三雲岳人作品でエロパロ

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1名無しさん@ピンキー
ランブルフィッシュやゲヘナ、アスラクライン等のエロを語ろう。
俺は頑張ってSS書きたいと思ふ。
2名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 20:20:40 ID:jKw+g9M+
おらおら、WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)の
愛くるしいパンダ様が>>2ゲットだぜ! 頭が高いんだよ、ボケ!

.         ,:::-、       __     >1 クソスレ建ててんじゃねーよ。ビンスみてーに裁判で潰しちまうぞ。
    ,,r   〈:::::::::)    ィ::::::ヽ    >3 >>2ゲットも満足にできねーお前は、俺の着ぐるみ着てプラカード持ってろ(プ
  〃   ,::::;r‐'´       ヽ::ノ     >4 お前はカキフライのAAでも貼ってりゃいいんだよ、リア厨ヒッキー(プ
  ,'::;'   /::/  __            >5 汗臭いキモヲタデブは2ちゃんと一緒に人生終了させろ、バーカ。
.  l:::l   l::::l /:::::)   ,:::::、  ji     >6 いまさら>>2ゲット狙ってんじゃねーよ、タコ。すっトロいんだよ。
  |::::ヽ j::::l、ゝ‐′  ゙:;;:ノ ,j:l     >7 ラッキーセブンついでに教えてやるが、俺はストーンコールドが好きだぜ。
  }:::::::ヽ!::::::::ゝ、 <:::.ァ __ノ::;!     >8 知性のねーカキコだが、お前の人生の中で精一杯の自己表現かもな(プ
.  {::::::::::::::::::::::::::::`='=‐'´:::::::::/      >9 つーか、自作自演でこのスレ盛り上げて何が楽しいんだ?
  ';::::::::::::ト、::::::::::::::i^i::::::::::::/      >10-999 WWEなんか見てるヒマがあったら、俺に募金しろカスども。
.   `ー--' ヽ:::::::::::l l;;;;::::ノ       >1000 1000ゲットしたって、WWF時代の映像物に販売許可は出さねーよ。
        `ー-"
3名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 21:56:17 ID:5M/PZZ8W
ランブルフィッシュで、サキ×祭理orサキ×まりあ、が読みたい
4名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 06:59:17 ID:Ixa87yrd
アスラクライン物が読みてえ。
5名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 00:07:47 ID:cXbFOqie
良スレほしゅ
6名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 07:09:20 ID:9pUMpH8W
良スレか?コレ・・・・。>>1がSS投下してくれりゃ人もくるかも試練が・。
7名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:23:35 ID:BahR4D2L
ほしゅ
83巻改変:2006/11/28(火) 17:46:17 ID:7zdAchP6
「初めて、なんですか?」
悪戯っぽく目を細めて紫浬さんが訊いてくる。
何か言おうとした僕の唇を紫浬さんの口がふさいだ。
「んむっ!・・・んん・・・・・ぷはっ!」
突然のことに驚き、顔を背けてどうにか口を離す。
「ゆ、紫浬さん、ふむっ!」
しかし有無を言わさず紫浬さんは再び唇を重ねてくる。
「んっ、んんっ・・・んん・・・」
ぴちゃ・・・くちゃ・・
舌も絡まり、熱があるのも手伝って、急速に頭が熱くなる。
「ぷはっ」
ようやく紫浬さんが口付けをやめたときにはもう僕は抵抗どころか、しゃべるのも億劫になっていた。
よく見ると紫浬さんは裸になっている。いつのまにか僕も上半身裸でパンツ一丁になっている。
さらに紫浬さんは僕のパンツを脱がそうと手を掛けてきた。
と、その時だった。
「ダメッ!!!!」
バン!!と部屋の扉が吹っ飛び、中から人が出てきた。
出てきたのは、顔を真っ赤にしながらも目は怒りの色になっている嵩月だった。
9名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 18:13:50 ID:zLc68Qt1
u-n
10名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:03:13 ID:av0NtVJn
今更と言われても仕方ないが恭介と香澄のカラミが読みたいんだぜ?
11名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 07:16:20 ID:2S2kTWpy
書いたほうが良いんじゃない?
12名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 20:07:47 ID:GkEjAPBX
今他作品のエロパロ書いてるから書きたくても書く時間が無い…
誰かレベリオンとi.d.の世界観が共通なのを活かして書いてくれんもんかのう…
13名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 23:27:41 ID:2S2kTWpy
まず人がいないし、>>1もでてこないし・・・・。
14名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:18:23 ID:4YPaVjpd
若干設定無視して智春×嵩月書こうとしてるんだが需要なさげだな・・・。
15名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:33:26 ID:62O6FUNA
>>14
いや、少なくとも俺は歓迎するぞ!
16名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:50:01 ID:zqddj5pv
レベリオンのあの作品が進むにつれて矛盾が増えていくと言う
グダグダ感がたまらないのだが
17名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:57:00 ID:e5UYm9uh
>>14
頼む書いてくれ、俺は待ち続けるぞ!

あと>>1も放置プレイはほどほどにな
18名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:27:13 ID:MtNYzekI
興奮すると火がでる設定はもちろん無視です。一応書いてみました。

「契約者を持たない悪魔が、成体の使い魔を相手に勝てるわけ無いじゃない。本気で智春くんを守ろうと思うなら、さっさと彼を押し倒して契約しちゃえばいいのよ。」
そういう問題じゃないだろ、と僕は思う。が当の嵩月は
「あー・・・・」
と納得した様子である。
「そんなこともあろうかとコレを持ってきたのよ、奏ちゃん。」
と、律都さんはなにやら怪しげな注射器を懐から取り出した。途端に嵩月が真っ赤になって僕を見つめてくる。いや、そんな目で見られても困るんですが・・・。なにやら嫌な予感がする。
「大丈夫よ、ただの風邪薬だから。」
風邪薬を打つのにどうしてそんなに嬉しそうなんですか。抵抗しようとした矢先、右腕に注射を打たれてしまった。
「痛っ・・・・な、何を打ったんですか」
「心配しなくても効果はすぐ出るわよ。」
いや、そんなこと聞いてないんですが。しかし律都さんは僕を無視して
「じゃあ奏ちゃん。頑張ってね。」
などと言って部屋を出て行った。
どういう意味だ。僕が嵩月に疑問を口にしようとした時、猛烈に体が熱くなってきた。
しかも何にも考えてないのに僕の股間のものが大きくなってくる。くそ、媚薬か。体が熱くてしょうがない。僕が布団の中で身悶えているとふと目の前に嵩月がいた。とたんに僕の体がさらに熱くなってくる。意識しないまま僕は嵩月を抱き寄せ、そのまま口付けた。
「夏目・・・・くん・・。」
とてつもなく色っぽい顔で嵩月が僕を見つめてくる。もう無理です、抑えられません。
本能のまま僕は嵩月の制服を脱がし、大きな胸を弄ぶ。
「んっ・・・あ・・」
「嵩月・・・気持ちいいの?」
そう言いながら今度は立っている乳首を摘む。
「あああっ!」
部屋中に嵩月の声が響く。その声を聞いて僕は胸の愛撫を続けた。
胸を揉んだり、乳首を摘み上げたりするたび嵩月の喘ぎ声が大きくなっていく。
「んっ・・は・だ、駄目・夏目く・・・・あっ!あああああっ!」
普段の彼女からは考えられないほどの絶叫を上げて嵩月は絶頂へ達した。
僕は嵩月のスカートを脱がし、秘部を見つめた。
「な・・夏目くん・・見ないでくださ・・ああっ!」
僕は布越しに嵩月の秘部に口付けた。
「凄く濡れてる・・そんなに気持ちよかった?」


19名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:28:15 ID:MtNYzekI
もともと赤かった顔が更に真っ赤になり可愛らしい目で睨まれた。
もはや意味を成さなくなった下着を脱がし、嵩月の秘部に舌を這わせる。
「そ・・そんなところ舐めたら・・はあっ!!」
いやらしい音を立てながら、秘部への愛撫を続けていく。
「あああっ・・や・・んうあっ!!」
二度も達し、ぐったりとなった嵩月。
「はあ・・・はあ・・・・え?」
いい加減我慢できなくなった僕は自分のモノを嵩月の秘部にくっつけた。
「嵩月・・・いいかな?」
「は・・・・はい・・」
返事を待つより早く、僕は腰を進めていった。
「んっ・・・くっ・・」
思っていたより嵩月の中はキツく、入りきる前に出してしまいそうだった。
途中で抵抗があった。嵩月の処女膜だろう。
「いくよ、嵩月。」
「は・・はい、きて・・・ください。」
ぶちっ、とゴムの切れるような感触と音を上げ、嵩月の処女膜が破れた。
「いっ・・・あ」
見ると接合部から血が流れている。あまり知識のない僕はこれを見て、さすがにやばいんじゃないかと思い、なんとも中途半端な位置で止まってしまう。
「大丈夫か?嵩月」
「は・・はい・・もう・平気です・・続けてください。」
それでも躊躇していると嵩月のほうから僕に抱きつき、そのまま腰を進めてきた。
「んっ・・ああぁ・・」
一番奥に到達する。そのまま僕は腰を動かした。
「ああっ!あっ!はああっ!ああっ!」
動くたび、嵩月の胸が揺れ、膣が締めあがってくる。
僕は馬乗りになり、嵩月の胸を揉みながら、ピストンを続けた。
「あっ!あっ!あああっ!ああっ!夏目くん・・私もう・・」
「くっ・・僕も、もう・・嵩月っ!」
「んああああああぁぁぁあっ!!!!」
僕は嵩月の膣内に大量の白濁液を出し、二人で絶頂を迎えた。

書いてて思った。これ最初のシチュいらね(‘A`)
他にも変なところあったら教えてください。あと昨日からあげまくってすいません。
20名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:50:28 ID:pGW8D5DL
>>18-19
激しく乙! また書いてくれ!

俺、小説家目指してるしスラクラ好きなんだが、
そっち系の小説あんま読んだこと無いしなあ……。
21名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 17:45:46 ID:d1BL85oX
三雲岳人作品てレベリオンとアスラ以外に何があるっけ。
22名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 20:50:48 ID:bpv7GHnQ
私はもう五年もコールド・ゲヘナの続きが出るのを待ち続けているのだっ!
23名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 06:42:37 ID:fkjH0Cmi
導士さまもあるだろ。
24名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:19:35 ID:NolimrUR
>>22
同士よ゚・(´Д⊂ヽ・゚・
25名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 07:17:59 ID:VmQ/Yfw/
盛り上がらねえな。人いないのか?
26名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 06:45:11 ID:QC1dMZyO
age
27名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 23:28:22 ID:B3+fl37s
>>18-19
28名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 20:48:49 ID:DWjaKxxQ
職人降臨期待あげ
29名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 21:42:18 ID:Ek0nBKvo
>>21
ランブルフィッシュ
30名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 19:49:45 ID:ThtWmxYU
人いないね。
31名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 15:52:36 ID:xciDsukM
俺的にワイヤレスハートチャイルドが一番好きだ
32名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 02:15:39 ID:NU4Qpm+e
勢いで書いたもの投下してみる。

携帯の『仔猫をめぐる冒険』とhpの変態娘を知らないと
分かりづらいと思うがスマン。
33名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 02:16:27 ID:NU4Qpm+e
 そこは深い穴の底だった。
 四方はコンクリートの壁で固められ、這い上がることもできず、身動きさえもままならない。
 周囲は闇。夜が更けていくに従って、心なしか気温も下がってきたような気がする。建物の中は完全に無人で、助けを呼んでも誰にも聞こえないだろう。
 そんな暗い闇の其処に、僕たちは二人きりで閉じこめられていた。

「ね、ねえ……ちょっと目、つぶっててくれない?」
「は?」
 唐突な佐伯妹の言葉に、僕は戸惑う。何やら顔を赤らめてもじもじとしているが、どうしたというのだろう。
「佐伯? えーと、やっぱり寒いとか――」
「違うわよっ。いいから私が良いって言うまで目をつぶりなさいってば!」
 気を遣ったつもりだったのだが、怒鳴られてしまった。いささか理不尽だとは思うが、これ以上怒られるのも嫌なのでおとなしくしておく。まあ、考えてみれば寒いから目をつぶってくれというのはおかしな話だ。
「ほら、つぶったぞ。これでいいんだろ?」
「ま、まあね……。言っとくけど、開けたら厳罰よ」
「わかったよ……」
 なんだかわからないが、佐伯妹の妙な迫力に押されて僕は押し黙る。
 当然、視界は真っ暗闇なのだが、佐伯妹がなにかをしている気配は伝わってくる。なにをしているのかと訝った瞬間、
 柔らかいものが僕の唇に触れる感覚がした。
 驚いて思わず目を開くと、焦点が合わなくなるほどの近くに、目をつぶった佐伯妹の姿があった。
「――、――むっ……!?」
 反射的に思い切り後退してしまい、背後の壁にこれでもかというほど頭を強打してしまった。鈍い音が辺りに響き渡り、僕はうめき声をあげてうずくまり、悶絶する。
「な、夏目――、ちょっとアンタなにしてんのよ、大丈夫!?」
「……なにしてんのは、こっちのセリフだろ――」
 涙目になりながら唇を奪った張本人を見上げる。と、服の裾から伸びる白い太ももが目に入り、慌てて視線を外した。
 このままだとマズイ。洛高に入ってから無駄に鍛えられてきた危機感が警鐘を鳴らす。なし崩し的におかしな方向に話が進んでいきそうな気がする。
「と、とにかく。別に今のは僕としては嬉しかったというか――いや違うそういう話じゃなくて。ええと、だから――」
 自分でも混乱しているのを自覚しているが、だからといってどうしようもない。改めてさっきの出来事を認識すると、頭の痛みもどこかへ消え去ってしまった。
 とりあえず立ち上がり、なにを言うべきなのか急ぎ考える。
 僕には嵩月がいるから――違うだろう、なんだそれは。
 操緒が戻ってくるかも――もっと違う気がする。操緒がいなければいいのか。
 言うべきことを考えれば考えるほど言葉に詰まってしまう。混濁する頭の中に見知った顔が浮かんでは消え、消えては浮かんでを繰り返している。
 そして、一人の女生徒の顔がふと浮かび、そういえば二年前にも似たようなことがあったと思い出した所で、
「――夏目」
「はひっ!」
 普段からは想像もつかないようなドスの効いた佐伯妹の声に現実に返ると同時、裏返った情けない声をあげてしまった。今までそこにあった、甘くどこかむずがゆいような空間は、佐伯妹の発する殺気に一瞬にして塗り替えられた。
「今、誰のこと考えてたの」
「え、や、その……」
 恐ろしさからしどろもどろになってしまうが、別にやましいことではない――はずだ。
 微妙にうつむいて表情が窺えない佐伯妹が尋常じゃなく怖かった。
「なによ……」
34名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 02:17:45 ID:NU4Qpm+e
 ぽつりと呟かれた言葉に、僕はどうすればいいのかわからない。わからないまま、それでも僕はなにかを言おうとして、
 胸に飛び込んできた佐伯妹に、言葉を奪われた。壁に押し付けられ一瞬息が詰まるが、それ以上に佐伯妹の体が冷たいことに驚いていた。やはり寒かったのだと、せめて上着でも貸しておけばよかったと歯噛みする。
「……二人でいる時くらい……私のことだけ見てくれたって……」
 いや、今そんな状況じゃないからと一瞬でも言おうとした自分を殴りたくなった。
 というか、これはいくらなんでも勘違いのしようもなく、いわゆる愛の告白とかそういう類のものではないのか、と思う――って。
「お、お前佐伯、なにしてんだっ」
 端的に表現して、佐伯妹が僕のズボンを脱がそうとしていた。
 慌てて抵抗するものの、気づくのが遅かったせいかパンツの方を死守するので精一杯だ。
「目を開けるなって言ったでしょっ。厳罰執行よ文句ある!?」
「文句しか出ないだろ! ちょっ、離せって!」
 なんというか、意味がわからなかった。なんだこの状況は。
 ネコを捜して穴に落ち、佐伯妹にキスされズボンが危険。はっきり言って意味不明である。
 というか、佐伯妹はなにがしたいのか――ナニがしたいのか。
「待てって、佐伯! 少し落ち着け!」
「落ち着いてたらこんなことできる訳ないでしょ!」
「だ、だからこそ落ち着けって言ってる――」
「――夏目」
 僕の絶叫を遮ったのは、さっきと同じ言葉で、さっきのような影は微塵も感じられない色っぽい声だった。
 上目遣いの潤んだ目と、上気した肌に、僕の心臓が不覚にも高鳴った。
 再確認させられた。その性格のせいで忘れがちだが、佐伯妹は間違いなく美少女なのだ。
「ちょっとその口塞ぐこと」
「な――む……!」
 今度は口を塞がれると同時に、佐伯の舌とおぼしきものが口内に入ってきた。
 暖かく、艶かしく動くそれに、僕の頭の中が真っ白になった。
「――は……む……ぁ」
 息継ぎのたびに漏れる佐伯の声に、興奮が抑えられない。
 気づけば僕自身も佐伯にキスを返していた。いや、それだけでなく佐伯を力一杯抱きしめていた。
 控えめに自己主張する佐伯の胸が体に当たり、頭をより白熱させた。
「ん……む。……ね、夏目……触って……」
 耳元で囁かれた言葉にゾクッとした。――限界だ。僕は欲望のままに佐伯を地面に押し倒す。
 乱暴に彼女の服を剥ぎ取ると、純白の下着姿となった佐伯が顔を真っ赤にしながら、
「な、夏目……もうちょっと優しく……やっ」
 佐伯の言動一つ一つが愛しく、僕を興奮させた。
 ブラをずらして、軽く胸に触れただけで佐伯は可愛い喘ぎ声をあげた。それがどこか楽しくて、僕は佐伯の乳房を弄り続ける。
 乳首を舐めてみたり、つまんだり――さすがに挟めそうにもないのは少し残念だったが。
「夏目っ。今、失礼なこと考えたわね!?」
「い、いや……!」
 どうやらお怒りを買ってしまったらしい。胸については彼女の鬼門なのだ。――別にいいのに、小さくても可愛いから。
「く……確かに小さいかもしれないけど……っ」
35名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 02:18:38 ID:NU4Qpm+e
「わっ」
 普段なら怒鳴り散らされた所だが、コトの最中にそんなことは野暮というものだ。佐伯もそう思ったのだろう、彼女は実力行使に出ることにしたらしい。
 僕が反応できないうちに、僕の下着を引き摺り下ろされた。限界まで張り詰めた怒張が顔を出した。
「ひゃ……」
 初めは驚いた顔をしていた佐伯だが、僕の視線に気がつくと、急に真剣な顔つきになり、それを擦り始めた。
 ぎこちない手つきだったが、欲を発散する機会を今か今かと待ち焦がれていた息子は敏感に反応してしまう。
 ひんやりとした佐伯の手により上下に擦られ、僕はそれだけで絶頂まで上り詰めそうになってしまった。
 このままではいけないと、佐伯の腰を持ち上げ、彼女の下着を膝のあたりまで一気に下ろした。
 あらわになった佐伯の陰部に、僕はごくりと生唾を飲み込む。
 初めて見るそれにまじまじと見入っていると、
「あ、あんまりじろじろ見ないでよ……恥ずかしいから……」
 これでもかというほど赤くなった顔を両手で隠しながら、佐伯が告げる。
 ――正直、たまらない。
 彼女の秘所にゆっくりと指を這わせる。それだけで、佐伯の腰がビクンと跳ねた。
「あ、あっ……や、ぁ……ん」
 全身を痙攣させるように震わせ、快楽を受けている佐伯が、とてもいとおしい。
 もっと彼女の声が聞きたい――そんな重いで、僕は彼女を攻め続ける。
 片手で下を弄りながら、もう片方の手と舌で胸を絶え間なく攻撃する。
 切なげな佐伯の声に、僕自身がますます硬さを増していくのがわかる。
「佐伯……もう……」
 短いセリフだったが、それでも意図は伝わったようだった。
 彼女は全身を固くしたが、それでも嬉しそうにしながらコクリと頷いた。
 僕は彼女の入り口に先っぽを押し合て、
「行くよ……」
 そう佐伯に告げると、ゆっくりと彼女の中へ進み始めた。
 両手で、無意識に逃げようとする佐伯の腰を固定し、きつい膣内を押し進んでいく。
 まだ途中にもかかわらず、絡み付いてくるようななんともいえない快感がたまらなく心地よかった。
 もっとこの快楽を味わいたい――そう思って先へ先へと進んでいくと、やがてなにかに引っかかるような感覚がし、唐突にそれが失せた。
「――――っ!!」
 二人同時に押し殺した声をあげるが、その意味合いは正反対だ。
 いきなり最奥まで到達してしまった僕は、あまりの締め付けにイきそうになるのを堪えていた。まだこの時間を終わりにしたくない。
 佐伯は、処女膜を貫かれた痛みに耐えている。相当痛いはずだが、それでも彼女は懸命に微笑みを浮かべていた。
「夏目……動いて……いいよ……。私だけを見て、私のことだけ考えて……夏目…………大好き……」
 はっきりと口にされた言葉に、僕は思わず言葉を失った。
 そして一瞬のち、彼女の唇を奪い、舌を絡ませる。それが、照れて言葉を返すこともできない、ヘタレなりな僕の返答のつもりだった。
 佐伯には上手く伝わってくれたらしい。僕の背中に手を回し、嬉し涙を流しながらキスを返してきた。
 僕も彼女と口付けを交わしながら、腰を振り始めた。初めはゆっくり、徐々に快楽を貪るために激しく。
「あ、あっ……あぁ……んっ」
「はっ、はあっ……佐伯……!」
36名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 02:19:25 ID:NU4Qpm+e
 ぎゅっと目をつぶり、僕に突かれ続ける佐伯。全身に浮いた汗や、地面に広がった髪までもが全て恋しく、腰を振るのを加速させた。
 きつく締め付けてくる彼女に、早くも僕の限界が近づいていた。
「……っ……佐伯……僕、もう……!」
 呟いた声は、夢中になってキスを続ける佐伯に届かなかったらしい。
 どころか、彼女は足を僕の背中に回し、膣から抜けないように固定してしまった。
 そして一層佐伯の中が締まった瞬間、僕は絶頂を迎え、果ててしまった。
「――あ、あぁっ……んぁぁっっ……!」
 白濁液が佐伯の奥の奥まで射精される。二度、三度と大量の精液を吐き出す息子に、僕は全身の血の気が引いていく感覚を味わった。
 当たり前だが、避妊などしていない。というか、できるはずもなかった。
「はっ……はあっ……」
 二人して荒い息を吐く。しばらくして、呼吸が落ち着いてきた頃になり、佐伯が僕に軽めのキスをして、言った。
「――責任、取りなさいよね」
 その顔には満面の笑顔が浮かんでおり、一つの確信を僕の心に呼び込んだ。わざと中に出させたな……。
 僕は、苦笑いと諦めのため息を吐くと、彼女に頷きを返した。
 責任を取るくらいはなんでもない。むしろ、ありがたいぐらいだった。
 僕が好きになったのは、まぎれもなく、ここにいる佐伯玲子その人なのだから。彼女の笑顔に勝てるものなど、皆目見当もつかなかった。

         ○

「あ、マズイ……」
 それは、事後処理を終えた後で佐伯が呟いた言葉だった。
 操緒はまだ戻ってきておらず、この深い穴からどうやって出ればいいのかはさっぱり手段がないままだ。
 僕と佐伯は、地面に座りお互いの手を握り合っていた。肩が触れ合うほどの近くで寄り添いあっている状態である。
「佐伯? どうかした?」
 切羽詰ったような表情に僕が問いかけると、
「ほ、本来の……」
 それ以降はごにょごにょと言葉を濁し、聞き取れない。一体なんだ?
「だから、その……最初は目をつぶってもらった時は……キ、キキキスするつもりじゃなくて。魔が差したというか……」
 おろおろとあちこちに視線を飛ばす佐伯が可愛らしかった。
 なにやら焦っているようだが、見ているこっちとしてはもう少し見物していたい。こんな光景はめったに見られないのだから。
「わ、笑うなっ。本当に大変な――」
「……あのー?」
 唐突に上から降ってきた声に、二人して身を竦ませた。
 驚き見上げた先には、例の第一生徒会とやらのコートを着た男子生徒がこっちを覗き込んでいた。
「えっと……邪魔だったかな。会長の妹さん。射影体に呼ばれてきたんだけど……」
「は……い、いやちょっと待って待って! すぐにここから出して今すぐ!」
「あ、ああはい……」
 凄まじい佐伯の剣幕に押されながらも、彼はいったん顔を引っ込めた。ここから脱出するための道具を取ってくるのだろう。これでめでたく助かった訳だ。
『智春……』
「うわっ、操緒!」
 いきなり壁をすり抜けてきたのは、やたら不機嫌そうな操緒だった。
『なんで佐伯ちゃんと手、握り合ってるの?』
「え……」
 操緒のジト目の先には、いまだに固く繋がれた僕たちの手があった。
 慌てて手を離しながら、
「いやべつに……たいしたことじゃなくて……」
 言い訳になってもいないセリフだが、再び上の方から神聖防衛隊員が呼びかけてきたので、窮地を脱することができた。
 佐伯と顔を見合わせ、軽く微笑みあう。
 安堵の息を吐いた佐伯が、ごめんねと小さく、もういない人に呟くのが聞こえたが、どういう意味かはよくわからなかった。

         ○

 その後、佐伯兄から含みのある笑みを向けられながら「妹を頼むよ」と言われ、さらに操緒を怪しませる結果となった。
 意外な佐伯兄の態度に少し戸惑ったが、僕が魔神相克者になることはなくなったと思ったのかもしれない。
 神聖防衛隊によって発見された『ナツメ』は、佐伯の腕の中ですやすやと気持ちよさそうな寝息を立てていた。
37名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 02:21:56 ID:NU4Qpm+e
以上。長いな。
寝よ。
38名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 06:55:53 ID:vuBf6wwh
>>>37
GJ!
39名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 10:22:47 ID:hK4wS7RV
>>37
GOOD JOB!
40名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 17:33:45 ID:AfoI/VXC
うお、職人がキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
GJ!!
41名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 02:18:50 ID:E3fyNld4
というかね、わざわざ佐伯妹をヒロインに持って来る感性が信じられんほどGJ
42名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 22:13:58 ID:pydUZhlh
そこはたいして問題じゃないキガス。
>>37
GJ
43名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 23:28:07 ID:ySS8fezg
過疎
44名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 02:13:01 ID:+2h8oHRH
GJ!

……ところで『なつみさん』のエロって無理かな。無理だよな。
45名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 00:08:31 ID:scwONNeB
人がいない。
46名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 08:38:58 ID:0fRI9pqd
操緒エロキボンあげ
47名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 09:10:16 ID:/vHZtFY7
保守
48名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 19:58:01 ID:XUW2E8Q4
保守
49名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 16:41:31 ID:5EmK/Kl3
新刊フラゲ記念あげ
50名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 18:08:24 ID:fvPFydcA
橘高に萌えた。
51名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 21:03:27 ID:YS9l0L6D
俺もw
52名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 22:19:59 ID:Krp00EnK
奏も良かったw
53名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 07:11:30 ID:C7j6xk4J
セーラーマーズwwwwwwww
54名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 19:52:19 ID:t8i1wCRh
アスラSS待ち
55名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 17:25:53 ID:Jy+Di31M
カガカガリは契約悪魔と五歳年のさがあるんだよな。
智春とニアもそんくらいの年齢のさだよな。
つまり
56名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 19:57:49 ID:+9tBt6Bm
つまり
57名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 07:19:10 ID:HGQx19Jh
58名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 23:39:31 ID:zju8pZAe
   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \
 |    ( ●)(●)
. |     (__人__)  ニアなんかとくっついても誰も喜ばないだろ
  |     ` ⌒´ノ   常識的に考えて……
.  |         }
.  ヽ        }
   ヽ     ノ        \
   /   く  \        \
   |     \   \         \
    |    |ヽ、二⌒)、          \

59名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 00:18:08 ID:3HhVFaro
ならあえて書こうトモ×ニアを!
ニアをツンデレチックなおませなお嬢様ロリキャラにしちまいますが、かまいませんかね!
60名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 08:14:51 ID:YEzEV4zP
どうぞ、待っております。
61名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 20:51:15 ID:3HhVFaro
幼なじみ:操男
昔なじみ:杏

ツンデレ妹:苑宮
ツンデレお嬢様:佐伯妹
ツンデレ会長:佐伯兄

天然巨乳:嵩月
天然ドジっこ:ひかり先輩

お色気お姉さん:朱浬さん
おっとりお姉さん:律都さん
天然お姉さん:ゆかりさん
豪快お姉さん:由璃子さんん
健気なお姉さん:クリシィ
優しげお姉さん:琴里
悪魔系お姉さん:六夏
天使系お姉さん:姫笹さん


無口ロリ:哀音
金髪ロリ:ニア

男装の麗人:ヅカ王子
まろ眉毛:はる奈

獣姦要員:ヴァンヴァイン
禁断愛要員:直高

アッー要員:真日和
ウホッ要員:樋口

トモとくっつけれるキャラこんなにもいるのになぁ
いまいち盛り上がらんな
62名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 23:46:29 ID:YEzEV4zP
クリシィから下はもはやカオス。
63名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 12:30:57 ID:+HM9XGOh
『トモ、大丈夫?なんか顔色悪いみたいだけど?』
学校からの帰宅途中、操緒が少し心配そうに話しかけてきた。
西洋人形のように整った容姿をもったこの少女は、一見神秘的にも思える。
まあそれは、彼女の肌を透かして背景がうっすら見えていたことも要因にあるだろうけど。
「あー、確かにちょっと頭痛いかも。」
今日は昼頃から少し調子が悪く、科学部も皆より早く帰宅させてもらっていたのだ。
『ちゃんと体調管理しないとだめだよ、トモ。』
「なんだ、心配してくれるの?」
いつも僕の守護霊と名乗っておきながら、危ない時はまっすぐに逃げ出すような緒緒が言ったものだから正直少し感心した。
『んー、だってトモが調子悪くなると、あたし出てこれなくなっちゃうじゃん。今日観たいテレビがあったんだよね〜。』
…結局は自分のためかよ。感心して損した。
そんなやりとりをしながら下宿先の古びた洋館鳴桜邸についた。
6459.63:2007/01/22(月) 12:40:09 ID:+HM9XGOh
どうも59です。
もうちっと書いてから投稿しようと思ったんですが、
携帯からで改行の目安がかいまいちわからんのでテストに投稿してみました。
まあこんな感じの文書になりますです
65名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 19:09:45 ID:aG8G5Eu0
wktkしながら待ってる。
66名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 00:49:08 ID:p/G5uRC+
>>61
>>ツンデレ会長:佐伯兄
ここ突っ込むところ?(性的な意味で)
67名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 07:02:26 ID:V9iiS7hO
挿絵見る限りじゃ奏も操緒も胸あんま変わんない件
68名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 07:14:12 ID:Ogt488BG
絵師が巨乳描けない人なんじゃね?
まあ、個人的には無理して描かれるよりいいんじゃないかと思うが。
69名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 19:45:20 ID:TH4rozJD
操緒とかわらないってのはなぁ・・・。
70名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 19:26:18 ID:xAMyaZu7
age
71名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 00:00:51 ID:C7C1MYui
age
72名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 07:16:32 ID:WTKjFOH6
過疎すれ
73名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 22:04:23 ID:t7qiRpBi
保守
74名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 01:46:50 ID:HK5qDmjq
ほんとはこういうの苦手なんだがな……。つまらなくても勘弁してほしい。あと誤字とかも見逃してくれ。



 ある夜、僕は急に腹の上に重みを感じ、目を開いた。
「……ん……?」
 ぼやぁと視界が歪み、上に乗っているのが操緒だという事に気付いた。何してんだお前は?
「あ、起きちゃった?」
 ニッコリと笑う操緒を見て、舌打ちをうつ。
「せめて夜くらいはゆっくりさせてくれないか?」
 そう言いながら僕は操緒を押しのけようと体を動かそうとした。しかし、何かに引っ張られ上手く動けない。《K鐡》から開放された彼女には憑依なんてマネは出来ない。
 なんとか首を動かせば、僕の腕や足にロープが張られ、ベッドの柱にくくられているではないか。
「ん〜、ほら、トモってやっぱ男の子だし、抵抗されると困ると思って」
 操緒の発言に首を傾げる。なんだか拙い。色々と拙い。科學部に在籍したお陰で鍛えられた僕の危機管理能力がコンデョションレッドを発令している。
「とりあえず離れてくれ」
「それはダメ。暴れない方が痛くないよ」
 またニッコリと笑って、操緒は僕のズボンとパンツを――――――!?
「うわぁあぁああああぁぁああああ!!!!!!」
 ほら見たことかやっぱり拙い事になってって言うかなんで何で僕は拘束されて脱がされているわけ? 紫浬さんだってこんな強引いや十分過ぎるほど強引だったけど普通こういうのって僕が操緒に対してやる訳でじゃなくて僕は別にそんなつもりじゃなくて!?
「隠さなくてもいいよ。ともの・・・すごいと思う。」
 何がすごいのか、何を基準にそう言っているのか。混乱の極みに達した頭の片隅でそんな事を考えてしまった。落ち着け僕。まずはこの状況をなんとかしないと。
「離せ!離せよ!操緒!!本気で怒るぞ!!」
 強気に出てみる。滅多な事では僕は怒鳴らない。これなら操緒も――――
「もう怒ってるじゃん。それに、ここは喜んでるよ?」
 操緒はツツーッと僕の勃ちはじめたものをさする。
「う!わ!」
 体が僕の意思に反してビクビクと震える。
「うふふふ、ま〜た大きくなった」
 嬉しそうに笑う操緒を僕ははひたすら睨む。
「操緒……!」
「まだ分からない?」
 首をかしげて、操緒は自分の着ているものを脱ぎだした。服が床に落ちる音が、僕の耳にたたき込まれてくるようだった。
「な……何してんだよ!馬鹿!!!」
 慌てて僕は目をつぶる。顔がメチャクチャあつい。
「……ねぇ、トモ……操緒を見て」
「見れるわけないだろ!!」
「……。あたし……トモが好き」
 意を決したような間の後、操緒はそう言った。はい? 今なんて言った?
「トモは……操緒の事好き?」
 彼女の問いに、僕はなんと答えれば良いのか分からない。操緒は幼馴染で、見上げた夜空に浮かぶ月みたいな存在で。
「別に良いよ、無理に答えなくても。トモはこれから操緒を絶対好きにならなきゃいけないから」


こっからさきは反響次第。ま、反響なんてないだろうけど。
75名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 01:54:04 ID:7zIH/XWm
チンチンチンチンチンチン
76名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 07:01:20 ID:TMm6eVgh
どうやって話をまとめるのかが見てみたいキガス。よってあげ
77名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 13:47:36 ID:nGfF3suc
うおぉー!
操逆レイプキター!
続きが読みたいです・・・!
78名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 15:11:46 ID:KgrXg47M
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡  続き! 続き!
  (  ⊂彡
   |   |
   し ⌒J
79名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 23:21:14 ID:sRUCn8Vv
無いと思ったら何か来てるし。まだここに来ている奴が居たのか。じゃああげるか。
>>76
すまん。凄まじく適当に終わらせた。それこそ某種の如く。
それと今更だが、物語は既に終了、操緒はK鐡から開放された、操緒もそれなりに育った(笑)、てことで一つ宜しく。


「うわぁ!操緒!!やめろ……汚い。」
「汚くなんかないわ」
 そう言って操緒はゆっくりと摩った。
「ああぁ!あぁ!みさ!!やめ!!」
「なんで? 気持ち良いでしょ?」
 操緒が僕の亀頭に口付けてきた。
「操緒!だめ……だめだ!」
 体がビクビクと震える。ほんとにやめろってば! くそ、頭が回らなくなってきた……。
「ダメじゃないでしょ?出して良いよ」
「操緒が……」
「気にしないで」
 そう言って操緒は一気に僕の限界寸前のものにかぶりつく。
「う!わぁ!あ!ああ!!」
 僕はビクビクと震えて熱情を操緒の口の中にはいた。彼女はそれを飲み干してすこしむせる。
「飲んだ……全部飲んだのか……?」
 僕は真っ青になりながらおそるおそる操緒に聞く。
「ん。美味しいよ。トモの精液」
 少し口からこぼしてしまった液体を舐めながら操緒は頷いた。
「馬鹿!何してんだよ!!そんな事して……体壊したらどうするんだ!」
 操緒は満足げに微笑んで、
「もちろん、トモに看病してもらうけど?」
 と即答。
「な……なんなんだよ……操緒……本当に……」
 僕の困惑をキレイに無視して操緒は僕の顔にまたがった。
「ね……トモ、ここ舐めて」
「な……何を……。」
 僕の目の前には蜜で満ちた操緒の密所がある。
「舐めて。トモの舌で私の恥ずかしい所……舐めてよ。」
 笑みを浮かべつつ、操緒は僕の口を自らの肉体で塞ごうとする。
「操緒……もうやめよう!」
 僕が講義すると、操緒は悲しそうな瞳で見つめる。
「どうして?どうしてできないの?トモは……操緒のこと嫌い?」
「嫌いとかそう言う問題じゃなくて!」
 操緒は無理やり自分の秘所を押し付ける。こいつ……! まだ言いたい事があるのに!
「舐めて……お願いトモ……」
 切なげに呟く操緒を見て、僕の理性は崩れ始めた。気付けば愛液の滴るそこを舐め始めていた。
「あ…あん。トモ……」
 ビクリと操緒が肩を震わせる。
「ん……操緒……ちょっと舐めにくいから腰……少し上げて。」
「うん……んん……」
 ガクガクと操緒の腰が震える。僕は自分にできるだけの事を操緒にしてみせた。
「どうだ操緒。これでいいかの?」
「うん!うんうん!これでいい!いいよぉ!」
 操緒の足が快楽で支えきれずにガクリと落ちて僕の口を完全に塞いだ。
「苦……苦しい、操緒……」
「ご……ごめんねトモ。ごめん!」
 再び腰を上げて、操緒はにやりと笑った。まさか―――!?

80名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 23:25:03 ID:sRUCn8Vv

「ごめんついでに……トモの、私の中に入れるね。」
 操緒は再び勃起しつつある僕のモノを掴み、自分の準備万端となった場所へ当てる。
「え?ええ!?ちょっと操緒!やめろ!!」
 慌てる僕を無視して、操緒は一気に僕で自分の体を貫いた。
「あっああぁああぁん!」
「うわぁっ!く!」
 お互いに息を詰める。僕はブルブルと振るえ、快感に耐える。
「操緒……ダメだ、これ以上は……」
「もう遅いよトモ。大好きだよ」
 操緒は自分の腰を動かしだす。
「あっあん!トモぉ!トモォ!」
 ガクガクと我を失いつつ、操緒は僕の上で思うが侭に動いた。
「あ!みっ!はぁ!操緒ぉ!!」
 彼女の動きに体が勝手に合わさり、僕はまるで自分が人形のような感じがした。
「トモぉ! 早く! 早くぅ! ……あ! トモぉ!」
 快楽になお耐えようとする僕を操緒が煽る。
「ダメだ! ダメだ操緒!! あっ!」
「トモの……トモの赤ちゃんほしいの……お願い、トモ!」
「ダメだ……操緒! それは……あっ! やめろ!!」
 徐々に限界に近づく僕を感じ取ったのか、操緒はいっそう激しく僕を求める。その思いに恐怖すら覚える。
「お願いトモ……ねぇ、あん! ねぇっ!」
「勘弁してくれ……もう……ダメだ!」
「出してぇ! ねぇ、トモ! 好きなの!」
 限界が来て、一瞬僕の動きが止まり、ビクリと震えた。彼女の望む物がどんどん彼女の中を満たした。操緒はどんどん流れ込んでくる僕を受け止め、恍惚した表情を浮かべていた。
「トモ、赤ちゃん出来たら……トモはちゃんと責任とってくれるよね?」
 気だるそうに笑う操緒に僕は呆然としながらもコクリと頷いた。
 逃げられない。いや、むしろ逃げる訳にはいかない。本能的に悟った。
「トモ、ずっと一緒だよ」
 僕は、分かってるとひどく遅い動作で頷いた。


以上。非常識な駄文で失礼。
こんな駄文で良ければ他の娘も書くけど?(既出の嵩月、佐伯は除外)
81名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 00:11:14 ID:/LAaqH0y
GJ!
ひかり先輩かニアが欲しいですわ!
82名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 01:22:31 ID:NpQ+XmOd
杏ー! 杏ー!!
83名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 22:48:31 ID:vLqxjpkP
ここって現状、何人居るの?おれは>>63の操緒が読みたいんだけどな。てか絵師さんは?

>>81
おれロリは趣味じゃないんだ。ってなわけでひかり先輩。

>>82
杏ねえ……。んじゃ考えるのが楽だからこっちからはじめるか。


しかし明日も仕事あるから今日はさっさと寝る。二十四時間ほど待て。
84名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 23:48:00 ID:/LAaqH0y
絵師はいないんじゃないだろうか…
85名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 00:16:24 ID:Fp8mDMZr
>>83
ガンガレ。俺は応援してる。
どうでもいいけどこのスレって朱浬の名前あんまし出てないな・・・。
8663:2007/03/01(木) 01:54:51 ID:wWO3jBsv
>>83
>>59で述べたようにニアだったりする。
書き途中で自分のvocabularyのなさに絶望

ひかり先輩期待
87名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 09:12:55 ID:no8iNw4D
どうもウチの射影体にノイズがちらつくなと思って病院に行ったら
インフルエンザと診断された。すまんが杏、及びひかり先輩の話は暫らく待ってくれ。
構想は両者ともに八割方終わってる。すまん。
88名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 17:08:24 ID:Jnlr2dBM
射影体ウラヤマシス(´・ω・`)
いつでも待ってるから早く体治すんだ。お大事に。
89名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 22:40:04 ID:fi8bmYsz
待たせてすまなかった。今回は控え目に仕上げたつもりだ。






 僕は紆余曲折の末に、杏と結婚して、同時に実家である大原酒店を継ぐことになった。周りからは羨ましがられたり文句を言われたりしたが関係無い。今回のことは僕が自分で選んだ事だ。
「杏。愛してるよ」
 呟いた僕の瞳は杏を見ていた。
「あたしもだよ。トモ」
 呟いた杏の瞳は僕を見ていた。
「手を離さないでね」
 杏がそう言って繋いだ手を強く握ると、僕は黙って握り返した。暗闇の中、月明かりだけが二人の体を明るく照らす。お互いに微笑を交わす。
 僕は杏の首筋にキスを落とす。
「ちょっと……そんなとこに痕つけないで……見えちゃう」
「新婚だから、当然当然」
 鎖骨にもキスマークをつける。
「ん、もう! くすぐったい」
 キスマークをつけることに夢中になってる僕の頭を杏は叩いた。
「なんだよ」
「なんでそんなに痕ばっかつけるのよ!」
 その問いに僕はにやりと笑って、
「杏は僕のって証拠だよ」
 そう答える。それを聞いて、杏も僕の首筋にキスをする。
「そんな証拠なくたって、あたしはトモのなんだけどなぁ」
「そう言いながら杏だって僕に痕つけたじゃん」
 僕の首筋には杏の首筋と同く赤く鬱血した部分ができた。
「おかえし」
「この、やったな〜!」
 僕は杏に抱きつき、パジャマのボタンに手をかけた。
「きゃぁ、こら、んもう、トモ!」
 怒っているが杏は楽しそうに笑っている。僕はこの笑顔を護りたかったのだ。それが今傍に居る。それだけで僕は嬉しくて。
「ここにもつけとこっかな。」
 そう言って胸元にもキスマークをつけた。
「やん、もう〜トモばっかりずるい! あたしも」
 杏も僕のパジャマを脱がし、同じく胸元にキスマークをつけた。
 僕は昔は小さかったが今では立派に成熟した杏の豊かな乳房を掴み、そっと揉んだ。
「ん……」
 杏の切ない吐息が聞こえる。
「杏、可愛いよ」
 そう言って乳首を吸い始めた。
「んんん!」
 じれったそうに身悶えする杏。
「ここもキスマークって残るかな?」
 そう言った僕の頭に杏の拳が降ってきた。
「馬鹿なこと言わないでよ!」
「僕、けっこう本気だけど?」
 本当に真面目な顔で言われて、杏はハーっと溜息をついてしまった。
「そうだ、下のほうにもキスマークを……」
「え? ちょっと、トモ?」
90名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 22:41:00 ID:fi8bmYsz
 杏が慌てている間に僕は彼女のパジャマのズボンを脱がせて、太ももにもキスマークをつけた。
「もう、そんな所まで……」
「杏のパンツ、もうグショグショ。脱がせていい?」
 答えが返る前に僕はスルリとパンツを脱がせた。
「あ……だめ!」
 杏の口から制止の言葉が出る。たぶん反射的に出た言葉だろう。
「本当にダメ?」
 杏の太ももの間から顔を出し、僕は聞く。彼女の顔は見る見るうちに赤くなり、僕を睨んだ。
「意地悪」
 そんな杏を見て、僕は優しく微笑み、頭を撫でた。
「そんな目で見るなよ。ごめん」
 恨みがましそうな顔で杏は僕を見つめる。
「本当に悪いと思うならキスして」
 握り合った手をギュッともっと強く握って、僕は杏の唇を奪った。
「なぁ、もうそろそろ……我慢できない」
 僕は握っていない方の手で杏の手を握り、自分の憤りに触れさせた。
「うん、いいよ。あたしも我慢できないから」
91名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 22:42:00 ID:fi8bmYsz
 すでにかなり濡れていた杏の内部に僕が進入することは容易かった。
「あっあぁぁあ! トモがぁ……」
 ビクンと体を震わせ、杏は僕にすがりつく。
「杏の中……気持ちいいよ」
 大きく腰を振り、杏も僕の動きに合わせた。
「あっああぁぁん! いいよぉ、トモぉ!」
「杏、いつもよりもなんか……あ…感じてる?」
 杏は唇を引き結び、潤んだ瞳でコクコクと頷いた。
「なんか…僕も……今日はすっごく……」
 僕も呼吸を荒くし、快楽を追いかけて激しく動いた。
「あっ! あたしも・・・いやぁ! イッちゃうぅん!」
「ぼ……僕も……杏……好きだ」
「あたしもぉ……」
 僕達は一気に頂点を登りつめた。
 荒い呼吸を整えながら、僕達はしばらく止まっていた。
「トモぉ・・・。」
 杏が切なそうな声で僕を呼ぶ。僕は強く杏を抱きしめた。
「好きだ」
 僕の言葉に杏も頷く。
「トモ……、もっかいしよ?」





『トモ、そろそろ起きなよ』
 頭上から聞き馴染んだ声が降ってくる。操緒の声だ。
 ―――夢か。でも、ああいうのも悪くないか。夢を見て、それを叶えたいと思うのは自然な事だし。
 意識を切り替えてベッドを出る。期末試験の初日だ。頑張ろう。


92名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 22:48:40 ID:fi8bmYsz
以上。ひかり先輩はもう暫らく待って欲しい。以外と難産だ。

>>86
知恵と勇気だ。世の中それでどうにかなる。おれの経験上だがな。

>>85に言われて気付く。最初のやつ操緒じゃなくて朱浬さんでやればよかった。うん、ミスだな。需要が出て来れば書くけど。多分。
93名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 00:58:49 ID:hmuJBq/g
職人さんの体に支障が無い程度に朱浬姉さん期待。
94名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 17:27:42 ID:frV6glpj
ランブルの、沙樹が溺れたまりあをラブホで休ませるシーンで、エロ書いてくれる人いないかな
95名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 20:11:27 ID:Bhc6Gdl3
ラブホのベッドで抱き合ってた時のやつか
アレ読んだときは驚いたな
サキの野郎、まりあとまでフラグ立てかYO!って
96名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 17:04:23 ID:m6lPi0d3
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 朱浬!朱浬!
 ⊂彡
97名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 19:12:47 ID:qhhhZ+yA
まりあとネルでレズ…

いや、すまん
98名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 00:05:17 ID:3Q+Seiqc
しかも以外にまりあがタチ!
99名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 16:58:11 ID:uNNvJ0AC
なつみさんを襲おうぜ
100名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 19:23:55 ID:OlImkdmd
100なら朱浬姉ゲトー
101名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 16:18:06 ID:+Rn7/9lH
保守
102名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:50:35 ID:mkQUP+vH
過疎
103名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 23:32:57 ID:lfHUGFDM
保守
104名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 23:53:56 ID:rbgOEBOp
無駄と分かりつつも波乃ちゃん期待して保守
105名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 11:52:44 ID:55ryAiyI
俺はむしろ香澄を期待している。
106名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 01:08:09 ID:mrgYP7Kb
スラクラの新刊情報を見て、>>33の続編?とか思った俺――――――。
ひかり先輩まだ?
107名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 22:26:16 ID:co7ZzbV8
朱浬姉マダー
108名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 20:42:24 ID:IlE5o8Hh
保守
109名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 22:24:23 ID:JzHNpUqP
朱浬さん期待で保守
110名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 20:28:41 ID:qo6rrLoI
syuriage
111名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 22:57:30 ID:ueJgc3KL
朱浬朱浬言ってた奴もとうとう来なくなったな。
112名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 17:43:45 ID:Tv4phoAV
新刊ネタ期待保守
113名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 21:28:06 ID:N0NmWGNp
新刊発売記念あげ
114名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 00:47:36 ID:98BFvk4R
>>112
新刊ネタというと、消えかけた操緒と魔力切れで弱った奏の両方を救う為、とうとう契約に踏み切る智春とかですか。
115名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 00:58:48 ID:WezGZjnb
>114
そうそうソレソレ
職人さん降臨待ちしかできない我が身がウラメシイ
116名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 01:59:51 ID:dyMur+vB
あのさ、哀音消滅のくだりで泣いてしまった俺ってアウトか?
117名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 17:05:32 ID:8aSJ37Fr
>>116
泣いたっていうか目が潤んだ程度ならここに。
118名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 23:48:34 ID:v6/vdVig
プラグインが実は悪魔と契約しなくともドーターを作り出せる便利な道具だったとかはないだろうか。
もちろん使用法はエロスな方向で。
119名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 07:06:15 ID:IGd2PQWF
hosyu
120名無しさん@ピンキー:2007/06/03(日) 13:39:06 ID:mrX1Imvv
>>118
なるほど、だからあんな形だったわけだ。
121名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 20:51:04 ID:9S9tBDjE
いまさらにもほどがあるけど、スレタイ岳人じゃなくて岳斗だよな
今気づいたわ
122名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 20:19:03 ID:+PqUy1eb
だな。しっかしSSこないな
123名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 22:41:37 ID:BXRSLRDb
保守
124名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 21:09:25 ID:v1QBJnhN
hosu
125名無しさん@ピンキー:2007/07/04(水) 22:34:09 ID:EbkmZq6X
HOS
126名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 07:12:10 ID:jfnH5+vG
hosu
127名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 23:08:00 ID:IPzjGy19
人が居ないな・・・・・・
128名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 14:34:04 ID:ZNbM0+Gq
ワイヤレスハートチャイルドのなつみさんでエロは書けんものか…
流石にそういう機能はないか?
129名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 19:51:12 ID:PvCOxGSw
保守
130名無しさん@ピンキー:2007/08/06(月) 21:22:42 ID:NieZmQYa
hosyu
131名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 18:13:33 ID:YLLEeDwj
新刊出たのに、新刊についての話題も出ないな…
132名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 21:53:55 ID:VhXdm/nq
7巻のときもそうだったしな。もう終わりか?
133名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 10:19:46 ID:YVcP4JEA
氷羽子×トモハルが好きなのは俺だけ?
134名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 23:24:11 ID:F2wwbIbj
保守
135名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 07:21:41 ID:z34U9ICQ
このスレ、まだあったのか……
136名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:57:19 ID:fAZvMF0N
保守
137名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 04:54:48 ID:YoHf0TT8
まだ残ってたか。
存外しぶとい。
138名無しさん@ピンキー:2007/10/05(金) 01:08:23 ID:6e1I5Cyo
mudatosiritutumoHOS
139名無しさん@ピンキー:2007/10/13(土) 21:58:32 ID:y4AcNADm
佐伯妹が好きなやつは最後の電撃HP買っとけ。


脱 い で る ぞ
140名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 01:31:58 ID:a7JHxUbe
ネタはあるんだが使い魔の詳しい設定がイマイチわからないから書けない
ぶっちゃけ使い魔はヤったら即生まれる?それとも人間と一緒で十月十日?生まれてくるときは玉子?
141名無しさん@ピンキー:2007/11/05(月) 07:54:52 ID:VR4RrRc7
>>140
逆に考えるんだ。
「公式設定がわからないなら自分の好きなように書ける」と考えるんだ。
142名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 23:15:06 ID:YSGLUKzz
でもそれで違った設定が後から来ると非常に萎える
143名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 00:57:44 ID:uyA15VHC
もしくは開き直ってそのまま続投。
144名無しさん@ピンキー:2007/11/27(火) 23:46:46 ID:fT6jlI3r
保守
145名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 00:04:50 ID:y7V8ac0a
新刊出ているのになんという…
146名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 22:00:00 ID:exvBTpMG
書きたいし、智春×嵩月でだいたいのイメージもできてるんだけど
いかんせん初のエロパロで・・・難しい・・・・・・
実際に書いてる人すごいと思うわ

明日新刊買うつもりだから、それ読んでチャージしてみる
147名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 02:27:49 ID:OEdacNeD
あらためて一通り読み返していたら、このところの朱浬さんの
戦線離脱っぷりに泣けてきたので、勝手に補完。
…デモ済マナイえろハ書ケナインダ… orz
148化学準備室にて 1/2:2007/12/13(木) 02:28:20 ID:OEdacNeD

 ふと時計に目をやると、いつの間にか三十分も経っていたので、黒崎朱浬は少しびっくりして目を瞬かせた。ほんの数分間だと思っていたのに、半分以上機械の体が客観時間と主観時間のずれを経験するなど、ひどく珍しい。
 もっとも、今の朱浬にとっては全く気にならなかったが。
(まあ、たまには。ね)
 視線を元に戻す。その先には、机の上につっぷして穏やかな寝息をたてている少年が一人。小春日和の午後の化学準備室における閑かなひとこまだった。
 それもめったにないことに、朱浬と少年の二人きりなのである。いつもなら少年の周囲には他に何人も(主として女の子たちが)いて賑やか極まりないのだが、どういうわけだか今日は、化学準備室を訪れた朱浬の目の前で、少年はたった一人で眠りこけていた。
 常に少年の傍らに寄り添っている射影体の少女の姿さえ、今は見えない。まあ、副葬処女は演操者の脳機能に依存した存在だから、演操者が眠っている間は現れないとしても不思議はないのだが。
 そんなわけで、朱浬は少年の向かい側に腰を下ろし、この得難い機会を存分に愉しむことにしたのだった。
(しっかし、よく寝るわねえ)
 それも、他人にまじまじと寝顔を見られながら。自分なら絶対に目を覚ましてしまうだろう、と思う。こんなに暢気で無防備な寝姿など他人の前にさらしていたら、命がいくつあっても足りないからだ。それにひきかえ、
(さすがトモハルね)
 朱浬は頬杖を突いたまま、妙に納得した。この安気さこそが、夏目智春だと思う。
 高校生男子にしてはやや幼さの残る、やさしげな面立ち。つい指をからめてみたくなる、柔らかそうな髪。少しだけ口を開けて眠っている今は、尚更あどけなさが目立つ。
 まあ、起きていたって別段、きりりと様変わりするわけでもない。ぱっと見は昼行灯そのもの、大体において影が薄くヘタレで気弱で頼りなく、煮え切らない態度と薄らぼんやりした笑顔と役にも立たない愚痴っぽさが身上の男の子なのだ。
 そして黒崎朱浬は、そんな夏目智春抜きの世界など、今や想像もできないのだった。

「トモハル。知ってる?」
 いつも一杯一杯だったのよ、と後半部分は口の中で囁きながら、朱浬は目を細める。
 あの事故の後、半身不随の状態で意識を取り戻したときから。夏目直貴の手によって、半ば機巧魔神と化した体になったときから。事故で行方不明になったはずの、双子の姉妹の運命を知ったときから。失ったものを取り戻すため、王立科学狂会に身を投じたときから。
 黒崎朱浬は、かけらほどの余裕もなく生き急いできたのだった。焦燥も不安も恐怖も怒りも、全てをおっとりした笑みと漆黒のコートの裏にくるみ込んで。
(まあ、今だって同じなんだけどね)
 朱浬は苦笑した。望んだものを何一つまだ手にしていない以上、何も変わりはしない。変わるはずもない。そのはずなのに。
(不思議ね)
 智春と出会ってから、全てが変わってしまったように思えるのだ。
 ふと気付くと、智春をからかいながら屈託なく笑っている自分がいた。ごく自然に智春と触れ合って安らいでいる自分がいた。夏目ともはという少女にお化粧をしてあげるのに純粋に熱中している自分がいた。
 そして、夏目智春が傷付くとき、鋭い痛みを覚える自分がいた。
 他人のことなど、どうでもいいはずだったのに。自分の願いをかなえるためなら、何者を犠牲にしても顧みないはずだったのに。
「ひどい女だよねー」
 他人事のように、呟いてみる。
(じっさい、ひどい先輩だって思ってるわよね、トモハルも)
 それはそうだろう。とんでもない厄介ごとに巻き込み、いやというほど危険な目に遭わせ、きわめて重要な真実を隠して教えなかった。その結果、智春が傷付くであろうことは十二分に予想した上でのことだったし、実際にそのとおりになった。
 数多くの必然といくつかの偶然が重なった挙げ句のこととはいえ、そもそも最初に智春の手を引いたのが自分であることを忘れてはいない。忘れることなどできない。
 だが、後悔はしないと決めた。これからも、必要なら躊躇いはすまいと思い切った。たとえ智春がどれほど傷付き苦しもうとも、ここで逃げ出せばもっと過酷な運命が待っているだけなのだから。
 そして、暗い顔をしていても何の役にも立たないから、せめてあっけらかんと笑っていようとも決心した。うまくやりおおせている自信など、いささかもないが。
 非道い話だ。実に非道い。
「ねえ。恨んでる?」
 同じように机の上につっぷし、上目づかいに少年の寝顔を眺めつつ、訊いてみる。答えは、容易に想像できた。そりゃ恨んでますよ、と智春は言うだろう。仕方なさそうに笑いながら。
149化学準備室にて 2/2+1:2007/12/13(木) 02:54:37 ID:OEdacNeD

 夏目智春は、全てのものをあるがままに受け入れて、ごく当たり前に揺るがない。次々に襲い来る非日常に振り回されっぱなしのようでいて、その視線は、真に大切なものを決して見失わない。
 だから、その周囲ではあらゆるものが当然のようにところを得て存在する。機巧魔神も射影体も、家族もクラスメイトも、悪魔も使い魔も、生徒会も部活動も、総てが同心円の中に丸く収まってしまう。鬼っ子の黒崎朱浬でさえ、いたずら好きの我が儘な先輩でいられる。
(しっかし)
 智春を取り巻く人々を思い浮かべて、朱浬の表情が微妙にひきつった。
(妙に女の子が多いわよね。それも綺麗どころばっか)
 幼馴染みの美少女幽霊。極上和風美人の同級生悪魔。異国の幼い天才魔女。ウサギみたいに可愛い上級生悪魔。他にも確か、第一生徒会会長の美形の妹だの、元気のいい魅力的なクラスメイトだの。ひけを取るつもりはさらさらないが、気にならないと言ったら嘘になる。
「そこんとこ、どうなのよ」
 手を伸ばし、智春の目を覚まさせないよう細心の注意を払いながら、その頬を指先で軽く突っついてみる。その存外に柔らかい感触を楽しみながら、朱浬はそっとため息をついた。
 分かっている。彼女たちも、自分と同じなのだ。惚れたはれたとかいう以前の、切実な想い。いわば、智春こそが、自分たちを世界につなぎ止めてくれるよすがであるかのような。智春の傍らこそが、求めてやまない安住の地であるかのような。
 自分自身、この気違いじみた二巡目の世界で正気を失わずにいられるのは、智春がいてくれるからだろう、と朱浬は思う。智春と一緒ならば、いつか目的を果たすまで、しっかり自分の足で立っていられそうに思えるのだ。
 そう。自分たちはそれでいい。
 だが。夏目智春にとっては、どうなのだろう。
(トモハルは…どこまで耐えられるのかしら)
 智春は決して、操緒を見捨てたりしない。奏の手を離したりしない。近しい者の誰をも諦めたりしない。
 その代わりに、自らの心と体を削るだろう。周囲の誰も癒すことのできない深い傷を、その精神と肉体に負うだろう。
 そんな智春を支え切る自信など、朱浬にはなかった。苦悶する智春を直視することすら、心弱い自分には能わないのではないか。己の望みすら叶えられない非力な自分に、何ができるというのだろう。
 その時は、最も近くで直接手を差し伸べられる操緒や奏でさえ、結局は力及ばないのかもしれないのだ。いやそれどころか、彼女たち自身が今や、智春を切り刻む刃の一部でもあった。その救いの無さに、朱浬の心は凍り付く。
150化学準備室にて 3/2+1:2007/12/13(木) 02:55:50 ID:OEdacNeD

「ダメな先輩かもね。あたし」
 免罪符になどならないことは承知の上で、自虐的に呟いてみる。不意に襲ってきた身震いは、罪悪感や絶望のせいなどではなく、寒さの故だと思いこむことにした。上体を起こし、両腕で自らを抱きしめる。しかしそれにしても、
(本当に冷えてきたわね)
 実際、いつの間にやら、窓の影が部屋の中に長く伸びていた。今更のように、手足の先が冷え込んでいることに気付く。朱浬は立ち上がり、少し考えてから、徐に智春に歩み寄った。自分のコートを脱ぐと、智春の上にそっと掛ける。
「ゴメンねトモハル。こんなもんで許してよ。今のところはさ」
 目を伏せ気味に、智春の平和な寝顔をじっと見つめるうちに、だが黒崎朱浬は唇を噛んだ。
(そうね。何もできないなんて、今決めることじゃないわね)
 そう簡単に諦めては、女が廃る。借りを作りっぱなしというのも、寝覚めが悪い。
 この頼りない少年が全てを引き受けて怯まないというのなら、自分もその側で、何かの役に立ちたい。黒崎朱浬という存在を、少年の中に僅かでも留めておきたい。こんな自分にだって、大事なものを守る力が少しくらいはあると、信じたい。
 大切なものを大切だとおおっぴらに認めることもできないなんて、悔しいではないか。黒崎朱浬は、そんな奥ゆかしくもしおらしい女ではないはずなのだから。
 だからとりあえず、朱浬は身をかがめ、智春の頬に唇を寄せた。
「あー……」
 唐突に背後から声がした。だが、朱浬はそのままの姿勢でしばらく動かず、それからゆっくりと背を伸ばして振り向く。朱浬をしても引け目を感じさせるほどにとんでもない美少女の後輩が、戸口のところでまん丸に目を見開いて立ち尽くしていた。
「あら、奏っちゃん。どしたの?」
「あの……日直のお仕事が長引いて……夏目くんとここで待ち合わせ……です」
「トモハルなら、ここで間抜けに寝こけてるわよ。たたき起こす?」
「えー……」
 奏の視線は戸惑いと疑念に満ちていて、朱浬には多少こそばゆい。
「んじゃ、後は任せるわね。そうそう、いいチャンスだから、トモハルに何しても構わないわよ。あたしが許可するわ」
「あー……その……はい……」
 困惑している割には穏やかならぬ返事をしてのけた奏を残して、朱浬は部屋の敷居を跨いだ。くすくす笑いながら、独りごちる。

 奏っちゃん。何してたんですかって、訊いてもいいのよ。そしたら、傍迷惑な先輩が、いたいけな後輩をからかってただけだって、言ってあげる。当分、そういうことにしといてあげる。
 だって、あなたもあたしも、トモハルだって、まだその先には進めないんだから。今はまだ。そうでしょ?

