【ほどほどにな】武装錬金のSS第10章【いろいろと】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1斗貴子さん(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
〜錬金戦団&超常選民の為のおやくそく〜
◎基本的にsage進行で
◎単行本全10巻発売中!
◎小説 『武装錬金//(ダブルスラッシュ)』(黒崎薫著 絵・和月伸宏)発売中!
◎・ドラマCD 武装錬金 発売中!
 CD第1巻:完全オリジナルの学園祭エピソード!
 CD第2巻:原作「武装錬金アフター」をボリュームUP!

◎テレビ東京系にて水曜深夜(25:00〜)よりアニメ好評放映中!
※放映時刻が違う地域がありますので注意
※実況(放送時間中の書き込み)は実況板で

◎次スレは>>950さんか480KBの人ヨロ  ※立てられない場合はだれかに委任して下さい
◎SS投下神(エロス・ラブラブ問わず)はもちろん、プロット書きも大歓迎
◎直リン、私怨厳禁
◎荒らし煽りは徹底放置で。マターリできない香具師は核金没収後ブチ撒けます。

初代スレ【バルキリー】武装錬金【スカート】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10575/1057553474.html
二代目スレ【斗貴子さん】武装錬金のSS 第2章【まひろタン】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1061/10611/1061136195.html
三代目スレ【パピヨン様が】武装錬金のSS 第3章【見てる】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1070195663/
四代目スレ【夏だ!】武装錬金のSS 第4章【海だ!】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083049582/
五代目スレ【とっきゅん】武装錬金のSS 第五章【水着】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1089908924/
六代目スレ【選りすぐり】武装錬金のSS 第6章【ストロベリー】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1097603483/
七代目スレ【カズトキ】武装錬金のSS 第7章【火渡毒島】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111370808/
八代目【セーラー服を】武装錬金のSS 第8章【脱がさないで】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1121339942/
前スレ【もうすぐ】武装錬金のSS 第9章【アニメ化】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151823456/

【アニメ関連】
武装錬金 〔XXIV〕 -24-
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anime/1163089554/l50
武装錬金 ネタバレスレッド 〔V〕
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1163102208/l50
【原作関連】
武装錬金 -CLIII(153)
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/rcomic/1158382905/l50
【斗貴子さん】武装錬金総合萌えスレ64【レーダー】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1161352063/l50


2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
2名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 21:04:44 ID:TdFRRm22
あ……立てられちゃった……
  _, ._
( ゚ Д゚) ウヴォア

テンプレ用意して会社行って、帰ってきても立ってないから試してみたんだけど…
スレタイ勝手に決めちゃいましたスマソ
3名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 22:38:04 ID:Ccuy1FTz
>>1
乙&age
つ 核金
4名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 22:54:03 ID:U3OFyjCF
ところで俺の核金を見てくれ
こいつをどう思う?
5名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 23:21:23 ID:t4egCzkt
>>1
乙!
ところで前スレ545の最後の一行が
なんかエロスに感じるオレは、きっと終わっている。
61乙:2006/11/14(火) 00:05:24 ID:GMIIILxY
>>4
すごく…八角形です…
7名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 11:09:11 ID:uwAzlbN0
>>6
コレジャナイモン核鉄!?
8名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 13:47:57 ID:EKMpZDCH
武装錬金! 蝶ボッキチンコ!!

早漏クラッシャー!
9名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 20:00:06 ID:yHRAIzOS
        ゙i         l.  だ ど
  は 新     ir‐'´ ̄`゙`'ー.|
    ス    l:::::::: ,. '"´ ゙̄!  い う
  ? .レ     l:::: /     '、      .
          /::. l       ヽ
        /::::::. ',        `'ァ---‐'"
ー-、、. .-‐'"::::::::::::::.ヽ
    .l :::::::::::::::::::○`'ー 、
     ', ::::::::::::::::::::::::::::::.〈      ノ!
     '、 :::::::::::::::、-一'"ヽ 、___, ' i
       ヽ ::::::::::::::::::`::::"::::::::::::: /
       ゙i. ::::::::::::::::: ___, '"
       / i ::::::::::::::: /l ',';.   `''ー-、
     /l:::: ';:::::::::::: ::::i:i.:::::';:::::::: l:::. i:.ヽ__,..
    / ..::i.::::: ';:::`ァ::::ヾ」:i.:::::';:::人 |:: i::::::/:::
  / .:::::::::l.::::::、';:::':::l::.';::::l ::::: }:(::::)|: i::/:/
. /_ :::::::::::::l.:::::l: iヾ:::l:::::';:| :::::/::(::::)|i:/ '":::::::::
.ヽ.ヾ::::::::::::::::ヽ.:|::.|:::.ヾ::::::゙| :::/::::::Y::l´ ̄ ̄ ̄
10名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 21:18:39 ID:GBEQDxyA
斗貴子さんおヘソまるだし!
11名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 13:13:37 ID:qQIOdgIh
>>9
蝶、サイコー!
(AA略)


今夜はこのシーンカットされないといいな
12即死回避に//ネタ:2006/11/15(水) 13:54:21 ID:qQIOdgIh
津村家主催の網引きに参加した大人も子供も、日も暮れ月も出てきた夜の海辺で花火をした。
教師役である千歳は、子供たちに花火を配り、自分は線香花火に火をつける。
「先生とボクの、どっちが長くもつか競争〜!」
「よーし、負けないわよ。南野くん!」
防人はそんな千歳の姿をうっとりと見た。彼女の笑顔は夜だというのにまぶしい。

ああ、なんか…いいな。
今まであまり千歳を異性として意識したことはなかった。
いつも火渡や照星さんと一緒で、彼女と二人になることはあまりなかったし。
彼女がいつも自分にノリを合わせてくれるのも、好感はあったが深くは考えたことがなかった。
しかしどうにも…この島に来てから、俺は彼女を女として意識しっぱなしのように思える。
彼女を見ているだけで、胸の奥に甘酸っぱいものがこみ上げてくる…
「ブラ坊!ねずみ花火に火、つけて」
「あ、ああ、うん。斗貴子ちゃん」
防人は斗貴子の声に我に帰った。
13即死回避に//ネタ:2006/11/15(水) 14:18:34 ID:qQIOdgIh
「よーし投げるぞ〜!」
きゃーっ!と子供たちの黄色い悲鳴があがる。くすくすと笑う千歳と目があった。
ドキン…
彼女の目がまっすぐ自分を見つめている。はっきりと自分に対して微笑みを向けている。
ふわっとした…甘い菓子や、苺のクリームのような、とろけそうな笑顔。
普通の格好をしていても可愛いのに、浴衣姿の笑顔はもう反則級の威力だ。
ヤバイくらい魅力的だ…悩殺レベル?
子供たちの前だというのに、俺はずいぶんだらしない笑顔を彼女に返していたに違いない。

花火を終え、母屋に帰ろう…と思ったら、北原の姿が見当たらない。
「大変だわ、どこに行ったのかしら!防人君はあちらのほうを探してちょうだい!」
「あ、ああ。わかった」
二人の会話を聞き、G3ズの一人が首をかしげる。
「……はて。だれか先生さんにブラ坊の本名を教えたかいのう?」
14即死回避に//ネタ:2006/11/15(水) 18:12:20 ID:qQIOdgIh
あちらこちら探し、花火をしていた浜辺から少々離れた岩場で防人は北原を見つけた。
「こら、みんな心配してるぞ。早く戻りなさい」
「ちぇっ、わかったよ。…ところでブラ坊、あっちで千歳が面白いことしてるぜ」
北原は、岩場の影を指差す。
「…?」
浜辺に戻る北原を見届けると、防人は岩場の影を覗き込んだ。
すると、浴衣をはだけさせた状態の千歳がそこにいた。
「……………………!!!」
目が合い、お互い息を呑む。
「キャ――――――ッ!!!!!」
千歳のつんざくような悲鳴を浴び、バッと防人は体全体で後ろを向き目をそらす。
見てしまった。
透けそうに薄いキャミソールとか。可愛いリボンとレースのついた水色のブラの紐とかパンツとか。
色の白い生脚とか。
いや露出自体は昼間の水着のほうが多かったかもしれないけど。
それはそれこれはこれで男心というものは…
「あ、ああもう…えっち」
千歳は消え入りそうな声でぼやいた。
「ご、ゴメンなさい…」
心臓をバックンバックンさせながら謝る。声が裏返ってしまった。
千歳は浴衣の前を押さえて、小さな声で言う。
「走っていたら浴衣がくずれてしまって…それで」
「ウン、ウン」
なにがそれでなのかもう理解しようとすらしていなかったが、防人は相槌を打った。
「それであの、お願いがあるんだけど…」
「で、できることなら何でもやらせてください…」
「帯を…結ぶのを手伝ってほしいんだけど」

それがまた防人にとっては至難の業であった。着付けというものに無知であるのも原因だったが、
いかんせん帯を結ぶには千歳の体に触れなければならないし手が腰周りに当たる。
興奮して荒くなった息遣いを気づかれないように、帯を結び終えるまで防人はずっと息を吐き出せなかった。
背中で固結びを作って、ようやく防人は大きく息を吐き出した。
「えっと、斗志子さんにもう一度ちゃんと結びなおしてもらえると思うから」
「…ありがとう」

二人で夜の浜辺を歩く。少々サンダルに砂が入るが、風が心地よい。
「今日は星が綺麗ね。」
「…あ、うん」
星明りの下、千歳の浴衣姿は良く生え、美しかった。
防人は思った。今夜の千歳の姿を、自分は決して忘れられないだろう。
たとえ十年経っても、二十年経っても。
…果たしてそのとき、千歳は自分のそばにいるだろうか。
「急ぎましょ。みんな待ってるわ」
千歳が手を差し出す。といっても、浴衣姿の千歳より、自分のほうが速いだろうが。
差し伸べられた手をしっかり掴んだ。
防人は心の中で、星に願う。
叶うことならば。この手をずっと自分だけのものにしたい…

(End)


15名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 23:33:00 ID:vowyrxZ3
ブラ坊は純情だなぁ(笑)
このふたりもなかなかいい感じのカップルだ
GJ!
16名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 00:28:55 ID:E6mdipZB
斗貴子小さい時カワイイな・・・。
17名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 00:35:15 ID:04QBXOFs
GJ!!
小さいトキコさんカワユス
18名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 16:00:57 ID:55nTrJKX
後のブチ撒け女である。
19名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 17:46:13 ID:gmkaPKHJ
ブラボー!年増年増って言われるけど
千歳さんもやっぱイイっすね。
20名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:02:03 ID:y8d2P/Mi
あげ
21名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 05:25:20 ID:yrWRNC96
新スレ乙
22名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 15:29:42 ID:jpewfRR/
斗貴子さんはカズキの大きなペニスを入れられるのが大好きです
カズキの股間を見ただけでエッチな気分になってビッチョビチョに濡らしてしまいます
でもそうなるたびに自分は淫乱女だと自己嫌悪します
でもカズキはそんなエッチな斗貴子さんでも大好きです ぜんぜん問題ありません
一晩に4回でも5回でも斗貴子さんをイかせてあげます 若いってスバラシイ
23ヴィクター×アレク:2006/11/18(土) 18:05:43 ID:xiUAKDFZ
「アレク!」
「あら、お帰りなさい」
家の裏手に積まれた薪を抱え上げようと腰を屈めかけたアレキサンドリアは、不意に掛けられた声に
おっとりと振り向いて笑顔を向けた。
肩の上で切り揃えられた金髪が柔らかく揺れ、陽光にきらきらと輝く。
「駄目じゃないか、そんな重いもの! 力仕事は俺に任せろと言ったろう」
嗜めるような口調で話しながら大股で彼女に歩み寄る青年は、彼女の夫・ヴィクター。
一見細身ながら、鍛え抜かれた強靭な筋肉がシャツの袖や襟元から覗く。
ともに錬金術の世界に身を置く者同士であり、戦士と科学者でもある。

ヴィクターは妻の隣まで来ると、積み上げられた薪束の一つを担ぎ上げた。
アレキサンドリア──アレクは、生真面目に働く夫の顔を見上げてクスクスと笑う。
「もう、大げさね。この位は平気よ」
「む……いや、大事にし過ぎて悪い事など無い。少なくとも、俺が居る時は頼ってくれていい」
朴訥に返事をしながら、いたわるように下腹を撫でる妻を見返す。そこは服の上からでも判るほどに
膨らんで、順調な生育ぶりが見て取れた。
「ふふふ……じゃあ、お願いしようかしら。湯浴みしたいから水汲みと、お湯を沸かすのを」
「お安い御用だ。任せてくれ」
そっと腕を絡めてくる妻に、ヴィクターは笑顔で力強く頷いた。

 * * *

彼らの生きる時代。近付く新世紀への希望と不安渦巻く、十九世紀末。
彼らの生きる世界は混沌に包まれていた。
急速な工業と経済の発展に対応しきれない古い体制は大不況と貧富の格差を生み、
急速な人口の増加に追い付けない都市部は、汚物と工場廃液と疫病で汚染された。

加えて、錬金術によって産み出されたホムンクルスの暗躍。

費用対効果に優れ、あらゆる過酷な環境下で活動できる“最強の労働力”として造られた彼らは、
自らの意志と知恵で造物主に反旗を翻した。そして逆に“人類の捕食者”として、闇の世界に
その勢力を拡大しつつある。
そんな混沌の時代に立ち向かうため、彼らは戦う。
ホムンクルスを打ち滅ぼす大戦士として。錬金術で未来を照らす若き天才科学者として。
だが、今の彼らはごく普通の夫と妻。そして、もうすぐ父と母になるために、自然に囲まれた田舎に
居を構えて日々を穏やかに過ごしていた。

 * * *

「どうしたの?」
湯上りの、うっすらと紅潮した白い肌を惜しげもなく晒したまま、アレクは背後から自分を抱き締める
夫に尋ねる。
「いや……。生命とは、かくも偉大で神秘的なものなのだな」
お互いに裸で、ベッドの上。ヴィクターは、大きく膨らんだ妻の腹に手を当てた。
そこに宿る、新たな命。自分と彼女の血を分けた、もう一つの鼓動を確かに感じる。
「貴方は男の子と女の子、どっちがいい?」
夫の胸板に頭を預け、どこかうっとりと謡うようにアレクが囁いた。
「どっちでもいいさ。健やかに産まれて、育ってくれるなら」
答えながらアレクの髪をかき上げ、顔を上向かせる。
「でも、そろそろ名前も考えておかないと……」
「女の子なら女王陛下の名を。男なら、俺が尊敬する英雄の名を……」
24ヴィクター×アレク:2006/11/18(土) 18:07:31 ID:xiUAKDFZ
唇を重ねる。
「ん……」
アレクの身体から、余分な力が抜けていく。温かくて柔らかな肌を全身で感じながら、ヴィクターは
妻の唇に舌を這わせる。
「んむ……ふぁ……」
アレクが微かに口を開き、夫の舌を受け入れた。

ちゅっ……ちゅぷ…………ぴちゃ……

揺らめくランプの赤い灯の下。口付けの水音と秘めやかな吐息、肌の擦れあう音だけが、質素な寝室の
空間を満たす。
「……ここも随分と張ってきたな」
唇を離して、ヴィクターがアレクの乳房を片手に掬い上げた。まるで熟れた果実のようにみっしりと
丸く張り詰めて、赤みを増した乳輪が一際大きく膨らんでいる。
「赤ちゃんのために、ちゃんと身体の準備が出来てきてるのよ」
夫の頬を撫でながら、アレクは子供に諭す風に囁いた。
「────どれ?」
華奢な身体を軽々と横抱きにして膝の上に乗せ、ヴィクターがその胸元に口を寄せる。
「んっ!」
アレクが小さく声を上げた。ヴィクターは固く尖った乳首を口に含み、舌で転がし、わざと音を立てて
吸い上げる。
「あん! まだオッパイは出ないわよ。それに、最初のお乳は赤ちゃんの為の大切なものなんだから」
くすぐったそうに身をよじるアレク。だが、ヴィクターはそれでも乳房に吸い付いたまま。
「もう、駄目だったら……やっ……んぁっ……」
身悶えながら、アレクの声に甘い響きが混じっていく。ヴィクターは二つの乳房を交互に吸い上げ、
空いた片方は大きな掌で執拗に捏ね回す。ジンジンと熱く疼きだす双乳から引き出される官能の波に、
たまらずアレクは夫の頭を掻き抱いた。

「アレク……」
ヴィクターは妻にしがみ付かれながら、そっとその身体をベッドに横たえる。上半身だけで覆い被さり
頬にキス。それから首筋に、鎖骨にと口付けを繰り返す。
「愛しいアレク。君は俺の希望であり、誇りだ。……君と、お腹の子と一緒に歩む未来のためならば、
俺はどんな苛烈な戦いにも立ち向かって行ける」
「……私もよ、愛しいヴィクター。貴方と、この子の未来のためなら、どんなに不可能な夢だって
きっと実現できる」
ヴィクターの手と唇が、アレクの身体を滑り降りる。お腹の膨らみを愛しげに撫で伝い、その下へ。
「あっ!?」
アレクが小さく声を上げた。武骨な掌が、太腿の内側に入り込む。ヴィクターは妻の白い脚を左右に
開かせ、その間に自分の身体を滑り込ませる。そして、シーツの上に投げ出された両の膝を抱えて
起こさせた。
「んうっ……んあぁ」
M字に開かれた脚の間。金色の恥毛の下で、薄桃色の秘唇が密やかに綻んでいる。優しくキスをすると、
アレクがシーツを掴んだまま上体を捩らせた。

ちゅうぅぅ……ちゅっ……ちゅる……

ヴィクターは花弁に唇を押し当て、舐る。獣のように舌全体で花弁を下から上へと舐め上げ、襞の間に
舌を挿し込み、溢れる蜜を啜る。。
「んぁ……ん…………ふぅん……」
アレクは目を閉じながら、夫の与えてくれる快楽を受け止める。切なそうに眉根を寄せ、指を噛んだ。
「あぁ……そう、ソコよ……ソコがいいのぉ……」
両手が、火照る乳房を包み込んだ。舌の動きに感じ入りながら、自分で胸を慰める。強めに握ると、
中に詰まった血潮が逃げ場を求めて駆け巡り、胸の先っぽが痛いくらいに痺れる。
「あひぃっ!?」
乳首を捻り上げた途端、電流のように駆け巡る快感に声を上げて震える。理知的な青い瞳は恍惚に潤み、
アレクは熱く疼く乳房を揉みしだきながら、ゆらゆらとお腹を揺らせて喘いだ。
25ヴィクター×アレク:2006/11/18(土) 18:08:41 ID:xiUAKDFZ
妻の太腿を抱えていたヴィクターの手が、蕩ける秘唇に伸びた。中を傷つけないよう慎重に、
花弁の間に指を潜り込ませる。
「はぁっ、ヴィク……タ……ああぁっ!!」
アレクの膣が、蠢く夫の指を締め付けた。子供が通る道とは思えないほど狭く、そして温かい。
ゆっくりと指を前後させると、動きに合わせてアレクが吐息を漏らす。ぬろぬろと、入り組んだ襞々が
絡み付き、吸い着いて、夫の指を離そうとしない。
ヴィクターは挿し込んだ指をそのままに、花弁の上の小さな肉芽に吸い付いた。
「ひあぁっ! あっ! あぁ、ダメェ!」
今までと比べ物にならないくらい激しい反応を見せて、アレクが叫ぶ。脚がピンとシーツに突っ張って
踵とお尻が浮き上がるが、ヴィクターは妻の声など耳に入らないかのように夢中でむしゃぶり付く。
「やぁ、ダメぇ! もっと優しくしてぇ……」
荒々しく秘穴を吸い上げられ、アレクは恥ずかしさに頬を染めながら啼いた。

「アレク……」
身体を起こし、ヴィクターが妻の顔を覗きこんだ。
「ハァ、ハァ…………ふふ、いいわよ……」
艶然と微笑んでアレクが身を起こす。
「今度は貴方が横になって。私が……」
入れ替わるようにヴィクターをベッドに寝かせ、その身体の上に跨った。
「ん……」
隆々とそそり立つ夫の先端に手を添え、熱く潤った花弁へと宛がって腰を下ろしていく。
「ふ……あああぁぁぁ……」
屹立が自分の身体を押し分けて潜り込む。貫かれ、埋められ、満たされていく感覚にアレクが震えた。
ヴィクターもまた、自分のモノが熱くぬめった襞の中に飲み込まれ、包まれていく心地良さにゾクリと
肌を粟立てる。根元まですっかり隠れて、ふっくらとしたお尻がぺたりと自分の上に乗っかる感触も
少々くすぐったいながら良いものだ。
「ん……んふ……」
夫の上でアレクが腰を動かし始める。お腹が重いため、上下ではなく前後にゆっくりと揺するように。
「あっ!? あな……た……」
ヴィクターが手を伸ばし、揺れる妻の乳房を鷲掴みにした。掌で転がすように揉み解していく。
「んっ、あっ、あっ、いい……いいのぉ……」
前後していた腰の動きに、時折り横の動きが混じる。最も快感を引き出すポイントを探りながら、
アレクの腰遣いは貪欲さを増していく。

「んあぁうっ!?」
ずん、と膣奥を抉られて、アレクの身体が仰け反った。ヴィクターが腰を突き上げ、アレクの中を
掻き回す。二度、三度と、数を重ねる毎に勢いを増しながら。
「あぅっ! 待って、あなた。これ以上は──」
「アレクッ! アレク!」
妻の腰をがっちりと掴み、彼女の名を呼びながら、荒馬のようにヴィクターは腰を跳ね上げる。
その度にアレクの身体は彼の上で翻弄され、乳房がブルンと揺れる。
「あぁっ! だめ、ヴィクター! お腹に響くわ」
「!? す、すまん。……俺としたことが、つい……」
「もう……そんなに焦らないで。今日は私に任せて。ね?」
ヴィクターの手を取り、掌を重ね合わせる。互いの手を繋ぎあったまま、アレクはゆっくりと腰を
くねらせ始めた。
26ヴィクター×アレク:2006/11/18(土) 18:10:16 ID:xiUAKDFZ
「ん……あ……」
「いいよ、アレク。上手だ……」
アレクの身体が踊り、ベッドが軋む。ランプの明かりに二人の影が妖しく揺れる。
ヴィクターも、妻の動きに合わせて腰を捻る。互いの動きが重なり合い、円を描いてリズムを刻む。
「あっ、んっ、いいわ……この動き、好きぃ……」
トロンと恍惚に浸る瞳でアレクは喘ぐ。
交わる水音に貪るような激しさは無く、ゆっくりと、バターのように溶けていく感覚。
快感がじんわりと広がり、高まっていく。
「ねぇ、あなた。イキそう? ねぇ……私、もう……」
「我慢しなくていい。……君の、好きなように……俺も……」
「んっ……んんっ……あっ……あっ!」
夫の掌を握るアレクの手に、力がこもる。
「あっ……あっ……んああぁぁーーーっ!」
ぎゅっ、と夫のモノを締め上げてアレクの身体がわななき、同時にヴィクターも胎内に精を放った。

 * * *

「……また、出撃が近いの?」
浅いまどろみの中。夫の腕に包み込まれて、アレクは逞しい胸に頭をすりよせる。
「炭鉱を丸ごと一つ、ホムンクルスの集団に押さえられた。放っておく訳にはいかない。
心配しなくてもいい。俺は必ず生きて帰る」
絹糸のようなアレクの髪を指で梳きながら、ヴィクターは答えた。遠く未来を見据える瞳で。
「俺達の子供が、心安らかに過ごせる日のために。今は戦い続けよう、一緒に」
「ええ、あなた」
元気に動く我が子を、アレクは腹の上から愛しげに撫でた。
「信じましょう。この子が生きる未来には、病気も、飢えも、戦争もない世界が訪れていることを。
錬金術は、そのためにこそ在るのだから────」

(了)
27名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 18:44:23 ID:VOpnK3i/
愛情たっぷりでいいなー。GJです。
妊婦なアレクさんハァハァ
28名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 23:06:24 ID:9w3zjlrU
いいね、夫婦愛
妊娠中のSEXっていろいろ注意すべき
ポイントあるんだろうなぁ。
29名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 23:14:29 ID:khRxyxQO
>23-26 GJ!

>28
たしか、中田氏禁止とあと嫁さんをあまり気持ちよくさせちゃいけなかった筈
アレクさんお腹の子がやばいよ!w
30名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 09:50:15 ID:Zij39RoR
                 <´::::ヽ‐-、::ヽ::;::;_:::::::::::::::::::::_;:::>
    _,.....-―‐-v‐'"´ ̄`ヾヽ、:'、Yヽ,ヽト!^iヽ:::::::::::::::::\
   /:::::::::::::ヽ::::::::::::::::i:i::::::::::::|:::ト;:|V/  `ヽノ\:::ト、、ヾ``
  /::::/:i::::::l:::i:::ヽ:::::::::::::|::::ド、:i:::!:ハj`/丶、u   `y‐'`´,ヽ-、_
 ,'::::i::::l:::|!::|、:!l:_」!:::::::::::|ハ`fqW;ヽ::i\く i´〉,> /,.-‐'"  ヽ  `ヽ
 !::::|::ハ|」,!l! ''パィ:::::::::::| `ニ=" 〉:ト:l  ヽ´イ/       ヽ  ヽ
 !i:::|::Kヽ゚.>=´ニ、 ';::::::::::| / ̄7/::::i !   r'´'⌒ヽ、        ヽ   ,
 | !::|:ト、"r '´  ヽ!:::;:::::|論//-、::|   |     ヽ      ヽ   ',
  l:::|!;;;;>、ヽ_ -,'/|::Lヽ;T`ヾヾヽ-l、 ,.r      〉       ヽ  ',
   ';::|;/   ``rマミ-Y、ヽ-オ \_`   ヽ〈 ヽ     /        ',  ',
   '{、   r'`  `ヽヘ ヽ  /7` Y〈 lF。弍、_メ、           i |
31名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 10:21:11 ID:MvQqVI6B
>>30
カズキンの愛し方は揺さぶるほどに激しいのですね
32名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 19:18:23 ID:htaZczZq
>30
その場面、見れば見るほどアレなんだよね…w
服着てるし特に何もしてないんだけどさ
隠喩って言うんだっけ?上手いなワッキーと思ったよ
33名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 22:11:10 ID:d67sNr7J
「斗貴子さん、中だしさせてよ!」
「駄目だお腹の子にさわるだろう!」
的なシーンにも見えるな
34天然調教師:2006/11/20(月) 01:19:12 ID:GC8xvLEx
薄い恥毛の中に深く舌を割り入れて、溢れ出る愛液とカズキ自身の唾液を絡ませながら内壁を舐め上げると
斗貴子は押し殺した切ない声を漏らした。
十分に中を嬲り、時折舌を引き抜いてその上の充血した肉芽に音を立てて吸い付けば、ぴくんと腰を浮かせる。
カズキに優しくいやらしく性器を刺激された斗貴子は、大きく開かされた足を強張らせながら必死に、
未だ慣れぬこの行為に耐えつつも、また同時に心の奥底から湧き上がってくる淫靡な感情、密かな興奮に
抗えずにいた。
気が付くと、股間に顔を埋めたカズキの頭に斗貴子が手を置いてきた。
快楽を与えてくれるカズキの口を、弱く躊躇いがちな力で自分の感じる所に押しつけているのだった。

二人がこういう行為をするようになってからまだ日は浅い。
初めて体を重ねた日から、カズキは積極的に斗貴子の体を求めるようになったが、斗貴子はまだ羞恥の方が
先に立ち、素直に快楽に身を任せられないでいた。
カズキの行為に感じていないわけではないのだが、とにかく恥ずかしくて行為の最中はまともにカズキの
顔さえ見られない。
「痛くない?」
「気持ち良い?」
そんな斗貴子を思いやるカズキの言葉にも微かに首を動かす程度でしか返事をしていない。

そんな恥ずかしがりやの斗貴子が初めて積極的に行動してくれたことに喜んだカズキは、最後に音を立てて
ひと吸いすると顔を上げ、口元を拭いながら理性の薄らいだ斗貴子の前に戻ってきた。
恍惚の表情を浮かべる斗貴子の上に覆いかぶさり「入れてもいい?」と聞くとぼんやりとしたままこくんと
頷いた。
笑顔を浮かべながら硬く凝り固まった自身のものを斗貴子にあてがう。
熱い肉棒の先端で性器をぬるりと擦られた斗貴子は震えながら目を閉じた。
そんな斗貴子が愛おしくて、自分を求めてくれたことが嬉しくて、テンションの上がったカズキがふと放った
一言が、これから彼女の身に起こる試練の始まりだった。

「貫け…オレの武装錬金!」

え?と目を開けた油断した斗貴子に構わずそのまま突き刺すと小さく悲鳴を上げた。
腰をしっかり奥まで進ませて二人をがっちりと結合させてから止まる。
「………ば…ッ、へ、へんなこと言うなッ!」
進入を果たし一息つくカズキに涙目で抗議する斗貴子。
「え?へんかなあ」
なんとも締まらない顔でへらへらしながら答える。
35天然調教師:2006/11/20(月) 01:19:58 ID:GC8xvLEx
「だってさ、なんか似たようなところもあるし…」
「ッ…!ちっとも似ていない!!」
「そう?例えば人の闘争本能に依ってホラ、…こんな風に、作動する所とか…さ」
「馬鹿!作動とか言う…あ、や…こらッ、い、いきなり動くなぁ…あ…あんッ………」
締め付けてくる膣の中で、言葉に合わせて硬い肉棒をくちゅくちゅと動かしてみると嫌でも感じてしまうようだ。
十分な前戯によってよく解された膣壁を今度はゆっくりとしたテンポで突き上げながら言葉を続ける。
「斗貴子さん、どう?オレの武装錬金、どんな感じ?」
「あ、やぁ…ん………だ、だからッ…そう…い…言わな………ふぁ!あんッ」
「うわっ、すご……ぃ、締まって……斗貴子さんの武装錬金………すごくいいよ………」
「だッ、だからそう言うのは…やめ………ひあぁッ!?」
やだぁ、と悲鳴を上げる斗貴子。どうやら一番感じるところを突いたらしい。
「ん?ここ?斗貴子さんここが感じるの?」
そういってさっき斗貴子が一際大きな声を上げた部位を容赦なくぐりぐり突き上げると今までにない
ほど大きな嬌声を上げてカズキの下で暴れた。
「だッ、だめ!そこは……なんだか…あ…やだ……やだあ!」
「…斗貴子さんの武装錬金の弱点、見つけた………」
じたばた暴れて逃れようとする斗貴子をベッドに押え付けて更に激しく腰を動かした。
「やッ……ッ…やらッ…ぁ……ッ……カズッ…キぃ…ッ……」
いつしか斗貴子もカズキの動きに合わせ腰を振り出し、カズキも自らの快楽に没頭する。
「斗貴子さん…斗貴子さんッ!」
「カズキ………カズ…キぃ………ッ!!」
限界まで来ていた二人は、最後はお互いの目を見つめあいながら同時に達した。

暫く後、背中を向けて身を丸くさせる斗貴子を後ろから抱き締めながらカズキは上機嫌だった。
「斗貴子さん、すっごく可愛かったよ…」
「〜〜〜〜〜〜〜ッ、言うな!」
「……斗貴子さんの武装錬金、すごくよかった…」
「〜〜〜だから、その言葉を使うな!!」
「え〜なんで?」
「なんでって………だ、だって………」
「ね、オレの武装錬金はどうだった?
「〜〜〜〜〜!!!だっ、だからつかうなと………!」

この言葉がよほど気に入ったのか、それからカズキは事あるごとにこの言葉を口にするようになった。
カズキの部屋で二人で寛いでいる時、いい雰囲気になり、軽くキスを交わした後耳元でそっと、
「………武装錬金、する?」
36天然調教師:2006/11/20(月) 01:20:32 ID:GC8xvLEx
激しいセックスをした翌日の学校で、辺りに人がいない時、そっと腰を抱き寄せて、
「斗貴子さんの武装錬金、大丈夫?昨日、ちょっと無理しすぎたかな」
また、二人きりでいい雰囲気になったのでベッドに押し倒したところ拒否されてしまい、理由を聞いても
顔を赤くしてはっきり理由を言わない時には、
「あ…そうか、今日は斗貴子さん武装錬金ダメな日だったっけ?」

そんなことが続いたので、しだいに斗貴子はその言葉を聞いただけで赤面したり、体が反応するようになって
いた。
普通の会話ならいいのだが、困るのは元錬金戦団の関係者と話す時だ。

「あ、津村さんに武藤さん。おはようございます。……え?あ、はい。だいぶこの学校にも寮生活にも慣れて
きました。みなさん大変親切にして下さいます。武藤さんのお友達もまひろさんたちも良い人達ばかりです。
ただ………、いえ、その、私はやはり、あの武装錬金の仮面がないと、ど、どうにも落ち着かなくて…。
戦団の活動は原則凍結ですから、もう武装錬金を発動することはできないのですが、それでもやはり核鉄が
あったらなと思ってしまいます…。…こんな考え変でしょうか?武藤さんはその胸に核鉄があるので今でも
武装錬金の発動が可能ですが、津村さんは武装錬金を発動することがなくなって、なにか困ったこと等はありま
せんか……………ど、どうかされましたか?……津村さん…なんだか顔色が…………………」

「あ、先輩、……………と武藤。これから昼メシですか?いや俺は……お二人の邪魔をするつもりはないですよ。
一人で食べま………いやいいよ、だから青汁はいらないっての!……あ、スイマセン。え?…みんな一緒に?
屋上で待ってる?……それじゃあ、お言葉に甘えてご一緒させてもらいましょうか。…………………………
…それにしても、こういう生活を送る日がくるなんて、錬金戦団にいた頃は想像もつかなかったですね。
普通に学校に行って、授業を受けて、メシ食って、同い年の人間とダベって、そんで帰って宿題をして、なんて
本当に一般人の生活じゃないですか。戦いの無い世界…。なんだか俺、まだここにいるっていう実感がないん
ですよね……。……え?いや、それは、先輩は俺よりずっと早く武装錬金を使えるようになっていたからですよ。
任務で一般の学校に潜入してそこで一般人に混じって生活をするっていう機会も多かったでしょうから。
俺なんて武装錬金を使いこなせるようになるまでそうとう時間がかかりましたし。錬金の戦士になるのもずっと
遅かったですから………。……なに?ああそう、よかったね発動してすぐに武装錬金を使いこなせて。どうせ
俺は才能がないですよ………………先輩?どうかしましたか?なんだか………熱でもあるんですか…………?」

37天然調教師:2006/11/20(月) 01:21:04 ID:GC8xvLEx
「む。戦士斗貴子に戦士カズキ………ではないんだったな、今は。生徒斗貴子に生徒カズキ、今から下校か。
………なんだその顔は。やはりこの呼び方は変か?もう二人とも戦士ではないのだから呼び方を変えてみた
のだが。………なに、違う?ではなんだ………ああ、このコートか。まあさすがに寮内では着てはいない
さ。着るのはこうして外出する時だけだ。なぜならその方がカッコイイから!……なんだその目は。
おおそういえば、斗貴子。お前に話があったんだ。転入させた剛太と毒島のことだが、あの二人はお前と
違って一般の学校での就学経験が乏しいからな、まあ俺も気になって学園生活について面談を行ってみた
んだが、やはり二人とも戦闘のない生活になれていないからか武装錬金の使えない今の状況がどうも不安
だといっていた。お前は二人より経験があるんだから色々とアドバイスしてやって欲しい。お前自身は
武装錬金が使えなくて不安だということはないか?まあなにかあったらお前にはカズキがついているからな。
カズキは胸に核鉄があるから武装錬金も発動できるし。もちろん無闇に使うのは良くないが、もしなにか
あった時にはカズキ、お前のその武装錬金で斗貴子を守ってやってくれ……………なぜ顔を赤くする。
斗貴子、どうかしたのか?カズキ、斗貴子がなんだか変だぞ……………って、あ、斗貴子、ちょっと待て!
おい!………分からん。なぜ走っていってしまうんだ。カズキ、お前なにか知っているか?え?分かる?
そうか、それなら後のことはお前に任せよう。よく分からんが斗貴子の力になってやっ…………って
もういない………………………………。まあ、本当に頼んだぞ、カズキ。あの子のこと………」


「斗貴子さん………ブラボーと話ている間にこんなに濡らしてたの?」
「あっ…やぁん…そこ………だめぇ………」
「あー、もう指がベトベトになった………斗貴子さんって、本当はすっごくエロスいんだね」
「ッ!……だってぇ、カズキがぁ……」
「オレがなに?斗貴子さん。オレのなにが欲しいの?」
「……ん………やぁ………」
「言って?言わないと、わかんないよ?オレのなにが欲しいの?」
「……………………………か………カズ…キの……………」
「なに?」
「んっ………カズキ…の……………ぶ………武装………錬き……………ん…………」


こうして無意識の内に斗貴子の調教を着々と進めていくカズキだった。



38名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 01:50:48 ID:a+VYjfwq
あれ程エロスは程々にとっ……GJ!!!
39名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 02:01:07 ID:VKd8r7Dn
蝶GJ!!
エロスかつ笑えるという凄さ!
絵を想像して、バカ笑いしてしまった。こんな時間なのに…
40名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 04:43:19 ID:MKzlusYB
>34-37
グッジョオオオオオオオオオオオオオオオオブ!!!!!!!
天然調教師ってほんとだよなwカズキ恐るべし
とっこさんが可愛くてしかたないよ




そして哀れ剛太……………………イ`
41名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 20:35:01 ID:9AEdZ/+U
天然調教師、そう来るとは!
武装錬金をもう普通の目で見れなくなっちゃうッ
42名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 17:31:30 ID:ZDjjKrYM
>>41
ここに来てる時点で普通の目で見てないだろ
43名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:11:49 ID:3CJkcSO6
すとろべり

すとろべりの事は
小物語にも作り
よく人の知るところなれば
こゝに略しつ
44名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:12:30 ID:3CJkcSO6
私立銀星学園大学学生寮は朝食の時間を迎えていた。
「おっ!おはよう六舛!」
「オハヨ、カズキに斗貴子氏」
「ああ、おはよう」
寄宿学生たちの朝はあわただしい。朝食等の時間は全体主義的で、個人の余裕は少ない。
それにも関わらず朝から行動を共にしている二人を見て、六舛孝二は微笑ましい気分になる。
最も、それが彼の表情に出る事はないのだが。
「今朝もいつも通り並んで朝食ですか。本当に仲がよろしい様で何よりです」
「なっ、何が言いたいんだ!……べ、別にいいだろう…私達は…その…」
勢いよく言い出した割に、津村斗貴子の言葉は尻すぼみになっていく。
代わりにその先の言葉を察した武藤カズキが続ける。
「俺達付き合ってるんだもん、ね?」
「……ぁぁ…」
斗貴子の返事はより一層小さい声だったが、それを聞いたカズキは満足そうに笑った。
「ハイハイ分かりました。お熱いのも結構ですが、折角借りられた銀星大学寮を
 追い出されない様にだけはして下さい…夜は慎重に、お願いします」
すっかりアテられてしまった六舛は、皮肉だけ残して早々に二人の元を離れる事にした。
彼女がいない六舛にとって、この二人のやり取りを見続けるというのは流石に楽しくない。
何か喚く声となだめる声を背に、六舛は岡倉英之と大浜真史のいるテーブルに座した。
「あ、おはよう六舛君」
「よう六舛」
「おはよう大浜、岡倉」
この二人とカズキは、六舛の中学時代からの親友だ。しかし学力には結構開きがある。
それでも皆同じ大学に入れたのは、各々の努力があってこそだ。
「それにしてもカズキの奴、近頃ずっと斗貴子さんと一緒だよな」
岡倉がカズキの方をちらちら見つつ言う。やや棘のある口調だ。
まぁいいんじゃない、と大浜が言った。
「別に僕達の事蔑ろにしてるんじゃ無いんだし、一緒なのは近頃どころの話じゃないし」
「そりゃそうだけど――」
「要するに俺もストロベリなお相手、って事だろ岡倉が言いたいのは」
六舛が岡倉の心情を代弁する。岡倉はぐうの音もでなくなって落ち込んでしまった。
岡倉はお相手を高校時代から受け付けているが、一度の申し込みも無い。
逆に岡倉からの申し込みは一度として受理されていない。
「でもカズキ君に嫉妬したって始まらないでしょ?」
「た、確かにそうだけどな…ハァ…」
「そういえば――」
丁度今思い出した、という風に六舛が話を始めた。
「俺の入ってるサークル、知ってるだろ?」
「宇宙の神秘とか人間の神秘、超常現象の探求とかしてるんだっけ?」
「ウチュージンやUFOの類好きだよなぁ、お前」
「まぁな。で、そのサークルの女の子が最近彼氏との仲がかなり悪いらしくてな」
「相談でも受けたのかよ?」
「というか…サークルで皆が集まった時、話してる拍子って感じで」
「でもそんなの、余計な事しない方がいいんじゃない?」
「俺もそう思った。けど、どうも思い詰めてるみたいで、最近その子元気がないんだ。
 他の皆も心配してるし、何とかできないかと考えてたんだが……」
六舛はそこで一旦言葉を切り、緑茶を飲み干した。
「…二人とも、少し協力してくれないか?もしかしたら何とかなるかもしれん。
 とりあえず彼女が語ってくれた事をお前らにも話すから、よく聞いてくれ」
「何とかなるかもって…何するんだ?大丈夫なのか?」
そう言いつつも岡倉は一応乗り気らしい。
「僕も構わないけど、僕ら三人だけで解決するの?」
「…いや……あいつらにも手伝ってもらうことになるだろうな」
そう言った六舛は、彼らが知る限り最も仲睦まじい男女を親指で指し示した。
45名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:13:32 ID:3CJkcSO6
彼女との喧嘩の原因。それは別に大したことでは無かったと、彼の記憶は告げる。
確か――映画を一緒に見て、最後のストーリー展開が好きだとか嫌いだっただとか、
そんな事だったと思う。映画ではなく小説だったかも知れない。
―――もうどうでもいい、か。
彼は携帯電話のスケジュールを見て回顧する事をやめた。乱暴に携帯を閉じる。
―――とっとと寮に帰ろう。
今日はサークル活動をする気も起きなかった。意欲というものがすっかり殺がれていた。
どうでもいいなんて考えつつも、破局による精神的ダメージはすっかり彼を蝕んでいる。
「よ、良かったらどうぞ」
「!」
不意に、真横から声が掛けられて、歩みが止まる。
大柄でふくよかな体つきの男がいた。柔和そうな顔立ちにはぎこちない笑み。
その手元を見ると、ポケットティッシュが差し出されていた。
考え事をしながら歩いていたせいか、ティッシュ配りの存在にさえ気付かなかった様だ。
「あ……あぁ、どうも…」
完全に立ち止まってしまった手前、それを受け取らない訳にもいかない。
広告面を表にして渡されたので、嫌でもその内容が目に付いた。
―――……占い、か。そういえばあいつ、そういうの好きだったな。
   サークルもそういうのの関連だった筈だし……
意識せずにそんな事を考えている自分に気付き、ハッとする。
想いを振り切るように、彼はさっきよりずっと速く歩き出した。



もう五分程で寮に着くかという所まで歩いた時、いつもと違う何かが目についた。
―――易者?
朝通った時にはいなかったはずだ。しかしそんな事よりも、客の存在が彼の気を引いた。
―――あいつ……!
易者の前には『彼女』がいた。占ってもらっているらしく、易者と何か会話をしている。
そこでふと、さっき見た広告を思い出した。慌ててカバンからティッシュを取り出す。
―――『数日間限定!恋の悩み、解決させます・・・易者屋台』…場所は……ここだ!
   あいつ多分この宣伝見て……『恋の………悩み』?まさか俺達の事を?
彼がそんな事を考えて立ち尽くしているうちに、彼女はこちらに背を向けて、
小走りで去っていった。彼には気付いていないらしい。
―――あッ……
追いかけようと駆け出したが、足が思った様に動いてくれない。
結局、易者の前程まで走った時点で追走は終わった。
「…お知り合い、ですか?」
易者が声を掛けてきた。まるで黒子の様な被り物を被っているが、色だけは違う。
目の周りを切り取って眼鏡をかけているのだが、それ以外の特徴はわかりづらい。
「今の子、あなたに何を占ってもらったんですか?どういう結果が?」
彼は易者の問いには答えず、逆にそう聞いた。
「それをあなたに教える訳にはいきません。少なからず彼女のプライベートに触れます。
 …一種の守秘義務というやつですね。……ただ」
「ただ?」
「あなたを占ってあげる事ならできます」
―――それじゃあ意味が無い。
彼はあからさまに落胆して見せたが、易者は独り言の様に口上を続けた。
「どういう関係かはともかく、その言い方、さっきの子が気になるのでしょう?
 万が一、あの子に出た占いの結果があなたに通じるものだったなら―――
 あなたを占っても、あの子に通じる結果がでるはずです」
そこまで言って、初めて易者は彼と目を合わせてきた。
「どうです?やりませんか?」
彼は迷いを振り切るように、事の次第を易者に語り始めた。
46名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:14:18 ID:3CJkcSO6
音を立てて自動ドアが開く。
「いらっしゃいませー」
と彼を出迎えたのはリーゼント頭のウェイターだった。
「お一人様ですね?あちらへどうぞ」
ウェイターに示されたテーブルにつき、彼はまず易者の言葉を反芻した。
―――『食事処、特にファミリーレストランの様に多く人の集まる場所が吉と出ています。
    つまりそういった場所に、よりを戻すための糸口ないしはきっかけがあると…
    しかし日が経つ毎にその運も薄れてしまいます。行動を起すつもりならお早めに』
彼の心は逸っていた。またあいつと仲良くできるのならと考えると歯止めが効かなかった。
彼はあの易者の屋台の位置から最も近いこのファミレスまで、ひたすら駆けてきたのだ。
息切れが酷い。目の前に出されたグラスを一口に空けると、肩を上下させながら店員を呼ぶ。
「ご注文はお決まりですか?」
注文を取りにきたのはさっきのウェイターだった。
―――…改めて見ると凄い髪型だ。バイト君とはいえ、よくこんな奴を雇う気に…
「…あのぉ〜?」
「あ、どっドリンクバー一人分、お願いします」
「他には?」
「以上です」
「かしこまりましたっ」
―――イカン、自分で店員呼んどいてどもっちまった…恥ず……
しかし思考が彼女からずれた事で、彼の心にほんの少しの余裕が生まれた。
ドリンクバーでグラスに氷とコーラをなみなみと注いできて、席に戻る。
一気に半分まで飲み下すと、彼は渇きと疲れが癒えていく様な感覚を覚えた。
―――ふぅーっ………さて、何が起こるのかな…
それとなく、回りを見てみる。特に気になるものはない。
と、その時。自動ドアが開く音が店内に響いた。
「いらっしゃいませー。二名様でよろしいですか?こちらへどうぞ」
最早見慣れてしまったリーゼント頭が、二人連れを彼の隣のテーブルに案内する。
―――…男と女……カップル…なのかな…
向かい合わせに席についた途端、その男女は会話を始めた。
「にしても岡倉、意外と真面目に働いてるみたいだね」
「新しいバイクのため、だったか?まぁ何にしても、働く事は悪い事じゃないからな」
「そうだね。……斗貴子さん何食べるの?」
「私は…ホットミルクだけでいい」
「え、それだけ?お腹すかないの?」
「ああ。もうすぐ寮の夕食の時間だし、私にはそれで十分だ」
彼は何故か、この二人に僅かな興味を持ち始めていた。
女――トキコというらしい――の顔には大きな一本の傷跡があったので、
彼自身はその傷に対する不健全な好奇心の所為だと解釈した。
だが実際には、彼がこの二人に昔の自分達を重ねて見ていただけである。
「んじゃ、決定ね。店員さーん」
「はーい。ご注文はお決まりですか?」
店の制服を着たリーゼントが駆け寄って来る様を見て、男の方がクスクス笑い出した。
「岡倉、やっぱりその頭で敬語は色々ヤバイって!」
「うるせーぞカズキ!ちゃんと店長さんはOK出してくれてんだからな!!
 …で、ゴチューモンは!?」
リーゼント改めオカクラが拗ねた様な声でオーダーを取り出した。
「えーと、斗貴子さんがホットミルクだけ…ホントにいいの?」
「ああ。キミは私に気兼ねせずに、好きなものを食べなさい」
「…分かった。じゃあこのスパゲティ大盛りで!」
「カズキは飲みモンは要らね…ゴホン!お飲み物は如何なさいますか?」
「プッ…じゃ、じゃあ、ウーロン茶お願い」
「かしこまりました」
オカクラが去り際カズキに、笑ってんじゃねぇ、と小声で言ったのを彼は確かに聞いた。
47名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:15:02 ID:3CJkcSO6
そう言われてなお吹き出しそうなカズキを見て、トキコは呆れ顔だ。
「全く…確かに似合っているとは言い難いが、ちょっと笑いすぎじゃないか?」
「でもあの髪型でウェイターだよ?」
「まぁ言いたい事は分かるがな。…フフフ」
「ホラ、斗貴子さんも笑ってるじゃない!」
「え、あっイヤこれは…」
―――ふん……
彼はいつの間にか、二人の話に聞き入っていた。しかし、彼の心は恐ろしく冷めている。
自分とこの二人との決定的な違いが、今の彼には許せなかったのだ。
―――どんなに仲が良くても、結局は他人同士だろうが…



「お待たせ致しました。こちら、ホットミルクとミートソーススパゲティの大盛り、
 それからウーロン茶で御座います」
しばらくして、オカクラとは違うウェイターが二人のテーブルに注文を運んで来た。
トキコがそれを受け取り、カズキの前に大皿とグラスを置く。
「ありがと斗貴子さん。それじゃ、いただきます!」
「どうぞ。…って、私が言うのもおかしな話だがな」
カズキは楽しそうに笑いながら、がっついた様子でスパゲティを口に運んだ。
ズルズルという音はスパゲティには厳禁であるが、この男には似合っていると彼は思った。
「…ウン、美味いよこれ。斗貴子さんも一口どう?」
「いや私は――」
「はい、あーん」
上手く麺が絡んだフォークをトキコの前に突き出すカズキ。結局、
「あ、あー…ん」
わずかな逡巡の末、トキコはそれを口にした。
「ねぇ、おいしいでしょ?」
「…あぁ」
トキコの顔が赤くなっていたのは、決してあまりの美味しさに興奮したからでは無いだろう。
しかし、すぐにその表情は変化してしまった。
「…キミ、口もと…」
「ん、え?」
トキコはすばやくハンカチを取り出す。
「ソースがついてるじゃないか…」
カズキが行動を取る間もなく、トキコがそれを拭き取った。
「全く子供じゃないんだから…」
「えへへ、ありがと。でもまだ一口しか食べてないのに…」
「乱暴に食べるからだ!ゆっくりしてもいいんだから、ゆっくり食べなさい」
「ウン、分かった…ありがとう斗貴子さん」
カズキのその言葉に、トキコは微笑んだ。
「二回もお礼言われる様な事はしていないぞ」
「それでも、ありがとう」
「三回目だな。…フフフ」
―――…バカップルって言葉はこいつらの為に作られたんだったか?
聞いている彼の中の嫉妬はただ膨らむばかりだった。
彼の怒りはこの二人に関係ない、理不尽なものである。
その事を承知した上ででも、彼はひたすらに悔しかったのだ。
―――どうせくっ付いたばっかりで浮かれてるだけなんだろ。
  一ヶ月もすればそんな雰囲気、微塵も無くなっちまうさ。
  …そうだ、きっとそうだ……
そう心の中で毒突いて、言い聞かせた。情けない程苛々している。
「あ、ねぇ斗貴子さん」
48名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:15:45 ID:3CJkcSO6
突然、カズキの語調が変わった。
「ええと……考えて…くれた?折角二人きりなんだし、その〜……そろそろ返事を」
語調だけではない。カズキの頬は、徐々に紅に染まっていく。
そしてその様子を見たトキコの表情にも、恥じらいの色が浮かんできた。
「…あ、あー……あの話か?」
「そう、その話だと思う」
何とも要領を得ない会話である。しかし、彼の興味を引くには十分だった。
「…………わ、わた、私の答えは……決まったぞ」
―――何の話なんだかねぇ。
「ほ…ほんと?………今、聴かせてくれる?」
トキコは短く頷き、そして深く深呼吸をした。
「私は、キミと……け、けっ……婚…………したい」
ここまで聞いて、彼は口の中のコーラを噴き出しそうになってしまった。
―――結婚!?バカじゃねぇのかこいつら!?付き合えたから即結婚って……
しかし、彼の心中の呟きはそこでかき消されてしまった。
店内の全員が呆気に取られるほどの大声によって。
「ほ、ほんと!?本当なんだね斗貴子さん!!!俺と、俺とけっこ――」
「やっ止めろぉ!!皆見てるだろうがっ!もっと声のトーン落とせっ!!」
トキコも必死になって叫ぶと、カズキもああゴメン、とやや落ち着いた。
店中の視線が、カズキとトキコの席に集まっている。
「で、でもっ!嘘じゃないんだよね!?」
「話を聞けっ!……大学を卒業できたら、だ」
「………え?」
―――……?どういう意味だ?
声の調子が落ちた事で、客や店員達の関心は薄れていたが、彼の関心は深まるばかりだ。
トキコは続けて言う。
「もし私達の仲が、卒業するまで続いてたら……その時は、結婚しよう」
「…それでも構わないけど、それじゃ二年後だよ?今すぐじゃ……駄目なの?」
「べ、別に駄目じゃないんだ………実はな、学業の修了と同時に戦団に預けてある私のお金が
 自由に使えるようになるんだ」
―――せん…だん?船団……か?でも意味が通らんよな………?
彼にはよく分からない単語が出てきたが、カズキとトキコの会話は止まらない。
「それって…」
「そう、私が戦団所属の頃に給料として稼いだ分だ。
 入団当時は、成人で制限解除という規約になってたんだが…いわゆる新方針の煽りを受けてな。
 三年前から学生、ないしはそれに準ずる身分の内は自由に使えなくなっている」
「じゃ……じゃあ!!」
「あぁ…結婚、しよう!ちゃんと結婚式も挙げて!!」
トキコは、耳まで桜色の顔に満面の笑みを浮かべていた。
カズキはばっと立ち上がり、外まで聞えるのではないかと思うほどの大声でトキコの名を呼んだ。
「斗貴子さん、斗貴子さんっ!俺すっっっごく嬉しいよ!斗貴子さぁあああん!!」
余りの声量に窓ガラスがびりびりと震え、今度は通りすがりの人々までが二人を注視した。
だがそんな事はお構い無しに、カズキはそのままトキコに抱き付いた。
正面で目を丸くさせているトキコに向かって、テーブルを間に挟む形である。
「俺絶っ対斗貴子さんの事幸せにするから!!もう二度と悲しい思いもさせないよ!
 だいすきだ斗貴子さぁーん!!」
カズキは感動のまま、トキコを腕の中で思い切り揺さぶっている。
周りにいる皆には最早どうする事も出来ないという雰囲気が漂っていた。
当のトキコでさえも、見るも哀れな程真っ赤っ赤になってカズキにされるがままだったのだから。
―――………何なんだよ、こいつら…
大声の所為で強い耳鳴りを覚えながら、彼はやっとそれだけ考えられた。
―――何でこんなに仲良く出来るんだよ……
49名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:16:34 ID:3CJkcSO6
「……カズキ、おいカズキ。あと斗貴子さんも」
いつの間にか、オカクラが二人のテーブルまでやって来ていた。
呆れたという感情と羨ましいという感情がない交ぜになった様な、複雑な表情を浮かべている。
「一応店の中なんだからさ、もちょっと気ィつけてくれねーか?」
「あ……あぁ、岡倉。ゴメンゴメン」
「ったく……」
カズキの着席を確認して、オカクラは何事か呟きながら厨房の方に戻って行った。
その際、彼は、オカクラが自分の方を幾度か見た様な気がした。
―――……?
カズキが大人しくなると、どよめきを残しつつも集中した視線は消えていった。
窓の外の人々も、何度も二人を見直しながら歩き去っていく。
トキコはこの状況に完全に萎縮してしまい、ただただ俯くばかりだったが、
カズキはまるで困難に打ち勝ったかの様に満足げな表情を浮かべていた。
「…………もう死なせて………」
「何言ってるんだよ斗貴子さん!俺達これからでしょ!?」
「そういう意味じゃないッ……!!」
トキコはもう泣き出しそうな顔をしているのだが、カズキは気にもしていない様だ。
―――…俺とあいつの仲もちゃんと続いてたら……いつかはプロポ−ズとかしたのかな…
心の真ん中に穴が空いた様な気分に浸りながら、彼はコーラを一口分だけ口に含んだ。
「……実を……言うとね…高校卒業する時にも、言おうかなって思ってたんだよ」
「結婚の話を……か?」
「ウン。でも、流石に付き合い始めて一年ちょいで言うのは失礼かな…なんて」
―――……『高校卒業時で付き合い出してから一年ちょい』だと?
   という事は高二の途中から交際開始ってワケだ………
   『あと二年で卒業』みたいな話もしてたな。ならこいつらは大学二年生……
   ってオイ!!!こっ、こいつら、しっかり三年以上も付き合ってやがる!!!
そこに思い至ってしまった彼は、とうとうコーラを噴き出してしまった。
次はなんなんだよという周囲の空気が、彼の席を取り囲んでいく。
「あ、あの、大丈夫ですか!?」
唐突な出来事に心配したのだろう、カズキが彼に向けて話しかけて来た。
「あ、いやいや大丈夫です、ハイ」
「それならいいんですけど…」
トキコも彼の方を見詰めて言う。
「何か気分でも悪いのですか」
「え、あぁ、ほっ本当に平気なんで、あは、アハハハハ……」
彼は手の甲で口元を拭いながら、テーブルに掛かってしまった液体をティッシュで拭った。
幸い口に含んでいた量が少なかったので、大した騒ぎにもならなかった。
―――何やってんだ俺は……
テーブルを磨きつつ、彼は考えていた。
―――……この二人は、三年も一緒なのにこんな見事なバカップルやってるんだ。
   対して…俺達はどうだ?まだ一年程しか付き合ってないのに……もうお仕舞いなのか?
   ……………………………。
彼は心の中でかぶりを振る。
―――違うっ!まだ、まだ終わってなんか無いっ!!ここで終わるなんて嫌だ!
   ちょっと喧嘩したぐらいで何やってんだよ俺は!
   まだあいつの事一年分しか見てないのに、こんな早く諦めていいのかよっ!?
彼は立ち上がり、伝票を握り締めた。そして、一足飛びでレジへと向かう。
―――会計なんか今はどうだっていい!
ズボンのポケットから財布を抜き取り、そこから千円札を一枚引き抜いた。
そしてそれをレジ係に渡し、
「お釣りはいいです」
と言うと一目散に店を飛び出して行った。
走りながら携帯を取り出し、短縮ダイヤルを使って電話をかける。
不思議な事に、1コール目で相手は出てくれた。
「も、もしもし!?春子か!?冬輔だけど、今お前ン家に向かってる!! 
 今更メーワクかも知れないけど、言いたい事があるんだ!電話じゃなくて、直接…!
 ちょっとだけ、聞いてくれないか……!!」
50名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:17:10 ID:3CJkcSO6
こっそり持ち場を抜け出した岡倉が店の外に出ると、そこには大浜と六舛がいた。
「岡倉くん!どうだった?上手い事いった?」
「確信はねぇけど、多分な。代金だけ置いてどっかにスッ飛んで行ったみたいだぜ」
「なら、何とかなったんじゃないか」
和服姿の六舛がそう言う。
「あ、六舛、易者役はどうだったんだよ。
 って言うか、和服はそのままなのにあの目出し帽っぽいのはもう着てねーのか?」
岡倉はけらけら笑いながら六舛を茶化した。
「普通易者はあんなの被らないだろ。どうしても顔を隠す必要があったからしてただけだ。
 それと、服は着替える時間が無かった」
「で、ちゃんと誤魔化せたの六舛君?」
「ああ。春子氏には『静かに待つのが良し。相手からの働きかけをもって良い方向に事が収まる』
 と伝えておいたよ。話のこじれ具合によっては着信拒否してる可能性とかもあったからな、
 こう言っておけばそれも解除したくなるだろ?…まぁ、二人の話をちゃんと聞いてみたら、
 そんな心配は要らなかったみたいだが……」
「そうなのか?」
「ああ。詰まる所、意地の張り合いだったんだろうな。落とし所が見つからなかっただけなんだ」
それってつまり、と大浜が後を引き継いで喋る。
「お互いに仲直りしたかったんだけど、喧嘩して時間も経ってるから
 謝るのが難しくなっちゃった、と」
「そういう事じゃないかな」
六舛は大きく息を吐いた。
岡倉は標識のポールに寄り掛かり、六舛の次の言葉を待っている。
「…まぁ、最初に言った通り、春子氏を占いで釣って話を聞いて、駄目そうだったら
 この計画はご破算になる予定だったんだからな。その程度の事で良かったんじゃないか」
「…そうだね。」
「大浜はどうだったんだよ?ティッシュ配りのフリ」
ボクの役は一番簡単だったから何とか、と大浜は笑った。
「六舛君の携帯に春子さんの写真があったしね。
 一瞬受け取ってもらえないかとおもったけど『占いやってます』って言うと飛び付いてきたよ」
「冬輔さんの方には渡せたのか?」
岡倉のその問いに、大浜は困った様な顔を見せた。
「さぁ〜?冬輔さんの方は、顔が分からなかったからね。六舛君が春子さんから聞いてる話だけを
 手掛かりに、似た様な男の人に渡しただけだから……」
「…冬輔氏にはな、広告は不要だったんだ」
岡倉と大浜、両名共が驚きの声を上げた。
「ハァ!?な、何で?」
「屋台の場所と、春子さんの話に出てくる冬輔さんの住居、思い出せよ」
ヒントを貰って尚、しばらく頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた二人だったが、
すぐにそれは電球に変わった。
「あ、そうか!確か冬輔さんは寮住まい!そして屋台は大学から寮までの最短距離上に……!」
「そ。それで春子氏を占う時に、彼の写真があればより正確に占えるとか言って、
 冬輔氏の顔を覚えとけばいい。案の定、春子氏の携帯に冬輔氏の写真が入ってたよ」
「冬輔さんは自然に屋台の前を通ってくれるんだね……あ、でもさ」
大浜が次の疑問を口にする。
「それじゃあ、冬輔さんが屋台に興味を示さなかったら、どうするつもりだったの?」
「目の前を通った時に、春子氏の名前を出して呼べば……止まらざるを得ないだろう」
「……成程な。で、ここまでがお前らの役目だったってワケだ」
「……まぁ、屋台に来る順番も問題だったんだけどな。
 春子氏のが遅かったら、明日もう一回屋台を開かなきゃいけなかったから」
岡倉は繰り返し頷いて、納得した事を示して見せた。
51名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 02:18:09 ID:3CJkcSO6
「…話聞いてると、一番俺が楽だったみてェだな。殆どフツーにバイトしてたし。
 やった事といえば、冬輔さんの隣になる様にカズキと斗貴子さんを座らせただけか」
俺の仕事はその程度かよ、と岡倉は項垂れて見せる。
すると、それが一番重要なんだよ、と六舛は言った。
「お前が居なきゃ成り立たない仕掛けだったんだぞ」
「そうは言ってもよぉ……。
 他にした事といえば、無茶苦茶にテンションが上がってたカズキに釘刺したぐらい…
 例によって『斗貴子さんだいすき』とか言い出してるし、散々だぜ」
「まぁ、あの二人には説明無しの素でやってもらったからな。そういう発言が飛び出して当然だ」
「…だな。あの二人がああなるのは自然の摂理だし……」
「………え!?じゃっじゃあカズキ君達には、何にも言ってないの!?」
大浜が急に大声を出したので、岡倉もビクッと体を震わせた。
しかし六舛がこれといった反応を見せないのは、いつもの事である。
「正確には、ここで斗貴子氏と暫く飯食っててくれって頼んだだけ。
 あの二人には、むしろ余計な芝居をさせない方がいいと思ってな」
「そ…それでよく上手くいったねぇ」
「バーカ、何言ってんだよ大浜。お前だって知ってるだろ?」
あいつら二人が近くに居る時に感じる人肌恋しさはよと、岡倉は結んだ。
あ、そういう事かぁ、と大浜も理解した。
この仕掛けの最大のポイントはカズキと斗貴子に掛かっていたのだ。
この二人が揃うと、本人達にその気が無くても惚気が生まれる。
又、その惚気には、聞いている者達に著しく恋人を欲させるという、とてつもない効果がある。
最も多い回数その被害者になっているのは勿論、岡倉、六舛、大浜の三人だ。
身を持ってそれを知る彼らが、今回はそれを利用したという訳である。
不意に岡倉が、自分の腕時計を見た。
「あ、やっべ。そろそろ戻らなきゃバレちまう。じゃあ、寮でな!」
岡倉は、小走りに店の中に入っていった。
「頑張ってね、岡倉君」
「オウ!……あ、言い忘れてた」
岡倉は扉からひょこっと顔だけ戻す。
「……カズキと斗貴子さん、卒業と同時に結婚するみたいだぜ」
「へぇ!」
「ほ、ほんとに!?」
この報には流石の六舛も目を丸くさせ、大浜に至っては他人事にも関わらず赤面している。
「……そうか…じゃあ二年後に向けて……何かサプライズ、考えないとな」
六舛は爽やかに笑いながら、二人を魂消させるための策を練り始めた。
「おい、『あの』二人の結婚式なんだから、パーッと派手に行こうぜ派手によォ!!」
無責任な事をのたまいながら、岡倉は店の中に消えて行った。
「折角なんだからさぁ、まひろちゃん達とも一緒になって、何か考えようよ。
 剛太君とかも、協力してくれるかもよ?」
大浜はウェディング姿の二人を想像しつつ、六舛にそう提案した。



彼らの繋がりは、まだまだ途切れそうに無い。







巷説苺物語―――了(元ネタの体裁とれてないけど……許して)
52名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 12:14:48 ID:FaYfpU9l
何ですかこの青春全開のこっ恥ずかしいSSは!読んでてニヤニヤしたぜ。GJ!!
会話劇とか上手く構成されてて面白く読めたよ。
…そうかストロベリーは連鎖してゆくのか。
黒沢清の「CURE」とは逆のベクトルの恐ろしさを感じますたw
53名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 16:59:11 ID:c5QRt9Rb
元ネタは京極か?ww
結構らしく出来てた気がするGJ!
54名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 19:25:31 ID:95NROvMR
カズキと斗貴子さんはずっと惚気ているだけなのにワラタ
六桝恐るべし。
55名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:31:57 ID:dlawefSW
アニメのブラボーはなんかすげえマッチョなんで
組し抱かれたら重そうだな、千歳さん大変だな…なんて思ってしまう
56名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 10:30:51 ID:vyoYMxy+
千歳さんにはバールのようなものがあるから大丈夫
57名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:31:00 ID:a7w9HWtw
ちょっと体重かけて痛い思いさせたらブラボー撲殺されるんですか?
58名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 18:48:42 ID:iujHL6jq
浮気(っぽく見えること)するたびに歯が一本無くなります
59名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 19:14:20 ID:De8X2+XU
むしろ千歳さんはあの漢らしいブラボーに荒々しく抱かれるのが好きなんじゃないか
60名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 20:37:27 ID:PLGji+06
あのたくましい胸板や筋肉のついた肩や太い首に惹かれたのか(和月絵じゃあんまり首は太くないけど)
それで細腰の火渡には見向きもしなかったんだろうな
61名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 19:33:22 ID:1j44SgzX
千歳さんはああみえて膂力が常人の倍以上の怪力女で、
ブラボー位のタフネスさがないと逝ったときとかに抱きつかれたら背骨が折れちゃうんだよきっと
62名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 20:58:30 ID:MzvvpV7b
//以降防人は島のことで悲嘆に暮れつつも
千歳のビキニ姿思い出してエロいこといっぱい考えてたんだろなあ
それまでは友人としてしか考えられなかった相手に悶々とした欲望を抱く日々を過ごしたのだろうか
63名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 14:38:54 ID:nRZo0cTI
白い指が防人の厚い胸板に押し当てられたかと思うと、するすると首筋まで流れるように撫で上げられた。
しとやかに、しかし熱っぽく千歳は防人の背中に手を回す。
そのまま唇を押し付ける。そして小さな舌が防人の口の中に…
(う、うおおおおおっ………ブラボー!)
予想以上に乱れた千歳の官能的な姿に、防人は心の中で歓声をあげていた。

 『秘薬』

「おい防人、これちょっと千歳あたりと試してみろ」
火渡が俺に見せたのは、カカオの粉末…のようなものだった。
「これが例の錬金の秘薬か…照星さんが今度潰したアジトから押収したって言う」
「おう、ばっちりくすねて来たぜ。どーせほっといても上のジイサンどもが独り占めしちまうだけだしよ」

千歳は防人が手をつけるまで男を受け入れた経験が無く、
防人とのセックスもそれほど回数を重ねたわけではなかった。
まだ初心なところがあり、防人は千歳のそんなところも好きだったが、
男として満足のいくセックスはいまだできていない。
ああ…一度でいいから千歳と思う存分気持ちいいセックスしたい…
防人は欲求不満を抱えながらそう考えていた。

