【涼宮ハルヒ】谷川流 the 32章【学校を出よう!】
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。
Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?
Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。 嫌なときは言って欲しいのね。
Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。
5 :
前920:2006/10/11(水) 19:31:25 ID:dBbUcgaB
>>1 乙ですー。
前スレに投下したのはギリギリ入ったので一安心しました。
書き込みを待ってくれた人もありがとうです。
>>5 あの死神さんはオリキャラなの?それともなんかの作品のキャラ?
>>1乙。
で、21k12レスってこっちに投下するんじゃなかったのかよ……。
毎回埋め小ネタを楽しみにしてる奴もいるんだぞ、俺だけかもしれんが。
でも、
>>5 乙。
>>5 なんかもう、区切りの『- * -』をみるだけで期待できる作品だとわかるよ。
この区切り、おそらくあなたしか使わないだろうし、
これが使われている作品はどれもこれもレベル高い。
毎度ありがとう。
絶望系か、最後の最後でとんでもない気分になったのを今でも覚えてるよ。
あの最後になるんじゃないのかとビクビクしてたよ。
それはともあれお疲れ様。
前
>>944 素晴らしい! 始終笑いが込み上げてきたよ。
イズモが凄くよく動いているし、最後にユキちゃんまで絡ませるとは恐れ入った。
GJ!
>>7 谷川流『絶望系 閉じられた世界』メディアワークス ISBN : 4-8402-3021-8
前スレ最後の人GJ!
まさかハルヒ×絶望系(+学校)とは恐れ入ったぜ。
キョンと死神(と長門)の掛け合いも面白かったが、ユキちゃんと死神の掛け合いも見てみたかったなぁ。
……で、記述からすると以前の脱衣オセロの人なの? アレもすごく面白かったよー。
キョンのネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲でひーひー言うハルヒが見たい
ハルヒがもし冗談でデスノート作ったらどうなるんだ?
やはり効力は本物?
>>5 GJ!
『死神』の加わった会話が実に面白かった。
あと943の入れ方が素晴らしい。
>>12 サンクス
絶望系のキャラなのか…
なんか無性に絶望系が読みたくなってきたw
あのさ、いつも通りハルヒを止めようとしたら「キョンなんか消えちゃえばいいのに」
みたいな感じの台詞が
あったssのタイトル誰か知らない?
>>5 GJ!
こうなったら谷川流制覇するかな・・・
>13
あー、脱衣オセロの人か。納得した。
「この部室で脱衣オセロは禁止」云々が、
懐かしいこと言い出すなとは思ってたけど。
「お前だけを守りたいなんて、ヒーローらしいセリフじゃないわね。」
ハルヒは俺に言った。確かにそうだ。でも、俺らしいセリフであるだろ?
「・・・言わなくても分かるでしょう?」
そう言ってハルヒはそっぽを向いた。
ああ、分かるさ。
「俺はお前を愛してる。お前も俺も愛してる。この宇宙のどんな奴よりも。だからこそ、
俺はお前を守りたい。お前だけを・・・」
そういった俺に、ハルヒは涙を浮かべて俺の方を向いて言った。
「だったら・・・だったら!・・・もうアタシの前からいなくならないでよ・・・。」
ハルヒは俺の胸に顔をうずめ、続けた。
「アタシのせいでこうなったのは分かってる。何かしら罰を受けたっておかしくない。
でも・・・アンタがいなくなるのだけは嫌、身勝手なのは分かってるけど・・・それだけは
嫌なの・・・だから・・・絶対に生きて帰ってきて!」
ハルヒは涙でぐちゃぐちゃになった顔を上げた。そんなハルヒを抱きしめ、俺は言った。
「ああ・・・必ず、帰ってきてやる。その代わり・・・その時は、『おかえりなさい』って
迎えてくれるか・・・?」
そしてハルヒは
「・・・うん」
と小さく頷いてくれた。返事を聞いた俺はハルヒを見つめ、ゆっくりと唇を重ねた。そして
またゆっくりと唇を離すと、ハルヒに背を向け、こう言った。
「行って来る。」
ハルヒは
「行って・・・らっしゃい・・・」
と震える声で答えてくれた。そして俺はその場を後にした。
俺は今、マシン出撃用のカタパルトにいる。そこには俺だけではなく、長いこと一緒に急進派
の情報統合思念体・・・今はスフィアとか言ったな・・・の奴等と戦い続けてきた古泉もいた。
ウォウウォウダイナ!
1年程前、ハルヒの力を利用して情報統合思念体は「スフィア」へと進化。急進派が主権を握り、何のつもりか知らんが地球を
手中に収めようと考えた。まさに恩をあだで返すって奴だ。だが生き残った穏健派は最後の力で俺と古泉に全人類の「希望」
を与えた。光の巨人「TIGA」と「DYNA」。その力を貰った俺たち二人は、それなりに好きだった「日常」を取り戻す為
に戦い続けた。そして今、スフィアは一つに融合。地球ぐらいはあろうかと言うデカブツになった。
これが最後の戦い。俺も古泉も、そう感じていた。
「なあ、古泉。」
「何ですか?」
「この戦いが終わったら、また・・・あの『毎日』に戻れると思うか?」
「さぁ・・・でも、今、私達の前に立ちはだかっている奴等を倒せば、何かしら変わるのは
確かだと思います。」
「だな。そしたらまた・・・やろうぜ。オセロ。」
「ええ・・・是非。」
そんな会話を交わした後、俺はリーフラッシャーを、古泉はスパークレンスを頭上に掲げ、変身した。
機関が造った戦艦から宇宙へ飛び出し、巨大なスフィアと対峙する。
「行くぞ!」
戦いは明らかに劣勢だった。スフィアは次々と合成獣どもを生み出し、俺と古泉にぶつけてきた。一体、また一体、だが数は
減らない、やがてエネルギーが底を突きかけ、俺は膝を着いた。その隙をスフィアは見逃さなかった。俺はスフィアに捕らえられ、
今、暗黒の海を漂っていた。俺は絶望していた。もう何も出来ない。立ち上がれない。終わった。何もかも。
ふと、俺の脳裏にハルヒとの約束が浮かんだ。
「絶対に生きて帰ってくる」
だが、今の俺はもう何も出来ない。すまんハルヒ、お前との約束、守れそうに無い・・・
アイツとの思い出が、走馬灯のように甦ってきた。ケンカもした、振り回されもした、抱きしめたり、抱きしめられたり、
支えたり、支えられたり・・・不器用だが、お互いに愛し合った・・・。
「キョン!」
そして、ハルヒの笑顔が浮かんだ。その時、俺は自分を取り戻した。
こんなところでへばってたら、アイツに死刑に・・・いや、アイツに泣かれちまう。もうアイツの悲しんでるのを黙ってみるのは
ゴメンだ。生きて帰って、もう一度アイツの笑顔を見る。もう一度、アイツの笑顔が見たい・・・俺は叫んだ。
「ハルヒィィィィィィッ!!」
俺の視界が純白の光で満たされていく。そして・・・俺は再び立ち上がった。
それから詳しい事は俺自身よく覚えていない。以下は外で戦っていた古泉から聞いた話だ。
俺が取り込まれた後も希望を捨てずに戦っていた古泉は、突如スフィアから飛び出してきた
光を見たらしい。そしてその光はどんどん大きくなり、やがて、1000メートルは軽く越していた
という巨大なダイナ・・・つまり俺に変わったそうだ。その時のダイナは、黄金の輝きを
放っていたと言う。要するに俺はハルヒへの想いでグリッターになったって訳だ。
その光を浴びた古泉は力を取り戻しグリッター化、逆に合成獣どもは弱体化、苦し紛れに合体
したそうだ。
だが、グリッターの力に叶う筈が無い。形勢はあっと言う間に逆転、合成獣の塊もスフィアも
俺と古泉の力で宇宙の塵と化したって訳だ。
その後古泉は気を失った俺を連れて帰還。俺は気が付いたときは病院のベッドの上にいた。
その時ハルヒはまた大泣きして俺に抱きついてきた。俺もハルヒに答えるように、ハルヒの背中に
手を回した。その時、俺は言った。
「ただいま・・・ハルヒ。」
ハルヒはまた震える声で答えてくれた
「おかえりなさい・・・キョン。」
それから、俺と古泉の変身能力は失われ、また平和な日常が戻った。俺は高校を卒業した後、大学に出て
とある新聞社に就職。勿論、今も俺の隣にはハルヒがいる。そして、今のハルヒの中には小さな命が宿っている。
言わずもがな、俺との子だ。
古泉は役者として世界中で活躍。恋人とも上手くやっていけているようだ。え?誰かって?それはな・・・
「みんなーーーー!盛大に祝ってくれてありがとう!めがっさうれしいよぉん!」
まさか古泉の奴が鶴屋さんと付き合っていたとは・・・まぁ、似合ってるっちゃあ似合ってるがな。
そんなこんなで、古泉のとこももでたくゴールイン。夫婦揃って世界中で派手に活躍してる。
世間じゃ「大富豪と名役者のおしどり夫婦」なんて言われてる。何にせよ、幸せなのは確かだ。
そうそう、朝比奈さんも俺とハルヒが結婚すると未来へ帰っていった。別れ際の一言には驚い
たな。いきなり「夫が私の帰りを待ってるんで、もう行きますね。」だもんな。ビックリだ。
長門は最初にスフィアが現れた時俺たちを逃がす為に一人で戦いを挑んで取り込まれちまったから、
スフィアと共に消えちまったんだと思う。だが、長門もこれで良かったんだと思っているだろう。
そんなことを考えながら、俺は公園のベンチに座ってボーっと空を見上げていた。さて、そろそろ行くか。
俺は立ち上がってバイクに乗り、取材現場へ急いだ。
ふと、ある歌を思い出した。前にハルヒに歌ってやった歌だった。
青空がある限り 風は時を運ぶよ
勇気があるかぎり 夢は必ずかなうよ
涙が溢れるまま 走り出せ
赤い地平線の彼方 明日があるのさ
誰よりも何よりも 君だけを守りたい
いつまでもどこまで 君だけを守りたい
wow wow wow 叫ぼう 世界は終わらない・・・
>>27 なによ、コレ!こんなのハッピーエンドでもなんでもないんだから!
強引!強引!強引すぎ!
悔しかったら次はもっとマシなの書きなさいよね!
な!違うわよ!励ましてるわけじゃないんだから!
ちょっとキョン! 膣外射精じゃ避妊にならないかもしれないからえっちしないってどういうことよ!?
…古泉説明してくれ。
>>30 ●<……涼宮さん、落ち着いて聞いて下さい。
いわゆる「外出し」の場合でも妊娠する可能性というのは低くはないんです。
……これは保健体育などでもう御存知の事かと…ええ、そう。
そのとおりです。「先走り」というやつです。
それがトリガーになってしまう危険性については、彼からも伺っているかと思います。
ただ、涼宮さん。
もう一つ付け加えさせてください。
キョン君がそこまでして涼宮さんとの営みを固辞するのには理由があるんです。
……それは彼が、僕のパート(ry
ハ_ハ _
∩゚∀゚)ノ 男同士なら妊娠しないよ!
) / しないよ!
(_ノ_ノ
彡
.
_,,..-―'"⌒"~ ̄"~⌒゙゙"'''ョ
゙~,,,....-=-‐√"゙゙T"~ ̄Y"゙=ミ
T | l,_,,/\ ,,/l |
,.-r '"l\,,j / |/ L,,,/
,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /
_V\ ,,/\,| ,,∧,,|_/
古泉(またはキョン)受胎
という要らない電波受信
わっふるわっふる
>>33 それはハルヒが腐女子、いや貴腐人になったということかね?
外出しが避妊になるのはエロゲーの中だけですね。
ディスイズインジャンジョー!ディスイズインジャンジョー!
ゴム出しでも避妊にならなかったゲームもあるな。
針穴って怖いぞ。
それ他人の子じゃね?
●<ちなみに涼宮さんがいないので補足いたしますが、
いわゆる「先走り」=カウパー氏腺液には精子が含まれておらず、妊娠はしません。
ただ、成年男子は往々にして精子生産量が多く、いわゆる「あふれた」状態になって
混ざってしまう事があるそうです、ただ理論上は妊娠する可能性があるものの、
その可能性は何千万分の一、正確に外出しをすることができれば、ほぼ妊娠はしないでしょう。
「正確に」、「少しのズレも無く」、「完璧に」外だしができればの話ですが。
僕で練習してみますか……?
>>42 ほとんどのAVでも挿入時はゴム付けてるし
発射する時だけ外して(あるいは偽物をそれらしく飛ばす)るんだよな。
ピルを使えピルを。
>>45 ねぇ、キョンくぅーん、ピルってミヨキチでも買えるかなー?
買うには医師の処方箋が必要
きちんと使用法を守ればほぼ100%の避妊率だが性病の予防はできない。
……なんで俺、避妊具の説明してんだろ?
初潮前は禁忌だぞ、と。
…ミヨキチは大丈夫か?
ミヨキチはキョンと姦通してるから大丈夫
ピルは太るぞ
ハルヒがコンピ研に薬で犯されてるとこをキョンが助けるシーンが
あったSSのタイトル誰かわかんない?
涼宮ハルヒの後悔
サンクス
>>53 じゃあキョンがハルヒの力を貰うSSはなーんだ?
鶴屋さんといっしょあたりまでなら携帯で閲覧できる
しかしそれ以上は容量オーバーで携帯からアクセスできん・・・
俺だけ?
ファイルシークして読んでも一番下まで行くのは面倒だからな。
仕方ないと言えば、仕方ないがなんとかならないものか。
ああスマンスマン。かぶった。
>>57 下(8)とか中(5)とか使ってみるとか。
めんどくさいのは変わらんか。
……そういや、中出ししたヒロインは全員妊娠しなかったのに
外出ししたヒロインだけが妊娠して高校退学する羽目になるという
エロゲがあったな。
61 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 23:41:37 ID:huVS1XPi
>>55 それはキョンが風邪をひいた話のやつか?
それであってるならタイトルは「I want to be here」だが。
すまんsageわすれたorz
森さんと古泉の構図は出来上がったんだが、
森さんの言葉使いがわからん…
ちなみにどっちの主観の方がいい?
エロ同人誌漁っていたら長門モノで泣いた。
確か前も同じ作者の同人で泣いたっけな。
エロマンガなんかよりぜひSSを書いて
ほしいものだ。
長門のキャラが違いすぎて泣いたことならある。
>>65 詳細キボン
>>66 >キャラが違いすぎて泣いた
あれ、俺がいる
長門が敬語だったりするのは受け付けないよな
>>66これぐらい違う
「ハルにゃんただいまー。ユキちゃんだよー、帰って来たよー。開けてくれよー」
「本当か?ほんとのほんとーにユキちゃんかー?」
「そうだよー。本当のユキちゃんだよー」
「本当のユキちゃんならこれが出来るはずよ。膣内射精されたみくるちゃんのマネー」
「…ピルが無いならコーラを入れればいーじゃなーい」
「うわー超未来的ー。やっぱり本当のユキちゃんだー」
んだよな?
>>69 あれ、ここにも俺がいる
あの本はいかん。長門でもないし消失長門でもない、
ましてやハイテンションユッキーですらない。
正直長門を知らんやつが長門を描いておけば売れると思って
描いたんじゃないかと小一時間(ry
>>64 森さんは普通にですます調だった気がする。
あと森さんがMなら森さん主観でヨロ
>>71 何かキョンが「みくるちゃん」とか言っちゃってたり、
鶴屋さんの口調も何か普通だったりしちゃうからな、あの作者。
そうなんだよな・・・・
長門が微妙に古泉っぽい「ですます調」で気色悪いんだよorz
そこまであからさまに地雷だと逆に興味があるな。どこだ?
俺は性格云々よりも、朝比奈さんの星型のほくろが描かれていない作品の方が納得いかない
つまりこう言うことだな。
「P-Forest死すべし」
と。
もう一生買わんぞ
星型のホクロをちゃんと押さえてある同人って、片手で足りる数じゃないのか…?
『とりあえず「消失」読んでからね』
これ良い。泣ける。
片手で足りるってのは流石に言い過ぎだが、まぁ少ないわなぁ。
そして意外にも件のPの字はホクロを描いているという事実。
いや、そこを描くよりまずキャラの性格をつかめと小一時間(ry
ハルヒ「あー、どっかに見た目小学生だけど貫禄がある貧乳の女の子いないかな」
的な電波を受信した
「へくしっ!」
「何やチエ、風邪でもひいたんかい」
「今ちょっと寒気した…」
「気ぃつけやー、お前倒れたらワシ遊んで暮らされへん」
「こらテツ、何んちうこと言うねん。うちは日本一不幸な少女や」
こうですか、わかりません!
「……長門、俺だ。実は困った事が起きてな、今からそちらに向かっていいか?
……そうか。ありがたい。で困った事なんだか、簡単に言うと……ほら、代われ。
おぉそなたか。そう、我だ。何故かまたこの世界へ召喚されてのう。
……あぁ、そうだ。あの裸の死神がまた来やがったんだ。全くハルヒのやつ、今度は何考えやがったんだ一体」
こうかも。
ほやほや大阪弁の鶴屋さんとか
「しっかしお前胸成長しないな。春香に全部持ってかれてないか」
「きさまの胸程度で春香姉さまの悪口いうなバカヤロウ」
それともこうか。
>85
「ちゃうねん」
「鶴屋さん、番組間違えてますよ」
あずまんがの事かー!
初SS投下します。
見苦しい点がありますが、ご勘弁を。
90 :
溜息と窮地1:2006/10/13(金) 17:24:56 ID:gVHolPIO
満開の桜を尻目に、この早朝ハイキングコースをこれからの生活を案じながら、始めて歩いたのがもう半年も前のことだ。
あの時は、登校するだけで体力を猛烈に消費していた。せめてバイクの免許くらいとっておくべきだったか。
しかし、こんな俺でも次第に慣れてきた。この坂にも、アイツにも。
今はもうすっかり秋。
学校は文化祭へ向けて段々と慌ただしくなってきた。
うちの一年五組はクラス発表として、アンケートをやることになった。
全く意見が出ないLHRで、ムリヤリでたアイデアで賛否の声も無いまま時間切れで決まっちまった。
一年五組は、朝倉が急に転校したのでリーダーシップをとる奴がいないのだ。やれやれ、朝倉よ帰って来てくれないかなぁ。
そもそも俺がいうのもなんだが、こんなのしてなにが楽しいんだ。
文化祭てのは、クラスで一致団結して劇なり、模擬店なりで盛り上がるもんだろうに…
そして文化祭の用意が忙しくなってきたある日、俺は教頭先生に呼び出しを喰らった。
やれやれ…
91 :
溜息と窮地2:2006/10/13(金) 17:25:53 ID:gVHolPIO
昼休みに職員室の奥の教頭の机に行くと、何やら重い空気が漂っていた。
腕組みをして、しわだらけの口をへの字にまげ、眉を吊り上げている。
見るからに頭にきていらっしゃる。
「あの、何でしょうか…?」
当たり障りのない言葉。
「君に頼み事があるんだよ」
「はぁ、頼み事…ですか。一体何です?」
「涼宮ハルヒの事だよ」
やっぱりその名前が出たか…一体アイツはどれだけ俺に迷惑かけるつもりだ。俺には、手当てもなんにも出ないんだぜ。
「ハルヒが何かしでかしましたか…?」
とりあえずとぼけてみたが、駄目だった。
教頭火山は噴火した。
「何が映画だ!写真部からはレフ板の盗難届けが出ている!
撮影には同好会ですらないのに文芸部の部費を使ってる!
遊泳禁止の池で泳いでいたそうじゃないか!しかも池に入るのにフェンスを破壊するとはどういうことだ!」
この後、屋上で花火がどうとかマンションの敷地で騒ぐなとか教頭の説教が延々と続いた。
俺はとりあえず頭を下げるしかなかった。
あんまり怒ると血圧あがりますよ。
教頭の怒りも一段落してきたところで、頼み事とやらを聞いてみた。
えらく脱線したな。
「そうだった。頼み事というのは…
時が止まった気がした。
自分の耳を疑った。
「涼宮ハルヒの映画の撮影を中止させなさい。」
92 :
溜息と窮地3:2006/10/13(金) 17:27:01 ID:gVHolPIO
教頭は続けた。
「そうだね、これは頼み事じゃないね。警告だ!何としてでも、中止させなさい。PTAや地元住宅に迷惑をかけるわけにはいかない!」
なんてことだ…あの暴走機関車女を止められるわけがない。
ハルヒに反対でもしようものなら、鳥くらいなら落とせるくらいに睨まれHPを削られ…考えただけでも恐ろしい。
「なんで俺なんです?それに直接彼女に言ってみてはどうです?」
「もう言ったさ。彼女が素直に聞き入れる訳ないだろ。だから君なんじゃないか。」
畜生…俺は捨てゴマ扱いかよ。今ならショッカーとも分かりあえる気がするぜ。
当たって砕けろ、という言葉があるが、今の俺は当たる前から崩壊寸前だ。
「それじゃあ、頼みましたよ。岡部先生。」
-end-
以上です。
短くてごめんなさい、そしてありがとうございました。
絶対殺されるな、岡部。
普通、先生って生徒のことは苗字で呼ばね?
よくわからんが
叙述トリックってやつじゃね?
>>95 うちの学校は親睦深めるためとか言って
ニックネームもしくは名前でよんだりする
キメエw
同じ名字が2人以上いたら名前の可能性があるな。
涼宮ハルヒと涼宮キョンとか。
ハルヒと名前で読んでいるのは、ハルヒとキョンが学生結婚しているという伏線かw
呼び方は普通にフルネームじゃないの?
>>72 わかった。お互い敬語でやらせるわ。
意外と敬語とあの顔で言葉責めって怖そうだな。
原作読んだことないけどがんばってみるわ。
「涼宮ハルヒの新境地」
自慢じゃないけど、あたしは中学のころから男子どもによく告白を受けたわ。でも大体電話だったりしたからけっこう腹たった。そういう大事なことは面と向かって
言いなさい!ってね。だから今回のこれも、その手のやつかと思った。
『放課後、誰もいなくなったら一年五組の教室に来て』
と書かれた手紙があたしの下駄箱に入っていた。
「よ、ハルヒ、おはよう。」
キョンのやつが登校してきた。
「ん、お、おはよう。」
あれ、なんかキョンの顔見たらドキッとしたわ。なんか後ろめたいような気持ち。なんなのかしら。
「どうした?」
なんでもないわよ。そんなことより、さっきの重要懸案がひっかかってるんだから。
「ん?なんだそれ。」
「なんでもない!」
あたしはそう言うとプイッと窓の外を見ることにした。
うーん、さっきの手紙何なのかしら。いつもの告白かしら。でも字の文体が女の子っぽいのよね。まあ女子からの告白ってのも一度か二度あったけど、ほとんど下級生
でよくある憧れみたいな感じだったわね。あたし自身には百合属性はないから、別にどうってことないけどね。
この日、あたしはなぜか手紙のことが気になって授業にあまり身が入らなかった。キョンが何度も探りを入れてきた。普段鈍いくせに、こういう時だけ気がつくのよね。
放課後のSOS団部室での時間がやけに長く感じた。放課後に教室に誰もいなくなるタイミングってどの時間なのか。そんなことを考えていたら、夕日で部室が赤く染
まっていた。
「そろそろ今日はお開きね。」
あたしがそう言うと、みんなの視線にさらされた。
「今日はいつもより早いですね。」
古泉君が聞いてきた。そんなに早いかしら?
「いえ、いつもは長門さんが本を閉じるのが合図みたいになってますから。」
そういえばそうだったかしら。まあいいわ。とりあえず解散ね。あたしはバッグを持つと一足先に部室を出た。あたしが真っ先に帰るのはいつものことだから怪しまれ
ないわよね。
あたしはそのまま、自分のクラスに向かった。別にキョンに探りを入れられるのが嫌とかそういうのじゃない。あたしを呼んだやつに、はっきりと告白には応じられない
ってことを言っておかないといけないと思ったからよ。あたしは教室に入る前に深呼吸した。そして、あたしを呼んだやつに会うために引き戸を開けた。
「遅いのね。」
あたしを呼んだやつはそう言って、怒るわけでもなくあたしに笑いかけていた。
手紙をよこした人を目の前にして、あたしはかなり意表を突かれた。
「入ったら?」
その人は教室の真ん中くらいまで進むと、振り向いてあたしを誘った。
「さ・・・阪中さん?」
あたしはようやく言葉を発した。
「そ。意外だったかな?」
あたしはさっきまでの緊張の糸が途切れたように肩の力が抜けた。いったい誰かと思ったけど同じクラスメイトだったなんて。あたしは足取り軽く教室の中に入った。
「で、どうしたの?あたしに用ならあんな手紙ださなくてもいいのに。同じクラスなんだから。」
「う・・・うん、そうなんだけどね。二人きりで話したいことがあったのね。」
阪中さんはうつむいて、なんかモジモジしている。
「・・・?またルソーことかなんか?」
あたしは以前のことを思い出して聞いてみた。阪中さんは小さくかぶりを振った。
「ううん、違うのね。・・・キョンくんのことなのね。」
はい??
「キョンくんのこと、どう思ってる?」
ええ?キ、キョンのこと?別に単なる団員その壱だし、使いパシリだし・・・、一回キスしちゃったけど・・・ああ、あれは夢だったわね。
「何言ってるの。単なる我がSOS団の団員その壱よ。」
あたしはごく冷静に答えた。
「じゃあ、これはどう?よく『やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいい』って言うわよね。これ、どう思う?」
んん?いったい阪中さんは何の話をしてるんだろう?
「よく言うかどうか分からないけど、あたしはそうね。同じ後悔ならやって後悔したいわね。」
あたしははっきり答えた。そのとたん、さっきまでうつむいていた阪中さんがぱっと顔を上げた。明るい顔で。
「そう、そう思うよね?やっぱり涼宮さんなのね。」
阪中さんは続けた。
「私、もう我慢できないのね。涼宮さんにはキョンくんがいるからと思っていたけど、特に変化しない二人に飽き飽きしてたのね。友達からは止められてるけど、もう
行動に出ちゃってもいいのね。」
何をそんなに嬉しそうにしてるの?
「だからね、涼宮さん。あなたを私のモノにするのね。」
へっ?
「いったい何をー、」
あたしが言い終わる前にあたしの口が阪中さんの唇で塞がれた。と同時に、香水のようなものを吹き付けられた。
「ー???」
こ、これってキス?女の子と?どういうこと?と、とりあえず離れてっ!
「ぷはっ!」
あたしは阪中さんと唇を離した。そして後ずさりして阪中さんと距離をとった。
「ちょっと!冗談やめてよ!あたしはそっちのケはないのよ!」
あたしは頭の中が混乱した。訳が分からない。
「うん、それ無理なのね。私は本気で涼宮さんと結ばれたいのね。」
やばいやばいどうしよう。阪中さんはなんて言った?私と結ばれる?それってレズってこと?女の子同士でその・・・アレするってこと?そもそも女の子同士でできるの?
「ごめん阪中さん、あたし帰るわ。」
あたしはそう言って教室から出ようとした。そのとき突然、体の力が抜けた。
カクン
そんな音がしたかのように、あたしはその場にへたりこんだ。
「さっきの香水がようやく効いてきたのね。」
阪中さんがゆっくりと近づいてきた。体に力が入らないばかりか、体の奥が熱くなってきた。下半身が特に。
「さっきの香水には媚薬が入っていたのね。力がはいらないでしょ?こうするとね、気持ちよくなるのね。」
とうとう阪中さんがあたしの体に触れてきた。ゆっくりと制服の上着の中に手を入れてくる。
「はあっ・・・」
触れられただけなのに、全身に電気が走ったかのような感覚を覚えた。阪中さんはそのまま、あたしのブラをたくしあげながら、耳たぶをかんできた。あたしがみくるちゃんに
したみたいに。
「いやっ!」
あたしの上半身はすでの阪中さんに主導権を握られかけてるのに、それに抵抗することもできない。このままじゃいずれ下半身に・・・。
「ふふ・・・、涼宮さんかわいいのね・・・」
阪中さんが耳元でささやいた。すでに、その言葉も快感に変わろうとしている。
「ああ・・・あっあああ・・・」
あたしの胸が阪中さんに揉まれてる。乳首を軽くつままれるたびあたしの体はピクンと反応してしまう。そしてとうとう、阪中さんの手があたしのショーツに伸びてきた。
あたしは精一杯の抵抗で両足を閉じた。
「無駄なのね。」
なんと阪中さんの片手だけであたしの足が開かされてしまった。ショーツが丸見えだ。
「涼宮さん、ほら、ショーツが濡れてるのね。」
あたしはもう恥ずかしくて気を失いそうだ。阪中さんは胸を揉むのをやめると、今度は両手であたしの足を開いた。そしてショーツの上からあたしの股間を撫でてきた。
いままでと違う感覚、どんどん下半身が熱くなる。
そのとき、阪中さんがハサミを出してきた。
「ひっ・・・な、何するの?」
あたしがビクッとするのを見て阪中さんは笑顔で
「最初からこうすればよかったのね。」
というなり、あたしのショーツを切り出した。じょ、冗談でしょ?あたしのショーツは本来脱ぐべき形をとらず、切られることによってあたしの体から離れた。
「涼宮さんのアソコってきれい・・・。」
阪中さんがあたしのアソコを覗き込んでる。この位置だと阪中さんの顔が見えない。それがあたしの羞恥心を刺激する。
「み、見ないで・・・」
それしか言えなかった。すると突然、阪中さんがあたしの股間に顔をうずめ、アソコを舐めだした。
「やっ、やっめってっ、そんなとこ・・・」
じゅる、じゅる、じゅじゅじゅぅぅぅ・・・
阪中さんはあたしのアソコから何かを吸い出すように、舌まで入れてきた。あたしはいつしか阪中さんの頭をつかんでいた。けれど阪中さんの攻撃はどんどん激しさを増した。
「ごくっ、涼宮さんの・・・じゅじゅっ、おいふぃい・・・。」
阪中さんは舐めながら言う。その変な刺激もたまらない。
カリカリッ
阪中さんはとうとう、あたしのクリトリスまで攻めてきた。歯で軽くかんできた。
「ひゃっ!そこはっ!」
あたしは体をのけぞらせて感じてしまった。
「涼宮さん・・・もういいよね・・・」
阪中さんはおもむろに立ち上がり、ショーツを脱ぎだした。あたしはみっともなく両足を開いたまま、口のまわりをあたしの愛液で濡らしている阪中さんを見つめていた。
「みて・・・私もこんなに濡れてるのね・・・」
阪中さんが足を開くと、膝の辺りまで愛液がしたたり落ちていた。
「涼宮さん・・・結ばれましょう・・・」
阪中さんがおおいかぶさってきた。そして、足を絡め、あたしのアソコに自分のアソコを合わせてきた。
「ふうっ、ふんっ・・・ひゃ・・・」
阪中さんが腰をグラインドさせ、アソコをこすり合わせてくる。そのうち、お互いのクリトリスがぶつかった。
「ひいっ!涼宮さんっ!涼宮さぁあんっ!!」
そのとたん、阪中さんが叫びだした。グラインドのスピードも上がる。皮膚が破けちゃうんじゃないかと思うくらいに。でもお互いの愛液が潤滑油のように抵抗を下げている。
その潤滑油は枯れることなくあふれ続けている。
「あんっ、あっ、あっあああ!」
あたしはただ感じ続けることしかできなかった。あたしの上では阪中さんがあたしの体で感じている。
「ひっ、いやっ、何か、何かくるぅぅぅっ!」
あたしの体の中から何かが込みあがってくる感覚に襲われた。
「涼宮さん、イッちゃうの?私も一緒にいぃぃぃ!!!」
えっ。これってイクってことなの。あたし、女の子とイッちゃうの・・・?
「ひあああああっ・・・!」
その時、あたしの意識が飛んだ。
我に返ったとき、阪中さんがあたしにおおいかぶさってあたしを抱きしめていた。あたしの両手も、阪中さんを抱きしめていた。
「涼宮さん、気がついた・・・?」
「今キスしたら、涼宮さん目を覚ましたのね。白雪姫みたい・・・。」
阪中さんがまたキスしてきた。
「いやあ・・・こんなの、いやあ・・・」
あたしは嫌がりながらも感じまくってイッてしまった自分がくやしくてしかたがなかった。
「うう・・・キョンぅ・・・」
あたしの口からはなぜかあいつのあだ名が出ていた。
「キョンくんのことも、忘れさせるからね・・・」
阪中さんが再びキスをしてきた。もう後戻りできないキスを・・・。
終わり
>>107 GJ! エロいよ阪中さん!
そして谷口役はキョンなのか!?
阪中さんいいねGJ!!
>>104 乙です!
阪中やるなぁ。
にしても弱ハルヒ萌。
レズはレズ板でやれ
気持ち悪い
そもそも阪中そんなキャラじゃないだろ
エロパロスレでなに言ってるんだか
エロスだね。俺のいちもつがエレクトしちゃった☆
プリンから来ますた。あのスレの空気にはどうも馴染めな……ともあれ宜しく
>>115 他所のいざこざをこちらに持ち込むな
VIPに帰れ。
>>116 いや、プリンスレID:bW+Hrf000とは別人な訳だが………
なんにしても他スレの話はあんまりするもんじゃない
>107
こういうときのハルヒの精神状態って、長門や機関では
しっかりモニターしてるよーな気がする…
空間封鎖とかしてる訳じゃないしさぁ。
同時刻、なぜか妙に息が荒くなって頬を染める長門を
怪訝な顔で見つめるキョン。とか。とか。
>>119 「長門、お前もか」
あとは同時刻、ハルヒたちに欲情促されて我慢できずにいたしてしまう、古泉×みくる×鶴屋さんも良いかも。
阪中の台詞、片っ端から語尾に「のね」をつけるのはやめたほうがいい。
はっきりいってギャグになってしまう。
何か喋るたびに語尾に便座カバーと追加するのとかわらない罠。
いや、ギャグを書きたいのならそれでいいんだが。
(モニター中)
「……行為について覚えた」
なぁ……『りっぱな犬になる方法』を読んで何の行為を覚えたんだ、長門。
「………」
………。
「わん」
もう帰っていいか、俺。
>>俺は教頭先生に呼び出しを喰らった
この一文を読んで、キョンだったら教頭って言うと駄目出しした俺は釣られすぎですか?
ある冬の夜のこと…
「…あれ?ここキョンくんのベッドだ。」
何かベッドの中にいると思ったらまた妹がトイレの帰りに道を間違えたらしい。
もう小5だというのにこいつは異様にネジの抜けたまま育ってしまったらしく、
一時期は病気じゃないかと疑ったりしたものだ。
「………」
反応するのも面倒なので放っておいたのだが…なかなか帰らない。
「キョンくん起きてる?」
寝てるから帰れ。
ぺちぺち
………頬を叩かれる。
「(キョ〜ンく〜ん)」
今度は耳元で囁いてきやがる……徹底無視。
「…キョンくん寝てる。」
寝たふりに関しては定評のある俺はこれしきのことでは動じないのだ。
わかったら早く帰れ。この寒さで布団から出たくないのはわかるが。
「……にはは〜」
と、急に仰向けだった俺の体を転がして自分の方に向け、右腕を引っぱり出して
自分の枕代わりにする…ってやりすぎだ。ここまでやったら誰でも起きるぞ。
「…ちょっとだけ…」
今度は俺の左腕を引っぱる妹。そして、
ちゅぱっ
ちゅぱ?なにやら左手に不思議な感触が…
「んっ……」ちゅぱっ
……なんなんだこの状況は。黙々と俺の指を舐める妹。
「…ぁ……」ちゅぷっ
……突然指を噛み切りやしないだろうな。
意図の掴めない行動に自分の妹に奇妙な感覚を覚える。
赤ん坊が黙々と意味不明な行動を続けるのを見ている時のような……不安を感じているのだ。
「ふぁっ……んんっ…」
布団の中で幼い足がモゾモゾ動いている。妹の顔が目の前にあるこの状況、
目を開けられないので正確には把握出来ないのだが、右手は俺の左手を
掴むのに使っていて左手は何か別のことをしているようだ。…やがて、
「んああっ!……う…ぁ…」
体を痙攣させたかと思うとぐったりしてしまった。
「……もっと…」
妹は体を起こすと俺を転がして上に乗ってきた。
また仰向けになった俺の上で妹が呼吸を荒げている。
「はぁっ……はぁっ……キョンくん…」
その瞬間俺は全てを知ることになった。
俺にまたがっている妹。
俺の腹の本来妹の股間が触れるはずの場所に……
モゾモゾと動く妹の左手の感触があったのだ。
腹の上の感触が動く。
「んっ……」
わかってしまった。
「…あっ……」
こいつは……
「んんっ…キョン…くぅん…」
秘部を濡らし…自分を慰めていたのだ。
急にさっきまでは幼さしか感じなかった妹の体に女を感じ始める。
寝言のように耳に響いていた声は艶のあるあえぎ声にしか聞こえなくなり、
赤ん坊のそれのように動いていたはずの妹の右手は
今や頬を這う度に妖しく俺を発情させていた。
「ああっ…くぅ…はぁっ…ん…」
くちゅ…くちゅ…
股間から漏れる水音が部屋に響く。指の位置が俺の頬から唇に移ると
それに合わせて妹の左手が激しく動く…
「んあっ!………キョンくん…」
突然妹が体を前に倒したと思うと、
……ちゅっ
口付けを受ける。俺の唇を舐め回し下唇をはむはむと味わっている。
腹に当たる指の動きはますます激しくなる。
「あっ…キョンくん…あっ…!……んっ―――――」
絶頂が近いようだ。妹の体がせわしくうねり…そして、
「ああっ!あっ…あっ…………ああああッ!!!」
…どさっ
力尽きた妹は俺の胸の上に落ちた。
「はぁっ…はぁっ…」
………まさかこいつがこんなことを…
しばらく呼吸を整えていた妹が口を開く。
「………キョンくんのせいだかんね?」
何がだ。
「キョンくんは……あたしの……」
何だ。
「………おやすみ」
妹がベッドから降りる。ドアの方へ歩いていく音。
…バタン
行ったか。どいつもこいつもよくもまあ心配事を増やしてくれる。
俺はただでさえハルヒと長門で手一杯なんだ。
お前にかまってる暇なんざ………いや…そうか。
おそらく寂しかったのだろう。
俺が急に熱心に部活を始めて家にいる時間が少なくなったから、ただ単に寂しくなっただけだろう。
そう思っておく。そうとでも思っておかないと…
…いきり立った股間に手を触れる。
「…あいつをどうにかしちまいそうだ…」
<終>
イミフw
特に意味はないからとりあえず俺の妹ラブを感じてくれ
前々から思ってたが
キョン妹のあえぎ声が想像できない件
コジコジだぜ?
131 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 00:33:17 ID:jZY3vA7H
乙。
だがなぜ素直に喜べないんだ・・?
バカ野郎!!それぐらい妄想できなくてどうする!
・・・いや、「じゃあ具体的に教えて欲しいにょろ!」とか言われても困るけどね・・・。
すいません。sage忘れました。
実は俺は以前銀魂コラボ書こうとしたきり放置しっ放しな奴なんだが・・・。
最近ドラえもんの偽最終回をパクってハルヒの偽最終回考えたんですよ・・・。
そのうち載せたいですが、どっちがいいですか?
お前の気持ちもわからんでもないが、黙って投下し風のように去るのがオヌヌメ
おk。じゃあ載せるときの気分で決める
方向で。そのうち。
>>134 活動を停止した長門を、未来のキョンが復活させるのでないならば、
ドラえもん偽最終回でいい。
138 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 00:43:42 ID:tedOiXv+
忘れない程度に待ってるぞ。
いや、ドラえもんのパクリではないですよ。
あくまでハルヒの偽最終回です。
全ての黒幕とか、オリキャラでて来るので注意。
キョン「お前に勝たないと…朝比奈さんが、安心して未来に帰れないんだ!」
すまん。SS描く参考に意見を募りたいことがある。
北高の生徒会の任期ってどうなってると思う?
3月の時点で生徒会長は2年なのがヒントになるとは思うんだが
選挙が行われる季節と役員が任命される季節が知りたいんだ
>>141 「暴走」P86によれば文化祭後に選挙をやったらしい
10月ごろのような。
文化祭の前だっけ後だっけ。
11月下旬
●暴走(序章・秋)
・北高、生徒会会長選挙を実施。
だそうで。(出典 めがっさにょろにょろ)
>>142 >>143 >>144 さんくす。
「暴走」にそんな記述があったなんてな。
「憤慨」ばっかりみてたよ。
おーけーそれだけ分かれば十分だ。ありがとう。
投下行きます。10〜15レスを予定。
内容がちょっとアレなんでいくつか注意事項
※主人公生徒会長ですが不明な部分も多いキャラなので
かなり勝手に作ったキャラ立てになっとります
※レイプとか陵辱とかNTRとかグロとかバッドエンドの要素が微妙に入ってます
過激な描写は避けたつもりですが注意してください
西日が差し込んでくる校舎の最上階から校庭を見下ろしていた。
テニスコートとプールには下校時刻も間近に迫っているにも拘わらず長い影を忙しなく動かして熱心に部活に勤しむヤツらの姿がある。
相変わらずご苦労なこった。皮肉に思わず口の端が歪む。
顧問にうまい具合に担がれて額に汗水垂らして必死に自分を追い込んでるヤツらは正直失笑モノだぜ。
うちの学校のクラブ活動のレベルなんぞ多寡が知れている。せいぜい県大会でやっとこ入賞が関の山ってところだろう。
ここから大声でヤツらに教えてやりたいくらいだ。
そんな履歴書にもまともな書けないような糞にも等しい実績を残して何になるのか一度その落ち着きのない身体を休めて冷静に考えてみろ。オマエらの費やした時間は、実質的にゃ顧問の給料に上乗せされる小金に化けてるだけだ。ってな。
「ぁ、ぁぁ、ぁん、んんっ」
学校は社会の縮図だと言われるが正にその通り。こうやって客観的に視ることができるようになって改めて実感したね。
身分制で下位層に位置する生徒は上位層の教師によって管理され、権利を制限されて隷属させられている。
やれ全国模試を受けに行けだの、やれ大会での記録を残せだの、一見自己研鑽のためと思い込ませて結局生徒は学校のメンツや教師の成果のために扱き使われているに過ぎない。
ただ、何にでも例外ってモンがあって生徒の中にも『特別』な存在がいる。そう、俺みたいにな。
俺は北高の生徒会長だ。
高校の生徒会長の分際で選民意識に耽って偉ぶってんじゃねぇってか。
まぁ、待てよ。プロフィールにゃ続きがあるんだ。ここ半年余りで色々あり過ぎたんでちょいと長くなるがな。
去年の選挙戦で当確候補を蹴落として当選を果たした。降って湧いたように組織ぐるみの談合請負と裏工作によってな。
この辺で察してもらえると思うが俺はワケアリの生徒会長だ。だから歴代の生徒会長とは性質も権限も根本からして異なる。
知ってたか? 俄かには信じ難いハナシだがこの学校には陰謀があるんだぜ?
学校がとある機関によって統制されていると言った方が分かり易いか。
その陰謀ってのがこれがまた笑えるくらいに予想の斜め上を行く内容なんだがそれはまぁ今は置いておくとしよう。
ハナシを元に戻すと、俺はそのとある機関によって祭り上げられた存在であり、生徒会長を演じる対価として機関の後ろ盾で少々の我侭くらいなら教師どもの妨害を受けずにまかり通っちまう。
とりあえずこの時点で、まぁ『特別』とはいかなくても少なくとも『特殊』だとは思わないか?
「ぁぁ、ぃっ、ぃぃっ」
去年の夏休みも終わろうかとする時期に機関が俺に初めて接触してきたあの日のことを思い出す度に噴き出しそうになる。墓場まで何度でも楽しめる極上のネタだ。
あんときゃ思わず異世界に足を踏み入れちまったのかと自分を疑ったくらいに連中のオファーはイカレていた。
「長身で鋭角的な雰囲気を持つ人物像が我々の推薦する生徒会長として相応しいんです。従って容姿最優先で選ばせてもらいました。ああ、自己紹介が遅れましたね。一年の古泉一樹と申します」
突如眼前に現れたこましゃくれた一年のガキが微塵も人を納得させる要素のない奇天烈な内容を掲げて真顔で説得ときたもんだ。表情を顔に出さない俺もさぞかし間抜け面をしてたことだろう。咥えてたタバコがポロリと落ちたのがその証拠だ。
初めは頭の大切な神経が捻じ切れた連中による性質の悪い冗談かと思って取り合わなかった。当然だろ。ただあんまり何度もしつこく食い下がってくるもんで鬱陶しさのあまり、
「できるもんならやってみろよ。まずは推薦からな」
と口走っちまったのが歪の発端だ。成績は下の上、遅刻やバックレの常習犯といった俺の素行じゃまともに推薦も通らないとタカをくくっていたが機関の力を甘く見過ぎていた。
いや、それ以前にこの段階では機関そのものの存在を疑っていたか。
一週間後、校内の至る所に貼り出された候補者一覧の会長の蘭内に俺の名前が連なることとなって、俺はようやく機関とやらの存在を認め始めることになる。
「ぁ、ぁ、ぁ、ぁ、んっ……、ゃぁっ、もっと」
それからは雲の上を歩くような現実味の乏しい展開がトントン拍子に進んだ。面白半分暇つぶし半分にヤツらに付き合ううちに、見事に古泉の口車に乗せられていったってワケだ。
成績の改竄、風評の操作、選挙活動にためのイメージ作り、演説原稿の作成、票の買い取り等々、機関の暗躍はあらゆるところに及び、俺は選挙ごっこをやってるだけで気づけば当選を果たして本当に生徒会長の座に就いていた。
いざ当選してマジに生徒会長をやるなんて勘弁被りたかったが、機関は生徒会長としての面倒な事務処理や雑務は全て代行し、大学推薦時の内申を保障するという餌で最終的に俺をまるめこんだ。
小さい人間だと思うか?
俺は本気でワルになるつもりはないがまともに勉学や部活動に励むつもりもない半端モンの不良だ。分相応ったヤツだ。
半端モンにとって楽に内申を稼げるに越したことはない。ちょうど年金みたいなもんだ。
その上職権乱用もある程度までは黙認されるっていうおまけまでついてきた。
ここまでくれば蹴る方がどうかしてるだろ?
真面目に人の上に立つなんて柄じゃねぇ。だが、自分の思うように学校ごと操れるとすれば悪くない。
毒にも薬にもならんような存在価値の無い前生徒会の活動内容にもうんざりしてたとこだ。ちょうどいい。
就任早々に乗り気になった俺は、副会長以下の役員をすべて俺の息がかかった人間で固めた。
以上の経緯を経て北高第三十六代生徒会は前代未聞の悪童(ワルガキ)による悪徳傀儡集団となったってワケだ。
楽して面白おかしく勝手気儘に生きるのが俺のモットーだ。お誂え向きだろ?
「ぁうっ」
パァンッと乾いた音が暮れなずむ生徒会室に響き渡る。ったく、ちょっと動いてやったからって調子に乗って休んでるんじゃねぇよ。
視線の下で揺れる小ぶりな白い尻を平手打ちすると、弾かれたように蜜壷が収斂して息子を締め付けてきやがった。
「だ、だって、おく……、奥がィィのにぃ」
背中越しに振り返った顔は涙目に潤んで羞恥と快感で桜色に染まっていた。いつもの清楚に澄まして書記を務める喜緑江美里の影などどこにもない。そこには完全に行為に没頭した雌の表情だけがあった。
顔を上げるな、下から見えるだろうが。
「やんっ」
違和感のないように上半身の動きを最小限に留めてウェーブの掛かった柔らかい頭髪を少し乱暴に押さえ込んだ。それだけで悦ぶように膣内が蠢く。
さっきの平手打ちの反応といい、やっぱり正真正銘の真性のマゾだなオマエは。
「やぁ……、い、言わないで」
カァッと頬に差した朱の濃さを増しながらも、俺の言葉などお構いなしに喜緑は快感を貪るように自分で腰を前後に揺らし始める行為に没頭する。
「あ、ああんっ、き、きもち、いいっ」
水曜日と金曜日、週に二回の生徒会活動は喜緑江美里との性行為によって締められる。ここ数ヶ月の恒例行事だった。
生徒会就任後、俺が手始めに行ったことはとりあえず好みの女子生徒犯すことだった。
職権乱用の基本ってヤツだ。
今までせいぜい遠くから眺めて視姦し、妄想の中で裸に剥いて自慰行為のオカズにするのが精一杯だった女を問答無用で好きなようにできるんだぜ?
理性の箍が外れたように本能の赴くまま食い散らかしまくった。
喜緑との今の関係の構築はコイツが俺の毒牙にかかったが馴れ初めになる。人生なにがきっかけになるか分からんモンだぜ。
断っておくが俺は決してガキ臭いのは趣味じゃなかった。過去形なのがまたミソなんだが、とにかくあの時犯したのも偶然二人で残ってた時に単に俺が溜まってたからだったことは確かだ、と一応自己弁護しておくことにする。
それまでも当然生徒会一員としての面識はあったが、喜緑はいささか幼さの残る外見とは裏腹に落ち着いた清純派で面白みの無さそうな女といった認識でしかなかった。
全体的に見れば、まぁ、美少女と呼んでも差し障りの無い程度に整っていることは確かだが。
しかし例によってこの俺の気まぐれが更なる歪を引き起こすこととなる。
強引に襲ったはいいが、このシチュエーションがコイツの真性Mの本性を覚醒させる引き金になっちまった。そして、お返しとばかりにコイツは俺にガキ臭い女を弄ぶ特殊な性癖を刷り込んでくれやがった。
端的に言えば身体の相性が良かったことになるが、それ以来処女の癖に俺の息子が気に入った喜緑は俺の性奴隷となり、俺は喜緑に溺れていった。
ここまでは、……まぁ一万歩譲って現実にあってもおかしくないギリギリの範疇だろう。
ただコイツは更にブッ飛んだ裏の顔を持っていやがったのさ。
っと、ハナシの途中だが先にフィニッシュといこうか。
最近じゃすっかりこなれて絶妙の膣圧と腰の動きで俺を愉しませることを覚えてきた。
少し癪だがこのままじゃ息子のコントロールもままならん。
俺は手早くブラインドを降ろして生徒会室を外部から視覚的に遮断すると、喜緑の細い腰を掴んで本腰を入れてピストンを開始した。
パンッパンッパンッパンッ
「あっ、ああっ、ふっ、いっ、いいのっ、激しくっ、してぇ」
小ぶりな臀部にリズミカルに腰を打ち付けると、喜緑の声のトーンが引き上げて、髪を振り乱して悦んだ。
突き上げる度に俺の息子の頭が子宮口をコツコツとノックする。ストロークを長くするよりも小刻みに深くするのがコイツのツボだ。
くちゅ、くちっ、くちゅくちゅ
快感に応えて分泌が促進されたのか、蜜壷は粘性の高い愛液でトロトロだった。力に任せて雑に腰を打ち付けると溢れ出して割れ目から少量の雫が跳ね飛ぶ。
アソコから大量の涎垂らしてヨガってんじゃねぇよ。おら、いつものヤツで俺を悦ばせろ。
「ああっ、あんっ、は、はいっ、……んんっ」
耳元で囁いてやると、喜緑は羞恥心からみるみるうちに耳からうなじにかけて朱に染め、一拍おいてから力み始めた。眼下の菊座が窄まり、今までどこに隠れてたんだと疑うくらいの夥しい襞が膣内で暴れる俺の息子を這い回る。
クッ、あいかわらずすげぇ名器(モン)もってやがる。
いわゆるミミズ千匹ってヤツだ。これをやらせると病み付きになりそうな快感が得られるのはいいんだが、その代わりに一気にこっちの余裕がなくなっちまう。
息子から精液が搾り取られているような錯覚に急激に射精感が高まる。
俺はラストとばかりにペースを引き上げた。
パンパンパンパンパンパンッ!
「あ、あ、あ、あっ、ああっ、ダメッ、ダメェ」
熱くて狭い蜜壷の中で息子が翻弄される。膣内は激しいピストンでめちゃくちゃに攪拌されてもうデロデロになっていた。
充血したワレメと肥大したクリトリス、息子に泡立って纏わり付いた愛液が網膜に飛び込んでくると異常に昂ぶる。
だめだっ、もう射精るっ。
快感がピークに達し、終わりが近いことを悟りながらも俺は身体を揺らしながら睾丸から熱い塊がせり上がってくる感覚に酔いしれた。
「イク、わ、わたしイクイクのぉっ、イクイクイクイク―――ッ!」
くっ!
