☆魔法少女リリカルなのは総合エロ小説_第十三話☆

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326640 ◆CaB8KPh.gs :2006/12/31(日) 12:22:03 ID:4NSYnrTM
フェイトやリンディの仕事を考えると、家にいることの多い彼女が必然的にエリオの相手をすることが多くなる。
子守りの大変さを今日身をもって痛感したアルフとしては、抗議の声をあげたくもなるだろう。
むしろ子守りというより、一方的な被害者にしか傍目には見えなかったわけだし。

「でもー……」
「でも、じゃないよ。いくらなんでも学校や仕事にはエリオを連れていけないでしょ」

そんなにこねくりまわされるのが嫌なら、子供や子犬の姿ではなく
以前の大人モードを使えばいいのではないかと思うのだが、「フェイトの負担を減らすため」に
この姿をとっている以上、彼女としてはそれはNGらしい。

子守りの負担を減らすために魔力の負担を増やしたら本末転倒だ、とかなんとか。
別に戦闘にでもならないかぎり魔力消費はそこまで大したものにはならないし、
フェイトはどちらでもかまわないのだが。

「……わかった」
「ありがと、アルフ」

渋々頷くアルフの頭を撫でてやる。
フェイトが執務官になった頃からだろうか。二人の身長の差が、逆転したのは。

フェイトは、大きく、たくましく変わっていき。
アルフは彼女の邪魔にならぬように自身を変えていった。

「さ、それじゃ夕飯の支度しましょ。幸い今日はクロノもエイミィも定時で帰れると聞いているし」
「よかった、それなら」
「エリオくんが来ているんだものね。ごちそうにしましょう」
「はいっ」

本当に孫の顔を見るのは、もう少し先だろうけれど。
予行演習みたいなものかしらね。

強く頷いたフェイトは、煮え切らない息子とその恋人に思いを馳せた母の心情に気付きもしなかった。
気付いたところでどうせ、一緒になって溜息をつくだけにしかならないのは目に見えているが。

ソファで、かけられた毛布の中すやすやと眠る幼子を背に、
母と子は晩餐の支度を始めたのであった。

……つづく
327640 ◆CaB8KPh.gs :2006/12/31(日) 12:28:22 ID:4NSYnrTM
先月のメガミでぼんやり浮かんできて、
今月のメガミで思いついてプロット起こした話を投下する馬鹿が1人。
大晦日にすいません、640です。
今回は5話くらいの話になる・・・はず。
エリオについての新情報もこの話との矛盾もバッチコイ。

>>176
んー、三人とも連携よきかな。
忍の夜の一族設定がきましたか、ここはすずかも覚醒して淫乱がっせ(シルフで撲殺

>>92
毎回大変なのはザフィーラですな、しかしww

328176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:47:33 ID:ER+JYoHi

Step Bonus Stage

我ら海鳴魔法少女隊「リリカル・ストライカーズ」

 
 ――これは多分もう少し先にある平和になったとある夏の日のお話。

 ミーンミーン……。
 
 ジージー……。

 この夏の風物詩は毎年毎年なぜこんなにも律儀に暑さを盛り立てようとしているのか。
 そりゃあ6年か7年土の中にいれば鬱憤も溜まるだろう。それをぶつけようとしているのか、ぶつけるのに必死になって寿命1週間ならもっと有意義にこの夏を楽しめばいいのに。
 だからといって夏のビーチにセミがパラソル並べて寝転がられても――。
 その……すごくシュール。

「バリアジャケットって温度対策バッチリじゃなかったわけ〜?」

 ぐったりと、そりゃもう溶けてしまっているようにテーブルの上に突っ伏してアリサはかすれ声で呟いた。
 ちなみに彼女の脳裏では今度はセミがビーチバレーに勤しんでいる光景が映し出されている。
 なぜか人間並みに巨大でやけにリアルな姿なのが不気味というか――。
 やはり……シュール。

「ちゃんと術者を守るために標準装備されてるはずなんだけど……」

 額に汗の玉を浮かべてフェイトが申し訳なさそうに答える。
 テーブルに並べられたコップには翠屋特製のアイスティー。ユーノが気を利かせて転送魔法で――アリサに命令されたという前口上はあえて言わない――運んできたのだ。
 さすがマネージャー。
 けど悲しいかな。そのアイスティーは半分以上を残してそれはそれは綺麗に二層に分離していた。少女たちは別のもの夢中であった。

「なんていうか気分の問題かも」

 既に半身が無くなっているソーダアイスを頬張りながらなのはは苦笑い。ゴミ箱の中にはもう9本の木の棒が煩雑に積み重なっている。
 この部屋にいるのは五人。なのは、フェイト、アリサ、すずか、マネージャーもといユーノ。
 計算上なのはがこれを食べ終われば全員が二本、アイスを平らげたことになる。コンビニで買ってきた箱入りアイスはものの十五分で完売御礼だ。

329176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:48:07 ID:ER+JYoHi

「もう勉強って状態じゃないよね」

 純白のマントもジャケットも外して、珍しくアンダーのみで絨毯に正座するすずか。やはりお嬢様は礼儀作法に完璧だ。
 ひょんなことからバリアジャケットに耐熱耐寒と温度対策が成されているという話が持ち上がったことから、この灼熱地獄を克服するためバリアジャケットを着込んでいる四人。
 だがそれでもこの日本の夏はそんな魔法防御をあざ笑うように彼女たちに試練を与えた。
 ああ、科学の力はやはり大自然の前では無力に等しいのか。
 誰ともなくそんなことを思う。

「しょうがないよ……この次元もいろいろあったから」

 転がっていた長細い毛の塊が身動き一つせず弱々しく鳴いた。
 彼だけはジャケットではなく毛皮。十八番の変身魔法なのはいろいろ理由があるから。

「きっと魔法にもいろいろ影響が出てるんだよ……。ところで元の姿に」
「却下」
「うう……」

 少しでも人口密度を減らせば暑さだって和らぐだろう。提案したのはアリサであって、産生したのは全員。
 フェレットに夏の暑さは大敵なんです。といっても中身は人間、そんな訴えも四人の前には無力。
 尻に敷かれる……最近はそんな暮らしにも慣れました。

「ごめんね、エアコン壊れちゃってて」
「なのはのせいじゃないんだから……気にしなくていいわよ」
「そうだよ、こういう体験も貴重だと思うよ」
「私は日本の夏って始めてだし」

 フェイトの国語力を高めるために夏休みを利用した勉強会。たまには趣向を変えてなのはの家で、ということになったまでは良かったのだが。
 急に機嫌を損ねたエアコンは風すら出さず壁にかかる白い箱。窓開ければ天然のエアコン――温風しか出ない。

「翠屋はお客でいっぱい……今更他の家にはいけないし……」

 他に冷房の効いたうってつけの場所は無いだろうか。
 生憎候補はどこにもない。まさか海やプールで勉強会は開けまい。それにまた裸体で戦う羽目になるのはごめん被りたい。
 特になのはに至っては……。あえて聞くな。
330176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:48:38 ID:ER+JYoHi

「ああもう! 今日は勉強終わり! こんな環境下じゃ九九だって覚えられないわよ!」

 まずアリサがさじを投げた。

「そうだね、アリサの言う通りだ。私も……限界」

 珍しくフェイトが脱落。ミッドチルダ出身にこの暑さは厳しいようだ。

「わたしも駄目かも」
「なのはちゃんに同じで」

 残りも連鎖的に脱落していった。

「…………」
 
 すでに物言わぬ小動物は脱落していたり。
 むしろ危険ではないか?

「ねぇ、アースラはどうかな?」

 そんな中、ふとフェイトが口を開いた。
 その発言に、三人の顔が彼女へ向けられる。聞きたい、ぜひ聞きたい、そんな彼女たちの意思を酌んでさらに続ける。

「でも私用で使うとやっぱり母さんや兄さんに怒られるかな……」

 ――日和見発言。
 どっちつかずの返答に彼女たちの首はがっくりと垂れた。
 だがただでは垂れない少女がこの中にはいた。
 四人の中でただ一人、暑さに熱暴走しかけた頭脳の回した一人の頭に飛びっきりのインスピレーションを閃かせたのだ。
 彼女は心中ほくそ笑んだ。これなら私用じゃない、立派な、アースラの協力者としての立派なお仕事だ。

「諦めるのはまだ早いわ……。フェイト、あなたの生み出してくれた希望は無駄にしない」

 リーダーとして、まとめ役として。アリサ・バニングスは今ここに宣言する。

「この暑さに……反逆してあげる」

 彼女の目には眩く、熱く、炎が渦巻いていた。
 それは夏の太陽を遥かに凌駕していた――。

* * *
331176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:49:11 ID:ER+JYoHi

「プロモーション……?」 

 このアースラとはおそらくかなりかけ離れたフレーズにリンディは首をかしげた。
 手元のアイスティーの底には真っ白な地層が堆積している。そこまで入れるのか……誰もが突っ込みたかったけど今はそれどころでは無い。

「はい、ご存知の通りアタシたち四人プラス一人で今まで頑張ってきました。多分、これから先も何か事件があればお手伝いすることもあるんです」
「それで?」
「これからもチームとして一つ団結力を高めるための特訓をしたいんです。そのためには今回のプロモーション製作がとても重要なことなんです」

 さすが会社令嬢。交渉の仕方は様になっている。

「それでアースラの設備を借りたい……という訳かしら」

 話が分かる相手だ。と、アリサは内心ガッツポーズ。
 向こうだって提督なのだ。そのくらいすぐに察しがつくのだろう。

「ん〜、いいんじゃないかしら? 確かにみんな頑張ってきたんだし記念代わりにそういうのを作っても」
「駄目だ、魔法訓練ならまだしもそんな芸能活動じみたこと」

 淡々と、話は上手く進まなかった。
 そう、この堅物がいた。この仕事馬鹿の執務官が。
 クロノ・ハラオウンが。

「もしも緊急のことがあったとき誰が責任を取るんだ? 確かに君たちは今回の事件にコウ両者であり感謝すべき存在だがそれとこれとは――」

 くどくどくど……。小姑のごとくお説教が幕を開けた。
 こんなものを聞くためにアースラにわざわざ来たわけではないというのに。こんな耳の毒を聞かされてはせっかくキンキンに効いた冷房で涼んだからだがまた温まってしまいそうだ。
 すでに3℃、彼女たちの体感温度が上がった。

(フェイト……一思いにやっちゃいなさい)
(うん、全力でかかるね)

 そっちがそっちならこっちもリーサルウェポン投入。 

「あの、どうしても駄目かな……兄さん」
「フェイト……妹の頼みでも」
「お願い……お兄ちゃん」

 ぜんまいが切れた。
 突如クロノの動きが停止した。続いて紅潮する頬。
332176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:49:56 ID:ER+JYoHi

「い、いやだから……」
「記念ぐらい、いいよね?」

 キラキラと星でも出そうな潤んだ瞳で、クロノを見つめる無垢な少女。
 弱いのだ、その視線にクロノは。最大の弱点なのだ。
 すでに彼の中で何か大切なものが崩れた。

「しょ、しょうがないな。た、但しあまり長くは使うなよ……」

 心の中で全員がハイタッチを交わした。気分で言うならまさにそれ。

「ありがと……お兄ちゃん」

 とどめの一撃! こういうところは普段のフェイト同様、手は抜かない。
 クロノはクロノで

「ん……」

 真っ赤な顔で軽く手を上げた。
 これでしばらくアースラで涼める。アリサの一計は完膚なきにアースラを、クロノを屈服させたのである。

* * *
333176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:51:42 ID:ER+JYoHi