二人きりの室内で、秘薬をココアに混ぜこっそり千歳に飲ませた。
一時間ほどで、千歳は落ち着かなくなったのか赤い顔で部屋をうろうろしだし、
初めて彼女のほうからベッドに誘ってくれた。
その時点で防人は涙が出そうになるほど感激した。
(す、すごい効き目だ…)

髪を乱して官能的にせまってくる千歳の姿に、容易く彼の理性は決潰した。
秘薬のことがばれたら、などという危機感も罪悪感も吹っ飛んでしまうほどだった。
「千歳っ!」
防人は吼え、千歳の身体を抱きすくめた。
「防人くん…」
切なそうな千歳の喘ぎが防人を情欲をそそった。
64名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 14:39:30 ID:nRZo0cTI
千歳の中は温かく、防人の熱い情欲を受け入れてきゅっと締まる。
「んっ…んん…」
初めはさすがに少し辛そうだった彼女の声は、しかしみるみる柔らかくなって甘い喘ぎになっていく。
「ああ。あん…防人くぅん…、あ…」
ちゅ、ちゅっと愛らしいキスを受け、その喘ぎを聞いているうちにむくむくと射精欲が湧いてくる。
まだ駄目だ、と思っていたがこの悩ましい刺激に耐えられず、あっという間に達した。
防人は少し赤くなり、急いで抜いた。
「あん。もっと…」
千歳はそこで口ごもり、少しうつむいた。
しばらくの沈黙の後、そっと防人の耳元で呟いた。

「防人君の、ううん、防人君がほしい…」

(う、うおおおおおぉーっ!!)
防人は感動のあまり頭の線が二本くらい吹っ飛んでしまったような気がした。
(ああ、あの千歳が!男を自分から誘ってくるなんて!ブラボーーーー!でもそんな顔俺以外には見せるなよ!)
防人はいそいそと二枚目のコンドームに手を延ばした。


翌朝―
防人は非常に晴れやかな、満足した顔をしてベッドに横になっていた。
千歳は疲れを顔に残しつつも、朝食を防人のために用意してくれている。
「ああ、コーヒーは俺が…」
ベッドから起き上がろうとすると、室内フォンが鳴った。司令室からだ。
相手が照星だろうとわかったので千歳が取った。
「はい、千歳です。戦士防人はいまちょっと…」
『ああ、防人に伝えておいてください。昨日火渡がくすねた媚薬ですが、
  あれは人体に害は認められませんでしたが、成分が強すぎるのですべて焼却処分するように決定しました。
  火渡からもらったのはワレてますよ。』
「媚薬…!?」
千歳は防人を見る。防人はギクリ、と身をこわばらせた。
照星の電話から、声が防人にも聞こえるように続いた。
『いかんせん効き目が強くてですね、口に入れた女性がなすすべも無く一番近くにいる男性に発情してセックスしたくなってしまうという危険なモノで
  十分デートレイプドラッグとして使えますから。絶対に焼却処分するんですよ!』
ガシャン!と千歳の手から子機が落ちた。顔は青ざめ、手がブルブルと震えている。
「さ、き、も、り、くん…」
千歳の声は怒りに震えていた。目には涙が浮かんでいる。
「い、いや、でも俺とお前の仲だし、俺も男としてもうちょっと気持ちいいセックスがしたかったなーなんて…ちょ、ちょっとまった千歳!早まるなっ!」

その直後、防人は朝食用のフォークで千歳に刺され二針縫い、痕は核鉄治療をするまで消えなかった。
65名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:16:28 ID:BcRFZPds
王大人「ブラボー、死亡確認!」
66名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:27:24 ID:QwaV/938
照星さん、ヒドス
67名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 21:09:25 ID:MI3cXsRB
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 まっぴーのおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 桜花のおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 斗貴子さんのおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
68名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 01:06:41 ID:r0QsMHR5
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 まっぴーのおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 桜花のおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 斗貴子さんのおっぱい!…おっぱ…い?
 ⊂彡
69名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 11:51:19 ID:nvFbIyNK
     ∩
( ゚∀゚)彡 斗貴子さんのひんぬー!ひんぬー!
 ⊂彡


70名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 14:18:15 ID:22mkka0c
命知らずなやつらだ!
71名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:42:05 ID:++ViztZM
某amtmで勃起した。
誰かあの絵をモチーフにしたSSを頼む
72名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:06:32 ID:NWdgAyUw
あの衣装のまま2人はハッスルしてしまい、ラブラブでボロボロな姿で式に登場
73名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:13:08 ID:bE7X3Kri
いやせめて夜まで待てwww
74名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 00:38:27 ID:NWdgAyUw
ピリオド扉絵の未来の2人、あれはベッドへと運ぶ途中のビジョンなのだ
75名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 11:14:10 ID:kHB3uOLZ
ベッドつーか、新居に入る際にはお姫様だっこするらしいね
>欧米諸国
日本で見ることはほぼ無いと思われるがカズキならきっとやるw
TQNを恥らわせることに関しては凄腕のナチュラルサディストだからな
76名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 12:18:11 ID:l++aSqRj
おまじないで幻視した運命の相手が、オンブだのヘソだの熱血告白だのいう
羞恥プレイの達人だったとは斗貴子お嬢様も大変だなw
77名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:58:29 ID:EPCHkhqq
真夜中を目前にした時刻になると、銀星学園寄宿舎では毎夜何かが軋む様な音が響く。
「はぁっ、はっ、はぁ………」
「ふぅー…良かったよ…斗貴子さん」
「………バカ」
そう言いながら、斗貴子はカズキの頬を撫でた。
キスをせがまれたものだと思った彼は静かにくちびるを重ねた。
斗貴子は一瞬目を丸くさせたが、すぐにその目を瞑り柔らかい感触を楽しんだ。
日に日に寒さが増す十二月の夜、武藤カズキとネームプレートが掲げられた部屋での事である。



情事の余韻も残る中、二人は一枚の羽毛布団の中で縮こまっていた。
「もう本格的に寒くなってきたね」
更に強く斗貴子を抱き寄せながら、カズキはそんな事を言った。
斗貴子は心音を確かめるかの様に彼の胸に横顔をくっつけて、答える。
「そうだな…私はもう、夜はキミが抱いてくれないと寒くて眠れないぞ」
「とっととととと斗貴子さん!?」
「フフッ、キミに抱き付いてないと寒いという意味だったんだが、何か別の事でも考えたのか?」
カズキは自分の頬に血が集まってゆくのを感じた。曖昧に笑いながら、答えをはぐらかす。
「あは、はは……斗貴子さんがからかってくるなんて珍しいね」
「偶にはこれぐらい言ったっていいだろう?まぁ聴いてるのがキミだけだから言うんだが」
斗貴子の方は朗らかに笑っていた。
「でも…本当の事だぞ?キミに抱いてもらっていないと眠れないというのは」
今度は、斗貴子が照れだす。
「ここ一年はキミといっしょに寝てばかりだっただろう?それに慣れてしまってな……」
「…俺で良ければ、いつでも一緒に居てあげるよ」
カズキが彼女の背中をさすりつつ言う。
「もう斗貴子さんに悲しい思いはさせないって決めたし」
「…ありがと」
斗貴子は嬉しそうにカズキにしがみ付いた。
しかし流石に裸では寒いのか、斗貴子は軽く身震いした。
「寒い?斗貴子さん」
「ああ、いや平気だ」
そう言う斗貴子から、何故かカズキは視線を逸らす。
「………寒いならさ……その、もう一回…シない?」
思わず呆気に取られた斗貴子だったが、すぐに柔らかい表情になった。
「もう…ホントにしょうがないコだな」
78名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 18:59:13 ID:EPCHkhqq
カズキは斗貴子の僅かな膨らみを弄んでいた。
控えめな胸ではあるが、なめらかな玉の肌の感触と乳房独特の弾力が同時に楽しめるとあって、
カズキ個人は大変気に入っている。
「斗貴子さん、心臓バクバクしてる」
カズキの両手の平が、二つの盛り上がりを押し潰す。
「ンン……し、してない方がおかしいだろう……」
「それに、乳首もすっごく硬くなってる。ヨロコんでくれてるんだね!」
「ヨ、ヨロコんでっ…………!」
ヨロコんでない、と強がりたかった斗貴子だが、余りにも今更な気がして止めた。
「…………ヨロコんでる…に決まってるじゃないか……分かってる癖に意地悪言わないでくれ」
「え?別に意地悪してるんじゃないけど」
「……もういい」
「…?………何か腑に落ちないなぁ」
納得出来ないという表情を浮かべつつも彼の奉仕は続く。
親指と人差し指の腹でくりくりと突起を刺激すると、斗貴子の体が僅かに跳ねた。
この姿をもっと見ていたい。
そう思ったカズキは、斗貴子の右の突起にしゃぶり付いた。
「ひゃぁぁっ!?」
「んむ…ちゅぅー……」
「あんっ、は………あっ!」
胸の先端は舌の上で転がされ、上下のくちびるで食まれ、前歯で甘噛みされる。
彼の右手は左胸を覆って動き続けている上に、彼の左腕に腰を捕まえられて逃げる術も無い。
更に、カズキの硬いシャフトが下腹部に押し付けられているので気が気ではない。
斗貴子を取り囲む甘い熱は、彼女に眩暈を起したかの様な錯覚を与えていた。
「…カズ、キ……カズキ?」
名を呼ばれたカズキはにこりと笑って、右手を斗貴子の内股に滑らせた。
べとついた斗貴子の分泌液が、カズキの指全体に付着する。
「うぅぅ…」
「斗貴子さん、また一杯濡れてるね。シーツまでぬるぬるにして感じてくれて……俺…嬉しい」
「キ、キミが胸に色々した所為じゃないか…!」
「そうそう、胸触っただけでこんなに濡らしてくれるんだもん。斗貴子さんってビンカンだよね」
「そんな事無――はひっ!きゅ、急に撫でるなぁ!!」
内股全体に馴染ませるかの様に、カズキは愛液を伸ばしていく。
「はっ、はああ、ぁああん……そこ、は……」
「ここは気持ちいい所、なんでしょ?大丈夫、ちゃんと分かってるよ!」
「バッ、違う!あっ、ふあ、ぁ…」
カズキの手が内股を這う度に、斗貴子の小さな花弁が幾度もひくついた。
斗貴子は何とか快感に耐えようと顔を真っ赤にして全身を強張らせている。
だが彼女は、その様子の愛らしさがカズキの情欲を掻き立てる一因になっているとは知らない。
「あぁっ、やぁあ……ひゃんっ!………ふひゃ…」
「………そろそろ…入れて、いい?」
79名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:01:33 ID:EPCHkhqq
斗貴子のその場所には、未だに毛が生えていない。無毛症というやつだ。
だから、カズキの視線を遮る物は何もないのだ。
「あ、斗貴子さんのお汁に混じって俺の精液も流れ出てる。さっきのヤツだね……
 斗貴子さんのビラビラしてるとこ、ピンク色に充血しててキレイ…だけどエロスい………
 そう言えば、もう何回もシてるのに割れ目も殆ど閉じてるなんて、斗貴子さん凄いよ!」
「ッのバカ!!いちいち実況するな!何でそーゆー事平気で言うんだ……」
「ハハハ、ゴメンゴメン。じゃあ早速……」
カズキの亀頭が斗貴子の中に侵入を始める。
「カぁ、カズキぃ…もぅ……やぁあん……」
「まだまだ入れ始めたばっかりだよ、斗貴子さん?」
子宮口に先端が到達すると、斗貴子の背中が小さく反れた。
「……ここが一番感じちゃうんだよね、斗貴子さん?」
「え!?どどどうしてそれを!!!」
「斗貴子さんの反応見てたらバレバレだって」
羞恥に染まる斗貴子の顔を見て、カズキは心が満たされた様な気分になる。
別に嗜虐趣味がある訳でなく、単に彼女のそういった表情が好きなのだ。
「恥ずかしがらなくてもイイって。斗貴子さんのそんな所も可愛いから」
「キミがそう思ってくれるのは…嬉しいがっ………!」
「が……何なの?」
「…私が…エロスな女みたいじゃないか…キミにそんな事言われたら…………」
別にいいじゃない、と真顔でカズキが答えた。
「俺は斗貴子さんの事が好きだから、エロスな斗貴子さんも大好きだよ」
「ッ!!………そ、そうか?」
「ウン、キレイだし可愛いし。
 それに、エロスっていっても斗貴子さんは他の人とこんな事しないでしょ?」
当たり前だ!と斗貴子は叫んだ。
「キミ以外の男と寝るなんて……考えただけでも吐き気がする!」
斗貴子は眉間に深い皺を刻みつつそっぽを向いた。
カズキは背中に冷たいものが流れるのを感じていた。
カズキの知る限り、嫌悪感を前面に押し出した時の斗貴子程恐ろしいものは無い。
80名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:02:11 ID:EPCHkhqq
「と、とにかくさ。俺は斗貴子さんのそんなところも好きだから、気にしないでよ」
緩々と顔の緊張を解しながら、本当にか?と斗貴子は聞いた。
「当たり前じゃない!」
「…ありがと……」
斗貴子は熟れたリンゴの様な色を宿しつつ、カズキに抱きついた。
「じゃ、じゃあ早くしてくれ……私…もう」
「あぁゴメン、入れたまま動いて無かったね……よし、動くよ」
カズキも斗貴子の背中に手を回し、がっちりと斗貴子を固定すると、徐々に腰を動かし始めた。
「うぁぁ…カズキの……熱いな…」
「斗貴子さんの中もね…滅茶苦茶押し付けられて、凄く気持ちいい」
「バカァ…ふ、はあぁ…」
カズキの背中に爪が立てられる。しかし別に痛くは無い。
カズキももう慣れているし、彼女が気持ちよさに堪らずそうしているのだと思えば、
それもまた彼にとっては嬉しい事だ。
「斗貴子さんの奥、きゅんきゅんしてるのが分かるよ…もうイキそうなんだ?」
「んあ、だっだってぇ!キミが、キミの動きが激しいからぁ!!ひゃっ、くあぁ!!」
「それじゃあ一緒に、ね?」
「んん、分かった……」
斗貴子の返事を聞くや否や、カズキはピストン運動を速めた。
粘液の音が部屋中に響いている。
「きゃっ!?カッ、カ…ズ……ゥ…」
斗貴子は最早声を出す事も出来ないらしい。その代わり、斗貴子の蜜壷は一段と強く締まった。
「っ…と、斗貴子さん…そんなにされたら………出ちゃうよ斗貴子さん…」
カズキの我慢空しく、丁度肉茎が全て収まる位置で精は放たれてしまった。
それを受けて、斗貴子も無言のまま達した。
斗貴子の中が精液を欲しているかの様にカズキのペニスを搾る。
「斗貴子さん……やっぱり一番奥の子宮の所……感じるんだね。
 射精の勢いが当たっただけでイッたんじゃない?」
斗貴子は息も絶え絶えだったが、ジト目でカズキを睨め付けると、
「私が…その前から……声も出なかったの……知ってて言ってるだろ…」
とだけ言った。それから、ふっと微笑んでカズキにキスをした。
くちびるが離れた時には、二人ともが微笑んでいた。
81名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 19:03:00 ID:EPCHkhqq
「…これで温かく眠れそうか?」
「えへへへ、気持ち良かったよ」
「……………やっぱりキミはバカだ」
やはりお互いに抱き締めあいながら、二人は語らう。
「全く、キミの元気さときたら……。ピルを飲んで無かったらもう何人子供が出来てる事やら」
「斗貴子さんとの子供!?」
「はしゃぐな!」
だってぇ、とカズキは明るく続ける。
「斗貴子さんとの子供なんて…嬉しすぎるよ!」
「まだ早い!私達は高校生だ!」
「じゃあいつになったらいいの?」
率直にそう問うカズキに、斗貴子は答えに詰まってしまう。
「そ…それは…………………とにかく今は駄目だろう!育てる場所もお金も無い!」
「…それは……そうだけどさ…」
やっと言いよどむカズキを見て、斗貴子は内心ほっとする。
「まぁその話は置いといて、だ。カズキ」
「ん?何?」
「……最初の話に戻るが、もういいのか?」
「え?どういう事?」
「……もうシタくは無いのか、と聞いてるんだが?」
カズキはぎょっとして、耳まで真っ赤になった。
「と、斗貴子さん…」
「ちゃ、ちゃんと正直に言いなさい。………我慢は体に良くないぞ」
「じゃあ…もう一回だけ……」
カズキは後頭部を掻きながら斗貴子の肩に触れた。
「それしても……斗貴子さんって、ホントにお姉さんっぽいよね」
「急になんだ…と言うか、どういう意味だ?」
「んー、普段は色々俺の面倒見てくれたりしてくれるのに、
 ベッドの上とかここぞという時には俺の好きにさせてくれる所とか!
 斗貴子さんって俺の事しっかり立たせてくれてるなぁって」
「………」
表情にこそ出さなかったが、斗貴子は心中で呆れていた。
斗貴子はカズキを立たせようと思って身を引く訳では無いからだ。
カズキは自分自身の意志の硬さというものが分かっていないらしい。
「……まぁいいか」
「? どうしたの斗貴子さん?」
「なんでもない」
好意なのだから文句は言うまい、と斗貴子は決めた。
何よりも――
「そう。じゃあ、始めよっか」
眩しい程に笑っているカズキに、興が殺げる様な事を言いたくなかったのだ。
「ああ」
つられて、斗貴子も笑った。


暑すぎず、寒すぎず。二人が居る部屋の温度は、常にそれぐらいに保たれている。







冬の夜に―――了
82名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 20:38:55 ID:CDfnf8ue
エロスい…
カズキも斗貴子さんもエロスいっすよ…乙です
83名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 21:54:16 ID:dIWW0HYG
ラブラブでエロエロ!?
う〜ん、ブラボー!!
84名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:39:47 ID:Ui+KgScg
ブラボーだっ!
85名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 23:44:18 ID:YcoBNRUi
ブラボー! おお…ブラボー!!!
86名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 02:19:22 ID:4Th7/8pD
温度の高いH描写がたまらんぜ
87名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:03:57 ID:o1RjYDAO
カズキはホムンクルスを倒す
それができたら斗貴子さんはカズキに女を教える

ミオ先生ほどおっぱいないけどな、斗貴子さんは
88名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 01:28:40 ID:5RPFTr9N
あそこの造りも小さいからキュンキュン締め付ける名器だぜ?
89病院にて P1/3:2006/12/06(水) 19:09:04 ID:9gxuJNKd
カズキ誕生日記念で書いてたのに、間に合わんかった…
でも開き直って貼る。という訳で、3レス頂戴!
それから看護師や準看では歳が合わないだろうというのは、言わない約束だ。

11月中旬のその日。
カズキの定期検診の付き添いで、聖サンジェルマン病院へ。
戦いの日々が終わったとはいえ、カズキの胸に核鉄が埋まっている事実に代わりは無い。
カズキ以外の実施例がたった一人、それも今は月にいるとあっては不測の事態が起きない
とも限らない。その為、こうして定期的に検査を行うことになったのだ。
取り越し苦労で済めば、それに越したことは無い。
…不安が無いといえば、もちろん嘘になる。
検査中に廊下で待つ最中、思い浮かぶのは悪いことばかり。
だから気を紛らわせようと、来月のカズキの誕生日プレゼントを考えていたときのことだった。
「津村センパーイ!」
その声に振り返ると、看護師らしき女性が数人、こちらに歩いてくる。
ああ、思い出した。錬金戦団にいた頃の後輩達だ。服装の所為で見誤るところだった。
「お久し振りです。戦団縮小後、正式に看護師を目指そうと思いまして」
「そうか、それは良かった」
未だに一部の者、特に元戦士は新たな進路が決まらないと聞いている。
戦いの中に身を置いた人間が、日常の生活に溶け込むのはかなり難しいだろう。
戦士だった私には身に染みて判る。
私だってカズキがいなかったら…

「武藤さんの付き添いですか?」
「そうだ。…皆知っている話なのか?」
頷きつつ、尋ねた。
「戦団の病院関係者だけです。――今日はミニスカートじゃないんですね?」
「ああ。もうその必要は無いからな」
私の武装錬金、バルキリースカートは大腿部に装着し、そこからの生体電流で制御する。
それで素肌に直接装着する必要から、いつもミニスカートかショートパンツだった。
けれど錬金の戦士を退いた今、その必要は無い。
学校でも来学期からは銀成学園の制服に変更しようかとも考えている。
今まで着ていたニュートンアップル女学院の制服を着ているのは当然ながら私だけで、
一部で『武藤カズキ専用セーラー服』と言われているとの話もあるそうだ。
まるでカズキがセーラー服を着ているみたいじゃないか!
それになんだ、専用って?!3倍か?赤くなって3倍なのか?!
…まあ、最近はしょっちゅう赤くなっている気もするが…
……ゴホン。
それに私だって、ああいう可愛いのを着てみたい。似合わないかもしれないけれど。
あの制服に憧れて必死に勉強し、入学した子もいると聞く。――カズキもそうだ、という噂が
あるが、何かの間違いだろう。
きっと、まひろちゃんの話が間違って伝わったに違いない、うん。
でも何故だろう。
ああいうヒラヒラした服を見ると、懐かしいような哀しいような、妙な気持ちになる。
だが、そんな私の思いも知らず、彼女達はとんでもないことを言い出した。
90病院にて P2/3:2006/12/06(水) 19:10:03 ID:9gxuJNKd
「もう必要無いって、武藤さんを彼氏に出来たからですかぁ?」
「もう誘惑する必要ないですもんねぇ」
「ゆ、誘惑?なにを言っているんだ、キミ達は?!」
思いもしない話の展開に虚を衝かれてうろたえる私に、だが彼女達は容赦なかった。
「だって、ミニスカートで階段を先に昇ったりとか」
「服の裾を捲り上げて、おへそを見せたりとか」
「おんぶして貰って身体を密着させたりとか」
「ミニスカートで膝枕、つまり後頭部に太腿直付けで、夜明けまで二人きりとか」
「武藤さんとの特訓から外されて、キレて暴れたりとか」
「美人の元信奉者を庇う武藤さんに嫉妬して、武藤さんを半殺しにしようとしたりとか」
「裸の背中に抱きついたり、逆に抱きしめてもらったりとか」
「何でもするとか、償うとか」
「衆人環視のもと、給水塔の上でキスとか」
「しまいには人前で、キミと私は一心同体だ!と叫ぶとか。それも何度も」
まるで回転するガトリング銃から飛び出す弾丸のように次々と喋る後輩達に圧倒される。
「ご、誤解だッ!!」
「「「してないんですか?」」」
「い、いやそれは…」
…否定は出来ない。なんか一部違うような気もするが。

「と・こ・ろ・で。どこまでイってるんですか〜?」
「?どこまでって?何がだ?」
「もう、しらばっくれちゃって!…やっぱり最後まで?!」
「一心同体ですもんね〜」
「一緒に暮らしているんですよね?」
「じゃあ毎晩、毎晩、朝まで――」
「ま、まだキスだけだッ!一緒に暮らしているといっても寄宿舎だぞ、人の目もある!!」
「じゃあ二人だけなら、とっくに?」
「「「きゃ〜〜ッ!!!」」」
…だめだ、先手を取れない…
「武藤さん、素敵ですもんね〜」
「最初からそのつもりで狙ってたって本当ですか?」
…それは…ほら、早合点とは言え、私を庇ってあんなことになったのだ。
好意を持たなかったといえば嘘になる。
それに可愛いコだと思ったし…って、ちょっと待て!
「だ、誰がそんな事を!!」
「「「早坂さんです」」」
「…早坂って、早坂桜花のことか?」
「ええ。以前、入院していたときに小児科の子供達と仲良くなったそうで。
 退院してからもよく遊びにきてくれるんですよ。
 それにゴゼン様、でしたっけ?あの自動人形も子供達に大人気で。
 もちろん子供達はラジコンか何かで動かしてると思ってるみたいですけど」
「…そおか。早坂桜花か」
91病院にて P3/3:2006/12/06(水) 19:10:37 ID:9gxuJNKd
……なる程、判った。事情はすべて飲み込めた。そういうことか。
わざわざ記録を調べたのだろう、ご苦労なことだ。
よろしい、早坂桜花。今度こそ、決着をつけよう。そのドス黒い腹をブチ撒けてやる!
その近い未来を思い、思わず低く暗い笑い声が洩れる。
「フフフフフ……」
「「「津村先輩、眼が濁ってるゥ?!」」」

その手順について数パターン考えていた為だろう、肩に手が置かれるまで気がつかなかった。
「斗貴子さん、お待たせ。終わったよ」
「カズキ?!」
「ビックリさせた?ゴメンね。…その人達は?」
戦団での後輩、と答える前に――
「「「武藤さんだ!」」」
「あの〜、津村先輩のほうから誘ったって本当ですか?」
なんという聞き方を?!誤解を招くじゃないか!!いや、そもそも初対面の人間に――
だが
「違うよ。オレが斗貴子さんを好きになったんだ。
 そして、斗貴子さんもオレを好きになってくれたんだ」
微笑みながらカズキが答えた。
…私の顔が赤いのは、恥ずかしいからじゃない。太陽のような、その微笑の照り返しのせい。
それが証拠に、ほら、後輩達の顔も赤い。
…仕方ない。今回は桜花の奴を見逃してやろう。

「じゃあ、オレ達はこれで」
別れを告げ、立ち去ろうとした私達に後輩の一人が言った。
「あ、それとキャプテンブラボーも似たようなことを仰ってました」

……
………
そおか。戦士長も、か。
とはいえ元・上司、それも退院間もない人間に手荒い真似も出来ない。
よろしい。そっちは千歳さんに極秘情報―に色をつけたもの―をメールするだけにしておこう。
後は千歳さんの判断だ。私には関係ない。
「フフフフフ……」
「と、斗貴子さん?!」

―おしまい―
92名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 20:20:09 ID:MauJzC/K
G・J!!!
93名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 20:23:29 ID:d30ZDthp
グッジョブ!
狼狽たえる斗貴子さんは可愛いなあ
行為の羅列にはワロタ 確かに傍から見ればそーゆー風にもとれるw
それにも増して最後のカズキの台詞がいい
やはり斗貴子さんにはカズキだ うむ
94名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 20:27:25 ID:WFp83HdJ
銀成市での言動がほとんど筒抜けでワラタ
ってか戦団である種の伝説というか、若い女性の間で話題になってるかもな
「戦団関係者で外部の人間と幸せになれた希有な女性」みたいな感じで
95名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 01:08:55 ID:thhMyA8L
武藤カズキ専用セーラー服に吹いたw
GJ!
96名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 01:47:14 ID:cqTiUiSh
ああ、もう、悶えるじゃないかwww
GJ!
97名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 03:02:03 ID:N4iDLGXB
GJ!

極秘情報を流されたブラボーの顛末も期待してみる
98名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 03:02:55 ID:sde6K/PA
カズキがこんな恥ずかしい台詞を言って平気なのは心臓が核鉄だからに違いない!
まっぴーのお兄ちゃん恥ずかしい、恥ずかしすぎる
99予想問題:2006/12/08(金) 00:59:58 ID:+523PDPS
みなさん、エロが上手すぎます!
100予想問題:2006/12/08(金) 01:01:35 ID:+523PDPS
それぞれの想い

「アラアラ、津村さんなんだか眠そうですわね」
そう言うと桜花は戸棚からマグカップを2つ取り出し、斗貴子の前の席に座った。
そのマグカップは桜花が自費で買ったマグカップで、その触り心地が好きだった。
ファイヤーキング。桜花の好きなブランドだ。
その柔らかなフォルムとツルリとした触り心地は、自然と桜花の気持を落ち着けてくれた。
気分が落ち着かない時やイライラしている時、そのマグカップにお気に入りの
アールグレイを入れて触っていると、不思議と気分が落ち着いた。
我ながら変な癖だとは思っていた。
しかし、そうすることで桜花はいつも自分が平静でいられる事を知っていた。
イライラして叫びだしそうなことがあっても、マグカップのその触り心地を楽しむことで、
いつでも生徒会長としての役割を冷静に全う出来たのだ

「うむ、昨日はよく眠れなくてな」
斗貴子はあくびを1つすると、頬杖をつきながら桜花の問いに答えた。
ここは銀成学園の生徒会室。
先日、学園祭が終わり、生徒会も今は落ち着いている。
先月までの忙しさがウソのようだった。
桜花はSainsbury's のアールグレイのティーバックを1つずつ、2つのマグカップに丁寧に
入れて熱いお湯を注いだ。
その途端にアールグレイの濃厚な、それでいて「芳しい」という言葉がピッタリの、
上品な香りが生徒会室に充満した。

「さっどうぞ」
桜花は斗貴子の前にマグカップを置くと、砂糖とミルクを1つずつ差し出した。
「む。すまんな」
斗貴子は礼を言ったあと、砂糖とミルクは入れずに、一口そのアールグレイを口に含んだ。
「!……コレ、すごく美味しい」
斗貴子はちょっと吃驚したような顔をして桜花を見ると、すぐにそのマグカップに視線を移した。
この紅茶がかなり気に入ったらしい。

「で、なんで寝不足なんですの?昨日は寝るのが遅かったとか……?」
桜花は斗貴子の反応に「当然」と言いたげな微笑だけで答えると、斗貴子に問いかけた。
「う……うむ。まぁ、そんな所だ。」
その後は言葉が出てこない。
斗貴子がこういう反応を見せるときは大抵何かある。
101予想問題:2006/12/08(金) 01:02:20 ID:+523PDPS
カズキがヴィクターから人間に戻って半年。
戦団の手伝いをしつつ、カズキ、斗貴子、剛太、桜花、秋水、毒島の6人は同じ学校に通っていた。
要請があれば書類整理の為に、週に何度か戦団の本部に行くこともある。
大体がペアで行くが、組み合わせは戦団が決める。
斗貴子と桜花の2人だけで行くことも今まで多々あった。

ちょっと前までは、斗貴子は桜花を警戒していた。
それは、今では錬金の戦士として戦団に協力している桜花だが、以前は信奉者としてLXEという
組織に所属していたこと。それからカズキに対しての言動があやしいこと………
しかし、何度か一緒に仕事をしているうちに、わずかだが打ち解けあってきていた。
それは、お互いをそれなりに認め合ってきていることと、カズキがヴィクター化した際に
パピヨンの元に丸腰で単身乗り込み、カズキを助けるために尽力したことを、斗貴子が半年前の
一件をまとめた報告書で読んだから。
報告書は千歳がまとめ上げ、戦団の日本本部を通って、イギリスの本部までまわされた。
今、原本はイギリスの本部の保管庫に眠っている。
長い長い錬金の歴史の1ページとして、これからも何百年何千年と貴重な資料として残ることだろう。

千歳は、資料を提出する前に関係者に資料を回覧して、訂正箇所がある場合は訂正させている。
その際に、斗貴子は全ての資料に目を通していた。

その報告書を読んで、斗貴子は桜花が自分の知らない所で何をしていたのか初めて知った。
また、斗貴子が入院中、カズキを失った自分を毎日のように見舞ってくれたことも覚えている。
時には叱咤し、時には一緒に涙を流してくれた。
斗貴子が泣きつかれて寝ている日にも、ベットの横のイスに座り斗貴子の寝顔を泣きながら
見ていたことがあった………と、後に看護師の人から聞いていた。
そんなことが、斗貴子の桜花への警戒心を溶かしてくれていた。
カズキに対する言動ですこし引っかかるが、特に何もしてこないことから、
最近では(気のせいだろう)と思うようにもなってきていた。
102予想問題:2006/12/08(金) 01:02:55 ID:+523PDPS
2人はそのアールグレイの香りにうっとりとしつつ、窓の外を眺めていた。
すこし肌寒いが、日差しが射すとまだ暖かい。
生徒会室の前を楽しそうな声でおしゃべりしながら通り過ぎる生徒達。
校庭のグラウンドでは陸上部が練習をしている。
隣の棟では、吹奏楽部が練習を始めた。
いつも通りの放課後の風景。

窓から見下ろす校庭の反対側にある体育館で竹刀のぶつかる音がし始めた。
剣道部の練習が始まったようだ。
今日は秋水の部活の練習にカズキが顔を出す日。
そして、斗貴子と桜花はそれぞれ カズキと秋水の練習が終わるのを待っている。
最近何度かある風景だった。
「でも、私……本当にカズキ君には感謝してますの」
「?」
「1年前まで、こんな穏やかな日々が送れるとは夢にも思っても見なかった……」
「……ああ」

桜花は本当に心の底からそう思っていた。
早坂真由美からの呪縛に苦しみ、世間から隔離され見捨てられていた時代。
今思うとゾッとする時代。
秋水と2人の世界にとじこもり、世間を拒絶していた。
つらくて切なくて、2人だけの世界を作ろうと本気で思っていた。
暗く、冷たい、暗黒の時代。
だが、暗闇で凍えてもがき苦しんでいた2人を、まるで太陽の光のようにやさしく、
それでいて力強い想いで包み込み暗闇から引きずり出してくれた人がいた。
その光で、2人の硬く冷たい暗闇を溶かしてくれた人……
桜花は心の底からカズキに感謝していた。
その人に特別な感情が芽生えるのは自然なこと。
そして、その特別な感情には桜花自身も気付いている。
103予想問題:2006/12/08(金) 01:03:33 ID:+523PDPS
「……私もそうだ。戦いの中から日常への道を、日の光で足元を照らしてくれたのはカズキだ」
「本当に感謝している」
斗貴子はマグカップに視線を移し、ポツリポツリと話し始めた。
言葉を選ぶようにゆっくりと。
「カズキがヴィクター化して月に行った頃からな……夜、よく夢を見るんだ」
「夢?」
「そう……カズキが月に行って二度と帰ってこない夢」
そう言うと、斗貴子は少し照れたような顔で桜花を見た。
いい歳をしてバカみたいだろ?……と言いたげな顔で桜花を見る。
しかし、その目が少し潤んでいるのを見て、桜花は困ったような微笑しか返せなかった。
いつもの気丈さがなくなり、今、自分の前で弱い面を見せている斗貴子の顔に、
カズキが月に行ってしまった後、しばらく病院に入院していた時の斗貴子の顔が重なったからだ。
斗貴子はまた窓の外に視線を移すと、話を続けた。
「そんな夢を見たあと、きまって眠れなくなる。そうなると、あとは朝が来るのを待つだけ……
 一番いいのは頭から水をかぶって、寄宿舎の中庭で月を見上げることでな。そうすると、少しだけ
 落ち着くんだ。そしてその夢はカズキが帰ってきてからも時々見てしまう」
「……カズキくんは知っているの?」
「……うむ……ちょっと前に……バレた」
「バレた?」
「ああ……カズキに心配を掛けさせたくないから黙っていたんだが、
 こないだ中庭で立ちすくんでいる所を見られてな……」
「そしたら?」
「……怒られた」
「怒られた?」
「ああ……怒られて……泣かれた。『なんで自分を頼ってくれないんだ』と思い切り怒られた後、
『でも、それは俺のせいだ……ごめん……ごめん……』と泣きながら謝られた……」
「……カズキくんらしいですわね……」
「それからは、夢を見た時は携帯にメールをいれることになっている。そうすると、夜中でも、
 明け方でも、嫌な顔一つしないでカズキが来てくれる……」
「それから一晩中一緒に?」
「ごっ……誤解するなよ!なっ……なにもしない!///」
「たっ……ただ、手を握っていてもらうだけだ……あっ……あとは、何も無い!」
斗貴子があまりに慌てて否定するので、桜花はつい笑ってしまった。
「プッ……わかりました、そういうことにしておきますわ……ククッ」
「ほっ……本当だぞ、本当なんだからな……」

実際、カズキは斗貴子が再び寝付くまで、手を握ってやるだけだ。
自分のことでうなされて、今にも泣きそうな大切な大切な年上の彼女。
カズキは申し訳ないという気持ちと、少しでもラクにしてあげたいという気持ちだけで
斗貴子の部屋に来ている。
「斗貴子さん、大丈夫だから……オレはずっとここに居るから」と言いながら
手を握っていると、斗貴子はいつのまにかすぅっと寝入ってしまう。
その後は、寝ている斗貴子の前髪をかき上げて、おでこに唇を当てるだけのやさしいキスを
して出て行く。「だんだん、寝付く時間が短くなってるな……」最近カズキはそう感じていた。

はじめて斗貴子が悪夢にうなされて眠れない日があると知ったとき、
スガキは凄いショックを受けた。
自分が知らない所で斗貴子が苦しんでいた……そう思うと、自分への怒りと
斗貴子への申し訳ないという気持ちで、胸が張り裂けそうになり、自責の念に駆られた。
その日から、斗貴子が悪夢にうなされた日は
再び斗貴子が寝付くまでそばに居てあげようと決心した。
104予想問題:2006/12/08(金) 01:04:05 ID:+523PDPS
その日、初めて斗貴子が悪夢にうなされて眠れない夜があると知った日。
カズキはなぜか夜中に目が覚めてしまっていた。
窓から月の光が射し込み、部屋全体がぼんやりと明るかった。
しかし、カズキ自身はあの日のことを思い出すことなく、ただボーッと月を見上げていた。
「月が綺麗だな……」
まだ半分寝ぼけている頭でそう考えていた。
しばらく月を眺めた後、喉の渇きを覚えて冷蔵庫を開けてみたが飲み物は何も無かった。
「ああ、昨日の夜に全部のんでしまったっけ」
カズキは食堂の自動販売機にジュースを買いに行くために、自分の部屋を出た。
階段を降りて、食堂までの廊下を歩く。
何気なく窓の外に目をやると、斗貴子が立ちすくんでいた。
頭がずぶぬれで、目が赤く、今にも泣きそうな顔でぼーっと一点を見つめている。
斗貴子が見つめているのは……月。
カズキは一瞬で全てを理解した。
頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けた。
あれから半年。
斗貴子も自分も、忙しくも楽しい学園生活で過去の辛いことなぞ忘れ去っていたと思っていた。
でも、それは自分だけだった。
斗貴子は苦しんでいたのだ。
いつからだろう。
もしかして、あの日からずっと?
毎晩?
体が勝手に斗貴子の元に走り出していた。

走って近づいてくるカズキに斗貴子が気付く。
「カッ……カズキ?」
「斗貴子さん……」
いつもならニコニコしているはずの年下の彼氏が歯を食いしばりながら立っている。
いつになく真剣な、悲しそうな目。
気付かれた……そう察した斗貴子は、下手な言い訳を考えるのをやめた。
2人ともうつむいたまま、しばらくどちらからも言葉を発しなかった。
ややあって、カズキが声を搾り出すように喋り始めた。
「ね……眠れないの?」
「……う…うむ。ちょっとな……」
「あの時の事を思い出して?」
「………う…ん……」
斗貴子は時々夢を見て眠れない日があることを正直に話した。
そして、そんな日はこんな風に一晩中月を見ていたことも。
105予想問題:2006/12/08(金) 01:05:12 ID:+523PDPS
ポタッ
涙が中庭の草の上に落ちる。
涙の主はカズキだ。

「カズキ?」
「言って欲しかった……つらいならつらいと……だって悪いのは俺なのに……」
「いや……これは…その……」
「原因はオレだけど……もっと頼って欲しかった……。
 オレじゃだめ?オレでは斗貴子さんを安心させられない?」
「そっ…そんなわけないだろう!君しかいない!君の事で苦しんでいるんだ……
 分かりきったことだ…」
「じゃあどうして一人で苦しむの?俺達、一心同体だって……」
「……や…約束したな……すまん……」
「ごめん……」
「え?」
「でも、その原因はオレだから……だから……ごめん………」
「カズキ……」
「ごめん………ごめん………」
「もういい……もう謝るな」
斗貴子はそう言うと、はだけているカズキのパシャマの上着とTシャツの間に両手を滑り込ませ、
カズキの体に抱きつくようにして胸に顔を埋めた。
「すまん……一人で悩んで……もう一人では悩まない……だから…だからもう謝るな」
「………うん」
カズキは頷くと、パジャマの上着の中にすっぽりと入り込んでいる斗貴子を抱きしめて、
斗貴子の髪に顔を埋めた。斗貴子の髪の匂いがカズキの自責の念を落ち着かせ、
カズキの匂いが斗貴子の高ぶった神経を落ち着かせた。
しばらくそのまま2人共動かなかった。

その日は斗貴子が寝付くまでそばに居ることを約束して、斗貴子の部屋に2人で戻った。
手を繋いで、頭を撫でながら、最近の楽しかったことを話したり、来週の週末に行く予定
になっている映画の話をして斗貴子を和ませた。しばらく眠れなかったが、それでも外が
少し明るくなりかけた頃に斗貴子はコトリと寝入ってしまった。
カズキはしばらく斗貴子の寝顔を眺めていたが、最後に頭をひと撫でして部屋を後にした。
「もう二度とこの人を悲しませない」と決意をしながら。

次の日、カズキは斗貴子に2つの約束をさせた。
1つは夢を見て眠れないときはすぐにメールをすること。(そうしたら夜中でもすぐに飛んでいく)
もう1つは、もう二度と1人では悩まないこと。
この2つの約束を斗貴子は快諾し、それ以来その約束は破られていない。
106予想問題:2006/12/08(金) 01:05:58 ID:+523PDPS
「ということは、今日の寝不足もひょっとして……?」
「うむ。でも久しぶりだったな。最近はあの夢を見るペースは落ちてきている」
「あらあら、じゃあカズキくんも寝不足なんじゃ……」
「私もそう聞いてみたんだがな、あの子は「オレは元気だから大丈夫」だと。
 剣道の練習も楽しみにしていたし、まぁ大丈夫だろう」
そう言うと、斗貴子はまたあくびを1つして紅茶のお代わりをお願いした。
「この紅茶、美味しいな。すまんがもう一杯もらえるか?」

それから、斗貴子と桜花は戦団のこと、学園生活のこと、来年入る桜花の大学のことなど、
時間を忘れて話をした。2人とも、別々の理由だが今までは味わうことが無かったノンビリ
とした時間を楽しんでいた。
しばらくして、体育館の方を見た斗貴子が言った。

「んっ、剣道部の練習が終わったぞ」
「あらあら、じゃあそろそろ行きましょうか」

2人は立ち上がってマグカップを片付けようとしたが、桜花の動きが止まった。
桜花は冷たくなったマグカップを見てようやく気がついた。
(今日はマグカップを触る癖が出なかった……)
前まで、斗貴子とカズキの話になると、いつもマグカップを忙しげに触っていた。
それは、自分がカズキに特別な感情を持っているからだと気付いてはいた。
だが、だからどうにかしようとも思ってはいなかった。
少しずつ、気持ちが整理されるのを待っていたのだと思う。
そして、今日は斗貴子とカズキの話をしていても、いつもの癖が出なかった……。

ようやく気持ちに整理がついたのだと思うと、少し嬉しくもあり、寂しくもあった。
カズキと出会うまで恋なんてする気が無かった桜花にとって、その淡い特別な感情が
消えてしまうのは勿体無くもあった。
もう少し、このくすぐったい感情と戯れていたかったが、そうもいかない。
秋水が自分の道を歩き出したように、自分も歩き出さなくてはいけない。

「やっと歩き出せる……か…」
「ん?何か言ったか?」
「あ、いえいえ、なにもありませんのよ」
「じゃあ、行こう。カズキと秋水が校門で待ってる」
107予想問題:2006/12/08(金) 01:06:40 ID:+523PDPS
桜花はマグカップを片付けながら (これでいい) と思った。
ここに留まり続けず、カズキが開いてくれた無限に広がる道を自分で選び、
そして自分で歩き出すことがカズキへの恩返しのような気がするから。
その道の先には、あの日に見た太陽の光に似た明るい何かがあるような気がするから。
そして、たとえ自分が選んだ道に太陽の光が射してなくても
決してひるまない勇気をもらったから。
だから歩き始めよう。
「さっ行きましょうか」
桜花が斗貴子の背中を押しながらしっかりした足取りで生徒会室から出て行く。

2人が出て行った生徒会室から真っ赤な夕日が見える。
焼けるような真っ赤な夕日が、雲に反射してキラキラと輝いている。
日々成長し、変化していく子供達を照らしている。
いつも通りの放課後の風景。
だが、もう同じ日は二度とない放課後の風景。

−オワリ−
108名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 01:44:35 ID:P3cINvMV
……グ  ッジョオオオオオオオブ………!


なんかスゲーしんみりした後ぽかぽかしてきた
桜花さんはやっぱりイイ女だな
そしてカズキと斗貴子さんのほのぼのカップルに萌えた
寝る前にいいもん読ませてもらいました!
109名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 02:00:25 ID:CyPWPpI3
静かで、それでいて力強さを感じる良い話を読ませてもらった。ありがとー!
蝶GJ!!
110名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 01:42:03 ID:YVzCGAUd
GJ。
エロは無いけど、普通に読ませる話だな。いい感じ。
111名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 03:23:30 ID:NKZk5HA+
お話が上手いだけに
酢牡蠣がツボハマっちゃった
ごめんよ
112初デート1/8:2006/12/09(土) 04:45:02 ID:FqvbkjSc
パピヨンの核鉄回収騒ぎから2ヶ月たった2月半ばの夜のことだった。
寄宿舎の一室に5人の男子生徒と5人の女子生徒と1人の大人が集まっていた。
「じゃあ議題は来週のスキーについてだ。場所は新潟の白熊スキー場。参加者は13名だ。」
六舛が場を仕切っているとまひろが大騒ぎしだした。
「キャー!!みんなでスキー!!ひゃほおぉぉぉう!!」
参加者は前回の海の時のカズキ、斗貴子、まひろ、岡倉、大浜、六舛、ちーちん、さーちゃん、
ブラボーに加えて、3年の桜花、秋水、転入生の2年中村剛太、1年毒島華花も加えて13人になっていた。
本当は3学期から赴任して何の因果か生徒の人気者になっていた火渡英語教諭をブラボーが誘ったのだが、
「あ!?クソ寒い時期にクソ寒い場所にわざわざ行くなんて馬鹿のすることだ。」と一蹴されていた。
「なお各自当日までにスキー用具一式を用意しておくこと。議題は以上!では解散。」
今回の会議を仕切っていた六舛がそういうと、各自自分の部屋に戻っていった。
スキー用具を買いに行かないといけないなと斗貴子が考えているとカズキが声をかけてきた。
「ねぇ。斗貴子さん?いっしょにスキーウェア買いに行かない?それといっしょに映画でも・・・」
そこまで聞いた後は斗貴子の耳には聞こえていなかった。
(カズキとショッピングと映画。これは・・・これは俗に言う初デートと言う物かぁあああ!!)
カズキは斗貴子のバックに荒れる日本海が見えたような気がした。
「明日の金曜は14時で終わりだから放課後に行こう。じゃおやすみ。」
そういうとカズキは自分の部屋に入っていった。
その夜、斗貴子は深夜3時ごろまで興奮して眠ることが出来なかった。
「2人でいっしょにショッピングを楽しみ、二人で愛をこめたおそろいのペアリングを買って、
今話題の恋愛映画を見て、おしゃれなレストランで夕食。最後に2人は夜の街に消える。・・・。」
斗貴子はベットのなかで多分他に人がいたら絶対に言うことはないようなひとり言を眠るまでつぶやいていた。
初キスから半年はたつが、二人はまだ想いを遂げていなかった。
「明日こそは・・・。」そう思うと斗貴子はいつの間にか眠りについていた。

翌日の放課後、いったん寄宿舎に戻って2人は普段着に着替えた。
カズキはジーンズに白いセーターと山吹色のマフラーという格好、斗貴子は紫色のパーカーに黒いミニスカート、
毛糸の虹色の手袋に赤いマフラー、黄色のヘアバンドに髪で隠れた緑色のピアス、茶色のブーツと言う格好だった。
ヘアバンドやピアス、ブーツなんて普段斗貴子は身に着けることはないが、今日は特別だった。
自分の服を買いに来たり、ロッテリやで食事をしたりと頻繁に来る銀成の街だったが、斗貴子にだけは
いつもと違って見えた。これが俗に言う恋する乙女フィルターなのだろうか?
2人はまずスポーツ用品店に入った。
113初デート2/8:2006/12/09(土) 04:45:49 ID:FqvbkjSc
「俺はスノーボードに挑戦してみようかな?斗貴子さんスキーやったことある?」
「私の故郷は温暖な島だったからな。戦士となってからは任務ばかりでスキーは初めてだ。」
「じゃあ俺が手取り足取り色々と教えてあげるよ。何を隠そう俺はスキーの達人だ!!」
斗貴子はカズキとの2人だけのスキー教室を妄想して悦に浸っていた。
「斗貴子さん?どうしたのボーっとして?」
「は!?い・・・いや!!なんでもない!?気にするな!!」
最近斗貴子は気がつくとカズキのことを考えてボーっとしていることが多くなっていた。
2人はおそろいのスキーウェアとカズキはスノーボード、斗貴子はスキー板を購入した。
斗貴子はペアルックでスキーをする光景を想像して顔を赤くしていたが、カズキは気がついていない。
スポーツ用品店を出ると、斗貴子はカズキに言った。
「なあ、二人で・・・。そのお揃いの指輪を買わ・・・」
「次は映画だね。あ、次の上映時間もうすぐだ。急ごう。」
「いや指輪・・・。まあいい。ところで映画は何を見るんだ?やはりここは今話題の『エンバーミングU』とか・・・。」
「もちろん『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』だよ。」
「はぁ?今なんて言った?ウルトラ・・・マン?」
「だって昭和50年の1月放送のウルトラマンレオ第40話で円盤生物襲われて行方不明になったウルトラセブン、
モロボシダンが31年ぶりに帰って来るんだよ!?これは男なら見に行くしかない!!」

「何をやっているんだメビウス!!そこだ!!行け!!臓物をぶちまけろ!!」
「と・・・斗貴子さん・・・?」
幼い頃津村家の屋敷で牛部少年とウルトラマンシリーズのビデオを見ていた斗貴子は、気がついたら
カズキの数十倍以上大興奮していた。とくに好きだったウルトラマンタロウが登場すると鼻血まで出す始末。
「そこだ!!殺れ殺れ!!超獣の脳漿をぶちまけろ!!」
「あの・・・うちの子がうるさいって言っているんで少し静かにできませんか?」
「すみません。すみません。本当にすみません。」
大興奮して鼻血を出しながら暴走する斗貴子、後のおじさんに注意されて平謝りするカズキ、
そして映画はクライマックス。結局カズキは童心に戻りまくった斗貴子を最後まで止められなかった。
「いいぞブラボーだ!!ウルトラ兄弟!!蝶サイコーだ!!・・・・は!?」
口調まで変わるほど大興奮していた斗貴子はエンディング終了と同時に我に返り、顔を真っ赤にした。
よほど恥ずかしかったのかカズキをを置いて半泣きで映画館を飛び出していった。
114初デート3/8:2006/12/09(土) 04:47:20 ID:FqvbkjSc
「ハァハァハァ・・・。最悪だ。史上最悪だ。私は馬鹿だ」
映画館から逃げ出した斗貴子は映画館の裏の人気のない狭い路地で自己嫌悪モードに入っていた。
18にもなって人前で、しかもカズキの前で興奮して映画館で大騒ぎをしてしまった。
しかも興奮して鼻血まで出してしまったし、きっとこの噂は町中に広まるだろう。
それにカズキからも特撮ヲタの変態女として白い目で見られるに違いない。
そう思うととてつもなく気が重かった。
「いたいた。斗貴子さん?あ、まだ鼻血止まってなかったんだ。はい、ティッシュ。」
映画館館内から点々と垂れていた鼻血の後をたどってカズキが追いついてきた。
「斗貴子さん。ビックリしたよ。あんなに興奮して・・・。」
「すまない。私もパピヨンと同レベルの変態かもしれない。もう死んでしまいたい・・・。」
「斗貴子さんもウルトラマン好きなんだ。こんど俺の部屋でいっしょにDVD見ない?」
さっきの自分の痴態を気にもとめていないカズキに斗貴子は安心した。
「・・・ああ。ありがとう。君といっしょか。」

「そろそろ夕食時だな。何を食べるんだ?」
「え?そりゃあいつもの店(=ロッテリや)でしょ?」
斗貴子の問いにカズキは当然のように答えた。
「いや・・・。今日はもっと別の店にしないか?」
「ん〜。たしか駅の東口高架下のラーメン屋が美味しいって評判だったなぁ。」
「もっとおしゃれな店にしてみないか?例えば海の見えるビルの高層階のレストランとか・・・」
「埼玉に海ないよ。あ、高層階の店がいいなら駅ビル5階の焼肉バイキングにする?」
「・・・・・・・・。ロッテリやでいい・・・。」

二人がロッテリやに入ると錬金戦団戦士長にして私立銀成学園高校英語教諭の火渡が座っていた。
「よう。高校生の分際で逢引きとかいい度胸してるな?」
二人で糖尿病になるくらい甘い夜をすごしたかった斗貴子はこの野暮な男には関わりたくなかった。
「出るぞカズキ!!店員さん!!やっぱりお持ち帰りで!!」
「え、いいんですかブチマケ女さん?偽善君はあちらの盛り上がってますけど?」
「誰がブチマケ女だ!!ってえぇ!?」
驚いて斗貴子は振り返る。
二人は一生懸命教頭先生への不満をぶちまけていた。
115初デート4/8:2006/12/09(土) 04:47:57 ID:FqvbkjSc
「教頭のクソハゲが!!校舎裏でヤンキーといっしょに煙草吸ってたぐらいで怒鳴りやがって!!」
「うんうん。俺なんかLXE戦のころにブラボーの特訓でバテて廊下で熟睡したら叩き起こして教頭室送り。」
「あとこの前も3年の不良と校庭の落ち葉を集めて火遊びしてたら花壇に飛び火して減給処分だ!!」
「何て横暴なんだ教頭先生!!火渡は校庭の掃除をしてゴミを焼却処分しただけなのに!!」
「武藤カズキ!!お前とは案外気が合いそうだな!!」
「あんたこそ思ったよりも面白い人だな。」
生徒と煙草を吸うなんて怒られて当然だし、廊下で白目剥いて熟睡していたら誰だって注意するし、
最後の火遊びにいたっては全焼した花壇からさらに校舎に飛び火しそうだったのだから減給は当然だ。
そう斗貴子はツッコミを入れたかったが、二人の空気に斗貴子が入っていくのは容易でなかった。
結局カズキと火渡は2時間話し続けてその間斗貴子は蚊帳の外だった。

斗貴子は少し落ち込んでいた。ショッピング、映画、夕食と立て続けに失敗している。
しかもこの空気では二人で愛の世界に入ることは難しい。
「火渡って第一印象は超最悪だったけど、そこまで悪い人じゃないね。」
「ああ。そうかもしれないな。」
カズキのたわいもない話にどこか上の空で返事を返す斗貴子。
斗貴子がふと気がつくと二人はラブホテルが立ち並ぶホテル街を歩いていた。
こんなところに連れてくるとはカズキも最初からそのつもりだったのかと斗貴子は思った。
「・・・。君が望むのなら私は覚悟はできている。ただゴムだけは忘れるな。」
「え、ああ輪ゴムならカバンの中にいくつか入れてあるけど?なんに使うの?」
「馬鹿!!そのゴムじゃなくて・・・」
「ああ、ヘアゴムならまひろのがカバンの中にあるよ。」
「違う!!っていうか何で妹のヘアゴムを持ってるんだ!?私が言っているのはコ・・・コンドー・・・ム」
「コ・・コンドー?あ、ああ新撰組局長の近藤勇ですか?」
「カズキ?わざと言っているだろ?コンドーム!!避妊具だ!!」
その斗貴子の台詞を聞いたカズキは顔を真っ赤にして激しく動揺した。
「え?え?えぇええええ!?でも、あの?俺達高校生だし?それに、あの、その・・・。」
「・・・。そうか。君はそういう気じゃなかったのか。スマン忘れてくれ。」
「・・・・。斗貴子さん!!」
「な・・・なんだ!?」
「俺まだそういう経験はないからお手柔らかにお願いします。」
「馬鹿を言うな。私だって初めてだ。」
116初デート5/8:2006/12/09(土) 04:48:37 ID:FqvbkjSc
ホテルに入る前にコンビニに寄る二人。
かごの中にコンドームと雑誌、ホットコーヒーなどを入れてレジに並ぶ。
レジの店員は20代前半くらいの男だった。
(あいつらこれからヤるのかよ。うらやましいぜ畜生。)
店員がレジを打っている間斗貴子は店員にそう思われているような気がして真っ赤になった。
もちろん店員はいつものことなので気にもとめていないはずだが、やはりこういうものを買うのは恥ずかしい。
「店員さん。これってどういう風に使えばいいんでしょう?俺初めてだからよくわからなくて・・・。」
カズキは特に何も考えていないのだろうが、店員と斗貴子はギョッとした。
さらに顔を真っ赤にした斗貴子はカズキの目を指で突き、会計を済ませるとカズキを引きずってコンビニを出た。
「あ!!お客様4231円お釣りが!!お客様!?」
恥ずかしさのあまり斗貴子には店員の言葉は聞こえていなかった。
店員は慌てて追いかけるが、店の外に出た頃にはすでに錬金の戦士の身体能力で遠くに走り去った後だった。

二人ともラブホテルは初体験。フロントで案内されて部屋に入った。
「へ〜。ラブホってこういう感じになってるんだ。そこらのビジネスホテルより設備いいや。」
「まったく。コンビニの店員にあんなことを聞いて。馬鹿か?」
「いや、間違って斗貴子さんを妊娠させたら申し訳ないから使い方を聞こうかと。」
「こういうのは説明書が付いてる。それにしても一度も君は私を求めてこなかったから少し不安だった。」
「俺も・・・。斗貴子さんにそういう話をして嫌われたらって思うとなかなかいい出せなくて。」
「私はずっと待っていたんだがな。女の子のほうから言わせるなんて君は最低か?」
「ごめんなさい。反論の余地もありません。」
「謝罪はいい。代わりに精一杯の愛で返してくれればな。」
そういうと二人は抱き合って甘く、熱いキスをした。
キスをしたままカズキが斗貴子の服に手をかけて上手に脱がしていく。
「か、カズキ!?君は本当に初めてか?脱がすのが異常に上手いのだが?」
「ああ、昔何度かまひろで練習しているからね。」
「な!?ななななな!?君達は兄妹でそんなことを!?」
「幼稚園の頃に両親の寝室での行為を真似して。って脱がしあいだけだよ!!近親相姦とかじゃないから!!」
「な、ならいいが。幼い兄妹ってそんなものか?」
117初デート6/8:2006/12/09(土) 04:50:02 ID:FqvbkjSc
ついに斗貴子を生まれたままの姿にしたカズキはその美しい裸体に見とれていた。
「ジーっと見るな!!恥ずかしいじゃないか!!」
「斗貴子さん。綺麗だよ。」
「そうか?私は桜花やまひろのように胸はないし、正直スタイルに自信はないぞ?」
「スタイルなんか気にすることはないよ。斗貴子さんは世界中の誰よりも綺麗だよ。」
「ありがとうカズキ。」
カズキは斗貴子の秘部を舌で愛撫し始めた。
「ん・・・あぁああ!!か・・カズキぃ・・・。」
斗貴子の甘い声がラブホテルの一室に響き渡る。
まだ斗貴子は処女で誰にも性感帯は未開発、しかも自慰行為も経験がない。
なのに何故チェリーのカズキがここまで感じさせるテクニックを持っているのか斗貴子は不思議だった。
だが途中から快感が全身を貫き、それ以上考えることが出来なくなった。
「あぁあ!!あ!!あぁああ!!カズキ・・・そろそろ。」
「ん。了解。じゃあ挿れるよ。」
カズキの陰茎を斗貴子の陰部が飲み込む。斗貴子の陰部からは処女を失った証の鮮血が流れた。
「斗貴子さん?痛くない?」
「す・・・少し痛いが今までの戦闘での傷の痛みに比べれば何と言うことはない。」
「じゃあ動かすよ。」
カズキのピストン運動に最初は苦痛を伴ったが、すぐに快感へと変わった。
「斗貴子さんの膣内。暖かくてすごく気持ちいい。」
「か、カズキのが私の膣内で暴れている!!あぁああ!!あ!!すごい!!」
挿入開始から8分が経過し、そろそろ二人とも絶頂を迎えようとしていた。
「斗貴子さん!!俺もうそろそろ・・・」
「いいぞカズキ!!私も何か・・・変な感覚が・・・」
「あ!!出すよ斗貴子さん!!」
「あぁああ!!あ!!は・・・臓物に!!ぶちまけろ!!」
カズキと斗貴子は同時に絶頂を迎えた。

「臓物にぶちまけたら妊娠しちゃうよ。それにゴムつけてるし。」
「わかってる。だが快感で脳内が真っ白になる瞬間自然に出てきたんだ。」
「ね、斗貴子さん?もう1回いい?」
「ああ。君が望むなら。って待てぇ!!そのまま挿れる気か!!ゴムを新品に交換しろ!!」
118初デート7/8:2006/12/09(土) 04:51:15 ID:FqvbkjSc
翌朝、土曜日の午前9時。
カズキと斗貴子はラブホテルから出てきたところで聞きなれた声が聞こえた。
「お兄ちゃんおめでとう!!斗貴子さん?お兄ちゃんとの感想は!?」
「カァアアアアズキィイイイ!!ついにそこまで行ったのかこのヤロウ!!」
「おめでとうカズキ君。」
「ついにチェリー卒業か。お祝いに何かおごれ。」
「マッピーのお兄さん朝帰り!!」
「ま・・・まだ二人とも高校生なのに・・・。過激です・・・。」
ホテルの入口にまひろ、岡倉、大浜、六舛、さーちゃん、華花が立っていた。
「な!!何故君達がここに?」
顔を真っ赤にした斗貴子がみんなに尋ねると6人の後からパピヨンが現れた。
「蝶人パピヨンは空から何でもお見通しさ。ちょっと冷やかしてやろうと彼らを案内したんだ♪」
再びラブホテルの扉が開いて高校生の男女が出てきた。
初体験を終えて男の顔になった剛太と何故かメガネをしていないちーちんだ。
「あれ?斗貴子先輩?武藤?何で?」
「み・・・みんないるの?恥ずかしい?」
突然の出来事に驚く剛太と恥ずかしそうにしているちーちん。
「きゃぁあああ!!ちーちんもおめでとう!!剛太先輩と結ばれたのね!!」
まひろはさらに超ハイテンションで大騒ぎ。そこへさーちゃんが一言。
「ところで何でめがねをしていないの?」
「え?剛太さんが『メガネがない君も可愛い』っていうからコンタクトにしてみたの。」
そこへ毒島華花の一言でカズキ、斗貴子、剛太は凍りついた。
「あれ?千里さんめがねがないと斗貴子さんに似てますね。」
他のみんなは「似てるなぁ〜」という反応だったが、かつての剛太の想いを知っている者は何か察したのだろう。
「剛太・・・。まさかお前・・・・。」
「武藤カズキ君?何ノ話デスカ?私ニハさっぱりわからないアルネ。」
しらばっくれてはみたがバレバレだった。
「誰か核鉄を持ってないか?ちょっと臓物をぶちまけたいんだが?」
斗貴子にいたっては剛太を恐怖に陥れるほど殺気立っている。
「ひぃいいいいいいいい。こ、殺される!!」
119初デート8/8:2006/12/09(土) 04:53:29 ID:FqvbkjSc
殺気を放つ斗貴子に剛太が怯えているとさらにラブホテルの扉が開いて高校生の男女が出てきた。
「お前は秋水!!それに桜花!!」
「きゃあああああ!!実の姉弟の禁断の恋!!」
「さ、さすがの蝶人パピヨンもこれは・・・。うぉおお!!あ!!マスクが!!」
驚く斗貴子、さらに大騒ぎするまひろ、そして驚きのあまりパピヨンマスクを落として動揺するパピヨン。
「あらあら。私たちは銀成学園行きの最終バスに乗り遅れたから宿泊しただけですのに。」
「姉さん。この状況は誤解されても無理はないと俺は思う。」
当の桜花と秋水は案外動揺していなかった。
「そうかぁああ!!これは6人でトリプルストロベリー!!乱交プレ・・ぬぶらぁ!!」
そこまで言いかけたところで斗貴子の拳が岡倉の腹部を貫いた。
「そんなことするかぁああ!!黙れ空前絶後超絶エロス!!」

そのころ彼らをビルの屋上から見つめている者がいた。
「ん。青春は良い!!とてもブラボーだ!!」
「っていうか防人君?彼らと合流するんじゃなかったの?」
「いや、あの空気の中に割って入るのも野暮だろう?ところで千歳?俺達も彼らのように・・・」
「嫌!!却下!!」
「・・・・・・・・」

さらにそんなブラボーと千歳をさらに高いビルの屋上から見つめる者がいた。
「防人君。人間の色恋とは難しく、そして空しいものなのですよ。」
「照星サン。老頭児が出刃亀とはいやらしいことこの上ねぇぞ?」
「火渡君ちょっと。HAHAHAHAHAHAHAHA!!」

今日は晴天、冬なのに日差しが暖かで過ごしやすい。
スキーまであと6日。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
初カキコです。お目汚し失礼しました。
120名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 08:55:39 ID:fH3X56bH
またネタ満載のSSだなw 面白かったよー
121名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 09:23:27 ID:Fc1wmpgx
朝から、すげー笑った。面白かったです。
スパルタンな斗貴子さんももちろん良いが、ボケな斗貴子さんも(ry
122:2006/12/09(土) 09:38:57 ID:v6p7oqPF
蝶GJ!どんだけ神なんですか貴方は!
もしや、超常選民のメンb(ry
123名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 16:00:31 ID:9ALSqxPa
>ところで千歳?俺達も彼らのように・・・」
>「嫌!!却下!!」

なんでブラボーホテルに行くの断られてるんですか?
高校生が入れるような安いラブホは嫌なんですか千歳さん?
124名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 18:58:36 ID:OibGBGAq
「予想問題」・「初デート」・・・GJ!!!!
素直に泣けたし素直に笑えた!!

次回も熱望  ロッテリやのフギュアと同じ位に纏めて本にならんかと、共に現実化熱望!!
 
いや、マジで・・・
125名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 19:18:34 ID:2rPK/0F/
乙v
斗貴子さん年上の威厳の全くねぇv
……だがそれがいい
126名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 00:45:07 ID:CmRupmjg
もう兄に土下座してでも俺のまひろとセックスしたいのですが。
127予想問題:2006/12/12(火) 01:21:07 ID:mO1RWeVp
ss投下します。
エロも同時に書いてましたが、皆さんのように上手くエロくなりません。
普通のSSの方が早く出来てしまいました。

実は、桜花、斗貴子の親友モノフェチです。
無駄に長くなりました。
淡々としていてあまり盛り上がりもありません。
ゴメンナサイ。ゴメンナサイ。
素人なので、色々細かいミスはすみません。
今回は酢牡蠣は出てこないはずです。
あと、誰か 桜花、斗貴子のツンデレ友情物語を誰書いて欲しいです。
個人的にツボに来るんです。
K-nessさんとか、書いてくれないかなぁ・・・
ダメかなぁ・・・
では、投下します。
128予想問題:2006/12/12(火) 01:22:12 ID:mO1RWeVp
Visit of spring.


夜8時。
もうあたりはすっかり暗くなっている。
息が白い。
コートがなければ、一歩たりとも外に出たくない。
そう思いながら、薄暗い街灯を頼りに桜花は家路を急いでいた。
ここの所、生徒会の引継ぎ作業で遅くなることが多い。
もう大学進学は決定しているので、授業自体はあってないようなものになっている。
毎日、生徒会の引継ぎ作業に行っているようなものだ。

公園の角を曲がると、桜花と秋水の2人が住むアパートが見えてきた。
窓は暗く、人の気配は無い。
鍵を開けてドアを開く。
「…ただいま」
言ってみるものの、誰もいない真っ暗な闇が出迎える。
暗闇を見ていると、つい子供の頃を思い出してしまう。
あの忌まわしい時代のことを。
ため息を1つついて、部屋の明かりを点ける。
秋水の部屋に目をやるが、そこに部屋の主はいない。
「…秋水くん……」

秋水は卒業後にお世話になる剣術の先生の所に一週間ほど前から行っている。
4月から始まる、向こうでの新しい生活の為に色々と準備が必要だから。
それに、ついでといってはなんだが10日ほど修行をしてくる予定になっている。
期間は全て込みで2週間。
4月からの1人での生活に慣れるため、この機会は喜ぶべきなのだが、もう既に心細くなっている。

前も秋水が長い間修行に出たことがあったが、あの時はカズキのヴィクター化の件があり、
心細いなどと言っている暇は無かった。
私達2人を暗闇から引きずり出してくれた人を救うために奔走していたからだ。
そして、気がつけば秋水と共に錬金戦団にスカウトされ、錬金の戦士として働いていた。
全ては、あの人を救うために。
129予想問題:2006/12/12(火) 01:22:52 ID:mO1RWeVp
今日は遅くなったので、スーパーで出来合いの夕食を買ってきた。
(簡単に済ませて、今日は早く寝よう)
桜花はそう思っていた。
熱いお茶をお気に入りのマグカップに注ぎ、
ガサガサとスーパーの袋から買ってきた惣菜を引っ張り出した。
割り箸でつつくが、イマイチ食欲が出ない。
「はぁ・・・」とため息をつくと、箸を置いてしまった。

前に進もう、新しい世界に自分一人の力で一歩踏み出そう、・・・その気持ちに揺らぎは無い。
それは確かだ。
これから進む道に明るい期待も持っている。
だけど、このもやもやとした不安な気持ちはなんなのか?
(これから始まる一人での生活に不安なだけ?)
いや、4月からは一人で一歩ずつ前進していかなくては。
そうでなくては、秋水に心配をかけるだろうし、
せっかく新しい道に導いてくれたカズキにも申し訳が立たないような気がしている。
(私は、結局弱い人間なのだろうか・・・)
桜花は、カズキや斗貴子のような、強い心が欲しかった。
あの2人は、あれだけの困難に真正面から立ち向かい、そして自分達の力で未来を作り出した。
(それに比べて私は、秋水くんがいなくなるだけで、こんなに不安になっている)
(こんな馬鹿馬鹿しい理由で、悩んでいたら彼らに笑われる)
そう考えると、桜花はますます落ち込んでしまう。
しばらくお気に入りのマグカップを指でもてあそんでいたが、
桜花は気分を変えるために、風呂に入ることにした。
髪を入念に洗い、ゆっくりとバスタブに身を沈めて体を芯まで温める。
この時ばかりはいやなことを忘れられる。
至福のひと時。

風呂から出て髪を乾かしていると、携帯が鳴った。
斗貴子からのメールだ。

Subject : 明日の件
本文:明日の放課後の件、まひろちゃんも連れて行っていいか?

