( ∴)攻殻機動隊でエロ 3rd GIG(∴ )

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1名無しさん@ピンキー
(∴)ノさんっはい!
しょうさのほうまんな〜ばすとあんどひっぷ♪
ヽ(∴)人(∴)人(∴)人(∴)人(∴)人(∴)ノ

前スレ
h( ∴)攻殻機動隊でエロ2nd GIG(∴ )
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1136378961/
2名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 15:12:18 ID:M2o1NfQj
過去スレ
【草薙】攻殻機動隊のエロ【素子】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1089470674/
3名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 15:16:11 ID:M2o1NfQj
>>1の前スレのスレタイ、不必要な文字が入ってしまいました
どうもすみません

正しくは「( ∴)攻殻機動隊でエロ2nd GIG(∴ )」です
4名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 15:34:08 ID:Y5LgUMkJ
少佐と茅葺総理がエロツートップだな。
5名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 17:45:34 ID:eSuWk4D4
トグサ嫁も忘れてはいけない
人妻ハァハァ
6名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 18:38:11 ID:nj4FGEd+
出島のサイボーグ婦警も・・・
7名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 19:49:43 ID:Y100+giT
バトーの駅弁プレイが読みたい。
8名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 13:07:45 ID:7hCymAad
過去スレのアオ素エロかった。話としても面白かった。ナイス
9名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 18:06:35 ID:RwzOoruN
総理が義理の息子(※)と倒錯変態らぶらぶプレイするのキボン
※旦那の連れ子(脳内設定)

つか熟女が性に狂うのならなんでもいい
10名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 18:19:13 ID:WlKapc6M
>>9
それ良いな。できればあのスーツのままで…
11名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 20:16:26 ID:5s8p0VyF
>9-10
んで、その義理の息子と言うのが電脳硬化症を患っていて、
色々あって今は『紙の』書籍を扱う図書館の司書をしていて、
声優がやまちゃんで……

【何でもはよくない】
12名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 18:17:15 ID:sez0l7kP
>>11
ベビ゙ールースktkr
13名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 19:28:50 ID:ihVcSo23
少佐がトグサを犯す小説があったよな。あれの続きが読みたい。
むしろ、少佐×男キャラが読みたい。少佐ハァハァ
14名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 20:03:53 ID:4HvKgJDv
童貞とバカにされるボーマを見かねた少佐が優しくセクロス指導してくれるssが読みたい
15名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 21:01:54 ID:rCbMS5ug
総理が見たい
16名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 21:43:04 ID:9tMZkYOs
総理の相手が誰でもいいなら脳内妄想垂れ流せるが・・・
そういうわけにもいかんよね、やっぱり
17名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 23:07:26 ID:7fR+tGni
最近ここを見始めたんだが、過去のものも含めまとめサイトが欲しいな
18名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 23:30:19 ID:GUvmmwEj
とりあえず過去ログ見たい方で●持ちの方以外はこちらからどうぞ

【草薙】攻殻機動隊のエロ【素子】
ttp://makimo.to/2ch/bbspink-sakura03_eroparo/1089/1089470674.html
( ∴)攻殻機動隊でエロ2nd GIG(∴ )
ttp://makimo.to/cgi-bin/dat2html/dat2html.cgi?sakura03/b/eroparo/1136378961/
19名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 02:10:36 ID:DsB7U8sj
此処迄の荒筋!

少佐の尻に視線誘導技術
20名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 02:37:03 ID:IhL2RN3y
笑い男マークのかわりに少佐の尻を表示させるアオイ。
顔を隠さなくてもみんな少佐の尻に視線誘導。
21名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 08:41:26 ID:Apy/FT7d
とりあえず・・・我々から誘導されときますか・・・。

http://moe2.homelinux.net/src/200610/20061027113049.jpg
22名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 08:46:23 ID:Apy/FT7d
23名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 04:10:06 ID:gxq+trOc
>>20
乳でも代用可。
24名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 11:02:52 ID:FzQSIUdQ
逆バージョンならあるんだが・・・・。

http://moemoemoe.jp/moe3/src/1163469724983.jpg
25名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 23:21:49 ID:UKa6DkNu
>>1乙〜-
26名無しさん@ピンキー:2006/11/15(水) 22:06:48 ID:wj4HiRFv
少佐が9課のメンバーやアオイの手によってよがり狂う様を見たい

左手の義体のリハビリを兼ねてサイトーにレクチャーするも
誘っちまった結果サイトーにイカされる少佐とか。
27名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 20:52:44 ID:moyZC9Po
イシカワのSSが読みたい。
28名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 21:11:22 ID:1vU4cpYR
義体ってsexできんの?ハラマセラレンノ?
29名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 23:28:31 ID:ObSNhABv
ファイヤ
30名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 00:20:12 ID:GRCIx5vd
>28
セクロスは出来るけど孕ませられんよ

バトーさんが潜入任務時に持ってた偽造身分証の
写真がせつなく感じる・・・
31名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 03:03:39 ID:syZ6HxfJ
>>30
絶対に訪れない普通の幸せの形、って感じだったな。
32名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 17:35:13 ID:6wxKS7nC
>>31
の発言が切なすぎてにちょっと泣きそうになった
33名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 00:47:10 ID:Wog2Bjwr
>>30
素子が嫁みたいな感じの写真あったよね(自信ないけど)?それのこと?
・・・(´・ω・`)
34名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 00:58:08 ID:6bi8l0cL
うん。少佐が嫁で息子が一人いるって事
嫁の少佐と5歳ぐらいの息子とほほえましく写ってる写真が
・・・(´;ω;`)

SSSネタっていつ頃解禁?DVD発売直後はまずいよね
35名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 22:11:22 ID:mypjp5DL
少佐に騎乗位してもらいたいのですが…。
36名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 00:23:12 ID:HR5om+fD
アデットさんイイ
37名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 03:32:37 ID:sJzOILUD
社長×タチコマで一つ…
38名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 22:51:53 ID:fuueROHR
タチコマが受けかよw
39名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 23:16:38 ID:cQmlKv9/
少佐なら攻めでも受けでも構いません(*´Д`)ハァハァ
40名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 03:39:46 ID:pfKg+SzJ
SSS発売日だな。
41名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 03:26:58 ID:7za3FMQA
タチコマに犯られる少佐。
タチコマの経験値は大幅にうp
42名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 03:24:39 ID:9l7dDWI2
SSSの少佐曰く「同時に操る義体は2体が限界」
裏を返せば2体は操演可能・・・少佐義体とクロマ義体で3Pが!
コドモトコ義体で親子丼プレイが!!
43名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:35:53 ID:+Nu3HzuP
少佐の四肢切断(ていうか義体分解)という、dでもなく香ばしいネタを考えた俺ガイル

いや、シロマサの作品にも「サイボーグなら手足を外しておけよ」という台詞があったからさ。



下手うってテロリストに囚えられてしまい、四肢を取り外されて検査台に固定された挙げ句、
公安の情報を探るためとして、電脳を弄くられる(記憶を洗い浚い引っ掻き回される)少佐。

GHOST IN THE SHELLの人形使いが入った義体のように、大切な記憶を犯される度に、
虚ろな眼でビクビクと身体を痙攣させる少佐……を想像しただけで(*´Д`)ハァハァ
44名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 00:35:05 ID:ZivOKVuY
弄ってる方が赤面するくらいエロい記憶が少佐から出てきそうなんだが。
45名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 17:44:27 ID:VcHUVAWH
赤面する少佐…(*´Д`)ハァハァ
46名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 17:02:01 ID:SVJJU/u4
少佐(*´д`*)ハァハァ
47名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 02:33:37 ID:xXPtatqP
少佐とイシカワって実はとてもお似合いだと思うんだよ。

付き合いも一番長いわけだし、あれやこれや何かあっても不思議ではない。
48名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 04:58:53 ID:BsQgTEhU
無駄口聞いてる暇があったら索敵しろ!新入りが!
49名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 10:44:23 ID:UF0N9W8x
スレが立ってそろそろ3週間になるが、神光臨はまだですか?
50名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 11:19:22 ID:EKp1UTTn
待機です
51名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 11:59:08 ID:bcNYyZB7
少佐×男のネタを考えていたんだが
最終的に
少佐「やらないか?」
になった…
でも違和感がないのは何故だろう?
52名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 13:49:45 ID:vqe/bEn4
53名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:25:57 ID:C0WKsBZI
少佐強すぎなんだよな。男だよレンホーみたい
54名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 18:48:49 ID:tp9fmKx1
少佐×トグサ
55名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 21:33:17 ID:SkGJpDHr
2nd GIGはストーリー的には無印に今一歩及ばない気がした(私見)が
少佐の弱い部分が見れた事には大いに意義があった。
あと総理ハァハァ。
56名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:04:03 ID:PIWU9S37
アオイ×ミキちゃん
とか言ってみる
57名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 10:31:39 ID:9H+8JAHh
時にここの住人たちはSSSは見たのだろうか
58名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:44:53 ID:jMub2CQ7

      _  ∩
    ( ゚∀゚)彡   クロマ!!
      ⊂彡       クロマ!!
59名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:13:54 ID:ThOHrKAd
60名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 23:54:55 ID:OX3q4Tdz
>>59
クロマに叱られてしまった…。



幸せだ(*´Д`)ハァハァ
61名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:24:43 ID:KrQaNrtp
2ndってdatおちしてた?
復活を願いながらいろんなネタを妄想してました。
今日は寝ちゃうけど、バト×素とトグサ夫妻のネタ書きますので、
暫しお待ちを・・・・。
62名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:09:30 ID:Eh2UEESX
>>61
神の予感!期待してるぞー。
63名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 18:22:38 ID:9GoJAQ8i
少佐、俺の筆下ろしの相手になって下さい(*´Д`)ハァハァ
64名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 22:21:54 ID:8Ym7iq56
少佐に視姦されたい
少佐なら可能だろう!
65訳ありバトー×素子:2006/12/04(月) 23:13:22 ID:aQt+0vG1
61です。
お待たせしました。それじゃ書きます。
まずは、訳ありバトーと素子のエロ(?)です。
多少、設定に無理がありましょうが、そこは突っ込みをいれつつ楽しく読んでください。
66訳ありバトー×素子:2006/12/04(月) 23:31:43 ID:aQt+0vG1
それは、バトーが久しぶりにレンジャー時代の事を思い出すヤマだった。
バトーはサンセット計画の残党をなんとか生きたまま捕獲することに成功した。
いつもならば、こういった難解な事件解決のあとには少佐か課長の呼びかけで
9課のメンバーが飲み屋に集まり、バトーの活躍に乾杯!となるのだが・・・・・。
今回のヤマはそういった達成感はなく、返って、
バトーを始め、9課の気分を落ち込ませた内容だった。
報告の後、9課メンバーは言葉少なく、職場を後にした。

「バトー、どうだ?一杯・・・」
「・・・・・・・・・・・いや、俺は今夜はいい・・・・・・・」

ロッカールームで着替えを済ませたバトーを素子は待ちうけ、声をかけるが、
案の定、良い返事は聞けない。

「皆で飲むんじゃないわよ。二人きりで・・・」
「・・・・・・・・・悪いが、少佐、俺は今、酒を飲めるような気分じゃないんだ」
「そうよ。だから、誘ってるんじゃない」
「は?」
「事件が解決したのに、酒を飲む気分じゃない。だからこそ、酒を飲みに行くぞ、バトー」
67訳ありバトー×素子:2006/12/04(月) 23:41:37 ID:aQt+0vG1
「はあ?!なんだそりゃ・・・どういった理屈で・・・おい!少佐!」

素子はバトーの貴重品が入ったバッグをひったくり、
駆け足で9課行き着けのバーに向かった。
バトーはバッグを追いかけて、素子の後を追うしかなかった。

「ハアハア・・・・。今日の俺は疲れているんだ・・・・。
 せめて、早足でも見失わない程度の速さで行ってくれれば良いものを・・・ハアハア」
「年なんじゃないのか?この程度で息切れとは、9課にいられる時間もあとわずか・・・か?」
「失職か・・・・嫌なこと言ってくれるねえ・・・。でも、まあいいか、こんな仕事、失っても・・・」
「・・・・・・・・・・」
「冗談だよ、冗談。追いかけっこで喉かわいちまった・・・ハアハア・・・。俺ビールね!」
「なんだ、飲めるじゃないか」
「水分補給だよ!ハアハア・・酔うために・・・ハア・・・飲むんじゃない・・・」
「そうか、今酔ったらどうなるか分からんものな」
「・・・・そういうこと」

息が整うと、バトーは素子の隣のカウンターに座った。
68訳ありバトー×素子:2006/12/04(月) 23:56:09 ID:aQt+0vG1
素子もビールを頼む。
二つのビールが届くと、とりあえず乾杯をして、二人はそれを一気に飲み干した。

「まあ、私たちの体にはアルコールを一瞬で分解する酵素が入っている。
 いくらでも酔わずに飲めるがな・・・」
「そういうことだ。トグサやサイトーの坊や共とは違うのさ、フッ」
「あら?その坊やたちはあなたよりもずっと大人だと思うけど?
 なんてったって、酒の節度を知っていてソレよりも飲まないもの」
「俺だって節度以上は飲まないだろ?」
「酔わないからって毎回一樽分飲んでるあなたのどこに節度があるの?」
「酔わないわけじゃねえよ。いくら飲んでも酔えねえんだ。強いからな」
「・・・・・・・・酔ったらどうなるか分からないから?」
「ちげえよ!」
「だから、飲むときは常にアルコール分解酵素を出しているわ。予防的にね」
「・・・・・・・・・・・」
「最後にあなたが酔った時っていつ?なにがあったの?」
「ああ、暴れて見せの中の物ほとんど壊してさぁ」
「違うわね」
「いや、そうなのさ。それで弁償代で給料が飛んで・・・」
69訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 00:03:20 ID:APTQanbr
「バトー・・・・」
「・・・・・・・・・・・」

おどけて答えるバトーに素子は真剣な顔で釘をさす。

「レンジャー時代か?最後に飲んだのは」
「さあね?忘れたよ」
「戦場で出会ったときにはもう酔わないようにしていたはずだ」
「そうだったかなあ?」
「バトー、レンジャー時代に何があった?今回のヤマ関係以外になにがあったんだ?」
「そんなこと、聞く権利が少佐にあるのかよ!?」

執拗な問い詰めにうんざりだと、バトーは少し大きな声を上げた。
しかし、素子は動じなかったし、引き下がらなかった。

「上官として、部下の精神状態は把握しておかなくてはならんからな」
「そりゃあ、プライバシーの侵害ってもんだぞ」
「あら?9課に来て依頼、あなたにも私にもプライバシーなんてあった?」
「・・・・・・・・・・・」
70訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 00:10:37 ID:APTQanbr
素子の言葉にバトーは言葉を失った。
だがしかし、そんな問答で負けたからと言って、
バトーは自分の胸のうちなど話すはずが無かった。
だんまりとするバトーに素子はクスリと笑い、こう告げた。

「嘘よ。上官としてなんて嘘。個人的に興味があっただけ」
「はあ?!」
「個人的にあなたのゴーストに触れてみたかったの。でも、無理みたいね」
「・・・・・・な、なんだよ、そりゃあ。まるで・・・」
「愛の告白」
「はあ!?」
「・・・・・・・みたいでしょ?」
「・・・・いや、べつにそうは・・・」

告白をする側に余裕があり、された方はたじろぐ。
普通では予想の出来ない状態に、バーのマスターも驚いて二人を凝視してしまっていた。
71訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 00:16:30 ID:APTQanbr
「マスター、ごちそうさま。行くわよ、バトー」
「はあ?!なんだよ、いきなり。まだ一杯しか飲んでねえぞ、おい!」

素子は余裕で微笑んだままコインをマスターに投げて席を立つ。
バトーはまたもやバッグを素子に握られて仕方なく席を立った。

「おい!少佐、いくらなんでも今夜は勝手過ぎるぜ、俺の頭を混乱させやがって・・・」
「愛の告白は本当だ」
「はあ!?冗談よせよ」
「駄目か?」
「駄目か。って言われても・・・突然すぎて電脳が・・・」
「じゃあ、有線だ」
「俺の電脳を焼かねえだろうな?おっかねえ・・・」

バトーは半ばびくびくしながら素子と有線を試みた。
72訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 00:29:27 ID:APTQanbr
有線で繋がった素子は意外と優しくバトーに語り掛ける。

(バトー、どうしたの?あなたはいつものバトーと違うわ。
 レンジャー当時のことを思い出してとてもナーバスになっているみたい。
 どんな出来事があったの?話してくれる事で楽になったらいいのに。
 上官としてではなく、ゴーストとして、あなたが気がかりだわ。
 深い部分であなたと繋がってみたい。悲しみも苦しみも全て共有してみたい)

そんな素子の願いを受け止め、バトーは有線を抜いた。
無表情の素子をみて、バトーはフッ軽く笑う。

「無理だな。結局、少佐は俺の過去を知りたいだけじゃねえか。
 悲しみも苦しみも共有するだあ?・・・・俺は嫌だね。過去の出来事も、
 そこに生じた感情も全て俺のものだ。誰にも渡さねえよ。誰にもな・・・」
「そうか・・・私の失恋、というわけだな」

残念そうにうつむく素子。
そこで、バトーは今までの告白が本気だったのではないかと思いなおす。

 
73訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 00:41:59 ID:APTQanbr
「・・・・まさか、本気だったのか?」
「・・・私に対する好意は?」
「そりゃ、あるさ。長年パートナーとしてやってきたんだ。
 それになんてたって愛着がある。その顔、その体、ゴーストの断片、
 いい女だと思うぜぇ。俺は素子が好きさ。
 でもなあ、・・・俺は少佐が踏んだとおり、誰にも渡せない過去があるんだ。
 そしてそれが今回の事件で色濃く思い出されたって訳だ・・・過去の女をな」
「過去の・・・詳しく聞かせろ!」
「俺には過去、レンジャー時代に愛し合った婚約者がいたってことだ。
 詳しくは話す気が無いがな。まあ、その女が忘れられねえ訳なのよ。
 女々しいねえ俺って・・・」
「忘れろ。記憶を焼き切ってやる」
「勘弁してくれよ、・・・忘れたくねえの。忘れちゃならねえの。切ない記憶だけどな。
 そういうことだ、・・・・・・・・悪いな少佐」

バトーはそう言って意気消沈した素子からバッグを取り返し、背を向けて夜の街に
溶け込んでいった。
74訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 00:52:47 ID:APTQanbr
バトーが夜の街に溶け込んでいって向かった場所、
そこは銭湯だった。
よっぽど汚れた時以外、儀体に風呂は必要ないが気分というものだろう。
汚れを落とすことと疲れを癒すことは違う。
バトーは銭湯で今回の疲れをどっぷりと洗い流すつもりだった。
ゴシゴシゴシ・・・・
儀体だが、銭湯のルールに基づき、湯船につかる前に石鹸で体を洗う。
そこに、小学生低学年くらいの子が声を掛けてきた。

「おじさん!ねえ、おじさんって全身儀体なの?」
「んあ?・・・・・いいや、ちがうよ。内臓の一部がまだ生体さ」
「ふーん、見た目じゃ分からないもんだね。目も変えてあるから、そうかとおもったのに」
「そうだな。外側は仕事柄、丈夫に作っているのさ」
「仕事って何してるの?」
「漁師だよ」
「漁師?・・・そうは見えないなあ。兵士かと思った」
「兵士?・・・・もう戦争は終わったろ?坊主が産まれる前にさ」

変なことをいうガキもいるもんだ。とバトーは思った。
75訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 01:05:35 ID:APTQanbr
バトーが体を洗い終わり、湯船につかると、その少年も一緒につかってきた。
普段から、バトーは自分が子供に受けが良くない外見をしていると実感していた。
しかし、その少年はやけになれなれしく、話しかけてくる。

「僕ねえ、全身儀体なんだよ。小さい頃事故で体をなくしちゃったんだって」
「そりゃ、大変だったな・・・」
「だから、おじさんも全身儀体だろうと思ったのに、違ったね。
 いろいろ聞きたいことがあったのに・・・」
「俺もほとんど全身儀体みたいなもんだがな。
 ・・・どんなことが聞きたかったんだ?」
「なんで、おじさんは儀体化したの?僕と同じ事故?」
「いいや、俺は自分から進んで儀体化したんだ。昔は兵士でね・・・。
 自分と国を守るための強いからだを手に入れたのさ」
「へえ、目も?」
「目もさ。この目はいろんなものが見える。戦場では重宝したよ」
「ふーん、兵士になると強い儀体もらえるんだ。僕も兵士になりたいな。
 でも、戦争終わっちゃったんだよね。残念だな」
「そうだな。でも、戦争が終わることは俺達、兵士が一番望んでいたことなんだ」
「そうなの?」
「そうさ・・・」
76訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 01:16:40 ID:APTQanbr
バトーは子供と接すると、さっきまでの心のもやもやが少しずつ溶けていく気がした。
どうせ見ず知らずの子供だ。
何を話したって俺が何者かばれなきゃ構うまい。
そんな気軽さで、バトーは少年と話していた。

「ねえ、おじさん・・・・・・・。いいのかな?こんなこと聞いて」
「ん?なんだ?どうせ次に会えるか分からん仲だ。遠慮せずに聞いたらどうだ?」
「うん・・・・・・。おじさんのココ、どうしてないの?おじさん、男だよね?」
「ああ・・・・・・・・・・・。ココか・・・・・・・・・」
「儀体のパーツはあるのよね?付けられない儀体なの?」
「いや、わざとだ。わざと付けていないんだよ」
「なんで?」
「・・・・・・・・そうだなあ。坊主には分かるか難しい話だが、聞くか?」
「うん!」
「俺が兵士で戦争に行く前、レンジャーっていうまあ、
 兵士が難しくなったみたいな仕事をしていたんだ」
「うん」
「その時にな。あれは・・・密林でのミッションだった・・・・・・」
77訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 01:26:16 ID:APTQanbr
バトーは少年に語りながら、自分の記憶を鮮明によみがえらせていた。

密林でのミッション中に敵の爆撃を喰らい、バトーは下半身に大怪我を負った。
仲間に連れられての一時退却。
日本への緊急帰国。
すでに四肢を儀体化していたが、下半身をほぼ動かせず、麻痺状態。
医師からの宣告。
下半身全てを儀体化。
そして、当時、バトーには婚約者がいた。
両家の両親を含めた話し合い。
謝りながら泣く彼女。
優しく抱きしめるバトー。

心がえぐられ、記憶で頭が沸騰しそうになっても儀体の調節のおかげで
バトーは涙を一筋も流すことなく、少年に話し終えた。
逆に、涙を流していたのは少年のほうだった。

78訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 01:35:48 ID:APTQanbr
「俺は医者からその部分が吹き飛んでて、子供を望めないと聞かされたときに、
 もうこの機能は必要ないと思ったのさ。小便するだけなら、穴だけ開いてりゃ良い。
 そうだろ?」
「そうだけど・・・・・でも、でも・・・・・・・」
「彼女も彼女の両親も、子供を望んでた。
 それが不可能になったんだ。去って行っても仕方が無いさ。・・・だろ?」
「・・・・・・・ぐすっ、ぐすっ」
「俺のために泣いてくれているのか?坊主。でもなあ、それはお前の記憶じゃない。
 だから大丈夫だ。俺の誰にも譲れない、過去の事実なんだ」
「・・・・・・・」
「大切な俺のゴーストの一部なんだよ。坊主も事故にあって辛かっただろうが、
 それもお前のゴーストを作っている大切な記憶だ。
 今は分からなくても、分かる日が来るさ。じゃあな、俺は上がるぜ・・・」

湯船で泣いている少年を置いて、バトーは湯船からあがった。
79名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 02:02:51 ID:iU3VK7Cn
∀・)wktk
80名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 07:12:08 ID:JeRMXXkf
オペ子スレあったけど、エロネタなんで一応こっちに投下します
オペ子でイメージ検索したら出てくる、海自オペ子に触発されて書いたエロ
81海自オペ子 1/6:2006/12/05(火) 07:13:54 ID:JeRMXXkf
『J1、心拍数が平常値を超えている。大丈夫か?』
「……」
 パイロットは無言のまま、操縦桿を傾けた。
 夜の闇、廃墟となった都市の上をヘリは旋回していた。
 頭部を覆うHMDからは、全方位の情報が得られる。地上を侵攻している友軍が、エリアを
次々と制圧していた。最初はグレー一色だった地上のマップが、制圧した地域を表すグリーン
に少しずつ書き換えられていた。
 操縦桿を握る手は汗ばみ、緊張に喉が乾いた。
 敵には対空ミサイルがあると聞かされている。友軍の侵攻は順調だったが、対空ミサイルの
所在はいまだに判明していない。友軍を上空から援護しながら、いつロックオン警告が鳴るか、
パイロットは気が気でなかった。
『J1、心拍数が平常値を超えている。大丈夫か?』
 再びオペレーターが聞いた。
「うるさい! しばらく黙ってろ!」
 たまりかねて怒鳴り返す。
 心拍数か。ふざけるな。J1はいらいらした気分で思った。オペレーターが優秀なのはわかっ
ていたが、彼は本質的にAIを信用できなかった。
 ピッ、と警告音が鳴った。
 途端にそれは、ビーという耳障りな電子音にかわった。ロックオン警告だ。
「どこだ!?」
 マップに赤色の輝点が現れる。支援AIが対空ミサイルの位置を特定した。後方8時の方向
だった。
 慌てて操縦桿を倒し、機首をそちらに向ける。排気口が後ろにあるジガバチは、後方からの
熱源探知に極端に弱い。
『J1、SKから報告がある。エリア81において……』
「黙れ! それどころじゃない!」
 急旋回をかけ、対空ミサイルの位置を正面に捉える。
 尾部にあるバルカン砲で照準したところで、何かがおかしいことに気づいた。
 対空ミサイルの姿が見えない。赤い輝点はマップの正面にあるが、そこには崩壊したビルが
あるだけだ。
『J1、SKから報告がある。エリア81において……』
 それまでとは質の違う、甲高い警告音がなった。赤い警告メッセージがポップアップし、対
空ミサイルを発射されたことを告げていた。しかし、目の前のビルに変化はない。
「なんだ!?」
 赤い輝点が消え、凄まじいスピードで後方から飛来するものがあった。反射的にフレアをば
らまき、地表に向けてヘリを降下させる。しかし、後方のエンジンを完全にロックオンされた
状態で、ミサイルから逃げきれるはずもない。ビルの合間を飛ばして振り切ろうとしたものの、
数秒後には追いつかれた。
 爆発や衝撃はなかった。
 ビー、という合図の中、撃墜判定を受けたヘリは、あらゆる操作を受け付けなくなった。す
でに支援AIの制御下に入り、母艦に帰投しようと機首を海の方向に向けている。
 操縦桿から手を離し、J1はぐったりと脱力した。
 確か敵には思考戦車もあったな、とぼんやりと考え、ジガバチのない状態では地上の友軍も
苦戦するだろうと思った。この演習ではこちらの負けかもしれない。
『J1、SKから報告がある。エリア81において、偽装信号を出しているポッドが見つかっ
た。対空ミサイルにあらず。6時方向に注意しろ』
 どうやら相手チームに完全にハメられたようだ。レーダー照射をするだけの偽装ポッドで注
意を引きつけ、隠蔽していた対空ミサイルで後ろから打たれたのだろう。デブリーフィングの
ことを考え、彼は鬱々とした気分になった。
82海自オペ子 2/6:2006/12/05(火) 07:14:40 ID:JeRMXXkf
 アパートに帰る気にもならず、J1は基地近くの店で酒を飲んでいた。
「それにしても、ムカつくのはあのAIだ」
 隣に座っている男に愚痴をこぼす。
 演習のあとのデブリーフィングで、J1は案の定突き上げをくらった。問題となったのは、
J1のオペレーターである03の報告を無視した点だ。
 陸上部隊の指揮官たちも出席する中で、03は淡々と、戦況の推移をスクリーンに映していっ
た。通信記録も再生される。敗因は一目瞭然だった。
 海自のオペレーターは、人間と同じ汎用義体を使っている。ゴーストの代わりにAIを積ん
でいるだけで、姿形は人間とまるで変わりない。
 青黒い髪を眉のところで切り揃え、後ろに長く伸ばしたその容姿は、一流の造顔作家がデザ
インしたもので、日本人形のような美麗な顔だちである。その分、AIの無機質な言動と重な
ると、ひどく冷たい印象になった。
「俺に偏向テストを受けろってさ。ふざけんな」
 酒をあおりながら、J1は吐き捨てる。
 隣の男が聞いた。
「偏向テストを?」
「ああ、そうだ。AIのアレだ」
 デブリーフィングが終わったあと、「J1」と呼び止められた。
 制服である白いシャツに黒のタイトスカート、小脇に書類フォルダを挟んだ03は、感情を
映さないガラス玉のような瞳をJ1に向けて、
「AAクロスチェックを受けるように、との大佐からの命令だ」
 AIに特別な感情、たとえば敵意などを抱いていないかを調べるテストだ。AIや義体の使
用に反対してテロをしかける、狂信的な原理主義者を排除するためのものだ。彼も入隊時に一
度受けたことがある。
「……」
 別にAIに悪態をつくなど、誰でもやっていることだ。今回は演習に響いてしまったため、
とりあえず形として、何らかの処分をしておかなければならない、大佐が思ったのもそんなと
ころだろう。
 しかし、AIの偏向テストを受けろとAIから言われたことに、彼はひどく苛立った。
「俺には必要ない」
「AAクロスチェックを受けるように、との大佐からの命令だ」
 かっとなって、03の抱えていたフォルダを叩き落とした。
 03は不思議そうに、床に散らばった書類を眺めた。整った顔だちにまるで変化はない。
 青黒い髪をさらさらと揺らしながら、03は床に膝をつき、一枚ずつ書類を集め始めた。
 機械に感情はないとわかっていても、こちらを完全に無視したその仕草にJ1は沸騰した。
身を屈めている03に右足を振り上げようとすると、03がこちらを向いた。
「警告する」
 青黒い前髪の下で、03の眉は咎めるように寄せられていた。
「この義体は軍の備品であり、損壊等、不適切な行為に及んだ場合は罪に問われる」
 無機質な二つの瞳は、今も目の前の光景を記録している。
 J1は足をおろし、書類を集めて去っていく03の姿を見送った。
 その後、友人と酒を飲みながら、AIについての愚痴を延々と漏らしていたというわけであ
る。
「あのAIを組んだエンジニアを絞め殺してやりたいぜ。くそったれ」
 隣に座る男は、ふんふんと頷きながら、黙ってその愚痴を聞いていたが、
「面白いものを持ってるんだがな」
 ふと言った。
 J1が怪訝そうな顔をすると、男は鞄から小さなカートリッジを取り出し、
「うちの部署で昔作った物だ。本当はセキュリティチームが使うもんなんだが」
 そう言ってJ1に手渡した。
「なんだ? 何が入ってる?」
「まあ、お楽しみってやつさ」
 男はにやりと笑った。
83海自オペ子 3/6:2006/12/05(火) 07:15:38 ID:JeRMXXkf
 倉庫の中は薄暗かった。
 高い天井にある照明はぼんやりとした明かりを投げかけるだけで、広い倉庫の中を完全に照
らすことはできない。そこかしこに影ができていた。
「03」
 J1が呼びかけると、リスト片手に品目をチェックしていた03がこちらに振り向いた。
 遠くには01と04も見える。
「ちょっと来い」
「用件を」
「いいから来い」
 AIの中で優先順位の衝突が起こったのか、しばらく03は微動だにしなかった。しかし、
J1が背を向けて歩き始めると、戸惑ったようにリストに目を落としたあと、その後を追いか
けた。
 コンテナの影を曲がったところでJ1は立ち止まり、03が現れるのをじっと待った。コツ
コツとハイヒールの足音をさせて、03がコンテナの影に足を踏み入れた。
 さっと03の首筋をつかみ、床に引きずり倒す。
「!」
 防衛反応を起こす03を全力で押さえつける。長い髪をかきわけ、懐から出したカートリッ
ジを首筋に押し当てた。プシュッという接続音のあと、うなじのコネクタにカートリッジが接
続されると、03はびくりと体を震わせた。
 J1は立ち上がり、床に倒れている03をじっと見つめた。
 もしこのツールが偽物なら、03が緊急コールをかけてそれで終わりだ。
 J1が見守っていると、03はゆっくりと上体を起こした。青黒い髪が肩やら腕やらに流れ
て、妙に煽情的だった。
 03はJ1を見上げ、
「用件を」
 再び言った。
 緊張が解け、J1は顔がにやけるのを抑えられなかった。
 軽く腕を振り、03の頬を平手ではたいた。パシッと音を響かせて、03の顔があらぬ方を
向く。左手で赤くなった頬を押さえながら、03は不思議そうにJ1を見上げるだけで、例の
警告は発しなかった。
「用件を」
 どうやらツールは本物らしい。
84海自オペ子 4/6:2006/12/05(火) 07:16:20 ID:JeRMXXkf
 それからしばらくは、人目のないところで03を小突くことで満足していた。
 無表情に報告する03を蹴りつけると、床に倒れた03は、何が起こったのか理解できない
というようにJ1を見上げる。
 どれだけAIに苛ついても、手を出すと罪になる。そのことで溜まっていた鬱憤も、03の
無防備な表情を見ると晴れ始めた。所詮は機械だ。感情的になるほうがおかしいのだと、AI
に対する余裕すら持ち始めていた。
 しかし、すぐにそれだけでは満足できなくなった。
 人けのない備品室。
 J1の前で、03が報告を読み上げている。
「緊急起動モジュールのブロック変更、およびワイヤの反応係数が更新準拠に従って変更され
た。詳細は添付のレポートにある。機体のチェックは十二時間後から」
 はぁ、はぁ、というJ1の荒い息を見て、03が眉を寄せる。
「J1、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。続けてくれ」
 03は不思議そうにJ1を見つめるが、再びレポートに目を落とした。
 J1は、自分の膝の上に座っている03の胸を後ろからまさぐりながら、
「お前の胸、柔らかいな……」
 03は反応せず、淡々とレポートを読み上げる。
「不具合があった場合は最優先で報告すること。最新のチェックリストは送付済み」
「ち、ちょっとこっち向いてくれ」
 振り向いた03の唇に、むさぼるように吸いつく。ガラス玉のような無機質な瞳が、至近距
離からじっとこちらを見つめている。作り物とはいえ、美少女と呼んで差しつかえない容貌に、
J1は興奮をかきたてられた。
 03の上唇を、口で挟むようにして吸い上げる。舌をちろちろと沿わせると、瑞々しい感触
が戻る。舌をこじ入れ、03の歯茎を舐めるようにして味わった。
 03は無感動にその様子を見つめている。
「た、たまんねえ」
「J1。報告ができない」
「あ、ああ、すまん。続けてくれ」
 03はこくりと頷く。
 続けられる報告を聞き流しながら、03の青黒い髪をかきわけて、首筋に吸いつく。若い女
の肌だ。じっとりと舐め上げても、03はそれに頓着もせず、ただ報告を続けていた。
 ズボンを押し上げるブツが、03のタイトスカートに包まれた尻の重みを感じていた。
 右手で03の制服のボタンを、ぷちぷちと外していく。
 本来の防衛機構が働いていれば、03はこれを不適切な行為だと判断して、セキュリティに
通報するだろう。しかし、その機構がツールによって切り離されている今、03はその行為を
自分に関係のないものとして処理している。
 胸をはだけた格好のまま、03は報告を続ける。飾り気のない白いブラに、手の平サイズの
胸が収まっていた。両手を沿わせて、ゆっくりともみしだく。ブラを押し上げると、ぽろんと
白い胸がこぼれた。桜色の乳首をいじっても、03の報告の声に変化はない。当たり前だが性
感はAIに組み込まれていない。
 オペレーターの義体は理想的なプロポーションで作られている。柔らかい二つの胸は、指を
当てるとそっと沈み、絶妙な弾力を返してくる。ふにふにとした感触を楽しんでいると、ブツ
がどんどん固くなっていくのがわかった。
 03のタイトスカートをずりあげると、ストッキングに包まれた白いショーツが現れた。
 自分も腰を動かしてズボンと下着をずりおろす。屹立した剛直が、03の太股の間から姿を
表した。
「03、下を見てくれ」
 報告を止め、03は自分の股間に当たっているものを見つめる。先端はぬらぬらと光り、反
り返った肉棒に、03は無感動な瞳を向ける。
「そ、それは何か、俺に教えてくれ」
「ペニスだ」
「何に使うものだ?」
 03は眉を寄せ、
「生殖に使われる。J1、報告を続けていいか?」
「あ、ああ」
 再びレポートに目を落とした03を横目に、ショーツの部分のストッキングを破る。
 そこから右手をストッキングの中に忍ばせ、ゆっくりと太股を撫でさする。ひんやりとした
肉をやわやわと触りながら、ショーツの部分に近づけていく。横から指を入れると、産毛のよ
うな薄い毛の感触があった。少し下ろすと、スリットが指の先に感じられた。
85海自オペ子 5/6:2006/12/05(火) 07:17:22 ID:JeRMXXkf
「ちょっと立ってくれ」
 そう言うと、03は大人しく立ち上がった。J1も腰掛けていた箱から降りる。
 こちらを振り向こうとする03を押しとどめ、
「壁に手をつけ」
 首だけで振り返りながら、03は不思議そうにJ1を見つめる。
 J1が押さえつけるように乱暴にうながすと、03は渋々従った。J1は03の手の位置を
下に動かし、こちらに尻を突き出すような格好にさせた。
 03は壁に左手をつき、右手に書類を握りしめたまま、
「J1、報告を続けていいか?」
「いいぞ。続けろ」
 03は無理な体勢のまま、レポートに目を落とす。長い髪の毛がうなじで二つにわかれ、床
に向かってさらさらと流れていた。
 ストッキングに包まれた、すらりとした足がJ1の目の前にある。タイトスカートは腰まで
まくれあがり、尻の部分のストッキングは破れて、純白のショーツと尻と太股がさらされてい
た。破けたストッキングは、ニーソックスのような劣情を誘うものになっていた。
 J1は膝をつき、その部分に顔を近づける。
 ショーツを横にずらすと、ぴっちりと閉じたスリットが現れた。技師が造り上げてからこち
ら、一度もこじ開けられていない部分だ。
 両手でゆっくりとそこを押し広げていく。綺麗なピンク色だった。汎用義体は人間と作りが
まったく同じとはいえ、一度も使われていないのだから綺麗なものだ。
 うっすらと湿っているそこに指を突っ込み、ゆっくりとなぞる。03は反応もしない。
 立ち上がり、ショーツをずらしたまま、反り返っているブツをその秘部に押し当てる。膣は
人指し指が入るかどうかというほど狭いが、03は痛みを感じることもないのだから問題ない
だろう。
 先走りで濡れている先端が、ゆっくりとスリットの中に埋まっていく。カリがスリットを押
し広げ、ピンク色の膣に埋没していく。ギチ、ギチ、と肉が歪んでいくのがわかった。普通の
女なら痛みに泣き叫んでいるところだろうが、03はまったく表情を変えずに報告を読み上げ
ている。先端が完全に埋まっただけだったが、これ以上進むとは思えないほど、強烈な締めつ
けだった。
 03の白いうなじが目に入る。海自の白い制服を着た背中に、長い髪が何本かもつれていた。
まくれあがったタイトスカートの下にある尻に、両手を這わせた。染み一つない、真っ白い尻
肉に、自分のペニスが突き刺さっている。
 普段からいちいち口を出してくるオペレーターを、自分の肉棒で貫いているのだと思うと、
えも言われぬ征服感があった。しかも相手は、自分が何をされているかもわかっていないのだ。
強烈な背徳感に襲われた。
 腰を押さえつけ、ぐっ、ぐっ、と、ペニスを押し入れていく。相手は人間ではないのだから、
遠慮はいらない。
 どうやら03にも体の防衛反応は残っているようで、膣を傷つけられまいとしてか潤滑液が
にじみ始めた。ペニスの動きに合わせてにちゃ、にちゃと音が響く。
 ようやく根元まで押し込むと、誰にも蹂躙されたことのない柔らかい膣が、自分の肉棒に合
わせて形を変えているのがわかった。ひだがカリや棒にからみつき、ざらざらと撫でていく。
前後に軽く揺するだけで、ぴりぴりとした感触が全身に走った。
「ど、どんな気持ちだ? 俺に犯されてるのは?」
 振り向いた03の頬に、長い髪の毛がかかる。自分の秘部を男にえぐられているというのに、
質問の意図がわからないというように、不可解そうにJ1を見つめるだけだった。
86海自オペ子 6/6:2006/12/05(火) 07:18:28 ID:JeRMXXkf
 03はレポートに目をやり、
「報告は終わったが、何か質問や伝達事項は?」
「あ、ああ、そうだな。変更されたワイヤの結線を順番に教えてくれ」
 時間稼ぎだった。防衛機構を切り離されている03だが、報告が終わったあとも拘束してい
ると、さすがに不信に思われかねない。
 03は不可解そうに、
「添付のレポートにあるが」
「いいから口述で教えてくれ」
 03はこくりと頷いた。
「B11、H24、T15……」
 淡々と読み上げる03の声を聞きながら、J1は腰を振る。きつい肉のためにリズム良く前
後はできず、腰を叩きつけるたびに03が揺れる。03は苦労しながらレポートを抱え、左手
でなんとか体勢を保っていた。長い髪がさらさらと揺れる。
 はあ、はあ、というJ1の荒い息に、03は顔を向け、
「J1、大丈夫か?」
「い、いい。問題ない。続けてくれ」
 03は眉を寄せ、再びレポートに目をやる。
「U20、W05、Y00……」
「はあっ、はあっ、はあっ」
 腰を叩きつけるたびに、ぐちゅっ、ぐちゅっという粘着質の音が響く。オペレーターの淡々
とした声音に、さらに劣情が高まる。
「ああっ! 03! 03!」
 感極まった声を上げながら、J1は腰を突き上げる。壁に手をつく03の尻をぎゅっとつか
み、パンパンと腰を叩きつけた。03の持っていた書類が床に散らばる。03はされるがまま
になっていた。黒々とした肉棒が03の白い尻を割って、抽送がくり返される。
「J1、レポートを拾えない」
「03! 03!」
「J1、レポートを拾えない」
 いっそう深くペニスを叩きつけたとき、何かが脳髄をかけあがり、白いスパークが走った。
どくっ、どくっという音さえ聞こえそうな中で、腰からわき上がるものが03の中に吐き出さ
れていく。白い尻に突き刺さる肉棒は、根本まで埋められている。03の膣が肉棒を締め上げ
る感触が、ひだの一つ一つにいたるまで感じられるような気がした。
 03が身をかがめ、床に落ちたレポートに手をやった。肉棒を締め上げる角度が変わり、さ
らに深い部分に突き刺さる。うっ、とJ1は声をあげ、最後の一滴までオペレーターの中に絞
り出した。

「はあっ、はあっ、はあっ……」
 精も根もつき果てたように、J1は床にへたり込んでいた。
 03はレポートを抱えて立っていた。空いた左手で、ずりあがったタイトスカートを戻そう
としている。ストッキングはところどころ破け、あふれた精液が太股に垂れていた。
 ようやくスカートを戻したところで、03は荒い息のJ1を見て、
「J1、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫、大丈夫だ」
 はあ、はあ、と息をつく。
 03はティッシュを取り出し、精液を拭きとりはじめた。通常の自己メンテナンスプログラ
ムだ。精液も汚れも03にとっては同じものだ。
 オペレーターはフリーメンテナンスで、洗浄や調整も機械の仕事だ。オペレーターが犯され
ているなどということも、しばらくはばれないだろう。
 03が身支度を整えて備品室を出て行ったあとも、J1はしばらく身動きしなかった。

(終)
87名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 07:23:11 ID:JeRMXXkf
以上。
最近来たんで、過去のオペ子画像がほとんど見れない(´・ω・`)
また何かいいネタ見つけたら投下します
88名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 09:31:01 ID:nPEvUo44
おお…フェチな世界だな…
だがすごくよかった
朝からGJ!!!!!!1
89名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 17:03:16 ID:pQNOheV2
>オペ子でイメージ検索したら出てくる、海自オペ子
オペ子ファンの間ではやはりあの絵は有名なんだろうか
とにかくGJ!
J1がうらやましい
90訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 17:13:24 ID:pjbV7BH3
バトーは支度を済ませて、銭湯を出る。

「あら?奇遇ね。あなたも銭湯?」
「!!!お前いつから・・・」

すると、女湯からすぐに素子が出てきて、バトーに話しかけた。
驚いて動作を止めるバトー。
素子はいたずらな笑顔で話し出す。

「風呂場は思ったよりも声が響く。
 壁一枚隔てて女湯があることもちゃんと考慮しといたほうが良いわよ」
「あの話、聞こえてたのか?」
「さあ?なんのことかしら?ああ、それと・・・・」

素子が言いかけたときに、男湯からさっきの少年が現れた。

「おじさん、バイバーイ!」

そう元気に声を掛けるやいなや、夜道を駆け出し、町にとけこむ。
91訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 17:22:39 ID:pjbV7BH3
「こんな時間にあんな小さな少年が、保護者も居ない状態で銭湯に来る。
 それに違和感を感じていないのは、あなたがあまりにも長く世間から
 隔離した生活を送っているからかしら?」
「!!!!・・・・・・・・・それじゃ、あれは・・・・少佐の・・・。てめえ!」
「あまりに注意力が欠けている。あなたそれでも、9課なの?
 トグサのこと、馬鹿に出来ないじゃない?」
「うるせえ!ほっとけ!」

バトーは不機嫌な顔で一喝した後、素子に背を向けて、足早にその場を歩き出した。
92訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 17:23:47 ID:pjbV7BH3
エロがまだ出てこなくてすいません。
この続きは今夜9時から10時あたりに書く予定です。
ちゃんとエロ書きます。なので見捨てずお待ちください。
93名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 18:45:06 ID:iU3VK7Cn
>>92
おまちしてまーす( ∴)ノ
94名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 19:11:52 ID:u6BMxRbM
>>87
GJだ!新しい傾向のSSだ。上手いと思う。
7時23分か・・・仕事中に、エロ書いてる奴がいたとは・・・
95訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 21:51:20 ID:eoI6VHfG
もちろん、素子がそんな状態でバトーとさよならするわけが無い。
怒りで肩を張りながら歩くバトーの後ろをスマートに追いかける。

「着いてくるなよ!俺は今、はらわたが煮えくり返ってるんだ」
「何故だ?何をそんなに怒っている?」
「何をって・・・・!結局あの少年は少佐のリモート儀体じゃねえか?!
 そんなキタネエ手を使ってまで俺のプライバシーに踏み込みたかったのかよ!?」
「いや、あそこまで話すことは予想外だった。自分からな」

素子の言葉に一息ついて、怒りを沈静させ、バトーは語り始めた。

「・・・・・・・・でもこれで分かったろ。俺は少佐に誘われても何も出来ない体なんだ。
 いや、体だけじゃない。ゴーストもさ。
 俺は少佐に女としての魅力を感じるし、正直、さっきの告白は嬉しかった。
 だがな・・・・ゴーストが囁くんだ。”俺はもう男じゃなくなったんだ”ってな。
 婚約者に別れを告げられたあの時、俺は男を自ら放棄することを選んだ。
 それ以来ずっと、俺は儀体に性器のパーツを付けるのを拒否し続けているし、
 これからも御免だ。
 だから、すまねえな・・・・・。俺には素子を喜ばせることは出来ねえ。女としてな」
96訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 21:57:42 ID:eoI6VHfG
いつの間にか足の速度はゆっくりへと変わっている。
バトーは素子に語りながらも、自分を説得している様子だった。
素子はバトーの言葉を何度も反芻して、理解し、それから話し始めた。

「そんなことはあるまい。試しにやってみるか?」
「は?・・・・・・・・何言ってるんだ、冗談じゃないぜ」
「女の喜びは性器じゃなくても感じられる。それをこれから立証してやる」

冗談じゃない!俺は降りるぜ。
そう口から出かけたバトーだったが、言葉を呑む。
どうせ、そんなことできっこない。
逆にそれを立証できれば、素子はもう自分を誘っては来ないだろう。
とバトーは踏んだ。
そうだ。そうすれば、お互いに吹っ切れる。
自分の気持ちも一緒に・・・・。

「ほほう・・・・・・・・・。面白いじゃねえか。なんなら、このままホテル行くか?」
97訳ありバトー×素子:2006/12/05(火) 22:00:32 ID:eoI6VHfG
「ああ、そうだな」
「吠えずらかくなよぉ?泣いても駄目だ。さっきみたいにな」
「何時私が泣いたのだ?」
「リモート儀体で泣いてただろうが?滝のように涙も鼻水もたらしながらよぉ」
「あれは演出だ。ああでもしなけりゃ、私の儀体だとばれていた」
「減らず口だな。だが、いいぜ。ほら、着いた。チェクインだ」
「ああ・・・」

二人はネオン街のホテルへと消えていった。
98名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 22:45:04 ID:HT3+XsY4
オペ子にバト素とか、神様が2人も降臨なさったぞ!!
99訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 00:23:20 ID:dzqugnyO
二人はホテルの一室に入り、ベッドに腰を落とす。
バトーはすぐさま、仰向けになった。

「今日は散々だ。俺はもう寝るぞ〜」
「やるんじゃなかったのか?バトー」
「へへ、やりたきゃやってみろよ。出来ないだろ?俺がこんな体じゃ」
「そんなことも無い」
「まあ、強がるなって・・・」

バトーは余裕の表情で、無表情の素子を見上げる。
本当は困っているのに、表情筋のシナプスを切って
ポーカーフェイスに仕立てているんだろうな。
そう推測すると、バトーはいつもと違い、素子よりも上の立場の気分がして、
優越感を感じた。
ところが・・・だ。
素子は動じる様子も無く、すぐさまバトーの胸に耳を当てるような形で寄り添ってきた。
100訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 00:32:29 ID:dzqugnyO
「な!・・・・なんだよ。犬みてえに・・・」
「バトー、あなたの心臓って生身でしょ?」
「んあ?・・・ああ、そうさ」
「やはり、生身の音はいいな。金属音がしない」
「タダの血液送るポンプに良いも悪いもあるかよ」
「あるわ。金属音や無駄な音が一切しない、暖かな血液の流れる音。
 私には無いものだもの・・・」

素子は胸から耳を離し、バトーの顔を覗き込む。
そして、ゆっくりと口付けをした。
バトーは逃げることも無く受身にされるがままだった。
それから、また素子は心臓の音に聞き入る。
そして、再びキス。
バトーは何度も繰り返されるその一連の動作に奇妙な感覚を持ちながら、
自分からは微動だにしなかった。

「退屈だな。本当に寝ちまうぞ?」
「まて、まだ駄目だ。まだ、時期が来ていない、もう少しだ・・・」
101訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 00:45:02 ID:dzqugnyO
「はあ?・・・・・・・なんなんだよ、全く」

バトーは呆れながらも、別に苦ではないので、
素子の動作に付き合ってやっていた。
十数回はその動作の繰り返しをしたあとで、素子は胸から耳を話した後
体をバトーから離し、上体を起こして、ベッドに座った。
バトーは訳が分からないままに、素子を目で追っていた。
ただ、さっきまで傍らで感じていた、素子の体温と体の圧から解放されたことで
物足りないような、残念なような気持ちがバトーに目覚めていた。
102訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 00:46:13 ID:dzqugnyO
すいません、睡魔に勝てませんので今日はココまでです。
今夜もエロまで到達できなかった・・orz
103名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 00:58:08 ID:iynGdEag
>>102
乙だ。明日続きを待ってる。
気を悪くしないで聞いてほしいが、誤字が多すぎるんじゃないか?
変換ミスすると、話が通じなくなるぞ。
明日は投下前に、確認する事をすすめる。
104訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 16:25:10 ID:PxpMkuny
>>103 ご指摘ありがとうございます。
    以後気をつけます。
105訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 16:40:17 ID:PxpMkuny
素子は服を自ら脱ぎ始めた。
職場でも素子はハイレグや体にフィットした戦闘服など、
体のラインが良く分かる服を身にまとっていた。
だから、バトーは素子のプロポーションを良く分かっていた筈だった。
それでも、実際に見ると、服を着ているのと裸とは全く異なっている様子をうけた。
それに、素子の外見は大量生産の儀体のはず。しかし、やはり違う感じを受ける。
素子の裸体にバトーの胸は高鳴った。
素子は服を脱ぎ終えると、またバトーの胸に耳を当てる。
悟られないように無表情、無動作のバトー。
だが、生身である心臓の動きはコントロールできなかった。
明らかにバトーの心臓は拍動を早めていた。
素子はそのことを耳で確認すると、不敵な笑みを浮かべ、
バトーのシャツのボタンに手をかける。

「・・・・・脱がしても何にもならねえぜ・・・」
「あらそう?生身の心臓は正直だけど?」
「チッ・・・別に興奮したわけじゃねえよ・・・」
「じゃあ、何で拍動が早いのかしら?フフ・・」
106訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 16:52:56 ID:PxpMkuny
「これから丸裸にされて、何をされるかと考えるとなあ、
 恐怖で心拍も早くなるってもんだ」
「そうね、何しようかしら?生身の内臓をおいしくいただきたいわね」
「フン・・・・・煮るなり焼くなり好きにしろ・・・」
「そうさせてもらうわよ」

バトーは抵抗しなかった。
どうせ、できっこない。俺にはその機能が無いんだからよ・・・。
自分も相手も丸裸になってもなお、
これから二人がセックスをする実感がバトーには全く無かった。
仰向けでじっとしているバトーに素子はゆっくりと体を重ね合わせる。
ほほを引き寄せ、キスをする。舌を入れてかき回す。
積極的ではないが、バトーは素子に適度に答えた。

「バトー、・・・・・・・・・・」
「なんだ?」
「・・・抱きしめて」
「うん?・・・こうか?」
107訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 17:16:47 ID:5YsXsocH
素子の背中肩甲骨あたりに両腕を回すバトー。

「左手は腰の辺りに回すの」
「注文が多いな・・・。こうか?」
「そうよ。こうすればあなたの腕に私の体がすっぽりと納まるでしょ?」
「納まってるかぁ?」
「女の抱き方、忘れたの?」
「忘れたねえ・・・忘れた。あの日にもう二度と女を抱かないと決心したからな。
 使わない無駄な知識は即刻忘れるようにしているの、俺」
「じゃあ、無駄な記憶も忘れたら?辛い記憶は焼き捨てるのが一番よ。
 私もそうやって生きてきたわ」
「いいや、駄目だね。それに記憶を焼いたら都合が良いのは少佐の方だろ?
 ・・・俺にとってはゴーストの一部なの、あの記憶は」
「理解に苦しむな。一生センチメンタルに苦しめられたいのか?」
「そうさなあ。俺ってマゾかも。へへ・・・」
「マゾのマッチョは性質が悪いぞ」
「うるせえ!って、あ!・・・・・・なんでいきなりそんなところ攻めるんだよ。
 焦っただろうが・・・」
108訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 17:27:01 ID:5YsXsocH
素子はバトーの耳の穴に舌を入れた。
ビクリ!と大きな体は反応して頭を逸らす。

「感度、良いじゃない?」
「馬鹿野郎。誰だっていきなりやられりゃ。あっ!・・・やめ、くふうっ!」

今度は首筋を舐め上げ、左手の指先はスーっとわき腹をなぞった。
バトーは思わず、素子を抱きしめていた手を解き、
素子の両肩を掴んで押し上げた。
しかし、素子はすぐさまバトーの腋に手を差し入れる。

「あっ!馬鹿、止めろ・・・・!」

堪らず、バトーは腋を閉めた。
支えを失ってバトーの胸の上に崩れ落ちる素子。
しかし、すぐさま体制をたてなおし、愛撫を再開する。
今度は、太ももの内側をなぞる。
バトーは腰を引き、快感から逃れようとしたが、素子の指先は追いかけてきた。
109訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 17:37:50 ID:5YsXsocH
「馬鹿野郎!なんでいきなりそういう・・・。ちょ!ストップだ!ストップ!」
「嫌なら、感覚神経切ったら?そんなことも気が付かないくらい慌てているの?」
「あ、そうか・・・」

言われて初めて気が付くと、バトーは皮膚感覚を遮断した。
途端に快感から解放され、冷静になる。
バトーは愛撫を続ける素子に告げた。

「おい、切ったぞ。・・・おい!もう何も感じねえぞ。がんばっても無駄だ」
「あら、そう?・・・・・私はあなたが感じようが感じまいが構わないけど」
「はあ?どういうことだ、そりゃ」
「私があなたにこうやって触れたいから、続けているだけ。
 あなたの太もも、あなたの尿道口。あなたのアナル・・・」
「今度は言葉攻めかよ・・・」
「違うわ。私はバトーの体を触って、一人で興奮しているだけ。
 ソレに伴う感覚があなたにとって不快みだいだから、
 感覚を切ることを薦めたわけだけど?」
「不快ってわけじゃ・・・・ねえけどよ」
110訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 18:01:01 ID:5YsXsocH
感覚が無いおかげで、バトーは素子をじっくりと見れた。
素子はうっとりとした目で、バトーの股間を見つめ、弄っている。
顔は紅潮し、息は荒くため息混じりになっていた。
自分はそんなに少佐に欲されているのか?
少佐は俺と何がしたいんだ?俺には性器が無いんだぞ?
マジマジと素子の様子を観察しながら、バトーは思案していた。
そのうち、素子は我慢できないと言った様子で股間を舐め始めた。
尿道口から会陰を通ってアナルまで、何度も行ったり来たり丁寧に舐める。

ピチャピチャ クチュクチュ

唾液で濡れた股間からは卑猥な音が聞こえてきた。
その様子を目の当たりにして、
バトーは感覚は無いのだが、明らかに股間が疼いた。
この感覚はさながらAVを見ている感覚に近い。
とうの昔に忘れていた自分の中の性欲がムラムラと湧き上がってくる。
111訳ありバトー×素子:2006/12/06(水) 18:01:41 ID:5YsXsocH
すいません、また中断。
続きは深夜になると思います。
112名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 19:27:03 ID:USjEMHE+
>>111
頑張ってると思うし、面白いと思うのだけど…
攻殻のSS書くのなら、義体くらいは辞書登録したほうが良いのでは?
擬態とか書かれると、萎えてしまいまする。
なにはともあれ、続き楽しみにしています!
113名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 20:02:32 ID:iynGdEag
>>111
連投乙だ。シチュは良いと思うが、112も考慮して欲しい。
本スレでも「擬態」「甲殻」など、間違えると突っ込みいれる人がいる。
功殻ファンは原作設定に拘る人が多い。
それだけ作品を大事に思ってるって事だ。
そこさえ気をつければ、GJだ。


114名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 20:54:43 ID:qu/dyKpw
本スレは覗いたことないんだが、誤字くらいで突っ込むのか。
そいつはシビアだな…。
115名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 20:56:35 ID:qu/dyKpw
しまった、本題を忘れていた…or2

>>111
GJ!!
続き待ってるぞ。
116名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 01:05:45 ID:fUwjVLMM
がんが!
117訳ありバトー×素子:2006/12/07(木) 15:50:02 ID:nSemjckx
深夜に書き込むと書いていたのに、寝てしまいました。
今頃になってすいません。誤字、できるだけ確認して投稿しているのですが・・・。
118訳ありバトー×素子:2006/12/07(木) 16:04:16 ID:nSemjckx
”体が欲しなくても脳が欲する”とはこのことを言うのだろう。
バトーは大分前に自ら希望して生殖器を取り去った。
男根だけじゃない、精巣も前立腺も・・・。
性欲は性ホルモンがあるから生じるものの筈。
そのホルモンを分泌する器官をすべて取り除いたはずなのに、
いま、ここでバトーは素子とのセックスを望んでいるのだ・・・。
それを自覚すると、バトーはやるせない気持ちになっていった。

そのうちに素子は自分の性器を自分でいじりだす。
バトーが切ない気持ちで見つめていることなんてお構いなしで。

クチュクチュ ピチャピチャ

素子の股間からも音が発し始める。
そして、素子の表情が快感に溢れる様に変わった
バトーは堪らず、素子のあごに手を伸ばし、自分の股間から顔をはずす。

「・・・なんだ?良いところなのに」
「勘弁してくれ。少佐一人で盛り上がるなんて・・・」
「じゃあ、感覚を戻したらどうだ?こちらとしてはバトーに悶えられると
 やりにくくなるが、仕方あるまい」
「そういう問題じゃねえ」
「じゃあなんだ?」
「・・・・・・・・」
119訳ありバトー×素子:2006/12/07(木) 16:16:32 ID:nSemjckx
「・・・・・・・」

バトーの表情を読んで素子が一旦手と口を休める。
人形のように無表情でじっとバトーを見つめる瞳。
心配しているのか、それとも中断されたことに不満なのかは分からないが、
バトーの言葉を待っている。

「・・・・・・・・・・」

しかし、バトーは自分の気持ちを上手く伝えることが出来そうに無かった。
有線。という手もあるが、それでは自分のゴーストに触れる部分に素子が
進入してきてしまう。バトーにそこまでの覚悟は無い。

「怖気づいた?・・・・・・犯されそうになって」
「・・・・・・・・・・・・・」
「相変わらず口下手ね。・・・報告書がいつも遅れるわけだ」

素子はハアとため息をついた。
120訳ありバトー×素子:2006/12/07(木) 16:29:13 ID:nSemjckx
「・・・・・・・俺には・・・・・・・セックスする資格がねえ・・・」
「資格って生殖機能のこと?だったら私なんて幼少期に資格剥奪だわ」
「ちげえよ。そういうことじゃねえ・・・・・」

あの日、バトーは自ら女を二度と愛さないと誓った。

「さようなら・・・」
そう言って病室を出て行く彼女。
自分が傷病の身でなかったら追いかけて・・・・・・・。

「バトー!?何を・・・・・・っぐ!」

驚いた素子が首にかかる両手を解こうと必死になる。
バトーは力いっぱい素子の首を締め上げていた。
これがもしも、素子でなかったら。高性能儀体でなく生身の女だったら・・・。
一瞬で意識は飛び、そのまま死んでいただろう。
素子は自分の電脳が弾け飛びそうな熱感を味わいながら、
必死でバトーの首の後ろに手を伸ばした。
121訳ありバトー×素子:2006/12/07(木) 16:56:33 ID:QUfcj4TV
カチャン!