 そういえばコート、と朱浬は最後に思い出す。そして、悪戯っぽく笑った。あのままトモハルが着ていって、そのまま洗わずに返してくれないかしらね、と。それを身につけたら、いつもよりほんの少しだけ勇気が湧いてくるような気がするのにな、と。
151名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 02:57:18 ID:OEdacNeD
投下終了。2分割だと何故だかエラーではじかれたので、
急遽3分割にした。スレがとっちらかってしまって申し訳ない。
152名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 07:06:08 ID:otejkegu
まだ投下してくれる人がいるとは。コレを機にもっと活気付け。
GJ!
153名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 15:37:05 ID:ax1x/vTr
>>151
乙です。非エロでも十分なんでまた頼んます。
つーか雑談でもしようぜ。シチュ妄想とかぶちまけていけばいいじゃない。
154名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 18:03:20 ID:EamsxxMG
朱浬さんに萌えたGJ!
このあと奏がどうでたかとトモの反応が気になるww
155名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 03:00:33 ID:/31BsT02
ひかり先輩×ともはさん、という微妙なカップリングをば投下。
申し訳ないが、やはりエロなし。
原作のひかり先輩はかなーりエロ要員だと思うのだが... orz
無駄に長いので、保守がわりにぽつぽつ投下予定。たぶん10回くらい。

「夏目ともはちゃん、いらっしゃいますか?」

 そう言ってからすぐに、ついさっきの決意も忘れて、後悔した。電話口から流れ出てきたのが、それはそれは重たい沈黙だったから。思わず受話器にしがみついて、情けない声を出してしまう。
「……あの。あのっ。夏目くんっ? 聞いてますかっ?」
 息を詰めて待つことしばし、いかにもしぶしぶといった感じの声が返ってきた。
「……聞いてますよ」
「良かったあ……」
 どっと体から力が抜ける。ほんと、切られなくてよかった。ちょっと反省。
「……何の用ですか、ひかり先輩?」
 ふたたび聞こえた夏目くんの声からは、少し険しさが減っていた、ような気がした。私の必死さに免じてくれたのかもしれない。やっぱり夏目くんは、優しい。
「あ、あのね」
 もういっぺん勇気を出して用件に移ろうとしたときに、ふと大事なことに気が付いた。夏目くん、もしかして。
「……どうしたんですか」
 今度は、ちょっといぶかしげな声。私が感動のあまり、何も言葉を続けなかったからだ。慌てて、
「う、うん。ごめんなさい。でも夏目くん、声だけで私だって、分かるんですね」
「え……そりゃあ……」
 夏目くんは口ごもったけど、私は単純に嬉しかった。それって、夏目くんにとって私がまるきり赤の他人というわけじゃない、ってことだから。
「まあ……ひかり先輩と電話で話すのは初めてじゃないですし……」
 夏目くんはぶつぶつ言うけど、でもそんなの、何ヶ月も前だよ。声を憶えててくれたなんて、やっぱり嬉しい。
「え……と、そんなことより」
 あ、ごまかしたね夏目くん。
「何の用ですか?」
 一転して硬い声。警戒してるなあ。無理もないけど。私もぜんぶ知ってるわけじゃないけど、夏目くんはいろいろな人にいろいろと大変な目に合わされてるので、どんな時でもまず身構えるのがクセになっちゃってるみたい。
 私のせい……も、少しあるかなあ。でもあれは、悪いのは六夏ちゃんだったんだし、あのおかげで夏目くんと友だちになれたんだし、私としてはすごくいい思い出なんだけどな。夏目くんも水に流してくれたと思ってるんだけど。
 確かに、夏目くんにはよからぬ目的で近づいてくる人も多そうだから、気を付けた方がいいけど、私は大丈夫だよ。だって私のは、下心じゃなくって、乙女心っていうんだもん。
「え、ええと。あのですね」
 がんばれ私。
「お、お願いが、あるんです」
「お願い?」
 うわあ夏目くん、今あからさまに引いたね? 大丈夫だよう、そんな無理なお願いじゃないから。
「んと、その、あのですね、この週末、お買い物に行きたいな…なんて」
「はあ」
 少し拍子抜けした反応。よし。GO。
「ともはちゃんと、いっしょに」

 夏目くん。そこで黙りこくったら、白状したも同然だよ。「ともはって、誰ですか?」くらいに返さなきゃ。まあ、私が知ってるってことを夏目くんは知ってるし、私が知ってるってことを夏目くんが知ってるってことも私は知ってるから、いまさらだけど。
 夏目くんが立ち直る隙を与えないように、私はまくし立てる。
「あの、私、クリスマスプレゼントを買いに行きたいんです……ある男の子に、なんですけど」
「……」
「でも、男の子の好みってよく分からなくって、ちょっとアドバイスがほしいかなー、なんて」
「……」
「こういうこと頼める人、他にいないんです。だめ……ですか?」
「……それって、僕……でも、いいんですよね」
 うん。ほんとは、それが一番なんだけど。
「えっと……その、夏目くんといっしょにお買い物だと、周囲に誤解を招くというか……」
「……」
 夏目くんと私の関係は、微妙だ。学校の美化委員だとか、ファミレスのバイト仲間だとか、…その、演操者と悪魔だとか、そういったシチュエーションなら、お互いのポジションがはっきりしているから、割と自然に話したりできる。
 でも、全くのプライベートで週末にお出かけするのが当たり前、という間柄ではない。今のところは。残念だけど。
 もちろん、近いうちにそうなったらいいなあ、とは思う。けど今のところは、二人で歩いてるのを他の人たちに見られると、いろいろ支障がありそうな感じがする。
 夏目くんの周りにいる女の子たちの目もちょっと怖いし、だいいち六夏ちゃんなんか、また夏目くんと私を無理にくっつけようと暴走しかねない。悪気はない…はず、じゃないかしら、たぶん、と思うんだけど、それはできれば避けたい。
 というわけで思いついた名案が、ともはちゃんとのお出かけ、なのだった。これなら、ともはちゃんの正体を知る黒崎さんにさえ出くわさなければ、夏目くんといっしょにいても問題ないはず。操緒さんもいっしょなのがちょっとあれだけど、それはまあ仕方ないし。
 そうすれば、夏目くんと一杯おしゃべりしたりご飯を食べたりプレゼントを選んだり、それはもういろいろとできちゃうわけで。…えーと、こほん。で、もちろん、選んだプレゼントは後日しかるべき人に渡す、と。
 うん。我ながら、完璧な伏線と回収のストーリーだね。この流れなら、いくら鈍ちんの夏目くんでも、私の気持ちを分かってくれるはず。
「……はあ。そりゃ、その男の子に見られたくないのは、分かりますけど」
 え。ええっ? 今、なんて?
「でも、だからって……その、僕といっしょなのをその人に見られて、もし誤解が生じるなら、僕からきちんと説明してもいいわけで……」

 夏目くん。なんで、なんでそうなるのー!
 男の子って、夏目くんのことなんだってばっ。それが……いや、それを察してくれる夏目くんなら、そもそもこんな苦労はしないんだっけ……。
 それでも、まずい。私が他の男の子を好きだなんて誤解されたら、ただでさえ鈍い夏目くんにとって、私なんか完全に対象外になっちゃう。もしかして私、思いっきり墓穴を掘ったりしちゃった?
 完璧に脱力して気が遠くなりそうな私の耳に、夏目くんの言葉が続けて流れ込んでくる。
「だいたい、気になる男子がいるなら、直接その人に声をかければいいんですよ。ひかり先輩なら、大丈夫ですって」
 いやだから、今まさにそうしてるんだってば!
 なんか、だんだん腹が立ってきた。もう頭も混乱しきってしまって、どうしたらこの会話の流れを修正できるのかも分からない。
 ……こうなったら、奥の手を使うしかない。夏目くんが、悪いんだからね。
「……そうですか。ともはちゃん、だめですか……」
「あ、いや、それは……」
「また会いたかったんですよねー。残念です。六夏ちゃんとも、ときどき話すんですよ。ともはちゃん、どうしてるかなー、って」
「え」
「六夏ちゃん、ともはちゃんのこと結構気にしてるんですよね。また会ったら今度こそ決着付けてやる、とか言って。洛高の生徒らしいって聞いて、探したんですけど見つからなくって。私も、あんた何か知ってるでしょって、問いつめられたりしたんですけど」
「あのう先輩、もしかしてそれで何か……」
 夏目くんがおずおずと訊いてくるけど、構わずに続ける。
「六夏ちゃん、ともはちゃんには絶対何か裏がある、とかって。それを掴んだら、きっと何かお金儲けのタネになるに違いないって言い張るんです。全く、しょうがないですよねー」
「……」
「私も、ともはちゃんのこと、実はよく知らなくって。でも、六夏ちゃんも大事なお友だちだし。二人には、もっと仲良くなってもらいたいな、なんて思うんです。だから今度、ともはちゃんのこと、六夏ちゃんにちゃんと話して……」
「……いつ。どこ。ですか」
 あら夏目くん。そんな嗄れ声、初めて聞いたけど、大丈夫?
「え。何ですか」
「いつ、どこで、待ち合わせ、です、か」
「あの。ともはちゃん、お出かけ大丈夫なんですか?」
「ですから。いつ。どこで」
 さすがにそろそろ夏目くんの声が怖くなってきたので、待ち合わせの時間と場所を決めて、電話を切った。なんだか、ちょっとひっかかる成り行きになっちゃったけど、最低限の目的は達したから、とりあえずはよしとしよう。
 夏目くん、ちょっぴり強引なお誘いでごめんね。でも、きっと楽しいよ。うん。
今回はここまで。
最初の2つに変なトリップがついてるのは、ナンバリングを#1とか#2とか
したらこうなってしまっただけなので、気にしないでもらえると有り難い。
160名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 22:12:26 ID:Bw2ffNkQ
ブラボー……おお、ブラボー!
次回が待ち遠しい
161名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 00:02:54 ID:u7xHjU4K
空気読んでエロは自粛しようか。
162名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 01:19:48 ID:SUb6+dRN
>>161
エロが書けない>>155当人としては、こんなのでお茶を濁している間に
エロが書ける真の職人さんの光臨を期待するものだったり。
非エロの流れを作りたいわけではない、ということで、よろしく。
163名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 20:52:55 ID:v9D0mjuu
店頭で予約組…お前たちがNo1だ…
164名無しさん@ピンキー:2007/12/20(木) 20:53:16 ID:v9D0mjuu
すいません、誤爆しました
165名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 17:55:08 ID:NxXdtuIY
>>154GJ!
続きが楽しみでありますが。

大丈夫、微妙じゃない。自分も智春×ひかり先輩のCPは好きだぜ。
166165:2007/12/23(日) 18:52:46 ID:TlFtP5yp

やはり自分も書いてしまいました。智春×ひかり先輩で。
エロ無しですが投下してみたいと思います。
167幽霊憑キノ嘆キ:2007/12/23(日) 18:54:21 ID:TlFtP5yp

 煙草を1本吸う毎に寿命が100日縮まる、という話を聞いた事がある。
 まぁ、煙草が人間に発ガン率を最低でも2倍以上にしているのは科学的に証明されているし、
 何よりも未成年の喫煙は成長に悪影響を及ぼし、発ガン率が更に高まる事まで解ってる。

 科学的には此処まで解っているので、頭の中でもそれを覚えている筈なのに。

 どうしても癖になって止められない僕がいる。

【幽霊憑キノ嘆キ-寿命が100日減る話-】


 アニアや樋口、嵩月がいないのはまだ解る。
 だが、朱浬さんまでいないのは珍しい事だった。
「何だ、誰もいないんだ」
 誰もいない化学準備室。
 換気扇を回し、椅子を近くまで引き寄せる。
 机に伏して眠ってしまうのもいいだろうが、腕が痺れる事が目に見えている。
 だとすると、誰もいない今のうちにしか出来ない事でもやるか。

 胸ポケットを探る。
『智春ッ』
 操緒が不機嫌そうな声をあげるが、それは無視。いつもの事だ。
 胸ポケットから出て来た煙草を1本、口に銜えて次はライターを探す。
 あった。ライターで火を点けようとして、手が―――――止まる。
「……操緒、手を離してくれよ」
 スタビライザを手に入れて以来、操緒は時々僕の行動に干渉してくる。
 大抵は悪戯だったりするのだが、こういう時は困る。
『本当、智春って1人になったらすぐ煙草だよね。本当に美味しいの?』
「別に」
 そう答えて、操緒にあっち行けと手で払う。
 ようやく離してくれたので煙草に火を点け、少し吸い込む。
 毎日吸っている訳ではない。だが、最近明らかに煙草の量が増えた。

 その原因は無数に心当たりがあるのでいちいち数えていたらキリがないので数えない。
「……ふぅ……」
 少しだけ、落ち着く。一服するとはよく言ったものだ。
 本当は脳内の酸素が減るから落ち着いた気持ちになる、というのを中学の理科の教師が言っていた気がするけれど。
 それでも、これは気持ちの問題じゃないか、と思う時がある。

 この時に、化学準備室に近づいてきた足音に気付くまでは。

168幽霊憑キノ嘆キ:2007/12/23(日) 18:55:26 ID:TlFtP5yp

「失礼します……あの?」
 ノック無しで、いきなり扉が開く。顔を出したのは、ひかり先輩だった。
「あれ、ひかり先輩? 何か、用ですか?」
「え、ええ……夏目くんにって、夏目くん何やってるんですかっ!!!!?」
「……叫ばないで下さいよ、それに見れば解るじゃないですか」
「見れば解るって………」
 ひかり先輩は何故かわなわなと肩を揺らしながら僕の元へ近寄ると、僕の銜えていた煙草を口から引き抜いた。
「あの、まだ火をつけたばっかりなんですけど」
「そうじゃなくて! 何で、煙草なんて良くないものを吸ってるんですか!?」
 いちいち叫ばなくてもいいと思いますけど。
 僕が操緒を見上げた時、操緒は口だけで『ツケが回ったね』と言っていた。
 そう言えば、僕に喫煙癖があると知ってるのは樋口と操緒だけだったと思い出した。そうか、だから怒ってるのか。
 僕が勝手に納得している間にもひかり先輩はまだ怒っており、「ちょっと夏目くん聞いてるんですか!」と言ってきた。
「はい、聞いてます」
「確かに洛高は留年が多くて時に20歳越えてる生徒も稀にいますから喫煙するなって生徒手帳には書いてないですけど……だからと言って
 夏目くん、堂々と喫煙しちゃダメです! 未成年なんですよ!」
「いや、僕は入る前から吸ってましたけど」
 正確には中学2年の半ばだったか、そうだ、露崎が亡くなった辺りだっただろうか。
 自分の記憶なのに結構曖昧だ……大丈夫なのか、僕は?
「もっとよくありません! 何で操緒さんも注意しないの!」
『智春はね、注意しても聞かないの、これだけは』
 操緒、そんな事をベラベラ喋るんじゃないの。主に僕が苦労するんだぞ。
 僕はため息をつくと、2本目の煙草に火をつけた。
「ああ、もう! だから何でまた吸ってるんですか夏目くんは!」
 ひかり先輩は2本目の煙草も引っこ抜き、市原の机にあった灰皿で火を消した。
 消した所で、市原と僕は吸っている煙草の銘柄が違うので煙草を吸っていたとバレてしまうのだけれど。
「……………」
 一応、最近あまりお金がないのでこれ以上煙草を取られるのは危険だと判断し、僕は少しだけひかり先輩をジト眼で見てみる。
「あ、あの……夏目くん?」
 僕のジト眼に気付いたのか、ひかり先輩が少しだけ驚いた顔を見せた。
 面白いのでもうちょっと見ていよう。あ、眼に涙が浮かんできた。流石にそろそろ止めるか。
「いえ、別に」
 そう言って視線を明後日の方向に向けると、ひかり先輩は「そうですか」と答えてまた僕を見上げた。
「いいですか、夏目くん。すこに座って下さい」
「……は、はぁ」
 ひかり先輩は僕の前に座ると、「いいですか、夏目くん。そもそも未成年の喫煙が与える影響というのは……」と、まぁどっかの生徒
 指導の教師みたいな事を言い始めたのだがする事が無いので大人しく適当に聞き流す事にした。
 ちなみに操緒は『ちゃんと聞かないとね』と僕をじっと睨んでいた。視線が痛い。

169幽霊憑キノ嘆キ:2007/12/23(日) 18:56:40 ID:TlFtP5yp

「………そもそも、何で煙草なんて良くないものを始めたんですか?」
「……何時からだったかな……あんま覚えてないんですけど」
 僕がそう答えると、ひかり先輩は「私は真面目に聞いてるんですよ!」と言い放った。
 普段怒っている時のひかり先輩と大して変わらないので怖いとは思わなかったが、六夏先輩に伝わったらエラい事になりそうなので
 真面目に答えるしかないだろう。
「……何でだろう……始めた頃も色々あったけど、今でも色々あるし……」
 無意識に手がポケットに伸びていたので慌てて止める。1日3本は流石にヤバい。1月2箱までと決めているんだし。

「…………何となく、吸ってみたくて吸ってみたら抜け出せなくなったっていうか……そんな感じだと思いますけど」

 僕の発言に、ひかり先輩どころか操緒まで固まっていた。あれ、僕は地雷でも踏んだか?
「吸ってると気も落ち着くし……少なくとも、気付けぐらいにはなってるかなと」
「普通、そんな事は考えませんよ」
 ひかり先輩は呆れたようにため息をついた。
「………ところで、ひかり先輩は何の用で来たんですか?」
「あの……夏目くん……日曜日、空いてますか?」
 ひかり先輩が口を開く。
 幸いにしてその日はバイトも何も無い。
「ええ、空いてますけど」
「じゃあ決まりです。薬局に禁煙グッズを買いに行きませんか?」
 僕に禁煙しろというのですか。
 樋口が一時期同じような事をしていた気がしますが。
「その時に止めなかったんですか?」
「そりゃ、もう習慣でしたから」
 僕がそう答えると、ひかり先輩は急に身を乗りだした。
 僕の目と鼻の先。息が届く位の距離。

「……だったら、尚更です。夏目くんが煙草をやめれるように、頑張りましょう。ね?」

 しばらく、無言だった。
「…………どうして、そこまで?」
 僕がようやく口を開いた時、ひかり先輩は僕の鼻先を少しだけ撫でた。

「それだけ、夏目くんが心配だからですよ」

 そう言って、僕の頬に。少しだけ、唇が触れた。

 放課後の、僕達以外誰もいない化学準備室での話。

170幽霊憑キノ嘆キ:2007/12/23(日) 18:57:43 ID:TlFtP5yp

 4時限目の終了と共に、智春は凄い勢いで教室を飛びだしていく。
 それから遅れる事数秒、その人は顔を出した。
「樋口くん、夏目くんは何処に?」
「智春なら、3秒位前に外に行きましたよ。えーと、沙原先輩でしたっけ? いったい、何で昼休みや放課後の度に追いかけっこしてるん
 ですか、智春なんかと」
 俺がそう尋ねると、2年の沙原先輩は少しだけ微笑んで口を開いた。
「智春くんの健康の為です」
 その言葉に、嵩月と何故か佐伯が反応したがそれは無視。
「……健康って……ん?」
 俺には思い当たる節がある。まさか、沙原先輩。

「あいつを禁煙させるには相当な努力が必要ですよ……大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ、夏目くんなら出来ます」
 沙原先輩は笑顔で頷くと、智春が逃げていった方向へと走り去っていった。
 やれやれ、ご苦労な事だ。
 俺がクラスメイトを振り返った時、そこには3人の鬼が立っていた。
「……樋口くん?」「ねぇ、樋口」「樋口、アンタちょっとこっち」
 嵩月、何か周りに炎が立ってないか?
 杏、お前が手にしているのは何だ? ハンマー投げ用のハンマーか?
 そして佐伯。お前……その6連装ガトリングガンは何処の備品だ? 生徒会か?
「「「ちょっと話を聞かせて」」」
 智春、お前……帰ってきたらマジで怨むぞ。

171165:2007/12/23(日) 18:58:51 ID:TlFtP5yp
投下完了。

智春がちょいとまともな思考をしてないってのは許してくれ。
172名無しさん@ピンキー:2007/12/23(日) 22:25:45 ID:4oLR3fLn
乙。てか某サイトの人だったりする?
173名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 18:52:49 ID:zmmTfZ2U
>>165 やさぐれ智春もなかなかイイ雰囲気っす。
確かに、これくらいのガス抜きはしててもおかしくないね。

ひかり先輩×ともはさんの第2回を投下。
展開が遅い。二次創作なのに。一応、クリスマスシーズンの話なのに。 orz
この辺はゆるゆるっとお付き合いいただければ重畳。

 土曜日のお昼前。待ち合わせ場所に着くと、ともはちゃんがもう来ているのが見えた。やっぱり、ちゃんと約束を守ってくれたんだ。最後の最後でやっぱり嫌だって言われるんじゃないかって心配だったから、とっても嬉しい。
 私が近づいていくと、その行く手を遮るように、知らない男の人がともはちゃんに近づいて話しかけた。あれ、もしかしてあれって、ナンパっていうの? ともはちゃんは迷惑そうに断ってるみたいだけど、男の人もしつこそう。
 えっとえっと、どうしよう? 私、ナンパなんてされたことないから、どうしたらいいか全然分かんない。六夏ちゃんがいてくれたら、あっという間に撃退してくれるんだけど。
 ついつい歩みがゆっくりになった私を、でも、ともはちゃんが見つけてくれた。男の人を無視して、手を振ってくる。それに勇気づけられて、ともはちゃんに走り寄ると、ぴたりと側に寄り添った。
「ともはちゃん。遅くなってごめんなさい」
「どういたしまして。あの、そういうわけで、連れが来たので、もう行きます。すみません」
 ともはちゃんのセリフの後半は、男の人に向けたもの。でも、男の人は私たち二人をじろじろ見ながら「あ、連れもいるの。オレぜーんぜん気にしないよ。かわいーじゃん。てか、3P? マジやべちょーラッキー」とか言って、引き下がろうとしない。
 嫌な感じ。あの、ところでともはちゃん。3Pって、何ですか?
「いや、それはどうでもいいですから先輩」
 ともはちゃんの頬がかすかにひきつってる。なんか、悪いこと訊いちゃったのかな。ともはちゃんは男の人に向き直ると、不機嫌きわまりないドスの利いた声で、
「いい加減にしてもらえませんか。しつこいと、大声出しますよ」
 ともはちゃん、かっこいい。男の人もちょっとひるんだみたいだけど、「いや、オレ、気の強い女だーい好き」とか、いやあな薄笑いを浮かべて、ともはちゃんの手を取ろうとした。
 そんなことさせない。と、思ったときにはもう、私はともはちゃんの腕にしがみついて、男の人からガードしてた。男の人をにらみつけて、叫ぶ。
「あの! 私たち、これからデートなんです! だからじゃましないで下さい! 行こ、ともはちゃん!」
 そうして、ともはちゃんの腕を引っ張るようにして歩き出した。それでも男の人が追っかけてくるんじゃないかって気が気じゃなかったけど、どうやら幸い、諦めてくれたみたい。角を曲がったところで、やっと歩調をゆるめた。

「ひかり先輩……」
 呻き声に視線を上げると、ともはちゃんの困惑しきった顔があった。私もいまごろになって震えがきて、ともはちゃんの腕にすがる。
「どど、どうしようかって、思いました……。ともはちゃん、大丈夫でしたか?」
「いやぼ……私はいいんですけど、先輩こそ」
 私はふるふると首を振る。
「うん。私も大丈夫。ともはちゃんといっしょだから、もう平気です」
「そ……うですか。いやしかし先輩……デートって……?」
「そう言うのが一番いいと思ったんですけど……迷惑でしたか?」
「いや、そういうわけじゃ……」
「よかったあ」
 私は全然問題ないと思うんだけど、ともはちゃんはまだ何か口の中でごにょごにょ言ってる。
「ひかり先輩、ちょっと性格変わってませんか……? それに、女同士でデートって……間違ってないか……? いやええと、この場合は正しいのか……? いやしかし」とか何とか聞こえたような気もするけど、気にしない気にしない。
 私は、ともはちゃんの手を引っ張りながら、くるりと身をひるがえして、ともはちゃんと正面から向き合った。
「ともはちゃん。ありがとうございます、来てくれて。嬉しいです」
 私がにっこり笑ってみせると、
「えっ……いやーその……」
 ともはちゃんは照れくさそうに、ちょっと目を伏せる。
 うーん。やっぱりともはちゃん、美人だなあ。男の人が寄ってきちゃうのも、分かるよ。綺麗な顔立ちに神秘的な表情が映えて、背が高くってスタイルが良くって、お化粧もファッションもばっちり決まってる。
 ……でも、その上にその胸は、さすがに反則じゃないかなあ。
「な……なにか……?」
 気付くと、ともはちゃんが、腕で胸をかばうようにして、身をよじってた。いけないいけない。羨ましくって、ついじろじろ見ちゃった。けど、その恥ずかしがる仕草の可愛さときたら、ちょっと犯罪的かも。できれば他の人には見せたくないなんて、思ってしまう。

「さっ、行きましょうか」
 くいくい、と、ともはちゃんの手を軽くひっぱると、ともはちゃんは少しだけ首を傾けて、
「それで……このあとは、どんな予定で……」
「あ……そうですね」
 思わぬハプニングで、すっかり最初の段取りが狂っちゃったから、ちゃんと仕切り直さなきゃ。
「まずは、お願いしてたクリスマスプレゼントのお買い物をして……あの、お昼はお弁当を持ってきましたから、どこかでいっしょに食べましょうね。それでもし時間が余ったら、いろいろお店をのぞいたり、お茶とか……お礼に、おごりますから」
 できれば映画を観たり食事したり、もっとデートっぽいこともしてみたいんだけど、慌てない慌てない。今日のところは、あまり欲張らずに自然な流れでいくつもり。
「はあ」
 ともはちゃんはというと、いたって気のない返事だった。ちょっとめげたけど、気を取り直して、ともはちゃんを促していっしょに歩き始める。
 目的地は、専門店がたくさん入ってるショッピングビル。いろんなお店があって楽しめるし、屋外に出なくてすむから寒くない。午後いっぱいくらいは、十分に遊べるはず。
 そこで、ふと気になっていたことを思い出した。
「そういえば……操緒さんは?」
 夏目くんの幼なじみの、射影体の女の子。夏目くんからあまり離れられないはずなのに、さっきから姿が見えない。
「いますよ。その辺に。ぎりぎり遠くに行っててくれるよう、頼みました。操緒がぴったり側にいたら、分かりやす過ぎますから」
 そうなんだ。気を使わせちゃったかなあ。周りを見渡したけど、ちょっと見当たらない。そんな私を見たともはちゃんが、
「あそこですよ」
 指さした先に、確かに操緒さんがいた。メガネをかけて、髪型もちょっと大人っぽく結い上げてるから、ぱっと見で分からなかったのね。私の視線に気付いて、笑顔で軽く手を振ってくれる。良かった、怒ってないみたい。
 でもやっぱり、操緒さんが見てるんだ。分かってたけど、ちょっぴり残念。けど、まあ仕方のないことだし、操緒さんともちゃんと仲良くなりたいから、あとで人目の少ないところがあったら、操緒さんにも側に来てもらおうかな。
「あの……操緒さん、何か言ってましたか? 私とお出かけすること」
 私がたずねると、ともはちゃんはううっ……と押し黙り、しばらくしてから、長いため息をついた。
「いいんです。先輩が気にすることはありませんから」
 なーんか、そう言われるとすごく気になる。でも、ともはちゃんはそれ以上その話題に触れたくないみたいだったから、突っ込んで訊くのはやめておいた。
 操緒さんのお許しをもらうのに、そんなに苦労したのかな。操緒さんのご機嫌は悪くなさそうなんだけど。ともはちゃんも、大変だね。
177名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 18:57:28 ID:zmmTfZ2U
今回はここまで。
178名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 22:02:23 ID:2zHtPAqB
GJ!
179名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 22:30:40 ID:IsUmop4s
なんというクリスマスプレゼント
GJ!
180165:2007/12/25(火) 18:19:48 ID:Hbn/qfBI
>>173氏GJ!
聖夜に素晴らしい作品ですね!
それと、レス、サンクスです!ちょっとやさぐれてる感じの智春もいいかなと。

>>172
某サイトの人って?
いや、すまん。単に気になっただけさ。

181名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 13:06:03 ID:JZfXxHgt
>>180
や、アスラクラインのSS書いてるサイトがあるんだけど
そこの管理人かなーとか思っただけなんで気にせんでくれ
182名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:46:32 ID:EgEtqTz6
なんか荒らしが沸いてるので保守age
183名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:09:29 ID:JZfXxHgt
いちおう保守……と
184165:2007/12/27(木) 22:31:54 ID:9lpcM8PE
幽霊憑キノ嘆キの続きが出来たのだが。

すまん……このネタでどんどん妄想が膨らんでいくのだよ。
この続き、正直どんどん原作を逸脱していくのを許してくれ。
185幽霊憑キノ嘆キ:2007/12/27(木) 22:32:52 ID:9lpcM8PE

 昔思っていた事がある。
 僕がどうして生まれてきたのだろうと。
 優秀過ぎる兄も、のんびりすぎた母親も、顔も覚えていない父親も。
 僕の事をどう思っていたのか、知らないままだから。

【幽霊憑キノ嘆キ-世界で1番嫌いな人の話-】


「部長、火を持ってないですか?」
 化学準備室に入った僕が煙草をポケットから出しつつ、化学準備室で補習中の部長に声をかけた時、別の隅からため息が聞こえた。
「貴方、喫煙癖があるって本当だったの……?」
 振り向くと、橘高第3生徒会長がパイプ椅子に座ってため息をついていた。
 勿論、会長の視線の先には必死にプリントに取り組む部長の姿があった。
 その時になって部長はようやく僕の存在に気付いたのか、顔を上げてきた。
「おや、きみは何時来たんだ?」
「今です。そうだ、部長。火、持ってないですか? ひかり先輩にライターを取り上げられちゃって」
『後で100円ライターでも買いに行けばいいのに』
 上で操緒が無責任な事を言ってるがそれは無視。僕は今すぐ煙草を吸いたいのだし。
「……禁煙するとか考えないの?」
 数秒の沈黙の後、冬琉会長がため息をつきながら口を開いた。
「僕から煙草を取ったら操緒しか残りません」
「それは自慢するべき事じゃないでしょ」
 まぁ、確かにそうではあるが。
「生憎と僕はライターは持ってないな。嵩月に頼んだらどうだい?」
「ダメでしたよ。だって、煙草を出した瞬間に箱ごと灰にされましたから。お陰で1箱空けてないのに無くなりました」
「それはそれでキツいな」
「だから塔貴也も何で注意しないの!」
 どうやら冬琉会長の怒りが爆発したらしい。僕と部長は冬琉会長の機嫌が治るまでみっちりお説教を喰らう羽目になった。
 適当に聞き流したけど。

「近くの店で100円ライター売ってないのかい?」
 冬琉会長は業務があると言って生徒会室に帰った後、案の定プリントを投げ出した部長が再び口を開いた。
「いえ、売ってはいるんですけど取り上げられたジッポが使いやすいし」
『あれ、結構長く使ってたもんね』
 僕の頭上で操緒が呟く。
 そう言えばあのジッポは土琵湖や洛高地下遺跡で水没しても無事だった。エラいぞ、僕のジッポ。
 僕と部長がそんな事を話していると、ふと部長が口を開いた。
「……そう言えば、市原の机の中にライターあった気がするな……」
 このお陰でようやく僕は銜えたままの煙草に火をつける事が出来た。うん、これで良し。

186幽霊憑キノ嘆キ:2007/12/27(木) 22:34:02 ID:9lpcM8PE

 僕が2本目の煙草に火をつけた時、再び扉が開いて2人の人影が顔を出した。
「あ、夏目くん! ダメって言ったじゃないですか!」
「夏目くん、喫煙は良くないっスよ……」
 顔を出したひかり先輩は僕の煙草を口から引っこ抜き、真日和はその後を呆れ顔で歩いてきた。
 折角を火をつけたばかりなのに。まぁ、1本吸ったから良いけど。
「大体、ライター取り上げたのにどうして火をつけたんですか!」
「市原がヘビースモーカーだからです」
 僕の答えにひかり先輩はまたしても怒りに震え始めたが、僕は見ないようにして真日和を振り向いた。
「で、どうして2人が?」
「え? まぁ、別に大した用じゃないッス。なんか、夏目くん宛てに手紙がこの学校に来たんスよ」
「へ? 僕宛? 何で学校に?」
「さぁ? 家から転送されて来たみたいっスよ、ほら」
 真日和が指さす手紙の宛先は確かに実家で、実家から学校の化學部宛てになっていた。
 そう言えば、義父の方は僕の下宿先を知らなかった筈だ。ちょっと反省。
「誰からだろう」
 僕相手に手紙を送ってくる奴なんてそうそういないけど、そう思った時。

 僕は、差出人を見てギョッとした。
 差出人の名前は………。

『夏目ともは』

「……え? ともは、さん?」
 手元を覗き込んだひかり先輩が驚いた声をあげる。真日和はついていけてないらしく、首を傾げていたが。
 参った。これは、マズい。
「………何で……本物の夏目ともはから来るんだ……?」
 僕が思わず呟くと、頭上で操緒が変な声をあげた。
『へ? ともはって……』
「ああ、操緒は知らないんだっけ………あの頃はまだ生きてたからね、操緒は」
「あの、夏目ともは、さんって、実際、いるんですか?」
 ひかり先輩が首を傾げつつ聞いてくる。まぁ、確かにひかり先輩は僕の女装である夏目ともはを見破ったけど。
「いますよ。北海道に住んでる、従妹なんですけど」
 もっとも、夏目ともは本人は僕としては嫌いな人間ランキングのベスト10に入ってるのだが。
「……珍しいですね、夏目くんが人の事を嫌いって言うの」
 ひかり先輩が驚いたような目つきで僕を見て、真日和も「そうっスね」と頷く。
 まぁ、そりゃそうだろう。もっとも、僕の嫌いな人間ランキングの大半は夏目と名がつくのだが。
 それはどうでもいい事だけれど。
「いったい何の用なんだ……?」
 封を空け、手紙の中身を確認。
 その内容を読んで、僕は本当に頭を抱えたくなった。

187幽霊憑キノ嘆キ:2007/12/27(木) 22:34:50 ID:9lpcM8PE

 今日のバイトは確か、ともはさんと一緒。つまり、夏目くんが来るという事。
 最近の夏目くんは何か元気が無いし、煙草を止める気配も一向に無い。
 今日、一緒になったらまた煙草をやめるように伝えておいて下さいね、とでも言っておこうか。
 そう思った時だった。
「あれ、ひかり先輩?」
 背後から夏目くんの声が聞こえ、同時に私の脇に自転車が止まる。

 サドルに跨がって運転してるのは夏目くん。荷台に乗ってる……ともはさん。あれ?

「ほら、この人がひかり先輩」
 夏目くんが後ろに座るともはさんにそう促すと、ともはさんは「初めまして」と頷いた。
 それにしても、本当によく似ている。夏目くんがともはさんに女装しているのとそっくりで、ちょっと悔しいけど美人だ。
「この前、夏目くん、ともはさんは北海道に住んでるって……」
 私が気になっていた事を聞くと、夏目くんは困ったように口を開いた。
「都会に憧れてたから僕の所に住む事になったんですよ……ったく……」
 夏目くんがこんな風に嫌な顔をするのも珍しいが、ともはさんはあまり気にした様子じゃなかった。
「それじゃ、僕はバイトに行くから。後で迎えに来る」
「あ、うん……気を付けてね、智春くん」
「言われなくても。じゃ、ひかり先輩。また今度!」
 私とともはさんと凄い温度差だ。夏目くん、ともはさんの事をどうしてそんなに嫌っているのだろう。
 だけど、ともはさんに聞くのも悪い気がして、私はバイトの内容をともはさんに説明するだけに留まった。

 だけど、それでも気になってしまう。
 この前、夏目くんが言っていた言葉の1つ。嫌いな人ランキングの大半に、夏目という名が付くという事が。

『……智春』
「なんだよ、操緒?」
 僕が自転車を走らせていると、前かごに座る操緒が口を開いた。
『あのさ、何でともはさんの事、あんなに邪険に扱うの?』
「別に邪険じゃない」
 僕がそう答えると、操緒は『邪険じゃん』と言ってきた。
 まぁ、確かにそうかも知れない。だけどな……。
「操緒。僕と操緒が知りあったのは何時だっけ?」
『え? かなり昔。幼稚園の頃辺りかな? 操緒はそれ位からしか覚えてないんだけど』
「そうか………」
『智春?』
「いや、何でもないんだ」
 僕はそう答えると、少しだけ自転車の速度を上げる。
 操緒とは長い付き合いになる。そうか、そんな昔からいたのか。
「ありがとね、これからもだけど」
 僕はそう呟くと、片手で煙草を取りだし、火を点けた。
 いつもの、夕方での、出来事だった。

188165:2007/12/27(木) 22:36:09 ID:9lpcM8PE
投下完了。

すまん、これから先、前にも書いたが本当に本編からズレてくと思う……。
続きは新年明けか年越し直前になるかも。
189名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 23:01:37 ID:N1AmdU/g
GJ
いいんじゃないかな。続き、待ってるよ。
190名無しさん@ピンキー:2007/12/29(土) 23:29:57 ID:4jlMJLBQ
age
191名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 03:53:22 ID:wEb7ZGWt
嵩月のアナル物って既出かな?無かったら挑戦……いやなんでもない
192名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 04:43:52 ID:6LRBIba8
     *      *
  *     +  大歓迎です
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *
193名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:20:20 ID:pvi76xr4
おお、なんか人が増えてきた。自分は書けないけど(書けないから)エロい人プリーズ。
ともあれ、ひかり先輩×ともはさんの第3回。

「プレゼントって、どんなのを考えてるんですか」
 ともはちゃんが訊いてきたのは、ショッピングビルの案内板の前。二人してどんなお店があるのかチェックしてたところだった。
「うーん……定番だと、マフラーとか手袋とかかなって考えてるんですけど……でなければ何か置物とか……ともはちゃんだったら、何がいいと思いますか?」
 さりげなく質問したけど、ここが今日の本題。どきどきしながら返事を待つ。
 ともはちゃんは、指先をおとがいに当てて、考え込んだ。どうでもいいけど、そのふるまいって、どこから見ても女の子以上に女の子らしいね。人って、意外な才能を持ってるものなんだなあ。グランクリユでもいい加減凄かったけど、いっそう磨きがかかってる感じ。
「ぼ……私だったら、もらえる物なら何でも嬉しいですけど」
 でも、返事はちょっと期待はずれ。ともはちゃん、それではちっとも参考になりません。少し攻め口を変えてみよう。
「ともはちゃんが、今までもらった中で一番嬉しかったものって、なんですか?」
「一番嬉しかったもの、ですか。うーん……」
 ともはちゃんが、目を閉じる。少し唐突な質問なのに、そんなに一生懸命考えてくれるなんて、やっぱり優しいね。などと思って見ていたら、どんどんと、ともはちゃんの表情が暗くなって、顔もうつむき加減になってきちゃった。
「ど……どうしました?」
 さすがに気になって訊いてみると、
「いや……その……これまでもらった物って全っ然ロクなものがなくて……プレゼントもらって幸せだった思い出がほとんどない自分ってどうなんだろう、ってちょっと哲学的な疑問が……」
「ええっ……でも、家族とか……操緒さんとか……」
「母親はそういうのあまり気にしない人で……兄はたまに何かくれたかと思うと、使い道がまるで分からなかったり、身に危険が及ぶようなものばっかりでしたし……操緒は、まあ……ちっちゃい頃に毛虫をくれたことがあったきりですかね……」
 話しながらも、どんどん声が小さく、くぐもっていってしまう。これは悪いことを訊いちゃったみたい。
「あ、あの……ご、ごめんなさい。変なこと訊いちゃって」
 ともはちゃんの腕に私の腕を絡めてあげる。それが少しは慰めになったのか、ともはちゃんは、なんとか弱々しい笑顔を見せてくれた。
「いえ、いいんです。こっちこそ、すみません。参考にならなくて」
「ううん。とっても、参考になりました」
「は?」
「私、がんばりますね」
「あ……そうですね。ひかり先輩からのプレゼントなら、きっと喜んでもらえますよ。その人が、ちょっと羨ましいかな」
 ともはちゃん、どうしてそこで人ががっくりするようなことを言うのかなあ。やっぱり、気付いてないんだね。
 でも、決めた。絶対ぜったい、ともはちゃんが喜んでくれる贈り物をあげよう。それを見て、ともはちゃんが嬉しそうに笑ってくれたら、私もきっと凄く幸せな気持ちになれるはず。
 私は、ともはちゃんの腕を胸にぎゅっと抱き寄せた。ともはちゃん、私がいるからね。
「えー……あのう先輩、あまりくっつかれると……」
 それなのに、ともはちゃんは何故だか体を引いて私から離れてしまう。残念。ともはちゃんにくっついてると、とっても安心できるのにな。あの地下迷路のときみたいに。

 とりあえず、ともはちゃんへの聞き取り調査はうまくいかなかったので、紳士物のフロアを一巡することにした。ともはちゃんの目が留まったものを見逃さないよう、気合いを入れる。
 なのに、誤算が一つ。
「……しっかし、すごい人出ですねえ……」
 確かに、クリスマス前の週末だから、買い物のお客さんがすごく多い。その人たちのおかげで、ともはちゃんの視線の行く先を追いかけようとしても、背の低い私の視野がさえぎられてしまうのだ。
 それどころか、油断すると人混みの中でともはちゃんとはぐれてしまいかねない。ともはちゃんの手をしっかり握りしめて、離れないようにするのが精一杯。
 ともはちゃんも気を使ってくれて、人とぶつかりそうになる度に手を引いてくれたり、自分の体を入れて庇ってくれたり。やっぱり優しいなあ。
「あ……どこか、お店に入りましょうか。ちょっとは空いてるかもしれませんし」
「そ、そうですね」
 ともはちゃんが私を連れて入ったのは、メンズカジュアルのお店だった。そこにも沢山お客さんはいたけど、通路ほどではなくて、ようやく一息つく。少し余裕ができて周りを見回すと、なかなか趣味のよさそうなお店だった。さすが、ともはちゃん。
「ともはちゃん、こういうのが好みなんですか?」
「え……いや、たまたまで……」
 とか言いながら、ともはちゃんも結構興味がありそう。そのまま二人で手をつなぎながら、ぶらぶらと見て回る。でもね、ともはちゃん、その革ジャンはちょっと……きっと、着てくれたらカッコいいに違いないけど、私のお財布にはとっても優しくないかも……。
 ともはちゃんを、それとなくお手頃な小物のコーナーに誘導しようとした時、お店の入り口がざわついているのに気付いた。そちらを見ると、場違いな黒服の大柄な男の人たちが何人も強引に入ってきて、誰かを通そうとしてるみたいにスペースを確保しようとしていた。
「はた迷惑だなあ……」
 ともはちゃんが呟く。私もうなずこうとした時、背後からせっぱ詰まった声がした。
『トモっ……はちゃんっ』
 びっくりして振り向くと、操緒さんだった。えっ……離れてくれてるはずじゃなかったの? ともはちゃんもびっくりした顔で、
「操緒? なんだよ、離れてろって……」
『それどころじゃないよっ。あれ、あれっ』
 操緒さんが指さしたのは、黒服の男の人たちの方。あの人たちが何なんだろう、と思って見るうちに、男の人たちが確保した隙間を通って、カップルが現れた。遠目からでも分かるくらい、とっても美男美女の組み合わせだった。
 すごいなあ。世の中、ああいう人たちもいるんだ。などと感心して見ていると、
「げ……」
 横合いから、年頃の女の子らしからぬ呻き声がした。
196名無しさん@ピンキー:2007/12/30(日) 23:23:23 ID:pvi76xr4
今回はここまで。次回は年明け早々にでも。
197名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 21:13:11 ID:FFiOWAlg
了解した。
今回もなかなかに面白い。おれも見習わないと。
198名無しさん@ピンキー:2008/01/02(水) 00:30:07 ID:Nj+5QbyD
新年あけましておめでとう。
このスレも人が増えてきたみたいでとてもうれしい。
199名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 01:23:50 ID:OmS8HBau
あけましておめでとう。今年も色んなssや職人さんとの出会いがありますように。
とりあえず淡々とひかり先輩×ともはさんの第4回。

「ともはちゃん?」
 そちらを見ると、みごとに青ざめて立ち尽くすともはちゃんがいた。なに、何なの?
「知ってる人……なんですか?」
 ともはちゃんは硬直したまま、答えてくれない。操緒さんに目を向けても、なんだかため息をついて首を振ってるばかり。どうしたんだろ。
 もう一度、入ってきたカップルに視線を戻した私は、男の人の方に見覚えがあることに気付いた。確か、あの人って、私たちと同じ洛高の二年生で、第一生徒会会長の、佐伯くん、じゃなかったっけ。いつもの制服じゃないから、分からなかった。
 その佐伯くんが、隣の女の子に話しかけるのが聞こえてくる。
「玲子、こんな店でいいのか」
「はい、お兄様。でも、付き合っていただかなくっても、よかったのに」
 あ、兄妹なんだ。道理で、どちらも美形揃いだと思った。
「ふむ。たまには、こういう庶民的な店を見てみるのも悪くない……が、もしやここで私へのプレゼントを探そうとしているわけではあるまいね」
「まさか。お兄様には、ちゃんと相応しいものを整えるよう命じてあります。……ただ、えっと、その……学校の、お友だちには、こういったところの品物の方がいいかな、って……」
「ふむ」
 なんだか知らないけどはにかんでいる妹さんと、それを見つめるお兄さん。微笑ましい光景だった。周囲のごつい黒服のおじさんたちは別にして、だけど。
「せ……先輩」
 一方こちらでは、ともはちゃんがようやっと復活して、私の肩に手をかけてきた。ともはちゃん、何だか手が震えてるよ?
「い……行きましょう。出ましょう。この店」
「え……」
 でも、まだほとんど何も見てないし、それに入り口のところはあの人たちがふさいでしまってるし、今のところは、ここにいた方がいいんじゃないかな。それより、あの二人の会話がちょっと気になって、つい耳を傾けてしまう。
「そうか。クラスメイトにか。まあ、確かに、手頃かもしれないな。しかし、男物ということは……」
「べべべ別に、深い意味はありませんっ。たまたま、たまたまですっ」
 女の子が赤くなって叫んだので、ぴんと来た。そっか、あの子も好きな相手へのプレゼントを選びに来てるんだ。私と同じだ。思わず親近感を覚える。
「そうか。そうだな。まあ、彼にはいろいろと世話にもなっているからな。感謝の気持ちを示しておくには、いい機会かもしれないな」
 含み笑いをしながらそう言う佐伯くんは、明らかに妹さんをからかっていて、
「かかか彼って、私、べべべ別にそんな……もうっ、お兄様ったらっ」
 妹さんは耳まで真っ赤になって、そっぽを向いた。その拍子に、視線がこちらに向く。
 そして、その目がまん丸に見開かれた。

『あちゃー……』
 嘆息したのは、操緒さんだ。私はといえば、訳も分からず、妹さんと見つめ合うばかりだった。
 いや、違った。妹さんが見つめていたのは私じゃなくて……ともはちゃん?
「どうしたんだ、玲子」
 佐伯くんが、妹さんの様子がおかしいのに気付いたのか、声をかける。そして妹さんの視線を追って、こちらに目を向けようとした、矢先。
 妹さんが、両手で、近くの商品棚を思いっきりなぎ倒した。と思うと、自分自身もその上に倒れ込む。派手な轟音とともに、セーターだのシャツだのが周囲に舞い飛んだ。え……ええっ、いったい、なんなの?
「玲子っ。大丈夫かっ」
 当然、佐伯くんが大慌てで妹さんを助け起こす。
「どうしたんだっ。怪我はないのかっ」
「ご……ごめんなさい。大丈夫です。ちょっとよろけてしまって」
 ええっ? 何それ? あれはどう見ても、わざとやったとしか見えなかったよ? どういうことなの?
「そ、そうか」
 あの、佐伯くんも、それで納得しちゃうの? 私、もう何がなんだかわけ分かんないよう。佐伯くんは妹さんの肩を抱き、駆け寄ってきたお店の人たちに向かって、
「ああ、妹が迷惑をかけて申し訳ない。散らかした品物は全てこちらで買い上げるので、許してくれたまえ。おい、お前たち」
 呆然とする店員さんたちの前で、黒服のおじさんたちがわらわらと立ち働いて、商品棚を元に戻し、床に落ちた衣類を荷物にまとめてしまった。リーダーらしい人が、クレジットカードか何かを出して支払いの話もしてるみたい。
「はー……」
 こっちは、ため息しか出ない。どういう人たちなんだろ、佐伯くん家って。首を傾げていると、いきなり横に引っ張られて、危うくこけそうになった。ともはちゃんが、生死の境をぎりぎりでくぐり抜けた人みたいな顔で、私の腕をつかんでる。
「と、ともはちゃん?」
「しいっ」
 鋭い声で黙らされる。あのっ、あっちもこっちも、何がなんなのー!

「行きますよ。この隙に」
 この隙って、どういうこと? もしかして、佐伯くんたちと何か関係があるの?
 訊きたいことはいくつもあったけど、ともはちゃんが有無を言わせず私をひきずっていくので、どうしようもない。
 姿勢を低くして、あの兄妹から遠ざかるように人垣の後ろを回り込もうとしているところを見ると、佐伯さんたちを避けてることは間違いなさそうだけど、でも、どうして?
 混乱しきった私を連れて、ともはちゃんは何とかお店を脱出すると、足早に歩き始めた。
「……あの。ともはちゃん」
 おそるおそる声をかけてみたけど、ともはちゃんは振り向きもしない。私の腕をつかむ力の強さが、ともはちゃんの焦燥を語っているようだった。私は、思い切って足を踏ん張った。
「痛いです。ともはちゃんっ」
「……あ」
 そこでようやく、ともはちゃんが足を止め、こちらに顔を向ける。私の顔を見て、済まなさそうな表情になった。
「あ……あの。すみません。乱暴に引っ張り回しちゃって」
「いえ……いいんですけど。あの、これはいったいどういうことなんですか」
「え、えーと……」
 ともはちゃんの目が泳ぐ。言っとくけど、ちゃんと説明してくれるまで、動かないからねっ。
『ともはちゃん、まずったねえ……』
 いつの間にか、操緒さんも側に来ていて、そんなことを言う。操緒さんには、事情が飲み込めているらしい。私だけ、のけ者ってこと? ますます、気にくわない。
「ともはちゃん?」
 年上としての威厳をこめて、ともはちゃんを睨みつけた時だった。背後から、
「な……つめえええぇっ」
 地獄の底から響いてくるような声がすると、ともはちゃんは観念したように目を閉じ、ううううっ……、と、か細い呻き声を漏らした。
203名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 01:28:09 ID:OmS8HBau
今回はここまで。ようやくこのへんから話が動くとは。orz
次回は今週末にでも。
204名無しさん@ピンキー:2008/01/03(木) 21:55:42 ID:kOAdWTho
新年早々佐伯妹にバレるとはw
205名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 04:06:30 ID:/tJlALQV
立て続けですまないが、ひかり先輩×ともはさんの第5回。

 異様な状況だった。
 女の子が四人、女子トイレの個室の中にひしめきあって、誰も、何もしゃべらない。
 ともはちゃんは俯いた姿勢で便座の上に小さくかしこまって、私はその横にぴったりと寄り添って、操緒さんはあさっての方向を見ながら空中に漂っていて、その全てを、佐伯くんの妹さんが腕組みをしながら見下ろしている。
 しかし妹さん、美人だけど、怖い。美人だから、怒るといっそう怖いのかな。
 それにしても、さっきの呼びかけからすると、ともはちゃんの正体を知ってるってことだよね。ともはちゃんのことを知ってるのって、黒崎さんと操緒さんと私くらいだって思ってたのにな。なんだかちょっとショック。
 それに、ともはちゃんのことをそんなに怒っている理由もよく分からない。そろそろ、私から訊いてみようかな。……と思ったところで、ともはちゃんが深いため息をついた。
「佐伯……えと……」
「このド変態」
「……はい」
 妹さんの一声で、何か言おうとしたともはちゃんは縮こまってしまう。
「あんた。私の前にまたその恰好で現れるなんて、いい度胸ね? こないだので、元々ゆるい頭のネジが、とうとうどっかへ飛んじゃったのかしら? 今度は、もう物理的社会的に抹殺しちゃっても構わないわよね? 覚悟はできてるってことね?」
「……いや……覚悟って……だいたい、こっちだって好きでやってるわけじゃ……」
「へえ。好きでもないことを、こんな人目のあるところで、大手を振ってするわけ。あんたは」
「いやだから……これには」
「深い事情があるなんて言ったら、殺すわよ。どんな事情があろうと関係ないっ」
「あ、あの!」
 私が叫んだのは、見るに見かねてのことだった。
「その、ともはちゃん……」
 妹さんが、ぎろりとこちらを睨み付けたので、言い直す。
「……いえ、夏目くんには、私がお願いしたんです」
「あなた。誰」
「えっ……私……沙原ひかり、です。洛高二年の、第二生徒会の」
「第二生徒会?」
 妹さんが目を眇める。
「もしかして……またなんか、悪巧みに夏目を巻き込んでるんじゃないでしょうね?」
「いえっ……とんでもない……あの、今日は、お買い物に付き合ってもらってるだけで……」
「買い物? それでなんでこの恰好になるの?」
「え、えっと……」
 妹さんの視線が恐ろしすぎて、つい、ともはちゃんの肩口にすがりつく。それを見た妹さんは、いっそう柳眉を逆立たせ、歯を剥いた。
「あんた……その恰好のときまで、女の子とベタベタベタベタベタベタと……」
 はい? 妹さん、それって?
「だいたい、私が訊いたときには、週末は用事があるとか言っといて、こんなことって……」
 ……ということは、妹さんも夏目くんを誘ったってこと?
 それで、いきなり分かった。なんだ、そういうことか。

 ……それはまあ、妹さんが怒るのも、何となく分かる。好きな相手が自分の誘いを断って、女装して、他の女の子と出歩いてたら、面白くないよね。特に妹さん、潔癖な子みたいだから、尚更こういうのが許せないんだろうな。
 それにしても、さっき、夏目くんと出歩いてるのを他の女の子に見られたくなかったからだなんて、ほんとの理由を口走らなくて良かった。危ない危ない。
 そっと横目で、ともはちゃんを見る。うんざりしたような、諦めたような、鈍い表情。たぶん、この子の気持ちなんて、まるきり気付いてないんだろうな。
 そう思うと、なんだか妹さんに対して、とっても親近感が湧いてきた。そうだよね、お互い苦労するよね。
 共感したしるしに、がんばって頬笑んでみせたら、すごい目つきで睨み返された。ううう、やっぱり怖いよう。
「……佐伯」
 ともはちゃんが再び口を開く。
「黙れ変態」
「さっきは、ありがとな。助かった」
 そう言われて、妹さんは言葉に詰まったみたい。しばらく口をもにょもにょさせてから、
「べ別に夏目のためじゃなくて、お兄様のためよ。その恰好のあんたを、お兄様に会わせるわけにはいかないもの」
「そうだよな……こっちだって会いたくないよ」
「何ですって?」
 妹さんが再び激昂する。ともはちゃん、佐伯くんとも何かあったの?
「あんた……だれのせいで私がこんな苦労をしてると思ってるのっ。お兄様が、と、ともはさんのことを話題にする度に、私がどんな気持ちで相手してるか分かるっ?」
「ああ……そうだよな。ほんとのことを言うわけにもいかないしな」
「だ、だから、あんたが、その恰好を二度としなければいいのよっ。そうすれば、お兄様もそのうちに自然にお忘れになるわっ。そそそれをっ」
「ああ、佐伯の言うとおりだよ。佐伯にはほんとに、済まないと思ってる。ごめん」
 ともはちゃんが真摯な表情で頭を下げたので、妹さんの罵声はとりあえず鳴りやんだ。
「わ、分かればいいのよ……」
 少し戸惑ったようすで、かすかに頬が赤くなってる。綺麗な子だから、そんな表情をすると反則的に可愛い。それにしても、ともはちゃんの周りって、なんでこんな美人ばっかりなんだろ。
「うん。二度としないよ。今回は……まあ、人助けみたいなもんで。いろいろあって、断れなかったんだ」
「あの……私が無理にお願いしたんです。きっと、楽しいって思って。ごめんなさい……」
 私も神妙に助け舟を出した。事情はよく分からないけど、ともはちゃんと佐伯くんの間に、きっと何かまずいことがあったんだ。ともはちゃんも、そういうことは前もって言ってくれればいいのに……って、私のせいだね。ごめんなさい。

「そ、そう……まあ、仕方ないわね。今回だけは見逃したげる」
 妹さんは伏し目がちに呟いた。こっちがきちんと謝ったら、いつまでも怒っていられないなんて、いい子だなあ。こんないい子をやきもきさせるなんて、ともはちゃんも罰当たりだね。
「そ、それにしても……水無月さんも水無月さんよ。なんで止めないの」
 照れ隠しなのか、操緒さんに矛先が向く。操緒さんは、えーだって、と手を振った。
『面白そうだったしー。ここで協力したら、好きなときに智春の体を操ってもいいって約束してもらったし』
 えっ……その……ともはちゃん、そんな約束まで。えっと……ごめんなさい……。
『それにさ』
 操緒さんがにやっと笑う。
『綺麗で可愛いともはちゃんを、もいっぺん見たくってさ。佐伯ちゃんも、実はそう思ってるでしょ?』
「わわ私? 私はそんな……」
 妹さんはまた真っ赤になった。
「おおおお姉さまがほしいだなんて、そんなこと思ってないからっ!」
 あちゃー。自爆型かあ。うーん、ますます可愛く見えて来ちゃった。さっきまでの怖さが嘘みたい。
 何ともいいがたい顔をしているともはちゃんの横で、操緒さんがくっくっと笑って、
『どーでもいいけど、そろそろ出てかないと、お兄さん、不思議に思わないかなあ?』
「そ……それもそうね」
 妹さんはちょっと唇を噛んで、
「……いいわ。でも夏目」
「分かってる。二度としないよ。約束する」
「どうだか……」
 妹さんはしばらく、どうも信用なさそうな感じで、ともはちゃんのことを半目で見ていたけど、ともはちゃんが視線をそらさずに正面から見返し続けていたおかげか、そのうちに、大きく息を吐いて肩を落とした。
「今日は、お兄様とすぐに引き上げるから。あんたたちも、とっとと帰ってよね」
「分かった」
「じゃ、じゃあ……」
 ……えーと妹さん。その、どことなく名残惜しげな視線は、どういうことでしょう? なんか、あやしいなあ。というか、何となく分かるけど。
 妹さんが立ち去ってからたっぷり二、三分も経ってからだろうか。私たち三人は、示し合わせたように、そろって長い長いため息をついた。
209名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 04:11:30 ID:/tJlALQV
ナンバリングに「ん」が一つ多い... orz
今回はここまで。年末年始の集中投下も一段落。今後はスレ保守ペースでぼちぼちと。
210名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 08:28:18 ID:o+FMqUvZ
いいね、これはGJとか言いようが無い。
211名無しさん@ピンキー:2008/01/06(日) 09:07:27 ID:T2k0nOLW
イイヨイイヨー




………人増えないかな
212名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 13:41:38 ID:mm1RrVhG
去年はこんなもんじゃなかった。俺としてはこれでも結構人居ると思う。
まあもっと人増えればうれしいけど・・・。
213212:2008/01/07(月) 13:43:25 ID:mm1RrVhG
ageちまった。スマン。
214名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:36:26 ID:z6y9sCap
ううっ...操緒の姓は水無月じゃなくて水無神だった。orz
めげずに、ひかり先輩×ともはさんの第6回。
 
「ああ……さんざんだった」
 ぼやいたのは、テーブルの上につっぷしたともはちゃん。
 あの後、ともはちゃんはすぐにでも帰りたそうだったけど、せっかく作ってきたお弁当くらいは、ともはちゃんといっしょに食べたくて、さんざん拝み倒した結果、テーブルとイスのある吹き抜けのオープンスペースにやってきたのだった。
 いろいろあって、お昼には少し遅い時間になっちゃってたけど、テーブルは結構空いてたから、かえって良かったのかもしれない。それでも一応、人目につかなさそうな隅っこのテーブルに、私たちは腰を落ち着けていた。
「ご……ごめんなさい」
 私は、ともはちゃんの向かい側で肩をすぼめる。ちらりと目を上げると、ともはちゃんの横で操緒さんが、とっても面白そうに、にやにやしてた。
 ともはちゃんが、また大きくため息を吐いて、ゆっくりと起き直る。
「いや、先輩のせい……も、そりゃありますけど」
「はあ……」
 ともはちゃんの目が少し恨めしそう。私がいっそう身をすくめると、ともはちゃんはいったん目を閉じ、それからぎこちなく微笑ってくれた。
「いいんですよ。……なんか、自分の運の悪さからいって、こんなことになりそうな気はしてましたし」
「う……」
 そんな風に言われると、かえって胸が痛む。ほんと、悪いことしちゃったなあ……。
「でもいったい、佐伯くんや妹さんと何が……その……」
 ともはちゃんの表情がみるみる曇っていったので、ついついセリフが尻すぼみになった。
「それは訊かないでください」
「はい……」
 ともはちゃんらしからぬ、厳しい口調だったので、素直に引き下がる。努めてあかるく笑いながら、横に置いておいた荷物をテーブルの上に出してあげた。
「ともはちゃん。せっかくだから、お弁当しましょう」
「はあ……」
 む、気のないお返事だね。無理もないけど。
 構わず、包みを広げる。おかずが三箱に、おにぎりに、サンドイッチ。水筒には、甘さ控えめのダージリンティー。
「はあ……」
 それを見ていたともはちゃんが、今度は少し違った声を出した。よしっ。
 
「ともはちゃん、何が好きか分からなかったから……いろいろ作ってきちゃいました」
「いや……すごいですね、先輩」
 いやそれほどでも。えへへへ。もっと誉めてくれてもいいんだよ、ともはちゃん。
「好きなの食べてくださいね。あの、量が多くなっちゃったから、無理して全部平らげようなんて、そんなこと気にしなくていいですからね。ほんとに」
 そうなの。一昨日くらいからいろいろ考えてたら、きりがなくなっちゃって。今朝もずいぶん早起きしたんだけど、時間的にはぎりぎりで、片づけもそこそこに飛び出してきたんだよね。残してきた台所の惨状と、お母さんの怒った顔は、今は想像しないことにする。
「そうですね……コルセットはめてるんで、たくさんは食べられませんけど……」
 うわあ。ともはちゃん、そんなリアルで私の夢を壊さないでっ。
「でもこれは、もったいないなあ……」
「ささ、どうぞどうぞ」
 お箸を渡してあげて、お茶もいれてあげる。
 ほんとは、おしゃれなレストランでランチっていうのも捨てがたかったんだけど、高校生のお財布事情ってものがあるし、お弁当でアピールっていうのもいいかな、って。うん、やっぱり正解だった。
「いただきます」
 私は、ともはちゃんのお箸の行方をじっと見守る。そうか、やっぱりお肉系が一番最初か。ふむふむ。
 ともはちゃんは最初の一口を飲み込んでから、にっこり笑った。
「おいしいですよ。先輩」
「そ、そう。良かったあ……」
 私ったら、いつの間にか息を止めてしまってたみたい。胸を押さえて、息を吐く。
「じゃ、じゃあ私も……」
 私もお箸を取って、ふと思い出して見上げると、操緒さんが一転してむくれた顔で私たちを眺めていた。
『いいよねー、ともはちゃん。女の子が作ってくれたおいしいお弁当食べられて。ふうん、これが甘酸っぱい青春てやつですかねえ。いいですなあ、いまどきの若い人は』
「いや、だって、お前食べられないだろ……」
 ともはちゃんが困った顔をする。私も何て言ったらいいか、分からない。確かに、操緒さんには、ちょっと酷なシーンだったかも。
 操緒さんはいつも明るくて、さばさばした感じだから、つい気を使うのを忘れちゃうんだけど。幼なじみの男の子が他の女の子のお手製のお弁当をぱくついるのに、その側で見守るしかないっていう状況は、そりゃ面白くないよね。
「それにお前、今まで人が食べてるの欲しがったことなんてないじゃないか」
 あれっ……ともはちゃん。もしかして、操緒さんが単においしいものを食べたいだけだなんて思ってるの? 分かってたけど、救いがたいまでに鈍いなあ……。
 ちょっと絶望的な気持ちで力無く笑う私の前で、対照的に唇をとがらして何やら考え込んでいた操緒さんは、けれど、いきなりぱっと笑った。
『いいこと思いついた。……とも、はちゃん。あたしに、舌だけ貸してくれない?』
 
「え……ええっ」
 ともはちゃんは絶句してる。無意識のうちだと思うけど、いったん私と目を合わせ、操緒さんに視線を戻す。
「なんだよ、それ……」
『だって、いつでも好きなときに、あたしが体を操ってもいいって、約束したじゃん』
「いやそれはそうだけど……できるのかそれ」
『うーん』
 操緒さんはちょっと考えたけど、あっさりと、
『だいじょうぶだよ。何とかなるって。まず試してみるくらい、いいでしょ』
「いやしかし……」
 ともはちゃんは渋ってる。
「手足とかならまだしも……感覚を操られるってのは、どうも……」
 それはそうかも。それにしても操緒さんって、見たり聞いたりは自分でできるのに、その他の感覚はないんだね。ともはちゃんを操るときだって、痛みだけは感じないみたいで、そのへん、自分で自由に選べるのかな。考えてみると、便利にできてるかも。
 私がちょっと感心しながら見守ってたら、抵抗するともはちゃんを見て、操緒さんは華やかな笑顔を引っ込めると、その代わりに、背筋が寒くなるような別の笑みを浮かべた。
『ほほう……手足ならいい、と。だったらともはちゃん、ここであたしに両手をあずけてよ。約束でしょ。そしたら……ね』
「そ……そしたら?」
 ともはちゃんも、声が震えてる。操緒さんは悪魔みたいににったりと……いや、悪魔は私の方だから、ええと……人間って、怖いよう。
『そうねえ……いろいろできるわねえ。何なら、ここで全部服脱いじゃおうかなあ。こーんな綺麗な女の子が実はアレだったなんて、きっと面白いことになるわね。うくくっ』
「お前……」
 ともはちゃんは怯えと諦めが半々な感じで、
「朱浬さんに似てきたんじゃないか」
『え。ええー』
 操緒さんが、心底イヤそうな表情になった。朱浬さんて、黒崎さんのことだよね?
『アレと同じアレと……』
 なんだかすごーく落ち込んでたみたいだけど、すぐに立ち直って、ともはちゃんにずずいと詰め寄る。
『ま、それはおいといて、後でゆっくり話しましょ。それで、どうするの?』
 
 ともはちゃんは、肩をすくめた。
「……分かったよ。仕方ない。……でも、できなくっても、今はそれで終わりだからな。代わりに他のところを操らせろってのは、なしな」
『うん。分かった。じゃ』
 操緒さんは精神集中のためか、目を閉じる。ともはちゃんは何だかとっても微妙な表情になって、そのまま一、二分がすぎた。操緒さんが目を開ける。
『できた、んじゃないかな。ともはちゃん、何か食べてみてよ』
 ともはちゃんが卵焼きを口に運ぶ。二人して揃って口をもぐもぐさせる様子を、ちょっと可愛いかもなんて、ほけっと眺めていたら、操緒さんが嬉しそうに笑った。
『うん、おいしい! わ、ほんとにできたね』
「全然味がしない……」
 ともはちゃんの方は、顔をしかめてる。どんな感じか、ちょっと興味があったので、おそるおそる訊いてみた。
「あのう……どんな風ですか?」
「ぼろぼろの粘土を噛んでるみたいというか、何というか……」
「えー……」
 それは……作った側としても、何というか、やだなあ。あの卵焼き、けっこう自信作なのにな。
 けれど操緒さんは、そんなともはちゃんに構わずに、
『ともはちゃん、次はその唐揚げいこっ。あでも、そっちのコロッケもいいかも』
「操緒。あのな……いいけど、交代だからな」
『えー何でよ』
「こっちだって味わいたいんだよ。だいいち、食べてても味が分からないなんて、作ってくれたひかり先輩に悪いじゃないか」
『ふーん』
 操緒さんが、じっとこちらを見つめる。それから、ちょっと肩をすくめて、
『ま、いいわ。交代ね。てことは、ともはちゃんが二人分食べるってことで。量も多いから、ちょうどいいんじゃないの?』
「えー……そんなに食えないって……せっかく旨いのに……」
 呻くともはちゃんの横で、操緒さんはこちらに意味ありげな微笑を見せた。
 ああ、そうなんだ。やっぱり、そういうことだね。操緒さんも、やるじゃない。
 私も負けないように精一杯の笑顔を返すと、操緒さんの笑みが、もっと大きくなった。
 ちょっと悔しい。けど、なんだか、嬉しい。どうしてかな。
219名無しさん@ピンキー:2008/01/11(金) 19:44:16 ID:z6y9sCap
今回はここまで。こんなにゆるゆるとぬるくてええんかいな。真の職人さん登場はまだか...。
あと6回の投下でおしまいの予定なんで、それまでに次のネタを考えつくことを祈りつつ。
220名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 00:50:04 ID:hMadSkzk
いつも乙です
221名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 14:10:59 ID:9AUGU1Dl



ネタもやる気もあるが携帯だと辛いお…
222名無しさん@ピンキー:2008/01/12(土) 18:15:50 ID:9DogAV0K
>>221
がんばってください。
223名無しさん@ピンキー:2008/01/16(水) 21:32:27 ID:SFZ2Rx8D
保守
224名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 22:15:13 ID:hfbVYg5o
引き続きゆるゆるっと、ひかり先輩×ともはさんの第7回。
次のが目鼻がついてきたので、こっちの投下ペースをUP。
 
 食べ物も少しお腹に入って、さっきのトラブルから多少は落ち着いたところで、気になっていたことを、そろそろ訊いてみる。
「ともはちゃん、あの……さっきの女の子、どういうお知り合いなんですか?」
「え……ああ」
 ともはちゃんの口振りは重たかったけど、
「佐伯……玲子っていって、中学の頃からの同級生です。今も同じクラスで」
「そう……なんですか」
 じゃあ、私なんかよりずっと付き合いが長い。道理で、あんなに遠慮なく叱ったり罵ったり、親しそうにできるわけだ。
「綺麗な子、でしたよね。ちょっと怖かったですけど」
 ちょうど、操緒さんに味覚をあずける番だったともはちゃんは、春巻を飲み下しながらも、会話に付き合ってくれる。
「そうなんですよね。根が真面目ってのもあるんですけど、とにかく怖いヤツで。美人だから黙ってればモテるのに、もったいないなって思うこともありますけど」
 むう。美人だってとこは、すらっと肯定ですか。
「ぼ……私なんか、いつも怒られてばかりですよ。ぼっとしてるとか頼りないとか。まあ、佐伯はしっかり者ですから、気持ちは分からないでもないですけどね」
 ともはちゃん。それ、ともはちゃんはきっと、あの子の気持ちなんて何も分かってないと思う。私から教えてなんてあげないけど。複雑な気持ちで紅茶をすすっていたら、
「まあ……それでも、いいヤツですよ。嫌いじゃないですね。本人には、畏れ多くて言えませんけど」
 ともはちゃんは、ふふっと笑って、そんなことを言った。ええと……佐伯さんの前で、そんな笑顔でそんな殺し文句を言うのは、当分禁止です。油断ならないなあ。
『ともはちゃん。タッチ』
 そこへ、操緒さんが割り込んでくる。操緒さんもちょっと半眼ぎみなのは、私と似たようなこと思ってるんじゃないかな。
「あ。ああ」
 ともはちゃんは、おにぎりに手を伸ばした。うん、そのマヨ鮭のは、お勧めだよ。
 私の目は、何となく、おにぎりをつまんだともはちゃんの手に惹き付けられる。
 そう。この手だった。
 
 地下の暗闇の中で、私を安心させてくれた手。私をおぶってくれた手。私といっしょに時空を飛び越えた手。忘れるわけない。グランクリユで、ともはちゃんの正体に気付いたのも、その手を見たときだった。ともはちゃんがどんな恰好をしてても、いっぺんで分かった。
 それは、女の子の手って言ってもぜんぜん違和感がないくらいの、きれいな手だけど、よくよく見ると、骨組みとかが細いながらもしっかりしてて、やっぱり男の子の手なんだな、って思う。
 今日はその手にさんざん触ったり握ったりしたことを思い出して、今更のように頬が熱くなってきた。その最中は、女の子同士みたいな感じで自然に振る舞えてたけど、いっぺん意識しちゃうと、やっぱり恥ずかしい。
 でも……この手を持つ人と、契約したら……どうなるんだろう。
 そのことを考えるのは、今が初めてじゃない。出会ったときから何回も、ずっとずっと考えてきて、でもまだ、何も分からないし何も決められずにいる。
 それは……契約というからには、あの、その、あんなこととかこんなこととかをするんだろうなとか、痛いのは怖いから優しくしてねとか、どんな使い魔が生まれてくるのかしらとか、そういう不安はある。
 でもそれ以上に……私と契約すれば、夏目くんは、魔神相克者ということになる。無限の魔力を操る、無敵の存在。それも、私といっしょに。私も心のどっかでは、そうなったらいいなって、とっても憧れる。憧れる、けど。
 夏目くんは、それを望まない……気が、する。第一、そんな気があればとっくに嵩月さんと契約してると思う。あんな美貌とスタイル(というか、あのバストは極悪非道だよ)の持ち主が側にいて、それもいつでも据え膳て感じで、でも、夏目くんはそうしない。
 夏目くんが嵩月さんを嫌ってるとかいうわけじゃない。それどころか、とっても大切に思ってるのは、あまり接点のない私でも分かる。それは、羨ましくてうらやましくて、胸が焼けてくるくらいに。
 たぶん、契約って、私が考えるよりも、もっと重たいものなんだ。そんな夏目くんと嵩月さんですら、簡単には踏み出せないくらいに。
 真日和くんも、契約なんていいことばっかりじゃないって、ときどき言う。あの真日和くんが、そう言う時だけはすごく真剣な……というより、深刻な顔になるから、それは本当なんだと思う。
 だから、怖い。怖い、けど。でも。
 でも、あの暗闇の中でつないだ手なら。あの、暖かい手なら。もしかしたら。
 
 悪魔といっても、うちは華鳥風月みたいな名家じゃない。力も、ちょっと特殊だけど、そんなに強大なものではない。それでも、悪魔の力ほしさに近寄ってくる人はたくさんいる。お父さんやお母さんは私をきちんと守ってくれるけど、それでも嫌な目に合うことも多い。
 洛高を選んだのも、そこなら割と普通に学生生活を送れる、と聞いたからだ。確かに、最初はちょっとトラブルがあって、六夏ちゃんや真日和くんに助けてもらったりしたけれど、その後はおおむね平穏無事な日々を送っている、と思う。
 ……まあ、ともはちゃんには別の意見があるかもしれないけど。おおむね、ね。
 洛高では、演操者とか射影体とか機巧魔神とか悪魔とかがごろごろしてて、周りも、多少の特別扱いはするけど、まあまあ普通に受け入れてくれてる。それまで、縮こまるようにして生きてきた私から見れば、天国みたいなものだった。
 そして、そこで出会ったのは、私が悪魔だって知る前も分かった後も変わらずに、沙原ひかりという一人の女の子として、私に接してくれる男の子。
 そんな人がいるわけない、って、思ってた。でも、もしそんな人がいたら、って、思ってた。
 そして、見つけた。見つけてしまった。
 神様って、ほんとにいるのかもしれない、って、思った。まあ、神様ときたらほんとに意地悪で、その男の子の周りには、すでにわんさかと、私と似たような境遇の女の子たちが集ってたけど。私なんか敵いっこないような、綺麗ですごい人たちばっかりだけど。
 でも、一緒にいたい。これからもずっと。素直にそう思う。
 契約なんかしなくっても、いいのかもしれない。契約するしないなんて、ほんとはどうでもいいことなのかもしれない。契約できなかった悪魔の末路はひどいものだって聞くけど、夏目くんと一緒に選んだ道なら、何があっても進んでいけるんじゃないか、って思う。
 もちろん、今の私には想像もつかないような、苦しいことや悲しいことがうんとあるのかもしれない。夏目くんと嵩月さんは、もうそれを知っているのかもしれない。弱い私なんか、もしかすると耐えきれずに逃げ出してしまうほどのことなのかもしれない。
 でも。でもね。何もせずに諦めちゃうのは、イヤだ。夏目くんの手を、私の方から放してしまうなんて、イヤだ。いつかは離れてしまうのかもしれないけど、それまでは、精一杯やってみたい。
 どうしたらいいかなんて、今の私には、まだ分からない。でも、この気持ちがある限り、必ず何とかなる。夏目くんと一緒だもの。絶対、何とかなるに決まってる。
「ひかり先輩?……どうかしました?」
 ふと気付くと、夏目……ともはちゃんと操緒さんが不思議そうに、こちらを見ていた
 
「え……あ、いえそのっ」
 ええっ……私、何してたの? 耳がかっと熱くなる。もしかして、ずっと、ぼけっとしてた? そんな顔、ともはちゃんに見られちゃったの?
「わ私……あのう……」
「いえ、なんだかずっと黙りこくってたから……気分でも?」
「だ、だいじょうぶ。だいじょうぶですっ。何でもないですっ」
「そう……ですか?」
 ともはちゃんはちょっと心配顔。よかった、笑われなくて。それに、何となくだけど、ともはちゃんの表情が、すごく優しく見える。
『ともはちゃーん』
 そんなともはちゃんの肩に、操緒さんが上からしなだれかかった。
『ともはちゃんこそ、なーんかじろじろひかり先輩見ちゃって、あやしーい』
「え……そんな、じろじろなんて見てないだろ」
『そーかなー? なんか、見とれてたようにしか見えなかったですけどっ』
「見とれてたって……いやそりゃ、少し綺麗だなとは思ったけどさ」
 え。あのう、ともはちゃん、今のとこ、もいっぺん、いいでしょうか?
「いや何ていうか……ひかり先輩が、急に大人びて見えて……いつものひかり先輩らしくないっていうか。それで、ちょっと気になって」
 あのう……その言い方にはちょっとひっかかるものが。
「それって……いつもの私は子どもっぽい、ってことですか?」
「え……まさか……あはは」
 ともはちゃんは、目をそらして冷や汗を一粒垂らしてる。むう。その件については、またの機会に、じっくり伺いましょう。それにしても、私、どんな顔してたんだろう。
 あたふたする私に冷たい視線を注いでいた操緒さんが、するりとともはちゃんから離れて、
『あたし、もうお弁当、いい。ともはちゃんも、十分食べたんじゃない?』
「え……まあ、そうかも……」
 見ると、お弁当は三分の一くらいが残った状態だった。嬉しいな。思ったより食べてくれたんだ。
「ごちそうさまでした」
 ともはちゃんが手を合わせる。私はぺこりと頭を下げて、
「いいえ。お粗末様でした」
 それから、ふと思いつく。
「あの……ともはちゃんって、一人暮らしなんですよね」
 
「まあ……一人暮らしといえばそのような、そうでないような」
 ともはちゃんは微妙な表情で、横の操緒さんを見る。そっか、そうだよね。
『なによー。あたしがついてるから、何とかなってんでしょ』
 操緒さんが不満そうに言うのに、ともはちゃんがやり返す。
「お前が生活上役に立ったことなんて、ないだろ」
『そりゃ、幽霊だもん。あたしは、精神的サポート専門だから』
「なんだよそれ……」
 あのうお二人さん、夫婦漫才はそれくらいにしてですね。私の言いたかったことはそうではなくて。
「もしよかったら……残ったの、持って帰りませんか? お夜食にでも……お弁当箱は、後で学校で返してもらえればいいですから」
「え」
 ともはちゃんは、机の上のお弁当箱、そして私、の順に視線を移して、
「……いいんですか?」
「もちろんです。あの、こんなのでよければ」
「いえ……すごく助かります」
 ともはちゃんの顔を注意深く観察してみたけど、お世辞じゃなく、本気で言ってくれてるみたい。よかった。残ったお弁当を一つの箱に詰め直して、ともはちゃんの前に置いてあげる。
「ありがとうございます。それにしても、ひかり先輩、料理上手ですね」
「え……ええっ」
 不意に褒められたから、どう答えていいか分からない。
「そ……そうですか?」
「はい」
 ともはちゃんは満面の笑み。それを見てるうちに、なんだか頭がくらくらしてきた。ともはちゃん、その笑顔は反則だよう。
「家庭的なのって、憧れるんですよね。そういうの、あまり周りになかったので」
 ああ……そうなのか。さっき、ちょっとだけ話してくれた昔話が、よみがえる。
 そっか。これは、いいこと聞いちゃったな。うん。
「そうですか。……私なんかでよかったら、またいくらでもお弁当作りますよ?」
「え……」
 ともはちゃんは満更でもなさそうだったけど、操緒さんの目が笑ってない笑顔が目に入ったからか、
「いや、そこまでは……悪いですから」
「……そうですか」
 ここでもう一押し、と思わないでもなかったけど、ここは一旦退くことにする。ともはちゃんは力無く笑って、それからふと、視線をさまよわせた。ん? 何かしら?
『ともはちゃん。あっち』
 操緒さんが白けた表情で、ある方向を指さす。そっちは……ああ、なるほど。
「え、ええと……」
『行ってきなよ。あれくらいの遠さなら、あたしはここにいられるから』
 ともはちゃんは恥ずかしそうな苦笑い。
「じゃ、じゃあ……」
『ごゆっくり』
 手をひらひらと振る操緒さんに見送られて、ともはちゃんが小走りにお手洗いに消えたあと、操緒さんと私の間には、ちょっと気詰まりな感じの沈黙が残った。
 ……ええと。おずおずと、切り出してみる。
「操緒さん……それで……お話って……?」
 
 操緒さんは、びっくりしたりしなかった。ただ、静かに微笑んだだけ。
『ひかり先輩って……意外と、侮れないですよね』
 意外と、って……まあ、そうかもしれないけど……。だって今ここで、ともはちゃんに付いていかずにここに残るのって、私に話があるとしか思えないよ。
「それで……そのう……何でしょう……?」
『ええと、ですね』
 操緒さんに珍しく、少しためらいがあった。
『智春なんかの……どこがいいんです?』
 そういえば、あの地下迷路でも同じこと訊かれたなあ。答えは同じだけど、さすがにこんな冷静な状況であらためて口にするのは、ちょっと恥ずかしい。
「……その……優しくって、頼りになるとこ……です……けど」
『えー』
 なんだかまずいものでも食べたかのような声。でも操緒さん。今度は、あの時みたいに大げさに驚いたりしないんだね。操緒さんもちゃんと分かってる、って取ってもいいのかな。
『優しいっていうより、何も考えてなくてお人好しなだけかもしれませんよ? あたしがついてないと、いまいち何もできないし』
「操緒さんは……夏目くんのこと、そんな風に思ってるんですか?」
『まあ、付き合い長いですから……それもこの何年かは四六時中ずっといっしょですし。悪いとことか足りないとこも、いろいろ見えてきますよね。否応なく』
「でも……操緒さんも、夏目くんのこと……嫌いだとは思えないんですけど」
 私の追求にも、操緒さんは口ごもったりしない。不自然なくらいに流暢に答える。
『だってほらあたし、選択の余地ないですから。智春から離れられないんだし。どうせなら、険悪になるよりは、ほどほどに仲良くしてる方がいいじゃないですか。適当に目つむるとこはつむって。深く考えても仕方ないし』
「……それで……自分と同じように……私にも予防線を張るんですか?」
『っ……』
 操緒さんは口を閉じて、私を睨んだ。初めて見せてくれた表情だった。
『……あたしは別に……先輩が智春と付き合うことになったって……構わないって、思ってますよ。ただ、なんで智春なのか不思議なだけで』
「自分にはそんな資格はないから、仕方ない……ですか?」
『……』
 操緒さんの頬が強張る。ちょっと開いた唇の間から、食いしばった白い歯が見えた。
 
『先輩に……そんなことを言われる筋合いはない、って思いますけど』
「……そうかもしれませんね」
 私はにっこり笑って、自分の声が震えないように祈る。
「しょせん、ただの知り合いの上級生ですよね。……操緒さんみたいに、いつもいっしょにいて、《K鐵》を呼び出せて、夏目くんを守ったりなんか、できませんし。操緒さんは特別で、どんな子だってかなわない」
『……』
「でも私なら……操緒さん以外の女の子なら……夏目くんと触れ合える。夏目くんの恋人になれる。夏目くんに抱きしめてもらえる」
 私が言葉を重ねるたびに何かをこらえるような操緒さんの表情を見て、私はいったん言葉を切った。次の言葉は、口にするのにちょっと勇気がいったから。でも、思い切って言ってみた。
「……夏目くんが、佐伯くんみたいに元演操者になっても、いっしょにいられる」
『先輩、あたしはっ……』
 操緒さんの顔は、怒ってて、泣いてて、笑ってた。構わずに、続ける。
「夏目くんのことが、そんなに大事ですか? 夏目くんに彼女ができても、笑ってがまんできちゃうくらい? 自分だけの場所はあるから、って? 自分はいつ消えてしまうかも分からないから、って? ……そんなのを、私にも見ないふりしろって、言うんですか?」
『……』
「私はイヤです……そんなの。操緒さんがごまかしたままだったら、誰も前に進めないじゃないですか。夏目くんも、操緒さんも、私も。……たぶん、嵩月さんだって」
『……あたしは……』
「私、悪魔ですから」
 精一杯、人の悪そうな笑顔を作ってみる。
「夏目くんと、契約しちゃうかもしれませんよ? そしたら……このままなら、操緒さんのこと、二号さん扱いしちゃいますよ? なにせ……ええとその、あ、愛の結晶なんか、できちゃうんですから。それでも構いませんか? 本当に?」
『……』
「操緒さん。自分が夏目くんの恋人になれっこないなんて……ならなくてもいいなんて……本当に、本気で思ってるんですか?」
 操緒さんは、じっと私を見てた。その薄い色の瞳に、吸い込まれてしまいそうな気がするくらいに。
 
 どれくらい、そのままでいたんだろう。そんなに長い間じゃなかったはずだけど、私には何時間にも思えた静寂のあとに、操緒さんはおもむろに目を伏せて、呟いた。
『それで……あたしに何言えって……言うんですか……』
「……なんにも。言わなくていいです。……私が言いたいこと言ってただけですから」
『そんなのって……ずるいじゃないですか』
「そうですよ? ……おあいこです」
 操緒さんは顔を上げた。私が澄ました顔で見返すと、操緒さんは段々と目を眇めるなり、いきなり、にやりと笑った。
『先輩って、やっぱ意外と……』
 まだ言いますか。
「あの……ですから、意外と、は余計です……私、一応ほら、年上で……」
 操緒さんは吹き出した。ええと……その……もう、何がそんなにおかしいのー!
『先輩……せんぱい』
 操緒さんは笑い声の下から、切れ切れに言う。
『先輩、可愛いっ。可愛過ぎっ』
「え。ええっ……」
 あのう……操緒さん。たった今私が言ったこと、聞いてました?
『そんなに可愛いの、反則ですよー……まいったなあ。あたし、百合じゃないはずだったのにい』
「……まいるの、こっちですよう……それに百合って、なんなんですかあ……」
 くすくす笑い続ける操緒さんと、しょげる私。そこに、ともはちゃんが戻ってきた。
「……何やってんですか。二人して」
『んー』
 操緒さんがいたずらっぽく目を輝かせて、
『女の子のヒ・ミ・ツ。ともはちゃんには、まだ早いかなー。もっと大人になったら、教えてあげるね』
「何だよ、それ……」
 ともはちゃんが物問いたげに私を見るけど、私も乾いた笑顔を向けるのがやっとだった。とてもじゃないけど、年下の女の子に可愛いって言われたなんて、口にできない。
 ともはちゃんは要領を得ない顔つきのまま、肩をすくめた。
「あー……。お待たせしました。行きましょうか」
「はい」
 私もお弁当箱を持って、立ち上がる。残り物を詰め直した方をともはちゃんに渡してあげると、ともはちゃんがふと思い出したように、
「そういえば……プレゼント、結局決まらないままですね。すみません」
 ああ、そうだった。うん、それはね。
「いいえ、大丈夫ですよ。もう、決まりましたから」
「え?」
 ともはちゃんは何のことだか分かってない顔だったけど、私は何も言わずに、ふふ、とだけ笑った。操緒さんが笑うのを止めてジト目で睨んでくるけど、気にしない。
 まあ、いろいろあったけど、結果オーライ。けっこう収穫があったなあ、と体の向きを変えた私の目に、あるものが飛び込んできた。
 壁の広告。レディース冬物バーゲン。8割から9割引き。
233名無しさん@ピンキー:2008/01/18(金) 22:25:05 ID:hfbVYg5o
今回はここまで。あと2回の投下でおしまい。
234名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 01:21:06 ID:fniA4VvX
楽しみにしてるぜ
235名無しさん@ピンキー:2008/01/19(土) 23:28:21 ID:1xXYyb1M
続き楽しみにしてます。
てか最近また人減った気がするんだが・・・いる奴ちょっと返事してー。
236名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 01:20:04 ID:vO9fA8ds
>>235
あいよ〜。書きたいけどうまくいってないから見てるだけ。
237名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 01:44:18 ID:NZf4TfHX
俺、書いてる途中だけど時間がなくて中々進まん
238名無しさん@ピンキー:2008/01/20(日) 06:22:49 ID:UKCysXEt
人が居ないのは受験シーズンだからさ…俺以外にも受験生がいるはずだ




浪人生なのにorz
239235:2008/01/20(日) 10:09:57 ID:bz3uwMe1
俺ふくめて4人か・・もっと隠れてそうだけど、
とりあえず書き手さん残ってるみたいで良かった。

>>238
受験かぁ、体に気をつけてがんばってください。
240233:2008/01/20(日) 12:48:48 ID:i04zFUko
皆さんお忙しいとは思いますが、どうぞよろしゅう... <(_ _)>
いくら保守代わりとはいえ、こんな温い話でスレを埋めるのが正直
段々心苦しくなってきたところなんだ。

しかし、この次用に智春&操緒×紫浬&朱浬のエロも一応書き上げて
みたが、えらく苦労した。
操緒の射影体とか嵩月の興奮発火体質とか朱浬さんの改造肉体とか
エロ抑止ギミックがこれでもかと盛り込まれていて、これは三雲め
絶対わざとだろ、とか思ったり。

機巧魔神にせよ悪魔にせよ、鬱要素テンコ盛りの設定だし。どういう
カップリングでもその延長線上にハッピーエンドを想定しにくいったら。
それを思うと、2巻183pの佐伯妹のセリフがやはりFAかもしれんのう...。

愚痴レスですまん。ではまた来週末にでも。
241236:2008/01/20(日) 16:07:20 ID:vO9fA8ds
>>238
武運を祈ってるよ。

>>240
いや。気に病む必要もないでしょ。
俺もどうにかしないとねえ。だけどいかんせんこういうのは不得手でねえ。
何はともあれ、続きを期待。
242名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 11:59:34 ID:NjetFBy7
そうだよな、都合の悪い部分はスルーするかオリジナル設定作らなきゃエロにもっていくのが難しいよな
何か対策しとかないと嵩月の処女喪失と同時に智春が部分的に再起不能な大火傷しそうだし

朱浬さんが智春とセクロスしたら、やっぱり機巧魔神の力を使えなくなるのかな?
243名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 02:46:58 ID:FcsT0XYH
>>242
一部でもアレだけど、最悪塵と化しそうで…
244名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 02:02:32 ID:mEL/AIuv
氷羽子も入れた3Pなら炎と氷で打ち消し合うかも、という妄想が
ふと浮かんだが、成り行き次第ではもっと悲惨なことになりそうだ。w
氷羽子については情報不足で、己にゃまだss化は無理だしナー...。
あとは、律都さんになんかあやしげな薬を処方してもらうとか?