なんともぶっきらぼうなメール。
(津村さんらしい)
そう思って、つい噴き出してしまった。
130予想問題:2006/12/12(火) 01:23:32 ID:mO1RWeVp
明日の放課後、2人で買い物に出かける約束になっている。
珍しく斗貴子がフリーだと聞いたので、桜花の方から誘ったのだ。

「あらあら、じゃあ明日はフリーなのね」
「ああ、明日カズキは六枡達と遊びに行くんだと」
「へぇー、一緒じゃないなんて珍しいわね」
「たまには男同士の時間も作らないとな・・・
 カズキは彼らとの付き合いの方が長いんだし、そういう時間は大切だ」
「・・・なるほど」

桜花はこういう斗貴子の感覚が好きだった。
独占欲が無いわけではないだろうが、それでもカズキの今までの付き合いや、
カズキが一人だけで過ごす時間を斗貴子は大切にしたがった。
(それでも、この2人が離れて行動するのはほんのわずかですけど・・・)
しかし、そういう気持ちを持っている斗貴子に桜花は好感を持っていた。

「じゃあ、明日は一緒に買い物に行きません?」
「買い物?」
「ほら、春モノの服が欲しいって言ってたじゃないの」
「ああ・・・、そうだな。そうするか。カズキを連れて行くとなかなか落ち着いて選べないからな・・・」
「じゃあ、決まりですわね」
「ああ」

Subject : Re:明日の件
本文:ええ、どうぞどうぞ。人数が多いほうが楽しいからね。明日が楽しみ。おやすみなさい。

メールを返信して、パチンと携帯を閉じる。
「はぁ・・・」
明日は楽しみなのに、なぜかため息が出る。
またもや不安な気持ちが頭を覆い始めた。
テーブルの上に上半身を投げ出すようにうっぷして、桜花は目を閉じた。
131予想問題:2006/12/12(火) 01:25:26 ID:mO1RWeVp
返信メールを確認して、斗貴子が携帯からまひろに視線を移す。
「OKだ」
「わーい、やったぁ!明日は斗貴子さんと桜花先輩とお買い物だぁ!」
はしゃぐまひろを斗貴子がにこやかに見ている。
斗貴子はまひろのこの純真無垢な明るさが好きだった。
最初の頃こそ戸惑ったが、この子の明るさで周りがどれだけ助かっているか。
自分がどれだけ助けられたか。
そして、今のこのまひろの笑顔は、決して薄っぺらな笑顔ではないことを斗貴子は知っていた。
それだけに、まひろの笑顔は、斗貴子にとって意味のあるものだった。
それに、自分になついてくれているのが斗貴子には嬉しかった。
家族がいない斗貴子にとって、本当の妹のように感じてしまう時が多々あった。

「斗貴子さん、斗貴子さんとお出かけするのも久しぶりだね!」
「そーいえばそうだな」
「凄く楽しみ、クレープ食べようね!」
「ん、そうだな。楽しみだ」
「うふふふ・・・」

自分とのイベントを心から喜んでいる所を見ると、くすぐったい気分になる。
本当にこんな妹がいたら・・・と考える時がある。
そうすると、大抵(カズキと結婚したら・・・)という所に考えが行き着いて、
顔が赤くなってしまうのだが。今日はまひろの手前、そこまで考えないようにしていた。

今回、まひろを誘ったのは斗貴子の方からだった。
最近、桜花が元気が無いような気がしていたので、まひろの明るさを少し分けてやりたい
という考えがあったからだ。
斗貴子は(最近、桜花はちょっとおかしい・・・)と感じていた。
受験が終わって気が抜けたのかとも思ったが、どうもそれも違うようだ。
すごく寂しそうな顔をすることがあるかと思えば、何かに焦っているように感じる時もあった。
(明日がいい気分転換になればいいのだが・・・)
そう斗貴子は考えていた。
132予想問題:2006/12/12(火) 01:26:02 ID:mO1RWeVp
次の日の放課後、銀成駅前の大通りに3人の姿があった。
斗貴子、桜花、まひろがクレープを手に歩いている。
かなり目立つグループだ。

「あー、斗貴子さん、斗貴子さん、アレ!、あれが似合いそう!」
「んー・・・」
「あ、コレも似合うかも。あーでも、やっぱり斗貴子さんは黒のイメージかなぁ・・・」
「んー・・・」
「あら、まひろちゃん、これもいいんじゃない?」
「あっ、ホントだ、これも似合いそう。ねー、斗貴子さん、次コレ試着して〜」
「んー・・・」

さっきから「んー、んー」と言っているのは斗貴子。
まひろと桜花の着せ替え人形になっていて、疲れ果てている。
これで、4件目だ。

「あー、コレコレ、コレ雑誌に出てたよ」
「あら、津村さんに似合いそうね〜」
「ほらぁ、斗貴子さん、早く早く!」
「んー・・・」

結局、斗貴子の気に入った服がみつかったのは6件目の店だった。
精も根も尽き果てた斗貴子は、近くの公園で休憩することを提案した。
3人は、公園のベンチに座り、自動販売機で買った暖かいお茶を飲む。
斗貴子はようやく一息つくことが出来た。

「あーたのしかったぁ!ねーねー、また3人で買い物に行こうね!」
まひろが満面の笑みで大きな声で話す。
「そうね、また行きましょう」
桜花がつられて、笑いながら答える。
「ん、そうだな、また行こう」
斗貴子も、疲れ果てたが、まんざらではなかったようだ。
133予想問題:2006/12/12(火) 01:26:34 ID:mO1RWeVp
その後、3人は色々なことを話した。
学園生活のこと、ファッションのこと、最近出来たスイーツの店のこと。
話をしているとまひろはコロコロとよく笑った。
その笑顔を見ていると、なんとも穏やかな気分になる。
不思議な魅力だった。

「うっ・・・ごめんなさい、ちょっとおトイレ・・・」

まひろが席を外した時に、桜花が斗貴子に話しかけた。
「ほんと、まひろちゃんって明るいわね。あの笑顔を見ていると癒されるわ・・・」
「ああ、ほんとだな。私もそう思う・・・・・・」
そう言うと、斗貴子は少し考えて、再び口を開く。
「あの笑顔は、あの子の強さに裏打ちされたものだ。
 だから・・・不思議な力があって当然だと思う・・・」
「強さ?」
「ああ・・・」
「強さって?」
斗貴子は数ヶ月前のことをゆっくり話し始めた。
「・・・カズキが月に消えた後、私がしばらく入院していた時・・・」

カズキがヴィクターパワードと月に消えてしばらく、斗貴子は病院に入院していた。
最初の3日ぐらいは口もきけず、食事も殆ど取れなかった。
桜花が何度も足を運んだが、斗貴子は窓の外を眺めるだけで、何の反応も示さなかった。
4日目の夕方、桜花が帰ってからしばらくして、まひろが見舞いに来た。

まひろは見舞いに行く前日の夜、初めて錬金戦団の話をブラボーから聞いた。
LXEの学校襲撃の件もあり、今までの常識では計れない何かがあるとは思っていたが、
最初はその突拍子のない話を信じられなかった。
ただ、そのブラボーの真剣な眼差しと、カズキが最後にまひろに言った
「長いお別れになる」の一言が、まひろに現実として認識させることになった。
そして、ブラボーから斗貴子が入院していること。
もう3日も口が聞けなく、食事を取っていないこと。
体も心も、ひどく衰弱していることを聞かされた。
まひろはしばらく呆然としていたが、やがて何かを決心したように、立ち上がると
ブラボーに礼を言って自室に戻っていった。
そして、その次の日、まひろは一人で斗貴子の見舞いにやってきた。
134予想問題:2006/12/12(火) 01:27:07 ID:mO1RWeVp
まひろが病室に入って斗貴子を見ると、顔面蒼白で泣きはらした目が腫れ、
以前の凛とした斗貴子の面影はどこにも無かった。
「斗貴子さん・・・」
まひろが斗貴子の名前を呼ぶと、斗貴子はピクリと体をゆらして、
ゆっくりと顔をまひろの方に向けた。
斗貴子は以前から、まひろに負い目があった。
大事なお兄さんをこんな危険な目に巻き込んで、
しかも今回はその大事なお兄さんを亡くしてしまった・・・。
責任は全て自分にあると考えていた。
「ま・・・まひろちゃん・・・わ・・・わたし・・・」
目からは涙が止めども無くあふれてくる。
もう4日も泣いているのに、枯れることのない涙。
斗貴子は謝罪の言葉を口にしようとした。
しかし、先に言葉を発したのはまひろだった。

「斗貴子さんごめんなさい」
そう言うと、まひろは頭を深々と下げた。
斗貴子は吃驚してしまった。
自分が責められこそすれ、まひろが謝ることではない。
自分のせいで、大事な兄弟が亡くなったというのに。
これでは立場が逆ではないか・・・斗貴子はそう思った。

顔を上げたまひろを、斗貴子が少し驚いた顔で見ている。
今にも泣き出しそうに目が潤んでいるが、涙を流さないように我慢しているのが分かる。
そして、まひろの目の奥に斗貴子は何かをを感じていた。
「斗貴子さん、お兄ちゃんが斗貴子さんを悲しませてしまったこと、本当にごめんなさい
 お兄ちゃんに変わって謝ります。
 私で出来ることがあったら何でもします。
 だから・・・だから、はやく元気になってください・・・・・・」
「ま・・・まひろちゃん・・・・」
しばらく沈黙が流れたが、次に言葉を発したのは斗貴子だった。
「・・・まひろちゃん・・・どうして泣くのを我慢しているの?
 あなたの大事なお兄さんが亡くなったのよ。
 それに・・・それに、一番悪いのは私なのよ・・・。私が殺したようなものなのよ・・・」
うつむきながらボソボソと喋る。
「私に謝る必要なんか・・・」

「私は・・・」
最初は下を向いていたまひろは、斗貴子の顔に視線を移して、はっきりと喋りだす。
「私は、お兄ちゃんのしたことだから、それが正しいと信じます。
 だから、決して泣かない。
 でも、お兄ちゃんのしたことで、大好きな斗貴子さんが傷ついたから、
 それは私が一生掛けてでも償います。
 わたしの人生を投げうってでも、絶対に償います」
ハッとして斗貴子はまひろの目を見た。
その目は潤んでこそいるが、どこかで見たことのある目だった。
そう、それはあの日、カズキが屋上の高架水槽で白い核鉄の使い道を決めた時の目に似ていた。
何があってもゆるぎない強い意志を持った目。
自分の信じる道を貫き通そうとする、強く、それでいて優しい目・・・。
(この子は、カズキのしたことの責任を引き継ごうとしている
死ぬほどつらいはずなのに、いつ泣き崩れてしまってもおかしくはないのに、
歯を食いしばって耐えている。
当然のことのようにカズキの意志を引き継いで、それを全うしようとしている・・・)
135予想問題:2006/12/12(火) 01:27:41 ID:mO1RWeVp
しばらく呆然としていた斗貴子の目から涙が溢れ出した。
それはこの4日間流し続けたカズキを亡くした悲しみの涙ではなく、
自分の不甲斐なさを責める涙だった。
(わたしは、カズキと一心同体ではなかったの?
カズキを失った自分のことだけを考えて、カズキのことは何も考えていなかった・・・。
カズキが月に行かなかったら、やがでヴィクター化したカズキと、
ヴィクターパワードの2人のエネルギードレインで人類は滅亡していた。
私は、カズキのしたことを信じ、誇りに思って生きていけばいい。
そして、私がまっさきにすることは、悲しむことではなくて、
カズキのために何が出来るかを考えること・・・。
・・・なにが一心同体だ・・・私は・・・私は・・・)

それから少しの間沈黙が続いた。
そして、ひとしきり涙を流した斗貴子は、ゆっくりと顔を上げ
まひろの目をまっすぐ見つめてこう言った。
「ごめんなさい、まひろちゃん。私はもう大丈夫・・・もう大丈夫だから・・・」
その目には、まひろと同じく何か強い意志が込められていた。
つい数分前までの斗貴子とは違い、いつもの凛とした斗貴子の顔に戻っていた。
その日からもう斗貴子は泣くのをやめた。
斗貴子は最後にカズキのためにしてあげられることは何かを考え始めたのである。


「・・・そんなことがあったの・・・。
 確かに、ある日の朝から、津村さんは泣くのをやめてましたわね・・・」
「ああ。あの子は私なんかよりずっとずっと強かった。だから、あの子の笑顔は、
 けっして薄っぺらいものではない。
 常に真剣に精一杯生きている人間の笑顔だ。
 何か、不思議な力があってもおかしくはないだろう?」
「・・・ええ・・・そう思うわ・・・」

桜花は、ちょっと驚いていた。
斗貴子はとても心の強い人間だと思っていた。
あの一件も、斗貴子の強い精神力のみで切り抜けたのだと思っていた。
(そんなことがあったなんて・・・)
そして、あの、いつもにこやかに笑っているまひろが、そんなに強い心を持っていたなんて。
(秋水くんが同じ目にあったとしたら?・・・・・・私にはきっとマネが出来ない・・・)
桜花は自分の不甲斐なさを身にしみて感じていた。
そして、無意識にうな垂れて深いため息が出てしまう。
136予想問題:2006/12/12(火) 01:28:15 ID:mO1RWeVp
斗貴子は、うな垂れる桜花の顔を覗き込むようにして、しばらく黙っていた。
桜花が斗貴子の視線に気付いて顔を上げる。
「桜花、お前は強い人間だと思う」
「え?」
今自分で感じているコトと真逆のことを言われて、すこし驚く。
斗貴子は話を続ける。
「お前の生い立ちは、あの日、学校の校庭で聞いた
 私には想像の付かない生い立ちだが、あれから、自分の意志でLXEを抜けて錬金戦団にいる。
 つまり、自分の生きる道を自分で切り開いているということだ」
戸惑っている桜花を無視して話し続ける。
「カズキが再殺部隊に追われているときも、パピヨンの元に単身乗り込んで
 カズキを助けるために尽力してくれた。
 お前は、常に自分の意志で生きてきたと思う。
 そして、それがカズキを救うことになり、結果的に人類を救うことになった」
そこまで一気に喋ると、少し驚いている顔の桜花の顔から目をそらし、
ちょっと言いづらそうに続けた。
「でも、一人で行き詰ったら、遠慮なく人に頼るといい。
 人間なんか、決して一人でなんか生きられないんだから、
 お前はもっと人に頼ることを覚えたほうがいいと思う。
 無理なんかしなくてもいい、私だって、お前にだって弱い面はある。
 一人で、あせり、もがき苦しむのもいいが、たまには人に頼ってみるのもいいことだと思う。
 そうすることで、誰かから新しい力をもらって、また自分が強くなれる事だってあるんだ」
桜花は、自分の心を見透かされたような気分になって、少し狼狽した。

(誰かに頼る・・・)
真っ先に秋水の顔が浮かんだが、秋水は今はいない。
それに、それでは新しい道を歩みだしたことにならない。
過去の2人きりの閉ざされた世界に逆戻りだ。
(じゃあ、誰に・・・)

桜花の考えが読めたのか、少し不機嫌そうに斗貴子が続ける。
「わっ・・・私じゃダメなのか・・・」
「え?」
「私じゃあ、頼りないか?」
桜花が斗貴子の顔を見ると、頬を赤くつつ、少し不機嫌そうにしている。
視線も、わざと桜花と違う方向を見ている。
その斗貴子の表情を見て、なんで斗貴子がこんな話をしたのかを桜花は理解した。
そして、ずーっと心に引っかかっていた、もやもやとした不安を吹き飛ばすきっかけが
見つかったような気がした。

確かに、桜花と斗貴子は最初の頃、決して仲はよくなかった。
それでも、カズキを救うために桜花が裏で奔走していた事実を斗貴子が知り、
桜花が錬金戦団に入り、仕事や学園生活でふれあう内に、2人とも口には出さないが
友情のようなものが芽生えてきていた。
ただ、斗貴子の性格上、いちいち友情を確かめるようなことを口に出すことは無かった。
だから、この斗貴子の言動が、桜花には予期していなかったし、嬉しかった。
斗貴子が自分のことを気に掛けていた・・・そう思うと桜花はくすぐったい気持ちになった。
137予想問題:2006/12/12(火) 01:28:50 ID:mO1RWeVp
桜花は今、このもやもやとした不安な気持ちを、斗貴子にぶつけてみようと思った。
今まで、4月からの新しい生活を一人だけの力でなんとか前進させようと思い、もがいていた。
そうしなくては、秋水に心配をかけると思っていたし、カズキに申し訳が立たないと思っていた。
でも、それはただの気負でしかなかった。

いつのまにか、暗く冷たい暗黒の時代を自分から引きずってしまっていた。
しかし、カズキが導いてくれたこの世界は、決して暗くも、冷たくも無かった。
この新しい世界には、カズキの他にも自分の足元を照らしてくれる人がいたのだ
ということに気がついた。
それも、ごく身近に。

桜花が斗貴子に話しかけようかとした時、まひろが帰ってきた。
「ただいまー。
 ん?何話してたん?」
席を立つ前と少し場の空気が変わっていたので、まひろが不思議がっている。
「ううん、なんでもないわよ。
 まひろちゃんの笑顔ってカワイーって話してたのよ」
桜花がフォローする。
「えーーー、そんなことないよー
 でも桜花先輩にそんなこと言われるとうれしいなー」
またまひろはコロコロと笑う。
その笑顔を見て、斗貴子と桜花は、視線を合わせてニッコリと笑いあった。
桜花は斗貴子への感謝の気持ちを、心の中でつぶやいた。
それは、口にださなくても感謝の気持ちを伝える、もっといい方法があることを知っていたから。

「えー、ところで・・・」
斗貴子とまひろの視線が桜花に集中した。
「じつは2人に聞いて欲しい相談事があるんだけど・・・」
桜花がそう切り出すと、斗貴子はまひろに気付かれないように少し微笑むと、桜花の方に体を向けて座りなおした。
「よし、なんでも聞いてやる」
「エー、桜花先輩が相談事なんてめずらしいーーーー!
 でも、なにをかくそう、私は人生相談の達人よ!」
おどけながら、まひろも桜花の方に体を向けて座りなおす。
でも、その目は決してふざけてはいない。
あの日、桜花と秋水を救い上げてくれた、カズキのあの目に似ている。
強く、それでいて優しい目。
桜花が視線を斗貴子の方に移す。
その目は、いつも通りに真正面に桜花を捕らえて、力強くこちらを見ている。

(・・・ありがとう)
心の中で2人に礼を言った後、深い深呼吸を1つして桜花は話し始めた。
「実は相談というのは・・・・・・」



まだまだ寒い公園のベンチで、
ヒソヒソと3人の少女達が人生の悩みをぶつけ合っている。
10数年のまだまだ少ない人生の経験を出し合って
お互いを補いつつ、前に進もうとしている。
決して生きるのは楽ではないけれど、ここにいる3人の少女は
明るい将来を目指して、苦難を楽しんでいるようにも見える。
それは暖かい春に向かって一歩、また一歩と歩くように。
常に真剣に、力強く。
力強く。
138予想問題:2006/12/12(火) 01:29:25 ID:mO1RWeVp
Epilogue

カズキが月に行ってから、一度だけまひろは涙を流している。
知っているのは、まひろとカズキだけ。
それは、カズキが月から戻り、寄宿舎に帰ってきた晩のこと。
カズキと斗貴子の無事生還を祝して、六桝達主催のカラオケ大会が終わった晩のこと。

カラオケから帰ってきて、斗貴子はカズキの部屋で2時まで過ごし、それから自分の部屋に帰っていった。
それを待っていたかのように、10分ほどして、まひろがカズキの部屋を訪れる。
何も約束していないのに、ちゃんとまひろを待っていたカズキが部屋に招き入れる。
言葉は交わさず、まひろはただ黙ってカズキの胸に顔を埋めて
カズキが月に行ってから始めての涙を流した。
今まで我慢してきた悲しみを、涙で洗い流すかのようにカズキの胸を涙で濡らす。

何も言わず頭を撫でながらいつまでも泣き止むのを待つカズキ。
子供の頃から、いつもそうしてきたように
泣きじゃくる妹をやさしくあやす。

ひとしきり泣いた後、まひろがカズキの顔を見ながら、いつもの笑顔で口を開く。
「おかえりお兄ちゃん」
「ただいま、まひろ」
これで2人の儀式は終わり。
カズキはどれだけまひろに迷惑をかけていたか、斗貴子から聞いていたし、
まひろは、カズキがどんな決断をして、どんな思いで月に行っていたかを知っていた。
でも、今の儀式で全ては終わり。
何も言わなくても全て分かっている。

部屋を出る前に、もう一度カズキがまひろを抱きしめる。
明日、斗貴子とまひろにクレープを奢る約束をカズキにさせて、
まひろは部屋を出て行く。
これで3人にとっての苦難の道のりは、やっとおしまい。



その晩は月が出ていた。
部屋に戻ったまひろは、ベッドに横たわり月を見上げる。
昨日までは怖くて見れなかった月が、今は綺麗に見える。
自分自身に(・・・おつかれさま)とねぎらいの言葉をつぶやいて、目を閉じる。
安堵して、ゆっくりゆっくり眠りの世界へ落ちていく。
明日から、日常の世界へ足を踏み入れた斗貴子を迎えて
新しい生活がはじまる。
その期待を胸に、
楽しい夢を見ながら
今は、ゆっくりゆっくり
眠りに落ちる。



−オワリ−
139名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 01:32:27 ID:6BZHVvIX
う、うわあああああああああああああ!
GJ!
悶えながら寝る。
GJ!
140名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 02:30:21 ID:x11INyTd
カンドーだよ
蝶GJ
141名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 04:11:16 ID:x/Ry0mFP
おおおおっけええええぇぇ・・・!!
G・J!!
142スキーへ行こう1/11:2006/12/12(火) 11:31:12 ID:vdbZAYFd
カズキと斗貴子の初体験から6日。
ついにスキーツアー当日。銀成駅南口バス乗り場に私立銀成学園高校の生徒達の姿があった。
武藤カズキ、津村斗貴子、六舛孝二、岡倉英之、大浜真史、武藤まひろ、若宮千里、河井沙織、中村剛太、
毒島華花、早坂桜花、早坂秋水、そして保護者として寄宿舎管理人キャプテンブラボーこと防人衛の13人だ。
これは『初デート』の6日後の話になる。
「ついに当日だね。向こうに着いたら斗貴子さんにスキーを教えてあげるね。」
「ああ、よろしく頼む。ところでバスはまだ来ないのか?」
斗貴子がバス乗り場の時刻表を見るとスキーバスは7時20分発になっていた。
バスの発車時間まであと15分。銀成駅を出発して4時間ほどで新潟の白熊スキー場に着く。
「うぉお!!みんな!!見ろ!!奴が来たぞ!!」
岡倉の大声でみんなが振り返るといつもの素敵スーツに身を包み、スキー板を担いだパピヨンが来た。
「やぁ!武藤カズキ。蝶サイコーなスキー日和だな。」
「蝶野!!お前もスキーに行くのか?」
カズキに続いて斗貴子と剛太もパピヨンに話しかけた。
「まさか貴様その格好でスキーをするつもりじゃないだろうな?」
「まあ一応ホムンクルスだから凍死することはないだろうけど・・・。」
二人の疑問にパピヨンが答える。
「氷点下の冷気がゲレンデを滑走する俺の露出した肌をチクチクと貫く。これが結構快感で病み付きになるぞ?」
さすが蝶人パピヨンの変態的感性は常人には理解しがたく、みんなあきれていた。
っていうか冷気でお腹が冷えて腹痛と下痢を起こしそうだ。
さらにカズキたちの待つバス乗り場にスキー板やスノーボードを担いだ6人の男女が近づいてくる。
錬金戦団大戦士長坂口照星、戦士楯山千歳、元戦士犬飼倫太郎、根来忍、円山円、戦部厳至だ。
よくみると円山は手から鳥かごをさげて、さらに武装錬金バブルゲイジアナザータイプを発動させている。
ベルトの形状が六角形のレーダー型になっているので恐らく千歳の95番の核鉄を使用しているのだろう。
さらに円山の持っている鳥かごの中から男のわめく声が聞こえてくる。
「出しやがれクソ野郎共が!!出せぇ!!誰がスキーなんか行くか馬鹿野郎!!」
よく見るとかごの中にいるのはバブルゲイジの特性で身長12cmまで縮小された全裸の火渡赤馬だ。
「ハァー。全く。錬金戦団の慰安旅行だと言うのに子供みたいに駄々をこねて・・・」
照星はあきれたような表情で言った。どうやらブラボーからの誘いを断った後に照星達に誘われたが、
断ったために円山のバブルゲイジで縮小されて強制的に連行してきたのだろう。
「錬金戦団最強の攻撃力を誇る戦士長様も核鉄がないと全然駄目ね。」
少し見下した表情で言う千歳に火渡がブチキレた。
「千歳ェ!!お前殺されてぇのか!?元のサイズに戻ったら覚えてろ!!」
まひろたち錬金術と直接関わっていない者は目をきょとんとした顔で小型化した全裸の火渡先生を眺めていた。
「火渡先生ちっちゃくてかわいい〜!!ねぇねぇさーちゃん!!ちーちん!!見て見て!!」
大騒ぎするまひろに火渡は毒を吐く。
「てめぇら!!見世物じゃねぇぞ!!見るんじゃねぇよ!!」
そんな火渡へ照星が「HAHAHA!」と笑いながらでこピンで制裁を加える。
小さいのでこれでも大ダメージだ。
そんなドタバタ騒ぎの中、バス乗り場に白熊スキー場行のスキーバスがやってきた。
トランクに荷物を積んで運転手に乗車券を渡してみんなバスに乗り込む。
ただし火渡だけは鳥かごに入れられて荷物扱いで無賃乗車。
143スキーへ行こう2/11:2006/12/12(火) 11:32:01 ID:vdbZAYFd
バスは高速道路に入って一路白熊スキー場を目指す。
4時間後にバスはスキー場に到着した。
バスから降りると火渡はやっと開放され元のサイズに戻ったが、真冬の北国でしかも雪の野外で全裸。
「ハハハハ。なんともみっともない格好だな。蝶恥ずかしいな。そしてチ○ポは小さいな。」
変態丸出しのパピヨンに自分の格好を馬鹿にされて怒りと惨めな気持ちが同時にこみ上げてきた。
「ち・・・畜生ぉおおおおおおお!!どいつもこいつもぶっ殺してやる!!」
火渡は泣きながら叫んで急いで自分の服を着た。

各自スキー場の隣のホテルに荷物を置いて、スキー場のリフトの券を購入してゲレンデに出た。
「雪雪雪雪ゆぅ〜きぃ〜♪ちーちん!!さーちゃん!!華ちゃん!!いっしょに滑ろう!!」
「まっぴー。ちーちんは剛太先輩と二人で甘くストロベりながら滑るんだからいないよ。」
「私スキーなんて初めてです。まひろさん。沙織さん。教えてくれますか?」
「まかせて!!何を隠そう私はスキーの達人よ!!」
「よろしくお願いします。」
まひろと沙織の元気娘と新しく友達になった華花は楽しそうに初心者コースを滑っていた。

「お嬢さ〜ん!!俺といっしょに愛と言う名のゲレンデを滑らない?」
「アハハハ!!馬鹿よ!!ナンパ小僧よ!!」
「うわぁ〜。ものすごく鼻の下が伸びてる。気持ち悪い。」
海に続いて再びナンパ玉砕する岡倉。
「ゲレンデなんて大嫌いだ!!雪なんか溶けちまぇえええ!!」
絶叫する岡倉を大浜が慰める。
「岡倉君。きっといつかいい娘にめぐり合えるって。」
そこへ六舛が岡倉に追い討ちをかける。
「まあ今時80年代よろしくなリーゼントなお前が悪い。まあいいことあるさ。50年後くらいに。」
「ちっくしょぉおおおお!!50年後って67歳じゃねぇか!!あっちが枯れてるっての!!」
「お、岡倉君。そんなことを大声で・・・。」
4バカはカズキがいなくてもいつもの調子だった。

「蝶サイコー!!冷たい冷気が突き刺さる感覚が最高に快感だ!!」
いつもの素敵スーツでゲレンデを滑走するパピヨン。
「いいぜパッピー!!このゲレンデ最高じゃねぇか!!」
さらにいつの間にか桜花が武装錬金を発動させたのかゴゼン様もスノーボードをしていた。
「武装錬金二アデスハピネス!!黒死の蝶の爆破の推進力で蝶加速だ!!」
「待ってくれパッピー!!追いつけねぇよ!!」
「時速120km!!さらに強い冷気の風圧が蝶気持ちいい!!ビンビンだ!!」
「待ってって言ってるだろ!!」
一般スキーヤー達は変態の蝶々怪人とスノボをしながらしゃべる人形に唖然としていた。
144スキーへ行こう3/11:2006/12/12(火) 11:32:40 ID:vdbZAYFd
「畜生!!来たからには楽しんでやるぜ!!」
先ほどまでの痴態を開き直ってくわえ煙草をしながら上級者コースを高速ですべる火渡。
「馬鹿ね。あんなに飛ばしたら危ないわよ。」
「いや、しかし火炎使いだったくせに以外とスキー上手いなあいつ。」
「防人くん。千歳くん。そこはまだいいですがね。まあ彼を見ていなさい。」
照星たちのはるか下を滑る火渡から悲鳴が聞こえてきた。
「ぎゃあああああ!!熱っちぃいいいいいい!!煙草が!!」
「照星さん。あいつくわえ煙草でスキーをするから灰が顔に当たって火傷したみたいですね。」
「ゲレンデのマナーを守れないものはこうなるのです。」
「照星さん?火渡君はいつの間にギャグキャラにクラスチェンジされたのかしら?」
「あ、照星さん!!千歳!!見てみろ!!火渡の奴火傷に気を取られて木に激突してるぞ!!」
「フフッ。馬鹿ねぇ。」
「彼は武装錬金の火炎同化に慣れすぎて火に対して無防備でいけませんね。」
するとはるか下で激突で鼻血をたらした火渡がブラボー達3人のほうに叫んできた。
「黙れ老頭児!!そういうなら核鉄をひとつよこしやがれ!!」
「全く。36歳は老人ではなくナイスミドルと言うのですよ。ちょっと行ってきますね。」
急加速した照星が火渡のところまで下ると「HAHAHA!」という笑い声と火渡の悲鳴が聞こえてきた。
「なあ千歳?ナイスミドルってことは照星さん中年って自覚してるんだな。」
「・・・・・・。まあ私は何も言ってないから。」
次の瞬間ブラボーの視界には「HAHAHA」と叫びながらゲレンデを超速で駆け上がってくる照星がいた。
真っ白なゲレンデにブラボーと火渡の二人の鮮血が飛び散った。

桜花と秋水は上級者コースのリフト降り場にいた。
「見ろよ。あの姉ちゃん可愛くね?ボインボインだし。」
「でもヤロー持ちだな。ちょっとからかってやろうぜ?」
金髪にピアスで見るからにチャラチャラした男二人が桜花と秋水にちょっかい出してきた。
顔が似ているといってもはたから見たら彼氏彼女に見えるのだろう。
「よう兄ちゃん!!いいオンナ連れてるじゃねぇか!!俺に紹介してくれよ?」
「ボイン姉ちゃん乳さわっていいか?」
ちょっかいだしてきた男に桜花はあからさまに不快感を示している。
「姉さんに近づくな!!」
そう叫ぶと秋水はスキーのストックで男二人の陰部に突きを入れた。
男二人は股間を抑えてのた打ち回る。さらに秋水が急傾斜の上級者ゲレンデにけり落とした。
転がる男二人はギャグ漫画のように雪玉になって転がり落ちて行った。
「秋水君やりすぎ。そこまでしなくても金的蹴り100連打で十分じゃないの。」
「姉さん。そっちのほうが酷い。まあいい滑ろうか。」
「ええ、滑りましょ。先に行くわよ。」
「あ、待って姉さん!!」
二人はかつてのような閉ざした姉弟ではないが、時々こういうブラコン、シスコン的なところがあった。
145スキーへ行こう4/11:2006/12/12(火) 11:34:02 ID:vdbZAYFd
犬飼、円山、戦部、根来は子供用のキッズコースにいた。
いい年こいて犬飼、戦部チーム、円山、根来チームに分かれて雪合戦をしていた。
元戦士だけあってこういう模擬戦闘は血が騒ぐのだろう。
「喰らえぇ!!僕の必殺雪玉大連弾!!」
「俺の必殺超巨大雪弾丸!!直径3mだ!!」
雪で作った塹壕から顔を出して雪玉を連射する犬飼と極大の大型雪玉を投げる戦部。
「ぎゃあぁああああ!!でかすぎる!!ふぎゃああ!!」
「フン!!こんなちんけな雪玉など俺の敵ではない。」
戦部の大型雪玉を直撃して潰される円山と落ちていた木の枝で剣のように犬飼の雪玉を打ち落とす根来。
「こらぁ!!お前ら!!ここは子どものエリアだ!!危険な雪合戦をするな!!」
4人はいい年こいてキッズコース管理人にこっぴどく怒られた。自業自得だ。

マリンスポーツの得意な剛太はスキーも上手だった。千里も割とスキーは得意。
二人とも木に激突した火渡を横目に上級者コースを滑り終えた。
「千里さんすごいな。戦団・・いや、前の学校でスキーが一番上手かったのに、俺と同じくらい上手いじゃないか。」
「北海道のニセコにいとこがいて、遊びに行ったらよくスキーに行っていたの。」
「ふ〜ん・・・・・。」
じ〜っと千里を見つめる剛太。千里はそれを不思議に思って聞いてみた。
「どうしたの?じ〜っと私の顔を見て。」
「いや、真っ白なゲレンデに君の白い肌は似合うと思って。うんすごくかわいい!」
「もう・・・やだ剛太さんったら・・・・。」
千里は顔を真っ赤にして言った。
元々剛太が彼女と付き合い始めたのは失恋で傷心モードに入っていた1月の半ばのころのこと。
千里に告白されて最初はめがねをしていないと何となく斗貴子の面影があるからという理由で付き合い始めた。
だが剛太はいつの間にか津村斗貴子に似た少女ではなく、若宮千里という人物を好きになっていた。
それだけに「めがねを外したら斗貴子先輩に似ていてとてもGOOD」ということで言った、
「君はめがねをかけていないほうが綺麗だよ。コンタクトにしてみたら?」
という発言を受けて剛太の前では常にコンタクトにしている千里に少し罪悪感を感じていた。
だがそんなけなげな千里を本当に愛おしいと思い剛太は千里を抱きしめた。
「もう!!ここゲレンデよ!!は・・・恥ずかしい・・・。」
「仕方ないよ。君が可愛くて、愛おしくてたまらないんだから。好きだよ。誰よりも・・・。」
「・・・。ねぇ?一回ホテルの部屋に戻ろうか?」
「ああ。」
スキーをいったん中断してホテルに戻る二人。
今回の旅の部屋割りは銀成学園組がカズキ&斗貴子のカップル、剛太&千里のカップル、秋水&六舛&大浜&岡倉、
桜花&まひろ&沙織&華花、キャプテンブラボー1人部屋の4部屋を確保してあった。
しばらくすると剛太と千里の二人の部屋からは甘い愛を確かめ合う声が聞こえてきた。
「千里ぉ!!もう・・・俺・・・出る!!」
「いいわ!!私もイきそうよ!!来て!!剛太!!」
二人は普段は剛太さんと千里さんと呼んでいるが、このときだけは剛太、千里と呼ぶようになっていた。
同時に絶頂を迎えた二人はこのあと結局日が暮れるまで愛の行為を続けてしまった。
今回のスキー旅行は2泊3日だしまあそれもいいだろうと二人は思っていた。
146スキーへ行こう5/11:2006/12/12(火) 11:35:24 ID:vdbZAYFd
そしてカズキは初心者コースで斗貴子にスキーを教えていた。
「ほら、初心者はスキー板を八の字にしてみるといいよ。八の角度で速さを調節するんだ。」
「こ・・・こうか・・・ってきゃあ!!」
悲鳴を上げた斗貴子は激しく転倒した。起き上がって少し涙ぐんでカズキに言った。
「カズキ・・・。失敗した・・・。」
「斗貴子さん。逆は八の字にしたらそりゃあこけるって。」
「え?あ!!すまない。」
「俺がスノーボードにしたのは失敗だな。見本を見せられない。岡倉か誰か呼んでこよう。」
「いい。君と二人でスキーを覚えたい。」
「斗貴子さん・・・。じゃあもう一回八の字だ!!」
「よし。おお!!少し滑れてる!!きゃあ!」
少しだけ滑れたが再び斗貴子は転倒して雪の中に倒れこんだ。
「大丈夫斗貴子さん?怪我はない?」
「大丈夫だ。全く怪我はないさ。」
「それにしても斗貴子さんがきゃあって悲鳴を上げるのってちょっと意外。」
「自分の自由が利かないからある意味戦闘よりも怖くて・・・。」
1時間後、どうにか初心者級に滑れるようになった斗貴子はついにリフトで初心者コースの頂上に到着した。
「け・・・結構傾斜があるな・・・。」
「怖いの?斗貴子さん?中級者コースや上級者コースはもっと傾斜がすごいよ。」
「正直怖い。だが君といっしょなら怖くない。行こう。」
斗貴子はカズキの顔を見て恐怖を振り払って滑り始めた。
まだスキー経験1時間の初心者だが、元錬金の戦士だけあって身体能力は高い。
そのため滑り始めすぐに感覚をつかんだので恐怖は完全になくなりスピードを上げた。
「あ!!斗貴子さん初心者がそんなにスピードを出したら危ないよ!!」
「大丈夫だ!!もう感覚はつかんでって・・・・。うわぁあ!!木にぶつかる!!曲がれない!!」
ドカァアアアアア!!ドサドサドサドサドサ!!
猛スピードで豪快に斗貴子は木にぶつかり、その衝撃で木の上の雪が斗貴子に落ちて埋め尽くした。
「大丈夫斗貴子さん!?」
「ああ、大丈夫だ。少し腕を打撲した程度だ。」
「あ、斗貴子さん鼻血。はいティッシュ。」
「すまない。君は“スキーの達人”なのにこんなドンくさい女といっしょに滑ってもらって悪いな。」
「気にしないでよ。俺もスノーボードは初めてだからちょうどいいよ。それより・・・」
そういうとカズキは斗貴子の顔を自分の胸に当てて少し強く抱きしめた。
「か、カズキ?いったい何をするんだ?」
少し顔を赤くして斗貴子はカズキに尋ねた。
「いや、俺の胸にある核鉄で斗貴子さんの怪我の痛みが少しでもやわらいだらと。」
斗貴子は腕の痛みが引いていくのを感じた。
もちろん核鉄は直に触れないと治癒効果はないのでカズキの胸の中にある核鉄の効果ではない。
斗貴子の痛みが癒されたのは愛しいカズキのやさしい心と体の温かさだった。
二人はそのまま熱いキスをした。
そんな二人を見つめる怪しい男が林の影にいた。
147スキーへ行こう6/11:2006/12/12(火) 11:36:16 ID:vdbZAYFd
日は暮れて夕食後にホテルの露天風呂。
みんなスキーを終えて集まっていた。
「あれぇ?ちーちん顔が赤いよ?風邪じゃないよね?」
「違うのよ〜♪剛太さんと甘ぁ〜いひと時をすごして体が熱いのぉ〜♪」
心配したまひろが千里に尋ねると、千里の背後に回り込んだ沙織がふざけたような口調で言った。
「ちょっと沙織!!からかわないでよ。あれ?斗貴子先輩腕の怪我どうしたんですか?」
「ああ、ちょっと木にぶつかって・・・。」
しかしカズキのおかげですでに痛みはなくなっている。
「まひろアイ発動!!斗貴子さん82、55、79ね。前より大きいからおにいちゃんに揉まれたのが原因ね。」
「いや、初体験は6日前だから関係は・・・って違う!!恥ずかしいことを言うな!!」
斗貴子に構わずまひろは続けた。
「桜花先輩は89、60、89ね。ちーちんは85、56、84。さーちゃんは76、54、80ね。
 華ちゃんは一番体格も小さいから71、53、74よね。ちなみに私は88、60、88よ!!」
ここまではまだ成長期の女子高生なので以前と微妙にデータが変わっている。
一方男湯。5バカ、再殺部隊、ブラボーが男湯と女湯の境に耳を当てて大サービスまひろアイの情報を聞いていた。
パピヨン、秋水、火渡、照星、桜花と意識を共有しているので一応女のゴゼンだけはちゃんと湯船に入っていた。
試聴中の連中は全員ナニはギンギンビンビンのビンゴ勃ち状態である。
「それにブラボーさんのお友達の女の人は85、57、88。朝の鳥かごのお兄さんは82、55、90よ。」
「まっぴー!!他人まで勝手にスリーサイズを言ったら失礼だよ。って鳥かごのお兄さん!?」
まひろに注意していた沙織がいつの間にか平然と円山が女湯に入っていることに気がついた。
女湯に悲鳴が響き渡る。
「何で円山君がここにいるのかしら?事としだいによっては覚悟しなさい?」
どこからともなく金属製のバールを取り出した千歳はぶんぶん振り回しながら円山に近づいていく。
「あら?体は男でもハートは女よ?もう、千歳ちゃんったら怒っちゃ駄目よ。」
どかぁああああああ!!ざぱぁああ!!バールでぶっ飛ばされた円山は境目を飛び越えて男湯にホールインワン。
「あら火渡戦士長?ここは男湯?」
「おめぇ女湯に入ってたのかよ?そりゃあ追い出されるって。」
「私男湯に入ると興奮しすぎて・・・。Oh!!ち○こち○こ!!ち○こ×13!?超エクスタシー!!」
「おいてめぇら逃げろ!!円山がHGスイッチが入ったぞ!!」 
再殺部隊の面々と剛太、秋水、ブラボー、照星は危険を察知して逃げるように風呂から上がり始めた。
残ると4バカとパピヨンに円山が白目を剥きながらビンビンで迫ってくる。
恐怖のあまりパピヨンですら逃げ惑うが、岡倉が滑って転倒した。
そこへ追いついた円山が岡倉を捕まえてズプリ!!
「ぎゃあぁああああ俺の肛門の貞操がぁああああ!!」
「あぁ!!リーゼントがス・テ・キ♪しまりも中々いいわ。」
阿鼻叫喚の中残された3バカとパピヨンは岡倉を見捨てて脱衣所に入っていった。
「スマン岡倉!!お前の犠牲は無駄にはしないぞ!!」
「ぎゃあああ!!六舛助けろぉおおお!!」
カズキ達が脱衣所に入ると同時に女湯から斗貴子の悲鳴が聞こえた。
「誰だ貴様は!!きゃあぁあああああ!!」
悲鳴を聞いたカズキはタオル一枚で境目部分を飛び越えて女湯に入った。
148スキーへ行こう7/11:2006/12/12(火) 11:37:13 ID:vdbZAYFd
「どうしたんだ!!斗貴子さんは!?まひろ!!何があった!?」
「きゃぁあああ!!お兄ちゃんここ女湯!!」
斗貴子の身を案じての行為だが、実際のところはたから見たら変態に他ならない。
まひろ、沙織、千里、華花の4人娘は悲鳴を上げた。
桜花と千歳は結構平然としている。
「津村さんは女湯に侵入してきた男に拉致されましたわ。どこかで見た顔ですけど。誰でしたかしら?」
桜花にそう教えられてカズキはがむしゃらに追いかけようとしたが、それを千歳が制止した。
「闇雲に追っては駄目よ!!武装錬金ヘルメスドライブ!!」
千歳の武装錬金ヘルメスドライブの特性は対象への操作操作および瞬間移動。
索敵対象は千歳の知る人間のみで、拉致した本人はわからないが、拉致された斗貴子ならば問題ない。
「わかったわ。津村さんはここから1km先を時速20kmで東へ移動中よ。カズキ君!!
核鉄がないとはいっても錬金の戦士だった津村さんを簡単に拉致するほどの相手よ!!
気をつけてかからないと返り討ちにあうわよ!!それと出かける前に・・・」
「わかった!!千歳さんありがとう!!」
話の途中でカズキは露天風呂の塀を飛び越えてタオル一枚で東へ走った。
「いや・・・服を着ていかないと・・・。それに津村さんの服も・・・。」

カズキはひたすら東に走った。
東に走り続けて10分ほどで斗貴子と斗貴子を拉致した男を発見した。
「カズキ!!って裸!!」
「斗貴子さん助けに来たよ!!って裸!?」
斗貴子も入浴中だったから当然裸である。しかもこっちはタオルすらない。
「ふふふ。桜花から俺のことは聞いているだろう。武藤カズキ?」
斗貴子を拉致したのは不敵な笑いを浮かべるメガネの高校生くらいの男だった。
「いや、桜花先輩どこかで見たようなって。お前のことよく覚えてないみたいだったが。」
「何ぃ!!ならばよく聞け!!俺の名は鈴木震洋!!元LXE信奉者にして元銀成学園高校生徒会書記だ!!」
「LXE?あぁ〜!!もしかしてあのときふざけた放送をして岡倉達に蹴散らされた奴か?」
「ま・・・・まあそうだが・・・。」
「こんな奴放っておいてそれより斗貴子さん!!早くこっちへ!!」
「こんな奴・・・。貴様酷くないか?一応敵だぞ俺?」
よく見ると斗貴子は縛られているわけでもないのに雪の上に座り込んで動かない。
「馬鹿言うなよ!!こいつは俺の毒を受けて手足が麻痺して動かない!!その証拠にここまでこの女に
抵抗されずに拉致することが出来たんだ!!元戦士だけあってこの神経毒なしじゃ拉致するのは難しい。」
「毒だと!!貴様斗貴子さんに何をした!!」
「私なら心配ない!!手足が動かないだけでそれ以外異常はない。」
「これは俺の武装錬金の効果だよ。武藤カズキ!!」
そういうと震洋はXLIV(44)の核鉄を取り出した。
「武装錬金!!毒針の武装錬金ポイズンペンシル!!その特性は毒物の調合だ!!」
「・・・・斗貴子さん。この形って・・・。」
「ああ・・・。鉛筆だ。どう見ても外見は鉛筆だ。」
毒針の武装錬金のはずだが、そのデザインはどう見ても鉛筆そのものだった。
149スキーへ行こう8/11:2006/12/12(火) 11:38:01 ID:vdbZAYFd
「ふふふ。苦労したよ。俺はあの事件によってホムンクルスになって永遠の命を得る夢を失った。
それだけじゃない。あの事件でL・X・E側にいたことが判明したために俺は学校に居場所をなくした。
俺は退学してからこうなる原因となった貴様ら!!武藤カズキと津村斗貴子への復讐ばかり考えた!!
復讐のために岡山の瀬戸内海の錬金戦団の本部に侵入して核鉄を盗み出した!!この武装錬金で貴様を殺す!!」
どう考えても逆恨みに他ならないが、とにかく彼はカズキ達に恨みを抱いているようだった。
「この武装錬金は毒の種類や濃度を自由に変えられる。例えば・・・」
震洋のポイズンペンシルが禍々しいオーラを放つとそれを動けない斗貴子の肩に突き刺した。
「例えばさっきこの女に刺した神経毒の濃度をさらに上げてみた。体に全く力が入らないくらいにな。」
次の瞬間突き刺された斗貴子は顔からは涙とよだれを垂らしながら下半身からは尿を噴出した。
プシャァアアアアアア
「お・・・おしっこが・・・・。い・・嫌・・・み・・・見ないでくれカズキ・・・。」
「貴様ぁああああああ!!武装錬金!!!!」
怒りに燃えたカズキは胸の中の核鉄を武装錬金サンライトハート+に変えた。
「行くぞ武藤カズキ!! 貫殺飛毒針100連!!」
そういうと震洋は武装錬金の本体である腕につけた筆箱状の箱から毒針を取り出して一気に大量に投げた。
恐らく円山のバブルゲイジのように本体から無限に生成されるタイプのようだ。
「フハハハハハハ!!1発でも喰らったら貴様はあの女のように体が麻痺して動けなくなる!!
そして涙とよだれと小便を垂れ流すんだ!!惨めな姿で動けない貴様をじわじわと殺してやる!!」
「全部蹴散らしてやる!!うぉおおおおおおおおおおお!!」
カズキはサンライトハート+の大きさを極限大にまで拡大して全ての毒針を弾き落とした。
「バカな!!そんなバカな!!全て弾き落とすなんて!!くそ!!これ以上動くな!!」
そういうと震洋は本体から毒針を1本取り出して動けない斗貴子の首に突きつけた。
「ハァハァ・・・。今度の毒針は巨象ですらすぐに死ぬほどの猛毒だ!!動いたらこいつに刺す!!」
そういわれるとカズキは動けなくなった。
「こっちへ来てこの神経毒の毒針を受けろ!!さもなくばこの女に猛毒の針を刺す!!」
「私は死んでもいい!!来るな!!来たら君が殺されるぞ!!」
斗貴子が人質に取られたらカズキは弱かった。カズキは震洋に近づいていく。
「いいこころがけだ。神経毒で麻痺したらじわじわ苦しんで死なせてやるよ。」
震洋がカズキに毒針を突き刺そうと構えた。
だが毒針がカズキの体に突き刺さる直前に震洋は毒針を落としてしまった。
そしてガクガクと体を震わせるとその場に倒れこんだ。
斗貴子だ。体が麻痺しているはずの斗貴子がカズキを想って最後の気力を振り絞って無理やり体を動かして、
震洋が自分に突きつけていた毒針を奪い取って、震洋の右足にザクリと突き刺したのだ。
「ぎゃはぁあああああ!!猛毒がまわるぅうううう!!死ぬぅうううう!!」
「死にたくないのなら武装錬金を解除しろ。さもなくば猛毒が回って死ぬぞ。」
元々死が怖くてホムンクルスにしてもらうためにL・X・Eにいた震洋だ。
こんなところでは死にたくない。斗貴子の言うとおりに武装錬金を解除して体内の毒を除去した。
だが震洋が武装錬金を解除するということは斗貴子の神経毒も消えることを意味する。
その瞬間を見計らって斗貴子は核鉄を奪い取った。
「武装錬金!!バルキリースカート!!」
斗貴子は処刑鎌の武装錬金バルキリースカートを発動した。
150スキーへ行こう9/11:2006/12/12(火) 11:55:24 ID:vdbZAYFd
「さぁ〜て。これで貴様は核鉄を失った。さっきの屈辱の借りをどう返すか?」
「斗貴子さん?相手は人間だから臓物や脳漿をぶちまけたりしないでよ?」
「わかっているさ。だが腕の1本2本は問題ないだろう?」
「ひぃいいいいいい!!助けて!!殺さないで!!痛いことしないで!!ひぎゃぁぁあああ!!」
ジョボジョボジョボ
丸腰の生身の人間の自分に武装錬金を展開した戦士二人では勝ち目はない。
恐怖に駆られた震洋は豪快に小便をちびらせた。
全裸で拉致されたり、武装錬金の特性とはいえおしっこを漏らす羽目になったりで斗貴子の怒りは
頂点に達しており、当然カズキもそのことに気がついていた。
このままでは斗貴子が本当に震洋から腕や足を斬りおとしたりしそうだ。
そうなる前にカズキは斗貴子より先に自分でけりをつけることにした。
「うぉおおおお!!ぶっ飛べ!!」
カズキはサンライトハート+の側面で思い切り震洋をぶっ飛ばした。
300mほどぶっ飛ばされた震洋はそのまま斜面を転がり落ちて行った。
「馬鹿!!何てことをしてくれたんだ!!どうやって帰るつもりだカズキ!!」
「え?何のこと斗貴子さん?」
「私はやつに手を出すつもりはなかった。その代わりに奴を脅して二度と私たちに手を出さないことを約束させ、
そしてやつの着ていた衣類を全部奪ってそれを着て帰るはずだった。まさか今私たちが全裸なのを忘れてないか?」
忘れていた。それに気がついた瞬間にカズキにとてつもない寒さが押し寄せてきた。
さらに吹雪でカズキの体を守っていた最後の生命線のタオルが吹き飛ばされて雪の中に消えた。
「あ!!タオルが!!寒い。寒い寒い寒い。足の下の雪が冷たい・・・。」
「あ、あそこに山小屋があるぞ!!あそこに避難しよう。」
山小屋に入った二人は急いで囲炉裏に火をつけて凍えた体を温めた。
「暖かいな。あのままだったら私たちは凍死するか凍傷になっていたぞ。」
「・・・・・・斗貴子さん。」
「どうしたカズキ?」
「いや、裸バルスカってなんだかエロいと思って。」
「全く。君もたいがいエロスだな。岡倉ほどではないが。」
「いや、あ、その、ごめんなさい。」
「残念ながらここには衣類はない。このまま火に当たって暖を取り続けよう。明日になればだれかが捜索隊を
出して探し出してくれるだろう。全く。スキーをしに来て雪山で遭難なんて何てベタなんだろうな。」
「ねえ、斗貴子さん?やっぱり火だけじゃ寒いよ。こういう時は人肌を重ね合わせて温まらない?」
斗貴子は顔を赤くしたが無言でうなずいた。
激しく抱き合いながら昼間よりも熱く、甘いディープキス二人を交わす。
「斗貴子さん。俺のをしゃぶってよ。それで俺は・・・」
斗貴子がカズキのものを口にくわえた瞬間、カズキは斗貴子の陰部に舌を伸ばした。
「ひゃぁ!!か、カズキ!!そこは・・・汚い・・・。さっきおしっこを・・・あぁああ!!」
「斗貴子さんの体に汚い部分なんかないよ。その証拠にほら。」
そういうとカズキは斗貴子のアナルを舐め始めた。
「あぁ!!そこは!!そこはぁああああ!!」
「ここだって汚くなんかないから舐められる。ちょっと苦いけど美味しいよ。」
「・・・・・・馬鹿。」
151スキーへ行こう10/11:2006/12/12(火) 11:56:16 ID:vdbZAYFd
斗貴子は激しくカズキのものをしゃぶり、カズキは斗貴子の陰部を激しくなめまわす。
俗に言う69という体位だ。
「斗貴子さん・・・。俺もうそろそろ・・・。」
「い、いいぞ。口の中に・・・。」
「いいの?じゃあ斗貴子さん!!飲んで!!」
ドピュドピュ!!ゴクンゴクン!!
「熱いものが口の中に広がる・・・。美味しいぞカズキ。さてそろそろ挿れてくれ。」
「うん。じゃあ挿れるよ斗貴子さん。」
カズキの陰茎が斗貴子の陰部に滑り込んだ。
初体験から6日が経過し、もはや斗貴子には挿入時の痛みはない。
「あぁあん!!やはり君のは大きいな。」
「行くよ!!うぉおおおおおおお!!」
そういうとカズキは錬金の戦士としての身体能力を駆使して高速のピストン運動を始めた。
同時に斗貴子のやや小振りな乳房にしゃぶりつく。
「あぁあああ!!んあぁあ!!気持ちいいぞカズキ!!」
「3日くらい前に気がついたけど斗貴子さんっておっぱい弱いよね。」
「ばれたか・・・。あぁあぁん!!」
「じゃあ今度はこっちで行ってみようか?」
そういうとカズキは自分の陰茎を抜かずに斗貴子の体を反してバックの体制に移した。
今まで二人は正常位でしかしたことがない。これは新しい経験だ。
「斗貴子さん!!斗貴子さんの可愛い肛門が見えるよ!!」
「嫌ぁ!!何を言い出すんだ!!恥ずかしいだろうが!!」
「でも斗貴子さんの肛門きれいなんだから。指で攻めてあげる。」
カズキはピストン運動を続けながら右手人差し指を斗貴子のアナルに挿入した。
「ひぎぃいいい!!お尻が!!お尻がぁあああああ!!」
「カズキ必殺W攻撃!!どう斗貴子さん!!」
「んあぁああああ!!2箇所同時に刺激されて・・・頭が真っ白に・・・・」
そのまま経過すること10分ほど。
斗貴子はすでに数回絶頂を迎えていた。
「カズキ!!またイクぞ!!ひやぁあああああ!!」
「そろそろ俺も・・・・出そう・・・・。」
「今日はゴムをしていないから・・・・外に・・・はぁあああ!!」
「出すよ斗貴子さん!!」
カズキはそのまま斗貴子の中で精液を放出した。
「中で出すな!!妊娠したら・・・・責任取るんだぞ・・・。」
「え?ああ大丈夫!!俺いつでもできるように朝からゴムをつけてたから。ほら。」
「ま・・・まさか寄宿舎を出る前からずっとか?スキー中や風呂に入ってるときも?」
「さっき69のとき気がつかなかったの?」
「気がつかないというかそういうことをするか普通?」
「駄目かな?」
「いいさ。カズキが私のことを思ってのことだろうから。」
152スキーへ行こう11/11:2006/12/12(火) 11:57:04 ID:vdbZAYFd
「熱いものを見せ付けてくれるわね。まだ高校生なのに。」
カズキと斗貴子が驚いて振り返るとそこには千歳がいた。
「千歳さん何で!!どうしてここに!?っていうかいつから見てたの!?」
「帰りが遅いから武装錬金ヘルメスドライブの瞬間移動で探しに来たの。『斗貴子さんの可愛い肛門が
見えるよ!!』あたりからそこの影にいたんだけどあまりにも熱烈的だったから出るに出られなくて。
それより服持ってきているから二人とも早く着なさい。カズキ君あなた丸見えよ。」
「うぉおおおお!!何と言うことだ!!」
カズキと斗貴子は急いで千歳が運んできてくれたスキーウェアを着た。
「ヘルメスドライブは最大100kgしか瞬間移動できないわ。悪いけど歩いて帰ってね。」
そういうと千歳は瞬間移動でホテルに戻っていった。
「そういえばこの44番の核鉄は大戦士長に返却しないとな。」
「桜花先輩もこっそり核鉄を持ってるしいいんじゃない?持っておけば?」
「そうだな。まあいいか。」
カズキと斗貴子は急いでホテルに戻った。

「シクシクシクシクシクシクシクシク。もうお婿さんにいけない・・・。」
ホテルに戻ると岡倉が未だかつてないほど落ち込んでいる。
その後では円山が顔をテカテカさせて悦に浸っていた。
恐らくあの後さらにディープなHG的展開が繰り広げられたのだろう。
火渡、照星、犬飼、根来、戦部はホテルのロビーで飲み会をしていた。
華花が火渡にお酌をしている。火渡はかなり酔って上機嫌だ。
六舛、大浜、パピヨン、ゴゼン、秋水、桜花はナイトスキーと洒落込んでいるようだ。
まひろと沙織は疲れて眠りに着いているらしい。
剛太と千里は恐らくは先ほどのカズキたちのように愛の営みの真っ最中だろう。
「俺達も部屋に戻ろうか。それでさっきの続きを。」
「ああ。そうだな。」
そのころブラボーの部屋の扉をノックした者がいた。
「私よ。防人君開けて。」
「どうしたんだ千歳。こんな時間に。俺はそろそろ寝ようかと。」
「じゃあ私と寝る?」
ブラボーは耳を疑った。今まで千歳は自分が誘っても「嫌!!」とか断られていたのに今日は自分から。
「私は自分がしたいときしかしたくないのだけれど、二人のあんな熱い行為とカズキ君のあんな大きなものを
見せられたらさすがにね。防人君。今晩は大サービスよ。思いっきり楽しみましょ。」
「ふふ。何のことだかわからないが俺はカズキ達に感謝しないといけないのか?」
「さあね。私には何とも言えないわ。」
その夜ホテルの各部屋から甘い愛の声が聞こえた。
カズキ&斗貴子、剛太&千里、ブラボー&千歳。
こうしてスキー場の夜は更けていく。
153スキーへ行こう:2006/12/12(火) 12:01:12 ID:vdbZAYFd
前回の初デートが割りと好評だったので、脳内にあった続編を書いてみました。
斗貴子を拉致した敵は最初月に行かずに地球に残っていたホムンクルスにしようと
思ったのですが、原作で酷い扱いをされた震洋に出番を与えて見ました。
でもやっぱり酷い扱い・・・。
>>123のような意見もあったので理由をつけてブラボーと千歳をくっつけてみました。
火渡が完全にギャグ要員なのは俺の趣味。
154:2006/12/12(火) 14:14:20 ID:mu6S5G04
蝶・GJ!
素晴らしすぎてニアデスハピネス使って爆死しそうになったよ。
155名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 16:37:15 ID:3ibL7uqJ
ニョッキバンザイ
156名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 16:38:45 ID:3ibL7uqJ
ニョッキバンザイ
157名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 19:00:04 ID:rJhDiDxR
お、岡倉……出来るならば代ってやりたい。
158名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 19:02:03 ID:3ibL7uqJ
ニョッキバンザイ
159名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 20:07:49 ID:ldBfqqE4
カズキが風邪をひいた。
現在、カズキは自分の部屋に引き篭もっている。あまりご飯も食べていない。
そんなままではカズキも辛いだろうから、私はお粥を作ってみた。喜んでくれるといいが……
カズキの部屋の扉を開けると、ベッドに横たわったままカズキが首を曲げてこちらを見てきた。
「斗貴子さん……おかえり。何してたの…?」
カズキが『おかえり』と言ったのは、さっきまで私もずっとこの部屋に居たからだ。
「お粥を作ってきたんだ。…あんまり、食べたくないか?」
「うぅん、もらうよ……斗貴子さんが作ってくれたんだもん、食べたい……」
カズキは微笑んで見せてくれたが、その笑顔もどこか痛々しい。
カズキはベッドから身を起そうとした為、私は慌ててそれを止めさせた。
「あ、コラ!ちゃんと横になってなさい!」
「でも、このままじゃ食べられないよ?」
「心配しなくても、私が食べさせてやるから」
「え…?あ、それは……」
何故か、カズキは躊躇うような声を出した。
「……?嫌か?」
「嫌な訳ない、って言うか寧ろ嬉しいけど…」
「そうか。なら、ホラ。熱いから気をつけてな……」
私があーんと言いながらレンゲをカズキの口元に持っていき、カズキもあーんと口を開ける。
そして、一口にそれを咥え込んだ。
私がレンゲを引き抜くと、途端に彼は笑い声を漏らした。
「えへへ、おいしーい」
「まだちゃんと味わってないだろう?」
「イヤ、斗貴子さんが『あーん』ってしてくれた時点で嬉しくて…」
「……そんなにヨロコぶ様な事か?」
私の疑問に対しカズキは、そうだよ、と弱弱しい声で力強く答えた。
「何か、恋人同士っぽいって言うか」
「ッ!!!」
このコが何を言わんとしていたのか、私はやっと理解出来た。
と言うか、単刀直入に言われただけなのだが……。
私の顔が火照っていくのが分かる。
「…私は真面目にやってるんだぞっ!?」
「分かってるよ。ありがとう」
……何だかカズキの答えはズレてる様な気がするが、未だ絶えぬ笑みに免じて許してやろう。
「……バカな事言ってないで、早く食べなさい。冷めるとおいしくないぞ」
「ウン、分かった。じゃあ斗貴子さん、お願い」
カズキが期待の瞳でこちらを見詰めてくる。
…さっきあんな事を言われたので少しやり難いが、これもカズキの為だ。
「あ、あ、あー……ん」
「あーん」
枕に頭を預けたまま、カズキは嬉しそうにお粥を噛み締める。
「うん、やっぱりおいしい……」
「味覚は残ってるのか?」
「みたいだね。頭はボーッとしてるけど、味は多少分かるよ」
「いい事だ。食べ物がおいしくないというのは、ある意味一番の苦痛だからな」
「なら俺は一番仕合せだね……斗貴子のさんの手料理ならいつでもおいしいって言えるもん」
「……………ホンットにキミは………」



お粥の入っていた土鍋を綺麗に空けたカズキは、幼い子供の様に眠ってしまった。
ちょっと食べすぎなんじゃないかとも思うが、鍋は小さいし、
このコは食べ盛りだし、こんなものなのかも知れない。
私は冷水を染み込ませたミニタオルを作ったり、カズキの汗を拭き取ったりして時間を過ごした。
眠っている間にちょっとずつ顔色が回復している様な気がして、私は少し安心出来た。
160名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 20:08:58 ID:ldBfqqE4
六時四十分頃、もうすぐ夕食かという時にカズキは目を覚ました。
「………ん…」
「あ、起きたのか?」
「…ウン……今、何時?」
「あと二十分程で七時だな。晩御飯はどうするのか聞こうと思って、
 私も今起そうとしたところだ。調子は?」
「んー…熱はちょっと下がったみたいに思うけど……」
「どれ…」
私は大体の熱を調べる為、彼の額と私の額をくっ付けてみた。
「……確かに、さっきよりは下がった様な気も――」
「…あー………」
「ん?どうした?」
私が顔を離した時、何故かカズキの顔は赤くなっていた。
熱は下がったにも関わらず、だ。
「イヤぁ急に顔近づけてくるから…その、キスしてくれるのかなぁ…って思ったんだけど」
……風邪で意識も朦朧としてるというのに何て浮付いた思考をしているんだこのコは!!
「会話の流れ的におかしいだろそれは!?」
「そっそうなんだけどさ、丁度位置がそんな感じだったから……」
「………」
呆れていた私の表情を怒っていると取ったのか、カズキは慌ててごめん、と謝って来た。
「謝らなくてもいいから、もうちょっと真面目に休みなさい!」
「はーい…」
カズキはションボリしながら軽く瞳を閉じた。まだ眠いのだろう。
………………………………………………。
161名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 20:09:34 ID:ldBfqqE4
「………ちゅっ」
「!?と、斗貴子さんっ!!?」
私のくちびるとカズキのくちびるが軽く触れあった瞬間、カズキは飛び起きた。
「ええい大声を出すなっ!体に響くぞ!」
「いやいやいや、今の俺にキスなんかしたら風邪が移っちゃうって!」
「ずっとキミと同じ部屋に居たんだ。今更大して変わらんだろう?」
「……………あ、ありがとう……柔らかくて、温かくて…気持ち良かったよ」
思った事を正直に話すカズキの性格は、私にとって好ましくない時も多い。
「そういう事は心の中で思うだけにしときなさい……」
「だって、ホントにそう思ったから…」
カズキはキスの余韻に浸っているのか、まだ赤い顔で笑っていた。
だが私は早く話題を変えたかったので、夕飯の話題をもう一度振る事にした。
「それで晩御飯はどうするんだ」
「あ、そーだなー」
カズキは真顔に戻って中空を仰いだ。
「…普通のご飯は……まだちょっと食べ難いかも」
「よし分かった。じゃあ昼と同じ様に、寮の食事は止めておきなさい。
 私が何か消化の良いものを作ってこよう。
 しかしまたお粥というのも何だな……うどんでもしてこようか?」
「いいの!?ありがとう!!」
「気にするな。じゃあ私は調理室に行ってくるから――」
私が部屋を出て行こうとすると、待って、と声を掛けられた。
「斗貴子さんはいつご飯食べるの?」
「あぁ……」
カズキの事で頭が一杯で、私自身の事は何も考えていなかった。
「…そうだな……食堂で食べるとなるとキミを一人ぼっちにしてしまうからな。
 食事だけ運んできて、ここで食べようか」
「…色々気を遣わせちゃって、ゴメンね斗貴子さん」
「気にするな。私がしたくてやってるんだから」
申し訳なさそうな表情のカズキにそう言い、私は今度こそ立ち上がり部屋を出ようとした。
「あ、ねぇ斗貴子さん!!」
またか。
「今度はなんだ?」
「……今度も『あーん』ってしてくれる?」
私は手近にあったクッションをカズキの顔面に投げつけた。
「ぶっ!」
「このバカ!私が帰ってくるまで寝てるんだぞ!」
カズキが二の句を継げる前に、私は部屋の扉を閉めた。
何であのコはあんな事ばっかり考えてるんだ。
……でもまぁ、あの調子なら明日か明後日には治ってるだろう。
少なくともそれまではあのコの傍を離れないでいよう。あのコの為に出来る事なら何でもしよう。
――カズキの、あの太陽の様に快活な笑みを取り戻すために。
162名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 20:10:31 ID:ldBfqqE4
―その晩、カズキの部屋―
「斗貴子さんって料理上手なんだね。お粥もうどんもすっごくおいしかったし」
「キミがそう言ってくれると、私も嬉しい」
「…斗貴子さん、いいの?もう一時だよ」
「見回りならもう終わってる」
「そうじゃなくて。部屋帰らなくてもいいの?」
「……いつもは平気で『一緒に寝ない?』って誘う癖に、どういう風の吹き回しだ?」
「そっそれは言わない約束…。でも今日は一緒に寝られないでしょ?風邪移っちゃうよ?」
「今になって移るなんて言ったって仕様が無いって、言っただろう。
 まあ病人の寝床を狭くしようなんて思わないから、安心しろ」
「…床で寝るの?駄目だよそんなの、ちゃんと部屋に帰ってベッドで寝なきゃ」
「構うな。今はキミの事の方が大切なんだ」
「……斗貴子さん…」
「ホラ、下らない事言ってないで早く寝なさい。睡眠は病気を治す第一歩だぞ」
「ウン、分かった…。斗貴子さん」
「何だ?」
「…俺、斗貴子さんの事だいすきだから」
「なっ、バッ!!きゅ、急に何を言ってるんだ!」
「何か言いたくなったからさ。でも、嘘じゃないよ」
「…もう………」
「…お休み。斗貴子さんも、早く寝た方がいいよ」
「ああ。……お休み、カズキ」
「あ、斗貴子さん……お願いがあるんだけど」
「?」
「手は……そのまま…握っててくれない?」
「……フフッ、分かった」
「ありがと斗貴子さん」
「お礼を言われる程じゃ無い」



「私も――キミの事が、だいすきなんだからな」







あなたの為なら―――了
163名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 20:11:07 ID:ldBfqqE4
お久しぶりです。私も名前かトリか付けた方が良いんですかね?