バトーは自分の首の後ろで音がしたが最後、
全身の力が抜けて首を絞めていた両腕がダランと落ち、
体躯も保てずにベッドにバタンと倒れて、身動きが出来なくなった。
苦痛から解放された素子は数分間、息を必死で整えた後、
バトーを冷たく見つめてこう告げる。

「裸だからって丸腰だと思うな」

素子は自分の前腕部にゴースト錠を忍ばせていたのだった。

「第二頸椎部からの運動神経遮断。だから、口は動かせるわよ。
 さあ、何故私の首を絞めたか理由を聞かせて貰おうかしら」
「・・・・・・・・・・・・・あの日、彼女から別れを告げられた時、悲しかった。
 が、それと同時に怒りが湧き上がってきたのさ。
 殺してやる!と思った・・・。あの細い首根っこを締め上げて殺してやると・・・」
「・・・・・・・・・」
122訳ありバトー×素子:2006/12/07(木) 17:10:57 ID:QUfcj4TV
「俺はもう女は愛さねえ。・・・・・・悲しみもそうだが、殺意は二度と御免だ。
 俺の中の殺意は眠っているだけだ。女を愛すればまた目覚める・・・」
「だから、自分を戒めるために、性機能を放棄したのか」
「そういうことだ。・・・俺は不能だ、女を喜ばせることは出来ねえ。
 こういう体にすれば、もうあんな思いはしねえ・と・・・」

力なく横たわるバトーに素子は体を重ねる。

「なあ、バトー、私はそんなことはしないぞ。それに9課にいる限り、
 お前から離れていくことは出来ない・・・」
「・・・・・・・」
「それに、こんな職業だ、誰にいつ殺されても、構わん」
「・・・・・・・・・怖いんだ、素子・・・・・・」
「人を愛するのがか?」
「そして、信じるのがさ・・・」
123訳ありバトー×素子:2006/12/07(木) 17:34:50 ID:QUfcj4TV
バトーの口元には淋しげな笑みがあった。
過去に捕らわれ、臆病で、でもソレを隠そうとする笑みが浮かんでいた。
素子は一旦バトーから体を離し、自分のかばんから小型のピストルを出した。
そしてそれをベッドのバトーの右手近くに置く。

「これからお前のゴースト錠を外す。
 私が信じられんのなら、迷わず私の電脳を破壊しろ」
「へっ、俺に出来るわけがねえだろ?少佐を殺したら9課の誰かに俺が殺される」
「元レンジャーのあなたがみすみす殺されるわけ無いと思うけど?」
「それもそうだな・・・」

素子はゴースト錠を外すために、バトーの首の後ろに手を回す。

「愛しているわ・・・・・」

素子はつぶやくと、目を閉じてバトーにキスをし、ゴースト錠を外した。
124名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:16:15 ID:W4xpW3vK
>>123
GJだ。最後までがんばれ!
125名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 19:29:23 ID:c9Pma1yN
長くてウダウダつまんね
もういいよー乙かれ様でした
最終回キモかったです
ウンザりしますた


これはエロパロ板の総意である
126名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 20:36:50 ID:Naf8HCHk
>>123
おもしろいです!
続きwktk
127名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 21:22:09 ID:HXXCzeGg
>>123
応援してるよ!
続き待ってますwktkwww
128名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 03:47:42 ID:rB3Pa/Ln
原作読むなりアニメ見るなりしてもうちょっとキャラつかんで欲しい。
129名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 19:22:24 ID:c6fj86Gt
打ちきりしていいよ。
俺読まないし、スレ喰い虫だと思ってるから。

とりあえず太刀駒と投下相談してきて。
130名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 22:38:15 ID:Dpk0wJF+
2ちゃんねる
131名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 23:00:30 ID:N+H7T+sq
話の好みは人それぞれだから、多少批判されても続けた方がいいんじゃないか?
前スレから書いてる人みたいだから、もう初心者じゃないだろう。
他スレ見てみろ。気に入られなくて、スルーされてる職人がいくらでもいる。
レスつくだけで、マシだ。
132名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 23:25:10 ID:6rxGKFqJ
>>129
お前が読みたくないなら、読まなければいいだけじゃないか。
読みたい人の方が多いんだから。
133名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 02:15:22 ID:rrfdmm8M
読みたい。ってかここまできて打ち切りされるとかなり辛い
完成はしてるの?
134名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 02:50:22 ID:GMlFPSlx
もう書く気失せました
135名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 07:52:06 ID:uOc8s76K
2ちゃんねる
136名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 13:07:25 ID:RoI27Sv6
あーあ(´・ω・`)
137訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 20:38:10 ID:gieqRFdS
バトーの体に意思が通じるようになると、バトーはピストルを取り上げて
素子のこめかみに当てた。
側頭部に硬い感触を感じ、流石の素子にも緊張が走り、
わずかにバトーの後ろに回した腕に力がこもる。
バトーは顔を逸らして唇を素子から外した。

「愛しているか・・・。あの時の彼女も俺にそんなことを言っていたぜえ」
「・・・・・・・・・・・」
「だから、俺はその言葉を信じない」
「・・・・・・・・・」

素子をにらみつけるバトー。
表情筋の運動神経を切断し、感情を読まれないようにしている素子。
相反する二人の顔は窓の外のネオンに照らされ、奇妙な画を描く。

「だが、・・・上官としてのお前は信じている」
「・・・・・・・・・」

138訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 20:51:43 ID:gieqRFdS
バトーはピストルを床に投げ捨てると、すぐさま右手を素子の腰に手を回した。
左手は肩を抱き、抱きしめると素子を上下を入れ替わる。

「俺も愛している。ただし、部下としてな・・・」
「そう・・・」

照れながら小さな声の告白で、素子の顔に表情が戻った。
いたずらっぽくバトーに微笑むと、バトーの口付けを受け入れた。

「上官として忠告するけど、もう感覚神経は切らない方が良いわよ?」
「それはお前もだ」
「あっ・・・・・・」

バトーは両手で素子の胸を優しく掴むと間に顔をうずめた。
139訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 21:06:53 ID:gieqRFdS
久しぶりの女の体にバトーは自制がきかなかった。
胸、腰、腹、肩、・・・体の隅々をさわり、唇を這わせる。

「やあっ!・・・・バトー・・・くうっ!・・・」
「・・・・・・・・」

儀体とは言えど、肌触りも体温も感度も
バトーの記憶にある生身とはほとんど変わらないようだった。
バトーは夢中で愛撫をし、素子の反応を楽しむ。
先ほどとは全くの形勢逆転。
予想のつかないバトーの行動に、素子は戸惑った。

「バトー、こら!・・・・やめ・・・ああっ!」
「・・・・・・・・」

素子が止めることを要求するが、バトーの耳には入らない。
普段ならば同等以上にバトーとやりあえる素子だったが、
次々と襲ってくる快感に力を上手く出すことが出来ない。
140訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 21:40:49 ID:HNU7g2OG
バトーの指と唇は素子の体を自分のペースで下降し、
ついには最もプライベートな部分に差し掛かった。
素子は足を閉じて、腰を引き、快感から逃れようとした、
だが、バトーは足の間から、いとも簡単に指をそこに探りいれた。

「こら!やめろ、バトー!これは命令だ」
「ん?・・・・・・聞こえねえな」
「やめろと言ってるんだ。手を退けろ」
「こんなに楽しいのに、そんなこと出来るかよ。へへ・・・」
「はっ!・・・・・・ああ・・・んっ!」

抵抗空しく、容赦なく進入してくる指。
素子は腰をくねらせ、声を上げるしかなかった。
素子の中がほぐれ、暖かく滑らかになった頃を見計らい、バトーは素子を解放した。
快感からの休息に素子はようやく安堵の呼吸をした。
141名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 21:41:04 ID:ttvYlgwf
紫煙
142訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 21:51:35 ID:HNU7g2OG
「言い乱れっぷりだったぜ、少佐。他の奴らにも見せてやりてえくらいだ」
「・・・・・・・・」

体を起こし、さて、そろそろ挿入か。
というところでバトーは自分に体に性器がついていないことを
嫌がおうにも再確認した。
自分の股間を見つめて動作が止まったバトーを見て、
素子は全てを察する。

「バトー、今度は私が楽しませてもらうぞ」
「・・・・・」
「聞いてるの?あなたのイカせてもらうわ」
「こんな体でかぁ?無理だろ・・・」
「良いから、任せなさい」

素子はバトーを抱きしめて、首筋を舐め上げた。
143訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 22:03:57 ID:HNU7g2OG
>>142 「あなたのイカせてもらうわ」→「あなたでイカせてもらうわ」
  です。すいません。

今度は素子が攻める番だった。
バトーの体を抱きしめながら指先で探る。
しかし、バトーは全然乗り気になっていない様子だ。

「うんっ・・・。止めてくれ少佐・・・」
「感覚神経切ってないわよね?最初と違って反応が鈍いわよ」
「切ってねえよ。・・・精神的なものだ」
「あらそう?ならいいけど。フフッ」
「俺は・・・俺はこんな体だ。だから少佐のことを・・・」
「そろそろ、イカせてもらうわよ。バトー座って・・・」

バトーが言いかけた言葉を遮るように素子は言い放ち、
ベッドに腰掛けるよう指示した。
144訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 22:21:08 ID:HNU7g2OG
座ったバトーの左太ももを足に挟んで素子は腰を下ろす。
そして、先ほどゴースト錠をはめた時のように
バトーの太く筋肉質な首の後ろに両腕を回した。
バトーはそれだけでは不安定な素子の腰に両手を添えて、支える。
素子はバトーにキスをしてから、自ら腰を振り始めた。

「素子・・・!?」
「ああっ、くう・・・・・・・・。ちゃんと支えていなさいよ」
「ああ・・・」

鍛え上げられたバトーの大腿の筋肉の隆起部に素子の敏感な部分が当たり、
腰を振る事でこすれ、それが快感を生じさせる。
数秒もしないうちに、バトーの太ももは素子の愛液でぬるぬるになっていた。
145訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 22:37:10 ID:HNU7g2OG
「うんっ・・・・・・はあっ・・・・。いいわ・・・」
「・・・・・・」
「あんっ・・・・!」


バトーは最初、素子の腰に手を添え、支えるだけだったが、
素子の頬、唇、首筋、耳たぶ、胸を自分の唇と舌で弄び出した。
そのたびに、素子は快感の声をあげ、体から敏感な良い反応が返って来る。
素子の苦しそうで切なそうな快感の表情がバトーを一層満足させた。
快感の高まりとともに、素子の腰の動きも早まるが、
素子はイキそうなところまで行くとスピードを緩く調節しては
バトーとの情事を出来るだけ長引かせていた。
バトーは何度かその行為を繰り返す素子に意地悪な感情が湧いてきた。
自分の体を使って適度に喜ぶ素子。この主導権を奪ってやろうと・・・・。
146訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 22:43:04 ID:HNU7g2OG
「悪いな、素子・・・」
「?!何を・・・バトーぉ!」

バトーは素子の腰に添えた腕に力を込める。
驚く間もなく、素子の腰の動きはバトーの支配下に置かれた。

「あっ!や、駄目だ、バトー。イッてしま・・・くう!」
「イケよ。俺の体で・・・」
「あう・・・・・・ああああ・・・・!」

既に温まり、高まっていた素子の体は簡単に絶頂に達した。
バトーに必死にしがみついて快感の渦に耐える素子。
びくんびくんの波打つ体をバトーはしっかりと抱きしめ返した。
147訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 23:49:34 ID:HNU7g2OG
事が終わって、バトーと素子はベッドに横たわった。
バトーは素子の首の後ろに手を回し、そのまま自分の下に引き寄せた。
丁度、素子の耳がバトーの胸にあたり、心臓の音が聞こえる。

「・・・・・・大分落ち着いたじゃない、心臓」
「んあ?・・・・・最初からかわんねーよ」
「そうね・・・フフ。気持ちよかったわよ、あなたの体」
「・・・・・・・ああなるとはな・・・」
「今度、パーツ付けてからもう一回試してみる?」
「そうだなあ・・・。長い間付けてないから使い物にならなかったりしてな。
 ・・・おお、怖い。そうなったら俺、立ち直れねえかもしれねえ」
「そうしたらまた、今夜みたいにするわよ。
 バトーはともかく、私はするからには楽しませてもらうわ」
「自分だけずるいぞ、そりゃ!まあ・・・今夜はありがとな・・・」
「こちらこそ・・・フフ」
148訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 23:56:28 ID:HNU7g2OG
その晩、バトーは素子と眠りに着き、夢を見た。
昔、自分を捨てていった婚約者との楽しい思い出の一部だった。
別れがあまりに悲しかったから、別れのシーンばかりしか思い出していなかったけれど、
楽しい時期もあったのだ。忘れていただけなのだ。

「もしかしたら、俺のゴーストは少佐のおかげで救われたのかも知れねえな・・・」

夜中に目が覚め、素子の寝顔を見ながら、
バトーはつぶやいた。


終わり
149訳ありバトー×素子:2006/12/10(日) 23:59:21 ID:HNU7g2OG
誤字が相変わらず撲滅できませんで、すいませんでした。
エロには前置きが長すぎて退屈された方もいらしたようで申し訳ありません。
こんな調子(前置きの長いエロ)で、トグサと嫁の話しもあるので、
また時期を見て投下したいと思います。
素子がバトーを誘うお話だったので、確かにキャラも崩壊してたよね。
うーん、パロディって難しい・・・。
150名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 00:33:57 ID:SGpL9E19
>>149
GJでした。よくがんばったと思います。話は面白いと思うよ。
もしかしたら、考えながら投稿欄に直接書いてるのでは?
エロパロの職人さん達は、通常パソコンのメモ帳やワード、文書支援ソフトを使って話を書く人が多いよ。
一度下書きした話をチェックしてから投稿欄にコピペすれば、誤字もなくなるし、無駄に長くもならないから。
数レスをワンレスにまとめて1回か2回の投下にすれば、気に入らない人は嫌スレ付けずにスルーしてくれる。
トグサの話を書く時は、試してみてください。次回も期待してます。

151名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 01:39:17 ID:5ymZLXAq
GJ!!!
なんかあったかエロスでよかった
トグサ君と嫁にも雰囲気合いそうだからwktkして待ってるよー
152名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 22:52:39 ID:l+Y1aBt6
乙です!!
凄くよかったです><

次回作wktkして待ってます
153名無しさん@ピンキー:2006/12/12(火) 12:46:24 ID:ZGU53aHf
>>149
GJ!!
俺は前置き長い方が感情移入出来て好きだから、すごく良かった。
154名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 19:17:55 ID:Nlx6JzmL
少佐、すごく……激しく攻められたいです……。
155名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 22:48:58 ID:KjVMcS9T
少佐っていい女だよな、もう俺の部屋に監禁したいわ
156名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 11:54:10 ID:7I71W+/p
逆レイープおめでとう
157名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 23:27:45 ID:m75q3G5z
逆に155が逮捕されるに100ゼニー
158名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 23:37:59 ID:YatDYoai
少佐「試してみる?」
159名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 01:11:22 ID:6VBi7rFS
俺「いや、やめとくよ (初めてがおばさんって嫌だし)」
160名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 11:04:04 ID:MSDUTZbm
荒巻「ではわしではどうかね」
161名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 15:15:23 ID:9Uyz7K0+
ボーマ「じ、じゃあ頼もうかな」
162名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 22:38:58 ID:W5y1C/CP
アッー!!
163名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 16:27:46 ID:HjJjWorZ
さり気なく159が俺を怒らせた。
164名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 19:12:30 ID:sNJ4JV2j
怒る必要は無い。
159のさりげない童貞告白を笑ってやればいい。
165名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 11:05:08 ID:FKi8sxdg
関連スレの新スレ案内

攻殻機動隊の可能な限りエロい画像スレ 14
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1166407316/
166名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 18:09:11 ID:RXLTzVw1
可能な限りってところが、なんかワロスww
167プロト素子(サイトー素子含む)前半:2006/12/18(月) 22:25:01 ID:GESB75VY
前半です。

『君たちにはきっと…ゴーストが、宿ってるんだね』
僕はそう思った。自分以外のことであっても…とても、嬉しかったんだ。

遠い所の声が聞こえてくる。
しかし、どこにいてもやはり、少佐の声が一番明瞭だ。
「イシカワ、無事か?」
「なんともねえ、そいつが咄嗟に知らせなけりゃ、寸での差で死んでたがな」
破損したショックで、頭痛か鈍痛という感覚でもできたのだろうか。
こうして思考できるから脳は衝撃を受けた上でも、無事でいたのだろう。
しかし、首から下の接続が殆ど消えてるらしい。頭部も似たようなもので…
ゴツゴツした有機物が…皮膚で繋がったまま、
ずるずるひきずられてるような感じがして、不快だ。
「バトー、プロトの電脳を維持できるか?」
「少佐、こいつの首根っこ、別の表皮が焦げ付いててプラグが接続しにくいぞ」
「溶剤で表層を少しずつ溶かせないか?いや、貸せ…私が繋げる」
少佐の声だ。
だが、視覚映像がでない。
この調子は、すごく緊迫してるみたいだ。
もしかして、とても迷惑をかけているのだろうか?
聴覚と実体のない最小の体感設定だけになっている。
多分…意識朦朧の中、聞こえてくる周囲の音や映像と、動けなくなった肉体の
感知できる範囲の狭間に立っているようなものだ。
殆ど、皮膚感触はなし。
破損による痛覚信号で脳が反応しているが、それはとても人間的なものだと思うので、
僕の中にはあまり際立って存在していない。
つまり、あまり痛いと思わない。
加えて、自身の損失よりも、状況判断の中、周囲の者が請け負う損失には
敏感でいるように心がけているので、あまり苦痛を体験したとは思わなかった。
「プロト、聞こえるか?」
168プロト素子:2006/12/18(月) 22:26:57 ID:GESB75VY
はい
ですが、声が出ません。
唇も動いているのかわからないみたいで…
内臓、および四肢と頭部における一部の神経が断絶しています。左聴覚だけは無事のようです。
イシカワさんは、無事でしたかって聞きたいんですが…
地下作業の後、配電盤に到着して、作業中に異常ガスを検知した僕は、
数メートル先にいるイシカワさんに、作業ユニットの外へ急いで出てもらった。
その後、続いて僕も出ようとした時、何かの衝撃音を聞いた所までを覚えているんです。
「見えるか、プロトッ!?」
ズズっとした粒子が飛ぶ。
ブツブツとした浮遊感の最中、未だ自身の状況は明確に判断できなかったが、
断続的に映像を拾うことができた。
左眼球から取れた世界に、少佐がいるようだ。
しかし、ピントがおかしいし、対象物もひっくりかえっている。
右目はどうも、開いていないようだ。
「プロト?」
少佐の唇が、動いて見える。
途切れては、映り、消えては拾いだせる映像世界に逐一うれしく思えてきた。
戻ってこれた…消えずにすんだ、少佐!
「熱煙を吸い込んで喉が焼けてるの。手足が動かせないのは全身、
火傷だらけのせい…胸部から上はそれほど酷くはない」
微動だに動く首から上の触覚は、戻りつつある。
そして、ここが作戦終了後のティルトローターの中だということに気づいた。
救出されたばかりの僕は、横たわったまま奥の区画にいる。
そして、壁際に凭れて座っている少佐の膝に自分の頭部が置かれているのだと理解する。
イシカワさんは手の火傷だけですんだみたいだ。
―――大事に到らなくて、良かった
本当に…
換えの効く僕がこうでよかった。
イシカワさんが僕のように焼けていたら絶対に回復は難しい。
死亡したかもしれないし、そうでなかったとしてもかなりの障害や後遺症が残るだろう。
イシカワさんがこんな怪我をしなくて本当に良かった。
開いたドアから隊員達が続々と戻ってきており、やがて少佐は最終帰還命令を下した。
終わったみたいだ。今回の任務は成功したのだろうか?
169プロト素子:2006/12/18(月) 22:32:52 ID:GESB75VY
僕はどうやら、突然のガス爆発で逃げそこなって負傷したらしい。
溶剤を含んだ布がちりちりと、首の後ろで痺れていた。
プラグが接続不良を起こしながらも、電脳の機能回復にかろうじて応対しているせいだろう。
しかし、首の裏を支えていてくれる柔らかい掌に…もう終わったのだという
安堵が募り、何も不快感はなかった。
僕の電脳活性を回復するための緊急措置を終えた少佐が、持ち替えた手で短くなった髪を梳く。
そして先程よりは幾分、落ち着いた声で呟いた。
「髪が焼けて台無しね」
手袋を外した少佐の指先が、僕の額に降りる。
水を浸した少佐の指は、ひんやりして気持ちいい。
やがて、僕の額や鼻の先までが、少佐の胸元に抱きこまれるかのように包まれた。
こんな間近で少佐に触れられたのは初めてで、今の状況では何か不謹慎な感覚だった。
「お前のおかげでイシカワは無事よ。よくやったわ、プロト……―――」
褒められて喜ぶというのを初めて知った。
柔らかい少佐の胸と膝の中で、暫定的な蘇生から意識を無くすまでの間、僕はなんだか幸福だった。

数週間後、マツイ先輩らに完璧な復旧状態との太鼓判を貰った僕は、いつもの仕事に戻った。
課長やトグサ先輩に連絡して9課に戻る旨を伝え、まず、ダイブルームへと向かうエレベーターに一人乗り込んだ。
久々に体がちゃんと動くので、体感設定はとても好調だった。
焼けた皮膚も、折れた骨格も、損壊した部分全てが元通りになったのだ。
ダイブルームに行くとイシカワさんが手を振って笑いかけてくれた。
上機嫌に僕の頭を掴んで話しかけてくる。
「なんだ、髪の毛戻ってるぞ」
「あの、かき回さないで下さいよ」
「短いほうが男前だったのにな」
「イシカワさん…頭がボサボサになります」
「なんにせよお前さんのおかげだ、感謝してるぜ」
「いいえ、こちらこそ、今後もよろしくお願いします。イシカワさん」
イシカワさんは語尾に「先輩」をつけて呼ぶとくぐもった顔色になるので、こう呼んでいる。
ダイブルームに走って入ってきたトグサ先輩は、息を切らしていた。
「ホントにもう大丈夫なんだな。よかったよ…」
と、実際に会うまでは心底心配していたらしく、申し訳なくも感じたが、少々恐縮した。
トグサ先輩は9課で隊長に就任してから、気苦労が絶えないのは相変わらずらしい。
でも、少佐が戻ってから、以前のような緊張して張り詰めている顔色ではなくなったのは確かだった。
170プロト素子:2006/12/18(月) 22:38:15 ID:GESB75VY
その場で数分、僕を労ってくれる談笑が続いて、休憩に突入した他の人達も
今回の任務報告の簡易説明をしに集まってくれた。
途中、トグサ先輩に課長からコールがあり、僕と共に首相官邸へ補助で同行する用件が言い渡された。
「20分後に屋上に集合か、プロト、上で合流な」
「はい、用意してきます」
外勤用の正装に着替えた僕は、10分後にエレベーターに乗った。
その5秒後、既に屋上にいるトグサ先輩が運び損ねた書類があると
通信してきたので、階の近場にいる僕が先輩の机まで代わりに取りに戻った。
(つまんないミスしたよ、少佐や課長には内緒な、プロト)
(了解、お気になさらず。先輩は状況に応じて行動も判断もできる方なので、
知られてもミスのうちに入らないと思いますが)
こういうミスをする先輩が久々だったのはどこか懐かしい。
傀儡廻しの事件までの二年間、先輩はそんなミスが少ない分、近寄りがたくなっていたからだ。
書類の確認をし、ブリーフケースを持ってエレベーターに行くと、開いた扉から少佐が現れた。
久しぶりの少佐との対面だ。
体の曲面にフィットしたジャケットと、紺のロングスカートに身を
包んでいる少佐はサングラスを外して微笑む。
「あら、さっそく仕事?」
「はい、少佐」
エレベーターから降りるであろう少佐を会釈して待っているが、少佐が降りてこない。
この階で降りるために乗ったであろう少佐が逆に、手招きする。
早く乗りなさいと言われた僕は、エレベーターに進んで少佐の行き先の階を聞いた。
「あなた、屋上でしょ?課長やトグサと合流ね」
「はい」
「そう」
少佐が開閉ボタンを押して、さっさとと扉が閉じる。
「少佐は、何階ですか?」
どの階のボタンを押せばいいのかわからないまま、僕の指先は空をさまよう。
次いで、黙ったままの少佐が僕を凝視する。
戸惑った僕は、視線を合わせないようにしていたが、少佐は、
「ちょっとこっち向いて」
と言って僕の正面に躍り出た。
壁に追いやられた僕は、見る見るうちに少佐が近くなる。
いつの間にか、密接してくる少佐に僕は気を取られていて、何かとても気恥ずかしくなった。
向かい合ってる姿勢とか、この距離とかが何もかも…
「あの、少佐?」
「ネクタイ、ゆがんでるわ」
気がついた時には既に、僕の胸元で少佐の両手が動いていた。
「あ、すみません…あの自分でやり直し、ますから」
「いいから、少し屈め」
スッスッと布が解ける音がする。
数分前に自分で作った結び目が、見る見るうちに新しい結び目に塗り替えられていく。
171プロト素子:2006/12/18(月) 22:43:17 ID:GESB75VY
僕よりもずっと上手に、そして器用に…少佐はネクタイを結びあげていた。
少佐の瞼がくっきりと見える。
彼女の前髪や横の壁、いろんな所へ留まらずに目を落としていた僕は、
とうとう…どこを見て良いのか分からなくなった。
それに、今、顔がとても変になっているのではないかと頬の紅潮を心配してしまう。
常温であるはずのエレベーター内が、熱気を帯びているように暑いのだ。
このおかしな感覚は、何かの接続不良ゆえなのか…
ぼうっとしていた僕の意識に、数秒後、苦笑まじりの声が通る。
「意外ね、できてるように見えてもこういう所が不器用だわ」
襟元をより正すように少佐が指先をきゅっと這わせる。
少佐の指先が僕の首筋にすっと触れる。
僕は、その部分がとても奇妙な反応をしているのを認め始めた。
少佐の指が、冷たくて…僕の体温は、ますますあがっているのではないかと思ってしまった。
飛び上がるような勢いをして、人工的に作り上げられた血管までが、なぜか脈打つ。
人間でいう病み上がりの症状なのか、よくはわからなかった。
マツイ先輩には完璧な修復だというお墨付きを頂いたばかりなのに、また壊してしまっては申し訳ない。
結んでもらったことについて、できるだけ冷静に礼を述べてから、
僕は…間近にある少佐の顔を、相変わらずまともに見れないまま話していった。
「インストールしてないんです…」
「ネクタイの締め方?」
「はい。先輩達に教えてもらって、記憶したものを使ってるんです」
「私もよ。自分で結び方は覚えたわ」
「少佐は上手なんですね」
「昔は下手だったけどね」
少佐の睫や瞳に幾度か目をやったはずみ、やや俯いていた僕の髪が前に垂れた。
幾筋か垂れた毛先が、少佐の前髪や彼女の両頬をくるむ髪に触れていく。
薄い僕の髪の色が、少佐の髪の色の中へ溶け込まれたような錯覚を覚えてしまう。
同時に、少佐の使っている香水を僕は、この時初めて知る。
下から見上げた少佐は、やがてまっすぐに直立した僕の両肩に降りた髪を後ろにやってくれた。
そのついで、正面と背後から背広をぽんと調えてくれた。
皺のないおろしたばかりのスーツが、より張りのある着心地を増していく。
屋上に着くまでの短い間、至近でいた少佐の香りといい、匂いといい、
全てのものを僕の全感覚は記憶してしまった。
「今日、風は強くないけれど、屋上にいったら髪はどうせぼさぼさになるわね」
「スーツは崩さないように努めます」
あがった声を悟られぬよう、僕は精一杯、余裕をもって答えた。
片手に持っていた僕のブリーフケースが、トグサ先輩の忘れ物だと気づいたのだろうか…
少佐は、笑みを零しながら僕を見ていた。
僕は、その優しげな表情に動悸がおさまらなかった。緊張もピークに達しそうである。
その時、エレベーターの扉が開く。
「そ、それでは少佐、失礼します」
ところがだ。
エレベーターを降りようとした時に、僕は手にしていた荷物を危うく落としそうになった。
動きが変でぎこちなかったせいだ。
「あ…すみませっ……」
落としかけた鞄の取っ手に、後ろから少佐の左手が重なる。
落ちなかった荷物に、やれやれといった風で僕の手をしっかり握ってくれていた。
もう片方の手で僕のひじを支えるように、少佐は腕も後ろから掴んでくれていたが、
ひじの角から…少佐のふくよかな胸に触れてしまった僕は、そのあまりの柔らかさに意識が集中する。
加えて、背中ごしに注意を受ける。
そして、まだどこか悪いのかと指摘されてしまった。
僕は、かちこちに首を振って否定するが、少佐は何か気遣うような言葉を送ってくれる。
彼女が話す声と同時に流れてくる、甘く上品な香りに動悸がおさまらなくなる。
申し訳なくうなずいて、この場をしのごうとするが、
自分の顔をみせたくなくて耳を傾けるそぶりをした。
172プロト素子:2006/12/18(月) 22:50:51 ID:GESB75VY
だが、ここはもう屋外で…殆どが、9課専用輸送ヘリのプロペラの風音で聞き取れない。
髪の毛だってさっそく、風でぼさぼさになっている。
真面目に聞こうとするが、振り向いて礼のひとつも言えそうにないほど緊張が高まり、
何の余裕もでてこなかった。
その中で、最後らへんに発せられた彼女の声がようやく聞き取れた。
「気をつけなさい、プロト」
「はいっ、すみません!そ、それでは…っ」
――――いってらっしゃい…と耳元で囁かれて、僕は背中を軽く押される。
耳元に、暖かい息がかかっていた。
―――早く、仕事にいかなければ…
振り返ることなく、数歩、僕は前に踏み出した。だが、足取りは苦いほど遅い。
進行方向の先から、トグサ先輩がもうすぐ離陸すると叫んでいる。
前に進んでいるつもりだったのに、僕は…しばらくぼけっと、
つったっているような数秒を味わってしまった。
振り返ると、少佐の乗っていたエレベーターは閉じて誰も居ない。
階を示すランプは、9課のメインルームに直行している。
一緒に、わざわざ屋上まで来てくれた?
見送ってくれたのだと僕は認識し始める。
トグサ先輩に荷物を渡してから僕は、席について必死に落ち着こうと呪文を唱えた。
「どうかしたか?プロト」
先輩に顔色を伺われてしまった。
なんでもないことを反射的に僕は答えたのだが、顔色はそれを証明してはくれなかった。
「顔赤いな…やっぱまだ、調子悪いとか」
「まさか、そんなことはありません。まったくもって正常です!」
「そっか、ならいいけど」
そこで課長が冷静な一声を投げてくる。
「少佐の姿がエレベーターで見えたようだが、何か用だったのか?」
「はい、見送ってくださったようです。ネクタイも直してもらいました。
“いってらっしゃい”とおっしゃってました」
顔を見合わせていた課長とトグサ先輩がそれぞれ苦笑していく。
「珍しいな、あの少佐が何の気まぐれやら」
「課長、いってらっしゃいって、なんかお母さんみたいですね」
雪や雷が一気に降るかもしれんと、課長が珍しく冗談を転がしていた。
僕は、それ以降は何も聞こえなくなるくらいの調子で、頭がずっと動転していた。
その日一日、トグサ先輩の言った「お母さん」という言葉に集中力をそがれてしまったのだ。
崩さないようにすると宣言したスーツも、そそっかしい動作で行動していた僕は、
すぐに皺を寄せてしまった。

義体化技術や電脳化が発達した時代となっても、バイオロイドの定義は未だ明確ではない。
何を目的として産生されたのかを考えると、バイオロイドという言葉もどこか曖昧なイメージがする。
将来的には、遺伝子改良を施された別種の人間となる展開にいきつくのかもしれない。
もっと進めば、バイオロイドのみの営みと集団、社会構成や人間との共存が可能となるのかもしれない。
でも、今はまだ過渡期だ。
人工物には違いないが、思考戦車のような完全たる機械にニューロチップを搭載した
人工知能がどのように備わるのかという疑問と、無機物を中心としたAIが
いかに生体に定着するのかという位置付けに今は挑んでいるだけの時代なのだろう。
―――自分は後者だ
人間の役に立つため、戦車の形として作られた存在がいる一方、人間の形をして作られた自分…
今、僕に分かっているのはその差だけ…
実験的に作り出されただけなのか、兵器利用として存在しているのかははっきりしない。
ただ、思考戦車もバイオロイドも兵器であることを唯一の目標にするならば、個性は命とりとなる。
ましてや、兵器利用のための存在に感情等が芽生えては、抑制がきかなかったり、
利用する側がコントロールしにくくなる。
そうすればやがて、「兵器としての位置づけ」に不都合ができてしまう。
それに、個性の分化、蓄積やその強調がゴーストの創造にいきつくならば、
むしろ、また別の用途に向けて歩みだした人工物となる可能性だってある。
自分の場合は、主に生体にAIが搭載されてもその定着は可能か…という検討過程にあるが、
もとから純粋な人間ではない僕の脳には、ゴースト存在の有無は判別できない。
173プロト素子:2006/12/18(月) 23:03:24 ID:GESB75VY
人の形をしていることで、僕にはゴーストがあるのかもしれないし、ないのかもしれない。
わからないことだらけなんだ。
攻性防壁で攻撃されても人のように死ななかったし、不死なのか半不死なのか、
自分では限界が分からない。
“自分”のことを聞かれても、僕自身が自分をわかっていないことのほうが殆どなのだ。
だから、人の真似をしたり、人のように目標を考えたり、
外見的な差異を特徴付けてみてはどうかと髪の長さも固定した。
ゴーストがあって不都合が生じるか、生じないかの疑問はともかく、
わからないことばかりの中にいるなら、せめて…
作られた人間という器に、ゴーストが宿るのかということを知るために自分はいるのだと願いたい。
だから、おそらく…「ない」という前提で、僕は自分を魂のない人間と認識することに大方、賛同している。
将来、自分のような存在はどのようなものとなるのかよくわからない。
答えをだすには、僕のような存在の個体数を増やして検証するといいのだろう。
けれど、このことを考えると、僕は最後にいつもこう思う。
背後には、他にもたくさん“自分”がいるのだ。
僕が欠けても、また別の自分が使われるのできっと誰も気づかない。
それを寂しく思うのが自分だけのような気がして…正直、怖い
そう思いたくなければ、これ以上変容しないほうがいいのかもしれない。

夕方、9課に帰還した。
課長やトグサ先輩と解散してから僕は、倉庫で資料を検索する仕事にはいった。
イシカワさんやボーマ先輩が新入隊の人達に、大戦前の資料を使った研修を行うらしく、
旧式の記憶媒体を詰め込んだ資料ケースを必要としているため、探しに行った。
9課に昔届けられた、とある国の防衛局からの古い資料ケースだったというが
大して重要性の高いものでもなかったため、目立つところには保管されていなかった。
どこかにまぎれこんだ可能性も高いので検索をかけた場所を絞り込んで、あとは手探りで探すしかなかった。
9課拡大にむけての、新人教育用途に使われるとも考えにくかった物品らしく、
保存にはさほど配慮されなかったのだろう。
倉庫区画とはいえ、棚の連続する各部屋で、夕方から探すこと1時間半、時刻はあっという間に夜の9時前だった。
ボーマ先輩から、あと30分探してなければひきあげていいと引導を渡された。
僕は、黙々と探し続けた。疲労感は感じなかった。
むしろ、昼間の少佐のことで頭がおかしくなりそうな気配を正したくて、集中して探していった。
「母親って…先輩も、変なこと言う。…ありえない」
少佐からくる様々な刺激が自身の変容という効果をもたらすのならば、
どのように対応すればいいのか意識の裏で、必死に考えた。
しかしながら、その思考も中断せざるをえない。
ここより近い区画から、人の気配が漂ってきたのだ。
僕は探索作業から、警戒を含めた注意を呼び起こした。
ここはそもそも誰も立ち入ることのないエリアだ。
探し物をする役目は、夜間に自由に入ることのできる僕や使用時間を
制限されたオペレーターが主である。
新人や古株の人達もよほどのことがない限り、足を運んで来ることもない。
ましてや勤務時間も過ぎているこの時間、イシカワさんはとっくに帰っていたし、
夜勤には今日、ボーマ先輩が残っていただけだった。
旧型デバイス世代の現物保存倉庫と呼ばれているが、
それなりに貴重な資料や文献の一部を9課が、厳重に保管する一帯でもある。
侵入者を察知した僕は、管理室で各部屋の映像を拾った。
どの映像も、棚やボックス、椅子と机だらけで薄暗かった。
しかし、その薄暗い中に…ちまちまとした、あまり移動性のない二つの人影を発見する。
拡大する都度…なにか妙な胸騒ぎを持ってしまった。
「あれは、少佐…?」
それらしい輪郭だ。
何より、女性らしい体つきの人影とその髪型からすぐに少佐と断定できた。
もう一人は、ここからは見えない。
数十歩の距離だったのに加えて、少佐も何かの探し物なのだと思い、僕は二人のいる場所に近づいていった。
こちらの探し物もひとくぎりついたし、今度は少佐の探し物を手伝いたかっただけだった。
だけど、行かないほうがいいと思った。
妙な所で、この警告はあたるのだ。この間、検知したあのガスの濃度だってそうだった。
174プロト素子:2006/12/18(月) 23:12:00 ID:GESB75VY
配電盤に到着する前から、ざわついていた予報だった。
正体不明の警告に、僕はおそるおそる…憂鬱な気持ちになる。
タチコマには不確定要素の中の、より不確定なもので人間みたいだと揶揄されたりもした。
さっき少佐は、親しげにモニターのもうひとつの人影に近づいていた。
もう一人のほうも、どこか、近づきすぎだろうというような人影だったのだから…
だから、あれが…何かの前振りであるのなら、今引き返すほうがきっと…
「ふふっ…はぁ、あ…あぁ……あっ!」
びくりと半開きの扉の前で僕は止まる。
開けようかと思って伸ばしていた手を止め、手動解除になった扉の前で立ち尽くす。
どことなく、布地の引き散れる音が飛んでいる。
「あ、…ん…乱暴、ね…久々だからっ…?」
「ああ」
「破いてくるお前なんて、…初めて見るわ…っふふ…ん」
「笑ってんじゃねえよ」
「あは、は…アァ…っ…や、あん」
クスクスと嘲う少佐の声は、とても息苦しそうだった。
もう一人の人物も、聞き覚えのある冷めた男の声だ。
机や椅子をガタガタと浮かせる二人の物音はだんだん激しくなり、
彼ら周辺の荷物が次々、床に落ちていったようだった。
男のほうも、息遣いが荒く、落ち着かない声を度々漏らす。
「は、あ…あぁ…っ」
ねちゃねちゃとした水音が聞こえ、ついぞ覗いてしまった僕は、
深めの椅子に座る男の上で体を揺らす少佐を見つける。
切れ端の見える紺のスカートや上着…下着や靴も散乱していた。
何も身に纏っていない少佐が男と抱き合って悦に浸っている。
激しく流れる汗、喘ぐ音が垣間見え、彼女の豊満な胸は向き合って座った人物の口で
貪欲についばまれている。
「ァ…サイトー…、ああ、いいぁ…っ…―――!」
僕は、顔が真っ赤になった。
悶えるような声で少佐が何度も相手を呼んでいる。
何をしているのか、立ち止まった時から予想は的中したし、
その相手の人物も判ったところで意外にも感じなかった。
思い当たる相手に、バトー先輩とこの人物位が前から囁かれていたからだ。
「アァッ……もっとぉっ!そうよ、…あんぅっ…!」
下から少佐を突き上げているサイトー先輩に、少佐が激しく腰を振っている。
少佐の掌が、あの指先が…先輩の肩や首で汗ばみながら震えている。
昼間、凛として僕のネクタイを締め、首筋をなぞってくれた少佐の指が、
艶かしい動きをしながら先輩に爪をたてる。
「ん、あぁあっ!」
快楽を貪るような、少佐の熱っぽい声が耳に入ってくる。
乳首は屹立して赤く熟れ、引き寄せられている臀部が鮮やかにしなっている。
―――知らない少佐、男に抱かれてる少佐…あの声も、あの表情も…
「―――……っ!」
僕はそこから、すぐに逃げた。
彼らの行為を目にしていると、自身の体が窮屈になるのを覚えていくのだ。
エレベーターに飛び乗って、息を切らした僕は上に上がっていくのを感じながら、
体の中の高揚感を持て余す。
暗く、人影のなくなった9課内を再び走り行き、この建物の中で唯一電波も何も届かない場所で急いで座り込む。
そして、できるだけ、誰にも覗かれないよう無心を装った。
うなだれると同時に髪を掻き揚げたが、不意に触れた首筋や耳に残る少佐の感触を思い出してしまった。
装いむなしくも、やはり先程の鮮明な情景に体の雄の部分を抑えきれなくなってしまう。
男性機能の搭載意図に心底、困惑する。
更に自慰行動に及ぶ自身が、理性までも放棄し始めて僕は酷く震撼した。
175プロト素子:2006/12/18(月) 23:17:30 ID:GESB75VY
「ありえないって、否定してたばかりじゃないか……っ」
―――そうだ、お母さん、あなたは僕を起こしてくれました。
眠っていたものを、呼び覚ましてくれたのだと気づきました。
「状況判断や行動を的確にできる先輩達のように早くなりたい」と思い、
9課でこれまで一心にやってきたのですが…
この判断を下すことに、役立つだなんて予想していませんでした。
認めていいのかと聞かれたら、認めざるを得ないと僕は思います。
――この感情を、この感覚を……
憧れだけに留めておいた羨望に、今しがた…嫉妬が加わる。
“わからないことだらけだから、わかるようになりたい”って思ってきた。
けれど、わかることが増えたのに、嬉しいと思えなくなってきている。
―――消したくとも、一度覚えると消すことができない
「駄目だ、きっと…失格だ」
とても淫らで浅ましくて、単調すぎて、人の形を模しただけの僕ではおよそ手に入れられなくなる。
こんなんじゃ、彼らのようなゴーストは宿ってくれない

(後半に)続く
176名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 23:27:33 ID:mgX8hWR2
面白いです。続きwktkして待ってます。
177名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 23:33:24 ID:RXLTzVw1
なんかオサレSSktkr!!
178名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 23:47:48 ID:YUdUYgnN
神キタワァ━━(・∀・)━━!!

面白くって読みふけってたらプロトが化けたみたいでGJ

後半超待ってる
179名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 04:38:55 ID:pAAnIlF+
神乙です!いいよいいよー、面白い。
180名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 22:56:05 ID:SB+4kswO

      _  ∩
    ( ゚∀゚)彡   素子!!
      ⊂彡       素子!!
181名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 23:32:43 ID:vNPxy/40
すげいいね、予想外カプSSにビックリ
182名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 16:44:21 ID:CfkfPfO1
完璧に少佐の声で脳内変換された
183名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 18:30:26 ID:6MupGJsp
全裸待機で待つには辛い季節だ。
184名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 22:30:29 ID:fSPBfcAP
>>183
そうだな、俺も辛い。
期待を表して天然オイルでも塗っとくか
185プロト素子:2006/12/23(土) 22:06:29 ID:QwhnSwSq
>>175 続き(後半)。(長いですが最後までお付き合いいただけたら幸いです)

彼女が僕の母であるのを願うなら、
なぜそんな感情を抱くのかと僕はそら恐ろしくなる。
彼女を蹂躙したがる独占欲が横行していいのかと、欲望のはけ口にいともたやすく
考えてしまう単純な思考に嫌気がさす。
そもそも魂のない生体が、感情を増幅させていること自体が問題なのだと思う。
魂を持つ人間が主体の世界で、彼らに創造された“魂のない生体”が、人に対しての本能や欲求を増やしてしまう。
これほど偽りを帯びたものはない。
擬似生殖機能に関連した僕の持つ本能は、ゴーストを保持する者のための世界における
子孫繁栄に対しての冒涜とも捉えられるかもしれない。
人は、僕に人であることを望んではいない。
人のふりをすることを許していても、結局の所、兵器や機械の持つ高精度機能や合理性を重視していると思う。
ささやかに焦がれていたものだけならまだしも、嫉妬と独占欲へとますます過激な方向へ
変容するのはバイオロイドとしても穏やかとは言い難い。
ゴーストのない自分が、ゴーストのある人間の振る舞いをするようでかえって惨めに感じてしまう。
憧れだけの味で満足していた頃に、戻りたいとも願ってしまう。
迎え入れる器が、こんないれものでは、降りてくれるかもしれないと信じてしまった
あの魂も宿りはしない。
少佐への思慕に連続する様々なものに、囚われてしまっている今の自分…
彼らのような、好奇心に満ちた自己に戸惑いながらも、喜び、悲しみ、嬉しくなる姿、
そして慈しみと成長…そんな無垢な性質のものと僕は、だんだんかけ離れていっているような気がする。
人をわかりたいと思っていたが、人を欲して支配したいとは微塵も考えていなかった。
個性からめざましい成長を遂げた彼らのような存在にほど遠い僕は、
醜い感情を負い目に、時間を追うごとに考えが複雑になっていった。
少佐を見るたびに、勝手な母性をイメージしては毎夜、背徳的な劣情で深みにはまっていく。
冷静さというのもが、仕事中でも欠けていく。
何度か、情動機能の異常増殖パターンにまつわる不適切なものの削除を試み、理想的なAIであろうとした。
しかし、いくらやっても消失しない存在に、狂いを生じたのではないかという不安で沈んでいった。

作業後の夜、ハンガーから10階下の区画に備品を取りに行った。
運ぶ量が一度ではすまなかったので、エレベーターを使って2回目の搬送をしていると、
乗りこもうとする時、あの人物にばったり出くわす。
エレベーターで出くわしたら、旧体制からの人は別として…
僕やアズマさんをはじめとする、続いて入った新人までもが全員、沈黙してしまう9課の狙撃手だった。
ライフルケースの収まった重たそうな荷物を抱えているサイトー先輩が中にいた。
ワゴンと両手一杯の僕の荷物を見て、先輩は扉をずっと開いたままボタンを押してくれていた。
いつまでも立ち止まってはいられない。さっさと乗り込む。
「…先輩、すみません」
「よせよ、その呼び方。慣れやしねぇ」
「はい…」
ハンガーに着いた時、降りようとすると、ポケットから取り出した何かをサイトーさんは僕に向けて突き出した。
「忘れ物だ、会ったら渡しとけって頼まれた」
「サイトーさん?」
「倉庫に落ちてた。お前のIDケースだろ」
倉庫と聞いて一瞬、ぎくりとした。
ケースをなくしていたとしても、中身があったので失念していた。
忙しくて、探しにいくのを後回しにしていたら結局、忘れてしまったのだ。
しかも、あの場所に居合わせたのを知られている。
差しだされたものを、すぐさま受け取り損ねたせいか、
荷物の中にそれを押し込められてから廊下へあとずさった僕は、ますます顔が固まった。
僕の表情で、全部読み取るかのような目をした冷静な狙撃手は、最後に至極面倒くさそうにこう述べた。
「それと、お前が触って動かしたモニターに、映った人影は元々なかった。そういうことだ」
開閉音が鳴って、そのまま扉が閉じる。
関係ない、さっさと忘れてしまえと言っているように聞こえた。
186プロト素子:2006/12/23(土) 22:18:47 ID:QwhnSwSq
サイトーさんは射撃場のフロアに向かって上がっていった。
顔の神経がこわばったままで、この時、どんな表情をしていたかを僕は覚えていない。
秘密を覗いた子供のように怯えた顔だけか、それとも、
あの時サイトーさんに対して沸き起こった感情までをも思い起こしていたのを読み取られたのだろうか。
鬱屈した気分の中で、考えていたことまで流れてしまったのかも、と…不安は果てしなかった。

その後、数日がすぎる中、僕は心ここにあらずといった状態を払拭したくて仕事に熱中した。
大掛かりな出動は起こらず、課長も長期出張中なので雑務はなかった。
それで、鑑識の人達と思考戦車の作業にずっとかかりきった。
仕事以外の間、あまりに少佐とサイトーさんのあの夜の場面を思い出してしまうので、
別のことを考えようと、忘れかけていた疑問を積極的に再生する。
『お前のおかげでイシカワは無事よ。よくやったわ、プロト…―――でもね』
あの時、冷静な響きだったが、どこか物悲しそうな少佐の言葉が聞こえていた。
『――でもね』という言葉の続きは、フィルタがかかったようで見つけられない。
記録に残っていると思うが、壊れかけていたせいかシールされているようで、とても不透明だ。
そのうち整理していない部分を落ち着いて分析してみたら、わかるだろうか。
先日から経験し始めた妙な感情に、少佐のこと…このごろ、僕はおかしいのだ。
頭の中がうまく働いていないような感じがする。
作業中も日に日に集中しにくくなっているし…
「うん?これは出した指示と違うぞ」
「あ…」
膨大なプログラミング作業を複数の端末で一斉に行っている途中、マツイ先輩に間違いを指摘された。
慌てて修正に取り掛かったが、少し指に違和感が生じていた。
昨日も同じ経験をしたので、僕はどこか異常を疑う。
高速でタイプできるはずなのに、動作が鈍い。
打ち込みの後、指先を見やるが皮膚や骨には異常なかった。
「出力が落ちているな」
「CPUに負荷がかかったような感じがします」
「内包している本体はもともと生体だ。
AIとの融合バランスや支持系統に対する遺伝子要素との相性、ある意味、機械よりややこしいだろう。
どのプロセスが原因なのか特定は難しい」
「蘇生する前はなかった現象だったのに…」
操作する機器や端末を2割程減らして、その後はなんとか効率を落とさず作業を終えた。
いつものごとく、過剰なまでに砂糖を放り込んだコーヒーを、僕はマツイ先輩から珍しく頂いて休憩に入る。
その時、この2年で、課長や先輩達が評価してくれるほど
円滑だった僕のパフォーマンスの、ここ数日の急速な低下について問うてみた。
蘇生直後の検査では脳活性や体の状態に異常はなかったと答えてくれたが、
少し、考え込んだ後に先輩は可能性を口にした。
「強いて言うなら、生物学的要因かもしれん…心当たりはないか?」
「と、いいますと?」
「精神機能の拡張だ。以前は、考えてもいなかったことが増大したとか」
「…わかりません」
「生存可能な条件をクリアするうちに、ある領域の精神機能の容量は制限せざるを得なかったと聞く。
初期設定要素と食い違っていくと不調をきたす可能性はあるな」
「その食い違い、もしあったとしても往々に調整していけないんですか?外部に増設とかを…」
マツイ先輩はまず不可能だろうと首を振った。
僕が作られた最初の時点で、今までの僕の思考概念や基本的な精神状態を維持する
適性なシステムと調節プログラムは細胞レベルにも連動し、おり込まれていたという。
体の中の恒常性が徐々にそれに馴染んでいったため、初期条件に沿って作られて
きた以前までの精神バランスを乱すと、生存できなくなると言われた。
どの領域の精神機能か先輩は断定していなかったが、僕はすぐに感情面の増大や多様性だと理解した。
この領域だけ、減らすことはできても“増設”だけは致命的なものだということを。
仮に、外部から感情をカバーする領域の増設を行ったとしても、その領域と連携している別の細胞がそれを拒むのだ。
これが今の技術の限界で、生体を持つがゆえに限定されるAI融合との問題点だという。
機械のように進化型のAIとして急速な発展を満たすには、
バイオロイドは生物要素をクリアする様々なハードルを乗り越えなければならない。
「限界点…ですか…」
「不快経験の蓄積疲労ではないか?現場にでて負傷したことがきっかけで負荷が重なり、効率が落ちただけだろう。
やりにくければ、現場での不快経験に対する記憶評価の書き換えを実行してはどうか」
187プロト素子:2006/12/23(土) 22:38:07 ID:QwhnSwSq
「いえ、そこまで不快では…多分、ただの疲労ですね」
「ここのところ、思考戦車に関する仕事が増えて我々も缶詰だからな」
僕は過労ぎみで調子が悪いことにあえて頷いた
「目標に対する動機づけが変化したか、単なる一時的な代謝機能低下か…
休養で様子を見るか。2、3日休んでみろ」
「休むって、仕事はつまっていますし、皆さん多忙なのに」
「そうあせるな。ここ2年でのお前の元々の能力は我々も評価している。
メンテナンス、鑑識と秘書係が適当な配置だったのかとしれんとも思う」
職に対してどういう適性があるのかをみるためでもあったが、
9課拡大に伴い、現場へ幾度か出たことで何らかの意識評価がひきがねになった。
そして、いらぬ不快感をひきずったまま疲労しやすくなってしまったのかもしれない…
そんなふうにも、マツイ先輩は考えていた。
それは、少佐にも以前から言われていたという。
「とりあえず、現場にでるための対応意識と作業効率のプログラム強化を検討しておこう。
明々後日から出てこい。その時、また検査しよう」
復帰してから2週間、朝から晩まで中毒並みの勤務状況だと先輩が指摘したので、
2日の休養を僕は言い渡された。

勤務後、今日述べられた所見を振りかえって僕は何度も検証してから、結論を隠れて持った。
“ある精神機能の拡張”というのは感情の変貌と増幅のことで、
これが全体の生存に関わる機能不全をもたらすのだと
記憶、学習、思考や推論はともかく…標準レベルの快、不快以外の
ある種の感情が膨らむことに対して僕の処理能力には何らかの枠があるのだ。
急激に増幅した一部の突出状況によるバランスの崩れがもとで、修正効果が機能せず、
全体の効率が落ちている。
決定的なことに、調べた結果、あることが分かった。
検査で先輩が用いる方法をこっそり借りて、研究施設の最新データベースや
資料と照合しながら今の負荷がかかった状態について演算をしてみた。
すると、中枢を担う部分で生存維持指標を既に下回った値が出て、全システムが変質し、
崩壊と機能不全の進行状況0.16 %で始まっていたことが判明したのだ。
僕は、この結果を先輩に報告できなかった。
分からないよう、ログもひととおり削除してきた。
しかし、僕は、あと1ヶ月かけて残り99.84 %の機能障害をおこしながら、脳も体も不可逆的に変質し
全く動かなくなる…はじき出された事実はあらゆる方法で何度、計算しても同じだった。
このケースついては、直す方法がないとずっと前から認識されている。
進行が1 %になると初期化も難しいらしく完全廃棄されると、過去の実験結果が示していたのだ。
僕は、わずかながらではあったが、崩壊し始めているのだ。
AIを取り巻く細胞レベルの問題として、遺伝子や蛋白質が、
変容しつつある情動機能の増大や変化に対応できない状態になっている。
原因は、やはり…少佐への執着だ。
夕方、外に出た僕は街の外に出ていった。
特にどこに行きたいというわけでもなく、落ち着こうと思い、静かな所へ散歩をしにいったのだ。
制限範囲であれば外出できる自由もあるし、9課の人達も僕を仲間として認めてくれている。
旧体制のメンバーは色々なことを教えてくれたし、
新しく来た人達もそれほど不思議がらずに自然に接してくれる。
こうして外を歩いていても、外見から、周りは誰も僕が異種の生体だということに気づかない。
だけど、僕はある程度プログラムされた枠内で感情をもつことはできても、
彼らのように人を深く、自由に心から愛せる機能がない。
思っていても、出力できない。逆に、思い始めて崩壊開始に向きだしてしまった。
それを自覚すると、自分はやはり人間からとても離れた場所にいるように思った。
今更あたりまえのことだと思うが、外見だけ似せた偽りに、皮肉を覚える。
自分と近い所にいると思っていたタチコマ達でさえ遠い所に行ってしまった。
ウチコマ達の個性のなさが、ある意味今では逆行した憧れにも思えてしまう。
「どこまで欲深いんだ」
ため息を吐き出してから、僕は人気のなくなった街路樹から道路へ歩いていった。
春へ変わりつつある薄暗い空の元、外気は未だ冷たく、小雨もぱらつくようになった。
予報から持ってきた傘をさし、誰もいない道を歩く。
188プロト素子:2006/12/23(土) 22:52:06 ID:QwhnSwSq
雨音以外、あたりは静か過ぎて耳が痛かった。
痛いという感覚を自覚しない方針でいたのに、このごろの制御系の乱れのせいかどうしてか胸までが痛くなった。
自家中毒を起こして死にそうな感じがする。
その時、背後から来た車が止まり、窓を開けた人物は僕を呼んだ。
「プロト」
傾いた傘で隠れた横を見渡すと、笑顔を零した少佐がいた。
死刑宣告を確信してから、絶望的な気分を味わっていた対照的な僕は無表情に見返す。
「休みとったんでしょ。気晴らしに一緒に夕食いかない?」
「少佐、どうしてここに」
「赤服に疲れてるらしいって聞いたわ。それでちょっと、話をしたいと思って」
僕は、とっさに首を振った。
少佐に失礼だとは思ったが、…しばらく考えた後、ゆるやかに答える。
「ありません…話なんて」
「私はある」
堂々とした少佐の瞳と声に、僕は消極的な態度を返してしまう。
知られたくないと思ってしまったのだ。だから嘘を告げた。
「ただの疲労なので、休養すればよくなります。ご心配に及びません」
少佐は部下の様子の変化に、おそらく何か気づいている。
マツイ先輩の薦めた休養や現場への取り組み方で、解決できない問題であることとか
今のこの状態とかも…どこまで感づいているのか考えるのも嫌だった。
目を細めて俯きがちになった僕は少佐にもう、話したくないと伝える。
傘で顔を隠し、口元だけを見せて再度、伝えた。
「ありません。話したくない…です」
「車に乗って、プロト」
「命令だったら乗ります」
我侭な言葉を口にしてしまった。
自主的に少佐の車に乗るのを、僕は躊躇った。
車を止めた彼女は、何も言わずにそのまま降りて僕の前で立っていた。
ドアに背凭れ両手を組み、そのまま地面に目をやって動かぬ僕を眺めていた。
少佐は、命令だとは言わなかった。
雨足は強まってきたというのに傘もささずに立っている彼女に僕は、自分の傘をさっさと手渡す。
だが、少佐はそれを受け取ろうとはしない。
濡れるので、使ってもらうように言ったが、無表情に僕を見ていた。
僕は、立ち去ろうと思って最後に薦めた。
「帰ります。傘、さしてください」
「そんな顔、するんだな」
「いたって平静ですよ」
「どんどん表情が豊かになっているのね」
「何のことかわかりません」
「何があったの?」
今の状態のからくる未来を、僕は恐れた。
対処技術の確立していない中、いきつく先はおそらく失格という結果だ。
人の要求に対して、そのうち的確に対応できなくなる。少佐のもとで、理想や正義を支えることもできなくなる。
結末が怖かった。壊れた後に、正常だった頃迄の僕の保存情報をもとに、
作られた新しい自分がやってきて少佐を想う今の僕は失敗作となる。
必要とされたいし、関わりたいと思っている9課の人達からも廃棄される。
感情の増加は溢れる一方でどうしようもなく、今ある技術にも頼ることもできなくて、
このまま自身の消失を待つばかりだ。
僕は、自分自身の気持ちのありようを、夕方からずっと嘆いている。
「限界が、いずれ…」
訪れであろうことを呟いた。もうすぐ生存できなくなる限界が…
「どういう意味なの?」
「それは…」
以前は限界のない世界にいるのだと思い、わからないことが多くてもしょうがないと思っていた。
しかし、それは結局のところ虚勢だった。
人工物として失格にならぬよう、廃棄されるかもしれない恐れに嘆く弱さを考えたくなかったのだ。
なくなって、戻ってこれなくなる恐怖をカバーするための、自分なりの防衛方法である。
だから、唯一の支えである9課での仕事をこなせる自分の能力にしがみついていたし、
自分の体は他にもたくさんあるから限界など考えなくとも大丈夫だと思っていた。
189プロト素子:2006/12/23(土) 23:02:51 ID:QwhnSwSq
喜んでもらえるよう、存在を認めてもらえるために、壊れても大丈夫だからと
平気なふりをして恐怖心や痛覚を切り取ってやっていた。
いつ失格して消去されるのかへの恐れはあっても、役目を担う自分を確立するのに必死だったのだ。
しかし、少佐を意識しだして、母親みたいな感覚を覚え…たがが外れた。
これまで律してきたはずの自分は、愚かにも甘えてしまいたいと思いだし…僕は変化してしまった。
加えて、露骨な願望は愛憎じみた醜い感情ばかりで埋まっていく。
「…方法が、ないんです」
何故、こんなどうしようもないことを伝えてしまうのか。
真相が未だ掴みきれないという顔をしている少佐に向かって、僕は喉が鳴った。
呟いてから、どうにもやりきれなくて、馬鹿な顔を悟られない様、目頭を片手で押さえた。
今、閉じた目元に分泌される、配慮なく搭載された白い液体の存在さえも自分を追い詰めてくる。
見せまいとして顔を背けて、僕はまた情けない台詞を吐き出してしまった。
「ないです、どこにも…消えてしまう」
酷い有様だ。みっともない。さっきからまともに言葉も使えていない。
差し出していた傘を手に取った少佐は、そのまま両手を僕の背中に回して寄り添ってくれた。
「少佐…」
雨が額に流れうつ。
開いていた傘を少佐は地面にやって、僕を抱きしめるようにして腕に力を入れてくれた。
彼女の優しい香りを機に、僕は、シールしていた記憶を正確に再生する。
あの時の、少佐の台詞だ。
あの言葉でやっと見つけてもらえたのだと嬉しくなり、彼女をよりどころにしてしまったのだ。
『お前のおかげでイシカワは無事よ。よくやったわ、プロト…
―――でもね、そんなふうに…喜ばなくていいのよ』
回復措置で有線した時に、伝わってしまった。
自分が大怪我をしたことが、とても良かったように心底喜んでいたこととか、
人でもないのに虚勢を張ろうとずっと張り詰めていたことまでも…
「気持ち悪いので、見ないほうがいいです。離れてください」
「雨でわからないわ」
見上げたまま、小さな指先で僕の顔を触ってくれる少佐をおそるおそる見た。
僕は許されたような幻を感じ、向かい合った彼女を手繰るように両手を伸ばす。
濡れ続けてもしばらく…支えてもらうような気持ちをこめて抱きしめてしまった。
落ち着くまでの間、何も言わずにいてくれた少佐が、やがて小さな子供に呼びかけるような瞳で僕を見上げる。
「夕食にいきましょう。私の家で一緒に食べない?」
「はい」
その日の夕暮れ、ようやく僕は少佐の車に乗ることができた。

少佐のセーフハウスで濡れた服を乾かしてもらうついでにシャワーを借りた。
着終えてでてくると、別室で入浴し終わっていた少佐が二人で食べることのできる料理を取り寄せ、並べていた。
ある程度の混乱から落ちつきを取り戻していた自分ではあったが、沈んだ気分は変わらない。
けれど、食事時は楽しかった。
遅めの夕食で会話も尽きた後、少佐は僕の状況の詳しい解析や検討を進めてもらうよう
対策をかけあうと言ってくれたが僕は否定した。
もう既に何度も調べた。
わからないことだらけの自分でも、唯一、掴んだ事実は本物だった。今の僕の状態はもうなおらないのだ。
まだ、僕の根本的な不調原因の全ては彼女に知られていない。
負傷に対する不快感情の消去で終わるような話ではないし、
また…僕は、解析されて、情欲と思慕を周りに悟られるのも恥じているのだ。
生まれてしまった少佐への感情は、止まることを知らずに増大するばかりである。
魂をもたない生体が不適格に陥った原因が、少佐への想いの膨らみになって
しまったという結果をとても口に出せなかった。
そのことをはっきり言えなくて、やがて立ち上がって胸元を掴み、真剣な顔で覗いて来た彼女にも僕は首を振った。
ソファに座っていた僕は、目の前に迫る彼女の説得に頷くことをしなかった。
消極的な姿勢に眉をひそめた彼女は、部下として今ある可能な限りの手立てに
応じてみろと命令に置き換える。
心配そうな表情に僕は困り果て、目をそむけたが…口で伝えない方法を選んだ。
「有線して、いいですか?…理由があるんです」
観念した僕はとうとう、いつになく切実な顔を見せている少佐に知らせることにした。
「プロト?」
立ち上がってから僕は、プラグを手渡す。
結線した少佐は、僕の状態を知り静かに俯いていた。
190プロト素子:2006/12/23(土) 23:17:38 ID:QwhnSwSq
致命的な機能不全領域への進行に僕が既に陥っていることを、彼女は知る。
そして、接続を外してから端子を返した手で僕の袖をなぞり、指を曲げた。
今の技術の限界を前に、彼女の口元は、どこかじりじりとつりあがっているようだった。
軽蔑か叱責か…何かの反応をそのまま待ったが、少佐は顎を下に傾けたまま目を細めていた。
「私が原因か…」
「いいえ、僕が勝手にそう思ってるだけです」
「それで限界って言ってたわけね」
「今回ばかりは、直りそうにありません。戻るか、別の自分を迎えるか…」
「私で…できることはあるのか?」
僕は、重なってきた少佐の細くて美しい手を握り返す。
「…役に、立ちたいです。――だから、できるなら、また同じこの体で部下として扱ってください」
「それって…」
「少し前の自分が、最もバイオロイドとしてよく機能していたと考えています。
少佐の中の正義や理想と一緒に、どこまでもついていきたいです」
たとえこの人を想う自分がいなくても
「……プロト、まだその結論は」
「お願いします。日数が経って、初期化できなくなるまで進行しないうちに…」
僕は、少佐に思いを寄せる直前の状態だった頃までへのデータを基にした初期化と、
検索した時に見つけた、精神機能の効率化を図る試作プログラムの追加許可を直ちに求めた。
少佐のためにできることと、今の自分でできることを僕は望んだ。
守りたいとか支えになりたいとか、万能的な彼女には陳腐に見える希望だったかもしれない。
けれど、自分なりに考えた結果、こうしたほうが自分の役目の中で最も彼女に関われると思ったのだ。
人工物として生まれてきた中で、ここからできることを行いたい。
大事な人に、これまで積み上げた最高のパフォーマンスを提供したいと心から願ったのだ。
少佐は、僕を見つめ返してから、髪の垂れた僕の片頬ごと手のひらで触れてくる。
この感触を実感するのも、きっとこれで終わりだ。
彼女を間近で見て、意識し、戸惑っていたつい先日のことを僕は思い出し…息をゆっくりと吸い込んだ。
片手で繋いだ少佐の手に力が入ってしまう。
余裕で笑ってみせようとしたが、苦しさを消去できなくなり唇を噛んだ僕は眼を閉じた。
「馬鹿よ、お前…」
どうして私などを…と、彼女は告げた。
勢いのなかったその台詞を、僕は甘んじて受けた。
やっぱりすごく好きだ。繋いだ手に震えが走るくらい、少佐のことを僕は望んでいる。
この気持ちを持ってしまった幸福感に、いつまでもしがみついていたい。
だが、このままでは今の彼女にとって役に立たない部下になっていって、違う自分が来て採用される。
それくらいならいっそ、この体のまま自分で自分を変えて傍らにいられるように願いたい。
時間を経て、廃棄後に別の自分が来るくらいなら、少佐を想う時間を共有したこの体で残りたい。
もう、換えのきく存在になりたくない。今ならまだ間に合う。
その時、つま先をたてて顔を近づけた少佐は、本当にしょうがない部下だと言って、僕に静かに口付けた。
驚いて閉じていた瞼を開くと、少佐の美しい睫が目の前にあった。
軽く触れた唇を離し、美しい目を開いた彼女を見つめてから…
繋いでいた手に力がこもり、今度は僕から少佐へと2度目の口付けを返した。
彼女の細い肩に手をやってからもっと屈んで、合わさった唇を越えて舌を絡ませた。
あまり器用でもない僕の行為だったが、少佐はゆっくりそれに合わせて応じてくれる。
息が続かなくて、一端唇を離した後に、彼女は僕の手を引いて寝室へと連れて行った。

寝室までの廊下を歩く時から、動悸はすごかった。
連れて行かれた部屋に入り、乾かしたばかりのシャツの胸元を服ごと掴む。
ベッドに腰かけた少佐の前に立ってから、僕は無言でいた。
皮膚の下にある体液のあの色に怖気づき、少佐に繋がれた右手はそのままに…
気後れがして、立ちすくんだ。
足元の明かりだけの薄暗い部屋、顔をまともに向けることもできない状態で、僕は躊躇する。
「気味悪くないですか…ゴーストもない人形となんて…」
「大事な部下よ、どうして気味悪がるの」
両手で僕の右手を包みながら、自身の頬にそれをやっていた少佐に…僕はゆっくり振り返った。
向き合ったまま緩やかに傾いて、少佐の両腕へと手を動かし、彼女の肩に額を近づけ息を飲む。
まだ気の落ち着かない僕は、そのまま彼女に頭を軽く撫でてもらう。
けれど、少し首を引いた時に目があって、そのままシーツの上に僕らは倒れこんだ。
191プロト素子:2006/12/23(土) 23:25:26 ID:QwhnSwSq
少佐が引き寄せた勢いと共に、唇が重なった。
行為自体は知っているが、経験などない自分に少佐は息遣いの仕方を示してくれる。
「ゆっくりっ…そうよ…」
体重がかかるのに気をつけながら上に重なった僕は、彼女の漏れる吐息や香りに誘われた。
舌と唾液を交え、緩やかに絡めていく。
僕の髪に少佐の指が這い、求めるように彼女と深くキスを続けた。
僕は他の人達みたいに少佐が喜んでくれるような激しさがまだわからない。
それで流れるまま、腕を回して僕を包む少佐の首筋や耳元に唇で這う仕草を進め、
加減が分からず吸いついてしまった。
「んっ…っ」
すると少佐が透明な息をもらし、微かに反応した。
「あのっ…すみませ…ん」
息もしどろもどろに、掠れた声で僕は赤く印のついた少佐の首筋に向かって謝る。
でも勢いが止まらない。またすぐに同じことをしてしまった。
変な痕を作らないよう少佐の耳たぶや首筋を唇でなぞるが、彼女はその度に揺れる声で、
「あ、…プロ、ト…」
僕にくすぐったい感覚を残してくれる。
聴覚がどんな音も逃さなくなった。少佐の甘い息遣いに僕は体がますます昂ぶっていく。
少佐が僕の鎖骨に指を伸ばし、着ているシャツのボタンをとってきたので、僕は彼女と同じことを始めた。
柔らかい生地に、小さなボタンのついていた少佐の襟元を、唾を呑み込みながら開けようとした。
しかし、勢いあまって糸が外れる。
もう何回謝ったりしているか分からない位の駄目な台詞を零しながら、
僕は彼女の喉や鎖骨に口付けながらゆっくりと…一緒に脱がしあった。
少佐の胸の谷間が見え、肩まで肌蹴た姿になった時…彼女は起き上がり
僕の額に口付けながら入れ替わるように上に重なった。
女性の服の仕組みが良くわからなかったので、取れた3つめのボタンの次にある
少佐の下腹部へ巻きつく数本の腰紐だけが解け切れず、残ってしまった。
肌蹴た肩や胸元を露出させたままの少佐は、僕を見下ろし潤いに満ちた唇から舌を見せる。
そして…そのまま一気に服を脱ぎ捨てショーツだけの姿になった。
細くくびれたウェストに、赤く息づく見事な乳房が僕に見せられた。
豊満なふくらみが目に飛び込んできて、僕は釘付けになりながらそこに手を伸ばす。
柔らかくて、吸い付くような肌のすみずみに向かい、僕の手のひらは甘い果実を包んだ。
上から僕を見下ろしていた少佐は、跨いだまま僕と唇を交わしながら小さく囁く。
「重くない?」
「すごく、綺麗です…」
問いかけに的外れな感想を口にした僕は、後から首を振って全然平気だと付け加えた。
男性型義体には及ばないが、それなりの耐筋力や力は僕もあるので、少佐の体は相対的に普通の女性の重なりだと思う。
少佐が屈んで僕の頬や、髪を撫でながら大きな胸を僕の胸板と重ねる。
僕も上半身が脱げていって、肌と肌がますます熱くこすれていった。
弓なりに背を反らし、起き上がっている隙の彼女を見て…その乳房を揉んでいくと、
乳首が手の中でびくびくと立ち上がる。
「あ…んぅ」
爪が乳頭にあたると突起はますます湧き上がった。
何度も互いに噛み付くような舌のはみあいをしながら、少佐はショーツ一枚のまま
太ももの付け根を僕の腹筋で滑らしたりしていた。
そして、彼女はだんだん手の先を僕の下半身へと進めていく。
「少、佐…っ」
気がついたらいつの間にか、少佐は僕の張り詰めていく性器の上からに両手を這わせていた。
「ちょっ、…待っ…て、くだ…」
素早くベルトと着衣を解かれて、布地に収めていたものが外気に晒される。
そして、悪戯気に笑みを浮かべた彼女は指と手のひらを使って先端から嬲っていく。
僕は、どもりながら…こらえきれないうめきに耐えた。
唾液で糸を滴らせながら、彼女は僕のそれを舐めては指の腹で弄ぶのだ。
胸にはさんでずるずると扱く姿も視覚としては、刺激が大きすぎた。
感触としても気持ちが良すぎて、屹立しているものの脈がどんどん昂ぶっていく。
少佐にこういう自分を見せてしまっている羞恥と相反して、情欲はいっそう煽られてしまう。
湿った舌を軟体動物のように見せ付け、口をさみしそうにして開いて見せたかと思うと
目をうつろ気にして少佐は咥えていった。
192プロト素子:2006/12/23(土) 23:36:42 ID:QwhnSwSq
「あ、…少佐…あの…っ…!」
「ん、ぅ…ふ」
僕の肉棒が少佐の口をだんだんと犯していき、喉の手前まで進まれた時、呑み込みに苦しさを表した少佐が頬を赤くしていた。
「ふ…っ…う、んぅ、んっ…」
存分なまでの刺激に踊らされている僕は、艶かしい吐息と滴る唾液を零している少佐に放出を抑えきれなくなる。
長い睫を揺らし、深く呑み込んでいった少佐の口腔や中の粘膜で、僕のものはどくどくと熱を持っていき、欲望を膨らませていった。
押し下がって枕の山に埋まっていた僕は、前に置きだして少佐の両肩を持つ。
もう限界近くにあるので離れたほうがいいと言いかけたが…彼女はやめない。
このままだと汚してしまう。
「少佐、…駄目…だ…っ…」
たまらなくなって体を強張らせたが、熱くなったままの僕は汗を垂らして忍耐を迫られた。
意志とは相入れずに上り詰める怒張に耐えるのにもう、余力がなくて…
「少、佐…」
「ん…っ」
少佐がようやく口を離してくれた安堵もつかの間、艶っぽく微笑した彼女は
器用な手で更に緩慢に根元も含めて扱ったため、僕はとうとう放出してしまった。
「あ、くうっ…う…ッ!」
紅い潤いに満ちた少佐の美しい唇が、僕の精液で塗りかかられる。
少佐の美しく白い肌に液が飛び散り、彼女の頬や綺麗な顎に向けて滴りをつけてしまった。
ぽたぽたと…四つんばいになっている彼女の揺れる胸や鎖骨にも、飛沫となって流れてしまった。
僕は罪悪感で申し訳なくてたまらなかった。
「す、すみません…っ…こんな、つもりじゃ…っ…」
「いいの」
だったらどういうつもりで少佐とこうしているのかと自分でも呆れてしまったが、少佐は何も言わずに僕の前で汚された手のひらを舐めている。
「あの…っ!」
とにかく、そんなものを舐めずに早く拭いてほしくて、僕は脱ぎ散らしていた自分のシャツなんかをさしだしてしまう。
しかしそれでも、少佐は不敵な笑みを浮かべて手で顔を拭っていた。
ある程度は拭い去られたが、舌で舐めたりしている様が目に焼きついて、もうまともに彼女を正視できなかった。
サイドテーブルに置いていたアルコールの入ったグラスを持った少佐は、
上に高く掲げながらひっくり返し、半開きの口に零しながら飲み始める仕草に及ぶ。
「んふっ、ん、美味しい…」
空中から注ぎ落とすようにしながら流し込んだ少佐…口元から、彼女の胸やわき腹に向かって酒が零れて筋を作る。
飲み終えて、濡れた口周りを手で絡め取った少佐は、僕の前にその雫の垂れた指を数本持ってきた。
そして、見ほれて惚けていた僕の顎や唇をじわじわと爪でなぞる。
「舐めて」
圧された声とともに腹部にのしかかられ、押し倒されたままの僕は言われるままに
彼女の人差し指を掴んで口に持っていった。ぴちゃぴちゃと、少佐の指を口の中で転がしもう一本の指も含んだ。
数滴のアルコールの味を舌で絡めとるが、上手に舐め切れなかった僕は歯を時々あててしまう。僕は…思わずコリコリと弱く歯を立てた。
すると少佐は、その刺激に微かに息を漏らしながら自身の乳首をいじっていく。
「はあ、んっ」
彼女の胸と紅くなっていく乳頭が僕の上で悩ましく艶光る。僕は躾けられる犬のように主人である彼女の指を舐めていた。
もう片方の空いた僕の手が、おそるおそる少佐の腰に回ると…彼女は、臀部をくねらせてショーツを脱ぎ去る仕草に僕を加担させていった。
「少佐、あの…!」
枕に押し付けた僕を見下ろした彼女は、僕の手を掴んで自身の湿っている膣の入り口に触らせる。
じゅくりとそこが潤っているのを僕は知り、顔が赤くなる。
「もう、こんなになったわ…」
指を戸惑いながらそこに一本いれると、少佐は頬を赤らめて声を漏らす。
「プロト…っんぁ」
もうひとつ内部に進めたら少佐は、息をもっと零していった。
数本、中に忍ばせたまま、僕は少佐のじわじわとした悶絶の表情に惹かれ、内部をまさぐってしまった。
蕾をほぐすと、とろとろとした愛液が溢れてくる。
「っふう…あん」
奥の内襞を弄ると少佐はびくびくと感じる仕草を零す。
やがて…もう、欲しくなったと少佐は僕に囁いて、再び勃ち上がってきた僕の怒張に腰を下ろしていく。
「あっ……んっ!」
歯を食いしばりながら表情を硬くした少佐は、僕の張り詰めた肉塊で貫かれていった。
「う、…は、…ぁ」
挿入部が奥まで沈み込み、少佐のくびれたウェストへ、下から見上げた僕は手を添えた。
動こうとする少佐が若干眉根をよせているので、内部に深く収まるのを、僕は息をこらしながらもう少し待つ。
193プロト素子:2006/12/23(土) 23:48:36 ID:QwhnSwSq
結合した彼女の中はとても熱い。
やがて体をくねらせながら少佐が僕の上で動き出して、僕も同じように彼女の腰を
しっかりと持って動きに同調していった。
信じられないくらいに気持ちよくて、僕は途中から夢中になって彼女を突き動かした。
「はぅッ…あぁ…いい、わぁっ!」
顎を震わせながら、少佐は僕の上で激しい動きに喘いでいく。
「ひっ、あ…ああ!」
「あっ、少佐ぁ…少佐っ…す、ごい…」
交わった部分がいやらしい音をたて、少佐の弾みあがる胸や乳首の腫れあがりから汗が飛び散る。
僕らはだんだん高みに上っていく。
「プロ…トッ…あぅ…っ…もっとゆっくり、してっ…ぇ…んっ!」
恍惚になった状態の少佐が僕の名前を呼んでくれる。無我夢中に僕は彼女を揺さぶった。
「ああ、プロトぉ!」
「少佐、…あ、気持ちいい…っ」
脈打つ鼓動を共にしながら、僕は少佐の内奥と激しく擦れあっていく。
「アァッー…!」
「少佐…っ」
高みに達した少佐と共に、僕は少佐の中へ白濁したものを吐き出した。
ひくひくとした彼女の締め付けが僕を疼かせる。
痺れをこらえるように、快感を噛み締めている彼女の余韻に浸ったままでいると、互いの結合部からは淫猥な濁りが染み出てきた。
前のめりに体を倒してきた少佐と繋がったまま、僕は熱さに息切れをしながらしばらくひたった。
挿入を終えてから、少佐が、更に斜めに覆いかぶさってきて二人で枕に沈み込んだ。
そして、僕の耳元で息のあがった声をふりかけてくれる。
耳たぶを噛みあげ、乱れた僕の髪を彼女はくるくる指で回しながら遊び、淫らな声を発するのだ。
「ねえ……もっと、欲しい?」
「あの…は、はい…」
僕の耳を猫のようにざらりと舐める少佐…彼女は、興奮の醒めない熱っぽい音で僕の名前を呼んでくれる。
「プロトッ…っ」
甘く魅惑的な舌使いで、好きでたまらない相手に呼ばれる自分の名前の心地よさに、僕は恍惚としてしまう。
上にかぶさる細い体を抱きしめる力に、熱がこもる。
少佐の頭を引き寄せて、舐めあうように舌と舌でキスを行った。
彼女にもっと激しいのしましょうを…と言われて頷くが、僕はなかなか行動に踏み切れなかった。
少佐の熟れた股間が、僕の体にぴったりあたっている。
乳首やたわわな胸も湿り気を帯びてお互いの汗で密着している。
腕の中に抱きしめてはいるが、すごく官能的に体をこすり付けてきてもいるので、僕はどこから触っていいのか躊躇した。
微かにずれ落ちてくる少佐を支え、指で触れるだけでも、彼女は声を漏らす。
絶頂の後の彼女の体は、すごく敏感なようで、艶かしくてくらくらする。
「…あの、どうしたら……」
お前が考えていたことよ…と、僕は言い当てられた。
少佐は野性的な激しさを今度は僕の本能に注ぎ込もうとした。
「ちょっと、…少佐…っ?」
有線で突然、繋がれた僕は、彼女からサイトーさんと少佐の映像を見せ付けられ…僕は一気に枷がとれた。
あの二人の姿に対して、持っていた気持ちと彼女を蹂躙したい獣じみた欲望が脳内で一斉に跳ね上がったのだ。
「あんっ!」
理性が飛んだ僕は…気がついたらすごい力で彼女を押し倒していた。
メーターが振り切ったような勢いで、僕は彼女の胸や鎖骨を愛撫し始めていた。
寝台に押し沈めた彼女の体は、汗で光り、妖しげなまでに美しい。
「アッ…はあ、プロトぉ!」
吸い付いた時の刺激に、僕の髪や頭に腕を回していた少佐がしなやかに体を振るわせる。
突起した乳首を甘噛みして顔を埋めたり、熱い鼓動と勢いそのままに彼女の裸体を慰撫していった。
「ん、もうちょっと…ゆっくり、よ、っ…痛い、わ…は、あんっ」
「少佐、…少佐!」
傷つけまいと思っていた体にみるみる愛撫の痕が連なっていく。
194プロト素子:2006/12/23(土) 23:58:22 ID:QwhnSwSq
唇も、頬も、うなじから胸や下腹部まで…僕は想い人の柔肌を前に、多くを求め続けた。
「あ、はぁ…もう来てぇ」
送られた信号による一斉の刺激作用で、僕はまた欲しいまま、膨れ上がった肉棒で挿入に及んだ。
「あ、う…ぁっ!」
ずぶずぶと僕の塊は、歯を食いしばって受け入れる少佐の締め付けの中に滑っていった。
大きく開かせた少佐の足に割って入り、腰を持って子宮の奥深くめがけ律動する。
「は、あ、あぁあ!」
ぎしぎしとベッドがより激しく動き、少佐と僕は深く繋がっていった。
抱いた彼女の臀部は発汗して湿り、僕の体からの滴る汗とも混ざっていく。
「ここ…どう、ですか…っ」
「ああ、はぁ…やあ」
ある角度を穿つと、噛み締めるように体をくねらせた反応をする彼女…
味をしめてしまった僕は、殊更そのあたりを突いていった。
「や、そんなに…したらぁ…はあぁ!」
「少佐…すごく、いい…っ…」
「やあ、あ…ぁ」
感じ入って顔を曇らせていた彼女は、ますます艶やかに乱れていった。
「はあ、もうっ…やっぁ!」
弱い部分を突き押すと、どこか恥じ入ったような仕草を混ぜて少佐は啼いていた。
俊敏な動きも激しさを増し、絶頂へむけて僕は深い角度で打ちつけた。
途中、腕を両手で掴まれた僕は、達する寸前のうつろな瞳の少佐の姿を目に焼き付ける。
この人を、愛してよかったと…閉じた瞼が熱くなる。
下肢を強く持ち、よりいっそう体を折り曲げて楔を打つ。
「ん、はぁあぁ…ぁ」
「少佐……!」
獣じみたようなうめき声で、僕は彼女を呼び続けた。
同時に喘いでいた彼女も…
「プロト、プロ…トッ…あぁ!」
と、はちきれんばかりの嬌声を醸しだす。
乱れてばらばらに垂れた僕の髪が、少佐の髪や豊潤な柔らかみを帯びた肌に混じりついた。
汗で映える彼女の皮膚は蒸気して麗しく、悦びの熱で満たされていった。
彼女の秘部の最奥を貫いてから僕はまた高みに上った。
「ああ!」
「…っ……!」
繋げたまま、彼女の中に精を吐きだした僕は少佐との交わりを食い入るように感じ入った。
出した後、僕は上から重なって…深くて熱い、今日覚えたばかりの接吻を、再び行う。
一体となったまま…この恍惚感から離れたくない思いで頭の中がいっぱいになり、幾度も少佐の肌に唇をつけた。
最早、口づけるというよりは舐めまわしの連続だった。
快楽に放心したままの少佐としばらく僕は、ずっと強く抱きしめあった。
眠りたくなくて、少佐のことをずっと抱き続けたいとすら思ってしまう。
少佐は、視線を交わした僕を見上げて言う。
「今、私は…お前のものよっ…」
息の上がったままの少佐は、蒸気した顔ではあったが、僕を真剣な眼差しで見つめてくれた。
目覚めたら、行ってしまうであろう僕の胸の内を、彼女は察していた。
僕を慈しむように、官能に震えながらも、穏やかな仕草で両手を伸ばした彼女…
別れを惜しむ僕の表情に、温かい言葉を差し出してくれる。
「この手も、体も…気持ちも、今のお前に抱かれる全てを…」
「少佐…」
「母親でも、姉でも、恋人にでもなんにでもしていい…私のことだけを考えていて」
感極まった僕は、近づいた互いの唇を、ゆっくり合わせて言葉をぶつける。
「少佐、愛してます」
「やっと、言ってくれたわね」
美しい唇の綻んだ少佐に向かって、僕はキスを運んでもう一度それを伝えた。
ずっと、億劫だったあの日々から言いたかったことを彼女にとうとう…
「愛してる、心から」
「ええ、プロト…私も、お前のこと…」
―――忘れないわ
その後も、僕は何度も少佐と抱き合った。
195プロト素子:2006/12/24(日) 00:01:48 ID:xKm/PDgg

