【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合8

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100おねしょタバサ ◆qrZtCzv0Ak
ラグドリアンの湖畔、一人の少女が水遊びをしていた。
その少女の両親だろうか。二人の男女が岸辺に座り、優しい面持ちで愛おしそうに少女を見つめている。
季節は夏。
太陽の光が水面に反射して、キラキラと輝く宝石のような輝きを見せている。
膝上まで水に浸かり涼を感じている少女は、その宝石を両手で掬い上げると、満面の笑みを浮かべた。

「母さま、母さまもこっちへきてー」

はしゃぎながら岸辺に居る両親を呼ぶ。
母さまと呼ばれた少女と同じ青い髪の女性がすっと立ち上がり、少女のほうへ近づいていった。
パシャパシャと音を立て、水を掬って遊ぶ少女。近寄ってくる母にこの水をかけたら、どんな顔をするだろうかと思っていた。

青髪の女性は、近づいた少女の横をそのまま通り過ぎ、湖の中へと足を進めていく。
「母さま?どこへいくの?」
少女が不思議そうに女性へ目をやる。
「母さま、そっちは深いから危険よ、母さま」

少女の言葉が聞こえていないかのように、女性は湖の中へと向かっていく。すでに体は腰まで水に浸かっていた。
「父さま!母さまがっ!」
岸辺に居る父のほうを振り返り、助けを求めようとしたが、そこに父の姿はない。
ならば自分で、と思ったがどうしてかその場から足が動かない。
「父さまっ、母さまっ!ダメッ!行っちゃダメ!!母さまっ!!母さまぁ!!!」
その時だった。ずっと静かだった水面が突然渦を巻くようにうねりだし、高い波が少女を襲う。
少女は波に攫われ、水の中へと引きずり込まれていった。


101おねしょタバサ ◆qrZtCzv0Ak :2006/11/23(木) 15:34:43 ID:Kw55qrZE
そこでタバサは目を覚ました。
ここはトリステイン魔法学院の宿舎。窓から差し込む日差しが暑い夏。
夏季休暇真っ只中の本日、タバサは自室のベッドでうたた寝をしていた。
昔の両親との楽しかった思い出を夢に見ていたのだが、途中からそれは悪夢となってしまった。
けれど懐かしかった過去を久しぶりに思い出し、ふっと一息ついて起き上がる。が、そこで自分の下半身をみて愕然とすることになる。
敷布団には地図が出来上がっていた。

(ううう、うそ!お、おねしょ………しちゃった?)
あたふたと周りを見回すタバサ。近年稀に見る彼女の慌てぶりだった。
(おおお、落ち着いて、まず着替えて、それから布団を乾かせば―――)
スカートを脱ぎ、下着を履き替えたところでドアがノックされた。

「今日も暑くって嫌になっちゃうわよね。タバサ、いつもみたいに、つめたーい風を吹かせてちょうだい」
ノックに対する返事も聞かないうちに、声の主であるキュルケがドアを開ける。
そこからが早業だった。
タバサは敷布団の地図を、暑いから掛けないでたたんでおいた掛け布団で隠し、一瞬でドアの前に立ちはだかる。
「あら、ずいぶん珍しい格好してるわね」
「あ、暑かった」
上着とマントは羽織っているのに、下は下着のみという格好にツッコミがはいる。
対するタバサの言い訳も苦しい。
「まぁいいわ、お邪魔するわ―――ってなによ」
タバサはキュルケの体を抑え、部屋の外へ押し出してドアを閉める。
「今日はあなたの部屋」
「へ?私の部屋?珍しいわね」
「た、たまには気分転換」
「別にいいけど、あんたその格好で来る気かしら」