朱浬さんについては、演操者(朱浬さんの場合は兼副葬処女?)同士で
ヤるとどうなるか、という設定は今のところ出てないはず。
「顔と胴体は自前」らしいので、マグロでいてくれればセクロスするに
支障はないはずだが、いかんせん怪力設定がなあ...。
我を忘れられると、智春のいろんなとこが2巻p72の木刀のような目に
合いそうだ。ナムナム (-人-)
245名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 02:06:10 ID:mEL/AIuv
あ、2巻p72じゃなくて3巻p72だた。
246名無しさん@ピンキー:2008/01/24(木) 20:57:50 ID:zp0WY4x5
能力の制御法でもあるんじゃないか?
2巻で嵩月が自分から契約を誘うようなこと言ってるし、対策はあるんじゃないかと

由璃子さんと谷やんはどうだったんだろうね
247名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:41:16 ID:WJli6vR9
ひかり先輩×ともはさんの第8回。
このお話の唯一のエロ回... いや嘘ですゴメンなさい。
 
 これは見過ごせない。女として。いや人として。見過ごすことは許されない。
「……あの、なにか?」
 いきなり私にがっしりと袖口をつかまれたともはちゃんが、けげんな顔で尋ねる。
 ともはちゃん。バーゲン。
「はあ」
 ともはちゃん。バーゲンはね、女の戦場なんだよ。
「は?」
 そこでは、逃亡も撤退も敗北も許されないんだよ。
「ええと、先輩?」
 贅沢は敵だけど、足らぬ足らぬは工面が足らぬ、なんだよ。欲しがりましょう買うまでは、なんだよ。あらまた一着、もう一着、なんだよ。
「いや、もうすでに意味が分かりません」
 だからね。黙って来なさい。分かった?
「……はい」
 素直でよろしい。ところで、ともはちゃん。
「はい、なんでしょう」
 私、さっきから何も口に出してしゃべってないのに、なんで会話が成立してるのかな。
「いや正直、何も分かんないんですけど。答えだけがなぜかひらめくんですよ……」
 なんかすごい。でも今は、それどころじゃない。ともはちゃんの手を引いて、いちもくさんに、バーゲンのフロアへ向かう。かなり出遅れちゃったから、めぼしいものは残ってないかもしれないけど、とにかく行ってみなきゃ。
 エスカレータを降りると、探すまでもなく、黒山の人だかりで、目当ての場所は分かった。
「……あの、ひかり先輩? もしかしてあの中に突っ込んでいこう、とか……?」
 不安げに尋ねてくるともはちゃんに、にっこりと笑いかける。ともはちゃん、そんなに顔を引きつらせて後ずさるようなことは、なにもないんだよ?
「言ったでしょ? 戦場だって。突撃あるのみですから」
「ええっ……ぼ……私は別に……そういうの興味なくて……」
「撃ちてし止まむ、ですから。では、そういうことで。いざ」
「いえだからそういうことってどういうことですかっ」
『ともはちゃん』
 いつの間にか、操緒さんがともはちゃんの背後にぴったりとくっついていた。私と、全てを分かち合った戦友同士の熱い視線をかわす。
『これはねえ、女の子が必ず通らないといけない道なんだよ。そうやって、大人への階段を上るんだよ。花は手折られてこそ花なんだよ』
「いやお前の言ってることも意味不明だしっ」
 ええいもう、往生際が悪いなあ。
「操緒さん」
『らじゃー』
 言わず語らず、以心伝心で響き合うなんて。ああなんて美しい女の友情なのかしら。
「お……おい、ちょっと……? あ、脚がっ……操緒っ、まさかっ」
 ともはちゃん、大丈夫だよ。ちょっと今は、初めてで勇気が足りないだけだから。私と操緒さんが手伝ってあげるから。何も心配ないよ。
「ちょっと待てえええええっ」
 上半身だけでむだな抵抗を示しながら、下半身を操緒さんに操られたともはちゃんは、私といっしょに人混みの中へ駆け入っていった。
 
「うううっ……汚されちゃった。汚されちゃったよう……」
 試着室へ向かう列の中、持てるだけの品物を抱えながら、ともはちゃんはさめざめと泣いていた。おおげさだなあ。それに、OLさんからそのカットソーをもぎとった時のともはちゃん、かっこよかったよ。
「いや、ですから……あんな浅ましいマネは、ほんとのぼ……私じゃ……」
 だから、戦場だって言ったじゃない。ひるんだ方の負けなんだから。いいのいいの。操緒さんだって、うなずいてるよ?
「いいんですか……それで……?」
 なんだか、連続殺人犯でも見るような目つきで私を見るのは、やめてほしいなあ。「理性とか礼節とか、人としてはもっと大事なことが……?」とかぶつぶつ言うのも、どうかと思う。ともはちゃんだって、あっという間に目の色変わってたくせに。
「変わってませんよっ。人を同類扱いしないでくださいっ」
 なら、そこに抱えた品物は何? ともはちゃんが何もしないのに、品物がひとりでに飛び込んできたとでもいうのかしら?
「ううっ……。もう、いいです……」
「あの、お客様」
 近くの商品棚に向かってのの字を書き始めたともはちゃんにびくつきながら、店員さんが声をかけてきた。
「大変申し訳ありませんが、ただ今非常に混み合っておりますので、試着室はお連れ様とごいっしょということで、お願いできますか?」
「あ、はい」
 前の人たちもそうしていたから、当然のことだと思って、うなずく。ところが、
「え……ええええっ」
 背後で、ともはちゃんが悲鳴を上げていた。何なの、うるさいよともはちゃん。
「い一緒って、ぼ……私と、先輩が……?」
「はい。なにか?」
 店員さんは首をかしげるばかり。そうだよね。女の子が連れだって試着室に入っても、何も問題ないはずだもの。女の子同士だもん。
「そ、それはさすがにまずいんじゃ……」
 そうね、三人だとちょっと狭いかも。でも、操緒さんは宙に浮けるわけだし。
「いや、そうじゃなくて……」
 しつこく言い募るともはちゃんを、私は制した。
「ともはちゃん、わがまま言っちゃだめでしょう? ええ、はい、大丈夫です。すみません、連れが聞き分けなくって」
「はあ」
 店員さんは今ひとつすっきりしない顔だったけど、列の後ろの方へ同じことを告げに去っていった。
「せ先輩」
 ともはちゃんが、私の耳のすぐ側で囁いてくる。ううん、くすぐったいっ。
「いやなにをうっとりと悶えとるんですかあんたは。じゃなくて、一緒に試着室って、それは……」
「ともはちゃん。私の着替えなんか、グランクリユで何度も見たじゃないですか。いまさら、何言ってるんです」
「うううっ……それはっ……」
「ね?」
 ほら、何も問題ないじゃない。だからともはちゃん、いい加減泣くのを止めなさい。
 
「ああっ……先輩……そんなにしたら……締まる……」
「ともはちゃん……まだよ……まだだめ……」
「だって、先輩……私……も、もう、動けない……動いたら……」
「こう? これはどう? いえ、こうかしら?」
「ああっそんなっ……だめっ……許してっ……そんなにしたらっ……出ちゃうっ……」
「我慢するのよ……もう少しで、私も。私もっ」
「あっ……だめ、もう我慢できない……先輩、私、もう、こんなの……やだ……先にいっちゃったら……やっぱりダメ?……もう私……」
「だめだよ……私を置いて先にいっちゃうなんて、許さないから……ほら、もっと締めたげる。ほら、ほらっ」
「ああっ……も、もう、ほんとに、だめえええっ……!」
 ともはちゃんがのけぞるようにして背筋を伸ばす。その瞬間、私も何とか目指すものに到達することができて、喜びの声を上げた。長いようで短い濃密な時間のあと、目的を果たした二人は、ぐったりとなって寄り添ったまま、荒い息がおさまるのを待つ。
「せ、先輩……」
 ともはちゃんが、涙目になって振り向いた。
「こ、これ……やっぱり、息できませんよう」
「うーん……やっぱり、ちょっとウエストがきつかったですか? コルセットはあんなに締めたんですけど……」
「ちょっとどころじゃ、ないです……うえ、さっき食べたのが、出てきそう……。だから、さっきので終わりにしようって、言ったじゃないですか……」
「だめですよ。試着室に持ち込んだものは、ぜんぶ試さなきゃ。私もまだ何着か残ってるんですから。一人だけ先に出て行こうだなんて、許しません」
「ふええ……」
 うーん。タイトなドレススーツに何とかかんとかともはちゃんを押し込んでみたんだけど、ちょっと無理があったか。でも、こういう大人っぽい恰好、すごく似合うんだけどな。少し直してもらったら、これだって大丈夫じゃないかって思うんだけど。
「せ、先輩……もう限界……早く脱がせて……」
『ともはちゃーん』
 少し上空から、さっきからの顛末を何故かジト目で見守っていた操緒さんが、
『その言い方、かなーり、やらしい』
「な……何がだよ……」
 ともはちゃんが息も絶え絶えの状態で抗議する。なんで、やらしいのかな。きょとんと操緒さんを見上げた私を見て、操緒さんは呆れ果てたように首を振った。
「は、早く……」
 そうするうちにも、心なしか、ともはちゃんの顔色が土気色になってきたような。
「う、うん。ちょと待って」
 あわてて、さっきはめたばかりのボタンを外そうとしたけど、これがなかなか難物だった。そうだよねえ、もう食い込んじゃってるもんねえ。
「あの……先輩……? それはもう、だめということで……?」
 ともはちゃんが情けない声を上げた時だった。試着室のカーテンがさっと開かれて、誰かが中に顔を突っ込んできた。
「あのねっ、まだ次がつかえてんのよ。いつまで無駄な努力してんのっ。みんな待ってんだから、入らないもんは入らないってさっさと諦めなさい、って……え? ともはちゃん?」
 はい?
 
 振り向くと、そこには、モデルばりのでたらめな美人さんがいた。この人、知ってる。確か、ともはちゃんといっしょに科學部にいる、
『朱浬さん……』
 私より先に、操緒さんが、その名前を呼んだ。黒崎朱浬さんは、まだ驚きを隠せない様子で、
「操緒ちゃんも……それにあなた、沙原ちゃん?」
「あ、はい……」
 黒崎さんの視線が、試着室の中をぐるりと一巡する。なんだか、強烈なサーチライトに照らされてるみたいで、私はびくりと身をすくませた。
「ふーん」
 黒崎さんは、にっこりと笑った。とっても綺麗ですてきな笑顔だった。なのに、なんでこんなに怖いのー!
「おもしろそうなこと、やってるじゃない」
「あ、あのう……これは、そのう……」
 何か説明しなくっちゃ、と気ばかりは焦るんだけど、おろおろするだけで、言葉なんか出てこない。黒崎さんは構わず、いったん試着室から顔をひっこめた。
「奏っちゃん! こっち来ない? すごいもの見ちゃった」
 え。え。奏っちゃんって、嵩月さんもいるの? そ、それって、まずいよう……。
 凍り付く私が何もできずにいる間に、カーテンの隙間から、これまたとんでもない美少女さんが、試着室の中を覗き込んだ。嵩月奏さん。ともはちゃんのクラスメイト。悪魔四名家の一、炎を操る嵩月家の跡取り娘さん。それが、なななんでここに……?
「あー……」
 黒崎さんに強引に押し込まれたらしい嵩月さんは、きょとんとした表情で、ゆったりと中を見回す。その視線が、ともはちゃんに止まった。
「……夏目くん?」
 は? 嵩月さん、今なんと?
 なんで、ともはちゃんのこと、知ってるの?
 ええっと、それって……。ということは……。
 全然考えなんかまとまらないでいると、嵩月さんの目が、ゆっくりと、私に向いた。
「ひゃっ……」
 思わず、小さく悲鳴を上げてしまった。さっきの穏やかな眼差しから一転して、まるで終生の仇敵を見るかのような、冷たく真剣な目つき。あ……あのあの、どうして私がそんな目で見られなきゃいけないんでしょう……?
「あなた……たしか……沙原先輩……」
「ははははい!」
「何をしてるんですか……こんなところで……そんな恰好で……」
「え」
 自分の体を見下ろして、ようやく、シュミーズ一枚の恰好だったことを思い出した。……え、ええと、これはですね、私が試着服を脱いだところで、ともはちゃんが困っているのを助けることになったからでして、決してその、ご想像のようなことは……。
 私がもじもじしているのをどう受け取ったのか、嵩月さんの表情がどんどん硬くなってく。
「夏目くんに……何、してるんですか」
「ああああのその、これは……一緒に……お買い物を……ってだけでして……」
『あのさ。どうでもいいんだけど』
 私の窮地を救ってくれたのは、操緒さんだった。
『ともはちゃん、そろそろ窒息しそうだよ?』
 
 それからは、ちょっとしたてんやわんやだった。ともはちゃんを何とかドレススーツから解放し、ぐったりしたともはちゃんを介抱し、二人とも慌てて元の衣装を身につけ、店員さんとか他のお客さんに謝り倒し、結局何も買わずに逃げるように、フロアを立ち去った。
 そして今、私たちは喫茶店にいる。ともはちゃんと、その左側に私、右側に操緒さん。向かい側には、黒崎さんと嵩月さん。
 黒崎さんが「ちょっとお話しましょ?」と誘ってくれて、ほんとは遠慮したかったんだけど。黒崎さんと嵩月さんの目の色が、私たちには断る権利なんてない、って明らかに言ってたので、ともはちゃんと操緒さんと私は大人しくついて来たのだった。
「いやー、奇遇ってあるものねえ」
 黒崎さんがしみじみと言う。ともはちゃんと私は、かしこまって座っているばかり。一応目の前には、注文したコーヒーなんか出てきてるけど、味なんて分かるわけない。
「まさか、バーゲン会場で、ともはちゃんに会うなんて……ねえ? 奏っちゃん」
 会話を振られた嵩月さんは、相づちも返事もしなかった。ただ、ともはちゃんと私にじっと目を据えている。あのう、そんなに睨まないで……いえその、すみません……いいんです……。
 そんな嵩月さんを見て、黒崎さんが苦笑した。あらためて私たちに向き直り、
「で? なんだって、こんなおもしろいことになったの」
 やっぱり、ここは私が説明しなきゃだめなんだろうな。念のため、ともはちゃんをちらりと横目で見てみたけど、もう全てを諦めた世捨て人みたいな顔をしてたし。
「あ、あの……私が、誘ったんです……その……ともはちゃんとは、グランクリユで……いっしょにお仕事するうちに、何となくともはちゃんのこと、分かっちゃって……」
 それを聞いて、黒崎さんが、あああれ、という風にうなずく。ともはちゃんがあそこで働くことになったのは黒崎さんの紹介だったから、細かいところまで話さなくてもいいのは助かる。
「でも、ともはちゃん、綺麗で、うらやましくて、いつか、いっしょに遊べたら、楽しいだろうな、って……そう思ってて……それで、ちょっとお願いしたいこともあったから……」
 というか、こういう事態になることを避けるために、夏目くんじゃなくてともはちゃんといっしょにお出かけしたのに、どうしてこうなるんだろう……。ともはちゃんのことが、こんなに色んな人に知られてるなんて、考えてもみなかったなあ……。
 考えるうちにたまらなく情けなくなって、涙が出てきた。この人たちの前で泣きたくなんてなかったから、一生懸命こらえようとしたのに、結局、二、三粒がぽろぽろと頬の上を転がり落ちていってしまう。
「あー……」
 それを見たのか、黒崎さんが少し気まずそうな声になる。いやだ。同情なんか、されたくない。私は急いでティッシュを取り出して目のあたりを拭うと、黒崎さんや嵩月さんと正面から顔を合わせた。
 
「……ふふん?」
 私と目を合わせた黒崎さんは、ちょっと意外そうに目を見開き、やがて面白そうな光を目に宿らせた。
「沙原ちゃんって……なかなか」
 ともはちゃんには、今回いろいろ迷惑かけちゃって申し訳ないって思うんだけど、黒崎さんや嵩月さんには関係ない。この人たちの前で、うなだれてなきゃならない理由なんて、何もない。だから、私は顔を上げて前を見ていればいいんだ。そのはずだ。
 私とにらみ合うようなかっこうになっていた黒崎さんは、しばらくして、ふ、と息を吐いた。
「まあ、確かに……いかに大切な科學部員とはいえ、トモハルが休日に誰と出歩こうが、あたしたちがとやかく言うことじゃないかもしれないわね。トモハルの自由なんだし」
 それを聞いて嵩月さんが、戸惑ったように黒崎さんを見る。良かった。分かってもらえたんだ。思わず安堵のため息をついたんだけど、
「……でもね。ともはちゃんについては話が別なの」
 は?
「今回の件であたしが気に食わないのはね。あたしのあずかり知らぬところで勝手に、ともはちゃんが出歩いてる、ってことなのよ」
 な……何なんですか……そのワガママめいっぱいな言いがかりは……。
 あまりのことに呆然としている私たちの目の前で、黒崎さんは堂々と続ける。
「大体ね、ともはちゃんの生みの親はあたしなのよ。それに一言の相談もなく、人目にその姿をさらしてまわるなんて、ありえないわ。そんなの、親を呼ばずに結婚披露宴やっちゃいました、みたいなもんなのよ。人倫に反するわ。そう思わない?」
 いや……あまり思いません。というか、全然思いません。ともはちゃんも、「そんな理屈ってあるのか……?」とかって、頭を抱えてるじゃないですか。嵩月さんも、結婚披露宴とかいう単語に反応して唇の端をひくつかせるのは、お願いだからやめてください……。
 なんか、六夏ちゃんがこの人を嫌いな理由が、良く分かった。お互い、ゴーイングマイウェイなところがそっくりだから、同類嫌悪なんだ。きっと。
「というわけでね。沙原ちゃん」
 え。ええと、私ですか?
「あなた。ともはちゃんのマネジメントを仕切ってるあたしの縄張りを荒らしておいて、どう落とし前をつけてくれるのかしら?」
「あ……あの、何がどうなって、そういう話に……」
「どうなの?」
 黒崎さんの目がすっと細くなる。
 別に、恐ろしい顔をしてるわけじゃないの。見た目は、とってもにこやかで優しい笑顔……なのに、どうして今日が私の命日かもって感じがひしひしとするのかな。背中に嫌な汗が流れるのかな。横を見ると、ともはちゃんも、この世の終わりみたいな顔をしてた。
 この世のものとは思えない理不尽な状況の中、思わず、両手をともはちゃんの腕にからめ、手と手を握り合わせる。ええと……その、深い意味はなくて、ちょっと助けてほしいというか、お互い支え合おうねというか、それだけなんだ、けれ、ども。
 それを見た瞬間、黒崎さんと嵩月さんの顔から、表情がぜんぶ消えた。
 ……お父さんお母さん。すみません。不憫な娘が先立つ不孝をお許し下さい……。
254名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 01:49:07 ID:WJli6vR9
今回はここまで。次回でおしまい。
255名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 10:41:15 ID:EzTOG5YB
ナイスエロ!
256名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 13:48:44 ID:t/iENf7V
これは、いい修羅場www
257名無しさん@ピンキー:2008/01/30(水) 12:49:46 ID:Wzoqz9Pj
GJ!!

>>250
ベタだね〜www
だがそれが( ´∀`)bイイッ

>>254次回で終わり!?
頑張って書き上げてください!
全裸&正座で待機します!
258名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 17:15:39 ID:VNDI81rM
ひかり先輩×ともはさんの最終回。
 
 ……ああ。生きてるって、やっぱり、いいなあ……。
 私は、一人きりで公園のベンチの上にへたり込みながら、ぼんやりと、抜けるような青空を見上げていた。風は少し冷たいけど、午後の日差しはそれなりに暖かくて、気持ちいい。
 いやほんとに、喫茶店でのあの瞬間は、「ふぁすたー・ざん・……」とか思わず口走りそうになっちゃったくらい、身の危険を感じた。無事に生きて出てこられたのが、奇跡みたい。
 もちろん、何の犠牲もなし、というわけにはいかなくて、ともはちゃんは黒崎さんに拉致されていっちゃった。「というわけで、ともはちゃんはあたしが預かるわ。文句ないわね?」とにっこり言われたら、首を縦に振る以外のことなんてできなかった。
 ともはちゃんが黒崎さんに引きずられていきながら、こっちによこしたすがるような目には気付かない振りをして、心の中で手を合わせるのが精一杯。ごめんね、ともはちゃん。私、か弱い普通の女の子だから。全身これ武器の改造人間の相手は、ちょっと荷が重いの。
 それにしても黒崎さんて、ともはちゃん……夏目くんのこと、どう思ってるのかな。単にからかいがいのある後輩っていうだけじゃなくって、何ていうか、言動の端々に、夏目くんは自分のものって思ってるのが透けて見えて。本人は意識してないのかもしれないけど。
 夏目くんの方も、年上は嫌いじゃないって言ってたし、あれだけ大人っぽくて美人でスタイルがいい人が身近にいたら、中身はどうあれ、くらっと来ちゃうことも、男の子だから、あってもおかしくない。
 私も同じ年上なのになあ。子どもっぽくて、頼りなくて、美人でもなくて、出るとこも控えめで。なんだって、こんなに差があるんだろう。
 ……なんて考えてると落ち込む一方だったので、背筋を伸ばして、両手で頬を軽くはたく。とにかく、夏目くんには来週にでもきちんと謝るとして、今日のお出かけの目的は果たしたんだから。うん、予想以上の収穫だった。
 膝の上のお弁当箱を見ながら、あらためて拳を握る。残念ながら、夏目くんに持って帰ってもらうはずだったこれは、あのどさくさの中で私の手元に残っちゃったけど、夏目くんに何を贈ってあげたらいいかという答えは、そこにあった。
 そう。何か、手作りのもの。お弁当でもいいけど、クッキーとかケーキとか、お菓子の方が日持ちがしていいかな。手編みは、今年はもう時間がないから来年の宿題ということにしよう。
 それに、そのうちに、夏目くんの家にご飯を作りに行ってあげようかな。それとも、うちに来てもらってもいいかも。別に、彼氏だとか彼女だとかいうんでなくても、友だちとしてでもいいから、夏目くんに何か、家庭のあったかさを感じさせてあげたい。そう、思った。
 その時に、夏目くんがどんな風に笑ってくれるかを想像したくて、目を閉じる。
 そのおかげだったかもしれない。足音もしなかったし、声をかけられたわけでもなかったけど、その人がすぐ側に来たことがはっきりと感じられて、私は微笑んだ。
「待ってたよ。嵩月さん」
 
 こっちから声をかけたのは、先制したつもりだった。
 でも目を開けると、私から二、三メートルくらいのところに立っている嵩月さんの表情には、驚きも当惑もなくって、ただ、じっと私を見てた。弱い風につややかな長い黒髪をなぶらせたその姿は、恐いくらいに綺麗で、危ういくらいに張りつめてた。
 私も、ベンチから立ち上がる。座ったままでは失礼に思えたし、なにより、足を踏ん張ってないと気圧されてしまいそうだったから。
「来てくれて、ありがとう。私も、嵩月さんとは、少し話したかったんだ」
「……あまり、夏目くんに近づかないで」
 いきなり、そう来たかあ。どうでもいいけど、タメ口で話してるね、私たち。今は対等、ってことかな。悪魔の家柄とか先輩後輩とか関係なくって、ある男の子を大事に想ってる女の子同士、ってだけなんだ。それはそれで、なんとなく嬉しい。
「……どうして?」
「それは……夏目くんが……苦しむことになるから」
「そうなんだ」
 思わず苦笑する。それは片手落ちだよ、嵩月さん。
「だったら、嵩月さんが夏目くんと親しいのは、どうなの?」
「私は……」
 嵩月さんは、少し口ごもってから、
「私は、何があっても、夏目くんを守る、から」
 きっぱりと言ってのけた。
 こういうところは敵わないなあ……と、思う。たぶん嵩月さんは、夏目くんの彼女になるとかならないとか、夏目くんと契約するとかしないとかに関係なく、夏目くんを守るって決めてるんだ。下心もとい乙女心ありありの私は、まだそこまでは割り切れてない。
 でもね、嵩月さん。
「でも、嵩月さんが側にいて……嵩月さんに何かあれば、やっぱり夏目くん、きっと悲しむよ。苦しむよ。それは、同じじゃないかな」
「それは……」
 嵩月さんの顔が、ちょっとだけ歪む。痛いところだよね。私も同じだから、よく分かる。でも、遠慮なんかしない。たぶん、この機会を逃したら、嵩月さんとは二度とこんな話はできない気がする。
「嵩月さんは、夏目くんと契約しないの?」
 口にしてしまってから、でもやっぱり、ちょっと後悔した。嵩月さんが一瞬泣きそうな顔になったから。
「……夏目くんが、望まないから」
「夏目くんが望んだら?」
「……」
 その沈黙は、嵩月さん自身が迷ってる、ってことだね。嵩月さんのことだから、自分のことよりもまず、契約したときに夏目くんにかかる責任や負担のことを心配してるんだろう。けど。
「嵩月さんの方は、そうしたいんだって思ってたけど」
「……あなたには……分からない」
 やっぱり、私なんかには言えない? だったら、こっちも言いたいことを言うだけ。
「うん。分かんないよ。そんなの」
 
 嵩月さんがきっ、と私を睨み付けたのは、私が笑いながら軽い調子でそう言い放ったからだ。でも、私は動じない。
「嵩月さんが、一人で悩んで、一人で決めて、一人で迷って、でもそんなの、私は分からない。分かってあげない」
「……」
「夏目くんだって、いろいろ考えてるよ。嵩月さんが夏目くんを守るなら、夏目くんも嵩月さんを守りたいって思ってる。嵩月さんが、夏目くんのことを第一に考えて、自分のことなんかどうでもいいって思ってるなら、それは、夏目くんをバカにしてる」
「……私、はっ……バカになんかっ……」
「だめだよ。嵩月さん」
 嵩月さんの血を吐くようなうめきにも、気付かないふり。
「私、嵩月さんのことがうらやましい。夏目くん、私なんかよりずっとずっと、嵩月さんのことを大事に思ってるよ。その気持ちは、ちゃんと受け止めてあげてほしいんだ」
「……」
「……まあ、というのも、私のわがままなんだけど。私ね。夏目くんといっしょにいたい。これからもずっと。でもね、嵩月さんだけが勝手にいなくなっちゃったら、夏目くん、もうぜったい私のことなんか見てくれなくなると思うんだ。だから」
 一歩、二歩、三歩。嵩月さんに近づく。嵩月さんが後じさるかな、と不安だったけど、嵩月さんは彫像みたいに動かなかった。
「嵩月さんも、ずっといっしょにいて……私と夏目くんを取り合って……私にやっかまれててほしいんだ」
 嵩月さんの手を取って、握りしめてあげた、とたん、嵩月さんの美貌がくしゃくしゃっとなって、その大きな瞳からぼろぼろと涙がこぼれ落ちてきた。
「わ……私……私、だってっ……いっしょに、いたいっ……夏目くんと……ずっと……」
「うん。うん」
 ほんとは抱きしめてあげたいところだったけど、嵩月さんの方が私よりずっと背が高いから、ちょっと無理。代わりに、嵩月さんの腕を私の背に回し、ぴったりと寄り添ってあげる。うーんそれにしても、私の頭を柔らかく受け止めてくれた胸は、やっぱありえないよ。
「だったら。だったらさ。いっしょに、いようよ。夏目くんだって、絶対諦めたりしないよ。夏目くんなら、絶対何とかしてくれる。私たちも、夏目くんといっしょに、頑張ろうよ」
 嵩月さんは何も答えずに、ただしゃくり上げるだけだったけど、私はそれを、うなずいているんだと勝手に解釈することにした。
「だから、勝手に諦めないで。契約したければ、しようよ。いっしょにいたければ、いようよ。夏目くんとなら、何だってできる。私、信じてる。嵩月さんは、信じないの?」
 嵩月さんの顔を見上げる。こんなにボロ泣きしてても美人に見えるなんて、いいなあ。
「……わ……」
「うん?」
「……私、も……信じ……てる」
「うん」
 
 嵩月さんが泣きやむまでには、ちょっと時間がかかった。それまでの間、私たちはずっと抱き合ったままだった。ええとその……そろそろ日も傾いて寒くなってきてたし、嵩月さんはあったかくて柔らかくて、触れ合ってると、とっても気持ちよくて安心できたから。
 ようやく鼻をすすり上げる音がやんだところで、私はそっと嵩月さんから体を離す。嵩月さんときたら、目は真っ赤だし、顔は鼻水やら涙やらの跡だらけだし、髪は風にあおられてぐしゃぐしゃだし、もろもろひっくるめて、とっても綺麗だった。
「……私、そろそろ、行きますね」
 私は呟くように言う。いまさらなんだけど、猛烈に恥ずかしくなってきた。私、いったい偉そうに何を言ったんだろう。嵩月さんのことを良く知りもしないのに。
 嵩月さんは、答えない。目も伏せて、何を考えているのか、私には分からない。怒ってる……かなあ、やっぱり。
 私は、ベンチへ戻ってお弁当箱を抱え上げ、足早に立ち去ろうとして、そこで、一つだけ嵩月さんに訊いておきたかったことを思い出して、振り返った。
「……嵩月さん」
 嵩月さんは、うつむいたままだった。構わずに、
「私たち……友だちに、なれます、よね……?」
 嵩月さんが瞳をゆっくりとこちらに向ける。まだ涙が残っているのか、夕陽を浴びて輝く黒い瞳。
「……あー……私……」
 嵩月さんはとつとつと、けど迷いのない口調で、
「……やっぱり……沙原先輩のことは、嫌いです……」
 がっかりはしなかった。何となく予想はついてた答えだったから。それでも、理由くらいは教えてほしいな。
「……どうしてですか?」
「……夏目くんが……沙原先輩には、優しいから……です」
 うーん。それは、あんまり嬉しくない指摘だなあ。なぜって、
「あのう……それってたぶん、私が頼りないだけ、じゃないでしょうか……」
 そんなことを言われても自惚れたりできないくらい、自分が大した人間じゃないってことは良く分かってるし、何よりも、夏目くんの優しさを誤解なんかしたくない。力無く笑う私を見て、嵩月さんはさらに続けた。
「……それと……私が……沙原先輩のこと嫌いなのに」
 二度も言わないでほしいなあ。さすがにちょっとへこんだ私が視線を泳がせた隙に、
「沙原先輩が……私なんかに……優しいから」
 言うなり、嵩月さんはぱっと振り向いて、走り去って行ってしまった。あっという間に遠くなる嵩月さんの後ろ姿を見送りながら、こっちは呆然とするしかない。
「……やられた……」
 さすがに、これは予想できなかったよ。嵩月さん。一本取られました。ええと……どうしても、にやにやせずにはいられそうにないから、家に帰るまで不審者扱いされないといいけどなあ。
 
 ふう。

 なんだか、思ってもみないくらいに大変な一日だった。つくづく、ともはちゃんには、悪いことしちゃったな。けど、いろんな人と会えて、それはそれで良かったんだと思う。

 佐伯くんの妹さん。ほんと、お互い苦労するよね。でも、夏目くんはちゃんと妹さんを見てくれてるよ。妹さんも、分かってるはずだよね。だから、もうちょっとだけ、素直になってみてもいいんじゃないかな。私の経験から言うと、それでも結構むずかしいんだけど。

 操緒さん。操緒さんは私のこと可愛いとか言うけど、操緒さんだって、とっても可愛いよ。夏目くんにはちょっともったいない気もするくらい。だからいつかきっと、夏目くんに、自分がどんなに果報者かってこと、ちゃんとはっきり、思い知らせてあげようね。

 黒崎さん。夏目くんのこと、ほんとはどう思ってるのか、そのうちゆっくり聞いてみたいな。きっと本音なんか言ってくれないだろうけど、でも、だったら私も遠慮なんかしない。どんなに美人で親しくても、ただの部活の先輩だっていうんならね。それでもいい?

 嵩月さん。今日のことは、夏目くんには当分ないしょだね。だって、最後に見せてくれた真っ赤にむくれた顔は、とんでもなく殺人的に可愛くて、あんなのを見せられたら、さすがの夏目くんもいちころだと思うから。二度も嫌いって言ってくれた、お返しだよ。

 はあ。

 困ったね。ほんとに、素敵な子ばっかり。分かってたけど。覚悟の上だけど。

 でもね。だから。

 夏目くん。そろそろ、覚悟を決めてね。私たちは、夏目くんから離れたりしないよ。夏目くんが一人で全部抱え込もうとしたって、そんなの、許してなんかあげない。だから、夏目くんが選んだ道を、いっしょに行こう。私たちは、もうとっくに選んだんだから。

 だいじょうぶだよ。こんなに可愛くてけなげな女の子たちがいっしょなんだもん。ぜったい、何があっても、だいじょうぶ。
264名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 17:23:18 ID:VNDI81rM
これにておしまい。最後までゆるゆると温いお話ですまんかった。
なんか書き進むほどに、ひかり先輩がすっかり別人に。orz
まあ結局何が言いたかったかというと、
・女の子たちがみんなハッピーエンドを迎えますようにナムナム
・いやその前に原作がきちんと完結しますようにナムナム
・玲子かわいいよ玲子
・朱浬さあーん! 好きだあーっ!
・杏…ッ! 不憫な子…ッ!
265名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 21:09:20 ID:pYckFBVo
ハーレムルートktkr、ってアニアが・・・
なにはともあれGJでございました
266名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 13:54:37 ID:wf4TR7bM
乙でした
次回作も楽しみにしてます
267名無しさん@ピンキー:2008/02/02(土) 23:04:57 ID:IqMyKU2a
俺も楽しみにしてるよ!
まさかここまでの神作品が投下されるとはな…
普通に原作の外伝レベルじゃないか
268名無しさん@ピンキー:2008/02/03(日) 23:57:38 ID:pvc2RT1y
俺さ、受験に成功したらSSを……いや、成功したら何も言わずにこの言葉の続きをするべきだよな




成功したらな………
269名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 07:25:45 ID:TGvwv41v
>>268 ガンガレ。合格と投下を、心から祈ってる。
270名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 18:07:07 ID:MCYxTwoL
ワイヤレスハートチャイルド、和緒の彼氏も大概お年頃なんだよな。
和緒相手のエロ妄想がだだ漏れですっかり耳年増になって、ちょっと試してみたくなる和緒とかどうか。
内緒でなつみさんに相談してみたりとか。
……ワイヤレスは知名度低いか?
271名無しさん@ピンキー:2008/02/05(火) 19:36:11 ID:GIEy330X
デュエル文庫の作品なんてバリバリに知名度は低いだろうが
わざわざ三雲岳人のエロパロ読みたくてこのスレ覗くような濃いここの住人なら知ってて当然レベルかな

密かに絵師とか二次元ドリームノベルで挿し絵したとか追いかけたし
272名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 22:20:10 ID:An6tiquO
智春&操緒×紫浬&朱浬。エロ。鬼畜要素はない…と思う。
3回に分けて投下。まずはお膳立て篇。
前置きなげーよという人や、寸止めイクナイという人は、このあたりはスルーヨロ。
273絶対封印プラグイン 第1回-A:2008/02/08(金) 22:21:19 ID:An6tiquO
 
 それは、レゾネータ、というらしかった。
「……新しいプラグイン?」
「そ」
 化学準備室で朱浬さんが取り出したケースを前にして、のっけから腰が引けた声を出した僕に、朱浬さんは例のごとくおっとりした微笑で応えた。
 この人の場合、こういう虫も殺さない顔をしているときが一番恐ろしい。また何か、ろくでもないことを企んでいるんじゃないだろうな。この人の、当人曰く罪のない思いつきのせいで、こちらに被害が及ばなかった例がないときては、警戒せざるを得ない。
「トモハルも、興味あるでしょ?」
「いや……ないです」
 正直にいえば、ないことはなかった。機巧魔神にかかわる総てのことに興味を持たざるをえない立場に、僕はいる。どんなことであれ、操緒を《K鐵》から解放できるカギになりえるのだから。
 だが一方では、プラグインというものにはとにかくろくな記憶がなくて、状況も分からないまま無闇に関わりたくもない。微妙なところだった。
「ふーん?」
 その瞳に面白そうな光をきらめかせる朱浬さんも、こちらの内心の矛盾を分かっているのだろう。僕の答えになど取り合わず、無造作に、机の上に置いたケースを僕の方へ押しやった。僕だけでなく、その場にいた操緒や嵩月、アニアの視線も否応なくその上に集まる。
「まあ、見てみなさいよ」
 僕は、おそるおそるケースを覗き込んだ。ケースの中はほとんどが詰め物で、真ん中が、ちょうどそのプラグインがすっぽり収まる形にくぼんでいる。レゾネータは、そこで冷たい銀色の光を放っていた。
 形は、例のイグナイターなどという卑猥な代物に比べれば、いたって普通だ。いわゆる音叉というやつで、ただ、全面に細かい紋様が彫られていることだけが特徴といえた。
『これって、なんなんです?』
 慎重に黙っている僕に代わって、操緒が尋ねる。
「んふふー。さあて、なんでしょーね」
「私も、初めて見るな」
 アニアがプラグインをまじまじと見つめながら呟く。機巧魔神に関する研究では世界でも屈指のこの天才少女でも、これが何なのか知らないのか。
「なんだこれは?」
 自分の知識を超えるというのがややプライドに障ったのか、詰問に近い口調で質すアニアに、朱浬さんは頬に人差し指を当ててみせた。
「うーん。実はあたしもよく知らないのよ」
 さっきはあれだけ勿体ぶって思わせぶりなことを言っていたくせに。思わずそこにいた一同が白い眼を向けるのに、朱浬さんは動じるそぶりも見せない。
「こないだ、王立科学狂会がどこぞで掘り出したらしいんだけど、良く分かんないからって、こっちに回してきたのよ。トモハルにも見せといてくれ、ってさ」
「え……僕に?」
274絶対封印プラグイン 第1回-B:2008/02/08(金) 22:22:18 ID:An6tiquO
 
 それはまた、うさんくさい話だ。
「兄貴ならともかく。僕なんかが見たって、分かるはずないでしょう」
「あたしもそう思うんだけど」
 しれっという黒服の上級生に軽く殺意を抱く僕の横で、アニアがあっさりとプラグインを手にとった。いろいろとひねくり回しながら、
「ふむ、特に目立ったインターフェースや機構部分は見当たらぬな……? レゾネータというからには、機巧魔神を何かと共鳴させるのだろうが、一体何とどうなるというのだ。表面の紋様も、特段何か意味がありそうには見えぬが」
「うーん。ニアちゃんでも分かんないか。実はちょっと期待してたんだけど。こうなったら、部長にでも訊くかなー」
「む」
 アニアはむっとした様子で、
「何も、今すぐ思い当たるふしがないからといって、私に解らぬはずがない。少し時間をかせ。必ず調べだしてやる」
「そう? んふふ。期待してるわよん」
 にっこりと笑う朱浬さんは、今の会話でまんまとアニアを乗せたに違いない。まったく、この人は悪人だ。倉澤六夏のように分かりやすい悪人面でない分、いっそうタチが悪い。思わずそんな感慨にふけっていると、
「ほれ」
 横合いからプラグインが僕の目の前に差し出された。
「アニア? えーと、それはちょっと」
「愚か者。いきなり《K鐵》に組み込んでみろなどと乱暴なことは言わん。一応、手にとってみるがよい。演操者には何か反応しないともかぎらんからな」
「う……」
 反応してもらっちゃ困るのだが、ここで断るというのも大人げないだろう。何も起こらないことを祈りつつ、アニアからそれを受け取った。
 ほっとしたことに、何も起こらない。
「ふむ。なるほど」
 アニアがうなずく。僕は手にしたプラグインが意外に軽いのに驚きながら、
「これって……音叉っていうんだろ」
 軽く、指をその上に滑らせてみた。その瞬間、涼しげな鈴のような音が、僕の聴覚を打つ。それと同時に、
『「んっ」』
 ため息のような声が重なって聞こえた。
 顔を上げると、朱浬さんが神妙な表情で胸に手を当てていた。ちょっと上を振り仰ぐと、操緒も同様の姿勢で、ほう、と小さく息を吐くのが聞こえる。
「朱浬さん……? 操緒……?」
275絶対封印プラグイン 第2回-A:2008/02/08(金) 22:23:24 ID:An6tiquO
 
「ん、あ」
 朱浬さんが、つと我に返って、
「あ、何でもない。……何でもないわ」
「いや、でも……? 操緒も」
『え? あたし……ええと、あは、何でもないってば』
 とても二人ともそんなふうには見えなかったので、さらに問い重ねようとしたとき、
「智春っ。プラグインっ」
 アニアの鋭い声がして、僕は自分の手の中のそれに視線を戻した。
「う……わっ」
 驚いた。レゾネータは、淡いオレンジ色の光を放ちながら、その先端から粒子状になってさらさらと崩れつつあった。あまりのことに、思わずそれを取り落とす。
「な……何だ……」
「智春っ。何をしているっ」
 アニアが、大急ぎで床の上にかがみこみ、目を凝らして観察を始めた。しかしその甲斐もなく、床の上に軽い音を立てて落ちたそのプラグインは、止まることなく空中に溶け続け、やがて全てが消え失せた。
 僕たちは呆然として、何もなくなった床の上を見つめる。
「何だ、今の……?」
「プラグインが、分解した……?」
 僕の問いのような呟きに、アニアが独り言のように答える。確かに、そんな風に見えた。アニアは鋭い視線を僕たちに投げかけ、
「智春。操緒も。何か、変わったことはないか?」
「い、いや……」
 僕自身には、取り立てて目立った変化はない。ちょっと、どきどきしているだけだ。
『あたしも、何ともないよ?』
 操緒も、きょとんとした顔で応じる。何なんだ、一体。
「……うむ……」
 アニアは、難しい顔をして考え込む。
「こんなプラグインは、見たことも聞いたことも……是非とも、調べなくては」
 ぐい、と僕を引き寄せたその双眸には、研究者魂があかあかと燃えていた。
「智春。今宵さっそく始めるぞ。図書館で一晩つき合え。奏もだ」
「え……ええっ」
 僕がのけぞったのは、嵩月やアニアを相手に一晩過ごすというので、けしからぬ想像を逞しくしたからでは、もちろんない。徹夜で、題名を読めもしない本を探したり、お茶やお菓子の給仕をしたり、アニアに無能だのトロいだのと罵られるのが容易に想像できたからだ。
 何とか、断るための口実を探す。ええい。この際、方便も許されるだろ。
「えっと……今晩は、テスト勉強が……」
「む? 奏、本当か?」
276絶対封印プラグイン 第2回-B:2008/02/08(金) 22:24:25 ID:An6tiquO
 
 わ。そこで裏を取るなんて、どこでそんな知恵を付けたんだ。真面目な嵩月が、咄嗟に口裏を合わせてくれたりするわけがないじゃないか。案の定、嵩月が罪のない口振りで、
「あー……テストは、たしか来週末……」
 暴露してくれてから、ちょっと慌てて口を押さえる。嵩月、遅いよ……。
「決まりだな」
 アニアが邪悪とも言えそうな笑みを浮かべ、僕はうううっ……、と呻いた。何てことだ。しかも、張本人の朱浬さんときたら、
「トモハルと操緒ちゃんが付き合うなら、あたしはいいわよねー。先に帰るわ」
 しれっと、まるで他人事のように言ってくれる。
「う、うむ」
 アニアにしてみれば、朱浬さんも観察対象にしたかったはずだが、さすがに朱浬さんの笑顔を前にしてごねる度胸はないらしい。そのかわり、二人分たっぷりつき合えとでも言うように、僕を睨み付ける。あー、はいはい。どうせ僕はそういう役回りだよ。
 そんな風に少しいじける僕を後目に、
「じゃねー」
 朱浬さんは軽く言って立ち上がり、それから、滅多にないことに、よろけた。すぐ近くにいた僕は、慌てて立ち上がり、朱浬さんの二の腕をつかんで支える。
「……大丈夫」
 ですか、と言いかけて、朱浬さんと目が合った瞬間、僕は息を呑んだ。
 いや、確かに朱浬さんは美人だ。それも、でたらめなくらいに。中身がアレなことは重々分かってはいても、いざその美貌をこんなに間近で見れば、健康な青少年男子としては、やはりいくらかは緊張する。
 だが……その香りは、こんなに芳しかったろうか。肌は、こんなに吸い付くように滑らかだったろうか。瞳は、こんなに潤んだ光を宿していたろうか。唇は、こんなに艶めいていたろうか。吐息は、こんなに甘かったろうか。腕は、こんなに華奢で柔らかかったろうか。
「あ」
 一瞬のことだったと思う。朱浬さんは目を丸くして僕から飛びすさり、
「ごめーん。ありがとね、トモハル」
 もう、いつもどおりの朱浬さんにしか見えなかった。目をこすりたい思いで見つめる僕に向かって、
「ふふーん? どったの? いまさらながら、あたしの魅力にまいったとか?」
 おっとりと、だが悪戯っぽい目つきと笑みで訊ねてくる。
「あ、いや……」
 首を振るのが精一杯の僕の背中に、
『智春おー?』
 いやに優しげな操緒の声と、やけに冷たい嵩月の視線が突き刺さった。いや、なんでもないんだ。君たち。話し合おう。別に、ちょっとした人助けをしただけじゃないか。
 おおわらわでそっちへの対応に追われる僕が背中を向けた隙をぬうようにして、朱浬さんはさっさと化学準備室を出ていってしまった。やれやれ。相変わらず、周囲を引っかき回すのだけは上手い人だ。
 それにしても……いったい、何だったんだ。今の。
277絶対封印プラグイン 第3回-A:2008/02/08(金) 22:25:27 ID:An6tiquO
 
『智春。やっぱ、風邪?』
 満月にもうあと二、三日という感じの月明かりに照らされた夜道で、僕と並んで鳴桜邸への帰路をたどりながら、操緒が訊いてきた。
「んー……どうかな」
 僕の答えは、頼りない。本当に、よく分からないのだ。頭がぼうっとして、体がふわふわした感じはあるが、頭痛も喉の痛みもないし、洟も咳も出ない。それに、いつぞやの風邪のときと違って、操緒も普通に出てるし。
『ふーん。ま、でも、良かったじゃん。ニアちゃんに勘弁してもらえたんだし』
「そうだな」
 僕は苦笑する。有り体に言えば、アニアには叩き出されたも同然なのだった。本を探しにいけば書棚の間でぼうっと突っ立っているし、お茶を出せばアニアが読んでる本の上にぶちまけるし、話しかけられても全て生返事とくれば、まあ致し方ないだろう。
 その挙げ句に、あやうく、激怒したアニアに運気のことごとくを吸い取られようとした時に、嵩月が「あー……夏目くん、風邪かも……」と取りなしてくれたのだった。
 アニアもこれには拍子抜けしたらしく、「病気か。だったら、早く言え。病人に徹夜させるほど、私も人でなしではない。さっさと帰るがよい」と、あっさり放免してくれた。
 本来ならアニアも一緒に鳴桜邸に戻るべきだったろうが、本人がすっかりやる気なので、図書館に残してきた。アニアがあの図書館で夜なべ仕事をするのは、これが初めてというわけでもないし。
 そのために今や、ベッドをはじめとした色々な家財道具が運び込まれていて、一晩や二晩過ごすのには何の不便もない。まあ、お風呂だけはさすがに付いていないが、それは、最初にみんなで夕食を取りに出たときに、さっさと銭湯で済ませてきたし。
 それに、生徒会関係者をはじめ演操者がごろごろいる洛高に、たとえ夜中だろうと忍び込んで悪さをしようなんて輩はまずいないから、むしろ、鳴桜邸にいるよりも安全で快適かもしれない。まあ、せめて短時間でも、暖かくして睡眠を取ってくれるように祈るばかりだ。
 嵩月は、僕と一緒に引き上げた。僕を鳴桜邸まで送ると言ってくれたが、こっちもそこまで体調が悪いわけじゃないので、せっかくだけどお断りした。いくら強力な悪魔だといっても、こんな夜遅くに鳴桜邸から自宅まで女の子を一人で歩かせたくない。
 嵩月はそれでも少し渋ったのだが、操緒が「だいじょうぶだって。あたしもいるし」と受け合ったので、諦めてくれた。なんか、僕より操緒のセリフで納得してくれるというのが、微妙な感じではあったが。
 嵩月の自宅の門前で別れ際に、「……夏目くん。お大事に」と真剣な面持ちで言ってくれたのは、本当に有り難かった。とにかく、僕の周りときたら最近、人の迷惑も考えないような人間ばかりだから、こういう素直な善意はとても心にしみる。
 ほのぼのと嵩月の控えめな笑顔を思い出していたら、肩の上から冷たい声がした。
『智春。鼻の下伸びてる』
「んなこと、ないだろ」
 思わず鼻の下をこすりたくなるのを懸命にこらえて、操緒を見上げる。
『ふーん? どーせ、嵩月さんのことでも思い出してたんでしょ』
「う……」
278絶対封印プラグイン 第3回-B:2008/02/08(金) 22:26:30 ID:An6tiquO
 
 こいつは、ほんとに時々、こっちの心が読めるんじゃないかと思う。言葉に詰まった僕を見て、操緒は半眼になり、
『スケベ』
「別にそんなんじゃ……」
『さっきのコンビニでも、やらしい雑誌見てたし』
「いや、あれは……」
 しかし、それは事実なのだった。自分でも、どうかしてたと思う。ちょっと買い物に立ち寄ったコンビニで、ふと気付いたら、十八歳未満お断りのスペースで大人の雑誌に手を伸ばしていた。操緒の鋭い制止の声がなかったら、そのまま手にとっていたに違いない。
 普段なら、それはもちろん興味がないと言えば嘘になるが、操緒もいることだし、そんなことはしない。だが、その雑誌の表紙の上で、ストレートセミロングで長身の美女が黒い下着姿で微笑んでいるのを見たとき、僕はふらふらと惹き付けられてしまったのだった。
 何がなんだったのか、自分でもよく分からない。
『やっぱ、ヘンだよ。今日の智春』
 僕の首に操緒の腕が回されて、思わず身を固くした。実際に締め上げられたりするおそれはないとはいえ、気持ちのいいものではない。と思ったら、僕の頬に自分のそれをすり寄せるようにして、操緒が背後から顔を寄せてきた。
『こーんなに可愛い女の子がすぐ側にいるのに。それじゃ不満?』
「操緒……」
 どうしたんだ、こいつ。いつもなら、険悪な罵声が飛んでくるところなのに、僕の耳のそばで聞こえたのは、やけにしっとりした囁きだった。新手の嫌がらせかと警戒しながら横目で見やると、何というか……妙に、頬が上気していて、表情が柔らかい。
「ヘンなのは、そっちだろ」
『え』
 僕に言われて、びっくりしたような顔になる。自分じゃ、気付いていなかったのか。慌てて僕から離れて、
『あ……あれ……? え、と……あたし?』
 何度か瞬きし、首をかしげた。僕はため息をついて、
「なんか、二人ともおかしいな。今日は」
『うん……そうかも』
 図書館でぼんやりしていたのは、僕だけではなかった。操緒までもが、気付くとあらぬ方を見ていたり、何度も呼びかけても答えなかったりしていたのだった。アニアが早々に諦めてくれた理由には、そのことも含まれていたかもしれない。
「……今日は、さっさと寝た方がいいかもな」
『そだね』
 といっても、もう十分に遅いのだが。とりあえず鳴桜邸の門構えが見えてきたところで呟いた僕に向かって、操緒も頷いた。それから、
『ん?』
 不意に空中に浮かび上がり、手びさしをしながら鳴桜邸の方角を見る。
「どうした?」
 訊いた僕に、操緒は戸惑った顔で声を潜めて、教えてくれた。
『灯りがついてる』
279絶対封印プラグイン 第4回-A:2008/02/08(金) 22:27:35 ID:An6tiquO
 
「ほんとだ……」
 鳴桜邸の門をくぐったところで、僕と操緒は足を止めて、誰もいないはずの建物の二階の窓から漏れる灯りを眺めた。それも、よりにもよって、
『あれって……智春の部屋じゃん』
「……だよな」
 間違いない。東南の角部屋だ。
「何だろうな」
 言いながらも、実はあまり狼狽えてはいなかった。慣れたくはないが、前例がないわけではない。嵩月に始まり、朱浬さんとか真日和とかこないだの友原さんとかいう家出少女とか、この屋敷には招かざる客が勝手に入り込んでいることが多いのだ。
『どーする?』
「そりゃ……確かめるしかないだろ。ここ以外に、帰るとこないんだし」
 願わくは、あまり物騒な輩ではありませんように。僕は物音をさせないように玄関に歩み寄り、鍵を開け、中に入った。ええと、玄関の鍵が閉まっていたということは、相手は窓とか地下とかから入り込んだということか。
 そのまま、忍び足で廊下をわたり、階段を昇る。古い家だから床がどうしても軋むので、ゆっくりとしか進めない。電灯を点けることもしなかったが、自分の部屋までなら慣れたものなので問題ない。
 ようやく自分の部屋の前にたどりつき、そこで一息つく。
『見てこよっか?』
 操緒が囁く。
『天井のとこからちょっと覗くくらいなら、向こうにも気付かれないかもよ?』
「いや……」
 僕はかぶりを振った。相手が分からない以上、ここは慎重に行こう。扉にそっと耳を寄せて、室内の様子を窺う。しばらくは、自分の鼓動の音の方が大きくて何も聞き取れなかったが、そのうちに段々と耳が澄んできた。
 かすかに、何かがこすれる音。衣擦れだろうか。続いて、
「……ふっ……」
 聞こえてきたのは、どう考えても、人間の吐息だった。僕と操緒は顔を見合わせる。再び扉に耳を付けると、今度はもっと鮮明に聞こえた。
「は……ふ……ふぅ……は、あ……あ、ん……は」
 声音からすると、どうやら女の人らしい。どことなく聞き覚えがあるような気がしたが、しかしこれは。
『何やってんだろ』
 呟いた操緒の声にも、ねっとりとしたものがまとわりついていた。確かにこれは……悩ましすぎる。一体、人の部屋で何をやってるんだ。まさか、どこぞのカップルでもしけこんでよろしくやってるんじゃあるまいな。
 それでも相手の様子から、どうやら室外へはあまり注意を払っていなさそうだと見当をつけた僕は、そうっと扉を開き、おそるおそる中を覗き込んだ。何も反応が返ってこないことを確かめると、室内へ体を滑り込ませ、まずベッドの上に目をやった。
 案の定、そこにいた。一人だけだ。やっぱり、女性だった。ベッドにうつぶせになり、今やはっきりと荒くなった息づかいとともに、体を小刻みに動かしている。これじゃ、まるで。
280絶対封印プラグイン 第4回-B:2008/02/08(金) 22:28:40 ID:An6tiquO
 
『な……なにしてんのよっ!』
 想定外の情景に言葉を失った僕の代わりに、操緒が大きく叫んだ。その声に、女性の動きが止まり、ややあってから、のろのろと顔を上げてこちらを見る。
 その顔には、見覚えがあった。だが、あまりの意外さに、僕は凍り付いた。
「……朱浬さん……?」
 いや、ある意味では、そこにいても不思議のない人ではあった。朱浬さんは、どうもこの家を自分のセカンドハウスとでも思っているふしがあって、よく勝手に入り込んでは、僕のワイシャツ一枚というきわどい恰好で、ぶらぶらしていたりするのだ。
 そう、まさに、今もそんな恰好だった。ベッドの上で肘をついて上体を起こした朱浬さんは、やはりワイシャツ一枚で、だがいつもと違って、そのボタンは半ば以上が外されて滑らかな胸の谷間を垣間見せていた。さすがにここまで無防備な姿は、見たことがない。
「え……」
 朱浬さんは当初、誰が入ってきたのか分からなかったらしい。徐々にその瞳が焦点を結び、僕と操緒の姿を認めたのか、やおらベッドの上で飛び上がった。ワイシャツの裾がめくれ上がり、すらりと伸びた素足の根元のショーツまで丸見えになる。
「ト……トモハルくん? な……なんでっ……」
 いや、自分の家に帰ってきただけなのに、なんだってそこまで意外そうな顔でそんなことを言われなければならないんですか。
「いや……なんで、って訊きたいのはこっちで……一体、何して……」
「だ……だって……どうして……トモハルくん、今日は帰ってこないって……」
「それは……いやその、人が留守にしてるからってですね」
 言いながら、いわく言い難い違和感と既視感を覚える。その正体を確かめたくて、朱浬さんの顔をまじまじと凝視した。どことなく、気弱っぽくて頼りなげで、優しくて柔らかい表情。これは……朱浬さんじゃない。まさか。しかし。まさか。
「紫浬、さん……?」
「あ……」
 一瞬、あっけに取られたように目を見開いたあと、黒崎紫浬さんは、心の底から嬉しそうな笑顔をひらめかせた。
「トモハル、くん」
 その弾んだ声を聞いたときだと思う。僕の中で、スイッチが入ったのは。今日の午後からずっと、もやもやと体内でわだかまっていたものが、はっきりと形を成したのは。
『ト……智春っ?』
 操緒の慌てた声がどこか遠くに聞こえた時には、僕はベッドのすぐ側まで近寄って、紫浬さんを見下ろしていた。僕は……何をしてるんだ。
「トモハルくん……」
 紫浬さんの声にも、いくらかの怯えが混じる。ベッドの上で後ずさりして壁に背をつけ、小さくいやいやをしてみせる。
「だめ……トモハルくん……だめ、です……」
 いや、紫浬さん。そんなに熱っぽく潤んだ眼差しを投げかけながら、そんなに期待で震える声で囁くなんて、こっちを誘ってるとしか受け取れません。貴女も、そのつもりなんでしょう? 僕と……同じなんでしょう?
 僕はベッドの上に膝をつき、紫浬さんを壁際に追いつめる。そのおとがいに指をかけると、紫浬さんの唇がわずかにおののき、軽く開かれるのが見えた。僕は……ああ、もう何もかもが、どうでもいい。目の前の相手とひとつになること以外に、何も考えられない。
『智春っ……何して』
 操緒の悲鳴のような叫びは、僕が紫浬さんに唇を重ねると同時に、断ち切られた。
281絶対封印プラグイン 第5回-A:2008/02/08(金) 22:29:50 ID:An6tiquO
 
 お世辞にも、上手いキスとは言えなかったと思う。そりゃ、こっちは(露崎だとか鳳島氷羽子との件は数えずに)初めてだし、紫浬さんにしたって、ぎこちないものだった。それでも、お互いを求める荒々しさだけを頼りに、僕たちは相手の唇をむさぼり合った。
「ふ……あ……」
 ちょっとだけ二人の唇が離れる都度、かすかに漏れる紫浬さんの甘い吐息が、お互いの動きをいっそう加熱させる。何度も何度も、一番ぴったりと隙間なく相手と触れ合える位置を求めて、僕たちは息継ぐ間もなくキスを続けた。
 さすがに息が切れるまで、どれくらい経っただろう。荒い呼吸を繰り返しながら、それでも至近距離で目線を合わせたままの僕たちに、横合いから、操緒が倒れ込むようにしなだれかかってきた。
『は……あ……なん、なのお、これえ……』
 そちらに目をやると、操緒も息を切らし、頬を紅潮させ、熱に浮かされたような瞳をしている。どういう仕組みなのか、服の胸元までが少しはだけていて、実に扇情的だった。
「操緒……」
 これは……おかしい。紫浬さん、いや朱浬さんも……操緒も……僕も……何を、してるんだ。こんな……こんなことは……あるはずがない。
 僕の脳裏に浮かんだ疑問は、しかし、
「……トモハルくん。よそ見は、ダメ」
 紫浬さんが僕の顔に両手をかけて自分に向き直させた途端に、どこかへ霧散してしまう。
「ね」
 たしなめるように小首を傾げるなり、今度は紫浬さんから挑んできた。
『はあっ……』
 操緒の喘ぎが聞こえたような気もしたが、構っていられない。紫浬さんの舌が、最初はおずおずと、でもすぐに大胆な動きで、僕の中に入ってくる。唇の裏や歯をなぞってくれる。背筋がぞくぞくするような快感を覚えながら、僕も舌を動かした。
「ふ、うっ……」
 互いの舌の先端が触れ合った瞬間、紫浬さんの体が大きく震え、その息が僕の口に吹き込まれた。さらに、闇雲に舌を絡め合ううちに、僕の舌が紫浬さんの舌の裏側をかすった時、紫浬さんの背筋が軽くのけ反る。
「は、あ」
 予想外の感覚に少し驚いたのか、やや身を引き気味にした紫浬さんを僕は逃さず、そのポイントを責め立て続けた。最初は受け身のまま体をくねらせていた紫浬さんも、やがて積極的に、同じようなやり方で反撃し始める。だめだ。気持ちよすぎる。
『あ、あんっ……だめ、そんなっ……』
 僕が快感に陶然となるのと同時に、操緒の感極まった声が聞こえた。もしかして、僕と感覚がシンクロしてるのか? 一体、どういうわけだ?
 だが、そんな思考も長くは続かない。僕と紫浬さんは、操緒の途切れ途切れの嬌声を背景に、酸欠気味でぼんやりとなりながらも、ひたすらにお互いの口腔と舌を犯し続けた。
 そのうちに、紫浬さんの動きがやや緩慢になり、耐えきれないような吐息が漏れ始める。そろそろ、僕も限界かもしれない。最後のあがきとばかり、紫浬さんの顔を思いっきり引き寄せると、舌全体で紫浬さんの舌を裏側から舐めあげ、吸い立てた。
「っ……!」
 紫浬さんの全身が、一瞬硬直するなり痙攣した。僕は、ぎりぎりまで紫浬さんの舌と反応を堪能してから、唇を離す。
「は……ああああっ」
 紫浬さんは深い深い吐息とともに、脱力した上半身を僕に預けた。
 しばらく、二人とも息を静めるのに精一杯で、何もできず何も喋れなかった。いつの間にか、上着をはだけさせられてシャツだけになった僕の胸の中で、紫浬さんの体がどこまでも熱く柔らかい。
『智春お……』
 操緒が、とろけそうな表情と声で、僕の眼前に現れた。
282絶対封印プラグイン 第5回-B:2008/02/08(金) 22:30:58 ID:An6tiquO
 