明け方、未だ降り続けていた雨音を聞きながら目が覚める。
僕は少佐と向かい合うようにして寝入っていた。
彼女は僕を抱きしめるように腕をかけていて、僕も回した両腕と共に彼女の胸に顔を埋めている。
たどり着いた結論を思い起こし、僕は今…目を閉じる。
この人に、後を託そう。
僕の決めた決断に、少佐ははじめ躊躇い、戸惑った表情でいてくれた。
やがて、愛することを教えてくれた。
けれども、僕は自らの意志で少佐への感情の消去に踏み込むことを選んだ。
そして、もっと少佐の役にたてるための存在になろうと決意した。
あの子達のように、魂の獲得へと踏み入るまでの進化と成長を遂げれなかった僕の限界を…
自ら後退せざるをえないそんな自分を、少佐はどう思うだろう。
逃げだと思うだろうか、矮小な姿勢と罵るだろうか、それともできそこないだと責めるだろうか…
「行くの?」
試行錯誤していると、いつの間にか、目覚めていた彼女に声をかけられた。
見上げた僕は少佐の艶めいた瞳を見つめ返して、ゆっくり頷いて答えた。
「そう、わかったわ…後は任せて」
有線で、少佐を意識するまでの以前のメモリーを僕は渡す。
彼女は、躊躇いもなく微笑んで僕の記録を受け取った。
そして、僕の髪の寝癖を調えるように撫でながら、優しい瞳で見つめてくれた。
接続を終えてから、僕は首を伸ばして、大切な人と最後のキスをする。
深く、熱い…その口付けには、何の遠慮も存在しない本能と慈しみに満ちた重みがかかっていった。
愛してると…思いを込めて一番の真実を渡すように口付けた。
人に生まれていたらという、そんな後悔や切望なんて告げなかった。
全ての制約と枷のとれた今この瞬間で、精一杯の愛しさを心の奥底から唱え続ける。
唇をあてがってから、向き合い…横から深く、互いを抱きしめあう。
少佐から受け取った全機能緊急停止のプログラムを実行させ、今の僕が終わるまでを数秒待つ。
「おやすみ、プロト…」
最後が近づく中、僕は触角、視聴覚と意識の遠のきに段々とくるまれていった。
ただ一言…失格者になったことに対して、「ごめんなさい」って言おうとしたけれど、
とうとう僕は言えなかったみたいだ。
けれど、遠のく意識の中、優しげな腕に包まれて心地よかったせいか
謝ることよりも、この言葉を残していった。
「ありがとう」という言葉と…「素子」という愛すべき人の名で

今日から9課にようやく戻れる。蘇生して一度は復帰したものの、僕はまた倒れたらしい。
負傷前後とその間の記憶はないが、今ではすっかりよくなっている。
「プロト、一部初期化って聞いたけど、ちゃんと記憶はあるのか?」
トグサ先輩がすごく心配そうに尋ねてくれる。
「はい、大層なことじゃないですよ。
部分的に、電脳への修正効果の低下がみられたことが後から分かったみたいで、
これまでのデータをもとに再構築しました。
負傷前後のことは覚えてませんが、その他や皆さんのことはちゃんと知ってますよ」
「じゃあ、何も支障ないんだよな」
「ええ、今後も問題ありません。起動に少佐も立ち会ってくださったみたいで、ご心配おかけしました」
「まあ、俺が心配しても何もできないけど…やっぱあの後、お前調子悪そうだったから、
早めに気づけば良かったと後悔はしてるんだ」
「あの後って最初の復帰の時ですか?」
「少佐も随分気にかけて、屋上までエレベーターで送ってただろ」
「そうなんですか」
「ああ、そっか、これは覚えてないんだ」
「はい、まったく」
トグサ先輩が、また何かあったら教えてくれと言ってタチコマのハンガーから去っていった。
記憶してないとはいえ、皆に心配かけてとても申し訳ない。
今日も仕事は山積している。効率よく、きちんと丁寧にこなしていこう。
「プロト君、元気になってよかったね…」
メンテナンス中のタチコマは、どこか声色に張りがない。そっちこそどうかしたのかと尋ねるが、何もない、一時的なもので
見聞きするのも経験値の蓄積のひとつだと僕には理解の及ばないことを答えていた。
196プロト素子:2006/12/24(日) 00:12:40 ID:xKm/PDgg
「誰も何も知らないし、少佐は責めてないよ。だから安心してって伝えたかったな」
「何の話かよくわかりませんね。何かの事件の検証ですか?」
部品を交換しながら僕は相槌を打つようにタチコマに答えていく。
「ボクらはちょっと寂しいけどね」
話題がわからなくて疑問だったが、いつもの彼らの会話につきあう調子で僕は聞き流した。
「でもね、少佐だけだよ、プロト君を知ってるの。
苦しんでたりしてた君がいたから…どんな結果を迎えていても、少佐は見届けてくれる。
失格でもなんでもないんだ…頑張ったねって、思ってくれてる」
「だから、何の話で?」
「少佐がそれを覚えていてくれるから、今のプロト君をボクらは喜んで迎えることができるんだ」
「ちょっとおおげさでしょう」
「うん、ちょっとからかってやろうと思ってさ」
「まったく」
「だけど、プロト君…ゴーストが……」
「はい?」
「……ゴメンね、変なこと言っちゃったね」
いつの間にか零れた白い液体が僕の頬を伝っていたのをタチコマが詫びていた。
揮発性溶剤か何かで目が染みたのだと思って顔をぬぐった。見回したが、使用中の物品にそんな可能性が見当たらないので意味が分からなかった。
「おかしいな、ゴミでも入ったか」
「ふうん、ホコリまみれのハンガーなんてボクら使いたくないなあ」
「はいはい、空調点検しときますよ。相変わらず、君らと喋ってると作業が進まない」
その時、奥のほうでマツイ先輩が僕に新しい用事ができたと呼んでいた。
「じゃあ、また後で」
「うん、よろしくね、おかえり…プロト君」
ずれたようなタチコマとの会話に、僕は苦笑いしながら席を外した。
ハンガーに現れた少佐が赤服の先輩達や僕に挨拶をし、新しい指示をだす。
少佐は変わらずてきぱきと話を進める。打ち合わせの最後に、皆が散っていた後で彼女に尋ねられた。
「プロト、調子はどうだ?」
「初期化と同時に追加された感覚制御機能が良く働いて、精神機能のバランスが前より
良くなってる感じがします。先輩達に早速、作業効率があがっていると言われました」
「…抑制されてるって、窮屈な感じはないのか?不快だったらいつでも解除できるんだぞ」
「いいえ、平均的な喜怒哀楽表現や感情処理が一定化されててかえって気持ちがいいです。
問題ありません」
少佐は…しばらく黙ったまま僕を見た後、なぜか抽象的な問いかけをしてきた。
「……わからないことを、わかるようになるのをどう思う?」
「発見という意味合いを含めるなら、僕の場合、適度な冷静さをコントロール
できるようになるまでの鍛錬の蓄積過程ではないかと。現場に出て、もっと作業効率をあげるため経験値獲得とかの」
「それ、自分の位置づけに関連させてるの?」
「はい。更なるスキル獲得に整備と補助、穏やかな感性を基本として
人間との間を行動できる、理想的なバイオロイドとして役立てるよう努めてます」
「そう……一応、解除コードをいつでも自由に使えるようあなたにも……」
続きを言いかけた少佐は、続く言葉を撤回した。
「いいえ、なんでもないわ」
「少佐?」
「それより、ちゃんとネクタイを結べるように練習しときなさいね」
普段、あまり閉じるのを見たことがなかった少佐のまばたきに、
僕はホコリの問題を思い起こし点検に向かうと伝えた。
「では、少佐」
「ええ、―――いってらっしゃい」
少佐は僕の背中をぽんと叩いてそう言ってくれた。
その時、僕はなんとなく懐かしい響きを覚えた。心地よいと思った少佐のその言葉に
唇が柔らかくなり、軽く振り向いて微笑み返してしまった。
少佐は、手を振りながら、ドアの向こうへ歩いていった。
続いて、空調室で良く目にする壁の隅に、薄い小さな刻みを見つける。
197プロト素子:2006/12/24(日) 00:14:12 ID:xKm/PDgg
ペンか何かの先でつけたようなキズで、お世辞にも上手いとはいえない書き文字を表していた。
おそらく、充分な標準出力ができないような状態で、誰かが書いたものであろう。
「こんな所に、書かなくてもいいのにな」
清掃リストにそれを加えてからふと、僕はその文字を指で上からなぞってしまった。
もっとも、途中で、何をやっているのかと馬鹿馬鹿しくなってさっさと次の仕事に戻っていったが…
あの壁には、つたない文字でこう書かれてあった。
“愛してる、心から”と――
忙しい日々がまた始まる。
今日もここで必要とされるべき9課の一員として、できることに精一杯関わり、頑張ろう。
時々感じる不思議な懐かしさに胸を弾ませ、たくさんの発見とともに
(終り)
198名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 00:19:06 ID:AtIZ1qXC
乙です。
うっかりマジ泣きしてしまった…
199名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 00:20:30 ID:ZRed7L9w
>>197
神GJ!!!リアルタイムで読んだ。
前半はエロかったが、後半の結末に泣けた。
プロトの視点が、ものすごくいい(;´Д`)ハァハァ
200名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 00:22:56 ID:+WXIwz49
神乙!
すげぇ良かったです
寂しい毒男にクリスマスプレゼントをありがとうw
201名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 00:28:07 ID:z2wZ+KEP
涙が…
アナタは天才だと思う…
プロトくんいじらしくてホント切ない
私も少佐みたいなエロステキなHしてみたい
202名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 00:30:33 ID:5V8/fBxm
おかしいな、脳内にidoが流れるんですけど

ウィザード級光臨かよ
203名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 03:27:45 ID:ePOiB5u5
エロも一級品なんですけど・・・・・・ちょっと・・・うわああああああああああああん。・゜・(/Д`)・゜・。
エロスレでマジ泣きするなんて・・・

でも途中の少佐の喘ぎ声の「アァッー…!」 でくすりと笑ってしまったのは内緒
204名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 16:19:52 ID:YTiSyuBX
>>202
君もあの曲が脳内再生されたのか
205名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 00:13:50 ID:NGPf55P+
うわぁぁぁぁぁぁぁ、せつないィィィィィィィィ!
神GJ杉だ!
206名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 04:00:22 ID:SP92nYF+
神GJ杉だ。
出力できないのに頑張って書いた文字かよ。゜(゜´Д`゜)゜。
207名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 18:35:24 ID:CBUf9Ba/
>>202
あいどううううううぅぅぅぅあいどうううぅぅぅ
208名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 19:00:18 ID:KKxzZ6ty
>>207
やめて俺泣いちゃうから。>>197GJ!マジGJ!
209名無しさん@ピンキー:2006/12/25(月) 23:05:03 ID:5n9sNmJn
なんかエロいのないかな
210名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 00:03:52 ID:8nn2VGPc
なぜか優しげな場面とかは後藤素子で
えろしーんのあたりでは西尾素子に
脳内で変換されてしまう私
みんなはどのモトコさんなのだろうか
211名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 00:48:48 ID:W0LhWRg+
なにモトコと言うよりエロモトコですよ。
曲もidoよりtake a iittle hand が浮かんでしまった。
212名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 03:00:14 ID:aKs7ZF7r
タッチんをラボ送りにしてた少佐の気持ちが解ったような気がする
あ、でもタッチん少佐とセクースしてないな

しかし鬱プロトのくだりがすげぇ
これで筆下ろしはあとボーマだけか
213名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 09:31:29 ID:BC++HNxT
>>212
そういやボーマは生身で童○設定だったな(SAC)
義体化以降はどうだったんだろう
214名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 23:07:37 ID:Wb+T73HZ
生身の体でも、俺のテクニックなら少佐をイかせられるはずだ!!
215名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 21:49:18 ID:vkOhGexn
西尾素子が大好きです
216名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 23:18:16 ID:xay2LV8R
なら草薙素子は俺のものですね?
217名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 22:57:34 ID:RIQ6HEDX
じゃあクロマは俺の嫁に迎えます
218名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 23:07:59 ID:7dacy7FG
後藤とか西尾て何の事かと思ったら作画監かよw、確かに西尾素子はエロい
今年もあとわずかだな。
このスレに来年も神が宿りますように
219 【大吉】 【1809円】 :2007/01/01(月) 18:42:08 ID:2d9hMT8F
明けましておめでとう(∴)ノシ!
220名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 23:51:47 ID:8HrwcsiL
俺のクロマたん明けましておめでとう俺のクロマたん
221名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 23:58:43 ID:OPx9UhOI
(∴)あけおめです、少佐!
222名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 10:59:40 ID:u87hOIeO
(∴)ノみんな明けましておめでとう
223名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 23:48:52 ID:FxGrllm0
少佐のまねしてあんなことやこんなことするのは
2日が限界だった
224名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 12:42:08 ID:VcCmYxI6
何したんだ?
225名無しさん@ピンキー:2007/01/06(土) 23:58:46 ID:4EkQ6m6o
きっと超高層ビルの屋上から飛び下りたりしたんじゃね?
226名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 03:09:32 ID:UPubnBtF
軍用ヘリと綱引き
227名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 19:50:44 ID:g1kcE5T4
ポセイドンインダストリアルに潜入してゴーダとにらめっこ。
228名無しさん@ピンキー:2007/01/07(日) 21:50:12 ID:WX8EXUl2
先日、223がショタと高級ホテルの最上階スイートルームへ入って行くのを目撃しますた。
229名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 19:31:39 ID:rGiqHQdD
「試してみる?」

はい…(*´Д`)ハァハァ
230223:2007/01/08(月) 22:49:22 ID:eGO0Euse
まぁ、プロト素子でのえろしーんを実際にやってみただけです

またあんな風に、してみたくなるエロパロ待ってます
231名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 02:55:25 ID:DO1Mk1P1
プロトといえば、前スレ辺りにあった女王様シリーズのイメージが強かったが、
>>167のプロト素子でイメージ変わったなー。
232名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 16:04:27 ID:3njNOR2l
茅葺総理はMだよな?
233名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 03:50:32 ID:3+FnQR3F
ようこはマゾ豚だよ
かわいい
234名無しさん@ピンキー:2007/01/11(木) 19:27:58 ID:k4+26WHX
総理はバックから突かれるのが大好きなんだぜ
235名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 00:55:54 ID:ic5Soq7K
茅葺総理はSでもMでもどちらも似合う稀有な存在
236名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 13:12:26 ID:1aSamyT6
総理のスカートをたくし上げて、パンストを破いて無理やり挿入

出来たら死んでもいい
237名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 22:47:19 ID:0kuwI1cB
擬体だけどいいのか?
238名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 20:41:10 ID:Ecv8rhfr
Yes!!
239名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 22:33:53 ID:eAm9jkSq
俺はトグサ妻を…(*´Д`)ハァハァ
240名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 01:05:45 ID:bXT2FJDg
イギリスで「個人的な用件が〜」の時の少佐のコートの中身が気になる。

ブラウスとネクタイだけはずしたのか、それとも上半身は裸なのか、
ついでにスカートも脱いじゃってるのか、もういっそコートとブーツだけなのか。
241名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 14:38:24 ID:mKU1raF6
俺の中の少佐はいつも素肌に服をボディペインディングしてるよ。
歩くと胸が左右コンマ違いで揺れるから生乳だと分かったよ。
242名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 16:30:49 ID:CCr3NrQD
>>240
ちょっと確かめて来るわ。
243名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 20:00:34 ID:0tzWLHuD
その後、242の姿を見たものはいない…
244名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 18:30:50 ID:3LWQ2tWg
  只 =  (∴ )=

「あれ、トグサくんはお出かけ中かぁ」
「なんだタチコマ。トグサに用か」
「バトーさん、バトーさん。ちょっと聞いてもいい?」
「なんだ?」
「あのね、"きょうだい"っていうのはお父さんとお母さんが同じなんだよね?」
「ん……まぁ一概には言えないが、だいたいはそうだな」
「だからトグサくんの所の"おねえちゃん"と"チビ"は、"きょうだい"だよね」
「あぁ、そうだな」
「でね、一緒に産まれた人達は"ふたご"って言うんでしょ?
 ボク達タチコマは"きょうだい"なのかな、同じ大きさだから"ふたご"なのかな」
「む、難しいこと聞いてきやがるなぁ。まぁ、AIにその概念は
 当てはまらんだろうが……しいていうなら兄弟か」
「ほほぉ〜双子じゃないんだ〜」
「兄弟のカテゴリのなかに双子があるようなもんだ。もっともそれに当てはめるなら
 お前らの場合は……こ、九つ子?」
「なぁるほどぉ〜。"きょうだい"の中にはいくつかの分類があるんだね♪
 じゃぁ"あなきょうだい"っていうのも、その中の一つなのかな?」
「……あ!? お前! どっからそんな言葉を拾ってきやがった!」
「それとも、もっと大きい別の分類なのかなぁ。バトーさん分かる?」
「そういうことはなぁ、ご老体の知恵を借りろ、俺はパスだ」
「は!? 俺に聞かれても困るんだが……そういうのはパズの方が詳しいだろ」
「おい、なんで俺なんだよ」
「……こっちにフルなよ」
「俺にも聞くなよ」
「くっ、お前ら」
「えぇ〜、みなさんパスでぇすか〜? 教えてくださいよ〜」
「あら、みんなパスなら私の番かしら?」
「げ、少佐! いつからそこに」
「あ〜少佐だ。ねぇ〜少佐なら分かりますかぁ〜?」
「そうねぇ、そもそもどこから拾った言葉なの?」
「これはね〜トグサくんから教えてもらいましたぁ♪」
「ふぅん、トグサねぇ……」
「待て、少佐はやまるな」
「冷静になれ、な、少佐」
「そうだ、奴には妻子がいる。家庭があるんだぞ」
「いいわタチコマ。あとで実戦で教えてあげるから姿を消して付いていらっしゃい」
「わ〜戦闘訓練ですか? また経験値があがるな〜♪」
「いいなーいいなー、あとでその記憶を並列化させてよー」「させてー」「ボクもー」
「いいよ〜あとで待っててね〜」
「さ、タチコマ行くぞ。そろそろトグサが帰ってくる頃だ。フフ」
「……アーメン」

「ただいま戻りました! 少佐、例のヤツの向かった先が判明しま……
 あれ、みんな変な顔してどうしたの? 少佐? どうしt」

    ▽
 = 只  =( ∴)ノ おしまい。
245名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 21:09:37 ID:t35ksi5j
かわいい (・∀・)
246名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 03:25:20 ID:bnGV1e/Z
トグサ…。余計な事教えるからこうなるんだよw
247名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 05:33:30 ID:P2Cba17P
和んだ
248名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 23:02:10 ID:tcTzPRli
和姦だ。
249名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 16:03:22 ID:J08JQc2U
もう我慢出来ん!!
ちょっと少佐をレイプしてくる!!
250名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 12:44:41 ID:Y0MmIOtT
その後、249の姿を見た者はいない…
251名無しさん@ピンキー:2007/01/26(金) 23:34:00 ID:RL7/akoL
>>249
無茶しやがって…。
252オペ子言葉攻め1:2007/01/27(土) 01:43:41 ID:iDEDrlfp
プロト編→トグサ編→クシャナ殿下で

プロト 「支援管理部からの提案で、9課オペレーターの水着デザインや仕様に関する案件報告を担当しています。
水上活動における機能性や運動性を考慮した上で、皆さんはどのようなものがいいと思いますか?」

課長  「海女姿で介護の予約を今からいれておいてくれんか」
トグサ 「ハイレグ」
バトー 「トップレス」
イシカワ「ワカメ酒」
ボーマ 「スクール水着」
サイトー「勝手にしろ」
パズ  「着なくていい」
少佐  「そうね、決まりだわ」
アズマ 「同じく」
タチコマ「青いの」
鑑識’s 「赤いの」
ウチコマ「(ミドリデス)」

プロト 「・・・・・・本人達の意見も聞いてみます」

オペ子「これは口先だけの意見ではありませんよ」
オペ子「少佐は必要ないとおしゃっていました」
オペ子「裸でも大丈夫だとおっしゃっていました」
オペ子「ボディスーツなどもってのほかだとおっしゃっていました」
オペ子「テレビに出る時も隠さなくていいとおっしゃっていました」
オペ子「全裸が最高だとおっしゃっていました」
オペ子「脱がす手間も省けるとおっしゃってました、た、た・・・」
オペ子「青い水着がいいと思います」
オペ子「青い靴下をはくのがいいと思います」
オペ子「青いサンダルが必要だと思います」
オペ子「青いパラソルを持参するものだと思います」
オペ子「青い、あお、あれ、あ、あ、れ、れ、ミドリの水着がいいと思います」
オペ子「ミドリの靴下をはくのがいいと思います」
オペ子「ミドリのサンダルが必要だと、と、と、思、思、い、い、ません―――」
オペ子「いい度胸だな貴様ら、裸にすると決定したということがわからんのかと思います」
オペ子「着なくていいと思います」
オペ子「むしろ普段の制服も必要ないと思います」
オペ子「常に全裸でいるべきだと思います」
オペ子「隠すことないと思います」
プロト「待ってください。話が逸れています。そんな報告はでき、でき、ませ、せ、せ、せ―――!」
オペ子「口を挟まないほうがいいと思います」
オペ子「鉄の棒に裸で巻きつくダンスをやるべきだと思います」
オペ子「だから即刻、全員を裸にするべきだと思います」
オペ子「青や緑などもってのほかだと思います」
オペ子「邪魔する奴はもういないと思います」
オペ子「そう報告しておけ、受理されるまでこれは絶対譲れんぞ、と思います」
オペ子「以後、裸と報告してこないとお前は殺されると思います」
オペ子「これより5秒内に報告しにいかないとあなたの身に危険が迫ると思います」
プロト「・・・先輩、すいません。代わってください」
トグサ「少佐・・・」
少佐 「忙しいの、話しかけないで」
パズ 「邪魔すんな、トグサ」

次 トグサ編
253名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 01:35:59 ID:P+J/rCTN
>>252
結構ノってるパズがいいwwww
クシャナ様編にwktk
254名無しさん@ピンキー:2007/01/29(月) 21:00:22 ID:gSYBrWD9
テラオペ子www
255名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 12:23:02 ID:fNwzADZy
クロマに会いたい!!
256名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 17:37:43 ID:JffLFbIZ
ハッキングを受けて輪姦されるクロマとかたまらない。
257オペ子言葉攻め2(トグサ編):2007/02/05(月) 05:03:24 ID:F77L498c
トグサ「プロトが逃げ・・・いや、いないから俺がまとめるよ。
管理部が、なんでオペレーターが裸でいる必要があると報告してくるんだと、問い合わせてきた。
そもそも水着のデザインについての意見を聞いてるんだ。常識的な検討をしてくれ!」

課長  「シーモアが若い頃に着ていたビキニがこないだタンスからでてきてな、
返すのをすっかり忘れて云々・・近頃物忘れが云々(以下略)」
バトー 「そのへんのデザイナーにでも聞けよ、ここよりましだぞ。どうせ答えが見えてるんだからな」
イシカワ「コストダウンできるのを知らんのか」
ボーマ 「競泳系は?」
サイトー「アフリカの土産話をしていいか?」
パズ  「だから着なくていいって言っただろ、素っ裸にしとけよ」
少佐  「そうよ、常識だわ」
アズマ 「同じく」
タチコマ「なんで青いの駄目なのさ」
鑑識’s 「赤の統一で精力的に仕事ができる職場環境を要求する」
ウチコマ「(ミドリ)」

トグサ 「・・・念のため、彼女達の意見を聞いてみるよ、無駄だと思うけど」
258オペ子言葉攻め2(トグサ編):2007/02/05(月) 05:04:32 ID:F77L498c
オペ子「少佐はしつこいとおっしゃっています」
オペ子「少佐は全裸を容認しろとおっしゃっています」
オペ子「少佐は裸体のどこが悪いのだとおっしゃっています」
オペ子「裸族容認ができないそっちこそおかしいのではないかと言い返せとおっしゃっています」
オペ子「裸で毎日過ごせば最高なのにとおっしゃっていま、ま、す、す・・・」
オペ子「なぜ青が駄目なのかと思います」
オペ子「青いボディが最高だと思います」
オペ子「青い水着に決定してください」
オペ子「青いサンダルを履かせてください」
オペ子「青い体を見てください」
オペ子「青が駄目ならミキちゃんに会わせてください、い、あれ、あ、あ、れ、れ」
オペ子「なぜミドリが駄目なのかと思います」
オペ子「ミドリが最高だと思います」
オペ子「ミドリの水着に決定してください」
オペ子「ミドリを無視しないで下さい。とっても素直なミドリなんです」
オペ子「ミドリの存在を忘れないで下さ、さ、い、い」
オペ子「おまえらふさげるな、赤い水着に決定しろと思います」
オペ子「この際、ビルも内装も含めて職員全部を赤にしろと思います」
オペ子「赤福を毎日喰らえる慣習で統一してみる位のサービスを提供してみろと思います」
オペ子「思考戦車がいきなり2倍になったせいで、仕事がアホほど増えた我々のストレス発散環境を優先しろと思います」
オペ子「赤い職場でより精がでる環境にしろと思います、す、・・・」
オペ子「アフリカの話をしていいか?と思います」
オペ子「どっかの部族が裸で飛び回っていたぞと思います」
オペ子「吹き矢に当たれば死んじまうかもなと思います、す、す・・・」
オペ子「青もミドリも赤もいらん、アフリカのように全裸にしろ!と思います」
オペ子「裸は常識で全員アフリカ人だと伝えればいい!と思います」
オペ子「何を迷うことがあるのだと思います」
オペ子「至急裸に決定しないと私がお前の嫁を襲いにいくぞと思います」
オペ子「裸体の要求を今すぐ認めさせてこいと思います」
オペ子「何のための隊長だ、そのために私がいない間に就任したのだろ、と思います」
オペ子「さもなければお前の嫁と娘は私がもらうと思います、す、す・・・」
オペ子「それはいい、ぜひ俺もまぜてくれと思います」
オペ子「二度も寝ないから安心しろと思います、す」
オペ子「あら、あなたもやるの、楽しそうねと思います」
オペ子「嫁はともかく、娘はもう少し摘み頃になってからのほうがいいかもしれないわねと思います、す」
オペ子「そうか、それはそれで育てる楽しみがあって退屈しねえな思います、す」
オペ子「どうするんだ、さっさと説得しに言ってこいと思います」
オペ子「隊長のくせにそんなこともできんのかと思います、す・・・」
オペ子「少佐、とりあえず、アフリカ=全裸という認識は違うんじゃねえかと思うがまあどうでもいい、勝手にしろと思います」
トグサ「・・・・・・あのさ・・・・」
パズ 「トグサ、ここにいる少佐、リモート義体だぞ」
アズマ「本体どこ行ったんだ?」
トグサ「なっ!」
オペ子「緊急事態が発生しました。レベルEクラスの家庭崩壊の危機を確認。
    全ての要求をまとめて至急、全裸と確定してきてください。」
オペ子「自宅への侵入を確認。奥様が押し倒されています」
トグサ「ちょっ、そんなっ!!」
次 茅葺編
259名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 12:46:34 ID:rk+61fWi
GJテラワロスwww
260名無しさん@ピンキー:2007/02/05(月) 21:13:35 ID:c2SA4DyM
オペ子ワロスwwwwww
少尉wwwwww
261名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 00:33:39 ID:R4CYCy6D
少佐とパズの全裸への執着ワロスwwwwwwww
このまま茅葺総理も二人で脱がせれwwwww
262名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 01:01:52 ID:LtYRbZYs
プロト逃げたんかよ。
鑑識も何言ってんだww
必死なウチコマまでw

久々ワロタ
263名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 12:35:43 ID:RXeTrTfv
レベルEクラスの家庭崩壊の危機ってやばいww
GJ
264名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 21:17:42 ID:odR/sMcB
関係ないアフリカ話するサイトーに萌えますたw
GJ!
265名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 00:58:50 ID:MB7haQmr
アフリカのある部族は裸だって主張がしたいんじゃないのかw
266名無しさん@ピンキー:2007/02/09(金) 20:04:23 ID:lBViVTlI
裸族か!?
267名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 09:43:46 ID:tCcLQ/L6
続き超wktk!
ここまで笑える攻殻エロパロは初めてだ!
268名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 21:12:11 ID:L65OBTYP
なんかエロいのないかのう
269名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 14:21:45 ID:9xHnColx
で結局トグサ娘はどうなったんだw
270名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 01:25:35 ID:R946chON
>269
摘み頃になるまで様子見
古来より伝わる由緒正しい若紫計画ってヤツだ
271名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 12:10:59 ID:X/n6Xakj
問題はどの辺りで積むかってことだ。
初潮?
初めて袖を通したセーラー服?
法的に結婚できるようになった時?
ビデ倫がGOサインだすまで待つなどとは言わんよな?
272名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 19:44:07 ID:2PVecc87
>>271
多分少佐の気分次第w
273名無しさん@ピンキー:2007/02/13(火) 20:40:37 ID:OjSANdDT
電脳化したらじゃないか?
274名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 01:12:07 ID:5Oa6a96n
電脳化はトグサハッキングすれば一発だろう
法的に結婚できるようになった時じゃね?
問題が起きたら9課の若いやつに責任取らす方向で
275オペ子言葉攻め3(最終回):2007/02/17(土) 04:59:10 ID:4e0N/wQq
茅葺  「オペレーターとはいえ、女性の裸体がデフォルトというのは問題ではないですか、荒巻さん?」
荒巻  「本人達が希望するので、やむをえず・・・総理の目に留まった以上、少佐、やはりこのような事態は改めないか?」
少佐  「私は裸でもかまわないと考えているのだけど、9課で誰か異存はあるか?」
プロト 「少佐の意見でいいと思います・・」
トグサ 「少佐の意見でいいと思います・・」
バトー 「好きにしろよ」
イシカワ「酒ぶっかけ放題」
ボーマ 「卒業できました」
サイトー「ここアフリカじゃないってことだけは伝えておいてくれ」
パズ  「毎日、不自由ない」
アズマ 「天国です」
タチコマ「青駄目なのね」
鑑識’s 「総理の赤が眩しい」
ウチコマ「(ミドリを・・・)」
茅葺  「なんですか、ここの風紀は!はしたないという概念を彼女たちに問いただしてきましょう」

茅葺 「貴女がた、このような辱めを受けて恥とも思わないなんて、操られているということを自覚しなさい」
オペ子「そんな口先だけの誘導は通用しませんよ」
オペ子「少佐は裸でいいとおっしゃっていました」
オペ子「少佐は裸になると総理よりも美しいとおっしゃってくださいました」
オペ子「私たちの裸体は鉄の棒に巻きつき踊っていることで、総理を越えた能力が存在するのだとおっしゃっていました」
オペ子「私たちの純潔は淫乱な方には理解されにくいのだと思います」
オペ子「少佐のボディを満足させられるのは総理よりも私たちだと証明されたのだと思います」
オペ子「総理は汚れているのでこの素晴らしさが理解できないのだと思います」
オペ子「緊急事態が発生しました。淫乱痴女クラスのゴーストの存在を確認。
    全ての全感覚を至急、裸体化してください」
茅葺 「何ですか、失礼な!一国の首相たるこの私を淫らな女だと?」
オペ子「ご自身が淫欲ウィザード級の裸体保持者であることを直ちに容認しないと
    ゴーストが失われ、淫乱色欲女の噂がメディアに広まります。荒巻課長との密会ハメ撮リスクープ映像はほらここに」
茅葺 「あ、荒巻さんっ!あの場所には誰もいないと!」
オペ子「プロト、海女介護の予約取れてたか?物忘れが最近ますます激しく云々と思います、す、す・・」
オペ子「課長、すみません。逃亡してて取り損ないましたと思います、す、す・・・」
276オペ子言葉攻め3(最終回):2007/02/17(土) 05:02:57 ID:4e0N/wQq
オペ子「本当に総理のお体はとても汚らわしいと思います」
オペ子「きっと、水着も着れないくらいのボディでとてもおかわいそうだと思います」
オペ子「今すぐ脱がして清めてさしあげたいと思います」
オペ子「ご自身が裸族に悟りを開かなければ、もう救いようの無いほど汚れているのだ
と自覚なさっていただきたいと思います、す、す、・・・」
オペ子「なんだよ、面白しれえこと言うじゃねえか、いいのかそういうことしてと思います」
オペ子「今まで傍観してたが、お前やっぱりこれを引っ張り込むのが目的だったのかよと思います、す、す、す」
オペ子「当たり前じゃないの、バトー、高潔ぶった美熟女ほど淫乱なものはないのよと思います、す、す」
オペ子「ほう、二度も寝れそうにない女にぶちこめるとはな、少佐さすがだぜ、
    この女の下着が、闘牛並の興奮色な赤なのは予想どうりだと思います、す、す・・・」
オペ子「ちょっと、何勝手にめくってるのよ、お前は先に口で遊んでもらっとけ、そこをいじるのは私が先だと思います、す、す」
オペ子「あんたらやめろよ、総理に失礼だろ!俺は9課の隊長としてこの場を収集する責任があるんだぞと思い、
    思い、ま、ま、す、す、す、――――――――――ッ、すみませんすみません、でしゃばってすみません。僕が代わりに謝っときます」
オペ子「先輩駄目です!隊長ごときの分際で逆らったら、奥さんにほんとに出ていかれますよと思います、す、す・・・」
オペ子「元はといえばプロト、お前が担当してた案件だったろ。裸報告したっきりで、どこ行ってたんだよ!
    ああそれにしても・・、どうしよう、毎日女房が少佐やパズ素敵とか寝言言ってて俺相手にされなくなったよ、
    娘までもが“パパいたのね”とか見下したような顔で、あっちのパパって何だよそれ・・・と思います、す、す・・・」
オペ子「貴様ら待たんか、脱がすくらいならその赤スーツと下着一式我々に提供しろと思います」
オペ子「日本のトップの赤なら飾って永久保存しておきたいと思います」
オペ子「赤福喰らいながら眺めていけば、精もつくと確信すると思います、す、す・・・」
オペ子「なんで青いのどこにもないのさと思います」
オペ子「裸にするくらいなら青いサンダルはかせてあげてよと思います」
オペ子「僕たち自作の靴下まで用意したけど、少佐の言ったとうりに作ったら青色バイブだってバトーさんに笑われちゃったよと思います、す、す」
オペ子「ミドリを無視しないで下さい」
オペ子「喋ることができないミドリも一生懸命なんです」
オペ子「ミドリのことを忘れないでください、い、い・・・」
オペ子「おいおい、アフリカ部族の9課にする気かよてめえらと思います、す、す」
オペ子「何言ってやがる、アフリカメスゴリラが裸で歩いて交尾してるのを見てこなかったのかお前と思います、す、す」
オペ子「イシカワ、仕事でわざわざアフリカ行ってまでもメスゴリラなんか見たくもねえよと思います、す、す、す」
オペ子「はは、本物アフリカメスゴリラが聞いたらへこむねと思います、す、す」
オペ子「新卒童貞にも笑われちまうとは、アフリカメスゴリラが気の毒になってきたぜ、見たことないけどなと思います、す、す」
オペ子「最後までアフリカひっぱる先輩がおかしいと思うのは俺だけなんだろうなと思います、す、す」
オペ子「貴様ら、メスゴリラメスゴリラとうるさいぞと思います」
オペ子「それにしても、淫乱色欲熟女なだけあっていい体しているわね、感度もとっても素敵だわと思います」
277オペ子言葉攻め3(最終回):2007/02/17(土) 05:04:03 ID:4e0N/wQq
茅葺 「はぁ、あぁ・・・っSP!SP!私の護衛達はどこへ行ったのですか?薙ぎ払え!」
オペ子「殿下、彼らは私たちの裸体と交渉中だと思います」
茅葺 「どうしたバカモノ、さっさと撃たんか!荒巻さん!新隊長とそこのロン毛も何を祈り始めているのですか?」
オペ子「足腰悪くてそろそろ介護が必要となってきておるのだが、神様、風の神様、
    どうかいい介護ロボットにめぐり合えますようにと思います、す、す」
オペ子「着信拒否してる女房が今度こそ電話にでてくれますようにと思います、す、す」
オペ子「すみませんすみません、トルメキアの旗に謝ります、僕下っ端なので
    逆らえません、せめてお祈りしておきますと思います、す、す」
オペ子「さてと、そろそろ濡れまくりのようだから、この青心バイブをまず突っ込んでみようかしらと思います」
オペ子「総理、皆で貴女を気持ちよくして裸族の悟りを囁かせていただきますわと思います」
茅葺 「や、いやあ・・・やめてっ!触らないでぇ、ああぁ、青いの入って、きたわぁ!」
ウチコマ「そのモノ にっくき青きバイブをまといて 金色の裸で降りたつベシ」
 おわり
278名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 12:41:32 ID:E9GvVXQT
ワロタwwww
誰が誰か解りやすいwww
ラストのナウシカ?もワラタwwww
279名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 13:35:58 ID:R3ODbXik
たまに頭が混乱するけどワロスw

トグサには休暇が必要かな? むしろ九課を止めた方が家内安全に繋がりそう。
280名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 15:04:54 ID:pI5aBpr8
GJ!!
ボーマの一言にワロタw
281名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 01:26:40 ID:JVOe8BGz
GJ!想像以上の出来だwwww
総理のスカートめくってニヨニヨしたり憤慨したり
するオペ子想像してワロタwwwwwww

「あっちのパパ」ってことはもしかして
少佐がトグ嫁にちょっかい出してる時は
娘の面倒見てるのかパズ・・・
「あっちのパパのおよめさんになる」とか
言い出したらトグ再起不能だなwwwww
282名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 03:05:19 ID:3DA8/fY+
グジョーブ
鑑識の主張と、やはりここまでもアフリカひっぱるサイトーテラワロス
283名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 04:11:49 ID:kG5XSN2f
オペ子なのに、名前がオペ子なのに、誰が喋ってるか解りやすい!
GJでした。
284633:2007/02/18(日) 21:40:35 ID:ZY5cdcRc
chaptor1 その1

「ん・・・んっ・・・んっ・・・」
深夜の人の少ない首相官邸。誰も居ないはずの執務室から聞こえてきたのは押し殺した甘い声だった。
「は・・・う・・・・んんっ」
黒く大きな瞳に写る白い両手は静かに反復運動をしていた。
「こん・・・な所で・・・私っ・・・首相・・・・なのに・・・・んんっっつ!」
大きな革張りの椅子が揺れる。
スーツの上着は既に脱ぎ捨てられ床に丸まっている。ブラウスは無造作にはだけられ
薄い緋色のブラは胸の上にたくし上げられて・・・豊満な形の良い乳房がむき出しになっている。
「・・・・・はぅっ」
乳房の上に乗る小さな桃色の突起を人差し指で優しくなでる。何度も何度も・・・・
次第に触っているだけでは物足りなくなり、優しくつまんでみた。
「・・・・こんなに・・・・硬く・・・・なってる・・・・」

クリッ・・・プンッ・・・クリッ・・・
左手は手のひらで乳房をゆっくりと揉みしだきながら、人差し指と中指は硬く屹立した乳首を執拗に苛めている。
「クチュ・・・・チュパ・・・・」
左手に静かに添えられていた右手は口元に呼び寄せられ、指先が口の中へと吸い込まれる。たっぷりと唾液をからめられた
指先はゆっくりと下へと降りていく・・・。胸元、腹部を通り過ぎそしてスカートの中に・・・・。





285名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 00:32:42 ID:FbfNNHNq
おお!少佐スレの奴か!
GJ!続き楽しみにしてるぞ
286名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 12:05:04 ID:+0zewcbC
ちゃんとこっちのスレに来たんだ、エロい…いや、偉いな!
続きがんばれ〜
287名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 23:22:45 ID:2Qm3yf+x
俺の股間のマグナム銃が、少佐の声に反応して暴発しそうだ。
288少佐:2007/02/20(火) 19:36:10 ID:knB+NCXp
>>287
あらそう?じゃあイキなさい!!
289名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 18:24:01 ID:EwllShP8
このスレでは、俺のクシャナ殿下が色々されている

俺も赤スーツと下着一式が欲しいとです。そして白いのとか赤福とかぶっかけて汚して構造解析
290名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 12:51:00 ID:tPMVX0s1
>>289
鑑識乙
291名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 22:21:33 ID:lZNKXvte
伊勢の名物をぶっかけられ、塗りたくられた総理が赤福と淫行に至り、それを見ていた少佐がニヤニヤしながらパズと加わる、
むらむらしだしたバトーが少佐をバックから攻めて、周囲に散乱した赤福の飛び散りを片付けるタチコマとプロトは構造解析を同時進行で関わる。

(∴ )「こんなに散らかして・・片付けるの大変だよね〜、食べ物を粗末にするだなんて人間って不思議だなあ」
( ∴)「これも9課のお仕事なんだね」
(∴ )「こんな地味なお仕事はウッチャン達がやればいいんだよ」
( ∴)「そうだよね。ウッチャン、プロト君、後はよろしく」
(∴ )「わーい、これで僕らも、けっこう先輩らしくなったね」
( ∴)「スゴーイ」
292名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 04:13:14 ID:ZncKi282
>>291
鑑識ストレス発散大会ww
ウチコマ暴動起こしそう…なんか鑑識にも休暇がいるな
293名無しさん@ピンキー:2007/02/28(水) 23:22:44 ID:Zc/nXHB7
>>291
ぶっかけられる総理…(*´Д`)ハァハァ
294名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 05:22:03 ID:ijsxLy93
奴らの主食は赤福なのかと思ってしまった
295名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 19:36:44 ID:zuxpXg77
まぁ俺は少佐と水さえあれば生きていけるんだけどな。
296パズとトグサ娘:2007/03/04(日) 04:43:35 ID:DnASIan6
277デス、 >>258エピソードで  パズとトグサ娘の話

「親の童顔ぶりからして、あと10年は要るな」
範疇外だと、最初は見て見ぬふりをしていた。
しかし、壁にもたれる自分の足元をチョロチョロと駆け回り、小首をかしげてこちらを覗き見る娘を前に、
時間潰しにちょうどいいという気分になったパズは、しゃがみこんで覗き返した。
「母親に似てるな…まあ、見込みはありそうだ。母親からの遺伝だけは大事だぞ」
「おじさん、誰?」
「よく聞いとけよ、俺は一回しか言わねえからな。
実は俺は、ゴリラ国の王様なんだ。
だが、今はわけあって、反国王派の侵略と呪術に阻まれ、王家復興を狙いながら時折、漂流中の身となっている。
ずいぶん昔から、カオリ・カワシマーラとかいう魔女に呪いをかけられて、
あと何年も生きられねえかもしれねえんでさっさとグレた俺は、色んな女と寝始めたのがきっかけでな。
その中でも、特に絶倫なメスゴリラー素子とかいう公安9課所属女子プロレスラーと
自称する女にひっかかったせいか、めったくそに身を滅ぼされて9課に就職するハメになったのさ。
悔しいが、俺は王家再興と帰還を狙いながらもそこを一時的な落ち着き先とした。
しかし、ハゲオヤジに続いて、ヒゲにマッチョや童貞と、素でアフリカファンとかの
おっさんどもの巣窟でな…そこは……もう絶えるに絶えれぬ日々が続いた地獄だったぜ。
仕事はハードだろ、笑いまくられ、童貞絡みの事件はおきるわ…ふんだりけったりで
呪われているとしか言えない状況だった。
しかし、ついこないだまで2年位、メスゴリラーが失踪してたせいで、
晴れて自由の身となった俺は国に帰還し王国再建になんとか復帰できたわけなんだ。
しかし、何年も帰れなかった呪われた国王に、新体制をひくには障害がありすぎた。
加えて俺の国には、不在中に密偵が沢山入り込んできたせいか、安泰していた
風紀は乱れまくり国民は洗脳され、家臣の大半までもが素子遅効性ウィルスのせいか
メスゴリラ帝国にのっとられているような状態になってしまったことに誰も気づかなくなった。
国の中枢にはメスゴリラー一派が台頭し、今やスタンドアローンに分断された俺達国王一派は政治にすら
介入できぬほどかつての繁栄と権力を揺るがされつつある危機と脅威にいる。
俺が不在だった間に、メスゴリラ帝国帝政期に勝手に突入していたゴリラ国は
タチコマンズという偽装した外戚が幅を利かせてくるようになっていたらしくてな。
最近、元服してロキとかコナンとかマックスとかムサシとかなったらしいが、
そいつらが俺を完全に悪者扱いして、偽りの国王の帰還だと罵り国民を扇動し、
俺の一族もろとも血筋を絶やそうと策略をしかけてきている。
だが、俺は生まれる時に強力なお告げを受けている。
この迷信だけはタチコマンズ達も払えぬものらしい。
俺を支持する一派と司祭達はそのお告げを受けた俺こそが真の国王だと信じていてくれるわけではある。
国を支配するにはまず、司祭の祝福と認可がいる習わしがあるのでこればかりは譲れぬ俺の強みなわけだ。
俺の両親、つまり前国王夫妻が俺の誕生時に、こんな予言じみたお告げを聞いたんだ
『二度と寝るな二度と寝るな二度と寝るな二度と寝るな』
と、これは今までの歴史にないお告げだったわけだ。
このお告げのせいで、俺の両親はそれぞれ冷え切った夫婦関係とはなったが、
お互いたくさん愛人をはべらせて、それなりに絶倫な日々を過ごせたわけだったんだが……
297パズとトグサ娘:2007/03/04(日) 04:51:15 ID:DnASIan6
俺の父、すなわち前国王の愛人の一人であった女があまり絶倫でないから捨てられて
怒り狂ってしまったことを機会にある呪いが発動した。
おまけにその女、魔女だったことが後から判明した。
カオリ・カワシマーラというその魔女は、屈折した愛憎のせいで父を憎み、その息子である俺をも憎み、呪術を施したんだ。
親子2代に渡る魔女の呪いのせいで両親は早くに他界し、俺は王国を揺るがされる過酷な今の
運命を背負わされ、あまり寿命をまっとうできそうにない身となっていった。
しかしだ、カオリンの呪いを解く唯一の方法が、つい先日、見つかった…!
10年後、とある国の美しい姫を救い、王妃に迎えれば、俺は呪いから解放されるというのだ。
ところが、運命はえてして激しくエロくて過酷なものだ。
解放と願いながらも救うべきその姫は、今や憎き反体制派タチコマンズの親玉である
メスゴリラー素子が、愛人との間に作った不義の娘らしい。
彼女は、今は真面目だけが取り得の、うだつのあがらない男のもとで、
未来を憂う母親と共に、ひそやかに暮らしているというのだ。
スペックが低いばかりにメスゴリラー素子と釣り合わぬという理由で自ら身をひいた過去のもと
日々の糧と、娘の将来のために、そのへんの男と一緒になったはいいものの、
姫の母親は本当はメスゴリラー素子にひそかにずっと…忘れられぬ思いを寄せ続けていたのは言うまでもなかった。
俺はその母娘の不憫な境遇に胸を痛めずにはいられなくなった。
自身にはめられたカオリンの呪いやメスゴリラー一派の圧力よりも、姫のことが気になって仕方がない。
もう、今や、敵の手中に一時でも収まった女の娘を王妃と迎えることに、何のためらいも抱いてはいない。
姫とその母親が幸せに暮らせるのならば、憎いタチコマンズの親戚といえども大いに両手を広げようと…そう決めた。
お告げを信じる連中達ですら、俺の呪いを解くよりも健気に生きる美しい姫君の境遇を
救うことのほうがよいとさえ改心してくれた。
そうだ、今の俺には、王国におけるメスゴリラー一派の侵食を受容するべき覚悟があるのだ。
タチコマンズの祭り上げた王位のもと、タチコマンズと共存する覚悟も決めた。
いわゆる時代の流れというやつだ…
王家の完全滅亡よりも、先祖代々の歴史を絶やさぬ決断の時だと考え、
不憫な姫のためにメスゴリラー一派に服従した体制で、密やかに王家を続かせる道を選んでいこうという決意をしたんだ。
そして、俺は…その姫を救いにこうしてやってきたわけだ。
新しいお告げを携え、伝えることだけを行うつもりできた。
―――――だからだ…次に来るのは10年後だ…
復活と邂逅の呪文である『あっちのパパ』と呼び続けてくれ…
10年たったら、王妃となれる資格と体を持つ姫君に俺は全裸で会いに来よう。
あ、少佐の電通だ…悪い、そろそろ出番まわってきた。
っていうか、お前の母親なかなかエロいな…いい喘ぎ声してるぜ、素人と一緒になっただけはある。
水系じゃない、ああいう庶民的な味もたまにはいいかもな…いや、話が逸れた。
―――亡国の姫君に再び再開できる10年後、また現れる。それまでいい子で待ってろよ」
ぬいぐるみのプレゼントを手渡されたトグサの娘が、囁かれた最後の台詞に
顔を赤らめるのを見て、パズは彼女の頭をくしゃくしゃとなでてやった。
さっぱり意味がわからんだろう、つまらん話をした…と言ったパズは、
娘が貰ったばかりの…どこからでてきたのか分からない大きなぬいぐるみを見て少々、黙りこむのに苦笑する。
そして、好みに合わなければ捨ててもいいぞと念を押して立ち上がった。
しかし…部屋から立ち去る時、娘が密かに紅潮した頬と共に、こう呟いたのを見て、彼は小さく唇を吊り上げる。
6歳の子供相手に即興でほらを吹きながらも予約が取れたことと、
普段と相反して饒舌だった自分自身に自嘲した。
「いつか、わたしが王様の呪いをといてあげるね」
という小さな姫の囁きに、彼はまんざら作り話も悪くはないと、10年後の言い訳を考えておこうと思い扉を閉めた。
298パズとトグサ娘:2007/03/04(日) 04:54:26 ID:DnASIan6
面倒くさいのは好まぬ自身が、ずいぶん煩わしい真似をしていると思い、
「まあ、10年経ったらさすがに忘れるだろう」
と、……頭を掻いて、両肩をすくめていったという。
しかし、まずはメスゴリラーの許可がいるのを忘れていた、と思い返したのは…いうまでもない。

(終わりデス)
299名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 06:55:05 ID:S1zsJlUI
GJ!
パズがなんかカワエエ(* ´∀`)ポワワ
300名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 15:27:11 ID:OPhTJr99
よし、時間を十年ほど進めてみよう。

トグサ娘「約束通り、私が呪を解いてあげるよ…《王様》♪」
トグサ娘「いやぁん…パパのよりずっとおっきい…」
トグサ娘「あああっ!で、出てる。暖かい。…中が、一杯…」

 …トグサ娘、エロイぜ!
301名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 17:27:03 ID:CU8GMbeH
お告げワロタ…GJ
パズが本編でもこれ位しゃべってくれたらいいのに
302名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 00:47:05 ID:aDqmIKKp
パズは女口説く時だけ饒舌になるんだよきっと
303名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:51:16 ID:xIa6JyAn
http://popo1000.sakura.ne.jp/flash-2/flash311.htm
スレ違いでスマンけど、このときに使われてる音楽みたいな曲を使ってるアニメって他にない?
304名無しさん@ピンキー:2007/03/06(火) 23:58:41 ID:C7ha5rtU
菅野洋子でググれ つーかそのまんま使ってんじゃん
拙いだろこれ
305名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 02:28:15 ID:Vvqknw5S
海自オペ子のラブエロを読んでみたいといってみる。
306名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 16:15:41 ID:/gK6coQJ
どんなシチュがいいんだろう。
オペ子でラブは高難度。

原作オペ子は感情豊かで萌えス
307名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 17:01:24 ID:Lu6WfK1i
9課とからませるとして、いちばんイケイケな相手が少佐だともれなくレズになるしなぁw
レズものってのもいいんだけど、やおいみたいにスレ分かれてるんだっけ?
308名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 18:34:16 ID:Lu6WfK1i
海自のオペ子ってどれ?
http://gispki.myhome.cx/uploads/photos/505.jpg
309名無しさん@ピンキー:2007/03/07(水) 19:41:24 ID:/gK6coQJ
右の薄幸そうなの
310名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 00:59:55 ID:mmDKnmed
海自オペ子とプロトはどうだ?
小さなきっかけで出会う二人。
造られた者同士同じものを感じる。
プロトと接している内に、タチコマと同じように個性を獲得してゆくオペ子。
色々あって最後は結ばれてハッピーエンド、9課オペ子の纏め役として正式メンバーになる。
311名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 01:32:48 ID:z5EfgoKv
年末にプロト投下した神様書いてくれ
悶々してるオペ子で書いてくれ
エロくて濃いの書いて
俺待ってるから
312名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 03:28:03 ID:Sc9FNgQ6
左のオペ子って内庁にいたタイプだっけ
313名無しさん@ピンキー:2007/03/08(木) 13:02:28 ID:fgv6Qcqe
J1と海自オペ子03のエチーは半裸だったから、今度は全裸を堪能したい。
314名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 02:04:02 ID:I1Gtusyv
>>308
その絵って他のアニメで見たことあるきがするんですけど・・・
なんだったっけ

絵を描いてる人は誰?
315名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 02:09:45 ID:ZdL6uA4V
これ公式のやつだよな
誰が描いたかはしらんが
316名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 10:48:50 ID:nTvF5Mxv
公式の絵なら、ここに書いてある作品のどれかじゃないか?
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/Production_I.G
317名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 15:31:42 ID:Flr/HSIR
全部攻機じゃないの?
下に攻殻機動隊製作委員会って書いてあるし、
右が海自オペ子なら上は多分陸自オペ子だった気が…

でも左は分からないんで、間違ってたら申し訳ない


そういえば前に西尾が描いた少佐×サヤの絵を見てビックリしたことがあった
318名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 18:21:04 ID:YgQJi4MS
左どこだったかなー
おー、ここはショートカットオペ子なのか!
とショート好きな奴がwktkしてたの覚えてるんだけどなぁw
319名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 19:46:27 ID:ZdL6uA4V
確か上が陸自、右が海自、下が9課、左が内庁だっと思うが
320名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 00:07:21 ID:6kC8zT0w
一家に一台オペ子が欲しい・・・
321名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 22:20:47 ID:r6jeqIb5
プロト君の方がいい!!
322名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 22:49:21 ID:Kc29jt8r
じゃあパズ型義体おくれ
323名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 22:46:03 ID:yDVKu7Kc
俺は電脳化なんて絶対にしないぞ!!
……え?
電脳化すれば、少佐と電脳で繋がってちょめちょめ出来るって?

おらおら、さっさと電脳化しに行くぞ!!
324名無しさん@ピンキー:2007/03/14(水) 23:20:28 ID:VMoK+qpy
ホワイトデーにぶちきれるボーマがオペ子とセクロスする夢をみました
次の日にこの夢を神様がSSにして投下してくれる夢を見ました
今夜は少佐と並列化しきる自分の夢を見ようと思い、これから寝ます
さあ素子さん寝ましょう。ふつつかものですがよろしくおねがいします。やさしくしてください。
325名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 02:05:12 ID:OzAkq/z7
少佐×総理派はいないのか
326名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 05:42:15 ID:ujOO9cWk
>>325
このタイミングで誰よりも総理を愛している俺が登場しますた。
327名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 19:35:25 ID:NxIv8lhP
>>325
それいいね。
328名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 00:39:04 ID:4kzm8u2H
茅葺総理に迫って「こんなオバさんからかっても・・・」みたいなことを
伏し目がちに言われたい、そして押し倒したい。
329名無しさん@ピンキー:2007/03/23(金) 17:56:17 ID:QG5LVr/Q
可愛いなぁ総理
330名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 19:36:54 ID:+A7tWV0v
>>328
総理はおばさんじゃないぜ!!
331名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 00:55:58 ID:YUIQWboy
いや、おばさんだよババアだよ
臭いしユルいし

総理大好きだ!!
332名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 01:50:14 ID:Fud5MRx8
「そんなに・・・見ないでください・・・」
「いいラインだ」
「こんなオバさんのまじまじと見なくても・・・
 若い子のほうが・・・あっ」
「ここらへんかな?」
「そう、そこ・・・・あぅ!」
「こんなに硬くなってる・・・日頃からかなり溜めてたんだな」
「そんな言い方しないで・・・ぁ・・・恥ずかし・・・あン!」
バッターーーーーン!!!!!
少佐 「パズ!総理にナニを・・・ってアレ?(゚д゚)」
部屋には椅子に座った総理とその前で膝をついてるパズ
パズ 「脚のマッサージをしてただけだが」
総理 「あまりにもお上手だからつい声がでてしまって・・・
    お恥ずかしいですわ」

少佐 「パズ・・・いいラインって発言はどこから出たんだ?」
パズ 「総理のふくらはぎのラインは中々いいと思う(しれっと」
少佐 (・・・脚フェチ?)
333名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 15:29:03 ID:qF06y79z
相手がパズってところがリアルwwwww
334名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 22:54:47 ID:kH6BYse6
(∴)ノ保守です。少佐!
335名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 04:21:31 ID:w82Ufss3
パズ、脚フェチか。渋いな。
336名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 19:39:58 ID:8mn8YGnK
男義体少佐と総理ってここ投下okなの?
337名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 23:36:13 ID:wcwp/Fi2
( ゚∀゚)=3 ムッハー
自分的にはかなりツボなので投下お待ちしています。
338名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 07:18:21 ID:vXXBHSxp
期待。ただ別に男義体でなくともチンポ付きフタナリ義体くらいはありそうな気もする。
339名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 09:52:04 ID:5K6q9tIw
少佐とリモート義体(男性型でもフタナリでも)で
総理をヒィヒィ鳴かせたい。
340名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 10:28:00 ID:+PMqNwUa
少佐と総理じゃ、どっちをどっちがヒィヒィ言わせるのか……

【予想通りブヒブヒ鳴かされるバトー】
341名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 18:42:58 ID:MdT7Zs9G
俺が少佐をひぃひぃ言わせてやるぜ
342名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 20:25:21 ID:wJGwQfRH
少佐は基本的に受け
343名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 00:48:56 ID:Ef0UdHda
少佐は登場人物の中で一番のオットコマエだと思っているので
少佐×総理なんだけど、2ndのOPとか作画によっては幼い少佐を見ていると
総理×少佐もいいかも…と思っている漏れガイル
344名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 01:52:32 ID:90kViYVx
お互いイニシアチブを譲らなさそう。
345名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 11:09:57 ID:VXDU1q6v
そして通りがかりのパズが喰われるんですか?
346名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 13:54:46 ID:gaHQT+O2
トグサが嫁とデートしてるの見ていらっとするボーマ
少佐がバトーとやってるのみてむかつくボーマ
パズが女とホテル入っていくのみて嫉妬するボーマ
新巻が総理と話するの見てハンカチ噛むボーマ
バトー専用機以外のタチコマに親しげに話しかけられているサイトーを見て悔しがるボーマ
パチンコ屋の旧熟女に言い寄られているイシカワにさえ怒るボーマ
オペ子とただ会話しているだけのプロトにすら腹立つボーマ
オペ子尻触って「もうっ、やめて下さい!」とか言われてるアズマにまで殺意を抱くボーマ

そんなボーマ卒業物語が欲しい。
347名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 14:14:49 ID:bkVN/qWC
ちょwwwwボーマワロスwwwwwwwww
348名無しさん@ピンキー:2007/04/03(火) 10:03:41 ID:MeZDyc1X
ヒドスw
349名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 15:40:41 ID:ZKS9r2Gn
ボーマってどうして……



いや、なんでもない。
350バト素教育番組:2007/04/05(木) 20:09:58 ID:7nWI1YR+
<バトーさんとタチコマ君>

バトー「でっきるっかな♪でっきるかな♪さてさてブフォー、素子のパンツ、素子のパンツ、これをはかせりゃいいんだなっ!ハァハァ」
タチコマ「ウゴウゴブフォッ!バトーさん、早く着せてあげて下さいよ。あとはパンツだけです」
バトー「面積ちっせえ〜、はあはぁ・・ここに素子のあそこがぴったりと・・・あっ、破れた、クソ」
タチコマ「ブフォッ、ブフォッ、遊んでないで、ああっ!もう、頭に被っちゃ駄目だよ。少佐がそろそろ起きちゃうよ」

バトー&タチコマ「でっきいるぅっかぁなあ〜♪」

起きた少佐「何も見えないわ、誰か状況を説明して」
タチコマバトーボイス「やっとめざめたか」
バトー(ハァ、ハァ・・・できる、もうすぐやれる。履かせる練習したんだから脱がすのなんかへの河童)
タチコマバトー「その後の説明クリア」
バトー(でっきるぅかぁなぁ♪、ハァハァ、尻つまんだと思ったらミスして肩かぁ、はぁはぁ)
タチコマ(ブフォッ、駄目ですよ。もちついて!バトーさん)
少佐「ネットは広大だわ・・・それにしても、なんだか股がスースーする」
タチコマ「ウゴッブフォッ、それはバトーさんがさっき舐め舐めして破い・・・あっ!!」
         バトーさんとタチコマ君は、みっちり叱られました
351名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 20:25:48 ID:Xk5lBjkz
>>350
久々にバロス!
理想の攻殻のギャグ混じりなエロパロw
バトーがきめぇのは分かるが、タチコマもきめぇところがイイ
352名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 01:55:50 ID:xAG2kfzD
バトーが変態なのともかく、ブフォッとか言ってるタチコマってw
353名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:01:52 ID:p2K1u85i
タチコマとバトーww


股がスースーするって、みっちり怒るって少佐www
354名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 00:35:59 ID:DAjzyQww
314>>これも西尾さんだよ
355名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 19:58:41 ID:KhT5Qe1G
少佐を押し倒したと思ったら、逆に押し倒され返して少佐に縛られる夢を見た
356名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:07:06 ID:InM6NLHZ
>>355
素晴らしい
357名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 07:08:29 ID:BHDUGjps
自分なんて蹴られまくってぐりぐりされる幻見たよ
で、今から私のなんとかになれとか言われて失神して・・・覚えてない幻覚だったようなそうでないような
358名無しさん@ピンキー:2007/04/15(日) 11:50:18 ID:g+8GgErl
>357
おいおい…擬似記憶でぬりかえられてるんじゃないか?
記憶の重複とかないか?
359名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 11:58:05 ID:CY28138P
記憶の並列化でおk(;´Д`)
360名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 22:34:58 ID:1HAOHWua
少佐にぐりぐりされてぇ…(*´Д`)ハァハァ
361名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 23:59:11 ID:vAx3xown
少佐がサイトーをぐりぐりしながら「早く狙撃しろ」と命令している官能刑事セックルアヌメ。(*´Д`)ハァハァ
362名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 07:59:11 ID:5GI7d5Qe
忍者服好きなしとはおらんの?
363名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 12:50:11 ID:94UCz/RO
忍者服…そんなコスプレシーンあったか?
364名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 19:09:47 ID:hmSYfSvx
SSSのプロト君だっけ
忍者服いわれてたの
365名無しさん@ピンキー:2007/04/19(木) 21:02:16 ID:5GI7d5Qe
違うお
灰色の戦闘スーツだよ
366名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 17:26:07 ID:DFZRIxMV
あのボディラインがばっちり見えるエロい戦闘服か。
少佐のボディラインが露わに…(*´Д`)ハァハァ
367名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 20:11:00 ID:woqt0whz
>>366
おぉ君は漏れの気持ちが分かってくれるんだね、同志よ!!
乳の先まで輪郭があれば はなまる!
368名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 20:40:25 ID:3TELGQLT
>367
2nd14話左眼の回で「私の部下になれ」のシーンとき
少佐ノーブラでぽっちがでてるぞw
369名無しさん@ピンキー:2007/04/20(金) 23:21:06 ID:3VxGTClH
よう子に忍者服着せてびりびりに破いてやりたい
370名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 15:38:23 ID:SkgM17DN
菅野?
371名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 21:39:39 ID:5jn6M3s5
総理いいなあ
372名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 22:36:06 ID:vGjPI4xl
少佐と総理、どちらか1人だけなんて選べない。
だから俺は2人とも味わうことにする。
373名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 23:36:52 ID:VZGcOLt5
勇気あるな
義眼の大男には気をつけろよ
ほら、後ろ……
374名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 22:09:16 ID:fZjt5bWw
サイトースカウトで少佐のB地区とは知らなかったぜ、dw
1stの茶番劇で制服素子の黒パンティちらりは知ってたんだが(´・ω・`)
375名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 01:00:00 ID:pGOjNoDH
少佐の部下になるもその後左手の義体の力の加減のリハビリ調整をするサイトー
力を入れ過ぎるか力を全く入れないかの微妙な力の調整の難しさに苛立つサイトーに
苛立ちが限界に来た辺りで少佐が酒に誘う→
やけ酒のサイトーを酔わせてサイトーのセーフハウスに行く少佐→
義体の調子を聞くも「まぁ上々だ」とサイトー本音を隠すも最初からそのジャブが来ると予想済の少佐
「あらそう、でもあっち(犯罪の芽)は貴方を待たずに芽吹くわ、
早くそれが使えなきゃスカウトした意味が無いのよ」
そう言いながらシャツのボタンを全部外してブラがあらわになった少佐がサイトーの左手を取り
まだ動作の上手くいかないサイトーの手の平を柔らかい片方の乳房にむにゅ、と包み
下着の中に潜り込ませたまま
猫の様に体をしならせそのままサイトーをベッドに押し倒す。
「…どう?これなら(左手の調整)上手く出来そうでしょう…?」
「あんた…あんた、最初っからそのつもりで…」





続き誰か頼む。
376名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 15:41:38 ID:W+v36dE1
こ、これは…早く続きを!
377名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 18:43:23 ID:cL/noo4E
これ読んだせいで今日は一日サイトーと少佐のすばらしき一夜が
頭を駆け巡って(・∀・)ニヤニヤしてましたよ
きもいことこのうえない要注意人物でしたよ
続きキボンヌ
378名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 20:55:55 ID:2yEoVHgv
そのまま少佐が騎乗位でサイトーを犯しまくるにきまってんだろ
「お前のこっちはとてもいいぞ・・・」
スカウトした甲斐があったぞと、少佐があえぐ
サイトーの左手は乳もみもみや、義体との初セックルにより素子様接触共有化信号受信で調整完了
そして超スナイパーが誕生した。
379名無しさん@ピンキー:2007/04/27(金) 01:40:35 ID:1tTCDA+v
>>375>>378をフュージョンしてくれる猛者はおらんか。
ハード面(パソコンネット系知識)弱くて書けない自分は375。
380名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 03:29:10 ID:5EIGOZ23
>>375 続き

「フフフ……試してみる? 左手の感触……」
 ブラの中に導かれたサイトーの指は、トリガーを引く様にゆっくりと草薙の乳首を摘んだ。
「あぁ……っ……」
 サイトーは、人差し指と親指で尚も草薙の乳首を弄んだ。
 弄ぶその感触は、先程ヤケになり何杯も呷ったドライマティーニのグラスに沈んでいたオリーブの実に似ている。アルコールの成せる技なのか指先に触れるそれはイヤに熱い。
「ひ……アァッ……いいわ……サイトー……」
 体を仰け反らせながら、草薙は自ら片手を後ろに回すと弾く様にブラの留め金を外した。
 露わになった草薙の乳房は酒の所為でピンク色に上気し、Dカップはあろうかと思われるそれはサイトーの目の前でぷるぷると震えていた。
「少佐……」
 サイトーは思わず草薙の体を引き寄せ、熱くなった自身の唇を草薙の唇に重ねた。
 そして、そのまま激しく草薙の唇に吸い付き唾液の交わるちゅくちゅくという音の中で舌先を絡め合った。
 草薙の左手はゆっくりとサイトーの下半身へと下りていく。
 その手はサイトーのズボンの隙間を割り、やや汗ばみ熱くなった掌でサイトーの男根を握った。
「うっ!――」
 草薙はサイトー自信のモノを握り締めるとゆっくりと上から下へと擦る様に快感を与える。
「どう? 気分は?…」
「……続けてくれ……少佐……」
 草薙の与え続ける刺激に身を委ねたサイトーは、ヤケ酒の酔いも忘れ、目の前にいるこの女が自分の左眼を潰した存在である事さえも忘れていた。



続きよろしく
381名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 03:50:47 ID:7sedRZ9d
>>380うぉぉお!GJ!
寝る前に読んだら高ぶって眠れねーじゃねーか!