タバサは部屋に戻りドアを閉めて、わざわざ鍵をかけてから別のスカートに履き替えて外に出る。さっきまで着ていた物は床に脱ぎ散らかしたままだ。
部屋の前で待っていたキュルケが、ドアの隙間から目ざとくそれを見つけて言う。
「スカートあのままだとシワになるわよ」
いいから、とキュルケの背を押し、キュルケの部屋へと向かっていった。
102おねしょタバサ ◆qrZtCzv0Ak :2006/11/23(木) 15:36:18 ID:Kw55qrZE
「バカ犬ぅぅ!待ちなさい!!!」
ドゴーンという爆発音が廊下に響き渡る。
この学院では日常の事。
いつものようにシエスタと話をしていた才人を、いつものように誘惑するシエスタを見たルイズが、いつものように誤解?して、いつものように追い回している光景。
このままでは命が危ないと思った才人は、目の前にあった扉の中へ逃げ込んだ。
「まったく!どこいったのかしらあの犬!」

扉の外をドタドタと足音が通り過ぎるのを聞いて安堵し、周りを見回した才人は、ようやく自分が誰かの部屋に逃げ込んだことに気づいた。
その部屋は、本棚の本や机の上はきれいに整頓されているのに、床には衣類が散らかっている。
床に放置してあるスカートと下着を畳もうと手に取る。悲しいことに、乱れた衣類はきちんと整頓する癖がついていた。
「なんだこれ、濡れてんじゃん」
手に取ったそれがまだ濡れていることに気づいた才人は、とりあえず干すことにした。
スカートが局所的に濡れているのが気になったが、窓の近くにあるロープにそれを干す。
ふと、部屋を見回すと布団が乱れているのが目に付いた。
普段からルイズの雑用をこなしている才人には、部屋の散らかりは気になるのだ。
「ったく、布団くらいしっかりたためよ」
まったく貴族ってやつは、などとブツブツと文句を言いながら、見知らぬ部屋を整えていく。
掛け布団をきれいにたたみ、ベッドから降ろすと、そこには地図が描かれていた。

ナンデスカ、コレハ
地図?うん、俺は過去にこれによーく似た地図を見たことがある。っていうか描いたことがある。
その地図が母親に発見されたときは、叱られたっけなぁ……
つまり、これは、いわゆる『おねしょ』ってやつじゃありませんかぁ!?
おいおい『おねしょ』ですかっ!俺だって小学校に上がる頃にはもう『おねしょ』なんてしなかったのにぃぃ!
いい歳してまだ『おねしょ』しちゃうんですかぁぁぁっ!!さっすが貴族様はやることが違う!そこにしびれるぅ!憧れないぃぃぃ!!
これは部屋の主が誰なんだか、是非とも調べなければならない!これは俺に課せられた最優先任務であります。

ガチャ
そんなことを考えているサイトの後ろから、扉が開く音がした。
そこに立っていたのは、よく知っている青髪の少女だった。それを確認して才人はフリーズした。
103おねしょタバサ ◆qrZtCzv0Ak :2006/11/23(木) 15:37:49 ID:Kw55qrZE
部屋に戻ると、ルイズの使い魔がいた。
何で彼が部屋に居るのか分からない。分からないけど――――っ!
部屋の中で小躍りせんばかりにはしゃいでいた彼は、私と目が合うと固まった。
 
「あ、あの、タバサさん?これはですね、ルイズに追われていまして、それでたまたま逃げこんだ部屋がここでして」
しどろもどろと言い訳をする才人を無視して部屋を見回すと、脱ぎ捨てておいたはずのスカートと下着が干されている。
一応聞いておいてあげよう。

「見た」

「み、見てない!地図なんて見てない!―――あっ!」

掛けておいた布団も捲られている。ふーん、全部見ちゃったんだ。
手に持った杖に力をこめて詠唱を始める。危険すぎで、これまでに唱えたことのない魔法、確実にサイトは始末する。
「ちょ、落ち着けタバサ!おねしょくらい誰でもしたことあるって!おねしょなんて気にすんなよ!誰にもおねしょのことは言わないから。無断で部屋に入ったことも謝る、許して。ね?お願い」

おねしょおねしょと連呼するサイトめがけて、私はありったけの魔法を打ち込んでやった。

「ぎゃあああああああああああああ」
104D_K ◆qrZtCzv0Ak :2006/11/23(木) 15:40:17 ID:Kw55qrZE
どうにも変態チックな小説ばかりでごめんなさい。

タバサはお漏らしっ娘!

いや、ほんとごめんなさい。