【涼宮ハルヒ】谷川流 the 34章【学校を出よう!】

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1( 'ー`)
谷川流スレッド設立に伴う所信表明

我がスレッドでは、谷川流作品のSSを広く募集しています。
過去にエロいSSを書いたことがある人
今現在、とても萌え萌えなSSを書いている人
遠からず、すばらしいSSを書く予定がある人
そういう人が居たら、このスレッドに書き込むと良いです。
たちどころにレスがつくでしょう。
ただし、他の作品のSSでは駄目です。
谷川流作品じゃないといけません。注意してください。

■前スレ■
【涼宮ハルヒ】谷川流 the 33章【学校を出よう!】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162125904/
■過去ログ■
http://www9.atwiki.jp/eroparo/pages/210.html

■これまでに投下されたSSの保管場所■
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/

涼宮ハルヒのSS保管庫 予備
http://haluhi9000.h.fc2.com/

■荒らしについて■
削除依頼対象です。反応すると削除人に「荒らしに構っている」と判断されてしまい、
削除されない場合があります。21歳以上なら必ずスルーしましょう。

PINK削除依頼(仮)@bbspink掲示板
http://sakura02.bbspink.com/housekeeping/

書き込む前に。。。
http://info.2ch.net/before.html
2(ι´_ゝ`):2006/11/17(金) 00:19:44 ID:uNmS2+6c
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。

Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。

Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!

Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…

Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。

Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。

Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?

Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。  嫌なときは言って欲しいのね。

Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。
3名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 00:28:24 ID:COvRCWyj
>>1
4名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 00:30:42 ID:COvRCWyj
sage忘れた……orz
5名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 00:35:35 ID:VZVnLnf2
>>1
6名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:01:46 ID:2rDDx8Cl
>>1

このスレに神SSが投下される予感
7名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:12:32 ID:oULkTBwC
>>1乙です。

そして>>6の期待を裏切ってほのぼのモノを落としたり。
8human language:2006/11/17(金) 05:15:50 ID:oULkTBwC
 それはある日の昼休み。俺は弁当と依頼品を持って部室を訪れていた。
「よう、長門。相変わらず昼間も読書か」
 こくりと頷く長門を横に、俺はいつもの指定席ではなく団長の席につく。目的はパソコンだ。
 電源をいれパソコンが立ち上がる間に、俺はお茶を二人分入れる。
 一つを長門に渡し、自分の分を持って再度着席。
 弁当と依頼品を広げつつネットブラウザを立ち上げると、俺は検索エンジンを基点に様々なサイトへとアクセスしだした。

「…………」
 ふと気づけば長門がこちらを見つめている。いや、正確に言うなら『俺の持ってきた依頼品を』か。
「ああ、これか? これは『犬の言葉がわかる機械』だよ」
「翻訳機?」
「そこまで大したもんじゃないけどな。阪中のなんだ、これ」

 それは特にこれと言った深い事情も、宇宙的未来的超能力的な陰謀も無い、まさに日常茶飯事至極簡単な話であった。
 今日の朝、阪中はこの機械を俺たちに見てもらえないかと聞いてきた。
 昨日、阪中が親友にして家族である愛犬ルソーにつけて遊んでいたら、突然電源が落ちて起動しなくなったのだとか。
「苦手なのね私、こういう機械とかって」
 機械に疎いらしい阪中一家は自力修理をあっさりと断念。メーカー修理に出そうという話になった。
 ただ、メーカーに出す場合戻ってくるまで一ヶ月近くかかってしまうケースもあると聞く。
「でも、実は簡単に直るかもしれないのね。電池交換とかみたいな感じで」
 そう考えた阪中は、修理に出す前に一度誰かに見てもらったらどうかと両親に提案してみる。

「そして阪中一家から白羽の矢を立てられたのが、かつてルソーを救った実績のある我らSOS団だった、という訳だ。
 後は団長閣下からの勅命さ。『あんた、とりあえず見てみなさいよ』ってな」
 俺が簡単な事のあらましを伝える間、長門は『犬語翻訳機』を手に取り興味深く見つめていた。

 さて、もう少し検索してトラブルQ&Aとか探してみようと思っていた矢先、
「装置の一部に電圧異常を確認。これが原因と考えられる」
 長門はあっさりと故障の原因を見抜いてしまった。流石は宇宙の神秘、インターフェースはダテじゃない。
「直せそうか?」
「修復可能。ただ、もう少し詳しく調べてみたい」
 明日まで預かるって言ってあるからそれは問題ない。珍しく能動的な長門に、俺は内心嬉しく感じていた。
「それじゃ、そいつの修理は任せていいか」
「いい。私自身もこの装置に興味がある」
 長門は目の色を少しだけ輝かせながら頷いた。


 翌日。長門から修理されて少々形の変わったブツを受け取ると、ハルヒと共に坂中へと渡す。
 やばい所を開けたんでメーカー保障が効かなくなったが、その分サポートは長門がしっかり行うらしい。
 俺の知る限り、世界一優秀なサポートセンターとなる事だろう。
「助かったのね、ホント。ありがとう」
「有希にかかれば、それぐらいどうって事無いわよ」
 そして放課後、阪中が喜んでいた事を長門に告げ、この件はあっさりと終了した。



 ──そう。少なくとも、この時の俺は『この件はあっさりと終了した』と全く疑いもしなかった。
9human language:2006/11/17(金) 05:16:41 ID:oULkTBwC
- * -
 翌日。俺は阪中に翻訳機の調子を聞いてみることにした。
「よう、阪中」
「なにかな、ルソー」
 阪中がこれ以上無いというぐらいの、何ていうか至高だか究極だかといった謎の言葉がぴったり当てはまるぐらい
幸せ全開な満面の笑みを浮かべて答えてきた。
 さて、俺はいったい何処から突っ込むべきだろうか。悩んだ挙句、まず俺はルソーではない事を阪中に確認させた。
「あ、ご、ごめんね! つい反射で」
 何の反射で俺がルソーになってしまうんだろうか。更に突っ込みどころ満載だ。
 今の阪中が相方ならあと十年は突っ込んでいけそうに思える。
 一体全体何が普段は大人しめのお前に、まるで俺の後ろに鎮座するヤツの様なヒマワリが咲き乱れると言った形容詞が
似合う程の笑顔を浮かべさせ、まさに脳内ハッピーセット状態と言った状態へと陥らせているのだろうか。
 どうかその辺り、じっくりとご説明して頂きたい。

「えっとね、あの機械のおかげかな」
 あれが直ったのがそんなに嬉しいのか。よっぽどルソーと話したかったんだな、お前。
「もちろんなのね。あ、でもちょっと違うの」
 どっちなんだよ。相変わらず不思議で不器用な喋り方だ。俺が更に問いただそうとしたが、
「ほら始めるぞ。お前ら席に着け」
と、岡部がやってきてしまった為に話は中断されてしまった。
 まあ、とりあえずちゃんと直っているようなので問題ないだろう。長門の腕を疑ってるわけじゃないけどな。

 しかし、それから更に数日後の放課後。
「いったいどういう事だか説明しなさい」
 知らん。俺が誰かに聞きたいぐらいだ。

 特別教室を掃除しながら、俺はハルヒと二人で話していた。議題は『阪中の態度について』。
「何かさ、最初は阪中さんが……キョンの事を好きになったのかな、って思ったの。今思えばありえないバカ話よね。
 でももしそうだとしたら、キョンにたぶらかされてキズモノになる前に、友人並びに団長としてキョンを好きになるの
だけはやめときなさいって注意するつもりだったのよ」
 誰がたぶらかしてキズモノにするっていうんだ。俺は理性の無いケダモノか何かか。
「でもさ、何か違うのよね。こう、恋って言うよりは全てを包み込む慈悲の心? って感じで」
 ハルヒの感想は実に的を得た答えだった。
 実はここ数日、阪中の様子が目に見えておかしくなっていってた。
 俺を見る態度が何故か慈愛に満ちたモノになり、俺が喋る言葉を一字一句逃さず聞きとろうと真剣な表情をみせる。
 いったい阪中の中でどんな心境の変化が訪れたというのだろうか。

「直接聞いてみたらどうだ?」
「うん……やっぱそれが手っ取り早いわよね。でも……」
 なるほど、一応ハルヒなりに気後れしていたわけか。だったら背中を押すのが俺の役目だろう。
「友達なんだろ。だったら普通に聞けば大丈夫さ」
「……わかった。今から聞きに言ってくる!」
 部活の真っ最中にかよ。はた迷惑この上ないから、今日一緒に帰るとかその程度にしておけ。
 今にも駆け出しそうなハルヒの襟首を捕まえ、俺は遠慮という言葉をハルヒに教えてやった。
 どうせ二秒で忘れるだろうがな。
10human language:2006/11/17(金) 05:17:33 ID:oULkTBwC
- * -
 さて、更に次の日。
 阪中の『慈悲の心』病はどうやら伝染する事がわかった。なぜなら
「……いいなぁ、JJ。あたしも犬飼おうかなぁ」
「どうしたんだハルヒ、お前まで」
「え、あ、な、何でもない、わよ!?」
 あからさまに目に見えてまず間違いなくハルヒが阪中に病気を移されていたからだ。
 こりゃマジでやばいかもしれん。俺はそう思い、ハルヒ以外のメンバーを昼に緊急招集しこの事を伝えた。

「昨日の帰りに阪中さんのお宅まで一緒に帰られたのなら、下校中か阪中宅かで何か楽しい事があったのでしょう。
 昨日から涼宮さんの精神がプラス思考に不安定な状態を見せています」
 涼宮ハルヒ専門精神鑑定医の古泉が答える。まあどう考えてもそうだろうな。
「きっと涼宮さんはルソーさんの可愛らしさが改めてわかったんですよ。わたしも会いたいなぁ」
 それだけなら良いんですが。長門、お前はどう思う。
「情報不足。判断できない」
「ここはやはり現場百遍。阪中さんのお宅を訪れてみるのがいいかもしれません」
 阪中の家へ、か。確かにそれが一番手っ取り早いかもしれんな。だが、どう理由つける。
「翻訳機の様子がみたい、そう言えばいい」
 なるほど。それじゃその線で阪中に話をふってみる事にしよう。

「いつでも大歓迎なのね、わたしの方は」
 阪中は相変わらず満面の笑みを浮かべて答えてきた。それを横で聞いていたハルヒは片手を挙げて立ち上がると
「それじゃ今週のSOS団活動は、全員でJJに会いに行きましょう!」
 阪中に負けないぐらい笑みを浮かべてそう高らかに宣言した。



 そんな訳で土曜日。
 俺たちはいつもの場所に集合し、電車に乗って阪中宅へと移動した。何度みても人生に不公平さを感じる家である。
「歓迎するのね、いらっしゃい」
 阪中に迎え入れられて玄関をくぐると、廊下に目的のお方が鎮座していた。
「こんにちは、JJ! ハルヒが遊びに来たわよっ!」
 ハルヒが豪快に手を振って挨拶をする。後ろがつかえてるからとにかく靴を脱げ、俺がそう突っ込もうとすると


『おう、遊ぼうハルヒ!』
 聞き覚えのあるような無いような声で、ルソーがハルヒに答えてきた。

11human language:2006/11/17(金) 05:18:32 ID:oULkTBwC
 あまりの出来事に一瞬凍りつく。今喋ったのはルソー、なのか? シャミセンの次はルソーだというのか?
 俺が目線を古泉に送る。これは一体どういうことだ。
 古泉は表情はそのままで、ただ瞳には困惑の色をみせるという器用な表情を浮かべていた。

「え、ど、どうしたんです、キョンくん。そんなはしゃいじゃって」
 後ろから朝比奈さんが何故か俺に聞いてくる。って、どうして俺に話を振るのでしょうか。
「だって今遊ぼうって答えたの、キョンくんでしょう?」
 更に話がこんがらがる。こうなったら最後の手段とメンバー最後の一人に目線を送ると。
「順調」
 もう訳わからん。どこがどう繋がっているのかわかる人間がいたら教えていただきたい。

「何やってんのアンタ、まるでバカみたいよ? まぁバカで合ってるんだけど」
『バカ?』
 ルソーが返す。ハルヒは俺を無視してJJに語り始めた。
「覚えてるかなJJ。キョンに有希に古泉くんにみくるちゃん! みんなJJに会いに来たのよ!」
『覚えてる! みんな来た! 遊ぼう、遊ぼう!』
 マジで会話していやがる。とにかくどうすればいいのか考えをめぐらせていると、古泉がふと手を叩いた。

「……なるほど、そういう理由でしたか。それなら全てに頷けます」
 全然わからん。そこで一人納得するな。俺は古泉にどういう事かと詰問する。
 だが古泉より先に長門がこの奇妙な状況の解答を示した。

「喋っているのは翻訳機。順調。よかった」

12human language:2006/11/17(金) 05:19:20 ID:oULkTBwC
- * -
「元々の翻訳機はあまりに稚拙。この惑星における既知の技術を逸脱しない範囲で改良を施した」
 ……逸脱してないのか、コレ。凄いな人類。全世界の技術を合わせれば犬と会話できるところまで行っていたとは。
「それにしたって凄いのね! ルソーがお喋りしてくれるのね!」
「凄くない。解析したルソーの言葉をサンプリングにより音声化しているに過ぎない」
 オーバーテクノロジーギリギリの範囲だと思うが、とりあえずそれはいい。
 お喋りどころかこっちの言う事をルソーが理解しているような気もするが、それも置いておく事にしよう。
 それよりも長門、一つ重要な事を聞かせてくれ。
「何?」

 何たってルソーのサンプリングボイスが俺の声なんだ。


 朝比奈さんが勘違いした理由はここにある。ルソーの言葉はどうにも俺の声で喋っているようなのだ。
 人間は自分の声を正しく認識する事はできない。
 自分が発音した声は、耳で聞くのと同時に直接頭蓋骨にも響いているからだそうなのだが、俺には詳しい事はわからん。
 それゆえ俺自身はルソーの声を聞いても「俺の声ってこんな杉田智和っぽかったか?」と少々首をひねる部分がある。
 ただ朝比奈さんや古泉が俺の声だと言っているので間違いはないのだろう。

「違和感の無いサンプリングボイスの作成には、数多の組み合わせに対応できる数多のデータが必要となる。
 わたしの持つデータの中で最もサンプルデータが多かったのがあなただった。だから」
 そう告げながら、長門は自分の胸にそっと手を置いていた。
 長門の所持するサンプルデータとは、それはつまり長門の記憶って事だ。
 コイツの事だ。きっと俺たちが今までしてきた会話の全てをその胸の中に記憶しているのだろう。
「記憶している。……わたしにとって、何よりも大事なモノ」
 それにしても俺が一番サンプル数が多いって事は、長門に関わった連中の中で俺が一番長門と喋ってたって事なのか。
 意外と言えば意外な事実に驚いた。


 お茶菓子として出されたシュークリームを食べながらハルヒが言ってくる。
「もう最初見て聞いた時はビックリしたわよ! なんせJJがキョンの声で迫ってくるんだから!」
 そう言ってルソーの方をみると、ルソーは今は朝比奈さんとじゃれているところだった。

「ルソーさん、こんにちは〜。わたしの事はみくるちゃんって呼んでくださいね」
『みくるちゃん、覚えた。みくるちゃん遊ぼう、さあ遊ぼう!』
「ハ〜イ、遊びましょうね〜。くひゃっ、ルソーさん、舐めたらくすぐったいですよ〜」
『遊んで遊んでー! みくるちゃん舐めちゃうぞー!』

 ……何だかもの凄く恥ずかしいやり取りを聞いてしまった。しかもアレは俺の声だ。
 穴があったらルソーと共に埋葬されたい気分になってきた。
13human language:2006/11/17(金) 05:20:23 ID:oULkTBwC
「今の朝比奈さんのようにああしてルソー氏とたくさん遊んでいたからでしょう。
 あなたの声がルソー氏の声でもあるとお二方に刷り込まれた結果、教室でのあなたへの妙な態度となった訳です」
 俺が喋ればルソーが喋ってるようにも聞こえ、それで阪中が反応してしまっていたって訳か。

「そうなのね。ルソーがいる気分になるのね、声を聞いちゃうとどうしても」
「あたしも次の日は混乱したわよ。ギャップも激しいし」
 ギャップ?
「あんたは絶対あんな事喋らないでしょ?」
 ハルヒが頬を赤らめつつ、ニヤリと笑いながら再度朝比奈さんとルソーに視線を移す。

『みくるちゃん大好き! だから遊ぼう、遊ぼう!』
「ふあっ!? だ、だい、す……?」
『大好き! みくるちゃん大好き!』
 朝比奈さんは顔を真っ赤に染め、一瞬こちらに視線を送ってくる。
「あ、あはっ、あはは〜〜っ! いいですよー、どんどん遊んじゃいましょう〜!」
 そして何かが切れたように、朝比奈さんはルソーをとにかく撫で回していた。
 俺は最後の理性でどうにかシュークリームを落とさないよう手に持ちながら、さて穴掘り用のシャベルはどこに
あるのかと絶望と銷沈を込めた眼差しで部屋を見渡していた。

「みくるちゃん、JJの独り占めはずるいわよ!」
 ハルヒが手についたクリームを舐め、ルソーの下へと走り寄る。
『ハルヒも遊ぶ! ハルヒ甘い! ハルヒ大好き! ハルヒ大好き!』
「きゃっははははははっ! ル、ルソー可愛いーっ!! ほら有希もおいでよ!」
 手に残った甘味を舐められながら、ハルヒはちらちらとこちらに視線を投げてくる。
 そのまま俺の表情を伺いながら、コレ以上無いぐらいの笑いを見せつけてきた。
 絶対変な想像をしてる顔だ、あれは。


 ……は、はは、ははははははははははははははははははははははは。
 もう何ていうか笑うしかねえだろコレ。
 なんともいえぬ虚脱感と疲れが全身を駆け巡り、俺はただ笑いながらソファーに横倒れた。

 ハルヒに呼ばれ、長門もシュークリームをもふもふ食べながらルソーに近づく。
「ほらJJ。この子があなたの病気を治してくれた有希よ」
『有希、覚えた! 有希も甘い匂い! 有希大好き!』
 シュークリームの甘い匂いをかぎつけたか、長門のそばへと走っていく。
「有希?」
 ルソーを撫でながらそうぽつりと呟き、そのまま首だけ回して俺の方をじっと見つめてくる。
 ハルヒは既に笑いすぎて死にそうな状態だ。
「どう、有希! 可愛いでしょうJJ!」
「……ユニーク」

 長門、頼むから今すぐ声を変えろ。変えるんだ。変えなさい。変えてくれ。変えてください、お願いします。
 魂が抜け出るような脱力感を全身に受けながら、俺は心で涙を流しながら訴えた。
14human language:2006/11/17(金) 05:21:39 ID:oULkTBwC
 そんな俺の悲痛な願いに、その場にいた全員が反応を見せる。

「ええーっ! いいじゃないコレ、あんたらしくなくてメチャクチャ面白いわよ!」
「そうですよ、キョンくん。せっかく長門さんが作ったんですから、このままにしておきましょうよ〜」
「凄く寂しいのね、ルソーが話さなくなるのは」
「僕はあくまで涼宮さんに賛成です。わかってますよね?」
「……有希?」
 ハルヒが目に涙を浮かべながらヒマワリの如き笑いを浮かべ、朝比奈さんと阪下は瞳をブリリアントカットした
ダイヤモンドに負けないぐらい輝かせ、古泉はいつもの調子で微笑み、最後に長門が数ミリ程度の寂しさを浮かべ、
首をかしげて俺を見つめてきた。
 いや誰も機能を変えろとは言ってない。俺はただ、声を変えて欲しいと言っているだけだ。
「却下。団長命令ね」
 あっさりハルヒが返す。横では古泉が『ご愁傷様です』とでも言いたげな視線を送ってきていた。

 ダメだ、どう見たって旗色が悪い。朝比奈さんの表情なんて純粋無垢な最終兵器だ。
 俺は盛大に溜息をつくと、しぶしぶプライドとか尊厳とかがつまった心をボッキリ折る事にした。
「…………好きにしろ」
『オシッコー!』
 絶妙のタイミングでルソーが叫び、自分用トイレへと走っていく。
 全員がルソーを見つめ、次いで俺を見つめて同じ表情を見せる。変わらないのは長門ぐらいか。
 そうして一瞬後、全員がこれ以上無いぐらいの大笑いを始めた。古泉まで目を押さえて本気で笑っていやがる。
 ああもう勝手にしやがれ、俺は倒れ込んでいたソファーにうつぶせ、何も聞こえないふりをした。

 かつてハルヒが望んだ通り、世界は楽しい方向へと向かっているようだった。

15名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:25:04 ID:oULkTBwC
いじょー。
エロパロ新スレ一発目がコレで良いのかってぐらいほのぼので。

……エロい続きは書いてんだけど勢いが止まってしまって困り中。
16名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:26:16 ID:yrWRNC96
しょっぱなから良作が読めて俺は嬉しいよ
そして続きが楽しみでしょうがないよ
17名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:28:38 ID:VTOGD4Xk
いいよこれ!個人的にGJ!
長門がここまで魔改造?するとは!!!
18名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:52:58 ID:2rDDx8Cl
>>15
いやー、さすが先生!
続きが楽しみですな〜
19名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:57:13 ID:2rDDx8Cl
>>15
何気にIDが大股開きでエロい!
期待してますよ
20名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 07:17:32 ID:d1GUPv80
>15
いやすばらしいお話ですた。
21名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 07:27:50 ID:TPdCWpV0
続きを待ってる。
いつまでも待ってる。
22名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 09:37:07 ID:YMUuWDkN
ほのぼのいいよほのぼの。
こういうの大好きだぜ!!
23名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 10:49:44 ID:EjuuLumj
>>15
いつもGJです!
あなたの作品を楽しみにしております。
24名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 10:51:55 ID:byl/1Lyk
なんかハルヒとかルソーを変な事に使いそうだなw
でも使ったら使ったで大声で白状される罠
25名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 11:40:50 ID:DI5ax8Ay
これはGJ、あと阪下になってる
26名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 12:01:25 ID:/6snKGo/
- * -、覚えた! - * -大好き!
27名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 12:08:28 ID:JTnmVOuC
-*-を使う人のSSっていつも面白いな……ウラヤマシイ
28名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 13:15:04 ID:7x2lzmf4
これわいいSSでつね ウホッ もっとキボンヌ
29名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 13:35:59 ID:ISQNfeml
ニヤニヤが止まらない。
30名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 13:44:04 ID:mTnoNFog
こりゃ形を変えた陵辱劇だ。乙

JJに込められてる感情は本物。声も本物。でもキョンじゃない。見てくれが犬。キョンに振り向いて重ねる。
何気に、キャラの成長の度合いと、キョンに対してどこまで求めるかを確かめられるなw
31名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 13:49:19 ID:2rDDx8Cl
トリップ付けてもらいたいな
- * -を真似るのが出るとややこしい
32名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 15:54:39 ID:hIoB8jqp
ラジオドラマ化キボンw
33名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 17:02:42 ID:RpjXEGqk
>>31
何故トリを付ける必要があるのか?
そんなもの付けなくても上手い人は上手いし下手な奴は下手に決まってるだろ。
そんぐらい自分で見極めやがれ
34名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 17:41:17 ID:Vw69+SYk
前すれ埋まらんと思ったら容量オーバーだったのな。
35名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 18:44:19 ID:ZZBpmstP
ここ本当に21禁?
36名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 18:48:08 ID:pnoKZp0y
BBSPINK騒動以来、18禁です。
37名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 18:54:01 ID:ZZBpmstP
どおりで……
38名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 19:08:29 ID:Vw69+SYk
ttp://www.sos-dan.com/img/src/1163661528955.gif

これ、日本発?
吐き気がするほど低レベル
39名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 19:12:41 ID:3uXkYMwo
そう思うならわざわざ持ってくんなよ低脳
40名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 19:37:33 ID:Vw69+SYk
そうだね、プロテインだね
41名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 19:46:34 ID:G3iIFdd1
氏ねカス
42名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 20:09:28 ID:GfQ36jA9
何この流れ
43名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 20:48:10 ID:VZFphswR
きっと「俺が帰ると(r」のヤツが帰ってくる前兆。
44名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 20:54:11 ID:rWnZixx8
俺が帰ると


そこは雪国だった。
45名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 21:00:57 ID:uydUVPoX
>>43の期待にこたえて
なんで俺が帰ると荒れるんだ?


いや、ホントに松葉杖つきもって帰ってきたところなんだ。
46名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 21:07:25 ID:OoKC65lj
>>45
よく帰ってきてくれた。養生せい。
47名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 21:51:44 ID:rAqJY4OL
>>45
無理すんじゃねえぞ。
48古泉一樹の誓い1/3:2006/11/17(金) 22:03:25 ID:UNxXfNX4
埋めネタのつもりで用意したら、タイミング逃しちゃったので、
空気を読まずに投下。

「古泉一樹の誓い」

「お前は本当にこれでよかったのか、古泉?」
すったもんだの末、ハルヒと付き合うことを正式に決めた翌日、
俺は、にやけ具合が3割りほど増したスマイル野郎を食堂の屋外テーブルに呼び出し、
単刀直入に質問をぶつけた。
「もちろんですとも。これ以上は望みようのない結果です。
これで涼宮さんの感情が安定してくれれば、閉鎖空間の発生もありませんからね。
機関としては、願ったりかなったりです」
どんな時でも機関が最優先か。その忠誠心は見習いたいもんだ。
「いや、機関の意見じゃなくて、俺はお前個人の意見が聞きたいんだよ」
「はて?何のことでしょうか。質問の意図を掴みかねますが」
多少いぶかしげな表情を浮かべて見せるものの、相変わらずの作り笑いは崩れない。
「以前、長門が作っちまった世界に行った話をしただろ。
向こうのお前は、自分の気持ちに正直だったんだよ」
一瞬、呆気に取られたような顔をした古泉は、慌てて苦笑いで、その表情を塗りつぶした。
「おやおや参りました。そういうことですか。でもそれは長門さんが作った古泉一樹であって、
僕と同じ考えを持つとは限らないんじゃないでしょうか」
「長門は人の気持ちに踏み込むようなまねはしない。そんなことは、お前もよく知ってるだろ」
TFEI端末、などと言いながらも、こいつは長門の成長を我がことのように喜んでいる。
もしかしたら、俺よりも。
「ふむ、確かにそうですね。いや、これは失言でした。謝罪します。でも驚きですね。
恋愛にだけは疎いあなたが、他人の恋路を心配するだなんて。
これも涼宮さんの望みなのでしょう。僕らもがんばった甲斐があったというものです」
いつもの皮肉にキレがない。やはり古泉も人の子ってことか。
「ちゃかさないでくれ。だが、お前が言いたくないならそれでいい。じゃましたな」
「ちょっと待ってください!」
話を切り上げて立ち上がろうとした俺を、古泉は珍しく慌てた様子で引き止めた。
その顔からは、営業スマイルは消え、戸惑ったような表情が浮かんでいる。
それは考えをまとめる為というより、機関の超能力者 古泉一樹が、
一介の男子高校生 古泉一樹を思い出す為に必要な儀式だったのだろう。
49古泉一樹の誓い2/3:2006/11/17(金) 22:04:13 ID:UNxXfNX4
「昔話をしましょう」
「昔話だと?」
「ええ、遠い遠い昔の話です。あるところに中学生がいました」

「彼にはちょっと特殊な事情がありまして、毎日のように命の危険にさらされていたんです。
今でこそ笑い話ですがね。当時の彼は、極めて深刻に思いつめていました。
なんで自分がこんな目にあうんだろう、とね」

「それは星が降るような夏の夜でした。その日だけは、珍しく何事も起きなかったので、
少年は自分の置かれている立場の創設者に文句のひとつでも言ってやろうと、
ある中学校の近くまでやってきたんです」

「もちろん、危害を加えようなんて気は、全くありませんでした。
彼は世界の状況というものを正確に理解していましたからね。
それでも自分の意思とは関係なく浪費される日々に我慢がならなかったんです」

「少年には創設者がどこにいるかは、手に取るようにわかりました。
なぜかといわれても説明のしようがありません。分かってしまうんだから仕方がないのです。
そこで少年は、茂みに隠れてその人物を待ち伏せすることにしました」

「どれくらいそうしていたんでしょうか。だいぶ蚊に刺されましたからね。
ようやく遠くから目的の人物が近づいてきました。まさにわき目もふらさず一直線という感じでしてね。
惚れ惚れするような歩きっぷりでした。
でも、その人物は一度だけ、遠くからの呼びかけにくるっと振り返ったんです。
そして、また怒ったように歩き始めました」

「そのとき少年は見てしまったんですよ。その人物が浮かべる大輪の花を咲かすような笑顔をね。
そして自分の使命を再確認しました。でも、それは世界を守るためという抽象的なものではなく、
その笑顔を守りたいという、極めて純化された想いに変わっていました」
「それじゃあ、お前やっぱり・・・」
「おっと、物語は最後まで聞くものですよ。少年の想いとは、あくまでその笑顔を守ることなんです。
まあ色々としがらみもありますがね。彼にとって、それは何事にも代え難い誓いでした。
それこそ、たとえ世界を敵に回しても構わない、と言うくらいのね。
実際に彼は、そのためにたくさんの敵を作り、数え切れない生傷を負いました。
でも、その果てに、かけがえのない仲間と無二の親友とを得たんです」
50古泉一樹の誓い3/3:2006/11/17(金) 22:04:57 ID:UNxXfNX4
「その親友はとても良いやつなんですが、随分と鈍感野郎でもありましてね。
周囲の気苦労は、それはそれは計り知れないものがありました。
それでも紆余曲折の末、親友の思いが成就される日が来ました。
そしてそれは、同時に少年の誓いが成就に最も近づく日でもあったのです」
「あの笑顔を守りたい・・・か」
「ええ、そうです。ただ、この誓いは非常に厄介でしてね。
いつでも反故にされてしまう危険性があるんです。
だから、どんなに成就に近づいたとしても、決して果たされることはない誓いでもあるんですよ」
「そうか・・・じゃあその少年に会ったら伝えてくれないか。その誓いはそいつの親友の誓いでもある。
せいぜい成就できるように努力するし、努力が足りなかったら言ってくれってな」
「おやおや、これはただの物語ですよ、物語。でも、その少年なら恐らくこう答えるでしょう。
『努力なんてバカなこと言ってんじゃねえ。お前がお前らしくいるのが、成就への最短距離なんだよ。
努力は外野がやるもんだ。せいぜい後ろめたさでも感じながら、全力で突っ走れ』ってね」
51名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:14:57 ID:yJPnNz4B
古泉…いい奴だ…
52名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:19:11 ID:py0Hpi7g
古泉って実際ハルヒが好きなのかな?
とにかくGJです。
次隙間ができたら俺が投げます。
53名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:24:54 ID:hyFI5/NC
>>52
『古泉一樹の親友』が一番正しい気がする。
54名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:35:58 ID:VTOGD4Xk
『』のとこは素の古泉だろうな。かっこええ。
55名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 22:44:35 ID:Zvxokj23
どっかで読んだぞこの話。
昔の古泉がハルヒに文句を言いに行くみたいな設定のやつ。
プリンかな?
56名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 23:15:46 ID:m80vacaj
>>55
前スレに出てた「少年オンザグラウンドゼロ」だろ
57名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 23:55:21 ID:AaqGVlWQ
皆さん凄いな・・・
ネタを書いてくうちにいつの間にか出来たSSがあるんだが・・・需要あるだろうか?(
58名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:01:49 ID:rWnZixx8
ある。期待している。
59名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:02:18 ID:w0ReTnVs
>>57
バッチコーイ
60名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:02:43 ID:py0Hpi7g
投下させていただきます
61名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:03:25 ID:py0Hpi7g
世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団による奇天烈で荒唐無稽な
毎日を過ごしているうちに、俺たちはいつのまにか一年生を修了して
二年生になってしまっていたのだが、それでもクラスのメンバーを見てみると
やはり俺の後ろにはあの奇天烈で荒唐無稽な毎日を連れてくる女がいて、
そこに機関その他もろもろの陰謀を感じながらも、俺はまたSOS団
団員その一として奇天烈大百科な毎日に身を投じていくのであった。
その時は四月の終わりですっかり桜も散ってしまい、これから五月病という取って付けたような病気にかかる奴らが続出しだす季節で、俺もその例外に漏れずにしっかりとその五月病を先取りしていた。
俺はその日も授業が終わったその足でSOS団の部室へ行き、
朝比奈さんの御手から注がれるお茶を堪能しながら古泉とチェスに明け暮れるという
何の変哲もない一日を終え、そしてその次の日の朝、事件は突然起こった。
62名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:04:11 ID:AaqGVlWQ
なんか、先約があるようなのでその次にでも。
63名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:05:14 ID:py0Hpi7g
>>62 あぁ…ごめんなさい
「キョンくんキョンくん、あっさだよー」
お袋から俺を起こすように頼まれた妹のフライングボディプレスで
俺は目を覚ました。ん?妹軽くなった?
「キョンくん、今日からハルにゃん達と旅に出るんでしょ?」
俺の上に乗っかった妹がわけの分からないことを言っている。
旅?ハルヒと?お兄ちゃんはこれから学校に行くんだぞ?
「学校?でも、ハルにゃんは旅の準備して酒場で待ってるよ?」
酒場?なんであいつがそんなとこにいるんだ?
俺は起きて辺りを見回した。部屋の全てがまったく別の物になっている。何だ?ハルヒか?
「それじゃ、キョンくんは起きたからシャミにごはんあげてくるねー」
そう言って妹はきゃっきゃと笑いながら俺の部屋を出ていった。

妹が出ていった後で俺は見慣れない自分の部屋を見回してみる。
辺りにはダンベルとかトレーニングの方法論とか西洋の武器の雑誌とか
そんなんばっかだ。
そして大きな姿見がある。俺は記憶を改変されてナルシストにでもなって
しまったのだろうかとか余計なことを思いながら鏡を見て、俺は驚愕した。
体中に逞しい筋肉が付いている。SOS団の生活は確かにきついが、いくら何でも
ここまでビルドアップされるような肉体の酷使はしていない。
俺はこの状況から早く逃げ出したくなって、長門を捕まえに出掛けることにした。ハルヒと一緒に酒場にいるのかもしれない。
俺の服はやけに中世じみていたが、不思議なことに何をどう着ればいいかはすぐに分かった。

外の光景はこれまた見たこともない中世の田舎城下町なだったが、
俺はなぜだかこの町を知っているような気がした。現に酒場までの道のりに迷うことはなかったし、ちょっと先に見えるお城のなかにも俺は入ったことがある気がした。
64名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:07:03 ID:OQTFGkJi
とりあえずボーっとしていても埒があかないので、俺は酒場のドアを開けると、
「遅いわよ!キョン!」
武道着を着たハルヒは屈強な冒険者に紛れながらカウンターに座って待っていた。
俺は諦めたように財布の中身を確認する。やはり貨幣も日本円ではなかったが、
やはりお金の使い方も大体分かった。
「じゃ、ビール奢りね」
ハルヒは至って普通に要求してきた。
おい、未成年だろ。いくら何でもフォローしてやれないぞ。
「はぁ?何言ってんのキョン、私もう16よ?」
…16はこの世界では大人なのか。それじゃあ俺も飲んでみようと言うことで、とりあえず飲み物を頼むことにした。
あ、生中二つお願いします。
「遂に私たちも旅に出て名を上げる時が来たようね!」
ハルヒは記憶を改変されたらしい。名を上げる?さっぱりわけがわからないな。
「何言ってるのキョン!私たちは勇者一行として魔王を倒しに行くんじゃない!」
……何だかすごい壮大な話だな。そうだ、他のメンバーはどうした?長門はいるのか?
「もうすぐ来るわ。古泉くんもね。」
「あっ、キョンくんおはようございます」
ウェイトレス姿の朝比奈さんが生を持ってきてくれた。
何だこの爽やかな朝の始まりは。いいね。実に良い。
「うふ、ゆっくりしていってくださいね。」
どうやら朝比奈さんはこの店の看板娘のようだ。さっきから冒険者に話し掛けられたり
口説かれたりしている。
誰だ今朝比奈さんの可愛らしいお尻を触ったのは。表に出ろ。
などと俺が遠目から憤りを見せていると、
「……」
「いやあ、遅くなってすいません」
長門と古泉もやってきた。長門は魔女の格好に鈍器みたいな分厚い本を持っている。なんかシュールだ。
「鶴家さんはまだ来ていないようですね。王さまの話が長引いているのでしょう。」
古泉は肩をすくめている。こんな話をする辺りこいつもどうやら改変に巻き込まれたらしい。
俺は挨拶もそこそこにハルヒと離れて長門と話すことにした。

「どうなってるんだ一体。」
「わからない。わたしの記憶の一部も切り取られてしまった。」
長門は本を読みながら話す。お前だけが頼りだったのに、まずいな…。
65名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:08:50 ID:OQTFGkJi
「切り取られた私の記憶はこの本の中と、ダーマ神殿に隠されている。
そこにいくまでにこれを読み終えないといけない。」
そうか、それならさっさとその何とか神殿に行かないとな。
こんなへんてこ世界で改変に巻き込まれてないのが俺一人なんて気が変になりそうだ。
「ダーマ神殿に行く前にあなたが戦い方を知らないとパーティーが全滅する。
これからこの世界について知っている限りを話すから、聞いて。」
とりあえず俺は長門の話を黙って聞くことにした。
「この世界は涼宮ハルヒ自身が作ったものではなく、涼宮ハルヒの力を利用して作られた世界。
舞台は中世をベースにしたもので、魔王が世界に君臨している。
五月から六月の終わりまでの二ヵ月間がタイムリミットで、それまでに
魔王を倒せなかったり時間切れになったり、全滅したら強制的に
振り出しの五月一日に戻される。」
セーブとかはないのか。不親切設計だな。
「ない。でもこの世界は戦闘により死亡しても蘇生させることができたり、
五時間ほどの睡眠を取れば体中の傷を完治させたりすることが可能。」
それはある意味凄い世界だ。
「私の記憶が戻った時点で世界を改変することも可能だけれど、
その場合は五月病でフラストレーションのたまった涼宮ハルヒがまた
夏休みをループさせることになる。」
ということは、こっちで魔王とやらをやっつけたほうがいいんだな?
「そう。因みに現在23回目のループで1年と10ヵ月経っている。全滅しても
僅かな先頭データは残るから、あなたの初期身体能力も、
若干上がっているはず。」
朝起きていきなりムキムキだったのはそれか。やっと謎が解けた。
「あと、気を付けてほしいことが一つ」
何だ?と尋ねる前に、もう一人の仲間がやってきた。
「やっほー、やっと王様の話がおわったよっ、私疲れちゃった!
みくるーっ、生一つ!」
鶴家さんだ。とりあえず俺たちは合流することにした。
「よし!鶴家さんも来たことだし、そろそろこれからの計画を立てましょう!」
「まずは全員の武器防具を集めないかい?そのついでにレベル上げにょろっ」
そう言えば俺たちは魔王を倒す旅に出るのに丸腰だな。
鶴家さんが王さまから貰ったのは数十ゴールドと棍棒、檜の棒。多分俺たちが
魔王をどうにかしてくれるなんて微塵も期待してないのだろう。
俺にだって実感が沸かない。でも元に戻るためにそれしかないならやるだけだ。
66名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:10:27 ID:rUsYQW/u
「そうね、それがいいわ!特にキョンは強い武具がないと使い物にならないし。」
何だと?どういう意味だそれ。
「あなたは戦士ですから、動きが鈍くて狙われやすいんです。」
小泉がいつものスマイルで解説する。
「しかし力が強くて重装備が出来るので、強い装備を買えばチームの主戦力となるんですよ。」
なんだかえらい不器用かつ危険な役どころだな。まるで現実世界の俺だ。お前は何だ?
「僕は盗賊です。主に敵から逃げたり洞窟の散策などに長けています。
ダンジョンに行くときには欠かせない役どころでしょう。」
やはりお前はどこまでも解説的な役どころか。じゃあ、ハルヒは勇者か?
確か俺たちは勇者一行らしいからな。
「私は武道家。素早い動きと会心の一撃で敵を薙ぎ倒すチームのリーダー
かつ切り込み隊長よ!」
あれ、お前は勇者じゃないのか。意外だな。
「勇者はあたしだよ!、っていっても只の七光りなんだけどねっ。あと
私はチームの名誉顧問らしいからよろしくね!」
あぁ、鶴家さんが勇者でしたか。それなら頷けます。長門は…大体想像が付くな。
「私は魔法使い。よろしく。」
記憶が改変されても不思議な力は使えるようだ。よかった。
「それじゃ、早速資金集め始めましょ!ほらっ、みくるちゃんも来るのよ!」
「ふえぇっ!な、なんでですかぁ!?」
何やってんだ。朝比奈さんはただのウェイトレスだぞ?
「商人見習いよ!うちの金庫番に今決まったわ!」
なんじゃそりゃ。おい、他の客からもブーイングが来てるぞ。
「うう…分かりました。皆さん、私が居ない間もお店に来てくださいね?」
朝比奈さんに涙目でそう言われたら誰だって断れない。反則ですよそれ。
店はたちまち野太い声で大騒ぎになり、
朝比奈さんお別れパーティーと称してビールが飛ぶように売れていた。
全員ダメだこいつら。
67名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:11:44 ID:OQTFGkJi
酒場を出た俺たちは二手に別れて行動することにした。6人で歩いていると
化け物が全部逃げてしまうのだそうだ。くじ引きの結果は俺、ハルヒ、朝比奈さん。
鶴家さん、古泉、長門という感じだ。鶴家さん達は外れにある洞窟で稼ぐらしい。
俺たちは城の外周辺をうろつきながら、化け物たちを探していた。
なんでも化け物たちは魔王が出てきてから一緒に沸いてきたらしい。
迷惑なこって。
「とりあえず、みくるちゃんは敵が落としたお金は残さず拾ってね」
「は、はい、わかりました…」
朝比奈さんはおどおどしながら歩いている。最近は旅人くらいしか
町の外には出ないらしい。それだけ魔物が増えているとのことだ。
大丈夫ですよ朝比奈さん。朝比奈さんを傷つけるような不届きな輩は俺が
全部屠りますから。
「鼻の下伸びてるわよエロキョン。真面目にやんなさい!」
はいはい、魔物が出てきたらねってうわっ!
「ひ、ひぃぃぃぃ!まっ、まものー!」
数匹でぞろぞろやってくる異形の数々。朝比奈さんはすぐに俺の後ろに隠れた。
「早速お出ましね!行くわよ!」
ハルヒは水を得た魚のように急に元気になり、異形の軍団の真ん中めがけて
飛び蹴りをかました。おい、そんなとこに着地したら囲まれるぞ。
「ちょっと、キョンも手伝いなさいよ!」
ハルヒは回し蹴りで魔物の群れを散らしたが、囲まれていることに代わりはない。
あんなとこに飛び込みやがって。
俺は棍棒を振り上げながら、ハルヒの背後にいる青いプリンみたいな化け物に
一撃をくれてやると、ハルヒと背中を合わせて棍棒を構え直した。
「わざわざ囲まれに行くようなことすんな」
「旅始まって初の戦闘なんだから、ちょっとはしゃいでみただけよ!」
顔は見えないが、ハルヒは恐らくすごい楽しそうに笑っているんだろう。
しばらく膠着状態が続いたが、
痺れを切らした一匹の青プリンが飛び込んできたときに俺は棍棒で
そいつにフルスイングをくれてやった。
そこからハルヒはまた暴れだし、素早い動きで一気に数匹を凪ぎ払う。
朝比奈さんは流れ弾みたいにやって来た一匹の青プリンをぺちぺち叩いていらっしゃった。
とりあえず心配はないようだ。

68名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:13:14 ID:OQTFGkJi
戦闘終了。疲れた。
ハルヒによれば今のは一度に出てくるにはかなり多い方らしい。
十匹くらいいたか。
確かにこれじゃ剣でも持ってないとまともに外には出れないな。
実は王さまは黒幕で、始めから俺たちを殺す気だったのかもしれない。
朝比奈さんは敵が落としたお金を残さず拾っている。普通の冒険者なら戦闘中に
飛び散ってしまった敵の細かいお金は放って置いてしまうんだそうだ。
「んしょ、んしょ」
というお声が非常に可愛らしい。
その後も俺たちは魔物の群れや単独で行動している奴らを奇襲し、
経験値とゴールドを巻き上げていた。どっちかと言えば俺たちのほうが悪に見える行動だ。
金も大分貯まり、徐々に疲弊してきたので城の北にある
レーベという村で集合する。そこにはボロボロの長門とさらにボロボロの古泉、
そして傷一つない鶴家さんがいた。朝比奈さんは道具屋に買い出し、
ハルヒは宿屋の予約に行っている。ところで古泉、このボロボロ具合は
一体どういうことだ。
「あの洞窟は外よりも魔物の数が多いんですよ。その中で散策したからこの通りです。」
いつものスマイルは欠かさない。それなら鶴家さんはなぜ無傷なんだ。
「彼女の剣の腕は天賦のものです。彼女がいなかったら僕も長門さんも
とっくに死んでいたでしょう。」
何だって、鶴家さんそんなに強いんですか?
「一通りの武術は習ってたからねっ!キョン君も分からないことがあったら
遠慮しないでお姉さんに聞くんだよ?」
頼もしい仲間だ。俺も今度剣を教えてもらうことにしよう。
「ふぅ…、ただいまー」
朝比奈さんが大きな道具袋を引きずって帰ってきた。そんなに沢山あるなら
俺も行けば良かった。次は呼んでくださいね。
買ってきたものは全員分の装備と薬草少々だった。稼いだ金と値札が
噛み合わないのは朝比奈さんが値切った結果らしい。朝比奈さんを連れてきてよかった。
これで明日から大分楽になる。そこに、
「宿取れたわよ!」
ハルヒの威勢のいい声が響いた。今日はもう遅いから、ゆっくりして
疲れを取らないと。ほら、いくぞ長門、本は宿の明かりで読め。

ハルヒが取った部屋は、ベッドの二つある一部屋だけだった。お値段は二人分。
こういう宿の取り方は貧乏旅行にはつきものらしい。
ふざけんな。
俺は旅の始めから終わりまで古泉とベッドを供にすることに
暗澹たる気分を感じながら、風呂で汚れを落とし、眠りに就くべく
ベッドに向かうのだった。
69名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:14:54 ID:OQTFGkJi
鶴家さんとハルヒはぎりぎりまで稽古をして戻ってきた。
熱心だな二人供。俺も付いていけなくなると困るから明日から参加しよう。
しかし、二人が稽古をしていたのは別の意味があったことを、
俺はすぐに身をもって味わうことになる。
「それじゃ、お休みなさい」
おやすみ、朝比奈さん。
「キョン!みくるを襲おうったってこっちには私と鶴家さんがいるんだからね。
無駄な抵抗はやめなさい!」
ふざけんな、俺は紳士だ。馬鹿言ってないで寝るぞ。
俺がそう言うと、長門が俺を情感のこもらない瞳で見つめてきた。
何だよ。お前も俺がなんかすると思ってんのか。
「有希も気を付けなさい。アイツは一度キレたら見境が無いからね。」
もう何とでも言ってくれ。今日はもう疲れ…

てない。眠くない。
古泉は今日はよっぽど疲れたのだろうか、ぐっすり寝ている。
しかし俺は急にこんな変な環境に放り込まれてリラックスできないのだろうか。
なぜかギラギラしている。まいったなと思いながら隣のベッドに目をやると、
長門がこちらを見ていた。そのままゆっくりとこっちへ来る。
「あなたに言いそびれた注意が一つ。」
何だ。
「戦士タイプの職業病について。あなたは起きている間は常に体に
負荷をかけなくてはなかない。そうしないと体にフラストレーションが
貯まることになる。それが今。」
つまり俺は根っからの筋肉バカになってしまったのか。なんか悲しいぞ。
「これは戦士、武道家、そして勇者の宿命。そしてフラストレーションが
性欲に転化すると非常に危険。この世界に避妊具は存在しない。」
わかった。今度から気を付けるよ。明日から夜の稽古には絶対参加しよう。
「いい。今回は私のミス。」
そういうと長門は、自分の布団に戻っていった。
俺がそんなエロ体質になっていたなんて知らなかったぞ。
この鍛え抜かれた体には代償があったなんて……。
俺は軽いショックを覚えながら、無理矢理にでも寝ようと目蓋を閉じる。
しかし結局色々なことを悶々と考えてしまうという、眠れないとき特有の
あの最悪パターンに陥ってしまうのだった。
無事に戻れるのだろうか。
鶴家さんはどのくらい強いのだろうか。
俺はどこまで強くなれるのか…。
そう言えば朝比奈さんのウェイトレス姿はたまらなかった。
お尻を触られてたっけ。
あのお尻はどんなにやわらk

70名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:17:08 ID:OQTFGkJi
……何を考えているんだ俺は。
俺は隣のベッドに目をやる。皆寝息をたてていた。誰でもいい。むしゃぶりつきt
……非常にまずい。すでに股間はテントを張っている。だからハルヒは俺に
あんなことを言ったのか。これ以上この部屋にいたら
本当におかしくなりそうだ。
仕方ない。寝るのは諦めて外で体動かしてこよう。
「…キョン?」
ん、悪いなハルヒ、起こしたか?でも今の俺に構いすぎると危ないぞ。
「やっぱりムラムラしてるじゃない、このエロキョン。」
悪かったよ。皆には迷惑かけないからさ。
「ちょっと待ちなさい。明日に疲れを残したら宿屋の意味無いじゃないの。」
「しょうがないなぁキョン君!でも毎日はやってあげないからねっ?」
鶴家さんも起きてたんですかってあだだだだだだ!
鶴家さんに関節をかけられてベッドに押し倒された。
俺より力は強くないが、身体の使い方がうまいのだろうか、
俺は寝ている姿勢から動けない。俺は既に上半身を脱がされている。
「一体何の騒ぎですか?」
古泉が起きてきた。傷が大分塞がっている。これが宿屋の効果か。
「古泉くん、悪いけどちょっと向こうの布団に移ってくれる?」
古泉はハルヒと鶴家さんに取り押さえられている俺を見て状況を判断したのか、
「わかりました。どうぞ続きを。」
いつものニヤケスマイルを浮かべて隣の布団に行ってしまった。
朝比奈さん達も既に起きていて劣情に支配された俺を昼メロの
濡れ場を見るような目で見ていた。
俺はすっかりベッドに手足を括られて身動きが取れないようになっている。
「やっと出来たわね。それじゃ、すぐに終わらせるわよ!」
「キョン君、このことは魔王を倒した後もずっと内緒だからね?」
二人は服を脱ぎだした。月明かりに照らされた二人の裸体に、
俺はたまらなくなって意志に関係なく腰を動かしてしまう。恥ずかしくて
死にたくなってきた。
「ふふ……そんなに嬉しいのかい?こっちも抜き甲斐がでてくるねっ」
鶴家さんは妖しげな笑みを浮かべると、俺の顔に手を添えて、唇を重ねた。
くちゅっ、くちゅっ、とかなりいやらしい音をたてている。
舌を入れた辺りから、羞恥心が飛んでいった。堪能するように舌を絡め合い、吸いつく。
「ハルにゃん……、本番はダメだからね?」
ハルヒは俺の股間を物欲しそうに眺めていた。鶴家さんにそう言われて
ハルヒは諦めたのか、俺の乳首を刺激しながら、肉棒をしごきあげる。
71名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:18:36 ID:OQTFGkJi
触れ合う肌の感触が、一物を掴む手が、柔らかい。気持ちいい。
女の子ってこんなに気持ちいいのか。何も考えられない
「あっ、あっ、あぁあ〜…」
情けない声を上げながら、俺は一発目を出した。
「どう?キョン、気持ち良かった?」
あぁ…最高だ。
「ちょ…、私も、ムラムラしてきちゃったよっ…」
散々舌を絡めたからだろうか、今度は鶴家さんが来てしまった。
「ハルにゃん…私の道具袋、取ってくれるかな?」
鶴家さんは袋から、ローションを取り出した。
「私も、一人の時は、よく劣情に襲われるからねっ、こうして、
持ち歩いてるんだよ…」
鶴家さんはローションを自分に使って、自分でいじりだす。
「ハルにゃん、キョン君を宜しくっ」
そして鶴家さんはお掃除フェラを始めた。イキたてホヤホヤだから痛気持ちいい。
「キョン、片手だけ解放するから、おっぱい触って」
ハルヒは片手の縄を解くと、俺の唇を奪って、しながら俺の手を胸に誘った。
俺は待ってましたとばかりにハルヒの胸をもみしだく。
鶴家さんのフェラが気持ち良すぎて舌がうまく動かない。
ハルヒのされるがままに舌を蹂躙されて、その快感に俺はまた勃起してしまった。
「じゃ…、キョン君そろそろいいかなっ…はぅ…」
鶴家さんがローションを俺の下半身にもかけてきた。
ぬちゃぬちゃして気持ちいい。
ハルヒは俺のもう片腕を解放すると、それを枕にしてキスをやめてしまった
「アンタも見学しなさい。」
という無茶な要求をしてくる。鶴家さんは俺のモノの上に乗った。
鶴家さんまさか
「ん?入れてほしいの?でも産まれてくる子は
魔王討伐の為の英才教育だよっ?」
何だ…入れるつもりはないらしい。
鶴家さんは俺の肉棒をそのまま腰をつかって擦り始めた。
「ああっ!キョンくんっ!キョンくんいいっ!」
鶴家さんのボルテージが最大値にまで達した。
そして俺も気持ちいい。
ハルヒはまた俺の乳首を噛んで責めている。開発しているのだろうか。
朝比奈さんはしっかりと眼を開けて見つめており、古泉はニコニコしながら
傍観し、長門は至って無表情だ。こういうときの長門は恐い。
うっ、そろそろ出そうだ。腰がむずむずする。
「きょんくん…、はっ、そろそろわたしも、あっ、限界だよ…ああっ!」
鶴家さんは俺と同時に果てた。ビクンビクンしながら俺の胸の上で倒れている。
射精したからだろうか、急激な眠気が……

72名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:20:09 ID:OQTFGkJi
次の日、結局みんなきちんと睡眠時間がとれたらしく、全快していた。
今日は作戦会議により、
洞窟に繋がる塔の探索チームとしてハルヒ、鶴家さん、古泉。
いろいろ稼ぎチームとして俺、朝比奈さん、長門に別れることが決定した。
「キョン君…もう大丈夫なの…?」
昨日の一件で俺は朝比奈さんからの信頼を大幅に失ったらしい。
ほとぼりがさめるのはいつだろう。とりあえず世界が元に戻ったときにもこの記
憶が修正されていなかったら、俺は登校拒否を考慮に入れねばならない。と思い
悩んでいたら、
「あれは戦士タイプの職業には仕方の無いこと。それを責めるべきではない」
「そ、そうですよね、ごめんなさい、キョン君…ぐすん」
あっさり許してくれた。俺は思わず長門の配慮に泣きそうになる。
「でも、意図的に毎日やったら許さない」
長門は氷点下50度の目でじっと俺を見る。恐い。長門恐い。

この日はアリアハン大陸を出て、ロマリアを抜け、途中彷徨う鎧に殺されそうに
なりながらも無事カザーブの村に到着。ここで俺たち稼ぎチームの本領発揮。ハ
ルヒは鉄の爪を手に大いに喜んでくれた。そして許してくれたらしい朝比奈さん
は俺にプロテインを買ってくれた。やばい地味に嬉しい筋肉バカな自分が憎い。
夜には道具家の宝箱から毒針を拝借し、宿屋へゴー。そして…
おいハルヒ、夜の稽古いこうぜ
「ねぇキョン…今夜私としない?」
ハルヒ……非常に勝手で悪いんだがあれは緊急時以外は止さないか?
戻れなくなるぞ?
「何よ!キョンばっかりずるい!あたしまだ一回もイッてないんだからね!」
あっ
「それに今日はもう二部屋予約しちゃったんだから!」
わかった、わかったよ…これでおあいこだよな?

これでこの旅での火遊びは最後にしようと思う。俺自身この旅を通して
強くなってみたいという欲望が湧いてきたからだ。
そう、例え魔王を倒してこの記憶が身体データごと改変されたとしても。
つまり俺はこの「戦士」というロールプレイにすっかりはまってしまっていた。
今では、みんなが打ち漏らした敵を屠るこの役を楽しめるようになってきた。
今は現実世界では五月二日。だが五月病など、すっかり解消してしまっていた。
73名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:22:02 ID:OQTFGkJi
割り込んでしまいすいません。
なるべく専門用語は出さないようにした積もりです。
次の方どうぞ。
74名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:27:00 ID:OQTFGkJi
そういや誤字が…
鶴屋さんでしたね
75雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:30:12 ID:K8mRQiyk
>>73
いえいえ、こちらこそ間にレスが入ってしまってすいません;
自分にはパロディとか無理だなぁ・・・

それじゃ投下させていただきます。。エロもグロもありませんが・・・

一話


三八度二分。
今朝体温計が告げた事実は正に予想通りとしか言いようがない。原因はありすぎるほどある。
知り合ってから実に数ヶ月。果たしてあの団長には未だに『優しさ』だの『思いやり』
といった、およそ普通の女の子らしい概念は見受けられない(多少マシになったが)。
霜月も半ばを過ぎ、いよいよ師走に入らんとする寒い日に何が悲しくて俺がストーブを
取りに行かなきゃならんかったのか甚だ疑問だ。たまには古泉でもいいだろうに……

話を今に戻そう。
現在三時五分。俺は自室のベッドで寝ている。学校はどうしただって?
ごらんの通り。
三八度二分も熱が出ておまけに体中がダルくてノドが痛くてトドメに
咳とくしゃみのコンビネーションアタック。
ここまで説明すれば、俺の言いたいことは理解したかと思うし、そのつもりで話を進める。
質問は無いな、うん。
とにかく俺は、昨日のハルヒによる強行軍のせいですっかりダウンしてしまった訳だ。
しかし、SOS団に籍を置いて以来こんな目に遭ってばかりだな……っと愚痴ってスマン。
おふくろは用があるとかで朝食(兼昼食)にお粥を作って早々に出掛けてしまった。
妹は今頃学校が終わって友達と帰路についている頃だろう。
しかしヒマだ……こういうとき、朝比奈さんがいつぞやのナース服で一日中
俺の看病をしてくれたら……と邪な考えが頭をよぎる。まあいくらなんでも無理があるな。
長門にも結局カーディガンは返せずじまいだし。
やれやれ。
76雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:31:21 ID:K8mRQiyk
二話


どのくらいウトウトしていたのだろう。かなり高めの声が目覚ましとなって頭に響く。
「ただいまぁー。キョンくん、具合大丈夫?」
いつものボディプレス抜きで妹が部屋にいた。
「ま、なんとかな。ゆっくり休んだら大分良くなった。にしても今日は帰り遅かったな。
あまり道草食うなよ」
「はーい。あっ、これからまた遊びに行くから、二人で留守番よろしくねー」
言うが早いか、たったかと駆けていってしまった。もう少し歳相応の落ち着きが……と、
兄としては妹の将来を憂えざるを得ない。
さて、やることも無いし寝直すか……



いやいやいや!待て待て待て!!
『二人で留守番』てのはどういうことだ!?
おふくろは夜まで帰ってこないはずだし、この時間家にいるのは俺だけだ。
だとしたら、いったい誰が……
まさか妹はついに霊視の能力に目覚めて、見えざるものが見えるようにとでも……
そして俺の後ろには足の無い人間の姿が……うわあっ!?