最近のココは賑わってる様で何よりです。
私はしょーもないSS書きですが、それでも許せるという
寛大な方はこれからもどうぞよろしく。
164名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 22:12:08 ID:lY5GJo4g
風邪っぴきカズキと看病斗貴子さん GJ!初々しくってかわいいなあ
斗貴子さんは姉さん女房が板についてるねw
そらカズキも甘えちゃうってもんだ


鳥は好きなようでいんじゃないかな
自分は貴方の文章好きだから嬉しいけど、基本、このスレにss落としてくれる
神様たちの作品は全部美味しくいただきます
165名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 23:43:51 ID:4rhEHHNf
「腹減ったー……」
戦士長、火渡は自宅でうなだれていた。
この日、休暇で帰省していた火渡は自宅に帰るやいなやすぐに就寝。
翌日に食糧を買い忘れてた事に気付き買いに行こうと試みるも気力がなく断念。
とりあえず何か食べなければと火渡の取った行動は、
「腹減った」

のメールを戦士全員に送りつけた。
しかし帰ってくるのは、

「現在仕事してます」

という返事ばかりだった。
つまりこのまま行くと餓死しかねない状況に火渡は陥っていた。
「俺バカだ……」
反省はしているものの思考は働かず先ほどから同じセリフを繰り返す。
「俺バカだ………」
意識が遠のき始めたころ、
「火渡様〜いますか〜」
という少女の声。
その声に聞き覚えのある火渡は残った気力を振り絞り玄関へ這って行く。
玄関を開けるとそこにはやはり見覚えのある顔があった。
「毒島……か…」
「火渡様!大丈夫ですか?」
毒島華花、彼女もまた錬金の戦士であり現在は部隊を離れ銀成学園に通っている。
彼女は今、両手に買い物袋を下げ火渡宅の前に立っていた。
「メール見ました、すぐに何かつくります!」
「あ……あぁ……」
そういうと華花はキッチンへ走った。
166名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 23:59:24 ID:4rhEHHNf
十分くらいだろうか……火渡には長く感じた。
時折鼻につく料理の香り。
火渡の腹は限界へまっしぐらだった。

「火渡様、出来ました……熱いですから気を付けて……」
早業だった。
目の前に置かれた料理は数秒のうちに火渡の腹へ。
「おかわり!」
あっという間の出来事にキョトンとした華花だがすぐにキッチンから料理を運んでくる。
運んでは食い、食っては運んで……かれこれ三十分食べ続けた火渡は最後の一皿を完食。
「ごちそうさま!」
「は、はい…」
火渡の食事のスピードに圧巻され続けた華花はそのまま後片付けを始めた。
火渡はそのまま一服、はたから見れば夫婦に見えないこともない。
しばらくして後片付けを終えた華花が戻ると火渡が口を開いた。
「なんでお前が来たんだ?学校だろ」
そうこの日は平日、普段なら学校に通っている時間帯だ。
しかも火渡の自宅は学校からかなり離れている。
一日は無いとたどり着けない距離だ。
「え………その、火渡様にメールを貰って何だか不安になって……学校に欠席届けを出して……」
「だからなんでわざわざ学校休んで来たんだって聞いてんだろバカ」
「え、その……」
華花は口ごもる……言えるはずがない。
167名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 00:25:46 ID:HkNpUGU0
「花嫁修行をしてこい」
とかつての仲間に後押しされたと。
(灰にされる……)
華花が来たことではなく名目が花嫁修行だということに激怒した火渡が首謀者円山他数名を燃やしにかかるのは目に見えていた。
「え……その……円山さんに」
「……円山か、円山だな!どんな事吹き込まれた!言え!」
火渡は怒鳴りつける。
華花は半泣きになりながらさらに続ける。
「は、花嫁修行をしてこいって言われて……ごめんなさい!」
花嫁修行………この単語を聞いた火渡の動きが止まる。
しばらく硬直していた二人だが、火渡が再度動きだす。
「花嫁修行ぉ〜!?お前が?」
「は、はい……前からお料理は勉強してましたが……」
「ぶはははは!お前がか!」
(笑われた!)
火渡は腹を抱えて笑う。
華花は花嫁修行の事を火渡に知られ、あげくに笑われた事にショックする。
火渡は机をバンバン叩きながら笑い続ける。
そしてついに………、
「ぅえっ………」
華花が泣き出した。
さすがの火渡もこれには焦る。
「い、いや…その……………」
火渡の顔には焦りの色が出ていた。
華花は涙を溢しながら口を開く。
「わ、私……火渡様の為に…頑張って……来たのに……」
168名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 00:28:02 ID:lvanNKFM
支援
169名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 00:42:05 ID:HkNpUGU0
「火渡様の為に」
火渡にこの言葉が引っ掛かる。
(俺?俺の為に?)
「私……ヒック……ずっと火渡様のことが好きで……ぅえっ……それで今まで頑張って……」
火渡の心に突き刺さる。
「火渡様のことが好きで」
(俺が好き……だと?)
初めて知る部下の気持ち。
そう、火渡は華花を部下と見ていた。
しかし華花は火渡を一人の男性として今まで認識していた。
この僅かな差が今のこの状況を産み出した。
火渡は理解した。
自分が戦士長として押し殺した感情、ずっと昔に忘れた記憶。
「でも……でもっ…笑われた………私……やっぱりダメですか?」
(そうか……俺は)
「そうですよね……歳だって違いますし」
(俺は……コイツが…)
爆発した。
何もかも思い出した。
全て取り戻した。
「あの……お邪魔でしたよね……厚かましくて……帰ります……」
帰ろうと立ち上がる華花の無意識に手を掴んでいた。「好きだ………」
とっさに出た一言。
もう隠す必要は無かった。
こんなに自分を想う人を笑った。
火渡はそれを悔いた。
「お前が……好きだ、毒島………」
「火渡……様」
なら、今出来ることは素直に感情を出し、目の前の人の感情に答えるだけ。
二つの影が重なった。
170名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 00:50:29 ID:HkNpUGU0
あれからどれだけたった?
ずいぶん長い時間交じりあった二人。
火渡は自分の隣で寝息をたてている少女を優しく抱き上げる。
「火渡様……私……」
華花は火渡の腕の中で呟く。
「私……後悔してません…………」
火渡はベッドに華花を寝かせる。
そして呟く。
「後悔なんかさせねぇよ……お前はずっと……」
一瞬口ごもる。
そして華花の頬を撫でる。
「俺の嫁だ…」











以上です。
エロスなシーンが書けずに苦労しましたが、このカップリングが書けて満足しました。

また、機会があれば書かせていただきます。
171名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 09:27:41 ID:NJtwF3iy
うおおぉぉぉおぉGJ!!!!
このカップリング大好きだ!!!
172名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 17:10:48 ID:3tYERbad
投下が続いて、SS好きな俺には嬉しい悲鳴の連続だぜ

そういえば嬉しい悲鳴ってどんな感じだ。やっぱ「ヒャッホウ!」かw
173名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 20:43:03 ID:DNPK6yza
いいSSだ。乙!
だが火渡ってロリコ(ry
174予想問題:2006/12/13(水) 21:51:13 ID:r1xlErYn
ss投下します。
エロって難しいですね。
私もss好きで、他の方のssを美味しくいただいています。
もっと沢山色々なss読みたいです。
では。
175予想問題:2006/12/13(水) 21:52:14 ID:r1xlErYn
Experiment on Feti

「斗貴子さん、約束だよ?」
「・・・ん・・・わっ・・・わかった・・・」
深夜1時、なにやら約束をして斗貴子はカズキの部屋を後にする。
頬を少し赤く染めたまま、階段を下り自室の扉を開ける。
部屋の明かりを点けると、斗貴子のお気に入りのアイリッシュリネンの
フラットシーツが綺麗にかかったベッドが目に入る。
頬を赤く染めたまま、何か頭に浮かんだ妄想をかき消すように強く首を2回振ると、
斗貴子はそのままベッドに倒れこんだ。
窓から綺麗な月が見える。
「月・・・」
そうつぶやいて、暫く見入ってしまった。
しかし、すぐに何かを思い出したかのように起き上がると、
枕を胸に抱いてベッドに座り直し、さっきカズキとした約束を反芻する。


つい30分程前のこと。
斗貴子はカズキの部屋で一緒に雑誌を見ていた。
ふと、布団に目がいく。
カズキの寝相のせいで、布団もシーツもぐちゃぐちゃに乱れている。
「しょうがないなぁ、きみは」
斗貴子が立ち上がり、布団を直す。
「あ、いいよ、斗貴子さん。後でオレが直すから」
「いい、いい、私はこういうのは得意なんだ」
言葉通り、斗貴子はテキパキとベットメイキングを進めていった。
シーツを几帳面にピンとはり、
枕カバーをキチンとかけて、置きなおす。
「ん?」
枕側のマットレスとベッドの間に雑誌が一冊。
「雑誌?」
斗貴子がその雑誌を引っ張り出すと、それは俗に言う成人雑誌だった。
(快楽天?フーン、俗に言うエロスマンガか・・・まったくこの子は・・・)
カズキは雑誌に夢中で、気付いていない。
気付いた時の反応が見たくて、ニヤニヤしながらベッドに座り、
わざとパラパラと音を立ててめくってみる。
しかし、まだカズキは気付かない。
斗貴子が無意識に中身を見ると、ある漫画の所だけが、やけに痛んでいる。
(カズキはこの作者の漫画がお気に入りなのか・・・)
斗貴子は試しに読んでみる。
ストーリーとしては、彼女と映画を見に行った主人公が、
映画を見ながらエッチを初めて、そのまま最後までやってしまうという筋書き。
パラパラと読み進める。
176予想問題:2006/12/13(水) 21:52:48 ID:r1xlErYn
(ん?この彼女役の女の子はメガネっ子じゃないか・・・)
斗貴子はタメイキをついてカズキを見た。
(この子はまったく・・・メガネフェチなのか?)
自分の周りにいるメガネっ子といえば、ちーちんぐらいだ・・・
(カズキはちーちんに欲情したりするのかな・・・)
そう思うと、何か胸の奥がモヤモヤとして、気分が悪くなった。
ちーちんに殺意さえ覚える。
(明日、意地悪してやろう)
そう考えると、ワクワクしてクスクスと笑ってしまう。

事実、次の日ちーちんの下駄箱に「コロス」と書いた紙を入れておいた。
そして、凹んでいるちーちんに「どうしたの?何かあったの?」と優しい言葉をかけてみた。
ちーちんは暗い顔で「な・・・なんでもありません。ありがとうございます」と言っていた。
(プッ・・・ありがとうございますだって・・・笑わせる・・・私が犯人なのに・・・ククク)
斗貴子は少し気分が晴れたような気がしたが、(これからも時々やろう)と考えた。


話を戻す。
斗貴子は、さらにじっくりとその漫画を読む。
(ん?しかも、この女の子はノーパンの設定じゃないか・・・なっ・・・なんでノーパン??)
斗貴子はしばらく考えたが、答えは出なかった。
(謎だ・・・でも、カズキはこういうシュチエーションに燃えるのか?)
自分の周りにいるノーパンといえば・・・
(いないか・・・そんな変態)
斗貴子は一瞬、千歳の顔が思い浮かんだが、目の前に現れそうで考えるはやめた。


さらに漫画を読み進める。
(ん?・・・しかも、この子は巨乳の設定じゃないか・・・やはり、大きいほうがいいのか?)
自分の周りにいる巨乳といえば、まひろと桜花・・・
しかし、桜花は巨乳だが、乳輪がでかそうなので斗貴子は対象から外した。
(カズキはまひろに欲情したりするのかな・・・)
そう思うと、何か胸の奥がモヤモヤとして、気分が悪くなった。
(近親相姦じゃないか・・・ヘンタイめ・・・)
カズキの横顔をキッと見据える。
(明日、まひろにも意地悪してやろう)
そう考えると、ワクワクしてクスクスと笑ってしまう。

事実、次の日の朝食の時間、まひろの部屋に忍び込んでバイブの電池を抜いておいた。
(何が、バイブレーターだ!一人、濡れそぼった陰部をもてあましてモンモンとするがいい・・・)
斗貴子は、ばれないうちに部屋を出る。
電池はちーちんの部屋の中に捨てておいた。
(ククク・・・)
斗貴子は食堂に行き、まひろに挨拶をする。
「おはよう、まひろちゃん」
「あー、おはよう斗貴子さん!」
いつもの明るい笑顔。
本当に可愛い子だ。
この可愛い子が、モンモンとして悶えている姿を想像すると、
斗貴子は軽い興奮を覚えた。
177予想問題:2006/12/13(水) 21:53:25 ID:r1xlErYn
話を戻す。
斗貴子は、さらにじっくりとその漫画を読む。
(ん?・・さっ・・・最後はバックでやってる・・・・プッ・・・映画館でこんなことやったら
周りにバレバレじゃないか・・・ククッ・・・笑わせる・・・)

漫画を読み終わって、斗貴子はコレはバカバカしい漫画だと思った。
こんな漫画を本が傷むまで読むなんて(カズキもどうかしている)と思った。
しかし、メガネっ子とノーパンと巨乳いうキーワードが、やけに引っ掛かった。
どれも、自分には無いアイテムだからだ。

カズキがまだ雑誌に夢中なので、斗貴子はその成人雑誌を元あった場所に戻すと、
ベッドの上で足を組んでひとりごちた。
いろいろな思惑が斗貴子の頭を駆け巡る。
(もしカズキがメガネっ子にしか欲情しない変態だっら・・・私の性生活は・・・。
いざ、射精という段階になって、いきなり「斗貴子さん、メガネかけて。
そして、メガネをかけている斗貴子さんにぶっかけたいよ」なんて言い出したら・・・。
はてまた、射精という段階になって、いきなり「斗貴子さん、最後はパイズリでいきたいよ」
なんて言い出したら・・・)
無理だ・・・私にはそのアイテムが無い・・・)
斗貴子は愕然とした表情で自分の両手を見つめた。
(考えろ・・・考えるんだ・・・斗貴子、考えろ・・・)
斗貴子は両手で顔を覆い、しばらく思案した。

そして、5分ほどして斗貴子はハッとした面持ちでスクッと立ち上がった。
(分かった・・・カズキのフェチを矯正するしかない・・・私の性生活を守るには、これしかない・・・。
しかし、いきなり全面的に改善は無理だ!まずは、漫画と同じ映画館というシュチエーションで、
巨乳抜きでやってみよう。そうだ、メガネは度が入っていないヤツを使えば、対応可能だ!
ノーパンだってOKだ!でも、巨乳は無理だ。いきなりAカップがDカップになるわけが無い。
日帰りシリコン手術なんてやってるヒマはない。
よーし、よし、乗ってきた乗ってきた、私の性生活に光が見えてきた。私のオルガズムは
もうすぐそこまで来ているぞ。あー長かった、長かった、あたしのオルガズム、
オー−−ルガッズッムッ!)
自分の大事な大事なオルガズムのこと。否応にも力が入る。
斗貴子はいつのまにか肩で息をするほど興奮している自分に気付いた。


斗貴子は深呼吸して気分を落ち着けると、緊張した面持ちでカズキの隣に座り、話しかけた。
「カ・・・カズキ、明日の放課後、映画にいかないか?」
「え?映画?いいよ!斗貴子さん、何か見たい映画があるの?」
「ん・・・・あ、いや・・・すっ・・・空いてるヤツがいい」
「空いてるヤツ?空いてるってことは、きっとつまらないんだと思うよ?」
「い・・・いいんだ、そんな映画が見たいんだ」
「ふーん・・・いいよ、じゃあ明日の放課後までに調べておくよ」
「あ・・・ああ」
「でも、たのしみだなぁ、斗貴子さんと映画かぁ・・・」
「じゃ・・・じゃあ、約束だぞ、いいな」
「うん!、絶対だよ?オレ、すごく楽しみだだよ!」


斗貴子は今、自分の部屋でさっきまでの漫画のストーリーを思い出していた。
目をつぶって、明日の作戦を練る。
暫く思案していたが、すっと立ち上がると、窓の方に歩いていった。
窓から月を見上げる。
その月を見上げる目には強い意志が込められていた。
178予想問題:2006/12/13(水) 22:00:29 ID:r1xlErYn
次の日の放課後、銀成駅南口に斗貴子とカズキの姿があった。
カズキが決めた映画は、日本の純愛物。
鳴り物入りで公開されたが、期待はずれで全然人が入っていないらしい。
チケットを買って、映画館に入る。
予想通り、中はガラガラだ。

「斗貴子さん、この映画でよかった?」
「あ・・・ああ、これでいい。カズキありがとう」
「よかった!じゃっ、座ろうか」

斗貴子とカズキは、少し後ろの方の真ん中の席に座った。
席に着くなり、斗貴子はメガネをかけ始めた。
「?あれ?斗貴子さんって、メガネしてたの?」
「・・・いや・・・」
「・・・目が悪いの?」
「い・・・いや・・・、いっ・・・いいから、ホラ、始まるぞ」

場内が暗くなり、ブザーが鳴る。
カズキはすでにスクリーンに夢中になっている。

(しっ・・・失敗なのか?)
斗貴子はあせった。
カズキはメガネっ子に目がないはず。
当然、自分がメガネをかけたら、目の色が変わると思っていた。
(そんなバカな・・・何かがおかしい・・・)
呆然としながらも、斗貴子は考えた。
(とっ・・とにかく、このまま続行だ・・貧乳でも、男を喜ばすことが出来ると体に覚えさせるんだ・・)

そして、映画が始まってすぐ斗貴子は行動を起こした。
斗貴子の手が怪しくカズキの股間にのびて行く。
ズボンの上から、優しく愛しい人の陰茎をタッチする。
カズキが吃驚したように、ビクッと体を揺らす。

驚いた顔で斗貴子を見る。
「とっ・・・斗貴子さん?」
斗貴子はスクリーンを見たまま、口の端だけ笑って、そのまま手を動かし続ける。
斗貴子のかけているメガネにスクリーンの光が反射する。
「コラ、カズキ、声を出すな。上映中だぞ。前を見ろ」

斗貴子の手の中で、いやでもカズキの陰茎が充血する。
触って30秒もたたないうちに、形がくっきりと分かるほどにカチカチになっている。
先のくびれを重点的に、少し乱暴に触り続ける。
その充血したモノは、斗貴子の手の中で熱を帯びてきた。
カズキは時々、ビクッと体を揺らすが、
顔は斗貴子のいいつけ通り、スクリーンの方を向いている。
179予想問題:2006/12/13(水) 22:01:03 ID:r1xlErYn
斗貴子はチャックに手をかけた。
吃驚した顔のカズキが斗貴子の手を掴む。
かまわず斗貴子はチャックをゆっくり下ろす。
中から、カチカチになったカズキの陰茎が顔をのぞかせる。
斗貴子は前を向いたまま、その先に触れてみた。
(もうヌルヌルになっている・・・)

そのカズキ自身のヌルヌルとした液体を手の平につけると、
そのままやさしく亀頭全体を包み込んだ。
「ん!」
体の中で一番敏感な部分を斗貴子に握られて、カズキの声が洩れる。

「コラ・・・。悪い子だな・・・周りにばれるぞ・・・」
スクリーンを見たまま、斗貴子がボソボソと喋る。
カズキの息が荒くなっているのがわかる。
斗貴子は、そのヌルヌルの手で、カズキの亀頭を
ゆっくりとこすりはじめた。

カズキは手を口に当てて、声を殺している。
カズキ自身の液体のせいで、こするたびにクチックチッと音がする。
「いやらしい子だな・・・きみは・・・」
斗貴子が少し冷たい口調で喋る。
顔は相変わらず前を向いたままだ。

よほど感じているのだろう、透明なヌルヌルとした液体は
乾くより早く、カズキの亀頭を覆っていった。
斗貴子の手は、カズキの液体でヌラヌラと光っている。
指の間からたれて、カズキの根元にポタポタと落ち始めている。

「本当にいやらしい・・・」
斗貴子はそういうと、さらに強くカズキの亀頭を握ると、
少し早くしごき始めた。
グチュッグチュッといやらしい音がする。

一番近い客とはだいぶ離れている。
このぐらいの音なら届かない。

カズキがビクン、ビクンと体を揺らす。
「本当に感じやすいな・・・キミは・・・」
肩で息をするカズキ。
斗貴子しばらく手を止めて、カズキの荒い息が整うのを待った。
180予想問題:2006/12/13(水) 22:01:34 ID:r1xlErYn
次に、もう片方の手でカズキの手を握ると、自分の股間に導いた。
触ってみて、カズキが驚いた顔で斗貴子を見る。

斗貴子はスクリーンの方をむいて、また口の端だけで笑っている。
斗貴子は下着を着けていなかった。
カズキが触ったときは、もうすでに斗貴子の股間は
熱く、トロトロにやわらかくなっていた。
溢れている・・・という表現がピッタリなほどに、その泉は斗貴子の透明な液体で潤っていた。
カズキが一番敏感な突起物を触ると、ビクッと斗貴子の体が揺れた。
カズキはその突起物をもてあそんだ。
斗貴子自身のヌルヌルの液体をたっぶりと指につけて、
そのぷっくりとした突起物を指でいきなりこすり付ける。
スクリーンを見ている斗貴子が、歯を食いしばって声を殺している。
次に突起物を2本の指で挟むようにしてつまむと、
斗貴子は声を漏らしてうつむいてしまった。
「くっ・・・」
斗貴子は、自分の手で口をふさぐ。、

そして、斗貴子も再びカズキの亀頭を握った手を動かし始める。
2人の股間からいやらしい音がしはじめる。
グチッグチッという音にまじって、二人の快感を押し殺す声と荒い息が聞こえる。
それでも、2人はスクリーンの方を向いて、平静を装っている。

カズキが中指を根元まで、ゆっくりと斗貴子の中に沈めると、
斗貴子は腰をガクガクと痙攣させ、切ない声を上げる。
さらに、カズキが中指を入れた状態で、親指で突起物を少し乱暴に擦ると、
斗貴子は声をもらしてうつむいてしまった。
「んっ・・・くっ・・・」
「斗貴子さん、ダメだよ、ちゃんと前を見ないと・・・」
「私に・・・め・・・命令するな・・・わ・・・わかって・・・うっ・・・いる・・・くっ」

斗貴子の泉の奥の内壁をカズキは指で擦り、斗貴子の一番感じる部分を探し出す。
斗貴子が「んンッ」とうなって腰をよじる。
(ここかな?)
カズキは、今、斗貴子が反応した場所を入念に攻め続ける。
「あぅっ」
斗貴子は口に手を当てて、体を折るようにして前のめりになってしまう。
体がビクンビクンと自分の意志とは関係なく反応する。
声が出るのを我慢しながら荒い息を肩で呼吸している。。
それでいて、茂みの奥はカズキの指を求めて吸い付いてくる。

斗貴子が首をふりながら、顔だけカズキのほうに向ける。
口を手でふさぎ、声が出るのを我慢しながら、
(も・・・もうだめ、やめて・・・)と訴えるような目でカズキを見つめる。

そのいやらしい姿の斗貴子を見て、カズキの陰茎は
ますます濡れ、硬く硬くなっていった。
181予想問題:2006/12/13(水) 22:03:06 ID:r1xlErYn
と、いきなり、斗貴子がカズキの指をふりほどく。
(も・・・もうだめ!)
すると、映画館の床にうつぶせに寝そべるような形で横になり
メガネ越しに横目でカズキのほうを見る。
腰だけを少し浮かし、トロンとしたいやらしい目付きで誘う。
肩で息をしながら、(ここなら見えないから・・・)と
懇願するような目付きでカズキを誘う。

カズキはその大胆な行動に驚きながらも、
その熱く、斗貴子のいやらしい体液で潤っている部分にひきよせられるように
斗貴子の腰にまたがり四つんばいになる。
紺のセーラー服に、その白いおしりと、ヌルヌルと光っている部分がすごく卑猥に見えた。
周りの目を気にしながら、硬くなった陰茎を斗貴子の熱い部分にあてがう。
ビクリと反応する斗貴子を無視して、ゆっくりゆっくり斗貴子の中に自分自身を沈めていく。
斗貴子が、口を両手で押さえ、声が洩れるのを我慢しながら腰を前後にゆする。
(斗貴子さん、自分で腰を振っている・・・)
カズキはこのいやらしい斗貴子の反応に興奮し、いきそうになるのを我慢しながら
腰を斗貴子に打ち付けていく。

カズキの陰茎が、先ほど発見した斗貴子のツボを突く。
その度に背中をのけぞらせて反応する斗貴子。
口を押さえている手が、よだれでベトベトになってくる。

やがて、「ぐっ・・・・・・んふぅっ!」という声と共に、斗貴子が痙攣をしてイクと、
カズキも待っていたかのように、斗貴子の中に白く熱い液体を放出した。
2人でそのままグッタリ横になり、しばらく荒い息を整えた・・・。


カズキの白いものが斗貴子の中から出きった後、ティシュで始末をして2人で着ている服を正す。
周りの目を気にしながら、一緒に席に座りなおし、
何も無かったような顔をしてスクリーンに目を向ける。
幸い、誰も気付いてはいない。
(結構、ばれないんだな・・・)
そう斗貴子は思った。

「カズキ・・・どうだった?」
「え・・・どうだったって・・・んと・・すごく気持ちよかったよ」
「そうか。あ・・・案外普通だったな・・・」
「え?なにが?」
「あ、いや・・・なんでもない・・・」

(メガネにぶっかけも、パイズリもなかった・・・。
ノーパンと分かったときも、ニヤリとするかと思ったら、驚いていたな・・・)
斗貴子は、もしかしてカズキはメガネフェチでも、巨乳フェチでも、
ノーパンフェチでもないのではないかと考え始めていた。
(とりこし苦労だったのか・・・?)
メガネにぶっかけしなかったからメガネフェチではないという道理に疑問が残るが、
斗貴子はそんなことには気付かず、ご機嫌だった。
(やっぱりカズキは普通の子だな・・・きっと・・・)
斗貴子が、カズキの手を握ると、カズキもニコリとしながら握り返してきた。
カズキの肩に頭を預けて、幸せな気分のまま斗貴子達は映画の残りを見て帰路に着いた。
182予想問題:2006/12/13(水) 22:03:57 ID:r1xlErYn
一方、寄宿舎。
カズキが斗貴子と映画に行く事を知っていたので、
まひろはカズキの部屋から成人雑誌を持ち出し、
自室で読みふけっていた。
(あ、この漫画、この漫画。
この映画館でエッチする漫画が、興奮するのよね・・・)
まひろはお気に入りの漫画を真っ先に開いた。
漫画を読んでいるうちに、まひろの下半身がムズムズしてくる。
(あー、これはやらないと収まらないかなぁ・・・)
そう考えたまひろは、お気に入りのバイブを枕の下から取り出し、
下着の上から股間にあてがいスイッチを入れた。
(?)
しかし、バイブは動かない。
何度かスイッチを入れ直したが、バイブはウンともスンともいわない。
(バイブが動かない・・・。こっ・・・壊れたの?)
まひろは愕然として、バイブの説明書を読み漁った。
(使用方法は間違っていないし、最近ムチャな使い方もしていないのに・・・)
まひろはあせった。
(じゃあ、このモンモンとした気分を、どうしたら・・・)
まひろは軽いパニックに陥っていた。
(この盛り上がった気分のうちにやらないと、だんだんとさめてしまって、
私の一番敏感な突起物の感度が下がってしまう!)
そう考えると、いてもたってもいられなくなってきた。
一分、一秒を争う事だと考えるようになり、もはや発狂しそうになってきた。
(まずい、このままだと、談話室に乗り込んで
 「誰か、私のバイブを修理して、お願い、お願いぃぃぃ」と叫んでしまいそう)
(それでダメなら、管理人室に飛び込むことになってしまう。
そして、ブラボーに同じお願いをすることになる!!
そんなことしたら、多分ブラボーに犯されてしまう。あたし、犯される。
いや!犯される!犯される!犯される!)
そう考えると、なおいっそう、まひろの股間は潤っていく。

(え!そしたら、私のあえぎ声を聞いて、きっと六桝達も来てしまう。
そしたらきっと、まわされる!
代わる代わる犯されて、全員の白い液体を顔に・・・!
やばい、顔面シャワーセレクトテン状態。
まずい!まわされる!まわされる!まわされる!まわされる!まわされる!まわされる!
まわされる!まわされる!まわされる!まわされる!まわされる!まわされるぅぅぅっ!)
「ひぎぃぃぃぃぃぃぃぃ」
まひろは、エロスマンガのセリフのように叫ぶと、想像だけでイってしまった。
体だけがビクンビクンと痙攣している。
そして、幸せそうな顔でそのまま眠ってしまった。
183予想問題:2006/12/13(水) 22:04:55 ID:r1xlErYn
夜2時。
まひろは目を覚ました。
窓からの月明かりが部屋をうっすらと照らしている。
ふと、転がっているバイブを見る。
(こわれちゃった・・・)
そう思ってリモコンを手に取ると、やけに軽い。
よく見れば電池が入っていない。
(!)
まひろは吃驚したような顔をして、クスリと笑った。
(なぁーんだ。電池が入ってなかったの・・・)
まひろは優しい顔つきで、バイブに頬ずりすると
(また、明日。頑張ってね・・・)
そう心の中でつぶやいて、月を見上げた。
月がまひろを優しく照らしている。
精一杯、快楽を追求しようとしている
淫猥な少女を励ますように
見守るように、
いつまでも
いつまでも・・・。


−オワリ−
184名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 23:36:53 ID:lvanNKFM
ま…まひろさん…
185名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 00:26:49 ID:e2BQBCSJ
予想問題氏GJなんだけどまひろが六枡達を呼び捨てはおかしいと思うんだ…
186予想問題:2006/12/14(木) 01:37:51 ID:oJZ7HN2y
あー、すみません。
直し忘れです・・・ゴメンナサイ。
今、アニメ見終わったので桜花に萌えながら寝ます。
桜花・・・かわいいよ桜花・・・
187赤銅島物語1/10:2006/12/14(木) 12:44:06 ID:/abOI07G
白熊スキー場から戻って2週間が経過した。
季節は3月の初めに入り晴れの日中は春の暖かさを感じるようになった。
金曜日の授業は14時までで生徒達は早々に寄宿舎に戻っていた。
「カズキ。今日と明日、明後日暇か?」
「ん?別に用事はないけど何?」
寄宿舎の廊下でカズキは斗貴子にいきなり質問されてきょとんとしながら答えた。
「いや、ちょっとした旅行に行こうと思ってな。」
「旅行?この前みんなでスキーに行ったばかりじゃん。それに今の俺の小遣いじゃあまり遠出できないよ?」
「金の心配はするな。私のわがままだ。全額出す。」
「でも女性におごらせるってのも・・・。」
すると斗貴子は少し自慢げに言い放った。
「金?フフフ。私には津村家の遺産と錬金戦団の給料でこう見えて結構財産があるんだぞ?」
「ん〜。じゃあどうせならみんなも誘って行こうか?」
「いや、二人だけで行きたいんだ。嫌か?」
考えてみれば二人だけの旅行は始めてであった。
「わかった。じゃあ二人だけで旅行に行こうか。」
「よし!!じゃあ早く準備を!!すぐに出るぞ!!」
カズキは急いで自室に戻って荷造りを始めた。
30分で支度を終えて二人は寄宿舎を出発した。
寄宿舎から歩いて2分の銀成学園寄宿舎前バス停からバスで20分で銀成駅まで移動。
二人は東京方面への列車に乗り継いだ。
二人を乗せた列車は夕焼けの中東京を目指して進んでいく。
「そういえば斗貴子さんまだ聞いていなかったけど今回の旅行って目的地はどこなの?」
「そういえばまだ言っていなかったな。このあと列車を乗り継いでJR浜松町駅まで行くんだ。それから今度は
歩いて東京竹芝桟橋まで行って、そこから夜行で運航する船に乗ることになる。」
「ってことは行き先は島なの?」
「ああ。目的地は伊豆諸島に浮かぶ赤銅島。私の生まれ故郷だ。」
赤銅島・・・。それは津村斗貴子の故郷にしてホムンクルスによる捕食行為と、その武装錬金の特性により
引き起こされた土石流などの災害によって小学生の子どもを中心に人口の半数が亡くなった悲劇の島だ。
カズキはその島で起きた悲劇を12月の寒い晩に照星から聞いていた。
だがまさか斗貴子本人にその島に案内されるとは夢にも思っていなかったのでビックリした。
「何で俺と二人で斗貴子さんの故郷へ行こうと思ったの?」
「毎年お盆にお墓参りに戻っていたんだが、去年のお盆はヴィクター騒ぎでそれどころじゃなかっただろ。
それでお墓参りがてら君を亡くなった家族の墓前で紹介したいと思ってな。どうだろう。」
「えぇえええええええええ!!」
「列車内で騒ぐな。他の乗客の迷惑だ。」
「俺を紹介って・・・・。」
「生前貴蔵ひいおじい様は『斗貴子が運命の人と決めた男性にあったならばすぐにわしに紹介しなさい。』
とよく言っていたしな。つまり私は君を運命の人と思っているわけだが・・・。嫌か?」
カズキは顔を真っ赤にして大声で答えた。
「いえ!!大変光栄であります!!」
「だから列車内でさわぐな!!」
188赤銅島物語2/10:2006/12/14(木) 12:44:38 ID:/abOI07G
すでに日も暮れた夜10時過ぎに東京竹芝桟橋から赤銅島へ行くの船に乗り込んだ。
斗貴子は一番安い2等の3倍近い運賃を取られる特等室の乗船券を購入していた。
2等はいすに座ったまま眠るか床に雑魚寝することになるが、特等室は非常にグレードが高い。
定員二人の個室でありベッドルームにシャワー、ベランダまでついている。
カズキは本当に斗貴子は金銭的余裕があるのだと感心した。
「見て見て斗貴子さん!!東京がもうあんなに小さく見えるよ!!」
カズキはベランダから東京湾を眺めて言った。
「カズキ!!明日の早朝には赤銅島に到着するから早く眠ったほうがいいぞ。」
「すぐに寝ちゃう?それとも・・・・」
そういいながらカズキはカバンからコンドームの箱を取り出した。
「馬鹿・・・・。明日は早いから少しだけな・・・・。」
真っ暗な海の中、船は一路赤銅島へ向けて進む。

午前6時過ぎにカズキと斗貴子は目を覚ました。
二人とも昨夜の行為の途中に眠ったらしくふとんの中で全裸だった。
時間が早いのでまだ船内の食堂は開いていないので、昨晩浜松町駅のコンビニで購入したもので朝食をとる。
カズキはサンドイッチと500mlパックの青汁、斗貴子はおにぎり2個と500mlパックのコーヒーだ。
「斗貴子さんっておにぎり好きだよね。」
「ああ。一番好きなのはやはり梅だな。日本的なおにぎりには一番合う。」
「俺はえびマヨネーズが好きだな。えびの食感とまったりとしたマヨネーズが最高!」
「最高か・・・。私の最高は遠足や社会見学の日にお母様が作ってくれるおにぎりだったな。なんというか
娘に対する愛情がこもっているようで美味しく感じた。今となっては二度と食べることが出来ない味だ。」
「斗貴子さん・・・・。」
「お客様にご案内いたします。当船はあと10分ほどで赤銅島桟橋に到着いたします。」
翌朝午前7時過ぎに船内に案内放送が流された。
「カズキ。私は着替えるから少し部屋から出ていてくれないか?」
「何を今更。今まで何回も夜を共にして裸が恥ずかしいわけじゃないでしょ?」
「いいから!!出ていないとぶちまけるぞ!!」
そういうと斗貴子は先日スキー場で再び手に入れた核鉄を取り出した。
本当にぶちまけられそうな恐怖を少し感じたカズキは大人しく部屋を出た。
5分後に斗貴子から入室許可が下った。
部屋に入ったカズキは斗貴子の姿に目を奪われた。
白い蓮の花の模様の入った藍色の和服に赤い帯、白い足袋に黒い草履。
まるで赤銅島に住んでいたころのような純和風の服装だ。
「赤銅島に戻るときはなるべく和服を着るようにしているんだがどうだろう?」
「斗貴子さん・・・。きれいだ。まるでお人形みたいにかわいいよ。」
「そうか、ありがとう。でも顔に傷のあるお人形は売り物にならないぞ。」
「斗貴子さんは俺のものだからそんなこと関係ないよ。」
そういってカズキは斗貴子にやさしく微笑んだ。
斗貴子もその言葉に思わず顔を赤くする。
「そろそろ下船の準備だ。ほら島が見えてきたぞ。あれが私の故郷の赤銅島だ。」
189赤銅島物語3/10:2006/12/14(木) 12:45:58 ID:/abOI07G
午前7時15分に船は赤銅島桟橋に到着した。
船はこのまま伊豆諸島の島を回って八丈島まで運航する。
「ここが赤銅島か。なんだか静かな島だね。」
「当然だ。赤銅島は現在は600人程度しか人口がないからな。」
「それに空気も澄んでいるし車の音もしない。」
「この島には自動車はないからな。周囲6kmだから自転車か徒歩で事足りるんだ。」
「へ〜。車で溢れかえってる首都圏とは大違いだ。」
「だから私は今でもこの島が大好きだ。さあ行くぞカズキ。」
二人は桟橋から東に歩いた。
少し歩くと商店などの建物が見えてきた。
「おや?斗貴ちゃんじゃないか?お盆に帰ってきてないからもう帰ってこないのかと思ったよ。」
「あ、木村のおじさん!お久しぶりです。お盆には事情があって帰れなかったのでさっきの船で帰ってきたんです。」
斗貴子に話しかけてきたのは木村と言う地元の漁師のおじさんだった。
がっちりした体つきでちょうど戦部が50代になったらこんな感じになりそうだ。
「おやぁ?今回は男連れかい?斗貴ちゃんも大人になったねぇ。」
「はじめまして。武藤カズキと言います。」
木村のおじさんにカズキが自己紹介をする。
「ハハハ。少年!いい顔をしているな。若い頃の貴之にそっくりだ。」
「貴之?誰ですか?」
カズキが不思議そうに尋ねる。
「私の父だ。7年前の例の事件で亡くなった。」
「で?二人はどこまでいったんだ?キスか?それとももうヤったのかな?」
突然そんなことを聞かれたのでカズキも斗貴子も顔を赤くした。
「とりゃぁああああああ!!」
ドカァ!!ザパァアアン!!
豪快な声と共に家の中から飛び出してきた女性の飛び蹴りが木村のおじさんの背中に炸裂し、蹴り飛ばされた
おじさんはそのまま勢いで海へ落ちてしまった。
「いきなり何するんだかぁちゃん!!ペッペッ!!海水飲んじまった!!」
「若い女の子にそういうことを聞くもんじゃないよセクハラオヤジが!!」
出てきた女性は木村のおじさんの奥さんらしく恐らく40歳代後半くらいだが、それよりも若く見えた。
「全く!!さっさと漁にでちまいな!!他の家の男達はとっくに出かけてるよ!!」
「へ〜い!!じゃあな斗貴ちゃん。みやげに俺が捕った魚をやるから帰りには寄りなよ。」
そういうと木村のおじさんは海水をポタポタたらしながら水浸しで漁に出て行った。
喧嘩をしていてもどこか生き生きとしている。都会ではあまり見る事の出来ない光景だ。
「悪いね品のないオヤジで。それにしても大きくなったね。斗貴ちゃん今いくつだい?」
「今年の8月で19になります。」
「そうかい。うちの息子もあの事件で死んでなかったらとなりの彼氏さんくらいなんだろうけどね。」
よそ者のカズキでも木村夫婦の息子が7年前のホムンクルスの事件で亡くなったことは理解できた。
それだけにあの事件で理不尽に息子を奪われたこの明るい夫婦を思うとやるせなかった。
「ごめんね湿っぽい話をして。ところでこれからどこへ行くんだい?」
「彼に島を案内して、最後に家族のお墓参りをしようと思っています。」
「そうかい。じゃあ気をつけてね。」
二人は木村家の家を後にしてさらに東に進んだ。
190赤銅島物語4/10:2006/12/14(木) 12:46:42 ID:/abOI07G
二人は島の東にある赤銅村役場から山手に坂を上り始めた。
集落から少し上に上がると草木も生えない土がむき出しの更地が見えてきた。
更地のど真ん中に石でできた慰霊碑があり花が供えてある。
「ここが赤銅島小学校の跡地だ。ここで多くの子どもが犠牲になった。」
「斗貴子さんの母校・・・。跡形もない・・・。」
「全校生徒42人のうち41人がホムンクルスの捕食とホムンクルスが武装錬金の特性で発生させた土石流
が原因で死亡した。もちろん生き残った1人というのは私のことだがな。」
「あの木村のおじさんとおばさんの息子さんも?」
「木村の夫婦の息子さんはあの事件のとき4年生。生きていたら君と同い年だ。生徒数が少ないので複式学級
だったから私が2年生のときと4年生のときは同じクラスで勉強したよ。おじさんのように豪快で力強く、
それでいて君のように明るくてやさしいとてもいい子だった。頭は少し悪かったけどな。」
「あの事件は斗貴子さん以外にも多くの人に悲しみを残しているんだね。」
「7年前の事件で島民1285名中672名の命が失われた。島民の約半分にもなる犠牲者数だからな。
あの事件の悲しみを知らない者はこの島にはほとんどいない。大抵誰か肉親を失っている」
カズキは怒りで歯をかみ締めた。
「さ、カズキ。いっしょに手を合わせよう。」
「うん。」
1分ほど二人とも無言で手を合わせた後に慰霊碑に書いてある死亡者名を指して斗貴子は言った。
「ここに小学校での犠牲者の名前が書いてあるだろう。」
「うん。教員3名と生徒41名だね。」
「ここに書いてある5年生の西山君が首謀者の人型ホムンクルス、私が最初に殺したホムンクルスでもある。
北原君、南野君も人型ホムンクルスだ。牛部君、氏家校長先生、比留間先生は西山君によって生まれた動物型
ホムンクルスだったそうだ。惨劇のショックによる記憶障害でまったく覚えていないがな・・・。」
「この西山、北原、南野の3人が全てを狂わせて悲しみを振りまいた張本人・・・。」
「もっともあの惨劇を覚えていないから私の記憶の中の彼らは少しマセた子どもたちなんだけどな。」
カズキは12月のあの晩赤銅島での悲劇の話を聞いたときから思っていたことを思い切って斗貴子に尋ねた。
「ねぇ・・・。斗貴子さんは島の人たちを救えなかったブラボーたちを恨んだことはないの?」
「恨む?何故?」
「だって例えば火渡が山奥に1人で木に登っていたホムンクルス西山を不審に感じたり、千歳さんがホムンクルス
西山を核鉄で治療しなかったりしたら運命は絶対にもっと良い方向に変わっていたはずでしょ?」
「だが彼らがいなければ島民や完成していたであろうリゾート地の観光客はみんなホムンクルスに食い殺されて
いた。それにもし大戦士長がバスターバロンで土石流を止めてくれなかったら被害はさらに大きくなっていた。
戦士とて全てを救えるとは限らない。パピヨンの件で救えなかった蝶野の屋敷の21人に苦悩した君なら
よくわかるだろう?私が彼らを恨む筋合いはない。彼らは精一杯やってくれたのだから。」
だがそうは言うものの斗貴子の顔はどこか悲しげに見えた。
「さぁ。行こう。お昼までにお墓参りを済ませたい。」
「うん。わかった。」
二人は元来た道を折り返した。
途中桟橋でお線香と花を買って島の西側を目指す。
歩いて15分ほどで雑木林の中に古いお屋敷が見えてきた。
191赤銅島物語5/10:2006/12/14(木) 12:47:33 ID:/abOI07G
「あの古いお屋敷ってもしかして・・・。」
「ああ。私の生家の津村家の屋敷だ。少し入ってみるか?」
津村家の屋敷は7年以上放置されたせいでガタガタに痛んでいた。
屋根瓦が落ち、窓が割れ、建物自体もゆがみ、庭は草ボーボー、柱にはつたが巻きついている。
「ここが居間だ。ここにいつも津村の主だった貴蔵ひいおじいさまが腰掛けていた。そこにあるタンスは
お母様の嫁入り道具だったものだそうだ。ここの床板をはずすと掘りごたつになっているんだ。」
「あれ、これは・・・。」
柱には家族の身長を記録した線が引いてあった。
線の横には身長を図った人間の名前と年齢、ちょっとした文章が書いてある。
『貴之18歳高校卒業直後。173cmになりました。そろそろ成長が止まりそうです。』
『斗貴子6歳。121cmになりました。クラスで2番目に大きいです。』
『防人衛20歳。185cmです。本日からこの屋敷で働かせていただきます。』
津村家の人、その屋敷で働いていた人がこの家で生きていた証がそこには確かにあった。
斗貴子は7年前まで母斗志子が炊事をしていたであろう台所から桶を持ってきた。
「カズキ!!これにそこの井戸から水を汲んできてくれないか?」
「OK!!」
カズキが水を汲んでいる間、斗貴子は再び屋敷の中に入った。
この屋敷に入ると家族たちと幸せに暮らしていた頃を思い出す。
斗貴子はもう戻ることは出来ないあの幸せだった日々を思い出して涙を流し始めた。
普段人前では涙を見せない斗貴子だが、1人になると話は別だった。
居間で寝てしまい父におんぶされて寝床まで連れて行ってもらったこと、母を手伝っていっしょに夕食を作っ
たこと、祖父とお風呂に入って体を洗ってもらったこと、祖母と生け花の練習をしたこと、曽祖父の植木鉢を
ふざけていて落として割ってしまって怒られたこと、曾祖母に昔の赤銅島の話を色々と聞かせてもらったこと、
G3ズに庭でおにごっこをして遊んでもらったこと、牛部のおばさんといっしょに曽祖父貴蔵への誕生日
プレゼントのぬいぐるみを作ったこと、牛部少年と使用人屋敷のテレビでウルトラマンのビデオを見たこと・・・。
今でも鮮明に思い出す楽しかったあのころ、突然に理不尽に奪われた幸せな日々、それを思い出すとどうしても
涙が出てきてしまって仕方がなく、カズキに聞こえないように我慢しながら静かに泣いた。
「斗貴子さん!水汲んだよ!!」
カズキの声がして斗貴子は顔を伝っていた涙をふいた。
「よしカズキ。じゃあお墓参りに行こう。墓地はここから少し高台に上がったお寺にある。」
「斗貴子さん。目が赤いよ。泣いていたんでしょ?」
「ああ、まあな。」
「俺の前では無理しないで泣いてもいいよ。俺達は一心同体だろ?」
「泣いて・・・いいのか・・・。ありがとう・・・。」
そういうと斗貴子の目から再び大粒の涙が流れ始めた。
今度は大声今まで我慢していた涙を一気に開放するように泣き始めた。
カズキは泣きじゃくる斗貴子を自分の胸で抱きしめた。
そういえばヴィクターの件で月へ行ったときは斗貴子にこんな悲しみを再び味わわせ、まひろや海外で働く
両親、岡倉、大浜、六舛といった仲間にもこんな悲しみを与えたのだと思うとカズキは少し反省した。
「斗貴子さん。お墓で眠る家族の前では笑っていられるようにここで思いっきり泣いておこう。」
カズキは自分の胸の中で泣く斗貴子の頭を優しく撫でた。
192赤銅島物語6/10:2006/12/14(木) 12:48:55 ID:/abOI07G
斗貴子は小一時間泣き続けた。
「ありがとう。もう大丈夫だ。そろそろ行こう。」
二人はお墓のあるお寺を目指して出発した。
津村の屋敷から歩いて5分ちょっとでお寺に到着した。
「おや、津村のお嬢さんじゃないか?お盆に帰ってこなかったから心配していたんですよ。」
話しかけてきたのはこのお寺のご住職だ。
細身の体にめがねでとても温和そうに見える。
「ご心配をおかけしました。」
「貴蔵さんたちも喜んでいますよ。おや、今日は殿方を連れてきたのですかな?」
「ええ、家族の墓前で紹介しようと思いまして。」
「ホホホ。彼は凛々しい顔をしておられる。生前の貴蔵さんを見ているようだ。彼とは恋仲ですか?」
「ええ、まあそんなところです。」
「そうですか。きっとご家族の皆様も歓迎しておられますよ。さて、島の東で法事があるので私は失礼します」
そういうと住職は荷物を抱えて寺を出て行った。
津村家の墓はお寺の墓地の一番奥の海の見渡せる場所にあった。
隣に牛部家の墓とG3ズこと長谷川3兄弟のお墓も立っている。
カズキが先ほど井戸で汲んだ水で3つの墓石を洗い流し、斗貴子は花を供えて線香を焚いた。
それを終えると二人はお墓に手を合わせた。
1分ちょっとの沈黙の後に斗貴子は家族達の墓前でカズキを紹介し始めた。
「ひいおじいさま、ひいおばあさま、おじいさま、おばあさま、お父様、お母様、それにG3ズ、牛部のおばさん、
牛部君。去年のお盆は来ることができなくてごめんなさい。彼は私の恋人の武藤カズキです。以前報告した通り
錬金の戦士となって任務をこなしている時に彼を巻き込んでしまったのが最初の出会いでした。彼は太陽のように
明るくて他人のために自らを犠牲にするくらい馬鹿で優しい人です。彼は私に突然理不尽に奪われてしまった
みんなとこの島で平和に楽しく暮らしていたあの頃と同じくらいの幸せを与えてくれました。今の私と彼は一心
同体です。」
斗貴子がカズキを紹介し終えるとカズキが大声で叫んだ。
「武藤カズキと申します!!斗貴子さんは俺がこれからも絶対に幸せにしてみせます!!」
そう言ったカズキの顔は何よりも力強くたくましく斗貴子には見えた。
「ねぇ斗貴子さん。キスをしよう。」
「え!?いきなりどうしたんだ!!」
突然そんなことを言われて斗貴子は驚いた。
「ご家族のみなさんに俺達が幸せだって事を見せて安心させるんだ。」
「・・・・。そうだな。家族の前ってのも少し恥ずかしいが。」
そういうと二人は熱く長いキスを交わす。
『斗貴子。幸せになるんだぞ。私たちはお前の幸せをいつでも願っているからな。』
キスを交わしている最中斗貴子には亡くなった家族の声が聞こえたような気がした。
「みんな、彼とまたお盆に来ます。さあ行こうかカズキ。」
「うん。」
二人はお寺を後にして再び島の東を目指した。
時間はもうすぐ12時だ。
193赤銅島物語7/10:2006/12/14(木) 12:50:12 ID:/abOI07G
二人は役場の向かいにある食堂で昼食をとった後、赤銅ヶ嶽に登り始めた。
「斗貴子さんどこへ行くの?」
「この上に私の好きな場所があってな。今日は天気が良いから最高だぞきっと。」
赤銅ヶ嶽を登ること1時間ほどでその場所へ到着した。
そこは島を一望できる展望場となっており一面芝生が生えている。
「ここってもしかして?7年前の事件の少し前に写生大会をしたっていう・・・・?」
「そうだ。見ろ。あそこに見えるのが三宅島だ。」
「すごい。島を一望できるし遠くには水平線が見える。」
「ここからの景色は美しくて空にも近く、私の一番好きな場所だ。さてと・・・」
そういうと斗貴子は突然和服の帯をほどきだした。
突然のことでカズキのほうが赤くなってしまう。
「斗貴子さん!!何やってんのいきなり!!ここ外だよ!!」
「心配しなくてもこのあたりは7年前の事件で道の状態が悪くなってからは滅多に人は来ない。」
そういうと斗貴子は着ていた和服を脱ぎ下着姿になった。
そのまま下着にも手をかけようとしている。
「いや、そういう問題じゃなくてそれでもここ外だからね!!ってああ裸!!」
そういう間に斗貴子は生まれたままの姿になっていた。
「君は一度野外で日光を浴びながらしてみたいって言っていただろ?」
「マジすか!!本当にいいの!?」
「ああ。君が望むなら。ただし今回一度きりだぞ。」
それを聞いてカズキはルパン3世のように一瞬で服を脱いで斗貴子を芝生の上に押し倒して乳房を舐め始めた。
「ん・・・。あぁ・・・・。」
斗貴子が感じている様子を確認するとカズキは今度は斗貴子の陰部を刺激し始めた。
「んあぁあ!!あ!!あぁあああ!!」
「斗貴子さんのここピンク色ですごくきれい。あ、ここのお豆がものすごく硬くなってるよ。」
「そ・・・そういうことを・・・あぁあ!!言うな・・・・。」
「このままクリトリスを思いっきりつねったらどうなるかな?」
「やめ・・・ひあぁああああ!!あっあっああああ!!!」
カズキが斗貴子のクリトリスをつねると同時に斗貴子はおしっこを噴出した。
「斗貴子さんおもらし。そんなに気持ちが良かった?」
「馬鹿・・・・。君の手もおしっこまみれじゃないか。」
「ごめんごめん。でも斗貴子さんのおしっこなら汚くないから飲んでも大丈夫だし・・・。」
「そんなわけあるか!!そんな手で私に触るなよ?そこに水道があるから洗って来い!!」
形勢逆転。カズキは調子に乗りすぎたかと少し後悔した。
全裸で水道までトボトボ歩いていく姿は非常に格好悪い。
「失敗したな。斗貴子さん怒ってるから今日はもう駄目だな。」
カズキが水道で手を洗っていると後ろから斗貴子がやってきた。
「斗貴子さん?」
「ここを洗ってきれいにしないとな。おしっこまみれのところに挿れるわけにもいかないだろ。」
そういうと斗貴子は水道で陰部を洗い始めた。
全裸の少女が野外の水道で体を洗っている。何とエロい光景だろう。
「さて、お互いきれいになったところで続きをしようか。」
「うん。」
194赤銅島物語8/10:2006/12/14(木) 12:52:27 ID:/abOI07G
再び芝生の上に戻った二人は続きを始めた。
「じゃあ挿れるよ。」
「ああ。ん・・・・ん・・・あぁ!!」
「斗貴子さんの入口はさっきの水で冷たかったのに膣内はとっても暖かい。」
「私も・・・・君のものがとても暖かいぞ・・・。」
「じゃあ動くよ。」
カズキは前々から考えていた性行為での必殺技があり、それを試して見ることにした。
「必殺!!カズキスペシャル!!うおぉおおおおお!!」
「うわぁ!!ちょ・・・早い!!あぁあああああ!!」
カズキスペシャルとは錬金の戦士の身体能力を最大限に駆使して超速で腰を動かしてピストン運動する技だ。
しかも腰の動きを単純な前後ではなく色々とパターンを変えてランダムに行うことで相手を一気にイカせると
いうものであるが、実はカズキを鍛えたブラボーもブラボー技の裏奥義として全く同じ技を持っている。
ちなみにそちらは性感ブラボー乱打と言い、千歳のお気に入りである。
「うおぉおおおおお!!どう斗貴子さん!!」
「あぁあああ!!は・・・激しすぎる!!うあぁあ!!あんあぁあ!!」
「そんなに気持ちが良い?」
「はぁ!!ち、膣内で色々な方向に・・・あぁ!!打ち付けられて・・・んはぁ!!」
「ヤバイ!!俺そろそろ限界だ!!あぁああ!!」
必殺カズキスペシャルだが、当然体力の消耗が激しく10分ほどで射精と同時に力尽きた。
「ハァハァ・・・。ごめん斗貴子さん。バテてしばらく動けそうにない。」
「ハァハァ・・・。馬鹿を言うな。こっちだってたった10分で7回もイカされて動けない。」
「はぁー太陽の光が気持ち良いね。」
「全裸で芝生の上に寝転がって日光浴ってのも妙な気分になるな。」
「俺外でしたらいつもよりも興奮した気がする。」
「そうだな。たまには野外でするのも良いかもしれない。」
「斗貴子さんの変態。公然わいせつ。」
「言いだしっぺの君に言われたくないなエロスめ。」
「あ!!しまった!!ゴムつけるの忘れた!!」
「何だと!!妊娠したらどうするんだ!!」
怒った斗貴子と逃げるカズキ。
全裸の追いかけっこのスタートだ。
「バテて動けないんじゃなかったのか!?臓物をぶちまけろ!!」
「ひやぁあああ!!そっちこそ動けてるじゃん!!」
カズキに追いついた斗貴子は今度は逆にカズキを押し倒す。
「ふふふ。今日は大丈夫な日だ。安心しろ。さあ第2ラウンド開始だ。」
そのまま二人の行為は日が暮れるまで続いた。
「やりすぎたなカズキ。激しすぎて腰が立たないぞ。」
「じゃあ俺が連れて降りてあげる。よっこいしょ。」
カズキは斗貴子を抱きかかえて持ち上げた。
「どうお姫さまだっこ?」
「君の腕に抱えられて気持ちいい。けど少しだけ恥ずかしい。」
日没後の暗い赤銅ヶ嶽の登山道をカズキは斗貴子を抱えて下山した。
195赤銅島物語9/10:2006/12/14(木) 13:05:00 ID:/abOI07G
下山した二人は魚をもらいに木村夫婦の家を訪ねたが、そのまま成り行きで夕食までご馳走になった。
メニューは赤銅島近海で取れた魚介類の刺身、生野菜のサラダ、味噌汁、漬物だ。
「さあさあ。斗貴ちゃんも少年も腹いっぱい食べろ。若いうちは遠慮なく満腹まで喰うもんだ。」
「あんたデリカシーって物はないのかい?斗貴ちゃんくらいのお年頃の女の子は食事量とか気を使うんだよ。」
「ほぉ。お前にもそんな時期があったのか?今じゃあ47の中年ババアだが。」
「失礼な人だね全く!!そんな可憐だった私に求婚してきたのは誰だい?」
「ハハハ俺のことだなそりゃあ!!」
本当にこの二人は面白い夫婦だなとカズキは感じた。
「おい少年。斗貴ちゃんを幸せにしなたっから津村家のご先祖様に祟られるぞ。気をつけろ。」
木村のおじさんはふざけた調子でカズキに言ってきたがそれに斗貴子が切り替えした。
「ご心配なく。私は今十分幸せですから。」
「それに俺と斗貴子さんは一心同体です。だから彼女が幸せなら俺も幸せです。」
「ハハハハ。武藤君も斗貴ちゃんも青春しているね。うらやましいよ。」
「ギャハハハハ!!一心同体と来たか!!そらすげぇな!!」
木村夫婦と話している時間は本当に楽しく、あっという間に帰りの船の出港時間が近づいてきた。
「斗貴ちゃんもう帰っちゃうのかい?津村の屋敷はさすがに無理だろうしうちでよかったら泊まってきなよ。」
「ありがとうございます。明後日には高校がありますから今日の便で帰らないと間に合いませんので。」
「ありゃ?斗貴ちゃん今年で19ってだろ?留年したか?ギャハハハハハ!!」
墓穴を掘った。本当なら数日前に斗貴子は高校の卒業式を終えているはずだ。
木村のおじさんは大爆笑した。このおじさんは本当によく笑う。
「失礼だろあんた!!」
おばさんに頭をひっぱたかれて怒られる木村のおじさん。
「斗貴子さんはテニス部のキャプテンだったから色々と引継ぎとかがあるんです。」
そこへカズキがすかさずフォローを入れた。
「何でぇ。びっくりしたじゃねぇか。」
「本当にね。斗貴ちゃん小学校で成績優秀だったもんね。」
斗貴子は二人をだましている罪悪感を感じたが、自分が高校2年生をしている真実を話すと7年前の事件の
真相まで話さなくてはならなくなる。それは息子を失ったこの夫婦に新たな悲しみを植え付けることに他ならない。
うそをついてごめんなさいとあやまりたい気持ちをぐっとこらえる。
「それでは船が来ますからこれで失礼します。」
「おじさんもおばさんもお元気で。お魚ありがとうございます。」
「おう!!斗貴ちゃんも少年もまた来いよ!!じゃあな!!」
木村夫婦に見送られ二人は桟橋へ向かった。
出航は午後10時30分ごろ。東京竹芝桟橋には翌朝8時に到着する。
「斗貴子さん。赤銅島っていい島だね。」
「それはそうだ。なんていったってここは私の故郷だからな。」
「お盆にまた二人でお墓まいりに行こうね。」
「そのときは水着を持って泊りがけで行こう。津村の屋敷の近くの砂浜は泳ぐのには最高だぞ。」
「それは楽しみだね。あ、船が来たみたいだよ。」
汽笛の合図と共に東京行きの船が入港してきた。
八丈島からいくつかの島を経由して赤銅島に来た船はここを出たらノンストップだ。
196赤銅島物語10/10:2006/12/14(木) 13:05:39 ID:/abOI07G
翌朝お昼前に二人は寄宿舎に戻ってきた。
玄関の扉を開けるなり岡倉のいつもの声が飛んできた。
「カァアアアズキィイイ!!二人で泊まりでどこに行ってやがった!!」
「どこって斗貴子さんの故郷の島。ご家族に挨拶してきた。」
それを聞いていたまひろが飛び出してくる。
「きゃぁああ!!ついに結婚目前!?ついに斗貴子さんがお義姉ちゃん!?」
斗貴子の胸に飛びついてくるまひろ。
カズキはそこは俺のポジションだと言う目でまひろを見つめる。
「お前ら!!家族って言ってもお墓に手を合わせただけだぞ!!私の肉親は全員災害で亡くなってる!!」
「でも島ってことは離島だろ?墓前でもそんな場所まで紹介しに行くならそれ相応のことだと思うが?」
六舛と大浜もやってきて六舛がさらに煽りだす。さらに岡倉は大声で叫ぶ。
「貴様道中でヤったのか!!何回ヤったんだ!!俺に報告しろ!!」
「んー。まずは船の中で1発、それからその後山の中腹の野外で・・・」
「カズキぃいい!!そんなことを人に報告するな!!脳漿ぶちまけるぞ!!」
「野外プレイだとぉおお!!この最恐エロスが!!わいせつ物チン列罪め!!」
二人の性行為の報告をしようとするカズキに蹴りをお見舞いする斗貴子、恥ずかしい内容を大声で叫ぶ岡倉。
「野外プレイ・・・過激だ・・・・。」
大浜は顔を真っ赤にして呆然としている。
そのころ二階の千里の部屋では剛太と千里がストロベリっていたが、玄関の大騒ぎはこの部屋にも聞こえていた。
「あんの野郎共!!大声でなんて会話してやがるんだ。」
「剛太さんもしかして野外に興味あるの?なんだったら今からそこの林でする?」
「え!?マジ!?いいの?」
「ウソで〜す。恥ずかしいから明るいうちからは嫌よ。」
「なんだウソか・・・。って明るいうちからは!?夜中なら野外プレイOKですか!?」
「声がでかい!!」
顔を真っ赤にした千里の張り手が剛太の顔に炸裂する。
隣の部屋の沙織は剛太と千里の会話を聞いて顔を真っ赤にしている。

そのころ管理人室でも玄関の大騒ぎは聞こえていた。
「青春って良いな俺も・・・。」
そういうとブラボーは携帯を取り出して千歳に電話をかけた。
「もしもし千歳?俺だけどもし今暇だったら・・・」
「任務中!!じゃ!!プツッツーツーツー」
「・・・・。」

今日も埼玉県銀成市は晴天。気候は春らしく温暖で暖かい。
この日からしばらくストロベリーな二人への嫉妬に狂った岡倉エロ大明神閣下様の暗躍によりカズキと斗貴子は
野外プレイ大好きの変態ヤリ魔という噂が寄宿舎中に流される。
同時にほとぼりが冷めるまでまひろに「斗貴子さん」ではなく「お義姉ちゃん」と呼ばれることになる。
さらにブラボーは千歳のそっけない態度にこの日は一日飲んだくれ、翌朝2日酔いで苦しむ羽目になる。
そしてこの日の晩は寄宿舎裏の林で剛太と千歳の声が聞こえてきたのはいうまでもない。
197名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 13:09:38 ID:Rpo0vL8y
>剛太と千歳の声

(゜Д゜)
198名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 17:16:18 ID:BMRfGYP8
明らかにキャラが違うと萎えるから原作はできるだけ読み込んでほしいよSS書きさん。

そういや埋まらないね前スレ。
199熱い男と熱い少女1:2006/12/14(木) 22:28:40 ID:yKmNmsvz
「38度か……これは学校に行くのはやめておいた方がいい」
「はい……ケホッケホッ!」
ベッドに横たわる少女、毒島華花。
彼女は前日、下校中に突然降り出した雨の中を走って帰ってきたためずぶぬれに、そして風邪をひいた。
「しかし参ったな…」
華花の看病をしていた防人は呟く。
「これから戦団の仕事で出なければならんのだが………仕方ない」
防人は携帯を取りだし電話をかける。
「もしもし、俺だが…………あぁ、仕事が…毒島が………あ」
どうやら電話がきれたらしい。
防人は携帯をしまい立ち上がる。
「多分一時間くらいで代わりのヤツがこっちに来るからそれまでちゃんと寝てろよ」
「ケホッケホッ……はい……」
防人は部屋を出る。
三十分もすると華花はウトウトしだす。
(しばらく寝よう……)
華花はそのまま布団をかぶり夢の中へ。
一時間くらいだろうか、華花の額に手の感触。
(誰……)
「………まだ熱は下がらねぇか」
(え………)
聞き覚えのある声、華花は目を開けた。
そこにはタバコをくわえた男がいた。
男は華花の顔をのぞきこむ。
「起きたか、毒島」
「火渡様………」
防人から看病を継続していたのは火渡だった。
200熱い男と熱い少女2:2006/12/14(木) 22:45:39 ID:yKmNmsvz
「防人から聞いたぜ?雨の中を濡れて帰るとは………バカか」
「す、すいません……」
「とにかくお前が治るまではここにいるつもりだから心配すんな」
実は防人からの電話を受けた火渡はすぐに大戦士長、照星に掛け合い休暇をとった(お仕置きされたが)。
まさに先日と真逆の展開である。
火渡は華花の額に濡れタオルを乗せる。
「しばらくは無理すんな。食いもんは……誰かにつくってもらうか」
「迷惑…かけてすいません……ケホッケホッ!」
「バカ、咳するなら喋るな!」
火渡は華花に軽いでこピンを入れ、体温計を取り出す。
「起きれるか?」
コクリ、とうなずく華花。
火渡は枕元に腰かける。
起き上がった華花の肩をささえ、パジャマに手を入れる。
「ふぇ……火渡様……?」「脇あげろ、体温計が入らん」
強引に腕を持ち上げ体温計を脇に挟む。
華花は真っ赤になりながらされるがままである。
「37度6分……防人が言ってたより下がったな。ん?」
火渡は華花の肩をささえていた手を離す。
手はじっとりしていた。
「おいおい、汗かよ」
「あ、すいません……パジャマ……取ってください……」
「これか?」
火渡は指示された棚からパジャマを取り出す。
201熱い男と熱い少女3:2006/12/14(木) 22:54:10 ID:yKmNmsvz
「はい……」
「ちょっと起きろ」
「え…?」
火渡は起き上がった華花のパジャマのボタンを外し始める。
「ひ、火渡様………」
「じっとしてろ、着替えさせてやる」
どうやら彼なりの好意らしいがいかんせん相手は少女、華花はとまどう。
「だ、大丈夫です………」
「無理すんなバカ!」
「あの………恥ずかしい……です…」
「今更恥ずかしいもクソもあるか!」
そこで火渡の動きが止まる。
先日、火渡は華花の処女を奪ったばかりである。
それを思い出した火渡の股間がウズく。
「火渡様?」
「な、何でもねぇ!」
火渡は作業を再開、パジャマの上半分を着せ終えた。
火渡は下に手をかける。
しかしさすがに華花は拒絶する。





今日はここまでで……
202名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 00:11:44 ID:PXNSbXPH
ロ・リ・コ・ン・!
ロ・リ・コ・ン・!
ロ・リ・コ・nデスファイヤー
203名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 00:16:28 ID:v4hxDhpm
ろーりこん!
ろーりこん!
ろーr