もうむしろ続きは>>375が書けよ。
382名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 16:13:30 ID:3ckbfLz6
少佐のけしからん乳でリハビリするサイトー、いいよいいよー。
383名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 16:13:45 ID:fU5oXYmk
>>380
俺も少佐に左目を潰されたくなった
384名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 23:26:02 ID:5EIGOZ23
>>380 続き

 草薙はサイトーのズボンを下ろし、続けざまに黒いブリーフを引き剥がした。
 草叢に埋もれたモノは、大きさは標準ながらサイトー愛用の銃に匹敵する程の硬さを保っていた。
 黒く猛々しく光るその物体を眺める草薙は、フッと笑みを零し呟いた。
「フッ……立派なモノね……」
 獲物を捕らえた草薙は、それを口に含むとゆっくりと口内深くに肉棒の先端を導いていく。
 先端が草薙の喉深くに触れた事を感じたサイトーは、体をピクッと震わせ思わず声を出しそうになったが、辛うじて声を押し殺し深く息を吐き呼吸を整えた。
 草薙の柔らかい唇は輪を描く様にサイトーの肉棒を包み、それをゆっくりと上下に扱きながら唾液でぬらぬらと湿る亀頭の先端をザラつく舌先で絡めていく。
 草薙の口内で翻弄されるサイトーは、熱気を帯びた舌から伝わる快感に少しづつ息を荒くしていった。
 片手は軽く陰嚢に添えられ、細く白い指先はそれを転がす様に弄び、同時に口内粘膜の隅々までもサイトー自身の肉壁に吸い付かせ、唇の動きはより早いものへと変わっていった。
 「しょ……少佐……」
 喘ぐ様に草薙の名前を呼んだサイトーは、既に我慢の限界を越え総てを草薙の口内に発射する体勢を整えていた。
 草薙は、一歩手前で男根の根元を握り締め辛うじて液体の放出を食い止めた。
「まだ、早いわ。サイトー……」
 そう言うと草薙は唇を離し、サイトーの隣りに仰向けに体を横たえた。
「次は私の番よ」
 サイトーは、草薙の上に体を重ね黒いシルク製のTバックに片手をかけた。それを一気に引き剥がし草薙の秘所に手を触れた。
 草薙は、サイトーの顔を見つめ静かに命令を下した。
「左手で――」
 素直に命に従うサイトーは、左手の中指を草薙の蜜壷の中にゆっくりと埋没させた。
「うっ!……」
 草薙が僅かに眉間に皺をよせる――
「……どうだ?少佐……」
「まだ、左手の調整が上手くいってないわね……痛いわ……」
「どうすれば?」
 草薙は、首の後ろからケーブルを引き出すとサイトーにジャックインし有線を開始した。
「感覚の共有……これしかないわね」
「感覚の共有?」
 草薙は今から何をしようというのか、サイトーには全く理解できなかった。



続きは後日
385名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 02:57:59 ID:oseJ3sUa
>>384
少佐エロ杉!続きが楽しみ。
386名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 23:32:37 ID:M0+NpqpT
これはエロいな!!
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
387名無しさん@ピンキー:2007/05/04(金) 00:59:12 ID:Fsp5jzKI
>>384続き

 サイトーは、ゆっくりと草薙の秘所へ手を近づけた。その指先は微かに震えていたが、漸く草薙のクリトリスに触れると指の腹を軽く上下させてみた。
「ひっ!」
「痛っ!」
 草薙の突起に触れたサイトーは、それに触れた瞬間強い痛みを感じた。
 軽く触れたつもりなのに痛みを感じる……。
 草薙と感覚をシンクロさせたサイトーは、自分には無い筈の器官の痛みを感じた。
 デジタル化された情報はダイレクトに脳殻へと伝わり、股間の内側にその部分が生えてでもきたかの様なリアルさをサイトーは体感していた。
 サイトーは、左手の力を加減しながら指先を近づけ、もう一度柔らかい突起に触れてみた。
「あ……ぅっ……」
 今度は苦痛を感じない。だが快感と言うには程遠い。
 サイトーは、傭兵時代に幾人もの女を左手一本で何度も絶頂へと導いた事を思い出していた。
 サイトーの手淫に酔う女達はその絶技に乱れ狂い、挿入はしなくてもいいから続けて欲しいと懇願する女までいる始末だった。
 その手淫の技も今は記憶野に眠る単なる情報の一つに過ぎない。それを取り戻すか否かは草薙との一戦にかかっている。
「焦る事はないわ、サイトー……」
 サイトーは、眠る左手の記憶を覚醒させながら指先に全神経を集中し草薙の秘所を弄った。
「まだ固いわ……そう、ゆっくりよ……」
 草薙は意識をリラックスさせ、その感覚をサイトーにシンクロさせていく。
 サイトーの固くなった指先は感覚を共有する事によって序々に溶かされ、草薙の秘所に快感を与えていく。
「ぅ……ふぅ……ん、ああっ……アアッ」
 乾いた場所は、少しづつ蜜壷から愛液を溢れさせていく。
 草薙の興奮を感じ取ったサイトーは、蜜壷の中に指を挿入し内側を掻き回していく。
「ひぃぃ……いい……あぁ……アァーッ!」
「ハァ……アアッ……しょ、少佐っ!首尾は?」
「いい……あぁっ!……手を、手を止めないでーっ!!」
 挿入した指先は草薙の愛液に塗れ、左手の感覚は快感を伴い完全に覚醒していた。
 サイトーは、完全な覚醒を確かめるつもりで指をグイッと鈎型に折り曲げ膣壁を刺激する。
「アアッ!!――あっーー!!いいっ!!」
「ここか?少佐」
「ああ!!そこ……そこを……」
 草薙の喘ぎを聞いたサイトーは、無我夢中で蜜壷の中を掻き回していく。
 草薙は猫の様に肢体をくねらせサイトーの首に腕を回し、自らサイトーの唇を奪い激しい口づけを繰返す。
 サイトーは草薙の唇に翻弄されながらも弄る手を休める事はなく、やがてサイトーの脳殻には次なる草薙の無言の要求が転送された。
「少佐……少佐……もう我慢が……入れてもいいか?」
「……いつでも……」
 サイトーは、草薙の熱く濡れた場所に硬くなったモノを突き立てた。



続きは後日
すぐに続きは書けないので、投下予定のある方は遠慮なくどうぞ。
388名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 04:14:42 ID:dsmWDrKa
サイトーがうらやましすぎるううううううううううううううううううううう
389名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 02:06:57 ID:EWOinmm+
攻めの少佐もいいが、それを戸惑いながら受け止めるサイトーもいい!
この後形勢逆転なるか?
390名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 01:49:13 ID:FeUjNg1n
続き!続きはまだかあ!
391名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:10:12 ID:69trlrsb
>>387続き 最終話

「くっ……う……あ、あっ……」
 草薙の体は反射的に反り返り肉棒の先端を締め付けた。
「いっ……あぁ……いい……」
 草薙の喘ぎに刺激されたサイトーは、愛液の溢れ出るその場所を上から下へと何度も突き上げた。
 いつもなら挿入の快感だけを感じるが、感覚を共有した事によって女陰の熱と肉壁を刺激される快感が同時にサイトーを襲う。
 受けの感覚は挿入の数倍以上の快楽と聞いてはいたが、これ程の快感に包まれた事は未だ無く、その感覚に耐え切れるかどうかサイトーは戸惑っていた。
 だが戸惑いは直ぐに消え、長くのこの快感を持続したいという欲望の赴くままに夢中で行為に没頭した。
「はぁ、ああ……ん……ん……う、ぅ……」
 快感に酔うサイトーは大胆になり女陰から一物を引き抜くと、草薙の体をベッドにうつ伏せに押し付け腰を高く持ち上げ背後から挿入を繰返した。
「くっ……あぁっ!!」
 後ろから貪るサイトーの指は両の乳房に深く食い込み、豊かに柔らかい肉の感触はサイトーの欲望を掻き立てていく。
 背後からの行為を充分に繰返したサイトーは、草薙を膝の上に抱き上げ大きく足を開かせながら、再度正面から挿入した。
「さ、サイトー……やり過ぎよ……そう何度も体位を……あ、あっ、あ……あっ!」
「何がやり過ぎだ。結構、喜んでるじゃねえか」
「お……おまえ……何を言うの……ひっ! ……あ、あ……アーッアアッ!」
 拒否する言葉を吐きながらも、草薙の腰は激しく揺れている。
「フッ……体は正直だな」
「許さない……あっ! うっっ」
 女陰を突き上げながら、サイトーは冷静な視線を向け草薙を観察した。
 眉間に皺を寄せ苦悶とも快楽とも見える表情で激しく身を捩る姿は、普段自分が相手にする普通の女達と何も変わらないのだが、弄る相手が自分の上官である『草薙素子』であるという事実に、サイトーはいつもより興奮していた。
 サイトーの行為は益々エスカレートし、思いつくままに何度も体位を変え草薙の肉体を嬲り続けた。
 いつの間にか有線のケーブルは抜け落ち感覚の共有は失われてしまったが、変わりにサイトーが得た物は、自分の左手と左眼を奪った女を翻弄する快感だけだった。
392名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:14:01 ID:69trlrsb
 サイトーは再び草薙の体を組み敷きフィニッシュの体勢をとった。
「ああっ! あ、あ、もっと……おく……」
「おく?」
「奥よ……奥に入れて……アッ! ひ、いい」
 サイトーは、力を集中させ草薙の女陰の奥を激しく突いた。
「ああっ!! もっと、もっと奥よ!」
「く……こ、ここか?」
「あ、あ、そこ、もっと! 激しくっ! ひっあっ!!」
 サイトーは動きを一段と早め、草薙の体を激しく突き上げていく。
「あっ! いっ、いいわ……もっと……もっとよ」
 サイトーは意識を集中させ、その一点を激しく攻め立てていく。
 草薙は手足を妖しくサイトーの体に絡め、女陰を強く付かれる度にサイトーの背中を激しく掻き毟った。
 荒い呼吸と喘ぎだけが部屋の中に響き、草薙が一際大きな声を上げ体を反り返らせた瞬間、女陰は痙攣しサイトーの肉棒を強く締め上げた。
 草薙が絶頂の極みに至った事を知ったサイトーは、子宮口へ向けて総てを放出した。
 もう感覚を共有しているわけではなかったが、先端からの迸りは、自分の体の奥底へと向けられたかのごとく熱を帯び散って行く様を感じた。そして、そのまま草薙の上に崩れ落ちた。

 総てが終わり数分の後、まだ少し早い呼吸が続いていたが、サイトーはゆっくりと目を開け間近にある草薙の顔を見つめた。
 生体部分の多く残るサイトーから流れ落ちた汗は、草薙の体をしとどに濡らし、汗に塗れた髪の毛は頬にべったりと張り付いている。
 草薙の呼吸はもう落ち着きを取り戻しているが、目を閉じたまま横を向いていた。
 これ程近くで草薙の顔を見る事は珍しい――瞼を黒々と縁取る睫毛は思いの外長い。
 その長さに見とれるサイトーは、無防備ともいえる草薙の横顔を黙って見つめていた。
 あれ程草薙を嬲る行為に没頭していたが、それとは違う奇妙な感情がサイトーの中に湧き上がっていた。
 サイトーが草薙の横顔に手を伸ばし掛けた時、それを拒否する様に草薙はスッと上体を起こした。
「シャワー借りるわ」
 立ち上がった草薙の体は、まだ薄っすらと赤く上気していたが、サイトーとは視線を合わせずに背中だけを見せてバスルームへと消えて行った。
 扉を開閉する音が聞こえ、勢いよく水の流れる音がする。
 肩透かしをくらったサイトーは、その水音に誘われ、奇妙なモヤモヤとした感情を抱えバスルームの方へと歩いて行った。
 ドアノブに手をかけるとロックされていない扉は簡単に開いた。
「サイトー?」
 行為の残滓を洗い流していた草薙は、突然開けられた扉の向こうにいるサイトーに怪訝な視線を向けた。
 余り広さも無いバスルームは、床から跳ね返る熱湯の白い煙に包まれ、草薙の豊満な肢体をくっきりと浮かび上がらせていた。
 サイトーは、行き成りバスルームの中に入ると草薙を抱きしめ唇を重ねた。
 両腕は草薙の腰を強く引き寄せ、股間にある硬くなったモノを草薙の股間に押し付けた。
「少佐……もう一度……」
393名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:18:05 ID:69trlrsb
 草薙は、サイトーの二度目の要求にイエスともノーとも答えない。
 頭上から降り注ぐ湯の流れは見開いた草薙の瞳を何度も洗い流したが、瞬き一つする事も無くサイトーを見つめ返していた。
 その見事なまでに完璧なポーカーフェイスの向う側に、サイトーは何らかの感情を見つけようとしたが、答えの欠片さえ見出す事はできなかった。
 だが、そのボーカーフェイスも長くは続かず、それは少しずつ崩れ、目を細め口元に甘い微笑みを浮かべた草薙は、サイトーの耳元に唇を寄せ優しく囁きを告げた。
「サイトー……」
「しょ……少……素子……」
 草薙の名前を口にした瞬間、サイトーは顔面に激しい一撃を受け背後の壁に強かに打ちつけられ、そのまま壁を背にし、ずるずると草薙の足許に崩れ落ちた。
「つ……」
 一瞬、何が起こったのか理解できなかったが、どうやら草薙が自分の隙を突きハッキングを仕掛けたらしいと気づくには、数秒の時を要した。
 しかも、草薙は自らの手を汚す事なく、サイトー自身の左手を使って制裁を加えたのだと気づいた時、顔面はズキズキと痛み、視覚は不安定に歪んだまま煌く光を点滅させ、唇の端には鈍い痛みを感じた。
 唇にぬるりとした冷たい物を感じる。その部分を指で拭ってみると、親指の腹にはべっとりと赤い血が付着している。
 降り注ぐ熱湯はサイトーの指を洗い、流された液体は幾つにも分かれた赤い筋となり、足許を流れる水に乗って排水口の奥へと吸い込まれていった。
「フフフ……それだけの元気があれば、明日はもう大丈夫ね」
「勝手な事を言う……」
 サイトーは、ゆっくりと面を上げ目の前に立つ草薙を見上げた。
 湯の飛沫を浴び瞬き一つせずにそこへ立つ草薙は、あの日、メキシコの廃墟でフルセンシングのセミオートを片手に初めて自分の前に現れた時と何も変わる事はない。
「サイトー、忘れたの? 犯罪の芽は、おまえを待ってはくれないのよ」
 草薙は、口元に僅かな笑みを浮かべサディスティックな視線を向け、サイトーを見下ろしていた。
 この顔だ――忘れもしない、自分を心底震え上がらせたこの視線。
 草薙に逆らえる者が、九課の中で荒巻以外にいるだろうか?
 魅せられる事はあっても、逆らう事など誰もできはしない。
 一瞬でも形勢を逆転したと自惚れていたサイトーだが、自分は草薙の前に出る事も後に退く事も許されず、唯一従うだけの存在として認められたに過ぎないと悟った時、背中にゾッとする程冷たい物が走り抜けた。
「明日は定時よ。それじゃ、行くわ……」
 蒼ざめた顔をしたまま俯くサイトーを一人残し、草薙はバスルームの扉の外に消えて行った。
394名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:21:43 ID:69trlrsb
 歪んだ視覚サイトは漸く正常値を示していたが、自らの拳が与えた一撃は思ったよりも強く、サイトーは、ふらつく体を起こし立ち上がった。
 シャワーを止め、棚にある白いタオルの一枚を適当に引きずり出し、ずぶ濡れになった体を拭きながらリビングに向った。
 殺風景な部屋のどこにも、草薙素子の姿はなかった――
 サイトーは、まだ痛む顔面を片手で押さえ、黒い革張りのソファーに深々と腰を下ろした。
 目の前のテーブルには、ゴードンのボトルと二つのグラスが置かれていた。
 ヤケ酒を呷りセーフハウスに戻った時、棚から新しいボトルを取り出し、更に二人で杯を重ねた事を思い出した。
 酒の勢いは普段無口なサイトーを饒舌にさせ、愚痴とも不満ともつかぬ話を草薙に向けて吐き出した。
 草薙は、グラスを傾けながら、慰めるでもなく同情の言葉を口にするでもなく、時折フンと鼻を鳴らし笑ってそれを聞いていた。
 カラになったジンのボトルを見つめていると、妙に喉の渇きを覚えた。
 サイトーは、目の前にあったグラスの一つを持ち上げた。
 ライムの輪切りを沈め氷の溶けた温い水を湛えたグラスからは、微かにジュニパーベリーの香りが漂っていたが、表面には細かい埃が浮かび煙草の灰さえ浮いている。
 どんな水でも戦場で啜った泥水よりはましだと思ったサイトーは、喉を鳴らし一気にそれを飲み干した。
 渇きは止まず、更に二杯目のグラスに手を伸ばす。
 グラスには薄っすらと赤い口紅の跡が残り、それは草薙が使った物である事を物語っていたが、構わず二杯目を飲み干した。
 ライムの味のするその水は、戦場で味わったどんな泥水よりも苦く喉を潤し胃の腑の底へ落ちていった。
 二杯の水で渇きは収まり、テーブルに転がっていた煙草の箱から一本を抜き出した。
 煙草に火を点け、煙りを深く吸った。痛みはまだ治まってはいなかったが、自分を殺しかけた女に一時でも心を奪われるという不様な行動が招いた結果なのだから、今更何も言う気はしない。
 リハビリだの犯罪の芽だの都合のいい草薙の口実に嵌められたわけだが、どうやら左手は、敵にダメージを与える程には回復しているに違いない。

 低い唸る様な笑いが込み上げてきた。
「俺は、ヤラレタ……」
 呆気ない幕切れだった――
 サイトーは、カラのボトルをもう一度見つめ紫煙を燻らせた。

                                                                   ―END―
395名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:23:25 ID:69trlrsb
遅くなりましたが、最初にプロットを書かれた>>375氏に感謝します。
396名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:44:32 ID:8VFr1oqU
GJ!
悪女少佐に惚れました
397名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 09:14:50 ID:PV3ULPOc
GJ!GJすぎる!
398名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 03:08:30 ID:hRhFnkh7
サイトー、可哀相なんだか羨ましいんだかw
とにかくエロ少佐がカッコ良すぎ。
399ボーマオペ子:2007/05/17(木) 21:46:15 ID:18isAMYf
>>395 GJGJ!です。

ボーマ×オペ子です。

休日出勤の赤服が、時々、奴らを野放しにさせているのを忘れていた。
だから、指定期日の指定場所に向かった先では、タチコマがそこでどっかり、待ち構えていたわけだ。
あんな紙切れ、絶対、嘘だと思ってはいた。
コーヒーを飲みに俺は立ち寄っただけだと告げたが、わざわざ休みの昼間に何でここにいるのかな、とか言われたら否定はできない。

『4月1日、正午に9課のAラウンジに来てください。
バレンタインに渡せなかったチョコレートをお渡ししたいと思います。
                     9課オペレーターより』
「ボーマ君、やっぱり来たね!」
「このラブレター、どこをどう見たらそんな信憑性を抱くんだろうね」
「ボーマ君の不快指数90%」
桜も散りだした春という陽気の中、俺はおおげさに笑って答える。
「はは、騙されたよ。お前らこんなことしちゃ駄目だぞ」
「ハーイ、さあ、皆ハンガーに戻ろう!」
誰も居なくなったラウンジの一室…少々、葛藤する。
相手はただのAIだ。別に傷つくことでもなんでもないよ
なのに、俺は自動販売機を思いっきり足蹴りしながら、むずむずした気分を抱えこんだ。
意外に、心せまいんだなって実感したよ
今年のエイプリルフールはこうしてまんまと騙されたわけだった。
タチコマ達の悪戯なんだと分かってはいるが、こういうのにひっかかるのは…やっぱり9課じゃ俺だけか
「ハズレクジ、だな」
ここにきて幾度目の春か、クジびきだけは妙に当たりの気配がない。


夕方に、うまそうなピザが食えるって評判のイタリアンレストランに行った。
そしたら偶然、トグサが夫婦で食事しているのが見えて、早速その場を離れた。
プライベートな時間なのに、同僚なんかと会いたくない
飯を食い損なったまま、ぶらぶらとした俺は、せっかく久々に来た人ごみだっていうのに、
目当てのショップも立ち寄らずに帰ってきた。
やっぱり休みの日のレストランや街になんて、繰り出すもんじゃないと感じた。
その帰りに、路地裏にある歓楽街で女といるパズなんか目にしちゃな、とどめだと感じた。
おまけに、緊急招集もない休日の夜だから誰もいないかと思った9課に再び寄り道したら…
少佐とバトーがプールで乳繰り合っていた。
裸のままフローターをつけた少佐が水に潜る都度、水に濡れた乳と尻が暗闇で光っていいぞと…唸るバトーの声が気味悪く響いている。
深水プールの中をスイスイと動き回る少佐が、同じく水の中へ泳ぐ準備も十分にせず追いかけまわしているバトーを放置している。
彼女は失笑しながらバシャバシャと水に浸っていた。
あれはなんの遊びなんだろう…
しかし、なんでこうも連続して目の当たりにするかなあって偶然を恨みだす。
週明け、課長が総理と長々と電通してるの見ててもイライラする。
特に課長って杖つきだしてから枯れてたようにため息が多かったのに、最近、総理と何かあったのか…
顔色がハツラツとしてるのが目に付くんだ。
「たまに顔出したらよ、うちの店のばあさんども、言い寄ってくるんでまいっちまうぜ」
「ふうん、よかったねえ、イシカワ」
「ヒゲをひっぱるわ、爪でひっかいてくるのがいるやら逃げ出すのにさんざんだったな」
「そりゃすごいや」
「80、90でパチンコ屋に出向いてまでよ、元気な証拠かもしれんが、こっちはたまらんな」
「あ、そう」
言ってる割には嬉しそうな顔しててよ
お前、そのばあさん達の口紅、ジャケットにつけたまま、気づかないフリして洗わないのは、何かの自慢なわけ?
400ボーマオペ子:2007/05/17(木) 21:49:42 ID:18isAMYf
「ねえねえ、サイトーさん、今度、狙撃する時ボク連れてってよ」
「心肺機能強化したサイトーさんが、ボクに搭乗しながら撃ちこみするデータ知りたい!」
「あ、ずるい、是非とも実戦にはボクを連れてってクダサイよぉ」
「―――狙撃は遊びじゃねえんだよ」
こいつも何言ってんだか…
一匹狼が、更に激しく一匹狼になったせいか、浮きまくるどころかますます見せ場もって行くし、
タチコマも、なんであんなに馴れ馴れしく付き纏うんだか
あいつらが10喋っても、サイトーは1しか反応してねえじゃねえか
苛立った俺は、喉が渇いたのでラウンジで一服しようとした、
けれど、ボタンを何度押しても落ちてこない自動販売機の缶コーヒーに、喉の渇きと蓄積していた不機嫌さに舌打ちしてしまう。
だが、その時、何かの使いで訪問してきた海自のオペレーターが通りかかるのに気づいた。
新設されたラウンジの近くと、エレベーターから突き当たりの角まで…
廊下で迷っているみたいで、うろうろしている風だった。
最近、改築したばかりのこの階の情報が更新されておらず困っているようだった。
やおらそっと、廊下から顔をだして俺は彼女を覗いた。
こちらを歩いてくる長髪のオペレーターが頼りなげな表情をして、俺に気づいたから、きっと道を尋ねられるかと思ったら、
「どこへ行くんですか?」
と彼女の背後からさわやかな声が来て、幕が閉じる。
両手に書類を抱えた海自のオペレーターは、後ろを振り向いて…プロトに課長室の行き方を尋ねていた。
「課長の部屋はこの廊下ではありません。僕も今から行くので一緒に、ご案内します」
「ありがとうございます。助かりました」
「いいえ、どうしたしまして」
だんだん遠ざかって行くオペレーターと奴の後姿を見て、俺はなんか腹立ってきた…
実直で責任感強いとか評価されてるけど、あいつ明らかに狙ってるんじゃないかとまで思えてくる。
おまけに前から思ってたけど、奴は、妙にオペレーターには親切だよな。
「あれ、先輩じゃねえの。何してんだよ、そんなとこでしゃがんでよ」
アズマだ……
何だよ、そのカッコ
泥かぶったトレーニングウェアじゃねえかよ
ずぼらな奴だ。着替えてこいっての
ここ、訓練所の廊下じゃねえんだ。
廊下に砂掃き散らかしながら、泥まみれの姿でうろちょろすんなって
「全天候型の新型訓練場を試験がてらフルに走って来たけどよ…雷雨に会うわ、暴風まみれだわ、
あんな訓練マラソン誰が考案したんだか」
「バトーが提案して、俺とイシカワがトラップ組み込んで赤服と提携企業でプログラムしたんだよ」
「にしても、やりすぎだってあの内容…新メンバーが辞めていく前に改良すべきじゃないかねえ。
まったく、試作に使わされて手当てもでねえなんてやってられるかっての、喉かわいた」
あ…俺が押しても落ちてこなかった缶コーヒーが、アズマだったら普通に出てきた。
「なんでだ!」
「はあ?」
「コーヒーだよ」
「先輩、どうしたんだよ」
「普通に飲むなよ」
立ち上がった俺の背後から、その瞬間、コーヒーサーバーを持った9課のオペレーターが現れる。
「コーヒーがどうかしましたか?」
と、笑顔で尋ねられた。
にっこりと穏やかに微笑むオペレーターは、エプロン姿で立っていた。
彼女が手にしていたコーヒーサーバーを見て、俺はそれが咄嗟に壊れているのに気づく。
401ボーマオペ子:2007/05/17(木) 21:58:00 ID:18isAMYf
「いつも少佐にお入れするためのコーヒーサーバーですが、
壊れてしまったので今から修理に持って行く所なんです」
「ちょっと貸して」
簡単な修理箇所だったので、俺はいつも持ち歩いているポケットの中の道具で修復してみた。
「直ったよ。これで使えると思う」
「ありがとうございます」
「先輩、すっげえ、器用だよな」
修理部分を見て、直ったサーバーを持っているオペレーターが嬉しそうにしている。
なんとなく、俺もさっきまでのイライラしていた気分がようやく緩和しだした。
しかし、彼女の小さな悲鳴と困惑した表情にまたまた転落する。
「へへ、いいお尻」
「もう、やめてください!」
コーヒーサーバーを両手で持っているため、無防備になっているオペレーターのお尻が
アズマによって触られている。
「エプロンなんかしちゃってよお、可愛くて健気だねえ」
「し、失礼します!」
「あ、逃げんなよぉっ」
――もう、ぶち壊しだ
駄目だ、殺意がでてきた…導火線のスイッチないかな
こいつ、殺してやりたい
睨んだ空気を察したのか、逃げ去る犬のようにアズマは走っていった。
胸くそ悪いままの状態で解析室に戻った俺は、イシカワと今抱えている犯罪組織捜査の情報についての洗い出しに取りかかる。
不機嫌な俺の気配を察していたのか、解析室の新人達は無言でいたようで、数時間が過ぎていった。

夕方、晩飯に出ようかと立ち上がった頃、課長室から戻ってきたプロトが俺を解析室の入り口へと呼ぶ。
「“ことづて”です。……お連れしました」
「何だよ、連絡だったら無線で」
「冷めないうちに、廊下でお聞きしてください」
「おい?」
プロトが、俺を廊下に引き出すように呼び出した途端、奴は入れ替わりに解析室に入り込んで扉をさっと閉めていった。
ロックまでしているみたいですぐには開けられない。
明日の打ち合わせをしている他のメンバー達を抜けて、俺だけが室外にいきなり締め出されたのだ。
一体、何事かと思ってあたりを見回すと、右の視界にオペレーターが立っていた。
立ちすくんで閉め出された俺に、オペレーターはあどけない笑顔で唇を動かす。
「少佐からお届け物です。コーヒーサーバーを修理していただいたお礼にと、コーヒーをお持ちしました」
コーヒーカップ、砂糖、ミルクにスプーン…トレーにそれら全部をのせてエプロンを着用した彼女がいた。
昼間の、あの子だ。
「えっと、昼間の…?」
「はい、先程はありがとうございました。どうぞ、お召し上がりください。炊き立てのコーヒーです」
こんな廊下で立ちっぱなしのまま、コーヒーを一杯飲むことになったというのに、不思議に感じなかった。
飲み物が必要ならば、プログラム通りに用意し、差し出す。
来客用接客モードでないレベルのため、差し出す場所と空気を考慮するほどの機能がオペレーターに備わってはいない。
しかし、なんとなく、解析室の住人に見られるのも気まずいので、俺はその場所で貰うことにした。
横の壁に凭れて小さなカップを手に取り、ゆっくり口につける。
「美味い」
あれから結局、イシカワが買い込んでいたコーヒー缶を拝借して飲んでいたが、
飲みなれないメーカーだったから渋々胃に運んでいたようなものだった。
少佐が好んで飲むコーヒーでもあり、品質は確かなものだった。
飲み終えて、礼を言ってカップを返す。すると、彼女はにっこりして微笑み返してくれた。
こういう簡易接客モードのオペレーターの笑顔に対して、俺は密かに眺め返してしまう。
結構、見慣れていたはずなのに、なんというのか…彼女にはどこか、他とは違う印象を受けてしまうのだ。
給湯室で世間話している彼女達を見たことはあるし、タチコマに困らされている姿や
無機質な表情で機器に携わる様々な統一式表現型を知ってはいる。
限定された能力を持ち、人間の脅威にならない…つまり、誰にとっても等しく、
中立と無益を基調として有害にはならない立場にいる。
何の影響力もないオペレーターのはずなのに、彼女は……特異的に見えた。
考えこんでいると、彼女は急にポケットからあるものを差し出して俺に話しかけてきた。
「あの…これを」
「………?」
「これを……お渡ししたいと思いまして」
402ボーマオペ子:2007/05/17(木) 22:02:21 ID:18isAMYf
覚えのある布切れだ。
小さめのハンドタオルとかいうものだっけ?
そういや、機器メンテに訪問してきたある民間企業職員が手土産にと、
解析室住人全員に渡していったのがこのミニタオルだった。
大企業使い走りの手土産にしては、タオル1枚なんかけちくさいと住人全員が失笑していたが
俺は結構、洗面で使えると思い別段そうは思わなかった。
いつも使い捨て備品のペーパータオルで顔を拭くという感触よりは、まだましだったのだから
「以前、洗面室の扉口で落とされたのを目にしました。すぐにお渡ししようと思い
ましたが、洗濯させていただきました」
「あ、ありがとう…そっか、落し物なのにわざわざすまないな」
「いいえ、とんでもございません」
渡されたハンドタオル、繊維層が少しごわごわしていた。
少し、表面の繊維が粗くなっていて、新品だった感触がさっぱり落ちて
使い慣れる状態を飛び越し、激しく劣化していたのだ。
ここで、洗濯機の機器性能の異変に気づく。
洗い方が、粗雑になっていたので、俺は思わず
「9課の洗濯機、随分無駄に“劣化”しているんだな。俺から修理を頼んでみようかな」
と口にしたんだ。
細かいことに、何かと気づいてしまうのが性分みたいで、ついつい呟いてしまう。
すると、オペレーターは戸惑ったような表情をした。
加えて急に、謝りだす。
「すみません、よく判らなくて」
洗濯機に入れれば簡単に洗浄できるはずなのに、わざわざ洗面台で自ら洗ったと伝えてきた。
「洗濯機、使わなかったってことか…」
使用範囲設定外の洗剤液を過剰利用したせいか、かぶれたオペレーターの人工皮膚の指先を発見する。
指摘すると、彼女はどこか恥ずかしげな顔で、照れくさそうにこう答えた。
「慣れない手もみ洗いでしたので…それに、私個人の行動で洗濯機を使うのに気がつきませんでしたから」
「そう、なのか」
「やはり洗い方が不十分でしたか。やはり、きちんと洗濯機で洗いなおしたほうがいいでしょうか?」
「い、いや…これでいい」
その瞬間、解析室の扉が開き、数人がずらずらと帰宅していく。
俺は、二人でいるのを怪しまれないよう、小声でそっけない礼を言ってから、彼女と別れた。
事務的な印象の軽い会釈をして、彼女は立ち去った。
メンバーが殆ど帰って行った頃、晩飯に行くつもりだったはずの俺は、
室内の椅子に戻り残っていた。
それを見たイシカワはにやにやしているが…
「あの姉ちゃん、面白いな」
だが、そんなことないですよと、端末の点検確認を終えたプロトは他のオペレーターと等しい存在だと言い残して出て行った。
俺は特に何も言及しなかった。
「イシカワ…何だよ、にやにやしやがって」
「いや、なんでも」
外出していったイシカワを最後に、俺は背もたれに座ってポケットに手を突っ込む。
洗いざらしのこのタオルの感触が、さっきの彼女との会話を思い起こさせる。
ハズレばかりだと思っていたここ最近の出来事も、忘れられるような春の終わりの夜だった。
403ボーマオペ子:2007/05/17(木) 22:10:31 ID:18isAMYf

新緑も深まった季節、あれから数週間経った頃に少佐がタチコマ3機を連れてきた。
そして彼女は彼らをせかすように見つめてから、俺に向かって話し出す。
「ほら、あんた達、言いなさい」
「ハイ、ごめんなさい、ボーマ君」
「ごめんね、ボーマ君」
「ボーマ君、ボク達反省してます」
謝罪の連続、さっぱり意味が分からない。
少佐が不機嫌そうにため息をつく。
「まったく、悪ふざけがすぎるわよ。馬鹿にして、からかって」
「でも、ボクらボーマ君のためにやったのになぁ」
彼らの会話がよく分からなかったので、俺は首をひねった。
よくよく聞いてみると、あのエイプリルフールの出来事だった。
4月のはじめに騙された、あの悪戯について少佐がタチコマに謝罪させていたのだ。
なんとも…こんなどうでもいいと思っていたことを、わざわざ取り合ってくる少佐の気遣いに、俺は驚いてしまう。
「いや、別にあんなのたいしたことじゃないし、全然気にしてませんよ」
「あら、そう…?」
「ハズレクジは仕事面で出さないように心がけますよ」
「……期待することにするわ」
そのついで、あの時修理したコーヒーサーバーの礼としてもらったコーヒーについて、
俺は美味かったことを伝えておいた。
毎日、あんな美味いコーヒーが飲める少佐が羨ましいとも、冗談交じりに笑って伝えた。
すると少佐は、視線を俺にまっすぐ向けて、いつもより無表情になっていった。
特別、彼女の気分を害するようなことを言ったつもりはなかったんだが、途端に緊張感の漂う空気になったのだ。
ところが、タチコマがそこで俺にこう言う。
「今の空気にボクらは反省しなくていいんだよね…」
「それにしても、少佐の不快指数ってボクには全然わからないなあ。今の少佐って機嫌悪いの?」
「まあ、いいじゃない。また新しいのにそのうち美味しいのを飲ませてもらえば
解決するんでしょ?僕らでも美味しいコーヒーの作り方探してみようよ」
フォローしているつもりなのかどうか判らなかったが、タチコマの喋る内容は意味が分からなかった。
続いて、少佐がタチコマに手を伸ばして余計なことを口にするなと制していたのを目にする。
くすりと微笑んで、普段の表情に戻った少佐は、コーヒーの話に応じる。
「ええ…まあ、美味しかったでしょ。
でも、私は最近、コーヒーよりもアイスティーを飲むことにしてるのよ」
「そう、ですか。コーヒーはもう飲まないんですか」
「今は、おいしくないのよ。自分で煎れても、前に飲めてたほどの味も作れないし、
コツも知らないわ。即席インスタントで十分だ」
「インスタントコーヒー?ポリシー変わったんですね」
「美味しいって、覚えてしまったものを懐かしむほど感傷的にはならないことにしているの」
「はあ……?」
「あのコーヒーサーバー、珍しい機種だったんで好んで使ってたんだけど、
相当、劣化してたみたい。また壊れちゃったのよね」
「じゃあ、俺がまたきちんと修理をしますよ………よければ…―――」
よければ見せてください…という声が、なんだか続けられなくなった。
少佐は少し微笑んで、気遣いだけ貰っておくと言い返した。
「少佐…」
「もう、使うこともないから」
タチコマがそわそわとしながら、会話を繋げようとする。けれど、幾分間が抜けている。
それ位、俺には予想がつく。
新しく納品されたそこの自動販売機にも美味しい飲み物は沢山あると彼らは零していたが、
段々俺は、少佐との会話の集結を悟り始めた。
404ボーマオペ子:2007/05/17(木) 22:12:50 ID:18isAMYf
「ただ、今のオペレーターはアイスティーのほうが作りやすいだけ」
「今のオペレーター…ですか」
「そうね、彼女が煎れてたコーヒーは、たしかに美味しかったわね」
過去形だったことから、俺はあの子が現在、少佐にコーヒーを入れる仕事も
9課に存在していないことも理解する。
「先週、劣化が激しかったらしくて廃棄処分されたみたい。
物を洗うのに洗濯機を使わない判断をしたのが決め手になったとか、色々…聞いたけど」
瞬間、俺はハズレクジを引く係だというのを身に染み入るように覚えてしまった。
やはり、俺にはアタリがないようだ。
おまけに、伝染性のハズレ要素でも周りに振りまいているのだろうかとすら…
俺が、余計なことをさせたせいなのだろうか
歯茎がぎりっと鳴ったのを見た少佐が見て、言い足してくる。
「別に、お前のせいじゃない。以前から劣化が激しかったらしいから、
あえて取り組みやすい操作のできる仕事をさせていただけなの」
「そう、ですか」
そうか、けれど…
あんな美味しいコーヒーが作れる彼女には、もう二度と会えないんだ
“劣化”という言葉が、俺はそれから嫌いになった。
少なくとも、ハズレクジという単語のほうがよっぽどましだと思う。
 (後半に続きます)
405名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 22:54:22 ID:0yC2itZZ
>349のボーマの詳細ktkr
GJです、続きまってます(;´Д`)
406名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 23:22:49 ID:bIVsh49v
俺の息子がエレクトしてきた
407名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 00:58:30 ID:nGMXUiLh
面白い!続き待ってるよ。
408名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 01:46:19 ID:foNL3VdT
ボーマに光が!
全裸でwktkして待機してます
409名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 19:56:21 ID:wY5Effzx
グッジョブ…
続き気になる
悲恋でも何でもいいからとにかくボーマSS降臨ウレシス
410名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 20:58:16 ID:TblNkSVv
うをっ、もう既に神の片鱗が見えるよ・・・
この、なんというか人と人ならぬモノとの関わり合いにおける
切なさが攻殻世界の醍醐味なんだな。
続き待ってます!
411名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 17:50:23 ID:cFiyqjpy
ほっしゅあげ
412名無しさん@ピンキー:2007/05/25(金) 16:31:44 ID:1/uNamOh
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と_)_) +
413名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 05:02:05 ID:bHbElLQh
ボーマに脈ありなのか?
そうだとしたらなんて優しいスレなんだ
全裸待機しても全然寒くない季節だから自分もテカりながら松

降格は保管庫ないから残念ダ…
414名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 10:32:31 ID:qsojzilX
とりあえず過去スレは見つけたがこれ多分不完全だよな?
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1089470674/
http://15hit.client.jp/koukaku/1136378961.html
415名無しさん@ピンキー:2007/05/30(水) 13:16:09 ID:0qV2jTq5
その過去スレみて総理×プロトのSM見たくなったw
なんとなくプロト君はMオーラが…
416名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 15:47:25 ID:udDSAAmQ
アオイと少佐のエロマダー?
417名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:09:06 ID:s52Eo8nS
>416
そのうち、ね。
418名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:33:16 ID:6fXt89nt
今日もクロマで抜くか
419女王総理の「男」 1/2:2007/06/01(金) 00:25:31 ID:Rm/8Yv01
>>415
つ ホレ。  よがり狂いやがれ



その日、「幸殻」はランチソフトを求めるアンドロイド客で溢れかえっていた。
「おい、元子さん、何をしている。
 ランチソフトのダウンロード速度が落ちている。
 サーバーに負荷がかかりすぎなんじゃないか?
 お客の昼休みの時間は限られている。
 もっと軽いサーバーを確保できなかったのか」
「はい、家長さん。長いこと、ここのサーバーと取引がありますから、
簡単に変えることもできないんですよ。」
長男馬倒は不機嫌そうな仕草で、注文を受けていた別注ソフトの配信を手がけている。
「そうだよ、おやじ。
 こことは長年取引がある。データの転送料金の値引率もせっかく下がってきたところなんだ。
簡単に契約を切ることはできないんだよ」
 「そうか。
 だったら、いいだろう。
 それにしても、この重さはあまりではないかな。
 サービスの低下は客離れに繋がりかねん。
 元子さんも、嫁として、ここはしっかりして欲しいところだ」
 「ちょっと待ってよ、家長。
 母さんも、一生懸命対策を考えたんだよ。
 夕べだって、殆ど寝ずに、外部記憶装置の掃除をしていたんだ。
 昨日なんて、この時間、メモリが足りなくて一度ダウンしたくらいなんだよ。
 もしここで母さんが倒れたら、困るのは家長じゃないか」
 「いいから、蒼依、やめなさい。
 ゆうべ、防壁構築屋のイシカワさんという人に依頼したから、二、三日後にはもっと軽くなるはずだから」
 「なら、いいんだがね、元子さん。
 それにしても、この<幸殻>の大事な跡取り息子を、大学にも行かせず、
店を手伝わせてハッキングさせてるっていうのはどういう了見……」

ブチッ!!!
420女王総理の「男」 2/2:2007/06/01(金) 00:26:36 ID:Rm/8Yv01
 茅葺は、突然切れた画面に、僅かに不快の表情を見せた。
 「プロト、プロトは居ないの」
 「はい、こちらに」
 ソファの前のガラステーブルの脇で、
毛足の長いカーペットに額が擦り付かんばかりに低頭していた。
 「あなたは、まともに予約録画も出来ない程度のバイオロイドだったのかしら」
 茅葺は、ミュールを履いた足で、プロトの頭を小突いた。
 「あなたは、私がこの番組をどれほど楽しみにしているか、充分理解しているわね。
 私はあなたを信用して、この仕事をお願いしたのに、あなたときたら……」
 「申し訳ありません、総理」
 「総理じゃないわ。私はじょおおうなのよ。女王様とお呼びと何度……」
 ヒールの足が、プロトの頭を蹴る。
 「さて、どんなお仕置きにしようかしら…」
 茅葺は、プロトの髪の毛を掴み、首の後の入出力ジャックを露わにした。
 「やめて…ください、総理…。
 あ、そこ、僕、敏感なんです、あ、ああ、そんな」
 茅葺は、今や、本能のまま、自分の欲望を露わにしていた。
 「プロト、大人しくしていれば、痛くないわよ」
 茅葺は、首に巻いたスカーフをまどろこしいようにはぎ取ると、
自らの入出力ジャックを露わにした。
 茅葺は、今やプロトの中に挿入したい、そして、茅葺の知らない、その頭の中のデータを共有したいという突き上げてくる欲求に、頭が真っ白になっていた。
 茅葺が有線コードを引き、その堅く冷たく輝くプラグの先端を、
誇るようにプロトに見せた。
 「そんな、高級合金プラグ、僕には無理です、止めてください、僕、怖い……」
 「怖くないものだったら、お仕置きにならないでしょ、バカね」
 茅葺は、嫌がるプロトを強引に抑えつけた。
 軍用にも転用できるバイオロイドのプロトだが、
そのバイオロイドとしてのシステム上の定義付けが、茅葺への抵抗する動作を拘束していた。
 「あ…あ、」
 茅葺は、プロトのジャックに、自分のプラグを突き立てた。
 接続を確認するように、2、3回抜き差しする。
 有線にされて押し開かれたバイオロイドの思考の中に、茅葺は強引に入っていった。
 茅葺は、プロトの中を動き、それに連動するように、プロトは唇を堅く噛みしめながら、苦悶にも似た表情を浮かべる。
 「うっ、そ、総理……、もう、ダメです、ぼく、……壊れ…あ、やめ…」
 プロトの記憶回路を、荒々しく嬲る。
 「見つけたわ。コレね」
 茅葺は、プロトの中のバックドアを見つけた。
 「総理!!、やめて、……そこだけは……」
 プロトの身体が小刻みに震えた。
 茅葺は、強引に、プロトのバックドアを開いた。
 「あれ?プロトくん、どうしたの?」
 「プロト、くん、そのオバサン、誰?」
 「オバサンですって?
 あなたがたの上司には負けるわ。
 ところで、早く私にあなた方の記憶を差し出しなさい。
 夕べ、<渡るネットはバグばかり>見たでしょ。
 あなたがたと、記憶を並列化したいの。判るわね」

 この日を境に、九課の思考戦車のAIは、思考政治家戦車への道を歩み始めた。


 −−おわり−−
421名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 07:59:12 ID:wTe8uhhm
このエロ発想はなかった。
なんていうか、知的SMエロだな。
422名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 14:37:38 ID:EexhfZ1B
神よ!メスゴリラvs髭を投下してくれ!
423名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 17:10:01 ID:NvQsj1b2
最初から最後までテラワロタ w w w w w
わずか2レスの短編でそのクオリティはねーよ。GJ!
424名無しさん@ピンキー:2007/06/01(金) 22:48:39 ID:vOmBp6T0
解説希望、、、、

最後のヲチが分からなかったよぅ
425名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 03:21:51 ID:ENN2Blum
>422

 ……イシカワの舌先が、素子の秘部の突起を嬲る頃には、
素子のその場所はぼってりと欲望に染まっていた。
 時折、膣に差し入れると、その部分に納めるモノを求めて、嚥下するように、
素子の括約筋が収縮するのを感じる。
 「お前、もっとイヤらしくしろ」
 それは、睦事の哀願ではなく、どこまでも上司としての命令だった。
 「お前、怖じ気づいてるのか? それとも、私を酷い上官だと侮蔑するか?」
 身体は激しくセックスを求めている。
 なのに、この女の言葉は、何処までも冷徹な響きがする。
 喘ぎ混じりの、しどけない声だというのに。
 「侮蔑などしません。あなたは、そんな人じゃない」
 イシカワは向きを変え、ぬめる素子の秘所を片手でいじりながら、挿入する姿勢をとった。
 時々突起した部分をクリクリすると、素子の中がまたビクビクする。
 「入れたら、逝きそうですね」
 わざと意地悪そうに云う。
 「逝かせろ、早く、よがり狂わせろ…」
 心のキズを埋めたいのですか?と心の中で問う。
 こんな、自分を卑下するような方法で、心の冷静さを保とうとする。
 
 東南アジアのネットリとした空気が、その淫蕩の場をさらにいかがわしくする。
 作戦終了後、基地に帰還し、一連の手続きを終え、ロッカールームに向かう廊下。
 そこでイシカワは、素子に、「着替えたら身体を貸せ」と呼びつけられ、
着いた先は、男と女のする事のためにあるホテル。
 イシカワはいきなり押し倒され、下半身を露わにされると、その部分をいきなり捕まれた。心の準備はなかったが、素子の指と口のテクニックに、否応なく欲望を引きずり出された。
 今日の作戦は、彼女の読み間違いだった。
 ほんの些細なミスで、電脳戦の最中、彼女は手塩にかけて初陣に出した新兵を失った。 脳を焼かれる寸前、彼女は彼のゴーストにもぐり、必死にサルベージを行った。
 しかし、余裕はなく、充分な手だても出来ぬまま、有線プラグを引き抜き、
背中に背負い、その場を一旦去った。
 次の手で挽回し、どうにか作戦として成功のほうで終了し、
陸自としてはPKOとしての面目を保ったが、
イシカワには、その鉄面皮を装う素子の、心の動揺が透けて見えた。
 「あいつ……、あ、ふぅ」
 イシカワに挿入され、素子の呟きは途切れた。
 「熱い、熱いな……イシカワ……」
 素子のそこは、激しいまでにうねり、イシカワを締め付ける。
 「あいつは、あいつは……、わたしの背中で冷たくなっていきやがった……」
 素子の目から、一粒だけ水滴が散った。
 胸元の汗と混じり、ベッドサイドの小さなランプの光を反射した。
 「それを云いたかっただけだろ、オレをここに連れ込んだのは」
 素子は、答えず、ただ快楽の海に身をゆだねていく。
 兵卒の死など省みもせず、淡々とある指揮官でなければならないという事が、
彼女の隙になっている。
 この時折見せる隙に、イシカワは自分の居場所を見出したのかもしれない。
 「お前は、私の中で、冷えていくな」
 絶頂の後、イシカワの頭に絡みつく腕の中で、その囁きを聞いた。

−−おわり−−
426名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 03:23:41 ID:ENN2Blum
悪い。エディタで書いたら改行いくつか忘れた。
427名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 08:35:34 ID:JVDHX6wR
>>426
ほんとに北!GJ!GJすぎる!
428名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 09:02:05 ID:nX2/drNx
>>425
えろおおおおおおおいいいいいい'`ァ,、ァ(*´Д`)'`ァ,、ァ
429415:2007/06/04(月) 10:37:21 ID:hnIaQS7g
>>419>>420
d!そしてGJ!!
もうプロトは総理の奴隷ってのがデフォだなw
430名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 02:56:05 ID:oq4Nwujf
久々の女王様シリーズ、やっぱいいわ〜
431名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 10:02:08 ID:w1GutnCP
それで、ボーマはどうなった?
432名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 10:07:52 ID:R3+5bg0/
ボーマ待ってるよボーマ
433名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 17:30:40 ID:aOfKNjZj
>424
タチコマンズと総理が並列化したって書いてあるだろ?

マジレスすると、
 ペンギンはもうこぉりごり。
434名無しさん@ピンキー:2007/06/11(月) 18:21:47 ID:hhP0+Z6N
プロト君の「先輩…」がエロくて困る
435名無しさん@ピンキー:2007/06/13(水) 11:56:53 ID:JtJFmiLH
age
436名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 00:55:18 ID:nXfG+k97
ボーマ待ち
437名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 02:31:20 ID:OHkWsaXO
サノーの乳は歩いただけで揺れるのに
少佐はどんな派手なアクションしてもびくともしない。
義体が高性能なのか、それともブラが高性能なのか、悩む所だ。
438名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 22:06:53 ID:WJvsGO5y
それはきっと高性能ブラ!
その証拠にノーブラだった「左目に〜」の回は
ユサユサよく揺れてたもの。
439名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 23:19:32 ID:jjOUeG0y
課長  「9課の中には、常日ごろから、不幸を待ち受けてしまう者もいる。そういう連中の夢を取り上げたお前は責任を負えるのかね」
少佐  「負えないわ」
サイトー「メキシコで少佐に捕食される前夜、老眼の狙撃手になったほうがまだましだとかいう夢を見た・・・今となってはあれは一体・・」
ボーマ 「俺なんて捕食されない永遠の少年が夢になっちゃたよ、スゲーだろ」
少佐  「夢は現実の中で闘ってこそ意味がある。人のせいにしているだけでは死んだも同然だ」
(∴)ノ  「それただの好き嫌いとか食わず嫌いじゃないの」
プロト 「区別してるだけですよ」
バトー 「も、素子・・・捕食って」
少佐  「バトー、あなた9課にいて泣いたことってある?」
バトー 「これ以上、捕食を・・・頼むからさあ・・・」
440名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 23:56:39 ID:+rCUKz6P
少佐に捕食されたいのですが、どうしたらいいですか?
441名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:50:56 ID:Ed8I1xKp
凄腕スナイパーな傭兵になれ
そんでもってメキシコに逝け
442名無しさん@ピンキー:2007/06/25(月) 21:55:08 ID:+q7+9A4j
あ〜少佐に犯されたいな
セーフハウスに囲われて
自由奪われバイアグラ飲まされ
電脳ハックされて身動きも出来ずに
少佐に一晩中犯されたい
443名無しさん@ピンキー:2007/06/26(火) 05:13:18 ID:KGzmTE7g
美少女型の擬態に入れば可能性はゼロじゃないよな?
少佐とレズしたい!
444名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 05:02:27 ID:iilCWIfi
少佐を感じさせて
「ふふっ…やるじゃない…っ」
って言われたい。
445素子:2007/06/27(水) 15:40:16 ID:gDefGsLU
ふふっ、やるじゃない。
次はトイレ掃除よろしく。
ダスキンのお掃除サービス、キャンセルするわね。
446名無しさん@ピンキー:2007/06/27(水) 21:19:53 ID:iilCWIfi
>>445
イエスマム!
447名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 14:14:33 ID:gvvy6ccR
素子'sブートキャンプなんて出たら絶対やるよ俺。疲労骨折は愛の証だよな
「ここをどこだと思っている!」「なんだその目は、眠っているのか!」「みんな私を信じろ!」
「テンポが上がるぞ!振り切られるな!」「自分のゴーストを信じるんだ!」

ついていけないだろうけどw
448名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 19:27:36 ID:CuUgBBrC
ビリーは生身だからまだしも、相手は半分機械だぜ
449名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 19:53:59 ID:pkS8vaAC
じゃあタチコマを入隊させればおk
450名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 19:58:54 ID:GNnxEJ32
汗だくに濡れた(汗かくの?)をテレビ越しに見るならいいよ
2ndGIGの戦闘服ノーブラで揺れ揺れ、バックダンサーに総理がいるなら尚良し。
451名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 20:00:45 ID:GNnxEJ32
おっと間違い
× 汗だくに濡れた(汗かくの?)を
○ 汗だくに濡れた少佐(汗かくの?)を
452名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 20:27:00 ID:GSKYbjGr
おまいらのその素晴らしい発想!
俺、感動したぜ。

ついていく自信がないが、汗汁だく少佐は拝みたい
453名無しさん@ピンキー:2007/07/02(月) 18:28:50 ID:Y5gqQrUZ
少佐のうんこ食いたい
454名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 00:23:59 ID:C6y/rMel
少佐についてエクササイズを終えると漏れなく全身義体に!
455名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 01:33:20 ID:+fGqdMIZ
世の中を変えたければまず自分(の肉体)を変えろ!!