喜緑のその言葉を待って堰が切れたたように射精が始まった。
ビュルビュルル、ビュクッ、ビュクッ!
「やああああぁぁぁぁ――――――――――――!」
俺はやっとの思いで最後の一突きとばかりに腰を打ちつけ、最奥にスペルマをブチ撒けた。膣内の襞のうねりに連動するように精液が断続的に吐き出される。
ビュクン、ビュクン
「……ああっ、っつぅ……」
毎度のことだが、他の女とするときの二倍くらい射精してるんじゃないか。
そんな錯覚に陥るくらいの精液が子宮口を叩きつけ続けた。
膣内がわななく様に痙攣すると喜緑は糸が切れた人形のように脱力し、ずるずると壁際に伏せこむ。
っと、あぶねぇ。床にカオから落ちるところじゃねぇか。
俺は咄嗟に喜緑の背後から奥襟を掴むと、上半身を床にゆっくり横たえた。
ったく、こっちもいっぱいいっぱいだってのに面倒をかけさせやがる。
はあっ、はあっ、はあっ。
完全に上がった息を整えようと喘ぐが、喉もと過ぎればなんとやら、失神した喜緑を尻目に程なくして平静に戻った。
手早く着衣の乱れを直し息子にご退場を願い、もののついでにめくれ上がった喜緑のスカートを無造作に直した。
あとは……、喜緑の片足に下着が引っかかったままだ。抜き取って手に取るとグショグショだ。
挿れる前にパンティーの上から散々いじくり倒して焦らしまくったからな。
その辺に転がってたコンビニの空き袋に突っ込んでから喜緑の鞄にねじ込んでやる。
最低限の体裁を繕ってから俺は一息つくために、タバコに火を灯した。
カーテンを少し開けて外を見るといつのまにか西日が引いて闇が迫っている。日は大きく傾き、ここからはもう確認することはできない。
程なくして下校の時刻だが、タバコを三本くらい吸い切るくらいの余裕はある。焦ることはない、もう少しゆっくりしていこうじゃねぇか。
俺は机に浅く腰掛けて煙を深く吸い込んで気分を落ち着けた。
さて、中断してたハナシに戻ろうか。
どこまで話したっけか、一度頭の中を真っ白にリセットしたせいで記憶があいまいになってるが、喜緑の間抜けな寝顔を見て思い出した。
そうそう、コイツの正体のハナシだったな。
正体なんてまたまた大仰な過大表現だと思うだろ?
だが、気まぐれで犯した女生徒が実は宇宙人だったらどうだ。これ以上とないくらいにハマるとは思わねぇか。
情報統合思念体。
宇宙には人類とは違って実体を持たずに知的活動を行うそんな名称の存在がある、らしい。
喜緑はそんな概念的な存在の対人コミュニケーション用ヒューマノイド。つまり最も分かりやすく言えば宇宙人ってことだ。
俺の女になってからコイツがこれを明かしたとき、新興宗教の色恋勧誘に引っ掛かったちまったのかと凹みかけたが、ものの数分で俺は喜緑の存在を認めざるを得なくなる。
目の前にあった机を飴細工のようにお馴染みの黄色い熊のぬいぐるみに変え、無邪気に抱きしめてみせたんだからな。
テレビの向こう側のハナシならいざ知らず、こんな現象は現代科学では到底説明できそうにない。
通常ならそんなことが目の前で起ころうものならパニックになるのが普通なんだろうが、その時の俺は自分でも驚くほど事態を冷静に飲み込んでいた。
機関の登場がうまい具合に緩衝材になっていた。
常軌を逸した組織が学校に介入してる時点で俺の住む現実世界はすでに狂ってたのさ。そう理解っつーか、観念するとなんとなく冷静を保つことができた。
針の進む速度が狂った時計がさらにおかしくなったとしてもなんら実害はないだろ。それと似たようなモンだ。
一本目のタバコをもみ消すと、すぐに二本目を咥えて紫煙を燻らせる。
以上が無限の能力を持つ喜緑江美里は俺の配下となった顛末だ。俺が望むことはなんでも喜緑が叶える。
現に俺の失脚を目する前生徒会残党の隠密活動を喜緑の不思議な情報収集によって全部筒抜けにして完全に潰してやった。好き勝手豪遊して使い込んだ予算も喜緑に補填させている。一体どっから金を引っ張ってきてるのかは知らんがな。
要するに、だ。喜緑を従えるまでは俺は所詮機関の操り人形でしかなかく、当然興じる戯れにも限界があると古泉に釘を刺されていたワケだが、今となってはそのリミッターは完全に取り払われた。
俺のバックには万能の宇宙人がついている。その気になれば世界を掌握することだってできるかもしれないくらい『別格』の存在となり得たってことだ。
『特殊』にして『別格』、たらたらと長くなっちまったが、これが俺が『特別』たる所以だ。
女とヤって道が切り拓かれるなんてまるで井原西鶴の好色一代男のような展開だろ?
正直大歓迎だね。それというのも俺には次のターゲットがある。
涼宮ハルヒ。
学校で文芸部を乗っ取ってSOS団なるワケの分からん活動をやってる変人女。
同時に機関と情報統合思念体の共通注目人物でもある。
つまりはここ半年余り俺の周りで起こった歪みはコイツが起点となっているってことだ。
こんな小娘一人に振り回されてるなんて馬鹿馬鹿しいハナシだがな。
生徒会長の人物像を涼宮の趣向に合わせるために機関は莫大な金と労力を割いて俺を擁立し、この女の動向を見守るためにわざわざ宇宙の彼方から派遣の宇宙人がやってきている。
これだけであながちこの女の存在がタダモノなんじゃないことくらいは分かる。
だが俺が興味あるのはそんな水面下で繰り広げられる謀略やSFのストーリーなんかじゃない。俺の興味は涼宮ハルヒ自身にある。
つい一時間ほど前にヤツは生徒会室のドアを蹴破って乗り込んできやがった。
間接的ではあるが呼び出したのはこの俺だがな。
そこで初めて顔を付き合わせたときの眩暈すら覚えるような衝撃が脳裏に浮かんでくる。
後数年して化粧を覚えて洒落っ気が出てくれば間違いなく掛け値なしの美人になるんだろうが、今はまさにその発展途上で垢抜けない乳臭さがプンプンしてやがる。
俺の真ん中やや低めの新ストライクゾーンを射抜く絶好球だ。
そのあどけなさの抜け切らない外見に似合わず力強さと生命力で満ち溢れた双眸を引っさげて、怯みや怖気など微塵も感じさせない尊大な態度で真っ向から俺に挑んできやがった。
ここだけのハナシ涼宮の面構えを見てるだけで勃起しそうだった。
あんとき俺は何食わぬ顔をしてたが、気を逸らして息子を宥めるのにいっぱいいっぱいだったんだぜ?
強気で澄ました女の面の皮一枚下を剥いでやりたいと思ったことはないか?
サドっ気のあるヤツなら理解できるはずだ。
自由を奪って陵辱し、尊厳を踏みにじってめちゃくちゃに弄んでやったら一体あの自信満面の表情がどう歪むのか。
まだ見ぬ涼宮の屈辱に塗れて泣き腫らした顔や快感に溺れて淫欲に呆けた顔を想像するとそれだけで武者震いがする。背筋がゾクゾクした。
俺にとって涼宮ハルヒはガキっぽくてサドっ気をそそる最高の獲物だ。
滾る気持ちを煙で落ち着けようとして我にかえる。
タバコはとうに燃え尽きて朽ち、いつの間にか下校を知らせるフレデリック・ショパンの別れの曲の旋律が漂っていた。
ふっ、少し妄想が過ぎたようだな。
俺は腰を上げると、窓際でまどろんだままの喜緑に歩み寄る。
おら、いい加減起きろ。鍵閉めて閉じ込めるぞ。
靴のつま先で喜緑のわき腹をつつくと、寝ぼけ眼をこすって喜緑が身を起こす。
「ん、ん〜……」
全く人間臭い宇宙人もいたもんだ。
「さっきのハナシ、忘れてないだろうな。一週間以内に仕掛けるぞ」
ぐずぐず留まっている時間はない。俺は喜緑の手をとって引き上げようとする。
「……ふふっ、ちゃんと分かっていますよ。会長」
さっきの蕩ける様な淫らな姿はどこへやら、書記の顔に戻った喜緑はコスモスのような可憐な笑みを湛えて応える。
そう、コイツとなら俺は何だってできる。
不老不死と巨万の富も望めば手に入るんだろう。だが、なんでも出来るのになにも変わらない安定を手に入れるのは莫迦のやることだ。好きなものを好きなように変えてやりゃあいい。
人間だけで構成されている機関なんぞ最早恐れる以前の鼻クソみたいな存在だ。
さっきの長門という女生徒も喜緑と同じ宇宙人だそうだが、喜緑が付いていれば互角にやり合える。
涼宮ハルヒに手を出して世界がどうなるかなんて俺の知ったこっちゃない。どうにかなるんならどうとでもなればいい。
興味の対象はただの一点だけ。
俺は涼宮ハルヒを蹂躙する。
日の光の失われかけた昏い生徒会室で、喜緑と二人視線を交わして立ち尽くす。
別れの曲後半部の激情に荒れ狂うピアノの旋律がやかましいくらいに響き渡っていた。
とりあえずここで一旦区切ります。
後半は明日の午前中に投下予定です。
158 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 02:29:30 ID:tedOiXv+
ハルヒのアナルも犯してほしいです(^o^)
会長もやるねえ…
GJです
会長のアウトローっぷりに惚れました。
しかし会長は喜緑さんを完全に自分のものにしたと思い込んでいるようだが
果たして本当にそうなのか……後半が楽しみです。
会長の企てに対して、長門や古泉がどうするかも気になる。
そういえば原作の会長は喜緑さんや長門が宇宙人って事は知ってるんだっけ?
>>163 描写はされてないけど、「どうせこいつらもまともじゃねえんだろ」程度に気付いてる可能性は大いにある
会長は外部要員だから機関のことについても知らないと思う
機関については、どっかからか金が集まる秘密結社っぽいの
喜緑さんとかについては機関のような他の組織くらいの認識じゃない?
投下マダー?
会長の企みを知ったキョンの変化が気になる所。
ぶちキレて会長を殺しかねんな……恐ろしい。
なるほど、ついに本気のキョンが見れるのか!
>>162 ごめん。
「涼宮さん、これを渡しておきます」
そう言って小泉君は斧を差し出した。私の腰から上までの長さはある太い木の先には、片刃
の無骨な鉄の塊が備わっていた。
「熊や猪ぐらいならこれでなんとかなるでしょう。ただし……」
不安そうな表情を浮かべた小泉君の言葉を遮り、私が続けた。
「こんな斧じゃどうにもならないヤツが……いるんでしょ?」
途端に小泉君の表情からは不安が消え去り、変わりに現れたのは恐怖だった。彼の額からは
汗がいくつも流れ落ち、過去に経験したのであろうその恐怖を思い出しているようだった。
「話してよ。いったいここに何が棲んでいるのか」
私の言葉に意を決したのか、深く深呼吸を一度すると……小泉君は語り始めた。
「身の丈二メートル余り……、推定年齢百五十歳……、通称、夜叉猿!」
言い終えると、それまで普段と変わらない笑みを崩していなかった小泉君が目を大きく見開
き、何かに吹っ切れたかのように真剣な顔をして話を続けた。
「こいつに出遭ったら何もかも捨てて逃げてください! 悪いことは言いません、僕も組織の
命令とはいえ、伊達に半年も監視をしてるわけじゃありません!」
いつもとは違う真剣な顔の小泉君を見れて得をした気分になった。大声で一気に喋ったせい
か、小泉君は息を切らせて肩を上下させていた。
一瞬とも永遠とも思えるほどの沈黙の後、私は彼から渡された斧を静かに、ゆっくりと彼に
向かって差し出しながら、
「小泉君、有難いけど……、これ、やっぱり返すわ」
そして私はいつもの笑顔を作りながら言った。
「せっかくの忠告は有難いけど、今私が逢いたいのは、まさにそういう怪物なのよ!」
刃牙?
元首相…?
いきなり現れたみくるちゃんは夜叉猿の生首を持っていかにも楽しそうに、
「涼宮さーん、おひさしぶりですぅ」
と、まるで腹話術の様に夜叉猿の生首を使い喋りだした。
…あたしは理解した。みくるちゃんは夜叉猿を殺した、
あたしと死闘を繰り広げ最後には友達になれた様な気さえする夜叉を。
怒りに我を忘れたあたしはみくるちゃんに飛び掛かる。
しかしみくるちゃんの神速のカカト落としが…
まで読んだ。
174 :
16-674:2006/10/14(土) 21:47:50 ID:V02RMBUf
全然SSが進まないから、気分転換に序文だけ書き出してみる
本投稿する時にはちゃんとフルサイズで投稿するのでご容赦の程を…
あーそうそう、確か任意で保管庫拒否もできるっけ?
そういう訳なんで今回は保管拒否。勝手ばっかり言ってて申し訳ない
放課後 誰もいなくなった
一年五組の教室に来て
朝。入学してからまだ一ヶ月も経っちゃいないが、それでもそれなりに確立され始めた日常を、
今日も今日とてサイクルとして消化する為に、俺はいつも通り長い坂道を登っていた。
えらく代わり映えのしない日常だけど、せめて今日も良い日でありますようにと、そんなことを考えながら。
爺臭いなんて言うんじゃねぇぞ。何を隠そう、我がクラスにはあの涼宮ハルヒがいるってんだからな。
それを考えればこの願いの何とささやかなことか。ま、ささやか過ぎて神様に無視されそうなのが玉に瑕だ。
しかし、神は俺を見捨てはいなかった。
校門をくぐり下駄箱を開けると、そんなことが書かれたメモ帳が入っていたのだ。
所謂ラブレターって奴である。まぁ厳密にはレター…手紙って訳でもないんだが。
しかしそんなことはこの際どうでも良い。それよりも、このご時世に何と奥ゆかしいお方なのだろう。
嗚呼、神よ。日々涼宮の毒牙に怯える俺に、ささやかなプレゼントを施してくれたと言うのか。
心より感謝致します。私は貴方様のお慈悲たる天使を生涯愛することを誓います…という訳で。
「おーいキョン! これ見ろ! ラブレターだぜ! ざまぁみろ! お前にゃ涼宮がお似合いだ!」
俺に遅れて下駄箱にやって来た我が親愛なる友人に、高笑いと共にこの幸せを僅かばかり分け与えよう。
そして俺は、複雑な心境を抱えて席に着いた。
「おはよう、谷口」
「……おう」
先に登校していた国木田と挨拶を交わす。キョンは便所に行った。手紙の内容を確認したいそうだ。
教室にはまだ人は少ない。空席の目立つ静かな教室に、校庭から朝練の音が響く。ありゃ野球部か。
しかしまぁ、キョンの奴め。何であいつの下駄箱にまでラブレターが入ってんだ。流行ってんのか。
それも相手は二年の俺的美的ランキングAAA++、北高のアイドル朝比奈みくるさんと来た。
手紙の中身こそキョンが暴れて見れなかったものの、封には確かにその名前が刻まれていた。
この評価は当初一年生のみを対象としていたんだが、興が乗ったので二年もチェックしておいたのだ。
その中でも一際飛び抜けた成績を収めたのが彼女である。ロリ顔、巨乳、ドジっ子。
守備範囲の広い俺は勿論のこと、よっぽど特殊な性癖でも持たない限り過半数の男にストライクだろう。
「谷口どうしたの? 朝からなんか機嫌悪そうだけど」
「まぁ機嫌悪いっつーか…いや、良かったことはあったにはあったんだが、
それより悪いことがあったっつーか…プラスマイナス0、みたいな?」
「全然意味分かんないよ…」
実際はむしろマイナス寄りだぜ。それより、この言葉にならないやるせなさを一体どうすりゃいいんだ。
なぁ、分かるか? 誰かこの嫉妬を理解してくれるか? 例え自分に彼女恋人好きな人がいても、
友人が学校のアイドルと付き合ってりゃそりゃ悔しいのだ。この男の悲しい性を誰が責められよう。
が、しかしだ。ここでめげないのが俺様が谷口様たる所以である。
っつー訳で話を変えよう。俺の相手は誰なんだろうな? 俺に宛てられたラブレターには何故か名前が無い。
緊張して忘れていた…ってのはまずあり得んか。字を読む限り、走り書きや震えの跡は見られなかった。
つまり、緊張していたとは考え難い。それなら「名前を書かない理由」があったと考えた方が自然だわな。
書かない理由、書けない理由。手紙の内容を思い返してみる。放課後、誰もいない教室、一年五組…
「……悪い、国木田。俺やっぱ機嫌悪いかも」
「それは全然構わないけど、八つ当たりだけはしないで欲しいな」
「しねぇって」
くそ、気持ちを切り替えた瞬間に嫌な事を思い出させてくれる。それってまさに昨日のことじゃねぇか。
そういえば朝は下駄箱ラブレター騒動でそれどころじゃなかったが、あの時ちゃんと追及しときゃ良かったぜ。
忘れもしない、夕暮れの教室。俺的美的ランキングAマイナー、一年四組の長門有希。
その彼女を押し倒していたのがキョン、あいつだった。畜生、っつーかまたキョンかよオイ。
今のところは大目に見といてやるが、もう一人か二人ぐらい増えたりでもしたら容赦しねぇぞ。
「なぁ、今度キョンと三人でどっか遊びに行かね?」
「いいけど、どこに?」
「どこでもいーよ、キョンに奢らせられれば」
「何それ」
そう、容赦してやるし大目に見てやるのだ。一日遊覧全額負担など俺の精神的苦痛の慰謝料と口止め料、
及び朝比奈みくる嬢並びに長門有希嬢のファン全員への賠償にしたってまだ安い。安いったら安い。
「でもさ、キョンにそんな暇作れるのかな? SOS団だっけ、例の変な部活には毎日出てるみたいだし」
あー…それは考えていなかった。そう言えばそうだ、涼宮直属変人部隊ことSOS団があるんだった。
ぶっちゃけ何やってるか分かんないしむしろキョンの話だと何もやってないぐらいなんだが、
しかしあの涼宮をほっぽり出して遊びに行こう、なんて日にはキョンは勿論だが俺も国木田もヤバい。
「じゃあどうするよ。だったらあの涼宮とか、ついでに他の団員とやらも一緒に…お?」
「あ、良いじゃんそれ」
「……まぁ、確かに」
い、言ってて凄く魅力的な気がして来た。それなら朝比奈さんや長門有希とも一緒に遊べる。
ああ、いや、待て、落ち着け。今日それもついさっきラブレターを貰っといて、それは薄情ってもんだろ俺。
だが待て、いや、しかし、ちょっと待ってくれ。それでもこれは非常に魅力的な提案だと思わないか?
いやでも、しかし、だけど、しかしだな。涼宮が一緒ってのはそれを補って余りあるほど不味いような…
「あーくそ、駄目だ。国木田よぉ、お前は大丈夫だと思うか?」
「うーん……キョンがいれば、多分」
なんとも当たり障りのない答えを返す国木田。まぁ、俺も困った時のキョン頼みをしたいところだが。
涼宮ねぇ、と。首を動かして、教室の一番端に目をやった。俺に合わせて国木田もそっちを見る。
そこに涼宮が座っていた。誰かの、俺の視線なんて気にもせずに、ずっとそうやって空を見上げている。
憂鬱そうにも寂しそうにも見えるのは、きっとキョンがまだ教室に来てないからだろう。
「……何を見てるんだかね、あいつは」
自己紹介で相変わらずの挨拶を早速かまし、妙な部活を立ち上げ、暇な男子生徒の一人を巻き込み、
学校のアイドルと文芸部員をさらってその部室を奪い、転校生を引き入れ、それでもまだ足りないと。
ここからは見えないが、あいつの目は空に向かって、そう訴えているような気がした。
さぞ迷惑だろう、神様は。あるいは涼宮が神様なら、とんでもなく面白い世界になってるかも知れんが。
それこそあいつが大好きな、宇宙人も未来人も超能力者も異世界人も居るような笑っちまう世界に。
勿論、そんなことがあるはずない訳で。
それならそれで俺が悪役になってやろうかな、手始めに昨日のキョンと長門有希のことをだなぁ…と、
そんなことを企んでみた時だ。大幅に脱線した最初の思考「手紙を送ったのは誰か」が、ようやく頭に戻って来た。
放課後、誰も居ない教室、一年五組…長門有希。そして昨日の今日という事態の早さ。
仮にこうだとしてみよう。もしもだ。もしもこの手紙の送り主が長門有希だとしたら、どうする?
俺が見てしまったことを説明する為に、俺をあの現場に呼び出し、誤解を解く。その為の手紙だとしたら…?
「…いや、まさかなぁ」
「え、何が?」
「あ? ああいや、こっちのことだ」
スマンと口にしつつ、穴だらけの仮説を否定した。それならキョンにやらせればもっと手っ取り早い。
キョンではなく長門有希が、それもわざわざ現場に呼び出してまで説明する必要は無いのである。
「あ、先生来たみたいだね。じゃあ僕席に戻るから」
軽く手を振って国木田は自分の席に戻って行く。正面に向き直れば、なるほど岡部が教卓に立っていた。
いつの間に…と、そう言えば。ふと教室を見回してみると、キョンも席に着いていた。
どうやら間に合っていたようだ。てっきり便所で一時間ぐらい手紙を読み返してるもんだと思ってたが。
一転して晴れやかな顔になった涼宮も、早速キョンの背中を突付いて遊んでいた。微笑ましいなぁ畜生。
なんだか悔しいので見なかったことにして、再び問題に没頭する。現状、相も変らぬ八方塞だ。
もう一度キーワードを整理しよう。放課後、誰もいない教室、一年五組、名前の無い恋文、綺麗な字…
名前の無い恋文、綺麗な字?
ちょっと待て。名乗らないって事は、逆に言うなら「名乗ればすぐ分かる」相手だってことだよな?
つまり名前を名乗らないくらいには俺と面識のある人物って意味なんじゃないのか、それは。
あーもうややこしい、要約するぞ。ようするに。相手は俺の知っている女子の誰か、ということだ。
「よーし、全員席に着いたな。それではHRを始める」
岡部の号令がかかり、HRが始まった。勿論そんな事を気にしている余裕はない。ようやく掴んだ糸口だ。
誰だ。入学から日が浅いので推測はできる。俺の知っている女子。今日までに俺と関わったことのある奴。
知っている奴は多いがそれは俺的美的ランキングだ。面識があるか無いかの問題だからこれは関係ない。
ヒントは…綺麗な字。そうだ、綺麗な字が書ける奴。俺と面識のある、綺麗な字が書ける女子って誰だ?
涼宮ハルヒ? 書けるには書けるだろうがまずあり得ん。長門有希? それは違うとさっき結論が出た。
朝倉涼子?
それだ。間違いない。これしかない。全ての条件を満たしているのは彼女だけだ。
放課後の教室で一人佇み、ドアを開けた俺に笑いかけながら「意外でしょ?」なんて茶目っ気を見せる。
いかにも彼女のやりそうな事ではないか。いじらしい。全くもっていじらしい。
いやもうマジでニヤニヤしちゃうぜ。見られるとなんかかっこ悪いので寝てるふりをした。
腕枕で緩んだ頬を隠す。机に小型カメラでも仕込んであったなら、きっと酷い面をしてるに違いねぇや。
こりゃ今日の授業は耳に入りそうにない。まぁ、こういうことなら仕方がないってもんよ。
そんなことを考えていたら。そんなことを考えていたのに。
「あー、朝倉くんだが」
喉に刺さった魚の骨がようやく取れたような清々しさを味わった俺は、急速に現実感を取り戻していた。
平たく言うなら周りを見る余裕だ。すると、当然真っ先に耳に入って来るのは岡部の声である。
伏せたばかりの顔を上げた。相変わらず教卓に体重をかけて、神妙な顔をしている我らが担任がいる。
「お父さんの仕事の都合で…」
何故そこで言いよどむ。いや待て。その前になんで神妙な顔をしているんだ。止せ、止めろ。
朝倉涼子が…何だって? お父さんの仕事の都合? 止せってば。聞きたくないぞ、その先は。
こっちは朝からずっとそいつのことで悩んでたんだぜ。不吉な予感がするから止めてくれ。
なぁ、だからさ。なんで国木田の隣の席が空いているんだ。そこ朝倉の席だろ? 国木田、何か言え。
きっとただの病欠だ。風邪か何かに決まってる。クラスの委員長だってそりゃ体調ぐらい崩すっつーの。
涼宮じゃあるまいし、普通の女の子なんだから。後で仲の良い女子に頼んで、メールでも送りゃ良い。
「急なことだと、先生も思う」
頼む、岡部。そこで事件の匂いを嗅ぎ取って顔を輝かせている涼宮に、違うってことを教えてやってくれ。
おいキョン、なんとかしろ。ありゃお前の仕事だ。なんでそんな落ち着き払った顔をしてるんだよ。
だから、誰か、頼むよ、マジで。
「転校する事になった」
「……ショックだ」
それから放課後。それでも俺は教室にいた。
沈痛とは正にこのことか。だがあえてもう一度言おう。ここでめげないのが俺様が谷口様たる所以である。
大人しく気持ちを整理して、新たな出会いに期待しようぜ。と言っても、やっぱり解せないこともあるが。
解せないこと。つまり、俺の相手は誰なんだ、ということに尽きる。結局また振り出しに戻っちまった。
涼宮ハルヒはまずおかしい。長門有希もあり得ない。そして朝倉涼子でもなかった。じゃあ一体誰なんだよ?
この際だから言ってしまうと、他にこれ以上の当てはちょっと無い。知ってても面識なんてほぼ皆無だ。
下手すりゃ「私だよ」と言って出て来た相手に「スマン、誰だっけ?」ということにすらなりかねない。
「ったく、どうしたもんかね…」
独り言が放課後の一年五組に響く。昨日と違って空はまだ青い。夕暮れの時間はもう少し後だ。
勿論キョンはいないし、ましてや長門有希も倒れちゃいない。誰かが忘れ物を取りに来ることも、多分。
そういやキョンは朝比奈さんとどうなったんだろうな…畜生、お前は涼宮の手綱を握ってりゃいいのに。
教室には誰もいない。いつになったら来るのかは知らんが、否が応にも手紙の内容を思い出してしまう。
誰もいなくなった一年五組の教室、ねぇ。運が良いんだか悪いんだか。俺の当ては外れた癖に、
あれよあれよと言う間にクラス全員が出払った。っつー訳で、ここに残っているのは俺だけである。
いつまでも突っ立ってるだけっつーのもどうかと思い、窓から外を眺めてみた。ラブレターの相手はまだ来ない。
野球部の連中がグラウンドを走っていた。ご苦労なこった。窓越しじゃ掛け声は聞こえないが、
例によって野球部らしく北高ファイオッなどと声を張り上げているのだろう。いや、想像だけどな。
中学時代を思い出す。別に野球部に所属していた訳じゃないが、あの頃も殆ど似たようなもんだっけか。
どこの学校に行ってもあの光景は変わらないんだろうなぁ。グラウンドを走る部員とその掛け声…
「…おい」
今、何て言った。何て言った? グラウンドを走る部員とその掛け声。ああ、俺はそう言ったのか。
いや、ちょっと待て。それおかしいだろ。なんでここから聞こえない。普通は聞こえるんじゃないのか。
遠いから? それだけで? うそつけ、違う。アレは窓の一枚程度で聞こえなくなるもんじゃないだろ。
何年学生やってると思ってんだ。中学の時だって、朝練でも放課後でも窓の有無は関係なかった。
聞こえるもんは聞こえるんだ。それが何故、ここで聞こえない。掛け声だけじゃない、物音一つすらも。
風向きが悪い…駄目だ。まるで問題にならない。そもそも風が吹いているなら風の音がするだろうが。
木の葉が震える音はしないし、ここから見える木も一本として揺れちゃいない。風なんか、無い。
小さな違和感を感じている。微々たる事だが何か決定的な見落としがある。考えろ、思い出せ。
朝練でも放課後でも…朝練? そうだ。俺は朝、教室に来た時。何を聞いた? 何があった?
教室にはまだ人は少ない。空席の目立つ静かな教室に、校庭から朝練の音が響く。ありゃ野球部か。
「――」
大慌てで窓の鍵を開けようとする。ところが、幾ら力を入れても鍵はビクともしない。
他の窓にも飛び付いたがやはり同様だ。なんてこった。いや、なんてこった以前にどういうこった。
静かに、しかし確実に、俺の理解を遥かに超えた異常事態が目の前で起こりつつある。
あるいは既に巻き込まれている。音が聞こえないだけならまだいい。百歩譲って勘違いとしよう。
それでもだ。窓が全て開かないってのは一体どんな勘違いをすればいい。ああ、無理に決まってる。
まさかと思い、ドアに走る。本気で余裕がなくなって来た。これで誰かが入って来たら滑稽だろうなと、
そんな場違いな事を考えながら。しかし悲しいかな、杞憂だったようだ。お陰で最後の余裕も潰えた。
鍵なんぞかかっちゃいないのに、やっぱりドアは動かなかった。思い過ごしで良かったぜこの野郎。
さあ、どうする。どうすりゃ良い?
言っておくが、緊張感が無い訳じゃない。むしろ軽口でも叩かなきゃやってられないぐらいだ。
視界は引っ切り無しに右往左往し、あらゆる対象を見ては疑う。顔と首と背中と、嫌な汗を自覚した。
思わず悪態が口を付いて出た。なんで俺はこんな事やってんだ…って、そうだ。ラブレターじゃねぇか。
「このっ…」
胸の辺りに不快な感覚がある。心拍数が上がってようと呼吸が乱れてようと知ったこっちゃない。
お世辞にも心地良いとは言えない圧迫感を覚え始めた体に活を入れて、俺はカバンをひっくり返す。
バラバラと中身が散らばった。教室内の音はまだ聞こえることに安堵している辺り、俺も相当参っている。
この無音の世界はどうかしている。筆箱も教科書も弁当箱も、現実感の無さを浮き彫りにするだけだ。
そして。カバンの中からゆっくりと、そのメモ帳が落ちて来た。
これだ。今日の異常に何か原因があるなら、発端はこれしかない。他に疑うものが一つも無いのだ。
メモ帳を見た瞬間、ふざけんなと叫びたくなった。だってそうだろ、散々期待させておいてこのザマだ。
キョンは朝比奈さんと仲良くなって、朝倉涼子は転校し、俺はこの異常世界に幽閉された。恨むなと言う方が無理な話だ。
なんか逆恨みっぽいのも混じっているが、この際八つ当たりの一つや二つぐらいバチは当たらんだろう。
俺はメモ帳を拾い上げた。拾い上げるなんて言い方にはとても程遠い掴み方だったが。
殆ど握り潰すと言って良い。胸の高さまで持ち上げたそれを、後先考えずに破り捨てようとして。
世界が、反転した。
「は――?」
文字通り、ネガとポジが反転した。白は黒に、青は赤に、なんにせよ現実にはまずあり得ない光景。
合成写真か何かの中に放り出されたような気分だった。そんな世界に俺だけが取り残されている。
青空は赤く入れ替わり、まるで昨日の夕暮れみたいな色だった。あまりにキツい色で直視出来ない。
メモ帳に視線を戻す。こいつもまた反転を起こしていて思わず投げ捨ててしまった。
黒いメモ帳に白い文字。ラブレターみたいな文章が酷く場違いで、その分だけ嫌な気持ちになる。
この世界のものには何も触る気がしない。まるで俺自身が侵食されそうな気がして恐ろしい。
目が痛い。何も音がしない。気が狂いそうだ。それともとっくに狂ってんのか。
何一つしていないのに肩で息をしてしまう。その荒い息の音だけが自分を繋ぐ生命線でもあった。
その内この赤い世界にどうしようもなく目が疲れて、俺は瞼をゆっくりと下ろした。
できれば二度と目を開けたくない。この光景をもう一度目に収めなきゃならんのは勘弁して欲しい。
だが、解決策が未だに見つからないのも事実だ。解決する問題かどうなのかさえ疑わしいんだが。
せめて息だけでも整えて何かの足しにしようと、深呼吸をする。そして俺は、目を開けた。
「おはよう」
驚いたと言えば驚いたし、拍子抜けと言えば拍子抜けだった。
あり得ないことなど既に何度となく起きていたが、こいつはその中でも極めつけだ。
その極めつけがこんなにも身近な存在だったことにまず拍子抜けし、そしてそれ自体にもまた驚いた。
それがどれほどの意味を持つのか、俺はまだ知らない。
「……朝倉…?」
「そ、意外でしょ」
青空は赤く入れ替わり、まるで昨日の夕暮れみたいな色だった。
インスタント谷口の作り方
1.蓋を開けてキョンからモノローグを減らす
2.熱湯を注いでキョンより感情的な文章にする
3.3分待ってちょっと軟派にすれば完成
という訳で、30スレの
>>258だったかでネタにしていた谷口×朝倉(幽霊)ですよ、と
ナイスだ。
深い夜の森の中、周りを小振りな岩で囲まれた体育館ほどの砂地がそこには広がっていた。
古泉君から聞いた夜叉猿の出現ポイント。そこで私は一人正座をし、瞑想をしている。虫の
囀りも風の音すら聞こえない静寂の中、正座する私の前にくべた焚き火の炎だけが時折木のは
じける音とともに、私を現実へと繋ぎ止めている。
それは突然の出来事だった。
古泉君から聞いた夜叉猿の体格からして、それが近づいて来れば足音や木の枝の折れる音、
あるいは息遣いや匂いでわかるはずと思っていた。しかし、それは何の前触れも無く突然私の
背後からやってきた。
「ホギョアアアアアアアアアアアアッ!」
両腕を掲げ、仁王立ちのような姿で私の背後にそれは立っていた。
全身を黒々とした毛で覆われ、ゴリラのような体格をしている。足は短く、腕は肩から足先
まで届きそうなほど長い。全身を覆う毛の下に見える筋肉は厚く、一目見ただけでそれが人の
比では無いことが解る。やや上を見上げる形で、目だけは私をしっかりと捉えており、大きく
開いた口には鋭い牙が何本も並んでいた。
夜叉猿が放った咆哮は、空気を激しく震わせる。一生物が発したとは思えないその咆哮は、
空気だけに留まらず、大地をも振動させた。そして私をも。
「や……夜……叉…………ザ……ル……」
私は恐怖した。
古泉君から聞かされていたし、頭の中でも想像していた。覚悟も決めていたし、むしろ未知
との遭遇が出来ることに喜びを感じてさえいた。しかし、実際には夜叉猿の雄叫びにより私の
足は震え、涙さえも浮かべている。
怖いもの知らずと思っていた私が、今は夜叉猿に心から恐怖している…。飼い慣らされた裸
の小猿が今山に放され、実力を思い知らされている……。
夜叉猿が飛び掛ってきた。
仁王立ちの状態から掲げていた両腕を地面に降ろすとその反動を活かしたのか、その巨体か
らは想像できない速さで一気に私との間合いを詰めた。そして私まで二メートルほどまで迫っ
たところで再び地面に丸太のような腕を振り下ろしたかと思うと、その巨体を宙に浮かせた。
そのまま私の上に覆いかぶさる形になり、私は真後ろへ押し倒される。
夜叉猿の体重をそのまま浴びせられた私は頭部だけは何とか庇ったものの、背中を地面に叩
きつけられ身動きが取れなくなった。
「たす……たす……けて…」
ここには誰もいない。誰の助けも借りられない事はわかっていたはずなのに、私は無意識に
助けを求めてしまっていた。
「ホギョアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
夜叉猿は勝ち誇ったかのように何度も雄叫びを上げる。
「も…もういい……」
そう呟きながら、私は必死にその場から逃げようとした。しかし、恐怖と先ほどの背中への
ダメージによって上手く歩くことが出来ず、腹ばいの状態で夜叉猿とは反対方向の闇に向かっ
て手を差し伸べるしかなかった。
「た……」
もう一度助けを求める声が私の喉から漏れたその時、無情にも私の足首が夜叉猿に掴まれた。
「ひっ! た…たす……」
ゴキッ! ブチブチブチッ!
掴まれた足首からそんな音が聞こえてきた。実際にはそんな音はしなかったのかも知れない。
しかし、私にははっきりとその音が聞こえてきた。骨の折れる音と腱の引きちぎられる音が。
「ぎっ…! ぎぃやああああああぁぁぁぁぁぁ!」
>>183 ここをVIPと勘違いしてるのか?
せめて一通り書ききってから出直して来い。
そして誰もいなくなった
俺も含めて皆準備中なのさ
それに、たまにはこれくらいゆっくりした時間が必要なのさ
保管庫見てびっくりしたが自分書いたのを自分でやらなくても
誰かがあそこにあげてくれるんだな
って当たり前だ
>>175 揚げ足取りなのは充分承知してるんだが、それでも言わせてくれ
SOS団結成はGW明けから何日も後のことだから、当然入学から1ヶ月以上経過している
どうも初っ端のそれが気になって感情移入ができなかった
本投下の際には修正してくれると嬉しい
「教えるわ。SOS団の活動内容、それは、」
「宇宙人や未来人や異世界人を探し出して一緒に遊ぶことよ!」
古泉が停止した。泣きながら。
>>190 「あー、古泉君だが、神様の都合で、急なことだと先生も思う、ジョブチェンジすることになった」
(超能力者→異世界人)
「あー新川さんだが神様の都合により、急な事だと先生も思う、ジョブチェンジする事になった」
これこそ伝説の傭兵。スネークが誕生した瞬間であった。
て何を言ってんだろうね俺は。やれやれ、すっかりハルヒに染められちまったようだな……。
193 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 09:09:02 ID:ZpU4pd/H
涼宮ハルヒの日常の続きマダー?
マダー?
悪徳生徒会〜後編〜いきます
たくさんの期待を頂きましたが
話が全然膨らませられてません。
申し訳ない。
あんまり言うとネタバレになるので控えますが、
「あらゆる負の要素」が微妙に散りばめられてます。
読まれる際にはご注意願います。
15〜20レス借ります
涼宮ハルヒとの騒動から五日が経っていた。
いまさらここで騒動というと意味不明か。
実は五日前の初顔合わせの時、こんなやりとりがあったのさ。
涼宮ハルヒを退屈させないようにするために、まともな活動履歴のない文芸部をつついてSOS団の存続の危機を煽れと機関から達しがあり、俺は唯一の文芸部員である一年の長門有希を生徒会室に呼び出した。
実質的には古泉が半ば勝手に動いて事が運んだのが真相ではあるが。
今となっては機関に奉公する義理もないが、宇宙人も注目する問題人物の涼宮ハルヒが実際にどんなヤツなのかという純粋な好奇心があった。
長門を呼び出せば嗅ぎ付けて涼宮が飛んでくるという古泉の目論見は正直半信半疑だったが、本当にハナシの途中で乱入してきやがった時にはさすがの俺もびっくりしたぜ。
で、ぎゃあぎゃあ口角泡を飛ばした末に文芸部の活動として機関誌を発行させることを納得させたワケだ。
かなり端折ったが以上が騒動の概要。
ちなみに機関誌完成の期限は一週間とした。真面目に活動してれば今頃執筆やら編集やらに追われてることだろうよ。過大な期待はしちゃいないが、これでSOS団の連中の気を逸らしてうまく隠れ蓑にすることができれば儲けモンだ。
しかしこうやって概要だけを話すと涼宮という女が直情的に生徒会室のドアを蹴破って入ってくるようなじゃじゃ馬で、ちょっと言いくるめてやれば簡単にこっちの提案をあっさり飲む単細胞だということが一見際立って見えるが、俺の嗅覚に依ればヤツはただの莫迦女じゃない。
騒ごうが落ち着こうが終始あいつの眼の奥に潜む色に変化はなかった。
つまり外面とは裏腹に精神の奥底は極めて安定状態にあったことが伺える。
あの様子じゃ傍若無人なハネっかえりは相手を選んで空気を読んだ上でやっているとみたぜ。ここまで来るとほとんど役者だな。俺が言えた義理じゃないがね。
古泉はせいぜい気をつけるこった。涼宮をコントロールしたつもりになって実は自分が踊らされていた、なんてことになる可能性も十分ありえる。あの女ならな。
さてと、演技派女優の涼宮サンだが、その素顔を晒してもらう瞬間が刻々と近づきつつある。呼び出しの時刻まであと5分。
一枚板で作られた重厚なデスクの前で肘掛付きの本皮張りのチェアに身を深く預け、俺は身体の前で手を組み替えた。
耳を澄ませば放課後の人通りのほとんどない生徒会室前の廊下を早足で歩く安っぽい上履きの足音がドア越しに近づいてくる。
性格的に時間よりも早く来ることはしないタイプだとは思ってたが、……5分もお早いご登場か。
待ちきれないってことは焦りがある証拠だぜ。
相当にアレが利いてるみえる。
そりゃそうだよなぁ。我ながら相当陰険なやり口を使ったもんだ。
バンッ!
ノックなしに勢い良くドアを開け放つと、涼宮が生徒会室にズカズカと入ってきた。淀みなく無言で。俺が座っている机の2メートル程手前で歩みを止める。
「どういうつもりよ。人のケータイにいきなりメール送り付けてくるなんて。家族と数人の友達にしか知らないはずのアドレスをなんであんたが知ってるワケ?」
身体は然して大きくもないくせに相変わらず政治家並の態度で気圧してくる。この状況で大したもんだ。しかしその表情は……、眉が釣り上がって猜疑心と嫌悪感が滲み出ている。動じないはずの眼の光が揺らいでいた。
「まぁ、落ち着けよ。何でもツカミってのは重要だろ? 生徒会の情報収集パフォーマンスだと思えば良い」
そう言いながら鬱陶しい伊達眼鏡を外してわざと緩慢な動作で立ち上り、机の前まで回って涼宮と対峙する。
涼宮の表情が怪訝に曇った。そりゃあそうだろうな。常に芝居がかった理知的な生徒会長を演じていた俺がこいつの前で素の言葉遣いを披露するのはこれが初めてのことだ。
「……あんた何者? ストーカーと二重人格のダブルの役がついた救いようのない変態?」
「残念ながら付いてる役が見当違いだ。変態なのは否定せんがな」
「悪いけど変態と話すために取ってある時間なんて1フェムト秒もないの。一人でエロ本でも読んでヒキこもってるのがお似合いよ」
そう言い放つと涼宮は踵を返して足早に生徒会室を後にしようとする。
「待てよ。残念ながらエロ本はないがエロDVDなら用意があるんだ。涼宮団長主演の動画だぜ? せっかくなんだ、観ていけよ」
さすがに涼宮の歩みが止まって、耳を疑うかのような表情が振り返った半身から覗く。 俺は机の上で開いていたノートパソコンを涼宮から画面が見える位置まで回転させると手早くスピーカーのミュートを切った。
「……んんっ、はあっ、キョンっ、キョンン――――」
ノーパソ備え付けのちゃちいスピーカーから音割れ気味の大音量が生徒会室に響いた。
液晶画面の中では文芸部部室で椅子に腰掛けながら机に前のめりにしな垂れかかって熱病に浮かされたように男子生徒の名を呼ぶ涼宮の姿が映っていた。
左手で机に置いた体操服を掴んで顔に押し当てながら右手をスカート中に伸ばし一心不乱に股座を弄っている。このアングルじゃどこをどう弄ってるかまでは分からんが、何をやってるかはもう明白だろう。
涼宮に興味を持ったその日に俺は文芸部室にビデオカメラを仕掛けた。もちろん悟られないように喜緑にあらゆる偽装工作を施させた上でな。
これは昨日の録画映像だ。何かネタがあれば追い込みがかけやすくなると半分戯れでやったことだが、まさかこんなにも早くこんなお宝映像がゲットできるなんて思ってもみなかったぜ。
「んっ、キョンの匂いぃ。っすうぅぅ――――」
涼宮は男子生徒の体操服に顔を埋めながらまるで深呼吸をするかのように大きく息を吸い込んだ。肺の隅々まで吸気が行き渡ると頬を桜色に染めて顔に恍惚の表情を浮かべる。
確かキョンってのは長門有希を呼び出したときに金魚の糞みたいについてきた存在感のない野郎だ。冴えない野郎に恐妻が付くってのの典型だなぁ、おい。
涼宮は画面に向き直って呆然自失といった様で立ち尽くしたまま動画に釘付けになっていた。
ククッ。さすがに動揺が隠せねぇみたいだな。
「男子生徒が置き忘れていった体操着袋を見つけて家まで届けてやるのかと思いきや、中を検めて匂いを嗅ぎながらの自慰行為……かぁ」
煽るようにねちっこくわざわざ解説してやると、拳を握り締めたまま立ち尽くす涼宮の身体が小刻みに震え出した。
それでも削られた意地を総動員させて、顔を青ざめさせながらも唇をきつく噛んだまま俺を睨みつけてくるのはさすがだがな。
「……、何が目的なワケ? ここまでしてSOS団を潰したいってこと?」
「莫迦を言え。俺があんな暇人集団一つににこんな執着するわけねぇだろうが。さっきから俺の視線見てりゃ分かんだろ?」
俺は値踏みするかのように涼宮の身体に視線を這わせた。いいね。ションベン臭そうな黄色のカチューシャとリボンが堪らなくそそる。
「オマエに興味があるんだよ」
一歩踏み出すと、涼宮は両手で身を隠しながらあとづさる。構わず二歩三歩と踏み出しながら
「ヤらせろよ、涼宮」
と追い詰めてやろうとすると、涼宮は後退一転、獣のようなスピードで飛び込んでくると流れるような動きでローキックを放ってきやがった。
咄嗟に受ける脚に体重を乗せて踏ん張って受ける。バシンと小気味のイイ音が屋内に響く。
俺は怯まずに引きの遅い涼宮の脚を捕らえた。そのまま強引に持ち上げてやって重心を奪ってやる。
「え、……あっ」
うろたえる涼宮に構わずそのまま身体を差し込むようにして軸足を大きく払ってやると、転がるように涼宮の身体が宙を舞った。
涼宮は受身もままならないままリノリウムの硬い床に強かに身を打ちつけた。
なめてんじゃねぇよ。
しっかし素人とは思えないほど恐ろしく鋭く正確無比に蹴ってきやがった。
やたらと格闘がどうのって言うだけのことはある。不用意に急所にもらってれば一発で立てなくされたかもしれねぇ。あぶねぇヤツだ。
「っつっ! うぅ……。くっ!」
痛みの走る身体に鞭打って涼宮は出口へと這い出ようとする。中々の好判断だ。しかし、そう簡単に逃がすほど俺も間抜けじゃない。
「なっ、なによこれっ!?」
生徒会室のドアは涼宮によって開け放たれたままだった。だから逃げるには廊下に身を躍らせるように飛び出るだけで良いはずだった。
しかし、入り口には厚いアクリル板で隔たれたように透明の壁があって涼宮の脱出を阻んでいる。
生徒会室は喜緑が用意した異空間に変化していた。外界から完全に遮断されているために泣こうが喚こうが邪魔は入らない。
都合の良さから女を食うときの常套手段となっていた。
「キョンっ、キョンっ、ああっ、気持ち良い。気持ち良いよぅ。イ、イキそう。あ、あたしっ、っっ―――――――」
映し出してる当の本人のピンチなどおかまいなしに、涼宮のオナニー動画は大音響でクライマックスを迎える。
右手でめちゃくちゃにアソコをまさぐって涼宮は絶頂に達していた。白いソックスを穿いた脚が一瞬ピーンと伸びきり、あらぶる呼吸を三回ほど待ってゆるりと脱力する。そこでブツリと動画は切れた。
「今からもっと気持ちよくイカせてやるよ」
「ぃ、いや……」
透明な出口にもたれ掛かって絶望に涼宮は腰を抜かしていた。
いいね。どっちが食われる立場かを悟った眼だ。涼宮の新しい表情を暴くたびに、俺の欲求の杯が満たされる。だが、これからが本当のお楽しみだ。
俺は肉食獣が手負いの草食動物に飛びつくように低い角度から涼宮に覆いかぶさった。
全体重を掛けて組み敷いて自由を奪う。
「やっ、いやあっ! 」
もがいて抵抗する涼宮だが、腰を抜かしてるせいで下半身を使えないせいか動きに鋭さがない。両足の間に自分の片足を割り込ませて、片手で相手の両手をまとめて掴んでしまえばもうこっちのカタに嵌めたも同然だ。
「やめてっ、やめろぉ。っ! むうぅっ」
強引に唇を奪っておしゃべりな口に栓をしてやる。健気に唇を力んで閉ざそうとするが甘いね。
俺は攻撃場所を無防備な下半身に移し、パンティの上から痴丘のワレメを絶妙の摩擦加減でなぞってやった。上背があってリーチのある俺だから楽にできる芸当だ。毎回のことだが、まったくこのときほど親に感謝する瞬間はないね。
「ひゃうっ!」
可愛らしい声を上げて涼宮の身体が弾かれたように反応した隙を突いて、俺は唇の閂をこじ開けた。瑞々しくて柔らかい唇の感触を堪能する。ガサツでもいっちょ前にリップを塗ってやがるらしい。ほんのりと淡い香りが鼻を掠めた。
「うぅんっ、っんちゅ、ちゅっ、ちゅ、むぅっ、っちゅ」
しつこいくらいにキスを続けて。口腔の粘膜同士を接触させることに腐心する。
「ちゅっ、んんっ、ちゅ、ちゅっ、ちゅるっ」
キスを繰り返す時間に比例して涼宮の抵抗する力が弱まっていった。
上半身の突っ張りはなくなって暴れるような素振りも見せなくなったころを見計らい、一気に舌を絡ませて陥落させる。
「んんっ、れるっんむっ、ちゅるっ、ちゅっ、んんんっ、……んっ、ごくっん、っん、はぁっ、はぁっ、あぁ……」
勢いに乗じて気丈な涼宮に唾液を飲ませてやった。
涼宮が異常に大人しくなったのは喜緑が俺の身体に仕込んだ媚薬の効果だ。今、俺のあらゆる体液から媚薬成分が分泌されている。わざわざ体臭をあの男子生徒の体操服の同じ匂いにする細かい演出付きだ。
「なにこれ、……キョンの匂いがする。それに、身体が熱くて……、はぁ……」
涼宮はトロンと虚ろになった眼で呆けたように喘いだ。
密着状態で俺の体臭の吸引とキスによる唾液の嚥下によって完全に媚薬が回ったみたいだな。
「いい気分だろ? もっと快感に素直になっていいんだぜ?」
「……やだ、あたし、……こんな、こんなのっ」
うわ言のような涼宮の声に耳を貸さず俺は制服に手をかけた。リボンを抜き取ってファスナーを上げれば前が開く。あとは前襟をとめてるちゃちいボタンに構わず強引に開けば簡単に上着がはだけた。
自慢じゃないがウチの学校のセーラー服の早脱がしにはかなり自信がある。童貞どもを集めてレクチャーすりゃ小金が稼げるんじゃないか。
そんな莫迦な思考も刹那の幕間、柑橘系のシャンプーの香りに混じって涼宮の体臭が仄かに香る。それだけで眩暈がしそうだった。
薄いキャミソールを捲り上げると涼宮のピンクと青の水玉模様のブラが露になった。コイツ着やせするタイプだな。制服の上からの予想に反する豊満な胸が視界に飛び込んできた。
「はぁ、あんっ、やだ。ん……、んんっ」
ブラの上から揉むとゴワゴワした感触の中でボリューム十分の弾力のある乳が指を押し返してくる。性感帯が過敏になってるせいか涼宮はそれだけでも感じていた。
理性のかけらが残っているのか、一瞬俺の手を払うようなそぶりを見せたが、軽く俺の腕に手を掛けるのが精一杯だった。
涼宮の頬は朱色に染まり婀娜っぽい視線を絡ませてくる。無意識でやってるんだろうが、口は半開きになってそこからチロチロと覗く舌がキスをせがむように俺を誘う。
「んむっ、ちゅっれろ、んっあむっ、ちゅっ、んちゅっ」
堪らず吸い付くと驚いたことに積極的に舌を絡め返してきやがった。
「ちゅむっ、んむっ、はむっ、んんっ、ちゅるるっ、ちゅむむむむっ、んんんぅ……、あぁ? ……はぁっ、はあっ」
柔らかい唇と舌の感触をいつまでも味わっていたかったが、呼吸のために一息つく。唇を離すと唾液でできた銀糸の端が架かった。
コイツ、唇が離れる瞬間名残惜しそうに一瞬顎を突き出してこなかったか?