 どこかの次元のどこかの平原。
 整然と、しかしある種の貫禄を漂わせて少女たちが杖を構えて佇んでいる。
 監督役のエイミィは通信音声最大で彼女たちに呼びかけた。

「はーい! じゃあみんな準備はいいかな?」
『バッチリです! エイミィさん!』

 モニターの中でなのははこの上なく上機嫌で

『綺麗取ってくださいね! 一応、アタシたちのデビュー作品ですから』
「はいはい」
 
 アリサはくるりとデバイスを片手で一回転

『え、えとエイミィ……つき合わせちゃってごめんなさい』
「いいのいいの! 細かいこと気にしない!」

 遠慮がちなフェイトの背中を押して

「じゃあ最高画質でお願いします」
『もち! 容量はたっぷりあるからね!』

 どんな注文にも答えて見せよう。
 コンソールを目まぐるしく叩きながらエイミィは暇な日常に振ってきた思わぬ娯楽にノリノリであった。

「えと……いいのかな僕が中央で」

 ずらりと並んだ少女たちの只中、ちょう真ん中に配置されたユーノは恐る恐る尋ねた。ちなみにちゃんとした人間形態。

「色合いよりもバランスなのよね。そりゃあもう一人魔法少女がいるなら別だけど」
「あっ、やっぱりそうか」

 つまり穴埋めですね。
 端に男が一人で決めてもそれはそれでなにか釣り合いが取れないし。
334176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:52:31 ID:ER+JYoHi

「大丈夫、かっこよく取ってくれるから、胸張ってユーノくん」
「なのは……」
「いつも頼りにさせてもらってるし」
「うん」

 これは役得なのだろう。
 思いを寄せる少女の一言にどうでもよくなった。

『では、みんなオッケー!?』

「「「「「はい!!」」」」」

 それではポチッとスイッチオン!!
 押されるエンターキー。流れ始めるBGM。
 一昔前の特撮を思わせるような、レトロチック音楽が鼓膜を震わせ、その中で少女たちが高らかに叫ぶ。

「気分はいつも全力全開! リリカルなのは!」

 どこまでも真っ直ぐで

「輝く心は不屈の証! ライトニングフェイト!」

 誰よりも気高き心を持って
 
「任務は全部一撃必殺! バーニングアリサ!」

 希望をかざす少女たち

「溢れる勇気で頑張ります! ノーブルすずか!」

 その名は――

(えっ!? 僕台詞なし!?)

「「「「魔法少女戦隊!! リリカル!!」」」」

 風を切る相棒は光放って

「「「「ストライカーズ!!!」」」」

 ズドォォォォォォォォォォォォン!!!!!

 五人の背後から爆炎が咆哮した。
335176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:53:08 ID:ER+JYoHi

「うわあああああ!!!」

 そして男が一人、爆炎に空を舞った。

「あっ、ユーノくんが!!」
「あれ、火薬の量間違えたしら……」

 ちなみに火薬とは名ばかり。本当はアリサの高圧縮魔力弾頭だ。

「やっぱり……僕ってこんな扱いなんだ」

 遥か地平線まで吹っ飛ぶ勢いで空を翔ける少年は思う。
 炎はすごく熱くて、涼みに来たことが嘘みたいだ。
 でも、四人の笑顔を見てるとやっぱりどうでもよくなって。これがいつまでも続けばいいと、素直に思った。

「じゃあエイミィさん、今のでお願いしますね」
『はいはーい! ばっちりいい絵が取れたし、永久保存版にするよ!』

 て、おい。

「艦長、どのくらい製造しましょうか?」
「そうねぇ、手始めに10000枚くらいかしら」

 何勝手にあなたちは話を進めているんですか。

「儲けは全部アースラ持ちで!」
「当然じゃない」

 もう、頭の中では次のイベントの計画案が進行中。
 目指せ、100万人コンサート!

「ユーノ……お前も大変だな」

 ただ一人、男は涙した。
 

 こうしてとある夏の日は笑顔と共に――。

336176 ◆iJ.78YNgfE :2006/12/31(日) 23:53:59 ID:ER+JYoHi
ひゃほーい!
年越し記念投下完了!!

来年もいい年になりますように!

時間が無いのでレス返しは来年に。
337176 ◆iJ.78YNgfE :2007/01/01(月) 01:04:32 ID:448IyF6C

レス返しが一年たってからなんて……

というわけで生き抜きな話、年越す前にというわけで
若干突貫工事なお話でした
しかも季節感ねぇ!

まぁ、描き始めて大分たちましたね
今年もよい年になりますよう、よろしくお願いします

で、次で10話になりますね(進んでねぇ
区切りも良さそうなのでここであの二人のデバイスについて

アリサのバーサーカー
彼はどちらかというと主人とは彼女を見ていません。やはり『Buddy』というように
相棒です。主従関係というより兄妹に近いものがあったり。
バリアジャケットは簡単に言うならパワパフZの臍だしスカートなしな感じです。

すずかのシルフ
彼女はすずかが評したとおりメイドです。自分的に『mistress』は『お嬢様』で
『Obey』は『仰せのままに』な具合に受け取ってもらえれば。
バリアジャケットはなのはの上半身にはやての下半身、それに白マントを取り付けた感じです。

イメージと違っていたら私の力不足です。ごめんなさい。
でも、コミケ行ってもなの×ユーは一つしかないし、アリサやすずかも……少なかったなぁ

>>640
さっそくエリオ登場ですか
ああ、一時の母親かぁ(遠い眼差し
さっそく性教育を(サンダースマッシャー
338名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 05:47:22 ID:+RaZ6UeE
あけおめ!
ヴォルケンリッターやアダルトなのは&フェイトのシーツ買ってきちゃった
339名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 09:42:27 ID:ZhY8cqFX
あけましておめでたう!
メガミの漫画でエリオを溺愛してるフェイトが見れたので新年早々色々と妄想が膨らむ俺だぜ
340名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 11:20:01 ID:XcgqEu/+
あけました!!(・∀・)ノ
今年はリリなの3期の放送が決まって喜びまくりの自分がいますwW

まぁそんなこんなでこのスレも皆さんで盛り上げていきまっしょい ←古っっ
341名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 15:22:29 ID:Q52sbprc
>>176氏乙。
つかユーノ哀れすぎ、まぁこういう扱いもユーノぽいしGJ!

>>640氏も乙です
いい話キター(・∀・)
今のところは情報少ないですが、実際もこんな感じかも。

でみんなあけおめ(`・ω・´)です
後は保管庫の管理人さんが復活してくれればなぁ……
342さばかん:2007/01/01(月) 17:18:32 ID:sc2isCOJ
どうもー久しぶりです。
今回のはエロなしのごちゃごちゃものです。暖かい目で見てくださいね。
343さばかん つかいまなのなのは1:2007/01/01(月) 17:20:24 ID:sc2isCOJ
 前回までのお話。
 謎の少年からもらったチケットでユーノとフェイトの二人は
 『東京デスバレー2(に)ランド』略してデスニーランドへと遊びに行く事にした。

「ユーノ、何に乗ろうか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 無視しているわけではなく、もう選択の余地さえ残っていない。
 来て乗り物をある程度見渡す事を提案したのは僕が絶叫モノが苦手だからだ。
 過去一度だけ乗った事があるのだが・・・もう乗りたくない。
 フェイトは乗ったことが無いように思われたが、実は乗った事が
あるらしく、あまつさえ、絶叫モノLOVEらしい・・・なんだよもぅ。
 えーと・・・諦めた、このデスニーランドとやらは観覧車以外絶叫モノオンリィ。
「ユーノ?ゆーのゆーのゆーのゆーの〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
「もう、どんとこい超常現象!!!!!!!!!」
 テンションが変。

 何度も逝った気分になった。
 初っ端からジェットコースターにはまったフェイトは平日の空きをおおいに利用して
連続8回乗りと言う前代未聞をこなし、バイキングを3回、フリスピーを12回乗った。
「ふぅ・・・フェイトお待たせ」
 トイレで上からも下からも散々吐いて楽になった僕は不思議と笑顔で彼女に駆け寄った。
「ふぅ・・・流石に疲れたね」
 ぶちん。
 ちょっと切れそうになった。僕はフェイトのことを思って付き合って、こんなにも大ダメージを受けて
いると言うのに、いや、それも苦手と言わなかった僕が悪いんだけどね。
 彼女の持つ三半規管はバケモノか。
「フェイト、今度は僕のリクエスト・・・いいかい?」
「え?うん・・・」

 ついた場所はデスバレーゲームランドと言ってミニゲームに挑戦すると言うものだった。
 数種類あるもののどれも難しそうだ。
「よし!あのミニボウリングにしよう!」
「いいねー」
 そのミニボウリングとやらの傍にいる、変な帽子を被ったおっさんにお金を渡す。
「200以上取れたらいいものあげるよー」
 まるで、リストラされたおっさんみたいにやる気の無い声を響かせるオッサン。
「200だって。ユーノ、最高点はどれ位?」
「72」
「・・・・・・やめたら?」
「大丈夫大丈夫。なんせ、みに!!!ボウリングなんだから」
「うんそうだね」
 何故棒読みなんだ、フェイトよ。
「信用してないようだね。それにね、その点数は3年も前のなんだよ。
今の僕ならば・・・200なんて軽い!!!」
 そう言いながら、第一球。ガン。ガーター。
「ユーノ、どんまい」
 励ますフェイト。
「駄目じゃん。手首がさ、曲がってんだよ。だから途中で曲がっちゃうんだよね。
俺が手本見せてやるからよ」
 オッサンが転がってくるボールを取り、ブン投げる。
 がっっしゃーん。パワーボールで見事なスペア。
344さばかん つかいまなのなのは2:2007/01/01(月) 17:21:20 ID:sc2isCOJ
「お見事!!」
 パチパチと拍手するフェイト。
「凄い・・・じゃなくて、何勝手に投げてるんですか!?一応金払ってるんだよ。第一さっきの
なれなれしいアドバイスは何だったの?貴方は子供に必死に教えてる休日、
パチスロ店で格別熱いイベントが無いからたまには家族サービスしなくちゃなって感じの
センスの無いお父さんかー!!!」

「甘い!俺は独身だ!!!」

「参りました」
 年をとると、人は逞しくなるんだ。
「おーい、ユーノ。やるの、やらないの?」
 いやらしい意味に一瞬聞こえた。
「まぁ・・・やるさ、ミニボウリングだから簡単だからね」
 そう言っていたが、200超えるのに4ゲームかかった。
「おめでとうユーノ。そら、持ってけ!」
 渡されたのは微妙な人形でとても可愛いとは言えなかった。
「・・・・・・・・・・・フェイト、いる?」
 ふるふる。
「おっさんにあげるよ」
 全員微妙な顔をした事は言うまでも無かった。