「キョン。入るわよ」
77雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:32:13 ID:K8mRQiyk
三話


真に『心臓が飛び出そうになった』という感覚を味わうのは、人生で何度目だろうか。
後ろに立っていたのは足のない幽霊でも一つ目の妖怪でもなかった。
強いて言うなら、こうやって今日一日寝込む羽目になった元凶というところだろう。
「何そんなビビってるわけ?そんなにあたしが嫌なの?」
「いや別にそういうわけじゃ……大体、何でウチにいるんだ?」
「決まってんじゃない。お見舞いよ。お見舞い」
平然と言ってのけたのは、まさしく涼宮ハルヒその人だった。

ハルヒから話を聞くと、学校帰りに偶然妹と会い風邪に倒れた俺に喝を入れるため
わざわざウチに寄ったそーだ。
「高熱が出たっていうから、ちょっとは心配してあげたけど、なんだ大したこと
なさそうじゃない」
「何言ってるんだ。ここまで良くなったのは今日一日休んだからだ。今朝はホントに
酷かったんだからな。こんな冬場にわざわざ電車乗ってストーブ貰ってきた身になってみろ」
流石にきまり悪かったのか、そっぽ向いてこっちから顔が見えなくなった。
……少し言い過ぎたか。
空気の悪さを打開すべく、何かフォローをと口を開き駆けたその時だった。

「あ、あのさ、キョン……お粥とか、食べない?」

唐突に意外なカウンターを喰らった。
78雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:32:59 ID:K8mRQiyk
四話


「お粥って……それなら昼に全部食っちまったぞ」
「だからあたしが作り直したの」
どうやら、すぐ俺の部屋に入らなかったのはそのせいらしい。
「ホントは何か別のもの作ろうかと思ったけど、まだ具合良くないみたいだからお粥にしたわ」
あのハルヒがまさかそんな真似を……大雪でも降るんじゃないか。
「失礼ね。たまには団員を労ってあげようっていうあたしの心遣いよ。
まったく、感謝しなさいよ」
どことなく顔が赤く見えなくもないのはのは風邪で正常な判断力を失っているせいだな、
うん。
「そうだな、ちょうど腹も減ってるし。ありがたくいただくよ」
歓喜のスイッチをONにしたかのように、表情がパッと明るくなった。いつもこういう顔を
してくれればな……いや、何でもない。
「当たり前よ。あたしがせっかく作ってあげたのに拒否なんてしたら死刑だから」
言葉とは裏腹にもの凄く嬉しそうなのも間違い無く気のせいだ。
79雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:33:34 ID:K8mRQiyk
五話


「おまちどおさま!」
湯気を立てた鍋を抱えて、ハルヒが戻ってきた。
「不味いなんて言ったら、世にも恐ろしい罰ゲームを課してあげる」
凄味の利いた笑顔がコワい。
朝はごくシンプルな白粥だったが、これは卵や刻んだ鶏肉・野菜が入っていてかなり旨そうだ。
お粥というより雑炊だが、正直空きっ腹の俺にはこっちのが嬉しい。
「ええと、それじゃ…………いただきます」
レンゲに手を伸ばしかけた。
が、
「待ちなさい。あんたは病人なんだからおとなしく座ってなさいよ」
「は?」
どうやって食えというんだ。まさか犬食いしろとでも言う気かハルヒ?
「そうじゃなくて……えと……その……だから……」珍しく言葉に詰まったハルヒ。
しかもなぜか俯いていやがる。
「だから……あたしが食べさせてあげるって言ってんのっ!!」

え?
80雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:34:36 ID:K8mRQiyk
六話


今度こそ心臓がマスドライバーにでも撃ち出されたかと思った。
「いいから!あんたはそこで止まってなさい!!」
レンゲでお粥を掬うと、まだ鼓動が定まらない俺の口の前で静止する。
「ホラ、口開けなさいよ」
有無を言わさず口に放り込む。
何なんだ、いったい……
とりあえずもぐもぐと咀嚼する俺の顔を不安げな表情で見つめる。
「どう……?」
味のことを聞いてるのは百も承知だ。
しかしこの味は……
「な、何とか言いなさいよ」
「美味い」
としか言いようがない。
塩加減も絶妙だし、具も食べやすいようにきちんと細かく刻まれてる。何より出来たてだから、
余計に身に染みる。
「当たり前でしょ。あたしが作ったのよ。まずいわけ無いじゃない」
顔が輝きを取り戻した。さっきの笑顔が百ワットなら、これはその三倍はある気がする。
それほど嬉しそうな顔だった。
81雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:35:28 ID:K8mRQiyk
最終話


「ごちそうさま」
しばらく後、鍋はすぐ空になった。
お粥を食べる間、結局ハルヒがレンゲを口に運んでくれ、俺は黙って従うことにした。

まんざら悪くない。

一瞬たりともそんな思いが頭をよぎったが、後で躍起になってに否定した。
食後の後かたづけをすませ、今度は温かいお茶を淹れてくれた。朝比奈さんに
勝るとも劣らない味には舌を巻いたが、やはり表に出ないよう必死に抑えた。
「あれだけ食欲出たんだから、もう大丈夫よね。明日はちゃんと登校して
部活参加しなさいよ」
「ああ。わかってるさ。もう大丈夫だ」
「それならよろしい」
こんな取り留めのない会話をしつつ時間を過ごす。ゲームでもやろうかと思ったが、
また悪化したらどうすんのよ!と怒られたのでやめた。
なんというか……楽しい。
これだけは否定できない。いつまでもこんな風にいられたら……と思わなくもない。
やがて妹が帰ってきたのを機に、ハルヒも帰った。
「明日もし来なかったら、罰ゲーム執行するから覚えときなさい」
「ああ。わかってるよ」
「じゃね」
ニヤッと笑い半分で冗談まで飛ばし、ウチを後にした。
上機嫌のハルヒが去ると、あろうことか妹がワクワク顔で
「ねえねえ、ハルにゃんと何かあったの?」
こらこら。何を想像してるんだ妹よ。
82雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:37:15 ID:K8mRQiyk
おまけ


次の日の放課後。
すっかり良くなった俺は部室でハルヒや朝比奈さん、おまけで古泉を待っていた。
用でもあるのか、長門はいなかった。カーディガンは後で返すか。
で、真っ先に来たのが
「回復なされたようで何よりです」
ニヤケ面の古泉だ。
今日は一段とニヤケていて、いつも以上にムカつく。
「やはり涼宮さんの献身的な看護の賜ですかね」
かなり含みを持った言い方をしてくれる。
「あのな古泉。俺はハルヒに飯を作って貰っただけだ。その他には
欠片たりとも疚しいことは無い」
ハルヒにその飯を食べさせられたことは置いとく。
「いえいえ。別に疚しいなどとは。ただ昨日、涼宮さんが一日中
気落ちしていたのは事実ですが」
あのハルヒが?
「ええそうです。閉鎖空間こそ発生しませんでしたが。それでお見舞いに皆で行こう
という話だったのですが、涼宮さんがどうしても一人で行くと聞かないもので。
なので彼女一人に全て任せました」
そうか。あれでハルヒも責任感が強いんだな。
「フフ……責任感ですか。まあいいでしょう。そうそう、長門さんも珍しく
食い下がってましたね。最後は折れましたが」
「長門か?確かに珍しいな」
普段の長門からするととても想像できん。
「おや、噂をすれば」
入口に無表情の長門が立っていた。
「長門」
大事に仕舞っておいた例のモノを渡した。
「こないだはカーディガンありがとな。あと、心配かけて悪かったな」
「気にしなくていい」
「そっか」
定位置に身を沈めると、いつものように読書を始めた。



「この次は、わたしの番」

俺には聞こえなかった呟き。
83雨の日の翌日:2006/11/18(土) 00:39:47 ID:K8mRQiyk
以上です・・・タイトル通り、アニメのサムデイインザレインの
後日談てことで(
最近アニメも原作もあまり見てないので何かしら不都合も
あるかもしれませんが許してください;

みくると鶴屋さん出せなかったorz
84名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:45:09 ID:MrkDGTPe
>>73
非常に読みやすかった。RPGたまにしかやらない俺にとっては。

>>82
いいね。ある雨の日(日本語訳)の後日談。単純に風邪ネタかとおもった。つーか最後まで気づかなかった orz
85名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:48:22 ID:CLfbbLQ6
>>83
乙です。
和んだよ〜
86名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 00:50:57 ID:92Oefm3V
>>73
一つ一つのイベントが性急すぎる気がします。
もっと丁寧に描写してもいいんじゃないかなと思ったり。
87名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:04:07 ID:OQTFGkJi
>>86
あぁぁぁ確かにラストが怒濤ですね。言われて気付きました。
エロ書きおわってへばってしまったのだと思います。
貴重な意見をありがとうございます
88名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:29:33 ID:+d5wtown
―――――――――――――― ――――――――――――――――――
89名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:31:28 ID:+d5wtown
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
90名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 01:32:19 ID:+d5wtown
すまん……超誤爆だ
91名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 02:34:18 ID:2vag9F4G
>>90
どんな誤爆だ?思わず吹いたぞ。
92名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 03:42:00 ID:WE4Ou+LH
DQ風の方、立ち位置から言ってそのうち自分の名前が付いた町ができる代わりに、
丸まるひげデブになった挙句投獄される運命に人がいるな。そんなに嫌いかw
93名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 06:43:55 ID:xFhNUNUz
>>73
けしてけなしてる訳ではないんだが
日本語としておかしい表現がいくつかある
例えば洞窟を散策じゃなくて探索だよな?
ちゃんと推敲した方がいいぜ。
94名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 08:04:58 ID:OQTFGkJi
>>92
それはないw
贅沢病になってもエステ通いとかに止まる。
投獄の理由も社会保障を重視するあまりの重税に高額所得者がキレたとか
みくる教の宗派対立の激化とか
あのインディアンおじさんが黒幕とか
そんな感じ。

>>93
お恥ずかしい。
これから気を付けていくしかありませんね。
95名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 09:39:55 ID:jlVpNOot
「ここはみっくるんるんバーグ。
「しかしもうみっくるんるんだけの町ではないのだ。
96名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 10:00:05 ID:jlVpNOot
>>95を書きながら思い出したネタ。

「やあ、ジョン=スミスさん! お帰りなさい!
「……え、違うの? でも似てるなぁ……。

親父は一体誰なんだか。
97名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 14:34:16 ID:ichpo4C0
RPGネタってハルヒ劇場だっけ?
98名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 15:08:14 ID:hEZm+N46
イエス。
99名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 18:22:16 ID:1jLdIN9F
>>94
まて、それどこのKKKならぬMMM?
100名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 18:24:00 ID:DUglWvHi
もっと
もっと
みくるちゃん
101名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:12:53 ID:hlfYGTX0
「船に乗らずに孤島に行った話」

ペチペチ。
・・・ん?誰だ。誰かが俺の頬を叩いている。眠い。俺の眠りを邪魔するな。
「・・・おーい。」
人の声だ。聞き覚えがあるな。でもいつも俺の後ろの席で退屈を打破するための突飛な行動計画を立てているあの女の声ではないようだ。
「キョンくんっ。・・・返事がない。ただの屍のようだ。・・・って、ぷっ、ぶあはははっ!あーっはっはっはっ!キョンくん目を覚まさないよ!ホントに死んじゃったのかなあっ?でも息はしてるっし。」
ん?この声は・・・
がばっ!!
「あっキョンくん気が付いたかいっ?」
全力で腹筋を使い上半身を起こした俺の視界に映ったものは、我らがSOS団名誉顧問、鶴屋さんであった。
「あー、鶴屋さん・・・」
まだ少しこの状況を理解していなかったが、
「無事で何よりです。」
まずは自分達が生存していることに安堵した。
「うんっ、大丈夫だよっ。キョンくんのおかげだよ!」
俺の横で体育座りしながら、いつもの白い歯を見せ鶴屋さんが笑いかけてきた。
「しかし・・ここ、どこですか?」
俺が状況を理解しきれていなかったのは、今、俺と鶴屋さんがいるこの場所が、見たことのない浜辺だったからである。付け足せば、二人とも水着である。

何故こんなことになったのか・・・。

それは、古泉が所属する機関が主催したハルヒを退屈させないためのエセ殺人事件孤島ツアーから帰ってきて3日も経たない頃であった。
「海水浴へ行くわよ!」
携帯の通話ボタンを押したとたんこれだ。こいつには前置きというものがないのか?それに海水浴ならあの島のプライベートビーチみたいな場所で散々してきたばかりだろうが。
「何言ってんのよ!島に行った次の日から大雨で海水浴なんかしてないのと同然よ!それに今度はその他一般人の中で海水浴を行うのがSOS団の為なのよ!」
こいつまた何か企んでるんじゃないだろうな。俺は悲鳴を上げる朝比奈さんの姿が一瞬脳裏に浮かんだが、そんな心配がハルヒに伝わるはずもなく、一方的に集合日時を告げられ携帯を切られた。
「やれやれ。」
これ、俺の人生何度目のセリフだろうな。
102名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:14:55 ID:hlfYGTX0
その海水浴場は、全国区に知られるほどではないが県内有数の人気スポットだった。まだシーズン中なので、雨も降っていないのにそこらじゅうにパラソルが立っている。
「ふええ、本当にこんなの着るんですかあ・・・。」
水着に着替えるため更衣室に入っていた朝比奈さんが半ベソをかきながらやって来た。
「みくるちゃん、これでSOS団の名を世に知らしめるのよ!」
更衣室から出てきた朝比奈さんは、あの孤島で拝見した水玉模様の水着ではなく、紺色のスクール水着だった。意気揚々と朝比奈さんの背中を押しながらハルヒはいつものタンキニで登場。
「お・・・おい、ハルヒ、それは・・・」
「何よキョン。スクール水着なんていつも学校で見てるじゃないの。」
「そりゃそうだが、その名札は何だ?」
スクール水着の耐久性を著しく下げさせているんじゃないかと思うその豊満な胸元に、『SOS団』と白地に黒字で書かれた名札が縫い付けられてた。
「世の男共の目を釘付けにするスク水に、SOS団のネームが入れば、宣伝効果も世界人口並みにうなぎのぼりよ!」
自分が担当する番組が大当たりしたTVプロデューサーのように高らかに笑うハルヒの横で、半泣き状態の朝比奈さん。そりゃ、学校と違うしね。
「みくるーっ。そんなに恥ずかしがるないっ。あたしだっておんなじ格好だよっ。」
やや遅れて登場したのは朝比奈さんが心配だからといって同行してきた鶴屋さん。どういう訳か鶴屋さんまでスク水だ。紺色の水着が体のラインを強調している。麦藁帽子もこれでもかと似合っている。
鶴屋さん、あなたも宣伝係ですか。
「あたしは単なるファンサービスさっ!」
そうなんですか。って、ファンって誰?!
そんなこんなで海水浴に来た以上、海に入らないわけには行かない。誰が言い出すこともなくシートを引いてパラソルを立て、地球の表面積の70%以上を占める海の片隅に飛び込むのであった。
「いやまったく涼宮さんの体力は底知らずですね。」
ひと泳ぎしてパラソルの日陰部分で休んでいた俺に古泉がいつものニヤケ顔を向けてきた。今回はお前に同意するぜ。
「あの合宿は正直言ってかなり疲れましたからねえ。本当は家でゆっくりしていたいのですが。」
ならいいかげんそのイエスマンという仮面を捨ててたまには反論してみたらどうだ。
「それもいいかもしれませんが・・・。今のキャラが、涼宮さんの望むものですので。」
さいですか・・・、と古泉にたいした感慨も抱かず、相変わらず海に来ても本を読みふけっている長門に視線を向けた。
「楽しみ方は、人それぞれです。」
その言葉、どこかで聞いたな。

「ぷはー!のどが渇いたわねー!」
俺と古泉がしゃべっている間も水際でスク水朝比奈さんと遊んでいたハルヒが戻ってきた。しかし充分持ってきたと思われるはずの飲食類のストックが怪しくなってきていた。海水浴場に便乗してできた近くの
コンビニにでも行かなくてはならない。
「よぉし!買出しよ!有希、本ばかり読んでないで付き合いなさい!みくるちゃんと古泉君もね!」
あれ、俺は留守番か?
「あんたが来るとみくるちゃんをエロい目で見るからダメよ!」
スク水朝比奈さんは眼福だが、エロいとはなんだ。
「それに」
と、ハルヒが沖合を指差す。
「鶴屋さん泳いでるし、ここに誰かいないと困るでしょ。」
沖合で鶴屋さんがイルカのようにスイスイ泳いでいる。ハルヒより元気だな、あの人。てか、沖に行きすぎではありませんか?
「そういうことだから、ちゃんと留守番よろしくね!」
そう言うとハルヒ一行は、どこかのRPGのキャラのように一列になって買出しに出かけていった。
まあ、こういう青空の下で昼寝もいいかなと気持ちを切り替え、ハルヒ達が帰ってくるまで一眠りでもしようかと思った。朝も早かったしな。
しかし、
「わひゃあっ!」
突然の鶴屋さんの悲鳴でそれは中断された。さっきまで軽快に泳いでいた鶴屋さんが、一転して水面から両手を出してもがいている。
「鶴屋さぁーんっ!!」
103名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:15:32 ID:hlfYGTX0
俺は水際までダッシュして名前を呼んだ。鶴屋さんは手だけで水面に顔を上げようとしている。
「ギョンぐ・・・うぷぁっ!」
いかん。まさか足でもつったのか?とにかく助けに行かなくては!俺はそのまま海に飛び込み鶴屋さんめがけて泳ぎだした。
「鶴屋さん、大丈ぶあっ?!」
やっとこさ鶴屋さんのところまで辿り着いたと思ったら、おぼれて混乱した鶴屋さんが俺の体にしがみついてきた。
「たっ助けてっキョンくんっ」
「つっ鶴屋さん!ちょっとそんなにくっついたら俺が泳げなくなって・・・」
「わっぷわっぷ!」
鶴屋さんが全身で俺にしがみついているものの、手足の自由が奪われてしまったためにその感触を味わう余裕もなく、ミイラ取りがミイラの如く二人しておぼれ始めた。
とにかく足を動かさなくては!
今の俺の足の自由は通常の20%ぐらいしかないが、必死に足をバタ足して泳ごうと努めた。次第に体が進んでいる感じがしたので、俺はとにかく足を動かした。

気を失うまで・・・。

「あははっキョンくん。心配要らないよっ。あれをみてごらんっ。」
見たこともない砂浜に俺の不安が増大していくのを感じ取ったのか、鶴屋さんが海の向こうを指差した。
海岸線がみえる。
「あそこはあたし達がいたビーチだよ。流されて、近くの小島に着いちゃったっぽいねっ。」
俺は安心感から体の力が抜け、再び大の字に寝転がった。そういえば、向こうの浜辺からこの島見えてたよな。視点が変わると、景色もまったく違って見えるのか。
「このくらいの距離なら泳げそうなんだけど、さっきつった足がまだ痛いのさっ。」
スク水から伸びる細く長い足をさすりながら、鶴屋さんは申し訳なさそうに言った。いや、あなたの責任ではないです。俺も今対岸まで渡りきる体力は無いですよ。
「きっとハルにゃん達が助けに来てくれるっさ!ここでゆっくり待つにょろよ。」
いつもの鶴屋さん節を聞いてさらに安心感が増した。しかしー、
「もう、夕方ですね?」
俺は空と海面が赤いことに気づいた。
「あっちゃー。気づいたっかな?」
舌を出して鶴屋さんが苦笑いする。そうか、鶴屋さんがおぼれたとき、俺しかいなかったもんな。突然いなくなったから、探そうにも場所も見当つかないか。どうやらおぼれてから2〜3時間は経ったようだ。
「あれっキョンくん冷えるのかいっ?」
「えっ?」
気がつくと、俺の体は震えていた。いくら夏とはいえ、日が沈んでくればそれなりに冷える。上半身裸だし、海水に浸ってたし。
「鶴屋さんは平気ですか?」
「あたしはまだ平気だよっ。スク水だからお腹も冷えないしねっ。」
確かに生地も厚いですしね。
ふわり。
ふいに俺の肩に柔らかく暖かいものがかけられた。
「あたしの自慢のロングヘアーだっ。マフラーがわりさっ。」
鶴屋さんは俺にぴったりと寄り添い、体をくっつけてきた。海に入っていたのにとてもいい香りがした。
「つ、鶴屋さん・・・。」
「いいからいいからっ。こういう時はお姉さんに甘えなさいっ。」
一瞬、駆け落ちしてしまった従姉妹のねーちゃんと鶴屋さんがダブッた。いかん、走馬灯か?
104名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:16:08 ID:hlfYGTX0
「暖かいかい?」
「は・・・はい。とっても気持ちいいです。」
なんかズレた言い方のような気もしたが、俺の口から出たのはその言葉だった。俺がゆりかごの中にでもいるような気分でいると、
「わわ、キョンくんっ?」
鶴屋さんが素っ頓狂な声を上げた。
「ん?どうしたんですか?」
半分眠りかけていた俺は、自分の体の変化に気づかなかった。
「ああ??」
俺の股間が元気になっていた。何故だ?別にHなことを考えていたわけでもないのに。
「キョ、キョンくん、それ・・・疲れマラだよ・・・」
俺が混乱していると、顔を真っ赤にした鶴屋さんにそう告げられた。いくら理由を知っているとはいえ、女性が『マラ』とか口にするのはどうかと思いますが・・・。
「どっどうしましょうか。つ、鶴屋さん。とりあえず離れましょうか・・・あ?」
その時、鶴屋さんが俺の股間を握ってきた。
「だっだめにょろ。ちゃんと処理しないと・・・。」
しょ、処理って?!
鶴屋さんは黙ったまま俺にもたれかかり海パンの中に手を入れ、ビンビンに元気になっているペニスを直に触ってきた。
「うわっ」
思わず腰が引ける。
「ダメだよ・・・逃げちゃ・・・。」
今度は頭を股間の位置まで下げ海パンをずらしてきた。海パンから外へ引きずり出された俺のペニスは勢いよく反り返り、鶴屋さんのおでこに当たってしまった。
「す、すいません!」
「うふ、元気だねっ。大好きだよ、こういうの。」
じゅぼっ、ぐぷぷ・・・
鶴屋さんは唐突に俺のペニスをくわえ込んだ。口の中はとても暖かくて気持ちよくて、気が飛びそうだった。
ずずう〜っ、じゅるう〜っ!
ゆっくりと根元までくわえ込み、またゆっくりと頭を上げていく。舌先で尿道口をチロチロとこすり、カリの部分も舌全体ではいずり回してくる。このフェラの間俺はずっと電気ショックを受けたかのように
小刻みに痙攣していた。ふと四つんばいになってフェラしてくれている鶴屋さんのお尻が目に入った。鶴屋さんは細身だが、そのお尻はとてもよい形をしている。かなりの美尻だ。俺は手を伸ばし、そのお尻
をスク水越しに掴んでみた。
「んふうっ?!」
ピクンッとお尻が震えた。
「ぷは・・・キョンくんっ、おいたはだめにょろよっ。あたしのお尻を触りたいなら・・・」
にこりと鶴屋さんは笑うと体勢を変え、俺を寝転がせ自分の股間を俺の顔の位置に持ってきた。
「ふぃっくふなふぃんふぁっ!」
俺のペニスをくわえながら喋らないでっ!
じゅっぷじゅっぷじゅっぷ・・・
リズミカルに鶴屋さんのフェラが再スタートした。ここまできたら・・・。俺はお尻を覆う生地をめくり、鶴屋さんの白桃のようなお尻を露出させた。スク水がTバックのようになっている。両手で白桃を掴む
と、指の間から尻肉が飛び出してきた。指を這わすと、ポルプルと桃が震える。俺は次第にその指を2つの白桃の間にあるぷっくりとしたふくらみに進めた。
「んっ!」
俺のペニスを握る鶴屋さんの指に力が入った。スク水の生地越しにそのふくらみを指でこすっていくと、だんだんと生地の色が濃くなってきた。それにつれて、秘部の形もはっきりと分かるようになってくる。
「鶴屋さん・・・濡れてきましたよ・・・」
そしてある一部分を念入りにこすっていると、ぷくりとまた小さな豆のようなふくらみが飛び出してきた。俺はそれを軽く摘んでみた。
「あっあんっそこだめっ!」
ペニスを口からこぼし、鶴屋さんが嬌声を上げる。
105名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:16:43 ID:hlfYGTX0
「ダメって何がですか?」
俺はわざと強く摘んで引っ張ってみた。
「ひゃあっ、だっ、らめっ!そんな、そんなにぃぃ!」
初めて聞く鶴屋さんの嬌声。俺は我を忘れて小豆をスク水越しに弄っていると、
「もっもう、イ、イクッ!」
体を大きく仰け反らしたかと思うと鶴屋さんは全身の力が抜けたように俺の体に倒れこんだ。小刻みに痙攣している。
「鶴屋さんっ?」
調子に乗りすぎた。俺は急いで起き上がり鶴屋さんを抱きかかえ、体を揺すった。気絶しちゃったんだろうか?
「ひどいっさ・・・キョンくん。あたしだけイカせて・・・」
頬を真っ赤にし、やや上ずった声で鶴屋さんが答えてくれた。でも目は瞑ったままだった。
「す、すみません・・・。」
「でも・・・これで終わりにしないよっ」
目を瞑ったまま鶴屋さんが微笑んできた。年上の女性の色っぽさを醸し出していた。

「キョンくん、スク水は脱がなくてもいいのかい?」
「着たままするのがスク水の醍醐味です。」
「うひゃあ、マニアック〜」
数分後落ち着いた鶴屋さんに、俺はスク水をずらして秘所にペニスをあてがっていた。ずらしたスク水がペニスとこすれるものの、そんなことはまったく意に介さなかった。
「ああ、あっあっあっ〜!」
俺のペニスが奥へ奥へと突入していくと、鶴屋さんの喘ぎ声にも艶がかかったきた。
「あっ当たってるうっ!奥で、奥で当たってるよおっ!」
まだペニスは完全に埋没していないが、子宮口まで到達したようだ。
「つ、鶴屋さんの膣って狭くて・・・浅くて・・・最高ですっ!」
俺は鶴屋さんと正常位でセックスしている。腰を大きくグラインドさせ、思い切り膣へ打ち付けた。その度、鶴屋さん全身が震える。
「ひゃっ、キ、キョンくんっだめっ、そんなに強くしちゃっ」
子宮口への衝撃が強すぎるのか、鶴屋さんの懇願にも似た声が聞こえてきた。しかし苦しそうにする鶴屋さんの顔ですら、俺には感じている顔にしか見えない。
「きゃあっ、あっ、ひっ!壊れ、壊れちゃううううっ!」
ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ!
大きな打撃音が響き渡る。顔を左右に振り、両手をいっぱいに広げて砂を握り締めている鶴屋さん。乳首も立っている。どれもこれも今の俺にはエロく見えてしかたがないのだ。
「あ〜〜〜っ!あ〜〜〜っ!」
いつからか、鶴屋さんはただひたすら嬌声を上げるだけになっていた。口から涎を垂らしたまま、それを拭う事すらしない。
「つっ鶴屋さん、そろそろ射精そうですっ!」
俺が限界が近いことを告げたときも、カクカクと首を縦に振るだけ。
「どっどこに射精したらいいですかっ」
カクカクと首肯。
「外ですかっ、膣ですかっ」
カクカクと首肯。
「外ですかっ」
カクカクと首肯。ここで俺は、もう一度聞いた。
106名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:17:13 ID:hlfYGTX0
「膣でいいですかっ」
やっぱりカクカクと首肯。
「いいんですねっ膣に射精しますよっ?」
おそらく今の鶴屋さんの状態なら、顔でも口でも、髪の毛にでも首肯しただろう。そう、俺は鶴屋さんの膣に射精したかったのだ。
「鶴屋さんっ射精るうっ!!」
ブシュウ〜ッ!ドクッ!
膣壁の締め付けに導かれ、俺のペニスの先端から大量の精液が飛び出した。精液の圧力で子宮口が押し広げられていく。
「ああああ〜!子宮まで入って、入ってきちゃうよおっ!」
両手で顔を多い、全身をくねくねと身悶えさせながら、鶴屋さんが俺の精液を受け入れてくれている。俺のペニスからは、まだ精液が出続けていた。
「キ、キョンくん。ま、まだ射精るのかい?」
俺の底知れぬ射精量に少し呆れ気味の鶴屋さんだったが
「も・・・、もう抜いてくれないとお腹が破れちゃう・・・」
俺の胸を両手で押してきた。
ぬぽっ
ゴパァ・・・
ペニスを引き抜くと、ダムの放水のように精液が溢れてきた。俺のペニスからはまだ少し精液が飛び出し、スクール水着を白く汚した。鶴屋さんの股間には、白い水溜りができている。
「はあ・・・はあ・・・」
鶴屋さんに覆いかぶさったまま、俺は息を切らしていた。汗の雫が鶴屋さんの頬にかかってしまっていたが、嫌な顔をされることは無かった。
「ふふっ、やっと鎮まったねっ。」
ペニスは元の大きさに戻っていた。
「つ、鶴屋さぁん・・・。」
「ん?何だい?」
「もう、だめですぅ」
すべての体力が無くなり、自分の体重すら支えられなく俺はそのまま鶴屋さんの体に倒れこんでしまった。
「ぶはあっ!重い、重いよキョンくんっ!」
その声を聞いても、俺は体をどかすことができなかった。鶴屋さんは俺の頭を撫でながら
「あはっ疲れたかいっ?」
あなたは何故元気なんですか。
「何言ってんのさっ!あたしだって死ぬかと思ったよ。キョンくん容赦なく突いてくるんだもん。」
よく見ると鶴屋さんの頬はまだ赤く、汗もかいている。てか、震えてるじゃないか。
「こ、これはまだ体が火照ってるのさっ。」
鶴屋さんは片目を瞑り親指を立ててきた。その親指も震えている。そうか、俺を不安にさせまいとして・・・。本当はこの小島に流れ着いてから、鶴屋さんが一番不安だったんじゃないだろうか。
「鶴屋さん、俺・・・、」
言いかけた俺の唇を、鶴屋さんがその親指で塞いだ。唇に触れるその指は、震えていなかった。
「その先は・・・、言っちゃダメ。うん。今日のことは、今日だけの思い出なのさっ。」
その時の鶴屋さんの笑顔は、何百枚の原稿用紙を使っても書き表せない量の感情を俺に伝えてきた。ああ、やっぱりこの人には敵わない。俺は心に確かに湧いたこの感情を一旦封印することにした。

その後古泉たちの乗るボートに発見されるまで、体温の低下を防ぐため俺達はぴったり寄り添っていた。それをハルヒに見られた後、ジト〜ッとした視線を元の浜辺に戻るまで向けられたが、緊急事態だったこ
ともありそれ以上の追求をされることは無かった。何より警察沙汰になる前に見つけてくれたので、親にばれずに済んだことが一番安心した。
えっ?鶴屋さんとはその後どうしたかって?別に何も。ハルヒ達に見つからないようたまに二人きりで会うくらいさ。
海には行っていない。ハルヒに禁止されているからな。



終わり
107名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:40:39 ID:d7w0vKoV
>>106
三点リーダー(以下r
108名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:51:08 ID:/te7SM5h
いや、そういうところじゃなくて(以下r
109名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:16:50 ID:brxT58zN
上手い人の中で恐縮ですが、思いついたのを初投稿してみます。
110名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:17:24 ID:brxT58zN
いつものように放課後になり、いつものようにSOS団の基地となった文芸部室に足を運ぶ。
ハルヒは掃除当番なので、まだ部室にはいないだろう。
朝比奈さんは鶴屋さんと用事があるらしい。あの天使が宝石で飾られてるがごとき
スウィートエンジュエルボイスで謝られたら、世界中どころか宇宙中の男は許すだろうね。
そうすると中にいるのは長門と古泉しかいないわけで、ノックの必要はなし。
ドアを開けてみると、いつものように窓際で読書に勤しんでいる長門がひとり。
いつもの席に座ると、長門が本から視線をこっちに向けていた。
「古泉一樹から伝言」
どうした? 古泉が長門に伝言なんて。
「バイトがあるので、今日は帰る。と」
それだけ言って本に目を戻す。
となると、今日の残りはハルヒだけか。つまりハルヒの思いつきに振り回されるのが
必然的に俺ひとりになるわけだが、気づかなかったことにしよう。

   長門有希の検査

朝比奈さんもいないことだし、ふたり分のお茶を煎れて、長門の手の届くところにひとつ置く。
自分の席に戻り、お茶をすする。しかし自分で煎れるお茶と、
朝比奈さんが煎れてくださるお茶はやっぱり違うね。長門もこの違いはわかるんだろうか。
本から目を離さないまま湯飲みに手を伸ばし、まっすぐ口に運ぶ長門をうかがう。
長門が一口飲んだところで動きが固まった。微動だにしないのは珍しくはないが、
なぜこっちを見るんだ。
「エラー発生」
エラー? なにが起きた。
「口腔内の一部で痛覚を感知」
痛いってことか。
わずかに頷く。なにかお茶に入っていたか?
「違う。神経系の痛覚。異物混入は感知していない」
長門が湯飲みと本を置いてから、可愛らしく小さな口を開ける。
「確認して」
確認してって、俺か?

しかし長門がその状態から動きそうもないので、椅子を正面に動かして開けられた口を覗き込む。
「いぎのおこのほー」
いぎのおこ? ああ、右の奥か。口を閉じてから喋ってもいいんだぞ。
宇宙人とはいえ、女の子の口の中を覗くっていうのはなぜかドキドキするな。
それはともかく、綺麗に並んだ下歯の一番右奥の根元が、少し色が変わっているような……
これは虫歯のなりかけか?
「虫歯?」
宇宙人でも虫歯になるんだな。それだけ長門が人間に近いってことなんだろうか。
あれだ。口の中で悪い菌が歯を悪くしちまうんだ。そこにお茶が沁みたんだろ。
詳しくは長門が検索したほうが早いんだけどな。
「そう」
長門なら歯医者に行かなくても、再構成すれば治せるから大丈夫だな。
「虫歯についてデータベースにアクセスした。再構成による構造修復、及び保護は可能」
よし、じゃあやっちまえ。お茶が冷める。
「その前に確認したいことがある」
動かした椅子を元の位置に戻す前に、長門が口を開いた。
「あなたの口腔内」
ちょっと待ってくれ。口腔内? 俺の口の中?
「データベースには模範的な口腔内のデータしかない。しかしデータによると、
口腔内は個人によって差異が存在する。わたしはあなたの口腔内を確認したい」
見てどうするんだ。それに俺もそんなに歯とか綺麗なほうじゃないんだが。
「構わない。あなたはわたしの口腔内を見た。わたしもあなたの口腔内を見る権利がある」
そう言われてもな。そんな見せるほどのもんでもないというか。
「古語にもある」
長門は一歩も引き下がるつもりはないらしい。
「歯には歯を」
違うだろ。しかも『目には目を』を飛ばすな。
111名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:18:06 ID:brxT58zN
諦めてくれそうもないので、しかたなく戻そうとしていた椅子をそのままに、
長門に口を開けて見せた。こんなことなら体育が終わった後に、
うがいをしっかりしておくんだったな。
長門は椅子から立ち上がり、しばらく視線を向けていたが、
いきなり右手の人差し指を口の中に入れてきた。
な、長門さん!?
「視覚による確認だけでは細部の状況を把握するのは困難」
だからって指を入れるのはどうかと思うんですが!
白くて細い指が歯をなぞっていく。舌をひっこめて固定しているつもりでも、
かすかに触れる長門の指をなんだか意識してしまう。
長門がわざと舌に触れているとは思えないが、なんだか口の中が甘い気がしないでもない。
長門の指のせいだろうか。
「噛んで」
なんだって?
「噛んで」
指先は下側の左奥歯の上で、そこから歯並びに沿って置かれていた。
このまま噛んだら長門の指の大部分を挟み込んでしまうだろう。
長門ならライオンに噛まれても即座に治してしまいそうだが、本気で噛むわけにもいかない。
細い指が傷つかないように、甘噛みのように軽く噛んでみる。
自然と頬の内側が指に触れるが、これはしかたがないというか。
長門には何も変化がないように見えた。が、少し目が潤んでるようにも見える。
「開いて」
口を開けってことだろうな。言われたとおりにすると、指が引き抜かれた。
「目を閉じて」
口を閉じる前に、目を閉じろってことか? わけわからん。
しかし長門の指の甘さか恍惚感か、口に残ってる感覚に思考力を奪われる。
目を閉じると、首の後ろに圧力が加わった。まるで腕を回されたような。
そして口がやわらかいものに塞がれた。
目を見開くと、長門が俺の口に吸いついていた。

「……ちゅ……ん、む……」
長門の舌が官能的に口の中を蹂躙する。歯の表面と裏側、唇や舌までところかまわず。
「ちゅ、ちゅ……あむ……」
たっぷり5周分ほど嘗め回した後、首に巻きついていた腕が解かれた。
細く透明な糸がふたつの口を橋渡しして、床に落ちる。
「視覚による確認だけでは、細部の状況を把握するのは困難。
また口腔内は舌部の接触が最も多い。よって舌部で確認するのが最適」
じゃあ指でやらなくてもよかっただろ。いや、舌だったらいいってわけじゃないが。
口端から垂れた涎を拭う。まさか長門から奪ってくるとは……
「視覚による確認、手指と視覚による同時確認、舌部による接触確認。
これで口腔内のデータがより完全になる」
長門は自分の椅子に座ると、
「口腔内の再構成を開始」
ゆっくりとまばたきする。
「再構成を終了」
そこで部室のドアが勢いよく開かれる。もちろんこんな開け方をするのはひとりしかいない。
「はーい、お待たせ!」
ハルヒが足を踏み鳴らしながら団長席に向かう。
「みくるちゃんはいないのね。キョン、お茶!……て、有希、どうしたの?」
相変わらずの団長様に目を奪われていたが、長門に目を戻すと、
細い自分の指を口にくわえている。
それはさっき俺の口に入れていた指なわけだが。
長門は口から指を引き抜くと、俺にだけ聞こえるような声でつぶやいた。
「ユニーク」
112名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:18:40 ID:brxT58zN
特に目立ったハルヒの動きもなく、本日のSOS団の活動も早々に終わる。
ハルヒは戸締りを俺に押しつけて帰ってしまった。
鍵をかけ、長門と校門まで並んで歩く。
「聞きたいことがある」
長門がこちらを見上げていたので立ち止まってみる。
「人間は口腔内の衛生状態を保つため、歯磨きという作業を行う」
そうだな。お前も歯磨きくらいやってるだろ。
「データとしては持っている。しかし、より効果的な方法を教えてほしい」
歯磨きより効率的な方法? そんなのあったか。
「正確には、より効果的な歯を磨く方法」
なるほど。といっても念入りに時間をかける、とかだろ。
「教えてほしい」
教えるって、そんなの――
「……あむ」
いきなり長門が俺の手を取り、人差し指をくわえていた。

つまりは俺の指を歯ブラシ代わりにして、動かして見せろということだった。
こら、上目づかいはやめてくれ。

その後。指で教えるのは丁重に断り、ふたりでドラッグストアに寄って
新しい歯ブラシやフロスなどを購入。長門がよくわからないらしく、俺が選んだ。
ついでに俺も今の歯ブラシがヘタれていたので、自分のを買った。
そして帰宅後、ドラッグストアの包装から出てきたのは長門が買った歯ブラシだった。
電話して確認してみると、長門のところには俺が買った歯ブラシがあるらしい。
『明日、持ってきて』
今夜と明日の朝の歯磨きはどうするんだ。
『かまわない。使って』
そうは言われてもな。明日、コンビニに寄って新しい歯ブラシを買うべきか。
『わたしもあなたのを使う。交換。それで対等』

まさか歯ブラシを前に頭を抱える日が来るとは思わなかった。
113名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:19:14 ID:brxT58zN
以上です。お目汚し、失礼しました。
114名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:33:55 ID:Ck3sz/mC
いいね。歯磨きか…考えもしなかったな。
まだ意外なとこにネタがあるかもな。

>>113
GJ
115名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 21:41:11 ID:jlVpNOot
>>106
エロ可愛いよ鶴屋さん! マラがオッキした。
不安を我慢してお姉さんしてる姿に萌えた。

>>113
他のに負けないぐらい十分面白かったよ。
長門が可愛い。こういう話に弱いんだ。
初でこれとは今後も期待しちゃうぜ。
116名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 00:25:39 ID:PTYycwOX
長門はいいねぇ
能力的な部分は別として長門みたいな性格の子って現実にはいないだよな
まさに創作の結晶なんだよな
たまらないね
117名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 03:17:57 ID:adihudSx
俺の近くに長門に似た奴いるよ。いっつも無口でしかも俺そいつと喋った事ない。
顔は長門と違ってよくないし男だが……。
118名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 03:19:50 ID:9/QqhGCz
お近づきに……なりたくねーな
119名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 09:50:18 ID:dFgksDRW
>>116
綾な(ry
120名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 09:55:37 ID:uzPsmquf
エヴァ時代からもんもんと二次創作やってる身なんで
長門にはどうしても綾波重ねてイマイチ魅力を感じないジレンマ
12173:2006/11/19(日) 10:03:00 ID:M46s7ZCU
なげますよん
122名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:04:38 ID:M46s7ZCU
ハルヒとの激しい夜を終えた次の日、俺たちはこれからの行動計画を宿屋で話し
合っていた。ここでの目的の一つは、この大陸の南にあるロマリア国の王様が金
の冠を盗まれたということで、それを俺たちは人情として取り返してやることに
したのだ。もう一つはここから北にある、村人が全員眠った村の謎を解き、出来
れば復活させること。我らがSOS団の得意分野みたいな事件だが、周辺の敵が
強いので、これは後回しにすることになった。
「…というわけで、金の冠を盗んだ『カンダタ』が逃げ込んだとされる西の塔の
探索係と、新しい装備を買うための稼ぎ係に別れるわよ。」
こんな感じで、六人もいると旅が効率化されるのが嬉しい。
この日のクジの結果は、探索係がハルヒ、古泉、、長門。
稼ぎ係が俺、朝比奈さん、鶴屋さんという組み合わせだ。
鶴屋さんの実力が今ベールを脱ぐ。そんな感じだ。
二手に別れたあと、俺たちは現在地であるカザーブ村周辺で、稼ぎを兼ねて鶴屋
さんに剣の稽古を付けてもらうことにした。
「えい!やあ!とう!」
この可愛らしい声は朝比奈さんである。道具に精通しているためか、ある程度の
武器は使えるらしい。
「そうそう!みくるはなかなか筋がいいね!」
鶴屋さんは終始こんな感じである。誉めて伸ばすと言うのだろうか。すごくいい
先生だ。
「うん、キョン君も強いね!でも、
まだ荒削りだから鍛えればもっと伸びるよっ!」
なんだか照れる。鶴屋さん、改善点とかはありますかね。
「うーん、ちょっと力に頼きすぎかなっ。正しいフォームを覚えれば…」
「つ、つつ鶴屋さん敵敵〜!」
そう、俺たちは村の外で稽古をしている。当然化け物も出てくるのだ。
「よし、じゃあ彷徨う鎧以外は頼んだよ!」
彷徨う鎧というのはこの辺に出てくる強敵で、空っぽのフルアーマーである。
空っぽのくせに生意気にも剣技を使ってくるのだ。痛恨の一撃で殺されかけたこ
ともある。俺と朝比奈さんは二人してゾンビ犬とかでかい芋虫とかを次々と切り
伏せていった。ほとんど俺がやったんだけどね。そして、何故彷徨う鎧を残すの
かというと、
123名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:06:16 ID:M46s7ZCU
「二人供、勇者先生のお手本をよっく見ておくんだよ!」
と言って、彷徨う鎧を相手に「めがっさ難しい技」という名の超絶技巧剣技の数
々をかけて俺の自尊心を悉く崩壊させるのである。流れるような動きに、俺はた
だ見惚れることしか出来ない。あの夜抱いた時はあんなに細っこくて柔らかい体
だったのに、どこからそんな力が
「キョン君!あ、危ない!」
俺は後ろから蠍(さそり)と蜂を適当に継ぎ接ぎしたような奴に背中を刺された。
痛えな何しやがる!
俺はそいつを振り払うと、そのツギハギに向かって銅の剣の一閃を食らわせた。
「キョン君は鶴屋さんに見惚れすぎです!昨日の夜は涼宮さんとしたのに…」
うげっ、やっぱバレてたか……くそ、あいつ声出しすぎなんだよ。
……でもあんなひぃひぃ言わせたのは俺か。俺のせいか。
「キョン君はソッチはうまいんだよねっ!学習能力がめがっさ高い証拠だよ!」
鶴屋さん、こんな所まで誉めくていいです。
「と、とにかく浮気はダメなんですからね!…あれ?」
どうしました?朝比奈さん。
「私たち、すごろく場まで来てたみたいですね。」
すごろく場?そういやバカ殿さまで見たことがあるなそんなの
そう言えばロマリアで何かの券拾いましたよね?
「キョン君が言ってるのはこれかな?みくる、鑑定よろしくっ」
そう、それだ。朝比奈さん、どうですか?
「そうです!これがあれば一回プレイが出来ます!」
どうします?息抜きに一回。俺はこういうのに運ないからパスしますね。
「あ、それなら私にやらせてくれますか?」
はは、いいですよ、朝比奈さんが楽しんでください。
「うふ、ありがとう。いいこと考えちゃったの」
へえ、どんな事ですか?
「秘密です」
朝比奈さんは唇の前に人差し指を立て、へたっぴなウィンクをした。
……あぁ、これでルイーダの酒場の連中はおかしくなったのか。
すごろくは人間がさいころを振って、マスごとにいろんな事が起こる、まさに俺
がいつかバカ殿様で見た奴と同じだった。朝比奈さんは普通より一回り大きなさ
いころをふって、止まったところで色々なリアクションをする。う〜ん。やっぱ
り可愛い。そして羽根看板の家に行ったきり、数分間戻ってこなくなった。
何かあったのか?
124名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:08:52 ID:M46s7ZCU
「う〜ん、私にはさっぱりだよっ。それより面白そうだねこれ!あたしもやって
みたいなっ!」
そうですね。次すごろく券が手に入ったら鶴屋さん頑張ってみてください。
「あれ?みくるが戻ってきたよっ?」
すごろく場に目をやると、朝比奈さんが剣をふりふりしながら満面の笑みを浮か
べていた。不用意にその顔を男に見せてはいけません。抱きしめたくなるじゃあ
りませんか。
その後朝比奈さんはすごろくを上がり、商品として鋼の剣と500ゴールドを手にしていた。途中のあれは、道具屋で鋼の剣を値切った結果らしい。
「みくるー!偉いよっ!大好きっ!」
鶴屋さんは朝比奈さんを抱き締めてなでなでしていた。すげー羨ましい。俺もど
さくさで何かやろうとしたが、朝比奈さんに嫌われたら本当にへこむので、
感謝の言葉で止めておいた。

俺たちはそれからも最新武器:鋼の剣を実践投入してモンスターを狩りまくった。
やばいよ強いよ鋼の剣。朝比奈さん本当ありがとう。そこに探索係が帰ってきた
ので、今日はお開きにして宿で作戦会議をすることに。
「いやぁ、もう少しでカンダタに見つかるところでしたよ。」
「見つかったって私がブッ飛ばすだけだからよかったのに、
古泉くん逃げちゃうんだもん!二度手間よ!」
「カンダタは斧の名手。明日はあなたも行くことになるから、気を付けて。」
その他には古泉が彷徨う鎧からちょろまかした大量の銅の剣と青銅の盾を売りま
くって多少リッチになったことを報告しておく。古泉曰く、
「動きが鈍いから、手元を弾けばおしまいなんですよね。」
らしい。彷徨う鎧に一番強いのはこいつだったようだ。ピックポケット万歳であ
る。人間には使うなよ。
その夜、俺は初めて夜の稽古に参加した。俺のメニューは鶴屋さんから言われた
フォーム作り。ハルヒは鶴屋さんから鉄の爪を使っての武器の受け方を教わって
いた。あの人は何でも出来るな。さすがは勇者である。
今日はゆっくり寝られた。だがしかし古泉と共同ベッドなのは何とかならないだ
ろうか。今度交渉してみよう。
次の日のメンバーは探索チームにハルヒ、俺、鶴屋さん、長門という、うちのバ
トル専門家達の精鋭である。攻撃力は最高だ。何せ回復役がいないからな。
稼ぎチームは古泉と朝比奈さん。この二人は後に金稼ぎコンビとしてうちのチー
ムに伝説を残すことになる。
125名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:10:45 ID:4xFnW+iN
それを無口娘のジレンマという
126名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:11:42 ID:M46s7ZCU
盗賊カンダタのあじとである『シャンパーニの塔』は、昨日の作戦会議中に古泉
が作った簡易地図のお陰でさくさく進んだ。長門は適度に呪文を使っている。カ
ンダタ達とやりあうことになったときまである程度温存するそうだ。攻撃は俺た
ちに任せて、毒針を振るうのがメインである。
しかしサクサク進む。敵の数は結構な量なのに、ハルヒと鶴屋さんのコンビネー
ションがすごい。例えその二人を逃れてもそいつの行き着く先は鋼の剣を手にし
た俺である。なんかスカッとする。ハルヒも俺と同じ思いなのだろうか、
「こらっ、キョン!ニヤニヤしてんじゃないわよ!」
と微笑を浮かべながら言っている。この状況を楽しんでいるのがもろバレである。
「ここからは盗賊のアジト。気を引き締めて。」
そんな雰囲気を長門が制した。相当ヤバい奴らなのか。
「ここで全滅したシークエンスは二回。全滅しても朝比奈みくると古泉は生きて
いるからループは免れるが、あまり全滅はしないほうがいい。」
長門が小声で言った。このメンバーで死ぬのか。相手は強そうだな。
「人間同士だと人の数が勝負を決めることが多いんだよっ。それに今回は盗賊…
…、負けたら、覚悟しといてね。」
鶴屋さんが初めて真剣になった。分かってますよ、全力を出します。
扉を開けた。咄嗟に子分が逃げ出す。ん?あいつらどこかで……
「こらっ、ちょっと待ちなさい!」
おいハルヒ、独断専行はよせ。
「私たちも行く。急いで」
「キョン君?盗賊は素早いから力任せはだめだよっ?ハルにゃんをいぢめたとき
を思い出してっ」
「ちょっ、鶴屋さん!」
こんな時に勘弁して下さいよ。ほら、ハルヒも赤くなるな。
階段を上がった先には盗賊団がいた。やっぱりあいつらだ。
「こらっ、無駄な抵抗はやめておとなしく自首しなさい!」
ハルヒはお得意の飛び蹴りをかます。そのまま落し穴に落ちてしまった。
お前がおとなしくしなさい。
「まずいね、逃げてくよっ」
おーい!ハルヒ急げ!
「分かってるわよ!うかつだったわ!」
俺たちは先にカンダタ達を追って下の階に飛び降りた。
「こらっ、ちょっと待って!金の冠は返してもらうよっ」
「けーっ!俺が簡単に返すと思うか?、逃がしてくれねぇんなら容赦しねぇぞ?」
127名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:13:46 ID:M46s7ZCU
これがカンダタか。なんだか陽気な奴だな。覆面パンツなのに。そしてその子分、
「まぁ女に手を挙げるのは気が引けるんだけどな」
「しょうがないよ。追っ手みたいだしさ。」
谷口と国木田である。何だってこんな覆面パンツの子分なんだ?谷口は分かるが
国木田は秀才だったはずだ。
「おりゃーっ!」
上からのハルヒのフライングブロー。しかしカンダタは身を躱した!
っていうかおいっ!囲まれてるだろ!
俺と鶴屋さんはとっさに相手に飛び掛かった。すぐにカンダタの斧を俺が受けと
め、鶴屋さんが空いた胴に強烈な一撃。カンダタは吹っ飛びはしなかったが、そ
の場で倒れた。何だ、案外あっさりなのね。
「うおおっ!」
と思ったらカンダタの一撃。重い。剣で受けとめたら鎧を着ている俺が浮いた。
まずいぞこいつ、すげぇタフだ。
「ここはあたしに任せてっ!」
鶴屋さんがカンダタに応戦する。おいおい、互角だぞ。
俺はとりあえず谷口から相手にすることにした。ハルヒは国木田をよろしく!
「えっ、なんで僕を知ってるの?」
うるせえ、話は牢屋で聞いてやる。俺は国木田にそんな一瞥をくれてやると、
谷口に向かって行った。
おい谷口。アホに免じて峰打ちにしといてやるから、おとなしく気絶しとけ。
「お前、何で俺を知ってるんだ?俺も有名になったのか?」
俺はその質問には答えずに、剣を振りかざす。避けられた。
「はっ!」
谷口の武器は鞭だった。谷口の癖にちょこざいな。盾で受ける。顔に当たったら
痛そうだなありゃ。
「俺は直接は打ち合わない質なんだ。こいつの相手でもしてろ!」
一気に後ろに下がった谷口が出したのは、いつぞやのアリアハン大陸のプリン。それの液体金属バージョンだった。
「お前みたいな重戦士にはこいつは天敵だぜ!」
ふん、プリンはプリンだ。その脆弱さは痛いほど分かっている。ほれ一丁あが――……らない。
素早い。くそ、盗賊団なんて相性悪すぎだろ。
黒プリンが飛んできた。まあ動きが軽い分打撃は―――ぐあっ!?
何だこいつは!鉄球をぶつけられたみたいな衝撃だ!まずいな。まずいよね。
谷口だと思って舐めていた。マジでやらねばやられる。
向うでは国木田とカンダタのタッグ、ハルヒと鶴屋さんのタッグでやりあってい
た。向うに分がある。国木田、明らかに回復呪文唱えてるし。魔物使いと僧侶か。
さて、どう崩す。
128名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:16:20 ID:M46s7ZCU
「スクルト」
突如感情のない声が聞こえてくる。また黒プリンの一撃。威力は同等に見えたが、
今度は多少軽くなった。
「ヒャド」
これは長門の声だ。俺の後ろから聞こえてくる。谷口目がけて氷の刄が飛んでいった。ヒット。
俺はその間も液体金属と打ち合っているが、一向に当たらない。
「まずいわね…、ベホイミは反則でしょ!」
「このままじゃジリ貧だねっ……、薬草、持つかなぁ」
あっちもきついようだ。攻撃しかないうちの弱点は持久戦である。
「あなたは国木田を倒して」
長門が前に出てきた。おい、いいのか出てきて。
「平気。メタルスライムには私の毒針のほうが有利。あなたは国木田を」
わかった、信じるぞ長門。俺は国木田の所へ走る。
「わわわーっ!」
あいつもハルヒに追われてこっちに向かっている。動きの鈍い俺には好都合だ。
方向を変えようとした国木田に峰でのなぎ払いをおみまいする。今日初ヒット!
「こらーっ!さっさと沈みなさい!」
後ろからはハルヒの飛び蹴り。これで相手の補給は無くなった。
「あんたは鶴屋さんの所へ行って!あたしはあのアホみたいなやつをやるわ!」
ほう……、分かるのか。只者ではないなハルヒ。一瞬そう思いつつ俺はカンダタ
の方へ向かった。鶴屋さん、加勢します。
「良かった!キョン君ちょっと代わってて…!」
鶴屋さんは後ろに引くと、初めて肩で息をした。そりゃそうだ。開始からずっとこの覆面パンツにヒットアンドアゥェイをしていたのだ。
鶴屋さんにここまでさせる相手か…少々恐いな。変態のくせに。
「おい、あの威勢のいい女、俺が勝ったらくれよな?」
ハルヒか。やらねえぞ。その前に俺は負けねえ。
「おおおっ!」
全力で切り掛かる。相手は斧で受けとめてきた。
こいつは素早さとは無縁らしい。いける!

危なかった。キョン君が少し遅かったら首をもっていかれてたよっ、カンダタは
キョンくんに任せて、私は私のできることをしなくちゃね!とりあえず国木田く
んとやらをふん縛りますか。回復はやっかいだからねっ。おっ、ハルにゃんがん
ばってるなぁ。谷口くんの鞭を鉄の爪で…そうそうハルにゃんそれ!
「――はっ!」
ハルにゃんはそのまま谷口くんを引き寄せて鳩尾に一撃。気絶させたね。
あの子も縛りに行こう。

うかつ。
メタルスライムに毒針が当たらない。人に鍛えられているからだろうか、はぐれ
メタルよりも素早く、力も強い。
129名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:18:25 ID:M46s7ZCU
私の体力は職業修正による大幅な減少があるた
め、このままではやられてしまう。
……?
谷口が気絶した途端、戦意が無くなった。主人のもとへ帰っていく。
「あっ、メタルスライムじゃない!経験値よ!経験値!」
待って。そのメタルスライムはもう戦わない。それを倒しても経験値は入らない。
「そうなの?しかしなんでこいつメタルスライムを飼っちゃうわけ?
やっぱアホね!」
私にはわからない。何故メタルスライムが人を信頼したのだろう。
これは今までの魔物使いの中でも例が無いこと。
彼には何かがあるはず。彼は恐らく只のアホではない。凄いアホなのでは。

……彼を助けなくては。私はカンダタの方を向いて、詠唱を始めた。

こいつやたら強いな。朝比奈さんのくれた鋼の剣が無かったら、死ぬのは時間の
問題だったのかも。しかし今は相手が押してるが、まともに切り合えてはいる。
人数はこっちが上だ。俺がここで踏ん張ればあとはみんなでこいつをやれる。
「イオ」
突如カンダタを中心に爆発が起きた。サンキュー長門!俺はこのチャンスを存分
に活かすべく、腕に三割増しの力を籠めてカンダタに切り掛かった。
斧破壊。よし、着実に詰んできたな。
「キョン、こっちは終わったわ!」
ハルヒ、こっちも片付きそうだ。あとはハルヒの飛び蹴りで――ん?
ハルヒの足を掴んだカンダタは、そのまま塔の壁に投げ飛ばし、折れた斧を追撃
して投げた。長門の放った炎弾によって軌道を変えられたそれは、ハルヒの頬を
かすめる。そのまま行ってたら脳味噌ぶちまけてたぞ……サンキュー長門。

いった〜……。私の蹴りが受けとめられるなんて、あいつ強すぎよ!斧が飛んで
きたのはびびったけど、幸い大した怪我にはならなかったみたい。
……キョン、なんでそんなに必死なの?相手はもう謝ってるよ?ちょっと、そんな攻撃したら死んじゃうじゃない!ちょっと!カンダタももう土下座してるわよ!聞いて――
「キョン君!落ち着いて!」

鶴屋さんに武器が弾かれる音で正気に戻った。どうやら逆上してたらしい。カン
ダタが土下座してるのにも気付かなかった。
カンダタは鶴屋さんにお礼を言うと金の冠を置いて一目散に逃げてしまった。
谷口と国木田は?
「キョン君……、ハルにゃんへの想いはわかるけど、人殺しはダメだよ?」
……ごめんなさい鶴屋さん。人殺しがいけないのだけは認めます。
130名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:20:30 ID:M46s7ZCU
「バカキョン!あんなへっぽこ攻撃であたしが死ぬわけないじゃない!有希のス
クルト忘れたの?」
あっ、あれって、物理攻撃を和らげる呪文だったのか。
「そう。叩きつけられた時点での涼宮ハルヒは無傷。」
「キョンくんはハルにゃんが傷つけられたからついつい逆上しちゃったんだよ。
そんなキョンくんを許してあげてねっ?」
いやいやいや鶴屋さん、何ですかその説明的口調は。そんなんじゃなくて
俺はそのつまり
「…そうなのキョン?な、なら許してやらなくも無いわね!」
頬を染めるな。それは勘違いだ。
「……ツンデレ」
うっさい。谷口と国木田連れて、もう帰るぞ。
「キョン君の知り合い?キョン君もカンダタ子分だったの?」
あんな覆面パンツの子分になるくらいだったら死にますよ俺は。
詳しくは説明できないんですが、こいつらが悪人でないのは俺が保障します。


その後、宿に帰って谷口と国木田を明日一日だけ雇うことにした。こいつらもや
はり覆面パンツよりは麗しの勇者様の方がいいようで、すんなり仲間に入ってく
れた。今日の夜のトレーニングは古泉がすごろくで取ってきた
ブーメランでの遊びとなった。
「なんで?なんで戻ってくるの?面白い!」
ハルヒと鶴屋さんはこのアボリジニの狩猟兵器がツボに入ってしまったのか、ず
っとゲラゲラ笑っている。俺はハルヒが死んだら、やっぱりアボリジニの聖地で
愛とか叫んだりするのだろうか。……いや、どうせ教会で生き返るのか。なに興
奮してたんだ俺。
次の日、ロマリア王に金の冠を渡した後、谷口、国木田、古泉、朝比奈さんの一
日限定洞窟探索専門ユニット『スペランカーズ』は、眠り村の謎を解きに村の西
にある洞窟へ探索に行った。名前に弱々しさを感じるのは気のせいだ。
ところであのメタルスライムが何で谷口に懐いているかというと、
国木田によれば、
「メタルスライムを倒して復活させてを繰り返せば強くなるのに谷口はそれに気
付いてないんだ」らしい。要するにあいつがアホだからだ。
長門に言わせると、
「あのメタルスライムは物理攻撃回避率99・9パーセント、そして全ての魔法干渉を
受けない」
らしい。ようするに無敵。それにも谷口は気付いてないんだと。アホだ。
鶴屋さんと長門は次の町アッサラームへ向かった。なんでも二人供、一度行った
町に飛んでいける魔法『ルーラ』を覚えたらしいから、後で迎えにきてくれるそ
うだ。これで旅がより効率化する。
131名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:23:50 ID:M46s7ZCU
そして我がチームの攻撃力、俺とハルヒはというと……

「…キョン」
何だ。
「あたしロードワークしてくるからあんた政治やってて」
やなこった。
「あ〜も〜王妃なんてつまんない!こんな生活絶対狂ってるわ!」
俺たちは現在ロマリア国を治める王と王妃になっている。
王族の血に俺みたいなパンピーの血が混じっていいのだろうか?前の王さまは格
闘場で負けすぎて一日にして浮浪者になっていた。何かが狂っている。俺も体を
動かさねばと兵士長に剣の稽古を頼んだら、王さまに剣を向けることはできませ
んだと。こいつも狂ってる。俺昨日までパンピーだよ?あぁ…体動かしてぇ…

その日の夜。長門はまだアッサラームに着いていないのか、迎えがこない。
「なんでベッドか一つしかないの?私たちロマリア治めてるのよ?やっぱり狂っ
てるわ!」
夫婦の寝室にはハルヒの言うとおり、妙にピンクなベッドひとつだけだった。
それに二人で腰掛ける。
今日いきなりその辺から拾ってきた奴に王位を与えて、
その上世継ぎを作れってか。やっぱ狂ってやがる。
「はぁ…はやく有希来てくれないかなぁ」
ハルヒが文句をたれる。着飾られたその横顔は、口さえなきゃ誰もが振り向くよ
うないい女だった。それは認めよう。ただそれ以外は認めない。あの時だって仲
間をやられそうになったから逆上したたけだ。あくまで仲間だ。
……まずい。ハルヒに対する妙な感情が沸いてくる。
これは恋愛感情じゃない。例の劣情だ。ムラムラしているだけだ。

…なぁ、ハルヒ
「何よ?」
『早く世継ぎ作れよ』という全国民からの無言のプレッシャーを感じないか?。
「……駄目よ?私たちの旅は続くんだからね?」
大丈夫だから、外に出すから
「ちょ、ちょっとやめなさいよ、駄目だってんー!んんー!」
キスで黙らせた。悪いなハルヒ。これは発作だ。
「ちょっと……、駄目だってばぁ…。」
そうだね。プロテインだね。
ハルヒもその気になったようだ。こいつもずっと部屋にこもりっきりだったからな。というわけで脱がす。「バカキョン、エロキョン」
何とでも言ってくれ。俺は服を脱がし終えると、ハルヒにむしゃぶりつた。
「…キョン、ど、どうしたの?」
何だ。
「今日のアンタ、何だか凄く…あんっ、優しい」
気のせいだ。テクが上達したんだ。
「あっ、あぁっ…そんな風に責められたら、あたし…」
凄い濡れてるな。そろそろいいか?
132名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:26:58 ID:M46s7ZCU
頷くハルヒを見てから、俺はハルヒの中に自身の欲望を入れた。
「あっ、あっ、あっ、あ……」
腰を打ち付ける度に聞こえる声に興奮しながら、俺は犬のように行為に耽る。
「やっぱり、あっ、優しい、あぁっ」
うるさい。お前はただ快楽を享受していればいいんだ。
「あっ、そろそろ、いきそう、」
わかった。外に出すからな、安心しろ。……って隣に誰かいる!
「迎えにきた」

長門がいた。
気配を感じなかったが?
「消え去り草。アッサラームで売っていた。」
いつから見ていた?
「…そうだね。プロテインだね。」
……ちょっと一発出すまで後ろ向いて待っててくれないか?
「時間がない。でも出さなくても大丈夫、ついてきて。」
俺は今軽装で、背中に長門をおぶって走っている。
長門がルーラを唱えてくれないからだ。
MP切れ?うそこけ。
「体にたまったフラストレーションを解消するのは精行為だけではない」
らしい。さっきまで運動したいって喚いてたのは俺だっけ。皮肉なもんだ。
「ほら、ちゃっちゃと走る!夜が明けちゃうわよ?」
こっちは俺の装備を持って走っているハルヒ。何とも清々しい表情で走っている。
「やっぱ外の空気はいいわー!あんな部屋に引きこもって死ぬまでスケジュール
が組まれてるなんて、絶対嫌!」
うげっ、王さまって地獄だな。大体知ってるけど。
「キョン、魔物が来たわ。逃げるわよ!」
俺はさらにスピードを上げる。まずい振り切れない。
「イオ」
後ろで爆発が起きた。おい、なんで魔法使えるんだ。
「今ので最後」
本当か?
「今度はほかの魔物の群れよ!」
「イオ」
魔物の群れに爆発が起こる

「気のせい」
……
その後ぎりぎりでアッサラームに着いた俺たちは、風呂に入るのも忘れてそのま
まベッドに倒れこんだ。
翌日、あんなに運動したのに体力は全快。俺たちは久しぶりに6人で歩いてイシ
スを目指した。目標はピラミッドの魔法の鍵。まだ俺たちの旅は続きそうだ。
133名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:31:43 ID:M46s7ZCU
おしまいです。
バトルを書いたのは初めてでした。
難しかったです。
134名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 12:09:46 ID:cByVHz4Y
ユニーク。
135名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 12:46:56 ID:/lnjuVG7
>>133
GJ!
所々急な展開に感じる様な所もあったけど、全体的に非常にエロパロらしいアホさ具合(褒め言葉)で個人的に凄い好きです。
次回作も期待してます。
136名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 17:01:57 ID:GpZT43aV
>>133
GJ!
だが1つ教えてくれ。>>131-132のキョンとハルヒが王様・王妃様になるのはオリジナル?
原作でこんなイベントあったっけ?
137名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 17:35:09 ID:oIPQUrCO
シャンパーニの塔クリア後に主人公が無理矢理王にさせられるイベントが発生。
「え、もしかしてこれゲームオーバー?」と勘違いするプレイヤー多数。
138名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 17:38:04 ID:ioH6D06p
金の冠返したくなくて、カンダタ倒してからロマリアに近づかなかった俺ガイル
返しに行ったのはアレフガルドで不思議な帽子を取ってからだった。
139名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 20:01:50 ID:p4BrQPPE
DQ3テラナツカシスw
次はピラミッドか…
ピラミッドって言ったらやっぱあの武器を取るのかな?
140133 ◆IqtS6VgEC2 :2006/11/19(日) 20:27:18 ID:M46s7ZCU
>>139
wwwwww
執筆中。
あんまドラクエの話は止したほうがいいかと。
ハルヒの話題とコンビネーションでお願いします。
141名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 21:01:07 ID:tLZFbQI9
>>140
いなかものめw
とかいいつつ期待してま
142名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 21:11:38 ID:d0DD4r//
>>137
うぉいサンクス。もうクリアから10年近く経ってるから細かいイベント忘れちゃったよw

>>140
期待してます。頑張ってください。
143名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 21:28:02 ID:MgUkyuZI
>>140
まんまるぼたんはおひさまぼたん
ちいさなぼたんでとびらがひらく
はじめはひがし つぎはにし
144名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 21:55:38 ID:Bsw/JbsM
age
145 ◆IqtS6VgEC2 :2006/11/19(日) 23:13:51 ID:M46s7ZCU
投げますよん
146名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:15:34 ID:M46s7ZCU
「だっはぁ!」
ハルヒの蹴りがミイラ男の顎にヒット。そのまま崩れ落ちる。俺も剣を振り回し
て俺の周りを囲む巨大蛙を散らし、一匹をターゲットにして切り掛かっていく。
呪文なんか詠唱しやがって学習能力の無い奴め、何がラリホーだ効かないっつの。
「まずいですね。どんどん出てきます。」
古泉。何とかならないのか。
「ピラミッドから脱出すれば、恐らくは……」
言いながら古泉は背後から迫ってきたマミーに一撃。ロマリアで買ったナイフに
は神のご加護があるらしく、食らったマミーは灰になって崩れてしまった。だか
らこのナイフ売らなかったのかこいつは。どこまでも頭脳プレイだな。
「もう!倒しても倒してもうじゃうじゃ沸いてくるわ!早く階段に行かないと!」
マミーがハルヒの左腕にすがりつく。それをハルヒはマミーの鳩尾に蹴りを入れ
ることで振りほどいた。
止めにハルヒは左腕から黄金の一撃を繰り出す。

……何で俺たちがこんな戦いをしてるのかと言うと、ちょっと時間を戻して説明
しないといけないな。
俺たちはアッサラームで薬草の買い出しをし、早々と
イシスにむかって出発していた。すごい。これが砂漠か。俺は環境問題の一つで
ある「砂漠化」という現象の深刻さを目のあたりにしながら、オアシス目指して歩いていった。
「すごい綺麗な場所…でも、恐い……」
朝比奈さんも、砂漠の美しさに見惚れつつも、そこが死の世界であることを感じ、怖れていた。
こんな朝比奈さんも可愛い。
「この辺で出てくるカニさんは、キョン君と有希がカギだからねっ、よろしく〜」
あぁ、さっき出てきたやつですね。俺の全力の一撃か、長門の呪文しかあまり効
果がないんでしたっけ。
「なんでキョンにしか倒せないのよ!なんか悔しいわ!」
それはチーム内で俺の力がナンバーワンだからだ。
「そうそう、適材適所だよねっ。ハルにゃんはすばしっこい奴に強いでしょ?」
「そうね。キョンは鈍いからちっちゃいのとかはダメなのよね!」
うるせーやい。適材適所だろ。
「ふふ、仲がいいですね。」
ねーよ。やめろそのインチキスマイル。…イシスのオアシスはまだなのか?長門。
「あと徒歩で一時間」
うわっ…聞かなきゃよかった。
そんなこんなでイシスの宿に着いた頃にはもう日も暮れていて、俺はこんなだだっ広い砂漠は二度と歩かないことを堅く心に誓いながら、作戦会議に参加するのであった。
147名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:19:25 ID:M46s7ZCU
王女さまの謁見は明日やるとして、ピラミッドの探索方法についての議題が問題となった。
俺、朝比奈さん率いる「さっさとカギ取って帰りましょう」派と、
ハルヒとそのイエスマン古泉の「ピラミッド隅々まで調べましょう」派に分かれ
たのだ。まったくこんな時になっても面倒を背負いこむやつめ。結局傍観者二人
がどちらにも付かなかったため、議論は平行線。
「ピラミッド行ってから考えましょう!」
とハルヒ。嘘つけ、そのキラキラした目は何だ。とまぁ、こんな感じで何一つ決
まらないままピラミッドに突入した。

それがいけなかったのかも知れない。

結局探索を隅々やる係とカギ取って帰る係で分かれることに。前者が俺、ハルヒ
、古泉。後者は鶴屋さん、長門、朝比奈さんである。なんで俺が探索するのかと
いうと、朝比奈さんを危険にさらすわけにはいかないという男心である。編成を
終えて王女さまのもとへ。
綺麗な女性だった。俺には熟女趣味は無いが、素直にそう言える。勇者一行であ
ることを伝えたら、この城の家宝である腕輪をくれた。なんでも時間の神様が宿
っているとかいないとか。
うだるような熱さを感じながら、二度と歩きたくなかった砂漠を歩く。途中敵が
何度か出てきたが、あいつらピンピンしてやがる。一体どうなってるんだ。
ピラミッド到着。すでに朝比奈さんは
「わ…わたしここで待ってます!」
的な調子である。こらこら、一人でいたらもっと危ないですよ。
「キョン君の言うとおりだよっ。みくるっ、あたしがいるから大丈夫さっ!」
鶴屋さんの説得によって連れていくことに成功。
「キョン!私たちも行くわよ!」
うし、行くか。俺たちはピラミッドへ踏み出した。
歩くこと数十歩
「涼宮さん、気を付けて。」
「何?」
何だ、古泉。
「落し穴が涼宮さんの前にあります。下に槍がある場合もありますので、
用心を。」
恐いこと言うな。
「そうね……、キョン、落ちてみなさい。あんた鎧着てるでしょ?」
ふざけんな、下の様子を見てからだ。俺はハルヒの一歩前を剣でつついた。
ベタな落し穴がそこから出てきて、下の階が見えた。
「行きましょう。隅々まで調べるにはこつこつ下から順にやるのが一番の近道よ!」
ハルヒは下が安全だとわかると、すぐに下に飛び込んだ。

下には何もなかった。脱出用の階段があったが、ハルヒはまだ調べ足りないらしく、そのへんの骸骨まで調べていた。
148名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:21:39 ID:M46s7ZCU
「ねぇ、古泉くんお宝の反応はある?」
「難しいですね。反応はありませんが、ここが何もない部屋に見せ掛けたものかも知れないですし。」
デタラメ言うな。ハルヒがつけ上がるだけだ。
「でたらめではありませんよ?たとえばこの部屋は魔法が使えません。その目的
を脱出魔法を封じたるためのものと仮定すると、この部屋全体が宝を狙う泥棒の
トラップであると考えることができます。」
わかったわかった。きちんと調べればいいんだろ?
……うわっ、しゃれこうべ踏んじまった。すんません。
「キョン!変なことして呪われるんじゃないわよ!」
すまん。次から気を付ける……って、俺が踏んだドクロ、割れてないんだけど。
「ん?鎧を着込んだあんたが乗っかって割れないの?…古泉くん?」
「はい。ちょっとキョン君いいですか?」
古泉はドクロを調べた。そのまま顎に手を当てて動かなくなる。
「このドクロ、床から離れません。」
接着剤か何かか。
「床と同化しています。恐らくこの床は……」
古泉はドクロの周りの埃や砂を払い出した。するとドクロの周りの床だけ、切り取られたような跡がある。持ち上げれば取れそうだ。
「ビンゴじゃない!でかしたわよ、古泉くん!」
床は丁寧にも取っ手がついていた。ハルヒは持ち上げようとするが、
「な、に、こ、れ、…っ全然ダメだわ」
ほれ、ハルヒ貸せ。俺は取っ手を力一杯引っ張った。ほい。開いたぞ。
「なんか釈然としないわね…。まぁいいわ。行くわよ。」
下の階には細い通路があり、その先に棺があった。嫌な予感がする。
「この棺のなかにお宝が眠っているに違いないわ!…開けるわよ」
ハルヒが石の蓋を開けると、そこにはミイラなど無く、かわりに金色に輝く爪があった。
「これがお宝ね。売れば旅の資金になるかしら。それとも、私が装備しようかな?」
どっちにしても罰が当たりそうだな。
『……かえせ』
…ん?なんだ古泉。
「あなたが言ったのではないんですか?私はてっきりあなたが」
『……かえせ』
……あぁ、呪われたらしい。ほらハルヒ、返せだってさ。
「わかったわよ…あとあと厄介なことになっても困るしね」
ハルヒは爪を戻した。
「まぁ、発見はあったから良かったですね。あれが恐らくこのピラミッドの一番の宝でしょう。」
そうだな。それを守る墓守りの意志を尊重してやるとしようぜ。ん?どうしたハルヒ?
「ねぇ、キョン、あれ……」
149名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:24:35 ID:M46s7ZCU
俺が帰り道の通路を見渡すと、生ける屍達が階段を降りてきていた。
「まずいですね…すでにこの階に来た瞬間からトラップは始まっていたみたいです。」
おいおい、爪は戻してやったぞ?
「私たちが消されないかぎり、情報が漏れてしまいます。」
口封じってか。
「じゃあ、遠慮なくこいつは実戦投入させてもらうわよ!」
ハルヒは黄金の爪を左手に装備して、モンスターめがけて駆け出した。
「はっ!」
一撃。黄金の爪の切れ味は相当すごい。鋼の剣をゆうに越えている。金って柔らかいんじゃないの?
「恐らく金はただのコーティングで実際はダマスクスやオリハルコンのような素材なのかも知れません。」
なんじゃそら。強いのか?その金属は。
「はい。それで鍛えたものは恐らく史上最強の切れ味です。」
むぅ、戦士として手に入れたいな。そのオリハルコンとやら。
…っとだべってる場合じゃなかったな。ハルヒ!今行くぞ!
「キョン!上の階もうじゃうじゃしてる!」

閑話休題。モンスターハウスというのをご存じだろうか。
簡単に言えばモンスターの溜り場である。始めの洞窟探索のとき二人がボロボロ
だったのは、モンスターハウスを掘り当てたからだと長門から聞いている。
それが今、俺たちの目の前で広がっている光景だ。
無味乾燥な部屋は今や腐った死体のむかつく匂いで満たされており、ゾンビ達が
肉を求めて迫ってくる。彼らには宝を守る意志などなく、ただの食欲のみで動い
ているのである。
……とまぁこんな絶望的な状態で冒頭に戻ることになる。
俺たちはモンスターが落とす金を拾う余裕も無くなっていた。ただひたすら切る
。切る。切る。たまによく分からない影みたいなのが出てきて強かったり弱かっ
たりして大変だったりする。あっ、あの怪しい影がホイミスライムを呼んだ。俺
にもホイミしてくれ。なに?呪文が使えない?ならば消えてもらおう。
「キョン!大変!」
どうした!言ってみろ!
「さっきあった階段、どうやら出口じゃないみたい!」
何だと?
「あれ、モンスターの入り口になってる!」
くそっ、何てこった!
まずい状況は絶望的だ。このままじゃ残った50日間くらいを腐った死体として過ごすことになる。
「とにかくあの階段を強引に行くしか無さそうですよ。」
そうだな。死ぬよりましだ。それじゃ行k
「ひえぇぇぇー!な、何ですかこれはー!」
朝比奈さんだ!魔法のカギを手にした地上の天使が地下世界の惨状に恐れおののいていらっしゃる。
150名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:28:26 ID:M46s7ZCU
今すぐに抱きしめてその不安を消してやりたいところだが、今はピンチだその余裕もない。
朝比奈さん!はしごを持ってきてくれませんか!?
「戻れなくなっちゃんたんですか?」
そうです。戻れないんです。
「しっかしこりゃすごい惨状だね!手伝うよっ!」
鶴屋さんだ!ピンチの時の勇者様だ!
飛び降りてきた鶴屋さんはモンスターの間を駆け抜けたかと思うと、一瞬でモンスター数匹の動きが止まり、その場に倒れ付した。
居合い抜き。あの「またつまらぬものを…」というやつである。
鶴屋さんが加わった俺たちは魔物を倒すペースを着実に上げていった。
「私たちははしごを買ってきます!な、長門さん!アッサラームまで連れていってください!」
よし、朝比奈さんが戻るまでの辛抱だ。俺たちの苦手とするスタイルだが…。薬草は万全だ。
俺たちは一部屋に固まって協力してモンスターを倒し、時間を稼いでいた。

早くキョン君達を助けなくっちゃ!長門さん、ピラミッドから脱出しましょう!
「……」
長門さんは無言で頷いて、外まで走っていきました。
外には、ピラミッドの外階段から地下に入るための行列が地平線まで出来てる!た、大変
ですぅ…、長門さん、アッサラームまでお願いしますね…。
「……ルーラ」
ひええええ!恐いいいい!
「…着いた。しかし、ピラミッドへのルーラは不可能。」
そ、そうなんですか!?
「ルーラは主に町や城などが対象になる。」
わかりました。一番早いタクシーを使うしか無いですね。
わたしは店をまわって要りそうなものをまとめて買いました。値切らないと高いんだけど、ここは世界で有数のバザーだから一番便利なんですよね。何でもあるんです。
買い物が終わったからイシスに行かなくちゃ。長門さん、魔法の聖水です!
「大丈夫。あとで使う。…ルーラ」
ひえぇぇぇ!いきなりはだめえぇぇぇ!
イシスに着きました…。あとは砂漠のタクシーです!
……
ピラミッドに着きました。みんな無事でいて!