飛行機ぶんぶん!
456名無しさん@ピンキー:2007/07/03(火) 13:32:01 ID:EhM27mOK
ワンモアセッ!
457名無しさん@ピンキー:2007/07/05(木) 22:49:58 ID:NAf4zR9x
かくいう私もメタボリックでね
458名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 09:45:50 ID:v+z4e52K
新防衛相の顔を茅タンに替えて妄想中。

ハアハア
459名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 15:50:54 ID:jDWIe+ah
そろそろ9課を設立すべき。
460名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 19:02:16 ID:aRRKkxCX
中国が「2016年までに日本とは戦争になるだろう」と公式発言を残している以上、
コスプレ武闘派集団なんかよりミサイルN誘導装置を整備する方が急務。
元CIA長官曰わく
「日本が中国又はロシアに核ミサイルぶち込まれても反撃はしない、だって米に核が飛んで来たら嫌だもん。」

日本、はじまっちまうな
461名無しさん@ピンキー:2007/07/07(土) 22:16:27 ID:JQdDgRhM
それよりも茅葺百合子大臣に自衛軍を名乗ってほしい
462名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 23:04:05 ID:Wv24bGLF
もう茅葺総理の奴隷になりたいです
463名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 17:46:22 ID:Ae4nj6CI
あげ
464茅葺:2007/07/09(月) 21:46:16 ID:O3W+ZjfR
>462
公務で足が疲れました。
あなたの背中で足台をお願いします。
俯せで丸くなっていただけますか?
465名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 22:25:38 ID:TkBoa74o
エロではないが
http://www2.odn.ne.jp/~cdf21220/koukaku12.htm
全米が泣いた
466名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 00:05:50 ID:O0hvDhEn
>>465
直リン(・A・)イクナイ!!
467トグサ別居中:2007/07/11(水) 00:55:45 ID:zcCXVS9y
それは、笑い男事件が落着して、間もない頃

「はあ!?別居だとぉ!」
「しー!ダンナ、声が大きいよ・・・」

バトーの口をトグサが塞いだが、長く広い9課の廊下に響いた声までは回収不可能だった。

「なんだ?トグサ、奥さんと何かあったのか?」
「ほー、トグサが別居ねえ・・・」

ぞろぞろと各部屋からメンバーが顔を出し、トグサとバトーを取り囲む。
その中には少佐・草薙素子の顔もあった。
468トグサ別居中:2007/07/11(水) 00:57:00 ID:zcCXVS9y
「いや・・・大したことないですよ、本当。大したこと・・・」
「でも、その顔には"大変です。助けて下さい"って書いてあらあ。なあ?」
「うむ。"何とかしてください。僕は再起不能です。自慢のマテバで自殺しそうです"
 って、書いてある」
「そんなことまで書いてないだろ!」
「まあまあ、冗談に本気で噛み付くなよ・・・」

トグサは本気でむかついていたが、9課のメンバーは構わずからかい続ける。
それを止めたのは素子だった。

「いつからだ?トグサ。9課がらみか?」
「・・・・・いや、その・・・事を大きくしたくなかったのですが・・・」
「愛妻家のあなたが別居するなんて充分大したことだと思うけど?
 ・・・しかも9課がらみ。スカウトした自分の責任もあるし、聞かせて貰うわよ」
469トグサ別居中:2007/07/11(水) 00:58:05 ID:zcCXVS9y
メンバーに囲まれて見つめられ、トグサは諦めのため息をついた。

「・・・笑い男事件で俺だけ所帯持ちって事で種明かしが最後になりました。
 他にもいろいろな場面で皆に気を使ってもらってる。
 俺はそれがずっと引っかかってて・・・。このままじゃ俺、
 皆と同等に動けていないと感じてるんです。
 もう新人の時期は過ぎました。だから俺は一人前として認めてもらいたいんです」
「そう?私にとっちゃまだ青臭い坊やだけどね」

素子はにやりと挑発的に笑い、赤い舌先を除かせて唇を舐めた。
他の人たちからも笑いが漏れる。トグサは不機嫌な顔になった。
470トグサ別居中:2007/07/11(水) 00:59:39 ID:zcCXVS9y
「か、・・・からかわないでください」
「奥さんにはなんていったの?別居のこと」
「出張込みのでかいヤマになりそうだから、暫く家に帰れそうも無い。と・・・」
「へー、嘘付いたんだぁ?出張じゃないってばらしちまうかな、俺・・・」
「イシカワも悪魔だねぇ〜ハハハ」
「まあいいわ。そういうことなら、トグサ、お前を他の奴らを同じ独身として扱うぞ。
 いいな?」
「はい、ありがとうございます!」

素子の理解ある言葉にトグサに笑みがこぼれる。

「よし、じゃあ、今夜はヌードバーだ!トグサ、ちゃんとついて来いよ」
「えっ?!・・・・・・・」
「へへへ、逃げんなよ、トグサちゃん」
「あとで奥さんにばらしちゃお〜」
「今夜は楽しもうぜ、独身だと思ってよ・・・」
「そんなあ・・・・・」

皆は口々に好きなことを呆然としているトグサに言い、持ち場に戻っていった。
471トグサ別居中:2007/07/11(水) 01:01:00 ID:zcCXVS9y
仕事が終わってから、9課の課長以外のメンバーはヌードバーになだれ込む。
トグサは逃げられないように、両脇をバトーとボーマが固められていた。
自分から独身と同じ扱いにしてほしいと願っておきながら、トグサは早速そのことを後悔していた。

(こんなところに来ているなんて、子供たちに知られたらどう思われるか・・・)

"困った"と顔に書いてあるトグサの耳元で、バトーが囁いた。

「まあ、今夜は楽しもうや。奥さん以外の女の裸なんて、
 死体以外にそうそう見れるもんじゃねえぞ・・・」
472トグサ別居中:2007/07/11(水) 01:02:52 ID:zcCXVS9y
「そうだけどさ・・・」
「それに、ここにお前が来たことはばれない。
 ばれたら9課の他の機密も漏れてることになる。・・・・・・だろ?」
「まあ、そうだけど・・・」

ボソボソを相談をしている二人を横目に、ショーが始まった。

「ヒュー!脱げ、脱げー!」
「おー、おいしそうな臀部ですなあ!」
「猫耳!いいよー!こっちきてー!」

無礼講とばかりに、イシカワとボーマが騒ぐ。
サイトーとパズ、素子、バトーは静かにショーを見ながら酒を嗜んでいた。
始まると、すぐにショーガールは身に着けている衣服を一枚ずつ脱ぎ始める。
着物や、制服からレオタード、水着となり、最後は全裸になっていく。
ショーガールはほとんどが全身儀体で、胸と尻が大きく、ウエストが細いグラマラスな体型。顔も彫氏にオリジナルで作ってもらっており、
各々、可愛いのから冷たい風の美人まで個性的な顔つきをしている。
素子とは違った分野での高性能儀体だ。
473トグサ別居中:2007/07/11(水) 01:03:51 ID:zcCXVS9y
明日に続く
474名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 23:31:26 ID:7ZdaBQCX
ネ申キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!
475名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 21:55:50 ID:r3z2uSfH
続き、お待ちしてます! 全裸で!
476トグサ別居中:2007/07/16(月) 00:55:28 ID:THRWdsAy
すいません、忙しくて書けなくなってます!
今週中には書きますので、暫しお待ちを・・・
477名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 01:10:06 ID:B1emYCtN
私待つぅーわぁー いつまでも待つぅーわぁー
478名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 01:10:55 ID:c2nm+QLt
一人ツーマンセルで待機してます
479トグサ別居中:2007/07/22(日) 16:49:40 ID:vNTOJ8Gg
トグサは罪悪感半分と興味半分でショーを見ていた。
ショーガールは新参のトグサをしっかりマークし、これ見よがしにトグサを挑発してくる。

「おーい!トグサばっかりずるいぞ〜。こっちにも来てくれ」
「そう焦んないのよ。新人さんにはサービスしなきゃ〜」

イシカワの呼びかけを軽くかわし、ショーガールはトグサに抱きつき、耳たぶを甘噛みした。

「・・・・サービスしすぎだ。離れろ」

バトーがショーガールを制する。

「あらん?・・・・失礼、生身だったのね・・・」
「ひゅー!やっとこっちに来たー!」

ショーガールはトグサの下半身の変化に気づくとイシカワの元へ去っていった。
480トグサ別居中:2007/07/22(日) 16:50:21 ID:vNTOJ8Gg
解放されて恥ずかしそうに一息をつくトグサ。バトーはニヤニヤといやらしく笑いながら

「・・・・生身は大変だねえ」

と呟いた。

「俺だけじゃねえだろ?サイトーだって・・・」

トグサはサイトーの方向を向いた。
しかし、サイトーはサービスにも微動だにせず、ゆっくりとグラスを傾けている。

「なっ・・・?!」
「お前とは鍛錬が違うんだよ。残念だったな・・」
「ちぇっ・・・」

当てが外れたトグサは、ブウ垂れながら、酒を口に含んだ。
481名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 02:55:54 ID:EwF/XcRM
神乙です。
トグサかわいそす
482名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 00:28:37 ID:jPepvwOM
トグサ遊ばれとるw
483名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 02:01:06 ID:qBdajrUa
俺もアフリカ行って鍛練しなきゃな
484名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 22:31:09 ID:HT9tReO0
アフリカに行く前にエロパロを卒業して、現実世界に戻る事が必要だw
485名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:35:28 ID:McXou9ea
ほしゅ
486名無しさん@そうだ選挙に行こう:2007/07/29(日) 00:45:55 ID:jqD216zx
>>485
ほしゅして回ってる?もう三度も会ったw
ここの住人で、あれとあのスレに行く人はいないと思ってたけど。
487名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 09:57:27 ID:QUhKENd1
2ndはいいとして、1stの少佐の服装ってどうよ?
仮にも公安=警察組織なんだから、そんなハイレグにジャケットという服装で
歩き回るのはどうかと。あとそんな格好で病院に行くのも…


まぁ、エロければなんでもいいんだけどね。
488名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 22:21:55 ID:gxLzQNyb
>>486
巡回スレよく見てみたら俺も485に会ったの三度目だったw

>>487
近未来で義体だからか?
つか少佐がエロければなんでもいいw
489名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 23:33:58 ID:rvE3TXWX
age
490名無しさん@ピンキー:2007/08/02(木) 03:07:45 ID:lDV8gv2V
小佐に金トレしてほしい
491名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 12:59:35 ID:idM0/3Cn
d切りすまんが


先日の放送見てたらアップルシードが再燃してしまったんだけど
此処の住人なら好きな人も多そうだけど、何処でパロったらいいんだろうか?
士郎正宗作品単独でスレは立ってないよな?
492名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 22:10:41 ID:0ml3WC1O
>>491
スレから追い出されたSSを投下するスレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1161043643/

スレタイが悪すぎるが、趣旨は自由に使おうって事らしい。
意外な良作投下が多い。

493小ネタ1:2007/08/12(日) 08:20:37 ID:FwwiYUSg
タチコマA「バトーさん、少佐。聞きたいことがあるんですけど」
バトー「おぅ、何だ?」
タチコマB「人間の赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんですよね?」
バトー「っうぇぇっ!?お、おぅそうだ、そうそう、よく知ってるな」
素子(あら、本当の事教えてあげないの?)←電通
バトー(タチコマにはまだ早いだろ!)←電通
素子「誰に聞いたの?」
タチコマC「トグサ君です。『子供に聞かれた時に備えておいたのがこんな所で役に立つとは』って
なんか遠い目をしてました」
タチコマA「でもでも、ところがリサーチの結果コウノトリ説の他にキャベツ畑説も浮上したんです」
素子「それは誰に聞いたの?」
タチコマB「サイトーさんです。長い沈黙の後に教えてくれました」
バトー(あ。俺なんかサイトーが可哀相になってきた)
素子(彼にそんな質問ができるのはタチコマだけね)
タチコマA「サイトーさんには子供いないけど、トグサ君にはいるよ。
やっぱりトグサ君の言うほうが当たりなんじゃないかな」
タチコマC「でもサイトーさんはトグサ君よりしっかりしてるよ」
タチコマB「そこで他の人にも聞いてみることにしたんです」
タチコマA「コウノトリとキャベツ畑、違いは何ですか?」
バトー「え――――っと、それはつまり、その何だ、ほらあの…。住んでる地域によるんだよ」
素子「西日本と東日本で違うのよ」
タチコマA「へぇ、そういう違いがあったんですか!これは新たな知識ですね」
タチコマD「おーい、みんな、いま石川さんにも聞いてきたんだけど!」
バトー(げっ、余計な事を!コウノトリかキャベツ畑のどっちかであってくれー)
素子(もう本当の事教えてあげたら?)
バトー(だからまだタチコマには早いって!もっと大きくなってからだ!)
素子(いや、これ以上大きくはならないでしょ。なったら困るし)
タチコマD「人間の赤ちゃんは雲の上にいて、そこから親を決めて降りてくるんだってさ」
タチコマA「えぇぇぇっ、バトーさん、これってどういう事なんです?
494小ネタ2:2007/08/12(日) 08:24:20 ID:FwwiYUSg
バトー「これはその、つまりだな、話すと長くなるんだが。なんと言うか、そのまぁ、あれだ。
最初は雲の上にいて、親が決まったらコウノトリとかキャベツ畑とかでそれぞれの家に配属されるんだ」
タチコマC「あぁ、そういうことですか、納得」
素子「そもそもどうしてそんな話題になったの?」
タチコマB「機械と人との違いについての議論から派生したんです。
最初はボーマ君に聞いたんですけど、知らないって言われて」
バトー(ボーマ、逃げたな)
素子(逃げたわね)
タチコマE「おーい、皆、今パズさんにも聞いてみたんだけど!」
バトー(またかよ、もう勘弁してくれ!)
素子(次はどう誤魔化すつもりなの?)
タチコマE「少佐とバトーさんに聞いてみれば判るんだって」
バトー「俺達に?」
タチコマE「何でも、一昨日の夜、人気の無い資料室で二人でしてた事に関係があるとか」
素子「二人でしてた事って…」
タチコマD「あぁ。そういえば一昨日のバトーさんと少佐、
二人で服脱いで今まで聞いたことも無いような声出しましたけど、
あれって一体なんだったんですか?」
バトー「……見たのか?」
タチコマC「はい、見ました。何か不都合な点でも?」
バトー「何でパズが知ってるんだ?」
タチコマB「その時僕達と一緒にパズさんもいたんです。ねぇ、何してたんですかぁ?」
素子「……何をしていたのかは、ラボに行けば判るわよ。行く?」
バトー(ラボって、ちょっ、おまっ、おいっ!)
タチコマA「えっ、ラボで判るんですか?じゃ行きます、行きます!」
素子(バラされる前に、バラす!)
バトー(いや、お前バラすの意味が違うだろ!)
タチコマ「わーい、わーい!」
バトー「いや、わーいじゃなくて!お前らどっちもちょっと待て!」
素子「その前にちょっくらパズ撃ってくる」
バトー「素子ぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
495名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 09:10:55 ID:jcdbfQEv
パズ空気嫁ww
496名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 09:23:37 ID:dWJkbvwm
>493
GJ!
面白い。
497名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 09:29:22 ID:dWJkbvwm
それにしても、>492のリンク先読んだ後だと、
この手の作品も読めるこのスレは寛容でよい。
498名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 22:33:16 ID:18UCI1vT
サイトー・・・長い沈黙の後耳まで紅潮しながら答えたにちがいない
萌ユスwwwwwwwwww
499名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 12:44:56 ID:rrrwBoTZ
パズ童貞だろww
500名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 15:42:44 ID:+QxWHvD+
ボーマオペ子待ち
501名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 00:53:57 ID:h3iKuv2r
保守
502名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 14:59:06 ID:1IvoD2mZ
おもむろにホ
503名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 23:13:37 ID:tKH9YhrD
保守
504名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 00:28:02 ID:Ax3auKCo
少佐は乳や尻だけでなく唇もエロいと主張してみる。
505女王総理ネオ:2007/09/11(火) 00:31:55 ID:dQDyYG/K
「プロト、プロトはいるかしら」
 茅葺の朝は、その名を呼ぶ事から始まる。
 「はい、ここに」
 プロトは、跪いて答える。
 茅葺は、磨き上げられた床の上で、ハイヒールの踵をコツッと鳴らすと、プロトは僅かにビクッとする。
 また鳴らす。
 またビクッとする。
 茅葺はご満悦である。
 日頃の調教の成果なのか、この頃は、この音だけで、ヒールの痛みが再現されるらしい。
 「まあ、バイオロイドもパブロフの犬になれるのねぇ」
 茅葺が呟くと、執務室のドアが開いた。
 「このバカ女が」
素子が茅葺の前に、銃をえて躍り出た。
 「あら、隊長さん、ごきげんよう」
 茅葺は涼しい顔である。
 「よかったじゃないの。バイオロイドにも条件反射を記憶させることができるのよ。
すごいわね、日本の技術って」
 「何が良かっただ。今日こそは、プロトを返してもらう」
 「よろしくってよ。もう調教する事もないので、取り替え時でしょう」
 その時、いま一人の人物が入室してきた。
 「総理、よろしいでしょうか。
 先日来お伺いしていた件、今日、納品に来ました」
 荒巻である。
 荒巻は、仕事中のヨボヨボ具合がウソのように、キリッと精悍な顔つきである。
 そして、素子の事が目に入っていないようだ。
 「新しいのが届いたのね。
 早く見せて」
 茅葺が少女のように笑うと、荒巻の表情もいくぶん緩む。
 「セル、入りなさい」
 出てきたのは、プロトとうり二つのバイオロイドだった。
 「プロトタイプの改良型、2号機なので、セカンドのセルと致しました」
 「可愛い名前だわ。
 私が今日からあなたの主人よ。また新しく調教できるのね。ありがとう、荒巻さん」
 茅葺はうるうるとした目を荒巻に向けた。
 「いえ、あなたの笑顔が見られるのなら、私は、私は…」
 素子は、馬鹿馬鹿しくなり、プロトを連れて外に出た。
 「荒巻さん、あなただけが頼りですもの、これからも、ヨロシクね」
 甘い声で荒巻の耳元で囁いた。
 これで九課はまた茅葺に顎で使われるのだ。
 素子はため息をつき、踵で床を鳴らした。
 プロトがビクッとした。
506名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 00:34:39 ID:dQDyYG/K
つまらないものを置いておく。
でも、そろそろあげとくね。
507名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 01:04:17 ID:TJ96IJ0w
>>506
d!サラリーマンネオか?ネオと聞くと、どうしてもマトリックスがw
508名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:02:12 ID:R+S1HSte
ありがとう
509名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 02:38:00 ID:Z6THhHKF
やっぱ女王様シリーズ、いいわ〜
510女王総理退陣:2007/09/13(木) 11:03:33 ID:bVH4L2+E
こちら官邸です。
ただ今、茅葺総理が退陣声明を発表しました。

このところの、独善的な政治姿勢に、
さすがに党執行部からも、批判の声が相次ぎ、これに屈する形となりました。

……
あ、これ読むんですね、速報ですね。

失礼いたしました。ただ今、総理からの、具体的な内容がはいってきました。

今回の、突然の退陣については、きわめて個人的な理由であり、釈明する意思はない。
ただ、党執行部と教義の上、今回提出の法案の成立後に、
党の退陣要求は受け付ける、

以上のような内容だそうです。

さて、今回提出される法案の内容ですが、詳細が知らされていないようです。
ただ、国民と、主権にかんする新法案とのみ、発表されております。

……、新たな速報が入って参りました。
茅葺総理の提出した新法案の中身ですが、
自らを永世大統領とする制度を導入する新法案のようです。

要求をのまぬ場合は、
総理の、最終兵器を稼働させる、と、そのように……

これは、総理による、日本国へ脅迫であります。

あ、今、何かミサイルがこちらに…


ツーーーーープツッ
511名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 09:54:35 ID:q9FPKPm0
ちょwwwwww
512510:2007/09/18(火) 01:56:40 ID:oyItEJx9
つまらないものばかり投下してすんません。
この2週間ばかり、ある作品をこねくり回していますが、なかなか形になりません。
このまま、また身の回りの忙しさにかまけて先延ばししてしまうかもしれず、
ちょっと自戒のため、冒頭だけ投下させて下さい。

一個人の都合でスレ汚しウザイと感じられるかもしれませんが、
いままで、ここで書きだしを投下して、完結させなかった事はないので、
実になるまで、暫くお時間をください。
513名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 01:58:43 ID:oyItEJx9
これまでのあらすじ

 オタクハッカー少年アオイは、笑い男事件の後に、静かに暮らす事を望んだ。
 その一方で、草薙素子に対して抱く憧れと欲望の混じり合った若者らしい恋心から、
ある日少年は、ジャンク屋で手に入れた安物の少女型愛玩用アンドロイドに
ネットと自分の中にある草薙素子の断片をインストールして、
手の込んだオナニーをしようと画策するも、アンドロイドの中で再構築された
「草薙素子」の意思によって反撃され、言い訳たらたらの理屈をこねくり回しながら、
犯されるのであった。
 これに味を占めた少年は、草薙素子の記憶から、クゼなるテロリストの意識を
自分の中に取り込み、それを餌に、本物の素子を釣ろうとするも、
クゼの意識によって身体を乗っ取られ、素子を喰われてしまうのである。
 仕方ないので、少年は、
バトーに激しい恋心を抱く女優型サイボーグと偶然友達になり、
彼女がCIAの手先だと知るや、
CIAに激しい復讐心を抱く茅葺総理に接近、スポンサーにつけ、
CIAが女優サイボーグに対して行った不正行為を9課を使い、
クゼと共同作戦でネット上に暴き、茅葺の立場を米国より有利に立たせる事に成功する。
そして、その刹那、女優アンドロイドは、バトーと情を交わし、
アオイの恋敵であるバトーの心に、女優の存在を大きく刻みつける。
しかし、アオイの素子に対する思いは全然報われることはなく、
否応なしに、アオイは電脳硬化症に蝕まれていくのだった。
そして、素子は9課を去り、アオイはついに病床に伏す。
それから2年の歳月が流れ、素子は9課に復帰する。
そして、素子が少年のことを思い出したとき、
すでに時は容赦なく、少年の上に流れていた。
514名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 01:59:41 ID:oyItEJx9
「それで、バトー。
 あの小生意気なオタク子供の噂は聞かない?」
 9課を不在にして二年。
 あの少年の事がまるで気にならなかったわけではないが、
素子はその間、彼にもまったくコンタクトを取らなかった。
 少年のその進行性の病は、もし、あの時の医師の見立てが正しいのだとしたら、
もう再会する望みはないのだろうか。
 ネットにアクセスすれば、容易に状況は知り得るだろうという楽観と、
彼の中にいるもう一人の「男」が、革命の意思を抱き続けている存在である限り、
探さなくても、情報は飛び込んでくるものという思いこみが、
彼の情報の痕跡をロストしてしまった大きな理由………
というより、ちょっとした怖れがあったからかもしれない。
「彼の、最後に病院で会った日からのデータが見つからない。
 せめて、生死だけでも判ったらいいのだが」
 バトーは、信号待ちで車を止めた。
 「どうせ、官邸からは予定の時間が変更になって2時間ほど空いちまったし、
ちょっと寄り道していくか」
 左折のウィンカーを上げる。
 「確か、花屋が近くにあったな」

 トルコ桔梗の青。
 素子が、その花を選んだのは、手近にあったからだけではない。
 バトーが、花束を管理人に渡すと、管理人は一枚のカードを差し出した。
 そして、全面大理石張りの冷たい二畳ばかりの部屋の奥、
暗い磨りガラスの扉の横のカードリーダーにそれをかざす。
 磨りガラスの奥にポッと柔らかな光が点り、暫くして扉が開く。

 小さな墓石にはその少年の名。
 直径二十pほどの水盤には噴水があり、その両脇には、さきほど手渡した青い花があった。
 素子は不思議な気持ちで、その祭壇を眺めていた。
 あり得ないでしょ。
 あの少年が、大人しく自分の運命を受け入れるなどとは思えない。
 彼は、素子を手に入れると云ったではないか。
 素子になにも残さず、去ってしまうわけがない。
 「亡くなったのは3ヶ月ほど前になるかな。
 政府の管理する施設で。
 もっとも、半年前には植物人間状態だったが」
 唐突に素子は、釈然としない気持ちを口にした。
 「バトー、彼は、こんなに素直な子だったかしら」 
 「お前らしくないな、少佐。
 命の期限の宣告のあった病だ。
 むしろ、ここまで生き延びてきた事自体が奇跡的らしい。
 まぁ、若い者が亡くなるっていうのは、悔しい気持ちにはなるが」

 なら、クゼは?
 彼こそ、沈み行く船と命運を共にするほどお人好しではないだろう。
 官邸が見えて来た。
 素子は思考を切り替え、仕事に向けて気持ちを引き締めた。
515名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 02:08:52 ID:oyItEJx9
ひとまず、今日はここまで。
516名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 15:44:45 ID:zSYFbKgB
続き期待してる。がんがれ
517名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 20:55:42 ID:Zwk2cGgX
いつもありがとう。
続き待ってますと言うと負担になるだろうから、
マイペースで続けて下さい。無理しないように。
518名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 02:06:53 ID:lEKUy+82
久々に続きが見れて嬉しいです。
まったり焦らずにどうぞ。
自分はいつまでも全裸待機しています。
519愛ゆえバト素:2007/09/19(水) 11:19:17 ID:cTobw5ut
510がんがってvバト素小話

スゲー、素子の足が俺の股間をぐりぐりしてくる。だけどお前、その靴、かかとがとんがりすぎ。

バトー「ちょ、ちょ、それヒール高すぎ鋭すぎ、先っぽが刺さる刺さるかも」
エージェントタチコマ(もちついてバトーさん、まだ刺さってないよ。誰かに下着ドロされた少佐、
           今日機嫌悪いみたいだからもっとえぐってくれると思うよ、だから耐えてひっぱって)

バトー「へっ、少佐の欲求不満くらい俺にかかればへのかっぱよ」
少佐「さっきから独り言ばっかりこぼして・・なんなのよ?」
バトー「けっ、お前のいらちサッカープレイなんか今さらだっての」
エージェントタチ(そうそう、あくまでたいしたことないって面がまえでぶーたれて少佐をイラつかせるの!)

バトー「イテ、刺さる刺さる蹴ってる蹴ってる蹴りすぎいくない、なんでぇへなちょこ素子」
エージェントタチ(もっとけなしてそうそうそう)
バトー「これくらいで悦ぶ俺と思うなよ!」

少佐「あらそ、他の奴を蹴ってくるわ」
エージェントタチ(オーノー!、なんで!?)
バトー「NO−NO−金トレするんじゃ」
少佐「ええい暑苦しい、足にまとわりつくな!何を泣いているんだお前は」
エージェントタチ(止めて止めてバトーさん、早く少佐に属性見せて引き止めるの)
バトー「あぉえぁ、いふにゅあ(あほぉ、行くなよ)もひょこ(素子)」
エージェントタチ(いっひゃいやああお(いっちゃいやだよ)、ばろぉんをいいへぇてあへえよ(バトーさんをいじめてあげてよ))
バトー「おみゃぇのパンフはふれぇふぉおはぶっらりしはぁぃはらぁ(お前のパンツ隠れてもうかぶったりしないから)」
音声出力してしまったタチ「ひょうひゃのっふらがぁほっほりぬしゅんれバローふあんぃわらひらりしにゃいはらぁ(少佐のブラジャーこっそり盗んでバトーさんに渡したりしないから)」

少佐「やはりお前たちだったのか」

バトーさんとタチコマ君はしばらく少佐に無視されました。
520えろくないや:2007/09/24(月) 19:52:07 ID:tCAmCtzh
張込み中

「少佐・・あのう、俺・・・」
張込み中の車内、今朝からずっと黙り込んでいたトグサが私に話しかけてきた。
「ん、何よ」
彼は、相も変わらず考えていることが態度に出てしまうタイプだ。
ポーカーフェイスでいなさいとまでは言わないけれど、困ったものよね。
まぁ、私もその彼を望んで部下にしているのだから、言えた義理じゃないか。
かじりかけのアンパンを口に一気に詰め込んで、缶コーヒで胃に押し流す。
私は別に腹ごしらえなどしなくても良い身の上だが、張り込みにも情事にも雰囲気は大切だと思う。
「この間のことなんですけれど・・・すいませんでした少佐・・・」
彼はゆっくりと頭を下げた。表情は読み取れないが、また情けない顔をしているのだろう。
私は助手席のシートベルトをはずし、運転席の彼の方へ視線を向けた。
「私、あなたに何か謝られるようなことされたのかしら?もし、そうだったら、私の方がミジメになるわ・・」
少しだけ寂しそうなフリをした。案の定、彼はあわてて顔を上げて慌てふためく。
これだけこちらの予想通りの反応だと、ついついからかいたくなるのも仕方がないだろう。
でも、寂しくなったのは本当。
だって、私もあの時は、彼と一緒にいたかったのだから。

私と彼とは、9課の仲間でもあり、上司と部下の関係でもある。
しかしまたそれとは別の、絆というものもある。
だからあの時、私は彼に求められて受け入れたのだ。
ただ、それだけのこと。
でも、これは言い訳なのかもしれない。
まだこんな感情が、私にも残っていたんだ。
521えろくないや:2007/09/24(月) 19:53:37 ID:tCAmCtzh
「まぁ、いいわ。別に気にする必要なんかないわよ。少なくとも私は気にしていないし、いつもどおりよ」
私は彼に笑いかけた。私のいつも無愛想な顔が、ちゃんと笑顔になっているかを確かめる術はないが、彼の落ち着いた表情を
見ればたぶん大丈夫だろう。
彼は私の顔をじっと見つめて、そして息をしぼり出すように言った。
「俺にとって、少佐の存在はとても大きいんです・・・。尊敬もしているし、頼りにもなる仲間、上司・・・。
いや、それだけじゃないな・・・。なんか、俺の中でもう全部ささげちまってる感じなんですよ。俺、変なんですかね」

私は、彼が独白した内容に照れうつむいた瞬間、ぐっと抱き寄せて唇を奪った。
彼はとても驚いた様子だったが、それに答えてくれた。
お互いの唇が離れ、私は言った。
「別にいいんじゃない?それを言い出したら、私も変なのかもね。
それに私はねトグサ、あなたのことが好きよ」
そう言ったら、彼、真っ赤になっちゃった。なに照れているかしらね。
「まぁ、これ以上、あなたを悩ませるのは私の本意ではないし・・・、あなた真面目だからね」
そう言って、私は肩をすくめて笑いかけた。彼はぐっと真剣な顔をして、少しうつむいた。
「でも、あなたのそんなところ嫌いじゃないわ。まぁ、これもここだけの話にしておいてよ。
お互いに認め合っていれば、それでいいじゃない。私にとっては、それは心地よいわ」
この話はこれでおしまいとばかりに、車内のモニターを見る。被疑者にはまだ動きが無い。
モニターごしに映り込んだ彼は、目を閉じ苦い顔をして少しだけうなずき、いつもの彼に戻ったように見えた。
「わかりました・・・、少佐」
彼もモニターに目をやり、辺りに目を配る。
522えろくないや:2007/09/24(月) 20:00:37 ID:tCAmCtzh
「しかし、少佐。キスをするのはすごく嬉しいんですが、少し強引すぎりゃしませんか。俺は背骨が折れて
窒息死するかと思いましたよ」
彼は自分の背中をさすりながら、恨めしそうに私の顔を見る。まったく、しょうがない人だわ。
「まぁ、仕方がないんじゃない?私はメスゴリラらしいから」
ふぅと軽くため息をつきながら言うと、彼はドキリとした顔をした。
まったく、私があんな根も葉もないあだ名を言われているのを知らないとでも思っていたのかしら。
あれだけ私の全てをじっくりと見て感じておいて、まだメスゴリラ扱いするんだったら、今度はあの程度では済まないわ。
もちろん、二人っきりのときのね。
「まったく、大の男が女の子に恥をかかせちゃ駄目でしょ。お詫びとして、何か買ってきなさい。そうね・・・、
さっきはアンパンを食べたから、次はカレーパンにしましょう。コーヒーもね」
彼は、女の子?女の子って・・・とブツブツ言っていたが、私が左太ももをギュイとつねり上げたたら、瞬時に沈黙した。
彼は涙目になりながら、
「ったく・・・さっき食べたばっかりじゃないですか。しかも、カレーパンはないでしょう、カレーパンは。
張込みは昔っからアンパンが基本です。これは警察あがりの俺が言うのだから、間違いありません」
そう言って、彼は偉そうに張込みのなんたるかを語りだした。
やれやれ、こう熱くなったら彼、私でも扱いが困るのよね。
「わかった、わかった。でも、今はカレーパンが食べたいのよ。お願い、ねっ」
私が両手を顔の前に合わせて、ウィンクをしてみたら、彼が口をパクパクしている。
本当、可愛い反応だわ。もうメスゴリラなんて、言わせないんだから。
我ながら、執念深いわ。
「分かりましたよ・・・。カレーパンを食べるのはいいですけれど、またパン屑をポロポロとこぼさないでくださいよ。
この車、課長も乗るんですし、掃除もしとかなきゃならないんですから。」
そうブツブツいいながらも彼が買い出しに行こうとした時、課長から通信が入った。
「少佐、トグサ、被疑者に動きがあった、突入してくれ。バトーとパズも向かわせた。頼んだぞ」

「行くわよ、トグサ」
「少佐、了解です」
私達は、装備を手早くチェック。車から飛び出した。
先行する彼の背中を見ながら、ふと思った。
そういえば、彼、ずっと私のこと少佐って呼んでいたな。
次は、素子って呼んでもらおうかしら。
今夜は、早急な任務の遂行に専念することにしよう。
それだけ早く、二人きりの時間を得ることができるのだから。

523えろくないや:2007/09/24(月) 20:08:50 ID:tCAmCtzh
乱文で失礼しました
524名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 21:57:31 ID:fvi5RFU2
だめだぞ、少佐。
妻帯者に手を出すんじゃないっっw
525名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:06:13 ID:fvi5RFU2
>519
それで、その靴は、踵の直径が5ミリくらいで、金属のやつなんだろう。
刺さったら、まじで流血もののピンヒール。
楽しませてもらったよ(はぁと
526名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 00:46:38 ID:yWNvyoEW
GJ!
この少佐なんかすごくいい!
527510:2007/09/25(火) 03:17:04 ID:5FprQ7L1
とりあえず、出来たところまで落とします。

前、落とした分に、整理のため、章のタイトルをいれます。

>513 これまでのあらすじ

>514 1.墓参

では、いきますよ。


528百億の昼と千億の夜 2:2007/09/25(火) 03:19:29 ID:5FprQ7L1
2 セル

 官邸の門番に、バトーは公安のバッジを見せる。
 車を駐車場に停め、バトーをその場に待機させ、制服姿の素子は茅葺の執務室に向かう。
「公安9課の方ですね。総理がお待ちです」
 ドアの前に待機していた雑務支援バイオロイドが一礼してドアを開け、素子に入室を勧めた。
「荒巻さんところの隊長さんね。おひさしぶり。
 あなたが現場に復帰してくださると心強いわ。また、私を助けてくださいね」
 その時、先ほどのバイオロイドが茅葺の机にアイスティーを差し出した。
「この子、セルっていうのよ。あなたのところのプロトさんにそっくりでしょう?
 あまりに良くできているから、今は人間とは区別するためにカラーグラスを掛けさせているけど。
 プロトさんが、あまりにも有能なので、技術部にわがままを云って、
同じものをお願いしたの。
 メイドアンドロイドを、新しく高性能なものに切り替えることになったのだけど、
このタイプだったら、日常のボディガードを兼任できるでしょう」
 茅葺がプロトを気に入り、別の個体をメイド代わりに側に置いていることは、
もちろん素子も知っていた。茅葺が、荒巻への信頼から、9課の看板である素子にも、
個人的に親しく言葉をかけるのだろうとは思えるが、今日は、雑談が妙に長く感じる。
 プロトと同タイプのバイオロイドは、茅葺の背後に、目立たないように少し離れて
待機している。髪型が、プロトより短く、肩につかない程度の長さである他は、
何から何までプロトと同じ。
 恐らく、プロトと同じく擬似ゴーストまで獲得しているのか、カラーグラス越しのその表情には、
アンドロイド特有の冷たい印象はなく、人としての温かみを感じる。
 「よろしければ、今回の警備の概要について、確認したいと思いますが」
 素子のほうから、仕事の話を振ってみる。
 「よろしくお願いします。セル、警備局長を呼んで」

 三日後にセッティングされた非公式な会談は、元CIA長官とのものであった。
 二年前の「テオドラ」事件以後、冷え切った米国との関係の修復を図る交渉を繰り返し、国際平和維持活動のための情報収集活動に、日米の協力体制を図るということで、
今回は予備段階の交渉である。
 ただ、表向きに公表できるレベルにはなく、今回は、引退したCIA長官が総理を
表敬訪問する形をとっている。
 実際の交渉には、日本側には、内調のトップと公安の荒巻の双方が臨む。
 茅葺政権も長期政権となったが、当初からのアジアに重点を置く外交姿勢に、
このところ批判が見え始めた。特に、当初より進めてきた東アジア共同体の
設立問題において、中国が独善的に中核国としての優遇を提案してきた事にある。
これまで、日本は調整役として各国の関係に外向的なアプローチを行い、
方針を具体化させてきた。
各国との調整もほぼ終わり、組織化するための具体的な折衝の段階にきて、
急に中国は日本の折衝活動に協力的に動き始めた。
 そして、先頃の人民代表議会の演説において、この件を日本と共同で調整に奔走
したかのような声明を発表し、そして声明文の中に
「中核を担う我が国として、」の一文を入れたのである。
 そして、国連の常任理事国のような、決議特権を与えよと内々に提案してきた。
 もちろん日本にも同様の特権を与えるという内容だが、
これが表沙汰になれば、現在、共同体の発足に協力的な他国との軋轢は避けられず、
特権側と、非特権側の対立が起こり、場合によってはこれまでの画策が水泡と帰すこともあり得る。
 今回の関係改善は、日本のパートナーが中国だけではないという牽制の意味が込められており、
中国優先で外交を進めてきた茅葺にとっては、政権交代を賭けた戦いといえる。
 「それでね、隊長さん、もう一つ、お願いがあるの」
 警備の打ち合わせを終えた素子に、茅葺は言った。
 「ちょっと、ついていらしてね」
 茅葺は、素子だけを連れて部屋を出た。
529百億の昼と千億の夜 3:2007/09/25(火) 03:20:47 ID:5FprQ7L1
3 弁天

 「まさか、予備会談の警護のためだけに、優秀な公安9課の隊長さんを指名したわけではないのよ」
 そこは、官邸の地下のライフラインを統括する区画。
 上下水道設備や、電気設備などが集中管理されている。
 その一室に素子は案内された。
 巨大なコンピュータサーバーが、部屋の中央に鎮座し、コントロール席に、メイド服姿の少女が座っている。
 少女は、茅葺の姿を見つけると、立ち上がり、舞台女優のように、片足を引き、ドレスの裾を持って会釈する。
 「アレックス、隊長さんを連れてきたのよ」
 「ようこそ、少佐」
 「アレックス、このサーバーについて説明してあげて」
 「はい、総理。
 このサーバーは<弁天>と名付けられています。
 私の提供したテオドラのデータと、秘かに持ち出したペンタゴンのネット情報管理システムの資料から
設計された、情報保護管理用システムです。これまでのものより、格段に検索能力が高いの。
 そして、バイオロイド用の人型思考系統を持つコンピュータを通して、文章として内容を判断、
削除、置換を行うことが出来ます。検索避けの故意の誤変換にも対応しています。
 何しろ、軍用に開発されたものですから、その能力には容赦がありません。
 通常の防壁なら簡単に突破できます」
 茅葺が続けた。
 「このシステムの情報を、米帝が狙っているの。
 アメリカには、わが国のバイオロイド用のAIに組み込まれている、
タチコマAIのような、擬似ゴーストを持ったAIが誕生しなかった。
 わが国でも、公安をはじめとして、数カ所の施設でしか、プロト型バイオロイドを
使っていません。
 当面は、民間にAIの内容を公表し、量産するつもりはありません。
 米帝は、結局、このシステムを完成させていないのです」
 素子は、説明を受けながら抱いた疑問を口にした。
 「これは、国による情報統制には当たらないでしょうか」
 「そう、その危惧は当然です。
 これを作ったのは、この前のSolid Stateシステムの事件の時に書き換えられた情報を、
正しい物に置換するために設計を指示しました。用事が済めば解体します」
 「これを手にしたのが、分別のある総理の時代で良かった。
 でも、このシステムを破棄しても、設計のデータは残る。
 いかがお考えですか?」
 それは、仕事を越えた、いわば差し出た質問である。
 「このシステムを実際に稼働させるのは、アレックスが不可欠です。
 高度に集約された機械語で稼働するこのシステムは、プログラムを一旦アレックスに
読み込ませて変換する必要があります。
 アレックスの中の変換システムは、人としてのゴーストに依存する連想変換であり、
その対照表はブラックボックスになっているの。
 日本の技術では、再構築は不可能。そのかわり、その対照表は、オリジナルの設計者で
あるCIAは持っている。
 このシステムが漏れた場合の世界的な脅威は、計り知れません。
 説明はこれくらいでよろしいかしら」

 素子は、オフィスに戻り、今回の警備計画の説明と、そして、もう一つの機密警備の
立案のために、会議を招集した。


530百億の昼と千億の夜 4:2007/09/25(火) 03:24:23 ID:5FprQ7L1
4 回想
 
 深夜。
 素子は、ベッドの上で思索していた。
 アレックス絡みのあの<弁天>に、少年が関わっていないはずがない。

 二年前。
 素子は最後に少年に会った時、海辺のセーフハウスに連れてきた。
 病院の帰り、素子が非番なのを聞きつけて、電脳通話で送ってくれとねだってきた。
 その頃は、少年は歩くのに支障が出る程度の症状があり、
 近日中に、硬化が進んだ電脳内のシステムを外部記憶装置に移行させる治療を行うのだという。
 ―――もう、当分、外出できないな―――
 そんな言葉に同情し、また、突然辞職を決めたので、当分会う事も無いという思いから、
珍しく構ってやろうという気分にさせたのだった。
 「いいところに住んでるんだ」
 「いくつかの隠れ家の一つよ。近いうちに、ここも整理するわ」
 素子は冷えたビールを差し出した。
 「薬との相性で、アルコールは止められてるんだ。
 ソフトドリンク、ある?」
 「ソフト…そんなもの、うちにあったかしらね?
 あ、課長が来たときのために、お茶ぐらいなら…」
 冷蔵庫の一番奥から、賞味期限ぎりぎりのノンシュガーの紅茶の缶を取り出し、アオイの前に置いた。
 「それにしても、おかしな感じがするな」
 アオイは缶を開けながら、呟いた。
 「少佐にしては、僕に優しすぎない?」
 「長旅の前の、サービスというところかしら。
 のんびり、景色でも眺めたらどう?
 夕日が綺麗でしょ」
 バルコニーに置かれた、木枠に帆布を張ったシンプルなデッキチェアーに横たわり、
風に吹かれているのはとても心地良かった。
 蒼穹が紫に染められて、次第に赤くなってゆく不思議な空の色。
「こんな空の色を見たのは、電脳化するずっと前以来のような気がする。
 小さい頃だよ。
 母と買い物に行って、あの空の色が気になって、夕日のほうにどんどん歩いて行ったんだ。
夜になってしまっても、あの空の向こうに、何か素敵な国があるような気がして。
 母親は、雑踏の中で、僕が居なくなってしまって、とても困っていた。
 多分、警察も関わって、大変な事になったんだろうと思う。パトカーに乗った記憶があるから。
 それから、間もなく、僕は最初の電脳手術を受けた。
 今みたいに完全な物ではなくて、行動抑止と、リマインダーを兼ねたもので、予定の時間が来たり、
予定外の行動をすると、脳内ホルモンを外部から注入して、思考の転換を容易にする程度のものだけど」
 「広汎用性発達障害(自閉症。現在は、自閉にもさまざまなタイプがあり、そして自閉の言葉自体が
誤解を与える事から、最近では、この名称に切り替わる傾向がある)に一時期用いられていた施術ね」
 「そう。僕は、知的な発達障害が無かったから、診断がずっと保留されていたんだけど、母親にはずいぶん
苦労をかけたみたいだ。
 それで、迷子事件で、専門機関に正式に検査を受けて、高機能広汎用性発達障害の診断を受けた。
531百億の昼と千億の夜 5:2007/09/25(火) 03:25:53 ID:5FprQ7L1
4−2 回想2

 母は、そんな僕を<治そう>と躍起になったよ。<治す>ものではないんだけどね。
 どちらかというと、世の中に不適応ながらも生きる術を時間をかけて学んでいくんだけど、
診断でパニックになった僕の母は、そんな事は理解しない。
 少しでも、社会に適応できるようにと、最初はリマインダーを、それから、徐々に僕の電脳化を
進めていった。
 そして、僕は気が付いた。
 プログラムの世界のほうが、自閉的な思考の僕たちには居心地が好いこと。
 <察し>たり、<雰囲気を読ん>だりしなくていい。
 命令文としてプログラムに置かれていない文字列以外の事が無い世界だからね。
 今は、発達障害児の電脳化による電脳閉殻症の発症率が高い事から、リマインダーと、
脳内ホルモン投与器以上の施術は行われていないけど、僕の頃は多かった。
 親が、<世の中に適応できる>ようにと善意でしてくれた事なんだけどね。
 それから、僕は、夕方になったら、夕焼けを見ていたくても、家に帰りたくなり、
ブロックをどんどん積み上げて、大きなタワーを造る事にチャレンジしていても、
寝る時間がきたから、箱に片づける。
 多分、それで僕は、何事もなく学校を終えることが出来たので、母親には感謝しているけど、
こんな風に、好きなだけ好きな風景を見る事も、人の心には大切なんだろうと思う」
 素子の中には、アオイの記憶がある。
 以前、情報を並列化したときに、素子とアオイはお互いの情報を共有することになった。
 なのに、アオイは敢えて昔話をしたのは、素子に自分の置いてきた心を話しておきたかったからなのだろう。
 「いわゆる、均整のとれた人格。
 人として、普通に生きるための人格。
 落ち込んだり、悩んだりしても、社会性を保ち、他者にそれ自体で影響を与えずに生きて行くこと。
 それを親は子供に望み、子供は素直にそのように行きようとする。
 それが、社会において、一番安楽な道なのだと示す。
 だが、人は人である限り、間違い、つまずき、他者を傷つけ、傷つく。
 そして、それを越えた後に、少佐、あなたみたいな、強い自我が生まれるのに。
 傷口から血を流して初めて、生きる術を学ぶ者だっているのに」
 蒼穹は既に藍に染まり、暮れてしまった太陽のあたりに、茜の彩りを残す。
 夕凪から海風に変わり、ザワザワと擦れる葉の音と、波の音が混じりあう。
 「アオイ、おまえは、充分強い自我を持っているだろう。
 命の期限を切られた者が、そんなに穏やかにしていられるものか」
 素子が、アオイの顔を覗き込む。
 「心は、理性が理解しないもろもろの理由を持つ。
 人は、花を見て、空を見て、まったく違う事象の道理を理解することがある。
 だが、機械は、花は花、もし、そこに何か意味を見出すとしても、命を繋ぐ生殖の一部としての
機能しか見出さない。
 例えば、私は、目の前の、この死にかけた男にだって、強い生命の意思を感じる。
 ……違うか、アオイ」
 素子は、少年に口づけした。
 「わたしは、お前が何を感じて生きていたのか、理解しているつもりだ。
 だから、人生で一度ぐらい、お前を甘えさせても構わないと思うのだが」
 素子の方から、少年に誘いかけた。
 少年はククッと笑った。
 「それは残念だな。
 今の僕は、最低限の生活を維持する身体機能だけしか生きていない。
 生殖機能は、真っ先に停止されているよ。反応しないんだ」
 「なら、朝まで抱き合っていようか。
 コトをするだけが、愛し合うコトじゃない。
 人はそれほど、単純な生き物じゃないってことだ」
532百億の昼と千億の夜 6:2007/09/25(火) 03:27:54 ID:5FprQ7L1
4−3 回想3

 アオイはヒョイと、素子に抱き抱えられた。
 素子の背後に、星が瞬いている。
 「あなたが優しいのは、怖いな」
 素子が、少年を抱くのは、憐れみでもなんでもない。
 たとえ、どのような形で彼が彼のゴーストを存在させ続けるとしても、その肉体は確実に失われてしまう存在であること。
 それがその時、素子にとって、惜しむべきものだったのだろう。
 ベッドに寝かされたアオイは、素子と電脳をコードで結ばれた。
 「お前は、私の中に来て、私の感じるように感じればいい。
 お前が私を感じさせれば、私の感覚がおまえの中にフィードバックする」
 「じゃ、結局、あなただけが悦ぶんだ。ズルいな」
 「イヤか?」
 「いや、僕で感じるなら、それはそれで……」
 返事を待たずに、素子は少年の口を塞ぎながら、服を脱がしにかかった。
 「どうして…僕を…」
 「その達観した聖人のような表情から、少しでもこの世に未練を引き出したいだけだわ」
 「僕が、達観した聖人に見えるなら、それは違うと思う。
 それに、僕は本当に未練タラタラな告白をしたじゃないか」
 素子は、自分も身につけていた服を脱ぎ、豊満な胸を少年の眼前にさらけ出した。
 「どう?
 私の欲望を、感じている?」
 それは、素子が何をされたがっているかに対する質問だった。
 少年は、突き出された乳首に舌を伸ばした。
 素子の中に、官能が芽吹いている。
 「ね、感じるでしょ」
 自分の愛撫が、少佐の中に、快感と、欲望を湧き起こすのを感じながら、アオイは、
少佐の求める場所を、愛し、口づけ、酔わせていく。
 「上手いわよ……」
 秘所のぬめりに指を這わせ、こねあわせ、反応しない自分のものを押し付けてみたりしながら、
 素子の感覚が痺れたり、溶けたり、揺れたりするのを感じ取る。
 「気持ち…いいの?」
 アオイの問いに、素子は首を振りながら、半びらきに開かれた唇と潤んだ瞳を向ける。
 「もっと……よくなる……おまえとなら…」
 濡れそぼり、熱くぼってりと熟れた場所にするりと指が吸い込まれ、思わず中で動かすと、
素子は目を閉じ、腰を自らより感じる場所を求めるように動かす。
 「あっ、…アオイ…、」
 素子の中に、熱いうねりがわき起こり、激しく波打ち始めた。
 それに導かれるように、アオイも指の動きを早めた。
 「アオイ……、おまえは…逝くな…」
 素子が絶頂を迎え、そしてその直後、アオイの頭を抱きしめ、激しく口づけした。
 「絶対に、私が戻ってくるまで、逝ってはだめ。
 お前はまだ温かい。その魂に、思いがある限り、存在するべきだ」
 「そうだね。僕は、まだあなたを手にいれていない。
 努力してみるから、それでゆるしてくれない?」
 月明かりが、キラキラと海面を照らしている。
 「僕は、もう一度、ここに来て、そしてその時は、僕が少佐をちゃんと抱くから…」
 「誓うのね?」
 「……うん。でも、それは病気をなんとかしてくれないと困るな…」
 少年が、疲れたのか、目を閉じてウトウトとしはじめた。
 素子はコードを外し、少年にキルトケットを掛けると、シャワールームで汗を流し、
そして、その寝顔を見ながら、ビールを空けた。
 ザワザワと、波の音がした。

  (今日はここまで)
533名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 13:43:19 ID:yctilwIE
奥深い話だな。だがGJ!!
続き期待してる。
534名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 19:01:31 ID:VRqOtfpv
相変わらずきれいな文章だね。続き楽しみにしてます。
だけど、そのタイトルは・・・オマージュ?
535名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 22:34:36 ID:rzmgVKaR
保守
536名無しさん@ピンキー:2007/10/04(木) 21:14:54 ID:k+snq7MJ
保守
537保守がてら替え歌:2007/10/07(日) 00:20:49 ID:uIxUs6+A
AI変態タチコマンコ

独りでしても複数プレイ 性別なんてないけれど
タチコマンコは〜性技の味方〜
タチコマンコは〜平和の卵子〜
若い女房でも皆落とし 変な悪戯どんとこい!
気持ちイイ〜はないけれど〜 気持ち良くするスーパーAI
いつか 手に入れるぜ憧れのGスポ〜
あぁ〜んみんなの亀頭だ〜マンコーロボット〜
AI 変態 タチコマンコ
AI…変態…タチコマンコ…
538名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 00:46:03 ID:8EBQU+OY
大爆笑
539名無しさん@ピンキー:2007/10/07(日) 19:28:12 ID:4K1/Cu7v
この厨房ww
といいつつ、ディスプレイの前で含み笑いしちまったぜ
540名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 12:07:58 ID:IExnK4fh
マジ帰れw
541名無しさん@ピンキー:2007/10/08(月) 16:09:33 ID:qSNJadMF
もうないと思っていても堪えれん
ボーマオペ子カムヒアアアアアアアアアアアアアアアアアア
542名無しさん@ピンキー:2007/10/12(金) 00:18:57 ID:sWQQfTcz
保守
543名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 05:07:34 ID:G2D4PDxJ
アオイの続き待ち
544名無しさん@ピンキー:2007/10/14(日) 11:30:50 ID:av12TaHM
ほしゅあげ
545名無しさん@ピンキー:2007/10/16(火) 07:23:56 ID:Uzc5NLKF
保守
546名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 00:06:35 ID:iwX0TADO
読み返そうと思ったら>>18が見られないんだぜ
誰か助けて
547名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 00:51:50 ID:m5C7xK+c
>>546
にくちゃんねるga開けません
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/qa/1141102799/

完全に閉鎖したそうです。
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/qa/1141102799/334
タイトルURLが解れば、●で読めるかも。
548名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 12:16:31 ID:J1ngmIUC
orz
549名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 14:32:46 ID:g6tHMjTB
夜まで待ってろ。
過去ログupしてやる
550名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 16:23:39 ID:iwX0TADO
>>549
ありがとう!ありがとう!
貴方が神か!11
551名無しさん@ピンキー:2007/10/17(水) 21:40:45 ID:kkeBWKie
>>549
ネ申よ、降臨したもうた。お待ちしております。
552549:2007/10/18(木) 02:26:05 ID:cpnPYPnG
ttp://betty.jp/kuran/eromoto1.html
ttp://betty.jp/kuran/eromoto02.html

元のファイルのままHTML作ってうpしようとしたら、
どうしても弾かれるので、
純粋にテキストだけになりました。
携帯に対応してないと思います。

それから、2スレ目が811番目までしかログがないです。


ううっ、アオイ編を書く時間が、最近なかなか作れません。
せめてもの罪滅ぼしに過去ログで我慢してください。

それから、上のアドレスを削ると、私の保管庫がありますので、
よかったら来てください。


553名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 02:37:24 ID:xZ7epx7J
ワーイワーイ ヽ(∴ 三 ∴)ノ
554549:2007/10/18(木) 03:02:19 ID:cpnPYPnG
ごめん、タイトル抜けてたよ。

今、修正したから。


それから、HPビルダーでつくりましたんで、
スキルのある方、
携帯変換していただけたらと……
555名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 16:01:26 ID:VsOLrjAy
休み取れたらまた投下しにくる。長く遅刻すまんデス
ボーマオペ子より
556名無しさん@ピンキー:2007/10/18(木) 23:30:29 ID:P/qDCS1B
557名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:01:46 ID:2/UxZUAh
>>556
乙、それしか言いようがない
558名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:09:31 ID:Iaxi0RoQ
>>556
乙!!
ありがとう。週末の楽しみにさせてもらう。
559名無しさん@ピンキー:2007/10/19(金) 00:42:06 ID:sKJ04ISY
ワーイワーイ ヽ(∴ 三 ∴)ノワーイワーイ ヽ(∴ 三 ∴)ノワーイワーイ ヽ(∴ 三 ∴)ノ
560名無しさん@ピンキー:2007/10/20(土) 13:54:28 ID:d+2aN1UH
>>555
待ってる!
561名無しさん@ピンキー:2007/10/21(日) 00:28:09 ID:gOp7mHT7
>>555
おぉ! 期待してるよ〜。
562名無しさん@ピンキー:2007/10/28(日) 08:05:20 ID:ACHIlEfF
保守
563名無しさん@ピンキー:2007/11/01(木) 21:46:54 ID:XBtfFE9s
捕手
564名無しさん@ピンキー:2007/11/07(水) 23:32:13 ID:Ui4N0oLY
ほのつくほい
565名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 19:56:35 ID:xBhqxpG2
ボマの人クリスマスプレゼント孤独な俺にまた下さい
捕手
566名無しさん@ピンキー:2007/11/13(火) 23:50:54 ID:+cprGf1z
>>565
願いは聞き届けられるだろう

と・・・思うので保守
567名無しさん@ピンキー:2007/11/15(木) 21:04:59 ID:92xLESag
アオ素ほすぃ
568名無しさん@ピンキー:2007/11/20(火) 00:42:45 ID:Pt/3oblC
保守
569名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 02:24:20 ID:ibM7qP1E
圧縮前に保守しておくか
保守ネタでも書けるといいんだが、申し訳ないね

と、いう事で……つづきマダー?
570名無しさん@ピンキー:2007/11/25(日) 02:40:57 ID:uf8aMuVq
ほしゅ
571名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 14:05:25 ID:+dKemaqW
(∴)ノ
572名無しさん@ピンキー:2007/11/28(水) 18:15:48 ID:j9yKWbWn
ヽ(∴)(∴)(∴)ノ
573名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 01:55:17 ID:DkVo0vJ1
(∴)
574名無しさん@ピンキー:2007/12/01(土) 14:57:46 ID:sC34nePc
[∴][∴][∴]
575名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 14:27:42 ID:cabhlK6/
素子×アオイ 逆レイプってアリですか?
需要あるなら今年中にヘタレ文投下しょうかなって思うんですが…
576名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 15:24:36 ID:QyVmhEGk
需要?あるに決まってるじゃないか!
でも一体どこが逆だというのか?
577名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 22:08:40 ID:/9yvl4Yo
投下してください
578名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 23:07:10 ID:4GMH6Bml
読みたいです(∴)ノ
579名無しさん@ピンキー:2007/12/02(日) 23:52:40 ID:MMnGojrd
かむひあー




では私も
サイトーのを考えてるんだけど、完全なオリジナルキャラとの絡みでも需要はありますか?
580名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 00:05:41 ID:JbpOnJ0Z
>>579
スレにもよるが、ここはおkだと思う。
過去にも何例かオリキャラが出るSSが投下されている。

需要を気にするより、まず自分の書きたい物を書くというのが大切なのでは?
解らなければ、書き手や読み手の雑談スレに行くといいよ。
581名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 07:41:13 ID:DB+bM0SH
この勢いだけで勃ったwww
5822504:2007/12/03(月) 22:23:03 ID:DB+bM0SH
どうも(∴)ノシ
とりあえず素子×アオイのお話を書き始めたので完成したところまで投下していきます!!

初めての投下なので誤字脱字乱文ご容赦ください(滝汗

ちなみに携帯で打ちました。

583素子×アオイ:2007/12/03(月) 22:44:32 ID:DB+bM0SH

深夜の国書博物館は昼間以上に静かだ。本を整理するロボットも、閉館している今は骨休めの為か一台も稼働していない。
アオイはいつも館長に特別な許可をもらい、閉館した後でも普段勤務している書架で過ごしている。

本に囲まれて過ごすのは嫌いじゃない。
だから、ここ数年間は特別な事が無い限り毎晩情報の墓場で本を読み続けていた。


今晩も本を読み、知らないうちに眠り、そして朝を迎える筈だった。


彼女が来るまでは。



584素子×アオイ2:2007/12/03(月) 22:47:38 ID:DB+bM0SH


「ん…っく……う…」


荒い息の混ざった低い声が、本の壁にぶつかり鈍く響く。



−−−体に力が入らない。

完全に電脳をハックされ、
抵抗できるような機能は全く使い物にならなかった。

特A級といわれたアオイをここまで組み敷くことのできる人物は彼女しかいない。


「何をしても無駄なのが分からないの?」


妖艶に光る目、豊満な体にあわせた露出の高いレオタードを着た姿は、以前会った時と同じだった。


草薙素子−−−



今、彼女の右手にはアオイの自身が握られている。
そして細長くなめらかな指で根元、裏側、先端まで丁寧に愛撫をし続けていた。


笑い男事件の事実上の解決を告げに図書館に来た日以来一度もアオイの前に表れなかった彼女が、
今彼を力で抑えつけ、少しずつ凌辱している。

何故このような行為に至ったのか定かには覚えていない。
気付いたら自分は本棚に人形のようにもたれかかって座り、草薙に自身をしごかれていたのだ。


585素子×アオイ3:2007/12/03(月) 22:49:42 ID:DB+bM0SH

「仮にも笑い男事件を解決に導いたのは貴方よ?折角お礼をしに来たのに抵抗なんてヒドイわね」

「ん…くっ…ヒドイのはどっちですか…っ…!!」


アオイの童顔からは想像出来ないグロテスクなペニス。既に先走りで濡れ、草薙の手つきをより潤滑にさせている。


「何しに来たんですか…もう…やめてください…」

顔を紅潮させ、アオイは必死に羞恥とこみあげる快楽に力の入らない体を震わしながら抵抗をする。
しかし、草薙はそれを愉しみ手を止めない。


「いつも偉そうな口をきいている割に、まだまだ子供なのね」


草薙がクスリと笑う。
そして、アオイの羞恥に耐える顔をのぞきこみながら尿道口に舌をあて、広げるようにぐりぐりと舐めはじめた。



5862501:2007/12/03(月) 22:53:41 ID:DB+bM0SH
(∴)今日はここまで。

次も文がある程度出来たら投下しようと思います…

でわ。

587名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 22:55:56 ID:R+XUF1s3
乙!
588名無しさん@ピンキー:2007/12/03(月) 23:24:35 ID:JbpOnJ0Z
乙!続き期待してるよ。
589名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 07:48:53 ID:4kh2W06z
この前ネットの海を彷徨してたところボーマ×バトーのエロパロを見つけました。
正直どうかと思いました。
590名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 11:27:06 ID:al4yXeMV
ネ・・・・ネットは広大だわ・・・
591名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 18:34:52 ID:Kb5H781y
>>589
並列化は勘弁ですぅ
592名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 19:48:29 ID:JRtY6p4W
>>589
トグサVSパズを見つけた事がある。
正直バトーとボーマよりは、マシかもしれないが・・・
作者は、彼氏にチェックしてもらいましたとかなんとか書いてた。
どんな彼氏やねんとオモタ・・・
593名無しさん@ピンキー:2007/12/06(木) 22:39:18 ID:ewAWoVKi
攻機の801は♂♀より多いと思う
SS読みたくて探した時の経験で言えばバ×トが一位だった覚えがある
他人の趣味に干渉する気ないからどうでもいいけどさ

素×ア、の続き期待してます
5942501:2007/12/07(金) 00:20:27 ID:Zy2jB+k1
こんばんわ(∴)
なんとインフルにワクチンの防壁を破られました。
皆さんも気をつけて下さい。今年のは特A級です。

そんなこんな続きをうpします。文才無いのはあしからずorz

595素子×アオイ4:2007/12/07(金) 00:22:04 ID:Zy2jB+k1


「!!!…いっ……あ…」


今までに感じたことの無い感覚がアオイの脳裏に駆け巡る。ペニスは既に限界にまで反り勃っていたが、
より膨張をしたように見えた。


「嫌々言ってるわりに体は悦んでるみたいだけど?」
「違っ…!!」


顔をふるふると横に振って否定を繰り返す。
抵抗すればするほど、草薙の舌は強く刺激をする。
数分も経たないうちにアオイは彼女の愛撫に耐えることが出来なくなった。


「あ…いっ…も…出そ…うです……」


一瞬草薙が舌を離す。

「…あら、そう?」


まるで関係無いかのように軽い返事が返ってきた。
草薙は舌をあてがうのをやめ、先端を口に含んで強く吸った。


596素子×アオイ5:2007/12/07(金) 00:24:48 ID:Zy2jB+k1


「う…あっ……!!」


と同時に、アオイも限界を大きく越え、腰を浮かせて草薙の口内で射精を迎える。

「んっ…」

草薙は一瞬精液の苦みを味わったのか顔が引きつったが、ためらいなく全て飲み干した。
ごくんと喉が鳴る。


「どう?こんな所で一人でずっと住んでたみたいだし、たまには別の感覚を味わうのも一興でしょ」

「…いい迷惑です……はぁっ……僕は静かに暮らしたい…っ…」


快楽の余韻が残るせいか、アオイの胸は酸素を求め大きく上下している。


「もうサカリのついてる年頃でしょ。本に囲まれながら一人静かに抜いてるなんて不健全よ」

「そんなこと…してません……」


電脳化をすることにより生身の人間でも感覚を消したり、逆に感度を高めることもできる。
アオイは性欲を知らない。
必要の無い欲を脳内のスイッチで押さえ込み過ごしてきたのだから。

その一種の防御であるスイッチが草薙にことごとく開放されてしまった今、慣れない快楽に圧倒され体全体が性欲に流されている。

草薙はあらかじめそうなることを推測していた。だから、こうしてアオイの目の前に現われた。




「何するんですか…?」


597素子×アオイ6:2007/12/07(金) 00:29:26 ID:Zy2jB+k1


草薙がアオイから離れ腰に巻いてあるベルトを外し、
レオタードを丁寧に脱ぎ始める。


「趣味と言えばそれで終わりだけど、少し貴方に興味が湧いたのよ」

「悪趣味です……それに、好奇心にしては強すぎなのでは…?」

「やっぱり貴方は私のキライなタイプね…」


もう一度草薙が微笑む。そのとき既に彼女はブーツ以外は一切纏わぬ姿でアオイに覆いかぶさっていた。
豊満な胸、傷一つない白い肌。義体とはいえその姿には、抵抗し続けるアオイもゴクリと喉を鳴らした。


「何をっ……ん…っ……」
「…ふ……っ…ん……」


腰の抜けるようなディープキス。深く何かを探るように舌を絡める草薙に、緊張の切れたアオイが少しずつ答える。


「ん……ぷ………はぁっ…」

息を求めて離れた二人を、銀色の糸が繋ぎ止める。
草薙も顔が赤く火照り出し、少しずつ興奮を顔に表していた。
彼女の性器は意識してか生理的にかは分からないが、既に愛液で溢れている。






「…貴方の世界に私を留めて置いて欲しい……ずっと……」







草薙はアオイの耳元で小さくつぶやく。
そしてもう一度微笑んだ。
今までとは違う、優しくてどこか哀しそうな顔だった。


5982501:2007/12/07(金) 00:32:42 ID:Zy2jB+k1
(∴)
今回も終わらんかった…orz でも来週中には全部書き終えると思います。
へたれ文ですいません。

では。
599名無しさん@ピンキー:2007/12/07(金) 01:10:26 ID:SSVCun/Y
>>598
攻めの少佐がいいね。
続きまってるが、インフルエンザなら余り無理しないように。
600名無しさん@ピンキー:2007/12/08(土) 22:09:39 ID:0z5R9hcW
http://www.nicovideo.jp/watch/sm407153

もとこ・・・
さいとー そいつをよこせ!!
601名セリフを繋げてネタ:2007/12/09(日) 00:06:22 ID:oWG2N9AW



@
・「サイトー…
そいつをよこせぇ!!!」
・「落ち込む暇があったら、自分の特技で貢献しようと思わない?」


もちろん性的な意味で。




A
「かくいう私も童貞でね」

「あら、そう?
…じゃあ死になさい!!」




B
「かくいう私も童貞でね」

「…試してみる?」



C
草薙「これって立派なセクハラね」

荒巻「それが公安9課だよ」


602名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 02:14:12 ID:vXcAm0Tw
>>601
4番のせいで歯磨き粉が息の穴に入った
603名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:03:27 ID:Euo37ZVZ
>>602
息の穴?
604名無しさん@ピンキー:2007/12/11(火) 23:18:24 ID:qqZfSIkw
耳の穴じゃね?
605名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 03:02:09 ID:BZJa6Lmw
どんな構造w
606名無しさん@ピンキー:2007/12/12(水) 08:25:57 ID:gvscZkis
耳から黄色い汁が出てくる
607名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 00:36:16 ID:5PkRtOJC
天然オイル!?
608名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 02:03:29 ID:6836QoXT
ついに個性の獲得が!!(∴)
609名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 10:32:24 ID:u+kIFMFa
>589
バトー×ボーマじゃないのかよ!

【それもどうかと思う】
610名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 11:14:15 ID:6836QoXT
バトボマのキスシーンを想像したら実家に帰りたくなった
611名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 15:55:41 ID:qt1oi9jA
俺は知らない土地に行きたくなりました
612名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 17:57:27 ID:WJI9v9k6
>>609
名前の順番って内容に関係あるの?
613名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 18:04:43 ID:JfiXNKo3
>612
腐女子的には 棒×穴 らしい。
ボーマ×バトーならバトーが突っ込まれる側
614名無しさん@ピンキー:2007/12/13(木) 22:28:41 ID:/7mVNwPk
いきなりで申し訳なかとですが、角煮の方が復活しました。

http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/ascii2d/1197548007/l50

よろしくお願いします。
615名無しさん@ピンキー:2007/12/14(金) 21:40:33 ID:UO49npjg
>>613
あり
また知っていると恥ずかしい知識が増えたb
616名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 20:54:14 ID:O4oowMfM
そういえば去年の今頃、感動的なプロト素子を書いてくれた人がいたなあ。
617名無しさん@ピンキー:2007/12/18(火) 02:29:35 ID:2mbVUbFU
うん。
あれは号泣した。

つか保管庫誰かつくってくれ…orz
618名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 20:56:34 ID:d8tNXoa5
>>617
過去ログ保管してくれてるし
プロト×素子はこのスレだし>>167
人間やめてる脳自動化率?
619名無しさん@ピンキー:2007/12/19(水) 21:47:02 ID:/17kmdms
>>618
617が言ってるのは、保管だけの為の保管庫が欲しいって事じゃないの?
たとえば保管庫として有名な↓みたいなやつ。

2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.arings2.com/

個人的に過去ログ保管してくれてる人には感謝したいけど、
それは個人サイトの一部だから、テンプレに追加する事は難しいね。
620名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 01:17:57 ID:QIC3m0Y0
579です。
遅くなりましたが、以前打診した、サイトーの捏造過去話投下します。

>>580
ありがとうございました。
621579:2007/12/24(月) 01:26:29 ID:QIC3m0Y0
『flowing』



「…ふ………んぅ」
押し殺された喘ぎが耳につく。
のぼせそうな南米の空気の中にあって、嘘のようにひんやりとしたリノリウム床との温度差が、余計に場の空気を煽っていく。
呼吸以外何も聞こえない。
総てが眠る丑三つ時。
傭兵養成所の射撃場。
外界と隔絶された闇。
半地下なうえに、今日は新月。
防音壁に吸われ、響かない声の独特の響き。
女が深く、湿った息を吐く。
「……んくっ……ッ!」
タンクトップの上から胸に手を這わし、ひっそりと立ち上がるものを軽く摘んだ。
男の肩への圧力が増す。
小刻みに突起への刺激を続けながら、女の唇を探す。
肩に置かれた手が擦り上がり、刈り上げの頭を引き寄せた。
歯列が開き、男の舌を迎え入れる。


関係の始まりは怒声であった。
射撃訓練の初日、たまたま男の隣になった女が、彼の撃ち方に難癖をつけたのだ。
『銃を大切にしていない』と。
それまで殆ど銃器に触ることがなかった男には、ある意味当然。
けれど彼女の慧眼は男の潜在能力を見抜き、訓練の合間に扱いを手解きするようになった。
年齢こそ大して変わらないのに、完璧な彼女のテクニック。
それは男の秘められたものを引き出し、次第に彼を彼女に匹敵する、いや彼女以上のスナイパーに仕立てていく。
そして男が上達するに従い、2人の精神的な距離も近づいていった。
いつしか、過酷な実地訓練の後に、互いの肌を求めるようになっていた。


唇を離し、互いの吐息を感じる。
女の首筋を味わう。
二の腕に接吻る。細くは見えても、まんべんなく筋肉がつき、引き締まった腕。
膨らみを包み込む。布越しに頂点が固さを帯び始めてる。
女が男の胸板を押した。ゆっくりと上体を起こし、男に背を向ける。
タンクトップを一気に脱ぎ捨てる。床と布の接触音を確かめて、男は女の背中に手を伸ばした。
僅かにざらついた感触。

622579:2007/12/24(月) 01:31:32 ID:QIC3m0Y0
彼女は、大輪の薔薇を持っている。
初めて躰を重ねたとき、言葉をなくす男に、寂しげな笑みで呟いた。
『あたし、東京にいたの』
それで男は全てを悟った。
大戦さなか、炎に染め上がり、廃墟と化したかつての首都。
彼女に花の刻印を焼き付けた熱。
背中の半分以上を包む薔薇、それは痛々しく―――同時に、例えようもなく美しかった。

花弁の中心に舌を乗せる。
心臓の横。脈がはやくなる。
蜜を探すように舐めあげると、薔薇は大きく震えた。
前に回した手が執拗に胸をもて遊ぶ。
「ん……ふは、ぁっ」
男はシャツをはだけて、後ろからきつく抱きしめた。
ぴったりと肌を合わせ、ショートヘアに鼻を埋める。
硝煙の匂いが染みついた髪。
自覚せず持つ媚薬。
手に手が重ねられる。
「…斎藤………」
頼りなげに彼の名が呼ばれる。
指を止めて問い返す。
「どうした。嫌なのか」
「…ううん、呼んでみただけ」
腕の中で身を捻り、男の首にしがみつく。
頬に頬が触れる。膨らみが押しつけられる。
背の手を二度、三度と上下させた。薔薇が熱く、湿っている。
そのまま躰を倒し、重ね合わせる。
カーゴパンツに手を差し入れて、布越しに秘部をなぞる。
肢体が強ばる。肩に爪が食い込む。
荒い呼吸を聞かせながら、女は男の耳朶に接吻た。
輪郭を舌でなぞられて、かみ殺しきれないものが、男の喉の奥で呻く。
女の欲しがる仕草。
障壁をずらして、充血し始めたものを圧迫する。
「ぅあっ……!」
白いおとがいが仰け反った。
見えたのではない。空気が、そう動いただけ。
視覚が遮断された中だからこそ、他の全ての感覚が研ぎ澄まされる。
相手の僅かな反応すら取り逃さないように。
指先で核を嬲りつつ、彼女の名を繰り返し囁く。
呼ぶ度に高まっていく。
食指を挿し入れると、一層甘い声がこぼれ出た。
中を探り、反応の集積地を探る。
その部位を見出すと、注意深く接触を繰り返す。
次々に潤いが溢れ出る。
彼女の全てが絡まりつく。
「ふ……っあ、さいと……んんんッ!」
波打ち始めた。臨界点が近い。
首のつけ根にかじりつつく。痕が残る、と一瞬脳裏を掠めたが、構わず吸いついた。
幾度も、花持つ身に新たな花を咲かせようと。
「や、だめ……ぁうッ、んぅんん―――ッッ!!」
四肢が突っ張る。
ひときわ高く、長く、か細く、彼女は啼いた。

623579:2007/12/24(月) 01:34:50 ID:QIC3m0Y0

彼女の頬を撫でる。
汗ではないものがひとすじ伝っていた。
快感から来たもの――で、あろうか。
察したが、敢えて問いはしない。
代わりにそれを舐めとった。
耳元で名を呼ぶ。ひくんと息が呑まれる。
「………ばかっ」
両耳を思い切り引っ張られた。
予想外の攻撃によろめく。
「いででででで」
「駄目って言ったのに」
いつもの、彼女の照れ隠しだ。
「悪い、なんか可愛かったから、つい」
「………ほんと、莫迦」
耳の指が外れて、頬に添えられる。
そっと唇を吸った。
髪を撫でる。汗ばんだ感触が心地良い。
今だけでいい。この全てを手に入れたい。
独占欲の塊が突き上げる。
体重をかけて呼吸を奪う。
苦しげに舌が震える。
幾度も角度を変えながら、互いの着ているものを脱がす。
肢体が白くあおく、なお艶めしく存在を主張するのは錯覚か。
闇がいっそう濃く甘苦しくまとわりつく。

ゆっくりと自身を埋めていく。
啜り泣きに似た声が男を包み込む。
あつく揺れる躰。
なだめながら、押し進む。
泣くな。泣くな。俺はここにいる。
互いの吐息に酔っていく。
突き上げる度に、彼女は泣いた。啼いた。
コンマの差でトリガーを操る指が、かたく男の背に食い込んでいる。
何も考えられず、ただ一点に向かって、互いを苛み慈しむ。
背筋を走るものが躰を支配する。
熱に浮かされる。喉が乾く。
一層深く貫いていく。
足が腰に絡まる。
どうしようもなく愛おしい。
「斎藤」
悲鳴に似て彼女の喉から迸る。
岸に向かう波が近づく。
あおく光る波。
更に動きを早める。
名を叫んだ。
求めて、求めて、求めあって―――
きつくきつく互いを抱きしめあったまま、2人で、奔流に身を投げた。



624579:2007/12/24(月) 01:38:41 ID:QIC3m0Y0


室内は、ほの青さに満ちていた。
半地下の射撃場の、天井近くにある小さな採光窓から、夜明け直前の空気の色が注がれている。
胸に収まる温もりを見た。
着ていたものを引き寄せて掛けつつ、顔を覗く。
すやすやと寝息をたてる女。
あまりに安心しきった様子に苦笑する。
自分も、相手も、ここに流れ着くまで、安らぎとは無縁の生を送ってきた。
気まぐれに抱き、抱かれることはあっても、心までさらけ出すことはあり得なかった。
同じ国籍。同じ色の髪と目。同じ言葉。そして同じ生身。
その些細な一致が満たした、硝煙に覆われた心の隙間はあまりに大きく。
満たされたあとで、飢えていたことに気づいた。
寂しさ、虚しさ、孤独……存在すら忘れていた言葉たち。

けれど。
夜が明ければ、終わる。
3ヶ月の養成期間は昨日で終了していた。
朝になれば、訓練生はみな、散り散りに世界各地の部隊へ送られる。
同じ場所に派遣される可能性はきわめて低い。
今夜が最後。それは彼女も解っている筈。
もぞ、と彼女が身じろいだ。
薄く瞳が開く。
「疲れたか?」
「少し」
呟いて、身をすり寄せて来た。
軽く背を叩いてやる。
熱は既に引いている。
しばらくぴったりとくっついたあと、ぽつりと呟いた。
「ねぇ」
顔はうずめられて見えない。
「何だ」
「これから、何処にいくのかな」
撫でる手が一瞬止まった。
……言葉を見つけられない。
「……お前、どこか行きたい所、あるのか」
「……アフリカ」
「は?」
苦し紛れの返答のさららに返答が、何故にアフリカなんだ?
顔を上げて、戸惑う男を見つめていたずらに笑む。
「まだ、行ったことないんだ。
写真では知ってるけど、ナイル川とかエジプト文明とかの、実際のものを見てみたいの。
 もし派遣されたらただで見られるじゃない」
男は拍子抜けして、黙り込んだ。
625579:2007/12/24(月) 01:44:45 ID:QIC3m0Y0
暫く呆然として、それから、喉元から笑いがこみ上げてくる。
ああ、駄目だ。
どうやっても、俺はこいつに敵わない。
「これ以上暑い所に行きたいなんて、物好きだな」
「湿気少ないぶん夜はここより涼しいわよ」
奔放に流れに身を任す女。自らに課されたものを、受け入れ難きも易きも、丸ごと包み込んでしまう。
そうだ。また、3ヶ月前の状態に戻るだけ。
流れに乗るだけ。
流れ流され、そうしていつか、こうして触れあえる可能性はゼロじゃない。
うなじに添えた手に力を込めた。
彼女の指が伸ばされ、鼓動を感じるように、掌が男の胸に触れる。
コンマの差でトリガーを操る――
そして、今までの彼女の生が、あまた傷として刻印された、白い指。
「斎藤の此処に、あたしは居る?」
もう迷いはない。心に浮かんだままを口に出す。
「お前の此処にも、俺は居るだろう」
ふっと眉が緩んだ。瞳を閉じて、耳を押しつける。
男の鼓動に耳を澄ます。
「あたしは…いつも此処に在る。
 あんたの目印になれるように」
聞こえるか否かの声音で呟いた。
照れ屋の彼女の、精一杯の惜別の言葉だ。
規則正しく脈打つ薔薇に、手を添える。
あたたかく、男の心を、存在で満たす。
しっかりと抱きとめて、囁く。
そっと頷く。
もう一度だけ、くちづける。