 微妙なものにがっかりした僕達二人はいいものは無いかと、
辺りを見渡すと空クジ無しのスピードくじを発見する。
 特賞は二つあり一つは、幻し(らしんばんという店では
こういう表記)と言っても過言ではなく、店頭で見かける事さえ
ありえない商業本「DANDY:LION」、そしてもう一つは、
「すずなじっぽ!!」
「うおっ!!」
 フェイトの目がキラキラ輝いている。
「やろう、ユーノ!!」
 エロイ意味ではない。
「あ、うん」
「1回500円だよー」
 またもやおっさん、さっきとは別人。
「早速引こう!」
 円形のプラスチックを舞う紙を気合をこめて取る。
「5等」
 がっかりするフェイトにさらに追い討ちが。
「はい、この中から好きなものを取ってってー」
 それは、空気で膨らましたバットのようなものだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ううっ」
345さばかん つかいまなのなのは3:2007/01/01(月) 17:22:15 ID:sc2isCOJ
「次は、僕だね」
「5等」
「ううっ・・・うううううううううっ・・・・・・・・・・・・・・」
 膝を折り、泣いてしまうフェイト。
 僕とフェイトは顔を向き合わせて、互いに頷き合う。
 向かったのはミニボウリングのオッサンのところ。
「「あげる」」 
 さっきのバットを渡す。
「てってめえ!おっさんに何もかも押し付けやがって!!いつかおまえらに
年金の負担のみを押し付けてやるからな!!!見てろよ、糞ッたれ!!!!」
 不安な未来。

 微妙な昼食を食べ終わった僕達はパンフレットを取るとフェイトと一緒に見て、
どこに乗ろうか会話していた。
 すると、
「待ちな!!!」
「「?」」
 正面を見れば、海賊の船長の格好をした人が堂々と立っていた。
「おめぇら何パンフ勝手に持っててんだよ」
「え?だって自由にお持ち下さいと書いてあったから」
「あんたはなんで○鑑定団をみたことがあるか?」
「二人で毎週見てますけど」
「それでよくあるだろ。『お譲りしますよ』って。それで結局は
金はらってんじゃん。何、日本語曖昧じゃん、みたいな。だから日本は気にくわねぇんだよぉ!!!
後、NOT FOR SALE とか言いながららしんばんで売ってんじゃん!!!!」
 たまにそう思うけど、ご自由にって意味はその名の通りの意味だと思う。
 
 ちなみに。
※譲る(ゆずる)@自分のものを他人に与える。Aへりくだる
 曖昧ですねぇ・・・
※自由(じゆう)@他から束縛されない事A思いのまま
 一方こっちは、ユーノきゅんの主張が正しいような気がします。

「ぐちゃぐちゃ言ってねぇで・・・たまぁとらせろ!」
「はぁ!!!」
 ゲシ!ナイフごとフェイトが顎を蹴り上げてコスプレの男を
一撃で倒す。
「フェイト、有難う」
「本でね、こう言ってた」
「『でも・・・そうね。あなたが望むのなら紳士にだってなれるわ』って」
「は、ははは・・・」
 セクト。しかも2。18禁。そう書かれていないけど。
 妙にずれたフェイトの感覚だが、詰まり守ってくれると言う事だ。嬉しい。
346さばかん つかいまなのなのは4:2007/01/01(月) 17:23:20 ID:sc2isCOJ
「我(わが)、愚弟ファック船長を一撃で倒すとは、少女よ、やるなぁ」
「ありがとうございます」
「なんかまた出た!」
 それは覆面を被ってネズミ耳をつけたとんでもない筋肉を持つ、長身の
大男だった。
 しかし、
「怒らないんですね」
「何故怒るんだい?少年。ここはそもそも私と戦う事を目的としながらもアトラクションで
楽しく遊ぶと言う新感覚のサンクチュアリだせ?」
「そう言えば」
 平日で少ないとは言え、来ている人は悉(ことごと)くいい体をしていて、その闘志は
今更気付かされたが、とても熱いものがある。
「さぁ、このバラを胸に付けてくれ」
「・・・何の意味があるんですか?」
「そのバラが散った方が負けさ」
 どこの少女革命だよ。
 パクリのパクリだし・・・
 と、その大男は突然そのバラを握りつぶし辺りに散らした。
「だが、俺達の間にこんなものはいらない・・・そう思わないか?」
「はい!」
「我名はデスニー・・・参る!!!!」
 じゃあ何故渡したんだろう。
 そう思った次の瞬間。
 ありえない光景が僕を奪った。
             ごがっ!!!!
 一撃の美学があるとしたならば、これが見本と言うべきか、フェイトの体が地面に倒れ
動かなくなっていた。

「そうか・・・私、負けたんだ」
「うん、あの人、ふざけた格好してたけど相当強かった」
 フェイトが倒れた後、宿泊先のホテルに連れて行った僕はとりあえず、
 おかしなところが無いかどうか確認して異常が無いと分かった途端安心した少し後に
目を開けた。
 彼女に混乱した様子は無く、敗北という現実をちゃんと受け入れていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 無言が続く中、テレビと空気だけが、この空気を唯一繋げていた。 
「私、負けちゃった・・・」
「え、別にそんな事を気にしなくてもい、」
「あの子に負けた、負けた負けた負けた負けた負けた!!!!
もう負けないって、負けないって思ってもやっぱり負けた!!!!!!!!!」
「フェイト・・・」
 泣きじゃくり俯くフェイト。
347さばかん つかいまなのなのは5:2007/01/01(月) 17:24:10 ID:sc2isCOJ
 そうか・・・彼女は女の子なんだ、一つの事にくよくよするのもまた女の子。
 だが、彼女が泣いているのはそれだけでは無い。
 それは、「きっかけ」に過ぎない。
 勿論その原因の一つには「僕と彼女の事」というのが殆どだろう。
 この数日、僕は冷静になれた。彼女も考えたと思う。
 彼女は守るべきものを考えた。
 正確に言えば、僕は守るに値する存在なのか、という事。
 しかし彼女は僕の使い魔なのであって、どんな意思だったとしても行使するの
には問題無い。
 だって、使い魔は人間の都合の良い道具なのだから。
 これからの付き合い。心を通わせた暖かいものとなるのか、それとも・・・
 はっきりしなくてはいけない事だろう、いつか、いや、
 今か。

 夕食を食べ終えた私は温泉に入る事にした。
 体を洗いながら考えた。
 私達はこの何年かは駆け足だった。
 だから、その道の走り方なんて、見る暇さえ無かったんだね。
 ゴシゴシと肌を滑るタオルをボーっと眺める。
 私はずっとユーノを騙している。
 ユーノはクロノから私を奪い取りたくてクロノを殺し、私を自分のもの
にしようとした。
 でも、クロノクロノと叫んでばかりいた私に激怒したユーノはトラウマを追わせる事により
記憶という曖昧にして重要な世界の繋がりを失わせようと幾度と虐待を加え、結果として
私は記憶を失った。
 と言う設定にしている。
 確かに記憶は無くした。ただそれは一時的に過ぎず、体は記憶と言う糸を勝手に、しゅるしゅると
世界に繋げ直した。
 無くしたふりをしたくなったのはユーノがとても穏やかな顔になったからだ。
 ユーノは前よりもずっと穏やかになった。と言っても、それは前よりはで、穏やかとはとても言えない。
 でも、それでも、彼のそんな顔がもっと見たいと思った。
 それは彼の使い魔になったからか、それとも・・・愛?
 分からない。私が好きなのはクロノなのかユーノなのか。
 バシャンと湯をかぶりすっきりすると初の温泉に浸かる。
「ふりゅぅううぅぅうううぅ〜〜〜〜〜〜〜」
 全身から疲れが取れる〜〜〜〜〜〜〜。
「ほんまやな〜」
「ええ、そうですね」
 温泉とは共同風呂、人が入ってるのは当然だと言う事は知っている。
 しかし・・・この声はどこかで聞いた事があるような・・・
「あ、フェイトちゃん!」
「あ、ああ!!!」
 思わず指差し。彼女は確かなのはの主人である。
348さばかん つかいまなのなのは6:2007/01/01(月) 17:25:26 ID:sc2isCOJ
「八神・・・はやて」
「ん」
 はやては横から杯を取り出すと、持っていたビンの中身を注ぎ飲む。
「フェイトちゃんも一献どうや?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 この状況から判断すると邂逅(かいこう)らしい。一時休戦と言う事か。
「いただきます」
「どぞどぞ☆」
 ごくごく。冷たい液体が喉を通る。
「美味しい・・・変わったお水ですね、なんて水ですか?」
「魔王」
 あれ?それどっかで聞いた事がある。たしかそれって・・・
「お、お酒!!!」
「そうや。たまには奮発しようと思ってな〜」
「ま・・・まぁいいけど」
 お酒を飲むのは初めてでも無いし、でも、これを飲んだ後は必ずユーノと・・・
「本来お風呂でな、お酒は飲んじゃいかんのよ」
「ん・・・なんか、酔って」
「酔いが回るのがはやくなるからな〜☆」
「あ・・・はやて、なんか目がギラギラしてる」
「ぐへへへへへへへ〜フェイトちゃ〜んお肌が桃色でとっても美味しそう」
「ひ〜〜〜〜〜!!!」
 温泉から出て、脱衣場まで行くも、酔いが回るのがはやく、私の動きは
想像以上に遅い。
 私は脱衣所で裸で押し倒されていた。
 掴まれた両腕は酒のせいで、上手く力がはいらない。それともはやての
性欲パワーだろうか。
「とりあえず頬擦り〜」
「うわぅわー!!」
 すりすり。
「そして、ちゅ〜!!!」
「!!!!!!!!!ユーノ、助けて〜!!!!!!!!!!!!」
 ピタッ。
 目を開けるとはやては私の体から離れていた。
「フェイトちゃん、それが答えや。君が好きなのは、確かに、ユーノくん」
「え?」
「君のピンチを救ってくれるのは彼なんやろ?だったら、間違い無く大好きやで」
「なんで・・・?」
「かーんたん。ピンチの時に助けてくれる人はとっても、とってもカッコイイ!!!!」
「あ・・・」
 不思議とさっきの悩みがバカバカしく思えて来る。
 この世に偽りの愛はある。でも、愛だと思ったら、それはきっと
                  あい!!!!!!!!
 分かり辛い。詰まり・・・私の中で整理するなら。
 彼をどうしようも無い位、愛しているという事だ!!!!!!!!!!!!
 私には彼が必要、使い魔としてでもいい、なら、好き。好きにならない理由が無い。
 愛している。この私が。
 私のテンションが、可笑しな事になっている、何故?
349さばかん つかいまなのなのは7:2007/01/01(月) 17:26:16 ID:sc2isCOJ
「あ〜酔っとる」
「しかし、はやて、なんで私の悩みを知ってるの?」
「いや〜全部喋ってたよ」
「あ」
 喋ってたのか・・・長ったらしいあれ。
「で、はやて。本気で食おうとしてたでしょ」
「うん!」

