過激なスキンシップをする。
ヤラシイことに対しても他の二人より興味津々である。


高飛車でプライドが高く少し我が儘な女の子。
桃太郎に対して冷たいが誰かと一緒にいるとヤキモチを焼くことがしばしば。
普段は気が強いくせに強く出られると反撃に出れずされるがままが多い。



こんな桃太郎組でも良いんじゃないかと
18名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 11:56:23 ID:JjBHbWkx
実によいかと。
ならいっそ……ヤるときにはヤられてしまう総受けご主人様の桃太郎とか希望してみます。
なんとか主として自信をつけてもらおうとお供の三匹がひたすら過激なご奉仕をしまくる押しかけハーレムとか。
鬼の女王様は主人公そっちのけでお供が奴隷化しちゃったり…



あれ? ネタはわりと思いつくなあ。
書き上がるまでこのスレが残っている保証があったらSSにチャレンジしてみるんですが(マテ
19名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 02:38:06 ID:SZ2CBzPf
支援あげ
20名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 07:39:53 ID:VOWin7Hr
期待あげ
21名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 03:44:52 ID:voxMe/Zw
これだけ揃ってるなら一本書け
22名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 21:08:30 ID:ABMY11lj
あげ
23名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 06:56:13 ID:Q8maQbEb
24名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 13:07:11 ID:HN/Wk652
ネタはいいが職人がこねぇ
25異説・桃太郎:2007/01/25(木) 00:13:37 ID:yTBti1Ca
 昔々、ある所に桃太郎という青年がいました。
 桃太郎の父と母は元々お爺さんとお婆さんだったのですが、お婆さんが川で拾ってきた桃を口にした所、ふた
りは若返り、久方ぶりに熱い夜を過ごし、桃太郎を身ごもったのでした。桃太郎はそんな数奇な出生によるも
のからお爺さんとお婆さんにそれはそれは大切に育てられたのでした。
 しかし、年寄りっ子は三文安い、という言葉もあるように、甘やかされ放題で育った桃太郎はすっかり自堕落
で面倒くさがりな性格になり、立派なニートに成長してしまいました。そのくせ、性欲だけは人一倍強く、しか
も人間として少々問題があるほどの鬼畜に育ったのでした。そんなダメ人間に女の子は寄ってくるはずがありま
せんでしたが、たまたま隣に住んでいた幼馴染三姉妹だけは桃太郎に優しくしてくれたのでした。
 三姉妹は上から雉江、猿美、犬子といい、猿美がちょうど桃太郎と同い年になります。突然若返ってしまった
老夫婦やそこから生まれてきた桃太郎に対し世間の風は冷たかったのですが、隣家の一家だけはとても良くして
くれました。ですから、桃太郎は幼い頃から三姉妹と実の兄弟のように育ったのでした。
 犬子は桃太郎よりも少し年下でしたが、くるくると良く動く瞳を持った天真爛漫な美少女でした。多少落ち着
きがない所もありましたが、桃太郎を兄と慕って良く言いつけを守る素直な子です。逆に猿美は同い年のせいか
桃太郎に対して非常にきつく当たりますが、それも明日なき桃太郎を心配しての態度であり、本当は誰よりも桃
太郎のことを思っているのでした。年上になる雉江は桃太郎の姉的存在で、どんな時も落ち着きを失わず、いつ
も優しく桃太郎を叱り、ともすれば簡単に道を踏み外す彼を正道へと連れ戻してくれるのでした。
 そして、彼女たちはいずれも目を見張るほどの美少女であり、村でも評判の三姉妹でした。この時代には結婚
の適齢期が今よりもずっと若かったものですから彼女たちにも多くの縁談が寄せられましたが、どんなに有力な
名士が見初めても、彼女たちはすべて断ってしまうのでした。幼い頃には桃太郎も彼女たちの魅力にとんと興味
がなく、一緒に野山を駆けたり川で泳いだり、時々畑から野菜をこっそり盗んだりするのを楽しんでいたもので
すが、男としての自我が目覚め始めたこの頃では、彼女たちのふとした仕草にドキリとしたりするのでした。
26異説・桃太郎:2007/01/25(木) 00:14:14 ID:yTBti1Ca
っていう感じで続けたら読む?
27名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 00:42:09 ID:yjgaX1Q3
わっふるわっふる
28名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 02:41:13 ID:uz45YEcf
読んじゃうね、バリンバリン
29名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 07:23:25 ID:2cZkVSvm
>>25
GJ!!
その調子で続けてくれ
30名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 19:35:43 ID:Z84EYmdX
>>27,28,29
ありがとう。続けてみます。
31異説・桃太郎2:2007/01/25(木) 19:37:39 ID:Z84EYmdX

「第一部 犬編」

 そんな頃、いよいよ桃太郎は16歳の誕生日を迎えることになりました。16歳と言えば武家で言えば元服、つま
り成人を示す年齢です。お爺さんとお婆さんは桃太郎を呼び出し、こう告げました。
 「桃太郎、おまえももう独り立ちすべき大人じゃ。村境にある小さな小屋をおまえにやるから、ここを出てそ
こで一人で生きていきなさい」
 「えっ、いきなりそんなこと言われても、明日から何を食っていけばいいんだよ!?」
 突然のことに桃太郎はびっくりしました。
 「しばらくはこれを食べていなさい」
 お婆さんは桃太郎にきびだんごを差し出しました。
 「婆ちゃん、なんできびだんごなんて作ったの?」
 「これは、わしらが若返る時に食べた桃の種を練り込んだ神聖なきびだんごじゃ。これがあればきっと生きて
いける。がんばるのじゃぞ」
 一体何の根拠があってそう言うのか桃太郎には皆目わかりませんでした。さすがに成人したニートには親の風
当たりも厳しくなるようです。桃太郎は体のいい厄介払いを受けて村はずれの崩れかかったボロ小屋に住まいを
移すことになったのでした。
32異説・桃太郎3:2007/01/25(木) 19:38:43 ID:Z84EYmdX
 実際に住んでみると、新居は見れば見るほど汚く、あちこちが傷んでいるのでした。うっかりすると床板を踏
み抜いてしまいますし、障子は穴だらけで夜ともなると隙間風がひゅうひゅうと吹くのでした。
 「さ、寒い・・・寒すぎる」
 桃太郎は布団をかぶって寒さのあまりぶるぶる震えていました。しかし、実家を追い出されたのですから、い
つまでもぶらついておらず、何かしら働いていかないと食べていかれません。さて、どうしようかと思案してい
る時でした。
 「お兄ちゃーん」
 とテンションの高い少女の声が外からしました。
 「なんだ?」
 「引越したって聞いて、遊びにきたよ〜!!」
 布団からごそごそと出てみると、外にはにこにこと笑顔の犬子が鍋を手にして立っていました。幼馴染の美人
三姉妹の末娘です。
 「食べるものがなくて困ってるんじゃないかと思って、猪鍋を持ってきた!!」
 どこまでも無駄に元気な少女はえっへんと胸を張ります。まだ胸のふくらみは小さいですが、薄いながらも控
えめに自己主張はしているのでした。いかんいかん、と桃太郎は首を横に振りました。ダメ人間を自認する彼で
したが、さすがに年下の幼馴染に欲情してはいけないだろうという社会常識くらいは持ち合わせているのです。
 「そうか、ありがとう。とにかく家に上がれよ」
 「わーい!」
 犬子は言うが早いか鍋の中身をこぼさんばかりに家に駆け上がりました。
 「こら、靴を脱げ!」
 「はーい」
 と少女は手を使わずに両足だけで器用に靴を脱ぎ捨てると、外に向かって放るのでした。やれやれ・・・。で
も、桃太郎はそんな天真爛漫で無駄に元気な犬子が大好きなのでした。
 「今、火にかけるから、一緒に食べような」
 「はーい」
 桃太郎が囲炉裏に火をつけていると、犬子はあぐらをかいた彼の膝の上ににこにこしながら座りました。
 「こら、やめなさい」
 「やだ、こうしてると気持ちいいんだもん」
 犬子は不用心にもこういう過激なスキンシップをしてしまう少女でした。もしかすると変質者にも嬉々として
いたずらをされてしまうかも知れません。
 「犬子、そういうことを男の人にやってはいけないと言っているだろう?」
 と桃太郎がたしなめると少女は澄ました顔で、
 「お兄ちゃんは別だもん」
 と聞く耳を持たないのでした。やれやれです。
33異説・桃太郎4:2007/01/25(木) 19:39:37 ID:Z84EYmdX
 「あれ、お兄ちゃん。これは何?」
 ふと犬子はそばにあったきびだんごに目をつけました。
 「ああ、それか。婆ちゃんにもらっただんごだよ」
 「食べていい?」
 犬子は目を輝かせました。彼女は食べ物に目がないのです。
 「いいけど、まず俺が味見をしてやるよ」
 「あぁん、そんなのいいよ」
 「良かないよ」
 なんとなくきびだんごを取り合って、桃太郎と少女はもつれ合います。しかし、桃太郎は男の力を発揮してき
びだんごをパクッと口に入れました。
 「うん、美味い美味い」
 「あーっ、犬子が先に食べたかったのにっ」
 「そんなに食べたかったら残りは全部おまえにや・・・」
 不意に、桃太郎の胸がドクンとなりました。なぜか、視界がぼんやりと歪んで滲みます。
 「お兄ちゃん、どうしたのっ!?」
 「ああああ・・・」
 心臓が早く大きく脈打ち、さながら身体全体が鼓動しているようです。そして、身体が熱く熱く火照ってきま
す。そして・・・。
 「あ!? お兄ちゃん、何か犬子の下で大きくなったよ!?」
 そうです。猛烈な勢いで桃太郎は勃起していました。しかし、異変は身体にだけ起きたのではありませんでし
た。ああ、この男根を女の中に収めて、思うさま快楽を吐き出したい、という邪な欲望が湧き出し、それを制御
することが困難なのでした。しかも、間の悪いことに桃太郎の膝の上には女に目覚めだそうとしている可愛らし
い美少女が密着しているのです。
 「何かしら、これ」
 と、犬子は不用意にその欲情の源を掴んでしまいました。ああ、それが決して触ってはならない桃太郎のアク
セルレバーだったのです。
 「もうダメだ、犬子っ!!」
 桃太郎は叫ぶやいなや、美少女をその場に押し倒しておおいかぶさりました。
 「きゃあ、何するの、お兄ちゃんっ!!」
 「お、おまえを抱くんだよう!」
 「抱くだけなのになんでこんな乱暴にするの!?」
 「抱くってのはそういう意味じゃねえんだよぅ!」
 桃太郎は目を三角にしてはぁはぁ言いながら犬子の衣服をはぎとりました。もはや言い訳のできない犯罪者ぶ
りです。
 「ひどいよ、お兄ちゃん」
 犬子の目にうっすらと浮かんだ涙がますます桃太郎の嗜虐心をくすぐり、いよいよ欲情が高まっていくのでし
た。正直、こうなったら人間はおしまいです。
 彼はまだ薄く硬さの残る犬子の乳房に吸い付き、乱暴に揉みしだきました。
 「痛いよぅ」
 「そのうち良くなるよ!!」
 勿論、良くなるはずなどないのでした。桃太郎は、その場しのぎの嘘をついてばかりの男でした。
 彼は自分の男根を持って、前戯もそこそこに美少女の秘部にあてがい、一気に貫きました。
 「いたいいたいいたいーっ」
 と犬子は悲鳴を上げます。真にもって童貞が狂うと恐ろしいのでした。
 そして、桃太郎は初めての快感に興奮しすぎてすぐさま犬子の中に快楽の飛沫を勢い良く吹き上げました。最
早ツッコむのを通り越して引くぐらいの外道ぶりです。どうやら、きびだんごの影響で桃太郎は極上の鬼畜に目
覚めてしまったようなのでした。
34異説・桃太郎5:2007/01/25(木) 19:40:12 ID:Z84EYmdX
 さて、一応さっぱりして落ち着いてみると、我ながらまずいことをしたかも知れない、と桃太郎は今さら我に
返りました。そこでそっと犬子の様子を窺ってみますと、少女は泣いているかと思いきや、顔を上気させて息を
荒くしているのでした。
 「お、お兄ちゃん、どうしよう。お兄ちゃんが中に何かを出してから、身体が変なの・・・」
 ああ、なんということでしょう。きびだんごには、食べた桃太郎の精液に催淫効果をもたせる魔力があったの
です。ご都合主義万歳。
 「お兄ちゃん、もっと、して・・・」
 「な、何を!?」
 「犬子に、エッチなこと・・・」
 目を伏せた美少女に興奮した桃太郎は、再び股間をたぎらせました。そして、準備万端な身体となっている青
い果実へと襲い掛かったのです。 桃太郎の舌が少女の透き通るような肌を這い回ります。
 「ああ、なんでなの。くすぐったい・・・」
 犬子は身をよじります。
 「なんだか、どうにかなってしまいそう」
 そして桃太郎の舌が少女の秘められた草原に侵入すると、少女はいよいよ追い詰められました。
 「お兄ちゃん、もう、がまんできない」
 犬子はいつものように元気な少女ではなく、あまりにも色っぽい女の表情を浮かべて桃太郎を見つめました。
桃太郎は怒張しきった自分のものを少女の中に沈めます。
 「う、うう・・・っ」
 少女の身体が陸に打ち上げられた魚のように跳ね、痙攣しました。桃太郎は必死で少女の愛の洞窟を抉り、少
女は夢中になって彼にしがみつくのでした。そして、ふたりの意識は天空へ舞い上がり、空の彼方で淡く溶けた
のでした。
 しばらくして、犬子はゆっくりと身を起こしました。
 「お兄ちゃん、気持ちよかったね・・・」
 「ああ、そうだな・・・」
 桃太郎は気力と体力を消耗し、気怠げに答えます。
 「お兄ちゃん、犬子のこと好き?」
 「うん、好きだ」
 「うれしい」
 犬子はご機嫌な顔になり、尻尾を振りました。
 「はは、尻尾まで振って・・・って、尻尾!?」
 「え?」
 なんということでしょう。犬子のお尻には柴犬のような尻尾が生えているのでした。これもきびだんごの作用
なのでしょうか。桃太郎は驚きましたが、なんでも良い方に捉えてしまうポジティブな犬子は、
 「きゃはっ、おもしろーい。ほらほら」
 と言いながら彼に向かって尻尾を振って見せるのでした。

              キジ編につづく
35名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 19:42:08 ID:Z84EYmdX
ここまでです。
こんな桃太郎はどうでしょう?
ああ、今さら遅いかも知れませんが、言い忘れました。
鬼畜注意です。
36名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 21:13:03 ID:ZQ/S4LZ4
多少鬼畜でもかまわんよ!!
妹な犬なんてたまらんじゃないか!
キジ編もキボン
37名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 20:49:41 ID:g3kzYPtf
>>36
ありがとうございます。
こんなんで大丈夫なのかわかりませんが、続けてみます。
問題ありそうなら途中で中止する感じで。


では、また投下させていただきます。
今回はマニアックなプレイだから、人を選ぶかも知れません。
無理、と思ったらスルーしてください。
38異説・桃太郎6:2007/01/26(金) 20:52:03 ID:g3kzYPtf
「第一部 キジ編」

 「こんにちは」
 と、三姉妹の長姉である雉江が犬子とともに桃太郎の家を訪ねてきたのは、彼が犬子の処女を奪ってから数週間
が過ぎてからのことでした。勿論、その間には犬子が毎日のように桃太郎の家に通い詰め、性への興味に目覚めた
少女はみるみる女として花開いていったのです。元々桃太郎に対し何事にも従順だった犬子は桃太郎のどんな求め
にも応じ、桃太郎に請われることは文字通り尻尾を振って何でも応えて見せたのでした。以前から桃太郎に好意を
持っていたこともありますが、もしかするとこういった心情もきびだんごのひとつの効果なのかも知れません。さ
て、今、雉江が桃太郎の家を訪ねに来たのも実は桃太郎に命じられるままに犬子が姉を誘ったからでした。非道な
桃太郎は、以前から好ましいと思っていたこの美女を、犬子に協力させてものにしてやろうと奸計を企んでいたの
でした。
 「いらっしゃい、雉江姉ちゃん」
 桃太郎は、何食わぬ顔で美人姉妹を迎えました。
 「今日は桃ちゃんが私に何か食べさせてくれるんだって?」
 「うん、今日は犬子と一緒に煮物を姉ちゃんのために作ったからぜひ食べてもらおうと思って」
 「まあ、楽しみだわ」
 桃太郎は雉江を囲炉裏に座らせると、奥のお勝手に犬子を呼び寄せました。
 「さぁ、犬子、言っていた通り、俺のチンポをしゃぶりな」
 彼がそう命じると、犬子は頷くと、いたって従順に桃太郎の着物の前を開いてその男根を口に含みました。この
数週間の間に、少女は数えきれないほど彼の男根を口で愛撫しており、すっかり習熟した手つきでそれを勃起させ
ました。そして首を素早く振って激しく刺激するのでした。素直な性質の犬子は桃太郎の命じることをすぐに覚え
るので、今や桃太郎の陰茎の弱点や刺激の強さも把握しています。みるみる桃太郎は射精に追い込まれました。
 「よし、口を放せ」
 犬子が彼の陰茎を口から吐き出すと、桃太郎はこともあろうに、これから雉江に出すために用意した煮物に精液
を射出しました。そうです。精液は中だししなくても、飲み下すことで催淫効果をもたらすということを桃太郎は
この数週間の間に発見したのでした。
 「こんなことして、どうするの?」
 と犬子が不思議そうに訊ねます。
 「俺と雉江姉さんが、もっと仲良くなるためにするんだよ」
 桃太郎は間違ってはいないことを言って犬子の頭を撫でてやります。
 「そうかぁ」
 犬子は納得し、頭を撫でられるとご機嫌そうに尻尾をぴょこぴょこと振るのでした。完全に騙されている気の毒
な少女です。桃太郎は見た目を誤魔化すために精液をこねて煮物に混ぜ合わせ、おぞましい料理を美女に食させよ
うと囲炉裏に向かって運んでいくのでした。
39異説・桃太郎7:2007/01/26(金) 20:53:59 ID:g3kzYPtf
 「っ、・・・・」
 雉江は煮物を口に含むと、当然のことながら顔をしかめました。
 「どう、美味しい?」
 桃太郎は純粋そうな風を装って雉江に訊ねました。
 「そ、そう・・・ね。美味しいわ」
 この、人の良い美女はかなり無理をしている感じで答えます。
 「そう、ぜひ、全部食べて欲しいな」
 桃太郎は、食べ物の正体を知った上で、抜け抜けとこんなことを言える極悪人でした。
 「わ、わかったわ・・・」
 雉江は蒼い顔をして言いました。弟のような彼が自分のために一生懸命作ってくれた料理を、不味いから食べら
れないとは言えなかったのです。しかし、得てしてそういった仏心が身の破滅を招きます。
 しかし・・・、と桃太郎は雉江の容貌を見ながら思いました。なんと美しいのだろう。犬子も美少女ですが、い
まだ発展途上の青い果実です。それに比べ、雉江は十分な成熟を迎えており、身体はふっくらとした肉をつけて、
なめらかな曲線を描いているのです。何より、犬子にはない大きな乳房が彼の目を捉えて放しませんでした。村で
も他にあれだけの巨乳はいません。もしもあれを力強く揉みしだけたら、どれほど気持ち良いのでしょう。
 雉江は優しくて、しとやかで、明るい慈愛の笑顔を持っています。そして、どんな人間にも親切な素晴らしい娘
でした。村の男たちにとっては彼女は女神様のように崇拝の対象でした。幼馴染として小さな頃から特に目をかけ
られた桃太郎は言わずもがな、なのでした。桃太郎がお爺さんとお婆さんに叱られたり、落ち込むようなことがあ
ると、決まって雉江の胸の中で泣いたものでした。今、常軌を逸した桃太郎はその胸に欲情の炎を燃え立たせてい
るのでした。
 雉江は無理矢理飲み込むようにして煮物をたいらげました。
 「ふぅ、美味しかったわ」
 無理をして笑顔を作って見せます。そして、すぐに胸を押さえます。
 「どうしたの、雉江姉ちゃん?」
 「う、ううん。な、なんでもないの・・・」
 とこの美しい女は言いますが、声が荒くなり、明らかに普通ではありません。そうです、悪魔の精子による催淫
効果が現れ始めたのです。それを確認すると、桃太郎はすぐさま雉江のそばに行って肩を抱きました。
 「さ、さわらないで・・・」
 雉江はピクッと肩を震わせました。それは拒絶というよりも、敏感になりすぎているがための逃避のように見え
ました。
 「お姉ちゃん、どうしたの?」
 と犬子が心配そうに問います。
 「か、身体が、熱いの・・・」
 と上気した顔で雉江が答えます。
 「なんだか、お兄ちゃんに触ってもらっている時の犬子みたいよ」
 「え・・・」
 桃太郎はそばに寄ってきた犬子を抱きしめ、彼女の着物をはだけて優しく胸を揉みしだきました。雉江は目を疑
います。
 「どうだい、犬子」
 「お兄ちゃん、気持ちいいわ・・・」
 そして桃太郎のもう一方の手が犬子の股間をつるりと撫でると、少女は身を震わせて快楽の呻きを漏らすのでし
た。雉江は我が妹が淫らな行為をしていることに驚きましたが、それ以上に羨ましい、という気持ちに支配されま
した。身体が火照り、甘い刺激を求めているのです。クシャミが出そうで出ない状態のようなもどかしさに似てい
るかも知れません。このままではたまらない心地がするのです。
40異説・桃太郎8:2007/01/26(金) 20:55:35 ID:g3kzYPtf
 「も、桃ちゃん。私のもさわって」
 と、雉江は耐え切れずに求めました。桃太郎は自らの謀略が成功したことに邪悪な笑みをこぼし、雉江を押し倒
しました。そして着物をはぎとります。ああ、なんと豊満で扇情的な眺めなのでしょう。今までの耐えていた時間
が知らず精神的な前戯となっていたのか、指先で繊細なタッチをくわえていくと、どこもかしこも敏感に震えて応
答を返すのでした。
 「もっと強く・・・お願い・・・」
 と雉江はか細い声を出します。桃太郎は、自分にとって優しいお姉さん雉江の象徴である大きな胸の先端に、か
ぶりつきました。
 「ああっ」
 と村の女神は快楽の刺激にのた打ちます。幼い頃から優しくて、なんでもしてくれた雉江姉さんが、ついに一番
大切な自分の身体までも桃太郎に捧げたのだと思うと、彼は言い知れぬ興奮を覚えるのでした。
 「お姉ちゃんばっかり、ずるいな」
 そこへ、手持ち無沙汰になってしまった犬子が身をすり寄せてきます。そして、かまってかまって、とばかりに
ぱたぱたと尻尾を振ります。
 「犬子、俺は雉江姉ちゃんを気持ち良くしてあげているんだから、おまえもお姉ちゃんを気持ち良くしてあげる
んだ」
 「え、どうしたらいいの?」
 「雉江姉ちゃんのおっぱいを舐めてごらん」
 こうして、桃太郎と犬子が左右の乳房を愛撫し、さらに桃太郎の指先が雉江の敏感な秘部を責める構図ができあ
がりました。雉江はふたりに責められて息も絶え絶えです。
 「お姉ちゃん」
 と、犬子は自分の顔を雉江の顔に寄せました。
 「なに、犬子」
 「大好き」
 犬子は甘えるように姉に口づけました。すると、雉江もそれに答えていくのです。美人姉妹の同性愛的な行為に
興奮した桃太郎は、いよいよ彼女の愛の渓谷に潜り込むことにしました。すっかり怒張しきった陰茎に手を添える
と、秘められた部分を一気に貫きます。
 雉江が雷に打たれたように身体を震わせました。陰茎に対する快楽も勿論ありました。ですが、桃太郎にとって
は、雉江に小さい頃膝枕をしてもらった時の気持ち良さが、何百倍にもなって押し寄せたような精神的快感の方が
強く感じられました。桃太郎は今、彼にとっての女神様にすべてを受け入れてもらっているのでした。
 桃太郎は腰の抽送を繰り返しながら、接吻を続けている姉妹に自分も加わり、三人で舌を絡み合わせながら快感
を追いました。隣を見れば、犬子も自ら自分を慰めているのでした。三人は同じ快楽の曲線を同時に上昇していま
す。
 「もうすぐ、もうすぐいくぞ」
 と、桃太郎は同じ船に乗った三人の舵取りをしながらふたりをリードしていきます。そして腰の動きを早めてい
くのです。それに呼応して美人姉妹が上昇していきます。
 「もうすぐ・・・っ」
 と雉江も呻きました。
 「っ・・・いくっ」
 三人は一際高い快感の大波に天空高く打ち上げられ、螺旋を描いて落下しながら、深海の底へと沈んでいきまし
た。後には、三人の荒い息だけが残りました。
41異説・桃太郎9:2007/01/26(金) 20:58:25 ID:g3kzYPtf
 「やってしまったものは仕方ないわね」
 と、割と物事に動じない性格の雉江はさっぱりと開き直り、笑顔で続きを求めました。女というものは、時に男
よりも遥かに強い生き物なのです。そうして、これまでに蓄積されていた女としてのエネルギーが、破瓜によって
一度に解放されたように、雉江は貪欲に桃太郎を求めました。いつの間にか主導権は桃太郎からこの妙齢の美女に
移ってしまったのです。そして、三人は時間を忘れて求め合ったためにいつの間にか夜が更けてしまったのでした。


 「桃太郎〜!」
 と、桃太郎が雉江を責め立てている時、外から少女の声が聞こえました。
 「お姉ちゃ〜ん、犬子〜!」
 返事を待たずにどかどかと家に上がる足音が聞こえ、障子が乱暴に開きました。そう、夜になっても帰らぬ姉妹
を心配して猿美が迎えに来たのでした。
 「ぎゃあああああああああ!!」
 全裸で睦み合っている三人を見て、猿美は美少女らしからぬ、上品さのない悲鳴を上げました。
 「なんだ、猿美か」
 桃太郎はこともなげに言いました。
 「もう少ししたらふたりとも送って行くから先に帰ってろよ」
 そう言ってまた腰の運動に入ろうとする桃太郎。
 「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ!! もっと他に説明すべきことが山積みでしょうが!! なんなのよこの事
態は!?」
 猿美は至極もっともな指摘をしますが、桃太郎は面倒くさそうに、
 「今エッチしてるから、終わったら送っていくよ。先に帰ってろ」
 と言い直しました。
 「このどアホウ!」
 猿美は背後から彼の後頭部に勢いよく蹴りを入れました。桃太郎は目玉が飛び出しそうになります。
 「何しやがる!!」
 「それはこっちの台詞でしょうが!! あんた、人の姉妹になんてことしてんのよ!!」
 さすがに背後からもう一撃されてはかなわないので、桃太郎は行為を中断し、ゆらりと立ち上がりました。
 「ぎゃああああ!!」
 「今度はなんだよ、うるせえな」
 「そ、その汚いモンをしまいなさいよ」
 猿美は桃太郎の股間で揺れる男根を指差して金切り声を上げます。汚い、と言われたのが少々癇に障り、桃太郎
は猿美の頭を掴むと、その端正な顔に「おらおら」と言いながら陰茎をこすりつけました。女権論者が見たらショ
ックで卒倒しかねない光景です。
 「んぎゃああああああああああああああ!!」
 猿美は家中に響き渡るような絶叫を上げて顔をごしごしと手でこすります。
 「こ、この変態・・・」
 少女は若干涙目になって外道なセクハラ男を睨みました。
 「ふん、文句あるか」
 「あるわ、ボケーっ!!」
 猿美は勢いよく右足を振り抜き、蹴りを繰り出します。その脛は狙いを誤ることなく桃太郎の大切なふたつの黄
金玉を直撃したのでした。
 「っっっっっっっっっっっっっっっっ」
 桃太郎は、男性にしかわからない地獄の中で悶絶しました。
 「ほら、犬子、お姉ちゃん、帰るわよ」
 転げまわる桃太郎を鮮やかに無視し去って猿美は姉妹を抱え起こします。
 「あらぁ、猿美。あなたも仲間に入りに来たの?」
 責められすぎて少々色呆け気味になった雉江がそんなことを言います。この人は基本的には天然なのかも知れま
せん。
 「バカなこと言ってないで、早く支度して」
 「はい、はい」
 ふたりの姉妹の身支度を整えてやって猿美はまだ忘我の境地を彷徨っている桃太郎を一瞥します。
 「じゃあ、帰るからね、桃太郎」
 「もう、来んな、アホ・・・」
 桃太郎は虫の息でそれだけ漏らしました。

     猿編につづく・・・かも知れない
42異説・桃太郎:2007/01/26(金) 21:01:47 ID:g3kzYPtf
ここまでで投下終了です。
ぶっちゃけた話、これはどうなんでしょう。
ありでしょうか? なし?
長すぎる感じもします。
43名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 21:16:29 ID:R9VPvRas
猿のツンデレっぷりが最高だ!

つーか猿ってやっぱ一度快感覚えるとやめられなくなるのかね?
44名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 02:57:28 ID:nNyvgG1E
続けないのは罪だぜブラザー!
GJ!
45名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 17:06:39 ID:0vRHsNOF
>>43,44
ありがとうございます。
おかげさまで創作の張り合いとなります。
続けても良さそうなら、また投下させていただきます。
猿美が、ほんとにお猿になっちゃう、という設定はオイしかったですね。
なんとか使えればいいなと思いますが、今回は間に合いませんでした。

では、投下させていただきます。
46異説・桃太郎10:2007/01/27(土) 17:07:47 ID:0vRHsNOF
「第一部 猿編」


 桃太郎が猿美にとる態度が他の姉妹たちへのそれに比べてぞんざいなのは、彼は猿美が正直苦手だったからなの
でした。猿美も他の姉妹に負けず劣らない美少女でしたが、桃太郎にとっては何かと攻撃的な態度をとってくるこ
の少女が疎ましく感じられるのでした。姉妹の中では猿美だけが同い年ということもあるのかも知れません。相手
を妙に意識してしまい、好意というよりはライバル心に近いものをどうしても抱いてしまうのです。
 しかし、桃太郎とのやり取りの中では下品な面ばかりが目立ってしまっていますが、猿美は他人の前ではもっと
大人しく、白皙の美少女として通っているのです。どうしたことか桃太郎に対しての言動だけが必要以上に挑発的
になってしまい、そのことがますます桃太郎にとっては苦手に感じる原因となるのでした。
 そんな、桃太郎にとっては目障りな猿美は、あれ以来毎日のように朝から桃太郎の家にやってきてはうるさく桃
太郎を働かせるのでした。
 「いい? これからは自分で食べていかなきゃいけないんだから、畑を耕したり、魚を採ったりしないといけな
いわよ」
 と言って朝から晩まで桃太郎に労働を強います。それがニート気質の桃太郎には非常にしんどく、余計なお世話
に感じられるのです。猿美の言うことは正論なのでした。でも、ダメ人間の桃太郎は正論が大嫌いなのでした。
47異説・桃太郎11:2007/01/27(土) 17:08:52 ID:0vRHsNOF
 その日は、まだ太陽が昇りきらないくらい朝早くから畑で鍬を振るい、桃太郎と猿美は昼下がりにはいささか疲
労困憊し、休憩を取っていました。身体を動かしたので汗をびっしょりにかいていました。
 「つ、疲れたな・・・猿美」
 「はぁはぁ、あ、あんたは男だけど、女のあたしも同じだけ働いてるのよ・・・」
 相変わらず猿美はいちいち桃太郎には生意気なことを言うのでした。
 そして、少しでも涼を取ろうと、猿美は着物の胸元を大きく開き、汗を拭ってからぱたぱたと扇ぎました。
 猿美の奴、意外と胸大きいんだな・・・、と桃太郎が思った刹那、陰茎がむっくりと立ち上がりました。猿美が
桃太郎を働かせることを理由に他の姉妹が来ることを禁止してしまったため、桃太郎は欲望が溜まっていました。
ここ数週間は犬子、雉江と蓄積する間もないほど吐き出し続けていた後ですから、尚更今の状態を辛く感じるので
す。こうして見ると、外見だけ見れば猿美も美少女だし、とりあえずこの女で欲情を発散してしまおう、と性犯罪
者そのものの思考で桃太郎は思いました。猿美を性の仲間に入れてしまえばまた残りの姉妹を呼びやすくなるだろ
う、という打算もあるあたり、筋金入りの鬼畜です。
 「・・・猿美」
 桃太郎はゆっくりと休憩中の美少女に近づきます。
 「なによ、桃太・・・えっ!?」
 彼は猿美を地面に押し倒しました。
 「何をするの、桃太郎・・・」
 「猿美、おまえを抱く」
 「本気なの・・・」
 猿美は驚きのあまり目を見開いていましたが、桃太郎が想像していたような抵抗は一切ありませんでした。この暴
力的な少女は力の限り暴れるとばかり彼は思っていたのです。しかし、実際には拍子抜けするほど彼女は大人しく桃
太郎に組み敷かれているのでした。
 「なんで、抵抗しないんだよ」
 「抵抗したらやめるの?」
 「いや、やめない」
 猿美の瞳は波間に太陽の光が乱反射するように揺れていました。
 「どうしてあたしを抱くの?」
 「おまえを抱きたいからだ」
 「あたしだから抱きたいの? それとも、女なら誰でもいいの?」
 桃太郎は言葉に詰まりました。桃太郎は直情的な単細胞でしたので、目先の快楽しか考えていません。まさか犯そ
うとした相手からこんな問答を仕掛けられるとは夢にも思っていなかったのでした。正直、よく分からなかったので
すが、本能でなんとなくこう言えば大人しく犯されてくれそうだと思う答えを言うことにしました。
 「おまえだからだよ、猿美」
 まったくもって、この男だけは死んだら必ずや地獄に落ちるのでした。
 「そう」
 猿美はそっと目を瞑りました。
 「・・・だったらあたしのこと、あんたの好きにしていいわ」
 猿美はこんなにしおらしい少女だっただろうか、と桃太郎は首をひねりました。何かがおかしい。ですが、「ヤり
てぇ!」といういたって即物的な発想しか持ち合わせていない彼には猿美の気持ちは理解しかねるのでした。とは言
え、人格破綻者の彼でも、なんとなくこの少女が可愛いな、という気持ちだけはかろうじて持つことができました。
48異説・桃太郎12:2007/01/27(土) 17:09:30 ID:0vRHsNOF
 猿美の頬は赤らみ、身体は微かに震えています。桃太郎がそっと触れると、とても良い反応が返ってくるのでした。
あれ? と桃太郎は思いました。この女には中だしはしていないし、精液を口にさせたこともないはずです。なのに、
なぜそういった時と同じ徴候が出ているのでしょう。
 なんにせよ好都合と思って、普段の勝気な素振りを潜めて、今や料理されるのを待つばかりの鯉のように横たわる
美少女に、彼は手を伸ばしました。桃太郎が繊細に少女の乳房や秘部を中心にソフトな接触を加えていくと、たちま
ち猿美の身体は快感にとろけていきます。彼が少女の秘部に舌を伸ばし、女体の中で最も敏感な肉の芽を愛撫すると
少女の身体は痙攣し、悶えるのです。少女はわずかに目を開けました。酔っているかのような目で桃太郎を見ます。
その目には、微かに甘えの成分があるように見えました。これが数日前に桃太郎の急所を蹴り、彼の尻を叩いて強制
労働に駆り立てているのと同じ人物なのでしょうか? 今や彼女の一挙手一投足は桃太郎の支配下にあるように思え
るのです。
 桃太郎は、今がその時と見定めて欲情の槍を猿美の秘部にあてがいました。
 「いくぞ」
 と言うと、猿美は弱々しく頷きます。桃太郎が腰を押し込むと彼の槍は猿美を鋭く深遠まで貫きました。
 桃太郎は腰を繰り返し押し込み、猿美を攻め立てます。猿美はすでに身も心も陥落していたのですが、それでも容
赦なく攻め立てられ征服されることに、ある種の性的な喜びを覚えていたのかも知れません。桃太郎は膣の奥の奥、
心の中にまで突き込むように攻め込むと、疾走中のトンネルの向こうに光る出口を感じました。
 「もう・・・すぐ」
 猿美が頷いた瞬間に、ふたりは同時にトンネルを抜け、この世ならざる快楽の世界の扉を開きました。
49異説・桃太郎13:2007/01/27(土) 17:10:44 ID:0vRHsNOF
 溜まっていた欲情をたっぷりと猿美の中に吐き出して、気だるく甘い時間が流れました。しかし、これから精液の
中の催淫成分が女体を侵し、桃太郎の本当の情欲の時間が始まるはずでした。少なくとも、彼は今までの経験からそ
う思い込んでいたのですが、猿美は一度の交わりが終わると黙ってすぐに着物を着なおしてしまいました。
 「桃太郎・・・、悪いけど、今日は疲れてしまったから帰るね。仕事の途中で申し訳ないけど」
 「いや、それは構わないが・・・」
 猿美は穏やかに微笑みました。それは、幸せとともに葛藤を抱えたようなわずかな陰のある笑顔でした。ですが、
もう一回くらいヤりたかったな、ということしか考えていない最低男の桃太郎はそんなことには気づきもしません。
 ただ、精液を注いでもいないのに彼を求め、精液を与えた後には肉欲を抑えてしまった猿美は不思議な女だな、と
は思いました。他の女とはまるで逆ではないか、と思います。
 そう言えば、と桃太郎は思いました。まだ彼が幼い頃、数奇な出生の運命から村の悪童にいじめられたことがあり
ました。そんな時、棒きれを持っていじめっ子を追い回したのはその勇敢な少女だったのでした。あの頃は、まだ彼
と猿美は大の親友でした。その思い出にどんな意味があるのか桃太郎には理解できませんでしたが、ただ、ふと思い
出したのは間違いありませんでした。


第一部 犬猿雉編終了 第二部鬼退治につづく・・・かもしれない
50名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 17:12:35 ID:0vRHsNOF
ここで終わりです。
鬼退治編を書いても大丈夫でしょうか。
51名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 02:47:59 ID:3QwNV/u/
GJ!
続きバッチコーイ
52名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 14:59:35 ID:Z+FNa52S
猿が正ヒロインか?!
続きwktk!!
53名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 18:05:10 ID:63B+v+2V
>>51,52
ありがとうございます。おかげさまで続けてこれました。
少し長くなりそうですが、続きは明日まとめて投下させて頂きたい
と思います。
54名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 16:43:24 ID:Oyv3aAgP
これはナイス…。
こんな感じか?
http://zetubou.mine.nu/timer/file/bomber35132_d5.jpg
勢いで描いた。今は後悔している。
55名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 16:45:33 ID:3qNQtl9W
ありがとう……。
みんなありがとう……。
56名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 19:34:02 ID:9v3d35yC
また投下させていただきます。
今日で終わりです。
57異説・桃太郎14:2007/01/29(月) 19:36:02 ID:9v3d35yC
第二部
「鬼退治編」




 う、うん・・・。
 桃太郎は夢の中にいました。夢の中で豊満な美女と交わっています。美女を犯します。ああ、男の欲望が気持ち良
い。あ、ああ・・・。本当に・・・。
 「お兄ちゃん、おはよう」
 桃太郎が目を覚ますと、彼の下着ははだけられており、彼の陰茎を犬子が可愛い舌でぺろぺろと舐めまわしていま
した。
 「おはよう、犬子」
 「お兄ちゃん、気持ち良い?」
 「ああ、最高だ」
 桃太郎が犬子の頭を撫でてあげると、まだ幼さを残す美少女はえへへ、と笑顔を浮かべて嬉しそうにぱたぱたと尻
尾を振ります。そしてまた陰茎への奉仕に取り掛かるのでした。なぜ彼女がこんなことをしているのかというと、人
でなしの桃太郎が朝は男根への奉仕によって起こされたい、と考えて犬子にその役目を命じたからなのでした。素直
で従順な犬子は、例えどんなろくでもない命令であっても、頭を撫でてあげると大喜びで従う子でした。そこにつけ
こんだ桃太郎によって、今や彼女は浴室での肉体奉仕、全身への口唇愛撫、肩揉みといった、親が見たら泣きそうな
任務を嬉々として請け負っているのでした。
 桃太郎が偉そうに犬子に奉仕をさせていると、障子が開いて雉江が顔を出しました。
 「あらあら、ふたりだけでお楽しみなの?」
 と言いながら近づいてきて、桃太郎の前にひざまずきました。
 「犬子、あなたは桃ちゃんのオチンチンの棒をしゃぶってあげてね。私はこっちを・・・」
 雉江は男根の亀頭部分に舌を這わせます。桃太郎の弱点を覚えた雉江は彼の弱点である雁の裏を舌先でくすぐりな
がら桃太郎の表情をうかがいます。
 「どう、もっとして欲しいの・・・?」
 この美女は交わりを重ねるごとに、サディスティックな面が次第に現れるようになってきたのでした。
 「ああ、雉江さん、もっと・・・」
 と桃太郎が口にした時、障子が大きな音を立てて開きました。最後は勿論猿美です。
 「あんた達、何をしてるの! 朝ご飯にするんだから、バカなことしてないでさっさと来なさいよ!!」
 猿美は桃太郎が姉妹達と淫らな交歓を行っていると、必ず駆けつけては何かしらの理由をつけてやめさせるのでし
た。
 「猿美、おまえはおれの金玉を舐めないか?」
 「な、なんですって・・・」
 猿美の眉が吊り上ります。空気の読めない桃太郎は腰を振って玉袋を揺すりながら歌い始めました。
 「桃太郎さん、桃太郎さん。股間につけたきびだんご、ふたつ、私にくださいな゛゛゛ ぎゃぁぁあああああ!!」
 皆まで歌わせず、猿美の本気の蹴りが桃太郎の黄金玉に炸裂しました。桃太郎はのたうちまわりながら床を転げま
したが、完全なる自業自得なのでした。
58異説・桃太郎15:2007/01/29(月) 19:39:10 ID:9v3d35yC
 三人は先ほどまで眠っていた船室を出て、海を眺めながら朝食のおにぎりと魚を食べていました。そう、ここは船
上。なんと、これから四人は鬼が島へ向かう所なのです。なぜこんな事になったのかは、数週間前に遡ります。
 その夜はちょうど新月にあたり、月明かりもなく桃太郎の村は真の闇に包まれていました。自分の家で相変わらず
犬子と雉江の美人姉妹を淫らに責め立てていた桃太郎は、遠くの方から多くの人の叫び声が聞こえてくるのを聞きま
した。不審に思って行為を中断し、縁側に出ると、村の中心部の方で火の手が上がっているのが見えました。
 そこへ、着の身着のまま、といった様子で猿美が駆けてきます。
 「桃太郎、大変。村が襲われてるの。助けに来て!」
 「なんだって!」
 桃太郎は三姉妹を伴って村の中心へと走ります。
 現在の住処は村外れにあるため、中心部に至るまでにはしばらくの時間をかけねばなりません。やっと辿りついた
時には、村にはそこここから火の手が上がり、村人たちが悲鳴を上げながら逃げ惑う大騒ぎとなっていました。その
中を跳梁跋扈し、家々から財産を思うさま奪ってまわっているのは、桃太郎が今までに見たことがない人間です。背
が非常に高く、体つきも肉付きが良いように感じました。顔の彫りが深く、髪は太陽の光で晒したように金色に輝い
ているのです。そして、驚いたことに瞳は薄い蒼なのでした。そして、襲撃者は桃太郎が見る限りにおいては、すべ
て女性であるように思えました。
 ちょうど桃太郎が到着した時に彼女たちの集団的な強盗行為は完了したようで、村の中央広場で指揮を執っていた
と思しき身分の高そうな女性が号令をかけました。家々から彼女の部下である異人の女性たちが次々と姿を現し集結
していきます。
 隣家を燃やしていた炎が風に煽られて一際勢いを増し、首領格の女性の姿を照らし出しました。
 襲撃者たちは見慣れない風貌であったものの、皆美人揃いでありました。ですが、首領格の女性の美しさは別格で、
その磨き上げた刀身のような鋭い美しさに、敵ながら桃太郎はうっとりとしてしまいました。
 そして首領の美女の指令によって、略奪の限りを尽くした彼女たちは訓練の行き届いた兵士のように粛々と姿を消
していくのでした。盗賊の集団にしてはなんと統制の取れたことでしょう。これもあの強い意志を感じさせる美女の
求心力の賜物なのでしょうか。
 「あいつら、鬼が島からやってきた鬼よ」
 と猿美が言いました。
 「鬼が島?」
 「ここから離れた島で、領主様に属さずに町を作り上げているの。あの恐ろしい女を首領として、船であちこちの
村を襲っては財産を巻き上げて鬼が島にためこんでいると言うわ」
 「あの女は何者なんだ?」
 桃太郎が問うと、猿美は唾をごくりと飲み込みました。
 「名前は誰も知らないけれど、金髪の鬼女、黄金夜叉と呼ばれているわ。性格は冷酷残忍、手向かう者は一瞬の躊
躇もなく斬り捨てられ、一顧だにされることもないということよ」
 桃太郎はその話を聞いて、ひどく酷薄なあの美女を犯してみたい、という欲望を覚えました。きびだんごの魔力を
得てから彼には困ったことに強姦癖がついてしまったのかも知れませんでした。
 「よし、俺は鬼が島に行くぞ。あの首領に天誅を加えてやる」
 彼は言いました。心の中で、首領の配下も犯してみたい、とつけ加えました。それに、うまいこと行けば鬼たちの
蓄財を掠め取ることができるかも知れないとの算段もありました。彼には、鬼たちを退治して村々に平和を取り戻す
といった正義の志は特にないのでした。
59異説・桃太郎16:2007/01/29(月) 19:41:44 ID:9v3d35yC
 そんなわけで、桃太郎は鬼が島へ乗り込むことにしたのでした。単身乗り込もうとした彼でしたが、犬子が尻尾を
振りながら、
 「犬子もお兄ちゃんについてく〜っ!」
 と桃太郎に抱きつき、
 「私も桃ちゃんの力になってあげるわ」
 と雉江が言ったため、軍団は三名になりました。
 「あんた、バカじゃないの!? 死にに行く気!? 絶対止めなさいよ!!」
 猿美は血相を変えて至極最も意見を主張したのですが、桃太郎が冷たく、
 「嫌なら別に来なくてもいいぞ」
 と突き放すと、
 「お姉ちゃんと犬子が心配だから行くわよ!」
 と言い出すのでした。
 「うるせえから来るなよ」
 「絶対行くわよ」
 桃太郎は相変わらず猿美だけは苦手なのでした。
 かくして、桃太郎軍団は四名となり、彼らは鬼が島目指して一路海へと漕ぎ出したのでした。


 「鬼が島はあれよ」
 と雉江が指差すと、船の前方に、ゴツゴツした巨大な岩で出来た島が全景を現していました。島の中央には頭から
二本の角が生えた鬼のような巨石像が立っています。これが鬼が島の名の由来かも知れません。
 「よし、島のさびれた場所へ船をつけるぞ。面舵一杯!」
 桃太郎が指示すると、犬子が嬉しそうに舵を取ります。犬子は彼に命令されるのが嬉しくて仕方がないようでした。
 「猿美、敵に発見されてはいかんから、帆をたたんで目立たなくしろ」
 「いやよ。偉そうに命令してないで自分でやれば?」
 猿美は勝気に応じました。桃太郎は舌打ちしました。自分だけが気分を害されたままではなんだか悔しいので、桃
太郎は猿美も怒らせてやろうと子供みたいなことを考えて、少女の背後からそっと近づきました。当たり前ですが、
猿美は性的ないたずらをされると非常に怒ります。今までの経験で、少女を怒らせてやったら、彼の気分もすっとす
るような気がしました。そして、音もなく手を伸ばし、つるりと少女のむっちりと肉のついたお尻を撫で上げます。
 「!!!」
 猿美は飛び上がり、そして……、力が抜けたようにへなへなと下に座り込んでしまいました。
 ……あれ? 桃太郎は首をひねりました。予想とまるで反応が違います。今までの経験では、少女は鬼が島まで
響き渡るような悲鳴を上げて、それから桃太郎に食ってかかるはずなのでした。
 「な、なに…するのよ……」
 と少女はやっと、という感じで口にしました。
 「い、いや、その。なんでもない」
 桃太郎は調子が狂ってしまい、おかしな返答をしてしまいます。
 「桃太郎……、お尻だけは、やめて」
 猿美は、被害者でありながらお願いをするように彼に言うのです。
 「そ、そうか。わかった」
 桃太郎は、よくわからず鷹揚に頷いてしまうのでした。この少女のお尻に何かあったっけ?と首を傾げながら。
60異説・桃太郎17:2007/01/29(月) 19:44:32 ID:9v3d35yC
 さて、無事鬼が島への上陸を済ませた桃太郎の一党はすぐさま街のさびれた一角に身を潜めました。計画はすでに
決まっています。桃太郎の強い主張によって、女住人のひとりをさらって強姦し島の情報を吐かせるという、民話の
英雄にあるまじき極悪非道な作戦でした。
 異様に生き生きとした桃太郎によって作戦の指揮が執られました。彼は見張り役として雉江、猿美を通りに隠し、
自らは犬子とともに女を襲って攫う任務を負いました。
 いつでも、通りに飛び出せるように路地に身を潜めていると、必然的に犬子と身体を密着させることになります。
 「お兄ちゃん、あったかいね」
 と犬子は無邪気な笑顔を浮かべて桃太郎に抱きついてきました。その可愛らしい顔を彼の胸元にこすりつけてきま
す。
 「おいおい、今はそんなことをしている場合じゃないんだよ」
 しかし犬子は都合の悪いことは素通りする便利な耳を持っていたので、ますます桃太郎に甘え、彼の顔にキスの雨
を降らせました。犬子は男女の愛撫に目覚めて以来、何につけてもむやみにキスをしたがるのでした。キスというよ
りも、むしろ舌でぺろぺろと舐める愛撫に近いかも知れません。でも、そうされるとついつい桃太郎の頬もゆるんで
しまい、強くは注意できないのでした。そして、ほんの少しだけ付き合って接吻を返してあげると、それがこの上も
ないご褒美であるかのようにぱたぱたと忙しなく尻尾を振る様がますます愛らしいのです。
 「お兄ちゃん、チンチン舐めてあげるね」
 「う、うん・・・・」
 そんなことをしている場合じゃないだろう、とさっき自分で言っておきながら、快楽に弱い桃太郎はすぐに流され
るのでした。そして犬子は手馴れた仕草で桃太郎の下着を脱がし、その陰茎をパクリと口に咥えました。
 「う、うぁ・・・」
 桃太郎が快感に呻いた時でした。通りの向こうから雉江が合図を送ってきました。島の女が通るのです。一刻を争
います。彼は素早く立ち上がると、そのまま通りに飛び出して女の前に立ちはだかりました。
 「きゃあああああああ」
 金髪の女は悲鳴を上げました。それはそうです。突然下半身裸の男が目の前に飛び出して来たらそういう反応をす
るのが普通です。桃太郎はすっかり慌ててしまい、背後から近づくという当初の計画も失念していました。とにかく
黙らさなければいけません。彼は鋭い突きを女の腹に打ち込んで失神させると、誘拐犯さながらに周囲を見回し、女
を肩に担ぎ上げて路地へと姿を消しました。
61異説・桃太郎18:2007/01/29(月) 19:59:22 ID:9v3d35yC
 桃太郎に攫われた女が目を覚ますと、目前には邪悪な笑みを浮かべた男が覗き込んでいました。
 「きゃああああああああああああ!!」
 「へっへっへ、ここは町から離れた山の中さ。騒いでも聞こえやしねえよ。観念しな」
 と桃太郎は言いました。こんな主人公がいて良いのでしょうか。とても子供には読ませられない民話です。
 女は暴れようとしましたが、両手首を後ろ手に縛られていたので、うまく動けません。
 「あなた達、誰なの!?」
 女が怯えて問います。
 「あんたらに襲われた村の者だよ。復讐に来た。この島のことと首領の女について教えてくれれば何もしない」
 言いながら桃太郎は、強姦する気まんまんで下着を脱ぎました。
 「そ、そんなこと、教えられないわ」
 「なら、身体に聞くしかないな」
 女は顔を強張らせました。気がつくと、桃太郎だけではなく、三姉妹も女を取り囲んでいます。
 桃太郎は、前戯もなしに怒張した陰茎を女の秘部に突き刺しました。
 「い、いったーーいっ!!」
 女が悲鳴を上げます。
 「桃ちゃん、そんなに乱暴にしたらダメよ」
 雉江が言って上着を脱ぎました。すると、彼女の背中から美しい鳶色の羽が開きました。犬子に尻尾が生えたのと同
様に、桃太郎に処女を奪われてから雉江には羽が生えてきていたのでした。雉江はその羽根を一本引き抜くと、その羽
先をそっと女の身体に這わせました。
 「あっ、ああ……っ」
 と熱い声を洩らします。彼女の羽根によるタッチは、不思議な力で繊細な快感を呼び起こす力を持っているのでした。
果たして、女はみるみる性感を呼び覚まされ、身を捩ります。そこへ桃太郎が男根による攻めを加えるのでした。彼は
女を四つ這いにして、背後から獣のように犯しました。
 桃太郎はいよいよ激しく腰を振り、彼の腹部と女の尻が音を立てるようになりました。
 「ね、ねえ、桃太郎。もうやめてあげたら?」
 その時、それまで黙って見つめていた猿美がおずおずと桃太郎に声をかけました。
 「何を言ってるんだ。こうしないと俺達は情報を得られないんだぞ」
 「そ、そうかもしれないけど」
 猿美は何か言いたげです。
 しかし、桃太郎はそろそろ快感が切羽詰ってくる頃合でしたので、猿美にかまわずに腰の動きを早めました。
 「そらっ」
 桃太郎は快感の飛沫を女の中に吹き上げます。一応の終了に、女はやっと色地獄の責め苦から逃れられたと思いまし
た。ですが、恐るべき催淫作用を持った桃太郎悪魔の精子は女の性感をさらに呼び起こします。そうです。本当の地獄
はこれから始まるのでした。
 数秒も経つと、女は異変に気づきました。身体が熱い。敏感な粘膜がくすぐったさに似た痒みを覚えます。快感が、
欲しい。男の欲情が欲しい。
 「ふふふ、効いてきたな。さぁ、また犯してやるぞ」
 桃太郎は再び男根を侵入させようと身構えましたが、それを猿美に止められました。
 「もうやめようよ、桃太郎」
 「なんだ、可哀想になってきたのか?」
 「そうじゃないけど……」
 「他に何か良い方法でもあるのか?
 「ないけど、でも……」
 ふたりが要領を得ないやり取りをしていると、すっかり焦らされて我慢できなくなった女が、
 「お、お願い。ちょうだい、それをちょうだい」
 と切羽詰った口調で訴えました。桃太郎はニヤリとします。
 「ほら、猿美。この女だって欲しがっているんだぞ」
 「でも、やめて」
 「お願い、ちょうだい!」
 「ほら、こう言ってるぞ」
 三人でいつまでもやり合っているうちに、限界を迎えたのは焦らされきった女でした。
 「なんでも話すから……ちょうだい」
 結果として、すんなりと女の口を割ることができたのでした。
62異説・桃太郎19:2007/01/29(月) 20:02:42 ID:9v3d35yC
 女によると、鬼が島には四十人ほどの「鬼」が住んでいます。いずれも若い女性ばかりで、生計を立てるために高
い身体能力を活かして海賊行為を行っているのでした。黄金夜叉は鬼が島住人の指導者であり、海賊時には首領となり、
町にあっては行政の最高指導者として君臨しているのでした。島の住人たちは皆不満なくこの首領に心服し、従ってい
ますのでこの島の小さな独立国家はとどこおりなく運営されているのです。黄金夜叉は島の中央にある小さな宮殿に住
んでおり、町にいつでも睨みをきかせられるようにしています。ですが、常に屈強な女兵士が宮殿の周りを警備してお
り、不審な人間が近づくのを許しません。もしも桃太郎たちが正面から向かっていったなら、この兵士たちによって撃
退されてしまうことでしょう。
 また、黄金夜叉は大変な男嫌いで通っており、そのことからこの島には女しか存在しないのでした。近隣の村を襲う
時にも男は容赦なく斬り捨て、それどころかこの美女は男について口にすることさえ汚らわしそうにするのです。


 「ねえ、桃太郎」
 三姉妹と桃太郎が黄金夜叉を急襲し財産の在り処を吐かせる作戦を練っていると、猿美が思いつめたような様子で言
いました。猿美は先ほどの女の口を割る時からどうも様子がおかしいのでした。
 「どうした?」
 「桃太郎は、鬼たちの女親分ともエッチするつもりなの?」
 「えー……、そうだな、うん」
 いささか答えにくい質問ではありましたが、桃太郎は素直に頷いてしまいました。すると、猿美は複雑な表情を浮か
べます。
 「姉妹ならまだしも、桃太郎が他人とするのを見るなんてあたしいやだよ……」
 そう言うと、彼女は悲しげな顔をして席を立ってしまうのでした。
 「な、なんなんだあいつは」
 桃太郎がいなくなった猿美に対して腹を立てます。
 「ん〜、犬子もお兄ちゃんが他の人とエッチしてるとあんまり嬉しくはないけど、我慢できないわけじゃないよ」
 と犬子は言います。この娘は頭を撫でられていれば概ね満足なのでした。むしろ、おあずけを命令されると興奮する
マゾヒスティックなところがあるかも知れません。
 「きっと猿美は、桃ちゃんのことが好きで好きで仕方ない甘えんぼさんだから、我慢できないのじゃないかしら」
 雉江はお姉さんらしく言いました。
 「あいつが? 俺のことを?」
 極度の朴念仁である桃太郎は首を傾げます。彼には、必要以上に挑発的な猿美の態度から自分を好きだと考えるのは
無理があるように思えました。
 「そんなわけ、あるはずがないよ」
 と桃太郎は口にしたものの、故郷の村で猿美と交わった時のことを思い出しました。「あたしのこと、あんたの好き
にしていいわ」と言った時のことが甦ります。しかし、犬子と雉江は桃太郎と初めて身体を交えて以来抑制が外れたよ
うに身体を求めあっていましたが、猿美は逆にあれ以来桃太郎に身体を開こうとはしないのでした。そのくせ、桃太郎
のそばにやってきたり挑発してくる頻度は高まるのですから彼にとってはわけがわかりません。
 しかし、いずれにしても桃太郎は女首領を犯す作戦を中止する気はまったくありませんでした。正直、そのためにわ
ざわざ鬼が島くんだりまで来たのですから、何もせずに帰るなど考えられないことでした。
63異説・桃太郎20:2007/01/29(月) 20:03:56 ID:9v3d35yC
 鬼が島の統治者にして海賊の首領、通称黄金夜叉はその夜、宮殿の自室にて執務をしていました。小さな島とは言え、
政治と軍部の指導者を兼任している彼女には処理すべき事柄が数多くあるのです。
 黄金夜叉は島にいる数多くの女の中でも群を抜いた美貌の持ち主でした。女らしい美しさというよりは、美少年を彷彿さ
せる凛々しさを持ち合わせています。戦いの中で鍛え上げられた肢体と、相手を射抜くような鋭い眼光が彼女に獰猛な
虎のような印象を与えます。ですが、同時にふたつ名の由来となった黄金色の長髪や、豊かな胸が女性としての美しさ
を強調します。黄金夜叉はそんな危ういアンバランスな魅力を持った女でした。また、男を毛嫌いして近づけないよう
な所が、島の女たちの同性愛的な憧憬の対象となり、ますます彼女は求心力を増していくのです。
 「大変です、島に敵襲がありました!」
 黄金夜叉が書き物をしていると、自室に警備兵のひとりが駆けてきました。
 「なんですって? 報告しなさい」
 「はい。敵の数は不明ですが、少数と思われます。夜の闇に紛れて町外れで数箇所、奇襲攻撃を行っています」
 「被害は?」
 「建物の被害もなく、死傷者も出ておりません」
 「すぐに鎮圧に向かいなさい」
 「は」
 警備兵はバタバタと走っていきます。
 そう大した敵襲でもなさそうだ、と黄金夜叉が思った瞬間、背後から衝撃を受けて彼女は床に倒されました。
 「!?」
 「おっと、叫んだって無駄だぜ。この宮殿の警備兵はさっきの奴でみんな出払ってしまった。俺の部下たちの陽動作
戦によって今は町外れを駆けずり回っているはずさ」
 黄金夜叉を押し倒して薄く笑ったのは、鬼退治に来たとは到底思われないほど邪悪な笑みを浮かべた桃太郎でした。
64異説・桃太郎21:2007/01/29(月) 20:07:24 ID:9v3d35yC
 桃太郎は歓喜に震えながら金髪碧眼の美女の衣服を剥ぎ取りました。
 「な、何をするかっ」
 「おまえを犯すんだよ」
 「くっ、させるかっ」
 黄金夜叉は軍人らしく拳を振るいましたが、不意をつかれていたので体勢も悪く桃太郎には当たりません。一方、卑
怯にも不意打ちした桃太郎は準備万端であったので、すぐさま屹立した自らの男根の剣で黄金夜叉を刺し貫きます。
 「ぎゃあああああああ」
 あまりの激痛に彼女は悲鳴を上げました。しかし、桃太郎はそんなことおかまいなしに抽送運動を行います。
 「貴様、殺してやるぞ」
 黄金夜叉は凶悪な視線で桃太郎を射殺さんばかりに睨めつけます。しかし、押し倒されて犯されながらの反抗的な態
度は、桃太郎の変態的な嗜虐心に対していよいよ火に油を注ぐだけです。
 桃太郎は間もなく欲情の迸りを黄金夜叉の中にぶちまけました。
 「くっ、汚らわしい……」
 美貌の女首領は顔を歪めます。彼女は、これからが反撃の時と思い込んでいました。この無礼者を組み伏せ、生まれ
てきたことを後悔するくらいの恐ろしい刑罰を与えてくれる、と意気込んで起き上がろうとした時でした。突然に身体
に衝撃が走り、熱を覚えます。凄まじいほどの勢いで黄金夜叉の女の身体の敏感な部分が火照ってくるのです。
 「貴様、何をした……」
 彼女が状況に気づいた時にはもはや手遅れでした。
 「俺の精液を受け入れると、身体が火照って、男が欲しくて欲しくて仕方なくなるのさ。さて、男嫌いの女首領様は、
俺におねだりできるのかな?」
 桃太郎は意地悪げに告げました。極悪人の彼は、これから女首領が抱えるであろう女としての葛藤をサディスティッ
クに楽しもうとしているのでした。完全に変態のやる事です。
 非道な彼は、黄金夜叉の甘い苦しみがさらに増すように愛撫を加えました。桃太郎は、今までに見たことがないよう
な大きく紡錘型の乳房に吸い付きました。黄金夜叉の身体は鍛え上げられた軍人の身体で、美人三姉妹の肢体とはまた
違った感触がします。
 「わ、私の身体に触るなっ」
 女軍人は悲鳴を上げます。喧嘩では、先に泣きを入れた方が負けと言われます。性技を巡るふたりの戦いは、この時
に雌雄を決しました。最も、一方的に攻め立てることと、防ぐことしかできないふたりの戦いは始まった時に結末は決
まっていたのかも知れませんが。いずれにしても、後は桃太郎が徐々に気高い女首領のプライドをとろかしていく過程
なのでした。
65異説・桃太郎22:2007/01/29(月) 20:09:53 ID:9v3d35yC
 「貴様、殺してやる。殺してやるからな……」
 黄金夜叉の言った言葉は先ほどと同じですが、今回の言葉はずっと力を失い、必死に無駄な抵抗をしている感じがし
ます。
 「さぁ、黄金夜叉。俺が欲しければ、村々から奪った財産の在り処を教えるんだ。そうすれば、おまえを天国に連れ
て行ってやる」
 「誰が、言うかっ、この外道が……」
 さすがは黄金夜叉と言うべきか、普通の女ならばとうに屈服している誘惑にも決して屈しないのでした。ですが、残
念なことにこうした健気な様子がますます人でなし桃太郎の征服欲を煽るのです。桃太郎は、焦らして口を割らせる作
戦を中止し、次の作戦を取ることにしました。
 「黄金夜叉、喜べよ。おまえをたっぷりと犯してやることにしたからな」
 「……」
 彼女の口からやめろ、という言葉は出ませんでした。もしかすると限界が近かったのかも知れません。桃太郎が屹立
したものを女首領の中に沈めると、先ほどとは違い、ぐっしょりと湿った女の渓谷は桃太郎を滑らかに受け入れました。
黄金夜叉も息を吐いて、次いで快感に呻きます。桃太郎は素早く腰の運動を始めます。そして容赦なく彼女を攻め立て
るや、すぐに中に精液を放出しました。そうです。桃太郎はありあまる精力を発揮し、何度も中だしを行うことで、黄
金夜叉にさらなる催淫効果を与えようとするのでした。
 果たして、効果はてきめんでした。幾度も精液を受け入れるうち、女首領は気が狂わんばかりに乱れはじめるのでし
た。戦場での凛々しい黄金夜叉を見ている桃太郎は、島の英雄を組み敷いて犯し抜いているこの状況にえも言われぬ征
服欲を満たされていました。
 ほら。と、桃太郎は思いました。猿美以外の他人を犯すのだってこんなに気持ち良い。こんなことやめられるはずが
ないではないか。これを放棄して交わりを猿美だけに限るなど、考えられない。けれど、先ほど悲しげな顔をして立ち
去った猿美の顔がどうしても心の中から振り払えません。そう言えば、やたらと煩わしい猿美ですが、身を削ってでも
桃太郎のために動き回ってくれるのも猿美であったように思います。今回の鬼が島遠征も、一番反対していたものの、
参加するとなったら一番張り切って立ち働いたのも彼女でした。一番の重装備をして、女だてらに桃太郎を守ろうとま
でしているのも彼女なのでした。
 ……くそっ。
 桃太郎は自分の感情をもてあまして苛立ち、八つ当たりをするように黄金夜叉への攻めを乱暴に激しくしました。
 「あ、ああっ、ああああああああっ!」
 女首領は悲鳴を上げました。もはや桃太郎は当初の目的を見失ってひたすら女首領を追い詰めます。
 「も、も……、なんでも話すから……、ゆる……して……っ」
 黄金夜叉はやがて白目をむき、口から泡を吹いてぐったりと倒れました。桃太郎の陰茎から、何度目かの飛沫が女の
中へと噴出しました。
66異説・桃太郎23:2007/01/29(月) 20:11:24 ID:9v3d35yC
 「これで胸を張って帰れるね、お兄ちゃん!!」
 と犬子は嬉しそうに尻尾を振りました。
 「おう、そうだな」
 「桃ちゃんもこれで村の英雄ね」
 と雉江。
 「おめでとう、桃太郎」
 猿美も笑顔を見せました。
 三姉妹と桃太郎は豪華な船上でささやかな戦勝祝賀会を行っていました。鬼が島から金銀財宝を掠め取り、あまつさ
え海賊用の大船を奪い取ってきたのでした。これではどっちが海賊かわかりません。
 船は故郷の村へと進路を取っています。四人は大勝利にご機嫌でした。村へ帰れば四人は英雄として歓待を受けるこ
とは必至です。四人は浮かれて酒を大いに飲んだのでした。
67異説・桃太郎24:2007/01/29(月) 20:16:01 ID:9v3d35yC
 大変に盛り上がった宴も全員がつぶれるような形で、なし崩し的に終了。桃太郎もすっかり眠り込んでしまっていま
したが、深夜にふと目が覚めました。どうやら身体が冷えてしまったようです。むっくりと起き上がると、傍らには犬
子が大股を開いて眠り込んでいます。まだまだ恥じらいが足りないあたりに少女としての未成熟さを感じますが、これ
はこれで桃太郎には好ましく思えるのでした。その隣にはやはりだらしなくつぶれてしまっている雉江が眠っています。
雉江は乱れた着物の胸元から豊満な乳房が覗き、同様に下もはだけて白い太腿が露わになっているのでした。しかも、
乳房の先端の苺や太腿のつけ根の渓谷は、絶妙なはだけ具合で見えません。まるで計算したかのようなこの色気もこれ
はこれで桃太郎にはたまりません。ですが、あの勝気な少女の姿だけが見えませんでした。
 桃太郎はそっと立ち上がり、甲板に出ることにしました。今夜は満月ですから、月明かりに照らされます。すると、
猿美はそこにいたのでした。生意気な美少女は桃太郎に気づきません。どうやら、立ったまま身を屈めて帆をかけ直し
ているようでした。そして、その体勢ですと、少女の良く張り出したお尻が突き出されてゆらゆらと揺れ、まるで桃太
郎を誘っているように見えるのでした。
 桃太郎はふと思いつき、こっそりと背後から少女に近づくと、そのお尻を両手で撫で上げました。
 「……あっ!」
 猿美は弾かれたように身体を伸ばし、そして、力が抜けてへなへなとその場に座り込みました。
 「も、桃太郎……」
 「よう」
 「お尻だけはさわらないでって言ったのに」
 美少女は前回と同じように弱々しく桃太郎を非難します。しかし、女の子にやめてと言われるとどうしてもやりたく
なってしまうのが桃太郎の習性なのでした。
 「尻がどうかしたのか?」
 桃太郎が問いかけても、
 「べつに、なんでもないわ」
 と猿美の返事は要領を得ません。彼はどうしてもその答えを知りたいと思い、猿美に襲い掛かりました。
 「きゃあ、な、何すんのよっ」
 「見せてみろよ」
 「だめ、だめ、見たらだめーーっ!」
 嫌がって抵抗する猿美の下半身をめくり上げ、お尻を露出させます。すると・・・。
 「……なんだ、こりゃ?」
 「……見たらだめって……言ったのに……」
68異説・桃太郎25:2007/01/29(月) 20:16:38 ID:9v3d35yC
 以前に見た時は絹で練り上げたように真っ白だった猿美のお尻は、真っ赤になっているのでした。
 「腫れたのか?」
 「ちがう。痛いわけじゃないの。あんたと……その、してから、急に赤くなってしまって、どんな薬を塗っても直
らないの」
 猿美は泣きそうな顔をしていました。
 「そうか。多分俺と交わった影響だろうな。犬子に尻尾が生えたり雉江姉ちゃんに羽が生えたりしたようなやつだ」
 「こんな影響ってあるの?」
 「多分、猿みたいに尻が赤くなったんだろ」
 「がぁーん、さ、猿……」
 猿美は床に手をついて落ち込むような様子になりました。
 「そんなこと気に病んでいたのか? 馬鹿だなぁ」
 究極に無神経な桃太郎が言いました。
 「あんたねっ、あたしがどれだけ悩んだと思ってるのっ!?」
 「尻が赤くたって何も困らんだろうが」
 「だって恥ずかしくて……あんたに見せられないもん」
 猿美は真っ赤になって顔を伏せました。美少女は真っ赤になったお尻を見た桃太郎に嫌われるのが怖くて、あれ以来
桃太郎と交わるのを拒否していたのでした。
 「なんだ、そんな理由だったのか? てっきり嫌われてるのか思ってたぜ」
 「嫌いになんか……どんなことがあってもなるはずがないわ」
 なんだか桃太郎は落ち着かない気持ちになってきました。桃太郎は、何が大事で何が大事でないかすら判断できない
大馬鹿者でしたが、この健気な少女だけは失ってはならないような気がしました。
 「それに」
 と猿美は続けます。
 「あたしは、我がままだから。あんたに、ただ抱かれるのが嫌だったの」
 「どういうことだよ?」
 「あんたの特別な人として抱かれたかったの」
 今や、月明かりに照らされた美少女はまっすぐに桃太郎の目を見つめていました。不器用な少女は覚悟を決めてつ
いに秘められた胸の内を明かす気になったようでした。
 常に結論を先延ばしにしたい男である桃太郎は、そんな少女の小さな勇気に戸惑いました。何かを選ぶことは常に
何かを失うことです。この健気な少女を選ぶことによって他の女との交わりを失わねばなりません。ですが、桃太郎
は自分でも不思議なほど素直に、この勝気で不器用で繊細な美少女を選ぶことに決めたのでした。
 「おまえを、特別な女として抱いてやるよ」
 桃太郎は露出したままの猿美の赤い尻にくちづけました。
69異説・桃太郎25:2007/01/29(月) 20:19:17 ID:9v3d35yC
 「いや……っっっっ」
 猿美の身体が震えます。
 「どうした?」
 「そこ、赤くなってから……、感じすぎるの」
 と少女は強く目をつむって、強すぎる快感を逃がすようにしながら答えました。
 桃太郎は猿美の赤い尻に、触るか触らないかの微妙なタッチをしていきました。猿美は快感に悶えます。そして、
愛撫を続けるほどにますます強いタッチを求めるようになり、いよいよ少女の身体の中で快楽の炎が燃え盛るのでし
た。どうやら、赤くなって以来猿美のお尻は性的な弱点となってしまったようでした。
 「猿美、入るぞ」
 桃太郎が告げると、猿美はこくんと頷いて、
 「おねがい、うしろからして」
 と求めました。
 「後ろから?」
 「お尻にあたったら……、きっと気持ちいいの」
 少女は羞恥で真っ赤になりながら言いました。桃太郎は猿美を四つ這いにして、背後から自分の分身を沈めていき
ました。美少女の身体が芯棒を通されたように反り返ります。
 「行くぜ」
 「……来て」
 背後から、桃太郎が猿美のお尻に自分の腹を打ちつけるように責め立てると、彼女は気も狂わんばかりに乱れはじ
めました。
 「あ、ああっ、おかしくなりそう」
 「おかしくなったらいいよ」
 猿美は桃太郎が今までに経験した誰よりも激しく乱れます。ふと思いついて、桃太郎は軽く少女のお尻を平手でぱ
しっと叩いてみました。
 「っっっっっっっ」
 猿美は、電撃を受けたような快感のショックを受けました。
 「すごすぎるわ……桃太郎」
 桃太郎は調子に乗って何度も美少女のお尻を叩き、そして駄目押しのように腰を女の谷の最深部にえぐり込みまし
た。
 「っっっっっっっっっ」
 猿美は悶絶して痙攣しながら果てました。その膣の強力な締め付けに耐えかね、桃太郎も精液を思うさま射出しま
す。一弾、二弾……、着弾する度に少女はぴくんと痙攣するのでした。
 「あ、お姉ちゃんたちずるーい!」
 と、その時必要以上に元気な少女の声が後ろからしました。
 「私たちも入れてもらいましょうか、犬子」
 雉江です。
 「猿美ばかりじゃ、不公平ですものね」
 と、妖しく笑います。
 桃太郎は猿美を選びましたが、おそらく猿美を選ぶことは三姉妹を選ぶことと同義なのでした。村に帰ったら、き
っと猿美がびしびしと桃太郎を働かせるに違いありません。そして、従順な犬子が尻尾を振りながらその周りを動き
回るでしょう。穏やかな雉江は、少し離れた位置で微笑んでいるかも知れません。そして、夜にはマゾヒストの犬子
とサディストの雉江相手に桃太郎は大忙しのはずです。そして、そんな所に眉を吊り上げた猿美が怒鳴り込んできて
……、そしてきっと桃太郎の相手は三人に増えることになるはずです。
 これからはきっと、そんな三姉妹との素敵な日々が続くに違いないのでした。



 色々と問題を残しながらも、めでたし、めでたし……本当か?