まずいな…みんな疲弊してきた。とりあえず俺が最前線に立って敵をやり過ごし
てるうちに、みんなを休ませないと。
……タフなだけってのも便利だな。あぁ、古泉聖なるナイフ貸してくれ。こんな
鎧も着てられっか。……よし、もう一暴れするか。
「キョン君!復活したよ!」
151名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:29:46 ID:M46s7ZCU
鶴屋さんが持ち直った。ハルヒもうちょっと休んでろ、お前は動きが命だろうが。
「はぁ…、はぁ…、ありがと、キョン…、」
うわぁ、中世世界じゃなかったらお前にポカリ飲ませてぇ。そんな疲れっぷりだ。
「キョンくん、剣借りるからねっ」
鶴屋さんは二刀流で敵を倒し始めた。すごい。利き腕じゃない方で剣を捌けてる。
…、まずい、俺も疲れてきた…鶴屋さんにだけ無理さすわけにはいかねえ。
「キョン、下がってなさい!」
悪い……。ハルヒ頼む。
「み、みなさん!大丈夫ですかぁ!?」
あぁ…、大丈夫ですよぉ。
「キョン君!まだ準備があるから、待ってくださいね!」
分かりました。それまで持ちこたえます。俺へばってるけど。
「そろそろ僕も行きます。ナイフを」
悪ぃ、俺もすぐに参加する。
朝比奈さん!どうですか!「でっ出来ましたぁ!」
「キョン!モンスターが!」
みんなのスタミナが切れたらしい。打ち漏らしたのが何匹かこっちに来てやがる。俺も戦闘に参加せねば。
「キョン君!誰か手空いてる人いませんか!?」
すいません、たった今いなくなりました。
「な、長門さぁん!」
「こっちにも魔物が。複数を処理するのは私の得意分野であなたには無理。」
何を揉めてるんだ。朝比奈さん?
「そ、そっちに飛び降りれますか?!う…、うぅ…恐いですぅ……」
大丈夫です。あなたを傷つける奴は皆屠ると約束したはずです。
「ひ…ひぃ…ひゃああああ!」
空から天使が舞い降りてきた。
「み、みなさんこの絨毯には聖水を撒いておきましたあぁ!」
右腕には聖域の巻き物を携え、
左腕には天国への階段を抱えるそのお姿は、俺が今まで見てきた朝比奈さんの中
でもベスト3に入る可愛さだった。


今俺たちは、長門も含めて聖水絨毯の上でへばっていた。モンスター共は絨毯に
は上がれないらしい。当たり前だ。神の領域だぞ?
ゾンビなんぞにに上がらせてたまるか。
「いやぁ、聖域の絨毯とは恐れ入りました。よく考えましたね。」
「はい、みんなぶじで、よかった、…ううぅ…」
はは、泣くことないですよ。
「だって、だって、恐かったよぅ…うっうっ」
あれ?朝比奈さんひょっとして
「みくるっ?恥ずかしいことじゃないっさ。皆の命を救ったんだからねっ!」
「そうですよ。誇っていいことです。」
「それは死霊などを見たときに起こる普通の人間の普通の反応。問題ない。」
152名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:31:06 ID:M46s7ZCU
「みくる、ありがとう。あたしもこんな無茶は控えるから、ごめんね。」
俺も泣きじゃくる朝比奈さんを抱きしめて、お礼の言葉を言った。
朝比奈さん、ありがとうございます。ゾンビに食われそうになってる俺たちを救
うために、恐いのに勇気を出して飛び込んでくれたんですよね。それでこのお漏
らしを笑う奴がいたら、俺が切り伏せてやりますから。言いましたよね?あなた
を傷つける奴は俺が屠る(みなごろしにする)って。
「うっ、うぅっ、キョンくーーーーん……」
ごめんなさい。正直萌えました。でも笑ってはいない。恐怖に打ち勝つというの
は凄いことなんだ。

結局朝日とともにこのトラップは解除され、残ったのは大量の旅資金とトロフィ
ーである黄金の爪。そして経験値。怪しい影というのは今まで戦ってきた敵がラ
ンダムででるらしく、その中には恐らくメタルスライムも含まれていたのだろう
。俺たちのレベルは飛躍的な上がった。
俺たちはイシスに帰って泥のように眠り、昼に起きて出発した。
まずはアッサラームへ。黄金の爪の塗装はあの戦いで完全に禿げてしまったため
、溶かしだしてしまうことにしたのだ。だってデザインも恐いし。出てきたのは
真っ黒な弾性のある金属。朝比奈さんによると、これが「ダマスクス」という金
属らしい。ハルヒも爪が格好良くなって大喜びだ。…ここで朝比奈さんの聖水付
き絨毯を売るかどうかで大バトルが勃発したのだが、それはまた別の話。
目指すはロマリアの関所。そういや、まだ行ってなかったよな。
何があるのか楽しみだ。
153名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:33:20 ID:M46s7ZCU
はい。スカトロジーというジャンルです。
予告なしですいません
でも朝比奈さんが降りてきたときの描写は雰囲気出したからゆるして
154名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:43:52 ID:bCApOMZc
ちゃんとゾーマを倒すところまで書かないと許さん!!


というか是非書いてください読みたいんですお願いしますぅ。
155名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:45:35 ID:PSeq4Nv5
いやなかなかおもしろいよう
156名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 23:48:34 ID:M46s7ZCU
あ、絨毯に撒いた聖水は普通の聖水だからね^^
そこ描写しないと大変だね。
157名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 00:42:49 ID:bU5Rs/i9
>>154
ゾーマまでって長ぇよwwwww
158名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 01:34:29 ID:+791PP8B
とりあえず「スカトロジー」って何?
あっ、GJです。聖水絨毯で即席聖域とはよく考えましたね。
159名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 02:02:49 ID:BbIoX2QB
女性が排泄しているところを見てハァハァ。(聖水はオシッコ)
160名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 02:12:00 ID:+791PP8B
>>159
・・・・・・・・・orz
そうか。スカトロって正式にはスカトロジーって言うのか。
って、お漏らし程度でスカトロ扱いかよ。言われなかったらいちいち気付かなかったのに〜!
まぁそれでも続きをwtwtする自分がここに居る。
161名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 02:57:48 ID:9b8x2NMj
とりあえずDQV始めてみた。
パーティは鶴屋さん(勇者♀)、ハルヒ(武道家♀)、古泉(盗賊♂)、長門(魔法使い♀)。
キョンは残念ながら酒場でお留守番。



あれ?
162名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 07:53:15 ID:LPQgy5AA
遊び人入れておけよ
163名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 09:20:01 ID:T2utJCuh
みくる(遊び人♀)はいれないのか?
バニーだし成長すると化けるのも小説通りだし
これほど適任なキャラもいないだろ
 
キョンは・・・商人でバークに送っとけ
164名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 09:26:39 ID:9+YLN6wz
途中で消えるから、商人は朝倉でどうだろう
165名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 09:27:37 ID:tnPYL5qe
>>164
商売は下手そうだなw
166名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 10:29:06 ID:pqcoEQTm
見た目的には
みくる→遊び人♀(赤くて長い髪)
長門→盗賊♀(白くて短髪)
なんだけどな。いくつかの候補から見た目を選べるとか、せめて髪の色を変えられるとか、そういう設定ができれば
もっと感情移入できるのだが。転職して見た目が変わったり、同じ職業は同じ見た目だったりは微妙…
167名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 13:37:29 ID:JqAW8T84
>>166
スレ違い気味だがDQ3は元はファミコンのゲームだぜ。
それにそんなクオリティ求めるのは贅沢だろw
168名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 15:51:05 ID:pqcoEQTm
盗賊が出てきてるからSFC版かとオモタ
俺もFCでやってたクチ。FCだと女戦士が青い髪だから朝倉か?僧侶は緑の髪で鶴屋さんハァハァ
169名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 16:03:28 ID:AmADsAc2
オルテガが変態なんだっけ?FC版はww
170名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 16:05:39 ID:pqcoEQTm
オルテガ=鶴屋房衛門ジャマイカ?
171名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 17:08:36 ID:eZmed210
>>166
みくるってそもそも髪は栗色で赤より茶色のほうが近い
172名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 17:09:35 ID:eZmed210
sage忘れた
173名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 18:37:53 ID:VpL/qcBH
>>163
キョンバーグか。
朝倉さんあたりが作ってくれそうなお料理だな。
174名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 18:40:33 ID:pw/njOyF
●涼宮ハルヒキャラを徹底的に陵辱し尽くす!●
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163955450/
175名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 19:14:54 ID:h9c/Iiju
>>173
封神演義のはくゆうこうを思い出した
176名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 20:54:40 ID:XjlJ2Jgn
>>175
それなんて親父さんのトラウマ?
177名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 21:39:57 ID:baE+yHpa
>173
荒井由美のチャイニーズスープを歌いながらで頼む
178名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 22:47:22 ID:VpL/qcBH
キョンバーグをハルヒに食わせたら、とか想像しちゃったよ。
ちょっと疲れてるわ俺。
179ドラキュエ ◆IqtS6VgEC2 :2006/11/20(月) 23:01:14 ID:cpgC1SWV
今日中に投下できるかな?とりあえず予告編

ロマリアの関所を抜けた俺たちは、新しい大陸でポルトガという城に赴いた。
そこで待っていたのは胡椒好きの王さまで、謁見しにきた俺たちを捕まえて
小一時間くらい胡椒の素晴らしさを語りだし、終いには
胡椒を持ってきてくれたら船と交換してやるというわらしべ長者もびっくりの
交換条件を出してきたので、胡椒なんぞに
国家予算を傾けるなんて粋狂な人間もいるもんだと思いながらも、
俺たちはそれを引き受けてやることにしたのである。
そういえば我がロマリア国の先代王も今はすっかりホームレスのリーダー
的存在になってたっけ。ゴミを漁りながら「気ままなギャンブル暮らしもいいもんだよ」
と言っていたときのあの生き生きとした目が忘れられない。
あいつもどうかしてる。
180名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 23:04:42 ID:JC3ld68G
>>15
前スレのを読んだのですが、文章が綺麗で読みやすくてよかったです。
アイディアも自然な範囲で面白いものを持ってきてて安心して読めますね。
平均点が高いのってすごいなー・・・。
181名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 23:10:33 ID:QmCoe4pe
>>179
別に急いで書かなくてもまとめて一気に投下してくれた方が助かる。
あとコテとかトリとかははずした方がいいんじゃないかな。付けてるだけで叩く人とかもいるから。
182名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 23:41:55 ID:V6re51Mf
コテでもトリでも、それだけで叩く奴なんていないさ。
ただ経験則的にコテやトリを付けてる奴とか、予告する奴のはツマンnないk
183名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 00:19:08 ID:L/HDgRo/
今日は投下できないや
ばい
184名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 01:07:49 ID:raVdl9NX
nac……惜しい男を亡くしたものだ……。
185名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 02:11:41 ID:OFd6jbEN
ほんまやなぁ〜
186名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 03:52:18 ID:BhqUPJDe
どうもnacと聞くとエヴァのサイトを思い出す
187名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 04:56:09 ID:KIWQBmso
>>186
よう、俺。

セカンドリングとスリーオンスリー両方思い出すぜ。
188名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 06:17:25 ID:BhqUPJDe
>>187
そんな俺に質問だ
GenesisQって無くなちまったのか?
189名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 07:01:25 ID:FrxAQ+Z9
お前らそれ知ってるってことはいい歳だろ。
ネット暦もそれなりに長い。
なのにいまだ場所を弁えることすらできんのか。
190 ◆IqtS6VgEC2 :2006/11/21(火) 07:40:17 ID:L/HDgRo/
ドラクエの作者です。一身上の都合により投下スピードが急激に落ちそうです。
でも中途終了は何だかアレだからエンディングだけ書いてもいいかな?
191名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 15:57:53 ID:T6RuWx3D
>>190
自由にしてくれても俺はかまわない
わがまま言ってもしょうがないし
192名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 17:42:41 ID:gcFsjCle
ドクロちゃんの「買った武器は装備しないと使えませんよ! ドクロちゃん」を思い出した。
193名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 19:27:59 ID:HtnfEWBn
>>190
ばっちゃんが言っていた。
「あなたの思うままに書いて…」って。
194名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 19:45:51 ID:wFAYXi8i
>>188
場を弁えない発言で悪いが、GenesisQまだあるぜ
しかもちゃっかり更新されてる。2年以上音沙汰無しだったのに

まあそれは置いといてだ。涼宮ハルヒの○天国の続きが気になって仕方がないんだが
195名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 20:03:19 ID:mLC3sIHp
俺は「もう一人の入団者」の続きが気になる
196名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 20:20:32 ID:PqOuoOR2
オリキャラは諸刃の剣だぜ
197名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 20:29:17 ID:HtnfEWBn
諸刃というか、オリキャラの成功例ってあった?
198名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 20:56:59 ID:ocbtejPc
>>197
ZOZ団だっけ?
あれが本当に出てきてしまう話とかいいオリキャラ具合だったような。
あとオリキャラかどうかわからんがハイテンションユッキーとか黒みくるとか。
199名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 21:03:43 ID:gcFsjCle
>>193
長門の孫乙!
200名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 21:22:15 ID:xtf5bC+M
○天国はあれ終わって無かったっけ?
鶴屋+朝日奈→本家+朝倉→ハルヒで終わりじゃないの?
続くなら長門と喜緑さんと森さんと阪中あたりの誰かを出してほしいな。
201名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 22:17:00 ID:/7ygImTm
>>190
消えろ
202名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 22:33:24 ID:DrThV4Kx
涼宮ハルヒの抹消の続きマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
203名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 22:36:37 ID:3FrIFh2D
学校を出ようのSSきぼー
204名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 23:08:53 ID:wOC+V/pN
>>194
さらに場を弁えない発言でホントにすまないのだが、何処にあるか教えてくれないか?
ググってもダメだったから諦めていたのだが。

俺的には古いがハルヒナ草の続きが気になって仕方がない。
205名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 23:09:38 ID:wOC+V/pN
すまんアゲちまったOTL
ちょっと吊ってくる。
206名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 23:10:04 ID:x4hPkXyl
>>190
なにも急ぐ必要はないと思う。
遅くなったとしても、名前欄にxx-xxxと付ければ無問題
207名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 23:13:52 ID:mLC3sIHp
>>200
ハルヒが中途半端だった希ガス
208190:2006/11/22(水) 00:20:31 ID:PePrCE0i
どこまで行けるか分かりませんが、まとめてちょっとずつ投げていくことにします。
完成はちょっと先になってしまいますが。
209名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 00:29:40 ID:WmGZc6Sn
……
210名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 00:36:51 ID:GoERMTuR
ここ将棋のスレ?
211名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 01:38:14 ID:VwfHa6mI
>>210
それ、王手。
あ、歩は斜めに動けないって。
212名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:29:30 ID:Bd0QtG/x
8月31日と言えば夏休み総清算の日。今までの自堕落な日々に終止符を打つ正に最後の審判の日。
有頂天に飛び回る日々から直滑降で無間地獄に叩き落される。それを逃れる免罪符は存在しない。
「確かに、夏休みと言う長期休暇明けは嫌なものですが。あなたが嫌なのはそれだけでないでしょう」
俺の前にドンと積まれたノートの山。コレが蜃気楼かブロッケン現象ならいいのに。
日本中の学生が今まさに同じ思いを共有してるだろう。
「あんたとあたしを一緒にしないで。だいたい一切、手を付けてないのあんただけじゃない」
ここにいる連中が特殊なんだよ。いろんな意味で。8月後半で大体終わらせてるのは一握りの人間だけだ。
ましてや7月中に終わらせるなんて、道を歩いていて隕石に当たるぐらい有り得ない事だぞ。
多くの学生は、後数日になってこう思う、宿題なんて無ければいいのに、と。
と、言うわけで俺の目の前には夏の課題が山と積まれているのだが…終わらないだろ、これ。徹夜しても
間に合わないであろう量、誰が一体こんなに出したんか。教師連中はサドばっかりか?おれはマゾじゃない。
これが漫画なら突然画期的なアイディアが思いつくんだが……どうしよう。
「キョン君キョン君」
っと、どうしたんですか、朝比奈さん。
「すっごい、アイディアを思いついたんです」
何ですか、早く教えてください。
「いいですか。まずわたしが2時間後に行ってその時間のキョン君を連れて来るんです。そのあと今から
 4時間後に行ってそこのキョン君を、さらに6時間後、8時間後のキョン君を連れて来るんです。
 全部で五人のキョン君が協力すればすぐに終わります」
……それ、結局徹夜、ですよね。
213名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:31:08 ID:Bd0QtG/x
どうみてもドラネタです。ありがとうございました。
「朝比奈さんだらけ」みたいの掛けたかったが…むりだったー!!
214名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 04:01:18 ID:ye4iHFnN
>>213
たくさんの朝比奈さんとムフフだってーーーーーー!?
書きなさい!絶対書きなさい!
215名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 06:37:31 ID:2C9/9s5S
ガシッ
「キョンくん……どうしたの?」
お前が悪いんだ。もう中2で、体も女らしくなってきてるのに、
「ねぇってば……離してよ……」
まだ俺と一緒に寝るなんて言い出しやがって。
「やだ、お母さ……んむっ!?」
唇を奪いながら服に手をかける。
「やっ、いやぁっ!」
「暴れるなよ」
唇を重ね続け、胸を揉みしだき、衣服を剥ぐ。
抵抗しなくなった頃に顔を離してみると、妹は半泣きの顔で俺を見つめていた。
「エッチなこと……するつもりなの?」
「そうだ。」
「……なんで?」
「お前のことが好きだからだよ。」
心にもないことを言う。
妹が目を見開いているが、これ以上嘘をつくのも面倒だ。
「行くぞ」
「え?んあ"っ!……が……」
一気に突き入れる。気を遣うのも面倒なので、このままのさっさと出してしまおう。
「あ…がっ…ひぐ……」
俺を怖がりながらもここには俺しかすがる物がない。
「なかなかいいじゃないか。」
「ん……あっ……」
さらに腰を速く動かす。
10分ほどしてから射精感がこみあげてきた。
「出すぞ」
「や……ぁ……」
妹の中にブチ撒けてやった。

終わった後、俺の心は晴々としていた。
「気持ちよかったか。」
声をかけても妹は反応しない。
目覚まし代わりにもう一度やってやるか、と思っていると
「37度目」
後ろから声がした。振り向くと……長門がいた。
「また涼宮ハルヒがあなたとの口喧嘩の際に無意識に
 拡散させた情報があなたの脳内に入ったらしい。」
何を言っている。
「今夜の記憶を消しておく。でもこれで37度目。
 我々はあなたにも問題があると見ている。」
逃げなければ。記憶を消すだなんて勘弁してくれ。
「消去を実行する。涼宮ハルヒを刺激するような行動を起こさないように願う」
長門に額を触れられた瞬間、俺の意識はプツンと切れた。
<終わり>
エロが終わると投げやりになるぜ
216名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 09:03:37 ID:kQYe5Rr2
>>215
妹も毎回修復してやってくれ、その方がm
いやなんでもない
217名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 09:24:13 ID:zytGjjSl
お前の初めては奴では無い、
このキョンだぁぁ!!
218名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 10:17:51 ID:JOVGWhm+
さすがですね。
僕たちにできない事を平然とやってのけてしまうとは。
僕はあなたのそういうとこに痺れ、憧れるのです。
219名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 10:28:11 ID:4Almqdky
>>217
アンタが 泣くまで あたしは 殴るのを やめないっ
220名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 10:49:43 ID:/YQ61puB
       / ̄ ̄`ヽ :
      /. i /ヘ\ヽ\:
     ;| ! |/__.xト、L,_ ト}:   う…
     ; |!ヘ cモリ  lモ!oV     うろたえるんじゃあないッ!
     ;| !|.ト" rっ ツ|.|、:    未来人はうろたえないッ!
     ,',ノ 斗ャ fて`Y  トミヽ   
    / {トミトv|'´ゝ } ノノ:l }: 
  :/イ { ゝィVr-ヘト、 ! ハ
.    | !|Y⌒'ミ{ヾ=' | /イ|
     ヽ人   |!   /\ :
       `'┬' トー'´  ヽ :
       :,/{、 || ,.|='´   } :
221名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 11:19:26 ID:/XmW92OL
>>204
ググったら普通にトップに出てきたんだが…
それでも駄目なら俺が知ってる限りでは、ナデシコ小説リンク所の
上から11番目にあるBlue Scenery's Placeのリンクから飛べるぞ
222名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 11:38:39 ID:hV/yOoPk
m9(^Д^)プギャー
223名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 13:11:11 ID:bxZSTH7M
ハルヒもどきのSS読んだりゲームをやるのも面白いな。
キョンがギョヌとかキュンとかチョンとかになってる。
224名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 15:28:25 ID:kD/ADdCD
kwsk
225名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 18:03:54 ID:MgxIVf9n
>>203
今書いてる。期待しないで待っててくれ。
226名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 18:09:44 ID:JOVGWhm+
>>203
コラボで書いてる。>>225より期待しないでいてくれ。
227名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 19:45:04 ID:QKeaXLIu
「Face To Face」

陸上部でもなんでもなく、SOS団という得体の知れない団に所属する俺がなぜ今学校へと続く殺人的な長い坂を全力で走っているのかというと、理由は単純、遅刻しそうだからである。
そしてなぜ遅刻しそうなのかといえば、もうすぐ電池が切れますよ、と音声で教えてくれるくらい気の利いた機能がそろそろついてもいいんじゃないかと思う時代になっても未だ秒針が
止まる寸前までその症状を現さない目覚まし時計が俺の寝ている間に止まっていたからで、俺は駅伝選手に転向するわけでもなく校門を走り抜け下駄箱を通過し階段を走り上がった。
時計を見るとHRまで後3分。何とか間に合いそうだ。
ここで俺は走る速度を落としておくべきだったのだが、慌てている時はそこまで思考が回らず、教室の引き戸も開いていたのでそのまま走り込んだ。すべり込みセーフ、なんていうありふれ
た言葉を発する前に
ドンッ!!
教室に一歩入ったところで誰かとぶつかってしまった。しかも走っていた俺のほうに勢いがあり、そのまま押し倒すように倒れこんでしまった。
「うわあ・・・」
クラス中から、芸能人を街で見かけたときのような視線を向けられた。
「ご・・・ごめん。大丈夫か?って、あ?」
ぶつかった衝撃で瞑っていた瞼をゆっくりと開けると、俺の視界いっぱいに頬をほんのりと赤くしたハルヒの顔が映った。
「あ・・・う・・・」
俺が主語も何もない単語を発していると、
「ちょ、ちょっといつまで乗ってんのよ・・・」
ハルヒが蚊の鳴くような声を発した。俺はだんだんと今の状況を把握し始めた。俺はぶつかった拍子にハルヒを押し倒し、1cmくらいの距離まで顔を近づけてしまっている。そしてこの感触は・・・
俺の左足がハルヒの両足の間に絡み合うように潜り込んでいる。そしてもうひとつの感触。そう、これだけ顔を近づけてしまっていれば、ハルヒの吐息が俺の頬にかかっているのは言うまでもない。
「いや〜ん、朝から大胆〜!」
前のほうの席から聞こえるこの声は垣ノ内か。
「おいキョン。朝っぱらから見せつけんじゃねーよ。」
このアホ声は谷口か。これらの声を導火線にクラス中が蜂の巣をつついたようにざわめきだした。
「ねえ見て。涼宮さん顔真っ赤よ。」
「あれがキョンでなかったら今頃殴られてただろうな。」
「やっぱりあの二人・・・いや〜ん!!」
俺はこれ以上ドロ沼離婚劇をスクープされる芸能人のような気分に浸りたくないので体を起こし、ついでにハルヒも抱き起こした。
「す、すまんハルヒ。どこかぶつけてないか?」
「う、うん大丈夫。あんたとぶつかったのが一番ダメージでかいわ。」
228名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 19:46:01 ID:QKeaXLIu
うつむきながらこれまたちいちゃな声でボソボソ答えるハルヒ。てかその胸元を片手で押さえるしぐさやめてくれ。俺がお前を襲ったみたいじゃないか。
そのすぐ後チャイムが鳴ったのでクラスメイトからの視線からはとりあえず開放された。ただ阪中から羨望にも似た眼差しを向けられたことはここでは割愛しておく。

その不可抗力の出来事のせいか、その日ハルヒの挙動がずっとおかしい。俺と目が合うと磁石の両極同士がはじきあうように顔を逸らしてしまう。休み時間も席にちっちゃくうつむいて座っている。
「おまえ、胸でも触ったんじゃねーの。」
弁当の時間学食を食べにハルヒが居なくなるのを見計らったように谷口がニヤニヤしながら聞いてきた。おまえ、午前中ずっとそんなこと考えてたのかよ。しかしハルヒの胸を触っていないと断言
できなかった俺は
「んなことあるか。」
の一言しか言い返せなかった。

「それじゃあ今日は解散ね・・・」
放課後のSOS団の活動も、ハルヒはいつもより早く切り上げそそくさと帰ってしまった。人前で平気でバニーになる団長様はついに最後まで俺と目を合わせなかった。
「また何かしたんですか?」
肩をすくめながら原因はお前だろ分かってんだよという視線を古泉が向けてきた。原因というか何と言うか・・・。俺は充分心当たりがあるので今朝の顛末をニヤケ顔に話した。
「なるほど。しかしそれは涼宮さんを不機嫌にさせることでしょうか。」
古泉はどこかの推理ドラマの探偵のように人差し指で鼻をこすりながら答えた。どういうことだ。
「確かに今日涼宮さんの様子がおかしいのは分かりますが、僕にはイライラしているようには見えなかったんです。今のあなたの説明で分かりました。つまりー、」
つまり何だよ。
「照れているんですよ。あなたに。」
はあ?
「お分かりになりませんか?この学校で涼宮さんに近い存在は僕たちSOS団団員です。そしてさらに最も近い存在はあなたです。以前大規模な閉鎖空間が発生したあの時もこちらの世界からあなた
だけが選ばれた。これは大変な信頼関係にあるといっていいでしょう。そんなあなたにクラスメイトの面前で不可抗力とはいえ押し倒されたら・・・。もう、お分かりですね?」
さっぱり分からんね。長ゼリフの途中からニヤケ率が増大していく古泉の顔に怒りを覚えながらも、俺は黙って聞くことにした。
「まあとにかくハルヒは不機嫌にはなってないんだな?」
「ええおそらく。」
「ならいいじゃないか。閉鎖空間も発生しないだろうし、おまえのバイトとやらも無いだろうよ。ハルヒが照れるなんて異常気象も真っ青な現象だが、明日になれば元のバカ明るい顔になってるだろうよ。」
閉鎖空間の発生という懸案がクリアされたことで肩の荷が下りたが、まだ俺に意味深なニヤケ顔を向けてくる古泉が新たな懸案になった。何なんだよ。
「本当は嬉しいんではないですか?」
殴るぞお前。
229名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 19:46:46 ID:QKeaXLIu
SOS団の活動も団長が帰ってしまったのでそのまま解散、俺はいつもより早く帰路につけたことが少し嬉しかった。何しろいつも放課後文芸部室で何をするわけでもなく古泉とゲームばかり、しまいには
ハルヒに振り回されて自分の時間というものをあまり持てなかったからな。しかしいざ自分の時間を持てたからといってそれを有意義に使えるとは限らない。ベッドに横になっているうちウトウトと睡魔に
襲われた。朝ダッシュのせいだな。
ピリリリ・・・
目覚まし時計ではなく携帯の呼び出し音によって俺は睡魔から逃げ出した。相手は・・・古泉か。
「古泉です。何と言いましょうか、閉鎖空間が発生しています。」
閉鎖空間、という言葉で完全に睡魔から開放された。ハルヒは不機嫌になってるわけじゃないから閉鎖空間は発生しないんではなかったのか?
「ええ、僕もそう思っていたんですが・・・どうやら安易な考えだったようです。しかも今回は緊急事態と言ってもいいでしょう。」
なんだなんだ?まさか以前のようなことをまたハルヒにしろとか言い出すんじゃないだろうな。
「実は、今までの閉鎖空間とは異質のものでして」
確か、ハルヒは何も無いところから情報を創り出す能力を持っていると長門が言っていた。その能力で新しい形の閉鎖空間を創り出したのだろうか。
「どんなものかは、聞いてみれば分かります。」
聞くとは?古泉の言葉の意味が今ひとつ理解できなかったが、携帯のレシーバーの向こうでガサガサと携帯を動かしているような音がしだした。やや間があって、やけにエコーのかかったどこかで耳にした
ような人のものと思われる声が聞こえてきた。
「キャ〜キョンに押し倒されちゃったあ。どうしよう。クラスの連中の注目の的だわっ。みんなあたしとキョンが付き合ってると思ってるかもお。どうしよどうしよっ。」
・・・何だこれは。はしゃいでるハルヒの声じゃないか。
「聞こえましたか?これ、神人が喋っているのです。」
冗談はよせ。
「本当ですよ。涼宮さんが僕の前でこんなオノロケを言うはずありません。」
古泉の説明では、その声はハルヒそのものの声で間違いないらしい。神人というのはハルヒの精神状態を反映したものだから、その声はハルヒの心の声だというのだ。まったく俺たちの神と評される団長様の
手にかかれば本来なら自重で立つこともできない巨人が別世界で暴れまわり、挙句の果てには顔の骨格も違えば声帯なんてものがあるのかどうかも分からないのにその創造主の声色で喋るのかよ。俺は携帯を
落としそうになりながらひとつの疑問が湧いてきた。
「古泉。閉鎖空間とやらは、ハルヒの精神状態が不安定なときに発生するんじゃなかったのか?今のあの声は、どう聞いてもはしゃいでる声だぞ。」
「確かにそうです。しかし精神状態というのは、必ずしも不機嫌なときに不安定になるとは限らないということでしょう。」
つまり、またややこしいことになるということか。
「まあ、そんな悲観なさらずに。今回のことに当てはめてみれば、涼宮さんは朝のあのアクシデントが実は嬉しかったんですよ。けれどあなたとクラスメイトの手前それを表に出せなかった。でも心の中では
嬉しさが記憶とともに増大していく。しかし恥かしくてあなたと目を合わせることもできず誰にも言えない。それがストレスになったのです。ほら、聞いてください。」
長時間携帯を近づけていたせいで少し痛くなってきた俺の耳に、再び神人の声が聞こえてきた。
「あ〜ん、キョンのばかあ〜、キョンのばかあ〜、あんたがはっきりしないからあ〜」
その子供のように嬉しそうな声と共に、建物か何かが破壊される轟音が響き渡る。さしずめハイテンション神人か。
「おい古泉。」
「何でしょう。」
やけに余裕のある返事だな。
「さっさとそのハルヒ神人を片付けろ。単に喋るってだけで、後のスペックは今までと変わらんのだろ?」
「ええ。その通りです。しかしー、」
こいつ、何か企んでるな。
「もう少し、涼宮さんのオノロケ声を聞いていたいという誘惑に駆られていまして」

決定。明日必ずこいつの頬をつねってやる。


終わり
230名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 19:57:35 ID:tak3nxEY
しゃべる神人ってのは意外だった
想像したら古泉ばりに顔がにやけるな
GJ!でした
231名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 19:59:59 ID:5ujLRP78
あ〜ん、ID:QKeaXLIuのばかあ〜

GJ!
232名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 20:53:26 ID:zytGjjSl
gj
されど古泉は神人と踊る、か……
233名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 20:56:11 ID:Ed5tBHU/
ハルヒの声でのろけてる神人ワロタ
234名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 21:03:11 ID:JOVGWhm+
ウケた。すごいデレだなw
235名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 21:13:31 ID:MgxIVf9n
明快で痛快だなwGJ乙!
236名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 00:22:30 ID:zRQLhsUo
GJ乙ッーつ!
ツンデレ分100%のハルヒgood!
やはりツンデレはデレ分の精製が肝ですね
23761:2006/11/23(木) 00:26:50 ID:aw/zdAcP
投下させていただきます。
23861:2006/11/23(木) 00:29:04 ID:aw/zdAcP
ロマリアの関所を抜けた俺達は、新しい大陸でポルトガという城に赴いた。
そこで待っていたのは胡椒好きの王さまで、謁見しにきた俺たちを捕まえて
小一時間くらい胡椒の素晴らしさを語りだし、しまいには
胡椒を持ってきてくれたら船と交換してやるというわらしべ長者もびっくりの
交換条件を出してきたので、胡椒なんぞに
国家予算を傾けるなんて粋狂な人間もいるもんだと思いながらも、
俺たちはそれを引き受けてやることにしたのである。
そういえば我がロマリア国の先代王も今はすっかりホームレス達のリーダー
的存在になってたっけ。ゴミを漁りながら「気ままなギャンブル暮らしもいいもんだよ」と言っていた
ときのあの生き生きとした目が忘れられない。
あいつもどうかしてる。

そんなことを延々と考えながら歩いていたら、日の暮れた頃には俺たちは胡椒の産地バハラタまで到着していた。
今日も早速宿屋で行動指針の会議。今日は珍しく長門が意見を出してきた。
「この近くにダーマ神殿がある。誰か私の転職を手伝ってほしい。」
平坦な声は、俺だけに皆とは別の喜びを告げた。
「転職?有希、僧侶になりたいの?」
「そうではない。賢者の悟りの書下巻を手に入れるために
ダーマ神殿近くの塔に入らなくてはならない。そのための護衛が必要。」
「賢者になるの!?凄いわ!これでうちのチームも無敵に一歩近づいたわね!」
ハルヒは大きな目をギラギラと輝かせる。
「おっ、賢者になるのかいっ?さすがは有希だねっ!」
「おや?変ですね。悟りの書の上巻はどうしたんですか?」
そうだ。俺もそれ気になったんだ。
「上巻は私がいつも持っている本。正確にはサンスクリット語の文法書、辞書、用例集を合わせたもの」
うげっ、異国語を覚えるとこからやるのかよ
「そう。翻訳版は近日発売するけれど値段が高すぎる。」
「そうなんですよ。家が3件くらい建っちゃうんです。
幾ら私でもそんなの値切れないし…」
なんで朝比奈さんまで知ってるんだろう。にしてもすごいお宝なんだな。
「とにかく、明日はチームを分ける必要があるわね!」
「あっ、でもさ、転職したらレベルが一からやりなおしだよねっ?」
そうなのか。今からレベル1はまずくないか?
「ダーマ神殿付近はメタルスライムの棲息地。転職後の
レベルを上げるのに最適。」
「へー!それなら明日はあたしダーマ神殿でめがっさレベルを
上げちゃおうかなっ!」
23961:2006/11/23(木) 00:30:52 ID:aw/zdAcP
とまぁ、こんな感じで自然とチームは塔に行く長門、古泉、ハルヒ、朝比奈さん。
レベル上げの鶴屋さん、胡椒を貰う俺という風に分かれて、
今日はお開きになった。
現在は資金に余裕があるので、部屋は男女に別れて一人につき一ベッドである。
「それじゃ寝るけど、キョン、変な気起こすんじゃないわよ!」
大丈夫だ。夜のトレーニングはきちんとしたからな。
「それでは、明日に備えて寝ましょうか」
あぁ、お前と一緒の布団でないだけで今日はよく眠れそうだよ。
んじゃ、皆おやすみ。
……
…なんだ?嬌声が聞こえる。
『ああっ!タニア!凄い、凄い気持ちいいよ!』
『うふふ…まだ終わっちゃダメよ?』
『あぁ、タニア…ダメだ、出ちゃうよ…』
『分かったわ、そろそろ…きゃっ、グプタ!』
『ふふ、お返しだよ?』
『あっあっあっあっあっ…』
……眠れねえ。折角トレーニングしたのが全部無駄になったようだ。仕方ない…、一人でするか。
そして、俺は自分のを慰め始めた。

こんこん
突然ノックの音が聞こえてくる。誰だ?
「ご、ごめんなさい」
朝比奈さんだ。何やら困った顔をしている。一体どうしたんですか?
「あ…あの、鶴屋さんたちが、おかしくなっちゃって…」
ああ、さっきのアレですか。…まずい、俺も途中だったから理性が
「そうです……。それで、キョン君ふぇぇぇぇ!」
俺は無意識に朝比奈さんを抱きしめていた。こんな自分が嫌だ。
「ちょ、ちょっとキョン君?キョン君もなの?」
す…すいません朝比奈さん。俺はやっとのことで手を離して後ろを向いた。
情けない話だが、朝比奈さんを見たらまた襲ってしまう。
「あ、あの……、キョン君、わたし、昨日のお礼がしたいから……今日だけですよ?」
昨日、ピラミッドの件ですか?それとも聖水…
へ?ちょっと朝比奈さん?朝比奈さんは俺のベッドまで歩いていった。
「ど……、どうぞ、座ってください」
ベッドにちょこんと座る朝比奈さんに飛び付かないように
細心の注意を払いながら、俺は自分のベッドに座る。
朝比奈さん、本当にいいんですか?
「はい、キョン君のその……おちんちんを、手でしますから……
下、脱いでください」
これは何て凄いサービスだと感動にうち震えながら、俺は下を脱ぐ。
「それじゃ、いきますね」
朝比奈さんは俺のモノをやさしく扱き始めた。……すごい、もうこのシチュエーションだけでダメだ。
24061:2006/11/23(木) 00:32:45 ID:aw/zdAcP
「あの……、触ってもいいですよ」
ああっ…朝比奈さん…
俺は朝比奈さんを抱き寄せて、胸を掴む。
「ひゃっ!あ……、ちくびは、優しくしてください…」
くっ……たまんねぇ…!
今度は胸を優しく揉み解す。すごい柔らかい。
「あぁっ……キョンくん…キョンくんの体、凄い格好いい…」
あぁっ……その言葉は俺の弱点……!
「はぁ…んん…キョンくぅん…気持ちいいですかぁ…?」
やばい、手が、手が柔らかい……気持ちいい…
「うふ、いつでも……好きなときに、出していいですからね?」
朝比奈さんが扱くスピードを早める。それで俺の肉棒はギブアップを宣言した。
そのまま朝比奈さんは最後まで絞りだす。もう気持ち良すぎて
何が何だか分からない。
「うふ、気持ち良かったですか?それじゃ、お休みなさい」
俺が余韻に浸ってる間に、朝比奈さんはは手をべとべとにしたまま
部屋を出てしまった。
朝比奈さん…ありが
「キョン君…?お姉さんキョン君のおちんちんが欲しくなっちゃったよっ…」
えっ、鶴屋さ
「キョン!ちょっと手伝いなさ…って何でもう出してんのよ!空気読みなさいよ!」
「そっか〜、じゃあ古泉くんっ!出番だね!」
鶴屋さんは寝ている古泉に乗りながら上を脱ぎだした。
「うわっ、どうしたんですか?」
古泉がやっと起きた。すまんな、俺たちのせいで。
「古泉くんっ!一緒に寝よ?」
「い、いや僕は遠慮」
鶴屋さんは問答無用で古泉を襲いだす。
「キョン!よそ見してんじゃないわよ!当然もう一発出るわよね?」
その後俺達はさらにこの二人のムラムラも沈めることとなった。

翌日、それぞれ別れた後に俺はポルトガ王の手紙を持って胡椒の店を探した。
胡椒屋の看板を見つけて入ってみると、男三人がなにやら揉めている。
「おい、やめとけって。相手は盗賊団だぞ?」
ん?アホみたいな声がするぞ?
「そうだよ。ここは様子を見たほうがいいって」
これは…まさか
「ダメだ!タニアを助けるんだ!」
こいつはあれか。昨日のグプタとやらか。こいつのせいで昨日の夜は
……いろいろありがとう。
俺が怒りと感謝を同時に感じているうちに、グプタは走っていってしまった。
おっす、谷口。店の主人を探してるんだが。
「おっ、キョンじゃねえか、久しぶりだな。」
「キョン、さっきの走っていったのが胡椒屋の主人だよ」
マジか。あいつはどこに行った?
「それが……彼女のタニアを誘拐されてな。その…」
24161:2006/11/23(木) 00:34:42 ID:aw/zdAcP
何だよ、何笑ってんだよ。
「谷口は『覆面パンツ』ってワードがかなりツボだったみたいだよ」
あぁ、アホはいいから、またあの覆面パンツの仕業なのか?。
「っぶははははは!そう、恐らくふ、覆面パンツが資金調達に、覆面パンツが
金に困ってあっはっはっはっはっはっは!」
笑い事じゃねえだろ。助けに行かなきゃ。ついてきてくれないか?
「分かった。ちょっと仲魔呼んでくるから待ってろ」
漢字間違えてない?
「あのメタルスライムとかだよ。谷口はモンスターを仲魔って言うんだ。」
あぁ、あいつ強いんだよな「ホイミが効かないのが玉にキズだけどね。」
そもそも必要ないだろ。俺が代わりにベホイミされてやるから。
「そう言えばキョンは戦士なんだっけ。ベホイミのしがいがあるねぇ。」
…俺たちはこんなバカ話をしながらダルダルなムードでグプタ救出に向かった。
バハラタから少し森を歩いて、俺たちは覆面パンツの人さらい、カンダタのあじとに到着。
「キョン、お前は土地勘無いだろうから俺たちの後ろについてこい」
ああ、分かった。……って何だここ。無限ループ?
「違うよ。ここは俺たち子供の頃から遊んでるから慣れてるんだよね」
そうか。お前たち連れてきて良かったわ。
「それにしても妙だな。子分が出てこない」
「留守にしてはあまりにがらんとしてるよね。30人位いるわけだし」
…本当か?国木田。
「うん。待ち伏せしてるのかな?とにかく気を付けて。」
「おい…そろそろだぞ。」
谷口がドアを開けると、そこにはだだっ広い部屋があって、
そこにグプタとタニアが捕まっていた。
「あっ!谷口!国木田!」
「助けにきてくれたんですね!」
「おう、ちょっと待ってろ」
谷口が部屋の隅にあるレバーを引くと、牢屋の格子が開いた。
「じゃあ、早く帰ろうか」「ちょっと待ちな!」
帰りの道のドアから聞き覚えのある声がした。
「おい、まずくないか……?」
谷口の顔が引きつっている。
「とにかく二人に被害が来ないように戻さないと」
国木田が二人を戻した。
「ここを知られたからには生かしておけねぇなぁ……、
あと、裏切り者も処刑だ。」
お前が逃げたんだろという突っ込みも入れる余裕がない。
あいつら何人いるんだ?10人以上じゃないか?
「とりあえず複数攻撃用のモンスターを出す。巻き込まれないように注意しろよな」
谷口はノーマルなスライムを箱から出した。
24261:2006/11/23(木) 00:37:21 ID:aw/zdAcP
「フン、そんなスライムで何が出来るってんだ。……お前ら、やっちまえ」
それを聞いた途端、カンダタ子分達は一斉にダッシュして来る。
「キョン!危ないから下がって!」
国木田の声に反応して俺が咄嗟に下がる。
刹那、スライムは燃え盛る火炎を吐いた。逃げ遅れた奴が……えぐい
「はーっはっはっは!スライム舐めんじゃねえぞ!覆面パンツ!」
谷口の発言に数人が吹いていたところを俺は見逃さなかった。
やっぱこいつらも覆面パンツはだめなのか。
そんなことを考えていたら、一人がこちらへ向かってきた。すかさず剣で応酬する。
「うわっ!やめろー!」
まずい国木田が複数にやられている。この戦いで僧侶を失うのはまずい。
俺たちはすぐに国木田を助けに行った。幸い相手は国木田に気をとられて
後ろがお留守だ。どの道雑魚だな。遠慮無く峰を打たせてもらう。
「あ、ありがとうキョン」
あぁ。とりあえず7人は減ったか。
『ベギラマ!』
突如俺たちは炎に包まれた。
ぐぁっ!相手には魔法使いがいるのか!よく見るとカンダタの後ろだ。
倒すのは難しいな。
「次ベギラマされたら危ないな。キョン、ベホイミの
詠唱終わるまで時間稼いでて」
よしきた。俺は盗賊団むけて飛び込んでいく。今回は剣がよく当たるな。
どうやら俺も強くなったらしい。
「くそ!てめえら何してやがる!」
カンダタが痺れを切らしてきた。斧の一撃。俺は間一髪で躱したが、
巻き込まれた奴の腕が飛んでいった。凄い破壊力だ。
「くっ!」
子分の剣を受けながら、カンダタの斧を盾で受ける。谷口、二人は無理だ!助けてくれ!
「こっちもヤバいんだって!応援寄越すから待ってろ!」
谷口も複数を相手にしている。あっちはあっちで大変そうだ。
国木田がベホイミを唱えて谷口を回復させた。すかさず次の詠唱に入る。
「よそ見してんなよ?」
子分の剣が足を擦った。危ない、自分の戦いに集中だ。
「メラ」
突如炎弾がカンダタに命中。カンダタが怯むその隙に俺は距離をとった。
そしてカンダタに襲い掛かる黒い塊。あれは……あの時のメタルスライムか!
「くそっ!何だこいつは!」
カンダタがメタルスライムに気をとられている隙に子分を一人撃破。
着々と数を減らしてきている。 『メラミ!』
大きな炎弾が飛んできた。目標は…谷口!まずい、谷口がやられた。くそ、あの魔法使いがいやらしいな。
243名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 00:39:15 ID:gjOPosQN
ダーマ神殿懐かしいw
と思ってたらその後ぶっ飛んだw

>こいつのせいで昨日の夜は
……いろいろありがとう。

ワロスw

職人さんGJだよ!
24461:2006/11/23(木) 00:39:18 ID:aw/zdAcP
「ふんっ!」
メタルスライムが戦わなくなったからか、カンダタが再びやってきた。斧の一撃
危ねえっ!腕が飛ばされる寸前だった!
「ピオリム!」
国木田の呪文の影響か、鎧が軽くなる。
「素早さを上げたから、あの魔法使いを!」
わかった。俺は魔法使いを目がけて走った。
『スカラ』
魔法使いが何やら詠唱した。俺は構わず切り掛かる。魔法使いは俺の一撃をローブでガードする。
身体ごと吹っ飛んだ魔法使いは見事に無傷。一体どうなってやがる、あの「スカラ」の影響か?
「キョン!カンダタにスカラをかけられたら勝てない!気を付けて!」
国木田はカンダタから逃げ回りながら叫ぶ。とりあえずどうすりゃいい。
「スカラを解くから、キョンはその隙に攻撃して!」
国木田はカンダタから逃げながら詠唱を始めた。器用だなお前は。
俺は再び逃げながらメラをする魔法使いを追い掛ける。
「行くよキョン!ルカニ!」
国木田が呪文を唱えた瞬間に、俺は剣を振り下ろした。魔法使いはそのまま変な倒れ方をする。やべ、やりすぎた。
「ぐああああっ!」
カンダタの斧が国木田の背中に入った。そのまま倒れる国木田。まずい!
「はぁ…はぁ…手間かけさせやがって。こっからは一対一だぜ?」
あぁ……。ちゃっちゃと終わらせるぞ。
俺は攻撃力を上げるために盾を捨て、構えに入った。
「あったわ!これが悟りの書ね?」
そう。
わたしたちは、ガルナの塔で悟りの書を見つけることに成功した。
「それじゃ早速転職に行きましょ!有希、ルーラはまだ出来るわね?」
待って。悟りの書を読むのに時間が必要。
「あっ…そうですね。どのくらいかかるんですか?」
おそらく20時間ほど。
「長いですね……それならば一度宿に戻って読んで長門さんに
悟りの書を読んでもらいますか。」
「そうね。ちゃっちゃと終わらせるのよ有希!」
わかった。
私はリレミトを唱え、ルーラで宿まで飛んだ。

「キョンはもう戻ってるかしら」
涼宮ハルヒは宿を出てキョンを探し始めた。
「ちょっと僕も休ませてもらいますよ。昨日は疲れました」
そう。
私は悟りの書を読みながら答えた。一体何があったのだろう。
「はは、何でもありませんよ。少し眠れなかっただけです」
そう。

キョンの奴何やってるのかしら?胡椒の店で油売ってたりして。
全く人が苦労して悟りの書を探してる最中に!まぁあたしは
楽しかったからいいけど……、あっ、鶴屋さん!
24561:2006/11/23(木) 00:41:10 ID:aw/zdAcP
「ハルにゃん!キョンくんが大変だよ!」
えっ!キョンがどうしたの?
「胡椒屋さんが誘拐されて、それを助けにカンダタのあじとに……」
またカンダタなの?やっぱりあの時とっ捕まえておくべきだったわね!
「あの時は仕方なかったよっ。キョンくん止められなかったし」
そ……それはそうね。もう…、キョンは早とちりなんだから!
「ふっふっふっ、ハルにゃん?赤くなってるよっ」
そ、そんなことないわよ!それより早く行くわよ!
あたし達はカンダタのアジトまで急いだ。

「キョン君大丈夫かなぁ…」
アジトの中には沢山の盗賊がいて、あたしたちに襲い掛かってきた。
いくら雑魚でもこの量を一人じゃきついわよ?
「それにしてもここは入り組んでるね……どこだか分からないよっ」
そうね。次襲ってきた奴に道案内させましょ!
すぐに次の盗賊が来る。あたしと鶴屋さんの表情に何かを感じたのか、
すぐに逃げようとする。
でももう遅いわ。

「はあっ!」
俺はさっきからずっとカンダタと打ち合っている。
カンダタの実力は以前と変わらず、俺は強くなっている。
ピラミッドでの一件が相当でかい。ハルヒに感謝だな。
「くそっ!何なんだお前は!」
カンダタもそれに気付いているようだ。武器に焦りが出ている。
「なぁ……、お前も、俺と一緒に盗賊 や ら な い か ?
お前にはナンバー2の椅子を用意するぜ?」
だが断る。俺はもとの世界に戻りたい。覆面パンツの配下になる気もない。
「へへ……、いい女も用意してやるからよ?お前も戦士ならわかるだろ?」
だが断る。ハルヒも勇者様も手に掛けた俺には通用しない口説き文句だ。
俺は腕に力をこめて切り掛かる。目的は……武器破壊!
「うっ!」 武器は壊れなかったが、代わりに斧はカンダタの手を離れる。よし、もう積んだ。
「ま、待て!もう一度考え直せ!」
待たない。今度こそお前は牢屋行きだ。
俺は気合いを溜めるべく大きく息をを吸い込んだ。
「へへ……そうかよ。じゃあお前の道はこっちだ!」
カンダタが合図を出すと、俺が出てきたドアとは違う鉄格子が開いて、
そこから覆面パンツが5人出てきた。それぞれに
鉄の棍棒、鋸刀、鞭、爪、無手である。
「お前は強いから惜しかったんだけどなぁ……嫌なら仕方ない。
こいつらはウチの戦闘部隊だ。あの雑魚どもとは違うぜぇ?やれっ!」
指示が出る。すぐに、無手の奴が詠唱に入った。
24661:2006/11/23(木) 00:43:25 ID:aw/zdAcP
四人が突っ込んでくる。もう相手の命を構っていられない!
俺は逃げながら打つことにした。幸い素早さには魔法修正がかかっている。
さすがにこいつら全員相手にするのはキツイ。
「メラミ!」
大きな炎弾が飛んでくる。俺は鋸刀を盾にした。それを食らってよろめく
鋸刀の腕を飛ばす。一丁上がり。
「あ、あんたよくも!」
爪が逆上して襲い掛かって来た。うげっ、こいつは…
爪が頬を擦る。もう少しで首にいくところだった。危ない。
よし、反撃開始!
「マヌーサ!」
突如覆面パンツが30人位になった。何だこれは!
剣を振る。
5、6人に当たったはずなのに、そいつらはびくともしない。
5つの棍棒が襲い掛かってくる。脇腹にヒット。
「ぐはっ!」
まずい、倒れてしまった。そのまま殴る蹴るのリンチを受ける。
「ねぇ……そろそろいいんじゃない?」
うっ
「ふふふ……坊やなかなかいい男ね」
やっぱりこいつら
「お尻の穴は初めてでしょ?優しくしてあ・げ・る・(はぁと)」
ヘンタイだ!
「ギャッハッハッハ!どうだ?いい女達だろう?」
くそ、こいつもコッチだったのか。あまりにも女っ気が無さすぎると
こうなるのか。以後気を付けよう。……その前に以後があるかどうかが問題だ。
覆面パンツ達は俺をうつぶせにさせると、下を脱がせ始めた。
「大丈夫。お姉さんたち優しくしてあげるから、ね?」
くそ、体が動かない。こんな奴らに俺はケツを捧げるのか。
覆面パンツがごつごつした手で俺の一物を扱き始める。
何だか悲しくなってきた。
うう……朝比奈さんの柔らかくて優しい手が懐かしい。
「緊張してるの……?ふふ、可愛いわね。お姉さん頑張って気持ちよ」
「ここねっ!牢屋がある部屋は!」
「ひぇっ!キョン君!浮気なのかなっ?」
非常に誤解を招く場面でハルヒが入ってきた。鶴屋さんも。
「た、助けてくれ!」
もう何でもいい。この状況から抜け出したかった俺は、とにかく叫んだ。
「キョン君!?言い訳は後で聞くからね?」
誤解です。それだけです。
「キョン……アンタって奴は!」
ハルヒは八つ当りをするかのように覆面パンツの群れに飛び込み、
股間に蹴りをかます。
どうすっかなー。
「キョン君!複数相手の戦法は今度教えるからね!」
鶴屋さんも加勢する。3対2なのに完全にこっちが押している。
「マヌーサ!」
残りの一人がまたこの呪文を唱えた。まずいぞ!
24761:2006/11/23(木) 00:45:45 ID:aw/zdAcP
「あれ?カンダタみたいなのがいっぱい?」
「これは幻影だよっ、ハルにゃん、下がって!」
ハルヒが下がると、鶴屋さんは詠唱に入った。
「あたしにはそんな魔法効かないからねっ!」
鶴屋さんは子分達の間に飛び込むと、そいつらの胸の辺りに両手を当てた。
特に力を込めたわけでもないその一撃で、子分たちは吹っ飛んで倒れ、
泡を吐いている。
一撃かよ……強すぎるぜ勇者様。
「後は俺だけかよ……だかな、俺はお前とは相性いいんだぜ?」
カンダタが再び斧を構える。
そうだ。カンダタは鶴屋さんが苦手とするタイプらしいのだ。
俺はカンダタみたいなのが得意だから互角に打ち合えているだけなのである。
「キミは苦手だからあんまり剣ではやりたくないんだ。ごめんね?」
鶴屋さんは右手の掌を上にかざして詠唱する。
「けっ!なんだその呪文は、まるでデタラメじゃねえか!」
今まで聞いたことのない呪文らしい。カンダタはそのまま切り掛かるが、
当然鶴屋さんに当たるはずがない。
「……よし、出来たっ。これはデタラメじゃなくて、れっきとした魔法だよ。
…ハルにゃん!キョン君を安全な場所へ!」
「わかった!」
マヌーサの解けたハルヒは俺を入り口の所まで連れていってくれた。
「もう…なに出してんのよ。緊張感のない奴ね」
仕方ないだろ。無理矢理されたんだ。
「分かってるわよ。アンタがそっちのはず無いじゃない」
分かってくれて嬉しいよ。いや本当
「よし、準備は完了だね?いくよカンダタ!」
『ライデイン!』
鶴屋さんが腕を振り下ろすと、無数の雷がカンダタの周囲に落ちる。
すごい威力だ。カンダタが黒焦げになっている。

「あれは……勇者の証」
ハルヒが呟く。なにそれ?
「本当に知らないの?あれは勇者にしか出来ない特殊な魔法よ。
神の怒りを顕現させるの。」
ほう。ついに鶴屋さんも本格的に勇者になったということか。
「…ふぅ、終わったね。胡椒屋さんはどうなったのかなっ?」
あぁ、牢屋のなか……
「…うっ」
ハルヒが吐きそうになっている。無理もない。グプタとタニアは生身で
「ベギラマ」と「ライデイン」を受けたのだ。見事なまでの丸焼きである。
「……あちゃ〜。バトルでの死亡だから教会に行けば生き返せるけど、
今後は気を付けなきゃねっ」

24861:2006/11/23(木) 00:48:27 ID:aw/zdAcP
その後教会で死んでしまった奴らを生き返らせて胡椒を貰った。
グプタとタニアはライデインを受ける前にすでにベギラマで
丸焦げだったらしい。ライデインを食らった証拠を隠滅できて何よりだ。
カンダタは現在我がロマリア国の監視下にある。近いうちに裁判がなされるが
肝心の被害者がホームレスで、すっかり貴金属類に興味のない
人間になってしまったので罪は軽くなりそうだ。
今度帰ったらカジノでも作ってやろうと思う。
宿でもう一休みした次の日、晴れて長門は賢者に転職することになった。
ダーマ神殿神官の長ったらしい説教を聞くこと一時間。
「……では、再びレベル1に戻ることになるが、よいな?」
「……はい」
正直早くしてほしい。もっとちゃっちゃと出来ないもんかね。
「こらキョン!しゃきっとしなさい!」
分かったよ。俺は姿勢を正した。
「では最後は口述試験だ。長門有希、悟りの書にお前は何を感じた?答えよ」
「……ユニーク」
長門は心底どうでもよさそうに答える。
「いや、どの部分が」
「全体的に」
恐らくあいつも飽きたのだろう。
「あ…あいわかった。では神よ!長門有希に新たな人生を与えたまえ!」
神官もこれでいいのか?長門はまばゆい光に包まれだした。
身にまとうローブが消えていく。
「キョンくん!みちゃダメ!」
長門が完全に裸になったとろで朝比奈さんに目隠しをされる。
「あ…ああっ」
朝比奈さん、そんな声だされると気になります。
「あっ…ごめんなさい、もう終わりましたよ。」
朝比奈さんが手を離すと、そこには鶴屋さんのようにサークレットをして、
前のローブ姿に比べると多少露出度の高くなった長門がいた。
「有希、おめでとう!」
「これでうちにも念願のホイミね!」
ハルヒと鶴屋さんがが長門に抱きつく。
「すごいです長門さん……あの本私にも読めなかったのに」
いや、普通は読めませんよあんなの。
「しかし悟りの書の意味は何だったんでしょうね。」
それは誰にもわからん。

「よし、次は胡椒をポルトガまで運ぶわよ!」
長門が賢者になり、次は船というのでハルヒは絶好調である。
24961:2006/11/23(木) 00:50:14 ID:aw/zdAcP
「……先に行ってて欲しい。彼に話がある。」
長門は瞬きもせずに俺を注視する。
「へ?わかったわ。それじゃ待ってるからね!」
「長くなるからポルトガで宿泊してほしい。」
「あっ、キョン君!浮気はダメダメだよ?」
「え……長門さんもキョン君を…」
「ふふ、あなたも罪な男ですね。それではまた。」
「ちょっとキョン!有希に手出したらただじゃおかないわよ!」
鶴屋さんはルーラを唱えた。皆が誤解を残したまま去っていく。
……どうすんだ長門。
「……私の記憶がある程度戻った。宿に着いたら出来る限りを話す。
その前に私のレベル上げをしてほしい。」
長門はこの世の全ての魔法が使えるようになったらしく、「メラゾーマ」
やら「パルプンテ」やらの高等魔法をレベル上げ途中に色々かましてくれた。
宿に到着するころにはすっかり日も暮れていて、俺は谷口と国木田に
軽い挨拶をしてすぐ宿屋に直行した。
とりあえず、今回の世界改変の原因を知りたい。
すると長門は、意外な犯人を口にする。
「今回の改変は情報統合思念体の判断。理由は、涼宮ハルヒの五月病対策」
ハルヒのそれはそんなにヤバいのか?
「わからない。けれど非常に危険である可能性は高い。
去年はあなたが抑えてくれたから助かった」
そういえば世界が滅びる一歩手前まで行ったんだよな。
「そう。そしてまた閉鎖空間が起きたら以前のようにうまく行く保障はない。」
どうして。
「あなたがそれを拒否するような素振りを見せていた。
もうあなたは閉鎖空間が発生しても涼宮ハルヒにキスをしないのではないかと
情報統合思念体は考え始めた。そして彼女に退屈を与えないように
情報統合思念体が期限付きで世界を改変した。それが今の状態」
なんだそりゃ。俺だって世界が危機になればそれなりに動くぞ。
今はもうキスに抵抗もないしな。
「わかった。それは報告しておく。でも今世界を戻してしまうと
今度は前にも言ったように、夏休みがまた繰り返されることになる。」
ああ、五月のフラストレーションが夏に爆発するんだっけか。
「そう。エンドレスエイトを解決する方法は未だわかっていない。
去年の例は奇跡だった。」
じゃあ、こっちをクリアしたほうがいいんだな?
「それを推奨する。これで報告することは全部。」

その後、トレーニングを終えて、寝る時間になる。
「それじゃ、明日から船旅だな。そろそろ寝るか。」
250名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 00:50:42 ID:q68ZDO2B
このスレに谷川流作品でハルヒ以外を2作品以上読んだことあるヤツってどのくらいいる?
251名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 00:52:16 ID:aw/zdAcP
長門は本を閉じた。悟りの書好きなのか?
「わりと」
そう言ってベッドに入ったまま動かなくなってしまった。……俺も寝よ。
……

『タニア!愛してるよタニア!』
『もう、グプタはおっぱいばっかり。子供みたいね』
『んー!んー!』
『ふふ、慌てなくていいのよ……』
……またか。
『そーれぱふぱふ、ぱふぱふ!』
『うぷぷぷぷ』
『うふふ、気持ちいい?』
『ぱい。ぴぽぴぴーぺぷ』
……誰だデリヘル呼んだの。谷口だな?
俺がまたげんなりしていると、突然とんとん肩を叩かれる。振り向くと、
「私は人間との間で子供を作る能力はない。中で出しても平気。」
長門がスタンバイしていた。そこで俺の理性は途切れている。な、ながとー!