 部屋に戻った私はユーノに言った。
「私、記憶喪失してないんだ」
 ユーノはその話かといいたそうな目で私を悲しそうに見た。
「知ってる。あの頃の僕はどうかしていた。記憶なんてそう簡単には無くならない」
「うん。宝物だから」
 窓の外を見るユーノは景色の一部みたいで儚い。
 ユーノは何かを覚悟したような声色で確かに言った。
「フェイト。君が僕の事を好きになってくれなくても構わない。君は道具で僕は腕。
だからクロノを好きでも僕は別に構わ、」
 その後姿を捕まえた。
「ユーノは嘘吐きだね。じゃあ簡単な問題を一つ。好きの反対は?それが私の気持ち」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・それは、嫌いって事?」
 振り向いた僕にフェイトは静かに・・・口付けをしていた。
「好きの反対はキスに決まってるじゃないか」
「あ・・・フェイト!!!」
 フェイトをめいっぱい抱き締め僕はもう一度唇を重ねていた。
「好き」
 その夜、体を摺り寄せ唇を重ねる事で僕達の夜は過ぎていった。
つづく
350リリカルなのは作家十訓:2007/01/03(水) 16:35:27 ID:wUB1KQ/U
一、プロローグで止めずに書け
一、前書きや後書きでの言い訳はほどほどにして書け
一、言いたいことがあるなら全て作品に詰め込んで書け
一、他人が楽しめる作品を書け
一、限界を越えて書け
一、ネタがあれば書け
一、ネタがなくても書け
一、何でもいいから書け
一、地の文を書け
一、夢を見て書け
一、プロットを作って書け
一、てにをはを間違えず書け
一、逃げずに書け
一、間が空いても書け
一、自信をもって書け
一、日本語で書け
一、覚悟完了して書け
一、くじけずに書け
一、思い切って書け
一、既に十訓ではないがまぁ書け
一、他人のフンドシを借りてでも書け
一、萌えキャラを書こうとするな。キャラが萌える行動をする様子を書け
一、喰うのを忘れて書け
一、いいから続きを書け
一、2chに入れなくても書け
一、パソコンがなくても書け
一、ネット喫茶すらなくても書け
一、よく寝てから書け
一、地雷でもいいから書け
一、でもできれば面白いのを書け
一、推敲しながら書け
一、考えてから書け
一、考えて書け
一、考えながら書け
一、考え直して書け
一、明日も書け
一、忘れられていても書け
一、人に読んでもらいながら書け
一、ヴィータを猪突猛進バカに書くな
一、「ハラオウン」を「ハラウオン」と間違えるな
一、ユーノが淫獣キチガイなネタはそろそろ飽きた
一、時間があれば書け
一、時間がなくても書け
一、最後まで書け
一、「最も」と「尤も」は区別して書け
一、辞書を引きつつ書け
一、文章でクソたれる前と後に「サー」と言ってから書け
一、とにかく書け
一、失敗したら新しいのを書け

一、なんか多いが、細かいことは気にせずに書け
3516スレ480 ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:38:42 ID:zGqOKnll
4日目ですが一応挨拶を
明けましておめでとう御座います。

で、今回は6話の後半、前回長すぎて見送った部分です。
つまりこれと前回の>>144-161(+>>162)と今回の分を足して一話です。

では何時もの注意書き

似非(えせ)クトゥルフ神話注意
長いです。
352魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:39:20 ID:zGqOKnll
シャマル「さて、いよいよ6話も後半戦ね、でも……」
ヴィータ「言いたい事もあるんだけど……取り合えずはおさらいか」
シグナム「アースラが辛うじて助かった所からだな……」
ザフィーラ「それよりもだ……」
はやて「そやな、みんなの言いたい事は良く分かる。せーので行くで」
5人「出番ってこれだけかいーーー!!(怒)」
353魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:40:04 ID:zGqOKnll
三人が、格納庫に入った時にはすでに慌ただしく多くの人が動いていた。
ここまで出てきた医療スタッフも居れば、ここまで入り込んだ異形の死骸を放り出す者も居る。
血のこびり付いた壁面と破壊された機材はここも激しい戦火に曝された事を意味する。
そんな生々しい戦場の跡地でなのは先ずフェイトと再開を果たした。彼女は右腕が無かった。
「フェイトちゃん!どうしたのその腕?」
フェイトは少し恥ずかしそうに笑った。
「ペシュ=トレンから離れるときヘマやっちゃって……なのはの足は?」
なのはは今、魔力を節約するためにレイジングハートを松葉杖代わりに立っていた。
「私も似たようなものかな、バリアの範囲の計算を間違っちゃて……」
そう言って自由な手で頬を掻く、二人の状態と場所さえ考え無ければ放課後の帰り道にでもしていそうな会話である。
緊張感の無い会話にため息をつきつつ、クロノは格納庫から艦橋経由で、
どの後方支援師団のどの艦隊に行けば良いのかを本隊と話し合っていた。通信アンテナは応急処置で何とかなったらしい、
医療スタッフの一人がなのはに駆けつける。
「遅れて失礼します。直ぐに手当てをしますので腰を下ろしてください」
彼を一瞥しただけでなのはは答える。
「私は大丈夫、緊急を要する人にお願い」
「もう貴方が一番重症です。足が炭化してるじゃないですか、さあ分かったら座ってください、
 魔力の関係で再生までは出来ませんが火傷だけも治しておきます」
なのはは苦笑いをして椅子代わりの残骸に腰を下ろす。
「それじゃあお願い」
治療をしてもらう傍ら、残った魔力で念話を飛ばし、自分の部下に招集を掛ける。
僅かな魔力の消費で意識を失いそうになる。頭を軽くふる隣でクロノがエイミィに指示を出していた。
「ルルイエ脱出の為の転送はどのくらいかかる?」
『う〜ん、メイン駆動炉が焼け付いて、補助駆動炉もいま応急処置の最中だから……
 あと12分位かな、9分過ぎたあたりで一端バリアを切って、全出力を転送にまわすわ、』
クロノは少し考え、直ぐに結論を出す。
「分かった、なら転送後に艦橋に戻る」
全館通信を入れ声を張り上げる。
「これより生存者の確認を行う、各隊の現代表者は生存者の報告を行うように、
 アースラ艦隊の他艦又は他艦隊から来た者は所属も明言すること、以上!」

格納庫がにわかに騒がしくある。なのはも集まってきた部下を前に立ち上がった。
足が再生しているわけではないが、火傷は納まり、脛から濃い桃色の肉と薄い桜色の骨が除いている。
消毒も包帯も無いが、後方で治療魔法一つ貰えばいい話だ。
本当は魔力の方が欲しかったのだが、それでこそ贅沢と言う物だ。レイジングハートを杖代わりに使い、
生き残った部下を見渡し、号令を掛ける。
「整列!番号!」
突入までは居た見知った顔が居ない、突入前まで、奇跡的に、一人も欠けずに来たと言うのに、
誰もが帰るべき場所と待っている人が居た。誰もが夢と希望を胸に抱いていた。
誰もが世界を守る使命に燃え武装隊に入れた事を誇りにしていた。
だから心に誓ったはずだ。己の身を犠牲にしても生き残らせると、
だか現実はどうだ?
指揮官の心の乱れは容易に部隊を全滅に追い込む、悔しさとやるせなさを隠すために唇を噛むと、
「そうか、ずいぶん減ったな」
本心を悟られないように、素っ気無く言い捨てクロノの方を向く、背後の空気が激化した。
「それだけか!」
生き残りの一人が殴りかかろうとして拳を構える。目を合わせると泣きそうになる。
だから、それを肩越しに一瞥しただけで無視しする。
「てめぇ……」
彼が踏み出すそうとしたとき、その拳を止めるものがいた。彼女と同じ砲台を守っていた隊員だ。
彼は一歩踏み出すとある一点を凝視し口を開く
「あの手……」
言われた本人を含め、高町中隊の視線が彼女の自由な手に集中する。
「あ……」
彼女は初めて自分が握りしめた拳から血が流れていることに気が付いた。
反射的に手を隠し、少し急ぎ気味にクロノの元へ向う、
その背後では隊員が静かに見守っていた。彼女の行動に憤る者は誰も居ない、
354魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:40:40 ID:zGqOKnll
フェイトは手短に報告を済ますと、兄より先に艦橋に向っていた。
右腕は相変わらず欠けたままだ。利き手が欠けるのは不便ではあるが、
それももう少しの辛抱だ。後方支援師団にたどり着けば腕ぐらいいくらでも生やす事が出来る。
報告は簡単だった。自分とアルフ以外はズールーとの戦いで全滅したのだ。
自分だって、吹き飛ばされたときに別の船の陰に入らなければ死んでいた。
即席で組んだ隊だとは言え、死線を共に潜った仲である。やるせない事に変わりは無かった。
そう言う意味では、出向いた艦隊で出会った技術士官が生きていたのは救いだった。
彼ともう少し話しがしたかったが、自分は艦橋での仕事もある。
手短に別れを済ませて主の減った居住区を進む、
艦橋にたどり着くと、すでに転送のカウントダウンが始まっていた。
『総員対衝撃用意、出力の関係で時間がかかるぞ、気を付けろ!』
慌てて自分の定位置に付くと、目眩がした。進入した時は一瞬だったが今回は長い、
応急処置をすませたばかりの補助駆動炉が悲鳴を上げていることが艦橋のモニタで分かった。
だがエイミィを始め、艦橋のクルーはその様子を悲観しては居ない、全員ピクリとも動かないでモニタを凝視する。

目眩が止まり、モニタが晴れた。其処には懐かしささえ感じられる次元空間が移っている。
そこに多くの船があった。その殆どが右翼後方支援師団の船だ。幾つかの船から小船が発進してきた。
それらは二本の列を成し、それが道となって支援師団の旗艦となる時空管理局の超大型ドック船に続いていた。

歓声

帰ってきた。その喜びを噛み締め、皆が声を挙げる。それは格納庫でも同じだった。空中に表示されたモニタを
皆、身を乗り出して眺め、思い思いに声を挙げる。クロノもエイミィも今回ばかりは止めなかった。
クロノは落ち着いた足取りで艦橋に向う、ああ言うパホーマンスが出来ると言う事はこの辺に敵は居ないだけでなく、
戦況も非常に良いと言うことだ。いくらあの人でもそうでないならこんな事はしないだろう……

支援師団の旗艦から通信が入る。
『ルルイエ先発突入師団の皆さん、お帰りなさい、』
その声にクロノは苦笑をもらす。モニタに映っているのは彼の母親だった。
「ただいま、あのドッグで良いんだね」
『ええ、直ぐに分かると思うけど、それで、一度全員退艦してくれない?
 この船内の部屋は着いた時に送るから、』
どうもその場でオーバーホールかそれに近い大掛かりな修理をしてしまうらしい、
アースラの現状から考えるとスクラップの方が妥当な気もするが、実はフレームだけは死守出来ていたのだ。
何か秘策があるのかもしれない、
「了解」
『それと、各国の方から生き残りに対する指令が来ているわ』
先発突入師団は解体され、アースラ自体はたの大幅に戦力を消失した艦隊とあわせて、予備艦隊として
右翼師団に再度編入される事になっている。
「それはこちらで伝えておこう」
通信を切りドッグの中に入っていく、ふらついて居る船が綺麗にドックに収まると周囲から感嘆の声が上がった。
早速整備員が取り付いて、状況を調べ始める。ハッチの前まで階段代わりのフローターフィールドが伸びてきた。
その階段を下りていく生き残りを見ながら現状を確認する。
「固定されたか?」
「ええ、もう大丈夫です」
彼はその答えに頷くと最後の指示を出した。
「よし!全システム終了、全駆動炉止めろ!」
程なくして艦内の証明が切れ、非常灯が灯る。
「全システム、正常に終了しました」
そこで初めて彼は肩の力を抜き、安堵のため息を漏らした。
355魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:41:58 ID:zGqOKnll
なのはは足の再生と同時進行でさまざまな検査を受けていた。彼女が横たわるベットはいくつもの環状魔方陣を潜っており、
その環状魔方陣は全てが激しく明滅している。横では部下が形式的な検査を受けていた。
皆、疲労が酷いので四肢を失うなどといった大怪我をしていない限りは、精密検査は一度休んでからと言うことになったのだ。
行動に影響を与える割合を考えてか、足の欠損は優先順位が神経中枢、内臓の次に高かった。
「足は治りましたよ、ちょっと動かしてみてください」
その声に彼女は目を開ける。目に映ったのは生えたばかりの新しい足だ。動かしてみるとちゃんと動いた。痛みも無い、
起き上がろうとすると待ったをかけられる。
「貴方には戦場で使ったドラッグの中毒症状に陽性が出ています。このまま完全に抜いてしまいますので
 しばらく寝ていてください、あ、最新の医療魔法を使って後遺症は一切残しませんのでご心配なく」
やっぱりなっていた。そう思うと少し悲しくなった。だが、医療魔法を使うと後遺症も一切残らずに消し去ることも知っている。
ドラックに対するタブーは時空管理局は地球に比べると驚くほど低い、彼女の悲しいという感情も地球基準の物だ、
だが、理解していても少し不安になる。
「私の部下は大丈夫でしたか?」
この状態でも部下を思う彼女に医療スタッフは頬を緩める。
「危険のある人は簡単な治療魔法で禁断症を先送りにしていますので、一休みしてからですね彼らは」
そうですか、とだけ答えて再び目を閉じる。疲労が激しい、少しは寝てしまっても良いだろう、