『あたし、ヘン……あたし……』
「ああ……でも、いい、だろ……?」
『うん……』
 理性のかけらもないやり取りだったが、操緒は頷いてくれた。そうか。なら、このまま。
「紫浬さん……」
 紫浬さんの耳にそっと囁くと、その肢体が軽くわなないた。僕の胸に手をついて少し体を離すと、耳まで真っ赤になった顔を見せてくれる。
「トモハルくん……もう、わたし」
 そこで、いきなり僕を仰向けに突き倒す。不意打ちに抵抗すらできずベッドに倒れ込んだ僕の上で、紫浬さんは馬乗りになった。僕の顔の両側に手をついて、おおいかぶさってくる。
「ゆ……」
 呼びかけようとした僕を、微笑みで黙らせると、完全に僕と抱き合うところまで体を重ねる。不思議と、ふだんなら感じるはずの怪力も体の重さも、苦にならない。なんだか、僕の体の中からそれを跳ね返すに足るだけのエネルギーが湧き上がってくるようだった。
 紫浬さんは、僕の上で深い深い吐息をついた。ノーブラの胸が僕の胸の上でつぶれてやわやわとうごめき、そのしなやかな手が僕の脇腹から背中を撫でる。それらの感触全てに、僕も頭がどうにかなりそうだった。僕の肩におとがいを乗せると、耳元で囁いてくる。
「もう、わたし……がまん、できません。だって、ぜんぶ、あれの……せいですから……仕方ない、ですよね? トモハルくんだって……」
「あれ、って……?」
 首筋に感じる紫浬さんの息づかいに我を失いそうになりながら、かろうじて訊ねる。紫浬さんは僕の耳から首に軽い口づけを繰り返しつつ、一言だけ呟いた。
「共鳴……器」
「あ……」
 あれか。レゾネータ。紫浬さんは、僕の顔に頬をこすりつけ、唇で僕の顎をなぞり、細い指先で僕のシャツのボタンを器用に探り当てて外しながら、続ける。その間も、僕の胸の上のふくらみと腹の上の柔らかい盛り上がりとが、微妙にうごめいて僕を刺激していた。
「トモハルくんも、もう分かるでしょ……あれは、機巧魔神同士を……その通じ合う部分を増幅して……魔力がぐるぐる回って強め合って……でも、こんな……こんなふうに響き合うなんて……ああ、でも」
 共鳴。機巧魔神同士の。そう言われてみれば、僕は演操者で、操緒は射影体で、紫浬さんの体には機巧魔神の技術が使われていて、しかしそれが、どうして……?
 いやだが、確かに、この体の底から揺るがされるような衝動は、《K鐵》を呼び出すときのそれに通じている。紫浬さんと……共鳴し合う相手と、どこまでもひとつになって融け合ってしまいたいという、抗いがたい切望が、僕の裡で渦巻き、荒れ狂っている。
 ああ。僕も分かっていた、のかもしれない。あの午後の化学準備室で、朱浬さんと目を合わせたときから。僕と操緒と、朱浬……紫浬さんが、離れていられたりするはずがないってことを。コンビニで見かけた雑誌の表紙モデルも、思えば、朱浬さんに少し似ていた。
 呆然と横たわる僕は、ふいに胴体に冷たい空気を感じて、視線を下ろした。紫浬さんがいつの間にか、僕のシャツを左右にはだけさせ、Tシャツを胸のところまでまくりあげてしまっていた。悪戯っぽい、でもどことなく怨ずるような目つきで僕を眺めながら、
「ふふ……トモハルくんが……悪いんですよ? あんなの……起動しちゃって。トモハルくんのシャツとベッドで……それだけでがまんするつもりだったのに……いきなり帰ってきて……あんなふうに呼ぶから……あんなキスするから……だから、わたしだって」
 その声の甘やかすぎる響きにくらくらし始めた僕の胸から脇腹を、紫浬さんは、さも愛おしげに指でなぞった。
「う……」
『ひゃっ……』
 うめき声を上げたのは、僕だけではない。操緒もまた、僕と同じ快感を共有したらしかった。それを見て、紫浬さんが目を細める。
「ふふ……可愛い。トモハルくんも。操緒さんも」
283名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 22:32:14 ID:An6tiquO
今回はここまで。次回は紫浬さんタチ篇+朱浬さんネコ篇。
284名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 22:44:36 ID:1+1Pj6aA
GJ!
続き全裸で待ってます!
285名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 22:59:09 ID:Onb4Cs3a
じゃあ俺は全裸どころか皮剥いて待ってる!
286名無しさん@ピンキー:2008/02/08(金) 23:20:47 ID:MUoDGkQR
GJ!!!
全裸でおったてながら待ってる
287名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 02:42:58 ID:MJnij+Yg
俺はガマン汁垂れ流しながら続きを待つ!
288名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:11:39 ID:2wKML7zW
「はい、トモハル」

突然、朱浬さんに部室に呼ばれたかと思うと謎の物体を手渡された。
今僕の手の中にあるこれはゴムのような透明な容器であり、中には透明な液体が入っている。
経験上このパターンは何かしら悪魔にかかわることで、更にまた佐伯兄と一悶着が起こる。間違いない。
既に(と言うより呼び出された時点でだが)覚悟を決めた僕は朱浬さんを見つめて何をすればいいのかと聞くことにする。
「えー…コレは何で僕は何をすればいいんですか?」
僕の後ろに漂う自称守護霊の操緒もやはり諦観の境地に達しているらしく、ただ疲れたため息を吐き出すのみである。
もはや単なる雑用係と言うべき立場であるのに文句を言わさせないのは朱浬さんが相応の"暴力"と"魅力"を持っているからだろうか?
そんな考えを持っていた僕に返ってきた答えは意外なものであった。
「ん?コレはローション。あと別に何もする必要はないけど」
『………絶対嘘』
操緒の限りない疑惑の目線を軽く受け止め、僕にコレの説明をした。
「うーん、トモハルには関係あるけど別になにしろって事では無いわ。奏っちゃんに渡すか大事に保管しておくかどちらかしておけばいいわ」
「…でもローションって事はあの、つまり化粧水ですよね。コレは何か特別なヤツですか?」
どうやら特に貴重品でも無いのはぞんざいな扱い方をしているのでわかったし面倒事に巻き込まれる心配もあまりなさそうだ。
しかし、僕の発言を聞くや否や朱浬さんはその紅唇を楽しげに歪ませて僕をしっとりと見回した。
「あの…?」
「訂正するわ。奏っちゃんに渡しなさい。それもなるべく早くにね」
目が狐のように弧を描くような笑い方を表現した。
操緒はどうやらとても嫌な予感がしたらしく
『智っ!用事は済んだんだから戻るわよ!』
強引に用事を切り上げてしまった。
あわただしく去る僕達の背中を見送った後、朱浬さんが笑顔で
「がんばって頂戴、トモハル」

と誰しれず呟いたのは当人以外は知るはずも無かった。
289名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:13:52 ID:2wKML7zW
>>288

一方の僕はと言えば教室に戻り、嵩月に例の物を渡し終えた所だった。
「これは……」
「朱浬さんが嵩月に渡せって……どうかした?何だか表情が暗いけど」
だいたいペットボトル程度のソレを手に、嵩月は眉をハの字にしてなにやら困っている。
とするとやはり何か変な物では無いのか?コレ。
その様子に操緒も興味津々とばかりに覗くがやはりただの透明な液体である。
水のようにも見えるがよく見ればほんの少し粘性があるようにも見える。
そんな僕と操緒の視線に気づかずに嵩月は手渡されたままの格好で「あの…」だの「…その、」だの呟くのみだ。
心無し顔が赤く染まってるようにも見えるがただの光の加減だろう。むしろ化粧水を渡されて照れるような理由が無い。
とりあえずこのまま立っていてもしょうがないので席に戻ろうとした僕の制服の袖が掴まれた。

「私の家に来て下さい!!」

……教室が静まった。
校内有数の美少女が大声であまり冴えない男を家に誘う姿を見れば納得できる現象であろう。
その中心に居た僕と嵩月。
嵩月は顔をうつむかせて僕の袖を軽く焦げ臭くなるまで握り締めているだけだが、僕はそうはいかない。
「……………」
「……………」
『…………』
クラスメイトの大半が僕を睨む中、特に佐伯妹と杏、操緒の目線が痛かった。
杏はびっくりしたような顔をすると僕を居ないかのように無視し始め、佐伯は口を「シ・ネ・ヘ・ン・タ・イ」なんて動かす。
操緒はむしろ笑顔だがそれが怖い。
そんな中、嵩月は僕の返事を待っている。
無論ここで波風を立てない選択ができるならそれがいい。だが朱浬さんの指示の延長線にこの嵩月の行動があるのだ。
災いの種というのは放っておけばすぐに芽がでて成長するものなのである。
ならば、何かが起きる前に手を打てればそれが最上だ。
僕は物理的な殺傷力を持ちかねない視線に晒されながらその申し出を受託した。
290名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:14:32 ID:2wKML7zW
>>289

『変態』
かくして、表面上は何事もなく平穏な毎日に分類されるであろう1日が
『なに鼻の下伸ばしてるの?馬鹿みたいだよ?』
…1日が、ようやく1/4も終わり、約束通り僕は嵩月の家へ
『やっぱ胸に釣られたんだね。あーあ、ニアちゃん悲しむだろうなー』
……嵩月の家へ、
『佐伯さんも恨みがましい目で見てたしあれは夜道に後ろからブスッて刺すね』
…………………
『何?どうかした?』
何故かずっと不機嫌…いや、表面上はいつも通りの操緒はずっと帰り道から愚痴(?)を僕の耳元で独り言のように話していた。
おかげであの化粧水は何だったのか?とかやっぱ佐伯妹が睨んでたから悪魔に関係するものだろうか?などといった思考も途中で寸断された。
それを止めるように言ってみたが『独り言を言ってるだけだし』と言って聞く耳を持ちやしない。
なので、止めさせる事を諦めて延々続く自称独り言をBGM代わりに嵩月の家へとたどり着いたのだ。
「…ぉじゃましまーす」
そして奇跡的に誰にも会わずに例の純日本家屋!とでもいった建物へと着き、中でなにが起こるのかと心配が伺える情けない声で挨拶をした。
『…誰もいないのかな?』
しかし返ってくる声は無く、暗い闇がそこに在るばかりであった。
これでは仕方がないな、と安心半分不安も半分で肩の力を抜き、帰ろうかと踵を返そうとしたその時。
「…お待ちしておりました」
しっとりと、どこか艶を感じさせる嵩月の声が闇の奥から聴こえた。
291名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:17:26 ID:2wKML7zW
こんな先の読める展開だけど続く。
あと1/4じゃなくて3/4だったわホント馬鹿な奴だ
もう一回投下で完成なんで無視でも生暖かい目で見るのでもどっちでもいいんでこのスレを少し借りさせてもらう
292名無しさん@ピンキー:2008/02/11(月) 21:29:52 ID:X+ZyaF7Z
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 嵩月!嵩月!
 ⊂彡
293名無しさん@ピンキー:2008/02/12(火) 20:31:55 ID:7jCdrB9M
GJ!
少しなんて言わずにどれだけでも使ってください。
294名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 00:01:17 ID:tAGEF9Fu
GJ
ワッフルして続きを待ってる
295名無しさん@ピンキー:2008/02/13(水) 11:08:16 ID:uh9F2moW
これは?携帯だけだけど
ttp://courseagain.com
296名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 15:18:06 ID:iXM7OtZl
智春&操緒×紫浬&朱浬の続き。紫浬さんタチ篇+朱浬さんネコ篇。
早いとこ突っ込めバカ野郎。という人は、スルーヨロ。
297絶対封印プラグイン 第6回-A:2008/02/15(金) 15:19:40 ID:iXM7OtZl
 
 そのセリフに、紫浬さんと過ごした短い日々のことを思い出す。そういえば、大人し目な話し方と表情のわりに、大胆でSっ気のある振る舞いをするひとだった。
「ほんとに、可愛い、です……」
 言いながら、僕の乳首に舌を這わせてくる。うおっ。
『あん……はあっ』
 僕は何とかこらえたというのに、操緒は僕の横で身をよじり、あられもない声を上げた。《K鐵》とじかにつながっている分だけ、僕よりも共鳴効果が強くて深いのかもしれない。それを見た紫浬さんは、うっとりと笑った。
「ふふ……ここが、気持ちいいんですね? 操緒さんも……トモハルくんも」
「あ……」
『や……ああっ……やんっ、やっ……だめえっ』
 紫浬さんは容赦なく、舌でくすぐり、舐め、唇全体で吸い立ててくる。女の子に責められてだらしなく喘ぐのだけは避けたくて、僕は懸命に歯を食いしばるのだが、いかんせんそのすぐ横から、抑えきれない風情の嬌声が響いてくるとあっては、努力の甲斐もない。
 何とか体を起こして、一方的に握られた主導権のいくらかでも取り戻したいのだが、体の自由がうまく利かなかった。もしかすると、操緒が僕以上に、紫浬さんの愛撫にすっかり酔ってしまっていたからかもしれない。
『あ……はあっ、は、あ、んんっ……しゅ、朱浬……さん……ま、待って……』
「あら」
 操緒がそれでも試みる、言葉だけの空しい抵抗は、紫浬さんの嗜虐心をいっそう煽っただけらしく、
「操緒さんは、わたしをちゃんと呼んでくれないんですか……? だめですよ。そんなの」
『で、でもっ』
「これでも……?」
 言うなり、白い歯を使って甘噛みされた。さらに、両手で、もう片方の乳首をいじりながら、脇腹から背中をさすってくる。
「ううっ……く……」
『ふ、あ、あう、ああっ、あ、ふ、ん、く、くうっ、あ、あ、は、はうっ』
 ひとしきり、唇と舌と指で好き放題に操緒と僕を弄んでから、紫浬さんは上気した美貌を少し持ち上げて、上目遣いに微笑む。
「操緒さん? さあ」
『は……あ……ゆ……ゆか、紫浬、さん……』
「はい。よくできました」
「くうっ」
『う、は、はあんっ……』
 今度は操緒だけでなく、僕も一緒に高い声を上げてのけ反った。紫浬さんが、僕の股間に手を這わせたからだ。ここまでのところで、もうすでに十分以上にいきり立っていたそこは、紫浬さんの微妙なタッチに、一段と膨れあがったように思えた。
「ああ、すごい……」
 紫浬さんの声も、さっきよりも明らかに情欲に濡れていた。操緒と僕の反応に、向こうもあらためて火がついたらしい。潤んだ瞳で僕の目を覗き込み、
「すごいですよ……トモハルくん……」
298絶対封印プラグイン 第6回-B:2008/02/15(金) 15:20:49 ID:iXM7OtZl
 
「ゆ、紫浬さん……」
「ふふ……うれしい。わたしで感じてくれてるんですね。これから、もっともっと、よくしてあげますから」
 鋭い金属音がして、不意に僕の下半身から衣服の感触が消えた。
「え……」
 ぼうっとしながら紫浬さんを見ると、少し舌を出しながら、
「ごめんなさい……ベルトとかチャックとか、面倒だから……」
 言い訳のように呟くその右手の先に、一瞬だけ銀光が閃いて、消えた。いや……そういう使い方もあるのか。この際、どうでもいいが。
「ふうん……」
 紫浬さんは、むき出しになった僕のそれをしげしげと見る。あのう、それはちょっと恥ずかしいのですが。
「こうなるんですか……この間とは、ずいぶん」
 そうなのだ。このひとは、あろうことか僕の一物を見て触ったことがある。あれは、風邪で抵抗力の弱った僕の下の世話を強引にしてくれた時だった。考えてみると、今もあの時の状況と、そう変わらないような気もする。
「ふふふ。なんか、もう出てますよ」
 紫浬さんは、その細い指を、僕の先端に滑らせた。しみ出していたものをすくい取り、敏感な箇所に塗り広げる。
「おっ……」
『は、あ、ああっ、あ、あ』
 僕と操緒が、同時に腰を跳ね上げる。だめだ。もう、保たない。紫浬さんも初めてで興味津々だったのか、遠慮なく掌全体で包み込むようにしていじってきたから、ひとたまりもなかった。
「う、お……」
『や、だ、だめ……っ』
 一瞬、意識の全てが吹っ飛ぶ。こらえていたものが全て、勢いよく噴き出すのだけが分かった。それから大きく息を吐き、吸って、薄目を開けた視界の中で、紫浬さんはさすがに少しびっくりした顔をしていたが、すぐに婉然と微笑んだ。
「うふふ……いっぱい、出ましたね……」
「は、はあ…」
 こちらは、満足な返事をするだけの余裕もない。横を見ると、操緒に至ってはようやく硬直が解けて、ぐったりと横たわるところだった。
『ふ、あ、は、はあ……ん』
 僕の耳のすぐ横で、とろけきった吐息を漏らす。スタイルのよい肢体が全体に紅潮してひくひくと震え、焦点の合わない目が僕をぼんやりと見つめていた。そのあまりに扇情的な姿に、僕の背筋がぞくりとなり、腰の奥にあらためて熱が宿る。
「あ……トモハルくん。また」
 紫浬さんが、からかうような喜ぶような声を出した。
 そう。僕は復活していた。体の奥から、とめどもない活力が湧いてきて、あっという間に僕の体を満たす。これは……レゾネータによる魔力循環と増幅の結果ということなのか? 呆然とする僕の目の前で、紫浬さんが、いきなりぶるっと体を揺すった。
「あ……そんな……わたしにも……これが……共鳴……?」
 紫浬さんはしばらく、その感覚をとっくりと味わうように軽く目を閉じていたが、やがて、僕に向かってあでやかな笑顔を開かせた。
「まだまだですよ……トモハルくん。わたしもさっき一回……ね、ですから、これでやっと、おあいこです。もっともっと……気持ちよくしてあげますから」
299絶対封印プラグイン 第7回-A:2008/02/15(金) 15:21:54 ID:iXM7OtZl
 
「ゆ……紫浬さん」
 僕は体を起こそうとしたが、果たせない。もしかして、操緒が脱力しきっているのがこちらにもフィードバックされているせいなのだろうか。紫浬さんは、全てわきまえているかのような余裕の笑みを見せ、
「大丈夫ですよ……やさしくしますから」
 えーと、そのセリフを言う立場は逆だと思うのですが。突っ込みを入れようかと思ったが、紫浬さんはそんないとまなど与えてくれない。再び、僕のそれに触れる。
「うっ……」
 再び襲ってくる快感に、僕の全身が打ち震えたが、
『は…あ、あああっ』
 操緒は、もっと目覚ましい反応を見せた。死人が息を吹き返したかのように、体を跳ね上がらせる。
『だめっだめっそんなっ……あたしっ……そ、そんな、すぐ……だ、だめえ……』
「ふふふ……女の子は、いくらでも、よくなっちゃえるんですよ。だから、ね?」
 紫浬さんは、すっかりいじめっ子モードに入ってしまったらしい。僕と操緒の反応を確かめながら、全体をしごき、筋をなぞり、先端をさすり、根元をやわやわと揉みほぐしてくる。さすがに手つきはぎこちないが、かえってそれが微妙なタッチを生んで、気持ちいい。
「こう……こうかしら? あら、これでこう……ふうん……ああ……」
 言葉面だけ聞けばけっこう冷静なようだが、自分の行為で自らも興奮しきっているらしく、声音は蜜が滴り落ちんばかりに甘い。僕はその言葉と愛撫の前に、射精を我慢するだけで手一杯だった。操緒はといえば、
『や、や、そ、そこ、だめ、だめ、あ、は、やあっ、あ、あう、ふ、は、い、いや、いやいやいや、そ、それ、あ、はう、お、や、やあっ』
 紫浬さんの指使いの一つ一つに敏感に応え、スレンダーな裸体をのたうち回らせている。快感の波にうち寄せられ引きずられる、そのリズムが僕と同調していて、否応なくお互いを高めていく効果があった。
「ふふ……トモハルくんも、操緒さんも、スゴいです……」
 紫浬さんも、だんだん余裕がなくなってきたらしい。手つきから容赦がなくなり、有無を言わさずに僕と操緒を追いつめ始めた。
『や……や……あ……は……だ……だめ……だ……め……』
 操緒は、もはや途切れ途切れに声を漏らすことしかできない。僕も、限界だった。紫浬さんの手の動きに合わせて腰が動くのを、止められない。紫浬さんが、全てをしぼりだそうとでもするかのように激しくしごいた瞬間、僕は耐えきれずに、ふたたび放った。
300絶対封印プラグイン 第7回-B:2008/02/15(金) 15:22:56 ID:iXM7OtZl
 
『は……く……ううっ』
 同時に、操緒のうめくような声がする。だが紫浬さんは、そこで僕たちを解放してくれず、
「だめ……もっと……もっと……わたし、も……」
 熱に浮かされたような声を出しながら、僕をしごき続けた。
「う、わ……」
 驚いたことに、今し方一回終わったばかりだというのに、軽い射精感が僕を襲う。それも繰り返し。これは……一種の拷問だ。だが、共鳴し増幅された魔力のおかげか、何とか持ちこたえる。
 操緒は、声すら立てられないようだった。僕にもそちらの様子を確かめる余裕などなかったが、お互いの感覚共有が進んでいるせいか、繰り返し絶頂に押し上げられて、きつく強張らせて反っくり返った体を、小刻みに痙攣させているのが、気配で感じられる。
 どれだけそうしていたのか、そのうちに力つきて一旦ぐったりとなり、そこでようやく声を出せるようになったらしく
『や……は、だめ……もう、だめ……ゆるして……』
 息も絶え絶えに懇願するのが聞こえた。僕と操緒の反応が鈍くなったことに気付いたのか、紫浬さんもとりあえず手を止めてくれる。だが、声はやや不満げで、
「もう……まだ、ですよ……わたしも……よくなりたいのに」
 僕が荒い息を整えようとしながら、そちらを見ると、紫浬さんは片手を僕に添えながら、もう片手を自分のシャツの裾の中に潜り込ませていた。その手と腰が、微妙に動いている。たまらなく、色っぽい。
「ゆ……紫浬さん……」
 頭をもたげてみると、意外に簡単に動いた。さっきより、体に力が戻っている。どういうことだ? 頭を振った僕をどう見て取ったのか、紫浬さんは再びゆるゆると、硬さを保ったままの僕をさすり始めた。
「うふ……また……」
 いやに熱っぽい視線で、僕のあそこを凝視する。まさか。そんな、精液まみれのそれを。ありえない、と思う僕の目の前で、紫浬さんは、かすかに頬笑みながら、それにそっと口づけた。その接点から響く感覚が、僕をまたもやのけ反らせる。と同時に、
『は、はああんっ!』
 横合いから、操緒の甲高い声がほとばしった。必死な声で、
『や……だ、だめっ、だめっ! 今はほんとにだめっ、それだめっ、だめだめだめええっ!』
 そう叫んだが、そんな弱みを見せてしまえば、紫浬さんが簡単に許してくれるわけがない。
「うふふ」
 含み笑いとともに、紫浬さんは、舌の先で僕の先端をちろり、と舐めた。
301絶対封印プラグイン 第8回-A:2008/02/15(金) 15:23:59 ID:iXM7OtZl
 
「うおっ」
『あ、お……んっ、は』
 指とは全く異なる、柔らかくて暖かくて繊細な刺激に、僕も操緒も、ほとんどうなり声のような喘ぎを放つ。そんな僕たちの耳に、紫浬さんのうっとりした声が流れ込んできた。
「ああ……すっぱあい……うふふ」
「ゆ、紫浬、さん……」
 最初の一撃のあと、少し間が空いたので、紫浬さんの方を見る。紫浬さんほどの整った美貌が、真っ赤に上気して妖艶きわまりない微笑を浮かべ、僕のそれに寄り添っている様は、この上なく僕の劣情をそそり立てた。つい、腕を上げて紫浬さんの耳のあたりを撫でる。
「んんっ……」
 紫浬さんはむずがるような声を出し、それから、少しだけ咎めるような表情を僕に向けたが、目が疑いようもなく笑っていた。
「トモハルくんたら……まだ足りないんですね……えっち」
 いや、休みなく責め立ててくれてるのはそちらなんですが。僕が苦笑いした瞬間、紫浬さんが僕のものを口に含み、舌をそっと這わせてきた。
『は……ん……』
 それだけで、操緒は軽く達したのかもしれない。しばらくせっぱ詰まった呼吸音だけがしていたが、紫浬さんの唇と舌の動きが激しくなるにつれ、
『は、や、はあっ……や、や、そこ、いや、いやいややあっ……や、は、あんっあっあっあっ……だめ、だめ、いや、だめえ……だ、……め、……だ……は……あ……あ、あ、また、あ、もう、あ、だめ、いや、だめ、もう、も……う……ん、ん、は』
 少しずつ悲鳴のオクターブを上げていっては途切れ、また元に戻るという繰り返しを続けた。もちろん、僕も同じように翻弄され続けていて、操緒のように間断なく頂点を極めるわけではなかったが、ほぼそれに近い状態だった。
 紫浬さんの舌使いが妙にツボを心得ているとか、共鳴現象のおかげで体力気分ともに盛り上がっているというのもあったが、そもそも、紫浬さんが僕のものに口でしてくれているという状況そのものが、僕をたまらなく興奮させる。
「ゆ……ゆか……り、さん……もう……」
「んー?」
 僕と目を合わせた紫浬さんは、そっと僕から唇を離す。
「なあに? トモハルくん」
「い、いや……だから……」
 なんでやめるんだ、そこで。同じように責めから解放された操緒の荒い呼吸音の中で、僕は不意に勘づいた。紫浬さん、まさか。
「なんですか……?」
 紫浬さんは触れるか触れないかのタッチで、僕の裏筋を撫でる。操緒が『は……っ』と身をよじるのが感じられた。僕も、その一撫でだけで、こちらには交渉の余地などなくなったことを悟る。
「ゆ、紫浬さん……」
 それでも何とか言葉にせず、目だけで訴えてみたが、紫浬さんは素知らぬふうに、
「なにか、言いたいことがあるんですか……?」
 ゆっくりと、僕のそれをなぞるようにして舌を上下させながら、訊いてくる。く……くそっ。なにが、Sっ気だ。ドSじゃないか。いつの間にか、また朱浬さんになってしまったとかいうんじゃないだろうな。
302絶対封印プラグイン 第8回-B:2008/02/15(金) 15:25:02 ID:iXM7OtZl
 
「で、ですから……」
「ですから?」
 指と舌で僕を生殺しの状態に保ちながら、よくもそんな無邪気な声が出せるものだ。女は、魔物だ。僕は、全面的に降伏せざるをえない。
「つ、続けて……」
「なにを?」
 なおも言いながら、僕の先端を舌裏でくるりと一周する。操緒が『はお……うっ』と鳴き、僕もその一撃に思わず達してしまいそうになったが、最後の瞬間に紫浬さんに根元を強く握りしめられて果たせなかった。アンタ、いつそんな技を覚えたんだ。
「なにを、ですか……?」
 だめ押しで訊かれて、けれど、こっちには暫く応える余裕なんてない。深呼吸を繰り返すのだけで精一杯だ。そんな僕を見て、紫浬さんは妖しく頬笑む。
「言ってくれないと、わからないです……」
「で、ですから……続けて……僕の……」
「僕の?」
 僕にためらいなど持たせないためか、指と舌で全体をつつうっと撫で上げる。おおっ。
「ぼ、僕の……ペ、ペニス……最後まで、続けて……ください……お願い、します」
「ふふ。……ほんとはもうちょっと、ですけど……トモハルくん、可愛いですから、許してあげますね」
 そんなことを言って、紫浬さんも限界だったんだと思う。待ちかねたように思い切り、僕の一物を頬張った。
『あっ、ああああっ……は、あ、や、や、や……は……や……もう……ヘンに……な、っちゃ、う……や……も、も……う、だ……だ……めえ……』
 とたんに、操緒のソプラノが響き渡る。それも、紫浬さんが情け容赦なく吸い立てなぶってくるうちに、沈黙した。呼吸音すら聞こえないが、僕の方もそれを気遣うことなどできない。目をきつく閉じ、紫浬さんの頭をつかまえると、僕の股間に押しつけた。
「!……っ」
 紫浬さんから驚きが如実に伝わってくるが、離したりしない。紫浬さんもすぐに、動きを再開し、それも、より一層加速させた。ああ。もう、ダメだ。
「う……くうっ」
 僕の腰が跳ね上がり、そこで凝固する。委細構わず、僕は暖かく湿った中に包まれて、全てを解き放った。それも、三回くらいは波があったと思う。
『ん……あ……は……はあ、はああああっ……』
 我に返ったのは、操緒の感極まった後の深いため息を聞いたときだった。少し手の力が緩んだせいか、紫浬さんが急に体をもぎ離すようにして上体を跳ね上げ、それから僕の上に倒れ込んでくる。
「う……げ、げほっ……か……あっ」
 背を丸めて、咳き込んでいた。それを見て、少し背筋が冷える。僕は、何をしたんだ。
303絶対封印プラグイン 第9回-A:2008/02/15(金) 15:26:23 ID:iXM7OtZl
 
「あ……す、すみません……大丈夫……ですか……?」
 紫浬さんは、口元に手を当てながら、僕を睨んだ。目に、うっすら涙がにじんでいる。真剣に恨みがましい口調と目つきで、
「ひ……ひどいです……け、けほっ……トモハルくん……」
「い、いや……すみません。夢中で……でも、紫浬さんが……」
「わたしが?」
「いや、何でもないです……すみませんでした」
 体を起こし、紫浬さんを覗き込む。おや。案外にすんなりと体が動く。
「本当に……大丈夫ですか?」
「だいぶ……飲んじゃいました……もう……」
 本当に、申し訳ないことをした。決して美味しいもんじゃない、というか、はっきり言うと、不味いだろうに。お詫びのつもりで、紫浬さんの頭を軽く撫でると、紫浬さんは僕の胸に顔を擦りつけてから、僕を見上げてくる。
「もう……責任、取ってくださいね?」
「えーと……」
 ちょっと怖いことを言われた気がする。あのう、責任といっても、いろいろあるのですが。などと考えていると、紫浬さんが背伸びをして僕に顔を近づけてくる。僕は、僕が放出したものにまみれたその口元に、こちらからキスをした。
 まあ……何というか、ヘンな匂いと味だった。自分でもそう感じるんだから、他人にこんなことは二度と頼めないなあ、と思う。せめてもの罪滅ぼしのつもりで、できるだけ、紫浬さんの唇や口の中のそれを、舐め取ってあげた。
「ん……ふ」
 紫浬さんの体が軽く震え、僕から顔を少し離す。有り難いことに、恥ずかしそうな頬笑みを浮かべてくれていて、こちらもほっとする。
「もう……トモハルくんたら」
「紫浬さん……」
「わたしに……わたしったら、あんなこと……ほんとに……もう」
 ああ、ちくしょう。反則的に、可愛い。僕の中で、何かがむくりと頭をもたげた。またか。あの罰当たりなプラグインの影響がどこまで続くのか、良く分からなかったが、今はそれに身を委ねるしかないのか。
「紫浬さん」
「は……はい?」
 急に真面目な声を出した僕に、少し戸惑った感じの紫浬さんを、僕は横向きざまに押し倒した。ベッドの上で体を入れ替えるようにして、紫浬さんの上にのしかかる。半ば意外なことに、紫浬さんも目立った抵抗をせず、ぐったりとしどけなくベッドに横たわった。
「トモハル……くん……?」
「紫浬さん……いいですか……?」
 紫浬さんは、言葉では答えなかった。ただ、恥ずかしそうに目を細め、僕の首に腕を回してくる。
『ト……智春お……?』
 そんな僕たちを、操緒が横から覗き込んできた。ようやっと、忘我の境地から復活してきたらしい。艶やかな髪がほつれて肌にこびりつき、全身が桃色に染まって、これが操緒かと思うくらいに、色っぽかった。
304絶対封印プラグイン 第9回-B:2008/02/15(金) 15:27:37 ID:iXM7OtZl
 
『まだ、するの……?』
「操緒さん……その……」
 紫浬さんが目を伏せ、腰をもじもじさせる。あの、済みませんが、こっちと下半身が触れ合った状態でそういうことをされると、正直辛抱たまらんのですが。
「わたし……まだ……」
 その上に、こっちの理性を吹き飛ばしてしまいそうな呟きを漏らしてくれる。思わず僕も頷いてしまい、
「操緒……僕も、ガマンできない」
『ふーん』
 操緒はジト目で睨み付けてくるが、その表情にも悦楽の余韻がそこかしこに色濃く残っていて、迫力に欠ける。そうするうちに、操緒は、ふっ、と息を吐いて少し肩をすくめた。
『止まんないんだよね……あれのせいなら……仕方ない、ってことにしといたげる』
「ごめんな」
 僕が、一応済まなさそうに微笑ってみせると、操緒はそっぽを向いたが、頬から耳にかけてが赤く染まっていた。こいつも、こんなに可愛かっただろうか。プラグインの影響だかなんだか知らないが、今日はいろんなものが日頃と違って見える。
 僕は、あらためて紫浬さんに目を落とした。一分の隙もなく整った美貌。おっとりとした笑顔。熱っぽく潤んだ黒い瞳に、紅潮した滑らかな頬。細い首筋。繊細な鎖骨の曲線。半ば以上はだけたワイシャツを持ち上げるふくらみの先端が、はっきりと尖っている。
 僕はその光景に息を呑みながら、少し震える指でゆっくりと、ワイシャツの残るボタンを外していった。紫浬さんはその間なすがままになっていたが、ボタンを外し終わった僕が肩口からシャツを引き下ろすと、少し背中を浮かせて袖から腕を抜いてくれた。
 綺麗だった。いつぞや、ちらりとだけ見た時にもそう思ったが、今こうしてゆっくりと眺めていると、感動すら覚える。すらりとして、それでいて女性的な曲線に満ちた肢体。程良く豊かで形のよい胸。しみ一つなく最上質の白磁を思わせる肌。全てが神々しかった。
「や……」
 僕の視線に耐えきれなかったのか、紫浬さんが少し体を捩る。
「トモハルくん……」
 誘うように名を呼ばれて、僕は紫浬さんの胸元に顔を近づけた。細い鎖骨に、そっと口づける。
「あんっ……」
 紫浬さんの吐息に力を得て、肩先へと唇をすべらせた。と、そこにうっすらとした線のようなものを見た気がして、僕は自分の動きをいっそう優しくした。
 そうなのだ。このひとの体の半分は機械……というか、兵器なのだ。最近は当たり前にすら思っていた事実が、この時だけは、僕の心に突き刺さった。嬉々として膨大な火力を振り回すこのひとが、その裏でどんな想いを抱えているのか、僕は、何も知らない。
 あの飛行機事故で致命傷を負った体を黒科学で繕ってまでして、《白銀》の副葬処女となった双子を救い出す術を求めて。なのに哀しみも苦悩も決して表に出さず、自分のことすら偽って、いつもおっとりと余裕な顔で笑って。どうしようもなく悪戯好きで傍迷惑で。
 ああ。僕はこのひとを知っている。黒崎紫浬でもあり、黒崎朱浬でもある、このひとを。だが、僕が知っているこのひとは、ままならない世界に向かって精一杯突っ張った挙げ句に、ある名前を高らかに告げるのだ。僕にも、その名前でこのひとを呼べと言うのだ。
「……トモハルくん?」
 僕の動きが鈍くなったためか、やや不安げな声がした。機械の部分を前にして、僕がためらったとでも思ったのだろうか。見損なわないでほしい。僕は顔を上げてその双眸を覗き込み、囁いた。
「……綺麗ですよ。朱浬さん」
305絶対封印プラグイン 第10回-A:2008/02/15(金) 15:28:51 ID:iXM7OtZl
 
 反応は、速やかだった。瞳が揺れたかと思うと大きく見開かれ、うっとりとした笑みが薄れ、僕の首に回された手がゆるむ。
「え……」
 この上なく戸惑ったその表情に向かって、僕はもう一度、その名を呼んだ。
「朱浬さん」
「ええっ……ト……トモハル……くんっ……な……なに……」
「何って……僕の知ってる朱浬さんは……朱浬さん……ですから」
「あ……」
 何か言おうとしたらしいが言葉にならず、しばらく口を開けたり閉じたりした後、見る見るうちに耳まで真っ赤になると、いきなり胸を腕でかばい、こちらに背中を向けた。えーと……どうしたんだ、一体。
「や……やあっ……トモハルっ……見ないでっ」
「え、ええと……」
 つい今し方までの態度との落差に、僕は呆然とせざるを得ない。
「あの……朱浬さん?」
「あ……や、あたし……あたしっ」
 僕の呼びかけに、一層背を丸めて、縮こまる。これは、もしかして。
「……恥ずかしいんですか?」
 耳の側で小声で訊いてみる。ぴくりと震えた体が、何よりも返事になっていた。なんてことだ。紫浬さんでいる間は、あれだけ大胆に振る舞った人が、いつもの名前で呼ばれた瞬間に我に返ってしまったらしい。しかしそれにしたって、
「朱浬さん……だって、いつも僕の前じゃ……」
 素肌にしろ下着にしろ普通に見せたり触らせたり、恥じらいなど微塵も感じさせたことがないというのに、これは一体どういう風の吹き回しなんだ。
「そ、それは……違っ……あ、あたし……あんな……こんな……」
 それでも、身も世もなく体を竦ませる朱浬さんは、ひどく新鮮で可愛かった。この人は、こんなところがあったのか。
『へええ……』
 隣から操緒の声がして振り向くと、そっちもかなり驚いた顔をしていた。僕と目を合わせると、だが、にやりと笑ってみせる。
『これはこれは……』
 何か、よからぬことを考えてるんじゃあるまいな。ちょっと不安になりながら、
「朱浬さん」
 僕が再び耳に囁くと、朱浬さんはびくっとした。そのまま無理にでも体を開かせてしまいたいという、自分の中で荒れ狂う衝動に必死に耐えながら、訊いてみる。
「……嫌、ですか……?」
 朱浬さんは、答えない。綺麗な黒髪が顔にかかって、どんな表情をしているのかも良く分からない。僕は、そっとため息をついた。ここで引き返せるかどうか自信など全くなかったが、朱浬さんがどうしても嫌だというなら、努力はしてみよう。
「……嫌なら……」
「……じゃ、ない」
 ごくごく小さな、呟きだった。
306絶対封印プラグイン 第10回-B:2008/02/15(金) 15:30:05 ID:iXM7OtZl
 
「はい……?」
「じゃない、けど……あたしも……だけど……」
 朱浬さんらしからぬ弱々しい声音に、それ以上何かを言わせるのは、酷だと思った。だから、僕は唇を朱浬さんの首筋へ移した。僕の吐息がかかるだけで感じるらしく、時折ぴくりと反応し、軽い喘ぎ声を漏らしてくれる。
 お互いの間の共鳴現象は、まだ僕たちを解放してくれていないのだった。それでも、一気に朱浬さんの肉体を蹂躙してしまいたくなる自分を辛うじてコントロールしながら、ゆるやかに愛撫を続けるうちに、
「は……あうっ」
 朱浬さんが鮮烈な反応を示したのは、僕の唇が肩胛骨のあたりをなぞったときだった。丸くなっていた背中がきれいにのけ反る。僕は、同じところに舌を這わせた。
「そ……そこ、だめえぇっ……どうして……生身じゃ……ないのにいっ、うん、んっ、あ、は、あ」
 違う。生身ではないから、機巧魔神の部分だからこそ、感じるのだ。僕や操緒と、《K鐵》と、響きあうのだ。ああ。これ以上自分を抑えるのは、僕にとっても無理だ。
「朱浬さん」
 僕は、朱浬さんの肩をつかむと、やや強引にその体を仰向かせた。朱浬さんも抗いかけたが、僕の力の方が強い。朱浬さんの心理的な変化を抜きにしても、さっきまでと物理的な力関係が逆になってしまっているのは、どういうわけなんだ。
 朱浬さんは、少し眉をひそめながら、それでも僕を真っ直ぐに見た。
「トモハル……」
「すみません……僕も……もう限界です」
『そうですよ……朱浬さん? 智春が、可哀想ですよ』
 横合いから、操緒も朱浬さんを覗き込む。
『大丈夫……よくしてあげますから。あたしもついてますって』
 その口調にやや不穏なものを感じはしたが、僕は朱浬さんから視線を外さなかった。
「お願いします……このままだと」
「うん……」
 朱浬さんは軽く目を閉じて、熱くてかぐわしい息を吐いた。
「あたしも……ダメ、みたい。トモハル……こんなの……でも……」
「……すみません」
 朱浬さんは、かぶりを振った。
「謝らないでよ……そんなこと、しないで。トモハルは……あたしのこと……嫌いじゃ、ないでしょ?」
 好きか、とは朱浬さんは訊かなかった。僕も、そう訊かれたら、どう答えたらいいか分からなかった。逃げかもしれないが、今の僕たちの間柄には、朱浬さんが口にしたような微妙な表現がぴったりだと思う。だから、僕は答えを迷わなかった。
「嫌いじゃないですよ。もちろん」
「ん……なら、いい」
 朱浬さんは、少しだけ唇を尖らせ気味にして、微笑んだ。僕はそこに向かって、自分の唇を寄せる。紫浬さんと交わしたのとは全然違う、軽くて、それでいて熱い口づけだった。
307絶対封印プラグイン 第11回-A:2008/02/15(金) 15:31:14 ID:iXM7OtZl
 
「んっ……」
 キスを終えた後も、朱浬さんの表情は何かを堪えるように、妙に固かった。やはり嫌なのか、と少し迷った僕の横に、操緒が顔を出す。
『ふふ……朱浬さん。可愛い』
「操緒……?」
『いーのいーの。智春は続けてっ』
 言われるままに、僕は朱浬さんの顎の線をそっとなぞり、柔らかそうな耳へ唇を近づけた。耳にかかる艶やかな黒髪を指でそっとかき分け、真珠みたいに色づく耳たぶをそっと撫でてあげる。
「っ……」
 くすぐったいのか、朱浬さんが肩を竦ませた。僕はできるだけ優しく、その耳孔のあたりに舌を触れさせる。
「……っふ……っ」
 途端に、朱浬さんが僕から逃げるようにして首筋をそらせた。僕の眼前にさらけ出された、血管さえ透けて見えそうにきめ細かな皮膚が、目に鮮やかだった。特に香水など付けてはいない筈が、えもいわれぬ芳香がにわかに立ち上ってきて、僕の嗅覚を痺れさせる。
 頭がくらくらしながらも、僕は乱暴にならない程度に朱浬さんの頭に手を添え、その耳朶と首筋へ軽い口づけを繰り返した。キスマークは……やっぱり、まずいんだろうな。それでも、そんな微かなタッチにも朱浬さんは時折反応して、体を震わせる。
 そして、僕が耳元から首筋へ移ろうとして、耳と生え際の間あたりに舌を滑らせたときだった。
「んっ……く、はっ……」
 朱浬さんが首を大きくのけ反らせ、堪えきれなかったかのような吐息を漏らした。僕の拙い愛撫でも感じてくれているらしい。それが嬉しくて、再び同じところを唇と舌でくすぐってあげる。
「は、あっ……あ、ん……や、あ……んんっ」
 今度は、艶めいた声が上がった。いったん顔を上げて、朱浬さんの表情を覗き込むと、僕とは反対側に反らせた顔は見事に紅潮し、片手の人差し指を唇の間に噛み締めている。どうも紫浬さんとは違って、朱浬さんはあまり大胆に振る舞えないひとらしい。
「朱浬さん……」
 耳に囁くと、僕の息がかかるだけで感じるのか、いっそうきつく目を閉じた。
『うふふ。朱浬さんたら。びんかーん』
 操緒が嬉しそうに言う。
『これは、やりがいがありそうだわー』
 何をするつもりだ、お前。僕が軽く睨むと、操緒は含み笑いで応え、さっ次、と僕に指示した。言われなくたって、続けるさ。しかしこれは……レゾネータの影響で、全身が感じ易くなっているとしか思えない。でなければ、僕の稚拙な愛撫にこうも反応しないだろう。
 僕はあらためて、朱浬さんの首筋から肩先へ唇を走らせた。ところどころで鋭い反応を示すポイントを、できるだけ丁寧にケアしてみる。その都度、朱浬さんは呼気を荒くしたが、声を上げるのだけは、どうやら我慢しているらしかった。
 だが、その忍耐も、僕が鎖骨の端から、すっきりと絶妙な曲線を描く肩へと移動したとき、破られた。
「く、は、あ……あ、あ、や……やあっ、や……」
308絶対封印プラグイン 第11回-B:2008/02/15(金) 15:32:20 ID:iXM7OtZl
 
 単に、二の腕に唇を這わせただけなのだが、朱浬さんは大きく身を捩らせる。そうか。さっきの肩胛骨と同じで、このあたりは機巧魔神の部分なのだ。
 僕が、すらりとした腕の背中側を掌と指でなで下ろし、血管の透ける肘の内側や細い指とその間を舌でくすぐってゆくと、朱浬さんは必死に声だけはこらえながら、背中をのけ反らせて体をくねらせた。その痴態はあまりに美しく、僕の理性をじわじわと蚕食する。
 ひとわたり腕への愛撫を終えたあたりで、操緒が朱浬さんの顔を覗き込んだ。
『ふふっ。朱浬さん、頑張っちゃって。かわいーい。でも、ムダだよ?』
 操緒の声と同時に、僕は浬さんの腕を上へ持ち上げると、白い腋の下が露わになった。
『わ……きれいにしてある』
 操緒が感心したような声を上げる。腋毛の処理のことだろうか。ぼんやりと考えながら、僕はその柔らかい肉の上に舌を滑らせた。
「あ……やあっ」
 朱浬さんが悲鳴を上げ、腕を下ろそうとする。僕が腕を押さえつけているために、それができないと悟ると、体を横向きにして、僕から逃れようとした。構わずに、僕は腋の下の柔肌を舌でくすぐり、胸筋の付け根のあたりを唇で吸い立てる。
「ん……んんっ……く、は……や……や……ん、あ……や、あ……」
 朱浬さんはそれでも、手の甲を口に押し当ててまで、声を必死に押し殺そうとしていた。やっぱり、恥ずかしいのだろう。しかし、こんなところで感じるものなのか。我ながら、どうやってこんなことを思いついたのか不思議だった。その疑問が氷解したのは、
『朱浬さんも粘るねー……でも、ムダだって言ったでしょ。女の子の感じるとこなんて、分かってるんだから』
 操緒がそう含み笑いしながら言うとともに、自分が朱浬さんの腋の下から乳房に唇を移したときだった。どうやら、操緒に導かれているらしい。操緒が僕を乗っ取って操っているというわけではなく、僕と操緒が一体になってしまっている感じだった。
 朱浬さんの胸は、豊かに丸く張りつめ、その頂点で乳首が真っ直ぐに上を向いていた。これって、興奮して充血してるってことだよな。なんだか感動すら覚えながら、その下側の付け根あたりから頂点に向かって、唇と舌で軽く撫で上げる。
「ふ……あっ」
 朱浬さんの体が跳ねた。構わず、両脇から全体を柔らかく揉みほぐすようにしながら、乳首の上にすっぽりと唇をかぶせる。かすかにおののく乳頭にゆっくりと舌を這わせた。
「う、あ……や、や……や……は……ん、く……うぅっ……い……や……あ、ふ」
 朱浬さんは、苦悶するように首を左右に打ち振り上体をあちこちへくねらせながら、途切れ途切れの嬌声を漏らす。何というか、大げさに喘がれるよりも、よっぽどこっちの腰の奥底に響いてくる気がした。
 そのまま何かに突き動かされるように、僕はいっそう、弾力に富んだふくらみを揉みしだき、乳首を吸い立てながら甘噛みしてみた。その瞬間、朱浬さんの背中が僕を持ち上げるようにしてそっくり返り、
「……っ、は……あ、だ……だめ、そ、ん……な、や、いや、だめ、だめ……え……えぇぇっ……っ」
 か細い悲鳴が次第に消え入り、そのままの姿勢でしばらく凝固していたかと思うと、不意に脱力してベッドの上へと崩れ落ちた。これって、もしかして。
『あらー。もう?』
 操緒が、胸を大きく上下させるので精一杯な風情の朱浬さんに寄り添うようにして横たわり、囁いた。
『まだまだ序の口なのになー。さっきは、ずいぶんよくしてくれたもんね……お返しだよ。いっぱい、喜んでね』
309絶対封印プラグイン 第12回-A:2008/02/15(金) 15:33:43 ID:iXM7OtZl
 
 そう言う操緒の声に込められた情念はちょっと怖かったが、僕は敢えて逆らわないことにした。僕一人なら、ぎこちない愛撫の果てに途方に暮れてしまったのかもしれないのだし、こんな成り行きでも朱浬さんを大事に扱ってあげられるなら、なんだって構わない。
 僕は、愛撫の対象を乳房から脇腹へ移した。肋骨さえ透けて見えそうなくらいに贅肉のひとかけらもない肌を舐め、撫で、くすぐり、吸う間も、朱浬さんは声を立てず、ただ絶えず背をのけ反らせ、体をよじって快感に耐えていた。
 しかしそれにしても不思議なのは、本来ならこの人が本気になれば、僕を吹っ飛ばすくらいは簡単な筈なのだ。それがさっきから、せいぜいが腕で力無く僕を遠ざけようとするくらいで、それも僕の動きの前にあっさり抵抗力を失うばかりなのは、どういう訳なのか。
 訝しく思いつつも、僕はさらにその下へ移動し、へそのあたりをしきりにくすぐって朱浬さんの身体を震わせたあと、ショーツのすぐ上の腰骨の上に唇を当てた。
「あ……は、あっ」
 そこで、朱浬さんが声をほとばしらせた。なるほど、ここか。口を少し開いて広めに吸い立ててあげながら、舌で撫で上げる。
「ふ、や、あっ、あ、あ、だ、だめ、や」
 朱浬さんの腰がうねるが、僕はがっちりと掴まえて離さなかった。反対側の腰骨のあたりも同じように愛撫してあげてから、ようやく一息入れる。
「は、はあっ……は……ふ……」
 朱浬さんも胸を大きく上下させ、荒い呼吸を繰り返す。操緒がその顔を覗き込んで、にんまりと笑った。
『んーん、いい感じ……次は、このきれいな脚かな。腕であんなに喜んでくれたんだから、こっちも、いっぱい可愛がったげるね』
「あ、やあ……」
 朱浬さんが少し頭をもたげ、哀願するような視線をこちらに寄越したが、操緒も僕も斟酌などせずに、長くて美しい太腿へと舌を滑らせた。
「んくう……う、は、あ……は、や、やっ……や、あ、あ……ふ、あ……」
 身をくねらせる朱浬さんの動きに合わせながら、とても機械とは思えないほど柔らかくて暖くて感じやすい脚を伝い、膝のお皿をひとしきりくすぐり、足の甲にそっと口づけたときだった。
「は……あ、あうっ、あ」
 朱浬さんが、高らかな悲鳴とともに、腰を浮かせた。
『ふーん……こんなとこも、なんだ』
 僕の横で、操緒の熱に浮かされたような声がする。僕は足の甲からさらに、足の指の股へ舌を差し入れた。そこでの朱浬さんの反応は、さらに鮮烈だった。
「あ、や、やあっ、あ、は、だめそこっ、だめえっ……な、なんで、は、あ、そ……ん……なあっ、とこ、でえっ……ふ、や、だめ……だ……め……い、や……」
 自分で責めておきながら言うのも何だが、意外なところが弱いんだなあと感心しながら、続けて指を一本ずつ吸い立て、その間を舌でくすぐる。朱浬さんはそのうちに声さえ出なくなったようで、ただベッドの上で左右に美しい肢体をのたうち回らせていた。
 ようやく僕(と、たぶん操緒)が朱浬さんを解放したとき、朱浬さんはただぐったりと横たわり、荒い呼吸を繰り返すだけだった。もしかすると、軽く達していたのかもしれない。
「……ふ……ふ、は……は……あ……」
『朱浬さん、どう……? こっからが、ヤマよ?』
「あ……」
 操緒のねっとりした声にも、訝しげな瞳でこっちを見るのが、やっとらしい。それもすぐに、僕が、モデル並にすらりと長くて美しい脚を伝って戻っていきながら、膝の内側の柔らかい部分や内股の張りつめた肌に舌を這わせると、朦朧と閉じられてしまった。
310絶対封印プラグイン 第12回-B:2008/02/15(金) 15:35:04 ID:iXM7OtZl
 
 僕は朱浬さんの腰のあたりまで来たところでいったん体を起こし、その脚の間に体を差し入れると、その充実した腰の両側に手をつき、あらためて朱浬さんを見下ろした。滑らかで紅潮した裸身が、前戯による快楽の余韻に浸って息づき、かすかにうねっている。
 高校生ばなれした、どころか日本人ばなれしたスタイルの麗しい肢体が、僕と操緒による愛撫と、内側から突き上げてくるものとの板挟みになって震え悶えるその姿は、凶悪なまでに蠱惑的だった。
 我ながら、ここまでよく冷静さを失わずにきたと思う。我を失って朱浬さんを傷付けることだけを、僕は怖れていた。ここから先も、何とか持ちこたえられるといいのだが。
「朱浬さん……?」
 僕の問いかけに、朱浬さんはうっすらと目を開け、僕の姿を捉えた。僕は、能う限り安心させるような笑みを浮かべてみせて、
「いきますよ……?」
「あ……や、ん……」
 承諾なのか拒絶なのか判然としない弱々しい声が聞こえたが、僕はそのまま朱浬さんのすらりと伸びた脚を持ち上げ、押し開いた。ショーツに覆われた恥部が、僕の眼前に広がる。その真ん中には大きくしみが広がっていた。女の人が濡れるというのは、こういうことか。
「やっ……そんな……見ない……で」
 少し意識がはっきりしてきたらしい朱浬さんが頭を少しもたげて抗議するが、
「朱浬さんだって……人のをさんざん……でしょ」
 僕が言い返すと、真っ赤になって顔をそらした。
「だって……あれは……」
 紫浬さんがしたことだ、とでも? そんな言い訳が通用するとでも思ってるのか。僕は容赦なく、ショーツの上から、その中心を指で縦になぞった。
「ふ、あんっ」
 朱浬さんがのけぞる。濡れたショーツが、その下にある割れ目にぴったりと張り付いて、頭がくらくらするような眺めだった。その中に、一箇所だけ少し膨らんだところが目に付いたので、指の頭で撫でてみる。途端に、朱浬さんの腰が跳ね上がった。
「や、あ、やあっ……や、そこは」
『んー? なに、かな?』
 からかうような操緒の声に、朱浬さんが唇を食いしばる気配がする。僕は気にせず、さらにその突起を指でなぶり続けた。
「あ、や……や、は、い、い、いや、や、は……あ、や、は、んんっ……く、う、や、や、やあ、あ、んん、ん、や、は、や……あっ、あ、あ、あ……や、いや、いや、も、や、は、や、あ……ん、く、あ、ふ、あ、や……あぁっ……」
 朱浬さんは僕の頭を手で押しやろうとしたが、僕が頭を振って避けると、しまいにはシーツを掴んできつく絞り立てるようにねじった。僕が適当なところで一旦手を止めると、ずっとブリッジ状態だった背中が、どすんとベッドの上に落ちる。
「はっ……ふっ、は……は……や……トモハル……は……あ……そんなに、したら……あ……あたし」
 荒い息の下から、切れ切れに恨み言が聞こえてくるが、その声音は、どう控えめに見ても色っぽすぎた。
『んふふ。まだまだだよ。ね、朱浬さん?』
 操緒の声を合図にして、僕はショーツに手をかけた。
「あ……」
 朱浬さんは抗うような声を上げたが、僕が内股から膝のお皿にかけて舌を這わると嬌声を上げて腰を左右によじり、そのおかげで、何とかショーツを腰から長い肢に沿って抜き取れた。朱浬さんが軽く閉じようとした両脚を、あらためて左右に押し開く。
「やあっ……」
 朱浬さんが顔を横へそらす。僕はため息をつくようにして、言った。
「……きれいですよ。朱浬さん」
311絶対封印プラグイン 第13回-A:2008/02/15(金) 15:36:33 ID:iXM7OtZl
 
 それは掛け値なしの本音だった。
 柔らかい陰毛が茂る頂の下に、きらきらと光る粘液にまみれて、小刻みにひくつく襞とピンク色の粘膜が息づいていた。ただ、女の人のあそこを、あまりまじまじと見つめているのも男としてどうかという気がして、視線を上へ戻したところで、朱浬さんと視線が合う。
 朱浬さんの眼差しは怖いくらいに真剣で、僕を釘付けにした。
「……ほんとに?」
「はい」
「……気持ち、悪くない? 怖く、ない? あたしなんか……こんな半分機械の」
「朱浬さん……」
 僕は体を前に進め、朱浬さんの顔を正面から覗き込んだ。
「とっても、綺麗です。いつだって、そう思ってました」
 言動がアレだから、いくら外見が魅力的でも普段は到底そんな気を起こしたりしないが、それでも朱浬さんの美しさには、ことある毎に感嘆するのだ。嘘は言ってない。そのつもりだ。僕が目に力を籠めると、朱浬さんはけむるように微笑った。
「そ……ありがと。ありがとね。トモハル」
 そう呟くように言うと、僕の下でわずかに体を揺すった。
「ん……あたし……も……なんか……」
『ふふっ。朱浬さんも、ようやく盛り上がってきたねっ。これからが本番だからね』
 操緒の口振りすら、何となく優しげだった。僕は再び、朱浬さんの首筋から鎖骨、乳房、お腹を唇でたどり、朱浬さんの最も大事なところへ舞い戻る。
『さ、智春っ』
 操緒が促すのに乗って、割れ目の上の方に顔を出している小さな膨らみに、そっと口づけた。少し、ぴりりとする。
「ふ……はあ、あんっ」
 朱浬さんの肢体が跳ねた。両手で割れ目を押し広げると、突起が根元から露わになり、下の口に少し溜まっていた粘液がとろりとこぼれ落ちる。なるほど、豆だの真珠だのという形容は言い得て妙だなと思いながら、クリトリスを唇全体で包み込んだ。
「あ、や、だめっ、だめだめだめだめだめええっ」
 まだ目立った刺激も与えていないというのに、朱浬さんはあられもない声を上げながら、腰から上を左右に打ち振る。それと共に、僕の中でも抗いがたい何かが膨れあがる。くそっ……落ち着け。いつまでも、あんなプラグインに好きに振り回されてなるものか。
 僕は慎重に、唇に含んだものに舌を添えた。かすめるようにして、撫でてみる。その瞬間、
「はっ……や、だ、い……い、い……」
 朱浬さんが甲高い一声とともに全身を強ばらせた。少ししてから、腰ががくがくと揺れる。そこから目に見えない回路を伝って、朱浬さんから僕に、何かが渦巻き流れ込んでくる。これが……また、共鳴しているのか。
『うふふ……いいでしょ? まだまだ……あたしと同じになってね』
 操緒が言うと同時に、僕の舌が踊る。どこまでが僕の動きで、どこからが操緒によるものなのか、もはやよく分からない。操緒と僕もすでに、分かちがたく融け合ってしまっているのかもしれなかった。
「や……あ、ふ、くう、は……そ、そんな、や……は、や、あう…ま、待って……」
『んー? あたしもそう言ったよねー? ふふふ』
312絶対封印プラグイン 第13回-B:2008/02/15(金) 15:37:53 ID:iXM7OtZl
 
 操緒は容赦がない。レゾネータのせいで多少たががはずれてしまっているにしても、女は怖い。僕は、気を抜くと霞の彼方に消えてしまいそうな理性をつなぎ止めるのに一生懸命になりながら、朱浬さんに悦楽を与え続けた。
「う、は、あ……や、や、は、や、あ、あ、ま、また、また、い、あ、い……は……」
 僕の舌の動きに翻弄され続けた挙げ句に、再び朱浬さんの全身が硬直し、次いで痙攣する。ちょっと、やりすぎじゃないか、操緒?
『まだまだ……今度はね』
 僕は、朱浬さんの中から湧き出たものを自分の指にまぶすと、そのままゆっくり、中指を朱浬さんの中へ沈めていった。
「は……ん、ああっ」
 ぐったりとなっていた朱浬さんが息を吹き返す。僕が、ちょうどクリトリスの裏側あたりの中を指の腹で撫でながら、クリトリスを舌でなぶり始めると、
「だ、だめっ! それ、だめだめだめ、だ……めええっ」
 それまでにないくらい激しく腰がのたうち、せっぱ詰まった声を放った。あまりに動くものだから、うまく狙いをしぼりきれなくなったが、偶然、僕の舌がぬるりとクリトリスの上で滑った拍子に、なんだか、くるりと何かが剥けた。
「は……い……いやあっ」
 朱浬さんの動きが一瞬止まる。腰が高く持ち上がり、おかげで僕はその下に腕を入れて固定し、完全に露出したクリトリスと中への刺激を続けることができた。指も一本から二本に増やしたところ、朱浬さんの中が収縮しうごめく感触が如実に伝わってくる。
「っ……っ……は……っ……んっ……や……や、め……も……も、もう……っ……ま……っ…またっ……や……お……お、あ……っはっ……は、ふ、い、い……や……も……ゆ……ゆる……や……やあ……お、あ、は、ふ……あ……っ……っ……っ……、……」
 逃れようもない朱浬さんを、何度絶頂へ押し上げたのだろう。呼吸音すら聞こえなくなってから結構な時間があって、さすがに気になった僕が口と手を離すと、朱浬さんの腰が音を立ててベッドの上へなだれ落ちた。
「は……はっ、はっ、ふ、は、はあっ……ふ……は、はあ……」
 激しく上下する朱浬さんの胸は真っ赤に染まり、その頂で屹立する乳首がとんでもなく淫らに映る。
『ふふ……どうだった、朱浬さん? 満足した?』
 自らも何かスイッチが入ったのか、操緒が頬を上気させ、何かに濡れた声で訊ねても、朱浬さんは一言も答えない。ただ、荒い呼吸を繰り返すだけだった。
「操緒……やりすぎじゃないか」
『んー』
 操緒は僕にぞくりとするような流し目をくれて、微笑む。どうでもいいけど、なんか性格変わってないか、お前。
『大丈夫だよ、これくらい……智春は、優しいなあ』
「いや、でも……」
『ふーん。じゃ、次行こうか』
「……ああ」
 そうだな。僕も、そろそろ我慢の限界だ。頷いた僕を見た操緒はふと神妙な顔つきになって、
『嬉しい? 朱浬さんとこうなって』
「……それどころじゃないよ。もう、一杯一杯だ」
 正直に言ってみたら、
『ふーん。どうだか』
 ジト目で返された。いや、ほんとなんだって。
313名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 15:39:06 ID:iXM7OtZl
今回はここまで。次回は朱浬さん本番篇+後始末篇。
314名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 03:25:19 ID:OZOaULLS
GJ!
紫浬さんエロいよ紫浬さん
315名無しさん@ピンキー:2008/02/16(土) 05:20:13 ID:Oql7STgq
GJ!
朱浬さんエロいよ朱浬さん
316名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 21:17:17 ID:G5/1NRnO
エロエロだー
317名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 04:08:45 ID:p0vMHj0I
一番マロいのって誰だろうな?と思いながら星ゅ
318名無しさん@ピンキー:2008/02/21(木) 23:48:24 ID:tySGQiaz
>>317
そりゃもちろん、主人公をして「胸より尻が好き」と言わしめた酒屋の娘じゃまいか。

智春&操緒×紫浬&朱浬の最終分。朱浬さん本番篇+後始末篇。
319絶対封印プラグイン 第14回-A:2008/02/21(木) 23:49:49 ID:tySGQiaz
 
 実際、体が重い。朱浬さんへの愛撫を始めた時と比べて、明らかに身体を動かしづらかった。
 その原因も、そろそろ心当たりがあった。朱浬さんが達するたびに、僕の中へ流れ込んでくるものが、そこで凝り溜まって、僕の動きを鈍くしている。膨大な活力が体の中で行き所もなく、轟々と渦巻いている感じだった。
 なるほど……そういうからくりか。レゾネータの影響下で、快感の頂点を極めた方が放出し、相手がそれを吸収する形で、魔力の循環と増幅が行われているのだ。吸収ばかりが続くと、蓄積された魔力を扱いかねて、再放出するまで体が機能しなくなるのだろう。
 最初にキスで達したのは紫浬さんだった。それに、僕たちが来る前からかなり盛り上がっていたようだから、そこから結構な魔力が僕に流れ込んで、僕の自由を奪ったのだろう。むろん、最初に疑ったように、操緒と僕の共感作用も一役買ったに違いない。
 そこからは、僕が達し続けることで紫浬さんに増幅された魔力が流れ込み、ついには僕と操緒のなすがままになるしかなくなったのだと思う。そして今、朱浬さんの中で増幅され還流してきた魔力が、再び僕の中でわだかまり、放出されるのを待ちわびていた。
 いや……くだくだと理屈など考えている場合ではない。このまま時間が経てば、僕自身が自分を制御できなくなる。そうなれば、朱浬さんや操緒にどんな結果をもたらすか、知れたものではない。つくづく、ろくでもないプラグインだ。くそっ。
 それでも、どうしたらこの状況から脱出できるか皆目見当もつかないまま、僕たちはひたすら突き進むしかないのだった。
「朱浬、さん……」
 まだ息が荒い朱浬さんの顔を覗き込む。朱浬さんも、まだ返事ができる様子ではなかったが、ぼんやりとした瞳で僕の顔を捉えはしたようだった。
「……いいですか……?」
 問うたのは、もちろん、偽善だ。朱浬さんがどう答えようが、僕は行き着くところまで行き着くつもりだった。だが……それでも、訊くのが最低限の礼儀だと、思ったのだ。
 朱浬さんは、しばらく何を訊かれたのか、よく分かっていなかったのだと思う。それでも、僕がじりじりとした思いで見つめるうちに、かすかに頷いてくれた、ような気がした。
「じゃあ……いきます」
 それでも、この状態からいきなり挿入というのも乱暴な気がして、僕は右手を朱浬さんの秘所にあてがうと指でクリトリスと入り口をなぶり、左手と口で丸く固く盛り上がった乳房を愛撫した。
「ふ……んんっ……」
 朱浬さんが軽く反応する。胸の上にある僕の頭にそっと朱浬さんの両手が添えられ、仰向かされた。潤みきった瞳が、僕を見つめる。
「ト……トモハル……焦らさ、ない、で……ん、く、はっ」
「朱浬……さん」
「あたし……大丈夫だから……はあっ……だ、だから」
「……はい」
 確かに、そこは十分に濡れそぼっていて、わずかに開いてさえいた。僕は自分のものを右手で誘導しながら入り口にあてると、そこからゆっくりと中へ押し込んでいった。朱浬さんの中が、とてつもない熱さと柔らかさで、僕を包み込む。
『は……ん……はあっ……あ、あたし……?』
 操緒が陶然とした声を出し、少しびっくりした顔で僕を見る。ああ。僕が気持ちいいからには、お前も感じるはずだろ。
「ん……く……っ」
 あるところまで進むと、朱浬さんが、きれいな顎をのけ反らせた。痛いのかと思って、それ以上の前進を止める。しばらく、お互いの荒い呼吸だけが混じり合う中、僕たちは凍り付いたように動かなかった。
320絶対封印プラグイン 第14回-B:2008/02/21(木) 23:50:55 ID:tySGQiaz
 
「だ……大丈夫ですか?」
 朱浬さんは眉を寄せながら、それでも微笑む。
「……お願い」
 それで、僕は一気に奥へ進んだ。どうせなら、一瞬で済む方がいいと思って。
「んあっ」
 朱浬さんが顔をしかめる。同時に襲ってきた締め付けに促された軽い射精感を、ようやく堪えた僕は、軽く呻いた。操緒の『はん……っ!』という切ない喘ぎが腰に響いたが、何とか持ちこたえる。
「あ……」
 朱浬さんのため息が聞こえたので、僕もゆっくりと息を吐きながら、訊ねる。
「朱浬さん……?」
 朱浬さんは、驚いたことに、ふふ、と笑った。
「なんか、妙な感じ……痛い、かと、思ったんだけど……ふわふわしてて……悪く、ない、わ……あれのおかげって、ことかしら……」
「そ……うですか」
 朱浬さんが喋るたび、微妙な振動が伝わってきて、それだけで僕を限界へと揺さぶってくる。僕が我慢しているのを朱浬さんはどう取ったのか、
「トモハルは……大丈夫……?」
 なんだか、朱浬さんらしくない気遣いだった。いや、これも朱浬さんなのか。
「大丈夫……じゃ、ないです。気持ちよすぎ……です……朱浬さんの、中」
 僕が呻くように言うと、朱浬さんは、目を丸くした。それから、軽く吹き出す。いや、今の笑うとこですか? 僕はいたって真剣なんですが。
「トモハル……もう……バカね」
『ね……』
 そんな僕たちに、熱に浮かされたような操緒の声がかけられる。恨めしそうな響きがあった。
『いい加減……動くか止めるか……あたし、これじゃ……』
 朱浬さんは目だけで笑い、言ってくれた。
「動いて……いいよ。トモハル」
「はい……」
 許可をくれて、助かった。でなければ、勝手に腰が動き出していたところだ。
「いきます……ね」
 一応予告はすると、一突き、入れてみた。
「あ……はっ」
『はうっ……は、あ』
 微妙に異なる二つの喘ぎ声が、僕の耳朶を同時に打つ。まるで二人の女の子と同時にイタしているような感じで、これは、結構やばいシチュエーションだと思う。癖になったらどうしようか、などと、しょうもない考えが一瞬だけ浮かんで消えた。
321絶対封印プラグイン 第15回-A:2008/02/21(木) 23:52:03 ID:tySGQiaz
 
 それでも、最初は焦るまいと努めたのだった。初めての朱浬さんが痛くないはずはないと思ったし、それに正直言えば、あまり早くに射精してしまって早漏と言われたくないという見栄も、確かにあった。だが、
「ト……トモハル」
 何回も往復を繰り返さないうちに、朱浬さんが切なげな声で訴えかけてくる。
「あたし……このままじゃ……ダメ……もっと……」
 そうか。僕と同じなのか。体の中で、もはや制御しきれない何かが狂い回り、これを鎮めるためには、我を忘れるしかないらしい。くそっ。もう……どうとでもなれ。
「は……はい」
 僕の返事も、息絶え絶えだった。上体を起こし、朱浬さんの腰をがっちりと掴むと、後は全てを擲って、腰の動きに没頭した。
「あ、は、や……ト、トモ……はげし……や、や、あ……んん……んっ……く、はっ、は、あ、や……やあっ、あ、あん……あ、ひ、は……んんっ……ん、は、……っ」
『は……ト……トモぉっ……あ、い、いい、や、い、や、あ、は、だ、だめ、だめだめだめ、あ、あた、あたし、も、もう、い、や、や、い、いい、や、い、あ、はうっ』
 朱浬さんはそれでも拳を口に当てて抑え気味に、操緒は堪えきれない風に絶え間なく甲高く、それぞれが響かせる嬌声が僕の理性を犯していく。肉体だけでなく、魔力も精神も全てがないまぜになって、僕はあっという間に達しそうになり……大事なことに気付いた。
 このまま中に出したら……それは、さすがにまずい。くそっ、でもゴムを付けるような余裕なんて、この状況じゃなかったんだ。だからといって、もう今更止められない。僕は我ながら超絶的な精神力を発揮し、朱浬さんの中から自分を引き抜こうとした。
 できなかった。朱浬さんの長い脚が、僕の腰の後ろに回って抱え込んでいた。
「しゅっ……しゅり……」
 それ以上言う余裕はとてもなかったが、朱浬さんは僕の言いたいことを分かっていたと思う。数秒間くらいだけ、僕の目をしっかりと捉えて、
「んっ……は……あ、あた……だ、だい、じょう……ぶ、だ……か、らぁ……っ」
 そう言い放つなり、再び首をのけ反らせてしまい、僕に反問する暇を与えてくれなかった。
 いや、その機会があったとしても、僕に何を訊けたろう。その瞬間に朱浬さんの瞳に浮かんだ昏いものを見てしまった以上、朱浬さんが自ら話してくれる以上のことを僕が尋ねたりできる筈がない。僕にできることはといえば、朱浬さんの望むとおりにするだけだ。
「う……くううっ」
『や……だめ、トモ、だめ……えぇっ……』
 ついに、その時が来た。朱浬さんの腰を押さえ込み、一番深いところまで僕を押し込むと、そこで全てを解き放つ。操緒が同様に絶頂を迎えて、空中にぐったりと横たわるのが横目に見えた。次いで、僕も朱浬さんの上に倒れかかり、慌てて両手をベッドにつく。
「あ……」
 朱浬さんは、目を閉じて脈打つ僕の全てを迎え入れていた。僕の中で荒れ狂っていたものが、朱浬さんに向かってどくどくと流れ出していく。
「熱い……トモハルの……あ……あ、あ、あ……な、なに……これ、なに……?」
 ああ。それは、僕から朱浬さんに流れ込む魔力だ。朱浬さんは僕の下で思い切りのけ反り、もはや抑えることのできない悲鳴をあられもなく放った。
322絶対封印プラグイン 第15回-B:2008/02/21(木) 23:53:13 ID:tySGQiaz
 