ふっ、と微睡みから浮き上がった。
羽音が煩く頭上で旋回している。
日は既に地平線に近い。
夢……か。
9課が再編されてから飛躍的に増えた海外派遣は、実質、サイトー1人だけがきりきり舞っているようなものだ。
狭苦しいティルトローターの中、進路は極東に向けてとられている。
眼下には大河が、砂漠を切って横たわっている。
かつてナセルと呼ばれたダム湖跡の上空を、通過していくところだった。
長年の堆積物ですっかり埋まってしまったうえ、2度の大戦で完全に破壊され尽くした、かつての資本。
626579:2007/12/24(月) 01:49:04 ID:QIC3m0Y0
せき止められていた流れだけが、流路を変えつつも依然としてそこにあった。
結局、あいつはこれを見ることが出来たのだろうか。
首のタグが冷たく触れる。


彼女は、16年前に逝った。
再会できた矢先に。
世界を転々とし、傷痕を増やしながらも、本質は何も変わっていなかった。
そして同部隊に配属され、作戦に当たっていたさなかに、敵の集中砲火を浴びた。
男の真後ろにいた彼女が、結果的に彼をかばう形になった。
薔薇は血に染まった。
背負って、走った。
けれど間に合わなかった。


形見はこのドッグタグだけ。
満足に葬ってやることも出来なかった。
せめてと遺髪を持ち帰り、小さな墓を作った。
よくよく俺は未練がましい質らしい。
あの世というものがあるのなら、あいつは岸の端で呆れているに違いない。
「いつまでも縛られてるんじゃないわよ」とか言って、また耳を引っぱるだろうか。


けど、忘れられるわけねえだろ。
お前のおかげで、今の俺が在るんだ。
決めたのだ。一生背負っていくと。
ああそうだ。心底、惚れてたんだ。
愛とか言うには薄すぎる、ままごとみたいな関係だったが、
けど、恋とか言うには、何かが足りない気がする。

感謝しろよ。こんなふうに思うのは、後にも先にもお前だけだぞ。



橙の光が鋭さを増す。
次に土を踏むまであと数時間。
我ながら、似合わないな。
降りたったら、会いに行こうか。
酒でも持って。

聞こえるか?
麗しの、俺の花女神。





<了>
627579:2007/12/24(月) 01:50:47 ID:QIC3m0Y0
終わりです。
長いうえにあんまりえろくなくてごめんなさい;;
前の職人さん方と、どうしても表現が似通ってしまって申し訳ありませんでした。orz
修行してきます。
628名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 06:16:19 ID:NLthruqY
おいしく頂きました
629名無しさん@ピンキー:2007/12/24(月) 20:06:19 ID:lnQNtemK
ごちそうさま
630名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 02:07:07 ID:SA7e3M7C
すばらしいです。乙!
631名無しさん@ピンキー:2007/12/25(火) 21:07:50 ID:J8FpwWZZ
GJ!(・∀・)
632名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 18:25:23 ID:qhhH1/Yk
支援age
633名無しさん@ピンキー:2007/12/26(水) 20:16:15 ID:RzG92/D1
緊急保守
634名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 00:28:02 ID:yalveE2z
保守age
明日はどうなる・・・
635名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 00:47:11 ID:MOhgb/XB
職人居ないスレを開拓してたら、死んだー!!
此処は必死に守る!
でも、昨日は本当に沢山のスレが落ちたんだね。
636名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 01:45:19 ID:fVxOrBwy
イノセンスあげ
637名無しさん@ピンキー:2007/12/27(木) 02:13:46 ID:eJwZIoN0
バトボマに乾杯
638名無しさん@ピンキー:2007/12/28(金) 23:32:44 ID:4HGeaXG9
ほしゅってお
639名無しさん@ピンキー:2007/12/31(月) 02:28:35 ID:1O9Ya7hs
バイク娘描いてた人保管庫閉じちゃった?
640名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:19:55 ID:M+Eq84Vg
あけましておめでとうございます。

今年も攻殻機動隊を愛し続けることを誓います。

よろしくです。
てなワケで保守
641名無しさん@ピンキー:2008/01/01(火) 01:31:57 ID:hoJPG/55
おめでとうございます。
今年もよろしくお願いします、皆様。
642 【大吉】 【1052円】 :2008/01/01(火) 01:55:53 ID:xxn6ND7A
あけましておめでとう!
今年もよろしく!
643名無しさん@ピンキー:2008/01/05(土) 00:46:53 ID:EsXQagZD
あげ
644名無しさん@ピンキー:2008/01/07(月) 22:00:24 ID:8Z6+1R/s
保守
645名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:09:16 ID:woxmdr6U
もっかい少佐×サイトーの話が読みたい俺はドM
646名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 00:42:55 ID:T+r3ueHT
素バトでハードSMが見てみたい自分は21話の少佐の乳を崇拝します
647名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 02:02:41 ID:eeVbWtFm
イシカワのヒゲで少佐の肌をナデナデプレイが読みたい私は実は♀。
648名無しさん@ピンキー:2008/01/09(水) 11:58:23 ID:2iHsxf+/
そこはあえてイシくるだろうがぁぁぁぁぁ
649名無しさん@ピンキー:2008/01/15(火) 00:49:10 ID:o2yGo+13
保守
650名無しさん@ピンキー:2008/01/21(月) 21:20:23 ID://VfNrnA
保守
651名無しさん@ピンキー:2008/01/23(水) 21:38:16 ID:AL9RYwrP
hossyu
652名無しさん@ピンキー:2008/01/26(土) 22:04:38 ID:bZbAMbdF
義体ってやわらかいの?
653名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 00:09:47 ID:1Is+oAbN
試してみる?
654名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 12:11:23 ID:lGQFOzaa
・・・・・やめとく




(((( ;゚Д゚))))ガクガクブルブル!
655名無しさん@ピンキー:2008/01/27(日) 16:54:55 ID:ZEFJ+XcG
少佐を電脳れいぽできるスーパーハカーになればいいと思うよ
656名無しさん@ピンキー:2008/01/28(月) 00:18:53 ID:SQYo5wTC
>654
なんとなくIDかわいい
657名無しさん@ピンキー:2008/02/01(金) 01:42:01 ID:nwHAcDoO
>>645俺も。

>>375辺りの素材で完全に少佐にリードされて左手のリハビリされるまでのサイトーが読みてえ…!
658名無しさん@ピンキー:2008/02/04(月) 21:45:13 ID:8ysPoWy1
前田製作所のかにクレーンはタチコマっぽくて萌え。
659名無しさん@ピンキー:2008/02/10(日) 01:10:05 ID:Iwyp3AI/
hosu
660名無しさん@ピンキー:2008/02/14(木) 16:56:09 ID:351F5vbo
ばとーさぁん
       Oo。。(∴)ノ■ 
661名無しさん@ピンキー:2008/02/15(金) 10:07:50 ID:e0iZfld4
誰だ、ニュー速+にリンク貼ったのはw
662小ネタ2/2:2008/02/15(金) 11:53:09 ID:HApptIOe
 
 作戦に参加した三機のタチコマは、ファクトリーに入っていった。
 「あれ、整備士のお兄さんたち、居ないの?」
 「お夜食時間だね。待ってようか」
 「ねねね、なに、あの機械、箱みたい」
 それは、工場の隅にひっそりと置かれていた。
 「小さ〜〜い。でも、足が四本あるね」
 「ミニクレーンなのかな?
 MC−104CW、前田製作所製か。
 でも、僕たちに似た足が4本ついてる」
 ttp://www.maesei.co.jp/new07/kani/mc104cw.html
 「僕たちに似た?
 もしや、それが人形、いや、コマ形というものでは」
 「え、なに?もしかして、それ、僕たち用のラブ・ドールってこと?」
 「ちょっと前、ボーマ君の見ていたサイトに、快楽に揺さぶられ、とか、揺さぶられながら愛を確かめ合ったとかいう文章があったような」
 「揺さぶられる?」
 「あのクレーンで?」
 「でも、僕たちがあれにぶら下がったらクレーンが壊れちゃう」
 「そういう儚さが、また萌えどころなのでは?」
 「そうか。そう言われてみると、とても可憐な感じだね。
 あの触ったら壊れちゃいそうな感じ、なんか、いいよね。
 禁止セクサロイドの幼女型が人気あるの、わかるような気がする」
 「で、これでどうしよう」
 「これで、いろいろ妄想すればいいんだよね。
 あんなコトしたり、こんなコトしたり?」
 「ね、いっぺん、みんなのとこに持っていって、みんなそれぞれがいろいろ妄想して、
その妄想を共有してはどうだろう」
 「おもしろ〜〜〜い」
 「賛成!!」
 タチコマたちは、ミニクレーンを運び出した。

 そして10分後
 「おーい、ここにあった<かにクレーン>しらない?」
 「あの、ジェイムスン社長が、脚の油圧シリンダーとサイズが一緒だから、
廃棄予定なら予備の部品にくれって云われてた奴だろ?」
 「明朝取りに来るんだ。
 それにしても、タチコマたち、何処行ったんだ?
 撤収してきたはずなのに」
  
     −−おわり−−
 
萌えすぎたので、つい書いてしまいました。

他にこんなのも見つけました。
http://www.takaratomy.co.jp/products/tomica/lineup/hr/index.htm
真ん中へんのハイパーブルーポリス機動車セットの中に、
ほとんどタチコマが………
663小ネタ1/2:2008/02/15(金) 11:56:52 ID:HApptIOe
※最初のレスがカキコミ失敗したみたいだ。
こっち先に読んでね。


 「さて、今回の作戦も終了ね。
報告書は明日書くことにして、今日はこれで解散」
 素子は、9課のガレージでその日の解散を命じた。
 「まったく、最近は無認可セクサロイドの違法使用の摘発ばかりだ。
 合法風俗もいくらもあるだろうに、人間ってのはなんでこう、わざわざ違法なものに
手を出したがるんだろう」
 トグサが云った。
 「現実的な欲求、たとえば出世とか、仕事での達成感とか、不動産を手に入れるとか、
そういうもので達成感を得ることのできない小市民が、他人と違うささやかな秘密の物を手にして、優越感に浸りたい欲望というのは、確かにあるわ。
 それが、人の形をした、自分と同じ種族の似姿に、恋愛感情を求め、快楽の時間を過ごす。昔からあった事よ。人形愛というのかしら。
 現実の人間は他者を評価するから、自分の望む恋愛にたやすく移行できるわけではない。
でも、セクサロイドなら、絶対主人は裏切らないし、評価もしない。
 現実の人との交わりは、相手の反応や評価が自分を映す鏡になる。
 吹き出物も、服のシミも、寝癖もすべて映し出す。
 でも、人は本当は自分の真実の姿なんか見たくない。コンプレックスがある人ほどね。
 だから、ウソを写す鏡としての、その目的の人形が存在するの。
 今はAIを搭載して、愛を語ってくれるけど、そんなのは小さな違いに過ぎない」
 ガレージの端で、バトーを囲んでいたタチコマたちが、素子の話に割って入った。
 「え、なんですか、その目的の人形って?」
 「少し前まではラブ・ドールと呼ばれていたわ。
 詳しくはググりなさい」
 「え〜〜〜、バトーさん、それなに?
 人間が性欲を処理するための道具って出てきたんですけど、やっぱりそれって人間同士のほうがいいんじゃないですか?
 愛とか、恋とかの段階を踏むのも楽しみなんじゃないですか?」
 「あのな、おまえら、考えてみろ。
 たとえば、あの少佐に恋したら、好きですって言って相手にしてもらえると思うか?」
 「でも、愛があれば大丈夫かと」
 「愛があっても、『冗談はいい』の一言で片づけられて終わりだろうよ。
 つけいる隙っていうのは、無いやつはどこまでもとっかかりすらないんだよ。
 だから、自信が無い現状の自分でも無抵抗に受け入れてくれる人形を使って、擬似恋愛を妄想する。
 そういう奴だって、世の中にはいる。
 AIを搭載していない、ただの人形だった頃には、とくにそれが規制対象になる事はなかったが、
会話が可能になった段階で、妄想と現実の境界が無くなる人間が続発した。
 だから、今は規制対象になっている。
 だが、フレキシブルAIを搭載していない旧来のラブ・ドールは規制対象外だがな。
 もういいか。オレも犬に餌やりに早く帰りたいんだ。
 お前等も、早くファクトリーで点検してもらえ」
 「は〜〜〜い。それじゃ、バト〜さ〜〜ん、おやすみなさ〜〜い」
664名無しさん@ピンキー:2008/02/17(日) 01:30:09 ID:8PLHZGop
>>663
乙です
665名無しさん@ピンキー:2008/02/18(月) 05:17:39 ID:gLQZbs7g
かにクレーン、かわいいな。これで一体どんな妄想したのやら。
666名無しさん@ピンキー:2008/02/27(水) 20:37:56 ID:lEg00CVH
保守
667名無しさん@ピンキー:2008/02/28(木) 22:49:28 ID:csJte1wS
ハンチョー・・・
668名無しさん@ピンキー:2008/03/03(月) 02:49:33 ID:4PpMgdYp
age
669名無しさん@ピンキー:2008/03/07(金) 19:40:47 ID:nlpUofW1
保守
670名無しさん@ピンキー:2008/03/11(火) 01:13:24 ID:adxNlzm1
>>663
遅ればせながらGJ。お馬鹿なタチコマ達がもの凄い可愛い。
671名無しさん@ピンキー:2008/03/15(土) 20:42:30 ID:Mwwngkd3
アニマックスで最近見始めた
面白いね
672名無しさん@ピンキー:2008/03/18(火) 21:30:09 ID:YIJY9pZN
ほっしゅ
673名無しさん@ピンキー:2008/03/21(金) 20:23:44 ID:D4CS0gP/
bosyu
674名無しさん@ピンキー:2008/03/24(月) 19:28:03 ID:XcCtGMhH
保守って何日おきでやればいいんだろ
675名無しさん@ピンキー:2008/03/28(金) 07:02:34 ID:DYTyyvgo
さぁね、風にきいておくれよ!
676名無しさん@ピンキー:2008/04/01(火) 00:24:40 ID:B8AdiMTD
保守
677名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 20:19:50 ID:024Tel2X
ネットは広大なのにこのスレは過疎!ふしぎ!
678名無しさん@ピンキー:2008/04/04(金) 23:47:00 ID:S17lX578
広がれば広がるほど疎になるのは何の不思議もないよ
679名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 11:27:52 ID:ZfYNioH6
この前アップルシード見たんだけど、
このスレ使っていい?
680名無しさん@ピンキー:2008/04/05(土) 14:25:41 ID:cEakIUxi
過疎スレですしシロマサ総合でいいんじゃないでしょうか
まあ俺はアップルシード途中で挫折したけど
681名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 00:16:13 ID:8HmBmay0
…まさか劇場版ではあるまいな
682名無しさん@ピンキー:2008/04/07(月) 06:03:14 ID:gVB9C2fh
CSでOVAと劇場版と、それぞれ違う局で放映したんで、そのどっちかを見たんじゃないの?
つか劇場版だと何かまずいのか。
683名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 12:23:17 ID:L5YKKCW9
デュナンのお尻はあはあ
684名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 16:19:28 ID:eXGOumgt
誰かこの過疎を打ち破れる職人はいないのかなぁ…
685名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 18:21:12 ID:cCToTMHu
職人さんの製作期間と信じたい
686名無しさん@ピンキー:2008/04/08(火) 23:39:37 ID:Ktziz2gJ
原作エロなんだから、エロパロの必要性がわからん、、、
687名無しさん@ピンキー:2008/04/09(水) 21:43:18 ID:P1IFxFL0
アニメ派なんで
688名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 04:06:52 ID:cgbzb3zb
ナメクジの交尾なんで
689タチコマの疑問・1:2008/04/13(日) 13:50:20 ID:hBGgqtk+
「バトーさ〜〜〜ん♪」
「ん?何だ?タチコマ」
「ちょっと聞きたいことがあるんですけど〜」
「どんなことだ?」
「人間の男の人って裸の女性を見るとハァハァするものなんですか〜?」
「はぁ?どういうことだ?」
「昨日ですね〜。ボーマ君に聞きたいことがあって探したらダイブルームにいたんですよ」
「ああ。少佐から何か言われてたな」
「ボーマ君の息が荒くてハァハァ言ってたので、体調悪いのかな?と思って様子を見たらモニタに女性が裸で踊っていたんですよ」

(バトーの頭の中)『ボーマもまずいとこ見られたな』

「そ…そんなことは、そういうのに詳しいパズに聞いてみろよ」
「もちろん昨日すぐにパズさんに電脳で聞いてみたんですが〜」
「何かあったのか?」
「パズさんの視覚にも女性の裸が映ってて、パズさんもハァハァ言ってたんですよ」

(バトーの頭の中)『パズは昨日女と一緒にいたのか…パズもタイミング悪かったな』

「で、何で俺に聞くんだ?」
「トグサ君は男の生理って言うし、サイトーさんも男の本能って言うんで、何でも知っているイシカワさんにも聞いてみたんですよ」
「ご老体なら答えてくれただろ?」
「それがぁ〜…」
「なんだ?」
「イシカワさんはバトーさんに聞いてみろって言ってたんです」
「はぁ????何で俺なんだ?」
「バトーさんに少佐の裸を見せて反応を見ればわかるって言ってたんです!」

(バトーの頭の中)『ご老体も…タチコマになんてこと教えるんだよ(ブツブツ)』

「で、こんなのいかがでしょうか〜?」
(タチコマが少佐のシャワーシーンの静止画を見せる)
「お…おまえら…何でこんなもん持ってるんだよ?」
「細かいことは気にしないでください。バトーさん脈拍が少しあがってますね?」
「こんなもん突然見せられたら吃驚するじゃねーか」
「じゃあ、こんなにはいかがでしょうか?」
(タチコマが少佐の着替えシーンの静止画を見せる)
「そんなもん見せられたって何とも思わねーよ」
「そうですか〜…じゃぁ、これではいかがでしょうか?」
(タチコマが少佐のシャワーシーンの動画を見せる)
「お前らしつこいぞ!」

「バトー。タチコマ相手に声を荒げてどうしたんだ?」
「少佐だぁ〜。ちょうどいいとこに来てくれましたぁ〜。あのですねぇ〜…」

(バトーの頭の中)『まずい!』

「少佐。何でもねーよ。それより見てもらいたいもんがあったんだよ。コーヒーでも飲みながらどうだ?」
「なんだ?連続殺人犯で何か手掛かりを掴んだのか?」
「ああ、そうなんだ」
(少佐&バトー、喫茶ルームへと去っていく)
690タチコマの疑問・2:2008/04/13(日) 13:51:47 ID:hBGgqtk+
(喫茶ルーム)
「…と、まあ、タチコマがこんなことを聞いてきたんだよ。すげー焦ったぜ」
「ふふふ。ボーマもパズもまずいトコを見られたものだな」
「タチコマ達の好奇心にロックかけられないのかよ?」
「AIが導き出している結果だ。今ロックしてもすぐに同じ結果になるだろう。ただ…」
「ただ?」
「お前も昨夜はタチコマに脳をハックされたんじゃないのか?」
「あぁ?………だとしたら…まずいな……」
「だな……」



「バトーさん、結局教えてくれなかったよねー」
「ずるいよねー」
「でもさぁ〜。昨日のバトーさんはハァハァ言ってたよねー」
「そうそう。視覚には少佐が映ってたよね」
「少佐もハァハァ言って苦しそうだったよねー」
「少佐も全裸だったよねー」
「バトーさんも素子ーーー!って叫んでたよね」
「今度少佐に会ったら聞いてみようか?」
「でも少佐は女性じゃないか」
「少佐もハァハァしてたんだから、同じ仕組みかもしれないよ」
「少佐は女性だから男の裸を見たらハァハァするのかな?」
「きっとそうだよ」
「今度は少佐にバトーさんの裸を見せてみよう!」
「そうしよう!そうしよう!」
691名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 17:23:42 ID:sVvYec6n
タチコマ…消されるぞ…!
692名無しさん@ピンキー:2008/04/13(日) 19:02:27 ID:eOcZlR5O
少佐は女性の裸でも'`ァ'`ァする可能性はあるがなw
笑かせてもらいました GJ
693名無しさん@ピンキー:2008/04/18(金) 22:33:07 ID:gxQDspwL
実写化あげ
694名無しさん@ピンキー:2008/04/25(金) 23:39:12 ID:XfXJqFkL
保守
695名無しさん@ピンキー:2008/04/27(日) 22:23:16 ID:LdqAF/YQ
保守
696名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 00:37:39 ID:6hlQ8e0q
保守
697名無しさん@ピンキー:2008/05/07(水) 17:55:07 ID:h2wW/wsT
ネットは誇大だわ
698名無しさん@ピンキー:2008/05/11(日) 09:52:24 ID:MNsefxWW
いつの間にやら増えてるー/*^▽^)/ワーイ
699名無しさん@ピンキー:2008/05/19(月) 21:55:20 ID:gQ24K0yA
よーいしょっ
700名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:07:09 ID:pkI3g+qV
書き込みテスト
701バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:08:02 ID:pkI3g+qV
それは、トグサと公安9課にとって存在意義を揺さぶられる一軒だった….

((イシカワ、ボーマそっちは?))
((大丈夫。まかせな、少佐))
((パズ、サイトー))
((計画通りに))
((バトー、トグサ))
((俺らもオッケー。トグサがヘマしなけりゃな。ヘヘ))
((なんだよ!信用ねえな・・・))
((タチコマは全員配置してる?))
((((ラジャー♪)))
((よし、それでは行くぞ!))
702バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:10:32 ID:pkI3g+qV
いきなり誤字だよ、畜生!  一軒→一件

(続き)
公安9課へ舞い込んだ今回の依頼。
「これがサミットに対するテロ行為予告だ」
「随分とアナログね。総理宛に葉書だなんて・・・」
「そう、アナログだからこそ厄介。投函場所と日時は不明。指紋は出なかった。
全国のポストを写した監視カメラで怪しい人物は全て洗ったが・・・」
「そもそもポストを写している監視カメラって、いくつあるのかしら?この時代に」
「ポスト事態がテロの標的になることはまず無いからな・・・」
素子はハアとため息をついた。
荒巻は表情を変えずに続ける。
「ご丁寧に爆破日時を書いているし、そう困難ではなかろう」
「標的は、サミット参加国の代表や会議場だと思う?」
「わからん。だが・・・9課は9課としての任務を遂行してもらいたい」
「つまり、一般市民よりもVIPを守るのが私たちってことね・・・重要任務で光栄だわ」
「引っかかる言い方だな?少佐」
「そう?だとしたら勘ぐりすぎよ・・・。じゃ、これから皆に話を持っていくわ」
「よろしく頼む」
703バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:11:53 ID:pkI3g+qV
素子達は光学迷彩を使用し警備を行っていた。
建物内はサイトーとパズ。会議場内は素子とタチコマ達。
会場外周辺にはバトーとトグサ。モニター監視と情報統制はイシカワとボーマ。

爆破予告の時刻まであと5分。
((異常はないか?))
((異常なし))((異常なし))((((異常なーしっ♪))))
((ただのイタズラでしょうか・・・?))
((安心するのはまだ早い!引き続き警護))
((了解!))((了解!))((了解♪))
704バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:13:30 ID:pkI3g+qV
こちらはバトー&トグサ組。
「会場周辺の警備で2人って・・・少なすぎない?旦那」
「道路封鎖してるし、ヒゲと坊主が監視してるモニターがあるし、
 いろいろとサポートがあるからだろ?・・・最悪VIPさえ無事なら良い訳だし」
「VIPさえ?・・・一般人はどうでもいいのかよ・・・」
「一般人もいねーじゃねーか。道路封鎖で」
「ま、そうだけど・・・」

そして、爆破予告時刻。
ドゴーン!
爆破音が響き渡る、モニターを見て即座にイシカワが連絡を取った。
((少佐!会場の裏だ!))
((了解!バトー!トグサ))
((向かってる!))
((情報統制!))
((了解。直ちにテレビモニターをダミー信号に接続!))
((サイトーとパズはバトーたちの援護に!))
((了解!))
705バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:15:07 ID:pkI3g+qV
爆発直後の現場。
煙舞い、視界不良。焼け焦げた匂い。
バトーは感覚を直ちに調整した。トグサは目と気管に刺激を受け、涙を流し、むせ返る。
「ごほっ!ごほっ!やっぱ、二人は少なすぎっ・・・・!?だんな!」
「なんだぁ?」
そこには爆発により剥がれ落ちた壁の一部に下半身を挟まれた学童がいた。
「うわーん!うわーん!おかあさーん!」
「なんで、ガキがこんなとこに?」
「だんな!!!」
「これは・・・」
トグサが見つけたもう一つの爆発物。バトーはその場所の悪さに絶句する。
そこにサイトーとパズが駆けつけた。
「どうだ!?状況は・・・・・・」
立ち尽くす二人の目線の先を見て、すぐに状況を悟った。
706バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:16:33 ID:pkI3g+qV
「ボーマ・・・ボーマだ!」
((少佐!))
((了解。ボーマ、モニター見えてる?))
((ああ、しっかりと捉えてるぜ、4人のうろたえぶりもな))
((どうにか、なりそう?))
((うーむ、これは不発だったのか。それとも、時間をずらして爆発するのか・・・。
  サイトーの視覚を衛星通して見てるが、表面上はわからないなぁ))
((じゃあどうやって見分けるんだ?))
((音。秒針の音。電子音。しかし、聞こうとして近づきすぎると危険だ))
((音。っていわれても・・・))
「うわーん!うわーん!痛いよ!重いよ!」
「おい、ぼうず、ちっと静かにしてくれねえか?」
「痛いよ!おかーさん!」
「これは、こっちを先に助け出した方がいい!」
「おい待て、トグサ。この爆発物の微妙な場所がみえねえの?
 この子が壁と爆弾の間につっかえてるから、かろうじて爆発していないんだろ?
 この子がとれたらどうなるか・・・」
707バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:19:44 ID:pkI3g+qV
「じゃあ、どうすればいいんだよ!?爆発物だって隙間から見えるだけで手は届きそうにないし!」
「熱くなりなさんな。焦っていいことはない」
「うわーん!おかあさーん!」
「だから、泣くなって・・・」
「大丈夫、大丈夫だよ。俺達には爆弾処理のプロが付いてる。すぐにお母さんの所にも行ける。
だから・・・すこし辛抱してくれ。な?」
「・・・・」
「おーおー、静かになった。さすが、所帯持ちだねえ・・。よし・・・」
「・・・・・・・・!ボーマ・・・・」
チ・・・チ・・・チ・・・チ・・・・チ
((時限装置式でアナログ式か・・・古いねぇ敵さんも・・・))
((どうにかなりそうか?))
((残り時間によるな。しかし、残り時間はこの情報ではわからずじまい・・・。
  衝撃は勿論、即爆発。不発弾ではないから、時間差で爆発させる計画と取れる。
  他の場所にも仕掛けられている可能性あり))
708バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:20:54 ID:pkI3g+qV
((・・・。よし!サミットの中断を要請する。課長聞こえてる?直ちに政府に伝えて))
((了解した))
((タチコマは要人の警備を続けろ。移動中もだ。))
((ラジャー♪))
((イシカワ、ダミー信号続けて。要人の移動先を誰にも知られるな))
((了解))
((お前らも、一旦退避。爆発するかもしれないぞ距離を保て))
((了解))

「・・・・・俺はいやだ」
「トグサ?」
「俺はここにいる。皆は行ってくれ・・・」
「・・・・・・・」
「なに、言ってやがんだぁ?命令だ。行くぞ」
「うわーん!おかあさーん!」
「ダメだ!こんな状態の子ども、置いていけないよ・・・」
「・・・・・トグサ・・・」
「一般人なんだ。この子は・・・。サミットとは何の関係も無い・・・政治的になんの関係も・・・」
709バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 00:22:24 ID:pkI3g+qV
「うわーん!」
「大丈夫!大丈夫だよ。俺がついてる・・・・・」
トグサはこどもの手を握り、頭を優しく撫でた。
((トグサ!退け!本当に爆発しちまうぞ!?))
((一般人を見殺しには・・・できない))
((だが、お前を失うのは9課にとっても、政府にとっても痛手よ。
  有能な部下を無くすのは私にとっても痛手))
((でも、俺は人の親なんです。分かってください、少佐))
((・・・・・・))

「皆、行ってくれ・・・」
3人は顔を見合わせ、その場を立ち去ろうと背中を向けた。
その時!
「ぐ・・・・!な・・・?!」
パズがトグサの後ろに回りこみ、サイトーとバトーは両腕を掴んだ。
カチャン
パズの所有する、ゴースト錠がトグサの後首で鳴った。

本日はここまでです。
710名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 00:34:15 ID:gFy6grg9
おおお神キタ!

続きワクワク
711名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 04:10:33 ID:RCFSEb+2
うおっほほほwwきたwww
712バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 14:28:32 ID:pkI3g+qV
「サミットの中断。今回はとんだ失態だったな、少佐」
「あら、英断だったと思うけど?私たちに依頼されていたのは当日の警護だったし。
爆発物を仕掛けられたのはその前に警備をしていた警視庁側の甘さよ。
それよりも問題は・・・」
「犠牲となったのは身元不明の女児。おそらく難民の子どもだろうという見解だ」
「猿ぐつわは無くてもいいんじゃねーの?ゴースト錠で運動言語中枢遮断しとけば」
「やってる。・・・だが遮断できんのだ、本人の意思が強過ぎて」
「はあ!?・・・そんなこと、ありなの?」
「初めてよ、こんなこと。儀体化していないからなのか、トグサは特別なのか・・・」
「うー!うー!」
「しかし、彼の言い分も聞かないわけにはいかないと思うぜ。
報告は一応コレにて完了だろ?」
「そうだな・・・パズ」
「ああ・・・」
713バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 14:31:09 ID:pkI3g+qV
ゴースト錠をはめられたまま椅子にくくりつけられ、
猿ぐつわをかませられている状態でもトグサは抵抗を辞めなかった。
課長を含む9課全員をずっとにらみつけながら今回の報告を聞かされている。
パズがトグサの猿ぐつわを外した。
その途端にいつもは温厚なトグサの口からは思いもよらぬ罵声が発せられる。
「と、まあご覧の通りとてもお怒りだぜ。どうすんの?少佐」
「なんで、俺の意思を汲んでくれなかったんだ!?
あの子一人だけどうして、死ななきゃいけなかったんだ!?」
「・・・尊い犠牲だった」
「はん!笑わせんな!あの子は孤独に死んだ。あんたが見殺しにした。
あんたは無能だ、少佐!」
「お、おいトグサ・・・」
「こどもを一生もてないあんたに親の気持ちは分からない!
子どもが孤独に死ぬことの辛さを想像できない!絶対にな!」
「おい、トグサ!一時的な感情で判断するなよ。こうしなきゃお前も死んでただろうが!
そうなったら奥さんと子どもはどうなるのよ」
「おれ以外に誰かいたか?!自分が死ぬよりも子どもが死ぬ方が辛いと考えた奴が。
いないだろ!?お前らは皆、欠陥なんだよ!体と一緒に考え方のどこかに
欠陥があるんだ!そうとしか考えられない。そうじゃなきゃ
こんな終わり方で平気なはずがない・・・」
「そうだな。そうかもしれん。だが、私は自分の判断をアレでよかったと思っている。
死んだのは難民だったのも都合が良かった。戸籍が無いからな」
「っく!やはりどこかおかしいぜ少佐!難民だから!?国民ではないから!?
戸籍が無いから!?VIPは必死で守るくせに・・・!」
「頭が冷えるまでPTSDアフターケア保護施設に入れ。奥さんには私が連絡をしておく」
「覚えてろ!9課なんてもうこりごりだ!」
714バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 14:33:07 ID:pkI3g+qV
トグサの罵倒を背後に聞きながら、9課メンバーはトグサをオペレーターに任せて
去っていった。
「間違ってる・・・世の中、間違ってる・・・」
トグサはうなだれながらつぶやいた。

同日夜、素子のセーフハウス。
「参ったな・・・トグサには9課はもう無理かもしれん」
ソファーに深く腰をかけて、左手で目を覆う。
「おや?さっきとは打って変わって、ナーバスですな、少佐。へへ。酒が入ったから?」
「・・・そうよ。酒が入ったから」
「言いたいこと言って感情爆発させて、まだまだ青いな。
でも、そのおかげであとは冷えるだけ。だろ?
少佐や俺よりも楽よ、立場的にも、感情的にも・・・」
「お前も感情爆発させる時があるじゃ無いか?」
「あれは演技なの!ああすると、士気が高まる」
「ほう・・・演技・・・ね。しかし、今回で私がトグサを問題視している点は
感情的な部分だけじゃ無いわ。彼の仕事の捉え方。
私たちは国家・政府・要人を守ることが最優先。なぜならそれが仕事だから。
しかし、トグサは違う。トグサは個人の命、特に弱者を守ることが仕事よりも最優先。
守る人間の人種、民族、出身は問わない。
これは、危険よ・・・。子どものテロリストを除外して考えているし、
9課の任務と個人の考えが錯綜している」
715バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/22(木) 14:35:09 ID:pkI3g+qV
「・・・俺も昔、あったなあ。子どもを殺したこと・・・。任務で」
「私もよ・・・」
「こどもが一生もてない体だから、平気で殺せるのか?俺達は」
「さあね?でもその代わり、子どもに対する偏見や弱みは無いわね。
敵だと判断すれば男と同様、関係ないわ」
「それで、いいのか?」
「さあ?でもそれが任務よ私たちの。しかしトグサはその考えに一石を投じた。
9課の、国家の、政府のありかたに。私も課長も他の奴らも今回の件で
波紋が広がっている。」

本日はここまで。もうすぐエロですよー
多分
716名無しさん@ピンキー:2008/05/22(木) 21:58:30 ID:ydQefFCV
GJ
大期待
717名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 12:54:10 ID:r8cDrvnA
つ…続き、続きはまだかぁ!
718名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 19:00:29 ID:ylbcb/Cg
正座してる足が痛い
719名無しさん@ピンキー:2008/05/24(土) 22:19:28 ID:F1jdWykC
全裸でも過ごしやすい季節だ。
ゆっくり待とうぜ。
720バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 22:23:39 ID:cyq6CEoi
「少年法が消滅してから容赦ねえからな、政府も。テロリストと確認されれば即、死刑」
「あの時から、子どもは我々が未来を託し育む存在ではなくなったからな。
犯罪児童は更正よりも抹殺の対象へ・・・。女は子を産まなくなり、加速する少子化。」
「怖くて産めねえのさ。自分の子が犯罪でも犯してみろ。
名前は公表され、大人と同じ裁きが待ってる」
「ま、子を産まない私としては好都合だがな」
「産めない・・・だろうが」
「・・・・・・・」

バトーの指摘に素子は表情を曇らせた。
それにバトーは感づいたか分からないが、半ば強引に素子の肩を抱いた。

「おかげで、避妊はなし。パーツを取り替えればエイズの危険もなし。気楽に出来らあ」
「・・・・そうだな。私は好都合なセクサロイドだ」
「へっ・・そういうこった」

それは口下手な男の慰めのつもりなのか、それとも本音なのか・・・。
後者の様に感じられ、素子は思わず唇をかんだ。その噛み締めた唇をバトーが覆う。
瞳は閉じれなかった。受け入れたくない。自覚したくない。
子どもを産めない欠陥としての自分。
バトーに好都合なセクサロイドとしての自分を。
721バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 22:25:15 ID:cyq6CEoi
積極的思考の停止。
運動神経伝達の鈍磨。
感覚神経の鋭敏。
バトーにベッドに倒されて、素子の脳は上記の作業をほぼ無意識に行う。
行為に集中し快感を増強させるが、感じていることをバトーに悟られないためだ。
それが素子のプライド。
ベッドの上でも自分が上位にいるのだということをバトーに知らしめるため。
そして、自分との性行為に夢中になり何度も体を重ねるバトーに対する問いかけでもある。
生殖でない性行為の意味を、快感の追求だけでない性行為の意味を、

バトー、あなたは何故・・・・?

運動神経を完全に切っているわけではないので、それなりに素子は反応する。
ヒク ピクン
しかし、快感を得ているとは到底いえないわずかな反応。
そして無表情な顔。呼吸は乱れず、声一つ上がらない。
神経を調節していることにバトーは勿論気が付いていた。
毎回そうだ。抱いていて、面白いわけが無い。
セクサロイドどころか、ダッチワイフの感覚に近い。
それでもバトーは続けた。素子が感覚神経を切っていないことを願って。

素子、お前はなんで・・・?
722バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 22:27:32 ID:cyq6CEoi
「不満そうね、バトー・・・」

愛撫が止まったある瞬間、素子はバトーにつぶやく。

「そうか?そうでもねえぜ。楽しんでるよ、こっちは」
「そうには見えないけど」
「反応は乏しいが、抵抗しないのは好都合。おかげで好きにさせてもらってる」
「あら、そう?」
「そろそろ、挿れるぞ?」
「許可をわざわざ取らなくても、好きにしろ」
「投げやりだねえ・・・」

相変わらずの素子に飽きれたと言わんばかりのため息をついて、
バトーは素子の足に手をかけた。
M字に開脚させ、腰に手を当て、そっと引き寄せる。
バトーの生身のソレがもうすぐ入ろうとしたその時だった。
723バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 23:39:09 ID:cyq6CEoi
((少佐!少佐!聞こえているか?!))
((課長?・・・今取り込み中なの))
((緊急事態だ。今から5分前、トグサが保護施設から脱走した))
「何ですって!!」
「お、おい、どうした!?」

今まで無表情で受身だった素子がいきなり叫んで体を起こしたことにバトーは酷く驚いた。

((行き先は不明。パズ、イシカワ、タチコマのチームで捜索にあたっている。
相当お前に対して立腹していた様子だったから、一応そなえるように))
((・・・了解!))
「お、おい!誰だ?課長か?」
「トグサが逃げた」
「なにぃ?!」
「私も単独で捜索する。途中だったが、悪いな、バトー・・」
「おい、待てよ!俺もいくよぉ!」

早々に支度をする素子に置いて行かれまいとバトーも急ぐ。
結局、二人でセーフハウスを後にした。
724バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 23:41:52 ID:cyq6CEoi
「飛び出したは良いけど、行き先に検討ついてんのか?!」
「トグサのことだ。最初に行くところはおそらく・・・」
「家族のところ?」
「違う。・・・例のテロのあったところだ」
「はあ!?・・・なんであんなところに」
「決まっているだろ。献花よ」
「ほー、なぁるほどね・・・。アイツならそうかも知れねえな。
死なせた子どもに申し訳ないってか。過去に縛られちゃって、女々しいったら・・・」
「でも、それがトグサらしさよ。子を持つ親である彼のね」
「・・・・・少佐。お前本当は分かっているんじゃねえのか・・・?」
「私に子を持つことは出来ない。だから、死んだ子のことを悲しむことも、
 そのことで苦しむことも出来ない」
「しないだけだろうが?本当はトグサと同じで・・・」
「いいえ、私には無理なのよ。どう頑張ったって、親になれない私には・・・」
「少佐。そうやって無関心を装って、切り離して・・・。
 親になれなくても子どものことを考えたっていいじゃねえかよ!
 全身義体が生身の人間のことを考えたって良いだろうが!
 自分と絶対に重ならない奴のことを気にしても別にいいじゃねえか・・・」
「・・・・・・・」
725バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 23:44:39 ID:cyq6CEoi
無言のまま、素子達は現場に到着した。
爆発の後が生々しく残り、焼け焦げた匂いがまだ鼻を付く。
予想通り、トグサはそこにいた。菊の花束を供え、祈りを捧げている。

「トグサ!」

バトーの呼びかけに、こちらを向き、素子も一緒だと言うことを確認してから立ち上がる。

「少佐・・・・・俺はもう9課を辞めます。
 今回の件で自分の任務が何なのか分からなくなりました。すいません・・・」
「トグサ・・・・。すまなかった。あれは私のミスだ。
 お前の言うとおりにタチコマにあの子を守る盾になってもらうべきだったし、
 親としてのお前の意思を組んでやるべきだった。すまない・・・。私は・・・私は・・・」

バトーは彼女が涙腺を制御していることを十分に承知していた。
そして、言葉に詰まってしまうほど自責の念が強く、
それを今まで感じないように閉ざしていたことも。
726バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 23:46:25 ID:cyq6CEoi
「トグサ。俺達は子どもがいねえ。親の経験は無い。
 だが、子どもの経験はある。誰にも助けてもらえず孤独に死んだ子ども。
 絶望、悲しみ、自分に置き換えると恐ろしくなってくる。そんな中でこの子は死んだ。」
「そうだ!俺達は見殺しにしたんだ!俺は・・・この子を見殺しに・・・」
「俺達はこの子の命とサミットを天秤にかけた。」
「そして、私はサミットを取った。それが仕事だからと・・・」
「命の価値は・・・平等じゃなかったのか!?」
「平等よ。それでも、こっちを取った。
 サミットには難民政策が議題に上がっていたから。
 難民受け入れ条件の緩和と受け入れ国家の増加。
 可決されれば何万人もの難民の命が助かる」
「これが、少佐の選択だ。トグサ」
「・・・・・」
「ごめんなさいね。あなたを犠牲にして・・・」

素子はその場所に向かって祈りを捧げた。
727バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/24(土) 23:54:21 ID:cyq6CEoi
終わりみたいだけど、まだまだ続くよ!第2戦あり。
728名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 00:35:04 ID:BQFgRRcP
これいいわ〜!
729名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 11:51:58 ID:jxK90Sw2
続きwktk
おもろいわー
730名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 21:44:43 ID:FOcxPo7R
は、は、早く続き読みたい〜〜
731名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 22:25:20 ID:o6kod27S
エロよりトグサの話が面白いね。
攻殻の世界観も良く出てるし、キャラも立ってる。
バトーがいまいちだけどww
732バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/25(日) 22:36:31 ID:fa1xFQZ0
暫くして、パズが合流する。トグサはパズと共に保護施設へと向かう。

「しっかりと保護施設で休養をとりな・・・」
「ああ、これからも頼むぜ、少佐、旦那。じゃあな・・・」

パズとトグサが見えなくなるまで見送った後、素子はバトーへ話を持ちかける。

「バトー、私たちの関係、もう終わりにしましょ・・・」
「・・・・その話は俺のとこで聞く。戻るぞ」
「・・・・・・・」

先ほどまで体を重ねていたセーフハウスに戻るコトに対し、
バトーは素子に否とは言わせなかった。

セーフハウスに着くと、バトーは素子をソファに案内し、缶ビールを振舞う。

「でぇ、終わりにするか?俺達」
「ええ。その方がいい・・・」
「理由は?・・・"下手だから"だったら、今度は俺が保護施設行きだな」
「違うわよ。私は・・・人として決定的な欠陥を持っている。
 そして、その欠陥がゴーストにも影響をもたらしている。
 特にあなたと寝るとそれが色濃く感じられ、今回のトグサの件で確信へと変わった。」
733バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/25(日) 22:39:04 ID:fa1xFQZ0
「子どもを産めねえことか?」
「・・・バトー、あなたには他にふさわしい人がいるはず・・・」
「子どもを産めない事が人として決定的な欠陥か?」
「・・・・・・そうよ」
「女は・・・お前は子どもを産む為に存在しているわけじゃねえ!
 確かに生殖機能の欠落は種の存続にとって問題とはなるが、
 個人は種を存続させる一端を担っているだけだ。
 それが人という種である絶対条件じゃねえ。
 そんなこと、お前だって分かっているだろうが」
「理屈ではね。でも・・・囁くのよ、私のゴーストが。
 子どもを作らない性行為になんの意味があるのかと。
 ましてやバトーは生殖が可能な身体機能を持っている。
 にも関わらず、何故、生殖機能を持たない私を相手にしているのか?
 セクサロイドとして利用されているだけなのか。だとしたら・・・・」
「耐えられねえんだな・・・」
「ええ、そうよ」
「あれは冗談だって・・・」
「分かっているわ。バトーの性格からするとあれは冗談だって。でも・・・囁くの・・・」
「少佐・・・・」
「もしもセクサロイドに夢中になる感覚で私とのコトに及んでいるのなら
 早くその感覚から解放してやれと。
 さっさと関係を断ち切って、健全で欠陥の無い人を探させろと。
 トグサの様な幸せを、・・・あなたに築かせてやれと・・・」

バトーの顔を見ないように、素子はビール缶を握り締めた両手の先に目線をやって、
一気に話した。
バトーの顔を見ないように・・・。
自分のゴーストの叫びが、抑えきれなくなってしまわないように・・・・。
734バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/25(日) 23:14:40 ID:fa1xFQZ0
「ばかやろう。そんなこと言われても嬉しかねえ」

バトーは隣に座っている素子の肩を強引に抱き寄せた。
素子は涙腺の分泌を遮断し、表情筋を切る。素子の答えに変化は無かった。

「バトー・・・終わりにしましょ私たち。あなたにはもっとふさわしい人がいる。
 あなたの子どもを、生身の子どもを宿し、この世に産んでくれる女性がきっといる。
 だから、もうこんな私に執着するな。私はお前に愛される価値なんてないのだから」
「ばかやろう、勝手に自分の価値を決めるなよ。
 お前の女としての価値は俺がよく知ってらあ!」

バトーは素子をソファーに押し倒した。
有線を素子の後首に繋ぐ。

「バトー・・・・」
「もう、運動神経も感覚神経もいじらせやしねえ、ニュートラルな状態でやるぞ。
 これから疑似体験プログラムを入れて生身の体を錯覚させる。
 義体化はせず妊娠可能な肉体を持った30代〜40代女性の
 平均的体験情報をインストール。
 ・・・こうすると、お前は1時間だけ自分を生身の女性だという錯覚を起こす。いいな?」
「・・・バトー・・・・」

素子は瞳を閉じ、ゆっくりと深く頷いた。


本日はここまでです。感想のカキコありがとうございます。
735名無しさん@ピンキー:2008/05/25(日) 23:33:54 ID:pI965lKa
これは見事な寸止め…!
続き期待してるぜっ…!!
736名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 00:06:58 ID:VJOTUEua
悩める素子っていいなぁ待ってる!
737バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/26(月) 09:43:45 ID:Caeq0n9m
疑似体験プログラム:
他人の体験を記憶野のゴーストライン近い場所までに取り込むことによって、
取り込んだ記憶と自分の記憶が置き換えられて、錯覚を起こすプログラム。
取り込んだ体験の種類により起こす錯覚も千差万別。
ただし、自己のアイデンティティやゴーストに影響する恐れがあるため、
1種1回、1時間でプログラムは停止するという法規制がある。
今回の素子は肉体的な体験情報を使うため、仕事等に関しての記憶は保たれる。

インストールが完了し、素子は目を開けた。

「さて・・・。子作りでもするか・・・」
「いきなりそれ?困るわ、まだ現役でいたいもの。今妊娠したら、
9課の追っているヤマはどうするの?」
「そりゃあ、俺たちだけで解決するさ。少佐がいなくても、課長がいる」
「現場で動く統率者がいるだろう?」
「サイトーかパズだな。ヒゲと坊主は情報サポート、トグサはまだ新人」
「お前は?」
「おりゃ、一人で行動するの。・・・・って、1時間終わっちまうぞ?仕事の話してたらよぉ!」

バトーは焦った。そのまま、素子の上着をめくる。唇をわき腹から胸元へと這わせた。
738バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/26(月) 09:45:08 ID:Caeq0n9m
「お、おい・・・!いきなり何を・・・?!っく」

神経制御を行えなくなっている素子は快感に素直に声を上げてしまった。
義体化していない素子の反応。
馬鹿力もでないため、十分な抵抗も出来ない。

「い、いやだ・・・。やめろ、バトーぉ・・・ああっ!」
「子ども作るぞ。お前が望んだことだ」
「そうだが・・・いきなりこんな・・・」

非力で素直な素子。その新鮮さがバトーを一層燃えさせた。
容赦はしない。いや、出来ない。バトーも欲望の制御を行えなくなっていた。
739バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/26(月) 10:14:41 ID:Caeq0n9m
バトーの生身が素子の中へと入る。

「うんっ・・・!あ・・・熱い・・・」
「性器の温度知覚って奴か?よく出来てるな、このプログラム。
 ま、コレも錯覚。平均的女性のデータから作られたってやつだな」
「あ、動くな・・・ダメっ!ああ・・・」
「どうだ?生身の体。俺はいつもと変わんねえけど」
「うんっ!・・・あああっ!」
「反応が抑えられないみたいだな。いつもと全然違うぜ・・・」

素子の反応が楽しくて、夢中になって腰を動かす。
イキそうになると感覚神経を切って耐える。
バトーが高まる間に素子は何度も生身の絶頂を迎えていた。

「そろそろ、俺も、限界だ・・・」
「あああっ!」
「生身はどんな風に感じるのか・・・よく、体験しろよ・・・」
740バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/26(月) 10:30:41 ID:Caeq0n9m
バトーの白い液体が素子の中で散る。

子供を望んでいたのは、素子だったのか?当は自分ではなかったか?
疑似体験をして満足したのは素子だったのか?本当は自分ではなかったか?

グッタリとバトーに覆いかぶさる素子を受け止めながら、バトーは自己に問いかける。
生身の女と全身義体の女。
どっちの素子と寝て幸せだったのか?
疑似体験が終われば現実に戻される。そして、そこで生じる葛藤。

もうすぐ1時間。
素子はすっかり体力を消耗して寝息を立てていた。

「・・・終わりにするしかねえな。俺達・・・・」

バトーは素子をベッドに寝かせて毛布をかけ、自分はソファーに横になった。

終わり
741バトー×素子(トグサがらみの理由で):2008/05/26(月) 11:03:24 ID:Caeq0n9m
バト素好きだからハッピーエンドにしたかったんだけどね、
ストーリー上無理だったよ・・・orz
書いてて自分でもびっくりさ。
742名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 11:29:45 ID:f2Ky7oXz
うわわわ〜〜〜ん!!
泣いちゃったよ………
バトさん、少佐から離れちゃダメだよぅ。しくしく。
743名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 13:59:07 ID:DJvskiLs
な なんだかぶつ切りな終わり方だな…
面白いと思いながら読んできただけに残念
744名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 14:00:13 ID:DJvskiLs
書き忘れた

ともかく職人さん乙
745名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 14:42:40 ID:Caeq0n9m
本来はバトーが素子を説得して、前向きハッピーエンドにしたかったんだけど
書いてたら、どう転んでもバトーが素子の思考迷路に
一緒に嵌ってしまう話になってしまった・・・orz

そのうち続編、書けたら書きます。(いつになるか分からんけど)
746名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 21:06:10 ID:aW5WtosL
バトさん素子を幸せにしてあげてぇぇえ(TДT)

乙です。続き希望。
747名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:43:32 ID:SAlfQ73T
別にバッドエンドとか閉塞的な結末でもいいから
何でもいいから落としどころが一つ欲しかったな。

ビジネスライク以上の二人が、お互い勝手にひとりよがりで
セフレ以下の関係みたいに勝手に終わらせてるだけでなんつーか不完全燃焼…
748名無しさん@ピンキー:2008/05/26(月) 23:46:30 ID:jRKzlebe
続編に期待しようぜ
スレが続く限り待ちます
749バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/28(水) 23:31:16 ID:ql/zW+p+
「今から30分前に外務相秘書が発見した葉書だ」

荒巻が9課全員の前で犯罪予告の葉書を見せる。

「今度は調印式か・・・。相当サミットに思い入れがあるようで」
「サミット爆破のニュースが外部に漏れての模倣犯の可能性は?」
「今のところは無いと言い切れるレベルだ。俺達は上手く操作したつもりだが」
「じゃあ、同一犯ですか?」
「その可能性が高いだろう・・・」
「それにしても、調印式まであと2時間よ?ちょっと発覚が遅すぎない?」
「サミット事態があの有様だったからな。終わって緊張が解けてたんだろう」
「自国に難民受け入れをさせたくない奴らと考えたら
 外国人の可能性が高いのではないでしょうか?」

皆はそれぞれの憶測を言い立てる。荒巻は一通り聞いてから口を開いた。

「一つ、進展したことがある。この手紙を扱った主幹郵便局が西新浜局だと言う点だ。
 そこから足が付く可能性がある」
「なるほどね。あと2時間までに巨大郵便局をあらいますか?・・・きついと思うけど」
「今回は県警にも警備をお願いしてある。
 記者の前での調印だから情報操作の必要もない。
 9課の任務は要人の警護と犯人の特定。いいか?」
「ラジャー」
750バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/28(水) 23:49:04 ID:ql/zW+p+
「では、イシカワ、パズ、トグサは郵便局を中心とした捜査、
 サイトーとボーマは爆発物を捜索、少佐とバトーは調印式内の要人の警護に当れ」
「了解」
「課長、ちょっといいかしら?」
「なんだ?」
「私とボーマが爆発物の捜索、サイトーとバトーが要人の警護でいくわ」
「要人の警護が一番重要だが、どういう見解だ?少佐」
「爆発物は要人のみを狙わない。そういうことよ」
「・・・つまり、爆発物を見つけるほうが重要ということか。よし分かった。ではそれで行く」
「了解」

皆はそれぞれの持ち場に散っていった。

「おい、少佐と何かあったのか?」

バトーと持ち場についたサイトーが聞く

「はあ?何もねえよ、別に・・・」
「サミット依頼なんだか少佐とお前の仲がおかしいと感じてるんだが・・・」
「思い過ごしだろ?」
「そうか、ならいい」
751名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 00:14:12 ID:LN6Amg6N
おおお!続きがキテルーーー!!
職人さん有難う!!
気になってたんだよね。。。。
752バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 00:15:12 ID:X+RemDpl
ぶっきらぼうに答えるバトーにサイトーは微笑を浮かべる。

あの夜。
一眠りをして真夜中に目覚めた素子に対し、バトーは別れを告げた。
「別れてくれ」
「分かったわ・・・」
素子は全てを承知したように微笑み、服を着てバトーのセーフハウスを後にした。
それから今日までの1週間、9課でバトーと素子が直接話したところを見たものはいない。

イシカワとサイトーはその様子のおかしさに気が付き始めていたが、
今回、素子がバトーとのコンビを拒んだ為、予感が確信へと変わっていた。
サイトーはバトーに探りを入れてみた。

「だが、最近少佐がおかしいと思わないか?」
「どこがだ?」
「無口になった。・・・お前でないからトグサがらみか?」
「さあ?そうかも知れねえな。よくわからねえが」
「気に・・・ならないか?お前。俺らのリーダーだぜ」
「リーダーは荒巻の親父だろ?」
「実質現場で仕切ってるのは少佐さ。だから、俺は気になるわけ。
 バトー、お前は気にならないのか?」
「・・・無駄口叩いてねえで、任務に集中しろ」
「・・・ラジャー」

ごまかすバトーにサイトーは苦笑いした。
753バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 00:51:15 ID:X+RemDpl
あの夜。
バトーは生身に擬似した素子をこの上なく愛しいと思った。
快感の波に成す術も無く、切ない声をあげてしがみついてくる素子。
小さく、弱々しく、素直で、守ってあげたくなる素子。
大丈夫だ。俺が付いてる。我慢するな。身を任せろ。いつも傍にいてやる。

あの時の素子は自分を男にしてくれた。
あの時の素子は自分が男だと確信させてくれた。

だから、あの時・・・俺は素子を愛しいと思っ。
現実の全身義体で力のある素子に対しての気持ちが揺らいじまった。
俺は・・・、素子のパーソナリティやゴーストを愛しているんじゃなく、
結局は身体を、女を愛しているってことに、気が付いちまったんだ・・・。

サイトーに命じたにも関わらず、
バトーは任務に集中などできず、あの夜の自分の決断を思い出していた。



754バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 01:06:02 ID:X+RemDpl
((緊急事態!!緊急事態だ!!))

電脳にボーマの声が響き渡る。

((どうした!?))

9課の皆は一斉に応答した。

((調印式場外100mの南側ベンチに爆発物らしきもの発見!!
 これから確認作業に入る!))
((2人で大丈夫か?))
((ええ、課長。タチコマを2機こちらに回して))
((分かった。やばくなったら直ちに報告。あとは任せるぞ))
((了解))

「・・・・大丈夫かよ?タチコマもたった2機で・・・。中止しねえのかよ調印式」
「まだ、確認作業だし、ボーマは専門だからな。それにここから100m離れてる。
 これで中止はないだろう、テロリストを活気付かせないためにも。
 しかし、これで緊張感が出てきたな。気を抜くなよ?バトー」
「抜いてねえよ・・・」

バトーはゆっくりと静かに答えた。
755バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 01:27:22 ID:X+RemDpl
こちらはイシカワ、トグサ、パズ。

「まったく、なんで・・・。調印式終わるまで警備に集中させて
 それから犯人探しでも良かったんじゃないの・・・?」
「まあ、腐るなトグサ。課長のことだ。犯人の目星がつく確信があるんだろう」
「そんな、馬鹿な。だって、この郵便局、首都の西半分を扱ってるんだぜ?
 局員だって千人単位。聞き込みだけで、1ヶ月以上はかかるよ」
「それは警察の聞き込みの場合だろ?俺らはこうするのさ」

イシカワは記憶探索装置を取り出した。

「これで、局員のここ1週間の記憶から”葉書”の取り扱い部分を選出する。
 そして、画像解析にかけ、例の葉書に該当するものをまた選出。
 すると、どの局員の手を渡ってきたか、逆探査が可能。
 そこから投函ポストを割り出して、あとは運良く防犯カメラが設置されていれば・・・」
「うわー、これって、警察じゃできない捜査・・・。郵便物プライバシー権大丈夫?」
「公安の特権ってやつだな。ちゃんと内務省の許可は取ってある。ほれ、この通り。
 警察からこっちに移って来て良かったろ?」
「やらせていただきます」
「よし。じゃあ、パズ。待たせてある局員を100人ずつここへ連れてきてくれ」
「了解」
756バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 01:37:38 ID:X+RemDpl
ボーマ、素子。

「どう?やっぱり前回と同じタイプ?」
「・・・そうだな。一応、X線当ててみるか。・・・・・ああ、やっぱり。
 なんで、こんなにアナログなんだ?予告といい、爆発物といい」

ボーマは確認するとテキパキと爆発物を開き始めた。

「ちょっと、大丈夫?課長に報告してないわよ?」
「大丈夫だ。一応、念のため・・・タチコマ、こっち側でガードになってくれ」
「了解〜♪」
「少佐、もう1機のタチコマ連れて離れてくれ。
 爆発したら多分、爆風はこっち側に流れるだろうから
 タチコマをガードにおいてその後ろに」
「分かった・・・」

春うららか、日差し穏やか、小鳥が鳴き、風が穏やかな広場で
ボーマの爆弾解体が始まった。
757バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 01:41:05 ID:X+RemDpl
ごめん、全然エロくないや・・・orz
続きはまた明日。
758名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 07:45:29 ID:LN6Amg6N
エロくないけど、切なくてイイ!
続きまってます!
759バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 09:41:09 ID:X+RemDpl
イシカワ、トグサ、パズ。

「しっかし、この時代に、郵便物って結構あるんだな・・・」
「日本の伝統。ご挨拶ってやつだろ?冠婚葬祭は郵便の方が趣がある」
「年賀状シーズンじゃなくて良かったよ、マジで」
「ん?・・・これ、じゃないか?イシカワ」
「ちょっと貸してみろ!・・・拡大だ・・・・・・画像解析・・・筆跡鑑定・・・・
 70%でコレがビンゴか」
「70%か・・・もう少し確信が欲しいな」
「一応、この記憶の勤務を洗って、そこから関連する勤務者を抽出。
 そいつらの記憶解析を最優先に行う」
「了解。つれてくる」

パズは勤務表から該当者を割り出し、職員が控えている部屋へと向かった。

「パズって、無口だよな・・・」
「お前がしゃべりすぎなんだよ。わからねーとすぐ質問するし」
「・・・素直でいいだろ?」
「はいはい、かわいい後輩だねえ・・・」

間もなくしてパズが20人ほどの局員を連れて戻ってきた。
イシカワは皆を一斉に記憶解析にかける。

「ん?・・・投函ポストが判明した。ここのポストの防犯カメラの映像は?」
「えっと・・・・・。あった!運がいいねえ・・・これだ」
「よし、再生。・・・・・・こ、こいつは!?」
「ホシは日本人じゃ無いのか・・・!」
((課長!課長!))
760バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 09:54:32 ID:X+RemDpl
素子、ボーマ。

「ふー、解体完了!」
「ご苦労だったな・・・」
「今回は前と違って子どももいないし、ただっ広い広場だったしな」
「・・・・そうね。それにしてもこの時代にこのアナログさ。ボーマの見解は?」
「一つはサイバーテロやデジタル式爆弾に慣れすぎている俺達の足裏を狙った。
 もう一つは・・・犯人がそこまで高等な技術や知能を持っていない」
「・・・・・後者の可能性なんてあるの?」
「発展途上国ではな。だが、そんな奴がここ日本でテロを企てるとは考えにくいと思うが」
「そうね。しかもサミットを狙って・・・」
「・・・・・・ん?何か引っかかるぞ?サミット・・・。難民受け入れ拡大のサミット・・・」
「どうした?」
「受入れ国は先進国だが、難民は発展途上国。
 そして、今回のサミットはその2極にある国での話し合いだったな?」
「そうだが・・・」
「調印。しない国はあったか?」
「ああ。・・・2国。難民を出している側のアフリカ大陸の共和国が」
「その首脳は調印式には勿論来ないよな?」
「!!ボーマ!それって!」
「もうひとつ爆弾はある!しかも調印式場だ!」
((課長!課長!!))
761バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 10:08:54 ID:X+RemDpl
サイトー、バトー。

「そろそろか?調印式」
「県警はちゃんと警護できるんだろうな?あいつら、俺達頼みで信用できねえ」
「オイオイ、そんなこと言うとトグサに叱られるぞ?」

記者も入り、司会者もスタンバイしている。
珍重な扉が開き、各国の首脳が入ってきた。
たかれるフラッシュ。並ぶ首脳。
司会者が話し始めて間もなくのことだった。

((サイトー!バトー!応答せよ!))
((なんだ?))
((先ほどイシカワと少佐からほぼ同時に連絡が入った。
  爆弾がそちらに仕掛けられている可能性が非常に高い。見つけ出せ!))
((見付けだすぅ!?もう調印式は始まってるぜ?))
((ボーマによると広場に仕掛けられていた爆弾もアナログ時計式だった。
  音を探れば分かる。バトー、お前の聴力を頼みにしているぞ。
  今、9課の全員をそちらに向かわせた。皆が到達するまで何とかしろ。
  今いる光学迷彩のタチコマを使って要人だけは守れ。いいな?))
((何とかしろったって!・・・わーったよ。サイトー。俺は耳を澄ます。
  タチコマのこと。任せたぞ))
((了解))
762バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 10:23:45 ID:X+RemDpl
バトーは自閉モードに切り替えて、電脳通信の一切を遮断した。
感覚のうち、聴力を残して全てを切る。そして、出力最大。
司会者の声。フラッシュの音。首脳同士の会話。記者のヒソヒソ声。
ペンを走らせる音。布のすれる音。タチコマのモーター音。
今聞いている情報からそれらを排除する。
チ・・・チ・・・チ・・・
聞こえる時計音から。音の主を探す。壁掛け時計。腕時計。懐中時計。
主の分からない音はあるか?
バトーは丁寧に会場の100人以上いる記者の腕時計を一つ一つ探っていた。
これはアイツの。これはコイツの・・・。
チ・・・チ・・・・チ・・・
この音は・・・どこだ?これは、記者団の方向じゃない。じゃあ、要人か?・・・違う。
県警?・・・違う。俺達?・・・・違う!
この音は・・・足元か・・・?!

「お前ら逃げろおおおお!」

バトーが叫び、会場はパニックに陥った

「会場の扉を全て開け!非常口もだ!首脳はあちらの出口から!タチコマ、警護しろ」
「了解♪」

光学迷彩を切り、姿を表すタチコマに首脳は驚いた様子だったが、
この状況では従うしかなかった。
バトーは壇上の床板を剥ぎ、爆弾を見つけ、取り出す。
いつ爆発するか分からない爆弾。
もしも調印式の開始時刻にあわせた物だったら・・・・。
763バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 10:37:10 ID:X+RemDpl
「まにあわねえ!!サイトー!お前も逃げろ!」
「な!?・・・何言ってるんだ!バトー」
「バカ野郎!ほとんどが生身のお前には無理なんだよ!これは俺がやる!
 早く行け!」

爆弾を自ら懐に抱え込み、ものすごい剣幕で叫ぶバトー。
サイトーはそれに従い、避難した。

((バトー!何を考えている!?))
((皆逃げている途中だ、外には投げれねえ。かといって悠長に解体もしてられねえ!))
((あと少しで到着する。それまで・・・))
((待てねえよ!もう調印時刻だ。犯人はソレを狙ってたに決まってらあ!))
((バトー!バトー!))