再生治療の順番待ちをしているフェイトはあの整備員と話込んでいた。
「君は管理外世界に住んでいるのか……珍しいと言っていいのかな?」
彼はそう行って首をひねる。
「かなり珍しいと思います。長期的な滞在は管理局でもめったにありませんから」
彼はそれを聞くと天を仰ぐ
「なるほどねえ、俺の息子ももう直ぐ9歳になるが……とてもそんな大仕事は無理だな、あのボンクラは」
「そんな事無いと思いますよ、私は人より特殊な環境で……チャンスが他の人の10倍ぐらい有りましたから」
そう言って自分も天を仰ぐ、思い出すのは今もあの世界で暮らす友人の事だ。
「失礼します」
通路の向こうから声がかかる。見ると管理局以外の制服を着た二人の男が立っていた。
「貴方を迎えに来ました」
それは彼女はでは無く、整備員に向けられたものだ。そこで初めて二人の男の制服と整備員の着ている制服が
同じものである事に気が付いた。
「私は今後どうなるのです?」
少しめんどくさそうに尋ねる彼に彼等は答えた。
「貴方は我々の補給艦隊で精密検査を受けていただいた後、本国での勤務になります。
 道中は全て我々が護送しますのでご安心ください」
「護送とはまた大げさな……」
そう言って彼の目が留まる。彼等が懐から一通の封筒を取り出したからだ。
「それと、おめでとうございます。貴方はこの場で昇進後、
 本国に帰ったあと更に、もう一階級昇進の通知と同時に2重深緑勲章が贈呈される事が決定しています。
 本来は2階級特進としたいのですが、何分我が国の法律で戦死者以外に認められませんのでこの様な形になることを
 ご了承ください」
だか、当の本人は浮かない顔をしている。
「私はそんな働きをした覚えはありませんよ」
彼の返答に彼等は苦笑した。
「今や貴方は我が国一の英雄なのですよ」
今度は彼は苦笑する番だ。
「英雄?そんなものはこんな所を探しても居ませんよ」
そう言ってフェイトをチラッと見る彼女は頷くと当たり前のように続けた。
「本当の英雄と言うのは死んだ英雄を指すのです。生還した時点でただの兵士ですよ」
そう言って二人に目を向ける。隻腕で小柄な少女の眼光に二人の男は思わずたじろぎ後づさる。
「この方は?」
「私を助けてくださった方です。本来は執務官をしているそうで」
男の紹介に合わせて彼女は自己紹介をすます。
「始めまして、時空管理局でアースラ勤務の執務官をやっておりますフェイト・T・ハラオウンと申します。」
「ハラオウン……」
二人が息を飲む音が聞こえた。ああ、こんな所でも有名なんだと思うと少しその家の一員である自分が誇らしい、
だが、人を家柄で判断するのはどうか、そう考えていると今度は自分に声がかかる。
「フェイトさん、次は貴方の番です」
治療の順番が来たようだ。3人に別れを告げて医務室に向う、部屋に入る前に二人の言葉が少しだけ聞こえた。
「それでも国民は望ん……」
356魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:43:23 ID:zGqOKnll
なのはが自分に充てられた部屋に入ると、沢山の荷物が置いてあった。
「?」
幾つか荷物には見覚えがある。一緒に添えられたメモを見ると、戦死した自分の部下の遺品を
クロノが持ってきてくれたらしい、本来は自分がするべき事だが足の状態が状態なために出来なかったのだ。
遺品を家族に送るのは隊長の役目だ。ここから送る事は無理なので、とりあえず人ごとに分けて倉庫に預ける必要がある。
そう思って、手にとると不意に涙が溢れて来た。
(だめ……まだする事が残っているのに……)
荷物は少し落ち着いてからにしてベットに倒れこむと、その場に有った情報端末から今後の予定を取り出す。
疲労で今すぐにでも眠りたかったが、それまでにする事は沢山有った。
今の部隊にもっとも適した変性に班を組み直す必要があるし、それを説明するミーティングの予定も合わせる必要がある。
彼女は直ぐに生還した隊員の状態を調べ始める。

クロノはドックでエイミィと一緒にアースラを眺めていた。改めてよくもまあ持ったものだと思う、
それほどアースラはボロボロだった。技術仕官達の話を盗み聞いても、奇跡だとか無茶苦茶だとかそんな話ばっかりだ。
しかし、解せないのが修理方である。メイン駆動炉が焼け付いているのにどうやって修理するのか、
気になる事と言えば一部装甲が殆ど剥がされた場所があると言う事か、すると技術仕官の一人が近づいてきた。
「よう師団長代理」
クロノは苦笑する。
「その呼び方はやめてくれ、それで、どうしたんだ?邪魔なら引っ込むが」
そう言って思い出すのは本当の師団長の壮絶な最後である。彼がその場に留まり魔法を放ち続けたおかげで
旗艦の魔導師の一部がアースラに辿り着く事が出来た。心の中で今亡き師団長に敬礼し相手の一言を待つ、
「じゃあ旦那、メイン駆動炉をどうするか知りたいんだろ?」
ここまで出向いた核心を突かれて思わず頷いた。すると彼は二ィと笑ってドックの奥を指差す。
そこには信じがたい物があった。エイミィも多少こけかけている。
「あれは……駆動炉?」
しかも大型の、恐らくアースラのメイン駆動炉と同じ規格の物だ。これでどうやって修理する気なのかが、
ようやっと理解できた。
「丸ごと取り替える気か?」
「そう言うことだ。」
船スクラップにして作り直すより、駆動炉だけ運んだ方が安上がりだからな、と付け加えられて、もう何て言って良いのか
分からなかった。とりあえず、今後の予定を確かめるために自分の母の居る司令官室に向う事にする。
357魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:44:26 ID:zGqOKnll
「それでね、後一つの部隊が言い難いんだけど……」
クロノの母で有り、右翼支援師団の師団長でもあるリンディは顔を曇らせた。今話すことは
アースラへの補充人員の事である。予備艦隊の編成やアースラがその旗艦になる事などでは無かった反応に
クロノは眉を顰める。だが、直ぐにある事に思い当たった。
「新人部隊、しかも後方支援要因だったはずの部隊だな……」
彼女は無言で頷いた。
「なのはちゃんの部隊と違って前線に出る事を前提に訓練されていないし、
 この艦隊を離れるのも初めての部隊なのよ」
リンディはそう言ってため息を付いた。高町中隊の生存率は50%と言う突入師団に置いては驚異的な数値を誇っている。
これは、彼女の部隊が素質が高いと判断された者を集めて作られた部隊であることに加え、
格班毎の徹底的なユニット化と徹底してマニュアル化されたカーリッジの使用、教導官自身のコネによる講師との
殺傷指定まで使用した実戦さながらの訓練、そして何よりも大きな幸運によって成し遂げれたものだ。
決して他の新人部隊が同じことが出来るわけではない、その他の新人部隊、
特に後方支援を前提に訓練を受けてきた部隊に、同じことをさせると5分も待たずに敗走するだろう
その前に全滅するかも知れない、嫌な妄想を振り払うとはっきりと口に出す。
「まあ使い道は幾らでもあるから、全員生還させて見せるさ、
 とりあえずミーティングしたいから共通時間次の9:00だって連絡を補充部隊の方に」
その顔を見て彼女はにっこりと笑う
「あら心強い、じゃあそう連絡しとくわ、どうせ補充艦隊の他の船も補充部隊とのミーティングがあるし
 旗艦のアースラもメイン駆動炉の調整が終わるまで動けないし、
 艦長同士のミーティングは共通時間の12:00だって連絡入れとくわ」
「お願いする。」
彼はそう言って時計を見た。今はまだ18:00時である。寝坊する時間も有りそうだ。
そう思って部屋割りを確認してある事に気が付いた。
「……リンディ師団長……いや、母さん……」
半眼で見上げる母の顔は、笑いを無理やり堪えているのが丸分かりだった。
「あら、何かしら?」
「なのはは一人部屋、フェイトもアルフと同室なだけなのだが……」
「それは当然でしょ、仕官待遇なんだから」
「なら、何故僕とエイミィは相部屋何だ? しかも周囲一部屋が例外無く空いているようだけど?」
「大丈夫よ、夜更かしする時間は沢山あるんだから」
なんの誤魔化しも無い直球ストレートな返答に、怒る気力も無くなり、ぐったりとして部屋を後にした。

空いている食堂は、その利用者のほぼ全てが遅めの夕食を食べるアースラの乗員でしめられていた。
皆満ち足りた顔をしているが、疲労のためか口数は少ない、
そして大抵の皿にはその重度の疲労にもかかわらず大量の食べ物が盛られていた。
不眠不休不食で戦い続けた分を取り戻そうと、医学的な判断を無視して食料を胃に詰め込んでいく、
その一角を占領して色々と話している集団が居た。その中心の少女はハンバーグを頬張りながら
空中にモニタを展開している。
「以上が、前の戦闘の問題点、次こんな状況があるとは思えないけど、万が一の為に
 覚えておく事」
そう言ってその少女、なのはは生き残った部下を見渡した。みな食事中の為、まともな返事が出来ない、
だから全員が理解しているかどうかを表情で判断する。彼女はモニタを切り替えた。
「で、これが新しい班の編成、ただし、あくまで仮決定ね、明日の検査の結果によっては変わるから
 そのつもりで」
そう言って今度はサラダを食べ始めた。さすがに食べ盛りの男性局員には劣るが相当な食べっぷりである。
食事中にこんな事をしているのは、単に偶然全員が揃ったからだ。ただ、
考えてみれば、食事に行く時間など、大抵決まっているので、そう珍しくは無いのかもしれない、
みな寝ていたら空腹で目を覚ましたと言った所なんだろう、
358魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:45:41 ID:zGqOKnll
少し奥の方を見ると、リンディを除くハラオウン一家がにこやかに食事をしていた。
ただ話しの内容はどうも部隊の運用や他の船との折り合いなどが主なようだ。
サラダを食べ終わると、今度はご飯を食べ始める。
「そうそう、今までの戦いで全員の撃墜数が規定上のエースを超えた。あの戦場なら当たり前だけど……
 昇給するかもね」
軽い話題で場を盛り上げようとするが、あの地獄を思い出したのか、全員が苦笑を返しただけだった。
苦笑いのまま部下の一人が声を挙げる。
「確かに……もう俺達何が出ても怖く有りませんよ」
その言葉に自身ありげに頷く他の隊員を見て、今度はなのはが苦笑する。
「そうか、なら今度はお前達の肉親を人質にしてみようか?
 それとも、時限爆弾が仕掛けられた建物内部ででも交戦するか?」
いきなり言われて凍りつく隊員に彼女は笑い声を上げた。
「そう言うこと、お前達が経験したのは防衛線だけだ。攻める事に関しては素人と変わらないわ
 まあ、この短期間でこんな事まで言及するんだがからたいしたものよ」
そう言って片手を手を上げる。隊員達が何事かと振り返ると、一つの集団が食堂に入って来た所だった。
アースラに乗っていた舞台では無い、この船に居た部隊だろう、皆、疲れている様子だった。
服装や貫禄の無さから新人部隊だと予測出来た。彼等を指揮する教官が、彼女の手を見つけて歩いてくる。
その新人部隊も彼に付いて来た。
「お久しぶりです。如何ですか? 調子は?」
彼は苦笑いをして彼女達を見渡した。彼女とあるのはとても新人部隊とは思えない貫禄を纏った連中である。
「行き成り前線に送られると聞いて、さっき甲板上の戦闘を前提にした戦闘訓練をしていた所だ。
 寝耳に水とはこういう事を言うんだろうな」
と言っても、と、彼は付け加える。
「まあ、お前に言っても情けない泣き言にしか聞えないんだろうな、ほぼ全滅した先発師団から
 半分も生還させた奴に言っても」
言われて彼女は大げさに首を振った。
「そんな事ありませんよ、私の隊員は最初っから特別性でしたし」
「へえ、言うじゃねえか」
そこまで言って彼の目が僅かに細くなる。彼女の表情の変化に気付いたのだ。
「それに、自分の動きも反省点が多すぎて、うまく立ち回れば、もう一と……二人ぐらい……」
「お前……」
遮るように彼女は顔を挙げる。そこには直でに何時もの笑みがあった。
「とりあえず、何か持ってきたらどうですか?」
そう言って自分も立ち上がる。その手には食べ放題のサラダ用の皿が握られていた。