アッアッーー!!
204熱い男と熱い少女4:2006/12/15(金) 04:48:14 ID:J2t53GMs
「あ、あの!ホントに一人で出来ますから!だから下着だけは……」
「うるせぇ!さっさと着替えさせてやるから恥ずかしくねぇだろ!」
抵抗むなしく華花は火渡の手によって着せかえられた。
「ふぇ………」
「はぁ……はぁ……抵抗すんなバカ!」
「で、ですが……」
火渡の顔は心なしか赤くなっていた。
その後小一時間ほど寝ていた華花だが、
『くぅぅ』
というお腹のなる音が聞こえた。
「…………」
「お腹……すきました…………」
「おかゆでいいか?」
「はい……」
火渡は部屋を出て食堂へ向かう。
食堂には岡倉、六升、まひろ、剛太の四人が昼食を取っていた。
「ぁん?テメ、防人んとこの……」
「げっ!火渡戦士長…………」
「んだぁ?その、げっ!てのは」
「剛太、知り合いか?」
岡倉が横槍を入れる。
「あ、あぁ。ほら、前に言ってた俺らのいた戦団ってとこの上司で毒島はこの人の直属の部下……あ」
灰になる岡倉。
無理もない。
「貴様が華花ちゃんのストロベリぶはぁぁぁ!」
と叫びながら火渡に殴りかかり燃やされた。
「厨房借りっぞ」
「あ、こっちです」
火渡を厨房に案内するまひろ。
「岡倉、大丈夫か?」
「…………」
六升は岡倉をつついていた。
205熱い男と熱い少女5:2006/12/15(金) 05:01:18 ID:J2t53GMs
「卵……これか」
食材を取り出していく火渡。
独り暮らしなのでこれでも一応料理は出来る。
「あの、華花ちゃんの恋人なんですか?」
灰に……ならなかった。
一瞬燃やそうとも思ったが明らかな興味の眼差しで見つめてくるまひろに敵意は感じなかった。
つまり岡倉は敵意を剥き出しにしていた。
「……そんなんじゃねぇよバカ」
「でも華花ちゃん、いつも話してましたよ?私の上司に炎のような男の人がいる、私はその人に憧れてるって」
卵をわる火渡の手が止まる。
「そうか……」
「もしも華花ちゃんの事が好きならちゃんと好きって言わなきゃダメですよ!」
まひろに説教を食らう火渡。
しかしそうは言われても愛の告白は既に終了、既に他の人間に知られずお付き合いがスタートしていた。
最初はごまかしていた火渡だがまひろの意をつく質問に耐えきれなくなった火渡が怒鳴る!
「るせぇ!もうすでに付き合ってんだよ!」
もちろん食堂にも響く。
灰になった岡倉の目には涙が溢れる。
「泣いてる……」
まひろは笑いながら続ける。
「じゃあもっと素直にならなきゃダメですよ!」
「素直もクソもあるか!」
「えー、だって華花ちゃんが可哀想ですよ!剛太さんだってちーちゃんと付き合ってますし」
206熱い男と熱い少女5:2006/12/15(金) 05:16:11 ID:J2t53GMs
「ほぅ……」
「だからもっと素直になるべきですよ!」
笑いながら主張するまひろにふっ、と軽く笑う。
「俺にはんなキャラ似合わねぇよ」
いつのまにか出来たおかゆを持って厨房を出る。
「頑張ってください!」
「何をだよ…」
食堂を出るときに黒い塊が見えたが気にはしなかっあ。
華花の部屋に戻る。
「おい、毒島……寝てんのか?」
ベッドでは寝息をたてる華花がいた。
火渡はテーブルのうえにおかゆを置き、枕元に腰かける。
「ちっ、幸せそうにしやがって…」
顔をのぞきこむ火渡。
すると華花がなにか喋った。
「火渡…様ぁ………大好き…です……」
一瞬ビクッとなる火渡。
しかしそれは寝言、すぐに寝息をたてる華花。
「びっくりさせやがって………」
火渡は華花の頬をなでる。華花は目をさます。
「おかゆ冷めちまうぞ」
「あ、火渡様……」
華花の熱はひいたが、二人の心はいつまでも燃え続けていた。
「好きだぜ、毒島」
「私もです…火渡様」






ここまでです。
エロは苦手なので極力書かないようにしましたがどうみても火渡が変態に……………。
今度は他のカップリングを書いてみたいです。
では、お目汚し失礼。
207名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 16:21:18 ID:v4hxDhpm
ろんりーろんりーろんりーろっりー
ろんりーろんりーろりーろりー

火渡〜ろりーこn(ry ぐじょー
208名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 16:57:49 ID:s3+bSkTu
火渡を犯罪者にならないように書くのは錬金SSを書く上で最も困難なことなnゴオオオオオオオオオオオオオオ
209【芽吹】:2006/12/16(土) 01:07:47 ID:Rtmih4mX
今日は麗らかな小春日和。
公園のベンチに座って、ひらりひらり、と舞い落ちる枯葉を目で追いながら、桜花は微笑む。
少し前までは、こんなにゆったりとした幸せな時間を過ごせるなんて思わなかった。
今は、膝の上にこの世で一番大事で、大切な相手が居眠りをしている。
「そろそろ陽射しも落ちて来るかしら・・・秋水クン、起きて」
すぅ、と寝ている相手の肩を軽く揺さぶって一声かけてから、またひらり、と舞い落ちる枯葉を見る。
「あぁ、姉さん・・どの位寝てたかな」
「1時間位、かな?秋水クンの寝顔を見てるのも楽しいわ」
くす、と悪戯っ子のような笑顔でそう言えば、相手もまた幸せそうに微笑み返して来る。それから、手をこちらの方へと
伸ばして来て、頬をそっと宝物を触るかのように撫でて来る。
「あらあら、まだ寝惚けてるのかしら、秋水クン」
撫でて来る手の上から自分の手を重ねようとしたらその手は離れ、膝の上から頭がどく。
ひんやり、と冬の空気が膝の上を覆って行くのを感じて、何だか切ないような寂しいような気持ちになる。
「姉さんの顔、少し冷えてる。少し寝過ぎたかな、ごめん」
座り直した相手の額が自分の額にこつん、とぶつかる感覚に少しだけ上がる体温。
「秋水クンが膝の上にいてくれたからあったかかったのよ?平気、風邪なんてひかないから。安心して」
少しだけ顔を突き出して冷えた唇を一瞬だけ重ねる。鳥が相手の嘴を啄ばむように、相手の唇を啄ばむ。
ちゅ、と小さな音を残して顔を離し、にっこりと微笑一つ。
今はこうして幸せでいられるのだから。色々とあったけれど、二人ぼっちの世界から出る事は出来た。

それでも。

健やかなる時も病める時も 喜びの時も悲しみの時も 富める時も 貧しき時も 
 これを愛し これを敬い  これを慰め これを助け 死が二人を別つまで共に生きることを

「やっぱり私は秋水クンが一番だわ」
「どうしたの、姉さん」
ううん、と軽く首を振ってから立ち上がる。相手に手を差し伸べて、口を開いて。
「さ、そろそろ行きましょう?みんなで夜、遊ぼうって言ってくれてるんだから」
そして二人は、一緒に歩き出す。後に残ったのは、枯葉が落ち、春の芽吹きを待っている枝の先だった。
210名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 01:09:18 ID:Rtmih4mX
あ、早坂姉弟って先に書くの忘れてました…

火渡の話を書くのは難sゴォォォォォ
211予想問題:2006/12/16(土) 01:16:23 ID:GudJWDYg
ss投下します。
前回の投下では失礼しました。
色々分からないことがありますので、
また指摘して下さい。
よろしくお願いします。

普通のssです。
また淡々としているので、だれてしまうかもしれません。ゴメンナサイ。
男キャラの中ではブラボーが大好きなので、ブラボーを書いてみました。
宇宙刑事モノのような、あの熱さが大好きです。
では。
212予想問題:2006/12/16(土) 01:18:39 ID:GudJWDYg
「お疲れ様」
千歳はそう言うと、冷蔵庫から良く冷えたペットボトルのお茶を取り出し、
俺の目の前に差し出してくれた。
よく喋ったので、先程から喉の渇きを覚えていた。
ペットボトルを受け取ると、一気に半分ほど飲み干す。
千歳が(相変わらず豪快な飲み方ね)と言いたげな顔でこちらを見ている。
ペットボトルをテーブルに置いて、イスに座るとようやく人心地ついた。
時計を見るとまだ午後2:10。
次の打ち合わせまで、まだ2時間近くある。
「防人君、どうするの?また暫く時間を潰していく?」
「ああ、すまないが、そうさせてもらう」

ここは千歳のオフィス。
千歳は錬金戦団本部内に個室を持っている。
元々後方支援型の武装錬金なので、前線の我々よりもデスクワークが多い。
最近は本部に来ると、大抵ここで時間を潰す。
簡単な応接用のソファーに冷蔵庫。
TVもあれば、諜報活動で必要になるのだろう、
ビデオやDVD、あらゆるメディアのハードが壁面の棚に並んでいる。
千歳もまだ20代だが、第一線で働ける戦士としてはもう古株に近い。
職業柄、歳を取ると第一線には出辛くなる。
体が衰え始める40を過ぎると、死傷率がグンと上がるからだ。
だから、必然的に若手が活躍する場が増えるというわけだ。

「定例報告は?すんなり終わったの?」
「いや、色々と突っ込まれたよ。要員の配置換えまで話が大きくなってな」
「めんどうね」
「ああ・・・まぁ、しょうがない。今週はしこしこと要員計画を修正するさ」

千歳はまた仕事にもどり、端末を叩き始めた。
静かなオフィスにカチカチとキーボードを叩く音だけが響く。
壁面の棚に千歳の若い頃の写真が飾ってある。
その中に訓練所時代の集合写真があった。
千歳の少し離れたところに俺と、火渡もいる。
歳はバラバラだが、まだ皆若い。

同期は20名程いたが、今は12名しかいない。
みんな、作戦中の事故、又は戦いの中で命を落としていった。
『戦士の敗北はすなわち死』これは戦士としての定めだ。
それは仕方の無いこと・・・戦いの中で死ぬのであれば戦士として本望・・・、
そう思っていないと、心が折れそうになることがある。

しかし、妻や夫、子供を残してこの世を去った戦士は、本当に『本望だ』と思っているのだろうか。
残された家族は『仕方がない』と割り切れているのだろうか。
皆、口では『本望だ』『戦士の家族であれば仕方がないことだ』と言うだろう。
でもそれは本心なのか・・・。
213予想問題:2006/12/16(土) 01:19:15 ID:GudJWDYg
先週、大規模なホムンクルスの制圧作戦があり、1名死亡、多数が負傷した。
死亡したのは、まだ32歳の戦士長。
奥さんを去年ガンで亡くしたばかりで、父一人、子一人で暮らしていた。
斬り込み役だった彼は、突入時に待ち伏せていたホムンクルスに殺害された。
決して彼が弱かったわけではない。
諜報活動の失敗で、奇襲攻撃の情報がもれ、逆に待ち伏せを食らったのだ。
結果的に制圧は成功したが、多数の負傷者が出てしまった。
彼は核鉄の治癒力では間に合わないほどの傷を負っており、制圧完了の1時間後に死亡した。
まだ9歳の子供を残して。

錬金戦団の活動をやめたら、もっと犠牲者は増える。
そんなことは分かっている。
しかし、同胞が死に、残された家族を見るたびに
彼らは無念ではなかったのか?
なぜ彼らが死ななくてはいけなかったのか?
彼らの 『人々を救いたい』 といういう強い意志は
悲しみにかき消されて
この世から消滅してしまうのではないか?
そう考えることがしばしばあった。
その度に、俺はその場で足踏みをしている気分になる。
その場に一人取り残された気分になってしまう・・・。


棚の写真を手に取る。
千歳が横目でこちらを一瞬見たが、またすぐに端末に視線を移した。
俺もまだ若い。
まだまだ幼い顔をしている。
そして、俺の隣に一人、
無精髭の良く似合う男が笑顔で立っている。
写真の中の俺と同じくまだ若いが、その目は力強く、ゆるぎない信念をみなぎらせている。
そして、この男は
今はもうこの世にはいない。


あいつは、親をホムンクルスに殺害され、
小さい頃から錬金戦団の施設で育った。
戦士としての素質アリと判断されたあいつは
物心着いた頃から訓練に次ぐ訓練の日々を送っていた。
だが、あいつにはそれしか生きる術がなかったのだ。
身寄りがなく、小さい頃から戦うことを叩き込まれたあいつにとって
強くなり、戦士として生き延びることだけが、
たった一つの生きていく選択肢であり、
それがあいつの望みでもあった。

そのせいか、あいつは訓練所では、いつもトップクラスの成績だった。
どの能力についても、俺も火渡も千歳も敵わなかった。
そして、ホムンクルスを憎む気持ちも、
罪のない人々を守る気持ちも、
決して誰にも負けなかった。
あいつは完璧な戦士のはずだった。
ただ1つの欠点を除いては・・・。
214予想問題:2006/12/16(土) 01:19:56 ID:GudJWDYg
あいつは、休日になると戦団の施設に出かけ、子供達の面倒を良く見た。
ホムンクルスに親を殺された、自分と同じ境遇の子供が多数いる施設なので
その気持ちは良く分かる。
何度か俺も付き合ったが、あいつは毎週のように施設に顔を出していた。
子供をあやしたり、大きい子の悩みを聞いたり、
施設の子供達を、かいがいしく世話していた。
クリスマスには訓練所でカンパを募り、プレゼントまで贈っていた。
「俺は戦士よりも保父の方が合っているかもな」
そう言って、あいつはいつも笑っていた。

しかし、訓練所を卒業して3回目の作戦中、あいつは命を落とした。
親をホムンクルスに殺害され、負傷して捕らわれている子供の救出作戦。
ホムンクルスの制圧は成功。
子供も負傷はしているが、無事・・・のはずだった。

あいつが負傷した子供に駆け寄り、傷口に核鉄を置いた途端、
いきなり発動した槍型の武装錬金に切り裂かれあいつは即死。
発動させたのは、負傷した子供だと我々が思っていた『人間型ホムンクルス』だった。
あいつのチームはいっぱい食わされたのだ。

核鉄は一旦奪われたが、チームメンバーが奪回し、
その人間型ホムンクルスも撲滅。
作戦は成功したが、1名が死亡。
子供は親の殺害と同時に、すでにホムンクルスに食われていたそうだ。

あいつの唯一の弱点。
それは、ホムンクルスに親を殺害された子供・・・自分と同じ境遇の子供に対しては、
無条件に手を差し伸べるその優しさ。
そして、それは戦場では甘さに繋がる。
上層部は『本件は十分予測できたはず』として、
戦士長に責任を取らせてそのチームを解散。
当時のあいつのチームは今はもう存在しない。

そして、その時あいつのチームを率いていた戦士長は去年心不全で亡くなり、
同チームメンバーの一人は、一昨年に作戦遂行中に事故死している。
もう、あいつのことを覚えている人間は少ない。

それでもあいつは『本望だ』と思っているだろうか?
戦士として育ち、あっという間に散っていった命で
それでも『本望だ』と思っているのだろうか?
215予想問題:2006/12/16(土) 01:21:15 ID:GudJWDYg
あいつは、戦団の施設にいる子供達の中にPTSDの子供が多いことを気にしていた。
戦団本部にもカウンセラーはいるが、
施設専属ではないので24時間のフォローは出来ない。
それを気にしていた。

目の前で親を殺された子供。
ホムンクルスに片腕を切断された子供。
みんな心に重大なキズを負っている。
決して癒されないキズ。
そして、その心のキズは24時間、
いつ、その子供達を襲うかわからない。

一晩中パニック状態で泣き叫ぶ子供。
うつ状態が続いて、自殺を試みる子供。
あいつは、いつもそんな子供達を気にしていた。
戦団本部に、施設内にカウンセラーを常駐させることを掛け合ったが、
有能なカウンセラー不足と、資金の不足でそこまで対応は出来ないと本部会で決定された。

そこで、あいつは戦団内に基金を立ち上げようとした。
基金の資金でカウンセラーを育て、戦団専属のカウンセラーを育て上げる計画。
あいつは、慣れないワープロで説明用の資料を作成し、
戦いの日々の中の、わずかな休息の時間を使って上層部に説明して回っていた。
結果、あいつの熱意により基金は設立。
基金の名前はもう忘れたが、あいつは本当に喜んでした。
その後、施設の子供と同じような境遇で育った者達がどんどん加入したおかけで、
あいつの死から2年後、初めて基金から進学する子供が出た。
それは、戦団の施設の子供。
笑顔のかわいい女の子だった。
216予想問題:2006/12/16(土) 01:21:45 ID:GudJWDYg
その子のことは俺も知っている。
初めて会ったとき、もうすでに高校生ぐらいだったはずだ。
一度、あいつに施設の子供達を遊園地に連れて行く際の
引率者を頼まれたことがあった。
あいつと、千歳と、あと数人の同期も一緒だった。
その子は楽しそうに乗り物に乗って、よく笑っていた。
(明るい子だな・・・)
そう思っていたが、後からあいつがその子の過去を教えてくれた。
その子は半年前に親をホムンクルスに殺害され、
それ以来ほとんど笑わなくなったこと。
いつも塞ぎ込んで、将来を悲観してばかりいること・・・。
あいつは、それが辛くて辛くて、今回の遊園地行きを企画したらしい。

その子の笑顔を見て、あいつは泣きながら俺と千歳の手を握って、何度も礼を言っていた。
まるで、自分の家族のことのように喜び、何度も何度も俺たちに礼を言っていた。
こんなすばらしい感情が仇となって
あいつの命を奪うとは、
この時は誰も思ってもいなかった・・・。

あいつが死んだと聞かされた時、その子はその場に泣き崩れたという。
暫くは食事も取れなかったと聞いている。
しかし、その子の話は最近聞いていない。
基金の資金で進学したとは聞いているが、その後どうなっているのか、
全く分からない。
あいつを知っている人間がほとんどいなくなったように、
皆、忘れ去っているのかもしれない。
そして、もしその子がいつかカウンセラーとなりこの世に出てきたとしても、
一番喜ぶべき、あいつはいない・・・。
やはり、無念ではないのか。
立派になったその子と一緒に喜び合いたかったのではないか?
あいつはこれでも本当に『本望だ』と思っているだろうか?
俺には・・・そうは思えない。
217予想問題:2006/12/16(土) 01:23:28 ID:GudJWDYg
気付くと千歳がこちらを見ている。
「なんだ?」
「・・・何を考えていたの?」
「いや・・・なにも・・・」
「そう・・・」
「・・・」
「・・・そろそろ打合せの時間よ」
「あ・・・ああ、そうだな・・・。そろそろ行くか」
千歳が幾つかのファイルを抱えて立ち上がる。
俺は写真を置いて、歩き出した。

ふいに千歳が話しかける。
「そういえば防人くん、先週亡くなった彼の葬儀・・・・行った?」
「ああ・・・行ってきた・・・」
雨の中での葬儀だった。

「彼、お子さんいたでしょう」
「ああ・・・そうだな。まだ9歳なのに、気丈にも泣くのを我慢していたよ・・・」
そのまだ9歳の幼い子は、泣くのを我慢しながら葬儀が済むまで、いつまでも棺のそばに座っていた。
父親の形見のメガネを握り締めて。

「彼、奥さんをガンで亡くしているから、その子も戦団の施設に入ることになったそうよ」
「・・・そうか・・」
また一つ、悲しみの中に一人の戦士の意志が、かき消されていく。

「それで、昨日、'臨床心理士育成支援基金'設立後、初めて生まれた臨床心理士が迎えに行ったわ」
「臨床心理士育成支援基金・・・設立後初めての・・臨床心理士・・・」
「忘れた?・・・あの人が設立した基金よ・・・そして初めての臨床心理士、
つまりカウンセラーは、あの子・・・」
「・・・」
「覚えてる?遊園地に連れて行った子のこと・・・」
「・・・」
「彼女、臨床心理士の資格を取ったその日に、あの人のお墓に報告に行ったらしいわ・・・。
 そして、今月から施設にカウンセラーとして勤務してるそうよ」
「・・・」
「私たちのことを覚えていてくれてね、先日挨拶に来たの。
 大学院も、臨床心理士資格試験も全てストレートで通ったそうよ。
 施設の子供達の為に頑張るって張り切っていたわ」 
「・・・」
「あの人の意志は、私達に見えないところでまだ走り続けていたのね・・・」
「・・・」
「何を悩んでいるか知らないけど」
「・・・」
「あなたには、立ち止まっている暇なんてあるのかしら?」
「・・・」
「そんな顔をしているあなたを見て、あの人は・・・・・・なんて思うのかしら?」

218予想問題:2006/12/16(土) 01:24:38 ID:GudJWDYg
あいつは走り続けていた。
昔と同じように
見果てぬ夢を追いかけて走り続けていた。
子供達の中に宿り走り続けていた。

俺はもう一度あいつの写真を見た。
さっき見た時と変わらず、笑顔のまま力強くこちらを見つめている。
こんな所で足踏みしている俺をよそに
あいつは走り続けていた。
(おい防人、なにやっているんだお前は・・・)
きっと、そう思いながら、あいつは今までずっと全力で走っていた。
そして、これからもずっと
自分の夢を追いかけて
あいつは走り続ける・・・。

千歳がこちらを見据えている。
小声だが、自分に言い聞かせるように、
噛み締めるように、俺は口を開く。

「善でも」
あいつの意志はあの子の中に生きている。

「悪でも」
千歳の中にも。

「最後まで貫き通した信念に」
そして俺の中にも。

千歳が声をかぶせる。
「偽りなどは何一つ無い」
「偽りなどは何一つ無い」


「・・・ブラボーだ、戦士千歳」
俺が歩き出すと、下をむいて含み笑いをしながら千歳が俺の後に続く。

俺はもう悩むことはないだろう。
俺はこれからも全力で自分の信念を貫き通す。

亡くなっていった戦士達の意志は
決して消え去ることはない。

偽りのない真実の心は
誰かに引き継がれて生きていく。

今、俺たちに出来ることは
彼らを忘れることなく
その意志を引継ぎ生きていくこと。

そして俺の亡き後
この意志は必ず誰かに引き継がれるだろう。

そう信じて
全力で走り続ける。

あいつと一緒に
いつまでも走り続ける。

219名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 02:14:56 ID:BOvCapab
ブラボー!!!!!
220名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 02:33:46 ID:mVbSoNdf
予想問題氏のSSは全年齢板でも充分通じると思うんだ
良かったら萌えスレも使ってみてほしいです
萌えスレ住人は基本的に錬金SS大好きなんで
221斗貴子の憂鬱1:2006/12/16(土) 03:27:34 ID:cTR5uNAd
あるラブホテルの一室に二人の高校生がいた。
二人とも錬金戦団の元戦士にして銀成学園高校2年生の津村斗貴子と中村剛太だ。
「斗貴子先輩そろそろ挿れていいですか?」
「剛太。私は初めてだ。やさしくしてくれ。」
「わかりました。じゃあ挿れます斗貴子先輩!!」
剛太はゆっくりと斗貴子の中に自分のものを挿入していく。
斗貴子の秘部から処女を失った証の鮮血が垂れてきた。
「ひぎぃいい!!私の中に!!私の中に剛太が入ってきている!!」
「痛いですか先輩?やっぱりやめておきましょうか?」
「いい、続けてくれ。」
「なら動かしますよ先輩。」
そういうと剛太は斗貴子の膣内でピストン運動を始めた。
「剛太・・・すごい・・・あぁ!!あぁあ!!」
「斗貴子先輩初めてなのに感じているんですか?エロいなぁ。」
「あぁ!!あぁ!!う・・・うるさい!!」
「でもそんな斗貴子先輩もかわいい♪」
「・・・・バカ。」
「う!!斗貴子先輩すごいしめつけだ!!」
「あぁん!!あぁあ!!ご・・・剛太・・・出そうなのか?」
「出しますよ先輩!!斗貴子先輩の膣内に出します!!」
「わ・・・私も・・・イク・・・んあぁあああああ!!」
「俺もイキます!!斗貴子先輩の膣内に出します!!」
斗貴子が絶頂を迎えると同時に剛太は斗貴子の膣内に放出した。
「剛太の熱いのが私の膣内に・・・。」
「へへへ。イったばかりの斗貴子先輩も可愛い。」
「恥ずかしいことをいうな。」
「先輩。俺は武藤のように先輩を悲しませたりはしませんよ。」
「そうか。ありがとう。」
「じゃあそろそろもう1回いっていいですか?」
「いいぞ。お前の気が済むまで私は付き合うさ。」
「それじゃ行きますよ。」
再び剛太のものが斗貴子にゆっくりと挿入されていく。

ガバァ!!
「ハァハァ!!何なんだこの夢は。毎晩毎晩同じような夢ばかり・・・。」
銀成学園高校の寄宿舎の自室でふとんを跳ね飛ばして斗貴子は目を覚ました。
時間は6時30分。山の上に出てきたばかりの朝日が斗貴子の部屋に差し込んでくる。
全身は冬にもかかわらず汗をかき、下着は上下ともぐっしょり濡れている。
斗貴子は剛太と関係を持つ夢をここ1週間ほど毎日見ていた。
しかも一晩に何回も見て、その度に目が覚める。
恋人関係になっているカズキに不満があるわけでもなければ欲求不満でもない。
なぜ毎晩こんな夢ばかり見るのか斗貴子自信も皆目見当もつかない。
222斗貴子の憂鬱2:2006/12/16(土) 03:28:09 ID:cTR5uNAd
コンコン!!
誰かが斗貴子の部屋の扉をノックした。
「斗貴子さん。そろそろ朝ごはんの時間だよ。いっしょに食べに行こうよ。」
扉の向こうから呼びかけてきたのは自分の彼氏であるカズキだ。
二人は付き合いだしてからは毎朝いっしょに食堂へ行き、いっしょに朝食をとるのが日課となっていた。
「もうすぐ着替え終わるから少し待ってくれ。」
カズキが待っているので斗貴子は急いで制服に着替えて扉を開ける。
「すまない。待たせたな。じゃあ行くぞカズキ。」
カズキには普通に接しているが、内心はここ1週間の夢のせいで申し訳ない気持ちで一杯だった。
(私と君は一心同体。なのに私は剛太と関係を持つ夢ばかり見る。すまないカズキ。)
「どうしたの斗貴子さん?」
「いや、なんでもない。」
二人は寄宿舎の食堂に出てきた。
今日の朝食はフレンチトーストとスクランブルエッグにコーンスープだ。
二人で食事をしていると斗貴子に話しかけてくる男がいた。
毎晩夢に出てくる男、剛太だ。
「やあ先輩。おはようございます。」
「お・・・おはよう・・・。」
剛太の顔を見ると今朝の夢がフラッシュバックされて顔が真っ赤になる。
剛太の顔をまともに直視できない。
「どうしたの斗貴子さん?顔赤いよ?風邪?」
「あ!いや、なんでもない。平気だ。心配するな。」
このままではやばい。このままではいずれカズキに不審に思われてしまう。
どうにかしなければ。どうにかしてあの夢を見るのをやめなければ・・・。
「・・・でねそれで岡倉が・・・。って聞いている斗貴子さん?」
「ああ、スマンカズキ!!」
今度はそのことばかり考えてカズキの話に対して上の空になっていた。
「斗貴子先輩。風邪なら学校休んだほうが良いですよ。」
剛太にいわれて振り向く。
剛太の顔を見たことでまたフラッシュバック。
顔が再び真っ赤になってしまう。
(いけない。このままでは完全に泥沼にはまってしまう。)
そう思った斗貴子はとても女の子と思えないようなスピードで一瞬にして朝食を平らげた。
「うわぁ・・・。斗貴子さん。超早食いだね。」
「斗貴子先輩。体に良くないですよそういう食べ方って。」
「ああ、ちょっといったん自分の部屋に戻る。」
そういうと斗貴子は走って自分の部屋に戻っていった。
「変な斗貴子さん。何かあったのか?」
「武藤。お前また鼻の傷に触りたいとか言ったんじゃないのか?」
斗貴子は自室で精神統一。
登校時間までに精神をいったん落ち着けるために座禅を組む。
「無心になれ!!無心になれ!!無心になれ!!」
しかし剛太の夢のせいで寝不足の斗貴子は無心になりすぎてまた眠ってしまった。
223斗貴子の憂鬱3:2006/12/16(土) 03:28:42 ID:cTR5uNAd
「まずい!!完全に遅刻だ!!」
部屋で座禅を組みながら眠り込んでしまった斗貴子は10時過ぎにやっと目を覚ました。
銀成学園高校の規則では8時30分までに校門をくぐらないと減点1、9時を過ぎても校門をくぐらないと減点2、
10時を過ぎてしまうと減点3で一発罰当番となることになっている。
斗貴子はすでに今日の罰当番は確定していた。
走る斗貴子は全速力で2−Bの教室に駆け込む。
「すみません!!出席番号女子18番津村斗貴子!!遅刻しました!!」
「遅いぞ津村!!もう2時間目が始まっているんだぞ!!今日は残って罰当番だ!!」
先生に怒られる斗貴子。
普段わりと優等生な斗貴子が先生に怒られるなど非常に珍しい。
斗貴子は少ししょんぼりしながら自分の席に着く。
「斗貴子さん。部屋に呼びに行っても返事がなかったからもう学校に行ってたのかと思ったよ。」
斗貴子から見て斜め左後のカズキが話しかけてきた。
「すまない。部屋で二度寝して寝坊してしまった。」
「ふぅん。今朝様子がおかしかったから部屋で倒れたんじゃないかと心配したよ。」
「心配かけてすまないなカズキ。」
ふと斗貴子は自分にとって今最大の問題人物中村剛太を見る。
剛太はぐーすかと気持ちよさそうに眠り込んでいた。
「なあ、剛太が授業中に眠るって珍しいな。」
「ん?斗貴子さんは遅刻したから知らないだろうけど、あいつ始業時間前から眠り続けてるよ。」
「まるでLXEのころの君みたいだな。よく眠っている。」
「こらぁ!!武藤!!津村!!授業中にやかましいぞ!!静かにせんか!!」
しゃべりすぎたせいでカズキと斗貴子は先生に注意されてしまう。
同じ日に2回も先生から注意を受けるなんて斗貴子史上初の出来事だ。
対するカズキは注意されるのはいつものことで気にも留めていないようだった。

放課後、今日の罰当番は北校舎の裏庭の清掃だ。
清掃をしている斗貴子のところへ桜花がやってきた。
「私も今日は罰当番。いっしょに頑張りましょうね津村さん。」
「お前が罰当番だと!!」
かなり驚く斗貴子。
それもそのはず。桜花は斗貴子の数段上を行く優等生で通っているからだ。
「昨晩は大学に提出する資料を徹夜で書き上げたら目が覚めたら10時過ぎ。一発罰当番確定ですわ。」
「奇遇だな。私も寝過ごして一発罰当番確定だ。」
二人は清掃を開始した。
落ち葉を竹箒でかき集めて、ちりとりに入れて可燃ごみ置き場まで持っていく。
それを繰り返すこと1時間半、やっと二人の罰当番は終了した。
「さ、終わったことですし津村さんも帰りましょ。」
「ああ。・・・・なあ相談したいことがあるんだがいいか?」
斗貴子は毎晩見る夢の悩みを桜花に相談することにした。
「悩みは人に打ち明けると楽になります。ただここではなんですから喫茶店で話をしましょうか。」
224斗貴子の憂鬱4:2006/12/16(土) 03:29:33 ID:cTR5uNAd
喫茶店に着いた斗貴子はありのままを桜花に話した。
「・・・と言うわけなんだが。」
「んー。思うに津村さんは剛太さんに気があるのでは?」
「馬鹿を言うな!!私はカズキと一心同体!!彼を裏切るなんて出来ない!!」
「まあまあ落ち着いて。熱くなったらまとまる話しもまとまらないわ。」
年は同じなのだがお姉さんのように桜花は斗貴子をなだめる。
「でもよく考えてみて。そんな夢を毎晩見るのは普通じゃないわ。」
「やはり普通じゃないか。」
「あなたは自分で気がついていないうちに剛太さんに惹かれていっているのかもしれませんわ。」
「う〜ん。そんなつもりは自分ではないのだが。」
「武藤君への不信感や不満などはあります?」
「正直全くない。」
「でしたら逆に倦怠期のようなものに入って違う男性を求めているのかもしれませんわね。」
「結婚もしてないのに倦怠期?そんな馬鹿な。」
「倦怠期なんて別に夫婦ではなくとも男女間ではあるものです。」
「だが剛太を後輩以上として見た記憶はないぞ。」
「もしかすると深層意識下で津村さん自身でも気がつかないくらいの剛太さんへの小さな恋心があるのでは?
それが倦怠モードに入った武藤君との関係もあって夢として一気に噴出したのではないでしょうか?」
「う〜ん。さっぱりわからない。そんなものが私の中にあるのか?」
斗貴子は深く考え込む。
剛太は自分にとって錬金戦団の戦士としての後輩と言う風にしか意識していないはずだ。
だがもしかしたら桜花の言うことも一理あるのかとも思ってしまう。
もはや何がなんだかわからない。
頭がどんどんこんがらがって軽いパニックになってくる。
「じゃあ今日はここでお開きにしましょう。あとは1人で考えてみることも必要よ。」
そういって桜花は席を立とうとし、それを斗貴子が引き止める。
「待ってくれ。もう少し話を聞いて欲しいんだ。」
「今結論を出そうとしては駄目。それこそ思考の迷宮に入り込んで出られなくなるわ。」
「しかし・・・。」
「とりあえず今晩ベッドの中ででも自分1人でゆっくりと考えてみることです。それでも結論が出ないならば
また明日の夕方にこの喫茶店で相談に乗りましょう。ではさようなら。」
そういうと桜花は席を立って帰っていった。

その夜斗貴子はベッドの中で独り言をつぶやきながらゆっくり穏やかに思考をめぐらせた。
「私と剛太の関係は錬金戦団の先輩後輩。そして銀成学園高校2−Bのクラスメイトだ。それ以上でもそれ以下
でもないはずだ。恋心?それを私が今感じているのはカズキだけのはずだ。私は先輩。彼は後輩。そして同じ
学校のクラスメイト。たしかに剛太はカズキが月に消えたときに私にやさしくしてくれた。だがしかし・・・」
色々と思考をめぐらせているうちに斗貴子はまた眠りについていった。
そしていつもの夢がまた襲い来る。
225斗貴子の憂鬱5:2006/12/16(土) 03:31:13 ID:cTR5uNAd
「挿れますよ先輩。」
「あぁ!!入ってくる!!剛太のが入ってくる!!」
「どうですか俺のは?」
「あぁああああ!!気持ちいい!!」
これは1週間毎晩見続けた夢。
8日目の今日もまた同じ夢を斗貴子は見ている。

その頃現実の世界の斗貴子の部屋。
斗貴子の部屋の押入れの屋根裏に通じる場所から侵入してきた男がいた。
彼は枕元に立って斗貴子につぶやき続ける。
「気持ちがいい。気持ちがいい。おち○ちん気持ちがいい。そろそろイキそうだ。」
このはたから見たら変態丸出しのことをつぶやいているのは何と夢に出てくる剛太本人だ。
「ふふふふ。武藤直伝の誘導催眠は効果抜群だな。武藤、お前の技で俺は斗貴子先輩の心を奪う。」
「ほ〜。つまり誘導催眠でじわじわツムリンを洗脳していって自分への恋心を植えつけるつもりかゴーちん?」
「ああそうだ。先輩の心はこのまま武藤から俺に・・・ってゴゼン!!」
ビックリして剛太が斗貴子の部屋の窓を見ると窓の外からゴゼン様がじ〜っと部屋の中を見ていた。
「ゴーちんがやってた誘導催眠の夢のことでツムリンに相談された桜花はやはりどうにもおかしいと思ってな。
一晩俺にツムリンが眠っているところを監視するように言ってきたんだ。お前も中々エロいな。」
その時剛太は背後に殺気を感じた。
「ほ〜ぅ。私の夢の原因はおまえ自身だったのか。」
「お・・・お目覚めですか先輩?グッドモーニング。」
「まだ夜中だ!一晩中こんなことをしてればそりゃあ授業中は寝てしまうよな。」
「あわわわわわわ。すみません斗貴子先輩。申しませんから。」
剛太は怯えながら謝るが、斗貴子は聞く耳を持たずベッドの下から木刀を取り出した。
「知っているか剛太?こんな木刀でも人間の頭をトマトみたいに弾けさせることは不可能じゃないんだぞ。」
「殺されるぅう!!ぎやぁああああ!!」
斗貴子の部屋の窓を開けて剛太は寄宿舎の外に逃げ出したが斗貴子はそれを追いかける。
「こ、殺さないで。助けてください。許してください。」
「脳漿をぶちまけろ!!」
ドカァ!!グチャ・・・。
鈍い打撲音と何かが飛び散るような音が寄宿舎の裏の林に響いた。
「ゴーちん南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。さて、俺も桜花のところに帰るか。」
全てを見届けたゴゼンは桜花のところへ帰っていく。

そのころちーちんの部屋では。
「剛太さんは私のことが好き、嫌い、好き、嫌い、好き・・・・好き?」
ちーちんは花占いにいそしんでいた。
頑張れ剛太。ここを生き延びれば新しい恋が待っているぞ。

ドカァ!!ベキィ!!バコォ!!ボコォ!!
「しぇ・・・しぇんぱい・・・。もう許して・・・」
「許さん!!死ねぇ!!頭蓋骨をぶちまけろ!!」
・・・・・。あくまで生き延びればですけどね。
226名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 04:09:50 ID:qbWbLY0Q
剛太最低だなw つーかギャグだとしても人間としてオhル
そんなやつにはちーちんがもったいないわっ
227名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 11:12:23 ID:pP4Td4U0
剛太にかける言葉はただひとつ。

阿呆が!
228名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 11:14:25 ID:NfZKCoR8
SS書く時って結構時間がかかったりすると思うんだが、
SS書いてる人達って音楽とか聴きながら書いたりする?
いや、かえって集中力を妨げちゃうか。
229名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 12:18:26 ID:iIRWMLeO
カズキ×桜花先輩ってどうよ
230名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 13:18:37 ID:7A2mmjok
斗貴子「浮気、ダメ ゼッタイ。」
231名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 15:10:52 ID:pP4Td4U0
>>229
♪なんでだろ すっごく読みたいわたしです
232名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 17:06:05 ID:Wdlkno92
>>229
桜花×カズキのが良くね?
233名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 23:20:57 ID:ewSKIJ2C
>>209
随分と遅くなってしまったが、

GJ!!う〜ん、死亡していない秋水は久し振りだ。
しかし同い年の筈なのに「姉」が年上に思えるのも不思議、
つーか秋水が甘えン坊のような…

ところでだれか俺の下半身知らないか?
234斗貴子の復讐1:2006/12/17(日) 03:27:56 ID:3zE73ixN
剛太が斗貴子に木刀でボコボコにされて数時間。(>>225参照)
夜は明けて午前8時過ぎに斗貴子の部屋をノックする男がいた。
ゴンゴン
「斗貴子さん。入っていい?」
「いいぞカズキ。今は手が離せないから勝手に入ってくれ。」
カズキは扉を開けて斗貴子の部屋に入る。
部屋の中で斗貴子は扉に背を向けて木刀を丁寧に磨いていた。
斗貴子他大半の戦士は錬金戦団に核鉄を回収され、武装錬金を発動させることができなくなった。
だが長年戦士として生きてきた斗貴子は手元に武器を置いていないと少し不安で落ち着かないらしく、
核鉄の代替として秋水から譲り受けた安物の木刀を常時ベッドの下に置いている。
去年北海道で修学旅行中に秋水が購入したものだそうで柄には「洞爺湖」と掘ってある。
「へ〜。秋水先輩にもらった安物でもやっぱり愛着をもってるんだね。」
「ああ。それに武装錬金ではない武器は戦闘後には手入れをしないとな。」
カズキはドキッとした。
まさか月に渡らずに地球に残存したホムンクルスが襲ってきたのだろうかと思ったからだ。
ホムンクルスは武装錬金以外の武器で完全に倒すことはできない。
「斗貴子さん!!戦闘ってまさかホムンクルス!?だったら俺がサンライトハート+でトドメを!!」
カズキがそういうと木刀を磨き終えた斗貴子がカズキのほうに振り向いた。
斗貴子は顔中が血まみれだった。
「斗貴子さん!!顔から血が!!」
「ああ、そういえばまだ顔を洗ってないからな。返り血が残ってたか。」
「返り血・・・っていうか誰と戦ったの!?」
「剛太だ。たまには何かをぶちまけないとやっぱり勘が鈍るな。」
「ご・・・剛太?ぶちまけ?そういえば今朝から見ないけど・・・。」
「ああ。裏の林に埋めてきた。」
「埋めた!?埋めたって!?剛太死んだの!?」
「その可能性は無きにしも非ずかな。まあ戦士の任務中の殉職は本望だからな。」
「いや、今任務中じゃ・・・・っていうか殉職ってやっぱり殺したの!?」
「まあ死んでなかったら作戦第2弾があるからそれはそれでいいけどな。」
「作戦第2弾!?剛太をどうするつもりなの!?」
普段の構図と違ってカズキが突っ込み役になっている。
「斗貴子さん・・・。剛太と何かあったの?」
その問いに斗貴子は額には血管が浮かせ、全身から邪悪で真っ黒なオーラを放った。
『死にたくなければ聞くな。さもなくばぶちまけるぞ!!』
斗貴子の表情はそう物語っていた。
カズキはもはや何も聞けなくなる。
こういうオーラを放出している時の斗貴子は本気でキレているからだ。
斗貴子は本気でキレるとかなりバイオレンスな行為に出るためにヘタをすると自分まで巻き添えになる。
「さ〜て剛太が戻ってきたら。作戦第2弾夢攻撃決行だ。フフフフフフ。」
斗貴子は邪悪な笑顔でにやりと笑った。
触らぬ神にたたりなし。カズキは今聞いた話は忘れることにした。
235斗貴子の復讐2:2006/12/17(日) 03:29:24 ID:3zE73ixN
そのころ寄宿舎裏の林の中に首から下が土の中に埋められた剛太がいた。
その隣にはパピヨンが岩に腰掛けて座っている。
剛太の頭の上にはパピヨン所有の核鉄が置かれている。
「パピヨン。核鉄で治療してくれてサンキューな。」
「ふん。貴様が女にボコられてぶざまな醜態を晒していてのを見て哀れに思えただけだ。」
「いや、お前が核鉄を貸してくれなかったらマジで俺出血多量で死んでたと思う。」
「武藤といい貴様といい、難儀な女に惚れたものだな。しかし何であんなにボコボコにされていたんだ?」
「それが実はな・・・」
剛太はパピヨンに事の顛末を詳細に話した。
パピヨンはそれを聞いて剛太をあざける様に笑うする。
「フフフフフフ!!お前蝶サイコーだ!!こんな馬鹿久しぶりに見たぞ!!」
「てめぇ。笑うなよ。俺はこれでも本気で斗貴子先輩を想っていたんだぞ。」
「ふん。本気で想っていたんならなぜそんな卑怯な手を使う?自分の本当の魅力で傷女を自分に振り向かせる
 くらいできないのか?哀れな男だ。正攻法で傷女を振り向かせることを諦めた地点で貴様はアンダードッグだ!」
そのパピヨンの言葉を聴いて剛太は深く反省し、パピヨンのことを見直した。
剛太はたしかに自分の力で斗貴子を自分のほうに振り向かせるような自信は持ち合わせていなかった。
むしろ、だからこそあんな卑怯な手段をとったのだ。
「卑怯な手でつかんだ愛など本当の愛ではない。」
「本当の・・・愛・・・。」
「本当の愛はお互いが想い合う無償の愛だ。貴様のは自己満足の一方通行の愛に過ぎないんだ。」
「お前・・・ただの変態じゃなかったんだな。」
「そう。俺は蝶人パピヨンだからな。俺は自分を信じ自分の最大限の魅力で女を口説くのさ。」
「すげぇ・・・・師匠って呼んでいいか?」
「ふん!!貴様みたいなアンダードッグが弟子なんて真っ平ごめんだ。さてそろそろ核鉄返せ。」
「あ、待ってくれ。」
「何だ?治療はほぼ終了している。あとは自然治癒で治せ。」
「いや、ここから出してくれ。」
「そこまで付き合ってやる義理はないな。さらばだ。」
パピヨンは武装錬金ニアデスハピネスを展開して空に飛び立った。
一人取り残された剛太は地中に埋ったままで身動きすら出来ない。
「待て!!出してくれ!!頼むから!!蝶人パピヨン様ヘルプ!!」
だがパピヨンは無視してそのまま去っていく。

結局剛太は夕焼けが西に沈む頃にやっとこさ自力で出ることに成功した。
今朝のパピヨンとの会話は剛太の心を変えた。
もう二度と卑怯な手段で斗貴子の心を動かすような真似をしないと決めた。
そして裸一貫、自分自身の魅力のみで斗貴子を自分に振り向かせるように努力をしようと。
まずは男気をみがき、根性を鍛える。
真っ赤な夕焼けの中そう誓いを立てる剛太。
だが斗貴子はそんな剛太を自室の窓から見ている者がいた。
斗貴子だ。彼女はまた邪悪な笑みを浮かべた。
「ふふふ。夜になればお前はさらなる地獄をみる羽目になるんだ。」
236斗貴子の復讐3:2006/12/17(日) 03:30:11 ID:3zE73ixN
その夜屋根裏から剛太の部屋に斗貴子が侵入してきた。
「ふふふ。貴様も夢で苦痛を与えてやる。昨日までの復讐だ。」
斗貴子は剛太の枕元に立って耳元でつぶやき始めた。
「叩〜く!!叩〜く!!ムチで叩〜く!!」
それは昨晩まで剛太が使っていたものと同じカズキ直伝の誘導催眠だ。
どうやら拷問の悪夢で剛太を苦しめる計画のようだ。

ここは剛太の夢の中。
剛太は全裸の状態で縄で拘束されていた。
「くそ!!?なんだこれは!!」
そこへ一人の女性が歩いてくる。
それは剛太が恋心を抱いている斗貴子だ。
その手には禍々しく凶悪なムチを携えている。
「貴様にはお仕置きが必要だ!!覚悟するがいい!!」
パチィン!!ベチィン!!バチィン!!ムチが剛太の肌に襲い掛かる。
「痛いか!!苦しいか!!もがけ!!悲鳴をぶちまけろ!!」
「ぎぃやぁああ!!うぎゃぁあああ!!」
苦痛に耐える剛太だったが、その時あることに気がついた。
(ま、待てよ!!これはSMプレイか!!)
そう思うと何故か痛みは緩和されてむしろ快感になってきた。
(斗貴子先輩とSMプレイ・・・。夢のようだ。蝶サイコーだ。)
パチィン!!ビチィン!!ベチィン!!
「あぁああ!!もっと!!もっとお願いします先輩。いえ、斗貴子女王様!!」
「!!?」

一方現実の世界では。
「むにゃむにゃ・・・。斗貴子女王様・・・。もっと・・・。」
「女王様?もっと?拷問刑の夢のはずなんだが・・・。何!?」
斗貴子の目に入ったのは大きく膨らんだ剛太のふとんだった。
「まさかこいつ拷問の夢で勃起しているのか!?」
驚いた斗貴子はまさかとおもってふとんをめくってみた。
ふとんの下の剛太は下半身裸だった。恐らく自慰の途中で眠ってしまったのだろう。
ドピュドピュ!!次の瞬間夢のSMプレイの興奮が頂点に達したのか剛太は夢精した。
発射された精液はふとんをめくり上げた斗貴子の顔面に直撃した。
いわゆる顔射である。
「・・・・・。剛太貴様ぁ!!」
斗貴子の突然の大声で剛太は目を覚ました。
目を覚ますと目の前には自分の精液を顔面に受けて怒りに震える斗貴子がいた。
「ふにゃ?先輩どうして俺の部屋に?っていうかその格好は?」
「うるさい!!ぶちまける!!死ね!!」
「ひぎゃああ!!俺が何をしたって言うんですか!?」
こうして斗貴子の復讐は剛太に快楽を与えるだけの失敗に終わったのだった・・・。
斗貴子とのSMプレイの夢と斗貴子の顔射された顔はしばらく剛太のおかずにされたのは言うまでもない。
237名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 11:56:29 ID:ZpHwE1lg
斗貴子さん自爆したぁーっ!!
238名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 15:20:56 ID:uhaFJrKd
何かなぁ…TQNのキャラじゃない気がするんだが…
239名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 15:58:42 ID:/CD79GJa
スレに投下されたssはどれも美味しくいただくつもり

…なんだけど

多少、性格いじったり暴走させたりするのはともかく、他キャラに意地悪するような改悪は
勘弁して欲しいのが本音なんだ…
特に斗貴子さんと千歳さんにその傾向が強い気がしてなあ
240名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 16:12:40 ID:pNgT4F88
千歳さんのエロイ話が読みたい。若いときでも年増のときでもいいから…
小娘には出せない経験豊富な大人のオンナの魅力を存分に味わいたい。
ブラボー相手ならもちろんバッチコーイだが
カズキや火渡相手でも可だ。
弾力のあるおっぱいやむっちりした腰周りの描写を求む!
千歳さんはセックスのときでもクールに見えるがきっと体は肉欲の奴隷だ!
ニンフォマニアという設定でも良し!
大人の女のテクで一滴残らず精液を搾り出してくれるような話を読みたい!
241名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 16:26:45 ID:uhaFJrKd
最近TQNと剛太の性格の改悪が酷い気がする
ギャグのつもりでもそのキャラ好きな人には不愉快だから考えてほしい
242名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 19:16:01 ID:Jl2aYYOm
はぁ、はぁ、斗貴子さぁん……。
斗貴子さんがそこまでヨロコんでくれると俺も嬉しいよ…。
またまたぁ、そんな事言っちゃって。
…ほら、やっぱりヨロコんでる。……ヨロコんでないの?それじゃあこの辺を突いて――
あ、今のはヨロコんでくれたよね!?かわいい声出してくれたし!体ビクンってなったし!!
うんうん、やっぱりキレイだよ斗貴子さん。
そんな謙遜しなくてもいいって。
あと、夜だけエロスいよね。
ちょちょちょちょっと待って!!冗談でもタマを握るのは止めて!!本気で怖いから!!
ふぅ、ふぅ………ええと、ゴメン斗貴子さん。
怒らせるつもりじゃ無かったんだけど、斗貴子さんが嫌だったならもう言わないよ。
……あ、斗貴子さんそろそろイキそう?いや、さっきから中がビクビクしてる様な気がして。
あはは、だって斗貴子さんがかわいいからさ。
もっと気持ちよくしてあげたくて、つい動きが速くなっちゃうんだよ。
…大丈夫大丈夫!斗貴子さんの元々小っちゃいのに、イク前はもっと締まっちゃうんだもん。
俺ももう出そうだから…だから……一緒に……いいよね?



斗貴子さん、早くこっち来て。服なんていいから。
ちっ違うよ!!そーゆー事じゃなくて、肌と肌とで直に触れ合いたいって言うか――
ホントに違うんだって!!
……そりゃあ斗貴子さんが嫌なら…無理にとは言わないけど………。
………………あっ…。
…えへへへ。やっぱり斗貴子さんをぎゅーってしてると落ち着くなぁ。
裸のままでいて風邪ひいても知らないぞって?…平気だって斗貴子さん!!
斗貴子さん抱いてれば温かいし!あ、でも斗貴子さんが体冷やしたりしたら大変だよね。
ホラ、もうちょっと俺に近寄って斗貴子さん。もっと密着密着!
…うん、これでよし!寒くない、斗貴子さん?
何か顔が赤いけど…もしかして熱い?……何でも無いの?ふぅん、分かった。
ん、どうしたの斗貴子さん?
…ウン、少なくともシてる時の斗貴子さんはエロスいと思う…。
何て言うか、瞳がとろとろになってて、肌がピンク色になってて。でも俺は全然嫌じゃないよ。
寧ろ、そういう時の斗貴子さんを独り占め出来てるんだから凄く嬉しい。
斗貴子さんをヨロコばせられるのは俺だけ!!って感じでさ。
あ、勿論俺をヨロコばせられるのは斗貴子さんだけだからね。
…あれ、斗貴子さん?何で下向いちゃうの?俺なんかまずい事言った?
あ、と、斗貴子さん!ドコ触ってるの斗貴子さん!!?
そんな触られ方したらまた勃っちゃうって!!
え?カズキをヨロコばせられるの私だけだと言うなら、もっとヨロコばせてやる?
と、斗貴子さん…。いい……の?
嫌じゃないよ!?全然嫌じゃないです!!お、お願いしますっ!!
………エロスな斗貴子さんもひっくるめて……斗貴子さんが好きだから…。







「言って良かった」―――了
243名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 02:18:03 ID:Vt1A55lu
>>240

照星×千歳が見たいと言ってみるテスト
244名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 07:17:29 ID:vE9iRORJ
>>242
ラブラブでエロエロ、蝶ブラボー!
朝っぱらからスゴいの読んじまった!!
245名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 23:53:59 ID:VNAo02su
シルバースキン着たまま勃起したらキツそうだな。
246名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 08:21:56 ID:zcFUJPAE
>>245
そこだけのびたりして
247名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 10:12:53 ID:YerzUPcC
リバースを着たときに外部への攻撃とみなされるかな
248もしもあなたに会わなければ P1/3:2006/12/20(水) 00:57:43 ID:7aC4k0y7
クリスマスも近いその日。突然の雨に私達は橋の下に避難を余儀なくされた。
「かなり雨、強くなってきたね。斗貴子さんの言ったとおり、早めに雨宿りして大正解!」
「天候の予測は戦士に必要な能力のひとつだ。キミも身に付けておくべき…
 いや、もう戦士じゃ無かったな…それに正直、朝の時点では降り出すとは思わなかった。
 だから傘も無し。私も戦士失格かな?」
それでもハンカチで拭える程度の被害で済んだ。まあ良しとしよう。
雨雲の所為か、あたりは薄暗い。日没にはまだ早い筈だが。
「ゴメン。待っててもらわなければ、雨に遭わせなくて済んだのに。
 それと折角の土曜の午後を潰させて、それもゴメン」
「気にするな。待ちたいから待っていただけだ」
カズキが剣道部、というより早坂秋水との練習に付き合った為、遅くなってしまった。
それでも今日は早いほうなのだ。
もうすぐクリスマスだからって。…変わったな、秋水。
私達が銀成学園に戻ったとのほぼ同じ頃、秋水も『武者修行』から戻って来た。
それ以来、カズキは秋水を相手に剣道部で週に数日、稽古に汗を流すようになった。
もっとも傍から見れば、相変わらずとても剣道とは言い難い代物であったが。
部外者なのに、とも思うが、秋水のほうでも歓迎しているようだ。
あの男の相手になるのはカズキしかいない所為もあるだろうが、それだけではないだろう。

「しかし何故、キミは秋水の練習に付き合うんだ?もう鍛える必要は無いだろう?
 剣道部員という訳でも無いし」
冷たい冬の雨。強まる雨脚の、その雨音に負けない様に声を大きくする。
どうせ橋の下には私達しかいない。
話題の主、早坂秋水とその双子の姉・桜花が敵であるL・X・Eに所属していた時、
お互いそれとは知らず、『強くなれるだけ強く』なる為に稽古をしていた。
やがて私達は早坂姉弟と対決することになったのだが――
もう随分、昔のような気がする。
あれから色々なことが起こり――そして今、もう戦いは終わり。戦士は廃業だ。
もっとも秋水は剣の世界で生きていくつもりのようだから、これからも修練は必要だろう。
が、カズキは違う。
「ん〜なんというか、鍛えるのが習慣になってしまったというか。そういう斗貴子さんだって
 トレーニングやめてないでしょ?」
そりゃトレーニング中はキミを独占できるし。
それにやめると太りそうだからという理由もあるのだが、どちらも言える訳がない。
増加分が胸にくるならともかく。
…話題を変えよう。
「ところで帰り際、秋水と話し込んでいたようだが。どうかしたのか?」
「うん…実は剣道部に誘われてるんだ」
…そうか。

あの夜の対決の結果、早坂姉弟はカズキに絶対的な信頼を寄せるようになった。
いや再殺部隊からの逃避行時の桜花の献身的サポートを思うと、それは…
それは秋水も同じことだ。もし彼が知っていれば、共に戦ってくれただろう。
彼らもカズキの為なら、なんでもするだろう。…私と同じように。
249もしもあなたに会わなければ P2/3:2006/12/20(水) 00:58:30 ID:7aC4k0y7
あれはいつのことだったか。寄宿舎で、いつものメンバーが集まっていたときのことだ。
「桜花先輩って、カズキ先輩に気があるのかなぁ?」
「沙織?!斗貴子さんいるのに!そんな飢えた虎に生肉を見せびらかすような真似を!!」
…安心してくれ、いきなり襲い掛かりはしないから。少なくともキミ達には。
とはいえ、その場の空気は凍りつき、私も飲み掛けていた水を吹くところだった。
けれど彼女は気にせず続けた。
「え〜でも桜花先輩がカズキ先輩を見る眼って…斗貴子さんと同じだと思うんだけどな〜」
「それって獲物を狙う眼?」
…ちーちん、後でお話があるから。
「それなら秋水先輩だって、お兄ちゃんに向ける表情は同じだよ、斗貴子さんと」
「?まっぴー!それって、まさかウH」
「腐女子禁止!!」
近くにあったお菓子を口に押し込んで黙らせるとはナイスだ、ちーちん。
さっきの発言は不問としよう。
「ん〜そうじゃなくて信頼してる感じ?」
「ま、まぁ、剣道の稽古で相手になるのがカズキだけだからな。
 …それと別に怒ってなどいないから、そこ、固まらない」
まひろちゃんの言葉にすかさずフォローをいれ、話を終わらせた。
それと情けないぞ、男共。
しかし普段はボケたこともいうが、見るべきところは見ている。お義姉さんも鼻が高い。
…でもね、まひろちゃん。それは信頼じゃない、私と同じなら。

あのとき。
夜の校庭で早坂姉弟と戦ったとき。
敗北した彼らを死から、いや絶望から救ったのはカズキだった。
そして死を与えようとしたのは、私。
「キミの戦士としての命を今ここで断つ!」
だからカズキと刃を交えることになった。…いや斬りかかったのは私だけ。
カズキは防ぐのみ。
あのとき。
キミが私の前に立ち塞がったとき。
「元より私はキミが闘いの世界に来るコトを望んではいなかった!」
…嘘だ…キミと一緒にいたかった。
キミは日常の世界の住人。でも私は闘いの世界でしか生きられない。
だからキミがこちら側に来てくれたことを、言葉とは裏腹に心のどこかで喜んでいた。
あのとき。
その腕章を引き裂いたとき。
キミと私は、やはり住む世界が違う。それを思い知らされた。
求めても得られぬなら壊してしまえ。心のどこかが命じた。
それが私の心の闇。――鬼。
闇の世界の化物を退治する私もまた、化物。
裏切られ鬼となった鉄輪の女は、しかし最後の瞬間にその男を殺せず、けれど人に戻る
ことも叶わず、闇に消えたという。
私もいずれ闘いの世界で敗れ、消える運命(さだめ)だったのだろう。人に戻れないまま。
――もしもキミに会わなければ。
250もしもあなたに会わなければ P3/3:2006/12/20(水) 00:59:04 ID:7aC4k0y7
でもキミは
早坂姉弟の閉じ篭る世界の扉を打ち破り、二人を新しい世界に導いたように
私には見つけられなかった日常へと続く扉を開いて、私を連れ戻した。
この愛しき日常へ。陽光煌めく、この世界へ。
だから。
キミの笑顔で暖かくなる。
キミを想うと胸が熱くなる。
キミの為なら、なんでもできる。
だから。
この気持ちは、あなたへの想いは、信頼じゃない。

雨音もいつのまにか小さくなってきた。もうすぐ止むだろう。
「…でもって、剣道部の監督さんや他の部員からも頼まれてるくらいだから、入部すれば
 みんな大喜びだって秋水先輩は言ってくれるんだけど」
「なら入部したらどうだ?もちろんキミが嫌でなければ、だが」
「ん〜嫌じゃないけど、そうすると岡倉達や斗貴子さんと一緒にいられる時間が減るし」
「なにを甘ったれたことを!もうすぐ高校三年生だぞ」
「うん、だから。高校を卒業したら、みんなバラバラになっちゃうだろうし…
 みんなといると楽しいから…って、やっぱり甘えてるのかな?」
ズルイな。キミが微笑むと言葉に詰まる。
だから、少しはぐらかして意地悪を。
「…まぁ友人や妹、家族を愛するのは当然のことだ。
 別に甘えているとは思わない。…それに私はキミとずっと一緒の筈、だろう?」
「もちろんだよ、斗貴子さん!この胸の核鉄込みで、ずっと一緒さ!!」
真剣なカズキの表情と声に思わず吹き出してしまった。
「わかった、わかった…雨も小降りになったようだな。もうすぐ上がるだろう」
「ホントだ…もうこの時間じゃ無理かな?」
「何が?」
「虹!」
「虹?あの空に掛かる…?」
「うん。好きなんだ、虹。明日へ続く橋みたいで」
「まるで詩人だな」
「何を隠そう!オレは詩的表現の達人だ!
 …そうだ、斗貴子さん!今日の午後の埋め合わせに、お茶してこうよ」
まったく、このコはいつも突然だ。それなら。
「それも詩的表現、というヤツか?まわりくどいな」
「…デート…しよ?」
「素直にそう言いなさい。…OKだ」

「どうやら止んだようだ…虹は無理のようだが、ほら夕陽がキレイだ…どうした?」
「斗貴子さん、キレイ。夕陽に映えて」
「どうして突然そういうことを言うんだ、キミは?!ほら、いいから行くぞ!!」
手を引いて夕陽へ向かって歩き出した。良かった、夕陽で誤魔化せる。
眩しいから、少し眼を細めた。夕陽も、笑顔も。

もしもあなたに会わなければ 心のドアは閉じたままだった

―終―
251名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 01:06:11 ID:YCiC7F9p
>248-250
GJ!
うあー…何ていうか上手く言葉に出来ないな
すごく余韻があってよかった すごく好きだこういう話
いいもん読ませてもらいました!
252100年前の悲劇1:2006/12/21(木) 21:49:19 ID:hvkzsPNK
私の名前はヴィクトリア=パワード。
錬金戦団の大戦士“だった”ヴィクター=パワードの娘だ。
私は今は母アレキサンドリア=パワードと二人で暮らしている。
年齢は13歳で本来ならジュニアハイスクールに通う頃だが、学校には行っていない。
いっしょに暮らしているとはいえ、母は3年前に父が化け物になった事件以来植物状態だ。
目覚めることなく眠り続ける母を看護するために私は学校へ通うことを諦めた。
医師の見立てでは母はいつ目を覚ますかがわからないそうだ。
下手をしたら一生目を覚ますことはないかもしれないとも言われた。
しかも診断の結果、母は首から下の体機能を完全に失っている可能性が高いらしい。
だがそんな絶望的な状況でも相手は愛する母、見捨てるわけには行かない。
今日も私は母の看護に励む。
床ずれを起こさないように定期的に寝返りをうたせてあげるのもすでに日課になった。
食事は当然取れないので医師に指示されたとおりに点滴で栄養を投与する。
排泄物の処理や母の体を拭く作業ももはや手馴れたものだ。
コンコンコン!!
「ヴィクトリア=パワードさんはご在宅でしょうか?」
聞いたことない声の男が自宅の扉をノックして私の名前を呼んだ。。
父が黒い核鉄で化け物と化した今ではこの家の来客は定期診断に訪れる医師くらいだ。
だが扉の向こうから聞こえてきた声はお医者様のものではない。
不思議に思って扉を開けると、そこには武装した男が3人立っていた。
その男達の服に書かれたマークには見覚えがあった。
錬金術、そしてかつて父と母が在籍した錬金戦団のマークだ。
「あの、何か御用でしょうか?」
父が化け物になってから戦団がこの家に訪れることなど一度もなく不思議に思って私は尋ねた。
しかしそれが悲劇の始まりであったのだ。
「お前がヴィクトリアか?我々と錬金戦団本部へ来てもらおう!!」
5人の男達の真ん中に立っていたチームのリーダーと思われる30歳くらいの東洋人が私に言った。
錬金戦団本部までは大人が歩いて丸1日かかる距離だ。
私には母を看護する使命がある。
たとえもう母が目覚めることはなくとも、それは母の命が尽きるまで私に化せられた使命だ。
ゆえに私はこの家を離れるわけにはいかない。
「私は母を看護しなくてはなりません。戦団本部まで行くことはできません。」
私は断ると同時にリーダーの東洋人の顔は急に険しくなった。
「いいから来い!!クソガキが!!」
彼は私の腕をつかんで強引に連れて行こうとする。
私は抵抗するが、所詮は13歳の女の子だ。
訓練された戦士に腕力で敵うはずもなく腕を引っぱられるように彼らの乗ってきた車の荷台の檻に放り込まれた。
無駄とはわかっていても私は檻の中で抵抗する。
それをうっとおしく感じたのかリーダーの東洋人は核鉄を取り出した。
「うるさい!!静かにしろ!!武装錬金!!麻酔銃の武装錬金デビルスリーパー!!」
彼は武装錬金を発動させ、錬金の麻酔銃を私に放った。
銃声と共に意識が遠のいていく。
253100年前の悲劇2:2006/12/21(木) 21:50:10 ID:hvkzsPNK
目を覚ますとそこは戦団本部の城の中だった。
私の両腕と両足は鎖で建物の壁に固定されて身動きが取れない。
「どうだ?貴様の父が破壊したこの城もかなり復旧しただろう?」
そういったのは私を拘束したグループのリーダーだった東洋人だ。
「そういえばまだ名乗っていなかったな。私は錬金戦団戦士長の麻原雷銃太。貴様をここへ招集した目的は
 ただひとつ。貴様に貴様の父のヴィクターを倒す戦いに参戦してもらうためだ。」
麻原が語る話によると、胸に心臓の代替品として黒い核鉄を入れられたことによって存在するだけで周囲の
エネルギーをひたすら吸収する化け物となった父ヴィクターは、3年たった今でも戦団の討伐隊を退けながら
ひたすら東へ向かって現在東洋の大国である清国の海岸沿いで逃亡を続けているらしい。
見つかる可能性など少ないが化け物から人間へ戻る方法を求めてひたすら東へ東へ。
だが何故私に父を討てと言うのか理解が出来ない。
そもそも私に父を討つことなど出来ないし、それだけの能力もないはずだ。
「フフフ。元が大戦士だけあって化け物の力と合わさってその戦闘能力は脅威でね。もはや正攻法でやつに
トドメを刺すのは不可能に近い。だが、自分の愛する娘なら油断したところを討つことは可能かもしれないだろ?」
何と悪趣味な作戦だろうか。
私に父と闘うこと、ましてや殺すことなど出来るわけがない。
「いやよ!!私は父を騙すようなことはできないわ!!この鎖を外して!!」
「五月蝿いぞガキが!!貴様は黙って化け物退治をしていればいいんだ!!」
麻原の顔が修羅のごとく凶悪になる。
この男は物事が自分の思い通りにことが動かないと許せないタイプの人間のようだ。
「フフフ。ところで貴様何か違和感を感じないか?自分の体に。」
麻原は悪趣味で下卑た笑みを浮かべる。
違和感?そういえばお腹が減った。
だがこれは今まで感じた空腹と何かが違う。

人間が食べたい?