「……わ、わたしに性感はない」
うそこけ。なんだこの乳首は
「それは、私が人間に似せて作られたから…そうなって…ああぁ」
俺はいま長門の乳首の周りを焦らすように舐めている。
「故に私に性感帯などは…ひゃああん!」
俺は未だ尚性感の存在を否定する長門の乳首をしゃぶってやり、
さらに下にも手をやる。
「あっ、ああぁっ、こっ、この声はそうじゃなくて、ああっ!
何か別の理由があって」
頑なに否定する長門に、俺はつい意地になって自分の性技の全てを
ぶつけてしまった。
「あっ、ああっ、いい、いいっ、あああああ〜!!」
数時間後。
「……」
長門、ごめん
「……けだもの」
悪かったって。
「……」
長門は俺の腕を抱いたまま離さない。とろんとした眼で俺を見つめている。
もう寝ようぜ。
「あと一回」
だからもう遅いって。
「私をこんなにしたのはあなた」
……これで最後だからな?
こくりと頷く長門。俺はまた再び愛撫を始める。


次の日、俺たちはポルトガ組と合流した。そこで俺にとって衝撃の事件が起こる。
「あの……私パーティーから離れることになりました」
朝比奈さんがチームを抜けるというのだ。一体どうして!?
「みくる 私と 村 つくる」
見るとミスターポポみたいな口調のおじさんが会議に参加している。
誰だこのネイティブアメリカンは。
「町を作るのに有能な商人を探して旅をしていたようです。
そこで朝比奈さんに白刃の矢がたったというわけです」
何だと?おいハルヒ、リーダーとしていいのか?
25261:2006/11/23(木) 00:54:11 ID:aw/zdAcP
「みくるは惜しいけど二度と会えなくなるわけじゃないし、
それにおっさんによれば、みくるじゃなきゃ手に入れられない
アイテムがあるらしいの。」
何だ?必需品なのか?
「う〜ん。そのじいさんの言うには魔王バラモスの城は空からしか
アクセスできないらしくて、空を飛ぶために必要な『イエローオーブ』
は、人の手に渡り続けてるんだってさっ。
みくるじゃなきゃそれを買い取ることは出来ないんだって。
……キョン君、わかってくれるかなっ?」
ほう。それを朝比奈さんゲットの口実にしたわけか。許せんな。
「キョン!わがまま言うんじゃないの!これからはその
『オーブ』探しに世界中かけずり廻るんだからね!」
「それに私じゃもう戦闘の約に立たないし……ごめんねキョンくん」
そうですか……朝比奈さんがそう言うなら仕方ありませんね。
なら早いとこそのオーブとやらを見つけちまおうぜ。
「そう!その意気だよキョン君!」
「それじゃ、さっそく『未来(みくる)の町』予定地目指して出発ね!」
そんなこんなで俺たちは、船に付属していた世界地図を片手に、
世界中を旅することになる。
第一部 完
253名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 00:57:00 ID:aw/zdAcP
第一部完です。打ち切りではないですが、
だいぶ間が空きます。
254名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 01:06:09 ID:kwwHeyEG
>>250
学校とボクセカは読んだ。
イージスと絶望系は合わなかったから流し読み。
255名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 01:16:41 ID:q68ZDO2B
>>253
gj! そろそろ叩かれるだろうけど頑張って下さい。
256名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 01:22:28 ID:glEKB3lz
>>250
「撲殺天使ドクロちゃん」や「サムデイインザレイン」の脚本なども込みで
全部読んでるよ。
257名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 01:46:39 ID:A85nb3a3
はいはいみくるバーグみくるバーグw
258名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 02:16:08 ID:nv1Qb6Mf
全部華麗にスルーした俺天才
259名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 03:55:36 ID:nv1Qb6Mf
DVDに谷川さんとのいぢさんが出てきた。
思ったよりふつうでよかった。
260名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 08:28:31 ID:hcOHZdlq
憂鬱の戦闘シーンで
「長門は俺の頭をまたいで立っていた。
 上履きに名前を書いている所がこいつらしい」
的文章があったが
もっと他に気にするべき所があったはずだ
261名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 09:02:42 ID:KC/omGCy
>>260
うつ伏せだから見えなかったんだよ、きっと。
262名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 11:15:37 ID:j8453van
>>260
長門の文字の横にルビ振ってやるべきだよな。
俺も思ってた。なんでサインペン常備してねぇんだよ、と。
読めねぇだろフツー。
263名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 11:21:48 ID:+k/FcIrw
じゃあお前は初めながもんと読んでたのか
264名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 11:51:37 ID:C7aGRbSL
>>262
普通に読めるだろう。
むしろ何て読んでいたのか知りたいところだ。

それに、ひらがなで上履きに書くのは長門のキャラに合わないから嫌だな。
265名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 12:04:33 ID:kwwHeyEG
>>262
なんて素敵なミスリードw
266名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 12:25:15 ID:JxmJF0hZ
長門大橋
267名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 12:32:53 ID:g70nohd4
戦艦長門
268名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 13:17:35 ID:ysijUdiF
>>264
ネタにマジで言ってるのかネタにネタで言ってるのか聞いていいか。
269名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 13:37:54 ID:6K+IzvC+
古泉イツキをカズキとなら間違えたことある。
270名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 13:59:02 ID:7QATO6bD
やたらに直情で熱そうな古泉だな。
271名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 14:16:46 ID:TipN8PJG
いやいや
とても高校生には見えないゴルフが趣味の古泉ですよ。
272名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 14:19:14 ID:ysijUdiF
>>269,270
それだとハルヒが古泉の妹になるな。
お約束ネタでスマン。
273名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 14:21:08 ID:nualdiDv
●<こんとんじょのいこ。
274名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 14:52:21 ID:/Rhv0sYV
●<カァァズキィィィ
275名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 14:58:37 ID:RMTeKIUT
人形フェチの老人が沸いてくるから止めとけ
276名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 15:00:12 ID:rNxM9AkE
「「姉弟」」
「ふ、ふえぇ!? そんな報告聞いてないですよぅ!?」
277名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 18:43:24 ID:VG/8viqM
ゆきってパソで打つと

雪 じゃなくて
有希 が最初に出てくる俺って・・・・・・・・・何?
278名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 18:46:24 ID:aL7RP/tl
それデフォ
279名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 19:13:46 ID:kCaoSWJI
ゆき→有希
はるひ→ハルヒ
あさひな→朝比奈
きょん→キョン
こいずみ→●
になってる
280名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 19:19:37 ID:0qzQmcb0
古泉www
281名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 19:28:00 ID:N4IJQ2QE
アニメ2学期の最後は八雲エンドだったんで
本編の展開に期待してたんだが…
282名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 19:36:03 ID:kwwHeyEG
>>279
古泉は「まる」で変換したほうが早いじゃないかwwwww
283名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 21:26:17 ID:rfVMsvuN
>>281
スクラン乙
284名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 21:36:44 ID:c1GpUI/C
突然すまないが、憂鬱の朝倉の行動って
キョンに非日常を見せる為に自らを擲ったマッチポンプ?
アニメから小説に入ったクチだからよく分からないんだが、
本文見る限り、本気で殺すつもりだとは思えなかった。
285名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 21:44:59 ID:tOPx22sg
俺的解釈だが、朝倉はドジっ娘だったんだよ!
286名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 21:52:36 ID:v8fN0fbf
>>284
本編の考察は板違いなので他板でどうぞ。

[ライトノベル板]
谷川流 101
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1164188452/

[アニメサロン板]
涼宮ハルヒの憂鬱 ネタバレスレ 32
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1163406066/
287名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 22:01:53 ID:f5LFf9TN
まあ、SS書く人は大体>>279になってるだろうなあ。
古泉は知らんがw
288名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 22:03:39 ID:OSpsluvY
今回のreally?really!のフラゲ組からの書き込みを読んだ後・・・・


( ゚д゚)
( ゚д゚ )
;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
289名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 22:57:45 ID:0qzQmcb0
古泉以外は>>279になってるのが普通だろう
290名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 23:45:38 ID:kwwHeyEG
形的には書きあがったもののどうにもどこから直したらいいのか分からない代物になってしまったなぁ…。
291名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 00:36:56 ID:2K2SWyu6
>>290

「こうしたらどうでしょう。まずは投下するのです。
何故か有志が添削してくれる事でしょう」
 辛辣な批評と共にか?
「確かにこのスレの批判は辛辣です。ですがそれは書き始めた時点で覚悟はしていたのではないのですか?」
 まぁな。だが一晩だけ待ってくれ。時間を置いて読み直してみたい。
「……あなたのその慎重さには尊敬しますよ。わかりました、あなたが納得するまで待つ事にしましょう」


……と、してみてはどうか。
292名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 00:37:52 ID:Hp0C33Q6
>>290
夜に書き上げたものは、一度寝て朝になってから再読すべし。
勢いだけで書いたものを、その勢いが残った状態で推敲したって変わる訳が無い。
293292:2006/11/24(金) 00:38:34 ID:Hp0C33Q6
>>291
うおっ、モロニ被った。
294名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 00:48:27 ID:NrfDz/UE
うまいオリキャラSSってなにがある?
いいかげんSOS団+αに飽きてきた……
295291:2006/11/24(金) 00:56:07 ID:2K2SWyu6
>>292
ま、このスレじゃよくでる推敲方法だからなぁ。俺もそうしてるし。
でも何故か投下後に誤字脱字変な表現を見つけるんだよなぁ……。
296292:2006/11/24(金) 01:00:07 ID:Hp0C33Q6
そうそう。ついでに言うと、>>292でさりげなく>>290に対して喧嘩売ってたり、何故投下前に気付けないのかね〜?
297名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 02:46:12 ID:FI7BbFdt
「朝比奈さんだらけ」とりあえず冒頭だけ投下
エロシーンどしよ、書けないよ
298名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 02:46:53 ID:FI7BbFdt
生きるべきか死ぬべきか、と言ったのは誰だったか。死中に活を求めるって言っても八方塞がりなら
どうしようもないじゃないか。傍から見れば嬉しい状況でも本人には危急存亡の秋、って事もある。
「ふふふ、どうしたんですか?キョンくん」
あれは古泉が言ったことだったろうか。朝比奈さんが俺の気を引く為にあの性格を演じてるってのは。
「そんな所で立ち尽くしちゃって。あ、もしかして……」
今日もいつも通り一人で教室を出て、いつも通り部室のドアをノックして、いつも通り朝比奈さんが
返事をして、いつもと同じメイド姿の朝比奈さんがお茶の給仕をしているはずだった。でも、部室の
中にいたのは……
「別のところが勃ってしまいましたか?くすくす」
下着姿の朝比奈さんだった。しかもかなり際どい下着だ。
おかしい。明らかにおかしい、絶対におかしい。なぜ、彼女はこんな格好をしている、熱っぽく潤む
その瞳は、時折漏らす妖艶な微笑は一体なんだ。どう考えても普段の朝比奈さんではない。
俺の本能かそれとも理性か、とにかく虫の予感めいたものが語りかけてくる、ここは危ない、と。
このままここに居れば何か取り返しの付かない事になりそうな気がする。逃げ…
ガチャ
俺の背後から鍵の閉まる音がする。なんでだ、ここには俺と朝比奈さんしかいない。その朝比奈さん
は俺の目の前にいる。じゃあ、誰だ今閉めたのは。そう思い振り返ると、こちらを申し訳なさそうに
見る……制服姿の朝比奈さんがいた。
「ごめんなさい、でも悪くはしませんよ」
え、どういうことですか。何で朝比奈さんが二人?
「それはね、キョン君。あっちの鍵を閉めたのが現在の朝比奈みくるで」
俺の問いに答えたのは下着姿の朝比奈さんだった。問いに答えつつこちらに歩み寄ってくる。互いの
吐息が掛かる位まで顔が近づく。彼女の甘くコ惑的な香りが鼻腔一杯に広がる。なんだか頭がぼーっ
としてきた…
「わたしが現在から二時間後の朝比奈みくるなの」
299名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 03:03:01 ID:e2Myq1EB
続きは?
300名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 03:46:47 ID:FI7BbFdt
webで?
冗談です。近日中に公開できるといいな。
301名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 04:19:25 ID:PlFLRFPI
302名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 05:29:01 ID:yXR/pyo/
朝比奈みくるがコクヨのスタディデスクの引き出しから出てくる夢を見てしまった…
303名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 08:30:53 ID:nWY+RsiN
>>296
そりゃどうも。
うーん…、学校のSSだからここしか投下場所がないんだよなぁ。
304名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 12:49:49 ID:2K2SWyu6
 朝比奈さん。あなたが帰ってしまわれたら部室ががらんとなっちゃいましたよ。
 ……でもすぐに慣れると思います。
 だから心配しないで下さい……朝比奈さん。
305名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 12:50:26 ID:G0nCRwq+
>>304
同人誌にもある既出
306名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 15:11:33 ID:i1Hfs5Pq
ハルヒがジャイアンなのか、この場合?
307名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 15:19:51 ID:trcQR6TO
>>306
ついでに次の話のウソ800役も兼ねてるかと
308名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 17:41:21 ID:NzI+PNjt
古泉「僕があなたにオセロで勝たないと朝比奈さんが安心して未来に帰れないんです!」
309名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 19:23:47 ID:i1Hfs5Pq
そっちかよ!!!w
310名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:10:36 ID:et55jXGd
>>290が躊躇してるあいだに、コラボレーションもの一番乗り、行きますよ
非エロなんで、興味のない人はスルーよろしく
311名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:11:14 ID:7EGZzI4L
長門が電池切れになって(ryってのなら妄想したことあるけど、色々無理があったのでやめた
312防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:12:32 ID:et55jXGd
いいか?人間の人生にはたまたま運命の歯車が噛み合って異常なまでに幸運が舞い込む時期ってもんがあるんだ。
神の采配か、はたまた宇宙の意思か?とにかくそういったもんに全力で背中を後押しされてる時期ってもんがあるんだよ。
いいか?大事なのは、今自分にその時期がやってきていることを自覚できるかどうかだ。
調子がいいと思ったらそのチャンスを逃すんじゃねぇ。
それが自分の本来の実力の賜物なんだと自惚れて、その時期を安穏と過ごしたんじゃ、後になって悔やんでも遅いんだぜ。
もう一度だけ言ってやる。
誰にでも世界に祝福されたみたいな絶好調な期間があるんだよ。
異性にモテまくる『モテ期』ってやつがな!


あー、上の妄言をくれぐれも信じないように。
なにせ、このどうしようもなくアホな自説を俺の隣で得意げに語っているのは谷口なんだ。
もはや自身の存在で自説の誤りを証明しているようなもんだ。
「なに言ってやがる!俺はお前のために言ってやってんだぞ!」
どうも谷口は自分の話に傾聴しない俺に不満らしいが、そんなもん、わざわざ春休みにくだらん妄想語りを聞かされる俺のほうがおおいに不満ありだ。
恐らく『春休みを無為に過ごす高校生ランキング』でトップ10入り出来る自信があるね。
「いいか、キョン。悪いことは言わねぇ。モテ期の今のうちに涼宮をゲットしちまえ。お前が女と付き合うラストチャンスかもしれねぇんだぞ」
まだ、そのアホな話題を続けるつもりか。しつこいヤツだ。
いいか、谷口。いくら自分が女と縁がないことに悲嘆にくれてるからって、そんな宇宙規模の摂理を持ち出して自己弁護せんでもいいだろ。
世の中にはモテるいい男とそうでない男の2種類がいて、お前はモテない側の人間ってだけなんだ。
辛い現実かもしれんが、どうか受け入れてくれ。
「馬鹿野郎!俺の話は実体験に基づいてんだぞ!俺にもあったんだよ、『モテ期』が!」
例の光陽園に通ってる彼女のことか?クリスマス前に付き合いだして、バレンタイン前に振られたっていう例の。
「それじゃねぇよ。もっと前のことなんだけどよ、それこそその頃は引く手あまた、とっかえひっかえに彼女が出来てた時があったんだよ」
例えキリスト日本死亡説を信じたとしても、そんな超常現象は信じられねぇよ。
せめてそれを言ってんのが国木田だったならもう少し説得力もあるんだがな……
「ちょっとあんたたち!往来で馬鹿なこと喋ってんじゃないわよ!恥ずかしいったらないじゃない!」
谷口、どうやらお前のトンデモ学説は厚顔無恥なハルヒでさえ恥ずかしいもんらしいぞ。
313防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:14:42 ID:et55jXGd


さて、今俺達は相当変わった取り合わせで春休み中の街中をいつもの喫茶店に向けて歩いていた。
俺と谷口はいいとして、そこにSOS団団長のハルヒと、それが地球における正式服飾とでも思っているのか相変わらず北高制服を着ている長門。
加えて俺の妹という奇天烈異業種混在パーティーだ。
この場にいない朝比奈さんは進学説明会だそうだ。まさかあの人がこの時代で進学するとも思えんのだが……
古泉は『機関』の集まりがあるんだと。本人によれば「今年一年の決算報告のようなもの」らしい。なんだそりゃ?今年度の営業成績ナンバーワンでも決定すんのか?
本来なら今日はSOS団全員参加の市内探索ツアーの予定だったらしい。ハルヒの頭の中では。
無論ハルヒにとっての予定というものは自分が思いついた瞬間に絶対的決定事項となるものなので、いちいち他のメンバーの了解をとってなどいない。
『予定』という言葉は読んで字のごとく『あらかじめさだめる事』なんだが、そう考えるとハルヒの辞書には『予定』という単語は記載されていないということになる。
多分『不可能』と『敗北』と『我慢』の項目もないだろうから、こいつの脳内辞書はとんだ欠陥品だ。
クレームをつける出版社が存在しないことが残念でならないね。
とにかくハルヒの突発的思い付きに都合を合わせることができない人員がいたことで、SOS団は一時メンバー変更を余儀なくされちまったってわけだ。
で、なんだって小学生一名とアホ同級生一名がその不幸な抽選に当選しちまったかって言うとだな……


今朝方のことだ。その時の俺はまだハルヒからの呼び出しの電話も受けておらず、その日一日を惰眠をむさぼることに費やそうと思っていた。
神は世界を作るのに6日かけて、1日は休暇に充てたそうだからな。これこそ神話も認める休日の正しい過ごし方ってもんだ。
だが、それはあくまで神のスケジュールであって、俺には適用されないらしい。
同じく春休み中の妹が部屋にやって来て、「おはよう」と言うよりも前にこんなことを言いやがったんだ。
「キョンくーん、シャミがいないよー」
我が家でぬいぐるみの代行業を請け負っている三毛猫、シャミセンの不在をうったえてきた。
シャミセンよ、なにもお前までもが俺の安らかな休日を奪うことはないだろ。
お前とは肩を並べておおいに語り合った仲じゃねぇか。男同士の友情が芽生えていたっておかしくない。
猫が3日で恩を忘れるってのは確か迷信だったはずなんだが、俺の記憶違いか?
「ねぇねぇ、キョンくん。一緒にシャミを探してよぉ」
なぁ、いくらシャミセンが曲がりなりにも家族だからって、あんまり束縛するのはよくねぇぞ。
あいつだってたまには気ままな猫ライフを過ごしたい時ってもんがあるのかもしれん。
ここはあいつの帰巣本能を信じて、ほおっておいてやろうじゃないか。
「キョンくーん、おねがぁい。シャミ、探そうよぉ」
こいつ、ちっとも聞いちゃいない……
あと数日で小学校最高学年になろうというのに、こんなことでいいんだろうか?
俺は兄としてもっと毅然とした態度で臨み、こいつの精神的成長をうながすべきなんじゃないか。
「なぁ」
「あれ、キョンくん。電話がプルプルいってるよ」
聞けよ、人の話を……
えっと、なんだ?机の上で充電中の俺の携帯が面白味のないノーマルな着信音を鳴らしているのはたしかだった。
「出てあげるぅ」
「こら、人の電話に勝手に触るもんじゃない」
俺は妹の襟を掴んで動きを抑え、携帯の液晶画面を覗いた。
発信者は……ハルヒだ。
「もしもし、どうした?」
『キョン。今日10時に駅前集合ね』
相変わらず、時節の挨拶やら前ふりといったあれやこれやをすっ飛ばした、自分が伝えたいことだけを伝えるハルヒの声が俺の耳に入ってきた。
「ハルにゃん、キョンくんは今日はシャミを探さないといけないの」
「こら、なにを勝手なことを言ってんだ」
人の電話に割り込むなんて行儀の悪いマネをするんじゃありません。
まったく、唯我独尊なハルヒの性質がうつってきてるんじゃないだろうな。こいつの情操教育上、もう少しハルヒと距離をおかせる必要があるのかもしれん。
『なに?シャミセンいなくなっちゃったの?まさかあんたがいじめたんじゃないでしょうね』
「失礼なことを言うな。俺は動物にも人にも地球にも優しい優良エコロジストだ」
むしろ小動物をいじめるのはお前の専売特許だろ、鳩とかメイドとか。
『まあ、いいわ。安心して、妹ちゃん。あたしも探してあげる』
「ほんとー。ハルにゃん、ありがとー」
314防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:16:07 ID:et55jXGd


こうして妹はシャミセンを探すという名目で俺達と行動を共にしているわけだ。
え?谷口?
谷口はそこら辺をぶらついていたのを発見したハルヒが
「どうせヒマでしょ。手伝いなさい」
と、無理矢理引っ張ってきた。
役に立たんと思うんだがなぁ……


いつものメンバーでもないのに、律儀にもいつもの喫茶店でいつものようにくじ引きでグループ分けをする俺達。
もうすっかり顔馴染みになっちまったウェイトレスが俺達のことをほほえましげな表情で見ているのがやたら恥ずかしい。
で、結果は、印つきの爪楊枝を引いたのが俺の妹。
印のないのは俺と長門、それに谷口だった。
ハルヒは自分の手の中に残った爪楊枝を親の仇みたいに睨んでいる。そんなに視線を送ってもスプーンのように曲がったりしないぜ。
そういえば何故自称超能力者は金属製のスプーンしか曲げないんだろうな。木製スプーンが嫉妬するぞ。
「フン!まあ、いいわ。あたしたちはキョンの家の周りを調べるから、あんたたちはそれ以外ね。さぼるんじゃないわよ」
長門が一緒なんだから、さぼる暇もなく一発解決なんだろうが、あえてこいつにそんなことを言うまでもないだろう。テキトーに相槌をうっておく。
「それ以外ってなんだよ!?町中全部探せって言ってるようなもんじゃねぇか!」
谷口がごちゃごちゃ言ってるがハルヒは聞く耳なんぞを持っちゃいない。きっと母親の子宮にでも置いてきたんだろう。
こいつは俺よりもハルヒとの付き合いが長いくせに、今だにハルヒ相手に文句をたれても通ることはないってことを理解していないらしいな。
俺はといえばわざわざ疲れることをしたいとも思わんので完全無視だし、長門は谷口なんぞに興味はなさげだ。
野球のときに一回会っただけの妹にいたっては「このひとだれー?」ってカンジの顔をしているからな、谷口を援護しようなどというおひとよしはいない。
谷口、そんな無駄なことをしてないで、カプチーノの泡を口元いっぱいにつけた長門でも眺めて心を癒してろよ。


やたらはしゃぎまわる妹を伴ってやたら肩をいからせながら、ハルヒは俺の家の方向へと歩き去っていった。
「ハルにゃん、待ってー」
「行くわよ、妹ちゃん!シャミセンだけといわず近所じゅうの猫をかたっぱしから捕まえてやりましょう!」
「おー」
あの様子じゃあもしハルヒの傍にシャミセンがいたとしても、大地震の予兆のようなそのオーラだけで退散させてしまいそうだ。
こりゃ、あいつがシャミセンを探し当てるのは無理だな。
「なんだって俺が猫探しなんぞにかりだされにゃならねぇんだ。これだから涼宮と同じクラスにいるとロクなことにならねぇ」
仮にお前が別のクラスだったとしても、それでお前の人生に幸運のプラス修正が入るとも思えんがな。
まだぶつぶつと事態を好転させるわけもない不毛な愚痴をこぼしている谷口を横目に、俺は小声で長門に相談した。
「なあ、シャミセンの居場所はわかるか?」
「わかる」
期待通りの答えだ。長門にかかれば失せ物探しなんぞは読書の片手間でできるイージーミッションだ。
そうだ。高校卒業したら2人で探偵事務所でも開設するか?お前が所長で、俺が助手で。
「………考えておく」
そう言いながら長門はスタスタと、ハルヒたちとは反対方向に向けて歩きだしちまった。
「おい谷口、こっちだ。長門に心当たりがあるんだと」
「心当たりだぁ!?そんなもんがあるなら最初からお前等だけでやってろよ」
うるさいやつだな。そんなだから女にモテずに、妙な『モテ期論』なんて考案しちまうような馬鹿になっちまうんだぞ。
「俺の考えを馬鹿にすんじゃねぇ!お前は絶対に後悔するハメになるからな!あとになって泣きついてきても知らねぇぞ!」
俺の人生が今後どう転ぼうがお前に泣きつくなんてことはねぇよ。そのときになってももう少しマシな人材を選択するさ。
おっと、谷口にかまって長門を待たせるわけにはいかないからな、俺は早朝の商店街のように心のシャッターをおろして谷口の言葉に門前払いを喰らわせつつ長門の後に続いた。
315防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:18:15 ID:et55jXGd


20分ほど歩いただろうか、俺達3人はまるで北高前を思わせる長い坂道の中腹あたりにその身を置いていた。
長門によれば、この坂の頂上に位置する洋館が目的地らしい。
あの怠け者のシャミセンがよくもまあこんな自宅から遠く離れたところまでやって来たもんだ。運動不足を痛感してウォーキングでも始めたのか?
なかなかに急勾配なこの坂道を上るのは確かにかなりのダイエット効果が期待できそうだが、頼むから迎えに来る人間のことも慮ってくれよ。
セイタカアワダチソウが脇に生い茂る坂道をひいこら言いながら上る俺と谷口。隣の長門は平然としてるんだから、男としてなさけないことこの上なしだ。
「なんだって俺は休みの日まで坂を上ってんだ。お前んとこの猫は俺に恨みでもあんのか?」
いくら寝るのが日課のシャミセンといえども、お前なんぞに恨みの念を送っているような暇の持ち合わせはないだろうよ。
さて、いくら急な坂道とはいっても終わりというものはしっかりと存在しており、俺達は何分もかかるということもなく古びた洋館の門前に到着した。
その洋館、部屋数はよくわからんが少なくとも俺の家よりはデカイ。そこそこ広い庭もあるみたいだしな。立派なもんだ。
ただ煉瓦造りの壁面にびっしりと蔦を絡ませていて年代モノであることを嫌でも思い知らせているのがマイナスポイントかな。
この場合、歴史を感じさせる風靡な趣きがある、とでも表現してやるのが優しさというものかもしれんが。
門は開けっ放しなんだが、さて、入っていっていいもんなのかね?
「長門、ここって空き家じゃあないんだろ?」
2階のあたりを意味もなく見据えながら俺は隣にいるはずの長門に確認をとる。
「………」
返事はないが否定もしない。つまりは長門的肯定ってことだ。
「シャミセンはここにいるんだな?」
「………」
またもや無言。まあいいさ。この無口ぶりを不快に感じるようなヤツは長門とつきあってはいられない。
家人に事情を話して、探させてもらえれば御の字なんだがな……
ピンポーンと澄んだチャイムが周囲に響く。
それを耳にし、視線を発生源であろう玄関に落とすと、そこには躊躇い無くインターフォンを押す長門の姿があった。
へ?
「長門?なんでそこにいるんだ!?」
いつのまに俺の隣から移動したんだ!?一瞬前まで気配があったってのに!?
別にいまさら長門が瞬間移動したからって驚きゃしないが、問題なのは谷口がここにいるってことだ。
人目のある状況で宇宙人的能力を発揮するようなヘマを長門が犯しちまうなんて信じられん。
あわてて長門がいたはずの空間に目を向ける俺だったが
「………」
そこには俺が今まで話しかけていた長門が確かに黙って立っていた。
なんだ?なにが起こってる?長門が気まぐれに分身の術でも披露してるのか?
「………」
俺の横にいる長門はいつも通りの三点リーダ発生装置ぶりを発揮していた。

小柄で、無口で

腰まである長髪を揺らす、私服姿の長門が……

「って!長門じゃねぇっ!?」
「………」
なんてこった。俺が話しかけていた長門は実は長門じゃなかった。
どうやら俺はたまたま近くにいただけの赤の他人を長門と勘違いしたあげく、シャミセンがどうのこうのと喋っていたらしい。俺は馬鹿か?
「なに馬鹿やってんだ、キョン」
だが馬鹿にそう指摘されるのはムカつくもんだ。この屈辱はしっかりと心の日記帳に書き留めておいて、やがて訪れる反撃の機会の際にはその原動力とさせてもらおう。
316防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:21:37 ID:et55jXGd
谷口のほうは一旦置いておいて、長門っぽい少女のほうだ。
よく観察するとわかるが、その子は雰囲気こそ長門に酷似しているが、容姿においてはかなりの相違点があった。
まず身長。長門も結構身長は低いほうなんだが、その子は長門の肩のあたりまでしか背がない。
中一ぐらいなんだろうか?
それと髪に独特の特徴がある。ロングヘアなのは言った通りなんだが、さらに前髪の一房だけがピンクに染まっている。
校則違反じゃないのか?その辺が緩やかな気質の学校なんだろうか?
「………」
ただ、そういった外見の違いを含めたとしても、どこか人間離れしたその雰囲気は長門を彷彿とさせるものがある。
「アー、悪い。そこの知り合いとあんたを勘違いしてたんだ。意味不明なことを話しかけちまってすまない」
「………」
その少女は俺の謝罪を受けたからなのか、それとも最初から興味がないのか、特に機嫌を悪くしたという感じでもなく、無表情を貫いていた。
さて、一方の『そこの知り合い』こと長門はといえば
『……や………でして…』
「………」
インターフォン越しに聞こえる声とずっと押し問答をしていた。
いや、長門はずっと無言だから、実際には相手が延々と喋ってるだけなんだが……
ともかくあのままにはしておけんだろう。俺は長門に代わってその声に応対するために門をくぐり、長門の隣へとやって来た。
『とにかくお名前だけでもお訊かせ願えませんかね?………おや、こちらの可愛らしいお嬢さんのお連れさんですか?』
そのインターフォンから聴こえる音声は、まるで胸に『俺』と描かれたサイコロ頭が発するような甲高いものだった。
口ぶりからするとこちらの様子は見えているらしいから、見掛けによらずこの家にはいっぱしのセキュリティ設備が備わってるんだろう。
この声は中の人間がボイスチェンジャーでも使ってんのか?
変わった趣味だと思ったが、立場上余計な詮索はよしておいたほうがいいな。
俺は手短に用件を説明することにした。
「あのー、すみません。ここにうちの猫が入りこんでしまったみたいで、ちょっと探させてもらいたいんですけど」
『それはお気の毒に。一応その猫の特徴などを伺ってもよろしいでしょうか?』
相手は変調マイクを使って対応するなどという失礼なマネをするわりには、話のわかる親切な性質をしているらしい。
猫を探しに来た高校生コンビ、なんつう怪しげな人間の言うことにまともにとりあってくれるんだからな。
俺ならそんな宗教の勧誘以上に危なそうな来訪客は完全無視を決めこんでるところだ。
「雄の三毛猫です。飼い猫なんだけど首輪はしてなくて………あと、ズボラなヤツなんで動きが鈍いし、ほとんど鳴きません」
普段はそんなことを思いもしないが、こんなときだけはシャミセンに首輪を付けていないことが悔やまれる。
シャミセンがうちの猫だと証明するのが面倒かつ困難でしょうがない。
しかもシャミセンは雄の三毛猫だ。売りに出せばそこそこのお値段になるだろう。
下手をすると飼い主でもなんでもないやつが金目当てに捕獲に来たと思われるかもしれん。
だが、そんな俺の危惧は取り越し苦労に終わった。
『確かにその特徴に該当する見慣れない猫が1匹おりますな。琴梨さんが張り合いがなくてつまらないと申しております』
コトリさんとやらはよくわからんが、とにかくシャミセンはいるらしい。
「多分そいつです。良ければここに連れて来てもらえませんか」
『はぁ、お返しするのにはやぶさかではないんですが、少々お待ちいただけますか?』
そう言って音声は途切れた。なかなかにスムーズに事が進んでくれるもんだ。ハルヒが絡まないと物事が簡単に片付いてくれてありがたいな。
ハルヒといえば、アイツにシャミセンが見つかったことを報告しておかんと……
俺は携帯の電話帳からハルヒの番号を呼び出し、コールボタンを押す。
すぐにつながるがハルヒのヤツはなかなか呼び出しに応じず、コール音が何度か鳴ったあとに留守電メッセージに切り替わっちまった。
気付かなかったのか、それとも手が離せない状態なのか……
まあ、後で向こうからかけなおしてくるだろう。
317防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:22:45 ID:et55jXGd
『あー、ちょっといいですか?』
俺がそんなことをしているとだ、再びインターフォンから甲高い声が聞こえてきた。
『当家のうるわしのお嬢様がたが、この猫の名前を知りたいとおっしゃっておられるんですが、お教え願えますか?』
その声は、うるわしのお嬢様がた、などという恥ずかしい物言いをした。
まさかこの家は俺の想像以上に金持ちのものなんじゃなかろうか?しがない小市民であるところの俺はそんな疑念が湧いた途端、意味もなく緊張してしまう。
「シャミセンです。シャミセン」
『はい、ありがとうございました。ではもうしばらくお待ちください』
素直に答える俺、そして再び途切れる音声。またもや待たされることになる俺と無言の長門。
後ろの方じゃ、谷口が例の長門っぽい女の子に話しかけているのを感じる。不安だ。
門から動く気配がないところを見ると、あの子はこの家の者なんじゃないだろうか?谷口がその軽薄な低脳ぶりを晒しちまうことで中の人間に不信感を抱かせる結果にならんといいんだが……
いや、いくら谷口とはいえあんな小さな子をナンパしたりはせんだろう。頼むからそう信じさせてくれ……
俺の内なる声が届いたのか、谷口はことさらにその子に執着する様子を見せるでもなく、俺のところに歩いて来た。
ただ隣にその無口な女の子もくっついてきたんだが……
「おい、キョン。まだなのか?」
「ああ、ちょっと待っててくれってさ。シャミセンを連れてきてくれるらしい」
それを聞いた谷口は面倒くさそうな面をさらにわざとらしく強調して見せると、肩をすくめながら言葉を続けた。
「じゃあ俺、もう行っていいだろ?これ以上涼宮のくだらない遊びに付き合ってらんねぇよ」
お前はシャミセン探しをくだらないと言うがな、きっとハルヒの頭の中の重要度ランキングではシャミセンはお前の遥か上に位置してると思うぞ。
下手すると俺よりも上かもしれん。徳川綱吉の生まれ変わりか、アイツは?
などと、俺達がうだうだとやっていると、玄関のほうがなにやらガヤガヤと騒がしくなってきた。
どうやらいよいよ家の人間がおでましになるらしい。
どんな人間がやってくるのやら……
やっぱりボイスチェンジャーを使って俺の対応をしていた人が出てくんのかね。
声からじゃどんな人間なのか窺い知れんが、口調からすると新川さんみたいなロマンスグレーの執事ってとこか?
いや、性別すらよくわからん声だったし、やたら殺人現場やら浮気現場やらを目撃しちまう婆さんみたいな家政婦かもしれん。


はたして玄関のドアを開けて中から出てきた人間は、俺の予想を大きく裏切るものだった。


洋館からはぞろぞろと5人もの人間が出てきたんだ。
以下はその内訳。
318防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:24:17 ID:et55jXGd


まずは先頭。右手でシャミセンの首根っこを掴んでいる、俺達と同じぐらいの年頃だろうと思われる少女。
「やあやあっ、君がシャミセンくんのご主人さまかい?この猫くん、もっと鍛えなきゃあ、大人しすぎてつまんないさっ!でも肝はすわってるねっ。可愛がられてる証拠だっ!」
その元気な子を見た途端、俺は奇妙な気分にかられちまった。
まるでそこに鶴屋さんがいるような気がしちまったんだ。
もちろん顔はまったくの別人だし、鶴屋さんのチャームポイントとも言うべき艶やかな長髪はそこにはなく、色素の薄い栗毛をショートカットにしているような子だ。
容姿に共通点は一切ない。
だが彼女は鶴屋さんを鶴屋さんたらしめている特徴を2つも持ち合わせていた。
すなわち、見ている人間を無条件に楽しい気分にさせる屈託の無い笑顔と、独特のイントネーションをもった言葉遣いだ。
その2点が、まったく似ていないはずの彼女に、鶴屋さん的空気を醸し出させているんだ。
もし彼女がこの家に下宿している鶴屋さんの双子の妹だと言われたら、信じるね、俺は。


「可愛がってなどいるものですかっ!」
そう非難の声をあげたのはその鶴屋さんっぽい子の背後に陣取る、これまた同い年ぐらいの女の子だった。
鶴屋さんに匹敵するほど見事な黒髪は、生まれてから一度も鋏をいれたことがないんじゃないだろうかと思うほどの長さを誇っている。
なにせ後頭部で縛っているにもかかわらず、端が床に届きそうなほどの長髪だ。
後頭部で髪を縛っている。
そう、彼女はポニーテールだった。
ポニーテール萌えたる俺があえて言わせてもらおう。
最高ランクだ。
いや、もう本当に最高だね。この子には他の髪型なんぞ似合わないだろうし、この子以上にポニーテールが似合う子もいないだろう。
ポニーテールの申し子と言っても決して言いすぎじゃあない。
だからこそ、そんな彼女に非難めいた目を向けられるのは心底悲しいね。
「よりにもよって猫にシャミセンなどという名前を付けるだなんて!一体なにを考えているのですか!」
まったくもってその通りだね。その言葉、ぜひ名付け親であるハルヒに言ってもらいたい。


「あれ、凌央?この人たち、凌央の知り合い……じゃあないか」
谷口の隣の無口少女に『リョウ』と呼びかけたのは、ポニーテールの子の隣に立つ青年だ。
年は……よくわからんな。同年代のような気もするし、もっと年上のような感じでもある。
気のよさそうな平凡な顔をしている。
国木田からもうちょっと毒気を抜いたらこんな感じになるんじゃないだろうか、という雰囲気の男だ。


「小渕総理、また遊びにきてね」
シャミセンのことを3代ほど前の首相の名前で呼びながら別れを惜しんでいるのは、青年のさらに後ろにいる中学生くらいの女の子だった。
セミロングの髪にワンポイントとしてオレンジ色のマスコットらしきものを付けている。もしかしたら、みかんなのだろうか?
デッサンが狂っているので確証は持てないがおそらく羊を模しているのであろうバスケットボール大のぬいぐるみを両腕に抱え、柔らかな笑顔を絶やさない少女。
今までの人生においてただの一度も人間の悪意に触れたことがないような裏表のない笑い方をする彼女を見ていると、自然と微笑ましい気分になってくるから不思議だ。
いっそシャミセンを本当に小渕総理と改名してもいい気にさせられてしまう。


「ほら、ののちゃんも小渕総理にお別れしよ?」
「は……あうう……あ」
さらにその後ろ、この中では群を抜いて小さい女の子はなぜか蚊の鳴くような声でうめいていた。
テコやジャッキを使っても引き剥がせなさそうな必死さで額に星型の模様のある子犬を抱きしめている。
年のころはうちの妹と同じぐらいだろうか?
基本的には可愛らしい顔立ちをしているんだが、いかんせん今にも泣き出しそうな瞳を頻繁にあっちこっちに向けるもんだから、愛でるよりも先にその挙動不審な様子にひいてしまう。
で、なんでその子が泣きそうなのかというと、シャミセンとの別れが悲しいというわけではなく、どうも俺達に怯えているからのようなのだ。
チラチラとこちらの様子を窺ってるみたいだしな。
いや、小学生をいきなり怯えさせるような強面じゃないと思うんだがな、俺達は。
あるいは谷口が女性の敵であることを本能で感じとっているのやもしれん。侮れないな……


以上、谷口の脇にひかえる長門モドキ少女も含めると総勢6人。
この6人がこの家の人間ということらしい。
えっと………兄妹?
それともたまたま遊びに来ていた友達とかも含まれているんだろうか?
319防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:25:20 ID:et55jXGd


「よし、シャミセン。帰るぞ」
「にゃる」
まあ、他人の家の事情を俺があれこれと想像するのも失礼な話だ。せっかく素直にシャミセンを連れてきてくれたことだし、ありがたくシャミセンを返却ねがって早々に退散することとしよう。
「シャミセンくん、また来るといいさっ!なんならここで彼女も探すかいっ?お嫁さん候補は選り取りみどりだよっ!」
お見合いセッティングが趣味の親戚の叔母さんみたいなことを口にする元気な少女からシャミセンを受け取り、さて帰ろうかと思った瞬間。
ポケットの中の俺の携帯がけたたましくその着信音を鳴らした。
わざわざ俺達のために玄関まで出てきてくれた人たちの前で携帯に出るのは失礼であり、そんなものは常識的に考えて一旦電源を切るべきだ。
だが、俺には今この状況で電話をかけてくる相手に心当たりがあり、それを考えるとこの電話に出ざるをえないのは自明の理だった。
「ちょっと失礼します」
そう断ってから携帯の液晶を確認した。
やっぱりハルヒだ。
すかさず通話ボタンを押すと、前置きのないハルヒの声が俺の耳に届く。
『キョン。さっきの電話、なに?』
「ああ、こっちでシャミセンが見つかったんでな。報告しようと思ったんだ」
『そう。一体シャミセンはどこにいたわけ?』
「シャミセンにしては珍しく結構遠出してたぞ。そうだな、場所は……」
俺がハルヒと携帯ごしに会話するのをよそに、長門は例の無表情な女の子と無言で見つめあっていた。
似たもの同士、感じあうものでもあるんだろうか?
谷口は家から出てきた少女たち、主にポニーテールの子に話しかけている。
ワシントン条約で保護されるべきポニーテール美少女を谷口の魔の手にさらしておくべきではないんだが、いかんせん俺は手が離せない。
誰でもいいからそいつを止めてくれないか。
「おい、谷口。あんまり失礼になりそうなことはすんなよ。えっと、長門……ここって住所はどのあたりに」
と、俺がハルヒに伝える現在地の住所を長門に確認しかけたその時
「あーっ!」
突然俺の言葉をかき消す叫び声が誰かからあがった。
俺はもちろんのこと、その場のほとんどの人間、さらには電話の向こうのハルヒまでもが今まで自分のしてきたことを忘れ、叫び声の発生源に注意を向けることとなった。
『ちょっとキョン。さっきの大声、なに?』
「いや、よくわからんが」
俺達の視線の先ではさっきまで谷口と話していたはずのポニーテールの少女が、肩を震わせながら俺達の方を睨みつけている。
顔は怒りを必死に堪えているかのように紅く染まり、今にも掴みかからんばかりの形相だ。
「あなた!よくもおめおめわたしの前に顔を出せたものね!」
『キョン!なんか痴話喧嘩っぽい声が聞こえたわよ!あんた何やらかしたわけ!』
「待て、ハルヒ。お前は致命的な勘違いをしているぞ」
「この女性の敵!この場で出会ったからにはしっかりと引導を渡してあげます!」
ああ…また俺の状況説明を遮るようなタイミングで怒号が……
『女の敵って!キョン、あんたSOS団団員としてあるまじきことをやってるんじゃないでしょうね!』
「落ち着け!あの子が怒鳴ってる相手は」
『言い訳は聞きたくないわ!辞世の句を用意して待ってなさい!』
その言葉を最後に電話は切れちまった。
あの口ぶりだとここに来るつもりなんだろうか?まだここがどこだかの説明も終わってなかったっていうのに……
大体あいつは大きな勘違いをしているんだ。
ハルヒはどうも俺が女の子に責められてると思ったようだが、実際はそうじゃない。
彼女の怒りの矛先、憎しみの視線を一身に受けているのは
「今こそ十年来の恨みを晴らすときです!覚悟なさい!谷口さん!」
そう、谷口だった。
320防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:26:50 ID:et55jXGd


「ちょっと巴、落ち着いて」
「これが落ち着いていられますか!長きに渡ってわたしを苦しめてきた怨敵がそこにいるというのに!」
トモエと呼ばれた彼女は今は隣の青年に止められているが、見るからに一触即発といった雰囲気だ。ただ事じゃない荒れようだぞ。
「谷口、お前あの子にどんな失礼をはたらいたんだ?」
「知らねぇよ。今日始めて会ったってのに、あそこまで怒鳴られる覚えはねぇ」
その谷口の言葉にまたまたトモエさんは過剰な反応をしめした。
「覚えていないというのですか!わたしはあなたに受けた辱めを片時も忘れたことがないというのに!」
ともすればその視線だけで気の弱い人間のひとりやふたり殺せそうなほどの睨みっぷり。
そんな中、ふいに谷口の顔をまじまじと観察していた鶴屋さんっぽい子が、なにかに気付いたような声をあげた。
「あー、谷口くんかぁ。ひさしぶりっ!」
「へ?」
間抜けな声を漏らす谷口には思い当たるふしがないようだったが、そんなことはおかまいなしにその子は立て続けに自己紹介を開始しだした。
「あたし、鴻池琴梨っ。向こうは佐々巴っ。昔、結婚の約束したじゃんっ。覚えてないのかいっ?」
「結婚!?」
結婚の約束とは穏やかじゃないな。意外そうな谷口の様子からするとまったく覚えていないようだから、そりゃ相手としては怒り心頭にもなろうというもんだ。
「こうのいけことり?ささともえ?………あ」
「なんだ、谷口。思い出したのか?」
「え、いや。でも、幼稚園の頃の話だぜ!そんな昔の話を引っ張り出されてもだな…」
「でも巴は今でもときどき恨み言を言ってるからねっ。ほら、あれだっ!三つ子の魂百までってやつだよっ」
微妙に意味が違う気もするが……
「あれ?でも巴がふられた相手って確か山ノ内って名前じゃなかったっけ?」
と、これはトモエさんをなだめるのに必死な青年。
「だから(仮)って言ったじゃんっ。ホントの名前は谷口だったのさっ」
「ふーん。谷口だから山ノ内ね。なんとなくわかるようなわからないような仮名だな」
どうやら向こうも情報が完全にいきわたっていない模様。事情をちゃんと把握しているのは佐々さんと鴻池さんの2人だけということらしい。
ところでいい加減蔑ろにされているのに飽きがきたのか、みかんを頭に付けた子が一時休戦の提案をした。
「ねえねえねえ、家にはいろうよぉ。立ちっぱなしはクタクタクタクタだよ」
クタの回数が2回ほど多いよ、君。


結局うやむやのうちに屋内へとご招待されちまった。
この家にはシャミセンをはじめとする猫科生物を引き寄せるなにかがあるのか、床のそこかしこを色とりどりの猫が歩き回っていた。
そういえばシャミセンが最初にいたのも長門のマンションの裏手にあたる猫の溜まり場だったし、こいつにも群れへの依存心とでもいうべきもんがあるのかもしれん。
今回のことも、その内なる衝動がゆえの行動だったのかもな。
それはともかく、ハブの喉元に食らい付く隙をじっと窺うマングースのような鋭い目つきで谷口を睨む佐々さんをよそに、俺達はお互いに名乗りあう。
それによると、青年の名前は逆瀬川秀明。驚くべきことに大学1年ということらしい。いやはや、なんとも童顔なことで。
この家はその秀明さんの祖父の家で、彼以外の女の子はここに下宿しているとのことだ。
さて、佐々巴さんと鴻池琴梨さん以外の子はそれぞれ
長門っぽい子が、雪崎凌央
常時ニコニコとしている子が、掛川あろえ
その子に『ののちゃん』と呼ばれていたオドオドとしている子が、三隅埜々香というらしい。
俺の第一印象とは違い、雪崎さんは中3、三隅さんは中1だとのことだ。
まあ、これはそれほど重要なことでもない。今、問題なのは谷口と佐々さんの過去のことだろう。
321防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:30:13 ID:et55jXGd


詳しく話を聞いてみると、なるほどそれはたしかにヒドイとしか言いようの無いシロモノだった。
事の起こりは10年程前。
当時幼稚園で同じスミレ組だった谷口と佐々さんは将来を誓いあったカップルだったらしい。幼稚園児がなにをマセたことを、と思わんでもないが、まあいい。
しかし卒園と同時に谷口は引越してしまい、2人の交際も終焉を迎えることとなったそうだ。
まあ、これはいたしかたないことだろう。
幼稚園児に遠距離恋愛という概念があったとも思えんし、またロクに字も書けん幼児にそれが可能だとも思えん。
ここまでであればそれは不幸な運命に他ならず、決して谷口の落ち度とは言えないだろう。
問題はその先にある。谷口は別れの際、彼女にこんなことをほざいたらしいのだ。
「いつか白い馬に乗って迎えに行く。それまで待っていて欲しい」と。
もしその場に俺が居合わせていたのなら、あらゆる比喩表現を用いてアホと連呼していただろう。
こんなことを言う谷口も谷口だが、困ったことに恋する乙女だった佐々さんはそれを鵜呑みにしてしまったのだ。
以降2年間、彼女は谷口が自分を迎えに来るのをマジで心待ちにすることとなったそうだ。呆れるしかない。
そんなある日のこと、佐々さんは再度の引越しによってわりと近所に来ていた谷口に偶然再会したらしい。
ところがその再会、めでたしめでたしハッピーエンド、というわけにはいかなかったそうな。
なんと谷口、そのときにはすっかり佐々さんへの熱も冷め、巴さんの隣に住む鴻池さんと付き合っていたとのことだ。
なんというか、もしこれが深夜ラジオへの投稿ハガキに記されたエピソードだったなら5分は笑い転げるだろう喜劇だな、そう思った。
とはいえさすがに当事者3人の前で笑うような度胸はない……

「あはははっ!巴ってばあんときショックで寝込んじゃってっ、この乙女っ、純情っ、ヤマトナデシコっ」
たとえ当事者のひとりが爆笑しているとしてもだ……
「琴梨!あなたは笑いすぎです!とにかく!わたしはあれ以来、男性のすべてが信じられなくなったのです!」
そりゃお気の毒に。話の馬鹿らしさはともかく、心の底から同情するね。
「谷口、お前最低だな……これを期に縁をきってもいいか?」
「待て待て!他愛もないガキのころの話じゃねぇか。しょうがねぇだろ」
つうか今思い出したんだが、こいつの言っていた『自分にもあったモテ期』というのはその幼稚園から小学校低学年ごろの時期のことらしい。
お前は劉禅クラスのアホか。諸葛孔明もサジを投げるっつうの。
「しょうがないとはなんですか!わたしが当時から今に至るまでに被ってきた精神的苦痛は、あなたが今後の人生を賭して償うべきほどの深さなのですよ!」
どうも谷口の発言は佐々さんの怒りの炎に薪をくべる結果にしかならないようだ。その火で湯を沸かし火力発電に転用できれば夢の永久機関が完成しそうなほどの堂々巡りっぷりだ。
「谷口、とにかく謝れ。彼女に許してもらうにはお前が人として最低限の誠意を見せるしかないだろう」
「そうはいってもなぁ……」
谷口の野郎が渋ってやがる。10年前の、本人は罪とも思ってなかったような行為に対して、謝るということに抵抗があるらしい。
そんな谷口の一挙手一投足にこの場のほとんどの人間が注目していた。
気にしてなさそうなのは長門と雪崎さんの無口コンビだけだ。
「あ」
谷口が口を開いた瞬間、館全体にいき渡りそうな大音量の警報らしき音が周囲に鳴り響き、そして唐突に鳴り止んだ。
なんだ?火災報知器かガス漏れ警報機だろうか?すぐに鳴り止んだということは、誤動作か?
絶妙なタイミングで発言を妨害された谷口が気を抜かれて呆然としているが、今はほっとこう。
「長門、今のはなんだ?わかるか?」
俺はなんでも知っているであろう長門に確認し
「あろえ。ちょっとガニメデ貸して」
秀明さんは妙に緊張した面持ちで掛川さんからぬいぐるみを受け取って廊下のほうへと出て行った。
この家の他の面々も表情を心持ち引き締めているようだ。
「長門、なにか危険があるのか?火の気とかガス漏れとか」
いかに目に見えそうなほどに怒りの炎を燃え上がらせていた佐々さんとはいえ、内面描写の火で火災報知器を作動させてしまうほど非常識な怒りかたはしちゃいないだろう。
長門は質問した俺の顔を数秒眺め、その後周囲に視線をめぐらし、そして一言だけ口にした。
「大丈夫」
大丈夫、か。長門が言うからには間違いなく大丈夫なんだろうが、俺としてはもう少し詳しい説明が欲しかった。
とはいえ、俺以外の人間がこれだけ大勢いる状況で人間離れした物知り具合を見せるのもマズかろう。長門なりの気遣いだと思っておくか。
322防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:31:20 ID:et55jXGd


そんなときだった。本日何度目かの携帯の着信音が俺のポケットから流れ出してきた。
なんだ、またハルヒか?遅まきながら俺達がどこにいるのか自分が知らないことに気付いて、確認の電話をいれてきたのか?
そう思って携帯を開いたが、意外なことに相手は古泉だった。
「俺だ、どうした?」
『古泉です。さし迫った状況なので手短に言います。そこに涼宮さんはいますか?』
携帯から聴こえる古泉の声はいつもに比べて余裕のないものだった。どうしたってんだ?
「悪いが今は別行動中だ。なにかあったのか?まさか閉鎖空間か?」
俺の声は周りにも丸聞こえなんだが、特に問題もないだろう。事情を知らない人間が『閉鎖空間』なんて単語を聞いても意味わかんねぇだろうし。
『はい。閉鎖空間が発生しています。しかもかなり厄介な形で。事ここに到っては、もはやあなたと涼宮さんに例の最終手段をとってもらうしかないと思っていたんですが』
こいつはまたそれを言いやがる。俺がOKするとでも思ってんのか?
「どうした?また前みたいに、お前等が入れない閉鎖空間なのか?」
『侵入そのものは可能です。しかし問題はたった今出現した神人にあります』
俺はいつかハルヒと一緒に閉じ込められた閉鎖空間に現れた大量の神人を思い浮かべた。
「対処しきれないぐらいに数が多いのか?」
しかし、この問いにも古泉はNOの返答を返してくる。
『いえ、数も通常どおり1体のみです。ただ……』
「ただ、なんだ?」


『ただ、我々の攻撃が一切通用しません。ですから、このままでは確実に世界は終焉を迎えます』
世界の終焉を告げるにはいささか重みに欠ける淡々とした物言いだと思った。


「冗談だろ?」
『僕も冗談は好きですが、それでも言っていい冗談と悪い冗談があることはわきまえているつもりです』
「………一切通じないってのはどういうことだ?」
『文字通りの意味です。我々のあらゆる攻撃が効果を発揮しません。どれだけダメージを与えても今回の神人は無傷なんです』
「……とりあえず聞いておきたいんだが、猶予はあとどれぐらい残ってるんだ?」
『閉鎖空間が最終段階まで拡大した前例というものがないのではっきりとしたことは言えませんが、おそらくあと3時間ほどかと』
あと3時間で世界が終わっちまうだと………
俺はごく普通の高校生であって、世界のタイムリミットを聞かされたり、あげくの果てにそれをどうにかしなくちゃならんなんて立場とは本来無縁のはずなんだが。
まったく、俺の肩に世界の運命が乗っかるのはこれで何回目だ?世界から見て、俺の肩ってのはそんなに乗っかりやすそうに見えるんだろうか?
『現在、神人の周囲を数名で飛び回り、出来る限り注意を逸らしていますが、焼け石に水としか言いようがありませんね。
正直我々にはもう打つ手がありません。やはりあなたが涼宮さんをどうにかすることによって閉鎖空間ごと神人を駆逐するより他にないと思うんですが』
断固拒否したいんだが、古泉の『思うんですが』あたりのセリフがいつもよりも3割ほど力を込めた口調で、有無を言わさぬ迫力を感じさせる。
「仕方ない。それじゃあまずハルヒを見つけるか」
『よろしくお願いします。とにかく急いで。必要とあらば、そちらに車をまわします』
「ああ、頼「ちょっといいかな?」
俺の声は横合いからの声にかき消される。
いきなり俺と古泉の会話に割り込んできたのは不細工なぬいぐるみを抱えた秀明さんだった。
「いや、すみません。今、たてこんでるもんで、後にしてもらえます?」
どんな用かは知らんが、世界が消えるかどうかって問題より重要ってことはないだろう。ここは心を鬼にして
と思った矢先、ビクンと携帯を持つ手に重みを感じる。
「………」
見ればなぜか長門が俺の右手を掴んでいる。なんだ?
「聞いてあげて」
323防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:33:25 ID:et55jXGd


長門の勧めのまま、俺と長門、そして秀明さんは廊下へと場所を移し、電話の向こうの古泉も交えた会話を開始した。
口火を切ったのはなんと
『失礼ですがあなたと、古泉さんでしたか、彼との通話内容はすべて盗聴させてもらいました。まあ、非常時ということでどうかご容赦のほどを』
秀明さんの腕の中に納まっている羊のぬいぐるみだった。
変声機を使ったような機械音声、つうか玄関で俺の対応をした声そのもの、を発するぬいぐるみに不気味なものを感じる。
「ガニメデによるとその古泉くんのいる場所と、EOSの反応があった場所がほとんど同じらしいんだ」
「イーオーエス?」
聞きなれない単語の出現に俺は思わず訝しげな声をあげた。
俺もこれまで古泉や朝比奈さん(大)にいろいろとアルファベットを組み合わせた専門用語を聞かされてきたが、最初がEって単語はなかったように思う。
『古泉さん。単刀直入に申し上げます。先ほどの会話内にあったシンジンという存在。そのどこかにピンクに発光する場所、並びに回転する円盤は見受けられますか?』
これはガニメデと呼ばれたぬいぐるみの発言だ。
その質問に驚いたような感情を隠せない声色で古泉が答える。
『よくわかりましたね。通常青く発光している神人ですが、今回はピンクに発光しています。
それと円盤なんですが、確かに胸部にそれらしきものが確認できますね』
「やっぱりEOSだな」
『カサンドラが反応を見失うものですからどうしたかと思いましたが、まさか異空間に取り込まれているとは』
古泉の返答に一人と一体はなにやら確信したようだった。
って、俺は置いてきぼりかよ。
『相手がEOSとなれば、その対処は我が家の美しきワルキューレ達でなければ務まりますまい。そうと決まれば秀明さん、早速皆さんに知らせてください』
「わかってるよ」
そう言い残し、秀明さんは居間へと戻って行き、数十秒後には逆に居間からこの家の女性陣が全員廊下へと駆け出してきた。
そのまま奥の方へと消えていく。
わけがわからん。一体なにがどうなってるんだ?イーオーエス?カサンドラ?ワルキューレ?
頼むからその単語のうち、どれかひとつでもいいんで説明してくれないか。
ただ、わからないことだらけの今の状態の中、ひとつだけはっきりとわかることがある。
「つまり今回の神人に関しちゃ、あの子たちがプロフェッショナルってことか?」
長門が無言で首肯する。
つまり自転車の鍵で玄関の扉は開けられないのと同じで、ピンク色の神人は古泉たちの手には負えず、それ相応の専門家がいるってことだな。
なら話は早い。ようはあの子たちを閉鎖空間に案内すればいいだけのことだ。
「古泉、今すぐこっちに車をよこしてくれるか?逆瀬川邸ってとこなんだが、住所は」
『今、逆瀬川と言いましたか?』
「ああ」
『それならば住所の説明はいりません。割と有名な方のお宅ですから。それにしても本当にあなたは変わった人と知り合いになるのが得意ですね』
ほっとけ。
324防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:34:23 ID:et55jXGd


携帯を切った俺は手持ち無沙汰になったこともあって、長門に廊下の奥へと向かった子たちの様子を聞いてみることにした。
「ところであの子たちは今、なにをやってるんだ?」
「地下で着替え」
着替えね。作業着でも着てるのか?
『作業着とは無粋な!私みずからデザインした天使が纏うに相応しきコスチュームですぞ!』
耳に不必要に響く甲高い声と共に、秀明さんとガニメデが俺の隣へと戻ってきた。
ということは、現在居間には谷口がひとりで残ってるってことか。そこはかとない不安を感じるんだが。
つうかさっきはワルキューレって言ってなかったか?
「ガニメデの言うことは8割ぐらい聞き流しといてくれるかな。碌なことは言ってないから」
『なにをおっしゃいますか!私の発言は常に聞く人を幸せと豊饒の園へと導く金言ですよ』
「そりゃ初耳だな。お前の口から飛び出す言葉の大半はセクハラ発言だったと僕は記憶してるんだけど」
『セクハラとは心外な。魅力的な女性をあらゆる手段をもって愛でることこそ男性の喜び。それを助長する私の発言に問題があるわけがありません!
そもそも秀明さんが私の発言に真剣に耳を傾けてさえいれば、今頃はこの世の全男性の夢であるところのハーレムENDを迎えられていたものを!
真面目な保護者という枠組みに囚われていたがために個別エンディング行きとなってしまったではありませんか!
私はこれからどうやって巴さん以外のちょっといけないイベントを鑑賞すればよいのですか!?』
玄関越しに話すだけじゃわからんもんだな。まさかこの声のあるじがこんな性格破綻者だったとは。
「頭の中で考えるだけにしとけ。それならギリギリ犯罪にもならないしな」
『もういいです!秀明さんのような性欲の枯れ果てた人は知りません!見限らせてもらいます!
ねえ、あなた。ここで知り合ったのも何かの縁です。ちょっと私に「更衣室の様子が見たい」と命令してくれませんか。
私は人間に忠実なコンピューターですからね、ご命令とあらばただちにモニターに映し出す所存です。ぐへへへ…』
「遠慮しとく」
性犯罪者になる気はない。
『なんですって!?信じられません!まったくもってあなたがたは揃いも揃って、男として恥ずかしくないんですか!
すぐ傍でうら若き美少女が肌もあらわな状態でいるというのに、それに興味がないとは嘆かわしい!
やっぱりあれですか!?環境ホルモンの異常による性欲の減退とかそういうのですか!?』
「「常識をわきまえてるだけだ」」
おっと、ハモっちまった。
325防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:36:20 ID:et55jXGd


それから5分ほど経ったころだろうか、新川さんが運転手を務めるタクシーが門前へと到着した。
ただ、その後ろにぴったりとくっつくように無人のオープンカーが停車するのを見たときは流石にたまげたな。ナイト2000はいつのまに日本に輸入されていたんだ?
なんでもこの車にはあのガニメデというぬいぐるみの中身と同じ物がつまれており、走行に運転手を必要としないそうだ。
ただし、目撃者の混乱を避けるためにカモフラージュとして秀明さんが運転席に座るとのことだ。
その混乱の第一被害者となってしまった俺としては、ぜひそうしてもらいたいと切実に思うね。
着替えを終えて出てきた子たちと俺とで2台の車に分乗する。と言っても、タクシーの方に乗るのは俺と新川さんを除けば鴻池さんだけのようだ。
残念、佐々さんと同乗できれば俺的にはかなり幸せな気分に浸ることが出来たんだがな。
「そりゃ駄目さっ!巴の指定席はひーくんの隣だからねっ。巴からそれを取り上げたら蘇我馬子に蹴っ飛ばされちゃうよっ!」
イルカの爺さんがそんなアルバイトをしているとは知らなかった。
ちなみに長門と谷口は留守番だ。
谷口なんてとっとと帰しゃいいと思うかもしれんが、佐々さんが着替え前に
「わたしが留守中に逃げ出しているようなことがあれば、ただじゃおきませんからね!」
と釘をさしたらしく、そのおかげで谷口のやつを逆瀬川邸に拘留しておかなきゃならなくなったわけだ。
そんなわけでやむなく長門を谷口の見張りとして残すことになっちまった。
別に俺だって残っていたって構わないんだが、古泉とこの6人の橋渡し役も必要だろう。
326防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:37:14 ID:et55jXGd
「じゃあ、新川さん。お願いします」
「承知いたしました」
了解の合図と共にタクシーは急発進し、俺の体は慣性の法則にのっとり後部座席に押し付けられる。
法定速度とか身の安全とかを一切合財無視したスピード最優先な運転に俺は全身の血の気が一気に引くのを感じた。
「やっほー!はっやいねー。窓開けたら気持ちいいかなっ?」
「それは少々危険ですのでご遠慮ねがえますかな?」
なんでこの子はこの状態ではしゃげるんだ?新川さんもブレーキを一切踏まない殺人的コーナリングの最中に返答するような余裕をみせないでくれ。心臓に悪い。
しかもさらに驚くべきことは、タクシーはスピードメーターが振り切れるほどの速度であるにもかかわらず、後ろの車が後れずにぴったりとついてきていることだ。
思い出してほしいんだが、後ろのセダンはオープンカーである。乗ってる人間は生きた心地がしないだろう。
後ろの5人には悪いが、つくづくこっちに乗っていて良かったと思う。
「ところで鴻池さん」
「同い年なんだしっ、琴梨でいいさっ、キョンくんっ」
たしか俺はしっかり本名を名乗ったはずなんですが、あなたもそのあだ名を使いますか、そうですか。
じゃあ俺も遠慮なくラフな口調でいかせてもらおう。
「EOSってのは一体なんなんだ?あと琴梨たちは何者なんだ?」
「EOSは異世界からの侵略者でっ、あたしたちは正義の味方さっ!んで、ひーくんは司令官で、巴はその恋人だっ」
『あ、あ、あなたはいきなりなにを赤の他人に言っているのですか!大体誰がこ、こ、恋人だというのです!』
琴梨の襟元に付いている盾を象ったようなピンバッジからくぐもった佐々さんの声が聞こえる。どうやら通信機ということらしい。
「どもってる、どもってるっ。今はやりのツンデレってやつだっ。ひーくんもこれにコロッとやられちゃったのさっ!」
いや、そんなことはまったくもってどうでもいいことだ。俺の今後の人生に活かせそうにもないしな。
しかも下手をしたらあと3時間足らずで人生そのものが終わっちまうかもしれないわけだし……
だから肝心なのは恋人うんぬんの部分じゃなく、『正義の味方』ってところだ。
「本当に『ソレ』で正義の味方的な活動が出来るのか?どう見てもただのスケートボードに見えるんだが」
俺の視線は琴梨が自分の脇に持ったスケートボードに注がれている。話によると、EOS退治にはそれが必要らしい。
本当か、と疑いたくなるのも当然だ。スケートボードで化け物退治だなんて……
そのうえ琴梨以外の面々が持ってきたものも、およそ戦闘に向いているとは考えられないものばかりだった。
佐々さんが手にしてきた竹刀はまだいい。いや、よくはないんだろうが他のメンバーに比べりゃマシな方だ。
なんせ雪崎さん、掛川さん、三隅さんが携えてきたものはそれぞれ、筆、スケッチブック、リコーダーだったんだから。
フリーマーケットにでも出掛けるのか、とつっこんでやりたい。
「大丈夫っさっ!どーんっとあたしたちにまかせときなさいってっ!」
だが、俺の不安をよそに琴梨は自信満々の笑顔で胸を叩いている。
「頼もしいかぎりですな。おおいに期待させていただきます」
その言葉と共に新川さんは一直線に目的地に向かってタクシーを走らせた。
327防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:39:02 ID:et55jXGd


逆瀬川邸を出発して5、6分。俺の乗るタクシーと、後ろのセダンは見事なドリフトをきめながらゴール地点、、無人の交差点に停車した。
ふらつきながら俺は後部座席から降り、キットが運転していた暴走車の様子を窺うと、佐々さんは青ざめた顔で秀明さんの腕にしがみつき、掛川さんと三隅さんはブレーキングの衝撃で上下逆さまになっていた。
さすがにこの2人の姿勢は大げさすぎると思わんでもないが、かといって雪崎さんのように顔色ひとつ変えないというのもどうだろう。
さて、交差点のど真ん中に駐車する2台に駆け寄ってくる一人の人物がいた、っていうか古泉だ。
「お待ちしていました。こちらの6人が今回の切り札ですか?」
「そういうことらしい。ここの人払いは『機関』がやったのか?」
『そちらに関しては私が手を回しておきました。警察に連絡してここ一帯の区画の立ち入り禁止規制をしてもらっています』
羊型エロコンピューターにそんな能力があったとはな。その機能を性犯罪に活かさなきゃいいんだが。
「はじめまして。古泉一樹です。今回は我々にご協力いただきありがとうございます」
そう挨拶しながら古泉は6人にそれぞれ握手をしてまわる。
もっとも佐々さんと三隅さんには拒絶されてるがな。古泉の美形スマイルといえどもこの2人の攻略は無理だったらしい。
「それにしても皆さん、随分と可愛らしい格好をしておいでですね」
今さらそれを口にしちまうか、古泉。
これまであえて触れることをしなかったが、ガニメデが言うところの『天使が纏うに相応しきコスチューム』とやらは、可愛い、というかとにかく変わったセンスをしていた。
例えるならそれは、人類がその居住地を宇宙に移す際に着ていそうなデザインというか、とにかく未来チックなものだった。
あと首元あたりに出版社の違いを感じさせる雷をモチーフとしたような飾りがあしらってある。って、俺はなに言ってんだ?
「それにしても合計7人ですか。これは侵入だけでも一仕事ですね」
大変なら俺は留守番しててもいいぞ。どうせ閉鎖空間の中に行っても俺は役立たずだしな。
「いえいえ、ここまで来たら最後まで付き合ってくださいよ。僕とあなたの仲じゃないですか」
どんな仲だってんだよ。気色悪い言い方をするんじゃねぇ。
「では皆さん、どこでもいいので僕の体に触れていてもらえますか。すぐに済みます」
古泉の言葉に全員がその体に手を添えていく。佐々さんも渋々従い、初対面の古泉相手に怯えていた三隅さんも
「ののちゃん、大丈夫大丈夫。こわくないよ」
という掛川さんの励ましのおかげでなんとか手を伸ばすのに成功した。
その様子に俺は思わず、獅子舞を始めて見た近所の子供の反応を思い出しちまったんだが、まさか北高でも女性ファンの多い古泉が獅子舞と同レベルになる日がやってこようとは……
「では全員目を閉じてください」
素直に目を閉じつつも
「おい、古泉。この状態で歩くのか?難しいぞ」
と抗議しておいた。
今の俺達はまるで古泉を取り囲んでかごめかごめでもしているかのような様相を呈している。この状態でさらに目も見えないとあっては、歩いた途端に2、3人はすっ転んじまうだろう。
「いえ、その必要はありません。もう目を開けていただいても構いませんよ」
再び古泉の言葉に従い目を開けると、そこは確かに既に閉鎖空間内部だった。色彩が普通の空間とまるで違うんで一目瞭然だ。
「閉鎖空間の拡大に合わせて場所どりをしていましたから、移動の必要がなかったんです」
つまり俺達が目を閉じていた間に閉鎖空間の方から俺達のことを飲み込んできたということか。賢いね。
「うわっ!?なにこれ?」
「ひ……う………」
「わおっ、曇りみたいな夜みたいなヘンなトコだねっ」
閉鎖空間初体験の面々がおもいおもいの驚き方をしている。
ところで神人の方はといえば………
328防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:40:58 ID:et55jXGd