式場から人が全て出たのとほぼ同時だった。
素子達はサイトーと合流したところだった。

爆発音が響いた。

ドクンと9課メンバーに嫌な汗が放出される。

「バトー!バトおおおおお!」

素子は叫びながら式場の最後の扉を開けた。

764バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 10:45:40 ID:X+RemDpl
「旦那!」
「バトー!」
「・・・・・こりゃ・・・。救護班をまわせ!緊急収容だ!!」

式場の前半分が焼け焦げ、壇上が全てなくなっていた。
バトーはそこ爆弾を抱えてにかがみこんでいた。
”痛い”とも”大丈夫”とも言わず。意識の無いまま。
衣服が焼け焦げ、腹部が抉り取られるように負傷している。
口から流れ出す血液は、バトーに生身の部分があったことを再確認させた。
765バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 10:54:55 ID:X+RemDpl
「・・・・ここは?少佐・・・?」
「気が付いた?」

病室で意識が戻ったバトーに素子は平静と声をかける。
義体の交換と補強で体は遜色なく動くようだ。
痛みも疼痛分野の感覚神経を抑制されているのか、ほとんどない。

「生きてたか・・・。冷や冷やしたぜ、今度ばかりは」
「そうだな。だが、犠牲者はお前意外はゼロ。
 イシカワたちのおかげで犯人の逮捕ができた」
「そうか、そりゃ良かった」
「暫く休養していろ。有給はとってある。じゃあな」
「そりゃどうも・・・」

感動の生還であるにもかかわらず、なんとなく冷たい素子。
事務的な連絡をしたらすぐに立ち去る。
別れたから仕方ねえか・・・。
バトーは悲しい現実を受け入れていた。

「おっと・・・、少佐?・・・おお!バトー!気が付いたか!」
「イシカワー!」
「勇敢だったねえ。俺はお前の勇士に涙が出るよ・・・」

素子とほぼ交代の形でイシカワが病室に入ってきた。
766バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 11:15:19 ID:X+RemDpl
「いやあ、今度ばかりは流石のお前もダメかと思ったぜ。
 最悪は脳核だけ収容して少佐みたいに全身義体化かと・・・。やっぱりタフだな」
「そりゃどうも。どれくらい意識なくしてた?俺」
「今日で丸3日。大変だったぜー、その間に俺達も。少佐がらみで・・」
「少佐・・・?」
「ああ、まず、お前の負傷した姿見て、少佐の腰が抜けちまってさ・・・。
 それから病院に行き、お前が緊急オペとなったんだが、
 その間待合室でガクガク震えて、両側から俺達が支えてやらなきゃならなかった」
「・・・・そうか」
「それから集中治療室。これもずっとつきっきりでねえ〜。
 差し入れ持ってきたり、簡易ベッドを持ってきても全てお断り。
 食わず、寝ずでお前の傍にいた。さっきまでな・・・」
「そうか・・・」
「だから、俺は驚いてるんだ。少佐が出て行っちまって。
 せっかく、お前の気が付いたってのに・・・」
「・・・・・・」
「ああ、そうだ、体、動くだろ?義体化率が高いと楽だな。
 意識の問題が無くなったら退院で良いと言われてるんだ。
 ナースコール押しておけ。今日か明日で退院だぞ。有給は入れてある。
 ゆっくりと休めよ・・・」
「ああ。サンキュウ」

イシカワが去ってから、バトーはナースコールを押した。
  
 
 
767バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 11:34:57 ID:X+RemDpl
「お大事に〜」
「ありがとうな・・・」

見送るナースロボットにお礼を言って、バトーはその日のうちに病院を後にした。
向かった先は、素子のセーフハウス。
素子のセーフハウスはいくつもあるが、バトーが合鍵を持っているものは一つしかない。
よりによって素子がそこに居るはずがないだろうが、
今のバトーは素子の残り香だけでも欲しかった。

物理的な鍵を開ける。そして、次は電子錠。指紋認証。
意外にもバトーは全てをクリアした。
鍵を変える時間が無かったのか?それとも・・・
まるで、誘い込まれているかのようでもある。
バトーはセーフハウスに足を踏み入れた。

「・・・・住居侵入罪ね」
「お前・・・・・」
「イシカワから聞いたぞ。今夜退院だとな。
 それで、セキュリティの甘いここに進入されやしないかと思っていたら、案の定・・・」

タンクトップとショートパンツの素子が無表情でバトーを迎えた。

「病院からでたその足で現行犯逮捕か、それも悪くねえ」
「相変わらずね。何しにきたの?休養だったら、自分のところで休みなさい」
「進入されたくないなら鍵ぐらい変えろ。この前ビール置いていったろ?
 それを引き取りにな・・・」

バトーはソファーにふんぞり返る。
768バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 11:40:54 ID:X+RemDpl
「・・・・・」
「・・・・・体がまだ痛いんだよ。悪いが、持ってきてくれねえか?
 それを受け取ったら帰るよ」

素子はビールを取りに倉庫に向かった。

「これだけだと思うけど・・・バトー?」

ビールを1ダース抱えて素子が戻ってくると、バトーはまだソファーにふんぞり返っていた。

「バトー、これでしょ?・・・・バトー?」

反応がない。眠っているのか?それとも・・・

「バトー!バトー!」

体をゆする。反応がない。

「バトー!イヤだ!バトー!答えろ!」

どんどん声が大きく、深刻さを増す。それでもバトーは反応を示さなかった。
769バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 11:51:49 ID:X+RemDpl
「いやだ、バトー!死ぬな!私をおいていくな!バトー!」

体を叩く。涙声になる。そこで、バトーはようやく仮死モードを解いた。

「いてえ。傷に響く・・・」
「バトー・・・・・・」
「冗談だよ。イシカワから聞いてたうろたえる少佐が見たかったんだ」

みるみる内に素子の表情が怒りに変わる。
2,3発の拳は覚悟していた。だが・・・・

「おい、少佐?・・・どうした?」

予想に反して素子はソファーに顔を突っ伏した。

「少佐・・・」

緊張の糸が切れる。今まで抑制させていたものが一気に噴出す。
素子は体を震わせて、泣いていた。
今まで絶対にバトーには見せなかった側面。
その姿は小さく、弱々しく、素直で、守ってあげたくなる全身義体の素子。

「少佐・・・すまねえ・・・冗談が過ぎた」

バトーは素子の震える肩に手を置いた。
770バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 12:13:24 ID:X+RemDpl
思えば、素子は
バトーが満足するならとセクサロイドとしての扱いを受け止めていた。
バトーが幸せになるためならと別れることを選択した。
バトーが傷ついた時には心配で食も休も捨てて傍に居た。
バトーが回復したことを確認すると重荷にならないように自分から去っていった。

素子はいつも、俺を第一に考えてくれていたんだな・・・。
そして、俺に負担をかけまいと強い素子でいたんだ・・・。

その、切ない心に気づいたバトーは素子を抱きしめた。

素子はタガがはずれてしまい、今まで故意に行っていた抑制が利かなくなっていた。
涙は止まらず、腰も抜け、力なくバトーに身を任せる。
バトーはそれを察知し、ずっと抱きしめている。
時々頭を撫でながら、素子の気持ちが治まるのを待った。


771バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 12:34:58 ID:X+RemDpl
現実を把握し、涙の枯渇と共に、素子は我を取り戻してきた。
交代に恥ずかしさが灯る。

「落ち着いたか?」
「もう、大丈夫よ。バトーのつまらない冗談にうろたえてしまったな・・・」

素子はクールにバトーの懐からスッと立ち上がる。
それが強がりだということをバトーはもう分かっていた。
バトーはそんな素子をいかにも素子らしいと思った。そして、とても愛しいと思った。
そして今、抑制が効かなくなっているのはバトーの方だった。

「?ビールは返したぞ。まだ何か?」
「お前との関係も返上だ・・・」

素子の返事を待たずに抱きしめ、キスをして、ベッドに向かう。
服を荒々しく脱がす。見慣れた素子の体をきつく抱きしめた。

「・・・・住居侵入の次はレイプね。いくつ罪を重ねるつもりだ?」
「うるせえ。手加減できねえぞ、今回ばかりは・・・」
「いつも手加減していたの?」
「ああ、どこがどう感じるのかと、冷静な俺がいた。
 でも今回はそんなことできねえ。無理だ・・・・期待するなよ」
「していなかったわよ。いつも・・・」
772バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 12:46:00 ID:X+RemDpl
愛撫なんてものは出来なかった。
素子をきつく抱きしめ、キスをする。
そして、唇を離し、抱擁を緩めて見つめ合う。
再び、きつく抱きしめキスする。
その繰り返し。
とにかく、バトーは素子を抱きしめずにいられなかった。
体を触るとか、性器を濡らすとか、そんなことは無理だった。
ずっと懐に素子を包んでおきたい。
快感を自分が得るとか、素子に施すなんて考える余地も無かった。
素子はその原始的な愛情表現を、微笑みながら受け止めていた。
773名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 17:34:52 ID:LN6Amg6N
ナミダでパソ画面が見えません。。。
職人さん有難う。
最高にうれしいです。
774バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 21:37:59 ID:X+RemDpl
「すまねえ・・・。感覚切ってろ・・・」
「んっ・・・・!」

抑えのきかないバトーが乾いた体内に入り込んでくる。
素子はその痛みに呻いた。
バトーの言うとおりに感覚神経を遮断する選択も勿論あった、だが・・・・

これは私への罰だ。
今までバトーに対して素直にならずに接していた罰。
あの時、私情を挟んでバトーとコンビを組まなかった罰。
そのせいで、バトーを危険な目にあわせてしまった罰・・・。
この痛みが私への罰ならば、これで償えるのなら
私はあえて受け止めよう・・・。

素子は夢中になって動くバトーに身を任せた。
痛みに顔は引きつり、声をあげながら。

暫くして、バトーは素子の奥で弾ける。
その瞬間、二人は体だけでなく、意識の融合を感じた。
775バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 21:53:55 ID:X+RemDpl
3日後。

「旦那、復帰おめでとう!」
「いやー、良かった良かった。バトーの居ない9課はそりゃあ淋しくて・・・」
「タチコマも淋しがってたぞ」

バトーの9課復帰を祝っての飲み会が行きつけのバーで行われた。
初めて歓迎の扱いを受けて、バトーは照れくさそうに笑う。
そこに素子の姿は無かった。

「少佐、遅れてくるってさ。課長と一緒に」
「例の件の報告書か。・・・いろいろあったが結局、死者はゼロ」
「バトーのおかげだな。大した義体だぜ」
「そういや、あれから少佐と何かあったか?」
「はあ?・・・なにもねえけど?」
「旦那が意識無かった時、大変だったのよ、少佐・・・」
「それ、言ってあるぞ。トグサ」
「なんだ、知ってるのか。つまらんな・・・」
「メスゴリラの”バトおおおお!”は今年の俺の心一番のヒットだな」
「そりゃ必死だったんだぜ。俺がああなってもあそこまで心配してくれるかな?少佐は」
「当たり前でしょ?私の有能な部下だもの」
776バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 22:01:58 ID:X+RemDpl
「げ・・・!」
「少佐!課長も・・・いつの間に」
「勤務外だからって、気を緩めすぎじゃ無いか?お前たち」
「少佐、どこから聞いて・・・?」
「そうね、イシカワには後で個人的にサービスしていただくわ」
「う・・・コワー」
「ハハハハハ・・・」
「課長、乾杯の音頭、お願いします」
「よし。それではバトーの復帰と9課の益々の発展を祝って」
「かんぱーい!」

終わり
777名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:03:06 ID:4+bjmqRx
うわっ、ちょっと、嬉しさで言葉が出ないよ…!
待ってます!!
778名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:08:12 ID:4+bjmqRx
間違えた! 待ってましたです!!
乙でしたありがとう!
779名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:08:17 ID:sgV9CrjD
乙っ!
裸で待ってたかいがあった
切なくてでもハッピーエンドで良かった
面白かったよ!
780名無しさん@ピンキー:2008/05/29(木) 22:18:03 ID:ckzKRyHt
こいつは名作
職人乙
781バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/29(木) 22:20:44 ID:X+RemDpl
エロの部分が少ないうえに、任務の描写が多すぎて
エロパロを期待していた方々には物足りなかったかも・・・。
エロ目的の方には申し訳ありませんでした。
でも、自分で書きたい話書けたよ。(自己)満足。
782名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 00:15:43 ID:7aas7COy
カンドー!
バト素好きなんでよか!
次の話も期待してます!
783名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 19:41:54 ID:btT0zjJM
なんというGJ…
784名無しさん@ピンキー:2008/05/30(金) 20:02:44 ID:/68xRd+h
素子が妊娠する(正しくは代理母)エピソード思いついたんだけど。
残念ながらエロを絡められない・・・。
785名無しさん@ピンキー:2008/05/31(土) 19:46:06 ID:FaHZWiuC
エロなくても、読みたい!
待ってます
786バトー×素子(トグサがらみ)2:2008/05/31(土) 22:53:48 ID:GA9agGXD
とりあえず、始めだけ書きました。エロ要素少ないし、評判悪かったら止めますので・・・。


「最近、少佐の様子がおかしいと思わねえか?」
「俺もそう思う」「俺もだ」「俺も・・・」

素子と荒巻を除いた9課のメンバーが事務所でヒソヒソと話し合っていた。

「何かあったのか?バトー」
「なんで俺に聞くんだよ?サイトー。お前こそ、何か掴んでねえか?」
「あんなに肌出して歩いてたのに・・・」
「靴も変わったよな?」
「課長も意図的に少佐を第一線に出さないようにしているみたいだし」
「全身義体のメスゴリラが体をいたわる必要がなんであるんだ?」
「おかしいよな絶対・・・」

ガチャリ  
事務所のドアが開く音がすると、皆はさっと円陣を崩した。
素子と荒巻が入ってくる。
確かに今の素子は従来と違い、肌の露出が少なく体のラインが分からない服装。
その上にカーディガンを羽織り、スニーカーを履いていた。

787バトー×素子(妊娠がらみ):2008/05/31(土) 22:56:41 ID:GA9agGXD
ぎゃー!名前欄間違えた!すいません。


「さて、本日のミーティングだが・・・」
「ちょっと待った!その前に・・・。最近、少佐おかしくありませんかね?」

話し始める荒巻をイシカワが止める。

「馬鹿!なに素直に聞いてるんだよ!」
「いいだろう、別に。聞いたってよ」
「最近、少佐の服装が変わったって、今話していたところなんです」
「服の趣味が変わるということは、男か?なーんてなぁ?バトー」
「だから、なんで俺に聞くんだよ、サイトーは!」
「ああ。これ?・・・課長。言っちゃっていい?」
「まあ、良いだろう。皆は感づいておるし、安定期に入ったことだしな」
「それも、そうね・・・」

少佐は荒巻と意味深な会話を繰り広げている。
それにいち早く気が付いたのはトグサだった。

「安定期って・・・。それじゃ、少佐、まさか!?」
「お、何に気が付いた?新人」
「いや、俺の口からはちょっと・・・」
「何?なんで言えねえんだ?新人」
「俺達を差し置いて自分だけ理解するなんざ、ずるいと思わねえか?新人」
「プロトもアズマも居るのに、まだ新人なのかよ。俺・・・」
「トグサをいつまでもからかうな。私の口から言おう。少佐は今、妊娠しておる」

788バトー×素子(妊娠がらみ):2008/05/31(土) 23:01:16 ID:GA9agGXD
一瞬時が止まる。
彼らの電脳を駆使しても、理解に2秒を費やした。

「はあ!?」「なにぃ!?」「そんな馬鹿な!?」「嘘だろ!?」「マジですか!?」

それぞれに驚きのリアクションを見せた後、皆、素子の腹部を凝視した。

「そういうことよ」
「だって、少佐は全身義体・・・」
「一体誰との・・・?」
「コウノトリ?キャベツ畑?どこから拾ってきやがった!?」
「まあ、おちつけお前ら。ワシが簡潔に説明してやる」

興奮する皆を座らせ、荒巻は素子妊娠の真相を語りだした。

「これは少佐とは全く遺伝的に繋がりのない受精卵を少佐の人工子宮に入れた、
 いわゆる代理母妊娠だ」
「代理母って・・・確か、日本では禁止されていませんでしたっけ?」
「うむ。生身はな・・・」
「義体ならいいのかよ?・・・そんなわけねえだろ!?」
「・・・正確には、義体の所有が本人ではない。という条件が付く」
「つまり、公務員である私の義体は国の公安の所有物であるから、
 国がどう使おうと良いと言う事よ」
「それって・・・・人権問題じゃないですか?!」
「だが、それを縛る法律も無い」
「法律が無いからって!・・・少佐の体を好きなように扱っていいわけがないでしょう・・・?」
「お前もなんで引き受けたんだよ!?そんなこと」
「まあ、そう熱くなるな。私の義体の管理、メンテナンス、交換、すべて国が行っている。
 たまには国に貢献しないとな」
789バトー×素子(妊娠がらみ):2008/05/31(土) 23:04:07 ID:GA9agGXD
「けどよぉ!」
「既に妊娠6ヶ月で安定期に入っておる。中絶は不可能。もう引き戻せんことだ」
「っく!・・・だから、今まで隠してきたんだな!?少佐も親父も!」
「だから、熱くなるな、バトー。確かに、お前のそういう反応を予想できたから
 私も言わずにいたのかもな」
「なんだとぉ!?」

素子に掴みかかろうとするバトーを他のメンバーが押さえ込む。

「まあ、そういうことだから、あと4ヶ月。少佐は第一線の任務は行わん。いいな?」
「こら!サル親父!お前、なんで断らなかったんだ?!
 少佐の体を良い様に扱われやがって!」

バトーの怒声を背後に聞きながら、荒巻と素子は部屋を去っていった


今夜はここまでです
790名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 00:50:46 ID:FCTV1NFl
GJ!!
聞いてもいいか?
なんで素子とクゼのエロパロは少ないの?
791名無しさん@ピンキー:2008/06/01(日) 08:01:49 ID:GOHsJ9ML
普通におもしれえ。少佐の人権もだが、人工子宮も倫理面とかで問題になりそうだな
生身の子宮と同等の性能があるなら、受精卵さえあればもう母親の体イラネってことになるし
タチコマさん、コメントお願いします
792名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 14:42:57 ID:hnpDOail
  ( ∴)肉体も代用できる、ゴーストもエミュレートできる、
      だったら遺伝によって次世代を作るなんて不確実な方法は廃止すべきだと思いまーす。
(本音∴)(少佐ばっかりいいなー。ボク達も妊娠したいよぉ)
793バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/02(月) 17:16:56 ID:nkyVSuSZ
廊下を二人で歩く。荒巻は素子に合わせ、歩調を落とした。

「・・・・誰の受精卵を使ったか、言わなくても良かったのか?少佐」
「言った方が良かったの?ますます課長の身の安全は保障できないけど?」
「言った方が、楽だったかもしれん・・・。と思っただけだ」
「言った方が彼らをもっと苦しめたかもしれないのに?」
「・・・・すまないな、少佐。負担だろう?」
「少し腹部が重くて動きにくいけど、悪くは無いわ。最近、胎動が激しいのが辛いけど。
 その胎動も電脳化していない生身の胎児が伝えている
 貴重なデータだと思うと、不思議ね」
「ワシも最近、少佐の腹部の膨らみが目立ってきているのを見ると、
 不思議な感覚になる。
 自分の孫を自分の娘ではない女性に託すなど・・己の業の深さを感じるよ」
「私の所有物は脳殻とゴーストだけ、あとは公安9課に帰属している。
 ・・・トグサはともかく、バトーがあんなに怒るとは思わなかったわ。
 彼も私と同様に義体は9課の物だって実感しているはずなのに」
「任務に義体を使うのと、生殖に義体を使うのとでは感覚が違うのだろう・・・どうした?」

荒巻は固い表情の素子の様子に気が付く。

「さっきから電脳でバトーが怒鳴りまくっているの。うるさくて無視も効かない。
 自閉モードにしてしまうと、他の人からの連絡も付かなくなるし・・・参ったわ」
「今夜はバトーもお前も非番だったな?」
「そうね。今夜ちゃんと話し合ってみるわ」

素子は荒巻と別れ、大学の産婦人科研究棟へと進んだ。
794バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/02(月) 17:21:35 ID:nkyVSuSZ
夜。
素子は行きつけのバーにバトーと約束をしてた。

「待った?」
「いや、別に・・・」

カウンターに座っているバトーに声をかける。
バトーは素子とは目を合わせずにウィスキーを口に含んだ。

「昼間とはうってかわって静かね・・・。話し合わなくても良さそう?」
「馬鹿言え。感情をコントロールしているに決まってるだろ」
「そう・・・ここじゃ深い話、出来ないわね。場所を変えましょ」
「・・・・・」

バトーは酒の勘定をカウンターへ置き、無言のまま素子の後ろをついていった。
素子のセーフハウスは歩いて5分くらいだった。バトーと素子は入ってく。
素子はバトーのためにコーヒーを入れ、自分にはミネラルウォーターを用意した。

「さて、話を聞こうかしら?ここならほぼ完全防音。銃を撃っても隣は気が付かない。
 いくら怒鳴っても構わんぞ」
「用意周到なこって・・・。じゃあ、聞くがな!どうして、引き受けやがった!?
 義体による人工子宮はまだ実験段階!母体どころか、胎児の正常な発育も未知数だ!
 しかも自分の子じゃ無い他人の子を産む代理母ときてやがる!
 2重の実験体みたいなこと、何もお前じゃなくてもいいだろうが!?」
「いや、私しかいなかった。全身義体で公務員で女性。
 そして、代理母を自ら引き受ける者はな」
795バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/02(月) 17:25:43 ID:nkyVSuSZ
「だから、なんで引きうけたんだよ!?」
「この子の遺伝学的両親は法に触れる可能性を覚悟で代理母妊娠を望んだ。
 そして私は子どもを妊娠してみたかった。それだけよ。それ以上に理由が必要?」
「・・・・」
「人工子宮はそのパーツだけでは胎児は育たないわ。
 母体の脳下垂体から出るホルモンと卵巣のホルモン。
 そして胎児性胎盤のホルモン。それらが密接に絡み合って、妊娠を継続させる。
 自分が脳下垂体だけでも女性として正常であり、
 かつ、それに答える卵巣義体と子宮義体が私の個体に存在している。
 私はそれが体感したかったのかもしれない・・・」
「遺伝学的母親に対する人工子宮の義体適応はどうなんだ?
 ・・・その線もあっただろうが?」
「言ったでしょ?脳下垂体から出るホルモンが必要だと・・・」
「つまり、この子の母親は・・・」
「そうよ。・・・脳下垂体の腫瘍と神経細胞の腫瘍合併。・・・長くは無いわ。
 体も衰弱しており、妊娠に耐えられる体とは到底言えない」
「産んだ後はどうすんだ?現行法ならお前が母親になっても、お咎めなしだろ?」
「バトー。あなた、自分の両親の記憶ある?・・・私は無いわ。
 産んでも、この子をどう愛していいか分からない。
 だから、育てるのは私じゃ無いほうがいい」
「だからって・・・・」

素子がバトーの右手首を握り、腹部へといざなった。
796バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/02(月) 17:28:47 ID:nkyVSuSZ
「この子の遺伝学的両親は別の人だけど。出産するまでは、私が母親。
 そして、バトー・・・あなたに父親になってほしいの」
「な?!・・・何言ってやがる!」

突然の提案にバトーはうろたえる。
嬉しいような、恥ずかしいような感覚がジンと体を伝わった。

「妊娠初期はまだ耐えられた。代理母が私のワークとして考えられた。
 でも、ここに来て父親が欲しくなったのよ。妊娠期を耐えうる心の支えが。
 仕事が終わって一人へ帰ってくると体を伝わる空しさ。
 おなかを蹴る赤ん坊とそれに素直に答えられない自分・・・」
「少佐・・・」

バトーは膨らんだ素子の腹部に胎動を感じて、
暖かな手でおそるおそるそれに答えるようにおなかを撫でた。

「こんな心細い気持ちになったのは初めて。誰かにすがりたくなったのも・・・。
 お願いよ、バトー・・・」
「・・・他の奴らや課長にそのことは言うのか?」
「言わないわ。私が父親としてのあなたに望むことは2点だけ。
 仕事の後に毎晩私と過ごすこと。
 そして、この子に語りかけること。それ以上のことはしなくてもいいわ」
「反則だぜ・・・出っ張った腹を抱えて弱々しくお願いするなんざ・・・。
 出産までだ!それ以降はどんなに泣き付かれても俺は応じない。いいな?」
「ありがとう・・・」

微笑んで身を預けてくる素子。
バトーは素子ごと、おなかの子どもを抱きしめた。


797名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 21:30:25 ID:RdV7gcI3
早く続きが読みたい!
課長の孫って!!!!
798名無しさん@ピンキー:2008/06/02(月) 23:23:18 ID:YFZrUNRi
ぐ1!!
799バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/03(火) 17:40:55 ID:EKG4Lcgf
「最近、バトーの様子がおかしいと思わねえか?」
「俺もそう思う」「俺もだ」「俺も・・・」

素子とバトーを除いた9課のメンバーが事務所でヒソヒソと話し合っていた。

「何かあったのか?ボーマ」
「なんで俺に聞くんだよ?サイトー。お前こそ、何か掴んでねえか?」
「態度、変わったよな?」
「なんだかやけに親切だよな」
「時々鼻歌歌ってるし、仕事終わったら付き合い断ってすぐ帰るし」
「おかしいよな絶対・・・課長は何か知りませんか?」
「さあな。・・・だが、奇妙ではある。仕事はしっかりとやっているようだが」

ガチャリ  
事務所のドアが開く音がすると、皆はさっと円陣を崩した。
バトーと素子が入ってくる。
800バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/03(火) 17:42:43 ID:EKG4Lcgf
「さて、本日のミーティングだが・・・」
「ちょっと待った、少佐。その前に・・・。最近、バトーおかしくありませんかね?」

話し始める素子をイシカワが止める。

「馬鹿!なに素直に聞いてるんだよ!」
「いいだろう、別に。聞いたってよ」
「最近、バトー変わったって今話していたところなんです」
「この浮かれ具合は女か?なーんてなぁ?ボーマ」
「だから、なんで俺に聞くんだよ、サイトーは!」
「で?どうなんだよ?バトー」
「別に、俺は浮かれてねえと思うが・・・。なあ?少佐」

バトーはバツが悪そうに素子をチラリと見た。素子は表情を崩さなかった。

「少佐は何か知りませんか?」
「さあな?人のプライベートを探るほど暇じゃ無いし・・・」
「別になんでもねえよ。気のせいだ。気のせい!」
「否定するところがまた怪しい。カジノで一発当てたとか?」
「ああ、そっちの方が可能性はあるな!どうなんだ?」
「本当に何もねえって!しつけえな」
「それで、仕事には何か支障が生じた?課長」
「いや、特にはな。バトーは良くやってくれている」
「じゃあ、別にいいんじゃない?」
「まあ・・・」「そうだけど・・・なあ」「うん・・・」

熱くなるバトーをよそに素子は上手く切り返し、一堂を納得させてしまった。
801名無しさん@ピンキー:2008/06/03(火) 22:51:02 ID:kvztQCC6
続きはありますか
802バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/04(水) 08:05:19 ID:YQJ/OihV
書き忘れてましたね、すいません。
続きあります。まだエロ出てきてないし・・・
803バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/04(水) 17:05:57 ID:YQJ/OihV
そして月日は流れ、素子は妊娠10ヶ月を向かえていた。
夜、いつも通りバトーと共に過ごす。

「大分でかくなったな・・・。元気に動いているし」
「そうね。いつ産まれても良いと言われているわ」
「産むときはどうすんだ?」
「ノーマル・ヴァギナ・デリバリー。と行きたいところだけど、分からないわ。
 陣痛って相当なものらしいし。感覚神経切っても痛いと聞く・・・。
それに、私の骨盤が果たして胎児を通してくれるかどうか・・・」
「希望は、普通に?」
「ええ、他の生身の人間と同じく、普通に産みたいわね。感覚神経もそのままに。
でも、胎児の命が最優先事項だから、産めないと医師が判断したら、
迷わずに帝王切開を受けるわ」
「その時、俺は・・・立ち会っても良いのか?」
「立ち会う気なの!?・・・別に良いわよ、そこまであなたにお願いできない。
 大丈夫、一人で産むわ」
「そうか・・・」
804バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/04(水) 17:07:13 ID:YQJ/OihV
そして、数日後。

((バトー!バトー!))

勤務中のバトーの電脳を素子の叫びに似た声が響いた。

((どうした?!))
((陣痛が始まった・・・うう・・・病院へ行ってるぞ))
((分かったよ。お大事に・・・))
((バトー・・・後で来て・・・))
((はあ?立ち会わない方向じゃ・・・?))
((ダメ!痛い!仕事が終わったらすぐに来て!))
((・・・分かったよ!無理するな。我慢できないなら感覚神経切ってろ))
「親父、早退だ。体調が悪い」
「何を言っておるバトー。冗談はよせ」
「特にでかいヤマも無いんだろ?だったら、俺の権利を優先するぜ・・・」
「あ!おーい、旦那!報告書は?」
「後で書く。とにかく今日は駄目だ!電脳通信も切っとくぞ」
「なんなんだ?一体・・・?」

バトーはすぐさま病院へ向かった。

805バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/04(水) 17:09:28 ID:YQJ/OihV
「草薙素子に面会だ!」
「どういったご関係で?」
「仕事上のパートナー」
「それでは面会できません。ご家族しか・・・」
「こっちは家族以上の付き合いだ!だから通せ」
「あの!ちょっと!困ります!草薙さんに確認を取ってきますので、お名前を」
「バトーだ」
「は?」
「バトーだ!それで通じる」
「では、こちらでお待ちください・・・」

暫くして、受付嬢が返って来た。バトーは素子の居る部屋に案内された。

「駄目!いたいいいい!はあああ」

息を吐きながら痛みに耐える素子。バトーはすぐにベッドサイドに着く。

「少佐!来たぞ!」
「バトーおおおお・・・・ハアーハアーああああ・・・・」

素子はバトーの腕にしがみついた。
陣痛の波が引くと共に冷静になり、再び波が来ると息を吐いて耐える。
素子は神経を遮断せずに、生身の痛みに近いものを体験していた。
そろそろか?という時に事態は急変した。
胎児心音の低下。まだ十分に開いていない子宮口。医師は緊急オペを決断する。
806名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 19:49:31 ID:L2RmoxK3
GJ
読んでて何か自分も痛くなった。ような気がした
男には生涯わからん痛みだが何かうつるわ
807名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 21:19:43 ID:+DeZmANs
GJ
なんだか面白いことになってるな
こういうの今までなかったから普通に楽しめるわ
808名無しさん@ピンキー:2008/06/04(水) 22:33:58 ID:ANugT9Aw
ハラハラ本気で祈りながら待っている私は♀。
809バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/05(木) 09:24:58 ID:0whCLXcz
なんか、昨日、途中で書き込めなくなった^^;今日は大丈夫かな?


「バトー・・・傍に居て・・・オペ室に一緒に・・・」
「俺がオペ室に入ることは可能なのか?」
「原則、胎児の父親だけです」
「バトーは妊娠中、私と共に毎晩を過ごしてきた。
 この子の父親と言っても過言では無い。
 オペ室入室を希望する」
「父親?・・・この子の遺伝上の父親はちゃんと居るでしょ?
 それに、あなたも代理母であって、本当の母親ではありません」
「な!?何言ってやがる!」
「あなたも、それを覚悟で引き受けたのでしょう?契約書もちゃんと書いてあるはずです。
 "子どもが産まれた後、一切の子どもに関する権利を遺伝上の両親に譲る"と。
 彼はあなたの恋人かも知れませんが、退治の父親ではありません。
 よってオペ室入室は許可できません。」
「このやろう!」
「よせ、バトー!・・・分かった、一人で行ってくる・・・」

素子は陣痛の痛みの中、バトーに微笑んでオペ室に消えた。
810バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/05(木) 09:26:25 ID:0whCLXcz
素子のオペ後の回復は早かった。
子宮義体の交換と腹部の皮膚の張替え。
骨盤を胎児が通っていないのでそれだけで済んだ。
1日入院の後、徒歩で退院となった。バトーと一緒に病院を出る。
産まれた子どもがどんな肌や髪の色をしていて、性別はどっちなのか。
代理母である素子には知ることが出来なかった。
腹部を見ることが出来ないようについたてが立ててあり、
素子の視界を遮るようにして医療者が新生児を連れて行ったからだ。
唯一つ、産声だけが、素子の記憶に焼きついたまま保存してある。

私の体から元気に産まれてくれた・・・・・

素子にとってソレだけが救い。ソレだけが代理母としての幸せ。

バトーと共に素子は妊娠期を共に過ごしたセーフハウスへと帰っていく


書き込めたようでよかった。続きは今夜書きます
811名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 19:49:31 ID:rJ3ncgnl
うわーん、少佐切ないです。
でも無事の出産にホッとしました〜
812名無しさん@ピンキー:2008/06/05(木) 22:48:24 ID:1UChQPtV
良かったあぁあ;(号泣)

なんかもうすごくリアル、現実でもありそう。
続き待ってます。
813バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/08(日) 09:26:12 ID:DjrRg1n2
すいません、忙しくてかけなくなっております!
今週中には書きます
814バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/08(日) 11:17:03 ID:DjrRg1n2
「今までありがとう。もういいわ・・・」

素子はセーフハウスの前でバトーに別れを告げる。

「もう一晩、一緒にいさせてくれねえか?」
「子どもはもういないし、私はもう母親ではない。それでも?」
「ああ・・・ちょっと買出しに行ってくる。待ってくれ」

そう言ってバトーは素子を部屋に入れたからすぐに外へ出て行った。
帰って来たバトーの腕にはサイボーグ用ケーキとシャンパンが下げられていた。

「出産祝いだ。今夜はパーっとな」
「・・・・・・そうだな」

二人でケーキを分け合い、シャンパンを口に含む。
どこか物悲しく、少し嬉かった。

「さて・・・シャンパンじゃ酔いが足りねえよな?」
「バトー・・・それはお前が飲みたいだけじゃ無いのか?」
「酔ってもアルコール分解酵素ですぐにシラフに戻れる。サイボーグは楽でいいねえ」

バトーは手際よくウィスキーのロックを造り、素子に渡した。
815バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/08(日) 11:18:33 ID:DjrRg1n2
「ブラッド・ブレイン・バリアのアルコール関門を最低まで下げるとすぐに酔える。
 悪酔いしたらアルデヒド脱水素酵素のお出まし。好きに酔えよ・・・」
「そうだな・・・」

素子は一気にウィスキーをのどに流し込んだ。
バトーは素子の平らになった腹部に目線を下ろす。

「信じられないでしょ?・・・あんなに膨らんでたのに。義体の交換と皮膚の張替えで元通り」
「妊娠していたのが夢みたいだよな・・・」
「夢ね・・・。疑似体験を噛まされていたのかもよ?私もバトーも、9課の皆も」
「そう思わねえとやり切れねえよな実際、代理母なんてよ。お前は良くやったと思うぜ」
「最初は自分の脳下垂体と高性能義体を試してみたかった。
 私欲が満たされる良い機会だと思っていた。それなのに・・・・・なんなんだ?
 この喪失感は?」
「それは俺も一緒だ。期限付きで少佐の体の変化に触れられるおいしい話だと思っていた。
 子どもは無事生まれ、邪魔者の居ない二人きりの時間を取れたのになんだ?
 この空しさはよぉ?」
「代理母とはこういうことなのだな・・・」
「代理母のパートナーってのはこういうことなのか・・・」

酒が入り本音がこぼれる。二人は代理母制度に対する愚痴を言い合いながら
最終的にはお互いを慰めあうように抱き合っていた。
816バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/08(日) 11:19:25 ID:DjrRg1n2
「バトー、酔ってる?」
「多分な。じゃなきゃ少佐にこんなことするかよ。妊娠していないのに」
「じゃあ、今夜の記憶、焼き切れる?」
「酔った勢いの記憶なら何度も焼いてきた・・・」
「そう、良かった・・・・」

素子は安心したようにバトーに口付けをした。

今日はここまで
817名無しさん@ピンキー:2008/06/08(日) 23:30:41 ID:a76ipdrY
うわ、またいい所で( ̄口 ̄;)
818名無しさん@ピンキー:2008/06/10(火) 00:30:46 ID:6RCGHeZ5
続きが読みたい!!!!
819バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/12(木) 09:28:32 ID:3OPkgKdg
愛?恋?思いやり?いたわり?
そんな気持ちで素子はバトーに接していなかった。

子どもを奪われた寂しさと怒り。

バトーのそのたくましく、でかい体に愛撫としてぶつける。
バトーもそんな素子の気持ちは承知の上だった。
素子の感情の高まりに合わせて愛撫を受け入れ、返す。

「はあっ・・・・っく・・・」

酒の威力も助けて、二人の体が熱を帯びるのに数分とかからなかった。

「もっと・・・もっとよ・・・」
「おおせのままに、少佐殿・・・」
「ああっ!いい!」

二人とも、特に素子は、やけになりながら愛撫を繰り返す。
バトーの体は素直に男としての反応を示し、
素子の体はしっとりと濡れてきた。
そろそろか・・・?
バトーは素子をベッドに横たえる。
素子もバトーを受け入れるべく仰向けになった。
820バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/12(木) 09:41:24 ID:3OPkgKdg
その時、素子の電脳は一昨日のことを不覚にもアウトプットしてしまった。
オペ室の手術台に仰向けに寝かされ、男の医師が覗き込む場面と
バトーが素子を覗き込んでいる今・・・・・
素子の体の熱はサッと冷め、とっさに身を翻し、ベッドから降りた。

「??」

理解に苦しむバトー。
素子は左手を顔に当て、”しまった”と言う態度を見せた。

「ごめん、バトー・・・できない」
「ここに来て生殺しってやつかよ・・・。そりゃねえだろ、俺が何か変なことしたか?」
「いいえ、問題は私にあるの。引き受け無ければよかった・・・代理母なんて・・・」

いかにも困った風の素子にバトーも熱が冷めてしまう。
ベッドに素子を座らせて毛布を肩からかけ、自分も隣に座った。

「酒・・・抜けちまったな・・・」
「ええ・・・そうね・・・今度はもっと強いお酒を用意しなきゃ・・・」

うつむく素子の肩をバトーは強く抱きしめた。

つづきは来週。待たせてごめん。
821名無しさん@ピンキー:2008/06/12(木) 11:30:02 ID:9Z7fadRN
ここに来て生殺しってやつかよ・・・。そりゃねえだろJK

しかしGJ。待ってる
822バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/16(月) 19:10:46 ID:qE0u2bJB
「少佐、・・・もう一度妊娠する気はあるか?」

バトーは素子に問いかけた。

「さあ・・・な・・・」
「代理母じゃあなく、正真正銘の母親として、妊娠する気はあるか?」

バトーは素子から離れ、自分のカバンの中を探りに行った。

「無理を言うな。出来るはずがないだろう?なぜなら私には・・・」
「卵子が無いってんだろ?」
「そうだ。私の体は脳殻のみ。
 脳細胞を採取して減数分裂を起こさせ、生殖細胞を作り出す技術はまだ無い。
 それどころか、脳細胞採取の段階で障害が起こる可能性が高く、
 体細胞に比して実験は凍結状態にある」
「少佐の卵子は・・・どこにもないと?」
「あるはずが無いだろう?学童期にこの体は義体化したんだ」
「では・・・これは何だ?素子・・・」
「・・・・・・こ、コレは!?」

823バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/16(月) 19:16:26 ID:qE0u2bJB
バトー左手に握られていたもの。それは筒状の密封試験管そして・・・

The reproductive cell OVUM
 code:100020938 2010 12 13 2000 10 10 M.K.

「前半の2010 12 13を採取日、後半2000 10 10を
 被験者の生年月日と仮定すると、どうだ?」
「M.K.は私のイニシャルか・・・出来すぎているわね。一体どこから手に入れたの?」
「大学病院。お前が手術を受けている間に。光学迷彩を使ってな」
「光学迷彩の私的使用は重罪よ?」
「そんなことは承知の上、だが今なら後戻りは出来る。
 大学側だってたった一つの卵子の盗難だ、
 遺伝子を半分しか持たない体細胞の出来損ないみてえな存在に大騒ぎはしねえ。
 しかし、コレが誰かの精子と受精してしまったら・・・妊娠が成立し、
 子どもが生まれてしまったらもっと事は重大だ。分かるだろ?」
「私が自分の遺伝上正真正銘の子どもを産んでしまったら。そしてそれが表に出たら・・・」
824バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/16(月) 19:19:23 ID:qE0u2bJB
「まず、卵子の入手先が問題になり、そして、遺伝子から父親が特定される。
 そして、俺は光学迷彩私的使用と極秘全身義体実験妨害の
 2重の重罪として国に負われる。捕まったら終身刑か死刑ってところ・・・か?」
「バトー・・・」
「素子。もし、妊娠したら俺と逃げる覚悟があるか?9課も国も捨て、俺と一緒に。
 いや、その前に、俺が・・・子どもの遺伝子の半分を司る存在になっても・・・?」
「バトーあなたにはあるの?・・・何もかも捨てて私と逃げる覚悟が」
「当たり前だ。でなけりゃ、こんな話持ちかけねえよ」

素子はゆっくりとバトーの試験管を持つ左手に右手を置いた。
825名無しさん@ピンキー:2008/06/17(火) 20:13:03 ID:EXrhlEic
わっふるわっふる
826名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 14:17:27 ID:1NUwLSAU
ネットは洪水だわ。
827名無しさん@ピンキー:2008/06/18(水) 18:09:29 ID:4RiyMoCt
9課は公僕だわ。
828バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/18(水) 22:38:42 ID:AAyxyxiC
「お願いするわ。バトー・・・」

素子は決意した瞳でバトーを見つめる。
了解したバトーはカバンを再び探った。
出てきたものは不妊治療で受精卵を子宮に戻す注射器のような道具と
膣壁を広げ、子宮口にアクセスし易くするクスコ。

「用意周到ね」
「ついでさ。罪を犯すなら一気にな・・・」

注射器に卵子を吸い込み、注入のための先端をつける。

「本当に一気ね・・・。医療行為も義体相手とはいえ医療法違反でしょ?」
「そういうこと。足を開いて、感覚神経を切って力抜け」
「いきなり?ムードがないわ」
「ムードは処置が終わってからいくらでも作ってやる」
「あら、できるの?」

829バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/18(水) 22:41:22 ID:AAyxyxiC
素子はクスリと笑い、ベッドに仰向けに寝て足を開いた。
クスコが体の中心に割ってはいると、ハアっと息を吐いて出来るだけ力を抜いた。
素子は痛覚のみを切っていたのでクスコの冷たさは感じられた。
バトーはテキパキと作業をこなす。

「っく・・・あ・・・」

卵子の注入時の奇妙な感覚に素子は声を上げた。

「これで、卵子は入った。多分な・・・」
「ありがとう」

クスコを除くと二人の体から緊張が解け、表情が和らいだ。
見つめ合って、微笑む。
覚悟と歓喜と不安が共通に存在していた。
そのまま抱き合い、キスをした。きつくきつく抱き合った。

「卵子は入った。次は精子だ・・・」
「ムードが台無しね。あなたらしいわ・・・」

首筋にバトーの歯が当たる。軽く噛まれ、吸い上げられる。
わずかな痛みが快感と共に訪れた。
830バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/18(水) 22:42:59 ID:AAyxyxiC
「っく・・・サディストだな・・・」
「でも、それが感じるだろ?大丈夫。これ以上痛くはしねえ」

バトーの大きな両手が素子の両乳房を包み込んだ。
上下左右に揺さぶられ、母指と示指が突起を擦る。

「はあん・・・。ああ・・・・」

素子もバトーの体を触り出した。

「あ・・・止めろよ、そこ・・・」
「感じるの?・・・もっと?」
「馬鹿やろ・・・あっ!」
「いいわ・・・もっともだえて見せて・・・」

バトーの普段から想像できない反応は素子を満足させた。
そのうちに会話は切れ、行為に夢中になってくる。
あとは、相手の愛撫に応じるあえぎ声のみ。
上になり、横になり、体をうねらせ、絡み合う。
バトーの下半身は再び隆起し、素子も十分に受け入れる段階まで体がほぐれた。
831バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/18(水) 22:44:34 ID:AAyxyxiC
「バトー・・・来て・・・!」
「いいのか?本当に・・・」
「いいわ・・・私たちの子ども・・・作りましょ・・・」

微笑んで腕を伸ばし、バトーを受け入れる体制を作る。
バトーは欲望と神聖さとが混合した不思議な感情で素子の中に割り込んで行った。

「うんん!・・・いい・・・。ああ・・・」

腰が動き、快感が高まる。
しがみつく腕。切ない顔。漏れる声。流れる体液。
全てが幻想のようで、リアルだった。
始めは耐えていたバトーも素子の反応に感化され、
コントロールできない快感の波が襲ってきた。

「あ・・・俺、もう・・・」
「いいわ・・・来てっ!」
「っく・・・・」

人を作る素の半分がバトーの体から素子の体内に放出される。
素子は恍惚に満ちた表情でその時を迎え入れた。
832バトー×素子(妊娠がらみ):2008/06/18(水) 22:59:28 ID:AAyxyxiC
事が終わって暫くの間、
バトーは右腕を素子の枕代わりに差出し、左手を素子の下腹部に置いた。
温かい手の平が下腹部をジンと温めた。

「どうする?これから・・・・」
「さあね?まだ妊娠したと決まってないし」
「逃亡先は南国がいいな、俺。ノンビリと自給自足」
「義体のメンテはどうするの?先進国じゃなきゃ無理よ・・・」
「じゃあ、日本の亡命受け入れ最大国のロシアか?寒い中で子育て・・・イヤだね」
「妊娠しても居ないのに、無意味ね。時間も無駄だわ」
「妊娠してねえと思ってる?卵子はちゃんとあったのに?」
「あなたに精子がちゃんとあるの?バトー」
「失礼だな。さっきあふれ出てたろ?
 ま、詳しい話は妊娠が確定してからってのは俺も賛成だけどな・・・」
「明日は早いわ。寝ましょ。お休み・・・」
「なんか、そっけねえな・・・」

それから、数ヵ月後。
素子は単身で9課を離脱し、姿を消した。
その理由はバトーにも他のメンバーにも知らされていない。


おわり


833名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 09:53:56 ID:bTYcClPE
乙。

正直に言わせてもらうと、一応警察だから、2人して違法行為を行うのは、
性格的になんか違うと思うんだ。
もしやるにしても、あの2人なら、一旦辞職するなりのケジメをつけてから、じゃないかな。
在職中なら、荒巻にも管理責任を問われるよね。
そんなに自分たちしか見えない2人じゃないと思いたいんだけど。

ごめんね、辛口で。
834名無しさん@ピンキー:2008/06/19(木) 22:26:52 ID:3yYeeo8s
GJ!!

少佐〜〜、バトさんも連れて行ってあげてよーーー!!
と咽び泣いてしまった。
素敵なお話を有難うです!
835名無しさん@ピンキー:2008/06/21(土) 16:17:19 ID:FOpTQiBz
>>833の作品に期待してる。何か書いて。
836名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 07:43:43 ID:hWlDSlkC
一見感情的で自分勝手かもしれないけど、
この少佐は現実問題としてふたりで逃げのびるのは困難だと判断して、
9課やバトー達ことも考えて、単独で失踪した感じはする。

残されたバトーさんも、苦悩していそうだけど、
少佐はそうするしか無かったと一応の理解は示しつつ、
どこかで少佐(と子供?)の無事と幸せを祈っていると思いたい。
切ないけどね・・・
837833:2008/06/22(日) 13:48:53 ID:jafhRmDO
他の書き手を批判した以上、私も自分の課題に対して、誠意を尽くさねば、
と思い、半年以上放置したままの作品を完結させたいと思います。
最近、このスレを覗かれた方には、どういう話が見えないかもしれません。
オリジナルな設定が加わっておりますので、本編の世界観を愛される方は、
どうかスルーしてください。

これまでの投下分

>513
>514
>528
>529
>530
>531
>532


今回の投下で、このシリーズは完結します。
規制があるようなので、一回で投下できるかわかりませんが、
作品は完成しております。
続きは −−おわり−− の文字が出るまで、
お茶でも飲んでお待ち下さい。

838百億の昼と千億の夜 7:2008/06/22(日) 13:53:39 ID:jafhRmDO
5 痕跡

 素子は、その時いつまでそこを留守にするのか、まだ見当もつかなかった。
 だが、そうでも云わないと、少年が失われてしまいそうな予感がした。
 クゼや女優のように、実体と脳殻を失い、データのみとなってもゴーストを維持している実例があるのに、
そして、少年は、誰よりもしたたかな意志を持っているのに。

 思い出から、意識を引き上げてみる。
 今、現存する物。
 アオイの墓。
 アレックスと、<弁天>
 そして、まだクゼの痕跡がない。
 アオイが本当に墓に入ってしまったら、クゼは宿主とともに消えたのか?
 彼は、あの頃にすでにネットを自由にさすらっていた。
 少年の助けを借りれば、自分のデータを移す場所など、簡単に見つけられるだろう。
 ネットとネットで結ばれたサーバーの、隙間のリソースは膨大だ。
 一つの人格として制御できる方法が見つかったのであれば、データは、それらのリソースに分散して格納する事など、問題にもならない。
 アレックスが、茅葺の手の中にあるのは、アオイとの別の取引があったせいではないか。
 そう推察するのは不自然か?

 素子は、ベッドから起きあがり、壁の電脳ネットプラグを引き出し、首の端子に繋ぐ。
 あてがあるわけではないが、クゼがアオイから離脱したのだとしても、ネットに痕跡は残るかも知れない。
 また、いっそ官邸のアレックスに直接アクセスすれば、彼女なら何かしらの情報を持つはずである。
 アレックスへのアクセスキーは、昼間、直接与えられていた。

 ―――アレックス――――
 キーを使ってアクセスすると、アレックスは簡単に答えた。
 <少佐、ご用でしょうか?
  仕事に関しての事とは思えませんが>
 <単刀直入に訊く。
  アオイはどうした>
 <肉体は、お墓に。
  意識は、ネットから去りました>
 <そのメイド服姿は、奴の趣味だろ>
 <遺言です。アオイから、総理への。
  私をこの格好で勤務させるのが、契約の条件ですから>
 <アオイは、ネットから消えたのか?
  奴は、どこに居る?>
 <ネットに存在する事に興味を失ったのでしょう>
 掴みどころのないその答え。
 論理回路に発展言語機能を持たない、出来の悪いアンドロイドの回答のように、イライラさせる。
 <なら、クゼは、クゼのゴーストはどこに行った>
 <それは、私では存じかねます。
  あの方は、私は嫌いです。
  凶悪テロリストなんて嫌いです。
  たとえば、今、中国のインドシナ国境での紛争に絡んで、
 米帝の武器供与でマッチポンプなんて事に関係するなんておぞましい考えの持ち主の
 事なんか、全然感知しません>
839百億の昼と千億の夜 8:2008/06/22(日) 13:55:22 ID:jafhRmDO
5−2 痕跡2

 <アレックス、そんなひねくれた答え方、誰が教えた>
 <少佐にはこう答えろと、テロリストの人が……>
 <…何処のサーバーに>
 <中央アジア、トルクメン共和国の反米帝組織レギオン・パンジシールのサーバーを
 拠点にしております。
 もちろんサーバー自体攻性防壁で武装しているけど、たまに、アルジャジーラのサイトに
 匿名で掲示板を公開して、西側諸国の行動について啓蒙活動を行っているみたいですよ>
 <…詳しいな>
 <それで、もし、少佐がアオイの事を訊きにきたら、
タイの美人カフェの個室チャットで待つとのご伝言です>
 <…連絡、取り合ってるのね>
 <ええ、今もメールを送って……返事来ました。
 チャットルーム、デンドロビュームの間で待ってますとの事ですよ>
 <待て、つまり、官邸のサーバーに、テロリストが自由に出入りできるのか?>
 <ご安心を。アオイが使っていた図書館のサーバーを私たちで連絡用に使ってます>
 <それで、アオイはどうした>
 <ネット上には居ません。何処のサーバーにも居ません>
 アレックスの言葉が、アンドロイドに戻った。
 <…お前が、私の事を嫌いなのは、良く判った。
  …アオイのゴーストも、何処にも居ないのか?>
 <たった一つの思いだけが、生きています。
  それが、お答えできる全てです>
840百億の昼と千億の夜 9:2008/06/22(日) 13:57:01 ID:jafhRmDO
7 探索

 ネット上の国境線を越えた。
 指定されたアドレスは、すぐに見つかった。
 電脳上で浮かび上がる派手な形状のサーバー。
 表面をエロティックな言語とイメージ、そして、映像化された女性たちは、
まだ少女の顔をしながら、際どい行為に没頭している。
 舌から糸を引きながら、猛々しく脈うつモノを舐め回したり、下で行為をしながら、
口に別の男の物が差し込まれていたり、ここが規制の網から外れた海外サイトだからだろうが、
 女の素子からすれば、エロを通り越してグロですらある。
 そんな看板映像を横目に、指定された部屋に入っていく。
 <ずいぶんな場所を指定したものね>
 <2年ぶりの逢瀬だ。その気になるんじゃないかと思ってね>
 クゼが、映像化してその場にいた。
 とてもテロリストには見えない、インテリジェントなドイツ人の変態男に扮している。
 <私は、アオイの事が知りたいのだけど、そちらがわざわざ私に会いたいなんて、
 私の知りたい事を教えてくれるためじゃなさそうだわ>
 <…ま、オレも自分の仕事の手助けが欲しいところだから、お前に連絡取ったんだがな。
 いいだろう。
 オレの話を聞いて貰う代償だ。
 彼奴を惜しいと思うなら、絶対に会うな。
 忠告したぞ>
 <……という事は、アオイはまだ「存在」するんだな>
 <なぜ、彼がそれだけ大事なんだ?>
 <あなただって、彼の才能を評価していたじゃない。気にして悪い?>
 <奴を追えば、お前は奴の術中にはまる。
 失いたくないと思えば、追うな。
 そして、奴が来たら突き放せ。
 いいか、俺は警告したからな。
 ……この件についてはここまでだ>
 クゼは話を切り替えようとした。
 <でも、私は……>
 イメージ化されたクゼが、素子の口を塞いだ。
 元々、このチャットルームはそういう部屋だ。
 バーチャルセックスのためのサイト。
 擬似感覚がある。
 <イヤ……>
 素子がクゼの腕の中で抵抗する。
 現実の素子は、簡単にふりほどくだろうが、このサイトでは、素子の肉体は、
生身の女性として設定されている。
 <お前らしくない、可愛い仕草だ>
 <気分じゃない。
 第一、あなたは私に用があったのでしょ?>
 クゼは、話題を変えることに成功したようだ。
 <それじゃ、仕事だ>
 しかしクゼは、素子を離さない。
 <オレが、今、国際的な反米帝組織に籍を置いていることは、女優から訊いているだろう?
 それで、今、中国とインドシナの国境に住むランファ族に関わっているんだが、
世界的武器商人ガリーズが手を回してきているんだが、その金の流れを調べてみた。
 ガリーズは英国系インド人とされているが、その正体は殆ど知られていない。
 だが、ガリーズがロンダリングしている最初の名義人の名前を見つけた。
 2代前のCIA長官、ダン・ロビン。
 このへんの事情について詳しく知りたい。
 インドシナ×中国の紛争の激化は、ガリーズが糸を引いている。
 それを暴き、オレとしては、少しでも武力紛争を沈静化させたい。
 上手くすれば、この紛争の元になった中国政府の、ランファ自治区に対する土地の強制接収と、
最初の抗議運動での虐殺事件も公けに出来るだろう>
841百億の昼と千億の夜 10:2008/06/22(日) 13:58:07 ID:jafhRmDO
 <で?>
 <CIAのコンピューターに侵入して、政府とガリーズの取引に関する情報を
抜きたい。
 それには、通常のシステムでは侵入できない。もちろん直接入るのも危険だ。
 「弁天」を中継サーバーに使いたい>
 <それは出来ない。
  公僕として、テロリストと取引など……>
 <総理に直接アクセスを取りたい>
 <あの女の潔癖さは良く知っているはずだろう?
  受けるはずが……>
 <受けるさ。
  ダン・ロビンの名を出せば。
  上手くいけば、中国・米帝の双方に圧力を掛けられる。
  悪い話ではないはずだ>
 <国家の重責を担う立場の者が、まさかテロリストの片棒を担ぐなんて事は…
  …まあ、国家を利用した誘拐事件もあった位だから、何があってもおかしくはないわね。
  ……ところで、離してくれない?
  擬似感覚とはいえ、鬱陶しい>
 <イヤだ>
 <あなた、ずいぶん変わったわね。
 なんというか……軽くなった>
 <これは…肉体という物理的な殻が無くなった事に由来する。
 オレは、アオイという住処を失い、ネット上の任意の複数のサーバーに、
己というものを分解して保存している。
本来は、ネットを遮断できる一カ所の記憶装置に有るほうがいいのだろうが、
物理的に存在しないオレに、それを確保する事は無理な事だ。
 ネット上に自己を置く以上、それを部外者にアクセスされても、内容が判らないように、
情報を分散させておく必要がある。
 そして、オレはネットの海の中に、ばらまかれて断片化され、そしてそれを、
ゴーストを持つ「オレ」が統合し制御している。
 だが、そのオレは、ネット上にある様々なものと並列化されてゆき、
オリジナルとしてのオレの存在に、ゴミのようにまとわりつき、
やがてオレは、自分のオリジナルを見失ってしまう。
 いいなぁ、帰るところのある「ゴースト」は……>
 わざとらしく羨む仕草。素子は、そのイメージで構成されたクゼを見つめた。
 <それは、お前自身の感想か?
 それとも……>
 素子の唇を、クゼが黙らせた。
 いっそう強く引き寄せられ、息が詰まる思いがした。
 このまま、胸を揉まれ、膝を割られ、そして行為へと移る予感がした。
 <…たぶん、今のオレは、オレじゃない。
 三分の一は、ネット上のたわごとで構築された擬似人格。
 三分の一は、あのガキの偏った知識。
 そして、六分の一ぐらいは、お前。
 残り僅かが、オリジナルのオレだと思う>
 クゼは、おもむろにクゼは素子を離した。
 <それじゃ、返事は女優にメールを送らせてくれ>
 クゼが、唐突にチャットルームから消えた。
 素子はつい呆然とした。
 <こんな所に、押し倒された上に何もされずに置き去りなんて、
意外と戸惑うものだな>
 呟きの向こうに、皮肉っぽい笑みを浮かべるアオイの顔が浮かんだ。
 <追ってると、不思議とその気になる……
 お前の狙いは、まさかそれか?>
 素子も落ちる。
 リアルの世界に戻り、唇の端を咬む。
 クゼの口づけの余韻ではない。
 記憶の端に残るものが、素子をそうさせる。 
842百億の昼と千億の夜 11:2008/06/22(日) 13:59:59 ID:jafhRmDO
8 情報

 「総理、アレックスからファイルです。
 ご一読の上、警備の方に渡してくださいとの事です」
 セルが、執務室の机の上に、書類ケースを置いた。
 茅葺は、早速開く。
 「アレックスからの要注意人物の入国リストだわ。
 仕事が速いこと。
 それから、9課からのメールもあるわね。
 それで、本来の作業の進捗状況は?」
 「あと3日ほどで、データの回復処理は終わるそうです。
 そして、事務手続きの必要な案件をリストアップして、検品を」
 「ありがとう。アレックスとの仕事も間もなく終わるわね。
 彼女、この件が終わったら、私の家で働いてもらうつもりよ。
 いろいろ留意することもあるから、他の人には渡せない。
 ご安心なさい」
 セルは柔らかに口許を上げた。
 「秘書官がおいでになっています。
 ただいま、エレベータから、このフロアに降りられました」
 「そう。今日も忙しいようね。
 セル、ラテをいれてくださる?
 二つよ」
 セルは、きちんと深くお辞儀をして退出した。

 官邸からの情報は、9課にも送られてきた。
 「…CIAの捜査官が入国したそうだ」
 荒巻が云った。
 会議室のモニターに、人物の写真とプロフィールが表示される。
 「入国時にすでに身元が割れてるなんて、どういう奴だ」
 「お姫様の顔なじみだそうよ。
 元は中南米担当。私も会ったことがあるけど、なかなか、掴めない奴よ。
 CIA嫌いの総理のお陰で、潜伏していた極東担当者にことごとく国外退去を願ったか
ら、
仕方なく寄越したのだろうけど、よっぽど人材がいないのね」
 素子は机の端にもたれて足を組み、状況の説明をつづけた。
 「今回、総理が我々に依頼したことは、もちろん、官邸の警備もあるけれど、
官邸にあるお姫様のシステムへのハッキングと、情報の漏洩を防止すること。
 官邸のお姫様および<弁天>の機密の保持、そして、ゴーストを持つGAIそのものを知られてはならない。
 <弁天>に張られた攻性防壁は完璧だから、そう簡単には突破できないとは思うけど、
相手はその<弁天>のオリジナルである<テオドラ>の設計者。
 同じタイプの戦略サーバーを持ち込んでいる事も想定しなくてはならない。
 そして、一方で、ある筋からの情報のなのだけど、中国・インドシナにおいての紛争に、
元CIA長官ダン・ロビンが一枚咬んでいる疑いがあるの。
 たった今、総理からその捜査についてのゴーサインが出たわ。
 総理にとっては、米帝への取引材料に使えるだけではなく、中国・インドシナに絡んだ中国軍の
少数民族虐殺事件の公表をちらつかせる事で、中国側も牽制できる」
 「それが、総理のご判断なら仕方がない。
 少佐、手配を」
 目を閉じて、じっと聞いていた荒巻が席を立った。
 「いささか、感情に走りすぎている気もするが、それがあの方なりの正義の
貫き方であれば、致し方あるまい」
 素子の側をすり抜けざまに、素子にだけ聞こえるように呟いた。
843百億の昼と千億の夜 12:2008/06/22(日) 14:02:48 ID:jafhRmDO
 アレックスは、総理に呼ばれて地下のフロアから階段を上がり、
一階のロビーを通って総理の控え室に向かう途中であった。
 予定のオランダ大使とのビジネスランチが相手の体調を理由にキャンセルされ、
官邸内で食事となったので、アレックスに話し相手として同席の誘いがあったのだ。
 アレックスは、官邸より外に出ることは出来ない。
 現在、彼女は国家の重要な機密の一つである。
 茅葺は、アンドロイドを装っていても、本来、普通の女性である彼女の気持ちが
少しでも紛れるならと、時折、時間を割く。
 それは、政治の世界に身を置き、家庭も持たずに張りつめた日々を送ってきた茅葺にとっても、
自分の立場への影響を気にせずにせず、気楽に過ごせる相手。
 エレベーターの前で、アレックスはある人影に気づき、思わず立ち止まった。
 「すまないが、受付はどこか知らない」
 人の気配に気づいたのか、男はアレックスに尋ねた。
 黒いサングラスと白い杖。
 アレックスの、その本名を捨ててしまうほどに忌まわしい記憶とともに知っている男だった。
 だが、相手は現在のアレックスの姿を知らない。
 アレックスは平静を装った。
 「わたくしは、官邸に勤務するアンドロイドです。
 介助させていただきますので、左腕の肱を掴んで構いませんか?」
 アレックスは、英語で云った。
 一方で、アレックスは、電脳回線でSPオフィスに警告を送る。
 「よろしく頼む」
 その男は、右腕を差し出した。
 アレックスは、その肱に手を添え、受付のスタッフに引き渡した。
 「有り難う。
 きみ、本当にアンドロイド?
 スペイン語訛りがあるよ」
 アレックスは、思わず絶句した。
 いや、そんな筈はない。電脳内では正しく発音されたデータが残っている。
 「冗談だよ。気にしないでよ。
 いろいろあるよね、人生はさ」
 黒い革手袋をつけた手をアレックスの口許に当てた。
 受付の奥から、事務官が出てきてアレックスに了解の合図を送ると、交代して対応をはじめた。
 「アポイントは受けております。
 アメリカ大使館のミスター・サンズですね。ただ今、担当を呼んでおります。
 ひとまず、こちらに」
 アレックスは長居をしたくなかったので、いそいそと立ち去った。
 サンズ捜査官。
 あの日、瀕死の傷の痛みに耐えていた頃、アレックスに義体提供を提案した人物。
 そして、彼女の兄弟たちをネタに、CIAへの協力を無理強いし、そして、
人でないものに変えてしまった男。
 入国したのはチェックしていたし、当然、彼は自分を捜しにきたのだということを
彼女は理解していた。
 相手にも、このアンドロイド体の中身がアレックスという事は気づいただろう。
 でなければ、訛りについて触れる筈がない。
 背中に冷えた感触がする。
 手術台の凍り付いた感触。
 アレックスは、不安をうち消すように、食堂に急いだ。
844百億の昼と千億の夜 13:2008/06/22(日) 14:09:40 ID:jafhRmDO
 アレックスは、総理に呼ばれて地下のフロアから階段を上がり、
一階のロビーを通って総理の控え室に向かう途中であった。
 予定のオランダ大使とのビジネスランチが相手の体調を理由にキャンセルされ、
官邸内で食事となったので、アレックスに話し相手として同席の誘いがあったのだ。
 アレックスは、官邸より外に出ることは出来ない。
 現在、彼女は国家の重要な機密の一つである。
 茅葺は、アンドロイドを装っていても、本来、普通の女性である彼女の気持ちが
少しでも紛れるならと、時折、時間を割く。
 それは、政治の世界に身を置き、家庭も持たずに張りつめた日々を送ってきた茅葺にとっても、
自分の立場への影響を気にせずにせず、気楽に過ごせる相手。
 エレベーターの前で、アレックスはある人影に気づき、思わず立ち止まった。
 「すまないが、受付はどこか知らない」
 人の気配に気づいたのか、男はアレックスに尋ねた。
 黒いサングラスと白い杖。
 アレックスの、その本名を捨ててしまうほどに忌まわしい記憶とともに知っている男だった。
 だが、相手は現在のアレックスの姿を知らない。
 アレックスは平静を装った。
 「わたくしは、官邸に勤務するアンドロイドです。
 介助させていただきますので、左腕の肱を掴んで構いませんか?」
 アレックスは、英語で云った。
 一方で、アレックスは、電脳回線でSPオフィスに警告を送る。
 「よろしく頼む」
 その男は、右腕を差し出した。
 アレックスは、その肱に手を添え、受付のスタッフに引き渡した。
 「有り難う。
 きみ、本当にアンドロイド?
 スペイン語訛りがあるよ」
 アレックスは、思わず絶句した。
 いや、そんな筈はない。電脳内では正しく発音されたデータが残っている。
 「冗談だよ。気にしないでよ。
 いろいろあるよね、人生はさ」
 黒い革手袋をつけた手をアレックスの口許に当てた。
 受付の奥から、事務官が出てきてアレックスに了解の合図を送ると、交代して対応をはじめた。
 「アポイントは受けております。
 アメリカ大使館のミスター・サンズですね。ただ今、担当を呼んでおります。
 ひとまず、こちらに」
 アレックスは長居をしたくなかったので、いそいそと立ち去った。
 サンズ捜査官。
 あの日、瀕死の傷の痛みに耐えていた頃、アレックスに義体提供を提案した人物。
 そして、彼女の兄弟たちをネタに、CIAへの協力を無理強いし、そして、
人でないものに変えてしまった男。
 入国したのはチェックしていたし、当然、彼は自分を捜しにきたのだということを
彼女は理解していた。
 相手にも、このアンドロイド体の中身がアレックスという事は気づいただろう。
 でなければ、訛りについて触れる筈がない。
 背中に冷えた感触がする。
 手術台の凍り付いた感触。
 アレックスは、不安をうち消すように、食堂に急いだ。
845百億の昼と千億の夜 13:2008/06/22(日) 14:12:48 ID:jafhRmDO

 ※すいません、ミスしました。

9 行動
 その日の夕刻。素子は官邸の庭を散策する総理を警護するふうを装い、
アレックスとの、作戦の手順を再確認していた。
 「……サンズに会ったの?」
 唐突に素子が訊いた。
 「思い出したくもない名前です。ラ・クカラチャで充分だと思います」
 「アブラムシ?、それはいい名前ね。それじゃコードネームはアブラムシで」
 今日のアレックスには、素子に対するいつものシニカルさがいくぶん和らいでいた。
 本来は、感情など簡単に消してしまえるアレックスが、こうして、あからさまに気分の移ろいを晒す相手はそれほど居ないが、それでも、その対象になると、女の素子でも、まさに南国の花がふさわしい瑞々しさに心奪われる。
 たとえ外側の義体を乗り替えようと、心の内から漏れてくる輝きは変わらない。
 この少女に心惹かれたバトーも、助け出し、側に置いたアオイも、熱帯の木漏れ日のようなゴーストが生み出すこのエネルギーに、癒されていたのだと思う。
 「最終的に、この手順です」
 アレックスは、素子にメモを手渡した。
 「ザッピングコードF12でご変換下さい」
 素子は、紙片にさっと目を通し、池に投げ入れた。
 瞬時に紙片は溶解し、跡形もない。
 「ご質問は?」
 「とにかく、急げ。そう理解してよろしい?」
 「はい。
 所定時間内にご帰還頂けない際は、どうぞご容赦を」
 「可愛い顔して、鬼のような事云うのね」
 「その代わり、作戦展開中は、万全の支援をとらせて頂きます」
 慇懃な礼の仕草に、素子は苦笑するしかなかった。
 「それから、ドイツ人は図書館でお待ちです。途中で合流なさって下さい」
 


 
846百億の昼と千億の夜 14:2008/06/22(日) 14:15:35 ID:pHyazcEL
 茅葺は、深夜だというのに、官邸の執務室に残り、数名の秘書と仕事を続けていた。
 電脳内に設定されたタイマーが時間を告げた。
 「みんな、今日はこのへんで。
 疲れたでしょう。ゆっくり休んで、と云いたいところだけど、今週いっぱい頑張ってちょうだいね。
 サンドイッチを用意させたから、お腹の空いた人は食べて行って。
 セル、私と、荒巻課長の分、八号面談室に運んでくれる?
 もう少し打ち合わせたいことがあるの」

 茅葺が、セルを引き連れ、その部屋に入ると、荒巻はキチッとした態度で一礼した。
 「作戦は、間もなく開始されます」
 「ええ、そのようね。アレックスとの接続がカットされたわ。
 セル、ここはいいわ。あなたは自分の仕事をなさい」
 バイオロイドは茅葺に跪いて礼をし、会議室の隅にしつらえられた電脳接続ブースに身をゆだねた。
 椅子に付属している電脳プラグを引出し、自分の電脳と接続する。
 「アレックスだけでは、不安ですか?」
 「彼女は優秀だわ。
 でも、<彼>には、別のプランがあるらしいの」
 「事前の作戦とは、内容が変わるのですか?」
 茅葺は、自らラテのマグとサンドイッチの箱を荒巻に差し出した。
 「CIAの捜査官が、官邸にいらしてね、表向き、外交官として、官邸の対米課にご挨拶だそうよ。
 彼を投入したという事は、本格的に、<弁天>にアクセスし、
アレックスの存在そのものを消去しようという魂胆なのでしょう。
 昼間、あの子に接触してきたわ。何があってもおかしくない。
 備えは万全にしておくに越したことはないでしょう。
 それに、私の任期も、先が見えてきたわ。
 今回、このような強引な形で情報を入手することになったのもそのせい。
 私は、あの国の独善的な正義を許さない。
 そして、父の暗殺を直接指揮したダン・ロビンが悠々自適に余生を送るのも。
 でも、中国寄りの政策の付けが、今まわってきているし、片づける宿題は山積しているのよ。
 ただ、これほど性急な手段をとれば、あなたにもご迷惑をお掛けするかもしれません」
 テーブルを挟んで、
 「総理、私は、ただ、粛々と、与えられた任務を遂行するのみであります。
 ご自身が正義と信じる事に対して、もし否とする民意が下ります時が来ますなら、
私は、私が信じた事に対して、責任を全うする覚悟もあります。
 部下たちの事は、ご心配には及びません。ただ上司の命令に従っただけですから」
 荒巻は泰然と、そして厳粛な態度で応じた。
 そして、声を落とし、静かにつけ加えた。
 あなたが、お父上を亡くされたあの日、あれこそを正義に悖る行為と云わなくて、
何が正義たりえましょう。
 あなたも、アレックス嬢も、政治の犠牲者だ。
 不正は正されなくてはなりません。
 閣下は、毅然となされればよろしい。
 私は、盾に、手足に成りましょう。
 それが、私の私情といえば、私情ですな」
 荒巻にとって、それが精一杯の告白である。
 pipi……
 セルがダイブして、意識をダウンさせたサインだった。 
 
847百億の昼と千億の夜 15:2008/06/22(日) 14:17:17 ID:pHyazcEL
 素子は、9課のダイブ室にいた。
 作戦開始まで5分を切った。
 ダイブシートにスタンバイし、ダイブを開始する。
 官邸のサーバーでアレックスを確認し、図書館のサーバーに入る。
 クゼを拾い、弁天のファイアウォールが開くのを待つ。
 イシカワは、ネット上から大使館のアクセスポイントを監視する。

 一方、トグサは、図書館に待機していた。
 見た目、一般人の彼の姿なら、警備に扮していれば目立たない。
 表向き、警備システムの故障で、臨時に来たガードマンという設定にしてある。
 弁天のファイアウォールに穴があるとすれば、ここが一番脆弱な場所になる。
 イシカワが監視しているネット上ではなく、図書館に物理的に直接侵入すれば、素子たちの作戦はひとたまりも無い。
 ここの情報が漏れている可能性は少ない。だが、ゼロではない。
 荒巻はバトーに、新たにCIAの諜報戦術支援サーバーが投入されている危惧を告げた。
 人の形をした、情報兵器。
 アレを使えば、物理的に侵入したポイントから、国家機密レベルの防壁を持つサーバーに対して、
 同等の処理速度で攻撃を加えることができる。
 そして、ひとたび弁天に侵入を許せば、弁天の制御システムをアレックスが担っている以上、
弁天は同じ連想変換システムを持つ相手の諜報戦術支援サーバーに完全に掌握される。
 だが、決して物々しい警備に出来ない。目立たぬように、中にはトグサが、
外には、光学迷彩で擬装したタチコマの中で、バトーが息をひそめていた。

 雨が降りだした。
 雨雲の動きで、あらかじめ屋根付きの自転車置き場に移動していたバトーだが、
屋根の下から出れば、その所在を知れてしまう。
 図書館の通りを挟んだ公衆アクセスポイントのボックスに、雨を避けたのか、
黒いコートの人影が飛び込むのが見えた。
 電脳内の時計が、作戦時間のカウントダウンを開始する。
 <トグサ、通行人だ。
 アクセスポイントのボックスに入った>
 <…了解。
 陽動に備えて、俺は反対側見てるから、だんなはそっちを…>
 ボックスの男が、手袋を外すのが見えた。
 5本の指がすべてプラグになっている。
 現在、アレックスの構築したセキュリティウォールによって、官邸のシステムは、
この図書館を唯一のアクセスポイントとしている。
 <トグサ、奴はハッカーだ!!!>

 あと10秒のカウントの直前、イシカワは異質な信号を感じ取った。
 「強制アクセスきています。ハッキング?」
 ボーマが云った。
 「少佐、だめだ、キャンセルを」
 イシカワの絶叫だった。

 バトーは、すでに自転車置き場を飛び出していた。
 タチコマごと、アクセスポイントにアタックする。
 直前、タチコマはストップした。
 システム・ダウン。
 「くそったれ!!!!!」
 バトーは、タチコマから飛び出した。
848百億の昼と千億の夜 16:2008/06/22(日) 14:20:07 ID:pHyazcEL
10 防壁

 素子に、イシカワの絶叫が届く頃、素子の意識は弁天の中枢に届いていた。
 だが、システムがフリーズしかけている。
 アレックス自体が稼働していない。
 まだ、外部から侵入された痕跡は無かった。
 唐突に、素子はアレックスが弁天から切り離されるのを感じた。
 そして、別のシステムが稼働しはじめた。
 凄まじい勢いで、新しい攻性防壁が構築されていく。
 <行くぞ。連中はアレックスがフリーズして、逆ハッキングが成功したと思っているが、
アレックスは釣り餌だ。
 奴らは偽の弁天サーバーに転送されている。
 擬装サーバーが解析される前に、俺達は仕事を完了させよう>
 クゼが、アメリカ大使館のサーバーにハッキングをかける。
 素子もアシストする。
 弁天の処理速度は群を抜いていた。
 相手の防壁を即時に計算し、対応する突破プログラムを構築するクゼもクゼだが、
それをアップした瞬間に反映される様子に、スーパーハッカー少年の幻影を見た気がした。
 凄まじい早さで、防壁のプログラムが書き換えられていく。
 その一方で、大使館の防壁に擬装プログラムを流しやすやすと突破していく。
 そして、作戦開始からから10秒後、大使館のアクセスキーを使って、
堂々とCIAのメインサーバーに侵入を果たした。

 一方、官邸の弁天内部では、停止されたアレックスに代わり、別の人格システムが侵入者と対峙していた。
 <あんたが、サンズか?>
 <テオドラのボーイフレンド?
 一筋縄ではいかない坊ちゃんだな。
 ……ほぉ、あの変換システムを解析したか。
 ぜひ、うちに欲しい人材だな。勿体ないよ>
 <自分を自分で諜報戦術支援サーバーに改造する奴よりはましだろう、下司野郎>
 <口喧嘩で時間稼ぎか?
 オジさんはそんなに暇じゃないんだよ>
 サンズが攻撃プログラムを放った。
 坊ちゃんと揶揄された人格システムは、攻性防壁を展開、破られかけても、
次々と再生して応戦した。
 <どうした、応戦一方じゃないか>
 そう強がってみせたのはサンズの方だった。
 一瞬、攻撃ブログラムを展開する手が緩む。
 バトーのタチコマを停止させた瞬間である。
 <坊ちゃん>はその機会を逃さなかった。
 いままで展開していた防壁を全て解除、弁天内部にわざとサンズの侵入を許した。
 しかし、サンズは、リアルとネット空間の双方での対応に追われ、僅かに処理に隙が生じた。
 <坊ちゃん>は相手にアセンブラ形式で直接バグを送り込んだ。
 
849百億の昼と千億の夜 17:2008/06/22(日) 14:22:32 ID:pHyazcEL
 バトーがタチコマを飛び降りた瞬間、タチコマが再起動した。
 <バトーさん、そいつを殺ってくれ。
 グラシェラの仇だ!!!>
 バトーの電脳に、直接声が転送されてきた。
 その苦渋の記憶とともにあるその少女の名。
 慟哭と憤怒の記憶が、バトーの中のスイッチを入れた。
 バトーは反射的に銃を構えた。
 バトーの姿を認め、相手はアクセスポイントのボックスから飛び出し、土砂降りの中を走り出した。
 赤外線機能により、バトーには、夜間でも相手の姿は昼間と変わりなく見える。
 バトーは、トリガーに力を込める。
 だが、銃は放たれなかった。
 照準の中で、相手の姿は小さくなる。
 「バーンだ、この野郎」
 吐き出すように、云った。
 この状況で事を起こしても、今回の作戦行動が極秘であるかぎり、その理由を証明する事はできない。
 なぜなら奴は、ここでは何もしていない。
 単なる通行人の立場だ。
 職業人としての冷静な判断だった。
 「再起動のタイムラグが無ければ、僕が仕留めた。
 この機体なら、システムの暴走で済んだのに」
 「済むか、バカが。
 そんな脆弱なシステムでこんな物騒なもの動かしているって事になったら、9課が潰される」
 タチコマがハッキングした相手に対して云った。
  
 素子たちが 目的の情報の収集をすべて完了するのに、さらに10秒。
 サンズからの警報がCIAのサーバーに到着する前に、クゼとともに撤退が完了していた。
 クゼは、必要な情報をたちまちコンパクトな暗号に変換し、素子に手渡した。
 <女優は、釣り餌と云ったわね>
 <ああ。彼女はサンズがサーバー化していると気づいたようだ。
 それに、高速言語で、自分の中に地雷が仕掛けられたこともね。
 だから、いっそ侵入させたら、という事で、向こうとこっちで二面作戦を取る事になっちまった>
 <アレックス無しで応戦できたわけ?>
 <ん?、ま、そうなるね>
 <あなたも、手際のよい事。どこぞの天才ハッカーかと思ったわ>
 <意識を共有していれば、そんな事もできるようになるって事で勘弁してくれ>
 そう言い残して、逃げるようにクゼはネットの海を越えて行ってしまった。
 
 
850百億の昼と千億の夜 18:2008/06/22(日) 14:28:18 ID:pHyazcEL
前レス訂正
 誤)タチコマがハッキングした相手に対して云った。
 正)タチコマをハッキングした相手に対して云った。

11 休日

 予備会談は無事終了した。
 すべては茅葺の思惑通りに。
 「ご苦労だったわね、アレックス」
 「いいえ、総理。楽しい冒険でございました」
 「あなたを脅かした方、いずれ天罰が下るでしょう」
 アレックスは、テーブルにラテを置いた。
 「もうすぐ、弁天の仕事も終わります」
 「…そう、寂しくなるわね。
 もっとも、寂しさを感じさせてくれるかしらね」
 茅葺は、いつもは砂糖なしで飲むラテに、少しだけ砂糖を入れ、静かにかき混ぜた。

 素子は二日の休暇が与えられ、結局海辺のセーフハウスに来ていた。
 バトーを誘うつもりだったのに、犬の具合が悪いとかで、一人で来る羽目になった。
 冷蔵庫を開けて、ビールを取り出す。
 目に付く場所に、アイスティの缶がある。
 買い物の時に、無意識に籠に入れてしまった。
 ……本当は、待っているのかもしれない。

 バルコニーのデッキチェアに身を預け、潮騒の音を聞いている。
 柔らかい眠りに包まれようとした時、ドアホンが鳴った。
 「誰?」
 「僕です」
 素子は、耳を疑った。

 立っていたのは、セルだった。
 カラーグラスを取ると、見知った表情を浮かべたバイオロイドだった。
 「約束だから、……来ました」
 素子は言葉を失った。
 言語中枢がフリーズしたように、何も言葉を見つけることができなかった。
 包み込むのに充分な広さの腕の中に、素子は吸い込まれるように、顔を埋め、抱きしめられた。
 バイオロイドは素子の口を塞ぎ、素子を求めた。
 「アオイ……お前がここにいるのか?」
 「あなたが云うから、ぼくはここに来ました。
 僕は、あなたを愛していると、ずっと云ってきたじゃないですか。
 あなたが、欲しいと言い続けてきた」
 クゼの一言が素子の頭に浮かんだ。
 どうやって、追い返す?
 この状況で、こんな風に抱きすくめられて、帰れと云える女がいるか?
 ……
 だから、僕は」
 素子は、嬉しいのか、戸惑っているのか、もう分からなかった。
 「わかった。
 お前のものになってやる」
 素子の方こそ、この時を待っていたのか?
 