「と言う訳ですよ」
そう言ってなのははモニタを示す。食堂では相変わらず食事が進行中だ。その中で前の戦闘の分析など
ある意味異様な光景では有るが、何故か妙にあっていた。
「なるほどな、確かに、魔力切れを意識している割には効率が悪いな」
言われた彼はそう言って考え込む、一応同意したのは良いものの、果たして自分が同じ状況に追い込まれたときに
彼女が言った最も効率が良い動きを取れるかどうかと言えばNOだ。結局は第3者がじっくり考えられる状況で
考えているに過ぎない、
359魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:46:53 ID:zGqOKnll
「で、これが、突入前の戦闘データです。こっちが突入直後、今度私達が全滅しかけたら
 本気で戦争終わってますから、ノイズになるので省略しますね」
欲しかった物が表示されたモニタを見る。そこには刻々と変化する二つの戦場が映し出されていた。
その様子を見て思わず顔を顰める。想定以上に敵が多い、端から前線に出ることを前提に鍛えられていた彼女部隊ならまだしも
自分の部隊ではあっと言う間に崩壊するだろう、彼女の部隊を見ると……成る程、強壮バリアや強壮防護結界で陣を作り
そこから強壮砲撃や強壮高速弾を放つ、攻めると言う考え方を排除した防衛線一辺倒な戦法を取っている。
一応前進する事も有るが、その進軍速度は非常に遅い、そしてその機動性の無い部隊を支えるのが遊撃班と言うわけか、
守りと言う側面だけで見るとこの方法は非常に効果的である。実際アースラに近づく敵を殲滅しながら被害を始めて出したのが
ルルイエ突入後、いくつもの艦隊が全滅してからである。そして、そこで彼女が初めて間違いを犯した。
砲撃班と防衛班を解体し、それぞれコンビを組ませたのだ。モニタの隅には彼女が書き込んだであろう、
反省点が書き連ねてある。確かにこれは失策だったとしか言いようが無い、彼女のとるべき判断は
人員を失った班を砲撃班は砲撃班同士、防衛班は防衛班同士融合する事だったのだ。彼女が最も悔やんでいるのはそこだった。
攻撃能力に長ける者と防御に長けるサポートの組み合わせ、確かに最小単位では最強の組み合わせだろう、
実際彼女はまだ管理局に入る前にそれで敵の群を抜けた事があるらしい(一説では相方はあの司書長だったという話しだ)、
しかし、アグレッシブルに攻める必要が無い限りは数を揃えて強壮した方が生存率が上がる事は目に見えている。
普段攻める事が多い彼女らしいミスだ。横目で彼女を盗み見ると、やはり表情が暗い、
一方彼女の部下は気にしない“振り”をしている。
(ああ、信頼されているんだな……)
その事が羨ましいと正直にそう思った。そして、頭を自分の問題に切り替える。当面はどうするかだ。
はっきり言って彼女の部隊のレベルは高い、人質や威力制限なのど特殊な状況以外だと一般の部隊と大して変わらない、
いや、今回のような限定的な目的ならむしろ強いかもしれない、
士気が高いだけでなく、連携も取れている。自分の部隊ではまだ無理な話だ。
もう一度彼女の部隊を見てみると、そこには既に新人部隊の危なっかしさを感じない、一人前の武装隊の姿があった。
彼等は皆、彼女が表示したモニタを食い入るように見ながら、彼女と同じように自分の動きを確認している。
たまに話し合っては、しばらく押し黙る。自分のデバイスを取り出して、そのデーターをダウンロードする者も居た。
きっと後で彼女にどやされるの承知で、彼等なりに動きを研究し、彼等の結論を出す気だろう、
一方自分の部隊は緊張感の無い新人部隊その物だ。彼女のモニタを興味本位だけで見ているのはまだ良い方で、
そんな物には興味が無いと食事に集中する者さえいる。きっと戦場に出ると言う事にまだ実感が持てないのだろう、
ついでに、最前線が非常に好調だと言うのも緊張感が無い理由になっている。
この辺は出撃時に如何転ぶか分からなかった彼女の部隊と大きく違う所だ。
心ので中で大きくため息を付くと陣形などを頭の中で練り直す。取りあえず、
今の状況で出来る事を全てしてしまう必要がある。
360魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:47:29 ID:zGqOKnll
クロノはその様子を眺めていた。周囲を見ると少なくない者が同様にその様子を観察している。
皆気なるのだ。今度自分達と肩を並べて戦うのがどんな連中なのか、
なのはの部隊は最初こそお荷物扱いされていたが、直ぐに一部以上の場所の防衛を任せられるようになり、
ベテランの部隊が攻撃に上がる足がかりを作って見せた。犠牲者が出てからは新兵らしい混乱があったものの
直ぐに持ち返し、そのがむしゃらに必死に戦う姿は年上の兵士達の士気の底上げをした。
こいつ等を置いて死ねないなと言う気を起こさせる程度には十分な働きをしたのだ。
ただ、当然の事ながら彼女の部隊は他の新人部隊明らかに違う特別製と言うに相応しい部隊である。
だから皆も普通の新人部隊どの程度使えるのかを見極めようとしているのだ。
見たところ自分達が若い頃と大して代わらない連中らしい、
恐らく、教導官の言うことも上官だから、怖いから聞いているのだろう、
そう言う者達を駒として使わなくてはいけない事にやるせなさを感じつつ、彼は食堂を後にする。
エイミィと二人でベットに倒れこんだ後、一度瞬きすると日が変っていた。
せっかくの最高のセッティングで用意されたロマンスも、過度の疲労の前には無力だったようだ。
そう冷静に分析し、彼は少しだけ血の涙をながした。

再び最前線に出たミッドチルダ295艦隊は前方に巨大な壁にしか見えない何かを確認した。
それは水だった。遺失世界ルルイエの中央に存在する大銀河団5つ分の質量を持つ水の塊、
その中央に世界と同じ名を持つ寝殿でが在り、そこに<旧支配者>クトゥルフが鎮座しているのだ。
すでに中央師団の艦隊が取り付いて直衛部隊と交戦していた。水の表面が泡立ち右翼師団にも飛び出してくる。
「オトゥームを60体、ペシュ=トレンを43体、ズールー18体を確認!」
オペレータの報告に思わず苦笑いをする。
「随分と大判ぶるまいするじゃねぇか、総員出撃!迎え撃て!!」
直後、水面が不気味に光、大量の砲撃が吐き出された。その砲撃の束は容赦なく295艦隊、
そして、その後方の艦隊を襲う
「被害は!?」
「調査中です!」
そのやり取りにオペレータが割ってはいる。
「あれは……間違い有りません、ダゴンです!」
見ると水面から巨大な何かが競りあがってきていた。
「ついに出やがった……」
戦況を見ると、左翼師団にはやはり巨大な敵、ハイドラが向って来ている。
「って事は……」
嫌な予感と共にそれは来た
361魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:48:06 ID:zGqOKnll
クロノは会議室で、格船の艦長と話し合っていた。簡単に編成や配置を確認すると、
議題は自然と次の事柄に移る。と言っても、唯単に自分達が属する事になる右翼師団が
ルルイエ中央に到達したと言う旨を伝えるだけが、
「なっ!?」
突然の頭痛に頭を抑える。見ると他の艦長も同様に苦しんでいる。
「これは……!」

中央師団の真下に渦が出来た。それは瞬く間に巨大になって行く、

「だいじょうぶか、みんな」
はやてはそう言いながらも頭を押さえ、ゲージに持たれている。周囲ではヴォルケンリッターが同様に苦しんでいた。
動けないほどでは無い、しかし、今ゲージを開けると暴走する可能性がある。
安静にしておいたほうが良いだろうと思いつつ、遂に最終戦が始まったのだと悟る。

渦の中央から石造り塔のよ様な物が見え始めた。それらは全て緑色の粘液のような物
で覆われている。

聖祥高等学で頭を抑えるアリサは、遠くで車が衝突する音を聞く、きっと突然襲った頭痛のせいだ。
視界に隅にすずかを納める。彼女の方が酷いのか完全に机に突っ伏してしまっている。
ガスなら外の車まで同時は変だ、細菌ならばなおさらだ、放射能なら他の所も影響があるだろう、
そうなるとこの集団頭痛の原因は一つしか考えられない、
(何が起こっているのよ……次元世界で……)

緑の粘液で覆われた巨大建造物が完全に姿を現す。

苦しむ司書達の真ん中で平然と佇む影が二つ在った。
「おやおや、今更お目覚めですか?」
副司書長が苦笑いする。返すのはユーノだ
「本当にね、永眠してるのかと思ったよ」
そう言って苦笑するとモニタを表示する。
「ルルイエに取り付いたのが予定よりも2時間43分早かった。そして」
「目覚めるのが予定より5時間12分も遅いですね」
二人で、苦笑を普通の笑みに変え
「勝ちですね」
「勝ちだね」
時空管理局の勝利を確信する。だが、直ぐにユーノは顔を曇らせた。疑問を顔に出す副司書長に彼は答える
「ハスターが気になるんだよ、果たして何も無しで終わらせるヤツだろうか……」
その疑問に副司書長は少し天を仰ぐ
「あー確かに、動くかも知れません」

全てが歪んだ寝殿は轟音と共に水面から浮き上がる。
それと同時に頭痛が消える。そして

轟音

寝殿が吹き飛び不気味な影が姿を表した。<旧支配者>クトゥルフその巨体が歪な魔方陣を展開する。
その魔力にその場に居た全ての者が悟った。今まででの戦いは前哨戦に過ぎなかったのだと