「ひーくん、あっちにピンクの透明人間がいるよ。大きい大きいねぇ」
と、まるで『投稿特ホウ王国』のリポーターのようなコメントをする掛川さんの指差す方向にいた。
ピンクの大きい透明人間とはよく言ったものだ。
その神人の姿は古泉の言の通り、虹の最外周部のような淡いピンクに光る、輪郭のぼやけた巨人といった風体をしている。
見ればその周囲をいくつもの紅点が飛び交っている。古泉のお仲間なんだろうが、微妙に遠巻きかつ遠慮がちな距離をおいているのがなさけない。
いや、その場で命を張ってるわけでもない俺がこんなことを言うのも失礼な話なんだが。
神人はその赤い光をあたかも蠅でもおっぱらうみたいに腕をあっちこっちに振り回しており、そのおかげか付近のビルは比較的無事だった。
「そちらのガニメーデス氏の話によれば、あれは神人とEOSとの複合存在ということらしいですね。
推論にすぎませんが、おそらく神人とEOS出現のタイミングがほぼ同時だったため、EOSが神人を構成素材としてしまったんでしょう」
『この空間ではカサンドラとのリンクが不完全なので正確とはいえませんが、エネルギー保有量が通常のEOSとは桁違いですね。これも融合が引き起こした弊害かと思われます』
猛と健太郎がバロムクロスで合体するみたいなもんか。とはいえ友情を決裂させて分離させるわけにはいかないんだろうな、こっちは。
「では僕も援護に行ってきます。皆さん、あとはよろしくお願いします」
そんな言葉を残しつつ、古泉も神人の周りを飛び回る紅玉の仲間入りをしにいく。
頼んだぜ、古泉。お前同様俺もこの世界にそれなりの未練を残してるんでな。
「ちょっと、あなた!」
なんですか?佐々さん。
「神人というのがあんなに巨大だとは聞いていませんわよ!」
「ほんとうだね。とってもとっても強そうだよぉ」
『《核》の位置も厄介ですね。あれでは我々の攻撃が届きませんよ』
ちょっと待ってくれ!今さらそんな弱気になってもらっても困る!あの神人はあれでも通常サイズなんだ。一体どんな大きさを想像してたんだ!?
「それは、神『人』というぐらいですから、普通に人間サイズだと思ってましたわ」
『今までのEOSの平均サイズからいって、体長10m弱と踏んでいたんですがねぇ……』
そんな楽観的な……長門のお墨付きがあったから俺はこの人たちをここに連れてきたんだぞ……
「そうは言っても僕らがどうにかしなくちゃならないのには変わらないんだし、皆、なんとか頑張ってみよう」
「そうそうっ!あんなにデッカイなんてラスボスみたいで面白そうじゃんっ!」
萎えそうな全員の士気を秀明さんがなんとか励まし鼓舞し、それに琴梨が気楽な合いの手を入れる。
「ラスボスでしたら2日前に博士を追って消えましたわ。ともあれ確かにわたし達がアレを処理するしかないようですし、やってみますわ」
『意気込みはともかく、実際のところどうします?大きさもさることながら、エネルギー体であるEOSの強さは保有エネルギー量に正比例するんですよ。
なにか作戦があるんですか?』
「まずは埜々香に攪乱してもらおう。ぴょろすけにも手伝ってもらって。うまくいけば《核》のある上半身部分を地面近くに引き寄せられるかもしれない」
「うう……」
秀明さんの発言に自分の名前があがった三隅さんがまるで本番当日に病欠した主役の代理に抜擢された大道具担当の演劇部員みたいな自信なさげなうめき声をあげる。
ところで俺は彼女の口からうめき声以外が出てくるのを聞いたことがないんだが、どういうことだろうね?
329防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:42:00 ID:et55jXGd
まあ、それはともかく三隅さんをはじめ、奇抜な格好をした女の子5人は自分の背中に手を伸ばし、いくばくも待つこともなく全員の体は普段の神人を思わせるような青い燐光を放つようになった。
「あれは?」
俺は秀明さんの腕の中のガニメデに、この不思議現象の正体を伺う。
『コスチュームに搭載されたDマニューバの効果です。ほぼ完璧な物理衝撃防御効果とEOSに対する攻勢効果があります。
EOSは一見普通の物質のようでいて、その実、異次元エネルギーが物質の真似事をしているような存在ですからね。
同種かつ正反対なベクトルのエネルギーであるDマニューバでの攻撃しか通用しません』
なるほど、これが彼女たちが今回の切り札である所以か。でも、じゃあ彼女たちが持ってるスケボーだの筆だのはなんだ?持ってる意味はあるのか?
『Dマニューバはあくまでエネルギーの制御デバイスにすぎません。実際にエネルギーが宿っているのは彼女たちが持っている器物です』
なるほどなるほどと俺が感心する中、攻撃1番手を指名された三隅さんは抱きしめていた子犬をアスファルト上に降ろし、リコーダーを口に持って行く。
自分の四肢で地面に立った子犬、こいつがどうも『ぴょろすけ』という名前らしいんだが、そいつは神人の方を意思のこもった目で睨みつけると、なんと一瞬で成犬に、いやそれ以上の大きさに成長したじゃないか!?
「お願い……ぴょろすけ」
笛を口にくわえる前に三隅さんは俺にも意味が聞き取れるはっきりとした発音でそう懇願し、それを受けたぴょろすけはまるで体育祭時の長門のような猛スピードで神人へと向かって行った。
まともな生き物にあれだけの速度での行動が可能なのか!?ひょっとしたら、目測では数km先にいるであろう神人のもとにもすでに到達してるんじゃないだろうか?
額の星マークは伊達じゃないってことなのか。
狼みたいな大型犬ぴょろすけの事は一旦置いといて、続いては三隅さん本人の番だ。
彼女はリコーダーを口にし、必死な表情でおもむろに演奏を開始した。

やねよ〜り〜た〜か〜い〜こいの〜ぼ〜り〜

と、思わず歌いたくなるような稚拙なメロディ。なぜに『こいのぼり』?
だがそんな陳腐な疑問を浮かべている場合ではなかった。
演奏が始まった途端、彼女の周囲の空間に歪みのようなものが現れ、それは見る間のうちに先ほどのぴょろすけをディフォルメしたような3体の動くぬいぐるみみたいなものに変化を遂げたからだ!
それぞれ赤、青、黄色の3原色に色分けされた派手な外見で、大きさは昔動物園で見かけた白熊ぐらいだろうか?
いきなりこんなもんが空中から出現したら、そりゃビビるって……
ただ、いい加減驚きのリアクションをとるのにも疲れてきたんでな。平然を装っておくことにする。
「埜々香!?その大きい精霊犬はどういうこと!?」
なんであなたが驚いとるんですか、秀明さん?
ほら、その声に驚いた三隅さんがリコーダーから口を離しちまって、巨大な犬も消えちまったじゃないですか。
「あー、埜々香ごめん。でも、ガニメデ、さっきのはどういうことだ?」
『原因はわかりませんが、なぜか異次元エネルギーが通常の数十倍に活性化しておりますな。なにはともあれ好都合ではないですか』
つまり、秀明さんが知らないうちになぜかはわからないが彼女がパワーアップしており、それに驚いた、と。
普段のことなんて知らんから想像で補うしかないわけだが、そんなとこだろう。

(閉鎖空間が生まれ、神人が生まれるときに限り、僕は異能の力を発揮出来る)

(威力は閉鎖空間の10分の1。これで充分と判断されたんでしょうか)

俺は唐突に古泉が過去に発したふたつのセリフを思い出していた。
神人に対するカウンター機構。世界を維持するワクチン。それが古泉たち、超能力者だ。
神人を倒す必要があるから古泉たちには超能力があり、その強さも神人を撃破できるに足るレベルに調節されている。おそらくはハルヒの無意識によって。
なら、今回の神人退治に5人の能力が必要であり、しかし力量においては不足しているというのであれば、どうなる?
当然能力の引き上げがなされることになるだろう。これまたハルヒの無意識によって。
つまりはそういうことなんだろう。閉鎖空間という特殊な状況が生み出した偶然の産物だ。
俺は自分の推論を、ハルヒうんぬんの部分は伏せつつ、秀明さんに説明する。
これを活かしてなにか有効な作戦を立案してくれればいいんだが……
330防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:43:05 ID:et55jXGd


「琴梨。もし《核》の位置がしばらく移動しなかったとしたら、近くのビルから《核》に向かって突撃できるかい?」
「心配無用っ!あの高さなら屋上がおんなじあたりになってるビルはゴロッゴロッあるさっ」
「ありがとう。それならいけそうだ」
なにやら策を思いついたらしい。
「みんな、作戦を伝えるよ。
まず、埜々香の《へかて》でヤツの注意を分散、時間稼ぎをする」
「う……ん」
「その間に巴、琴梨、凌央の3人はEOSの傍まで移動。あろえは絵を描いて、EOSの動きを封じてくれ」
「わかった。なに描こうかなぁ」
「3人が位置に着いたら、凌央は《でうかりおん》の攻撃で《核》を露出させる」
「………」
雪崎さんが無言で首を縦に振る。
「あとは巴と琴梨の突撃で一気に《核》を粉砕するんだ」
「ちょっと!?それってわたしに琴梨とスケートボードの二人乗りをしろとおっしゃってるの!?」
「しっかたないじゃんっ。巴は空飛べないしっ、あたしの体当たりじゃ《核》壊せないかもしんないんだしっ」
「巴。頼む。どうしても巴の圧倒的な攻撃力が必要なんだ」
しぶる佐々さんに対して秀明さんはまっすぐ目を見つめながら強く願い出た。
見る見るうちに佐々さんの顔が赤く染まっていくのがわかる。なるほど、これが琴梨の言っていた『ツンデレ』ってやつか。
「し、しかたありません。そこまで言うのであれば、ひ、一肌脱いであげますわ」
「うん。頼りにしてるよ」
そういえば館の谷口は元気でやってるだろうか?原因不明のむなしさとかに襲われたりしてないといいんだが……
331防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:44:08 ID:et55jXGd


「んじゃっ!行って来るねっ!のの、あろえ、まっかせたよっ」
後ろに佐々さんを同乗させ、脇の下に雪崎さんを抱えた琴梨はスケボーを走らせ、神人の近くのビルへと向かった。
あの地面をキックすることもなく高速で移動が可能なスケボーは《あたらんて》という名前だそうだ。
タクシーん中で失礼なこと言って悪かった。確かにそれはネコ型ロボットのポケットに入っていてもおかしくない、便利アイテムだよ。
さてさて、こちらも負けず劣らずの便利アイテムであることをさっきまざまざと見せつけられたリコーダー、《へかて》。
その《へかて》を三隅さんが起動させ、再び空中に3頭の巨大犬が現れる。ちなみに今回の演目は『チューリップ』だ。
「ののちゃん、がんばれー」
残念ながらその掛川さんの声援を聞くような余裕は三隅さんにはまったくないらしく、視線をリコーダーの指穴に固定しつつ必死の形相で演奏を続けている。
三隅さんが生成した原色戦隊イヌレンジャーは桃色の巨人の鼻面に向かって飛んでいく。
古泉たちよりよっぽど大きく、目立つ外見である浮遊物の出現に、神人は馬鹿正直に標的をそちらにスイッチさせた様子だ。
闇雲に振り回される神人の腕の間をよろよろと掻い潜る3色の光がここからでも見てとれる。
「さ、あろえ。今のうちに」
「わかった、がんばるねー」
秀明さんの指示が2番手である掛川さんに飛び、それを受けた彼女はおもむろにスケッチブックを開くと、そこへ鉛筆を走らせた。
『あろえさんの持つ《あぐらいあ》は描いた絵を実体化出来るというまことに汎用性の高いDマニューバです。
ただ本人の画力がそれに伴っていないのがたまにきずなんですよねぇ。
まあ、こういう可愛らしい欠点のひとつやふたつはあった方が女性の魅力は引き立つというものです』
その汎用性の高い能力とやらで、もう少しまともな性格のサポートコンピューターを実体化させるべきなんじゃないかね?
とかなんとかやってる間に掛川さんの絵は完成したらしく、眩しい光と共に《あぐらいあ》はなにやら巨大な白い布のようなものへと変化した。
「包帯だよー」
なるほど、それであの神人を縛りあげて動きを封じようってわけか。しかし、なんでロープや鎖じゃなく包帯なんだ?
「うん?だってやっぱり透明人間には包帯だよねー」
なぜにその若さでそんなマイナーな藤子キャラを知ってるんだ、君は。
しかし理由はともかくとして、効果の方はバッチリだった。
包帯となった《あぐらいあ》は瞬く間に神人に巻きつき、その巨体を束縛するのに成功した。
『ひーくんっ、到着したよっ。いつでもオッケーさっ』
3人のピンバッジから琴梨の声が響き、作戦が最終段階にきたことを告げる。
「よし!凌央、頼む」
『………』
なにも聴こえなかったが、多分通信機の向こうで雪崎さんが首を振ったんだろう。
『ちょ、ちょっと、凌央!あなた、なんてこと書いてるの!?』
『うひゃひゃっ、それいいねっ』
なんだか向こうが騒がしいな。なにをやってるんだ?
俺がそう思った次の瞬間、身動きの取れない神人は突如爆発四散しやがった。
爆煙も爆風も生まない静かな爆発の中、《核》と呼ばれる円盤だけが残っているのがかろうじて見て取れた。
「今だ!巴!琴梨!」
秀明さんの檄と同時に、その円盤に高速で青い光が突進した!
そのまま光は円盤を貫き、あっけないほど簡単に《核》は砕け散った。
青い光はそのまま俺達の傍の地面を数十m削って着地。よく見ればそれはスケボーに乗った佐々さんと琴梨だった。
どうもパワーアップにあかせて、あのスケボーで空中を数kmも疾走したらしい。とんでもないことだ。
「わ、わ、わたし、なにがあろうと金輪際あなたのスケートボードには乗りませんから……」
琴梨の首にしがみつき、顔面蒼白になりながらそう主張する佐々さんの様子が印象深かった。

以上、これが規格外神人退治の顛末である。
332防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:46:49 ID:et55jXGd


閉鎖空間が崩壊していく中、俺はひたすらに考えていた。

ハルヒのつくる閉鎖空間

ハルヒの能力を利用したとはいえ、あっさり長門に改変されちまう、世界

自分達に都合のいい未来に世界を誘導しようとする、朝比奈さんとは別勢力の未来人

そして今回の敵、EOS

いくらなんでも世界はあまりにも不安定すぎやしないか?
かつて古泉はこんなことを口にした。
「人間は崖っぷちで爪先立ちをする道化師なのかもしれない」と。
それを聞いたときには、こいつはなにを酔ったようなことを言ってやがんだ、と思ったもんだ。
だが、この1年を波乱万丈の事件の連続で過ごし、そして今また俺達が把握していなかった危機が存在していることを見せつけられるにいたり、俺も似たような感慨を抱かずにはいられなかった。
いや、正確にはもっと恐ろしい仮定が頭をもたげている。
ひょっとしたらその道化師の後ろには、今にもその背中を押してやろうと狙っているやつがいるんじゃないだろうか。
そしてその悪意あるやつの名、まさか『世界』って名前じゃないだろうか、と。


「それはないんじゃないかな」
唐突なその男性の声に、俺は心底驚き、慌ててその声の発生源、つまりは自分のすぐ右隣に視線を移す。
そこには、今まさに三本の矢の話を息子に語って聞かせてやろうとしている毛利元就のような顔をした秀明さんが立っていた。
あの、もしかして俺、声に出してました?
「まあね。
君が心配するのも仕方ないのかもしれないけど、でも大丈夫だよ」
そんなあっさりと気楽なことを言わないでもらいたいね。
実際のところ、今回だって世界はわやくちゃになっちまう直前だったんだ。到底安心なんて出来るもんじゃない。
いや、俺は別に自分の境遇を嘆いてるわけじゃない。
もう既に俺の日常には不可思議現象がこれ以上ないくらい深く組み込まれちまってるし、そういった諸々を含めて俺は今の非現実的日常が気に入っちまってるんだ。
古泉んところの敵組織だろうが、長門を寝込ませた宇宙人モドキだろうが、今更どんな類の敵対存在がしゃしゃり出てこようが驚いたりはしない。
だが、もし『世界』自体が敵なんだとしたら、一体俺達はどうすりゃいいんだ?
「でも、今回だって世界は滅びなかった。
僕らは今までも世界がどうにかなりそうなのをどうにかしてきたし、多分君達もそうなんだろう」
そりゃ、俺は今の世界が気にいってるわけで、特別な属性なんて持ってないなりに頑張ってきたつもりではある。
「世界が本当に、人間なんてどうとでもなってしまえ、なんて考えているなら、そもそも巴たちに力を与えたりしないさ。
世界をこのままにしておきたいと思う君の心、
そしてそう考える自分自身が紛れも無く世界の一部であること、そのことにもっと自信を持ってもいいんじゃないかな」
恥ずかしいですって、そんなの。
あなた、もしかしていつもそんな詩人みたいなことを考えてるんですか?
「まさか。
これは道に迷った高校生に、人生の先輩が送る気の利かないジョークみたいなものさ」
そう言って童顔に微笑を浮かべるその姿には、これからも自分達が世界を守っていくという確固たる自信が透けて見えた。
俺よりも3年余計に人生経験を積んでるだけのことはある、ってことかね。
『なにを言っておるんですか、秀明さん!この人にはもっと別のアドバイスが必要でしょうが』
4本の手だか足だかをカサカサ動かしてガニメーデスがやって来た。ゴキブリみたいで不気味だ。
『どうも見ていると、この方は秀明さんに匹敵しそうなほどの朴念仁なご様子。
どうせ、長門有希さんと言いましたか、あの大人しそうな美少女にもまったく手を出してないんでしょう。
嘆かわしい、ああ嘆かわしい。DNAに致命的な欠損があるわけでもないでしょうに、そんなことでどうするんです!
あなた、そんなことじゃこの秀明さんの二の舞を踏むことになりますよ。
まずは自己改革が必要ですな。試しに彼女と顔をあわせた途端に「脱げ」と言ってみるのはどうでしょう。
私の勘では、あのテのタイプは案外素直に脱いでくれると思いますよ。どうです、興味ありませんか!?』
黙れ、このスケベバスケットボール。
主人公っぽいシリアスな会話を台無しにしやがって。
333防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:48:37 ID:et55jXGd


さて、世界を守るためにやっておかないといけないことがある。
そりゃもちろん、ハルヒの突拍子も無い勘違いを正すことに決まってる。
あいつはどうも団員に女性の敵らしき行動をとってるやつがいることが不満みたいで、今回の閉鎖空間を生み出しちまったみたいだからな。
また厄介なことにならんうちに、真の悪は谷口であるとしっかり説明せんと。
そんなことを帰りのタクシーの中で考えていたわけなんだが、そんな心配も無駄に終わった。
逆瀬川邸に帰ってきた俺達は、なんとハルヒに出迎えられたんだ。
聞けばこいつは自力でここを発見したらしい。流石としか言いようがない。
ちなみに妹は家に置いてきたそうだ。ハルヒと言えども自分の無尽蔵の体力に小学生がついてこられないことは理解していたらしいな。
既にハルヒは長門から事情の説明を受けたらしく、俺がどうにかするまでもなく誤解を解いていた。
辞世の句なんて詠んでる暇はなかったしな、助かったよ。
「さぁ、谷口。あんたにはなにをやってもらおうかしらねぇ」
「やはりそれ相応の報いは受けてもらわなくてはねぇ」
なにやらいつのまにかハルヒと佐々さんはえらく意気投合しちまったみたいだ。しばらくは谷口で遊ぶのに夢中だろう。
これで当分は閉鎖空間の再発もないだろうし、万々歳だな。
334防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:49:43 ID:et55jXGd


「それじゃあ色々とお世話になりました」
延々と谷口がいじくられるのをしばらく見物したあと、俺達は逆瀬川邸をおいとまさせてもらうことにした。暗くなってきたしな。
「キョン……なんで助けてくれねぇんだよ……俺になんか恨みでもあんのか……」
気のせいだ、谷口。俺はお前に馬鹿呼ばわりされたことなんてちっとも気にしてないぞ。
「元気でね」
「あなた、もう少しその猫を大切に扱ってあげなさいな」
「バイバイ、キョンくんたち」
「………」
「あ……さ………ら」
逆瀬川邸の面々がそれぞれに別れの挨拶をして、俺達を見送ってくれる。
色々と変わったメンバーだが、やはり基本的には気のいい連中だ。ちょっと帰るのが惜しい気さえしてくる。
「キョンくんっ」
ん、なんだ?琴梨。
「さっきも言ったけど、お嫁さん候補はいっぱいいるからねっ。また遊びに来るといいっさっ」
「ああ、そうさせてもらうよ」
この怠け者のシャミセンがここまで遠出してまで発見した溜まり場だ。たまには連れてきてやってもいいだろう。
「んじゃあねっ」
そう最後の挨拶を済ませながら琴梨たちは玄関を閉じ、俺達4人と1匹が残された。
それにしても今日はいろいろと大変だったな。
俺としても進級前にはもう世界がどうのこうのなるような事態に巻き込まれることはないだろうと油断していたから、今回のことはまさに寝耳に水だった。
しかし有意義な1日だったとも言える。
特に、俺みたいな気苦労をしょいこんでるのが俺だけじゃないと知ることが出来たのがなによりの収獲だな。
情けないと思わんでくれ。面倒事を抱え込んでる人間は、自分以外にも似たようなやつがいるってだけで安心できちまうものなんだよ。
「さて、それじゃあ帰るか」
「待ちなさい。キョン」
まるで、お気に入りのテレビ番組に自分の嫌いなタレントしかゲスト出演していないのを番組表を見て気付いちまったみたいな顔をしたハルヒが不機嫌そうな声で俺に呼びかけてきた。
「さっきの娘の言ったこと、どういう意味?」
どういう意味もこういう意味も、聞いた通りの意味だし、俺にはなぜにお前が機嫌を悪くしてるのかがわからん。
「また来い?お嫁さん候補?アンタ本当はここでなにやってたのよ!?」
こいつはなにを言ってるんだ?と、思いつつ、俺は先程の琴梨の発言を一語一句正確に思い出してみた。
(さっきも言ったけど、お嫁さん候補はいっぱいいるからねっ。また遊びに来るといいっさっ)
……………
主語が入ってねぇ……
「そういえばここ、やたら可愛らしい女の子がたくさんいたわよね。アンタ、SOS団団員としての本分を忘れて女遊びに現を抜かしてたんでしょう!」
うわ、なんでそんな訳のわからん勘違いをするかな、こいつは?長門、お前からなんとか言ってやってくれ。
「二人称……」
……長門?お前まで一体なにを意味不明なことを言ってるんだ?
「あなたの鴻池琴梨に対する二人称が、わたしの監視下から離れているあいだに変更されていた。なにがあったのか、わたしも興味がある」
うぅわ!?なんでそんなこと気にするかな!?別になんもなかったぞ!
「あなたは極めて親しい関係にならないかぎり、個人名の発言には苗字を使用する。現にわたしは今だにあなたに長門と呼称されている。
このことから考えると、鴻池琴梨との関係が劇的に変化する事象が発生したと推測せざるをえない」
ない!ない!まったくもって大層な出来事なんざこれっぽっちもなかった!
「キョン…大人しく白状しちまえ。俺が涼宮に絞られてる間になにやってやがったんだ」
テメェ!谷口!お前には友達の身の潔白を信じようって殊勝な気持ちはないのか!?
「おやぁ?たしかお前の方から縁を切ったんじゃなかったっけかぁ?
縁が切れた以上、俺がお前を助ける義理はねぇよなぁ」
この野郎!さっきの仕返しのつもりか!?お前の心はバチカン市国なみの狭さなのかよ!?
さながら今の俺は漢軍に取り囲まれて歌を歌われる楚の兵士のようなありさまだ。
なにやらさっきから、また俺の携帯が鳴ってるみたいなんだが、知ったこっちゃねぇ!
どうせ古泉のやつが、また閉鎖空間がでましたハルヒをなんとかしてくれ、とかなんとか言うつもりに違いないんだ、出るだけ無駄だ。
神人の相手はお前の仕事で、俺には俺で別にやることがあるんだよ!
俺は必死にハルヒたちを宥めながら、秀明さんとの会話を思い返し、そしてこう願わずにはいられなかった。
世界さんよ、俺達がこんなに一心不乱に馬鹿らしい努力をしてるんだ、どうか自殺なんて早まったことはしてくれるんじゃねぇぞ!ってな。
335防空艦との邂逅:2006/11/24(金) 21:50:33 ID:et55jXGd


【おまけ】

賑やかなお客たちが帰り、さて、僕はそろそろ夕食の準備をしなくちゃな、と思ったんだけど、ふいにこんな疑問が湧いたものだから、本人に問いただしてみることにした。
「ところで凌央、さっきはなんて書いたんだ?巴が随分と慌ててたみたいだけど」
僕の疑問に凌央は手に持った筆を半紙に走らせ、そして次の4文字を僕の前に突き出した。

『野外露出』
336名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:54:14 ID:et55jXGd
以上です
イージス5本編で、山ノ内くん(仮)が登場することはなかったんで、
じゃあ谷口にしちまってもいっか、と考えてこんなもんを書いてみました
でも、今どき『電撃!!イージス5』を知ってる人間ってどれぐらいいるんだろ?
337名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 22:34:30 ID:EIEs/YSN
タイトルだけなら知っているというただの人間がここに一人
338名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 22:47:45 ID:KFlFLqRJ
去年や一昨年の数倍はいるだろうよ
339名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 22:54:19 ID:XIvfkOLt
>>336
GJ!面白かったよ
340名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 22:54:51 ID:XIvfkOLt
sage忘れたスマン
341名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 23:08:40 ID:86fcLoCe
>>336
面白かったですよ。
まさに谷川パロスレの本スレにふさわしい作品ですね。
342名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 23:15:06 ID:nWY+RsiN
イージスは流し読みしかしてないんだよな俺…
343名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 23:19:54 ID:02WGyjHl
>>336
イージス読んでないけど、面白かった
344名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 23:40:19 ID:ICz4npfg
345名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 00:16:04 ID:jT6akGHI
>>336
イージス好きの俺にはこのドタバタっぷりがたまらない
GJ
そしてみくる\(^o^)/
346名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 00:35:38 ID:On3o/uYO
>>336
GJ! おもしろかったです。イージスも結構面白いよね。
347名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 00:45:12 ID:1bgUNOuT
>>336
GJ!
イージスも好きだし、こう言う雰囲気の作品も大好きだしで私的には言う事無しだったよ。



>>345
あ、みくる……。
348名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 01:12:06 ID:9a6i6xb5
>>345
なにか忘れていると思ってたらみくるか…
完全に空気と化してるなwww
349名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 01:15:01 ID:Z75y7duc
>>336 カプチーノの泡を口元いっぱいにつけた長門 GJ!!
350名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 02:50:35 ID:kkngiL2i
>>336
GJ! イージスは未読だけどドタバタ感が楽しかったよ!
そして今書いてる「×学校」とネタがとことんかぶってて
思いっきり落ち込んだorz
351名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 03:08:58 ID:GKpC4eAk
イージス5?…ちょっと調べてみたら、谷川流さんの小説らしいね…。
しかしエロがすくないなあこのスレは…イージス5…ちょっと本屋さんで探してみますよ
352名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 03:29:04 ID:Lz9F5Nb3
このタイミングで言うののもなんだが





















 同 人 誌 の ほ う が い い よ な ?


とかここ来て考えたりする
353名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 04:40:20 ID:zYodYnwE
改行ウザいよ
354名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 07:25:36 ID:if4P52VK
>>348
いやぁ……もともと自分、いっぺんに扱えるキャラの数って3、4人が限度なもんで、これでいっぱいいっぱいなんですよ…
みくるまで登場させる余裕はちょっと……
ただみくるを琴梨やガニメデと絡ませたら、ちょっとおもしろくなったかもしれないな……

>>350
申し訳ないです
などと殊勝に謝りつつも、やっぱ1番乗りにしといてよかった、と心のどこかで思ってしまう黒い自分であった
あ!いや、ホントにすまんかったです

>>353
改行ウザかったですか?これから気をつけます
355名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 09:52:43 ID:rR4sBqp/
>>354
本編のネタの使い方とかハルヒとの絡ませ方とか素晴らしいw
キョンも設定知らないからガニメーデスその他が説明してくれるってとこもうまいし。
セリフがかぶったとことか、随所で笑えて面白かったw
みんな褒める時はそっけないんだなー。これすごいと思ったんだが俺。
356名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 12:56:28 ID:KHiqk5np
>>354(=336)
まだイージス読んだことないんだけど、ものすごく楽しめたよ! GJ!
イージス側の面々が登場した時はこのまま読み進めても大丈夫か少し不安だったんだけど
同じく知らない状態のキョンの視点を通すことで、一緒に説明を受けることになり
うまくキャラや技の個性を理解することが出来たから、違和感や読み難さを感じることなく
最後まで一気に読めてしまった
元作品を読んでからもう一度楽しんでみたいんで、イージス探してくる

あと>>353は多分>>352に対してだと思うんだ
357名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 12:59:14 ID:mE4giyUx
これは素晴らしい販促ですね。
358351:2006/11/25(土) 19:43:59 ID:GKpC4eAk
今日、本屋さんに行ったら
イージス5どころか、
ハルヒシリーズ以外の谷川流作品は置いていなかった…
359名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 20:21:58 ID:a+rzK6cH
>>358
ブックオフでもあったぞ。
360名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 20:33:08 ID:v0GamCDy
イージスが大好きな俺は幸せだ。
ところでイージスって谷川作品で一番読まれてないんじゃないだろうか?
361名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 20:42:26 ID:rR4sBqp/
>>360
絶望系といい勝負な気がするw
362名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 22:38:19 ID:GKpC4eAk
イージス5の連中が全員ハルヒ達の高校に転校して来る…事に
363名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:12:29 ID:rR4sBqp/
See you later


〇章

公立第三EMP学園―。
深い森に閉ざされたこの学校の存在を知るものは少ない。

ある運送会社の運転手はこう言う。
「あの学校にまともな奴はいねぇ」
見方によっては正しい感想である。

この学校の生徒にはEMP能力という普通ではない力がある。

EMP能力は日本の子供だけに低確率で発現する異能の力だ。
なぜこのような力が芽生えるのか、何のための力なのか、メカニズムは何か…などといったことは全て謎に包まれている。
力の内容は十人十色。
火をつけるような実用的なものから、猫の思考を読むといった何の役に立つのか分からないものまで様々だ。
このEMP能力者たちを世間の目から隠しておくための場所がEMP学園だ。
こんな山の中に立地しているのはそのためである。

たった一人だけ、EMP能力を持たないでこの学園の生徒をしている者がいる。
彼は名を高崎佳由季と言い、第三EMP学園高等部二年、男子寮B棟寮長である。
佳由季はこの春先にこの学園にいる唯一の理由を失った。
が、半年経った今でもまだここに留まっていた。
それがなぜなのかは本人にも分からないかもしれない。

さて、この学園の寮は二人部屋であり、寮長である彼にもルームメイトがいる。
いや、そう呼んでしまうと本人は異を唱えるかもしれない。仕方なく部屋の半分を明け渡しているからだ。
侵略者の名は宮野秀策。周囲の人間はこう思う。変人という言葉は彼のためにあると。
学生の多くは彼のことをいくつかの意味で畏怖している。
宮野がどれほど常軌を逸した人間であるのかは、今ここで語らずともすぐに分かることであるから省略する。
いつも制服の上に洗いたてのような白衣を着ているが、やはり理由は分からない。

今、第三EMPの周辺は紅葉真っ盛りだ。
学生の多くはまだ夢の中で、これから展開する事態などそれこそ夢にも見ていない。

朝日がようやく山の木々を照らす頃、生徒が一人、学校を出て行った。
364名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:13:31 ID:rR4sBqp/
一章

食堂で高崎佳由季は耳を塞いでいた。
両手を使ってしまうと朝食が食べられないため、片手で片耳のみを押さえている。
「何と言うことだ、こんなことがあっていいのか!よりによってこの私に!」
声の主は宮野秀策に他ならない。
佳由季はだし巻き玉子をほおばりながら思う、何回繰り返すのだろう。
「つまりそういうことなのでございましょう!自然なことです。
 EMP能力は平均して発現が十四歳、消失が十八歳なのですから、それが少し早まっただけのことですわ」
光明寺茉衣子が怜悧に言い放った。
ゴス調の真っ黒な衣装。それに負けないほど黒く長い髪。
茉衣子に断言されれば大抵の者はひるんでしまうが、宮野は気にも留めない。
「私がいなくなったら生徒自治会保安部対魔班はどうなるというのだ。
 まだ私の手が離れるには尚早というものだろう!」
「朝からそのテンションはこたえますわ。周囲の方もそう思っているはずです。
 その無駄なエネルギーをさっさと身支度に使ったらいかがでしょう」
周囲の人間は茉衣子込みでうるさがっているのだが、彼女は全く気付かない。
「いいか茉衣子君、これはどう考えてもおかしいのだ」
宮野は腕組みをして言った。米粒が頬にくっついている。
「わたくしのことは光明寺とお呼びください。何度言えば分かりますの」
「光明寺君。このような半端な時期及び状態において私のEMP能力が消失するなどありえぬ事なのだ。
 なぜだか分かるかね?」
茉衣子は呆れて答える。
「班長のたわけた問答にはうんざりです。わたくし回答権をを放棄いたしますので。ご勝手にどうぞ」
「つれないな光明寺君。では、そこな君。類君、どうかね?」
それまで茉衣子の隣でひっそりと夫婦漫才を見ていた蒼ノ木類は、途端に目を白黒させてむせ始めた。
しばしの後にようやく調子を整えた類は、自信なさそうにこう答えた。
「え、えっと…何の話でしたっけ?」
「………」
一連の流れを傍聴していた佳由季はあらためて溜息をついた。
僕の周りにはどうしてこう頭も行動も賑やかな奴ばかり集まるのだろう。
「寮長ど」
「パス」
佳由季はテーブルにゆるゆると沈み込んで言った。
「仕方がない。ならば私自らが回答を提示しようではないか。
 なぜこのような時に私の能力が失われるはずかないのか。それは私がこのような事態を望んでいないからだ!」
…どこかのライトノベルに出てきそうな言い回しである。などと誰も思いはしなかった。
「本当に無意味な問答ですわ。こんな人間が仮にもわたくしの上司にあたるなんて…一生の不覚です」
「さて。まずはあの女のもとへ向かう必要があるであろうな。
 他に理由を知っていそうな人間に思い当たらん。ではさらばだ!」
脈絡のないことを言うと宮野は消えた。いや、消えるような速度でいなくなった。食器くらい片付けて行け。
佳由季は茉衣子の方を見た。茉衣子は腕組みをして、どうすれば宮野がおとなしくなるか考えているように見えた。
「心配にはならないのか」
佳由季は味噌汁の茶碗を置きながら言った。
「何がですか」
茉衣子はまだ強い語調を保っていた。
「あいつだよ。もし本当にEMP能力がなくなったのなら退校だろ」
「それはそうですが、本人があんなですから心配するだけばかばかしいと言うものです。
 それに班長は自分ではまだ能力が消えたとは思っていないようです。眉唾ですけれど」
「何にしろ、また寮生が迷惑するようなことはごめんだな」
佳由季は席を立って、ひらひらと手を振った。

「宮野さん、大丈夫なんでしょうか?」
類がデフォルトとなっている困り顔で言った。茉衣子はそれを上の空で聞いていた。
365名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:14:33 ID:rR4sBqp/
もし…もし本当に宮野のEMP能力がなくなったのだとしたらどうだろう?
宮野が本当にこの学校を出て行くことになったとしたら。
いつかはその時が来る。
それは分かっている。誰もがいつかこの学校を去る。
だが今日この日とは思ってもいない。もう少し時間があるだろうと考えていた。
この前。あの悪夢のような吸血鬼事件がようやく片づいた後、自分はなんと言っただろう。

―突然いなくなるのは不愉快です。

…そうですわ。
あれだけ勝手にわたくしの日常を乱しておいて、急に去ったりするなどあるまじき行為です。
良いか悪いかはともかくとして、班長がわたくしの世界の一部に存在していることは紛れもない事実なのです。
しぶしぶながらわたくしはそれを認めたのですから、突然いなくなるなど―
「許せません!」
茉衣子はテーブルを両拳で叩いて立ち上がった。
「わわわわっ!ま、茉衣子さん!?」
類のお馴染みのリアクションも、一時的に集まった周囲の目もこの時の茉衣子には見えていなかった。

佳由季は歩きながら考えていた。
宮野がここを出て行くなどということがあり得るのだろうか?
何となくあいつは茉衣子や若菜と違い、いつまでもEMP能力を所持していそうなイメージがある。
もしあいつが通常の世界に復帰したらと思ったことはあっても、実際にそうなるとは思っていない。
あいつがここからいなくなるなら、僕の部屋もまた静かになるのか。
春菜がいなくなってからひと月だけ、あの部屋の住人は僕一人だった。
何だろう。落ち着かない。
僕はこういう突然の変化というものに、案外弱い人間なのかもしれない。
宮野が騒いだおかげでこっちは朝からブルー色だ。

「何やらお悩みのようですね」
佳由季は足を止めて思わず目を閉じた。
振り向かずとも、後ろからの声の主は明らかだった。
「随分早く再登場したな」
「えぇ。あらかじめ言っておきますが、今回は何も企んでいませんよ?」
仕方なく後ろを見る。
抜水優弥が少女マンガの美男子キャラ顔負けのスマイルを貼り付けてそこにいた。
「何しに来た。当分お前に会うことはないと思っていたのに」
「それは期待を裏切ってしまい申し訳ありません」
ちっとも申し訳なさそうではない。
「何か変わったことが起こらないかなぁと思いましてね」
何が言いたい。宮野がうるさかったこと以外はいつも通りだ。
いや、宮野はいつもうるさいから、まったくもって変わったことなどない。
「そうですか。それは残念です」
優弥はくっくと笑い、
「また多世界移動者や吸血鬼なんてものが出現しないかと妄想していまして」
どこから突っ込めばいいのだろう…。今のは本当に僕の表情から読み取ったのか?
それに多世界移動者について結局僕は詳しいことを知らない。
吸血鬼に関してはもう済んだことだ。掘り返すまでもない。
「まぁ面白いことが起きないのなら辛抱強く待つか、探しに行くか、自分で起こすかですが、
 僕はそこまで退屈しているわけでもないんですよ。幸いなことにね」
「じゃあどうしてここにいるんだよ」
「さてなぜでしょう。高崎さんは知っていますか?ご自分がなぜ今この場にいるのか。
 これは深遠な議題ですよ。僕は回答にかなりの時間を要しそうです」
またか。こいつのはぐらかすような禅問答にはうんざりだ。
「僕があなたの立場でも同様です。春菜さんの件は本当に残念ですから」
「いい加減にしろ」
366名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:15:43 ID:rR4sBqp/
わざわざ感情を逆なですることを言うな。
「PSYネット。あれは本当になくなったのでしょうか?春菜さんは本当にいなくなったのでしょうか」
佳由季は無視して教室へ向かうことにした。背後の優弥の声が小さくなっていく。
「たまたま選ばれたのがこの世界だったことが偶然だとは思えないのですよ…」
角を曲がって、声が届かなくなった後、優弥はこう言った。
「僕はまだあきらめていませんよ」
直後に声と姿はかき消えた。


「何と言うことだ!やはり事態はそう易々と片付かぬのだな!」
朝食時と微妙に異なるセリフを宮野は言った。
朝の四人に加え、茉衣子の隣には佳由季の妹、高崎若菜が座っていた。
類と共にきょとんとして宮野を見ている。
その宮野は朝にも勝る大音声でこうのたまった。
「予定調和にも退校とはならなんだぞ寮長殿!さて、ここでまた問題だ。なぜだと思うかね?」
「パス2」
「往々にして物語とは予定調和の塊である!そこは用意された舞台であるからな。
 舞台に立つ役者は決められた台本に沿ってしか舞えぬのだ。些細なアドリブでは本筋は揺るがぬ!」
例によって中身のないことを言う宮野の表情は、また例によって楽しそうである。
「この状況はつまり『宮野秀作という人間をEMP能力無しにここに置いておく必要がある』
 ということなのだと私は考える!」
類と若菜コンビはぽかんとしたまま宮野の話を聞いている。
その中央で茉衣子は苦虫のペーストを口に含んでいるような表情をしてこう言った。
「どうしたらそのような思い込みに至ることができるのか謎ですわ。ミステリィです。
 一度物好きな研究機関にでも班長の脳みそを見てもらえばいいのです。
 即座に異常をきたしている箇所が多数発見されることでしょうとも。えぇ」
宮野は気がついたように片眉をつり上げて、
「これは面白いことを言うな茉衣子君!
 実に有意義な研究となろう。人類が更なる飛躍を遂げるきっかけが今の君の発言であるやもしれん。
 私の脳内手帳の優先事項の30番目くらいには書き込んでやらんでもない」
「ご勝手にどうぞ。それにしても班長の脳を解析することで人類が進歩するなどという戯言が
 よく言えたものですわね。わたくし戦慄します」
佳由季はもう耳を塞いだりしていなかった。するだけムダだ。
この口論が今の時間帯の強制BGMとなることは必然であるらしい。
「二人ともよくずっと話してられるよね」
「そうですね…」
口をOの字に開けたまま、若菜と類は茉衣子の背中越しに顔を見合わせた。二人の昼食はまだ半分以上残っている。
「さてここで謎がある。どうやら縞瀬真琴が不在らしい」
「真琴がいない?」
佳由季は訊き返した。
「そうなのだよ寮長殿。あの女は無意味な言動はするが無意味に学園を留守にしたりはせん。
 さてどうしたことであろうな」
「真琴がいないならお前は誰に退校保留措置を聴いたんだ?」
「冷泉とか言ったか、あやつだ」
冷泉光洋。生徒自治会執行部の一年生で真琴の補佐的ポジション。
吸血鬼事件で吸血鬼にならなかった数少ない人物でもある。
「真琴はどこに行ったんだ?」
「第一EMPだ、理由は知らぬ存ぜぬであったが。ちなみに早朝にはいなかったようだぞ」
佳由季は黙った。今日に限って優弥が現れたのは真琴がいなかったからなのか?
だとすればあいつはやはり何か企んでいるのだろうか。
「どうした寮長殿?何か気になることでもあったか?」
「いや別に。何でもない」

第三EMP学園生徒自治会会長代理、縞瀬真琴はトリプルAクラスのテレパス(感応力者)だ。
性格はとことんひねくれているが、実力ならこの学校で右に出るものはいない。
…宮野であれば左に出てくるかもしれない。
佳由季は考えていた。僕の知る範囲では真琴が外出したことなど滅多とない。
他二つの学校はここから遠く離れているし、
メールで済まない会議もあいつならここにいながらにして参加できるはずだ。
何か自ら遠くの学校まで足を運ぶ理由があるのだろうか。
367名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:16:44 ID:rR4sBqp/
「何か事件の匂いかするな!一体どれほどの規模になるやら楽しみだ。
 そしてどんな事態になろうとも、それが無事に解決することを私は確信している!なぜなら―」
この先は誰も聴いていないようなので割愛しよう。
聴いていたかもしれないが、それはまるで意味のないことや、考えるに足りぬことであり、
特別ここで描写するまでもないことなのだ。

昼食がようやく終わると宮野は膝をぶつけて威勢よく立ち上がった。
「私は調べ者や考え事にしばし没頭する必要がある。
 どうやらこの一件、私にスポットが当たっている気がしてならんのだ。
 むろん当たってなかったとしても自ら発光するまでだがな。
 だがしかし今は一度舞台から去ろうではないか。それでは諸君!しかるべき時までさらばだ!」
368名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:17:46 ID:rR4sBqp/
二章

公立第二EMP学園―。
第三EMPと数百キロ離れたこの場所で、男子生徒が一人、叫んでいた。
「だぁぁっ!だからどうしててめぇはいつもそうなんだよ。
 変な力を持ってるのはお互い様かもしれんが、もう少し常識的振る舞いってものをだなぁ!」
何やら誰かと論争中らしい。
しかし、彼の声しか聴こえないのでこれは論争と呼べないものかもしれない。
「って何だよこれは!おい、はずせ!俺で実験すんな!」
彼は日頃クールでいることを心がけていたが、なにせ周囲がボケ担当の人材だらけなので、
自分が突っ込みを入れないわけにはいかないという悲しい習性を身につけている。

たまらず彼―蜩篤史は自室を飛び出した。
蜩にもまた奇矯なルームメイトがいて、名を那岐鳥獅子丸という。
先ほどのやりとりは獅子丸とのものだ。
「くそ、どうしてこう変人ばっかなんだ」
誰かと似たような境遇だが、ここが第二EMPであるだけまだましである。蜩には知る由もないが。

「あー蜩くんだぁ!やっほー!」
「うげっ!」
対面から小柄な美少女が歩いてくる。
彼女の名は喜夛高多鹿。舌を噛みそうな名前である。
「多鹿・・・お前はどうしてそう都合いいタイミングでしか登場できないんだ?」
「都合いいって何?蜩くんあたしに会いたかったの?」
「んなわけねぇよ!だから例えて言えばだな…。
 朝通学路を急いでいたら角でパンをくわえた女子高生に出くわすみたいな」
「何それ?あたしたち通学路なんてないじゃない。
 でもなんだか楽しそう!今度蜩くん相手に試してみるね」
「今通学路がないって言ったばっかじゃねぇか」
「廊下でもどこでもいいじゃん」
「お前なら100%成功するからやめてくれ、頼む」
「おっと、授業だよ!それじゃね蜩く…わっ!」
「だからどうして何もない通路で転ぶんだよ…」

ノンストップでお送りした今の会話は、実は本筋と何の関係もない。
ひょっとしたら一人か二人はこういう普遍的やり取りにニヤリとしそうなものなので、
つい寄り道してしまった。ということにしておくといいのではないだろうか。
本当の目的地はここではない。


公立第一EMP学園―。
数字というものは順番に増えていく。
その法則に従えばここが本家本元のEMP学園のはずで、事実その通りである。
校舎の雰囲気からして堅実かつ聡明な雰囲気だ。
第三の生徒がここを見たらどのような感想を抱くだろうか。
敷地は広く、校舎も大きい。近隣の私立校と比べても遜色ないのではないだろうか。
さて、校舎の一角、誰もいない廊下を一人の生徒が歩いている。
その人物は迷いなくつかつかと進み、ある部屋の前で立ち止まる。
一拍置いてドアをノックし、了承の返事を聞くと中に入る。
「待っていたよ」
洋画の吹き替えに出てきそうな渋い男の声がした。
「光栄です」
生徒は応えた。
「事は急を要する。早速だが本題に入ろう、座ってくれ」
「分かりました」
四方の壁の三面は本棚で、書籍がずらりと並んでいる。
調度品はどれも高級な質感であり、ソファは革張り、机は天然素材。
立派な灰皿まで置いてあるが果たして誰が煙草を吸うのだろう。
「我が校もようやく総意が得られた。手段は荒いがやむを得ん」
「きっとわかっていただけますわ。全EMP能力者のためです」
369名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:18:49 ID:rR4sBqp/
訪問者はにこりと笑った。
「だといいのだがな…。しかし春の一件は失敗だった。第三EMPにだけ任せるべきではなかったのだろうな」
「今となっては過ぎたことです。それに、今回の決定にはその挽回の意味もこめられているのでしょう?」
男はしばし黙って、考え込むように
「そうだな。よろしく頼む。…それでどうだ?今のところ感付かれている気配はないか?」
「大丈夫でしょう。私の不在を知るものはおりますが、問題はありません」
「そうか」
ここで男の方が席を立ち、窓に近付いて景色を眺めた。
「…しくじるわけにはいかんからな。手はずどおり頼む。縞瀬くん」

午後の陽が柔らかく降りそそぐ一室で、縞瀬真琴は微笑んだ。


「わっ!ごめんなさい!いててて…」
「………」
「あ!なんだ、蜩くんか〜。あ、あたしの鞄の中身が全部出てる」
「お前鞄なんか使ってたか?それにノートとかも絶対使ってねぇだろこれ!
 しかもこのタイミングはぜってぇありえねぇ!俺は認めねぇぞ」
「わーん蜩くんがいじめるよぅ…しくしく」
「泣きまねはよせ。周りが誤解するだろ!ほら、お前ら、こっち見んな!」
「ちぇー」
370名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:19:50 ID:rR4sBqp/
三章

第三EMP学園に舞台は戻る。
夕方だった。空も山も真っ赤に染まっていた。
高崎佳由季は紅茶を飲みながら自室で休んでいた。
冬にずいぶんと近付いた今は、こたつや毛布が恋しくなる。
度重なる補修工事は学校の予算を削り部屋の窓を薄くし、心までも寒くさせる。
宮野はまだ戻ってきてないが、
あまりに静かなのであいつの無意味トークもこういう時くらいはいいかもしれない。
ソファに座っていた佳由季は、横になって毛布をかけた。

静かだ。
思えばこの学校に来て、静かにくつろげたことなどそう何回もなかった。
春菜がいなくなって以降も、何やかやと事件に巻き込まれていたし。
佳由季は今までを回想しつつ思う。
未だに僕がここにいることが正しいのかどうか分からない。
真琴は曖昧なことしか言わないし、茉衣子はこの話題には触れない。気を遣っているのだろう。
若菜はのん気に「いいんじゃないのー」と言うだけだし、宮野は論外だ。
僕はいつこの学校を出て行くのだろう。その時誰が僕を見送ってくれるのだろう。
まさか自分が最後だったりはしないよな。

「こんばんは」
突然の声に飛び起きた。自分の机に誰かが座っている。どこかで見たような…。
「お久しぶりです」
「誰だっけ…?」
言いながら佳由季は記憶が蘇るのを感じる。なぜかこれまで一度も思い出さなかった。
あの盆休み、若菜と電車に乗っているときに出会ったあの少女だ。
「あぁ、あの時の…」
「思い出していただけたようで何よりです。今回はご忠告を携えて参りました。
 私がどうしてここにいるかなどということはお気になさらずに聞いてください」
無理な注文に思えたが、彼女がどこから来たか考えようとすると、何故か思考がストップしてしまう。
無意識が拒否しているようにも思える。
「今この学校に会長代理がいないのはご存知ですね?」
「あぁ。だが詳しい理由までは知らないな」
「明日」
明日?
「明日の今頃。午後五時前後にこの学園は襲撃を受けます」
「…何だって?」
「それ以上のことは言えません。わたしは必要なことのみ伝えます」
寝耳に水だ。本当なのか?誰が?何の目的で?
「相手もEMP能力者であるとだけ申し添えておきます」
「それをどうして僕に言うんだ?もっと他に伝えるべき相手がいるだろう」
「前回あなたはわたしを信じてくださいました。それだけで理由は十分です」
少女はにこりと微笑んだ。
「どうすればいいんだ?」
「あなたは自分が思っているよりも仲間に恵まれているのです。わたしが言えることはそれだけです」
…。他には何も教えてくれないようだった。
「それではわたしはこれにて失礼いたします」
少女はそれまで座っていた椅子から立ち上がると、穏やかに微笑んだままドアまで移動し、外に出た。

夢から覚めたようにはっと気がついた佳由季は、すぐにドアに駆け寄って廊下を見た。
当然のように少女の姿はない。来た時はどうしたのだろう。ここは三階だ。

間もなく夕食だ。とりあえずそこにいる誰かに話してみることにしよう。
佳由季は食堂に向けて歩き出した。
「僕自身半信半疑なのに信じてくれるか分からないけどな」
371名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:20:54 ID:rR4sBqp/
夕食の場にいたのは光明寺茉衣子ただ一人だった。
若菜と類は配膳係になっており、類が危なげに渡す味噌汁を何とか受け取って佳由季は席に着いた。
「宮野を見てないか?」
「班長ですか?さぁ、昼にどこかへ行って以来見ておりませんわね。
 おかげさまで午後はぞんぶんにくつろぐことができました」
茉衣子は目を閉じて感慨にふけるように言った。
「あいつにも一応言っておきたかったんだがな」
「何の話ですの?」
茉衣子は何でもなさそうに訊いた。
「明日この学校が襲われるらしい」
佳由季は努めて通常通りのトーンを維持したが、それでもセリフが嘘くさく聴こえることには変わりなかった。
「何ですかそれは。高崎さまらしからぬ冗談ですわね。
 あのトリ頭の班長ですら笑うかどうか怪しいところです」
「やっぱり信じないよな、こんなこと言われても」
佳由季は困った。茉衣子の反応は他の人間のものと大差ないだろう。
「話が乱暴すぎますわ。もう少し人が信じやすいような嘘を考えるべきでは?」
と言われてもあれで事実らしいのだから仕方がない。
なぜ自分が先ほどの少女の話をすっかり信じているのか、佳由季にはよく分からなかった。
佳由季は頭を抱えた。何の能力もないのにどうしてこう厄介ごとに巻き込まれるのだろう。
そういうEMP能力があるのだと誰かに言われれば信じてしまえるほどだ。
<<どうしましたか>>
覚えのある思念が入り込んできた。次に気がついたのは左手首の温度。
佳由季が顔を上げると、そこにはやはり×マークが描かれたマスクをした女子生徒がいた。
<<お久しぶりです>>
新屋敷祈は目の端を緩ませて微笑んだ。
「あぁ、久しぶり」
吸血鬼騒動から祈の姿は見ていなかった。
<<しばらく実家に帰っていました。この前の一件で少し疲れてしまったので…。
 真琴さんが許可を下さいました>>
なるほど。模造人格が二人分も余計に入り込んでいたら負担にもなるだろう。
「そうか。もう大丈夫なのか?」
<<おかげさまで。それで何かあったのでしょうか?先日のお礼を言おうとしたら頭を抱えておられたので…>>
礼などいらない。僕はほとんど何もできなかったに等しい。
もう一度嘘くさく聴こえる話を言うのはためらわれたが、佳由季は一呼吸置いて、告げた。
「明日この学校が襲われるらしい」
佳由季はさっきあったことをすべて二人に話した。五分もあれば充分だった。
説明を終えてほうじ茶をすすっていると、茉衣子が発現した。
「聞いた限りではやはり信じられませんわ。その忠告なさった女性がまず謎です。
 それにわたくしたちに疑念を抱かせることこそが、その何者かの狙いなのかもしれません」
「それはあの謎女がグルってことか?それはないと思うぞ。現に夏にはあいつの助言は役立ったようだし」
「夏とは?」
「あの時だ。偶然お前と宮野の白黒コンビと出くわしただろ。あの場所へ行くように指示したのもあいつだった」
佳由季はその時の状況も詳しく話した。
祈は全くこの件を知らなかったので、説明には茉衣子も加わった。
茉衣子の説明の傍らで佳由季は思う。あの時の指示は宮野たち一行を救うため以外の何物でもない。
「一体何者なのでしょうね、その女性は。あらためて謎ですわ」
茉衣子が佳由季の疑問を言語化した。
「その助言がなければ班長は今頃オダブツだったかもしれません」
茉衣子が考え込むのと同時に、祈の思念が二人に伝わる。
<<少なくとも襲撃者の仲間ということはなさそうですね。助言するメリットがないように思えます>>
祈を中心に横一列に座る3人の姿は傍から見ると奇妙な光景だが、
祈の思念は彼女が触れている者にしか伝わらないのだからそれもやむなしである。
「差しあたってはあいつの正体よりも明日どうするかだろうな。
 真琴がいれば事情を話して警戒発令なりなんなりしてもらえそうだが」
茉衣子は顎に手を当てて思案しつつ答える。
「今の話をすべて信じられる人間はそう多くないでしょうね。端的に『警戒せよ』だけでは意味不明ですし」
<<何人で来るのかも分からないのですね。相手がEMP能力者ということだけしか>>
暗雲の海岸にいるような気分になる思念を祈が発した。
どこぞのヒネクレテレパスと違って、表裏のない透き通った波調である。
372名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:22:19 ID:rR4sBqp/
「僕は会長室に言ってみる。冷泉がいるはずだ。話すだけ話してみるべきだろう」
「わたくしは若菜さんと類さんに言っておきましょう。杞憂に終わればよいのですが」


物語が動いている。何者の意図によって進み、またどのような場所へ向かっているのか、不明のままに。


「類ちゃんってさ、気になる人とかいないの?」
「えっ、えっ?わっ、きゃ!」
がしゃん!
「わーお皿が。箒とちりとり持ってくるね」
「うぅ・・・ごめんなさい。びっくりしたもので」
「だいじょぶ〜。よっ、と。それで、いないの?ね?」
「え…え〜。うーん…」
「あ、その顔はいるんでしょ?誰だれ?」
「笑いませんか?」
「笑わないよー。人の好きな人聞いて笑ったりしないよ」
「・・・ひそひそひそ」
「えーっ!?」
「し、しーっ!静かにしてくださいよぅ」
「驚きだなぁ。意外かも」
「そうですか?う〜ん」
「ね、どのへんが好きなの?」
「え、えぇと・・・」
373名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:23:21 ID:rR4sBqp/




現段階においての意見を求める―。

ターゲットは潜伏行動中―。

修正は必要ないか―。

必要ない。概ね理想数値で推移―。

ターゲットにこれほどの試行をするだけの素養はあるのか―。

あると判断する。我々をもしのぐかもしれない―。

今後の展望を―。

時間は限られている。ターゲットも間もなく動くだろう―。

―。

当面はそれを監視―。

了解―。

予定域内に入り次第接触を試みる―。

入らない場合は―。

それだけの存在だったということ。以後試行は必要ない―。

了解。続行するがよいか―。

了解―。

続行―。
374名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:24:23 ID:rR4sBqp/
四章・A

「君!今何か妙な感じがしなかったかね?」
突然指を突きつけられた生徒は身じろぎをした。
学食。最終便とも言うべき時間帯。ほとんどが残り物なので品数は少ない。
ほうれん草のおひたしとロールキャベツがもう品切れとなっていた。
残っている生徒も少なく、指差した者、指された者のほか配膳係が二名、生徒が他に二名しかいなかった。
閑散としているせいで、先ほどの大音声は実にクリアに食堂内に響き渡った。間違いなく全員に聴こえている。
無差別に指されたその生徒はふるふると首を横に振った。
指した男は腕組みをして、
「そうか・・・。どうも最近首筋がこそばゆいような妙な感覚がすることがあってな。
 気のせいならよいのだ。すまなかった」
と言って得体の知れない食物の咀嚼を続行した。
どうやったらここのメニューからこんなものを作り出せるのだろう。液体なのか固体なのかも判然としない。
「ふむ。やはりこの食堂は凋落の一途を辿っておるな。ここにも私の助力が必要かな?」
そんな事があった日にはその日こそが第三EMP学食の命日となるだろう。だが今気にすることではあるまい。
ようやく食事を終えた宮野はほうじ茶を二秒で飲み干し席を立った。時計は午後八時をまわったところだ。

早速と宮野は部屋に戻った。
「寮長殿!ご無沙汰であったな。いや実に半日ぶりか。
 今日は一日が妙に長かったな。
 だがこれでまた、私はこの宇宙を形作る神秘の核心に一歩近づけたと愚考する!」
「ん・・・あぁお前か」
佳由季は宮野のセリフを全て聞き流して目が覚めた。部屋が静かすぎるとどうも眠くなる。
「どうした寮長殿!芳しくないな。何かあったのかね?」
佳由季は机に伏していた頭をもたげた。どこまで考えていたのだっけ。
宮野に話すとねじれる可能性も大だが、真琴がいないのならばこいつに話すしかあるまい。
「お前…明日この学校に侵入者が来ると知ったら喜ぶか?」
宮野はセリフの真ん中あたりで首をくるっとこちらに向けた。
「侵入者だと!?それは何者かね?お聞かせ願おう!」
佳由季はしばし目を閉じて首を振って眠気を飛ばすと、言った。
「たぶん来る。何人かは分からないがEMP能力者らしい。
 他校の連中なのか、抜水優弥の組織なのか、それ以外の誰かなのかは分からない」
「ほう!それは異なことだ。いつやって来るのかね」
「明日の五時と言っていた。さっきまでどうするか考えてたんだ」
宮野は鼻を鳴らして足を組み替え言い放った。
「戦えばよかろう!何が狙いかは知らんが、侵入者である以上そやつらは明確な『敵』なのだからな!
 何を迷うことがあるのだ寮長殿」
ほとんど予想通りのリアクションだったので想定どおりに言葉を返してやる。
「誰が戦うんだよ。さっき冷泉のところにいったが、信じちゃくれなかったぞ。
 つまり対策も何もなしだ」
「ふん、あのような者ハナから頼りにしておらん。
 私がいるだけで第三EMPの平和と秩序は保たれたも同然である!」
むしろ率先してぶち壊しているだろ。
などとツッコミをいれても無駄な事はとっくの昔に自明となっていたので控えておく。
「お前今無能力状態なんだろ」
今、というか、本来ならもう未来永劫戻らないはずだ。
「そんなことはまるで問題ではない!大丈夫だ。面倒なので説明はしないが、近いうちに分かるであろう」
何が分かるというのだろう。そもそもこれは事件なのか?
現段階では何も起きていないに等しい。
「寮長殿、考えてもみたまえ。縞瀬真琴の出向と私の能力消失、そして襲撃の噂。
 これら3つが偶然重なることなどあると思うかね?
 物語とは全て予定と調和の中に成り立っていると言ったはずだ。そしてこれは予定調和以外の何物でもない。
 分かるかね?つまりこれは
375名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:25:25 ID:rR4sBqp/
<アスタリスク・1>
介入する。

<インターセプタ・1>
お待ちを。
可能範囲限界まで動向を観察したい。
許可を。

<インスペクタ・1>
既に限界ではないのか。
介入を申請すべき。

<アスタリスク・2>
インターセプタを許可。
実行する。
終了。
376名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:26:26 ID:rR4sBqp/
四章・B

分かるかね?つまりこれは何者かの作為によって起きている事態なのだ」
さっぱり分からない。第一話が繋がっていない。いつもながら宮野の自説開陳が整合性を持つことなどない。
思いつきとでっち上げによる電波理論だ。机上の空論にすらなっていない。
「ともかくだ!明日になればはっきりする。また私は一歩心理に近付くのではないかと思っている。
 そんな気がついさっきしたのだ」
佳由季はまた眠くなってきた。付き合ってられない。
何だか長い一日だった。茉衣子は若菜たちにちゃんと話してくれただろうか。
話していても若菜は「へー、怖いねー」くらいしか感想を言わないかもしれない。
真琴はいつ戻ってくるのだろう。明日の夕方までに帰ってくるのはさすがに無理だろうか。
抜水優弥はなにを考えて―。

「―寮長殿!どうかねこの説は。本にして出版した日には世界規模のベストセラー間違いなし、
 あらゆる賞を総なめであろう!…ん、何だ、寝てしまったのか?
 睡眠学習の効果については甚だ疑わしいと私は考えるがな。なぜならあれは―」
「班長のエセ理論にうんざりなのでございましょう」
光明寺茉衣子が入って来た。当然のように宮野は鍵などかけていなかった。
「おぉ我が麗しの茉衣子くん!寮長殿の代わりに私の聴講生となりに来たか。感心なことだ」
「その減らず口の原動力が何なのか一度検証してみたいものです。
 えぇと。何を言いにきたのでしたっけ。あぁそうそう!
 高崎さま!起きてくださいまし。寝ている場合ではありませんわ」

一日が終わると思いきや夢の中から引き戻された佳由季は、
仏頂面のまま茉衣子の話を聞いていた。
「会長室にメールが届いたそうです、真琴さんから」
「ほう!さっそく内容を伺おうではないか」
「班長は黙っているがよいのです。文面はこうでした。
 『明日そっちを襲撃します。たぶん夕方くらいになるんじゃない?
  フェアプレー精神で予告はしてあげたけど抵抗は無駄よ。
  まぁそれでも戦うのなら、無駄な準備にいそしむがいいわ
                       第一EMPより愛をこめて 真琴』」
「あの女もついに気が狂ったようだな!これは面白いぞ。まさか敵が会長代理とはな。
 思いもよらなんだ」
宮野は高笑いを隠しもしない。佳由季のほうは手紙の一行目後半あたりで目が覚めていた。
「あいつ…何考えてるんだ」
「わたくしも教えてほしいですわ。理解不能です、驚天動地です。
 真琴さんは一体どうされたのでしょう」
茉衣子も不安を隠さず答えた。
「これどこで知ったんだ?」
「会長室です。若菜さんと類さんに事情を話した後、わたくしもそちらへ向かったのです。
 自治会の対応が気になりましたので。
 すると冷泉さんでしたか、あの方がプリントアウトしたメールに見入っていて…」
なるほど。これであの忠告がもう少し信じやすくなった。
会長室にメールを送るのは至難の業である。
毎分メールアドレスが変化する上に、アドレスは暗号化されている。
差出人は真琴本人と見てまず間違いはないだろう。
「冷泉はどうするって言ってたんだ?」
「保安部は総出で学内警備、第二EMPに救援要請を出したそうなのですが・・・」
「どうした?」
「第二EMPにも同様のメールが届いたらしく、そんな余裕はないとのことでした。
 差出人は真琴さんではなくて第一の人間のようです」
377名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:27:29 ID:rR4sBqp/
宮野は面白くてたまらないという様子で話を聞いていたが、突如口を挟んだ。
「これは願ってもない事態だな!ついに三校総出のEMP合戦とも言うべきものが
 繰り広げられようとしているのだ。この宮野秀策。腕を鳴らさずにはいられない!」
「話を大きくしないで下さいますか。班長は楽観視しすぎです。
 これは由々しき事態なのですわ。わたくし、不安でなりません」
「簡単なことだ茉衣子くん。この場合は縞瀬真琴及び第一EMPの連中が明確に我々の『敵』なのだ。
 相手が例え知り合いであれ遠慮はいらん。派手に暴れてやればよい!
 今夜は眠れそうにないな。遠足前日の小学生にも今の私の高揚感は越えられまい!」
ついこの前の騒動で、真琴には敵に回る理由があった。だが今回はどうなのだろう。
別に吸血鬼が現れたわけではない。敵役を演じる理由などないのではないか。
佳由季は沈思黙考した。宮野は委細構わず続ける。
「第一EMPは悪の帝国にでもなるつもりか?そのような宿命でも背負っておるのではあるまいな!」
「滅多なことを言わないでください。では真琴さんは何なのですか。
 なぜわたくしたちではなくあちらに着く必要があるのです」
宮野は佳由季の部屋を腕組みしながら歩きつつ答える。
「ふん。あの女のことだ。
 第三EMPに愛想を尽かしたとか、いい加減ここの連中に飽きたとかそんなところであろう。
 理由などどうでもいいのだ。そんなものに私は興味を持たない」
「本気でそんなことを言っておられるのですか?
 だとすれば今度こそ、わたくしは班長と袂を分かつことになりそうですわね」
茉衣子は腹を立てると言うよりはイライラしているようだった。
「私はいつだって本気だぞ茉衣子くん!
 そして私の言ったことは三割しか嘘にならんのだ。天気予報も真っ青の的中率である!」
「今すぐ出て行ってくださいますか。
 わたくしちょっと頭が痛くなってまいりました」
宮野は大げさに両手を広げ、
「大丈夫かね?今からでも医務室にエスコートしようか」
「結構ですのでこの場はとっとといなくなってくださいますか」
「そうか。ならばたまには空気を読んで退場してみるとしよう。
 明日の準備もあることだしな!」
そう言うと宮野は三歩でドアに歩み寄りどこかへ消えた。
いつも空気を読んでほしいものだ。と佳由季はぼんやり思った。
「まったく。あのアホ男との会話は色々な力の浪費ですわ」
「お前、どうするんだ?真琴が攻めて来たら」
佳由季が言った。
「…そうですわね。わたくし身が自治会保安部に所属している以上、
 こちらを守るのは当然の務めでしょう。ですが…」
「今回ばかりはどうしたらいいのか分からないな。
 宮野の野郎はどうしてああ何事にも順応できるんだ?」
茉衣子は道端の吸い殻を見るような目で答える。
「班長の場合は順応というより、何色にも染まらないだけなのでしょう」
「染まりようがないからな」
佳由季はそういうとまた言葉を切った。
茉衣子はすっかり宵闇に包まれた窓の外を見る。
このままでは何も心構えせぬままに明日の夕方を迎えてしまいそうだ。
だが今の時点で心の整理がついている人間など宮野くらいのものだろう。
整理と呼べるかは疑問だが。

―どこかから声がする。
「どうやらまた楽しいことになっているようですね。
 僕も一枚噛みたいところではあるんですが…さて、上手く行くでしょうか」
長い一日はようやく終わる。
果たしてこれは恣意によるものなのか、はたまた偶然のなせる業なのか。
後者を信じるものなどもういないかもしれないが。

明日が無事に終わればいい。
そこに至るプロセスは違えど、佳由季と茉衣子は偶然にも同じことを考えていた。
378名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:28:30 ID:rR4sBqp/
五章