「あ、きゃ、は、お、や、やだ、な、なに、は、や、いや、これ、は、あ、だ、だめ、な、なんか、くる、き、きちゃ、う、や、いや、や……や……あ……は、あ、く……う……っ」
 歯を食いしばり、喉に筋を浮かせながら、胸を真っ赤に染め上げて、達する。その結果、一度精を放って衰えかけた僕を、その中に残ったものまでも絞りだそうとするかのように、朱浬さんが柔らかくしかし強力に締め付けてきた。
「く……」
 僕が全身を固くしたのは、それに耐えようとしただけでない。朱浬さんからの魔力のバックドラフトが来ると思ったからで、それはすぐに予想どおりにやって来た。
「あ……ぐ」
『ふあっ!?』
 操緒が跳ね起きる。こちらも白い裸身を真っ赤に染めて波打たせながら、
『は、はお、こ、な、なに、ト、トモ、あたし、トモ、だめ、だ、め、ト……トモぉっ』
 僕に応じる余力などない。朱浬さんから押し寄せてくる激流を、そのまま叩きつけ返してやりたいという衝動をねじ伏せるので手一杯だった。そんなことをしたら、無限ループだ。何が起こるか分からない。
 何とか乗り切れたのは、僥倖以外の何物でもなかった。これ以上は無理だ、と思った瞬間に、運良く圧力が少し減っただけだった。二度目は……たぶん、ない。それに、今は大人しくしているものが、再び僕を中から喰い破ろうとするのは、時間の問題だった。
 くそっ……僕にどうしろって、いうんだ。何か、手はないのか。絶望にかられ全力を使い果たして倒れ込んだ僕は、けれど柔らかく受け止められた。顔を上げると、朱浬さんの艶やかなまでに淫蕩な表情があって、ただ、その瞳には強い決意の光があった。
「は……あ、トモ……ハル……ダメ……ふ……ひとり……で、ん、がんばんない、で……よ」
「しゅ……」
 朱浬さんは汗びっしょりの美しい額に黒髪を張り付かせ、荒い息を繰り返しながらも、全て分かっている、とでも言いたげな微笑を口許に刻んだ。
「ね……あたしだって……いっしょに……ね……? ふたり、なら……きっと……それに、どうなったって、あたし……いい……から」
「で、でも……」
『三……人……でしょうがあ……あたし……も、いる……ん、ですから……ね』
 操緒もぐったりとなりながら、僕と朱浬さんの間に割り込んでくる。さすがに疲労の翳が濃い貌に、じつに操緒らしい不敵な笑みが浮かんでいた。それを見た朱浬さんも、笑みを大きくする。
「そう……ね。操緒ちゃんも……いるよね」
「僕は……」
 それでも躊躇う僕に、朱浬さんは片目をつむってみせた。
「トモハル……あたしを、誰だと、思ってんの……部長代理、命令だかんね……?」
『だいじょうぶ、だよ……あたしが、ついてる、よ……』
 僕は目を閉じた。ちくしょう。なんだって僕には、いつだって、誰かを傷付けるような選択肢しか残されていないんだ。そしてなんだって、僕が傷付ける人たちが、あたかもそれを自ら望んだことであるかのように、胸を張るんだ。ちくしょう。
 逡巡は、そんなに時間を要しなかった。決断を下すことに、慣れたのかもしれない。だが、この胸の疼きに慣れることは、絶対にないだろう。そんなこと、あってたまるか。
「……知らないからな」
 僕が呟くと、朱浬さんがおっとりとした笑顔で頷き、操緒が僕に頬を擦り寄せた。
323絶対封印プラグイン 第16回-A:2008/02/21(木) 23:54:41 ID:tySGQiaz
 
 とはいえ、それはそれなりにいい場面だったと思うのだが、そんな空気をぶちこわすかのように、
「あたし……後ろ向こうか……?」
 言うに事欠いて、朱浬さんがとんでもないことを言い出した。
「は……?」
 一瞬、自分たちが置かれている状況のことさえ忘れて、朱浬さんの顔をまじまじと見る。それはその、いわゆる、バックスタイルというもののご提案でしょうか。
 僕の視線の前で、朱浬さんはみるみる頬を染めたが、同時に、いかにも朱浬さんらしく悪戯っぽい輝きを瞳に宿らせてもいた。
「だって……あたしの顔が見えない方が、トモハルだって……遠慮なく……じゃない?」
「いや、それは……」
「トモハルだって……興味あるでしょ?」
 その質問は、主語が間違ってやしませんか? いやそりゃ、興味がないといえば嘘になりますが、しかしこの状況でそういう話はですね。
『いいんじゃない。この際、ヤれることはヤったら?』
 操緒が笑顔で言う。誓って言うが、あの笑顔は笑ってない。ここで状況に流されたら、絶対にあとで何かしっぺ返しがある。やっぱり、断ろう。正常位で何の問題もないじゃないか。そう決めた僕の目の前で、朱浬さんは、さっさとベッドの上で四つん這いになった。
「さ……トモハル。ぐずぐずしてたら……」
 絶対、楽しんでるだろアンタ。さっきまでのあの恥じらいは何処へ行ったんだ。こっちは、そんな余裕なんてこれっぽっちもないってのに。ああ。いいだろう。どうせ、僕も冷静を保つのはそろそろ限界だ。こうなったら、思い切りケダモノになってやろうじゃないか。
 僕が朱浬さんににじり寄り、そのお尻の肉をつかむと、朱浬さんは「あんっ……」と艶っぽい声を立てた。
「朱浬さん……その、も少し、腰を落として……」
「こう……?」
 朱浬さんくらいに脚が長くてスタイルがいいと、かなり脚を開いてもらわないと僕が挿入できない。それでも実際にその恰好をしてもらうと、目の前にあそこからお尻の穴までが剥き出しに開陳されて、いまさらだが鼻血が出そうになった。
「んっ……そんな、見ないでよ……」
 僕が固まっていると、朱浬さんは恥ずかしげに、そのくせ僕を誘うかのように腰を捩った。ああ、もう、ほんとにどうなっても知らないからな。操緒の何となく冷たい視線を頬に感じながら、僕は、ずっと勃起したままだった一物を、朱浬さんの中に突き入れた。
「んっ……く、は、あっ……」
『は、ひゃ、あ、ああんっ』
 再び、嬌声が二重サラウンドで響き渡る。最初の一差しだけで放出してしまいそうになった僕は、そこで暫く波が引くのを待った。朱浬さんの中は相変わらず熱くて柔らかくて、僕のそれはおろか全身を溶かしてしまいそうだった。
「ト……トモハル……?」
 朱浬さんが首を後ろへねじ曲げ、訝しげな視線を投げてよこす。そろそろ、動いてもいいか。僕は遠慮なく、最初からスパートをかけた。
「あ、は……や、トモ、ハルぅっ……や、……あ……は、ひ、ん……あん、あ……は」
『んんっ、く、は、あ、いい、いいよ、ト、トモ、い、いい、い、や、だめ、や、は』
 朱浬さんは最初こそ両手を突っ張っていたが、ほどなくあっけなく上半身が倒れ込み、尻を高く突き出した恰好でシーツをくしゃくしゃにしながらのたうつ。操緒もどういうわけか、そんな朱浬さんの横で同じような姿勢になって、スマートな肢体をくねらせていた。
 だめだ。こんな刺激的な痴態を見せられて、冷静でなんかいられない。さっきから僕の中で今にも零れ出そうになっていたものは、あっさりと、なけなしの自制心を決壊させた。
324絶対封印プラグイン 第16回-B:2008/02/21(木) 23:55:59 ID:tySGQiaz
 
「お……おおっ」
『あ、ひゃ、も、もう……だ、だめ、い……いい……っ……だ……め……っ』
「は……や、は、あ、あ……んん、ん、んっ……あ……き……きてっ……」
 朱浬さんの腰を押しつぶすようにして、その中にありったけのものを注ぎ込む。朱浬さんが次に来るのを待ち受けているらしく、その背筋が強張るのが感じられた。
「あ……は……はあ……は、あ、や、く、くる、くる、くる、きちゃう、ト、トモハ、ルぅっ」
 腰を勢いよく僕に向かって突き出した朱浬さんの声には、さすがにいつもの余裕がなく、僕は思わずその両手と僕の両手を合わせ、指を絡めて握りしめた。少しでも、朱浬さんの力になることを願って。朱浬さんも、僕の手を痛いくらいに握り返してくる。
「ん、は、や、くる、や、きちゃう、いや、いやいやいや、や、やあっ……や……っ……や、は、や……く……く……る……うぅぅっ……」
 朱浬さんの腰ががくがくと痙攣し、その中が僕を痛いほどに締め付ける。それから、ゆるやかに力を失って腰砕けになり、完全にベッドの上へ俯せに崩れ落ちた。僕もそれにひきずられるようにして朱浬さんの上にのしかかる。
 さあ、次は僕の番か。どこまで続くのか、どこまでこちらが保つのか分からないが、力の及ぶ限り、朱浬さんと操緒を見捨てることだけはするまい。
 それは、津波のようにひたひたと、しかし圧倒的な圧力をもって、僕を襲った。気が遠くさえなりそうなのを、ようやくのことで耐える。
『や……はあ、あ……や……だ、だめえ……っ』
 操緒もぎりぎりのところで踏みとどまっているようだが、長くは保つまい。僕はやけ半分で、あっという間に回復した僕のそれを、朱浬さんの中で再び律動させる。しっくりくるよう、朱浬さんの片脚を持ち上げ、僕の腰全体を差し入れるようにして奥へと進んだ。
「あ、は、ああんっ」
 つっぷしていた朱浬さんが激烈な反応を示した。海老ぞりになって、高らかに声を上げる。
「だ、だめっ、いや、だめっ、そ、そこ、そんな、とこ、突いたら、あ、ふ、深い、深い、お、奥、奥、だめ、奥、だめ、そんな、だめ、もう、だめ、くる、きちゃう、くる、あたしぃっ……あ……た……し……いぃっ……く……お、は……あ……は……っ……」
『あ、はう、や、だめ、だめ、トモ、だめ、トモ、やだ、あたし、もう、やだ、やだ、やだやだやだ、トモ、い、いや、はっ、いや、いやいやいやいやあっ……もう……だめ……だめ、だめっ、は、だめ、だめ、は、やああっ……や……い……い……ぅっ』
 今度は、僕が放つ前に、朱浬さんが先に絶頂を迎えた。なぜか操緒も、それに同調したような気がする。これは想定してなかった。ただでさえ一杯一杯だったところに、二人からさらに何かが押し寄せ、なす術もない僕のどこかで寄せ返し、二人を再び弄び、そして僕へ。
「あ……はっ、ま、またっ……ま……た……あぁっ……ふ、あ、や、や……も……う……あた……しいぃぃっ……い……ふ、や、ト、トモ……トモ、ハルうぅっ……う、く、は……あ……だ、だめ……もう……や、だめ、また、き……きちゃ、……あ……っ……っ……あ」
『い……い、や、ト……トモ、トモ、トモおぉっ……っ……い……あ、は、や、やあ……ま……また……なのおおっ……お、は、あ……あっ……や、は、や……や……あ、また、また、トモ、トモトモト……モお……お……っ……あ……は……だめ……も、だめ……あ、は』
 息も絶え絶えになりながら、頂点をきわめ、そこから少し下りては、さらにより高みへと押し上げられる。それが、何度繰り返されたろう。もはやどうしようもなく流れに全てを委ねていた僕のどこかで、唐突に、ぷつり、と全てが切れた。
「あ……?」
 訳も分からず、だが、それまで体内に満ち満ちて荒れ狂っていたものがあっさりと消え失せ、完全に虚脱した僕は、朱浬さんと操緒の上に倒れ込んだ。二人とも、ぴくりとも動かない。もしかすると、すでに意識を失っていたのかもしれない。
「な……」
 僕も、指一本動かせない。急激な睡魔に襲われて意識を失う寸前、だが僕は、見た。
 ベッドの横で、オレンジ色の光の粒が舞っていた。それは徐々に収束し、やがて音叉の形に凝固すると、ことん、と床の上に落ちた。
「な……なんなんだよ……それ……」
 呟いて、そこまでが限界だった。僕の意識は、否応なく深淵の中へと引きずり込まれていった。
325絶対封印プラグイン 第17回-A:2008/02/21(木) 23:57:18 ID:tySGQiaz
 
 夢、だったと思う。
 ひどく安らぐ夢だった。何かこの上なく暖かくて柔らかいものに包まれて、髪を優しく撫でる繊細な指と、ときおり額や瞼や頬に触れる湿った吐息とに導かれるようにして、僕はまどろんでいた。もしかすると、小さい頃の母親の記憶だったのかもしれない。
 今の僕には、そうして寄り添ってくれる眠ってくれるひとなど、いない。いないはずだ。だから、それは夢だった。そう思う。

 目が醒めると、独りだった。朱浬さんがいないのは直ぐに得心がいったが、操緒も見当たらない。まあ確かに、側にいてもらっても、どんな顔をして相手すればいいのか分からないから、ある意味で気は楽だったが。
 朱浬さんが去る時にでも僕にかけていってくれたと思われる毛布をはぐと、ベッドの上には荒淫の跡が明らかだった。僕たちの体液でぐちゃぐちゃになり、乱暴な扱いに耐えかねてそこかしこに裂け目さえ出来ている。その中に赤黒い染みを認めて、僕は頭を垂れた。
 ……やっぱり、責任は何かの形で取らないといけないんだろうな。当分は朱浬さんの我が儘に素直に従うとして、命まで落とすような羽目にならないといいんだが。
 時計を見るとすでに昼過ぎで、これは完全にサボリになりそうだった。どのみち、腰のあたりが妙に軽く、全身が虚脱感に覆われ筋肉痛に襲われているとあっては、学校まで辿り着けそうもない。階下に下りられるかどうかすら、微妙に思えた。
「……くそっ」
 頭を振って、昨夜のことを思い出す。何があったのか、細部はいくらかぼけていたが、ほぼ思い出すことができた。だが妙なことに、それが自分の身にあったことだという実感だけがきれいさっぱりなかった。どこか遠い他人事を見ているようだった。
 朱浬さんと操緒に対して抱いていたはずの、あれだけ狂おしく抗い難かった情欲も切なさも、今は、全く実体を伴わない形骸だけの記憶にすぎない。もしかして、クルスティナを喪った加賀篝の胸中も、こんな感じだったんだろうか。
 ……まあ、今回はそれでいいんだろう。あんなのをこれからも引きずっていたら、いろいろなところに顔向けできなくなるような真似をしでかしてしまいそうだ。大体、あれは全てあのとんでもないプラグインのせいで、僕にはそんなつもりはなかったんだ。
「……と」
 そこで、思い出した。おそるおそる、床の上を見る。二度と見たくないものが、そこに転がっていた。銀色の、音叉型をした、プラグイン。レゾネータ。くそっ、やっぱり夢じゃなかったのか。最後に見たあれは。
「なんなんだよ……」
 僕は呻いて、ベッドの上に倒れ込んだ。

 といって、そのままもう一度意識を失うという贅沢は、僕には許されていなかった。
 放課後には徹夜明けのアニアが帰ってくるだろうし、それ以外にも勝手に遠慮なく押し掛けてくる連中が多いから、それまでには一切の証拠を湮滅しておく必要がある。朱浬さんも、僕より先に目を覚ましたんだったら、少しは片づけていってくれればいいのに。
 ほとんど這いずり回るようにして、部屋の中から汚れた衣服やシーツをかき集め、階下まで這い下りて洗濯機の中にぶち込み、ついでにシャワーをいつもの三倍は時間をかけて浴び、再び二階に這い上がって部屋の中を片づけ、もうそれだけで、三回位は死ねた。
 まさか、昨晩の報いってこたないよな? 僕は被害者だぞ。
 例のプラグインは、仕方がないから、分厚い工作用手袋をはめてつまみあげ、布で厚く巻いて紐で縛り、手近な箱に入れてガムテープで念入りにぐるぐる巻きにしてから、鍵のかかる引き出しに放り込んだ。
 本来ならコンクリ詰めにして深海の底にでも沈めてやりたいところだが、今はそういう訳にもいかない。そのうちに、八伎さんにでも事情を伏せて頼み込んでみようか。
 そこまで何とかかんとかやりおおせて、真っさらなシーツを敷き直したベッドに倒れ伏した瞬間だった。玄関のインターホンが、例の間延びした音を鳴らした。
326絶対封印プラグイン 第17回-B:2008/02/21(木) 23:58:37 ID:tySGQiaz
 
「く……なんだ?」
 せっかくこれで一休みできるかと思ったところだったのに。窓の方へ首を伸ばすと、
「智春ー?」
 聞き慣れた声がした。樋口か。だったら居留守を使うか、と思わなくもなかったが、
「夏目っ。いるんでしょっ。連絡もなしに休むって、どういうことよっ」
 佐伯妹の声までがして、僕は顔をしかめた。ここでやり過ごしても、あとで面倒なことになりそうだ。仕方ない。のろのろと体を起こし、腰の曲がった年寄りみたいな恰好で壁に手をつきながら、そろそろと階下へ向かった。
 その間も、頻繁にインターホンが鳴らされる。いやだから、ちょっと待ってくれ。そんなに早く動けないんだって。ようやく階段を降りきったところで、玄関の扉の向こうから樋口と佐伯妹の会話が流れてきた。
「やっぱ、いないんじゃねーの?」
「でも、だって……水無神さんも学校に来てないのよ。奏も杏も何も知らないって言うし。携帯にも出ないし、メールにも返事来ないし」
 あー……携帯、マナーモードにしたきりで、着信確認なんてしてなかったな。
「これって、もしかして何かあったんじゃないの……?」
 珍しいことに、佐伯妹の声はどことなく不安げだった。それにひきかえ、
「いや、智春のこったから、なんかまたしょうもないトラブルじゃねーの? そろそろ、本気でオカルト絡みの事件とか起きねーかなあ」
 樋口の声はどことなく浮き浮きしていた。そりゃ、佐伯妹と二人きりでここまで来たのだ。さぞ嬉しかろう。かてて加えて、
「バ……バカっ。ロクでもないこと言うんじゃないのっ」
 すかさず佐伯妹に罵られていたからには、幸せ倍増だろう。良かったな、樋口。
「それが心配なんじゃないのっ。夏目えっ?」
「は……はい、いますってば」
 言ってはみたが、声が弱々しいのと、まだ距離があるので、表に届きはしない。君たち、もうちょっと待ってくれ。もうすぐだから。
「何だったら、入ってみるか?」
 樋口が脳天気に言い、
「え……いいの?」
 佐伯妹が戸惑った声を出した。ところがすぐに続いて、
「そ……そうね。仕方ないかも。な、夏目のこと、確認しないとね」
 僕は天を仰いだ。佐伯妹は、僕の知り合いの中では数少ない常識人だと思っていたのだが。人の家に、勝手に押し入らないでほしい。
「お……おい、だから、いるんだって」
 ようやく玄関に到達し、そこに敷かれたマットの上によろよろと一歩を踏み出した僕の足は、だがそのまま床を踏み抜いてしまい、ふわっ、と下へ沈んだ。
「う……わあああっ!?」
 さすがに大きな悲鳴を上げる。無我夢中で広げた腕が何とかひっかかってくれて、僕は肩の上からだけを床の上に出した状態で宙づりになった。
「な……夏目っ?」
 僕の悲鳴を聞きつけたのか、玄関のドアが開いて、佐伯妹と樋口が飛び込んでくる。そういえば、昨晩、中に入った時に音を立てるのがいやで、鍵をかけずにおいたのだった。二人とも、僕の姿が目に入ったのか、玄関で凍り付いたように立ち尽くす。
「な……夏目……? 何やってんの……?」
 そう言う佐伯妹のスカートが少し風に揺れて、僕の位置からだと、細い脚の奥にあるものがともすると拝めそうな感じですらあって、その僕の視線の行方に気付いた佐伯妹は、顔を真っ赤にして柳眉をきりきりと逆立てて。いや、これはその、わざとじゃないんだ。
「な……つめえええっ! この、スケベっ、バカっ、変態っ!」
 投げつけられた学生鞄が額にクリーンヒットした僕は、それ以上自分を支えていられずに、ずるりと地下室へ落下した。
327絶対封印プラグイン 第18回-A:2008/02/21(木) 23:59:53 ID:tySGQiaz
 
 いや、ひどい目にあった。幸い、樋口が物置部屋にある地下室−冥王邸への入り口を知っていたから、そこから降りてきてもらって、身動きすらままならない僕を救い出してリビングに落ち着くまでに、結構な時間がかかった。
 しかもその間ずっと、樋口は「そのやつれようはまさか、ほんとに幽霊憑きに……?」とか嬉々として騒いでるし、佐伯妹は佐伯妹で「一体あんた、何したのよ? 水無神さんもいないみたいだし」とか痛いところを突いてくるし、ああもう、いい加減にしてくれ。
 ちなみに、僕が床を踏み抜いた理由は、冥王邸の中を見るだけで一目瞭然だった。地下室の床や壁、天井までが満遍なく、ゆっくりと火に炙られたかのように黒焦げており、中でも玄関のあたりの天井(一階からすれば床)がひときわ脆くなってしまっていたのだった。
 樋口はそれを見て、絶対何かオカルト現象があったに違いないと興奮していたが、僕には考える気力もなかった。確かにこの間までは何ともなかったはずなのだが、この屋敷で起こる正体不明なことを逐一気に留めていたら、気の休まる暇がなくなる。
 それでも玄関の床に穴が開いているのだけは不都合だから、体が動くようになったら修繕しなければなるまい。僕はリビングのソファにだらしなく横たわりながら、深い深いため息をついた。
「大丈夫、夏目?」
 そんな僕の前のテーブルにお茶を置きながら、佐伯妹が訊いてくる。
「あの、さっきは……」
「ああ、それはいいんだ。何でもない。いろいろやってもらって、ごめん」
「そ、そう……?」
 エプロンをした佐伯妹は、お盆を胸の前に抱えた恰好で、僕の向かい側に腰を下ろす。その横で、思いがけず佐伯妹の家庭的な姿を目にしたからか、樋口がだらしなく頬を緩ませていた。
「でも、ほんと、何があったの」
「いや……単なる風邪なんだけど……だいぶ抜けたんだけどさ、節々が痛くて」
 思いつきの言い訳だったが、僕の体調に関して言えば、事実がひとつまみかふたつまみくらいはまぶされていたから、それなりに信憑性はあったと思う。現に、佐伯妹も樋口もそれなりに納得したみたいだった。
「じゃあ、寝てないと。こういうとき、一人暮らしって大変じゃない? 薬とか、飲んだ?」
「ああ……それは大丈夫。ありがとな」
 こういうとき、佐伯妹の世話好きな性格は、多少面倒ではあるけど有り難いと思う。こんなに怒りっぽくなけりゃ、こいつももっとモテるのにな。
「な……なによ」
 僕に見られているのが気に入らないのか、佐伯妹がそっぽを向いたので、僕も苦笑して目を伏せた。
「連絡できなくて、ごめん。柱谷やん、何か言ってたか?」
「またか、っつってたよ。後で説明しにいきゃいーんじゃないの?」
 樋口が言う。そうか。学校の教師にまでそうやってスルーされるのは、有り難いと言うべきか情けないと言うべきか。佐伯妹が僕をたしなめるように、
「ほんとよ。電話くらいしなさい。わたし……じゃなくても、誰か友だちに、杏とか奏に伝言したっていいんだから。二人とも、何も知らないって言うし。でも、変なの。杏は部活があるけど、奏は一緒に来ると思って誘ったのに、断られたのよね」
 そこで、佐伯妹が僕の方を探るように見た。
328絶対封印プラグイン 第18回-B:2008/02/22(金) 00:01:04 ID:0LQofFjX
 
「なんか、真っ赤になってたわよ。逃げるように居なくなっちゃったし。あんた……また、何かしたんじゃないでしょうね? 水無神さんもいないし。夏目?」
「嵩月のことなんて、知らないよ……」
 あやうく、操緒のことならともかく、と言いかけて口を噤んだ。危ない危ない。そんな僕を佐伯妹はさも不審そうな目つきで睨んでいたが、そのうちにため息をつき、あらためてリビングの中を見回した。
「でも……身の回りのことをしてくれる人がいないって、こういう時大変よね。晩ご飯とか。ええと、夏目……もし、何だったら、その」
「ああ……」
 そうか。そのことがあったか。
「悪いけど……杏に連絡とってもらえないかな。お願いすれば、あそこん家から何か差し入れてくれると思う。……って、なんだよ」
「別に」
 佐伯妹は少し膨れっ面で横を向く。何なんだ、一体。

 アニアが戻ってきたのは、夕陽がそろそろ落ちようかという頃だった。残念ながら、徹夜した上に授業まですっぽかして調べた結果は芳しくなかったらしく、極めて不機嫌だった。まあ、あんな代物の正体を突き止められても、こっちが困るけど。
 そうするうちに、杏が差し入れの食事を持って現れて、鳴桜邸では時ならぬ賑やかな夕食会が催されることになった。どうでもいいけど、なんだって樋口や佐伯妹まで居残るんだ。そう訊いてみたら、佐伯妹が何故だか顔を赤くして、
「……病気のクラスメイトをほっといて帰れるわけないじゃないの。あんたが寝るのを見届けたら、帰るわよ」
 まあ……有り難い話なんだろうな。疲れるけど。
 いや、素直に、ここは感謝しよう。樋口に佐伯妹、杏、アニアがいる食卓は騒がしくて楽しくて、おかげで、その間だけは色んなことを忘れていられた。一巡目であれ二巡目であれ、こんな風に、屈託なく穏やかに過ごせる時間だけだったらいいのに、と心から思う。
 そして、それでも僕に気を遣ってくれたのか、早めに引き上げることにした友人たちを送り出して、僕はようやく束の間の平穏を手に入れた。どうせ長続きはしないんだろうが、休めるうちは休んでおくさ。
 その夜は、溶けるようにして眠った。夢なんて見なかった。

 僕が学校に復帰したのは、その翌週になってからだ。いくら若いといっても、さすがに半日や一日であのダメージから回復はしない。週末心おきなくゆっくり休んで、ようやく登校できるだけの体力と気力を取り戻した。
 その間、アニアはずっと疑わしげに僕の言動を監視し、時にはあからさまに詰問してきたが、風邪だからってことで押し通した。レゾネータに関しては、いくら調べても情報が出てこないらしく、そのうちに段々興味も薄れつつあるようで、とりあえず安堵する。
 操緒は、再登校日の前の日曜日の夜、そろそろ僕が不安になり始めた頃に、復活した。ただ、少なくとも一週間の間、操緒を見ることを僕は禁じられた。「なんでだよ」と訊いたら、「エロい目で見られたくないっ見たら絶交っ」と一刀両断だった。
 まあ、その方が有り難いのかもしれない。僕にしても、操緒とどんな顔で接したらいいのか、まだ良く分からなかった。
 久し振りの学校も、特に変わったことはなかった。嵩月の表情が何だかいつもより固い気はしたが、平素から決して愛想のいい子じゃない。操緒も、ずっと、うまく僕の視界から外れたところで漂っていてくれてたから、それほど気を遣わなくても済んだ。
 昼休みになったところで、何だか知らないが佐伯妹が「あんたやっぱ何かしたんでしょっ。水無神さん、あんた見るたび赤くなってにやついてるし、奏の方は妙にあんたに突っけんどんだしっ。さあきりきり吐けっ」とか絡んできたが、そんなの僕が知るか。
 そんなことより、僕には大事な用事があった。授業が終わるなり、嵩月と一緒の班だった掃除当番をすっぽかして、化学準備室へ向かう。そこにいるはずの人に会いに。
329絶対封印プラグイン 第19回-A:2008/02/22(金) 00:02:08 ID:0LQofFjX
 
 たぶん、僕が来るのを予期してたと思う。でなければ、こんなに当たり前に、いつものおっとりとした笑顔で迎えてくれたりはしないだろう。
「トモハル、おひさしぶりじゃない。体は、大丈夫なの。風邪って聞いたけど」
 何を白々しい。僕が睨み付けるのを全く意に介する様子もなく、朱浬さんは首をかしげて、
「何か、用?」
「こないだのこと、ですけど」
「忘れなさい」
「は」
 朱浬さんがにこやかな表情で腕を一振りすると、がしゃこん、と何かが何かに装填される音がした。僕のこめかみを、冷や汗が一筋流れ落ちていく。
「何もなかったの。そうよね?」
「いや、そりゃ……こっちだって忘れたいですよ」
「なんですって?」
 僕がぼやくように言うと、朱浬さんの瞳がすっと細まり、赤い光を放った。ええと、たった今、忘れろって言ったのは、そっちですよね? 一体、どっちなんです。
 まあしかし、お互いに話題にしたくないことであるのは、確かだった。僕の用件も、どちらかというと別のことだ。
「あのそれより……あのプラグインですけど。僕のところに置いていかれても」
「ああ、あれ」
 朱浬さんは平然と答えた。
「トモハルが持ってて」
「え……ええっ」
 それは、困る。あんなものを、僕にどうしろというんだ。だが朱浬さんは、僕がなぜ困惑しているのか理解に苦しむとでも言いたげな様子で、訊き返してきた。
「それ以外に、何かいい考えでもあるのかしら?」
「いや、王立科学狂会に返すとか……」
「あんなもんを、あんなキチガイどもの好きにさせろっての? 大丈夫よ。どっかに消えてなくなっちゃいましたすいません、って報告済みだから」
 それでいいのか。いやそりゃあ、アニアという証人もいたから、王立科学狂会としては信じるしかないのかもしれないけど。
「それじゃ……生徒会のどれかに預けるとか。僕が持ってるより、厳重に管理できるじゃないですか」
「ふーん」
 朱浬さんが面白そうな声音になり、だがどことなく真剣な目つきで、
「トモハル……もしかして瑤や倉澤六夏とも、あんなことになりたいのかしら?」
「やめてくださいよ。僕にだって、相手を選ぶ権利くらいあります」
 あんまりな言い草じゃないか。僕がよっぽどげんなりした顔をしたせいか、朱浬さんはくすくす笑い出した。なんか、妙に楽しそうだ。僕は何とか、逃げ口上を考えだそうと知恵を絞った。
「あんなもの、僕じゃ管理できませんよ。制御だって。こないだは、たまたま何とか」
「ああ、あれ? あれは、狙いどおりかな」
「はあ?」
330絶対封印プラグイン 第19回-B:2008/02/22(金) 00:03:14 ID:tySGQiaz
 
 意外なセリフに瞬きする僕に向かって、朱浬さんは得々と、
「だって、あんなデバイスで、無限ループした時の安全装置が組み込まれてないわけないじゃない。どっかで、ヒューズが飛ぶかブレーカーが落ちるかすると思ったんだけど、そのとおりだったわ」
「はあ……あの、そんな見込みがあったんなら、先に言っといてくださいよ」
 あの場での僕の悲壮な決意が、莫迦らしく思えてくるじゃないか。恨めしそうに言った僕に対して、朱浬さんはごくごくしれっと、
「まー、あん時はあたしもそんな余裕なくって。……誰かさんのせいで」
 そんな怨ずるように流し目をくれながら言われたって、僕だってあの時は無我夢中だったんだ。大体、この一件の発端は朱浬さんだったんだし、そんなにあのプラグインの扱いに自信があるなら、朱浬さんが引き受ければいいじゃないか。
「じゃあ、朱浬さんが」
 僕がそう言った時だった。朱浬さんが狼狽えた表情になり、声から余裕が消えた。
「あたしっ? あたしは、だめ。だめだから」
「な……どうしてですか」
「だってあたしが……あたしにあんなもん持たせて、女の子に恥かかせるつもり? やっぱ、ああいうのは男から……」
 何を言っているのか、支離滅裂だった。頬がそこはかとなく赤いし、視線はどこかを彷徨ってるし、最後のあたりは口の中にもごもごと消えてしまうし、いかにも朱浬さんらしくない。その挙げ句に、いやにきっぱりと笑顔で、
「というわけで、あたしはだめだから」
 いやそれ、説明になってません。だが、あの笑顔の前では、僕が何を言っても無駄だろう。僕は肩を落として大きなため息をついた。対照的に朱浬さんは元気よく、
「ま、というわけで、やむなくトモハルに預けとくけど。もし、二度とあんなもの使おうなんて気を起こしたら……分かってるわね? 一度目は事故で済ませてあげるけど、二度目は、あたしも……本気になるからね?」
 言い終わりは、やけに声が低くてドスが利いていた。人にあんなものを押しつけておいて、何かあった時の責任までおっかぶせる気ですか。言われなくても、あんなろくでもないものにこれ以上関わるつもりなど、毛頭ない。自分から平和な日常を乱すなんて論外だ。
 それに、あんなのを使ってまで女の子とヤりたがる男だと思われるのも心外だ。いくら何でも、僕を見損ないすぎだと思う。僕は憮然として、
「そんなことしませんって……ちょっとは信用してくださいよ」
 そう言った瞬間、朱浬さんは妙に無表情になった。すうっと僕に近づいてきたかと思うと、僕の二の腕に激痛が走る。
「てッ!」
 慌てて視線をそちらへやると、朱浬さんの細い指が僕の腕の肉を念入りにもう一度ひねり上げてから引っ込むところだった。あやうく涙が出そうになるほどの痛さだった。
「な、なにするんですか……」
 僕の抗議にも、朱浬さんは呆れたような見下げ果てたような目でこちらを見るばかりだった。いったい、何だっていうんだ。そんなに機嫌を損ねるようなことを言ったか?
 しかしそれにしても、いくらレゾネータの媒介があったとはいえ、この人と僕が共鳴したということ自体、今でも信じがたい。紫浬さんは「通じ合う部分を増幅して」と言ったが、あんなことになるような何が、僕と朱浬さんに共通してあったというのか。
 そりゃ僕から見れば、朱浬さんは中身はともかく魅力的な美人のお姉さんだし、くらっとくることだってないではないが、朱浬さんにとって僕など、ただのからかい甲斐のある後輩にすぎないだろうに。
「ふふーん?」
 僕の困惑した様子を見ていた朱浬さんの表情は、けれど不意にふっと和らいだ。
「ま、いっか。……トモハルだもんねえ。じゃあ、よろしくね」
「え……あの」
 踵を返した朱浬さんの後ろで僕が言葉を失ったのは、振り返る直前の朱浬さんの顔に、なんというか、あまり見慣れないものを見てしまったせいだ。それは、はにかみというものにとてもよく似ていたのだが、しかしまさか朱浬さんが。
 凝然として立ち尽くす僕を置き去りにして、朱浬さんが化学準備室の扉に手をかけ、からりと開く。その向こうに、人影があった。
「……嵩月」
331絶対封印プラグイン 第20回-A:2008/02/22(金) 00:04:41 ID:tySGQiaz
 
 僕と違って、真面目に掃除当番を終えてから来たのだろう。いきなり朱浬さんとぶつかったせいか、嵩月は目を見開いて呆然としていたが、朱浬さんと僕の間で視線を二、三度往復させるなり、耳まで真っ赤になった。え……と、何だ?
 朱浬さんは、そんな嵩月と僕を見比べ、不意に、にやりと笑った。
「奏っちゃんも、おひさしぶりね。なんか、ここんとこ顔出してくんなかったけど。今日はそんなに、トモハルのこと心配だった?」
「え。ええ、と。あー……」
 部屋の中、朱浬さん、僕、と、せわしなく視線を彷徨わせる嵩月を覗き込むようにして、朱浬さんは続ける。
「そうそう。……なんか、焦げ臭かったわよね?」
 嵩月が、ぱっ、と朱浬さんを見た。大きな瞳が、限界まで見開かれている。
「……あー……」
 何か言いたげだが、言葉が出てこないらしい。代わりに、なのかもしれないが、その体の周囲にゆらゆらと陽炎が立っているように見えた。朱浬さんはその熱気をすぐ側で浴びている筈だが、苦にする様子もない。
 しかし、朱浬さんは一体なんのことを言ってるんだ。嵩月は分かっているらしいが、僕は全く会話の埒外に置かれていた。朱浬さんはそんな僕にちらりと横目をくれてから、
「ごめんねえー、どうしても仕方なかったのよ。でも、よかったんじゃない? そっちも、あれで結構ふんぎりがついたでしょ。それに、奏っちゃんもかなり、燃えたんじゃないの? ……いろいろと」
 二人の動きは、目にも留まらなかった。乾いた音が響いて僕が気付いたとき、嵩月の平手打ちの手首を朱浬さんが受け止めた恰好のまま、二人は静止していた。嵩月の腕を掴んだ朱浬さんの掌から、白い煙が薄く立ち上っている。
「た、嵩月……」
 僕の呼びかけにも応えずに、嵩月は、顔を真っ赤にし目に涙をためて、朱浬さんを睨み付けていた。どうしたんだ。嵩月らしくもない。朱浬さんは微笑したまま、ただ、やけに静かで真面目な口調で続ける。
「八つ当たりしないで。これは、奏っちゃんの問題でしょ。あたしは奏っちゃんを応援してるけど……それは、何があっても、って意味じゃない。あたしなんかに、いつまでも選択の余地を残しとかないでほしいな。分かってるわよね?」
「……」
 嵩月は朱浬さんを睨み付けることを止めなかったが、それでも、その腕から徐々に力が抜け、朱浬さんが掴んだ手を離すと、だらりと下へ垂れた。それを見た朱浬さんは、表情と声を明らかに和らげて、
「ま、でも……挑発したのは、ごめんね。あたしも、ちょっと冷静じゃなかった」
 そう言って、焼けこげた掌をひらひらと振る。
「これは、その罰、ってことにしとくわ。じゃねー。……トモハルと、ちゃんと話すのよ。あたしが、待ってあげてる間に」
 優しい響きすらこめてそう言うと、朱浬さんは嵩月の横をすり抜けていこうとし、そこで、ふと足を止めた。悪戯っぽい眼差しを僕から嵩月の方へすうっと滑らせて、
「ところでさ。勘づいてたかもしんないけど、あれが何をシミュレートしてたか……分かるわよね?」
 そう言われて、僕だけでなく嵩月も、きょとんとして朱浬さんを見つめる。だが、僕を差し置いて嵩月の貌にじわじわと理解の色が広がり、と同時に、嵩月の周りで熱風が渦巻き始めた。さすがの朱浬さんも辟易したのか、そそくさと出口に向かって後ずさりしながら、
「ま、そーゆーことで……契約ってのも、意外と悪くないかもしれないわよ? 楽しみね?」
「しゅ……朱浬さんっ……!」
 嵩月のせっぱ詰まったような叫びには応えず、朱浬さんは笑いながら背中を向けて、行ってしまった。ほんとに、何なんだ。一体。二人とも、何の話をしていたんだ。今や竜巻にも似た熱波のせいで嵩月に近づくこともできず、僕は混乱しきって立ち尽くしていた。
 と、嵩月が僕と目を合わせる。ええと……どうして僕が、そんな恨みがましい、そのくせ縋るような、何かを切々と訴えかけるような視線を浴びなければいけないんだ。僕には何もやましいことは……って、嵩月。もしかして。まさか。
「……夏目くん、なんかっ……」
 嵩月の食いしばった唇から、いつになく鋭い言葉が漏れた。
「きらいですっ」
 放った一言が僕の胸をきれいに刺し貫くのも待たず、嵩月は身を翻して、走り去って行ってしまった。嵩月の残した熱気と衝撃の中で、僕はへたへたと、手近なイスの上に座り込む。
332絶対封印プラグイン 第20回-B:2008/02/22(金) 00:06:06 ID:0LQofFjX
 
 二人の会話の途中から……いや、本当は冥王邸の有様を見た時から薄々分かっていて、でも考えないようにしていただけのような気もするが、嵩月の最後のセリフで、僕も確信した。
 あの晩、嵩月は、冥王邸に、いたのだ。たぶん、別れ際に調子が悪そうだった僕を心配して、いつぞやのように鳴桜邸の地下で、何かがあれば僕を助けようとして。
 だから、あの一部始終も、耳にしたに違いない。冥王邸が内側からローストされていたのは、嵩月の炎によるものだったのか。確かに、あんな激しい情事に音だけでも付き合わされたんじゃ、純情な嵩月には刺激が強すぎて、さぞかし恥ずかしい思いをしただろう。
 周囲のことごとくを灼き焦がすのも、抑えられないほどに。
 なんてこった。嵩月には、知られたくなかったのに。いくら、あのプラグインのせいで正気ではなかったとはいえ、僕が安易に女の子と寝てしまうような人間だなんて、思われたくない。いや決して、安易な気持ちで朱浬さんとあんなふうになった訳でもないが。
 こうなったら、嵩月には、レゾネータやあの夜のことをきちんと説明しておくべきだろう。どこまで何を話すかは難題だが、早々に誤解を解いておかないと僕が浮かばれない。朱浬さんもそう奨めていたではないか。嵩月が僕の話を聞く気になってくれれば、の話だが。
 そういえば、もう一つ。あのプラグインについて、朱浬さんは何と言った……? 何かを、シミュレートしていると……? それは、何だ。嵩月も関係する、何か。
 ふと浮かんだ答えに、僕は愕然とした。
 あのレゾネータは、もしかして、演操者と悪魔が契約したときの魔力循環を、機巧魔神同士の間でも実現するためのものなのか? ということは、もし僕と嵩月が契約したら、そのときには、僕と操緒と嵩月に、全く同じようなことが……?

 そこまで考えて、僕は天井を見上げた。そうでもしないと、鼻血がこぼれ落ちてきそうだった。そんな僕に、どこからともなく、
『智春おー?』
 これ以上はないというくらいの猫撫で声が、呼びかける。
「操緒……?」
 今まで、どこにいたんだ。というか、どうせ聞いてたんだろ、全部。操緒との約束にも関わらず、反射的に少し首をめぐらせてしまったが、操緒の姿は目に入らなかった。その代わり、一言一言を区切りながら、背筋を優しく撫で上げるような物柔らかな声が続く。
『当分、嵩月さんを、見るのも、ぜっ・た・い・き・ん・し』
「え? おい……」
 あまりの理不尽な物云いに、僕が慌てた声を出したとき、すでに操緒の気配はなかった。一体、どうしろってんだ。嵩月の席は僕のすぐ前なんだが、授業中は目をつむってろとでもいうのか。

 ああ、だが確かに……これからしばらくは、朱浬さんや操緒はもちろん、嵩月の顔もまともに見られそうにない。健康な青少年男子として、彼女たちの魅惑的な容姿や振る舞いを目の前にして、あの夜の記憶を蘇らせずに自分を抑えられるかどうか、全く自信がない。
 だめだ。なんだって、僕の周りにいる女の子たちはみんな、こうも魅力たっぷりなんだ。しかも誰一人、簡単には手を出せないときている。これは、何の罰ゲームだ。僕が前世で(もしかしたら一巡目の世界で)何かよほどの悪業でも積んだというのか。
 自分が不幸だという自覚は元からあったが、この時ほどそれを実感したことはなかった。全くもって、これは地獄だ。一見甘やかすぎるが故にいっそう耐え難い、地獄だ。

 それにしても、つくづく恨めしいのは、あのプラグインだった。絶対、そのうちに何処かへ葬り去ってやる。あんなものを創り出したり掘り出したりしたやつも、地獄の底まで呪われてしまえ。
 本来の使用目的から言えば、今回のことは不測の副次的結果なのかもしれないが、こっちには慰めにもならない。おかげで、えらい目にあった。いや、まだこれからも、嵩月に話して納得してもらうという大仕事が残っている。操緒にも機嫌を直してもらわねばならない。
 くそっ。厳封だ。使用厳禁だ。あんなもの、二度と世に出してたまるか。

        ○

 最後に、一つだけ。これはたぶん、永久に解けないだろう疑問がある。朱浬さんは、今回のことを、どこまで想定していたのか。あんなことまでは予想外だったとは思うが、自分と僕との間で何かが起こる可能性くらいは、十分に考えていたのではないか。
 だとしたら……朱浬さんは何をどこまで望んでいたのか。僕には、分からない。もしかすると、朱浬さん自身にも、分かっていないのかもしれない。それは、あのプラグインと共に、永遠に封印しておくべき疑問なのかもしれない、と僕は思う。



333名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 00:07:26 ID:0LQofFjX
これにて終幕。エロもその前後も、デキはともかく、今書けることは全部書いた感があって、楽しかったがけっこう燃え尽きた。
こっちの都合で短期間に大量投下でスレを占拠して、読み手の人たちにも他の職人さんにもスマンかった。こんなくどくどと長いのを読み通してくれる奇特な人がいるのかしらんが、つまみ食いでも多少は楽しんでもらえたんなら嬉しい。

なぜか終盤に佐伯妹の出番が多いのは、ご愛嬌ってことで。玲子かわいいよ玲子。
題名は、Gacktがノベライズ予定のと、なんか偶然うまく平仄があった。チルドレンかわいいよチルドレン。

エロありきの無理矢理設定と強引展開で、突っ込みどころは多かろうが、できればお目こぼしプリーズ。
・智春がきれい事言ってるわりにやってるこたエロオヤジとか
・実体のない操緒がなんでオンナの子の体に詳しいんだとか
・プラグインの作用の仕方が都合よすぎねとか
・嵩月さんは止めにも入らずに冥王邸でずっとナニしてたんでしょーかとか
・王立科学狂会やアニアが何も勘づかないとは思えねーとか
・この設定だとカガカガリと琴里とクリシィもげふんげふんとか
(∩゚д゚)アーアーきこえなーい

では、書き手のよけいな語りまでえらく長くなってしまったが、こんなとこで。
己はここで力尽きるので、あとは…お前らに…任せたぜ… (´・ω:;.:...
334名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 04:50:18 ID:BRoc5liO
SUGEEEEEEEEGJ!!!
神!
エロもよかったけど、その後の佐伯妹とか朱浬さんとのやり取りが萌えw
335名無しさん@ピンキー:2008/02/22(金) 11:35:46 ID:Hx//5Gfl
GJ!!!!!
うまいな、色々と
336名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 02:38:41 ID:V5VYLqlY
OK、同志、GJ!
平時の掛け合いからムフフなシーンまでとてもいい感じで楽しませてもらいましたぜ
さあ次は奏っちゃんや佐伯妹をry
337名無しさん@ピンキー:2008/02/23(土) 02:40:53 ID:V5VYLqlY
sage忘れスマソorz
338名無しさん@ピンキー:2008/02/24(日) 22:32:59 ID:W4Oi6DLT
GJ
339名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 09:36:19 ID:L4e1XYyn
保守
340名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 14:55:35 ID:H9QX/arV
女性の身体を洗い、マッサージをする仕事になります。
射精の瞬間を見たいという要望も多数あります。
[email protected]
341名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 00:13:31 ID:GbkvYtHK
遅いながらちょっと前に原作を9巻まで読み終えたので記念カキコ
今は2巡目突入中
342名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 12:54:48 ID:J4lghL2k
保守るんです
343名無しさん@ピンキー:2008/03/08(土) 23:55:46 ID:8i9USObN
普通すぎてみんな書き込んでいないのかもしれないが

嵩 月 の 触 手 エ ロ 希 望 !
344名無しさん@ピンキー:2008/03/12(水) 18:00:31 ID:s7gEwCqV
ここって地味に神職人がいるな
死にかけ過疎スレかと思っていたけど良いスレを見つけた。
ちょっと儲けた気分だ
345名無しさん@ピンキー:2008/03/14(金) 21:29:04 ID:zfPuxoBD
      ☆ チン     マチクタビレタ〜
                        マチクタビレタ〜
       ☆ チン  〃  ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
        ヽ ___\(\・∀・) < 神職人まだ〜?
            \_/⊂ ⊂_ )   \_____________
          / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /|
       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
       |  愛媛みかん |/
346名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 10:31:29 ID:rvJFEVE8
長文投下まじで乙!!!!
操緒可愛いよ操緒
347名無しさん@ピンキー:2008/03/16(日) 11:21:48 ID:DLaqqPFj
GJだが一番ワロタのはちょっと疑問だったのが全自己解決してたのが笑った
348名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 20:15:34 ID:5aJqRBO+
捕手
349名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 10:43:02 ID:bXIIqD6v
350名無しさん@ピンキー:2008/03/23(日) 12:59:55 ID:BGaKlM2i
あげ
351名無しさん@ピンキー:2008/03/27(木) 23:51:54 ID:or57iMfo
352名無しさん@ピンキー:2008/03/30(日) 02:51:45 ID:KMyDJ0Uf
次の作品を期待してみる
353名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 16:31:45 ID:2s+xdZ/H
保守です
354名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 22:17:19 ID:2PzzzmEY
hosyu
355名無しさん@ピンキー:2008/04/06(日) 00:26:41 ID:LHday+7N
6月にアスクラ10巻が出るみたいだから
それまで保守
356名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 15:20:36 ID:ShV92lER
6月に出るんだ!
うわー 楽しみだー!
357名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 17:01:23 ID:84GakCKQ
>>329瑤や立夏とも・・・そうなってほしい!!!
358名無しさん@ピンキー:2008/04/14(月) 06:47:29 ID:Yk1YX8Nj
保守
359名無しさん@ピンキー:2008/04/22(火) 15:16:24 ID:Lcg2jje/
新刊まで長いなあ
360名無しさん@ピンキー:2008/04/28(月) 02:36:58 ID:ZImTFnKn
果たして、人がいるのかいないのか
361名無しさん@ピンキー:2008/04/29(火) 23:57:24 ID:Z6rd0R6Q
いるにはいるが何話す?
本編でアレな関係になりそうな人って誰だろうね
悪魔は話的に嵩月しかいないが
362名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 01:15:24 ID:urH5V0pG
一応ひかり先輩とかニアも視野に入れてあげてくださ…
まあメインヒロイン待遇の本命二人には力及ばないかあ
作者から受ける愛からして段違いだからして、対抗出来るヒロインは数えるほどしか知らない
363名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 22:07:26 ID:XROFOISK
I.d.は全然続刊がでる気配すらねぇよな
364名無しさん@ピンキー:2008/05/01(木) 23:02:45 ID:wJ82Mzn9
コールドゲヘナもね……。
365名無しさん@ピンキー:2008/05/03(土) 02:51:44 ID:5d1jkLdn
あのダブルブリッドだって完結巻が出たんだ
気長に気長に
366名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 18:26:57 ID:wzQfnnxW
道士様も……。



ちょっと早いが、次はスレタイに作品名入れようぜ
367名無しさん@ピンキー:2008/05/09(金) 12:48:19 ID:yl9dHJ+A
作品入れるのもいいけど、次は作者名間違えないようにしようぜw
368名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 22:51:16 ID:UpV6FCTS
ほんとだ、今気づいたw
これじゃ検索で見つけるのはきついなww
369名無しさん@ピンキー:2008/05/13(火) 23:29:26 ID:Nr05vsva
DSのリーズのアトリエをジャケ買いしそうになったんだが、4000円出して買う価値ある?
370名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 00:57:43 ID:0Mkoc6Lc
>>369
買ってないから内容には言及できんが、一通りバグについて調べてみれ
しかし公式見てみたら本当に絵はいいな
371名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 01:04:48 ID:0Mkoc6Lc
スマン、致命的バグに関しては一応修正版があるんだな。忘れてくれ
372名無しさん@ピンキー:2008/05/14(水) 22:04:29 ID:mQ2RZ416
何の話してんだこいつらと思ってたらアトリエの絵師さんアスラクライン描いてる人なのか…

飯食ってる場合じゃ(ry
373名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 09:05:19 ID:D9RWdJZJ
さて一応確認するが>>362に書かれている二大ヒロインはデコ・悪魔の2人でいいですね?
間違っても幽霊や双子の片割れ先輩ではありませんね?
374名無しさん@ピンキー:2008/05/20(火) 22:50:43 ID:QPclNs37
こんだけ沢山作品あるのに、なぜこのスレは人が少ないのか
375名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 22:45:29 ID:2ZKjsl7j
ごめ、おれ操緒派。
376名無しさん@ピンキー:2008/05/23(金) 21:16:21 ID:QmuGqiCJ
巨乳は正義
正直2巻のあのサブタイトルを見なければ読んでなかったよ
377名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:20:02 ID:lVpuJhNF
「夜と馬とDカップ」
378【末吉】:2008/06/01(日) 17:02:39 ID:KkWyk+dE
ほしゅ
379名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 03:40:53 ID:ldeCAbuz
長いなあ
380名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 03:43:25 ID:Fb8M0L4u
新刊でないかな
381名無しさん@ピンキー:2008/06/06(金) 21:48:24 ID:PF5zOlhB
アルバ・マキシマには入れることができるのか…。
382名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 06:17:59 ID:xlZmAjQ2
新刊確保。
壊滅とはよく行ったものだと言いたくなるくらいに脱落者がわんさか居た。
383名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 21:09:48 ID:d7bwCrGd
新刊買わないで脳内でハーレム妄想に浸りたくなるような情報をありがとう
384名無しさん@ピンキー:2008/06/09(月) 22:07:13 ID:8avDRtmv
まじかよ…でも少しフラグ立ってたあの人だったらどうしよう
385名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 07:02:00 ID:4zYuUSQM
とはいえテイルズのファンタジアみたいな展開になりそうだから、脱落といっても一時的っぽいが。
386名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:02:23 ID:ZO3Du6Yx
新刊読了!
展開は非常に面白かったが今書いてる話が根本的に成立しなくなって俺涙目

ウゥッ
387名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 21:11:46 ID:Vw9RqJVh
なんというアスクラスレ…
388名無しさん@ピンキー:2008/06/11(水) 22:11:30 ID:ZO3Du6Yx
hoshuage
389名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 19:49:02 ID:8Rn4WAyl
あーヤバいヤバい。
先読みするのは好みじゃないんでやらないが考察すればフラグびんびんだった。
あああ…こりゃやばい。久々に読んでて面白く感じた。

でも状況が特殊過ぎて何も書けない
390名無しさん@ピンキー:2008/06/13(金) 02:22:17 ID:Y9m9tFx1
>>386
気にしないでYOU投下しちゃいなYO☆
391名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 06:12:16 ID:fynxNk6e
保守
392名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 22:58:00 ID:HnI00pfW
次は十一月かそこらかな
今までのペース的に
393名無しさん@ピンキー:2008/07/12(土) 19:39:05 ID:0ZF0JWB7
保守上げ
394名無しさん@ピンキー:2008/07/19(土) 09:16:58 ID:tQLJw24s
保守します
395名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 01:40:12 ID:H/NsTDcm
人がいないのか
396名無しさん@ピンキー:2008/07/22(火) 01:44:11 ID:OZoLYmQ4
俺は居る。
夏休みだから書こうかと思ったが大学が毎日が夏休みとか嘘すぎる
397名無しさん@ピンキー:2008/07/25(金) 20:36:29 ID:4NqXARoi
>>396
がんば
398名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 21:46:52 ID:HWKBta1K
ほしゅ
399名無しさん@ピンキー:2008/08/01(金) 11:33:43 ID:iREEOe37
漫画化記念カキコ
これで人が増えりゃいいけど
400名無しさん@ピンキー:2008/08/05(火) 23:55:01 ID:ne3t4KT5
>>399
アニメ化くらいしないとな…。
最近、ラノベ→アニメが多い、ハルヒで味をしめたか。
401名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 21:14:36 ID:TkCm7ByJ
人集めあg
402名無しさん@ピンキー:2008/08/22(金) 21:15:16 ID:TkCm7ByJ
人集めあg
403名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 06:45:32 ID:gNezd72h
あgeます
404名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 18:42:18 ID:PBrE8Ssx
Gacktはホントに学園好きだな…うれしいかぎりだが…。


岳斗は固定ファン多い気するのだがどうだろう?そのせいか知名度が意外と低いんだよなぁ…
405名無しさん@ピンキー:2008/09/05(金) 04:10:26 ID:65fxzTbs
電撃始めラノベには
固定客ありき、で新規獲得がアニメ化のみってのがザラにあるしなぁ
宣伝機会に恵まれてないのが多い
406名無しさん@ピンキー:2008/09/17(水) 19:30:41 ID:riVu910A
これが過疎か…
407名無しさん@ピンキー:2008/09/22(月) 13:01:54 ID:u1LWhmHC
そろそろ☆ゅ…か?
408名無しさん@ピンキー:2008/09/28(日) 08:37:25 ID:Odu/AzCj
新刊待ちage
409名無しさん@ピンキー:2008/10/01(水) 06:14:24 ID:ZhtZDB71
ほし
410名無しさん@ピンキー:2008/10/05(日) 23:26:19 ID:G1u030ov
ほしゅ

コミック版の朱浬さんむっちりしすぎな気がするのは俺だけか?
411名無しさん@ピンキー:2008/10/09(木) 23:29:32 ID:9kC/ybg8
アニメ化決定万歳!!
412名無しさん@ピンキー:2008/10/10(金) 15:30:29 ID:/xP/Fg1D
新刊読んだ。やっぱトモはトモだな。

つかアスラって、エロパロ書こうとしてもエロ無しほのぼのになってしまう。
413名無しさん@ピンキー:2008/10/11(土) 08:28:29 ID:tbbz0uBZ
なんてこった…アニアが育っちまった…
いや、奏とアニアとWヒロインにすればいいのか…
414名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 00:28:21 ID:s14i23EH
なるほど何も問題はないな

しかしアニアと奏(旧ボディ)はHしたら人生決まるから妄想が難しいな
415名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 16:41:38 ID:thPc2J9W
チクショウ10巻出た時点で台無しになった話しをまた書き直さねばならんのか!
やってやるぞチクショー!
416名無しさん@ピンキー:2008/10/12(日) 17:07:33 ID:Z0nYnoKs
アナルならokだと思うが

10巻を未だ読んで無いので今どうなってるのかわからん…
417名無しさん@ピンキー:2008/10/14(火) 02:18:34 ID:lPP4t2Qo
>>412
カップリング出来そうなキャラに限って積極性とかエロ展開に行けそうな理由に乏しい気がする
強いて言うなら裏切り部長と裏切り会長は行ける気がする
愛が一方通行な気がして悲しいけど

>>413
背後霊やロリ先輩はどうなるんだろ
杏や佐伯妹はまあ、良いとして
つーか奏は背後霊がいないと進展しなさそうだし
しかし奏のトモに対する気持ちにちょっとショックな様なヤッパリって思ったような変な気分だ

>>415
挫けるな
ガンガレ
418名無しさん@ピンキー:2008/10/19(日) 01:09:47 ID:uZ0HyLz/
補習
419名無しさん@ピンキー:2008/10/24(金) 18:30:37 ID:i32elGJD
スラクラ、アニメ化だってよ

人増えるな
420名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 09:37:13 ID:M+TZl+AI
問題はこのスレタイぐらいか
421名無しさん@ピンキー:2008/11/15(土) 23:28:40 ID:s/YgJrMB
まぁ、後200kb、380レスでおさらばだよ

このスレ人の増え減りがあるね
422名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 21:15:34 ID:oSZqLWVE
大アニア(ダ○○ナw)たん、結構エロそうだな… 赤面しながらマラを
咥えるアニアたん… (*´Д`*)ハア…ハア…
423名無しさん@ピンキー:2008/11/17(月) 18:23:23 ID:C4nd0lTp
別にかまわないが…
やはり半スラクラスレになってるな
424名無しさん@ピンキー:2008/11/22(土) 17:36:33 ID:WJXB1MZr
ライトノベルスレでダンタリアンネタで誘導があって、初めて三雲スレが
あることを知った。

少女ノイズがあるかと期待したがやっぱりないか。
アスラン大人気なんだな。
425名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 15:21:37 ID:/y6JcH9O
「うっ……あっ……」
薄暗い室内に艶かしい少女の声が木霊する。
塔のように積み重ねられた無数の本が埋め尽くす、書庫のような奇妙な部屋。
何千、何万冊という本に囲まれた、部屋のほぼ中央に置かれた肘掛け椅子の上で、
少女は一人身悶えていた。
「こ、これは、少、し、マズイかもしれないです……」
漆黒の衣装を身に纏った、陶磁のように白い肌をもった人形のように美しい少女。
しかし、幾層ものレースとフリルでゆったりと膨らんだその衣装も半ば肌蹴け、
腰まで伸びる漆黒の長い髪は乱れて、同じくらい黒い瞳もどこか陶酔しきったように潤んでいる。
「この幻書の力を、ちょっ……と……うっ……甘く、みてましたか」
頬は赤らみ、吐息は激しく、まるで熱を出した病人のような状態だ。
少女は自分で自分を抱きかかえるようにしながら、必死に何かに耐えていた。
その胸元には一冊の古ぼけた本がある。
豪華な黄金色の装飾が施された、革表紙の本。
その表面には――“楽園に至る快楽の書”と本の題が記されている。

「まさ、か、この私にまで、ここまでの影響を……あっ……くんっ」
“楽園に至る快楽の書”はそれを読んだ人間に、無尽蔵の快楽を与えるという。
その昔、権力の果てにこの世の楽園(ハーレム)を作り出そうとした異国の王が、
ありとあらゆる快楽を追求し、探求した果てに、そのノウハウを書き記した書物。
それが“楽園に至る快楽の書”だと言われる。
その王の欲望は底が無く、女に限らず男、年齢を問わず幼子から老人まで、
また人にすら限らず獣とまでまぐわい尽くしたとされる。
「こんな下衆な本……とっとと……処分してやればよかったのです……」
愛書狂(ビブリオマニア)として興味本位で開いてしまったのが、運のツキ。
少女は“楽園に至る快楽の書”が与える、未体験の快楽に耐えていた。
直に触れていなくても、少女の未成熟な蕾は潤いを持ち、
既に漆黒の衣装の下のドロワーズはびしょびしょに濡れていた。

「ぜ、全然、気持ちよくなんて、ないのです……こんなの、全然……うはっ!」
抵抗する少女の精神を食い散らすかのように、どんどんと勢いを増す快楽が脳髄を痺れさせる。
やがて何か得たいのしれない目に見えない腕のようなものが、自分の身体に纏わり付いているかのような錯覚が襲ってくる。
その腕が少女の敏感な部分を撫で回し、抓り、優しく愛撫していく。
少女の精神に限界が近づいてきていた。
「あ、ひゃああああ! ど、どこを触っているんですか! だ、ダメです。ダメ……!」
少女の蕾の上で膨らむ快楽の先端部分に腕が触れる。それで決壊だった。
「う……うっ……ああああああああああ!!!!」
体験したことのない感覚――絶頂が少女を襲った。
まともに呼吸をすることすら出来ない。
ひゅーひゅーと咽喉を鳴らし、朦朧とした意識を繋ぎ止める。
「わ、私が、こんな……屈辱……忌々しい本です……」
ようやく悪態を吐けるまでに意識が回復したのは、それからしばらく経った後だった。
少女は衣装をめくり上げ、ドロワーズを確認すると、怒りと羞恥が混ざり合ったような複雑な表情を見せた。

「ダリアン? なんか凄い叫び声が聞こえたけど、どうしたんだ?」
部屋の外へと続く扉から、男の声が聞こえた。
ダリアンと呼ばれた少女は一瞬で我に返り、扉に向かって叫んだ。
「な、ヒュ、ヒューイ! 今入ってきてはダメなのです! 絶対に入ってきたらダメです!」
しかし叫びもむなしく、今まさに扉は開こうとしていた。
426名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 15:22:55 ID:/y6JcH9O
読み終わったので、即興で書いてみた。
ダリアンがどうしても翠星石にしかならない。
427名無しさん@ピンキー:2008/11/29(土) 20:24:46 ID:sfwikon6
とてもいいです! ぜひ続きを。
428名無しさん@ピンキー:2008/12/01(月) 01:58:22 ID:ZKtQN0bl
ホントに翠の子にしか見えなくなったじゃないかwww
429名無しさん@ピンキー:2008/12/02(火) 07:18:37 ID:uCpD3GXf
俺はゆえゆえかと思ったw
430名無しさん@ピンキー:2008/12/06(土) 08:56:45 ID:gV0Uwd/m
揚げ
431名無しさん@ピンキー:2008/12/11(木) 00:18:20 ID:KJ4sPCiB
杏ー!
杏ー!
432名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 20:38:58 ID:7P9qKbHq
頼むから落ちるなよ……ここ
433名無しさん@ピンキー:2008/12/14(日) 22:25:54 ID:q7Ppn6xJ
揚げ
434名無しさん@ピンキー:2008/12/19(金) 20:44:06 ID:LMwJ+6RH
あげ
435名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 20:34:42 ID:nh5ZLrDB
保守あげ
436名無しさん@ピンキー:2008/12/23(火) 17:51:48 ID:53+KVjPS
押上
437名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 01:41:14 ID:sPuz92+S
生きろ……
438名無しさん@ピンキー:2008/12/26(金) 09:40:56 ID:W0Ysyyiq
アスラクラインのアニメが始まりさえすれば、ここも谷川や竹宮スレのように賑わうに違いない
439名無しさん@ピンキー:2008/12/27(土) 00:33:11 ID:KkzWHkQF
・・・・竹宮スレのエロスレもあったのか
んー好きだけどあれにエロイのは合ってない気がするんだけどな
440名無しさん@ピンキー:2009/01/02(金) 18:45:23 ID:gmnYUIy/
あげ
441名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 07:01:48 ID:Hfav2gar
あげ……
442名無しさん@ピンキー:2009/01/07(水) 13:57:02 ID:oythL4Ga
あけおめ

遅いかw
443名無しさん@ピンキー:2009/01/09(金) 20:29:29 ID:UE0v1EdZ
保守
444名無しさん@ピンキー:2009/01/11(日) 13:34:48 ID:PgD1IaL2
保守
445名無しさん@ピンキー:2009/01/14(水) 06:02:57 ID:kcYRqBwx
あぐぇ
446名無しさん@ピンキー:2009/01/16(金) 20:52:14 ID:kr4weQkI
捕手
447名無しさん@ピンキー:2009/01/18(日) 10:06:02 ID:siV/9+PR
朱浬さんが田中理恵ですかそうですか。
雪原さんは緒方恵さんじゃないんですかそうですか。

アノキャラナラアノコエダロウニ
448名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 00:07:02 ID:Cwd1ZPiF
な、なんだってー!
449名無しさん@ピンキー:2009/01/19(月) 12:36:01 ID:N+Vbi8O6
てかダンダリオン終わり?マヂで?
もしかしてイラストのGユウスケが怒りの日完全版作成に駆り出されたから?
もしそうならどこまで俺に迷惑掛けるんだよlightは…
450名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 21:27:01 ID:WrIaFDpM
保守
451名無しさん@ピンキー:2009/01/26(月) 21:56:23 ID:5LRgVtj3
>>449
スニーカーは普通に絵師変更があるレーベルだがなんか根拠でもあるのか?
452名無しさん@ピンキー:2009/01/31(土) 10:10:51 ID:ShrfKEbm
保守
453名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 02:45:46 ID:QxvAm0x9
あげ
454名無しさん@ピンキー:2009/02/06(金) 02:46:46 ID:QxvAm0x9
あげ
455名無しさん@ピンキー:2009/02/13(金) 10:00:32 ID:AB3W2VvO
さげ
456名無しさん@ピンキー:2009/02/17(火) 23:08:53 ID:yYey6YxL
赤あげて
457名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 20:15:16 ID:cY9M5vdD
白さげて
458名無しさん@ピンキー:2009/02/18(水) 20:39:31 ID:8CMwSisU
青あげる
459名無しさん@ピンキー:2009/02/19(木) 01:03:18 ID:aPjDvUyF
アスラクラインのアニメ化は嬉しいんだが
反面何か寂しい矛盾ww
460名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 07:55:15 ID:JZfKakrb
保守
新刊はいつだっけか、っと
461名無しさん@ピンキー:2009/02/26(木) 20:46:22 ID:9I2zGByg
>>460
4月だ
462名無しさん@ピンキー:2009/03/02(月) 09:43:52 ID:nDYihjrO
4月か…
存分長いな
463名無しさん@ピンキー:2009/03/09(月) 22:05:56 ID:pzrfSTxH
保守保守
464名無しさん@ピンキー:2009/03/12(木) 04:35:55 ID:Sx6vRg63
4月10日だね 
465名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 10:41:01 ID:AkEsSLps
あげ
466名無しさん@ピンキー:2009/03/21(土) 19:24:03 ID:PDURwDKt
あと20日か…  もう一回はじめから読んどくか…
467名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 13:59:26 ID:YK8zsRx7
保守として小ネタを幾つか。


1:もしも樋口と智春の性格が逆だったら。(1巻より)
嵩月「アスラ・マキーナはどこ?」
智春「知らない。けどさ……君のハートはどこ?」
嵩月「…………」
智春「ぬ、盗んだつもりは無いけど君から盗んだよ。君のハート……ぎゃああああ!!!」
紛れもなく嵩月に焼き殺されるのがオチかと。

2:もしも智春が異様なほどガチエロだったら。(5巻より)
体操着を脱ぐひかり先輩。
智春「ひ、ひかり先輩?(こ、これはまさか……フラグか?)」
ひかり「え? ああ、下は大丈夫ですよ、ほら」
智春「あ、水着でしたか。(水着ヒャッホウ!あれ、でもダメじゃん。見れないじゃん!)」
ひかり「あの、夏目君? 顔、紅いですよ?」
智春「いえいえ、何でもないですよ……ハッ!」(樋口に持たされたコンドーム発見)
ひかり「?」
智春「……ひかり先輩。もし今夜出られなかったら、今夜は一緒に過ごしましょう。そのままだと寒いですから。
   僕が温めてあげます、幾らでも」
操緒『死ね変態』
操緒のツッコミで死亡確定。

3:智春が実は年上好きだったら。(10巻より)
智春「……アスラ・マキーナ」
部長「悪いね、だけど……」
智春「なんて事を………橘高会長をいつか寝取たかったのに〜!」
部長「そっちかよ! まぁ、気持ちは解るが……」
智春「あと、六夏先輩も一緒に侍らせたかったのに見事にパーにしてくれて……」
部長「やっぱ殺す!」
射殺されました。
468名無しさん@ピンキー:2009/03/23(月) 23:58:52 ID:E2LaFe15
三雲が見事なまでにエロつぶしを張り巡らしてるのがなんとも
469名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 08:29:39 ID:+ANHGYeM
>>468
操緒 → 幽霊、そもそも触れない
嵩月 → 使い魔設定、ヤった後のドウターはどうすれば?
朱理 → サイボーグ、色んな所が硬そう
アニア→ 幼女、手を出だそうとすると周りに殺されます

鉄壁の防御だなw
470名無しさん@ピンキー:2009/03/28(土) 08:42:09 ID:QRDA/weP
嵩月 →後ろで
朱浬 →ここは生身でした


なにより会長妹がいるじゃないか
471名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 20:26:35 ID:lh6ugr2+
何より操緒だ。どうすればいいんだ?
472名無しさん@ピンキー:2009/03/29(日) 22:03:46 ID:S03I80uJ
幽霊になる前の操緒って



智春と一緒に風呂入ってたよな(9巻参照)
473名無しさん@ピンキー:2009/03/30(月) 02:41:46 ID:LoQ9hJ3C
嵩月はあんまり恥ずかしいと発火するし、破瓜の血液が炎になるからいざ事に及ぶと智春が焼け死ぬんだよな
474名無しさん@ピンキー:2009/03/31(火) 21:12:34 ID:4d7F7tu4
そこは律都さんに頼んでなにか怪しい薬を…


てかなんかしら悪魔とする手段ないと悪魔が居る意味なくね?
475名無しさん@ピンキー:2009/04/02(木) 16:56:15 ID:2St9ADyq
>>473
そういえば、真比和のチンコは大丈夫なのだろうか?
やったときに風でスパッと…
476名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 20:54:08 ID:tQ8fBhQK
制御出来てないと嵩月が
ちょっと擦り剥いただけで傷口から火が出たり、飯食ってる時舌噛んだら「怪異火吹き女」になったり、アノ日に下半身が大変なことになったりするぞ
477名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 21:14:26 ID:k2pQ4pD6
あの世界なら、耐火耐熱コンドームとか普通に売ってそうだ
478名無しさん@ピンキー:2009/04/03(金) 23:59:55 ID:9Uk2Ltmw
アニメ見ました! 