まさか!?こんな話は以前化け物になる前の父と眠りにつく前の母に聞いたことがある。
錬金術の人工生命研究によって生まれた人間を主食とし、武装錬金の力を持ってしか倒すことのできない化け物。
その名はホムンクルス。まさか自分もいつの間にかホムンクルスになっているのか?
「気がついたか。私の武装錬金で眠っている間に貴様の体はホムンクルスにさせてもらった。」
私が人を喰らう化け物?人を喰わないと生きていけない?嫌だ!!嫌だ!!嫌だ!!
「戻して!!私を人間に戻して!!人を喰らうなんて嫌ぁ!!」
「フフフ。貴様の父ヴィクターを殺したら元の人間の体に戻してやろう。貴様の母アレキサンドリアの
 の命も保障する。だが断るなら母子共々我々の手で葬り去ることになる。貴様はまだまだ若い小娘だ。
 大人になり、結婚して、子を産み、子を育て・・・。そんな人としての幸福がほしければ戦え。」
私はしばらく悩んだが、割とすぐに選択を下した。
「わかったわ。父は私が倒します。」
父の命よりも私の幸福を選んだ娘。
私は人類の歴史上でも最低最悪の女かもしれない。
「フフフフ。交渉成立だな。ならば早速ディナーと行こうか?」
254100年前の悲劇3:2006/12/21(木) 21:51:14 ID:hvkzsPNK
手足の鎖を外された私は麻原についていく。
ディナーと言ってもまさか豪勢な夕食を用意してくれるわけではないのだろう。
ついていった先に待っていたのは縄で縛られた共に18歳くらいの二人の双子の男女だ。
「食べろ。こいつらは貴様のディナーだ。フフフフ。心配しなくてもこいつらはホムンクルスの信奉者だ。
 己の欲のために魂を化け物に売った売人だ。おっと、化け物は貴様も同じだったか?フフフフ。」
麻原は本当に何度も下卑た笑いをする。正直不愉快だ。
私は人間を食べるなんてしたくない。
人間を食べてしまったら魂まで人間でなくなってしまう気がしたからだ。
この時はまだ自分は心だけは人間でいられると信じていた。
「フフフフ。どうしたヴィクトリア=パワード?口からよだれが垂れているぞ。」
私自身気がつかなかったのだが、私は彼らを見て食欲で犬のようによだれを垂らしていた。
あの2人若くてピチピチしてておいしそう。駄目だ人間を食べたら魂まで化け物になるんだ!!
でもおいしそうだ。食べては駄目だ!!おいしそう。駄目だ!!おいしそう。駄目だ!!
しばらく私は葛藤していたが、結局何を言っても私もホムンクルスだった。
食欲に支配されて途中から体の制御が利かなくなった。
私の意思に反して体は双子を狙って襲い掛かっていた。
私の口は人間ではありえない大きさまで裂けてまず双子の弟のほうを丸呑みにする。
「姉さぁあああん!!うわぁあああああ!!」
「嫌ぁあああああ!!!!」
姉のほうは弟が丸呑みにされる姿を見て悲鳴を上げる。
美味しい。
悪魔の様に黒く、地獄の様に熱く、接吻のように甘い。
だがこっちの姉のほうがさらに美味しそうだ。
私は再び口を大きく開けて双子の姉を口の中に入れる。
今度はゆっくりと何度も噛み締める。
ゴリゴリゴリゴリ!!グチャグチャ!!ベキベキベキベキ!!
「きやぁああああああああ!!」
双子の姉の断末魔の悲鳴が口の中に響く。
美味い。人間のころに食べた何よりも美味い。
それに弟よりも姉のほうが数段美味しい。
満足するまで人間を味わった私は元の顔に戻した。
私は人を食べてしまった。もう人間ではない。
食事を終えて正気に戻ると人間を食べて悦に浸っていた私に罪悪感と嫌悪感が同時に襲う。
「ごめんなさい・・・。ごめんなさい・・・。ごめんなさい・・・。」
例え信奉者だったとはいえ相手は人間だ。
申し訳なくて私は泣き崩れた。
「フフフフ。さて、身も心も化け物になったところで貴様の父を殺すための戦闘訓練を開始するぞ。」
麻原は泣き崩れる私を引っぱって戦団本部の奥にある戦闘訓練室に連れて行く。
この訓練室で私は動物型ホムンクルスと1か月に渡って何度も死闘を繰り広げた。
武装錬金以外受け付けないホムンクルスの体は腕を食いちぎられても翌朝には再生している。
何度も体を破壊されながら私はどんどん戦闘力を上げていった。
255100年前の悲劇4:2006/12/21(木) 21:52:43 ID:hvkzsPNK
私は戦団の戦士の誰かの武装錬金である戦艦の武装錬金シードラグーンに乗船していた。
私のほかに戦士長麻原他2名と動物型ホムンクルス多数が乗っている。
私だけでなく動物型ホムンクルスまでいるのは目には目を、化け物には化け物ということだろう。
1か月に及ぶ戦闘訓練を終えた私はついに父との決戦の場へと旅立ったのだ。
目指す行き先は清国の上海近郊。
そこで父は討伐隊と戦闘を繰り広げているようだ。
武装錬金は現代科学では再現不可の特性がある。
シードラグーンの特性は恐らく超高速での航行で、イギリスを出発してわずか3日で上海の港へ到着した。
そこからは徒歩で父のいる戦場を目指す。
上海の港から歩くこと1日、ついに戦場に到達した。
丘の上から見下ろすと蛍火の髪と赤銅の肌の変わり果てた父の姿が飛び込んできた。
3年ぶりの父と娘の対面。
しかし共に人間ではなくなった父と娘・・・。
人間に戻る方法を探して逃げ続ける化け物の父と自分の幸福のためにそんな父を殺しに来た化け物の娘。
思わず瞳から大粒の涙が零れ落ちる。
父がこちらに気がついたようだ。
「ヴィクトリア?お前はまさか娘のヴィクトリアか!!何でこんなところに!?」
「行け!!化け物共!!行ってヴィクターを始末して来い!!」
父が私に叫ぶと同時に麻原が叫んだ。
数十体の動物型ホムンクルスがいっせいに父に襲い掛かる。
動物型ホムンクルスは父の武装錬金フェイタルアトラクションで次々に倒されていく。
強い。父は私が思っていたよりもはるかに強かった。
怖い。私の足は父の強さへの恐怖でブロンズ像のように硬直して動かない。
「ヴィクトリア=パワード!!何をしている!!ヴィクターを殺すのだ!!母親がどうなってもいいのか!!」
私に麻原が怒号を浴びせた。
そうだ。私は母のため、そして人間に戻るために父を倒さなければならないのだ。
意を決して背に持っていた剣で父に斬りかかる。
しかし父の化け物の体には歯が立たずに、父の皮膚に刃がぶつかると同時に剣は粉々になった。
そうこうしている間に動物型ホムンクルスはいつの間にか全滅していた。
残るホムンクルスはわずかに私一人だ。
剣が使えないならば肉弾戦をいどむしかないが、武装錬金を備えた父に丸腰で勝てるのか?
すると父が私に問いかけてきた。
「ヴィクトリア・・・。何でここに・・・。」
「私あの丘の上にいる麻原って言う戦士長にホムンクルスにされたの。あの男は私がパパを殺したら
 私を人間に戻してくれると言ったの。もしパパと戦うのを拒否すれば私とママの命はないとも・・・
 ごめんなさいパパ。本当にごめんなさい。私とママの幸せのために死んで!!」
父は私に悲しい顔をして涙をこぼしながら言った。
「ヴィクトリアよく聞きなさい。ホムンクルスが人間に戻る方法はないんだ。」
嘘よ。じゃあ何で麻原は私にあんなことを言ったの?私は一生化け物のままなの?
「お前はあの男に騙されたんだ。俺の部下だった戦士麻原。冷酷で非道なあいつならやりかねない。」
私はショックで全身の力が抜けていくのを感じた。
それと同時に数十発の弾丸が父の体に食い込んでいくのを見た。
256100年前の悲劇5:2006/12/21(木) 21:53:55 ID:hvkzsPNK
丘の上から父に弾丸を放ったのは戦士長麻原だった。
彼の麻酔銃の武装錬金を受けて父は倒れこんだ。
「フフフフ。娘をおとりにしてヴィクターに麻酔の弾丸を打ち込む。作戦成功だ。」
相変わらずの下卑た笑みをしている。
「まさか最初からこうするつもりで私を騙したの!!」
「もちろんだ。大体ホムンクルスから人間に戻る方法があるなら我々錬金の戦士をホムンクルスにして戦った
ほうが貴様なんかをホムンクルスにするよりも何十倍も効率的だからな。娘との再会で油断した貴様の
父ヴィクターに麻酔弾を大量に打ち込んで動けなくする。動かなくなったらたとえ化け物といえど退治は
比較的容易に出来るのだからな。だが心配するな。母親の件については嘘はついていない。ちゃんと戦団で
保護している。彼女は戦団の錬金術研究の優秀な頭脳だ。そう簡単に殺すなんてもったいないことはできんさ。
さて、貴様はもう用済みだ。動かなければ1発で章印をぶち抜いてやる!」
私はもはや生きる気力を失っていた。
一生ホムンクルスのまま人間には戻れない。
しかもこのホムンクルスの体は人間を食べる。
おまけに騙されたとはいえ父を殺す作戦に加担したのだ。
麻原の武装錬金から私の胸の章印に向けて弾丸が発射された。
これで全てを終わりにしてしまおう。
その時私の視界に赤銅色の鍛え上げた筋肉が飛び込んできた。
これは父の腕だ。
恐らくホムンクルス以上の化け物である父には麻酔の効果が薄かったのだろう。
父はその太い腕で私に向かって飛んできた弾丸をキャッチした。
そして麻原の隣に立っていた戦士の脳天にめがけて投げ返す。
父が投げた弾を受けた戦士は頭に風穴を開けて息絶えた。
おかしい。妙だ。
麻原が見せた資料では父は討伐隊として派遣された戦士を今までの3年間の闘いでただの一度も殺していない。
それは今では化け物として追われる身とはいえ、戦士たちが自分の戦友だったからだ。
だが今、父はためらうことなく戦士を殺した。
「うおぉおお!!麻原!!許さんぞ貴様!!」
父は心の底から怒り、激高していた。
「化け物退治のためにまだ幼く!何の罪もない娘を本人の意思に反してホムンクルスにし!しかも人間に戻すと
騙して手駒として使い!用が済めば化け物として処理しようとする!!我々と貴様、どっちが化け物だ!!」
「黙れ!!それならば二人同時攻撃だ!!行くぞ!!」
「わかりました戦士長!!武装錬き・・・うぎゃぁああああああ!!」
生き残っていたもう一人の麻原の部下に父は武装錬金フェイタルアトラクションを投げつけた。
回転して飛んでくるフェイタルアトラクションで麻原の部下は体を両断されて死んだ。
「次は貴様の番だ麻原!!貴様は悪魔だ!!楽には死なせない!!」
父は先ほど投げたフェイタルアトラクションがブーメランのように返ってきたのを確認してキャッチ。
そのまま武装錬金の特性を発動させた。
父の武装錬金の特性は重力操作だ。
フェイタルアトラクションから発生した重力に引き込まれるように麻原が丘の上からこちらへ飛んでくる。
ザシュウ!!
父がフェイタルアトラクションで麻原の両腕を切断した。
257100年前の悲劇6:2006/12/21(木) 21:54:58 ID:hvkzsPNK
「ひぎゃぁあああああ!!痛い!!痛い!!痛いぃいい!!」
あたりに麻原の苦痛の叫びが響き渡る。
「これでもう引き金は引けないな。貴様は最高に苦しませて殺す。」
父は麻原の体を何回も切り刻んで細切れにしていく。
「ぎやぁあああ!!ふぎゃあああ!!ひぎゃぁあああ!!」
自分も戦団本部の訓練室で経験したからわかるが、腕などの体の部位を失うのはものすごく痛い。
今の麻原にはそれが何十回も襲ってきているのだ。
私をホムンクルスにした憎い男ではあるが、さすがにあまりの光景に目をそらしてしまう。
「あ・・・あ、あ・・・あ・・・・」
途中から麻原はあまりの痛みについに悲鳴さえ上げなくなった。
そしてほどなく苦悶の表情で出血多量で息絶えた。
麻原の返り血を浴びた父が私のほうに振り返る。
「俺は錬金術は恐怖と戦い、厄災をはね余け、より一人でも多くの人が幸せになれるようにするために存在
していると思っていた。だが実際は人食いの化け物ホムンクルスを生み出し、黒い核鉄の生成により俺と言う
さらなる化け物を生み出した。さらには俺を討たせるために罪も無いお前を無理やりホムンクルスにする始末。
この力は確実に人類を不幸に導く。核鉄、武装錬金、ホムンクルス、錬金戦団、そして戦士たち・・・。
 俺は今より錬金術の全てを滅ぼして地上から消し去ることにする。」
錬金術の全てを滅する・・・。
それはホムンクルスになった自分を滅することを意味していた。
だが私は人食いの化け物。もう人間に戻れない。生きていても仕方が無い。
むしろこれ以上人を喰らって生きるくらいならはやく死んでしまいたい。
「わかったわ。さあパパ、早く私を殺して!」
父は悲しそうな顔で私を見つめた。
「お前は錬金術を全て滅してからだ。」
「私はもう化け物なのよ!!生きていても人を喰らうだけなのよ!!」
「錬金術を滅した後、錬金術最高の化け物である私は自らの命を絶つ。そのときはお前と母さんもいっしょだ。
 一人で生きるのは寂しいものだ。だからせめて死ぬときは家族全員いっしょだ。」
悲しい覚悟を決めた父に私はこれ以上何もいえなかった。
「この核鉄は持って行きなさい。錬金の戦士と出会ったときの護身になるだろう。」
そう言って父は麻原の使っていた51番の核鉄を手渡し、空に飛び立った。
「俺が錬金術を消滅させるまでお前は行きぬくんだ!絶対に錬金の戦士などに殺されたりするな。
次に会うときは私たち親子の最後の時だ。さようならヴィクトリア。」
そう言って父はさらに東へと飛び去った。
「パパ・・・・・・。」
父の姿が見えなくなるまで私はいつまでも東を見ていた。
父が目指した東には日本と言う国がある。
侍の国だったが、50年ほど前のアメリカの来訪を機に一気に近代化して今では清国や、ロシアに戦争で
勝つほどの国力を身につけた私の祖国イギリスと同じくらい小さな島国だそうだ。
私は父が私の所に戻ってくるのを待つことにした。
何十年でも何百年でも・・・。
258名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 21:56:43 ID:hvkzsPNK
100年前にヴィクトリアがホムンクルスにされてヴィクターと戦うまでの話を想像して書きました。
259名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 22:52:30 ID:ayWtbUkq
>>258
蝶ッッGJ!

麻酔銃の武装錬金がテラホシス
260名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 23:37:06 ID:KkdTi4/S
>>258
力作、ブラボー!!
そうか100年前だと日露戦争終わってるんだな。
それに日英同盟があったから、英国人のヴィクター達が日本のことを
割と詳しく知っていても不思議はない訳か。
261名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 18:12:13 ID:dQCqE11W
>>258
G・J!
262名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:38:27 ID:OFRZajxl
なんだぁー、蝶人少ないぞ
263クリスマスの夜に1:2006/12/24(日) 23:13:50 ID:qmzVp2/F
12月24日クリスマスイヴの夜の深夜23時15分。
クリスマスパーティーも終わって静まり返った斗貴子とカズキは銀成学園高校寄宿舎の玄関にいた。
斗貴子はズボンが無くミニスカ状態の女の子仕様のサンタの衣装を身にまとっている。
対してカズキはトナカイの格好の全身タイツで、鼻に赤鼻のかざりをつけている。
この二人がこんなコスプレまがいの格好をしているのにはわけがあった。
時間は数日前、12月20日の夕食の時間までさかのぼる。

その日の夕食は海のときのメンバー+転校生の剛太と華花の10人で食べていた。
「ねぇねぇみんな!サンタさんにお願いする今年のクリスマスプレゼント決めた?」
まひろの無邪気な発言に周りにいた人間は夕食に出ていた味噌汁を盛大に噴き出した。
「まひろ・・・あなた何年生?高校1年生で間違いないわよね?」
「高1でそれはないってまっぴー・・・。」
千里と沙織があきれながらまひろに言う。
当のまひろは頭の周りに?マークを浮かべて不思議そうにしている。
「え〜?だって今年1年良い子にしてた子にはサンタさんはプレゼントを持ってきてくれるんだよ〜。」
これは我々をからかっているのか、それとも本気で言っているのかとみんな考えた。
だがまひろの性格上本気で言っている可能性が極めて高い。
「まひろちゃん。もう高校生なんだから言っておくけど・・・」
岡倉がサンタの真実について話そうとしたのをカズキがさえぎった。
「いる!!サンタはいるぞまひろ!!きっとお前のところにプレゼントを持ってきてくれるさ!!」
「本当に?やった〜♪わ〜い楽しみ〜♪」
本気でノリノリのまひろにこれ以上みんな何も言えなかった。
食後カズキが自室でくつろいでいると斗貴子がやってきた。
二人でカズキのベットに座って先ほどの件について話し始めた。
「カズキ?妹にあんなことを言って何のつもりだ?あの娘はもう高校生なんだぞ?」
「まひろのああいう純真で無邪気なところを俺は尊重してあげたいんだ。」
「しかしサンタクロースって本当には・・・・」
「プレゼントなら俺が用意する。そうだ、どうせなら俺と斗貴子さんで仲間みんなにプレゼント配らない?」
「ん〜。まあたまにはそういうのもいいか。でもさすがに来年は真実を話したほうがいいと思うぞ。」
そんな感じでカズキと斗貴子がみんなにないしょでプレゼントを配ることになったのだった。
いつのまにかカズキの提案によってサンタとトナカイのコスチューム、大きくて白い袋まで用意された。

時は流れて再び12月24日の深夜。
「・・・・でカズキ?何でサンタが私なんだ?サンタは普通老人だから君だろ?」
「何でって野郎のサンタよりも女子高生のミニスカサンタのほうがかわいいからさぁ。」
「男共はこんな格好の女がいいのか?」
「激萌え!!ふともも最高!!斗貴子サンタ蝶サイコー!!」
カズキは親指を立ててにこやかに言った。
「そうか・・・そういうものか。ナース、スクール水着、ブルマ・・・。男とはわからないものだ・・・。」
カズキはじ〜っと斗貴子のブーツとサンタのコスチュームの間のふとももを見つめている。
「ねぇ?斗貴子さん?ふともも少しさわっていい?」
「馬鹿な事言ってないで本題に入るぞカズキ!!」
二人はみんなにプレゼントを配るために寄宿舎内に入っていった。
264クリスマスの夜に2:2006/12/24(日) 23:14:46 ID:qmzVp2/F
ミニスカサンタ斗貴子と全身タイツトナカイのカズキは寄宿舎の廊下を歩く。
「まずはまひろからだね斗貴子さん。そういえば鍵の用意は?」
「抜かりは無い。一昨日戦士長の部屋からマスターキーを“盗み出して”合鍵を作った。」
「それ犯罪・・・。まあ悪意あってじゃないからいいか。」
二人は合鍵でまずまひろの部屋に入った。

まひろの部屋は女の子らしく飾られていた。
部屋の角にはまひろが好きなアイドル歌手「和月伸宏」と女優「黒崎薫」のポスターが貼られている。
当のまひろ本人は軟らかくぬくぬくした毛布に包まって熟睡している。
「んで?まひろの望むプレゼントは?」
男のプレゼントはカズキが、女のプレゼントは斗貴子がそれぞれさりげなく聞き出して用意している。
そのため二人とも異性側のプレゼントの内容はまだこの地点では知らなかった。
「やわらかくてすべすべしててかわいい義姉ちゃんと添い寝・・・・。なあ?この娘はレズなのか?」
「多分違うとは思うけど・・・。んで?添い寝するの?」
「いや、それはきびしいから代わりのものを用意した。」
斗貴子が取り出したのは斗貴子の姿をした30cmくらいでわりと大型の2頭身のぬいぐるみだ。
鼻の傷までしっかり再現されているが、口はへの字で目は黒い丸だけのデフォルメした顔だ。
ある意味では本物よりもかわいらしい姿だ。
おまけにやわらかくてすべすべという条件を満たす素材で作られている。
「これ斗貴子さんが作ったの?」
「カズキ。戦士たるもの裁縫ぐらい出来て当たり前だぞ。」
カズキはそれを言うなら戦士じゃなくて女の子ならだろうとツッコもうかと思ったがやめておいた。
ぬいぐるみの背中には3つのボタンが付いていた。
「斗貴子さん?これは?」
「ああ、ここを押したら音声が出るようになっているんだ。押してみろ。」
カズキは順番にボタンを押してみる。
「私の名は斗貴子、津村斗貴子だ。」「何にせよ、君に少し興味がわいた。」
「おぉ!!すげぇ!!」
カズキは驚いていたが、最後のボタンを押してさらに驚かされた。
最後のボタンを押した瞬間ぬいぐるみの目がピカァッと赤く光った。
「臓物を!!ぶちまけろ!!」
カズキは斗貴子がこれらの音声を録音する光景を想像してクスッと笑った。
「カズキカズキ、見てくれ。ちなみに着せ替えの衣装も作っておいた。」
斗貴子はけっこうノリノリだった。
付属のケースの中からは普段着、ジャージ、水着、制服銀成ver、和服などの着せ替え衣装が大量に入っている。
さらにケースの一番奥には銀色に輝くバルキリースカート(プラ製)が見える。
「さらにバルキリースカートも装着可能だ。ここのレバーを動かせば鎌が上下するんだ。」
カズキは斗貴子の作った無駄にハイスペックな作品に感心しながらまひろの枕元においた。
本音はまひろにあげるくらいなら自分が欲しかったが、本物の斗貴子が自分のものなのだから我慢した。
枕元に置いてしばらくすると、眠ったままぬいぐるみをつかんでしっかりと抱き、耳の部分をしゃぶり始めた。
「うぅ〜ん。斗貴子さんの耳たぶフニフニしてて気持ちいい〜グーグー・・・」
「何て寝言だ・・・。兄はへそ、妹は耳たぶか。」
「・・・・。まあいいじゃん。次行こう。」
265クリスマスの夜に3:2006/12/24(日) 23:16:05 ID:qmzVp2/F
続いて二人は千里の部屋に入る。
きれいに整頓されて無駄なものはあまり置いてないさっぱりとした部屋だ。
「斗貴子さん?ちーちんは何をご所望で?」
「新しいMDウォークマンだそうだ。今まで使っていたのが壊れたらしい。」
白い袋から斗貴子は丁寧に包装されたMDウォークマンを取り出した。
「定価25000円くらいの上等なのを選んでみた。」
「すげぇ〜。どこからそんな資金が?」
「カズキ、それは秘密だ。」
カズキは勝手に秘密の理由は「そのほうがかっこいいから」だと脳内補完した。
「行くぞカズキ。次はさーちゃんだ。」

沙織の部屋に入る二人。
部屋はまひろの数倍くらい女の子らしかった。
だが、その代わり整理整頓があまり出来ていないようで少し散らかっている。
「この娘はかわいいコートが欲しいようだ。」
「ああ、これね。」
カズキは袋から茶色の長いコートを取り出した。
大人の女性をイメージさせるデザインのおしゃれなコートだ。
斗貴子も以外に洒落た物を選ぶものだとカズキは少し感心した。

次は女の子組最後になる毒島華花の部屋だ。
部屋には火渡の写真や火渡のポスター(自作)がいくつも置いてあった。
「何故だろう?この火渡に見つめられるような不快感は?」
「これだけ火渡だらけなら無理もない気がするがな。」
「この娘は何が欲しいの?ガスマスクとか?」
「いや、新しい空気清浄機だ。」
「く・・・空気清浄機!?」
カズキが恐る恐る白い袋に手を入れると中からど〜んと新品の空気清浄機の入ったダンボールが出てきた。
「どうりでやけに袋は大きいし重いと思った・・・。」
カズキが包装された空気清浄機のダンボールを床に置いたとき華花は寝言をつぶやいた。
「うぅ〜ん・・・火渡様・・・。ステキです火渡さま・・・。」
華花の寝言を聞いて二人は微笑む。
「この娘はよっぽど火渡戦士長が好きなんだな。」
「火渡が聞いたらビックリしそうだね。」

そのころ錬金戦団日本本部・・・
「ハックション!!」
「ん?火渡君風邪ですか?風邪ならゆっくり睡眠をとって安静にしていなさい。」
「あ?誰かが俺の噂をしてるだけだろ。老頭児だからってガキ相手みたいに心配するんじゃねぇよ!!」
「HAHAHA!風邪のときは肛門に長ネギを挿れるといいらしいね。」
老頭児と言う言葉に怒った照星はどこからともなく長ネギを取り出していつもの笑い声で火渡を襲った。
「おい!!冗談だろ!!やめろよ・・・。やめてください!!ぎやぁああああああ!!」
瀬戸内海の海底の錬金戦団日本本部に火渡の悲鳴が響いた。
266クリスマスの夜に4:2006/12/24(日) 23:17:04 ID:qmzVp2/F
話は戻って寄宿舎。
ここからは男子組、最初は六舛だ。
整頓された彼の部屋の本棚には多くの本が並んでいる。
『吸血鬼の殺し方!!丸太必勝法!!』、『霊界VS魔界の戦争の真実』など意味不明なタイトルばかりだ。
「彼の部屋は本が多いな。しかも変なものばかりだ。」
「中学の頃からこうだったよ。それに希望するプレゼント自体『人体の壊し方』っていう本だし。」
白い袋から出てきたのは1000ページあまりの分厚い本だった。
枕元に置くと同時に六舛がつぶやく。
「クリスマスは本来はキリストの誕生を「神が人として産まれてきた」と祝うキリスト教の記念日だ。」
二人はビックリしたが、どうやら寝言だったように見えた。
「ビックリした。ばれるかと思った。」
「カズキ?彼は本当に何者なんだ?」

続いて岡倉の部屋に入る。
岡倉の部屋は散らかっており、エロ本、AVが溢れ返っている。
ゴミ箱はいっぱいになっており白い紙くずが多数を占めている。
ゴミ箱周辺からはシーフードの匂いが漂ってくる。
壁には水着のグラビアカレンダーがもうすぐお役御免の今年用ともうすぐ使う来年用が貼ってある。
まさにエロの巣窟とでもいうべき部屋だ。
「イカ臭いとはまさにこのことだな。このエロスめ。」
斗貴子は少し不快感を感じているようだ。
「まあ男子高校生なんてこんなもんだよ。」
カズキは割と平気そうにしている。
自分の知らない所でカズキも自慰に励んでいるのかと斗貴子は疑問に思うが、こんなこと本人には聞けない。
「で?こいつはどんなエロスなものが欲しいと?」
「斗貴子さんエロスと決め付けてるね。え〜っとたしかストロベリーなお相手だって。」
「つまり恋人が欲しいというわけか。」
「本人曰く『カズキ×斗貴子以上の激甘濃厚なストロベリー、例えるなら練乳イチゴ』だって。」
「私たちが基準か!!っていうかそんなものどうやって用意しろと?」
斗貴子は困惑した表情をしている。
「心配ご無用!!ストロベリーは無理だけどストロベリーの先にある体験をさせてあげるものを用意した。」
そういうとカズキは袋から大きな女性の人形のようなものを用意した。
「カズキ?これはマネキンか?」
「んにゃ違う。これはダッチワイフ。通販で仕入れた。」
「だ・・・ダッチ・・・」
斗貴子は顔を赤くした。
その様子から察するにこの女性型人形の仕様用途を斗貴子は知っているようだ。
こんな超高価なものを高校生がどうやって仕入れたのか気になったが、何だか怖くて聞けない。
「使用方法はここの擬似女性器に男性器を挿入して、その後・・・」
「そんな説明必要ない!!さっさとこれ置いたら行くぞ!!」
カズキは岡倉の隣にダッチワイフを寄り添うように寝かせた。
次は大浜だ。
267クリスマスの夜に5:2006/12/24(日) 23:17:38 ID:qmzVp2/F
大浜の部屋はわりときちんと整頓されたきれいな部屋に見えた。
「同じ高校生でも彼は岡倉のようにエロスではないな。」
「甘いよ斗貴子さん。」
そういうとカズキは大浜のたんすの上から3段目を開ける。
中から『スク水天国!』『ブルマ少女のエロエロ行為』などのエロ本が大量に出現した。
まさかこの男は水泳や体育の授業の自分達を見て性的興奮を覚えていたのではと斗貴子は少し不安になる。
「で、大浜の希望するプレゼントはスクール水着。」
カズキが袋から取り出したスクール水着には「5の2武藤まひろ」と名前が書いてあった。
「待て待て待て待て待て!!これをこいつにプレゼントさせる気か!?」
「そうだけど?まひろももう着れないだろうからいいかと思って。」
「いいわけあるか!!君の妹がこいつのおかずにされるぞ!!」
「ん〜。駄目か。じゃあ斗貴子さんのスクール水着を・・・」
無理もない話だが斗貴子はカズキに殺気を放っている。
「・・・・はやめて。仕方が無いから代替品にこれを・・・。」
袋の中から出てきたのは何故か生の春菊。
「何故この中に野菜が・・・。」
疑問に思う斗貴子を他所にカズキは枕元に春菊を置くと剛太の部屋に向かった。

剛太の部屋は今時の高校生っぽい部屋だった。
好きなアイドルのポスターが1枚張ってあり、部屋の角にはギターが置いてある。
楽譜が散らばっておりどうやら毎晩練習しているようだ。
机の上にヴィクター事件後に撮ったカズキ、斗貴子、剛太、パピヨン、ゴゼンの集合写真を飾っている。
「剛太は青緑のアロハシャツが欲しいらしいよ。」
「そういえば戦団にいた頃にも好んでアロハシャツを着ていたな。」
青緑にヤシの木のイラストが入ったアロハシャツを枕元に置いて最後の部屋を目指した。

最後の部屋は管理人室、ブラボーの部屋だ。
「しかしサンタがプレゼントを渡すのは子どもだろ?おっさんにまで渡しても良いのか?」
「え!?おっさんって斗貴子さん知らなかった?ブラボーまだ27歳だよ。」
「何!?そうなのか!?無精ひげを生やしているしてっきり30代半ばかと・・・・。」
本名不明のほうがかっこいいからと本名すら教えなかったブラボーだ。
もちろん年齢不詳のほうがかっこいいからと年齢を話したことは無かった。
カズキは先日の61番の核鉄回収事件の時に元照星部隊のメンバーの年齢を聞いていたらしい。
鍵を開けて入ると、寝相が悪いのかブラボーは真冬の室内温度は12℃布団なのに毛布を蹴り飛ばしている。
「風邪ひきますよ戦士長。」
斗貴子がやさしくブラボーに布団と毛布をかけてあげる。
「ブラボーはとてもブラボーな漫画が読みたいんだってさ。」
「ブラボーな漫画か。戦士長の性格だと熱血系のものが好きそうだな。巨人の星とか。」
「え!?俺はバトル漫画が好きと思って『るろうに剣心完全版全22巻』を用意したんだけど?」
「待て待てカズキ!!それまだ全巻出てないだろ!!」
「どうやって仕入れたかは秘密。そのほうがかっこいいから!!」
枕元にるろ剣完全版を置くと二人は部屋を出た。
268クリスマスの夜に6:2006/12/24(日) 23:20:27 ID:qmzVp2/F
全員にプレゼントを配り終えてカズキの部屋に戻った二人はカズキのベットの上に腰をおろした。
「やれやれ。それにしても岡倉と大浜のプレゼントにはまいったな。」
「まああいつらは健全な男子高校生だから。」
「あそこまで行くとものすごく不純な気がするが。」
カズキが言ったことに呆れるように斗貴子が返した。
「でも斗貴子さん裁縫の腕すごいんだね。あのぬいぐるみ驚いたよ。」
「何しろお母様直伝のものだからな。カズキの衣類も繕ってあげるから破れたら言いなさい。」
「いいの?破れたパンツまでお願いしちゃうよ?」
「君のものならば望むところだ。」
二人はニコリと笑った。
外は雪が降り積もり始めていた。
ホワイトクリスマスだ。
「これで全員に配ったね。」
「いや、まだ1人残ってる。はいカズキ。」
斗貴子が取り出したのは2つおそろいの十字架の形のネックレスだ。
ニュートンアップル女学院の制服に十字架が描かれているので斗貴子のイメージとどことなく合っていた。
裏返してみると「We are one in body and mind.」と言う文字が掘ってある。
日本語に約すと『私たちは一心同体だ。』という意味だ。
「こっちが私の、こっちがカズキのだ。」
さっそく首につけてみるカズキ。
普段こういった装飾品の類は身につけないカズキだが、これは一生大切にしようと心に決めていた。
二人でこれをつけていたら今まで以上に一心同体に感じられる気がした。
「ありがとう。でもやっぱり一心同体だけあって考えることは同じかな。」
今度はカズキが小さなケースを取り出した。
中には核鉄の形の飾りのついたペアリングが入っていた。
「斗貴子さんが核鉄がないと心細いって言っていたから特注で作ってもらった。」
「こっちの44番が私ので70番が君のか?」
「そう。残念ながらバルキリースカートは発動できないけど我慢して。」
さっそく指につけてみる斗貴子。
核鉄の形をしているからか、それともカズキの気持ちのおかげか、つけているととても気持ちが穏やかになった。
「ありがとう。実はな、私はもうひとつプレゼントを用意していたんだ。」
斗貴子は着ていたサンタのコスチュームを脱ぎ始めた。
服の下から裸体にリボンで自分の体をラッピングした斗貴子の体が見えてきた。
全裸にリボンでラッピングされた女性、頭にはサンタクロースの帽子。
その姿は萌えるなどと言うレベルははるかに超越していた。
それが愛しい人ならばなおさらだ。
「もうひとつのプレゼントは私だ。少し恥ずかしいが男はこういうのが好きだと聞いてやってみたんだが。」
「斗貴子さんものすごくかわいい。綺麗だよ。」
「どうだ?受け取ってくれるか?」
「喜んで!!」
二人は熱いキスを交わし、そのままベットに倒れこんだ。
斗貴子の甘い喘ぎ声は明け方まで聞こえたという。
269クリスマスの夜に7:2006/12/24(日) 23:21:13 ID:qmzVp2/F
翌朝、銀成市は雪は積雪5cmほどの雪に覆われていた。
「わ〜い!!すべすべの斗貴子さんのぬいぐるみだ〜!!このボタンは?」
「臓物をぶちまけろ!!」
「うわ〜。斗貴子さんの声だ〜!!サンタさんありがとう。今夜からいっしょに寝ようね〜♪」
まひろは斗貴子お手製のぬいぐるみにとてもご満悦で顔にスリスリしている。

「うわ〜。誰だろう?このMDウィークマン高いのに。まさか本当のサンタさんとか?」
さっそく箱を開けて聞き始める千里。

「きゃ〜!!このコートおしゃれでかわいい。」
沙織はさっそく試着して鏡に映る自分を眺めている。

華花は箱から出した空気清浄機のスイッチを入れて電源を入れた。
「すごく清浄な空気・・・。この空気清浄機のプレゼントってまさか火渡様?」
清浄な空気に華花はうっとりしている。

「ふんふん。人体急所を的確に破壊するにはまず相手の虚を狙い・・・」
六舛はプレゼントされた本を朝から読みふけっていた。
「それにしてもカズキと斗貴子氏は粋なことをするな。」
どうやら彼は寝たふりをしていて本当は起きていたようだ。

「サンタの野郎め!!どうせ俺はエロスだ畜生!!こうなったらこいつを試運転してやる!!」
エロスの本領を発揮して試運転を開始した岡倉だが、わずか2分で発射してしまった。
「・・・・。早漏かよコンチクショウ!!」

「春菊?何これ?」
突然枕元に置かれた春菊を不思議そうに大浜は見ていた。
春菊なんて鍋物以外ではあまり使わないし、第一寄宿舎では自炊はしない。
意味不明なプレゼントにただただ困惑していた。

「すげぇ!!このシャツかっこいい!!そうか斗貴子先輩が俺のために。一生大切に着よう。」
むしろ贈ったのは恋敵だったカズキだ。
世の中知らないほうが良いこともある。

「この漫画はブラボーだ。おお!!この技は俺の技に流用できそうだ!!」
ブラボーは正拳突きの練習を始めた。
「拳を立てて石に一撃加え、その刹那拳を折って二撃目の打撃を加える。超必殺ブラボー正拳“極”と名づけよう。」
ブラボーはまるでるろうに剣心のアニメ放送当時の子どものように一心不乱に二重の極みの練習に励んでいた。
だが超人的なこの男の場合は少し練習したら本当に出来てしまいそうだ・・・。

そのころそれらを贈った“女サンタクロース”と“トナカイ”は徹夜での行為を終えて眠っていた。
首にはおそろいのネックレス、指にはおそろいの指輪。
二人はとても幸せそうに眠っていた。
270名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 23:56:34 ID:A17NEhd8
>269

らぶらぶ乙!

いいなあ。カズキと斗貴子さんいいなあ。
271名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 00:20:58 ID:tmI2s52t
SS、乙!

まったく、どいつもこいつもクリスマスなどという異国の行事に
うつつを抜かしおってからに
272名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 00:21:10 ID:OXJYEjsX
ラヴラヴ、蝶・乙!! それにしても六舛・・・・w
273名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 00:39:38 ID:y3y56REk
うおおおGJ!!!!!!!!!!

たまには幸せなパピヨンとか読んでみたいw
274月への来訪者1:2006/12/25(月) 14:41:42 ID:gD2AO3Aj
ここは太陽系第3惑星地球の衛星の月だ。
空気と水はなく、重力も地球の6分の1の死の星である。
だが、数か月前からこの星に移住した一段がいる。
ヴィクター率いるホムンクルス軍団だ。
彼らは月面上に街を作って、配給される人肉の細胞クローンを食しながら意外と楽しく暮らしている。
彼らのリーダーとなるのは最強のホムンクルスであるヴィクター・・・ではなくその娘ヴィクトリアだ。
月のリーダーを決めるときに「王といえばヴィクトリア女王」というムーンフェイスの一言で彼女に決まった。
そんなある日地球時間で12月24日の夜23時15分のことだった。
ヴィクター親子の宮殿に鷲尾が駆け込んできた。
「大変ですヴィクトリア様!!月面に未確認物体が接近してきます!!」
ヴィクトリアはミートパイを食べながら聞き返す。
「もぐもぐ・・・隕石かしら?街に落ちたら困るし、とりあえず打ち落とすしかないわね。」
「レーダーによると地球から飛んできているようであと10分ほどで月面に到達します。」
「むしゃむしゃ・・・・地球から?何かしら?宇宙開発の関係のロケットかしら?」
「いえ、2m未満の小型の物体らしいです。」
「ばくばく・・・じゃあパパ?武装錬金で落下時に破壊してくれる?」
ヴィクトリアが声をかけると宮殿の奥からヴィクターが出てきた。
「わかった。よし落下予測地点へ向かうぞ!!武装錬金!!」
ヴィクターの胸が輝いて武装錬金フェイタルアトラクションを発動させる。
基本的にホムンクルスの核鉄は地球の錬金戦団に回収されている。
だが核鉄を心臓代わりにしているヴィクターだけは核鉄を月へ持ってきていた。
月では彼が唯一武装錬金を使えることになる。
落下予測地点では未確認物体に対応するために多くのホムンクルスが集まっていた。
「むーん!!地球からなにが届くのかな?」
「Mr.ムーンフェイス。そろそろ見えてきますよ。」
「巳田は退いていなさい。私がしなやかな蔦で受け止めるわ。」
のん気なムーンフェイスだが、巳田と花房は真剣に空を見据えている。
「ま、あとはみんなに任せて怖いから逃げよう。」
蛙井はコソコソ逃げ出そうとしている。
「面白れぇ!!俺様の腕力で破壊してやるぜ!!」
猿渡は自慢の力を発揮できるとあって張り切っている。
そこへ鷲尾に乗ったヴィクターとヴィクトリアが到着した。
「パパ!見えてきたわよ!」
「ああ!!まるで人影のように見えるが・・・」
人間型ホムンクルスは既に臨戦態勢、動物型ホムンクルスは戦闘形態に変形している。(蛙井除く)
その時落下してくる未確認物体から叫び声が聞こえた。
「月面着陸!!蝶サイコーだ!!」
一同はその叫び声に驚く。
「ウソでしょ!?あれパピヨン!?」
「主!?何故月面に!!」
驚きのあまり呆気にとられてしまい、対応が遅れてしまった。
ドガァアアアアア!!
パピヨンは勢いよく月面に叩きつけられた。
275月への来訪者2:2006/12/25(月) 14:42:26 ID:gD2AO3Aj
パピヨンが目を覚ますとヴィクトリアの宮殿にいた。
落下のショックで大怪我を負って気絶していたようだった。
「おお主!目を覚まされましたか!!」
「鷲尾か。久しぶりだな。それに巳田、猿渡、蛙井、花房もか。元気そうじゃないか。」
パピヨンの周りにはかつて自らが創った動物型ホムンクルスたちが取り巻いていた。
さらにヴィクター、ヴィクトリア、ムーンフェイスもいる。
「あなた?何でこんな所にいるのよ?何しに来たの?」
パピヨンの眠るベットの横に座っていたヴィクトリアが尋ねる。
地球からここまではかなりの距離がある。
ヴィクトリアが不審に思うのも無理はない。
「いや、何もない月面でただ人肉クローンを食いながら生きている連中にクリスマスプレゼントを持ってきた。」
確かに言われてみるとパピヨンはサンタの帽子を被って白い大袋を担いでいた。
「はぁ!?あなたまさかそれだけのためにこんなところまで来たの!?馬鹿じゃないの!?」
「ニアデスハピネスで大気圏を突破したら案外あっという間だったがな。」
「呆れたわね。大体来るのはいいとして着地できてないじゃない。」
「酸素がないからニアデスハピネスの発火と起爆ができなかったからな。まあ蝶天才でも失敗はある」
これにはパピヨンを信奉していたパピヨン製動物型ホムンクルスたちも少しあきれていた。
「む〜ん。君は天才なのか馬鹿なのかわからないね。」
「結構体の損傷も酷いし寝てなさい。とりあえずこのアホの面倒は花房と鷲尾にお願いするわ。」
ヴィクトリアは二人にパピヨンの介抱役に任命したが、パピヨンは無視して起き上がる。
そして白い大袋に手を伸ばした。
「そんなことより化け物どもへ蝶人パピヨンサンタからクリスマスプレゼントだ!!」
パピヨンはホムンクルス軍団にプレゼントを手渡す。
巳田にはおしゃれなネクタイ、猿渡には男らしいトレーニング機器、蛙井には月面からもインターネットに
入る事の出来るパピヨン特性パソコン、花房には化粧品セット、鷲尾には食用ウサギ20食分を渡した。
「おお、中々良いネクタイ。」
「これで俺の腕力もさらに上がるってもんだぜ!!」
「うひゃー!!2ちゃ○ねる最高!!まずはAAでこのスレを荒らしだ!!」
「これでもっときれいになってヴィクター様に・・・。」
「これは美味そうだ。主、ありがとうございます。」
動物型ホムンクルス軍団はプレゼントにご満悦のようだ。
「お前らにもあるぞホレ!!受け取れ!!」
パピヨンはさらにムーンフェイスに東京の有名和菓子屋の月見団子50本、ヴィクターには漢らしいふんどし、
そしてヴィクトリアには女の子らしいかわいい髪留めのリボンが数種類入ったケースを手渡した。
「む〜ん。やっぱり和菓子は月見団子だよね。中々わかっているねパピヨン君。」
「こ、これはバタフライたち100年前の日本人が着用していた至高の男性下着か。すばらしい。」
「中々かわいいものを選んでくるじゃない。」
ムーンフェイス、ヴィクター、ヴィクトリアも中々満足している様子だ。
「よし、じゃあこの蝶サイコーなプレゼントを他のホムンクルス共にも・・・ゴパァ!!」
プレゼントを配るために部屋を飛び出そうとしたパピヨンが吐血してぶっ倒れた。
ピクピクと両手足を痙攣させながら気絶しているようだ。
「馬鹿ね。まだ動けないから眠ってろって言ったのに。」
呆れた顔をしたヴィクトリアはパピヨンを抱き上げてベットに戻した。
276月への来訪者3:2006/12/25(月) 14:43:17 ID:gD2AO3Aj
どのくらい眠っていただろうか?
パピヨンが目を覚ますと体の修復は完全に終了していた。
「気がついた?あのまま3日眠っていたのよ。もう12月28日よ。」
ベッドにはヴィクトリアが腰掛けていた。
髪には普段の筒状の髪留めではなくパピヨンが持ってきたリボンでポニーテール風に縛っていた。
「蝶サイコーじゃないか。いつもの筒で分岐しまくった珍妙な髪型より似合ってるぞ。」
「あのね、あの普段の髪留めは元々ママが作ってくれたものなんだけど?」
「フフフ。そいつは失敬。」
パピヨンは微笑を浮かべるとゆっくりとベッドから体を起こした。
「ホムンクルスのみんなも地球から来たサンタクロースのプレゼントを喜んでたわよ。」
「当然だ。ホムンクルス全員のデータを戦団のサーバーにハッキングして入手して、それを元に選んだからな。」
「そんなことしてあんたいつか戦団に討伐隊組織されても知らないわよ。」
パピヨンはじ〜っとヴィクトリアを見つめている。
「・・・・。何よじ〜っと人の顔を見て。」
「武藤の白い核鉄完成のときといい今といい色々と俺のそばにいることが多いな貴様は。」
「ぐ、偶然でしょ?」
「まさか俺が好きなのか?」
「ば、馬鹿なこといわないでよ!!誰があんたみたいな変態を!!」
「顔が赤いぞ。言っておくが俺はロリコン趣味はないぞ。」
「うるさいわね!!好きで100年以上も13歳やってるんじゃないわよ!!」
パピヨンはニヤニヤしながらヴィクトリアをからかって楽しんでいるようだ。
ヴィクトリアは真っ赤になってパピヨンに怒る。
「貴様の怒った顔は初めて見るな。中々かわいいぞ。」
「な!?いきなり何を言い出すのよ!!ロリコン趣味はないんじゃなかったの?」
「ふん、ホムンクルス相手に一般的な年齢を当てはめるなんてナンセンスだろ。」
「何なのよあんたは!?何が言いたいのよ!?」
「大したことでないさ。貴様の色々な表情を見てみたいと思っただけさ。」
ヴィクトリアは相変わらず顔を真っ赤にしていたが、怒った顔から恥ずかしそうな顔に変わった。
パピヨンは相変わらずニヤニヤとヴィクトリアを見つめている。
「馬鹿ね・・・。」
ヴィクトリアは顔を真っ赤にしてうつむきながらつぶやいた。
人間だった頃はもちろん、ホムンクルスになってからもそんなことを言われたことはない。
ヴィクトリアはホムンクルスになってからは基本的に恋心と言った感情は自分には無縁だと思っていた。
元々パピヨンに対する感情はホムンクルスなのに食人衝動がないことへ対して羨ましく思うものだった。
だが知らないうちにパピヨンの不可能を可能にするような面に惹かれていたのかもしれない。
対するパピヨンもヴィクトリアの不思議な魅力に少し惹かれていた。
だが実はパピヨンは蝶野攻爵だった頃も含めて今まで本当の恋と言うものをしたことがない。
そのためこのヴィクトリアに対する心の中のもやもやした感情の正体がわからなかった。
時にはまさかこれが俗に言う恋心かと思ったが、まさかあんな化け物の小娘にと否定する自分もいる。
わざわざ月に来た本当の理由にはこのよくわからない感情の正体を突き止めるためだった。
クリスマスプレゼントは月に来るための理由付けに過ぎない。
だが今の会話でパピヨンは、この感情の正体を突き止めるに至っていた。
(これが恋・・・。武藤と津村斗貴子の間にある感情・・・)
277月への来訪者4:2006/12/25(月) 14:45:51 ID:gD2AO3Aj
しばらくヴィクトリアと話をした後、パピヨンはベッドから起き上がった。
「さてそろそろ地球に帰るとするかな。ホムンクルスの連中によろしく。」
「もう帰るの?っていうかニアデスハピネスが起爆できないのにどうやって月の重力圏を出るのよ?」
「ふん。見ていろ。武装錬金!!」
宮殿の外に出たパピヨンはニアデスハピネスを階段状に並べてそれを登り始めた。
蝶ステキなスーツに身を包んだ男が地球へ向けて階段を登って行く様はまるで王子様だ。
パピヨンは以前バタフライが武装錬金を足場に空中に立っていたのをヒントにしたようだ。
「重力圏を突破するまでこうやって登り、宇宙空間に出たらこの階段を蹴ってそのまま勢いで大気圏まで進む。」
ヴィクトリアはこの武装錬金は本当に応用が効くものだと感心した。
「さて、次は正月に餅でも持ってくるとしようかな。」
「あなたいい加減にしなさいよ。また月面に激突して大怪我するつもり?」
「今度はニアデスハピネスをクッションにして着陸する。蝶人は同じ失敗は繰り返さない。」
「そう。じゃあお餅を楽しみにしているわ。」
「あと酸素発生装置と七輪、炭を持ってこないとな。餅が焼けん。」
パピヨンはヴィクトリアに向けてニヤリと怪しく笑った。
ヴィクトリアもニッと妖しく笑い返す。
「さ〜て。俺を待っている地球の人間がいるからそろそろおいとまさせてもらうか。」
「あなた結構無茶するからせいぜい死なないように気をつけなさい。」
「ふん。貴様に言われるまでもないさ。蝶人パピヨンは永遠に不滅だからな。」
パピヨンは階段を再び登り始めた。
月の引力は地球よりもはるかに弱いので、しばらく階段を登れば重力圏は突破できるだろう。
「おいみんな見ろ!!あれは!?あの階段はなんだ!?」
そのころホムンクルスたちが住む街では赤黒く輝く階段を地球へ向けて登っていく男の姿に驚愕していた。
その姿は神秘的で神々しく見えた。
「む〜ん。彼は中々かっこいいね。」
ムーンフェイスも素敵なパピヨンの姿を絶賛している。
パピヨンは階段の途中から街を見下ろして叫んだ。
「さらばだ月の連中よ!!また俺様がやってくる日を蝶楽しみにしているがいい!!」
「おぉおおおおおおお!!パピヨン!!パピヨン!!パピヨン!!」
蝶素敵な蝶々怪人にホムンクルス達からいっせいにパピヨンへの歓声が上がった。
「パピ♪ヨン♪もっと愛をこめて!!」
「馬鹿ね。目立ちたがりなんだから。」
階段のふもとから見ていたヴィクトリアは少し呆れていた。
パピヨンはしばらく自分への歓声を浴びて満足するとまた階段を登り始めた。
ヴィクトリアはずっと眺めていたが、しばらくすると階段がスーッと消えた。
パピヨンが月の重力圏を突破したのだろう。
母なる太陽の光を浴びて流星のように輝きながらパピヨンは地球へと飛んでいく。
ヴィクトリアはその幻想的な姿に目を奪われていた。
やがてパピヨンの輝きは地球の大気圏へ消えていった。
「また会える日を楽しみにしているわよパピヨン。」
ヴィクトリアはそうつぶやくと宮殿へと戻っていった。
278名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 14:46:56 ID:gD2AO3Aj
>>273
とりあえず幸せそうなパピヨンを書いてみたんだがどうだろうか?
279名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 19:41:42 ID:QoNlhUwE
蝶GJ!
てか、ホムンクルスって無酸素でも生きていけるもんなのか?w
280名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 21:19:00 ID:yJqH0IHi
ブラボー!!
確かにパピヨンなら、やりそうなことだ
281名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 00:54:06 ID:NWbHyLtD
>>279
つ(最終話 月へ移住)
282名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 08:43:25 ID:T+oHqkn1
やることが一々エレガントだなパピw

酸素なくても生きていけるのかどうかは確かに気になった
ホムンクルスやヴィクター化した人間は普通の生き物とは違う何かの原理でエネルギーを得てるから酸素は不要ってことで納得できなくもないが、
空気なかったら会話できないよな?
こればっかりはホムンクルスだからとかいう問題じゃない
283名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 11:08:19 ID:XDyq46Jw
もしかしたらヴィクトリアには核金が渡してあるのかもな。
アンダーグラウンドサーチライトなら一般人に(天体観測や調査で)見つからないですむだろうし。
284名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 11:56:26 ID:cHlE4jXW
月への来訪者を書いた者です。
皆様レスサンクスです。

>>282
空気がないと音が出ないというのはわかっていたけど、当の原作自体がヴィクターとカズキが
月面で会話したり、宇宙空間で斗貴子が叫んだり、パシィやドッなどの効果音が出ているのであえて無視しました。
285名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 00:44:46 ID:nQclaFzI
なんて素敵なクリスマスプレゼントだ
遅まきながらありがとう
幸せなパピヨン確かに受け取った
286名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 14:34:46 ID:TmkeO4AV
さて大晦日にセックスにいそしむのはどのカップルか
「斗貴子さん、今夜は108回突くよ…」
ぐっ… ぐっ… ぐっ… ぐっ…
「あぁ…っ、カズキの撞木(しゅもく)…イイっ… キミの煩悩をたくさん出してくれ…」
287名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 01:26:43 ID:YcHM4iQk
パピヨン×まひろと言うものを見てみたい
288名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 19:40:25 ID:5RUKYTPw
過去ログにあったな
新作も誰か書いてくれ
289名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 01:58:30 ID:er0UHh54
店蝶ものは発見したがどれかわからない。
意外とカプ名書いてないもの多いんだねー
290名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 13:05:59 ID:16FXmqeQ
PC修理にだしてる間、アイデアの浮かんだSSのあらすじを
メモ帳に書いておいたんだが、自分が結構漢字を忘れていることに衝撃orz
291名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 20:20:17 ID:bKoMRNYw
ダブルスラッシュ後、落ち込んでいる千歳を献身的に支えているうちに
恋心を自覚していく防人…なんて話妄想
292名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 22:30:48 ID:xWEVObK9
でもマジレスすると、防人自体がいっぱいいっぱいで千歳の事まで見れなさそう

…と思ってしまった
ちゃんとフォロー出来てればその後の千歳があんな風にならなかったんじゃないかな
再殺絡みで会った時もビミョウな雰囲気だったし
いや、そこを妄想するのがこのスレなんだけど
293名無しさん@ピンキー:2006/12/30(土) 22:54:46 ID:bKoMRNYw
お互いの傷を舐め合うような感じで、少し屈折した愛情になったんじゃなかろうか
体は許し合っていても、心はいまだ少し距離があるような…そんな二人の関係が読みたい。
294除夜の鐘 P1/5:2006/12/31(日) 03:11:30 ID:wFe/oE6c
今年はお世話になりました。来年もよろしく、ということで5レスいただきます。


今年も終わりまで、あと数時間。
カズキの部屋に、だがその主の姿はなかった。
直ぐに戻るだろう、そう思って中で待つことにした。
外出する時刻では無いし、誰かの部屋に行っているだけだろうと踏んだからだ。
この時期、寄宿舎に残っているのはカズキ、まひろちゃんに剛太、毒島、舎監のキャプテン
ブラボー、そして私・津村斗貴子だけ。
私を含めた元&現役の錬金戦団組は帰省する所も無いので居残り。
カズキ達は御両親が帰国されないので同じく居残り。
御両親にお会い出来ないのは、残念なのが半分、ホッとするのが半分の複雑な気持ちだ。
待つ間、暇つぶしに読む雑誌でもないかと室内を見回す。
ベッドの下は――ほう、感心なことに一冊も無い。以前は特に『Hでキレイなお姉さん』
シリーズが散乱していたのだが。
別に読む―いや見る、か?―のは構わないから散らかさず整理するように、と言っていた
のが功を奏したのだろう。
流石に私も写真まで見るなと言う程、嫉妬深くない。
…それに私が参考にさせて貰う記事もあったしな。
千歳さんが参考に、と貸してくれた女性週刊誌の特集記事は――なんというか、その刺激
が強すぎて。

部屋の隅に雑誌が積んであるのに気がついた。
背表紙を眺めると…サッカー、バスケットボールにF−1、ゲーム雑誌…いずれも古い号だ。
目に留まった一冊を山から抜き出す。
『Hでキレイなお姉さん GM1パワーブースト』
…更なる高みを目指すのか?亜酸化窒素は程々に。
というかマニアック過ぎないか、このタイトル。
これも古い本だ。奥付からすると、私達が出会う半年くらい前の発売らしい。
表紙は辛うじてサンタと判る衣装の女性。しかしこの胸、本当に私と同じ生物なんだろうか。
ふと、開き癖に気付いた。
雑誌とはいえ、カズキらしくないな。
だが…開き癖、ということは…つまり、そのなんだ、良く使っているということだろう。
まあ元気だからな、カズキは。
ほぼ毎晩、それも最低でも三回なのに。それでも私を気遣って我慢しているのだろうか?

…どんなモデルだろう?――いやこれはカズキのプライバシーだ、見てはいけない。
例え恋人であっても立ち入ってはいけない領域がある筈だ。
…いやでもポーズを見るだけでも。どんなポーズが彼の好みなのか。
そうカズキの嗜好を知ることはパートナーの義務だ!
うん、これは義務だ。仕方なく、あくまでも仕方なく本を開いた。
…やっぱり凄い胸。同性でも圧倒される。
?でもこのモデル…
295除夜の鐘 P2/5:2006/12/31(日) 03:12:11 ID:wFe/oE6c
キャプテンブラボーと剛太に、初詣のお誘いをしてきた。
あとブラボーには千歳さんと、火渡も誘ってくれるよう頼んでおいた。
正直、火渡への蟠りが全く無くなった訳じゃないけど、妹の友達が喜ぶだろうことには協力
したい。
その毒島さんには、まひろの方から声を掛けることになっているので、残るは斗貴子さんだけ。
それはもちろん、オレの役目。
けれど斗貴子さんは部屋にいなかった。
とするとオレの部屋にいるかなと思い、戻ってみると。
やっぱり斗貴子さんがいた。が…なんか怒ってる?凄く怒りのオーラが出ているんですけど。
数秒、固まったが、それでも覚悟を決めて声を掛けた。
「…あ、斗貴子さん、やっぱり来てたんだ。ちょうど良か…」
しかし顔を合わせず、無言で脇を通り過ぎると、扉をぴしゃりと閉めて出て行ってしまった。
その小さな背中は、間違いなく震えていた。

…また、なんかやってしまったのだろうか?
思い当たる節は…
昨夜は、悶える表情が可愛くて、胸を責めた。言葉とは逆に、ヨロコんでたと思ってた。
一昨日、悶える表情が可愛くて、おへそを責めた。言葉とは(ry
三日前、悶える表情が可愛くて、(ry
四日前、悶える表情(ry
五日前、(ry
………
……

('A`)
七週前まで回想してみたが、山積みだ。
まるで米俵をいっぱい積んだ七福神の宝船。
うん、お正月を迎えるに相応しい…って、違う!
そうか、てっきり可愛い声で喘ぐので、ヨロコんでいるものとばかり思ってたけど…
ホントは……
もっと別の場所を責めて欲しかったに違いない!
きっと○×△や△○□×、それに□○▽とか!
斗貴子さんは照れ屋だから、はっきりと口に出せなかったんだろう。
それに気付かないオレのバカ!!
早く謝りに行かなくちゃ!
296除夜の鐘 P3/5:2006/12/31(日) 03:13:02 ID:wFe/oE6c
怒りにまかせカズキの部屋を飛び出したが、自分の部屋に戻ると、どうやら落ち着いた。
――また、やってしまった。
あのページのモデルが桜花に似ていたからといって、別に怒ることではなかった。
早坂桜花――。
以前はともかく、今では共に肩を並べて戦った戦友だ。
それにカズキにちょっかいを出すのは、私をからかうのが目的なことも判っている。
カズキにしたところで、桜花は良き先輩であり、友人に過ぎない筈だ。
なにせ私が桜花と初めて出合ったあの雨の放課後でも、彼女の名前すら覚えていなかった
くらいなのだから。
そもそも、あのモデルが桜花に似ているという認識すらないだろう。
偶然だ、偶然。
あの本が私達が出会う前に入手され、今に至るも保存されていた物であっても。
そう理解し納得する前にカズキが戻ってきてしまった。
それだけのことだ。

…謝りに行こう。
今ごろカズキは身の覚えのない私の怒りに心を痛めていることだろう。
カズキの部屋へと急ぎ足で向かった。
ノックしようとして、だが…なんと言えば良い?どんな顔をすれば良い?
逡巡する私の前で扉が開いた。カズキと向き合う。
「?斗貴子さん?」
「カズキ?」
「あの…ゴメン」「すまない」
謝罪の言葉が、かち合った。
「オレ、斗貴子さんの気持ちも考えないで――」
!あの本を見ていたのを気付かれた?…ベッドの上に放り出してきたのだ、当たり前か。
なんて嫉妬深い女だと思われているだろう。
「オレ、てっきり斗貴子さんがヨロコんでると思って、胸やおへそや――」
「?はあっ?!」
なにを言い出すのだ、このコは?
「まさか斗貴子さんが○×△や△○□×、ましてや□○▽なんかを――」
「!"#$%&'!い、いいから中へ入れッ!!」
部屋に押し込むと後ろ手で扉を閉めた。ったく、人がいないから良いようなものの…
だが室内でも収まらない。
「斗貴子さん、我慢強いから無理して――」
「人に伝えたいことがあるなら、判るように話せ!」
…肩で息をしながら、辛うじて言った。
297除夜の鐘 P4/5:2006/12/31(日) 03:13:35 ID:wFe/oE6c
斗貴子さんの小さな肩が上下に激しく揺れていた。
やはり怒っているのだろう。
「…ゴメン。ホントに嫌だったとは思わなかった。凄く可愛い声だったから。
 ほら、『嫌よ嫌よも、好きの内』ってヤツだと思って」
…もっと怒られた。
「だから、なんの話だ?!」
「なにって…夜の生k」
最近、目潰しにも慣れてきた。
「そうじゃない!」
「じゃあ、何に怒っていたの?」
斗貴子さんが真赤になって言葉に詰まった。――やっぱり可愛い。
「それはだな…その、あの本の開き癖のついた…」
目線の先には…ベッドの上の本。

「これ?」
拾い上げると、黙って頷いた。
ああ、捨てようと思って纏めておいた雑誌の一冊だ。
年末の収集日に間に合わなかったので、部屋の隅に片付けておいたんだけど。
にしても開き癖?…ああ、そうか。
「そうだよね。捨てる本とはいえ、乱暴に扱ったらいけないよね。それで怒ってたんだ。
 …実は、まひろが寄宿舎にはじめて来た日の夜、ノック無しで部屋に入ってきて。
 それで、あわてて布団の中に突っ込んだら、開いた状態になったらしくて。
 この手の本は、まひろに見つかると大騒ぎになるから、つい」
この説明で斗貴子さんの怒りは解けたようだった。あきれたような顔をされたけど。
298除夜の鐘 P5/5:2006/12/31(日) 03:14:11 ID:wFe/oE6c
また…また私の一人相撲か?!
まあいい、カズキが誤解しているようだから、このまま済ませよう。…ゴメン。
「そうか。それなら良い」
だが、そう答えたところで困った。
どうしよう、この雰囲気。
なにか会話を続けないと。そうだ。
「しかし、なんだその、皆、胸が凄いな。そういうのを『巨乳専門誌』というのか?」
特に深い意味の無い言葉の筈だった。
だがカズキの顔色が変わった。

「どうした?なにか…」
「…斗貴子さん。オレ、斗貴子さんに嘘をつきたくないから…言うよ」
私の目を見つめる。
「何だ?」
「それ、巨乳専門じゃないんだ…それは姉妹紙で別にあるんだッ!!」
え〜と。つまり…
「これが世間的には…普通サイズ、ということか?」
黙って頷いた。
…そういえば、まひろちゃんや桜花は別格としても、銀成学園にも胸が豊かな娘が多い。
もちろん例外は私の他にもいるけれど。
今までの人生、他人の胸で気にしたのは章印の有無のみだったが…
私は『大きくない』のではなく、『小さい』だったのか!
薄々、気付いてはいたけど…

軽い眩暈を感じ、カズキに背を向け、扉の脇の柱に手をついて身体を支えた。
その私を後ろから抱き締めながらカズキが言った。
「でも。オレにはこのサイズが、ちょうど良いんだ」
そういって胸に手を伸ばす。
「こ、こらエロスは…」
どこからか鐘の音が響いてくる。
「ほら除夜の鐘が聞こえるぞ。煩悩を捨て――」
「オレが斗貴子さんを好きなのは、煩悩?」
「そ、それは…」
「ねぇ、斗貴子さん――しよ?」
「…うん」
耳元で囁かれるのには弱い。
抱き上げられてベッドへ。私の上に覆い被さってくる。
「今からだと足掛け二年できるね」
「…バカ」
後は続かなかった。口づけで塞がれたから。

結局、翌日の初詣は睡眠時間ゼロで行く羽目になりました。

―オワリ―
299名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 10:50:54 ID:Wv6CxXnI
グッジョブ!
今年最後のssかな 堪能させて頂きました!