連絡を受けて魔導師達がアースラに集まって来た。出迎えるのはフェイトだ。
「ようやくだね」
なのはの声に彼女は頷く、新しくなったアースラのメイン駆動炉の調整が旨く行き
ようやく出撃となったのだ。先ず最初の目的地は右翼師団、そこからは師団の艦隊として行動することになる。
全艦がそろい陣形を組むと、アースラ艦隊全てにクロノは声を飛ばす。
362魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:49:27 ID:zGqOKnll

『諸君、アースラ艦隊の諸君
 私はこの艦隊の指揮を務めるクロノ・ハラオウンである
 すでに戦闘は越境に入り
 クトゥルフがその姿を現した
 だが、勝負は終わった分けではない
 寧ろこれからが本当の戦いなのだ
 
 我々は再び前線に舞い戻り
 不屈の二文字を持って
 <旧支配者>を叩き潰し勝利をもぎ取る必要がる
 その事を胸に刻んでいて欲しい
 以上!』

一拍

『アースラ艦隊 発進!!』

その号令に全ての船が動き出す。
363魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:50:06 ID:zGqOKnll
「破!」
ロッテの拳をオトゥームのバリアが止める。そのバリアの一部が千切れ高速弾となって至近距離から
ロッテを襲う、彼女はそれを跳躍で回避、次の瞬間オトゥームの周囲にフープバインドが出現締め上げる。
だがオトゥームは一瞬でそれを破壊する。そこにグレアムが放ったスティンガーブレイドが突き刺さる。
グレアムに向き直るオトゥームの動きが痙攣して止まる。オトゥームの胴体から手が生えていた。
その手にはリンカーコアが握られている。魔力を失ったオトゥームはロッテの蹴りの一撃を持って吹き飛んだ。
「5体目!!」
ロッテは叫びと共に、オトゥームの護衛をしていた異形の残りを蹴散らす。もはや並の異形は数に入っていない
<母なる>ハイドラの力は強大で左翼師団は後退を余儀なくされていた。それは<父なる>ダゴンと交戦する右翼師団や
クトゥルフそのモノと戦っている中央師団も同じ事だ。グレアム達は船から少し離れた所で
ハイドラの取り巻きを片っ端から潰していた。中でも高機動で艦艇を狙うオトゥームは危険だ
艦砲が当たりにくく魔導師が相手をするより他が無い、そこで役に立ったのがリンカーコア摘出である。
これが決まればオトゥームも何も怖くは無い、但しそのためには高速移動するオトゥームに忍び寄り
さらに強固なバリアを張らせない必要がある。これは難しいと言うレベルを超えている。
現に長時間戦闘していてまだ5体だ。だが、それでも突出して速いペースで倒している事に変りは無い、
3人は雑魚は別の部隊に回して別のオトゥームに狙いを定め動き出す。
(まさか闇の書に対抗するために用意した技が、こんな所で役立つとはね……)

ダゴンと交戦する右翼師団は後退を続けながらも多くの戦果を上げていた。
特に取り巻きのズールーはほぼ壊滅させる事に成功、これで単体で艦艇を一撃で沈める可能性があるのは
オトゥームとダゴンのみとなる。もっともそのオトゥームが問題なのだが
「打てー!!」
ミッドチルダ295艦隊の旗艦で提督が声を張り上げる。同時に発射された主砲が最後のズールーを貫いた。
魔力を失い崩れ落ちるズールーを尻目に彼はペシュ=トレンに照準を合わせるように指示を出す。
右翼師団が善戦を続けている理由は一重に数の問題だった。先発師団と違い数が十分な右翼師団は
それだけでダゴンの部隊を圧倒するのに十分な力を持っていたのだ。
「ふう、これでズールーはもう終わりですね」
一息付く副官に苦笑を返す。
「お代りが来なければな」
モニタには魔導師に群がられて沈黙するオトゥームが映っていた。そこで戦局を大きく動かす事がおこる。
364魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:50:56 ID:zGqOKnll
ノイズ

「……やったか」
モニタに映ったそれは遠く離れた管理局の艦隊がアルカンシェルの攻撃を成功させたと言う事を示していた。
295艦隊の退避必要なかった事からも戦場となっている空域の広さが伺える。
「やはりダゴンは3発では死にませんか」
「だが、打撃は与えている。全艦進撃せよ!余波を喰らった敵が立ち直る前に叩く!」
先ずはダゴンよりも担当空域の敵の殲滅だ。進撃する船の魔導レーダーが何かを捕らえた。
「オトゥーム20体、ペシュ=トレン10体、ズールー3体確認、来ましたよ、お代わり」
「何処からだ?」
「一部はあの水塊ですね、残り7割がたクトゥルフの元直衛です」
試しに中央師団の様子を見てみるが特に悪化したようには見えない、余裕が出来たわけでは無いようだ
「良い感じだな、我々にとっては最悪だが」
もっとも全て一つの艦隊で相手にする必要は無い、さっきのズールーの様に複数の艦隊で袋叩きにすれば良いのだ。
右翼師団旗艦から来た指示に従って他の艦隊との合流を開始する。
同刻、左翼師団がハイドラに第一波のアルカンシェルの発射を慣行、成功させていた。

右翼師団の後方にアースラ艦隊が到着する。
「ありゃ、もうダゴンは終わりっぽいよ」
エイミィの声にクロノがモニタを覗き込む、そこには左翼師団に袋叩きにされるダゴンが映っていた。
ダゴンはまだ激しく抵抗しているものの取り巻きは殆ど居ない、
「思ったより早いな、取り合えず師団の旗艦に連絡を取ってくれ」
「了解」
程なくして通信が繋がった。
「お久しぶりです、アースラ艦隊戻ってまいりました。」
『ああ、君達か、ご苦労だったね、ここは見ての通りだよ、君達は
 このまま、前進、水塊から出撃してくる援軍を叩いてくれ』
「了解しました」
通信を切り、位置を確認すると既に複数の艦隊が敵援軍と交戦中だった。彼は指示を出し、艦隊を前進させる。
365魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:51:33 ID:zGqOKnll

巨大な本の塊が司書達の手で解体されて行く、本棚に戻されるのは全てクトゥルフ関係の書物で
ハスター関係の物はそのままにされている。そしてそれとは別に新規の塊が出来上がっていた。
その塊の真ん中に陣取ってユーノは情報の整理を続ける。モニタにはすでに整理のし終わった情報が
書き連ねてあった。そこに一人の司書が来る。
「あの、これ、言われている物とは違いますが一応……」
「ん?」
ユーノは司書の持ってきた箱に眉を顰める。一応で受け取ると魔法で中身を除き……暫らくして
箱ごと手時かな本の塊に叩き付けた。
「らしくも無い事を……」
やって来た副司書長相手に振り向くと、副司書長は新しく出来た塊を見上げる。
「これが例のロストロギア起動用の資料ですか?」
ああ、とユーノは頷く
「各国との政治的駆け引きでその国に残されているロストロギア、
 正確には“らしい物”だけ、現存する物は全て起動方法が不明だが
 無限書庫には存在するはず、もし見つかったのならハスター戦への投入を条件に
 封印を解いても良い、もっとも停止方法はこっちが握ったままにするけどね」
そう言って肩を竦める。発見されたロストロギアは別に管理局や教会に全てが存在する分けでは無い、
持ち運びが困難でかつ起動する見込みの無い物の中にはそのまま放置されているのも存在する。
ユーノ達が今調べているのはそれらの正しい起動法である。
幾ら順調に進んでいると言っても次元世界連合の被害は大きく、それらの起動は大きな助けになる。
最も安全に起動運用出来るロストロギア何て物は存在しない、本来ならばはやてが蒐集するのが一番安全なのではあるが、
その為には彼女がわざわざ其処まで出向かなくてはなら無い、時間で見るならそれは大きな損失となる。
副司書長は少し不安げにその塊を見上げる。
「問題は有りませんか?すでに次元間魔力供給システムと、八神捜査官が……」
「無いよ」
ユーノは即答した。
「これはあくまで、万が一の時のためにやってるだけだからね、もし、問題が起こらなければ一言こう言えば良い
 『見つかりませんでした』ってね、そうすれば危険な賭けをする必要は無くなる」
そう言って笑ってみせる。
「でも意外だね、君はこういうモノには興味が無いと思っていたよ」
「まさか、こういうモノだからこそ警戒しているのですよ」
そう言って副司書長はため息を付く、だがその顔は直ぐに何時もの笑みに変った。
「所でさっきのアレは何です?」
その一言でユーノは途端に不機嫌になった。
「如何でもよいデータの塊だよ、じゃあ僕は何か食べて来るから」
それだけ言って行ってしまう、副司書長は疑念を浮かべ彼が叩き付けた箱を拾い上た。
中身をスキャンし、程なくして苦笑をもらす。
「少々大人気なさ過ぎやしませんか?」
そう言って“とらいあんぐるハート3 リリカルおもちゃ箱”と書かれたそれを丁寧に塊の一番上に置く、
「さて、私も通常業務に移りましょうか」
そう言って動き出そうとしたところで、動きを止める。
「これは……何故!?このタイミングで!?」
366魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:52:45 ID:zGqOKnll
最前線でバルデッシュを振るうフェイトは異形を一刀両断すると
ソニックムーブでラインを突破した敵に回り込む、敵の数が突入師団に居た時と変らない
つまり、こちらが有利だと言うことだ、なんせこちらの方が圧倒的に数が多い
フェイトの後ろではなのはに指揮された新人部隊が甲板の先端近くにまで進んできていた。
もう一方の新人部隊は後方に下げられている。それが出来るのも戦場をこちらが支配しているからだ。
「フェイト、アレ」
アルフにつられて前を見ると水面から更なる敵が浮上し始めていた。中にはオトゥームやペシュ=トレンの姿も見える。
「アルフ……」
「分かってる」
二人は頷くと新たなオトゥームの一体を迎え撃つために移動を開始する。

「さすがにズールーは全滅ですかね……」
敵の援軍を見ていた部下から弾倉を貰うとなのははそれをロード、アクセルシューターを生成する。
「その考えは危険だ。今回出なかっただけの可能性を考えるべきだ」
そう言いながら近づく敵をなぎ払いオトゥームの一体を迎え撃つために飛び立とうとした時

振動

「なんだ!?」
誰かが叫ぶ音がする。それを横目に彼女は予想だにしなかった最悪の事態に表情を強張らせる。
(次元震……なんで!こんな時に!?)
見ると異形達も動きを止めている。
クトゥルフを中心に空間がひび割れクトゥルフが砕け散る。一度発生した次元断層は花が開くように
上に下に、右に左に、前に後ろに伸びて行き、強烈な振動に動けないフェイトに迫る。
「逃げてーー!」
彼女の叫びも虚しくフェイトが虚数空間に飲み込まれる。反射的に手を伸ばす。
「フェイトちゃん!!」
しかし、その手が届くはずも無く彼女は漆黒の空間に消えた。涙か何か光る筋の様な物がなのはの視界を掠める。
「フェイトちゃーーん!!」
もう一度叫んだなのはの叫びが虚数空間に消えつつあるルルイエに響き渡る。

文字通り全方向に広がった次元断層は、蜘蛛の巣で作られた鞠のような模様を作り上げる。
その巨大なジャングルジムの鞠は、触れたモノを文字どうり全て飲みながらルルイエからさえ飛び出した。
そして伸び続ける断層は時空管理局の勢力圏内も到達、無数の世界を飲みこんだ。
後の時空管理局が出した正式発表によると、この次元断層がもたらした被害は