朝は決して穏やかなものではなかった。
轟音がした。大半の生徒が叩き起こされる羽目になった。
音は中庭から聴こえたようで、その方角から煙が上がっている。

敵襲、ではなかった。
野次馬の半分以上がまだ寝巻きのままで、高崎佳由季もその一人であった。
そして騒音の犯人は、制服の上に誰にも着用指定されていない白衣をまとって仁王立ちをしていた。
その立ち姿が嫌な感じに朝日とマッチしていて、そこにいた全員がえもいわれぬ不吉な感覚になった。
「宮野…」
「はっはっはっはっはっは!すばらしい朝であるな寮長殿!
 諸君らもおはよう!目覚めはいかがかな?
 いや、皆まで言わずとも清々しさに胸が満たされているであろうことは分かっておるのだ」
さて、中庭には白い結晶のような柱がいくつも突き立っていた。
塩の結晶のように見えた。
「これは何だよ」
佳由季は訊ねた。
「見ての通り、結晶だ。私の研究のな」
宮野は自信100%の表情で続ける。
「何せ今の私はEMP能力を使えない状態にある。
 丸腰で侵入者連中を迎え撃つなど、刀すら持たずに長篠の戦いに挑むようなものだ!」
 しかるに私は擬似的にEMP能力を行使する手段をいくつか編み出したのだ。
 もともと下準備をしてあったとはいえ、この秘術を完成させるのは骨だったぞ。
 あらゆる神話や伝承を調べ直す必要があったのだが、結局のところそれらは全く役に立たなかった。
 ともあれ私はEMP場とも呼ぶべきものを物体に封じ込め、力を引き出す実験に成功した!
喜色満面の男は朗々と演説を続ける。
「これは表彰されるべき行いであるな。ゆえに私は自分自身を褒め称えるのだ!」
高笑いが続いた。佳由季を含む誰もが呆れていた。要するにEMP能力が無くなろうがお構いなしらしい。
「だが何にせよ不自由である。私の能力は消失したのではなく何者かに奪い取られたのだろうな。
 そう直観が訴えている!ならば取り返すまでだ」
今日の宮野は一段とどうかしている、と佳由季は思った。
こいつにとって常識とか論理とかいったものは、そっちのほうが非常識であり非論理なのだろう。
そう言い聞かせて、宮野についてこれ以上考えるのは終わりにする。
これほど無意味な思考課題もそうないだろう。

一時間後の食堂では佳由季、宮野、茉衣子、若菜、類、祈が勢揃いして朝食を取っていた。
祈を食事の席で見かけることは稀だった。この6人での食事は初めての事である。
「話は聞いたか?」
宮野が例によって演説まがいの無意味スピーキングを続けるのを軽やかに無視して、
佳由季は右隣にいる祈に話しかけた。
<<えぇ。噂でも広まっています。真琴さんが…>>
戸惑いの思念。彼女は今マスクを外している。
彼女がマスクをしているのは、その能力が強力すぎるがためである。
祈の発言は現実のものとなる。
佳由季はその光景を目の当たりにしたことはない。全て現実となるのかも聞いていない。
だが祈は自分の力を何より恐れているように思えたから、相応に強力なのだろう。
「あいつが何を考えているのかさっぱり分からない」
夏に平行世界とやらを見てきてから、あいつは何だか様子がおかしい。
思い詰めるくらいなら少しくらいは相談に乗ってやるのに。
まぁ頭の中を終始覗かれっぱなしなのは癪だが。
<<私は真琴さんを信頼しています。なにか理由があるのでしょう>>
真っすぐな思念。理屈抜きの信念は佳由季にないものだ。見習いたい。
379名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:29:31 ID:rR4sBqp/
どうやら授業はあるらしい。
そういえば宮野の話が全く耳に入らなかったのは、我ながら見事なスルー技術だった。
またもあいつはどこかへ行ってしまったので、自室へは一人で戻る。

「おはようございます。気持ちのいい朝ですね」
宮野の顔を見ていたほうがまだマシだったかもしれない。
部屋にカードキーを使って入ると、そこには抜水優弥の姿があった。

「たった一日で随分と状況が変わったみたいじゃないですか」
「知っているなら訊くまでもないだろう。僕のところにいちいち来るな」
優弥は肩をすくめ、
「この学校に友人は少ないのでね。それにあなたはなかなか面白い人ですし」
「授業に遅れる。用があるなら30秒で言え」
佳由季は腕組みをした。
「そっけないですね。まぁいいでしょう。
 僕をこちら側の助っ人として迎える気はありませんか?」
優弥は言葉が佳由季に浸透するよう数秒の間を置いた。
「我が負傷の妹がこの学校を襲うようですね。
 まったく何をトチ狂ったのやら。
 もともと狂っていましたから、ようやく正常化したと言うべきかもしれませんが」
佳由季はしばし優弥のほうを無感情に眺めていたが、やがて言った。
「部外者を迎えるほど困っていない。それに僕の独断で返事はできない。
 だから答えはノーだ。じゃぁな」
佳由季はドアに手をかける。その後ろ姿に声がかかる。
「憂さを晴らすいい機会なんですよねぇ。まぁ期待していてください。ピンチでしたら駆けつけますから」
振り向かず、返事もせず、佳由季は部屋を後にした。

夕方へ向けて第三EMPの時はゆっくりと過ぎていく。
―同時刻。第二EMP学園において、既に戦いは始まっていた。

「那岐鳥!これは一体どういうことだ。分かるなら説明してくれ」
「フフ…ボクにそのようなこと分かりようもないのですな…おっと」
手に持つ剣を横薙ぎ一閃。目の前の黒い影はそれまでの威圧感が嘘のように掻き消える。
「想念体か。この数は異常にも程があるな。こいつら相手には俺は無力も同然だ」
背中合わせに同室の二人は廊下に立っていた。
望んでいようがいまいが、今第二EMPではこのような戦いをあちこちで見ることができる。
「フフ…この場はボクに任せるのですな。
 これが誰の仕業かは検討もつきませんが、剣を振ることくらい朝飯前です…」
獅子丸は剣の舞のオリジナル版を踊り出した。

「跂踵!」
赤い閃光のごとき、一羽の怪鳥が宙を舞う。
キインという鳴き声とともに周囲の黒い影たちが皆消え去る。
鳥は一鳴きすると主の手に戻り。直後にペンケースへと姿を変えた。
「あ…ありがとう。多鹿ちゃん」
腰を抜かしている女子生徒の前で、小柄な術者、喜夛高多鹿は振り向いて言った。
「どういたしまして!」
不器用なウィンクと妙に高い声のおかげで、緊張は一瞬にして解けてしまった。


「静かですわね…」
光明寺茉衣子はつぶやいた。今は昼休みだ。
「これから一波乱あるとは思えない静けさですわ」
「茉衣子ちゃん、髪解かしてー」
高崎若菜が背を向けていった。
「えぇ、いいですわよ」
茉衣子は櫛を取った。
本当に平和です…。
380名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:30:33 ID:rR4sBqp/
蜩篤史は第二EMPの後者を駆け抜ける。
校舎内は既に想念体の巣窟のようになっているが、他校の者らしき人物どこにもいない。
見慣れた第二EMP生が想念体退治に躍起になっている光景ならそこかしこで見られるが。

どこかにEMP場を垂れ流している人間がいるはずだ。
会長はそう言っていた。早急に見つけなければ。

蜩のEMP能力はことさらに特殊である。
彼は代謝加速能力者で、自分の主観時間を周囲より早く進めることができる。
加速状態で蜩が動くと、他の人間には彼が超高速で移動しているように見える。
相手が何かする前に秒速ノックダウンできるのが彼の取り柄であり自信だ。
だがこの能力には代償がある。時間を加速させる分、自分の寿命を縮めることになる。
蜩の身体は一般人と何ら変わらないため、うっかりどこかにぶつかってしまえばそれは大怪我にもつながる。
さらに能力使用後は半端じゃなく腹が減る。
速く動けることを除けばメリットは何一つないと言っても過言ではないだろう。

蜩は今現在力を使っていなかった。
もともと運動神経には自信がある。想念体をかわして校舎を疾駆するくらいなら余裕である。
それにこの想念体は普通のものより動作が緩慢だ。
蜩は中庭に出る。誰もいない。想念体もいない。
バタン。
「蜩くん!」
多鹿だった。例によってタイミング抜群である。
「こっち!おかしな部屋がある!」
多鹿に従い、中庭を挟んで反対側、彼女が来たほうへと歩を進める。

「誰かこっちへ来るみたいだなぁ。さて、誰だろうねぇ」
暗い部屋で一人しゃべる人物。しかし返答はない。

加速したように時間は過ぎ、夕方になる。
第三EMPも平和ではいられなくなる。
381名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:31:34 ID:rR4sBqp/
六章

第三EMP学園は静まり返っていた。
午後の間に、これから何があるのか噂を知らぬものはいなくなっていて、
校舎の要所には保安部の生徒が不安げな面持ちで警備についた。
真琴に敵うわけがない。
誰もがそう思っているらしく、一方で警備に当たらない生徒達は今ひとつ危機感に欠けてもいた。
「会長は何だってわざわざここを襲ったりするんだ?」
「さぁな。退屈なんじゃねぇの」
こんな感じ。どうも想像力が足りないかいい感じにぼやけている。
一方で現実を正しくとらえている者もいたが、やはり慌ててはいなかった。
「縞瀬さんなら私たちが何かする前に心をのっとっておしまいよね」
「そうね。どうしようもないわ」
こんな感じ。では主要人物たちはどうしているかというと
「結局集まっただけになってしまいましたわね」
「全く問題なかろう!私一人いれば十分だ」
場所はまたしても食堂。全員で固まっていられる場所というとそう選択肢はない。
寮は異性の出入りが禁じられているし(昨晩茉衣子が男子寮に入っていた気もするが)、
暮れの夕方ともなると山の風は大いに冷たい。
なので室内で都合のいい場所となると、成り行きで食堂になってしまう。
ここ二日ばかりコミュニティの中心となっていたせいもあって、多分に既視感がある。
「兄さん、いつまでここで待ってないといけないの?」
若菜は兄の袖を引いた。彼女も危機意識が低い人間のひとりであった。
「とりあえず五時まで待てば動きがあるんじゃないのか」
来るならさっさと来い、そして説明してもらおう。佳由季はそう考えていた。
「どうせなら派手に行きたいものだな。
 あの女がどう出るのか分からんが、私を満足させる方法を取ることを願っている!」
派手に、ねぇ…。


頭突きが壁に穴を空けた。
気配を察した直後に力を解放して正解だった。
次の瞬間に見えた空中で静止する赤い人形の軌道上から逸れ、
蜩は多鹿を入れずドアを閉めて鍵をかけた。

ピロシュカ―。

加速状態を解除する。人形は壁に頭半分埋もれたままだ。
「お久し振り」
枕木庸市がおぼろな存在感とともにそこにいた。足許に白い人形はいない。
あっちの名前はマルギットだったか。どうやらここにいないらしい。
「今日は一体しか連れていないんだな」
「必要ないからね。今日の僕はあやつられていないから。
 よもや君と再会するとは思わなかったよ。元気だったかい?
 まぁあの時の記憶もあまりはっきりしないんだけどねぇ」
庸市は側頭部をさすった。それが合図だったようにピロシュカは地面に落ちると、
横向きのまま転がって庸市の傍へ戻った。
「お前が犯人なのか」
蜩は警戒心をそのままに言い放った。
庸市は近所の友人を訪ねるときのような気軽さで
「まぁそういうことでいいんじゃないかな。
 そうだ、さっき入り口に見えた子。夏にも一緒だったよね。もしかして恋人かい?」
蜩は途端に耳まで赤くなった。
「ち、ちげーよ!それだけは絶対にない!誤解すんな」
「なるほどね。まぁどっちでもいいや。
 ところで君さ、これ見なかったことにして出て行ってくれないかな」
「そんなこと出来るか。だったら初めから来てないっつの。
 お前こそ、その人形と想念体全部連れて出て行け」
蜩はまた臨戦態勢を取った。
382名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:32:36 ID:rR4sBqp/
「そうはいかないなぁ。僕にも立場ってものがあるしねぇ。
 話し合いで解決しないんじゃ仕方ないなぁ」
庸市は例の退廃的な笑みを浮かべて言った。
それまで横になっていたピロシュカは糸で釣られたように起き上がり、
ゆっくり回転すると蜩と視線を合わせた。
「続きと行こうか―」


午後五時―。
相変わらず第三EMP学園校舎内は静かであった。異様なまでに。
食堂に集った面々も今だそこにいたが、目がどこかうつろである。
他の生徒は全員が目を閉じて眠り込んでいた。警備係も、全員。

「ここはどこだ?」
常套句を吐いたのは高崎佳由季である。
「精神空間よ。あたしのね」
答えたのは聞き覚えのある声だった。
次に佳由季が認識したのは視覚情報。
これまで一緒にいた者のうち、宮野と茉衣子が自分と同じようにソファに座っている。
マンションの一室のような場所である。
「ようこそ、お三方」
縞瀬真琴は遠くを見通すように笑った。
佳由季は何だか得体の知れない感じがして首を振った。何だろう。
「ほう!そう来たか」
言ったのは宮野である。顔面にはまだ得意気な表情が張り付いている。
「我々の身体的自由のみ奪ったのだな。なかなかである。
 だが意識のみここへ呼び寄せたのはなぜだ?解せんな」
「あんたたち以外の人間には眠ってもらってるわ。佳由季、あんたの妹も含めてね。
 今校内を歩き回ったらけっこう面白い光景が見られるわよ」
真琴はふふんと笑った。茉衣子がすぐさま質問する。
「一体何が目的なんですの?真琴さんらしくもない」
「さて、あたしらしいって何かしらね。ふふ。
 あなたは一体あたしのことをどれだけ知ってるのかしら。ねぇ、茉衣子ちゃん?」
茉衣子も違和感を感じた。何でしょう、この感覚は。
「まぁあんたたちは説得しておきたかったのよ。
 あとでピーピー騒がれてもうるさいだけだしね。面倒ごとは先に済ませちゃいたいもの」
何のことを言っているのだろうか。佳由季は真琴を見る。一見するといつも通りだ。
「あんたたちの精神場をちょっと拝借したいのよ」
「なるほどそういうことか。あれを再生させるつもりなのだな!」
宮野が言った。さっぱり分からない。
「あんたやっぱ鋭いわね。あんただけ先に能力使えなくしておいて正解だったわ。
 下手に動き回られると厄介だしね」
「折角山ほど魔導書を用意したと言うに、これでは台無しではないか。
 私はもっと心躍るようなパーッとした展開を望んでおったのだ」
「あんたの事情なんか知らないわ。ただあんたはこの状況でも何かしそうだったから。
 ほんとはこんな能力、持っていたくないんだけど」
真琴は指をくるりと回す。同心円が2つと五芒星が現れ、黒い光を放つ。
触手が一本突き出ると、部屋の隅に浮遊し、奇妙にうねる観葉植物と化した。
「何が目的なんだ」
佳由季が茉衣子が言ったことを復唱した。
真琴は今存在に気がついたかのように佳由季を見て、答えた。
「PSYネットを復活させるわ」
383名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:33:38 ID:rR4sBqp/
PSYネット。
EMP能力者間の精神結合。妹の春菜と共に消えてそれきりのネットワーク。
だが待て。何のためにだ。いくらなんでも突然すぎるだろう。
「そうかしら?復活させる方法は見つかったし、
 復活させない理由もないのだから、突然でも構わないと思うけど?」
心を読まれていたが気にせずに佳由季は答える。
「復旧させてどうするんだ?大体あれのどこに存在意義がある」
「復旧すれば分かるわ。世界の安定のために必要なのよ」
「まことに怪しいな!今のお前からは何か異質な雰囲気が感じられる」
宮野が割り込んできた。さらにもう一人―。
「それには同意できますね。実際その言葉が当てはまると思いますよ」


勝った。
実時間にして3秒後のことである。
蜩は加速状態に入りピロシュカをあっさりかわすと、庸市の元に駆け込んで気絶させた。
やはりあの時の白人形なしでは加速状態について来られないらしい。
さらに庸市はEMP力を学園中に放っている。本体はほとんど無力だったろう。
「面倒起こしやがって」
蜩は庸市と動かなくなった赤人形を抱えると、音楽室の出口を目指した。
「いやにあっさり済んだな。これで終わりなのか?」
…そのようである。


マンションの壁、襖と思しき扉から抜水優弥が登場した。
こんなところに襖なんてあっただろうか。佳由季は思った。
「また人様を困らせているようだね。黙示録?」
「何のことかしらね。あんたの顔なんて永遠に見たくないんだから、出て行ってくれない?邪魔よ」
真琴の反応など気にも留めず、優弥は4人の周囲を歩き回りながら感心した風に言う。
「なるほどねぇ。これがお前の精神空間か。思ったより片づいていて安心したよ。
 まぁこんなに殺風景じゃ、人様をもてなす場所としては50点しかあげられないけどね」
突然室内に風が吹いた。
直後、優弥は半回転するように身をかわし、元いた場所の壁には刃物で切り裂いたような痕がついた。
「随分乱暴だね。気に障ったかな?」
「ま、真琴さん!?」
一番驚いたのは茉衣子である。当たっていたら致命傷になり得る。
真琴は腹を立てているようだが、こんなに怒りやすかっただろうか。
「真琴、お前何だか…」
佳由季が言いかけるのを真琴は遮った。
「あぁ、とんだ邪魔が入ったわね。これじゃしょうがないわ。
 あんたもPSYネットの復活には関心があるんじゃなかったの」
真琴は優弥を睨んでいた。
「よりによってお前に復旧されるのは心外なんだよ。それだけさ」
「もういいわ、やめやめ」
突如部屋のイメージが乱れ始めた。渦を巻くように。
「説得できるならしておきたかったけどしょうがないものね。
 全員の力をいただくことにするわ」
「まったくしょうがないなお前は。どこでもこうなのかい?がっかりするね。
 もう少し理性的に振舞ったらどうなんだい、縞瀬真琴#99―」


ブチッ。
―。


384名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:34:39 ID:rR4sBqp/




<インスペクタ・2>
待機時間の限界を確認。
現在時刻より40秒。

<インターセプタ・2>
インスペクタ、確認した。
待機―。

―。



む。
…。
む?
…これはなんであろうか。身体が軽いな。

<インターセプタ・3>
ターゲットを確認。
接触する。

<アスタリスク・3>
了解した。
申請する―。

おお。これはまるで…む。そうかそうか。なるほど。
思いもよらずもたらされた幸運と呼ぶべきか?
しかし私は能力を失っていたのではあるまいか。
はたまたこの力はそれとは無関係なのか?

―。

385名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:35:40 ID:rR4sBqp/
(x,1)



宮野秀作は照明の点いた明るい廊下に立っていた。
内装は豪奢な洋館のように絢爛としており、辺りは静まり返っている。
「ここは一体どこであろうか…」
宮野はオーバーアクション気味に自分を取巻く景色と、己の手足を見渡した。
「ふむ、私は今まで縞瀬真琴#99の精神世界にいたはずなのだが」

「こんにちは」
声のしたほうは宮野の真向かいである。
「む、君は誰であったかな。そしていつからそこにいたのだ?」
「ふふ」
声の主は穏やかに微笑んでいる。
「ついて来てくださいますか」
そう言うと声の主はくるりと後ろを向いて歩き出した。
長い長い廊下。
一体どこから始まっていて、どこで終わっているのか分からないような。
その廊下を宮野は歩く。未知の感覚を感じながら。
「不思議なものだ。ここはどこでもあるようで、どこでもない」
道案内は答えず、しかし歩を止めた。
「どうぞ、お入り下さい」
「ふむ」
宮野は思案顔のまま開かれた扉の向こうに姿を消した。
案内をした少女は音を立てずに扉を閉め、そして廊下をまた歩き出した。

―。

<アスタリスク・4>
実行。
終了。
386名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:36:41 ID:rR4sBqp/
〇章・β

公立第三EMP学園―。
深い森に閉ざされたこの学園の存在を知るものは少ない。
それは当然、この学校が深い森の中にあるからである。

この学校の生徒達はEMP能力という特殊な力を持っている。
それは一般社会に多大な影響を及ぼすようなものから、
生活する上でもその他の場面でも全く役に立たないものまで様々である。

「ふぁ〜っ。よく寝たわ」
高等部二年生の生徒自治会会長代理、縞瀬真琴は珍しく早起きをした。
「ん、まだ五時じゃないの。早起きしすぎたわね」
真琴は再び横になると、三秒で二度寝に就いた。
高等部二年生の生徒自治会会長代理、縞瀬真琴は珍しく早起きをし、
いつも通り昼近くまで二度寝をする。

真琴がまた夢を見始める頃、生徒が一人、学校に戻ってきた。
長身に白衣をまとい、きょろきょろを首を振っている。

「はて、私は何をしていたのだったか。
 何やら核心めいたことをしていた気がしたのだが」

そう、彼はつい先ほどまで私たちと共にいた。
そして、この2日間に改変を施した。

 「ほう、君たちは私を言うなればテストするためにあやつを消しかけたのか。随分と身勝手であるな。
  そしてその結果として私がここにいるということか。なるほど。
  はっきり言おう。気に入らん。
  このくだらん茶番劇はさっさと終いにしてしまえばよい!
  問題ないな?インターセプタ。
  私の記憶か?構わん。どうせ以前にも似たようなことをしたのであろう。綺麗さっぱり消せばよい。
  それでも私は何度でもここに来れる。そう確信している。
  なぜなら、私は宮野秀策。
  やがて、この世界の頂点に到達する男だからだ!」

第三EMPに朝日が昇る―。


(了)
387名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:38:57 ID:rR4sBqp/
タイトルをいっそ「I'm sorry」にすればよかったくらいの打ち切り終了っぷりである。
もう何というか、エロでも感動でもなければギミック的面白さも整合性も欠けててごめんなさい。
退屈すぎる人だけ読んでくだされ…。
388名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:41:43 ID:TqcfXirA
お疲れ!
389名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:51:47 ID:N5DX490d
なんていうか学校を出ようの総集編って感じだな
390名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 23:56:49 ID:8H88ZPM3
おもしろかった!
391名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 00:07:03 ID:8NJVS7sh
よくわからんが、とりあえずキョンの方が独り言は面白いのはわかった。
392名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 01:10:45 ID:MFoH58f5
>>386
お疲れ。
俺も、学校を出ようのダイジェスト版を見たような錯覚に陥った。
特に、宮野の扱い方が素晴らしいなと思った。
393名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 01:16:12 ID:+zz45hOS
抜水ってヤツと古泉が被りすぎてて笑ったww
同一人物じゃないかwww
394名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:13:58 ID:VsCQGfqs
>>173-178
実際保管庫の作品では作ってたしな…
ちょっと苦い事を思い出した
395名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 02:32:54 ID:ZqM6fHVO
>>393
そりゃあ古泉の異時間同位体ですからw
396名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 11:21:37 ID:8NJVS7sh
学校の方はイラスト誰が書いてんの?
昨日陰謀を読み返して、改めてのいぢの絵に感動したよ。
多分のいぢじゃなかったら買ってなかったな。
397387:2006/11/26(日) 11:42:23 ID:+KOF1z3E
学校本編はこれよりずっと面白いからまだの人は手にとってみてくだされ。
2巻まじおすすめ。

今度はもう少しSSらしいの出来るようにしよ…。
ボクセカの先生のような気分だったよ。。
398名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 17:24:41 ID:Eu+uDCvQ
抜水テラモエスwww
399名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 18:08:13 ID:YkUDroLK
400朝比奈みくる(大)の本音 in 消失編 1:2006/11/26(日) 18:51:49 ID:euD2wg3b
今日、私はキョンくんをうまく助けられるだろうか。
いえ絶対に助ける。
過去に私がキョンくんに助けてもらった沢山の記憶がよみがえる。

彼には本当にお世話になったから。
沢山のものをもらったから。
今度は私が返しに行きます。

キョンくんはちゃんとこの時間平面状にくることが出来たかしら。規定事項とはいえ少し心配です。
七夕の日に過去の私と一緒にやってきたキョンくんに東中の校門前に行くように指示。
もうすぐ、またキョンくんに会うからここでは多くを語らない。
でもこれはあなたの為。未来のあなたにとってこれは必要なことなの。規定事項。

そして私は歩き出す。
キョンくん。そろそろ現れてもいい時間です。

「朝比奈さん!」

きた。
私はゆっくり振り返る。良かった。ちゃんとこれたのね。
キョンくんは息をきらしていた。
「こんばんは、キョンくん。あなたとは久しぶりですね。」
笑顔で答える。

キョンくんの顔には混乱、焦燥、安堵、色んな表情が浮かんでいる。
色んなことを説明して欲しそうなのでとりあえずベンチに誘う。
今の私はあの頃の私より沢山話してあげられる。

説明したくてもできなかった過去を思い出す。
こうして頑張ってここまできたのもあなたを救うため。
今でも話してあげられることは限られるけどこうやって実現できて良かった。
キョンくんは矢継ぎ早に質問をしてくる。混乱しているのだろう。

「世界を改変したのは一体誰ですか?」

キョンくん。それはもうすぐ分かります。どうして彼女が時間を改変したのかあなたは分かりますか?
長門さんの、本当の気持ちに気づいていますか?
―――そして私の気持ち・・

「あなたもよく知っている人です。」
今はこれしか言いません。
401朝比奈みくる(大)の本音 in 消失編 2:2006/11/26(日) 18:52:38 ID:euD2wg3b
長門さんの家に行くまではまだ時間があった。
キョンくんともう少し話をしたかった。私のいる時間ではあなたと直接触れ合うことはないから。
ベンチに座って過去にあった話をする。
キョンくんの顔をじっと見る。これからのことを教えてもらいたそうな顔をしていた。

「たいへんだったけど、どれもいい思い出です。」
だってどれもあなたが助けてくれたから。
他にも沢山教えたいことがある。これからのあなたのこと。これからのSOS団のこと。
でもキョンくん。未来は今のあなたが切り開くもの。だから教えません。

時間が迫る。でももう少しだけ・・もう少しだけ一緒にいたい。
過去の私は何の理由なしにキョンくんと二人で出歩くことは出来なかった。
でも今ならいいですよね?涼宮さんの目も、誰の目も今なら気にしなくていい。
キョンくんの肩に頭を寄せる。
思いがこみ上げてくる。
ずっとこうしてみたかった・・・・。
今なら言える本当の気持ち。

「キョンくん。。大好きでした。」
声に出さずに言う。だってこれは禁則事項。

キョンくんの様子を伺う。
戸惑っているようだった。なぜこのような行為をされているのか全く理解できていない顔。

―――――ホント、何も分かってないのね。

「ふふっそろそろ時間です。」
そう。涼宮さんのもとへ。涼宮さんのもとへあなたを連れて行きます。
そこから先はあなたが決めることです。それがあなたの未来。

End
402名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 20:42:59 ID:Sadap2Lh
あのシーンかぁああああ!!!
消失179ページぃぃいいいいいい!!!
乙!
403名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:43:13 ID:8NJVS7sh
>>400
GJ
この野郎、時間遡航が好きな俺にはニヤニヤが止まらないじゃねぇかよ(笑)

>>399
サンキュー
あとさ、ボクセカがエロいと聞いたんだが本当?
404名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:54:38 ID:euD2wg3b
初めてSS書いたから読み返すと直したいとことかあるけど楽しんでもらえたなら良かった。
みくるが本当は何を言ったのか気になるな。
405名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 22:34:12 ID:iOZ+UImZ
誰か佳由季×真琴を書いてくれないかしら。
406名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 22:36:48 ID:8EqRlHKX
ユキちゃんがリードする様子が思い浮かべられん
407名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 00:35:05 ID:a6LiItNl
なら真琴×佳由季を書いてくれないかしら。
408名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:00:45 ID:22NiXkp7
このスレ、34章まで来てるのに
ネタがつきる気配がしない。
409名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:46:55 ID:ilewU3O0
>>407
「だ、だめだ……もう」
「ちょ、ちょっとユキちゃん! わたしまだ満足してないわよ! そんな勝手にイッちゃダメ!」
「ムリだ……すまん、真琴」
 佳由季は真琴の与えてくる心地良い快楽についに屈し、中に



〈インスペクタ・1〉
 まだ早い。

〈インターセプタ・1〉
 認める。

〈アスタリスク・1〉
 ──介入する。

 実行。

 終了。



「ああんっ! ユキちゃんったらココロも身体もケダモノでいーわっ!」
「……なぁ真琴、俺、今イかなかったか?」
410名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 01:57:03 ID:EjAbAumv
ネタは尽きないがネタの種類に限界があるな
どうしてもラブコメばかりになってしまう
シリアスな展開、心の葛藤とか描こうとしてもハルヒの存在が邪魔になってしまう
ハルヒや長門のなんでもありという設定がキャラの死や善悪の葛藤を書けなくする
書こうとするとハルヒがいない世界、ハルヒの能力が欠如した世界にせざるを得ない
谷川先生がどうやって最後を締めるのか……
411名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 04:08:36 ID:MIyPSzwV
>>410
某夫人「ハルヒがだめなら他にすればいいじゃないの」






宮野「この私だ!」
猫子「私でーす」
ガニメーデス「私と麗しきワルキューレとの仲睦まじきドラマをですな(以下セクハラ台詞略」
死神「あふれでるリビドーを私とともに昇華するのがよいと思うぞ」
412名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 06:26:44 ID:WxYV/X+W
あのさ、アニメのOPで冒険でしょでしょ〜強くなるのよの後の歌詞が
「誰もダメじゃない」と「誰の為じゃない」と2種類無い?
聞いてて少し違う気がするんだけど。
しかも歌詞検索サイト見ると「誰の為じゃない」になってるし。
413名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 09:09:48 ID:Uj4K9Umh
411君
今、
涼宮ハルヒシリーズ以外の谷川流作品のライトノベルを置いている書店は存在しているかね…
414名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 09:42:09 ID:sykY5eNc
しかし改めて原作を読み返すとハルヒって本当にDQNだな。
パソ強奪事件なんて一台数十万はする最新機種を平気でかっぱらってるし、
二回目も自業自得とは言え四台合わせて五十万近くのノートPCを奪ってるし。
高校生でバイトしながら頑張って買ったとか相手の立場になって読んでみると
ハルヒがかなり嫌な奴に見えてくる。
野球の奴とか含め。
415名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 09:48:41 ID:MaO6BdQ6
>>414
今ごろ何を言ってるんだオマエは
416名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 09:53:13 ID:t9PLrAgP
>>414
釣られてやるよ
原作を読み返してそのザマか? 痛いなお前。
417名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 10:21:20 ID:Uj4K9Umh
PC部部長:「クソ―SOS団の涼宮ハルヒめー
目にも見せやる―」
PC部員:「SOS団の全パソコンに
例の『四十名無しウイルス』を仕掛けておきますた。」
部長:「でかした!ふふふこれで涼宮ハルヒはあぼーんだ」部員:「いまごろ…あいつ等のパソコンは〇〇〇〇に…」
418名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 10:43:12 ID:Xyg6qRho
パソコン部にある機材なんていうのは良くて型落ちのオンボロPC、
下手すりゃとんでもねー骨董品だと相場が決まっておるわw
419名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 11:37:23 ID:ZPU+Pkq9
>418
だから原作嫁 話はそれからだ
420名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 11:39:18 ID:lfk3HsTN
>>414
そもそも現実の世界に当てはめて考えるのなら、長門ら宇宙人関係者は「生命の概念が理
解できない」という設定。
そーゆー連中が自分が住んでいるマンションの隣の部屋にいたら、薄気味悪くないか?
421名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 12:02:15 ID:7DQnCq5D
そーゆーって書いてる奴はゆとり
422名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 12:52:56 ID:t1JXkKVh
そうだね、プロテインだね。
423名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 15:59:11 ID:zblFYgsi
>>414
俺も釣られてみよう。
実際俺もそー思って一巻を買ったきりノータッチだったんだが、
アニメがおもろかったのを切欠に続編読んでったら徐々にマトモになってくのが微笑ましくてな、なんか。
野球の最後のセリフを削ったり、序盤のハルヒの毒を適度に薄めた辺りは正解だったと思うんだ、アニメ版。
424名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 16:49:38 ID:RRmMqrrK
野球部から徴収したのは廃棄寸前のガタクタばかりだぞ、と。
バットはボコボコ、グラブはボロボロだったようだしな。
野球部員の汗が染みこんだマスクをかぶってた古泉は内心喜んでたかもしれないが。
425名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 17:06:03 ID:iFvf1e2R
>>414
ハルヒは勉強できるバカな気がする。
なんか無駄に自分に自信を持っててプライドが高いけど行動はくず。
現実でもたまにそんな人いるじゃん。
426名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 17:13:31 ID:pYixrw5c
で、お前は勉強すらできないゴミか
427名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 17:44:36 ID:l66TYg6o
>>413
某夫人「ネット通販を使うか、書店で取り寄せればいいじゃない」
428名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:01:09 ID:bt8RDWFm
>>427
その場合

「書店」に無ければ「書房」で買えばいいのに

が正解
429名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:09:09 ID:t9PLrAgP
某夫人MK-2「出版社を買えばいいじゃない」
430名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:19:32 ID:9C+R94un
俺もハルヒ好きだけど冷静に見たらDQN的行動なのは間違いないだろ
ボロイ機材や古いPCなら強盗まがいなことしてもいいのか?
所詮架空の物語なんだからDQNな行動も含めて全部楽しめばいい
現実にこんな女居たら殴るけどな
431名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:22:28 ID:AffJ/3FL
ばっか、コンピ研部長氏は朝比奈さんの胸を揉んだんだぞ?!
お金的には………釣り合え!
432名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:26:58 ID:z1XlHE36
二次元だからこそいいんじゃないかw
いちいち現実と照らし合わせてたら萎えるだけなんだぜ。
433名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:35:14 ID:iFvf1e2R
>>430
コンピ研のPCは新品。コンピ研の部員が自費で買った
434名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:37:12 ID:BmSFXhmC
>>430
ばかだなあ。 みくるの胸は触っただけだろ?
それなら新しいPCと釣りが来ないとだめだろ・・・
435名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:47:41 ID:9C+R94un
円光3万の時代になにをってこれは置いといて
>>433
知ってる>>418>>424に対して書いたつもりだ


>>414に反論してる奴らがただ盲目的にハルヒマンセーなのが気持ち悪かっただけ
いや原作後半のハルヒは好きだよ?
436名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 18:55:01 ID:ilewU3O0
とりあえず古泉が照れ隠しで怒っているように頼む。
437名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 19:03:09 ID:PPAMehMS
>>435
これに尽きるんだが

415 名前:名無しさん@ピンキー 本日のレス 投稿日:2006/11/27(月) 09:48:41 MaO6BdQ6
>>414
今ごろ何を言ってるんだオマエは
438名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 19:05:08 ID:jWCvcwUH
ここ最近作者スレ的流れになるなw
439名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 19:25:42 ID:onZdAzAc
客観的にみてもハルヒはこのまま大人になるのは拙い人間だな。
440名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 19:36:40 ID:Ph/5e+JS
ハルヒに奪取されたPCの代わりとして、
コンピ研には古泉の手により最新のPCパーツを提供されました

コンピ研部長「・・・パーツだけ寄越して、OSと液晶モニターとケースは自腹で買えと」
部員A「CPUとグラボは最新モデルですが、マザボが対応してませんよこれ」
部員B「不良品メモリーなんか混ざってるし・・・」
部員C「MOなら兎も角、今時ZIPドライブなんて使わねーよ・・・」
部員D「HDDはサ○ソン製かよ・・・しかも2.5インチ・・・」
441名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 20:36:46 ID:YRMGUWNz
ネタです見てください

「ちょ!ちょっとキョン!妹とセクロスしたですってぇ!」
「ああ、そうだがどうかしたか?」
「私も・・・したい」







こうしてキョンとハルヒはセクロスできましたとさ
442名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 20:45:05 ID:t1JXkKVh
さて、このスレの中にファミコンソフト『セクロス』を知っている人間は何人いるだろうか……
443名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 20:59:13 ID:RRmMqrrK
>>435
野球部のは別に脅して盗んだわけじゃないだろ。
道具貸してって言われたから使い古しを押しつけただけで。
444名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 21:11:36 ID:EnRt2dYT
セクターゾーンのことだろ?
んなもんは常識だ
445名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 21:21:55 ID:iZt3W8q/
>>442
ググったところによれば1986年にニチブツから発売されたアクションゲームということらしい。
446名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 21:58:39 ID:NbNiF5DL
原作は二巻目で終わってたら神作品だった。
447名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:07:31 ID:IXXcgUuc
ハルヒって四巻で完結じゃねぇの?
違うの?
448名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:44:44 ID:onZdAzAc
原作ではどうしてもハルヒの影が薄くなるもんね。
長門の方が動かしやすいし。
449名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:54:41 ID:2vOfnXeq
なんか>>414に反論してる奴ってキモイのが多いな……
450名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:55:58 ID:jWCvcwUH
次はハルヒ中心ぽいぜ。
雪山、陰謀、と来てワンダリングシャドウあたりでそういう流れに持っていこうとしてる感じもしたし。
451名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:32:55 ID:BVrQe2Q5
っつーか原作いつ出るんだ。アニメ二期より原作出して欲しい。。
452名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:43:26 ID:rgzpw6IQ
SOS団はようするに光画部なんだよ
453名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 23:59:30 ID:QqM6VMbn
>>452
ときどきそう言う人ちらほらいるけど、それはあまりにもあ〜るに失礼。

どっちが上とかという話ではなく、角度が全然違う。
454名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:07:44 ID:88lM2stu
もうわかったよ。
理解したよお前等の言いたい事は。
さわやかな笑顔が魅力のあの人を出してもらいたいんだろ?だったらながる
んに俺が頼んどくよ。

どうみても縦読みです。本当にありが(ry
455名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:09:38 ID:xbE6WAXF
>>454
456名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:12:37 ID:XianeMbu
どっちが上とか漏れも考えちゃいないけど、日常でわけのわからんやつらが集まって
大騒ぎ、みたいのがジャンルとして同じニオイがするじゃんということで。
さらにいえば、うる星あたりもそうだよなぁ、と。
谷川の世代ってあの辺りの漫画は読んでただろうなーという妄想なんだよ、漏れの。
SSスレで余計なこといってすまんかった。
457名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:13:09 ID:8nOWqRCa
「もりさん」って言いたいんじゃね?
458名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:40:49 ID:w35ZL3I7
なあ
ここってエロパロスレだよな?
459名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 00:57:59 ID:8Xf8r56W
あぁ。
460名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:05:27 ID:bWrVAZKb
たぶん
461名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:09:33 ID:31UoK59M
まぁ、投下してくれるまで気長にSSでも書いて待ちましょう。
462名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:10:08 ID:DMZrgffY
つーわけで、本編の考察は板違いなので他板でどうぞ。

[ライトノベル板]
谷川流 101
http://book3.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1164188452/

[アニメサロン板]
涼宮ハルヒの憂鬱 ネタバレスレ 32
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1163406066/
463名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:31:32 ID:G3WPm67p
「朝比奈さんだらけ」続き投下します。まっ、誰も期待して無いだろうが

●<一人文芸部室に行くとそこには二人の朝比奈さんが待ち受けていた。いつもと違い、妖艶なオーラを
  纏う朝比奈みくる。キョンはそれに嫌な予感を覚えるのだった。っとここまでが前回のあらすじです。
  一体彼の身に何が起こるのか。まぁエロい展開でしょうが。そこはかとなく朝比奈さん逆レイプもの
  「朝比奈さんだらけ」開幕です。
  最後に一つ、ヌケないエロはただの豚だ 以上、古泉一樹でした。
464名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:32:07 ID:G3WPm67p
い、いかん。このままじゃ取り返しの付かないことになる。朝比奈さんにも失礼だし、それに俺は、
俺は……。
「何で、って顔してますね。別に教えてあげてもいいですけど、癪だから教えません」
なにが癪なんですか。冗談はやめてくださいよ。
「キョン君はいつもそうですよね。分かっているのにすぐ分からないふりをする。それでわたし達が
 どれだけ迷惑していることか」
何の事だかさっぱり分からない。俺が知っている、何を。朝比奈さんに迷惑をかけた、いつ。
「ふふふ、だからきめたの。今日ここで、キョン君をたべちゃう、って」
じっとりと顔を伝う脂汗に反し、俺の下半身には血が集結し始めている。部屋に充満する香りが俺の
思考を少しずつ剥ぎ取っていく。……だ、だめだ!しっかりしろ俺!!こんなこと望んでいない!!
「…二人だけなら抵抗できる、って考えているでしょ。残念」
机の下の影がモゾモゾ動き出し、何かが出てくる。それはメイド服を着た朝比奈さんだった。さらに
突然、掃除道具入れが開き中からなぜかスクール水着姿の朝比奈さんが出てくる。
二人の朝比奈さんは二時間後の朝比奈さんの両脇に侍るとこちらに熱病に冒されたような視線を送る。
「わたしが四時間後の朝比奈みくるで…」
先に言葉を発したのはメイド姿の朝比奈さん。
「そして、わたしが六時間後の朝比奈みくるです」
計四人の朝比奈さんに囲まれる。飽和した甘い香りが俺の本能を解き放たんとす。このまま理性の
手綱を手放せばどれだけ楽になるだろう。が、それをしたら俺はもう二度とアイツの前には立てない。
アイツと一緒に笑えない。アイツと一緒に泣けない。アイツと……。
「それから…」
朝比奈さん(2)がこちらを指差す。
…?んっ、なんか妙に下半身がすーすーするな。しかも、自分の分身が何かあったかいぬるぬるした
ものに包まれている感じがする。訳が解らんが、朝比奈さん(2)の指もどうも俺の下半身を指して
いるみたいので、視線を下に向ける。
!?そこにいたのはまたもや朝比奈さん。俺のズボンは脱がされて、屹立したモノをその可愛らしい
小さなお口一杯に頬張っていた。しかも産まれたままのすがたで。
「…ふぁ、ふぃづきふぁしたか。ふぁたしが八時間後の…ふぁ…朝比奈みくる、ふぇす」
ちょ、やめてください。銜えながらしゃべらないでください。ちょうどいい具合にアソコが刺激され
るんです。朝比奈さんの一糸纏わぬ姿にも俺の息子は反応し、鉄の硬度を得ているというのに。
「また、最初は八時間後ですか」
「ずるいです。わたしも早くキョン君のおちんちん、なめなめしたいのに」
「でも次は最初になめなめできるからいいじゃないですか」
「うー、そうですけど」
「じゃあ、床にシーツ敷きますね」
「それではキョンくん、楽しみましょう」
465名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:33:41 ID:G3WPm67p
朝比奈さん(4)が俺の右手、朝比奈さん(6)が左手をそれぞれ取り、敷かれたシーツの上に押し倒す。
朝比奈さん(4)のメイド服の上は既にはだかれており、その豊かな双丘を外気に晒していた。そして
先端のピンクの突起はツンと空を向き存在を自己主張する。
「きょんくぅ〜ん。見てください、こ〜んなに勃っちゃってるんですよ、乳首。触っていいんですよ」
俺の返事を待たずに朝比奈さん(4)は俺の手に自分の手を重ね、そのふくよかな胸に押し付ける。
「ひゃ、もっとぅ、ぐちゃぐちゃって…ふぁ…揉んで…んんっ…いいんですよぉ〜」
柔らかく張りのある胸。例えるなら低反発枕だろうか。こんな枕なら確実にいい夢みれるな。ふわふわ
優しく手のひら全体を刺激される、その中に一点だけ固いコリコリした刺激を送ってくる部分がある。
いわずと知れた朝比奈さんの乳首だ。その刺激が心地よいアクセントとなり俺の脳を蕩けさせる。
「こっちもぉ〜見てください…くっ…あふっ」
甘い声で不満を漏らす朝比奈さん(6)。その甘い囁きに逆らえることはできず、俺は左手を取っている
朝比奈さん(6)に顔を向けた。
「この水着ぃ〜とぉ〜っても小さいんです。だから、ほら胸のところがはちきれそうでしょ」
確かにスクール水着の胸の部分の布は裂かれんばかりに伸びており、朝比奈さんの胸の規格外っぷりを物
語る。巨乳とスク水という相反するものであるがゆえに俺の興奮をさらに昂ぶらせる。
朝比奈さん(6)は俺の左腕全体をギュッと抱きしめる。俺の二の腕は朝比奈さんの胸に押し付けられる。
水着越しの胸の感触はまたなんともいえず、また挟まれているのでふよふよした感触が二の腕を全方向から
刺激する。直接揉むのとはまた違った快感がある。
二の腕が胸の部分にあれば当然ながら手の先は朝比奈さん(6)の股間の位置になる。朝比奈さんの体温を
感じられるぐらいの距離に俺の手は位置してる。が、まだその秘密の場所には触れてない。代わりに朝比奈
さん(6)の手が艶かしく俺の手に絡んでいた。
「知ってましたぁ〜。旧スクール水着のココぉ、穴が開いてるんですよぉ」
ちょうどおへその下辺りを撫でる。知る人ぞ知る、旧スク水最大の特徴の排水用の穴だ。胸の部分より入り
込んだ水をココより排出するという人類が産んだ英知の結晶であり、その筋の人々にとっては禁断の地だ。
そこを片手で器用に開け、白磁の肌を露わにする。呼吸にあわせて鳴動する下腹部、肝心な所は見えてない
のに、いやだからこそかそれは俺の股間を充血させるには十分だ。
「じゅる、ぐぼっちゅぼちゅぼ、ん、んっ〜〜ぷはぁおちんちんまた大きくなりましたぁ、かぷ」
シーツに倒れてからも朝比奈さん(8)は俺の愚息への攻撃はやめないばかりかさらに激しさを増していた
466名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:34:17 ID:G3WPm67p
「よそ見してたら駄目ですぅ。よく見ててください」
俺の左手を握り朝比奈さん(6)は自身の水着の穴に導く。無論目的地はその奥の秘部だ。
無毛の恥丘部を通り、その部分に到達する。くちゅりという音と共に俺の指先は熱さと湿り気を感じた。
「ほらぁ〜、もうこんなにぃ濡れてるんですよぉ〜くんぅ、キョンくんのぉ指でぇ、あんっ、ぐちゃぐちゃ
 にぃしてくださいぃ〜」
俺の手の上から自分の秘部を愛撫し始める。その動きに釣られるかのように俺の手も朝比奈さんの秘部を
弄る。ぬりゅぬりゅと割れ目に沿ってなぞったり、くぱぁと襞を広げたり、コリコリとクリトリスを摘み、
ぬぷぬぷと指を突き入れたり、まるでやり方を指が知ってるかのように自然に動いた。いや意思を持った
ごとくに勝手に動いたのだ。その度に朝比奈さんは可愛らしいあえぎ声をあげる。
「ひ、ひゃん、もっとぉもっとぉ〜はぁはぁ、ああっっ、はぁぁぁ、ふゃぁぁぁ!!」
「っう〜、キョン君気持ちよさそうぉ。わたしもぉ〜負けないです」
負けじと朝比奈さん(4)は腕をパイズリし始めた。肘から先は完全に胸の間に埋まってしまう。僅かに
はみ出た指を、朝比奈さんはチロチロと舐め始める。
「うくっ、ちゅぱちゅぷ、どうですかぁキョンくぅん〜気持ちいいですかぁ」
今までの人生で見たことも聞いたこともない責め。単に俺が知らないだけだろうか。ともかく未知の快感
に俺の頭はくらくらしている。
右手に朝比奈さんの胸、左手に朝比奈さんのアソコ、で股間部では朝比奈さんのフェラチオ…これはがまん
するなってのが無理なことだ。
「はぅ、あんひゃんあっっっんぅ、もっとぉもっとぉみくるのおまんこかきまわしてぇぇえぇえ!!」
「ちゅぼちゅるるちゅぷぷ、こ、こうぉ、ち、乳首をぉ擦り付ける…くふっ…いいんですぅ、ちゅぷ」
「ぐぼ、じゅぶ、じゅるるる、ちゅぷ、イク時はぁお口の中でイッてくだふぁい、くぽっじゅぶ」
三者三様の責めに俺はもうイキそうになっていた。いくら我慢しようと、別のことを考えようと、この
射精感からは逃れられない。俺はもうすでに蟻地獄に肩までずっぽり浸かっているのだ。
「はぁぁあぁ、い、いくぅぅうう、いちゃいますぅぅぅぅ、あぁぁぁぁぁん!!」
「じゅぷじゅぷ、ふぁたしもわたしも、胸だけでぇちゅぶちゅぶ」
「じゅぼじゅぅぅぅう、んくぅちゅぼくちゅ、イクくんふぇですか、ふぃちゃうんですかぁ?ちゅぼじゅぶ」
うくぅ、だ、ダメだ。イ、イクぅーーー!!
「ひゃぁぁぁあああぁぁあ!!!」
「あぁぁぁぁくぅぅぅぅぅ!!」
「!?っつんくぅぅぅ、んぐんぐ」
頭の中が真っ白になると同時に俺の精子は爆発する。そんな表現が正しいほどの勢いと量が朝比奈さん(8)
の口内に注ぎ込まれる。それを朝比奈さんは躊躇無くコクコクと全部飲みきった。嫌な顔一つせず、むしろ
嬉そうにだ。
はぁはぁ。強烈な脱力感と罪悪感に襲われる。俺はもう、ケガレテシマッタ。
467名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:35:03 ID:G3WPm67p
「出ちゃいましたか。じゃあ次は…自分で自分の名前を呼ぶのは不思議な感じですね。今のみくるちゃん」
「ふ、ふぁい」
顔を赤らめた朝比奈さん(今)が俺の傍まで寄って来る。
「キョンくん見てください」
スカートを捲くり、俺の顔を跨ぐ。朝比奈さんの秘部を覆うものは無かった。ぱんつはいてない、のだ。
当然、濡れそぼった女性器が俺の目に飛び込む。
「さっきまでぇ、自分で慰めていたんですよ」
そう言い、ソコを広げ俺に見せ付けてくる。朝比奈さんのアソコは綺麗なピンク色している。俺が今まで、
古泉から借りた裏やネットから拾って来た動画で見たものとは全然、月とピンポンぐらいに違っていた。
「んんっ、見てるだけじゃいやでしょ」
既に愛液で満たされているのに、それでも足りないかのように穴の奥から汁を噴出し続ける。ソコは別の
生き物の様に蠢き、興奮を誘う。
「ここ、みくるのぉ〜処女おまんこぉ〜、ぺろぺろっと舐めてくださぁい〜」
ゆっくりと腰を下ろし、アソコを顔に押し付ける。甘酸っぱい独特の匂いが鼻腔を充満し、俺は何も考え
られなくなった。
「っっつつ!!そうですぅ〜もっとぉもっと激しく、はぁ〜ん」
俺の舌はひとりでに動き出し、朝比奈さんのそこを激しく責め立てる。びちゃびちゃと卑猥な音が部室を
満たす。一舐めするたびに、奥から愛液を零し快感に身を震わせる。
「んん!く、くりもぉ責めてぇ、いやぁ、あぁぁっ」
朝比奈さん(今)のリクエスト通りにクリトリスを舐め上げる。
「っっっ!!!」
たった一舐め、それだけで声にもならない悲鳴をあげる。もしかしてイってしまたのだろうか。
「イっちゃだめですよ。まだ、本番、があるんですから。ふふふ、キョン君のここも準備万端みたいです
 し、そろそろ……」
いつの間にか愚息を握り締めている朝比奈さん(2)。その言葉通りにソコはガチガチに固まっていた。
「ふぁ〜い。じゃあキョンくぅん。一緒に、大人の階段をあがりましょ」
朝比奈さん(今)の目が怪しく光る。俺にはもう抵抗する力は無い。すまん、本当にすまん。
468名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:35:38 ID:G3WPm67p
「いきますよぉ」
今度は俺の股間部に跨る。亀頭の先は入り口に当たっていて、その柔らかさを伝えてくる。コレだけでも
達してしまいそうだ。
「…くふっ!…んんんー、はふっん!!」
肉壁を押し退け進入を開始する。ゆっくりゆっくり腰を下ろし、そして突如強い抵抗感があり、そこで腰を
下ろすのを一時中断する。
「ふふふ、分かりますかぁ〜。これが処女膜です。わたしの初めて、キョン君に差し上げます。っっんん」
何かを突き破る感触があり、そして亀頭の先端が何かにあたる。俺のアソコは朝比奈さんの中にスッポリと
納まり、結合部からは血が滴り落ちる。ごめん、ごめんよ…
「ふふふ、ふははは、分かるぅ、分かりますか。わたしの初めてはキョン君で、キョン君の初めてはわたし
 朝比奈みくる。涼宮ハルヒじゃないんです」
な、んでそこでハルヒの名が…。
「気付かれてないと思ってるんですか?みーんなとっくに気付いてますよ。キョン君が涼宮さんを好きな事。
 気付いてないのは本人と涼宮さんぐらいです」
そうか……
痛みが引いてきたのか、腰をスライドし始める。蠢く膣内と同位して抗えない快楽が俺を襲う。
「はぁぁ、あぁぁん、知って、ましたかぁ〜上下に動くよりもぉ〜こっちのほうがぁ、ああん、疲れないし
 気持ちいいんですよぉ、はぁああ、っん!!」
徐々に激しさを増す朝比奈さんの責め。ぐちょぐちょと接合部からは卑猥な音と汁があふれる。
「んんん!!いいです、いいですよぉぉ!!涼宮さんを出し抜いたのもいいですけどぉ〜キョンくんのぉ、
 おちんちん、…はぁぁん…硬くって、太くって、うぅぅ、カリがぁ、カリがぁナカを引っかいてぇ、いい
 よぉ、気持ちいいのぉぉ!!!」
朝比奈さんの腰の動きは激しさを増す。同時に膣内も俺の精子を搾り出そうと、ぎゅうぎゅうに締め付けを
開始していた。コツコツと子宮口を突き上げるたびに朝比奈さんはよがり悶える。
「はぁぁぁ、もっとぉぉ!もっとですぅ〜キョンくんもぉ腰をつかってぇぇ!!あんあぁあぁ!!」
両手は腰を持ち、俺は朝比奈さんを何度も何度も突き上げる。
もうわからない、なにもワカラナイ。タダ、カイラクダケヲ……
「あぁぁぁん、そこをぉ、激しくぅぅ!!はぁぁぁんんん!!!」
一度大量の射精をしたにも係わらず、またもや強烈な射精感に襲われる。
っく、もうだ、だめだ。
「はぁはぁ、イクんですかぁ、あん、イキそうなんですかぁ〜いつでもいいんですよぉ、あぁひゃ!ただし
 ナカに出してくださいねぇ。みくるのぉ処女おまんこにぃ〜たぁ〜ぷり注いでくださぁい!!あああっ!」
処女特有のきつさ、ペニス全体を刺激する膣壁、だらしなく汁を垂らす結合部、耳を突く隠微な声と音。
「あはぁぁん!!わ、わたしもぉ、わたしもイク、イッちゃいますぅぅぅ!!あぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
っく、はぁぁぁぁぁあああ!!!

大量の精液を朝比奈さんのナカに発射しまった。
頬を伝う一筋の雫。それは誰のために流したものか。
「きょんくぅん。これで終わりじゃないですよ。わたしがまだですし、みんなもしたいですよね」
「時間はまだあります。たのしみましょ」
お盆から零れた水は元には戻せない。
ハルヒ、ごめんなハルヒ。こんなことなら素直になればよかった。そうすれば、もっと違った未来が……。
469名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:36:18 ID:G3WPm67p
夕日に染まる部室内。あれから一時間ぐらい経ったのだろうか、時計を見る気力がないためよく分からない。
すでに朝比奈さん達はそれぞれの時間軸に帰った。今の朝比奈さんも帰路についている。
くっ、情けない、情けないぜ、俺。
「……改めてみるとすごいですね。若いとはいえ」
声がする。あれは大人の朝比奈さん……。
すみません、本当にすみません。俺、取り返しの付かないことを…。
「いいんですよ。コレは規定事項ですし」
へっ、それってどういう…?
「それにこの指令を出したのは、私ですし」
!!?ますます、訳が分からないんですけど。
「詳しくは禁則ですので言えませんが、これだけは言えます。それは私達の未来に必要な事ですから」
必要なこと、すなわち規定事項…その、私達、とはだれですか。
「ふふふ、これ以上は知らなくていいこと」
そう言い、朝比奈さん(大)は手の平を俺の顔にかざす。一体何を。
「涼宮さんへの罪悪感で一杯の様ですが、杞憂です。だって、今から、あなたの記憶を、消すから」
へっ!?どうして、なんで!!!
「じゃあね、キョン君。また今度」
朝比奈さん(大)の手から光が発せられる。っく、まぶしい!
………
……

…あれ、俺こんなとこで何やってんだっけ。たしか、部室に来たら五人の朝比奈さんがいて…それでどうした
んだっけ。なにかあったような。
あたまが、いたい
思い出せない。ま、いいか。
それにしてもなぜ未来の朝比奈さん来たのだろう。何のために、私的な理由でタイムマシンは使えない筈。
その問いの答えはあっさりと翌日に判明した。

「大丈夫よ、わたしの部屋に泊まればいいし、有希も鶴屋さんもいるし」
「ふぇぇ、でもそんな迷惑かけるなんて」
「迷惑じゃないわよ。有希もそうでしょ」
「……そう」
朝比奈さんのマンションが火事になったのだ。出火元は朝比奈さんの隣の部屋から、朝比奈さん自身は外出中
で何を避けた、ということだ。で、出火時刻だが、午後十一時前後だそうだ。
なるほどね。
昨日の朝比奈さん大集合はこの為だったのか。
…?でもおかしいな、それなら八時間後だけで事足りたはず。じゃあなんで二時間おきに?
あの時したことは……
イタイ、アタマガ、イタイ……
470名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:38:58 ID:G3WPm67p
以上です。
エロってむずかしいな……
471名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 01:41:34 ID:UwtUm+k4
>>470
そう思ってるってことはまだ進歩するって
これからも期待するよ
472名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 02:10:27 ID:69EYe6N2
何様だよオマエ。
473名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 02:31:16 ID:8qnuk9Nw
>470
えろッ!
エロいよドラえもーーーん!!!!!
474名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 02:32:04 ID:IhA66BpB
みくるネタってだけでオレは嬉しい
475名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 03:06:24 ID:w35ZL3I7
おっぱい大好き!
476名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 07:53:06 ID:G026euC3
括弧の中身が年齢ry
477名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 10:20:14 ID:/wZICZBk
みくるさんと1Pだけでもまあ大変なのに、
6P…キョンの愚息は轟沈だなぁ…
然し何かが足らない…?
そうだ体操服+ブルマだ!
478名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 11:26:07 ID:snDo914Q
>>462
あの二つのスレは、考察を書くとなぜか荒れ始める不思議w
一体あのスレの住人達は何を語りたいのかと小一時間・・・
SSに関しても真っ向否定だしね。
479名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 15:37:57 ID:tfGhTfYM
みくる好きだからみくるSS書きたいと思うけど、制限がありすぎてうまく書けないんだよな。
だからハルヒものとか長門ものしか書いたことない
480名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 15:55:56 ID:5dI7tCun
別にそういうのいらなから、
ただ単純に甘酸っぱい感じのみくるSSが見たいなぁとエロパロぶち壊し発言をする漏れ
481名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 16:57:49 ID:8HE3GB6j
甘酸っぱいのかあ。おれホントはみくる好きではないんだろうか。

>>479
わかる。他人が読んで面白いんだろうかこれ、と
書いてて特に不安になるのがみくる。
482名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 17:12:35 ID:/B7RbCxi
>>480
このスレはエロorパロスレなので(過去ログ参照)
単純に甘酸っぱい感じのSSでもOKですよ。
483名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 18:48:32 ID:KG0aaqAw
バタンッ

みくる「あっキョン君こんに・・・」

キョン「朝比奈さんハルヒがちょっと付き合えって言うんで今日は部活休みます
    じゃあ失礼します」

みくる「あ・・・」

翌日
バタンッ
みくる「あっ!キョン君こん・・」

キョン「すみません ハルヒが買い物に付き合えって言うんで今日はこれで」

みくる「あっ待って!お茶だけでもどうぞ」

キョン「すいませんあんまり待たせるとあいつうるさいんで じゃあ!」

数日後
みくる「今日もキョン君来ませんねー
    涼宮さんもあんまりキョン君に迷惑かけちゃダメなのにねー」

  スコッ   スコッ   スコッ   スコー





長門「エラーを確認
   今私という個体が感じている感情は有機生命体の持つ「恐怖」に分類される」

長門「朝比奈みくるが空のポットを押し続けている。
   その行為だけで部室が非常に危険な異空間に変化した」
484名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 18:49:51 ID:TwfBuCeL
ゴトゥーザ空鍋
485名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 18:52:10 ID:XsD30lRv
ミクルゥ
486名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 19:00:38 ID:HksHPzef
ヤンデレGJ!
487名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 20:14:30 ID:04ZfkYED
そしてロッカーから現れるポンコツ幽霊に。
488名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:11:27 ID:UwtUm+k4
>>472
>>471で高圧的な発言してしまった。ごめん。

>>487
ひょっとしてチョコか何か置いてあるのか?もしかしてカビてるとか?
489名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:36:36 ID:Zt2N+Wju
長門が間違ってお札はがしちゃうのか
490名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 22:48:31 ID:0wMEsNx/
>>487
タンスじゃなかったっけ?
491名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 23:57:45 ID:fglHYTRZ
作品投下
鬱になるかも知れません。気をつけてください


長門有希の金策

SOS団発足から早くも一年が経とうとしていた。
よくもこんな意味不明な集まりに毎度毎度参加するもんだ。一年前の俺が今の俺を見たら何て言うだろうね。
しかし、この一年で俺は変わったと思う。
もちろん俺だけじゃない。SOS団の団長様こと涼宮ハルヒも、いつまでも胡散臭い笑顔を絶やさない古泉一樹も、マスコットキャラ兼俺の精神清涼剤の朝比奈みくるさんも、
そしてなにより一番変わったと思えるのが対有機生命体なんちゃらかんちゃらインターフェイスの長門だと俺は思っている。
さて、今この部室には俺と長門の二人しかいない。
ハルヒのやつは掃除当番だし、朝比奈さんはおそらく鶴屋さんあたりに捕まったりしたんだろう。
もしくは教師に雑用を言いつけられてそれを律儀にこなしているに違いない。
あの人は断るという事ができないからな。
古泉のやつは……別に来なくても何ら問題はないね。

そんな訳で部室に二人しかいないのだが、相変わらず長門は部屋の片隅で分厚いハードカバーの本を読み耽っている。そこで俺は、前から気になっていた事をほんの気まぐれで思い出したので聞くことにした。

「なぁ、長門。お前生活費ってどうしてるんだ?ひょっとしてあれか、情報操作で手に入れたりしてるのか」
本に落としていた視線をこちらに向ける長門。そしてわざわざ本を閉じて俺に向き合う。
いや、別にちょっと気になっただけだから、そんなにかしこまられても困るんだが。
「情報操作による貨幣の取得は、未来的にこの国の経済状況の悪化を促進させる可能性がある」
じゃあどうしているんだ?と投げかける俺の視線を感じ取ったのか、長門は一息入れてから語り始めた。

そして俺は、後にこの質問をしたことを酷く後悔することになる。
492名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 23:59:15 ID:fglHYTRZ
「前にも話したように、私の仕事は涼宮ハルヒを観察して、入手した情報を統合思念体に報告すること。
その仕事を最優先の命令として処理し実行する。それ以外の生活に関しては、この地球上において涼宮ハルヒの生活に影響が起こらない範囲ならばどのような手段を用いてもよいとされている。
まず情報統合思念体より転送されたこの国で生活するための情報を頼りに、これからの生活方針を定めた。
非常に不安定なこの国の経済状況で、個人の生活の為に情報操作で貨幣を手に入れるのは得策ではないと判断した。

情報統合思念体によって作られたこの肉体では、通常生活を行う為に必要な費用を稼ぎ出す仕事に就くことは出来ないと判断、しかししばらく経ってこの肉体でも出来る仕事を見つけた。
いわゆる援助交際という仕事。

生み出されてから今日までの千四百日間、その間に行った仕事回数は四百八十二回、四百八十二回中、同一人物との仕事が八十六回、
複数人数との仕事回数が二百九十三回、もっとも長く拘束された期間が三週間、逆にもっとも短かったのは二分。
人数の合計が六百五十三人、七百五十三人中七百十二人が十代後半から七十代までの男性、残りが女性。
最高年齢が七十二歳で最低年齢が十六歳。金額は人数平均で四万三千九百八十八円。
場所は都会と呼ばれる駅周辺。夕方五時から深夜一時にかけて駅周辺に立っていれば声を掛けられる確立が高い」

俺は何も言わない。

「声をかけてくる内容で一番多かったのが、家出?という物。寝床を提供するという名目で金額を示してきた。
一番最初に行った仕事は三十八歳の男性にカラオケボックスに連れて行かれた。
そのままカラオケボックス内で性行為に及んだが、私の反応が、いわゆるマグロだったため、得た収入は一万円だった。
その一万円を元に、さまざまな風俗雑誌を手に入れて情報を得た。
年齢が低ければ低いほど高額な収入を得られること。
外見上から中学生という設定にしようとしたが、着ている制服が北高の物だったため、女子高生という設定にした。
未だ性行為に及んでいない処女が高い価値があること。
人間の体の仕組みを調べ、毎回処女膜を再生させていたが、重複した人物との行為の際にも再生させてしまった為二度目の行為の時に血液が男性器に付着した際にその男性は
「俺のチンポがでか過ぎたか」
と言っていが、経験した男性器の平均サイズは勃起時で長さ14.63cm、直径が3.31cm。最大サイズが長さ24.89cm、直径5.12cm。最小が長さ4.58cm、直径1.72cm。
ちなみにその男性のサイズは平均サイズよりも少し小さい物だった。
半月後には合計四十六人を相手し、それで得た収入を手付金として今のマンションを購入した」

俺は何も言わない。
493名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:00:23 ID:fglHYTRZ
「四年間で人によりさまざまな嗜好があることを把握した。印象に残った例をあげる。

二十九歳男性。
彼は私にボンテージと呼ばれる衣装を着せた。黒い皮製の衣装で、露出度が高い物だった。
体勢は、右手首を右足首に、左手首を左足首に、足を開かせ太ももの間を通して固定するという物だったため、足を閉じることができずに腰を突き上げた形のままうつぶせでベッドに放置された。
手ぬぐいで目隠しをされ、口にはボールギャグをはめ込まれたが、他の仕事のときのように声を上げなくて済んだので楽だった。
結局19分32秒間その姿勢を強いられることになった。
その後戻ってきた彼は、私の装着しているボールギャグのみを外し、性行為を始めた。
部屋に入ってきた人物が彼だと私には分かるが、彼の望んでいた言葉を推定すると、私が誰に犯されているのかわからない状況。という『不確定な状況に恐怖する私』を望んでいると判断したので、「誰?」などと言い彼の望む通りに演技を続けた。

三十六歳男性。
彼は私に、全裸にオムツと涎掛けのみの格好をさせた。彼が私に話しかける言葉は赤ちゃん言葉と呼ばれる物で、食事と排泄の世話も全て彼に一任した。
まずは食事。哺乳瓶に入れられたミルクを与えられた。
つぎに排泄。彼が望んでいるようなので、オムツの中に排泄した。
大量の小便と大便をオムツにしたら、予想以上に処理の手間がかかったらしく
「こんなにいっぱいうんちして、ゆきちゃんはいけない子でしゅね」と言いながらお仕置きという名目で性行為をされた。

四十三歳男性。
自称、医者と名乗る彼は、まずは私を全裸でベッドに拘束した。
ばんざいの格好で手を縛られ、両足を持ち上げられ、組み体操でいう笹舟の格好に近い形に縛り付け、漏斗と呼ばれる物を私の性器に挿入した。
次に300mlサイズのペットボトルに入った精液をその漏斗に注いだ。漏斗を通じて、直接子宮に精液が注ぎこまれる。
彼は、昨日の昼から集め始めた精液で、まだ受精能力はある精液だと言っていた。
私には繁殖能力はないが、彼は妊娠に怯える言葉を期待しているのだと判断して、それに適した言葉をいくつか言った」
俺は何も言わない
494名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:01:28 ID:fglHYTRZ
「その他には、
木馬責め、張形責め
蝋燭プレイ、野外プレイ
露出プレイ、緊縛プレイ
痴漢プレイ、精飲プレイ
スカトロプレイ、レズプレイ
コスチュームプレイ、オークションプレイ
ポゼッションプレイ、鞭打ち
複数人の前で自慰ショーなどを行った」