>また…また私の一人相撲か?!
斗貴子さん可愛いw そしてカズキは相変わらず天然Sだな
300名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 13:27:58 ID:i7kFDTrP
>「それ、巨乳専門じゃないんだ…それは姉妹紙で別にあるんだッ!!」
>え〜と。つまり…
>「これが世間的には…普通サイズ、ということか?」

全米が泣いた…
301名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 13:43:23 ID:Xlxt8rtZ
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
よい年越しを
302名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 18:10:20 ID:sifOxtFJ
年の終わりに良いSS、乙です。
自分はとうとう年内完成できなかったーorz>書き途中SS
投下職人の皆様、楽しんでくれてる読者の皆様、
どうぞ良い年越しを。来年もまたここでお会いしましょう!
303名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 21:05:23 ID:/knkFHWh
まだだ!!まだ終わらんよ!!
という事で、年内滑り込み投下です。
でもコレ、クリスマスネタなんですよ…。クリスマスに間に合わなかった奴なんですよ…。
………今日はクリスマスだと思い込んで読んで頂ければ幸いです…。
304名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 21:06:11 ID:/knkFHWh
俺の部屋のベッドの上で、斗貴子さんと寄り添い合って座りながら会話する。
皆とのパーティの後にこれなんだから、幸せすぎるくらい幸せだ。
「クリスマスパーティ楽しかったね、斗貴子さん?」
「ああ。私もやっとああいう雰囲気に慣れてきた」
斗貴子さんとクリスマスを迎えるのは今年で二度目だ。
最初斗貴子さんは、受験間近なのに大丈夫なのか、なんて言って乗り気じゃなかった。
けどそれは本当に最初だけで、準備の段階になると積極的に手伝ってくれた。
「やっとって、もうすっかり馴染んでると思うけど?」
「そ、そうか?それならいいんだが…」
「…ね、それでさ斗貴子さん」
俺は斗貴子さんの肩を抱き寄せて、出来るだけ体をくっつける。
「斗貴子さんの言いたい事って……何?」
「…………」
パーティがお開きになった直後、二人で話がしたいと申し出てきたのは斗貴子さんの方だ。
勿論、俺にとっては願っても無い事だったんだけど。
「…カズキ…」
斗貴子さんが俺の名を呼んだ、その瞬間。
俺の体はベッドに仰向けで倒れ、その上で斗貴子さんが四つん這いになっていた。
「と、斗貴子さんっ!?」
「あ、す、すまない…痛かったか?」
「いや、そうじゃなくて!!」
一瞬宙を舞った様に感じたから、斗貴子さんが何かしらの体術を使って俺を押し倒したんだろう。
そこまでは予想がついた。
「きゅ、急にどうしたの!」
「いや、それは…あの」
斗貴子さんの目は完全に泳いでいたが、やがて吹っ切ったかの様に呟いた。
「…しよう」
「は?」
「え、えっちしよう!な!!」
305名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 21:07:00 ID:/knkFHWh
自分でも顔が熱くなっているのが分かる。
当たり前だ。私がこのコを押し倒してまで事に及ぼうとするなんて、初めての経験なのだから。
出来るだけ速くカズキの服を脱がそうとするが、手が上手く動いてくれない。
「ちょ、ちょっと待ってよ斗貴子さん!!」
カズキは何故か私が誘った途端に呆けてしまっていたのだが、
私の手がもたついている所為か気を取り戻した。
「どうしたの斗貴子さん!!斗貴子さんからそーゆー事言ってくるなんて変だよ!」
「わ、私だって人間なんだ!性欲ぐらいあったっていいだろう!?」
私はムキになって言い返したが、カズキは折れてくれない。
「そんなんじゃなくて、こう、斗貴子さんが必死になってるのが分かるんだよ!
 何か理由があってやってるんでしょ!?」
何でこのコはつまらないところで鋭くなるんだ…。
「教えて!そうじゃないと俺、納得出来ない!」
………。
「…い……言わなきゃダメか?」
私の問いに、カズキは力強く頷いてうんと答えるのみだった。
…キミには『あえて知ろうとしない』という優しさもあるという事を理解して欲しい…。
「キ…キミが」
「え?俺が?」
「……この前キミと一緒に寝た時に、キミが話しただろう。
 『偶には斗貴子さんからのアプローチを受けてみたいなぁー』って…。
 だ、だから、その、ふ、二つ目のクリスマスプレゼントに……」
頭に、というか顔に血が集まりすぎた所為か呂律も回らない。
そして、
「あ…あぁー。た、確かにそんなことあったねぇ。あは、あはははは………」
ほれ見ろ。キミも笑って誤魔化すしか無くなってるじゃないか。
だから聞いて欲しく無かったのに……。
「はは、は………」
「………」
カズキが一通り笑い終えると、恐ろしく気まずい雰囲気になってしまった。
…居た堪れない。
せめて、行為を続けて良いかどうかだけでも喋ってくれれば良いのに…。
「…あの〜、斗貴子さん?」
私の心を読んだかの様に、カズキが切り出してきてくれた。
「…何だ」
「…続けてくれると…嬉しいかな……って」
…キミは本当に私の心を読んでるのか。
「いいんだな?」
「うん、是非。斗貴子さんがわざわざ俺の為にやってくれてるんだって分かったし。
 止める理由無いよ」
あ、でも、とカズキは続ける。
「無理はしないでね?斗貴子さんが嫌な事はしなくて良いんだから。
 俺の為だからって、痛いのとか苦しいの我慢しちゃダメだよ」
分かってる、と私は出来るだけぶっきらぼうに聞える様に答えた。
…本心を隠したい時に乱暴になってしまうのは、悪い癖だとは分かっているのだが……。
306名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 21:07:51 ID:/knkFHWh
じゃあ斗貴子さん、オネガイシマス。
え、万歳?体起して万歳?はい、ばんざーい!!…わっ。
こんな脱がされ方するの、幼稚園の時以来かも知れない。お母さんに脱がされるみたいだね。
…そろそろ斗貴子さんの事、ちゃんとお母さん達に紹介しなきゃなぁ…。
ううん、こっちの話。気にしないで。
じゃ、後は…斗貴子さんがイロイロしてくれるんだね?
ズボンも?そ、そうだよね。ゴメン。
あ、チャックの下ろし方分かる?違うって!バカにしてるんじゃなくて。
そこ、フックになってるからそれも外して…うん、そう。
…パ、パンツまで一遍に脱がしてくれるんだね…。いや、そりゃあその方が楽だけど……。
も、文句では無いです。ハイ。ただ斗貴子さんも結構大胆に剥いでいくなぁと。もうマッパだし。
ん、むう…ちゅ。
…急にキスしないでよ…。びっくりしたじゃない。
出し抜けにキスするのはキミの得意技じゃないか、って…それはそうなんだけどさ。
それにさっきから煩い?そうかなぁ。まぁ斗貴子さんがそう言うなら黙るよ。
……………………………………………。
………あっ。
……………ん、は…ぁ。ンン……。
……いっ…ふぁ。
…自然に出てる声なのに、そんな言い方無いんじゃない?
俺も斗貴子さんに乳首しゃぶられるなんて初めてだし…うん、気持ち良い。
あ、ちょっ、ちょっと待って!そんな突然触らないで!!痛くなくても本能的に怖いから…。
…あう…斗貴子さんが俺の乳首甘噛みしながらシゴいてくれてる…。
どこでこんなの知ったのさ…今の斗貴子さん、エロスすぎだよ…。
あ、そこ…いい。流石斗貴子さん、俺の性感帯は知り尽くしてるね。
そっ、その辺。先の方も、タマの方も…。斗貴子さん、やっぱり凄く上手だ…。
この調子じゃ、すぐ我慢の限界だよ…。
…え?我慢しなくてもいい…って。
いつもはほどほどにって言ってるじゃない。……それでも毎回三発くらい出してるけど。
…今日はいいの?好きなだけ?…ホントに?今出しちゃっても…いいの?
な、なら早速!!……ふぅ。
斗貴子さ――あ、ゴ、ゴメン!斗貴子さんが頷いてくれたら我慢出来なくなって…。
斗貴子さんがティッシュ取るまで耐えるべきだったね…全部手に掛けちゃった。
でも、その…斗貴子さんがそうしてくれるのが、とにかく気持ち良かったから…。
307名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 21:08:37 ID:/knkFHWh
…まぁ、キミが満足してくれたのなら良いさ。手に掛かったぐらい、どうと言う事は無い。
ペロ…ちゅう、ちゅぱっ。
ちゅっ……な、何だその目は。何でそんな嬉し恥ずかしという感じの目線を寄越してくるんだ。
べ、別にいいじゃないか、舐め取っても。私が、キミのなら嫌じゃ無い事は知ってるだろうに。
そんな事より次だ。
…とは言ったものの、何をしようか……。キミは何をして欲しい?
…ふぇら?スマン、それがどういう意味か分からん。そういう言葉は、未だによく知らないんだ。
あぁそういう事か。よし、いいぞ。
んー、勢い良く出したからキミの自体にもいっぱい付いてるな。キレイにしてあげよう……。
れろ、れろ、ちゅ。んむぅ…ぢゅう。
はぁっ…。
…相も変わらず大きいな。私はキミのが小さくなってるところを見た事が無い気がするぞ。
……キミにとって、私はそんなに魅力的なのか?…そ、そうか……ありがと。
ゴホン!!つ、続けるぞ!いいな!!?
あむう…ぢゅっ、ぢゅう。
ん、じゅるぅ、くちゅ。
…ひもひいいは?…ん。
じゅっ、じゅるるる。ちゅう、ちゃぶ、ちゅっ。
……ほろほろ…は?
ぷはっ、ビクビクしてきたな…何回も言うが、いつ出しても良いからな。
スパートかけるから、キミのタイミングで好きな様に出せ。
ちゅう、ちゅっ…じゅるっ、はぁっ…。
はむっ、じゅぅ。
…ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ。
ちゅぶっ、じゅ、ちゅぶぶ。
ッ!!……ん、ん………。
じゅっ、じゅうう。こく、こくん……。
ちゅうう。ぷはぁっ……。
…ふぅ。また沢山出したな。そんなに気持ち良かったのか?
…フフフ、そうか。キミがして欲しいなら、何回でもしてやるぞ。
どうする?もう一度同じのをするか?…それとも――。
308名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 21:09:27 ID:/knkFHWh
「よし、挿れるぞ…良いな?」
カズキの怒張の先端に照準を合わせ、斗貴子が馬乗りに腰を下ろす。
必要以上に潤っているそこは、簡単にカズキを飲み込んでしまう。
「斗貴子さん濡れすぎ…」
「わ、悪いかっ!体質みたいなものなんだからしょうが無いだろう!」
斗貴子の怒声を笑顔で受け止めながら、カズキは彼女の太腿を撫でた。
「ふ…ぁ」
簡単な動作で声を上げてしまう彼女が、彼にとっては堪らなくいとおしい。
「斗貴子さんかわいい」
「…お世辞はいいから……。動くぞ」
お世辞じゃないの分かってる癖に、とカズキは思ったが、口に出す事はしなかった。
結合部から聞え出した水音をかき消したくなかったからだ。
ず、ずっ、じゅっ、ぢゅ、じゅぽっ。
粘度の高い水分が空気を含んで、扇情的な響きを醸し出す。
「斗貴子さん……」
「はっ、はぁぁ……カズキィ」
二人が互いを呼び合う声さえも、この一時ばかりは艶かしくなる。
じゅぷ、じゅぷ、ぐぷっ。
「あぁ、んっ……ふぁっ…」
「斗貴子さん、斗貴子さんの中がぎゅうってなってるよ…」
「ん、ンン、気持ちい…か?」
「ウン…すっごく」
カズキの答えに満足そうな笑みを浮かべる斗貴子に、カズキは更におねだりをする。
「…ちゅー…して欲しいな…」
「いいぞ…はぁっ、私も…したかったところだ…」
斗貴子は上体を倒し、正上位に近い体形を取る。
絶妙な角度で膝を立て腰を浮かし、動き続けながらだ。
「斗貴子さんって、何て言うか、床上手…なんだね」
「バカ…そんな言葉どこで覚えた…」
上り詰めながらも、二人の会話は止まる所を知らない様だ。
しかし、二人のくちびるが重なる時だけは別である。
「どこって、それは――むっ!」
「ちゅっ…。いい加減黙ったらどうだ?……キスして欲しいんじゃなかったのか?」
「…今してくれたじゃない」
「ほう、あんなくちびるが触れただけのような奴で良かったのか?」
カズキが否定する前に、斗貴子は再び顔を近付けていた。
ちゅっ、ちゅっ。
舌同士の触れ合いは、淡く切ないものから始まり、
ぢゅ、じゅうっ、ずちゅ。
次第に濃く甘くなっていく。
309名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 21:10:15 ID:/knkFHWh
「ほ、ちゅうっ、ほひほはん…」
カズキはそろそろ限界を感じていた。
何とか会話を成立させようとするが、斗貴子は舌の繋がりを断つつもりは無いらしい。
それどころか、より強くカズキを抱き寄せ、腰の動きを強めた。
「ほっ……はん…」
斗貴子は『いつ達しても構わない』という前言を体で表していたのだ。
カズキもそれを感じ取り、斗貴子とのディープキスに集中する事にした。
じゅ、ちゅっ、ずちゅっ。
ぐぷっ、じゅぽ、ぢゅぷ。
音と音の間隔が、どんどん短くなっていく。
「む…ほっ…はん…」
カズキの体が大きく波打ち、斗貴子の中に精を放ち始めた。
「ふっ!!……はぁ、あ…」
それを受けて、斗貴子も上り詰めた。
二人の脈動が重なり、最大の快感が生まれる。
カズキの口中に、斗貴子の声ならざる声が響いていた。



達した余韻が引くと、まず斗貴子が口火を切った。
「…どうだった?」
「もう何て言うか、すっごい良かった!言葉に出来ないぐらい!!」
はしゃぐカズキを見て、斗貴子はどこかほっとした。
もしかしたらヨロコんで無かったんじゃ、と考えていたからだ。
「…ねぇ斗貴子さん、もう一回、良いよね?」
一方カズキはのんきなもので、早々に硬さを取り戻した一物を上下させていた。
「まぁ今日は好きなだけ…って言ったのは私だからな。とことん付き合わせてもらうが…。
 何だってキミはそんなに回復が早いんだ?」
カズキの精力に内心溜息を吐きながら、斗貴子は率直な疑問を口にした。
「そりゃ勿論、斗貴子さんが好きだから!」
カズキはそう答えると、力強く斗貴子を抱き締めた。
「す、好きだからって……まぁいいか」
それ以上の追求が億劫になった斗貴子は、カズキを抱き返しつつ、彼の耳元で囁くのだった。
今夜の行いは、全て彼女からの働きかけである事の証しに。
「こ、今夜は……寝かせないからな……」







クリスマスプレゼント―――了
310名無しさん@ピンキー:2006/12/31(日) 23:29:18 ID:lQNktLrf
>>304
蝶GJ!!
でも斗貴子さんが責めてる筈なのに、
逆に責められている気がするのは何故?
311名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 12:21:47 ID:P/4quG12
年の始めから、なんともエロスいSSが(クリスマスの話だけどw)
乙です
312名無しさん@ピンキー:2007/01/03(水) 23:58:57 ID:hLPUYO24
ダッダラダッダァー
おまえとぉーーーーーーーーーー!!
313名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 00:15:07 ID:FXQAtdOD
はー今年の正月はすき焼き食ったし寿司も食ったし…
しまった、千歳さんの女体盛りまだ食ってない!
314名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 02:46:38 ID:aGMTf37H
じゃ漏れは斗貴子さんの女体盛りを・・・
それにしても真っ平らな女体盛りだ。盛り付けがラクで良さそうだ( ゚∀゚)
315名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 08:32:00 ID:2C98pOe4
>>314が刺身にされましたとさ
316名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 20:06:32 ID:hPHRE+78
おいし……そう……
317名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 22:53:05 ID:jXl3+pXY
少し前に本スレだったかネタバレスレだったかにupされてた、
ファイナルの流れっぽいカズ斗貴の同人、誰か知らないですか…?
318名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 23:25:09 ID:3DLCmZE3
確かあれは「Hでキレイなお姉さんFINAL」って題の同人だったはずだよ。
319名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 23:28:35 ID:2Yi115Gw
>>318
ありがとうございます!!
320名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 23:39:11 ID:3DLCmZE3
>>319 「キレイ」は「きれい」だったかも。うろおぼえでスマン
321名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 23:57:25 ID:2Yi115Gw
充分です!ご親切にありがとうございます。
322名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 10:06:10 ID:VmzoxPg9
今度イベントで武装錬金本探して来るよ。
地方だからあんまり期待出来ないがな。

どこかに照星×千歳を書いてくれる神はいないものか…
323名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 20:57:05 ID:ZMqY67hw
アニメ効果であるかもよ?

火渡×毒島をサンタさんにお願い
324名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 21:11:37 ID:nWiEyI9v
カズキ×まひろってのはあまりないのね(´・ω・`)ショボーン

まあ、カズキは年上でエッチできれいなお姉さん大好きって設定だからなぁ・・・
でも、まひろのあの胸を見て、良からぬことを考えたことがまったく無いということは・・・ないか('A`)
325名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 21:25:22 ID:luIytdaO
>>323本めっちゃ出してるサクル一つあるよね
『華花』じゃないのが多いけどさ
326寂しいの P1/4:2007/01/06(土) 22:34:41 ID:qsqwoV/2
>>294の後日談のような。4レスいただきます。
題名にクラシカルなエロスの響きがありますが、私は謝らない。なぜなら(ry


就寝前の点呼も済み、まもなく消灯時間。
洗面所へ行こうと部屋の扉を開けたときだった。
私のかわいいカズキが部屋の前を通り過ぎようとしていた。何かブツブツ言っている。
というか、私の部屋を通り越して何処へ行く気だ?!
この先はすべて女子の部屋だぞ。
「カズキどうした、何処へ行く?おい、カズキ?――カズキッ!」
呼び止めても返事がない。シャツの首根っこを引張って強引に呼び止めた。
「あ、斗貴子さん」
「あ、じゃない!どうした、ぼんやりして?」
「うん、あのさ」
「なんだ?」
「女の子だったら、なんて名前がいいだろう?」
「?はぁ?」
「男の子なら和斗で決まりだと思うんだけど。
 やっぱり二人の名前から取るべきだよね、オレ達の赤ちゃんなんだから」
…幸い辺りに人影無し。カズキを部屋に押し込んだ。
「また訳の判らないことを!人に聞かれて誤解されたら、どうする気だ?!」
音を立てて扉を閉めると、思わず叫んでいた。
もうすぐ三学期が始まる。既に寄宿舎に戻っている生徒もいるのだ。
「だって流行とかマンガのキャラの名前っていうのは…一生付き合っていくモノなんだから」
人に伝えたいことは判るように話せ、と何度言ったら理解するのだろう、このコは。
仕方ない。記憶にしっかり刻み込まれるよう、両方の頬っぺたを引っ張りながら言った。
「だ・か・ら、わ・か・る・よ・う・に・は・な・せ」
「だひゃら…斗貴子さん、ここ数日、元気が無いから。
 何か心配事でもあるのかなって考えてたんだ」
…まったく、このコは。こういうことは直ぐに判るくせに。キミの好きなところのひとつだ。
だが、続きがあった。
「だから妊娠したのかなって。心当たりなら山程あるし。
 もちろん避妊はちゃんとしたつもりだったけど、100%確実なことなんて無いものね。
 でも安心して、斗貴子さん。オレ、学校辞めて働くから!心配しn」
カズキ以外には目潰しをしないよう注意しないと。習慣は恐ろしいからな。
「暴走するな!妊娠などしていない!!…キミがちゃんと…してくれるからな、大丈夫だ」
「そっか…じゃあ、なんで?頼りないかもしれないけど、オレ、力になりたいんだ」
「…心配をかけてすまない」
それだけ言うと俯いて、顔が赤くなったのを誤魔化した。
何故、キミはそうやって私の心を揺さぶるんだ。
どうしよう、言うべきだろうか。彼には嘘をつきたくない。でも
「…笑わないか?」
「?うん、笑わないよ。斗貴子さんの心配事を笑ったりするもんか」
意を決した私は、顔を上げて彼を見つめた。
327寂しいの P2/4:2007/01/06(土) 22:35:21 ID:qsqwoV/2
「…寂しいんだ」
斗貴子さんが意外な言葉を口にした。
「えっ?」
「寂しいんだ、キミと一緒にいられなかったから」
「?だってクリスマスも初詣も、ううん、それ以外のときだって大抵一緒にいたじゃない?」
「キミだけと、という意味だ!せっかくイベントなのに…これでも私だって年頃なんだぞ。
 そういうときには恋人と――キミと二人だけで過ごしたかったのに…」

クリスマスは去年までと同様、帰省前の岡倉達と一緒にパーティをやった。
まひろや、ちーちん、さーちゃん、それに剛太、毒島さん、秋水先輩と桜花先輩も一緒だ。
そしてもちろん斗貴子さんも。
「でもクリスマスは皆のパーティのあと、二人だけになったじゃない?」
「…パピヨンが乱入してきただろうが!」
そうだった。サンタクロースというより、布袋様に近い扮装で窓からやってきた。
マスクだけならオシャレなのに。…マスクだけ着用は嫌だけど。

「初詣は初詣で…まひろちゃんや剛太、毒島はまだ判る。なんで火渡まで…」
それにキャプテンブラボーと千歳さんを加えたメンバーで近所の銀成神社にいった。
ブラボーに火渡を誘ってくれと頼んだのはオレ。もちろん毒島さんの為だ。
そうそう、桜花先輩は巫女さんのアルバイト。すごく似合ってた。
ここ数年やっているけど、年々希望者が減っているとか。
確かに、どの巫女さんも忙しそうだった。
特に背が高くてカッコイイ巫女さんがそうで、まるでオレのことを避けているみたいだった。
そういえば秋水先輩はどうしてたんだろう?
いや、そんなことより今はもっと大事なことがある。

「ゴメン。オレ、斗貴子さんがそんな風に感じてたなんて思いもしなかった。
 …どうしたら良い?オレに出来ることならなんでもするよ。今度はオレが何でもするから」
ちょっと躊躇ってから。
「それなら…あの…その…」
斗貴子さんは目線をベッドのほうへ向けた。
「うん!」
お姫様抱っこでベッドへ。
避妊具はポケットの中にあるから大丈夫。
『Hでキレイなお姉さん』の編集後記に『男の身嗜みとして、いつも身に付けておけ』と
書かれていたからだ。
ありがとう、編集の人。アドバイスが役にたったよ!
夜空にサムアップする編集の人が見えたような気がした。顔、知らないけど。
そういえば斗貴子さんの部屋では初めてだ。
その新鮮さの所為だろうか。
頬を染め、瞳を潤ませた斗貴子さんは、いつにも増してキレイで可愛い。
口唇を重ね、その小さな身体を覆い尽くすように優しく、力強く抱き締めた。
328寂しいの P3/4:2007/01/06(土) 22:35:57 ID:qsqwoV/2
日頃、エロスは程々に、とか言っておきながら自分から誘うとは。
Hでエロスなお姉さん、とか思われていないだろうか。
ベッドの上でカズキの熱い口づけと抱擁を受けながら、そんなことを気にしてしまう。
と、カズキの右手がスカートを捲り上げ…

チュン、チュン…
スズメの鳴き声。もう朝か――って、また肝心な部分スルー?!
いや、違う。
窓の外はまだ暗い。夜にスズメの声?
おかしい。
そう思ったときだ。窓が破壊され、同時に私達も扉のほうへ飛び退く。
その間もカズキは自分の身体で私を庇うような位置につく。
うれしくてその背中に抱きつきたいが、今はそんなときではない。我慢だ、我慢。
窓の外から妙に高い声、というか子供っぽい声が響いた。
「見つけたぞ!錬金の戦士ども、チュン!!」
スズメだ。ただ全高3メートルはありそうな図体で、空中に静止している。
「斗貴子さん、これ――」
「ホムンクルスだ!」
まだ残っていたのか!
「知っているぞ、核鉄を手放したそうだな、チュン!
 そうとなれば最早、お前達なぞ怖れるに足りん、チュン!」
単に巨大なスズメではなく、更に戯画化、というよりコミカルな姿をしていた。
カズキの部屋で見た漫画の隅に描かれていたスズメにそっくりだ。
楕円形の頭部に小さな嘴、つぶらな瞳。身体も翼も小さい。その小さな翼を必死に
動かして空中に浮いている。
なかなかカワイイ姿だが――私達の時間を邪魔した罪は重い。償いは――
「…核鉄を借りるぞ」
カズキの胸に背後から手を伸ばしながら言った。自分でも声に怒気が含まれるのが判る。
何ヶ月振りだろうか。
「よくも…よくも!私とカズキの熟した苺の様に赤く、溶かしたチョコレートの様に熱く、
練乳の様に甘いストロベリーな時間を邪魔しおって!貴様、絶対許さんッ!!
 武装錬金、バルキリィースカァートォォォォッ!!」
山吹色の光に包まれてアナザータイプが発動した。
「ハァルァワタをブチ撒けろォォォォッッ!!」
…訂正だ。ブチ撒けるというより粉砕になった。
久々の割りに、過去最高の高速稼動が出来たと思う。
「出番1レスだけェェ〜?!島本先生、ごめんなさ〜い!!チューン」
断末魔の悲鳴を残して消滅していった。

…しまった。つい怒りに我を忘れ、とんでもないことを口走ってしまった。
『クールで優しくて、ちょっぴりHなお姉さん』な私のイメージがッッ!!
どうしよう、軽蔑されるだろうか?
329寂しいの P4/4:2007/01/06(土) 22:36:27 ID:qsqwoV/2
背中に斗貴子さんの身体を感じた。息が荒くなっている。
既に武装解除されて、核鉄はオレの胸に戻っていた。
「あの、カズキ…みっともないところを見せてしまったな…」
「ううん、久し振りに発動したのに、凄いキレだったよ!さすが、斗貴子さんだ!!」
振り返って、斗貴子さんの肩に手を掛けながら言った。
でもお世辞と思われたのか、斗貴子さんは顔を伏せてしまった。本気なのに。
ただ出来れば捕まえて、月でヴィクターに教育してもらいたかったんだけど。
やっぱりまだホムンクルスが憎いんだな…

それにしても。
「ねぇ、斗貴子さん」
「…」
「窓、壊れちゃったね」
「うん」
「寒いから、オレの部屋、行こ?」
「うん」
「…で、続き、しよ?」
「……うん」
早速、斗貴子さんをお姫様抱っこした。
「ちょ、カズキ、このまま行く気か?!」
「大丈夫、斗貴子さん軽いから!スカートでも見えないようにするから大丈夫!!
 それともオンブのほうが良い?」
「そうじゃない!」
「…あ、そうか!ブラボーに報告しなきゃね。途中で寄って、窓の修理も頼まなきゃ。
 それからオレの部屋で――」
「するなぁぁッー!!」
「え?しないの?」
「いや、そりゃしたいけど…って違う!」
「違う?…あ!でも廊下ではさすがにマズイよ、寒いし」
「バカァァァッー!!」
「そんなに廊下で?判ったよ、オレも覚悟を決めるよ!!」
「…もういいから死なせて…」
「判った!何度も死ぬって言ってもらえるよう、オレ、頑張る!!期待して!
 もう寂しいなんて思わせないからね、斗貴子さん!」

―オワリ―
330名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 01:04:46 ID:SW65M6nx
あげ
331名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 01:33:36 ID:8H+KSAM5
>>326

秋水先輩何やってんだww
いや、桜花がやらせてるのかな?
そして最後のカズキの大ボケっぷり最高。
332義姉と私1:2007/01/07(日) 03:42:07 ID:8H+KSAM5
私の名前は武藤まひろ。
銀成学園高校1年生で、海外で両親が働いているのでお兄ちゃんといっしょに寄宿舎で暮らしている。
お兄ちゃん武藤カズキには最近彼女ができた。
津村斗貴子という銀成学園高校の2年生で、私やお兄ちゃんと同じ寄宿生。
もしお兄ちゃんと斗貴子さんが結婚したらお義姉ちゃんになるわけだ。
8月7日生まれで獅子座のA型、好きなものはおにぎり、紫色、空に近い空間、嫌いなものは無駄な犠牲。
趣味はトレーニングで特技は早着替えだそうで、プロフィールは正直少し変わっているなとは思う。
チャームポイントは鼻にある大きな傷でほんのり薄紅色でとても綺麗。
斗貴子さんは春にこの学校にやってきた転校生で制服は転校前の制服を着用している。
私よりも身長が一回り小さくて可愛らしく、お肌もスベスベ。
性格は少しツンとしたところがあるけれど、本当はとても優しい。
お兄ちゃんと斗貴子さんはいつもラブラブストロベリーでうらやましい。
うらやましいというのはラブラブな2人の関係ではなく、斗貴子さんを好き放題できるお兄ちゃんのことだ。
斗貴子さんは同性から見ても魅力的な女性で、私も大好きだからだ。
出来るものなら私も斗貴子さんを押し倒してあんなことやこんなことを・・・・

そんなある日のことだった。
「まひろちゃん、明日新しい服とか買いに行くのだけど付き合ってくれる?」
斗貴子さんが寄宿舎の廊下を歩いていた私に声をかけてきた。
もちろん私は当然快く了解した。
翌朝私はお出かけ用の服に着替え、予てから考えていた計画に必要な“7つ道具”をカバンの中に仕込んだ。
部屋を出て寄宿舎の玄関に出ると斗貴子さんが私を待っていた。
紫色のミニスカートに黄色のセーターという格好で十字架型のネックレスを付けている。
ミニスカートからのぞく斗貴子さんの細くて綺麗でスベスベの太ももには少し興奮する。
「準備OKのようだな。じゃあ行こうか。」
「うん!!」
私は元気よく無邪気に答えた。
寄宿舎を出発した私たちはバスに乗る。
寄宿舎前のバス停からバスで10分で銀成市中心街の銀成センター街に到着した。
「じゃあ最初はあの店に入ろうか。」
斗貴子さんに連れられて入ったお店にはおしゃれな服がずらりと並んでいる。
ミニスカートを着ていることが多い斗貴子さんはやはりミニスカートのコーナーを見ている。
紫、緑、青、黒、白・・・色とりどりのミニスカートを試着して選んでいるようだ。
一応は私も同じように服を選んでいるが、正直どうでもいい。
私の本当の目的は服を買うことではないからだ。
女の子の買い物は長いもので、3時間ほど斗貴子さんは服を選んでいた。
結局斗貴子さんはミニスカート2着、Tシャツ3着、セーターを1着、カーディガンを1着購入した。
私のほうはこっちは本来の目的ではないものの、一応ジーンズを1着購入した。
お店を出るとさらにセンター街の他の店を見て回る。
結局全ての買い物を終えたのは日が暮れた午後6時すぎだった。
「ねぇねぇ斗貴子さん。2人で夕食も食べていかない?」
私が斗貴子さんを食事に誘うと斗貴子さんはすぐにOKしてくれた。
現段階すべては計画通り。
333義姉と私2:2007/01/07(日) 03:42:44 ID:8H+KSAM5
私たちが入ったのはセンター街の外れにあるファミレスだ。
いつもは同じセンター街のロッテリやでハンバーガーが定番となっている。
しかしあの店はお兄ちゃんやその友人、寄宿舎の管理人さん、英語の火渡先生、その他私達のことを知る人が
結構利用しているので、ここでばったり出会うとこの後の計画に支障が出る可能性が極めて高い。
加えてこのファミレスならドリンクバーを利用できるのが計画を進める上で利点となる。
長時間店内に居座ることが計画を確実に進める絶対条件だからだ。
斗貴子さんが和風ハンバーグセット、私が明太子パスタを注文した。
そしてもちろん二人共ドリンクバーの利用する。
料理が来るまで2人で色々とおしゃべりをした。
「斗貴子さんってお兄ちゃんとどこまで進んでるの?」
これは以前から私が聞いてみたかった質問だ。
キスまで行っているのはこの目で夏祭りの夜に確認している。
となるとその後はさらに進展しているのはほぼ必然。
お兄ちゃんは相思相愛の女性に手を出せないチキンなのか?
それとも2人はもう男女の関係なのか・・・。
「それはえ〜っと・・・その・・・」
よほど恥ずかしいようで顔を真っ赤にしながら斗貴子さんは口ごもる。
そんな顔もとても可愛い。
「やっぱりもうアレもしちゃったの?どう気持ちよかった?」
私の質問に斗貴子さんは顔を真っ赤にして無言でうなずいた。
「ねぇねぇ?斗貴子さんってお兄ちゃん以外と経験ないの?初めてって痛かった?」
斗貴子さんは真っ赤な顔をさらに赤くさせていく。
私も斗貴子さんのそんな反応を見てみたくてわざとやっている。
この反応を見る限り恐らくはお兄ちゃんとが初体験だったのだろう。
もっとも斗貴子さんはこの後“2人目”との経験を持つことになるとは未だ知らない。
そうこうしているとお料理が運ばれてきた。
熱々で美味しそうな明太子パスタを食べながらメロンソーダを飲む。
ドリンクバーは一定金額払えばジュースは飲み放題だ。
食事を終えた後も何回もジュースをおかわりしたりデザートを頼んだりして時間は刻一刻と過ぎていく。
夜9時過ぎ、斗貴子さんが席を立った。
「ちょっとお手洗いに行って来る。」
今だ!!ここで用意していた“7つ道具”の1つ目、睡眠薬を取り出す。
ケースから一錠取り出して斗貴子さんの飲んでいたウーロン茶に仕込んだ。
2分ほどで斗貴子さんはトイレから戻ってきた。
睡眠薬の錠剤はすでにウーロン茶に完全に溶け込んでいる。
斗貴子さんは再び席についてウーロン茶を飲み始めた。
5分ほどすると薬が効いてきたようで斗貴子さんの目が虚ろになってきた。
「う〜ん。何だか急に・・・眠・・・く・・・スースー」
斗貴子さんはそのまま薬の効果で深い眠りに着いた。
やはりこれも計画通りである。
あとは計画の最終段階へと事を運ぶだけだ。
多分このときの私はニヤリと少し怪しい笑いをしていたことだろう。
334義姉と私3:2007/01/07(日) 03:43:43 ID:8H+KSAM5
「う〜ん。ここは?」
斗貴子さんは薬の効果が切れたようで2時間ほどで目を覚ました。
「な!?ここはまさか!?何で!?まひろちゃん!?」
目を覚ますなり斗貴子さんは驚いた表情で私を見てくる。
まあ目を覚ました自分が裸でラブホテルにいて、しかも両手足を鎖で拘束されているのでは無理もない。
しかも目の前に座っている私はお兄ちゃんの服を着て男装した姿ならなおのことだ。
あの後私はファミレスのトイレで“7つ道具”の2つ目、お兄ちゃんの服に着替えた。
さらに帽子を被って長い髪の毛を隠し、サングラスで女の子な瞳を隠した。
トイレから出た私は会計を済ませて眠っている斗貴子さんを抱えてラブホテルに直行する。
ラブホテルの受付の人も私を男だと思ったようで、
「お兄さんまさか酒で眠らせた女の子を襲うつもりじゃないよね?」
とふざけた口調で聞いてくる。
お兄さんと酒以外は大体当たっているので苦笑いしながら案内された部屋に入る。
そしてベッドで斗貴子さんの服を脱がして“7つ道具”の3つ目の鎖で拘束する。
眠っている人に手を出しても面白くないので斗貴子さんが目を覚ますまで待つ。
そして時間は戻ってきて今。
斗貴子さんは拘束状態から抜け出そうと必死でもがいている。
「まひろちゃん!!これはいったい!?」
「ごめんね斗貴子さん。斗貴子さん鍛えてて力があるから、こうやって拘束しないと手を出せないの。」
とりあえず騒ぐ斗貴子さんを静かにさせるために“7つ道具”の4つ目のローターを取り出して陰核を刺激する。
「ひぁああ!!ああああ!!まひろちゃん!!やめて!!嫌ぁあああ!!」
静かにさせるのは失敗だったが、どうせ騒がれるなら喘ぎ声のほうが心地が良い。
「斗貴子さんのスベスベで小ぶりなおっぱい美味しそう。」
私はそのまま斗貴子さんのおっぱいにしゃぶりついた。
彼女は俗に貧乳と呼ばれる部類に属する。
だがそれはそれでグラビアアイドルなどとは違った魅力がある。
乳首と陰核へのダブル攻撃で斗貴子さんは全身を痙攣させている。
「ああああぁ・・・ああっ!!」
斗貴子さんが絶頂に達したようなのでローターを離してスイッチを切る。
ぐったりしている斗貴子さんの横で私も服を脱いで裸になった。
斗貴子さんを攻めているうちに私のアソコもぐっちょり濡れていた。
私は斗貴子さんとは逆の向きで彼女の上に乗り、直接斗貴子さんの陰部を舐め始めた。
「斗貴子さん気持ち良い?斗貴子さんも私のを舐めて。」
一回絶頂に達して正常な判断力を失っているのか斗貴子さんは躊躇なく私のを舐め始めた。
5分ほどお互いのものを舐めあったところで私はカバンから“7つ道具”の5つ目の媚薬を取り出した。
そしてそれを斗貴子さんの陰部と肛門の深くまで指を挿入して塗る。
「ひゃぁあ!!」
かなり深いところまで指を差し込まれたのに反応して斗貴子さんが声を上げた。
これで斗貴子さんは尿道口から肛門まで相当に敏感になっているはずだ。
斗貴子さんの肛門から抜いた私の指には斗貴子さんの排泄物が少し付着している。
私はそれを舐め取る。
「斗貴子さんのこれ苦くて美味しい。」
斗貴子さんはやめてと私に叫ぶが、聞く耳を持たず全てを食した。
335義姉と私4:2007/01/07(日) 03:44:19 ID:8H+KSAM5
しだいに薬が効いて斗貴子さんの顔が火照ってくる。
そこで“7つ道具”の6つ目のアナルビーズを取り出して斗貴子さんの肛門に挿入する。
「ひぎぃいいい!!お尻が!!お尻が!!まひろちゃんやめてぇえええ!!」
斗貴子さんが悲鳴を上げるがそのまま全ビーズを挿入した。
ハァハァと斗貴子さんは息を荒くしながらぐったりしている。
さらに“7つ道具”の最後、ペニスバンドを装着して斗貴子さんの上にまたがった。
このペニバンはバイブ機能付きで、スイッチを入れるとヴヴヴヴと振動音が部屋に響いた。
「や・・・やめてまひろちゃん。これ以上はカズキに申し訳が立たないから・・・・。」
しかし私は問答無用でそのまま斗貴子さんの陰部に挿入した。
私の股間に装着されたディルドをグイグイ押し込むが少しキツイ。
まあわざとお兄ちゃんのナニのサイズより大き目のものを選んでいるから当たり前なのだが。
ちなみに私がお兄ちゃんのナニのサイズを知っている理由は極秘事項だ。
ゆっくりとディルドを完全に斗貴子さんの中に挿入し終えて結合部分を見る。
どうやら斗貴子さんには大きすぎたようでアソコから出血している。
しかし薬が良く効いているようで痛みよりむしろ快感のほうがはるかに強い様子だ。
目はとろんとして明後日の方向を向いて、よだれを垂らしながら舌を出してハッハッと呼吸している。
普段の斗貴子さんからは到底想像できない姿だ。
「じゃあ動かすね斗貴子さん。」
私はいきなり最高速度で動かし始める。
「あぁあああああ!!ひぎぃいいい!!死ぬ!!死ぬぅうう!!」
斗貴子さんは大音量で叫びながら何度もイッている様子だ。
バイブによる振動+ピストン運動は通常の男性同士ではありえない感覚だ。
さらにこのペニスバンドは斗貴子さんに挿入しているもの以外に、バンドの内側にもディルドがついている。
もうひとつは私用でこちらもバイブ機能があって私の中で只今猛烈に振動中だ。
つまり斗貴子さんだけでなく私自身もかなりの快感を感じている。
「どう?斗貴子さん気持ちいい?私はすごく気持ちいいよ!!」
私の問いかけに斗貴子さんは答えるが、呂律が回っておらずもはや奇声にしか聞こえない。
目は白目を向きかけて拘束されたままの手の指は激しく痙攣している。
すでに何十回とイッている斗貴子さんと違って私はまだ1回も絶頂に達していない。
だが、そろそろ私の中で何かが込み上げてくるのを感じる。
「斗貴子さん!!私もそろそろイキそう!!あ・・・ひゃあああああ!!」
そう私が叫んだ瞬間私はついに絶頂に達した。
斗貴子さんに挿入していたペニスバンドのバイブ機能をオフにしてをゆっくりと抜く。
続いて斗貴子さんの肛門に挿入していたアナルビーズも抜いて両手足を拘束していた鎖をはずした。
「こんなことしてごめんね斗貴子さん。でも私我慢できなくて・・・。」
私が謝ると斗貴子さんがボソッと責任とってねとつぶやいた。
「正直カズキとするより気持ちよかった。だからもうカズキじゃ満足できないかもしれない。」
「わかったわ。時々斗貴子さんが満足いくまで付き合ってあげる。」
私は斗貴子さんに誓った。
それから私たちは何回もレズプレイに及んだ。
きっとお兄ちゃんと斗貴子さんが結婚して、斗貴子さんが私のお義姉ちゃんになってもこの関係は続くだろう。
私たちの絆はきっと永遠だ。
――END――
336義姉と私5:2007/01/07(日) 03:46:15 ID:8H+KSAM5
「どうだった?私が暇つぶしで書いた官能小説『義姉と私』の感想?」
寄宿舎のロビーでまひろが無邪気に斗貴子、千里、沙織に尋ねた。
「私には理解できない卑猥そうな単語がゾロゾロとあるんだけど。」
千里は呆れたようにまひろの顔を見ている。
「まさかこれを本当に実行するつもりじゃないよな?」
斗貴子は顔を激しく引きつりながらまひろに問う。
「安心して斗貴子さん。合意の上でじゃないとやらないから。」
まひろはにこやかに言うが、この子の場合はこれが冗談なのか本気なのかよくわからない。
「っていうかまっぴー何でレズネタ?武藤先輩と斗貴子先輩とかじゃ駄目なの?」
沙織は苦笑いしながらまひろに尋ねる。
「だって賞を取ろうと思ったらインパクトがないとね。レズレイプネタならかなりインパクトが・・・」
まひろが言い終わる前に驚愕の表情で3人いっせいにまひろの方へ顔を向けた。
「賞!?まっぴーこれを投稿しちゃったの!?」
「うん。新人官能小説大賞短編部門。しかも見てこれ!!」
まひろがみんなに見せたのはとある雑誌。
そこには「金賞はPNまっぴーさんの『義姉と妹』で賞金50万円」と書かれていた。
斗貴子の顔は一気に青ざめる。
フィクションとはいえ自分の痴態を小説として顔も知らない人物に見られたのだ。
女性としてはかなりの羞恥であろう。
もちろんまひろは悪意を全く持っていないのでなおさらタチが悪い。
「20万円で女の子4人で旅行へ行こうね♪」
斗貴子は魂が抜けたような表情でつぶやく。
「いや・・・私は遠慮する。っていうかむしろ私一人で誰もいない街へ旅立ちたい・・・。」
千里と沙織はそんな斗貴子をかわいそうに思っていたが、まひろはそれに気がついていない。
そしてさらに悪意ゼロのまま斗貴子に追い討ちをかける。
「しかも金賞はこの雑誌に全ページ掲載されるんだよ。ほら見て!!」
そこには先ほどまひろが見せた小説が数ページにわたってしっかりと掲載されている。
あまりの出来事に斗貴子は白目を剥いて失神してふらっとしてその場に倒れこむ。
その時廊下の向こうからカズキと剛太の声が響いてきた。
「まひろ!!これはどういうことだ!!お前斗貴子さんになんてことを!!」
「いくら同性とはいえ斗貴子先輩をレイプして、しかもそれを小説にするなんて!!」
斗貴子大好きな馬鹿2匹がまひろの肩をつかんでガタガタ揺すりながら問い詰める。
カズキの右手には先ほどまひろが見せたものと同じ雑誌が握られている。
どうやらまひろの官能小説を真に受けている様子だ。
もっとも実際の学校名に実際の人物の名前では意味無理もない反応かもしれない。
そのころエロス大王の岡倉はこのことを寄宿舎中に広めまくっていた。
「見てくれよこの雑誌!!1年のまひろちゃんと2年の斗貴子さん。ヤベェぞこれ!!」
「ちょっと・・・武藤君妹さんに彼女を取られちゃったの?」
「これってフィクションじゃなくてマジなのか?たしかにやべぇな。」
もちろん目を覚ました斗貴子によって岡倉が鉄拳制裁を喰らったのは言うまでもない。
なお岡倉の活躍により広まったこの噂の誤解を完全に解くのにはこの後1か月を要した。

――今度こそEND――
337名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 13:49:58 ID:5Fd3wEyz
ちょwまひろwwwwwwwww
30万はどこへwwwwww
GJ!!!!!
338名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 14:51:32 ID:TPN+tHl1
勿論2作目を書く為の研究費ですよね?>30万
とにかくGJ!
339名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 18:33:24 ID:zDIrDwUe
+   +
  ∧_∧  +
 ゚(゚´Д`゚)゜  漏れのまっぴーが危ないレズっ娘に!
 (0゚∪ ∪ +
 と__)つ__)
     ・゚・。。。
340名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 20:10:34 ID:Bori6UrB
斗貴子「カズキ・・私のパンツしらないか?」

カズキ「!?突然なにを言い出すんだ斗貴子さん!」

斗貴子「いや・・見当たらないんだ・・
私のお気に入りだったやつが・・」


カズキ「俺を疑ってるのかい・・」


斗貴子「いや・・その・・ただ聞いてみただけだ・・」
341名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 01:16:37 ID:+yM77KHC
剛太かまっぴ〜が持ってそうな予感
342名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 01:22:02 ID:Kx30FP1k
>>341
剛太は見ただけで撃沈しそうだから
まっぴーの疑いが濃いなw
343名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 10:00:36 ID:g92Z1ITY
千歳「今時の若い子はこういうパンツを穿くのね…」
斗貴子の紐パンを穿いてる千歳
344名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 15:39:20 ID:QFX2l2b/
340続き

カズキ「・・わかった!俺も探すの手伝うよ!!」

斗貴子「いっ、いやっ!いいんだ!!
自分で探すから!!」

焦る斗貴子、顔を真っ赤にして
その場を立ち去ろうとする

カズキ「待ってよ!大事なパンツなんだろ!?」

斗貴子「いいんだ!たかがパンツだ!」

カズキ「いや!だめだ!!斗貴子さん・・因みに
パンツの特徴は?」

斗貴子「うっ・・もういい!!いいから・・」

顔をより一層赤らめる斗貴子

カズキ「早く!斗貴子さん!パンツに
危機が迫ってるんだ!!」

斗貴子「なにを訳の判らんことを!!」
345名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 15:54:14 ID:QFX2l2b/
斗貴子を情熱的な瞳で見つめるカズキ
その気迫に負けたのか
斗貴子は俯きまま呟いた


斗貴子「・・くまさん・・パンツだ・・」

カズキ「え!?よく聞こえないよ!!」

斗貴子「く・・くまさんパンツ・・」

カズキ「もう一度」

斗貴子「ええい!!くまさんパンツだっ!!」

顔を真っ赤にし爆発する斗貴子

カズキは神妙な顔をしながら頷く

カズキ「なるほど・・斗貴子さん
それは、くまさんの絵がプリントされている
可愛らしいパンツでいいんだね?」
346名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 16:22:19 ID:QFX2l2b/
斗貴子はもじもじしながら呻いた

斗貴子「う、うん・・そ、そうだ」

カズキ「なるほど、で、くまさんは
バックプリントかな?
それとも前にプリントされてるやつかな?」

斗貴子「・・バックだ・・」

カズキ「なるほど、で、素材は綿かな?
綿100%のやつかい?」

斗貴子「・・そうだ」

カズキ「わかった・・ありがとう斗貴子さん
もう、充分だ・・」

斗貴子「君は・・なんでそんなに・・」

斗貴子は終始恥ずかしそうに
俯きまま、スカートの裾をいじっていた

カズキ「俺と斗貴子さんは一心同体だろ?
さぁ・・早くパンツを探しに行こう!」

斗貴子「カズキ・・」

斗貴子は胸に熱く
締め付ける感情に目眩がした。
347名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 16:56:57 ID:QFX2l2b/
結局パンツは見つからなかった・・

カズキ「ごめん・・斗貴子さん
力になれなくて・・」

斗貴子「ふふ・・もういいんだ・・
カズキのその気持ちで私は満足だ」

斗貴子は満面の笑みでそう答えた。

夜、深夜零時
寮は静まり返り
外では虫の泣き声が響いている

しかし、ある寮の一室からは
不気味な呻き声が響いていた。

カズキ「ハァハァ・・まさか斗貴子さんが・・
こんな・・可愛い・・ハァハァ
パンツを穿いて・・ハァッ・・
穿いてるなんて・・ハァハァ
斗貴子さんのあの恥ずかしそうな顔・・ハァハァ
まさか俺がずっと穿いてたなんて
思わなかっただろぅなぁ・・ハァハァ」

THE END
348名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 18:40:19 ID:g92Z1ITY
                              `;;` 
                         ,;:+,;`;:,;:  "  ";  ; ;:  
     臓物をぶち撒けろ!!     。;+,;:"   ∵  ' ';:
        ◎<三三三三>    ; ;; ; :;  ':"";:+,;`;:*,;: `;;`
        /  _        ∴∧_∧ ';;`;;` ' ,;  :
       ./, '´   ヽ        (    )   ←>>344
      ◎!l  !ノノハ 三三三>∴从W/;; つ
     /◎ !l /ノ ノ    .◎<三三三三>
    ◎ │ L--/_]つ ./  ;/ //
      \ ∠|_|`」◎/   (__(___)
        くン、)─◎\    " ' ' "  
               ◎<三三三三>
349名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 01:19:43 ID:vQ09uTBl
ちょwwwwwwwww
カズキさんwwwwwwwwwwwwwwwwwww
350名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 01:31:07 ID:n9VT58tu
カズキ何してんだwwwwwwwwwwwwww
351名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 02:00:00 ID:yuwl8BNZ
カズキが変態プレイ用にパクっていたとは( ゚∀゚)
352名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 10:31:07 ID:gQw+WdGj
カズキの部屋にあった週刊少年ジャンプのラルΩグラドを読む斗貴子さん
「なんだこのエロガキは…次から次へと女の子に手を出して…カズキの情操教育に悪い…
 このミオとかいう女の苦労がわか……」
ページをめくり、ラルがミオ先生の乳を揉むシーン
ミオ先生の乳と自分の乳を見比べる斗貴子さん
(…ホムンクルスを一体ぶちまけるごとにカズキに私の胸を自由に揉ませておけばよかった…)
353名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 19:55:58 ID:SHU3AaXk
「斗貴子の部屋」

「なにやってんだカズキ!!遅いぞっ!!」

人里離れた静かな山中
斗貴子の怒鳴り声が甲高く響く

カズキを容赦無く痛め付ける斗貴子
そう、二人はトレーニングの真っ最中である。

カズキ「はぁはぁ・・」

斗貴子「なんだ?もう息が上がっているぞ」

カズキ「いや!まだまだ!!ぐっ・・」

カズキはそのまま倒れこんでしまった。

斗貴子「カズキ!!・・やれやれ・・」

カズキは消毒液のツンとした臭いで
ゆっくりと目を覚ました
気付くと医務室のベッドに寝かされていた。

カズキ「う〜ん・・どれぐらい寝ていたんだろう・・」

カズキの手元にはメモがあった
「カズキへ、今日はもういいゆっくり休め 斗貴子」

「斗貴子さん・・」
カズキは一息つくと
そのまま眠ってしまった。
354名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 21:45:59 ID:SHU3AaXk
斗貴子「ついつい、カズキに強く当たってしまう・・」

斗貴子は一人部屋で頭を抱えていた

斗貴子「口調もひどくなってしまう・・」

カズキに対する切ない感情が
斗貴子の胸をチクチク刺激し始める・・

斗貴子は溜め息を洩らし
ベッドに寝転んだ。

斗貴子「・・カズキ」

斗貴子はベッドの下に手をやり
なにやらゴソゴソ取り出しはじめた

斗貴子「ふふふ・・」

斗貴子が取り出したのは
カズキをディフォルメした
カズキぬいぐるみだった。

斗貴子はヌイグルミを強く抱き締め
顔をほんのり紅潮させ
なにやらブツブツ呟きはじめた
355名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 22:23:06 ID:SHU3AaXk
斗貴子「ん・・なんだカズキ?・・
ふふ・・甘えん坊だなカズキは」


斗貴子はヌイグルミで腹話術をはじめた

ヌイグルミ「斗貴子さん大好き!!」

斗貴子「エヘヘ・・私も大好きだ・・カズキ」

巧みに裏声を使い分け
一人、ヌイグルミとイチャイチャしている

ヌイグルミ「斗貴子さん・・チューしていい?」

斗貴子「え!?う〜ん…どうしよっかなぁ〜(照)」

ヌイグルミ「え〜んえ〜ん(泣)」

斗貴子「ごめんごめん(笑)うそうそ!!
ほら・・んぅ〜・・」

ヌイグルミに熱い接吻をする斗貴子
その間、時計の時を刻む音だけが
部屋を包み込んだ。
356名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 23:45:03 ID:B89gPX3I
え?続きは?!
357名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 00:18:37 ID:whenmLEU
355続き

斗貴子の暴走は止まる事無く続いた

斗貴子「こらぁ〜!やめろカズキ〜(嬉)」

ヌイグルミ「斗貴子さんのおっぱいプニプニしてる〜」

斗貴子「バカっ!くすぐったい・・あっ・・んぅ・・」

ヌイグルミの手を取り
自ら乳房に押し付けグリグリする斗貴子
顔は火照り
吐息は徐々に荒くなっていく

「んっ・・くぅ・・あっ・・ハァハァ・・」

股間へと手を伸ばす斗貴子
「あっ・・そこは・・やんっ!
だめぇっ・・」

濡れた蕾へ指を絡める斗貴子

「くぅ・・ん・・カジュキィ・・らめぇ・・
そんな・・ハァ・・ハァ・・
そんなに掻き回したら・・やっ・・だめぇっ!!」


絶頂に達した斗貴子
唇を深く噛み締め
爪先を痙攣させながら
ベッドから転げ落ちてしまった・・。
358名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 00:42:11 ID:whenmLEU
ヌイグルミを抱いたまま
転げ落ちた斗貴子
ハニカミながらヌイグルミを見つめる

斗貴子「ハハハ・・ほどほどにしなきゃ・・
いけないな・・」

口を無邪気に尖らせキスする斗貴子
相手はもちろんヌイグルミだ・・
しかし
斗貴子にとって、それはヌイグルミでは無い
カズキ以外、何者でもないのだ・・

斗貴子「すぅ・・すぅ・・う〜ん・・
カズキ〜むにゃむにゃ・・」

カズキを抱いたまま
床で眠る斗貴子
その寝顔はとても安らかで
幸せに満ちていた・・。
359名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 01:03:03 ID:whenmLEU
しかし彼女は気付いていない
数時間前から部屋の窓に反射している
銀色に輝く怪しい光を・・

「ブラボーだ・・戦士斗貴子・・
見事なデレっぷりだったぞ・・
プライベートに全解放されるデレのパワー・・
ブラボーだ!!」


糸冬
360名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 02:31:25 ID:CsBghbIA
ブラボーアイの悪用イクナイ(*´Д`)
361新しい恋1:2007/01/10(水) 12:47:26 ID:EIfcJTRx
カズキの部屋の扉が開いた。
「オイ武藤!幽遊白書が読みたいからから貸してくれないか?」
剛太がカズキの部屋に入って扉を閉める。
しかし部屋の中にカズキの姿はない。
仕方がないので剛太が部屋を出ようとすると、廊下の奥のほうからカズキの声が聞こえてきた。
「そうだ!押入れに隠れて武藤を驚かしてやろう!!」
そう思い立った剛太が押入れに潜んで少しすると部屋にカズキが入ってきた。
剛太がカズキを驚かそうと押入れの扉に手をかけた瞬間、続いて斗貴子も入ってくる。
剛太は斗貴子も入ってきたのに少し驚いて出そびれてしまった。
するとカズキと斗貴子は服を脱ぎ始めた。
「ま・・・まさか・・・。」
剛太の予想は当たっていた。
2人は剛太がいるのにも気がつかずSEXを始めた。
「斗・・・斗貴子先輩の裸・・・」
長いこと憧れていた女性の全裸、根来との戦闘でチラッとは見たもののモロは初めてだ。
カズキは自分のモノを斗貴子の中に挿入する。
「あぁあああカズキィィィィイイ!!」
そんな光景に思わず剛太のナニは勢いよく勃った。
「す・・・すげぇ・・・武藤の太いのが先輩の中に・・・先輩があんなに乱れるなんて・・・」
押入れから見ていた剛太は自分の股間に手が伸ばし、そしてそのまま上下に動かし始めた。
「カズキィ!!そろそろイキそうだ!!」
「俺もだ斗貴子さん!!いっしょにイこう!!」
カズキの白濁液が豪快に放出される。
だが実は同時にイッたのは2人ではなく3人だった。
「はぁ・・・はぁ・・・・先輩・・・・」
そう、押入れに潜んで自慰に励んでいた剛太だ。
自慰を終えて正常に戻ると人の行為を覗き見した挙句、自慰までしてしまった自分に嫌悪感が沸いてくる。
そして一気に空しく、悲しくなってきた。
「何やってんだ俺。斗貴子先輩の笑顔は武藤に託したはずだ。何て未練がましいんだ・・・。」
剛太に未だに気がついていないカズキと斗貴子は第2ラウンド開始。
最も気づかれていたらとっくに剛太は斗貴子の手でぶちまけられているだろうが・・・。
この様子だと2人が眠りにつくまで、まだまだ何時間もある。
「さて・・・どうやって気がつかれないように逃げるか・・・」
普通に押入れから出て脱出しようものなら前述の通りぶちまけられてしまう。
根来や千歳の武装錬金なら簡単に脱出できるだけに少しうらやましく感じてしまう。
「ん?これは?」
剛太がふと真上を見ると押入れの天井に天井裏へと通じる扉のようなものがあるのを発見した。
これはカズキの前にこの部屋を使用していた先輩が作ったものだ。
ブラボーが管理人に就任する前の先代管理人は門限などに厳しかった。
そのためこの扉を作った先輩は点呼終了後にここから脱出して夜な夜な夜遊びに出かけていた。
ちなみにこれの存在は先代管理人はもちろん、現管理人ブラボーや部屋の主のカズキも気がついていない。
「ここから脱出しよう。」
扉を開けて剛太は天井裏へと上がっていった。
362新しい恋2:2007/01/10(水) 12:47:56 ID:EIfcJTRx
ギシギシ足元をきしませながら剛太は天井裏を歩く。
「うわ!!蜘蛛の巣が顔に!!」
あの扉の製作者の先輩がここを使用していたのはカズキが入学する少し前まで。
あの頃は脱出ルートの部分だけは掃除をして綺麗になっていた。
しかしすでに2年近く経過して天井裏の脱出コースは荒れ放題になっていた。
脱出時の足場の目印にしていた蛍光テープはほこりを被って見えなくなっている。
ほこりだらけの上に蜘蛛の巣が一面に張り巡らされて非常に薄気味が悪い。
「2度とこんなところ通りたくないな・・・ってうわぁ!!」
その時突然剛太の足元が抜け、そのまま下の部屋に落下してしまった。
鈍い痛みで剛太は意識を失った。

「冷たい・・・」
頭の上の冷たい感覚で目を覚ました剛太。
頭の上に濡れたタオルが置かれているようだ。
おでこの部分がジンジンと痛む。
どうやら落下したときに頭をぶつけて失神していたようだ。
ぶつけた部分を濡れたタオルで冷やされて気持ちがいい。
ぼやーっとした視界の向こうに見えるのは青い髪の毛のおかっぱ頭の少女だ。
(斗貴子先輩・・・?俺また先輩に手当てされてんのかな?)
しだいに視界がはっきりしてくるとその少女は斗貴子ではないことに気がついた。
髪形が微妙に違うしメガネをかけている。
たしか寄宿舎に入る日にここまで案内してくれた1年生の女の子だ。
「あ、気が付きましたか?剛太先輩?」
「え〜っと君は確か1年生で武藤の妹の友達の・・・」
「若宮千里です。急に先輩が天井を破って落ちてくるからビックリしました。」
「えっ!?天井!?」
ビックリして千里の部屋の天井を見ると自分が突き破ってしまった大穴がドンと開いていた。
剛太はカズキの部屋から脱出途中に天井裏から足元を突き破って落下したのを思い出した。
その惨状たるや、かなり手間のかかる大修理なるのは一目瞭然だった。
「ごめん。事情は俺のほうからブラボーに説明するから。」
「それにしても何で天井裏から落ちてきたんですか?」
剛太は答えに詰まる。
まさか本当のことを言うわけにもいかないので不自然な答えになってしまう。
「あっと、その・・・俺の夜食のお魚を加えたドラ猫を追っかけてたらいつの間にか天井裏に・・・」
「アハハハ。何ですかそれ?結局猫には逃げられたんですか?」
「え?ああ。全部食べられちゃったな。」
あからさまに不自然な話だが、千里はそれ以上追求してこなかった。
実は千里がそれ以上を聞かないのにはわけがあった。
平生を装ってはいるが憧れていた剛太先輩と2人きりで緊張しているためだ。
(とりあえず笑ってみたけど何を話したらいいのかしら?)
363新しい恋3:2007/01/10(水) 12:48:28 ID:EIfcJTRx
「あの・・・えっと・・・突然ですけど好きな人いますか?」
「へ?好きな人?」
千里は思い切って以前から聞いてみたかったことを聞いてみた。
千里の唐突な質問に思わず呆気に取られる。
言うか言わぬか少し悩んだが肝心な部分はぼかして話してみることにした。
「いるよ。え〜っと前の学校の頃のバイト先の先輩って所かな。」
「そうなんですか・・・。」
やはり剛太に好きな人がいたことに少し千里はがっかりする。
「でもしばらく離れ離れになっている間に別の男と相思相愛になってた。しばらくはその男といがみ合ってたけど、
いろいろあってこの人を笑顔でいさせてあげることが出来るのは俺じゃないって気がついたんだ。それで俺は
その人から手を引いて、その男にその人の笑顔を託して俺は見守ることにした・・・。」
剛太が斗貴子とのことを語り終えると、突然千里が涙をこぼし始めた。
横に座っている女の子の突然の涙を見て、剛太は動転してしまう。
「ご・・・ごめん!!俺何かした?」
「だって・・・好きな人を他人に託して見守るなんてどんなに辛いだろう、切ないだろうと思うと・・・。」
「ありがとう。でも俺が望むのはその人の幸せなんだから。これでいいんだよ。」
「でもそれだったら剛太先輩の幸せは・・・。」
「俺はまた別の新しい幸せをゆっくりと探すことにするさ。」
「その剛太先輩の新しい幸せって・・・わ、私じゃ駄目ですか?」
突然の千里の告白に剛太は呆気に取られる。
自分に対する同情からの発言かとも思ったが、そうでないことは目を見ればすぐにわかった。
「私・・・初めて先輩が寄宿舎にやってきた晩からずっと憧れてたんです。」
「俺なんかのいったいどこに?」
「ほとんど一目惚れに近いんですけど、大人っぽくてどこか悲しげなところに・・・。」
この娘の言うことに嘘偽りなど何一つないことはわかっている。
しかしカズキに託したとはいえ自分の心の中にはまだ斗貴子が残っている。
斗貴子への思いを残したまま千里と付き合うのは申し訳なく感じられる。
「ごめん。3日間俺に考える時間をくれ。それまでに気持ちの整理をつけるから。」
「・・・・・・わかりました。」
ダメージも案外たいしたことはないので剛太は自分の部屋に戻ることにする。
「手当てしてくれてどうもありがとう。天井のことは俺がブラボーに話しておくから。じゃあおやすみ。」
「おやすみなさい。剛太先輩。」
剛太は千里の部屋の扉を閉めて去っていった。

1週間後
剛太と千里は手を繋いで仲良く寄宿舎の前を歩いている。
どうやらどこかへ出かける様子だ。
「今日どこへ行こうか?」
「そうね。剛太“さん”はどこへ行きたい?」
剛太は斗貴子と再会したあの晩以来ではないかと思うほどの笑顔をしている。
斗貴子の笑顔を戻したのはカズキだったが、剛太の笑顔を戻したのは千里だったのだ。
斗貴子とは失恋に終わった剛太だが、新しい恋を見つけることに成功した。
余談だがその頃岡倉はストロベリーカップル第2号の誕生を羨んで奇声を発していた。
364名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 17:01:22 ID:7u+Ksht1
ここはいつ来ても新作が読めていいですね
365名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 20:00:26 ID:rNPSxx+u
ストロベリィィィィィィィィィィィィッィィイィィィィィイィィ
366名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 22:09:07 ID:whenmLEU
ある日、
斗貴子がカズキの為に弁当を作ってきた

「カズキ…弁当を作ってきたぞ!」

斗貴子はニコニコしながら
ズイ!とカズキの前に
スーパーファミコン大の
弁当箱を突き出した。


「あ・・ありがとう」

カズキは突然の事態に
戸惑いを隠せない
顔は引きつり、変な汗をかきはじめた

斗貴子「よし!開けるぞ!じゃ〜〜ん!!」


妙なテンションの斗貴子
嬉しそうに弁当の蓋を開ける


カズキ「うぐぅ!!!!」

目の前には
地獄のような光景が広がっていた・・。
367名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 22:20:11 ID:whenmLEU
「ほら!あ〜んしろっ!!」


斗貴子は謎の物体をカズキに差し出す

「いや・・そ、その消し炭みたいなのは・・?」

斗貴子は怪訝な顔をした

「たまご焼きだ」

カズキ「じゃあ・・この散弾銃の薬莢みたいなのは?」

「タコさんウィンナーだ」

「このマグマの岩石は・・」


「・・ハンバーグだ・・バカヤロ〜!!」
368名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 01:33:23 ID:RkNJaETC
ちょwwwおまいら見たか?アニメの新EDが!!!

ところで今回の作画、とっきゅん安産型すぎじゃね?
369名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 02:20:25 ID:3D6/MMzS
とっきゅんはカズキと毎晩、骨盤体操をやり過ぎてああなりますた(*´Д`)ハァハァ
370腐女子斗貴子1:2007/01/11(木) 02:27:57 ID:zg6BMeBy
斗貴子はここ3週間ほどロッテリやに通ってパピヨンセットを注文している。
新しいパピヨンセットはキャラクターフィギュアが大幅に追加さえれている。
パピヨンA、パピヨンB、パピヨンC、偽善君、ブチマケ女、アロハ男、シスコン剣士、腹黒姫、
銀色コート、火男丁髷、コスプレ女、バロン神父、バタフライ、腹黒エンゼル、偽善君Vの15体だ。
フィギュアは箱を開けてみないと中身がわからない仕様になっている。
「ぐぁああ!!また銀色コートか!!偽善君が出ない!!」
3週間通っても偽善君が出ないのに苛立って斗貴子は絶叫した。
偽善君V(ヴィクター化カズキがモデル)は1発で当てたものの、通常の偽善君はいくら食べても当たらない。
そのくせ何故かブラボーを模した銀色コートはすでに8回も当たっている。
「戦士長に用はないんだ。欲しいのはカズキのみ。偽善君のみなんだ。」
斗貴子は不機嫌そうにブツブツつぶやきながらハンバーガーを口に運ぶ。
「よかったらこれ差し上げます。」
ふいに後ろから話しかけられたので振り返ると、いつもの店員さんが立っていた。
この時間で今日は上がりなのか私服に着替えている。
彼女が斗貴子に手渡したのは偽善君のフィギュアだ。
「どうもこれ目当てで毎日通っておられるようですから。」
「いいんですか?」
「あんまり当たらないんで見ていてかわいそうになったんで。それに私それ2個目ですから。」
「ありがとうございます。」
斗貴子は心の中で思わずガッツポーズを決める。
3週間通って合計1万円以上ハンバーガーにつぎ込んだかいがった。
「それにしても今回は一気にフィギュアの種類が増えましたね。」
「え!?ブチマケ女さん知らないんですか?蝶人パピヨンがアニメ化になるからですよ。」
「ブチマケ女って呼ばないでくれます?それはパピヨンが勝手に・・・ってアニメ化!!」
斗貴子は驚いて思わず座席から立ち上がる。
店員さんはカバンの中からアニメ情報誌を取り出した。
そこには「蝶人パピヨンTV東京系にて1月11日19:00スタート!!」と書かれていた。
1月11日といえば今日のことではないか。
舞台は秘密結社SEN-DANによる世界征服が進みつつある世界、ある貧弱な少年が先祖の勇者バタフライの残した
研究資料を元に蝶人パピヨンとして覚醒し、秘密結社SEN-DANに立ち向かう冒険物語。
主人公はパピヨン、味方は偽善君カズキン、ブチマケ女ツムリン、アロハ男ゴーチン、亡国の王子のシスコン剣士
シュウ、そしてSEN-DANの陰謀で氷塊に閉じ込められた腹黒姫ことオーカ姫の順に仲間になるようだ。
また氷塊に閉じ込められたオーカ姫の魂より生まれた腹黒エンゼルがナビゲーター兼マスコットとなる。
敵はボスのバロン神父ショーセイ、三銃士の銀色コートブラ坊、火男丁髷のヒワタン、コスプレ女のチトちゃん。
以上が店員さんの取り出した雑誌に書いてあった内容の抜粋だ。
内容的に再殺部隊に追われていた頃に似ていなくもない。
「ロッテリやのフィギュアがアキバ系に受けたようで漫画化、アニメ化と快進撃ですよ。」
全てのキャラクターが自分の知っている人物そっくりなので斗貴子は少し苦笑いをする。
しかしこの店員さんは中々アニメ通なようだ。
ロッテリやからの帰りに街を眺めているとたしかにアニメ蝶人パピヨンのポスターを時々見かける。
街の子供たちにいたってはパピヨンカードゲームやパピヨンフィギュアで遊ぶ子も結構多い。
「う〜ん。パピヨンがそんなに人気なんて世の中わからないな・・・。」
斗貴子は何とも不思議に感じてしまう。
371腐女子斗貴子2:2007/01/11(木) 02:28:28 ID:zg6BMeBy
夜19時、斗貴子がテレビをつけるとアニメ蝶人パピヨンが始まった。
OPテーマの『真っ赤な吐血』が終わり、CMを挟んだ後に本編が始まった。
何とパピヨンの声優は本物のパピヨン自ら担当しているようだ。
さらに第1話から登場した偽善君カズキン、ブチマケ女ツムリンともに声が本物にとてもそっくりだ。
第1話だけあってパピヨン中心に話が展開されるが偽善君はとても愛くるしく斗貴子には感じられた。
そして放送終了。
「本物のカズキもいいが偽善君カズキンも中々いいなぁ・・・・」
翌日斗貴子は5巻まで出ている週刊少年ジャンプで連載中の蝶人パピヨンのコミックスをまとめ買いした。
やはり偽善君カズキンかわいいようで顔を赤らめて何回も読み返す。
15回目の途中にふと時計を見るともう深夜23時だ。
風呂も食事もトイレも忘れて何回も読み返していたようだ。
さらに翌日偽善君の携帯ストラップをアニ○イトで大量購入する。
自室の鍵、携帯、カバンなどに取り付けて軽く悦に浸っている。
「カズキンかわいい・・・・・」
さらに翌日、またアニ○イトで偽善君のグッズを買いあさる。
偽善君フィギュア、サンライトハート携帯ストラップ、偽善君ハンカチ、偽善君ポスター・・・etc
どんどん部屋は偽善色に染まっていく。
その惨状たるや本物のカズキが少し呆れてしまうほどだ。
そしてその1ヵ月後のこと。
コンコンと斗貴子の部屋をノックする男がいた。
「斗貴子さん入るよ。」
斗貴子の部屋はさらに一段と偽善色になっている。
カズキが斗貴子の部屋に入ると斗貴子は机に向かって何かを必死に書いている。
どうやら必死すぎてカズキが入ってきたことにも気がついていないようだ。
よく見ると斗貴子の机の上にはインクや丸ペン、スクリーントーンなどが置いてある。
「何を書いてるの斗貴子さん?」
カズキは斗貴子が書いているものを覗き込むとそこには蝶人パピヨンの偽善君とブチマケ女の姿があった。
どうやら漫画のようなのだが、問題はその絵の内容だった。
なんと偽善君とブチマケ女が絡み合うエロシーンだったのである。
「うわぁ!!カズキいたのか!?びっくりさせるな!!」
斗貴子は今頃気がついたようでものすごく驚いている。
「斗貴子さんこれは・・・・?」
「ああ、アニメと漫画だけでは物足りなくなったから自分で書いてみた。今度コミケで出品しようかと・・・。」
何と言うかぶっちゃけた話、書いているものはエロ同人誌に他ならない。
カズキは斗貴子を見つめてつぶやく。
「あんまり言いたくはないんだけど・・・。」
「なんだカズキ?」
「斗貴子さん完全に腐女子になってるよ。」
「何だと!?」
どうやら斗貴子はこのとき初めて気がついたようだ。
なお次のコミケでは斗貴子の書いたエロ同人誌が馬鹿売れすることになるが、これはまた別の話。
372名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 07:49:35 ID:bVv6BwkV
戦士・斗貴子が腐女子・斗貴子に゚(゚´Д`゚)゜
373名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 09:53:13 ID:M2y2Yoga
ノーマルでも!BLでも!最後まで貫き通した萌えに(r
374名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 17:28:11 ID:QsnX2FDL
直書きしてる人同一人物だよな?
どこのスレでもそうだけど直書きは控えてほしい
途中で割り込んでしまったら作者も読者も気を悪くするし
纏めてからお願いしゃーす
375名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 20:58:39 ID:I2kiOg+D
>>368
年齢相応の色香って奴じゃないか。 
ベッドに座ってカズキと話してるときの腰ラインなんか正直生唾モノですよ、ええ。
376名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 01:03:48 ID:wHELfJx/
『真っ赤な吐血』

前奏略
吐血(お前と)

立ち止まる暇なんか無いさ
考える余裕なんか無いさ
ありったけの病を胸に、大量の薬を飲みまくる

あまりにも大きな医学の壁病魔の闇
絶対負けるもんか限界越えて(ゴパァ)

今は治らないコトばかりだけど
信じるこの道を進むだけさ
どんな敵でも味方でもかまわない
この血を吐き続ける真っ赤な吐血

いつまでもいつまでも吐き続けるんだ
どこまでもどこまでも治らぬ病を
どこまでもどこまでも煮えたぎる血潮を

吐血




ごめん、やりすぎた
377名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 04:38:34 ID:kFBanKHP
ワロタww

蝶人パピヨンのヒロインはヴィクトリアになるんだろうか
はじめは殺伐としてそうだな、主人公がヒロインの胸を貫くわけだから

378名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 09:56:48 ID:aL0aCR0r
いきなり深夜じゃなきゃできないストーリーじゃねえかw
379名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 16:56:05 ID:HJIzvl7P
え、ヒロインはカズキじゃないの?
380名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 11:26:33 ID:mJUGzY16
>>379
BL(・A・)イクナイ
381名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 11:57:09 ID:1NkT+fGK
>>380
ヒーローはTQNだから無問題。
382名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 14:23:34 ID:CpHxjOBs
>>381
それなら(*・∀・*)イイ
383名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 22:06:51 ID:6XpUFcT1
おまいら…w
384名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 22:59:21 ID:cHrSWf7t
ヒーロー:TQN
ヒロイン:カズキン
ライバル:パッピー
385名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 23:14:59 ID:2JOIfwMK
俺最近カズキが「かわいいかな」とか思ってきちゃったんだ。
何故かな・・・
386名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 00:00:42 ID:IoxHF50E
>>385
えなりかずきと小堺一機が今夜あなたの夢のなかにお邪魔します
387名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 11:11:17 ID:NcfYZ6lz
本人の性格がアレだから、気が付いていなさそうだが、
カズキは結構、学園の女子生徒に人気があるのではないかという気がする。
388名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 14:45:43 ID:Bo9OmdAs
「槍の人」のときのカズキを常時展開できれば結構モテそうだけどな
でも、ちーさーコンビが「同じ人だとは信じられない」「やっぱりまっぴーのお兄さんだ」と
呆れたように、普段がアレだから…w
389名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 15:00:47 ID:qG0a2JEp
>>388
>「槍の人」のときのカズキを常時展開できれば
いやそれはそれでなかなかに熱苦しい。
390名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 23:32:12 ID:21js3fOu
クラスのムードメーカー型でさわやかなキャラってのはなかなかモテる。
が、肝心のカズキが異性にほとんど興味なしから一気に苺ってしまったから、
他の女生徒が入り込む余裕がまるでなし、だろう。
391名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 23:54:04 ID:kP3mC5NA
手はかかるが素直で元気な息子にようやく春が来た
って親心っぽい目線で見られてるかも
392名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 05:50:28 ID:SBcGNcl2
…ということで、カズキに横恋慕する女生徒と、それにヤキモキするTQNという
シチュエーションで、だれかSSを一本書いてくれないかな(*´Д`)ハァハァ
393名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 02:25:27 ID:Fy4ZQhR/
メアリー・スーは反応が良くないから躊躇われるな
394名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 02:35:22 ID:Yg+i1nrJ
>>393
メアリスー関係ないやん
お前メアリスー言いたいだけちゃうかと
395名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 14:55:26 ID:w9hQ/gL0
>>376
ワロス、それはパピヨン版OPと解釈してFA?
396名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 16:07:20 ID:EuPsPO++
パピOPパピスレにもいくつかあったよなw
397名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 19:01:50 ID:mpmuk8sS
>392
「カズキ…その包みはなんだ?」
「あ、これなんか机に入ってたんだ。何かな?」
おりしもその日は2/14、女子の決戦日、バレンタインであった――

みたいな感じでいい?
398名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 19:56:15 ID:eUYcL4WJ
>>397
是非!!!!(byムーンフェイス・AA略)
399名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 20:04:53 ID:mUuYY0z2
>>397
蝶(・∀・)イイ!! (byパピヨン・AA略)
400名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 10:11:26 ID:iiHf08XP
>>397
ブラボー!(by ブラボー・AA略)
401名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 16:53:23 ID:KHYvnOd/
>>397
犯人は十中八九桜花だな
402名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 17:19:32 ID:VkgpBo6E
>>397
カズキとTQNのストロベリっぷりに嫉妬した岡倉の悪戯説を推す。
403名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 20:32:47 ID:9eMkP1Gm
「まひるちゃんは…その、なんだ、胸が、おっきぃ、な…。それに比べて私は…」
「え、そうかナ?でも大丈夫!お兄ちゃんは小さいのが好きだよ!」
「ほ、本当かカズキ!?」
「『無い』のと『小さい』のは違うけどね」
「うあーん!」(ザクザク)

元ネタ:まじスト
404名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 23:51:53 ID:KahppSCF
まひるって誰だよ
405名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 05:16:48 ID:3tSyBW0w
まひろのあだなTQN製
406名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 05:39:58 ID:/zsqPRsF
まひろの終止形or連体形
407名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 06:03:34 ID:4CDV29p3
ちょっとムラムラしてきたからまひってくるわ
408名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 08:49:29 ID:ByhJ1DrB
>>402
いやいや、ここはまったくの第三者って方がネタ的に面白い( ゚∀゚)
409名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 09:43:07 ID:TA/dBcM9
お前ら、投下待ちなら内容詮索は神が遠のくと思うのだが。

まひろ×ごーちんを一瞬考えたが公式でカプあるんだな
410名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 10:01:14 ID:AkrZqwuj
とても基本的な質問でごめんなさい。

SS投下の際、1レスにつき文字数とか改行の目安ってどれくらいなのでしょうか?
投下されている作品を参考にすると、だいたい30行+αくらいが良い区切りなのかな。
411名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 12:17:18 ID:CgoLmvIA
俺そんなコト全く考えずに投下してた…
412名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 18:53:34 ID:OcfRPI8A
この板では1レス60行までは書き込めるはずだから
自分の好きなところで区切ればいいと思うよ

それ以上はこっちで
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1168011083/l50
413名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 20:16:04 ID:xqpalX0j
>>412
どうもありがとう、参考になりました。
1レス60行…結構な長文をカバーできるんですねぇ。
投下職人さんの作品を参考にして、区切ってみようと想います。

皆さんのSS、楽しんで読ませてもらってます。
自分も書いてみたいな、って触発されまして、今書いてるものが
形になりましたら投下したいと思います。
414怖いんです P1/6:2007/01/21(日) 23:27:45 ID:iod7cFlQ
結構、耳にする話ですが(私も一回経験あり)。では6レス蝶戴!