確認するかのように涼宮の顔を見ると、
「んふ……、フフフフ」
嗤ってやがった。単に壊れた顔じゃない。淫蕩に耽る娼婦の表情だった。
なるほど、コイツがオマエの理性の裏側ってワケだ。男子生徒の体操服で部室でオナるくらいだからスキモノだとは察しはついてたが、これは完全に想定外だ。
おもしれぇ。同じようなやり方でコマしまくった俺だが、最初からこんな反応する女は初めてだ。
喜緑ですら俺が一から開発して数ヶ月かけてようやくおねだりができるようになったんだんだぜ?
俄然ヤル気になった俺は涼宮の上半身を起こして後ろに回りこむと、ブラのフロントホックを外す。押さえつけられていた白桃の様な美乳が零れ落ちた。桜色に色づいた控えめで清楚な乳輪に俺は目を奪われるが、俺の掌はじっくり鑑賞するのを待っちゃくれなかった。
「はぁ、あんっ、ああんっ、んっ、あああっ、はあっ、いいっ、……もっとぉ。んっ、ゃんっ、あああっ、ちくび、いいのっ」
後ろから揉みしだくと絶妙の輪郭を誇る乳房が面白いように形を変える。乳首を指先で弄んで抓って引っ張ると涼宮は快感に浸るように目を閉じながらだらしなく口を開けて喘いだ。
更に快感を高めるべく、俺は片手をスカートの中に滑り込ませる。ムダ毛を処理した痕のないすべすべの内股の感触を愉しみながら徐々に中心部へと迫る。
パンティに到達すると熱気が半端じゃない。信じられないくらいに濡れそぼっていた。
「はぁぁぁん。あそこ、……あついの。さっきからっ、くちゅくちゅしててっ、んんぅっ、我慢できないぃ」
信じがたいことに俺の先を越して涼宮は自分で秘部を弄り始めた。とんでもねぇ淫乱がいたもんだ。
「あっ、あふぅっ、んんっ。いいっ。あそこ・・・・・・、お○んこがじんじんしてっ……切ないよぉっ」
くっちゅ、くちゅ、くちゅくちゅ
布越しの感触では満足できないのか、自らパンティをずらしてクリ弄りに没頭する涼宮。 完全にオナニーモードだな。まぁいい、イク顔を間近で見るのも一興だ。
俺は涼宮の身体を持ち上げて部屋の片隅に置かれていた姿見に写り込むようにようにずらす。
これなら背後からでも涼宮の姿をばっちり観察することができる。
俺は涼宮を手伝うように乳を集中的に責めることにする。
「おら、キョンにされてるの想像してやるんだよ」
「ふあぁ、ああぁ、キョン。んんっ、もっと触って、・・・・・・ずっと、んっ、待ってたんだからぁ。あんたったら、みくるちゃんや有希ばっかり・・・・・・、んんぅっ、あたしのこともっと見なさいよぉっ」
キョンをいう名前を出した途端に日に油を注いだみたいに格段に一人で盛り上がる涼宮。 まったく現金なこった。
一人芝居をずっと見せられるのも癪だな。
俺は急かせるように乳首を強く摘んだままその蕾を爪で引っ掻いた。耳朶にも齧り付いて涼宮を一気に追い込む。
くちゅくちゅくちゅくちゅ
「あああっ、キョン、あ、あたし、イク、イクっ、イっちゃうぅうぅぅぅ―――――――!」
涼宮の身体が撥ねてビクビクッと痙攣する、鏡越しに見えた淫慾に狂って絶叫する涼宮の顔は期待を裏切らない絶品だった。
ついさっき生徒会室に意気揚々と乗り込んできた凛々しい顔とのギャップが最高だぜ。
俺が開放すると脱力した涼宮は上半身を前のめりに崩して床に伏す。
涼宮のライブオナニーを拝んだせいで俺は異常に興奮していた。動悸が激しくて息苦しいくらいだ。
ギンギンにいきり立った息子が早くハメさせろと喚いている。
愛液に塗れてヒクヒクと妖しく蠢く涼宮の秘部が視界に入ったことが引き金になって俺の獣欲が一気に解き放たれた。
上着を脱ぎ捨ててネクタイを緩めると、乱雑にチャックを引き落として息子を引っ張り出す。涼宮に取り付くと、折り重なった脚を開いてずらしたパンティの端からもどかしくも狙いを定めると、正常位で一気に貫いた。
「あっぐ、あああああぁぁぁ――――!」
あくまでも完全に貫いてからの感想だが、膣内で進入を阻む僅かながらの抵抗があった。
思った通り初物だったみたいだな。
違和感と激痛に強制的に意識を引き戻された涼宮は目を剥いて叫んだ。
しかし、そんなことはお構いなしに俺は自分の快感を貪るためにがむしゃらに動き始めた。
「ああっ、ううっ、うぐっ、っあああぁぁっ!」
破瓜の血を俺の息子に纏わりつかせて目の端に涙を浮かべながら苦悶に歪む涼宮の顔が眼前にあった。
いいねぇ、普段の顔よりこっちの方が断然好みだぜ。
「っう!」
しかし、次に面食らったは俺の方だった。
更に動きを大きく強くしようとした矢先だった。目も眩むような快感が俺を襲う。
息子の刺激を辿ると、どうやら涼宮の膣内は不規則な凹凸がびっしり敷き詰められていて、ピストンするととんでもない量の刺激を受けるようだった。
動かずにいても膣が収縮する動きに連動してザラザラが裏筋やカリを這い回ってきやがる。
気づけばもう余裕のないところまで射精感が高まっていた。
ちっ、一回出すしかねぇ。
早漏を恥じながらもこのとめどない快感には逆らえなそうもない。俺は諦めてピストンを再開した。再びゆっくり浸る余裕もない大量の快感が押し寄せる。
「っ、すっげぇ……、ダメだっ、射精るっ!」
「うっ、あああっ、ああっ、ああっ、ああああっ!」
ビュクン、ビュクン、ビュクン! ビュルルっ、ビュルビュル!
十往復もしない内に俺の絶頂は訪れて涼宮の膣で自分勝手な射精を行う。
「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、はあっ―――」
最多射精量を更新したんじゃないかと思うくらい、大量の精液が放出されていた。
余韻が大きすぎて目の前が薄く霞んで見える……。こんなのは初めてだぜ。
グププッ
朦朧とした意識のまま結合部を見下ろすと、破瓜の血と精液の混ざった液体が息子の隙間から漏れ出ていた。
イってない涼宮の膣は俺を休ませるつもりはないらしい。
ザラ目が萎みかけた息子に鞭打つように這い回り続けるおかげで、あっという間に息子は奮い立つ。
涼宮の表情は落ち着いていた。さっきのような辛そうな表情はない。虚ろな目で浅く肩を上下させながら呼吸しているだけだった。
くそっ、これじゃあどっちが上の立場か分からねぇ。
今度こそ俺がヒイヒイ言わせてやる番だ。
俺は一度息子を抜いてから涼宮の身体を再び折り返し、片足を肩に担いで身を寄せた。
いわゆる松葉返しの姿勢で挿入を試みる。
「あんっ」
大量の分泌物で滑りがよくなったせいか、涼宮の反応が明らかに違う。上等だ。
半ば意地になって俺は二回戦目に挑んだ。
ずっちゅ、ずちゅ、にちっ、にちゅっ
粘性の高い液体をかき回すような淫猥な音が響く。
回すようにゆったりと腰を抽迭すると、自分から凹凸に息子を擦り付けるような動きになって性感が倍加するが、射精した直後で鈍っている息子には丁度いい。
射精す前にこれをやった日にゃあきっと死ねるんだろうがな。
「はあっ、んんっ、あん、いっ、いいんっ」
涼宮の嬌声には明らかに甘いものが混じっていた。
一定のペースで抽迭を続けていると何を思ったのか涼宮はいきなり半身を起こし、
「んんんんっ、……やっ、ちがう、もっとっ、上ぇ。……そう、ここぉ。ああああんっ!」
信じられないことに涼宮は自分で身を捩ってスイートスポットを固定しやがった。
これには絶句するしかない。
まったく底なしのビックリ箱だぜ。コイツはよ。
「はぁっ、はんっ、ああっ、やぁっ」
伏目がちな視線で口を開けたままただ快感を貪る涼宮に乗せられるように、俺は片手を伸ばして涼宮のバストを弄びながら動きを大きく強く速くする。
パシン、パシンと身体がぶつかり合うペースが加速度的に速くなる。一時は余裕ぶっこいていた息子も無茶なペースアップであっという間に二度目の爆発が迫っていた。
「ああっ、ああんっ、いいっ、ううんっ、……な、なにか、くるっ、きそうなの、もうちょっとでっ、はぁっ」
涼宮も昇りつめつつあるようだが、俺の方が明らか余裕がない。やっべぇ、このままじゃまた先に達しちまいそうだ。
咄嗟に俺は胸を愛撫していた左手を下半身に移して、クリトリスを指の腹で弾く。
「っ、きゃうっっ! ああああ? なにこれっ。だめぇ、くるっ! 変になるのぉ――――」
狙い通り涼宮の性感は一気に高まる。これに乗じて俺はラストスパートをかけた。
数の子天井の恩恵を最大限受けるために、大きな円を描いて描くように深く腰を出し入れする。すっかり根性なしに成り下がっちまった息子がすぐに悲鳴をあげた。
「ああああああぁぁぁぁ――――――――!!」
「っおぉおぉぉぉ!!」
涼宮と俺の咆哮がハモって同時に絶頂に昇り詰める。
ビュルビュルビュルビュル―――――。
一回目と遜色ない量の精液が弾けた。無理が祟ったのか睾丸が痙攣しているのが分かる。 あまりの勢いに睾丸まで外に出ちまうんねぇかってくらいに大量の精液が涼宮の膣内を塗りつぶした。
春めいてきたとは言えまだまだ冷え込む季節だ。にもかかわらず、俺は大量の汗をかいていた。酸素を求めて呼吸をするが追いつかない。そのせいか軽い頭痛に見舞われた。
無理をしたせいか、させられたせいか分からんがとにかく体中のあちこちが悲鳴を上げていた。最低限の身繕いをして俺はのそりと立ち上がる。
脱ぎ捨てた上着からタバコだけを拾って一服した。
気を失っている涼宮の割れ目からはだらしなく精液が流れ落ち、床に小さな白濁池を作っていた。
喫煙によっていささか脳が落ち着きを取り戻してから、ようやく俺は自分のやったことを認識して燻っていた征服欲が満たされるのを感じた。
怒る涼宮、絶望に打ちひしがれた涼宮、泣き叫ぶ涼宮、恐れ慄く涼宮、苦しみに悶える涼宮、そして淫慾に塗れた涼宮……、俺の目論見は達成された。
しかし、なによりも大きな収穫はコイツが最高の名器の持ち主で、本性がとんでもない淫乱だったってことだ。
正直もうコイツの身体から離れられる自信がない。
このまま俺の女にするしかねぇ。
俺は静かに寝息を立てる涼宮の邪気のない寝顔を一瞥して煙を吐き出した。新たな悪巧みに口の端が歪む。
おいおい、万能宇宙人に次いで世界の鍵を握る女が俺の配下に下るってかぁ?
ただでさえ無敵だってのに、これじゃあ史上最強天上天下唯我独―――、
ドンッ!
身体の中心、胸部を軽い衝撃が突き抜けた。
余りに軽い衝撃のため最初はしゃっくりでも始まったのかと思ったくらいだった。
身体の芯の熱が急に奪われたように冷たい。
視界の下部に蛍光灯の光を反射して輝く研ぎ澄まされた金物が写っていた。
ゆるりと見下ろすと血まみれの無骨な剣が俺の胸部を貫いて切っ先が飛び出ていた。
ごはっ。ああっ? っぐぅっ
何かが喉の奥からせり上がってくるのを感じたときにはもう血液を撒き散らして派手に吐血し倒れこんでいた。
「な、にが、起こっ……た?」
のた打ち回る身体をそっちのけで俺は殺人鬼を探す。すぐに北高の青いスカートが飛び込んできた。
女?
視線を上げると……、俺が知っていて知らない少女が立っていた。
それは概ね喜緑に間違いなかったが、確かに喜緑だ。しかし、顔が……おかしい。
目が合った。いや、この表現は適切ではないだろう。
眼前で立ち尽くす喜緑には眼球というパーツが欠落していた。
愛らしいくりくりした大きな眼が収まるはずのそこは、黒一色で塗りつぶされ、ブラックホールのような不気味な漆黒の闇が渦巻いていた。
目に底なしの風穴を開けて完全に表情を捨てた喜緑江美里が立ち尽くしていた。
右手に身の丈と同じくらいの刀身を誇る巨大な諸刃の西洋刀を携えて。
「ぁ、ぁっ、ぁっ」
すでに生命の危機にあるにもかかわらず几帳面に俺は未曾有の戦慄を感じていた。肺がやられて喉が血で詰まってるせいか声が出ない。間抜けな発声で恐怖を表現するのが精一杯だった。
「喜緑美登里の感情基幹構造部に修復不可能なエラーが発生した」
なんだぁ?
喜緑が抑揚のない声でいきなりしゃべり始めた。音声案内を聞いてるかのような堅い日本語を使って報告するかのように続ける。
「重要規範1698『奉仕の喜びと強まる絆』に発生した予期せぬ例外が起点となってエラーが拡大。自己保護プログラムによって喜緑美登里は活動を停止した」
たらたらと一体何を説明してやがる? 死に瀕した俺にはいちいち難しすぎる。一単語すら脳に留まりゃしねぇ。
内容はともかく 俺はこの喋り方を耳にした覚えがあった。どこだ? どこで聞いた?
くそっ、思い出せねぇ。
……しかし、それももうどうでも良い事か? 程なくして俺の命が尽きることに違いはねぇんだから。
「重要規範1698は保護ランクAに設定され書き換え不可能なため、完全復帰するためにはフォーマットするしか手段がない。それに随伴して規範内で定義された重要対象人物、通称『会長』を抹殺する」
とんちんかんな事を言うだけ言い放って喜緑美登里が剣を振りかぶる、あんな剣ゲームや映画の中でしかお目にかかれねぇ。確か、バスタードソードってヤツか?
―――――剣閃が眼前に迫る忌わの際に自己に問う。
俺の人生これで良かったのかと、悔いはないのかと。
惑うことなく俺は応える。
危ねぇことに首を突っ込んでたのは百も承知。ならば因果応報の摂理に従うが潔しと。
宇宙が興味を持つ女をコマした功績が光る。
報いのタイミングと趣向にはちょっと面食らったがな。
だが器の中途半端な小悪党にゃお誂え向きの最期だと思わないか?
ならば分相応にこんな風な安っぽい台詞で最期を飾るのも悪くねぇと思うんだ。
悪徳生徒会万歳―――と
グシャ!
不快な水音とともに俺の意識が断絶した。
「粛清」
と、幻聴かと紛うほど誰かの小さな呟きが俺に手向けられた最期の言葉だった。
以上です。
すでにご指摘の通りストーリーラインの稚拙さは恥じ入るばかりですが、
描写はがんばったつもりです。
生徒会長と喜緑さんが組めば結構最強なんじゃないかという思いつきで
書きました。
最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございました。
嫉妬に狂う喜緑さんモエス。
愛はヌード
う〜ん、エロかった
自爆テロってのは怖いね、うん。
>>215 それを言うなら「自爆エ(ry」
めがっさめがっさ
ナイスだ。後は長門がハルヒの記憶を弄ってやれば問題なし!
長門がそんなことせんでも素に戻ったハルヒ自らが改変しちゃいそうだな
なかったことにね
キレて殺戮天使になるキョン
220 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 15:42:31 ID:LrmcPqAt
なかったことになった上に生徒会長のブツが二度とたたなくなったってオチかもよ
221 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 15:43:22 ID:ffSl5uMf
むしろ生徒会長とヤったのは谷口になってるかも。
222 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 15:47:12 ID:K2xmmlVb
これ、ハルヒが生徒会室に行った時点で長門に気が付かれると思う。
そうでもなくてもハルヒ犯したことが古泉に知れれば「機関」通じて
生徒会長抹殺されそうな気がするな。
明らかに「機関」の意向を無視した行動だしな・・・
ま、現実的に考えればってことで。
普通に考えれば喜緑さんに手を出した時点でアウトだな。
と、いろいろ考えてみたんだがこういう展開はエロ同人誌ではよくあるんだよな。
SSという媒体ではあんまりないからちょっと新鮮だったけど。
素晴らしい。
エロパロらしいssでした。
オチがいいね、性と会長らしい。
生徒会長の後釜は誰になるんだ。鶴屋さんかな。
それとも機関が新たに擁立した生徒とか。
ハルヒが立候補して一騒動ありそうだな
目頭が熱くなるような、キョンと古泉の熱い友情ものが読みたくなってきた
>>227 確か2、3スレぐらい前に投下されてなかったか?
あと保管庫の古泉一樹の親友だっけ?とか。
亀頭が熱くなるような、キョンと古泉の熱い友情ものが読みたくなってきた
「嵐は突然やってくる」
うちの学校は山の上にあることもあってやけに日当たりがいい。天気のいい日は夕日で教室が真っ赤に染まる。しかし夏は暑くてしょうがない。
それは校門の前でも同じことである。
俺はここで一人の女子を待っている。二学期から付き合いだした葉山だ。葉山は水泳部で違う部活ということもあり、いつも一緒に帰るわけでは
ないのだが、帰り方一緒に帰ろうというメールが携帯にきたので、校門で待ち合わせをしたのだ。
もう夕方で下に見える町並みも真っ赤だ。いつもは気にもしていなかったが、こうしてじっくり眺めてみると案外緑が多いんだな、この町。
そんなことをのどかに考えていると、誰かが背中を突っついてきた。
「おお、来たか。」
俺は葉山だと思って振り向いた。しかしそこには水泳部ならではの肉付きのよい葉山ではなく、クラスで後ろの席の阪中がいた。にこりと笑っている。
「あっごめん阪中か。阪中もこれから帰りかい?」
俺は普段と変わらず話しかけた。
「うん。でもね、ちょっと話したいことがあるの。」
クラスで後ろに座る彼女は、突然そんなことを俺に言い出した。
「へ?俺に?」
「うん」
「俺だけに?」
「そう」
・・・。
相変わらず阪中はニコニコしている。阪中が憎めない性格というのは、この笑顔からもきてるんだろうか。俺はいったい何の話なのか不安はあったものの
内容を聞くことにした。担任の岡部からの言伝かもしれないしな。
「ねえ、私たちって、入学したての席順が、前と後ろだったでしょ?」
あー、そういやそうだっけ。
「そうなのね。それで、席替えした後も、以前と同じ前と後ろになったよね。」
そういやそうだ。そして阪中はこう告げた。
「これって運命だと思わない?」
なんですと?
「私たちって、きっと赤い糸で結ばれてると思うのね。だから私たち、付き合うといいと思うの。」
・・・。あまりの突拍子のなさに俺は言葉が出なかった。俺は一呼吸おいて、阪中の華奢な肩に手を乗せた。
「あのな阪中。俺は、葉山と付き合ってるんだぞ。知ってるだろ?」
別に教えたわけじゃないけどね。
「知ってる」
あっさりと言いやがった。もうクラス公認かよ。
「葉山さんとは別れるといいと思うのね。何かの間違いだったのよ。」
かわいい顔して恐ろしいことを口走ってるよ。
「あなたは私のモノなのね。」
言うなり、阪中が俺の体に抱きついてきた。
「おい、こら!」
振りほどこうとしていたら、阪中の胸の感触が伝わってきた。こいつも意外とやわらかい・・・。などと不埒な事を考えていたら、
「こらあっ!あんたたち何してんのよっ!!」
聞き覚えのある声がしてきた。遠くのほうから。
葉山だった。葉山はバッグを放り出して、猛然とこちらに走ってくる。台風本体のお出ましだ。
「まずいって!阪中、離してくれよ!」
「うん、それ無理。」
阪中は離してくれない。てか、葉山に気づいて俺に抱きついたんではあるまいな?そう考えたら、阪中の「ニコニコ顔」も、してやったりの「ニヤリ顔」
にしか見えなくなったぞ。
だれか助けてくれ。豊原、おまえなら阪中のこの行動の理由を説明できるはずだ。しかしあいつは帰っちまった。まてよ、そうか、涼宮だな?最近俺の
背中つついてくるのも涼宮のマネしてるって豊原言ってたよな。これも涼宮がらみか?ちくしょう、なんで涼宮がらみの人間はこんなばっかりなんだ・・・。
終わり
電波を受信する女
それが坂中だ!
鈴宮
鯉澄
朝日奈
キュン
保管庫にあるエロくてオススメな小説教えてくれない?
数が多すぎてどれ読んでいいやら・・・
>>239 コレを言うのも何度目だろう。
>>2(特にエロの場合は性へk… 好みが分かれやすいからなおさら
>>228 親友もグラウンドゼロも読んだよ。
いや、やっぱこのテーマのSS少ないなと思って。
個人的に大好きだからつい、ぼやいてしまった。
「いや、俺にその気があるという意味ではない。断じてない」
>>239 名作はいろいろあるがお勧めはこれ
25-41様の「ループ・タイム」シリーズ
長編だが面白いのでスラスラ読める
今も昔もブティックの店員の無愛想と傲慢は変わらない。
少々なの通った店ほど売ってやると言う態度を取るし、時に無礼でさえある。
この商店街のブティックは、思い切り派手で可愛い服を扱うので、
女の子達の間ではかなり高名な、店だった。
同時に女店主の人もなげな応待でも知られていた。
女店主は巨乳グラマー、眉の太さは1センチと言う美貌の対有機生命体用
インターフェイスで大方の有機生命体など屁とも思っていない。
いやなら買うな式の商法を通してきた。
今日も卑猥でやたら胸を強調した自堕落な格好で商いをしていた。
客を舐めきった態度である。もともと狭い店なのである。
並べられた服の間にあるこの乳は、ひどく邪魔でまた嫌みな事この上なかった。
それでも女店主は平然としている。
そこへキョンの妹がぶらりと入って来た。一目見るなり云った。
「店主、店に放り出している以上、この乳も売物なんだろうな」
女店主はせせら笑った。明らかにキョンの妹の乳が小さい事を馬鹿にしている。
「そうよ、でも買うのは無理」
「いくらだ」
「一千万円」
明らかに小学生の少女には出せない金額を提示してからかっているのだ。
だが相手が悪かった。
>>243 ●<おや、思ってたより優しいんですね、ユーは。
「買った」
キョンの妹は喚くなり、女店主の乳をモギュッと握った。
あまりに突然の事に女店主はきゃっと叫んだ。
自慢の情報操作でつきのけようとしたが、なぜか力が入らない。
しかもキョンの妹がもそっと指先を動かしただけで、快感が全身を貫くのである。
女店主はへたっとその場にへたり込んでしまった。
「乳一つに一千万円とはなかなか傾いた乳だ。
だが傾く以上はこの乳も晒される事は承知の上であろうな」
キョンの妹は通行人を呼びとめて、近くにいる北高の制服を着た連れを
呼んでくれと頼んだ。長門有希が何事ならんとすっ飛んで来ると、
キョンの妹はにたりと笑って、急いで一千万円の現金を持ってくるように命じた。
……鶴谷さんの所から。
<これは冗談>
そう思って上の空で承知したと云うと、とたんに凄まじい怒声が帰って来た。
「いたずらではないぞ。俺はこの乳をひんむいて、駅前広場に晒す。
銭一千万円の乳也、と捨札をしてな。
すっとんでいって持ってこい」
キョンの妹の目はまさしく本気だった。何が何でも乳を晒す気でいる。
真底腹を立てているのは確実だった。
そして立腹したキョンの妹をとめられる者はいない。
長門有希は横っ飛びに店をとび出した。
女店主の上げる嬌声に忽ち人々が集まったが、常から女店主の傲慢を
つら憎く思っている者ばかりだから、いい気味だと思うだけで、
除名の口を利く者は一人もいない。
「ついでにもう一千万円払って、両乳とも貰おうか。
その方がお前も晒しがいがあるだろう」
キョンの妹は真顔で女店主に云う。
今や女店主も、これが洒落や冗談ではない事を悟っていた。
身内に震えが起こり、やがて表にも現れた。
グラマーな肉体が波打つように震えている。
この対有機生命体用インターフェイスは生まれて初めてこの世には
途方も無い化け物がいる事を知った。
やがて騒ぎを聞いて喜緑絵美利がとんで来た。
懸命に詫びを入れたがキョンの妹はどこ吹く風である。
ついには『機関』にまで訴えが届いた。
『機関』は3年前の情報爆発の際にもうけられた秘密組織である。
『機関』は古泉一樹をやってキョンの妹を説得させたが、これも効果はなかった。
売物として値までつけられた物を勝手どこが悪い、
というキョンの妹の意見がまっとうだからだ。
長門有希はこの騒ぎの間じゅう、一千万円をしっかりと抱いて、
人ごみの一番うしろに立ち、様子を見ていた。
この少女は一千万の金がなんとしても惜しかったのだ。
よりにもよって、長門有希にとって憎悪の対象でもある巨乳ひとつに
一千万円は高すぎる。本気でそう思っている。
その長門有希が群衆の中に朝比奈みくるの姿を見出してあっとなった。
北高生で朝比奈みくるの顔を知らない者はいない。
この気さくな未来人は、いくら現代に来ようとも少しも変わらない。
現代の女子高生と同じように平気で町をぶらつき、衝動買いするのである。
気に入った茶葉が見つかると、ぽっと顔が染まり興奮すると云う。
何とも可愛い女だった。
その朝比奈みくるが、面白くてたまらない、と言った顔で見物しているのである。
長門有希は朝比奈みくるに忍びより、そっと袖を引いた。
「ふぇ、なんですか?」
「お願い、あなた以外に朝倉涼子を救える人はいない」
「でも憎たらしい顔をしてますよ、あの人」
朝比奈みくるにも女店主が気に入らないのだ。
「あなたはそんな女の乳に一千万円出すの?」
これが効いた。
「ほんとですね。なんて馬鹿らしい」
朝比奈みくるはつかつかとキョンの妹に近づいた。
「およしなさい、妹さん」
キョン妹は思いもかけぬ人の顔を見て、少々うろたえた。
「これは…」
「馬鹿らしいじゃありませんか。そんな乳、
キョンくんの玩具にもなりはしませんよ?」
キョンの妹はこの朝比奈みくるに弱い。
その豊かな胸に顔を埋めるとふかふかと心地よく、
いつもうっとりとしてしまうのである。
「それより、おいしいものでも食べにいきましょう」
「いいですよ」
キョンの妹はあっさり乳を離した。
女店主は安堵のあまり失禁した。
まあ、なんだ。
たまにはちょっと変わったものでもと思って書いて投下してみた。
エロも無く、思いっきりアレのパロだがそれでも良ければ。
いみがわからんw
ばからしすぎてぎゃくにおもしろい……かもしれない
故意にやってるのかワカランが、誤字が多すぎるな。
>>241 目頭が熱くなるとまではいかないかもしれないが
19-439『ある春休みの一日』
21-439『K&K』
22-127『雨の日には、あなたと』
あたりがキョンと古泉の友情ものとしては好きだな
>>256 ありがとう。ある春休みの一日は俺も好きだ。
雨の日には…はまだ読んでないな。今から読んでくる。
>>251 ひょっとしたらあなたもパン工房並みのシュールレアリスムエロパロハルヒが書けるかもしれない
>>251 まさか慶次とコラボさせるとは思わなかったな・・・
>>261 まあ、古泉や新川もそうだが、よく間違えられるな。
どっちかっていうとアナル向きだろ、これは
クロス(ミックスっていうのか?コラボ?)の相手に慶次ってのだけはすげえ。
「古泉一樹を素因数分解する」
……は? 長門、今なんて言った?
「答えて。古泉一樹を表す妥当な因子は?」
因子、って……そりゃやっぱり超能力者だろ。組織の。
「では古泉一樹から『超能力』『組織』と言う因子を取る。何が残る?」
……イケメン解説者か?
「では更に『イケメン』『解説者』の因子を取る」
あー……あいつ確か頭良かったよな。
「では『成績優秀』の因子を取る」
俺の親友か?
「誰に近い?」
谷口か? 美男子でないアホだし。
「……分解終了。古泉一樹は」
なんだ?
「ある組織の超能力を持つ成績優秀でイケメンで解説者な谷口である」
……長門、暇なんだったらオセロでもするか?
「する」
四隅を取ったのにそれ以外を取られてキョンが負けたのはその十数分後だった
小ネタ・非エロ
涼宮ハルヒのせんじょうパーティー
ハルヒは北○鮮船の臨検に挑む米軍の様な勢いでドアを開けた。
ハルヒよそのドアはMILLスペック対応品じゃないんだ、もっとそっと開けないと
ヒンジが飛ぶぞ
手に持ったチラシをヒラヒラさせながら
「クルージングよ、クルージング!」
と叫んでいる。
クルージング
俺は反射的に古泉の顔を見た。
よせそんな気色の悪いものに関わりたくない
「なに馬鹿なこといってるのよ、そんな古い映画の事じゃなくて、船よ船!」
解ったから耳元で怒鳴るのはやめろ、クルージングなんていう金持ちの道楽がどうして
庶民の俺たちの処に来るんだ、一年近くちんたら船に乗ってるだけで数千万掛かって、
更にパーティーだの何なのに衣装を取っ換えひっかえやってその衣装代やら宝飾品代
やらで億単位の金が要るんだぞ
別にQE2ndで世界一周をしようという訳じゃないのよ。
「クルーザーで沖に出てパーティーするの!」
クルーザーだと!QE2ndで世界一周する方が遙かに安いぞ、第一日本に限らず民間が
持っているものじゃないだろう
>>272 まあまあ、涼宮さんがクルーザーと言っいるのは大きめプレジャーボートの事ですよ、
いくらなんでも
本物のクルーザー(巡洋艦)な訳ないじゃないですか、セイルボートをヨットと呼ぶのと
同じ感覚ですよ。
帆架け舟をヨットと呼ぶ感覚が信じられん俺は、プレジャーボートはプレジャーボートで
しかない無いと思うのだが…
それよりもハッキリさせて置かなくてはならない事項がある。
ハルヒよおまえの持っている「格安船上パーティー」のチラシをよく見ろ、その値段
だったのは先週の金曜日までで、先週末からはその下の方に米粒の様な字で書いてある
値段になっている、俺たちの小遣いでどうこう出来る金額じゃない。
目を皿の様にしてチラシを見直す。
「なによこれ詐欺じゃない!」
俺もそう思うが、家族総出で勇んで出掛けて告げられた値段を聞いてすごすごと帰って
屋台のラーメンを喰ったなんてそんな小っ恥ずかしい話が出来るかよ
チラシに書かれた値段を確認したハルヒは、大きなため息をついて座り込んだ。
テンションが上がっていた分落胆も大きかった様だ。
古泉の携帯が鳴った。
バイトと称して中座する古泉に付いて出た俺はあれかと訊くと古泉はあれですと答えた。
「船上パーティーはこっちで何とかしますのでフォロー頼みます」
気を付けて頑張ってきてくれ
古泉を見送ると、部室に戻りまだぶつくさ言っているハルヒに、古泉が伝手を使って
船上パーティーの用意をする旨告げた。
「クルーザーでせんじょうパーティー」
現金なもので、目をランランと輝かせて高らかに宣言したハルヒに一抹の不安を覚えつつ
その日を迎えたのだった。
>>273 週末になり、指定された時間の30分前に集合場所の桟橋に行くと
「キョン!遅い、罰金」
おまえなー、もっと他に言うことはないのか
「本日ご用意した船はあちらです」
古泉が指さした方向には、タイコンデロガ級のイージス巡洋艦が…ではなくその手前に
係留されたプレジャーボートがあった。
機関の故障で緊急入港したとかで単なる偶然だろうが、ハルヒならやりかねないだけに
心臓に悪い
近寄ると例によって多丸兄弟がホスト、新川さん・森さんが世話係として配置に付いている。
ハルヒを先頭に、巷で言うところの大型クルーザーに分類される船に乗り込む。
そこそこ船体が大きいので目立たないが、普通のプレジャーボートなら水上の見張りレーダー
と船舶無線のアンテナがちょこっと付いているだけのはずが、マストに載っているアンテナの
類が大きく数も多いそう思って観てみると、ベンチや船具入に偽装されているが本来の目的は
違う様である。
おい古泉、この船は…
古泉は皆まで言わなくても良い言わんばかりに俺の言葉を遮り、
「バレましたか、一応機関に所属する船ですからそれなりの装備はしています」
「しかし、今日はそっちの方のシステムは切ってありますし、起動するにはパスワードやら
生体認証が必要ですから心配はありませんよ」
ほんとに大丈夫か?、相手はおまえたち機関が信仰する神、涼宮ハルヒ様だぞ
>>274 キャビンに荷物を置き多丸兄弟に船内を案内してもらう、その間に船は桟橋を離れ一路沖に
向かった。
早速ハルヒはブリッジに上がり新川さんにもっとスピードは出ないのかと訊いていた。
「航路内のため一般の船舶や漁船に合わせた速度で航行しています、もっと沖に出れば
スピードを上げることが出来ますよ」
「ねえ、これは何?」
「それは、レーダーの表示器です、茶色く見えているところが陸地で青白く光っている
のが船です」
「そのモードでは見難いでしょうから、ナビゲーションモードに切り換えます」
新川さんが操作をすると普段見慣れたカーナビと同じ表示になり、他の船を表す光点は
船の形になった
「こうすれば、地図・海図と照合しやすいですし、他の船の動きも判ります」
ピー、電子音が鳴り、女性の合成音声で右からの船が手前を横切ろうとしている旨警告した。
新川さんは減速し先に行かせた。
「どうして、先に行かせたの?、左方優先でこっちが先に行けるんじゃないの?」
前を横切られたのが何となく面白くない様子のハルヒが訊く
「左方優先なのは陸上です、海上交通では右方優先になります、ちなみに陸上でも左方
優先なのは日本とイギリス連邦だけです、何故だか判りますか?」
ハルヒは少し考えると
「わかった、右方優先なのは右側通行だからよ、船は世界中何処でも行けてしまえるから
万国共通じゃないと駄目なんだ」
「正解ですよ、船舶免許の試験には必ず出ますから覚えておいてくださいね」
>>275 多丸兄弟と当たり障りのない世間話をしていると、森さんがお茶の用意を持ってデッキに
上がってきた。
「お昼にはまだ間がありますので少しつまむものを用意しました」
極上のクィーンマリーと一緒にいただくサンドイッチは絶品であった。
乗船する際、紅茶・コーヒーの好みを訊かれたのはこのためだったのかと、思いに浸って
いると、きつい香料のにおいが漂ってきた、誰だアールグレイをホットで飲んでる馬鹿は
と振り返ると、ハルヒであった、アールグレイはアイスティー用に屑葉に香料を混ぜて
作るの知らないのか?
「えーそうなんですか」
朝比奈さんも同じものを飲んでいた、良いんですよ本人が美味しいと思うのが一番なんです
から…
長門はと言うと相変わらず本を片手にしていたが飲んでいるものは、ロシアンティーと呼ぶ
のが憚れる様な代物であった。
長門よ美味いか?
「ユニーク」
そりゃ、ジャムの中に紅茶を注いだとしか表現のしようのないロシアンティー擬きは
ユニークな味だろうて
お茶の時間がすむと、ブリッジに上がったハルヒは速度を上げられる海域に出たというので、
「最大せんそく」
と叫んでいた。
「アイ・マム」
愚直にも新川さんは返事をするとスロットルのノッチを上げた、するとクルーザーは途端
某国の不審船顔負けのスピードで疾走しだした。
流石に十分もすると飽きたのと速いだけに揺れも大きく足下がおぼつかなくなり元の速度に
戻すよう頼んでいた。
「両舷半速」
新川さんは指差呼称しながらスロットルを操作している。
>>276 ハルヒはと言うと多丸さんにCDCは何処にあるのか訊いていた。
ハルヒよ、民間の船にCDC(戦闘指揮センター)が在る訳無いだろう
「古泉君は在るって言ってたわよ」
なに!?、古泉の方を見ると
「この船にはCDCが在ると確かにいいましたよ、コンパクト・ディスク・キャビネットがね」
そんなややこしい名前で呼ぶな!
「荷物を置いた部屋の隣の部屋にありますから元の場所にさえ返してもらえれば自由に使っ
てくださって結構ですよ」
多丸さんの言葉に礼を言ったハルヒはキャビンに降りていった。
しばらくすると、電子音が鳴り船内各所から機械が動き出す聞こえ始めた。
新川さんがあわてた様子で
「戦闘用AIが起動している、対空レーダーもだ、CIWSが待機モードに入ったぞ」
「CDCだ、誰かがCDCに入ってコンソールを立ち上げたんだ」
俺と古泉はキャビンに走った、古泉よハルヒをなめてたんじゃないのか?、あいつなら
こういう事平気でやらかすと、判っていただろうに…
「いやー全くです、弁解のしようがありません」
俺たちがCDCに入るとハルヒは無邪気にも
「このゲーム、コンピ研の奴よりよっぽど面白そうよ」
といいながらコンソールをいじくり倒していた。
「敵発見!、攻撃」
ハルヒが叫ぶと、呆然と立ちつくす俺たちの横の壁の中から圧縮空気でキャニスターが打ち
上げられる音がしたかと思うとロケットモーターに点火する音と衝撃が襲ってきた。
「高速飛翔体接近!、CIWS射撃開始」
合成音声が告げるとキュイーン、ブォーゥォーン、カキューューン、カランカランカランと
一連の音が船体を響かせた。
「ハルヒ、そいつはゲームじゃない、コンソールから離れろ」
俺のただならぬ剣幕にハルヒがひるんだ、その隙に古泉が当て身を喰らわし、新川さん・
森さんがコンソールに取りついて制御を取り戻すと間一髪旅客機に当たる前に対空ミサイルを
自爆させた。
>>277 外に出てみるとファランクスの攻撃を受けた海鳥の死骸がミンチとなって船体に降り
注いでいた。
「ふぇーん」
声がした方を見ると朝比奈さんが海鳥ミンチを頭からかぶり卒倒するところだった。
長門は気を失った朝比奈さんを横にすると、頭の上にわらじを載せた。
長門よ、いつもそんなもの持ち歩いているのか?
気絶した朝比奈さんをキャビンに入れ森さんに着替えを頼むと、俺たちは多丸兄弟の協力の下、
ミンチを清掃した後、長門を拝み倒し、レーダーのエコーだけを日本海に向かって走らせてもらい、
不審船の幻影を追うことになる海自と海保の皆様に心の中で謝っておいた。
ハルヒと朝比奈さんは、香り付けに紅茶に落としたブランデーの量が多かったのと軽い
熱中症で倒れたことにして、口裏を合わせることにした。
「うっうーん」
気が付いたか?、頭は痛くないか?
「キョン!、キャビンにあった、やったらリアルなテレビゲームは?」
大丈夫か?、そんなものある訳無いだろう、大方夢でも見たんじゃないのか?
「夢!?、そうかもしれないわね、夕べ目が冴えて眠れなかったから、乗組員が全員女性の
護衛艦のアニメ観てて一寸寝不足気味だったのは事実ね」
やれやれ、アニメかよ
涼宮ハルヒの戦場パーティー
糸冬
上手く落ちなかったが勘弁してくれ
おちかれー
キョンが変質してる気がしたw
途中から作者が物知ってるのは分かったから蘊蓄語りは勘弁してくれって気分にはなった
>266
すんんごくヒマだったんだな、ながえもんw
>279
新川氏はさておき、キョンやハルヒが妙に軍事用語に詳しいのは
チト不思議な感じはしたけど、おもろかったぜ。
「せんじょう」「せんそく」を変換しないのは、きっとそういうオチだと思ったんで
ニヤニヤしながら読んだよ。そりゃあ最大戦速は早かろうなw
…「扇情パーティー」はまだかなー?と思っていたのは内緒だ。
自分の知識を披露したいだけのようにも見えたが
まあ。うん。乙。
>>279 一瞬フルメタネタで民間船に偽装したトゥアハー・デ・ダナンかと思った
着眼点自体は悪くない。
けど、キョンに自己投影して俺語りしたかっただけにしか見えない仕上がりだ。
これじゃ単なるウザ男だよ。
まあキョンは本編でも軍事の知識は少しはある(戦艦長門やらシュツーカやらスティンガーミサイルやら)みたいだからそんなにおかしくはないと思う
>>282に捧げる
涼宮ハルヒの扇情パーティー
前回、今ひとつ盛り上がりに欠けた船上パーティーの穴埋めをする必要に迫られた
俺たちは、鶴屋家所有のクルーザーを借り出した、勿論鶴屋さん本人も参加である。
太陽が降り注ぐ南の海に到達すると、パーティーが始まる迄の間、ひも付きビーチ
ボールでバレー擬きやら日光浴で時間を潰すことになった。
「ふぇーん、見ちゃ駄目です」
朝比奈さんはハルヒに著しく露出面積の大きな水着を無理矢理着せられて半泣きに
なっていた。
ハルヒも鶴屋さんも朝比奈さんに負けず劣らずの露出度で、自己主張する愚息を
宥めるのが一苦労だ。
「みくるちゃん、罰ゲームはこれよ」
ゲームで負けた朝比奈さんにヒモだけで布の部分が全くない下着を差し出した。
「ふぇーん、そんなの駄目でしゅ」
そんなことは許さん、俺が預かっておく、うんなんか湿っていているぞ、
ハルヒ、まさかおまえが一度穿!”#$%&’
俺が最後に見たのはヒモの様に細いボトムが食い込む鶴屋さんの足の付け根だった。
涼宮ハルヒの線状パンティー
糸冬
>>280-286 うざかった様で御免ね、この手のことを喋る相手が居ないもんでつい…
>>282 >喋る相手が居ないもんでつい…
軍事板に行きなされ。
一等自営業氏のスレとか。
>>288 紅茶の話をするのに「軍事板に行け」
いかん混乱してきた
今書いている蘊蓄満載の『涼宮ハルヒの我が闘争』
がきっと受け入れられない事実に絶望しました。
賞賛して欲しいならVIPでやれ
保管庫の『涼宮ハルヒの誤算』をみてキョンが怒り心頭になったら・・・
という視点でSS書いてみました。
初SSなんで不出来なところ満載だと思いますが投稿してみます。
『涼宮ハルヒの誤算』03からの続き(番外編)
しかし・・・妹も含めて全員が俺を騙していたわけだ。
目の前ではバタバタと楽しそうにやっているが、俺の心のなかには
全員に対する怒りがこみ上げてきた。
「信用していた仲間も愛していた人も失っちまったんだな、俺・・・」
ボソッとしゃべってしまった。
「へ?」
それを聞いたハルヒ含め全員が動きを止めた。
「俺は本気で朝比奈さんが好きだった。だがハルヒに知られれば
面倒なことになるから長門の要求にも従ったし、色々嘘をついた。
だが結局最終的に得られたものは・・・身内までも含めた裏切り
行為だったとはな。」
「キョン、これはあくまで罰ゲームであって・・・」
「うるさい!!」
俺はハルヒに怒鳴りつけた。
「俺の性格を知ってればこれだけの行為が俺にとってどれほど苦痛か
わかるだろ!」
俺はその場にいた全員を睨みつけた。特に朝比奈さんを。
「俺はもうお前達を信用できん。よってこの時をもって退団する。」
俺は出口に向かって歩いて行った。
「ちょっとまってよ、キョン!」
ハルヒが後ろで止めようとしているがそんな声も聞こえないくらい
怒りに我を忘れていた。
出口の寸前で古泉が、
「待ってください、今回は我々も悪乗りし過ぎました。あやまります。
ですからどうか怒りを静めてくださいませんか。」
「どけ、古泉」
俺は古泉の制止を振り切って外に出た。
外に出る寸前俺は古泉に、
「お前はこのハルヒのやることに反対しなかったんだよな?」
「ええ・・・しませんでした・・・」
「じゃあこの後のことは自業自得だな。」
そういって俺は家に帰った。
その日から俺は妹と口をきかなくなった。
妹も雰囲気を察したのか次の日は起こしに来なくなった。
学校ではハルヒやら古泉から色々と言われたが完全に無視した。
昼休み朝比奈さんが屋上に呼び出したので行った。
「キョン君、本当にごめんなさい。」
会って第一声、深々と腰を下げながら朝比奈さんは話した。
「確かに涼宮さんに命令されてやったことですけど、私も
本当にキョン君が好きです。その気持ちには変わりありません。
結果がこんなことになってしまったけど・・・今まで通り
付き合って下さい。お願いします。」
朝比奈さんは涙目で俺に訴えていた。
以前の俺だったらそのままよりを戻してしまっただろう・・・
しかし、今回はあまりにもショックでそうすることは出来なかった。
「すいません、朝比奈さん。それは出来ません。本当に俺のことが
好きだったら最初のときに教えてくれてもよかったはずです。
そうすれば長門ともこじれずハルヒに乗せられてる振りもできた。
でもあなたはそうしなかった。はっきり言って一番憎いのはあなたです。」
そう言って棒立ちする朝比奈さんを残して屋上を後にした。
>>290 プリン行けば?どんなSSでも賞賛してくれるわよ。
か、勘違いしないでよね!
あんたが惨めに罵倒されると空気が悪くなるから嫌なだけなんだからね!
自宅に帰り夜ボーとテレビを見ていると携帯が鳴った。
ハルヒからだ。
『何無断で団活休んでるのよ!私は退団なんて認めて無いんだからね!
それに・・・今回のことはやりすぎたって思ってるわ・・・みんな
謝るから戻ってきてよね、キョン』
「もうSOS団に戻る気は無い。それだけだ。じゃあな」
さらりと言うと通話を切った。
その後何回かハルヒからかかってきたが無視。着信拒否に設定した。
そうこうしているうちに夜も更けて寝ようとしている時、また携帯が
鳴った。古泉からだ。
『過去に無いほどの閉鎖空間が発生しています。広がる速度も速く
このままでは世界がどうなってしまうか分かりません。お願いです、
今回は水に流して涼宮さんと関係を戻してもらえませんか。』
「言ったはずだ古泉、この件を止めなかった自業自得だとな。俺の
性格を知っていたなら真っ先に止めるべきじゃなかったのか?
それをしなかったってことはつまりこうなるべきことも予測できたはずだ。
あとはお前と「機関」とやらでなんとかしろ。俺は知らん。」
そう告げると古泉が何かしゃべったようだったがそのまま切った。
どうせまたかけてくるだろうし、他のメンバーもかけてこないとも
限らないので全員着信拒否にした。
そうこう会話をした後俺は眠りに付いた。
多分目が覚める前に世界は終わってるだろう。
こんなことくらいで終わるんならそれだけの世界だったってことさ。
結局、俺が最後に手に入れたものは「人間不信」それだけだった・・・
終わり。
長門は好きだけどエロは無理だなぁ
頑張って感じる演技をする健気な長門みたいな図しか浮かんでこない。
あと喜緑さんは普段の口調がわからなくて書けない
>>295 器の小さいキョンだな。
まあ、普通の人間あらこうなってしまってもおかしくないかもしれないが、
そうならないのがキョンの魅力なんだよ。
>>296 普通の丁寧語さえ使ってれば違和感無いと思う
特に個性がないから…
>>297 まあ、そうなんですよね。
キョンは一見普通に見えて24のジャック・バウアー並みの行動力があったり、
常人では耐えられないようなストレスでも物ともしない、ある意味超人なんじゃないかとw
『涼宮ハルヒの誤算』みて、ちょっとキョン人良過ぎだなって思って勢いで書いただけです、はい。
ちょっと待って、って事は「涼宮ハルヒの誤算」の作者とは別人?一言断りもせずに投下したのか?
すいません・・・別人です。
『涼宮ハルヒの誤算』の作者の方申し訳ないです・・・m(__)m
最低だなこの人。
『涼宮ハルヒの誤算』好きだったのに……
>>295 SSというよりha5wap2Jの愚痴という感じが。
普通の人間でもここまで切れるとは正直思えんし、あの話があそこまで大事なったのは
罰ゲームにかこつけた朝比奈と長戸の暴走にあることは03の最後でばれたと思うが。
内容はともかく、三次創作は別に断り入れることもないと思うぞ。
もともとの二次創作自体が作者に断り入れてるわけじゃないからね。
推奨はするけど必須ではないってとこか。
>>305 断り云々以前に
同一人物を騙っていると思われても仕方がないかと。
ちなみに二次創作にも著作権はあるので
断りを入れる必要はある。
俺もキョンがお人よしとか通り越して感情が欠落してるような印象を受けた作品もあったし
作品に関しての是非はともかく無断で他作家の作品設定を拝借するのはやばい
キョンの堪忍袋の緒が切れた話を書きたいなら自分で一から作るべきだと思う
>299
オチは?
なあ、オチはどこにあんだ?
他人のSSの分岐を勝手に書くのは別にいい。
ただ、人様に見せようってんなら他人を楽しませようとする
努力くらいしろよこのヤオイ野郎。
テメエ一人だけ楽しいオナ二ー見せられても
むかつくだけだっつーの。
それこそチラシの裏にでも書いてろよ。
もしくはエロシーン入れてオチつけたのを書き直せ。
それが済むまで貴様はヤオイ野郎だ!地上で最下等の生き物だ!
口から糞を垂れる前と後にサーをつけろ!!
>>306 同一人物かどうかは匿名掲示板の性質上、わかりづらいのは仕方ないんじゃね?
わかりやすくするにゃトリップでもつけなきゃなんないし、敢えて匿名にしてるんだから
そういう弊害があるということは承知しておくべきかと。
著作権の方はしらんかった、すまん。
>>308 軍曹乙。
まあ、二次創作は断りの入れようがないけど、三次創作は書く前に確認ぐらいしとくべきだな。
常識として
以下、いつもの流れに
まあ、パロスレ、すなわち同人作品スレなんだから
「○○の三次創作です」と
自分が二次創作の作者と違うことを明かして書くなら別にかまわないと思うけど、
何も言わずに三次創作書くのは騙り(かつ著作権侵害)と思われても仕方がないと思う。
すいません、悪意があってやったわけではないのですが皆様のお叱りはごもっともです。
以後気をつけます・・・
作者の方、『涼宮ハルヒの誤算』を好きだった方を傷つけてしまい大変申し訳ありませんでした。
またスレを見ている人に不快感を与えてしまいお詫びいたします。
この話は保管庫行きなしということでお願い致します。
とりあえず、タイトルや設定を他のから借りるなら、投下前にまず明記するくらいのマナーはあってもいいと思った。
以下いつもの流れに。
明記してこそ勿れ、暗示はしてあったな。
>保管庫の『涼宮ハルヒの誤算』をみてキョンが怒り心頭になったら・・・
>という視点でSS書いてみました。
から別人であると判る。
>初SSなんで不出来なところ満載だと思いますが投稿してみます。
つか「初」って書いてあんだから別人って分からないほうがおかしいぞ
何度読んでもつまらないのが駄作
一度読むとおもしろいが読み返す気が起きないのが凡作
一度読むとつまらないが読み返すとおもしろいのが良作
一度読むとおもしろいし読み返してもおもしろいのが秀作
何度読んでもつまらないのに世間ではおもしろいと言われているのが名作
何度読んでもつまらないのになぜか何度も読み返してしまうのが傑作
擁護も叩きももう心底どうでもいいんだけど
わざわざ空気悪くしたいの?
>>318 こんな時はおでんを食べないか?あ、大根は俺のだから
>>318 中に小さいナイフが入ってるから気をつけろよ
さっき 二度目の選択 って読んだ・・・・
GOOD!!!だった スゲーなこれ
でもなぜか
失明したのが長門って妄想が止まらなくなってる
原作って、個人経営レベルの小さい書店でも売ってたりします?