俺は、………俺は。

「聞かせてくれ、長門。今もお前はその仕事を続けているのか」
「この国で生きていくにはお金が必要」

「何故、そこまで俺に話したんだ」
「あなたが聞きたそうにしていたから」

「一般的に、忌み嫌われるその性行為に対する嫌悪感はなかったのか」
「有機生命体の感情は私には理解できない」

「じゃあ何故、――――何故お前は泣いているっ!」

いつの間にか頬に流れ出ていた涙を指に掬い、長門は何も言わなかった。
495名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:04:13 ID:aaH4WYYT
0時までに貼りきろうと思いましたが、間に合いませんでした。
様々な考察がされている長門の生活費用。
私の解釈はこれですが、皆様はどのように考えているのでしょうか?
496名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:04:56 ID:hE77niRO
競馬
497名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:19:25 ID:HffWjenx
>>496
競馬で『笑いがとまらない』っていうネタのはどの作品だったけか
498名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:21:10 ID:7DPKkbsR
神レベルのループ・タイムだろ?
499名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:29:39 ID:HffWjenx
ああアレか。とんくすこ
500名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:45:09 ID:85S5YzG2
「もしもし長門?すぐ来てくれないか。
 俺?いや、駄目なんだ。なぜか離れたくないような……
 と、とにかく来てくれ。頼む。……わかった。ありがとう」
一体俺は何をしているんだ。
「すー……すー……」
再びコタツで寝ている妹の横に入る。そして、
「ん……」
キスをする。もう何度繰り返したことだろう。
俺は断じて妹に欲情などしていないし性の対象としても見たことはない。
だが今日は何か奇妙だ。
と言うのも今日の俺は、妹にキスがしたくて仕方ないのだ!
……いや、引かないで欲しい。俺は本気で悩んでいるのだ。
はたして敵の攻撃なのか宇宙から飛来した病原菌なのか。
それとも俺の性癖か。
「んっ。」
妹が反応した。あわてて顔を離す。
「……あっ。ねぇ、また?」
「うっ、」
「さっきからなんであたしにひっついてるの?今度は抱きしめてるし」
「な、なんでだろうなぁ。きっとお前が可愛いからだな、うん。」
「変なの……すー…すー…」
俺は妹が寝たのを見計らって再び抱き上げ、

ピンポーン
「…ん…キョンくん誰か来た…あっ!また!」
「悪い悪い。出なくちゃな」
「キョンくんのヘンタァイ」
妹の罵声を浴びながら玄関に向かう。助けてくれ長門。
501名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:46:05 ID:85S5YzG2
「なに?」
「助けてくれ。変なんだ。」
「落ち着いて。」
「わかった、まずだな……」
「あ、ユキちゃんだ。こんにちはー。」
可愛いなぁもう。
「えっ…どうしたのキョンくん…んむっ!?」
はっ。やってしまった。顔を離すと妹と俺の口の間を唾液の糸がひいている。
しばらく呆然とそれを眺めていた妹だったが、
「あ……や……キョンくんのばかぁ!!」
「ぉぶっ」
俺にビンタを喰らわせて走って行ってしまった。

「……とまあこういうわけなんだ。」
「……」
とてつもなく冷たい目をしていた長門だったが、何かに気づいたように近寄ってきた。
「わかったのか?」
「たぶん」
そう言って長門は試すように呟いた。
「……お兄ちゃん」
ガバッ
「な、長門ぉー!!…………はっ。」
気づくと俺は長門を押し倒してキスをし、
胸を揉みながら太股に股間をすりつけていた。
「あ……ごめん」
「……いい」
満更でもなさそうな顔をしていた長門は、身をひるがえして玄関へ歩いていった。
「どこ行くんだ?」
「もう治した。朝倉涼子を問いただしてくる。」
あいつか。帰ってくるまでにスネてる妹をなだめるとするかな。
502名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:47:11 ID:85S5YzG2
「悪かったよ。なぁ」
「知らない。ハルにゃんに言っちゃうから」
「そ、それは勘弁……」
「じゃあ……責任取ってくれr
ピンポーン
「お、長門だ」
「……もう絶対言っちゃうから」

「痛ぁい。長門さんったらグーで殴ったのよ?自分もいい思いしたくせに。」
長門に手を引かれている朝倉は頭を押さえている。
「彼女の仕業だった」
「なんで連れてきたんだ?」
「仕返ししてもらってかまわない。煮るなり焼くなり」
「酷いわ長門さん。キョンくんそんなことしないよね?」
朝倉が俺に抱きついてきて切なそうな顔をする。
ええい騙されんぞ美少女め。
「今の彼女は能力を使えないようにしてある。好きにして。」
と言って長門は出ていった。

俺の部屋に移動。
敵の女に仕返しか……少し悶々としてきた。
「今エッチなこと考えてたでしょう。」
「か、考えてねぇよ。」
「いいのよ?エッチなことでも」
「……したいです。」
「じゃあSMコースと優等生凌辱コースと純愛コースどれがいい?」
「……凌辱から純愛コースで」
「へぇ。まぁあたし処女なのにSMってのも変よね。」
本当にさせてくれるのか。宇宙人万歳。
503名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:50:05 ID:85S5YzG2
「ちょっと、何するのよ!」
「とぼけるんじゃない!お前がやったってことはお見通しなんだよ。」
「くっ…」
「さぁて、楽しませてもらうとするかな。」
「い、嫌、嫌よ!」
「ジタバタすんな!……待った朝倉。もうちょい気の弱い子で。」
「はいはい。」

「きゃっ…」
「お前だったとはな。」
座りこんだ朝倉に詰め寄る。
「キョンくん許して…」
「許すわけないだろ。さて何をしてやろうか」
朝倉の腕を掴み、引き寄せる。青がかった髪からはいい香りがした。
「乱暴なことしないで……」
「なに言ってんだ。何されるかくらいわかってるだろ?」
朝倉の頭を掴みキスをする。朝倉は抵抗しない。
「……なんで抵抗しないんだ。」
「あたし…キョンくんになら、いいよ。」
「なっ…」
「本当は、キョンくんと涼宮さんが仲良くしてるのを見たくなかっただけなの。
 それでキョンくんを困らせてあたしが助けたら、キョンくんが振り向いてくれるかもって思って…」
「……」
「それから…それから…」
「もう言わなくていい。」
「お願いキョンくん…乱暴にじゃなくて…優しくして?」
「…わかった。」

朝倉に優しく愛撫をし続ける。そろそろ大丈夫だろうか。
「入れるぞ。」
「あっ…痛い…痛いよ…」
朝倉の腰の下に血が垂れている。
「……じゃあ、動くぞ。」「痛っ…んっ…あっ…」
朝倉は涙を流しながら耐えている。
「大丈夫か?」
「うん…キョンくんのだから…平気。」
腰の動きを早くすると、朝倉が俺にすがってくる。
「んっ…くぅっ…」
「朝倉の中…凄い締まって…」
「あたしもキョンくんのに押し広げられて…気持ちいい…」
続けるうちに朝倉が痛さを感じなくなっているようだ。そろそろ限界が近い。
「あっ…あっ!…」
「朝倉っ…!出るっ…!」
「中に…出してっ…!ああっ!!」
ドクッ…ドクッ…
「あ…出てる…キョンくんの…いっぱい…」
「……」
「キョンくん…ごめんね?ありがとう。」
「ああ。」
俺は朝倉に優しくキスをした。

「楽しめた?あたしもう帰るわね。
 それと今の映像、長門さんに見せるから。」
「ああ。……って待て!」
長門は翌日、一言も口を聞いてくれなかった。
<終わり>
話が全く繋がってないのがちょっと
妹萌え長門萌え朝倉萌えの3部構成ってことで。
エロはダレる
504名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 00:51:55 ID:vEPtz/GN
キョンが最後まで聞いた所で「ああ、やっぱり興味あったんだ〜」って考えた長門を想像した。
505名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 02:04:54 ID:X2vKRm34
GJ
506名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 10:28:39 ID:3MBfhzl8
小ネタ


「能力の使用に制限が掛かった」
とある放課後、無口な宇宙人が発した言葉である。
「なんでだ?」
「……その、なんだ、あまり好き勝手されても、困る。……らしい」
何したんだこいつは?
「主に生活費の念出、つまりは」
つまりは?
「……馬」
……そうですか。
「しかし、大丈夫なのか?」
「問題無い。平均的なサラリーマンの生涯収入は既に超過している」
「……いや、そうじゃなくて。危険な事になったりしたらって事なんだが」
「問題無い。変身をする事で制限を解除できる。……見たい?」
「……まぁ、一応」
「インフォメーションソートシステムアーップ」
いきなりか?
何そのポーズ?
何この妙にメタルなBGM?
何この三原色が絶妙に混じった後光?
「ぐあっ」
あまりの光量に目がチカチカする。
多分長門であろうシルエットが網膜に飛び込んでくる。
何その衣服の分解?
何その感きわまった顔?
ゴテゴテした布が長門の体に付くと背後からの光が消えた。
「……魔法少女ユキ」しっかりとポーズを決めた長門が呟いた。
「邪魔すると……死ぬよ」
……そっちかよ。
507名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 17:23:46 ID:FezaDi9n
491さん
長門は2分間何をしていたのでしょうか?
つまり地球人の性癖をwikiしていた訳ですね実益を兼ねて…………(゜д゜)……
508名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 17:52:56 ID:xBcsSAFn
栄養に関しては
・情報操作で食い物作れる
・もともと栄養補給の回数が少なくても平気な体(食うとき食うのはそのためかも)
・光合成
など幾らでも考えようがある
光熱費、学費などの金銭面でも
情報操作で紙幣を作るとか、未納記録を改竄するとか幾らでもやりようはある。
とりあえず、エロパロ用に考えただけのネタを「私の解釈です」とか言っちゃう>>491は正直どうかと
509名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 18:39:18 ID:aaH4WYYT
>>508
エロパロ用に考えただけのネタに突っ込まれても・・・
とはいえ、解釈というのはおかしな意味合いを持ってしまう表現でしたね。ごめんなさい。

私の妄想はこれです。と訂正しておきます。
510名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 18:58:38 ID:/aqI47yf
何が「とはいえ」なんだ
511名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 19:09:03 ID:xdAf2WVK
>>510
何でお前は絡むんだ
512名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 19:11:02 ID:qa/h1+9r
確かに"冒頭で忠告してた"とおりに鬱になったからってガッつくのはどうかと思うぜ?
GJだった
513名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 19:55:12 ID:aaH4WYYT
何が「とはいえ」なんだ。
まったく、エロパロスレという物は一体何なんだ。

コンピ研から一人一台のパソコンを手に入れた翌日、俺は何気なしにネットサーフィンをしていた。
中略
というわけで、>>491のような作者は直ちに追放されるべきである!と俺は考えるね。
中略
つまりは長門は俺の嫁!鬱になるような小説なんてもっての外だ。

この後200kBに渡り、キョンの力説が書き綴られましたが、省略されました。


「―――と、このようにあなたの思考を再現した書き込みをしておけば、これで次からこの作者の投下小説は全て純愛小説になると予測できる。」
「なるほどな…だがな長門、いつ俺がお前は俺の嫁だと言った?それと実は俺には寝取られ属性があるんだ」
「寝取られ属性ってなに」
「嫁に関してはスルーか……いや、すまなかった。気にしないでくれ」
514名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 20:15:47 ID:uorE3uzp
「朝比奈みくるの告白」

本日より秋です、などと誰かに教えてもらわなくても、日が短くなってきたりだんだん肌寒くなってきたりすれば、おのずと季節の移り変わりを身を持って感じるものである。そして北高生の長袖に見慣れ、
学校に植えられている木々の葉が赤からこげ茶色になってくれば、いよいよ冬も近づいてきたかと実感するものだ。しかし、
「みくるちゃん、お茶ちょーだいっ!」
文芸部室に特設されたパソコン机で明日の不思議探検パトロールの計画に精を出す団長様からは、真夏の太陽のようなエネルギーが照射されている。
「は・・・はぁい。」
その太陽風をまともに喰らった人工衛星のように朝比奈さんがふらふらとお茶を淹れるためポットへと向かう。
「みくるちゃん、何してんの?早くお茶よこしなさい!」
「は・・・はぁい。」
どうしたんだ?お茶汲みは朝比奈さんが一番的確に動く仕事なのに、ポットの給水口でも詰まったのか?俺は朝比奈さんを手伝おうと席を立った。ふわふわの髪の毛に吸い込まれるように近づいていくと
「きゅう〜」
突然メイド服を着た朝比奈さんが真横に倒れ始めた。
「あっ朝比奈さんっ?!」
ただでさえハルヒのやつにナース服やらメイド服やら着せられておもちゃにされているようなものなのに、その上床とぶつかって怪我でもされたら北高のみくるファンクラブに申し訳が立たない。俺はバレー
選手のように朝比奈さんと床との間に両手を伸ばした。
「大丈夫ですかっ?」
何とか床との衝突を防いだ俺は、しっかり朝比奈さんを抱き寄せて名前を呼びかけた。
「はあ・・・ふう・・・」
ここでようやく朝比奈さんの本当の異変に気づいた。真っ青な顔。大量の汗。額に手をやるとすごい熱だ。
「みっみくるちゃんどうしたのっ?」
ハルヒも事態を理解して駆け寄ってきた。
「とにかく保健室へ連れて行こう。古泉、ドアを開けてくれ。」
「分かりました。」
朝比奈さんを抱きかかえ、古泉が開けたドアを通過する。その後ろをハルヒ達が追ってくる。俺がこの一団で先頭を歩くのはこれが初めてではないだろうか。しかし今はそんな感慨にふける暇はなく、保健室に
着く頃には先頭はハルヒが歩いており、保健室の引き戸を開けるや否や
「急患よ!ベッド一台ちゃっちゃと用意しなさい!!」
月まで届くような馬鹿でかい大声を張り上げていた。
515名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 20:17:57 ID:uorE3uzp
その奇声に飲みかけのコーヒーが入ったマグカップを床に落とした保健の先生は、一ヶ月前ほどに赴任してきたばかりの新米の女性だった。細く小柄でなかなかの美人だったので男子生徒ウケはよかったのだが
北高に涼宮ハルヒという台風が存在することは知らなかったようだ。ハルヒに続いてメイドさんを抱えて入ってきた俺たちまでよその生徒を見るような目で見ている。せめて演劇部ぐらいに思ってください。
「あ・・・あの、あなたたちは?」
最後尾の古泉が入ってきた後、これ以上の乱入者はいないと状況把握できたのか保健の先生が開けていた口を動かした。
「何言ってんの。この制服見れば北高生って分かるでしょっ!」
「え・・・でも・・・そのメイドさん・・・」
「でもじゃない!上京してきたばかりで右も左も分からない田舎者みたいな理屈で保健医としての仕事を怠慢するんじゃないわよ!それに何なのコーヒーやらお菓子やら!ピクニックじゃないのよ!」
「そ・・・そんなあ・・・これは生徒達に・・・」
「うるさい」
ハルヒの傍若無人な理屈になすすべもなくすでに涙目の保健の先生。苦労して保健医になった自負も、たった一人の女生徒に粉々に打ち砕かれようとしている。髪を後ろに結った保健の先生にハルヒが何故
こんなにからむのかよく理解できなかったが、二人のやり取りをのどかに眺めてる場合ではないので俺はそこに割って入り朝比奈さんが急病であることを告げた。先生もようやく本来の用件が理解できたのか、
さっきまでの涙目とは打って変わって生徒の健康管理を任される保健医の顔になった。朝比奈さんをベッドに寝かせると聴診器を耳につけた先生が
「さ、男子はちょっと席を外して」
と俺と古泉に目を向けた。俺がその意図に気付かないでいると
「このエロキョン!みくるちゃんのおっぱいを見ようたってそうはいかないわよ!」
ベッドのカーテンを閉められた。そういうことか。

「うーん、変ねえ・・・」
数分後、腕を組んで首をかしげる保健の女先生が俺達の注目を浴びていた。
「で、どうなのよ。みくるちゃん、何かの病気なの?」
朝比奈さんが急病だというのに目を輝かせているハルヒ。こいつにとっちゃ、病気も不思議イベントなのか?
「頬の腫れぐあいがおたふく風邪っぽくて、でも食中毒っぽくもあって、でもどうしてこんなに一度に発症するのかしら。」
自分の守備範囲を超える症状に困惑する先生。
「なんなのよ?はっきりしなさいよ!それとも何?宇宙人か何かの陰謀?みくるちゃんを新ウイルスの実験台にしてるの?」
「う・・・宇宙人?」
ハルヒの宇宙人という言葉に目を白黒させていた保健の先生だったが応急処置はしてくれたということでひとまず胸をなでおろした。
「でもご家族の方に迎えに来てもらうといいわね。一人で帰るのは無理よ。」
ご家族の方?朝比奈さんの家族・・・。間違いなくこの時代にはいないだろう。しかしそんなことをこの気弱な保健の先生に説明できるわけがない。それこそハルヒだけでなく俺まで頭のおかしい人間と思われ
ちまう。俺が事態の打開策に頭を痛めていると、いつのまにか目の前に長門が立っていることに気付いた。
「・・・部室へ行って。」
は?
「今、部室に朝比奈みくるの異時間同位体がいる。あなたに用があると思われる。」
朝比奈さんの異時間同位体・・・って、大人バージョンの朝比奈さんか?ひょっとして何かいい薬でも持ってきてくれたのか?
「・・・急いで。」
516名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 20:18:33 ID:uorE3uzp
俺は朝比奈さんの荷物を持ってくると言い残し保健室を後にした。それにしても長門のあのセリフは朝比奈さんを心配して出た言葉だったのだろうか。とにかく俺は廊下をダッシュして曲がり角もイン寄りを走り
文芸部室へ向かった。ドアの前で呼吸を整えるため一度深呼吸をし、そしてドアを開けた。
「キョンくん・・・」
そこには、初めて会ったときと同じ白いブラウスに黒のミニタイトスカートを身にまとった大人の朝比奈さんが俺に微笑を向けていた。そして
「よかった。長門さんなら、きっと私が来たことに気付いてキョンくんをここによこしてくれると思いました。」
と言うなり急に真剣な顔になり
「ごめんなさいキョンくん。私また迷惑かけちゃってますね。」
朝比奈さんは深々と頭を下げた。
「いえ、そんなことより、今保健室で臥せっているもう一人の朝比奈さんはいったい何の病気なんですか?何故あんなに重い症状になっているんですか?」
大人朝比奈さんとの再会に喜ぶ時間も作らず俺は質問した。
「それは・・・」
頭を上げた朝比奈さんが胸を少し揺らしながら真相を話し出した。

「予防接種をしなかった???」

文芸部室の外まで聞こえるくらいの大声だったが、声がウラ返っていたので俺のものとは気付かれないだろう。それより一気に肺の空気を吐き出してしまっため軽い酸欠になってしまった。大人朝比奈さんは終始
うつむきながらバツが悪そうに頬を赤く染めながら話し続けた。
「私のいる未来では、ほとんどの病気が根絶されています。けれどそれは逆に言えば病原菌に対する体の抵抗力が昔の人より弱いと言うことになります。なので過去に行く人は必ず予防接種をしなくてはならない
んですけどー、」
注射が嫌いな朝比奈さんはそれを怠ったと。
「ごめんなさい。何もなければそれでいいと思っていたんですが、まさかこんなに一度に発症するなんて・・・」
ごめんなさい、とまた深々と頭を下げる朝比奈さん。大人になってもふわふわの髪の毛が何度も頭を下げるので乱れてしまっている。
「原因は分かりました。で、解決法はあるんですか?」
一番知りたいことを切り出した。朝比奈さんは髪を直すこともせずスカートのポケットから一つの小ビンを取り出した。
それは市販の栄養ドリンクのような茶色いビンだった。しかしラベルは貼られていない。
「ウルトラ・スーパー・オールマイティ・ワクチンです。」
なんか、お腹の半月形のポケットから出てきそうなシロモノですが、これで治るんですか?
「はい。あらゆる病気に即効で30分で効きます。保健室の私にこれを飲ませてください。今回は特別に飲み薬にしてもらいました。・・・本当は、この時代の医学で対応できる段階の症状ですが、私の身辺を
あまり知られるのは困りますので・・・」
朝比奈さんは俺の手をつかんで手のひらにそのワクチンの入ったビンを乗せた。そして
「不束者ですが私のこと、これからもよろしくお願いします。」
目を潤ませながら両手で俺の片手を握った。俺は肩の力を抜いて
「もちろんですよ。」
と答えた。
517名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 20:19:21 ID:uorE3uzp
「ちょっとキョン、遅いわよ!」
保健室に戻ると、氷枕に頭を乗せベッドに臥せる朝比奈さんの横で早くも保健の先生を新お茶汲み係にしたハルヒがコーヒーを飲んでいた。
「朝比奈さんのカバンにこんなのがあったぞ。」
さっきの小ビンを取り出した。
「きっと常備薬じゃないかな。」
長門を見ると、無表情のままビンを凝視している。
「あんたみくるちゃんのカバンあさったの?」
つまらんことに気付くな。今はそんなこと言ってる場合じゃないだろ。俺はハルヒを無視してベッドに近寄り、古泉に朝比奈さんの症状の経過を聞いてみた。古泉はニヤケ率0%の顔で
「さきほどから変わりません。熱も下がる気配ないですね。」
俺は朝比奈さんに話しかけた。
「朝比奈さん、俺です。薬ですよ。これを飲めば、すぐに治りますからっ。」
「はあ・・・はあ・・・キョ、キョンくんなの?」
「そうです。さあ、俺を信じてください。」
意識が少し朦朧としているようで朝比奈さんは何度も小ビンを受け取ろうとしたがその手が空を切る。しかたがない。
「朝比奈さん、少し我慢してくださいね。」
俺は朝比奈さんの上半身を起こし、背中に手を回して体を支えた。ビンのキャップを古泉に開けさせ朝比奈さんの小ぶりの口元に運んでいく。
ごくっ、ごくっ、
ゆっくりだが、確かに飲んでいた。ビンの中身をすべて飲み終えると朝比奈さんはそのまま眠りだした。
「みっみくるちゃん?」
その一部始終を黙って見ていたハルヒだったが、突然眠りだした病人に驚いたようだ。
「ちょっとその薬大丈夫なの?急に寝ちゃったわよ?」
「大丈夫だ。俺を信じろ。」
いつになく真剣で、確信に満ちた俺の顔にハルヒも何か感じ取ったのか
「あんたがそう言うなら、大丈夫ね。」
しかし俺達の後ろで、すっかり蚊帳の外に出された保健の先生がマグカップ片手に寂しく立っていたことには気付かなかった。

大人朝比奈さんの言ったとおり、30分も経つとベッドに眠る高2の朝比奈さんの顔色がすっかりよくなってきた。汗も引き、荒かった息遣いも普段の穏やかなスピードになっている。
「驚いた。こんなに回復するなんて。」
新米保健医は医学界に発表するつもりなのか俺の持ってきた自称常備薬をキョロキョロと探していたが、すでにビンは俺のポケットの中だ。すみません、これはこの時代の品物ではないのです。
「朝比奈さん目が覚めたようです。」
古泉の声がした方を向くと、ベッドの中で朝比奈さんがきょとんとした顔をしていた。
「朝比奈さん、気分はどうですか?」
「キョンくん・・・。私、どうして・・・」
自分が何故ベッドに寝ているのか理解でいていないようだ。無理もないか。
「急性の発熱で倒れたんですよ。」
まさか大人の朝比奈さん自身が助けに来たとは言えないので適当な症状を告げることにした。
「そうだったんですか・・・。朝から体の調子が変だなとは思っていたんですけど・・・」
予防接種をしなかったせいとは思っていないらしい。いかにも朝比奈さんだ。
「キョンくん・・・」
さっきの大人朝比奈さんのように目を潤ませながら、ベッドの朝比奈さんが手を伸ばして俺の手を握ってきた。
「ずっと私のこと呼んでくれてましたね。・・・嬉しかった。ありがとう・・・」
そしてにっこりと微笑んだ。こんな無垢な笑顔を向けられたら、どんな仕事の疲れも一瞬で吹っ飛ぶってもんだ。
「朝比奈さん・・・」
思わずもう片方の手も使って暖かい朝比奈さんの手をしっかりと握り返した。これって何だ?このシチュエーション、キスぐらいいいのか?などと不埒なことを考えていると
「ひえっ!」
518名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 20:19:53 ID:uorE3uzp
朝比奈さんが青ざめた。俺、顔に出てたかな?しかし朝比奈さんの視線は俺の後ろに向けられていた。ゆっくり振り返ると
「あんたらあたしがトイレ行ってる間に何してんの〜?」
魚をくわえたドラ猫を追い詰めた主婦のような形相をしたハルヒがそこにいた。おまえはコーヒーの飲みすぎだ。

さらに30分ほど経つと、朝比奈さんはベッドから起き上がりいつもの足取りで歩けるようになった。あのドリンク、栄養剤も兼ねていたんではないだろうか。
「まったくみくるちゃんおどかさないでよね!」
「涼宮さん、みなさん、お騒がせしましたぁ。」
保健の先生に頭を下げた。先生は生徒が無事回復したことに喜んでいたがその顔は疲労困憊であった。ようやくハルヒ台風から抜け出せたようなものだからな。しかしハルヒは保健室のコーヒーが気に入ったようで
「また来るわね!」
喫茶店の常連客のように言ってのけた。言われた先生は顔が引きつっていた。てかハルヒ、お前はここに来る様な病気や怪我などせんだろ、まったく。
部室へ戻る途中、
「先ほど部室で何があったんですか?」
と古泉が聞いてきた。小声で聞いてきた時点である程度分かってるんだろ、お前。俺は
「禁則事項だ」
とだけ答えた。古泉は肩をすくめて残念そうな顔をしていた。

次の日。
朝比奈さんの急病の翌日だというのに、市内パトロールは行われた。ただし午後から。ハルヒなりに朝比奈さんを気遣ったのかもしれないが、どうせなら完全に中止にして欲しかったね。
爪楊枝による組み分けで朝比奈さんとペアになったハルヒは満面の笑みで
「さあみくるちゃん!寝すぎて硬くなった体をほぐすわよ!」
と朝比奈さんの手をつかんで引きずるように歩いていった。ハルヒ、無理させてぶり返させるんじゃないぞ。
そして帰り際俺は朝比奈さんに言おうと思っていたことがあった。それは
「朝比奈さん、帰ったら必ずうがいしてくださいね。」
というアドバイス。風邪は万病の元と言いますからね。朝比奈さんは少し照れくさそうに
「えへ・・・はぁい。」
と答えた。朝比奈さんが家に帰って律儀に俺の言いつけを守ってうがいしている姿を想像すると不思議と顔がほころんでくる。うん、このアドバイス毎日言おう。俺はそう心に決めたのであった。



終わり
519名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 21:43:33 ID:Su7aEQL1
>>518
みくるが現代の病原菌に耐性がないってのは、実際ありそうで面白かった。
520名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 21:45:08 ID:+FEo7/Bq
藤子F不二雄を思いだした
521名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 21:57:00 ID:/+x4Kffh
これは良い!
522名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:04:30 ID:wGS5a2tA
>>520
ヨドバ氏乙
523名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:18:16 ID:33Os3p4T
>>522
カメラ屋のやつか。懐かしいな。
524名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 01:28:03 ID:/qdl7r1r
未来と現代における一般常識なんかのギャップって実は本編だとそれほど書かれて無いんだよな。
あれか?船の所だけだったかな?まぁGJですよ。
525名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 01:30:44 ID:KFfpJkYI
GJ
526名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 01:55:44 ID:MF1wP4an
>>524
鶴屋さんからみたらバレバレだそうですよw
527名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 05:05:49 ID:xnHqBCp8
>>524
転校生って話はないんでSOS団との合流までに少なくとも一年はあったんでは。

そういうのが語られない過去のことだったり、未来像(みくる大)が固まってる上に
それもどうもSOS団と別れてから発奮して頑張ったような感じだし。
その努力への心構えは徐々にできてくみたいだけど(多分大きなドラマ有りで)
でも現状は伏線張ってるぽくただ泣いてるだけで……

早く本編進まないかな。
528名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 07:04:56 ID:OGjQ+3dF
529名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 09:20:42 ID:bgO4Ark7
勘弁してくださいよ
530名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 11:09:38 ID:NdGbTeTs
ループ・タイムっていくつかあるのか?
俺が読んだのは逆行主人公マンセーハーレムものだったんで
Kanonで祐一が逆行して全ヒロインを救済してハーレム展開になるSSを思い出して
萎えながら読んでたんだが、あれ以外にもあるんだろうか。
531名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 11:19:23 ID:9ZvsFg0X
>>530
自分で探せ
気に入らなかったからと言ってわざわざ貶めるような表現するな
ってか萎えるんだったら読まなくてよくね?
532名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 12:16:43 ID:qxDVzMjR
あれってハーレムモノだったのか……気付かなかった。
>>527
みくる関係はまだまだ謎が多いからな。パンジーさん絡みとか想像するしかない。
533名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 13:37:24 ID:jSGzyp5c
みくる関係はそのうち原作で書かれるだろうな。
534名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 15:19:13 ID:YOq5hMEK
たしかキャラスレかどっかで同名のリレー物があったな。>>ループタイム
どんなのかは全く知らんが俺はマムシドリンクをごくごく飲んでる長門の方がスキだw
535名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 15:32:50 ID:aRSPqbSz
未完だけどねw
536名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 15:56:46 ID:ZkP4xQzE
あの作品の長門はイイ感じに人間くさくて良いね。キョンに対する好意もさり気なく(?)て好きだ。
537名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 16:29:29 ID:PZp0BY6N
最近みくるの話が多くて嬉しいよぉ
書き手さんありがとう
538名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 17:03:46 ID:NRinA6rX
>>537
そういう感想原動力になるよなぁー。
好循環というか。
539名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 18:38:15 ID:ZfOrtqZU
YUKI.N>その後、私の部屋で
「おいっ、長門!」
YUKI.N>sex

これでしばらく笑いが止まらなかった
540名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:05:23 ID:Z8QfmHiy
d
541名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:28:30 ID:GELnnQyJ
みんなはどの話が好き?

ちなみに私は『キョンの喪失、ハルヒの悪夢』です。

保管庫にあるから、是非読んでください。
542名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 19:49:06 ID:M4VIV3mr
>>539
俺ガイル
543名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:16:24 ID:4chMAacc
>>541
前スレだか前前スレだかで大分挙がった気がスル。
こないだ挙がらなかった中じゃあ、『日曜家族』と『痛いの』かなァ。
544名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:17:11 ID:s8uXIinh
お前らのせいで谷川先生がスランプになったじゃないか!
いったいどう責任を取うわなんだお前達はなにをs
545名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:30:22 ID:tBzgmLCJ
とあるスレで日曜家族ばかり薦める俺が飛んできましたよ≡≡≡ズサーc⌒っ゚Д゚)っ
ところでSSの間にAAを挿絵みたいに挟むのって外道かな?
546名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:48:23 ID:eBoljFTh
朝倉スレのキバヤシが出てくるSSで吹いたことがあるから
個人的にはギャグとかだったら使ってもいいと思う
まじめな奴は今のところそういうのは見たことないからわからないな
ちゃんと効果的かつおもしろければ問題ないんじゃない?
547名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 21:09:19 ID:ZkP4xQzE
とあるスレってお前w
そのスレのとあるSSで(∩゚д゚)アーアーきこえなーいをオチで連発して使った俺に含むところがあると言うのか!w
548名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 21:18:06 ID:csX9Nhce
お前があの作者だったのかw
個人的にはあれ好きなんだがな。
いやギャグ抜きで。
549名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 21:26:25 ID:tBzgmLCJ
>>547
い、いや違うw確かにあれには十分萌えさせてもらったがww
そのとあるスレで一度受信させてもらって以来ちまちまと書いてるSSにそういうのが丁度入れられそうだなぁと思って。
それに自分もこっちのスレのSSで(∩゚д゚)アーアーきこえなーいを連発した口だから、怒られる時は一緒だwww

例えばこんなの↓
                  _,,..,,,,_
          、,  ,,, 、,,  ./ ,' 3/⌒ヽ-、_   、 ,,  @
            、,   /l.  /_神人_/   n   ヽ|ノ,,
       @   ,,, 、,,  ̄,, ̄ ̄ ̄ ̄,, ̄   ,,, 、,,
       ヽ|ノ 、、,  ,, 、,,   , "  ,,  、、, ,,
550名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:14:42 ID:0PIUx50r
>>541
マイナーだろうが俺の中では『優曇華の花』がずっとヒットしている。
話はベタなんだが、いまだにアレを超える長門が俺には書けない。
551名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:27:14 ID:kB7mk8az
たくさんありすぎてどれ読めばいいんだか……
保管されてるのでエロさでお勧めのを教えてくれ
552名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:27:38 ID:ZkP4xQzE
>>548-549 ありがとう。そう言って貰えるとやる気が湧いてくる!
って、何その神人?和むww
あのシリアスめの世界観でそれが出て来たら(*´д`*)ってなってしまうかも知れん。

俺は長門なら、脱衣オセロの最後のセリフがツボってるなぁ。
553名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:33:56 ID:5zC9bgO4
>>551
9-141「朝倉×長門」
554名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:43:37 ID:kB7mk8az
>>553
トンクス
555名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:49:22 ID:rPm9X5gR
>>547
『∩゚д゚)アーアーきこえなーい』って『涼宮ハルヒの絶交』の人?
556名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:50:22 ID:Eg4ejkMx
>>541
「キョンの喪失」
「キョンの消失、ハルヒの悪夢」

どっち?
557名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:53:24 ID:bhdM4hic
俺は閉鎖空間制作者は実はキョンだったてのが面白かった。そういう解釈もできるなと素直に関心したが…何てタイトルだっけ…
558名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 23:03:03 ID:A2IJ5e8B
あのスレから疎開してきた人は多そうだ…

>>549
閉鎖空間に出動した古泉たち機関のメンバーが
そんな寝ている神人発見したらどうするんだろうなw
559名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 23:24:41 ID:qxDVzMjR
>>555
『本棚のスキマ』の人だろう。夫婦モノをよく書いてる人かと。
>>557
『リアル・タイム』 か?
俺はその後のレスで爆笑してしまった。作者さんすまん。いや面白いと思ったよ。ほんとに。
560名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 23:40:52 ID:ret3hh3D
>>545
ポルナレフとか普通に使えそうだなw
561名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:46:34 ID:FQhYR6+y
>>541
「王様ゲーム」がなんとなく好き。バカっぽくて。
デレハルヒ系としては「涼宮ハルヒの策略」「涼宮ハルヒの妊娠」とか。
562名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 01:23:02 ID:XTV73QDj
保管庫漁ってたらある事に気がついた。それは。
「AV撮るわよ!」
で始まるSSは一つもない事だ。これって新しいんじゃね?






んなわきゃないか
563名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 01:25:16 ID:XTV73QDj
>>562
前に俺が書いた同人誌のパクリは省いて って書くの忘れてた
564名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 01:54:24 ID:NN41lm+9
>>562
正直に言って、思いつきもしなかった。
エロ同人作家の連中とはアンテナが違うらしい。というかちゃんと原作を読んでるとそんなこと思いつかんよな……
565名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 02:32:52 ID:rhQcWk1P
>>564 というかちゃんと原作を読んでるとそんなこと思いつかんよな……

それは偏見。エロ作家のロマン回路の回転数をなめちゃいけない。
566名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 04:55:42 ID:IIo1HHqx
ん……

まあいいや。エロ同人の最大公約数をここで語ってもしょうがないか。
567名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 05:02:37 ID:irvpvx3/
みんなちゃんと自分の書いたものに題名つけてるんだな……。
568名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 06:15:45 ID:ircvcxua
短編・小ネタならまだしも、それ以上なら常識だ。むしろ付けないやつの気がしれんな
569名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 10:37:48 ID:PjfXCuIP
小ネタ拾いの多いスレの保管庫は、そのせいかえらいことになってるんだよねw
570名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 11:14:28 ID:iO19kCSQ
>>569
とあるスレの27番目のまとめのことを言っているようにしか聞こえない罠www
正直あのノリは楽し過ぎたなwww今は反省しているw
571名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 11:38:07 ID:9ttsuxul
もう400K超えてるのか……
投稿するにしても雑談するにしても中途半端な容量だな。
572名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 11:59:14 ID:jYh5ogtv
>>471
まだあと一つぐらい長編投稿しても大丈夫じゃね?
573名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 16:15:50 ID:EQJNak4G
>>541
『少年オンザグラウンドゼロ』
『涼宮ハルヒの期待』
574名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 20:02:21 ID:VoiAJsEl
少年オンザグラウンドゼロはガチ
575名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 20:51:01 ID:fqmq6jAe
シークエンス3 長門有希&朝倉涼子
みたいに、情報操作を上手く使ってエロくしている作品って他に何があるかね
576名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:54:37 ID:1FeNEGyB
 少年オンザに感銘を受けて受信した電波、
「少女オンザグラウンドゼロ」をダイジェスト版でお送りします。


 その時、俺は土管の中に一人の小さな人影があるのを捉えた。
 泣いてうずくまっている。真冬だってのに、上着すら着ていない。
「どうしたんだ? 寒いだろ? そんな薄着でこんなとこに居たら風邪引くぞ」
 少女は泣き止む様子を見せない。
「ぐすっ……お家は……ぐすっ……寒いから……」
 何だ? もしかして、貧乏で暖房器具も無くて上着すら買ってもらえないとか。
 ……この時代に、なんて不憫な子なんだ。
「ううん……全部屋暖房床でエアコンも完備……ぐすっ……暖かいけど……ぐすっ……温かくない」
 アタタカイけどアタタカクナイ? はて、俺の耳が正常であれば、正しい日本語だとは判断しかねるが。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 その姿は、夏にアスファルトを焦がす太陽のように明るく、こぼれんばかりのエネルギーに満ち溢れていた。
 なんて屈託の無い、向日葵のような笑顔なんだ。
 ああ、そうか。
 今まで見てきた泣いてばかりの姿は、この子の本当の姿じゃない。
 この子は、明るく正義感溢れた、見る物すべてを元気付けるような笑顔が、本当の姿なんだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ああ、そうか。そうだったのか。
 ようやく、ここへ来た俺の本当の役割というものに気付いたよ。
「待ってくれ。最後に一つ、キミに頼みたい事があるんだ」
「え? うん、何?」
 そう、おそらく、これを言う為に俺はここへ来たんだと思う。
 今から放つのはそんな言葉。あの人の為に、そして何より、頼れる先輩であるこの少女の為に。
「二年後、キミは高校に入学する。そこにきっと、とても可愛くてとても気弱な女の子がいると思うんだ。たぶん、
その子はここへ来たばかりで右も左も解らないと思う。気弱なだけに、嫌な目に遭わされるかもしれない。だから、
キミが守ってやって欲しいんだ。親友になってあげて欲しいんだ。どうだ? やってくれるか?」
 少女は、その向日葵のような笑顔で、
「もちろんさっ」
「そうか、ありがとう。じゃあ、元気でな。お、そろそろ時間じゃないか?」
「あ、そうだねっ。じゃあ行くね」
 少女は俺に向かって、大きく手を振りながら走り去っていく。
 俺は最後に大きく息を吸い込み、その背中に、
「がんばれっ! 鶴屋家の将来はキミに懸かっているんだっ!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おんや? キョンくんじゃないかいっ」
「あ、鶴屋さん。こんにちは」
「どこへ行ってたんだいっ? なーんかキョンくん、ちょいと久し振りなんじゃないかい? いんや、あたしじゃ
なくて、キョンくん的には、って話なんだけどさっ」
「ななな……何がでしょうか?」
「しっかし、今日のキョンくんの服、あたしの初恋の人がよっく着てた服に似てるねぃ」
「そ、そそそうなんですか。はは……」
「懐かしいねぇー。今その人には好きな娘がいてねぇ、しかも自分で好きだって事に気付いてないのさっ。面白い
っしょっ。あははははっ」
 ……ほんとに、なんて恐ろしいお人だ。



 さあ、誰かこれを書いてくれえぇぇぇぇぇ読みてえええぇぇぇぇ
577名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 23:52:08 ID:0PVXLeND
>>576「ううん……全部屋暖房床でエアコンも完備……ぐすっ……暖かいけど……ぐすっ……温かくない」

ここの台詞がすごくいい。
578名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 23:52:44 ID:F/yZPOnD
>>576
なんだか既視感が……
こんなようなネタのってどこかになかったっけか。鶴屋さんの初恋のひとみたいな。
579名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 23:55:27 ID:oExBxskI
たとえ似ててもイインダヨー
まるっきり一緒になるわけがないし、うん。
鶴屋スキーの俺にとってはどんなのでもご馳走です
580名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 00:59:39 ID:V+WKvgbp
>>578
微笑じゃね?
581名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 03:57:36 ID:XP35qslR
>>576
ちゃんとしたverのが読みてえええええ!!!!!!!!
てかyou書いちゃいなよw
いや書いてくださいお願いしますorz
582名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 04:22:34 ID:fIDFYFev
長門がバグで仮病使ってキョンが怒る話って
タイトル何だっけ?
583名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 04:30:49 ID:XpnVrixr
>>576
むしろ少女古泉Ver.が読みたい
584:2006/12/02(土) 04:35:30 ID:8BiRlTdk
長門×古泉と言うカプが思い浮かんだ、何故だろう。
585名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 05:01:02 ID:EuUOniHp
自分の場合、何故かハルヒと谷口が腐れ縁みたいに戯れる話ばかり思い浮かぶ。
あんまり面白そうにしてやれそうにもないのになぁ……
586名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 05:03:39 ID:GyGtTqd6
>>584
カルガモとハルモニアはその組み合わせだな
587名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 06:52:29 ID:UTzvboP1
>>584
原作的にはありえないだろうけど俺はその組み合わせ結構好きだ
もしよかったらその組み合わせで書いてみてほしい
588名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 11:45:12 ID:yaNb7JN3
古泉×鶴屋さん、古泉×森さん、キョン×古泉
以外の組み合わせは認めない
589名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 11:49:17 ID:clCVcPKn
>>588
古泉乙
590名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:12:26 ID:DYlOyRRS
古泉はキョンや、森さん等の機関関係ならともかく、先ずフラグから立てないとイカンからな。
でも個人的には古泉×みくる、とか結構アリな気がしないでもない。
591名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:15:54 ID:F6KcOjOT
プリンのSSで古泉×長門がけっこう人気がでてきた
592名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:59:27 ID:o6gFtqmV
プリンのSSってどれ?
593名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:16:06 ID:F6KcOjOT
覚醒の人と呼ばれてる作者のSS。古泉×長門は箱入り娘とか涼宮ハルヒの覚醒とか。
他にも生徒会の陰謀とかおもしろい
594名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:28:48 ID:sza5ztUr
プリンのSSだったら朝倉涼子の観測とかも良かったな。
朝倉スキーだったら必見だと思うぞ。
スレ違いスマソ
595名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:29:12 ID:pPXkKAnl
>>588
同士よ。前スレあたりで俺が
その組み合わせを使って書きかけて
終わったその話の続きを書いてもいいかな?
保管庫だと長門×キョンになっちゃってるんだけど。
596名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 14:07:31 ID:o6gFtqmV
>>595
よくわからんけど
良いんじゃないの?
597名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 15:14:37 ID:CPp9MKI4
古泉×鶴屋さんって主従関係だよな。鶴屋さんスポンサーだから古泉に色々したい放題。
私の目の前で森さんとヤってよとか言えるワケだ。
598名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:23:22 ID:rBi3er7Y
あくまで鶴屋さんがスポンサーではなく鶴屋家自体がスポンサーな訳だから、そういうシチュだとどこぞの元海軍大佐のドラ息子な感じに鶴屋さんがなりそうだな。
それはそれで見て(ry
599名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:27:01 ID:4dTEkVaq
みくるを放し飼いにしながら散歩してるとそのみくるを長門に情報連結解除されるのか
600名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:28:22 ID:F6KcOjOT
>>599
???頭がおかしいのか?
601名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 16:30:02 ID:4dTEkVaq
>>600
>どこぞの元海軍大佐のドラ息子

こいつの話だ
602名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:26:02 ID:i8IhzaW6
昨日たまたま読んだのがアスタリスクの人のでよかった。
あの人の原作準拠タイプではかなりいいよな。
603名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 19:48:30 ID:Ryk1f0x5
>>593
どこで見れる? 前に出てたWikiの保管庫?
604名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:05:40 ID:F6KcOjOT
>>603
プリンのWikiの長編未分類にある。他に二人の不思議探索?とかあの人が書くのはとにかくおもしろい。
605名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:38:39 ID:kmShdd9E
マイナーなカップリングについて語るスレになってるw
606名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:49:30 ID:zQ6cl6NK
>>604
あの人の書く作品は燃える展開のが多いよな。覚醒の古泉の戦う所とかかなり燃えた。
てか少年オンザグラウンドゼロ,
古泉一樹の親友とかのホモじゃない古泉が活躍する話しが大好きだw
607名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:08:13 ID:OOb+melj
>>606
そんなあなたに、
32-586様: 『ワンダリング五人』
608名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:15:39 ID:kmShdd9E
>>605を訂正。古泉SSスレになってるな。

>>607
ちょwwwそれwwwwwwいやがらせじゃねーかwwwwwwwww
609名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:34:47 ID:Ryk1f0x5
>>606
『痛いの』
610名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:39:08 ID:i8IhzaW6
>>607
今読んでるが…。
シュールはVIPの専門分野じゃなかったのかwwwww
611名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:43:24 ID:zQ6cl6NK
>>607
読んできた。
確かに古泉は活躍してるしホモでもないし面白かった……

612名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:44:13 ID:i8IhzaW6
この手の他にパロ板にあったらタイトル希望w
613名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:23:24 ID:0oeQa9aQ
古泉物なら19-439の『ある春休みの一日』あたりが良いかも
614名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:32:29 ID:EK/pLBYo
古泉モノといえば16-397様『古泉 一樹の日常』21-439様『K&K』22-127様『雨の日には、あなたと』
それと『古泉一樹の親友』はいいねw
615名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 22:42:36 ID:d5nTFE1e
長編・古泉のページは良いのがあるな
616名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:25:26 ID:C/8P5rhb
厳密には古泉物じゃないが
6-363の『鶴屋さんの陰謀』と23-87の『古泉くんの憂鬱』の古泉は好きだな
617名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:38:43 ID:zgM6nCR6
パロ物で言えば肉じゃがか、やっぱりww
618名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 23:43:59 ID:iolJNKTc
感情を育てていく長門と、感情を消した古泉は
カップリング抜きでもなかなか面白い組み合わせと思った。
そんなSSはないかい?
619名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:34:34 ID:nTNBPlt6
なにそれ超読みてえ!!!!
620名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:19:02 ID:ICo0jjVm
「……歌を忘れたカナリアですよ。
 どうすれば上手に歌えるのか、どんな歌を歌えば良いのか。僕にはもうわからないんです」
「彼らは上手な歌を望んでなどいない」
「え?」
「彼らが望んでいるのは、心のこもった歌。人の心には上手も下手も無い」
「……」
「わたしは歌を知らない。
 だが彼が、涼宮ハルヒが、朝比奈みくるが、そしてあなたがわたしに対しわたしの歌を望むから、わたしは歌う。
 わたしはバックアップだった彼女のようには歌えない。でもわたしは、わたしだけの歌を歌いたい。
 ……あなたの忘れた歌とは何?」
「……」
「あなたの望みは上手に歌う事?」
「……」
「それとも、あなただけの歌を歌う事?」
「……あなたの言葉には全くウソがありません。あなたの言葉は、そのままあなたの意思を告げています。
 だからでしょうね……こんなに痛く感じるのは」
「……あなたは大丈夫。またすぐに歌える」
「どうして、そう思うんですか?」
「あなたが、痛むと言う事を忘れていないから」



こうですか、わか(r
621名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:21:07 ID:J+gL4eic
長門さんとのペアはキョン以外認めたくない気がする俺
622名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:50:00 ID:HyGlPIWe
古泉がホモ以外認めたくない俺
623名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:52:49 ID:5JfliXGP
>>620
ちょ、早! しかもウマいし!
前後も読みたいです><
624名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 02:01:40 ID:ABV5iMg+
>>620
わっふるわっふる
625名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 04:36:24 ID:/dDXVOAy
こっちにハルキョンの投下が増えそうな予感
626名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 05:17:07 ID:V+XKZMtl
こら、このタイミングは不謹慎だぞ。
俺もプリンは苦手だけどさ。
627名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 07:15:21 ID:AFLpWlND
今キャラスレハルヒ板が管理人失踪で荒れてるからな
628名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 07:32:33 ID:kMQCla8j
ハルヒ板って何?
629名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 08:11:43 ID:AFLpWlND
ハルヒ板→ハルヒスレ




間違えたんだぜ
630名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 08:43:21 ID:kMQCla8j
じゃあキャラスレって何?
631名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 09:06:48 ID:gNgCron3
ぐぐれ
632名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 09:13:32 ID:kMQCla8j
そうか、もちろんキャラ個別板だよな
633名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 09:30:36 ID:UUyw6gat
>>632
重箱の隅と言うか粘着というか、どちらにせよキモイ
お前友達いないだろ
634名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 09:41:13 ID:kMQCla8j
そうか、悪かった。友達居ないんだろうな
635名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 10:00:47 ID:DwVUzo+c
もちつけ
636名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 10:18:55 ID:AFLpWlND
なんでここも荒れるんだw





吊ってくる
637名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 10:29:24 ID:B5I7xkr2
>>636
お前のIDカッコイイな。
638名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 10:38:26 ID:6hL/aMCV
コンプH's読むと1年5組の女子にはモブにしとくのが
もったいないキャラが多いよね。
639名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 11:29:23 ID:ZLP1IWkH
1年5組女子全員キャラソン発売とかネ(ryな事になりそう
640名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 11:31:30 ID:kMQCla8j
それなんてネギm……なんでもない
641名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 11:33:17 ID:HXPs6qsf
下手するとむしろスクランみたいな事になるぞ
642名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 12:53:47 ID:lMFmILsb
ハルヒスレからきますた
643名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 12:55:40 ID:bvTfgLP8
KAERE
644名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 12:57:23 ID:AFLpWlND
まぁそう言ってやるなよ。あそこはもう終わったんだしさ……
645名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 13:01:24 ID:+rCjYFGR
やたらとクラスメートにスポット当てたがる人がいるけど
ハルヒの場合はクラスメートは脇役でもなくて
あくまでも学園モノの雰囲気を出すための舞台背景だろう。
座席表は設定厨を満足させるためのものだけであってむしろ蛇足だと思う。
パロで出すとしてもキャラ設定がないからほとんどオリキャラにするしかないし
641の言うように少なくとも下手に手を出すモンじゃないな。
646名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 14:38:10 ID:1RewPp16
あの座席表は消失から名前が出てたのに一度しか挿絵で出ていない阪中のためにあると俺は見てるが……
647名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 14:51:35 ID:qGyEmQOS
>>645
俺山根くらいしか知らないや。
648名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:07:22 ID:usqe9uRV
おいおい、こっちに来そうだぞ…

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2006/12/03(日) 16:05:00 ID:ZfTvD12Q
まぁここはハルヒ原理主義者に乗っ取られたということで職人はプリンかエロパロ行こうぜ。
649名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:09:54 ID:AFLpWlND
まぁ多分大概プリンに流れそうだが一応18禁だし
650名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:11:33 ID:kMQCla8j
21禁だぞ
651名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:13:27 ID:AFLpWlND
あれ?PINKになってから18禁じゃなかったか?記憶違い?
652名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:14:52 ID:kMQCla8j
マジだ、じゃあPINKになる前はなんだったんだ?
653名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:15:31 ID:V+XKZMtl
プリンもエロパロもSSスレだろ?
流入しようにも仕様が無い。
654名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:17:03 ID:S1Xbw0tv
だいたい年齢なんか判別しようがないから
年齢制限なんて意味ないと思うな
655名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:17:14 ID:AFLpWlND
>>652
前が21禁だな
656名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:17:51 ID:kMQCla8j
それは記憶してるが、PINKになる前の名前はなんだったかな?って
657名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:27:42 ID:1RewPp16
まぁラノベ板の谷川スレも谷口荒らしがいるわけだし(住人は華麗にスルーorネタ利用してるが)、そんな時期なんだろうさ
658名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:31:41 ID:AFLpWlND
まぁSSが読めればそれでいいわけで
659名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:18:16 ID:KjOrwQ8T
なんかあっちはいよいよSS排除の方向になってるぞ…
660名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:20:04 ID:uN/B8PFw
あっちはあっち
こっちはこっち
それにあっちから人が流れてくるのは悪いことだけでもあるまい
661名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:22:54 ID:bvTfgLP8
まあな、でもどうせこんな風に排除排除してても、過疎ったら前の流れがまるでなかったかのように文句言い出すんだろうな。
「俺は、SS排除に反対だった」、「なんで共存出来ないんだ」みたいにさ
662名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:24:10 ID:AFLpWlND
なんかいいように荒らしに乗せられてるな。まぁこっちに書き手が増えれば活性化するしいいんでない?
663名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:26:23 ID:1RewPp16
またコスプレAV(ryが出そうだけどな
ハルヒ関連はドコも荒れ荒れ不快なようで(アニメ2はいつもの事だが
664名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:26:30 ID:1i8YlJ+N
山根の「朝倉の匂いをかいでいる」とか
松代の「後藤と豊原の関係を詮索する」とか
ただの舞台背景にここまで設定つくるだろうか…?
665名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:32:44 ID:uN/B8PFw
設定だけならいくらでも作れるんじゃね
「こいつとこいつはこんな関係にするか。こいつはこんなんでいいや。」みたいな感じで。
666名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:36:35 ID:kB5mUzVD
でも、正直パンジーさんよりクラスメイトの方が設定が明確になってるよね。
667名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:55:03 ID:Rk4IclL1
話に絡まないキャラだから気軽に設定付けられるんだろう
668名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:55:25 ID:BXeCDTc+
あっち、SSとハルキョンは要宣言、ということで落ち着いた模様
669名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:00:37 ID:AFLpWlND
しかしながらまとめがない、SSが叩かれる現状じゃもうSS投下なさそうだな。






おっとスレ違いスレ違いっと
670名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:01:56 ID:7shbk9gb
ハルヒスレにしろ長門スレにしろキョンとのカップリングが必死すぎるからあんなことになるんだよ。
ハルヒスレはヤンデレの話題だしてもすぐ荒れるし。ハルヒには確実にヤンデレの要素があるのに。
671名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:20:28 ID:AFLpWlND
結局また争ってるなww
672名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:22:47 ID:0Em4Xpp0
他板他スレの話はどうでもいいよ
673名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:25:02 ID:bvTfgLP8
>>670
むしろお前らが病んでるんじゃねぇーのかってのwwwwwww

……ここもベクトルが違うだけだけどな
674名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:30:52 ID:1RewPp16
各ハルヒ関連スレ状況
PINK→他スレ観察
ラノベ→谷口スベリまくり いつもの流
アニメ2→けっこうマッタリ
キャラスレ→朝比奈カオス(大)
プリン→保守
総合→うp祭り?
675名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:31:53 ID:kMQCla8j
総合ってのはVIPの?それともアナル?
676名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:35:03 ID:7shbk9gb
>>674
朝比奈カオス(大)ってなに?ギャグのつもり?
677名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:35:12 ID:1RewPp16
すまん、VIPの方だ。
いつも見てるのしか書いてないから、ってか個別とかまで行くともうね(ry
678名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:39:36 ID:AFLpWlND
個別
ハルヒ→空気最悪、住人の逃亡
長門→マターリ
みくる→過疎
その他→さらに過疎
679名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:45:40 ID:7shbk9gb
みくるスレと朝倉スレはだいたいのびるはやさ同じだな。
その二つもけっしてスレスピード遅くはないんだけどなwww
ハルヒスレと長門スレ(特に長門スレ)は変なのが多いから異常にはやいだけで。
680名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:24:32 ID:1rjEJfkU
ハルヒ・長門スレに限らずみくるスレや朝倉スレもキャラスレじゃかなり伸びてるほうだ。
1ヶ月に1スレ(1日約33レス以上)消費してるスレなんか30スレあるかないかだし。
むしろ夏まで勢いがあった鶴屋さんスレがなんで過疎ったのか、そっちの方が不思議だ。
681名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:26:37 ID:Rk4IclL1
昨日の古泉な流れでVIPのSSを初めて読んだのだが
案外(といっては書いた人に悪いか)よいのがあるんだな。
古泉・鶴屋さんものが気に入ったぜ。とくに鶴屋さん。
682名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:27:08 ID:u6fdH/xA
だから他スレの話はどうでもいいんだよ。
683名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:29:39 ID:AFLpWlND
まぁあと70KBくらいしかないし雑
684名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:31:03 ID:2uVlJUJY
vipスレは流れが速すぎて追いつけない
そんな俺はキャラスレ派
685名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:35:22 ID:9qgL0ZVe
今日のキャラスレに昔のココと同じ香ばしさをかんじたのは気のせいか?
荒らしとかテンプレ変更とかまとめとか……
686名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:38:51 ID:AFLpWlND
そういえばここも夏休み〜9月位は荒れ荒れだったな。どこにでもいるなアホは
687名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:39:06 ID:2Da8+e+V
週末だというのにSSが一本も投下されていない…何故だ?
688名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:46:38 ID:b9PHDCLE
他スレの事をどうこう言うのはあまりよろしくないと思う。
それが原因で荒れたりしたら目も当てられないし。

>>687
そういえば冬コミも近いですね。あとマケボノさん。
689名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:47:54 ID:i85hU6sI
ハルヒスレ祭がおもしろすぎてみんな魚血にいそがしいから。

690名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 22:57:43 ID:i7+RKdjn
ハルヒが好きな人、ワタシの兄弟!
ハルヒが嫌いな人、ワタシのトモダチ!

仲良くやってなくても何か楽しいぜw
ああ生きてるって幸せだなあ。
691名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 23:05:02 ID:/jDmnK3k
>>621
亀だけどわかる気がする。まぁ一番はハルキョンなんだけどさw
692名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 23:11:04 ID:qGyEmQOS
でもなんかハルヒスレ元気でいいなぁ。
書き込みにエネルギーがあるぜw終了5ヶ月とは思えない

いやここはここで落ち着いてて好きだよ。
693名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:01:53 ID:jbdFdq/+
エロ無いけど投下します。10レス予定


プロローグ

男にとって女性は彼岸の存在だと言われているが、俺にとってハルヒはそれどころではなく、まるで地球の裏側にいるようだ。
 どうしてこうなったのか、ハルヒが何を考えているのかさっぱりわからん。
もちろん長門や朝比奈さんについてもさっぱりわからん。
「ちょっとキョン何ぼーっとしてんの?せっかくあたしがキスしてあげてるのに」
「キョンくん、次はわたしにもキスしてください」
「……わたしにも……」
 何故3人とも裸で俺に抱きついているのだろう。
 何故こんな状況なのに俺は下らないことを考えてるのか。これは夢か現か。
694名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:02:55 ID:jbdFdq/+
  [涼宮ハルヒの決断]


 あれは一週間前の日曜日のことだった。いつもの市内不思議発見パトロールでハルヒとペアになったことが全ての始まりだったのだろう。
 昨日は親が留守だという谷口の家で国木田と三人で酒盛りをしてたのでほとんど寝ていない。
実際は所詮高校生大して飲んではいないのだが、酒も残っている。一晩中愚にも付かないことを話してたので、ハルヒの戯言につきあう気力もない。
 当然ハルヒの奴の機嫌はどんどん悪くなっていった。古泉にはスマンと思いながらボーとしながら毎度の如くその辺をぶらぶらしていたわけだが、適当な言い訳でもしてそろそろかえって寝たいと思っていたところ、
突然ハルヒがある建物の前で立ち止まったかと思うと俺の手を引いてその建物に突入していった。
 のこりHPが一桁である俺には逆らえるはずもなく、団長様に引きずられていったのだが、御休憩3時間で4000円という文字をみていっぺんに目が覚めた。
「……へっ?……!?」
 ちょっとっと待てハルヒ。あまりのことにあわてて唇を噛んでしまったが、奴は全く気にしない。
それどころか驚くべきことに自分で金を払って鍵を貰いどんどん進んでいく。
 でっかいベッドのある部屋についた途端、俺をベッドに座らせ「そこでおとなしく待ってなさい」と言い残してさっさとシャワーを浴びに行った。
695名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:04:06 ID:jbdFdq/+
 O.Kまずは落ち着け俺。これはどういうわけだ。男と女がこういういわゆる、『ラブホテル』に来て何をやるか。いやヤルことはアレしかない。ハルヒがここに俺を連れてきたと言うことはつまり俺とアレをする気なのか。
 『眠り』からは回復したが今度は『混乱』になっている。長門がいれば回復魔法をかけて貰うのにと思っていたところ、
「おとなしく待っていたわね」
とハルヒがバスタオルを巻いただけの姿でバスルームから出てきた。
 ずいぶん速いな。何となくだがあいつはいつも烏の行水にちがいない。現状を何となく認めたくない俺はこの期に及んでそんなことを考えていた。
 気が付くとハルヒの奴が「……キョン」 と言って俺に抱きついている。おまけにバスタオルが下に落ちている。
 そこまできてようやく俺は昨日から風呂に入って無いことに気づいた。
谷口の家を出るのがぎりぎりだったため着替えをする時間しかなかったのだ。
「待てハルヒ。実は昨日風呂に入っていない。シャワーを浴びてきていいか?」
この期に及んでまだ考える時間が欲しいチキンな俺はそう告げたのだが
「……キョンのにおいがする」
俺を放す気はないらしい。そのままキスをしてきた。そういや唇から血が出ている。
「……キョンの血の味がする」
 おまえからはいい匂いしかしない。これは俺とハルヒのファーストキスなのか?閉鎖空間のアレは加算されるのか?しかしなんだってハルヒはこんなに柔らかくていい匂いがするんだ。女ってのはみんなこうなのか?
「……駄目。限界だ」
 もうイッパイイッパイだった俺は、一度自身の欲望を認めると後は歯止めがきかない。ハルヒと体勢を入れ替え、ベッドに押し倒すと乱暴にハルヒの唇を割って貪りながら、強く抱きしめた。
 
696名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:04:41 ID:jbdFdq/+
 とまあそこから先は正直良く覚えてない。コンドームを探してた時に(あの状況下でそれに気付いた自分を誉めてやりたい)「今日は大丈夫な日だから」と言われたことや、
ハルヒが痛がって「あまり乱暴に……はじめてだから……」 と言われたことは朧気に記憶にある。
 事が終わった途端寝不足の俺は熟睡してしまったのだが、唇に柔らかい感触がしたのでようやく目覚めた。何故かはしらんが右腕が痛くてだるい。
 目の前には服を着たハルヒが居る。
「速く服を着なさい。後五分しかないんだから」
 いつものように命令してくる。あのしおらしかったハルヒは何処に行ったんだ。
何だか声の調子は優しく、顔も赤い気がするが。
 話したいことも聞きたいことも山ほどあったのだが、とりあえずここをでるのが先だ。

「なあハル「じゃあねキョン今日はこれで解散みんなにもそう伝えてあるから」
外にでた途端そう早口で告げられハルヒは走っていった。さすがマラソン大会一位。
あっという間にその姿は見えなくなった。

 仕方がないので家に帰ったのだが、俺の頭の中はハルヒでいっぱいだった。
携帯片手になんと言おうか、いやそれともメールか、
『混乱』状態はまだ続いているらしい。
「キョンくん何やってるの?」
妹が夕食を呼びに来てようやく現世に引き戻された。
 まあいいとにかく明日会って話をしよう。とりあえず食事と風呂を済ませ、やりたくもない課題を適当に片づけ寝床に付いた。
 眼をつぶっても、眠れそうにない。瞼にはハルヒの姿しかでてこない。
ハルヒはどうしてあんな事を。いやごまかすな。お前にはわかっているはずだ。
ハルヒはやはり俺の事が好きなんだろうか。
 確かにあいつがまともに話す男子は俺か古泉ぐらいだし、あの閉鎖空間でのキスや古泉のもっともらしい解説。まあ好意ぐらいは有るとは思っていたが、そんな物思春期のエロガキの自意識過剰だと自分に言い聞かせてきた。あいつ自身も恋愛なんてと常々言っていたしな。
 
697名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:09:44 ID:YJBM6zou
shien?
698名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:10:20 ID:LLEaK+r3
予定が狂ったので此処まで
699名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:14:03 ID:tlOSET6v
そ、そんな・・・。
こ、こんなところでやめられちゃったら私・・・。
お、おかしくなっちゃうぅぅぅっー!!らめぇぇぇぇぇっ!!!
700名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:23:42 ID:dtIoU1LU
(´・ω・`)
701名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:25:56 ID:5SFwBv5g
orz
702名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:53:59 ID:VYWxhtBU
もう眠いよパトラッシュ……






新刊マダ〜?
703名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:12:40 ID:YJBM6zou
>>702
しっかりしろ、あれがルーベンスの新刊だ。
704名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:18:50 ID:9Sw3TvRo
696の続き

 ハルヒのことは置いておいて俺の気持ちはどうなんだろうか。
あいつの無茶苦茶な言動に辟易させられることも多いがそれ以上に充実している。
ハルヒ抜きの生活なんて考えられない。
あの長門の改変世界が受け入れることが出来なかったのは、
なによりもハルヒが側にいなかったからだろう。
正直なところあいつのことを考えてナニをした事もある。
エロイ夢の中にでてきたこともある。
 とにかくあらゆる意味で俺の中でハルヒの占める割合は大きい。
これはやはり俺がハルヒが好きなんだろうと確信したと瞬間、
瞼には朝比奈さんと長門の寂しそうな顔が浮かんできた。
いや長門に関しては寂しそうな顔なんて見たことがないので、そんな気がしただけだが。
 そうこうしてる内にいつの間にか眠ってしまった。

翌朝いつものようにうんざりな坂道を登って学校へと到る。
この登下校と繰り返される苦行になんの意味があるのか、
そういや学校の校則にも意味がないのが多いな。
いや、前からわかっていたことなのだが、
そんなことを途中で一緒になった国木田と話しながら教室に着いた。
 俺のココロを悩ませてくれたお嬢さんは席には着いているが外を見たまま
全く俺の方を見ようとはしない。
「ハル「おはようキョン昨日のテレビでやってたUFOスペシャル見た
アメリカってやっぱり宇宙人の存在を隠してるのかな
大統領ならその辺全部知ってるのかなアメリカ国籍ってどうやって取るのかな
今の内からSOS団アメリカ支部でもつくっとこうかキョンあんた向こうに友達とか居ない?古泉君なら居るかなとりあえず副大統領はみくるちゃんで決まりね
男性票の八割は固い云々」
 こっちの話を聞く気は全くないらしい。
ハルヒは岡部が来るまでそんな調子でずっとしゃべり続けていた。
705名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:20:14 ID:9Sw3TvRo
 休み時間や昼休みになるとあっというまにどこかへ出かけぎりぎりまで戻ってこない。
「なあ、キョン。今度はなにやったんだ? 涼宮の奴朝から変だ」
「そうだね。でも機嫌はいいみたいだね」
アホコンビ、いやアホは谷口だけか、がやってきた。
「そうなのね。ルソーがとっても機嫌のいいときあんな感じかな」
「まあどうせ涼宮さんのことはキョン君の管轄だからだいじょうよ」
阪中や佐伯まで色々言ってくる。
「やっと覚悟を決めて涼宮とつき「席に着け」
 教師が来たと同時にハルヒの奴が到着した。顔が赤い。谷口の言葉が聞こえたか。
俺自身の顔も熱くなってきている。
後十秒遅ければ、ナニかが有ったことがアホにばれてただろう。
 どうせ放課後には逢えるからとそれからは珍しく授業に集中した。