いや〜やっぱり声が入るといいね
479名無しさん@ピンキー:2009/04/04(土) 11:37:09 ID:09Rw+pV0
期待できる・・・のかな?
とりあえずエロの需要は増えそうだが
480名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 23:25:16 ID:hG1pPX0r
問題は供給があるかどうかですな。
481名無しさん@ピンキー:2009/04/07(火) 23:36:50 ID:LoW2Jnph
このスレに供給を…
482名無しさん@ピンキー:2009/04/10(金) 10:10:28 ID:CX4eJzDw
俺のFカップが…

483名無しさん@ピンキー:2009/04/11(土) 04:04:41 ID:YgZWNpV2
お前のじゃない
もう智春のだ
484名無しさん@ピンキー:2009/04/12(日) 10:34:18 ID:WVVZtT7L
結局危機的状況にならないと選択出来なかったな
485名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 02:22:45 ID:POmzmvzi
九巻読んでたらふと雪原瑶に女装のことで脅迫された智春が『ともは』としていろいろと悪戯される場面が浮かんだ
つまり男装女子に犯される女装男子…
誰か書いてくんねーかなー
486名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 18:05:46 ID:DnYc3Q6Z
智春と大ニアのネコ耳セーラー服でヤるの見てみたいな〜・・・
てか、原作でアニアとも契約しないかなぁ
487名無しさん@ピンキー:2009/04/14(火) 19:57:51 ID:2AsbikAc
>>486
奏ルートに入ったようだし、ちょっと厳しくなったかもね
488名無しさん@ピンキー:2009/04/16(木) 23:32:04 ID:2aAzokJQ
アニメ始まるから見ろ!
という友人の一声から始まり
だったら原作貸してよ!
の俺の一声に帰結して、アスラクラインを五巻まで読んだ新参者が通ります。

スタビライザーを見て操緒による強制操作自慰がよぎったのは俺だけでいい。
489名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 07:51:11 ID:gkrEWAe0
>>488
よう、俺
490名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 11:35:26 ID:7EmtGPa0
嵩月って処女だよな?
初めての相手は膜破った瞬間におだぶつか・・・。
491名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 11:45:07 ID:3bxysBkD
りっちゃんに任せれば問題ない
492名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 12:56:06 ID:hlBoniGq
12巻読んだ感じだと、誓いの言葉を交わした相手とだったら大丈夫なんじゃないかと思った。
「生涯の契約者となることを〜」「許します」ってアレね。
まあそうでもないと契約の行為自体がおそろしくリスキーになるよなあ。
493名無しさん@ピンキー:2009/04/18(土) 12:59:57 ID:aigyd9Ru
契約でDODのカイムとアンヘルのアレを思い出した俺。
494名無しさん@ピンキー:2009/04/21(火) 00:20:34 ID:hIP4E50a
アスラクラインがアニメ化して多少知名度があがった所で
誰かコールドゲヘナのエロパロを書いてくれないかな…

三雲氏が続きを書くでもおk
495名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 16:31:20 ID:9ilFJLFd
あげ
496名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 16:43:22 ID:lvvHHbjk
>>492
契約の方法について契約当事者の口から語られたことは無いと思うので、おいらも12巻で契約が成立したことに期待してる
このスレ的には面白くないかもしれないけど
497名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 19:36:22 ID:nQ9SHy2H
エロパロスレに処女厨とは珍しい
498名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:09:57 ID:4ZhSz3TB
>>488
言いだしっぺが書いたのを投下。

超弦重力炉の事件から一週間。僕は結局嵩月をモノに出来なかった。
もともと僕にその気は無いので、樋口の思惑通りにもならず、佐伯兄妹に殺されるような事にもならなかったので助かった。と言いたい所だ。
それなのに操緒は『やっぱりトモはへたれ童貞だ!』と嬉しそうに僕に罰ゲームを提示してきた。その内容というのは…
『うーん。トモと出掛けるのって、久しぶり!』
操緒が頭の上で手を組みながら言う。出掛けるだけなら、つい一週間前に海に行ったじゃないか。と言いたい。
結局、罰ゲームは次の週に僕と操緒の2人だけで遊びに行く事。好きなときに体を操る。だけでは物足りないと思ったらしい。因みにそっちの約束も生きているらしいが…
『トモ―早く―』
操緒はなんだか凄く嬉しそうだ。
僕としてはそんな彼女を見るのも久しぶりなので嬉しい。
なんだかんだで、飛行機の事件からこの間の事件まで、実はギクシャクした関係だったのだと感じる。
しかし問題が解決したわけではない。ペンションのバイトは決して成功とは言えず、サボる結果になった日もちらほら。
アニアの分の経費を出していたら貯金は殆ど残ってはいなかった。
499名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:11:03 ID:4ZhSz3TB

そのアニアは姉のクルスティナの形見のディスクの解析を朱理さんの教会でやっている。鳴桜邸にはパソコンが無いのだ。
耳年増の天才金髪悪魔少女は、「朱理に厄介になっているんだ、これ以上私に気を使わせるな」とか言っていたがつまり、本当に気兼ねなく操緒と2人っきりという事になる。
にしてもはしゃぎ過ぎな気がするが…
『気づいてないの?』
操緒が少し不満げにいう。
『操緒がみんなに見えるようになってから2人っきりで出掛けた事なんてなかったじゃん』
ああ、そうか。最後に2人っきりで出掛けたのは、鳴桜邸が嵩月組と第一生徒会、朱理さんの三つ巴に巻き込まれた日の昼間だった。と思う。
それ以降は良くも悪くも、(実際には悪い方ばかりだが)美少女に囲まれて命掛けの事件に巻き込まれて来た。
こんなふうに素直に楽しめる休みなんてなかなかない。
多分操緒の方も独り言状態になる僕に気を使ってくれて、最低限のわがままを言わないで居てくれたのかもしれない。
しかし、今はスタビライザーがある。操緒は周囲に存在を認知してもらえる。
馬鹿みたいに僕が一人で二枚のチケットを買わなくても間違いなくそこには二人居るのだ。
「わかったよ…」
僕は立ち上がる。操緒が幽霊になって初めてのまともな“デート”それは僕にとっても初めて、“普通”の高校生としての休日だった。
500名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:12:34 ID:4ZhSz3TB
最初に行ったのは映画館だった。
操緒曰わく、この間の“リベンジ”らしい。
チケットを買い、劇場に入る列に並ぶ。
明るすぎる場所では流石に幽霊としての存在感が出てくるが薄暗い映画館なら仲の良い高校生にしか見えない。
それでも後ろの人が操緒を透かしてスクリーンを見る事もありえるので、後ろの席に座る。
『楽しみだね』
その言葉と同時に館内の照明が落ちる。
僕達の見た映画はSFだった。隕石の落下によって地球が滅びの危機に瀕すると言うありがちなもの。
だけど僕達にはそれが人事とは思えなかった。
最初は信じていなかった。
一巡目の世界…二巡目…悪魔…
そして機功魔神。それを見て初めて信じる事が出来た。しかし…
朱理さんや佐伯兄は何故滅びたかは教えてくれなかった。彼らも知らないのかも知れない。
もしかしたらこんな隕石によるものかも知れない。と、思っていた。
あの男、加賀篝隆也に会うまでは。
彼は言った。近い内に異なる世界同士、膜宇宙同士がぶつかる。それが原因で世界が滅びると。
洛高の生徒会とその上部組織。
未だに僕には正体の計りかねる存在だが、彼らが何を持って滅びを回避しようとしているのか。
悪魔、機功魔神の存在の意味はどこに有るのか。解らないことだらけだ。
でも、もし、滅びを回避出来たら、そうすれば機功魔神の存在は必要無い。そうすれば機功魔神も副葬処女を、操緒を解放してくれないだろうか?
いや、そんな事は甘えだ。幻想だ。
もしそうだったとしても確実に後二年間はこの力、機功魔神を黒鐵を使い続けなければいけない。
そうしたら操緒は多分消える。魂をすり減らして。
だから見つけなければならない。副葬処女を機功魔神から救い出す方法を…
確かに僕達には、時間が無い。


それからも僕達は予算の許す限り遊んだ。つまりは余りたいした事は出来ない。せいぜい、ウィンドウショッピングだ。
こればかりは操緒は完全に僕依存だから仕方無い。
しかし、操緒がいるとは言え。幽霊少女と女物の服を見るのはキツい。
何故かしっかり僕に見ろと言っていたし。
『トモ!』
唐突に名前を呼ばれる。
『あれ、乗ろう?』
501名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:13:58 ID:4ZhSz3TB

操緒か指差していたのは観覧車だった。
『うわぁ、きれ―』
操緒は硝子にへばりつくように眼下の街を見下ろす。
「別に初めてって訳じゃ無いだろ?」
『そうだけど、それでも何年振りか解らないよ』
まあ、そんなに何時も乗れる物でも無いけど。それにしても、ガラス通り抜けたりしないのか?
『へーき、へーき』
根拠の無い自信で答える。良く見ると操緒の服装が変わっていた。
さっき店でみた奴だ。どうやって着替えたんだ?
『しっかりトモが頭に焼き付けてくれたからね』
操緒は上機嫌で言う。もしかして毎日変わる服装も、僕の脳内依存なのか?
確かに佐伯兄は哀音に趣味全開のフリフリドレスを着せていたし。
初めて会った時は操緒の着てた制服に対して僕の趣味か?と聞いてきていた気がする。
「操緒…」
不意に気になって名前を呼ぶ。
『何?』
「もし、無事に生き返れたら何がしたい?」
そう、今まで僕の主観で語ってきたが、操緒は僕と一緒で本当に良かったのか?
彼女にも彼女の道が有った筈だ。
しかし操緒は…
「今更いいよ。というか生き返れたら考える」
操緒らしい答えだった。だけど人並みに恋愛とかにも興味ある筈なんだが。
「うーん。ずっとトモに憑いてたせいかな?前に言ったでしょ。トモは女の子に幻想抱きすぎって。逆に私は男の子には幻想抱いてないんだ」
恋愛なんて興味無いよ。と、そう言う。そして続ける。
『それにトモを貰ってあげられる人はそんなに多く無いでしょ?』
どういう意味だ?それは?
『朱理さんから聞いたよ〜操緒が出て来れない間にトイレの処理されたって。それに嵩月さんには薬を入れられたって』
「ちょっと待て!?」
何故知ってる。というか原因は朱理さんや律都さん辺りだろう。検討はつく。それと僕を貰う話はどこで繋がるんだ?
『だって操緒はトモの事、殆ど全部知ってるし。朱理さんや嵩月さんにそんな恥ずかしい目に逢ってる子、彼氏にしたいとは思わないと思うな〜』
久々に自分の不幸体質を思い出す。
せっかく今日ぐらいは普通て居られると期待していたのに…わざわざ思い出させないでほしい。
『ゴメン、ゴメン』
操緒は悪気がなさそうに言う。
『お詫びに良いことしてあげる』
502名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:15:19 ID:4ZhSz3TB
鳴桜邸に帰って来た僕は何故か足を縛られた状態でベッドに寝かされていた。
誰の仕業かと言えばスタビライザーを使った操緒が僕の手で行った物だ。
そして関心の本人は何時もの無防備なパジャマの格好で僕の目のに浮かんで居た。
軽くはだけて居るのはわざとだと思う。
そして僕の両手は未だに彼女に掌握されたまま…
その手はゆっくりと僕のズボンをずらす。そして、一緒にパンツまで。
つまりは僕は彼女の体を見ながら、彼女に掌握されたままの手で事に及ぼうとしている訳で。いや事に及ぼうとさせられているが正しいのか?
僕はまじまじと僕のモノを見られた恥ずかしさで顔を逸らした。
『トモ…かわいっ!』
誉められている訳では無い。だろうな。そんな事を考えていたら突然、操緒は僕のモノをしごきだす。手の感覚は勿論無い。
「あっ…」
情けなくも声が出てしまう。
『もっと喘いで…操緒に聞かせて』
操緒が今まで言った事の無い事を聞いたことの無い声で言う。実際かなりエロい。
これじゃあどっちが女の子か解らない。
「くぅ…」
操緒の愛撫は上手い方では無いのかも知れない。しかし状況がそれを有り余る程カバーする。それに、少しずつ上手くなって居る気も…
「み、さお…止め…」
僕は最後まで言い切る事無く果てた。
『早いよ〜』
文句を言う操緒。僕にしてみれば、知るかという所で有る。
それに操緒からの一方攻撃では男が廃る。しかし、触れないのはな…
一番有力なのは、翡翠戦の様に魔力干渉だろう。しかし、そもそも黒鐵を使わず僕は魔力を行使できない。となれば本末転倒だ。

こうなれば…
『何してるの?』
操緒が怪訝な顔で聞いてくる。
「演操者側から副葬処女に影響を与えられか試してみてる」
簡単に言えばイカガワシイ妄想。そういえば操緒にたいしてそんな事は一度もしてない。だから効果が有るかは解らない。
まずは、そのパジャマを脱がせて…
『ふぇ!?』
操緒が気の抜けた声を出す。つられて見上げると、そこにははだけたパジャマを必死に抑える操緒の姿が…
心なしか真っ赤になって怒っている気がする。
『トモのバカッ―』
その声と同時に僕は自分の左手のアッパーを喰らって気絶した。
503名無しさん@ピンキー:2009/04/29(水) 23:21:26 ID:4ZhSz3TB
それからの記憶は無い。だが操緒がまた少しよそよそしくなったのは別の話。
今度、部長辺りにぬいぐるみの原理を応用してもらって操緒を触れるようにしてもらおう。
〜END〜



お目汚し失礼。
初めてのエロパロです。というか2chにSS投下が初です。
だからエロが取ってつけたようなのは仕様なんです(必死
メインはらぶらぶしてる智春と操緒が書きたかっただけ。後悔はしていない。
神職人の降臨を待って今回は消えます。
ノシ
504名無しさん@ピンキー:2009/04/30(木) 19:37:38 ID:PDeEd98i
GJ!!
505名無しさん@ピンキー:2009/05/05(火) 02:00:34 ID:P9GWZVYE
うおおおおおおお作品来てたあ!
GJ!次の作品も期待してるぜ!
506名無しさん@ピンキー:2009/05/10(日) 01:11:11 ID:4yKOvNpV
保守
507SS保管人:2009/05/13(水) 02:07:44 ID:Ke3qPMO/
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/

スレ住人の皆様、このスレに投稿されたSSを当方の保管庫に収蔵させて貰っても宜しいでしょうか?

508名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 09:18:09 ID:2snkbNSR
よろしくお願いします。
509名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 13:08:24 ID:RGSLj9rk
>>507
お願いします。
510名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 19:53:45 ID:9o6/qawL
>>507
是非とも宜しくお願い致します。
511名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 21:00:18 ID:UChAEPV8
よろしくオネガイシマス
512名無しさん@ピンキー:2009/05/13(水) 22:10:19 ID:S/Rx5ydW
是非ともお願いします。
513名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 08:06:47 ID:4QF6VL+o
>>507
おおっついに保管してくれるんだ。ありがたや
514名無しさん@ピンキー:2009/05/14(木) 21:01:45 ID:6L0s2MJZ
>>507
お願いします
515SS保管人:2009/05/15(金) 02:08:32 ID:cOOvRmMG
問題無さそうなのでライトノベルの部屋、2号室に収蔵させて貰いました。
516名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 04:29:10 ID:h8gta3e8
乙です
517名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 16:53:22 ID:hNWYr8QU
乙です。
518名無しさん@ピンキー:2009/05/15(金) 22:20:45 ID:ebvo9+RC
>>515
乙です。
519名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 01:59:51 ID:19kx1jzs
こうゆう保管庫入りを断った例ってあるのかな?
520名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 02:15:13 ID:eUR13FeV
自前の補完庫を持ってるスレは断ってるんじゃないかな
自分の知ってるところでは、ゆゆぽのスレとかはそうだよ
521名無しさん@ピンキー:2009/05/16(土) 07:27:40 ID:B+HUV6uK
>>520
断るって言うか提案してないと思うが


ただ各自で持ってる保管庫ってほとんどレンタルサーバーやレンタルwikiなんだが
あれってたいてい利用規約ではアダルトコンテンツ厳禁なんだよね。
変な奴が湧いて通報されたら消される可能性がある。

その点ここの保管庫はアダルトOKのレンタルサーバーだから安心。
522名無しさん@ピンキー:2009/05/18(月) 09:01:45 ID:NiHtsa/p
保守
523名無しさん@ピンキー:2009/05/19(火) 22:01:41 ID:xarfxOzp
>>521
初めて知った!
やっぱりアダルトサーバーは有料なんだろうな…

操緒のおっぱいが見たいよ!!
朱理さんに責められたい!
奏でのおっぱいで窒息死したい!

こんな私は紳士です
524名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 00:14:51 ID:meFKPVLo
>>498氏の見たらふと思い付いたんだ。

射影体って分かり易くぶっちゃければホログラムみたいなもんだよな。
んで存在維持はハンドラーの脳任せ。
じゃあ、手袋とかにハンドラーの生体電流とか魔力を感知するセンサーとか付けて、ハンドラーの感覚を体内のナノマシンを経由、変換して射影体に送る。
これなら擬似的に感覚を入出力出来ないか?
まあこれじゃ本番出来ないけど、部長のガジェットは生身と感覚通じてるから、それを応用したらなんとかならないかなあと。

似非SF好きの戯れ言でした。
525名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 00:26:21 ID:BBh8kkfT
スタビライザでハンドラーの身体を操作している時に、
射影体は感覚情報のフィードバックを受けているかどうか?つー話にもなるかな

ハンドラー側の感覚を流せるなら…射影体と操演者が同性でも、
異性でもそれぞれに面白いことにできそうな。
526名無しさん@ピンキー:2009/05/20(水) 15:40:08 ID:20kN7OTp
操緒のスカートが鉄壁なのは、トモの感覚情報のフィードバックを受けているからだとか
527名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 18:37:04 ID:z+dHLYFp
てかスタビライザー使ってるんだから、本番したくなったら環緒さんの身体乗っ取ってやればいいんじゃね?今のところ生死不明だが
528名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 21:12:07 ID:+pNcT43s
後、スタビライザの過剰な負担もよろしくないかと。
むしろ無意識領域推奨。
529名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 21:43:56 ID:chOMYCP0
エロパロなら触れる触れない考えなくても良いのでは?
シリアスな話じゃなければ…
朱理さんと一線超えて子供できちゃったな話が見たいなwww
操緒でも可なwww
530名無しさん@ピンキー:2009/05/22(金) 21:56:21 ID:8j2liDDJ
無意識領域か……
 
目が覚めたらパンツが大変な事になってた√か
12巻に繋いでそのままダイアナ→嵩月乱入3P√
531名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 01:30:25 ID:atgV2CzO
義妹と智春のデートを追跡する
樋口 佐伯妹 杏 嵩月なんてものも見てみたいです
532名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 23:04:03 ID:8VtaMah4
「憑依するから食べて」
ってここのひかり先輩の話で操緒がやってたな…
このスレの職人さんの作品愛と洞察力と応用力に感心した。
533名無しさん@ピンキー:2009/05/23(土) 23:46:41 ID:K3cN5joY
>>532
そのフレーズを操緒のスレに書込まれたのはあなた様でしょうか?
534名無しさん@ピンキー:2009/05/24(日) 00:10:28 ID:xckqpr1A
>>533
違うよ。それにエロいって反応したのは俺だけど。
あのレスを見て思い出したんだ。
535名無しさん@ピンキー:2009/05/27(水) 21:38:56 ID:wY8y4Hha
保守
536名無しさん@ピンキー:2009/05/29(金) 00:01:38 ID:VWLKlKUJ
保守
537名無しさん@ピンキー:2009/05/31(日) 18:23:04 ID:a3uXt4tT
保守
538名無しさん@ピンキー:2009/06/02(火) 02:54:18 ID:ttc27hAQ
メガミマガジン読んだ?
会長より朱浬さんの方が胸デカいのね…
メガミマガジンのポスターイラスト…
作画が悪いよOTL
ニアより朱浬さんだせ…

瑶のミニスカにドキドキしたのは俺だけじゃないはず…
539名無しさん@ピンキー:2009/06/03(水) 00:30:29 ID:V147XRRj
先生!原作スレが川上っぽくなってます!
540名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 22:32:36 ID:/x+PixQ6
質問です(゜д゜)
別の世界から来た人間は悪魔になるの?
541名無しさん@ピンキー:2009/06/04(木) 23:56:49 ID:X6cS6b07
>>540
何で此処で聞く?
542名無しさん@ピンキー:2009/06/07(日) 11:29:59 ID:qUQ5hxA2
現在、長期にわたって全規制の影響を受けている職人の皆様。
ただいま、こちらのスレ(したらば・エロパロ避難所)に置いて代理投下の以来が行えます。

書き込み代行スレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1060777955/

投下して欲しいスレの名前とアドレスを張り、その後、作品を書き込めば有志のかたがそのスレに作者の代理として投下いたします。
(数日ほど、時間が空くことがあります。できれば、こちらに書き込める方、積極的に代理投下のチェックをお願いします)


543名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 15:17:46 ID:QzAKx9OG
12巻まで大人買いして読んで思ったんだが華島が鵺、風斎が鎌鼬(見た目は犬?)鳳島が不死鳥、クラウゼンブルヒがスライムなら嵩月はどんな使い魔がでるんだろう。もしひかり先輩と契約したらどんな使い魔がでるのか想像してほしい。自分は嵩月は竜、ひかり先輩は兎だと思う。
544名無しさん@ピンキー:2009/06/09(火) 20:39:13 ID:Wrlw+yhJ
嵩月はどっちかってえと竜じゃなくて龍だろうな

ひかり先輩はクロエみたいな非戦闘タイプ
545名無しさん@ピンキー:2009/06/10(水) 00:31:48 ID:SjD1eE/C
ジオルグ以下ギギナ以上ところによりレメディウス暗殺なクロエが非戦闘タイプとな
多分子豚だろう
546名無しさん@ピンキー:2009/06/13(土) 20:49:57 ID:jETpqf2u BE:596252636-2BP(1)
3巻で真日和から元気な赤ちゃんが産めると言われ帰宅した後いろいろ考える佐伯妹


どうすれば智春の赤ちゃんを産めるかを画策する状況は入れたい
547名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 00:19:39 ID:XkxLeiw8
>>544
>>545
なぜされ竜で例えるのかイミフ
548名無しさん@ピンキー:2009/06/15(月) 00:49:54 ID:WCBl/fYA
>>747
>>544はされ竜関係なくないか?
549名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 02:48:26 ID:JjHI3YKv
保守
550名無しさん@ピンキー:2009/06/20(土) 12:49:30 ID:aZcXCtYP
>>545
そもそもそれはクロエでなくクエロだ
551名無しさん@ピンキー:2009/06/25(木) 18:03:26 ID:yPiPk3XH
保守
552名無しさん@ピンキー:2009/06/26(金) 17:27:19 ID:thqNgOYH
ひかり先輩に言葉責めされたい俺は異端なのか?
553名無しさん@ピンキー:2009/06/27(土) 20:51:05 ID:WeIkBtNJ
>>552
俺は逆に言葉責めしたい
554名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 19:06:28 ID:rEt0npt9
「しっ、縛られて……裸に剥かれただけで……もうそんなに大きくしちゃったの……っ?」
 蔑みというより、羞恥に満ち満ちた口調だった。本来ならその立場は僕が立つべきところだろうが、今この場に常識という概念は見当たらない。
「……恥ずかしい、男……。そんな貧相なモノをぶら下げて……の、罵られて興奮するなんて」
 か細い声が震えるのはその羞恥からか、それとも男を知らぬゆえの緊張か。
 寝具の上に仁王立ちしたひかり先輩は、薄暗いなかでもそれとわかるくらいに赤面している。ここで冷笑と共に思い切り見下した視線が欲しかったが、ちらちらと目線をよこすだけで精一杯らしい。
 僕は全裸でベッドに横たわり、死にかけの虫のようにうごめきながら股ぐらの棒を膨らませている。後ろ手を縛られ仰向けに転がる様は蛙のようだ。
「もっと……もっと罵ってください……」
 僕が豚のごとく言うと、ひかり先輩の表情は泣き出しそうに歪む。無理もないとは思う。
 すでに事前の台本からは外れ始めている。それでもひかり先輩は懸命に僕を責め立て続けてくれる。
 いつからこんなことになってしまったのか、そんな僅かな思考は嗜虐的な快感に押し流されて掻き消えてしまう。今はただ、操緒が眠っているうちの逢瀬を楽しんでいたかった。もっとも、楽しんでいるのは僕だけかもしれないが。
 責め語に涙の気配が混じりだしたようだが、僕は近づきつつある絶頂に対して抗う術を知らなかった。
 ひかり先輩の言葉が途切れた瞬間、
「ひ、ひかり様……踏んで下さい……!」
 身の内に猛る欲望のままに言い放っていた。
 絶句したひかり先輩が、黒光りするボンテージに包まれた肢体を縮こまらせた。が、そんなことには構わず、腰を突き出すようにしつつ、
「その脚で、この汚い僕めを踏みにじって――おおおっ!」
「へ、変態っ!! 夏目くんの変態変態変態!!」
 容赦のない勢いで降ってきたおみ脚が、潰れよとばかりに股間に食い込んだ。
 もはやひかり先輩は本心を口走っているだけだ。元々SMプレイには真っ向から反対していたのだから。しかし、本音からくる罵りだからこそ、感情のこもりようはひとしおだ。肉棒が痛みと歓喜に震え快感は激しく高まっていく。
「イッ……ク……!」
 情けない声が搾り出すように漏れたと同時、踏まれてひしゃげたペニスから精液が吹き出した。
「ひゃっ……」
 突如足下で起きた反応にひかり先輩は逃げるように脚を引くが、むしろ射精は勢いを増す気配すらあった。
 下腹部から胸に至るまで自らの生暖かい子種に汚されてなお、僕の心に訪れるのは満足感と幸福感であった。
「……な、夏目くんの……馬鹿……!」
 鳴咽まじりの言葉が虚しく響いた。とうとう泣き出してしまったらしい。
 さすがに罪悪感が湧き出るのを感じた。しかし、崩れ落ちた彼女に僕が最も掛けたい台詞は、またお願いできますかという一言だった。
555名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 20:59:30 ID:ECTRrhNT
MなのかSなのかwww
556名無しさん@ピンキー:2009/06/28(日) 22:27:25 ID:g+nVFjGW
アニメの最終回があまりにも切なかったから哀音追悼的な意味で佐伯兄とのを一筆奏上したいけどシチュが思い付かん
557名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 19:29:26 ID:n2vIzibn
>>554
超乙
こういうの書くときのコツってなんなの?

律都とナオタカの妄想してるんだが
558名無しさん@ピンキー:2009/06/30(火) 20:41:58 ID:UR1ExwsC
攻め役を強要するのもこれはこれでw
559名無しさん@ピンキー:2009/07/06(月) 21:37:24 ID:12AcF1mN
保守
560名無しさん@ピンキー:2009/07/09(木) 21:55:56 ID:fIIKV+ht
561名無しさん@ピンキー:2009/07/12(日) 03:29:07 ID:aLd5pSJY
562名無しさん@ピンキー:2009/07/14(火) 19:07:23 ID:Op7KeDBw
563名無しさん@ピンキー:2009/07/18(土) 18:52:06 ID:YJ0Ig2iv
第二期が出ると聞いてry
564名無しさん@ピンキー:2009/07/25(土) 22:26:34 ID:9vaLGQoa
保守
565名無しさん@ピンキー:2009/08/01(土) 02:21:01 ID:WnTZucP9
Ho
566名無しさん@ピンキー:2009/08/03(月) 22:27:55 ID:vbqBw8sB
しゅ
567名無しさん@ピンキー:2009/08/09(日) 13:51:57 ID:JyNZ7TFU

アニメってダイエット話や王様ゲームやったの?
568名無しさん@ピンキー:2009/08/12(水) 23:52:02 ID:p+iXUuKF
やって無いぜ
569名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 01:01:37 ID:MSMjh/WI
本筋すら端折ってたからな、サイドストーリーなんて…
570名無しさん@ピンキー:2009/08/13(木) 21:29:43 ID:PpYUze2C
ランブルフィッシュってアニメに向きそう
571名無しさん@ピンキー:2009/08/15(土) 11:14:46 ID:y7G+dyW7
保守
572名無しさん@ピンキー:2009/08/21(金) 15:12:11 ID:3ePyHXBM
ホッシュー

ネタを色々考えるんだけどキャラが壊れそうで難しい
みんなよくできるもんだな
573名無しさん@ピンキー:2009/08/29(土) 21:52:18 ID:Zf4RUa8H
保守
574名無しさん@ピンキー:2009/08/31(月) 03:17:32 ID:mVtRJbX/
キャラ崩壊なんか気にするな!
575名無しさん@ピンキー:2009/09/07(月) 18:50:36 ID:rFQYO5tQ
ageてみる
576名無しさん@ピンキー:2009/09/19(土) 13:07:33 ID:vDT7Oivm
保守
577名無しさん@ピンキー:2009/09/22(火) 01:02:59 ID:tdDsU0Ld
保守
578名無しさん@ピンキー:2009/09/30(水) 03:10:49 ID:eBWsSav0
保守っとく
579名無しさん@ピンキー:2009/10/02(金) 16:47:14 ID:fbTIh/k4
アニメ二期は智春×操緒なんだな
580名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 07:36:16 ID:1cYWAlPm
ひかり先輩はリストラか……
581名無しさん@ピンキー:2009/10/03(土) 18:14:42 ID:A/GTuHjL
シリーズ構成もリストラか……
582名無しさん@ピンキー:2009/10/06(火) 23:45:28 ID:BYXNvyxJ
書き込み少ないなぁ
583名無しさん@ピンキー:2009/10/11(日) 21:41:50 ID:wxB7ua4k
職人の降臨を期待
584名無しさん@ピンキー:2009/10/16(金) 00:30:41 ID:5elsB7+p
保守〜
585名無しさん@ピンキー:2009/10/17(土) 15:16:25 ID:qUqvxzxz
保守
…というより小説少なし。
なんか表紙が変わったせいか違うのに見えた。
586名無しさん@ピンキー:2009/10/26(月) 22:54:46 ID:W5FWk5T+
ho
587名無しさん@ピンキー:2009/10/28(水) 00:27:51 ID:o0geM+FM
しゅ
588朱浬さんとケーキ1:2009/10/29(木) 00:10:57 ID:DEpTHNEF
エロじゃないけど投下

その日僕は朱浬さんに呼ばれて科學部の部室にいた…
『黒崎先輩遅いね〜』
『もしかして忘れてるのかも』
そんな事あってたまるか僕はもう一時間も待ってるんだぞ。
『よしトモしりとりしよう』
「かなり暇つぶしの定番な気がするが暇だしまぁやるか」
『ほんとは心の声にしたいような場所も口にしてるし…まぁいいやじゃあ(り)から』
「利子」
まぁ妥当だろ
「朱浬」
人名ありなのか
『え〜っと…理科』
今度は僕ってあれ?
利子、朱浬、理科なんで二人でやって三回に一回、まわるんだ!?
「『んっ?』」
後ろを見ると朱浬さんがいつもの余裕の笑みで立っていた…
「ハロ〜トモハル〜」
…この人は一時間遅れてきて謝りもしないのだろうか…
「あはは、ごめんごめん、ちょっと修学旅行の関係で顔出さなくちゃいけないところがあって」
…マイペースとはこの人のための言葉なんだろうとしみじみしていると…
『で今日は何か用なんですか?』
「そう言いこと聞くわね、なんと今日は重大な任務があります…」
そういうと朱浬さんの声色が変わった…
「と、言いますと?」
「じつは…」
「『じつは?』」
「駅前に新しいケーキ屋が出来たのでそこにチョコケーキを買いにいきたいと思います」
「『はっ?』」
いまこの先輩は何を言った?ケーキ屋?チョコケーキ?
「ついて来てくれるでしょトモハル♪」
はぁ…なんたが拍子抜けしてしまった…
また機功魔神がらみの話だとばかり思ってたからな…
『トモ…顔緩んでる…』
589朱浬さんとケーキ2:2009/10/29(木) 00:12:49 ID:DEpTHNEF
――噂のケーキ屋前――
 「冬琉会長…」
そうそこには第三生徒会会長こと
「夏目智春…なぜここにいるんだ?」
「ハロ〜会長さん♪」
『たしかあの会長私見えないんだよね…』
「黒崎朱浬…お前まで…何だ?科學部絡みか?」
冬琉会長、それだったら僕はこんなに平和そうな顔をしていません…
「違うわよ、ケーキ買いに来たの、ケーキ」
「ケーキ?お前誕生日だったのか?夏目智春…」
ここで僕に振るんですか…
「違います、朱浬さんがチョコケーキ買いに行くって」
「なるほど…」
そう言いながら僕達は店内に入った
――ッ!!
その瞬間店内に緊張が走った
チョコケーキが一つだったのだ、別にいいじゃないかと思ったら…
「黒崎朱浬…貴様チョコケーキを買うといったな…」
「えぇ言ったわ…しかしやっぱり貴女も…」
なるほどそういうことか
「表に行くわよ…」
「えぇ望むところよ…」
そして僕らは店の駐車場に来ていた…
どうやらこの二人はのこり一つで閉店時間10分前のこの店ではもうケーキは足されないと考えたらしく…
戦うことで決めるらしい…
って機功化VS元演操者…結果は見えたようなものだ
冬琉会長には銃など効かなければ魔力も効かない…
朱浬さんは圧倒的に不利だ…
『トモ…やっぱ科學部ぽいことになったね♪』
お前は喜ぶな…
「トモハル…女にね…殺らなきゃいけない時があるの!」
朱浬さんやるって字間違ってます…
「いくぞ!」
その瞬間…
「ありがとう御座いました〜」
『「「「はい?」」」』
店員の挨拶が聞こえた
そして出てきたのは佐伯兄だった
「夏目智春、君達は何をしてるんだ?」
『うぇ佐伯兄だよ』
そして佐伯兄の手には一つの箱が握られていた…
そうオープン記念のチョコケーキだけの箱
「全砲門一斉開放、発射――っ!」
「冬櫻、抜刀」
それはお互い、相手ではなく佐伯兄の方向へ――
「おいっ!君達何をする!夏目智春こいつらをどうにかしろ!」
無理言わんでください…
その後…操緒が元演操者ばっかで出番がないと意味不明なことを怒っていたのは別の話…

キャラ崩壊スマソ…
とくに佐伯兄…

590名無しさん@ピンキー:2009/11/03(火) 21:41:50 ID:Ein9yQ/o
投下乙です。
アニメの二人三脚の話より佐伯兄がまともだったから気にしないで。
591名無しさん@ピンキー:2009/11/07(土) 21:19:20 ID:0VSAH/EW
保守
592名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 00:53:37 ID:CChXG2nC
GJ
593名無しさん@ピンキー:2009/11/08(日) 08:46:18 ID:QwvCP/8J
おい奏との契約シーンまだか
594名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 08:51:59 ID:3poBQJz6
一巡目は律×智春なんだよな?
そして律っちゃんは「共有化」のアビリティ持ち。

つまり一巡目の律≠二巡目(本編の世界)


だから二巡目の律っちゃんの狙いも智春だったんだよ!(AA略
595名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 14:03:04 ID:yfswnVsa
一巡目は律都×直貴で智春×操緒
596名無しさん@ピンキー:2009/11/14(土) 19:00:26 ID:PSduihOi
契約シーンかもーん
597名無しさん@ピンキー:2009/11/16(月) 11:10:02 ID:VSw1yVSp
13巻みたら智春×アニア×奏なんてものが思いついた
598名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 23:45:54 ID:kT4SDRwx
1発エロ無しの小ネタを書いてみる。

「もしもこんなアスラクライン-もしも智春が291823人だったら-」

1:朱浬さん来訪編
朱浬「それはあなた達のものよ」
智春1「え? 僕と操緒の?」
智春2「あ、お前ズルいぞ! 僕のものでもありますよねお姉さん?」
智春9「お前なに勝手に言ってやがる僕のだよな?」
智春1031「落ち着きなよ。これは僕達291822人のものだよ」
智春291823「えっ? 僕のは?」
朱浬「………これはあなた達全員のものよ」

2:嵩月ファーストコンタクト編
嵩月「アスラ・マキーナはどこ?」
智春1「ぐぐぐ、ぐるじい」
智春13「どうした!? 何があった……言い訳は地獄で聞く。お前を殺す」
智春1「僕っ!?」
智春6033「そうだぞ。女の子に首を絞められるなんて羨ま…じゃない、滅多に無い事だ。つーことで、殺す」
智春1「お前らぁぁぁぁぁっ!」
嵩月「………」(あまりの数の多さに誰が演操者だか解らない)
嵩月「……今日トランクを受け取ったのは誰ですか?」
智春4「はい、僕です!」
智春911「いいえ、僕です!」
智春1344「違います、僕です!」
智春2333「僕に決まってんだろ!」
以下、延々と続く。

3:第一生徒会特攻編
神聖防衛隊隊員「会長! 科學部の連中が例の悪魔を奪還しようと攻撃を!」
佐伯兄「狼狽えるんじゃない、迎撃しろ」
神聖防衛隊隊員「とてもじゃありませんが弾が足りません!」
佐伯兄「バカ言え、幾ら黒埼が硬いからってそこまで……」(絶句)
神聖防衛隊隊員「291823人もいるのにどうやって迎撃するんですか……」
佐伯兄「数えてるヒマがあったら数を減らせよ!」
神聖防衛隊隊員「これでも1000人は倒したんですよ!?」
物量戦だけで誰にでも勝てる、それが291823人の智春。
599名無しさん@ピンキー:2009/11/17(火) 23:47:05 ID:kT4SDRwx
4:最終決戦時(最新刊ネタバレ)
部長「…もう一度蘇らせてあげるから死んでくれ」
智春1「やれるもんならやってみろ!」
智春13「行くぞ行くぞ行くぞ!」
智春81「僕達はなんだ! 人海戦術が無ければ価値の無い連中だ!」
智春111「この命はこの日の為に取っておいたと言っても過言じゃないぜ!」
智春1000「迷うな! 停まるな! 進め! どんどん行けぇ!」
智春255「僕達は負け知らず! 僕達はナンバーワン! 僕達は世界を救う!」
智春1「はいそこ! 整列を乱すな! 合言葉はなんだ!」
智春一同「夏目智春が世界を救う! オーイエス!」
部長氏「……どうすればいいんだこれ」
佐伯兄「別に貴方がやらなくてもこいつらいれば充分世界は救えますって……」
智春1「まずは邪魔者から倒す。総力をあげて部長を止めるぞ!」
部長氏「うわ、しかもこっち来たって数が多いぞ!? こっち来んなぁぁぁぁぁぁっ!」(人の濁流に飲まれ消息不明)
樋口「流石は291823人の大移動だ。数が違いすぎる」
佐伯妹「なにこのバイオハザード……」
智春999「しまった、イグナイターを落とした! 誰か見なかったか?」
智春666「いいや、見てない。それより部長を殴る順番はまだかって、うわぁー!? なんでいきなり銃撃が!?」
智春100「おい、ガトリング砲なんて持ちだした馬鹿は誰だ! 気持ちは解るが部長を殺す気か?」
智春3041「大丈夫、流れ弾に当たった事にするから無問題! 第一生徒会の武器庫からかっぱらってきた特注品は流石に連射が凄いね!」
智春513「その前にこの対戦車ロケット砲をお見舞いする予定なんだが僕らの順番回ってくる頃まで部長は原形留めてるの?」
智春9「お前等が喋ってるうちに部長は鉄パイプと金属バットでタコ殴りにされてるぞ」
智春6072「どさくさに紛れて佐伯会長を殴った馬鹿はどいつだ!? 担架持ってこい、担架!」
智春811「え? 殴っちゃ駄目だった? 武装指導員の近くにいたからまとめて道路標識のフルスイングで殴っちゃったけど……」
智春10603「後ろつかえてるんだ、早くしろ! ロケット花火10ダースを口の中に突っ込む予定なんだぞ!」
智春2「まだ当分かかりそうだから落ち着いて待ってろ!」
智春30013「氷姫子に腐った卵投げちゃダメ? ダチョウの卵を二ヶ月常温で放置したのを持ってきたんだけど」
智春60「氷姫子死ぬぞ。てか投げられるの?」
智春116745「確か古代研究会が投石器持ってたからそれ借りてくるわ」
智春777「投石器あるのかよ!」
アニア「神を倒す事を忘れてないか……?」

うむ、完了。
数字は適当に語呂で決めた。
600名無しさん@ピンキー:2009/11/22(日) 21:44:50 ID:e0jQcd/I
投下乙 & 保守
601名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 05:00:57 ID:x5Dik6Rd
……嵩月はこいつら全員と契約したんか
602名無しさん@ピンキー:2009/11/23(月) 18:08:25 ID:RT4+M8fU
奏さん、291823人斬り達成
603名無しさん@ピンキー:2009/11/26(木) 12:17:58 ID:eaXkiDcx
あっけない程早漏ー♪
604名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 01:43:28 ID:wUVuY8/u
春「嵩月、いくよ」
奏「…」コクン
春「あ、ごめん嵩月、ゴムがない…どうしよう
  そうだニアに頼んでみよう」
奏「あ、構いません、そのままで」
春「でも、それじゃ嵩月が…」
奏「あー、えーと大丈夫、です、夏目君が気にしていることにはならないから
  」
春「そう、なのか?」
奏「あの、契約は夏目君と私の魂をつなげるためのものなので…
  その…むしろ直接、じゃないと駄目なんです」
春「そうか、じゃあ行くよ、嵩月」
奏「あ…」
春「どうかした?嵩月」
奏「あ、あのー夏目君、出来れば今だけで良いので『奏』と呼んでください」
春「判ったよ、嵩月、いや奏」
奏「うれしい、きて、ください、夏目君
  ううん、智春…君」
春「行くよ」
春「あれ、どこだ、ここじゃ、ない、クソ」
奏「ここ、です、智春…君」
春「うあっ」
ドピュ
春・奏「あ…」
春「ごめん嵩月、我慢出来なかった
  少し入ったけどこれでも大丈夫なのかな?」
奏「あー、えと、たぶん、大丈夫です」
春「嵩月、いや奏、ちゃんとするからもう一回いい?」

省略されました全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください
605名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 04:02:00 ID:PWq05X6b
わっふるわっふる
606名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 11:39:09 ID:efM3g+CZ
ワッフルワッフル
607名無しさん@ピンキー:2009/11/28(土) 14:36:31 ID:fenR7Nxl
わっふるわっふる
608名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 01:28:34 ID:6/7N+Izx
部「どうした、まだ決心がつかないのか、鳳島 氷羽子」
氷「くっ」
部「言ったはずだよ、君の兄である鳳島 蹴策が君の事を忘れていない
  三巡目の世界を作るには魔神相剋者の力が必要だと」
氷「…」
部「」
氷「判り…ましたわ
  好きになさい」
部「何か勘違いをしていないか、鳳島 氷羽子」
氷「何を」
部「僕と君は対等の関係じゃない、僕が主だと言う事を覚えてくんだね」
氷「くっ」
部「さあ、判ったら自分から僕のモノに口で挨拶をするんだ」
氷「そんな、そんなこと契約には関係有りませんわ」
部「強情だな、まあ良い。冬琉手伝ってやってくれないか」
冬「…」コクン
氷「貴女!何を」
冬「御免なさい」ボソ
氷「むぐぅ!」
部「どうだ、僕のモノは美味しいかい?鳳島 氷羽子」
氷「ぐっ、むぐっ」
部「おいおい、それが主に向ける目かい?」

省略されました全てを読むにはワッフルワッフルと書き込んでください
609名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 06:59:32 ID:aP/I1HR9
ワッフルワッフル
610名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 17:06:48 ID:p3kZJZXu
一周目に行った智春が腹いせに秋も冬も食べて部長の目の前でNTR宣言
611名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 17:58:13 ID:V3PCD1s2
ワッフルワッフル
612名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 18:00:49 ID:jpp4jmu0
613名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 18:08:01 ID:hs3W8Bje
614名無しさん@ピンキー:2009/12/01(火) 21:02:04 ID:V3PCD1s2
わっふるわっふる
615名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 01:45:26 ID:tWQae4vv
氷「ゲホッゲホッ、ウェ」
部「鳳島 氷羽子、僕のモノは美味しかったかい?」
氷「こんな、こんなもの!」
部「やれやれ、まだ判ってないみたいだね
  僕と主従の契約をしたくないなら、それでもいいさ
  でもね僕が三巡目の世界を作らなければ君の兄の記憶が戻る事はないんだ。
  さあ判ったら契約本番と行こうか、自分で僕のモノに腰を下ろすんだ」
氷「…クッ」
部「決心がつかないかな?冬琉、また手伝ってやってくれないか」
氷「結構ですわ、貴女の手など借りません!」
部「ほう、なら決心を見せて貰おうか」
氷「R… 塔貴也…、汝は我、鳳島 氷羽子の生涯の
  あ、主となる事を誓うか?」
部「普通は主に対して誓う言葉だな、まあいい、誓おう」
氷「みとめ…ます
  鳳島を、受け取って…くだいさいませ」ズブズブ
氷「ウグッ、ギッ、っかぁ!」
部「ほう一気にか、どうやら覚悟は本物みたいだね
  後は契約の締めくくりだ、腰を振って僕のモノを胎で受け取るが良い」
氷「はぁハァ、グッ!」
部「そんな腰の使い方じゃ、いつまで経っても契約は終わらないぞ」
氷「クッ、お、お兄様…お兄様!、お兄様!」
部「フッフッフ、これは傑作だ、あの氷姫が兄を思って兄でない男とセックスしているなんてね」
氷「お兄様!お兄様ぁ!、お兄様ぁぁぁ!」ドプッ
部「これで契約は完了だ鳳島 氷羽子」
氷「はい、我が…主…」
616名無しさん@ピンキー:2009/12/02(水) 19:09:47 ID:DHctuXHT
絶対に許さない
617名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 01:57:11 ID:7ULR3WDU
>>599
くだらなすぎて面白い。特徴も出てて笑ってしまった。GJ!!
618名無しさん@ピンキー:2009/12/06(日) 10:27:08 ID:yM/5LBis
『 直貴ハード 』

智春2ndの為に鳴桜邸跡地に現れた直貴(智春1st)。
だが、それはコアラの巧妙な罠だった。

コアラ「直貴のハガネは 僕に奪われる為に一巡目から持ってきてくれたんだよね」
直貴「もっと注意していれば…こんなヒッキーコアラなんかに…!」
ピカソ「残念ね せめて非在化のせいにできていれば少しは格好がついたのに」
直貴(いけない…!超弦重力炉を壊そうとしてるのを悟られたら…!)
セフレ「生直貴様の生副葬処女を拝見してもよろしいでしょうか?」
コアラ「へへへ おい、ハガネの祭壇を用意しといてよ。みんなで三巡目に跳んでやる」
コアラ「直貴の生ハガネゲ〜ット」
直貴「こんな奴らに…くやしい…!」(ビクッビクッ

その後直貴1stや環緒が助けに来たりすることもなく、童貞のまま非在化してあっけなく消滅した。
現実は非情である。
619名無しさん@ピンキー:2009/12/08(火) 22:59:47 ID:keM7YQaa
智春×アニアを誰か書いてくれないかな・・・。
620名無しさん@ピンキー:2009/12/14(月) 01:58:33 ID:/7b9HfUe
621名無しさん@ピンキー:2009/12/16(水) 10:51:01 ID:L6ScSbXT
保守
622名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 23:04:31 ID:wFYz7uz4
邸での生活

「智春」
だれだ俺の名を呼ぶのは・・
「なぁ智春、一緒に寝てくれないか?」
断る!嵩月に失礼だ。正式な契約してるんだ
「それでもいいから、頼む」
おかしなことは止してくれよ、殺されるわ
「わかっている。」ヒシッ
そんなにくっつくなよ
623名無しさん@ピンキー:2009/12/17(木) 23:56:06 ID:wFYz7uz4
一応、アニア⇒智春
624名無しさん@ピンキー:2009/12/18(金) 00:07:21 ID:TeLfno3r
>>623
期待してるぞ
がんばれ!
625名無しさん@ピンキー:2009/12/24(木) 23:27:47 ID:bFRIYZlj
アニア(大)×智春が見たいです

誰か書いてください、お願いします
626名無しさん@ピンキー:2009/12/25(金) 10:22:15 ID:3zrJtPws
>>622はどこへ行ったんだ?
627名無しさん@ピンキー:2009/12/26(土) 08:24:36 ID:3l+QHMHy
「大丈夫、智は最後は操緒の所に戻ってくるよ。」
このセリフを深読みしたくなったのは俺だけじゃないはず
628名無しさん@ピンキー:2010/01/05(火) 02:00:27 ID:AJ4OUs58
大アニアが一番人気
629名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 13:25:16 ID:P4QQxSMU
第2生徒会は、金さえ積めばエッチなこともしてくれるんだろうか。

630名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 14:58:38 ID:bd5tsxTl
チビ直貴と律都さんの契約風景はどんなのだろうか
631名無しさん@ピンキー:2010/01/10(日) 16:25:44 ID:7LTDoZ/Y
しょうがない。俺が書いてやるか。





受験がおわったらな。
632名無しさん@ピンキー:2010/01/24(日) 03:39:11 ID:kl12FdNd
>>622 帰ってきて下せれ
633名無しさん@ピンキー:2010/02/01(月) 18:07:09 ID:EZc6IDWd
投下待ち
634名無しさん@ピンキー:2010/02/05(金) 20:58:04 ID:yhtg+W8f
635名無しさん@ピンキー:2010/02/09(火) 03:46:04 ID:xMK/EK63
636名無しさん@ピンキー:2010/02/11(木) 03:08:16 ID:t2cONVTy
14巻読んだ。

智春←→奏入れ代わりネタとかちょっと考えてたけど、公式で既にやったネタだったとは……
637名無しさん@ピンキー:2010/02/18(木) 19:31:56 ID:ja3dvC9a
智春のバレンタイン

奏 気合いの入った誰が見ても本命と分かる手作りチョコを頬を真っ赤に染めながら渡す
酒屋の娘 毎年のように渡すのであまり意識されずorz
B 「べ、別にあなたのために作ったんじゃないのよ、お兄さまに渡すための試作品なんだから」
小動物先輩 満面の笑みを浮かべながら愛情込めて渡す
改造先輩 邪悪な笑みを浮かべながら中に何か入ってそうなチョコを渡す
偽妹 用意はするんだけど‥
アニア 知春がもらったものを食べる
幽霊 知春がもらうたびにからかうが、段々不機嫌になる
638名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 13:15:08 ID:07tctSwa
律都はチビ貴を押し倒した
「ちょ‥やめっ」
639名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 21:08:32 ID:rJUurP1Y
>>638
なるほど、ちび貴の律都恐怖症はそれか・・・
押し倒した後、前も後ろも上も全部もってかれたからか・・・
640名無しさん@ピンキー:2010/02/21(日) 21:15:50 ID:wKZLIe4+
上……?
641名無しさん@ピンキー:2010/02/23(火) 01:32:19 ID:EtWO1V8U
口でさせられた、と…
赤貝食べられなさそうだね
642名無しさん@ピンキー:2010/02/24(水) 22:24:22 ID:z1YXe3PY
ワッフルワッフル
643名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 18:32:50 ID:lVjzXTln
奏との初体験をねっとりと書いてよ!
644名無しさん@ピンキー:2010/02/28(日) 22:32:12 ID:5hkIVg3i
こんな感じの出だしでいいか?


-契約-

「そういえば、答えを聞いてなかったね」
”うずしお”の中のベッドルーム?には、使われた形跡の無い簡易ベッドがひとつあるだけだった。ロマンチックの欠片もないけど、時が時だし場合が場合だ。贅沢は言っていられない。僕は構わないけど、嵩月に申し訳ない気がした。
ちゃんと契約をしないと嵩月の命に関わるとはいえ、コトの前に嵩月の口からはっきりと聞いておきたかった。
「僕は、こっちに来て初めての夜に・・・・・・保健室で言ったよ」
「あ・・・・・・」
何の事だか思い出したらしい。とぼけていたわけじゃなく、本当に忘れていたんだろう。そういうところがいかにも嵩月らしくて、僕は少し落ち着きを取り戻した。
「僕は、悪魔であろうがなかろうが嵩月が好きだ。。。
嵩月は、どう?」
何時に無く真剣な顔だったと思う。そういう風に心がけたけど、うまくいったかどうかは判らない。
でも、嵩月には伝わったみたいだ。色白の整った嵩月の顔が、真っ赤に染め上げられたんだから。
「あっ・・・・・・す、好きです。夏目くんのこと・・・・・・初めて会った時から・・・・・・・」
初めて会ったって・・・・・・入学式の後のトイレの前での事だろうか。それほどいい印象じゃないと思うんだけど。
そんな風に考えて、思案顔になっていたのだろう。嵩月が続けた。
「あーー、夜。です」
そうだった。入学式の前の夜に、例のトランクを奪いにやってきた時に初めて会ったんだった。
「本当は・・・・・・殺してでも、イクストラクタを奪うつもりでした。でも・・・・・・できなかった」

まさか、そこからとは思わなかった。てっきり佐伯会長との一件から、義務感で守ってくれているとばかり思っていた。これじゃ、操緒にヘタレ童貞呼ばわりされても言い返せない。
「ごめん・・・・・・ホントに、気がついてあげられなくて、ゴメン」
僕はもう、嵩月を抱きしめてあげることしかできなかった。
「僕は、本当にニブいみたいだ。だから嵩月。君の口から聞きたい。
僕は、悪魔だろうがなかろうが、君が好きだ。嵩月はどう?」
抱きしめた嵩月の耳元で、僕はささやいた。嵩月の、真っ赤なうなじが目に入る。僕の顔も真っ赤なんだろうな。
「好き・・・・・・です。夏目くんが、悪魔だろうが演奏者だろうが・・・・・・」
「操緒がついてるよ、それでもいいの?」
「いい・・・・・・です」
その答えだけを聞いて、僕は自分の唇で嵩月の唇をふさいだ。初めてだった。
キスが気持ちいいのか。嵩月だから気持ちいいのか。たぶん、その両方だろう。

ついばむように嵩月の唇を貪りながら、僕はベッドに嵩月を腰掛けさせた。
一度離れて、嵩月に再度確認をする。
「じゃあ、いいね」
顔を赤らめ肯く嵩月。その目は、少し潤んでいる。
「僕も、こういう事は初めてなんだ。だから、イヤだと思ったら言って。してほしい事を言って。乱暴にしちゃうかもしれないから・・・」
「いい・・・・・・夏目くんなら。何をされても・・・・・・好きなようにして欲しい」
嵩月は、すべてを受け入れてくれる。こんな僕でも・・・・・・そう思ったら、もう頭の中は真っ白になった。
僕も、君のすべてを受け入れるよ、嵩月。君が好きだ。誰にも渡したくない。


即興でふっと降りてきたヤツだから、続きはちょいとマテ(^^;ゞ
フロにでも入って、ちと考える。
645名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 00:28:37 ID:a9SSNUJF
-契約- 2

「ごめん、嵩月。制服を脱いでくれるかな」
時間があれば自分でやってみたいけど、今回は時間が無い。がっついてるように見えてしまうけど、諦めるしかない。
「はい・・・・・・、でも」
嵩月が潤んだ目で僕を見上げてくる。
「僕も、自分で脱ぐよ。でも、こっちを向いていて。
嵩月から目を離したくない」
そう。目を離したら嵩月が居なくなってたなんて、考えたくない。目を離したくなかったんだ。
「えっと、・・・・・・はい」
お互い、向き合ったまま服を脱ぎ始める。自分で言った事とはいえ、これは自分でも恥ずかしかった。
嵩月は恥ずかしいのか、僕と目を合わせようとしない。それでも、僕の言った事に従って、服を脱ぎ始めた。そうか、嵩月は下から派か。
嵩月はスカートを足元に落とすと、制服の上着を脱ぎにかかった。ブラウスの裾から見え隠れする淡いピンクの薄い布地に目が奪われる。トロいわりにテキパキと制服を脱いでいく嵩月に目を奪われ、僕の制服を脱ぐ手が止まってしまう。
「あの・・・・・・夏目くん、も、脱いで・・・・・・」
それに気がついた嵩月が、僕を咎める。
「あ、ああ。ゴメン・・・・・・綺麗だから、ちょっと」
ただでさえ色白の肌を恥ずかしさで紅に染めているのを、さらに紅くする。顔を伏せて、ブラウスのボタンを外しにかかる。
僕も慌てて服を脱いだ。そういえば嵩月には、一度パンツの中まで見られてるんだよな、と旧い話を思い出した。あの時は、こんな事になるなんて思ってもいなかった・・・・・・はずだ。

「これ、も?」
ブラウスを脱ぎ捨て下着姿になった嵩月が、僕に問い掛けてきた。
「おねがい。正直、初めてなんで巧く外す自信が無い。
情けないでしょ」
男としては情けないかもしれないけど、僕だって女の子とこんな事をするのは初めてなんだ。ゆっくりできる時ならともかく、今は時間がおしい。
真っ赤な顔をした嵩月が、それでも自分でブラを外してくれた。
水着姿は何度も見たことがある。けど、こんなシュチュエーションで嵩月のストリップを見られるなんて・・・・・・させてるのは僕だけど。
片腕で胸元を隠しながら、器用にブラを脱ぐ嵩月。だけど、由璃子さんいわく「Fカップ」の嵩月のバストには役者不足も甚だしいだけで、本人としては隠しているつもりでもぜんぜん隠れていない。

最後の一枚を残して向き合った僕たち。喉がカラカラだ。
生つばをひとつ飲み込むと、僕は思い切って嵩月に近付いた。
「嵩月・・・・・・」
「奏・・・・・・って、呼んでください」
名前を呼んで抱きしめようとした時、嵩月がそう言った。
僕は、それに答える。
「奏・・・・・・、いいね」
「はい、夏目くん・・・・・・」
「智春、だよ。奏」
奏は軽くうなずくと、言葉を紡いだ。契約の言葉だ。時間が巻き戻る前に一度交わした言葉。僕たち二人にとって、永遠の誓約の言葉。それをもう一度繰り返し確認する。
「夏目智春―――、汝は我、嵩月奏の生涯の契約者となることを誓うか?」
何度訊かれても、答えは決まってる。もう、あんな、嵩月を失う事なんて考えられない。
「誓う。何度でも誓うよ。奏・・・・・・・、もう君を離さない」
その誓いを言い終えるやいなや、今度は奏の方から唇をあわせてきた。
「許します・・・・・・」

誓約の言葉のあと、僕は奏を優しく抱きしめながらベッドに横たえた。
その奏に、僕は覆い被さった。軽い口付けをしたあと、今度は閉じられた唇を割るように舌でつついてやる。少し開いた隙間に、僕は舌をねじ込んでいく。
「んっ、ん〜〜〜」
唇を塞がれた奏が、可愛らしい声をあげる。そのすきに、僕は奏の舌を求めた。僕の身体にまわされた奏の両腕に力が入る。
奏から求められてる・・・・・・と思っていいんだろうか。でも、息が苦しくなってきた。
鼻息を荒くするのも恥ずかしいので、一度口付けを離そうとする。
「「はあ・・・・・・」」
離れる唇の間を惜しむように、潤いの橋がかかる。
目を閉じた奏の目元に、涙が浮かんでいた。
「泣いているの?」
僕の問いかけに、奏はくびをふる。
「うれしい・・・・・・です。夏目く」
「智春、だよ。奏」
「智春、と、こういう風に、なれて・・・・・・夢、でした」
646名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 01:29:14 ID:a9SSNUJF
3

好きになった人と思いが通じる。それがこんなに幸せな事だったなんて、知らなかった。
「夢じゃないよ。これからも、ずっと続くんだ」
頷く奏を抱きしめる。
もう一度僕たちは口付けをする。唇を貪りながら、僕は気になっていた奏のバストに手を這わす。
驚いたのか、奏の口内に入り込んでいた僕の舌に歯が当たる。けれど、それに気付いた奏は、すぐさまそれを戻す。

柔らかい。

誰だ、マシュマロなんて例えたヤツは。そんなもんじゃない。例えようなんてないじゃないか。
推定Fカップの奏のバストは、力を入れると押し返し、力を抜くと吸い付いてくる。
滑らかなのにしっとりとした手触りに、僕の思考は麻痺をする。
「と、智春・・・・・・」
僕の身体に廻した腕を、僕が奏のバストに置いた腕に添える。
「いやなの?いやなら辞めるよ」
泣いてるような、困ったような顔で、それでも奏はくびを振る。
「いい・・・・・・好きな、ように、していい・・・・・・です」
「そう?もっと、するよ」
そういう奏に、僕は先に進むことを告げる。

僕は身体をずらすと、手を添えたバストと反対側の山の頂に口付けた。
そこには、淡いピンクの乳輪と小指の先端ほどの乳首が、その山頂を主張していた。
その先端を、僕は躊躇いなく口に含む。
「ああ・・・・・・。とも、はる。。。」
切れ切れに僕の名を紡ぐと、奏は僕を抱きしめてくれた。
そういえば、初めて会ったあの夜もこうして胸に抱かれたんだった。あの時は、このまま眠りについてもいいと思ったっけ。
そう。すべては、あの時から始まっていたんだ。
そのバストを、いま僕は貪っている。舌で転がし、唇で甘噛みし、優しく弄んでいる。
「あっ、ああぁ・・・・・・んぅ、はぁ。。。はっ・・・・・・」
そのたびに、僕の頭の上で奏のため息が聞こえる。他の男になんか聞かせたくない、僕だけに聞かせてほしい。そんな極上の音色が奏でられている。
だけど、その声はまだ奏らしく、控え目で大人しい。
僕は、口と手の攻撃を少し強めた。
「声、もっと聞かせて。奏」
今までより大きく首を振る奏。そう言えば、意外と頑固なんだった。
ソレを思い出した僕は、痛いかな?と思うくらい、手で弄んでいた乳首をつねり上げた。
「あっ、あ〜〜〜、ダメ・・・・・・です」
この「ダメ」は、「いやじゃない」でいいのかな?そこまで力を入れたつもりはないけど。
操緒がみていたら、「だから智春は・・・」って言われそう。

なんて考えていたら、奏ににらまれていた。
操緒の事を頭から追い払う。そんな僕の考えに気がついてにらむくらいだから、大丈夫って事なんだろうなあ。
さっきの力加減で、再びバストを攻め始めた。
「あん・・・・・・いま、だけは・・・・・・操緒さん、の・・・・・・事は、忘れて」
「ごめん、奏。僕はほら・・・・・・自信が無いから。情けない話だけど」
「そんなこと、ない・・・・・・です。私が、好きになった人、だから。
もっと・・・・・・んっ」
奏さん?その「もっと」は、「もっと自信を持って」ですか?それとも、「もっと愛撫を続けて」ですか?
とりあえず両方のバストを弄んだ僕は、徐々に身体の下へと舌を這わせる事にした。
声は控え目でも、先ほどから奏の膝が擦りあわされるように動いている事はわかっていたのだから。


だんだんとエロくなる・・・・・・予定。
647名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 01:44:32 ID:xZMusnMp
いいねいいね。
648名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 02:07:56 ID:QczgpX5H
GJ!
久しぶりの神だ。

649名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 03:23:08 ID:xqeqlb2Q
いつの間に始まってた
支援するぜ!
650名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 20:27:19 ID:a9SSNUJF
-契約- 4

自分でも拙いと思う。でも、そんな僕の愛撫でも、奏は感じてくれている。そう思うと、少しは自信が湧いてきた。
悪魔の力を使えば、大の大人ですら翻弄する奏が、僕の一挙動で翻弄されているんだもの。そんな奏の姿を客観的に見る事ができて、僕は少し・・・ほんとに少しだ・・・落ち着きを取り戻した。
感じすぎるバストから愛撫が離れた事で、奏の息も落ち着きを取り戻しかけていた。僕は奏の身体の上を這い上がり、キスをしようとした。
驚いた。奏のほうからキスを求めてきたんだ。
「「んっ、ん〜〜〜っ」」
鼻から抜けるふたりの荒い息が重なる。

始めた時は洗いたての・・・というか、未使用っぽい感じだったベッドが、何ともいえない甘い香りに包まれている事に気がついた。化粧っ気のない奏の体臭だと気付くのに、それほど時間はかからなかった。
それと同時に、自分の匂いが気になった。
「ねえ、僕・・・・・・臭くない?いまさらなんだけど。
ほら。あれだけの戦闘をしたあとじゃない?だから・・・・・・」
時間の巻き戻りと共に、ホコリっぽさは消えている・・・・・・はず。だけど、新陳代謝はどうしようもない。一度生命の火が消えてからリセットされた奏と違って、僕は昨日からそのままだ。
そんな僕の杞憂を、奏はくびを振って否定してくれた。
「そんなこと、ない・・・・・・です。私は、好き。
この匂いに、つつまれていたい・・・・・・つつまれているのが、うれしい」
えっと、匂いは否定されなかったけど、臭う事も否定されなかったんだよね、これ。もっとも、どうしようと思ったところでどうにもできないんだけど。
だから、僕は言葉と行為で反撃に出た。
「奏もいい匂いだよ。優しい感じがする。甘い感じがする。儚い感じがする。
僕も好きだ。離したくない、離れたくないよ」
軽く口付けてそう言うと、落ち着きを取り戻しかけていた奏の身体がふたたび真っ紅に染め上げられる。それも全身だ。
反射的に離れようとする奏を抱きしめ、その奏の手を僕の下腹部へ導く。
「あっ・・・・・・」
奏さん。あなたは僕のパンツの中まで見ているハズなんですけどね。もっとも、あの時はこんな状態じゃなく・・・・・・対極ともいえるくらい縮こまっていましたけど。
と思ったのもつかの間だった。
「おおきい・・・・・・」
最初はビクッと震えてるのがわかった。そのあと、おずおずと。形や大きさを確かめるように手を這わしてきた。もちろん、まだパンツの上からだ。

気持ちいい・・・・・・。

下着の上からなのに。いかにも恐る恐るの柔らかい力しか入っていないのに。女の子の手がこんなにも気持ちいものだったなんて、知らなかった。
「奏・・・・・・気持ちいよ」
僕の言葉に、真っ赤になった顔で肯くと、奏がさらに密着してきた。胸元で奏のFカップがひしゃげる。
柔らかく形を変えるバストにも関わらず、その先端で主張する乳首が、僕の乳首を擦れあう。
「あっ、ああぁ・・・・・・」
僕の肩口に顔を埋め、奏が可愛らしい声を発する。先ほどまでは膝だけだったモジモジが、全身に渡っているのに僕は気がついた。
というか、気がつくまで忘れるくらい、奏の手が気持ちよかったんだ。身をゆだねてしまったと言ってもいい。
だから僕もお返しをする事にした。
奏を守る最後の砦。服を脱いだ時から気になっていた薄いピンクの小さな布地、ショーツに手を伸ばす。
僕は驚いた。
651名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 20:29:42 ID:a9SSNUJF
-契約- 5

女の子の身体が、興奮すると濡れるという事は知っていた。けれど、ここまで濡れるものだとは思わなかったんだ。
「いやっ」
反射的に身体を閉じようとする奏。そこに僕は、強引に手をねじ込んだ。
「すごい・・・・・・濡れてる」
「いや、・・・・・・言っちゃ、だめ・・・・・・です」
表地からでもわかるくらいビショビショだった。
「・・・・・・いつから?」
意地悪く僕は訊く。奏は大きくくびを振って、答えるのを拒もうとする。
「はあ〜〜〜っ、くっ。。。」
僕は、女の子の下着特有の二重になっている部分のその中心に指を立てて、前後に引っ掻くように動かした。効果覿面とはこの事だろう。面白いように奏の身体が跳ねる。
「言わないと、もっとするよ?」
それでも唇をかみ締めてくびを振る奏。恥ずかしさと快感を我慢する奏のその顔が可愛くて、僕はさらに攻撃の手を強める。
「はっ、あぅ・・・・・・ダメ。。。。。。だめ、です」
僕の肉棒の形をなぞっていた奏の手は、もう止まっている。そのすきに、僕は奏の身体から離れて足元に移動する。
もう、奏のショーツはその役目を放棄していた。ビショビショに濡れ、身体に張り付き、淡く翳る陰毛の形から性器の形まで浮き上がらせていたんだ。

「ねえ、いつからこんなに濡らしていたの?」
意地悪く僕は訊きつづける。
「知りたいんだ。奏が感じてくれた事を」
足元側に移動した事によって、奏を下から見上げる格好にった。目標を目に収めた事で、ねらいがつけ易くなる。
しなやかでカモシカのような奏の右足を担ぎ上げ、左脚の内腿を膝からなぞりあげる。
「うーーー、うーーーっ・・・・・・」
身体を跳ねさせながら、両手でシーツを握り締めながら、それでも奏はくびを大きく振って答える事を拒んでいる。
恥ずかしがり屋でおしとやかな上に頑固さが加わって、必死に抵抗している奏。でも、その時の僕は嗜虐的になっていたんだと思う。どうしても奏の口から聞きたかったんだ。
だから僕は、女の子の一番感じる部分を責める事にした。

「言わないなら、こうだよ?」
内腿を撫でていた右手を、ショーツの舟底へと向ける。その中心を引っ掻くようにしながら前身ごろの方向へ掻きあげる。左右の唇が縒りあわさった部分に肉芽を感じた僕は、そこを押し込むように力を加えた。
「はぅっ、あぁあ〜〜、いいっ、いいっ・・・・・・ますっ。。。
はぅっ、はじめっ・・・・・・から、ですっ・・・・・・っっく」
翡翠や薔薇輝に弾き飛ばされた時も、イングリッドやヴィヴィアンに攻撃を受けた時も、自信の非在化が進んでしまった時ですら上げなかった悲鳴ををあげている。
これほどまでとは思わなかった。でも、そんな奏の乱れようが面白くって、僕は手をはなすことができなかったんだ。
「はじめから、って?キスして、舌を弄んだ時から?」
意地悪く、僕は続きを促す。もちろん、右手は肉芽を弄んだままだ。
「くっ、くちの、なか、でっ・・・・・・なつ、めっ、くん・・・・・・っのっ、舌っ、、、がっ、あっ、ばれっ、っえっ・・・・・」
言葉にならなくなってきたので、僕は力を少し弱めた。その代わり、空いてる方の手を、すでにひと回り大きく勃起している乳首に向けた。
「あっ、あっ、あぅーーー。されるぅ、、、、ことを・・・・・・」
呼び方が前の「夏目くん」に戻っていたが気にしない事にする。奏も、すでに思考が逝きかけているんだろう。
つまり・・・・・・ディープキスで、これからされる事を想像して濡らしちゃったって事?
奏が乱れていくぶん、僕の方はそれだけ落ち着きを取り戻していった。でも、そんなに期待されても困るんだけどなあ。僕だって初めてなんだし。
だから、期待してくれたであろう事を、やってあげる事にした。
652名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 20:32:45 ID:a9SSNUJF
-契約- 6

右手で弄んでいた肉芽の部分に、僕は口付けをした。
「はぅう・・・・・・、なんいっ!?」
今までと違う感触に、奏が戸惑った声をあげる。
「奏が想像したこと、だよ。大丈夫、ちゃんと期待に応えてあげるから」
「えっ、えっ、えっ、・・・・・・いやぁ〜〜」
シーツを握り締めた手を離し、顔を覆うようにイヤイヤをする。でも、やめてなんかあげない。奏にはもっと気持ちよくなって欲しい。
だって、この先、きっと、痛い思いをさせてしまうから。
ショーツの股ぐりから指を指し込み、その部分を捲り上げる。舌を伸ばして、その肉芽をつついてやる。
「んっ、んっ、んっ・・・・・・」
奏は脚を閉じようとするものの、僕の頭が邪魔になって閉じられない。結局、僕の頭を挟み込んだだけだった。
「いゃっ、いやっ・・・・・・はぅ〜〜っ」
奏から発せられる声が、可愛らしい声から、艶かしい喘ぎ声に変わっていくのが楽しくて、僕はもっと夢中になっていった。
その声が、だんだんと大きくなっていく。
「っん、ダメ・・・・・・やめっ、てっ。。。っなつめっ、っくんっ!」
脚の力を抜いて、僕の頭を押し戻そうとする奏が、叫びに近い大声をあげた。力は入っていないが、両手で僕の頭を押し、身体を上にずりあげさせようとしている。
「あっ・・・・・・、ごめん。やりすぎた」
その声に、僕は我に帰る。かなり夢中になっていたみたいだ。
でもさ、考えてもみてよ。健全な15歳の男子高校生が、初めて好きになった娘と想いが通じてセミヌードでベッドインしてるんだよ。夢中にならない方がオカシイでしょう?

「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ・・・・・・・・・・・・」
僕が離れると、奏は身体を弛緩させるようにぐったりと四肢を投げだした。呼吸が浅く、速い。
もしかして、と思って訊いてみる。
「奏・・・・・・、もしかして、イッたの?」
僕の問いかけに、少しの間をおいてから奏がわずかに肯いた。
「たぶん・・・・・・でも、はじめて、だったから」
僕のほうに軽く視線を流したあと・・・これがまた、普段の奏からは想像もつかないような艶っぽさで、ドキリとしたのは内緒だ・・・照れたように、拗ねたように、僕から顔をそむける。
その耳元に、僕は囁くように問いかけを続けた。好奇心もあったし、奏の羞恥を煽るためもあった。
「奏は、その・・・・・・自分で弄ったりした事は?」
案の定、奏は顔を真っ赤に染めてくびを振る。
「たまには・・・・・・でも、こんな風に、なるまでは、しません」
うん。僕もあまり奏が自分で慰めているシーンを、巧く想像できない。だけど、奏だって15歳の女の子だし、全然やった事が無いとは思っていなかった。「たまに」って言ってるし、今度どんな時にするのか訊いてみよう。

そうしているうちに、奏の息も落ち着いてきたみたいだ。僕の方も、かなり限界に近い。
奏じゃないけど、僕だってそうそう自分で処理れきるわけじゃない。操緒は一応気を利かせてくれるけど、たびたびだとやれ「エロはる」だの「スケベ童貞」だのとしつこく文句を言うんだ。
ましてや、アニアが同居してからは、ほとんど処理できなかったと言ってもいい。
それに、自分の爆発を抑えるために奏を責めてたけど、奏の乱れる姿を見て抑えもきかなくなってきていたんだ。
「いいかい?奏・・・・・・」
僕の言葉に何の事か察した奏が、天使のような微笑みでうなずいてくれた。
「やさしくしてください・・・・・・でも、何があっても、躊躇わないで」
その言葉に、今度は僕がうなずき返す。
「わかった・・・・・・じゃあ、始めるね。。。
脱がすよ」
お互い、最後の一枚が残っている。僕は、先に自分のトランクスを脱ぎ捨てると、奏の腰に残ったショーツに手をかけた。
「少し、腰を浮かしてくれる?」
うなずいて腰を浮かせる奏。めくり返すようにヒップから抜き取った奏のショーツは、僕の唾液と奏の愛液でかなり重くなっていた。

僕は、一度ベッドサイドに立って、奏の全身を見渡した。少女としての奏の最後の姿、それを目に焼き付けるために。
美しかった。この世の物とは思えないくらい、美しかった。
期待と不安を込めて僕を見つめるふたつの瞳。甘い吐息を届かせる軽く開いた唇。浅い呼吸に上下するバストは、仰向けになっていても形が崩れない。
どこに内臓が入っているのかと思わせる細いウエスト。大きさを感じさせない滑らかな曲線を持ったヒップ。カモシカのような脚と引き締まった足首。
その総てを包み込む少女という名の殻を、これから僕が破る。
それが、とても神聖な儀式のように思えた。
653名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 20:41:08 ID:a9SSNUJF
とりあえず、今日はここまでで。

智春がヘタレじゃなくなってますねぇ(w
軽く落とす用意はしてあります。操緒に知られたら、ホントにバカにされそうなヤツ。

奏っちゃんも難しいですねぇ。雰囲気が感じられてるといいのですが。

一応、10か11くらいで終わる予定です(^^
654名無しさん@ピンキー:2010/03/01(月) 21:11:16 ID:QczgpX5H
GJ!
最高だ。続き期待。
655名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 20:28:15 ID:XRhKyOSp
-契約- 7

奏は、両腕を脇に降ろして身体を開きながらも、片膝を立てて大事なところを隠そうとしている。
僕は、その両脚の間に身体を滑り込ませる。そして、両膝を持ち上げて身体を開かせようとする。
「奏、力を抜いて」
僅かにうなずくと、脚から力が抜けた。僕は、両の腿を両脇に抱えるようにして、身体を前へ押し進めた。
僕の肉棒が、奏の肉芽と触れ合う。あまりの気持ちよさに、アタマがクラクラした。奏も瞬間、身体に力が入ったのがわかった。
きつい体勢になるのはわかっていたけど、僕は奏の腿を脇におろすと、のしかかるように奏に顔を近づけた。
「大丈夫。怖くないよ。僕に任せて」
気休めでしかない事はわかっている。女の子の初めてがどれだけ痛いかなんて、男の僕にわかるはずなんかない。
それでも、僕は奏に何かを言わずにはいられなかった。奏が肯いてくれた。

僕は、上体を起こすと、奏の秘裂に指を添え、左右に開く。穢れを知らない処女腔が顔を出した。そこはもうじゅうぶんに潤っていて、僕の侵入を待ちわびているように見えた。
いきり立つ肉棒を押さえつけるように角度をあわせ、その処女腔へと導いてやる。

にゅるん

肉棒の先端が膣口に飲み込まれた。いや、単にハマっただけと言ったほうが近いかもしれない。
でも、それだけで僕には腰の奥から全身へと快感が広がった。
「うっ・・・・・・」
「あっ・・・・・・」
僕は、ゆっくりと腰を前へ進める。程なくして、渋い抵抗にぶつかる。
奏はもう一度肯いて、身体の両脇に投げ出していた腕を僕の首にまわしてきた。少女の、逃げないという意思と覚悟なんだろう。
「そのまま、もっと、ずっと、奥まで・・・・・・
私は、何があっても大丈夫だから。なつ・・・・・・智春、だから、大丈夫」
その言葉に、僕も覚悟を決める。
「一気にいくよ」
僕は、一度軽く腰を引くと、勢いをつけて奏の身体に腰を進めた。

ビッ!