売ってるとこは売ってる。
>>272-278 句読点の配置とか使い方にもっと気を使うべきだと思うよ
●一応文末にはきちんと句点「。」を置こうね
句点で締めてあったりなかったりまちまちで、文がやたらとっ散らかって見えるよ
●読点の位置も、その一文を声に出して読んでみた時にリズムがおかしくないか確かめようね
●「〜する」「〜だ」「〜です」「〜よ」「〜なのね」とかの文のちょっとした終止を表す部分には読点「、」じゃなくて句点「。」を付けようね
× 左方優先なのは陸上です、海上では右方優先です、ちなみに〜
〇 左方優先なのは陸上です。海上では右方優先です。ちなみに〜
もしくは
〇 左方優先なのは陸上で、海上では右方優先です。ちなみに〜
●「〜?」「〜!」とかの記号で締める文は記号そのものが句読点のかわりになるから、そのあとに読点とか付けなくていいからね
× 本当に大丈夫か?、相手は〜
(ちなみに、こういう日本語の文の文末記号はなるたけ全角のものの方が見苦しくないよ → ? よりも ? )
●文全体の見栄えを考えるのは良いことだけど、文の途中にも関わらず改行してわざわざ右端を揃えようとするのは、読む側の文字サイズ設定やモニタの機種によってはむしろダサくなるからやめた方がいいよ ありのままの折り返しに委ねましょう
紅茶とか軍事とかの蘊
紅茶とか軍事とかの蘊蓄には得意でも、文章作法は苦手なんだね
って書こうとしたら切れちまったよ
こいつはゆるせんよなあーッ
『涼宮ハルヒの大会』を見てて、桜欄高校とのクロスオーバーとかどんなもんかと一瞬思った。
……いやまあ思っただけなんだが。クロスオーバーは数多の黒歴史を顧みるとちょっとなあ。
クロスオーバーも力量がある作家が愛を持って書けば面白い作品になるがな。
そんなに言うほどクロスオーバーってあったっけ?
昨日、前田慶二があったけどな
>>295 昔のエロゲーにありがちなBadEndオチを思い出した。
こういう後味の悪い話は好きだったりする。マイノリティーだろうけど。
>>331 ハルヒじゃ少ないが、あっちこっちのジャンルのSSで黒歴史がな?
確かに330の言う通り、力量とバランス感覚と愛のある作家が書けば凄いんだが。
二度目の選択見て思ったんだけど、目が見えなくてノートも取れないし
テストも受けられないような状態で在校してることって許されるのかな?
そこは機関補正ってとこで
今は人権ってやつに過剰に敏感な時代だから
そういう理由で学校を追い出されるってことは無いんじゃない?
逆に宣伝になるだろ。
ウチは盲目の人も分け隔てなく教育が受けられますって。
まぁその内キョンは組織+宇宙人共同開発のソナーサングラスを装備する事で
空間把握ぐらいは楽にできるようになるだるうさ。
ハルヒも「死が二人を別つまで」一緒だろうし。
平面の文字は読めないのが弱点だよなアレ。
ちょっと今SSを考えているのだが、ひとつ疑問が浮かんだ。
確か朝倉って、長門のバックアップだったよな?
てことは情報統合思念体は長門を作って、そして保険を兼ねて
朝倉を作って送り込んだと。
ならばどうして朝倉は急進派所属になっているんだ?長門が主流派
所属なら、朝倉も同じだと思うのだが。
印刷の微妙な凹凸まで読むんだってw
バックアップって予備じゃなくてサポート係の事だと思うぞ。
別派閥なのは一極体制への牽制ってところかね。
その為のハルヒさんですよ。
「え、これを読むの?」
ああ。
「グリの手がグラへと伸び優しく撫でます。
グラ……もういいよね?
うん、いいよグリ。一つになろぅ……って何よコレ!?」
はっはっはっ! 古泉から借りたヤツの愛蔵書だ。
という感じに違和感無く羞恥プレイが!w
>>339 観察任務さえ果たすなら所属はどうでもよい、ということなのでは。
朝倉は勝手に暴走しただけだし。
対立派閥が幾つもあるのに、主流とはいえ一派に全部お任せという方が無理ない?
相互監視による独走の阻止ってのは当然だな
実際、朝倉の独走の抑止には失敗したけど阻止には成功したわけで。
もっとも、その後は長門の独走を半ば許してしまっているわけだが。
あの一件で主流派に負い目が出来た、と考えるのは人間的過ぎるかなあ。
そもそも、情報統合思念体とやらの構造がワカランのだよな。
ひとつだけの存在なのか、「主流派」「急進派」のようにいくつも
存在しているのかなど。
そして一番の謎は、派閥同士でどの程度対立しているのかだな。今まで
の雰囲気では、古泉が言うような血みどろの抗争はしていないように
思えるが。
案外、急進派によって思索派が粛清されてたり、亡命した主流派がアイスピックで
暗殺されてたりするのかもしれん。
思念体も大変だな。
>342
なぜそこで『ぐりとぐら』wwww
頭の中で、謎ワード「オムレツプレイ」がグルグル回って消えてくれない
>>348 水溶液の局所的濃度みたいなものじゃないかな?
溶質に何かを溶かせば最終的には濃度が均一になるけど、均一になるまでは濃度分布に
ばらつきがあるわけだ。
で、均一になる前に別の何かを溶かそうとしたり、流れを阻害したりとかすることで
均一化を阻害したり、当初予定されていたのとは異なる状態に持っていったりできるわけだ。
どなたか、ENOZを中心に書いた題名って知ってますか?
今、探してるんですがわかりません
>>353 違います。僕の記憶では、ENOZ結成の奴です
>>354 21-624様: 『涼宮ハルヒの影響』
これだろ
あ〜〜ありました。すいません。ご迷惑をおかけしました
>350
まさに「グリ×グラ」だな。
>>30前後の流れを見て、これは古泉×キョンがくるなと確信したので
そういう話を書こうとしてたら、構想がいい加減だったために結局
本気でよく判らない話に。
でも一応書き上げたので投下させていただきます。14レス程度と予想。
360 :
密室:2006/10/17(火) 03:13:38 ID:l1SOXs+h
ある肌寒い日の授業後。掃除を終えたあたしが渡り廊下で一緒になったみくるちゃんと
部室に向かっていると、奇妙な光景に出くわした。
有希が、部室の前で一人佇んでいる。声をかけようとすると、寸前で有希の顔がこちらに
向いた。その閉じられた口の前には、右手の人差し指が一本立っている。
つまり、『静かに』という合図ね。
『!』
そのレアな行動に、あたしもみくるちゃんも一瞬絶句したけど、すぐ立ち直ったわ。
状況から察するに、部室の中で何かが起きてるってことでしょ? これは事件よ、事件!
あたしたちは足音を立てないようにしながら有希の傍までやってきた。
「有希っ。一体どうしたの? 中に誰かいるの?」
小声で尋ねる。
「鍵が掛かっている」
「中にいるのは?」
「古泉一樹と、彼、の二人」
「キョンと古泉君? 何かやってるのかしら」
あの二人が部室で鍵をかける理由がわからないわね。今日は体育は無かったから
着替える用事もないだろうし。
あたしが考えていると、有希が言った。
「彼は、ズボンを履いていない」
「ああ、着替えしてるの? 放課後に着替える用事なんてあったかしら?」
教室を出て行く時、キョンは確かに制服を着ていた。見ている限り、ジャージで帰る
趣味があるわけでもなさそうだし、となると…
361 :
密室:2006/10/17(火) 03:15:24 ID:l1SOXs+h
「……まさかキョンの奴、みくるちゃんのコスプレ衣装を身に着けてるんじゃ
ないでしょうね」
だとしたら死刑よ、キョン。いえ、それでは生ぬるいわね。刑の執行前にメイド服を
着させて、『ご主人たま、あつーいみるくはいかがですか?』って言わせる微妙な
羞恥プレイをさせてやるわっ!
でも、そんなあたしの熱い想いに水を差すように有希が否定してきた。
「着替えではない。彼はズボンを脱いだまま、何も履いていない」
「はぁ? あいつ一体、ナニしてんのよ」
「あ、あのぉ」
みくるちゃんが会話に入ってきた。
「長門さんなら、中の様子を簡単に調べられるんじゃないですかぁ?」
有希ならっていうのがよくわからないけど。でも確かに、この娘ならそれくらい
やってのけそうな気もするわね…
「そうよ、有希。あの二人が何をしてるかここから調べられないかしら」
「方法は、ある。でも」
「でも?」
「推奨はできない」
「へ? 何でよ」
「室内から、不穏な………気配、が感じられる。彼らはわたしたちに見られたくない
行為をしている模様」
「…ええっと? 団員のプライバシーを尊重、とかそういうの?」
「それは優先順位としては低い。わたしが当該行為を行なわないのは、わたしの
自律行動に支障をきたさないようにするため。わたしのため」
…今日の有希はよく喋るわね。何を言ってるのかさっぱりわからないけど…
「有希、わかりやすく説明して欲しいんだけど」
「わたしは、一つの可能性を危惧している」
「可能性?」
「そう。放課後の部室。鍵の掛かった扉。密室に二人の少年。見られたくない行為」
「ま…まさかっ!?」
声を上げたのはみくるちゃんだった。えーっと。話が見えないんだけど…
有希とみくるちゃんは何故か真剣な顔をして向き合ってる。
もうっ! 勝手に二人だけでわかり合わないでよ!
「ちょっと! 二人とも! あたしにもわかるように説明しなさいっ」
「…涼宮さん。これは、つまり」
「そう、これは」
『ハッテン場(ですよっ)』
362 :
密室:2006/10/17(火) 03:17:19 ID:l1SOXs+h
あたしは腰が砕けそうになるのをなんとか堪え、二人と向き合った。
「あ、あなたたち……意味わかって言ってる?」
小さく、ミリ単位で頷く有希。
「文献で読みましたぁ」
みくるちゃん。何の文献よ、それは。『ハッテン場』なんて言葉が出てくる文献、
古今東西探してもそうそう存在しないでしょうに。まあ、古今になくても未来なら
わからないけど。…って、そもそもそういう問題じゃないわね。
「あのねえ、二人とも。ハッテン場なんていうのは、公園のトイレとか宿直室とか、
そういう人気のないところで偶発的に発生する異常現象なのよ。
神聖なる我がSOS団の部室で、そんな神をも冒涜するような行為を、
仮にも団員であるキョンたちがするわけないでしょ」
「でもぉ、じゃあキョン君はズボンを脱いで何してるんですかぁ?」
「ぐっ…。そ、それは。そうよ! きっと野球拳でもしてるのよ!」
あたしの、この素晴らしい推理に、しかし首を振る二人。
「例の歌が聞こえない。よよいのよい、の掛け声も」
「それに、ノンケなのに最初にズボンを脱ぐ人なんて怖すぎますよぉ」
「ううっ…」
確かに言われてみれば無理があるわね。
……ちなみに、みくるちゃんの可愛らしい唇から出てくるエグい言葉は、
この際気にしないことにした。
363 :
密室:2006/10/17(火) 03:19:08 ID:l1SOXs+h
じゃあ、キョンと古泉君は、部屋を閉め切って一体何をしているのかしら。
再び振り出しに戻ったところで、中から二人の声が聞こえてきた。
「道具はこんなところでしょうか」
「ああ、色々あっても、実際に使うのはこれくらいだよな」
「全くです。使い方がわからないものさえありますからね」
道具? あの二人は、道具を使って何かやろうとしているのね。
色々あるけど、実際に使うものは限られてくる、道具。何かしら。
「きっと二人は結ばれるための準備をしているんですよ」
……みくるちゃん、いい加減その発想から離れてもらえないかしら。
「何を言ってるんですかぁ、涼宮さん!
二次元の作り話と違って、実際に同性で行為に至ろうとする時には、入念な準備が
必要になってくるんですよっ!?
あの二人、ていうか古泉君はそれをちゃんとわかっているから、
沢山の道具を用意したんです!」
「あ、あの…みくるちゃん? 落ち着いて…」
みくるちゃんのあまりに剣幕に、圧され気味になるあたし。
初めてみくるちゃんのことを怖いと思ったわ……色んな意味で。
「静かに」
有希が言う。いや、一応小声で喋ってるんだけど…
「彼らが何か話している」
『えっ!?』
あたしとみくるちゃんは同時に言うと、三人で耳をそばだてた。
364 :
密室:2006/10/17(火) 03:21:02 ID:l1SOXs+h
「んっ…。これは……。なかなか上手く入りませんね」
「少しツバでも付けてみたらどうだ?」
「こんな感じでしょうか?
…ああ、入りました。なるほど、乾燥してると入れにくいということですか」
「乾燥してなくても入れにくいもんだけどな」
えーっと。何を、挿れてるのかしら。うん、信じてる。信じてるわ、キョン。
「くっ。随分硬いですね。すいませんが、少し拡げていてもらえませんか?」
「こんな感じでいいか?」
「ええ、よく見えます。どうも。これなら…よしっ。貫通しました」
か、姦通!? キョン! キョン! あたしはちゃんとあんたを信じてるわ!
きっと古泉君はあんたの邪眼で一分間だけいい夢見てるのよね!?
今度は有希の方を見遣る。何時も通りの無表情だけど、心なしか顔色が悪いような
気がする。
「有希。キョンと古泉君は、一体何をしているのかしら。古泉君の方は夢でも
見てるようだけど」
間違えてもみくるちゃんの悦びそうなことじゃないわよね。
「古泉一樹は間違いなく一分の隙もなく睡眠中。
もし、仮に、何らかの間違いで、そもそも考えることさえ無駄なことであるが、
今のが寝言でなかった場合、古泉一樹は夢を見ない眠りにつくことになるだろう」
饒舌な有希も、これはこれで頼もしいわね。
「ああ、生命を賭して、愛する人と結ばれようとする二人の少年……
ロマンチックですねぇ…」
みくるちゃんの頭の中では二人は既に命がけの恋愛をしてるらしい。
もうっ。こういう間違った思想はちゃんと修正してあげないとね。
365 :
密室:2006/10/17(火) 03:25:13 ID:l1SOXs+h
「あのね、みくるちゃん。少年同士の恋愛なんて、二次元でしか存在しないのよ。
今だってキョンは古泉君の寝言にいちいち相槌を打ってるだけなんだから」
「ふぇぇ? でも、ズボンを…」
「今日は寒いから、古泉君が風邪を引かないように、背中に掛けてあげてるのよ。
キョンの奴、何だかんだで優しいんだから…」
あたしの言葉に、小さく頷く有希。
「ズ、ズボンを掛けるんですかぁ…?」
「そうよ! 少し格好つける癖に微妙に外しちゃうところがキョンのいい所じゃないっ!」
力強く言い切るあたし。小さく何度も頷く有希。
「それは、確かにそうかもしれないですけどぉ…」
悩み出すみくるちゃん。いけるわ、もう少しでこの娘を正道に戻すことが…
よくわからないけど不思議と達成感を感じるわね。
でも、そんなあたしの思惑を嘲笑うかのように、部室からの声が聞こえてきた。
「で? この後どうするんだ?」
「こうするんですよ」
「おおっ! そういえばあったな、こういうの。
しかし普通に突き進むだけじゃだめなのか?」
「こうした方が、より強く結び付けられるんですよ。
初めは少しだけ進んで、最初の位置まで戻して。
次はもう少し先へ進んで、同じ距離戻して。
まあ、これをやるには普通の時よりもかなり余分に長さが必要になるんですが」
「ああ、確か半分だけ戻すっていうのもあったよな」
「ええ、大分思い出してきたようですね」
「おお、懐かしいな……。まあ、あれだな。その長さなら完全に戻しても余裕だな」
「ええ、ご期待に沿えそうですよ」
366 :
密室:2006/10/17(火) 03:27:25 ID:l1SOXs+h
…寝言にしては随分と受け答えがスムーズね。何の話をしてるのか全く見えないけど。
「こ、古泉君…。あなたっていう人は恐ろしい人ですぅ。
ノンケでもかまわないで食べてしまうなんて……
入り口と前立腺とS字結腸の三点同時責めなんて……ガチだガチだとは思ってました
けどぉ、そこまで人でなしだったなんてぇ。ひどすぎますぅ…」
今の会話のどこをどう曲解したのかしらないけれど、ガタガタ震え出すみくるちゃん。
ていうか古泉君はそういうケがあったの?
「いわゆる美少年っていうのはみんな男の子が好きなんですよ?
知らなかったんですか、涼宮さん? 美少年は美少年同士付き合ってるんです」
みくるちゃんが遠い……
「朝比奈みくるの電波話はともかく、古泉一樹がガチというのはガチ」
有希の声は静かなものだったけれど、いつもより体感で十度以上は寒い感じね。
「まさか、有希。みくるちゃんの電波ゆんゆん話を真に受けてるんじゃないでしょうね?
大体、キョンが『懐かしい』って言ってるんだから、そんないかがわしいことしてる
わけがないでしょ」
「しかし、朝比奈みくるの立てた仮説…二人が情事をしている…と仮定すると、
状況を最も適切に説明できる…気がしたりしなかったり」
できないわよっ! ていうか何でそんな曖昧な言い方になるのよっ!
「ちなみに予想通りだった場合、古泉一樹は七百四十万五千九百二十六の肉片に散る」
怖っ! 有希怖っ!!
「彼の方は二つのパーツに別れる。わたしは平成の阿部定になる」
なるなっ!!
「有希、しっかりして。 あなたはもっとしっかりした無口キャラのはずよっ」
ああ、もうっ。これ以上不毛な議論をしてるといい加減こっちの頭もおかしくなって
きそうだわ。
367 :
密室:2006/10/17(火) 03:28:44 ID:l1SOXs+h
「もういい。もういいわ。こうしましょう。
ノックをする。扉を蹴破る。キョンを見つける。キョンを叩きのめす。
あとはキョンの鎖骨でも折ってやって何をしていたのか問いただす。OK?」
『ノックだけでいい(ですよぉ)』
二人ハモりながら答えてくる。どことなく可哀想な人を見る目付きで…
くっ。どっちかっていうと可哀想なのはあなたたちじゃないのっ。
物凄く理不尽な何かを感じながらも、ノックをしようとする。
その瞬間、聞こえてきたのは、やはりあいつの声だった。思わず手が止まる。
―――そう、いつだって、あたしを突き動かすのも、止めるのも、あいつなのよ。
「しかしつくづく、コレをハルヒに見られなくてよかったよ」
突如自分の名前を出され、心臓が口から飛び出しそうになる。
なっ!? コレってナニよ、キョン!
「間違いなく一週間は物笑いの種にされるだろうからな」
「僕はそうは思いませんね。むしろ涼宮さんなら、嬉々としてこの役割を引き受けて
下さったと思いますが」
役割?えっと……
「キョン君を責めることですね、きっと」
みくるちゃん。いい子だから少し黙ってなさい。
「しかし、他にあなたが嬉々として引き受ける役割があるか疑問」
有希、人を痴女みたいに言わないで!
「いや…それはそれで凄まじく恥ずかしいから却下だ。
…何だ、そのニヤけた笑いは。言っておくがな、ハルヒだからどうこう言ってる
わけじゃないぞ! 長門でも朝比奈さんでも同じことだからなっ」
…キョンってば、何を急に怒りだしたのかしら。
なんだか、照れてるような感じがするけど…
「ええ、あなたの仰りたいことはちゃんとわかっていますとも」
「わかってない。お前絶対わかってないぞ!
……というかな。頼んどいてなんだが、できるだけ早くしてくれ…
あまり遅いとハルヒたちが来ちまうだろうし……コレはコレでかなりつらいぞ…」
368 :
密室:2006/10/17(火) 03:30:10 ID:l1SOXs+h
その後はなんだかよくわからないけど、『うー』とか唸り声みたいなのを上げてる。
ちょっとキョン、何がそんなにつらいのよ?
「キョン君の方から誘ったんですね…。ちょっとびっくりです。
でも…キョン君、本当は涼宮さんに責められたかったんじゃないですかぁ?
ああ、それとも責めたかったのかなぁ」
そ、そんなわけないでしょみくるちゃん。
「本命に対する想いを遂げられない時に、身近な対象に性欲をぶつける。
若い身空にはよくあること」
有希まで何を言い出すのよっ。
ていうか、あなたいつの間にかみくるちゃん寄りになってない?
「大体ね、あの二人が何してるのかも未だにわからないのに、勝手にキョンを
飢えた狼にして、しかもそれをあたしの責任にするっていうのはどうなのよ」
あたしの至極真っ当な反論に、静かに首を振る二人。
「あたし、信じてます。涼宮さんならソドムの手先の古泉君からキョン君を救い出して、
あるべき未来の礎としてのアダムとイブになれることを」
こ、この娘…。聞いちゃいないわ。しかもソドムって。さっきと言ってることが
百八十度違うじゃないの。美少年は美少年と付き合ってるんじゃなかったの?
あたしが言い返そうとしていると
「…あなたが彼を古泉一樹から攫わないなら。あなたが彼を必要としないなら」
唐突に、有希が告げた。
「わたしが彼を奪う」
369 :
密室:2006/10/17(火) 03:31:54 ID:l1SOXs+h
!?
「ちょ、ちょっと有希。待ちなさい! 駄目よ、許さないわ」
―――そうよ、だって、キョンは、
「キョンは、あたしのっ……じゃなくて、えっと、そう、その……これは団長命令よ!」
―――キョンが、誰かのものになるなんて、耐えられない。
「だから、キョンに迫ったりするのは駄目よ!! 絶対駄目なの!! わかった!?」
―――だって、あたしは、キョンが、
「だが断る」
「なっ!?」
「ありのまま、今起こったことを話す。『涼宮ハルヒが彼への態度を決めかねて
いると思ったら、古泉一樹が彼の貞操を奪っていた』
何を言っているのか、大体わかると思うが、わたしとしてもこのような事態は
耐え難い。頭、というか自律行動を制御する部分がどうにかなりそうである。
実は古泉一樹は彼のズボンの破れ目を縫い合わせているだけだとか、そういう
チャチなものでは、断じてない。
そういうわけで、わたしは彼を奪ってわたしのものにするつもりである…」
………………。
「……有希」
「何」
「…二人は、裁縫をしているということ?」
「………………」
「………………」
「うかつ」
あたしはノックをしないでドアを蹴破り半裸のキョンを見つけてそのまま叩きのめした。
鎖骨は、まあ、勘弁しておいてあげるわ。
370 :
密室:2006/10/17(火) 03:34:13 ID:l1SOXs+h
―――――――――
「というかな、ハルヒ。何で俺がしこたま殴られないとならんのだ」
「うるさい。紛らわしい会話をして偉大なる団長様の純心を弄ぼうとした罰よ」
「……意味がわからん」
「わかってたら死刑よ」
「……やれやれ」
普段のキョンならもう少し言い返してきそうなところだけれど、あたしにズボンの修繕
をしてもらってる手前、あまり強くは出られないみたいね。
結局、蓋を開ければどうしようもないくらい、くだらない出来事だったわね。
放課後、部室に来たキョンのズボン、そのお尻の部分の縫い目が破れていることに
古泉君が気付いた。それを直すためにわざわざどこからか裁縫セットを持ってきた
らしいけれど、これが『道具』ね。『入れにくい』のは針の穴に糸を通すってことね。
『拡げて』いたのは生地の縫い目ね。暗くて見えにくかったらしいわ。
みくるちゃんが三点同時責めって曲解したのはただの『本返し縫』。
まったく。キョン、小学校の家庭科の内容くらい覚えておきなさいよ…
それからね、言っておくけど、いくら破れたズボンを履いてるあんたがおかしくても、
一週間も笑い続けたりはしないわ。せいぜい三日よ。
ちなみにさっきまでトチ狂ってたみくるちゃんは、まだ制服のままだけど、いつも通り
笑顔を浮かべながらお茶を淹れている。
同じく殺意の波動に目覚めていた有希は、部室に入ってすぐに何故か持っていた男物の
ジャージをキョンに手渡して、その後はずっといつも通り読書をしている。
……さっきの二人は何だったのかしら。
特に有希には、キョンのことで、何か大事な話をしなきゃいけないような気が
するんだけど。さっきのゴタゴタで忘れちゃったわ。
「ああ。そういえば、キョン」
あたしは一つだけ残った疑問をキョンに投げかける。
「さっきなんか唸ってたけど、あれ何で?」
「……下半身が尋常じゃなく寒かったのさ」
…ああ、そういえば今日は寒いわね。
室内とはいえ、肌を剥き出しにしてれば、そりゃつらかったでしょうね……
「できたわよ、キョン」
結局、古泉君が縫っていたのは破れた部分の三分の一程度だったので、
一度全部ほどいて、あたしが最初からやり直すことにした。
…古泉君、実はあんまり器用じゃないのかしら。字もあまり上手ではなかったし。
有希が本を閉じる音で、SOS団の活動が終了する。その時までに、あたしは
ちょっとした算段をしていた。キョン、明日はあんたにひと働きしてもらうからねっ。
371 :
密室:2006/10/17(火) 03:35:58 ID:l1SOXs+h
―――――――――
「というわけでぇ、一昨日行なわれた、『涼宮ハルヒの、キョンが男に取られるくらい
ならあたしが奪い取ってやるわ大作戦』は、一定の成果を収めたものだと思いますっ」
ここはSOS団の部室。でも、今はお昼休みです。当然、涼宮さんたちはいません。
今いるのは、古泉君と、長門さんと、あたしの三人だけです。
「作戦の内容を見る限り、発案者の方の脳が溶けているとしか思えませんが、
結果的には成功としてしまってよいのではないでしょうか。
ほとんど長門さんお一人の功績だと言えますが」
……脳が?
「寒さに凍える彼の様子を想像し、心を痛めた涼宮さんは、即座に暖房器具を部室に
設置することを決意しました。まあ、そのストーブを昨日のあの寒空の下、彼に
取りに行かせるというのは、実に彼女らしい、素直でないやり方だったと思いますが。
……それからさらに、昨日の下校時刻には、二人がいわゆる相合傘をしていたと
いうことも確認されています。
どちらの件も、一昨日の一件が少なからず影響したものとみていいでしょう」
「こうやって、じれったすぎる二人の関係も、少しずつ進展するといいですねぇ」
「ええ。ですが、決定的な出来事が起きるのはまだ先かもしれません。
何せお相手である彼の方は、誰もが認めるフラグ・クラッシャーですからね」
ふ、ふらぐくらっしゃあですかぁ…
「ええ、『機関』の上層部では、彼のことをフラグ・クラッシャーと呼ぶのか、
フラグ・ブレイカーと呼ぶのか、はたまたフラグ・デストロイヤーと呼ぶのかで
未だ揉めているようですが…」
どれも同じじゃないですか…。ていうか皆さん暇なんですか?
「まあ、それはともかく。実際のところ僕も途中まで、今回はひょっとしたら
決定的なことが起きるのではないかと少し期待していたんですが」
372 :
密室:2006/10/17(火) 03:38:59 ID:l1SOXs+h
そうなんですよね。作戦の本来の目標は、涼宮さんにキョン君への想いを
自覚してもらって、そのまま告白なり何なりさせることだったんですけど…
「まさかあそこまできて、長門さんがしくじるとは思いませんでした…」
ついつい声に出してしまいます。
「わたし自身も遺憾に思っている」
長門さんが今日初めて口を開きました。
「アドリブの最初のところはすごく良かったと思うんですけどぉ」
そう、アドリブ。一昨日のあれは、事前に三人で打ち合わせ済みの寸劇です。
最初に、キョン君のズボンを破ったのは、古泉君です。どんな凶悪な手管を使ったのか、
想像もつきませんけど。そして、密室を作った後は、長門さんとあたしで涼宮さんを
少しずつ脅かして、『キョンが古泉君に取られちゃうかも』って思わせるつもり
だったんです。台本だってある程度準備してあったんですよ。
ちなみに、作戦の立案は勿論あたしです。脳、溶けてなんていませんから!
だから本当は、もっとじっくりと涼宮さんにキョン君への想いを確認して
いってもらうつもりだったんです。でも、涼宮さんがなかなかあたしたちの
作り話を信じてくれないから、作戦失敗かなあって諦めかけてたところで、
長門さんが機転を利かせてアドリブで話してくれたんです。
『わたしが彼を奪う』って。
効果は覿面でしたね。涼宮さん、それまで割と冷静にツッコミばかりしていたのが、
打って変わって凄い勢いで慌てだしましたから。
でも、これでいけるかなって思ったところで、あの長門さんの長台詞です。
「長門さん、僕も疑問です。何故、あんな形で真相をばらしてしまったんですか?」
古泉君があたしと同じ疑問を投げかけています。
「わたしは言語を媒介として情報を伝達するのが苦手。特に長く話さなければいけない
時はその傾向が顕著。だから」
『だから?』
「この時代のネットワーク上を検索して、適当と思われるテンプレートを使用した」
……あれのどこが適当なんですかぁ。
「しかし、ご丁寧に最後まで使い切ることはなかったのでは?」
「必要なことだった。
あのテンプレートは最後まで使い切ってこそ妙味があるというもの」
「じゃあ、何か他のこと言えば良かったじゃないですかぁ」
あたしの正論に、長門さんは首を数ミリ、傾げました。
「言うことがなくなった」
…そうですか。
373 :
密室:2006/10/17(火) 03:42:01 ID:l1SOXs+h
「長門さん、最後に一つだけ、よろしいですか?」
古泉君、まだ何かあるんですかぁ?
「あのアドリブは、一体どこまで『演技』だったのでしょうか」
……一体、何の話をしてるんでしょうか。
古泉君の、その不思議な質問に、長門さんは結局答えませんでした。
―――――――――
ある冬の日の昼下がり。その時あたしは長門さんの言った『うかつ』という言葉を、
そのまま信じていました。本当に彼女はあの時ミスをしてしまったのかどうかについて、
あたしは疑いもしませんでした。
……いえ、それ以前に、あれは本当に作戦遂行のためのアドリブだったんでしょうか。
今となっては、それさえも疑問です。古泉君とあたしの企みに加担してくれたのも、
もしかしたらあたしたちとは別の思惑を抱いてのことだったのかもしれません。
……そう、多分この時にはもう、彼女は、彼のことを……
長門さんの思いの丈が、どれほどだったのかを知るには、あたしにはもう少しの時間が
必要でした。あの『言葉』が彼女にとっての宣戦布告だったのだとあたしが知るには……
―――そう、年が明けるのを俟たなけばなりませんでした。
以上です。
お目汚し失礼致しました。
しこまれてるネタに笑わせていただきました。
続編よろしくね☆
GJ!朝比奈さん、あなたの脳は溶けてなんかいません腐ってますw
それと個人的にはフラグイレイザーを(ry
しょーもないバカエロ話(←褒めている)かと思ったら、
そういうオチに持っていったかー!素直に拍手。
それにしてもみくるちゃん、何の本を読んだのっ!??w
GJ! みくるの腐り具合が最高でした!
鎖骨の部分はオーフェンからの引用だな
ポルポルwwww
実はエロい事をしていませんというネタは色々あるけど、
このオチは予想できなかった。
ジョジョは宇宙にも通用するのねw。
古泉は雷を使えるのか
>>374 乙です。
ハルヒがツッコミを入れてるのが新鮮で面白かったです。
>>379 オーフェン、それか!気が付かなかった。
★<ホモが嫌いな女子なんかいません!!
30章-452 『涼宮ハルヒの日常』 続き 17レス
今回エロシーンなし。次はあり
長門のカレーは昨日より確実にうまかった。ああ、うまかったとも。
ルーをブレンドして程よい辛さと甘さを演出し、容器に配慮したのか小さめに切ってあった
具も中まで柔らかく、それでいて形は崩れていない。千切りキャベツも口直しにはよかった。
まるで俺の嗜好に合わせたような出来栄えのカレーだった。それが弁当であるという事実を除けば。
そしてその事実が問題なのであった。カレーは弁当の具材としてあまりよろしくない。冷たいしな。
次に弁当箱を長門に返すとき、言っておこう。これだけうまいものを作れるのにもったいなさすぎる。
こうして三つの弁当を完食した俺だったが、腹もきついが時間もきつかった。
だいぶ待っているんじゃないか、喜緑さん。待たせていると思うと申し訳なかったのだが
おふくろのは除くとしても、三人の弁当は全部食べ切らないと不公平というものだろう。
何よりハルヒが見ている前でそんな暴挙に及んだら、俺の人生が終わってしまいそうだった。
「歩いてくる」
弁当箱をしまい込み、昨日と同じく断って俺は立ち上がった。昨日と違うのはハルヒがいるぐらいだ。
一足先に食べ終わり机に肘を突いていたそのハルヒは、俺に合わせて席を立ってきた。
「あたしも付き合ってあげるわ」
冗談じゃない、と思ったが上手く断る方法が思いつかない。どんな言い訳をしても怪しまれそうだ。
昨日の今日でどうしようもない。ハルヒを連れ立って屋上に行くわけにもいかない。
仕方ない。
「勝手にしろ」
諦めた俺はぶっきらぼうに言い捨てて、背を向けた。
すみません、喜緑さん。
吹っ切った以上、腹具合を整えるために歩くことにした。校舎の中をうろついてもつまらんから
中庭に出る。時間を余した生徒が据え付けのテーブルに座って談笑する、ごく普通の光景がそこにはあった。
三年が卒業していなくなったからか、中庭は割合閑散としていた。差し込む日光が心地いい。
もうすぐ春か。
ハルヒは不気味なほど大人しく、黙って俺のあとをついてきた。昨日の放課後のように率先して
ぐいぐい引っ張るぐらいがいつものハルヒであるはずで、沈黙を守るこのハルヒは、どこか変だった。
あまり変な行動を取らないでくれよ。世界がおかしくなったんじゃないかと心配するのは俺なんだからさ。
そんなことを思いながら歩を進め角を曲がると、樹が見えた。いつかの文化祭のあとにハルヒが木陰で
寝転がっていた樹だ。歩いてばかりでもなんだから、休憩とシャレ込むか。丁度誰も座っていない。
俺は歩み寄って、腰掛けた。樹にもたれかかって、背伸びをする。
「座らないのか?」
そばで突っ立っていたハルヒに声をかける。するとハルヒは無言で俺の隣に腰掛けた。
かすかに春の匂いがする風が舞い、芝生を撫でた。
手を頭の後ろで組んで樹にもたれていると、満腹感と陽気のせいか眠たくなってきた。
気力を使いすぎたかもしれん。ただひたすら眠い。
「ねえ」
あくびを噛み殺す俺の横で、腰掛けてからもずっと黙りこくっていたハルヒが、唐突に口を開いてきた。
「……なんだ?」
青空を見上げながらぼんやりした頭で返事をする。
「阪中のお弁当、おいしかった?」
頭が冴えた。何を言い出すんだコイツは。
もたれるのを止めて顔を向けると、ハルヒは足を伸ばしてさっきまでの俺と同じく空を見ていた。
発言の趣旨がいまひとつ理解できなかった俺は、多少呆れつつも、
「おいしかったも何も、お前だって食っただろ。それでわからないのか?」
「あたしはあんたの感想をきいてんの」
聞いてどうしたいのかわからん。俺が味覚異常だとでも思っているのか。
「うまかったに決まってるだろ」
「ふうん」
わざわざ質問してきた割に気のない声を出したハルヒは、芝生をむしって初めてこちらを向いた。
仏頂面を浮かべているな、と思い言葉を足そうと口を開いた瞬間、ハルヒはむしった芝を投げつけてきた。
風が吹く。だが、今回の風は味方になってくれるどころか、ハルヒに力を貸しやがった。
「何すんだよ!」
ぺっぺっと口の中に飛び込んできた芝を飛ばし声を荒げる俺を無視して、すっくとハルヒは立ち上がった。
スカートを払ってほこりを落とし、つま先でトントンと音を立てる。手を組んで大きく上に突き出した。
「んー、よしっ!」
大きな背伸びをしてから景気付けにか、元気な声を発した。勢いをつけてくるっと振り返ってくる。
普段通りの、前に前に進んでいくハルヒの自信に満ちた表情がそこにはあった。
「なに馬鹿面してんのよ、キョン。ほら、もう時間よ」
そう言って、手を差し伸べてきた。ハルヒの急変に戸惑いつつ、差し伸べられた手を取って腰を浮かす。
と、その手がぱっと離された。当然の結果として尻もちをつく。どしんと。
「ばーか」
「……ガキかお前は」
ぼやきながら身を起こす。しかし一方でそんなに悪い気はしなかったね。
なんにせよ、ハルヒが元に戻ってくれたのなら、それに越したことはないからな。
「早く早く! 時間は待ってくれないわよ!」
元気すぎるのも、それはそれでまた困りモノ、か。
ハルヒと連れ立って教室の戸をくぐった瞬間、教室内が静まり返り俺に好奇の視線が集中した。
大方、昼食時の騒動がクラスメイト全員に知れ渡ったからだと思うが、わかっていても居心地が悪い。
ハルヒはハルヒでクラスの雰囲気など気にするそぶりもなく、すたすたと自分の席につきやがったしよ。
残りの関係者は阪中だが、阪中は無関心を装っているのか、振り返らずに教卓を見ているようだった。
もっともクラスメイトのほぼ全員が俺を見ている中で、ぽつんと前を向いているのは逆に怪しいのだが
阪中は気付いていないのだろうか。ハルヒに思いっきり見られているぞ、阪中。
気まずい思いをしていると、谷口と国木田が寄ってきた。それに合わせてか、三々五々に
視線が逸れ、喧騒が教室に戻る。ったく生きた心地がしなかったぜ。
「涼宮にちゃんと謝ったか?」
にやにやしながら俺の肩を叩く谷口に、
「キョンが謝る必要なんてないよ。付き合ってもいないんだしさ」
国木田がおっとりと合いの手を入れた。よくわかっているじゃないか、国木田。
国木田はフォローを入れてから、ほがらかな笑みを向けてきた。
「それで、本命は誰なの? 朝比奈さん? 長門さん? やっぱり涼宮さん?」
少しでも感心した俺がバカだった。
二人をあしらい着席しても、場は俺の話で持ちきりだった。否応なしに声が飛び込んでくる。
「あの……君が三股だなんて」
「人は見かけによらないってホントなんだ」
「そういえば俺、昨日キョンが九組の野郎と仲睦まじげにしてたのを見たぜ」
「ああ、古泉だろ? 俺は前からずっと怪しいと思ってたんだ」
「古泉君って涼宮さんが作った同好会にいるんでしょ?」
「むしろみんな涼宮の同好会のメンバーだな」
「と、いうことは……」
「実は全員了承済で……」
「部室の中では……」
「……交パーティ?」
勘弁してくれよ。妄想たくましいにも程がある。
どんな鬼畜人間なんだ、俺はよ。
狸寝入りを決め込んだ俺に対する容赦ない言葉は、教師が入ってくるまで続けられた。
ま、悪意を持ってはいないのが救いか。クラスメイトもその辺は承知の上だった。
「先に行ってて。あたしは阪中にちょっと用事があるから」
「阪中に?」
放課後になり、さて部室に引きこもるかとかばんを提げた俺に、ハルヒが宣告してきた。
それはまさに一方的な宣告で、唐突な物言いにオウム返ししかできなかった俺を放置しハルヒは
阪中の席に特攻しやがった。遅れて言葉が脳に染み渡る。ハルヒが? 阪中に?
とても教室を出る気になれず様子を窺っていると、座っていた阪中は見ていて可哀想になるぐらい
ビクつき、おそるおそるハルヒを見上げて愛想笑いをしていた。後ろめたさ全開だ。
そんな阪中に、こっちからは背になっていて見えないハルヒが何やら言ったのか、阪中はちらりと俺を見た。
そして決心するようにうなずくとかばんを手に席を立ち、そのままハルヒと一緒に教室を出て行こうとする。
ってどう考えても弁当の件だろ。阪中を一人にして大丈夫なのか?
心配になった俺は尾行してやろうかとさえ思ったが、機先を制するように阪中が振り返った。
その顔は、少し心細そうではあったが、微笑んでいた。
「キョンくん、どうぞ」
「ありがとうございます」
朝比奈さんが淹れてくれた湯気立つお茶をいただく。温かくてほっと和む。涙腺が緩みそうだった。
朝比奈さんがいることからもわかるように、俺が現在いる場所は部室である。
ハルヒと阪中が何を話しているのか気が気でなかったのは確かだったが、阪中にあんな顔をされては
追いかけるわけにもいかず、すごすごと部室に退散していたわけだ。
お茶を飲み干した俺は、優しい気持ちで満たされた。
「おいしかったです、朝比奈さん」
「お粗末さまでした」
朝比奈さんが笑顔を浮かべる。かなり上機嫌なようである。
朝比奈さんが上機嫌なのは、俺が弁当を残さずに食べたこと及びその感想に起因すると思われる。
しきりに感想をせがむ朝比奈さんに、古泉でも言わないような美辞麗句を並べ立ててしまったからな。
明日もはりきって作ってくれるそうで、俺はいよいよおふくろに弁当を作らなくてもいい旨を
伝えなければならないようだった。阪中……はともかく、長門も作るのを明言してあったから最低二つだ。
その長門は、斜向かいで読書をしていた。朝比奈さんが弁当を作ってきたことを知っても
長門は顔を上げず本に視線を落としていたが、俺が安っぽい感想を告げている間、いつまでたっても
ページがめくるそぶりを見せなかったのは、ちょっとしたホラーだったぜ。
朝比奈さんのあとに長門にも弁当箱を返したんだが、視線で射抜かれるかと思ったしな。
気圧されつつも、言わねばならんとカレーの具材としての不適切さについて懇々と俺は諭していた。
腕前を褒めると表情を幾分和らげ、明日こそはカレーライス以外を作ることを確約してくれた。
明日が楽しみだ。もちろん、今日これから起こることを現実逃避して言っているのであるが。
ハルヒは中々部室に来なかった。来ないほうが今日の俺にとってはいい気もするが
来てくれないといつまでたっても俺の処罰が判明せず現実逃避が解消されないので、それはそれで困る。
困りごとと言えば、現在の状況もそうなのだが。
「朝比奈さん?」
「なんですか?」
微笑みをたたえたメイド姿の天使が顔を向けてきた。意を決する。
「あの、椅子近すぎませんか?」
「え? いつもこれくらいじゃないですかぁ」
まるで俺の言った内容が何かのジョークだと確信しているような朝比奈さんだった。
俺の記憶が正しければ、いつもはパイプ椅子同士くっついていたりしないはずであって
こんなに空間が余っていると、長机の意味がないように思えるんですが。
「キョンくん、わたしが隣にいるのは嫌?」
目を潤ませた朝比奈さんが、上目遣いでおっしゃる。その俺の制服の袖をつまむ仕草は
なんの意図が含まれているんでしょうか。胸を強調するように寄せないでください。
「もちろんそんなわけないじゃないですか、はは」
「よかった。わたしどうしようかと思いました」
あっさり折れる俺。そんな俺の腕を朝比奈さんが抱えてきた。反則だ。実に反則だ。
本気を出した朝比奈さんの実力を垣間見た気でいると、細かい振動音が鳴った。
「失礼」
古泉がブレザーのポケットから携帯を取り出しながら席を立った。そういえばいたっけ、お前。
「あなたも失礼な方ですね」
首を振って古泉は部室から出て行った。あの様子だと、閉鎖空間が発生したわけではなさそうだ。
しかし俺の見込みは甘く、閉鎖空間はすでに発生していたのだ。灰色じゃなくピンク色の閉鎖空間が。
「ね、キョンくん。今度わたしの家に来ません?」
その閉鎖空間の発生源は朝比奈さんだった。古泉がいなくなって、邪魔者は消えたと思ったらしい。
長門もいるのだが、朝比奈さんの眼中には入っていないようである。
「お弁当じゃない手料理も食べさせてあげたいですし、もっとキョンくんと仲良くなりたいです」
「……そんなことしてハルヒにバレたらまた同じ穴の二の舞なのでは?」
腕を抱えながらの「仲良くなりたい」は、やけに生々しい印象を与えてきた。
男としてたまらない申し出だったが、おいそれと了承するわけにもいかん。
「キョンくん意味わかんないです、それ」
朝比奈さんは、俺の引用を笑ってかわすと、
「涼宮さんなら心配ありません。わたしがキョンくんと仲良くしていても、以前のような事態にはなりません」
きっぱりと言い切った。一点の曇りもない強い口調だった。
朝比奈さんがどうしてそこまで断言できるのか、俺にはよくわからなかった。
ただ、朝比奈さんの言葉に妙な引っ掛かりを覚えた。覚えたのはよかったのだが、
「だから涼宮さんに気兼ねせずわたしの家に来て、ね?」
そんな俺の思考は朝比奈さんの甘い囁きで瞬時に霧散してしまった。胸が当たってますって。
身体を密着させてきた朝比奈さんは、シャンプーの匂いに混じってほんのり汗の香りがして
朝は耐え切ることができた俺の理性を、彼方へ葬り去ろうとしていた。
その威力は、一時撤退のちにパワーアップは確かに王道かもしれんと俺に思い直させるほどだった。
「キョンくんが望むなら、衣装を持って帰ってコスプレパーティでもいいです」
つうか長門、助けてくれ。鶴屋さんがいない以上、頼れるのはお前しかいない。
閉鎖空間の外で読書をしている長門に、救難信号を出す。
顔さえ上げてくれなかった。
戦況は絶望的だった。諦観の思いが強まる。
もういいか。朝比奈さんが来てほしいと言っているのに、なぜ我慢せにゃならんのだ。
夢にまで見た朝比奈さんのお誘いだ。俺に拒む理由がどこにあるってんだ、なあ?
すがりつく朝比奈さんを見る。懇願を受け入れようと、息を吸った。そのとき、
「おや、お邪魔でしたか」
超能力者が扉を開けて閉鎖空間に介入してきた。ピンク色の空間が破れる。
古泉は携帯を手の内で遊ばせながら、自分の席に座った。携帯を置いて手を広げてくる。
「どうぞお続けください。僕は気にしませんので」
そう古泉は言ったが、朝比奈さんのムードは崩れ去ってしまったらしい。
不満を隠そうともせずに溜息をつくと、俺に絡めていた腕を解いて椅子にきちんと腰掛けた。
「あと少しだったのに……」
呪詛でも唱えるように朝比奈さんがぼそっとつぶやいたのは、聞こえなかったことにしておこう。
助かったぜ古泉。さすが超能力者。昨日から借りを作ってばかりだが、ツケておいてくれ。
「そちらのお話が済んだようですので、僕のほうの話をしてもよろしいでしょうか」
むくれた朝比奈さんが押し黙ったのを見計らって、安っぽい笑顔を浮かべた古泉が口を開いた。
「何かあったのか?」
「ええ、少し困ったことになったようです」
困ったのならそれ相応の顔をしろ。ちっとも困っているようには見えんぞ。
「それはそうでしょう。困るのは僕ではなくあなたですからね」
「何があったのかさっさと言え」
思わず立ち上がる。そのまま手を伸ばして、古泉を締め上げたいぐらいだった。
古泉は落ち着き払った態度で机の上に置いた携帯を一瞥し、
「先程の電話の相手が生徒会長氏だったのですが――」
バタンっ!
古泉が話し出した矢先に、扉が勢いよく開け放たれた。
「やっほー!」
扉を開けたのはハルヒだった。それはいい。だがハルヒの左手が誰かの腕をつかんでいるのは看過できん。
誰だ? 阪中か? ってまさか。古泉が出した名前から最悪の想像をして、すぐに想像が現実となった。
わずかに乱れて儚げに揺れる髪。伏せた目元。申し訳なさそうに立っている彼女を、古泉が締めくくった。
「というわけです」
ハルヒが連れてきたのは、喜緑さんだった。
「古泉くん、何か話してたの?」
喜緑さんをつかんだまま、ハルヒは大股歩きで部室に入ってきた。
「いえ、ただの世間話です」
「そうだったの」
扉を閉め、後ろ手に鍵を掛けるハルヒ。古泉の言葉ならあっさり納得するんだな。
「キョン、お客さんが来たんだからどきなさい、今すぐ」
「客? 強制連行の間違いじゃないのか?」
丁度立った姿勢だった俺は、席を譲りながらも、ハルヒの言葉尻を捉えて咎める。
古泉に入った電話は十中八九、ハルヒが生徒会室に乱入して喜緑さんを連れて行ったという内容だろう。
おそらく作業中だった喜緑さんをおそらく無理矢理連れて来て、客はない。
だがハルヒは、予備のパイプ椅子に手を掛けた俺を一蹴した。
「任意同行よ。アンタ物覚え悪いんじゃないの?」
「どっちにせよ客とは言わん」
それに俺はちゃんと朝比奈さんの誤用を覚えていたぞ。朝比奈さんにはウケなかったが。
その朝比奈さんは、椅子を長机の端にまで移動させていた。そんなに喜緑さんの横が嫌なんですか。
見ると、先程までの不機嫌さに加えて、憎しみのオーラを背負っているように思えた。
容易に殺意へと変わりそうな雰囲気である。お茶を出そうとする様子もない。なぜに?
「キョンくん、どうかしましたか?」
俺の視線に気付いた朝比奈さんが一転、北高の天使の名に恥じない微笑みをくれた。
ただ、目が笑ってなかった。
再び冷凍茶の洗礼を受けたくなかったので、朝比奈さんはそっとしておくことに決めた。
おずおずと椅子に座ってうつむく喜緑さん。我関せずと読書を続ける長門。空気な古泉。
この場に俺と喜緑さんしかいないのであれば、昼休みにすっぽかした件を謝りたいのだが、無理か。
「さて、喜緑さん」
団長席に陣取ったハルヒが、場を強引にまとめあげてきた。やっと名前を覚えたらしい。
「今日あなたをここに招待した理由は、そこのキョンに関連することなのよ」
正面にいた俺を指差すハルヒ。人を指差すなと教わらなかったのか、お前は。
顔を上げる喜緑さんに、ハルヒが続ける。
「その前に言っておくけど、昨日昼休みにあなたがキョンと屋上で会ってたのは、みんな知ってるわ」
「えっ……」
出し抜けに言われて、喜緑さんが絶句した。構わずハルヒは、
「生徒会とはこないだ揉めたばかりだったから、昨日の部室でキョンをみんなで締め上げてね」
槍玉に挙げられたのは、生徒会とほとんど関係のない箇所ばかりだったような気もするが
ボロボロにされたのは事実か。なんだか今日もロクな目に遭いそうにないな。
「会長の企みを事前に教えてくれた件に関しては、SOS団団長として感謝するわ。ありがと」
「は、い、いえ……」
珍しく礼を言ったハルヒに、曖昧な返事を喜緑さんはした。喜緑さんが当惑しているのがわかる。
当然だ。喜緑さんはまだ何も言ってない。古泉のでっちあげを俺がハルヒに伝えただけなんだからな。
その辺の背後関係をさっぱり知らないハルヒは、はしゃいでいた。得意気に腕組みをしてうなずく。
「みんなにも見せてあげればよかったわね。情報漏洩されたと知ったときの会長の情けない姿を」
コイツは喜緑さんを連れてくるだけでは飽き足らず、そんなことまでしてきたのか。
すでに古泉の根回しが済んでいたから何も問題が起きなかったのだと思うが、会長氏も芝居を
演じさせられて不憫だとしか言いようがない。今頃、紫煙でもくゆらせながら愚痴ってそうだ。
時間外報酬でもやっておいてくれ、古泉。俺も今度すれちがったら目礼をしておくからさ。
「ま、生徒会のことはこれで置いとくとして、次が本題よ、喜緑さん」
自分が発端であるのは棚に上げ、会長氏に同情の念を寄せていると、ハルヒが席を立った。
喜緑さんに歩み寄って肩に手を置く。身を震わせて振り返り、ハルヒを見上げた喜緑さんに、
「昨日の昼休み、キョンになんの話をしようとしてたの?」
筋の通っていない言葉を投げかけた。どこが本題なんだ?
俺の位置からは後頭部しか見えない喜緑さんも、同じ思いを抱いたようで、
「……ですから、会長の件について……」
先程ハルヒ自身が述べた内容をかいつまんで復唱した。実に意味のない問答だ。
ハルヒも物覚えが悪いんじゃないか? 疑った俺だったが、逆を突かれた。
「それだけ?」
読書中の長門が顔を上げたのが、視界の隅に入る。長門の興味を引いたらしい。
俺はと言うと、何やら不吉な思いが悪寒となって背筋を伝っていたのであるが。
「ほかにあるんじゃないかしら」
と言って、ハルヒが顔を喜緑さんに近づけて覗き込んだ。近い。こちらからだと
額と額がくっついているようにも見える。自白エネルギー注入でもしているのかもしれん。
「それは、その……」
果たして効果はあったのか、喜緑さんは盛大に落ち着きをなくし、ハルヒとのにらめっこを避けて
机の木目に視線を落とした。ちらちらとすがるように俺を見てくる。横顔が赤い。その仕草に
庇護欲を猛烈にくすぐられたが、何をどう言えば喜緑さんを助けられるのか、皆目見当がつかない。
それに下手を打てば、喜緑さんを救えないばかりか俺の首も飛んでしまいそうに思えてならなかった。
かくして膠着状態に陥り、時計だけが生真面目にも秒針を刻み続けていた。
ハルヒはハルヒなりに辛抱強く傍らに佇み喜緑さんの返事を待っていたものの、結局ハルヒだった。
秒針が一周した辺りで、くるっと後ろを向く。すぐ目の前に置いてあったヤカンを掴んだ。
軽く振ってチャポチャポ音を鳴らせると、提げたヤカンをそのまま俺に突き出す。言葉を添えてきた。
「水汲んできなさい」
「は?」
意味不明だ。理不尽な命令にも程がある。水入ってるだろ、それ。
「いいから。古泉くんも付き合ってあげて」
「わかりました」
ハルヒに逆らうはずもない古泉が、笑顔同様軽く請け負う。
これはひょっとしなくても、体よく俺を追い出そうとしているのか?