銀成学園高等学校・寄宿舎。
三学期が始まって最初の日曜日。
今日も今日とて、穏やかで平和な時間が過ぎて
「カズキィィィッッ!!」
おや?あの声は
「どうしたの、斗貴子さん?」
「これは何だッ!!」
その声で部屋に戻ったオレの目の前に、斗貴子さんが突き出したのは一本の黒くて長い
「髪の毛?」
「…どこで見つけたと思う?」
「?」
「キミのベッドの上だ!
 どういうことだ、これは?!この長さは明らかにキミのでも私のでもないぞ!!
 なんでこんな物がここにあるんだ?!」
「ホントだ。誰のだろ?この部屋に入ってきたことのある髪の長い人…
 まひろ…は色が違うし、岡倉のはもっと油でテカテカしてるし…う〜ん?」
他に知り合いで長い髪の人といえば…蝶野はこんなに長くないし。
戦部さんや大戦士長、そしてヴィクターとヴィクトリアは来たこと自体ないし。後は…
それにしても斗貴子さん、怒ってるみたいだけど?部屋の掃除をちゃんとしろってこと?

「……じゃないのか?」
「えっ?」
「桜花の髪の毛じゃないのか?!」
ああ、そういえば桜花先輩も長い黒髪だっけ。うっかりしてた、さすが斗貴子さんだ。
でも
「何で?だって桜花先輩、この部屋には来たことないよ?もちろん寄宿舎には何度も
 来てるけどさ」
去年の期末考査の追試の勉強中に、お昼ご飯を差し入れに来てくれた。
クリスマスのときは秋水先輩も一緒になって、いつものメンバーでパーティを。
ちょっと羽目を外し過ぎたけど、楽しかったなぁ〜
いやあ、秋水先輩にあんな一面が
「それじゃ寄宿生の誰かだ!一年から三年まで、髪の長い子は沢山いるぞ!
 一体、キミのベッドの上で何をしていたんだッ?!」
何って……えっ?そういう意味?
驚いて斗貴子さんの顔を見つめると…その瞳に涙をいっぱい貯めていて。
そして、こぼれたから
415怖いんです P2/6:2007/01/21(日) 23:28:22 ID:iod7cFlQ
「…ごめん」
「それじゃ…」
「違うよ、そうじゃなくて。
 オレ、この部屋だろうと、どこだろうと斗貴子さん以外と、その…したことないです。
 したいとも思わないし。
 ただ斗貴子さんが不安になるようなことを…そんな顔をさせてしまうようなことを
 オレがしていたのかと思うと…ごめん」

沈黙。そして
「すまない…キミを疑うなんて。どうかしている…」
そんな表情を。
だから
思わず斗貴子さんを抱き寄せた。
「ごめん」
「キミの所為じゃ――」
「違うんだ、斗貴子さんの泣き顔、可愛いくてキレイだと思って…こんなときなのに」
「…キミに出会ってから、私は弱くなってしまった。それまでは泣いたことなど…」
「いいよ、弱くて。いつでも、いつまでもオレが支えるから。
 大丈夫。斗貴子さん、軽いから」
「…バカ」

視線を絡ませて、口唇を重ね
「ちょっと待て。それじゃこれは何だ?」
そんなの後でも、とも思ったけど。
「どれどれ」
斗貴子さんの持っている問題の物をじっくりと観察、ふむ?
「随分、細くて痩せてるね。
 桜花先輩の髪はもっと艶々し…って、痛い痛い、耳、千切れるから!」
「いつ、そんな詳細に観察したんだ、キミは?!」
「いやまあ、それは…でもなんか不健康な感じがするなぁ…幽霊のだったりして」
別に誤魔化そうとかじゃなくて、ふっと浮かんだ言葉だったのに。

斗貴子さんの表情は全部知っているつもりだったけど、間違いだった。
今まで見たことの無い表情。
「どうしたの、斗貴子さん?」
「い、い、今、なんて言った?」
「?不健康な感じ」
「その後だ!」
「えっと…幽霊の…」
「きゃあっ!」
可愛い悲鳴を上げると、手にした物を放り投げ、オレにしがみついてきた。
やだな昼間からなんて。
でも斗貴子さんが望むならオレ、何時でもOKだよ!って
…えっ?
416怖いんです P3/6:2007/01/21(日) 23:28:57 ID:iod7cFlQ
「ひょっとして斗貴子さん、幽霊とかお化けとか、苦手?」
震えながら無言で何度も頷くのみ。

……
嘘ォォッ〜?!
「だって斗貴子さん、ホムンクルスとか平気で、というより嬉々としてブチ撒けるのに…」
「ホ、ホムンクルスと違って、ゆ、ゆ、ゆ、幽霊は、じ、じ、じ、実体が無いから、
 ブ、ブ、ブ、ブチ撒けられないじゃないか〜!」
そりゃま、確かに。って感心してる場合じゃないな。
「大丈夫。オレがいるから」
斗貴子さんの震えを止められるんじゃないかと思って、強く抱き締めた。
「怖かったら、この部屋に来ないようにすればいいだけだから。
 オレが斗貴子さんの部屋に行くから、大丈夫。
 でも幽霊かあ…何か未練があるんだろうなあ。オレに出来ることなら――」
「駄目だ、そんなこと!!危険だ!キミに何かあったら、どうするんだ?!」
顔を上げたその瞳からは、また涙がこぼれていて。
オレのことを心配してくれている、泣くほど怖い筈なのに。こんなに震えているのに。
こんなことを思っちゃいけないんだろうけど、オレは幸せだ。
だから涙をキスで拭ってから。
そのまま斗貴子さんの口唇に

「痴話ゲンカからストロベリーへのコンボは止せとか、そもそも昼間からするなとか、
 せめて扉は閉めろとか、その他にも言いたいことは満開の桜並木のその花びらの数ほど
 あるが、とりあえず俺と話を出来る状況にしてくれるかな?」
六舛が声を掛けてくれたので、ベッドへ押し倒しのコンボを追加しないで済んだ。
ちょっと残念だったけど。
戸口に立つ六舛に向かって、オレと斗貴子さんは並んで床に正座する形になった。
…なんだか情けない。
「俺の部屋まで響くような大声で。幸い、殆どの生徒は外出しているから良かったが。
 四月になれば新一年生も入ってくるんだ。色々と程々にな」
「「面目次第も…」」
……待てよ?
そうだ!六舛なら何か対策を知っているかもしれない。
さっき斗貴子さんが放り出した問題の物を拾い上げて、オレは状況を説明した。
もちろん嬉々としてブチ撒ける部分と、斗貴子さんが可愛い部分は秘密だ。なぜな(ry

「という訳なんだけど、どう思う?」
「そうだな…」
じっくりと観察しながら、六舛は何か考え込んでいるようだった。やがて
「よし、二人とも俺について来てくれ」
そう言ってオレの手から問題の物を受け取ると、廊下に出た。
417怖いんです P4/6:2007/01/21(日) 23:29:29 ID:iod7cFlQ
たどり着いたのは管理人室。つまりキャプテンブラボーの部屋。
13のブラボー技に除霊とかあるんだろうか?
そんな疑問を口にする前に、六舛は扉を開けた。
…案の定、火渡もいた。やっぱり友達なんだな、この二人。
でも日曜とはいえ、昼間から酒盛りって?
だがそんなことに構わず、六舛は火渡に話しかけた。
「火渡先生、ライターを貸していただけませんか」
「あ〜?何に使う気だ?!未成年の喫煙は禁止だぞ、ゴルァ!!」
お前に言われたくないけどな。

「実はカクカクシカジカという状況で」
「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、幽霊〜?!な、な、何を馬鹿なことを!な、なあ防人」
箪笥の上から声がした。…火渡も苦手なんだ。
とても毒島さんには見せられない姿だ。
幸い今日は剛太やまひろ達と駅前まで買い物で不在。良かった、良かった。
「そ、そ、そ、そうだぞ、六舛。め、め、滅多なことを言うもんじゃない。
 じょ、女子の寄宿生だっているんだ。お、お、怯えたらどうする」
こっちは、ちゃぶ台の陰から。…ブラボーも?
まさか錬金戦団は全員、こんな調子?
「では拝借」
六舛はそんな様子に構わず、畳の上に転がっていたライターを手に取った。

火渡のことだから百円ライターだと思ってたけど、オイルライターだった。まだ新品みたい。
六舛はそのライターに点火すると、例の物を近づけて――燃やした。
「いいか、二人とも…それにそちらの御二方も。
 髪の毛は燃やすと独特の嫌な臭いがするのはご存知の通り。
 でもカズキの部屋にあったコイツからは、この通り、そんな臭いはしない。
 つまりコレは髪の毛じゃなくて、唯の繊維、つまり糸クズに過ぎない。材質は不明だけど。
 次にコレの出処について。
 長さから考えて、クリーニング店から返却された服に被せてあるようなビニール製の袋に
 付着していたと考えるのが妥当かと。
 今の時期、静電気による付着は多いからな」
おお、それなら思い当たることがある。
去年、月から戻ってまもなく、戦団から『補償として』学生服を数着、貰った。
ただそれだけの数の学生服が全部新品だと、他人の注意を引く可能性があり、拙いとかで。
そこでビニール袋を被せ、クリーニング店から戻って来たように見せ掛けることになった。
新学期、その内の一着を着ていったから、それから落ちた糸クズだろう。
うん、これで一件落着!
「ブラボーな考察だ、六舛!さすがだな」
「ふん、クールでキレる奴だな。その頭脳、ちと妬けるぜ」
ブラボーも火渡も、さっきまでの姿はどこへやら、何故かポーズを決めている。
久し振りにあの合言葉を思い出した。
――背中に人生を。
418怖いんです P5/6:2007/01/21(日) 23:30:05 ID:iod7cFlQ
管理人室を後に、部屋へ戻る途中。
「ありがとう、六舛。お陰で助かったよ」
「本当にありがとう。私も…これで安心だ」
「なに、割と良く聞く怪談さ…カズキだけなら放っておいても良かったんだが、斗貴子氏が
 随分、怯えていたようだったからな」
途中からはオレだけに聞こえる声で。
だからオレも斗貴子さんに聞こえないように訊いた。
「でも、もし臭いがしてたら?」
「髪の毛だってビニールのカバーに付くことはある。それだけのこと。
 要は納得出来る、と思える答えがあれば良いんだ」
「う〜ん」
「まだ納得出来ないか?それなら――あの部屋に何らかの因縁があったとして。
 今まで二年近くの間、何事も無かったのに、なんで今更ということになる。
 次に最近の出来事が原因で起きたとしても、だ。
 長い髪を置いていくやり方からして、相手は女性。
 けど、お前が女性の恨みを買うようなことをする筈がない。
 まぁ、気が付かないでスルーはあったかもしれないが。でもその程度で怪奇現象のレベル
 まで恨まれるとは考えにくい。だからこの可能性も無しだ。
 従って呪われる原因は存在しないことになる。
 となれば、だ。あれが糸クズであれ、毛髪であれ、単なるゴミだ。気にするな」
うん、これで安心。
ところで、気が付かないでスルーって?

六舛と別れ、オレの部屋に戻った。
いつものミネラルウォーターを冷蔵庫から取り出して渡す。
「折角の日曜日だというのに、彼にはすっかり迷惑をかけてしまったな」
「うん、そのうち昼飯でもご馳走しておくよ」
「なら私も」
「いいって。元はといえばオレの部屋に落ちてたんだから。
 でも怖がってる斗貴子さん、可愛い!」
「言うな!誰にだって苦手なものはある…しかしキミは全然恐れていないようだな?
 そういうものを信じてない、という訳でもなさそうなのに」
「ん〜、怖くない訳じゃないけど。
 この世に未練があって、あの世にいけないのは可哀想だなって。
 だからさっきも言ったけど、オレに出来ることで未練が無くなるなら手伝ってあげたい。
 そう思ってるだけだよ」
ベッドに腰掛けた斗貴子さんは呆れたような顔をした。これは見慣れた表情。
「全く、キミってコは…いや、キミはいつもそうだったな。
 だから私はキミと今、こうしていられるんだ」
「あっ、でも一緒に死んでくれ、は御免だよ。――斗貴子さん以外はね」
「…バカ」
オレが二番目に好きな表情になってくれた。
一番好きなのは、もちろん笑顔。
419怖いんです P6/6:2007/01/21(日) 23:30:42 ID:iod7cFlQ
オレも青汁のパックを持って、隣に座った。
「でもブラボー達、髪の毛と糸クズの区別がつかなかったなんて。
 錬金の戦士、それも戦士長が二人揃って、そんな事でいいのかな?」
「まあ、そう言うな。私が毛髪と判断を誤ったから、それに引き摺られたのだろう」
手にしたミネラルウォーターのペットボトルから一口飲むと言った。
「そして私の場合は、その、なんだ…心が乱れて冷静さを欠いた為だ」
「えっ?それって、つまり…ヤキモチ?」
「悪いか?!…いや悪いな。キミを信じているのに…すまない。
 でも私だって女だ、嫉妬くらいする…駄目、かな?」
「ううん。なんかうれしい!って言うか、斗貴子さん、可愛い!!」
「こ、こら!可愛いとか――」
全部は喋らせない。抱きついて、さっきの続き。――扉はOK!ちゃんと閉めてある。
『ゴメンね。フフフ…』
「?なにか言った?」
「ンっ…キミの口唇で塞がれていたのに喋れる訳、無いだろう。どうした?」
「気のせいかな…うん、なんでもないよ」
だからもう一度、塞いだ。

夕方、まひろ達と剛太が戻って来た。
「お帰り〜!荷物持ち、ご苦労様!!」
「よっ、まひろちゃん達はもう部屋に戻っちゃったぞ。
 それにしても、荷物の量自体は大したこと無かったけど。
 女の子は買い物に時間掛けるんだなぁ。ほとんどベンチで荷物番だ」
「え〜、一緒に見て回れば良かったのに」
「…そりゃ先輩とだったらな」
「なんか言ったか?」
「いや、なんでもない、なんでもないっと…
 まぁ、今日は特に用事も無かったし、街の雰囲気も知ることが出来た。
 それに若宮さんが話し相手になってくれたから退屈はしなかったし。
 でも彼女、買い物したのかな?ずっと俺と話をしていたような…」
ふと、剛太と毒島さんが転入してきた日のちーちんの様子を思い出した。
あ〜まひろ達、わざとだな…
でも剛太、お前
「…鈍すぎだろ、それ」
「なんか言ったか?」
「いや、なんでもない。そうそう、実は今日な、カクカクシカジカで」
「!"#$%&'(><)!!」
「お〜い、最後まで話を聞けよ〜」

どうやら錬金戦団はブチ撒けられないものが苦手のようです。

―おしまい―
420名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 03:51:30 ID:bXdjPNy5
意外な弱点だなw
GJ!
421名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 09:52:45 ID:0y1WGx9i
乙です。六枡はホントに何者なんだろうw
怪談のセオリーを踏襲した落ちもいいね
422名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 14:36:08 ID:6Z2JvZOq
斗貴子さん連れてお化け屋敷に入ったら、ずっとしがみついて離れないのかな(*´Д`)ハァハァ
・・・いや、お化け屋敷のお化けは「実体」があるから、錯乱した斗貴子さんがバルスカ発動させて、
大変なことになるか(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
423名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 17:03:01 ID:4/yFfj3m
それで「なんだブチ撒けられるじゃないか」と幽霊が怖くなくなるわけですね
424名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 19:00:20 ID:fPb1jtd0
死んだり生き返ったり、果ては人間やめたり月に行ったりと、
超常現象が学ラン着て歩いてるようなカズキなら、幽霊とかあんま怖く無いかもなw
でもそんな彼も斗貴子さんには弱いのだ。
425名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 22:07:21 ID:Paf/1wmi
お化け屋敷のセットをブチ撒けたりしたら、いくら弁償させられるのだろうか。
幽霊が怖くなくなる代償としては、あまりに大きすぎる気が( ゚∀゚)
426名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 00:13:44 ID:v1E9NrRc
でもなあ、たまに本物のいるお化け屋敷もあるというし…
そういうときに限って、本物に当たる可能性が…
427名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 00:15:58 ID:fjk5ApRB
>>426は怖がった斗貴子さんにブチ撒けられました
428名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 07:52:49 ID:K3ugPf06
つーか、最近はホログラフや映像トリックによる実体のないお化けもいるんじゃないのか?
いや、ここ数十年お化け屋敷に入ったことないから、よう知らんけど。
429名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 20:52:04 ID:65ERd+Yj
お化け屋敷をブチ撒けろ!
430不治の病とナース:2007/01/23(火) 20:56:57 ID:HgHv8O73
錬金初心者です。書いてみました。えろなしです。
ベタで下手ですがお許しを。
431不治の病とナース:2007/01/23(火) 20:58:00 ID:HgHv8O73
「お母さん見て!お母さんの好きな花が咲いてるよ!」
「おにいタンー」
その服装から育ちの良さがはっきりわかる幼い男の子は花に向かって駆け出した。
それに続きいたって普通の服装をした男の子が彼を追った。
「はい、お母さんの好きなすみれの花だよ。お母さんにプレゼント!」
「ありがとう、攻爵さんは優しい子ね。大切にいつまでも取っておけるよう押し花にするわね」
上品な笑顔で息子からの花を受け取ると嬉しそうに母は言った。
「あっちにも咲いてるから一緒に行こう次郎!」

「わあっ痛っ!」
「大丈夫!?攻爵さん!」
弟に気を取られ転んだ攻爵の膝に優しくハンカチを当てた。
「家に帰ったら消毒して傷を手当てしないといけないわね」

黒塗りの高級車が止まり、険しい表情の威圧的な男が現れた。
「こんな所で何をしている!フランス語の会話の授業があるのを忘れたのか!」
「先生のご都合で今日はお休みという連絡を頂いたので、子供達を外で遊ばせようと」
「馬鹿者!休めばそれだけ遅れを取る。代理の教師を手配する機転も利かんのか。
しかも蝶野の家督を継ぐ攻爵にケガをさせるとは何事だ!母親失格だ!」

言い終わらないうちに父親は母を平手打ちした。
(やめてお父さん!お母さんにひどい事しないで!)
しかし余りの威圧感と恐怖感で子供達は心の中で叫ぶのが精一杯だった。
「坊ちゃま、車にお乗り下さい」
攻爵と父親を乗せた車が黒服の男の運転で動き出した。
「おかあタン…」
「お兄ちゃんは大事なお勉強があるのよ。次郎さんはおうちでお母さんと遊びましょうね」
次郎の手を握り締め、母は去り行く車を見送った。
しかしその目の焦点が微妙に定まっていない事など気付く者は誰もいなかった。

車中の攻爵は隣の父親を気にしつつそっと後ろを振り返った。母が心配だった。
そして視界の遠くに母にしっかりと手を繋がれた次郎の姿を見た瞬間、
何とも言えない濁った感情が攻爵に芽生えた事に気付く者も誰もいなかった。
432不治の病とナース:2007/01/23(火) 20:58:48 ID:HgHv8O73
―――わぁ、こんなキレイな場所があったなんて〜!みんな〜こっち〜!

遠くから聞こえた突然の声で眠りから醒めた蝶野。
春の柔らかな日差しの中、大樹にもたれひとり読書をしていたが
いつの間にかうたた寝をしていたのだった。
(何だか昔の嫌な夢を見たようだが……ま、どうでもいいか…)
読みかけの本を閉じて去ろうとした時

「あれ?パピヨンさんだ!お兄ちゃん、パピヨンさんだよ!久しぶり〜パピヨンさ〜ん」
手を振りながらこちらに少女が走ってくる。
「……お前は…武藤の妹」
「そう。まひろだよ。今日はみんなでピクニックに来たの。
見晴らしのいい綺麗な丘があるってブラボーさんに言われて初めて来てみたんだよー。
あ、パピヨンさんも一緒にどうかなぁ?お弁当いっぱい作ってきたからみんなで食べようよ!」

坂道を登ってきた他の連中も蝶野の存在に気付き、遠くから笑顔で手を振っている。
「武藤たちは今年3年だろう。受験勉強そっちのけで行楽とは余裕じゃないか」
「そうなんだけどね、なにせお兄ちゃん受験勉強の達人だから連日の特訓なの(受ける方)。
だから今日だけって事で息抜きに来たんだよ。パピヨンさんも一緒に来てくれたらお兄ちゃん喜ぶよ!」

だが蝶野は先程見た夢の影響か、談笑も飲食もする気にはなれなかった。
「武藤に伝えておけ。お前のアタマでは息抜きも程ほどにな、と」
そう答えると蝶野はさっと羽根を広げ飛び去って行った。
「おーい蝶野ー!お前も一緒に来いよー!せっかく平和な世の中になったんだぞー!」
カズキが呼びかけたが蝶野は返事もなく空に消えて行った。
「…パピヨンさん、何だか違った感じがした…」
「ああ、最近姿を見せなかったけどな。まさか病気が悪化したとかじゃなきゃいいが…」
433不治の病とナース:2007/01/23(火) 20:59:33 ID:HgHv8O73
街角で注目を浴びた一時期と違い、体の調子がおかしいのは確かだった。
薄暗くなった空をふらりと飛んでいた彼は、見覚えのある景色の上を飛んでいた。
遠くの方に解体中らしき建物と重機の類が見て取れた。
凄惨な事件の起きた実家の屋敷は取り壊し作業の途中となっていた。
おそらく遺産や金目の物は蝶野の親戚どもが我先に持ち去ったのだろうが、
それ以外はガラクタとしてまとめて廃棄されるという事か。ゴミ同然に。

無残に瓦礫となった屋敷跡に蝶野は降りたった。
土にまみれた小さな紙片がちらりと彼の目に留まったのは偶然の事だった。
そして彼はここに来た事を少し後悔した。
「栞…?」
色あせていたが栞にはすみれの押し花が貼られていた。
「まさかあの時の……でも何故…」

銀成学園に入学する前であったろうか、
母親は彼が4歳のとき精神と身体を患い実家に帰されたと父親から聞かされていた。
目的も果たせない役立たずだった、と。帰された半年後に母は亡くなり、
蝶野の家にあった母の持ち物はすべて処分されたはずだった。それこそゴミ同然に。
栞の裏には手書きの文字でかすかに「攻」の字が読み取れた。


       −攻爵さんからの大切な贈りもの−


父さんも次郎も殺ったのを知らずに済んだのは、幸いだったのかもしれない。
蝶野は黒色火薬を使い栞に火を付けた。灰になったそれを見届けると空に舞い上がり
振り返ることなく薄暗い夜空に消えて行った。
「さようなら、母さん」
434不治の病とナース:2007/01/23(火) 21:00:13 ID:HgHv8O73
「さっきからそこで何をしているんだ。俺に用があるなら声をかけたらどうだい」
本のページをめくりながら顔を上げずに蝶野は言った。
「あははっ、ばれちゃった。そーっと近づいて驚かそうと思ったのにー」
と、木立ちの陰からひょこっとまひろは出てきた。
「バレバレだ。こんな静かな場所で気付かれずに人を驚かそうとするのがそもそも不可能だな」
「今日みたいに天気のいい日はまたパピヨンさんここに来るかなって思ったから、
時々ここに来てみてたんだ。やっと会えたから嬉しくてつい悪戯したくなっちゃったの。ゴメンなさい」

前にこの丘でまひろ達と会ってから2ヶ月以上経っている。
大樹にもたれかかり本で半分隠れた顔を視線だけまひろに移し尋ねた。
「何の用だ?」
「この前会った時にね、パピヨンさん調子が悪そうな気がしたの。お兄ちゃんも心配してたよ。
でね、元気になるようにと思って持ってきたんだ。私もお兄ちゃんもこれ飲んで元気一杯!
フルーツ牛乳よりずっと栄養あるんだから。」

ちょっと待てフルーツ牛乳はあれは風呂上りに飲むからこそ格別にうまいのであって何も俺は
大好物という訳でないというかフルーツ牛乳と比較するな、と心の中で突っ込んでいる間にも
まひろが勝手にストローをさしていく緑色の飲み物。
2つ同時に開封するという事は2人で一緒に飲もうという事であろう。普通の場合。
しかしこの娘の場合そうではないと蝶野は悟った。
一途な性格は武藤と同じだが、無茶なところはある意味上を行くのではなかろうかと思った。

「そんな物で体が良くなるなら幾らでも飲むがね。医者もさじを投げた病だ。
いつ何の前触れもなく苦しみが襲うかわからない。武藤から聞いているだろう」
立ち上がり飛び立とうとした蝶野だが突然の吐血と全身の痛みで倒れこんだ。
「…ぐっ…」
435不治の病とナース:2007/01/23(火) 21:00:55 ID:HgHv8O73
「ぐはぁっ…!」
「大丈夫!?私迷惑だった!?ごめんなさい!どうしよう!」
「…いつもの事だ…どうしようもない…無駄な事だ…」
苦痛に耐える蝶野の手をまひろは握りしめた。
徐々に蝶野が落ち着きを取り戻し表情が和らいだ頃、まひろがそっと語り掛けた。
「…あのね、本当はこれを渡したかったの。パピヨンさんって読書好きだよね」
上部に蝶結びのリボンが結ばれた栞。しかし驚いたのは貼られている押し花だった。
「お兄ちゃん達にもね、受験のお守りがわりに私が作ったの。勉強がはかどるようにって。
みんなそれぞれ違うお花にしたんだけど、パピヨンさんにはこれが一番似合うと思って。
気に入ってもらえると嬉しいんだけど…」

(…あの栞と同じ花)

「これからはナースまひろがパピヨンさんの看病するから絶対元気になってね。
私は看護の達人なのよ!治るまで一生かかっても私が看病するから」
「不老不死の俺に何を言いだす。お前の方が先に死ぬぞ」
「そんなの嫌なの!私、お兄ちゃんと斗貴子さんが話してるのを聞いちゃったんだ。
パピヨンさんが人間に戻れるかも知れないって。病気を治す研究もしてるって。
お兄ちゃんあまり多くは話してくれないけど、まひろはパピヨンさんの看病がしたいの!
パピヨンさんが大好きなの!…だから、だから…一緒にいてもいい…?」

目を潤ませ訴える少女の言う事を言葉通り単純に受け取る蝶野ではなかったが
もしこれを聞いたら武藤はどう思うだろう。
ブチ撒け女はどんな顔をするだろうか。
全身の痛みは無理に体を動かせるほど回復してはいなかった。
「…少し休む。看病する気があるなら好きにすればいい」
「うん、私ついててあげる!何があってもずっと守ってあげるから」
まひろはにっこりと笑いうなずいた。

初夏の陽気の木漏れ日の下でゆるやかな暖かい風が吹いていた。
やや暫くしてゆっくり木にもたれかかる気配と静かな寝息が聞こえてきたのを察した蝶野。
(まったく…兄妹そろって偽善者にも程があるな。看病する方が先に寝入ってどうするんだ。
まあ、どうでもいいがな…)
握られたまひろの手が彼から離れる事はなかった。
そして木の根元に横たわった蝶野ももう一方に栞を手にしたまま穏やかな眠りに落ちていった。

                      −END−
436名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 21:36:27 ID:BywZItzm
GJ!!
蝶野母も原作では出てこなかったよね。どんな人だったんだろう。
まっぴーとパピの交流も良いな。エロス無しでも面白かったよ。
437名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 21:57:43 ID:1tcezQ0I
まっぴーとパピヨンか、面白いところに目をつけたな。グッジョブ
438名無しさん@ピンキー:2007/01/24(水) 03:12:47 ID:B62MZ5Tn
パピヨンとまひろは前々から読んでみたかった
GGGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!
439名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 21:10:33 ID:fA/7oPU7
公式カプを教えてください
440名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 21:14:51 ID:DilE7nyM
カズトキは作品全体のテーマ。

で、実はきちんと「つきあってる」と明言されてる男女カップルは他に存在しない。
衛くんと千歳ちゃんは「におわせてる」程度でしかなく、ごーたくんのアレは将来予想図のひとつにすぎない。
441名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 21:21:25 ID:Ul/1yJkf
早坂さんとこもフツーの姉弟に戻ることで解決したし
ヴィクター夫妻も死別END、花房が惚れた描写があるが未来予想図だわな
442名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 21:25:08 ID:XVJ+dvHQ
オレが疑問なのは、果たして早坂姉弟の間に性的な関係があったのかどうかだ。
あの2人のメンタリティは、姉弟としては相当ヤバい領域にある。
443名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 22:34:10 ID:jyXTXlc1
そこらへんは個々人で補完していけばいいじゃないか
性的な関係があったとしたら俺は姉が攻めてる姿しか思い浮かばないが、
意外にカズトキみたいな感じなのかもしれん
444名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 23:11:08 ID:F+hdxI7v
結婚式ごっこは姉弟の意識に深い影響を与えていそうだよね
445名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 01:09:17 ID:8iNikRQp
早坂姉弟はまあ特殊仕様だとしても、カズキとまひろも仲が良くて微笑ましい。
あの年頃、しかも年子であれだけ仲が良いのも珍しい。
446名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 02:01:27 ID:WUQiJUEi
海外勤めの親の影響なのか、スキンシップは多い兄妹かも
連載最終回のときにまひろが飛びついてきた時カズキも手をひろげて迎えようと
してたし。(まひろは斗貴子さんに飛びついたわけだがw)
447名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 15:44:54 ID:Ut+KsMgv
火毒が挙がってないことにショックだorz
ブラ千歳と同じく『におわせてる』程度だけどさ
448名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 15:57:26 ID:BP6uvXJ4
火渡はドラマCDで株が落ちた
449名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 16:10:44 ID:LE8sBRYC
ドラマCD2での火渡はツンデレっぷりが凄かったなw
450名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 10:57:52 ID:j9u65bqR
ブラ坊のビンビンチンコを突っ込まれてギシアンされて毎晩泣いてよがってる千歳さん
13のブラボー性技、48のブラボー体位で千歳さんを快感で失禁するまで攻めまくるブラボー

そしてブラボーのまねをして斗貴子さんにブチ撒けられるカズキ。
451名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 11:48:45 ID:/Vv4GDtC
千歳さんとブラボーって、夜の主導権はどちらなんだろう
452名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 11:58:41 ID:57UOVYDQ
普通にブラボーじゃないのか。


千歳さんに組み敷かれたり、上に乗られてハァハァヒィヒィ言っているブラボーも面白そうだが。
453名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 21:46:15 ID:10GG6unW
自分のミスで大勢の犠牲者を出したことに対する後悔から感情をあらわにするのに臆病になっている……が千歳さん設定だから、
当然ながら夜の攻勢をとるのは無理だろう。 自分から「好き」なんて到底言えるもんじゃない。
もはやブラ棒でなんとかしてやるしか彼女の心の穴を埋めてやる方法もなく……
454名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 22:44:23 ID:HfgshxxH
事件の生き残りの少女だった斗貴子さんがカズキと出会って幸せになれたのを見て
ブラボーと千歳さんも心の霧が晴れて7年前で止まってた時間をゆっくりと
取り戻していくんじゃないかな、ってな事を思ったり。
455名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 22:58:13 ID:mnTfWBhU
ネタじゃなく千歳さんが語られてるのに涙腺がゆるんだ
456名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 00:44:15 ID:vgRv836k
あの歳でセーラー服
457名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 00:47:24 ID:zoyNg/PT
千歳さんってけっこう童顔な気がするけどね。
現役女子高生の斗貴子さんと並べてみると、劣化具合がよく分かるかもw
458名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 09:02:03 ID:cwWQhYR8
>>454
衛くんも//時点から「止まってる」人なので、再び歩みだす覚悟を決めたときには
必ず千歳さんにもそばにいて欲しいと願うだろう、アレはそーいう奴だ。
ついでにブラ棒も//時点で反応してたしな。 ED後で「日常に帰っていく」のはカズキととっこさんだけじゃないってことだ。
火渡? 彼は立ち止まった先で勝手に幸せになる方法見つけましたから無問題。

>>457
よほどスキンケアに気をつけてないと、頬のお肌の色つやは「一目で判る」レベルの差に……
459名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 11:10:44 ID:GDp3abBi
しかし技とかテクとかは千歳さんくらいの歳のほうが熟練してるだろうな

入院中の防人君もずいぶん助けられました。
460名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 14:22:46 ID:AOSX39Wi
防人はあっちの方も強そうだしね。
入院中ずっと我慢してたとはとても思えん(*´Д`)ハァハァ
461名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 20:48:19 ID:Y8Ff2Ehx
エロスは…ほどほどにね、防人君
462名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 20:51:03 ID:B4LOZCik
>>453からまじめに話してると思ったら
>>459からあっちの話になったな、
言い忘れたけど生まれて初めての書き込みだ、
463名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 00:48:55 ID:4qlzZDXQ
入院中はどうやってたのかな。
怪我を考えるとそうは動けないし、千歳さんを上に乗せるのも辛いか。
・・・と言うと、やっぱり手と口メインなのかな。あとは千歳さんが顔の上に跨ったりとか。
464名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 01:18:10 ID:v6CpZf6h
>>463
病室のドアの鍵を掛け忘れ、巡回にきた眼鏡ナースさんに
ハッスルの最中を目撃されて恥をかくブラボーと千歳さん
465名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 03:13:08 ID:LjlpPdpY
病院でブラボーに付き添ってた千歳さん、斗貴子さんばりのミニスカ穿いていたね。
あれはやっぱり、着衣エチーがしやす(ry
466名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 13:45:57 ID:NQuclZaK
「歳を考えろ」と思わず言ってしまって千歳さんにヘルメスドライブでボコボコにされるブラボー
467名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 15:04:49 ID:A6G54wTz
ヘルメスドライブってボコボコに出来るような機能があったっけ・・・って、
まさかあれでブラボーをぶん殴るのか( ゚д゚)ポカーン
狂気もとい凶器(・A・)イクナイ!!
468名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 15:19:16 ID:vE3ReBMT
ヘルメスドライブは、ブラボーと良い雰囲気になった瞬間に
一気に2人きりになれる場所へワープできるという千歳さんの闘争本能を
具現化した様な武器だな
469秋水とまひろ1:2007/01/30(火) 15:21:09 ID:ouE7GAc6
秋水は自分達の住むマンションのリビングでこたつに入ってゴロゴロしていた。
すでに卒業試験も終わって学校は週1回程度の登校となっている上、剣道部はすでに2年生に託して3年は引退、
姉の桜花のように進学もしないので勉強をする必要もないし、春からの武者修行の準備もとっくに整っている。
剣の稽古をしようにも竹刀は昨日の夜の稽古中に誤って壊してしまい、手元には1本もない。
新品を買いに行きたいところだが、あいにく今日は行きつけのスポーツ用品店は定休日だ。
今まで特に趣味と言うものもなく、テレビもお昼過ぎではワイドショーばかりで面白い番組がない。
しかも姉の桜花は大学入学に備えて勉強をしに図書館に行っていて不在ときて秋水は今日1日暇だった。
「暇だ・・・。何か趣味でもあればな・・・。盆栽とか面白そうだな。」
既に時間は15時を回ってしまい、このままではボーっとしたままゴロゴロと1日が終わってしまう。
暇つぶしに散歩にでも出かけようかと思ったとき玄関の呼び鈴が鳴った。
秋水はこたつから出て玄関に行き、扉を開けた。
「こんにちは秋水先輩。桜花先輩いますか?」
訪問者はまひろで、どうやら桜花にいつものように勉強を教えてもらいに来たようだ。
「姉さんなら図書館に行っているよ。せっかく来たんだし、よかったら代わりに俺が勉強を見ようか?」
「え?いいんですか?」
「ああ、今日は恐ろしいくらい暇をしていたから。」
「ありがとうございます。それじゃおじゃまします。」
まひろは秋水に案内されてこたつに入ると教科書と参考書、ノートを広げた。
教科は数学Tで教科書の四隅にはパラパラ漫画を描いて消した跡と、よだれのついた跡があった。
この教科書だけ見てもまひろの授業中は大体想像できてしまう。
恐らく難しくて授業について行けず、落書きをしたり居眠りをしたりしているのだろう。
実際勉強を始めてみると、これが予想以上に教えるのに苦労する。
説明した内容をまひろが中々理解してくれず、理解しても応用力がないので少し難度が上がると教えなおしになる。
それでも1〜2時間もすると、どうにかこうにか1人で問題を解けるようになった。
「さてと・・・俺はちょっとトイレに行ってくるから、その間1人で問題集の78頁をやってみて。」
秋水が席を立ってトイレに入ると同時に、まひろは床に転がっていた六角形の金属の塊を見つけた。
「何これ?そういえば斗貴子さんも同じものを持っていたのを見たことがあるけど・・・」
それは桜花が隠し持っている核鉄で、普段は武装錬金エンゼル御前として発動している。
しかしゴゼンは昨日の夜にブラボーが寄宿舎の管理人室に置いているお酒を勝手に飲み、酔って寄宿舎で大暴れ
したので、桜花によって罰として武装解除されて今日から1週間ほど核鉄状態で謹慎処分となっていた。
まひろがきょとんとした顔で核鉄を触ったり叩いたりしていると、まひろの前方にカサカサ動く黒い影が見えた。
「きゃぁあ!!ゴキブリー!!何か殺すものは!?殺虫剤!?新聞紙!?きゃー!!こっちこないで!!」
その時、まひろのゴキブリに対する闘争本能がMAXに達し、手にしていた核鉄が突撃槍に形を変えた。
形はカズキの初代サンライトハートを少し小さくして若干デザインを変えたような形で、飾り布は付いていない。
ゴキブリの出現に完全に動転しているまひろは、思わずその突撃槍をゴキブリめがけて一気に突き刺す。
しかしゴキブリはすばやくこれを回避して、羽根を広げてまひろに向かってすばやく飛んでくる。
「いやー!!気持ち悪い!!飛ばないで!!嫌!!いやぁあああ!!」
パニックに陥ったまひろはガムシャラに突撃槍をぶんぶんと振り回す。
まひろが振り回した突撃槍はゴキブリを力強く弾き落した。
そこをすかさず突撃槍で叩き潰し、追い討ちをかけるように武装錬金の特製を発動。
まひろの武装錬金の特製は突撃槍の刃の部分に数百度の高熱を宿すことらしい。
ゴキブリの死骸はジューっという音とともに無残に焼けていった。
まひろは‘強敵’を倒し終えると、武装錬金で力を使い果たしてそのまま気を失ってしまった。
470秋水とまひろ2:2007/01/30(火) 15:21:43 ID:ouE7GAc6
トイレから出た秋水は唖然とした。
まひろの悲鳴と大きな音がしたのでゴキブリでも出て騒いでいるのだと思っていたのに、部屋はすさまじい惨状だ。
部屋の壁や天井、床には無数の傷が走り、こたつは真っ二つ、蛍光灯は粉々になっていた。
さらには床には焼け焦げた大穴がいくつか開いており、そのすぐ横でまひろが気絶していた。
その手にはサンライトハートに良く似た突撃槍の武装錬金が握られている。
銀成学園高校でトップクラスの頭脳を誇る秋水だが、さすがにこの状況には頭も対応しきれない。
その時、まひろの握っていた武装錬金が解除され、70番の核鉄に戻った。
「そうか・・・。姉さんの核鉄を見つけていじくっていたら、何かの拍子に錬金発動してしまったということか・・・。」
とりあえず一応の結論を頭の中に弾き出すと、とりあえず気絶しているまひろを抱えあげて桜花の寝室に運んだ。
桜花のベッドにまひろを寝かせると、秋水は静かに部屋を出て行った。

まひろが目を覚ましたのは5時間ほど経過して既に日も沈みきった20時30分過ぎだった。
「う〜ん・・・。あれ?私なんで桜花先輩のベッドに?あれ?」
まひろはカズキと斗貴子が出会った巳田の事件の時同様に、気を失って記憶が曖昧になっているようだ。
その時桜花の部屋の扉が開いて秋水が入ってきた。
手にはお盆を持っており、お盆の上には美味しそうな匂いを漂わせている鍋があった。
秋水はまひろのいるベッドの横に座ると、まひろの額に手を置いた。
「よかった。気がついたようだね。うん。熱はないようだし少し休めば大丈夫かな。」
突然秋水に額を触られたまひろは顔が少し赤くなった。
「まだ体が少し弱っているようだからお粥を作ってみたんだけど食べるかい?」
秋水が鍋の蓋を開けると中には美味しそうなお粥が入っていた。
「うわ〜美味しそう!!でも秋水先輩?なんだか普通のお粥と違うような・・・。」
「これはカーシャって言うソバの実を使ったロシアのお粥なんだ。」
「へ〜。ご飯の代わりにソバの実を使ったお粥なんて変わってますね。」
「子供の頃にムーンフェ・・・もとい、近所に住んでいたロシア人のニコラエフさんに教えてもらったんだ。」
まひろはスプーンでカーシャをゆっくりと口元に運んで、少しフーフーして口に入れた。
「あ!!美味しいです秋水先輩!!お料理上手なんですね。」
「姉さんと二人暮らしで、調理の当番も交代していたから必然的に料理は上手くなったかな。」
まひろは家庭科の調理実習で黒焦げの物体と化した自分が焼いた魚を思い出して、秋水の料理に改めて感心した。
思っていたよりもまひろはずっと元気だったようで、あっという間にカーシャを平らげてしまった。
「プハー!!ご馳走様でした。」
「元気そうだけど一応もう少しゆっくり休んだほうがいいかもなぁ。しばらく横になっているといいよ。」
「ありがとうございます。あの・・・ところで秋水先輩?」
まひろは顔を赤くしてもじもじしながら秋水に質問した。
「あの、今好きな人や付き合っている人はいますか?」
突然の質問に秋水は呆気に取られて目を丸くした。
そして少し恥ずかしそうに照れ笑いをした。
「・・・。好きな人は半年前まではいたよ。多分笑われると思うんだけどね。」
「笑われる?何でですか?」
「俺が半年ちょっと前まで好きだった人は早坂桜花・・・つまり俺の姉さん。」
「お・・・桜花先輩ですか!?姉弟なのに・・・」
武藤兄弟は普通の同世代の兄妹に比べるとかなり仲が良いが、それでもこの答えには驚かされてしまった。
471秋水とまひろ3:2007/01/30(火) 15:22:18 ID:ouE7GAc6
「厳密には好きだったのとは少し違うかな。幼い頃の事情が原因で、俺達姉弟は2人だけ閉ざされて生きてきた。
 この世界の俺達以外などどうでもいい。むしろ2人だけの世界を共に生きて生きたいと願っていた。」
秋水は昔を思い出しながら語る。
実は誘拐犯だった母と呼んでいた女性のこと、自分達を拒絶した本当の両親のこと、あの月の下でのバタフライと
ムーンフェイスとの出会い、LEXでの生活、日々脱落して消えていく信奉者仲間、武藤カズキとの出会い。
「でも、半年とちょっと前って言うと、もう私たちと知り合った後ですよね?」
「そう。だって俺達姉弟を2人ぼっちの孤独な世界から解き放ってくれたのは君のお兄さんだからね。」
「お兄ちゃんが!?」
「ああ、君のお兄さんには本当に感謝しているよ。」
まひろは秋水と桜花に出合った頃を思い出していた。
そういわれてみるとあの頃の2人は時々凍りついたように、ものすごく冷たい目をすることが度々あった。
しかし2人が交通事故にあって入院した後に再会すると、そんな目をすることは全くなくなっていた。
きっとそのころ、銀成学園集団昏倒事件の前後に兄が2人を孤独な世界から救い出したのだろうと思った。
「話を戻そうか。今は好きな人はいないよ。」
「そうですか。じゃあ安心して言うことができます。」
「安心して?いったい何の話?」
最近まで2人だけの世界を生きてきた秋水には、顔を赤くしながらこんな質問をするまひろの意図が読めなかった。
普通はカズキクラスの鈍い男でもこのくらいは気が付きそうなところだが・・・。
「あの・・・実は私・・・秋水先輩のことが好きなんです。」
「え?え?え!?君が?俺に!?」
今度は秋水のほうが顔を赤くして少しパニックに陥る。
斗貴子とまひろが初めて出会った日の「お兄ちゃんにカノジョー!」の時のカズキの反応に似ている。
しかしまさか秋水がこんなに動揺するとは思わなかったのでまひろも少し驚いてしまう。
秋水は以前カズキと闘う少し前に他の女の子に混じってまひろもキャーキャー言っていたのを思い出した。
「初めて会った日に、あの面を外した時の爽やかな顔が格好良いなって・・・。」
まひろが言うには度々桜花に勉強を教えてもらいに来ていたのは秋水に会いたかったからと言うのが本音らしい。
たしかに勉強なら20分も歩いてここに来るくらいなら、寄宿舎で斗貴子に習ったほうが効率がいい。
度々まひろがここまで訪れていたのには少し不思議に思っていたが、やっと疑問が解けた気がした。
ついでに先ほどの勉強中の異常なほどのまひろのもの覚えの悪さにも合点が行った。
自分と2人きりで勉強と言うシュチュエーションに照れてしまい、勉強が手につかなかったのだろう。
「えーっと・・・・」
秋水はどう答えていいのか言葉に詰まる。
「ごめんなさい。急にこんなこと言われて迷惑ですよね?」
言葉に詰まる秋水を見てまひろは思わず謝ってしまう。
秋水はしばらく黙り込んで考えているようだったが、しばらくして口を開いた。
「正直俺は今まで君に対して恋愛感情を抱いたことはない。」
「はい・・・・」
まひろはシュンとしてうつむいてしまう。
「今君と付き合っても俺は君を傷つけてしまうかもしれない。だからしばらく考えさせて欲しい。」
すでに失恋モードに入っていたまひろは、思いも寄らない方向へ進んだ話に驚いて顔を上げる。
「20日後、卒業式の日までには結論を出すよ。」
「は・・・はい!!」
472秋水とまひろ4:2007/01/30(火) 15:22:55 ID:ouE7GAc6
すでに夜22時過ぎ、秋水とまひろは銀成市内を寄宿舎に向けて歩いていた。
夜道を女の子1人で歩かせるのは物騒なので寄宿舎までまひろを送ってあげている最中だ。
「見て見て秋水先輩!ほら、満月ですよ!」
「満月か・・・・。」
満月の夜は秋水にとって特別だった。
満月の下、バタフライとムーンフェイスとの出会いでLXEの信奉者になった。
満月の下、カズキによって姉弟二人の孤独な呪縛から解き放たれた。
今まで人生を2度も大きく変えた満月、もしかしたら今夜の満月も自分の人生を変えるのかもしれない。
満月の下、自分を好きだと言ってくれた女性と2人きりの散歩・・・・。
歩くこと20分、2人は寄宿舎に到着した。
「まひろー!!遅かったから心配したんだぞ!!どこ行ってたんだ!?」
まひろを心配して寄宿舎の玄関から駆け寄ってきたのは兄のカズキだった。
後から斗貴子と千里、沙織が付いてくる。
「まひろちゃん、カズキは心配して街中探し回ってたんだぞ。」
「まひろ、遅くなるなら連絡を・・・って秋水先輩?」
「まっぴーと秋水先輩が2人きりで遅くまで・・・・てことは!?キャー!!2人は熱々ストロベリー!?」
何だか色々な意味で大騒ぎになって困惑する秋水とまひろ。
「武藤先輩と津村先輩、ちーちんと剛太先輩に続いて3組目ストロベリー誕生!!」
「うぉおおお!!秋水先輩!!妹をよろしくお願いします!!」
沙織とカズキは勝手にヒートアップして暴走し始めた。
「いや〜。今日のところは2人でベッドお話した程度なんだけどね。」
「え〜ベッド?ってことはまっぴーも大人の階段登っちゃったの!?お子様は私だけ!?」
「思い出すなぁ。俺と斗貴子さんの初めての夜・・・。そうか・・・まひろも・・・。」
まひろは今はまだそういう関係じゃないと言うつもりだったのだが、全くの誤解を招いた。
「初めて会ったころはシスコン男だと思ってけど、桜花の呪縛を離れて大人の男に成長したようだな。」
斗貴子すら誤解して秋水の肩をポンと叩きながらこんなことを言い出す始末だ。
「いや、俺達はそういうわけでは・・・」
「照れることないんですよ。私と剛太先輩や武藤先輩と津村先輩のように男性と女性の愛は自然の摂理です。」
「何はともあれまっぴーおめでとう!!」
「よし!!ブラボーや岡倉達も呼んで今日はお祝いのパーティーだ!!妹のお祝いだから俺のおごりだ!!」
「あの・・・そうじゃなくて・・・。俺と彼女はたしかにベッドで話はしたけど・・・。」
「まあまあ秋水先輩、まひろとの話は中でゆっくりと聞かせて。」
誤解も解けぬまま、秋水はカズキに腕をつかまれて半ば無理やり寄宿舎の中に吸い込まれていった。

翌朝午前7時に秋水はやっと開放されてマンションに戻ってきた。
「ただいま。」
「あらあら秋水君?このお部屋の惨状はどういうことかしら?」
「派手にやらかしたな秋水。どうやったらこんなに部屋をグチャグチャにできるんだ?」
武装錬金エンゼル御前を発動してリビングに仁王立ちした桜花。
その額には青筋を浮かべて、どす黒い怒りのオーラを放出している。
桜花の後には昨日まひろによって破壊された大惨事の部屋が広がっていた。
「姉さん・・・いや、これはその・・・。」
「何をしたのか知らないけど、怒られると思って逃げ出して朝帰りって所かしら?」
「ごめんなさい・・・でもこれは・・・・。」
「問答無用!!お仕置きよ!!ゴゼン様射って!!」
「オウ承知!!悪りぃな秋水!!」
「ご・・・ゴゼン・・・ちょ・・・やめ・・・ぎゃぁああああ!!」
早坂家のマンションからは、これから半日ほど秋水の悲痛な悲鳴が響き続けたという。
473名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 16:08:58 ID:a4ePxHSN
GJ!…てか


秋水死亡
474名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 16:25:03 ID:+B6tnnEk
ブラボー!
まっぴーは誰とカップリングしても似合いそうだと思ってたけど、
秋水との組合せも中々よろし
475名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 16:45:08 ID:ZA+cljjq
秋水ワラタ
彼のストイックな部分はシリアス時よりもコメディパートで輝きを増すなw
476名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 17:42:34 ID:A6G54wTz
秋水普段はクールでカコ(・∀・)イイのに、桜花姉さんには
何時まで経っても頭が上がらないのな。
でも、実際秋水に彼女が出来たら、桜花怖いだろうな(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
477名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 18:44:39 ID:44qge++o
TQNもまで勘違いしてるのが意外
それにしてもカズキはドサクサに紛れて何言ってるのやらw
478名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 18:58:49 ID:Z6+uPngK
まっぴー武錬発動でフイタ。この発想は無かったわ・・・w
479名無しさん@ピンキー:2007/01/30(火) 20:14:26 ID:lGe8cVd5
>「照れることないんですよ。私と剛太先輩や武藤先輩と津村先輩のように男性と女性の愛は自然の摂理です。」

ちょw ちーちんまで何かいってるしw

なんでだろう。秋水が普通に青春してるのを見て目から変な汁が。
アニメといい永遠の扉といい最近優遇されてるなぁ。良かったなぁ秋水。
480名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 00:56:23 ID:RBjKJI47
どうしたの秋水
人気なのwwwwwww
481名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 05:54:48 ID:F5EPE0Bk
GJ!!!!ちょっと秋水カワイソ??

実は以前に秋水とまっぴーは考えた事があったんだが、序に浮かんだのが桜花とパピだった!

って事は、カズキの義理姉に桜花、義理兄にパピ!! 秋水が義理兄か弟かは良いとしてもパピの義理妹にTQNってのも強烈か?

とんでもない家系になりそうだ・・・
482名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 14:57:49 ID:efqWlk+X
ネタが被っちゃったんでどうしようかと思いましたが、状況も違うし、
何よりアニメの出番増加記念ということで、どうかひとつ。
483早坂家の食卓 1/3:2007/01/31(水) 14:58:22 ID:efqWlk+X
夕食。
俺と姉さんだけの、早坂家二人だけの食卓。
とはいえ、それもあとわずかだ。
三月の卒業式が済み次第、姉さん独りを残して、俺は剣術修行に出る。
でも心配は無い。この街には友達がいる。姉さんも寂しくはないだろう。
「…でね、津村さんが…」
今日あった出来事を話す。――以前はこんなことは無かった。
会話の無い二人だけの食事。二人だけの世界で殊更、話をすることなど無かった。
「…そしたらカズキ君が…」
全ては武藤カズキ、彼のお陰だ。俺と姉さんは彼に生命、いや魂を救われた。
だから俺達姉弟は彼の為なら、なんでも――
「…秋水クン、聞いているかしら?」
「あ、ご免、姉さん。ちょっと考え事をしていて…」
と、姉さんの表情が微妙に変わった。俺だけに判る変化…何か企んでいる表情だ。
「アラアラアラ、もう修行のことで頭が一杯?それとも…」
「別に姉さんを独りにするのが心配、という訳じゃないさ。
 それに俺が姉さんと別れ別れになることを寂しがっている訳でも無い」
そう言って味噌汁の椀に手を伸ばす。こういうときは先手を取るに限る。
だが流石は姉さん。一枚、上手だった。
「違いますよ。気になる女の子がいたら、この街を離れるのは心配ですよね?」

あやうく味噌汁を吹くところだった。
「ね、姉さん?何を急に?そんな娘、いないことは姉さんが一番――」
「どうかしら?部活でもギャラリーの女の子は相変わらずの人数。いいえ、前より多いくらい」
「あれは武藤目当てだ」
俺の相手になるのが武藤だけということもあり、無理を言って今でも週に何日か練習に
付き合って貰っている。
元々クラスの人気者であった所為か、女子生徒の受けも良かったそうだ。
だからもっと早い時期に彼女が出来なかったのが傍目には不思議なくらいだったと、
これは部の後輩の話。
思うに、武藤自身はその辺の感覚が鈍かったか、あるいは友人達と遊ぶほうが楽しくて
気付かなかったのだろう。
どちらであったにせよ、既に津村がいる以上、もはや彼女達がどれだけ頑張ろうと無意味
なのだが。

しかし姉さんのことだ。これでこの話が終わるとは到底、思えない。
けれど俺は、この手の話がどうも苦手だ。幸い、茶碗の飯も残り少ない。
ならば、とっとと食事を終了させて席を立つに限る!
そこで手近の漬物を箸で掴むと、一気に茶碗を掻っ込み――
「あら、まひろちゃんは?……って秋水クン?!お茶、お茶!いえ水、水!!」
484早坂家の食卓 2/3:2007/01/31(水) 14:58:54 ID:efqWlk+X
そこはお花畑だった。一面に色とりどりの花が咲いている。
そして目の前には
「母さん?!」
「秋クン。大きくなったわね、うれしいわ。――でもね。
 ここにはまだ来ちゃダメよ!」
そう言って蹴り飛ばされた。
見事なキックだ。母さんはサッカー経験者だったのだろうか。
…気がつくと、コップの水を飲み干した俺がいた。

「姉さん!彼女に失礼だろう!!」
ようやく話せるようになって、俺は言った。
「確かにまひろちゃんは性格も素直だし、容姿も素晴らしいと思う。
 正直、付き合っている相手がいないのが不思議なくらいだ。
 全く、回りの男共は何をやっているんだか。
 まあ武藤に似て少し天然気味な気もするが、男からすれば却って魅力のひとつだ」
「それは、まあ…」
「大体、俺と付き合ったところで面白くもなんともないぞ。
 流行の話題に疎いから、話も弾まない。
 それに彼女が俺の為に服装や化粧に気合を入れてくれても、気が付かないで
 がっかりさせることは目に見えている!
 誕生日や記念日にだって、気の利いた贈り物なんて選べない。
 いやそもそも誕生日さえ、気が付くかどうか」
「秋水クン?」
「それに俺は剣で生きていくことに決めたんだ。
 正直、自分一人だってまともに喰っていけるかどうか判らない。
 そんな生活を彼女にまで強いることは、とても出来ない!」
「あの…もしもし?」
「そりゃあ彼女なら笑って我慢してくれるかもしれないが、そんなことはさせられない!
 あの笑顔を曇らせたり、傷付けたりするような真似は絶対にNOだ!
 誰であれ、そんなことは許さん!!
 いや、なにより武藤の大事な妹をそんな目に合わせる訳にはいかん!!」
…あれ?何喋ってんだ、俺?
485早坂家の食卓 3/3:2007/01/31(水) 14:59:24 ID:efqWlk+X
「あらあらあらあら、そこまで期待してなかったんだけど…」
呆気にとられていた姉さんも、やがて微笑みを浮かべて言った。
「でも、お金のことなら心配しなくて良いのよ。
 親切な方がいらしてね。
 戦団に没収される筈のDr.バタフライの財産の一部を私達名義にして下さったの。
 今、住んでいるこのおウチ以外にも、ね。
 派手なことをしなければ二人、いえ三人、充分に暮らしていける金額よ。
 それに私だって、いずれは…」
「ね、姉さん、それは」
「そうね、親切な方には感謝しないと。
 生憎、お名前は判らないから『銀のコートの人』とお呼びしましょうか」
「そうじゃなくて」
「それに秋水クンとまひろちゃんが一緒になれば、私もカズキ君と親戚、いえ義理の妹。
 カズキ君から『桜花』って呼び捨てにして貰えるのね、きゃッ!」
「いや、武藤のことだから『桜花先輩』のままだと思う」
「…確かにその可能性は高いわね。
 まあ、洩れなくあの人も付いてきますけど、却って好都合。
 永い永〜い人生に張り合える相手は欠かせない、でしょ?」
「いや、だから」
「良くってよ。
 秋水クンがそこまで思いを募らせているのなら、私も出来る限りの協力をしましょう。
 たった一人の可愛い弟の為ですもの。
 大丈夫!デートのときの話題だって、プレゼントだって、私がきっちり監修してあげるから
 安心なさい」
「ちょっと、姉さん?」
「そうそう、大事なことを忘れるところだったわ。
 まひろちゃんって、もうププッピドゥだから!
 ほら、秋水クンの部屋に隠してあった『Hでキレイなお姉さん 零式』の人達が貧弱に
 見えるくらい」
「いやあれは部活中、後輩がさぼって眺めていたのを取り上げて…って、いつ見たの?!」
「ほら、部活の帰り、皆で銭湯にいったとき。
 く・ら・べ・た・の…って、秋水クン?!えっ、鼻血?!ティッシュ、ティッシュ!!」

〜オワリ〜
486名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 15:05:53 ID:RBjKJI47
秋水死亡…しかし、その表情は安らかであったと言う

GJJJJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
487名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 15:26:53 ID:UZvzY5bn
秋水wwwwwwwwww

こういうのが一番キャラが輝くなGJ!!
488名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 16:02:19 ID:6IVF+vvG
秋水はもはやSS職人のおもちゃだな( ゚∀゚)
489名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 05:29:30 ID:wbbmaX54
GJJJ!!!  零式に吹いた!
490名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 11:16:52 ID:YP4CIs9C
秋水「これでどうだ!?お前はエッチできれいなお姉さんも使えず、視界もさえぎられた!!
   今のお前は目隠しされたダルマ同然!!これでもまだ部活をサボることが出来るか!!」
部員「・・・・・・」
秋水「!?」
ブシャァ!!ブタボタボタボタ!!(秋水の鼻血の出る音)
秋水「な・・・んだ?今のは・・・エッチできれいなお姉さん?」
部員「・・・エッチできれいなお姉さんはエロスを昇華させた本、当然用途によっていくつかの型分けがある。
   通常の“壱式”、貧乳好みの“弐式”、あらゆるアブノーマルを網羅した“参式”、そして今のが奥の手、
   選りすぐりの巨乳をかき集めた“零式”、いずれ岡倉先輩と決着をつけるときのためのとっておきだ。
   光栄に思え!!」


零式なんていうから、こんなやり取りを想像してしまった・・・・orz
491名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:41:00 ID:0cxcaAl7
>>490って、るろ剣の斉藤一?
492名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 01:57:57 ID:UL3+unUe
斉藤と宇水の対決場面だっけ。
493名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 01:01:25 ID:ehQXfjEo
斗貴子さんに「いっぺんブチ撒けてみるか?」って凄まれたい
494名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 05:07:41 ID:1hLveYHS
>>493
そのまま斗貴子さんのGスポットをギンギンに勃起したペニスで擦り続ければじきに甘い声で
いろいろ懇願してくるよ
495名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 12:18:49 ID:FgfvoRWx
「やめろ!」「やめてって…」「やめて、ください…」
の三段活用ですか?
496名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 01:01:02 ID:GkeunkHM
「入れてもいいんだぞ」「そろそろ入れてくれ」「お願いだから入れてええぇぇぇ!」
カズキ焦らしの3段活用。
497名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 03:06:39 ID:+DTrZh73
「入れてもいいんだぞ」「どうした、いれないのか?」「お願いだから入れてええぇぇぇ!」
こっちの方が(・∀・)イイ!!
498名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 13:51:19 ID:sb5NdA4f
「入れてくれ」(しっとり)
「早く…入れて…」(ヌレヌレ)
「お願いだから入れてええぇぇぇ!」(もうビチョビチョ)

「しょうがないな、斗貴子さんは」
ジュボッ!

グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ

「あ、あん…カズキっ、ああ〜〜ん、かんじるっ、かんじちゃゃうぅぅっ!ああああぁぁっああ〜〜〜〜〜〜んっああ〜〜〜〜〜〜ん
あっ、あっっ、あっっっ、あっっっっ、あっ…ああぁ〜〜ん…!」

グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ

「……って、あ、あ、ああっ…カズキ…////」

グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ
グッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュグッチュ

「で、で、でちゃうううぅぅぅっ!!!!」


…………プシャァッ!
499名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 17:40:27 ID:gkW9/B0c
ブチ撒けるわけですなw
500名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 22:35:06 ID:E1qEv93l
照星さんに言葉責めされる千歳さんとか見てみたい。
501名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:15:59 ID:2wlp75no
和月曰く「カズキは斗貴子に弱い」そうだから
カズキが焦らしプレイをしようとしても、
斗貴子さんに潤んだ目で「…ま、まだ入れないのか?」とか囁かれちゃったら
即行で挿入して斗貴子さんと一緒にヨロコんでそうだけどなww

まぁあの斗貴子さんにそんな台詞言わせた時点でかなり焦らしてる気もするが…
502名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:18:06 ID:d0PigHB2
ファイナルの冒頭シーンみてて思ったが、カズキって「その気にさせる」のが上手い気がする。
なんだあの恥ずかしい台詞は。あの斗貴子さんが蕩けた眼差しで「バカ…」とか言ってつま先立ちだぞ。

ちくしょー、俺もまっぴーに「バカ…」とか言わせたい
斉藤一だと「阿呆が…」だろうか
503名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:42:09 ID:MhFv3G0U
俺は桜花姉さんから優しく問い詰められたいです(*´Д`)ハァハァ
504名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:50:48 ID:d0PigHB2
>>503
桜花さんはあえて無言のままジーッと見つめてくる印象がある
ちょっと悪戯っぽく笑みを浮かべて
505名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 06:34:37 ID:J36UKTlS
>>502
最後吹いた
似てるけどぜんぜん違うwww
506名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 14:02:09 ID:5Fx2jqgH
斗貴子さんはカズキキッスの虜なんだな
507名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 14:03:21 ID:M0E0QmL5
斗貴子さんはカズキ○○スの虜なんだな
508名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 14:12:25 ID:5Fx2jqgH
カズキは斗貴子さんをヨロコばせる達人だからな
509名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 15:51:59 ID:M0E0QmL5
でもカズキのペ○スを見たら他の女性も虜になってしまいそうだな
気が済むまで何度でもイキたい女性には核鉄人間のタフさは魅力的だろうし
510名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 16:24:29 ID:MvbbP8Sa
>>509
斗貴子さんの名器を味わってなお、
カズキのナニが斗貴子さん以外の女に反応するとでも?
511名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 17:05:59 ID:V4LYBkAa
カズキは斗貴子さんじゃないとハッスルしないのだ
512名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 13:51:34 ID:1IyH2wvO
もうすぐバレンタインだな…いいSSのネタが
513名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 00:03:47 ID:SabwuV9K
今週のアニメを見て秋水×華花もありかもとか思ってしまったオレがいる
514名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 01:31:11 ID:jUZhPdKT
アニメあと七話で完結なんだよな
この間始まったと思ったらもう終盤かぁ
515名無しさん@ピンキー
>513
それでいっぽんたのむ