                        了
70名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 20:22:51 ID:9v3d35yC
終わりました。随分長くなってしまいました。
暇のある方読んでくださると嬉しいです。
すっかりスレを埋めてしまって申し訳ない。

>>54
ああ、すごい。神だ。感動しました!! 家宝にします。
特に姉さんの胸元がたまりません。
またぜひ!!
71名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 23:19:00 ID:UYMx3lkd
GJ!素晴らしい内容!
ありがとぅー!!
72名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 23:59:14 ID:93Oz9Qz5
ktkr!!!!
GJ!!エロい!
73名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 19:48:53 ID:zY9bHmaf
>>71,72
読んでくださってありがとうございました。

次の解釈の桃太郎をwktkしながらROMに戻ります。
74名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 08:59:34 ID:U/KE7+wa
Momotarō
Wikipediaから、自由な百科事典
ジャンプへの: 運行、調査

MomotarōのBisqueの人形Momotarō (桃太郎)は日本の民間伝承からの普及した英雄である。 彼の名前は文字通りモモTarōを意味する
; Tarōは共通の日本の男の子の名前であるので、頻繁にモモの男の子として翻訳される。 Momotarōはまた様々な本のタイトル、
フィルムおよびこの英雄の物語を描写する他の仕事である。

物語の現在の形態に従って(江戸時代に日付を記入する)、Momotarōは衣服をそこに洗浄していた古く、子どもがない女性によって
川の下で浮かぶことを見つけられた巨大なモモの中で埋まることを来た。 それを食べるためにモモを開けることを試みたときに
女性および彼女の夫は子供を発見した。 子供は彼がHeavenによって息子であるために送られたことを説明した。 カップルは彼を
momo (モモ)およびtarō (家族の長男)からのMomotarōと、名前を挙げた。

物語のより古い形態に古いのがある、子どもがない女性は彼女がよい色
および風味がよ見ることであるとそれが見つけるように、巨大な、浮遊モモを発見し、
それに彼女が付いている家を取る。 モモの部分を食べた後、老女は突然活性化し、
彼女の青年の美を取り戻す。 彼女の古い夫が丘から家に帰るとき彼の家の眩ます
若い女性を見つけるために、彼は驚かされる。 最初に彼は彼女の活性化させた形態の
彼自身の妻を確認しないが、彼女がいかに川で浮かぶ珍しいモモを取り、それを
食べるためにそれに家を持って来、説明したりそして魔法のように変形したか彼に。
彼女は食べるためにそれからモモの部分彼女の夫に与え彼はまた彼の若々しい活力を取り戻す。
夜、最近強められたカップルは愛および女性をその結果作ること妊娠するようになる。
彼女は最初子供にそれとして結局生れを、彼らがTarōと名前を挙げる息子、
である最初の息子の共通の日本の名前与える。 物語のこの版は歴史的に文書化されるが、
同時期のヨーロッパおよびヨーロッパアメリカ文化が付いている接触を通した
日本にもたらされた性の主題への新しい感受性、および検閲された教科書版のための
Meiji期間の学校の教科書のsexless版とようである最も古いものである、
多分取り替えられる急速に一般的な日本の社会的な意識の従来の物語に取って代わった。
それは女性のバトックに類似するとフルーツが信じられるのでモモが頻繁に日本の性
または豊饒の記号として見られること著しい。

後で年、MomotarōはOnigashimaと呼ばれた島のための彼のそこに住んだ襲撃のoniを破壊するために親を残した(鬼か鬼)。
途中、Momotarōは彼の探求の彼を助けることに同意した話す犬、猿およびキジに会い、助けた。
島で、Momotarōおよび彼の動物の友人は鬼の城砦を突き通し、彼の軍隊と同様、手渡すことに鬼のリーダー、Uraを打った。
彼の新しい友人と起点に戻ったMomotarōおよび彼の家族は楽にそれ以来住んでいた。

Momotarōは岡山と強く関連付けられ、彼の物語に起源がそこにあるかもしれない。 物語の鬼の島は時々
Megi-jimaの島(Takamatsuの近くの内陸の海の島)とその島で見つけられる広大な人造の洞窟のために関連付けられる。
75名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 02:25:07 ID:MMn5CCwA
面白かった。GJ!
76名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 15:23:17 ID:BAzJOGHm
ほす
77名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 11:25:52 ID:KFI9vNpI
ももたろさんももたろさん!!
78名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 19:50:46 ID:26xZpUg2
相違や江戸時代に桃太郎に倒された鬼の娘が敵討ちに来たのに惚れてしまうと言創作があったそうだ

日本人は根っから萌え好きなんだな
79名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 22:15:45 ID:R5/poUaf
さすが平安から続く萌えの国だ
80名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 00:18:31 ID:s5/2K4cl
馬鹿なっ!神話の時代からだぞw
花ハァハァとか、亀ハァハァとか
81名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 17:10:32 ID:BjYz/TFz
保守
82名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 22:46:30 ID:8bq0ARB1
保守ッ
83名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 20:51:38 ID:cQWYPerl
あげ
84名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:38:46 ID:7p2eYsy4
児童文学の桃太郎は神
85名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 23:24:07 ID:CHkzJs85
86名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 02:58:06 ID:8j4ZE8gD
>84
児童文学スレとかがあるのかと思って探しちまった
原作の桃太郎が神って事ね
87名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 15:45:16 ID:zFLPipdJ
あげ
88名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:10:18 ID:qxBPtSUN
投下します。非エロです。考えながら書きます。
あくまで全てが予定です。スイマセン。




ここは言わずと知れた鬼ヶ島。
そこに一人の青年、っていうか今にも泣きそうな男の子がいました。

その少年の名前は桃太郎。
そう犬、猿、雉をお供に鬼を退治したというあの桃太郎である。

しかし今、彼は一人である。それは何故か?
それを知るには鬼ヶ島に来る直前までさかのぼる。


「桃太郎さん。」
「ん?なんですか、犬さん?」
「鬼ヶ島に行くのは明日にして、今日は休みませんか?」
「そうですね。では明日に備えてあそこの宿に泊まりましょうか。」
「はい。」

   その日の深夜
「すやすや」
犬(おい、桃太郎の奴、熟睡してるぞ)
猿(逃げるなら今だな。)
雉(まったく、なんでこんな餓鬼に付き合って、
  鬼退治なんて行かなきゃなんないのよ。)
犬(だから逃げるんだよ。きび団子目当てで近寄っただけだからな。)
猿(それならこんなとこさっさと行こうぜ。)
雉(そうね。さよなら、あわれな坊や。)

  次の日

「ふぇっ!?犬さん、猿さん、雉さん。どこ行っちゃったんでっすか〜!!(涙」

こうして、桃太郎は一人になってしまいました。
89名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:51:17 ID:qxBPtSUN
桃太郎は、おじいさんとおばあさんに「鬼を退治するまで帰って来ません」
と言ってしまった手前帰るに帰れず、仕方なしに
鬼ヶ島へと行くことになったのです。

  ところ変わって、鬼ヶ島

「ど、どうしよ〜。鬼が出てきたら。」
いや、あんた退治しに来たんでしょうが。
「そ、そんなこと言われても〜。(涙」
いいからとっとと行く!
「は、はいー!」
ったく。あっ、失礼しました。
こうして鬼ヶ島に乗り込んだものの、情けない性格の桃太郎は
びくびくしながら島へと入っていくのだった。

島に入って2時間、桃太郎はというと、
「ここはどこ〜〜〜!!」
迷っていた。

「ココはドコだろう?舟の場所もわからなくなっちゃたし。(涙」
女々しいことを言いながら歩く桃太郎。っとそのとき、
(がさがさ)
「ひぃっ!!」
茂みがゆれた。

「な、何かいるの?」
おっかなびっくり、茂みに声をかける桃太郎。
返事があったらどうするつもりだよ(呆

(トントン)
「ん?」
肩を叩かれた気がした桃太郎は振り返った。
そこには、

「なにしてんの、坊や?」
鬼がいた。
「お、お、お、」
「お?」
「おにぃぃぃぃーーーー!!!(ガクッ)」
気絶した。
「ちょ、ちょっと!大丈夫?!」
なっさけない。退治しに来た鬼に心配してもらってどうする!!

90名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:04:04 ID:qxBPtSUN
「ん、うーん。ココは?」
「あっ!目がさめたようですよ、お頭。」
「そうか。」
(目がさめた?ココはドコ?ぼくは確か、鬼退治をしに
 鬼ヶ島に上陸して、そこで・・・・!!!)
やっとバラバラだったピースがそろったようです。ってか遅い!
「よっ、起きたか坊主。」
「お、お、お、」
「お?」
「おにぃぃぃーーー!!!おっ、お願い!食べないでーーーー!!!」
「誰も食わんよ。」
「ふぇ?ほ、ほんとですか?」
「あぁ。っと、起きたばかりで悪いんだが、」
「なっ、なんでしょう?(ガクガク)」
「そんなにおびえなくても大丈夫だよ。ただちょっとお願いがあってな」
「はぁ、なんでしょうか?」
「男はみんな疫病で死でしまって、今この島には女しかいない」
「はぁ、ご愁傷様です。」
「ほとんどの娘が生娘で、しかも若い。このままでは我等の種が
 途絶えてしまう。そこでだが・・・」
「はい?」
「私達を嫁にもらってくれないか?」
「へっ?」
「簡単に言うと、私達みんなにお前の子供を産ませてくれないか?」
「はぁ・・・・・・って、えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
「よろしく頼むぞ、だ・ん・な・さ・ま(ハート)」

こうして桃太郎は、たくさんの嫁さんを迎えることになった。



スイマセン、やっぱり続きません。
91名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:08:02 ID:YqoiJCUI
グダグダでスイマセンm(_ _)m
92名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 00:09:01 ID:YqoiJCUI
あっ!ageちゃってすいません!!
93名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 04:59:00 ID:mPk1CMcV
なぜだろう・・・こう、やるせない気持ちになるのは・・・。
94名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 00:43:54 ID:nXiZySdZ
エロくないとかそれ以前の問題だな…
地の文が登場人物にツッコミ入れるのは異説桃太郎も同じだが
そのツッコミが面白くないと全く笑えないのに
95名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 01:36:11 ID:njymcz/s
まあ、なんだ。
ツッコミがボケを活かす事もあれば殺す事もある。
96名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 13:16:39 ID:aqoCy+jF
定期保守
97名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 00:41:58 ID:e7SzwW1r
つーかこれは、ハ○゙ソンの桃太郎伝○も含むのだろうか

それなら夜叉姫とかイヂメ甲斐のあるおにゃのこ出しやすくてイイんだが…………
98名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 00:49:28 ID:5MvrRWpT
>>97書いてくれ!!!
99名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 13:10:11 ID:zFqFdwNr
age
100名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 22:00:20 ID:av8KSrSd
age
101名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 01:11:55 ID:h4/IYgbZ
sage
102名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 12:32:52 ID:HxeyBSxR
桃太郎が女で逆ハーレムもの…てゆうか桃子総受けの需要はあるのだろうか。
過疎ってるし投下していいかなあ。長いんだけど。エロまで遠いけど。
拒否がなければ投下しちゃうゾ☆
103名無しさん@ピンキー:2007/06/12(火) 04:11:18 ID:njdOQRP2
しなくてもいいわけないじゃないか
104名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 15:56:49 ID:0wfDrXPz
>>102
救世主現る
10597:2007/06/14(木) 20:23:25 ID:UvIUNeI2
やってみるが、なかなか浮かばないからできるかわからん。
それに元々マターリ書くタイプだから、当分書けないから期待しないでくれ
つーわけで

>>102
お先にどうぞ
106102:2007/06/16(土) 05:16:39 ID:XO/hOw27
許可していただきありがとうございます。
堅い文体ですが内容はバカエロ…を目指してかいてみました。
投下。
107102:2007/06/16(土) 05:23:39 ID:XO/hOw27
 「うっ…うえっく……ひっ」
  誰も通らぬ街道を、泣きじゃくりながら、ただ歩いていた。
  村を出てどれほど歩いただろうか。
  太陽がいまだ頭上を照らしているということは、さほども進んでないと思われる。だが桃子はも
はやくたびれ果てている自分に気づいて、気づいたと同時に道の真ん中にぺたりと座り込み、そして
動けなくなった。
 腰の古布で涙を拭いそのままずびびと鼻をかんだ。
 あれからずっと泣きどうしだ。こんな歩き方をしていたら鬼が島にたどり着くまでに、呼吸困難で
死んじゃうよ。どうしたってもう村には帰れないのだし…。
 そうして再び涙を拭おうと古布に手をやり、そこにいた小さな黒い蝶のような妖魔に気づき、桃子
は顔を曇らせた。古布についた桃子の鼻水を吸っている。子供の頃から何度も見てきた光景だが、さ
すがに今日は胸が悪くなり、きっとにらんで立ち上がり、ばたばたと古布をふるって追い払った。
「ばかっ!お前のせいで、お前たちのせいで!!」
 ひらひらと空に消えたそれを見送ると、ふう、と一息大きく吐き出して、そうしてまた溢れてくる涙に桃子は再びしゃがみ込んだ。

 私が妖しのたぐいであることを、少なくとも人間ではないことを、おじいさんとおばあさんは知っ
ていたのだろうか。
 村の出口でいつまでも手を振り見送ってくれた育ての親の顔が浮かぶ。
 桃から生まれたなどと教えてくれていたからにはおそらく…
 「知ってたんだろうな。なのに存分に可愛がってくれた、十分だ。」
 自分を納得させようと何度も心で頷くが、追い出された、捨てられたという思いに未だ涙ぐむ。
 子供の頃はよかった。だが桃子の胸が張り、尻が丸みを帯びてきたころから、ちらほらと妖魔妖獣
のたぐいが桃子の周りに現れるようになった。彼らはとりたてなにをするわけでもなくただ桃子と遊
んだりじゃれあったり…具体的には、例えば口を開けているとさっきのように桃子の唾液を啜ったり
、体のある特定の部位を舐めさすったりしていたのだが、子供の桃子にとってそれは不快どころか好
ましい、可愛い小動物との触れ合いだった。
 だが村では今までそのような妖しめいたものが現れたことはなかったという。遠くの村では妖獣に
村人が食われたやら、妖魔がいたずらに子供を隠したやらの話があり、このまま妖しの増えるがまま
にするわけにいかぬ、もうここまでとばかりにおばあさんに「鬼が島にいっておくれ」と泣きつかれ
たのだ。村の者全員の、それは命令だった。
 鬼とは妖魔妖獣と交わり生まれた半人半妖のことだ。
 自分に群がる妖しのたぐいに、そしてそれを少しも恐れない己に、そうではないかとは思っていた
が桃子はずっと認めたくなかった。だが現に桃子に集まる妖し達は、桃子の成長と共に増え、そして
姿も共に大きくなっていく。もう逃げられない日が来てしまった。自分が人間ではないという事実。
そして大好きなおじいさんとおばあさんとわかれなければならないことを。
 旅立ちの折におばあさんが泣きながら手渡してくれたのが染み反(しみこたん)だ。
古着物を短冊に裂いたそれは、女の月の障りにわらに被せて使うものだ。
 桃子はまだ大人になってはいなかったが、近くそのときが訪れるのはすでに十分張り出した胸やく
びれだした腰を見れば明らかだ。そのときのための、最後の母心を桃子は泣きながら受け取った。
 
 まさかそれがイヌイと旅をするきっかけになろうとは、ひいては自分が何者か知ることになろうと
はそのときは夢にも思わなかったけど…。
108102:2007/06/16(土) 05:34:06 ID:XO/hOw27

「お嬢さん、お嬢さん。」

 イヌイと出会ったのは、村を出てすぐといってもいいだろう。別れを思い出しての涙がどうにも止
まらず、再び染み古反を握りしめたときだった。
 端の茂みから出てきたのは見慣れぬ灰白犬の妖獣だった。大きな体に青みがかった毛並みだが姿は
人間に近い。半妖かもしれないとはじめは思った。成獣の妖しを見たのは桃子は初めてだったのだ。

「腰につけた染み古反、ひとつくれねえか。もう倒れそうなんだ。」
 妖獣は少しも倒れそうにない様子でそう言って、桃子の前に立ちはだかった。
「なによ、いきなり…。見ない顔だけど誰?半妖?半犬?半狼?」
「イヌイだ。一応妖獣…かな。お嬢さんに腹が鳴るくらいだから。」
「おなかがすいてるの?私もきび団子くらいしか持ってないんだけど。」
 さすがに幼少の折から妖魔妖獣と戯れてきただけあり、少しも恐れた様子なく桃子は言った。
 だが相変わらず涙はまだあふれている。
 と、目前がいきなり暗くなり、その妖獣イヌイが一歩で間合いを詰めたのだと思うと同時にべろり
と涙ごと頬を舐め上げられた。

「うひゃあっ」と桃子が後ずさり、小石に足を取られそのまましりもちをつく。
「なんだよ色気ねえ声だな。それにこの味…まさかおぼこか?」
 いきなり味わわれた上にこの言い草。当てられたからこそ桃子はムカっとして立ち上がった。
「ちぇ、ついてねえ。なら染み古反なんか持ってんなよなあっ!」
「なにすんのよっこの犬っころ!!」

 立ち上がりがてらに勢いつけて大きく右手を振り上げる。手のひらはパーだが、突き上げる勢いは
アッパーだ。
 まともに入ってイヌイの体は吹っ飛んだ。桃子は昔から妖獣との戯れの中、襲われることはあって
も、そうされた時の反撃をかわされたことはなかった。妖しのたぐいに桃子は文字通り力が強い。そ
れが桃子の能力である。それがなぜかは後でイヌイより知るが、今は当たり前にぶっとばす。

「痛ってえなあ。これはとんだおてんば桃だぜ。」
「えっ」
 桃と呼ばれて、もう一発食らわそうと振り上げていた手を降ろす。
「なんで私の名前…。」
 ぶっとんだはずのイヌイだが、猫よろしくくるりと着地を決め、たいして痛くもなさげにあごをさ
すりながらまた歩み寄ってくる。丈夫そうな妖しだと桃子は思った。
「へえ、名前も桃ってんだ?桃岩から出たところ、育ての親は見てたのかね。」
「!?」
「あ?もしかしてお前何も知らないのか!?…どおりで青臭い…。」
 ため息に落胆の色を隠せずイヌイは大きく肩を落とした。
「何も…て、そういうあんたは何を知ってるの!?私のこと!?なんで…っ」
109102:2007/06/16(土) 05:38:55 ID:XO/hOw27
「ならしょうがねえな、今はこれで保たせるか…」
 言いながら長い腕を桃子の腰にまわすや否やぐいと持ち上げ、そのまま名の通り桃色の唇を吸い上
げる。
「……んっむううっ」
 今まで唾液を狙ってきた妖しも、こんなに乱暴に、ダイレクトに啜ってきたものはないよ!第一み
なまだもっと小さな妖獣で…。 

 突然のことに何をされてるか理解できずに、呆然と口を吸われていたが、あごを掴まれ大きく口を
開けさせられたところで、分厚い大きな柔らかい固まりが侵入し桃子の狭い口内を満たした。それが
イヌイの舌であると認識する頃にはすでに息苦しく、桃子はあわてて鼻息をすする。
「すっ…ふっん、も…があ…っあっ」
 のどまで届いたそれに、こみあげそうになり慌てて両腕を突っぱねると、イヌイは難なく吹っ飛ん
だ。

 が、舌を抜き際に口内をぐるりとかき混ぜ、桃子の小さな舌を捕らえて引き抜くようにからめる
ことを忘れなかった。
「…ヒャ…あんっ」
 最後に強く舌奥をなぞっていったそれに、初めての刺激を覚え、声を上げてしまった。
 何、今の…変な声でちゃった…!
 むせながら、糸をひいて外に飛び出したどちらのものか知らない唾液をぬぐう。
「はは。なんだ、素質は十分ありそうだな。ごちそうさん。」
 
口づけ…という言葉もまだ知らない桃子のこれがファーストキス、そして初めて受ける正式な妖獣の
補食だった。

 そして自分の体が作り出す粘液が妖魔妖獣のエネルギー源となることを、桃子はこのとき初めて知
ったのだった。

 正確にはいきなりこのような無礼を働いたイヌイという妖獣を、桃子が息切れるまでぶっ飛ばした
その後ということになるが、ここまでたたきのめしても笑ってまた寄ってくる妖しには出会ったこと
はなく、つくづく丈夫な妖獣だと感心すると同時に、桃子は初めて妖獣を少し怖いと思った。
 だがイヌイは口を啜って後は、口は悪いが礼をつくして桃子に接し、自分を殴り疲れてぐったり
する桃子に山から冷たい水を汲んできて飲ませたり、よく熟れたあけびや甘い糖蜜を運んできて舐め
させたり、なかなかかいがいしい。
 そうして十分落ち着いた頃にふかふかのイヌイの尾をまくらに、桃子は自分の正体を知ったのだ。

110102:2007/06/16(土) 05:42:49 ID:XO/hOw27
「唾液がまあてっとり早いんだが、それほどたいした効用はない。」
「な…なによ効用って…。」
「一番力つくのはやっぱり愛液だなあ。」
「あ…あいえ…き?」
「それも達ったときのはとくにいい。」
「いくって…どこにいったとき!?」
「三回くらい達してからのは一舐め300キロメートルってなくらいに悦い。」
「???」首を捻るばかりである。

 まったくわけがわからない桃子を無視し、舌なめずりをしながらうっとりとイヌイが語る。どうや
ら愛液というものを筆頭に自分の体が生み出す粘質の体液が、妖獣妖魔の求めてやまない力の元であ
り、それゆえに幼い頃から自分は妖しに群がられ、ついには村を追い出されたわけだと。
 なるほどと、桃子は理解した振りをした。本当はわかりたくない。泣きながら住み慣れた村を追い
出され、育ての親と別れたのはつい先ほどだ。そのどうしようもない事実を思い出す度に目頭は熱く
なるがそんな桃子を伺うこともなく、イヌイは衝撃的な桃子の正体を続けて語る。

「そして十分経験と成熟をすませ、お前はやがて岩になる。」
「……」もはや自分のこととは思えない。

「それが桃岩属の最終形態な。知らなかったのか。同族の桃岩に触れると記憶は伝授されるんだが、
お前を生んだ岩と育ての村は離れてしまったか、岩が朽ちたか…。確かにこのあたりに桃岩属の形跡
はないな。妖しのたぐいがまったくといっていいほど少ないのがなによりの証拠だ。おまえが知って
る妖しはみな幼体だったのだろう?おまえをたよりに補食してるならなかなかでかくもなれねえしな
。餌がなければ…」
 ちらりと桃子の方を見やって、少し間をあけてイヌイは「桃岩がなければ」と言い直した。
 「桃岩がなければ妖しは生きられない。お前の育った村に妖しがいなかったのはそのためだ。だが
お前が来た。そのまま村に住んでいればやがて立派な桃岩となり、新しい足がかりを得て遠くの妖し
もここまで遠征できただろうに。」残念だ、とイヌイは続け、桃子は改めてイヌイは妖し側なのだと
思った。
 と、なるとやはり自分が村を出されたのは、つらいが正解だったのだ。こんどこそ思い切ろう、諦
めよう。だって自分は人間の味方だもの。そんなふうに桃子は思った。

111102:2007/06/16(土) 05:47:58 ID:XO/hOw27
「どちらにせよ、村を追い出されたなら早いこと桃岩を探して情報得るこったな。お前は自分の事も
世界のこともあまりになにも知らなすぎる。鬼が島なんて行ったって、半人の荒くれがのさばってる
だけだぜ。あいつらは俺たちみたいに桃岩を大事にしないんだ。半分人間だから人間の食べ物で十分
生きていけるくせに、嗜好で桃岩のしずくを食らうんだぜ?お前なんかどんな目にあわせられるか…
俺にされたみたいに無理矢理粘液奪われるか…まあ、そのうちわかると思うが、もっとひどいめに遭
うだろうぜ。桃子、お前まだ未伝達のおぼこのわりに…なんつーか…。」

 イヌイは桃子に語りながらずっと遠くの山間を見ていたが、そう言って自分の尾を振り返る。
 毛並みのよいそれにぐんにゃりと頭を預ける桃子の、放心した顔越しに深々とした胸の谷間が見え
る。二つの山は寝そべってなお、あまり上物でない固い布地をも押し上げ着物の合わせをずらして存
在を主張していた。イヌイの視線に気づいて顔をあげた拍子にぷるんと揺れた。
 柔らかそうだ。
 そう思ってイヌイは自分が今発情期でないことに感謝した。これは…ひでえよなあ、これで…こん
な体でまだおぼこだなんて。早くしないと他のやつらも可哀相だぜ…。さりげない責任転嫁でこれか
らしようとすることを正当化しておく。

「イヌイ…。」
 言葉途中のイヌイにけだるげに話しかける。彼の胸中など知る由もないのだろう。
「同族に触れば知識を得れると聞いても、私…桃岩がどんな岩かも知らない。よかったら教えて…で
きればそこまで連れて行って欲しい。」
「いいぜ、それっぽいのがここにくるまでにあったが、枯れてるようで見過ごしたんだ。まあ、だか
ら腹がへってお前に声をかけたわけだが、今から思うとあのあたりには妖しの姿もまだ見たし、おそ
らくあの岩はまだ生きているのだろう。俺の足だと三日後の夜には着く。」
「本当…!?」がばっと、身を起こしキラキラした目でイヌイを見た。
 初めてまともに目が合って、イヌイはようやく桃子の顔立ちの美しさに気づいた。真っ黒な絹糸の
髪は額の真ん中をわけ、たまごの輪郭を際立たせていた。きりりとしたりりしい眉。漆黒の大きな瞳
は好奇心に満ちて丸い、いかにも快活な少女のそれだが、今のように笑うととたんに目尻がたれ、
ふにゃりとした隙が見えてどうにもそれが色っぽい。真っ白な肌をそれこそ桃のように紅潮させた幼
さの残る頬を、そういえばさっきべろりと舐め上げた。すべすべの柔らかな頬の産毛の感触を思い出
し、まだ子供だ、と心で頷いた。だからはだけた着物の合わせから、あきらかに肌色の違う円形を覗
かせていても、わーい、とはしゃいでイヌイの尾を嬉しげになでて平気でいる。
 思わず唇を寄せたい桃色だ。まだ子供だ。
 イヌイは自分の中の二つの声を、やれやれといった感慨で聞き流した。

112102:2007/06/16(土) 05:56:20 ID:XO/hOw27

「そのかわり」
イヌイの声にびくんと桃子は肩を揺らす。

「俺がお前を連れて行き、お前が桃岩に触れて晴れて桃岩属の記憶を伝授出来たら、その染み古反を
少し分けてくれないか。」
「え…?いいけど…何につかうの?男だよねイヌイ?」
 生理用品など必要ないだろうと、桃子は首をひねるが、そういう桃子も実は生理用品など必要ない
ことをまだ知らない。まだ…ではなく、ずっと。だが染み古反の桃岩属の使い方など、今教えなくと
も桃岩に触れれば同族伝授で知るだろう。

「じゃあ行くか。」
 イヌイは質問などされてない風に立ち上がり、桃子を担ぎ翔た。
 ひゃあ、と声をあげつつ桃子は妖獣の速さに慣れている。さすがに担がれ空を翔たことはなかったの
でおっかなびっくりイヌイの首に捕まっているが、楽しそうだ。
 マジで子供だな…イヌイは心ではそう言語化するが、鎖骨あたりに柔らかい二つの頂の重みを感じ
、抱いてる側の腕に乗った丸い弾力を受け、牝だ、と体が叫ぶのを止めようはなかった。 

 この後のことを思うと自然に口角が緩む。先駆けて味わった口内の粘液のおかげですでに元気だ
。思わぬ拾い物をした。こんな機会は二度とないだろう。存分に味わおう。

 そして俺のものにしよう。

                               このへんまでにしときます。
113名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 09:21:25 ID:78RoqlIX
これは期待wktk
114秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 00:03:48 ID:jBgXVfJr
江戸時代に桃太郎と鬼の子孫の悲恋の話があったみたいなので、鬼退治後の話を作ってみました。

桃太郎は鬼退治をし、その財宝を下に、一国一城の主となっていました。

桃太郎の国は肥沃な大地と海で、年貢にも困らず、また国境を山で囲まれて居るため、領国経営は安定していました。

しかし、家老の犬・キジ・猿は悩んでいました。世継ぎが産まれないからです。

桃太郎は美男子でしたが、財宝を目当てに近づく女性達に飽きてしまっていました。

しかし、この国は桃太郎の威光で成り立つ国。どうしても後継者は桃太郎の嫡男でなければなりませんでした。
115秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 00:17:20 ID:jBgXVfJr
家老の犬が口を開きました。「このまま御世継ぎが産まれなければ、この国は終わりじゃ。」

キジは「しかし、桃太郎様の伽の相手は大変だぞ。」と溜め息を尽きました。

猿は「好みのタイプはわかって居るのだが…」と呟きました。

桃太郎は、幼少時代、自分をいじめからかばってくれた、村で一番の美人だった女性の面影を追い求めていました。

京から移り住んだと噂された女性は、漢詩に親しみ、教養に溢れ、知性と優しさを備えた女性でした。

桃太郎はどうしてもその女性と、近づく女達を比べてしまうのです。過去の美しい記憶に勝てる訳がありません。こうして縁談は消えてゆきました。
116秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 00:32:07 ID:jBgXVfJr
その時、浜に異人が打ち上げられたと言う知らせが入りました。

「では某が参ろう。」犬が立ち上がりました。数人の家来を引き連れて犬は浜辺へ向かいました。

その頃浜では、沢山の村人が集っていました。それを掻き分け犬が進むと、「これは…」犬は息を飲みました。

「キジ殿!猿殿!」何時もより張り気味の犬の叫びが聞こえました。

「どうしたのじゃ…」「遂に…遂に見つけたぞ!コレでお世継ぎが出来る!」

犬が引き連れた女性は、色白で背が高く、長い髪の涼やかな女性でした。外見の問題は解決しました。

興奮したキジが「この諳んじろ。」と漢詩や蘭書を持ち出しました。

涼やかに声が響き、猿などは泣き出していました。犬は急いで主の元へむかいました。

117秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 00:45:34 ID:jBgXVfJr
「殿!すぐに館へお戻り下さい。」桃太郎は「敵襲か?」と返しましたが、緩む犬の表示を見て、「また見合いか…」と呟きました。

館に戻った桃太郎は、女性をみるなり、心を射ぬかれていました。

「そなたは何と申す。」「涼と申します。」「何故私の言葉が分かる。」「母は京の生まれです。父は、南蛮の船乗りと聞いています。」

「そうか…」桃太郎は言いました。桃太郎には両親の記憶がありません。父を知らない凉に過去を重ねていました。

「暫くこの館で休んで行くとよい。」桃太郎は言いました。犬・キジ・猿は込み上げる嬉しさを必死になって押さえていました。
118秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 01:06:25 ID:jBgXVfJr
凉は不安でした。この館に目的を果たすためきたのです。

凉は鬼ヶ島の皇女でした。末娘の凉に父は、「桃太郎を籠絡し亡きものにしろ。」と言う命を受けていました。

成功しても、失敗しても命はありません。ただ、自らの力を認めて欲しい、それだけの為に来たのでした。

「お凉さん…」桃太郎が襖をあけました。湯殿から上がった桃太郎は凉の腕をみました。

無数の小さな傷がで来ていました。「お凉さん少し我慢してね。」桃太郎はカミツレの汁を塗り始めました。

凉は驚きました。桃太郎は残忍な男と教育されていたからです。しかし、残忍な男が高価な薬草を見ず知らずの女に用いています。

「グスッ…グスッ…」「あれしみた。」「いえっ…私に施しをしてくれる人など居ませんでしたから。」鬼ヶ島の王は、政略結婚の魅力的な商品としての娘には興味がありましたが、愛情を注ぐ対象ではありませんでした。

今日の様に優しさに触れることもなく、煌びやかな部屋で事務的な命令を待っていたのでした。

119秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 01:18:21 ID:jBgXVfJr
寝室の中心に2つの布団が並べてありました。

「あいつら…10月10日のことしか頭にないのか…あっ良いですよ離れて寝て下さい。」と凉の顔を見ると、赤みがさしていました。

「いえ…私には戻る所はないんです…。私を此処に置いて下さい。」「だからって見ず知らずの…」

「知ってますわ!」「えっ?」「いえなんでもありません。」凉は桃太郎の知識を叩き込まれていました。それに凉も桃太郎に流行病で逝った優しい兄の姿を重ねていました。

「桃太郎様…。桃太郎様が私から奪うのではありませぬ。私が桃太郎様に捧げるのですわ。」凉は桃太郎の唇を奪いました。
120秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 01:37:25 ID:jBgXVfJr
桃太郎は凉を支えようとして、手を掴みました。「私の手は冷たいですか?桃太郎様。」「いえそんなことは…」「桃太郎様が暖めて下さいね。」

桃太郎様は腕を掴みながら、凉を四つん這いにしました。そしてなんの前触れもなく事に及びました。

「ウッ…」「お凉さん…ぇ…初めてだったの…」「だから…言ったでしょう。私が…桃太郎様に…捧げると。」「そんな息も絶え絶えに強がられても…」「前戯もしてくれなかった桃太郎様に言われたくないですわ。」「ごめんなさい。」

凉は笑っていました。すると少し締め付けが緩みました。

桃太郎がピッチを上げてきました。もう泉からは沢山の水が湧き出していました。

「スゴい…溢れてる…。」「こんな風にしたのは桃太郎様ですわ。」「だって好きだし…殿様だって恋したいし…」「殿様らしい言葉遣いは何処へ。」「もう桃太郎を演じるの飽きた。」

桃太郎は少数乱暴に腰を振り始めました。どうしても凉に自らの証を刻みたかったのです。
121秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 01:49:20 ID:jBgXVfJr
「凉さん…良いよね…」「私をずっと此処に置いて下さるなら。」凉は鬼ヶ島には戻らないと決めていました。誰だって自分は特別だと信じていたいのです。そして初めて、自分が特別になれる場所をみつけたのです。

「血の消える位たっぷり出してくださいね。」「もう消えて…」「桃太郎様!」

締め付けがきつくなり、桃太郎は盛大に解き放ちました。

「桃太郎様…」凉は唇を吸います。桃太郎は息をする為に離し、「凉さんて甘えるのが好きなの?」と聴き…

「愛してますから…桃太郎様。」

桃太郎は黙ってしまいましたが、嬉しそうでした。
122秋風鋭くなって:2007/06/21(木) 01:54:03 ID:jBgXVfJr
時代考証の言葉遣いの一貫性はめちゃくちゃです。申し訳ないです。

スレ汚しすいませんでした。時間があればまた書きたいです。

夜勤の休憩では疲れは取れません
123102:2007/06/22(金) 04:55:51 ID:mpR9Q+JR
ああ〜エロナイス。
猿たちの忠義ぶりになんかぐっときた。
読みやすいなあ。

俺の文読みにくくてすみません。
ss初心者なんで気になるとこあったら指導よろしく。

続き投下します。
124102:2007/06/22(金) 05:01:21 ID:mpR9Q+JR


冷えてきた。

 それは夜が深くなってきただけでなく、夜風を避けて入ったはずのこの林が、思いがけず水を含んだ
湿地のそばにあるせいだ。
 今夜はここに寝床をとらざるをえないが、毛皮に覆われた自分はともかく、桃子は少し寒いかもしれない。

 そう思ってイヌイは久しぶりに火をおこした。

「たき火にあたる妖獣なんて、初めてみたよ。」
 イヌイに言われて拾い集めた枯れ木を火にくべながら、あきれたように桃子は言った。
「犬なのにイヌイ。」

「グルメな犬なのさ。」ふふ、と笑う。
 くべた小枝の火がおさまり、真っ赤に変わった薪の奥に直接手を突っ込むと、中から黒こげた朴の葉の
固まりを取り出す。食え、と桃子に放りなげたそれは、地面に落ちた衝撃で二つに折れ、ほわり、と
白い湯気があがる。
 山芋だった。
「獣が火を恐れるなんてのも、人間が作った反射だ。使い方さえ間違わなければ炎は便利な道具だからな。
…うまいか?。」
 上気した頬はたき火のせいばかりではない。桃子はちいさな口をめいっぱい開けて、はふはふと
芋を口に押し込むのに夢中だ。

「何この甘いの!」
「昼間の糖蜜を挟んでみた。」
「香ばしいのは!?」
「朴葉の香りは気に入ったか。」
「こっちはピリっとする!」
「山椒の実を刺してるからな。これは俺の酒のあて。」
「イヌイ天才!」

 しっぽがあったらぶんぶん振り切ってる様で、桃子はひとしきりイヌイに賛辞を送ると、また無言で
甘露を飲み下すのに夢中になった。あつあつの山芋は膝にまだたんと抱いている。
 ああ、甘い。こんなにおいしい物、生まれて初めて食べる。
 おなかの中からぽかぽかと温かく、なんだか力も湧いてくる。
 なんて幸せなんだろう。

「ああ、もうおなかいっぱいだあ!」
 満面の笑みで満足そうに横になる。げふりと胃からあがってきた空気さえも甘く、はああ、と
満たされた息を吐く。
「イヌイ〜。」
「なんだ。」
「おなかいっぱい〜。」
「そりゃあ、あれだけ食えばな。」
 なかばあきれたようにイヌイは言った。

125102:2007/06/22(金) 05:08:12 ID:mpR9Q+JR

 桃子はうーん、と伸びをしてわざとおなかを張らしてみて、幸せな圧迫感を楽しんだ。横になると
少し湿った土がひやりと、たき火で火照った体に気持ちいい。
 と、ふわりとした感触が桃子の背についた土と枯れ草を払う。イヌイの尾だった。
 そのまま桃子の横たわった地面をささ、と払ってきれいにすると、桃子のからだに器用に巻き付き、
ここに寝ろとばかりにコロリと桃子を転がした。
 その間もイヌイは桃子をチラとも見ようとせず、たき火に向かったままである。ただその大きな
ふかふかの尾だけはそのまま桃子の腹を、重をかけずにふわりの被い、そのまま夜気から桃子の体温を
守ることにしたようだ。

「イヌイありがと〜。」
 返事はない。
 だがそのそっけない横顔は、今朝村から追い出され、ひとりぼっちで生きていく覚悟に泣きぬれた桃子には、
頼もしくも優しくも見え、たき火や熱い食事以上に桃子の心を温めた。

「ありがとう…。」もう一度言った。
「聞こえてる。」
横顔と同じにそっけない言い草に桃子から笑みがこぼれる。

「ありがとう♪イヌイ!」
「聞いたと言ったろう。」
「言いたいの。」
「ほどほどにしとけ。」
「なんで。いいじゃん、いっぱいありがとうって思ってるから、いっぱい言いたいんだもん。」
「子供。」

 暗闇の森の一角をぼんやりと照らす光が、ほのぼのとした空気を作っていた。
 パチパチと炭がはぜる音だけが響く。
 腹にのせたイヌイの尾を両の腕でぽふぽふ愛おしむ。にんまりと笑みをこぼし、桃子はくつろぎ
満たされている心地に身をまかせていた。

「本当に…ありが…。」

 また口にしようとした感謝の言葉を、飲みこんだのはイヌイの口だった。
 唇を合わせると同時に差し入れられた舌が、のどを割って、言い損なった言葉と桃子の唾液を
すくいとっていった。
 いったん唇を離してイヌイは忠告した。
「覚えておけよ、子供。親切はただじゃない。」

 まばたきを忘れたかのように、大きな瞳は見開かれたままイヌイの顔を、ただ見ていた。こころから、
びっくりしているのだ。
「うん。やっぱり昼食ったときより美味いな。…おい、何をしてる。ほら口を開けろ。」
 上半身を己の尾越に桃子に被せて、イヌイは再び口を吸おうと、指で桃子の唇をつつき催促した。
126102:2007/06/22(金) 05:15:56 ID:mpR9Q+JR

 ぎゅっと唇を真一文字に固く結んで、桃子は左右に首を振った。目はキッとイヌイを睨む。
「いやいや、じゃねえだろう。お前は俺が用意した飯を食った。次は俺がお前の用意した飯を食う番だ。
芋はうまかっただろう?」
 桃子は口を結んだまま、嫌そうに小さく頷いた。
「じゃあ口を開けろ。」
 カッとなる。

「ひどいイヌイ、最初からそのつもりで…っ…ん、ふ…っ」

 なじる言葉をイヌイが吸い取っていく。
 遠慮なく侵入してきた太い舌に口の中を隅々までかき回されて、桃子はうめいた。
「んんんっ…うっ…はあっ」
 なんとか口をずらして息をつぎ、逃れようと身をよじる。両手はもちろんさっきから
イヌイの巨体を跳ね飛ばそうと、力一杯突っぱねているが、昼間と違ってびくともしない。
「うそっ、なんで?なんでえ!?はあ…んんっ」

 上下の唇を甘噛みされ、湿気を含んだ吐息がもれた。好物、とばかりにイヌイはその吐息ごと
ちゅう、と音をたてて口を吸う。
 抵抗に疲れ、ぐったりと体の力を抜いたとたん、桃子は充血した唇の今まで感じたことのない妙な気持ちよさに
気づいて、愕然とした。

 唾液を啜られるなんて、気持ち悪くて嫌なのに…なんだか嫌じゃなくなってる!?

 自分と同じように温かく柔らかいイヌイの唇を、優しく押し付けられたまま、またなんどか吸われると、
今度は胸の奥の方がぎゅうと締まったように、なんだかせつなくなってきた。
「ううん…ん、や…あん」「はあ、はあ、んんっ…イヌイ…」
 漏れ出ている声が自分のものだと気づいて桃子は恥ずかしくなった。

「こら。鼻から息を吸えよ、酸欠で死ぬなよ。」
 熟れすぎた果物みたいに顔を真っ赤にした桃子を見てイヌイは笑った。
「はあ、はあ、イヌイ…まだ…?」
「まだまだ、まだだ。」
 はああ、と大きくため息ついて、桃子は熱くなった自分の頬に、それよりはいくぶん冷たい自分の手を当てて冷やす。
「…熱いか。」
「うん。それにのどカラカラ…イヌイが全部吸っちゃうから…。」
 桃子に体を預けた預けたまま、イヌイは長い手で水筒を取り口に含んだ。

「信じられない!自分が飲むの!?」
 全部を言わせずイヌイが口を合わせて、そのまま口移しに水を流し込む。
 乾いた口内を冷たい水が潤すのを堪能してから、ごくごくとのどをならして飲下した。
 はあ、と息をついて「おいしい」ともらす。

「美味いか。」とにやり笑うイヌイに、はっとして、また身構える。
「じゃあ、次は俺の番だな。」
 今度は軽く唇をあてたまま、舌だけ差し入れると、器用に上あごを奥の方からなぞってくる。
するとだらだらと唾液が涌いてくるだけでなく、桃子はなんだがうっとりと心地よく、嫌がる両腕にもはや力がはいらない。
「ん…なんで…え?」
「俺を撥ね除けられないのは、お前の体は俺を嫌じゃないからさ。」
 うそ、と桃子は思ったが、さっきからふんわりと温かいイヌイの体温を感じ、ああ、だけど確かに
嫌じゃないかもと、思い直した。
127102:2007/06/22(金) 05:21:04 ID:mpR9Q+JR

 だってこんなに優しく抱かれるなんて、ずいぶん小さな頃以来。おじいさんもおばあさんも、私がが妖獣をはべらし始めた頃から、
もう膝に乗せてもくれなくなった。自分じゃない体温に包まれてなでられるのはこんなに気持ちいいのになあ。

子供時代を思い返してうっとりとイヌイに身をすり寄せる。口を吸われてはまた口移しで水を与えられ、
そしてまた口の中までなでられるのにすっかり慣れて、桃子はイヌイを嫌がってない自分の反応を肯定することにした。

 嫌じゃない。始めはびっくりしたけれど、うん、確かにイヌイの食事はおいしかったし、
イヌイが妖獣で私の唾液がご飯なら、それを返すのはしごく当然のことだ。それにすごく…。

 イヌイの補食はもはや唾液を啜るというダイレクトな目的をこえて、桃子の歯裏をなぞったり、
舌先を桃子のそれにあてがって絡めたり、それはときにゆっくり、ときに乱暴に桃子の口内を蹂躙するが、
嫌悪はなくむしろすごく…。

「熱そうだな。」
「うん…はあ、はあ、イヌイ…私なんか変…。」
「変?」
「のぼせそう…。」
「冷やしてやろう。」
「えっ?…あ…あっ!」

 イヌイなんの躊躇もなくは息苦しそうに上下する、桃子の着物の合わせにするりと手を入れた。
大きな手だが、その手を持て余すことのない、十分なボリュームと適度な弾力。柔らかな固まりに指を埋めた。

「確かに熱いな。汗かいてる…しっとりな。」
「イ…イヌイ…や…。」
「ん?」
 揉みしだく。手のひらに感じる肉塊に思わず舌なめずりをする。
「や…だ…。」
 抵抗は言葉だけだ。その証拠にイヌイの体は桃子を覆ってびくともしない。
 よし、下ごしらえを十分しただけはある、とイヌイは自分に満足する。

「イヌイ…かえって熱いよう…。」
 その言葉を待ってましたとばかりに、イヌイは手前の合わせをぐいと開いて片乳を露に夜気にさらした。
「ああ…っ!」
 思わず声を上げた桃子の、あわてて着物の合わせを閉じようとする腕を、軽々と片手で制して
イヌイは鼻先を白い乳房に押し付けた。ついでにぺろりと味見も忘れない。
 桃子は声もなく、一瞬びくんと体を揺らすと、そのままがたがたと震えだした。

「食べるのっ!?」
 だが桃子のその声に耐えきれず吹き出し、笑い出したイヌイを見て一気に安心した。
「食べないんならなんで…閉じてよ着物。手も離して。恥ずかしいよイヌイ。」
「子供にもほどがあるな…。」
 げんなりと桃子を見て、イヌイは「さっきもいっただろう。」と念を押す。

「俺はグルメな犬なんだ。飯もただ食うだけでなく、手をかけて料理する。」
「料理…?」
「まだ料理中だ。大人しくしとけ。」

128102:2007/06/22(金) 05:28:16 ID:mpR9Q+JR

 そういってイヌイは再び柔らかい頂に鼻先を押し付ける。冷たい、と訴えると、
犬の鼻先は冷たい物だと返ってきた。大きな口はむしゃりと乳房を引き裂くでなく、柔らかさを楽しむかのように
甘噛みを繰り返す。どうやら本当に食べるわけではないらしい。

 なら何の料理だ?妖獣のご飯が私の粘液って言ってたけど、
そういえば行ったときのはいいっていってたけど…。

 私をどこに連れて行くのか。圧迫のない拘束を続けたままイヌイは桃子を動かす気配もない。
とくに嫌でもないわけだし言われた通り大人しくしているか…。

「ひっ…やああっんっ!」
 突然、ぼんやりとされるがままに放心していた桃子の体を小さな稲妻がかけていき、思わず悲鳴をあげた。
「な…なにっ!?」
 半身を起こしてイヌイを見ると、口先をすぼめて桃子の赤い突起をちゅうと吸い上げたところだった。
「きゃ…ああんっ」
 ふたたび稲妻が走り肩をすくめる。

「はは。おぼこの乳首は敏感だな。」
 ちゅるんと、口から紅い実をすべりだしたら、今度は舌先だけでぺろぺろとなめあげる。
たまらず身をよじる桃子のせいで、ぶるんと大きく揺れる山の頂を舌先だけで追っては嬲り、
追いついてはべろを押し付けてひねりつぶす。イヌイはこの遊びにしばらく没頭し、桃子の悲鳴は
だんだん声高くかすれてきた。

「…やっ…ひいんっ…ばか、イヌイっ!やだっ…やだっ…ああんっ!」
 こりこりと口に尖り始めたそれを、今度は口に含んだまま舌で嬲り倒す。
 やだやだ、と桃子の声は泣き声に近くなってきた。少女のそれに、ほんの少し気をそがれてイヌイは口を離した。
「…ひっ…く、ばかあ、イヌイ、なにすんのよう…っ。」
 初めての刺激に息も絶え絶えに桃子は半泣きでイヌイを非難する。
 が、それでも体は熱く、濡れたような吐息はわずかに甘い。身を固く縮めながらも、もじもじと
足の付け根を擦らせていたのに気づかぬイヌイではなかった。

「料理だっていっただろう。何度も説明させるなよ。」
 ため息まじりに逆に桃子を非難して、イヌイは嬲っていた乳房から右手を離すと、そのまま腰から
尻まで手探りに滑らし、結びを見つけて一気に兵児帯をほどいた。
 腰の解放にさらに呆然とする桃子を伺う事なく、包みを開けるように裾を開く。当然何もつけてはいない。

「…な…。」
 とまどう桃子の足の付け根の溝に、一気にずぶりと指を差し入れる。
 びくんと桃子の身が跳ねた。

 くちゅり、という水音を確かめてイヌイは指を抜いた。
129102:2007/06/22(金) 05:47:44 ID:mpR9Q+JR

「若いがいい泉だな、桃子。」
「な…何?今の…。」

 快感…などではなく、自分の身の未知の現象に、ただただ桃子は畏れていた。
 ぬいて湿った指をためらいもせず口に含んで丁寧に舐めとると、桃子を見てにやりと笑う。
だがその笑みのなんと満足げなことか。桃子は妖獣はもちろん、人間でさえも、今までそんなふうに
桃子に笑いかけた者はいなかった。
「いい泉だ。」再び言う。
「おいしい。桃子。俺は料理の天才だな。」
 自画自賛だ。
 イヌイは再び桃子に覆い被さると、今度は溝に突き入れるではなく、優しく恥丘をなでさする。
茂みは薄く、そして柔らかい。だんだんと温かくしめってくる茂みにイヌイは口角が緩むのを押さえられずにいた。
 達かしたい。きっと、さぞかし美味かろう。ゆっくり味わおうと決めたばかりだが…。

「イヌイ…私変じゃない?」
「は?」
桃子の言葉に思わず我にかえる。

「昔から…。」
桃子は少し言いよどんで、恥ずかしそうに俯いたまま言う。
「昔から妖しはみんな、そこばっかり狙ってなでさすって来てたけど…。」
 思わずイヌイの手が止まる。なるほど感覚だけは慣れてるわけか。
「そんなふうになったことない…そんなにお汁が…。」
 もじっと足をすりあわせ、桃子は顔をこれまで以上に赤らめる。

「イヌイが変な事ばっかするから私…っ」
 もはや瞳は大粒の涙を溜めて今にもこぼれそうである。
「私…変…っ病気かもイヌイ。お股が…っ。」
「股がどうした。」
 こぼれたのは涙だけではなく、つつう、と太ももをつたう感触に桃子はびくんと肩をゆらした。

 そうと知ってか知らずか、イヌイがつぷりと茂みに指を埋めた。
「あっ…だめ!」
「股がどうした?ん?」
 中の唇はすでにぐっしょりと濡れて柔らかく溶けていた。
130102:2007/06/22(金) 06:04:44 ID:mpR9Q+JR

 おぼこのくせに…。ちら、と意地悪い牙をむく。
 おいおい、まだ達してもねえのにこれかよ!?
 立ち上る美味そうな香りに一瞬我を忘れかけて、だがイヌイは注意深く肉芽を避けて、溢れ出るしずくを指でかき混ぜる。

「んあっ…やあああんっあんっ!」
 どんどん溢れ出るそれに直接口をつけたい誘惑を押さえて、イヌイは桃子をあおる。

「お前のこのびしょびしょの股がどうしたんだ?言え。」
「ああっあんっ、ごめんなさいイヌイっ!そうなの!そうしてほしかったのっ!
あっああっ…っいやっ怖いっなんかくるようっ」

秘穴に指もいれないまま、肉芽にかすりも触れもせず、この少女は達するつもりか。
もちろんそれもいいかもしれない。だが…。

イヌイは妖獣である己の加虐趣味をくすぐられ、ゆっくりと手を離し、もういちどささやいた。
「言ってみろ。股がなんて?」
 昇りかけた山を間もなく頂上、というところで休憩を入れられ、桃子はもう思考力もない。
だが未だ絶頂を知らない身に、それは救いでありこそすれ、消して不満にはならないのだ。
こいつからは、絶頂や射精をゴールとする事なしの楽しい補食が出来るかもしれない。
そう、例えば半人の鬼たちがプレイと称してしているような…。
「桃子、言え。」
「…かゆいの。こすって…欲しかった…の…。」
真っ赤になりながら、はあはあと絶え絶えに桃子は言った。
「だけどおしっこが漏れそうで…苦しかったの……。」

「ばか。子供。」
 イヌイはびっしょりと濡れた自分の手を舐めながら、吹き出しそうになるのをごまかすように桃子を抱きしめた。
 桃子はぐったりだ。
「お疲れさん。今日はこれくらいにしてやるよ。俺もお腹いっぱいだ。また明日…。」
 そうだ、この少女がすべてを知る日、同族の桃岩まであと三日…三日もある。

 慌てまい。
イヌイは誘惑に負けそうになっていた自分に、改めて言い聞かせた。

「また明日。うまい飯を頼むよ桃子。」
「……。」

 うそ、明日もするの?そうは思ってうんざりしても、それほど嫌ではない自分に驚きつつ、
桃子は温かいイヌイの毛皮に身を預けた。うん、いいや。…いいや、イヌイなら…。
 達しはしてない。だが初めての愛撫に身も心もくたびれ果てて、あっというまに桃子は眠りに落ちていった。

                        今回はこのへんくらいにしておきます。
                       
131120:2007/06/23(土) 17:07:59 ID:cflLoPtM
私は初心者なので、偉そうな事は言えないです。

イヌイさんになりたいな〜。制服を着てた時代を思い出しました。

折角アイディアをお持ちなんですから、気にしないで書いて下さい。私は楽しみにしてます。

私も夜に続きを書いてみます。ではまた。
132秋風鋭くなって:2007/06/27(水) 23:47:53 ID:z6q8DSn9
突然ですが、続きです。

あれから2人は、6回目の煌めきに向かって、互いをぶつけあっていました。

犬・キジ・猿は、この世の春に居るようでした。「これで秋にはお世継ぎ様が…。もう猿には思い残す事は…」「いやまだ早計では…」「犬殿、あれだけ肌を合わせれば大丈夫でしょう。」

「2人だけの世界って、麗しいものですわね。」「…2人だけじゃないみたいだけどね…。」桃太郎は動きを止めて覆い被さり、彼女が犬達から見えない様にしています。

実際、桃太郎の愛を受けた局部は、とても淫靡で残酷で、例え犬達でも見せたくなる程でした。

「桃太郎様、皆さん心配しているだけですわ。」「だからと言って、伽までみに来なくても…」

凉は唇を奪い、舌を絡みつかせ、彼のもやもやを吸い出してから、「私の事はお嫌いですか?桃太郎様。」と言いました。
133秋風鋭くなって:2007/06/28(木) 00:20:09 ID:tmbG5g34
桃太郎様は悟っていました。「嫌いっていったら…逆上されるんだろうな…」

「お凉さん。明日もここに居てくれるかな?」「明日だなんて…冷たいですのね…」

「じゃあ…ずっとここに居て下さい。」「最初からそのつもりでしたから…」

少しだけ彼女の顔に影がみえた様な気がしました。凉は桃太郎太ももに乗り、腕を絡ませ、大きな釣り目は桃太郎を見つめ、一心不乱に舞っていました。

下の唇が泉の様になっても、整った顔にせせらぎが出来ても、誇るように実った乳房が、桃太郎の胸板との間でひしゃげてしまってもお構いなしでした。

「桃太郎様。私は桃太郎様の凉です。今日、桃太郎様が与えてくれたのはその証です。」「傷物の私を引き取ってくれる所はありません。ですから、桃太郎様の明日を下さい。」

「いいよ…」

桃太郎は突き上げました。鬼に浚われてしまった、美女の面影に近づくために。

凉が別人であることは知っています。でも、証を刻めば、宛ての無い文を出さずにすみます。

規則正しい水音が止まりました。そして、桃太郎の思いが凉の泉に注がれていきます。

「桃太郎…沢山出してくれましたね。」「ごめんなさい。興奮してしまって。」「でも…勇名轟く桃太郎様に求められるのは光栄ですわ。」

「勇名か…あれは…桃太郎はゆっくりと、あの時の事を語り始めました。」
134名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 02:48:23 ID:soKukBri
こんなところで切られても…
135名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 21:20:10 ID:tzAOr/ia
大変申し訳無いです。再開しても良いですか?
136名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 06:25:25 ID:+Tsi5+Jv
待ってます
137秋風鋭くなって:2007/07/06(金) 21:11:58 ID:vp3vpcUM
「本当は…鬼退治にいったんじゃないんだ。ただ…ただ憧れてた女性を捜しにいったんだ。」

「凄く大好きな女性がいて、その女性が鬼に連れ去らてしまったんだ。」

「子どもにはどうする事も出来なくて…自分が無力な事ぐらい分かっているはずなのに…改めて突き付けられると悔しくて!虚しくて…」

「だから大きくなったら鬼ヶ島へ行って、彼女の取り戻すんだときめたんだ。」

「彼女の家には、漢書や蘭書があって、そこで鬼ヶ島の構造や地質・兵法を勉強したんだ。」

「鬼ヶ島は硬い壁で全体を支える構造になっていたから、壁を吹き飛ばす事にした。火薬庫の近くが戦闘員の兵舎だから、火薬庫を爆破して、兵舎をふきとばしたんだ。」

「戦闘員が消えてしまえば、王族・貴族には何も出来ないから、ゆっくりと彼女を捜した。だけど…」

「桃太郎様…」凉は桃太郎の涙を拭いました。

138秋風鋭くなって:2007/07/06(金) 21:20:30 ID:vp3vpcUM
「だけどどこにも居なかった。どんなに探しても。犬もキジも猿も、みんなはぐれて傷付いた所を彼女に救ってもらった。だから、どうしても彼女に会いたかった。会って…自分達がどれだけ成長したのかを見せたかった。どれだけ想って居たのかを伝えたかった!」

「だけど…そう思い通りにはいかず、鬼と和議を結んで沢山の財宝を持ち帰っても虚しかった。共に居るはずの人が居なかったから。」

「その財宝を元に築城して、この国を治め始めた頃現れたんだ。」
139秋風鋭くなって:2007/07/06(金) 21:40:40 ID:vp3vpcUM
「太郎君。」「あれ!?姉さま…?」「本当に立派になったのね。嬉しいわ。」

「姉さん…やっと来てくれたんだね…みんなずっと…」

「あのね太郎君。もうね私は太郎君に会えないんだ。太郎君にも想像がついてると思うけど、連れ去られた後…私汚されてしまったわ。」

「それでもね…私…諦めなかった。何時か鬼ヶ島を抜け出せると思ってたから。」

「それに…私…太郎君が好きだったんだ。私ね太郎君が欲しかったの。太郎君の未来も、太郎君の私の赤ちゃんも欲しかったの。」

「だけどね…汚されすぎてそれは波に浚われてしまったの。そんな姿を太郎君に見せたくなかった…」

「違うよ!姉様が穢れてるかは僕が決める事だよ。どうして気にするの。また僕を1人にするの。姉様!姉様!答えて!」

「太郎君…大丈夫だよ!君は本当にに立派になったんだから。私ねもう行かなきゃ…」

「姉様…」

「朝、うなされて起きて、みんな一斉に「夢で…」って言ったから、みんなもう悟ったんだ。もう姉様は遠くへ行ってしまったって。」

「猿もキジも犬もね、みんな大好きだったから、縁談に応じなくても、理解してくれたんだ。それに少しでも似ている女の人を探しまわってくれた…あっ凉さんは凉さんだから、演じちゃダメだよ。」

その時冷たい何かが走った気がしました。
140秋風鋭くなって:2007/07/06(金) 22:27:26 ID:vp3vpcUM
「染め替えて差し上げますわ。桃太郎様。」「えっ…なに…」「どうかしましたか。桃太郎様?」「あっいえ…」

凉は嫉妬で狂いそうでした。自分より想われている女性がいる事は確実です。

「どうしたら良いのかしら。桃太郎様は寂しがり屋かしら。私の胸で甘えさせてあげようかしら…。それとも、知性を全面に…」

しかし、凉にはまた別の感情がありました。「そういえば、奴隷の中に場違いな程綺麗な女性がいたわ。私に似ているとか言われた…。」

「そう…それで選ばれた訳ね。皇女であっても部品ですか。そうですか。呆れましたわ。」

「桃太郎様…」凉はもぞもぞと動き出し、桃太郎の首に腕を巻きつけ、顔に大きく、柔らかく、暖かな乳房を押し付けました。

「桃太郎様。気に病むのは良くありませんわ。」「凉さん…あの…」「気持ち良くありませんか?」「…凄く柔らかいし…あれっ凉さんもドキドキしてるんだね。」

「それは言わないお約束ですわ。桃太郎様。」

「ごめんなさい。」謝る桃太郎を見て、凉は微笑んでいました。桃太郎はもう眠ってしまっています。

「本当にお慕いしていますわ。」2人は抱き合ったまま眠りにつきました。本当に幸せそうです。
141秋風鋭くなって:2007/07/07(土) 05:34:01 ID:jW4cBa3G
春の淑やかな陽射しが、朝になった事を知らせます。

「桃太郎様…桃太郎様…。」「んっ…お早う御座います。」

広い部屋の中心に、ポツンと2人が座っています。言いたい事は沢山あるのに、気まずい雰囲気が漂います。

「殿!今日は名主の寄合に出られては如何ですか!」犬の声が沈黙を奪います。

「聞いてないぞ!」「はっ!昨日発生しました上水の不具合について緊急に話し合う事になりまして…申し訳ありません。」

「上水は我が国の根幹出はないか!何故早く言わないか!」「申し訳ありません。馬はもう用意してありますので…」

渋々、桃太郎は寄合に出ることにしました。何故か凉も居ます。

「桃太郎様…何故不機嫌なのですか?」「あいつら…3人だけで祝言の段取りを決めるつもりだ。それに不具合も多分ウソ。名主達の前で御披露目会って言った所ですね。」

「まあ!嬉しゅうこざいますわ。」「もうちょっと考えて欲しいね。寄合でこんな行列つくる必要無いし。」2人の周りには足軽たちが列を組み護衛しています。

142秋風鋭くなって:2007/07/07(土) 05:52:24 ID:jW4cBa3G
ふと凉が振り返って城を見つめます。

「桃太郎様。あの塔みたいなものは何ですの?」「あれは天守で城で一番高い櫓なんだ。」「煌びやかですね。」「本当はあんなの建てたくなかったんだ。」「どうしてですの?」

「多分ね…これからの戦いは大砲の時代になる。そんな時代に天守を建てても、格好の標的になるだけだよ。でも、桃太郎様の御威光を示すべきですって言われたから建てた。」

「桃太郎様は博識ですわね。所で上水と言うのは…」

「川から水を引いて、その水を水路や樋を使ってみんなが使えるようにしたんだ。水で諍いを起こしたくないからね。それに、攻められた時に大砲の射程外にする為に、攻める時に大砲の冷却水を確保するために、水が必要なんだ。」

「それに…農民や町民が居なくなったら、この国はおしまい。だからね、彼等の生産性を上げなくてはいけないんだ。」

凉は愕然としていました。鬼ヶ島では、王族以外の利益は顧みられる事はありませんでした。父との器の差を感じずにはいられません。

「桃太郎様。私はあなたに賭ける事にしました。ですから…私の全てを差し上げます。」「凉さん何か言った?あっ気のせいか…」

ようやく寄合所に着こうとしています。
143秋風鋭くなって:2007/07/07(土) 05:54:07 ID:jW4cBa3G
135さんお待たせしました。とりあえず書いてみました。堅苦しい話になってごめんなさい。

また暫時更新したいと思います。
144名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 13:33:23 ID:EDfj171w
保守
145名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 13:30:17 ID:Lm3jmp7F
143です。また投稿しても大丈夫ですか?
146名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 21:08:52 ID:3n5LGbYA
待ってます
147名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 00:35:38 ID:yaZg5AB8
同じく。ここは密かな良スレ
148名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 19:16:32 ID:TWZYqbBB
sage保守
149秋風鋭くなって:2007/07/21(土) 23:06:00 ID:sohx0ICX
先に番外編の(桃太郎の子孫とお姉さんが現代で結ばれて、穏やかに暮らす話。)を思い付いてしまって、本編忘れてました…。では本編です。
2人は寄合所の扉を開けました。「これはこれは桃太郎様。さぁお上がり下さい。」筆頭格の名主が言います。
何故か座布団が2つ用意された場所にすわり、「さぁお召し上がり下さい。」お茶と金平糖を楽しみます。
「桃太郎様!おいしいですわ。さあ!」「あの…自分で食べますから…」「私では不満ですか?あーん!」「…すごく…おいしいです…。」「桃太郎様。緊張なさってイヤですわ!」
「桃太郎様!ご馳走様です!」「いや〜本当にめでたいですなぁ〜!」「国士無双に絶対佳人…。お世継ぎもさぞかし利発でお美しい方でしょう。」
「私どもは桃太郎様のお世継ぎを待ち望んでました。桃太郎様のお陰で新田ができ、町は発展し、水にも困らなくなりました。」
150秋風鋭くなって:2007/07/21(土) 23:23:42 ID:sohx0ICX
「ですから、私どもは次男を桃太郎様の足軽として差し上げました。桃太郎様に居なくなられたら困りますから。」
「皆さんには本当助けられてます。鬼の侵攻にも士気高く立ち向かえますし。裏切りもありません。」
「強いはずですわ。義理で結ばれてますもの…」「桃太郎様…私…用を足したい…」「すみません雪詰に案内して下さい。」
涼が用を足そうとすると…「姫。もう頃合では?」鬼ヶ島の忍びでした。「何時の間に…」
「王も本懐を遂げられる事をお望みです。」「そう…じゃあ手筈を教えて。」そう言うと、涼は忍びの背後に回り込みました。
そして…「ドン…ドタッ…」忍びの後頭部には木の枝が刺さりました。涼はゆっくりと枝を引き抜きます。
151秋風鋭くなって:2007/07/21(土) 23:36:58 ID:sohx0ICX
「これで中風と区別がつかないって、あなたが仕込んだんですよ。私は部品でも手段でもありません。」
「キャ〜!」「どうされましたか!」「涼さんどうしたの?」「男が…」「これは中風を起こしてますね。多分ムリでしょう。」
「ここは私どもにお任せ下さい。桃太郎様は城へ。」「ありがとう。そうさせてもらうよ。」「桃太郎様…私…」「涼さん…一緒に帰ろう。」
桃太郎は馬で城へ向かいます。「桃太郎様…掴まっても宜しくて?私…」「良いけど…」
「涼さん…殺さなくて良いの?もうすぐ橋だよ。落馬させれば確実に成就出来るけど…」
「何を仰るのですか?」「だってさ、金平糖をなんの躊躇いも無く食べたし、教養もあるし、育ちが違うし…」
152秋風鋭くなって:2007/07/21(土) 23:53:34 ID:sohx0ICX
「カミツレにも、鬼ヶ島の構造にも、火薬や大砲にも何の疑問も感じなかったんでしょう。そんな知識は鬼ヶ島に居ないと分からないよ。」
「鬼ヶ島が僕のお嫁さんをくれる?あんなに嫌ってるのに。じゃあ目的は一つしか無いよね。」
「それにね、もう桃太郎を演じるの飽きたんだ。犬達の方がよっぽど優秀なのに。鬼退治をしただけで、なんで桃太郎としかみてくれないんだろうね。」
「桃太郎様…。残念ですけど、桃太郎様には生きてもらいます。と言うか、死ぬのは許しませんわ。」
「私、鬼ヶ島では部品にしかなれませんの。王女なのに…名前で呼ばれたこともありませんの。私は父の部品ではありませんわ!」
「桃太郎様にとっては私はお姉さんの代わりかも知れませんが、私には桃太郎様しか居ませんわ。」
153秋風鋭くなって:2007/07/22(日) 00:05:11 ID:sohx0ICX
「桃太郎様…。私の事がお嫌いなら、私は来世を待つ事にしますわ。桃太郎様…。お選び下さい。」
「あの…それ脅迫って…」「桃太郎様がいけなんですのよ。」「…あの…提案があるんですけど…」
「何ですの?」「鬼ヶ島攻めていいかな?そうすれば涼さんも安心でしょう。」「桃太郎が私を選んで下さるなら…」「じゃあ…やります。」
城に着くなり、桃太郎は犬・キジ・猿を呼び出しました。「今から一月以内に鬼ヶ島を滅ぼす。備えは如何に?」
「出来ています。キジ殿武器は!」「大丈夫です。兵の心配もありません。猿殿兵糧は!」「なんの問題もありませぬ!」「よし!一月後に決行する!各々方!頼む!」
154秋風鋭くなって:2007/07/22(日) 00:19:27 ID:CdCAX9pm
「涼さん…決まったよ…1ヶ月後に…あれっ…」部屋に入った桃太郎は、涼を見て驚きました。
「桃太郎様〜。曲者は丸腰にしてしまうのが一番ですわ。」「すみません…丸腰じゃなくて丸裸じゃ…」「桃太郎様…曲者は良く調べないと…」
「あの…開脚は…全部見えちゃってますけど…」「桃太郎様〜隅々までお調べ下さいね〜。」
「あの…涼さん…したいんですか?」「いやですわ。私の口からは…」「分かりました。今日は特別です。」
「桃太郎様〜!」涼は桃太郎に抱きつき、唇を吸います。その勢いで桃太郎は押し倒されてしまいました。
桃太郎にキスと視線の雨が降り注ぎます。「桃太郎様…桃太郎様…」「桃太郎様…もうここはお元気みたいですわ。」
155秋風鋭くなって:2007/07/22(日) 00:30:29 ID:CdCAX9pm
「だって…涼さんに抱きつかれたら…。」「本当ですか!?」「本当だよ。」「まぁ!」そう言うと、涼は桃太郎の局部を口に含み始めました。
「クチュ…ジュル…クチュ…」「あの涼さん。無理しなくても。」「アムッ…無理などしていません。ウンッ…桃太郎様の大きいですけど…ピクピクしてて…頑張り屋さんですわ…。」
「私は桃太郎様のそれが大好きですわ。」「涼さん…」桃太郎は涼の瞳を捕まえ、ゆっくりと唇を近づけます。「チュッ…」
涼は桃太郎をまた抱きしめました。鼓動と鼓動が重なります。「あの…。」2人の言葉が次の扉を開けます。「ねぇ。涼さん。思いっきりしょうか。」「はいっ!桃太郎様!」
156秋風鋭くなって:2007/07/22(日) 00:54:17 ID:CdCAX9pm
「んっ…ズブッ…」向き合った2人は「入っちゃったね。」「んっ…やっぱりこの瞬間は緊張しますわ…。」「そう…僕は好きだけど…可愛らしくて涼さん。嫌?」「桃太郎様卑怯ですわ…。嫌じゃないですけど…」
「ズッ…パンパン…ズッ…パンパン…」桃太郎はペースを上げました。「桃太郎様…今日は激しいですのね…。」「なんか興奮しちゃって…」「本当ですの?」涼は桃太郎を見つめます。答えは一つしかなさそうです。「うん!」
「アッ!桃太郎様!奥に当たりますわ…。」「涼さん…キツい…」「だって…勝手に力が…桃太郎様が悪いんです!」「ごめんなさい…。」と言いつつ桃太郎は更に涼を追い立てます。
涼の泉からは、間欠泉の様に雫が噴き出しています。「涼さん…。凄い量だね。」「うっ…でも…私達が繋がった証です…大事にして下さい…」
涼の締め付けがより激しくなり…「涼さん…ごめん…もう…」でも、涼は…「桃太郎様…桃太郎様…桃太郎様…大好き…桃太郎様…」それどころではなさそうです。
そして桃太郎様は派手に揺れる涼の胸を掴みながら…「ドクッ…ドクッ…」「桃太郎様…私…」泉は溢れてしまっていましたが、それでも水たまりが2人をつなぎ止めようとしています。
157秋風鋭くなって:2007/07/22(日) 01:03:48 ID:CdCAX9pm
「桃太郎様…余りにも強く握るものですから…胸に後がついてしまいましたわ。」「でも悪い気はしませんの。なせが安らぎますわ。」「僕も涼の胸を触ると…」「やっぱり好きになったら負けですのね…」
「涼さんは僕を…」「桃太郎様!私は桃太郎様を籠絡しに来たのですわ!」「でも何時の間にか裸に剥かれて…」「あの自分で…」「桃太郎様…責任!とって下さい!」「あの…結論は最初に…」
やっぱり、2人は幸せそうでした。視線も腕も離そうとしません。そしてこの幸せは、桃太郎のスイッチを押しました。決戦が近付こうとしています。
今日はこんな感じでご容赦下さい。
158143:2007/07/24(火) 16:23:32 ID:ZmZDeNi4
土曜日にまた投稿しようかと考えています。所で、番外編を先にしても宜しいですか。

それとも本編を完結させてからの方が適当でしょか?
159名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 01:16:41 ID:4N+AX9kO
完結希望
160名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 06:48:45 ID:jdY1b7/R
102さんの文章好きだー
是非また続き書いて下さい
161名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 10:00:46 ID:Gpd0zj/f
保守
162名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 01:25:30 ID:yZmDNs7D
誰も言わないならば俺が言う。

>秋風の人
はっきり言って読みづらいです。

・「」(カギカッコ)の後に改行が無い。
・途中で改行が入らないからやたら長い文になる。
・地の文が異常に少ない。
・場面の転換を示す物が無い。

これらが読みづらい文にしています。
一番上は日本語の文章の基本的なルール。
二番目は、ブラウザによってはダラダラと長くなって、締まりが無い印象を与えます。
その為、40〜50字前後で改行を入れた方が読みやすい文章になります。
三番目は、登場人物たちの心情や表情、周囲の状況などを読者に伝える為に必要になります。
四番目は、急に場所が変わった時に、読者を置いてきぼりにする危険があります。

以上の事に気を付ければ、きっとより読みやすい文章になるはずです。
163102:2007/08/09(木) 01:46:24 ID:Yq2nT4J6
書いてたんですが投下しそびれてて…すみません。130の続きです。

・・・・・・・・・・

その気配を感じて目を開ける。
視線だけをそちらに向けると、思った通りそれはいた。
黒い、闇色の蝶のような小さな妖しが三匹、桃子の股間に群がっている。
それぞれ着物の上から細い枝のような手足を小刻みに動かし、恥丘を刺激しながら、
着物を突き刺す口らしい管を上下させている様子を見て、「おい。」とイヌイは声をだした。
とたんに凍り付き妖したちの動きが止まる。