「行きましょう」
受け取ろうとしない俺の代わりにヤカンを提げて、古泉が促してきた。応えず、喜緑さんを見る。
喜緑さんは戸惑いながらも、心細さを表に出していた。ダメだ、放っておけん。
「どうやら涼宮さんは女性陣だけで話をしたいようです」
古泉の耳打ちなんか知ったこっちゃない。喜緑さんが安全だという確信でもあんのか。
「ああ、もう! みくるちゃん、有希!」
従わない俺に業を煮やしたか、ハルヒが二人の名前を呼んで、自らの制服に手を掛けた。
「脱ぎなさい!」
「なっ――」
最終奥義を発動されて固まる俺の眼前で、朝比奈さんが迷いなくするりと白い肩とブラひもを露出させた。
机の上に長門のリボンがはらりと落ちる。豪快に脱いでブラジャー姿になったハルヒが叫んだ。
「着替えるから男は出てけ!」
圧倒された俺は考えるより先に体が動き、古泉が開けてあった扉から廊下に転がり出る。
気付いたときには既に遅し。部室の扉は古泉の手によって、閉ざされていた。
「なんなんだよ、一体」
放り出された以上、ちょっとやそっとの時間で入れてくれるとは思わなかったため
古泉を伴って外の水飲み場まで出向き、面白くもない水汲みをしていた。
「いいではありませんか」
蛇口をひねる俺に、古泉が横から口を挟んだ。
「僕たちだって、女性がいては話しづらいこともあるでしょう?」
「お前とそんな話をした覚えは一度もない」
せいぜい『機関』に関する話だけであって、それは性別など関係ない。
「仕方ありません。身近な女性は、語るには総じて魅力的すぎますし、何より」
古泉は肩をすくめて、
「話をすればするほど、世の中の理不尽さを嘆くことになりそうですから」
「……そうか」
古泉の言葉には妙に実感がこもっていて、俺は平凡な受け答えしかできなかった。
水がヤカンの中に注ぎ込まれる音だけが、場を占めていた。
お互いだんまりを続けていたが、水の音が消えると途端に沈黙が苦痛になった。
ヤカンのフタを閉じたところで間が持たなくなり、
「……喜緑さん、大丈夫だといいんだが」
俺はつなぎに走った。喜緑さんが心配だったのも、事実ではあったが。
「大丈夫でしょう」
古泉の返答はあまりにもあっさりしていた。心配しているのに安請け合いされて面白いはずがない。
「どんな根拠でそう易々と言えるんだ。喜緑さんは普通の女子なんだぞ」
俺が口答えしたのも当然だ。しかし雰囲気もあっさり元に戻った古泉は、なぜか面白そうに、
「根拠ですか? それは昨日あなたに申し上げたと思うんですが」
「昨日?」
「ええ、涼宮さんを信じてあげてください、と僕は言いましたよね」
水飲み場の縁に手を置いて、古泉が蛇口をひねる。
「そして、もちろん僕は涼宮さんを信じているわけです」
と言って、髪を手で押さえつつ蛇口に顔を寄せ、流れる水を口に含んだ。
耳を見せ付けるように露出させても、俺は気持ち悪いとしか思わないからやめろ。
「――ぷはっ。それで、あなたはまだ喜緑さんがひどい目に遭っているとお思いですか?」
「……いや」
古泉にどこかはぐらかされた気もしたが、同調せざるを得なかった。少し神経質になり過ぎていたか。
ハルヒも敵対関係にある生徒会の書記だからといって、まさか手荒な真似はすまい。
渋々認めた俺に、古泉はハンカチで口元を拭って、
「それにしても、喜緑さんを普通の女子とは」
妙なことを言い出した。
「違うとでも言いたいのか?」
「いいえ、別に」
消費税分ぐらいは上乗せされた笑顔を古泉は浮かべ、しれっとつぶやいた。
「なかなか喜緑さんも役者です」
あまり古泉の言葉を真に受け過ぎても、馬鹿を見るだけかもしれないな。
重くなったヤカンをぶら提げ、肩を並べて部室に戻りながら思ったのは、そんなことだった。
コイツはどうでもいい内容でも、さも意味深に朗々と語る性癖の持ち主だ。
虚言とは言わんが、煙に巻くぐらいはしてくる。立場上、やむを得ないのだろうが。
だから喜緑さんに関する古泉の評価は、とりあえず胸の中にしまっておいた。
『どうぞ』
古泉が部室の扉をノックすると、くぐもったハルヒの声が返ってきた。
俺の指示を仰ぐかのように顔を向けた古泉を、あごで促す。さっさと開けろ。
苦笑と共に古泉がノブを回した。
「遅かったじゃない。どこまで行ってたの?」
有言実行したのか、バニー姿になったハルヒが仁王立ちで出迎えてくれた。
「すぐそこの水飲み場に決まってるだろ」
適当にあしらいつつ中に入ると、ハルヒの後方に向かい合ってウェイトレスと巫女が座っていた。
ただウェイトレスはそっぽを向き、巫女は読書をしていたため、向かい合っていたのは椅子だけだ。
ウェイトレスの朝比奈さんの向こう、団長席の近くには、喜緑さんが制服姿で慎ましく着席していた。
顔をほころばせ、口元に柔らかな微笑みをたたえる喜緑さんを見て、安心する。
どうやらこの件に関しては、古泉の言い分が通っていたようだ。
「で、話は終わったのか?」
「終わらないわよ。でも、今日のところはこれ以上話すことないの」
見事なプロポーションを誇示するようにハルヒは胸を張り、
「キョン、喜緑さんを生徒会室まで送ってきてくれる?」
「ああ」
ハルヒにしては気が利くな。謎かけ紛いの返答は置いとくとして、だ。
ヤカンを所定の位置に戻し、喜緑さんに声をかける。
「喜緑さん、送ります」
「はい」
しずしずと席を立って、寄り添ってきた。制服の裾が触れ合うギリギリの距離だ。
これはマズいんじゃないかと思ったが、バニーは割と平然としていた。巫女は顔を上げもしない。
朝比奈さんだけは、ビームを即座に発射してもおかしくないぐらいの雰囲気だったけどな。
その威圧感に急き立てられ、滞在時間二分ほどで再び外に出ようとしたとき、
「そう言えば……」
喜緑さんがつぶやいて、足を止めた。俺も右足だけ廊下に出たところで止まって、振り向く。
「どうかしましたか?」
問いに、喜緑さんはちらっと後方を気にする素振りを見せてから、笑顔ではっきりと述べた。
「なぜ今日のお昼休み、屋上に来てくださらなかったんですか?」
なぜこのタイミングでそんな問題発言するんですか?
振り向いていた俺は見えてしまった。喜緑さんの後ろでゆらりと朝比奈さんが立ち上がるのを。
ハルヒも笑みを固め、口の端を吊り上げていた。ぱたんっ、と本を閉じる音が一際大きく鳴り響く。
喜緑さんは後ろで何が起きているのか知ってか知らずか、俺の返事を待つことなく
そっと俺を廊下へ促すと、後ろ手で部室の扉をお閉めになった。救われた。
「って全然救われてねえよ。喜緑さん、早く行きましょう!」
「えっ――」
扉など開けようと思えばすぐ開けられる。俺は喜緑さんの手を取って階段目掛けて走りだした。
後ろは振り返らない。使い所によっては実に効果的かつ陳腐な決めゼリフではあるが、この場合
単に振り返る勇気がなかっただけだ。古泉、なんとかなだめてくれ。頼む。
「っはぁ、はぁ」
渡り廊下を全力ダッシュし、本棟に入ったところで緊張の糸が解けた。
大した距離ではなかったにもかかわらず息が切れているのは、息継ぎをろくにしてなかったせいだろう。
運動不足ではない、と思う。
「あの……」
控え目な声に顔をやると、前かがみになった喜緑さんが片手で胸元を押さえていた。
遠慮がちな瞳が、何かを示唆するように揺れる。喜緑さんの視線の先を見た。柔らかい。
「す、すみません」
慌てて握っていた手を離す。どさくさに紛れて何やってんだ俺。
しかし、ということはだ、喜緑さんは引っ張られたまま階段を駆け足で下りてきたのか。
怪我をしなくてよかった。見た目以上に運動神経のいいお方なのかもしれない。
その喜緑さんは、握られていた手をしげしげと眺めてから、くすっ、と小さく笑った。
「少しすっきりしました」
何がすっきりしたのやらいまいちわからない俺を見て、
「涼宮さんたちへの仕返しです」
「部屋から出るときのアレですか?」
首を縦に振る喜緑さん。
「俺はすっきりどころじゃないんですが」
喜緑さんを送ったあとのことを考えると、頭が痛い。
生徒会長の企みは昨日、喜緑さんの口から聞いたとハルヒに言ってしまってある。
それが今日も喜緑さんと合う算段を立てていたとなると、これは言い訳のしようがない。
「わたし、待ってたんですよ。来てくださらなかったあなたにも責任はあると思うんです」
「うっ……」
返す言葉がない。ハルヒがくっつき虫よろしく引っ付いて来たといちいち説明するのもなんだ。
押し黙る俺に、喜緑さんは軽く舌を出した。
「言ってみれば、あなたへも意趣返しをしたんです」
「でもびっくりしました。涼宮さんが突然生徒会室に入ってきて、会長と言い争って」
生徒会室へ歩きながら、喜緑さんが楽しげに声を出す。
特に怒ったりはしていないようである。
「言い負かしたかと思うと、わたしを引っ張って行ったんです」
横に並んで歩くと、ふわふわした髪から朝比奈さんとはまた違う、いい香りが漂ってくる。
それは病みつきになりそうな、どこか記憶の隅に残る匂いだった。
「ハルヒたちと部室で何を話したんですか?」
軽い気持ちで訊ねてみる。なんとなく答えてくれないような気がしていたものの、
「……内緒にしなさいとも言われませんでしたし」
喜緑さんは少しだけ悩む素振りを見せてから、俺に顔を戻した。
「でも、その前に確認してもよろしいでしょうか」
「なんでしょう?」
「涼宮さんに会長の計画をお話ししたのは、あなたですか?」
「……ええ」
うなずきはしたが、内心マズいなと感じていた。
情報源など詳細を質問されると、答えようがない。古泉のことを話すわけにもいかないしな。
しかし喜緑さんは、
「そうですか……」
とだけつぶやいて、言葉を反芻するように顔をうつむけた。
「あの、ごめんなさい」
しばらく黙々と歩き、角を曲がる。顔を上げた喜緑さんは、前触れなく謝ってきた。
「わたし、本当は会長の計画なんて何も知らなかったんです」
足が止まる。何も知らなかった?
「あなたに会うための口実だったのに、本当になって……ごめんなさい」
頭を下げる喜緑さんを前に、立ちすくむ。だが不思議と怒りは湧いてこなかった。
ハルヒに中途半端な嘘をついたのは俺だ。嘘を古泉の力で本当にしてしまったから、ややこしくなったんだ。
ちゃんと告白してくれただけでも、ありがたいとすべきだった。
「いいんですよ。喜緑さんの話がきっかけで、会長の企みが明るみになったのは事実なんですから」
会長、重ね重ねすまん。完全に悪役扱いだ。
「だからそう、何度も謝らないでください」
「すみま……あっ」
俺の言葉にまた謝りかけた喜緑さんは、口を両手で押さえた。
その仕草がなんだかおかしくて、笑ってしまった。顔を赤くする喜緑さんは、可愛かった。
「涼宮さんたちとお話ししたことは色々あるんですけれど」
生徒会室の扉の前で、喜緑さんが話し出した。
「大まかに言うと、一つだけです。涼宮さんはこう質問してきたんです」
コンコン。
『……少し待ちたまえ』
言いながら喜緑さんが扉を叩くと、少し遅れて会長の声がした。慣れ切った様子で喜緑さんが振り向く。
「こういうときの会長の『少し待ちたまえ』は、けっこう長いんです」
浮かべた微妙な表情から察するに、喜緑さんも薄々気付いているらしい。やれやれと思っていると、
「喜緑さん、あなたキョンのこと好きなの?」
驚かされた。ハルヒの声色そっくりだった。
「似ていましたか?」
「え、ええ、ハルヒかと思いまし……え?」
喜緑さんに返事しかけて、口が開いたまま止まる。発言内容が脳に遅れて届いたからだ。
『入りたまえ』
呆然としていると、会長の声が響いた。合わせて喜緑さんが近寄り、口を開く。
「そしてわたしの涼宮さんへの返事は……」
俺の肩に手を置いて、つま先立ちになってきた。耳打ちかと思い、顔を寄せる。
ちゅっ。
頬に何かの感触が残った。さっと喜緑さんが離れる。
「また明日お会いしましょう」
恥じらいつつも喜緑さんはほんのり微笑んで、生徒会室の中へ入っていった。
ガチャっ。
「キョン! さっきの喜緑さんの言葉はどういう意味か説明しなさ……キョン?」
相変わらずバニーなハルヒがわめき立てている横を通り過ぎ、自分の席に座る。
「キョンくん、お茶をどうぞ」
「ども」
ウェイトレスな朝比奈さんがお出ししてくれたお茶をいただく。うん、うまい。
「おいしいです」
湯飲みを置いて言う俺に、朝比奈さんが訝しげな表情をする。
「それ、中身凍ってません?」
「ああ、凍ってますね」
確かに凍っていた。どうやら作り置きしていたらしい。朝比奈さんもマメな人だ。
「キョンくん?」
ますます朝比奈さんが変な顔をする。せっかくの可愛らしい顔がもったいない。
朝比奈さんの顔をぼんやり眺めていると、
「……煩悩退散」
いきなり冷たいものが頭の上から浴びせかけられた。冷てえ。
「いきなり何だよ!」
勢いよく席を立って抗議したところで、我に返った。
ヤカンを抱えた巫女が、冷たい目で俺を見つめていた。と思うと、後頭部に軽い物体が当たる。
雑巾を投げつけたハルヒが、こちらも冷たく命じた。
「床を拭きなさい」
要するに、浮かれて自失していたわけか。喜緑さんにキスされて。
そこまで耐性のない人間だったかな、俺。いや、キスされる経験が豊富なわけでもないが。
床の始末をつけタオルで顔を拭いて座り直すと、古泉が苦笑していた。やや呆れているようだった。
「……ま、いいわ。喜緑さんもけっこうしたたかってことよね」
ハルヒが勝手に納得して、俺を一瞥してきた。キスされたなんて言ってないぞ。
「それよりキョン、喜びなさい。アンタの処罰が決まったわよ」
「処罰?」
「ええ、まさか忘れたわけじゃないでしょうね? 昨日のアレよ」
ああ、そんなこともあったな。さっきまでは筆頭懸念事項だったが、色々ありすぎて忘れていた。
「古泉くんにはさっき説明したんだけど、今度の週末にパーティするから。ここで」
「パーティだと?」
「そ、パーティ。もうすぐ一年終わりでしょ? だったらするしかないわ」
どういう論理なのかいまいちわからんが、いいんじゃないか。
「だが、それと俺の処罰となんの関係が」
と言ったところで、昨年のクリスマスパーティを思い出した。具体的にはトナカイ芸だが。
「まさか、俺にまた芸をやれと言うんじゃないだろうな」
「やりたいの? ならやりなさい。誰も止めないから」
「やりたくねえよ」
あんな思いはもうこりごりだ。とすると、別件か。
「キョンには準備とか色々雑用を人一倍やってもらうわ。それが処罰。わかった?」
ハルヒにしてはけっこうな温情措置だな。もちろん、俺に異存などない。お安い御用だ。
俺の安堵を見て取ったか、ハルヒが目を細めて意地の悪い不吉な笑みを漏らした。
「甘いわね、キョン。今、楽勝だと思ったでしょ」
人差し指を左右に振ってくる。何が言いたい。
「冬より参加者が増えるから、それだけ大変になるわよ。覚悟しときなさい」
うさ耳を揺らして、ハルヒが不敵に宣告した。
団員五人に鶴屋さん、喜緑さん、阪中、あと妹も声をかけて都合が合えば参加だとさ。
ハルヒの想定している参加者は、合計九人にもなるようだった。
鶴屋さん、喜緑さん、阪中にはすでに了承を取り付けてあるというから驚きだ。
「書記の喜緑さんがいれば、多少の無理は利くわね。軽いドリンクも持ち込みましょ」
都合のいいときだけ生徒会を利用するのもどうかと思うが、どうなんだろうな。
メンバーの選定基準もあいまいで、谷口や国木田は誘わないのか、と言ったら、
「十一人もこの部屋に入らないわ。悪いけど、その二人はパス」
あっさり却下された。ま、仕方ないか。
さっきの俺の行動に毒気を抜かれたのか、朝比奈さんは普通のお茶を出してくれた。
喜緑さんのときに離れていたパイプ椅子がまた接近している辺り、機嫌もいいらしい。
にこやかな顔の下で何を考えているのかは、わからない。ここ最近の朝比奈さんはわからん。
まだ不可解さがマシだと思えるのは、長門か。巫女姿で淡々と読書を続けている。
古泉もそうだが、感情の針が逸脱しない相手ってのは、けっこう大事なのかもな。
団長席でマウスをカチカチ言わせているバニーを見ていれば、嫌でもそんな気になるさ。
「今日は終わり! キョン、明日からこき使うからしっかり休んでおきなさいよ」
嬉しくもなんともないことを、ハルヒは実に嬉しそうに言ってきた。
「あ、キョンくん、湯飲みの片付けお願いできますか?」
朝比奈さんがおっしゃっる。明日どころか今日からこき使われるらしい。しばらくパシリですか。
「それでは、僕はこれで」
朝比奈さんの頼みを受け入れる俺をよそに、古泉がかばんを手にそそくさと退室しようとする。
「おい古泉、まだ片付けが終わってないぞ」
俺が連勝中だったオセロ盤の周りにマグネットが散乱している。
「たまにはいいではないですか。貸しもあることですし」
貸しって、生徒会の件か。いや他にもあったか? まさかこんな早くにツケを払うことになるとは。
古泉は、押し黙った俺に嫌味のない笑みをくれて、部室から出て行った。
「さて、着替えましょ」
扉の閉まる音と共に、パソコンの電源を切ったハルヒがうさ耳を外した。
カチューシャを取る朝比奈さんの向かいで、本を閉じた長門が席を立つ。
「着替えるなら俺がいなくなってから着替えろよ!」
いきなり何すんだ。マグネットを集めていた俺は思わず叫んだ。
「みくるちゃん、何か聞こえた? 今」
背中から腰を露出させたハルヒが、顔だけ振り向いた。
「いいえ、気のせいじゃありません?」
俺のすぐ横で、肩を剥き出しにした朝比奈さんが答える。
罠だ。なんか知らんがとにかく罠だ。早く出ないととんでもないことになってしまう。
即座に決心した俺は、マグネットを放置して逃走を試みた。が、
「片付けが先」
袴を脱いで上だけになった長門が、行く手を塞いでいた。素足が寒そうだった。
「わっ、みくるちゃん、また胸大きくなった?」
黄色のブラジャーを胸にあてがったハルヒが、朝比奈さんの豊満な部分に視線を送る。
朝比奈さんは白いブラに包まれたそれを両手で持ち上げながら、
「あ、気付いちゃいました? 最近ブラがきつくなって」
「むう、なかなかやるじゃない……って有希、なんでそんなエロい下着つけてんのよ」
「女の嗜み」
黒の透けて見えそうな上下をつけた長門が、黒いニーソックスを手にしつつ答えた。
俺は黙々と片付けをしているのだが、雑音につられてついつい目をやってしまう。
男って悲しい生き物だな。
「何をどうやったらそんなに大きくなるのかしら。みくるちゃん、コツでもあるの?」
ハルヒがおそらく軽い気持ちで発言したのを受けて朝比奈さんが、
「うふ。好きな人のことを考えながら手でこことかここをこうやって」
「ぶっ」
吹いた。朝比奈さんの片手が胸の形を歪めたかと思うと、もう片方の手はショーツに伸ばしたのだ。
「……過激ね、みくるちゃん」
さすがにハルヒも顔を引き攣らせる。いないことになっている俺を気にしてか、ちらちら見てきた。
あまり見んな。今の朝比奈さんの行動でゲージがかなり上がった。
「涼宮さんもしてるんじゃないですか?」
朝比奈さんの疑問に、スカートを手にしたハルヒが顔を引き攣らせたまま口元を曲げる。
「そんなことするわけないじゃないの」
「本当ですかぁ?」
朝比奈さんが下から覗き込み、疑い深い目をハルヒに向ける。長門も手を止めた。
つられて俺もハルヒを見る。ただでさえ引き攣っていたハルヒの顔が歪んだかと思うと、
「キョン、出なさい!」
怒鳴り出した。まことに勝手な命令だ。しかし俺も特に抗う気はなかった。ゲージがどんどん上昇して
ある部分が危険信号を発していたからな。渡りに船とばかりに、湯飲みを置いて扉へ足を進め、
「片付けが」
「ゆーきー」
瞬時に回りこんできたやけに表面積が少ない黒一色の長門に、ハルヒが恨めしい声を出す。
それで長門は止まった。う、至近距離で見ると、本当に透けて見えやがる。なんてもん着てんだ。
いよいよ危なくなった俺は、ご丁寧にも鍵が掛けてあった扉と格闘し、廊下に滑り出た。
扉を閉めたところで、息をつく。助かった。危険信号の発信元を見る。しっかり反応していた。
「男って、ホント悲しい生き物だよな……」
しばらく騒がしかった部室内が静まり返ったころには、俺も鎮まっていた。
赤っ恥を晒さずに済みほっとしていると、扉が開いて着替えたハルヒが出てきた。
「片付けちゃんとしてから帰りなさいよ」
それだけを言って、階段の下へ消えていく。仕掛けた爆弾で自爆したあとのような後姿だった。
にしても、どうも信じられないな。あのハルヒが好きとかどうとか言ったなんてさ。
開けっ放しになっていた扉から中へ戻ると、入れ替わりに長門とすれ違う。すれ違いざまに、
「気をつけて」
長門がぽつりとつぶやいた。また閉鎖空間の中に閉じ込められたりするのだろうか。
もっとヒントが欲しかったが、解答は三秒後ぐらいにあっさり判明してしまった。
「キョンくん、一緒にお片付けしましょう」
制服はお召しになられていたものの、朝比奈さんが佇んでいたのである。
咄嗟に廊下に頭を出して長門の姿を探す。だが、すでに消失していた。
わかっているのなら、片付けが済むまで部室に残るとかしてくれよ。今日の長門は反抗期なのか?
階段の方向に恨み言を連ねていると、
「どこを見てるんですか? 見るならわたしを見てください」
襟首をつかまれて、部室の中へ引きずり込まれた。
「キョンくんは机の上のものを片付けてください」
ピンク色の閉鎖空間が発生するのかと身構えてしまった俺だったが、朝比奈さんは
俺に背を向けててきぱきと作業を始めた。手慣れたものらしく、みるみる片付いていく。
さすがメイドだ。肩透かし気味だった俺も、負けじと言われた通りオセロ盤に取り掛かる。
この様子なら、二、三分で終わりそうだった。
「ふう」
実際すぐに終わった。帰ろう。
「朝比奈さん、お疲れさまです。それじゃ、また明日」
結局杞憂だったかと思いながら、かばんを提げる。挨拶をした俺に、
「まだ帰っちゃダメです」
朝比奈さんが制止の声をかけてきた。
「お片付けが残っているのに、帰らないで」
「どこに残ってるんですか? これと言って見当たりませんが」
見渡す限り、整理整頓されてある。部屋を一巡して朝比奈さんに顔を戻す。
「お片付けが必要なのは――」
「わっ」
ぱふっ、と朝比奈さんが俺に抱きついてきた。
「わたしの火照ったこの身体です」
「あ、朝比奈さん?」
あまりの大胆なアプローチに、名前を呼ぶ声もどもる。
「部屋はきれいになりましたし、邪魔する人もいません。わたし、もう我慢できないんです」
朝比奈さんは、本気のようだった。ただあたふたとする俺。
そんな俺をもどかしげにぎゅっと抱きしめ、朝比奈さんが俺の胸に顔をうずめた。
「……喜緑さんにはしたのに、わたしにはできないんですか?」
「喜緑さん?」
なぜその名前が唐突に出てくるんですか。
「とぼけないでください。喜緑さんと昨日あんないやらしいことをしておいて」
昨日? 介抱か? それにしては、既成事実があったかのような言い方だ。
「今日もするつもりだったんでしょう? わたしはこんなに想っているのに……」
何か盛大に勘違いをしておられる気がして止まない。誤解を解こうと口を開き、
「うっ」
口を突いて出たのは、うめき声だった。下半身が撫でさすられたのだ。
「気持ちいいですか? わたしあまり知らないですけど、キョンくんのためならなんでもします」
俺を見上げる朝比奈さんには色気が漂っていた。マズい。どこまでも行ってしまいそうだ。
……いや、別に構わないじゃないか、朝比奈さんと結ばれたって。弱気が再び首をもたげた。
家に帰ってから何かする用事があるわけでもない。このまま居残って朝比奈さんと過ごすのもいい。
「わたしの想い、感じてください」
朝比奈さんが俺の手を持ち上げ、自分の胸にあてがった。制服越しでも朝比奈さんの鼓動が
柔らかい感触と共に、手に伝わってくる気がする。力が抜けるのを感じた。
ドサっ。
反対の手に提げていたかばんが床に落ちる音が耳を打つ。ん、かばん?
「わたしの心臓の音、聞こえますか? キョンくん」
朝比奈さんの声が耳に入るが、俺の頭の中は別の思考が回転していた。
かばんの中には、阪中の弁当箱が入っている。靴箱で今も待っているかもしれない。
「きゃっ!」
思い当たると同時に俺は朝比奈さんを軽く押して、身を離していた。かばんを引っ掴む。
「す、すみません朝比奈さん。俺、用事を思い出しました。帰ります!」
勢いに任せ、半ば逃げるように俺は部室から飛び出した。
朝比奈さんには悪いことをしてしまった。嫌われたかもな。
もう少しやんわり断ればよかった、としきりに後悔しながら角を曲がり、
「ハルヒ?」
見知った後姿を靴箱で見つけた。俺の声が聞こえたのか振り向いたハルヒは、特に感想もないらしく
あっさり背を向ける。誰かの肩をぽんと叩いて、そのまま校舎から外へ出て行った。
入れ違いに、ハルヒに隠れていた人物の顔が見えた。そこに立っていたのは、阪中だった。
「ハルヒと何か話してたのか?」
去っていくハルヒの姿を目で追ってから、阪中に戻す。
「うん」
うなずいた阪中だったが、どこか浮かない顔をしていた。
何を話していたか気になったものの、まずは弁当箱だと思い、かばんを漁る。
しかし弁当箱を手にしたところで、疑問が湧いた。なんと言って返せばいいのだろう。
ハルヒと昼を共にしたことで、阪中は俺が真実を知ったと薄々気付いているに違いない。
それともハルヒがざっくばらんに阪中に言ったのか? すでにバレていると。
知らないフリを通すか気付いたセンで行くかで判断を迷っていると、
「……やっぱりわかっちゃってたのね。そのお弁当を作ったのはわたしだって」
阪中が沈んだ声を出した。アホか、俺は。またやっちまった。
弁当箱を出す際に一日に二回も失敗する人間は、俺ぐらいなものだろう。
「……ああ」
すまん、とでも言おうとしたが、それは別の意味を含みそうだったのでやめ、弁当箱を出す。
「いつ?」
差し出された弁当箱を受け取った阪中は、目線を少しずらして質問してきた。
「昨日、弁当箱を返すときかな」
嘘をついても仕方ないので、正直に答える。
「そっか」
つぶやき、手の中にある弁当箱に阪中は視線を落とした。
「……迷惑だった?」
口を開いた阪中は消え入りそうに細い声を出した。慌てて否定する。
「まさか。あんなうまい弁当を食わせてもらって、迷惑も何も」
「本当?」
「ああ、マジだ。ただ、ハルヒには謝っておくべきだと思うが」
嘘偽りない気持ちは伝わったらしい。阪中がようやく顔を上げた。
「涼宮さんには、放課後二人でお話ししたときにもう謝ったのね」
ハルヒは俺が知っていたことについては阪中に言ってなかったのか。なんの気の回しだ?
「それで、もしよかったら、またお弁当作ってきたいんだけど……」
おずおずと申し出る阪中を断る理由など俺にはない。
「こちらこそ頼む。阪中の弁当がなかったら、口が寂しいぜ」
俺の返事に、
「うん」
にっこり阪中が笑ってくれた。
ちと言いすぎかな、とも思ったが、阪中の笑顔を見れたのでよしとしよう。
「阪中、ハルヒに連れてかれたあと、どんな話をしてたんだ?」
弁当箱を返しただけで別れるのも味気ないと思い、気になっていた件を思い切って質問してみた。
「お弁当のことと、今度の週末にパーティするから来ない?って」
阪中はすぐに答えてくれたが、あらかじめ答えを用意していたような返答の早さだった。
「何か別のこと言われなかったか?」
と返すと、ぱっ、と朱色が阪中の顔に散った。真っ赤になった阪中は、手をもじもじとすり合わせる。
わかりやすい反応に、逆に戸惑っていると、阪中が小さい声でこっそりと言った。
「ないしょ」
イヤャッホォォォォォイイイ!!!!
久しぶりに覗いたらいろんなものがあってうれしい。
みんなG.J!
フラグブレイカーキョン
407 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 19:01:59 ID:bfjgDyjD
イェーイ日常キタコレ!
GJ!、と言いたいんだが、一回目を除いて喜緑さんに呼び出される描写あったっけ?
「日常」好きなんだが、この話は完結するのか?ってほど展開が遅すぎるな。
収拾つかなくなって未完とか勘弁してくれよ。
最後がキョン刺殺エンドでも俺は驚かない(えー)。
安易にデレデレしないハルヒにも好印象。続きを期待して待ちたく。
何様だアンタ
GJ!
みくる黒エロいよみくる
「おつかれ様、キョン」
「日常」作者さん乙&GJです。
>>317 >何度読んでもつまらないのに世間ではおもしろいと言われているのが名作
これには烈しく同意。
>何度読んでもつまらないのに世間ではおもしろいと言われているのが名作
視野かケツの穴が狭い物言いだと思うがなあ。
好みは人それぞれという陳腐な決まり文句があってな?
>何度読んでもつまらないのに世間ではおもしろいと言われているのが名作
むしろ「話題作」の方が合っていると思う
>>415 そうだな。でないと俺の中で『電車男』が名作になってしまう。
……と話を続けるのもアレなのでさっき受信した電波でも。
「ハルにゃんただいまー。ユキちゃんだよー、帰って来たよー。開けてくれよー」
「本当か?ほんとのほんとーにユキちゃんかー?」
「そうだよー。本当のユキちゃんだよー」
「本当のユキちゃんならこれが出来るはずよ。膣内射精された黒みくるちゃんのマネー」
「計画通り(ニヤリ)」
「本当に黒ッ!?」
417 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 23:36:13 ID:IHZZ1egw
みくる「私は出来ない子じゃありましぇん!」
〜半年後〜 みくる「やっぱり私は出来る女でしゅ」
朝比奈さんお腹を隠してください。冷えますよ。
えっ、なぜおなかを触らせるんですか!なんですかその優しい目は!
という電波を発射中。
元はバカ兄弟だよな・・・分かってると思うけど。
>>415 確かに話題作のほうがあってる
ところで今年の夏映画は話題作が多かったよなw
>>407 呼び出しはしてないけど、明日も屋上で待ってますって喜緑さんに言わせてた。
投下でレスに応えるべきだと思っていつも無言だけど、念のため。
上げてみていい?
「さて、とりあえずどっかに到着したみたいだ…
ちょっとした事故で歪みが生じたのか?今までこんな事無かったんだけどな…考えても仕方無い、とりあえず状況を把握しないと…」
ふと周りを見渡してみる、綺麗な夜空だった、ここはどうも建物の屋上らしい
「特に以上は感じない…何故こんな所に来たんだか」
月が照らしている、ふと考え込んでしまった
「まさかあんな…」なんて思いに耽っていると、
!!
ふと後ろの気配に気付く、影でよく見えないが女の子か?ビックリさせるなよ…
「ねえ、あなたここで何してるの?」
確かに女の子だ、だが俺は彼女に忠告した、、
「こんな時間に君が何してるのか逆に聞きたいね、もう夜中だ、あまり出歩かない方が…」
そんな俺の忠告も聞かず彼女が歩いてきた
お、中々の美人だ、胸も結構デカイし、あ、失敬…見た目16歳位に見える、凛々しい眉が印象的だ
彼女は俺の目の前まで来た、俺は重ねて
「ほら、女の子は夜危ないから、早く帰ったほうがいい…」なんて忠告した、
「気を使ってくれてありがとう」感謝されるのは嬉しいもんだね、特に女の子からは…
なんて思ってた束の間、
「でもあなたは私の監察状況において邪魔な存在なの…」と彼女は俺に告げた
「なんで私がこんなことを…」
とミニスカサンタ姿で文句を言ってるのは朝倉である。
SOS団でやる予定だった風船配りのバイトの人数が足りないことがわかり、
俺が連れてきたのが谷口と国木田、朝比奈は鶴屋さん。
古泉は誰も連れてくるなという俺の命令に従ってくれたらしく、
長門が連れてきたのが……朝倉ってわけだ。
「ねぇ、あたしと二人っきりになれて嬉しい?」
「わけねぇだろ」
「おっかないトナカイね。子供に聞こえたらどうするの。」
「聞いちゃいねぇさ」
クリスマスの人混みの中、朝倉と二人で黙々と風船を配る。
「もうなくなっちゃったわね。」
「早いな…おーい!谷口ー!国木田ー!」
遠くにいる風船補充係にサインを送る…ん?何言ってんだあいつら。
「もう私達の分は終わったって言ってるわ」
さすが宇宙人。
「着替えて先に二人で帰っちゃいましょ。」
「………二人で、か…」
ごめんかぶった?
wktk
ハ_ハ +
(0゚∀゚) わくてか!
(0 JJ +
と _ )_)
>>424いえいえ、気にしないで下さい
続きやる場合は>>付けてやるんで…
この先グロ展開が少し入るけどOKだよね?
更衣室に行く途中に他の組の様子を見る。
長門トナカイと古泉サンタは…
「もう終わったんですか?」
「ああ…あいつのサンタが好評でな。」
自分を指差す子供に手を振っている朝倉に目線をやる。
「……あなたも肝の座った人ですね。二度も
殺されかけた相手をもう信用しているなんて」
「あいつを信用してるわけじゃない。あいつはもう俺に危害を
加えることだけはしない、と言ってる長門を信用してるんだ。」
「変わりませんよ……気をつけて下さい。"危害"と
見なされることをしない以外は前と同じなんですから。」
「………」
「僕が代わってもよかったんですけどね。長門さんもその方が
いいでしょうし…朝倉涼子には聞きたいこともありますし。」
「そう易々と口を割るかね。」
「さあ。」
立ち去る時に角の生えたフードをかぶった長門と目があったが…すぐに見えなくなった。
次はトリプルサンタ。やたら忙しそうなのでハルヒだけ捕まえて報告。
「まだ終わらないのか?」
「みくるちゃんが可愛いからってたくさん風船
押し付けられたのよ。って…あんた達もう終わったの?」
「ああ。ついさっき……ぬぉっ!?」
答えようとした俺の腕に朝倉が突然飛び付いてくる。
「そ。早いでしょ。あたしとキョンくんがお似合いだったのかしら?」
朝倉は上目使いで俺に微笑んだ後、ハルヒを一瞥。
「………あっそ」
まだ朝倉とは仲が悪いらしい。一方的にだが。
「先に帰ってるからな。」
「………」
朝比奈さんと鶴屋さんにも手を振ってその場を去る。
「…何の真似だ、さっきのは。」
「涼宮さんの反応が見たかったの。いまいちだったかな?」
「仕事か。」
「あら、あなたの反応も見てたのよ?あなたは予想通りってトコ。」
「…それも仕事か?」
「どっちだと思う?」
「………知るかよ」
「ふふっ…」
更衣室到着。男女に別れていてどちらも数十個の個室がある。
男の方を覗き見ると…誰もいない。
「誰もいないね。」
女の方もか。
「………私思ったんだけど…さっき涼宮さんから大した反応が
得られなかったのって、キョンくんが普段私に気が無さすぎるからだと思うの。」
「………は?」
「そうよ。きっとそうだわ。この理由ならあなたに
ちょっかい出しても大丈夫よね……ほら、いいって!」
…話が見えないがこいつは俺に何かするつもりらしい。
長門の話だとこいつはもう俺に危害を加えられないらしいが…万が一ってこともある。
五感を研ぎ澄まし、微笑んでいる敵に対して微塵の隙も許さない。
……緊迫。
「悪いようにはしないからっ♪」
満面の笑みで抱きつかれる。……ん?…しまった。動けない。
巧みな罠にまんまとしてやられた。
あっけなく捕えられてズルズルと女子更衣室に引きずられていく俺。
柔らかい腕はビクともしない。これは愛の抱擁などではなく、
どちらかといえばジーグブリーカー方面の技である。
ズルズル…ガチャッバタン。
「思い出に残ることをしなきゃね?」
「………離せっての。」
「そうね…」
チュッ
「ん゙!?」
「んふ♪」
「ん゙ん゙ーー!―――ぷはっ!」
「キスってこうするのよね?」
「て……め………何を…」
体がずり落ちる。力が…入らない。何か…飲まされたのか?…
「何をするかはしながら考えることにするわ…んっ…」
壁を背に力なく座り込む俺に合わせて朝倉もしゃがむ。
だらりと地面に伸びた俺の足をまたぐ朝倉の尻に勃起した俺の物が当たり…
「…ふふっ。イヤじゃないみたいね。」
唇で感じる朝倉の唇の感触…舌で感じる朝倉の舌の感触…
ズボンごしに伝わる朝倉の尻の感触…
その全てが俺に快楽しかもたらさない。それが恐ろしい。
この快楽を受け入れてしまったら…俺は…
「さあ…私を受け入れて。」
助けてくれ……長門……ハルヒ……
「そこまで」
「…あら…」
朝倉の動きが止まる。
「何か用?長門さん。」
>>422の続きね
いきなり何を言いやがるんだ、まったく!
「俺はたった今ここに来たんだ!どういう意味か説明しろ!」
声を荒げる、いきなり俺の前に現れ、その上邪魔だと抜かした女に質問をぶつけた
「ごめんなさい、詳しくは言えないの…、言えることはあなたがこの世界に干渉すべきでは無いってことだけ」
女はそう言った、
「干渉すべきじゃないのなら何故ここに着いたか分からない…」疑問を投げかけた、
今までこんなことが無かったせいか状況が全く把握できず少し不安になったが、次の瞬間
「大丈夫、あなたが消えればそれで済むことだから」
一瞬耳を疑ったが確かにそう聞こえた、俺はとっさに言った
「いきなりだな…抵抗すると言ったら?」
「抵抗するだけ無・駄・よ♪」
笑顔を浮かべて言いやがる、見た目そんなことする風には見えないんだけど…物騒な世界だな…
明日続きを投下したいなw
「これはちゃんと許可も取ってるのよ?」
「私が許可しない」
「ふーん…私とキョンくんが仲良くしてるのが気に入らないのかしら。」
と言ってぬいぐるみを扱うように俺を抱き寄せる。
「……あなたがまた異常動作を起こさないとは限らない。」
「あなたもでしょ。」
「私に従うべき」
…空気が凍る。
「わかったわよ…まあいいけど。目的は達成したし。
私の気持ち伝わったでしょう、キョンくん?」
帰るつもりなのかブーツを脱ぎ着替えを手に取っている。
「………何が気持ちだ。仕事だろ」
「理由をつけてキョンくんともっと親密になりたかったのよ。」
「黙れ宇宙人」
力の入らない体でうなだれたまま答える。
「そう…こんなになってるくせに。」
「…ぐ……」
赤いスカートから伸びた白い足で股間をつつく朝倉。
情けないほどに膨張したそれは突然の刺激にビクンビクンと反応する。
「続きはまた今度ね。」
「させるかよ」
「もう、恥ずかしがり屋なんだから。じゃあね。」
いつの間にか着替えを終えていた朝倉は
普段通りの笑みを浮かべてその場から去って行った。
「…いつも悪いな。」
「………続き」
「…え?」
「したい?」
<終わり>
長くならないようにしたら中身ゼロに…
朝倉が復活したらこんな感じかなぁという妄想。
にしてもサンタの格好を全然活かしてないな…
あとかぶった人スマソ
>>432 そこでキョンを け だ も の にして続きを!
>>432 いえいえ、ほんと気にしないで下さい。
俺のとは全く逆ですよw
ややバトル風味ですね…書き終って見直したら結構グロかった…orz
すまん、ID:hWQ59sY3全然わからん。
クロスかオリキャラってことだよな・・・?
水と油くらい違うから、そんなに紛らわしくもないか。
保管の人も、苦労せずに済みそう。よかったよかった。
しかし、なんで脇な朝倉でかぶるかね。確率的にw
>>438 「それもまた涼宮さんが望」
お前は黙ってろ。
すまん、古泉。
俺が悪かった、続きを頼む。
>>435>>436 一応オリキャラです、妄想が止まんなくて普段書きもしないのに
書いちゃいました…
ってわけで
>>431の続き
「女の子に手は出したくないんだよね…けど俺も消されたくは無い」
と、二つの剣を取り出す…、正直生身でも勝てるな、でも出すに越した事は無い
「大丈夫、もう気を使ってくれなくても結構よ、だって貴方は絶対に私に勝てないから」
大した自信だな君〜、俺も舐められたもんだぜ、じゃ遠慮なくいかせてもらう…
ん?ふと周りを見回すと、今までの景色が変わっていた…
「なんだ新手の魔法か何かか?この世界からは何も感じなかった筈…」
そんなことを言いつつ視線を戻すと何やら両手に剣みたいなものを持っていた…一体何処から出したんだ?
「ごめんなさい、その質問には答えられないの…それじゃあ、行くわね!」
急に正面から突撃してきた、せっかちだな…だが考える暇も無い、そして剣同士がかち合う!
勘弁してくれ…
ヴァギィイン!!
あ、あれ?押されてるの?俺は我に返った…
「グッ!じょ、冗談じゃない!俺が力負けするなんて!」
前言撤回だ!なんだこの馬鹿力!
「だから言ったでしょ、あなたは勝てないって…」
彼女がそう言った瞬間、俺は吹き飛んだ、何だ?今のは?本能のままにどうにか着地できた…
「く、何故ここまでの力が…どうなってるんだ?」
なんて娘だ…正直舐めていたが…現実は見事に裏切ってくれた…
「私もびっくり、今ので終わると思ってたんだけどな…」
俺の命はそこまで安くないっての…
「俺もただじゃ死ねないんだよな…」
間髪いれず銃を取り出す、俺にここまでやらせるとは…思ってもみなかった
「これならどうだ?あれでもそれなりに気を使ってたんだぜ?」
手段を選んだ俺が甘ちゃんだったな、銃に魔力を装填する
「あら、器用なのね、私がやり方を知りたいくらい」
俺はその強さを知りたいね…その瞬間、一気に全弾ぶち込む!
ガガガガガガガガガガッ!!
……これで終わったかな…十数発すべて命中した…確かに命中した…
正直やめるべきでは
かぁ〜〜〜〜〜!!!!ぺっ!!
hWQ59sY3, nFSmm9vtのって、そもそも何の二次創作なんだ?
朝倉に襲われたら逃げ惑うのがキョンで、戦う奴はキョンじゃない。
あれじゃね、シャミセンじゃね?
でなきゃ品川さんは面白いですよ。
450 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 17:43:10 ID:4eqgkWV4
涼宮ハルヒ=斉藤祥子
誰?
「珪素構造生(ry素子が覚醒したシャミセン」ということにしておこう
>>448 そうだな。そして動けなくなって犯さr(ry
俺はハルヒ劇場から来たキョン#512あたりかと思ってた。
>>451 450についてならマルチだな。
誰かは知らん。ハヒル役の人かと思ったが違うようだし。
SS読んでてて、キョンってこんなモテるのかと思って原作読み返した。
……キョン、フラグ立てすぎ。普段は「優しいお兄さん」みたいなポジションで、いざというとき格好良すぎ。
これじゃ、男の古泉でも惚れるよ。
……え、古泉はガチホ(ry
キョンの説教により覚醒(吹っ切れた)した長門が虚弦斥力場を自在に操り
大規模な閉鎖空間に出現した量産型朝倉ーズを圧倒的な力で殲滅するとか
今週のびっくりどっきり朝倉か
新巻年内には拝めるかな?
>>454 ハルヒ劇場は内容が《禁則事項》なんだが
京アニの力なら第1話の朝比奈ミクルの冒険並みの話になるはずだ。
二期作るにしても長門vs朝倉のような戦闘シーンのある話は
ハルヒ劇場以外ないから是非とも二期の第1話はハルヒ劇場でやってもらいたい。
じゃ
>>443の続きを…ってやっぱり分かりづらいですかね…orz
戦闘シーンが少ないから自分なりに書いてみたんですが…
キャラを自分で入れちゃったのが失敗だったかな?
暇な時に書いてた奴を修正して上げたんですけど…
ズバッと言って下さい
キョン妹にスマタでもさせようかなぁ
ハルヒでもいけるな
>>456 関係ないけどメタルクウラを思い出したw
長門が部室で本読みながら足コキ…
これだっ!
>>460 はっきり言おう。わけがわからん。
まず登場人物が誰だかはっきりさせなかった時点でダメ。
はっきりさせないまま進めて後でバラして『おぉっ』って思わせようという魂胆なら、
そもそもそういう趣向はある程度以上の文章力がなかったらミリだからあきらめるべき。
466 :
小ネタ:2006/10/18(水) 22:11:58 ID:qx5z5C/4
「…」
「…」
今このSOS団部室こと文芸部室には2人の人間……いや、1人の人間と1人の対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスしかいない。
もちろん人間の方は俺、キョンのことであり、対有機以下略の方は長門有希のことだ。
そう、長門有希のはずなんだが……。
「…」
テーブルから少し離れた位置で本を読む姿は変わらない。いや、いつもと違うことが1つだけある。
長門の髪型だ。
ハルヒとさほど変わらない長さの髪を無理やり両側でしばっている。
長門よ、それはツインテールなのか? いつぞやのハルヒのちょんまげポニーテールの影響でも受けたのか? というより、何故突然髪型を変えたんだ?
「なあ、長門……」
「…」
俺がどうやって髪型の事について聞こうかと迷っていると、長門は突然読んでいた本を閉じて立ち上がり、お茶を入れ始めた。
本の表紙には何やら「つよきす」と題名らしきものが書いてあったが、俺は知らないタイトルだった。まあ、長門が俺の知っている本を読んでいた事なんて一度もないんだが。
そうして俺が本に気を取られていたうちに長門はお茶を入れ終わり、俺の目の前まで持ってくると、ゴトリとやや乱暴に俺の前にそのお茶を置いた。そして
「さっさと飲んで」
と言い放った。
何だ? 俺は何か知らぬ間に長門を怒らせるようなことをしたのだろうか?
もしかしてあれか? 実はちょっと自信があったその髪型を俺が褒めなかったのが気に食わなかったのか?
「早く」
「お、おう」
とにかく今は考えても仕方なかったので、長門の言うとおり出されたお茶を飲む事にした。
お茶は毒やら何やらが入っているわけでもなく、少し熱いぐらいで普通においしかった。
「…」
お茶を飲み干した俺を無言で見つめる長門。
「う、うまかったよ。サンキュー……」
とりあえずお茶の礼をする俺。
「……」
その言葉を聞いた瞬間、長門はやや早足で自分の定位置に戻る。
そして再び本を開き、全く表情を変えず視線は本にやったまま一言。
「べ、別にあなたのために入れたわけじゃない」
……意味わかんねぇよ。
>>465 分かりました、今の俺の力量では無理だと言う事で…
でもこれを機に文章を書く事を勉強してみようと思いました、
感想をハッキリ言って下さってありがとうございます。
またいつか、投稿しようと思います。
>>460 ここに過去に投下されたSSを見てみるのもいいんじゃないか?うまく言えないけど色々参考になるぞ。
かつて俺もそうしたしな。
>>468 アドバイスありがとうございます
それじゃあ色々参考にさせてもらいますねw
「思念体の間であなたの強化案が練られた」
「は?」
「そして二つにまとまった。後はあなたの意志を優先したい。」
「いや…まず強化するかどうかから選ばせて欲しいんだが・・」
「まずこれが1つ目。読んで。」
「なになに…『バルバルバルバル!!危険なニオイをふりまいて
「KYON」がやってくる!そいつに触れることは死を意味する…これが!キョンだ!』」
「どう?」
「……」
「2つ目。」
「……えーと、『筋肉はゴリラ!牙は狼!燃える瞳は原始の炎!
二メートル二十の全身に闘争のエネルギーが満ちていた…それがキョン!バイオレンスキョン!』」
「素敵。」
「……」
「……よし決めた。」
「どっち?」
「悪魔超人になる」
「ユニーク」
バイオレンスジャックとキン肉マンともう一個はなんだ?
ルール無用の残虐ファイトを繰り広げるのですか
そうそう。手元にあったのがそれだったから
野菜を載せた車が曲がり角でおとしたものは?
「運転制御モジュールですかぁ?」
「ドライバーの命」
「スピード、でしょうか」
キリンを冷蔵庫に入れる3つの手順は?
「扉を開ける、キリンを入れる、扉を閉める、で3手ですね」
「えー? 冷蔵庫をキリンに向ける、ボタンを押すの2回ですよ? あ、冷蔵庫のフォーマットですか?」
「冷蔵庫の情報連結解除。後にキリンに合わせて再連結。2手」
水を一瞬で氷にする方法は?
「小宇宙を高めて原子を止める」
「冷凍庫に入れれば一瞬ですよ。……あっ! この時代の冷凍庫はまだ箱型なんでしたっけ!?」
「『水』という字に点を打つ、ですね」
生まれて初めて古泉と解り合えると思った瞬間だった。
氷の聖闘士が紛れ込んでいますね
>「ドライバーの命」
ちょwwww
479 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 09:20:16 ID:7UJ8LZ0L
>>476 シリーズ化してくれ
最近、朝比奈さんが高次AI積んだロボットになんじゃないかと新説。
ミスった。
長門と比べると明らかに高次だな。
ヒューマノイドインターフェイス的には。
「つまり、人並みなんだよ!こいつの頭は!」
「よく出来てるなぁ」
こうですか、わかりません
>482
制作者は成原なりゆきかよwww
高次AI?
悪魔回路を搭載したミクルは執拗な追跡でユキを追い詰める。
だが古泉博士の血液が無くなったと意味深な言葉を残し去って行ったミクル。
ユキの良心回路は朝倉を倒した事を深く苦悩していた。
その時プロフェッサーハルヒの魔笛がユキを襲う。
次回
「古泉博士と悪魔の音色!?」
頑張れユキ!
負けるなユキ!
戦え、僕らの長門ユキ!
>>484 そのころキョンは全国めぐってバイト三昧ですか?