消失した世界
管理下の世界32個
管理外世界59個
無人世界113個
計204個

破損した世界
管理下の世界491個
管理外世界712個
無人世界1141個
計2344個

死者約4兆6632臆人(内管理外世界832億人)
重軽傷者傷者約64兆8278億人(内管理外世界2132億人)

被害総額 不明(多数資料消失のため)

であった。
367魔法少女リリカルなのはACF ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:53:22 ID:zGqOKnll
クロノ「フェイトの死、それは瞬く間に関係者の間を駆け巡る」

ユーノ「だが、彼女の死も、なのはに起こった異変も、戦争の中では些細な出来事に過ぎない」

クロノ「膨大な被害を建て直し、避けられぬ次の戦いへ邁進する次元世界連合」

アリサ「そんな中、私は一人の少年と出会い真実の燐遍を知る事になる」

ユーノ「次回、魔法少女リリカルなのはACF第7話『真実は時の彼方なの?』に、」

3人 「スタンバイ、セットアーップ!!」
アリサ「って私できないじゃん!」
3686スレ480 ◆erhU6I9J2g :2007/01/04(木) 03:54:05 ID:zGqOKnll
性懲りも無く次回予告を入れました。次は其処までたどり着けるといいな(マテ
実はこれでも、なのはの部隊と他の新人部隊の模擬戦だとか、はやてサイドの掛け合いだとか削ってます。
長さを考えて作らないとこうなるって典型ですね
あ、クロノ曰くのロマンスは元からあの予定でした。

時間が遅いので個別レスは飛ばします
ご了承下さい
369名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 20:47:47 ID:SD2ZlpL9 BE:849807577-2BP(0)
容量が逼迫してきたので、建ててきましたよ。
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1167911085/
370名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 21:28:53 ID:dAa4e5pA
保守
371名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 00:17:12 ID:krEcN9+i BE:832464386-2BP(0)
ちょいと短めなので、穴埋めをかねてスレに投下しますよ。

高町家に引き取られれたフェイト6 〜想い、見つけた〜

 玄関をくぐると、士郎さんが待っていた。少し顔が怖い。私たちに近づくと、右手を振り上げた。怖くなって思わず目を瞑る。
少しして、こつんという音とこぶしの触れる感覚が頭にあった。ほんのちょっとだけ痛かった。直後、私の右からも同じ音が聞こえた。
「ちゃんと、遅くなるときは連絡くらい入れなさい」 目を開けると、少し困ったような、やさしい目で私たちを見つめる四郎さんの姿が映った。
なのはと二人でごめんなさいと頭を下げ、リビングに向かう。みんな食べずに待ってくれていたらしく、桃子さんが温めなおした料理をテーブルに並べていた。
「さ、いただきましょう」 桃子さんの一言が、私の心に広がっていく。そして、なにかが少しずつ解けていく。そんな感覚を覚えた。
「フェイトちゃん? どうしたの?」 隣でなのはがうろたえている。 どうしたんだろうと不思議に思っていると、床からポツンと言う音が聞こえてきた。
下を向くと、水滴が落ちている。その水滴は上からどんどん落ちて広がっていく。 あれ?私、泣いてる? 目元をごしごしとこすっても、どんどんあふれてくる。
「なのは、おかしいね。勝手に…涙が……あふれてくる……」 すべて言い終わらないうちに言葉がつまり、膝から力が抜けた。
嗚咽を漏らす私の肩を抱いて、そっと頭をなでてくれる、水仕事をしているのにやわらかくて、優しい手。それと、ごつごつしているけれど、とても暖かい手
抱きつきたい衝動に駆られるけど、ぐっとこらえる。
「泣きたいときはね、思いっきり泣けばいいのよ。ね?フェイト」 桃子さんの一言でせき止めていたものが一気にあふれ出した。
 桃子さんと士郎さんに抱きつきひとしきり泣いて、少し気持ちが落ち着いてきた。
「フェイト、なのはに何かやられたのか?かわいそうに…」 少しおどけた感じで恭也さんがなのはに言った。
「おにーちゃん!」 なのはがむくれる。そのやり取りを見て、少し頬が緩んだ。ちゃんと笑えたかは自信がないけれど。
 
 遅い目の夕食をとって、一度部屋に戻る。ベッドの上膝を抱えて考え込む。今日は、泣いてばかりの一日だったな…どうしてなんだろう。悲しいことなんてなかったのに。
いや、ひとつ悲しいことはあったけど。
「フェイトちゃん、入っていいかな?」 小気味よいノックの音とともになのはの声が聞こえてきた。
「うん、いいよ」 ドアを開けると、暖かそうな紅茶とクッキーの入ったお皿をトレイに載せたなのはが入ってきた。
ここに来て二日目にもらったケーキのことを思い出して一瞬戦慄した。
「どうしたの?フェイトちゃん」 なのはが首をかしげてしばらく考えるそぶりを見せた後、少しいたずらっ子みたいな笑みを浮かべた。
「今日は別に何も入れてないよ。安心して食べてね」 そういわれて、恐る恐る口に運ぶ。おいしい。さっくりとした歯ざわりなのにふんわりとした舌触りがある。
程よい甘さで口から鼻にミルクのいい香りが抜けていく。
「今度、お店で販売する新作のクッキーなの。 よかったら感想聞かせてね」とウインクをされる。
私は、感想を言おうとしたけど、口から言葉が出てこなかった。よく考えたら、リニスがいなくなってからは、ただ栄養を取るためだけにある味気のない食事しかしたことがなかった。
味の表現とか、すっかり忘れてしまっている。だから、やっとの思いで出てきた言葉が
「……とても、おいしい」 私は、自分を恥じた。きっとなのははこんなことを聞きたかったんじゃないよね。恐る恐るなのはの顔を見る。
「そう、よかった」 たおやかな笑顔がそこにあった。
「ごめん、なのは。私、ちゃんと感想もいえなくて…」 謝る私の口になのはは人差し指をそっとあてがって、
「別に、うまく言えなくてもいいよ。フェイトちゃんの顔に書いてあるから」思わず顔をぬぐった私を見てくすりと笑い、
「たくさんの美辞麗句を並べられるより、たった一言、心から『おいしい』って言ってくれるだけで気持ちは十分伝わるから」 なのはの笑顔を見ていると、なんだか少し照れくさくなった。
なのはに紅茶を入れてもらって、二人で残りのクッキーを食べながらお茶を楽しんだ。
 一折歓談していると、士郎さんがお風呂に入るようにといってきたので、なのはが私に先に入るように言って、お菓子のトレイを下げて部屋を出て行った。
372高町家に引き取られれたフェイト6 〜想い、見つけた〜:2007/01/05(金) 00:18:10 ID:krEcN9+i BE:277489128-2BP(0)
 脱衣所で、洗面台の鏡と向き合う。夜更かしでできた隈がまだうっすらと残っていた。そういえば、さっきから少し頭が重いな。
浴室に入って掛湯を浴び、湯船に浸かって少しすると、扉のすりガラスに見慣れたシルエットが浮かんできた。
はにかんだ笑みを浮かべたなのはも湯船に浸かる。しばらく向き合ってお互い黙っていた。
「なのは。今日は、ごめんね」 そういった私を不思議そうに見つめ、
「どうしたの? 何か謝られるようなことあったかな?」 と聞いてきた。
「私、今日泣いてばかりだったから…なのはたちにたくさん迷惑かけちゃったね」 うつむきながら話すと、なのはがくすりと笑って、
「迷惑だなんて…誰もそんなこと思ってないよ。むしろ、フェイトちゃんが私たちのことを頼ってくれてるのがわかって、結構うれしかったよ」 体が温まったのか、頬がほんのりと上気したなのはが微笑んだ。
私は少し恥ずかしくなって、体を洗うことを口実に、湯船からあがろうとした。なのはに背を向けたとき、背中にお湯とは違う暖かさを感じた。
「なの…は?」 腰に腕を回して離さないなのはに困惑しつつ、頬の筋肉が緩んでいくのを感じた。
「ねえ、フェイトちゃん。どうしてつらさって分け合うことができないんだろうね。 フェイトちゃんがつらい目にあってるのを見て、何とかしたいと思っても、どうすることもできないなんて、もどかしいよ」
鼻にかかったなのはの声。表情は見えないけど、泣いてるんだろうか。抱きつく腕に力がこもる。
私は頭を振り、できるだけやさしい声でなのはに語りかけた。
「私は、うれしいよ。うまくいえないけれど、なのはがいなかったら、きっと私、壊れてしまっていたのかもしれない。アルフには悪いけど」 腰を締める力が緩む。
「そんなことを言ったら、アルフさんが…」 なのはの言葉を隔たって話を続ける。
「離れてみてわかったんだ。アルフが私のことをどう思って、どれだけ私のためにしてくれていたか。 使い魔とご主人の関係ではなくて、親友、いや大事な家族として。私は、アルフのことを大事だとは思っていても、使い魔としてしか見てなかったのかもしれない」
腕が離れたので、なのはと向き合う。少しつらそうな顔が見えた。その目にうっすらと浮かんだ涙をぬぐってあげる。
そんななのはの優しさがうれしくて、そっと肩を抱いた。
「ありがとう、なのは。そしてこれからもよろしくね。」私の肩で、なのはが頷くのを感じた。

お風呂から上がり、リビングで少しくつろいだあと、私は先に自分の部屋へと戻ることにした。戻り際、なのはに念話を送る。
<<アルフのことなんだけれど、今回の件が終わったら少し探してみようと思うんだ。もし良かったら…なのはに手伝って欲しいんだけど……>>
間髪入れずになのはから返事が返ってきた。
<<もちろんで手伝うよ。でも、フェイトちゃんとアルフさんって、精神リンクでつながってるんだよね?それは使わないの?>>
もっともな話だと思うけど、今回はあえてそうしようと思わなかった。
<<うまく言えないんだけど、そういうものに頼らずに、自分の足で探さないと駄目だって思うんだ。そうじゃないと、自分自身が納得できない気がするから>>
返事は帰ってこなかった。代わりになのはの喜ぶ気持ちが伝わってきた。気のせいかも知れないけれど、返事はそれだけで十分。
探せる範囲でアルフを探して、もし見つからなければ、戻ってくるまでずっと待っていよう。それが、私のアルフに対する私の答え。
その前に、母さんの事をきっちり終わらさなければ。私は、先にアースラへ向かったユーノや情報収集にがんばってくれているアースラの人たちのことを考えながら眠りに落ちた。
373名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 00:22:04 ID:krEcN9+i BE:104058432-2BP(0)
ID変わっちゃったな……
これで埋まるかな?
とりあえず、一区切りです。
前に落とした"あらすじのようなもの.txt”は単なる試し書きですので話がいろいろと違ってますが
気にしないでください。


逆にあっちの方が洗練されているような気はしますけどもね。
とりあえず、自分のコテを忘れてしまったうっかり屋でした(苦笑
374名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 00:38:12 ID:ZM02xQEa
>>373
76氏復活?
A's/StSを考えると続きは書き辛いと思うけどGJ&頑張れ!
375名無しさん@ピンキー
復活というかなんというか…
W録画を導入してから、生活の時間がアニメに食われるようになっただけですけども……週22本はちとキツいですね。
まだ1クール丸々見てないものも残ってるし…来期からは見る本数減らしてしまおうかと(苦笑
見ていただける方がいる限りは、細々とやっていきますので、気長にお待ちいただければ光栄に思います。