「悪いがこいつはもう俺のだ。失せろ。」
その言葉にふわりと舞い上がり、桃子から離れる三匹。だが、
ーーー妖獣ふぜいが…     声ではなく意識だけのつぶやき。
三匹がイヌイにむけたのは明らかに殺意だった。
「ははは…妖魔ふぜいが。」
ひゅん、と風を切りイヌイの手が黒い蝶をあっけなく握りつぶした。
ーーーっ!?
「おっと、一匹し損ねたか。横になってると距離感掴みにくいんだよなあ。」
のんきにつぶやいてイヌイは身を起こした。
ーーーそんな…我ら魔属を消しつぶせるなんて、お前ただの妖獣じゃあないなっ  
ーーーああ、待て…!そもそもこの桃岩は昔から私たちが…
「だから悪いと言ったろう。だがこいつに意識のない夜にこっそり群がってんのがカンに触る。
俺が気にいって料理したものをつまみにくんじゃねえ。失せろ。おまえもつぶされたいか。」
黒い蝶はあわてたようにすぐさまふらふらと飛び去ると、そのまま闇に消えていった。

「ふん。」
知るか。確かにあの桃岩も魔族もいないあの村で、ほそぼそと補食をしていたのはお前たちが先だろうが…。
本来桃岩はあくまでも公共である。イヌイも別に桃子を独り占めにするつもりはない。
飢えて死にそうな妖しがくれば生きるに必要なエネルギーくらい分けてやるつもりだ。つもりだったが…。
…むかついたんだから仕方ないな。
イヌイは再び横たわると、さっき蝶が群がっていた桃子の股間に手をやった。
少し湿っているか…
「…んうん…。」
桃子が声を漏らした。なにやらむにゃむにゃとつぶやいて寝返る。落ち着かない様子で寝苦しそうに何度か寝返るのを
見かねて、イヌイが自分の尾を桃子の体に沿わせると、案の定両腕でぎゅっと抱きしめにんまりと笑った。
「…ばあちゃあ…ん。」
子供だ。
イヌイは声もなく笑い、目を閉じた。
164102:2007/08/09(木) 01:52:06 ID:Yq2nT4J6

「イヌイ…っ。イヌイっまだ……!?」
「まだまだ、まだ、だ。」

朝の陽はまだ青みを帯びて涼しげだ。梢の高いところでちいちいと小鳥の鳴き声がする。
昨夜泊をとった林の、三つ又の木に座らされた桃子は、もたれかかった幹に顔を押し付け溜息をついた。
片足を下枝に掛けさせられ、もう片方はイヌイの肩の上だ。
大きく開かされた股の間にイヌイの顔がある。ただでさえ白日の下にさらされ震えるその桃色の秘肉を、
イヌイは両の親指で押し広げた。朝の爽やかな風が桃子の茂みをすり抜けていく。冷たい、と感じた後、
それがイヌイの濡れた鼻先だと知って即座に熱くなった。

恥ずかしい。そんなところ、誰にも見せた事ないよ。見て楽しいとことも思えないし、イヌイはどうして
そんなに広げて、なにかを探してるみたいに延々見つめているのだろう。私もどうして見られてるだけなのに、
こんなに顔から火が出るように恥ずかしいの?…そう、恥ずかしいのよ。だって、さっきからイヌイの
鼻先が触れるたび、飛び上がりそうな電気が走って、その度にだんだんその奥がきゅう、と縮まり身が熱くなる。
それからだんだん…。

「ツヤが出て来たぞ。」
イヌイがさらに親指で左右に広げ、桃子の秘部が朝日に光る。
その光沢を愛でるように、親指でめいっぱい広げて張らせた柔らかい肉に、イヌイは己の濡れた鼻を
押し付けかきなでた。

「…ひっああっん!」
さっきから身を固くしてはあはあ羞恥に耐えていた、桃子の口から悲鳴がもれる。
「んあっ、…あんっ!やんっ!やだ、イヌイ!かゆい!かゆいいっ!」
嫌だといっても口だけで、かゆいといっても本当にかゆいわけではない事は、昨夜の補食から明白だ。
それでもそんな表現しか出来ない桃子の幼さに、はは、と笑って、イヌイは補食を開始した。
そう、これはあくまでもイヌイの朝ご飯なのだ。

「では掻いてやるよ。」
大きな口を開け、広げた秘肉に歯を当て、かりりと、優しく愛液をこそぎとる。

「あああっん!」

突然与えられた強い刺激に桃子はわななき、体を反らせて、そして、

後方の幹に思い切り、がつんと頭をぶつけた。
「痛あああああっ!」
そのまま木から転げ落ち、ごろごろ転がりながら後頭部を押さえてひいひい言う桃子に、
イヌイはげんなりとため息をついた。
「…阿呆。」
この子供に色気など期待はしてないが、ここまで男を萎えさせるのもどうかと思う。

「誰のせいだよ、誰の!」
冷ややかな目で自分を見下ろすイヌイをキッと睨み、桃子は訴えた。
「大丈夫かくらい言ってくれてもいいんじゃないの?イヌイはひどい。優しいのはご飯の時だけ…
私にこれをするためだけじゃん!騙された!」
「騙してなどいない。昨夜も言っただろうに、わかってて俺の飯を食ったんじゃないのかよ。
嫌なら食わなきゃいいんだ。」
「そんなの…あんなおいしいの見せられて食べないなんて無理だよ!」
「ははは!」
いかん、笑ってしまう。この子供は…本当にまだ子供なんだなあ、と
イヌイは少し懐かしい気持ちで桃子を可愛いと思った。

165102:2007/08/09(木) 01:56:30 ID:Yq2nT4J6
「うまかっただろう。早起きして手をかけたからな。」
座り込んでいる桃子をひょいと抱え上げまた、元の三つ又に座らせる。
涙を浮かべて膨れっ面の桃子の押さえてる後頭部の髪をかき分け怪我がないかを確認しながら、
尾っぽでぱたぱたと土を払ってやる。まるで親子である。

「ケイキというものらしいぜ、あれ。」
そう言われて桃子は、今朝初めて見た、ほかほかと湯気をたてる黄色いふわふわの固まりを思い出した。
甘く香ばしい匂いで目を覚ました桃子の鼻先にそれを置き、やまいもを擦って挽いた麦と蜂蜜と
鶏の卵を混ぜ合わせて、熱した石の上で焼いたものだと教えてくれた。
イヌイはそういいながらしぼりたての牛の乳を革袋の中でぶんぶん振り回し、分離した脂を
黄色い固まりにのせるとそれはつややかに溶けしみ込んでいった。
そんなものを空腹に目覚めた朝一番に見せられて、どうして食べずにいられよう。
わかってて、というより、前の晩イヌイにされたことなどすっかり忘れて夢中で食べた。
食べ終えた頃に今度は自分がイヌイに飯を差し出すのだと、思い出しながらおかわりをし、
どうなってもいいや、とそれを飲み下した桃子だった。

「わかって食ったんだろう?」
「……うん。」
「…明日も作ってやろうか?」
くく、と笑いながらイヌイはひざまずく。
桃子はさっきと同じように大きく股を広げられ、そこにイヌイの吐息を感じ、びくりと身を縮ませた。
そして口の中に先ほどめいっぱい味わった甘くてふわふわの固まりを思い返しうっとりしながら、
だが苦虫をかみつぶした顔で悔しそうに「うん。」と言った。


若いがいい泉だ、と言ったのは昨夜だ。
そしていま、白日の下でまじまじと見てやはりそう思う。
いい泉だ。それを覆うにはこころもとない薄い茂みを、イヌイが少しなでさするだけで
じわりと沁み出る温かな水は、妖獣イヌイにはたまらなく、甘く香り高いごちそうだった。
秘肉の色もいい。昨夜は気づかなかったが、少し物足りないくらいの色素の薄い桜色が、補食に従って
中から染み出るように紅く色づいていく様は、見ているだけでいやらしく、美味そうだった。
おぼこのくせにな。
そのつややかに光る肉の弾力を楽しむように舌で強くかき回すと、上の方から「ひあ」と声が上がり、
抱えている両脚にぐっと力がかかりイヌイの頭を締め付ける。その脚を軽々もとの位置に押し広げ、
その大股開きのまま今度はは唇ごと押しつけ、歯を立てないようにむしゃむしゃとかじりついてやった。
「やっ…ああ…ああんっ」
泉からとろとろと白い液が溢れるが、もちろん沁みでた端からイヌイが嘗めとっていく。うまい。
もちろんイヌイは他の泉も多く知ってるが、中でもこれほど無心にむさぼれるものは覚えがなかった。

166102:2007/08/09(木) 02:02:31 ID:Yq2nT4J6
「んやあああっ…っ!」
急に声高く戦慄いて一瞬痙攣した桃子に驚いて我に返って、はじめて夢中であった事に気づく。
勢いと習慣で湧き出る源の裂け目にうっかり舌先を差し込んでたことを知りイヌイは自嘲した。
一度身を起こしてひくつく桃子に声をかける。
「大丈夫か?」言いながら笑ってしまう。
「…言えばいいってもんじゃ無いよ、莫迦。」
桃子は酸欠に真っ赤な顔をして息も絶え絶えに悪態をつく。
「イヌイの変態っ。こんなの食べるなんておかしいよ。変だよ。妖獣はみんな変態だよっもう、
……もうやだよう〜恥ずかしいよう〜!まだなのお!?」
「悪いが、まだまだ、まだだ。」
せっかく美味くなってきたところなのにやめてやるかよ。とイヌイは舌なめずりをした。
そうだ、昨夜はやめてやったのだ。こいつがあまりにおぼこいので、つい手加減したのだ。だが今夜は。

今夜はイカそう。指で、舌で、まだ誰も触ってないだろう肉芽の皮をむき、しゃぶりついてその泉に
指を突き刺そう。きっと格別に美味いはず…。そのためにも、もう少しほぐして慣れさせておきたいところだ。
舌先をほんの少し入れたくらいで、あんなでは、イクまで体が持たねえだろう。

「今日はあの山三つ分先までは飛んでいきたいが、空を見ろよ。気圧が悪い。気流に逆らうのは
体力使うんだよ、エネルギー蓄えさせてくれてもいいだろう。それとも同族の岩に逢うのあきらめるか?」
そう言われて桃子に断れるはずはない。イヌイは抵抗をあきらめたように黙り込んだ桃子のはだけかけた
着物の胸元を丁寧に直してやった。不思議そうに見る桃子と目が合いにんまりと笑う。
「乳は夜な。」
とたんにかあ、と紅くなった桃子を無視して再び股間に頭を突っ込む。
「いやっ!ばか!イヌイの変態……っや、ああんっ…」
少し休んだ分一気に駆け上がってきた感覚に、桃子は再び大きく身をそらせた。
「頭ぶつけるなよ。」
笑ってそういった後、イヌイは桃子に一瞥もくれないで泉を嬲ることに専念しはじめた。

いや、と言っても、形ばかりの抵抗だ。桃子の体は昨夜からイヌイの愛撫を受けるごとに
大きく快感の需要を示していた。なのに心がついていかないのか、気持ちいいと受け入れられない子供の
恥じらいを少しずつ陵辱するのがイヌイは面白くなっていた。妖獣ってやつは基本的に嗜虐嗜好だ。
性だ、仕方がない、などと思ってみる。
乳を嬲るのは夜だ。
口角が上がるのをかんじながら、イヌイは左手で恥丘の茂みをかき分けそのまま中指と人差し指で
大きく左右に開き、秘密の突起と泉の裂け目を露出させる。
あの若い肉の弾力に揺れる大きな双丘を、その頂の突起を、夜はもみしだきしゃぶりつくしてやる。
子供はいやいやと頭をふり、その度に胸は揺れるだろう。大きい割に昨夜の様子では相当敏感に思う
その先端の尖りに吸い付いて、こりこりと口中に転がして…。
かわりに今はなにもないつべつべの肉門を、ぎゃくに掘り起こすように舌先を押し付ける。
一瞬唇に肉芽の尖りが触れたが、これも夜のお楽しみだ。
「イヌイっ!」
桃子が声をあげたが、気づかないふりで続ける。
167102:2007/08/09(木) 02:07:47 ID:Yq2nT4J6
「っく…ふっ、んんん…。」
ぶるん、と大きく身を震わせ、上のほうでくぐもった桃子の押し殺した声が聞こえたが無視だ。
快感を快感とまだ認識できない子供には、まずは刺激に慣れてもらわなければ。
そう思いさっきは無意識だったが今度は意図的に尖らせた舌先を裂け目に突き刺した。
桃子の両の太腿にぎゅうと力がこもり、泉からはわっと液が溢れた。条件反射的にそれを嬉々として吸い上げ、
その美味さに思わずさらに乱暴に裂け目をえぐり、舌でかき出すようこね回す。
ああ、とイヌイは思わず感嘆の息を吐く。
いい泉だ。目的を忘れそうになる。今が発情期であったら、間違いなく情緒も思いやりもなにもなく、
己の肉棒を突き立てて性を貪るところだろう。そんなふうになったことは一度もないが、こいつには。
イヌイは愛撫の舌を緩めて、ふふ、とそんなふうに思う自分がおかしくて笑みをもらす。
こいつには、岩になって欲しくないかもしれない…。

「…んふうっ、いやっ!イヌイ…あっあっ…っ」
桃子の声に我に返り、またしてもイヌイは自分が夢中になっていたと気づき舌打ちした。
溢れ出る愛液を左の親指ですくい取り、俺ときたらそれを皮の上から肉芽に塗り込んでいる。
習慣というのは恐ろしいもんだ。
「…あっ……くっ、やああ!なに?いや…や…あっ!」
どくどくと溢れてくる泉の味の変化でイヌイは桃子の絶頂が近い事を知った。
ああ、夜にとっとくつもりだったのに、だがここまで追い込んでおいてお預けでは、逆に俺がつらい。
真っ赤に充血した秘肉をすすりあげながらイヌイは桃子をそのまま達することに決め、
嫌がって逃げる腰を押さえつけてそのまま陰核を思い切り舐め上げた。

「あっ…あんっ、あんん…っ、んあああああああっ……っ!!」

がくがくと腰を痙攣させ、若い肢体は弓なりにしなった。
うちももがきゅうきゅうと緊張を繰り返し、ひくつく裂け目からびゅくっと溢れて来た愛液に、
イヌイの眼が爛々と光る。思った通りの。夢中でしゃぶりあげる、妖獣の一番のごちそうである。
舌でかきあつめ夢中でのみ下すごとに、腹の底から力が熱くマグマのように湧きい出る。

たまらねえ。
思いがけなくありついたごちそうを、イヌイはらしくもなく品をなくして貪った。

たまらねえ、間違いなく最上級だぜ、桃子。ああ、俺は。
「いい拾い物をした…」
「ほんとだねえ。」

思わず口から漏れたつぶやきに、思わぬ返答があり、イヌイは飛び上がって身構えた。
見下ろす先に見たのは、初めての絶頂を迎えぐったりした体を横たえたまま、力なく抵抗する桃子…の
豊満な乳房に未だしゃぶりついている一匹の小猿だった。

「…!」
「ひっ…く、イヌイ、助けてえ、これ取ってええ…ああっん!」
ちゅぱちゅぱと音をたてて桃子の乳首を吸う小猿を引きはがそうとするが、力がはいらないのか
桃子は半泣きでイヌイに助けを求め、求めながらも小猿の愛撫に達したばかりの体を震わせ感じていた。
イヌイは驚いて助けるどころか、猿の子供に乳を吸われる桃子の姿に思わず見入ってしまった。
エロい…いや、違う。このエテ公…。

「その金毛…サルトルの息子のマサルか…?」
そのとたん、くわえていた乳首を口から出すと名残惜しそうに、もう一度下からべろりと舐め上げて、
小猿はにっこり笑った。

「そうだよイヌイのおじちゃん!やっと逢えたあ!」

168102:2007/08/09(木) 02:27:15 ID:Yq2nT4J6
…今回はここまでにしておきます。

間違い見つけたので続き推敲し直してまたきます。次回猿と3P。

>160
嬉しい、ありがとう!
169名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 16:59:00 ID:/zjwdXyI
なんで誰もいないんだ? >>102 GJJJ!!
こういうのすっげー萌える。ぜひ完結まで頼む
170名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 18:31:57 ID:5pXoTGiv
160です
102さんありがとう!やっぱり大好きです!
続きwktkして待ってます!
171102:2007/08/14(火) 06:29:27 ID:p0RZSf/o
167の続きいきます。
・・・・・・・・・・

 サルトルと旅をしていたのは今から十年以上も前のことだ。
 サルトルは陽気な金毛の手長猿で、基本的に無口で黙って行動するタイプのイヌイとは正反対に、独り言というには
あまりにゆかいな受け答えを一人でべらべらしゃべくりながら、常にスキップしているような猿だった。
軽くて調子のいいやつだったがイヌイ同様力は強く、旅のつれあいとしては最高で、珍しく長く道中を共にした。
 別れたのは彼に子供が出来たからだ。

 三つ子のたましいってやつがあるだろう?三年はガキと共にゆっくりいろいろ教えながら暮らしたいのさ。
それから親子で旅するつもりだ、子連れ狼って感じにな。

 猿だけど。と続けてにい、と笑った彼は、いつもの軽い物言いだったが真摯な瞳で忘れられない。
その三年後の子連れ猿の旅立ちに少しばかり同行した。それから何度かは顔見せに訪ねたが…。

「五年ぶりくらいか。でかくなったなマサル。」
 そりゃあね、とマサルはその親譲りの長い尾を幹に巻き付けては離し、逆に巻き付けてはまた離し、
とリズミカルに遊びながら、これまた親譲りの明るい口調で話を続ける。

「お父ちゃんは僕を食べさせるのが生きがいみたいなものだったからね。それに知ってるでしょう。
よく動く口八丁手八丁、手がながけりゃあ桃岩見つけるのにも長けていて、料理も上手でさあ。
見つけたらちょちょいと泉を甘露に変えて、僕は本当に食べてばかりいたんだよう。そしたら
やっぱり太るから、決まって食後はブートキャンプ…、あっ、もちろん正規で手に入れたDVDだよう。
食後一時間はあけてバーム飲んでからだよう。市販のバンドは短くて負荷が強すぎるしすぐに使い物に
ならなくなって…」
 手長猿はバンドは手作りがデフォだよう〜、としゃべくり倒す。

 イヌイは彼の親であるかつての友が、息子が言葉を覚えてから口を動かす量が半分になったと
言ってたことを思い出して、懐かしくそのしゃべくりを聞いていた。
「やはり親子だなあ。若い頃のサルトルに、話す内容の半分以上が意味わかんねえ無駄話ってところが
そっくりだ。ああ、その金毛もだったな。」
 目を細めるイヌイに「でしょう。」と自慢の金毛をきらきらさせる。
「イヌイのおじちゃんの銀毛と並んでも、もう負けないくらい光るようになったでしょう。
次の発情期はいつ?楽しみだなあ、僕大好きだよ、イヌイのおじちゃんの銀毛は青白くてクールでかっこいい。
もちろん一番はお父ちゃんの赤金毛で、二番は僕…と言いたいところをイヌイのおじちゃんに譲って、
僕は三番目にかっこいい毛並みの妖獣でいいよう…。」
 滑る口がふと止まり、あ、もう、二番に昇格だったっけ、とつぶやいた。
「すぐに一番になるさ。俺はもういぶし銀だからな。」
 それもかっこいい、と小猿は笑った。

「サルトルが病気で逝くとは意外だった。丈夫がとりえだったのに。だが…」
 息子に看取ってもらえるなんて幸せなやつだ、とイヌイはマサルの頭をくしゃくしゃとなでてやると、
それを合図にさっきまでの笑顔を崩し、ようやくわあと泣き出した。 そのままイヌイに抱きついて、
お父ちゃん、お父ちゃんと繰り返す。

「おなかがすいたよう、お父ちゃあん〜!」
172102:2007/08/14(火) 06:34:37 ID:p0RZSf/o


 顔立ちはあきらかにまだ幼い小猿だが、サルトルがせっせと育てたその身体はすでに桃子よりも大きい。
育ち盛りの妖獣だ。まだまだでかくなるだろう。
 どうしたものか、とイヌイはため息をつきながら、生前のサルトルが言ったことを思いだしていた。

 …こいつは大人になっても自分一人では補食が出来ないかも知れない。
生まれたときにきいた母親が壊れる音を覚えてる。そのためかどうしても股間の愛液を舐められなくて、
染み古反の世話になりっぱなしだ。おっぱいは大好きみたいなんだがな…

 「桃岩から生まれた妖獣が育たないと言われる訳がやっとわかったよ。
  イヌイ、だけど俺はこいつが愛おしい。
  俺が愛した桃岩が命をつぶして生んだ子だ。
  俺は俺が生きてる限り
  マサルを飢えさせたりしないぜ。」

 サルトルの台詞はきのうのことのように耳に残っている。
 ああ、俺はあいつがすきだったんだなあ、と今更ながらに思うイヌイだった。

 大見栄きっておきながら
 早く逝きやがってばかやろう。

・・・・・・・・・・・・

 林の隣の湿地をぬけるとすずかけの並木が、まだ小さく青い実をぶらさげて涼しげにゆれている。
その向こうに川のように細長い池があった。
 中程に立ち枯れた木が斜めに交差しており、そのちょうどよい枝に桃子が裸で座っているのが見えた。

「水浴びか?そろそろ発つぞ。」
 イヌイの声にびくりと身体をゆらし、そのまま後ろにひっくり返ってどぼん、と桃子は池におちた。
 たまたま後ろに朽ち木が無かったので、頭を打ったり枝に突き刺されたりしないですんだのだと、
こいつはわかっているのだろうか。
「おまえ…いつか後頭部割れて死ぬぞ。」
「イヌイが悪いんじゃん。」
 ぷは、と水から顔をだし、イヌイのいる場所を確認すると、桃子はすいい、と上手に横泳ぎをして
朽ち木の影に隠れた。
「何が?急に声かけておどかしたからか?」
「あっちいけ、えっち。」

 ぶふう、とイヌイが吹き出すと、何がおかしいんだよ、と顔を赤くして起こっている。
 水は澄んで青く、桃子の白い肌が水越しに輝いてきれいだった。
 さっき朽ち木に座っているのを見つけたときも、白い鳥がとまっているようでなかなか
可愛らしい光景だとは思ったが、邪な気持ちは微塵も涌いていなかったのに、えっちと言われたら
それに応えねばならないじゃないか。
 イヌイは着物を脱ぎ捨てると、そのまま低く平行に跳んで、水面を軽く、石が水面を跳ねるように
さらに蹴って跳び、三度で桃子のいる朽ち木にたどりついたら、その様を口を開けて見とれていた
桃子に抱きつき、共にどぼんと水に沈んだ。

173102:2007/08/14(火) 06:39:51 ID:p0RZSf/o
  
 池はあちこちで下から小さな空気の玉が立ち上っていて、こんこんと水が涌いている様子だ。
思ったより深く、イヌイが沈むのを魚がよけていくのが見えた。
 桃子はイヌイの腕のなかで逃れようと腕を突っぱねている。息苦しいのか、泣きそうな顔で頬を膨らまし、
子供っぽさを強調しているが、そのすぐ下にある二つの大きな固まりがイヌイの胸で押されて深い谷間を
作っており、そのアンバランスさがいい眺めだった。
 イヌイが破顔し、がぼがぼと口から空気の泡を抜くと「桃子。」と、いつもと違う声で呼びかけた。
水を介しているので違って聞こえるのだろう。
「お前の本性は岩なんだから水の中でも平気だろう?」
 暴れていた桃子が驚いて、頬をふくらしたままイヌイを見る。
 その頬をイヌイが片手で掴んでつぶし、口から泡を吐き出させると、桃子は慌てて苦しそうにもがいたが、
やがて苦しくないことに気づいて大人しくなった。

「な?」
「うん。すごい。」
 素直に頷いている。
「すごい!イヌイはなんで平気なの?」
「妖獣様はこれくらい普通。」
「イヌイもすごいね!」

 さっきまでの膨れっ面はどこへいったか、わーとかあーとかひとしきり水中での声を楽しむと、
桃子はするりとイヌイの腕を抜け、魚みたい〜、と楽しそうにくるくると泳いだ。が、その様子をにやにやと
眺めるイヌイに気づいて、ぎゃっ、と小さく叫んで水面に向かう。当然それを追いかけるイヌイだが、
追いついても桃子と一定の距離を保ち、水の中で躍動する肢体を楽しんで見るに徹していた。
 耐えきれず桃子が叫ぶ。

「イヌイのすけべ!」
174102:2007/08/14(火) 06:44:15 ID:p0RZSf/o

「何が助平だ。何もしてないじゃないか。」
「見ないでよ!!」
「なんで見たらいかんのだ。」
「なんでって…。」

 返答に困り言いよどむ桃子だが、器用に脚を動かして立ち泳ぎで水中に留まっていた。
股間の茂みがゆらりとなびいて割れ目を覗かせている。冷たいわき水に両の乳首はすでに尖って、
夜はあれをしゃぶるのだ、とイヌイは口の中で舌を擦らした。
 それに気づいて桃子は顔を赤くして股間と胸を隠すように膝をかかえたが、そうすると身体が徐々に
沈んでいくので慌ててまた上に泳ぐ。こんどはカエルのように平で上がっていったので、下からは、
冷たい水にきゅっと縮んだ菊門が見えた。

「可愛いケツの穴だな。」

 わざわざ指摘してやると桃子は泣きそうな顔で振り向いて、片手でお尻を押さえると、バカ、と定番の
悪態をついてそのまま朽ち木まで泳ぎ、上がろうと木に捕まった。 
 だが、藻のついた朽ち木はつるつると手にすべり、上がれずに桃子は半べそでうめいた。
わずかな窪みに手をかけて、力いっぱい上がろうとするが、すべるだけじゃなく思ったより力が入らない
自分の身体に焦る。何度も試みるが結果は同じで、最後には諦めてぐったり水面に漂うにまかせてイヌイを待った。

 その様子を眺めながらゆっくり上がって来たイヌイに、バカ、と返されても怒る気力はもう無い。
「ほら来い。」
 両の腕を捕獲網のように広げられ、桃子は迷わずその網に飛び込んだ。
 毛深い胸は水の中でもじんわりと温かく、肩をすくめて桃子は胸を押し付ける。その身体を包み抱き込んで、
イヌイはべそをかく子供に言い聞かす親のように優しくも強い口調で、わかったか、と言った。

「岩も女も冷えには弱い。身体が動かなくなる前に、水遊びはほどほどにな。」
 桃子はうんうんと頷き、冷たくなった頬を暖めようと添えたイヌイの手のひらに
包まれるままに目を閉じている。
「俺も調子に乗った。悪かったな。」

「ほんとだよ。」
 おまえこそ調子のるな、とイヌイは心の中で突っ込む。
「イヌイって呼んだのに。助けて欲しくて…なのにこっちみてくれないからあんな猿に口吸われて、
おっぱい舐められて…変なふうになっちゃって…っ。」
 んん?何の事だ?
「あんな声だして痙攣して、私…恥ずかしくて暑くて…だから泳いで冷やしてたんじゃないの!」
 わああんと桃子が声を上げて泣き始め、イヌイはようやく桃子の不機嫌の理由に思い当たった。
 
 今朝の補食でこの少女は初めて絶頂を知ったのだっけ。
 今朝の事を言っているなら、とイヌイは桃子の顔色をうかがいながら言う。
「美味かったぞ、桃子。お前は俺が知ってる中でも最高の桃岩だ。」
 桃子の泣き声がとまる。
「やはりイッた時の味は格別だな。おかげで俺はものすごく力を得て元気だ。」
「イッた…?前に言ってた達くって…あれのこと?」
 そうだ、と桃子にイヌイは答え、お前がああなったときの愛液はすごいエネルギーを秘めていて、
妖獣はみな欲しがるだろう。俺も夢中になった、と告げる。
 イヌイが夢中に…と桃子は静かにつぶやいて、思い出したのか顔を赤らめる。
 
175102:2007/08/14(火) 06:48:52 ID:p0RZSf/o
 
 軽々と桃子を抱いたまま飛び上がって朽ち木の上に立ち、そのまま桃子を日向で甲羅干しさせる。
唇が紫色に震えている。
 見つけた時すでに桃子は裸だった。泳いで冷やしてたと言った。すでに身体が冷えてた桃子に俺が
無茶をさせたのだ。着物で体の水滴を拭うと、桃子はようやくがちがち鳴らしていた歯を止めた。
 呼吸とともに上下する大きな胸は、横に流れる事も無く二つの頂を天にそらせていた。
触れると驚くほど冷たい。先端の紅い尖りもきゅうと縮んで立っている。
 あたためようとイヌイがさすると桃子はほんの少し身をよじって「や」と可愛らしい声をもらした。
 そいえばこいつは乳が敏感だ。と思いやり、あらためて大きな手で二つの頂を覆うと中指と人差し指で
先端を挟み圧をかけた。
 ひん、と小さく声を上げ桃子は両の手でイヌイの手を剥がそうとするが剥がれない。つまり、
さほど嫌ではないと言う事だ。そのままゆるゆるともみしだき、桃子の様子をうかがう。
そういえばいつのまにかもう太陽は天頂だ。マサルを慰めてる間に、桃子と水であそんでいる間に、
お昼ご飯の時間だぜ、イヌイ。

「気持ちいいか?」
 イヌイの問いに桃子は目を白黒させて、ええ!?と驚いている。
「気持ち…いい…?これが…?」
「そうだ、なんだかからだの真ん中が熱くなってこないか?やめると寂しい感じはしないか?」
 そう言ってイヌイは一度手を止める。固まりから手を離すと、まんなかで紅い実はけなげなほど
つん、と尖って今にももげそうだ。口に含みたい衝動を難なく納めてイヌイは桃子の返答を待った。
 桃子は露になった胸を自分の手で隠し、そんな事無い、と言った。子供が嘘をつくときのように
遠くそっぽをむいている。
 そうか、とイヌイは笑い、身体が温まったら旅立とうと言ったので、桃子はうん、とうなずいた。

 
「マサル、来い。」
 呼ばれてひゅうん、と跳んで来たのはさっきの金毛の小猿だった。
 驚いて身を起こしかける桃子に、温める、とイヌイが言った。
「桃子姉ちゃん!こんにちは!」
 マサルは明るく挨拶をする。さっきは急にごめんねえ、と横たわった桃子の顔の横に座りこみ、
僕はマサル、よろしくね、と邪気の無い顔で笑った。
「あ…桃子です、よろしく…。」
 桃子もつられてひきつった笑顔を返す。困ったようにイヌイを見やり、今朝と同じように両足を
掴み肩に掲げる様子に驚いて、やあ、と悲鳴をあげた。

「イヌイ…っ、何…」
「ああ、太腿も冷えてるな。こうするとぬくいだろう、桃子。」
 内股を頬に当ててイヌイは両手で桃子の膝を包み込む。股間の茂みを口元まで持ち上げるので、
必然的に桃子の尻がイヌイの胸に抱えられるように押し付けられ、はからずも桃子は温かさに心地よさを覚える。
「ぬくいけど…やだ、イヌイ…離して…。」
 腰をよじって脚をばたつかせる桃子に閉口してイヌイは押さえ込みにかかる。
「いいかげん慣れろ。昨夜も今朝もしただろう。」
 でも、昨夜とも、今朝とも違う。幼いまだ子供の猿がそこにいるではないか!
「だって…お猿さんが…っ」
「オサルじゃないよ。マサルだよ、お姉ちゃん。」

176102:2007/08/14(火) 06:56:02 ID:p0RZSf/o

 マサルはいつのまにか桃子の頭の方に脚を広げて座り、隠すのに懸命な桃子の両手を掴んで胸から離すと、
慣れた様子で両足で桃子の腕を固定する。さてとばかりに、あいた両手で上から桃子の胸を掴んでむにむにと
もみしだきはじめた。
「やあ…っ、やっ、やだやだ、何い!?どういうこと、イヌイ!?」
 マサルの脚でしっかり押さえられた両手はびくとも動かず、イヌイの両腕で抱えられた両足も
膝を押さえられびくとも動かず、無防備に体幹をさらして桃子は胸を小猿に、秘部を大犬に嬲られ、
やだやだ、ああん、と身を反らす。
「お姉ちゃん、大丈夫だよ、痛くしないよ、僕慣れてて上手だよ。」
 マサルは嫌がって跳ねる桃子の大きな胸を、確かにちょうどいい強さで、ランダムに強く、弱く、優しく荒々しく、
こねくり回していた。時々思い出したように中央の頂きをつまみ、そのたびに桃子は高い声をあげ身を反らす。

「イヌイのおじちゃん、このお姉ちゃんのおっぱいすごく気持ちいい…。」
 だんだん息を荒くしながらマサルが感嘆する。
「おまえ、巧いなあ、マサル。親父に習ったのか?」
 ううん、したいようにしてるだけ、とマサルはふたつの頂を合わせて先端の尖りを一つにまとめると、
たっぷり唾液をくちに貯めてその中にそれを押し込んだ。唾液の海の中、両乳首は舌でぐちゅぐちゅと嬲られ、
桃子が切ない声をあげはじめた。

「…あっ…は…ああん、…やあああ、あん、あ、、っ」

 イヌイからはちょうど胸とマサルに隠れてその顔は見えないが、あきらかに桃子は性的な刺激に感じて、
肩を腹をぷるぷる震わせている。嫌がる声に甘さが含まれ始め、イヌイの目前の秘部から
いいにおいが立ち上って来た。見るとすでにつややかに濡れている。

 池の水…じゃあ、ないよな。
 わかっていながらべろりと舌をのばして味を見る。
 びくんと桃子の腰が跳ね、イヌイは自分の与えた反応に満足する。

「おい、桃子。」
 イヌイの呼びかけにひくん、と身をよじり、乳首をしゃぶり続ける猿越しに犬を見る。
イヌイはわざと大きく舌なめずりをして桃子にベロを見せつけると、脚を肩に担いだまま両手で尻をつかみ
荒々しくもみ上げた。二匹の獣に体をいいように嬲られる様とその互いに違う感覚に、桃子の体は急速に熱くなる。
今まさにイヌイが口づけようとしている秘部の奥から熱い固まりがよじ上がってくる感覚、そこにかぶさる
両の乳首からの強いしびれ。桃子は思わず目を閉じ顔をそらして嫌、とうめいた。
「イクとはこういう事だ。」

 その言葉と共に陰核に熱い弾力ある肉が絡み、下から舐め上げられ剥き出しにされる。
剥かれた包皮を上唇で押さえ、そのまま舌先を尖らせて充血しだしたしこりを下から下から
べろべろに舐めしごいた。ああっと甲高い声があがった。
 とたんに桃子の両足がピンと伸び、力を入れる間もなくびくんびくんと痙攣し、一瞬のうちに桃子は果てた。
 むあっ、股間からたまらない匂いが立ち上り、またしても我を忘れそうなイヌイだったが、さっきと同じく
達した桃子の胸に未だしがみつきしゃぶり倒しているマサルが目に入り、目の前の甘露を舐めとるのを
断腸の思いで止め、変わりに桃子の染み古反を局部に押し当て、汁をしみ込ませる。
 その刺激にもいちいち感じてびくびく体を跳ねさせる桃子に、イヌイは小さな苛立を覚えた。

 おぼこのくせに…っ。

 何度そう思っただろう。イヌイは性的に激しく快感を覚えだしてきているまだ男を知らない少女の、
感度のよすぎる成熟した体になぜか残忍な気持ちを抱いた。

177102:2007/08/14(火) 07:01:42 ID:p0RZSf/o

 たしかにマサルは上手だが、俺がするより感じるなんておいおい、立場がないじゃないか。
この淫乱が。この淫乱め!

 股間の雫をすっかり拭うと、イヌイはふたたび秘部に口をつけ、ぐちゅぐちゅとかみつくようにかき乱した。
ぐったりしながらまだ続くマサルの乳首への刺激にひくついていた桃子からひゃん、と可愛らしい声がもれ、
ああっと脚に力が入る。

「やん、だめええっ、あ……っくっ」

 快感は再び這い上がって来たようで、桃子の腰がぶるぶる震える。肉づきのいい尻の双丘を
手のひらでもみしだきながらイヌイは乱暴に陰部を舌で唇で、時には歯を立てて嬲った。

 マサルはさっきから片方の乳首を口から出し入れし、もう片方の乳首を人差し指と薬指ではさみ、
その先端を中指で押すように刺激している。
 まったく。どこで覚えたんだか、恐るべき子供だ。お前の親父より巧いじゃないか。
 
 イヌイも負けじと同じように充血した陰核を指ではさんで中指を押しつけこねあげる。
と、同時に長い舌を秘部の裂け目に突き入れて中でぐいぐい押し付けるようかき回すと、
急に膣口がきゅううと締まりひいっんと戦慄いて桃子が果てた。そのまま突き入れた舌を
きゅうきゅう締め上げるように痙攣し、蜜壷一杯に溢れる汁を自分の唾液が絡んだ分だけ啜ると、
あとからあとからあふれるそれを染み古反に含ませる。
 口の周りについた愛液をべろりと舐めとりながらイヌイが顔をあげると、マサルはあいかわらず
小刻みに乳首を繰りながら胸の谷間に顔をうずめてうっとりしていた。桃子を見ると真っ赤な顔を
涙と涎でびしょびしょにして、はあはあと息を乱して震えていた。

「大丈夫か?」
 声をかけたイヌイの方を一瞥するが返事はなかった。ときおりマサルの刺激にビクンと震えて
目を細め、はあ、と甘いため息を吐く桃子を、胸にぶら下がる猿ごと横抱きにするとイヌイは桃子に
口づけた。もちろん、くちのまわりについた唾液もおいしく頂くためだが、頬や口端に唇を寄せると、
桃子がぼろぼろ泣き出した。

「イヌイは…」
 はあはあと酸欠気味に、切れ切れの言葉をつなげる。
「イヌイは…私がどう…でも…どう感じててもいいんでしょ…う。」
「ああ、ずいぶん感じてたな、桃子。」
 イヌイの心ない言葉にさらに涙をあふれさす。
「ひどい…あんなに…苦しいのに…追い立てられて、持ち上げられて、突き落とされて…
恥ずかしい声ださされて…!」
「桃子。」
 イヌイの声は優しく、親が子をいたわるように胸に響く。押さえられていた両手は
とっくに自由になっているが、桃子は二度と抗ったりしないだろうと思った。抵抗しようが無駄なのだ。
この二匹の獣は妖獣なのだから本当に嫌なら今までみたいに撥ね除ける事が出来るはずなのに、つまり私は。
 桃子はイヌイに体を預けほおずりした。

「二人掛かりは刺激が強すぎてびっくりしたかも知れないが。」
 突然イヌイが口火を切った。桃子は驚いて体を震わすと、イヌイを見上げてうんうんとうなずく。
「慣れろ。桃岩は基本的に集団で共有するものだ。」
 目の前が暗くなる。

「イヌイは…今日みたいに…私を誰かと分けっこするのが平気なんだ…。」

 もちろんだからこそ慣れろと言われているのに、バカなつぶやきだと思った。
 だがイヌイの返答は桃子の予想を外して、ノーだった。

「平気じゃない。現に昨夜妖魔がお前を食いにきたけど二匹ばかりつぶしてやった。」
「ええっ!?」
「お前は俺のだ。」

178102:2007/08/14(火) 07:12:47 ID:p0RZSf/o

 言ってからイヌイは少し気恥ずかしさを覚え、今のところは、と付け足した。
 桃子が驚いたようにイヌイを見つめる。
「じゃあ、じゃあなんでこの猿は…あっんっ」
 未だに乳房に顔を埋めるマサルが乳首をつまんで桃子は声をあげた。見下ろすとうっとりと
夢心地なのか無意識に乳房をもみしだく、がいつのまにかマサルは寝ているようだった。
「このとおり、まだ子供なんだ。」

 イヌイはマサルと、マサルの父と自分の関係をざっと桃子に説明し、さっき作った染み古反を見せた。
「つまりこれがマサルの飯だ。直接桃岩の愛液を舐められないのなら、誰かと共有しないと生きられない。」
 おっぱいは好きみたいだけどな、とイヌイは胸から寝ているマサルをはぎ取って、かわりに
染み古反を持たせると、マサルはちゅうちゅうとそれを吸い、むにゅむにゅもみながらお母ちゃん、
と寝言を言った。

「こいつの母親はお前と同じ、桃岩だ。こいつを生んで砕けた。」

 驚愕…するには他人事のように感じたが、聞いた事実はかなりショックだった。
桃子はまじまじとマサルを見つめた。と、その金の毛並みがうっすらと紅く中から光りだしたのに
気づいてさらに驚く。
「おまえの食ったからだぜ、桃子。」
 イヌイが優しげに笑って桃子に口づけた。
 口の中に舌が入って来て上あごの奥を責められ、桃子は声をもらした。
 舌を絡めて嬲られる。ふたたび熱くうずいて来た感覚に桃子は涙ぐんだ。

「その様子ならもう一回イケルな?」
「…なっ!だめ、だめだよ、もうっ…んんっ!」
 桃子の制止はなんの役にもたたず、イヌイは横抱きのまま桃子の胸と股間に手をやった。
さらに口を蹂躙されすぐに桃子は甘い痛みが胸に広がっていくのを感じて慌てた。
それはやがて下の敏感な奥に飛び火し、そこからぞわぞわとせり上がっていくのだ。
さっきまでマサルにいじられつくされた胸が、今度はイヌイの手によりやわやわともみしだかれる。

「イヌイの方が…や…やあらしい…ああんんっ。」
「そりゃあそうだ。男だからな。」

 桃子のこの訴えは少なからずイヌイを喜ばせた。
 どんなに巧くても子供とは何かが違うのだろう。そうでなくては。
 そのまま中指を膣口に突き入れがきまわした。すぐにびちゃびちゃと水音がしはじめ、
よく濡れる泉だと、イヌイは感心しつつ首筋を甘噛みした。
「あんっ、あっあっ、うそっ、…また…っ!」
 あっというまに高みに持ち上げられ桃子はイヌイにしがみついて、苦しいとあえいだ。

「桃子。」
イヌイも興奮して来たのか声が乱れている。

「覚えておけ、これは、気持ちいいって…いうんだっ。」
「ええっ?!…んあっ、ああっ、だめ、イク…っ…、…っ!」

 あああ、といままで以上に声を上げ、桃子はイヌイの体にしがみついてガクガクと体を震わせた。
とてつもなくいい匂いがして、ああやはり三度目くらいが一番いいと、イヌイは迷わず桃子の陰部に
口をつけて溢れだす愛液を吸い上げた。
 …こんなうまいのは
 ちらと、隣で寝息を立てるマサルを見て、にや、と笑う。

 子供にはまだ早いぜ。

                    今回はここまでにしておきます。



179名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 23:03:57 ID:vMd0V6BE
GJ!
全裸で待ってた!
180名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 09:43:42 ID:vEOKrxG0
あげ
ついでに
いぬい萌え
181名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 12:01:31 ID:GMraRP9Y
待ってたよ〜GJ!
イヌイと桃子がこれからどうなっていくのか、すごく楽しみです!
182名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 22:02:26 ID:6hA/2bT4
GJ!!
おにたいじおにたいじ!!!
183名無しさん@ピンキー:2007/08/30(木) 07:43:24 ID:cdUHykjh
続きマダ-?
184桃子イヌイ:2007/09/03(月) 04:21:40 ID:TwLju5rG
今までこういう予告とかコメントしたくなかったのだが…許してくれ。

キジ編今夜投下する気で見直し中、今消えた…なんで?ウイルス?
かってにカーセルが動いて消えて行き、保存できなくなって全消え。
内容は覚えているから立ち直ったら書き直して落とすよ。

過疎スレだしと、好きなように書いているのを読んでくれてありがとう。
放り投げたりしないので時々見てくれたら嬉しいです。
185名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 13:07:45 ID:SlH3EFOQ
どんまい!
期待してるよ!
186名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 15:20:51 ID:apRJqHWD
超待ってる
187名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 21:20:14 ID:ritHxf83
気にしないでゆっくり書いていってください
184さんの文章大好きなんで応援してる
188名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 15:04:33 ID:IBtG9ThW
保守して待ってるよ
189名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 08:22:49 ID:+6ybqv2u
これってこのスレの皆さん的にはどうよ?
ttp://www.sakura-ep.net/SS/ss070-1.htm
190名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 06:51:10 ID:NBcz52zR
>>184
待ってますよ〜
ゆっくり書きあげてください。貴方の文章、大好きだ!

>>189
自分、サクラ大戦詳しくないから感情移入というか入り込めなかった
しかしワラタww
191102:2007/09/17(月) 00:28:32 ID:a3k3+WGJ

「…葡萄の空だ。」

 目を開けて視界いっぱい広がった紫色の夕暮れに、桃子は思わずつぶやいた。
 すると大きな影が落ちて来て目前を暗くなり、唇になにか張りのある冷たい物があてられ、桃子の口に
押し入れようとした。驚いて桃子が口を一の字にむすぶと、太い指がそれをつぶし、甘い汁が口端から
首を伝って胸まで垂れた。あっ、と慌てて桃子は口を開けたが、つぶれた果実は頬を跳ねて草の上に落ちた。
まるで空から落ちた雫のような、同じ紫色の大きな葡萄の粒だった。 
「食いしん坊のくせにいらないのか?」
 影が横に移動し視界に空が戻ってくる。さっき果実をつぶしたばかりで、その空と同じ紫に染まった指は、
大きな実を二、三まとめて口に放り込む。イヌイだった。それを悔しそうに見ながら、いらないよ、と不機嫌そうに
半身を起こす桃子に、イヌイは房ごと差し出した。
 「マサルがお前のために取って来た。やはり餅は餅屋、木登りは猿に限るな。食ってやれ。」
 そう言われて断れるはずもなく、頂く事にする。よく熟したヤマブドウにしては大きなその実は、
桃子が今まで食べたどの果実より甘く瑞々しかった。全身がなんだかぐったりと疲れて重く、だるさを
隠しようも無かったが、一粒含むと体が求めていた物はこれ、とばかりのおいしさに夢中で貪り食う。
房の半分をなくしたところで、桃子ははっと気づいて果実をちぎる手を止めた。
 また食べちゃった!また、お返しに食べられちゃう…のは仕方がないけど…今からはもう、
嫌だな私…身体がだるい…。
 身構えて上目遣いにイヌイを見る。
「あれだけイケば、くたびれもするし、のども枯れているだろうし、うまいだろう。それに葡萄は
疲れを取ってくれる果物だ…、どうした?もう食わねえのか?」
「食べたらまたのどが枯れる事になるんじゃないの?」
 あれだけ、というニュアンスに行為を思い出して顔を赤らめつつ、桃子は抗議した。桃子の挙動に
気づいてイヌイは笑った。
「あれからうっかり山を五つも越えてしまった。」
 そういえば周りを見ると明らかに景色が違う。見た事のない稜線の山間盆地の土手に桃子達はいた。
「三日はかかると思っていたが。目当ての桃岩には明日の夜にはつきそうだ。」
「えっ、本当?!」
おもわず頓狂な声をあげた桃子に、手にしていた残りの葡萄の房を渡しながらイヌイは続ける。
「だから俺もくたびれた。今夜はもうなにもしないし、お互い早く寝て明日に備えようぜ、桃子。」
 ようやくイヌイの言わんとしている意図を察して桃子は安堵した。食べても今夜は
食われずにすむようだ。
「しかし前菜はほどほどにしておけ。今夜のメインはキジ鍋だ。」
 あごで促す先に、白い湯気が一筋上がっていた。
「お前に食わすとマサルがはりきっている。さっき俺も味見をしたが、キジと一緒にとってきた、
キノコと山ごぼうでいい味でてるぜ。楽しみにな。」
 そう言うが早いか葡萄を抱えて惚けている桃子を尻目に、イヌイは土手下の鍋のかまどに駆けて行った。
 キジ鍋かあ…。と、思わぬごちそうににんまりしかけて、いやいや違う、とかぶりを振る。
「明日の夜には…。」
 桃子のつぶやきに、さらに深く濃い葡萄の夜が降りていった。
192102:2007/09/17(月) 00:37:06 ID:a3k3+WGJ

 山間の風を避けて作られた土手下の釜戸に、どこから手にいれたのか大きな土鍋がかかっていた。
桃子が近寄るとマサルが嬉しそうに早く早くと手招きした。すごくおいしく出来たんだと、満面の笑みで
桃子を迎える。そんなことは言われなくても、鍋の周囲に立ちこめるこの匂いで桃子にもわかった。
だからこそ近づく歩みが鈍くなる桃子だ。イヌイの忠告をなぜきかなかったのだろう。今更後悔しても
そこに美味そうな鍋がくつくつと煮えている事に代わりはない。残して明日…ということが出来そうな
食事でもない。
 泣きそうな顔で食事の輪に入って来た桃子の手に、先ほど渡した葡萄の一房もない事に、
イヌイは笑いをこらえる事が出来ず、いやおうなくにぎやかに三人の食事は始まった。 

 ごぼうと茸で煮込んだキジ鍋は、美味いだけでなく、からだが芯から暖まるような、元気になるような、
いわゆる滋養に満ちた味がした。食べても今夜はこの後の補食はない事を事前に予告されていたので、
落ち着いてゆっくり食べる事にする。料理人であるマサルは食が進まない桃子が物足りなく、せっせと
料理の説明をする。
「隠し味はショウガと発酵麦かな。ごぼうはね、こうやってけずるように、ささがいて繊維を
斜めに切る事でおいしく出来上がるんだよう。桃子お姉ちゃんお料理は?したことないの?ああ、
貧しいとご飯だけだもんね。でもごはん炊くのも難しいよねえ、僕はお父ちゃんの監視下に三年修行して
やっと一人で炊くのを許してもらえたんだよう。あっ、当然鍋後のおじやのために炊いてあるよ。
卵割って三つ葉とかき入れて一味振って食べてみてね。あっこれも振ってみて。八角。また味わいが
変わるから。おかわりは?もっとたべてよう〜。」
 にぎやかといっても話しているのはほとんどマサルで、桃子は頬が落ちそうな美味い鍋を食べるのと
早口なおしゃべりを聞くのが精一杯、イヌイは慣れた様子でスルー、というものだが、こんなに楽しい食事は
桃子は初めてだった。

 一つの鍋を囲む三人は、昨日今日、会ったばかりの種も年齢も違う三種だが、こうして一つの温かい
食べ物を分け合っていると、家族のような親しみを覚えてしまう事が不思議だ。
「マサルくんのお父さんがいたころはイヌイと三人でやっぱりこんなふうに食事をしていたの?」
 ふと尋ねた桃子の質問にカラカラとマサルが笑う。
「うん、お姉ちゃんみたいな桃岩がいるときはね。桃岩ちゃんにたくさんご飯出してもらわないといけないから
三人とも競ってごちそう作ってたよね。たいていはもう岩になってるのを囲んでお酒飲んだりしてただけだけど。」
 一瞬にして桃子の団らんの笑顔が凍り付き、思わずイヌイに驚愕の目を向ける。それに気づかない振りをしたイヌイは
変わらず革袋の酒をすすり、マサルは気もつかず続ける。
「お父ちゃんもイヌイのおじちゃんも、もちろん僕も、優しいしかっこいいしおいしい食事を作れるし〜、
で桃岩ちゃんからはモテモテだったよ。それに自慢じゃないけど他の妖獣より三人とも上手だしね。
三人がかりだと桃岩ちゃんもすぐイッちゃうから、つまんなくて、五、六人くらいの桃岩ちゃんたちを
連れてたときもあったよねえ。だけどもだんだん面倒になって来て、はじめからもう岩になってるのからしか
食べなくなっていったんだっけ。それでもときどき若い桃岩ちゃんをつれてきてくれてたのは、僕が
まだ子供すぎておっぱいがなかったらぐずってたからだろう、イヌイのおじちゃん。」
 ふられてイヌイはさあな、と笑う。その笑みを受けて同じくふふ、と笑うとマサルは桃子に受け渡す。
慌てて硬直した笑みでそれを受けた桃子だが、マサルの話に急にちくちくと刺すような痛みを胸に覚えて、
ごちそうさまと皿を置いた。それを見て、待っていましたとばかりにマサルが桃子に抱きついた。
「桃子お姉ちゃん〜!!」
「えっ、なに、どうしたのマサルくん…っ?!」
「僕は補食はできないけど、たくさんおっぱいは触ってきたんだ。だけど…。」
「だけど…何?…や、ちょっと…マサルくん!」
 マサルは横から桃子の腰に脚を絡めるように抱きついたかっこうで、ためらいもなく前合わせに
手を突っ込み生肌に直に胸をもみだした。
「だけど、こんな気持ちいいおっぱい初めてだよう〜。真っ白できれいで、手触りもしっとりで、
手に張り付いてくる感じ!おっきいし、ボヨンボヨン。」
193102:2007/09/17(月) 00:44:10 ID:a3k3+WGJ

 顔も突っ込み頬ずりする。引き離そうと慌てて重心を崩し、押し倒されるように後ろにひっくり返った
桃子の目の端に、それを見て笑うイヌイが映った。慣れろ、と言ったイヌイの言葉がぐるぐると頭を回る。
桃子は抵抗しようとしていた腕の力をぐったり抜いて、小猿に胸を嬲られるままに目を閉じた。


「マサルは…寝たのか?」
 さすが子供だ。信じられねえな、とイヌイがつぶやきながら、カシュカシュと炭を繰る音を立てて
釜戸の火を始末しはじめた。さっきまで落ちかけた火の薄闇には、ハアハアと桃子の乱れた吐息だけが
響いていたので、その音に桃子はほっとする。
 「まったくとんでもねえ贅沢猿だ。補食もせずに、感触だけを楽しんで満足するなんて。」
 イヌイはべったりと桃子の胸に張り付いたまま、すうすうと健やかな寝息を立てる小猿の襟足を掴むと、
乱暴にひょうい、と草地の闇に放り投げた。
 覆っていた肉布団が無くなり、桃子のはだけた白い胸が闇に浮かぶ。くしゅん、とちいさな
くしゃみをして、桃子は半身を起こし胸元を直した。

「冷えて来たな。火も落としたし、そろそろ寝るか。お前はここに。」
 釜後の灰を敷いた上に布地をかけた寝床を指差しイヌイが促す。
「マサルくんあんなところで…。」
「俺たち妖獣はそんなヤワじゃない。」
 マサルのいるはずの暗闇に目を凝らすと、変わらずむにゃむにゃと安らかに眠っている。
寒くはなさそうだった。当たり前だとイヌイは言って、じんわりしたぬくもりの残る灰の寝床を
ぽんぽんとたたいて、お前はここだともう一度示す。胸元を押さえたままおずおずと桃子が近づき、
ぼんやりと温かい空気を放つ極上の寝床を前に脚を止めた。

「他の桃岩達にもこんなに優しかったの?」
 カシュカシュとイヌイがまだ赤さの残る炭を砕く。火は空気を含み一瞬ぱあ、と燃え立ち
桃子とイヌイを照らした。
「…優しいわけじゃないか。自分のご飯を…桃岩から体液を搾り取るためだもんね。」
「どうした?気に入らないか?」
 寝床を前にいまだ立ちつくす桃子を見上げてイヌイは言った。今にもこぼれそうな水滴を瞳に貯めて
こちらを睨んでいる。慌てて直した着物の乱れのせいで、腰の兵児帯はくずれ滑稽なほど大人びた
桃子の張り出した尻と細腰を強調していた。
 はは、もう子供用ってわけにはいかねえな。仲間の桃岩に合わせ同族伝達をすませ大人にしたら…。
 こんなときだが、イヌイは桃子に新しい着物と大人用の帯を手に入れてやろうと心に決める。
なったら、ではなく、したら、と思った珍しく能動的な自分がおかしくて口端に笑いが漏れた。

194102:2007/09/17(月) 00:49:51 ID:a3k3+WGJ

 そうとは知らない桃子がその笑みに苛ついたようにイヌイを蹴飛ばした。
「なんだよ。」
「バカ!」
 さらに続けて余裕の背中を四、五回蹴り飛ばす。
 拒絶の蹴りならとんで行くはずの自分の体が、軽く揺れるだけの行為を意にも介せずイヌイは
炭の処理を続ける。
「バカ、バカ!すけべ犬!!」
「助平とはなんだ。何もしてないだろう。」
「だよね。イヌイは見てただけで…!私が…私の胸をいじられて、嫌だって…助けてって言ってるのを、
笑って見てただけで…、…っ!」
 言葉を詰まらせ、胸に当てた手をぎゅうと握り込む。さっきまで嬲られていた両の乳房が、
乳首がまだ熱を保ちじんじんと桃子を煽っていた。
「本当に嫌ならおまえは簡単にマサルをぶっ飛ばすことができるだろう。初めて会ったとき
俺にしたみたいに。」
「していいの!?」
「もちろんだとも。俺たち妖獣は桃岩にはかなわない。」
 淡々というイヌイの口調に泣きたくなる。
 出来るわけ…ないじゃないか、あんな子供を…、イヌイが可愛がっているあの小猿を…。

「イヌイに…止めて欲しかった…っ。」

 大きな目に蓄えた水がついにこぼれて桃子は俯いた。涙をぬぐいながらふるふると背中を揺らす。
「感じてたのに?」
 冷たく響くイヌイの言葉にヒックと高い嗚咽がもれた。

「見てたけど、あいつの指は本当に器用に動くのな。乳房をぐにぐにもみ込みながら、薬指だけで
乳首をあんなに繊細に繰り上げるなんて、普通出来ないぜ?舌技はどうだった?さすがにしゃぶってる
口の中までは見えねえからなあ…、…っ。」
 残り火の始末をあらかた終えて、くべた余りの薪を抱えて立ち上がった後ろ姿の膝裏に、
再び蹴りを入れられイヌイはカクンと膝を折る。
「おまえいい加減に…っ。」
 膝をつきかけた照れから、乱暴に桃子の手首を掴み万歳の形でつり上げると、さらにガツンと
急所に衝撃を受け、さすがのイヌイも声を荒げた。
「股間はやめろ、ばかやろう!発情期だったらただじゃおかねえぞ!なんだ、さっきから!
俺が止めるわけないだろう、嫌なら自分でなんとかしろ!あん、あん、感じやがって、そうでないなら…!」

 軽々とつり下げた少女の二つの大きな胸が、飛び出しそうに着物を押しあげながらも、中心に深い
谷間の線を作ってイヌイの鼻先でブルンと揺れた。そこにぱたぱたと音をさせ大粒の涙の雨を降らせる桃子に、
イヌイはいったん躊躇して、それでも言った。

「慣れろ。泣く事じゃない。感度がいいのはいい桃岩の条件だぜ?」
「…嫌…っ。」
 宙吊られたまま桃子は声を殺して泣くしかなかった。

イヌイには、妖獣で雄のイヌイにはわからないのだろう。わかってるにしても所詮自分は餌なのだ。
どうしようもなく、宙に浮いているのは、桃子の体ではなく心だった。

195102:2007/09/17(月) 00:55:13 ID:a3k3+WGJ
 絶句したまま身を震わすに任せている桃子をげんなりした様子で一瞥し、イヌイは
桃子の持ち上げていた手を下ろした。つり上げられていた体が下ろされ足が地につくと、
桃子はそのまま体を預けるようにイヌイの腹に額をつけた。

「慣れないよ、嫌なんだもん、イヌイ一人で十分いっぱいなのに…っ。」
「おい、まさか俺以外の妖獣の補食は嫌だとか言うなよ。桃岩が。」

 ひくっ、と肩を揺らして押し黙る桃子に追い打ちをかけるようにイヌイは続けた。
「どんな妖獣、妖魔にも、基本的には体を開いて餌になるのがお前達一族の生き方だ。もちろん、
乱暴だったり悪意をもとにの行為なら拒絶出来る。だが、そうでなければ見ず知らずの通りすがりの
妖しにもお前は応えるように出来ている。上手な小猿の愛撫にも…。」
 そうしてぶるぶる震える桃子の胸の先端を、いきなり両の指でつまみ捻り上げた。
ひっ、と声にならない息を漏らして、桃子は一歩後ずさった。
「無骨な大犬の苛めにも、お前は同じように感じて愛液を出す。…濡れたか桃子、匂う。」

 着物の上から両乳首をつまむイヌイの太い指を、なんとか外そうとしていた俯いた桃子の顔が、
はっと上がってイヌイと目が合い、一瞬にしてかあっと耳まで赤くなった。それを見てイヌイは
乳首を捻る指を強めた。

「…ひっ、あ…っ。」
「…な?同じだろう?マサルに優しく触られても、俺がこれだけ強く捻って痛くても、
同じにじん、としびれるだろう。感じる自分を否定するな。」
「あっ…、や…んん、違…っ。」

 違うよ、イヌイ。確かにさっきも、マサルくんにもまれた時も胸がじんじんしたけれど。
 桃子はきゅう、とつり上げられるように乳首だけをひっぱられて、びくんと肩をすくめながら
イヌイの手首を握りしめた。腕を突っ張るがびくともしない。やはり嫌ではないのだ自分は。

「同じだろう?」
「違うっ!」
 今は確かにイヌイに乳首を捻られ感じている。だけどさっきはマサルに乳房を嬲られて…
それで、感じていたんだ、イヌイに見られて。見られていたから…!
「違うもん、イヌイのと、マサルくんは……あん!あっ、あんっ!」
「何が違う。同じ声だしやがって。」

 イヌイは三たび強くつまんでいた乳首に爪を立て引っ掻くと、合わせに手を掛けばっと桃子の着物を開いて
そのまま腰までずり下げた。白い固まりが夜気にさらされ震えた。中心の頂きに嬲られ続けて痛々しいほど
紅く染まった尖りが健気にその身を立てていた。大きな乳房を下から押し出すように持ち上げる。
桃子は目前にじんじんとしびれる自分の硬くなった乳首を突き出され、やあん、と羞恥の声を上げた。

「嫌っ、イヌイ、今日はもうしないって…!」
「もちろんしない。俺は遊んでいるだけだ。」
 ぐにぐにと下乳を揉み込まれ紅い先端がぶるぶる震える。そこにイヌイの太い指が絡み、肉厚なその腹で
そっとなで上げた。下から上へ擦るというより撫でさするような繊細な動きで桃子の感覚をさらに鋭敏にしていく。
反して握り込んだ手のひらで乱暴に乳房の肉をこね上げる。青い血管が浮かんでいた乳房がみるみる桃色に練られて、
慣れた手技に桃子は涙ぐんだ。
「い…や…。」
196102:2007/09/17(月) 01:01:20 ID:a3k3+WGJ

 形だけの抵抗を見せイヌイの手首を掴んでいた手に、さらに力をこめ、それで体重を支えていた。
がくがくと膝を震わし、桃子は急速に濡れ始めた触られていない自分の秘部を守るように腰を引く。
イヌイは攻めるその手を休ませず、桃子の顔を覗き込み、からかうように笑った。
「…いい、匂いだな。桃子、かゆいのなら、掻いてやろうか?」
 低い声でくく、と笑い、中指でぐりぐりと乳首を乳房に強引にめり込ませた。
「や…っ、だめ!…んふっ!」

 ふうう、と吐いた息が甘く香って、イヌイの鼻をさらにひくつかす。ごくりと犬ののどがなった。
同時にその目に苛立と嗜虐の混じった光が宿る。
 嫌だのダメだの言いながら…簡単に感じやがるくせに。このおぼこは…。
 己の足を擦らせる桃子の顔を見ると、涙をたたえた瞳にあきらかに快楽の色を浮かべて、
助けを求めるようにイヌイを見ていた。ひくつく桃色の唇は半開きに紅い舌をちらつかせ、
ときおりはああ、と大きく甘い息を吐いた。

 たまらねえな…全く。
 爪を立て、乳首のさらに先端を軽くかりかりと引っ掻くと、やだやだと首を振る。
さらにつまんだ乳首だけを親指と人差し指でやわやわともみしごくと顔を背けて震えだした。
 こいつ、乳首だけでイクんじゃないか?
 頭をかすめた考えは、イヌイを攻めをいっそう激しく性急なものにする。イヌイは瞬きも忘れて、
白い首を差し出すようにのけぞり始めた桃子を凝視した。

「や…見ないで、…あん、…ゃああ…っ。」
 見られている事を意識するといっそう自分の痴態が情けなくも恥ずかしく、桃子は息をあげて
真っ赤な顔を快楽の苦痛に歪めていく。強く閉じたまぶたの奥にちりりと白い光を感じ、
それがそのまま捻られ擦られるままの乳首の先につながっていた。脚間の泉はあふれ内股に
べたべたした摩擦を感じるが、そことは別に乳と頭の一部はつながっていて、それがはじけた光が
股間に飛び火して桃子をひくつかせた。小さな痙攣が首元からわき上がる。

 だめ…っ、だめ、だめ、…きちゃう!
「イヌイっ!ああ、イヌイ、イヌ……っゃあああん!!」
 小さく甲高い嬌声を上げて、びくっんと桃子の体が大きく後方に倒れる。のけぞる白いのどが
耳元からみるみる紅く染まって行くのを見て、イヌイは反射的にそののどに食らいついた。

「ああああっ……っあ!」

 自分ののどの薄い皮膚に大犬の犬歯が刺さるのを感じたと同時に、桃子の目頭が白くスパークした。
 掴んだイヌイの手首に爪を刺し立て、桃子はひくひくと痙攣しそのままがっくり膝を折る。
 尖った犬歯に避けたのどの肉から塩辛い出血がわずかにあり、それを啜るように大口でしゃぶり、
ようやくイヌイは口を離した。ずるずるとさがり膝をつく桃子に合わせて腰を折り曲げ、それでもなお
摘んだ乳首を繰り爪先で弾く。最後にもう一度ビクンと体をのけぞらせ、地に尻をつけて桃子は脱力した。
 乳首から指を外してそのまま少女の腰を支えてそっと横たえる。その拍子に、もみ込んだ白い胸につけた
己の紅い指跡に、だらりとイヌイの涎が落ちた。その事にイヌイ自身が驚き、慌てて自身の涎を舐めとったが、
舌先に硬くしこった乳首の感触を受け、それはイヌイにしびれるような余韻を残した。

 イヌイは呆然と、息を乱して横たわる桃子を見下ろした。
 また自身も肩をすくめて熱い息を吐いている事に気づかない振りをする。
「桃子…。」
 眉間を震わせ、放心したままの桃子の返事を待たずに身を翻す。
「おやすみ。」
 消えかかった炭火がパチンとはじけて、闇に消えて行く大きな背を一瞬照らして、最後の光を
夜に飲ませた。
 
・・・・・・・・・・・

197102:2007/09/17(月) 01:15:05 ID:a3k3+WGJ
パソ直りました!が、キジまでたどり着かずすみません。
人大杉が鬱陶しいので、今夜の投下はきりのいい、ここまでにします。

けっこう人がいることに驚きました。みんな優しいなあ。ありがとう。
お言葉に甘えてのんびり続けさせて頂きますね。
キジ編の続きは出来ているので近日中に落としに来ます。ではでは。
198名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 02:17:11 ID:mLWm/rO+
あげておきますね
199名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 03:38:43 ID:BOeMl2Kk
GJ!!!!!!
おにたいじおにたいじ!!
200名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 17:23:52 ID:WAh6XP5K
超ツボです。文章うめえええ。GJ!
201名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 18:34:08 ID:RkcIL+V5
超絶GJ!夢中で読んでしまった。
次も楽しみにしてますよ〜!
202名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 21:59:07 ID:8hkWfILF
キジ鍋食ってキジ編終わりかと一瞬思った俺バカスw
楽しみに待ってるよー
203名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 00:44:27 ID:pk0Wtki7
これはたまらん鬼退治だな!
204102:2007/09/25(火) 22:02:54 ID:PUQGcw0a
196の続きです。
・・・・・・・・・・・・


 息が整った頃には静かな闇が、ただ星の光をまたたかせていた。
 月は夕方に見たが沈んでしまった。空には無数の光があるが、そのなかに大きな鼓のような
形を見つけて桃子は時を知る。鼓の真ん中の三ツ星がよく見える。深まる秋の丑三つ時だった。
 息を整えてるだけのつもりだったが、少し眠ってしまったのだろう。
 イヌイがマサルを投げた方角を見るといない。目をこらしてあたりを探すとそこから少しに離れた
土手下に、転がっている二匹らしき岩のような影が見えた。大きいのと小さいの。親子のような妖獣を
探し当てて、気持ちが落ち着くと、桃子はまた夜の星空を見上げた。

 星明かりがちかちかと揺れている。そんな次の日は雨だと昔おばあさんから教わった事を思い出し、
桃子はそれはずいぶん昔のような気がした。
 イヌイに出逢ってまだ二日しかたってないことに驚く。おじいさんとおばあさんに人間の子供のように
育てられた村での日々よりも、長く密にあの妖獣と過ごしている気がするのは、それが桃岩属である自分が
桃岩として過ごしている時間だからかもしれない、と桃子は思う。疑いようもない自分の本質を今日はまざまざと
思い知らされ悲しかったが、慣れろ、と言うイヌイの言葉は、冷たく思うが正しいのだろう。イヌイには違うと、
嫌だと言ったが、どんな妖獣、妖魔にも、基本的には体を開いて餌になるのが一族の生き方だと聞いて、
どこか納得している自分がいる。

 マサルくんに…あんな小猿に感じてしまった。まんまではないけど、イヌイの繰る手技とかわらずに。
だけど誰にでも同じようにああなるなんて、イヌイには思われたくなかった…。
 
 でもとっくに知ってるよね、他の桃岩達と旅していたんだもの。

 それをマサルから聞いた時はなんだか不愉快に思い、とても嫌な事を聞いたような気がした。
でも他の桃岩も同じで、誰にでも開いてしまう体は桃岩属の特性だとわかってくれるなら、
自分だけが淫らな性質ではないと、厭に思わないでくれるのならいいのにとも思った。
 乳首を強く捻られた時は、イヌイに嫌われたのだろうかと、とても怖い気持ちがしたのだ。
 容赦なく乳房の先端を押しつぶされ爪で刺されて、なのに優しくされた時と同じように
あそこが濡れた桃子を、ひどく嘲るように笑ったイヌイ。淡々と乳首を繰る仕草は、桃子が子供で、
なのにだらしなく乱れるのを、蔑んでるように思ったのだ。だが…。
 
 あれは…なんだったんだろう。イヌイ…興奮してた…?

 食い入るように自分を見つめて息を乱すイヌイを思い出し、桃子は歯を立てられた首をそっと撫でる。
犬歯の刺さったのど元をなぞると、出血こそ止まっているが指に障る程度の小さな傷が刻まれ、
思い出して顔が紅くなる。
 マサルにもみくちゃにされていた頃からじんじんとしびれきっていた胸は、先端を
イヌイに嬲られてからは、火花を散らす線香のように熱くはじけて桃子に快楽の気を充満させた。
それがはじけて激流に流されたように、のけぞった桃子の首にイヌイが食らいついて来た時、
桃子はとっさに食べられる思った。
 ----ゾクゾクした。その瞬間を思い出し、再び息を乱す。

 食べて、と思った…。イヌイに…。

 そのとたん、体をバチバチと走る稲妻が、乳首と股間から額に抜けていった。
 すでにイヌイに教わっている絶頂感に近いその感覚に、桃子は気をやられてしまった。
もう一度…とは決して思わない、切ないような刺激だが、思い出すと繰られ疲れたはずの両の乳首に
むずがゆいしびれが蘇ってくる。
 …気持ちいい、というんだろうか。あれも。
 なにか満たされない物足りなさに焦れる。こんなことは初めてだった。
205102:2007/09/25(火) 22:05:16 ID:PUQGcw0a

 桃岩の、桃子の体液がごちそうだって言ってたくせに、イヌイは約束通りとはいえ食べなかった。
 その事が桃子にはひどく不自然に感じられた。昼間みたいに染み古反に含ませもしないで、
桃子の愛液すら放置しておやすみと去って行った。

 気づいてないわけがないよね。あんなに溢れていて、きっと匂った…。

 未だべたつくその部分に、おそるおそる己の指を刺してみる。つぷん、と水音がしたような気さえした。
桃子の秘所は自分でも驚くほど柔らかく、熱く、ぬるりと妖獣のごちそうを湛えたままである。
 かき混ぜるとチュプチュプと音をさせて、泉の豊かな水量を教える。
 満たされないせつなさがこみ上げる。物足りない。何が?

 イヌイが食べてくれなかったからだ…。

 いきなり得た正解に桃子の目頭が熱く震えた。つん、と鼻に痛みを覚え、じわじわと涙がにじんできた。
股間に沈めた指をよしよしと撫でるようにして自分を慰める。そうして得る熱くしびれる感覚は、
ほんとうにせつない自分の気持ちを慰めてくれるようで、桃子は手を止められなくなった。

 イヌイ…。どうして?私のこれを食べるために乳首をいじったんじゃないの?食べないならどうして
あんなこと…あんな……。恥ずかしかった……。

 目を閉じて出来た闇にイヌイの姿を浮かべて、桃子の指は速くなる。唇をゆるめると、出来た隙間から
湿った息が漏れ熱い。
 ねばついて引っ張られる口端に焦れて下唇を舐めて濡らすと、自然に口が開き、冷たい夜の空気が
流れ込んで来た。空っぽの口内を淋しく思い、桃子はもっと切なくなる。
 股間を繰る右手が我知らず尖った快楽の中心を捕らえ、桃子はああここだ、とばかりにその一点を
夢中で擦った。
 左の手のひらで乳房を押しつぶすように胸を触ると、どきどきと鼓動が速い。
 さっき現実のイヌイにされたのと同じように、まぶたのイヌイに自分を凝視させると、
見られている事を意識して、それはいっそう速くなった。

 見ないでイヌイ…恥ずかしい。
 ううん、嘘、…見て…。
 …見てほら、私…っあ…あっ、濡れてるの…!

 切ない思いに胸の奥がぎゅうと縮まる。さっきも同じ思いをして泣いた桃子だ。

 濡れてるよ、イヌイ……食べて………。

「……べて…。」
 口から漏れた声に桃子自身が驚いて慌てて目を開く。
 顔を赤らめ夜を見つめると、ふとさっきとは違う空気を感じて桃子は身を起こしかけ、硬直した。
 黒い蝶のような羽虫が、桃子の右手を差し入れた股間に覆い被さるように止まっていた。
ひっ、と声を上げて手ではね除ける。すると蝶はゆらりと舞い上がりまたゆっくりと今度は桃子の
愛液に濡れた右手に止まる。
「やあ…っ!!」
 ぶんぶんと右手を振り回すとまた股間、股間を遮るとまた右手とまとわりつくさまが気持ち悪い。
「厭っ、あっち行けったら!」
 払っても払っても寄り付く黒い羽虫に、不穏な物を感じてゾッとする。
 うそ、妖魔なのに払えない?私はこんなに厭なのに、何故…!?