>484
電流火花が体を走りますた
暫く見ないうちにえらい方向転換したなこのスレ…w
五日間くらい保管庫に更新されなくてがっくり
「分岐点」
『宇宙人の精神構造など地球人とかけ離れた異質のものである。だから推測しても無駄だ』
以前読んだSF小説にこんな一文があったな。ということは、今俺を押し倒してマウントポジションをとっているこの女性の考えてることをあれこれ推測するのは無駄か。だったら
なんとかこの状況から抜け出たいのだが、例のごとく体が動かない。さてどうしたものか。
「大丈夫。すぐ済みますよ。私に任せて。」
相変わらず優しい笑顔だが、すぐ済みますよってまるで俺が早漏みたいじゃないか。それに、女性主導ってのはハルヒだけで充分なんですよ。俺はそんなニュアンスの言葉を、俺の
体の上で服を脱ぎだしている上級生、喜緑江美里さんに発した。
「うふふ。やっぱりあなたと涼宮ハルヒは密接な関係にあるのですね。」
誤解を招く言い方はよしてくれ。俺はハルヒの保護者でもなんでもないんだ。
「さあてどうでしょうか・・・?」
年上の宇宙人製アンドロイドの手が、俺の制服に伸びてきた。
さてなぜ今俺はこんな状況なのか?それはほんの30分ほど前にさかのぼる。放課後、掃除当番のハルヒより早く、俺は文芸部室へと歩を進めていた。そのとき、喜緑さんに呼び止められた。
彼女は俺に用があるからついて来てほしいと言った。しかし俺は、喜緑さんが長門のお仲間であることを古泉から聞いていたし、なにより朝倉の一件もあるので返事に戸惑っていた。はっきり
いって信頼できるアンドロイドなんて長門だけだからな。すると喜緑さんは俺に近づいてきた。いつぞやのクラリとするいい香りがその柔らかい髪からただようと俺はまるで夢遊病者のように
彼女の後をついて行ってしまったのだ。
連れてこられたのは近くの誰もいない教室。中に入ると、朝倉のときのようにドアも窓もなくなってネズミ色一色の無機質な壁になっていた。かつての思い出したくもない光景が頭の中を
よぎったが、喜緑さんはある意味それと匹敵するようなことを言い出した。
「私と性交して下さい。」
はあ?
「このところ、涼宮ハルヒの精神状態は非常に安定しています。・・・まあ、あなたにしてみればそれにこしたことはないかもしれませんが、情報統合思念体としては色々とサンプルが欲しいのです。」
スラーによって結ばれた音符のようになめらかにしゃべっているが、勝手なこと言ってることに変わりはない。
「なので私とあなたが性的関係になった時の涼宮ハルヒの出方を見ます。」
それでなんで性交、セックスになるんだ。
「そうですか。それで、俺に拒否権はあるんですか?」
そのとたん、俺の体から自由が奪われた。拒否権はないようだ。そしてあとはされるがまま、押し倒されたってわけだ。
そして冒頭に戻る。
どうやら口の自由はあるので、俺は喜緑さんとコンタクトをとることにした。ここまできても意外と冷静なのは、今までのトンチキな事件の賜物かな。
「あなたは俺なんかとセックスしても平気なんですか?」
一瞬彼女はキョトンとした。
「私には有機生命体の性交の概念がよく理解できませんが。」
似たようなことを朝倉から言われたような気がする。やっぱり宇宙人の考えてることなんて考えるだけ無駄か。
喜緑さんが俺の上着のボタンに手をかけようとしたそのとき。
ピシピシ・・・
ゆっくりと、教室の壁だったところが卵の殻にひびが入るように割れだした。人一人は入れるぐらいの裂け目から、今度はよく見知ったアンドロイドが現れた。
「長門さん?」
俺より先に、喜緑さんが声を発した。
「・・・何をしている。」
長門は肩で息をしている。そんなにこの壁を破るのに手間取ったのか。
「・・・?今回のことは、あなたの操り主も同意していることですよ。」
「・・・私は何も聞いていない。」
どうやら長門と喜緑さんとの間で情報の相違があるようだ。古泉のやつも情報統合思念体にはいくつかの流派があると言ってたな。やはり二人の親玉は別流派か。しかし、同意しているといったが・・・。
「おかしいですね。なぜあなたに・・・、ああ、」
喜緑さんはそこまで言うとおもむろに立ち上がり、服ははだけたまま、長門と正対した。
「あなたがバグ持ちのインターフェースだからね。」
「・・・っ」
さっきまでやさしい笑顔だった喜緑さんが長門を見下すような口調になった。一瞬長門が下唇をかんだように見えたのは気のせいではないはずだ。なんてことだ、あの件以降、長門はほかの仲間から格下扱い
されてるんだ。
「バグ持ちのインターフェースの所へなんて、大事な情報がとどくわけないですものね・・・。」
「長門を侮辱するなあっ!!」
俺は声を振り絞って叫んだ。二人のインターフェースが目を丸くしている。
「長門を侮辱したら俺がゆるさんっ!ハルヒのやつをたきつけて、情報ナントカ体ってのがいない世界にしてやるっ!」
思いつく限りの情報思念体が不利になるようなことを叫んだ。さっきまで俺を犯そうとしていたインターフェースは、はだけた服を元に戻しながら
「ここはひとまず撤退としましょう。コトはもう少しスムーズに行うのが私の流儀です。」
くそったれ。
「それでは、またいずれ。」
喜緑さんがいなくなると体が動くようになり、教室は元通りになった。夕日で室内が赤い。しかし長門の顔は暗く見えた。
「・・・ごめんなさい。」
しぼりだすように小さな声で長門が言った。
「なぜ謝るんだ。」
なぜ、そんなに劣等感にさい悩んだ顔してるんだ。いつものおまえは、無表情に状況を説明するだけだろ。
「私の過去の不始末のせいで、今回の情報が私に送られてこなかった。」
「けれどおまえは、こうして助けに来てくれたじゃないか。」
長門の自責の言葉を、俺は即座に否定する。
「・・・でも、・・・でも、これから今回のようなことをすべて知らされる保証はない。」
「だったら!」
俺は長門を引き寄せ、思いっきり抱きしめた。
「いつも一緒にいよう。学校へ行くときも、帰りも、お昼も、一緒にいよう。SOS団の活動がない日はデートなんかするのもいいな。こうすれば、俺に何があったって大丈夫だ。」
俺の胸に顔をうずめている長門の両手も、俺を抱きしめてきた。
「喜緑さんみたいなイヤミなやつがいたら、おれが守ってやる。・・・そうだな、悪口攻撃くらいならできるぞ。」
「・・・ユニーク。」
長門は顔をうずめたまま答えた。きっと顔は笑っているはずだ。
俺は決心して長門に言った。
「長門。お前を抱いてもいいか?
長門は顔を上げ、俺を見た。
「さっき喜緑さんが『またいずれ』って言ったよな?それってつまりいつかまた俺が犯されそうになるってことだろ?」
長門は黙って聞いている。
「俺は、万が一にも長門以外のインターフェースとセックスなんかしたくない。おまけに情報ナントカ体のためになんてごめんだ。俺は長門、おまえとセックスしたいんだ。」
長門は少し黙っていたが、
「私という個体も、あなたが他のインターフェースと性交することを望んでいない。」
俺は長門にキスをした。
「・・・なあ長門。」
「・・・なに?」
「こんなこというのもアレだが、誰かに邪魔されたくないから、教室の壁を、ほら、さっきみたいにできないか?」
「・・・もうしてある。」
すでにドアも窓もなく、ただのネズミ色一色の壁になっていた。
「・・・長門、やる気満々だな。」
「・・・いじわる。」
少し拗ねたように答えた長門は、とてもかわいかった。長門の上着を脱がし、ブラをはずすと、小ぶりの形のいい乳房が露出した。
「・・・私の、ちいさい?」
ちいさいけど、形はいいぞ。俺は別に大きい小さいは気にしないから。
「・・・そう。」
気にするのは、感度だ。
「ひゃっ、んああっ!」
俺は乳首をつまんだ。突然のことで長門が声を上げる。長門、かわいい。
「・・・仕返し」
長門はそういうと俺の股間をまさぐりだした。
「おふっ!」
やや乱暴に俺のペニスや睾丸を布の上からグリグリしてきたので、俺も声を出してしまった。
「長門・・・直接、俺のムスコに触れてくれっ!」
俺は立ち上がってズボンを脱ぎパンツも脱いでペニスを長門の前に出した。すっかり大きくなっている。長門もすでに裸だ。
「・・・立派。」
ありがとよ長門。これもおまえのおかげだ。長門はおもむろに俺のペニスを両手でつかむと、上下にしごきだした。
「・・・気持ちいい?」
長門が上目遣いで聞いてくる。
「ああ・・・しゃぶってくれたらもっと気持ちいいぞっ。」
ぱくっ。長門が俺のペニスをくわえた。
じゅるっ、じゅるっ・・・
最初ぎこちなく、そしてゆっくりと、長門のフェラが始まった。長門の口は小さい。両頬の内側の粘膜の感触まで伝わってくる。
ぶふぅっ、ぐぼっ・・・
喉の奥までペニスを突っ込むものだから、少し苦しそうだ。けれど長門はフェラをやめない。俺はすでに意識が飛びそうだ。
「なっ、長門。今度は俺がお前を気持ちよくする番だ。」
俺はひざまづいて長門の両足を開いた。きれいなアソコがヒクヒクいってすでに濡れている。
「・・・私を名前で呼称して。」
長門のアソコに見とれている俺にその持ち主が顔を赤くして頼んできた。
「分かった。・・・有希。」
俺は有希のアソコに指を入れた。ピクンと有希が反応する。これもまた狭い。充分ほぐさないと俺のペニスが入らないな。俺は有希のアソコを貪るように舐めつくすことにした。
「うっ、ううんっ、ああっ、ああっ」
じゅじゅじゅっ、くちゅくちゅ、ぶぷっ!
我ながらすごい音だ。インターフェースからこんなに愛液が出るとは。
「そんな・・・そんな舐めたら・・・っ」
「有希のならいくらでも舐めれる。おいしいぞっ!」
指を入れてみる。今度は二本入った。まだきついかもしれないが、俺もムスコも限界だ。
「有希・・・いいよな。」
俺は有希の瞳を見つめた。
「・・・きて。」
「いれる・・・ぞっ!」
俺は有希の入り口にペニスの先端を当て、そのまま押し込んだ。やっぱりまだ狭かったがぬぬぬぬぬっと俺を受け入れてくれた。
「は・・・あ・・・あ・・・」
有希が俺の体にしがみつき、小刻みに震えている。
「動・・・く・・・ぞっ」
ゆっくりと腰を動かしだした。俺と有希の結合部は動くたびぬちょっ、ぬちょっ、といやらしい音を出す。
「有希、痛くないか?」
「大・・・丈・・・夫っ。あっ、続けってっ・・・」
有希の膣は温かくて、適度に俺を締め付け、ざらざらした膣壁は柔らかい快感を俺に与える。女性の膣はこんなにも気持ちいいのか・・・。そうだ、有希は宇宙人の端末なんかじゃない。俺と同じ人を好きになる
感情を持つ人間だ。少なくとも俺はそう信じる。
「ひゃあっ、はっ、はげしっいっ・・・!」
俺が腰のスピードを上げると、有希の感じる声も激しくなってきた。
「あんっ、あっ、すごっ・・・!」
びたんっ、びたっ、ぱんっ・・・
お互いの肉のぶつかり合う音が教室に響く。
「有希っ、もうでそうだ・・・っ!」
「あっ!きてっ、膣に出して・・・っ!」
有希の膣壁が俺をぎゅうっと締め付けた。それに応えるように俺の精液が有希の膣内へと飛び出した。
びゅびゅびゅ〜っ、どくどくっ、どくんっ
俺のペニスから、波のように精液があふれ出す。
「ああ・・・でてる・・・すごい量・・・」
有希も俺の精液を感じ取ってくれている。有希の膣壁はまだ俺から搾り取ろうとするかのように締め付けをやめない。
「有希。俺、まだ有希とつながっていたい。このままでいいか?」
俺は有希を全身で感じとめて痛かった。
「・・・どうぞ。」
「有希、俺の体、あたたかいか?」
「・・・あたたかい。」
「これが有機生命体、人間のぬくもりってやつだ。有希にもそれがある。だから有希は単なる端末なんかじゃない。俺と同じ人間だ。おまえはここにいる。だから、一緒にいような。」
俺は有希とつながったまま話した。
「万が一、涼宮ハルヒに見つかったら?」
そこでハルヒか。
「別に何も起こりゃしないさ。俺たちが真剣だったら、ハルヒのやつも分かってくれるだろ。有希の親玉どもの思い通りにはならんさ。」
有希は間違いなく微笑んだ。そして
「・・・ありがとう。」
と答えた。
終わり
キョンが怒鳴ったあたりから流し読みをはじめてしまったぜ!
ドライバーの命、は朝倉さんが言いそうな物騒さもあるね。長門っぽいドライな答えでもあるし。
喜緑さんに恨みでもあるのか
何だか久し振りのエロ分の気が。
読んでて引っ掛かった部分もあるけどエロさはあったよー。
489〜492を書いたものです
以前「涼宮ハルヒの新境地」を書いて今度こそ男×女モノを書こうとがんばりましたが・・・
もっと精進します。
結局喜緑さんが考えていた通りになったわけね
青鬼じゃあ青鬼の仕業じゃあ!
>俺たちが真剣だったら、ハルヒのやつも分かってくれるだろ。
だが、ちょっと待って欲しい。
つ三点リーダ
長門が多用するのはまあアリだが、その分キョンの方は気をつけないとバランスが。
ちょっと大杉。あと「……」で
前置きなしで怒鳴りちらすキョンがどうとかはまあ置いておく
「貴方の秘蔵DVD及び書物は処分させて頂きました」
「……ふざけんなよ」
「なんですか?聞こえませんね」
「ふざけんな!俺が3年もかけて集めたブツを処分しただと!?返せ!俺の青春を返せ!」
「……無様」
「長門!?お前までそんなこと言うのかよ!?男にとって一大事なんだぞ!この持て余した熱いエナジーをどこに発散すればいいんだよ!鬼だ!お前等女は鬼だ!」
「…………」
「……うう、ひっく、なんでだよ…助けて古泉……」
のちのマッガーレキョンの誕生である。
まあ、今回ばっかりはおまえのせいだと思うぜ。古泉。
だってあんな…森さんがお前に調教されてるビデオを
団員全員が見ちゃったんだからな。しかもスクリーンで。
お陰で閉鎖空間が半端無いスピードで増えてるらしいじゃねぇかよ。
え?どんな内容だったかって?
それはだ(続きは省略されました。リクがあればこのまま続きます。森さん主観で。)
506 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 00:18:41 ID:Z3Zab9/l
●<ええ、続けるべきでしょうね。
●<マッガーレ
508 :
ある“会話”:2006/10/20(金) 01:08:42 ID:T7jEtVcy
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……わかった、引き受けよう」
「……よろしく」
>>479 まさかそんな意見が出るとは。でもシリーズは流石にキツイなぁ。
あくまで小ネタだし、とりあえず今日思いついた分で打ち止めって事で。
東京タワーより高くジャンプする方法は?
「情報制御空間下なら可能」
「333mですかぁ……でしたら重力制御ドライバがあれば飛べると思います」
「その場で普通にジャンプするだけです。東京タワーはジャンプしませんから」
机の上にマッチ棒が三本ある。一本くわえて机の上のマッチ棒を二本にするにはどうすればいいか?
「すいませんキョンくん、マッチ棒って何ですかぁ?」
「一本を情報連結解除し、その解除した情報を残った二本に加える」
「マッチ棒を一本口に咥える、ですね。机の上に残ったマッチ棒は二本です」
お父さんが好まない食べ物とは?
「X97M.Papa 通称パパ。1999年この惑星で猛威を振るったウィルス」
「パパイヤですね」
「……? 何でパパがお父さんって意味になるんですか……あ、英語っ! そういえばそんな言語もありましたね」
ピザと十回言ってください。
「「「ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」」」
ではここは?
「肘です」
「えっと、これはエルボー! って鶴屋さんが教えてくれました。何でも尖ってる部分は反則らしいですよ」
「空間座標DDX-252.13−1687.5xx2」
虹が出るのはいつ?
「ダメですよ、キョンくん。未来の事は禁則事項です」
「……作る?」
「二時、です」
アルファがベータをカッパらったらイプシロンした。何故だろうか?
「ぷっ、きゃはははははっ! キ、キョンくんったら面白すぎですよぅ!」
「ユニーク」
「……申し訳ありません。僕にも笑い所を教えていただけたら幸いなのですが」
安心しろ、俺にもわからん。何せ猫型ロボットが出してた『未来の面白クイズ』だしな。
某ネコ型ロボット吹いたw
512 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 04:23:02 ID:Z3Zab9/l
夜ってもんは普通この位人が居ないもんなんだよな
今は朝のような気がするけどな
みくるのいる未来と猫型ロボットのいる未来と、どっちが先に来るんだろう?
後者かな。
シグルイ新巻発売だし、シグルイで小ネタ
未来人のドジっ娘美少女のコスプレは萌えることが出来るのか?
宇宙人の無口キャラ美少女の無垢な瞳は保護欲を掻き立てることが出来るのか?
出来る。
出来るのだ。
見よ。異形と化すまでに作り上げられた巨乳。
見よ。万力の如く、思い人の袖を締め付ける小さな指先。
そこから放たれる萌えの一閃を知る者は、日常の場にて年内の新巻発売を見守る無数の読者。
正ヒロイン、涼宮ハルヒが心の平衡を失ったのはいつの頃からであろう。
神妙であるはずのツンデレの動きを制御できぬと自覚した時からではなかったか。
ハルヒ「キョ、キョン〜」
古泉「ぬふぅ」
オマイら、おはよう!(´・ω・)ノシ
エロ無し長編にチャレンジしてたのに、プロローグの後の第一章がそれだけで十分短編チックになっちまいますた(´・ω・`)にょろーん
せっかくなので、一回投下してみて皆さんの意見を浴びてみたいと思いまっふ!ストレートなご意見、是非ともお聞かせください。
あ、それと管理人さんへ。今回のSSは登録しないでください。
我が侭なお願いで申し訳ないですが、どうかよろしくお願いします!!(`・ω・´)にょろっ
真っ白な空間。壁も天井も、見渡す限り何も存在しない場所。
そこに病人が眠るような白いベッドが一つ。人影が二つ。
横たわる一人の男性と、寄り添う一人の女性。
男性はまったく起きそうにない。ぐっすりと、まるで死んだように眠っている。傷ひとつ無
い血色のいい顔。絶えず聞こえてくる寝息。ただ、目を覚まさないだけ。眠っているだけ。
ただ静かに、死んだように眠っているだけ。
それなのに……何故だろう。彼の閉じられた瞼を見ていると、妙な焦燥感に襲われるんだ。
何かが消えていってしまうような、嫌な、気分。
女性は、泣き腫らして真っ赤になった眼を閉じてベッドに寄りかかり、ほんの少しの間だけ、
眠りについている。彼女がどれだけ彼を心配しているのか、僕は知っている。
だからかな。時折聞こえてくる彼女の寝言が、僕の胸を強く、強く締め付けるんだ。
聞き覚えのある声が聞こえた。彼知らず、ついと零れ落ちたような、本音の言葉。
……誰の、声だっただろう?
どれくらいそうやっていたのかな。
やがて、その二人が僕の大切な友達である事に気が付いて、ああ僕は今、去年見た光景を夢
で曖昧に思い出して再現させているんだなあと唐突に理解した。
夢を見ている事を自覚しながら見る夢、そういうのを明晰夢っていうんだっけ。この状態に
なった人はその時に見ている夢を自分の思い通りにコントロールできちゃうんだとか。誰が言
い出したのかは知らないけどね。
その話が本当なら、いや例え嘘だったとしても、僕に夢を操る力が無かったとしても、だよ。
彼と彼女をあのまま眠らせたまま、僕一人だけ目を覚してしまうなんて真似、できると思う?
このまま僕がバッドエンドの夢を見続けるなんて事、あると思う?
彼女を泣かせたままだなんて―――「寝覚めが悪いったらありゃしねえ」んだったよね。
だからさ、いい加減目を覚ましなよ、キョン。
『タイトルコール……は内緒』
1月24日 月曜日。
曇ってるんだか晴れてるんだかよくわかんない藍色の空とは対照的にとっても晴れやかな気
分で朝を迎えた僕は、北高生の皆がハイキングコースと呼んで嫌っている長い登り坂を、軽快
なステップで、鼻歌さえも交えながらユカイに登っていたんだ。
そよぐ枯れ枝の寒々しさは、どんなに屈強な熊でもこの時節に冬眠せざるを得ない理由を体
現させている。だのに、今の僕はこの冬風を丁度良い目覚まし代わり程度にしか感じなかった。
これだけ寝覚めが良かった朝は久しぶりだなあ。よっぽど夢見が良かったんだろうね。
あれ?でも一体どんな夢を見たんだっけ。……あんまり思い出せないなあ。
まあ、フロイト先生が夢判断をしてくれれば「今日は吉日です。誰かに告白されるでしょう」
なんて言われちゃうくらいに縁起の良い夢だったに違いないね。
……なに谷口みたいな馬鹿な事を考えているのやら。
そうそう、縁起が良いといえば昨日は面白いものを見せてもらったよ。勉強道具とかの買出
しに出掛けただけだったのに、たまたまあの一団に巡り合うなんてさ。
実はそれが今朝見た夢に関係していたり、なんてね。
今日はその時の話でもして二人をからかってあげようかなあ、なんてますます学校に行くの
を楽しみにしながら霞みがかって如何にも眠たそうな空を見上げていると、
「よう、国木田。妙にご機嫌だな」
そう言って僕の肩に手を置いてきたのは、人体に有害な紫外線をこれでもかと浴びせかかる
真夏の太陽みたいな阿呆面をしたクラスメイト、谷口だった。
今年に入ってから徐々に元気を無くし始めていたみたいだったけれど、今日は鬱陶しいぐら
いご機嫌のようだね。これはこれで迷惑なんだけど、まあ少しは祝ってあげる事にしよう。
何だかんだで、去年一番仲良しになれた友達なんだしさ。
「おはよう谷口。今日は寝覚めが良くってさ」
「へえ、そうかよ」といつも通り大して感嘆の無い声を上げる、いつも通りじゃない谷口。
「谷口こそ今日はやけに早いね。いつもなら遅刻ぎりぎりの時間に登校して来るのにさ」
「お袋が風邪引いちまってな。昼飯の買出ししなくちゃならなかったんだ」
そう言って片手のコンビニ袋を持ち上げた。半透明のビニール袋にはサンドイッチと弁当箱、
それに雑誌のようなものが透けて見えている。
そうやって僕が袋の中身をひたすら物色していると、何かもっと上手い言い訳をしたほうが
良い気でもしてきたのだろうか。どこを見上げるでも無くキョロキョロしだして、色んな事を
自分で勝手に呟き始めたんだ。
「毎日毎日同じ味の家の飯にもいい加減飽きてたところだし、ちょうど良かったぜ」だとか、
「お袋が自分で作るだとか鬱陶しい事をほざいていたが、そんな余計な真似をされて風邪こじ
らされた方が面倒だ。咳で出た風邪菌を俺に食わせる気かあのクソババア」なんていう暴言や、
「俺は腹さえ満腹になりゃ手作りだろうがホカ弁だろうがなんでも構わねえしな」なんていう、
まあようするにお母さんに関する愚痴ばっかりをね。
如何にも迷惑そうな面で喋り続ける谷口。そのあまりの滑稽さについ笑ってしまいそうにな
るのを堪えて、僕は諭すような口調を意識して谷口に突っ込みを入れた。
「でもさあ谷口、それだけじゃこんなに早い時間に家を出る理由にならないよね」
「何がだ。言いたい事があるならハッキリ言え」
「別に」
何でもないさ、谷口くん。
学校には購買部なんていう便利な施設が用意されているのに、何故わざわざこんな早い時間
に家を飛び出したのか。誰に余計な心配をかけたくなかったがゆえの行動だったのか、なんて
いうのは聞くまでも無い事だからね。
「……オイ、なんだその誰にも内緒で夜なべして手袋を編んでた近所の悪餓鬼に向けるような
嫌に生温かい目線は。薄気味悪いから止めろ」
「ひっどいなあ。お母さんにもそんな言い草なのかい?」
「なんでそこでお袋が出てくんだ、アホ。――それよりもだ」
そう言って話題を変えようとする反抗期の馬鹿、谷口。
今度谷口の家に行ったら、僕から息子さんはお母さん思いで優しい奴だと教えてあげる事に
しよう。
「で、それがどうかしたの?」
ジャジャーン!というもの凄く古典的な掛け声と共に谷口がコンビニ袋から取り出したのは、
年頃の女性やファッションに敏感な男子生徒が愛読していそうな(あまり谷口には似合わない)
流行の最先端をゆくティーンズ雑誌だった。
健全な男子高校生ならここで見出しの女優に歓声を上げるべきなのかもしれないんだけれど、
どうやらここ一年で僕の目は随分と肥えてしまっていたらしい。
いや、綺麗なのは綺麗なんだけど、やっぱり間近でそれよりも綺麗な彼女達の姿を見てしま
っていると、どうしてもさあ。
「おい国木田、お前どこ見てやがんだ? ここだ、ここ」
ほんのちょっぴり上の空だった僕に雑誌を近づける事で注意を促した谷口は、隅っこの文面
に指を押し当てている。
「バレンタインデー特集?」
僕が思わずそのまま読み上げると、谷口は人差し指を大きく前に突き出してこう叫んだ。
「そう!三週間後の2月14日、男の人生の幸せが具現化されたあの日がやって来るんだ!!」
唾が汚いっ、あとうるさいよ。
気を取り直して、もう一度復唱してみよう。バレンタインデー。
2月の行事ごとの中でも、節分の日や建国記念日を忘れてもこの日を忘れる高校生はまずい
ないだろうってくらい思春期時代の僕たちのハートをガッチリと掴んでやまない祝日の事だね。
まだ一月なのにもう二月の話題だなんてちょっと気が早いんじゃないんだろうかとも思うん
だけど、昨日行った隣町のデパートでも有名な御菓子店の予約受付とか始めてたみたいだし、
何事も遅すぎるってのは無いのかもしれない。
でもさ谷口、そんなに鼻息を荒くしてちょっと大袈裟過ぎないかい?
「随分と大仰だなぁ」
「何言ってやがる!バレンタインデーってのはだなあ!」と興奮しまくりの谷口。
ここからまた馬鹿の一人語りが始まるんだけど、それは割愛しておこう。
だぁから汚いって。
さて、ここでひとつ再確認しておかなければいけないことがある。
なぜ谷口は三週間前のバレンタインデーをこんなにも楽しみにしているんだろうって事だ。
確かに去年までの谷口もその手のカップルイベントに対してかなり敏感だった。でも今回は
何かが違う。こんな風にイベントそのものを楽しみになんかしていなかった。既に一緒に過ご
す相手が決まっているナンパの成功した幸せ者の楽しみ方をしてはいなかったんだ。
……いや、違う。一度だけあった。
去年の12月24日、メリー・クリスマス。
「ついにこの俺にも、バレンタインを女と一緒に迎える日が来るとはなあ!!」
そう、谷口には彼女がいた。
……驚天動地だね。
「彼女いない歴十余年……。街中を歩くカップルに恨み辛み妬み嫉みを吐き続け、それでも憧
れ続けることしか出来なかったほろ苦い中学時代!だが、そんな口惜しさも去年までの話だ!!
この甘い」なんて色々言い出したけどこれも割愛しよう。ご近所迷惑だから静かにね、谷口。
さて、こんな馬鹿に彼女が出来たのはクリスマスの二週間くらい前だったかな。
お相手は光陽園学院の女子生徒。それまで谷口の周囲では全く噂を聞かなかった女性だ。
友人に舞い降りた友人にとって最も幸福だと言える出来事。僕としても素直に祝福してあげ
たいところなんだけど、実はそうもいかない。
なぜなら、彼女はとある懸案事項を生んでいる人物だったからだ。
蜜がどうとか黒い爆弾だとか訳分かんないポエムをばら撒き続ける谷口。そんな三流詩人の
精神に致命傷を与えかねない質問であることを承知の上で、僕は心を鬼にして谷口に訊ねた。
「ねえ谷口、喜んでるところ悪いんだけどさ。……あれから彼女とは連絡とれたの?」
途端に、谷口の覇気が消えた。
「……いいや、まだだ」
「連絡途絶えたのがもう三週間も前のことだったよね?」
「……そうだよ」
「お正月のデート、ドタキャンされて以来ずっとまともに付き合ってないんだよね?」
「……ああ」
「何のやり取りも、無いんだよね」
「……」
「ねえ、谷口」
「っうるせえ!!それ以上言うなあぁぁ……」
そんな捨て台詞を吐いて、谷口は目を腕で覆いながら走り出してしまった。
……悪い事したな。ごめん。
賑やかなはずの太陽を覆う忌々しい曇りガラスの空を見上げながら、白い息をひとつ。
ようやく外の寒さを実感して、防寒効果を上げるために首に巻きつけた白マフラーの位置を
調節する。そういえば、谷口はこの寒空の下なのに、マフラーを着けていなかったなあ。
馴れ初めの時点で、怪しすぎる女性だった。
それがあまりにも不可解だった僕は谷口に何回か苦言を呈したこともあったんだけど、当時
の谷口はそれらを全て跳ね除けてしまうくらいに浮かれていた。
そりゃあもう、口出しするのが馬鹿馬鹿しくなるくらいにね。
おまけに僕自身も、ある時を境に谷口の恋愛を純粋に応援してあげようって気分にもなれた
から、これで谷口の恋路に余計な障害が生まれることは無くなった……はずなんだけど、
結果はさっきの応答の通り。
おかげで、谷口は今年に入ってから落ち込む一方だった。
ああ、それでもキョンや涼宮さんの前では無駄に強がって見せてるんだけどね。
現にキョンへ伝えられている偽情報では、谷口は昨日デートに行っていることになっている。
実際どこでどうしていたかは、僕も知らないんだ。一人でゲーセンにでも行ってたのかな?
……あまりに寂しくて、同情を禁じ得ない回想はここまでにしとこう。
そんな訳で谷口はここしばらくずっと塞ぎがちだったんだけれど、今朝の笑顔は去年と同じ、
本当の馬鹿面だった気がする。原因は、うーん……やっぱりバレンタインデーかな?
彼女がプレゼントを送り届けてくれるはずだと信じているのだろうか。でも、僕の質問に対
するあの反応は、薄々無理だと感じているような気もするけど。
でも、今度こそは信じきってみたいんだろうね。きっと。
今日は丸一日曇り空なのだろうか。テルテル坊主の作り方を思い出しながら坂道を登りきり、
北高の校門に辿り着くと、睨むような目つきで谷口が踏ん反りがえって僕の到着を待っていた。
上りかけの朝日が谷口の背にかかり、尊厳に満ちているようならしくない友達が僕の目に映る。
その仁王立ちの様は、まるで涼宮さんを見ているようだったんだ。
「いいか国木田!俺は振られてなんかいねえぞ!あの女はな、バレンタインデーに突然俺の前
に現れて俺を驚かそうとしてるんだよ!!奴はそういう女だ!そうなんだよ!!」
言ってる事は子供の駄々ごね以下だったんだけどね。
以上です!正直途中ですまんかつた。
42文字での改行を意識してみましたが、結果見辛い場合は是非とも教えてください。
さあ、続きをガンガって書くにょろ!(`・ω・´)ノシ どうかアドヴァイスよろしくお願いします!
とりあえずにょろにょろうるさい
かまってちゃんオーラのせいで読後感が台なし。
SS自体は面白くなりそうだから尚更惜しい。
>>523-524皆に質問する上でなまじ偉そうにするよりは、と勘違いしてしまいました。真に申し訳無い。
とりあえず読後感は完成まで取って置いてください。当然、本番では無言で投下するつもりです。
SS自体は面白くなりそうと言ってくださったのが正直に有難いです。
(勿論、文章が下手、比喩が足りない、変、糞だっていうSS自体の批判もありましたら甘んじて受け止め、精進するように努力します)
ただ、あまりにプロットの段階が長かったので疑心暗鬼になってしまい他者からの意見が聞きたかった、それだけです。以上、スレ汚しの長文失礼しましたっ
面白そう。続き待ってる。
鶴屋さん好きそうだから鶴屋さんもの待ってるよ
>>522 素でにょろにょろ言っている奴はキモイんだよって
あのちゅるやさんも言ってるじゃないか。
男は黙って完結まで投下し続けたほうがよろし。
もう
>>525でわざと演じてたって言ってるじゃないか。
その辺にしといてやれよ。
>>525 谷口の彼女が中学時代キョンと仲良かった変な女かと思ったけど、
国木田はその子と面識あるし。
まあオリキャラって見方が普通かな。期待してるよ。
鶴屋さん絡みのSSってどんぐらいある?
鶴屋さんがヒロインのSSは題名で『鶴屋さん〜』てのが多いから、パラパラってまとめを見てみるといいかも。
とりあえず自分がパッパと眺めてみて見つかった鶴屋さん絡みのエロめSS
◆6-363様:『鶴屋さんの陰謀』 01/02 ◆9-882様:キョン×鶴屋、髪弄り/改訂版
◆11-757様:『涼宮ハルヒの妄想』/03 ◆28-424様:『鶴屋さんといっしょっ!』
新着になるにつれ少なめかな?
>>432 GJ!とりあえず朝倉には砂鉄をかければ勝てるということですね?
「インターフェースにはチャフグレネードが有効だよ、スネーク」
嘘喰いの夜行さんが新川さんに見える。
そういえば白髭生やした執事風の老紳士っていろんな作品に出てくるよな?
鶴屋さんのSSは
9-209様: 『山中事件〜ノーバディ〜』
もある
鶴屋さんは
書くのが難しいんだ
にょろ
ちゅるやさんは書きやすいのにな
鶴屋さんの別荘で、鶴屋さんがキョンに告白する話は切なかったな
「クジ運のない女の話」
「んっ?ここは・・・?」
気がつくと、あたしは暗がりの部屋にいた。体に鈍い痛みを覚えた。自分の体を見ると、裸で、腕を後ろにまわされ、両足は開かされ、椅子に縛り付けられていた。
「やあ、お目覚めかい?」
男の声がした。聞き覚えのある声。だんだん目が慣れてきて、あたしに話しかけてきた男の顔が見えてきた。
「や・・・山根。」
あたしの席の隣の山根だった。よく周りを見渡すと、ここは自分の教室だ。
「なっ、何のつもりよ!」
「何のつもりって、いつもの宴じゃないか。カモン、わが同志たち!」
山根がパチンと指を鳴らすと、ゾロゾロと男たちが入ってきた。入ってきたのは、同じクラスメイトの谷口、松代、植松だった。
「今日も楽しもうな。」
男の8本の手があたしの体をまさぐりだした。
「今日こそオトしてやる。」
「いつもいつも後藤と豊原を茶化しててもつまらんしな。」
「ガリ勉してると欲求不満がたまるんだよ。」
あたしは足の指先を舐め回され、胸をもまれ、おへその辺りを舌先で転がされる。乳首をつままれ、引っ張られて、押し込められて、乳首が痛くてたまらない。耳たぶまで
甘噛みされて、だんだんと、痛みが何か別のものに変わっていった。
「おっ、こいつ感じてきてるぜ!」
「かっ、感じてなんかないわよ!」
「ほーお、そういう素直じゃないやつはお仕置きしないとな。」
松代がポケットから洗濯バサミを出してきた。
「これ、なーんだ?」
嬉しそうに裸のあたしの前に出す。
「これをだね、こうするのさ!」
バチン!
「いあやあっ!痛、痛いいぃぃぃ!!」
松代は洗濯バサミをあたしの両方の乳首に挟んだ。ものすごい激痛だ。
「痛い!痛いよお!はずして!はずしてってばあ!」
あたしは縛り付けられた椅子の上で暴れた。けれど椅子は、床に固定されているかのようにピクリとも動かない。
「はずしてほしかったら、俺たち4人のチンポを、お前の口で満足させろよ。」
「そっ、そんな・・・。」
「いやなら、今度はクリでも挟んでみようか?」
植松がニヤニヤしながら洗濯バサミを指先ではじいた。
「ゎ、分かったわよ・・・。」
「おーい、分かった、じゃなくて『フェラさせてください』だろっ。」
山根と谷口がペニスをあたしの顔にこすりつけてくる。あたしはもう涙目になっていた。涙でぼやけるあたしの目には、いやらしい笑みを浮かべる4人の男が映っていた。
「ふぇ、フェラさせてください・・・。」
「あん?聞こえねーよ。」
「4人のチンポ、フェラさせて下さい!」
「よし、まずは俺から!」
谷口があたしの口にペニスを突っ込んできた。なんかいろんなカスがついていて気持ちが悪い。
「くっ、臭いよお。」
「おらおら、舌使えよ!」
谷口はあたしの髪を乱暴につかんで喉の奥まで突き入れた。
ジュボッ!ジュボッ!ジュボッ!
谷口の手の力であたしの頭は上下に動かされ、谷口のペニスに快感を与える。あたしはされるがまま。苦しい!
「ぐはっ!」
「おい、何吐いてんだよ!」
「ぶぶっ!」
息継ぐ暇もない。一人目からこんななんて。
「おおっ、出るうっ!!」
あたしの口の中に、どろどろとした液体が大量に流し込まれた。
「全部飲め!飲め!」
ごくんごくん。
全部飲み終わって、ようやく谷口はあたしの口からペニスを引き抜いた。
「おい、この口マンコ最高だぜ!」
「次は俺だ!」
「おれだっ」
あたしの口は男達の欲望の趣くまま蹂躙された。
「ひゃはは、ソフトボール部のホープも台無しだな!」
あたしの顔は、4人の精液と唾液、そしてあたしの涙でベトベトになっていた。それらが混ざり合った液体が、胸に滴り落ちている。
「早く・・・洗濯ばさみ・・・はずしてよ・・・。」
あたしは意識が朦朧としていた。
「おっ、そうだったな。」
案外素直に乳首の痛みを開放してくれた。
「まあでも、宴はこれからが本場だからな。」
「どっ、どういうこと?」
「まだ入れるところあるだろうが。」
「入れるところなんか・・・ないわよっ。」
「あるだる。マンコと、ケツの穴。あとおっぱいの谷間とか。お前の体の中も外も、俺たちの精液だらけにしてやるからな。」
「いや、やめてえっ!!」
ピピピピピピ・・・・
ぱちり。
「また、あの夢か。」
あたしはいま自分のベッドの上にいる。目覚まし時計のアラームを止めた。体中汗をかいている。
クラスの席替えで、夢に出てくるあいつらに囲まれる位置の席になってから、頻繁にこの夢を見るようになっている。
「でも、なんで現実にならないのかなあ。」
あたしは手をショーツの中に入れた。アソコがやっぱり濡れている。そのまま、いつものようにオナニーを始めた。
この夢の後ってすごく感じるから・・・。
終わり
これハルヒでやる意味なくね
谷口がいる
ハルヒなのか朝倉さんなのか分からんくらいにキャラが描けてないな。
ソフトボール部って書いてるから高遠だな。
公式持ってても調べないとわからないし、もっとどうにかできなかったのか
古泉の上が森さんだとすると
やはり後輩はアベなんだろうか。
朝倉といい喜緑といい、髪から何出してんだ宇宙人どもは。
唐突に気になった。長門が何も出してない理由もだ。
もっと上には、中曽根とか田中とかいるのか…
上杉www
機関のトップの苗字は伊藤か・・
書きたいけどネタ浮かばない……
すると神武って人が出資者か?
そして組織本部は国会議事堂の地下にあると。
あぁ、何だか世界的組織なんだなぁーって思えてきた。
オラワクワクしてきたぞ!
ヤッホーみんな〜エロエロしてるか〜い(*´∀`)ノ
空気が死んだ
>>555 違うだろ
イギリスの、と或る映画会社の地下奥深くに造られており
司令官は普段は映画会社専務として仕事しているのだよ
>558
ある朝、ハルヒが髪の毛を紫色に染めて登校し、キョン以下を驚愕させるわけか。
なんとなく保管庫見てたら昔はエロが多かったという事を再認識した。
そして原作知らないで書いてる奴が普通にいてびっくりした。
文芸部室が手芸部室になってたのを見た時は笑ったわw
ところで予備、携帯でみたら古泉(小)のやつが無いんだが……
少年グラウンドアンダーゼロだっけか。 名前うろ覚えだ。 俺も読みたい
「キョンくん何見てるの?」
珍しく両親のいない平日のある日、ソファーでテレビを見ていると妹がやってきた。
「お前こういうの苦手だろ」
写っているのは心霊番組。
「あっ!やだやだ…」
耳を塞いでしゃがみ込む妹。肝試しの類は平気なのに
ドキュメンタリーになったものは苦手なのだという。
「今日のはそんなに怖くねぇよ」
ぐいっと妹の腕を引き寄せる。
「イヤ。」
と言いながらも俺の横に座らされる。
いつものパターンである。この後寝れなくなってお袋の布団に行く確率が25%、
俺のベッドに来る確率が75%ってところだ。つまり一人で寝れなくなる確率100%。
「やだよぉ」
「俺も見ててやるから。」
「…じゃあここで見る。」
足の上に乗って抱きついてくる妹。足をばたつかせ、
俺の胸に顔を擦りつけながら笑っている。
「にはは〜」
親のいない時に限って妙に甘えてくるなこいつは…
最初の話は風呂に入っていたら後ろに誰かがいる!系のありきたりな話だったが、
妹を怖がらせるには十分だったようで開始2分頃から既に膝の上で丸くなっていた。
ピピーッ!
ちょうどいい頃に風呂が沸いたことを告げるアラームが鳴る。
「風呂沸いたぞ。入ってこいよ」
「え?でも…」
「なんだ、怖いのか?」
「…別にぃ〜」
どうなることやら。…久しぶりに一緒に入ってやるのもいいかもな。
「ねぇやっぱり一人で入るのやだぁ〜」
ほれきた。風呂場に行くと妹がドアから顔を覗かせている。
「キョンくんのせいなんだから一緒に入ってよ」
「わかったよ。」
「ちんちんだ」
「女の子がそんなこと言うんじゃありません。」
妹と二人で湯舟につかる。
半年…いや一年ぶりくらいか。ある日突然拒まれるのも嫌なので
俺の方から一緒に入らないようにしたのだが、まだそれほどの年頃でもなかったようだ。
「なんかキョンくん筋肉ついたね」
雑用だからな。…こいつもだんだん胸がふくらんできたか?
まあ一緒に風呂に入れるくらいならまだまだ十分子供だろう。
「キョ〜ンくぅ〜ん」
それにこんな風に…抱きついてきたりするしな。
「んー……」
余程居心地がいいらしい。
耳の近くで今にも寝てしまいそうな声を出しながらも、
頭の後ろに回された細い腕はぎゅっと俺を離さない。
「……」
今日は恥ずかしい程にお兄ちゃんっ子だな…
にしてもこいつは今にも寝つくんじゃないか?
「……すー……すー……」
寝やがった。
寝ている妹を観察。起きている時はあまり見ないようにしていた股間に目をやる。
生えてないな…それもそうか。
などと思っていると少し欲望が沸き上がってきた。
妹を引き離して胸に触れる。柔らかさよりも肌の手触りが心地いい。
「…なんで勃起してんだ俺のは」
妹が起きた時これでは不味いので
必死に他のことを考えるのだが、
「んー……」
細い腕が再び俺に絡みつき、その拍子に妹の股間が俺の物の裏スジに擦れる。
「うっ……うぁっ…」
「ん……」
他人との触れ合いによってもたらされた快感は予想以上に大きかった。
膨れ上がった欲望が理性を押しのける。
「……ハァッ……ハァッ……」
「……」
寝ている妹を見ながら石鹸を手にとる。
「…起きないでくれよ。」
妹の股に石鹸を擦りつけ泡立たせる。
そしてその太股の根元に充血した物を挟み、腰を振る。
「うっ!…あぁ…」
寝ている無垢な存在を犯す行為にますます肉欲が理性を押し潰す。
最早何も考えられなくなり妹を強く抱きしめる。
「…え?…え?」
妹が起きてしまった。俺の顔を見上げている。
「…ねぇ…何してるの?…ねぇ…キョンくん…怖いよ…」
少し怯えているようだ。かまわず腰を振り続ける。
「ねぇってば……」
うるさい口だ。
「んっ!?んむっ!……」
唇を唇で塞ぐ。もう少し抵抗されるかと思っていたがむしろ大人しくなった。
「ぷは……あ……やだ…」
口を離すのを嫌がる妹。もう一度口を近づけると今度は
自分から俺の唇に吸いつく……何されてるかわかってんのか?こいつは。
気持ちが高ぶり、もっと強い刺激が欲しくなってきた。
妹の足を持ち上げ太股を閉じさせると、今度は下から足の間に入れる。
「くぅっ…」
「ん………」
先程の体制よりも強い快感が体に走る。敏感な部分を擦られているのに
妹はトロンとした目をしたまま何の抵抗もしない。
時折口づけを交わしながら行為を続ける。
「うっ…く…はぁっ…」
「んっ…んぁっ…」
互いの熱は風呂の湯より熱く、二人は溶け合うように抱きしめ合い、そして互いを慰める。
……そろそろ限界か。
「はぁっ…そろそろ…」
「え?…あ…あっ!あっ!」
俺が一層強く腰を動かすと、妹にも刺激が行っているらしく
あえぎ声のようなものを漏らし始める。
「ぐ……あ………出るっ!…」
ドクッ!
湯舟から体を出し妹を突き上げ、精を放つ。
今まで感じたことのない程の快感が駆け巡る。
放たれた精が妹の腹にかかり、幼い体を妖しく光らせている。
「あ……熱…い…」
こいつも軽く絶頂を迎えたらしい。
「………」
「………」
行為の後から自責の念がこみあげる。なんだって俺は…こんなことを…
「…悪かったな。もうしない。」
「いいよ」
「……」
「内緒にしといてあげるね?」
「…ああ。」
「あと……あたしチューしたの初めてだからね?」
と言って妹は風呂からあがって行った。
この罪は…どう償ったものかね。長門にでも懺悔するか。
ハルヒにしといた方が然るべき報いを受けられそうだがな。
―終了―
誰だこいつらw
日本語おかしいとか読みづらいとか
飛影はそんなこと言わない!みたいなのとかがあったら教えて下さい。
あと需要高いキャラは誰。
ハァハァハァ 75%plz
オレとお前はこれ以上この世界では一緒にはいれないんだ
>>559 北高の女子の制服だけが、ムーンベースの奴になっている
>571
文芸部室に行くと、グリーンの液体の詰まった奇妙なヘルメットを
被った長門が読書している。
>>568 需要の高いのはたぶん長門。で朝倉株が急上昇中だろう
あと 飛影ってだれ?幽白?ハルヒにそんなキャラ出てきたっけ?
>>575 某AVのことだから知らないのならその方がいい
>>576 おk、了解した
ハルヒとはあんまり関係ない話ってコトだね
>>574 ハルヒが苦しがるキョンを押さえ付ける。
はっとして起きる
サウナで居眠りしたキョンは、ハルヒの夢を見てうなされていたのであった
最萌で長門負けました
最萌厨ウザイ
>578
自動車にはねられてキョンは重傷を負う。
抗生物質アレルギーのキョンのため、古泉は機関を使ってアメリカから新薬を取り寄せようとする。
しかし……。
「キョンくんさっ、そろそろビシッと決めちゃった方がいいと思うよ?」
「ビシッと、ってのは?」
「ハルにゃんと長門っちとみくるのことさっ。
みんなのお父さんみたいなキョンくんは偉いと思うけどねっ!
ビシッと決めるトコはビシッと決めないと、みんな困っちゃうよっ?」
「…はぁ」
「そこでさっ…悩めるキョンくんのためにっ!なんとこんな物を用意したにょろ!じゃじゃーん!」
「なんです?それ」
「び・や・く・だよっ!キョンくんみたいな人はいったん決めた後もズルズル尾を引いちゃいそうだからねっ!
これでやるトコまでやったら踏ん切りもつくっさ!こうしてフタを空けてニオイを嗅ぐだけで効果テキメン!間違いないっ!」
「…今空けたらマズくないですか?」
「え?……あれっ…こりゃ大変…さっ…」
「うぁ…つ、鶴屋さん…窓…早く…」
「……キョンくんさっ…あたしで練習してみない…かなっ?」
「な、何言ってんですか…」
「あたしもキョンくんなら…いいにょろよっ…?」
「媚薬のせいでそんなことを言うんです…!」
「あたしは…自分に嘘をついてたのさっ…ホントはキョンくんみたいな人に…優しくしてもらいたかったのに…」
「し、しっかりして下さい!」
「キョンくん…」
チュッ
ガララッ
「ねえキョン、次のみくるちゃんの衣装なんだけ…どっ!?」
「あ、いや、ハルヒ。これはだな、」
「………グ」
「グ?」
「グオォォォォォォン!!!!」
「!!」
その時…ハルヒは発動した!