聞こえるはずのない、何かが裂ける音が確かに聞こえたその時、僕の首にまわされていた奏の両腕に力が入った。
いや、両腕だけじゃない。僕の両脇に投げ出された両脚も震え、細く締まったおなかも波うっている。
顔を見ると、両目をきつく閉じ、唇は一文字に閉じられ、歯を食いしばっているのが窺える。
僕はというと・・・・・・

きつく、硬く、締め付けられていた。それなのに・・・・・・それ以上に気持ちよさが先走り、勝手に腰が動きそうになる。
どうなっても構わない。すぐに果ててもいいじゃないか。
そう思って、奏の顔を見たんだ。見たら、動けなくなった。
奏が、全身で僕を受け止めてくれている。全霊で受け入れてくれている。
必死で。だから。僕は。動けなかった。
656名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 20:28:56 ID:XRhKyOSp
-契約- 8

必死になって受け入れてくれている奏に、何かしてあげたいと思った時には、もう身体が動いていた。
きつく閉じられたふたつの瞳にキスをする。食いしばられた唇にキスをする。汗をにじませた額にキスをする。長い髪から覗かせた耳たぶにキスをする。
震えている乳房を優しく撫でる。揉みこむ。起立した乳首を優しく弾く。つまむ。

「もう、・・・・・・だいじょうぶ、・・・・・・だから」
奏はまだ痛そうにしているけど、少しづつ息遣いももどってきているようだ。
「うごいて・・・・・・いいです」
そうは言われても、いまだ強張っている奏の顔を見ていては動けないでしょ。
「大丈夫、動かなくても気持ちいいから」
これは本当だ。というか、いま動くと本気でヤバい。
確かに先端・・・奥の方は硬く握られているように締め付けられている。だけど、根元・・・入り口は別なんだ。
強く、優しく、柔らかく、しっかりと、包み込むように抱いてくれている。
最初はほんの入り口だけだったその動きが、少しづつ奥の方に広がってきている。奏の息遣いが戻るのとあわせるように・・・・・・。
「ありがとう、ともはる・・・・・・だいぶ、らくに、なりました」
顔の強張りはだいぶ治まってますけど、まだ身体には力が入ってますよ、奏さん。
それがわかっているから、僕はキスの嵐と愛撫をやめなかったんだ。
だけど、まさかこれが・・・

どのくらい、一番奥まで挿入したままそうしていただろうか。
奏の息遣いも落ち着いて、全身の力みも程よく抜けた頃。その前兆があったのは気付いていたんだ。だけど、奏の痛みや力みをどうにかする事の方を優先した僕は、それを疎かにしてしまっていた。

ゾワん・・・・・・

奏の胎内に入っている僕の肉棒から、とてつもない快感が伝えられてきた。
なんだ、これ
思ったのは一瞬だった。気持ちよすぎる。ヤバい。
今度は僕が慌てる番になった。
動けない・・・・・・いや、マジで。
僕も奏も、まったく動いていないはずなのに、奏の膣内だけがゾワゾワと煽動を繰り返している。
「あっ・・・・・・、かんじ、ます・・・・・・ともはる、を」
そんな奏の言葉ですら、胎内を伝わって微妙に煽動が変化してるんですよ、奏さん。かと言って、喋らないでとも言えないし・・・
僕は全身全霊をもって堪えるけど、正直、自信がない。
肉棒ごと奏に食べられる。そう思った時、僕は動こうとした。
「動くよ、いい?
っくっ・・・・・・」
肉棒を飲み込もうとする煽動に逆らうように腰を引こうとした。
「あん・・・・・・ん」
僕の動きにあわせた奏の小さな嬌声が引き金になった。溜まりに溜まった僕の欲望が、一気に爆発した。
「ヤバッ!・・・・・・ヱっ!」
「ダメっっっ!」
僕は奏の胎内から肉棒を抜こうとしたんだ。
だけど、力みの抜けた奏の両腿が、僕を逃がしてくれなかった。両脚を僕の腰に巻きつけられたら、僕は逃げられない。
先ほどまで達していたと思われていた膣奥のさらに奥まで、奏は貪欲に僕を求めてくれた。
僕の肉棒が、今度こそ本当の最奥、突き当たりまで差し込まれた時、僕は自分の欲望を放出した。
「「あっ、ああぁ〜〜〜〜〜〜ぁあっ」」
657名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 20:29:30 ID:XRhKyOSp
-契約- 9

これが操緒だったら、なんと言われただろう。
「判子、スリー(半こすり)」とか「中田氏(膣内だし)」とか「候(そうろう)」とか・・・・・・なんにしても情けないこと甚だしいよね。
でも、僕だって初めてなんだから、仕方ないだろっ!

そんな事を考えてるさなかにも、僕の放出は止まることを知らなかった。
自分で処理した事は、何度もある。だけど、こんなに長い時間、続いた事なんてない。
奏の嬌声が、さらに大きくなった。
「あっ、あっ、ああぁあ〜〜〜〜〜んっ」
膣内で僕の精液が奏の子宮口を勢いよく叩いているのが、僕にすら感じられる。
それにあわせて、奏の身体がビクン、ビクンっ、と痙攣する。
「ダメっ、だめですぅ〜〜〜ぅ」
僕の射精の勢いが弱まると、さらに搾り取ろうとするように膣内の煽動が激しくなった。強制的に吸い出されるような感覚が、肉棒から腰の奥まで伝わってくる。
僕の腰にまわされた奏の両脚にも力が入る。
「あぅ、かっ、奏ぇ〜〜〜〜」
もぅ、名前を叫ぶ事しかできなかった。いや、それができただけでも僥倖だと思う。
その叫びにあわせるように、僕のアタマにまわされていた奏の両腕が、僕を抱きしめるように動いた。
僕も奏を抱きしめる。

長い、長い放出がようやく終わった。奏も僕も、脱力している。なるたけ奏に負担がかからないように、僕は奏に覆い被さった。
「「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・・・・」」
二人とも、息が荒い。全身も汗でびっしょりだ。
全身に倦怠感が残る。フルマラソンを走ったって、こんなに疲れはしないはずだ。
それなのに、清々しい爽快感がある・・・・・・ただ一ヶ所を除いて。
奏の胎内に残った僕の肉棒。これだけが、さっきほどじゃないにせよ「まだ働き足りない」と言わんがばかりに主張してるんだ。
「ああーー、夏目くん、を感じます」
微笑みながら、奏がそう言ってくれる。奏にとって僕はやっぱり「夏目くん」なんだね。
倦怠感もあって、僕は呼び名なんてどうでもよく感じていた。
「奏も。まだ僕を離したくないって言ってる」
「えっ、えっ!?」
「だって、奏の膣内で力なくしている僕を、また飲み込もうとしてるよ」
そう。奏の言葉ひとつひとつに呼応するように、膣内ではその膣壁が僕を飲み込もうと、奥へ、奥へと導こうとしているんだ。
その言葉に、奏は顔を真っ紅に染め上げる。
僕はというと、奏の胎内で再び力を漲らせ始めていた。
658名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 20:29:54 ID:XRhKyOSp
-契約- 10

二人の呼吸がようやく落ち着いたところで、僕は一番気になっていた事から、いくつか奏に訊くことにした。
「ねえ、膣内出ししちゃったけど、大丈夫?」
僕の質問に、奏は指を折って何かを数える。
「・・・・・・・・・、あーーー、だいじょうぶ、です」
・・・・・・ちょっと、奏さん?その間は何でせうか?僕は、先ほどの爽快な汗とは違う冷たい汗が吹き出るのを感じた。
「だいじょうぶです、夏目くんと、ですから」
マテ・・・・・・大いにマテ。それは「危険」って事では?
「だいじょうぶです、夏目くんは、逃げませんから」
いや、その、、、天使のような微笑みで言われましても。。。
「あ・・・・・・」
悪魔ですか、アンタはっ!と突っ込みそうになって思い出した。嵩月家は名門悪魔の一族でした。
僕は脱力した。もう、どうでもいいや。それに、奏とはもう、離れるつもりは無いんだし。
だから、もうひとつの疑問を奏に問い掛けたんだ。

「さっき、奏もイッてた?」
醒めかけてた奏の顔色が、さっき以上に紅く染まった。
「あーーー、たぶん。あたまの中・・・・・・真っ白になりました。。。あっ」
その返事を聞いて、奏の膣内に納まった僕の肉棒がビクンと震えた。最後の「あっ」は、それを感じたんだろう。
「でも・・・・・・・・・」
奏が言葉を続けようとするんだけど、その語尾はごにょごにょと曖昧になってしまっている。
僕は、とりあえず謝っておく。
「ごめん・・・・・・その、、、早過ぎだったよね。ごめん」
「しかたない、です。その。はじめてですし・・・・・・」
慰めてくれるその言葉の最後に、小さな声で「だから」と聞こえたのは気のせいですか?奏さん。
もっとも、僕もこのまま終わるつもりはない。だいたい、ジュニアとも言える肉棒くんは、さっきから主張してやまないんだ。
だから、奏に確認する。
「このまま、いい?」
慎ましやかに、でも、しっかりと奏が頷いた。それを見て、僕は上体を起こして腰を動かしだす。

「痛かったら、言ってね」
そう言いながら、僕は最奥まで埋まりこんでいる肉棒を、入り口ギリギリまで引き戻した。
ゆっくりと引き出し、ゆっくりと挿入する。
引き出す時は留めるように、挿入の時は抵抗となって、なのに僕の動きを阻害しないように、僕に快感を与えるように。。。奏の膣壁が蠢く。
「セックスに溺れるなんて、自制心が無いからだ」
そう思っていた。
ごめんなさい。これはヤバい。奏の身体に溺れそうだ。
みるみるうちに射精感が昂ぶってくる。
「はあ〜〜〜〜〜〜ぁ、はぁ〜〜〜〜〜〜あっ、はあ〜〜〜・・・」
奏はというと、僕の腰の動きにあわせてフイゴのように呼吸をしている。
感じ始めているのか、最初は顔だけだった紅潮が、だんだんと全身に広がってきている。

「これからも、ずっと一緒だよ、奏っ」
「いつまでも、一緒です、夏目くん」
これが、僕が16年生きてきた中で、もっとも長い2時間の最初の出来事だった。
659名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:18:27 ID:I8GQ4f+d
GJ!
トモハルらしいな。ピロートーク楽しみだ。
660名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:25:20 ID:EMQdsrYF
全力でGJ!
661名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:30:25 ID:uwhbscgR
ちょっと見ない間に大作がきてた・・・
662名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:42:28 ID:XRhKyOSp
-契約- 番外編

直貴に追い出された、アニアと操緒。直貴のあとについて、操作室の方へ向かう廊下で、操緒がアニアに問い掛けた。
『さっきから、感覚が変なんだけど。ニアちゃん、何か知ってる?』
「どんな風にだ?」
『ん〜〜、消えようと思っても消えられない、とか?』
その答えは、前を歩いている直貴から返ってきた。
「ああ、ちょっと設定をさっき変えたから。大丈夫、帰還する時には戻すよ。
基本設定と安定装置の設定をちょっといじくった」
『え〜〜、なんで〜〜』
操緒は、頭の上にハテナマークを浮かばせているような顔で、直貴に問い詰めた。

「操緒ちゃん、消えてどうするつもりだったの?」
当然の質問を操緒にする。
『そりゃ、もちろん・・・・・・』
語尾を濁すその答えを聞いたアニアが
「どうせ、智春と奏の情事を覗き見でもするつもりだったんだろう」
と割り込んだ。
操緒の顔の上半分に縦線が走る。図星だったようだ。
「あのねえ、操緒ちゃん。安定装置のついた演操者の副葬処女が、その演操者の情事に意識を重ねたら、どうなると思う?五感がモロにフィードバックするんだよ?」
「操緒、おまえは女の身で男としてのセックスの快感を感じたいのか?」
直貴の言葉を引き継いで、アニアがそのものズバリの言葉で答えた。
操緒の顔が「ボンっ!」と音を立てたような早さで真っ赤になった。
『そっか、感覚が共用できるって、こういう事なんだ・・・・・・』

操作室で、直貴はK鐵の修理にとりかかっている。アニアが機巧魔神のスペシャリストとはいえ、手伝う事など何も無い。
操緒とアニアは、だから壁際の椅子に座ってただ見ているだけだ。
直貴に聞こえないように小声で、アニアは操緒に語りかけた。
「だから、さっき『いいのか?』と言ったんだ。気になるんだろう?」
『ん〜〜、そうなのかな。わっかんないんだよねー』
はぐらかしてるのか、まだちゃんと理解していないのか。アニアは後者だと思った。
「この際だから言っておく。私は智春が好きだ。一巡目の、ではなく二巡目のあの智春が好きなんだ」
操緒が驚いた顔をする。
『えっ、だって、ニアちゃんの好きな人って・・・・・・』
「一巡目の智春は、いわば初恋だな。惹かれているのは、二巡目の方だ。
だから、奏もお前のライバルだと思っている」
『ライバル、って。あのねぇ。嵩月さんはともかく・・・・・・』
何で自分も含まれているのか、心底わからないといった操緒の顔だ。
「わかってないならいい。私の気持ちだけ覚えておいてくれ」

聞いていたのかいないのか。アニアと操緒の会話がちょうど一段落したとき、直貴が振り返ってこう言った。
「操緒ちゃんには悪いけど、さすがに弟の情事を見せるのはねぇ・・・・・・
でも、どうしても見たかったら、律都にかけあってみな。この”うずしお”は常にモニタしてるはずだから」
その時の直貴の顔は
「あれは、私たち以上の悪魔だ」(アニア・談)
『そうだね〜、幽霊でもゾッとしたよ〜』(操緒・談)
だったそうだ。
663名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:46:39 ID:XRhKyOSp
ども。-契約- の作者です。

お気に召しましたでせうか?

智春×奏だと、会話が巧く増えてくれなくて。。。OTL
雰囲気が伝わってくれたら幸いです。

どうしても、智春がリードする格好になるんで、ヘタレにしづらいんですよネェ(^^;ゞ
一応、オトしたつもりなんで、本編は10で最後です。(すんません。「完」って入れ忘れました)

番外編もこれだけです。

お目汚し、失礼しました。
664名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 21:57:46 ID:EMQdsrYF
よく書いてくれた。
それだけで感謝感謝だよ。
たしかにトモがヘタれてなかったけどねw

おつかれさん
665名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 22:31:24 ID:I8GQ4f+d
GJ!
お疲れさまでした。よく書いてくれた。今度は操緒をメインで。
666名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 23:24:40 ID:XRhKyOSp
う〜ん。

操緒が相手だと、智春って開き直っちゃう気がするんですよね。
だから、文章にしてヘタレにしづらいです。僕の文章だと。

冬琉会長や朱浬さん相手、もしくはアニアや玲子ちゃん辺りだと
ヘタレになると思うんですけど。

例えば、冬琉会長×ともは で・・・・・・


「信じられない・・・・・・あなた本当に夏目くん?写真で見るより全然可愛いじゃない・・・・・・」
変装を終えた僕を眺めて、冬琉会長が呆然と息を吐いた。
どことなく拗ねているような、不機嫌そうな表情である。
爪先から、黒髪ロングのカツラまで舐め回すように睨まれてなんだか落ち着かない。僕が伏し目がちにうつむいていると、冬琉会長は苛ついたように、
「なんだか美人すぎてむかつくわ。可愛くモジモジしているのもむかつく・・・・・・男のくせに・・・・・・」
「な・・・・・・なんで怒っているんですか!?」
「っていうか、この胸はなに。なにが入っているの?」
「わっ、揉まないでくださいよ・・・・・・や、やめて」
妙な執念を感じさせる動きで、背後から僕の胸を鷲掴みにしてくる冬琉会長。僕は身を捩って逃れようとしたが、やけに手慣れた冬琉会長の動作に翻弄されて逃れられない。僕的には、むしろ背中に密着してくる彼女の胸の弾力の方が気になってしまうのだが・・・・・・・

「あら?夏目くん・・・・・・腰が引けてるわよ。どうかしたの?」
その時僕は、体の一部に変調を期していた。
朱浬さんや嵩月のように現実離れした美しさではないとはいえ、冬琉会長も美人であることには間違いない。いや、現実的である分、朱浬さんや嵩月に近づかれるよりもリアルさがある。
その美人で年上の女性が僕の身体に密着しているのである。健全な男子高校生としてはごく当たり前の変化であるが、場合が場合である。自分が女装しているのも忘れて、大きくしてしまった・・・・・・
「いえ、冬琉会長。ちょ、・・・・・・ちょっと離れて・・・・・・」
「あら。私の胸でも感じてくれるんだ、夏目くんは・・・・・・」
僕が抗議の声を上げるやいなや、その言葉を最後まで言う前に冬琉会長が声を被せてくる。心なしか、いつもの冬琉会長の声より湿っているような気がする。僕を抑えるために密着していた胸が、押し付けられるような力強さに変わった。

第9巻の分岐で、こんな感じ(^^;ゞ
667名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 23:34:52 ID:EMQdsrYF
>>666
その勢いで書き続けるに一票
668名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 23:51:47 ID:I8GQ4f+d
それもあり。いきおいにのってくれ!








それでもいつか操緒をメインで。

669ともはさん 初体験:2010/03/02(火) 23:54:37 ID:XRhKyOSp
-前編-

「信じられない・・・・・・あなた本当に夏目くん?写真で見るより全然可愛いじゃない・・・・・・」
変装を終えた僕を眺めて、冬琉会長が呆然と息を吐いた。
どことなく拗ねているような、不機嫌そうな表情である。
爪先から、黒髪ロングのカツラまで舐め回すように睨まれてなんだか落ち着かない。僕が伏し目がちにうつむいていると、冬琉会長は苛ついたように、
「なんだか美人すぎてむかつくわ。可愛くモジモジしているのもむかつく・・・・・・男のくせに・・・・・・」
「な・・・・・・なんで怒っているんですか!?」
「っていうか、この胸はなに。なにが入っているの?」
「わっ、揉まないでくださいよ・・・・・・や、やめて」
妙な執念を感じさせる動きで、背後から僕の胸を鷲掴みにしてくる冬琉会長。僕は身を捩って逃れようとしたが、やけに手慣れた冬琉会長の動作に翻弄されて逃れられない。僕的には、むしろ背中に密着してくる彼女の胸の弾力の方が気になってしまうのだが・・・・・・・

「あら?夏目くん・・・・・・腰が引けてるわよ。どうかしたの?」
その時僕は、体の一部に変調を期していた。
朱浬さんや嵩月のように現実離れした美しさではないとはいえ、冬琉会長も美人であることには間違いない。いや、現実的である分、朱浬さんや嵩月に近づかれるよりもリアルさがある。
その美人で年上の女性が僕の身体に密着しているのである。健全な男子高校生としてはごく当たり前の変化であるが、場合が場合である。自分が女装しているのも忘れて、大きくしてしまった・・・・・・
「いえ、冬琉会長。ちょ、・・・・・・ちょっと離れて・・・・・・」
「あら。私の胸でも感じてくれるんだ、夏目くんは・・・・・・」
僕が抗議の声を上げるやいなや、その言葉を最後まで言う前に冬琉会長が声を被せてくる。心なしか、いつもの冬琉会長の声より湿っているような気がする。僕を抑えるために密着していた胸が、押し付けられるような力強さに変わった。

「夏目くんが可愛いから、苛めたくなっちゃった・・・・・・大丈夫、今日はここには誰も来ないから。
科學部のみんなにはナ・イ・ショで・・・・・・」
僕の胸を鷲掴みしていた冬琉会長の右手が、徐々に下の方に動いてくる。これ以上はさすがにマズい・・・・・・逃げなければと思うのだけれど、僕の動きを読んできるかのように先回りをされてしまい、逆に身動きができなくなってしまう。
「み、操緒が見ています・・・・・・」
「そう・・・・・・でも、私には見えないから安心して。操緒さんには、見た事を誰にも言わないように言っておけば大丈夫よ」
操緒の名前を出してみたが、案の定逃げ道を塞がれてしまった。実のところ、いつの間にか操緒は姿を消してしまっている。
そうしているうちに、冬琉会長の手がスカートの上から僕の膨らんだ部分に到達した。慣れていないのか、その手つきは多少ギクシャクしていてもどかしさがある。それが逆に何とも言えない気持ちよさを感じさせている。
「ひとつ教えてあげましょうか。まだ夏目くんの写影体・・・・・・操緒さんは、まだ感情があるのよね。
その状態なら、多少の感覚の共有はしているのよ。ましてや、今のK鐵は安定装置(スタビライザ)をインストールしているでしょう?つまり、演操者の快感は写影体にも伝わっている・・・・・・どういう意味か、わかるわよね」
サラリととんでもない事を言う。そう言えば、この人はK鐵の元演操者だった。
670ともはさん 初体験:2010/03/02(火) 23:55:53 ID:XRhKyOSp
-後編-

そんな事を言いながらも、服の上からとはいえ僕の息子を擦る冬琉会長の手が、強弱をつけながら僕を快感へと導こうとしている。僕の息も荒くなり始めている。
思わず膝の力が抜けた瞬間、タイミングを測ったように冬琉会長はソファへと座り込んだ。引きずられるように僕が倒れこんだ先は、冬琉会長の膝の上だった。
「と、冬琉会長・・・・・・」
すっかり上気した冬琉会長の顔が至近距離に迫る。
「可愛い・・・・・・」
その囁きの直後、僕の唇に甘く軟らかい感触が感じられた。冬琉会長にキスされたと理解できたのは、それからしばらくしてからだった。
「むん・・・・・・うん・・・・・・ぅん、ぅん、ぅん・・・・・・」
最初はついばむようなバードキス。だんだんと、冬琉会長の舌が僕の唇を割ろうと蠢きはじめてくる。
その甘い誘惑に負けて冬琉会長の舌を受け入れたとたん、僕の舌は乱暴に蹂躙された。
先ほどまではスカートの上から刺激を与えていた右手が、いつの間にかスカートの内側に潜り込んでいる。そんな事にも僕は気付けなかった。
あまりの快感に身を捩ろうとするが、冬琉会長の左手がそれを許してくれない。それどころか、パットの入った胸から素肌であるわき腹からバストの裾野辺りを刺激している。

「はっ、はっ、はっ、はっ・・・・・・ぅうぅぅう、っん」
すでに僕は息苦しくなっている。しばらく前から頭のなかに霞がかかってしまって、まともな思考に至らない。
最初は腰の奥にあった熱い塊が、だんだんと出口を求めて暴れ始めている。
「ともはさんは初めてなのよね・・・・・・」
いつもの凛とした口調ではなく、甘く囁くように冬琉会長が僕の耳元で語りかけるが、僕にはもううなずく事でしか返事ができなくなっていた。
「出しちゃいましょうか、ともはさん」
どういう意味か理解に至らないまま、冬琉会長は僕と身体を入れ替えて組み敷く格好になった。
冬琉会長は手慣れた手つきでスカートの中に入っていた左手だけで僕のショーツを捲りおろした。ゴムで一度引っ張られた僕の息子が、勢いをつけて短いスカートを持ち上げながら元に戻る。
「ともはさん・・・・・・女の子なのにおかしいわね。こんなにおっきくてカタいものがあるなんて」
それを擦りながら、冬琉会長が僕の耳元で囁く。そうは言われても、羞恥と快楽でマヒしていて僕はただ喘ぐだけだ。
「返事もできないのね。そういう娘には、お仕置きが必要かしら・・・・・・」
その声が遠ざかったと思ったら、僕の息子が熱く湿ったものに包まれた。

「あぅっ・・・・・・」
白く霞みきった僕の意識が一瞬引き戻され、次の瞬間もっと濃いピンクの霞に覆われた。冬琉会長が僕のものを口に含んだと意識したのはその一瞬のみ。
腰の奥で熱くたぎっていた塊が、さらに熱く蕩けさせられる。出口を求めて無意識の内に腰が前後に動いてしまう。冬琉会長はそれを見切っているかかのように、あと少しというところで力を弱めてくる。
「かっ、会長・・・・・・もっ、もうダメです・・・・・・」
そう言っても冬琉会長は手を緩めてはくれない。腰に溜まった熱いものが、溜まれば溜まるほど意識だけが覚醒してくる。冬琉会長にフェラチオされているのは理解った。けれど、体が言う事を聞いてくれずに腰の動きを止められないでいる。
このままでは冬琉会長の口の中に解き放ってしまう。そう思った時・・・・・・
「ひぃわょ、ふぉのまま出ふぃて・・・・・・」
口に含んだまま喋ったその振動が、僕がこらえていた堤防の決壊の決め手になった。
「あっ、あっ、ああぁ〜〜〜〜〜ぁ」
今まで生きてきた中で、これほどの大声を出した事があっただろうか。そもそも、自分では声になっていたのかすらも理解らない。
溜まりに溜まった迸りが、これ以上ないというくらいの勢いで体の中を駆け抜ける。
「んっ」と息を止めて、それでも僕の迸りを口の中で受け止める冬琉会長。
「んっ、んっ、んっ・・・・・・、」

薄れゆく意識の中で、僕は冬琉会長の喉が動くのを見ていた。
あぁ・・・・・・飲んでくれてるんだ。。。。。。
そう思っていた僕の耳に、冬琉会長の声が聞こえていたような気がした。
「とりあえず、今日はここまで、ね。
また明日も来る事、いいわね!」
・・・・・・聞こえなかった事にしておけないでしょうか、冬琉会長ぉ。。。。。。
671名無しさん@ピンキー:2010/03/02(火) 23:57:08 ID:XRhKyOSp
こんな感じでいかがでしょう?

僕にはこれが限界(w
672名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 00:01:03 ID:I8GQ4f+d
GJ!
職人さんサンクス!
673名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 00:04:01 ID:ELAeRYZg
冬琉会長エロすぎ

そういや智春は年上大好きだったな
674名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 00:05:27 ID:0Bw+0zdT
神職人登場の巻〜

可能ならば>>629とか>>630をやってもらえると、俺はもうこの世に悔いはない
675666:2010/03/03(水) 00:41:57 ID:ONRIK5dT
ごめん。先に「俺妹」の京介×黒猫を書きたい・・・
ってか、書いてる途中なんで。。。(^^;ゞ

それに、そのオーダーは難しいっす。チビ直×律都は、もちろんチビ直受けですよねぇ。
六夏会長だと、こうなっちゃう(w


「お願いします!僕の、初体験の相手をしてくださいっ!」
僕は必死になって懇願していた。相手は、そう・・・・・・第二生徒会の会長である倉澤六夏その人だ。
それは、いずれ来るであろう嵩月との契約の際の事を見据えて、だ。当然、嵩月は男性経験なんて無いんだから、僕がリードしなくちゃいけない。
その為には、僕が女性経験をしておかなければ。そう思ったからだ。
ごめん、嵩月。これは決して不実じゃない・・・・・・たぶん、不実じゃない。。。。。。きっと、不実じゃないはずなんだ。

「なに言ってんの、アンタはっ!そんな事、黒崎にでも相手してもらえばいいじゃないのっ!
それに、私は安くはないわよ」
「朱浬さんじゃダメなんですよ。すぐに嵩月にバレますし、あの人、面白がって言いふらしそうだから。
その点、六夏会長なら黙っててくれるかな・・・・・・と。
ヤッてる最中は、姫笹さんに操緒の相手をしてもらって・・・・・・」
と言ってるあいだにも、六夏会長の顔がみるみる紅くなっていく。僕が疑問に思っていると、六夏会長は僕の頭を抱えるようにして、耳元で小声になって怒鳴りつけてきた。

「私だって初めてだ。アンタは私をそんな風に遊んでるように見ていたって事だね、夏目智春っ!」
午後の授業を控えて、まだ三つ編み&メガネでオブラートされているにも関わらず、今まで見た事がない程の悪人ずらの六夏会長の顔が、僕の目の前にあった。
ヤバい・・・・・・今にも翠晶でゲルにされそうだ。放課後まで持つか?僕の命っ!


エロにならん(爆
こっから先、エロにできる人、書いてくれていいっすよ!
と、投げる。
676名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 00:45:55 ID:0Bw+0zdT
>>675
エロくはないが、それも普通に面白いよ。
忙しいなら無理言ってすまなかった。
智春×嵩月、智春×会長GJだった。ありがとう!
677名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 00:46:14 ID:1kkKiKUp
s
678名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 01:12:39 ID:ONRIK5dT
いゃ、向こうは長編が掲載途中みたいなんで、書いてるけど時間はあるんだけど・・・

智春×奏の契約シーンは、原作12巻を読んでいた時から漠然とイメージしていたし、
冬琉会長は、6巻の初登場の時から考えてたから、文章にするだけで良かったんだけどね。

-契約- も、その先・・・・・・操緒が、指折り数えた最初以外は、奏の方が積極的に
なって智春がヘタレる、ってイメージだったんで。ただ、それだけの大作にするだけの
文章力は、僕には無いっす。

14巻のネタで、ライトなスカエロ、誰か書いてくれんかね(^^;


「こんなところで漏らすよりマシよ!それともあんたはそういう趣味があるの?」
「・・・・・・・・・・・・あっ、ありませんよ?・・・・・・・・・本当ですって!」
「夏目智春。その間はなに?なぜ、どもる?念を押す?
その右手に隠したペットボトルの空き瓶はなんだ〜〜ぁっ!」


って感じで(w
679666:2010/03/03(水) 17:00:21 ID:ONRIK5dT
>>638 の前振りを考えると、こんな感じだろうか。
ドジ・ショタ・黒属性の律都攻め×(まだ)ピュアなチビ直貴受け


「ようやく完成したわね」
神(デウス)に対抗するために造られた、中央渦界領域(セントラル・ボーテックス)とそこから次元をコントロールする次元潜行チェンバー“うずしお”。
夏目直貴という歳若い・・・・・・というか、幼い?天才が現れなければ、この次元では間に合わなかった事でしょうね。
私は潮泉律都。正真正銘、最強の悪魔。次元を股にかける事ができる唯一の存在よ。

「あのさ・・・・・・律都さんが”うずしお”に入っちゃったら、別次元の律都さんと意識共有できなくなるんじゃ?」
ようやくマシンが完成して皆が祝福の騒ぎをしている中、プロジェクトの中枢の一人となっていたその天才少年・夏目直貴が、私に声をかけてきた。
「ん〜〜、な〜に〜?」
「だから、律都さんが”うずしお”に乗っていっちゃったらダメじゃん、って」
ハッ・・・・・・そうだった。私には、この次元に残って他の次元の私がどういう状況なのかを観る役目があった。
とはいえ、私クラスの悪魔で”うずしお”のコントロールができる人なんて居ないし。。。
「ったく、アタマいいくせに抜けてるんだから。どうせパイロットの事なんて考えてなかったんでしょ」
言われて怒るのは図星を刺されているから、とは良く言ったものね。最悪、従姉妹の奏ちゃんに頼もっかくらいにしか考えてなかったのは事実だけど・・・・・・。
ちょっとこの子の言い草にムカっと来てたのは事実よ。だから・・・・・・

喰っちゃおっかっ!

と、思ってしまったのよね。
悪魔みたい?だって、私は最強の悪魔ですもの。
さて、どうやって誘おうかしら。この子が私に警戒しないでついてきて、なおかつ事ができる場所・・・・・・
味気ないけど、私の研究室の仮眠ベッドしかないかしら。あそこなら鍵も掛かるし、何かあってもすぐに呼び出しに応じられるでしょうし。

そんな事を考えてるとは億尾も出さずに、直貴くんをいつもの優しい笑顔(自分で言うなって?)で誘い出す事にした。
「お姉さんのミスね。ごめん。
一緒に人選してくれるかしら。リストは私の研究室にあるから。
ここじゃ騒がしいし、バレると恥ずかしいから、研究室で話し合いましょ」
「しょうがないなぁ。また尻拭いかよ。
最後の最後までこうなんだから」
一片の疑いもなく誘いに乗ってくれたわ。さあ、お姉さんが一から十まで、女の隅々まで教えてア・ゲ・ルからね。天国まで逝かせてあげるわ。魔界に行く前に、ね。

続く・・・・・・には、何かが降りてこないと。。。(w
680名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 20:14:00 ID:ELAeRYZg
是非続いてくれ!
681名無しさん@ピンキー:2010/03/03(水) 20:21:16 ID:EwM5dxl4
なんだかんだ言って書けちゃってるw
才能の塊だろ!
682666:2010/03/04(木) 18:09:07 ID:DK5d+qmv
いぁ、>>679はこれ以上は今ンとこムリ・・・

679 は「喰っちゃおっか!」が頭に浮かんで、そこに持っていきたかっただけなんで。
代わりに、一本投下しておく。
原作が続いていれば16〜7巻目辺りってこんな感じかな?ってヤツ。

大アニア×智春のつもりで考えてたら、どうも奏を含めた3ピーになりそう(w
ちょっちペースを落としていくんで、今度は2〜3日空くかも。

こっちの文章書いてたら、「俺妹」の方がアスラクラインの文体になる・・・・・・
683666:2010/03/04(木) 18:11:00 ID:DK5d+qmv
1

「智春、奏。少し話がある。悪いが奏、これから鳴桜邸まで一緒に来てくれ」
放課後、帰り支度をしている時にアニアからそう告げられた。別に、今日は用事も無いし、科學部も顔を出さなくてもいいだろう。教室を出て行こうとしていた樋口に、ひと声だけかけておくか。
「お〜い、樋口。ちょっと用事ができた。科學部には顔を出さないから、よろしく」
その声に振り返った樋口が
「なんだ?智春。おっきなチビっこと3ピーか?
まあ、頑張れよっ」
「そんなんじゃないよ・・・・・・アニアが何か僕らに用事があるんだって」
察しのいい樋口は、そのひと言で魔神相剋者としての僕に用があると判断してくれたようだ。
知っていて余計な詮索をしてこない樋口の性格は、こういう時は助かる。
この時は、まさかこの後あんな展開になるとは思わなかったんだ。

僕と操緒は、アニアたち科學部の尽力と和葉のおかげで、何とか元の世界に戻る事ができた。僕らも無事?進級して、いまは高校2年生だ。
朱浬さんは3年生になり、科學部の部長と第3生徒会の生徒会長を兼任している。樋口がその部長代理だ。
だから、樋口にひと言いっておけばサボりにはならないだろう。

僕と嵩月は、クラス公認の仲となった。トロいせいもあって感情をあまり表に出さない嵩月が、僕の周りに寄ってくる女子生徒をあからさまに警戒したからだ。
これはその・・・・・・・うれしくもあり、なんだけど、クラス(特に男子生徒から)の視線が痛かったりする。気軽に寄ってくる女子生徒は、アニアの他は科學部と生徒会関係以外では、杏だけだ。

アニアは、いまだに鳴桜邸に下宿している。嵩月は、相変わらず潮泉の庵(超弦重力炉の起動の時、かろうじて被害を免れたらしい)に住んでいる。
朱浬さんは、なぜか鳴桜邸に転がり込んできた。メカ朱浬さんの格納庫として地下の冥王邸を使うからという理由らしいけど・・・。たぶん、本当の理由は、自炊するのが面倒くさいだけなんじゃないかと思う。
それに、僕の義妹の和葉。この4人(プラス1体)が、今の鳴桜邸の住人になる。

学校からの帰りの道すがら。アニアは、思いつめた顔で一歩前を歩いている。
朱浬さん(生徒会の仕事で帰りが遅い)や和葉(科學部や第3生徒会でいいように使われているのでそれなりに帰りが遅い)に声をかけていないという事は、科學部関連でありながら朱浬さんや和葉に聞かせられない話、という事になる。
『なんだろうね、話って』
操緒が呟くが、そんな事は僕の方が訊きたい。操緒の呟きに、僕と嵩月は首を傾げる事で答える。
僕らは、それほど会話の無いまま、鳴桜邸へと帰宅した。

話があると言うので僕らがリビングに行こうとすると、アニアが
「すまん。私の部屋へ来てくれ」
とひと言、短く言った。
僕ら三人は、頭の上にハテナマークを浮かべた。
「少々込み入っている。盗聴の心配じゃなく、大きな声で話したくないだけだ」
盗聴って・・・うちは、そんな心配がまだあるのか?
と、ツッこむべきアニアは、さっさと自分の部屋に入ってしまう。仕方なく、僕らもその後を追った。

僕の部屋(元・物置)より広いが年頃の女の子らしい小物・・・中には運気を得る為の骨董品や古人形も混じっている・・・が多くあり、明るい感じがする。それに、甘いいい匂いも・・・嵩月、そんな顔で見ないで。本当の事なんだから。
「適当に座ってくれ」
小さな座卓を前にして、僕と嵩月が座る。それを待ってから、アニアがおもむろに話しはじめた。

「いい話と、悪い話がある。順序からするといい話が先になるので、そちらから話すぞ」
僕と嵩月は顔を見合わせ、アニアに向かって肯いた。
「実は、先日ようやく副葬処女分離器(ベリアルドール・スプリッタ)が完成した。それが、いい話のメインだ」
「え・・・・・・いま、何て?」
僕は、一瞬耳を疑った。加賀篝とアニアの姉・クルスティナさんが造ったやつは、僕らがこの手で破壊したはずだ。それが・・・できた?
「副葬処女分離器が完成したと言ったんだ。姉さまが造ったやつをモデルにして、な。
お前たちが次元の狭間をうろうろしている時に、コツコツと造りあげたんだ。感謝しろよ。
それが話の大元だ。判ったら、次へ進むぞ」
「あ、、、ああ。頼む」
僕は、呆然としながらもアニアに先を促した。
684名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 19:12:11 ID:BXlCRiYt
操緒もまぜて4Pに
685名無しさん@ピンキー:2010/03/04(木) 20:36:16 ID:pRcodF74
大作の予感
焦らず書いてね


>>684
佐伯兄妹もまぜて6P希望
686666:2010/03/04(木) 22:50:55 ID:DK5d+qmv
ふっ、とな。。。ふっ、と思ってしまったんだが・・・

アニアにフェラされた時に、初めてのアニアが間違えて噛んで吸ったら・・・・・
男として、それはもう不幸になるのではなかろうか、と(w
687名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 17:03:48 ID:IwjbZtgR
それは男だったら誰に噛まれても不幸だよ。
アニアも朱浬さんも冬琉会長も六夏会長もかわいいよ。
ところで悪魔との多重契約はできるのだろうか?
たくさんの悪魔と契り、たくさんの子供。
688名無しさん@ピンキー:2010/03/05(金) 19:59:54 ID:y/s4WNCF
できるとは思うが戦えば確実にどちらも死ぬ
そういう変なところにシリアスなのがこの作品の魅力だと思う
689666:2010/03/06(土) 11:52:10 ID:WnTFPXSe
2

操緒をこの世にまた戻す。その為に僕は今まで戦ってきた。その願いが、ようやくかなう?
嵩月は薄々知っていたのか、顔色を変えてまで慌てているのは僕だけだ。
「落ち着いたか?智春。続けるぞ。
で、この副葬処女分離器で分離できるのが、だな。。。操緒、おまえはたぶん、大丈夫だ。
それから、ちゃんと会わないとわからんが、亜鉛華の副葬処女は大丈夫だと思う」
ああ、GDのマロ眉さん、ね。千代原はる奈さん、だっけ。そういえば、彼女の副葬処女には会った事が無いね。
「問題は、元・第2生徒会の会長だ。姫笹とか言ったか?あの射影体」
六夏会長にいつも寄り添っている、影の薄い射影体の姫笹さん・・・彼女が?
「ああ。たぶん、分離しても自我の確保ができないだろう。元々病弱だったようだしな。
一巡目の世界の時に”うずしお”の中でなら生きていられた奏のようなもんだ」
そうか。。。何ともいえない・・・どうやって六夏会長に話せばいいんだ。

「まあ、それはしょうがない。なんなら、私から話そう。というか、私から話した方がいいだろう。
それに、問題はそこじゃない。もっと大きな問題があるんだ」
アニアは副葬処女分離器を完成させた時に気付いていたのか。その話を軽く流して、さらに言葉を進める。
「この副葬処女分離器を動かすのに問題がある。
それが、悪い話の方だ」
何の問題があるんだろう。今なら、僕と嵩月の魔神相剋者としての魔力があれば、加賀篝よりも大きな魔力になるはずだ。
「いや、動力としての魔力は、お前たちの力で問題が無い。
問題があるのは、私の方なんだ・・・・・・」
アニアが力なく項垂れてしまう。何の事だ?
「姉さまが造った副葬処女分離器は、姉さまが魔神相剋者の片棒という立場で確立操作をする事が前提なんだ。
だから、同じ歳まで成長したとはいえ、私の魔力では全然足りないんだ」
悔しそうにアニアが言葉を続ける。
「だから、今の状態では副葬処女分離器を動かせない。
これが、悪い方の話だ。理解してくれたか?」

つまり、機械はできたけど動かせない、と。何か方法は・・・・・
「ひとつだけ、方法がある」
そんな考えに陥っている時、気丈にもアニアが言葉を続けた。
考えてはあったんだ。なら、なぜそれを・・・・・・
「あるんだが・・・・・・」
言い澱む?
「あるんなら、やってくれ。僕らの力が必要なら、いくらでも協力する」
隣で嵩月も頷いている。操緒をまたこの世に呼び戻す。そのために僕らは命がけで戦ってきたのだから。
「それはありがたいのだが・・・・・・いいのか?奏」
なんで嵩月に訊くんだろう。足りない魔力を補う・・・・・・と考えて、僕はひとつの事に思い当たった。
まさか。。。

「ん?智春は思い当たったようだな」
ニヤリと悪魔のような・・・・・・そういえば、アニアも悪魔か・・・・・・笑みを浮かべて、話を続ける。
「私も演操者と契約して、魔神相剋者の片棒になればいい。そういう事だ」
ちょっ、ちょっと待て、アニア。それって、まさか僕・・・・・・
「智春と契約を結んで、私も魔神相剋者の片割れになる。
どうだ、智春。私の契約者となるか?」
なんで嵩月を呼んだのか、今になって判った。そりゃ、嵩月抜きで話はできないだろう。
自他共に認める公認の彼氏に、他の女・・・しかも自分・・・を抱け、と言うなんて。

この時。
操緒はニヤニヤと・・・・・・
僕は慌てふためき・・・・・・

そして、嵩月は青ざめていた。
690666:2010/03/06(土) 11:58:58 ID:WnTFPXSe
666だす。第2話を投下しました。

多重契約ですが、第4話にてアニアから説明させます。
一応、原作には記載されてませんので、今回は「できる」けど「やらない」という事にしてあります。
まぁ、二次創作なので、その辺はツッこまないでください(^^

エロになってませんが、もうしばしお待ちを。


にしても、過疎ってますねぇ。主人公がギャルゲーのプレイヤーキャラで、多種多様な女の子が
出てくるのに。しかも、原作がああいう続きを考えさせられる終わり方をしてるのに。
691名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 11:54:43 ID:z40rQNdO
>>690
支援

まったくだ。なぜ人気が出ないのか?
692666:2010/03/07(日) 12:58:07 ID:Cy/lLyaV
無意識領域にて -1-

僕は、玄い闇の中にいた。
「あー、また無意識領域か」
夢の中だと言う事がわかってしまう夢って、どうなんだろう。
「今度は、誰が出てくるのかな・・・・・・」
最初の時は、飛行機事故のときそのままの操緒だった。二度目は一巡目の智春。三度目の今回は・・・・・・と思っていると

『ねえ、智春(トモ)・・・・・・智春(トモ)って、こういう嗜好があったの?操緒に、こんな事したかったんだ』
そこには、今の姿の操緒が浮かんでいた。洛高の制服を着ている。ただ、何かに磔にされているように、身体を大の字にしている。
「何て格好をしてるの?操緒」
不思議に思って問い掛けてみるけど
『智春(トモ)のせいでしょ。手も足も動かせないの』
潜在的な僕の願望?いや、欲望なのかな?いつもお姉さんぶってる操緒を好きなようにしたいという。
『操緒にこんな格好させて、智春(トモ)はどんな事をしたいのかな〜』
操緒の顔には、まだ余裕がある。態度もだ。でも、操緒は忘れてるみたい。この領域なら、僕は操緒に触れられるって事を。
だから言ってやったんだ。
「いいの?操緒。そんな態度で」
僕は、操緒に近付いていった。
『あっ、ヤ〜らしいかおぉー。嵩月さんに言いつけちゃおっかなー』
そっちがその気なら、僕の方は言いつけられないような事をするまでだ。
「いいよ。言いつけられるもんなら言いつけてみなよ」
その時の僕の顔は、どんなだったんだろうね。なんせ、操緒の頬がヒクついていたくらいなんだから。

「いつも、気になってたんだよね。僕の顔の前でヒラヒラしている、操緒のスカートの内側がどうなってるのか」
僕は、操緒の短いスカートの裾に指をかけた。その時になってようやく、操緒は事態を把握したみたいだった。
『あれ、触れてるの?智春(トモ)、なんで?』
「だって、ここは僕と操緒の無意識領域だから。
って事は、あれ?操緒は僕にこうされたい願望があったの?」
そうだ。この領域は、僕と操緒の自我の境界線だった。僕の欲望も具現するけど、操緒の欲望も具現するんだった。
『そ・・・・・・そんな事、あるわけないじゃん。智春(トモ)の願望が強すぎたからじゃん。
今ならまだ許してあげるから。嵩月さんにも言わないであげるから・・・・・・』
ははぁ?否定はしてるけど、言い淀んでるのは、少しは僕にこうされたかったって事かな。だから僕は、操緒のスカートを捲り上げてあげたんだ。
『あっ、、、智春(トモ)のエッチぃ・・・・・・』
エッチぃ・・・・・・って。これからもっと凄い事をするつもりなんだけどね、僕は。
「へー、意外とシンプルで可愛いのを穿いてるんだね、操緒って」
コットンが素材の、淡いブルーと白のストライプ。少しハイレグ気味だけど、それほどきわどくない。サイドが狭いビキニタイプだ。
僕は、スカートを持ち上げている手と反対側の手で、剥き出しにされている操緒の内腿を撫で上げた。
『あっ、いやっ・・・・・・くすぐったいよ、智春(トモ)。。。』

操緒は僕と一緒に中学校へ入学する春に射影体になった。もちろん、男性経験なんて無いはずだ。だから、まだ性感帯が開発されてないのかな。
何度か手を往復させるが、くすぐったさより先にいかないみたいだ。だから、僕は責め方を変える事にした。
「上はどうなのかな?」
『えっ?』
僕は、操緒の制服の上着を捲り上げ、その下のブラウスのボタンを下から外していく。
『やっ!やめて、智春(トモ)・・・・・・、いやぁ。。。』
身を捩って逃げようとしてるけど、両手両脚を磔けられているので思うように逃げられない。僕はそれほどの苦労も無く、操緒の服を肌蹴させた。
ショートタイは着けたまま、上着を捲り上げてブラウスのボタンは一番上は留めたまま。
捲り上げたスカートの前身ごろは、ウェストのベルトのところに引っ掛けてある。まさに、着乱れた制服姿だ。
『ふ〜〜ん。智春(トモ)って、こういう嗜好だったんだ。嵩月さんに言っちゃお〜〜っと』
ほっといてくれっ!そんな余裕も今のうちだけだ。ショーツとお揃いの、胸元に淡いブルーのリボンがついたストライプのブラは、もう僕の目の前にある。
僕は、そのブラの上から操緒の慎ましやかなバストにそっと手を触れさせた。

続く
693666:2010/03/07(日) 13:00:15 ID:Cy/lLyaV
無意識領域にて -2-

「小さいのを気にしているようだけど、操緒のおっぱいも可愛いよ」
『あっ』
確かに、男としてはさほど大きな手じゃない僕の掌にすっぽりと収まる操緒のおっぱいは、女の子が気にするくらい小さいのかもしれない。
でも、ブラの上から触っただけで声が出るくらいだから、感度はいいんじゃないのかな?小さい方が感度がいいって言うし。
「気にすることはないよ、操緒」
『あっ、やっ・・・・・・んっ』
どうにかして僕の手から逃げようとしてるけど、手足を拘束されてるんだから無理だって。
一生懸命、身を捩る操緒の姿が可愛らしい。
『ダメ・・・・・・智春(トモ)。。。くすぐったいって』
まだ快感には至ってないみたい。だから、僕はブラを外して直接触る事にした。
『あっ・・・・・・いやっ』
半泣きの操緒の顔なんて、そうそう見られるもんじゃない。いっつも強気な操緒を泣かしてると思うと、逆に嗜虐心が湧いてきた。
ブラを上にずらして、さっきより強くおっぱいを揉んでやる。
『あっ!あっ!!あっ!!!』
小振りなおっぱいの頂にある小さな乳首を人差し指と中指で挿んで、少し強めに擦りながらおっぱい全体を揉みしだくと、操緒のおっぱいが面白いように形を変える。
『あっ、あっ・・・・・・智春(トモ)。。。変な感じがするっっ!』
操緒のあげる声が、湿っぽく変わってきた。
「変な感じじゃなくてね。それは気持ちいいって言うんだよ、操緒。。。
気持ちいい?」
僕の問いかけに、操緒は力強く何度も肯いた。

ひとしきり操緒のおっぱいを弄んだあと・・・・・・
「さて、こっちはどうなってるの?操緒」
先ほどは触らなかったスカートの中に隠されていた布地・・・・・・ショーツの舟底に僕は指を這わせた。案の定、すでに表地からでもわかるくらいに、そこは濡れていたんだ。
『はっ、はっはぁ〜〜〜んっ』
普段の操緒からは考えられないくらい艶っぽい声をあげた。
「もうビッショリだね、操緒」
『言っちゃいやぁ・・・・・・智春(トモ)のイジワル〜〜ぅ』
たぶん、操緒から見たら普段の僕じゃないように見えるんだろうなあ。でも、その操緒は、もう乱れ始めていて覚えていないだろう。
『あん、ぁんんん・・・・・・』
僕の指に、素直な反応を示す操緒。そんな操緒の姿が可愛くて、ついつい力が入ってしまう。その拍子に、僕の指先が操緒の一番敏感な肉芽に引っかかった。
『はっ!ぐぅぅ・・・・・・』
押さえつけられている操緒の腰が跳ね上がった。
「ん、ごめん。
操緒があんまり可愛かったから、加減ができなかった。ごめんね、操緒」
『んっ、むぅぅぅ』
僕は操緒の唇に吸い付いた。そういえば、操緒とキスしたのってこれが初めてになるのかな?たぶん、操緒もファーストキッスじゃないだろうか。

かわいそうな事をしたかな、と思ったのもつかの間だけだった。唇の柔らかさに心を奪われて、何度も求めてしまった。でも、操緒はそれに応えてくれたんだ。
『「ん、むん、くっ、、、はむっ。。。んっ」』
ちょっとした操緒の隙をついて、僕は操緒の口内に舌を割り込ませていった。しっとりと濡れた口腔と舌を蹂躙してやる。
『んっ、んっ、、うんっ、、、』
左手は乳首とおっぱいを、右手ではショーツの舟底をまさぐってやると、操緒は面白いように反応するようになった。操緒の口腔内で、僕の舌と操緒の舌が絡み合う。
僕は、ショーツの舟底をまさぐっていた中指を、股ぐりからその内側へ忍び込ませた。
『!!!!!!!』
操緒が声にならない悲鳴をあげた。僕は操緒の唇から離れてやる。
『ダメ〜、智春(トモ)〜〜〜!』
僕の中指が操緒の膣口を捕らえたからだ。僕はそのまま、中指を入るところまで押し込んでいった。第一関節辺りまで入ったところで壁に突き当たった。
「ダメって言っても・・・・・・操緒はパクパクしてるよ?指が千切れちゃいそうだ」
そう耳元で囁いてやると、操緒は強く首を振って否定する。けど、実際操緒の膣口は、僕の指を飲み込もうと強く煽動してるんだ。

続く
694666:2010/03/07(日) 13:01:55 ID:Cy/lLyaV
無意識領域にて -3-

『智春(トモ)・・・・・・もぅ、、、もぅ・・・・・・おかしくなっちゃうっ!』
初めての刺激に、操緒の方はかなり限界みたいだ。こんな痴態をさらしたのも初めてだろうしね。
僕だって、嵩月と契約したあの行為がなかったら、すでに果ててたかもしれない。だから、先に操緒をイかせてあげる事にした。
「そのまんま、感じるのに任せて・・・・・・イッっていいよ、操緒」
そう言いながら、僕は操緒の乳首を口に含んだ。そこはもう、コリコリに勃起していた。舌と唇でそれを転がしてやる。
『!!!!!!!!!!!!』
悲鳴にならない悲鳴をあげて、操緒が全身を痙攣させた。

気絶に近い失神をした操緒を、僕は服の上から愛撫してやる。イッったあとの女の子に強い愛撫は逆効果なのは、嵩月に教えてもらっている。
「操緒・・・・・・僕はもう、ヘタレ童貞じゃないんだよ」
操緒の耳元へ、囁きながら軽いキス。そして、操緒の意識が戻るのを確認しながら、キスを全身に・・・・・・。
『智春(トモ)って、やっぱりスケベ・・・・・・操緒に服を着せたまま拘束してなんて。
操緒は、智春(トモ)なら何をされても嫌じゃないのに。。。わかってるクセに・・・・・・』
操緒がそんな事を言う。この状況じゃ、反論できないけどさ。
でもさ。男子の夢だよ、好きな女の子を制服のまま陵辱するのって。そんなことを言う操緒には、もう一回お仕置きかな、と思って・・・・・・
びしょ濡れになった操緒のショーツに口をつけたんだ。
『あんっ、いきなりっ・・・・・・智春(トモ)っ、そこっ、ダメっっ!』
大きなエクスタシーを超えた直後にこの口撃は、処女の操緒には激しかったかもしれない。だけど、お仕置きだからね。加減はしないよ。
『んっ、ダメっ、だっ、たらぁ〜』
すぐに快感の波が押し寄せてきたみたい。
僕は、ショーツの股ぐりを捲り上げると、操緒の肉芽を直接吸い上げた。
『はぅ、あっ、、あぁあ〜〜〜ぁ!!!』
操緒が、腰だけ別の生き物のように激しく跳ね上げさせようとしている。でも、拘束されているので、厭らしく前後に動いているだけだ。
そんな操緒の姿を見て、僕が我慢できるはずがなかった。

「操緒、いくよ・・・・・・」
僕は操緒の入り口に向けて腰を進めた。両脚を拘束したままなので、ショーツの股ぐりを捲ってその下にある媚肉のスリットを開き、操緒の膣口を剥き出す。
『いいよ・・・・・・智春(トモ)とひとつになれるんだね』
僕は肯いて、肉棒を操緒の中に埋めていく。先ほど中指が突き当たったところで、一度腰を止める。
『思い切って来て。操緒は大丈夫だから・・・・・・』
拘束されてなければ、僕に抱きつきたかったんだろう。でも、これは僕の夢の中・・・・・・僕のしたいようにさせてもらうよ。
僕は、思い切って操緒の膣内に進入した。

メリッ・・・・・・

『はっ・・・・・・ぐぅ。。。。。。』
操緒が深く息をして止めた・・・・・・その目に涙を浮かべて。
僕は、突き当たるところまで侵入して腰を止めた。そのまま暫くじっとしている。拘束された操緒の身体を抱きしめてやる。
薄いおっぱいを通して、操緒の心臓の鼓動が伝わってくる。スレンダーなわりに柔らかい操緒の身体が気持ちいい。
『っは、、、っはっ・・・・・・っはっっ。。。』
少し呼吸が戻ってきてるけど、まだ吐く息より吸う息の方が多い。僕は、抱きしめた両腕で、操緒の背中をさすってあげる。
「だいじょうぶ?無理をしなくていいからね」
耳元でそう呟いてやると
『智春(トモ)・・・・・・優しい。。。
なんか、しゃくだな〜。こんな優しい智春(トモ)、嵩月さんも知ってるんでしょう?』
この状態で、そんな事を言う余裕がありますか?操緒さん。
『おなかの中に智春(トモ)を感じてる・・・・・・あったかいね、智春(トモ)』
余裕があるのか、いつもの憎まれ口なのか。でも、初めてでそんな余裕は操緒には無いだろう事はわかるよ。
ヘタレ童貞だった僕なら、操緒に構わず腰を動かしていただろうけど、僕はもうヘタレかどうかは別にして、童貞じゃないんだ。
だから、操緒を気持ちよくさせる事を優先した。

続く
695666:2010/03/07(日) 13:03:16 ID:Cy/lLyaV
無意識領域にて -4-

『動いても、いいんだよ』
うん。でも、そうする前にやる事があるよね。そんな事を言う操緒の口を、僕はキスで塞いでやる。両手で優しくおっぱいに刺激を与えてやる。
『ん、、、んっ・・・・・・んぅう〜〜〜、うっ!』
それにあわせて僕はゆっくりと腰を引いていく。
「まだ痛い?」
操緒にといかけると、まだ少し歯を食いしばってるけど健気に首を横に振ってくれた。
「少しづつ、動くよ」
処女地である操緒の膣内は、まだ硬くて渋い。僕はゆっくりと大きく腰を引いた。
『ァアッ!』
カリが段差のようなところを超えようとした時、操緒の口から悲鳴が上がった。まだ、そこを通るのは痛そうだ。
「ごめん・・・・・・もう一回だけ我慢して」
肯く操緒。
もう一度一番奥まで挿入して、今度は小さく動く事にする。

僕は、しばらく奥の方で小刻みに動いていた。操緒の、降りてきた子宮口を突付く感触がして、これはこれで気持ちが良かった。それに、操緒も少し感じてくれているようだった。
そのうちに、硬く渋かった操緒の膣壁が少しづつ煽動を始めた。
『あっ、あっ、あっ・・・・・・智春(トモ)。。。なんか、ヘン・・・・・・』
操緒の目に浮かんでいた涙は、もう消えていた。だから僕は、少しづつ腰の動きを大きくしていったんだ。
『あん、あん、あん、・・・・・・いぃ、いいぃ。。。。。。』
快楽を感じ始めてるのかな?操緒の声が、呼吸から嬌声に変わってきた。
顔つきも、いつもの顔から蕩けるような艶やかな表情に変わりつつある。
『なんで・・・・・・初めてなのにぃ。。。』
操緒の膣壁の動きが変わってきた。入り口の方はキツく、それでいて柔らかく。奥の方はさらに柔らかく、そして引きずり込まれるように。
ヤバい・・・・・・嵩月とはまた違った気持ちよさがある。

「操緒、イクよ・・・・・・」
僕の我慢の限界が近付いてきた。それくらい、操緒の腔内は気持ちいい。
『ん、いいよ・・・・・・操緒も、もう、すぐっ。。。だからッ』
だから、僕が外に射精そうとして腰を引いた時
『膣内で・・・・・・大丈夫だからっ!』
その言葉に、僕は再び一番奥まで腰を進めたんだ。
『あっ、っはっあぁ〜〜〜〜ぁあぁぁんっ!』
最奥で、僕の肉棒が弾けた。操緒の子宮口の、さらに奥を目指して僕のタネが迸る。その感触が僕にも伝わってきた。
手足を拘束されたままの操緒が、全身を震わせている。両手は握り締められ、両足の指も握るように力が入っている。
全身の力が抜けた後も、最後の一滴まで搾り取ろうとするように腰と膣壁が動いている。僕も、腰から先が無くなるんじゃないかと思うくらい気持ちよかった。

脱力した操緒の身体に覆い被さる。肉棒は、まだ操緒に飲み込まれたままだ。自分では抜く気になれないくらい、気持ちがいい。
操緒のおでこ、閉じられた両のまぶた、耳元、頬、柔らかい唇・・・・・・顔中にキスを降らせていると、操緒も気がついた。
『智春(トモ)のエッチ・・・・・・いつの間に、こんなに巧くなったの?
嵩月さんのおかげ?』
うん、否定はしないけどね。今は、その名前を出すのはマナー違反じゃないですか?操緒さん。
だから、僕はこう言うんだ。
「操緒の事が好きだからに決まってるでしょ」
そう言った時の操緒の顔は、それはもう可愛かったんだ。
『あっ・・・・・・』
操緒の胎内で主張していた分身も、力が抜けて操緒に押し出された。
『智春(トモ)が抜けちゃった・・・・・・』
一抹の寂しさを含んだ操緒の声と共に、僕らの意識と姿が霞みはじめた。

『そろそろ時間みたいだね』
別れを惜しむような操緒の声。
「でも、また逢えるよ。だって・・・・・・」
僕の言葉を、操緒がいつものセリフで引き継いだ。
「智春(トモ)には、いつも操緒がついてるよ。だから、だいじょうぶ』
その言葉と共に、僕は玄い闇に墜ちた。

続く
696666:2010/03/07(日) 13:07:41 ID:Cy/lLyaV
無意識領域にて -5-

目覚めたのは、鳴桜邸の自分の部屋だった。
「夢・・・・・・だったのかなあ。。。」
いつもの朝と変わらない。僕の頭の上では、操緒がパジャマのまま背中を丸めてまだ眠っている。
ベッドの上で背伸びをしていると、操緒が目を擦りながら目を覚ました。心なしか、顔を紅らめている。
『おはよ、智春(トモ)・・・・・・ヘンな夢、見ちゃった』
照れたような笑顔で僕に挨拶してきた。
「おはよう、操緒・・・・・・」
僕は、夢の内容を言うべきか迷っていたんだ。。。。。。けど、ベッドから出た時、操緒に先に見つけられてしまった。
マジですか・・・・・・。
『智春(トモ)・・・・・・何をヤらしい夢を見てたのかな〜〜。
もしかして、操緒を拘束して洛高の制服を着せたまま犯す夢かな〜〜〜』
「なっ・・・・・・」
夢・・・・・・だったんだよねぇ?

僕が迎えた朝は、妙に腰だけがすっきりしたいつもの朝だった。




始めた長編がなかなかエロにならないので、智春×操緒でエロを書こうと思ったら・・・・・・
思いのほか、長くなってしまいました(爆

そのワリにエロが薄い?
いぁいぁ・・・そういうツッコミは無しで(^^;

舞台は、奏との契約後なので智春は初体験済みです。
操緒は、どう考えても初めてでしょう。
そうすると、僕の中では智春がリードする事になるので、ヘタレにならないんです。

まぁ、(半)夢落ち?&夢精で落としたトコで勘弁してやってください。
697666:2010/03/07(日) 13:26:30 ID:Cy/lLyaV
すまねぇ・・・・・文章がみっつ抜けてた。。。OTL

無意識領域にて -5-

目覚めたのは、鳴桜邸の自分の部屋だった。
「夢・・・・・・だったのかなあ。。。」
いつもの朝と変わらない。僕の頭の上では、操緒がパジャマのまま背中を

丸めてまだ眠っている。
ベッドの上で背伸びをしていると、操緒が目を擦りながら目を覚ました。

心なしか、顔を紅らめている。
『おはよ、智春(トモ)・・・・・・ヘンな夢、見ちゃった』
照れたような笑顔で僕に挨拶してきた。
「おはよう、操緒・・・・・・」
僕は、夢の内容を言うべきか迷っていたんだ。。。。。。けど、ベッドか

ら出た時、操緒に先に見つけられてしまった。
マジですか・・・・・・。
『智春(トモ)・・・・・・何をヤらしい夢を見てたのかな〜〜。
もしかして、操緒を拘束して洛高の制服を着せたまま犯す夢かな〜〜〜』
パジャマ代わりにしているスウェットが、下着のトランクスごとパリパリになっていたんだ。しかも、テントを張らしたまま。。。
操緒がニヤニヤと僕の事を眺めている。
「なっ・・・・・・」
夢・・・・・・だったんだよねぇ?

僕が迎えた朝は、妙に腰だけがすっきりしたいつもの朝だった。




最初のじゃ、何を操緒が見つけたのか判りづらいよね。
698666:2010/03/07(日) 13:28:57 ID:Cy/lLyaV
度々スマン。(つw;)
改行がズレた、おかしい・・・


無意識領域にて -5-

目覚めたのは、鳴桜邸の自分の部屋だった。
「夢・・・・・・だったのかなあ。。。」
いつもの朝と変わらない。僕の頭の上では、操緒がパジャマのまま背中を丸めてまだ眠っている。
ベッドの上で背伸びをしていると、操緒が目を擦りながら目を覚ました。心なしか、顔を紅らめている。
『おはよ、智春(トモ)・・・・・・ヘンな夢、見ちゃった』
照れたような笑顔で僕に挨拶してきた。
「おはよう、操緒・・・・・・」
僕は、夢の内容を言うべきか迷っていたんだ。。。。。。けど、ベッドから出た時、操緒に先に見つけられてしまった。
マジですか・・・・・・。
『智春(トモ)・・・・・・何をヤらしい夢を見てたのかな〜〜。
もしかして、操緒を拘束して洛高の制服を着せたまま犯す夢かな〜〜〜』
パジャマ代わりにしているスウェットが、下着のトランクスごとパリパリになっていたんだ。しかも、テントを張らしたまま。。。
「なっ・・・・・・」
夢・・・・・・だったんだよねぇ?