「あ、キョン君今お茶入れますね」
 文芸部部室に入ると編み物をしていた我が校の究極の天使であり、
至高のメイドでもある朝比奈さんがそそくさと立ち上がった。
が、どうにも様子がおかしい。何かに怯えていらっしゃるようだ。
 とりあえず部室内を見ると、ハルヒはいつもの団長席に座ってパソコンの前。
入ってきた瞬間だけ眼があった気がするが、いまはこちらを見ようともしない。
しかし、両手どころか体全体が全く動いておらず緊張しているようだ。
まあ変ではあるが、朝比奈さんを怯えさせるような物ではないだろう。
 古泉はいつものように胡散臭い笑顔を浮かべながら、カードを並べている。
近所のスーパーのちらしでモデルをやればさぞ人気がでるだろう。
 最期の一人はと見ると成る程と納得した。
長門からなにやら暗黒のオーラらしき物が噴出している。
長門耐性が0に近い朝比奈さんにはたまらないだろう。
良く見れば古泉ですら、冷や汗を流している。
 対巨乳未来人最終兵器は俺を一度絶対零度の目で見た後、
いつものように本に向かい微動だにしない。
違うのはペ−ジをめくることさえしないことだ。
 いつぞや古泉がこの部室は宇宙人や超能力者やらなんやらで
不可思議パワーが充満しているとか言っていたが、
今はハルヒの躁と長門の暗黒がぶつかり合っているようだ。
 正直此処にいたくない。

706名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:21:20 ID:9Sw3TvRo
 惰性で古泉の前に座り、朝比奈さんからお茶を頂いた。
「おめでとうございます」
「なんのことだ」
「続きは後ほど」
 小声でそう会話しつつ、天使のお茶を口にすると、口の中に妙な苦みが広がる。
まずい、朝比奈さんは瀕死でいらっしゃる。このまま見捨てて帰るわけにもいかん。
ハルヒと話もしなければならないし。此処で話せることではないので、
帰りにでも思っていたところ、
「みくるいるー?ちょっと今から付き合ってくんない」
やはり天使の危機には勇者が現れるようだ。
「やや!ハルにゃん。今日はいつもよりめがっさ美人だねー。
有希っこはどうしたのかな。そんな不機嫌じゃダメっさ。笑顔笑顔!」
 この人は凄いねホント。陽性のパワーならハルヒ以上かも。
 長髪の勇者様のおかげで場の空気が和み始めた。
 今の内に帰りの予約を取っておこうかと思い、ハルヒに話しかけたが
「ハルヒ、帰りにちょっと話しが「ああ!ちょっと用事思い出した。
みくるちゃんも帰るみたいだし、今日は解散」
あいつはスタートダッシュも凄いな。もういない。
「ぬふふ、キョン君、ハルにゃんどうかしたのかな」
 この人は何処まで知っていらっしゃるのかね。いやまったく。
 鶴屋さんと一緒に朝比奈さんがでてすぐ、「帰る」とだけ残して長門も消えた。
707名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:22:37 ID:9Sw3TvRo
 古泉と二人きりなんてごめんなので俺も帰り支度をしたのだが、
「すこし時間をいただけませんか」
いやだね。俺にはやらなきゃならんことが有るんだ。
「今から追っても涼宮さんには会えませんよ。
今の彼女はあなたと二人きりで会うことを望んでいません」
何故だ。
「彼女の心理状態なら僕の専門ですから、お時間をいただけるならご説明できます」
 お前は何処まで知っている。
「忘れましたか。我々の『機関』は彼女を護っています。
昨日の昼一時から四時まであなたと涼宮さんがいた場所だけです。
何をしていたかまでは知りません。ご安心を」
 どこかだ。いやまて、そのこと知ってるのはお前だけってことにしてくれないか。
頼む。
「残念ですがこのことは我々のみならず『涼宮ハルヒ』
の関係者全てが知っていると見ていいでしょう。宇宙人も未来人もです」
 もしかすると、
「ええ、おそらくいえ今日の様子からして間違いなく、長門さんは知っています。
朝比奈さんは知らないでしょう。知っていてごまかせる人ではありませんし、
そもそも彼女にはあまり情報が与えられていないようです」
 俺はほっとすべきなのかね。
「さあどうでしょう。僕に言えることは『涼宮ハルヒ』の『鍵』として
あなたの重要度が増し、今後注目度が高まるであろうと言うことだけです。
ですが安心してください。我々の『機関』はあなたのことを監視したりしません。
もちろんこれまでのようにそっと身の安全は護らせていただきますが、
それ以上のことは何も。あなたとの信頼関係は失いたくありませんから。
上層部も僕自身も同じ考えです」
 信頼関係ね。初耳だがこの話はまた後だ。それよりハルヒの現在の心理状態とやらだ。
「今彼女の感情はいわゆる照れと不安で占められています。
あなたと決定的な関係になったことは嬉しいのですが、同時にそれだけのことをしても
まだあなたのココロが手に入ったとは確信できないでいるのです。
実際は不安の方はそれほど大きくありません。ご機嫌です。
あなたがへまをしない限り、当分は閉鎖空間など発生しそうにない雰囲気です。
お礼を言います」
 だったら俺と話しぐらいしてもいいのに。
708名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:23:17 ID:9Sw3TvRo
「だからそれが照れているんです。正確には戸惑っているんでしょうか。
涼宮さんはいろいろな意味で何でも出来る人ですが、
こと恋愛、それに伴う性愛に関しては未熟な人です。思い出してください。
前の彼女は男子がいる前で平気で着替えが出来る人でした。
また交際を申し込まれても断らない人でした。
それにあなたはご存じないかもしれませんが、交際相手に手も握らせませんでしたよ。
恋愛についてさほど重視していませんでしたし、
性愛については意識すらしていませんでした。だからあんな真似が出来たんです」
 そういえば最近は男子がいる前で着替えしたりしないな。
「あの閉鎖空間でのアレコレもいわば初な涼宮さんだから、
キスの一つであっさり解決したりするんです」
 そのにやけ顔はやめろ。殴るぞ。そもそもおまえはどこまで知って、いやいい。
「続けましょう。あれ以来涼宮さんも恋愛に本格的に興味を持ち始めました。
普通の女性なら主に先輩や友人から恋愛についてある程度教わる物です。
しかし彼女には恋愛について語るほどの友人がいませんでした。
長門さんや朝比奈さんはこのことに関してむしろ敵です。
必定、彼女の情報源はネットや書籍と言うことになります。
ネットの情報がどういう物かは言及する必要はないでしょう。
さんざんアプローチをしても自分には振り向いてくれない。
実際の所はともかく朝比奈さんや長門さんばかりかまってる
と考えた彼女が何をしたか「もういい、わかった」
 要するに、俺が鈍いと言いたいわけだな。他にも妙なことを言っていたが今はいい。
「ええ、そうです。ただでさえ未成熟なのに通常の段階を踏まずに
いきなりあなたと深い関係になってしまったため彼女の精神がついていけないのです。
今は彼女が落ち着くのを待ちましょう」
 それでいいのか?
「正直確信はないです。ただ、くれぐれも涼宮さんを拒絶するような言動
はしないで下さい。前よりも彼女を意識して、大切にしてください」
 つまり覚悟を決めろってことか?
「別に無理をしろとは言いません。素直になって下さい。それだけで充分です」
 にやけるな
「彼女は最強の切り札をきったのです。
もしそれが効かないと彼女が思ってしまったら
次はどうなるか、お約束なら自爆でしょうか。何が起こるか考えたくもないですね。
此処だけの話あなたの存在によりむしろ危険が増した考える者もいます。
あなたと出会う前の彼女は悪い方向であるにせよ安定していましたから」
 マジになるな。いつものにやけ顔に戻せ。お前の言い分はわかった。
 俺にも脳みそぐらいあるさ。自分が何をすればいいかは自分で決める。
「信用してます」
勝手にしろ。そういいながら俺達は部室を後にした。

709名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:24:07 ID:9Sw3TvRo
 次の日、ハルヒの様子はあまり変わらなかった。俺と目を合わせようとはしないが
常に強烈な視線を感じる。挨拶をすれば返事ぐらいはする。

 その次の日、水曜になってようやくまともに会話が出来るようになった。
話すときは常にハルヒのペ−スで俺から話題を切り出そうとすると、
すぐに話題を切り替えごまかそうとする。
かといってちゃんと話を聞いていないとでかい瞳を不安げに伏せるのだ。

 木曜にもなると、休み時間や昼休みも俺の後ろから離れようとはしなくなった。
わざわざ弁当も持ってきている。クラスの連中も何も言わない。
元々ハルヒは変な奴だったのでベクトルが多少変わっても大した問題ではないのだろう。
ただ阪中が
「涼宮さんルソーに似てきたのね。キョン君と話すときしっぽふってるのが見えるよ」
とこっそり告げてくれた。

 SOS団はというと相変わらず長門は暗黒オーラを出しまくっているが、
ハルヒがそれに負けないハレパワーを出しているため、差し引き0である。
朝比奈さんだけは弱っているがハルヒに負けないだけの陽性を持つ鶴屋さんが
絶妙のタイミングで介入してくれるので、何とか無事である。

 例の件については口答では埒があかないため、メールをしたところ、
送信から10秒以内に電話が掛かってきて関係ない話でいつものようにごまかされる。
 俺の方も改めてハルヒと向き合うのに何だか気後れしてしまい、
先延ばしでもいいかと思い始めた。


 もしこの時、きちんとハルヒに自分の気持ちを伝えていたら、未来は変わっていたのだろうか。その辺のことを朝比奈さんに聞きたいが知らない方が幸せなんだろうな。

710名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:24:46 ID:9Sw3TvRo
 金曜日、昨日と変わらずハルヒは俺の側から離れようとはせずまとわりつく。
阪中の感想も納得できる。ハルヒは猫系だと思っていたがどうやら犬系らしい。
 放課後帰り支度をしていると、豊原が切り出した。
「キョン、ちょっと話があるんだけど時間くれ」
 豊原とは格別親しいわけではないが、席が近いので割と話はする。
 わかった。と答えた瞬間我が愛しの団長様が口出してきた。
「私も行くわ。団員の行動には団長が責任を持つのだから」
 まてハルヒ。それはやりすぎだろう。俺にも自由くらいはあるはずだ。
 豊原はハルヒの隣だけあってトンでもっぷりを理解しているのだろう。
「まあまあ涼宮さん。これは男同士の話なんだ。ちょっとだけ。すぐに返すから」
 苦笑しながらそういったのだが、俺は別にハルヒの物ではない。
「男同士なんて嫌らしい。終わったらすぐに部室に来なさい」
 何を想像したかは知らないがそう言ってあっという間にいなくなった。
 
 豊原の言うがままに後を着いていく途中で用件を聞いたが、
良い話だと言うばかりではぐらかされた。
 音楽準備室の前に来てようやく
「実は本命はこの中。女子が待ってる。だから涼宮さんには遠慮した貰った。と言えば大体のことは想像できるだろ。後はキョンに任せるよ」
 そう言って一瞬唖然とする俺を中に入れて扉を閉め去っていった。。

711名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:25:31 ID:9Sw3TvRo
 中には見事な高いポニーテールをした少女いや、美少女がいた。
 髪型、顔供に俺のストライクゾーンど真ん中だ。しかしどこかで見たことがある。
「もしかして由良か?」
 眼鏡を外すと美少女になると言う古典をこの眼で見ることが有ろうとは。
 いや由良は元々地味ではあるが整った顔立ちをしていた。
眼鏡を外すことにより華やかさが加わったのだろう。
 ポニーテールに引かれじっくり観察したことがあるので間違いない。
「キョン君ずっと好きだったの。私と付き合ってください」
 そう言いながら抱きついてきた。
 すまん由良。俺はすでにハルヒの160キロストレートでK.O済みだ。
 多少後ろ髪を引かれながらもそう言って断ろうとしたとき、
突然物凄い音がして扉が開いた。
「キョン!!どういうこと」
 物凄い勢いで詰め寄ってきたハルヒは抱きついている由良の髪を見て更に檄昂した。
「あんた誰よ!そんな髪型にしてキョンを誘惑しないで!!」
 由良のしっぽをつかんで俺の体から引き離す。
「やめろハルヒ」
「なんで!キョンはあたしよりこんな女の方が大事なの!」
 ちがう。お前の方が大切だ、ただこのままでは怪我させるぞ。
「バカキョンエロキョンアホキョン!キョンなんか死んじゃえ!!」
 こっちの話は聞いちゃいない。
と由良の髪を放したかと思うと俺の右頬に見事なストレートを叩き込んでくれた。
 奥歯がぐらつく。女ならせめて平手にしてくれ。
俺の意識が一瞬飛んだと思ったら、カモシカのような猛ダッシュで走り出していった。
 待ってくれ。追いかけようとしたが後ろから由良が抱きついてきた。
「あんな乱暴な人より私の方がずっと……」
 いやそれでも俺はハルヒのことが、大切なんだ。
 ハルヒに髪を引っ張られたせいでしっぽがぐちゃぐちゃになった由良を
なんとか説き伏せ、俺は音楽準備室を出ていこうとした。
 ハルヒの特技は数在れど、その一つは声のすばらしさだろう。
歌を聴くとそれが良く解る。その良く通る声を持つハルヒが大声で騒いでいたのだ。
当然人が大勢集まっていた。
 来週学校に来るのが嫌になったが、いまはハルヒのことだ。
 見物人のなかにいた豊原ににらみを利かせ、
「私あきらめませんから……」
 聞こえてきた由良のつぶやきを振り払い駆けだした。
712名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:26:29 ID:9Sw3TvRo
 行き先は一つしかない。体中の酸素の九割を使い果たしながら部室へたどり着くと古泉がドアの前に立っていた。
「大変なことをしてくれましたね。今までにない規模の閉鎖空間が出現しました」
 わかっている。とにかく中に入れてくれ。
「あなたが来ても絶対に中には入れるな、と涼宮さんの命令です」
 いやそれでも頼む。
「無駄です。先ほど僕も入ろうとしましたが駄目でした。
とにかく今は長門さんと朝比奈さんがなんとか慰めています。
彼女が落ち着くのを待ちましょう」
 扉はその通りぴくりとも動かない。仕方ない、待つとするか。
 しかし古泉こんな時になんだがお前はバイトに行かなくて良いのか?
「ええもちろん。しかしまだ現状の把握が出来ていません。
僕の任務はこちらが優先です。一体何があったのです。
あれほど忠告したのにあなたは何をしでかしたのですか!」
 お前の真面目な顔始めてみるよ。とにかく俺はハルヒを邪険にしたわけではない。
 あいつが勝手に誤解して俺の話も聞かずに暴走している。
「この際あなたの考えなど関係在りません。大切なのは涼宮さんがどう感じたかです。
何があったかなるべく客観的にきっちり話してください」
 自分の事を客観的になんて無理だと思うが、とにかく詳しく話した。
 全て聞き終えた古泉が妙な顔をした。
「あなたに告白したのは確かに吹奏楽部の由良さんという方ですね」
「ああそうだ」
「腑に落ちませんね。あなたには大本命とも言える涼宮さんがいます。
告白するほど由良さんがあなたの事を好きだったとは。そんな情報はありません。
彼女の好みは別の人のはずです」
 なんだその情報ってのは。まさか、
「少しなら手の内を晒しても良いでしょう。あの生徒会長のような協力者は他にも、
個人名は出せませんが、あなたの側にもいます。
その方達の協力もあってあなた方の周りの人間関係はほぼ把握しています。
俗に言うと誰が誰のことを好きかということまでです」
「何故そこまでする」
「先日申し上げたでしょう。涼宮さんが恋愛に興味を持ち始めたと。
涼宮さんの心理に大きく影響を与える要因はこちらで徹底的に調べます。
特にあなたと彼女自身に関してならば。涼宮さんに好意を抱いている人、
あなたに好意を抱いている人は全て把握しているつもりです。
もちろんあなたや涼宮さんの好みのタイプもです。軽蔑しても良いですよ」
713名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:27:22 ID:9Sw3TvRo
 もちろんいい気はしないがお前達が真剣なのはわかった。
「由良さんの告白はタイミングが良すぎます。彼女はあなた好みの女性でしょう。
いえ答えはいりません。ですから、彼女については調査済みです。
ええ他に好きな人がいるのです。ですからおかしいと。
あなたと涼宮さんが完全に結ばれようとするこの時期にあんな真似を。
どの勢力が介入したかはわかりませんが危険すぎます。」
 ずいぶん物騒な話だな。
「薄々お気づきかと思いますが、この学校には『機関』の敵対組織も含め、
様々な勢力が介入しています。現状は、純粋な同盟では無いですが、
我々の『機関』、朝比奈さん、長門さん、
つまりSOS団側が優勢ですので敵対組織の行動もある程度抑えています。
しかし完全ではありません。おそらくですが、今回由良さんに介入したのは敵対する
『機関』でしょう。宇宙人、未来人よりは『恋愛』に関しての理解が深いでしょうから。それも敵対『機関』の一派閥でしょう。
僕の知る限り敵対『機関』の主流はこんな危険なことはしません」
 要するにお前達の敵の中の一部がとち狂ったってことだな。
「推測でしか在りませんが間違いないかと。由良さんの周辺を洗い直してみます。
とにかく僕は役割は仲間の救援に向かいます。ここからはあなたの仕事です。
涼宮さんは任せます。言うべき事は言い尽くしました。
とにかく彼女の不安を取り除いてください」
 古泉が去ってからしばらく経ち、ようやく扉が開いた。
 長門と朝比奈さんだけが顔を出して
「彼女からの伝言」
「今日は顔も見たくないから帰って。夜にでも連絡するからそれまで自宅謹慎」
「だそうです。ここで待ってても無駄です。」
 そう言って扉を閉めた。
 長門は相変わらず暗黒オーラ、朝比奈さんまで不機嫌じゃなかったか。
 もう扉はびくともしない。仕方ない、団長の言いつけに従うことにしよう。


714名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:28:19 ID:9Sw3TvRo
とりあえずここまで
初SS適当ねつ造設定とつっこみどころ満載ですが
お許しを
715名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:30:40 ID:9D+uUu8m
リアルタイムGJ!
アンタ、マジで初SSか?レベル高くないか?
716名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:39:17 ID:dtIoU1LU
この時間まで粘ったかいがあったよ。
続き待ってます。
さて、俺もSS書いてくるかな。 明日も朝からしごt(ry
717名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:56:59 ID:i3qMa5tv
>>714


高原のハットといい、今日はいい眠りが期待できそうだ
718名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 03:09:14 ID:OQ7vtF5n
>>715
クオリティの高さは認めるが、初体験時の描写があまりないので
素直にキョンに感情移入出来ない俺がいる・・・
719名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 04:02:50 ID:qMYKOz0Z
GJ! 古泉がうまく描けてると思った。
続き楽しみにしてます。
720名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 07:06:57 ID:1JRoQv4o
起きて覗いてみたらなんかやたらとクオリティの高いのが投下されてる。しかし初SSでここまでのレベルとは……
721名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 15:19:38 ID:MhPYpk3I
古泉が上手い人は尊敬する。なんかうまく動かせないんだよね。
722名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 15:41:38 ID:feNsA0DG
俺の初SSは下痢便にまみれて気絶している古泉の顔に射精するところで終わったからな……俺の中では下痢の茶色と精液の白の対比を強調した良作つもりだったのにorz
723名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 16:02:05 ID:YFfH0jM/
>722
某スレで自治厨にうんざりしてきてみたらいきなりスカトロとは…やれやれ。




ぜひその作品を拝見したいのですが!
724名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 17:17:55 ID:pZd8Avi3
そういや由良さんもポニーテールなんだな…
憂鬱以降はハルヒパワーで髪型を改変させられたりしなかったんだろうか?
725名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 18:02:47 ID:LBWPmNn7
それをやるくらいなら自分の髪を改変してるだろ

…しかし憂鬱以降ハルヒの髪が短いままというのもおかしい
726名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 18:18:35 ID:Ei71LkQm
>>725
少しずつ伸びていると書かれているだろ
一年で伸びる量がどれくらいなのかが、(ぐすっ)、童貞、(ぐすっ)、の俺には解らんが
727名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 18:47:13 ID:yHdkhwRz
>>722
説明に笑ったwwwそれだけで価値があったんじゃないのかwww
728名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 20:33:07 ID:XWGQ/0Dn
上手い人は、古泉をらしく使うんだよな
それだけ原作を読み込んでるって事なんだろうけど
729名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 21:28:26 ID:5SFwBv5g
古泉なんかアッー!!!以外で使わない
730名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 21:54:56 ID:kPzrkrYv
続きまだかな? すげー気になる。
731名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:19:01 ID:yHdkhwRz
俺はやっぱみくるの出番が極端に少なくなるwあとハルヒw
書くSSの系統で出番違いそう。
732名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:25:08 ID:7tiR3+AE
古泉は広がった手のひらを纏めるのに一番適している。
説明役として長編を書くときは不可欠な存在。

朝比奈さんは短編の友。とりあえず出しておけば和む。
短く要点を詰め込むときに欠かせない。


だから古泉が活躍するとひゃ〜いはでてこないし、
朝比奈さんが出てくると●は霞む。
733名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:37:43 ID:RTr+Jw1h
本当にうまい人は全員きちんと使うけどね。
734名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:43:51 ID:rcYRfmty
>>732
古泉は便利だよね。多少の無茶がある理屈でも古泉に言わせたら、
「古泉じゃあ、仕方ないな( ´∀`)」ってなるような感じがあるしw
……え? 俺だけ?

>>733
身も蓋もないことを……w
735名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:58:02 ID:dtIoU1LU
>>733
ただ全員を活躍させようと思ったら至難の技
操られた長門に世界改変させてついでに朝倉も出して、鶴屋さんをキョンにアタックさせて、みくるに遡行させて、閉鎖空間もどきを作って、何かしら敵を作って…
ここまできてあれ、ハルヒは? ってこともよくあるしw
736名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:03:17 ID:yHdkhwRz
原作も全員一度に使うことはないしね。
ちゃんと全員そこにいることをさりげなくアピールするのが大事なのかな。
737名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:05:36 ID:Rw31DriY
一言も喋らないが実は常に隣にいましたってオチの話が何かあったような
738名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:06:43 ID:RTr+Jw1h
じゃあ逆に全員うまく書いてるSSは違和感なくておもしろいのかな?
あんまり好きなキャラを押しすぎるとだめな気がする。
微笑は最後に長門と無理矢理くっつけようとしたのが明らかだし。
739名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:11:27 ID:yHdkhwRz
綺麗にまとめるんならやっぱSSごとに登場人物絞ってあったほうがいいよな。
原作っぽくするかSS色を強くするかの違いじゃね?うまく言えない。
740名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:16:38 ID:aFwjxH4m
もうSOS団とその仲間達でみんなで大人数乱交プレイすればいいんじゃね?
741名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:28:16 ID:zXNy2lBh
たぶんスレ的にウケねぇだろうなぁ。いや、個人的には全然いいんだが。
キョン以外が犯ると内容に関わらず盛り上がらないっつーか、
拒否反応が出る傾向がある。
使ってもギリギリ古泉までか。
キョンハーレムの方がいいだろうな。
742名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:42:42 ID:5SFwBv5g
どうしてもみくるが空気化する
743名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:44:42 ID:aFwjxH4m
国木田が谷口に挿して
谷口が古泉に挿して
古泉がキョンに挿して
キョンが右手で長門、左手でみくる、んでハルヒに挿す。
キョンの顔に鶴屋さん。


これでおkじゃね?
744名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:45:13 ID:yHdkhwRz
いまさらだけどやり取りが一番面白いのは俺としてはキョンハルヒだなぁ。
745名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:49:04 ID:feNsA0DG
>>743
SFCのFFに出てくるラスボスみたいだなw
746名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 00:03:04 ID:dtIoU1LU
>>745
そんないやなラスボスだったらバニシュとデスで一刻も早く消し去りたいもんだが…

747名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 00:33:10 ID:gvIVsaZs
 [涼宮ハルヒの決断]の続きです。4レス予定

 あいつは大丈夫なんだろうか。長門と朝比奈さんに任せたが、よく考えればあの2人
宇宙人と未来人。現代人のカウンセラーなんて出来るのかね。
 いかん、ここ数日のせいでハルヒの保護者になった気がする。少なくともあの2人は
女性だ。その一点だけで俺よりましだろう。
 しかしなんであいつは由良を見てあんなに暴走したのか。まあ想像はつくんだが。
 俺は別にポニーテールフェチじゃない。ただハルヒにはとてもよく似合っていた
というだけで、いやもうよそう。とにかくハルヒに素直に俺の思いを話すだけだ。
 顧みればこのところの俺はほとんどハルヒのことばかり考えている。古泉から
かなりやばめの話を聞いたのだが、あまりショックを受けていない。
 俺の気持ちが届いたのか。夜10時頃ようやくハルヒからのメールが届いた。
「明日夕方5時有希の家に集合。遅刻も早く来ても駄目。誤差10秒以内。
今日は一時間以内に就寝。明日はきちんと起きて朝食、昼食をしっかり取ること。
寝不足、体調不良は死刑。夕食はこちらで準備。以上質問は認めず」
 なんだこりゃ、長門の家って。できれば二人で話がしたかったんだが。
まあ良い。ここまで来たら団長の仰せのままにするさ。
 「古泉です。涼宮さんから連絡があったようですね」
 素晴らしいタイミングで副団長から着信があった。
 俺のパンツの色知ってても不思議じゃないな。
「涼宮さんにご報告しましょうか」
「本題に入れ」
「涼宮さんの事は全面的にお任せしますよ。全てはあなた次第です」
「閉鎖空間はどうなった」
「なんとか終息しました。神人も強化されていましたが、それに伴い
我々の力も増大していました。なんとかなるものですよ」
「それともう一つ、昼間の由良さんの件です。調査したところやはり、敵対『機関』
との接触が確認されました」
 由良はお前達の業界関係者なのか。

748名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 00:34:03 ID:gvIVsaZs
「詳しい話は省きますが自分も知らない内に協力者にさせられていたと言うところです。
敵対『機関』としては単なる情報提供者程度の存在だったのですが、一部急進派により
あなたへの『刺客』に仕上げられてしまったのです。『恋愛』問題で不用意な事をする
危険性は関係者一同理解しています。ですから『恋愛』関係で涼宮さんに直接接触する
ことは敵味方と問わず厳禁となっていたはずですがね。あなたが言うところの
とち狂った連中は今頃制裁を受けているでしょう。我々も敵も所詮は浮き世の人間。
この世界が破壊されては意味がないですから」
 酷い話だ。敵対『機関』とやらはまるで悪の組織だな。
「我々『機関』も大差ないです。裏切り、謀略何でもアリです。涼宮さんの存在は、
一般的には知られていませんが、それでもかなり情報が漏れています。あの力、
一度眼にしてしまえば欲しくなる、近づきたくなるのは人間の本音でしょう。
宗教、政治、とにかく涼宮さんを巡る闘争の数々、将来本にして出したいぐらいです」
 もしやお前達がハルヒや俺を護っているのか。それにしてもここに来て
色々話してくれるな。どういうつもりだ。
「涼宮さん自身には、これからも直接接触はなるべく避ける方針で一致しています。
自覚のない『神』は危険ですからね。ですがあなたは別です。あなた自身は
はっきり言って特別な力など無い平凡な方ですが、涼宮さんを動かしうる唯一の
人間ですからね。金の卵です。
まあ明日の会見次第で全て無になってしまうかもしれませんが」
「俺はハルヒのヒモか?」
「いえいえ、『神』と直接対話しえると言う意味では、予言者、キリスト、ムハンマドと
いったとこでしょうか。
僕の意見ではありません。そう考える人が少なからずいると言うことです」
 ありがとよ、せめて教科書には本名で載りたいね。
「肉体的危険については長門さんがいる以上滅多なことにはなりませんが、
今後はご自身の立場を理解してください」
 人間不信になりそうだ。
「そう思うのも当然でしょう。僕のことも無理には信じてくださらなくて結構です。
ですが一つだけ、涼宮さん、彼女だけはあなたにとって100%真の存在です。
それでは明日がんばってください」

 頭が痛い。奴の話を何処まで真面目にとっていい物か。
 時計を見るともう11時。約束の就寝タイムだ。
 面倒なことは明日が終わってからだ。現実逃避しながら、眠りについた。


749名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 00:34:51 ID:gvIVsaZs
 とにかく指示に従い早起きした俺は、約束の時間まで妹とシャミセンに
付き合うことにした。こいつは見た目以上のガキなので相手するのに頭は使わない。
兄として多少将来が気になるが、可愛くないわけではないからな。
 
 母親に夕食はいらないと告げ、運良く遊び疲れて寝てしまった妹を置いて、
俺は長門のマンションに向かった。
 
 チャイムを鳴らすと出てきたのはエプロンをつけたハルヒだった。
「15秒速い」
「無茶言うな」
「うん、顔色は良いはね。ちゃんと命令を守った?」
「ああ仰せのままに」
 どうやら機嫌は悪くないらしい。とにかく後をついていくと驚いた。
殺風景だった長門の部屋が華やかになっていたのだ。いわゆる女の子らしい、
俺は詳しい訳ではないが、カーテンの色もそれらしく、各所に小物などが散りばめられ、
ファンシーな部屋になっていた。
「驚いた?朝から準備していたのよ」
 驚いた。それになんだか旨そうなにおいがする。
「あ、キョン君。いらっしゃい」
「……いらっしゃい」
 エプロンをつけた未来天使と万能宇宙人が台所から顔を見せた。
ラフな服装だが2人ともやたら似合ってる。もちろんハルヒもだ。
 えらく和やかな雰囲気だな。土下座でも何でもしてやると
覚悟を決めた俺はなんだったんだ。
「夕食完成するまで、あんたはお風呂に入っていなさい。耳の裏まで洗いなさい」
 バスルームに追いたてられた。
「着替えもあるから」
 普通の部屋着だったが、パンツまであるよ。
 ここ一週間で俺の頭はオーバーヒート。もう好きにしてくれ。
 頭まで洗った俺が出てくるとちょうど準備が整ったようだ。
 実に旨そうだ。確か、ハルヒと朝比奈さんは料理上手だったな。
カレーもあるし、長門も作ったのか。
750名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 00:35:46 ID:gvIVsaZs
「ハルヒ、話があるんだ」
「あとあと、まずは食事よ。乾杯から」
 げ!酒もある。お前孤島で懲りたんじゃないのか。
「景気づけよ!」
 軽めの焼酎やカクテルらしいし大丈夫か。
「キョンの処刑の前祝いよ!乾杯!」
 はいはい。哀れな雑用係は団長様のご命令に従います。
「そうよ!今夜はあたしの命令には絶対服従よ!まずは食べなさい」
 目の前には和洋中印色々あるが、やばい旨すぎる。
今後母親の料理に文句言ってしまいそうだ。
 とにかくハルヒはテンションが高い。俺が何か食べるたびに解説してくれる。
 朝比奈さんや長門まで、
「これは火加減が難しいんですよ」
「これは私が作った」
 などなど口数も多い。ちなみにカレーも手作りだった。
 そう言えば死刑の直前の食事は豪華だよな。どちらにせよ一週間前の男だらけの
酒盛りとは天と地の差だな。
 下らないことを考えつつも食事が終わると
「片付けはこっちでやるからあんたはここでくつろいでいなさい」
 言われるまでもなく、ぼーとする。
 酒が少し入ったからだろうか。いい気分だがふらふらする。
 30分、いや1時間か。どれだけ経ったかわからないが、
「動いちゃ駄目よ」
 突如ハルヒによって目隠しされた。いい匂いがする。こいつ風呂にでも入ったのか。
 なにやら目の前で音がした後、目隠しがはずされたかと思うと、
誰かが抱きついてキスをしてきた。  

今回はここまで。エロがかけません。エロ作家尊敬します。
751名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 00:56:17 ID:ZhKS/2cZ
GJ!
続きが楽しみだ!
752名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 01:09:04 ID:H3Xh1/Ma
>750
俺たちを生殺しにする気かッ!
ぐぐぐ・・・GJ
753名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 01:33:34 ID:f+361axr
GJ!
続きは全裸で待つことにするよ。
754名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 02:17:17 ID:E9B/WIEf
出版しろ!!!
これはいいぞ〜
755名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 08:41:27 ID:OUtymVO8
GJ!GJ!GJ!
続きだ!続きが欲しい!!うぉー
756名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 12:17:46 ID:AgcSwB2b
久々の傑作ktkr
757名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 15:01:46 ID:dyFWu730
お前ら本当にキョン×多人数もの好きだな。
758名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 16:48:18 ID:q/H6+6wJ
そうだね。プロテインだね。
759名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 17:05:01 ID:97Y/cVmS
ほんとに出版すれば…ってのはあまりよくないかな?

個人的には見て見たい気もするんだよな…
760名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 17:22:04 ID:ZoTyavMw
>>750
前にここでエロの書き方を聞いたんだが、その時の答えが
『エロを書くのが快感になるまで書く』だそうで。
まぁなんにせよ続きwtktで待ってます
761名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 18:56:20 ID:NU7HYaLg
>>759
自分で書いて同人誌にでもすればいいと思うよ
762名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 18:58:35 ID:/BClpmp4
GJ!!

ってかキョンは「由良」って呼び捨てにしてるのか
763名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 19:32:59 ID:FJXfCc5R
たまに谷口の扱いが酷くて萎える。
764名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 19:36:20 ID:hnL1Ho63
キョンは年上の人しかさんづけて呼んでないよ。
765名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:33:25 ID:8MQYobXe
つ岡部
766名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:37:06 ID:RHTz+41b
『涼宮ハルヒの奔走』投下行きま〜す!
767名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:37:31 ID:XnhhNPuE
新刊情報キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
ttp://www.animate-shop.jp/webshop70/commodity_param/ctc/book/shc/0/cmc/4055842
768名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:52:30 ID:buthS0uY
mjkktkr!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?
769名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 22:04:33 ID:yfz5JfPU
>>765
流石に本人を前に呼び捨てはしないだろうさ。

>>767
新刊!?
770名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 22:52:35 ID:N90QGdjV
某BBSより。
>どうもはじめまして。
>今回の件ですけど、出版社から既に一部書店に向けて発注の案内がありました。
>あ、拙者は一応出版関係のお仕事してます。
>で、タイトルは「(仮)」が付いてますが、多分このまま行くと思われます。
>問題は発売日の方で、最初は12月末頃発売という案内だったのですが、
その後年内は無理で1月も難しいという発売延期の告知がありました。
>つまり最短で2月、という事であり、正確には「2月以降」という事です。
>おそらく発売日がある程度固まれば、出版社の方から大々的に告知があると思いますので、
現時点では来年の春頃に新刊が出る予定である、という認識で留めておくのがよいと思われます。
>現時点で知りえる情報はここまでで、長編なのか短編集なのかとかいった内容に関する事は
>一切拙者は知りません。
>この辺りも、続報待ちといった感じですね。
>
>No.75 - 2006/11/20(Mon) 20:40:09



つまり2月かと……
771名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:03:44 ID:RLLCi6mz
新刊の話はラ板の谷川スレでしたほうがいいんじゃね?
772名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:21:19 ID:hf0g5DpJ
新刊の情報ぐらい何の問題も無いと思うが
773名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:41:04 ID:4xp/SIbL
長門が高熱出してそれを看病とか考えたけどこういうのもありがちだよな
774名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:50:53 ID:Uy6pDIgG
>>773
あったと思うけど別にネタ被りを気にする必要はないと思う。アンタのそれを投下してくれ。
775名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:53:52 ID:HSwR6YmW
誰かこの同人誌のタイトル分かる?

http://www.uploda.org/uporg606053.jpg.html
PASSはnagato


776名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:55:18 ID:4xp/SIbL
>>774
いやエロとかまでは考えてないんだ。弱ってる長門エロそうだなと
いうだけであって。高熱状態でやるわけにもいかんだろうし、後日
それがもとでそういう風になるとしてもそこに至るまでの経過までは
考えられないし俺には書けない。ただの話の上でのネタ振りだ・・・スマン
777名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 23:57:04 ID:V6HbfbWj
>>775
ねこうさプリンにあるWEBマンガじゃないのか?
778名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:01:40 ID:HSwR6YmW
さんくす
779名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:05:03 ID:LCX4qnov
[涼宮ハルヒの決断]の続きです。

熱いハルヒの舌が俺の口内を、歯茎を、舌の裏を、奥歯を這いずる。
唾液を流し込んだ後ようやく離れた。ついでに上の服もはぎとられた。
「ちょっとキョン何ぼーっとしてんの?せっかくあたしがキスしてあげてるのに」
 目の前には、ハルヒだけではなく、長門や朝比奈さんまで裸でいる。
「キョンくん、次はわたしにもキスしてください」
 陶然としている俺に朝比奈さんがキスをしてきた。舌を出してきたが、ハルヒ
の様に大胆ではない。俺の前歯に触れるとすぐに離れてしまった。
顔は真っ赤だ。ハルヒより体温が高いかも。天使だからかな。
「……わたしにも……」
 長門のキスは単に唇に触れただけだった。
 離れてみると、いつものポーカ−フェイスのままだ。
 唇の感触って個人差があるんだな。いや待てこれは一体。
「だって仕方ないじゃない。あんたはすぐふらふらどっかいくんだもん。
みくるちゃんと有希もいればあんな訳の分からない女にも目がいかないでしょ」
 別にふらふらした覚えはないが。
「ふらふらしてます」
「……してる……」
 俺に味方はいないらしい。これが四面楚歌か。
「キョンがあたしのこと大切にしてくれるのわかるけど、あんた
みくるちゃんと有希の事も好きなんでしょ。みてればわかるわよ」
 いや、それは男の本能というかなんというか。
「嬉しいです」
「……そうなの?」
「まあさ、抜け駆けしたあたしも悪いし……。とにかく今夜はみくるちゃんと有希とも
えっちすること。もちろんあたしとも!」
 お前が何を考えてるのかよくわからん。しかしこの状況で良く俺は冷静だな。
「うだうだ言わない。団長命令は絶対!大体あんたの下半身は嫌とは言ってないわよ」
「わ、凄いです。こんなにおっきくなるんですか。それに何だか濡れてます」
「通常時より423.5%増大している」
「流石うなぎとスッポンは効くわね。この前より大きいかも。
有希が見つけてきた薬のせいかな」
 そんなものまで。旨すぎて材料までは気にならなかった。
しかし、長門謹製の薬とは一体なんだ。

780名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:06:04 ID:LCX4qnov
 都合の悪いことは忘れよう。
 どちらにせよこの状況で勃たない奴は子孫を残す資格がないね。
カウパーもでまくりだ。
 しかしまじまじと見ないで欲しい。恥ずかしいのなんのって、
これが羞恥プレイってやつか。
朝比奈さんやハルヒの様に顔が真っ赤だとまだましなんだが、
長門のようにクールな顔で見つめられると余計効く。
 長門よ男ってのは繊細なんだ。あさがおを観察するような目で見ないでくれ。
「じゃあ事前の打ち合わせどおり、まずはみくるちゃんからね。
有希はしっかり見ときなさい」
 裸の朝比奈さんが抱きついてきた。なんて柔らかい。この人には骨がないのか。
「キョン君、オッパイさわってください。いつも見てるでしょ」
 朝比奈さんの手に導かれおずおずと触る。やわらかすぎる。
こういうのをマシュマロのようだっていうのか。
「エロキョン!」
 いつのまにやらハルヒは俺のものいじっている。
 痛い。ハルヒよ男ってのはデリケートな生き物なんだぞ。
 痛みで少し冷静になる。
「朝比奈さんいいんですか。この時代「涼宮さんが許してくれるんならいいんです。
それともわたしじゃ不満ですか?」
 そんなことないです。まるで夢のようで嬉しすぎです。
「本当ですか。キョン君はいつも涼宮さんと長門さんのことばかり。
わたしのことはいつも後回し」
「そんなことはない。あなたは涼宮ハルヒと朝比奈みくるの事ばかり優先させる」
「キョンはいっつもみくるちゃんと有希のこと……。やめやめ。
今日からはそういうの無し!」
「そうですね。キョン君がいけないんだから、ちゃんと責任取ってくれたら
許してあげます」
 朝比奈さんはそう言うと抱きついてきてキスをしてくれた。
俺の胸であのすばらしい胸が潰れる。
 いいんですね?朝比奈さん。いいんだな?ハルヒ。いいんだな?長門。
781名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:07:19 ID:LCX4qnov
 もう止まらなかった。
 朝比奈さんを押し倒す。きゃ!っとかわいらしい悲鳴が聞こえたが無視して
固くしこった乳首にむしゃぶりつく。
右手でもう一方の胸を揉みしだき、左手で朝比奈さんの足の付け根に手を差し入れる。
すでにものすごく濡れている。
 いや俺はハルヒしか女を知らないのであのときのハルヒと比べてだが。
「朝比奈さん……」
「みくるって呼んでください。」
 みくるの胸は最高だった。乳房に取り付いて、胸を揉みながら、
乳首を舌で転がしたりした。よくわからんが甘い気がする。
 みくるはおれの頭に腕を回して軽く抱き寄せ、
「キョン君」と切なげにささやいてくれた。
 気のせいかやたらと反応が良いな。
「わたしたちが飲んだ薬は、いわゆる媚薬、避妊薬、痛み止めを兼ねた物」
 なんだその都合の良すぎる薬は。またナノマシンでも注入したのか。
「あなたの食事に混ぜたのは一般的に精力剤と言われる物」
 やっぱり盛っていやがったか。
「さすが有希よね。薬にも詳しいなんて」
 真っ赤な顔でハルヒは俺達を凝視している。
「超強力だが副作用はない」
 相変わらず長門の顔は変わらない。実験動物を観察するかのようにも思える。
「キョン君もうお願いします」
 我慢できない。何だかはやすぎる気もするが、どうしようもない。、
いきり立ったモノをみくるの入り口へと押し当てる。
「みくる、いくよ」
 とにかくゆっくりと腰を下ろして、しずしずとみくるの中に埋める。
 みくるの中は狭くてきつかった。先端を入れただけでも、押し戻してくるようだ。
濡れているのに何だかかたい。外側はあんなに柔らかいのに。
 天使は目尻に涙を浮かべている。思わず舐め取ってしまった。
「もしかして、痛い?」
「……続けてください……」
「痛み止めはあまり強くはない」
 メキメキと音をたてているような異物感を股間に感じる。みくるは俺の体に
腕を巻き付け、力を込めてきた。
782名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:08:17 ID:LCX4qnov
 俺はそれに答えて長々と口をつける。舌でみくるの口唇をこじ開け、掻き回す。
みくるは先ほどより大胆に舌を絡めてくれる。
 みくるのなかはやたら強い力で俺のモノを締めつけてくれるので今にも出そうだ。
この人にこんな力強い部分があるなんて信じられないね。
 とにかく、暴発するわけにはいかない。ただでさえかっこわるいのに、
この場にはハルヒと長門もいるのだ。
 脳裏に谷口のアホ面を浮かべ、なんとか我慢する。
「……はぁ……あっ……」
 どうやら全部はいったようだ。
「あの……キスしても……いいですか?」
 どうやらこの天使はキスがお気に入りらしい。
 キスを終えると
「……動いても良いです……」
 イヤ動かなくてもイッパイイッパイです。やばいです。
 とにかくなんとか我慢して動くと、ちょっと揺するだけで
 「……駄目!」 とか「……あっぁっ!」 とかやたら色っぽい声を上げてくれる。
 自慢じゃないがテクニックなんぞ無い。
 ホント大丈夫なんだろうな、ナガえもん?
 試しにもうちょっと強く揺さぶると
「……駄目……やぁっ! やぁっ! んっ! んっ!」
といいながら背中に容赦なく爪を立ててきた。
「出して!」
 背中をのけぞらせながらみくるがそう言うと膣内が萎縮し、やせ我慢も終わった。

783名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:10:25 ID:LCX4qnov
 俺のモノを引き抜くと、精液、愛液に結構な量の血が混じっている。
 朝比奈さん、冷静になるとみくるとは言いにくい、は気を失っているようだ。
「このままでは風邪を引く」
 長門が濡れタオルとバスタオルを持ってきたくれた。
「そうね、みくるちゃんの体拭いてあげましょう」
 俺が濡れタオルで股間を拭いている間に2人で朝比奈さんの体から汗その他諸々を
拭き取っていた。
 朝比奈さんを用意済みの布団に運ぶ。この人はホントに軽い。付いてるところには
ちゃんと付いてるのに凄いね。
 ハルヒ達の所に戻ると、家へ連絡してない事を思い出した。
「大丈夫よ、今日は古泉君の家に泊まることになっているから」
「情報操作は完璧」
 ああ、そうですか。しかし古泉にはどこまで知られてるんだ?
「古泉君には大体の事報告済みよ。混ぜてあげられなくてごめんね。って言ったら
僕にはちゃんと相手がいますからだって。
 そうよね。古泉君なら誰かさんと違ってもてるからね」
 ああそうだな。確かにあいつは色男だよ。
「拗ねないの。あんたにはあたし達がいるじゃない」
「わたしにとっては古泉一樹よりあなたの方が異性として魅力的」
 そういって二人が抱きついてきた。
 ふたたび俺のモノが復活する。
「今度は有希の番だけど、あたしも我慢できないから混ざる」
「わたしが優先。それならかまわない」
 どうやらインターバルは終了らしい。
784名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:13:54 ID:LCX4qnov

長門が俺の胸に飛び込んできた。全く衝撃がない。軽すぎる。
あのちっこい妹より軽いんじゃないか?
 今まで忘れてたが、宇宙人とナニはできるんだろうか?
 長門は俺の耳に口を寄せると
「わたしの体はこの星の住民とほぼ同じ構成をしている。生殖行為はもちろん、
あなたとの子供も受胎可能」
 情報統合思念体万歳。いい仕事してます。
 とりあえず、手順通りにキスをしてみると、積極的に舌を絡めてきた。
「朝比奈みくるとの行為を観察し学習した。遠慮はいらない」
 次に、胸を触ってみると感触は良いが他の二人に比べるとかなり小さい。
「乳房の体積は大きい方がいいの?」
「いやお前の胸は素晴らしいよ」
 下手なことを言うとこの場で胸のサイズを変更しそうだ。
「ちょっとキョンあたしも!」
 名犬ハルヒが横から抱きついてくる。
 キスをしてやるとやたら嬉しそうだ。
 阪中に見えたしっぽがおれにもどうやら見える。
 今度は長門が拗ねたのだろうか。無理矢理自分の方に俺の顔を引き戻す。
 長門の体をじっくりみるとあることに気付いた。
 パイパンである。無駄な毛が一本も生えていない。というより体に無駄が全くない。
素晴らしい体型の持ち主である朝比奈さんやハルヒにもほくろやほんのちょっとした
弛みなどわずかではあるが無駄がある。
 しかし長門にはまるでない。胸の大きさなど個人的趣味を除けば完璧といえるだろう。
これは人間には不可能なんだろうな。情報統合思念体に感謝である。
 全く良い趣味をしている。お義父さんありがとう。
「ホント、有希の肌ってきれいよね。うらやましい」
 ハルヒも寄ってきて長門の体を撫で回す。お前も綺麗だよ。
785名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:14:36 ID:LCX4qnov
「しっかしチンコって変な形してるわね」
チンコって言うな。下品だ。
 ハルヒの興味は今度は俺のモノに移った。
「あなたはこっち」
 長門が俺の頭を抱きかかえ自分の胸に埋める。右の乳首に吸い付き、
左胸を揉みしだくと抱える力が強くなったようだ。朝比奈さんより張りがあって
押し戻す感触が強い
 性器に指を触れるとやはり濡れている。しかも何だかかなり柔らかい。
 試しに指を入れてみるとすんなり入る。
 そんなことをしてると
「よし、予習の成果を今みせるわ!」
 俺のモノをいじくっていたハルヒがとうとうくわえ始めた。
 なま暖かく、柔らかい未知の刺激が与えられる。
 う!。これはまた膣中とは違った気持ちよさだ。
 しかし頼むなよ名犬ハルヒ。それは骨ではない。くれぐれもデリケートに。
けっして噛んだりしてくれるな。
 注意がそれたのを察した長門が今度はキスをしてくる。
 舌の動きが気持ちよすぎる。学習能力も完璧だ。
 ハルヒのけして上手いとは言えない、比較対象がないのでホントの所はわからないが、
フェラチオとの上下W攻撃で俺は撃沈してしまった。
「ばかキョン!出すときにはちゃんと言いなさい」
 顔射してしまった。スマン。
「しっかしまずいわねこれ」
「そうなの?」
 宇宙人が興味を持ったようだ。これも観察対象なのか?
「そうだ!有希キスしよう。」
 いきなり長門の唇を奪った。
「一般的には美味とは言い難い」
 どうやら俺の精液を口移ししたらしい。
 しかし美少女同士の口づけがこんなに官能的だとは。
 あっという間に下半身が復活する。
 
786名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:15:58 ID:LCX4qnov
「もう準備は整った」
 かすかに顔を上気させて美少女アンドロイドが誘ってくれた。
 所詮猿にも等しい高校生の俺は長門を抱きしめるとゆっくりと進入した。
 朝比奈さんやハルヒとちがってあまり抵抗がない。それに何だかやんわりとしている。
「あなたの性器に合わせてわたしの性器を再構成した」
 ビバ科学!
 調子に乗ってすすめていくとわずかに抵抗があって、長門が一瞬顔をしかめた。
「もしかして」
「一般的に処女は価値があると認識している。だからわたしの処女膜はそのまま」
 すまん長門。俺の気配りが足りなかった。いくら万能宇宙人でも長門は女の子だ。
「こらー!キョン。有希にやさしくしてあげなさい」
 顔を洗ってきたらしい団長からも当然のおしかりを受ける。
「もう動いていい」
 こんどはやさしく動くとあの長門からかすかであるがあえぎ声が漏れてきた。
 なんだか今日一番の感動だ。
「有希、可愛い!」
 ハルヒもお気に入りのようだ。長門の体をあちこちいじくっている。
 ゆるゆると腰を動かしながら、ハルヒの魔の手から逃れている左胸をいじり回す。
 乳首を強く噛むと「……んっ。んっ……」と俺のモノを捕らえている膣が、きゅっと収縮した。
 長門の体が一瞬硬直した後、びくびくと震えた。それにつられて俺も精を放った。
 しばらく惚けていたようだが、
「入浴してくる」
と言って、すたすたと浴室へと向かう。
 足の付け根からピンク色の液体が垂れているものだから、やたらとエロイ。
 今度から猿と呼んでください。俺のモノを見てハルヒはくすくす笑った。 


787名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:17:11 ID:LCX4qnov
「さあキョン!ようやく本番よ」
 俺のモノを丁寧に、優しく拭いてくれているハルヒが宣言した。
「しっかし3回も出してるのに有希の薬はすごいわねー!それともキョンがエロイだけ」
 さあな、少なくともお前を見ていると疲れなんて感じないな。
「団長たる者、たまには団員に譲らないと。正直今日は見てるだけかと思ったけど
あんたは大丈夫そうね」
 ハルヒはそう言って俺にしなだれかかってくる。
 よく体を動かすからだろうか。こいつの体は柔らかさとしなやかさが同居している。
 強く抱きしめ、深く、深く口づけをする。
「ハルヒ、お前の決断はこれで良かったのか?」
「さあ、わからない。でも後悔はしていないわ。あたし、有希もみくるちゃんもとっても
大事だもの。キョンは嬉しいでしょ。ハーレムよ、ハーレム。男の夢でしょ!」
「そりゃ嬉しくなくはないというかなんというか」
「うーん。それにね、あの二人はあたしとキョンでしっかり捕まえていないと
遠くに飛んで行っちゃいそう。消えちゃいそうなのよね」
「誰か他の人に任せるってのは?」
 本心ではないが試しに言ってみた。
「古泉君は信頼できるけど何か違うかな。ちゃんと足場を固めているし、SOS団の他にも
きちんと自分の場所がありそう。他の男どもは論外ね」
 こいつホントは全部わかってるんじゃないのか?
「だからあたしがしっかりと有希とみくるちゃんの手を握っているわけ。
あんたはオマケ。あたしの永久パートナーなんだから側にいるのは当たり前。
でもおまけで雑用なんだから、調子に乗らないこと。団長の命令に服従よ。
有希とみくるちゃんが遠くに行っちゃいそうなときはしっかり抱きしめてあげること。
あたしのことは毎日抱きしめること。今言ったことをきちんと守りなさい」
 ああわかった。約束する。
「とりあえず今はあたしのことだけ考えなさい」
 もう一度強く抱く。本当にいい匂いだ。
788名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:18:24 ID:LCX4qnov
 キスをしながら胸を揉みしだくと
「このあいだはもっと乱暴だったわ」
 やさしく、笑いながら俺の頬を撫でる。
 すまん。あのときはもうイッパイイッパイで正直良く覚えていない。
「実はあたしもそうよ。でもキョンは怖くなかったわ。多分優しかった」
「そうか。ホッとしたよ」
 カチコチにしこった乳首を吸うと、優しく俺の頭を抱きかかえてくれた。
 手をハルヒのオンナの部分に差し入れる。熱い。それにしっとりと濡れている。
「だいぶ待たされたわ」
「いいのか?」
 無言で首を縦に振ったハルヒのオンナに俺のモノをあてがう。
 ゆっくりと中に入れると強く俺のモノを締め付ける
 朝比奈さんよりはやわらかいが長門よりもカタイなと失礼なことを考えていると
「他の女のことは考えない!」
 怒られましたよ。おそろしく勘がいい。
 優しく笑ってるので本気ではなさそうだ。
 ここ一週間で新しいハルヒの顔をたくさん発見したようだ。

 優しく腰を揺すると「……んんっ……」とか「……あぁっ……」と声を出す。
 何度もキスをするとそのたびに舌で俺の口内を愛撫してくれる。上手い。
 そういえばこいつも何でも出来る奴だっけ。ナガえもんもびっくりだね。
 そうこうしてるうち、ハルヒが背中をのけぞらせたかと思うと、膣圧が
ぎゅっと高まった。それと同時に俺は長々と射精した。
 なんだか今日一番の量が出た気がする。
 ハルヒを優しく抱きしめる。
「……きょん、だめぇ……」
 モノを抜こうとするとハルヒが甘えた声を出した。
 だいぶ眠そうだ。もちろん俺も眠い。疲れた。
 モノを抜いた後、ハルヒを抱きかかえ布団まで運び、軽く汗を拭いてやると、
ちょうど長門が戻ってきた。
「入浴しなくていいの?」
「このまま、きょんのにおいが付いたまま寝る」
と言ったかと思うともう寝息を立て始めた。

789名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:19:24 ID:LCX4qnov
「わたしも就寝するけどあなたは?」
さすがに三人分の女の匂いはなにかと気になる。
「風呂借りるよ。おやすみ、長門」
「おやすみなさい」
 なんだか長門の声も優しく感じる。

 軽く汗を流した後、家から着てきた服に着替える。
 寝室を覗くと三人ともぐっすり寝込んでいるようだ。 
 邪魔するのも無粋かな、と思い浴室からバスタオルを持ち込み、
性臭のする部屋で眠りについた。

 ふと目が覚めた。時計を見るとまだ真夜中だ。疲れすぎるとあまり眠れないらしい。
 気分転換に外へ出たところ、意外な人物と出会った。
 
 そこにいたのは麗しの朝比奈さん(大)だった。

790名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:20:22 ID:LCX4qnov

 彼女は俺を見ると嫣然と微笑んだ。
 なんという色っぽさ。精力を使い果たした俺のムスコが反応しかける。
 いや待て、彼女は俺とナニをした朝比奈さん本人だ。ということは、
「キョン君、私を愛してくれてありがとう」
 え!、いやあのこれは、その。初恋の人を目の前にした中学生のように焦った。
「うふふ。落ち着いて、キョン君。私はあなたに抱かれたみくるです。」
 えーともしかして今回のことは規定事項なんですか。
「そうとも言えるし、そうでないとも言えるわ」
 出来れば説明をお願いします。
「長くなるけどいいかしら。まずは私自身のことからね。キョン君は私が未来人である事
不思議に思ったことはない?」
 見事などじっこメイドというか、現代に適応しているというか。
「そうねあなたの側にいる『みくる』は未来人としては何も知らない、何も出来ない。
一方でお料理やお掃除や編み物といったことは得意でしょう。それから、『みくる』
の容姿も今現在の人々に好まれる姿をしている。自分でなにかを成し遂げるというより、誰かに寄りかかってなにかをして貰う性格。変に思ったことはありませんか?」
 そう言われればそうですね。100年も経てば美醜の感覚や生活様式なんて
大きく変わりますね。
「簡潔に言えば『みくる』は単なるお人形なんです。それも涼宮さんやあなた方に
愛でてもらい、守ってもらうだけの愛玩人形なんです。
更に言えば『未来』の奴隷でもあります」
 あまりの発言に言葉も出ない。
「『みくる』はいまちょうどこの時代の人々、特にあなた達に愛され、庇護されるように
その体も心も人工的に造られた存在です。この時代の人とは全く変わりません。
子供も産めます。『現在』の定義で言えばまったくの『人間』です」
そんなことが許されるんですか!
「『未来』は時間跳躍を可能にしている世界です。『人間』一人作るなんて簡単ですよ。
それに過去に介入しようなんて考える時代です。どんなことだってします。
倫理的制約なんてほとんどありません。『現在』とは基準が違います」
791名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:21:31 ID:LCX4qnov
「そうやって造られた『みくる』は時間跳躍に必要な最低限な知識さえも『禁則』により
制限をかけられ、『現在』、涼宮さんのもとに送られました。
涼宮さんの周辺を操り、『未来』に取って都合のいいようにするためです。
 今まであなたがやってきたことや規定事項ってのはなんなんです?
「そもそも規定事項というのは単に『未来』にとって都合のいい出来事、
ただそれだけです。それから、私は『みくる』の本当の上司ではありません。
SOS団の仲間の力を借りて強制的に介入したのです。本来の『みくる』の任務を少しだけ
変えて行動させました。『未来』のためではなく、『現在』、そしてなにより、
SOS団のためとなるようにです。それも今日で終わりです。『みくる』は『鍵』である
あなたと涼宮さんのちからにより、『未来』から完全に解放されました。
涼宮さんのちからは強大です。例え『未来』でも直接介入は出来ません」
 なんだかパンクしそうです。ところで以前わたしとあまりなかよくしないで
とか言ってましたよね。アレはなんですか。
「あら、障害が大きいほど恋は燃え上がるって言いませんか?
嫌よ嫌よも好きの内でしたっけ?」
 にっこり笑ってくださったよ。まあ本人が良いならいいか。
「これは忠告ですけれど、『禁則』のとけた『みくる』に未来のことを聞くのは、
もう少し待ってください。『みくる』のためというよりもあなたのためです」
 困ったときには長門さんに相談してください」
 わかりました。知らない方がいい事ってありますからね。
 ところで長門とは仲良くやってるんですか?
「それはもう、いえ未来のことは秘密の方が楽しいですよ。
じゃあねキョン君『私』とはもう逢うことはないだろうけれど
『みくる』を末永くかわいがってね」
 俺の頬にキスをして、彼女は去っていった。

 頬の感触の余韻を楽しんでると、俺の目の前に人影が現れた。
 
 今度は宇宙人ですか?喜緑さん。
792名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:23:48 ID:LCX4qnov
「今晩は。お元気そうですね。」
 あなたが現れたということは長門に関することですか。
「ええそうです。それと、わたしたちの今後の行動についてご説明です」
 この際だ、長門を処分することでなければお聞きします。
「処分ですってとんでもない。そのようなことわたしには不可能です。情報統合思念体も
そのようなことはけして望みません。わたしがお話しするのは長門さんの現在の立場と
それに伴うわたしたちの配置転換についてです」
 長門や俺達が安全ならそれで結構です。拝聴します。
「今の長門さんは純粋な意味でわたしの仲間とは言えません。あなたを通して涼宮さんの
力がはたらき、情報統合思念体から独立した存在となりました。加えてこれまで
申請無しには使えなかった情報改変能力が単独でも使用可能となりました。
おまけに処理能力も格段にあがっています。以前発生したようなバグは些細なことです。
突発的な改変を起こす確率はきわめて低くなりました」
 つまりスーパー長門になったと言うことですか。
「わたしたちは別に戦うための存在ではありませんが、今の長門さんには
何十体でかかっても勝てないでしょう。思念体といえども、長門さんを処分するのには
多大な労力が必要です。第一敵対する理由がありません。ここの有機生命体風に言えば
わたし達は家族ですから、お互いのことは良く解っています」
「そう、いうなれば、わたしは家を出てあなたの所に嫁入りした」
 来てくれるのは嬉しいが、もうちょっと俺の心臓を労ってくれ。
「そうですね。姉をよろしくお願いします」
 喜緑さんはそう言って名前通りの笑みを浮かべた。
「配置転換についてご説明します。涼宮さんだけでなく、今度はあなたや長門さんも
重要な観察対象となりました。つきましてはわたしの姉妹二名を
追加派遣することとなりました。一人はあなたもご存じの
「待ってくれ、もしかして」
793名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:24:36 ID:LCX4qnov
「そう、朝倉涼子」
 長門の言葉で何だか脇腹が痛くなった。
「大丈夫です。彼女はもう二度とあなたに手出しすることはありません。そう制限が
かけられましたから、単にパーソナルデータを使用するだけです。それに
お詫びといっては何ですが、彼女にはかなり高い順位であなたの守護義務が
課せられています。第一あなたには長門さんがついています。ご安心を」
「喜緑江美里の言は全て本当。あなたはわたしが護る」
 とりあえず安心しますよ。それでもう一人は?
「そうですね。知らない方が楽しいですよ」
 もしかして朝比奈さんとの会話聞いていましたか。
「わたしは観察が任務ですから」
 このとぼけかた、長門の姉妹とは思えん。
「それでは姉といつまでも仲良く」
 笑みを浮かべて去っていった。

 さて未来人、宇宙人と来たら、トリはあいつだな。

「もしかしてお待たせしましたか」
 嫌みなくらいのタイミングだよ。打ち合わせ済みか? 

 喜緑さんの姿が消えたと同時に、にやけスマイル特売男がやってきた。

794名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:25:16 ID:LCX4qnov
「今晩は、顔色は良いようですね。おや、奇遇ですね。長門さんもご一緒ですか」
 お前のそのわざとらしいもったいぶりはさっさと直せ。
「うまくいったようですね。おめでとうございます。我々が当初想定していた結末とは
やや異なりますが。これも涼宮さんの望んだカタチでしょう。
とりあえずなにから話しましょうか」
 喜緑さんや朝比奈さんの話。お前はどう思う。どうせ全部知っているんだろう?
「全て本当です。少なくとも我々の持つ情報から判断するのであれば」
「彼の言うとおり」
 長門のお墨付きまででたよ。
「僕は以前あなたに朝比奈さんについて警告しましたよね」
 わかってる。信頼度10%アップだ。ところで昨日の電話どこまでマジなんだ。
「全てです。実際はもっと深刻です」
 しかしこれで、ハルヒは安定してお前のバイトも減るんじゃないのか?
「涼宮さんの力は無くなったりはしませんよ。むしろ強くなっています」
 どういうことだ。話が違う。
「順に話しましょう。そもそも涼宮さんの力が発現したのはいつだったか。
あの七夕の日、初めてあなたにあった日です」
 そうらしいな。
「涼宮さんはいわば宝箱。あの日『鍵』のあなたに会いそれがちょっと開かれたのです。
そこから漏れた力により我々の様な存在ができ、時間へも影響を与えたと」
 そこらへんは聞いたことがある。
「考えてみてください。ちょっと出会っただけなのに箱が開いた。
では更に親しくなればどうなります?」
 待てそもそもハルヒはあのときの男が俺だとは知らないんだ。
「いえ知っています。少なくとも深層心理では、ジョン・スミスがあなただと始めから
気付いています。我々にはわかります」
それを認めるとしても、お前は一体どこまで知っているんだ。
パンツの色は教えないぞ。

795名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:26:00 ID:LCX4qnov
「あなたと再び出会い、そしてSOS団を結成したとき彼女の力、そして我々の力も
激増しました。そして、あなたが愚かにも朝比奈さんにたぶらかされ、
涼宮さんをないがしろにしたとき、我々関係者はあなたが『鍵』であると
強く再認識させられた訳です。それからはご存じの通り、色々ありましたが
心身共に結ばれハッピーエンド。今の涼宮さんの力は『神』と呼ぶのに
ふさわしいですね。ただ朝比奈さんや長門さんも加わったため予想よりも
やや下回りました。誤差の範囲内ですが」
 お前は俺とハルヒがくっつけばバイトが減るとかいってなかったか。
長門、お前は知っていたか?
「涼宮ハルヒの力はわたしにとっても予測、解析は困難」
「まあそう怒らないでください。我々は何故かわかるんです。
大切なのは、あなたと涼宮さんが結ばれることだったのです」
 何故そこまでするんだ。
「それは涼宮さんがそう望んだからです。我々は彼女の落とし子。
彼女の意志に沿うだけです。それに『鍵』のあなたはいわば父親です。
母と父が仲良くするのを子供が望んでもいいでしょう」
 お前らはそれでいいのか。この先神人とも戦い続けるんだぞ。
「望むところです。あの涼宮さんですよ。望まぬ人に力を与えたりしません。
『機関』関係者は皆神人との戦いを楽しんでいます。もちろん敵対勢力との
戦いもです」
「お前もなのか」
「もちろんですよ!謀略、闘争、陰謀これぞ人生ですね。初めて神人と対峙した
ときの喜び、そう一生忘れないでしょう。敵味方皆僕と同類です。
ああちなみに、偶に嫌気がさす哀れな愚か者もいますが、
彼らはいつのまにか記憶と力を失い、一般社会へと帰っていきます」
 それがお前の素顔か。
「安心してください。我々は涼宮さんと『鍵』のあなたに不利益になるようなこと
は絶対しません。と言うか出来ないのです。それに、彼女がなんたるかの本質を
理解していない凡俗の欲深き亡者共を近づけたりしませんよ。
まして、過去に介入しようなどと考える傲岸不遜な輩は一人残らず滅してみせます」
 できればいつものにやけ顔に戻ってくれ。
「失礼しました。ということで我々への配慮は無用です」
 そうですね。ホント。しかしここまで内情を俺に話していいのか?
「問題ありません。あなたとの信頼関係は大切です。
それに元々僕は『機関』内でそう低くない位置にいましたが、
今後は更に強く『機関』の運営に影響力を持ちます」

796名無しさん@ピンキー
「あなたには話しましょう。僕には極最近になって涼宮さんから新たな力が
与えられたのです。おそらく他の方々にはないでしょうね」
 どうせ物騒な力だろ。
「いえ、直接的な力ではありません。なんと言いましょうか。眼力、いやフェロモン
ですかね。要するに女性にもてます。特に涼宮さん関係の方には」
 言いたかないが、お前もともともてるだろ。
「いえ、今の状況は非常識です。例を挙げれば以前朝比奈さんを誘拐した少女、
彼女は先ほどから僕の忠実な部下になってくれました。森さんも今日から
立場が変わり、実質部下です」
 お前香水のにおいがするし、ネクタイ曲がってる。
「お互い様です。野暮はよしましょう。推測ですが、SOS団で余り物に
なってしまう僕に対する配慮でしょうね。でも、おそらく、あなた方の周辺では
何の効力も持ちません。ご安心を。あなたの知人に手を出したりしません」
「彼の言葉はおそらく真実。わたしや朝比奈みくる、涼宮ハルヒに取って無意味な
力が南南東51メートルにいる二人の女性には何らかの効果があると推測できる」
 危ない奴に危ない玩具が渡ったな。絶望的である。
「涼宮さんの耳に届いたら一大事ですからね、遠くでコッソリとやります。
しかし、彼女が男性の同性愛に興味をお持ちでなくて幸いでしたね。
もしそうだったら、想像したくありませんね」
 良しこの話は終わりだ。
「とにかくそう言う訳ですので、SOS団とは少々縁遠くなるかもしれません。
しかし僕のココロは常にSOS団と供にあります。それとイベントはお任せを
これまで以上に人材、金銭を投与します。母上の喜びこそ我が至上の幸福ですから」
 信頼度1%まで落ちたぞ。
「とりあえず大団円です。しかし今後もそれほど変わりません。涼宮さんのご機嫌
次第では神人や閉鎖空間がでますし、あなたが下手を打てば、世界改変もあり得ます。
まあ今度の世界改変にはあなただけでなく、長門さん、朝比奈さんも一緒でしょう。
僕は自信がありませんね。ですのでご健闘を、未来はあなたにかかってます」
 
 好き放題喋った後、南南東51メートルに消えていった。
「長門、古泉を信頼していいのかな?」
「おおよそ正しい。だけど」
「だけど?」
「人の数だけ真実はある。わたしはあなたとずっと一緒」
 そうか、なにか冷えてきたな。さあ戻ろう。
 俺は長門の肩を抱いて、部屋へと向かった。