「や…あ…っ、どうしたら…イヌ…っ!」
 イヌイに助けを求めかけたその口を、ふわっと何かが包み込み、桃子は息を止めた。
「落ち着いて、お嬢さん。そのまま虫を払うのです。」
 
206102:2007/09/25(火) 22:08:09 ID:PUQGcw0a
 
 驚きに目を見開いて声の主を見る。
 顔に五色の刺青を刺した美しい青年が桃子の口を押さえていた。いや、押さえてではなくただ優しく
覆っていた。ふう、と息を吹いただけではずれそうなその覆いは、不思議に心地いいとさえ感じた。
「妖しですが、怪しい者ではありませんよ。」
 涼やかな声色で笑う。
 桃子はとにかく言われるままに口を覆われたまま虫を払う。
 すると確かにさっきまでまとわりつき離れなかった虫が、いとも簡単にひらひらと闇に消えて行った。
 美しい妖しは桃子と目を合わせ再び笑うと、口元に被せた手を離した。そのときやっと桃子は彼の手が
柔らかいビロードのような羽毛に覆われているのに気づく。手の甲から腕には動くに邪魔にならぬ程度に長い、
玉虫に光る見事な羽が伸びている。
「あなたの口から漏れる欲望の湿気が、彼らをおびき寄せ、拒絶を疑似にするのです。
息を止めればいいのですよ。」
 なるほどと頷き口を硬く閉じた桃子に、細く裂けた目をさらに細めて言う。
 「何を考えていたのですか。いやらしい妄想が彼らは大好きなのですよ。」
 お気ををつけなさい、とからかうように笑みを浮かべる。
 かあっと顔を赤らめて身を起こし、桃子はその妖獣に向い合った。

「私はタキジ。見ての通り妖獣です。…いや、雉ですから妖鳥でしょうか。」
 くすくすと笑うその妖鳥の美しさにあらためて見とれたが、すぐさま重大な事に気づいて桃子は青くなる。
「え…雉…?」
「はい、雉です。あなた方が鍋に捕らえた牝雉は、私の妻でした。」
 でした、と言うのはもうこの世にいないからですが…、と続けてまたくすくすと笑う。
「妻はおいしかったですか?」
 青ざめた桃子がぶるぶる震えだす。
 え…?なんて?…今、なんて?妻!?あのキジ鍋の雉が…っ!?そんな…っ!!
「ご…ごめんなさ…っ」
「謝ってはいけません。食のために屠られる。これは自然の理です。」
 ビロードの手が桃子の頬にのび、溢れた水をすくいとる。
「おいしく食べて下さればそれで妻も報われましょう。おいしかったですか?」
 再び妖鳥は桃子に尋ねた。頬の涙を羽毛に吸い取られるままに、桃子は恐る恐るこくんと頷いた。
それを確認しまた涼やかに笑うと、あなたもおいしいですよ、と桃子の涙で湿った自身の
ビロードの指を舐めてみせた。同じ事です、謝ってはいけません、と再び言われ、桃子はこの妖しの
優しさを感じた。

 タキジと名乗った妖しは今まで見たどの妖獣より、いや、人間も含めて、桃子が知る中の
最も美しい生き物だった。女と見まごうばかりの美貌に長く艶やかな髪が足下まで垂れている。
それは彼の腕を覆おう羽と同じく玉虫色で、今は夜の星明かりを受け、青緑と紫に光っていた。
ビロードの手と顔や羽のない素肌は青白いまでに白く、切れ長の裂け目からのぞく瞳は漆黒の
闇のように深い。
 見惚れるままにタキジを見つめながら、桃子は言葉を無くしてただ懺悔する。 
 なんて事をしてしまったのか、こんなに美しい者の愛しい人を食べてしまった。捕って来たのは
マサルくんだけど、マサルくんは私のために料理したんだ。ごめんなさい。謝らなくてもいいと、
言ってくれたけど、ごめんなさい。すごくおいしかったです、ごめんなさい!!
 ほとほとと涙をこぼす桃子は無言だが、何を思って泣いているか、タキジは知っているようだった。
「怒っても怨んでもいませんよ。これは自然の理なので。ですがもしあなたが気にして下さるのなら、
一つお願いしてもいいでしょうか。」
 なんなりと!と桃子は勇んで顔を上げる。
「子供達に母の昇天を伝え、悼んでもらうために、彼女の骨が欲しいのです。」
 今度こそ一気に下がった血の気に、冷たくなっていく体を震わしながら桃子は呆然とタキジを見あげる。
「…子供がいたの…ごめんなさ…。」
 謝罪の言葉を乗せた唇にタキジの薄い唇が重なった。軽く吸い上げてすぐに離れた。
207102:2007/09/25(火) 22:11:27 ID:PUQGcw0a
 謝罪の言葉を乗せた唇にタキジの薄い唇が重なった。軽く吸い上げてすぐに離れた。
「いけません、と言ったでしょう。」
 突然の行為に驚いた桃子だが、タキジの妖艶な微笑みの意味を読み取ろうと凝視する。
「あなたは桃岩さんなのですね。さっきの涙も甘露でしたが、唾液はもっと…。」
 タキジの笑みとは違う瞳の色に桃子は心を奪われる。
「妻の肉汁と混ざってるせいか、背徳の味がします。」
 額の奥から影に曇って行くような目眩に襲われ、桃子はよろめいた。待ってたように伸びた
羽毛の腕で、ふんわりと支えられる。
「妻の骨をいただけますか?」
「ごめんなさい、骨はイヌイとマサルくんが噛み砕いて食べちゃった…。」
「イヌイとマサル…あの妖獣達ですね。そう…しかし妖獣同士ぶつかりあうのはごめんです。
それではあなたが子供達に…。」
 母の死と死肉のかけらを伝えて下さい。
 遠くにきこえるタキジの頼みに、頭上がぐるりと回る混乱を覚えながらも、当然のように桃子は
首を縦に何度も強く振った。

 ・・・・・・・・・・・・

 口中にあるはずのない硬いしこりのせいでなかなか寝付けなかった。

 想像のあめ玉を転がしながら、イヌイは自分の体の変化に気づいていた。
 やはり桃子のせいだろうか、と今はまだ、身中に収まる自身の獣の猛りをわずかに感じて
イヌイはいぶかしむ。
 今まで出逢った多くの桃岩の誰も、イヌイのサイクルを狂わすような事はなく、それだけに
今夜の自分の肉体の乱れが、わずかとはいえイヌイの心をも乱していた。いや、心の乱れに
体が反応したのかもしれない。自分はただ、桃子の桃岩らしからぬ言動に苛立ち、思い知らせてやろうと
しただけのはずだった。だが苛立を感じる事自体、イヌイ自身がらしくなかった。
 どうしたと言うのだ、俺は…。
 指に、手のひらに、味覚などないはずのその部分に甘いしびれが残っている。繰るほどに赤く
色着いていった桃子の大きな双乳は、吸い付くようにイヌイの手に馴染んでいき、反してその頂は
ツンと硬く立ち上がって独立した。マサルにいいように嬲られていた時は、それほどの尖りを
見せていなかったように思うのはイヌイの主観だろうか。だがその様をじっと見ていたイヌイを見る
桃子の目が、どうにも堪え難い悦楽に歪んでいたのは同じだった。思えば苛立を感じていたのはすでに
そのときからのように思う。
 誰にでも感じる桃岩の特性に何故俺が…?馬鹿馬鹿しい。
 マサルと同じように乳だけを繰り、誰にでも同じと証明してやったはずの自分が、行為の
コントロールを失い動揺した。それほどに仰け反る桃子の首に突き上げる情欲を感じた。
なぜだろうか。そこはなんの体液も分泌しないのに。
 口中から溢れ出た唾液に。そしてそれを舐め取ったとき触れた尖りが、今も口中にあるように舌が
転がすことに。失いかけた自制に。イヌイはまぎれもなく自身が獣として最も猛々しく血がざわめく
前兆を感じ取った。
 発情期が来る。
 手甲の毛を見るとすでにうっすら光を帯びている。
 昼に同じように赤金茶の光をぼんやり灯したマサルを見て、俺が桃子に言ったのではないか。
お前のを食ったからだと。桃子の桃岩としての資質は他と比べて強く、濃いのかもしれない。
おそらく…。
 二、三日中には始まるだろう肉体の祭りに俺は桃子を食らうだろう。
 もちろんはじめからそのつもりだった。だがその時あいつは…。

 あいつはひどく泣くのだろうな…。

 口中のしびれがぼんやりとにじみ、イヌイはようやく眠りに入っていった。


208102:2007/09/25(火) 22:15:25 ID:PUQGcw0a

 休息の淵で大きな鳥の羽音を聞いたイヌイは、その鈍い羽ばたきになにか大きな獲物を携えていると思い
意識を自分に戻した。
 オオワシが鹿でも捕らえたか…。
 頭をかすめた不安に飛び起きてあたりを見回す。
 探していた小猿の大の字に眠る姿に安堵のため息をついた。以前見た、マサルの父親サルトルの
滑稽なまでの慌てぶりを思い出し、今更笑いをこぼす。マサルがまだ生まれて間もない小さな獣の頃の
事件だった。無事だったからこそ、あれを滑稽に思えるのだが、とほのぼの笑い、再び横になった
イヌイの視界を大きな鳥が横切っていった。
 さっき大人用に換えてやろうと決めた、童の着物と兵児帯がひらひらと残像を残して夜空に消えた。

「桃子…っ!!」
 飛び起きた次の一歩で土手を駆け上がり、イヌイは鳥が消えて行った方角の闇を凝視した。
 谷二つ越えたその先にどっしりと不動する深山があった。

 ・・・・・・・・・・・・

 山の中腹にある頂まで伸びた杉の木の下に連れてこられた桃子は、タキジにうながされるまま
その足下に広がるクマザサと山吹の茂みに入って行った。わらや姫竹の皮を敷いたすり鉢状の巣の中に
小さなひなが一、二、三、と三匹、親鳥の帰還にぴいぴい声を高めて訴え始める。
お腹がすいているのだろう。桃子はまた罪悪感を感じ瞳を曇らせた。
「母雉がいなくなってからご覧の通りで困っています。私にはどうしていいのやら。」
 タキジは桃子を巣の真ん中に下ろし、ため息をつく。
「どうしたらって…餌は?米とか粟とか穀物の穂でも噛み砕いてやれば…。」
 なるほど、それでは、と巣の奥の隙間から粟穂を取り出し桃子に渡す。
 「お願いします。」
 タキジは一度も子育てに携わってないのだという。
 なかば呆れて桃子はタキジになにかすりばちのような道具は無いかときく。
 タキジはちょっと待って、と飛び上がり杉の木の下枝に消えると、ほどなく手に石で出来た皿と
棒を持って巣に帰って来た。それを使って桃子はひなが咀嚼するに容易な餌に粟穂を砕いて、
それぞれのひなの口に押し込む。
 びいびいとうるさかったひなが満腹に目を閉じ眠っていく。
 ひと仕事を終えて桃子はタキジに言った。
「今のように日に三度。」
 桃子の指導を、ぼんやりと巣のふちに座り遠方を眺めていたタキジは、億劫ですね、と何の虚勢も無く
本音をもらす。
「…でも、あなたのお子さんですから…。」
「桃岩さん、あなたが育ててくださいませんか?」
 えっと驚くと同時に桃子はすり鉢の巣に横倒しにされる。
「タ…タキジさん!?」
 さきほどと同じようにふんわりと猿ぐつわをされ、さらに自らの体で桃子を覆う。
上に乗られたが不思議な感触だ。身動きが取れない桃子だが四肢にタキジの体温は感じる。
だが重みはない。
「この子達が巣立ちの時を迎えるまででいいのです。そうすることがこの子達に母親の夭逝を伝える事に
なると思うのですが。」

 いつの間にかはだけられた着物の裾を大きく左右に開いて、タキジのビロードの手が太腿を這った。
 はじめての感触にゾクゾクと寒気に似た感覚が太腿から背筋に伸びていった。あわわ、と
はね除けようにもびくともしない。だがそれはマサルの時と違って、罪悪感による邪見にしては
いけないという桃子の思いからだった。決して気持ちいいからではない。
「タキジさん、この子達は妖獣の気が感じられません!普通の雉にみえるのですが…っ!」
「おや、バレましたか。」
「バレましたかって…っんはあっ!!」
 いきなり股間の快楽の中心部をそろりと撫でられ、そのあまりの快楽に桃子はひくひくと脚をつらせた。
その一点だけをとろけるような指先でくるくると刺激され、みるみる高みに押し上げられて桃子は声を
抑える事も忘れて嬌声を響かせる。兵児帯を解かれまろびでた乳房にタキジの薄い唇が這い、焦らしもせず
すでにしこった頂点を口に含む。タキジの舌はイヌイのともマサルのとも違ってヌルヌルと粘膜に覆われており、
転がされて絡めとられた乳首はタキジの口中で痛いほどの尖りを見せていた。桃子は自覚するほど、
どっと愛液をあふれさせた。
209102:2007/09/25(火) 22:19:44 ID:PUQGcw0a
「なんと感度の良い…。いい泉ですね、桃岩さん。」
 イヌイに言われたと同じ言葉に桃子は我に返る。
「や…やめて下さい、タキジさんっ!私…わた……っ、…っやあっ!ああっ、あっ…!!」
 尾てい骨の奥からぞぞぞと這い出てくるしびれに、たまらず桃子は大きく仰け反り痙攣する。
「イキそうですか?早いですね。まあ、ご自分でもう高められていたからとはいえ、
簡単すぎるのはつまらないですね。」
 そういってタキジはすっと、捏ねていた肉芽から指をひくと、そのまま溢れ出た愛液を
指に吸わせてそのまま裂け目に添ってさらに奥へとなぞっていった。小さな窪みにたどり着き、
そこで湿った指を止めた。
 戦慄いていた桃子に一瞬緊張が走る。
「タキジさん、何を…。」
 同じようにたっぷりの唾液で湿らせたもう一方の手の指は乳首を摘み、てろてろの指先でしごくように
上下に撫でる。それだけでさっきイヌイに与えられた絶頂に近いしびれがすぐそこにせまって来た。
桃子は目を硬く閉じては、快感を振り払うようにかっと見開き、両手で巣のわらを握りしめ耐えしのぐ。
それだけに懸命なのに、タキジの指はじわりじわりと菊門の周回を始め、回りながらゆっくり穴に沈んでいく。
「タ…タキジさ…っ、ふっ、わ、あっ、あ…っ。」
「こちらの愛撫は初めてですか?皆さん愛液が目的ですからこちらに興味はむけられないようですが…。」
 タキジは乳首を嬲っていたもう一方の手の仕事を口に任せ、ビロードの手を股間に滑らし割れ目を
大きく左右に開いた。
 はじめに快感に火をつけた肉芽を、あらためて中の指で愛液をなすり付けるように擦る。
同時に乳首を唇ではさみ吸い、菊門にあてがった濡れた指に力を込められた。予感に桃子は身を硬くする。
 入ってくる…!
 そんなところ…イヌイだって入れてないのに…!!
「なれると病み付きですよ。ほら、吸い付いてくる。もう悦いなんて、淫乱ですね桃岩さん。」
「いっ…いやああっっ!!」
 首を振り涙をあふれさせ嫌がるも、抵抗する手に力は入らず、秘所からはほとばしるように
愛液を涌かす。心と体がバラバラで、桃子は桃岩である自分の質を呪った。
 甘噛みされる乳首の刺激と充血した肉芽の昂り重なり絶頂が近い。もはや狙いを定めてあてがわれた
菊門の指を、つぷつぷと浅く出し入れされ、桃子は嘆いた。だめだ、イってしまう。なのに自分の間違いなく
感じる欲望にさっききいた淫乱というタキジの嘲る声が重なった。
 …違うっ、私は、私の欲望は…
「入れますよ。」
 優しげな声色に反して、強引なタキジの指がぐりぐりと繰るように穴に突き刺さる。
 背筋を駆け抜けて行く寒気に桃子は声をあげる。
「…やだ…やだ、やだあーーーっわあああっん!…イヌイっ!!」

 ずんっと大きな衝撃に巣が揺れて、目覚めたひながぴいぴいと騒ぎ立てはじめる。
 空から降って来た大きな獣のためクマザサと山吹の屋根は飛び散り穴をあけ、冷たい朝方の空気が
どうっと降りて来た。桃子がそれを感じたのは衝撃と同時に、桃子に覆い被さっていたタキジの
羽毛のぬくもりが一気に取り払われたからだ。飛び退くタキジを追うように、強靭な爪を光らせた
毛深い腕が桃子の腹上で風を切る。桃子の肌に一気に鳥肌が立ち、驚きと喜悦に眼を限界まで見開いて、
殺気を帯びた大犬を見た。
「イヌイ…っ!!」
 声を上げた桃子を一瞥もせず、イヌイは自刃をかわし、自身の開けた天井の大穴に腰掛け、
こちらを見下ろすタキジを睨みつける。
「お前…鬼だな。名乗れ。」
「私はタキジ。見ての通り…妖鳥ヌーベルキジーヌが人に産ませた半妖の鬼です。イヌイさん。」
 殺意を隠そうともしないイヌイをくすくす笑いながら涼しげな声でタキジは言った。
「その桃岩、いいですね。染み古反、私にも一つくださいませんか。」
210102:2007/09/25(火) 22:23:23 ID:PUQGcw0a
「鬼は桃の雫を食らわなくても生きられる。無用だろう。」
 タキジはなおもくすくす笑いに肩を揺らす。
「必要だけが需要ではないのですよ。無粋な獣にはわかるまいが、世の中には嗜好品という物があるのです。
嫌がる桃岩なんて珍しいもの、他の鬼達もさぞ食らいたがることでしょうね。いやだいやだといいながら
体の快感に蹂躙されていくなんて、その桃岩は私の趣味的にかなり、おいしい、…っ。」
 言葉を遮るように飛び上がりぶんっと振られた尾に足場を崩され、おお怖い、とタキジは笑いながら
明け始めた空の高くに昇って行った。長い五色の尾羽がどんよりと曇った夜明けにわずかに輝きを
残しながら消えて行くのを見て、こんな目にあったのに桃子はタキジをやはり綺麗だと思った。

 山吹の枝の囲いには桃子とイヌイの二人が残され、冷え冷えと朝の空気に立ち尽くす。
「あの…助けにきてくれてありがとう…。」
 はだけた着物を押さえて兵児帯を探しながら桃子はイヌイの背に言った。
「大きなお世話だったな。悦かったんだろう?お前の息は欲望に凄く乱れていた。」
 冷たい声に凍り付く。見つけた帯を片手に結ぶのも忘れて桃子はぶるぶる震えだした。
「そんなこと…。」
「じゃあなぜ跳ね飛ばせない。いやなら拒絶出来るはずだ。どうして簡単に連れ去られた。」
「だって私たちが食べた雉が奥さんだったって…」
「鬼が普通の獣と交わるかっ。そんなことに騙されたのか!馬鹿!」
「そんなこと、知らないもん!!」
 向かいあい、にらみ合う。
「妖鳥の愛撫はそうとう気持ちいいと聞いてる。らしいな。そんなに濡れて。」
「誰から聞いたの。今までイヌイが食べて来た桃岩達?気持ちいいなんて、イヌイが教えてくれた
あれしか私、知らないよ!!」
 自分を見下ろすイヌイの眼の冷たさに、恐怖して桃子は声を荒げた。やはり、呆れているのだ。
蔑むように乳首を捻った、あれは錯覚ではなかったのだ。自分はイヌイに嫌われたのだ。
 涙が吹き出してくる。
 なのになんの言い訳も出来ない。自分は確かに今、他の妖獣にいじられびしょびしょに濡れていて、
未だ体が火照って熱い。タキジも言ったではないか、淫乱だと。欲望の気もまだ続いている。それもおそらく
イヌイに知られているだろう。そうしてもう永遠に欲望が満たされる事は、イヌイに食べてもらうことはないのだ。
その証拠に…。桃子は染み古反の束をぶっきらぼうに渡される。
「せっかくそんなに濡れてんだ。着物着る前に含ませとけ、もったいねえ。」
 桃子はくるりとイヌイに背を向け、着物のかげで言われた通り、もそもそと股間を拭いた。

 ひっくと嗚咽を漏らしながら、いつまでも泣いてる桃子にイヌイは苛つく。
「いつまでも泣いてるな。鬱陶しいだろう!」
 背後から頭を掴まれ上に向かされた桃子の頬を、ベロリとイヌイの大きな舌が涙を根こそぎ剥いで行った。
膝立ちで股間に自らの手を突っ込みながら固まる桃子が、イヌイを見上げたその目にみるみるまた涙を溜める。
今度は唇を尖らせそれを吸い上げたイヌイは、桃子の異変に声色を和らげる。
「どうしたんだ、桃子。もしかしてどこか痛いのか?あいつに何かひどい事をされたのか?」
「それはまだ食べてくれるんだ…。」
 つぶやいて桃子は一気に顔をくしゃりと歪ませ、振り返りイヌイにしがみついた。
 不可解に首を傾けながらもイヌイは震える桃子の肩を抱いた。冷たい肩に憐憫の情を持ち
優しく撫でさする。しくしくと桃子は泣き始め、だが先刻イヌイに言われた事を思い出し、
ごめんなさいすぐ泣き止むから、ごめんなさいと何度も声に出す。わけがわからずイヌイは
桃子の背を肩をさすりながらただそれを聞いていた。ほどなく立ち上がってきた甘い匂いに
イヌイはごくりとつばを飲んだ。
「…なに濡れてんだ。桃子、俺は何もしてないぜ?」
「ごめんなさい…。」
 か細く震える声は羞恥の色を見せている。自覚があるのだろう。
「イヌイが…イヌイがお乳を触ってから…。」
 乳首でイカせたあれか?とイヌイは眉を寄せる。
「ずっと濡れてるの…私…どうしていいかわからなくて…自分で…。」
211102:2007/09/25(火) 22:27:39 ID:PUQGcw0a
 震える声が語る内容にイヌイは自分の腹に押し付けてる桃子の顔を、むりやり上げさせて見つめた。
「や…見ないでっ…。」
 桃子は真っ赤になって顔をそらす。
「なんで見たらいかんのだ。」
 イヌイの声は低く、穏やかでそこにさっきの冷たさはない。
「イヌイに見られると変になる…。」
 桃子の背をさするイヌイの手がするりと下にすべって桃子の尻肉の上に留まる。
同じように優しく撫でさすられるが、さっきまでとは違う熱のこもった手のひらに、小さく震えた。
「この程度で感じるのか。また濡れた。桃子、きりがない。」
「どうしたらいいの…?」
 すがるようにイヌイに問う。桃子は本当にわからないのだろうか。
「イキたいのか桃子。」
 違うと、首を横に振る。そしてためらいながらもイヌイの顔に手を伸ばし、イヌイの大きな口を
なぞった。訴える瞳はなにかを切実に乞うていた。
「桃子?」
「イヌイが…イヌイが食べてくれないと終わらない。」
 桃子は満たされず放置された自分の欲望をついに口にした。
「どうして食べてくれなかったの?」
 桃子の問いにイヌイは、あれはもうお前がくたびれていて、今夜はしないと誓ったからだと、
言いかけて、口をつぐむ。桃子が言っているのはそういうことではないのだ。ひらめく思いにまさか、と
否定しつつ、それでもイヌイはそんな桃子を急に可愛らしく思う。言ってくれればいくらでも食うぜ、
おまえの雫は極上なのに。
「だから私…だから私辛くて、あそこがうずいて…タキジさんにお尻いじられても濡れちゃて…っ。」
 桃子の悲痛な叫びにイヌイは膝立ちの桃子を持ち上げ片足を肩に担いだ。大きく開かれ暴かれた秘所に
むかってあんぐりと口を開ける。
「イヌイ…イヌイに食べられたかった……っんああんっっ!!」
 ぱっくりと食いつかれてそのまま女陰全体をぞろりと舐め上げられた。待ちこがれた性感に桃子は
最初のひと嘗めであっけなく達した。がくがく痙攣する腰をイヌイに支えられ、桃子もイヌイの首に
しがみついて片足立ちで駆け巡る快感に耐えた。
「イヌイっ、ああ、もっと…っ食べて…!!」
 欲望に応じてイヌイは秘穴に舌を差し入れ、中の液を掻き出すように輸送する。
中ほどの上の天井に柿の種粒状のしこりが出て来て、それを突くように擦り上げると桃子はひああ、
と叫んでイヌイの頭をかき抱いた。瑞々しい透明な体液がわっと溢れてイヌイの顔をびしょびしょに濡らした。
「え…っ、何?何、今の私…っ。」
 おしっこを漏らしたのかと桃子は慌てて、真っ赤になってイヌイの顔を引きはがす。
それを拒みつつ自身の濡れた顔を長いベロで拭い、桃子の両足を肩に担いでさらに顔を押し付けた。
「潮吹きだ。桃子、心配ない。美味い。」
 ひだに口づけながら話す唇の動きにまた高まる。不安定に揺れる体を支えようと手を伸ばし
山吹の枝を二三束掴んで、それを引き寄せるように体を反らせて桃子はふたたび快感の滝に打たれた。
べろべろと肉芽を繰られていたが、やがて尻肉を広げられ、舌は奥まる穴にも伸びて桃子は嬌声をあげた。
212102:2007/09/25(火) 22:31:32 ID:PUQGcw0a
「いじられ濡れたといってたな。イイか、桃子?」
「やっ、イヌイまでそんなとこ…恥ずかしいっ、恥ずかしい!!」
 さらに溢れる蜜を指に塗り付け、桃子の小さくすぼまる桃色のアヌスにぬっと差し入れる。
「やああああう……っ!はあうっ!」
 すでにぱっくりと開いた蜜壷を間近に見て、そこからどくどく溢れ出る愛液を何度もすくいとりながら、
イヌイは激しい情欲がこみ上げてくるのをはあはあと息を乱して実感する。
 これでまだおぼこだなんて、ありえない。俺が食う。桃子。
 アヌスの指を浅くかき回しながら、再び肉芽に吸い付き口中に転がす。舌で皮をむきそのまま嬲った。
三度目の桃子の絶頂を、膣に指を突き入れ中で味わう。そのまま四度目、五度目の山に達して桃子は
息も絶え絶えに弛緩した。指から手首にしたたる愛液を美味そうに舐めてイヌイは桃子に言った。
「教えてやる、桃子…お前のその気持ちは、欲しい、と言うんだ。」
「欲しい…?」
 握りしめた枝に手を傷だらけにして桃子は緩んだ攻めに、つかの間の休息を得る。
「言ってみろ。誰もお前を拒まない。俺も…決して。」
「…イヌイが欲しい。」
 愉悦に惚けた顔で言った桃子の言葉に、イヌイは指を突き立てて六度目の絶頂を与えると、声を掠らせ
仰け反った桃子の体は支えに握っていた枝を折り、空に投げ出された。
 ぶんと風を切り、イヌイの尾が気を失った桃子の体を受け止める。
 イヌイは桃岩の雫を腹一杯食ったはずの己のまだ満たされない飢えと乾きを、見下ろす肢体に感じて
視線を空にそらせた。

 ポツポツと降り出した雨が山の気温を一気に下げて、はあはあと熱く乱すイヌイの吐息を
白く浮かせ、その激しさをイヌイ自身に見せつける。
 所詮獣だ…俺も。
 青白く光りを帯びる自身の毛皮に桃子を包んで、イヌイは山を下りて行った。


                        

                      今回はこのへんで。


213名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 23:45:26 ID:R1mvdH/R
もう、何て言ったらいいのか…。
読むたびに引き込まれてしまいます。本当にあなたは神だ!GJ!!
214名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 20:39:50 ID:4AypXe11
鬼畜きたよ鬼畜。タキジいいよタキジ。
ほんと面白いっす、どこまでもついていきます!
215名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 00:55:08 ID:0DSZmjEe
雉も期待以上にエロくて素晴らしい!
102が本出したら俺マジで買うよ。
216名無しさん@ピンキー:2007/09/28(金) 19:01:17 ID:lD85E51B
エロパロなのにこんなに胸がキュンとしていいのだろうか…

桃子の切ない恋心にかなり萌えます(*´Д`)

超GJですっ!!
217名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 23:13:34 ID:V7OcFZ8Y
>102まち保守
218102:2007/10/07(日) 16:51:50 ID:NVjDqRhM
212の続きです。
・・・・・・・・・・・・・・・

 鼻腔をくすぐる香ばしく甘い香りで桃子は目を覚ました。

 ああ、この匂い、なんだっけ。そうだ、ケイキ。あの黄色いふわふわで甘くとろけるケイキ。
イヌイが約束通り今朝も作ってくれたんだ。嬉しいな。食べたいな。大好き…。

「…イヌイ。私、いっぱい食べたいよう…。」
 ぼんやりと目をあけながら、桃子は無意識に欲求を口に出した。つぶやくようなちいさな声に返答は無く、
桃子はそのままゆっくりと身を起こすと、そこにはジュウジュウと音を響かせ焼け石でケイキを焼く
マサルの姿だけがあった。桃子の姿に気づいてマサルがぱあっ、と頬を紅潮させ笑顔を向ける。
「あっ桃子お姉ちゃん。起きたの?よかったちょうど焼き終わったところだよ。温かいうちに一緒に食べよう。
葡萄とサル梨のジャムも作ったんだ。かけて食べるんだよ。焼き目が編み目になって最高の出来だよ!
あつあつのふわふわのやわやわのとろとろのあまあまでふちはカリカリなの!今日は雨で冷えるから、
鍋にたくさんしょうが入りみかん茶も炊いてあるよ。ささ、起きて!こっちおいでよ。食べようよ。」
 言われなくてもとびつきたい香りの充満する中、桃子はそんなふうに自分をもてなすのは、
自分が彼らの餌で桃岩だからだと、わかりきった事にすねたくなり、また寝床に横たわり
かけられていた布に丸まった。
「桃子お姉ちゃん?食べないの?うそ〜、すごくおいしいのに!!」
 信じられない、といった感じでマサルが寄ってくる。布から目だけを出して覗き込むマサルを見ると
心配に泣きそうな顔をしていた。
「…どっか痛いの?」
 不安げな声に、この小猿が父親を病気で亡くしたばかりだという事を思い出し、桃子は布から顔を
全部だし笑ってみせた。
「ごめんね、大丈夫。ちょっと体がだるいだけなの。ここでこのまま食べたいな。こっちまで
持って来てくれる、マサルくん?」
 元気な桃子の声に安心したマサルは、うんっ、といい返事でかまどに戻り嬉々として朝食を運ぶ。
 落ち着いて見回すとそこは浅い岩窟だった。入り口はせまいが高く、岩の窓からしょうしょうと降る
雨の音とそれに揺れる林が見える。かまどは雨が降り込まない程度の外近くにこしらえていて酸欠に
なることはない。雨のひんやり湿気た空気と釜戸の湯気が混じりあい、不思議な空気に満ちた洞の、
岩がむき出す地は硬いが意外なほど温かい。
 もう一匹の獣の姿が見えない事は、目を覚ましたときから気づいていた。だがなんとなくマサルに
聞くのが恥ずかしく、桃子は黙って少しの不安ともどかしさに耐えていた。

 木のカップに入れたショウガ入りみかん茶は、起き抜けの桃子の冷えた体を温め食欲に弾みを付けた。
気を良くして桃子は掛けていた布をめくってマサルに入る?と促すと、うんっっ!とさっきよりいい返事で
小猿は桃子の温かい床に潜り込む。そのままうつぶせに横たわってケイキを頬張るお互いの朝ご飯の
行儀の悪さを兄弟のように笑いあった。
 おいしいね、ありがとね、と桃子がケイキをおいしそうに食べるを見てマサルは心底嬉しそうだ。
ケイキの一片をあ〜ん、とマサルに向けると、マサルは少し驚いたように身構えたが、すぐさまあ〜ん、と
口を開け桃子を待った。うそ、あげないよ、と意地悪するつもりだった桃子だが、マサルの切ないまでの
期待の顔に初志を曲げてケイキを口に放り込んでやる。ぱくんと音をたてるような仕草で口を閉じると、
マサルはそのまま嬉しそうに桃子にすり寄って、口を押さえて黙り込んだ。そのわざとらしいまでの不自然さに
尋ねざるを得ない桃子である。
219102:2007/10/07(日) 16:55:30 ID:NVjDqRhM
「どうしたの。いつももっと元気におしゃべりなのに。」
 口を押さえたまま、上目でしゃべっていいか、と桃子に訊く。わかるから不思議だ。桃子も黙って
目でいいよ、と許可をする。すると押さえていた手をはずし、ぷはっと息を吐いたマサルは、今までが
堪え難かった様子で一気にまくしたてた。
「イヌイのおじちゃんに怒られたんだよう〜。僕のおしゃべりが多すぎるって〜。桃子お姉ちゃんは
疲れてるから、あんまりしゃべってうるさくするなと言われたんだよう〜。だから僕しゃべらないように
耐えてるの。それからおっぱいも触っちゃダメだって〜。昨日僕がいじりすぎて痛い痛いになってるからって〜。
ごめんねえ、桃子お姉ちゃん。だけど桃子お姉ちゃんのおっぱいはほんとうに気持ちよくて僕すぐに
触りたくなっちゃうの。だから口を押さえて我慢してるの。こうすると二つの我慢を同時に出来て、
一石二鳥で、僕って賢いお猿さんでしょ!だけど桃子おねえちゃんがケイキ食べさせてくれたりするから…。」
 ここまで一息に話し、急に息を切らしてはあはあと休む。早口の猿である。
 聞くのに必死だった桃子だが、慌てて今のうち、と口を挟む。
「ごめんね。あ〜んて、赤ちゃんみたいで嫌だった?」
 マサルはかあっと顔を赤らめて、ううん、と黙って首を振る。これはしゃべるのを我慢して、ではなく、
照れくさそうに嬉しそうにだ。桃子はその様子にほのぼのと笑い、またケイキをひとつつまんで再びあ〜んと
差し出してやる。マサルの瞳が喜びにキラキラ輝きためらわずあ〜んと口を開けるのを確かめて、
桃子は今度こそそれをひょいと自分の口に放り込み、あっけにとられるマサルに悪戯っぽく笑って言った。
「うん、お・い・し〜!!」
 真っ赤になったマサルがバカバカと罵りながら桃子の胸に飛びつく。思わずきゃっ、と声を上げた桃子に、
マサルはああっそうだった、ごめんよう〜、とイヌイの戒めを思い出してまた口に手を当てじっとする。
その様子が可愛らしく、桃子はマサルの頭を抱いて胸に押し当てつつ撫でてやる。
「あのね、マサルくん。変にいじったり揉んだりしないんだったら、胸触ってもいいよ。」
「えっ、本当?!桃子お姉ちゃん!」
 いいよと言われてためらわず、着物の合わせに手を突っ込む。
「さっ触るだけだよ!動かしちゃやだよ!」
「でも、それじゃあ気持ちよくならないよ?」
「ならなくていいの!」
 あわてて声を荒げる桃子に、あっ今日は痛いからヤなんだっけ、と簡単に納得してマサルは谷間に
顔を埋めつつ力を抜いて心地良さげににんまり笑う。
「桃子お姉ちゃんのおっぱい大好き。凄く気持ちいい…。」
 うっとりと夢心地のマサルは、桃子の柔らかく吸い付く絹の山肌に頬ずるも、色めき立ったところは無く
すっかりくつろいでいる。体は桃子より少し大きいが、その程度のまだ子供の様子に桃子は安心して、
胸をマサルに貸したまま、仰向け気味に横臥した行儀の悪い朝食を続けることにした。

 葡萄のとびきり甘いジャムも最高だったが、桃子はサル梨のさっぱりした清々しい甘みが気に入った。
軽く煮詰めているだけのそれはとろりとした中で時々シャクっと、歯触りも楽しい。
 今日作ったのはマサルくんみたいだけど、ケイキはイヌイのと同じ味だったな。マサルくんのお父さんと
三人でいる時に三人で覚えた料理なのかもしれないな。…いいな。私も覚えたい…。
 桃子は味覚だけを働かせてぼんやりと空を眺めつつ、イヌイはどこに行ったのだろうと思う。
小猿と楽しく戯れていたときも、実はずっとそう思っている。こうなるとマサルの存在がありがたく心強い。
この補食が出来ないという桃岩との半妖を見捨てて、一人どこかに消えるようなイヌイではないだろう。
自分を見捨てる事はあっても…。
220102:2007/10/07(日) 16:59:34 ID:NVjDqRhM
 桃岩は…餌は他にもいるものね…私じゃなくても…。
 雨のせいだろうか。沈みやすい自分の気持ちに桃子はうんざりする。
 イヌイに何かを求めている感じは昨夜と同じだが、昨夜のような熱く股間が焦れる欲求ではもちろん無い。
目が勝手に大犬の姿を探し、いないと確認するたびに、桃子の胸に小さいが重たく冷たい石が乗せられていく、
そんな辛さだった。積み重なりだんだんと息が出来ない。この石を取り除けるのはイヌイだけだと、
それだけはわかっていて、早くその大きな力強い腕でぶん、と払いのけて欲しいと願う。
 …欲しい、と言う気持ちだって昨夜は教えてくれたけど、これは違うよね…?欲しい、だったら
イヌイは拒まない約束してくれたのにな…。
 桃子は昨夜の、初めて自分からイヌイに求めた行為に今更顔を赤らめ、思い出した感覚を打ち消すために
むしゃむしゃとケイキを口に押し込んだ。口いっぱいのそれが桃子の口中の唾液を吸い、乾いた口は
あわてて唾液を分泌する。昨日の朝、初めてこれを食べた朝はあんなに嫌だったイヌイの補食が、今朝は
昨夜同様、無い事が寂しい。それ以前に姿が見えない事がこんなにも心細い。たった一日で
自分のこの変化はどうだ。
「桃子お姉ちゃん。」
 マサルの声に我に返る。マサルの視線で桃子は自分がケイキをむちゃくちゃに口に押し込む時、
ジャムをたくさん胸にこぼしてしまっていた事にようやく気づいた。マサルの鼻先にもいくつもサル梨は
垂れていた。
 マサルくんごめん、と言いたく口をモゴモゴ言わせた桃子を見て、マサルはどう受け取ったのか、
うん、と頷いて胸にこぼれたジャムをぺろぺろ舐めとり始めた。谷間に滑って行ったサル梨の果肉を追って
マサルは桃子の着物をはだけさせ胸を開いた。
「んふ…んん…っ!」
 乳房に急に与えられた刺激に、桃子はびくんと体を揺らし、思わぬ声を上げた。
 谷間に逃げた果肉をようやく捕らえてマサルが顔をあげると、大きな白桃の胸の頂きに揺れる
赤い果肉があり、マサルは桃子を伺い見る。
「ふんんっ!」
 ダメよと首をふりつつ言ったつもりだが、マサルはそれを口に含んで優しく舌で転がした。
 んふんっとくぐもった声で一瞬仰け反った桃子は半身を起こしながら、慌てて口中の唾液を吸いつつ
ふくらみ、未だ飲み込みきれないケイキの固まりを手で取り出すと、やっとはっきり言葉をぶつける。
「ダメよって言ったの!マサルくん、ダメ!」
 マサルは乳首から唇を離すと、桃子を見てえへへ、と笑った。わかってやったのは間違いなかった。
 もう、とマサルの体を突っぱねるが、その反対の手をぱくっと口に入れられ、桃子はびっくりして
身を硬直させる。マサルが口から桃子の白魚の手を吐き出したときは、その手に持っていた桃子の
唾液に湿ったケイキは無かった。
「僕ねえ、下のお口からは補食出来ないんだけど、上からは出来るの。あんまり好きじゃないから
よっぽどお腹すいてるときしかしないけど。」
 そういえば初めてマサルにあったときも口を吸われた。あれはつまりとてもお腹がすいていたからと
いうわけか、と桃子は思い出す。そうだ唾液も妖獣のご飯だ。
「だけどなんでかなあ、桃子お姉ちゃんのは甘くておいしいと思うの。」
 それはケイキの甘さだろう、と言いかけた桃子の口にマサルの口が重なった。小さな舌が
にょっきり入って来て、驚いて顔をそらす。
「ダメ?お口吸わせて、桃子お姉ちゃん…。」
 気づくと桃子に股がるように上に乗ったマサルの股間に、なんだか熱く硬いものがある。
 えっ?なに?なんだろうこれ!?ごりごりする…。
「お姉ちゃあん…っ!」
 マサルは無意識にそのごりごりした硬いしこりを桃子の腹に押し付けるように擦りながら、
桃子の肩を掴み口を吸おうと唇を寄せる。
 え…、ああ、そうだよマサルくんが作ってくれた朝ご飯の代わりに、今度は私がご飯を上げる番だから
当然のこと…だけど…。
 桃子は何度も自分に言い聞かせるが、どうにも無意識に顔をそらせてよけてしまう。
「桃子お姉ちゃんっ、チュウー!!」
 口を尖らせ今度こそは、と桃子の両頬を挟んだ手に力がこもり、あっ吸われる、と思った瞬間
桃子は嫌、と叫んで両手で力一杯マサルを突き飛ばした。
221102:2007/10/07(日) 17:03:06 ID:NVjDqRhM
 あっけなく吹き飛んだマサルの体が高い岩壁の天井ににあわやぶつかる、というのを、
大きな手のひらが見事キャッチして、そのまま掴んで岩窟奥に放り投げた。小猿の体は軽く跳ねて、
キャキャと嬉しげな声を上げて、帰って来た獣を桃子とともに仰ぎ見る。
「こら、今日は乳は我慢しろと言っただろう。」
「ごめんなさ〜い。」
 ちっとも反省した様子の無い小猿にまったく、とため息をつき、捕って来た獲物を釜戸の前に
乱暴に置く。大きな鱒が6匹、口から笹で串刺しにされたまま、生きてるようにびしゃんと跳ねた。
昼はこのまま焼き石を使ってムニエルだ、と猿に指示をしてやっと固まったままの桃子を見た。

 目が合い、そのまま桃子は動けなくなった。
 姿を探し、帰還を待っていたはずの彼を、桃子は今は呆然とその姿を見る以外なんのアクションも
とれない。例えばしようと用意してた、おかえりと声をかけ駆け寄る事さえも。

 話す言葉や態度はいつものイヌイだ。
 …イヌイだ。
 イヌイだけど…!
 
 青いまでに冴え冴えと光る、銀の毛皮の妖獣がそこに立っていた。燻されたようないつもの灰色の毛皮が
磨かれ、鋭利な光をまとい美しい。だが綺麗というより凛々と雄々しいその姿は、黙ってそこあるだけで
桃子の目と思考を奪い、畏怖に凍り付かせ離さない。
 唖然と口を開いたまま、桃子はイヌイにただ見惚れた。
 そんな桃子を、やはり銀のテカリを見せる氷の瞳でしばらく見下ろしていたイヌイだが、
ふいと鼻で笑って今日は冷える、とようやく言った。
「そんなかっこうでいると風邪をひくぞ。」
 はっと気づいて桃子は胸も露にはだけた着物を慌てて直そうとするが、手は震え目はイヌイから
離せなくて上手く帯が結べない。
「何やってんだ、そんなに寒いか。」
 近づいてくる。そう思ったとたん桃子の心臓がドクンと響きを上げ、警告の早鐘を打つ。
まっすぐに桃子に向かい手を差し出す、銀色の…輝く光を湛えたイヌイ。ドクドクと鼓動が速まり息が上がる。
「桃子?」
「嫌…っ!」
 結んでやろうと帯に伸びた大きなイヌイの手を、桃子の細い腕が思い切りはね除けさらに体まで吹き飛ばした。
 イヌイはくるりと体を回し、後ろ足で岩壁を蹴り力を相殺して、壁際に降り立った。
 すこし驚いた顔をしている。それは桃子も同じだった。
 イヌイは肩をすくめて笑った。
「俺が怖いか、桃子?」
 キャキャキャとマサルがイヌイの周りを飛び跳ね、銀の毛皮に抱きつきやはり桃子を笑う。
「怖くないよ、桃子お姉ちゃん!かっこいいでしょ、イヌイのおじちゃん、発情期に入ったんだよ!」
「発情期…?」
 何の事だかわからない。わからないが、ただいつもと違う雄々しいイヌイに体が無意識に緊張する。
だけど決して嫌なわけではないのに、跳ね飛ばしてしまった自分もわからない。桃子は動揺していたが、
イヌイの気にはしていない様子に少しほっとする。
「ギラギラ光ってちょっと目障りだろうが、だいたいいつも一週間程度で元に戻る。それ以外は特に何も…。」
 え〜!?とマサルのブーイングの声をシッと制して黙らせる。
「ちょっとギラギラする以外は別にいつもと同じだ。」
 嘘ではない。物は言いようだな、とイヌイは笑いをもらす。知らないなら知らないままでいい。どうせ明日
桃岩に接触したらすべて知れる事だ。
「雨が思ったよりひどくなったから今日はここに留まる。せっかく今夜には仲間に会えると思ったのに
残念だったな。明日晴れたら向かうつもりだが、急がなくてもが夜には着くだろう。だから今日は
ゆっくり休むといい、桃子。猿に邪魔はさせないし、目障りに光る俺も奥で寝る、今日こそは自重しよう。」
 お前が望まない限りは、とつけたし桃子の顔を赤らめさせると、はは、といつものように笑いきびすを返し
背を向ける。宣言通り岩窟の奥の岩陰に身を隠すように横たわって、イヌイはそのまま静かになった。
薄暗い岩窟の壁が、銀の光を受けその一角だけを青白く灯していた。
 マサルは入り口付近の桃子と奥のイヌイを見比べ行き来し、どうしようかとおたついていたが、
やがてイヌイに首根っこを掴まれ懐にしまわれた。乱暴な扱いだがマサルは嬉しそうに笑い声をあげ
銀毛に身を寄せた。
 岩窟にはしょうしょうという外の雨音だけが響き始めた。

222102:2007/10/07(日) 17:07:05 ID:NVjDqRhM

 桃子も横になり、布を被って身を抱くように丸まった。
 訪れた静けさに一息つくと、みるみる顔が紅潮して行くのを自覚する。
 掛けた布から顔を出し、ぼんやり光る岩壁の方を見る。あの元に光るイヌイが横たわっていると
思うだけで胸が苦しくなる。
 どうしちゃったの、私、変。あのイヌイはかっこいい。かっこいい…ずっと見てたいのに、
なのに逃げ出したくなる。見られると、恥ずかしくて、ドキドキする…。
 桃子は先ほど見たばかりのイヌイの姿を、まぶたに反芻させ身もだえる。
 ふいにキャキャキャ、とマサルの甲高い笑い声が響いた。続いて低いイヌイの何か呆れるような
つぶやきが聞こえ、どかどかと毛深い獣同士が戯れる音がした。楽しげだ。それが桃子はとても
うらやましくなり身を起こす。光る壁の方を見ながらしばらく考えて、やっぱり、と立ち上がる。
 布団代わりの布をぐるぐる体に巻き付け、それをひきずり二匹の寝てる獣の足下に歩み寄った。

 もの言いたげに自分を見下ろす桃子に気づいて、イヌイは眉根を寄せた。
「なんだ桃子。」
 不機嫌な声色に桃子は一瞬躊躇したが、イヌイの片手で軽々うつぶせに押さえ込まれている
マサルを挟んで、川の字に横になる。
「二人ばっかり楽しそうでずるい。」
 ぶっきらぼうな桃子の言い草に、思わず吹き出すイヌイである。
「なんだ。桃子、おまえも遊んで欲しいのか?子供。」
「そんなんじゃ…っきゃあっ!」
 子供と笑われ抗議する桃子の憤慨をみなまで言わせず、イヌイは桃子をその尾でうつぶせの
マサルの上に、同じようにうつぶせになぎ倒す。桃子の下でマサルがけたたましく笑い声を上げた。
「うひゃあ、桃子お姉ちゃんがボヨンと来た〜!!」
「わっ、イヌイっ!わわ、わあ〜っ!!」
 イヌイは今度はマサルの下に尾を滑り込ませて、そのまま桃子ごと持ち上げる。桃子とマサルは
イヌイの腹上で、お手玉よろしく交互に空中に放り投げられ転がされた。マサルは楽しげに笑い、
桃子は悲鳴を上げていたが、しだいに上に下に体が宙に投げ出される、その不自由さが面白くなり、
マサルと顔を見合わせ笑いあう。
 そうだ、私の体を放り投げてるのはイヌイだ!体が浮いて怖いけど、イヌイがヘマして
私を落とすわけがない。イヌイは絶対落とさない!この怖いのは楽しい!!
「あはははっ!イヌイ、すごい!力持ち〜!!」
 桃子はすずが転がるような娘らしい声を上げて笑った。銀色のイヌイが眼下で近寄ったり
遠ざかったりするのを、宙で眺めてうっとりする。自分を楽しませてくれる。笑っているようにも見える。
安心する。
 同じように楽しげなマサルが、桃子に追いつき抱きつこうと手を伸ばし、桃子の体をぐるぐるに包んでいた
布をひっぱった。勢いで三回転からだが回り、布ははぎ取られ地面に落ちた。一瞬目を回した桃子だが、
マサルがいつのまにか着物を掴んで胸を開けようとしているのに気づいて、あわてて両手で胸元を押さえた。
だが間に合わず桃子の二つの大きな乳房が、交互に揺れつつ着物から飛び出した。
「キャハハハ!すごい!桃子お姉ちゃんおっぱい、ゆっさゆさ!」
「いや!バカ!マサルくんのバカー!!」
 桃子は真っ赤になって、自分の飛び跳ねる乳房を着物の内に納めようとするが、相変わらずイヌイに
お手玉されててうまくいかない。だんだん腰下も乱れて太腿までひらひらとめくれていく。
 ふと眼下のイヌイが気になり顔を見ると、ニヤニヤと笑っている。桃子は急に泣きそうに顔を歪めて
イヌイに叫んだ。
「イヌイ、もういい。下ろして…、もう下ろしていいよーっ!」
 両手を頭の後ろで枕に組み、尾と片足で桃子とマサルを投げていたイヌイが、その声に応じて宙から
落とされた桃子を胸の上で尾で受け止めた。そのとたん。
「あ…っ!」
「いて。」
 重力と反動を受け桃子の乳房がブルンと大きく振られて、イヌイの鼻っぱしらをこずいて垂れた。
 その横をマサルがボスっとイヌイの胸に受け止めてもらえず頭から落ちて嬌声をあげる。
「ごめんなさいっ!」
 桃子が慌てて胸を持ち上げるように押さえる。
「いいなあ〜イヌイのおじちゃん!桃子お姉ちゃん僕も!僕もおっぱいでお顔ペチンとして〜!」
223102:2007/10/07(日) 17:10:15 ID:NVjDqRhM
 下から手を伸ばしたマサルが、ふたたび桃子の着物から乳房を取り出そうとするのを、イヌイがたしなめる。
胸を押さえたまま桃子ははじめのようにマサルを挟んで川の字に転がされ横になった。
 赤い顔して言葉に迷っている桃子に、巻いていた布をふわりと掛けてやる。
 イヌイは思いがけずくらったボインパンチがおかしくて、クックッと肩をゆらして笑っている。
「なかなかいい眺めで楽しめたぞ。」
「ス…スケベ犬…!」
「見ていただけだろう。」
 顔が火を噴いたように熱い。本当に、イヌイに見られると変になる。
 桃子は掛けられた布を頭からかぶり直して、イヌイの視界から逃れて胸の動悸が収まるのを待った。

「ああ〜ん。もう終わり?イヌイのおじちゃん、もっとして〜。」
 遊んでもらえた楽しさに興奮してはあはあ息をみだしつつ、マサルはもっととせがんでいる。
「今日はもう終わりだ。マサル、おまえもうでかいからくたびれるんだよ。」
「疲れたら桃子お姉ちゃん食べたらいいじゃない〜。」
 無邪気なマサルの言葉に、桃子は一瞬びくりと体を震わしイヌイを見る。だがイヌイは桃子と視線を
あわさず、今日は休みの日だと言っただろう、とマサルに言いきかせている。
「べえ〜だ。じゃあいいよ、桃子お姉ちゃんでぼよんぼよんするから!」
 そう言ったマサルは桃子の掛け布の中に、もそもそと入って来て両手両足で桃子に抱きつくと、
パフッと桃子の胸に顔を埋める。
「こら、マサル。」
「変にいじらなかったら触っていいってお姉ちゃん言ったもん!!」
 イヌイは困った顔の桃子に疑わしげに視線を送る。しかし確かにそう言った桃子は、かまわないからと
頷いて、さらにマサルの背に手を回して撫でてやる。ふと、思い直して一応の注意をつけ加える。
「さっきみたいにイタズラしたらまたぶっ飛ばすからね。」
 桃子の許しの声にうんっと嬉しそうに目を細めると、マサルはそのまま掛布の中に潜り込み、
乳房に頬ずりしておとなしくなった。
 しょうがないやつだ、とイヌイは呆れてため息をつく。その吐息が近くて桃子は恐る恐る顔をあげて
イヌイに向ける。
 心臓が止まるかと思った。イヌイとの間のマサルが潜っているため、とても近くに顔があった。
さっきは怖かった銀の光沢の瞳が無表情に桃子を見ていた。その光沢に赤い顔でうっとり見蕩れる
自分の姿が映っているのを桃子は恥ずかしく思った。鼓動はなおもドキドキと早く、いっそ
言ってしまった方が楽な気がして口に出す。
「銀色のイヌイ、かっこいいね。」
 マサルと同じ、まるで子供の感想のような言い方に我ながら絶望する桃子だ。かっこいいのは
本当だけど、何かもっと、違う含みがある気がするのに。そんな言い方が出来るといいのに。
 だが桃子の言葉にイヌイはあきらかに驚いた顔で、そうか?と自分のあごに手を這わせる。
「いつもかっこいいつもりだがな。」
 そう言ってにやりと笑うので、桃子も吹き出して、よく言うよと笑った。

「朝飯は食ったのか?」
「うん、マサルくんが…ケイキはイヌイが言ってくれたんでしょう。ありがとう、今日もおいしかった。」
「あれはもともとマサルの親父に教わったんだ…。」
 ほんの少し目を細めてイヌイは思い出すように言った。
「ほかにもいろいろ…、桃岩は甘いものが好きだからな。いろいろそのうち作ってやる。」
「私と、まだ一緒にいてくれるの?」

 口に出して、桃子は朝から感じていた自分の心細さの正体に気づいて腑に落ちた。
224102:2007/10/07(日) 17:13:21 ID:NVjDqRhM
 そうだ、今日はたまたま雨で足止めしてるけど、本当は今夜桃岩にたどり着くはずで、
イヌイとの旅の約束はそこまでだ。明日桃岩に着いたら、私はまた一人で…一人でどうしたら
いいのだろう。
「いつまで…一緒にいてくれるの?」
 急に不安げに涙ぐむ桃子をイヌイは瞳も揺らさず見つめている。
「他の桃岩さんたちと旅したことあるって言ってたよね。その人達はどうしたの?どうして別れたの?
イヌイは、マサルくんはこれからどこに行くの?私もついて行っても…っ!」
「それはお前次第だな、桃子。」
 感情的に声を震わす桃子にイヌイは穏やかにそう言って、マサルにいつもそうするように大きな手で
頭をくしゃくしゃと撫でてやる。
「お前が今不安なのは、どうしていいか迷うのは、まだ何も知らないからだ。明日同族から情報を
伝授されたら不安も消える。俺たちと旅をどうするかはそれから決めたらいい。」
「一緒にいていいの?」
「言っただろう、お前次第だ。お前は美味いし、マサルも気にいってる。お前が俺たちと別れて
他に行きたくなるまで、好きなだけ同行するがいい。他の桃岩たちもそうして旅して別れた。」
 淡々と話すイヌイの言葉に安堵すると同時に、胸にチクリと小さな痛みを桃子は感じた。
 ーー美味いし、マサルも気に入ってるーー
 …イヌイは?
 私が供給するご飯以外に私を気に入ってはくれないのだろうか。所詮餌だしそんな感情は
ないのだろうか。私は…また一人になるのは心細いし寂しい。誰かに一緒にいて欲しい。
それがイヌイであって欲しい…。
 桃子は自分の頭を撫でるイヌイの太い手首をとり、間近に引き寄せじっと見つめた。銀の光をまとい
逞しい腕は輝いて桃子の頬を照らす。それが力強い腕だとも桃子はもう知っている。この腕を放して
他に旅立ち別れて行ったなんて、今までの桃岩たちはなんて愚かなのだろう、と思った。
「…イヌイは朝ご飯は?」
 せつないがそれでも自分の気に入ってくれている部分がある事を思い出し、その部分を示唆しながら
桃子は顔を赤らめ言った。
「今朝方たくさん食っただろう?」
 イヌイは捕られた腕で桃子の顔の熱を感じて笑う。もうそろそろ慣れてもいい頃合いなのに、
おぼことはいえ何がそんなにまだ恥ずかしいのだろうか。
「いらないの?」
「足りている。」
「そう…。」
 桃子は断られた申し出に自ら恥じて俯いた。
 …私、食べられること以外にイヌイが気に入りそうなこと知らない。
 どうしたら、と訊くことはあからさますぎて恥ずかしい。でもどうしたらいいのだろう。
 マサルくんは胸を触っていいよというだけであんなに喜んでくれた。まだ子供だから抱きしめて
甘えさせてやると嬉しそうだった。でも大人のイヌイは…。
 預かっているイヌイの腕を胸に抱きしめた。本当はこの腕に抱きしめられたい自分だ。マサルのように
甘えたいのは、私もまだ子供だからだろうか、と桃子は途方に暮れる。

「マサルがいないぞ。」
 押し付けられた柔らかい肉の谷間に、埋もれているだろうと思っていた坊主頭の不在に
イヌイが言った。マサルくんのことばかり、と桃子は拗ねつつ、お腹の方に潜って行ったと伝える。
 イヌイが布をめくって中をのぞくと、確かに茶色い頭がなにやら動いていた。
「おっぱいを放棄とは珍しいなマサル。」
 イヌイが笑いながら声をかけても、マサルは潜ったままである。
「マサル?」
 あらためて上から見るとマサルの脚は布からにょっきりとはみだしていた。その脚が小刻みに
ぶるぶる震えている。
「マサルくん?!」
 子供の異変にあわてて桃子が布をめくりつつ身を起こす。露になった小猿の仕草にイヌイは、
しまったと小さく舌打ちして、あわててまた布をかけてやる。
「なにすんのよイヌイ!マサルくんが…っ!」
「いいから。」
「だって苦しそうに震えて…おなかさすって…っ!!」
「いや、いいから放っといてやれ…ああ。」
 イヌイを無視して桃子は大丈夫かとマサルの体に身を寄せると、マサルはお姉ちゃん〜と抱きついて来た。
体は熱く、はあはあと息は荒い。ため息をつきながらイヌイもマサルに近寄った。
225102:2007/10/07(日) 17:20:28 ID:NVjDqRhM
「おなか痛いの、マサルくん!?」
「ううん、痛いんじゃないの。痒いの…ここが…ここ…っ。」
 見るとさすっていたのは、思っていたお腹ではなく、その下の、脚の間に小さくでっぱったしこりで、
マサルはそこを握るように手のひらでごしごしと擦り続けている。
「そういえばさっきもそこ私に擦り付けゴリゴリしてた…毒虫にでも刺されたのかなあ。どうしよう、イヌイ。」
 桃子のつぶやきにイヌイがたまらず吹き出した。
「どうにかしてやるか、桃子?」
 顔はにやにやと押さえきれない笑いをもらし、肩を揺らしてイヌイはマサルを仰向けに抱き寄せた。
「おい、マサル。お前今までにもここがこんな風になったことあるか?」
「ううん、イヌイのおじちゃん。なんなのこれ、僕昨日からなんかおかしいなあって…。僕病気?」
「そうか、初めてか。おかしくないし病気でもないさ。手を離せ。」
 いわれた通りに手を離したそこに、白い毛に覆われた小さな突起があり、桃子とイヌイとマサルは
三人そろってそれを覗き込む。
「かわりに掻いてやれ、桃子。」
 面白くてたまらないようにイヌイが笑いながら桃子に指示する。その様子からさほど深刻な事態では
ないことに気づいた桃子だが、相変わらず苦しそうなマサルからも、掻いて〜桃子おねえちゃん〜、と
泣きつかれ、ためらいながらもそれに触れた。
「わっ、硬い。」
 小さな突起だが石のようにしこって硬く、熱い。
「強く握って上下にごしごししてやってくれ。」
 イヌイのいううとおりに桃子が擦ると、ああ〜ん、とマサルが甘ったれた声を出し、もっととせがむ。
上半身をイヌイに抱かれ、腕にしがみつきマサルはさらにはあはあと苦しそうだ。
「えっ、大丈夫なの、イヌイ?マサルくん、苦しそうだよ!?」
「いいからそのまま、手を休めずに続けろ。」
 とまどいながら手を動かす桃子の様子をイヌイは楽しそうに眺めている。そのいやらしい
にやつき方が多少気になるが、こんなことをイヌイは喜ぶのか、と桃子はいわれるままにそれをしごく。
「わあっ、何!?なんか大きくなったよ!?」
 急ににょきっとピンク色の肌を露にしつつ、小さなしこりは松茸くらいにその背を伸ばした。
「や〜ん、桃子おねえちゃん、やめないでえ〜っ。」
「だそうだぜ、桃子。」
 そうはいってもさっきの倍以上に腫れたそれを、大丈夫だろうかと恐る恐る握りしめる。ちょうど手に
馴染む太さになり、握りやすいと思いながら上下に擦った。そのとたん、キキーッ、と小猿が悲鳴を上げて
ビクンっと体を揺すって腰を突き上げた。
「ああっ!!」
 思わず桃子も声をあげる。
「はははははっ!おめでとう、マサル!大人の仲間入りだ!!」
 イヌイが大声で笑いながらマサルの頭をぐしゃぐしゃに両手でかきむしった。
ぐったりと脱力するマサルの脚の間で、桃子は自分の手にはじけた半透明の白い液体を唖然と見つめ続けた。

・・・・・・・・・・・
                      話の流れ上今回はほのぼのこの辺で


226名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 23:22:33 ID:Rx6ACF81
マサルおめでとうww
エロイのに微笑ましい。102神に今回も萌えさせられたよ、GJ!
227名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 05:42:32 ID:GFhI/gGC
GJGJ!発情期のイヌイと無事大人になったマサルにねっちょりと可愛がられてくれ桃子
228102:2007/10/10(水) 01:47:56 ID:bca81gj/
225の続きです。    読みづらい気がして行間多めに開けてみました。
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 この岩窟を少し下ったところにある洞穴に、温泉がわいていたから入ってこい、とイヌイに促され、
桃子はマサルと雨の山道を下った。
 激しくはないが晩秋の冷たい雨は、ものの五分で体を芯から冷やし、ガチガチと歯の根の合わない
音をさせながら洞穴につくと、桃子は迷わず着物を脱ぎ捨て湯に飛び込んだ。

「あああ〜…ったかい〜〜…っ!!」
 思わず唸り、声も体も弛緩する。桃子は温泉も初めてだ。さっきイヌイに言われたときは、
湯に体をつけるなど気持ち悪くてまっぴらだと思ったが、試してみるとなかなかどうして心地よい。
いや、かなり気に入った。
無色透明な湯は熱すぎずぬるすぎず、じわりじわりとしみ込むように疲れた体を癒していく。
ふと見ると体に無数の小さな泡がびっしり付いていて、それは湯を囲む中の岩も同じだった。

「ふわ〜〜〜っ、気持ちいいねえ、桃子お姉ちゃん。」
 湯煙の中からすいいっとマサルが泳ぎながら現れる。
「ここの温泉は炭酸泉っていうんだよう。疲れを取り、傷の治りを早め、飲んでもいいの。
のぼせないように出たり入ったりを繰り返すといいんだよう〜。お湯から出てすぐは脚を
胸より上にあげちゃだめなんだって〜。」
「そうなんだ。くわしいね、マサルくん。」
「お猿は温泉大好きなんだよう〜〜。」
 すい〜、と 寄って来て、仰向けに体を伸ばしていた桃子の上に股がるように陣取る。
「おっぱい触ったらだめだからね。」
「いいもん〜見るだけだもん〜。…でも枕にしていい?」
 もう隠すのも拒むのも億劫だとばかりに、桃子はだらんとした手足を微動だにさせないまま
マサルを胸元に受け入れる。
 マサルも桃子にだらりと体を預けて同じように仰向けになる。おっぱいに背を向けるなんて、
マサルは今度こそ触らないよう気をつけているつもりらしい。
 桃子の大きな乳房は湯の中で、浮力を受けぽっかり浮いていた。それに小さな頭を乗せ、同じく全身を
ぽっかり湯に浮かべて寝そべるマサルの、無防備な脚の間を桃子は再び見た。さきほどの尖りは消えたか、
あるいは毛に小さく隠れているのか無かった。

「…さっきの…びっくりしたね。」
 ぼんやりと桃子がつぶやく。
「うん、でも気持ちよかったあ…。」
「気持ちいいの、あれが!?苦しそうだったよ?」
「はじめ苦しいんだけど、桃子お姉ちゃんがごしごししてくれたとき、体がふにゃあ、て溶けちゃうみたい
だったんだあ。それからかけっこでゴールしてわーっとなってドカーン!て。」
 それですっきりして、ああいううのは気持ちいい、とマサルは続けた。
「精通っていうんだって。イヌイのおじちゃんが教えてくれた。」
「…イヌイは何でも知ってるのね。」

 桃子はさっきのニヤニヤ笑いながら楽しそうだったイヌイを思い出し、歯がみした。
 マサルの説明を聞き、さっきの行為は桃子がイヌイにイカされる、あれに似てると思った。
少なくとも、そんななにかちょっといやらしい事をさせられたのはわかる。
 それをひどい、イヌイ。あんなに面白そうに。なんて厭な性格の犬だろう。

「あれが大人になった証拠なんだって。死んだお父ちゃんに報告しとけって。…大人になったよ
お父ちゃあ…ん。」
 マサルは心地よい桃子の胸枕にうっとりしながら、桃子に話すでも無くつぶやく。
 桃岩との半獣は補食が出来ないから育たないといわれている、とイヌイは言っていた。
それをここまで大きくしたサルトルはたいした奴だと、イヌイは心から嬉しそうだった。
マサルが桃子の手のひらにはじけ、おめでとうとマサルの頭をかきむしるイヌイの笑顔には、
ニヤついたところはなかった。小猿の成長を感慨深く喜ぶ、父親のような男の顔だった。
イヌイのあの顔は好きだ、と桃子は思う。

 ああ、私、今日はイヌイのことばかり考えてる。ばかみたい。
229102:2007/10/10(水) 01:50:38 ID:bca81gj/

 そのイヌイは今桃子達の昼ご飯の鱒を焼いてくれている。

 そうだ、ご飯の事を考えよう。楽しみだなあ、お昼ご飯。
 ムニエルにするって言ってたっけ。ムニエルってなんだろう…。

 笹に串刺しにされた大きな魚の姿に、桃子はふとタキジの事を思い出した。
 ーーー謝ってはいけません。食のために屠られる、それは自然の理ですーーー
 あの魚にも子供はいるのだろうか。
 イヌイの食である自分は屠られていることになるのだろうか…。


「それ以上珠の肌を磨いて誰を惑わすおつもりですか。」

 クスクスと涼やかな声色の笑いを聞いて、はっと桃子は我に帰り振り向く。
 背を預けていた洞の壁の上方の窪みに、今まさに思い出していた美しい妖しが座っていた。
湯煙の狭間に長い尾羽の光が見え隠れして輝いていた。
「タキジさん!」
 桃子は慌ててマサルを抱いて身構える。急に強く抱きしめられ、うとうとしていたマサルは、
んあん?と寝ぼけて状況がつかめないでいる。
「おや、珍しい。その猿は桃岩の子じゃないですか。そんなに大きいのは初めて見ましたよ。」
 ふわりとタキジは身を浮かせたまま、桃子達の目の前に降りて来て、湯の上に立つかごとく宙に留まる。
羽ばたいている様子も無いのに、妖鳥は皆こんなに優雅に空に浮くのか、と桃子は感嘆する。再び見まえた
妖鳥と人の子、鬼のタキジはやはり美しかった。

「マ…マサルくんにはなんにもさせないから!」
「そんなお猿に興味はありませんよ。」
「お猿じゃないよう、マサルだよう。」
 寝ぼけ眼のマサルにタキジの口元がほころび、そんなマサルに興味はありません、とわざわざ言い直す。
桃子はひどい目にはあったが、やはりこのタキジはそんなに悪い奴ではないように思った。
「用事があるのはあなたにですよ、桃岩さん。」
「桃子だよ。」
 同じように言い直しを求める桃子にタキジは今度は声を出し笑った。
「桃子さんに用事です。昨夜は失礼しましたね。まさか補食を嫌がる桃岩さんがいるなんて、
思いもよらなかったものですから。」

 柔らかく穏やかなタキジに少し警戒を緩めて、マサルと抱き合いつつ向い合う。
 タキジは桃子の背の横の岩に腰掛け、着物の裾をめくった。露になった脚は形こそ美しくまっすぐだったが、
膝から下は硬い鱗に覆われて、まるでとかげのようだった。ひっと声に出し驚いて桃子がタキジの顔を見る。
「生まれつきです。でもこれは病気でも異常でもありませんよ。私は鳥ですから、腕が羽毛のように脚は鱗なのです。」
 気持ち悪いですか?と尋ねられ、桃子はぶんぶんと首を振る。鳥ならば納得だ。驚いて悪かったと、桃子は詫びる。
「初めて見たから驚いただけなの。ごめんなさい。」
 クスクスと笑みを漏らしながらタキジは脚だけを湯につけた。
「私も旅の癒しを求めて温泉にきたのですよ。ただしつかるのは脚だけですが。羽が濡れると飛べなくなりますからね。」
「お兄ちゃんも温泉好きなんだあ〜。僕も大好き〜!」
 マサルは無邪気にタキジに懐く。タキジもそうですね、猿ですものね、と適当な相づちをうちつつ、場に馴染む。

230102:2007/10/10(水) 01:53:38 ID:bca81gj/

 大丈夫なんだろうかと、いぶかしみつつも桃子はやはりタキジに見蕩れた。整った顔立ちに薄情そうな
うすい唇は赤い。五色の顔の入れ墨は不思議な模様でタキジの雰囲気を妖艶なものにしている。
そんな桃子の視線をまんざらでもないように受け止め、タキジは微笑む。

「私が美しいのは鬼だからですよ。桃子さん。」
「鬼はみんなそんなに綺麗なの?」
 たいがいは、とタキジは続ける。
「イヌイとかいうあの妖獣、発情期に入りましたね。光って綺麗でしょう。」
 どこかで見たのか、当然のように言うタキジに桃子は素直に頷いた。
「鬼は半分人ですから、実はいつも発情期で、だから美しいのですよ。あなたが美しいように。」
 いろんな意味で驚く桃子である。

 え?確かにイヌイは発情期に入ってああなったって…発情期にはみんな綺麗になるの?
半分人だからいつも発情期って、つまり人はいつも発情期なの?私もいつも発情期なの?私…。

「私…て、綺麗なの?」

 そこだけが口から漏れ出てしまったのは、もう一度聞きたかったからかもしれない。
 桃子の意を汲んだのかタキジは繰り返してくれた。
「あなたは桃岩の中でもとびきり綺麗ですよ。若いから、これからもっと磨かれて美しくなるでしょう。」
「うん、桃子お姉ちゃんはすごく綺麗だよ!それにとっても美味しいし、良い匂いがして、おっぱいも
やわらかくて気持ちいいんだよう〜。」
「そうですね。私もそう思います。」
 含みのあるタキジの笑みに昨夜の愛撫を思い出し桃子は顔が赤くなる。もちろん、その前の
ストレートな美辞麗句に既に頬を染めてはいたのだけれど。

 私は本当に綺麗なんだろうか。
 本当だったら、イヌイもそう思ってくれているなら、どんなにいいだろう。
 タキジのようにその身の美しさで、人の…イヌイの心を捕らえられたら、美味しいだけより
どんなにいいだろう…。
 お世辞でも、そう言ってくれたタキジに今は心が慰められる。
 桃子はありがとう、と小さく礼を言った。

「そんなことよりあなたに用事とはこれです。」
 桃子が自分の言葉に耳を傾ける今が本題、とばかりにタキジは懐を開いてみせた。
「あっ。」
 桃子はその中身に気づくと、抱いていたマサルを離してタキジに近寄った。
 一、二、三、と三羽のヒナが、昨夜同様ピイピイと口を大きく桃子に開けて見せる。
「巣にいなかったからそうじゃないかと思っていたけど…。」
 鬼のタキジの本当の子供であるはずがないとイヌイに聞いて、少し不安に思ったヒナの行方がわかり、
桃子は安堵の声を漏らした。

「やっぱりタキジさん、ヒナも連れて逃げてくれてたんだ!よかった〜!」
「わあ、雉のヒナだね!おいしそう〜!!」
 マサルのとんでもない声が重なり、桃子は慌てて、こら、と怒る。だが今度はそれに
タキジの声が重なった。
「そうですね。私もそう思います。」

231102:2007/10/10(水) 01:56:01 ID:bca81gj/

 背筋に冷たい悪寒を感じて桃子はタキジを見上げた。
 ぴいぴいと鳴くヒナを懐に抱いたまま、タキジはにっこりとマサルに笑いかけた。
「母雉を狩ったのは君ですね、マサルくん。私が狙っていたものだったのに。このヒナは譲りませんからね。」
「ああっ、そうだったの〜?ごめんなさ〜い。」
 ーー狙っていた。そう言った。
 桃子はタキジの言い草にある不安を覚えて尋ねる。
「タキジさん、このヒナをどうするつもり…。」
「無論育てていただきます。」
「いえ、私が育てるとか、その話じゃなくて…。」
「いただきます。…美味しく三羽とも。」
「そりゃあそうだよね、雉だもんねえ、お兄ちゃん!」
 当たり前のように頷くマサルの声が湯煙の洞に明るく響いた。

「まったく愚問ですね。同族喰らいは妖しの基本でしょう。桃子さん。」
 クスクスと変わらぬ笑いに桃子は戦慄する。
「雉の妖鳥の一番の好物です。とくに私は…鬼は、桃岩から妖力は補充出来ないし。」
 置いて行くわけがない、というタキジを睨むように桃子は涙を溜め始めた。
「食べちゃうの…?」
「育ってからですが。だからあなたに育てて欲しくて。」
 ひどいと、声を漏らす。自分だって母雉の鍋を食べた。だからお門違い怒りだとわかっている。
だがぴいぴい鳴く声に粟穂を砕いて押し込んだのは桃子だ。小さいふわふわのひなのぬくもりを
まだ手が覚えている。そこにある。

「ひどい、タキジさん。この子たち…可哀相に…。」
「あなたは自分の村からここまでに、ちら、とでも犬や猿を見ましたか?」
 唐突なタキジの問いに首を振る。そう言えば、妖しではなくただの野犬すら見ていない。
村に住んでいたときはあんなにいたのに。猿もそうだ。
「お猿はマサルくんが全部食べたんですよね。」
 凍り付きマサルを見る。
「全部って、二匹しか食べてないよう。この辺最初からいなくって、桃岩も無いし、ずっとお腹がすいて
大変だったよう〜。」
 桃子は急にくらりと目眩を覚えて、岩に手を付き息をあげた。

「おやおや、大変。のぼせたんですか。」
 赤くゆだった桃子の体をタキジは軽々湯から引き上げ岩に寝かす。その腕の心地よさに桃子は
返って嫌悪した。
「触らないで、鬼!」
「もちろん鬼ですよ。」
 タキジの涼やかな音色の声…。クスクス笑いが不意にやんだ。

「…んああ!? 誰かいるのか!?」

 見知らぬ大きなダミ声が湯煙の奥から響いた。


 桃子の体に緊張が走り、慌てて湯の中のマサルの姿を探す。
「桃子お姉ちゃ…っ!」
 こちらに向かって手を伸ばしかけたマサルの背後から、大きな茶色い腕がむんず、と
マサルを掴んでざばああ、と湯から引き上げた。

 キイイーッ!!