僕が迎えた朝は、妙に腰だけがすっきりしたいつもの朝だった。




たぶん、これで決定稿。。。
699名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 13:30:04 ID:zmVYvFig
>>698
超乙
そして、もうちょっとモチケツ
700名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 13:40:18 ID:z40rQNdO
>>698

そして落ち着けw
701名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 14:45:51 ID:3ZAKid1b
GJ!
生きる希望がわいた
702666:2010/03/07(日) 15:31:54 ID:Cy/lLyaV
3回投稿しなおした分、落ちが落としきれなかったにゃ。。。

すまん。もうちょい、もちつくよ。
703名無しさん@ピンキー:2010/03/07(日) 16:28:38 ID:z40rQNdO
ドジっ子か
704666:2010/03/07(日) 17:49:03 ID:Cy/lLyaV
てへっ (ノ^ v ^ )

だって〜ぇ、ここのみんなが〜ぁ、ドジっ娘が〜ぁ、好きだていうから〜ぁ・・・


おゃ、何かが2chの方から飛んできましたね。



ご・・・・・・ごめんなさい、もうしません。。。(><;)
705名無しさん@ピンキー:2010/03/08(月) 15:38:26 ID:aHXULRuX
奏が恋人の智春がもてるの見て、嫉妬する話とか面白い気がする
706名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 00:17:14 ID:+iI6duHS
原作の中よりも終わった後の方が色々書きやすい…………と思いきやヒロイン確定していると言う……。
707名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:13:41 ID:noMHjAN3
なに、何ら支障はない
708名無しさん@ピンキー:2010/03/09(火) 23:15:15 ID:ryq8Hj47
>>705
病んできそうで怖いな・・・
709名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 00:33:00 ID:4AxdwdQU
私は、おはようのキスがしたくて――その欲求が抑えきれずに――夏目君の口枷を外そうと手を伸ばした。
夏目君だってもう、私はがどんな風に夏目君のことを思っているか理解してくれたはず。
無闇に声を上げたりはしないと思う。
口枷に手が掛かる。
なぜか夏目君の顔は怯えているように見えた。そんなわけないのに。
口枷が外れて、
「夏目君――」
「この変態女っ! 近寄るな、触るんじゃねえ!縄をほどいて俺を家に帰せよっ!」
夏目君は絶叫した。
「変態?」
無意識に私は夏目君を焔月で殴っていた。無意識なのだから、加減なんかできるはずもない。
バキッ、という音が四、五回もしただろうか。気が付くと、頬を腫らした夏目君が倒れていた。
酷いことをしてしまったと思う。今の夏目君はあの女の影響を受けているから、私を受け入れてくれるにの時間がかかるのはしかたがないのに。
私は謝ろうと口を開いて、
「ごめん――」
けれどそれは、夏目君のさっき以上の大音量の叫び声にかき消されてしまう。
「助けて! 助けてくれっ! 操緒!」
一瞬、目の前が白くなったような気がした。
顔面を蹴った。
なんで、私はの気持ちを分かってくれないんだろう。こんなに大切に思っているのに。
ペルセフォネに馬乗りになってもらって、焔月を無茶苦茶に叩き付けた。
どうして、あの女の名前なんて呼ぶんだろう。よりによって、あの女の名前を。
叩くのをやめると、両手を拘束してあるせいで顔を庇うこともできない夏目君は、
ぼろぼろになって鼻からは血を流していた。
「やめて……やめてくれよ……」
弱々しく呻く夏目君にまた口枷をはめて、手足の拘束を確認してから押し入れに押し込める。
一緒に朝食を摂ろうと思ったのに ――。

まあいい。私はがお祖父様の所にいってる間、ひとりでいれば頭を冷やしてくれるだろう。
そうすれば、誰が本当に夏目君をかけがえなく思っているか理解してくれるはず。
710666:2010/03/10(水) 15:08:27 ID:Lbof/pvl
長編が滞っているので、>>705のネタから・・・エロじゃないけど(w


つつがなく無事、平和に一日の学園生活を終えた帰り道。珍しく、嵩月の方から帰宅の誘いがあった。

無事?二巡目の元の世界に戻れた僕と操緒。
僕は晴れて嵩月と公認の仲となり、一緒に帰宅しようとしたところでクラスメートからの冷やかしとやっかみが聞こえてくるくらいで、別に害は無い。
無いはずだったんだけど・・・・・・

どうも、さっきから嵩月の様子がおかしい。幾度となく危機を乗り越えてきたはずの僕の背中に冷たい汗が流れるのを止められない。
嵩月の半歩後ろをついて歩いていく僕の視界には、嵩月の揺れる黒髪と背中が入っている。その姿はとても冷たく・・・・・・
陽炎が見えているのは、きっと僕の気のせいだ。

そんな僕に、半歩前から声が掛かった。
「さっき・・・・・・見てました」
さっきって何の話だ?僕がそう思っていると
「昼休み・・・・・・下級生の女の子と抱き合って・・・・・・」
昼休み、昼休み。。。僕が考え込んでいると、隣で浮いていた操緒が
『あ〜〜、あったねぇ、そんな事』
ん?一年の女の子がぶつかって、僕の制服にコンタクトレンズを飛ばしてそれを探してたアレか?操緒、頼む。変に省略しないでくれ。誤解を招く。
案の定、嵩月がトロいながらもヤキモチを焼いてきた。
「事実・・・・・・なんですね」

とりあえず嵩月、その焔月を引っ込めよう。
「いや、あれは・・・・・・」
うまく説明しようと言葉を捜していると
「事実、なんですよね、夏目くん・・・・・・」
だから、あれは仕方なく・・・・・・だから、袈裟懸けに構えるのは辞めてよ、嵩月。。。
「信じて、いたのに」
ちゃんと説明するから、泣きそうな目で僕を見るのは辞めて。
『事実だからね〜。モテモテの夏目くんっ』
操緒・・・・・・お前はどっちの味方だっ!ぺ、ペルセフォネ、僕を嵩月の焔月から守ってくれ。少なくとも、僕が弁解するだけの間だけでも・・・・・・
と思っていたら、いつの間にかペルセフォネは嵩月の足元で小さな炎を口から吐き出している。お前も敵か・・・・・・僕は泣きたくなった。


ってな感じ?
711名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 16:22:50 ID:XG3RtzKP
いいね〜
つい微笑んでしまうw
712名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 20:31:50 ID:XA4OYQ66
おもしろいですね〜 
で、誤解が解けると奏が異様に智春に甘えるとかしそうですね。
713名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 20:40:22 ID:XA4OYQ66
それか、智春が13巻の様にキスして誤解を解くとか
714666:2010/03/10(水) 22:25:13 ID:Lbof/pvl
ならば、意表をついて・・・


>>710の続き
焔月を収めた嵩月が、僕に弁解の余地を与えてくれた。だけど・・・・・・

「正直に、言わないとチューします。お嫁に行けなくなる、くらいの」
嵩月・・・・・・、ヘンな小説、読んでない?例えば、バカがいっぱい出てくる学園物の。。。
「言わないんですか?本当に、しちゃいますよ?
ともはちゃんが、お嫁に・・・・・・行けなくなるような、チューを」
た、嵩月。。。僕、君の契約者を辞めてもいいかな?
本気でそんな考えが、僕の脳裏に浮かんだ。

パサッ

『嵩月さん、何か落としたよ?』
文庫本?のようなものが嵩月の制服のポケットから落ちたんだ。その表紙には

バ〇と△ストと召喚◇ 5

「アッ・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・」
お願いだから、バスローブ姿で鳴桜邸に来ないでね、嵩月。。。

それに、僕は洛高一のバカじゃないよ・・・・・・たぶん。ってか、このネタ、フッっていいの?電撃的に。


(むりやり) -完-


いぁ・・・・長編の方で大アニア×奏のライトHなシーンを書こうと思って滞ってる時に。。。
こういうアフォウなネタは降ってくるんだけどねぇ(w

大アニア×奏なら、受け責めドッチがいい?
715名無しさん@ピンキー:2010/03/10(水) 22:54:41 ID:Ka5w5b0B
>>714
俺の考えでは
性格で考えるとアニアが攻め
経験(?)で考えると奏が攻め

うーん……難しいものだなぁ
716666:2010/03/11(木) 00:15:13 ID:0AKDzwm/
3

立ち直ったのは、嵩月の方が先だった。
「あっ、あの・・・・・・夏目くんじゃなきゃ、だめなんですか?」
アニアが相手なので他の女生徒より控えめだけど、嵩月は僕の事になるとハッキリと拒絶をするようになっている。
「うむ。これには色々と理由があるのだが・・・・・・」
アニアの答えはこうだ。
「まずひとつ。今、演操者は何人居ると思う?」
逆に、問い掛けられた。僕らは指を折って数えてみるけど・・・・・・
「私が知る限り、4人だ。
まずは智春、お前だな。次に、お前の義妹の和葉、元・第2生徒会長の倉澤六夏、そしてGDの亜鉛華の演操者。
この4人だ」
とりあえず僕もその4人が出てきて、そこで止まったんだけど・・・・・・ホントにそれだけなのか?
そんな僕の疑問にアニアは
「他にも居るかもしれん。だが、私の接触する範囲にいるのは、この4人だけなんだ。
なぜ私の接触する範囲かというと、私が契約しなければいけないからだ。
見ず知らずの相手だと、鳳島氷羽子の二の舞になるからな」
そうだった。演奏者なら誰でもいいって訳じゃないんだった。愛情に限った事じゃなく、嫌悪や憎悪といった負の感情でもいい。「好き」の反対は「嫌い」じゃなく、「無関心」だ。

「あっ・・・・・・」
そこで嵩月が何かに気がついた。そして、困った顔をする。
「奏は気がついたか。
そう。さらにもうひとつ。
男性はお前だけなんだ、智春」
部屋の温度が一気に上がった・・・・・・いや、僕の気持ち的には下がってるんだけど、なぜか暑い。
最初に座った時より、嵩月が心持ち僕に寄り添ってきている。しかも、全身に陽炎を浮かべて・・・・・・怒ってますか?嵩月さん?
僕のせいじゃない、と声を大にして言いたい・・・・・・
「そして何より、一番大事な部分なのだが・・・・・・
私は、どうも智春が好きなようなんだ」

この状態でその爆弾発言か!?アニア。しかも、何だそれ・・・・・・自分の気持ちのクセに、「どうも」とか「ようなんだ」とかって。
オカシイだろ、それ。いっつも自身満々でムダにエラソーなのに、その自信の無さは何なんだ!
「お前、言うに事欠いて『どうも』とか『ようなんだ』って、何だよ、それ。
なんか、告白されたっぽいけど、ぜんぜん嬉しくないよ・・・・・・」
しかも、隣では「うーーー」と嵩月が唸ってるし。部屋の中の温度が急上昇して、暑いよ、ココ。
それなのに、アニアは涼しい顔をして
「落ち着け、奏」
と、文字通り熱くなった嵩月を窘めている。お前はこの状態で暑くないのかっ!
「夏目くんは、渡しませんっ!」
あのー、嵩月さん。落ち着いてください・・・・・・。
『結構、やきもち焼きだよねえ、嵩月さんって』
「はっ!・・・・・・ごめん、なさい」
ナイスだ、操緒。
操緒のボソッとした呟きで、嵩月が落ち着きを取り戻してくれた。それでもまだ警戒してるのか、ゆらゆらと陽炎が立ってるけど。
『相手、ニアちゃんだよ。そんなに警戒しなくても大丈夫だって』
操緒は操緒で、相変わらずあっけらかんとしているし。
「まあな。普段は家族なんだ、智春は。私にはもう、本当の家族も・・・故郷すら無いしな」

アニアの言葉に、ようやく嵩月も落ち着いてくれた。
アニアの故郷であるクラウゼンブルヒ領は、非在化してしまっていてすでに無いそうだ。もちろん、その時にソメシェル家も非在化してしまっている。
僕らは後から話を聞いただけだけど、嵩月はアニアが故郷へ連絡しようとしているその場に居合わせていたらしいから。
「だから、私にとって家族とは、もうこの鳴桜邸で暮らすみんなと、奏。お前も私は家族だと思っている。
日本に来て、ここで暮らした時間と・・・・・・一巡目の世界での5年間が私のすべてなんだ」
アニアが訥々と語り始める。


続く

日付が変わったので、第3話を投下。エロにはまだ遠い・・・OTL
717名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 00:22:50 ID:7Ch+z/Ae
ふと、思ったんだが、智春と奏の間に子供産まれたら、その子は悪魔なのだろうか?
718名無しさん@ピンキー:2010/03/11(木) 00:39:04 ID:F/59b2vN
>>716
待ち望んでたぜ!
がんばれよ!
楽しみに待ってるからな!
719666:2010/03/12(金) 00:12:04 ID:HPC77A41
4

「今思えば、一巡目に飛ばされた5年間がいい経験になっているのだと思う」
そう。アニアは10歳の時に、R部長の策略に巻き込まれて僕や嵩月と一緒に一巡目の世界に飛ばされた。
その時、僕と嵩月を離れ離れにしないように確立操作をしたその代償として、一人で5年先まで飛ばされていたんだ。
そして、僕らと出会える5年後まで、たった一人で一巡目の世界を生き抜いてきた。
「だから、本当の家族が居なくなった事は寂しくない。悲しくないわけじゃないが、今はお前たちが居る。
だから、寂しくはない」
珍しく、アニアが素直になっている。逆に言えば、それだけ切羽詰ってるって事なのか?
「私にとって智春は、デキの悪い弟であり、要領の悪い兄であり、運の悪い父親みたいなものなんだ」
なんだそれ・・・・・褒めてるのか、貶してるのか。貶してる方ばっかりじゃないかっ。
『ニアちゃん・・・・・・それ、褒めてないよ?その通りだけどさぁ・・・・・・』
お腹を抱えて笑いながら、僕の気持ちを操緒が代弁してくれた。嵩月も、肯いてばかりじゃなくって何か言ってよ。。。

「ただな・・・・・・ここ一番で頑張ってくれる、期待に応えてくれる智春に、異性として惹かれてるのも事実なんだ。
そう思うだろう?奏・・・・・・」
その言葉に、それまで操緒の言葉に肯いていた嵩月が、一瞬止まってから顔を紅らめ、今度はアニアの言葉に肯く。
「夏目くんに惹かれる、のは、わかる。
でも・・・・・・」
「そう。複数契約となると、それだけリスクが跳ね上がる。愛情で結ばれた契約行為だからな。
どちらか片方に愛情が傾いた途端に、もう一方の契約悪魔は急速に非在化する。だから、複数契約になる契約を望む雌型悪魔は居ないと言っていい。
複数の契約をした契約者が居なかったのはその為だ」
『浮気のレベルじゃダメなんだよね、それって』
「そうだな。それだと姉さまのように、一人との契約でも非在化が進んでしまう。
そもそも、雌型悪魔は自分の純潔を捧げるんだ。軽はずみな契約をする訳が無い」

アニアがさらに続ける。
「智春と奏。
お前たち二人を見てきて、姉さまの事を、なんてバカな契約をしたんだと再認識するようになった。その事は感謝する」
ちょっと待って。アニアにすら僕たちはそんなにアツアツに見えてるって事?
『傍から見てると、もろにバカップルだもんね〜、智春(トモ)たちってっ』
操緒までそんな事を言う。
僕と嵩月は、顔を見合わせる。
『ほらほら、そんなトコ。いちいちツッこむのも面倒くさいからスルーしてるけどさ〜』
アニアは、半分・・・半分以上か?呆れ顔だ。そんな目で見るなよ。。。
「あーー、話を続けていいか?」
大いに続けてくれ。この空気は、さすがに僕でも居心地は悪い。嵩月もゞ気持ちだろう。
アニアが真面目な顔になった。
「つまり、我々は選択を迫られる事になった。
私は、智春と奏に命を預ける覚悟。まぁ、これは問題にしなくていいだろう」
それは、僕らがどういう選択をしても覚悟ができているという事なのだろう。
「奏は・・・・・・私の口から言うのも申し訳ないが、お前たちの間に私が割り込んでいく事を赦す心の広さを」
アニアが嵩月を見る目は真剣だ。
「そして智春には・・・・・・」
それが何で僕を見る目は、そんな悪魔のような目になる?いや、アニアは悪魔だけどさ。
「奏と等しく私を愛する覚悟だ。
どちらか一方に愛情が傾けば、その時からもう片方の非在化が始まる。それをさせないだけの愛情を、私にも注ぐ事ができるか?」

究極の選択だ。
操緒を生き返らせる為には、嵩月と等しくアニアも愛さなければいけないのか。
『ヘタレの智春(トモ)に、そんな事できるのかな〜』
操緒の言う事ももっともだ。そんな甲斐性を僕に求めるのか。
そんな時、玄関が開いた事を告げるカウベルの音が聞こえた。和葉か朱浬さんが帰宅したらしい。
アニアがお開きの言葉を告げた。
「朱浬か和葉が帰ってきたようだな。そろそろお開きにしよう。返事は急がん。
奏。少し話の続きもある。今日は泊まっていけ。久しぶりに一緒に寝よう」
嵩月が肯くのを確認して、アニアが席を立った。

続く
720666:2010/03/12(金) 00:34:48 ID:HPC77A41
第4話を投下しました。

>>687の多重契約の件、説明させましたが言葉は足りてるでしょうか?
一人目=二人目を受け入れる心の広さと、不必要に増える非在化のリスク
二人目=単独契約に比べ格段に跳ね上がる非在化へのリスクと、一人目に負けない&勝らない愛情を得られるかどうか
契約者=二人分の生命を預かる覚悟と、均等に愛するだけの器量
という、三者三様のリスクがあるので「できる」けと、通常の雌型悪魔は「応じないのが普通」という事にしました。

「言葉が足りてねぇぞ〜!」と思う場合は、、エロに持っていくための方便だとでも思ってください(w

ただいま第6話を執筆ちうで、大アニア×奏を書き始めました。
これまで智春目線の一人称で話が進んでいるので、三人称になる分ちと書きづらいっす。プロットはできてるんだけど、文章にできないのね(^^;
だもんで、投稿ペースが落ちてしまいます。
地の文で智春の心情を書ける分、一人称の方が楽なんですよねぇ。
721名無しさん@ピンキー:2010/03/12(金) 23:28:59 ID:GJ5whsV5
あんた、最高だよGJ
722名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 00:17:43 ID:6M8VDavP
外出しててなかなか書き込めなかった

GJ!
723名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 02:52:33 ID:jps1GW44
十分すぎるほどGJです
724666:2010/03/13(土) 20:17:44 ID:3bJbSGuJ
朱浬の手ほどき -1-

「ただいま〜。って言っても、誰もいないんだよな」
ドタバタした入学式直後の騒ぎも終わり、ようやくマトモな学園生活が始まった僕は、少し一人暮らしが寂しく感じ始めていたのかもしれなかった。
『やっと落ち着いたからね〜』
四月も終わりに近付き、ぽかぽかといい陽気の週末。僕の頭の上で、操緒も眠そうに目を擦っている。
「僕は、シャワーを浴びてから少し寝るよ。操緒はどうする?」
勉強の遅れを取り戻す為に、このところ少し夜更かしが過ぎている。買出しにも行かなきゃいけないけど、それは明日に廻してもいいだろう。
『ん〜、私も少し眠るわ・・・・・・』
と言うか言わないかのうちに、操緒は溶け込むように姿を消した。僕は眠い目を擦りながら、風呂場へ足を運んだんだ。

一発で目が醒めた。
「あら、トモハル」
僕が服を脱ぎ始めると、浴室から誰かが出てきた。
「すっ、スミマセン」
僕はとっさに回れ右をする。
肩口で髪をバッサリと切り落とした八頭身美人が、オールヌードで出てきたんだ。髪を拭いているタオルから零れる黒髪から滴る水滴が艶かしい。
僕を科學部に引き込んだ張本人、黒崎朱浬さんだ。朱浬さんは、この鳴桜邸の合鍵を持っている。だから、こういう鉢合わせはありえる話だった。
僕に見られている裸身を隠そうともせず・・・・・・それどころか、誘うように朱浬さんが言葉を続ける。
「トモハルもお風呂?いい湯よ〜」
回れ右をして出て行こうとした僕の手を、朱浬さんが引っ張った。
「それとも、一緒に入りましょうか?イ・イ・コ・トも教えてア・ゲ・るっ」
しゅ、朱浬さん?なんか、ヘンなスイッチが入ってませんか?それに、なんで脱衣所に置いておいたメガネを持って入るんです?
「奏っちゃんとヤる時、知らないと困るでしょう?」
いや、だから、何をですか・・・・・・。
「契約する時ってね〜。いわゆる女の子は初体験だから、男の方がちゃんとリードできなきゃダメなのよ。
だから、ねっ」
悪魔との契約は、そういう事をするんですね。それは理解りました。
けど、それと「だから」がどう繋がるのかわかりませんよ、朱浬さん。
「ささっ、トモハルも脱いで脱いでっ。
おっフロっ、おっフロっっ」
「あっ、ちょっと・・・・・・まって。。。」
なんでこの人はこんなに手際がいいんだ。あっという間に、僕は素っ裸にされた。
「操緒(さお)ちゃん居ないみたいだから〜。トモハルの竿ちゃんに、一から十まで教えてあ・げ・る」
うまいっ、座布団一枚!・・・・・・いや、そうじゃないって。
「安心していいわよ〜。私も男の子とはこういう経験してないから。綺麗な身体だと思うんだけどな〜」
ちょっと一ヶ所引っかかるトコがあったんですが・・・・・・男の子とは、って女の子とならあるって事ですか?

最初の時点で操緒にバレても大声を出して逃げておくべきだった・・・・・・そう思ったのが半分。
もう半分は・・・・・・わかってよ。僕だって16歳の健全な男子高校生だもの、興味があったってのが半分。
それが、性格や中身に問題があるとはいえ、タレントばりに美人でモデルばりにスタイルのいい朱浬さんなら、応じない男の方がどうかしてるでしょ。
で、今の状況はというと・・・・・・二人で縦に並んで湯船に浸かっていた。朱浬さんが僕を身体の前で抱くようにしている。その・・・・・・背中に当たっているんですが、朱浬さん?
「あはっ、感じてくれてるんだ〜。トモハル」
朱浬さんが脇の下から手を廻して、僕を自分の身体に押し付けてくる。それに、耳元でそんな風に喋らないでっ。
「ちょ、ちょっ、、、これ以上はマズいですって」
と口では抵抗してみるものの、自分でも下半身に血が集まっていくのがわかる。
「ふ〜ん。。。この期に及んで、まだそんな事を言うんだ〜、トモハルはっ」
僕の身体の前で抱くようにしていた朱浬さんの右手が、僕の前身を撫でながら下に降りてきた。
気持ちいい・・・・・・じゃなくってっ!
「だっ、ダメですって、これ以上はっ」
マジでヤバい。僕は完全に勃ってるんだから。
そんな事お構いなしに、朱浬さんの右手が僕の肉棒に触れた。僕は思わず腰を引いた・・・・・・んだけど、その動きは朱浬さんの下腹部に邪魔をされてしまう。
そりゃそうだ。後ろから抱きかかえられてるんだから。
「ぁん・・・・・・そんなにがっつかないの」
そんな事を言いながら、朱浬さんの右手が僕の肉棒を追いかけてきた。逃げ場も無く、僕は朱浬さんに捕らえられてしまった。


続く
725666:2010/03/13(土) 20:18:46 ID:3bJbSGuJ
朱浬の手ほどき -2-

「へ〜、結構大きいのね、トモハルって」
最初はなぞるように指先で、そのあと掌で包み込まれてしまった。
「まっ、マジでヤバいですって」
初めて異性に、それも美人で年上でスタイルのいい女性に肉棒を握られたら、男の子は誰でもこうなると思うよ?
「射精(で)そうなの?トモハル」
そんな事、訊かないでっ!僕は肯く事しかできなかった。
「湯船の中じゃマズいわね〜。一旦出ましょうか」
そんな事を言いながら、僕の肉棒を握ったまま朱浬さんが立ち上がる。あっ、それ。気持ちいい・・・・・・じゃなくってっ
「あっ、あっ、あっっ。。。」
そんな格好で立ち上がれば、僕も引きずられるように立ち上がるしかない。僕の背中で朱浬さんのふたつの肉塊がひしゃげ、湯船の中で座っていた時より更に身体が密着した。

何とか湯船から出た僕たちだけど、相変わらず朱浬さんは僕の事を後ろから抱きかかえたままだ。そのまま姿見の前まで歩かされる。
もちろん、朱浬さんに肉棒を握られたままで、僕はもう思いっきり腰が引けていた。
「さっ、トモハル。射精(だ)していいわよ」
そう言うと、朱浬さんは僕の肉棒を添えた右手で扱きはじめた。身体の前に廻されていたはずの左手は、いつの間にか下に降りていて、タマ袋をもみしだいている。
腰が引けて前かがみになっている僕にのし掛かるように、朱浬さんがおおい被さってきた。下を向いても形が崩れない朱浬さんの双球が、僕の背中でひしゃげているのがわかる。
「トモハル、前を・・・・・・鏡を見て」
僕の耳元で、朱浬さんが艶っぽく囁いた。

僕の姿が鏡に映っている。
全裸で、前かがみになって。後ろから、朱浬さんに抱きしめられている。下腹部に聳える肉棒と袋を擦られ、揉まれながら。
僕の背中で押しつぶされている朱浬さんの双球は、朱浬さんが動くたびに形を変える。
僕は、蕩けるような顔をしている。その目が、鏡を通して艶っぽく微笑んでいる朱浬さんのメガネ越しの目とあった。
「うっ、射精(で)るっ!!!」
その瞬間、僕は腰を引こうとしたんだ。でも、朱浬さんがそうはさせてくれなかった。
タマ袋を揉んでいた左手を離して、僕の上体を支えるようにして、朱浬さんが下腹部を突き出した。僕の上体は起こされ、朱浬さんの身体に密着する。

ドピュッ、、、ドッピュッ、、、ドピュッ、、、ドッピュッ・・・・・・

天にも昇る気持ちよさとはこの事だろう。射精のはずなのに、まるでおしっこを漏らしているかのような勢いで射精が続いた。
飛び散らされた白濁液が、姿見を汚していくのが見えた。
「わっ、すっごいのね〜、男の子って。こういうところを見ると、トモハルも男の子なんだって感じるわ。
私だから?それとも、メ・ガ・ネ?
そういう風に思っちゃってもいいのかな〜、ト・モ・ハ・ルっ」
残滓を搾り取りにがら、朱浬さんがそんな事を言う。まさか、そんな事の為にメガネを着用したんですか?風呂場で。
「どう?気持ちよかった?」
そんな事を訊かれても、僕のこの姿を見れば一目瞭然でしょう?僕は肯く事しかできなかった。
「良かったです・・・・・・」
かろうじて、それだけは言えた。だけど、どう捉えたのか朱浬さんが
「メガネが?」
なんて事を言う。
ちが〜〜うっ!と声を大にして言いたいが、そんな事をすれば操緒が起きてきてしまう。だから言えないでいると
「トモハルって、メガネ萌えなんだ〜。へ〜〜ぇ」
もう、どうでもいいです。。。

僕が最初の射精の放心から落ち着きを取り戻すと、朱浬さんは僕の手を引いて浴槽の前に座らせた。
「今度はもう少し我慢してねっ」
そう言って、朱浬さんは浴槽の縁に腰掛けた。僕の目の高さに、朱浬さんの下腹部がくる。今は、朱浬さんが足を組んでいるので、両膝と腿の向こうに隠されているけど。
「トモハルは、女の子のここを見たことがある?」
閉じあわされた自分の両腿の付け根を指さし、朱浬さんがそんな事を僕に尋ねてきた。
「写真やネットでなら・・・・・・でも、本物は。。。」
中には経験済みのヤローも居るけど、操緒がついてる僕には普通の男女交際すらそれほど経験は無い。正直に僕は首を横に振った。
「そう。じゃぁ、これから見せてあげる。けど、幻滅しないでね。人によっては気持ち悪いと思う人も居るみたいだから。
ああ、一応ここは自前の部分よ。安心して」
そう言って朱浬さんは組んでいた脚を解き、その両脚をゆっくりと開いていったんだ。


続く・・・・・・たぶん
726666:2010/03/13(土) 20:21:08 ID:3bJbSGuJ
長編が進まない&エロ度が低いので、朱浬×智春のエロショートを。

原作第一巻直後辺りの時期をイメージしてます。
727名無しさん@ピンキー:2010/03/13(土) 20:47:31 ID:zIutV49v
GJ!

最高だ!ぜひ続けてください。
728名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 12:38:34 ID:T5gHNvnI
朱里の体をエロに使うというのを、紫が良しとするかね
729666:2010/03/14(日) 12:39:00 ID:6W6mVnSM
朱浬の手ほどき -3-

開かれた朱浬さんのそこには、その、、、普通ならあるべきものが無かった。具体的に言うと、毛が無かったんだ。
「ど〜お?見やすいでしょ。
別に、見せる為に無くしてるわけじゃなくってね。ミサイルだとかを撃った時の熱で火傷しちゃうから、脱毛しちゃってるのよ。
まあ、そういう趣味の人も居るみたいだけど・・・・・・」
朱浬さんが僕の股間に目を落とす。
そう。一度放出して萎えかけた僕の肉棒は、再度力を漲らせていた。
「ふ〜ん。トモハルは無いほうが好み、と。
覚えておくわ」
笑顔でそんな事を言わないで下さい。いや、この状態じゃ僕が何を言っても言い訳にしかならないですけど。

「じゃあ、男の子が一番見たがる女の子の秘密、見せてあげるねっ」
そう言って朱浬さんは、自分の下腹部に指を添える。そこは、無駄な翳りもなく、今はまだ一本のスジにしか見えていない。
・・・・・・ニチャっ・・・・・・
そんな音が聞こえてきたような気がした。朱浬さんが自分の性器に指を添え、左右に開いた。
「あん・・・・・・見られてると思うと、それだけで感じちゃうわ。
あとで、責任とってよね、トモハル」
そんな朱浬さんの言葉も、僕の耳には入ってこなかった。それくらい僕は、朱浬さんのそこに意識を持っていかれてしまっていたんだ。
「綺麗・・・・・・です、朱浬さん」
かろうじてその言葉だけが出た。
「そう言ってくれるのは、嬉しいわ」
その言葉が少し寂しげだったのは、僕の気のせいだろうか?それが引っかかり、僕は見上げるように朱浬さんの顔に目を向けた。相変わらず、朱浬さんは笑顔だったけど・・・・・・。
「ん〜〜、どうしたの?もっと近くで見てもいいのよ?」
僕は、朱浬さんの顔と開かれたそこを交互に見つめた。寂しげな朱浬さんの笑顔も気になったんだけど・・・・・・それ以上に、朱浬さんのそこが魅力的だったんだ。
わかってくれるだろう?僕は、朱浬さんのそこに顔を近付けていった。いや、身体ごとにじり寄っていったんだ。

「あはっ。やっぱりトモハルも興味あるんだ〜。男の子だもんね〜」
よっぽど血まなこになって見ていたのかな?でも、朱浬さんもこんな事をするのは初めてだって言ってなかったっけ?
「あの・・・・・・朱浬さんは、なんでそんなに平然としてられるんですか?」
思わず口に出た。
黙っていれば誰もが男なら振り返るような美人であることは間違いない。そんな朱浬さんが、僕の目の前でこんな女の子なら恥ずかしがるであろう姿を晒してくれている。不思議に思うでしょ、普通は。
すると朱浬さんは、少し考えるような素振りで
「ん〜〜、トモハルだから?」
いや、逆に問い掛けられても・・・・・・
「こんな状況でも、ガッついてないでしょ、トモハル。だって、無理やり押し倒されてヤられちゃっても、文句は言えないじゃない?今の状況って。
でも、トモハルは興味があるのにちゃんと私の事まで考えてくれてるでしょう?それって、ポイント高いのよ」
状況が状況なら、告白されているとも取れる言葉なんですが・・・・・・股を開いて性器を露出させながら言われても、説得力ないですよ、朱浬さん。
それに、そもそも僕が朱浬さんを押し倒そうとしたところで敵うわけないでしょ。それがわかってるからですよ、とは口が裂けても言えない。
「少なくとも、こうしていてそのままなるようになっちゃってもいいかな、ってくらいには好きよ、トモハルの事。
だから・・・・・・触ってもいいのよ」
その言葉に、僕は朱浬さんを見つめてしまう。メガネの奥に光る赤い瞳に吸い寄せられてしまった。
朱浬さんは、股間に伸ばした手を一度離して、僕の頤を両手で包み込んだ。朱浬さんの顔が近付いてくる。

「い〜い?トモハル。男の子が女の子を抱きたくなるのは、自然な欲求なの。でもね、、、
女の子にも、ステキな男性に抱かれたいという欲求があるのよ」
さらに朱浬さんの顔が近付いてくる。
「だから・・・・・・」
キスされた、と思ったのはされてからどれくらい経ってからだったんだろう。
「男の子とは初めて、よ。トモハル」
離れ際に、朱浬さんがそんな事を言った。だから、女の子とはあるんですか?朱浬さん。


続く?
730666:2010/03/14(日) 12:43:25 ID:6W6mVnSM
むぅ・・・・・・思いのほか長くなってしまった。。。
731名無しさん@ピンキー:2010/03/14(日) 16:18:02 ID:EVXoHqxo
一ヶ月くらい見ない間に、なんという良作の山!

続きもすごくたのしみにしてます
732666:2010/03/15(月) 00:45:09 ID:PbhWNopX
胡蝶の夢

「トモハル、逃げて!奏っちゃんと、ニアちゃんを連れて―――」
私の身体は、さっきから・・・・・・白銀が冬琉会長の冬櫻に貫かれて、朱浬姉さんの魂が非在化した時から・・・・・・もう生体部分は動いていない。
魂の部分で機巧化部分だけを使って、何とかまだ動いているようには見せてるけど。
それも、あとどれくらい動いてくれるかわからない。トモハルと奏っちゃんとニアだけでも逃がさなければ。
だから、時間を稼ぐ為に、弾幕を張ろうとした。
「発射(テ)・・・・・・」
その瞬間、鳳島氷羽子の薙刀が私の身体を貫いた。
決定的にミスった・・・・・・周囲への警戒が疎かになった。トモハルの唖然とした顔が視界に入っていた。
「ごめんね・・・・・・」
その声は、トモハルに届いてくれただろうか。冷気が襲い掛かってくる気配が感じられる。氷羽子が、トドメを刺しにきたのだろう。

絶望の淵から奈落の底へ落ちる瞬間、悪魔の囁き・・・・・・文字通りそのものだと、後になって気がついた・・・・・・が聞こえた。
「ふぁーすたーざんすぴーどおぶらいと」
私の視界が暗転した。

次に気が付いた時、私はどこか見覚えのある路地に寝かされていた。私の顔を覗き込んでいる顔は、沙原さんだった。
「返事をしてください、黒崎さんっ」
泣きそうな・・・・・・いえ、泣き顔でくしゃくしゃにした沙原さんが、必死に声を掛けてくれている。
「沙原さん・・・・・・ありがとう」
かろうじてそれだけの声が出た。でも、もう意識が持ちそうにない。だから、この身体を沙原さんに託した。
「烈明館医大付属病院に、私を運んでください。お願い、、、します、ね」
その言葉と共に、私の意識は二度目の奈落の底へと落ちていった。

「ごめんね、紫浬ちゃん」
夢、なんだろうか。私は、私と向き合っていた。
いえ、違うわ。話し掛けてきているのは、朱浬姉さん。私は、メガネも掛けていないし、髪も伸ばして肩の下で纏めている。
「ここは無意識領域よ」
姉さんが説明してくれた。私は、姉さんに話し掛けようとしたのだけれど、巧く声にできないでいた。
「私の方からしか話し掛けられないみたい。だから、私から判っている限りの事を伝えるわ」
その時私は、漠然とこれが朱浬姉さんと話をする最期の機会なのだと感じた。たぶん、時間もあまり無いのだろう。だから、姉さんの話を遮らない事にした。

「私の身体が世界に残ってしまったのに、魂だけ機巧魔神の副葬処女になってしまったから、機巧化人間としての身体が魂を求めてしまったの。
だから、機巧化人間の副葬処女として紫浬ちゃんの魂が必要になってしまった。
だから、紫浬ちゃんの身体が健常体として治療されたのに、紫浬ちゃんの魂はそこに入れなくなってしまった。
ごめんなさいね、紫浬ちゃん。

でも、私はもう非在化してしまった。だから、魂は本来の紫浬ちゃんの身体に戻る事になるわ。
今まで3年間、ありがとう。私として生きてくれて。私がやらなきゃいけなかった事をやってくれて。
そして、私を生き返らせようと頑張ってくれて。

でも、それも今日で最後。これからは・・・・・・難しいと思うけど、ちゃんと紫浬ちゃんとして生きて。お願いね。

今までありがとう・・・・・・」

姉さんっ!朱浬姉さんっ!
玄い闇に融けるように、朱浬姉さんの姿が消えていった。これでもう、朱浬姉さんに逢う事はもう無いんだ。そう確信できた。


三度目に意識を取り戻した時、そこは病院のベッドの上だった。3年前、戻ろうと思って戻れなかった本来の私の身体で意識を目覚めさせたのだと自覚できた。
時を同じくして、沙原さんにお願いした、破損した朱浬姉さんの身体が私の病室に運ばれてきた。

まだ終わってない。いえ、終わらせない。トモハル達は必ず戻ってくる。
だから。
だから、トモハル達が戻ってきた時に、少しでも戦力を整えていよう。朱浬姉さんが残してくれたこの世界の未来の為に。

そう。R部長の野望を打ち砕く為に。。。

-完-
733666:2010/03/15(月) 00:47:32 ID:PbhWNopX
「胡蝶の夢」は、エロじゃないけど「朱浬の手ほどき」に繋がる僕なりの>>728への回答です。
物語前半部分では、紫浬はメカ朱浬として生きる覚悟もあったのではないかな?と。イコール、ちょっぴりエッチな性教育をトモハルにしてもいいんじゃないか?
くらいな感じで。

そういう曖昧さとか説明不足や矛盾は、原作にはかなりありますから。読み手で想像する余地を、力技で「このストーリーはこれで本筋」ってな具合に。
実際、R部長の反乱が無く、一巡目の智春の筋書き通りなら、白銀は破壊されなかった可能性もあるわけで。

まぁ、エロパロなんだから、難しく考える事ないんじゃん?ってのが僕のスタンスですけど(^^
734名無しさん@ピンキー:2010/03/15(月) 01:29:53 ID:zmara4Zu
GJ!。だけど、生殺しやめて、

せっかくだから最後まで…

朱浬の手ほどきの続き期待
735666:2010/03/15(月) 18:32:25 ID:PbhWNopX
5

僕たちが階下へ下りると、キッチンの冷蔵庫の前で和葉が大きなスーパーのポリ袋と格闘していた。
「今日の食事当番は和葉だったか。
おい、和葉。奏が泊まる事になった。一人前、食事が増えても大丈夫か?」
「あっ、嵩月先輩。いらっしゃい。
晩御飯はカレーですから、一人や二人増えたところで大丈夫ですよ」
冷蔵庫に入れるもの、これから使うものをより分けた和葉が、立ち上がりながら嵩月に挨拶した。
「そうか。じゃぁ、料理の方は任せる。智春、部活を休んだんだ、手伝ってやれ。
奏、久しぶりに一緒にフロでも入ろう。操緒、一緒に来い」
休ませたのは誰だよ、と突っ込みたかったが話の内容が内容だけに、そう文句も言えない。
アニアがフロに水を張りにいき、嵩月は地下へ着替えを取りに行った。僕は、和葉の用意した野菜を水で洗う。
「あっ、ありがとう、お兄ちゃん。
ニアちゃん先輩、おフロの用意してたんですか?でも、お水も張ってなかったような・・・・・・」
和葉はアタマの上にハテナマークを浮かべているけど、嵩月にかかれば風呂の湯沸しなんて・・・・・・
「大丈夫、嵩月が居るから」
『おフロのお湯なんて、アッと言う間だよね〜』
僕は野菜の水を切りながら、つとめて明るく和葉に言う。どちらかというと、水蒸気爆発の方が心配だったりして・・・というのは、和葉には内緒だ。

カレーの下ごしらえとサラダの準備をしていると、キッチンに嵩月が顔を出した。
「夏目くん。お風呂、いただきますね」
『んじゃ、わたしも行ってくるね〜。智春(トモ)、覗くなら、見つからないようにねっ』
にこやかに声をかける嵩月と、覗き云々を言って消えた操緒のセリフに、和葉の方からどす黒いオーラが感じられる。。。怨むぞ、操緒っ!
「オ・二・イ・チャン・・・・・・わかってるわよね〜」
頼むから、包丁を持ってその顔と気配は辞めてくれないかな。お兄ちゃんは、ちょっと怖いよ。
綺麗な笑顔なんだけどさ。目が笑ってないですよ、和葉さん。でもって、その頃のお風呂場では。。。。。。


カポーン・・・・・・
鳴桜邸の浴室は、下手な民宿なみのお風呂場である。女子高校生が2〜3人一緒に入ったところで、手狭には感じられない。もっとも、操緒は湯船に浸かれるわけじゃないから、じゅうぶん広々としてはいるけど。
「奏とこうして風呂に入るのも久しぶりだな」
『いつ以来だっけ?みんなでお風呂に入るのって』
「大原さんのペンション・・・・・アルバイトをした時?」
「ふむ。姉さまが非在化する直前だったか・・・・・・」
奏と操緒にとっては数ヶ月前でも、一巡目の世界へ飛ばされた時に5年余分に飛ばされたアニアにとっては、かれこれ6年になる。
「私にとっては6年ぶりだな・・・・・・それなりに成長したはずなのだが。。。」
奏と自分の、そして奏と操緒のバストを見比べるアニア。
「ふっ・・・・・・」
鼻で笑ったアニアを目ざとく見つけたのは操緒。
『ふっ・・・・・・って、ニアちゃん。ちょっと失礼じゃな〜い?
操緒と、そんなに変わらないじゃん』
抗議の声をあげる操緒に、アニアは
「終わっているだろう、操緒は」
『ニアちゃんだって、もう打ち止めになる歳になってるでしょ』
と、そんな罵りあいを尻目に、そそくさと奏は脱衣所を後にする。
『嵩月さんが逃げたっ!』
「あっ、まて、奏」
慌てて残りの服を脱ぎ、奏の後を追うアニアと操緒。操緒はすりガラスをすり抜ける時に制服からバスタオル一枚へと早着替えを済ましていた。
ホントにどうなってるんだろうね、操緒の服って。

アニアがお風呂場へ足を踏み入れた時は、奏はすでに打ち湯を済ませ湯船に身を沈めていた。
アニアも、来日してからは1年足らずだがすでに6年も日本で暮らしているので、日本式の入浴にも慣れたものだ。奏と並んで浴槽に身を沈める。
操緒も、気分だけは味わいたいのか、一緒になって浴槽の中に浮かんでいた。


続く
736666:2010/03/15(月) 18:34:56 ID:PbhWNopX
エロネタが・・・・・浮かんでこない。

しかも、おフロで被ってるし!(爆
737名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 00:41:54 ID:f532kGXl
おまえ……
すごいな……

職人発見!
738666:2010/03/16(火) 12:00:20 ID:+uRt9ZCH
朱浬の手ほどき -4-

ふたたび、朱浬さんは僕の視線を自分の下腹部に誘導したんだ。さっきと同じく、開いて中まで見せてくれている。
「ほらっ、よ〜く見て、トモハル」
朱浬さんの性教育が始まったんだ。
「・・・・・・さっきより・・・・・・濡れてる?」
思わず呟いた僕に朱浬さんは
「あったり前でしょ〜。トモハルがおっきくしてるのと一緒よ。
でもね、トモハル。女の子は、感じてくるともっと濡れるの。どういう風になっていくのか・・・・・・
うふっ、よ〜くちゃんと見ておくこと。いいわねっ」
僕が生唾を飲み込んだのが、朱浬さんにはわかったみたいだ。
「いま、指で開いているのが大陰唇。その内側で、もう一重開いているヒダが小陰唇・・・・・・」
朱浬さんの説明が始まるけど、僕にはそれより朱浬さんの両脚の付け根にある線の方が気になってしまった。生体部分と機巧化人間部分の継ぎ目。普通の人には無いモノ・・・・・・。

「ぅん、もぅ・・・・・・そんなトコじゃなくってぇ。。。トモハル?」
朱浬さんが僕の目線に気がついた。
「そういうところがね。女の子の気を引くのよ」
呆れたように朱浬さんが言うけど、僕にそんな実感はないんだけどなぁ。
「続けるわよ。
この小陰唇が縒り合わさった頂点が、ク・リ・ト・リ・ス。女の子の一番ビンカンなト・コ・ロ。
その下の・・・・・・見えるかな?小さな窪み。それがおしっこの出るところ。尿道口ね。
でもって、一番下にあるふた回りくらい大きな腔が膣腔。君たち男の子がオ・マ・ン・コって呼んでると、こ、ろ」
ホントに保健体育の実習をしてるんですか?朱浬さん。でも・・・・・・そこは、別の生き物みたいにパクパクと喘いでいるように蠢いていたんだ。
「濡れているのがわかるでしょう?でもね、トモハル。
でもね・・・・・・感じてくるともっと濡れていくわよ」
そう言いながら、朱浬さんは僕の耳元に顔を近づけてきて
「さっき、私に扱かれた時・・・・・・どうだった?自分でする時と比べて・・・・・・」
なんて事を訊くんですかっ!僕は顔が・・・・・・いや、全身が紅くなるのが自分でもわかった。
「そ、、、その。よかったです、すっごく」
「でしょ。
でね。女の子も一緒なのよ。だからトモハル。。。」
僕の手を取った朱浬さんが、そこに導いていく。

「優しく、ね。女の子はデリケートなんだから・・・・・・、あっん!」
僕が、朱浬さんが広げて押さえているところ・・・・・・大陰唇と説明された部分・・・・・・の縁をなぞるように触れると、朱浬さんが可愛らしい声をあげた。
そっか。さっき朱浬さんが僕の肉棒に触れた時に、最初は指先だけだったのは、こんな気持ちだったのか。優しく、優しく・・・・・・朱浬さんはさっき、どうしてた?
形を確かめるように。そう思って、説明されたパーツをひとつひとつ確かめていく。
「ひっ、・・・・・・そこはもう少し優しく。。。」
小陰唇を撫で上げて指がクリトリスに触れた時、朱浬さんが一瞬こわばった。
「す、スミマセン」
素直に僕は謝る。僕も、突然ビンカンなところを触れられた時は、腰が引けちゃったもんね。
「ぅんっ、ん・・・・・・やっぱり優しいのね、トモハル。
本気になっちゃいそうだわ」
そんな事を言われても、僕だってもうテンパってるんですよ、朱浬さん。そう思いながらも指を動かしていると、指が腔に引っかかった。
「そこ。。。そこがおマンコよ。。。ゆっくり、指を差し入れてみて」
というか、朱浬さん。美人でスタイルのいいお姉さんにそんな四文字隠語を言われると、それだけで・・・・・・僕は、肉棒をビクンビクンと震わせてしまう。
しまうのだけれど、僕は指を差し入れるのに躊躇わなかった。指が食いつかれるように飲み込まれる。
「あぁ、ああぁ〜、あぁぁ〜〜ぁ」
ため息のような喘ぎの朱浬さん。しかし、僕の指は少し入ったトコロで行き止まる。
「ぅん、そこ。そこが、女の子の初めての証・・・・・・処女膜、ね」
この期に及んで、まだ保健体育実習ですか、朱浬さん。
「さすがにトモハルの指でも、男の子の指じゃこの先はムリね」
え???
女の子の指は入ったんですか?って、訊いていいんでしょうか?おかげで、少し夢中になってたのが落ち着いたことは確かなんですが。。。

僕は、一度朱浬さんから指を離したんだ。


続く
739666:2010/03/16(火) 12:01:57 ID:+uRt9ZCH
朱浬の手ほどき -4- を投下しました。
朱浬さんの性教育、保健体育実習編です(w

真っ昼間からこんなのを投稿してる僕って。。。OTL
740名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 13:01:34 ID:f532kGXl
GJ!

>「あったり前でしょ〜
って言っちゃう朱浬さんかっこいい!
741名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 03:44:38 ID:xJSARKjo
GJ!
742666:2010/03/17(水) 20:41:23 ID:Cm4zP2yf
6

打ち湯を済ませ浴槽に入ったアニアだったが、そこでピクッと硬直する。先に湯に浸かっていた奏の双球が、浮いていたからだ。
操緒も同じくフリーズした。
「『操緒(ニアちゃん)、いがみ合っている場合ではないな(じゃないよね)』」
「えっ、えっ、ええ〜」
『嵩月さんは、それで智春(トモ)を誘惑したんだ〜』
「口ではいつも誤魔化しているがな。智春もまんざらではなさそうだし」
二人は目線で奏のバストを射すくめながら
「久しぶりに触らせてくれ、奏」
まず、アニアが奏のバストに手を伸ばす。奏はとっさに両腕で隠そうとするが
『えいっ』
途中で金縛りにあったように、その腕の動きが止まった。
「えっ?」
『あはっ、巧くいったね〜』
操緒の仕業のようだ。

「何をしたんだ?操緒」
不思議がるアニアに操緒が
『う〜ん。身体憑依の応用?智春(トモ)の契約主だからできるかな、と思ったら・・・・・・できちゃった?』
実際にやった操緒も不思議そうな顔をしている。
「みっ、水無神さん、なんですか?これ・・・・・・」
『智春(トモ)の意識の向こうにね。なんかボンヤリと・・・・・・朧げな?感じで意識があって、それを智春(トモ)の身体に憑依する感じで意識をあわせただけなんだけど』
アニアは何か考え事のように、あごに手を当てて押し黙っている。
『まあ、智春(トモ)の身体に憑依するみたいにハッキリとはしてないから、自由に相手の身体を動かす事はできなさそうだけどさ』
そんな操緒の話にアニアが
「ふむ。そもそも魔神相剋者(アスラクライン)自体が前例が少ないしな。冬琉にでも訊いてみれば、そんな事があったかどうかは聞けると思うが・・・・・・。
あいつら(冬琉と氷羽子)は、どうもあまり仲がよくなかったようだからな。参考にはならんかもしれん。
まあいい。操緒・・・・・・少々そのまま奏を押さえていてくれ」
アニアは、そう言って両手をワキャワキャと・・・・・・見ていた操緒曰く『エロオヤジみたいだったね〜』だそうだ・・・・・・させながら、立派に育った嵩月のバストに手を向けた。

「にっ、ニアちゃん・・・・・・目が、いやらしい、です」
その目に少し怯んだ奏だったか、千載一遇のチャンスとばかりにアニアは奏のバストを堪能する。
「むう・・・・・・智春が虜になるのも理解できるな。柔らかくって、張りがあって、スベスベで。
同じ女性としてですら嫉妬するぞ、奏っ」
アニアの細く白い指にすらひしゃげる奏のバスト。それを奏の肩越し見つめる操緒。
『っわっ、柔らかそ〜〜ぅ。いいな〜、嵩月さん』
「あっ、いっ、やっっ・・・・・・」
力の加減がわかってきたのか、アニアのタッチに変化が見られるようになると、奏の声色もともに変わってきた。
「っん、っっんっ、っんっっっ」
「こんな感じか?奏」
すでにアニアのタッチは、好奇心からのそれよりも愛撫に近くなっている。
『勃ってきたね〜、乳首。意外と感じやすいんだ、嵩月さんって。
おっきいのに、羨ましいな〜』
操緒は奏の耳元で、そんな事を呟いている。奏の身体が紅く染め上げられてきたのは、湯に当たっているからだけではないだろう。
「声を出してもいいんだぞ、奏。どうせ智春はキッチンだしな」
そんなアニアの言葉にも、奏は首を横に振る。
『そういう慎ましさが智春(トモ)の琴線に触れたんだよ、ニアちゃん』
さすがに長年智春についているだけあって、操緒が的を射た言葉を紡ぐ。
『でも、ちゃんと感じてるよ〜、嵩月さん』
奏はすでに顔を真っ赤に染め上げて、酸欠の金魚のように口をパクパクとさせながら酸素を求めている。
そんな奏に、アニアがトドメとばかりの刺激を加えた。奏の勃った乳首を捻りあげたんだ。

その瞬間・・・・・・


続く
743名無しさん@ピンキー:2010/03/17(水) 21:39:25 ID:djK+YNDH
>>101
おっ!
がんばって続きかけよいやかいてくださいおねがいします!
744通りすがりの人:2010/03/17(水) 22:20:44 ID:OvArMGmZ
おっ! あがってる がんばってください 
745通りすがりの人:2010/03/17(水) 22:21:31 ID:OvArMGmZ
おっ! あがってる がんばってください 
746名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 09:50:21 ID:UzdwPUVN
GJ!

続き期待
747666:2010/03/20(土) 10:22:45 ID:MR2gjy9a
あ〜。
他スレで誤爆って、そっちの方を先に仕上げたんで、ちょっと止まっちゃってゴメン。

神曲奏界ポリフォニカで短編1本と、俺の妹がこんなに可愛いわけがないで中編1本。
即興だから本番なしのライトなやつだけど、さすがに4本同時はキビシイので(w
それぞれ110と274のヤツ。

今晩、朱浬の手ほどきをあげられると思う。
というか、これがこんなに長くなったのが誤算なんだな。。。OTL
748名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 11:03:35 ID:1kCthpRV
>>747
ほんっと、
ドジっ子だねぇ……

朱浬さんまってるぜ!
749666:2010/03/20(土) 17:23:46 ID:MR2gjy9a
朱浬の手ほどき -5-

僕はゆっくりと立ち上がった。浴槽の縁に腰掛けている朱浬さんを見下ろす格好になった。
「どうしたの?トモハル」
ヤりたい盛りの男の子が、女の子の秘密をあからさまに見せ付けられて、それでもガッつかない僕に、不思議そうな声をかけてくれた。
でも・・・・・・でもね、朱浬さん。
僕はまた朱浬さんの脚の間に膝間付いた。今度は座り込まず、膝立ちになる。
そして僕は、ゆっくりと朱浬さんを抱きしめたんだ。朱浬さんの形のいい双球に、顔を埋める格好になった。
朱浬さんは、抱きしめるように僕の頭を抱え込んでくれたんだ。
「意外と甘えん坊なのね、トモハルって」
朱浬さんの胸の中で、僕は肯く事しかできなかった。

「そっか。トモハルん家って母子家庭だったんだもんね。それに、お兄さんがあの直貴さんじゃ・・・・・・
年上の人に甘えた事なんて、なかったよね」
そう言って朱浬さんは、僕の頭を優しく撫でてくれる。
「いいわ。トモハル・・・・・・甘えさせてあげる。
その代わり、二人っきりの時だけよ。もちろん、操緒(さお)ちゃんも居ない時だけ。今みたいに、ね。
その時だけは、トモハルの好きなようにしていいわ」
そう言いながら、朱浬さんは僕と唇を合わせにきた。今度のはさっきと違って、朱浬さんの舌が僕の唇を割りにくる。
僕は、朱浬さんの舌を迎え入れた。
「ぅむん、ぅむっ、っむぅ、んっ、んっ、んっ、、、はぁ〜〜〜ぁ」
僕と朱浬さんの唇の間に濡れた橋をかけながら、朱浬さんが唇を離していった。
「大人のキスよ、トモハル。
さっ、後は好きにしていいわ。私を気持ちよくさせて」
朱浬さんは、背中に廻された僕の手を自らの胸元に導いてくれたんだ。

「柔らかい・・・・・・」
「うふっ、ありがと。でも、奏っちゃんの方がもっと大きくって揉み応えがあるわよ」
「そんな事ないです。いや、確かに嵩月のは大きそうだけど、朱浬さんのも素敵で・・・・・・なんで、そんなに寂しそうな顔をするんですか?朱浬さん」
そう言った時の朱浬さんが、メガネの奥で一瞬だけ寂しそうな瞳をしたのは僕の身間違いなんかじゃないと思う。
「ん?どうしたの、トモハル。。。もう少し力を入れても大丈夫よ。入れすぎは良くないけど、優しさもほどほど、、、ぁん・・・・・・」
触れて欲しくない事でもあるのかな。だから僕は、朱浬さんに言われた通り、少しづつ指先に力を入れていった。
「そぅ、そぅ、、、っん、そっ、そんな、っん、かん、、、じっ・・・・・・ぁはぅ」
掌に吸い付くような朱浬さんの肌。姿勢を変えても形が変わらない朱浬さんの乳房が、僕の指の力加減で好きなように形を変える。
「そっ、、、ちっ、だけっ・・・・・・じゃ、、、ぁはぅ、なくっ、ってっ。こっ、、、ちっ、っもっ」
朱浬さんが、もう片方のあいてる乳房に僕の顔を押し付ける。僕は、それを吸い付くように舐めまわしはじめたんだ。

朱浬さんの匂いが、ボディーソープの香りから甘いミルクのような香りに変わってきた。サラサラしていた柔肌の手触りも、しっとりとした手触りになっている。
「はっ、はっ、はっ、ぅん〜〜っ、とっ、トモハルっ〜〜っ」
乳房の先端でさくら色に色付いて主張している乳首を甘噛みすると、朱浬さんが艶っぽい嬌声をあげてくれた。
僕は、夢中になって吸い、啄ばみ、舐めあげた。指を埋め、握り締め、つまんだ。
「とっ、トモハルぅ・・・・・・そっ、そろそろ、他のっ、ところもっ、ねっ」
抱きしめていた僕の頭に合図をしながら、朱浬さんがそんな風に言ってきた。
「はぁ〜〜〜ぁ。ずいぶん、夢中になってたわね、トモハル。私のおっぱい、気に入ってくれた?」
僕は肯く。
「素敵です、朱浬さん」
「あはっ、ありがと、トモハル。じゃあ、次は・・・・・・」
膝立ちで座り込んでいる僕を立ち上がらせながら、朱浬さんも腰を上げると僕をバスマットの方へ招いた。
「もっと気持ちよくしてくれるかしら。場所は、さっき説明したわよね。
・・・・・・っんっ」
僕にキスをした朱浬さんが、自分から後ろに倒れこんでいく。僕は、朱浬さんを支えるようにしながら覆い被さっていったんだ。

バスマットに仰向けに寝そべった朱浬さんが、自分から脚を開いていく。
「さっき、おっぱいにしてくれたみたいに、シて、トモハルぅ。
そうしたらぁ、、、い〜ぃこと、シて、あ、げ、るっ」
そんな事を言われても、僕の気持ちは決まってる。僕は、朱浬さんの開いた下腹部に手を差し伸べていった。


続く
750666:2010/03/20(土) 17:25:00 ID:MR2gjy9a
朱浬の手ほどき -5- を投下しました。

ヘタレ智春が動いてくれねぇ・・・・・・おかげで、短編のつもりがこんなにダラダラと(w
751名無しさん@ピンキー:2010/03/20(土) 17:41:35 ID:1kCthpRV
>>750
GJ!
752666:2010/03/21(日) 18:38:43 ID:wReFK0Lc
7

ボムっ・・・・・・

「アチっ!」
アニアが慌てて浴槽から飛び出した。水蒸気爆発とまではいかなかったが、湯船に張られたお湯の温度が一気に10度ほど急上昇した。
「か、奏っ!」
その一瞬のち、奏を浴槽から引き上げる。イッたのか、奏は気を失っていた。
『あっちゃ〜、ヤりすぎちゃったね』
「うむ。ここまで奏がビンカンだったとは・・・・・・」
「ん、んん、、んんん、、、」
最初の絶頂だったためかバストの刺激だけだったからか、奏はすぐに気がついた。温度の上昇が大きくなかったのもそのせいだろう。
「まさか、自分が入っているお風呂で・・・・・・熱湯風呂をやるとは、思いませんでした。。。」
そんな事を口走りながら、奏がアニアをにらみつける。それでも、「イッた後だったからな。怖いより艶っぽかったぞ」とはアニアの弁。

「すまなかった、奏」
バスマットの上に横たえられた奏が、落ち着きを取り戻して上体を起こすと、アニアが素直に謝った。奏はそれに対し、首を横に振る。
「夏目くん、にも。。。よく言われますから」
ポロっと零したそのひと言に、操緒が敏感に反応する。
『あれ?いつの間にそんな事をしてるのかな〜、嵩月さん』
「ほう。よく言われるほどヤッていると?」
二人にツッ込まれてあたふたする奏だったが、そこに
「どうしたの?何かあった?」
大きな・・・・・・といっても、鳴桜邸にしては極めて小規模なのが情けないけど・・・・・・爆発音がしたんで、僕が様子を見にきたんだ。
「なっ、なんでもないぞ。ちょっと奏が暴発しただけだ」
暴発って・・・・・・嵩月に、何をしたんだ?アニア。
『大丈夫、大丈夫。智春(トモ)が心配するような事はしてないから。
女の子同士の秘密のお話をしてるだけだよ』
浴室から操緒が上半身をすり抜けさせ(当然、バスタオルでしっかりガードしてるさ)て、僕が戻るのを促しに来た。
「嵩月、だいじょうぶ?」
それでも、僕は嵩月に声をかけた。原因が嵩月の暴走なら、それが一番気にかかるでしょ。でも、ちょっと呼吸は荒かったけど、しっかりと嵩月は返事を返してきたんだ。
だから、僕は大人しくきびすを返したんだ。

「だいじょうぶ、です。心配させて、ごめんなさい」
奏は、心配そうに声をかけてきた智春に返事をした。智春が脱衣所から出て行く気配を感じながら、奏はアニアに声をかけた。
「ニアちゃん。背中を流してあげます」
この時不幸だったのは、アニアが熱くなった湯船の湯を水で薄めていて、嵩月の表情を見ていなかった事だろう。操緒も嵩月の後ろに居たので、表情までは見ていない。
二人は忘れていたんだ。
三人の中で唯一、エッチの経験者なのが嵩月だって事を。そして、やられたらやられっぱなしにしないで反撃する激しい気性の持ち主だって事を。

奏はすでにタオルを泡立てている。だから、アニアは大人しく奏の前に椅子を持ってきて、背中を向けて座った。
アニアの背中は、白人特有の白さときめの細かさで、湯に火照ってしっとりと濡れている。
「大きく、なりましたよね。ニアちゃん」
奏が優しくタオルを滑らせていく。肩甲骨の裏側、背筋の窪み、襟足・・・・・・1年前、10歳だった頃に比べると、ふた回りほど広くなり、女性的な柔らかいラインに変わっている。
手を持ち上げて、脇の下をこすりあげる。
「ひゃっ・・・・・・ま、前は自分で。。。」
というアニアの言葉を無視して、奏がタオルを動かしていく。
「こ、子供扱いするな、奏・・・・・・」
そんなアニアに、奏はにこやかに
「大人あつかい、していいんですね」

「どうですか?ニアちゃん。バスト、気になっていたんでしょう?興味深そうに、揉んでくれましたものね」
奏がアニアの背中に胸を押し付けてきた。
「奏?なっ、なにを・・・・・・」
「だから、大人扱い、です」
脇の下から前に手を廻された奏の手が、アニアのバストに達する。いつの間にか、奏はタオルを捨て素手でソープを泡立てていた。
「夏目くんが、してくれる事。。。ニアちゃんに、教えてあげます」


続く
753666:2010/03/21(日) 18:41:05 ID:wReFK0Lc
長編(そろそろ、タイトル考えなきゃねw)の第7章を投下。

次回、嵩月の反撃が始まります(w
754名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 18:49:09 ID:xtFnHaaz
GJ!
755名無しさん@ピンキー:2010/03/21(日) 19:52:45 ID:xBKU/IIq
おお!
GJ!
756666:2010/03/22(月) 00:53:05 ID:YoFtA+7V
8

「か、奏?さっ、さっきは、すまな、かったっ・・・・・・」
「だめです。赦しません」
脇の下から前に廻った奏の両手は、アニアの小振りなバストの裾野に届いていた。下から持ち上げて包み込むように、奏の掌が優しく包んでいる。
「大きさを気にしてるようですけど。大丈夫です・・・・・・形もいいですし、ニアちゃん、ウェストが細いから」
カリッ・・・・・・
「あぅ!」
アニアの耳元でそう言うと、奏はアニアの耳たぶを甘噛みした。
「かなっ、かなでぇ、、、やっ・・・」
奏の白魚のような細指が、徐々にアニアのバストを頂めがけて上がっていく。蠢くように、それぞれの指が微妙に力加減を変えて、それに従いアニアのバストは形を変える。
「あっ、あっ、あっ、、、ぁはぅぅ・・・・・・ぅんむっ」
奏の人差し指は、頂の手前・・・・・・淡く色付く乳輪から頂を掠めて上半分へ移動する。中指が、乳首の先端を掠めるように上下している。
奏は、親指と人差し指で上半分を、薬指と小指で下半分を、上下からアニアのバストを攻め立てる。そうしながらも、背中では自らのバストを押し付けて刺激を与えている。
「はぁ、はぁ、はぁ、、、、っん、、、はぁ、はぁ、っん、、、」
耳たぶも忘れてはいない。時折、舐め、甘噛みして、アニアの息が落ち着く事を赦さない。
「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ・・・・・・・・・」
逆に、呼吸が浅く、間隔が短くなる。その時
「あっ、あぁ〜〜〜っ」
それまで放置され、しかし周囲を攻められたために膨らみかけていた乳首を、奏の指が捻りあげた。
一瞬で絶頂に達するアニア。奏が支えていた背中が仰け反り、全身に力が漲る。

しかし、それでも奏は攻めの手を緩めなかった。アニアの縊れたウェストに腕を廻して片腕で支え、空いた右手をアニアの股間に差し込む。
「はぅっっ・・・・・・」
逆方向に力が入っていたアニアが腿を閉じた時には、すでに奏の指先は目的地へ達していた。
「ニアちゃん。これからが、本番、です」
「ひっ、、、っんぅんぅ・・・・・・」
奏の言葉にアニアは首を激しく横に振るが、そんな事で奏が赦すはずはない。下半身に意識が行ってしまったアニアの右のバストを左手で攻め始める。
「ぃっ、ぃひっ、っはぅ、っは、ぅん、ぃいっ、いぃぃっ・・・・・・」
腿の間全体を撫でるように動いていた指先が止まる。バストを這い上がる指が一気に乳首に襲い掛かる。
人差し指と薬指でスリットを広げ、まだ誰の侵入をも許していないアニアの内側の唇を奏の中指が蹂躙する。軽く登りつめた時から勃起しっぱなしの乳首に尖痛が走る。
尿道口を中心に膣腔とクリトリスの裏側を右手の中指が撫であげられる。勃起しきった乳首が錐揉まれ押し込まれひしゃげる。
アニアは両脚を突っ張りどうにかして奏から逃げようとするが、逆に奏に身体を絡め捕られてしまう。腰を引けばお腹で押し返され、上体を反らせば圧し掛かられる。
「はひっ、はっ、ひっ、ひぃ、っくぅ、うぅむ、ふぅっ、ひぃ・・・・・・」
初めて他人から愛撫されるアニアは、もう息も絶え絶えになっている。奏も、アニアが何度も達しているのはわかっていた。
それでも、登りつめた意識から降りてくる事を許されず、さらなる高みへと昇らされる愛撫に、アニアは何度も全身を硬直と弛緩の間を往復させている。
「そろそろ、逝かせてあげますね、ニアちゃん・・・・・・」
その声が聞こえているのかいないのか、アニアは先ほどから大きく顔を左右に振っている。

「ぃひっ!!!!!!!!!」
奏は、それまで避けるようにアニアのスリットの中で蠢かしていた指で、パンパンに膨れ上がったクリトリスを捻り上げた。

プシッ・・・シャッ、シャぁ〜〜〜〜〜〜ぁ

アニアの尿道口から、弧を描くように黄金のミネラルウォーターが噴出する。そのままアニアは気を失った。
「指だけで、こんな粗相をしちゃうなんて。ニアちゃんもまだまだ、子供ですよね。
そう思いませんか?水無月さん」
『・・・・・・・・・・・・』
そのとき操緒は、完全にフリーズしていたらしい。。。目を血走らせて。


続く
757666:2010/03/22(月) 00:54:13 ID:YoFtA+7V
エロは疲れる。。。(w

奏っちゃんの反撃、もぅ少し続きます。
758名無しさん@ピンキー:2010/03/22(月) 19:57:23 ID:QwdXNBTF
GJ!

奏の反撃すげぇ
759名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 00:16:09 ID:GE8zl6+j
GJ
奏さん下攻めるのか
立派だ
760名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 01:24:09 ID:Fjs89Y3y
GJ!
やっぱエロハルに嬲られまくってたせいで鬱憤たまってたのか?w
761666:2010/03/23(火) 08:38:18 ID:XjkghaZ9
おはようっす。

ここまでエロ度が低かったので、ちょっとネチっこいエロを奏っちゃんにヤらせてみましたが
いかがだったでしょうか?
なかなかエロに繋がっていってくれない筆者の鬱憤もあったのですけれどね(w

あとでネタをバラしますが、奏っちゃんとエロハルは結構ヤッてたりします。操緒に内緒で。
アニアとの差は、その経験の差って事で。まぁ、一度に全部詰め込んだってのもありますけど。

先の展開も考えてありますけど、おフロを出たところで一度休憩をいれさせてもらいます。
さすがに疲れますので。(^^ゞ 朱浬さんの方もありますし。
762名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 08:46:45 ID:GE8zl6+j
おはよう

がんばれよ!
エロい奏さん最高!
763666:2010/03/23(火) 19:25:08 ID:XjkghaZ9
9

手桶でアニアの股間を洗い流すと、奏はアニアをバスマットへ仰向けに横たえた。
「まだまだ、続きはありますよ・・・・・・ふふふ」
それは、気を失っているアニアに言ったのか、フリーズしている操緒に言ったのか。

chuっ・・・・・・chu、chuっ、、、chu、chu、chu・・・・・・

アニアの頤、鎖骨の窪み、脇の下、お臍の周り、わき腹、内腿、膝の裏、ふくらはぎ、足の指先・・・・・・奏がアニアの身体中にキスの雨を降らせていく。
足の先から、また同じ道をたどって戻ってくる。
「ぅ・・・・・・ぅ、、、ぅ、、ぅ、ぅん???・・・ぃひっ!」
アニアの意識が戻ってきたところで、すかさず奏がアニアの乳首に吸い付く。
「ぅぐっ、っくぅ、っぐぅ・・・・・・・・・」
片方の乳首を啄ばまれ、もう片方は乳房ごと揉みしだかれ、さらに空いた手でパンパンに膨れ上がったクリトリスの包皮を剥かれ直接弄ばれては堪らない。
アニアの身体が、陸に上げられた魚のように跳ね回る。

『ちょっ、ちょっと・・・・・・嵩月さん。。。ニアちゃんが』
「心配しなくても、だいじょうぶ、です。ちゃんと天国に、逝かせてあげます、から」
『ちがっ、そうじゃなくって・・・・・・』
傍観を決めていた操緒が、アニアの身体を押さえつける奏の口が空いたすきに問い掛けるが、それに応えながらも奏の両手は止まらないでいる。
クリトリスを撫で回していた奏の指先が、爪弾くような動きに変わった。
「ぃっ、いっ、ぅぐぅ!!!」
アニアが二度目の気をやった時、今度は透明な潮が小さく吹いた。奏が身体ごとアニアの下半身側に移動して、喘ぐように蠢いているアニアのスリットに口付ける。
「ぃひっ、ひっ!!!」
強制的に意識を戻されたアニアが悲鳴をあげた。剥き出しにされ大きくなったクリトリスを吸い上げると同時に、奏は一番細い小指をアニアの膣腔に捻り入れていった。
吸い込まれるように、奏の小指がアニアの腔内に飲み込まれていく。
初めて異物を受け入れたアニアが、ブリッジをするように大きく身体を仰け反らせる。刺し込まれた奏の指を伝って、アニアの胎内から粘度の高い白濁した愛液が溢れ出してきた。
手の指も足の指も握り締めるようにして、アニアが硬直する。ゆっくりと、奏がアニアの膣内から指を引き抜いた。

『嵩月さん・・・・・・スゴいのね〜』
いつもあっけらかんとしている操緒ですら、奏とアニアの痴態に目を血走らせて感心している。でも奏は
「夏目くんは、もっと・・・・・・すごいです」
顔を紅らめてそんな事を言う。
『智春(トモ)って、そんな凄いの?』
「なんども何度も、逝かされます、から・・・・・・」
頷きながら応えるそんな奏の言葉も、普段のヘタレな智春の姿しか見ていない操緒には想像がつかないようだ。
「水無月さんも生き返ったら・・・・・・夏目くんに、シてもらえばわかります、きっと」
奏が微笑んでそんな事を言った。
アニアの様子に気をとられていた操緒は、奏の言葉に一瞬反応が遅れた。

『え・・・・・・』
「ですから、生き返ったら、夏目くんにって・・・・・・言いました」
操緒が、目を見開いて奏を見つめる。おフロに入る前、操緒を生き返させるためのリスクは説明されている。
「それでも・・・・・・私は、水無月さんと一緒に、生きていきたい、です」
操緒は涙を浮かべている。
「一緒に、生きていきましょう。。。水無月さん」
奏が、放り投げてそれっきりになっていたタオルを濯いで再び泡立てる。アニアを責めて汗にまみれた自分の身体を清めていった。
『でもさ。今のままでも・・・・・・』
そんな操緒の言葉も、シャワーで泡を流しながら
「今のままでも、楽しいです。でも、生き返ったら、たぶんもっと、楽しいです」
自分の泡を流しきると、気を失って横たわっているアニアに優しくシャワーを降りそそいでいく。


続く
764666:2010/03/23(火) 19:26:04 ID:XjkghaZ9
10

「ん・・・・・・ん・・・ん、、、」
奏のシャワーに、アニアが息を吹き返す。
「ニアちゃん、だいじょうぶですか?」
幾度となく迎え入れた絶頂に汗をまみれさせた身体を、奏が優しく洗い流していく。
「ぁ・・・・・・かなでか。すまんな・・・・・・」
のそのそとアニアが身体を起こそうとするのを、奏が手伝う。
「からだ、自分で洗ってください」
「ぅ、うむ・・・・・・」
まだ少し意識は朦朧としているようだが、アニアは意外にもタオルを手にとって泡立て始めた。
アニアが何とか身体を洗い始めると、奏は操緒を伴って湯船にゆっくりと浸かった。
「さっきの話・・・・・・私から夏目くんに、話します、から」
『ん・・・』
奏の確認に、操緒は肯くのだった。

アニアが身体を洗い終えると、三人はもう一度そろって湯船に浸かった。
今度は横に並んで。
そこで、情事の前にあった疑問を操緒が投げかけた。
『そういえばさ。智春(トモ)と嵩月さんって、何度もシてるんでしょう?操緒が知らないのはなんでかなぁ』
「あーー・・・・・・」
操緒の問いに奏が答えようと言葉を捜すが、その前にアニアが反応した。
「やり方は想像がつくぞ。奏、間違えていたら言ってくれ」
アニアの言葉に奏が肯く。

「これはK鐵・改だからできる事だと思うのだがな。
まず、操緒。お前が寝入ったところで智春がK鐵・改を半呼び出し様態にする。そうすると、操緒の意識はうずしおの本来の身体に戻るな。
その状態で右腕だけをほんの少し・・・・・・智春の身体を奏の居場所へ移すだけの大きさで動かす」
『でも、K鐵・改を動かせば、操緒はわかるよ?』
「そこだ。そこで、アスラクラインとしての力を使う。
奏の悪魔の力で、ほんの少しだけK鐵・改の右腕を動かすんだ。それくらいなら、寝ている操緒の意識には感じないのだろう。魂にも影響は無いはずだ」
奏は感心したように肯いている。
「事をしたあと、同じようにして自分の部屋に戻る。している最中は、K鐵・改を起動状態でこちらの世界に出てこないように意識しているのだろう。
そうすれば、操緒。お前が起きてくる心配も無いしな」
『なるほどね〜。それで最近、妙に眠りが深い時があったんだ』
操緒が奏の方を向くと、奏は真っ紅になって身体を火照らせている。
「さて、そろそろ上がるか」


晩御飯の準備もそろそろできた。朱浬さんも帰宅して、すでにリビングで寛いでいる。だから、女子が多いからって、そんな格好でウロウロするのは辞めてくれませんか、朱浬さん。
そうして、僕が入浴中の三人に声をかけにいこうとしていた時、頃よく操緒が風呂上りの格好でリビングに戻ってきた。
「あら、操緒(サオ)ちゃんもおフロだったんだ〜」
『うん。嵩月さんとニアちゃんと三人で。二人とも、もう来るよ』
言うか言わないかのうちに、二人がリビングに姿をあらわした。

「長かったね、嵩月。何かされた?」
僕がそう嵩月に訊いたとき、顔を紅くしたのはアニアと操緒だったのは何でだろう。
「『な、何もなかったぞ(よ)』」
そのアニアと操緒が声を揃えて返事をした。だから、何で僕を見るの?二人とも。
朱浬さんはニヤニヤと笑っているけど・・・・・・あっ、朱浬さんが嵩月に何か耳うちしたら、嵩月が真っ赤になって俯いた。
でも、僕には何があったかなんて、教えてくれないんだろうな・・・・・・誰も。
「みなさ〜ん、ご飯できましたよ〜〜」
キッチンの方から和葉のそんな声が響いたのは、そんな時だった。

その日の夕食は・・・・・・多くは語りたくないよ。いわゆる、針のむしろ状態でさ。
朱浬さんは憚りもなく下ネタ満載だし、そのたんびにアニアは僕の方を見るし和葉は睨むし。カンベンしてよ、もう。


-第一章 完- 一応、続く予定
765666:2010/03/23(火) 19:27:50 ID:XjkghaZ9
タイトル未定の長編の方、一回締めます。

プロットはあるので、休んだら再開する予定ですが。。。
766名無しさん@ピンキー:2010/03/23(火) 22:17:01 ID:5A34k1MU
GJ!

是非づづけてください!
767名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 02:05:14 ID:Trt/8Oj5
つづき 期待
768名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 09:09:43 ID:r362kQTF
ところで渦潮どうなったんだ?(´・ω・`)
769名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 17:50:16 ID:J/xuLN35
嵩月のスカトロ系のヤツが見たい
770名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 18:22:22 ID:YEU53Pim
GJ!
スカトロはやめてくれ…
771名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 19:22:04 ID:/wDr6D4j
GJ!

スカトロはやめようよ
772名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 19:35:53 ID:J/xuLN35
ダメかな?
773名無しさん@ピンキー:2010/03/25(木) 20:07:14 ID:YEU53Pim
スカトロはマニアックすぎるからね
ちょっとキツイよ……
774名無しさん@ピンキー
上に同じ マジそれはキツイ