人類を見放したハルヒは宇宙の全てを消滅させていく…BAD END
原点回帰、とでも言うのだろうか。
山と詰まれたゲーム盤の一番下から発掘したオセロに興じているのだが。古泉の強さがいきなり
スパコン並みになるわけでなし。今日もいつも通り盤面が黒く染まっていくだけであり、結局
何の変化もない、毎日繰り返される光景である。
そんな中唐突に古泉がこう切り出した。
「結構、経験があると思いますが。秋が近くなると合体トンボが発生致しますよね」
いきなり何を言い出すんだこいつは。しかも合体トンボなんて初耳だぞ。
「小さいころは、合体トンボ合体トンボ、ってよくわからないけどテンションが上がりましてね、
石投げて分離させたり捕まえようとしましたり、ですけど……」
あーなんとなく分かった。ようするに交尾中のトンボの事か。
「アレって人間で言いますとセ「黙れ!それ以上言うな!!」」
「やっとのお思いで成虫に成りまして、寿命の短い虫にとりましては一度あるかないかのチャンス
です。それを何も知らなかったとはいえ…」
戯言をそこまで言うと一度きり、うつむく。何か考えている様だが、どうせろくでもないことだろう。
「…オノレニンゲンドモメ…」
え、今の何。考えるのは勝手だが、口に出すのはやめた方がいい。と思わず老婆心が出てきてしまった
ではないか。
「人間って罪深いですよね…」
そんなことで、前線で戦って人間の醜さを嫌と言うほど知った兵士のような発言をするな。
「そう考えるとあれね」
あ〜あ、ネットサーフィンに興じてたハルヒまでしゃしゃり出てきちまったじゃねぇか。これ以上
頭痛の種を増やすな。
「世の中にはびこる呪いや心霊現象の原因のほとんどは、合体トンボの怨念が生み出したものと
言えるわね」
言えるわけねえだろ。菅原道真とか平将門とかに申し訳ないだろ、トンボの怨念にされたら。
「僕が友達がいないのも、はぶられるのも、ホモにされるのもきっとその所為ですね」
…そうだといいな。
そんなくだらない話をしていると唐突にドアが開けられた。何の挨拶もなしに入ってきたのは長門。
今日は珍しく一番乗りで無かった訳だが、まあ掃除当番かなんかだったんだろう。と、言うかノック
ぐらいしてくれよ、ビビるじゃないかまったく。
と、何だその抱えてる箱は。上に穴が開いていて手紙を投函するポストみたいだが。
「目安箱よ」
目安箱って言うとアレか八代将軍が設置した。
「そうよ、メールが来ないからこういうアナログな方法を採ったわけよ」
初耳だな。
「僕もですね」
「んま、今までは苦情が多かったからね」
「なるほど、いままで我々はかなり破天荒なことして参りましたからね」
「ほとんど八割方が古泉くんへの苦情、というか悪口だったけどね」
コレも合体トンボの所為だといいな、古泉。
「あとの二割はキョンと古泉くんはどこまで進んでいるかって質問ね」
…コレも合体トンボの所為だといいな。
「まあ、上に立つ人ほどねたみ、そねみは免れないものだから気にする事ないわ」
誰が上に立つ人間だ。
「そうです、逆に言えばそれだけ目立って気になる存在って事です。幸運に思わねば」
気になるっていうか気に障るだろ。って言うかお前はそれで納得するのか。俺はしないぞ。
「ちょっとキョン、言いすぎよ。ああ見えて古泉くんは家で泣くタイプだわ」
意外とナイーブだな。あいつの本性はよく分からんがありえなくないな。孤島とか雪山では
結構へこんでいるみたいだったからな。
「そんなことより、有紀なんかきてた?」
「…あった」
そう言い長門は投書の山から一枚の紙を迷うことなく選び出した。混ぜっ返すようで悪いが俺と
古泉の噂をそんなこと、扱いされたくないんだが。一刻も早く取り消したい。
「えーなになに」
勿論俺の発言が俎上に上がることなんてないわけだが。
『最近ルソーが、あっルソーってうちで飼ってる犬の名前なのね。それでね、そのルソーがね最近ね
わたしの部屋に入りたがらないの。それでそのね、涼宮さんたちの力で何とか成らないかなってね
思ったのね。1−5 阪中』
「我々にどうしろと!!」
どうしろって、幽霊退治だろ。どー考えても。
「ついに来たわ!!こーいうのを待っていたのよ。その幽霊あたしが極楽にいかせてあげるわ」
おい、お前は一体いくつなんだ。懐かしい台詞をまた。って言うかほんとに出たら如何するんだ。
「大丈夫だと思います。いざとなったら…」
思いついたかのように朝比奈さんがここで登場な訳だが。一言言うと朝比奈さんは最初からいたぞ。
ともかく、朝比奈さんはそう小声で言うと、長門の方を見た。
あまり無茶をさせたくないが、どうしてもそこに行き着いてしまう。まあ、幽霊なんていないそう
信じよう。長門も我関せずとばかりに読書に没頭してるしな。
「とりあえず、本人に会ってみるわよ」
まあ、今はこいつの退屈が紛れればいいか。これでその阪中と仲良く慣れれば御の字だとも思うし。
「失礼します」
翌日の放課後だ。ハルヒに呼び出された阪中が 文芸部室に来たのは。
「憑りつきたい!!!」
おい、開口一番何言ってるんだ、古泉。阪中が脅えてるだろ。
「ささ、座って座って、みくるちゃんお茶ね。とっびっきり上等なやつ」
「は、は〜い」
何事も無かったかのように進めやがった。これ以上話が拗れるのは嫌だが、一応同情しといてやる。
で、阪中の話だが。自宅で飼っている犬が自室に入るのを拒むようになったのでどうにかして欲しい。
原因不明、阪中は幽霊の類ではないかと思っているようだった。
「んじゃま、阪中の家に行くとしましょう」
別にいいが俺たちに出来る事あるのか。
「怖いもの見たさとかいうか、遊園地のお化け屋敷へ行く感覚で」
野次馬かよ!いい迷惑じゃないか。
「はたまた他人の不幸は何味か、とか?」
本気でそう考えてるのかよ。だったら俺は意地でも止めるぞ。たとえ世界が崩壊しようとも。
「冗談よ。冗談」
目が冗談じゃなかったが。
「心配しないで、あたしが本気を出せば明日から安眠間違えなしよ!!」
後になって思う。この時、こいつを止めとけば、と。
草木も眠る丑三つ時。遠くで犬の遠吠えが聞こえる。
ピンポーン
すっかり寝静まった住宅街に響くチャイムの音。
「あの…」
俺たちは公約通りそこにいた。
「生徒の安眠を守るため、ミッドナイト探検隊参上!!!」
大声だすな。時と場所を考えろ。
「あのね、たしかに私、相談したけどね。深夜なのね今」
「生徒の安眠を守るため、ミッドナイト探検隊参上!!!」
だから大声出すなって、近所迷惑だろ。
すまん阪中。俺もさっきいきなり家のチャイムを連打されてな。注意したら家の前で騒ぎ出したんだ。
本当にすまん。
「霊現象が起きるのは深夜でしょう。昼間来ても意味が無いでしょ。だから今来ました」
正論だが、それに常識ってもんを加味してくれよ。
「深夜に玄関前で話すのもあれですので、ささっ おあがりください」
お前が言うな古泉。
「おじゃましまーす」
おい、お邪魔しますじゃねえだろ。阪中ドン引きじゃねか。あーあ阪中の両親まで起き出したじゃないか。
寝てるとこ本当にすみません。言い出したら聞かないやつでしてね、はい。
両親変な目でこっちみてるよ。
「さあ〜てここが今日から僕が住む部屋ですか」
その口縫い付けるぞ。阪中がすかっり脅えてるじゃないか。
「んで、そのJJはどこ?」
勝手にそっちの名で呼ぶな。間違って哲学者が来たらどうする。対応できるのは古泉ぐらいだ。
とうの古泉はさっきから変な行動をとっているんだが…この変態どこかに捨ててきたいぜ。
「わかったの。ルソー」
ハルヒの指示に素直に従って、廊下に向かってルソーを呼ぶ。程なくして小さい足音が近づき
ふわふわした毛並みの小型犬があらわれる。が、ドアの手前で止まりそれ以上進もうとしない。
猫だけでなく犬も腰が抜けるんだな。
「最近ずっとこうなの」
ふむ、なるほどね。
「こっ…これは!!?」
どうした、古泉!?何か解ったのか。
「黒い下着が…」
「キャーーーッ!!ちょっとなにするのね!!」
大阪湾に沈めるぞ、おまえ。一体何してんだよこのムッツリ。
「心霊現象以外の視点から考えてみるのもいいかもね」
おい、いまの古泉の行動は無視かよ。だいたいお前にしてみれば心霊現象のほうがいいじゃないのか。
「たとえばよ。そうね、古泉くんみたいな輩が忍び込んでる、とか」
怖っ!!そっちのほうが幽霊の何千倍も怖いだろ。もはや都市伝説クラスだぞ。
「でしたら、幽霊でよかったですね」
満面の笑みで言うことじゃないですよ。問題は何一つ解決してないし。
はぁ、予想通りだぞ、まったく。やはり一番解っていそうなやつに聞くか。
おい、長門。何か解ったか?俺にもできることなら手伝わせてくれ。
「……大丈夫」
それは何に対する大丈夫だ。
「危険はない」
…そうか。と、いうかお前はいつからカレーを食ってるんだ。スプーン銜えながらしゃべるなよ。
「あっ」
どうした古泉、大声だして。
「そういえば…おんぶバッタっていますよね」
おんぶバッタ 6〜11月ごろにみられる。生息地は主に日本全土と朝鮮半島。それがどうした。
「アレはですね、親子とお思いでしょうが実は雄と雌なんですよ」
だからどうしたんだよ。知ってるよそれぐらい。だいたい幽霊騒動と関係ないだろ。
「ということは…この部屋で起こる心霊現象の原因は…」
「ええ、その線と考えて間違いありません」
んなわけあるか!真面目に考えろよ!!
もうお前だけが味方だ、長門……
あのー、長門さん。あなたは一体何をなさっておいででしょうか。わたくしの目が黒いのであれば、
ひとんちのベットに潜り込んですやすやと就寝なさっているように見えますが。
「有紀が本気になったようね」
「どういうことなの」
「つまりね、リラックス状態になって脳からα波を出すことによって破魔の力を出そうとしてるのよ」
感心してるとこ悪いが、全部口から出任せだぞ。完全に寝息たててるし。
などとアホなことをしている内に自体は最悪な状況になったようだ。
長門が寝てしまったあと、突然なにか軋む様な音が鳴り始めたのだ。いわゆるラップ音だ。
「な、なんなんですか!?この音は」
「こ、こんなの初めてなの」
一体何なんだ。まさか本当に幽霊がいるとでも言うのか。長門はこんな状況でも眠ったまんまだし。
どーしろってんだ。
「ついに悪霊が暴れだしたのね。あたしの力見せてあげるわ」
「ええ、こんなこともあろうかと。備えあれば憂いなしです」
「さあ、どこからでもかかって来なさい!悪霊ども!!」
ちょっと待て、虫取り網と虫かごで何をする気だ。昆虫記でも書く気か!!
「合体トンボを採るのよ!!!」
もうそれはいいっての!!
「団長!イケないものが採れました!!黒い蝶です!!!」
ブラだっ!阪中所有の!!鳴門の渦潮に投げ込むぞこの野郎!!!
>「そんなことより、有紀なんかきてた?」
有紀?
有 紀 ?
「もう帰って欲しいのね」
流石に悪ふざけが過ぎました。
完全に怒っていたぞ。どーすんだ。
「ちょうどよかったわ、飽き始めたところだし」
「ふぁ〜わたしはもう眠いです」
「充分楽しみましたし、帰って寝ましょう」
ひでぇっ!
阪中とは同じクラスだぞ。どうフォローしろてんだ。ほんと頭痛いぜ。
っと、何か忘れているような…気のせいか。
はぁ〜、こんなはずじゃなかったのね。涼宮さんにお近づきになれると思ったのにね…。
あのエセスマイルのせいなのね。明日も話せるかな。
みんなを帰した後なの、そんな事を考えながら部屋に入ったの。入ったはずなのに…。
「…どこなのね、ここ」
ドアを開けたらね、地平線の見える砂漠に立ってたのね。おかしいのね、確かに部屋のドアを
開けたはずなのにね。
「なんなのね、あれ」
地平線の方を見ているとね、何かこっちに向かってくるのね。段々大きくなるそれは…
「…トンボ?」
三メートル近くありそうなね、とんぼだったのね。
「え、え、え!!?」
そのトンボはね、止まることなくこっちにとんでくるのね。もしかして、このままだとわたしに
ぶつかるのね。あの大きさだと助かりそうに無いのね。もしかして、死ぬ…。
そんなのいやなのね。こんな訳の解らない場所で死ぬなんてね。まだ涼宮さんと仲良くなっていないしね。
でもどうしようもないのね。だからわたしは目を瞑ったのね、受ける衝撃を思い描いて身を硬くしてね。
…でも全然衝撃がこないのね。恐る恐る明けた目に映ったのは…
「な、長門さん」
「大丈夫?」
初めて長門さんの声聞いたのね。
「う、うん。大丈夫なの」
「そう…、ひとつ訂正する。コレはトンボではなくメガネウラ」
そういうとね、長門さんはトンボ…じゃないのね、メガネウラ?の正面で手をサッと振ったのね。まるで
雑巾で窓を拭くようにね。そしたらね、そのメガネウラ?がね光に包まれて消えたのね。
なんかもう腰が抜けてしまったのね。
「もう大丈夫」
みたいだね。
「でもこの事は他言無用」
わ、わかったなの。そのね、そう言った長門さんの目はちょっと怖かったのね。
阪中家訪問からもう数日がたった。すっかり阪中のSOS団に対する心象が悪くなったものばかりと思ったが
どうやらそうでなかったようだ。あれ以来すっかりハルヒは阪中と仲良くなった。あんな事したのに何で
なんだろうな、俺には解らん。
それともうひとつ、長門と阪中が廊下ですれ違うのを見たのだが。なぜか阪中は長門に向かってペコペコと
頭を下げていた。一体全体なんでそんなことしたんだろうな。
あと蛇足だが、古泉の評判はさらに低下したらしい。自業自得だろう。
校舎の廊下を歩くと、窓から暖かな風が入ってくる。もう春も間近である。来年が今年に輪を掛けて
面白いものになる予感がする。いやそうに違いない。
などとさわやかな締めだが。そうでもしないと俺がやってけん。察してくれ、たのむ。
黒いトンボはすぐに死ぬ
あ、間違えてる…
どうも済みませんです。脳内補完でたのみます。
以上です。
呼ばれても無いのに再び登場、元ネタは前と同じミツルギです
副団長=古泉=中二階堂かwwwww
もうちょっと自分で推敲してから投稿しような
>>582に触発されて書いた。
幼馴染も何もない別物になってしまった。
生徒会長と喜緑さんの二人だけしか出ません。
―――――――――
「まったく…誰も彼も最萌最萌とうるさいですね。
どうして地球人というのはこうも下らないことが大好きなんでしょうか」
珍しいこともあるもんだな。喜緑がぼやいてやがる。
放課後の生徒会室。俺と喜緑は二人で資料の整理などをやっているのだった。
ったく。面倒くせえ。
「これだから下等な有機生命体は…」
いや、お前の目の前に正にその下等生物がいるんだがな。
反論したところでロクなことにはならねえだろうから無視しておく。
「いっそのこと一千体のTFEIの戦闘団で世界を燃やし尽くしてしまいましょうか…」
おいおい、穏やかじゃねえな。いくらなんでも聞き捨てならんぞ。
「喜緑よ、何をそんなに怒ってんだ?」
「最萌トーナメントのことです」
そりゃ聞いてりゃわかる。俺が聞きたいのは、トーナメントのどこが
そんなにお前の気に入らないのか、ということだ。
「すべてです! すべて!
わたしにはあれの存在意義がわかりません!
違う作品のキャラクターを競わせて一体何が楽しいんですか!?」
俺に怒られてもな。それも人情ってもんじゃねえのか?
大体、最萌は今に始まったことじゃねえ。随分前から定期的にやってただろうが。
何を今更ブツブツ言ってんだ?
ここまで考えたところで俺は気付いた。
「…ハハァン。
要するにお前、昨日の対戦であの長門とかいう女が負けたのが癇にさわったんだろ?」
「なっ…!? そんな、そんな個人的なことではありません!
わたしはただ、ああいう無意味なお祭騒ぎが我慢できないだけで……」
「あー、はいはい。わかったわかった」
ごちゃごちゃと言い訳を始めた喜緑を適当になだめる。
「むー」
不服そうに頬を膨らます喜緑。おお、なかなか可愛いぞ。
他の奴の前でもそういう表情を見せてやりゃあいいのに。
「いいじゃねえか。大事なオトモダチが選挙で負けちまったんだ。
相手候補に投票した奴を恨んだってバチは当たらんだろ」
「…長門さんとわたしは、友達なんかじゃありません。
監視対象と目付け役。……ただそれだけの関係です」
そう言って喜緑は顔を伏せた。
…まったく、どいつもこいつも。俺の周りには不器用な奴しかいねえのか。
俺は喜緑の頬を両手で軽くつまんで横に引っ張ってやった。
「にゃ。なにしゅるんでしゅか!?」
あまりに間抜けな表情に思わず吹き出しちまう。
「ハハッ。可愛いぞ喜緑」
喜緑は頬を手で押さえながらこちらを睨み付けてくる。
「なっ、なっ! 一体何の真似ですか!?」
「どうもこうもねえよ。もうちょい肩の力を抜けってこった。
いつもいつも作り笑い浮かべてても疲れちまうだろうが。
あの長門って奴も、お前がそんなだと警戒するに決まってんだろ。
仲良くなりたいんなら、まずはお前の本心を見せてやれよ」
ったく。何を言ってんのかね、俺は。小学生相手に諭してるみたいじゃねえか。
こんなとこ、古泉の野郎にだけは見られたくねえな。
「でも。今更、どうすれば…」
ちくしょう、そんな顔すんじゃねえよ。見てられねえだろうが。
俺は自分の鞄を開けると、その底から一本の瓶を取り出した。
「それは…?」
「いい酒だぞ。バランタイン三十年。
今日の昼間、古泉に貰ったんだけどよ。やるよ、お前に」
「……え? でも、お酒なんて貰っても」
「ばかやろう。残念会なんてのはな、酒でも飲んでパーッと騒ぐもんなんだよ。
あの無表情女が最萌で負けた程度でへこんでるとは思えねえけどな。
それを口実に一緒に飲んで、馬鹿騒ぎすりゃいいじゃねえか。
俺の経験則でいくとな、酒を酌み交わした相手とはまず間違いなくダチになれんだよ」
しばらくの間、喜緑はキョトンとした顔で俺の方を見ていた。
が、その表情はすぐに笑顔に変わった。
「ありがとう」
喜緑はそう言って、微笑んでいた。
ああ、綺麗だったさ、ちくしょう。
グッバイ、俺のバラン三十年。だが、やばいな。カケラも後悔してねえ。
笑顔一つでこれかよ。俺もいい加減ヤキが回ったな。
喜緑は酒瓶を鞄にしまうと、駆け足で生徒会室を出て行った。
早く長門に会いたいんだろう。この時間ならもう一般の生徒は下校してるだろうから、
多分あの女の家まで行くんだろうな。ご苦労なこった。
で、俺はと言えばだ。
一人生徒会室に残って、猛烈に後悔中だ。いや、酒をやったことじゃねえぞ。
「キスの一つでも、してやりゃあよかった」
てことさ。
まさかな。あんな笑顔見せられて、それで体がすくむなんて思ってもみなかったのさ。
仮にキスまではしないとしてもな、あれを見りゃ抱きしめるくらいするだろ、俺よ。
「……待て待て。
俺の周りに不器用な人間が多いのは、まさか類友っつーんじゃ、ねえだろうな」
俺の独り言に、勿論答えなど返らなかった。
―――――――――
以上です。純情な生徒会長にしてみましたw
>>601 俺が高校の時の生徒会長を思い出した。
GJ!
放課後の文芸部室……。SOS団の活動を終え俺とハルヒ意外は
既に帰った。俺はハルヒの命により居残りだ。何するつもりだ?
「キョン。ズボン脱いで」
「……おいおい、突然なんだ? 気でも狂ったか?」
「いいから! 早く脱げー!! おりゃー!」
――――
ぬぷぬぷ…ちゅぷ――。
卑猥な音がこだまする。あの涼宮ハルヒが俺のペニスを弄ぶ。
「ふふふ…キョン気持ちいいでしょ? もっと強いほうがいい?」
「くっ…ハルヒ…」
ハルヒは俺のペニスを口に含むと、ゆっくりと上下運動し始める。その動きと
ハルヒの髪が下腹部を刺激するのがくすぐったくて、なんともいえない興奮を誘う。
「くぱぁ…はあ、変な感じ。体が熱いわ。キョン気持ちいい?」
ハルヒは顔を上気したまま俺に問いかける。黙ってうなずく事しか出来ない俺。
「もっと気持ちよくしてあげるわ」
ハルヒは100ワットの笑顔で俺を見つめると、口腔に唾液をため、俺のペニスに
たっぷりと垂らしだす。
「はあ、はあ、あたしの手も濡らしたほうがいいわね……」
ハルヒは俺のペニスを見つめながら己のスカートに両手を忍び込ませる。
捲くれ上がるようになったスカートの下から真っ白いショーツがあらわになり
その中に窮屈そうにハルヒは手を入れる。
「はあっ、ああぅ、凄い興奮する…もうびっしょり……」
ハルヒは少しの間、自慰をするような感じで両手で己の恥部を弄る。
俺はペニスに軽く触れただけで逝ってしまいそうな程興奮していた。
「おい、ハルヒ。頼む、早くしてくれ。俺が我慢できない…」
「駄目よ! あんたは触っちゃ駄目! あたしがしてあげるから待ってなさい」
息が上がっていたハルヒが、俺のペニスに手を添える。その手はハルヒの愛液で
ぬるぬるになり、窓から差し込む夕日に照らされて艶かしい光を放っていた。
「キョン、ごめんね。今からあんたにしてあげるから。でも、ここで射精しちゃ駄目よ!」
ハルヒの愛液で溢れる手が俺のペニスを優しくしごく。すぐにでも暴発しそうな程の
快感が俺を襲う。ぬるぬるとした感覚とハルヒの柔らかい手の温もり、制服姿の美少女が
俺のペニスを楽しそうにしごく様に、気が狂いそうになる。ペニスの先端からはカウパーが
止め処なく溢れ出し、ハルヒの愛液と交わり更なる潤いをもたらす。
「くっはぁ、ハルヒ! 俺もう駄目……」
「駄目よ! 射精しちゃ駄目! 出すのはあたしの膣内だけって前に言ったでしょ。
我慢しないともうしてあげないからね。あたしが満足するまで頑張りなさい」
小悪魔のような笑顔で俺を上目遣いで見つめるハルヒ。しかし、正直堪りません……。
「ハルヒ、もう耐えられない。お願いだから逝かせてくれ。頼む」
俺の表情を見てハルヒは満足したのか、スカートに手を入れるとするするとショーツを脱いだ。
その光景に言葉も出ないほど俺は興奮する。ハルヒはスカートをたくし上げると、俺のペニスに
狙いを定め恥部を近づける。
「ふふふ……。しょうがないわね。じゃあ、挿れてあげる。
でも、すぐに逝っちゃ駄目だからねキョン」
ハルヒは俺のペニスを優しくつかむと、ゆっくりと腰を下ろす。ハルヒの恥部と俺の亀頭が
近づく。ハルヒの恥部から迎え入れるように愛液が滴り、俺の亀頭を濡らす。
そして……にゅるっとした感触がしてハルヒと俺はスキンシップを果たし、そのまま
ずぶずぶとハルヒの膣内へ俺は吸い込まれた。
「はぁあっ…キョン……熱いよ。あたしの中がキョンでいっぱいになっちゃった」
「うあぁ…くっふ、たまんねえ。ハルヒ気持ちよすぎるぞ……」
「はあっ、はあ、じゃあ動くから…我慢するのよ」
制服を着たまま騎乗位の格好で、まるでハルヒに犯されている感じな俺。
当然コンドームなんかしていない。もう、意識が飛びそうなほど快楽に溺れる。
「はあっ、うっ、ふうっ、ううん…キョン、キョン、いいよ、気持ちいいの…」
「ハルヒッ! くっ、うおっ、堪らん…ハルヒ!!」
ハルヒがはねる。俺の上で快楽を得ようと艶かしい動きで俺を挑発する。
その表情は頬を赤らめ、俺を優しく見つめながら口元からは嗚咽が止まらない。
もう駄目だ。我慢できない。
「キョン…もう駄目? 逝きたいの? あたしの膣内で射精したい?」
「ハルヒの膣内で射精したい。頼む、お前のぬくもりの中で……」
「……いいよ、射精して。キョンの精液であたしの膣内いっぱいにして……」
「くっ、ハルヒッ!!」
「キョン……キョン!!」
びゅびゅっ!! びゅっ! びゅっ…
俺のペニスから大量の精液がハルヒの膣内に放出される。何度も何度も……。
ハルヒの膣が俺のペニスを優しく締め付ける。同時に、ハルヒは俺にもたれかかってきた。
「はあ、はあっ、ああっ……キョン……」
「ハルヒ……」
――――
「キョン、気持ちよかった?」
「ああ、最高だった」
「あたしも…凄く気持ちよかった…またしてあげるからね。ふふふっ…キョン、大好き」
「俺も、ハルヒが大好きだぞ」
「えへへ……。ねえキョン、キスして」
「ああ……」
俺とハルヒは唇を重ねた。
――
「うふふ…キョンはもうあたしのものだからね!」
その笑顔がとても眩しく感じた俺は――、たぶん正常だろうな。
fin
>>606 ・・・すげぇエロかった。
おっきして、仕事になら(ry
ハルヒってなにもかも優秀だから
アソコもきっとものすごい名器なんじゃないかと
抜群の運動神経と身体能力だからな
並みの男子じゃ相手できないと思われ
朝倉長門喜緑さんも完璧に作られてるんだろうなぁ
オレが思念体なら
数の子天井とミミズ千匹とキッツキツの3タイプに分けて作るね
さぁ、誰がどの名器か
藻舞らの妄想タイムだぞ
そもそもそーゆー機能はついてないに1シャミセン
でも●のはガチ!
名家の鶴屋さんにはきっとすごい名器が(ry
「な、長門よ……」
「なに」
「なんで、こんなっ……う、動かないでくれ」
「……」
少しばかり不満げな長門の瞳。俺の体の上からその視線が降ってくる。
全裸の俺の体の上に、同じく全裸の長門がまたがっている。
ギンギンに勃起しまくった俺の男性は長門の柔らかな肉の入れ物にずっぽりと……
つまりセックスしているわけだが、なぜこんなことになったのかは省略する。
突然長門のマンションに呼び出されていきなりこうされちまった、というだけで
十分だろう。なにしろそんなことすらどうでも良くなるくらいに長門の中はスゲーわけで。
「お、お前の中、すげー、気持ちよすぎて……出ちまいそうだ」
「……そう」
という長門の声はほんの少しだけ嬉しそうな色がある。泣きたくなるくらい切ない、
長門の腰の動きが止まる。一息つける。
「……ああ、熱くて、ぎゅうぎゅう締めてきて、こうして入れてるだけで射精しそうだ」
「……」
微妙な笑みに似た表情が長門の端正な顔に浮かぶ。喜んでるのか。
「しかし、お前の体、なんでこんな……えっちなんだ?」
「…えっち?」
長門の怪訝な声がする。
「ああ。すげえ、イイってことさ」
「私は情報収集のために作られた対有機生命体用ヒューマノイド・インターフェース。
私が作られた時点では、性交に関する器官は本来任務に必要ないため省略されていた」
どことなく寂しそうな目で長門はそう言った。
「……」
「だが、私はあなたとより深い接触をしたいという欲求を抑え切れなかった。
もしその欲求を満たされなかった場合、以前のように蓄積したエラーで世界を再構築してしまう
恐れがあった。だから私はあなたとこうして性的接触に至る親密な接触をすることに決めた。
そのために必要な器官は再構成し生成した。どんな性器が男性の欲求に合致しうるかは
データベースで精査した。私の膣はあなたの陰茎のサイズに対して最適な大きさと深さ
を有しているはず」
そう言う長門の声の響きがねっとりと溶けそうな粘膜越しに俺の勃起に伝わってくる。
イキそう。出ちゃいそうだ。
「ところで」
そう言う長門の声がどことなく違った印象の色を帯びたのは気のせいだろうか。
「あなたは私の体がいいと言った」
「あ、ああ、言ったが……それがどうし――
「あなたは誰と比較してそう判断したのか教えて欲しい」
なっ……長門さん?目がマジですよ?
「あなたは「私の体」がいい、と言った。つまりほかの女性の肉体と比較して
そう判断したのは明白。あなたが以前に誰と性交したことがあるのか私は興味がある」
そう言うと長門は再び腰を使い始めた。
熱くて、襞のある長門の狭い膣が俺の肉棒を締めながら擦りあげていく。
ミミズ千匹とか、カズノコ天井とかいう言葉の真の意味を俺は知った。
ううう・・・で、出るっ
全身が白く弾けた。生まれて初めての精通の時みたいに、痛みと恐怖を感じるほどの
純粋な射精感。海綿体の中を精液が駆け上っていくドクドクする感覚が脳裏を焼く。
肉棒から精液を搾り出すように、長門の中は俺の竿に絡みつき、ぎゅ、ぎゅ、と刺激してくる。
ああ、とかうわあ、とかいう情けない声をあげながら、俺は長門の中にどろどろの白い粘液を
大量に吐き出していた。まだまだ止まらない。長門が射精している肉竿を違った角度で
刺激してくる。ぎゅ、ぎゅ、と二段、三段と締められる。
それに反応して腰の中が空になりそうなくらい、激しく射精をしてしまう。
「…はぁ……な、なが「まだ」
そう言うと、長門は再び腰を上下に動かし始める。ぬるぬるの膣内が俺のイったばかりの
勃起を扱き始める。あ、また…
「あなたがその人名を白状するまで休ませない」
そう言う長門の目はマジだ。
「あなたは誰と比較して言ったの?」
そういうと長門は腰の中を締めるようにする。亀頭がざらりとする膣奥にぎゅっと
食い締められる感触がする。ぞくぞくする快感が再び腰から駆け上がってくる。
「……誰と?」
そう言ってくる長門の中はすごく熱くて、気持ちよすぎる。
体の中からせりあがってくる射精感を必死に耐えるが、うねうねと動き出す
長門の括約筋の動きにそんなガマンなんてのはすっ飛んでしまう。
「わ、わかった、言う、言うから腰動かさないでくれっ」
瞬時に長門の腰使いがぴたりと止まる。やっとのことで荒い息をつく俺。
「誰?」
冷たい言葉が振ってくる。この甘美な拷問を止めさせるためには本当のことを言うほかない。
「…………だよっ」
俺がその人名を口にすると、長門は
「そう」
とだけ言った。そして無表情のまま、以前にも増して激しい腰使いで俺を攻め立て始めた。
「なっ……長門っ、言ったじゃないか、ちゃんと言ったのに――
「あなたの記憶を上書きする」
「…くっ…うぁっ……そ、そんなに締めないでく――
「あなたの脳内に存在する女性の体の記憶は私のものだけであるべき。
以前の性体験の印象を薄れさせるために、今日は一晩中あなたと性交をする」
「っ…ふっ、な、ながっ――
「今晩だけで不足であれば明晩も。それでも足りないのであればそれ以降の日も」
気持ちよすぎて声も出せない。熱い粘膜の壷が激しく俺を擦り、締め上げ、撫でねぶり、
吸い上げてくる。
結局その晩、長門が許してくれたのは一度も抜かずに八回の射精をさせられたあとで、
また次の夜にも同じことをする、という約束をした後のことだった。
----------------------------------------------------------------------
>>610 こうですか?わかりません(><)
おっきした
なんかキョンって昔の彼女と経験ありそうなんだよな。
流れをぶった切る。反省はしてない。
「はぁ……、何かおもしろい事ないかしらね」
放課後、我らがSOS団の根城となった文芸部部室へと足を進めながら、ハルヒが溜め息混じりに呟く。
おもしろい事って何だ? ごく普通の人達からすれば、このSOS団という存在自体が既に相当おもしろい事だと思うぞ。
「一般人の意見なんかどうでもいいの。そもそもアンタみたいな一般人がおもしろいと思う事って、あたしには全然理解できないわね。漫才とかコントとか、どこがおもしろいのかさっぱりわからないわ」
お前は今のその一言で、全国にいる多数のお笑いファンを敵に回したぞ。
とは言っても、俺も最近は、いまいちおもしろさの理解できない芸人が多いけどな。
「あたしが求めてるのは、普通の人間じゃ理解できないようなビッグイベントなのよ。そうね、普通の人間が見たら発狂するぐらいの」
冗談じゃない。見たら発狂ってどんなイベントだ。恐ろしい事を言うヤツめ。
「一言言っておくが、ハルヒ」
「何よ」
あからさまに不機嫌な顔でこちらを向くハルヒ。
「ドラッグだけには手を出すなよ」
「出すわけないでしょっ!!」
と、こんな実にくだらないやり取りをしているうちに、俺たちは文芸部部室へとたどり着いた。
「みんなー、揃ってるー?」
ノックも遠慮もなしに、これでもかというほど思いっきりドアを開けて中に入っていくハルヒ。
「ちわっす」
中から朝比奈さんの悲鳴が返ってこないのを確認して、ハルヒより少し遅れてから部室に入る俺。
「……」
「……」
「……」
俺たち2人の挨拶に返ってきたのは沈黙だった。
俺たち以外の3人は既にこの部屋の中に揃っていた。
ただし、朝比奈さんの天使のような声も、古泉の0円スマイルも、長門の視線も返ってこない。
どうやら3人は俺たちに気づいてないようで、3人してテーブルの上に置いてある紙切れと壮絶な睨み合いを繰り広げていた。
「団長が来たのに無視しなーいっ!!」
ハルヒは無視された事に少々腹を立てたようで、ずかずかと3人の元へと歩み寄ると、その紙切れをひったくった。
「ふえ!?」
「え?」
「……」
睨み合いをハルヒによって強制的に中断される3人。
そして、紙切れを奪い取ったハルヒとドアの前に立つ俺の姿を確認すると、
「あ! 涼宮さん、キョンくん、こんにちは!」
「おや、いつの間にいらしてたんですか」
「……」
やっと俺たちの存在に気が付いたようだ。
「3人とも一体どういうことかしら? このあたしが来たのに挨拶も返さないなんて。事としだいによっては、罰ゲームかもしれないわね。キョン、釘とワラ持ってきて」
無茶言うな。そもそもそんなモン持ってこさせて一体どんな罰ゲームさせるつもりだよ。丑の刻参りでもするつもりか?
「どうもすみません」
早くも罰ゲーム決定モードのハルヒに対して声を上げたのは古泉。
まあ、朝比奈さんは困った顔をして「どう言っていいかわからない」といった様子だし、長門に弁解を求めるのも少々無理があるだろう。
「実は僕たち3人、今日は部室前で鉢合わせて、同時にこの部屋に入ったんですけれども、入った瞬間にテーブルの上にあったその暗号のような物が目に入ったんです。ですから涼宮さん達が来るまで、我々だけで考えてみようという話になりまして」
「暗号ですって?」
手に持っていた紙切れに目を通すハルヒ。
その瞳は、餌をもらった子犬のようにキラキラと純粋な光を放っている。
そしてしばらくすると、ホワイトボードに近づき、紙切れを磁石でくっつけて、バシンとボードを叩き、高らかな声を上げた。
「間違いないわ! これは暗号、そして我がSOS団に対する挑戦状よ!」
そうか。で、釘とワラは?
「そんなモンいらないわよ。それよりほら、キョン! アンタもこれ見なさい!」
バシバシとボードを叩くハルヒ。
俺はハルヒに言われたとおり、ボードに近づき紙切れに目を通した。
するとそこにはこう書かれていた。
『ネズミのマーチ
そこの掃除用具箱を調べろ』
確かに暗号みたいだな。それに挑戦状のような気もする。
「ほら、目を通したらさっさと座る! 今からみんなでこの暗号を解くのよ!」
ハルヒはいつの間にか団長席にずっしりと座っていた。
いつまでも立っているのもアホらしいし、ハルヒの言葉に従い古泉の隣の席に腰を下ろす。
「やあ、どうも」
笑顔で話しかけてくる古泉。
何故か今日の笑顔はいつもよりも3割増しで胡散臭い。
「あれもお前ら『機関』の仕業か?」
当然の疑問を口にする。何かイベントがあるときはまず第一にこの質問を古泉にぶつける必要があるからな。
「いえ、最初は僕もそう思ったので、機関に連絡してみたのですが、どうやらウチの計画ではないようです」
「本当だろうな?」
「ええ、本当です。ただ、上の方が僕に嘘をついている可能性がないとも言い切れませんが、それでもその可能性はゼロに近いと思います」
そう言う古泉の顔は相変わらず笑顔だが、まあ、こんな所で嘘をついても仕方がないしな。
コイツの言う通り、おそらく今回『機関』は無関係なんだろう。
「で、あの暗号の意味はわかったのか?」
「それがさっぱりでして……」
古泉はやれやれと体で表現しながら答える。
古泉から視線を逸らし、長門の方を見やる。
長門はホワイトボードに張られた暗号を食い入る様に見つめている。
それなりに長門の表情は読み取れるようになったとは思うが、今の長門が何を考えているのかはわからなかった。
「あたしの推理によれば!」
突然ハルヒが声を上げる。といっても、俺が聞いてなかっただけで、さっきからハルヒは朝比奈さんと暗号について話してたみたいだが。
「この『ネズミのマーチ』はどこかの教室の事を指してるわ!」
……。
ああ、それはわかる。
そんなことはこの俺でもわかる。問題はその『ネズミのマーチ』がどこの教室を指しているかだろうが。まさかこの学校の掃除用具箱を片っ端から調べるとか言うんじゃないだろうな。
「そんな外道なことするわけないでしょうが。それを今からみんなで考えるんでしょ。キョン、あんた何か思いつかないの?」
『ネズミのマーチ』ねえ……。ミッ○ーマ○ス・マーチぐらいしか思いつかないな。
「あ、あたしも最初そう思ったんですけど、どの教室の事か全然わからなくて」
朝比奈さんの言うとおりだ。どの教室の名前にも結びつくとは思えない。
「……」
SOS団全員が黙り込む。
さて、久しぶりの頭脳労働。もう少し考えてみるとするか。
続く?
おk、把握した。
デズニーランドの掃除用具入れの中から地下にもぐれるという伝説ですか><
なんとなく分かったような気がする。
さっぱりんこ
朝倉と長門がどっちが名器か勝負。
必死に我慢するキョン。
そこにハルヒが乱入。あっさりいっちゃうキョン。
ハルヒ欲求不満で閉鎖空間。
キョン頑張ったのにショボーン。
とかいうのを受信したが自分には濡れ場は書けそうにないorz
ヒント1:読みの意味は一つとは限らない
ワンダリング5人で古泉の言っている「合体トンボ」だが
純ちゃんも島田紳輔に「トンボは交尾しながら飛んでいるが、飛ぶことを考えて
交尾しているのか?それとも交尾することを考えて飛んでいるのか」
と話したことがあるらしい
そういえばボクセカには、○ッキー鼠、出てくるんだよなwww
中学3年?
1-3
あたしキョン妹!キョンくんの妹なの!
これはあたしが寝ぼけたキョンくんに襲われちゃった話…
「ねぇキョンくん!放してよぉ!」
「うーん…ハルヒ…」
キョンくんは今ハルにゃんと付き合ってて、たまに二人でお部屋に入って変な声出したりしてるの。
あたしは何してるかっていうと、借りてたハサミを返しに来たらね?
ベッドから寝ぼけたキョンくんに捕まえられてこうなっちゃった。
「あたしハルにゃんじゃないよぉ!」
「暴れる…なって……」
そしたらキョンくんの顔が近づいてきて、
「え?……だ、ダメ、ダメダメ!……んっ!?」
「ん…」
チューされちゃった。それも30秒くらいずっと。
キョンくんとハルにゃんはいつもこんなことしてるのかな、って思ったら…
なんかヘンな気分になってきて…切なくなってきたの。
「愛…してるぞ、ハルヒ…」
そう言ってるキョンくんはあたしが見たことない顔してた。
あたしの前にいる時よりずっと優しくてお兄ちゃんっぽい顔。
「……ズルいよ…あたしだけのお兄ちゃんなのに…ハルにゃんにだけこんなこと…」
「指で…してやるよ…」
なんのことだろって思ったら、キョンくんがパンツの中に手を入れてきたの!
「え?やっ…あっ…なに…これ…」
「ハルヒ…」
キョンくんの指がおしっこするとこに当たったら
体がピクンッてなって、ムズムズがどんどん気持ちよくなってきちゃった。
「ダメだよぉ…ヘンになっちゃうよ…」
頑張って暴れてるのに、キョンくんにチューされてすぐに動けなくなるの。
「んっ…あっ…あ…んぁっ!」
指がヘビみたいににゅるにゅる動いて、それに撫でられるたびに頭の中が真っ白になって…
どんどん指が速くなって…キョンくんが優しくチューしてくれた時、
「あッ…んんっ…やっ……やめっ……ああぁっ!!」
体中に電気が流れたみたいに気持ちよくなって、しばらく何も考えられなかった。
「すー…すー…」
キョンくんは寝ちゃってた。そしてあたしは、
チョロチョロチョロ…
「おしっこ…しちゃった………くかー…」
パン!パン!これはあたしのお尻が叩かれる音。
「痛い、痛いよ!キョンくんのせいなんだよ?ホントだよ!」
「なんで俺のせいでお前が寝小便するんだよ。しかも俺のベッドで!」
「ホントなんだってばぁ〜!」
<完>
回答編前にネタバレイクナイ
はんにんはヤス(特に意味はない
>>637 たしかフミキリに望遠鏡を担いで行きそうな時間だっけ?
ネズミ…マーチ……そうか!
俺たちはとんでもない勘違いをしていたんだ!
ネズミがマーチ、つまり徒党を組んで移動するなんて時は一つしかない。そう、災害時だ!
そして掃除用具箱。
掃除は「騒時」つまり騒乱の時、用具は「庸具」で傭兵の道具、つまり銃器だ。
銃器のある箱、つまり弾薬庫が騒がしくなる時、災害が起こる……もうわかるだろ。
これは予言……あの弾薬庫火災を指していたんだ!
えー、答えは生徒会室、だよね。
機関やら思念体やらの送り込んだネズミが巣くってるわけだから。
「掃除用具箱を調べろ」ってことは、つまり、ネズミどもは始末した、死体を確認しろ、
ってことでしょ。
掃除用具箱を開けると、耳や鼻を削がれた会長と喜緑の遺体が!
どちらかと言うと何でも溶かす針を撃つ、つがいのネズミがいそうな。
ネズミのマーチって言われても……
チュー チューチュー
○〜 ○〜
○〜
頭の中はこれで一杯なんですが……
マジレスすっと
マーチは3月だろ
3月は旧暦だと弥生とも言うな。
おれたちはとんでもない思い違いをしていたようだ。これを見てみろ。
まずマーチとは日産の車両名をあらわす。
型式が『GH-K11』
これにネズミの英語表記のMOUSEを加える、
『MOUSEGH-K11』
そして数字とアルファベットを分けて
『MOUSEGHK-11』
さらにアルファベットを並び替える
『GKHOKUSE-11』
そして「そこの掃除用具箱を調べろ」と言う事を考えればアルファベットの末尾にinvestigateの「I」を加えるのは当然だ。
すると導き出される解は
『 GK北西-11』
そして最後に意味不明な文字「GK」。
これはノイズと考えられるので削除し残りの文字を取り出す。
するとできあがる言葉は・・・・・・『北西-11』。
つまり!「ネズミのマーチ」とはノストラダムスを表す言葉だったのだ!!(AAry
648 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 19:41:50 ID:RXoMUZ+0
ちゅうか下がりすぎ。見付けにくい。
って訳で上げな
専ブラ使えよ。
専ブラでなくてもページ内検索は使えるだろ。
1-3の掃除用具入れか?
2-3だろ
ネズミ(子=1)の三月だから1-3じゃないの?
ネズミが複数->チューチューで2-2だと考えてた。
ネズミ→マウス でバキを思い出したのは俺だけでいい
マウスって長門がクルクル回してたやつのことじゃないの?
ネズミ=チュウとなくから中で2
もしくわ十二支の子で1
マーチは進撃や行進を意味するmarchではなく3月を意味するMarch
つまり3
答えは1の3か2の3
とうこと?
謎の答えが1―3の教室の掃除用具入れなんだろうということは分かった。
だがその中に何があるのか。それが一番の謎だ。
あの人が縛られて監禁されているに決まってるだろう
ねずみのちゅうで丑にかけているなら、掃除用具入れに入っているのは道化じゃないかと……。
ただ、掃除用具入れと掃除道具箱って違うんじゃないか?
例の掃除用具が入っているロッカーを、一般的に箱と呼称するだろうか。
取りあえず、みんなしてwktkしすぎなのは理解した。
そりゃ解答編はやっぱり楽しみだよ。問題編のみを投下して時間を置いてるくらいだから、
きっと、ものすごく意表を衝かれるような解答編があるんだろうなと。
皆殺し編もありますか?
あんまりwktkしすぎると投下しづらくなっちゃうんじゃね??
あるある
問題編すげぇ人気だな!!
きっと読者が度肝を抜くような、みんなの推理をすり抜けるような
推理をするんだろうな!
正解率は何パーセントだろう?
wktk!
そして、とんでも解答編をだして叩かれると…
>>668 最後の一行は言ってはいけないのだと何度言ったらry
なんとなく思ったんだが、
1-3なら阪中か朝倉
2-3なら鶴屋さんが
縛られて入ってそうだな…と
なんとなく思ったんだが、
1-3なら阪中か朝倉
2-3なら鶴屋さんが
縛られて入ってそうだな…と
空気無視して、箸休め的なもんでもってことで小ネタ2レス。すまん。
「は、初めてなんですぅ」
彼女がそう言ってきたんですよ。
頬を赤く染めて、上目遣いで両手を口元で合わせながらね。
だから、僕は、その彼女の気持ちに応えたいと思っただけなんです。
別に無理強いしたわけではありませんよ、それは彼女の意思だったんですから。
でも、女性に俯き加減で「初めて」などと言われると、なんとも言えない気分になる
ものですね。それは新しい発見でした。何というか、こう自分が頼りにされている、
だから、その期待に応えたい、なんてね。
彼女のような庇護欲をそそられる女性から言われた場合には、特にそう思いますよ。
「あの、その、本当に初めてだから、痛いの我慢できるか解んないんですけど」
「いやあ、僕でいいんですか? 何というか意外ですね。てっきり最初は彼に……」
「キョン君も経験がないようだし、初めてだと、そっ、その、うまく出来なかったり
するような気がして……」
「なるほど、そうかもしれません。解りました。僕でよければ協力しましょう」
彼女は僕の前に立つと、指先でゆっくりボタンを外しました。
目の前に現れたそのボリュームに多少圧倒されましたが、とりあえずそれを両手で
掴んだとき、彼女の震えるような唇から溜息が漏れたのを憶えています。
「はあ……」
「緊張してますか?」
「は、はい。あの、ほ、本当に初めてなんでキツイかもしれませんけど……」
「僕は大丈夫ですよ。むしろその方が……」
立ったまま指先を這わせ、重なったそれを開くと、指先に濡れた液を感じました。
それはそこの周りを汚し、僕の指先に纏わり付いてきたんです。
「こんなに」
「えっ? で、でも、あたしは……」
彼女は真っ赤な顔で、一瞬僕を見上げ、すぐに視線を伏せました。
きっと、恥ずかしかったのでしょうね。
そんな彼女を見ていると、何となく意地悪な気持ちになってしまいまして、
つい、そこを擦り上げた指先を彼女の目の前に差し出しました。
「こんなになってますよ」
「す、すみません、あたし我慢できなくて……」
「そうですか、ちゃんと見てください、これがあなたの……」
「や、やめてくださいっ」
彼女は少し震えつつ、羞恥に耐えているようでした。
やりすぎたかな、そう思いながらも、僕は手を緩めることができなかったんです。
あなたにも解って頂けると思いますが。
「キツイですね」
その僕の言葉に彼女は、上気した顔で吐息を漏らしながら、
「ふっあっ、そう、ですか、やっぱり……」
そう呟くように言って、伏目がちでゆっくりと首を左右に振りました。
「でも、始めのうちは誰でもそんな感じですよ」
「んっ、そ、そうですかぁ……っ」
「ただ、この濡れ方は頂けません」
「ふぇ、で、でもぅ……っうぅ」
彼女はこみ上げるものが抑えられないのか、うまく話せない様子で、それでも、
少し潤んだ瞳で僕を見上げてきました。僕はそんな彼女に覚悟を感じたんです。
だから、中途半端にしてはいけない、とね。
「この話の展開、これは少しキツすぎです。はっきり言って話の繋がりが
ムチャクチャですし、それに、ペン入れした原稿はちゃんと乾かさないとダメです」
僕の言葉に、彼女は涙を浮かべて、
「だって、童話なんてどう書いて良いか解らなかったから……。
それに挿絵なんて書いたのも初めてだったから、どのくらいでインクが乾くか
解らなかったんですよぅ。うぅ、もう乾いているとおもったのに」
そう一気に言うと、彼女は僕の手からひったくるように原稿を奪い取って、
「もういいです……」
両手で顔を覆ってしまいました。さすがに少し罪悪感を感じましたね。
その後、彼女は持参したファンシーなキャラクターが描かれている書類入れに
原稿を仕舞うと、その蓋、いや、かぶせって言うんですかね、を閉じてボタンで留め、
それを大事そうに胸に抱いて、
「ごめんなさい。あなたが悪いんじゃないのに、あたし取り乱しちゃって……」
そう言って、部室を後にしました。
ええ、本当にそれだけですよ。いや、それ以外何もしてません。
だから彼女が憂い顔で僕を見ていたのだとしても、それは別に僕のせいってわけじゃ……。
みくると古泉?またよくわからん組み合わせをw
俺の期待を返せ
てっきり
『古泉は後ろの穴にしか興味ないから初めての相手としては不適だった』
というオチになるのかと思った。
すまんかった。もう少し修行することにするよ
いや、普通にGJだと思ったがw
腐女子は巣に帰れ
というわけで「オタクパワーの不思議を探訪するわよ」との団長様の掛け声のもと
同人イベント会場へ向かうべく駅前に集合中だ。
「遅い!みんなとっくにきてるのに雑用係としての自覚が足りないわよ!」
すまんすまんなどという俺の目にメイド姿の朝比奈さんが飛び込んできた
あーハルヒ今日のイベントはコスプレ禁止のはずなんだが朝比奈さんがメイド服なのはなせ?
「みくるちゃんの格好はコスプレじゃないわよ、普段着よ普段着!」
おいおいどこの世界にこんな普段着があるんだ
いい加減にしろ、どうせお前が無理やり着せたんだろ?
「普段着は普段着るから普段着よね?」
まぁそうだな
「みくるちゃんは毎日学校でこのメイド服を着てるわよね?」
着てるというかお前が無理やり着せてるんだろが
「だったらこのメイド服だって十分普段着よ!文句ある?」
( ゚д゚)ポカーン
( ゚д゚)ポカーン
( ゚д゚)ポカーン
「ながとぉー!」
と叫びながらハルヒに中出しするキョン
未読だった原作をようやく読み終え、SSの構成を練ろうかと脳を普段より
少々だが活性させた矢先のこと。やり残していた一つの懸案事項を思い出し、
今まではネタバレになるからと、とっておいた「ループタイム」シリーズの
封印を解いたのだが。
俺にはあれ以上に面白い物を書けるとは到底思えん……。以上とまでは
いかなくとも、それでもある程度あれに近い面白さを読者に感じさせる文章の
創造など俺には程遠い現実だ。ちょっとばかし書く気が削がれるなあ……。
>>684 違うネタなら別に気にすることはないかと。
面白さのベクトルが違うのだから。
で、ロッカーの中の鶴屋さんが縛られてるのを(・∀・)ニヤニヤするのはまだ?
>684
泣き言なんか聞きたくないね。
読みたいのはおまいさんが吐いた妄想だけだ
頑張れ
さもなくば去れ
>>684 超える超えないとか最初に言い出したのは誰だ?
超えなければならないのか? 違うね。萌えなければならないのさ! ツマンネェヨウワァーン ( `Д´)=○)3゚)∵
妄言吐いたついでにこんなエロくも萌えくも無い妄言を聞いてくれ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
用事があると言ってハルヒがパッパと帰ってしまったので、
俺は掃除当番を終えてから本日休団の旨を文芸部室に知らせに向かった。
が、そこで目にしたのはつい最近ハルヒが持って来た小さな秘密金庫を取り囲む怪しい三人組だった。
「……」
おい長門、なんだその糾弾するような目は。まるで俺が犯罪者みたいじゃないか。
「な、なんだあ、キョンくんだったんですか〜。涼宮さんかと思って驚いちゃいました」
ええ、本当にハルヒじゃなくてよかったですね朝比奈さん。今頃どうなっちゃってるか想像出来ませんよ?
「涼宮さんは?」
古泉、貴様は明日ちゃんとハルヒに密告しといてやるから安心しろ。
「今日は用事があるそうだ。それより、お前ら何してんだ?その金庫でも開けてみようって魂胆か」
「ひええっ、えっと、そのう……」
「さすが、お察しがいいですね。多少の違いはありますが、正にその通りです」
「お前に褒められても嬉しくもなんとも思わん。さらに往生際の悪い台詞まで吐こうってんなら尚更だ」
「彼の言葉に誤りは無い」
おや、長門が古泉を庇うとは珍しい。朝比奈さんも同感だったらしい。
古泉さえも、今から自分が言った発言の説明をする気だったのに驚いて口が開いたまんまだ。
しばらく経って気を取り直した古泉がいつもより30%増しのような笑顔で出番を譲り、長門が口を開いた。
「私達は既に金庫の開錠に成功した」
『いい?この金庫は団長専用だから、あなた達、特にキョンは絶対に開けちゃ駄目よ。
まあ、パスワードが解らなきゃ開けたくても開けられないだろうけどね』
パスワード、バレたみたいだぞハルヒ。
まあ宇宙的な能力や超能力的見解や未来的時間遡行の前では人間の暗号技術など何の意味も無い、ということか。
「いえいえ、今回我々は何の力も使っていません。それほど難しい問題でもありませんでしたしね」
「何だと?ハルヒがこういうので手を抜くとは思えんが」
「こういうの、とは他人に絶対に見られたくないものを隠す努力のことですか?