 マサルの悲鳴が洞に反響する。
「マサルくん!!」
「なんでえ、小猿と…こりゃあいい、桃岩じゃねえか!」
 岩の上に裸で身を震わす桃子を見つけると、声の主はもう片方の手でマサルと同じく桃子を掴んで
引き寄せた。

232102:2007/10/10(水) 01:58:04 ID:bca81gj/

「ちょうどよかった桃岩ちゃんよう、俺たち腹減ってんだ。染み古反一つよろしく頼んまあ。」
「どうした、兄弟…、おお!ラッキー!桃岩かよう!いっただっきまーす!!」

 桃子を掴んでいる獣と違う者の舌が背後からべろんと、桃子の剥き出しの尻をいきなり舐め上げた。
 前の獣におののき、後ろの獣を振り返り、さらに身の毛をよだたせる。
 イヌイの倍はありそうな大きな二匹のヒヒ猿が、黒い顔から赤く長い舌をべろべろと繰り出し、
舌なめずりで桃子を見ていた。

「キヤアアアーーー!!」

 尻を舐めていった者の正体を知り、桃子は叫んで両手足で暴れた。
 桃岩の全身の抵抗に、あっけなく巨体が弾き飛ばされる。
 桃子を掴んでいたヒヒは、うげえ、と低い声を吐いて盛大に湯に倒れた。放り出された桃子も
同じく湯に落ちて、ヒヒの倒れた大波を被り溺れかけるが、ひょういと大きな手のひらにすくい上げられ、
再びヒヒと顔を合わす。
「おいおい、いきなり舐めやがって、気をつけろよ兄弟〜。…ねえ〜?びっくりしたでしゅねえ〜?
でも大丈夫でしゅよ〜。俺たちテクニシャンだから!気持ちよ〜くしてあげるさ!」
 にんまり笑うヒヒの鼻先で桃子はガタガタと震えだす。
 染み古反……ああ、今は無い。てことは直接補食されるのだろうか。
 イヌイが私にいつもするように、口を吸われ、股間を食われ…このヒヒ猿達に!?
 嘘…、嫌だ…。嫌っ!!

「おい、兄弟!よく見ろ、その猿、桃岩の子じゃねえか!?」
 突き飛ばそうと身構えかけた桃子はその声にぎょっとしてマサルを探す。
 マサルは桃子を捕らえるヒヒの片手に、握られたまま湯の中に沈められたままである。
ツレのヒヒ猿の指摘にその腕を湯から出し、桃子の乗る手のひらの横に猿を転がし指でつつく。
マサルはぎゅうと握られ気を失っているようだった。
「マサルくん!ああ、マサルくん、しっかりして!!」
 桃子がマサルを揺するが目覚めない。息がある事を確認するも、桃子は不安に涙をあふれさす。
「うおお!本当だ!!すげえ〜、オレっち初めて見たぜ兄弟〜。」
「レアものじゃん〜!半分こだぜ、兄弟〜〜!」

 ヒヒの嬉々とした声に桃子は戦慄した。

「いっただき〜!」
「きっちり縦に半分こだぜ、兄弟〜!!」
「だめえーーーーーっ!!」

 大きな指がマサルを掴み持ち上げるのを、マサルに抱きつき妨げる。
「おおっと、と。どいてよ桃岩ちゃん、食えねえじゃん〜〜。」
「まさかお前の子じゃねえだろう、まだヒトガタだしよう〜。」
「やめて!食べないで!同じ猿でしょう!?」
 だらだらと涎を垂らす二匹のヒヒ猿の並んだ黒い顔に懇願する。
「同じ猿だから食うんじゃねえか。」
「そうだぜ、何言ってんだい、桃岩ちゃんよう〜。」
 
 あああ、そうだった。たった今、妖しの同族喰らいの話を聞いたところではないか。
 桃子は涙をぼろぼろにこぼしながら、マサルに抱きついてふるふると首を振る。
「ま…まだ子供だし…。」
 小さくつぶやきながらも目でタキジを探すがいない。
 なんとか助けてくれはしないだろうかという、淡い期待が掻き消える。鬼とはいえ細腰の鳥である。
逃げたのだろうことは責められない。
 ああ、ではせめて上の岩窟にいるイヌイを呼んではくれないだろうか。
 祈るように桃子は心中でイヌイの名を叫ぶ。
 イヌイ!助けに来て、イヌイ!昨夜みたいに…!!
 
233102:2007/10/10(水) 02:01:07 ID:bca81gj/
 
「冗談じゃねえ、こいつは絶滅危惧種の金絲猴じゃねえか。大人になったら食われるのはこっちだ。」
「そうだそうだ。ただでさえ育たねえ桃岩の子だ。妖力は未知数。今のうちいただこうぜ。」
 再びあんぐり口を開けるヒヒと、しがみつく桃子をマサルから引き離すヒヒ。

「いやっ、マサルくん、起きて!!お願い、食べないで!!助けて!助けてえーー!!」
 ーーーーーイヌイ!! 

「絶滅危惧種はなんでも食べますからね。そりゃあヒヒ猿程度では、二対一でも勝てますまい。」
 声を涸らし叫ぶ桃子の前に、ぐったりと気を失うマサルを軽々抱いて、ふわりと降りて来たのは
鬼のタキジだった。
「タキジさ…っ!!」
 桃子の絶望の涙が安堵に変わる。
「私の望みをきいてくれるのなら、この小猿を上の大犬に届けてあげますが?」
 なんでもきく。桃子は涙を散らしつつ、大きく縦に首を振る。
 漆黒の裂け目を細めてタキジは静かに笑って承知、と頷いた。
「こいつ、いつのまに…っ!」
「なんで鳥鬼が……うわっ!!」
 どこに隠していたのか、バサリと長い尾羽を広々と扇に広げ、青緑の光を放ちヒヒをなぎ払うと、
タキジはそのままスウッと空に昇っていく。だらんと垂れたマサルの尾を慌てて掴もうとするヒヒに、
桃子は飛びつきそのまま逃がす。
「こ、このやろうーーっ!!」
 とんで来た毛むくじゃらの腕をよけ損ない、桃子は強い衝撃を受け気を失ったーーーーー。

・・・・・・・・・・・

 ぐちゅぐちゅと粘る液体の音に気を戻したすぐに、生暖かいぬめる肉が蠢く感触に、
桃子は何をされているかを知る。反射的に身を縮めるが、二匹がかりで掴まれ広げられた四肢は
ぴくりとも動かず、それどころか二匹の獣はそれさえも気づかない。その圧倒的な力は、気を失って
目覚めたばかりの桃子の、抵抗しようという気すら飲み込んで、愕然とその身を恐怖に固めた。

「うっほっほっ!すげえ、美味ええ!こっち食ってみろよ兄弟〜!」
「…っはふっはううっ!いやあ、こっちもいけんだぜえ兄弟〜!!」

 耳元に聞こえる下卑たダミ声がやけに遠くに感じられた。
 桃子は大の字に手足を広げられ、それぞれのヒヒ猿に口中と秘部をねぶられ、粘液を食われていた。
大きな唇が桃子の顔ごとくわえ、器用に舌をストローのように丸め、小さな口から唾液を吸う。
無くなると毛むくじゃらの指で首筋や耳を撫で、桃子のため息を促した。そして震える乳房ごとくわえて
口中でその大きな舌をぐるぐるとかき混ぜるように胸を揉み、尖った先端に歯をぶつけて刺激を与える。
 その反応を受け、もう一方のヒヒが掴んだ両足をさらに大きく開き、暴かれた秘裂をベロベロと舐め上げ、
尖った肉芽を柔らかな陰毛ごとずず、と啜る。我知らず声を上げる桃子の口に、乳房をくわえていた
ヒヒの管の舌が再び入り込み、そうして潤った液をまた啜るのだ。
 二匹の獣の無限の蹂躙に、そのおぞましさに、ただ心を凍らせ耐える。
 なのになんて事だろう。自分の体からはだらだらと、獣の求める粘液が溢れ、二匹の饗宴をもり立てる。
そこに快楽は無い。嫌悪と絶望的な無力感だけが、粘つく妖獣の唾液と共に桃子を包んでいるだけだった。
桃子の体だけが、獣の需要に応じてその機能を果たし餌を供給しているのだ。
 艶やかに喘ぐ声とうらはらに、うつろに死んでいくその瞳から静かに涙を流し、その目頭の熱さだけが
本当の自分の気持ちを代弁してくれているように桃子は思った。

 私は桃岩だ。食のために屠られている。あの雉と、あの鱒と同じに。
 これは自然の理で、怨んでも憎んでもいけない。
 だけどただ、…ただ出来るなら。
 一匹のためだけの餌でありたいと…。

 願うくらいは…いいよね…。…イヌイ。

234102:2007/10/10(水) 02:04:02 ID:bca81gj/

 大きなヒヒの手が再び桃子の胴を掴み直立させる。
 宙ぶらりんの足を指で摘んで開くと、尻側から分厚い唇が押し当てられ、その唇で桃の双丘を
しゃぶりつつ、舌を伸ばして菊門の粘膜も尖らせた舌に絡めとる。
 同時にもう片方のヒヒが前方から唇で肉芽を押しつつ舌を伸ばし、ひだに分け入り
ぐちゅぐちゅとかき回す。
 うまいうまいと、二匹は夢中にしゃぶり付いて喜悦の叫びをあげている。
 前後から穴を食われて桃子は嗚咽をもらしつつ、ひたすら嫌悪に耐え続けた。
 待ち望んだイヌイの姿が、桃子の泣き顔を自毛の光で照らしたのはそんなときだった。

「……。」
 言葉は何も出てこなかった。
 どこからか跳んで来て桃子の目前に、桃子の股間を啜る獣の頭上に降りたイヌイもまた、
無言で桃子と目を合わせた。そのまま桃子を掴む毛むくじゃらの手首を、片手で掴んで軽々ボキンと折った。

「ギャアあああっ!!痛えっ!腕がああ…っ!!」
「どうした兄弟…っ!ああっ!!」

 放り投げられた桃子の体をイヌイが抱きとめ、跳び退いた。桃子の黒髪が遅れてバサリと降りて揺れる。
一瞬強く肩を抱き寄せ、桃子を下ろすと、イヌイは再びヒヒに向かってジャンプした。
 イヌイの倍はある大きなヒヒ猿が、二匹そろって銀に光る犬に戦慄し萎縮する。

「げええっ!お前っその毛…っ!!」
「まさかっ銀狼のイヌイ……っ!?」

「ほお、俺を知っているのか。ならば文句はあるまいな。」
 イヌイは二匹を見上げると、毛を逆立てて、ぐおおおーーと咆哮した。
 洞の湯気が二つに割れ、壁際を一気に天井へ駆け上がると、そこから滝のように
ヒヒに向かって降りてくる。
「まずは一匹。」
 湯気の滝に押しつぶされるように、さっき腕を折られたヒヒが体をくの字に曲げ地面に膝をつく。
 目前に来たヒヒの顔を見て口を歪めてにたりと笑うと、イヌイはヒヒの両肩を掴んだ。
「まっ待て!待ってくれ!俺はただ腹が減って桃岩を…っ!」
「あれは、俺のだ!」
 ぐわあ、と大口を開けたイヌイの牙が輝き、ヒヒの額に突き刺さった。
 ぐぎゃあああ、と絶叫してヒヒの頭が割れ、血しぶきの中、半分になった頭が狂ったように
左右に振れる。
「兄弟ーーーーーっ!!」
 つれのまき散らす血の雨を浴びながら、残ったヒヒが絶望に叫ぶ。
 真っ赤な霧の中心で、青白く光るイヌイが両手で頭の無い猿の体を二つに、そして四つに裂いた。
細長くなった肉を端から口中に納めていく。バリバリと音を立て、ヒヒの巨体はイヌイに飲まれて
消えていった。
 血濡れた毛皮がさらに輝きを増し、イヌイが口から漏れたヒヒの血を啜りべろりと舌を唇に這わすと、
何事も無かったかのように美しく銀尾を光らせた。ただ足下にはところどころに血溜まりを残し、
黒々とした染みの地面が広がっていた。
 愕然と立ち尽くすもう一匹のヒヒが恐怖に震えて後ずさった。

「逃げるな。どのみちお前も食う。」
「ひっいいいいいっ!!」
 四つん這いになり、残ったヒヒが、来るなと叫びながら桃子に向かって突進して来た。
 壁際で事の成り行きを呆然と見守っていた桃子を、あっと言う間に組伏してイヌイを威嚇する。
「こ…こここ、この桃岩を返して欲しければ…っ。」
「返してなどいらん。もとより俺のだ。」
 イヌイの無慈悲な銀の瞳はヒヒだけでなく、一緒に見上げる桃子をも畏怖に震えさせる。

 同族喰らい、とタキジは言った。ではヒヒをも喰らうイヌイはなんだ!?身丈の倍はある
同じ妖獣をあとかたもなく喰らって、銀色の光を強め猛々しいこの大犬は…。

235102:2007/10/10(水) 02:07:32 ID:bca81gj/

 うつ伏せに組敷かれた桃子の上でヒヒ猿が悲痛の雄叫びを上げた。恐ろしさに震える桃子に
広げた口のその牙を向ける。人質にくわえて逃げる気だ。そう悟った桃子は意志強めて向かう
ヒヒの頭を思い切り後ろ足で蹴りとばす。ぎゃん、と犬のような声で吹っ飛ばされたヒヒ猿を、
イヌイが抱きしめるように胸で受け止めた。
「イヌイ、やめて!殺さないで……ああっ!!」
 強靭な爪を出した両手をブスリと胸に突き刺すのを見て、桃子は次にイヌイが行う行為を察して
顔を背けた。

 げえあああああっ!!と岩壁を震わすほどの最期の絶叫に、めりバリと肉が裂かれ
骨が亀裂する音が混じる。ずるりとぬめった物が引き出され、そしてそれをすする音が続く。
 桃子が察した通り、イヌイはヒヒの肉を開き肋骨を割ると、内臓を掴んでそれを弄び口に運んだ。
血は湧き出る泉のように吹き出し、桃子の足下をまだ温かい液体が這っていく。
 肉が屠られ、骨が砕かれるイヌイの口中の音を真上に聞き、桃子は目を硬く閉じ、耳を押さえて
がたがたと震えた。

 食べてしまった。イヌイは、あんな大きな妖獣を…!
 ああ、だけど、それは自分を助けてくれたのだ、と思い直して目を開ける。
 自分を包むイヌイの影を認めて上を向く。

 銀の光沢の瞳がじっと桃子を見ていた。
 さっきまでのヒヒと同じに、四つん這いに桃子に覆い被さっていた。
 食事を終えたはずの口元からダラダラと血の混じった涎を垂らし、イヌイの息は荒い。
 フンッフンッと速い鼻息も漏れている。殺戮と血の食事に興奮を抑えきれない獣がそこにいた。
 逆立ちかけた毛皮がわずかにざわざわとさざめき、銀の波を作っていた。
 帯びた光は強く輝き、美しいがそれはゾッとするような緊張を桃子に与えた。

 イヌイはじっと桃子を見ていた。
 やがてまだ、血の匂いを貯めたままの口を開いて桃子に言った。

「お前も食う。逃げるなよ桃子。」

 四つん這いのイヌイの足の間に屹立した赤黒い男根が、驚愕に目を見開く桃子を射るように、
狙いを定めこちらを向いていた。

・・・・・・・・・・・・・

「イ…イヌイ…。何これ…。」

 鋭利な銀の光を帯びつつ、以外にも柔らかいイヌイの腹毛が桃子の太腿から下腹に掠って温かい。
 だがその真ん中を割りにょっきとそそり立つ肉棒は、焼け石のように熱く硬く、赤黒いそれにさらに
黒い血管が、稲光のような模様で棒に添い張り付いていた。それがどくんと蠢くたびに、先端の傘が揺れ、
その亀頭の裂け目からぬるぬるとした透明の粘液が垂れる。
 桃子はそのテカる兜を鼻先に見て、理由もわからず身を竦ませた。

 怖い…!

 三本目の足のようにイヌイから突如生えたその肉の柱から、逃れるように後ずさる。
 だがイヌイも追って足を進め、桃子の腹にその柱を押し付け這わす。
 焼けるように熱いその昂りに思わず桃子が顔を背けた。
 震える白いのど元にイヌイの口角が持ち上がる。

「俺が恐ろしいか、桃子?」
236102:2007/10/10(水) 02:10:19 ID:bca81gj/
 低く、唸るようなイヌイの声色がいつもと違い、桃子は恐怖に震えつつも、懸命に首を横に振る。
「怖がっていいぞ。今から食うと言っただろう。泣いて、叫んで、逃げてみろ。」
「う…ううう。…ひっ。」

 ぬらぬらした棒の先端を、首から顎にかけて這わし、腰を揺らして桃子の頬にめり込ます。
 溢れる粘液を顔にぬすくられ、桃子はうめき声を上げた。

「嫌なら逃げてみろ。こいつを、俺を跳ね飛ばし、拒んでその身を守ってみろよ。出来るはずだろう、
桃岩ならば。」
「い…嫌…。」
「嫌なら逃げてみろ!!」
「嫌あ…っ!!」

 桃子を煽るイヌイの剣幕に身を震わせつつも、桃子は逃げなかった。
 逃げたくなかった。自分は、待っていたのだイヌイを。
 嫌であるはずがない。ただ怖いのだ。
 初めて見る、イヌイのこれが、怖いだけだ!

 どくどくと脈動する恐怖の対象である男根から逃れるため、桃子はうつ伏せに身を返し両手で
顔を隠した。イヌイは桃子の腰を掴み、かわりに露になった丸い尻肉を眼下に突き上げさせる。
尻の割れ目に熱い固まりを感じて桃子は、ああ、と叫んで息を飲んだ。
 後背位に獣の猛りを覚えて、桃子の女陰から一時に愛液が溢れ出た。
 どうして…!?と桃子が心で叫ぶと同時にイヌイの冷たい声がした。

「この淫乱。」

 聞こえた言葉にひくりと、桃子の背中がひきつれた。
 先走るイヌイの鬼頭の汁と桃子の漏らす液が混じりつつ、ずるずると肉棒は持ち上げられた
尻の割れ目を上下する。その下にある二つの秘穴がそれぞれひくひくと痙攣する。
 
「おぼこのくせに。あんなヒヒ猿にも濡れるのか。たいした泉だ。」
 あきらかに自分を蔑むイヌイの声に、冷水を浴びたように冷たく心が凍っていく。青くなった桃子の顔を、
大きく見開いた瞳からあふれた涙が伝い、それは熱かった。
 何かに突き刺されたように痛む胸を押さえて、桃子は嗚咽を漏らした。
 腰を掴んでいたイヌイの手が片方前に回され、おもむろに肉芽を捕らえて捻り上げた。

「やっ…ああああっ…っ!!」

 痛みに仰け反り、震える尻たぶをイヌイの大きな手のひらが、パンパンと音を立てて叩き上げる。
「ひいっ!く…っ、あっ、あっ、…ああっ!……わあああんっ!!」
 前の尖りをきりきりとつねられ、刺すような痛みが桃子を襲う中、激しく尻を叩かれそこから
かゆみに似た鈍い痛みが熱く広がっていく。
 桃子は小さい頃おばあさんから受けたお仕置きを思い出し、自分はなにか悪い事をしたのだと
とっさに思い、子供のように泣きわめいた。
「わああああんっ!イヌイっ、イヌイ…っ!ごめんなさい!許して!ごめんなさいーーっ!!」

 痛みに戦慄き、恐怖に震えて泣き叫び始めた桃子に、イヌイの興奮した息がはあはあと荒く
激しくなっていく。

 何がごめんだ!意味もわからず、この子供は…!子供のくせに…!!

 イヌイは尻を打つ自らの手の熱さに、ふと攻めを緩めた。
 桃子の肉付きのいい尻は、弾けるような若い肉を真っ赤に染めてぶるぶると震えていた。
 手のひらのしびれるようなかゆみに、その丸みを掴むと、肉棒をあてがった割れ目から
ひく付く菊門のしわがのぞき、それが可憐に小さくすぼまるのが見え、イヌイはごくりとつばを飲んだ。
 ひとたび腰を引き女陰をのぞくと、だらだらと愛液を垂らしたそこはぱっくり開いている。
 美しい桜色の秘肉に美味そうな白い淫汁が絡み付き、いやらしく蠢いていた。

237102:2007/10/10(水) 02:12:31 ID:bca81gj/

「うっうっ、ひあああん、あっあああん。」
 桃子は顔をくしゃくしゃに歪めて声も抑えず子供の嗚咽を響かせていた。
 このおぼこは…ッ!
 苛立と肉の興奮にイヌイは目をぎらつかせ、乱暴に桃子を仰向けた。

「逃げないならいつまでも泣くな鬱陶しい!」
 昨夜もぶつけられたイヌイの苛立に気づき、桃子はビクっと体を揺らせて口を閉ざした。
 ひっくとのどからしゃくり上げる音が漏れた。
「さっきヒヒに嬲られてたように大人しく喘いでいろ。」
 桃子の硬く結んだ唇が震えて、うう、と唸る声が漏れ出る。
 かまわずイヌイは桃子の両足を肩に担ぎ上げ、覆い被さるように桃子の腰に自らの腰をぶつけて
膝をつく。桃子の足の間からイヌイの太い肉竿は桃子の胸の谷間に頭を埋める。その谷間から
突き出された亀頭が桃子の上唇をめくるようにヌラリとなぞると、イヌイは一気に腰を引き
肉棒を宙に浮かせた。同時に桃子の足首を大きくV字に開いて、眼下に秘腔を露にする。
 その恥ずかしい体位に桃子が思わずイヌイを止めた。

「な…何をするの!?」
 その問いに答えは無く、イヌイはすでに張りつめた竿の先端のぬめりを、大きく暴いた
秘所の尖りになすり付けるように腰を動かす。
 先ほどつねられ敏感に尖っている肉芽が、粘つく淫液にくるまれ擦られるたび、途方も無い快感が
桃子の下腹に広がり、桃子は思わず甘い声を上げた。
 どっくりと吹き出した愛液を認めてイヌイが笑った。

「さすがだな、桃岩。さっきあんなに食われたくせにもうこれか!」
「待って、イヌイ!待ってお願い…っ!」
 蔑む声色に急になにかみじめな気がして、桃子はイヌイに乞うた。
「お願い…先に、口を啜って…。」
 震える声でせめてもの願いを告げた桃子を、銀の瞳が侮蔑の色を浮かべて見下ろした。

「あんなヒヒに吸われた後など、いらねえな。汚らしい。」
 桃子は大きく顔を歪め、口から声にならない悲鳴をあげて、勢いよく体を二つに折り曲げた。

「ーーーーーーーっ!!」

 膝をついてたイヌイの体がそのままの体勢で後方に吹き飛ばされ、岩壁に大きく背を打ち付けた。
 驚いたように惚けた顔で桃子は泣きながら身を起こす。

 汚らしい。
 イヌイに言われたその言葉だけが桃子の頭をぐるぐると巡り、絶望に心が折れる。
 うう、と唸り、桃子ははあはあと肩で息をしながら、四つん這いに動いて湯を湛えた岩場に向かった。
 頭から飛び込むように湯に転がり落ち、そのまま炭酸の小さなあぶくが体をなぞっていくのを、
慰めのように感じて湯に溶けた。
 汚らしい。
 私は…イヌイに…。
 温かい湯と同じ熱さの涙が桃子のまぶたを震わし、がぶがぶと桃子は湯を飲んだ。

238102:2007/10/10(水) 02:15:04 ID:bca81gj/

「桃子!」
 弛緩する体をイヌイが両腕ですくい、湯から引き上げる。
「嫌っ!!」
 
 ふたたびイヌイをはじき跳ばすと、桃子は急いで湯から出て、洞を振り返りもせず雨の林に飛び出した。

 冷たい雨が顔を打つのをかまわず桃子は山道を駆けた。小枝や笹の葉が股を打ち、裸足の足に時折石が
刺さるのをかまわず、闇雲に走った。
 どこかに沢が見えたらそこに飛び込もう。
 あんな優しい湯ではなく、痛いくらいに冷たい湧き水で身を清めたら、少しは綺麗になる気がする。
 そのまま体が冷たくなって淵に沈めば、またイヌイが。
 イヌイが助けてくれるだろう…。そうでなくても、それもいい。

 駆け抜けて来た道が目の前の大きな松の幹で行き止まりだと気づいて、きびすを返したとたん、
目の前にどすんと銀の獣が降って来て、桃子は松を背に追いつめられた。

「どいて。」
 小さく、だがきっぱりと言った。
「どこへ行く。」
「イヌイのいないとこ。」

 輝く光る長い腕が桃子を引き寄せ、またたく速さで顎を捕らえて、唇が重なった。
 んうう、と桃子はうめいて身をよじったが、びくともしないイヌイの腕に、正直な自分の体を
いじらしく思った。

 噛み付くように重ねられた唇が、少しずつ優しく緩み、何度か小さく桃子を啜って、
それから舌が入って来た。
 入り口で桃子の歯をなぞり奥歯に這わすと、その先で小さく縮こまってる桃子の舌を見つけ出し、
迷わず絡めて引き出した。舌の側面を撫でるように繰ったそれは、力が抜けた小さな弁の根元をくすぐり、
桃子は、ああん、と甘ったれた声を漏らして上気する。
 お互い息が上がり、唇を離して目を合わせた。
 名残惜しく舌をあわせたまま、はあはあと呼吸する息が、山の冷たい空気に白く濁った。
 イヌイの大きく熱い手のひらが桃子の頬を包んで、その上を桃子の涙が伝う。

「悪かった。」
 イヌイの謝罪に桃子は嗚咽を漏らした。

「お前は汚くなんか無い。本当だ。」
「嘘だ…。」
「嘘じゃない。」

 イヌイはその証拠とばかりに再び桃子の口を吸った。
 桃子は涙に疲れた瞳をとろんと漂わせ、吸われるに任せた。
 そのとき桃子の腹に硬く当たっていた熱い固まりが、びくんとその身を揺らし震えた。
 桃子は恐る恐るその肉棒に手を触れた。

 硬く、やけどするかと思うほど手に熱い。両手できゅっと握るとズクンとさらに大きくなり、
同時にイヌイの口から珍しく息が漏れた。

 あ…。
 桃子がひらめいてイヌイを見上げた。
「これ…マサルくんと同じ物だね?」
 頷くイヌイにそうか、と納得して桃子はマサルの言葉を思い出す。
「イヌイもこれ擦ると気持ちいい?」
「ああ。」
 擦るよりもっといい事があるが、と言いかけてイヌイは口をつぐむ。
 桃子はゆっくりと、マサルにしたように両手で握り、上下にそれをしごき始めた。

239102:2007/10/10(水) 02:18:42 ID:bca81gj/

「…大きい……。」
 すでに興奮状態にあったそれは、桃子の刺激にみるみるその身を伸ばし、再び先端から先走りの液を
だらりと垂らし始める。息を飲んでそれを見つめていた桃子は、そっとそれに触れ粘りを確認すると、
ぬるぬる溢れる液を亀頭に広げて、そっと傘の部分を撫でたり、裏の筋に指を這わせたり、好奇心のままに
いじりまくる。

「…もう、恐ろしくはないのか?」
 イヌイの声が少し震えてきこえた。
「何が?」
「俺が。」
 握り込んだ指を上下しつつ、イヌイに上を向かされ、桃子はまた唇を吸われてとろけそうに目を閉じた。

 イヌイの手が桃子の豊かに突き出した乳房を、両から挟んで持ち上げるようにたぷたぷと触れる。
 その優しい手つきにちりりと胸を焦がす。
 さっきあんなにも残忍に肉を裂いた同じ手が、私を撫でている。
 バリバリと骨を砕き妖獣を飲み込んだ同じ口で、私を啜る。
「…怖いよ。」
 桃子は正直に口にした。

「…でも好き。」
 桃子の手に焦れイヌイも自らの腰を動かし、両手の内の熱い肉棒の動きが速くなる。

「イヌイが…好き……。」


 急に背後の松の木に体を押し付けられ桃子は、ああっ、と声を上げた。
 桃子が握っていた肉竿は昂りに桃子の手から暴れ出て、はち切れそうに膨らんだ体を、
桃子の胸の谷間に押し入れた。

「イ…イヌイ…!?」
 イヌイは桃子の乳房を両手で脇からギュウと押さえ込み、己の欲望を柔らかな肉で圧迫する。
 形が変わるほど強く握られた乳房の間から、出たり入ったりする亀頭を目前に、桃子はどうしていいか
わからず、両手でずれる体を支え、イヌイの激しさに立ちすくむ。

 イヌイは獣の唸りを漏らし、猛りに任せて腰を振る。はあはあと、息を乱し桃子を呼んだ。
「口を開けて舌を出せ。」
 切ないようなうわずった、初めて聞くイヌイの声に、言われるままに口を開く。
 すべては入らぬ大きな兜を口中に差し込まれ、桃子は苦しさにうめいた。

 鈴口から溢れ出る先走りの液が桃子の口に粘る。
 それはわずかに甘く、桃子はおそらくイヌイが求めるように、懸命に舌を絡めて淫汁を舐めとった。
 再び棒の抜き差しがはじまり、突き出されるたびに桃子は亀頭をくわえて、健気に吸い上げ舌を這わす。
やがて桃子の唾液もまじりぬらぬらとてかりながら、リズミカルに抽送される肉棒は、これ以上は
裂けるとばかりの皮膚を張らし、浮き出た血管もグロテスクに、口に硬い。

 ああ、イヌイ、イヌイが…っ!
 桃子は目前と口中に感じるイヌイの限界に、自分も熱く昂り秘部を濡らして興奮する。
 弾ける……っ!!
 
240102:2007/10/10(水) 02:24:45 ID:bca81gj/
 
 うおおおおーーーっと咆哮し、イヌイが激しく腰を桃子の乳房に打ち付けた。
 とたんに何かが口中に熱く飛び出て、どくんと竿をゆらすと、さらに身を反らしそれを散らした。

「ーーー…っ!」

 イヌイは唸り、ひく付きながら、己の獣の猛りからはじけ散る白濁した液を、
二度三度と、桃子の顔に、胸に、そして口に放った。
 
 放つ瞬間、最も青白く輝いた銀の毛皮は激しく逆立ちイヌイの体を大きく、神々しく見せた。
 桃子はそれに見蕩れつつ、熱い雫を受け体を震わせた。

 はあはあと激しく乱れるイヌイの吐息が湯煙のように漂い、やがて満足に目を伏せる妖獣の顔を
桃子に見せた。桃子は震える手をそっと伸ばして初めて見るイヌイの赤く上気した顔を撫でた。
 イヌイもまた震えているように思い、桃子は目を細めて息を吐く。
 口端から垂れたイヌイの欲望の汁を慌てて舌で口中に納め直し、さらに口中に吐き出された
そのすべてをごくりと飲み下した。

「…あったかい。」

 桃子は胸に出され白く溜まったそれを両手にすくいとり見つめると、ゆっくり胸に広げるように
塗り付けた後、それを見守るイヌイを見上げて笑った。

 綺麗だ。桃子、お前は…。

 イヌイは思いがけず胸中に涌いた思いに、愕然として立ち尽くす。

 イヌイはまた強まって来た雨が桃子を濡らさぬように、その身を傘に桃子に覆い被さって、
しばらくそのまま動けなかった。

・・・・・・・・・・・・・・・・

                       今回はこの辺で

連投すみません。
他の職人さん、待ってますよう〜。
241102:2007/10/10(水) 05:18:49 ID:4mQqeZhX
ああ、最後の文頭、イヌイ、イヌイって続いてる…orz…
今までも他にもいろいろチェックミス、気をつけます、平にご容赦。
242名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 02:38:21 ID:C/OESajl
うおおおおきたああああ
桃子かわいいよ桃子。イヌイいいよイヌイ。
タキジの伏線も楽しみだーこの話大好きだよう〜。
243名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 02:44:25 ID:9Mzhs2al
こ、こいつはえろい……間違いない。102は神。
244名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 22:23:40 ID:ERKGzWrb
>102
新作もGJーーー!!!
あなたの話が読みたくてエロパロ来てるよ、自分。
いつもときめきとエロをありがとう!
245名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 16:58:44 ID:O4cHN2iz
遅くなったが超GJ!!いつも楽しみにしてます!!
246名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 22:04:11 ID:0rVS8qSo
102氏のSSが更新されてないか毎日このスレをチェックしてしまう…
102氏いつも素敵エロいSSトンクス
247名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 23:23:11 ID:jS2wLQoG
age
248名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 18:04:23 ID:nuvImUYU
桃子どこ〜?(´・ω・`)
249名無しさん@ピンキー:2007/10/30(火) 13:34:39 ID:HwkCxz/v
月末納品に追われる桃子は次の週末明けくらいに来ます〜。
250名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 02:27:05 ID:CSazzNo9
桃子がんがれ〜
251名無しさん@ピンキー:2007/10/31(水) 23:48:44 ID:JSfotcvW
忙しい桃子に
つリポD
252名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 07:13:58 ID:BeipsrRi
週明けたな…

wktkしながら待ってる
253102:2007/11/05(月) 18:42:16 ID:xFUDN1CI
240の続きです
・・・・・・・・・・・・・・

 岩窟に戻った桃子は、真っ先に奥に横たわる小猿に駆け寄り、無事を認めて安堵した。
 その眠っているたもとのかごに三羽の雉のヒナ。
 タキジとの約束を思い出し、桃子はためらいながらヒナのは入ったかごに手をやると、その振動に
親の帰宅を察したヒナ達がいっせいにピイピイと大口を開けて鳴き始めた。その声の大きさに慌てて
辺りを見回すと、タキジが置いていったのだろう粟の入ったすり鉢を見つけた。桃子は急いでそれを
ヒナが食べやすいよう砕きにかかる。と、不意にヒナの鳴き声がやんだ。
 振り返るとそのうを大きく膨らませたヒナ達は、イヌイの手のひらでもう眠りに入っていた。
「何をあげたの?」
「虫。」
 何の虫かはあえて訊かずに、桃子は黙ってすり鉢を置いた。
「このヒナはタキジさんとの約束で…。」
「聞いている。せいぜい大きく育ててやるんだな。」
 雨のせいもあってか、もう辺りは暗く陰りだしていた。
 早い山の夕暮れだった。

 「…冷めてしまったな。」
 イヌイはそれだけを言うと、黙って火をおこし、朝マサルが入れたみかん茶を温めながら、
水桶で手を濡らして、炊いてあった米を握る。
 ぼんやりとその様子を眺めていた桃子に、ヒナの次はお前だとばかりにイヌイは、大きなおにぎりを
口元に差し出した。
 桃子もそれをヒナよろしく両手をだらんと垂れたまま、大口をあけてかじりついた。
 受け取らずイヌイの手からそのまま食べ続ける桃子を、イヌイは黙って見下ろしていた。

 ザアッと強まる雨の音に当たりはいっそう暗くなり、イヌイの銀の光が強まったように見える。
 桃子は体のだるさも手伝い、今が夢の中にいるように錯覚する。
 鋭利な青白い光のせいだ。でも夢じゃない。
 口に温かく感じる米の甘みが、食堂を通り腹に落ちていく感覚が、空腹の桃子に現実感を与えてくれる。
 飢えて欲し、満たされて足る…おなかが空くってすごい。
 遠雷の音を夢うつつに聞きながら、その感覚にすがるように桃子は一心不乱に食べた。

 最後に残った米粒の一つをイヌイの指ごと口に含んで、舌を絡めてそれをしゃぶった。
 桃子の熱い小さな舌の感触にイヌイは不機嫌そうに眉根を寄せる。だがそれが不機嫌ではない確信が
桃子にはあり、それを確かめるように、指をくわえたまま上目でイヌイの顔色をうかがう。
「…そんなこと、どこで覚えた。」
 イヌイはそのまま桃子の舌を引っ張り、生意気だ、とばかりに指ではじいて桃子にキャン、と
声をあげさせた。
 子供のくせに。なんだその扇情的な仕草は。
 イヌイは苛つき桃子に背を向ける。
「もっと。」
 背後の声にイヌイの毛皮がさざめく銀の波を立てた。
「もっと欲しいイヌイ。」
 柔らかい固まりに背中から抱きつかれて、イヌイはさっきより小さいおにぎりを大きな手のひらで
器用に握る。振り向いて、ほら、と口に押し込んでやる。
 不自然に素早く引っ込めたイヌイの手を桃子が笑った。
 それでイヌイは本当に不機嫌になった。

「勝手に温めて食って寝ろ。」
「どこにいくの?」
「…おまえのいないとこ。」

 意地の悪い言葉を残して銀の獣は雨の中へ消えて行った。
 その後ろ姿に桃子はつぶやく。
 意外だ。
「…イヌイ、照れ屋さんなんだ。」
 そうして自分も顔を赤らめた。
254102:2007/11/05(月) 18:43:49 ID:xFUDN1CI

・・・・・・・・・・・・・

 イヌイが好きだ。
 
 言葉にし、自覚した気持ちを桃子はあらためて認める。
 あの粗野で意地悪で性格の悪い大犬が好きだ。
 荒々しくて凶暴でヒヒ猿を二匹も問答無用に引き裂いて食った、あの恐ろしい妖獣が。
 だがあの猛々しい腕は美味しい物を作り出す。私を力強く抱き寄せる。
 器用な指に撫でられると切なくて、誰にされるより蜜が溢れる。
 何でも知ってて頼もしくて、時々優しくて。
 ……好き。

 そのイヌイが見せた愉悦の表情が桃子は忘れられない。
 あの恐ろしい肉の柱から飛び出た白濁の雫は熱く、それはそのままイヌイの情熱のようで、
体に浴びて震え、口中に出された物も吐き出すなんて出来なかった。残さず飲み込んで、桃子は嬉しかった。

 私もイヌイを食べちゃった!私もイヌイを夢中にさせる事が出来たよ!
 またしてあげたい。して欲しい。私にあの切なげに上気した顔をまた見せて欲しい。
 欲しい、と言えば、約束通り拒まずに…くれるだろうか。

 桃子は忌々しそうに雨に逃げたイヌイを思い出し、口端を持ち上げる。
「あんな顔見られて、恥ずかしかったのかな…。」
 くすくすと笑いながら、桃子はすっかり冷めて硬くなった鱒を焼き石に乗せて、命じられた通りに温める。
 ムニエルに仕立てた鱒の香ばしい匂いが桃子の鼻を刺激し、ぐう、と腹を鳴らせた。
「夢じゃない。」
 空腹に再び現実感を取り戻して、桃子は嬉しくてたまらない。
「イヌイ…。」
 好きだよ。もっと、あなたが知りたい…。
 思いがけず見た、興奮に猛るイヌイの姿に、それを桃子にぶつけて悦楽した顔に、イヌイとの距離が
縮まった気がするのは気のせいとは思えない。さっきおにぎりを食べさせてもらった時のあの微妙な空気が
それを確信させる。それに耐えきれず逃げたイヌイにも、今までとは違うなにかを得た気がする。
 だからもっと…。

 今朝目覚めたときと同じくイヌイの不在の岩窟で、なお降り続く雨の隙間をぬって闇が降りてくるのを
桃子は一人で、ただ見つめた。
 肌寒く思わないのは、目の前でパチパチと薪をはぜさせる、たき火のせいだけでは決して無かった。
 
255102:2007/11/05(月) 18:47:14 ID:xFUDN1CI
・・・・・・・・・・・・・

 逃げたのではない。
 俺はただ、後始末をしに出たのだ。

 イヌイは誰に言い訳するでも無く、何度も心で繰り返していた。
 逃げたわけじゃあ…。
「ちっ、案の定か。」

 温泉の洞窟に戻ったイヌイは、自分のつけたヒヒ猿の血の染みの地面を手前に、奥の壁下に伏せるように
とまっている、黒い蝶のような羽虫を見つけて舌打ちした。そこイヌイが桃子を追いつめた壁際だった。
「妖魔も落ちぶれるとみじめなものだな。ヒヒの食った残り汁で生き延びるか、情けねえ。」
 近寄るイヌイに気づいて黒い蝶は広げていた羽を畳んで、ゆらりと殺気をまとう。
 ーーー誰の所行だと思っている、業外の妖獣が…ーーーー
「ふん、なにげに大きく育ってんじゃねえか。俺の食い後にハイエナしてるのをちゃんと見逃してるだろう。
桃子の雫は地に残ったもんでも、十分うまいだろうよ。」
 挑発しておきながら、イヌイは妖魔を無視して手前の地に四つん這いに口づける。
 ズゾオオッと奇妙な音をさせて、地面に黒々と染み残ったヒヒの血があっという間に消え去り、
地面は元の明るい土色に戻った。イヌイは立ち上がり、舌なめずりをすると、わずかに銀色の光を強めた尾を
その地に打ち付けゲップをもらす。
 ーーーさすが、ハイエナはお得意ってわけだな狼ーーー
「残さず食う行儀の良さを誉めろよ。残飯あさりがすんだなら失せろ、目障りだ。」
 ーーー銀狼…調子に乗るな、おまえも今に…ーーー
「失せろ。」
 イヌイが毛皮の光を強め、わずかにその身を膨らませるのを見て、妖魔はバサリとその羽を羽ばたかせ
そのまま洞窟の闇に消えて行った。
 それを見送りもせず、イヌイは自分の啜った地面に視線を落とし、小さくため息をついた。
「…美味かったぜ。」
 日暮れに際し、徐々に深まる闇の中、イヌイの毛皮の青白い光がぼんやりと岩壁に反射している。
 雨音と共に時折ゴボリと温泉の湧き出る音を聞いて、イヌイは着物を脱ぎ捨てると、湯煙を
光らせながら温泉に身を沈めた。

256102:2007/11/05(月) 18:50:50 ID:xFUDN1CI

 どうかしている。
 イヌイは温かい湯に硬く力んでいた肩までつかり、大きく息を吐いた。目の前の湯気が二つに割れ、
自身の伸ばした足を見る。股間の一物は今啜った血のせいで、湯の中にありながらわずかにその存在を
主張して毛から覗く。猛りは発情期の動物の性だ。だが…。
 
 ーー俺以外の妖獣の補食は嫌だとか言うなよ、桃岩が。
 そう言ったのは俺ではないか。
 どんな妖獣、妖魔にも、基本的には体を開いて餌になるのがお前達一族の生き方だと。
 見ず知らずの通りすがりの妖しにも応えるように出来ていると…。
 なのに俺がヒヒを食ったのは…。

「なんと美しい。光る獣が入ると湯全部が光るのですね。」

 涼しげな声とともに湯煙の間からふわりと降りて来た妖しは、下からの光でその妖艶な顔の怪しさを
さらに強めて笑った。さしずめ銀の湯といったところでしょうか、と鬼のタキジは心から感服したように言った。
 湯煙を乱さず目前に浮かぶタキジに、どうやって羽ばたいているのかとイヌイも感服しつつ、だがうんざりと
目をやった。
「さっきはありがとうよ。マサルを助けてくれて。恩に着る。」
「そんな顔ではないようですが。まあ、恩を着せられてくれるわけですね。」
 くすくすと、いつもの笑いをこぼしタキジは、湯の中から飛び出た岩に腰掛け、昼間と同じく裾をめくって
鱗の足を湯につけた。

「あの桃岩を、どうして食べなかったのですか?」
 にやにやと笑いながらもタキジは目を伏せ、自分の足が光る湯を揺らすのを眺めている。イヌイの光を
中から広げて輝く湯は、その炭酸の小さな光をキラキラさせながら、揺れる波をも光らせ美しい陰影を
湯気に照らしている。タキジは己の投げた質問よりも、その美しさに夢中になっているようだった。
 理由はともかくこちらを見ないタキジの様子に、イヌイは口を滑らせる。

「泣いていたからな。泣いてる桃岩は不味い。」

 自分が自分のために用意したその理由を、口に出して誰かに言いたかったからかもしれない。
 返ってはこないだろうとふんでいた返答を得て、タキジは少し驚いた顔を見せてようやくイヌイに
目を合わす。思いがけず大犬は心細げにタキジを見ていた。

「おやおや。」
 タキジは面白い事が起きている、とばかりに急に興味をイヌイに移して、さっきまで夢中になっていた
湯の光に向けていたのと同じ目を、ぼんやり脱力したその妖獣に向ける。

「銀狼のイヌイともあろう者が、ずいぶんグルメな事を言う。」
「俺を知っていたのか。」
「有名ですからね。金猿のサルトルに銀狼のイヌイ。あの子猿はサルトルの子ですね、桃岩が産んだ…。」

 パシャンと音をさせ、イヌイが湯をすくって顔に浮き出し始めた汗を洗う。その雫でキラキラと
湯の表面が光を放ち、タキジは目を細めてそれを眺めた。

257102:2007/11/05(月) 18:54:12 ID:xFUDN1CI

「だから不思議に思い訊いているのですよ。どうしてあの桃岩を食べないんです?せっかくの発情期に。
泣いてたとはいえ、あの桃岩もまんざらではなかった…。」
「食うとも。ただまだ…。」
「まだ?」

 からかいを含んだ声色にイヌイがはたと口をつぐむ。
 こんな鳥鬼に何を話している、俺は。

「まだ子供だからですか?」
 くくと笑うタキジを無視して、湯から出ようと立ち上がる。
「あれはまだおぼこでしょう?初食いしなくていいんですか?有利ですよ。最初に迎え入れた物の印象が
やはり強いですからね。桃岩は誰の形状にも合わせるように出来ていますが、感覚と印象だけはどうにも
ならない。サルトルの子を産んだ桃岩も、結局はあなたではなく、初めてをまかせたサルトルを選んだのも…。」

 ザバアアッと音をたて、湯の固まりが宙を飛んだ。湯煙を切り裂いてそのままタキジの座っていた岩に
ぶつかり、水玉はイヌイの光を散らして辺りは一気に明るくなった。
 その明かりが高く飛び上がったおかしげに笑うタキジの顔をイヌイに見せて、イヌイはさらに不愉快を強めた。

「桜桃がサルトルの子を産んだのは、あいつが初めてだからじゃねえ!!」

 子供のように声を荒げるイヌイに、タキジは上空から文字通り高笑いして言った。
「あははは!まさかあの醜い桃岩が忘れられずに…なんて操を立ててるわけではあるまい?
それはそれで美しく、私の好みではありますが。」

 イヌイの銀の毛が天を突く勢いで逆立ち、光は鋭さを増し闇を裂いた。
 それをいっそう面白そうにカラカラ笑って、雉は美しい尾羽を揺らして自らの羽に光を受け悦に入る。

「より好んでる余裕のないはずの狼犬が、何を躊躇しているのだか。泣かれるのが嫌なら先に
食ってあげましょうか?鬼は相手を選びませんから、飽きたら譲ってあげますよ。その頃には
たとえ泣いてもそれは快楽の涙でしょうし、グルメな犬にも甘露でしょうよ。あはははは!」
 グオオウッとイヌイが咆哮し、ヒヒの時と同じく湯煙を持ち上げタキジを狙う。
「沸点が低い妖獣だ。コワイコワイ。はははは!」
 優雅な動きと反した速さで湯気をよけると、タキジはそのまま苦手なはずの雨の闇に逃げていった。

 洞窟に一人残されたイヌイは、ハアハアと肩で息をしつつ湯の真ん中に突っ立って闇を睨んだ。

「鳥鬼タキジ…。」
 厭なやつだ。俺が桃子を食わなかったのを、その理由を…。

 自分よりも知っていそうなタキジを、イヌイは心から忌々しく思った。

・・・・・・・・・・・
258102:2007/11/05(月) 18:57:42 ID:xFUDN1CI

 桜桃は川で溺れているのをサルトルが助けた桃岩の子供だった。
 お世辞にも可愛いとは言えない、体つきも貧相で、ささやか過ぎる胸の隆起の片方には大きな
茶色い痣があった。ああ、これでは…、とサルトルが言ったのだ。

 ーーこれでは俺たちが愛してやるしかないようだな。
 俺たちはモテるし桃岩ちゃんには不自由しない。
 だからおまえのようなブスな桃岩ちゃんは、かえって珍しくて面白い。
 ちゃあんと食わせてあげるから、おまえもビクビクしたりしないでいい。
 ほおら、もっと。桃岩らしく横柄に、俺たちにふんぞり返っていいんだぜ。

 ブスったれてニコリともしない子供が、美味しいものにその身を健康に太らせ、少しずつ
笑うようになり、柔らかに微笑むまでになっていったのを俺は横で見ていた。
 そうさせたのはサルトルで、俺はただサルトルに頼まれるままに桜桃をもてなし、優しくし、
補食を手伝い、発情期にはその身を食った。
 それだけだ。
 すべてサルトルの通りに…だから、桜桃がその眼差しをサルトルに向けているのは当然のことだった。
 たとえ先に桜桃を食ったのが俺だったとしても、それは変わらなかっただろう。

 ーーありがとうね、イヌイのおかげで私は…ーーー
 桜桃の優しげな笑顔はもちろん俺にも向けられた。
 だが違う。俺は何もしていない。ただ横で二人を見ていただけだ。

 見ていた…とても不思議に思いながら。

 俺が桜桃を食うのを見守るサルトルの突き刺すような目を。
 その他の妖獣に屠られる時間を酒を飲みやりすごし、それでも苛つく金猿を。
 その後、必ず彼に寄り添い体を預ける桜桃を。
 やがて何もしゃべらなくなっていく二人を…。
 
 耐えきれず逃げるように、二人のもとを発った朝も雨が降っていた。
 桜桃が岩になり、マサルを産んで砕けたと聞いた夜もそうだった。
 だからではない。
 雨の日にこんな気分の波が揺れるのは、雨には妖術が陰る、すべての妖獣の性質のためだ。

 湯から出て着物を着た。だが桃子とマサルの待つ下の岩窟に戻る気になれず、イヌイはその場に立ち尽くし
雨を眺める。吐く息が白くなびき、自身の欲望を思い出す。
 なぜあのまま桃子に突き入れ、食わなかった?食えなかった…!?
 あの鳥鬼の言う通り、おぼことわかったときから、はじめからそのつもりだったくせに。

「…くそっ。」

 イヌイはあれからずっと耳に残っている、桃子の小さな声を振り払うように首を振った。
 ーー好き…。
 それは昔聞いた桜桃の声と重なり、イヌイは唇を噛んで口惜しさに唸る。
 何故死んだ、サルトル!?今聞きたい、お前はどうやって…。
 俺は、…俺はヒヒを食い殺した…。

 ーーーイヌイが好き…。
 
 身勝手に放った白く濁った欲望の粘りを、胸に塗り付けて微笑んだ、いたいけな少女の顔。
 バカな子供だ桃子…お前は。まだ、何も知らない…。

259102:2007/11/05(月) 18:59:59 ID:xFUDN1CI

・・・・・・・・・・・・

 イヌイが重い足取りで岩窟に戻ると、マサルが起き上がって火をいじっていた。

「あっ、おかえり〜イヌイのおじちゃん。温泉ゆっくりつかれた〜?」

 その言葉でタキジが来たのだと察したイヌイは、桃子の不在に毛を逆立てる。
「桃子お姉ちゃんはねえ〜、タキジのお兄ちゃんと一緒にお散歩してくるって。すぐ戻るっていってたよ。
タキジのお兄ちゃんも『雨だから遠くには行きません、この上の一本杉の梢くらいまでしかね』って
イヌイのおじちゃんに伝えてだって。みんなが僕を伝言係にしちゃってやんなっちゃう〜。でもびっくり
したよう、ヒヒ猿イヌイのおじちゃん食べちゃったんだって〜?僕も食べたかったよう。残してくれたら
よかったのに〜。」
 すでに元気を取り戻してよくしゃべるマサルに、イヌイはため息を吐き隣に座った。
 マサルの頭をくしゃくしゃと撫でて大丈夫か、と一応訊く。

「ぜんぜん、元気〜〜!!僕食べられちゃうところだったんだってねえ!タキジのお兄ちゃんが
助けてくれたんだってねえ!いいなあ、鳥!飛べるなんてすごいよねえ〜!」

 おそらく桃子を抱いてタキジが飛んでいったと思われる、雨の林の向こうを眺めて羨ましげに言う
マサルの首根っこを掴んで、イヌイは無理矢理小猿を懐に抱きしめた。
 きゃあい、と嬌声をあげて笑ったマサルだが、珍しくぎゅうと抱きしめられたことを不思議に思って
イヌイの顔をのぞく。

「おじちゃん、どうしたの?」
「…おまえは、父親にしか似てないな。」

 マサルの顔を懐かしく眺めながら、包むようにイヌイは撫でた。
「母ちゃんブサイクだったから似なくてよかったって、父ちゃん言ってたよ。」
 身もふたもないマサルの言い草に、イヌイは笑ってバカと言った。

「サルトルは照れ屋だからそう言ったのさ。ブサイクじゃない、お前の母ちゃんは…綺麗な女だった…。」

 つぶやいて目を伏せたイヌイを見て、マサルはへへ、と笑ってそうなんだと抱きついた。
 そのまま小猿を抱いて横たわったイヌイは、岩窟の入り口からのぞく小さな空を見やった。

 ーーこの上の一本杉の梢くらいーーにいるから来るなら来い、ということか。

 タキジの伝言にイヌイは一瞬迷って、そして行かない方を選んだ。
 ついて行ったのならお前の責任だ、桃子。いっそ姦られてくればいい。
 その方が俺も…。
  
 イヌイは昼間、泣きながらヒヒに嬲られていた桃子を思い出し、だがそれを打ち消すように
ぎゅっと目を閉じた。
 妖鳥の愛撫は巧いらしいし、なによりアレが痛くないと聞いている。少なくとも下卑たヒヒや
猛った大犬よりはましだろう。それにタキジは鬼だから…。

 俺の目的の邪魔にはならない。ならばいい。
 ならば…いっそ、いいはずだ。

 誰に聞かせるでもない言い訳を、イヌイは繰り返し心に唱え続けた。

・・・・・・・・・・・・

260102:2007/11/05(月) 19:05:21 ID:xFUDN1CI

「約束を確認に。それから見せたいものがあります。」
 
 雨の中を飛んで来たくせにまったく濡れていないタキジは、それでも見えない水滴を振り払うように、
美しい長い玉虫色の髪を揺らしてそう言った。
 満腹にうとうとしていた桃子は、物音にイヌイが帰って来たと思い嬉々として顔をあげたので、
タキジの姿にがっかり肩を落とすのをうっかり隠せずタキジを見上げた。
 自分の預けたヒナのような、そんな桃子の様子にタキジは、犬は温泉に入ってましたよ、と笑う。
 桃子は心を見透かされたようで恥ずかしく、顔を赤らめながらも、ふうん、とそっけないふりをした。
 マサルを助けてくれた礼を言うと、名前に反応したのか小猿が目を覚まし起き上がってきた。
 心配していたマサルが思った以上に元気そうなので、桃子はタキジと共に雨の夕刻の闇に外に
出ることにした。タキジとは話す必要があったが、桃子はそれをなぜだかイヌイに見られたくはなかった。
雨だから、近くの濡れない場所まで飛びますよ、というタキジの言葉で、桃子は促されるままタキジに
横抱きにされた。

 細腰の頼りなげなタキジだが、それでも男のせいか鳥鬼のせいか、その腕は見かけによらずがっしりと
安定して桃子を支えた。だが桃子は万が一にも振り落とされないようにタキジの襟元にしがみつき、
それでもたまらず、最後にはその身を押し付けるようにぎゅうと首に抱きついていた。

 木々が、山が、山々が、みるみる小さくなっていく。
 悲鳴をあげる間もないスピードで、タキジは垂直に上昇し、雨雲を突抜け、ぽっかりと雲海の上に出た。

 沈みかけた夕日が西の空を赤く赤く染め、燃えているような雲は果てが見えずに続いている。
 あおげばそれを包み込むような広い空が、どこまでも遠く澄んだ紺色を徐々に静かに深めていた。
 明るく光る星が一つ、二つ、やがて次々に光を灯して数千の光が桃子を囲んでいく。
 知らない世界がそこにはあった。

 荘厳さに恐怖も忘れて桃子はぽかんと口を開けて、その景色に見蕩れた。
 すっかり陽が沈み、星が見慣れた夜の様子を見せ始めた。
 タキジは桃子に景色を堪能させるように一言もに声をかけなかったが、暮れきる直前になり、
そうそう、と口を開いた。

「見えますか。あの陽が落ちた端に見えるのが鬼が島です。」

 驚きにタキジを振り返り、慌ててその陽が沈んだ方を見る。わずかに小さく鋭利な山頂が
雲海からのぞいていたが、やがて陽が沈みきり、闇に飲まれて見えなくなった。

「あれが鬼が島…。」
「ええ、我らの故郷です。」
「えっ?」

 聞き間違いかとタキジを見る。
 横抱きのまま首にしがみついている桃子は、間近にタキジの黒々と深い闇の瞳を覗く。
 顔に刺された五色の刺青が、謎掛けのように桃子にせまってきた、と思った。
「我ら、の故郷ですよ、桃岩さん。だから、あなたに見せたかった…。」
 ごく自然に唇が重なり、ついっと軽く吸われた。
 大きな棗の瞳を丸くさせる桃子を、タキジはその薄い唇からぺろりと舌を出し笑った。

「鬼が島は桃岩で出来ているのです。知りませんでした?」
 何事もなかったように話すタキジに、桃子も今のはただ肌がぶつかっただけの気がして、
それよりも聞いた衝撃的な情報に、うんうんと首を縦に振る。
「妖獣と人の子…半妖の鬼のほとんどがあの島に住んでいるのは?」
「それは知ってる。私、はじめは鬼だと思われてて、鬼が島に行くように言われて村を
追い出されたの。」
「なるほど。その途中で銀狼のイヌイに逢って、桃岩だと知ったわけですか。」
「タキジさんはイヌイを知ってたの!?」
「有名です。ただでさえ強い、絶滅危惧種の妖獣の中でも彼は特別強い。最後の一頭は無敵と
言われていますからね。」
261102:2007/11/05(月) 19:07:50 ID:xFUDN1CI

 桃子はさらに驚いてぽかんと口を開ける。
「犬じゃないのイヌイ!?」
「狼ですよ。見たらわかりませんか?あんな猛々しい犬、犬も迷惑です。」

 涼やかに笑い、タキジは開けたままの桃子の口に再び自分のそれを重ねると、同時に舌を差し入れ
桃子に絡めた。
 今度はさすがに桃子も自然とは思えず、慌てて口を閉じ顔を背ける。だが追って重なる口端から、
再び舌を差し入れられると、不思議に心地よい感触に桃子は思わず声をもらした。

「あ…んん、や…何を…っ。」
 気づけば抱かれた手の一方が、そのまま桃子の胸に伸び、着物の合わせにすべりこみ柔らかな肉を揉む。
 ひああ、と声を出して桃子は仰け反った。
 前もそうだったと思い出しながら、一気に溢れて来た股間の泉に恥じて顔を赤らめた。
「ふふふ。本当に、感度のいい。私の手はそんなに気持ちいいですか?」
 尋ねながらも自覚しているタキジのビロードの指先が、躊躇も無く乳頭を捕らえて優しくなで上げる。

「だめ…タキジさん、…あっああっん!」

 いかんともしがたい快楽の波が立ち、桃子は息をあげながらも、慌ててそれを拒もうとタキジの肩を掴んだ。
突き飛ばそうとしたその瞬間、お忘れですか?ここがどこか…、と耳元でささやかれ我に返る。
 夜空に浮かぶ桃子を抱いたタキジの足下に地面はない。どこまでも続く、どれほどの厚さかもわからない
雲の絨毯が眼下に広がるばかりだった。
 突き飛ばして、飛べるタキジはいい。困るのは桃子だ。

「タ…タキジさんっ!」
 放り出され落下する想像に身震いして桃子は、タキジに哀願するよう抱きついた。
「ああ、困りましたね。そんなにくっつかれると、愛撫出来ないじゃないですか、桃子さん。」
「しないで、お願いっ!」
「どうしてですか?桃岩なのに。」

 胸を諦めたタキジの腕は、しっかり抱きついている桃子をいいことに、支える役目を放棄して
下半身に滑る。丸い尻を軽く撫でたあと、その手は着物の裾を大きく開いて、そのまま片方の太腿を
尻から掴んで足を割る。否応無く落ちないよう、桃子は自らタキジの腰に足を絡めてしがみつく形になり、
ダッコされた桃子の尻をタキジの両手が着物をめくって撫でさすった。

「ああっ、嫌っ!!怖い!…やっ、やだあっ!!ばかあ!いやああ…っ!!」

 タキジの手は後ろから桃子の大きく開いた女陰に伸びた。ゾロリとした快感に、一瞬高所の恐怖も忘れて
桃子は喘いだ。
 ヒヒ猿の時に比べて嫌悪感も何もない。タキジの指は触れた場所から快感を引き出し、桃子は
みるみる高みに駆け上がる。股間の雫はドウッと音をたてて溢れているようにさえ感じる。

 どうして簡単にこんなになってしまうのだろう。

 嫌だ!気持ちいい!!気持ちいい、が嫌だ!だってそれはイヌイが教えてくれた…っ!

262102:2007/11/05(月) 19:11:08 ID:xFUDN1CI
 つぷりと水を湛えた泉の穴に、いきなり二本の中指が埋まる。
 そのまま強く淫芽をタキジの腹に押し付けるように尻を揺さぶられ、桃子の体を稲妻が駆け抜けていく。
 脊髄が快感を充たし、桃子は額から声をあげて戦慄いた。
 恥じる事も、抵抗する間も与えられず、桃子はあっけなく達した。
 
 両腕をタキジの首に回したまま、顔をタキジの鎖骨に埋める。
 ハアハアと息を乱した自分の吐息で顔を湿らすと、乾燥につれた皮膚が少し緩んだ。
 タキジの指はまだ自分の中に収まったままで、収縮する自分の肉を感じて桃子は泣き出した。

「何故泣くんです?気持ちよかったのでしょう?」
 ぶんぶんと首を振った。
 両手足でタキジにしがみついたまま、桃子は嗚咽を漏らして身を揺らす。
 するとまだ中に収まったままのタキジの指が桃子を刺激し、ぎゅうと締め付け、さらに愛液を溢れさせた。
「うっ…うう…っ、お願い…ゆ、び…抜いて…。」
「ふふ。イイ、のでしょう?いやらしい桃岩さんだ。もう一度イキますか?」
 膣の中のタキジの指がくにゅりと蠢き、桃子の腹側にしこる肉壁を擦る。イヌイにも一度擦られ、
漏らしたようにびしょびしょに濡らしたあの場所を、どうして知っているのかタキジも的確に捕らえて
擦り上げる。

「いやあっ!そこダメぇ…っ!ダメえぇーーっ…えっえっ…ううーーー。」

 さっきとは違う鈍い感覚に、それでもなにかが突き抜け、びしょびしょと水っぽい淫汁が
タキジの上下する指の激しさに雫を散らす。そのままピストンする指の片方を抜いたタキジは、
腹に押し付けていた陰核を指で摘んでぐりぐりと押しつぶした。

「あーーーーーーっ!!」

 立て続けに再び、さらに高い絶頂に達して、ガクガクと身を痙攣させ、桃子は涙に濡れる顔を
くしゃくしゃに歪めて声無き慟哭にのどを震わせた。
 桃子の中に突き入れた指をなおもくちゅくちゅと繰りながら、タキジはさっきと変わらぬ声で再び尋ねた。

「びしょびしょですね、桃子さん。桃岩はこうして妖しの餌となる。それがあなたたちの一族の
生き方であり、宿命です。こうされることであなた達は成長し、経験を積んで大人になっていくのですよ。
だから、これが気持ちいいようにあなたの体は出来ているでしょう?なのに何故泣くのです?」

 ひっくとのどを鳴らし、桃子は小さく嫌だ、とつぶやいた。

「イヌイじゃないと…嫌だ…っ。」

 待っていた答えにタキジは瞳を輝かせ嬉々と笑った。
「でもイヌイさんは来ないですね。ここで私があなたにこうしている事を彼は知ってるはずなのに。」
 再びひっく、と音が漏れる。肩を一度大きく上下させて、桃子はタキジを見あげた。
「知ってますよイヌイさんは。でも、来ませんね。」

263102:2007/11/05(月) 19:13:45 ID:xFUDN1CI
 泣き濡れた瞳を陰らせていく桃子を、にっこり微笑み眺めつつ、タキジは自分の腰を桃子の尻に
押し付けた。
 細長い棒のような尖ったものが突き出ており、桃子の尻の頬に刺さった。
「恥ずかしながら私のこれはイヌイさんはおろか、マサルくんにも及びませんが。」
 その言葉で桃子はそれが何かを知る。
「鳥ですからそれは仕方がないので、別に気にしちゃいませんが。」
 タキジは桃子からずるりと指を抜いた。その感触にもうっかり声を漏らしながら、桃子はその
抜いた指にからんだ粘液を舌でねっとり舐めとるタキジに、おにぎりを食べる時自分がイヌイに
してみせた行為を思い出して胸を苦しくさせた。

 あの時は、自分とイヌイが何か変わったと…心が近づいたと思った。
 少なくともあんなに激しく自分を求めて、その後照れて逃げたあのイヌイなら、きっと、
知ってたら助けに来てくれる…。

「さすがに指よりは太いので、少しは痛むかもしれません。」
 言ってる意味が分からず、桃子は問うようにタキジを見た。
「でもあの銀狼の凶暴な肉茎をいきなり入れるよりは、確かにはるかにましでしょうね。
泣いてる桃岩は不味いから食わなかったと言っていましたよ。そんなにあの狼がいいのなら、
今はいいけど、彼のときは泣かないように我慢が必要ですね。」
 そうしてタキジは桃子の尻肉に突き刺していた己の棒を、先ほど指を抜いた秘壷にあてがった。
 指を抜いたあの場所に、これを差し入れるつもりだ。
 ひらめいて、桃子は愕然とした。

 イヌイのあれも本当はそのつもりで…。
 でも私が泣くから興ざめして…?
 照れだと思ったあの顔は、本当は不服で不愉快をあらわにしたものだったの…?
 では本当にイヌイは知っているのだ。桃子がここでこうしてタキジにされている事を。
 それから今からされるだろうことを!
 自分がそれを桃子にするときに、泣かれたり面倒がないように、タキジに先にさせるのだ!
 知っていて…!させてるの…!平気なの…!!

「入れますよ。」
「う…わあーーーーーっ!」
 
 ドンッ!!と思い切り両手で、足で、タキジを突き飛ばし、桃子は一瞬宙に跳ね上がり、急速に落下した。

 自分の体がただの固まりになり、加速をつけて落下するのを、桃子は遠くから眺めているように感じた。
 哀れな、思い上がった岩でしかない自分だった。

 最後の一匹である特別な強さを誇るあの狼に、どうして愛される事を望んだり出来たのか。
 バカみたい。バカみたいだ私。イヌイを満足させられたと思った。あんな事くらいで。
 私なんて、ただの岩なのに。
 誰にでも濡れる、淫乱な、ただの餌なのに…!
 恥ずかしい。私は私である事が恥ずかしくて悲しい。
 このまま砕けて散ればいい…!!

 灰色の雲を抜け、それがみるみる遠ざかっていく。
 強い空気の抵抗を背に受けながら、その様子をただ瞳に映した。

264102:2007/11/05(月) 19:24:56 ID:xFUDN1CI

 ああ、雨は…、もう降っていない。
 さっき見た星空もやがて姿を現すだろう。
 あの小さな明かりがけなげに光るのを、もう一度、見たかったな。
 …イヌイと。
 
 そう思った瞬間。
 ガツンッと強い衝撃が背中から貫くように腹に抜けた。
 その反動で桃子は両手足を大きく跳ね上げながらも、体はそのままなにかに固定され動かなかった。
 うぐうっと呻く自分の声が、背中のそれと重なり、桃子は目を開けた。
 開けたとたんに視界に広がる光に刺されたその瞳から、だらだらと止めどなく涙があふれて、
自分を包む青白い光はさらに拡散して増した。

「う…ううーーっっ…!」
「自業自得だろう。泣くな、鬱陶しい。」
「イヌイ……っ!!」

 自分を受け止めてくれた、逞しい肉の壁にすがりつくように抱きついた。
 既に見慣れた銀色の光を放つ毛に顔を埋め、わあっと泣き声をあげる。
「泣くな。」
 繰り返すイヌイの声は、だが苛立っても怒ってもいなかった。
 それでも桃子の細い肩があんまり震えて止まないので、イヌイはその小さな頭を懐にかき抱いて
何度も頭を撫でてやった。
 もう片方の手に掴んだ杉の高枝は、桃子を受け止めた衝撃にぼっきり折れて、そこだけ空を覗かせている。
 ちょうど開いたその窓にふわりとタキジが姿を見せた。

「ふふ。やはり来ましたね、銀狼。」
「危ないやつだな。少しでもズレていたら受けられなかったぞ。」
「そんなヘマはしませんよ。あなたも私も。」

 ぺっとイヌイがタキジに唾を吐いた。
 顔を背けてよけた片腕の羽にそれがかかり、タキジは一瞬眉をひそめたが、すぐさま肩を揺らして笑い出す。
にんまりと持ち上がった口角から、嬉々とした声が溢れた。

「くくく、いいですね。いいですよ、イヌイさん!素敵です!さすが業外の妖獣です!絶滅危惧種は
そうでなくては…そうこなければね!!ああ、楽しい…っ!!」
「お前を楽しませるためになど何もしていない。」
「その桃岩が好きなのですか?」
「失せろ。」
「桜桃よりも?」

 ぶんっ、とイヌイの尾が、毛を逆立てつつ風を切る。
 なんなくよけた後、タキジはさっきイヌイの唾を受けた腕の羽を引き抜いた。
 根元に肉がからみ血が滴る羽を放り投げ捨てて、タキジは桃子を呼んだ。
「約束しましょう。あの三羽のヒナが育つまでに…。」
「失せろと言った!」
「あなたが鬼が島に行くときは、私もついて行きましょう。少なくともその凶暴な狼よりは
心強いお伴と思いますよ。なんせ生まれ故郷ですからね。」
 しびれを切らせてイヌイが吠えて、銀毛を逆立てる。動じずタキジは笑ったまま、やんやと手を叩きながら
上へ昇っていく。
「綺麗ですね、発情期は獣も。私は綺麗なものが好きなので、また見に来ます。」
 カラカラと高い笑い声を響かせながら、タキジは空の高みに消えていった。
265102:2007/11/05(月) 19:29:59 ID:xFUDN1CI

 雨は完全に止み、高い杉の梢にいながら虫の音が響いて聞こえていた。
 イヌイはまだグスグスと鼻を鳴らす桃子の肩を強く抱いた。
「…泣くな。」
 他に聞きたい事も言いたい事もある気がするのに、それしか言葉は出てこない。

 いつのまにか風に分厚い雲は流れ、杉の梢の窓からは、さっき上空で見たのと同じ
小さな星の光がのぞいていた。
 温かいイヌイの腕の中でそれをぼんやり眺めながら、桃子は涙を止められなかった。

・・・・・・・・・・                
                           本番を目前にして今回はこのへんで
 
 励まし、リポD、ありがとうございます!
 次はもっと早く来ます〜。長くなってて本当にすみません。
266名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 19:35:00 ID:oxyONVtH
GGGGJ!
リアルタイム遭遇初めてだ!良かった。先が気になるよ!
桜桃のエピソードがすごいツボだ…
267名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 22:28:15 ID:aAoTgB9i
のわぁぁあ…っ、GGGGJ!!