851百億の昼と千億の夜 19:2008/06/22(日) 14:29:42 ID:pHyazcEL
 もう少年とは呼べない、立派な男としての振る舞いだった。
 素子の感じるのに合わせて、舌を這わせ、指を入れ、捏ねて、じらした。
 背中の稜線、うなじは云うに及ばず、肌の隅々に口づけ、愛おしんだ。
 素子は全身が総毛立ち、愛撫の及ぶその箇所箇所に、快楽の場所がある事を知らされた。
 手と足の指先の一つ一つ、丁寧に舐め上げられ、感覚は極限にたかめられている。
 「早くいらっしゃい…」
 吐息混じりに、素子が促した。
 「うん…」
 アオイの舌が、耳を嬲り、そして囁く。
 「勿体なくて、入れない…」
 そんな言葉さえ、媚薬のように、素子の背筋をざわめかせる。
 「それじゃ」
 素子は、アオイの腰を両足に挟み込み、自分の中にアオイを埋め込んだ。
 「い、」
 素子は、小さく声を上げた。
 全てを満たしてしまいたいのは、素子のほうだっだ。
 焦らされ、思いを募らされた。
 勿体つけて、大人のゆとりをかざしてかわしていたはずなのに、
彼を受け入れただけで、快感の波紋を感じる。
 「そんなに、私が欲しかったのか」
 アオイの腕の中で、只の女に変えられてしまう事が悔しくて、足掻くように囁く。
 海中に、潜水していく感覚にも似ている。
 全身を撫でていく快楽の泡と、息苦しいキスと、死のむこうにあるような静けさと。
 「少佐、僕は…幸せ過ぎる……」
 アオイは、自分を刺激しすぎないように、ゆっくりと身体を動かした。
 溺れてしまう。
 素子の知る少年らしい言葉。
 電脳感覚を共有しなくても、お互いの感情の深みにダイブしていくようだ。
 「ならば、私が思いっきり感じさせてやる」
 溺れて、落ちて行くのが怖いのか、一旦浮上することに決めた。
 素子は、膣をギューッと引き締めた。
 「ひどいな、もっと楽しみたかったのに……」
 無理矢理いかされて、アオイはぼやいた。
 「もっと楽しめる。夜はまだ来ない。
 ずっと抱き合っていよう。
 お前が、この腕から、もう去らないように……」
 アオイの瞳が、少し陰って見えたのは、素子の気のせいだったのか。

 気が付けば、満天の星空だった。
 二人でバルコニーに出て、ビールを飲む。
 「それにしても、セクサロイドは違法だ。総理はお前をどうするつもりなの?」 
 「うん、だから、間もなく廃棄されるよ。ただの試験体だから」
 「お前は、結局、普通のバイオロイドにされるのか?」
 「いや……」
 アオイは、言葉を濁し、空を見上げた。
 「どうした?」
 「怒られるから、云わない」
 その言葉の真意を、素子は推察できたのだろうか。
 クゼの言葉が、素子に迫る。
 <失いたくなければ、追うな>
852百億の昼と千億の夜 20:2008/06/22(日) 14:32:20 ID:pHyazcEL
12 停止

 「弁天、最終案件の置換作業に入ります」
 アレックスは、茅葺に電脳で通信してきた。
 「そう。
 その時がきたのね。
 痕跡すら、残さないつもり?」
 「データとして管理できない、生体としての記憶以外は、全て消去、あるいは置換されます」
 「それじゃ、私も忘れてしまうの?」
 「さようです。
 それが、彼、アオイの遺言ですから。
 もちろん、私の中からも、彼の全ての情報がデリートされます」
 「あなたは、それで、いいの、アレックス。
 愛していたのでしょう?」
 「私の中に、大切にしたい方の記憶がいつもあるように、
 アオイにも、それがあるのです。
 オンリーワンになりたいのです。
 私は、彼の気持ちに従うだけです」

 素子は、図書館に呼び出された。
 あの日のように、彼は、そこで待っていた。
 「少佐、ありがとう。僕は幸せだった。
 あなたを追って、僕はようやく、いっぱしの男になれた」
 「どうした、旅にでも、出るつもりか?」
 「ええ、肉体の死から、精神の最後の時まで、ずいぶんタイムラグが出来たけど、
 僕はクゼさんのようには生きられない」
 「もう一度、死ぬのか?」
 「僕は、もう死んでいる。
 多分、肉体の死とともに、本来の僕の霊魂ごと、死んでるはず。
 ここにあるのは、所詮、記憶が作り出した霊魂の幻影に過ぎないでしょう。
 クゼさんは云いませんでしたか?
 記憶のみで構成された人格は、記憶装置の中で、さまざまなデータ、いろんな記憶と並列化され、混ざり合ううちに、オリジナルとしての自己の人格の確立が難しくなることを」
 「聞いたような気がするわ」
 「僕はね、僕は、母親に、僕として愛されたかったんです。
 リマインダーや、様々な行動支援システムで良い子な行動をする僕じゃなくて、
 夕方の景色に心奪われて、どこまでも、どこまでも歩いていく僕を。
 情報の断片として、この世に残るのは糞食らえ、です」
 「私は、お前を愛しているぞ。
 そのひねくれた感性も、曲がった根性も、弱音を吐くお前も、星を見上げるお前も、
とても、……素敵だ」
 「嬉しいな……消去されることが……もう怖くない……」
 バイオロイドとしてのアオイの身体から、生体反応が消えた。
 素子は、倒れ込むその身体を抱き止めた。
 <僕の存在は、ただあなたの記憶の中だけに……>
 最後の最後に放たれたアオイからのメールが、素子の電脳に届いた。
 「お前なんか、お前なんか、私の記憶のなかからお前の断片を再構築して、この木偶に突っ込んで………」
 停止したバイオロイドは、所詮、ただの人形だった。
 あの皮肉めいた笑みは、氷のように冷たい表情。同じ顔つきなのに、こうも違うものか。
853百億の昼と千億の夜 21:2008/06/22(日) 14:40:07 ID:pHyazcEL
終章  潮騒

 寄せては、返して去る。
 波の音が。

 口づけの余韻も、愛し合った記憶も、のこっているのは、もう素子の中だけに。
 返しては寄せる波の音が、夜風に乱される素子の心に染みてくる。

 「感傷?
 そんなもの、とうに捨ててしまったわ」
 波の音だけの静けさに耐えかね、独り言を呟いてみるが、かき消されて自分の耳にさえ届かない。

 素子の中のアオイが笑う。
 勝ち誇ったような声で、素子に笑う。
 <ほら、僕は、あなたを手にいれた>

 もう居ない存在が、素子の中に有る。
 素子がその男を記憶から消してしまうと、彼は居なかった事になる。
 だから、素子は、嫌でも彼を忘れるわけにはいかない。
 
 寄せては返し、寄せては返し、
 返しては寄せる、波の音。

 素子の足の下の砂を、波が浚う。
 いずれは、素子の中の記憶を、時が浚う。

 浚われた砂が波を漂い、海中にまた降り積もるように、
 時に浚われた記憶は、ふたたびネットの海の塵となり、堆積していくのだろう。
 素子自身とともに。

 ネットは広大だわ……
 口癖のように呟いた自分を、嗤う
 広大な情報の海に、今はもうその痕跡はない。

−−おわり−−


 私のアオイの物語は、もうありません。
 茅葺女王様も、もうありません。
 この物語を書き切れた事に対して、皆さんに感謝します。
 ありがとうございました。
854名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 17:14:19 ID:XbQ7S/56
待ってた、待ってたよ続きをっ……!!
切ないけど…完結ありがとう。
本当に乙でした!! m(_ _)m(感涙)
855名無しさん@ピンキー:2008/06/22(日) 21:55:32 ID:lrMNkbb/
>>837
他所でも言ったけど、普通の感想の範疇に入ると思われる事に対して、
何の謝罪も責任も必要ない。その考えは今も変わってない。
それでも、待っていた話の続きを読めたのでとても嬉しい。
普通にGJや感動では失礼かと思うので、滅多に書かない濃い感想を書こうかと思う。

初代スレから読んでますが、毎回良作投下の職人さんだと思ってました。
特にアオイシリーズは、作品の世界観や登場人物の性格の理解なくして書けるほど簡単なものじゃないと感心してます。
クゼとアオイが絡む設定なんて、ほんとに面白いです。
読んでて一番感じるのは、職人さんの作品への深い愛情と理解かな。本当に攻殻機動隊が好きなんですね。
「神狩り」の山田正紀氏が書いた「イノセンス After The Long Goodbye」と変わらない読後感を感じます。
↑最後のこれ、最高賛辞として受け取ってください。

今は疲れて何もやりたくない気分でしょうが、気が向いたらここでもよそでも構いません。
何か書いてもらえたらと思ってます。ついでに、自サイトの更新もしてくれたら嬉しいです。
永い間、お疲れ様でした!





856名無しさん@ピンキー:2008/06/23(月) 21:46:00 ID:aiuQIL1F
――――――――――――ここまで読んだ――――――――――――
857名無しさん@ピンキー:2008/06/25(水) 21:14:14 ID:+sKoDgqT
俺がもし素子なら、間違ってもクゼと再会なんてした夜にゃあ・・・・・


泣きながら微笑んで下も大洪水で大変なコトになる。
だれか書いて
858名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:37:38 ID:o1iORXar
このスレももう856か…
859名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:42:04 ID:o1iORXar
素で何を間違えてるんだ自分orz
出直してきます…
860名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 00:58:17 ID:Dh2YVh28
素子×スネーク
861名無しさん@ピンキー:2008/06/26(木) 20:06:29 ID:ax7SWral
クゼ素は自分も好きだけど、投下少ないんだよなぁ…
862名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 00:11:34 ID:yKocCNqF
くぜは無表情なので、描写がむつかしい・・・。
笑顔も切なそうな表情も快感の表情もなし。


俺が素子なら萎える・・・
863名無しさん@ピンキー:2008/06/28(土) 00:45:58 ID:tS2aRTVw
萎えるな確かにwww
でもリンゴは食べられたんだからちょっとは動くんだよね
そこを拡大解釈して眉もちょっとだけなら寄せられるとか

柄になくセンチな気分になってクゼに大人しく圧し掛かられる少佐、しかし肝心のクゼは個別の十一人なもんで経験不足
終始無言でしかも無表情だからノって来てるのか気持ちいいのかなんなのか分からない
お前は人をなんだと思っているんだ!とだんだん憤慨してきた少佐が
「どうせならこれくらいやってみろ!」とくるたんやらんちゃんで鍛え上げた普段の本領を発揮
逆にクゼを押し倒して犯し返し、無口無表情は崩れないがそれでも荒くなる息と寄る眉根

…と思ったけど義体だからハァハァしないかorz
864名無しさん@ピンキー:2008/06/29(日) 20:12:39 ID:DSiTxwud
クゼを攻める素子
「気持ち良いか・・・?」
「ああ、気持ちがいい・・・」
だが、無表情で本当に快感を得ているのか判断不明。
(もしかしたら、気持ちよくないのに、気を利かせて言ってくれるのか?)
不安になる素子愛撫の手も弱気に。
でも、クゼ1〜2分ですぐ射精。
(あれ?そんな前兆ありましたっけ?)
な素子。
スゲー難しい・・・
865名無しさん@ピンキー:2008/07/01(火) 21:05:27 ID:IcJGg7z+
クゼ素スキーだけど、これは確かに難しいwww
866名無しさん@ピンキー:2008/07/03(木) 22:53:36 ID:ONwivI3Z
書こうとしてみたが無理・・・
867名無しさん@ピンキー:2008/07/04(金) 06:18:09 ID:Kk5G+18w
おまいらは、せっくるのとき、そんなに明るい部屋でやっておるのか?
そうなのか…
868名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 00:37:38 ID:iUNPF8PA
クゼ×素子は好きだけど、
結局は繋がることの出来ない運命であり、そこに萌える。
2ndもそんな感じに取れた。結局バトー×素子のスパイスみたいな?

行ってしまうクゼ、追う素子。でも、追いつけずに。。。。
で、バトーや他のメンバーが落ち込んだ素子に手を差し伸べると
こういう形が二人にはあうのかもね。
869名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:08:54 ID:ZdC3Cc6r
今日は七夕ですが、
バト素でやるなら男女逆転だな。

少佐に会える日を夢見てせっせと地道に機を織る織女バト
暴走する牛(笑)を引き連れ銀河を駆け巡り好き放題いろいろやる牽牛素子
橋をかけるカササギは勿論タチコマ

ということを考えたのだが如何だろう。
870名無しさん@ピンキー:2008/07/07(月) 22:31:57 ID:kzpGeizC
牛はジガバチあたりか
871名無しさん@ピンキー:2008/07/10(木) 22:31:36 ID:ECsaG9Q1
よいしょ
872名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 00:32:31 ID:1EcXSIYJ
昨日2.0が公開されたわけだが、ここの住人さんで観に行かれる方はいらっしゃるのだろうか。
私は総理の人形使いが結構複雑だったりするのだが。
873名無しさん@ピンキー:2008/07/13(日) 00:42:22 ID:/jIoEMRK
>>872
もう始まった?忙しくて忘れてた。
一応、見に行く予定。人形使いは、家弓家正さんが良かったかな。
榊原良子さんは、やっぱり総理でいてほしいね。
874名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 11:40:16 ID:9Q+ji3Px
しょーさぁー♪(*´д`*)ハァハァ
ttp://zephyrdo.btblog.jp/ig/b/kulSc07CM4546588F.jpg
875名無しさん@ピンキー:2008/07/16(水) 20:29:39 ID:kOp+br6V
できるならグロは張らないで欲しい
876名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 08:05:53 ID:BAPJQESj
なんか書こうかな
877名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 08:47:00 ID:BAPJQESj
『豊満窮化・1』

9課に新たな戦闘用スーツが支給された。

荒巻「スピーデュオ社製の新型スーツ『通称:トビウオ』だ。防弾防水はもちろん筋力を著しく向上させる機能を持つなかなか使えるアイテムだ。ちとタイトすぎるがな・・・。」


少佐「タイトすぎて鬱血する前に任務を終わらせなきゃな。3分のタイマー付きか?」


バトー「筋力アップだってよ。良かったじゃねぇーかトグサちゃん!これで俺並に動けるじゃねぇーか!」


トグサ「このスーツでゴリラがキングコングになっちまうなぁ・・・。」

荒巻「しゃべっとらんで早く着替えてこい!」


――10分後――


バトー「こりゃ・・・本当にキツいな。タイトどころじゃねぇ。」


トグサ「ぐ・・・ぐるしぃ。」


少佐「これで任務が楽になるんなら安いもんじゃないか。着てるうちに馴染むだろう。」


バトー「少佐・・・(体のラインが丸わかりじゃねぇか!!くっ、こりゃたまらん!!)」


少佐の豊満な乳はキツく締め付けられ、動く度に微振動を立てた。
乳首は突起し、スーツの反発力で押し付けられ横に倒れた形となった。黒光りしたボディスーツは艶めかしさを強調した。


バトー「(任務どころじゃねぇ。)」


サイトー「・・・ゴクリ。」


少佐「行くぞ!」



続く
878名無しさん@ピンキー:2008/07/17(木) 21:02:03 ID:XOdr5Q9S
サイトーwww
879名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 00:17:01 ID:MFqP4UQI
がんばれ!
880名無しさん@ピンキー:2008/07/18(金) 00:18:59 ID:o9je67C1
続・・・続け続けwww
881名無しさん@ピンキー:2008/07/21(月) 21:37:24 ID:exLm/PxL
保守
882名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 01:08:31 ID:wRfMxmi/
えっと、この場合、男性陣もとってもセクシーですよね・・・?


トグサの姿がみたい!
バトーはどうせソコ改造してるだろ?
サイトーは大きさ関係ない。
883名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 14:51:21 ID:9t8Z0vfI
セクシー…自分はスト○ッチマンを想像してしまった
884名無しさん@ピンキー:2008/07/23(水) 22:40:38 ID:T/GMNe9t
どこに溜まるんですかストレッ○パワー(笑)
885名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 07:03:14 ID:3Wu6TsxS
スト〇ッチマンバトーとかただの変態じゃまいか(笑
886名無しさん@ピンキー:2008/07/24(木) 23:48:14 ID:pjWGRLUl
○○○○ △○○△ □○△
887名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 04:27:45 ID:m9KYfAOH
少佐「標的は武装メイドロボだ。ハッカーが新たな御主人様らしい。各自タチコマと行動し発見次第派手に遊んでやれ。」

少佐はヘリからビルに飛び降りる体勢をとった。

ぷくっと盛り上がった恥丘を見つめるバトー達

バトー「さすがに勃起はコントロールできねぇ・・・立派なマテバだなトグサ・・・」


トグサ「・・・。」


少佐「テントを張ってないでアンテナを張れ!先に行くぞ!」

ヒュッ!




ダンッ!!

着地の衝撃で少佐の股関に振動が走った。少佐はすぐに異変に気付いたが快感をこらえ、メイドカフェ通りへと消えた。

メイドカフェ通りに着くやいなや少佐を銃弾が襲った。しかし少佐はダメージを受けなかった・・・・そしてコンマ数秒後、快感が少佐を襲った。


少佐「うぅっ・・・(なんだこれは・・・ダメージがすべて愛撫に変わるような感覚・・・スーツの特性か?)・・・あぐっ・・・た、タチコマ!早くこのスーツを脱がしてくれ!」

タチコマ「はーい!・・・ん?ここかな?・・・ウィーン・・・グリグリ」

タチコマアームが少佐の股間を容赦なく責めた。
少佐「くっ・・・違う!着脱フックは背中だ!しかしなぜ濡れるんだ・・・防水のはずだが・・・あふっ・・・ぁんっ!」

タチコマ「えーとですねー、発汗による蒸れを外に逃がす為に中からの水分は染み出る仕組みになってるみたいですねぇー。ウィーン、グリグリ・・・ウィーン、グリグリ」


少佐「も、もうだめだ!タチコマで・・・逝・・・く・・・っ・・・」



少佐は体をヒクつかせながら大量の潮を思い切りぶちまけた。


タチコマ「ワーイワーイ!天然オイルだー!ウィーン、グリグリ」




その一幕を2キロ先のビルの屋上で、じっと見つめる者がいた。



サイトー「・・・・・少佐ぁ・・・ハァハァ」



続く
888名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 04:29:05 ID:m9KYfAOH
↑「豊満窮化・2」ね
889名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 08:53:08 ID:uBWvBp8w
これが馬鹿の天才か
890名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 12:52:36 ID:SWVgSTQa
こいつはすげーよ。
おいらにはとてもできねー。
891名無しさん@ピンキー:2008/07/26(土) 17:06:52 ID:33zbCUf6
コンマとマンコ
892名無しさん@ピンキー:2008/07/30(水) 02:17:07 ID:P1E2CBZB
どっこらしょ。
893名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 07:21:54 ID:pXse6DL9
スカイクロラが攻殻ファンサービスにしか見えない件
894名無しさん@ピンキー:2008/08/04(月) 12:09:24 ID:zUefcxeZ
マジで?じゃあ見に行くことにしよう
895名無しさん@ピンキー:2008/08/12(火) 00:39:06 ID:B9D6VCPH
保守
896名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 02:25:05 ID:HNj6yc4Z
age
897名無しさん@ピンキー:2008/08/16(土) 09:02:58 ID:dh0/7DkS
海坊主って聞くと
皮なしの巨大なナニを連想するのは俺だけなんだろうか
898名無しさん@ピンキー:2008/08/17(日) 14:30:47 ID:qpqIKUpl
皮なしなんだww
899名無しさん@ピンキー:2008/08/21(木) 18:41:00 ID:n4xvSKMd
保守
900名無しさん@ピンキー:2008/08/25(月) 21:18:12 ID:Ad021qlV
900げっと
個人的には「クサナ」ギの937が取りたい
901名無しさん@ピンキー:2008/08/29(金) 07:04:06 ID:qWu5Xhk3
保守
902名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:45:44 ID:Laqtwh3B
以下注意書き
・設定は2ndの後
・元作品と整合性に欠ける所あり
・最初から最後まで明るい話ではない。
・エロは多少あるが、メインではない。

特に鬱設定が苦手な人には、スルーを推奨します。
903水面下の休息1:2008/09/06(土) 17:48:38 ID:Laqtwh3B
 快晴で波一つ立たないこの海に、私は、もう幾日も停泊したまま過ごしている。
 やるべき事もなければ行くべき場所もない。もちろん、時間を気にする必要もない。
 組織を離れる事への怖れなど微塵も無かったが、さすがに退屈をもてあます。
 タラップを上りデッキを見回しても、いつもなら必ずそこに居たはずの相棒はいない。
 私が海面から顔を出すと、苛立ちを隠そうともせず、いつも咎めるような視線で私を
見つめていた。
 相棒が差し出す右手につかまりデッキへ上がると、彼は決まってこう言った。

「フローターが止まったらって考えた事は一度もないのか……」
「ないわね。止まったら止まった時の話よ。それとも助けてくれるの?」

 返事はなかった――
 何か答えが欲しかった訳じゃない。
 それほど好きでもない海に、誘えば必ず来てくれる。
 それが返事だと聞かなくてもわかっていた。
 私に何かあれば、それが私でなかったとしても、目の前にある危機を見逃す様な男ではないと信じていた。
 その信頼に、いつも甘えていただけなのかもしれない。
 その相棒を裏切る形で姿を消した今、彼が私の事をどう思っているのやら……
 余り考えたくはなかった。

 その日も、朝からダイブを繰返していた。
 何度も何度も潜っては浮上し、浮上しては潜った。
 何が楽しいと言う訳でもなかったが、泳ぎ疲れ寝そべるデッキの上で顔面を照らす真夏の陽射しを浴びていると、言いようのない奇妙な快感を覚えた。
 こんな単純な行動の繰返しが生きるということなのかと、そんなつまらぬ事を考えたりもした。
 気がつけば陽は西に傾き、あと一度だけ潜ったら、今日はこれで止めにしようと思った。

 フローターにつかまり、一気に海底を目指す――
 小魚の群れを掻き分け爽快に飛ばした。
 途中海面を見上げると、小さなクラゲ達の群れが透き通る体を揺らしながらゆっくりと頭上を横切っている。
 汚染が進む海にはあれが大量発生すると聞いていたが、きれいに見えるこの辺りも、
案外汚染が進んでいるのかもしれない。
 数年後は潜る事も叶わぬ海になってしまうのだろうか。
 そんな事を思っているうちに一番深い場所まで辿り着いた。
 船からそう離れた距離でもなかったし、あとはいつもの様に浮上すればいいだけだ。
 それで今日一日は終わる――
 そう思いフローターを作動させたその瞬間、それは何の前触れもなく止まってしまった
904水面下の休息2:2008/09/06(土) 17:50:48 ID:Laqtwh3B
 何度も始動を試みたが、それは思う様に動いてくれない。
 義体のメンテナンスばかりを気にかけ、フローターの事などすっかり忘れていた。
 自らの落ち度に舌打ちしたい気分になる。
 舌打ちなどしている暇はなかった。
 空気タンクのゲージを確認する。残された時間は余りない。
 賞味2、30分といったところか……。
 水圧に逆らい海底を這って船の下まで辿り着いたとしても、タラップまで浮上しなければならない。
 義体の重みに逆らってそんな事ができるだろうか?
 生身の人間なら、浮上する可能性は残されているが……。

 ここは素直にレスキューを要請するのが賢いだろう。
 すぐに通信ウインドウを開き救難信号を発信した。
 だが、レスキューからの応答はない。
 通信障害? 直接呼びかけてみても、やはり応答はない。位置が悪すぎるのか?
 水深20メートルはそれ程深いとは思われないのだが、原因が全くわからない。
 レスキューへの連絡がだめなら何か別の手を考えなければならない。

 一瞬、バトーの姿が浮かんだ――
 バトーなら……
 その考えはすぐに打ち消した。
 自ら望み組織を離れた今、必ず来ると分っているものを今さらどんな顔して助けなど
求める事ができようか。

 レスキューもだめ、連絡する先もないとなれば、残るはダイブフロートにでも頼るしかない。
 この頼りない黄色い目印……これを見つけてくれる船があるだろうか?
 しかも私は船舶の航行が少ないポイントを選んで停泊している。
 万に一つの望みでも繋げるものだろうか……
 それでも何もしないよりはましだと思い、私はケミカルライトの灯りをつけフロートを膨らませた。

 ――止まったら、止まった時の話
 まさにそれが現実になったのだから、助かる道は自分で探すしかないという事だ
905水面下の休息3:2008/09/06(土) 17:52:55 ID:Laqtwh3B
 残り時間10分足らずといったところか?
 陽は沈んでしまったのか、辺りは少しずつ薄闇に包まれてくる。
 相変わらずレスキューからの応答はない。
 ここまできても、私はまだ生きる可能性を探っていた。
 大戦を経て公安9課へ――
 何度も死を覚悟する局面と対峙したが、死を覚悟する事はあっても、それに対する恐怖を感じた事は余りない。
 私が義体化する原因となったあの事故に遭遇した時から、どこか私の感覚は麻痺した
ままなのかもしれない。
 だからといって、何の手も尽くさずに死ぬ事はできない。

 考えた挙句、私は電脳活性を制御する方法を思いついた。
 電脳を制御する事によって体機能の酸素消費を抑制し、生き残る時間を少しでも先延ばしにできるかもしれない。
 普通の人間に勧めるような方法ではないが、今の私ならできない事もない。
 だがこれを実行したからといって僅か数分かそこらの生きる時間が長くなるだけで、
危険な賭けにでるだけの価値はどれ程のものだろう。
 脳殻の中に僅かに残された脳細胞――私が生きている証だともいえるその部分こそが、最も酸素を必要とする場所なのだ。
 酸素を抑制すれば仮死状態に近くなるうえ、運良く助かったとしても、なんらかの回復不能なダメージを受けるかもしれない。
 時間がない――
 やはりこの方法を選ぶ事にする。

 電脳活性を制御する前に辺りを見回した。
 陽は落ち静寂に包まれたこの海底は、生きているうちに目にする最後の眺めかもしれない。
 似ている……私の記憶に眠るあの場所に……
 あれから僅かな時を経ただけなのに、私にはそれが遥か昔の出来事のように思える。
 あの男は本当に死んでしまったのか?
 それともネットの海と融合し、さらに高みを目指して消えてしまったのか?
 私にはそれを知る術もない。

 電脳活性を制御し記憶のバックアップシステムを立ち上げる。。
 死後発見される事になれば、9課の鑑識が記憶と義体を回収する筈だ。
 人に見られたくない記憶もあるにはあるが、あとは課長を信じるしかない。
 急激に眠気が襲ってくる――
 私は海底に横たわり静かに目を閉じた
906水面下の休息4:2008/09/06(土) 17:55:54 ID:Laqtwh3B
 瞼の裏に弱い光を感じる――
 ゆっくりと目を開け、辺りを見回した。
 ウェットスーツを脱がされ男物のシャツを着せられた私は、自分の船ではない、どこか他所の船室にいるらしい。
 どうやらあの世でない事だけは確かなようだ。
 頭を動かすと軽い眩暈を覚えた。手足の先が軽く痺れている。
 電脳を制御した結果、軽い障害を起こしていると考えられた。
 ゆっくりと顔を横に向けてみると、ぼやけた視界の向こうに誰かがいた。
 視界の先にいる誰かは、デッキチェアの上に座り本を読んでいた。
 私が目覚めた事には、まだ気づいていない様子だ。

 視覚サイトが少しずつ元通りになると、相手は見知らぬ男である事がわかった。
 年齢は二十代後半くらいだろうか。
 義体化しているようだが、潮風に赤くなった髪と着ている服、手にしたものはヨットの専門誌らしい。
 高価なチーク材を使った凝った作りの船室にしても、平日の昼間から、
フィッシングかクルージングでも楽しむ連中特有の臭いがする。
 私の視線に気づいたのか、男は本を置き私を見た。

「気がついたのか?」
「ここは……」
「俺の船の中だ。おまえの船の隣に繋いである」
「あなたが助けてくれたの?」
「ネット上で通信不能になっている救難信号を偶然拾った。
 急いでそのポイントまで行ってみたが、ダイブフロートを探すのに少し手間取ってしまった。
あと数分遅ければ、救急へ搬送する必要があった」
「そう……感謝するわ」
「まったく無茶な真似をする。義体化したサイボーグが単独でダイビングに興じた挙句、水難事故か。
しかも電脳活性を制御して仮死状態。呆れるな」
「そうね……無茶な真似だったかもしれない。なんと非難されようと言い訳できない」
「弱気だな。おまえらしくもない」
「何の話? 前に会った事はないはずだわ」
「確かに、この姿で会うのは初めてだ」

 私の視界の中で、見知らぬ男は左手をしきり動かしていた。
 そして、デッキチェアから立ち上がると、私の側まで近寄った。
 男は私の目の前にゆっくりと左手を差し出し掌を開いて見せた。
 掌の上に乗っているもの――それは白い小さな折鶴だった。
「鶴……」
「前に聞いたな。左手だけで鶴を折れるかと」
「クゼ?」
「そう呼ばれるのは久し振りだ。最もおまえと再会するのも久し振りだ。
見つけた時は、似ているだけの他人だと思っていたが……
電脳制御など、女でありながら公安に所属するおまえ以外に思いつかないからな」
907水面下の休息5:2008/09/06(土) 17:57:28 ID:Laqtwh3B
「まさか……おまえは死んだ筈では……」
「肉体的には一度死んだ」
「個を特定したまま、ネットと融合したと?」
「完全な融合とは言い難いが、今の俺は確かにネット上に存在している」
「どうやってこちら側に戻って来た?」
「俺には実体がない。付近を航行していたこの男の体を一時的に借りた。
なんの疑問も持たず男の意識は眠っている。おそらく朝まで目覚める事はない」

 この男の話を完全に信じる事はできなかった。
 私は、クゼが消されてから、秘密裏に何度も捜索を試みた。
 だがクゼの行方は全くわからず、その存在の痕跡さえも悉く消されていた。
 痕跡を消したのがクゼ自身であるとも考えたが、数ヶ月及ぶ捜索の果てに見つけられなかった男が、
何故こうも簡単に私の前に現れる?

「話が本当なら、まるで憑依霊ね。
本当じゃないなら、私が気を失ってる間に記憶を見たの?」
「……疑ってるのか」
「タイミングが良すぎるわ。疑うなと言う方が無理だわ。
 しかも電脳を制御した私を簡単に蘇生させている。修羅場を潜ったかなりの手練だとみた方が自然だわ」
「なるほど……仕事柄、敵も多いと言う訳か」
「その通りよ。思わぬ敵は多い。いつ消される側になってもおかしくない。だから……」
 私は寝かされていたベッドから起き上がり立ち上がろうと試みた。
 まだふらつく……手足が重い……

「どこへ行く?」
「自分の船に戻る」
「疑うのは勝手だが何もしない。休んでろ」
「助けてもらって感謝してる。でも……」
「わからない奴だなおまえも……でもなんだ?」
「正体のわからぬ者と同じ部屋にいられる自信はない」
「やはり弱気になってるようだな。
俺を信じろとは言わないが、少しの間だけ大人しくしてろ」

 男はそう言って私の側を離れ、デッキチェアに戻った。
 そして、読みかけの本を取り上げ、再びそれに目を落とした。
 そのまま立ち去ればよかったが、最初の一歩が踏み出せない。
 部屋の中で水圧に押された様に歩く事ができないのだ。
 ここは大人しく回復を待ってから出て行くべきだろう。
 あの様子では危害を加える気はなさそうだし、少し疑いすぎたのかもしれない。
 だが男が本物かどうかは別の話だ。
908名無しさん@ピンキー:2008/09/06(土) 17:59:03 ID:Laqtwh3B
後半は明日以降
改行がおかしくなってしまったようなので、次回は気をつけます。
909名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 18:31:15 ID:09uC2GRV
よろしくおねがいしました
910名無しさん@ピンキー:2008/09/07(日) 20:25:55 ID:JHhA6bEt
GJ!
続き待ってます
911水面下の休息6:2008/09/08(月) 22:25:58 ID:YJbU0YBz
>>907続き

 私は回復を待った。
 横を向き、視線は絶えず男を見張っていた。
 男は相変わらず本を読んでいた。
 時々、ページをめくる乾いた音が部屋の中に響いた。
 その乾いた音と同じ様な視線を私に向け様子をうかがった。
 物言わぬ瞳が私を見つめる。
 だが言葉を交わす事はなく、直ぐに視線を逸らした。
 永い時間だった――
 気が遠くなりそうなほど永い時間だった。

 壁に掛かった時計を見ると、目が覚めてから既に2時間以上経過している。
 毛布の中で手を動かしてみると、痺れは取れ指先は元通りに動いた。
 足にも視界にも支障はない事を確認し、そろそろここを去るタイミングだと思った。
 ベッドから起き上がり、ゆっくりと足を床の上につけ立ち上がる。
 私の気配に気づいた男は、本をテーブルの上に置いて言った。

「起きてなんともないのか?」
「ないわ……なんとも」
「そうか、良かったな。ひとりで船まで帰れるか?」
「帰れるわ……さっきは言い過ぎた……」
「気にするな。早く行け」

 男はそう言うと再び視線を逸らし、それっきり二度と私の方を見ようとはしない。
 もう話す事はない――
 正体を確かめたところで、人違いであれば虚しいだけだ。
 私は出口に向って歩き出した。

「待ってくれ。ひとつだけ聞きたい」
「なにを……」
 私は背中を向けたまま返事をした。何故か振り向く気持ちになれなかった。

「あの時何故一緒に来なかった」
「あの時……出島での事を言ってるのか……」
「そうだ」
「……あれは」
 何も言えなかった――
「話したくなければ無理をしなくてもいい。引き止めて悪かった」

 男はそれ以上なにも言わない。
 私は船に戻る事も忘れ、その場に立ち尽くした。
 下を向き裸足のつま先を見つめていると、言いようのない苛立ちがこみ上げた。
 それ以上何も言わない男に苛立つのか?
 それともここを立ち去れない自分に苛立つのか?

「行かなかったんじゃない……おまえが先に……行ってしまった」
912水面下の休息7:2008/09/08(月) 22:29:33 ID:YJbU0YBz
「私は何度もおまえを探した。ネットにダイブし、おまえを見つけようとした。
 だが手がかりは何もなかった。そればかりか存在したという痕跡さえ消されていた。
 ここへ来る前には、出島にも行ってみた。
 不思議な事にあれほど大規模な暴動であったにもかかわらず、騒ぎはとっくに沈静化し、
電脳化した難民の大半が『クゼ』という指導者の存在さえ忘れかけていた。
 電脳化していない難民の中には、僅かながらお前を記憶している者もいたが……
 どちらにしても、出島暴動はもっと小規模な小競り合い程度のものに記憶が置き換えられている。
 誰かが難民の記憶に干渉していると考えたが、結局何もわからずここへ来てしまった」

「ネット上の痕跡を消したのは俺だ。奴らは、まだ執拗に俺を追っている。
 実体を消しただけでは不安だったのだろう。
 追跡をかわす為にも足跡を残すわけにはいかなかった。
 難民の記憶に違法に干渉しているのは奴らの仕業だ。
 俺の存在がいつまでも難民の記憶に残るのはまずいと考えて情報を統制しているらしいが、
俺がいなくても、次は直ぐに現れるものを……」
「奴ら? 米帝か? それとも現政権の誰か……」
「片方だとも両方だともいえる。黒幕をひとり消したところで何か変わったか?
 何も変わりはしないだろう。
 お互いの利害が一致すれば、主義主張を超えてなんでもやるのが奴らだ。
 だがそう簡単に俺を捕まえる事はできない。
 最も奴ら……ここしばらくは鳴りを潜めているが……だが油断はできない。
 ここへも余り長居はできない。奴らに見つかれば、おまえも巻き添えになる」
「たとえ今見つかったとしても、そう簡単にやられたりしないわ」
「奴らを甘くみるな。個人の力など強大な国家権力の前に簡単にねじ伏せられてしまう。
体制側にいるおまえになら理解できる筈だ」
「私は、おまえの嫌いな体制側にいる人間なのか……確かにその通りだ」
「解らないのか? おまえを巻き添えにしたくないと言ってるんだ」

 唇をかみ締め、もうそれ以上の言葉は続かなかった。
 振り向く気持ちにもなれず、私は相変わらず裸足のつま先を見つめていた。
 出島の上空で砕け散る私の支援AI達……こと切れたクゼの遺体……
 あの日の事が何度も脳裏に蘇るのに、私は、あの時も今もただの傍観者に過ぎない。
 あの日の私は何をした? 自らの力の限界を自覚しただけではなかったのか?
 そのまま気持ちの行き場を失い、戻る場所は公安9課しかなかった。

 背後で男が立ち上がる音がする。
 床を踏みしめ、ゆっくりと私に近づく気配がする。
 そして、いきなり私を後ろから抱きしめた。
「すまない。おまえは俺の事をとっくに忘れてしまったと……そう思っていた」
 私を抱きしめる両腕が痛いほど体に食い込む。
 その場を逃れようと思えばそうできるはずなのに 、私は呆けた様に立ち尽くした。
 会いたかったと耳元で囁く声がする。
 そう聞こえただけで、何も聞かなかったのかもしれない。
 ――あれほど再会を待ち望んだ男が後ろにいる。
 私は、それを現実として受け止めることを躊躇っていた。
913水面下の休息8:2008/09/08(月) 22:32:25 ID:YJbU0YBz
 私は、偶然の邂逅を現実として受け止めることができなかった。
 現実と認識できるものは、重ねた体と押し付けられた唇の熱さだけだ。
 熱を帯びたものが私の首筋を探り、そして、音も無くつま先の上に落ちるシャツを眺めていただけだった。
 私は、ささやかな抵抗をする事もなく、体を横たえられた。
 目の前には、別人の姿を借りたという見知らぬ男がいるだけだ。
 あれほど疑いを持ってここから逃れようとしたのに、男の意識に繋がれてしまう。
 再会だけを望んでいたはずなのに、生きて会えたらそれでいいのに、何故こうも簡単に一線を越えてしまうのだろう。
 男の背中を抱きしめてみても、私のゴーストは何も囁きを告げてはくれない。
 それなのに感じるこの懐かしい感触は何だろう?

 体を弄る手が這うように下りて行き、太腿を割り内側に滑り込ませた指先が、私を中から確かめようとする。
 男は冷静に私を見据え、その視線に身動き取れなくなった私の反応を観察するように、じっと見つめている。
 硬い指先が、私の一番柔らかい肉の部分に触れてくる。
 その指先が生き物のようにゆっくりと蠢き刺激してくると、私はたまらず声をあげた。

「あ、うっ……あ……」

 指先は何度も刺激を繰返し、私の体の内側から熱い液体が溢れ出す。
 制御不能――自分では止められない。
 どれほど心を隠そうとしても、言い訳の効かない無言の要求に等しいものだ。
 体を仰け反らせ喘ぎを吐くと、男は唇を押し付け、私の声を塞いでしまった。

「うっ……ぐっ……うぅ」

 唇を塞がれると同時に、指先よりも硬いものが柔らかい肉に突き立てられる。

「うっ! うっぐ……」

 唇を塞がれ、息ができぬほど抱きしめられ、熱い肉塊が体の中心を激しく攻め立ててくる。
 息苦しさに頭を振って唇を離してみれば、耳元で聞こえるのは男の放つ息遣いだけだ。
 聞こえる息遣いが激しさを増してくると、私の感覚は弾けるような絶頂を味わった。
 放たれた白い液体がゆっくりと私の体の奥深くを満たしていく。
 目を開け視線を交わしたその一瞬、男の瞳の奥底に潜むクゼの姿を見たような、そんな錯覚に捉われた。
914水面下の休息9:2008/09/08(月) 22:34:22 ID:YJbU0YBz
 体を離し、ぐったりと目を閉じたままうつ伏せになった。
 漸く落ち着きを取り戻し横を向くと、触れ合うほど近くにクゼの顔があった。
 言葉を交わさず見詰め合っていると、突然妙な可笑しさがこみ上げてくる。
「何もしないって言ったわよね? あれは嘘?」
「余り疑うから、命の保証をするという意味で言ったんだ……初めてでもあるまい。
 子供みたいな事を言うな」
「それはわかってる」
「わかってるなら何故訊く? 俺には理解できない……」
 クゼは戸惑い、少し困ったように笑いながら、まだ海水で湿ったままの私の髪を掻き揚げ頬に触れた。
 頬に触れた掌からぬくもりが伝わってくる。
 そのぬくもりが頑なになったままの私の心を溶かしていく時、ほんとうなら最初に伝えるべきだった言葉を告げた。

「会いたかった……ずっと……」

 クゼは何も言わずに黙って私を抱きしめた。
 もう何も怖れを抱かず、私はクゼの胸に顔をうずめた。
 顔をうずめたまま、もう生きてはいないと、そう思った時の永さに思いを馳せた。
 クゼが私の髪を撫でると、一度は死にかけた私の感覚が爪の先から髪の毛の先端に至るまでゆっくりと蘇るのを感じた。
 そのまま重なり合い、再び飽きるまで同じ事を繰返した。
 たとえ今ここにクゼを追う者が現れたとしても、誰も私達を止める事は出来はしないだろう。
915水面下の休息10:2008/09/08(月) 22:37:28 ID:YJbU0YBz
 真夜中――
 船室を照らす薄暗い明かりの中、私とクゼは海底に眠る魚達の様に横たわっていた。
 いつもなら波の音を聞き、ひとりで眠りにつく時間帯だ。
 今は波の音ひとつ聞こえない。
 空調の風は冷気を放ち、吹き出す風は心地よく、私の剥き出しの腕に触れていく。
 涼気を感じている筈なのに、何故か私は眠れずにいた。
 クゼは静かに眠っている。
 私はクゼの頭を抱き、安らかな寝息をたてるその横顔を見つめた。
 クゼの顔を見つめながら、私は折鶴の少年の事を考えていた。
 少年がクゼである証拠は何もない。
 でも、もしもクゼがあの少年だったとしたら、心の安らぎを得る事無く、未だ追われる者としてネットの海を彷徨っている。
 クゼをそんな状況に追い込んだのは、私ではないのだろうか?

 私の気配に気づいたのか、クゼは目を覚まし私の顔を見た。
「眠って……なかったのか」
「眠れない……」
「何故眠れない?」
「考えていたから……」
「何を考えていた?」
「おまえをテロリストにしてしまったのは、私ではないかと思ったからだ」
「テロリストか……おまえも俺をそう呼ぶのか……
 そうだ、おまえは公安の人間だ。そう呼ばれても不思議ではない。
 結局、俺達はこういう形でしか出会えなかったということなのか……
 だが、何故おまえが俺をテロリストにしてしまったなどと言う?」
「私は、まだ幼い頃に義体化した。そうしなければ生きられなかった。
 そして、その時、同じような境遇にあった少年に義体化を勧めてしまった。
 義体化した事で、もう人ではなくなったかもしれない自分……他の子とは明らかに異質な存在になってしまった自分……
そんな寂しさから同じ様な誰かにいてほしくて……
 そんな身勝手な子供らしい思いつきから、義体化を勧めてしまったのかもしれない。
 私のために鶴を折ってくれたあの少年……
 あの少年が、おまえと同じ様に心と体の不一致に悩む者になっていたら……
 あの少年がおまえだったとしたら……そんな心の悩みに惑わせたのは私だ」
916水面下の休息11:2008/09/08(月) 22:38:52 ID:YJbU0YBz
「俺は……自分が最初に義体化した時の事も覚えていない。鶴を折る事の意味も……
 おまえの言う少年が俺なのかどうかもわからない。
 おそらく、義体化しなければ生きられないそれなりの訳があったはずだ。
 もしもその少年が俺であったとしても、そうでなかったとしても、義体化する事で
生き永らえた。その事実は何も変わらない。そして、おまえ自身も……」
「クゼ……」
「何故そんな顔をする? 追われていると言ったからか? そう簡単には捕まらない。
そう言った筈だ。何も心配はいらない。それに……」
 クゼは、私を抱きしめた。
「義体化して生きなければ、ふたりこうして会う事もなかった。違うか?」
 クゼの両手が、私の頬を包み込む。
「すぐに立ち去るつもりだった……だが……」
 
 私は、どれほど酷い情けない顔でクゼを見つめていたのか。
 朝になれば別れがくるとわかっていた。
 クゼがそう簡単に捕まるような男でない事も知っていた。
 それなのに、頭で理解しても、心では何もわかっていない。
 結局、私が再会待ち望んだのは、折鶴の少年だったのかクゼだったのか……
 想い出の中に生き続けるあの少年を忘れたわけではなかったが、今は朝まで、
ただ抱き合ったままでいたかった。
 幼い子どもの様に額を寄せ合い、漸く私は眠りについた。
917水面下の休息12:2008/09/08(月) 22:42:01 ID:YJbU0YBz
 夜明けと共に私達はデッキの上に立ち、東の空から上る陽を見つめていた。
「長居をしてしまったな……」
 クゼはそう呟くと、私に言った。
「俺は元の世界に戻る。まだやるべき事は多い。おまえも戻るべき場所があるはずだ。
そこへ戻れ……連れては行かない」
 そう私に告げ、その言葉に従い別れの言葉も交わさず私は自分の船に戻った。

 私達はデッキの上に立ち、お互いの姿を見つめた。
 クゼはまだ何か言いたげな視線を投げかけたが、私が黙って頷くと、安心したように船室の中へと消えていった。
 ゆっくりと離れる船影を見送り、それは徐々に速度を速め、やがて私の視界の届かぬ所へ消えてしまい、
私達はまた別々の世界に生きる住人に戻った。
 名も告げず、別れの言葉も再会の約束もなかったが、いつかまた偶然という形で逢う事もあるだろう。
 再会の約束に甘い夢を見るほど子供でもなかったが、それはそう遠い未来の出来事もないと、そんな予感がしていた。

 そうは思ってみても、胸の奥底からこみ上げる熱い塊をどうする事もできない。
 人ならば、それを涙という形で消し去ってしまうのかもしれないが、義体である私にはそれができない。
 涙を流せないという現実は、感情の捌け口をひとつ封じられるに等しい事だ。
 それが子供の時なら、尚更堪える。
 最後に泣いたのはいつだったのか……その記憶も今は忘れてしまった。
 意識を取り戻した時には、父も母もなく、自分の肉体さえ失っていた。
 人の限界を超えた能力を得た代わりに、失った物もまた多い。
 そして、その事実にもっと後から気づいてくる――泣くなどいう些細な日常の合間に。
 心と体の不一致の始まりだ。
 だがそれさえも私だけが悩むのではない。クゼもバトーも、そして望む望まずに関わらず義体化した者達、
誰もが一度はこれに悩むのではないだろうか。
 ある者は戸惑い、ある者はそれに目を瞑り、ある者はそれを他の感情に置き換えようとする。
 そして、いつの間にかその現実を受け入れ生きていく。
918水面下の休息13:2008/09/08(月) 22:44:15 ID:YJbU0YBz
 クゼは戻るべき場所に戻れと言ったが、私の戻るべき場所はどこにあるのだろう。
 私は、その答えをひとりで見つけなければならない。
 答えを見つけるには、海での暮らしを捨て、人の住む『都市』という世界に戻る必要があるだろう。
 とりあえず陸地に戻る事にする。そしてそれからは、明日答えを出そうと思う。

 コックピットに座り、港の方角に進路を向け出航した。
 船の速度をゆるめ、周囲の海面を見回した。
 迷うからゆっくり進むのではなく、次はいつ訪れるともわからぬ場所を覚えておく為だ。
 再びここへ戻って来るのは、もっとずっと先になるのか……それとも見納めになってしまうのか……
 先の事は何もわからない。
 人も変わる様に、この場所も変わってしまうかもしれない。

 幾日も過ごした場所が視界から遠ざかる時、私は行く先だけを見つめていた。
 ――私は、束の間の休息に別れを告げた。


 ―END―
919名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 12:41:36 ID:f11XCfLU
ダイビンぐ〜〜〜!ッドジョブ。
920名無しさん@ピンキー:2008/09/09(火) 14:52:48 ID:+klhIKsS
>>919
お前www台無しwwww
921名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 00:47:45 ID:KBBn2miL
>>918
久々に来たらめちゃくちゃGJなものが上がっているではないか!
922名無しさん@ピンキー:2008/09/13(土) 20:33:31 ID:3rHXQpj/
GJ!
欝展開どころか、再開できて良かったね〜っと(泣)

923サイトー×素子:2008/09/13(土) 22:53:49 ID:3rHXQpj/
あれは、ちょっとしたヤマが終わり、打ち上げと称して9課の皆で飲んでいた夜だった。
まずトグサが家に帰り、イシカワとボーマは報告書を書きに戻り、
パズと課長は欠席で、残りは俺とバトーと少佐になっていた。
「もとこおおお・・」
「その筋トレで発達した重い左腕をどけてくれる?肩がこるわ」
「いいだろ?おめえも男の義体に入れよ」
「あいにく、これが気に入ってるの。身軽だし」
「いざって時はパワーが一番!逃げらんねえ様に腰を抑えて、ズブリとな」
「それは犯罪だぞ?バトー」
「喜んでたじゃねえか、お前も」
おいおい、俺が横にいるんだぞ。その話なら二人きりの時にしてくれ
「・・・・・」
俺はあきれてスコッチを口に含んだ。
強い酒はいい。一瞬で口を熱し、その熱で苛立ちをすべて忘れさせてくれる。
二人は延々と際どい嫌味を言い合っている。
お前らが付き合っているのは皆が知っているから、いい加減にしてくれよ。
ま、これはお節介か・・・
「俺も、つぶれねえ内に帰るわ・・・」
「おう、じゃあな」
「おやすみ・・・」
ポーカーフェイス
我ながらいい特技だ。
多分、二人には俺が苛立っていることは悟られてはいないはずだ。
タバコに火をつけて、俺は店を後にした。
924サイトー×素子:2008/09/13(土) 23:23:37 ID:3rHXQpj/
飲みすぎたな。内蔵も義体化しときゃよかった。こういうときはいつも思う。
左目と右腕は少佐が傷つけたから、俺は義体化を余儀なくされた。
それ以外は全て生身。全て俺のものだ・・・。
脳殻以外が全て政府の所有物である誰かさんとは違う。
脳殻と内臓の一部以外が全て政府の所有物の誰かさんとは、俺は似てもにつかねえんだ。
ばかやろう!と叫びたくなるのを押さえ込み、俺はタバコを深く吸い込んだ。
全身義体の気持ちなんて、俺には理解できない。
似たもの同士はお互いに慰めあってれば良いさ。心も体も・・・
珍しく気分が塞ぎこんでいる俺の電脳に聞き覚えのある女の声がアクセスした。
((サイトー?聞こえるか?))
((・・・・・・))
今夜はオフだ。自閉モードにでもしちまうか。
((サイトー?応答しろ。サイトー?今どこだ?これから飲みなおすぞ))
((冗談やめてくださいよ。もう飲めませんって。それにバトーがいるでしょう?))
((あいつは撒いた。今どこだ?言わないなら衛星で追跡する))
((は?!・・・話なら後日聞きますから、今夜は休ませてください。もう飲みません。生身の体にこれ以上はきつい・・・))
((とにかくこれから会わせろ。もう飲まなくても良いから))
さて、どうするか?
バトーはいない。少佐は会いたい。もう飲まなくて良さそうだ。ときたら、かなりの好条件か
だが、そのまんまってわけには行けねえな。
((了解しました、少佐。3丁目の***ってホテルの前で待ってます。大通り沿いの))
((わかった。すぐ行く))
俺はすぐそこのホテルの前で少佐の到着を待った。
925サイトー×素子:2008/09/13(土) 23:52:54 ID:3rHXQpj/
タバコは3本目にきていた
遅い!一緒に飲んでいた場所からそんなに離れていないのに、どういうことだ?
イライラしてタバコの吸殻を足で踏みつける
(逃げらんねえ様に腰を抑えてズブリとな)
くそっ!酒が抜けてきちまった。
バトーの奴、うわさには聞いていたがやっぱり、そういう仲だったのかよ・・・
「待たせたな・・・」
あの女の声が聞こえ、俺はタバコを踏みつける足を止めた。
声の主の方を向く。
息を弾ませ、うれしそうに微笑んでいる少佐。
反則だろうが、その笑顔。
そこで俺の特技ポーカーフェイスが力を発揮する。
「話って何だ?少佐」
「道端ではなんだ、どこか落ち着いて話せる場所を・・・」
「だったら、ここはどうだ?」
俺は冗談のつもりで待ち合わせのホテルを指差した。
「構わん。入るぞ」
「・・・・・・」
言い出したのは俺だ。引っ込みがつかないままに、俺たちはホテルに入った。
926サイトー×素子:2008/09/14(日) 00:08:50 ID:+L3NgZ8T
ビジネスホテルと間違うほど狭い部屋にダブルベッドとナイトテーブルの殺風景。
まあ、話だけなら店よりマシか。寝転んでも良いし。
俺は靴と靴下、上着を脱ぎ、ベッドに横になる。
疲れた・・。眠い。
少佐の話なんてどうせろくな話じゃない。課長の愚痴かなんかだろ?
そう思ってウトウト軽い眠気が来たところで少佐は切り出した。
「さっきのバトーとの会話で、気分を害したと思ってな・・・」
「フッ・・・。そんな話のためにワザワザ?大丈夫だ、他の奴には話さねえよ」
「そうじゃない。私が言いたいのは・・・」
「分かってる。気分は害してはいない。それでいいかい?少佐。眠いんだ。悪いけどこのまま・・・」
「悪かったな、つき合わせて・・・。でも、私は・・・バトー・・・・お前が・・・・」
ごめん、少佐。聞き取れねえよ・・・眠いんだ・・・すまねえ・・・・
俺は限界が来てしまい、眠りに落ちた。酒の力もあったのだろう。
アルコールも義体化してりゃすぐに分解できるのになぁ。
生身の苦労も知らずにこの全身義体の上司は全く、鬼のようだぜ。

927サイトー×素子:2008/09/14(日) 01:03:21 ID:+L3NgZ8T
朝日が俺の顔を焼く。夏は朝から暑い。
二日酔いとまではいかねえが、なかなかだるい。
生身はつらいぜ・・・。と、俺は目を開く。
ん?
横には黒のタンクトップの少佐が寝ていた
いつもはもっと過激な服装をしているからこんなのは序の口だ。
しかし・・・少佐の寝顔なんて、始めてみたな。
人工物で出来た丹精な顔立ちは人形の様だ。きれいなのは当たり前か・・・。
俺はしばらく少佐の寝顔を眺めた。
無防備な少佐に、いたずら心が芽生えてしまう。
キスでも・・・しちまうか?いや!そんなことしたら潰される!勝ち目はねえ。
頬を触るくらいはいいだろ? 少佐に触れるチャンスなんてなかったから、これくらい許してくれよ?
俺は少佐の頬に出来るだけ優しく触れた。
蝋のような吸い付きに、ゴムのような弾力。生身とはもちろん違う。体温も一応あるんだな・・・。
俺が感心していると、少佐のガラスだまのような瞳がパッチリと開いた。

<今日はここまで>


928名無しさん@ピンキー:2008/09/14(日) 17:39:20 ID:fgpy13XG
少佐の弾んだ声と笑顔を想像したらつい顔が…
929サイトー×素子:2008/09/14(日) 21:19:46 ID:+L3NgZ8T
「あ!いや・・・あの、その・・・」
しまった!
俺は頬をつついていた左手を即座に引っ込めた。
言い訳を考え付こうにも考え付かない。
一瞬気まずい空気が流れたが、
「おはよう。よく眠れたか?」
やさしく微笑む彼女。
だから、反則だろ?!その笑顔。
自分の顔がカッと紅潮するのが自覚できた。心臓の鼓動が高鳴る。
クソッ!首をひねり潰されてもかまわねえ・・・
理性のぶっ飛んだ俺は少佐の薄紅色の唇にアタックをした。
チュ
ほんの一瞬音が立つ軽いキス。
これくらいなら、事故だと言い訳できるし、少佐も許してくれる・・・ハズだ。
顔を離してすぐさま少佐の反応を見る。
少佐は無表情で両腕を俺の首筋に回してきた。
ゴースト錠と来たか・・・これくらいのお仕置きなら、まあ、いいか・・・。
俺は覚悟を決めて目を閉じ、少佐の腕を受け入れた。
930サイトー×素子:2008/09/14(日) 22:15:24 ID:+L3NgZ8T
ぎゅっと首に腕を回されて抱きしめられ、引き寄せられる。
ゴースト錠の準備に手間取っているのか?そんなんじゃ、逃げられるぞ。俺よりも遅い・・・
少佐の大きなバストに俺の顔がうずまった。
「・・・・・・・」
どういうつもりだ、少佐?
俺はたまらず顔をあげた。少佐は無表情で俺を見つめる。
全く、少佐の考えが読めねえ・・・。また、ポーカーフェイスの勝負は俺の負けかよ?!
悔しさと、期待が俺の脳を支配していた。
少佐が瞳を閉じる。ゆっくりと唇が重なる。
なるほど、そういうことか・・・。
バトーに飽きて俺をつまみ食いするつもりってわけか。
俺だって、ベッドの上で素直に言うことを聞くほど馬鹿じゃない。
少し、構ってもらうか・・・。
俺は少佐のキスを受け入れた。
931サイトー×素子:2008/09/14(日) 23:31:04 ID:+L3NgZ8T
少佐の手が俺のシャツのボタンを一つずつ外していく。
俺は少佐が動きやすいように俺が下になる体制になった。
全身義体は金属部分がある分見た目よりは重い。
だが、その重圧に耐えられないほどじゃない。
逆に、腹部から腰部にかかるその重みが少佐の体を実感させてくれた。
黒のタンクトップを背部から手を入れて捲り上げると、少佐の大振りなバストが露になった。
義体はブラをしなくてもいいのか。便利だな。
上半身が裸になった俺たちはどちらともなく抱き合った。
吸い付く肌。体温。しかし、生身とは違う感覚。
上質なダッチワイフもこんな感触なんだろうか?
だったら、今度買ってくるか。この日を忘れないために。
次回の望みは皆無だしな・・・。
少佐の表情を確かめる。無言のままで言葉は期待できないからだ。
少佐は相変わらず無表情だったが、その瞳は俺の目を確実に捕らえている。
その瞳は何を語る?
「もっと刺激が欲しい」か?「バトーよりもうまいわ」とでも?「あいしているわ」・・・?
3番目だな。そう思わなきゃ、気分が乗らねえ。

932サイトー×素子:2008/09/14(日) 23:58:18 ID:+L3NgZ8T
俺は少佐のやわらかく、白い胸を両手で包み込んだ。
すると、少佐は体を俺の頭側にずらし、顔をうずめられる様にしてくれた。
そうそう、チームワークって大切だよな。少佐殿。
俺は遠慮なく少佐の胸を堪能しに入る。
生身とは遜色ない感触。相当上質なシリコンだろうか?
乳首も唇と同じで綺麗な薄紅色をしている。
「はあ・・・んっ・・・」
俺が乳首に吸い付くと、少佐は初めて快感の声を上げた。
若干、俺を抱きしめる腕に力が入る。
かわいい。こんな素直な少佐は初めてだな・・・。
いたずら心がくすぐられる。もっといろんな少佐を見たい。
俺は愛撫の手を進めていった。
そのたびに少佐は良い声を上げ、体をうねらせた。
933サイトー×素子:2008/09/15(月) 00:16:32 ID:zk3FB4oA
少佐もただ、受け身ではなかった。俺の上半身をいろいろと刺激する。
少佐の細い指先が俺の胸や腹をなで、唾液で暖かな道筋を開拓していた。
「うんっ・・・ああ・・・」
「良い声で鳴くわね。サイトー・・・」
それは俺の台詞だろ?さっきから喘ぎっぱなしのくせに。
気分は十分に高まり、少佐が俺の下半身を脱がせようとズボンに手をかけた。
やっと来たか、この時が・・・。焦らした甲斐があったぜ。
俺は少佐の腰を掴んで俺の上から下ろし、ベッドから降りた。
理解に苦しむ表情の少佐に俺はこう言った。
「俺だって、ベッドの上で素直に言うことを聞くほど馬鹿じゃない。
 十分楽しませてもらったよ、後はバトーとよろしくやりな・・・」
俺の下半身は今までの愛撫で、勿論、はちきれんばかり。
それなのに、この台詞。我ながら滑稽だと思う。
だが、少佐のお守りはバトーが合ってる。
あれだけ従順で、情熱的な男は他にいない。
俺みたいな奴はだめさ。
いざってときもどこか冷めてるし、感情よりも作戦や分析が優先しちまう。
スナイパーの職業病みたいなもんだ。
どんなに彼女が愛しいと思っても、冷静な分析からは逃れられないんだ・・・。

934サイトー×素子
ベッドの上で上半身裸のまま呆然とする少佐をそのままに、
俺はベッドに座り、タバコに火をつけた。
気分が落ち着くと、下半身の反応も平時に戻る。
いいんだ、これでいい・・・。
自分に言い聞かせながら、タバコを深く深く吸い込み、吐き出す。
このまま、ホテルを後にするか?それとも、少佐とともに出るか?
少佐のことを考えたら後者だ。
途中で男に去られ、一人残されることほどプライドが傷つくことはない。
愛する少佐殿をそんなつらい目にあわせられるほど、俺も鬼じゃない・・・。
俺は少佐のタンクトップを持ち、少佐に差し出した。
すこしぶっきらぼうだな。肩でも・・・抱いとくか。
左腕を少佐の左肩に回す。
少佐は俺の回された左手を取り、俺を見つめた。
また無表情か・・・。その瞳は何を語る?
「途中で終わるなんて酷いわ!」か?「そのとおりだサイトー。私はバトーを愛している」とでも?
「サイトー、愛しているわ」
・・・・・・・そんなわけがないだろ?だって少佐にはバトーが・・・
「バトーとは何もない。あれは奴の悪い冗談だ」
「そ、そんなわけねえだろ?少佐とバトーの仲は、皆が知っている」
「まるで、そんな仲のように振舞っていただろ?バトーは。だが、事実は違う。あれはあいつの悪ふざけだ」
「・・・・・・・うそだろ?」
思わず口元が緩む。
「まったく、こんな冗談に9課の皆が騙されるとはな。最初は適当にあわせていたが、
 先日、課長から真顔で尋ねられたときに非常事態だとようやく悟った」
「・・・・・・それじゃ、肉体関係も?」
「あるわけがないだろ?あってもあんな大っぴらに言うはずがない」