すんばらしかった。身悶えするほど良かった。
楽しみにしてるからいつでも待ってるけど
無理せず気長にやってくれな!
268名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 23:04:09 ID:gHgvmJOE
>102
あなたは神だ、マジで…。
下手なラノベよりよほど先が気になる。
桃子があいくるしくてたまりません。

無理のない範囲で、どうぞ執筆頑張ってください。応援してます。
269名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 23:39:25 ID:oRuZXUFX
>102
266と同じく桜桃のエピソードがツボだ…マサルの母親のこと気になってたから特に。
ありがとう神。今日もマジで萌えさせてもらった。
270名無しさん@ピンキー:2007/11/12(月) 07:17:23 ID:W/nnn2Jy
ももこ、ももこ♪(゚∀゚)∩
期待待ち、あそれ(゚∀゚)∪
ホシュホシュホシュホシュ
271102:2007/11/13(火) 01:36:18 ID:MY6JKhpe
265の続きです 
・・・・・・・・・・・・・

 小脇に桃子を抱えたまま、イヌイは不安定な杉の梢の高枝に足を踏ん張り、桃子が泣き止むのを
辛抱強く待っていた。
 大きな一本杉は周りの木々より頭一つ突き出ており、眺めはいいが、上空の風を受け時折揺れた。
 その度に先ほどまでの雨の雫を湛えた枝が、無数の水滴を散らし、それがイヌイの銀の光を受け
キラキラとしずる。
 遠く輝く天の星と、近くに煌めく雨の雫を一度に目にして、桃子はうっとりと美しさに惚けていた。

「風が出てきた。そろそろ戻ろう。」
 
 イヌイは、そう言って片手で桃子の腰を抱きジャンプした。
 杉の枝葉を飛び出し一瞬夜の空に浮く。
 抱き寄せられたイヌイの肩越しに、桃子はさっきタキジにつれられ飛んだ夜空を見上げた。
 雨雲はすっかり遠ざかり、空は数千の星の光に煌めいている。
 あんなに高い位置で見ても、地面にほどないここから見ても、星の大きさは変わりないように見えて
不思議だった。

 同じだけど。
 今見てる星の方がずっと綺麗だ。
 イヌイの胸に抱かれて見る今の方が…。

 桃子はイヌイの毛深い胸に頬を擦り寄せ、抱きつく腕に力を込めた。
 イヌイはそれに気づかぬ振りで、雨のぬかるみを避け、高枝つたいでマサルのいる岩窟に戻った。
 その入り口まで来て桃子が温泉に入りたいと言いだした。
「日に何度も入るとくたびれる。明日にしろ。」
「体を洗いたいの。ベタベタするから。」
 そう言われてイヌイは止める事は出来なかった。
 桃子が泣き止むのを待つ間に、いや、天から降って来た桃子を受け止めてすぐに、当然気づいていた。
 桃子の内股に伝って乾いた愛液の跡。未だ濡れたままの粘る泉の匂い。それと…。
 タキジの匂い。
 イヌイは訊く事が出来ず、桃子も言わないでいた。
 その行為の跡を流したいのだろう。

「俺も行こう。」
「いいよ。マサルくんと先に寝てて。」
「俺が行かないと真っ暗だぜ。」
 確かに、と桃子は夜の闇に光るイヌイの腕を取った。
 イヌイは再び桃子を抱き上げ、数度の跳躍で温泉の洞に着いた。

・・・・・・・・・・・

 着いてすぐ、地面にヒヒの血の染みが無い事に気づいた桃子の、首を傾げる様子にイヌイが啜ったと
一言言った。
 最後まで食べるなんて行儀がいいね、と桃子は言い、だろう?とイヌイがにやと笑った。
 そのほんの少し口端をあげるだけの一瞬の笑みにホっとして、桃子は涙を浮かべた。
 それにすぐさま気づいてイヌイは顔をしかめた。

「ごめん…。」
 桃子が慌てて顔を背けて俯く。
「何故謝る。」
「鬱陶しいんでしょ?」
「まあな。」
「脱ぐから向こう向いてて。」
 
      
272102:2007/11/13(火) 01:38:16 ID:MY6JKhpe
 またスンと鼻を鳴らす桃子の、震える肩を追い越してイヌイは湯に向かった。
「イヌイ?…わっ。」
 目の前でさっさと着物を脱ぎ捨てたイヌイは、ドボンと湯に飛び込んで桃子に笑った。
「俺が入ると綺麗だろう?」
「……わあ……っ。」
 イヌイの全身から照る青白い光で輝く銀の湯に、タキジ動揺やはり桃子も感嘆の声をあげる。
「一緒に入ろう桃子。湯煙で見えないし、どうせ…。」
「どうせ?」
 聞き返しながら岩陰でもそもそと帯を解く。
 着物をたたんでそっと岩から覗くと、銀の湯の光を受け明るく光る湯煙でイヌイが見えない。

 すこしためらいながらも桃子は足先から湯に入り、炭酸の粒がきらきら光りながら自分の体に
まとわりついていく様子に、うっとりと見入る。

「…綺麗。」
「だろう?」

 声の近さに驚いて身を硬くする。
 だが桃子はなぜか顔が上げられずうつむいたまま、湯の中の泡が絡み付く自分の裸の膝を見つめ続けた。
 泡に反射する銀の光がだんだん強くなっていく。
 …綺麗。イヌイはイヌじゃない。狼の妖獣、絶滅危惧種の最後の一匹だとタキジさんは言っていた。
 ものすごく強くて、こんなにも綺麗で…頼もしくて…また助けに来てくれた…優しい…眩しい、イヌイ。
 ドクドクと鼓動が速くなるのを桃子は実感しつつも、息をも殺して、ただ泡を見つめる。

 視界にイヌイの輝く手のひらが現れる。湯の屈折でそれはいつもより大きく見え、下から桃子の顔を照らした。
 もう既に自覚するほど赤くなった顔を、湯から飛び出した手が上を向かす。目の前のイヌイと目が合い、
桃子はさらに赤くなった。
 その様につられて、よけいな意識をしてしまいそうな気がしてイヌイは、視線をそらすため俯いた。
 そして息を飲む。
 イヌイの放つ光を受けて、桃子の白い裸もまた柔らかな光に輝いていた。
 小さな泡の光が美しい曲線をなぞりながら、だんだんと増えていく。

「お前も綺麗だ、桃子…。」

 ごく自然に口をついて言った、己の台詞にイヌイ自身が驚き、慌てて腕を引っ込めた。
 その様がおにぎりを食べさせたときの引っ込め方と同じで、桃子は胸が熱くなった。
 
 湯につかる二人の間を、湯煙が重たげに流れていく。
 その間から不機嫌そうに眉根を寄せるイヌイを見て、桃子はまたしても涙ぐむ。
 イヌイは忌々し気に背を向けて、顔もよく洗え、塩で目が腫れるからと言った。
 声に従い桃子は何度も顔を流した。

「そういえば、どうせ、なんだったの?」
「ああ?」
「さっき言ってた…、湯煙で見えないし、それにどうせ…?」
「どうせ、お前の裸なんかもう見飽きた。」

 バシャン、と水音をたてたあと、桃子は沈黙した。
 イヌイの言葉に一喜一憂してしまう。
 自分の感情の波のあまりに簡単なアップダウンに嫌気がさす。
 見飽きたって…。わかってる。いつもの軽口だ。
 なのにもうこの体たらく。桃子の瞳の涙は今にもこぼれそうだ。

273102:2007/11/13(火) 01:39:53 ID:MY6JKhpe
「桃子?」
 ザバ、とイヌイがこちらを向く音がした。
 だめ。涙よ止まれ。
 
 雫の光を散らしながらザバザバと何度も顔を洗うが、その端から胸に広がる何かに押されて、
桃子の目頭は震えて水を溢れさせた。

 どうして…、泣かない、泣かないようにしてよ、私!
 でないとイヌイに食べてもらえない…っ。
 泣いてる桃岩は不味いって…。
 せっかく一瞬でも綺麗だって思って、言ってくれたのに…。

 …そうだ!

 思いついてトプンと桃子はそのまま湯に潜った。
 水の中でも息が出来る、岩の自分にこればかりは感謝する。
 落ち着くまでこのまま。湯の中だったら、泣いてたってわからない。
 
 いい考えを思いついたことに安堵して、桃子は煌めく湯の中で思い切り涙腺を緩めた。
 そうだ、イヌイはどこだろう、と振り向く。
 その目の前に輝く銀毛を湯になびかせた尾を見つけ、あっ、と思ったと同時に、振り返ったイヌイの
股間が目に飛び込み、硬いなにかに顔をぶつけた。

「ひっやああああーーっ!!」

 頓狂な悲鳴をあげつつザバアッと湯から飛び出した目前に、当然イヌイが立っていた。

「…あ……。」
「おまえ…勝手に潜って勝手にぶつかっといて、それはないだろう。」
「ごめんなさいっ。」
 
 逃げようとする桃子の頭をがっしり掴んで、イヌイは引き寄せ凝視した。
 大きな棗型の目にみるみる水滴が溜まる。
「泣くほど嫌か、これが。」
 イヌイが苦笑しつつも、意地悪くそれで桃子の腹を突いた。硬く、熱い。
「違うの…ごめんなさい…。」
「じゃあ、何故泣く。」
 
 何故。
 そんなこと、もはや桃子にはわからなかった。
 泣いているのがバレたことに。
 イヌイのあれに驚いて。
 違う。
 泣き止まないと嫌われるのに、泣き止めないから。
 私の裸なんか見飽きたって言われたから。
 違う、違う!
 イヌイの光が綺麗だから。
 イヌイと見た星が綺麗だったから。
 イヌイが私に笑ってくれたから。
 私に綺麗だって言ってくれたから!
 ここにいてくれるから…!

 ひっく、とのどが鳴り、桃子の顔が歪む。涙に濡れる。
 うんざりした様子のイヌイにまた涙が溢れる。
「ごめんなさい…。」
「何故謝る。」
「イヌイが好きだから。」

・・・・・・・・・・・
274102:2007/11/13(火) 01:42:27 ID:MY6JKhpe
 桃子の頭を掴んだイヌイの手に、わずかに力が入り、指は髪を滑って桃子の肩に落ちた。

「イヌイが好きだから…、泣き止めない…。」
 嗚咽を漏らし、震える肩に置かれたイヌイの手に、桃子は頬ずりした。

「俺が好きだと何故泣き止めない。」
「イヌイが私を好きじゃないからだよ。」
 瞳から流れ出たばかりの涙がイヌイの指を濡らす。
「そんなこと俺がいつ言った?」
「じゃあ好き?」
「………。」

 言いよどむイヌイには、別に涙はでてこない。
 そんな事はわかっている桃子だった。
「いいの。嫌わないでくれていたら、それで。」
「嫌いでは決して無い。」
「泣いても嫌わない?」
「嫌わないからあんまり泣くな。」
「…うん、頑張る。出来るだけ我慢する。」
 ホっとして桃子は笑みをこぼした。
 思いがけず自然に笑えた自分が嬉しくて、桃子はイヌイを見上げ、誇らしげにさらに笑った。
 
 イヌイが顔をしかめる。
 あ、しまった、恩着せがましかった?と桃子が自分の失態を悔やんだ時には、もうイヌイに
抱きしめられていた。

 ドクン、と胸が鳴る。
 だけどその鼓動は桃子のものじゃなかった。

「桃子。」
「な…なに?」
「欲しいと言え。」

 ドクン。
 イヌイの胸に押し当てられた桃子の耳が、大きく響く脈動に震えた。
 イヌイ、イヌイ私も…。
 桃子は自分のそれをイヌイに重ねたくて、双丘を強く押し付けながら、イヌイの首に腕を回してずり上がる。
 見上げた鼻先にイヌイの冷たい鼻が掠った。
 目が合った。
 銀色に冷たく照るイヌイの瞳に、欲情に上気する桃子が映る。

「言え。」
「…好き。」
「欲しい、と言え!」
「イヌイが好き…!ひあ、あ……っ!」

 大きな口に噛み付かれて、桃子の唇が戦慄く。
 あっという間に侵入して口腔を充たした太い舌が、桃子の小さなそれを探してぐるりと蠢き、見つけた舌と
唾液を掻き取って離れた。
 はじめてイヌイにされた、あの不愉快に驚き、不思議としびれた口づけを、なぜだか今懐かしく思い出す。
 今は違うと確かめたくて、ずれて離れた唇を追って、慌てて桃子が重ね直す。
 溢れ出た唾液をイヌイは啜り、桃子もまた、イヌイのそれを啜ろうと分厚い舌に吸い付いた。
 互いの絡んだ粘液が、糸を引いて唇を結んだ。

275102:2007/11/13(火) 01:44:16 ID:MY6JKhpe

 イヌイは桃子の細い体を折れんばかりに強く抱きしめた。
 不思議な強さを持ってしなる肢体に、イヌイの体がざわめき欲情を具現していく。
 抑えられない。
 発情期の自分の体の荒れ狂うばかりの衝動は、既に一つに集まり、いまかとその身を反らせている。
 桃子の秘壷は湯の中にあり、そこに湛えた妖獣のごちそうの匂いは温泉にかき消されわからない。
 なのにどうだ。桃岩の、粘液を何も出さない場所から、その震える白いのどから、小さな三角の
鎖骨の窪みから、豊かな真白い乳房の丸みから、匂い立つ抗えない芳香!
 
 くらりと一瞬の目眩に押されてイヌイは桃子を岩肌に、自重をかけて押し付ける。
 両腕を裂くように開き、放り出され突き出すロケットの乳房を、丸ごと食らうかのようにイヌイは
むしゃぶりついた。上あごに当たるすでに尖ってしこる乳首を、乳輪ごと口中に納めて舌でくちゃくちゃと繰る。

「ああっ、ひ、あ、あああんっ!」

 無意識に待ち望んでいた性感を、いきなり激しい激情の様で与えられて桃子は嬌声をあげた。
 あ…いい…!気持ち、いい!!…イヌイ、もっと…。
 広げられた胸を大きな口でぐちゃぐちゃに乱暴に嬲られ、桃子は顔を左右に振って与えられる快感に酔う。
その度にぶるんぶるんと暴れる乳房を、イヌイは両手で押さえるよう揉みしだいた。解放された桃子の腕が
イヌイの頭をかき抱いて胸に押し付ける。イヌイは己の唾液で指間から目前に滑り飛び出した乳首に、
交互に吸いつき夢中で唇で噛みしだいた。
 柔らかな弾力を心のままに味わう。
 切なげに喘ぐ桃子の声に、さらに股間の竿は凶暴さを増していく。
「もっと…あ…あ、食べて…!イヌイ…っ!!」
 望んだ要求に応え、白桃の肌にイヌイの歯が甘く食らいついた。

 食うとも。食うとも、桃子、お前は美味い!今まで俺が食った誰よりも…!

 誰より、と思った言葉にタキジの嘲る声が蘇った。

 ーー桜桃より?

 桃子の胸の輝く白い丘を前に、イヌイの脳裏に一瞬茶色い痣が浮かんだ。

・・・・・・・・・・

276102:2007/11/13(火) 01:49:24 ID:MY6JKhpe
「…イヌイ?」
 愛撫の手が止まり、胸に伏したまま動かない。イヌイの変化に桃子は戸惑い、顔をのぞきこむ。
 イヌイは桃子の乳を貪っていた興奮の名残に息を乱しながら、だが不遜な表情を見せて言った。
 その声は低いが冴え冴えと尖鋭で、思いがけずイヌイの身の銀の光にふさわしかった。

「誰だって…、餌をくれる、与えてくれる者に懐く。あの雉のヒナのように。」
 意味が分からず桃子は首をかしげてイヌイを見る。
「それだけだ。俺だって…。」
 言葉を途中に、イヌイは桃子の突き出た赤い乳首を、ぱくんとくわえて口中でねぶる。
 ひあん、と桃子が可愛らしい声をあげた。
「目の前に餌があるから食うだけだ。粟であろうと虫であろうと。」
 口端だけの笑みを浮かべながら、桃子の腰を持ち湯から上げ、岩に腰掛けさせた。
 そのせいだけではない冷たい空気を全身に感じ取り、桃子は一瞬震えた。
 不安になりイヌイの離れた手をとり、もう一度自分の胸に置く。
 そのイヌイの手は桃子の乳首をおざなりに繰ると、いきなり桃子の膝を持ち上げ、大きく足を開かせた。
 驚いて桃子は瞬時に足を閉じようと股に力を入れたが、すぐさま広い肩が割って入りそれを拒んだ。
イヌイの頭がなめらかな桃子の腹を舐めつつ足間に下っていく。

 イヌイの眼下に股を左右に開かれ、あらわになった桃子の秘部。
 拒まれつつもなおも閉じようとする筋肉の戦慄きを無視して、イヌイはさらに秘裂のひだをめくって
内部の赤い肉をさらした。その上方で濡れて絡む柔らかな恥毛をかき分けて、身をひそめて守る小さな尖りを
見つけ出す。その指がためらいも無く包皮をずらし、半透明の骨のような粒を露見させると、ひくん、と桃子の
秘穴が敏感に動いてとろりと蜜を絞り出した。
 それらの一切の行為と反応を、それを無言で凝視するイヌイの顔から放つの光が、否応無く細部まで照らす。

 羞恥に耐えかね桃子が小さく、いや、と漏らしたが、聞かない振りのイヌイの舌がいきなり剥き出しの真珠を
レロレロと舐め擦った。
「ゃあ、んんーーーっ……っ!!」
 桃子が仰け反り、強過ぎる刺激に悶える。
 イヌイは舌を尖らせその一点を叩き付けるように、くるくるかき混ぜるように、唇にはさみ
吸い上げるように集中して責めた。引きはがそうと掴んだイヌイの頭が、唇を陰核に押し付けたまま左右に振れた。
 いきなりゾゾゾと這い上がった快感に、その掴んだ頭を仕方なく押さえ込んで、桃子は腰をガクガクと痙攣させ達した。
 だがイヌイはその唇に真珠をくわえたまま離さない。
 桃子の痙攣が収まるのを待たずに、たっぷりと唾液を絡めた舌で再び粒を転がす。

「…あ、…んっや、や!イヌイっ、嫌っ!!」
「何が嫌だ。食えと、…もっとと言ったのはお前だろう、桃子。」
「だけど…んはっ、はっ、ああ、ああああ、やあああああ、あーーーー……。」

 眉間に深くしわを刻んで、桃子は全身を強張らせていく。
 達したばかりで達したいのに達せない。キリキリと締め付けるような絶頂の前兆だけが、桃子の体を蝕み
支配していく。嫌だとイヌイに何度叫んでも、まるで聞こえないように、淡々とイヌイの舌戯は続いた。
 声は枯れ、ひい、と漏れる空気音を自分のヒクつくのどから桃子はきいた。
 息も絶え絶えにやっと掴んだイヌイの手の甲に爪を立てる。
 それを気にも止めないイヌイの口舌による蹂躙は続く。
  
 私の反応を見ながら、からかい笑いながらされた今までの補食とは違う。
 興奮に猛ったイヌイを乳房にぶつけられた時とも違う。
 イヌイが、イヌイが私を見ていない!

 滂沱の涙をこぼす。
 これではまるで、これではまるでヒヒに嬲られていたときのようだ!

「嫌だ、イヌイ、嫌っ、嫌あーーーっ、ああああ!」
277102:2007/11/13(火) 01:51:21 ID:MY6JKhpe

 なにかに追い立てられるような不安定な上昇感に、腹筋を浮きだたせ身をよじった。
 桃子の目頭が白くスパークし、瞼は痙攣する。し続ける。
 いつもの突き抜けるようなゴールはそこになく、ただただ快感の波に桃子は翻弄されるがままだ。
 達してないわけではない。肉芽だけで得る絶頂の快感が延々続いて終わらないため、桃子の女陰に
集まった気が散らず、果てない。嵐の森を彷徨うように、震える手を足を暗闇に伸ばし出口を探す幻影。
だがそこから抜け出せる気配は全くと言っていいほどなかった。ただ全身を風に震わし雨にびしょ濡れる、
その感覚に徐々に桃子は酔っていく。

 気がつけば桃子の秘壷からは止めどない愛液が垂れ続け、太腿を伝っては乾き、座らされている岩にさえ
いくつもの筋をつけていた。
 それは空から落ちて来たときと同じ様で、足の間でベタベタと桃子に不快感を与える。
 イヌイはそれをまったく舐めとらず、ただ桃子を嬲り続けて秘壷を満たした。
「どうして…っ。」
 桃子は顔を涙で濡らし尽くしてイヌイに問う。
 今はもうヒクヒクと全身を戦慄かせて岩の上で蹂躙されるにまかす桃子に、冷たいイヌイの声が降った。

「同じように、さっきタキジに空で濡らされただろう。」
 
 言葉に詰るような響きがあった。
 硬い岩肌に泣きつかれた顔を伏せて、桃子はうつろにそれを聞いた。
「…匂いが残っている。」
 妖鳥は羽から媚薬のような粉を出し簡単にこれをする。
 抵抗出来ないくらい、悦かっただろう、桃子、何度イッたか?と意地悪く狼は笑った。
 鬼も妖獣も結局は同じだ、と。

「桃岩はこうやって食うもんだ。」

 そしてやっと、イヌイの口が桃子の泉に寄せられる。

「あのヒヒ達と…同じだろう?」

 ゾロリと一気に侵入し、湛えた粘液を根こそぎさらっていく生暖かい舌に、桃子はのどを反らせて
声無き悲鳴を上げた。がくんと腰骨が抜けるような嫌悪に近い快感に鳥肌を立てる。
 ぐちゃぐちゃと股間を噛みしだきながら、自分の唾液と混ざった桃子を啜り上げる、その行為はまさに
ただの食事だった。桃子はただの器で、飲んでも減らない甘露な水を湛えた杯だった。


278102:2007/11/13(火) 01:55:12 ID:MY6JKhpe

「俺は、あのヒヒと同じだ。餌であるお前を食うために料理する。」

「桃子、お前はもうわかっているはずだ。」

「お前は、ただの、俺の餌だ。」

 違う、と言いたかった声が、乾いたのどに絡んで出てこない。
「そしてお前は鳥のヒナと同じ。」

「捨てられて最初に逢った俺に…。桃岩に餌をやる俺に懐いただけだ。」

 淡々と機械のように語るイヌイの声に感情はなく、冷酷な銀の瞳は蔭に曇っている。
 イヌイの顔が持ち上げた口角に歪み、自嘲に満ちる。
 ああ、この顔は…と女陰を嬲られながら桃子は思う。
 鬼が島に行ってくれ、と渋々言ったじいちゃんの…。
 せめてもと染み古反を手渡してくれた、ばあちゃんと同じ顔。
 桃子の顔を濡らし続けていた涙が止まった。
 
「勘違いだ桃子。…好きとか、だから、おかしいぜ。」
「餌ならどうして食べないの?」

 上ずった細い声がイヌイの演説を止めた。
「イヌイの言う事は時々難しくてわからない。そんなことより、どうして食べてくれないの?」
「食べてるだろう。」
「口じゃない。こっちで。」 
 そう言って、桃子は片足をイヌイの腹に伸ばして、土踏まずに当たった亀頭をそのままかかとで
軽くこずいた。一瞬腰を引いたイヌイが驚いて桃子の顔を見る。
「発情期はそうなんでしょう?そのためにこんなになるんでしょう?もう…こんなにしてるくせに。」

 思いがけない桃子の言葉にイヌイは眉をひそめた。イヌイの肉茎は湯の中に身を隠しつつも反り返り
腹を打つ猛りを見せていた。桃子の泉から撒き散らされる愛液の匂いを鼻先にかぎ続けていれば、しごく当然の
その反応にイヌイは舌打ちした。桃子がたどたどしく足の甲でそれをなで上げると、与えられた直接の刺激に
ビクンとさらにそそり立つ。

「…食べて、イヌイ。」
 いつの間にか泣くのを止めていた桃子の声は、快楽の色をにじませてイヌイを誘う。
さっきまでのイヌイの責めに乱れた息に双方の大きな乳房を上下させ、その谷間から濡れた
赤い唇が淫猥に映った。イヌイは我知らずゴクリとのどを鳴らした。

「ここ…。」
 震える桃子の白魚の指先も、延々与えられ続けている快感に赤く染まっている。その指がおずおずと
桃子自身の秘裂に伸び、まだ幼いようにも見えるぷっくりしたひだに添えられた。桃子は一瞬イヌイを見て、
その視線が指先の動きの行方に注がれているのを確認すると、ゆっくりとかき分けるように指を左右に開いた。


279102:2007/11/13(火) 01:58:29 ID:MY6JKhpe

「ここの、舌が届かない奥の…ああっ。」
 その言葉を断ち切るようにザバアッと水音をさせ、岩に足を掛けたイヌイは、そのまま股間の焼けた杭を
桃子の腹に擦り付けるように、のしかかりながら岩に上がった。
 ぼたぼたと湯を桃子にたらしつつ岩に組敷く。なだらかな斜面に突き出された桃子の腰を持ち上げ、
屹立した己の昂りを、その根元を桃子の秘裂にあてがい、先端を胸の谷間に納めた。
 みるみる鈴口から透明な粘る液を出したそれは、粘つく糸を引かせて乳房を揺らした。

「この、子供のくせにそんなこと、どこで覚えた!」
 苛立を含んだイヌイの声が、子供をしかる親のように桃子を叱責する。剣幕に体を揺さぶると、
肉竿の根元を柔らかく包む桃子のひだがひくつき、ねっとりと絡み付く。
 じわりと上がって来た濃厚なあの匂いに、イヌイの激昂は強まり、苛立ははっきりと怒りに変わる。

「この、…淫乱が!」
「そんな風に出来ているって、みんな言う!」

 桃子はそれでも、恐れた様子も、惨めに泣くでも無くきっぱりとイヌイを睨んだ。
「イヌイも…。」
 そしてイヌイの胸に手の平を拒むようにでなく添わせると、下からゆっくりなで上げながら、
イヌイを見上げて挑発するように微かに笑う。
「タキジさんも。」

「もう、突っ込まれたか。桃子。」

 ぞっとするようなイヌイの声が、桃子の眉間を刺し、反射的に身を竦めて桃子はビクン、と体を揺らす。
「もう、おぼこじゃなくなったか、淫乱!」
「その方がいいんでしょう、気楽に食べられるんでしょう、イヌイ!」

 刺々しい気に全身の毛を尖らせる妖獣のその首に、腕を回しすがるように桃子は抱きつき
目前までずり上がる。
 しばし無言で睨み合った。
 哀れな自分を映すイヌイの目に、耐えきれず桃子がバカと言った。自分に言ったのかもしれない。
「イヌイはもう、私に気持ちいい、を教えてくれた。気持ちよくしてくれたら、案外泣かないから、私。」
 いつもされるように、噛み付くように唇を重ねた。
 一文字に結ばれた唇の隙間を求めて柔らかく吸い上げながら、こみ上げてくる涙を桃子は懸命にこらえた。

「空から落ちて来たとき泣いてたじゃねえか。」
 つぶやくイヌイの開いた口端から、待ってたとばかりに桃子はその小さな舌を侵入させてチロチロと
口内に這わせた。いつもイヌイがするように…。

「びっくりしたからだよ。まさかあれ、入れるなんて知らなかった。」
 桃子は自分の腹に当たり、熱を貯めて待つその肉茎を、擦るように上下に体を揺らして、なおも
イヌイの唇を貪った。
 イヌイの口から熱い吐息が漏れ、硬い昂りがドクンと脈打つのを感じた。
 ああ、熱い。凄い。イヌイのこれ、大きい。どうしよう、入らなかったら。
「このあいだ、知ってたら…。教えてくれたらよかったのに。」
 クチュクチュと舌をねぶりながら、桃子は不安と、それでも自分の内部に席巻する肉欲の昂りに、
股間がうずき痒みに焦れた。
「イヌイが最初がよかったのに…。」

280102:2007/11/13(火) 02:01:12 ID:MY6JKhpe
 その答えを聞いて、イヌイは戯れるに任せていた口舌にいきなり牙を突き立てた。
「…い、……たっ!…あっ!」
 ぷちっ、と小さく裂けた舌の皮に血が滲む。ひるんで引っ込んだ桃子の舌に、追いかけたイヌイの舌が
容赦なく絡み、嬲り、その血を啜り上げる。その味に興奮を抑えずイヌイは獣のうめきを漏らして、互いの腹に
擦れる男根の先からだらだらと粘りを垂らし、熱い欲望を桃子の胸間に抽送させた。その存在感に圧倒されて
桃子はさらに自身を欲情に濡らした。
 壊れてもいい、入れたい。
 イヌイがしたかったように…、イヌイが満足するように…、イヌイに…。

「食べて…。」

 口づけにふやけた桃子の唇が、欲望を隠さず訴えた。
「食べて…私を、裂いて、中から、めちゃくちゃに…、あのヒヒみたいに…!」

 脚間の泉からだけでなく、全身の毛穴からじんわりにじむ汗のように、欲望の気が立ち上がるのを、
他でもない桃子自身が感じ取り、その香りに酔う。
「入れて、イヌイ。」
 懇願ーーだが同様にその匂いに酔った獣の目が目前にある。拒まれないという確信に桃子は愉悦する。

「イヌイが、欲しい…ーーーー。」

・・・・・・・・・・
 
 男根の根をあてがった桃子の女陰から溢れて滴った愛液が、イヌイの睾丸を濡らしてべしゃべしゃと
音を立て桃子の臀部にぶつかっていた。中の玉はパンと膨らみ、イヌイはそのうずきにもはや抑える事を忘れて、
桃子の腰を持ち上げる。イヌイの両腕に脚を引っかけた桃子の膝が左右に開き、イヌイの眼下に赤く蠢く
膣腔をあらわにする。ぱっくりと開ききったそれは、白い愛液をだまにからめて飾り、そこからわんわんと
淫香を立ち上げ、ただイヌイを待っていた。

「…淫乱め。」

 どうしようもない劣情を漏らせてイヌイはそう、つぶやくしか無い。
 はじめから食うと決めていた。食うときが来た。だが。
 ここに来て、選択の余地を無くした今はじめて、イヌイは悟る。
 
 俺は。望んでいたが俺はーーー。

 自業自得だと自嘲する。
 いっそ姦られてくればいいと、一度は投げ捨てたくせに。
 嬲られ泣き濡れるあいつの顔がちらついて、じっとしてられなくて、
 ついにはタキジの手中にはまっても、杉の梢に向かったのは俺だ。
 何があったかなど訊かずとも知れていた。
 淫行の跡。残されたタキジの男性器の匂い。
 鼻が利く自分を呪う。そこに明らかに匂うのは桃子の快感の印。
 誰にでも体を開くと知っていて、餌となる種族と知っていて。それを何度もわからせて。
 そうしたのは俺自身のくせに。
 それを嫌がる桃子に、俺は誰の面影を見ていた?

 桃子の口からタキジの名が出て抑えを失った。

 憤りに睨んだあいつの瞳に映った俺の顔は、突き刺すような目をしていて、
 俺はまるでおまえだったぜ、サルトル!

 憧れていたものの正体を知った。

 桃子、お前をただの餌だと何度も繰り返したのは。

 本当は、そ、れ、を知るのが恐ろしかったのだーーー。

281102:2007/11/13(火) 02:03:37 ID:MY6JKhpe

「入れるぜ。」
 イヌイは腰を引き、ずるりと己の肉柱を桃子の腹から引きはがすと、先端から溢れた淫汁が
糸を引きとろりとつららのように垂れる。ぱっくり開いた入り口に迷う事無く鬼頭をあてがうと、
その熱さとぬとぬとと絡み付く肉の蠢きに、再びどくりと先走りの液が溢れた。
 いやらしい。この女。とイヌイは思った。

 桃岩は何度も食って来た。特別に強い快感を与えてくれる桃岩にも何人も会った。
 だがここまで俺を、俺の中の獣を、発情期の猛りを、耳鳴りするほどうわんうわんに感じて、
我を失いかけた事が合っただろうか。
 もう奪われたとしてもまだ経験の浅い桃子は、鳥のそれの数倍ある狼の肉棒に悲鳴をあげるだろう。
 それが待ち遠しい。乱暴にぐちゃぐちゃに噛み砕きたい欲望。
 俺は抑えられないかもしれない。
 俺は桃子をーーー。
 
 ぐちゅ、と傘までを埋める。
 ひう、と桃子の吐息が漏れて、柔らかな肉体が緊張に強張った。
 入り口がきゅうと締まるが、かまわず中に突き入れる。

 ずぶ、ぶちゅ、と中に溜まった愛液が溢れ、隙間からしぶいてイヌイの腹を濡らした。
「…う、ひ、いっ、ーーっ。」
 桃子の腹が異物の受け入れに痙攣して、ぴくぴくと側筋を震わした。
 眉をハの字に寄せて眉間に深々としわを刻む。唇を噛み締めて声を出さぬよう、自分の方に顔を埋めて、
挿入の痛みを紛らわせようと、両手はかりかりと岩を掻いた。
 自身を3分の1ほど納めたところで、中のカーブに突き当たり、そこでイヌイは桃子を伺う。
 …痛いか、まあまだ仕方がないが。色気がねえな。
 そんな桃子をなぜだか微笑ましく、可愛く感じて口元をほころばせた。
 だがふいにこの桃子をタキジも見たのかとひらめいて、急速に残忍な気持ちになる。

「泣くなよ、桃子。」
 さらに大きく脚を開かせ、イヌイは腰を突き立て残る棒を一気に打ち込んだ。
 ギチギチと押し開くような感覚に、イヌイ自身も痛みを覚えて呻く。

「ひっ、ーーーーー…、…!……っ!」

 強引に奥まで押し込み、最奥に頭をぶつけてイヌイは息を吐いた。
 さすがに、きつ過ぎる。中で締め付けるというより、未だに開かぬ裂け目を裂かれて懸命に
閉じようとする肉は、万力のようにイヌイを圧する。
「…力抜け、桃子。」
 だが、桃子自身、中と同様に身を固めてひくひくと痙攣にすべてを強張らせている。
 すくみ上がった肩を、力んだ腹筋を、とにかくほぐさないと動くのもままならない。

「桃子。」
「…ひ、くっ。」
 長い髪を乱してそれに顔を埋めていた、紅潮した頬につと、と涙が滴った。
 噛みしめて赤くなりすぎた唇がわなわなと震え、しかし声を出すまいと奥歯を噛んでいるのか、
頬から顎に駆けて不自然に固まっている。
「桃子…、こっち向け。」
 イヌイは片方の腕を桃子の膝から外すと、乱れた髪をかき分け、強張る頬を何度も撫でた。
大きな手の平で包むように上をむかせて、長い舌で桃子の戦慄く唇を舐めた。

282102:2007/11/13(火) 02:08:05 ID:MY6JKhpe
「ふ、う、う、…ふう、はあ。」
「泣くなって言ったはずだぜ、こら。」
 涙を吸い取り、ついでに優しく眉間のしわに口づけを落とす。
 はあはあと、まだ息を乱しながらも、桃子はゆっくりと硬く閉じていた目を開けた。
 そこに蒼白に鋭い光を燦爛させながらも、微笑むいつものイヌイがいて、息を上げながらも桃子は笑った。

「なんだ。余裕あるじゃないか。」
 イヌイが桃子の卵の輪郭を伝い耳に手を置き、手の甲で首を撫でる。
 体の中心に打ち込まれたくさびに、背骨を反らせて痛みに耐えつつも、なだめるような、いたわるような、
その手の優しさに桃子はうっとりと目を細めた。

「イヌイはバカだ。」
「なんだと。」
「あの鱒を捕らえて、笹を突き刺したとき、同じように力を抜けと撫でてあげたの?」

 ピタ、とイヌイの手が止まり、不機嫌そうに顔をしかめて桃子を睨む。
「腹を割いて塩をして、粉をつけて焼いてる間、お前は餌だから、俺を好きになるなよ、なんて言ってたの?
バカみたい。」
 ゆっくりと、半身を起こしてイヌイは桃子の視線から逃れる。
 奥まで収まったままの肉棒が擦れて桃子はうめき声を上げた。かまわずイヌイが再度桃子の脚を持ち上げ
股を開くように岩に手を着いた。
 痛みにその手に手を絡めて掴む桃子の指は、岩を掻きすぎて擦り切れ血が滲んでいた。
 その匂いにイヌイの獣が猛る。

「バカみたい。餌に、お前も綺麗だなんて言って…。」
「うるさい。」
「料理するときも、食べてるときも、イヌイは餌にこんなにも優しくするんだ。」
「うるさい、桃子。」

 苛立に、納めていた肉棒を少し引いて突き上げた。激痛に桃子は顔を歪めて身をよじる。

「わ…私が餌なら…黙って食べたらいいじゃない…!」
「そう、している!」

 ズンズンと何度か奥を突かれて、痛みに引こうとする腰をイヌイが押さえてさらに揺する。

「バカだよ、嫌わないでくれたらいいって言ってるのに!…いっ、あっ!」
「ほら、食ってやるから早く濡らせ。桃岩なんだろ、餌!」
「あっ、やっ、痛いっ!イヌイのバカ!…ひんっ!」
「優しいんだろ俺は?タキジとどっちがイイ?ほら!ほら!絞めてばっかいねえで、餌絞り出せよ、ほら!」

「…んっ、はっ、あっ、あっ、や、や、…ーーーああああああっ!!」

 ついに我慢出来ずに、桃子が悲鳴を上げて涙を散らした。

「泣くなって言っただろ、鬱陶しい!」
「泣いてないーーー!!」
 
 ひっ、ひっとしゃくり上げながら、イヌイの乱暴な攻めに押されてずり上がった桃子の手に、
岩陰に脱いでたたんだ着物が触り、桃子はそれを引き寄せ顔を覆った。

「泣いてない!痛くない!気持ちいい!いい、よ、イヌイ!ちゃんと、私…!」

 ひくひくと、肩を震わせて、握りしめた着物に指先からの血が染みをつけた。
 すび、とならした鼻をかみ、ごしごしと乱暴に涙を拭う。覗いた赤い唇も、我慢に噛み切って血がにじんで
いっそう赤い。そこから嗚咽を漏らしながら、それをぶるぶると震わせながら、何が泣いていないだ、子供!

「ちゃんと私…、桃岩だから…、誰にでも…ひっ、ぬっ、濡れるから…っ。」
283102:2007/11/13(火) 02:11:26 ID:MY6JKhpe
 気がつけば、強く掴みすぎた桃子の細い腰に、イヌイの指跡が赤くくっきり着いていた。
 イヌイが突くたびに腰を引き、ずり上がっていった桃子の肩が、背が、肘が岩に擦れて赤い。
 激情に、荒くしていた息を押さえ込んで、イヌイは桃子の腰を撫でた。
「ふ…ああ、ん。」
 急な優しい刺激に、桃子は小さな、だが明らかな嬌声を漏らす。
 今までキリキリと締め付けていた桃子の中が緩んだ気がして腰を引くと、溢れた愛液と共にずるりと
肉棒が抜き出された。桃子は痛みを与えていた物が消えた安堵より、突然いなくなったイヌイの存在に、
ただ心細くなりまた涙に濡れた。

「…おい。」
 抜いた自分の肉竿に絡む桃子の愛液を、まじまじと見つめていたイヌイは、泣き出した桃子の横に
寄り添うように横たわった。
「この意地っ張りの嘘つきが…。」

 白い愛液にマーブル状に鮮血の赤色が、痛々しくイヌイの欲望に絡んでいた。

・・・・・・・・・・・
 
「タキジはまだおまえに…。」
「ごめ…なさ…。」

 桃子の震える声が押さえた着物にくぐもって聞き取れない。
 細い肩を抱き込んで腕枕をして懐に納めると、桃子はこらえきれずにわあ、と泣き始めた。

「ごめ…さい、……ないで…イヌイ。…ひっく。」
 マサルにいつもしてやるように、小さな頭を撫でてやった。だが、そうすることで胸に涌く、
この苦々しい感情はまるで違う。
 手のひらが撫でるごとに小さな桃子を感じてしびれた。イヌイは眉を寄せ不機嫌そうに顔をしかめる。
 可愛い桃子。可哀相に…。俺がしたことだが、可哀相に。だがだからこそ、可愛い…。
 イヌイの屹立した股間の竿はいまだ、いや、いっそう身を硬く腫らせて、桃子の中にいるときよりも
じんじんと痛かった。

「…ごめんなさい、嫌わないで…イヌイ…。」
「バカ、嫌わない。桃子、痛いか?」
 イヌイに貫かれた中は、おそらく擦れた肉を癒すため、じわじわと快楽からではない粘液を溢れ出し、
それがとろとろと桃子の股間から漏れていた。破瓜の出血は思ったよりも多いのか、桃子の愛液とともに
時折ごぼっと吐き出される鮮血。
 血の匂い。桃子の奥の…、一番最初の印だ。俺が刻んだ…。
 嫌いになれるわけがない。

「…痛くない。」
「意地っ張りなやつだな。」
 俺もだが。と自嘲する。
 血の興奮にイヌイは息を乱したまま桃子の顔をのぞき、からかうように笑って言った。
「痛くないって言うなら続けて食うぞ。俺は残さず食う行儀のいい犬だからな。」
「……。」

 沈黙に、怯えたかと鼻白む笑いを浮かべたイヌイだが、真摯な大きな黒目にぶつかり
柄にも無くたじろいだ。
 抱きしめている体から立ち上る芳醇な愛液と、清浄な粘膜と、俺の刻印した血の匂い。
 そして。

「…うん。食べて、最後まで。」

284102:2007/11/13(火) 02:22:32 ID:MY6JKhpe

 立ち上る、この香り。最初に俺の抑えを飛ばした匂い。これは、お前の体液の匂いではなかったのか。
 くらくらと目眩を覚えながら、イヌイは涌いてくる生唾を飲み込む。

「明日、同族の桃岩に接したら、きっともう、いろんな事がわかっちゃって、迷いも無くなって、
これからどうすればいいかとかもわかっちゃうって言ったよね、イヌイ。不安になる事もなくなるって。」
 桃子は横たわった腰に回されたイヌイの腕を、胸元に引き寄せ唇を這わす。そのまま身を起こして
イヌイを見下ろす。
「イヌイが好き…。」
「桃子、それは…。」
「錯覚でも間違いでもいいの。今、イヌイが好き。大好き。」

 桃子は切なげにイヌイの手に頬ずりして、吐息を漏らす。うっとりと目を伏せる。
 ああ、この香りは。
 イヌイもそれに酔ったようにトロンとした目になっていく。

「でも明日にはこの気持ちが無くなっちゃうかもしれない。」

 俺を好きだという、桃子の香りなのか。

「だから痛くてもいいの。不安でいいの。この気持ちのまま食べられたい。」

 もう二度と食えないかもしれない無垢な桃子の…。

「イヌイに食べて欲しい。」
 
 …………。

「イヌイが欲しい。」

 さっきとは違う、きっぱりとイヌイを誘う桃子に、欲情に流されたわけでは決してないという、
強い意志を感じて、イヌイは愕然とする。こんな女を見た事がある。

 ーーーーーー桜桃。


 食わない、わけがなかった。
 なによりも、拒まないとイヌイは桃子に誓っていた。

                          
                             今回はこのへんで
・・・・・・・・・・                         
次回も延々デレデレエロです。すみません。
長く俺のターンだがいいのだろうか。いいよな?
あと三〜四回で一区切りなんでそこまでは書かせて下さいな。
285名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 03:30:39 ID:MRri9wiK
あああ、もう寝ようと思ってたのにお前ってやつはぁぁああ!
濃厚なエロなのに何で目から汁が出そうになるんだ。GJ。マジでGJ。
286名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 21:25:37 ID:xqikFo/M
たまらんわ…愛あるエロはいいな…!
桃子の健気さに滂沱。GJ!
287名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 23:03:12 ID:Bro3b4bS
GJ!
毎回楽しみでたまらん!
ラブラブ甘甘な展開キボンヌ!

桃子に惚れちまいそうだぜ!
288名無しさん@ピンキー:2007/11/14(水) 18:21:27 ID:g1ocGkD6
ゴッドなジョブだぜ!!

他に投下する人がいればもちそれも楽しみだけど
とりあえず102さんのが楽しみで楽しみでな。

桃子テラカワユス。
289名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 01:14:06 ID:kOXUUuQb
保守
290名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 02:23:14 ID:jyjoKcXl
102さんの話は何度読み返してもいいな…!
やっぱり愛あるエロは素晴らしい

桃子に激しく悶えつつGJを贈らせてもらうぜー!
291名無しさん@ピンキー:2007/11/17(土) 21:58:31 ID:j1T255mZ
桃子の健気さとイヌイの葛藤に萌えながら保守
292102:2007/11/19(月) 04:20:00 ID:QE2Aodat
284の続きです。     番外編みたいだけどちゃんと続きです。   
・・・・・・・・・・・・・


「そろそろ二人に食べて欲しい。」

 言い出したのは桜桃からだった。
 自分は桃岩で、餌で、そうすることでしか生きられないからと。
 拾った時すでに桜桃は同族伝授をすませていて、骨と皮しかないようなガリガリの体のくせに、
補食の時には自分がどうすれば、どうされれば濡れて、妖しの餌を多く分泌出来るか知っていると言った。

「食ってくれって…おまえ補食されたことがあるのか?」
「ううん、知ってるだけ。二人が初めて。」

 誰もこんな体に食欲を覚えてくれる妖しはいなかったから、とつぶやく桜桃に、そうだろうなあ、と
頷くサルトルを俺は言ってやるなよと肘でこづいた。
「ならどうして食ってくれなんて言うんだ。俺たちは別に望んじゃ無いぜぃ。な〜んせ料理上手の
テクニシャンのモテモテコンビだからなあ。な〜あ、イヌイ〜。」
「そうだな。別にわざわざ子供から食わなくても、大人の桃岩に不自由はしてないし。」
「どうしてもというならば、すっげえハラヘリの時くらいなら食ってもいいかと思う程度には、
肉付きよくなってくれよ。てなわけで〜さあ、食べた、食べた!にんじん!…残すなよ。」
「………わかった。」

 桜桃を食ったのは結局それから半年後だった。

 半年間の俺とサルトルの献身の結果、桜桃は女らしくとは決して言えないが、子供らしい程度には
体も丸みを持ち、押したらへこむ程度には肉もついた。そのころにはもうはじめの仏頂面の面影も無く、
サルトルと俺のくだらないやりとりに声をあげて笑うようにもなっていた。
 だから再び食えと言い出した桜桃に、今更と躊躇した俺と対照的にサルトルは、
そうだな〜そろそろいいか!とその場で桜桃を抱き寄せその薄い唇に噛み付いて啜った。
 その時の桜桃の驚いて赤らめた頬、執拗に吸われて漏らした切なげな声、はにかんだ、
だが花が咲くようにゆっくり微笑んだ顔。
 桜桃は俺がそこにいる事を忘れたように、うっとりサルトルを見つめて言った。

 ーーそろそろ二人に食べて欲しい。
 はじめは確かにそう言った。

「…食べて、サルトル。」
 今、確かにそう言った…。

 金猿の大きな背中越しに聞こえた声に、俺は心に灼けるような乾いた疾風を感じて立ちすくんだ。
 初めては一人づつがいいだろう、というサルトルに抱かれて桜桃が甘い匂いを溢れさすのを、
二人が森の奥に消えて行くのを、そのまま俺はただ見ていた。

 俺が桜桃を食ったのはその次の日。
 今日はお前が食ってやれと、サルトルに促されて、初めて桜桃の膝を抱えて脚を割った時、
発情期でもないのに股間がうずいて熱くなった。
 桜桃の味は美味くも不味くもなく、他の桃岩達と同じく、ただその餌で俺の妖力をあげた。
 それだけだった。
293102:2007/11/19(月) 04:24:36 ID:QE2Aodat
 サルトルと二人掛かりで食う事もはじめのうちはよくあった。
 他の桃岩達にしてきたように、桜桃の細い体を挟んで両脇から左右の乳をそれぞれ舐めた。
サルトルが口を啜れば、俺が小さい腰に顔を埋める。
 他の桃岩達と同じく、桜桃もささやかな胸をふるふると揺らし、骨を突き出した貧弱な腰をくねらし
身悶えた。イク時には細い手足からこんな力が!?と驚くほど強く俺たちを締め付けた。
 他の桃岩達と違って、飯のためではなく、桜桃の漏らす溜息や嬌声をからかうように、
俺たちは優しく嬲った。

 発情期はサルトルが先に来た。
 サルトルは、イヌイが先にこなくてよかった、いきなりそんな太いのじゃ壊れちまうぜぃ桜桃〜、と
笑いながら寝屋に入っていった。
 あーー、と高い桜桃の絶頂の声を聞いたのは早朝で、挿入に一晩かけたサルトルに呆れたような、
不愉快な苛つきを覚えて、俺はその日からサルトルの発情期が終わるまで、他の桃岩を
2、3人引っ掛けて来てはいちゃいちゃと過ごした。

 次の発情期は同時に来た。
 当然のように俺とサルトルは二人で桜桃を分け合った。
 一人で食った時より桜桃はいやらしくその身をくねらし、愛液の量も多く、目に涙を浮かべて
快感に腰を振った。

 そしてーーーあれは何度目の発情期のときだろう。

 久しぶりの同時に来た発情期に、いつものように二人がかりで桜桃を食っていた。

 立ったまま桜桃の口に俺のを突っ込んでのどを犯している時、ふと見下ろすと胡座座の上に
背位で桜桃を座らせ、パンパンと腰を突き上げるサルトルと一瞬目が合った。

「イヌイ、ちょっとそれ抜け。」
 桜桃の両手を背後から引っぱり、腰を上下に揺らしながらサルトルが俺に言う。
 桜桃の髪をわし掴んで俺は素直にそれに従った。
 のど奥まで押し込んでいた俺の肉竿が、桜桃の口内をごりごりと擦りながら引き抜かれると、
桜桃はそれをさせまいとするように吸い付きながら、ずるりと吐き出される肉の竿に最後まで舌を這わせた。
ちゅぽんと口から抜かれたとたん、大きく反り返った俺の肉棒が、桜桃の唾液と俺の淫汁を撒き散らせ
サルトルの脚に降らせた。
 待ってました、とサルトルが後ろから桜桃を羽交い締めに抱き、耳元に口を寄せた。

「桜桃…このド淫乱。名残惜しそうに…そんなにイヌイのチンポうまい〜?」

 唐突に変わったサルトルの態度に、桜桃はビクンと身を震わせた。サルトルはかまわず腰を突き上げる。

「あん…、え…やだ…サルトル、ふ…ぅんっ。」
「あいつの肉棒舐めて〜、俺のも締め付けて〜、どっちの口もびしょびしょに濡らして〜、
…どっ、ちの、口、も!」
「や、や、サルト…んああっ!」
「ぐちょぐちょ!だ!ははっ、はっ、ほらっ!!」
「あ、あん、あん!」
「なあぁ〜!」

294102:2007/11/19(月) 04:28:32 ID:QE2Aodat
 ほら、ほら、と両腕で桜桃の腰を掴み、埋めた自身を回転させるようにぐるりと動かして、
サルトルはわざと水音をたてる。
 やああん、と声をあげて桜桃はひくひくと眉根を痙攣させる。恥ずかしそうな顔は真っ赤に紅潮し、
はああ、と吐く息が熱く俺の抜いた竿にかかる。俺は屹立したままその二人を見下ろしていた。驚いていた。

 サルトルは再び桜桃を俺の方に向けさせてさらに煽った。

「口さみしいんだろ〜?もっと舐めたいんだろ〜?もっと…イヌイの硬くて、熱い、反り返るチンポで、
口の中ぐちょぐちょかき回して欲しいんだろ!?欲しいって言ってみろ、この淫乱!」

 サルトルはだんだん腰の動きを速め、乱暴に攻め立て始める。いつもの温厚でひょうきんなサルトルからは
想像出来ない、苛立と侮蔑に色づく汚い言葉を口にする。息は荒く、美しく雄々しい金絲猴のサルトルの
金色に逆立つ毛がざわざわと揺れている。

「おまえ好きだもんねえ…熱いチンポでのどの奥突かれてエグエグするの、いつも泣いて喜ぶもんねえ〜。
 このいやらしい薄い唇ぬらぬらさせて、お願いちょうだいって言うもんねえ〜…?
 お股もお口も犯してって言うもんね…!
 チンポ汁大好き女なんだよね…っ!
 ほら、大好きって言ってみな。おチンポ好きぃって、いつもみたいに!
 おまえはド淫乱なメス猿なんだろ、桜桃!!」
「あ、あ、あ、嫌っ、サルト…、やんっ、ああん!」

 激しい腰の動きにがくんがくんに揺れる体を、抱きしめるように後ろから回した毛むくじゃらの手が、
小さな桜桃の胸のさらに小さい先端のつぼみを摘んで捻る。
 痛みと快感に倒れそうになりながら、倒れまいとする桜桃の手が目前に立つ俺の脚に伸ばされた。
 頼りなげに這う細い指の動きに、文字通り足下からぞわぞわした快感が上がって来て俺を占めていく。

 じゅぶじゅぶ音を漏らす桜桃の開いた股の奥から、立ち上がる匂いは、その真上に立つ俺の欲望を
さらに猛らせ、俺もその淫猥な光景に獣じみた息を漏らす。
 亀頭の鈴口からだらだらと涎のように先走りの汁が垂れて、腫れてコリコリと持ち上がり始めた
陰嚢を濡らした。
 それを目の前で大猿に攻められ快楽に歪んだ、見慣れた桜桃の顔にぬすくってみたい衝動に駆られつつ、
なぜだか俺は身動き出来ず、二人の痴態を見つめ続けていた。

「ほら、イヌイに、その熱いのくわえたいって、ちゅぱちゅぱ舐めたいって、欲しいって…っ!」
「あっ、あんっ、あんっ、はぁあっん!!」
「ぶっといおチンポ欲しいって、お口に欲しいって、言えよホラっ!ほらっ!!桜桃っ!!」

 桜桃は、羞恥にわなわなと唇を震わせつつも、それに応える。
 サルトルに深々と貫かれ揺さぶられながら、快楽にとろけた声色で、俺に向かって、泣き笑いで。

「あっ、あっ、…イ…イヌイっ!欲しい…っ
 イヌイの、ちゅぱちゅぱ…チュパチュパしたい…!
 お口に…お、お口にっ、あ、ああああ、ちょうだぁい!!
 ぶっといイヌイのおチンポちょうーだぁあい!
 あっ、あっ、ああ…ん!やああああーーーんっ
 サルトルのも、おっきいっ!おっきいよお…っ!!
 あん、あん、あん、あ…っああああっん!」

「突っ込めよ、イヌイ。」

295102:2007/11/19(月) 04:32:25 ID:QE2Aodat
 言われる通りに桜桃の口に亀頭を当てると、半開きの口にぬめって、ずるりと頬を濡らして
額まで滑った。
 桜桃はぱんぱんに腫れた俺の肉竿に、頬ずるように頭を下げて根元をくわえた。
 力ない唇がくわえ損ねて何度もはむはむとくわえ直す。が、やがてそれを諦めた桜桃は代わりに
睾丸を持ち上げそれに舌を這わせた。
 小さな口が玉の半分をくわえて、口中でれろれろと転がすように舌を繰る。何かが
持ち上がってくる感覚に、無意識に俺は尻の穴に力を入れる。
 ふうぅ、と嘆声が漏れたのを聴いてサルトルが笑う。

「イイか、イヌイ?く、く、く。こいつ、巧いだろう?俺が仕込んだんだ。桃岩属ってやつぁ
食われるばかりで、奉仕の仕方も知らねえんでやんの。犬族はどうだい?牝猿はみんな上手だぜえ?
奥までくわえこんで、舌いっぱいでねじねじ舐め上げながら抜き差しするの、捻り尺八っていって
最高なんだぜぃ。……ぉら、やってみろ桜桃、教えただろう?」

 サルトルがしゃくり上げるように腰を突き上げる。再び奥まで抉られ、桜桃は高い声を上げた。
「ん…や…、だっ…らめぇ!そ…こ…、来ちゃう…ひっ、ひちゃう…サルトルっ!!」
 ぶるぶると震えて、掴んだ俺の陰嚢をギュウと握り、淫汁に手を滑らし玉を離すと、桜桃は肩を竦めて
俺にすがりつく。はっはっと短く息をあげ、何かに耐えるようにせつなげに顔をしかめる。絶頂が近い。

「ふ、阿呆〜、俺のは絞めなくていいんだぜぃ。イヌイにしてやれってんの。やれ!」
「んやぁあ、ひゃん、そこ、やぁ…っん。」

 感じるそこ、を的確に突き上げるサルトルに、天井に近い性感を昂らせつつも桜桃は俺の顔を見上げた。
茶色い目が快楽に潤んで光る。ゆっくりにちゃあと口が開き、その奥に赤い舌が誘うようにちらついた。
 俺は我慢出来ずに桜桃の小さな頭を両手で抱えて、誘われるまま口に肉棒を押し込む。
「んあ、あ、…は、んむ……。」
 じゅりゅと汁を啜る音を一瞬漏らして、そのまま奥まで、んぐぐうと飲み込んでいった。

 反り返った竿の先が口腔の硬い天井に当たり、幕を越えてのどに。その裏筋にぴったりとあてがわれた舌が
少し遅れて這っていく。
 うう、と俺は声と、涎と、吐息を漏らす。
 口いっぱいに頬張った桜桃も苦しげに鼻から、んんんと呻き、ひくんと腰が揺れるのが見えた。
潤んだ目が細まり、目尻から水が垂れた。
 サルトルもはああ、と大きな嘆声を吐いて尻を震わせた。

「…っく。絞めやがって、そんなにイイか、イヌイのチンポ。………っえぇっ!?」
 そこ、をズンっと突かれて桜桃が苦しげに顔を歪めた。そうとうイイのが見て取れる。
 悦楽に呻いてずるりと俺を吐き出す。
 あああ、イイ、と俺も嬌声を既に耐えない。一巡だけでイキそうだった。

「イヌイもいいってよ!…よかったなあ、淫乱。練習した甲斐があったなあ?
 ん?フ、フ、…ほら、ココだろ?イイところ。
 はっはっ!ココもだろ?ふっ、はっ、か…感じるとこいっぱい…あるんだ、よねえ〜、おまえっ。
 ド淫乱だっ、もん、ねえぇ〜〜!!」
「ん、ふぅん、ん、んぁん、んんんん!」
 

296102:2007/11/19(月) 04:36:35 ID:QE2Aodat
 口を塞がれつつ嬌声を上げる桜桃の口内愛撫に、はっはっと鼻息と吐息を速め、俺ももう自ら腰が揺れる。
 押さえた頭を上げさせ顔を見ると、享楽の涙に顔を濡らした乱れた桜桃の姿があった。
 目は俺を見ているようで見ていない。
 サルトルの金色の指が桜桃の赤い乳首をくりくりと繰りつつ、残りの指もささやかな肉を揉むのが見えた。
 サルトルは仰け反る桜桃の首の後ろに食らいついて歯を立てた。同時に強く腰を打ち付ける。
 
「んぅうんんーーーーーーーーーーー。」

 最初に達したのは桜桃で、鼻からくぐもった高い声を上げて大きく仰け反って果てた。

 絶頂時の震えるのどと、その後のヒクヒクと痙攣する舌に耐えかね、俺もお、おお、と噴出させた。

 俺が出した白濁の液はみるみる桜桃の口から溢れてトロトロと滴る。

「ふっ、はあーー、うまいか?イヌイのチンポ汁っ、ドクドク出たか?
 口に、口いっぱいに、熱いの出たか!?気持ちいいか、桜桃?
 イイんだろ!?あ、あ、中、グチョグチョだ…、ああああ、俺もイイっ!
 桜桃…、口も、中も、俺も…、
 トロトロのグチョグチョ…っくっうう、おおおおおっ、出る、出るぜ…っっぃ
 ……くああああ!!」

「んああ…っ、サルトル、サルト……やん、ん、んんんっ、あーーーーーっ!」

 激しい突き上げに桜桃も再び昂り痙攣する。
 ひくつく桜桃を抱きしめたまま身を仰け反らせて、サルトルは桜桃のなかに果てた。
 ビュクビュクと射精の音が聞こえるような、激しく体を震わすサルトルに、おそらく何度もイッたであろう
桜桃の、快楽に狂った焦点の合わない目。

 絡んだままひくつく二人に、いつのまにか再び昂らせていた俺は立ちすくんだままその昂りを、
未だつながる結合部に散らせた。


・・・・・・・・・・・・


「いつもあんなふうに食われてたのか?」

 餌の食い方など気にした事も言及したこともなかった。ましてや相棒サルトルの。
 だが訊かずにはいられず、次の日水汲みに出かけた川で、俺は桜桃に問うた。

「あれではまるで…鬼がするという、プレイとかいうもののようだ。」
「バカね、イヌイ。」
 革袋に水を詰めつつ、いつもの笑顔で桜桃は言った。

「プレイって、もっと凄いんだよ。鞭で打ったり縄で縛ったり、ロウソク垂らせたり、猫耳つけて
ニャアニャア言ったり、お帰りなさいご主人様っとか、トラのビキニでダーリン浮気は許さないっちゃ!と
電撃浴びせたり、いろいろな方法でイッたりイカせたり、食べたり食べないの楽しんだり。」
「お…おまえもした事あるのか!?」
「あるわけないじゃん、補食も二人が初めてなのに。同族伝達で他の桃岩の記憶から知ってるだけ。」
「あ…そうか…そう…だよな。」

 そうだよ、と笑う桜桃に気をよくして、俺はさっきの問いなどどうでもよくなる。

「鬼は、人間としか子作り出来ないし、人間も鬼も年中発情期だから、普通の補食の延長みたいな
セックスじゃあ、飽きちゃうって話だけど……変態だよねえ、彼ら。」
 よくわからねえがそれは変態だなあ、とつぶやく俺に桜桃はさらに微笑む。

「イヌイ…ありがとうね。」

297102:2007/11/19(月) 04:49:54 ID:QE2Aodat
 桜桃が俺に…俺だけに向かって微笑む。それだけでどうしてこんな気持ちになるのだろうか。
 うれしいようなこそばゆいような、照れくさく逃げ出したいような。
 その顔が見えないように胸に埋めてしまいたいような…。

「イヌイのおかげで私は…サルトルが好きだって気づいたよ。ぜんぜん違うの、サルトルに食べられるときは
いつも、とても、恥ずかしいの。恥ずかしくて、うれしくて、こそばくて、胸に抱かれるとホっとする…。」

 さっきまでと同じように俺に向かって微笑む桜桃の、その言葉にこんなに胸が抉られるように痛いのは。

「昨夜のあれはね、メイクラブって言うんだよ、イヌイ。イヌイも猛ってたからわかるでしょ。
サルトル妖獣だもの、苛めるの、好きなのよ。興奮するの。私も、恥ずかしいけど、…それがイイの。
サルトルが興奮してくると、濡れちゃう……。」

 お互いがお互いの反応をちゃんと見て、自分も相手もイイように、一緒の気持ちでイイように
セックスするのをメイクラブって言うんだよ。
 では、今、桜桃の声がうっとりと甘く響くのに、俺は食欲もわかないのは。
 それが俺に感じてじゃないからか。
 その笑顔も…。

「サルトルが好き……。」

 桜桃はーーー決して美人でもお世辞にも可愛いといえるわけでもない容姿の桜桃は…。

「私…彼の子供を産んであげたいの。」

 このとき俺が見たどんな女より美しく、可愛らしく。

「だけどね、桃岩が子供を産めるように成熟するには経験を積まなきゃいけなくて…
 サルトルだけじゃあダメなの。イヌイ…協力してくれる?
 イヌイなら、嫌じゃないから耐えられる。私をもっと…。」
 
 ……痛々しく。

「…もっとたくさん食べて、淫らな女にして欲しい。」

 ……憎らしく見えたのだ。


・・・・・・・・・・・
            
                           今回はこのへんで

もう少し長い回なのですが、前回長くて
我ながら読むのダルかったから切り上げました。
番外ではなくイヌイの回想というか心象です。
おチ*ポとかちょい下品なの苦手な方がもしいたら
すみませんでした。最初に注意描くべきでしたね。        ごめんにゃ。

                            

298名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 09:21:17 ID:gFslv9Jd
gj!!
そしてごめんにゃとか言う>>102に萌え
299名無しさん@ピンキー:2007/11/19(月) 23:04:11 ID:Hkz2e/SS
桜桃もかわいいな。サルトルとイヌイとの三人の関係にも萌える。
不器用なイヌイがなんか愛しい。
>102さんの話を読むのがとても楽しみです。
今回もgjをありがとう!
300名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 00:00:59 ID:45OptiUT
ごめんにゃwwそこに一番萌えたw
サルトルと桜桃のSとM関係もエロくていいな〜102氏のおかげで日々萌えには
困らない生活だ。
301名無しさん@ピンキー:2007/11/23(金) 07:08:53 ID:m1Bnn7qh
久々に来てみたら何というGJ…!桜桃かわいい
302102:2007/11/25(日) 06:26:24 ID:HCayJfT1
297の続きです。
・・・・・・・・・・・・・・・
 
 桃岩属とは何なのだろうか。

 すべての妖しの餌となり、その力を強めさせ、たおやかに柔らかいその身を成熟させると岩となる。
 妖しの助けとなる泉として長命な生に変わる。
 異種同士が結びつかない妖獣の性を越えて、男の妖獣と交わり子を産める。
 だがその後砕けるということは、妖獣の子を産む事は、桃岩属の生き物としての業の外なのか。
 だから産まれた子は生き抜けず、マサルのように大きく育つのは稀な事なのか。
 ならば何故それが出来る機能を持つ?

 わからない。

 桃岩属の女たちは…女とはなんなのだろうか。
 

 ー優しく愛おしもうとするのに
 ー怯えさせ泣かせていたぶり
 ー瀕死に追い込まれてなおも逃れようと抵抗する、その身体を蹂躙し
 ー残忍に引き裂き、食い尽くしたい存在…

 ーーー食べて、イヌイ

 そもそも食べるとはなんなのだろう。
 口に入れ噛みしだき自分の身に…力に変える。

 ーーー…もっとたくさん食べて、淫らな女にして

 …それは何から何に変える妖術だ?


 ああ、だが躊躇も疑問も何の意味もない。
 望まれれば俺は拒めない。
 獣の牡なのだーーー


・・・・・・・・・・


「イ…イヌイ…っ。」
 さっきまで執拗に脚の付け根に、熱くぬめる大きな舌が蠢いていた。

 イヌイは桃子の股間にしゃぶりついて中の血を啜りあげた。
 極太いイヌイの自身を一度に受け入れて、破瓜のためだけでない鮮血の量は多く、すでに溢れていた
それはイヌイの口の回りからのど元を紅く染める。
 それをどういった妖力なのか、イヌイが大きく口元の空気を啜ると、それはすべてイヌイの口中に
消えて行く。
 桃子の太腿に痛々しく滴った血の筋も跡形も無く舐めとり、岩に染みたそれもヒヒの血と同じく
すべて腹に収めた。
 獣の自身の興奮を呼び起こす乙女の鮮血と愛液に、イヌイは既に酔っていた。
 
303102:2007/11/25(日) 06:29:13 ID:HCayJfT1
 
 わずかな一滴も残すものか。
 みな俺のだ。俺が食う。俺だけが…!
 はじめからそう決めていたのだ。渡さない。
 どうしてひとときの気の迷いでタキジなどに預けたのか。渡さない!
 あの黒い羽虫になど、匂いのかけらも渡すまい………!

「イヌイ…っ!あ…や、待って、イヌイ…、イヌイっーーーー!!」

 桃子の破瓜の印をすべて舐めとり終えたイヌイは、そのまま桃子の身体の隅々にまで口を運んで愛撫する。
白魚の指先、小さくいじらしい小指の足先の爪も。漆黒の闇に濡れた絹糸の髪も、柔らかいちりめんの腋の下も。
しわというしわに舌を差し入れ、穴という穴に自身の唾液を注ぎ込んで、分厚い軟体動物は縦横無尽に桃子の
柔らかい肉に這った。
 舐められていない場所はもうどこにも無かった。
 再び桃子の脚間に戻って来たイヌイの、はっはっと興奮した短い吐息が桃子の白い内股を熱く湿気させ、
吹き出す汗をもまた舐めとっていく。
 吹き出すのはとっくに汗だけではなく、イヌイが顔を埋めるそこからは、甘く芳醇な香りが立ち上がっており
獣をさらに狂わせていた。

「ん…、やっ、んっっぁあ、……っ…、……っ!」

 あげさせられ続けた嬌声に声を涸らし、桃子はヒクヒクと身を震わせていた。白い肢体は愛撫と獣の欲情に
火照って内側からしみ出すように赤い。その豊かな乳房を、尻を、イヌイの大きな手のひらが飽きもせず揉み続ける。
ぐにゅぐにゅと肉を繰られる快感に、桃子は昂った欲望を何度も口にする。

「もういい、いいから…!あ…あっ…お願い、イヌイ……もぅ、入れて…っ。」
 入れて、入れてよ、と繰り返す桃子の戦慄く唇に、ようやく顔を上げたイヌイの唇が触れる。
 熱くやわやわにふやけた互いのそれを、舌で舐めあってはペチャペチャと音をたてた。
304102:2007/11/25(日) 06:31:18 ID:HCayJfT1
 
 唇から顎を這い、首筋を通っていったイヌイの唇が、真っ赤な耳たぶを甘噛みする。ゾクゾクと
寒気に似た快感が走り抜け、桃子を仰け反らせて乳房がブルンと大きく揺れた。
 イヌイは耳の穴に尖らせた舌を差し入れながら、今揺れた乳房をかき回すように大きく捏ねた。
「そ…それ…、やぁ、…ひぃん。」
「気持ちいいだろ…ここ。桃子、耳弱いな。」
「イ…イヌイ、やらしい…。」
 手の平の真ん中にコリコリとしこった乳首が当たり、同時にそれも転がすように、たわわな肉に
何度も指を埋め込み直す。
「イヌイ…、来てよ、ねえ、…あ、ひ、あ、あ、……わああぁ…ん。」
 その願いが届いているのか、聞き入れられず続けられる攻めに、ついに桃子は泣き出してしまう。
「いやらしいのはおまえの声の方だ…。」
 その甘くか弱い泣き声は、かえってイヌイの獣を猛らせ、それは先刻から桃子の腹に腰にゴリゴリと
擦られて熱い。だがイヌイはいまだ挿入に移る気配も無く、延々と桃子に愛撫を続けていた。
「だって…も…いいよぅ…、…変になっちゃう…私。もう、入れて…。」
「本当に、いやらしいな桃子…。」

 戦慄く桃子を押さえつけながらも器用に腰を動かして、イヌイは自身を桃子のぐっしょり濡れた
恥毛に埋めた。その中にある快感の中心の尖りに、鈴口で挟み込むように亀頭を当てると、先走りの淫汁が
桃子の芽にからみついて熱くぬめる。
 すでにしこったコリコリした感触を尿道口に感じてイヌイも声を漏らした。
 さすがに彼の我慢も限界に来ていた。

 じゅぶ、と一瞬竿がめり込んで、胸に抱えた桃子が緊張に身体を強張らせて声を漏らした。
 我に返ってイヌイは苦笑しながら腰を引く。
 反り返った肉竿が、イヌイと桃子の眼下で、その頭をたった今まぶされた愛液にぬらぬらと光らせていた。
 
 ぐちょぐちょだな、桃子…いやらしい子供め。

「ぐちょぐちょだな、桃子…いやらしい子供め。」
「誰のせいよ…バカぁ。」

 真っ赤な顔で上目でうらめしそうに言う桃子に心底驚いたイヌイは、桃子同様頬を上気させている。
 思考したそのままの言葉が漏れ出た事実に、自分の陶酔と興奮を自覚して、不機嫌そうに顔をしかめた。
 その顔が桃子の切なげに息を漏らす赤い口に近寄りさらに歪む。
「…今度は、優しく入れてやるから…。」
 すぐ耳元にイヌイの嘆声を聴いて、桃子は頭の奥がしびれるような感覚にまた震えた。

305102:2007/11/25(日) 06:33:01 ID:HCayJfT1

・・・・・・・・・・・・・


 再びの挿入にイヌイが桃子を四つん這いに這わせ尻を持ち上げようとした、その時、意外なほど
敏速な動きで桃子が嫌だと腰をよじった。

「なんだ。」
「こっちは顔が見えないから、嫌。」
「バカ、これが一番痛くないんだ。」
「誰がそう言ったの。」
「桃岩は皆そう言う。」

「私じゃない桃岩の言葉なんて今は関係ないでしょう!!」

 急に声を荒げた桃子に一瞬怯んで、イヌイは腰を掴んでいた手を緩めた。
 すかさずお尻を引っ込めて、桃子は恥ずかしそうに三角に座る。
 考えもしなかった桃子の拒絶に、イヌイは驚いた顔のままその前に膝を詰めて向い合う。

「…さっきも思ったんだけど。」
 桃子は怒ったような顔でイヌイを睨み、耳まで羞恥に赤くしていて、それはさっきまで艶やかに
嬌声をあげていたはずの桃子を、急速になんだか子供っぽく見せた。

「どうしてお尻、そんなに見るの?私、恥ずかしくて嫌なんだけど…!」
 思いがけない訴えにイヌイの目が丸くなる。
「どうしてって…後背位で入れようとしたら見えるんだから仕方がない。」
「だからお尻見られるの嫌だってわかってて、どうして後ろからしようとするの!?」
「だから痛くないから…てか、普通妖獣は皆この体位でやるもんだ!」
「私妖獣じゃないもん!!」

 イヌイはこちらをじっと睨む桃子に急速に鼻白んで、ふん、と身を離して睨み返す。
 さっきまでうっとりと俺に身を任せて悶えていたくせに、なんだその豹変は、桃子。
 憮然としてイヌイも冷ややかに言う。

「言いたい事があるならはっきり言え。ないならもうやめて寝るぞ。続けて食えと言ったのはおまえだ。」
 言ってて自虐にもほどがあると、イヌイは内心自嘲する。
 もうすぐにでも爆発しそうなほど怒張を強めているのに、やせ我慢をまだするか。
 だが桃子はイヌイの抑え込めずに吐かれる荒い息を、強い口調を、どう勘違いしたのか、叱られた
子供のようにビクつきながらも、拗ねて口を尖らせてつぶやく。
「…耳…舐められるの…も…や…。」
「ぁあ!?」
 聞き取れない桃子の声に苛立を強めるイヌイ。
 それに一瞬怯むが意を決したように桃子がキッと顔を上げた。
「耳ん中にべろ入れられるのもい、や、っ!って言ったの!!」
「そこ、やん、とか感じてたじゃねえか!」
「ほんとに嫌ん、だったの!くちゅくちゅ音がして、気持ち悪かった!!」
「………っ言えよ!その時!!」
 ムッとしてイヌイが吠えた。一段大きい声に桃子がビクっと怯えて身体を揺らした。
「だって…イヌイが気持ち良さそうに私のお乳触るから、言えなかった…。」

306102:2007/11/25(日) 06:34:30 ID:HCayJfT1

 こういっちゃあなんだが俺は乳を繰るのは巧い方だと自負している。それにおいしく頂くためにも
悦ばすのが好きだ。今までの桃岩達はみんなそれを悦んだぜ?
 顔をしかめて睨むイヌイに、それでもおずおずと桃子は続けた。

「お乳触られるのもイイのはイイけど…先っぽぎゅうって捻られるのは痛すぎてあんまり好きじゃない。」
「…じゃあどうされるのがイイんだ!?」
「……。」
「…言えよ。」
「先っぽは下の部分そっと撫でてくれるくらいのが好き…。」
「……。」

 イヌイはやっと、桃子が何を言っているのか少しずつ気づきはじめた。

 知っていた。俺は、それに。気づいていた。
 指の腹で舌で、掬い上げるように乳首に這わすと、桃子の声色が変わった。
 好きなのを既に知っていた。
 捻り潰されると本当に嫌そうなのも…。
 それが好きだったのは……。
 
 イヌイの耳がぴくぴくと動き、苛立たしげに尾は小刻みに振れた。
 自分の過ちを指摘された恥ずかしさにお門違いと知りつつも語気が荒くなる。

「え?何か?じゃあ感じてる演技だったのかあれ。演技するような余裕があったのか、おまえ!」
「え…演技って、そんなのなんでしなくちゃならないの!?」
「俺をバカにしてたのか!?」
「してないよ!私はただ…っ!」
「ただなんだ!」
「……っ。」
「なんだ!!」

「他の桃岩と比べないで欲しいだけだよ。…桜桃とか」

 ………………………。

 しん、と静まった中、カミナリに打たれたようにイヌイが身を固めて凍る。
 反してやっと言えたというように、桃子の頬は緩み安堵の息が漏れた。

「…桜桃ってだあれ?マサルくんのお母さん?イヌイも好きだったんだ…。」
 イヌイは舌打ちする。ああ、そうだ。タキジが言ったのか。あの鳥鬼…。
「昔は仕方ないけど、今は、今だけでいいから、私を見てよぅ…。」
 
 ーーお互いがお互いの反応をちゃんと見て、自分も相手もイイように、一緒の気持ちでイイように…
 
 かつて聞いた、桜桃の声をどこからか聞いた気がした。
 目前の桃子が同じ事を話していた。

307102:2007/11/25(日) 06:36:53 ID:HCayJfT1

 イヌイの尾がさらに激しくぱたぱたと地面を打つ。桃子は泣きそうになりながらも、それでも
今しかない、と訴える。
「あと…淫乱とか言わないで。悲しくなる…。」
 ぱたり、と尾が止まり、イヌイは完全に沈黙した。
 洞窟の温泉の時折空気を吐き出す音と、桃子のカリカリと小さく岩を掻く音だけが耳に障った。

「私は…確かに誰にでも濡れる桃岩だけど、…イヌイにいじられてやらしくなっちゃうけど…好きで
淫乱なんじゃないよ…。」

 俺も、本当におまえを淫乱だなんて思っていない。
 淫乱と、つい言ってしまうのは…。

「ずっと恥ずかしいんだよ…?演技なんか出来るなら、あんな恥ずかしい声なんか出さないよ。」

 おまえが恥ずかしいと思う事をわざわざしてるのは俺だ。
 恥ずかしいのがイイだろうと…。

「私も…イヌイをよくしてあげたいのに。へ…変になっちゃって、何にもしてあげられなくて…つまんないと
思われてるの知ってるもんっ。でも…乱れる子が嫌なら……私イヌイに撫でられたら、変になっちゃうから……。」

 ………。

「お願いだから……そんなふうに触らないで…。」

 俺は…。俺は確かにおまえと重ねていた。ーー桜桃と。サルトルと桜桃の交わりを…。

「私はもういいから…早く入れて、イヌイがいいように食べて…よ…。」

 だが違う。そうじゃない。
 桃子、そうじゃないんだーーー。


・・・・・・・・・・・・


 ぐちょぐちょだな、桃子…いやらしい子供め。

 それはおまえを貶めようと言ったのではない。
 心に浮かんだ言葉が口から漏れ出た事にも気づかないほどに、俺は桃子に陶酔しきっていた。
 熱くゆであがった桃子の肢体は、滑らかな曲線を柔らかく震わせて俺に絡む。
 胸を揉めば胸が、尻を揉めば尻が手の平に吸い付いて、自分の肉になったように自在に揺れる。
 とろけるように柔らかいかと思えば、鞠のように弾む胸は、いくら揉み込んでも飽きない。うっとりと
いつまでもいつまでも手のひらに肉を繰り、夢中でその頂をしゃぶった。
 しみ一つない真っ白い桃尻に手を這わすと、しっとりと肉を湿らせて、その奥の泉が匂い立つ。
かじりつくと口にひんやりとあたり、だんだん熟れて赤く熱く紅潮していく尻たぶを、二つに割ると
奥の可憐な菊門がヒクリとすぼまり、そのさまが可愛くて何度もそこを舌で突いた。
 遠くで甘く響く桃子の声を可愛らしいと思い、それを食おうと口を塞ぐ。舌が絡んで互いの粘液を
絡めあうのにまた夢中になった。既に何度も啜ったはずの唾液が、今夜は特別に口に甘く媚薬のようだった。

308102:2007/11/25(日) 06:39:05 ID:HCayJfT1

 イヌイのしつこいまでの愛撫に桃子は小さく何度も達している。
 ドロリと秘壷から溢れる愛液に既に赤い色は見えない。
 それでもと、念を入れて桃子を高みに追いつめたイヌイの頭には、かつて聞いた明け方の桜桃の
絶頂の声があった。一晩かけておぼこの桜桃の最初を食ったサルトルにくらべて、桃子に無理矢理に
ねじ入れて鮮血を散らせた自分をイヌイ恥じていた。

 もう既に痛めつけ傷をつけ泣かせた。
 今から俺は最後まで桃子を食うけれど、あの日のサルトルのように悦くしてやろう。
 桜桃のように高い悦楽の声をあげさせてやろう、桃子。
 そんな風に思っていた。

 だが再度の挿入をイヌイが先送りにしている理由は、なにより自分に応じて匂い立つ桃子に、己の
思考力を奪われ、ただの獣になるのが恐ろしかったからだった。


 くねる姿態に心を奪われる。
 自然に唾液が湧き出て涎が垂れる。
 ただでさえ、その純血をすでに啜って猛っている。
 反り返る肉竿の皮は張り、ドクドクという自身の脈動にすら快感を覚える。
 はじめから、子供だが上物の桃岩だとは思っていた。だが。
 食べてくれと濡れて匂い立ち、俺にしゃぶられ震える躯のなんて美味そうなのか。
 食いたい。
 お前を食い尽くしたい桃子。

 桃子…桃子っ、桃子…っ!!

 なんという沸き立つ血潮か!俺は獣の牡だと雄叫びをあげて、きっと桃子を裂くだろうーーーー!!


 それは誰と比べてなどでなく、間違いなく今桃子から貪った感覚。

 だから違うんだ桃子。俺は、確かに俺は桜桃にするようにおまえにしてたけど俺はーー。

 だがそれをなんと言って伝えればいい!?


 昂る焦りではない焦れた苛立に、結果、イヌイは舌打ちながら無言で桃子に覆い被さった。
 最初に入れたときと同じように、膝下に両腕を通し脚を大きく開かせる。
 だがこれも嫌だと桃子がイヌイの顔を突っぱねた。
「こんどはなんだ。」 
「は…恥ずかしい…。」
「今更かっ!!」
「だって、今のイヌイ光ってて、よく見えるんだもんっ!」
 それの何が恥ずかしいと言うのか。この子供!
「じゃあ、やめだ。寝るぞ。」
「やだ、脚閉じたまま入れて。」
「出来るか阿呆!」
「出来るでしょ、こうして…、私膝抱えてるからお尻の方から…。」
「いいだろうケツ穴に入れてやる。」
「や…っ、入るわけないでしょバカ!」

 その時である。

309102:2007/11/25(日) 06:42:26 ID:HCayJfT1

 尻に手を伸ばしたイヌイに驚き、膝を抱えて仰向けに転がった桃子は、その勢いに余って大きく
尻を天に突き上げた。だが座っていた岩場が微妙な傾斜で下っていて、そのまま後ろにでんぐり返って
転がる。わきゃあっというおかしな悲鳴をあげてごろごろと二回転して横に倒れた桃子は、ドスンと
抱えた太腿が岩にあたって、あイタッ、と叫んだ。
 その拍子に、丸見えの濡れた膣腔から、ぶちゅりと音をさせ愛液がしぶいた。

「………。」

 さっきまで卑猥な様相でイヌイを誘っていた桃子の女陰が、なぜかコミカルに震えて見えた。
 桃子は一瞬にして真っ赤になった顔でわなわなと震えたが、先ほどのそれとは違う羞恥の顔に、
思わず吹き出すイヌイだった。
 それにはっと気づいて桃子は、小さく、やん、と声を漏らして股間を押さえて丸まった。

 イヌイの腹筋がビリビリと痙攣する。
 だめだ、吹く。
 くく、と肩を揺らし笑い出したイヌイは、ダンゴムシのように丸まって、膝から情けなくハの字にした
眉を震わすだけを見せている桃子に、残念ながら当の桃子には見えないが、極上に破顔した。

「わはははははっ!おい、子供!阿呆だろ、おまえ!はははは!!わはははははっ!!」
 快活な笑いが先ほどまでの淫微な空気も二人のあいだのしこりも、イヌイの苛立もあっけなく吹き飛ばす。
「…そんなに、笑わないでもいいじゃない…。」
 小さく消え入りそうな桃子の泣き声も、イヌイの笑い声にかき消されていた。


・・・・・・・・・・・・

 
 なんという……なんというか、桃子、お前は……。

「ムードも色気もどこかに行っちまったな…。」
 あきれたようなイヌイの声色に慌てて桃子がその身を起こす。
「や…やめちゃうの!?」
 必死の形相ですがりつく桃子の腋に、イヌイは手を入れ抱き上げた。
 にやにやといつもの意地悪な笑いを浮かべるイヌイだが、その冷たく見える銀の瞳をいつも以上に
優しく細めて、チュッと桃子に軽く口づけた。

「桃子、俺は妖獣だ。」
「…知ってるよ、それくらい。」
「嫌がられると猛る。」
「……っ!」
「おまえが恥ずかしそうに顔を背けて震えながら、感じてるのを見ると燃える。」
 驚いて顔を上げた桃子の目前に真顔のイヌイの顔が合った。銀の瞳が桃子を覗いて少し揺れた。
笑ったように見えた。

「おまえの尻を割っておまえの尻の穴をわざわざ舐めるのは、肛門粘膜を食うためだけじゃなくて
そっちが主な理由だな。おまえの菊門は突くとキュッと縮むのが可愛い。何度見ても飽きない。」
 イヌイのあまりに直接的な言葉に、桃子は大きく目を見開いたまま口をパクパクさせて震えだす。
かあ、と額から湯気を上げて赤くなっていくのが自分でもわかって、それが羞恥のためか怒りのためか
わからなくなった。
「へ…変態……っ!!」
「嫌なのはわかっているが、そういうわけで見たいのだから仕方がない。粘膜の味もいい。
舌を差し込むとヒクヒクしつつじんわり粘膜を絞りだして…。」
「バカっ…えっち…!!スケベ犬………っ!!!!」
 わーーっと声をあげイヌイを突き飛ばすがびくともしない。そのことにまた顔は赤くなり、その様に
今度こそイヌイの笑い声が漏れた。はは、と優しげに目を細めて桃子を懐に引き寄せ抱きしめる。

310102:2007/11/25(日) 06:45:09 ID:HCayJfT1

「嫌な思いさせて悪かった。だがおまえと他の桃岩を比べたりしない。そんな余裕俺にだってない。
おまえは美味い、桃子。おまえも俺を見てたらわかるだろ。俺は、我ながら食うのに夢中だった。」
「そ…そんなの…わかんない……。」
「夢中だ、桃子。いい加減機嫌よく食わせろ。おまえが嫌がる事はなるべくしない。だからおまえも
俺がしたがることなるべく我慢しろ。もう淫乱とか言わねえから、いじられてやらしい声出して乱れろよ。」
 そう言ってイヌイは向い合いに膝に抱いた桃子の胸をふにふにと揉みはじめる。
「おまえが感じると俺もイイ。」
 あっという間に硬く尖り、いじってくれと突き出す乳首の、下の部分だけをそっと指先で撫で上げた。
「あ、や、やんっ…ずるい…イヌイ…。」
 桃子の声があっけなく甘く変わる。
「あとおまえこれは好きだろう。前、これだけでイッた…。」
「ん……あ、やああぁん。」
 乳首を捻るでなくそっと下側をつまみ、親指と人差し指でやわやわと揉む。時々一瞬だけ爪の先で
刺すように先端を掻くと、桃子はひいん、と泣き声をあげた。
 たちまち立ち上って来た匂いに垂涎して、イヌイは桃子の潤んだ眼を見つめて言う。
「もう…食うぞ。」
 切羽詰まった震える声に、桃子はうんと頷きかけて、首を横に振る。
「後ろからはやだ…。」
 半泣きで桃子は離れまいとイヌイの首に腕を回す。
 まだ言うか…!イヌイは苦笑する。どうせ無駄な抵抗なのにと。
「わかった…、桃子、そのまま脚の力抜け。」
 抱き上げた腕をゆっくり下げていき、ダランと膝をついた桃子の脚を割って、屹立した肉茎を
桃子に刺した。
「え、…あ、あっ。」
 腋の下を支えていたイヌイの腕が、脇腹を添い、腰まで降りて来て桃子を固定する。
「あっ、あっ、やっ、入っちゃうっ!ああっ!」
「おい桃子。」
「えっ?あっ、何!?やあ、…ふっ!」
「おまえは可愛いな。」
「ひぁああんん…ん…っ…、…!」

 そのまま深く桃子に埋めていく。押されるように嬌声を上げる赤い唇に、漏れ出た吐息を根こそぎ
食おうとイヌイのそれが食らいついた。
 上下から同時に差し入れられたイヌイの肉の熱さに、やっと与えられた痛みに、桃子は仰け反りながら
悦んでいる自分を感じた。


 入った、というより裂かれたという感覚に、痛みに漏れ出る声を懸命に耐えた。
 それでも最初の入れられたときよりはいくぶんましで、重たい鈍痛にも増して桃子の心を占めるのは、
やはり一つに繋がった歓びだった。

「大丈夫か、桃子。」
 息の上がった声でイヌイが桃子を労って背を撫でる。
 座位で貫かれたその身体を、ヒクヒクと戦慄かせながら桃子はイヌイの肩に顔を押し当て、
こみ上げる涙をなすり付ける。
「動かないで…イヌイ…、しばらくそのまま…。うん、…あぁ、イヌイが…。」
 イヌイが私の中にいるよ…、と消えていく甘い音色を聴いて、イヌイも震えた。

 熱い鉛の自身を桃子に差し入れても全ては収まらない。きゅうきゅうと闇雲に締める膣は
決して好いとは言えない。
 だが再び挿入された暴君に必死で痛みに耐える桃子の赤く滲んだ指先に、苦痛の声色に、
…わずかに感じる悦びの吐息に、イヌイの胸が熱くなっていく。激しく奪いたくなって焦れる。

311102:2007/11/25(日) 06:47:10 ID:HCayJfT1

「ふう。」
 少し慣れたのか桃子の呼吸が落ち着き、ゆっくり顔をあげてイヌイを見た。
「イヌイ…少しはイイ?」
 その問いに苦笑せざるを得ないイヌイだ。
「少しはな。」
 あからさまにがっかりした表情で桃子は涙ぐむ。
「どうしたら?」
「動きたい。」
「動く?」
「ああ。これを、こうして…。」
 入れて奥まで刺さったそれを、ずるり、と引いた。
 桃子の顔が歪み、ああっん、と声があがる。
 肉が擦れる痛みに身構えたまま、今度は逆に強く奥まで突き出された。
「あ、ああっ!」
 ずうん、という鈍い刺激に桃子の首ががくんと触れる。はあ、はあ、と息を乱して桃子は
イヌイにまたしがみついた。
「い…たい…っ。」
 小さな桃子のつぶやきにイヌイは腰を止める。
 たった一度のその浅いピストンに、突き入れてるイヌイの怒張がびくんと身を反らして大きく育つ。
 それを認めて桃子はイヌイに複雑そうに問う。
「そうするとイイの?」
「ああ、まあそうだな。」
 歯切れの悪いイヌイの言葉に桃子はイヌイの顔を覗き込む。
 イヌイの顔は眉根が寄せられ、目はうつろに桃子を見ている。時々ひくひくと痙攣して、それは
イヌイの股間の脈動に連動していると気づいて桃子は堪らなくなった。
 ああ、イヌイも…イヌイも我慢してるの…?
 自分はイヌイに満足して欲しいのに。

「あのね、イヌイ、大丈夫。最初より全然平気。イヌイ優しいし…それに…。」
 意識を股間に集中させると、イヌイは小刻みに腰を動かし、肉棒にぬるぬると桃子の愛液を
からませつつ、すこしずつ奥に差し込んでいるのがわかった。その間も片手で胸を揉まれ片手は
桃子の尻をさわさわと撫でている。
「それに…、気持ちいい…よ。私…。」
「嘘つけ、阿呆…。痛いんだろう?」
「痛くない。」
「これでもか?」
 イヌイが笑って腰を突き上げると、肉竿が桃子の奥にめり込み、桃子は苦悶の表情を浮かべる。
「痛くな…いっ!」
「ははは、バカ。」
 乾いた笑いを吐きつつ、イヌイは今突いた子宮口の裏あたりを背中から優しく撫でる。
「我慢しなくていい。桃子、ゆっくり…。」
 ゆっくりやろう、とささやくイヌイの低い声に桃子は身震いした。
 その拍子にイヌイをくわえた肉がきゅうと締まり、イヌイも震える。
 二人顔を見合わせて笑った。


・・・・・・・・・・・・・・・

312102:2007/11/25(日) 06:50:03 ID:HCayJfT1

 つながったまま口づけをかわし、互いの舌を重ねて何度も繰りあう心地よさに酔った。

 桃子はイヌイの厚い胸板にしがみついて、焦らされる快感にたゆたう。
 繰り返す口づけに時折イヌイの顔は桃子の耳元にきた。何度も舐めようとしては、嫌だと言われた事を
思い出して引っ込められるイヌイの舌に、桃子は嫌だったはずなのに、なぜかそのわずかな耳の接触に
敏感に快感に濡れる。
 そのために、イヌイの熱い何かに耐えるような吐息と、呻くのどの音を桃子は聞き取れ、乱れているのは
自分だけではないのだと安心した。

 膝に座らせたまま押し倒し、白い豊かな胸を両手で揉む。
 桃子は膝を曲げた形で仰向けにされ、存分に嬲られる。
 愛おしげに桃子の胸から腹の曲線をすべって降りて来たイヌイの大きな手が、割られて開いた
脚の付け根を撫でさすった。
 接合部は互いの陰毛で隠れて見えない。それをイヌイの指がかき分け露にする。
 桃子の秘肉はイヌイの自身に広げられ突っ張っている。つべつべしたそれをそっと撫でて、
その一番上にある小さな尖りをイヌイは剥いた。
 桃子の身ががくんと揺れる。そこに向かってイヌイはわざと唾液を垂らすと、それを繰る指は潤滑されて
桃子に声をあげさせた。
 桃子の中がひくつき、潤いを増してイヌイの浅すぎるピストンを容易にする。
 その抽送はだんだんと大きくなり、桃子の声もまた高く鳴き出す。
 ゆさゆさと揺れる白い双丘を眺めるうち、堪らなくなりイヌイはその赤い頂に食らいついた。
 剥き出された陰核に腹の毛を擦り付けるようにイヌイの腰が動く。
 だんだん激しさを増す男の腰の振動に、気がつくと桃子は大きく股を開かれたまま、自らの腰を
イヌイに陰核をぶつけるように突き上げていた。

「あ、あ、イヌイ…っ、あっあっやっ!」
 いつのまにかぐちゅぐちゅと水音がする二人の結合部に、イヌイの親指が挟まれ桃子の突起を刺激した。
「だめっ、やあーーっ、あああーー……っ!!」
 その背をイヌイの太い股に反らせて、桃子は絶頂に達した。ガクガク震える胸に腰を折り曲げた
イヌイの舌が伸ばされ、下乳から乳首を掬うように舐め上げる。
 そのまま首筋を這い昇って桃子の戦慄く口を吸う。
 中の肉はきゅうきゅうと吸い上げるように痙攣して、イヌイは桃子に口づけたままその快感に呻いた。
 納められた欲望がまだかと身を反らす。
 抑えなければ、と思いつつ、イヌイは腰が揺れるのをもはや止められないでいる。
 重ねた口端から、桃子のひいひいという息が漏れた。
 達した余韻にまだしびれる肉芽を恥骨で押しつぶすように腰を突き上げると、あっけなく桃子は再び達して
快楽の叫びをあげた。

313102:2007/11/25(日) 06:51:25 ID:HCayJfT1

 お腹の中のイヌイが熱くて大きくていっぱいで、私は息も出来ない。

 唇で舌で蠢くイヌイの欲望を感じてたらだんだん切なくなって来て。
 痛いはずのつながった部分や、中の擦られぶつけられる部分が。
 治りかけの傷のように痒くて、…痒くて焦れる。
 はじめはゆっくりと揺らされた身体がだんだん熱を帯びて、イヌイに撫でられた腰が震えてしまう。
 そんなつもりはないのにきゅうきゅうと身体の奥が勝手に縮まって、イヌイの熱いのを締め付けてる。
 ドクドクするイヌイのが、
 じゅるじゅると抜き差しされていて、
 やっと自分が濡れているのに気づく。
 イヌイの指が私の一番弱いところをくりくりといじって、
 ぬちょぬちょといじって、もう声が、
 また恥ずかしい声が出ちゃう。

 イヌイのバカ…!

 それがイイって言ったらそんなふうにばっかりお乳を触る…ぺろぺろと舐めてる。
 脚曲げたまま身体反らされて、お股突き上げるみたいに、
 なのに脚は開いてて、イヌイの逞しい腰がぶつかってる。
 へこへこと動いてくねってぐちゅぐちゅと音をたてて、
 ……いやらしい。
 イヌイの、
 腰の動きがいやらしい。
 私のお乳ちゅぱちゅぱ吸うのがいやらしい。
 はあはあって息が荒くて、
 さっき一瞬こっち見た、銀の目が爛々と光って
 いやらしいの…!
 イヌイ…バカ!スケベ犬!!
 そんなふうにしたら…私…。
 そんなふうに…、そんな、そんな、あ、あ、あっ!!!

 ーーーーーーー……、ああ、
 なか、すごい。
 きゅうきゅうしちゃう。
 すごい。
 イヌイの、イヌイの硬いの…
 ん、んああ、イヌイの熱いの…っ、
 熱いの,あん,あん,

 ………やぁあんっ…

314102:2007/11/25(日) 06:53:15 ID:HCayJfT1

「ああ、…ぁんっ、やぁぁ…ん…。」
 達して。また達して、それでも桃子を揺さぶるのを止められない、休ませてもやれない俺に、
細いしなやかな腕がぎゅうとしがみついてくる。
 まるで虫の息の桃子の小さな掠れた声が、快楽の色を含んで俺に繰り返した。
 
「イヌイ…好き…。」


 「イヌイが好きなの…、私…、幸せだよぅ…。」



            「幸せだよぅ……大好き…。」 

 

・・・・・・・・・・・・・・



 温かく、包み込む、柔らかくて、溢れるミルクの泉、春の桃の花のピンク色。


 
         「……っ……ぁ、………んん…、あ…。」

 遠くで転がる鈴の音のような、耳に心地よい桃子の漏らす声が、俺に伝える。
 
              気持ち悦い、と。
               もっと、と。

 
 強く強く抱きつぶしたいのに、腕に力が入らなくて、俺は仕方なく腰を振る。

         一突きで膣の様相はがらりと変わる。

 吸い付いて離れない、桃子の秘肉がじんわりと蜜をからめて俺を擦る。

    不思議な弾力を持って迎え入れ、去らないでとすがりつく。

               …ああ!

   俺は受け止められたのかーー     絶えて滅しなくていいのかー…

     (この世界に)           (この世界から)


・・・・・・・・・・・・・・・・

315102:2007/11/25(日) 06:54:37 ID:HCayJfT1
 
 甘い。

 甘い熟した桃の果実の香りが俺を包む。

 グチュリと潰して、その甘露な汁を滴らせたいと思うほどに瑞々しい果肉。

 崇高なまでの美しい丸みの柔肌。

 牙を立てるのも躊躇うほどに。

 食い尽くしたいと、あれほど欲し、冥い欲望に狂うのを恐れたほどのそれを。

 どうぞと差し出されて沸き立つのは。

 獣の血ではなく歓喜だった…………。
 




「泣いてるの!?イヌイ!?」
 心底驚いた、頓狂な桃子の声にハッと我に返ったイヌイは、慌てて濡れた頬を乱暴に拭く。

「汗だ。」
 そう取り繕った声が涙に震えており、簡単に嘘を明かす。
 イヌイは舌打ちしてクソ、と顔を背けた。

 
 
 抑えきれない快感に息を乱して、イヌイは彼の日の真相を知る。

 補食ではなかった。
 サルトルは、あのはじめての日でさえ、桜桃を食うために肉茎を差し入れたのではない。
 そうではなかったーー。
 ああ、桃子。
 おまえは餌じゃない。
 ーーあいつは餌じゃなかった。
 これは食事じゃない。
 ーーあれは食事じゃなかった。
 鬼達がするプレイといわれるものでも…。
 ーーそれをあいつは何だと言ったか?

 自分は愚鈍で気がつかずーーーーサルトルがしていた事を。
 ただそう思いたくてーーーーーー桜桃が選びしていた事を。
 憧れていて望んでいたーーーーー実は堪え難く苦しみに悶絶する未来と知らず。
 

 知るのが恐ろしかった事。
 桃子。俺にそれを教えるのかーーーー。


316102:2007/11/25(日) 06:57:54 ID:HCayJfT1

「…出す…ぞ。」
 吐き出すようにそう言って、イヌイはぎりぎりまで桃子の内壁を擦るように突いていたそれを、
一気に抜くと、オ、オ、と押し殺した声を漏らして、桃子の腹に白濁の雫を散らした。
 びゅくっと吹き出したイヌイの昂りを二度、三度と自身の腹に受け、桃子はそれを上気した顔で、
不思議そうにただ見つめていた。
 抜き出され、いまだ屹立したままビクビクと身を反らすイヌイの怒張は、本当に桃子の中に
収まっていたのかといぶかしむほどに、始めより太く、大きく腫れて見えた。
 はあはあと大きく息を乱し、自身の膨らんだ先端を見つめるイヌイの目から、今度ははっきりと
涙のひと雫が垂れた。
 桃子、俺は…桃子、俺は、俺が…。
 ただの犬の妖獣ならば…。

 何かを拒むようにイヌイの銀の瞳がゆっくりと閉じられる。
「…イヌイ、泣かないで。大丈夫だよ。大丈夫!」
 慌てて身を起こした桃子がイヌイの頬を撫でて涙を拭う。
 小さな温かい手が閉じたイヌイの瞼に触れて、そのぬくもりにイヌイの目からは、次々に
水が溢れて止まらなくなった。
 誰も照らさぬはずの、瞼の裏の銀の光の中に一人の桃岩が浮かぶ。
 それが誰かはイヌイはわからず、重ねられた唇をただ啜った。


 眼を開くと意味もわからず大丈夫、大丈夫だから、と繰り返し、一緒に泣いてる桃子がいた。
 やっぱりバカな子供だとイヌイはぼんやり笑い、再び目を閉じる。


 瞼のそれは桃子になった。


 
・・・・・・・・・・                     

                          今回はこのへんで

317名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 07:29:23 ID:FSrzNQP1
このじかんに起きて良かった!

言葉がでない…
圧巻のぐっじょぶ。
よすぎるぜ。
318名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 11:27:58 ID:yRQ8BZSa
本当に良すぎる…もう何て言って褒めたらいいのかわからん。GJ。
俺、エロパロ板に来てよかった…なんて思いつつ昇天。
319名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 21:12:03 ID:26wqZb6N
何度も読み返しました。
すごい。すごい。
続きをもうただひたすら待つことにします。
GJ!!
320名無しさん@ピンキー:2007/11/26(月) 03:44:58 ID:MbTXikoY
神と呼ばせてください。
あなたの世界に引き込まれて桃子、イヌイと一緒に悶えました。
あなたの作品に触れることができて本当によかったありがとう。ありがとう!!
続きを楽しみにお待ちしております。
321名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 22:12:41 ID:b830HxV4
102氏の話がラストを迎えるまで、全力でGJと保守をさせてもらうッ!
322名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 23:07:51 ID:CahCZNRs
マジで102神の本が欲しい…。
エロすぎるよ。
続きを正座して待つ!
323sage:2007/12/02(日) 04:34:53 ID:XF+mLJSX
泣けた・・・イヌイ良かったね!
神!!
324名無しさん@ピンキー:2007/12/04(火) 00:38:20 ID:swRpe2ct
ほっしゅ
325名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 20:29:54 ID:1hfBaSQr
保守
326名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 00:21:34 ID:uMF5S3KS
週末に期待保守
327102:2007/12/10(月) 03:10:54 ID:SRe7ev/u
あとちょっとなんですがもう寝なきゃあ…時間切れ…ごめん、来週こそ〜!もう少し…待ってね…
身に余る感想と保守、嬉しいです!本当に、心から、読んでくれてありがとうございます。
328名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 01:30:09 ID:vsar/6Yz
102神ー!俺はいつまでも待つさ!
君がッ、投下するまで、保守るのをやめないッ!
329名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 21:16:05 ID:DKkO61Ud
WKTKしながらお待ちしております。
330名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 12:33:29 ID:euqrp4kq
wktk保守
331名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 15:52:53 ID:saXqzLmA
キジさんが好きなのでたまにはいい思いをさせてあげてください。
332102:2007/12/14(金) 16:42:57 ID:NlP8nprz
出張はいりました〜…otz戻り火曜だって…年末なんてラララです
キジ、楽しそうに出てきますから許して。投下予告すみません。木曜日!
333名無しさん@ピンキー:2007/12/15(土) 11:16:12 ID:8szMiw/B
>>102
楽しみに待ってます!
334名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 23:13:33 ID:fy+0YIVj
お仕事がんばれ〜。
応援してます。
335名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 21:48:51 ID:LnJko00z
保守
336名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 11:25:17 ID:U9tl7WiB
>>54
再うp頼むっ!!
337名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 12:10:31 ID:LS0FyS0G
ほぼ一年前じゃねえかw
338名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 20:07:37 ID:medHZijt
wktk
339名無しさん@ピンキー:2007/12/21(金) 23:31:50 ID:vPZGpuZf
お忙しいのでしょうか?
体調を崩されたとかでなければいいのだけれど……
ああ、すっかり102氏のファンだ。
気長にお待ちしています。
340名無しさん@ピンキー:2007/12/22(土) 05:38:39 ID:KMiUmZlG
おお祝一年 もったねこのスレ 
異説・桃太郎の人みたいなのまた読みたい 猿美正統派で好きだ
341名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 01:51:33 ID:DoPdIdTs
もう一周年か
このスレって良い作品揃ってるよね俺も異説好きだ
342名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 21:50:36 ID:EsiIzrO6
ほっしゅほしゅ
343名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:13:12 ID:6ODcjcc5
スレ乱立中なので、念のため保守
344名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:15:04 ID:HtjQkS3Z
保守あげ
345名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 07:25:04 ID:ymYB4HVc
ホシュ!
346102:2007/12/28(金) 08:27:37 ID:ksKghwrU
 遅ればせながらメリークリスマス。過労と風邪で寝込んで、出張先から実家に避難するもPCは無く…
 なんていいわけはともかく、約束守れなくてすみません。もう投下予告なんてしないっ!
 淡々と投下を続けますのであと少し見捨てないで下さい…にゃ。←懲りずにコビて見ました。
 では↓
316の続きです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ーーー狼はつがう動物なんだってな。

 そう俺に教えたのはサルトルだった。
「知らん。なんだ、つがうって?」
 異種妖獣であるはずの金猿と旅を共にするようになって、互いに協力しあって飯を食らうようになり、
互いに命を助け合うようになった、信頼を深め始めたその頃だった。
「親父が死んだのは俺がまだやっと一人で桃岩が食えるようになった頃だ。親父がどんなだったかも
ほとんど覚えていないし、ましてや母親の事は聞いた事も無い。つがうってどういうことだ。
犬と同じじゃないのか?」
 子供みたいな俺の問いをサルトルは笑わずに聞いて目を閉じろと言った。俺は言われるままに瞼を下ろす。
「俺もじいちゃんに昔聞いたきりだから、眉唾物の噂かもしれないがさぁ…。」
 前置きしてサルトルは俺にどうだ?と訊く。
「何が?」
「なんか映ってね?」
「何も。」
「あちゃぁ。」
 サルトルは大げさに仰け反ってみせた。
「そりゃあおまえ、いよいよマジで、おまえが最後のニホンオオカミなのかもだぜぃ。」
 どうりでおまえ若いくせに強えもんな、と笑う。さらに俺の眉唾物の推測だけど、と片目をつぶってみせた。
「そこに映った姿の牝としか子供は作らないし、そもそも交尾もしないらしいぜ。狼ってやつは。」
「うおぅ、マジかよ俺。」
 俺も大げさに嘆いてみせた。そんな俺に揚々とサルトルは語り出す。
「かわいそうだにぃ〜イヌイくんは!猿は一夫多妻制だ。強い猿が可愛い牝猿とたくさん子作り
できるんだぜっっっぃ!いいだろ〜イヌイ、ハーレムだぜハーレム!!選り取りみどりだぜぃ!
イエ〜〜ッィ♪…………牝がいるならね〜…。」
 眼を合わせて苦笑する。
 金絲猴のサルトルも俺もどちらにせよ絶滅危惧種だ。相手はいない。敵になる同じ牡猿も…。
「俺も猿にしては強過ぎるだろう?もうきっと俺らの相手はいねえんだ。男も女も…寂しいねぃ。」
「寂しい…か。その感じは俺はわかんねえな、サルトル。産まれた時から、はじめからそうだったから。」
 俺のそっけない返しにサルトルは、それこそ寂しそうに笑って酒を一気に煽った。

「イヌイ、女の狼ってのはどんなんだろうなあ。おまえと同じに発情期には銀に光ってきれいだろうなあ。
 俺は昔見た事あるぜ、女の金絲猴。俺と同じに金に光って、そりゃあ綺麗で、俺は引き寄せられるように
女に迫った。
 だけどその女、ひでえ女でさ、私は鬼の子を産むんだと、人間としか交わらないよと、猿を相手に
してくれなかった。もうとっくに俺たちは絶滅危惧種でさあ…今更金絲猴の一匹や二匹増やしたって
もうだめだってさあ…。鬼かぁ〜。鬼なら人間とつがえるから、増えるもんな〜。自分の子孫残したいなら
人間とつがうが一番だとさ。ひでえ話だろう?
 女の考える事は怖いな、イヌイ。人間なんて、俺たちを恐れて泣いて叫んで嫌がるじゃねえか。
それを無理矢理手込めにしてまで、自分の子供が欲しいかねぇ。だったら俺は…。」

347102:2007/12/28(金) 08:32:51 ID:ksKghwrU

「俺はならば桃岩ちゃんに産んでもらうぜ。」
「桃岩が妖獣の子供産めるって話は本当なのか?」
 じいちゃんにきいた、眉唾物の噂だけどな、とサルトルは夢見るようにトロリとした目で語った。

 ーー修行を積んだ熟練桃岩ちゃんが、産んでもいいよと思ってくれたら出来るらしいぜ。
   桃岩との子供は長生き出来ないという話だが、それでも俺はどうせなら、愛の結晶ってやつがいいぜ。
   どうせ滅んでいく種族なら、俺の子は俺よりも寂しい思いをするに決まってる。
   だったら可愛がってやりたいぜ。
   愛してやりたいじゃないか。
   この世に否定されるためにこの世に産まれて来たなんて、思わせたくないじゃないか。
   思いたくないじゃないか!
   だから俺も、猿でも鬼でも人でも桃岩属でも、誰でもいいぜ!
   俺、動物として間違ってるか、イヌイ?
   繁殖?遺伝子を残す?そんなことより愛されたいぜ!!
   俺間違ってるか、イヌイ?なあ、イヌイ……っ!!なあ?イヌイよぅ………
                                    …、イヌイよおぅ…ーー




「産んだら砕けて消えるだなんて、知らなかったぜ…なあ、イヌイ……。」

 産まれたばかりのマサルを抱いて俺にそう言ったときも、サルトルは笑っていた。


 俺が泣いたのはそのとき以来だ。


・・・・・・・・・・・・・・


 一瞬落ちた眠りの淵からとび起きて、まだ明けてない夜にイヌイは安堵した。
 静けさが静か過ぎるこんな闇は、夜明けの直前と、動物ならば皆知っている。
 コポリ、と温泉の湧き出る音を聞いて、それがイヌイの時間の動き出す合図となり、険しい素顔の銀狼は
かすかに笑みを浮かべた。

 傍らに桃子の白い肢体がイヌイの銀毛に照らされて、静かに静かに横たわっていた。
 穏やかな寝息は耳を近づけなければ気づかぬほどで、ただ、よくよく眼を凝らすと呼吸に上下する
大きな乳房の先端が、わずかに弧を描いて揺れている。
 イヌイに吸われ尽くされ痛々しくも赤く染まったままの頂だが、今はその尖りも緩み、柔らかそうな
丸い粒が白い丘に溶けている。口に含みたい欲望としばし戦いつつ、イヌイは桃子の身体をただ眺めた。
 己の付けた激情の印のあまりの数の多さにはうんざりしたが、その箇所をなぞった唇が覚えている桃子の
肉の弾力と柔らかさを反芻すると、味が思い出されて唾が沸く。この桃岩は美味かった。
 だがそれだけではなく、単純に、桃子を綺麗な桃岩だとイヌイは思う。
 伏せた長いまつげがイヌイの光で濃い影を涙袋に落としている。真っすぐ筋の通った高すぎない鼻も、
柔らかそうな産毛の頬も、綺麗な生え際のおでこも可愛らしい。
 おぼこい少女の上品な顔立ちが、さっきは快楽に歪んでいたなど、まるで夢のように今はおぼろげな
記憶だった。
 だからそれをまた見たい、と強く思う。
 その濃くて形の良い眉の根が寄るのを、ぽってりと柔らかそうな唇から湿った吐息が漏れるのを、
長い白い首が戦慄き仰け反るのを、もっと強く鮮烈に目に焼き付けたい。
 切れ切れにだが確かに耳に残る桃子の嬌声を思い出して、イヌイは再び熱いものがこみ上げてくるのを、
振り払うように二、三度強く瞬きをした。


348102:2007/12/28(金) 08:37:57 ID:ksKghwrU
 それの起こした小さな風に、眠りから覚めて桃子は目を開けた。
 すぐ目前にイヌイの顔を認めてぼんやりと見つめあう。
 まだ寝ぼけているのか、状況がわからないのか、かなり長い間黙したまま、だが桃子が自分の顔を
見つめる瞳はイヌイに気分の悪いものでは無かった。

「イヌイ。」
 やけにきっぱりと名を呼ばれ、なんだ、と問い返す。
「わっ。」
 本物だった、と驚いた声をあげ、桃子はみるみる赤くなっていった。今度こそ覚醒したようだった。
 そのようすに微笑んでイヌイが桃子を抱き寄せる。ふわりと柔らかく抱き直され、ふかふかの尾が
少し冷えた脚に温かくかぶさった。
「身体は大丈夫か。」
 労る優しい声色に桃子はこそばゆく身をすくめる。
「うん、あちこちミシミシ痛いだけ。」
 その答えに苦笑して、イヌイは尾と腕で桃子を擦る。
「まだ夜明け前だ、もう一眠りしていいぞ。」
 うん、とつぶやいて、イヌイに身を寄せた桃子が、何を思ったかずるずると下の方にずり降りていき、
おもむろにイヌイの股間に手をやった。目的の固まりを即座に見つけてさっきと同じく、わっ、と声を上げる。
その声はイヌイの声でもあった。
「これ!?」
「それがなんだ!」
「これがあんなに大きくなるの!?」
 そう言って何度も握り直すので、言ってる端からむくむくと身を起こしていくイヌイの肉茎だ。
それに気づいて桃子はやだっ、とあわてて手を離す。
 やだ、は無いだろう、とイヌイは己の腹まで下がっていた桃子を、腋を掴んで目前まで引き寄せた。
顔を赤らめ、困ったように眉を寄せている。
「イ…イヌイ。え…と。これは…あれは夢じゃないよ…ね?」
「こいつをおまえに入れた事を言ってるのなら、そうだ。」
 すっかり硬くなったそれは桃子の太腿に当たって熱を増していた。わ、わ、と脚をすり、たじろぐ桃子が
可愛らしくて、イヌイは笑ってその赤い頬に唇を寄せた。一瞬目を合わせ照れくさそうに俯いた桃子は
イヌイの首に手を回し、その肩に顔を埋める。
「なんか、まだ入ってる感じがする…。」
「いつでももう一度入れるぞ。」
 イヌイのからかいを含んだ声に、あわててぶるぶると首を振る。
だろうな、とため息をもらし桃子の頭を撫でると、桃子はイヌイの太い首筋に小さく口づけて、
また夜ね、とつぶやいた。イヌイの手が驚いたように止まる。
「よかった、夢じゃなくて…。」
 すり付けられる小さな唇の柔らかな感触に、しびれたように動けなくなったイヌイは、自分の中の
桃子の変容を認めてあきらかにうろたえた。
 それに気づかない桃子は、よかった…イヌイ、好き…、と呪文を繰り返しながら、再び小さな
寝息を立て始めた。
「……。」
 自分に呆れて絶句するイヌイだ。
 言葉にこそしなかったが、桃子のつぶやきに確かに答えはあったのだった。
 俺もだ、と。


 なんとか声にしないですんだ。
 自然に口に出し答えそうになった自分に吐き気と目眩を覚える。
 そのまましばらく身体を固めていたイヌイだったが、桃子の寝息が深くなり完全に寝入ったのをみて、
ようやく安堵のため息とともに身を緩めた。
 今も首筋に当たるかすかな吐息がたまらなく愛おしい。そう思うとなお胸が熱い。
 力任せにかき抱きたい衝動に襲われて、だがさっきまで硬くなり始めてた肉茎は、そんな気はもう
ないと再びその身を銀毛に隠している。欲望ではないと己で区別するように。
349102:2007/12/28(金) 08:41:56 ID:ksKghwrU

 俺はどうかしちまった。
 イヌイはうんざりと目を閉じて、その瞼の裏に確かに居る桃子の姿に途方に暮れた。
 そうかこれが。
 こんなことで犬ではない、狼の血を実感するとは。
 イヌイは桃子を起こさぬように、慎重に細い肩を手で覆うと、わき上がる初めての情に
しばし酔う事を自分に許して涙ぐんだ。

 桃子。俺のつがい。

 歓びであったが悲痛だと知っていた。その思いが諦念に変わる頃、深い深山に刺すように日は昇った。


・・・・・・・・・・・・


「あ〜、やっと帰って来たあ〜。」
 
 岩窟に戻り岩屋口に降り立った二人に、小猿の非難がましい声が後ろめたく響く。
 結局すっかり日が昇りきってから起き出した桃子だ。実のところ下の洞窟のマサルが気にはなりつつも、
何をするわけでは決してないのだが、もうしばらくイヌイと二人きりでいたいばかりに、身体が辛そうに
もたもたと起き、おっくうそうに服を着た。イヌイはそんな桃子を労るように身体を支え着物を着させてくれ、
時に優しく撫でてくれた。それが嬉しくて桃子はひと動作ごとに疲れたと身を擦り寄せて、そんな桃子を
イヌイは照れくさそうにもてあましつつも嫌がらなくて、図に乗っていちゃいちゃと身体を絡めていたら
こんな時間になってしまったのだった。

 マサルは既に朝食の支度をし自分は既に食事を終え、暇そうに雉のヒナに餌を与えていた。
「心配かけてごめんね、マサルくん。」
 バツの悪さから桃子はマサルに駆け寄って坊主頭を抱きしめる。
「イヌイのおじちゃんと一緒だって知ってたから心配はしてなかったようぅ〜、だけど仲間はずれは…。」
 うんうんごめんねえ、と胸に押し付けたマサルの顔がみるみる赤くなっていく。
 はあはあ、と荒い息をあげはじめているのに気づいて、桃子はやっと様子が違う事を認めて
マサルを抱いてた腕を緩める。
「ごめん、苦しかった!?」
 身体を離して改めて見るとマサルは、トロンと重たげに瞼を半分落として切れ切れに息を切らせている。
赤く上気した身体はだんだんぶるぶると震えていく。
「わっ、どうしたのマサルくん、熱が…。」
「桃子おねえちゃん!!」
「わっ!」
 一度離れたその身を再び桃子の双丘にぎゅむと押しつけ、マサルはしがみつくように桃子を押し倒す。
「桃子おねえちゃんっ、おねえちゃん〜!!」
 あれよあれよと言う間に着物の合わせが開かれ、マサルは飛び出した乳房に顔を押し付け、
くんかと鼻を鳴らす。
「ちょっ、ちょとマサルくんやめ…っ。」
「おねえちゃああんん〜〜っ!」
 両端から乳房を鷲掴みされ、ひゃあ、と声をあげたところでその小猿の頭が急に離れた。
350102:2007/12/28(金) 08:44:50 ID:ksKghwrU
「その乳は俺のだマサル。離せ。」
 片手で小猿の頭をむんずと掴んで持ち上げたイヌイが、それでも桃子の乳から未だに手を離さない
マサルに凄む。
「え〜〜?桃岩ちゃんのお乳は皆のお乳だようう〜。」
「マサル。」
 イヌイの声にしぶしぶ指を離す。小猿の指に引っ張られていた桃子の乳房が解き放たれた拍子に
ぶるんと揺れ、そのとたんマサルが、ああん、と名残惜しげに声を漏らす。桃子はあわてて乳をしまい込む。
「下もだ、桃子。」
 イヌイの指摘に桃子は押し倒された拍子に乱れ、大きく開いて太腿を露にしている着物の裾に気づく。
「簡単に脚を見せるな。」
 とがめるようなイヌイの声に、だって、と口を尖らしかけたが桃子は黙って我慢した。もう小さいのだ。
子供用の着物では。張り出した尻はふとした拍子に裾を乱す。言ったところで仕方ないが。

 うえええ〜〜ん、とマサルの子供じみた泣き声が空気を割った。
「なんでダメなの!?なんでなんで!?僕桃子お姉ちゃんに抱きつきたいぃっ!」
「だめだ。」
「だって、だって凄いいい匂いなんだようぅ〜!昨日までのおねえちゃんと違うんだよおう〜!
僕の身体もなんだか違っててむずむず…我慢出来ない〜〜っ!!」
「だめだ。」
 癇癪を起こし始めたマサルをひきずってイヌイは岩屋の奥に向かう。桃子には来るなと目配せる。
「イ…イヌイ私いいよ、少しならマサルくんならお乳…。」
「うるさい、来るな桃子。」
 苛立ったきつい声が返って来て桃子はすごすご二匹と離れて座り込む。奥の岩陰の暗がりに行くと
イヌイの銀の光ほどではないが、マサルもまたわずかに金茶のその毛を光らせているのに気づいた。
 ああ、そうか。と桃子はやっと思い出す。
 あの光は発情期の証。マサルの股間も例の尖りがあったっけ。桃子が擦って白い液を飛ばした
あの肉の棒は…。桃岩から生まれたマサルはその記憶から怖くて直接股に口をつける補食が出来ない。
そんなマサルでもやはり桃子のあの場所に入れたがるのだろうか。
 ふとしてしまった想像に驚いて桃子はぶんぶんと首を振った。あの場所にイヌイ以外を受け入れるなんて
考えられない。嫌だ。したくない。
 岩奥から以前も聞いたマサルのキキーィッという高い声が聞こえた。イヌイは何をしているのだろう。
 それからぼそぼそとしばらく話し合う声が切れ切れに聞こえて、やっとイヌイが桃子の元に
戻って来たのは既に昼前だった。


「昼飯の狩りにちょっと出てくる。」
 そうしてそそくさと出て行こうとするイヌイに、朝食を食べたばかりだからいらないと言う桃子の声は
聞き止められず、桃子はイヌイが林に消えて行くのを見送った。
 出て行く際一度立ち止まりイヌイは、たとえそれが上手な小猿であっても簡単に誰にでも乳を触らすなよ、
淫乱じゃないならな、と桃子に釘を刺していった。今朝の優しい態度はなんだったのかと問いたくなる、
冷たく意地の悪い物言いだった。一瞬泣きそうに顔を歪めた桃子に小さく舌打ちして、すぐ戻る、とつけ加えた。
その声は既に優しくて、桃子の胸がきゅうんと鳴った。


351102:2007/12/28(金) 08:48:45 ID:ksKghwrU

 イヌイの消えて行った木々の間をぼんやりと眺めながら桃子はため息をついた。
 イヌイが何を考えているかわからない。また、イヌイはそれを言わないタイプの男だ。私はこれからも
こんなに簡単にイヌイに傷つけられ、声色一つで簡単に舞い上がって嬉しくなるのだろうか。
 求められてそれに応えるときはこんな不安はないのにと、桃子は夜を待ち遠しく思い顔を赤らめる。
「もっとイヌイを解りたいのになぁ…。」
 知らない事が多過ぎる。イヌイのことも、妖獣の事も、世界のことも。自分の事も…。
 今日はここを旅立って桃子の同族、桃岩に対面するはずの日だ。昼過ぎに出たら夜には着くと
言っていた。イヌイが戻って遅い昼飯を食べたらおそらく出発するのだろう。イヌイとの旅の約束は
本当はそこまでで、でもイヌイは桃子次第だと言っていた。桃岩に逢って、同族伝授をして、
全てを知ったらいったい何が変わるのだろうか。知りたいという思いは強い。
だけど知りたくない事もあるかもしれなかった。怖い。
 あの大犬と別れるなんてもはや考えられない。だけど。
「好きだよぅ、イヌイ…。」
 岩窟の入り口に立ち尽くしたままつぶやいてみるが、受け手のいないその声は宙に浮き、
あっという間に掻き消えて、そんな思いなどまるで無いかのように、目の前の山は何も変わらなかった。
 桃子はその事が悲しくて胸がじくじくと痛かった。


 洞窟に戻るがする事も無いので、マサルが作ってくれたショウガ茶を飲みながらぶすぶすと音を
くすぶらせている炭をいじくって遊んでいると、奥の岩陰からまたしてもキキーィと高い声が響く。
 マサルは奥の岩陰から出てくるなと言われているのか、顔ものぞかせず出てこない。寝ているのかと
思ったが、起きている気配と、岩に照るうっすらした金の光が時折揺れて、起きているのは間違いなかった。
 イヌイの言い方だとほっておけと言う事だろうが、やはり少し心配になった桃子は様子を伺おうと
そっと奥に忍び寄っていった。

 足音を忍ばせ大岩越しに奥の洞を覗くと、小猿はいつも着ている片衣腰巻きの着物を脱ぎ捨て、
全裸の背と尻をこちらに向けて、身体をくの字に折り曲げ小刻みに震えていた。はあはあと荒い息は
さっきも聞いた通りで、さらによく見ると両手を股間に埋めたまま腰をへこへこと動かしている。

「…っ、くぁ、ぁう〜ん。」
 鼻にかかった甘ったれた声を漏らしマサルの息はどんどん激しくなっていく。同時に股間に埋めた
腕の動きも激しくなっていき、こちらに向いた裸の尻タブにきゅうとエクボが出たかと思ったとたん、
再びキーっぃと声を上げて目前の岩壁に何かを散らしてぐったりと弛緩した。
 ぐふうと満足の吐息を漏らし、しばらくぐったり脚を伸ばしていたが、再び膝を折り曲げまた
ゆさゆさ身体を揺らし始めるのに五分もかからなかった。どうやら同じ事を何度も繰り返しているようで、
よく見るとしぶきを散らせた岩壁に無数の雫の跡が垂れていた。
 一度桃子の手でしてやったあれを、今は自分でしているのだと理解するのは容易だった。
 にしてもやり過ぎではないだろうか。

「ああ〜〜ん、ちょびっと休憩〜〜い。」
 おもむろに手を離し大きく伸びをして反り返ったマサルに、慌てて首を引っ込めたが見つかってしまった。
「桃子おねえちゃん!!」
「あ…うん。」
 仕方なく身構えながら顔を出す。
「ああ〜ん、よかったあ、お願いおねえちゃん、お茶ちょうだい〜。さっきからのどが乾いて苦しいんだよぉ。」
 マサルがごろりと転がり桃子の方に寄って来て、転がったまま懇願する。
「喉乾いたなら飲みに出て来たらいいのに。」
 そういいながらお茶をとりに釜戸に戻る桃子に、マサルのだって〜という泣き声が追った。
「30回出すまでここからでちゃだめってイヌイのおじちゃんが。」
 驚いてお茶を落としそうになりながら桃子は呆れた。そんな約束を言い利かせるイヌイもイヌイだが
まじめにその課題に励むマサルもマサルだ。よく見ると奥の洞の手前の地面にイヌイの引いたらしき
線があり、マサルのいうここからは線より奥の事なのだろう。
 イヌイは時々子供みたいな事をする、と桃子は顔には出さなかったが笑いながら、真に受けて
線ギリギリで桃子のお茶を受け取り、ああおいしいとお茶を飲むマサルの頭を撫でた。

352102:2007/12/28(金) 08:53:23 ID:ksKghwrU

「あっ!いいっ!桃子おねえちゃん、そのまま!」
 突然一気にお茶を飲み干したマサルは、しゃがんでマサルの頭を撫でてくれた桃子の足下に再び転がり、
うっとりと脚間を見上げた。はだけた子供の着物は桃子がしゃがむと大きく割れ、おそらく桃子の女陰は
マサルには丸見えだ。
「えっ、きゃっ。」
「あああ〜ん、いい匂い〜〜。」
 眼を閉じクンクンと鼻を鳴らし嘆声をあげる。桃子は慌てて立ち上がり裾を整えながら岩陰に隠れた。
「マ、マサルくん、桃岩のあそこ、怖いんじゃなかったの!?」
「怖いよう〜。だけどそれと良い匂いなのは別だよう〜。」
 そう言えば染み古反に含ませた愛液は食うのだ。当たり前と言えば当たり前だが、マサルもまた
そこを好んで食らう妖獣なのだった。
「ああっ、いけそう。今のうち〜!」
 マサルはその場で仰向けになったまま、再び股間の自身をごしごしと擦り出す。マサルは気持ちいいのか、
脚はぐったりとがに股に放り出され口は半開きに、あられもない姿に見てはいられず、だがうっかり
見守る桃子である。
「あっすごいっ。桃子おねえちゃんの残り香ですごいっイイ!イク!僕、イクよおぅ〜!」
 オ、オゥ、とマサルはそのままビュクビュクと白濁のしぶきを自らの腹に散らす。勢いは
さっきよりも強い。あふう〜、とマサルは息を漏らしてまたグッタリ転がったまま桃子を呼んだ。

「イヌイのおじちゃんがねえ〜、桃子おねえちゃんは独り占めしたいから僕は食べちゃあダメだって〜。」
「え?」
 マサルの言った事が信じがたく、桃子はまたマサルに顔を出し確認する。
「ずるいんだよう。桃岩ちゃんは皆の桃岩ちゃんなのに、イヌイのおじちゃん自分だけって。
桃子おねえちゃんみたいな綺麗な桃岩ちゃんいないからわかるけどさあ。でもイヌイのおじちゃん
本気出すとおっかないから、僕は言うとおりに我慢するの…。うええ〜ン。」

 それが本当なら、桃子は嬉しかった。でも本当だろうか。共有される事に慣れろと、マサルを呼び寄せて
2匹がかりで桃子を食ったのはイヌイだ。俺だけに食われたいなど馬鹿な考えだと桃子を揶揄したのも。

「それでね、桃子おねえちゃんにむずむずしたらこうしろって…、自分でおちんちんしごけって教えてくれて…
それでね…ハアハアああ〜ん、桃子おねえちゃんの匂いはやっぱりいい匂いでむずむずするよおぅ。」
 言いながらマサルは既にまた股間の肉棒を掴んでぶるぶると振る。なかなか硬くならないそれに
苛ついて手を速める。
「だけどね、これ気持ちいいけどね、だんだんあきちゃうんだよう。自分でやってもなかなか気持ちよく
ならないんだよう〜疲れちゃうし、なんかもっと刺激が欲しいんだよ僕…僕…っ、桃子おねえちゃん!」
「えっ!?あっ…何?マサルくん?」
「ちょっと腕組んでみせてェ〜。」
 ?と思いつつ言われるままに腕を組んだ桃子をじっと見るマサルの視線は、両腕で押されて盛り上がる
桃子の乳房の深い谷間に注がれている。はっ、と気づいて腕をほどいて胸元を抑えて隠す。
「だめ〜〜、もっと、おっぱい!」
「だめって…バカ!嫌だよ!」
 赤くなってあとずさる桃子に線ギリギリで股間をしごく小猿がわめく。
「触らないからいいじゃない〜。見せてぇ、おっぱい見せてぇ、桃子おねえちゃん!お願い〜。」
 小猿の甘ったれた声とは裏腹に股間をしごく腕は早く、ハアハアと息をあげていくその興奮した様子に
桃子は圧倒され怖くなった。逃げようときびすを返したその目前に、はたして美しい鳥鬼は立っていた。

「タキジさん!」
「面白いところに出くわしてしまいましたね。」
 鬼のタキジは相変わらずほっそりとした柳腰で、妖艶な笑みを桃子に向けると、いったいなんの
プレイ中ですかこれは、と訊いた。
「プレイじゃないよう〜。僕は30回イカないとここから出られなくて、だんだん刺激に慣れて来ちゃって、
桃子おねえちゃんに触らないからおっぱい見せてと頼んでるとこだよう〜。」
 うろたえる桃子の代わりにマサルが答え、答えつつ股間はしごいている。
「なるほど。だけどそれはれっきとしたプレイというものなんですよ、マサルくん。鬼の世界では
わりとポピュラーです。知らないのですか桃子さん。」
「知ってるわけ…ああっ!」

353102:2007/12/28(金) 08:57:07 ID:ksKghwrU

 あっという間に両手を後ろにまわされ、桃子はタキジに軽々背を取られた。
 タキジは桃子の後ろ手を片手で押さえ、もう片手で着物の合わせを大きく開く。桃子の白い胸が
ぶるん、とまろび出された。
「ああっおっぱいだ!おっぱいだ〜!桃子おねえちゃんのおっぱい〜〜!!」
 マサルがキャッキャと大喜びでぶるぶる揺れる乳房を凝視する。股間の手の動きはいっそう激しさを増し、
ハッハッと鼻息も荒くなる。
「やぁ…っ、何するんですかタキジさん!!」
「おっぱい見せるくらいいいじゃないですか。…おや。」
 手を振りほどこうと身体をくねらす桃子の背後で、何かに気づいたタキジはにやにやと笑って、
桃子の耳元でささやいた。
「ずいぶんと…あの銀狼に可愛がられたようですね。どこもかしこも…吸い跡だらけだ。」
 くくくと笑いながらタキジは桃子の首筋に吸い付いて同様の跡を一つ増やす。
 耳元に、首にタキジの薄い唇を感じて桃子はやあん、と戦慄いた。好い声だ、とタキジは舌なめずりをする。
「なるほど、これは小猿も興奮するわけですね。見るからにわかります。匂い立つものがある。艶がでて
…女にされたんですね。あのイヌの巨根をよく受け入れられたものだ。」
「や…放して…っ。んああぁ…うん。」
 相変わらずのビロードの指先が桃子の乳首をいきなり捕らえて下をなぞる。
余りの快感に泣きそうになる桃子だ。どうして、この鳥にはどうしていつもこう簡単なのだろう。

「ああ、桃子おねえちゃんの声、可愛い…!!もっと!タキジのお兄ちゃんもっとして!」
「こうですか?」
 片手で乳房をぐいと桃子の肩まで掬い上げると、タキジは桃子の細い肩越しに尖った乳首に吸い付いた。
「キャァああんっやん!!」
 タキジの薄い唇が桃子の乳頭をはさみ、桃子の顔の横でこれみよがしにれろれろと舌でかき回す。
「やぁっ、タキジさん、やめて、やめてくださいっ!」
「やめないでえ、もっと〜、ああん、桃子おねえちゃんいやらしいよう。おっぱいタプタプう!」

 桃子は与えられてる肉体の快感のそうだが、乳首の嬲られている様を見せつけられ、それをにんまり
楽しげに見られ、またマサルがそれを凝視して肉棒を擦り上げるこの異様な空間に、淫微な興奮を覚えて
声を上げた。桃子は興奮して既に股間を濡らしている。その自覚をもって恥ずかしさに泣きたくなる。
 どうして突き飛ばせないの!?」こんなに嫌なのに…!
 桃子の心を読んだかのようにタキジは後ろ手に組んで押さえていた桃子の両腕を放して、両脇から
空いた両手でわしわしと胸を揉みしだく。肉の揉み込まれる快感に気が遠くなりそうに、両手が解放されたにも
かかわらずぐったりと背中のタキジに身を預ける。大好きなおっぱいがぐにぐに揉まれる様にマサルは大喜びだ。

「あの狼が好きなのですね。可哀想に。」
 あああ、と吐息をもらしながら、その声に振り向くと、タキジは心からの同情を持って桃子を
哀れんでいるのが見て取れた。
「あなたが今私を突き飛ばせないのはそのせいですよ、桃子さん。この経験があなたに必要だと
桃岩の血が私を拒まないのです。」
「そんな…わかんないよ、どうしてぇ…?」
 両乳首を下から摘まれ仰け反る桃子にタキジの唇がそっと重なり、それが嫌な口づけではなかったことに、
桃子は嫌悪する。誰でもいい淫乱みたいだ、私。

 キキーッとマサルの今まで以上の絶頂の声が響き、それを合図にタキジも桃子を嬲るのを止めた。
「今日はイカすとあの獣に殺されそうな気がします。止めておきましょう。」 
 クスクスと笑ってぐんにゃりする桃子を優しく抱きとめる。
 ハアハアと肩で息をしながら、既にびしょびしょと潤った股間を桃子は恥じて涙ぐんだ。
「恥じる事は無いですよ。あなたはいい桃岩だ。自信を持ってあの獰猛な大犬を振り回してやるといい。」
 私はこう見えてあなたの味方なのですよ、というタキジに、そうかもしれないと桃子は思う。
今までも今も、結局のところこの雉の鬼を拒めないし嫌いにはなれそうにないのだ。
「私の指は気持ちいいでしょう。羽の間から媚薬の粉が出るからです。鳥の妖獣には気をつけるのですよ。」
 くすくす笑って種を明かす、羽と顔の入れ墨をのぞくとタキジはやはり美しい青年だった。


・・・・・・・・・・・・・・・

354102:2007/12/28(金) 09:00:09 ID:ksKghwrU

 すぐに戻ると言ったからにはすぐに戻るべきで、少し探して見つからなければ諦めて帰るべきだとは思う。
元よりこれはイヌイ個人の思いつきで、誰かに言ったわけでも約束したわけでもない。
 だが思いついてしまった以上、しないままではいられず、もう少し、もう一山と川沿いに山を下って
行くうちに、やっと目当ての人里を見つけたのはもう海も近い河口付近の平野だった。
早く事をすませて戻らねばと、イヌイはまっすぐその集落を目指した。

 大きな川が川幅を広くしつつさらにその平野で三叉に別れて、穏やかに豊かな水を供給している
その集落は、田畑も広く、刈られた稲野の跡から豊作だった事が伺える。
 昼間に妖獣が人間の前に姿を現すなど、かねがね愚の骨頂だと思っている自分が、何の躊躇も無く
村一番の大きな民家に押し入る。庭におしめが干してあった。若い母親がいる証拠だ。
 ちょうど昼時のその民家で子供と母親がいろりを囲んで汁を啜っている。男は働きに出ていない。
イヌイは土間に入ったとたんぶつかって来た小さな子供をひょいとつまみ、顔面蒼白になり
今にも卒倒しそうな母親に突き出して、大きな口を開いた。

「すまないが、おまえの着物を一式一つ分けてはくれないか。」
「きゃーーーーーっ!きゃーーーーーーっ!化け物……っ!!」
 母親の甲高い悲鳴のせいで、イヌイはもう一度言わなければならなかった。

 腰を抜かしながら母親が納戸の奥から出して来たその着物は、おそらく女が持っている中では
一番いい着物なのだろう。明るい藍の絣は丁寧に織られており、その所々に白い糸玉が雪のように
織り込まれている。
 襦袢と山吹と鼠色の昼夜帯をともに手に入れイヌイは満足だった。
 民家の前に、山から取って来た芋と牛蒡、山栗を山盛りと大きな鱒を六匹、途中見つけた猪を
一頭置いて帰路を急ぐ。半ば強引ではあるが物々交換だ。
 イヌイには人間の生活などどうでもいいが、桃子は人間に育てられた桃岩だ。盗んだやら
奪ったやらと聞いたら返してこいと言うに決まっている。

 いつだったか桃子の子供の着物が滑稽で、大人の着物を手に入れてやろうと思ったのだ。
 同族伝授して大人にしたら…俺のものにしたらと。
 少し早いが食うには食ったのだ。その秘かな誓いを果たしただけだ、と誰にするでもない言い訳を
イヌイは心中で繰り返す。
 
 さあこれで、やすやすとマサルに胸をはだけられる事も、淫らに裾を乱す事も無いだろう。
 あんな身体にいつまでも一重の子供の着物を着てる事自体、どだいおかしな事だったのだ。
 だが初めての大人の着物だ。あいつは着方がわかるだろうか。帯が結べるのだろうか。
 似合うだろうか。
 喜ぶだろうか。
 俺がこれを渡したら、あいつはどんな顔をするだろうか。

 イヌイは小脇に抱えた着物をギュウと抱き、木々の梢伝いに急いで今降りて来た山を駆け上がっていく。
 わくわくと胸が躍るのは止めようがない。
 喜ぶに決まっている。
 似合うに決まっている。
 上品な明るい藍色は桃子の白い肌に映えるはずだ。
 ーーわあ、イヌイ!嬉しい!ありがとう、大好き……
 生々しく想像した桃子の声に、イヌイは赤面して自分に呆れた。
 阿呆か俺は。

 期待に胸を弾ませる自分に半ばうんざりしつつ、木々の隙間から桃色の波を見つけて脚を止める。
梢を下って近寄ると、それは時期遅れに狂い咲いた秋桜の群生だった。
 そう言えば今まで出逢った桃岩達はもれなくみな花が好きだったと思い当たり、大きな手で一束を
むしり取った。あいつもやはり好きだろうか。
 イヌイから受け取った花を抱きしめ嬉しそうに笑う桃子を想像してうっとりする。
 眼を細めてその様を眺めて満足する自分を思ったところで、はたと我に返ってイヌイは今度こそ
げんなりと顔をしかめた。

355102:2007/12/28(金) 09:02:55 ID:ksKghwrU

 俺は全く。
 全くどうかしちまった。
 目覚めてから桃子のことしか考えていない。
 どうしたらあいつは喜ぶだろうか。
 どうしたら笑うだろうか。
 どうしたら…。
 瞼を閉じればそこに桃子はいる。だから眼を開けて、目前にいないと寂しくてたまらない。
 常に探している。求めている。
 こうしている間に早くかけ戻り、あいつを視界に納めたい。
 触れてそこに居る事を確かめたい。
 あの小さな頭を撫でて撫でて、撫でて…。優しくしたいと狂おしい。
 銀狼のイヌイともあろう俺がなんて様だ。
 恥ずかしそうに、また夜ね、と肩に顔を埋めた桃子を思い返してはじりじりと焦れる。
 早く夜がくればいい。

 イヌイは摘んだ秋桜の花束に自分の鼻を埋める。
 切ないなんていう気持ちが己の胸中に沸くなんて昨日まで思いもしなかった…。 
 …だが夜は。
 今待ち遠しく思う夜はおそらく来ない。その前に同族の桃岩に逢わす約束だ。全てを知ったら
桃子は、俺ををどう思うかなどわからない。
 
 満開の花は微かに甘い蜜の香りがした。
 桃子、と声に出さずにつぶやいて、それでもこの花をおまえにやろうとイヌイは思った。


・・・・・・・・・・・・・・


 梢から下る前にイヌイに気づいたのはマサルの方が先だった。
「あ。イヌイのおじちゃん。おかえりなさ〜い。」
 薪を片手に岩窟の前に立つマサルに、もう30回出したのかとイヌイは呆れた。若い獣を侮って
いただろうか。桃子は無事だろうか。
 岩窟の中を見回しても桃子の姿は無く、一瞬殺気立つ。
「あっ、桃子おねえちゃんなら奥で着替えて…。」
 マサルを閉じ込めたはずの奥の岩陰に目をやると、そこからひょいと桃子の頭が覗いて
イヌイに気がついた。花が咲いたようにパア、と顔をほころばせ、飛び出してくる。
「イヌイ!お帰りなさい!!ああ〜ん、驚かそうと思ったのに〜。」
 その桃子の姿を見て、イヌイは足を止め凍り付いた。

 桃子は萌黄色の絹の着物の裾をひきずりイヌイの前に立った。
 緋色の長襦袢はなんとか着ているが、小振り袖は腰紐一本でお端折が作れないのか、前の合わせは
だらりとたわみ、肩からはすべすべの絹をずらせて困っているようだった。
 だが美しい。
 見るからに上等な真新しい着物だった。
 なにより桃子に似合っていた。

「その着物はどうしたんだ。」
「え?あ…これは…。」
「タキジのお兄ちゃんがヒナの世話のお礼にってくれたんだよね〜。桃子おねえちゃん!」
 イヌイの眉が寄りあきらかに不機嫌に、あの鳥鬼が、とつぶやく。
 今更だが桃子はしまったと思った。

356102:2007/12/28(金) 09:05:09 ID:ksKghwrU
 
 イヌイがタキジを快く思っていないのは明白だ。そもそも自分がタキジを悪く思わない方が
おかしいのだ。新しい着物に浮かれてそんな事も思いつかなかった。
 自分はただイヌイを驚かせたくて、綺麗な着物を着て少しでも綺麗になった自分を見せて、
イヌイに綺麗だと思って欲しくて、ただそれだけで…。
 冷ややかなイヌイの視線に自分のうかつさを悔やむ。イヌイに聞いてから着れば良かった。
 怒られる。
 桃子は次にくるイヌイの冷たい声を覚悟して身を竦めた。

「そうか、良かったな。よく似合っている。」
 耳を疑った。怒っていると思ったのは気のせいだったのか?
「ほ…本当?」
「ああ、お城のお姫様みたいだ、桃子。綺麗だ。」
 思いがけないイヌイの言葉に、桃子は照れくさそうに、嬉しそうに笑みを漏らす。
 安堵した桃子は、ようやくイヌイの後ろ手に抱えた花束に気づいてさらに破顔した。
「綺麗!そのお花、私に!?」
「…ああ。」
「嬉しい!イヌイありが…。」

 止まった桃子の言葉と視線に、イヌイは後ろ手に隠した着物をさらに背裏に回そうとして、
掴んだ指から取り落とした。
 襦袢の白と着物の青色が袖を広げて桃子の目を刺し、山吹と鼠色の昼夜帯がだらりとイヌイの
足下に広がった。

 桃子は言葉を無くしてただそれを見た。とてもイヌイの顔が見れずに俯いたまま青ざめる。
「イヌイその着物…。」
「これは俺のだ。」
 小袖の絣は広がってなお、イヌイには腰巻きにしても小さ過ぎる。

 固まったままの桃子に耐えきれず、イヌイはおもむろにぐしゃぐしゃと着物を掴むと踵を返して
再び外に出ようと桃子に背を向けた。その大きな背に慌てて桃子が叫ぶ。
「ごめんなさい、イヌイ…!」
「俺のだって言っただろう!謝るな!」

 入り口のマサルを突き飛ばして外に出たイヌイは、手にまだ花束を持っているのに気づいて、
それを岩窟に投げつける。そんなつもりではなかったのに、ちょうど追って出て来た桃子の顔に
花はバシバシと叩き付けられ、桃子は悲鳴をあげた。
 苛立って尾を逆立てた悲痛な面持ちのイヌイと目が合い、桃子は何か言おうと口を開いた。
が、くそっと吐き捨てるようにつぶやいて飛び上がったイヌイは、瞬く早さで林中に消えた。

 その姿を見送って桃子は呆然と立ち尽くす。
 信じられない。イヌイが…イヌイが私に…。
「どうしよう…。」
 突き飛ばされたマサルが、ひどいよう〜なんなの〜どうしたんだよう、と出て来て桃子に訊いた。
「なに笑ってるの〜、桃子おねえちゃん。」
 本当に困っている。だがこみ上げて胸に温かく広がる嬉しさは、桃子を知らずにほころばせていたようだ。
 どうしよう。私あの人が…あんな妖獣が。
「…イヌイ…あの人可愛い…。」
「え〜?どこがあ〜。おっかないよう〜、イヌイのおじちゃん。」
 大好きだけどさあ、とマサルは散らばった薪を拾う。
 桃子も投げつけられた秋桜を拾い集めながら、うん、おっかないよねえ、どうしよう〜、と笑った。


・・・・・・・・・・・・・


357102:2007/12/28(金) 09:07:07 ID:ksKghwrU

 午後の陽光は既に穏やかで明るく、綺麗な藍色が谷を舞うのは美しかった。
 続けて白い襦袢と黄色の帯が深山をぬって落ちていく。
 あの母親に返そうか少し迷ったが、再びこの姿を見せるのも、平野に降りるのも億劫でイヌイは
結局、山間の谷に着物を投げ捨てた。

 柄にも無い事をするからこんな事になるのだ。もう二度とするものか。

 着物が飛んでいった風下の渓谷を遠くに眺めてイヌイは深呼吸をした。
 格好が悪い事をしたものだ。出し抜かれ、バレバレの嘘もバレ、八つ当たりに花も撒き散らし。
「ムカつくぜ、タキジの野郎。」
 口に出して詰って、幾分すっとする。
 まったく、あの野郎、いい趣味してやがる。

 おかえりと駆け寄った桃子を見て足が止まったのは着物に驚いてではない。
 緋色の襦袢は艶かしく桃子の肌を包み、それは色白の桃子に素晴らしく映えていた。
 だがそれを包む外衣の萌黄の柔らかな色は若々しく、桃子の娘らしさを上品に引き立てる。
 やはり新しい着物が嬉しかったのだろう、頬を紅潮させ笑う桃子は見た事も無い綺麗な娘だった。
 イヌイは単純に桃子の美しさに打たれ、それからそれを贈ったのが自分でない事に心を
凍らせていったのだ。
 それは桃子のせいではないし、自分の用意した着物より結果としてよいのだ。
 ようやくそこまで思い至り、イヌイは着物を引きずって嬉しそうに笑った桃子を思い出して笑った。
 子供め。やはり着方がわからないじゃねえか。せっかくの萌黄の絹が台無しだ。

「帰ったら着つけてやろう。帯も結び方教えなけりゃあな。」
 あの秋桜を摘んで来てよかったとイヌイは思った。
 あの萌葱色にあの花は綺麗だ。綺麗な何本かが残っていたら、あいつの髪に挿してやろう。
あいつの髪は真っ黒だから、きっとあの花も映える…。
 性懲りも無くそんな事を想像して胸を躍らせる自分に相変わらずげんなりしたが、イヌイは
よし、と奮起して岩窟に戻っていった。


 だが岩屋に戻ると桃子は今まで着ていたと同じ、子供用の着物に着替えていた。
 桃子のこれ見よがしの気遣いが逆に腹立たしく、せっかく落ち着かせて来た気持ちがまたささくれ立ち、
イヌイは桃子の腕を掴んで乱暴に奥の岩陰に押しやった。
「脱げ。せっかく貰ったんだ。着ればいいだろう。」
「でも…。」
 イヌイは自分の顔色をうかがう桃子にどうしようもなく苛立ち、強引に着物を脱がすとそれを
くすぶる炭に放り投げた。ぶすぶすと煙をあげて着物が焦げていく。
 黙り込んだままタキジの赤い襦袢を桃子に投げる。

「…イヌイの着物は?」
「…あれは俺のだと言っただろう。」
「…うそ。」
「うるさい。黙って着ろ。」
「イヌイの着物の方を着る、私。」
「もう捨てた。早く着ろ。」

358102:2007/12/28(金) 09:09:33 ID:ksKghwrU

 俯いていた桃子が顔を上げ、何か言いたげにイヌイを見つめた。
「捨てたの…?どこに?」
「どこだっていいだろう。」
「どこよぅ!私拾ってくる…!」
「桃子!」

 裸のまま外に向かおうとする桃子の腰を無理矢理引き寄せ、イヌイは緋色の襦袢を巻き付ける。
泣きそうな、申し訳なさそうな桃子の顔を見て、ため息をつき、それから明らかに作り笑いで笑いかけた。
「よく考えると着替えとして持っててもよかったんだよな。だがついカッとして、すまんがもう谷に
捨てて来た。こっちの方がいい着物だからいいだろう。気にするな。着方を教えてやろう。せっかくだから
綺麗にして、初めての同族に逢いにいこうぜ桃子。」

 表面上は柔らかなイヌイの態度に桃子はそれ以上はもう何も逆らわず、言われるままに着物を着直した。
 お端折は結構長く、帯も普段用の角帯と袋帯と二つあったがイヌイはわざわざ苦しい袋帯を巻き付ける。
桃子はお太鼓がどうしても結べずさじを投げた。
「知らねえぞ。一人で着れなくて、困るのはおまえだぞ桃子。」
 イヌイが呆れて整えてやる。
「イヌイがずっとしてくれたらいい。」
「ああ、仕方がねえから一緒にいる間はしてやるよ。」
 その答えについに桃子は不満を自覚した。

 一緒にいる間ってなに?一緒にいなくなる事前提みたい…!
 だいたい私に手に入れてくれた着物を捨てたって何?こっちの方がいい着物って、そりゃあ絹だけど、
イヌイがくれた方が嬉しいに決まってるのに、イヌイは私の気持ちを何にもわかってない!
 タイミング悪くてかっこ悪い思いしたかもしれないけど、私嬉しかったのに。
 イヌイが私のためになにかくれるなんて、たとえ花一輪でもこんなに嬉しいのに!
 私にそのお礼も言わせないなんて、私の気持ちを見てないよ!
 そんなの嫌!
 こんな気持ちのまま、同族に会いにいくのは嫌!!

「何をふてくされてるんだ、桃子。」
 知らずに顔に出ていたのかイヌイが訊く。
「イヌイこそ…変だよ。なにか怒ってる。」
「怒ってない。」
「怒ってる。眼を合わさないもん。」
「よく似合うぞ。」
 きっちり着せた萌黄の着物の襟を整えながら、イヌイは桃子に平坦に言った。

 桃子もさすがに気づいていた。イヌイが異様に優しい。それがイヌイらしくないのだ。
嬉しくないわけではない。だがたった一度交わりを持っただけで、こうまで変わるのが普通なのだろうか。
それとももう桃子と別れるつもりで最後に優しくしてるのだろうか。こんななにかイヌイらしさを
我慢してまで優しくされたって、それは長く続ける気が無いようで不安でならない。

「イヌイ、言ってくれなきゃわかんないよ。」
「別に。怒ってないと言っている。そろそろ出るか。今から飛べば、日暮れにはつく…。」
「イヌイ…!」
 
 すっ、と桃子の頬にイヌイの手がかかり、額から垂れる黒髪を耳にかけた。
 それから桃子が拾い集めて壁際にまとめていた秋桜から綺麗な二輪を手に取ると、イヌイは一輪を
その髪をかけた耳に挿した。もう一輪は首元の襟に…。
 それこそイヌイらしからぬこの行動に桃子は目を丸くしてイヌイを見上げた。
「おまえの黒髪にこの花は似合うと思って摘んで来た。思った通り、綺麗だ桃子。」
 赤面ものの台詞である。桃子は顔を真っ赤にして、花を挿した桃子を見つめるイヌイの次の言葉を待った。
「…その間、タキジと何をしてたんだかな、この淫乱は!」
 バチン、と指を鳴らして、イヌイは襟に挿した花を散らして桃子の首筋を弾いた。
 その場所にタキジに吸われた跡がまだ赤く残っていた。

359102:2007/12/28(金) 09:14:06 ID:ksKghwrU

・・・・・・・・・・・・・


 言い訳は何も出来なかった。
 気をつけろといわれたのに、マサルと戯れタキジに胸を繰られて濡らしたのは桃子だった。
 何かされたはずのタキジから貰った着物を嬉々として着ていたのも見られている。今も
着ているのはその着物だ。
 イヌイはいつ気づいたのだろうか。着物を着せてるときだろうか。
 でもそんなことより問題は、今すぐに旅立とうとしているイヌイだ。促されマサルが作った釜戸を
崩して炭を消している。このまま桃岩に逢いにいって、約束はここまでだからとイヌイに去られても、
桃子は何もいえない。それを思うと絶望に足が震えた。
 桃子はお門違いにもタキジを恨む。イヌイが気づくのを見越してタキジはわざと付けたのか。
どこかでそれを楽しんでいそうな気さえする。味方だなんて言っておいて。自信を持ってあの大犬を
振り回せなんて言っといて……!

 ふと。溢れそうな涙を目に貯めたまま、桃子はそこで閃いたその考えに、ゴクリとのどを鳴らした。
 自信なんてない。だけどイヌイの態度が違うのは明らかで、そうならどんなにいいかとは思う。
出来るだろうか、私に。
 だけどこのまま旅立つ前に、いや、本当は今すぐにでも、それを確かめなければ不安で胸がつぶれそうだ。
 苛立も露に桃子の首を弾いてから、一瞥もくれない冷たいイヌイの背に桃子は思いきって声をかけた。

「は…初めて同族に会うからには、なにかお土産を持っていきたいんだけど…。」
 イヌイは背をむけたままだ。
「いらん。相手はもう身動き一つ出来ない岩だ。何も必要としない。」
「だから、このお花とかどうかなあ……って!」
 桃子はイヌイの摘んで来た秋桜を指差し、強引にイヌイの視界に入り込む。
「私、嬉しかったから…!イヌイがこれくれて凄く嬉しかったから!あの、他の桃岩さんもそうかなあ…てっ!
まだたくさん咲いてたなら摘んでいきたい、私!」
 一瞬チラリと視線を配ったイヌイの冷たい瞳が、桃子など見たくないというように閉じられるのを見て
泣きたくなる。だが、すぐにそうだな、と返って来て桃子はほっとした。
「俺の知る限り桃岩はみんな花が好きだ。動けない岩になってからはとくに。摘んでいってやると
喜ぶだろう。取ってこよう。」
 出て行こうとするイヌイの腕にしがみついて私も行くと、桃子は大声で主張した。


 桃色の波を作る秋桜の群生は想像以上で、一瞬目的を忘れうっとりとその景色に桃子は見蕩れた。
「…本当に、桃岩は花が好きだな。」
 すぐ後ろのイヌイの声に我に返って、桃子は慌てて振り返った。
「…他の桃岩と比べないでって言ったと思うけど、私。」
「一般論だ。現におまえも好きだろう。早く摘め。日が暮れる。」
 すっかりそっけなくなったイヌイの態度に心が折れそうになるが、桃子はとにかくまた二人きりに
なれたことをよしとして、闇雲に秋桜を摘む。

「そんなに摘んでどうする。持ちきれないだろう!」
 呆れたようなイヌイに、両手いっぱいの秋桜の束を持ってて、と渡す。
「ちょ…、おい!桃子…!」
 大量の花の束に視界を奪われ、一瞬桃子を見失う。両手で花束を小さくまとめつつ次にイヌイが
桃子を捕らえたとき、桃子はせっかく着付けた帯をくるくるとほどいて、萌黄の絹をはだけて
襦袢一枚になるところだった。
 あっけにとられるイヌイを尻目に脱いだ小振り袖を地面にバッサと広げると、イヌイに預けた花束を
奪い取ってその着物の上に積む。もうすこしいけるか、などと一人ごちながらさらに秋桜を摘んで束に足す。
山になったそれをくるりと絹の着物にくるんで、萌黄の着物は大きな風呂敷包みとなった。
 一連の手早い桃子の動作を呆れて見ていたイヌイだが、緋色の襦袢一枚の桃子が軽やかなその裾を
風にはためかせ、太腿あらわにこちらに歩いてくるのを見て、怒るのも忘れてその肌の白さに目を奪われる。
 この子供は。
 いやもう子供じゃない。女にしたのだ、俺が。
 張りのある白い太腿の奥にチラリと黒い茂みが覗き見え、イヌイはゴクリとのどを鳴らした。

360102:2007/12/28(金) 09:16:15 ID:ksKghwrU
 目前に立ちイヌイを見上げる少女に、なぜか射すくめられイヌイは動けなかった。
「さすがにこれだけだと寒いね。」
 薄い絹の襦袢越しに、寒さに尖る乳房の先がその存在を主張する。
「馬鹿か。…どうするんだ。」
「着物拾って来て、イヌイ。」
 意外な桃子の言葉に目を見開く。
「なんだって?」
「谷底からイヌイが捨てた着物拾って来て。風邪引いちゃうよ、私。」
「おまえな!」
「早く!それまでここから私、動かないから!!」
 秋桜の茂みに埋もれるように、ぺたりとその場に座り込んで桃子はイヌイをキッと見上げた。

「私が好きなら取って来て!」

 ゆら、ゆら。ゆら、ゆら。
 花が揺れ、桃子の姿が見え隠れするのをイヌイはしばし呆然と見下ろした。
 
 急にざわわ、と午後の風が群生に波を立たせ、桃子の黒髪が背後からの風に舞う。
 くしゅん、と小さい桃子のくしゃみを聞いて、イヌイはバカ!と桃子に怒鳴った。
 その大声に桃子は一瞬身を竦め、おそるおそる顔を上げると、そこにイヌイの姿はすでに無かった。


 一人になり桃子は、座り込んだまま天を仰いだ。
 秋桜はひょろりとしつつ背の高い茂みで周りの視界を奪い、桃子の得るその視界は青空と
桃色の花だけだった。さわさわと風の音を聞いて祈るように目を閉じる。
 呆れて見捨てられたのかもしれない。
 あの獣は戻ってくるだろうか。

「私が好きなら…だって。」
 そこまで言うつもりはなかったのに。怒ってないならと言うつもりだったのに。
 私の身体は私の心よりずいぶんと正直なんだと桃子は自嘲する。
 嫌わないでくれたら十分と思った昨夜から、どれだけどん欲になっているのか。イヌイの態度の
変容に、桃子を見る視線の熱さに、渇望が募る。はっきりと自覚する。桃子はイヌイが欲しかった。

 その見えない心に一喜一憂するでなく、確実に手にして安堵したい。そして、同じようにイヌイにも、
私のすべてを捧げてそれを喜んでもらいたい。イヌイも私が欲しいと思うなら…。
 タキジの跡に、マサルの乳繰りに苛立ったのはだからでしょう?
 違うのかなあ。求められていると思うのは、私の錯覚だったらどうしよう。
 このまま日が暮れて。ここにずっと一人だったらどうしよう。

「…寒い。」
 ぶるっと身を震わせ、薄衣一枚の肩を抱いて桃子は身を縮めた。肌寒いのは午後の冷たい風のせいでも
薄着のせいでも本当は無いのだ。
 ああ、早く。あたたかい、あの銀の毛皮にくるまりたい。それ以外はいらない!

「…意外にひどい女だったのですね、桃子さん。」
 秋桜に区切られた狭い空に姿を現したのは鬼のタキジだった。
「その萌黄の絹は鬼の織った中でもたいそう良いもので、手に入れるのに苦労したんですよ。」
 そうは言いながらもちっとも詰る様子のないタキジの嬉しそうな様子に、桃子はため息をつく。
「笑いに来たの?イヌイに見捨てられるところがそんなに見たくて見張ってるの?」
 既に半泣きの桃子を面白そうに見下ろして、タキジはバカな、と肩をすくめる。

「まさかそんな半裸で男を脅して待つなんて、子供かと思いましたがやるじゃないですか。私が味方に
つかなくても、十分天然で課題をこなしそうですね、あなたは。私はあの犬が気の毒になりました。」
 くつくつと、笑う。タキジの言う事の半分は意味が分からない。イヌイが気の毒なんてどうしてよ。
知らない事ばかりだわ。


361102:2007/12/28(金) 09:18:35 ID:ksKghwrU

「このまま同族に会わず、あの犬と旅を続ける道もあるのですよ?」
 タキジの言葉に顔を上げる。
「同族伝授ですべてを知らなければいけない、なんて掟があるわけではないんですよ、桃子さん。」
 驚きにぽかんと口が開く。そんなこと、思いつきもしなかった。だってそれが旅の目的だった。
イヌイと同行を決めた理由だったから…。
「それでも桃岩に会って、もしも私が必要になればいつでも呼んで下さい。私はすぐに飛んで来て、
あなたの力になりましょう。」
 そこでタキジはピクリと身体を揺らして、にんまりと笑う。
「早いなあ。少しもおしゃべり出来なかった。食い殺されるのもなんですので、邪魔者は消えると
致しましょう。」

 タキジはあっけにとられる桃子をいつもの笑顔でにやにや見ながら、引っ張られるように高く
天に引き上がり消えて行った。
 入れ替わるように視界を陰らし振って来たのは大犬で、桃子は震えて縮こまるその身体を固めたまま、
ただ熱くせり上がる涙がこぼれないよう、大きく目を見開いた。


「今タキジが居ただろう。」
 イヌイの声と桃子を見下ろす銀の瞳は冷たく、桃子は何も答えない。
 返答しない桃子に苛立たしげに着物を投げつける。どうやって拾ったのか、さっきと同じ藍の絣が
桃子の頭にバサリと被さり、イヌイの姿を奪った。
「桃岩は誰にでも身体を開くのだものな、この淫乱が。」
 姿は見えないが声から怒りは明白で、その口調が静かな分、マサルの言うイヌイのおじちゃん
おっかない、という言葉が身にしみる。
「この…淫乱め!いつまでそんな格好で居るつもりだ、早く着ろ!」
 吠えるようなイヌイの罵声に、桃子は頭に藍の小袖を被ったままゆっくり立ち上がった。
 ひくひくと肩を震わせながら、桃子は寒さに震えるたどたどしい手つきで腰紐をほどくと、
絹の肌襦袢がするりと滑って足下に落ちた。

「おい。」
 イヌイが大きな一歩で間合いを詰め、桃子の被った着物をはぎ取ると、涙に濡れた真っ赤な顔が現れる。
大きな目を見開いたままくしゃりと顔を歪めてひっくと痙攣した。
 イヌイは桃子を見つめた。自分の剣幕に怯えたような、それでも半開きのその口から甘い息を吐き、
まるで誘っているかのように扇情的な目でイヌイを見ていた。
 吸い込まれる。とイヌイは思うと同時に手を伸ばしていた。

 抱き寄せた身体は冷たく、イヌイの胸に伸ばされた指先は冷えきってぞくりとイヌイを刺した。
「こんなに冷えて…バカ。」
「バカだもん…。」
 待ち望んだ銀の毛皮にくるまれ、その温かさに桃子は弛緩する。
 その毛皮の下の肉の熱さに匂い立つ。
 次々溢れる桃子の涙を吸い取りながら、イヌイの唇が頬を這う。
 やがて桃子の顎をなぞり、嗚咽を漏らす小さな口を塞ぐ頃には、桃子から立ち上がるその淫微な
芳香はすっかり大犬の怒りを熱情に変えていた。

362102:2007/12/28(金) 09:28:37 ID:ksKghwrU

 大きな口が噛み付くように桃子の柔らかい唇を食み、分厚い舌が小さな口内を充たしてかき回す。
 冷たく冷えた舌がイヌイに吸われてその熱を取り戻し、互いに絡ませてぐにぐにと繰りあった。
 ちゅぷちゃぷと唾液が絡み、ねっとりと差し込まれたイヌイの舌は、既に知った桃子の感じる部位を
執拗に攻め立てた。桃子の息が上がる。
「ん…あ、あ、…イヌイ。」
 いつの間にか背に回されたイヌイの両手が、冷たい尻タブを温めるように何度も上下し、
それはそのうちさらに奥へと足を割り、指を滑らせたその奥はうって変わって熱くイヌイの指に絡む。
 桃子は両手を伸ばしてイヌイの頬を掴んで、胸元に抱くように引き寄せた。

「着物…拾って来てくれたんだ。」
「そうしろと言ったのはおまえだろう。」
「私が好きならって言ったよ。」

 互いの身体に潰され持ち上がった桃子の双丘の肉に、一瞬顔を埋めたイヌイは、苦しそうな声で
絞り出すように…ああ、と呻いた。
 その顔は見た事もなく赤く、桃子の白い胸の上でイヌイは熱い頬を擦り寄せた。

「そうだ、悪いか!好きだ、桃子。好きだ…、おまえは…俺のものだ!」


・・・・・・・・・・・・・


 緋色の襦袢の上に横たえた桃子に覆い被さると、イヌイは真っ先にその首筋に食らいついて強く吸い、
タキジの跡を消した。
「やきもちやき。」
 からかうような桃子の揶揄にイヌイは腹を立て、そのまま何度も白い首を甘噛みした。そのたびに
ぞくぞくと寒気に似た刺激が走り、桃子はああんと声を上げる。
「淫乱。」
 報復するようにイヌイが詰る。その言葉に泣きそうに顔を歪める桃子を、さらに罰するように脚間に
指を突き入れた。

「あっ、やあぁあん!」
 濡れてすんなりくわえこむ桃子の熱い膣道を、イヌイの太い指が容赦なく擦り、桃子は急激に高まる性感に
のどを震わし仰け反った。その白いのどに牙を立て、もう片方の手で乱暴に乳房の肉を揉んだ。

「ふぁっ、あっ、やん!…だめ、そこ…やぁっ!」

 へそ裏の上辺を強く擦られ、そこに現れたしこりをイヌイの指がぐりぐりと押し上げると、桃子は
腰を大きくくねらせ、逃れようとイヌイの腕を掴んで爪を立てた。無論びくともしないイヌイの腕が
さらに強く上下する。そのまま突き入れられた指をくいと曲げると、ひぃん、と啼いた桃子の脚間から
わあと水が溢れてきて、それは太腿を伝い尻を濡らした。

 イヌイはそのまま桃子を裏返しうつ伏せにすると、その背を片手で押さえつけ、絹の襦袢に
胸を押しつぶした。
 突き入れた指で高々と尻を持ち上げ今濡れた尻を拭き取るようにべろべろと舐めると、桃子が堪らず
泣き出した。
「あっあっ!やだ!それやだって言った…いやぁん!やあぁん…あああっ!」
 高く突き出されたままいやいやと尻を振る。
 そうする事でいっそう煽られる事がわからないのかこの子供は。
 指をもう一本増やしてぐちゅぐちゅと後ろから攻めると、割れ目の奥の小さなつぼみが
ひくひくといやらしい。そこを親指でつつきながら、白い丸みの肉に何度も噛み付いて味わうと、
だんだん突き入れた指が締め付けられてきて、やがて吸い上げるような吸引に変わる。引き抜くと
すがるように指に絡んで、抜いた端からどろりと愛液を垂らす。美味そうな。妖獣の餌を絞り出す。
 いやらしい。桃子、おまえは…。

363102:2007/12/28(金) 09:31:48 ID:ksKghwrU
「…俺のだ。」
 イヌイは堪らず声に出し、それにむしゃぶりついた。
 啜り上げ、舌を突き入れ掻き出し、さらに前の尖りをちゅうちゅうと吸った。
 強過ぎる快感から逃れようと突き出さされた尻を左右に振り、抵抗をみせる桃子の腰に、イヌイの
両腕がまわり、掬い上げられるように高だかと持ち上げられる。
 強引に股を開かれたまま後ろからぱっくりくわえられ、ああーーっと桃子は羞恥の声を上げた。

 こんな、こんな格好恥ずかしい。はずかしい、はずかしい…!
「イヌイ…っ!や、あぁん!!」
「桃子、おまえは、俺の…っ。」
 大きな口でくわえた口中で、イヌイの舌は縦横無尽に桃子の淫芽秘肉をかき回して、溢れる愛液を
全て飲み下した。泣きじゃくる桃子を立て続けに三度絶頂に追いやって、それからようやくイヌイは
口を離した。

 口の周りに漏れた淫汁をべろりと舌で舐めとりながら、うつ伏せでひくつく桃子にのしかかる。
 熱い硬くなったそれを、今啜られた箇所にあてがわれ、その猛りに桃子はそれだけで、ひいん、と
肩を揺らして軽く達する。
「やらしいな、桃子。おまえの身体は敏感で、よく濡れる。」
「やだ、後ろからはやだって…。」
 ぐちゅ、と水音を立てイヌイの亀頭がめり込むと、桃子は緊張に身体を震わせ大人しくなった。
 そのまま既にはち切れんばかりに身を腫らした肉竿をゆっくり尻に刺していく。割れ目が広がり
菊門がイヌイの眼下に現れて、イヌイはそれを愛おしげに指でそっと撫でた。

「やあぁーーーっ、んんっ!」
 桃子の快楽の声色に、残りを一気に突き入れクイッと奥を抉る。すぐに抜けるぎりぎりまで
竿を引き抜くと、また一気に腰を突き出して奥を攻めた。ぐちゅりと、接合部から愛液がしぶいて
抽送を容易にする。慣れを待たずにピストンを速めてイヌイは桃子を追い立てた。

「あん、あん、はぁんっ…イ…イヌイぃ!!」
 きゃあぁーん、と一段と高い声を上げ、桃子はすぐにまた達したようで、きゅうきゅうと
穴をすぼめて同じ快感にイヌイを招く。
「桃子…、桃子、すごい。」
 いい、と耳元で獣が唸るのを聞いて、桃子は泣きたいようなせつなさに胸が痛む。
「本当…?イヌイ…気持ちい?ほんとお…?」
 背中から胸も揉み込まれ、イヌイの激しい腰の動きに、あ、あ、と息を切らせながら、桃子は何度も
確かめる。
「淫乱でも…いいの?やらしくてもいい…の?私…イヌイ…イヌイだけだよ。本当だよ…!だけど、
桃岩なの…私…。桃岩だからなのぉ…、ごめんね!ごめんね、好きになっちゃって…!」
 あっ、あっ、ーーーん、と何度めかの絶頂に達して桃子はのけぞるが、その身体を後ろから
羽交い締めにしたイヌイが、さらに揺すって休憩を許さない。

「桃子。」
 興奮に声を涸らした大犬が、膝立ちで抱いた桃子を後ろから、パンパンとぶち当たる桃子の
尻肉の感触を味わうように、浅く、深く突き上げる。
「あん、あん、はぁん…っ、だ、め。」
 だめと言いつつも、前に回した手で突き出した淫芽をくりくりと捏ねると、桃子は違う快感を得て
再び昂りに身を任す。昨日までおぼこだったのが嘘のように快感に従順で、イヌイは喘ぐ桃子が
堪らなく可愛らしいと揺さぶり、他の獣にもまたこうなのかと想像して憎らしいと突き上げる。
だがまだ俺だけの桃子だ。俺のだ。
「桃子、俺のだ!誰にも食わせない。おまえは、俺の…っ!」
「…だめっ、あっあっあっ、あ、あ、あ、あ、くぅん、わ、あぁんああぁんっ!!」
 がくがくと全身を震わせる桃子をなお突き上げて奥を抉る。
 甲高い桃子の声は甘く、高く響き、イヌイもそれに昂りを増していく。

「ああぁあんっ、好きーー!イヌイっ好き、好きぃーー…。」
「桃子…俺も…っ。」

364102:2007/12/28(金) 09:39:28 ID:ksKghwrU

 声無き声にひくりと痙攣を止めて、動かなくなった桃子の中だけがきゅうきゅうとイヌイを締め上げた。
奥へと誘うのを感じて、イヌイは断腸の思いで桃子の腰を押しやり自身を抜く。
 ズルリと抜いたとたん、跳ね上がった肉竿の先からビュワっと吹き出した雫が、桃子の太腿にしぶいた。
「…うあ、ぐ…ぁあ!おぉ…っ。」
 快感に目の奥白くかすみ、イヌイはまだ続く己の射精のドックドックという脈動のたび、桃子を
強く抱きしめ快楽に吠えた。
 腰を下ろした緋色の襦袢に白濁が散るのを頭の隅で、タキジに対しいい気味だと思いながら、
イヌイはぐったりと頭を反らす桃子の耳元に口づける。吐き出すように掠れた声で、言わずには
いられなかった。

「俺のつがい…桃子…。」

「…つがいって?」

 桃子もまた声を涸らした小さなつぶやきだった。
 それに対するイヌイの返答は無かった。


 息を整えながら、桃子は太腿に当たる未だ熱いイヌイの猛りを見て一瞬ぎょっとなった。
 昨夜見た、あれも見間違いではなかった。イヌイの自身の先端は傘が開いたように大きく腫れ、
やはり挿入前より大きくなっていた。
 桃子はその先端からドクリと垂れた白い粘りを掬いとり、手に乗せる。
「これは私の愛液と同じ妖獣の餌なの?」
「バカ違う。」
 こんなもの食えるかとイヌイが笑い、じゃあなんだと訊く桃子にイヌイは精子だと答えた。
「精子って?」
 イヌイは黙り込む。
「イヌイのどうしてこんなになるの?マサルくんはならなかったのに。」
「どうしていつもあのまま私の中に出さないの?」
 続ける桃子の問いにイヌイはついに答えなかった。

365102:2007/12/28(金) 09:43:37 ID:ksKghwrU

 二人で仰向けになり空を見上げると、秋桜の間の空は既に夕方のオレンジに変わりかけている。
 会いに行かなくてもいいとタキジは言った。何も知らないままでもと。
「…行くか。」
 イヌイのつぶやきに桃子は起き上がりかけ、眼を合わせたイヌイに口づけて胸に顔を伏せた。
「…あと少し。もうちょとこうしていてからね…。」

 桃子の小さな頭と肩をイヌイの大きな手が覆い、それは永遠にそうしていたくなるほど心地よかった。
 だけどわずかに震えるその手に桃子はイヌイの不安を漠然と感じて、それをなんとかしてあげたい思う。

 強くておっかない、私の可愛いイヌイ。
 知らない事が多過ぎる。
 桃岩に会ったらイヌイの事も少しはわかるようになるだろうか。
 私がイヌイになにかしてあげられる事が見つかるだろうか。
 好きな人の求める事に応えてあげられたら。
 イヌイ、私それが幸せだと思うの。
 死んでもいいと思うくらい。

 戯れにイヌイの手が桃子の髪を掬い、それが風に舞い互いを隠す。
 黒髪の隙間から泣きそうなイヌイの微笑みを見つけ、意味も無く大丈夫と言って、桃子は身を起こした。
 イヌイのくれた白の襦袢と着物を着て、似合うでしょう、と笑って見せる。
 
 藍の絣を着た桃子は大人びて、その姿はイヌイに眩しかった。

 
・・・・・・・・・・・・・・・
                            今年はこの辺で 

本当に長くなりごめんなさい。スレ埋めまくってますね…
読んでくれるだけで嬉しいのに、たくさん励まし感想ありがとう。
来年もどうぞよろしくお願いします。みなさん良いお年を!
 
366名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 12:56:07 ID:gh4E2Ru3
(><)毎回素敵です!
367名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 01:04:23 ID:ufS/kV1D
素敵すぎてなんだか泣きそうです。ほわほわした気分で年を越せそう。
今回もGJをありがとうです。来年も楽しみに待ってます。
お身体、どうぞ、お大事になさってください。
368名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 16:06:44 ID:6Bk8zMkH
にゃが恒例の語尾になりつつある102氏乙リークリスマス!

相変わらず絶品ですた。
体には気を付けてなー。首長でまってるけどペースはゆっくりでホント構わんから。

でもって氏も住人ズもよいお年を〜
369名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 06:42:00 ID:ronBPk9O
GJであります!
うお〜イヌイかわいいぞ〜。
ラブラブしちゃえ〜。

102様お体にはくれぐれもお気をつけて。
370名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 18:53:32 ID:Y28pHJzD
サルトルセツナス・・GJ

あけおめことよろ
今年もエロエロな桃達が見られると期待している
371名無しさん@ピンキー:2008/01/04(金) 21:28:16 ID:GcYj7J8X
GJ!!!!!
372名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 08:53:23 ID:UqnhVEGl
ほす
373名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 15:17:52 ID:mWcrWVPC
上がってたから気がついた。

102氏の作品、感動した。
エロパロ読んで切なさに泣くとは思わんかったぜ。
エロも素晴らしい。

続きを楽しみにしています。
374名無しさん@ピンキー:2008/01/10(木) 11:04:19 ID:dFGElfQK
ほしゅ
375名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 20:10:44 ID:tFSRO2DW
桃子の続きにwktk
376名無しさん@ピンキー:2008/01/13(日) 01:32:25 ID:vMk/dk3g
容量的にそろそろ次スレだなあ。

今のうちにエロパロ保管庫に収録して貰った方が良いだろうか?
377名無しさん@ピンキー:2008/01/14(月) 01:18:34 ID:lTIU77N3
ぜひお願いしたい!こんなに質のいいSSは次世代に残すべき
378名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 20:59:45 ID:7WQIxoMj
保守
そして、保管庫への収録を熱望!
379102:2008/01/16(水) 06:22:02 ID:IcUefQm2
みなさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

365の続きです。
・・・・・・・・・・・・・・
 
 もうすっかり日は落ちていた。
 静かな闇が、当然のような顔でその場に横たわるのを引き立てるように、青い月が昇り始めた夜の入り口。
イヌイの読み通りの時刻にその岩に着いた時、雲一つない晴天の夜空に月光は冴え冴えと輝き、
闇を散らして澄んだ紺色に変えていた。
 その色はイヌイの贈った桃子の着る藍の絣と、まるでそろえたように同色で、大犬は不安に
銀の瞳を曇らせた。
 桃子を草原に下ろした時、そのまま夜に溶けて消えてしまうように感じて胸を病む。
 イヌイはその印象が間違いではなかったと後に知る。


 さっきまで翔る空の広さの中、抱かれるイヌイの腕は力強く、その逞しさに安堵感すら感じていた
桃子だが、やはり実物を目前にすると愕然として、急速に心細さに襲われる。
 この世界も自分も、そして目の前の愛しい妖獣も。何もかもに不安を覚えて立ち尽くす。
 初めて出逢う同族。
 それは冬枯れもせず青々と広がる草原の中にぽつんとあった。
 確かに岩だった。
 ぼんやりと白く滑らかに美しい。だがどんなにきれいでも、それはもの言わぬ岩なのだ。
 空の上より、あれだがそうだと教わってから、桃子は言葉を失い青ざめたままだった。
 
「誰か食い意地張ったやつが壊したか。マナーがなってないぜ。」
 天頂部が裂け、欠けているのを見てイヌイはもらした。
 マナー云々ではないだろう。
 これが自分の将来とすでに聞いている桃子には、その乱暴された痕跡はとても痛々しくて見ていられない。
 その反面これが自分の同族であるとは未だ信じられず、桃子は心のどこかでイヌイが「今までの話は
全て嘘だ、からかっただけだったんだ、信じたのか?」と笑ってくれるのを願っていた。どれほど待っても
当然ながらそんな言葉は与えられなかった。

 遠巻きに見守る桃子を尻目に、青草にさくさくと分け入り、イヌイはその岩の亀裂にためらいなく
手を差し入れた。
「運がいいな。まだ生きてる。」
「食べるの?イヌイのおじちゃん。」
 追ってそばに寄って来たマサルの明るい声に救われる。
 イヌイはそれには応えず、ただ黙って小猿に笑顔を向けて、慣れた手つきでそのなだらかな丘をなでる。
 欠けた頂部分がイヌイの手で隠されると、白い岩は桃子が見るこの距離からだとまるで女の尻に見えた。
 ズクンと股奥に刺激を感じて桃子は反射的に目を逸らす。それは同調なのか嫉妬なのか。今の桃子に
それを己に問う余裕は無かった。

「何をしてる。来い。」
 未だグズグズ遠巻く桃子をイヌイが呼んだ。
「おまえの育った村に一番近い桃岩だ。…母親かもしれないぜ?」
「そんなこと言わないでよ!」
 大きな声で怒鳴った自分に、桃子自身も驚き、改めて緊張していると知る。
 ふざけたように軽く言うイヌイに、相変わらず思いやりに欠けると思った。
 イヌイの言った意味も含めて、初めて見る桃岩は、桃子にはただ恐ろしかった。
 だがやっと得た念願の機会、旅の目的地から逃げ出すわけにはいかず、桃子は恐る恐る足を踏み出した。
 イヌイのつけた青草の倒れた跡をそのままなぞり近寄ると、その背に隠れるようにして、鍛えられた
男の肩越しにそれを見た。そのせいか、遠くから見たときよりそれは柔らかくなめらかな温かみを
もって見える。
「欠けさえなけりゃあ最上クラスだ。よかったな、初めて逢う同族がべっぴんで。」
 桃子の恐れを知ってか知らずかイヌイが笑いかけた。
 思いがけない優しいイヌイの笑顔と、初めて会う同族が欲目抜きに美しい肌色をしているのを認めて、
桃子は安堵で泣きそうになった。
380102:2008/01/16(水) 06:41:58 ID:IcUefQm2
規制?…テスト
381名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 06:44:44 ID:5axRa/lB
wktk支援
382102:2008/01/16(水) 06:47:43 ID:IcUefQm2
むう。長文は無理みたい。出直します。
このスレ中には終わらないので保管庫嬉しいな。よろしくお願いします。
383名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 06:49:24 ID:5axRa/lB
乙です。
続き、楽しみに待ってます。
384102:2008/01/16(水) 06:50:26 ID:IcUefQm2
あっ、人が居る!おはようございます〜。規制はじめてでわかりません。
短くぶった切って投下した方がいいのでしょうか。
385名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 07:09:30 ID:hL+QK/Np
一行目が空いてて22行以上の長文だと規制される、ということ以外はよくわからないなー。
102氏のは何で規制されているんだろ。
頑張れ102氏。待ってる…!
386102:2008/01/16(水) 07:15:11 ID:IcUefQm2
一行目あけてました。ありがとうございます。やってみます。出来たら続けますね。
続き↓
・・・・・・・・・・・・

 すでに知った自身の正体に、今更ショックで倒れそうになりながら、桃子はこの岩の前で涙ぐんでいる。
嫌悪では決して無いが、この気持ちはなんといおうか。
「拗ねたり怒ったり泣いたり、忙しい女だな。」
 イヌイは一人ごちる。だがその声は慈しみを持って桃子を勇気付ける。
 そうだ、すぐそばにイヌイが居る。何が怖い事があるだろう。
 それでも背中から一歩も動かない桃子に、しびれをきらせてイヌイが横にずれた。
「泣いてないで、ほら、土産を渡すんだろう?」
 そう言って萌黄の絹の風呂敷包みをひょいと桃子に手渡した。
 ずっしりと思いその中には、桃子が摘んだ秋桜が詰まっている。その重みに押されて半歩岩に
近づいてしまった桃子は、躊躇いながらその包みを草地に下ろして結びを解くと、中から鮮やかな桃色の
花が、わあ、と溢れて散らばった。
 こんな時だが桃子は摘んだ時と同じく、その花の色にうっとりと眼を細める。両手に持てるだけ
その花束を抱え、ぎゅっと抱きしめて岩に対峙した。

「え…と、も、…桃岩さん?」
 緊張に掠れた声に、イヌイがおまえもだろうと笑う。その声の方に拗ねた顔で一瞬振り向き、
また岩を見て桃子はその花束を岩の周りに飾るようにひと掴みづつ置いた。しゃん、と背筋を伸ばして
岩の前でお辞儀をした。
「はじめまして、桃子です。」
 返答のない挨拶を終えて、途方に暮れる桃子はまた、本当にこの岩が私と同じ人がただったのかと
疑念が沸く。
「おまえも触れてみろ。」
「噛み付いたりしないから大丈夫だよ。桃子おねえちゃん。」
 マサルとイヌイに挟まれるように桃子は目前に岩を見た。もはや逃げられないと悟り、言われるままに
手を伸ばす。
「あの…、失礼しま…す…。」
 白魚の細い指が、乳白色の岩におずおずと添えられた。

 思いがけず岩はほどほどに熱を持っていた。

「温かい…それになんかしっとり…。」
「お前がぐずぐずしてるからもう十分準備できちまった。」
「準備?」

 その質問に、イヌイが答える必要はもうなかった。
 あっ、と小さく桃子が声をあげた。
 
 それが境だった。


 この時より何もかもが変わったーーーーー


・・・・・・・・・・・・・・


387102:2008/01/16(水) 07:20:43 ID:IcUefQm2
 一瞬のことだった。

 白い岩の内部から桃色の光がせりあがってきたと思ったとたん、岩全体…いや、この辺り一帯を
真っ赤な光で包みこみ、そしてそれはすうっと空に消えた。とおに降りてきていた闇が、いっそう濃い
群青の空間となり、さっきまで辺りを照らしていた月がどこに消えたのか今は見えない。ただイヌイと
マサルの金と銀の体毛の光だけが、互いの妖獣を、桃子を、そして今はその奥にぼんやりと赤い光を見せ、
飾られた花々と同じ濃い桃色の岩を照らしていた。

 チラ、と横目でイヌイが桃子を見ると、ハアハアと息が弾むのを必死で押さえるように、小刻みに
胸を震わし呼吸を乱している。
「おい。」
 イヌイの声にも反応はない。
 まるでのりで貼付けられたように岩に手を吸い付けたまま、桃子の頬がみるみる紅潮していく。
その花と、その岩と同じ桃色に…。
「おい!」
 イヌイはもう一度呼びかけたが、ぶるぶると全身を震わせはじめたのを認めて、強引に腕を掴んで
岩から離した。

 桃子は瞬き一つせず、じっと空を見つめ放心し、引き寄せられるままにイヌイの腕に巻かれ胸に
体を預ける。 
 柔らかい肢体の全体重がどっさりとイヌイにぶつけられた。
 とたん、むんっと勢いよく桃子の体臭が駆け上がってきて、イヌイはたまらず顔を背けた。
 臭いわけではもちろんない。むしろ震いつきたくなる…、いやそんな程度ではない。がむしゃらに
引き裂いてただちに口中に、ぐちゃぐちゃと噛みしだいて腹に収めたくなるようなそんな…強烈な芳香!

 ーーーーーーーーーーっっっ!!!
 
「わあああぁあっ!何っ!?イヌイのおじちゃん!これ、何!?怖いっ、怖い…っ!!」

 初めて聞く、小猿の動揺を隠さぬ畏怖の叫びが草原に響き渡る。
 昼間も聞いたキーーッという高い叫びをあげ、マサルはその場にうずくまると、股間を守るように
両手で押さえつけビクビクと痙攣し、そのまま身体を折って崩れ、青草に消えた。
 それなりに経験を積んだイヌイですら、たまらなかった。
 まともにくらわなくてよかったと、イヌイは見当違いの安堵をなんとか探し出し自我を保守する。
鼻をかすめた程度の今でさえ、血が沸き出す衝動にかられながら、はちきれんばかりの股間の痛みを
こらえてなんとか立っている!

「桃子…!」

「桃子……っ、桃子っ!!」

 幾度も繰り返された妖獣の呼びかける叫びにようやく瞬きをひとつたて、続けてぱちぱちと
長いまつげをばたつかせ、桃子は初めて世に出てきたひよこのように、何の感情もまだ知らぬ
無垢な瞳でイヌイを見た。

「イヌイ…。」
「おう、大丈夫か?」
「スケベ。信じられない。」
 
 おい、心から心配して抱きとめている男にそれはないだろう。
 イヌイはげんなりした気分と桃子の無事を認めた安堵より、一息ついて肩を落とした。と、同時に
どんっと力任せに弾む女体に押し倒された。

388102:2008/01/16(水) 07:23:26 ID:IcUefQm2
 女に押し倒されるなど初めてのことで、驚きと軽い屈辱感にイヌイは声を荒げて抗議する。
「何だ急に!痛えだろ!どけ…っ…。」
 罵声は桃色の唇に飲まれて小さな口内の奥に消えた。
 上に股がった桃子の俯いた顔は近すぎて見えないが、明らかに興奮した息がねっとりと唾液とともに
イヌイの口に注がれる。

 −−−美味い。
 率直な感想だった。
 元より妖獣の好物だ。出逢って以来何度も啜って、美味い事もすでに知っていた。だが今のこの味は…!

 口端からこぼれる液が惜しくて無意識にすすり上げ、口角にこぼれたそれを舐めとりながら、
押し付けられる柔らかい肉に、意図も無く舌を差し入れると桃子の舌にぶつかった。驚いて一瞬
引っ込んだそれは、そのまま待っているとおずおずとまた戻ってきて、小さい舌は倍以上あるイヌイの
それにそっとあてがわれ、そしてそのまま動きを止めた。
 桃子はイヌイの上で四つに這い、眼を見開いたまま、ただ唇を合わす。
 大きな口の亀裂にあてがわれた柔らかい口腔から、重力の通りに惜しげも無く甘い唾液が垂れてくる。
 イヌイは同様にその身を固め目を見開いて、桃子の動向を量っていたが、口中に流し込まれるごちそうに
堪らず、ゴクリとのどを鳴らして溜まった甘露を飲み下した。
 それを待っていたように桃子は顔をあげた。
 やっと表情を知れるその位置で、ゾッとする美貌がイヌイの銀の光に照らされ闇に浮かんでいた。
 イヌイは初めて見る妖しい笑顔の桃子を仰ぎ見た。
 

「おいしい?」

 艶やかな声でわかりきった答えを俺に訊く、これは本当に桃子だろうか。
 あり得ないそんな思いがふいに頭に浮かび、イヌイはそれを打ち消すようにわざわざ鼻で笑う。
「まあまあだな。」
 そう言って、自分の身体の上にのしかかる桃子の尻をするりと撫でた。
「ひどい。」
 まあまあに腹を立て、上から非難の目をむける。その拗ねた様は一瞬幼く、いつもと同じ桃子に
イヌイはホッとする。
 だがそれも一瞬でしかなかった。
 大犬の大きな体躯の上で、小さく華奢な桃子の身体は、感じるそのささやかな重みからも、覗く
わずかな皮膚からも、もう牝の匂いしかしない。
 その明らかな変貌を、イヌイは身体全体で感じて驚愕する。

 今までの桃岩から聞いていた、桜桃が言っていた、これが同族伝授か…!
 まったくすげえな、桃岩属ってやつは…!!
 さっきまでは本当に、たとえ体は牝でも、俺が女にしたと言ってもどうしても、子供だったのだ。
 だが今は、もう女だ。女でしかない。
 五分やそこらでこの変化はなんだ!


389102:2008/01/16(水) 07:26:16 ID:IcUefQm2
 接触伝達は同族に限るので、何を伝えられたかイヌイは知る由もなかった。ただ一つ言えるのは、
桃子は今やすべてを知っているということだ。
 イヌイはやっと肩の荷を降ろしたような身軽さを感じ、同時にそのことが堪らなく恐ろしかった。

「大人の世界を知った気分はどうだ。」
 
 不安に耐えかね、からかうようにイヌイが口火を切った。
 桃子はただ一言「最悪」と言った。

「どうしよう…大人になっちゃった…。」
「わかったか?」

 何を?とは訊かなかった。

「うん。わかった。」

 全てを、だった。


・・・・・・・・・・・・・


 さっきまで冷たい夜風にざわめいていた草原が、今はしんと静まり返り、青草に横臥した獣の光が
それに埋もれて闇が広がる。
 イヌイの上で、桃子はまた放心した顔で空を見る。
 闇に溶かされた藍の着物に包まれてなお匂い立つ芳香は、溢れ出るように桃子から流れ続けており、
イヌイの怒張は静まるどころか、猛りを強めて股がる桃子の尻を刺し熱い。
 むずむずとした腰の苛立ちを懸命に押さえるのが精一杯で、イヌイは身動き一つとれなかった。
 わずかでも身体が動き出せばそれを機に、己が何をするかは知れている。
 どうにかしてくれ、桃子!

「抱きしめて、イヌイ。」
 拷問のような桃子の望みに、だが従わないわけがない。
 背に腕を回し力強く引き寄せる。
 しなやかにくねって逞しい男の胸に押し潰された女体は、密度を増して重くイヌイにのしかかる。
 溜まらない濃厚な匂いにイヌイは苦しげに大きく息を吐いた。次に吸ったその空気に脳が溶けるような錯覚。
 抱き潰さぬよう過剰に力んだイヌイの腕が、ひくりと痙攣しては弛緩する。それを繰り返すうちいつしか
イヌイの拳は握られていた。
 この手を開いたら俺は。
 イヌイの葛藤と抑制を知ってか知らずか、胸中の桃子が急に背筋を反らしてその白いのどを見せつけた。
きっちりと着付けたはずの着物の衿からは漏れるはずのない双丘の香り。
 ガクンと首を折り、顔色をうかがうように俯いた桃子の長い黒髪がバサリと乱れてイヌイの顔を包み、
出来た密室に桃子の甘い吐息が満ちた。
 開くまいと力を込めた手の平に、いつのまにか山吹の帯があった。
 主の意識から放れた手は慣れた手つきで背の結びを解き、緩んだ長着に獣の手は滑り込む。薄い襦袢越しに
重量ある大きな乳房が弾んでイヌイの手の平に吸い付いて、あとはもう止められるはずもない。

390102:2008/01/16(水) 07:29:09 ID:IcUefQm2
「スケベ犬。」

 桃子の声がそんなイヌイをあざ笑う。
 背を反らせ、されるがままで、なのに俺をなじるのか。

「誰がそうさせている。」

 まだ絡む帯を片手で抜き取りながら、もう片方の手は闇雲に動く。肉を捏ねあげる手の中にコリコリと
しこりだした先端を覚えて、イヌイはくるりと寝返りを打ち、先ほどとは逆に青草に桃子を組み敷いた。
 己の大きな身体が閉じ込めた桃子の芳香を下からくらい、我慢もこれまでとイヌイは細いのどに噛み付いた。

「ん…ああぁん。」

 先端の丸い牙ががぶがぶと甘噛みする刺激に嬌声が上がる。待っていたと知る。
 牙は耳裏から首筋を這い、美しく窪みを作る鎖骨にひっかかり止まる。そこで信じられない声を聞いた。

「この桃岩の名は水蜜。」

 ピクリとイヌイの肩が揺れた。

「私のお母さんではなかったけど、綺麗で、胸も私より大きくて、優しい女だった…でしょう?」

 イヌイが半身を起こして横たわる桃子を見ると、怒ったような、拗ねたような、だが女の顔をしている。
「スケベ。信じられない。」
 再び言った桃子の台詞に、イヌイは浮かんだ面影とすぐ横のもの言わぬ岩を見比べた。
 まだサルトルにも出逢う前、ひととき共に旅した豊満な彼女の優しく甘い声を思い出す。水蜜!

「水蜜って…あ…あの水蜜か?」
 動揺に言葉をかみ、イヌイは驚きを隠せない。
「イヌイ若いときから変わらないのね。料理の時間長くてなかなか食べないの。意地が悪いの。」
「見たのか!」
「見たよ。おっぱい揉んでばっかり。えっち。」
 
 うろたえる獣の横で岩はその身の中の赤い光を揺らし、それが笑っているように映る。
 腕を立てた体勢のまま身を固めた大犬の顔も、それに呼応するように赤くなる。

「み…見るんじゃねえよ!」
「私だって見たくなかったよ!ばか!えっち!スケベすけべスケベ犬!!」

 下からドンと蹴り上げられ、イヌイはうおうっと股間を押さえて桃子の横に肩をつく。
 すかさず起き上がった桃子は、そのまま丸まる背中にばかばかと拳をぶつける。

「ばかぁ!あんなに…あんなにべろべろ太腿舐めなくてもいいじゃない!餌なんでしょう、私たち!あれって
ただの食事なんでしょう!?なのに…あんなやらしく…っ!いやらしい!いやらしい!!スケベばか!!」
「よせっ、阿呆!昔の話だろう!?」
「今も…私にも同じことするくせに何が昔の話よ!」
「おまえにそうするのは…おまえだからだろう!?」
「ばかあああああぁあっ!!」

 両の拳を身体ごとドンとぶつけて、それからわあああと泣き出した。
 以前と変わらず幼く、嫉妬の激昂を持て余す少女のそれに、なぜかイヌイは安堵した。
「バカ…妬くなよ、桃子…。」
 乱れて背を見せる襟首を摘んでその少女を抱き寄せる。
 いつもマサルにするように懐にしまい込み、小さな頭をなでる…その手を。
 
 桃子はぶるん、と首を振ってはね除けた。
 イヌイは自分の感じた安堵が、そう思いたいばかりの独りよがりのものだと、ようやく認めて
その「女」を見た。

391102:2008/01/16(水) 07:31:49 ID:IcUefQm2
「私のこと餌ってイヌイは以前言ったけど、本当に私って…私達って、妖魔妖獣の餌なのね。」

 桃子は何を見たのだろう。
 その変貌に戸惑いを持て余しているのはイヌイだけではなかった。
 桃子もまた、還りたい、と泣きたい思いで、だが戻れない事実に、惑い、揺れていた。
 どうしたら良かったのだろう。どうすればいいのだろう。
 この世界の理を前に、揺れるしかない小さな自分に、今は泣くしか出来ない。

「イヌイだけじゃなかった、水蜜を食べたのは…。たくさん…たくさんの妖しの餌に何度も…。
私がヒヒに食われたように。」

 おぞましさを思い出し、ぶるっと身を震わせイヌイの腕にしがみつく。
 桃子は何も知らなかった遠い昔の幸せを、慈しむかのようにそれに涙をすりつけた。
 それは以前の少女の桃子で。
 同時にはだけられた胸からその香りはいっそう濃く溢れ出し、獣を猛らせイヌイを誘う。
 それは明らかに「女」のそれで。

「イヌイがヒヒを食べたように。マサルくんが道中の猿を、タキジさんが雉を…。私が食べたあの雉と、
鱒と同じように…!」
「違う、桃子。」
 ふいにピイピイと、青草の奥から雉のヒナが鳴き始めた。マサルがつれていた、あの三羽の雉のヒナ!
「イヌイが私を食べるのと同じように……っ!!」
「違うっ!桃子!!聞け、違う!!」
 
 ザワと青草が揺れた。
 生温い風が先ほどまでの静か過ぎる夜の草原に、不穏な空気とイヌイの恐れる不安な未来を運んで渦を巻く。

「水蜜はたくさん食べられて、経験を経て、だから成熟して岩になって、さらに食べられて!とてもいい
泉になったことを誇らしげに教えてくれたよ!あの亀裂は汁を啜って、食べちゃいたいほど興奮した
鬼の一族に鬼歯でガリガリやられたって!…嬉しそうだった。他の桃岩達もみんな、たくさん食べられて…、
いろんなふうに食べられて…!それがすごいでしょう、嬉しいって…!!でも…でも私は恐い…っ!!」

 ザアッ。

 青草が、まるで生き物のようにうねる。
 光る獣の銀の毛は逆巻を強め、その光を散らせつつ波打つ。
 心地の悪いぬるさを持った風が桃子の長い髪をまばらに揺らす。
 
 言霊を奪うために塞がれた桃子の唇が震え、のどから苦しげに嗚咽が漏れた。
 それでもイヌイは桃子の頬を掴み、唇を、腕を巻き付け固定したその身体を離さない。
 ヒクついたまま桃子の腕がイヌイの背に回され、「女」は「男」にすがりつく。
 毛深い体毛ごしにその下の逞しい筋肉に押し当てられる鞠の胸。「女」は扇状するように、
「少女」は逃げ込むように身を押し付けて。
 頬を掴んだイヌイの手を濡らし流れていく涙。

「怖い。」
 震える肩に長い手を伸ばして、そのまま自分の胸に伏せさせた。

「染み古反…おばあちゃんは私の為にくれたけど、イヌイが私にしたように、桃岩にとって染み古反は
餌の保存に使うものなのね。私たちの一族に生理ってないのね。だって牝しかいないもの。
 私にお父さんはいなかった。私たちは単体で卵ではなく子株を増やすの。
 桃岩に触れて一族の情報を伝達されることが、大人に…女になることだったのね。
 さっきイヌイがした準備って私にする料理と同じで、ああして撫でさすると泉のように液を出して、
そうしてそれを啜らせる…。確かに私と同じ…、あれは私…、私もやがて岩になる……っ!!」

 一気に加速をつけてまくしたてた桃子は、どんっとイヌイの胸を叩いてがたがたと震えだした。
「怖い……!!」


392102:2008/01/16(水) 07:35:17 ID:IcUefQm2
「大丈夫だ。俺がいる。」
 誰にも。俺以外の誰にも桃子を食わせない。俺のものだ…桃子、おまえはこの世界で
ただ一人の俺のつがい!

「イヌイがこれから私に何をするつもりかわかってイヌイも怖い。」

 懇願するように見上げる目と合った。銀の光に桃子の瞳孔が縮まりうつろな点になる。

「俺が…何をする。」
「怖い。」
「俺が?」
「怖い。触らないで。」
 守ろうと抱く男を突き放す桃子の手は弱く、イヌイの腕の中でただ身じろぎをする。

「俺が怖いのか、桃子。」
 嫌なら突き離せるはずだ。桃岩だ。
「放してイヌイ、触らないで…。」
 本当に嫌ならそう出来るはずだ。
 だだをこねる腕の中の桃子に煽られる。放すはずないだろう、そんな匂いをさせて!
「嫌…。」
「俺が嫌いになったか。」
 
 知ればそうなるだろうと覚悟をしていた。
 もう何も知らなかったおぼこではない。
 あの香しく俺を包んだ健気な少女の想いはすでに消え去って、だが。

「俺が嫌いか桃子…。」
 イヌイが抱きしめる腕に力を込めると、桃子はまた胸に押しつぶされて、しなった身体からドロリと
濃厚な匂いが立ち上がり獣を猛らせる。自我を奪う。
 なんという香りか!

「……嫌い。」
 身をくねらせ真白いのどをのばして仰ぎ見た、桃子の赤い小さな口から漏れる吐息がイヌイの顔に
かかった。
大きな瞳は熱く潤んで、その中に銀の獣がいる。獣は吸い込まれる。
「うん、ていうはずないの知っててそんな意地悪を言うの…イヌイ、嫌いだよ。」
 離れようと胸を押していた細い腕が、腋にすべりこみそのまま大きな背を引き寄せる。

「…好き。」
「ああ。」
「怖いけど、イヌイが好き…。私…イヌイが好き。イヌイだけが…。」

 泣くな、と。こぼれた涙を啜ろうと口を寄せたその先が桃子の戦慄く唇だった。
 それだけだ。おまえを食おうとしてじゃない。
 これは食事じゃない。

「俺もだ桃子。おまえが好きだ。大丈夫だ、俺が守る。怖くない。何も、怖くない桃子。」
「イヌイ…好き…。」

 さらに溢れた涙の意味をイヌイは知らなかった。
 だがこの時は、奪われた意識の自由を悔やむ事なく、腕の中の桃子の狂おしいばかりの芳醇さにすでに
垂涎し、己の猛りの解放に酔うばかりだった。


・・・・・・・・・・・・・


393102:2008/01/16(水) 07:37:18 ID:IcUefQm2
 イヌイは青草に足を伸ばして座った腰の上に桃子を身体を引き上げ、はだけかけた前合わせをぐいと開く。
 桃子は一瞬あっと声をあげ身を反らし、また両手で男の胸を突っぱねるが、イヌイに剥いた着物ごと
腰を押さえつけられ、そこから抜け出すことはできなかった。
 すでに硬くそそり立ち脈打つイヌイの自身と男の腹に挟まれ、桃子は着物越しでも知れる男の昂りを
尻に受け、戸惑いと股奥のむずがゆさに腰をよじる。真っ白い大きな乳が二つ、重みでぶらんと揺れ、
それがイヌイの鼻先をかすった。
 甘い匂いがイヌイの鼻腔から脳を貫く。
 桃子…堪らない。なんて、なんていい匂いだ。

「食っていいか?」
 うっとりと心酔したイヌイの声に、桃子は「でも」と顔をあげる。
「水蜜さんが見てる…。」
 すぐとなりの桃色の岩を見て、恥ずかしそうに桃子はイヌイの身体を突き放す。突き放せない。
「見てなくてもどうせ知れるのだろう、桃岩は。」
「マサルくんも…。」
「おまえに当てられ放心中だ。見てない。仮に見られて何が嫌か。」

 有無を言わさぬイヌイの猛りはすでにその身を桃子の尻に。イヌイは焦れるその着物を取り去ろうと
襦袢ごと前を開いて桃子の太腿を剥き出させた。
 熟れた肉が露になり、そこに手を這わせむっちりとした肉を掌中で楽しむ。
 しとどに濡れたその奥は、すでに溢れて獣を待っていた。
 目が合って、お互いのはずむ息を認めて桃子は形ばかりの拒絶をやめ、イヌイの腰で股を開く。
 そこからの誘惑の匂いをまともにくらい、イヌイは大きく息を吐く。
「だめだ。くらくらする。我慢しようと思ったが。」
 息を切らす。 
 それは言い訳だ。
 我慢など出来るわけがない。
 突き入れたい。
 中からむしゃむしゃと食い充たしたい。
 見なくともわかる。柔らかく赤い肉はすでに熱く、俺を待っているのだろう!?

 イヌイの着る粗野な着物をとめる帯を解いたのは桃子だった。

「おなかがすいたの?イヌイ。」
 女は男の鋼の腹に手をついて腰を浮かせる。
「違う。桃子、俺は…。」
「俺は?」

 飢餓感は確かだ。だがそうじゃない。
 これは食事じゃない。桃子、俺は…!

「俺はおまえを感じたい。ここに、俺の前に居ると。俺の女だとただ感じたい…!」
 焦らす女に懇願する男の声。
「おまえが欲しい。桃子…!」
 満足に微笑む女の、それでもこのときはまだ無垢のそれで…。

394102:2008/01/16(水) 07:40:48 ID:IcUefQm2
「あげる。」

 くい、と腰を反らし、待ち構えそそり立つ肉の柱を秘腔に当てた。
 イヌイのそれは鈴口から吹き出した先走りの汁がぬらりと桃子の大陰唇を濡らし、裂け目に収まろうと
さらに尖る。
 くちゅりと音をたて、滑り込む。
「…っうぅ!」
「……っぁあん!!」
 
 ずぶずぶと突き進む肉腔は熱く、熱くとろけてイヌイの刺す柱に絡む。
 締め付け押し付けるその感触は、だが拒絶ではなかった。

「…あげる。私の全部…イヌイにあげる…っ!……食べて……ああっん、あん、ぁん!!」

 浅い抜き差しを自ら繰り返し、男の肉棒を奥に進める少女の尻肉が、フリフリと揺れる。
 食べて、と言いながら、イヌイの男根をくわえこむそれの与える快楽に、食われているのは
俺のほうだと、とろけそうに大犬は目を細める。
 ぐいっと突き上げるのと挿入の動きが反し、一気に奥に滑り込んだ。
 桃子の嬌声が高く上がり、嫌、と突き上げる男の腹を腕で突っぱねる。
 拒絶は形ばかりでその腰をさらに振って、中から溢れる愛液は潤滑を促し男をさらに奥へ。
 それを悦ぶ自身がすでに限界にきている焦りを散らすように、イヌイは女を言葉で嬲る。

「びしょびしょだ桃子。もうこんなにして、この…いやらしい…いやらしい女……!!」
「や…、イヌイっ!イヌイの…大きい…っ!!」
 腹に突っ張っていた桃子の腕を掬いあげ、その支えを奪うと女の尻は、重力に逆らわずぺたりと
その肉を男の腰に付けた。肉棒はコツンと何かに当たり二人ともがビクリと腰を揺らし、その動きは
意図せずさらに奥を突いた。

「ひっああぁあっん!!」
「くっ………あっ、桃子っ!!」

 一瞬にして高みに登った桃子のきゅうきゅうと締め付ける痙攣に、耐えて、耐えて。動きを速めた。

「桃子っっ、桃子!……ああ!」

 男の腰が卑猥な動きで乱暴に女の秘所を抉る。
 ゴツゴツと子宮口を突くそれは中でパンパンに膨らみ、内部を充たしてなおもっと奥を求めて身を伸ばす。

「んぁあっ、イヌイ!イヌイ…や…深い…!」

 いやいやと首を振り、だがその腕はイヌイの首に回され、中だけでなく離れた外の肉体も密着しようと
桃子はしがみつく。快感に耐えきれずイヌイの肩に噛み付きその背に爪を立てた。
 ガリガリと引っ掻いて、だが無傷の鍛えられた男の背に感じて、桃子は初めての荒ぶる欲情に腰を振る。
 乱れる女の腰をかき抱いて、やみくもに男も腰を突き上げる。

 桃子の奥の入り口はゴリゴリと亀頭を擦り、イヌイは脳髄が麻痺するような強烈な快感を覚えて
雄叫びをあげた。

「桃子っ、俺の、俺の桃子っーーーうううぅお、おおおーーーっ!!」
「やあぁーーーーっーーーー!!」

 ほんのわずか先に達した桃子ががくんと弛緩したのを認めて、イヌイは待ちかねたように泣きそうに
顔を歪めて腰を引いた。
 ずるりと自身を引き抜いて。
 やっと、と油断したそのとき。

395102:2008/01/16(水) 07:42:51 ID:IcUefQm2
「…嫌。離れないで…イヌイ、嫌……っ!!」

 桃子の小さな手のひらが、ギュウと男の根元を握り、その先端を再び中に納めたのと。

「ばっ……よせ!桃子……っ!!くっ……っ!!」
 うっおおおぉおぅっ、とイヌイが獣の咆哮で、その腰を揺らすのは同時だった。

 ぶおっ、と中で膨らんだそれから、絶頂の痙攣いまだ収まらぬ桃子の体内で、一気に噴き出したもの。


「おおおおおおおおおおおおーーーーーっ!!」
「……っあっ!ひあっ、あ、やああああああーーーっ!!」


 ドクッドクッと脈打ち、限界まで腫れた熱い肉棒が硬く身を反り返すたびに、ビュクビュクと
噴き出す白濁の液。

 それを搾り取るように収縮を繰り返す桃子の肉壁にそれを溜め込む余裕は無く、搾り取る動きは
同時に噴き出したそれを外に押し出し、イヌイの放った欲望は結合部からビチュビチュと溢れ出る。
 キュウキュウ締め付けるその穴から、今からでも抜こうと桃子の腰を押しやるイヌイの手は、力一杯
そうしているにもかかわらず無力で、桃子の腰はびくともせず、それは最後の一滴まで女に注がれた。

 最奥で放たれた熱いイヌイの欲望の汁は、突かれ続けたその奥の奥まで、激しい勢いで桃子を貫いて、
その瞬間女は真っ白に…。うっすらと愉悦の表情を浮かべて。意識は飛ぶ。
 ひああぁん、と鼻にかかった甘い声を最後に、桃子はイヌイの身体を手放した。


・・・・・・・・・・・・・・


 気を失っていたのはわずかな時だった。
 イヌイの腕の中で目を開けた桃子は、自身はもとより、精悍な大犬もいまだハアハアと肩で
息をしているのを見取ってそれを知りホッとした。

「…大丈夫?イヌイ…。」
「ばか…こっちの台詞だ…。」

 イヌイの胸の上に倒れ込むようにうつ伏せた桃子は、いまだ快楽の余韻にしびれてだるい身体を
ぐったりと弛緩させたまま、動くのはここだけと頬をすりつけた。
 息を乱し草むらに横臥する獣は、仰向けに闇を睨む。
 熱い手の平が桃子の肩に添えられ、頬ずる少女を労る。

「このやろう、人の気も知らないで。どうするんだ。」
「知ってるよ。」
「こうなると知っててやったのか。」
「知っててやったの。」

 イヌイの肉茎はいまだ桃子に納められていた。
 脈打つ欲情の猛りは静まって、だがその身は中でパンパンに腫れて桃子の腹を押している。
 最奥の傘は開いてイヌイは身動き出来なかった。
 女は男の肉の楔に囚われている。それは桃子の望んだことだった。


396102:2008/01/16(水) 07:44:51 ID:IcUefQm2
「しばらく抜けねえぞ。」
「いいの。こうしていたい。」
「…子が出来ちまう。」

 肩を覆うイヌイの手に力がこもり、桃子の身体はさらにイヌイにめり込む。
 銀狼の光が強くなり、弱くなり、揺れている。
 大事な女を胸中に、自身の楔でつなぎ止めなお、イヌイは生まれて初めて感じる悔恨に虚脱していた。
 子が出来る。そうしたら桃子は…桜桃のように桃子は…!その時サルトルのように俺は笑うのか!?

「そのつもりだったんでしょう、最初から。」

 桃子の言葉が大犬の胸を刺した。
 そうだ、と言えずイヌイは黙り込む。

「でもまだ出来ないよ。私、ぜんぜん経験足りないもの。」

 そうか…ああ、そうだ。サルトルも言っていたっけ。
 経験を積んで成熟した桃岩だけが、妖獣の子供を産めるのだと。

「ごめんね。」

 半身を起こして桃子はイヌイの顔を見た。
 情けなくも潤んだ銀の瞳が美しい女を映す。

「まだ産んであげられない。ごめんね。」
「ばか。なぜ謝る。」

 安堵が妖獣の口を開かせた。
「そんなこと、望んじゃいない。子なんて欲しくない。俺は…。」
 
 桃子の身体ごと身を起こして、口づけた。赤い花びらのような唇を吸うたび、中の肉棒が擦れ桃子が
身じろぎするたびに、一瞬離れる柔肌をイヌイは愛おしむように何度も強く抱く。
「俺はおまえがいればいい、桃子。」

 だだっ子をあやすように、桃子の小さな手が幾度となく俺の頬をなでる。
 俺は泣いていたのだろうか。
「おまえとずっと、こうしていられればいい。」
「…うん、私も。ずっとこうしていたい、イヌイ。」
 つながったまま抱き合って、一つに。
 これは食事じゃない。…ああ、そうだ。思い出した。
 桜桃はこれをメイクラブとか言ったのだ。
「だけど無理みたい。」


397102:2008/01/16(水) 07:50:20 ID:IcUefQm2
 桃子の言葉に一瞬凍った妖獣は、それを桃子に問う前に、「ほら」と指さす空を見た。
 月の隠れた空は変わらずに闇。だが当初晴れ晴れと澄んでいた夜は今、曇天の濁りで草原を覆っていた。
 
 月を隠したのはその妖魔だった。
 
 ひとたびの羽ばたきに漏れた月光に浮かぶ大きな黒い蝶!

「抱きしめて、イヌイ。」
 再び発せられた桃子の望みに、イヌイはやっとそういう意味と知る。
「私があの魔にすがらないように…守って…。」

 がたがたと震え始めた桃子を隠すように胸に納めたまま、イヌイはその空を睨みつけた。
「失せろ!おまえに食わせる雫は、もうただの一滴もない!」
 ーー消えるのはおまえだ、妖獣。俺は…ーー
「失せろ!!」
 ーー俺はこのために生まれた魔。その桃岩に呼ばれてここいる!ーー

 声無き声。直接頭に響くその不気味な声にイヌイは不覚にも胸中の桃子を見てしまった。
 桃子は変わらずイヌイにしがみついていたが、だがその瞳はうつろに、わずかに口角をあげ微笑んでいた。
 まるでその妖魔を待っていたように…!

「ねえ、イヌイ…。」
 先ほどまでとは明らかに変わった艶やかな声。
「私たち、誰にでも濡れる淫乱でしょう?」
 媚びた姿態。上目でイヌイを見ては、裸のたわわな乳房を男に押し付ける。どこで覚えた桃子!
「なぜだかわかる?…妖獣に、妖魔に、餌を与えるのが苦痛にならないようにだよ。だからそんなふうに
作られてるの。この世界に…。」
 かつて俺が繰り返し、桃子に言い聞かせたその言葉。
「だけどやっぱり平気じゃないんだよ。心はどうしても…、誰でもいいなんてそんなこと。イヌイだって
そうでしょう?」
 俺は…俺は今はおまえだけだ。そうだ、おまえだけだ桃子!
「だから私たち身体に、心中に魔を飼うの。」

「なんだって?」
「目隠ししてもらうのよ。心が辛くないように。そうしないと経験積めないから…成熟出来ないから…。」

「同族伝授のその時に、その魔を身に取り込んで生きるの。
 岩になるそのときまで、助けてもらうの。私が生まれた時与えられたのは、あれがそう。
 三匹いたのにイヌイがつぶしてしまったから、あれは仕方なくあんなに大きくなった。
 みんなそう。
 桃岩属はそうやって…そうやって生きるんだ。
 その水蜜も。
 桜桃も。
 そうやって…。」

398102:2008/01/16(水) 07:51:32 ID:IcUefQm2
 次々語られる桃岩属の真実に、腕に抱いた桃子を遠く思う。イヌイはただ愕然と…。今は繋げた
己の肉の楔だけを頼りに桃子を感じて愕然とする。

「イヌイが愛した桜桃にも、痣があったでしょう?」
 眼下の真白い双丘に、桜桃の茶色い痣を思い出す。

「桜桃とマサルくんて似てないでしょう。」
 桜桃も見たのか、桃子。
「なぜだかわかる?」
 なんなんだ、同族伝授というやつは。
「私たち桃岩属がどうして岩なのか、わかる?」
 なんなんだ、桃岩属って。
「どうして牝なのかわかる……?」
 女って…。

 草原は変わらず渦巻く生暖かい風に揺れ、その中で桃子は妖艶に微笑んだ。
 それが悲哀に泣き濡れているように見え、イヌイは胸中に強く桃子を抱きしめた。
 桃子の両の手がイヌイの頬を撫で、泣いているのは自分と知った。


・・・・・・・・・・・・・            このスレではこのへんで

無事投下〜
支援、ご指導ありがとうございました!
ではまた次スレで。

399名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 15:49:31 ID:Dd0q7R+L
>>102
今年もよろしく!

すごく良かった……!!何を知って何を考えてるんだろう桃子は。
続きが気になるよ。
次スレでもよろしく、楽しみにしてます。
400名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 17:13:52 ID:wanNdL9E
子供ができると困るならアナルですればいいじゃない(;´Д`)ハァハァ
401名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 00:34:15 ID:ihfZach3
相変わらずGJです。
桃子とイヌイが幸せになってくれると嬉しいです。


どなたか保管庫作っていただけないですかね。
402名無しさん@ピンキー:2008/01/17(木) 01:00:53 ID:rOlQMzHt
http://red.ribbon.to/~eroparo/

ここでいいのでは?
同じ昔話物もあることだし。
403名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 07:23:20 ID:lGGklS7Q
素晴らしくGJでした

イヌイと共に泣いた…この先どうなるんだか全く想像できない

次スレでの続き待ってます
404名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 09:37:20 ID:/fefD1/6
次スレつうか、童話スレに合流でも良いかと思うが。
405名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 22:13:06 ID:+H3M+JqP
逸話や童話世界でエロパロ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162899865/
こっちにお伺いたててみた方がいい?
406名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 23:19:42 ID:QFReIkeq
っていうか、内容的には>>405のスレ趣旨のど真ん中だから遠慮する必要も無いわけで。
407名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 00:10:47 ID:gBrNcWVa
よそのスレの人からすれば、いきなり続きから投下されたら
イミフメでなにそれと思うだろうから新スレでよくね
408名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 01:11:45 ID:ChebAs38
102さんに聞いてみればいいんでない
409名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 01:25:34 ID:zu3jymH6
そこはそれ、>>402の保管庫にまとめて貰えば
リンクを貼ってその続きですって言えるし。

職人一人に頼ってるスレじゃあ先が…
テーマがピンポイント過ぎて他の職人が来るとも思えないし。
410名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 11:22:55 ID:sZ8VZIlf
今保管庫の管理人さんにお願いしに行った。
童話スレと統合させてもらうかもしれないとも一応書いたから、そうなったら
分類し直して収蔵してくれるようまたお願いに行くよ。
411名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 22:03:22 ID:/fup0LKI
102さんファンとしては、職人さん単独でも
荒れなくていいんじゃないのかな、と思いますが。

102さんの意向を聞いた方がよいよ
412名無しさん@ピンキー:2008/01/22(火) 22:43:43 ID:CupHlNvO
でもそれだと102氏がプレッシャーを感じるのでは? >職人さん単独
413名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 13:18:09 ID:+HZ6cxvI
>>409に賛成
そしたら良作を知ってくれる人も増える。
414102:2008/01/23(水) 16:17:40 ID:BOIUbnpn
うちのパソがついに逝かれてしまい仕事場からカキコです。続きとんだので書き直しですよ!
二度目だなあ、トホホ。
保管庫申請ありがとうございました。
スレ合流はあちらの方が拒否されなければ…なんせ長いので嫌がられるのが怖くてあえて過疎スレで
はじめたものなので…。読んでくれる人がこんなに増えて今で十分満足してますが、他の職人さんが
来にくいのではと思ってます。てゆうか桃太郎からだいぶ離れてしまってますがいいのかなあ。でも
どこに行っていいのかわからない…。
 次回投下は月末にパソ買い直しに行ってからになるので二月頭になるのですが、今からお伺い立ててきます。
断られたら次スレこのままタイトルで。受け入れてもらったらそちらに投下することにします。
また職場の人目をしのんで報告に来ますね。いろいろ考えてくれてありがとうございます。
415名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 19:36:08 ID:ebHs0eBu
いや、102氏に面倒なことをさせてごめんな。
童話スレの住人さんもどうやらOKっぽいし、次からは童話スレっぽいね。
様子見てエロパロ保管庫の管理人さんに連絡しとくから。

次の話も楽しみに待ってるよ〜102氏のペースでのんびり頑張ってください。
416名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 23:58:46 ID:+IzEHvhD
今日何気にクリックして読み通したよ。
どうなるんだろう。どうなっちゃうんだろう。
イヌイと桃子、そして続きを書くスレも。
417名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 01:22:51 ID:uBIPMW5e
このスレのうちに言っておこう。
102さんの書く話が本当に楽しみです。
偶然このスレを見つけられて良かったよ。
童話スレでも次スレでも、どこまでもついていきますよ!
418名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 12:07:31 ID:m+WDRHSX
この作品だけは最後まで読みたい
102さん、応援してます
419名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 21:39:09 ID:PTgYw6yG
>>415
一部水増しID自演で賛成しているが、合流は住人の総意ではないから。

まずは童話スレの過去スレを最初からじっくり読み返して欲しい

合流お断りな住人はいる。
保守がてら見たら勝手に話が進んでて驚いた
荒れる前にやめて欲しい。

以上
420名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 22:30:33 ID:PTgYw6yG
>>102氏とやらありがとう
うちは早速荒れ始めたぜ・・・
421名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 22:38:19 ID:mecN6M9D
自分で荒らしてなに開き直ってんだか
422名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 22:52:59 ID:PTgYw6yG
ID変えてクダまいてる暇があるならさっさと次スレ立てたらどうだ?
このまま埋めてうちに来られても困るわけだが

困るのは住人だけじゃないと思うがなー
423名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 23:59:08 ID:PTgYw6yG
102、そんなに続き書きたきゃ自分でスレ位立てろよ。 
他力本願ってのがそもそも気に食わん。 
424名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 00:06:23 ID:eNSphfGf
荒れているようなので次スレたてました。

☆☆☆本当はHな桃太郎2☆☆☆
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201187090/
425名無しさん@ピンキー:2008/01/25(金) 09:39:13 ID:UvZAi1tb
うめ
426名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:37:07 ID:kApVre0C
うめ
427102
やっと来れた…と見てびっくり。
どうしようか迷いましたが、迷惑かけたあちらももうやっと落ち着いたところのようなので
蒸し返しにいくのもご迷惑かと思い、ここで謝罪します。

私、こういう話が書きたいーーと思うばかりで自分のSSが女体、ショタという認識まったく
してませんでした。せいぜい逆ハーレムものというくらいしか…。
それを不快に思う方がいるのは知ってたのに、配慮がたらず本当に申し訳ありませんでした。
新スレ立てていただいたので、今後はそちらで淡々と投下することにします。
ご迷惑、不愉快な思いをしたすべての方に、ごめんなさい。

こちらの住民の皆さんにも、私のせいで迷惑かけてごめんなさい。
それでも最後まで書きたい話なので、今後もよかったら読んで下さると嬉しいです。
もちこしたくないので新スレにこの話題、謝罪はせずいきなり投下します。
新スレ立てて下さってありがとうございました。1さま乙&感謝です。
いいスレ、住人に恵まれた私は本当に幸せ者ですね。精進したいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いします!