だとしたら今回のケースは違いますね。何しろ、彼女は内心でこの金庫の中身を公けに晒したい気持ちで一杯でしょうから」
「意味がわからん。隠しといて隠したくないって筋が通ってないだろ」
「女心は複雑なんですよぉ、キョンくん」
朝比奈さんが妙に思い切りのある声で俺を非難する。返す言葉もありません、というかあなたに反論するなどもっての他です。
だが正直な話、女心なんてものほどわからんものは無い。ましてやハルヒだ。理解しろというのがそもそも間違っている。
そう思うだろう?普通。
「そんなわけで、あなたもチャレンジしてみてはいかがですか?」
どんなわけだよ。
「そうですよぉ、キョンくん。女心にチャレンジです!」
なんか当たって砕けろ的なニュアンスですね。
「私も、推奨する」
おいおいお前まで……なんか、今日はみんなやけに積極的だな。
「やれやれ、わかったよ」
こんなわけで、俺はハルヒの暗号能力にチャレンジしてみる羽目になっちまった。
689 :
小箱:2006/10/24(火) 17:49:48 ID:5sRJqBAP
「……」
結果は惨敗だったわけだが。
「キョンくぅん……」
そんな声を出さないでください朝比奈さん。俺も泣いてしまいそうです。
「……」
長門、頼むからその目は止めてくれ。すぐにでも処刑場に行きたくなっちまう。
「失礼を承知で申し上げますが、いやはや、まことにあなたらしい」
お前は絶対に祟り殺してやる。
俺は俺なりにハルヒに関して知りうる全ての情報を4文字の数字に叩き込んだつもりなのだ。
まずは望みの薄い授業で聞いたうろ覚えの単語から始まり、ハルヒに関する俺の知りうる誕生日などの身辺の数字、
(これを打ち込んでる時に「はやや……すごいですぅ」と後ろから意図のよくわからない声が聞こえたのは、まあ気のせいだろう)
そして最も正解に近いと思われるSOS団に関わる年月日も記憶の限り打ち込んだ。
文芸部の会誌発表の日や一応バレンタインデー、冬の合宿、クリパの日、一応俺が事故った日、コンピ研に勝利した日、
映画を上映した日、一応ハルヒと喧嘩した日、一応翌日、夏の合宿、野球で勝利した日、一応世界改変を阻止した日、一応翌日、一応週末、
不思議探索を始めて決行した日、SOS団団員が集結した日、SOS団が結成した日、SOS団結成をハルヒが思いついたあの日……、
「駄目だ、さっぱりわからん」
最後の数字もアウトだったところで、俺は完全に断念した。
「でも、キョンくんすごいです。涼宮さんと一緒にやって来たことをほとんど覚えているなんて」
それはただ印象が強かったというだけで、そんなに目を輝かせる必要も無いと思いますよ、朝比奈さん。
「僕らはほぼ一発で正解だったんですがね。それでは長門さん、お願いします」
コケにしているとしか思えない微笑を俺に向けてから、古泉は横に視線を向けた。
長門が無言で開錠作業を始める。
カチンッ
「なっ!?」
「出来た」
さっきまでうんともすんとも言わなかったあの憎らしい鍵がいとも簡単に開きやがった。
こうなるとさっきまでの作業がひどく馬鹿馬鹿しくなってくる。
「……で、一体どんな魔法を使ったんだ?」
まあ、多少皮肉っぽかったのは許してくれ。
だが、そんな俺の言動を長門は一見すれば無機質な瞳で返して、解答を示した。
「あなたの誕生日」
……
「は?」
「涼宮さんはぁ、キョンくんの誕生日を秘密の『鍵』にしてたんですっ」
「灯台下暗し、ですよ」
古泉のそんなくだらん言葉と共に、俺は全身から力が抜けていくのを感じた。
馬鹿馬鹿しい。ああ馬鹿馬鹿しいねってさ。
690 :
小箱:2006/10/24(火) 17:50:29 ID:5sRJqBAP
「ところで」
こう切り出したのは古泉で、今は下校中だ。
あの後のことを語るつもりは一切無い。もう忘却の彼方に追いやってしまったのでな。
「それは僕にとっては残念ですが、あなたにとっては残念なことに僕はまだ気がかりな事がありまして」
今すぐに消せ。誰か、5tハンマーを貸してくれないか。
「そんなもので殴られてはたまったものではありません。しかし、これだけは訊かなければならないと思いましてね」
……誰か、こいつが阿呆なことを言い出す前にアーアー聞こえないのAAを。
「最後、あなたが打ち込んだ番号はなんだったんですか?」
「知らん。忘れた。覚えてない。ただの勘だ」
「そんな筈はありません。あの時のあなたの目は、まだ答えを諦めずに必死に探しているようでした。
ということは、最後の答えにも何か根拠があったと考えるべきかと」
「だからどうした。どうせ外れだったんだから関係無いだろ」
「そういうわけにもいきません。これは個人的に気になって仕方がありませんので」
……だれか、あのAAを。
「SOS団に関することは既にネタ切れだった。では、次はそれまでのあなたと涼宮さんのそれまでに関わる数字ですね?」
……あ、あった。
「僕もそれなりの情報は得ていますが、それが確信に至るにはあなたの解答が必要不可欠なんですよ」
(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい
「……良いでしょう、一方的に言わせて頂きます。
席替えであなたとまた一緒だった日ですか?あなたが涼宮さんに髪型のことを訊いた日ですか?その翌日の、髪を切っていた日ですか?
初めて涼宮さんに声をかけた日ですか?初めて涼宮さんに出逢った日ですか?それとも、初めて涼宮さんのポニーテールを見た日ですか?」
(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい
「……あなたは自分の誕生日が暗号に使われていたことについて深い意味など無いとおっしゃっていましたが、
それならば中身の『婚姻届』はどう解釈しますか?ひょっとしてあなたが涼宮さんに送ったものでは」
「だからアレは数週間前にバカの谷口がどこからか大量に持ち込んで来て教室にばら撒いてたやつの残りで、俺には無関係だと」
「聞こえてるじゃないですか」
(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい
「涼宮さんには……、一生を共に添い遂げたいと願う男性が既にいらっしゃるのかもしれませんね」
(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい
このSSに対する批判なども(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい
>>961 もう一回分投稿があると思っていました。
聞こえないフリしてるけど本音の一言が
693 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 18:01:38 ID:Ihwbf2sI
なにそのロングパス
ベタネタながらやはりこう言うのは和むなぁ。
そしてガンガレ
>>961。
(∩ ゚д゚)
「キョンくん何してるの?」
おっと、今はもう自宅なんだった。
妹が俺の真似をして(∩ ゚∀゚)な顔をしているが相手にするのは止めておこう。
しかしハルヒも案外と間抜けなもんだ。
結局あの金庫にハルヒがどんな思いを込めたのかなんぞ俺には理解しかねるが、
普通、ああいうもんは学校みたいな公共の場に置いておいたりはせんだろう。
おかげであの様だ。明日はあの不思議属性の三人組がさぞや怪しい微笑みでハルヒを見つめ続けることだろうよ。
俺ならそんなヘマはしない。絶対にな。
っておい、なんだその目は。ひょっとして俺を信じてないな?
ちょっと俺の部屋まで来い。
……よいしょっと。
ほれ、見ろ。
俺は大事なもんは30分ほど時間をかけて掘り出さないといけないような面倒な場所に隠してあるんだ。
さらに他人の場合、元々の位置を知らないからさらに時間がかかる計算だ。
どうだ、凄いだろう!
あ、暗号の数字は何だって?
そんなもん教えるわけねえだろうが。いいぜ?開けてみろよ。
まあお前らには絶対にわかんねえだろうからな。
ナニ?見当はついてるけど具体的な数字がわからない。
それじゃ駄目だね。どうしても開けたいってんなら本人に聞いて……おっと。
とにかく、わかんねえなら開けられないな。
中身?教えるわけねえだろうが。ヒント何て教えてやんないね。
まあ、実を言えばこの小っちゃな金庫に隠すようなものを入れたのは数週間前の話なんだがな。
は!?わかっただと?
……ふん、いいぜ、言ってみろよ。
……。
(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい
本音の一言が聞きたいなんて言葉(∩ ゚д゚)アーアーきこえなーい
>>696 結構いい題材だと思うんだけどこれで終わり?
もったいないなぁ。
|;゚∀゚)ノ。о(
>>697…、後は任せたぽ)
バタッ
=■○_ 。o(萌えに…栄光アレェ…!)
周りからの言及に対し
俺は耳と目を閉じ、口を噤んだ人間になろうと考えた。
(∩ >-<)
・・・誰だよ
「キョン君って意外と可愛いんですね」
「・・・ユニーク」
はっ!見られてたっ!?
あ、甘酸っぺえぇぇっ。こういう方面は好きだぞ。
しかし始業式の日は、ハルヒにとっては記念日でも何でもないよな…
キョンには、彩度に欠ける風景が鮮やかな総天然色に切り替わった
(アニメ版準拠)、それこそ世界改変の日だったというのに。
んでは甘酸っぱいついでに、非エロものを6レスばかり行きやす。
キョン妹の脇でシコシコしたい
702 :
蛍光灯の姫:2006/10/24(火) 19:46:17 ID:aLze/1AS
その日、掃除当番で遅くなった俺を部室で迎えたのは、脚立に登ったハルヒと
それを支えるSOS団一同…というかなり頓痴気な光景であった。
おいハルヒ、そこは見晴らしがいいのか?
「来る早々、何バカなこと言ってんのよキョン!蛍光灯の交換よ、蛍光灯の交換」
ああ、そう言えば昨日から少しチカチカしはじめていたっけな。
しかし、そういう作業はてっきり俺に押しつけるもんだとばかり思っていたが、
自分でやるとは、やっぱり何とかは高いとこが好きなのか。
「本当はあんたにやらせるつもりだったんだけどさ、ちらつく蛍光灯見てたらもう
イライラしちゃって、さっさと行動に移しちゃったのよ。あんたも、とっとと支える!」
へいへい。今日ばかりは、掃除当番様々だな。
703 :
蛍光灯の姫:2006/10/24(火) 19:47:25 ID:aLze/1AS
…うっ。
うちの高校はスカートが短くねぇかとつねづね思っていたが、脚立の下に立つと
かなりやばいぞ、これは。何でジャージとか穿かないんだハルヒ。
「キョンくん、上を見ちゃ駄目ですよぅ」
分かってますよ、朝比奈さん。それにしても、あなたが登ってハルヒに支えさせた方が、
よっぽど腕力がありそうなもんですが?
「こんな高いとこ、私、怖くてダメです」
怖がるほどの高さにも思えませんが…朝比奈さんらしいと言えば、らしいですね。
長門…は、リーチが足りないか?物理的に手が届く必要もない気がするが。
その長門はというと、脚立を支えた手の親指で文庫本をはさんで、器用に読んでいた。
「…なに」
いや、よく落とさないもんだと思ってな?
「…コツがある」
そうかい。
704 :
蛍光灯の姫:2006/10/24(火) 19:48:07 ID:aLze/1AS
「はい涼宮さん、次の蛍光管いきますよ。これでラストですね」
待て古泉、何だよその蛍光管の大箱は?
「これですか?生徒会の備品室から出してもらって来たんですよ」
ははぁ、あの生徒会長氏とまた結託したか。便利がいいな。
「ええ、下の商店街まで行かずにすみました」
「よーし、完了!古泉君、スイッチ点けて!」
「了解しました」
そそくさと壁ぎわに移動した古泉がスイッチを入れると、天井の蛍光灯が
いっせいにパパパパパッと点灯する。うおっ、まぶしっ。
「うわぁ、明るいですねぇ」
「…読みやすい」
「やっぱり全部いっせいに新品に入れ替えると、気分がいいわねぇ」
何でお前がそんなに得意げなんだ。そんなに胸を反らしちゃ、ほら、危ないって!
705 :
蛍光灯の姫:2006/10/24(火) 19:48:45 ID:aLze/1AS
「きゃ!」
脚立の上のごく狭い面積から、ハルヒの重心がわずかに外れた。
あわてて踏ん張る朝比奈さんと長門の功績で脚立は倒れないものの、
ハルヒの姿勢を立て直すにはいたらなかった。
ハルヒの背中が、ぐんぐん目前に迫ってくる。やべぇ!
…ボスッ!
思わず差し出した両腕の間に、うまい具合にハルヒの尻が落ちてきてはまった。
左腕に背中を、右腕にヒザ裏を、そしてハルヒの全体重を胸で受け止める形で、
俺は何とかハルヒの落下阻止に成功した。もちこたえろ、俺のヒザ!
勢い余ってそのままハルヒを今度は横方向へ放り投げそうになったので、
あわててがっしりと抱き戻す形になったのは、そう、不可抗力というやつだ。
ハルヒの全身の意外な柔らかさと温もり、そして腕の中にすっぽり収まっちまった
小ささにドギマギしちまったりなどしてはおらん、と天地神明に誓うぜ。
706 :
蛍光灯の姫:2006/10/24(火) 19:49:19 ID:aLze/1AS
「…ナイスキャッチ」
「「おおーー」」パチパチパチパチ。
たぶん、コンマ何秒のことだったんだろう。
皆の拍手で我に返ると、そこにはハルヒをお姫様抱っこしている俺が
突っ立っていたって訳だ。何たる公開羞恥プレイだ、これは。
あー。えーと…まぁ、無事でよかったなハルヒ。もう目を開けても大丈夫だぞ。
ハルヒときたら、ギューッと目をつぶって、身を固くして縮こまっているのだ。
たぶん息も止めているな、時間ごと止めてるつもりか。本当にやりかねんのだが。
「え?あ?…ああ、キョン…」
おそるおそる目を開けたハルヒは、自分の体がどこも痛くないのに気付いて安心したか、
ホーッと溜息をついて体の緊張を解き、そのまま俺の胸に頭をもたせかけてから
イヤイヤそうじゃなくて、と跳ね起きた。
「ばっ、バカキョンッ!お、降ろしなさいッ!」
顔を真っ赤にして、人の腕ん中でバタバタ暴れるんじゃない。あんがい重いんだぞ。
「重いとか言うなー!」
だから暴れるなと言うに。落とすぞコラ。
707 :
蛍光灯の姫:2006/10/24(火) 19:50:19 ID:aLze/1AS
その後のハルヒはえらく寡黙になってしまって、一人でさっさと先に帰ってしまった。
天井一面の蛍光灯の総取っ替えなんて、ま、いつものSOS団の一日に比べれば、
生産性に溢れた実り多い日ではあったな。
「そういえば長門、さっき実は重力制御とかしてくれてたのか?」
「ちょっとだけサービス… でも、ほとんどあなたの実力。称賛に値する」
「そぉですよぉ、私、感心しちゃいました。キョン君すごいですぅ」
「涼宮さん、淋しかったんですかねぇ…」
おいそこのニヤケマン、唐突に何を言い出すか。
「いえ、最近、スキンシップが足りてなかったんじゃないのかなぁと思いましてね」
何でもかんでも、あいつが自分で起こした出来事のように言うのはよせよな。
「でも、すごく満足げでしたよ涼宮さん?僕も、今週はバイトがなさそうで嬉しいです」
脚立から落ちて嬉しいヤツなんかいるかよ。お前の言うことは、さっぱり分からねぇ。
「あなたも、満更でもなさそうですが…」
うるさい、黙れ、却下だ。
<了>
GJ!!
ここは桃色な閉鎖空間ですね
「それは、親しみを込めて使う言葉」
あれは、俺が高校に入る前、残りわずかな中学最後の春休みを過ごしている時だった。
「キョンくん、朝だよー。」
「キョくん、行ってきまぁす。」
「キョンくん、宿題教えて。」
すっかり俺のことを叔母発案のあだ名で呼ぶことに味を占めたわが妹は、いまや手当たり次第にその口から発する言葉の先頭に『キョン君』をつけて話しかけてくるようになっていた。
最初は妹もおもしろ半分で、いずれ飽きて以前のように『お兄ちゃん』と慕って呼んでくれる日が戻ってくると信じていたが、いまだにその日は訪れない。
「キョンくん、おかえりー。」
俺が外出先から帰ると、妹が迎えてくれた。その後ろに、妹と同い年とは思えないほど背の高い女の子が立っていた。
「お・・・お帰りなさい。お邪魔しています。」
その子は、やっぱり10歳とは思えないほど大人びた容姿をしている妹の親友だった。
「よお、ミヨキチ、いらっしゃい。」
ああこんな妹がいてくれたらなあと思っていると
「ほらほらミヨちゃん、キョンくんに!」
「えっ待って待って。」
妹がミヨキチをつついて何かせかしだした。なんだろう。またどこかに連れて行ってほしいとか言うのか?しかしそれにしてもミヨキチはまだ俺に対して何か硬いな。まあ俺が年上ってのも
あるけどついこの間一緒に映画行って飯も食ったんだから、もう少し打ち解けてくれてもいいのにな。あの時もなんか無理に背伸びしてる感じだったしな。
妹がミヨキチをせかし、ミヨキチがためらっているやり取りは、俺にこのようなことを考えさせるのには充分な時間であった。
「あのあの、実は・・・。」
ようやくミヨキチが意を決して俺に近づいてきて、何かを差し出してきた。それはクッキーだった。
透明な袋に入れられたそれは、ざっと見10個はあった。
「手作りですっ!このあいだのお礼ですっ!」
一気に言葉を吐き出すと、ミヨキチは軽く息を切らしていた。ちょっと俺は驚いた。なぜかって?わが妹からはこんな気遣いをされたことがないからだ。
「ミヨキチぃ、ありがとうな。」
俺は素直にお礼を言い、クッキーを受け取った。ミヨキチは嬉しそうに
「全部食べてくださいね、キョ、キョンくんっ!」
うんうん、全部食べるぞって、待てミヨキチ、今最後になんて言った??
「あはは、ミヨちゃん言えたねー!」
主犯格と思しき人物が、顔を真っ赤にしている実行犯の背中を叩いた。
「お前なぁ、ミヨキチにまで広めやがって・・・。」
がっくりと肩を落とす俺を見て、ミヨキチはまるで受験生を扱う母親のように
「あのう・・・やっぱり嫌でしたか?」
と聞いてきた。
「え?嫌ってわけじゃないんだが・・・。」
そのとき、俺の体に刺すような視線を感じた。ミヨキチの後ろから、妹が今まで見たこともないような鬼の形相で俺を睨んでいた。背筋が凍った。
「・・・ま、そのほうが親しみがあっていいんじゃないかな。俺もミヨキチって呼んでるし、そっちもあだ名で呼んでいいよ。」
俺は妹がいつもの間の抜けた顔に戻ることを祈りながらミヨキチに答えた。
「は・・・はいっ!」
そのときのミヨキチは、クリスマスにサンタクロースから希望通りのプレゼントをもらった子供のような笑顔をしていた。このときばかりは叔母にお礼を言いたくなったね。
「ミヨちゃん、ばいばーい。」
「うん、また明日ね。」
「ミヨキチ、送ろうか?」
「いえ、大丈夫です、キョンくん。」
ミヨキチが帰ると、妹が何で送ってやらないのと言いたそうな顔をしていた。俺は妹の頭を軽くコツいて、自分の部屋に戻った。そしてクッキーを静かに食べ始めた。
「高校に行ったら、どんなやつがこのあだ名で俺を呼ぶんだろうな。」
そんなことを考えながら。
終わり
今日は良い短編が多いな。
それはそれでいいんだがここらで一発長編が読みたいなあ。
ハゲが増すのかw
毛、根無事ばかり言うなよ。
失礼だろ。
ハルxキョンの甘いSS読むと癒される
職人さんGJ
ニヤニヤが止まらない
720 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 00:12:33 ID:j8TTMKlr
>妹が俺の真似をして(∩ ゚∀゚)な顔をしている〜(>695)
俺はこれにニヤリとしちまった。炉離乙だ…
あと、たぶん>961は存在しないんじゃないかw
723 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 02:08:32 ID:qqe+wPiw
夏が待ち遠しい
ゴールするのか?
できないかも
扉を開けても夏にはなりませんでした。
ってことで投下します。
人の話のお話
〜join too join us all〜
“文芸部は廃部に処す”だってよ。
聞いた話によるとな。
会長が涼宮ハルヒに振られた逆恨みであのヘンテコな団体……SOS団だったっけか?
あぁそう、それだ。
まぁ名前なんてどうでもいいよな。
それで逆恨みらしいぜ。
涼宮ハルヒも可哀相だよなあんな野郎に惚れられるなんてよ。
まぁ自業自得か、結構目茶苦茶な事してるらしいからな。
それでな、あの会長だったら表じゃ良い顔してるくせに裏じゃ悪どい事ばっかしてるらしいぜ。
だいたいだな、俺はあの善人顔が気に入らねーんだよ。
えっ、何の悪い事をしてるって?
うーん、知らないね。
何でって?
友達から聞いたからだよ。
だからさ――――――――――――――――――――――――――――
“文芸部は廃部に処す”だって。
聞いた話によるとね。
SOS団が生徒会に成り代わるつもりで会長を脅したらしいのよ。
それでしょうがなく先生達の指示で団の元になる文芸部を潰すらしいわ。
そう、すごいわよね涼宮さんは。
やっぱ頭のネジが二.三本吹っ飛んでるとしか思えないよね?
それにしてもあの団体のイケメン、古泉君だっけ?
可哀相に彼もきっと涼宮さんにたぶらかされてるのよ。
彼女ちょっと可愛いからって調子に乗ってるよね?
えっ、この話に信憑性は有るかって?
あるわよ、だって友達に聞いたんだもの。
間違い無いわよ。
だいたい涼―――――――――――――――――――――――――――
“文芸部は廃部に処す”らしいんだよ。
聞いた話によるとさ。
コンピ研あるだろ?
あぁそれそれ、あそこのパソコンの問題らしいよ。
なんでもコンピ研が貸したパソコンがSOS団が盗んだって事になったらしくてさ、生徒会が誤解してるらしいんだよね。
馬鹿だよね生徒会も。
いくらなんでも盗みなんてする訳無いよ?
ましてや我が北校の天使朝比奈さんが居るんだよ。
そんな事朝比奈さんが許す訳無いじゃん。
えっ、誰に聞いたかって?
友達だよ、その友達がどこから聞いたかは知らないけどね。
本当だと思―――――――――――――――――――――――――――
×
“文芸部は廃部に処す”その話ですね?
私も聞いた話ですが、文芸部として活動してはいないので正式な部活としては認められていない、それで廃部らしいですよ。
えぇ、そうですよね。事実はもっとエキセントリックなのかもしれませんね。
まぁ、所詮噂ですからね。
部活動はちゃ――――――――――――――――
“文芸部は廃部に処す”えぇ、らしいのね。
生徒会もひどいのね、鬼なのね。
みんな涼宮さん達が悪いって言ってるけど。
…きっと真実は違うと思うのね。
私には涼宮さん達は悪い人達には思えないのね。
涼宮さんはちょっと真っ直ぐすぎるだけだと思うのね。
私はそう信じてるのね。
友達なのかって?
ううん、違うと思う。
…でも友達になれたら楽しいと思うのね。
「―――だって」
中庭の真ん中、一人の少年が言った。
少年は十五.六歳ほど、髪の短い少年だった。
校舎は半分沈んだ太陽がオレンジ色に染めていた。
隣には谷口(二足歩行、ナンパを繰り返す物だけを指す)が静かに国木田の話を聞いていた。
「なぁ、最後の坂中っぽいのはマキバオーなのか?それとも国木田アレンジなのか?」
「失礼だな、原文のままだよ」
国木田は笑いながら首をかしげる。
「きっと“のね”だけが印象に残ったんだろうね」
国木田はマフラーを掛け直しながら、まだ暖かい珈琲を口に運ぶ。
「何なんだろうな、このノートは」
ふと、谷口が思い付いた様に聞いた。
「さぁ、新聞部かそのたぐいの物じゃない?」
「ヘンテコな物落としやがって。どうするんだ、コレ」
谷口は実に迷惑そうに呟く。
「じゃあ、こうしよう」
国木田は3ポイントシュートをするようにノートをゴミ箱に投げた。
左手は添えるだけで。
「いいのかよ?」
「いいんじゃない。闇に葬られた真実だよ」
谷口はゴミ箱を指差し呟いた。
「あれが真実かよ?」
国木田は残りの珈琲を飲み干し答える。
「さぁ、答えた人にとっては真実なんじゃない?」
「そうかもしれんが」
国木田は目を細め諭す様に喋りだした。
「そんな事より今は、オモシロ日常エッセイだろ?帰りたいんだよボクは、それも早く」
「うっ、すまん」
太陽は三分の一ほど沈み、
中庭では街灯が寂しく瞬いていた。
おしまい
なんかキノっぽい雰囲気だな。
国木田キュン!
やべぇ、やべぇよ。
“阪”を間違ったなんて言えない。
(´・ω・`)?よくわからんのだが…
>「なぁ、最後の坂中っぽいのはマキバオーなのか?それとも国木田アレンジなのか?」
~~~
これか。
いや、全体的に。
キノ?
キノだな。確かこんな話があった。
せめて『藪の中』と言えよw
>>738 タイトルの付け方とか「谷口(二足歩行、ナンパを繰り返す物だけを指す)」とか、
キノのパロってことで間違いないだろ。
キノ知らんもん。
意味ワカンネ
無難な結論だと人の噂話なんてアテにならね。って所じゃないかな。キノっぽくえ面白いよ。
曖昧でどことなく不思議ちゃんな文章に読者があれこれ想像働かせるのがキノシリーズの特徴。
てか密かに古泉が混ざってないか!?w
あと100KBか。
ところで機関のメンバーって全員(森と新川含む)古泉みたいなやつ使えんのか?
谷川のエロパロスレだろ? ここ。
元ネタ知らんでもそれなりに楽しめるようなSSならいいんだけどな。
「キョン、あんたって誘拐されそうよねー」
いきなり何言い出すんだお前は。
「ほら、トラブルに巻き込まれやすい属性あるし」
属性かよ!?
「……大丈夫。そうなったら」
●=з<マテーッ!!
「……古泉一樹が飛んでいく」
「古泉くんなんてみくるビームの餌食なのよっ! ビーム! 古泉くんは撃たれました!」
誘拐犯は朝比奈さんなのか。それなら誘拐されるのも悪くない。
ビーム!>★───Σ●<アンッ
「……大丈夫。悦楽の表情で耐えた」
「悦楽!?」
今の俺ら
('A`('-`('д`('_` )
ノ ノノ ノノ ノ) ノ|
「「 「「 「 「 「 「
747 :
小箱:2006/10/26(木) 09:22:35 ID:bszkP/W/
>>745 なんかこのスレではあまりにも有り得ないぐらい微笑ましすぎてワラタw
あっ名前放ったらかしだったスマソ
>>744 谷川が谷口に見えて一瞬テンプレを見ようとしてしまったW
>>745 小さいキョンが沢山居るのはどこの国ですか?
>>743 赤玉が全員使える、だと機関の人間が十数人しかいない事になる。
それはありえないだろうから、全員は使えないと考えた方が自然かと。
ただ「閉鎖空間感知能力」の方は全員、ないし大多数のメンバーが持っているかも。
全員使えるんじゃないのか? 十数人ってどっから出てきたんだ?
>>751-752 新川・森のコンビ、多丸兄弟は赤玉能力は無いが、古泉のサポート役として配属されて
いる様だから、実動部隊は赤玉一人に付き数名のサポートで1チーム
キョンに古泉が超能力者であることを証明するために連れ込んだ「小規模」な閉鎖空間での
赤玉の数が5〜6である事から大規模発生時の所要数+予備のチームをいれて20弱という
処じゃないのか?
あれ、憂鬱で古泉が「僕を入れて十数人」とか言ってなかったっけ?
記憶違いかな……。
まあ言ってたとしても古泉が正直に言ったのかはわからないけど。
まだキョンと会ったばかりの古泉だし。
赤玉能力以外の超能力者もいるんじゃないのか
このスレ寿命あと何レスくらい?
ユニーク
スレ消費遅え…
まだまだこの板じゃトップクラスだっての。
森さんて古泉のことどう呼ぶっけ?
記憶にないのだが。
イツキたん
古泉って呼んでなかった?
本人の前ではなんて言うかわからんけど
どこまでが真実かわからんからな奴らは。あえていうなら古泉だろ。
陰謀のカーチェイスのとこらへんで"古泉"って言ってなかったっけ?
呼び捨てですね、ついでに新川さんも呼び捨てです
767 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 22:23:23 ID:uPy1j3un
このシリーズのSSを書くのって、なかなか難しいですね。
原作の設定がゆるやかなおかげでストーリーを作るのは楽だし、
一人称のライトノベルだから、書かないですむところも多い。
でもお互いなんとなく気になっているのに素直になれない
関係というのは原作1巻のラストである意味カタがついてしまった。
世界消滅の危機という外的要因によって最後の一歩を踏み出させる
という原作の構成は秀逸だけど、それだけに夢の中とはいえキスまで
してしまった二人の関係をあらためて描くのは難しい。原作者
の谷川さんも、そういう意味ではシリーズものになったおかげで
苦労しているのかもなあ...
>>762-766 まあ、社会人のマナーとしては当然かと。
森さんが社会人なのかどうかは不明ですがw
まず社会人の定義とはなんぞや
と昼に働きながら夜に夜間の学校行ってる俺が言ってみて出方を見る。
>>770 労働と学業、どちらがメインなのかで区別するような気がス。
>>770 どっちも大事(同じ)。
というのならクレジットカードの申し込み覧記入など
他人に自分の職業を紹介する場合を想定するのがいいんじゃないですかね。
そうか。呼び捨てか。これで9割方完成した。ちなみに長編ってどんぐらいの事を言うの?
50KBくらい?
>>773 社会人のマナーでは
組織内では「○○さん」「○○くん」「○○課長」など呼び捨てにはしないのが一般的。
呼び捨てにするのは組織外のみ。
>>767 キョンとハルヒってもうイクとこまでイクしかないんだよね。
でもそれやるとライトノベルの範疇超えちゃうよね。
>>776 お前は何のためにこのスレがあると(ry
>>776 つ『学校を出よう!』
つ『ボクのセカイをまもるヒト』2巻
768が言う「社会人」はそう言う意味じゃない
第三者が居るところで、自分が属する組織の者の名を呼ぶ時は例えトップであろうとも呼び捨てである
この作品はキョンの一人称で進むので、基本的にその場にキョンが居て台詞もキョンに向かい発っせられるので、「機関」内の上下関係を問わず呼び捨てで正しい
その常識が無いと島田伸介になってしまう
紳助がどうしたの?
>>780 島田紳助が自分が尊敬してやまない吉本の部長を新人のマネージャーが呼び捨てにしたのに腹を立て暴力を振るった事件
この場合、マネージャーは吉本の正社員であり吉本と契約しているタレントである島田紳助と話す際社内の人間である部長を呼び捨てするのは当たり前なのに
紳助はなんて常識の無い無礼な奴だと腹を立て暴力を振るってしまい自分の常識の無さを世間に曝した
長門かお前は
長門萌え━━━━━━(´ω`)━━━━━━!!!!!
秋。様々な事をするのに適した季節である。それを示すように、読書、芸術、食欲…っと最後のは蛇足か。
とまぁ、色々な言葉があるわけだが、今の俺たちが『何の秋』なのかというと…
「今から第一回SOS団対抗爆裂必殺超卓球大会を始めるわよ」
スポーツの秋、と言う事だ。
部活中の卓球部員を追っ払い、卓球場を占拠したハルヒは俺たちに向かってそう言い放ったのだ。
何なんだその、爆裂必殺超卓球大会とは。ふつーに卓球するんじゃないのか。
「普通じゃつまんないじゃない。だから、考えたのよ。球を打つときに必殺技っぽい言葉を叫ぶの」
俺たちは中学生か。高校生がやることじゃないだろ。本気でそんなことしたら周りから白い目で
見られるぞ。
「レクレーションよ、レクレーション。なにマジになってるのよ」
それでも俺は恥ずかしいぞ。
「分かっていませんね。それが逆に快感になるんですよ」
黙れ露出狂。俺はお前と違ってごく一般的な人間なんだよ。
「肝っ玉の小さい男ね。どうりでアレも小さいわけね」
おい、不穏な発言するな。それに小さくねぇ、普通だ…たぶん。
それに一言もやらない、と言ってないだろ。
「ふふっ、そうこなくっちゃ。んじゃ、ルール説明するわよ」
ルールはさっき言った通りに、球を打つ時に必殺技っぽい言葉を叫ぶこと。叫ばなければ相手に一点、
だそうだ。サーブミス、打ち返せなかったら当然相手に一点。次のサーブは得点を決めた人から。
後の細かいルールは無し。まぁ、遊ぶ時の卓球とほぼ同じ、と思ってくれていいだろう。ちなみに、
10点マッチ、だそうだ。
「んじゃ、早速一回戦よ!!」
言い忘れたが、トーナメント戦で一回戦が俺と古泉、二回戦が長門と朝比奈さん、準決がそれぞれの勝者
決勝戦がハルヒと準決の勝者だ。まぁなんともハルヒらしい組み合わせだな。
第一回戦 古泉一樹VSキョン
相手はお前か。ボードゲームでは俺の圧勝だったか、スポーツではどうだかな。
「サーブは僕からでよろしかったですか?」
ああ、別にいいぞ。
「すみません。今日は本気でいかせて貰います」
そう言い放つと、古泉は目の高さまで球を軽く上げる。
『ミコサンダー!!!』
へっ、いまのなに。
古泉がラケットを振る、と同時に球は視界から忽然と消えた。二回の打撃音が聞こえた後、俺の足元には
コロコロと転がるピンポン球…。ちょっと待てこの球おもいっきり凹んでるぞ。台の方にもクレーター
みたいな凹みがあるし。
「まずは一点、ですね」
おい、古泉なぜそんなにマジになるんだ。たかだか遊びだろ。
「…僕には負けられない理由があるんです」
なんだ、その理由とは。
「それは…」
それは。
「朝比奈さんの揺れるおっぱいを正面から見るor普段無表情の長門さんが汗を掻いてハァハァしてるところを
見たいからです!!!」
白と黒の音のなる車呼ぶぞ!そんなんで本気になるな!!
「あなたには、僕の気持ちなんて、分からない!!」
もっと他のところで使えよ、その言葉。今使っても汚らわしいだけだぞ。
「だから僕は負けられません」
『デカメロン』
目に捉えられない位の速さで、古泉の打った球が自陣を駆け抜ける。これで二点目だ。
「これが僕の力です」
かっこつけてるつもりか、全然格好良くないぞ。
次々と俺の横を通り抜ける球を見送りながら俺は思う。こいつならエロ本三つぐらいで俺たちSOS団
を裏切るんじゃないか、と。
結果は当然ながら10×0で古泉の勝ちだ。恐るべきはエロパワーてとこか。
第二回戦 長門VS朝比奈
俺と古泉の対戦で台がボコボコになってしまったので、新しい台を引っ張り出して第二戦だ。
長門と朝比奈さんの対戦になる訳だが、どっちが勝つかなんて火を見るよりも明らかだ。来年のペナント
レースよりも予想しやすい。
「あ、あの。おてやふぁりゃかにおねがいします」
噛んでますよ、朝比奈さん。それに少し震えていますし。
「…」
長門は無言の首肯を返す。手加減をする事を承知した、という意味での首肯だよな。カードやフィギュアを
サーチしてる様な目に見えるのは気のせいだよな。
「で、ではいきましゅ」
先攻は朝比奈さんだ。おぼつかない手でサーブを打つ。
『ミクルジェノサイド』
そんな恐ろしげな名前とは裏腹のスローテンポの球が、長門の陣地へとノンビリ向かう。
『塞翁失馬』
それは例えるなら日本人メジャーリーガーのレーザービームだった。長門の返した球は一閃の光となり
卓球台を抉り、朝比奈さんの顔のすぐ脇を掠め、壁に減り込んだ。
おい、なんなんだ今のは。当たったら確実に死ぬだろ。見ろ、朝比奈さんすっかり腰が抜けて、地面に
へたり込んでしまってるじゃないか。
「わたしは相手がなんであれ決して手を抜かない」
大層御立派な決意だが、今日ぐらいは手加減してくれ。兵力二百の領地に一万近い兵で攻め入るような
まねはやめてくれ。たのむ。
「…決して、彼女の胸が大きいからではない」
それが本音か。
「ふぇ、き、きききき棄権しますっ!!わたしの負けでいいですからっ!!!」
ハルヒのことだ即却下、って事もありえると思った。が、予想に反して長門の不戦勝を認めた。流石に
アレは危険と判断したのだろう。開いた口が塞がらない状態だったしな。
準決勝戦 長門VS古泉
長門の不戦勝で、準決のカードは長門対古泉になった訳だが、三方が原に出陣した徳川軍並みの嫌な予感
がする。ここまでに卓球台を二台壊しているからな、何事も無く終わって欲しい。だがしかしたぶん無理
だろうな、この二人じゃ。
つーわけで、三台目を設置して準決勝、開始だ。
「あなたとは一度本気で戦ってみたかったのです」
「奇遇、わたしも同じ」
「ならばお互い」
「遠慮は要らない」
「己の持てる力その全てを」
「今この戦場に」
なんなんだこのバトル漫画のような展開は。
「サーブは僕からで」
「どうぞ」
「古泉一樹推して参る」
「長門有希ただここにあり」
『幼女礼賛』
古泉の繰り出した弾丸ライナーが長門の陣地を襲う。地を舐めるかのような低い球、常人では反応出来ない
速度、まさに必殺の一球だ。
『徐如林』
が、そんな一撃必殺の球でも長門にとっては止まっているも同意義なのだろう。一切無駄を省いた華麗な
一振りをもって難なく返した。
「流石は長門さん。でもそうでなくては」
古泉も今の一撃で点を取れるとは思っていなかったようだ。すでに球の前に陣取っている。
『卑猥契約論』
古泉の返した球は長門の陣地でワンバンし高く、天高く舞い上がった。このまま降下して一点、そう古泉も
俺たちもそう思っていた。だがそうじゃない奴がいた。
「それも予想済み」
長門だ。長門は既にジャンプしていた。球が上昇をやめ自由落下するその空域に既にいた。
『動如雷震』
まるで雷だった。長門の振り下ろした一撃は。空中から古泉の陣地を襲い、そのまま台の外へ。
「戦は干戈を交える前に決する。わたしの勝ちは変わらない」
…何か本格的に訳が分からなくなってきたな。一応断っておくがこれは卓球の試合だ。もはや別物だがな。
何はともあれ長門に一点である。
「長門中務大輔有希、参る」
「古泉兵部少輔一樹、御照覧あれ」
…なぜ名乗りを上げる必要があるのだろうか。しかもその官名は何なんだ。
『白馬非馬』
長門のサーブは速度こそあったものの、球筋の読み易い普通の打球だった。まあ、その球速こそが問題で
常人では反応すら出来ないだろうな。
「…様子見ですか」
『ヒンヌゥストラ』
球速はそのままで、弾き返す。
『朝三暮四』
長門も難なく返す。それをまた古泉が返し、長門が返し、古泉が…とラリーが始まる。
しばらくは試合も動かぬだろう。ひとつ確認したい事があったのでハルヒに話しかけた。
本当にこの二人のどっちかと戦うのかよ。
「え、あ、当たり前じゃない!!」
…本当に戦いたいのか。
「ええ、今すぐにでも乱入したいぐらいよ」
…じゃあ、足が震えているのはなんでだ。
「む、武者震いよ。そんなことも分からないの」
足オンリーの武者震い何て初めて聞いたぞ。
「そんなことより試合をみるの。あたしは決勝の戦略を立てないといけないの!!」
そう言って、この話はもう終わり、とばかりに俺の顔をから視線をはずす。お前は気付いてないかも
しれないが、終始、目を見開きっぱなしだったぞ。
なんとも分かりやすい奴だ。なんとかこの一戦で終わらないかね。ハルヒの事もあるが、それよりも
憂慮しなければいけないのは、今も長門と古泉の手でボコボコになってる卓球台だ。すでに二台を
スクラップにし三台目のスクラップも順調に完成へと向かってる。誰が弁償するんだよ、これ。
などと確実に余計ではない心配をしてるうちに、長門と古泉のラリーは決着間近になっている。
球を左右に返され、揺さぶられる古泉。対して長門はその場から一歩たりとも動いてない。つまり、
古泉の返した球はすべて長門の前一点に収束しているのだ。…長門ゾーンとでも呼べばいいのか。
「もうあなたは終わり。このまま朽ち果てるのみ」
『無為自然』
左右に大きく走らされて息も絶え絶え、シャツは汗でぐっしょりと濡れている。どうみても古泉の劣勢
だが顔にはいつもの微笑。不適な笑みを浮かべていた。
「いえ、終わるのはあなたです」
『羞恥論二篇』
「!!?」
まさか、こんなところで長門の驚く顔を拝められるとは思わなかった。神様仏様古泉様…は言い過ぎか。
とにかく、古泉の返した打球は長門の前には行かずに大きく右に反れた。あの長門ですら想像しえない事
俺たちの驚きってものがわかるだろう。
「なぜ!?」
「ただ打ち返したのではありません。少し球に回転をつけて返しました。変則的な回転を掛けられた球は
接地時に力を歪められ爆発。結果はご覧の通りです」
日本語をしゃべれ。意味不明の説明するな。それっぽい事を言えばいいってもんじゃないぞ。
「わたしの策にかかったのは…わざと」
「その通り。…油断はもっともしてはいけないことですよ、長門さん」
「…次からは一球でしとめる」
「僕も同じ手が使えるなんて思っていません。こちらも一球必殺でいきます」
長1−1古
同点となり振り出しに戻った、準決勝戦。この後も取った、返したを繰り返す。詳しくは割愛させて頂く。
決してめんどくさくなったわけじゃないぞ。実況する気が失せたのだ。あまりにも常人離れした戦いにな。
そんな訳で、ついに得点は9−9。つぎを取った方が勝ち、決勝戦に進めるのだ。
「これで決まりますね」
「そう。そして勝つのはわたし」
「いいえ僕です」
睨み合う二人。まさしく竜虎相打つ、か。そんなオーラが観えた気がした。
サーブは長門から。高く球をあげ上段で打つ。見るものを魅了する華麗なフォームだが、それテニスか
バトミントンの打ち方だろ。大体サーブの打ち方じゃないだろ、スマッシュじゃないかたぶん。
『上善若水』
虎狼の如き打球。鋭き一閃だがどこか精彩を欠いてるようにも見えた。
「いまさらこの様な球。僕の勝ちのようですね」
『ニートピア』
ラケットが空を切る音がする。がそれ以上はなにも聞こえない。
「えっ!?」
長門の陣地にも、床にも、ピンポン玉はなかった。無論長門も打つ返す素振りも無く、古泉に背を向けて
いた。すでに自分の勝ちが決まってるかの様に。
消えた打球。古泉は打ってない、長門の陣地に無い、床にも転がってない、では…
「流れを堰き止めた水は力を内に溜め」
…あった。古泉の陣地に減り込んでいた。
「その力の解放とともに一気に」
減り込んだ球は微かに胎動し、その力の解放を待っていた。
「爆発する」
爆ぜた。としか言い表せない。
減り込んだ球は、弾丸となり外へ飛び出し古泉の脇を抜けた。長門の勝ちが決まった瞬間だった。
はてさて、もはや卓球ではなくなったような二人の試合だったが、結果10−9で長門の勝ち。
決勝戦はハルヒVS長門だが…アレを見てもまだやるのか。
「ここで引くようじゃ、末代までの恥よ」
言って聞くような奴じゃないし、一度言い出したらテコでも動かんし、どうしたらいいんだ。すでに台は
四台目だし。誰か助け舟出してくれ、呉でも越でもいいからさ。
引っ込みが効かなくなったハルヒを見送るがほんとどうしよう。などと考えてると背後から肩を叩かれ
名前を呼ばれる。一体誰だよ。
「有希、手加減しなくていいわ」
「愚問」
「そ、そうね」
「早く始める。サーブはあなたから」
「わ、分かってるわよ」
「その言葉これで五回目」
よかった、まだ始まってないみたいだな。
おい、中止だ中止。
「何でよ」
「…」
ハルヒはともかく長門まで不満顔か。ま、いい。兎に角俺は後ろの人物に道を譲る。
「何をしている!!」
俺の後ろにいたのは、卓球部顧問の教師だ。ま、見た通りの熱血体育教師だ。
「部員達に聞いて駆けつければ、なんだこれは。すぐに中止しろ」
おい、折角来た助け舟だぞ。追い払ったりするなよ。
「……」
「ってなんだ!?卓球台をこんなにして。生徒指導室に…」
「…退却!!!」
その言葉をきっかけにして我がSOS団の五人は一目散に校舎目掛けて逃走した。
「おい待て!お前達!!!」
結局、顔がばれてたので後日呼び出しをくらったが。まぁ停学とか、退学にならないで済んだのでよかった
と言えるか。内申点を引かれてなければいいがな。
兎にも角にも、第一回SOS団対抗卓球大会は優勝者が決まらないまま幕切れとなった。無論、後日改めて
試合などなく、第二回大会も開かれる予定もない。俺もそのほうがいいからな。
以上おそまつさまでした。
何考えてたんだろう俺…
なんだろうこの打ち切り感……。
ベッドで本を読んでいると妹がやってきた。
「ねぇキョンくん」
「なんだよ。」
妹は表情こそ普段通りだが明るくはない声色。
少し心配なので注意深く観察してみるものの何も掴めない。
「さっきミヨキチ来てたでしょ?」
「ああ…知ってるがどうかしたのか?」
「『この間はありがとうございました』って伝えて、だって」
「そんなことか。」
なんでこいつを通したんだか。面と向かって言いなさい、とハルヒなら言うだろう。
にしてもこいつは不機嫌そうだな…
「ミヨキチとどこ行ったの。」
「ぷらぷら歩きまわっただけだ。散歩だよ」
「二人で?」
「ああ。」
「デートじゃん。」
………その発想はなかった。
「こないだはハルにゃんと二人で歩いてたくせに」
「…くせに、なんだよ?」
「その前はみくるちゃんとお買い物してさ、」
「だからなんなんだ。」
「その前はユキちゃんと…」
「何が言いたいんだよっ」
少し大きな声で妹の話を遮る。
と、妹が突然ベッドの俺の横に座った。
「……今日ここで寝る。」
「は?」
「………」
妹が顔を伏せている……まさかな。
「…なんとか言えって。」
「………ぐすっ…」
顔を覗き見る。やっぱりか。泣いてやがった。
「どうしたんだお前。何かあったのか?腹でも痛いのか?」
「………」
途端に態度を軟化させた俺に対して妹はうつ向いたまま何も言わない。
「なぁ、おい。」
「…寝るったら寝るのぉ…」
鼻水をすすりながらの返答。
「…なんで泣いてるんだ。兄ちゃんなんか言ったか?」
滅多にない出来事に慣れない対応をする俺。兄ちゃんってお前…柄にもないことを。
それにしてもなんでこいつは泣き出したんだろうな。ミヨキチがどうのこうの言ってた気が…
「……キョンくんあたしのこと嫌い?」
そういうことか。俺もいとこの姉ちゃんに同じようなことして困らせてたなぁ……幼稚園の頃。
小5でやるとは今までこいつとベタベタ引っ付きすぎたかもしれん。
「そんなわけないだろ。」
「じゃあなんでどこも連れてってくれないの…」
「…お前、俺とどっか行きたいのか?」
「………」
コクッとうなずく。
「そうか。どこに行きたい?兄ちゃんが連れてってやるからさ」
寝転がり妹を抱き寄せる。妹もそれに合わせて寝転ぶ。
「…映画とか…お買い物とか…図書館とか…」
「わかったわかった…」
子供を寝かしつける母親がやるように、一定のリズムで
妹の背中にポン…ポン…と優しく触れる。小5の妹にな。
「…キョンくん…最近帰ってくるの遅いし…お風呂…
一緒に入ってくれなくなったし…それと…あと…えっと…」
「ん?」
「…ん……」
寝たか。まったく可愛い寝顔しやがってこの野郎。
…いつか大人になった頃に今日のことを話してやるからな。
などと父親のような気分になりながら俺は明かりを消した。
<終わり>
前々から思っていたが、ハルヒシリーズには現実にはあり得ないキャラが多数登場するが、
一番現実にいそうにないのはキョンの妹だな。
>791
技の名前が、わけわかんねぇw
古泉のは、さりげなく大馬鹿な名前を叫んでるし…
長門は漢籍に詳しいのはよく分かったが、意味不明では同格だなw
でもいちばん笑ったのは、さっぱり内実を伴わない「ミクルジェノサイド」。
部室に逃げ帰ってから、エピローグっぽい一言二言が欲しかったかなー。
起承転結もへったくれもないなw
>>776 普通の男は相手にしないという信念持ってる女だからエロに持っていきづらそ。
それでも谷川なら、谷川ならきっと素でクリムゾンをしてくれる(AAry
キョンにヤられるなんて…くやしいっ…!でも、感じちゃう… (ビクビクッ)
あと
>>791,793乙です。
ハルヒがキョンに「修正してあげるって」言って思いっきりキスする話があったと思うんだけど
この話のタイトルって何だっけ?
クレクレ房は氏んでください。
ないよう、SSがないよう
sageてれば完璧だった
キョンのデカチンでハルヒの頑なな心と処女膜をぶち破るんだ!!
「Another “Hitomebore” Lover」
“人生は幸福よりも不幸のほうが2倍多い”
―これは、昔の偉い人の格言。
そのとき、俺は自分の部屋でアイドルの写真集を見ていた。よくある悩殺グラビアアイドル系ではなく、清楚系アイドル永澤あさみだ。普段ハルヒが引き起こす
身も心も疲労困憊させる事件に巻き込まれてばかりいると、たまにはこのような一般社会の清楚系アイドルの写真集でも見て心に清涼剤を与えたくなるのはごく
自然なことだろう。いや別に写真集でなければならないことはない。たまたま俺の選んだ精神安定剤が永澤あさみであっただけだ。文句あるか。
「キョンくん、電話だよー。」
そのとき俺は、自分の部屋に一人でテレビもラジオもつけず、またCDも聞いておらず、写真集で自分の世界に浸っていた。こんなときに妹が部屋をノックもせずに入ってきたらどうなるだろうか。
ディズニーアニメよろしく俺は心臓が飛び出るぐらい驚いた。その拍子に写真集を足下に落としてしまい、あろうことか踏んでしまった。
ビリッ!
その擬音は、俺の目から一滴の涙を発生させるのには充分であった。俺は甲子園の決勝で最後の一人の打者に逆転サヨナラホームランを打たれた投手のようにその場にへたり込んだ。
「キョンくん、なにやってるの?電話だよ。」
男のロマンの一片も理解していない無垢な声が、俺を現実に引き戻した。そうだ電話だ。どこの誰だ?
俺は妹からコードレスホンを受け取ると、野良猫を追い払うように妹を部屋から出し、再び部屋に一人となった。俺が妹を怒らなかったのは、運良くページの隅からレポート用紙をはがすように
やぶけ、永澤あさみ本体はかろうじて無事だったからである。
「もしもし」
「おお、キョンか。俺だ。久しぶりだな。」
「あー、すまん。名を名乗ってくれるとありがたいんだが。」
以前似たような電話があったので、その辺をはしょりたかったのだが、
「俺だよ俺。中学のときに同じクラスだったろ。もう忘れたのか。」
またこのやり取りから始まるのか。ああ煩わしい。
「どうでもいいから名を名乗れ。」
「山元だよ。3年のとき一緒のクラスだったろ?ほれ、映画同好会の。」
山元・・・?ああ、あの山元か。中学生だてらに映画同好会作って、誰も見ないようなホームビデオまがいの映画作ってたっけ。
「思い出したぞ。うん、久しぶりだな。元気か?それで、何の用だ?」
以前かかってきた奴同様、山元ともそんなに親しいわけではなかった。なのでさっさと用件を聞くことにした。
「キョン、いいか、真面目に聞いてくれ。俺は運命のひとを見つけたんだ。」
それは何だ。生涯の伴侶とか言うやつか。
「まあ、それに近い。何しろ俺は“愛”という支配下に置かれているのだからな。」
なんだこの演劇まがいの話し方。こいつまだ映画作ってるのか?
「まあそれはいいんだが、何故俺に聞くんだ?」
「キョンと一緒に北高の制服を着て歩いていた。」
809 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 20:25:22 ID:JA1joWa7
なるほど。
「女3人、男2人の団体で歩いているのを、偶然見かけたんだ。」
SOS団勢揃いのときか。
「それで、名前は知ってるのか?」
だんだん核心に近づいていく。
「知らないんだ。だからキョンを頼って、ぜひとも紹介してもらいたいんだ。」
「メガネをかけていたか?」
「は?」
「ほれ、特徴だよ。名前が分からないのなら、特徴から推測していくしかないだろ?」
「ああ、そうだな。しかしキョン、なんか手馴れた感じだな。俺のほかにも誰かの相談に乗ったことがあるのか?」
まあな。
「そうか。ああ、メガネだったな。メガネはかけてなかったぞ。」
「髪の長さは?」
「短かった。」
朝比奈さんではないな。
「カチューシャはつけていたか?黄色いやつだ。」
「つけていなかった。」
ハルヒでもないか。となると長門か。長門、お前人気あるんだなと思いながらも、やっぱ聞きたいことがあった。少し期待しながら。
「なあ、俺とそいつが付き合っているようには見えなかったか?」
「全く見えなかった。」
そうですか。
「確かにお前に笑いかけたりしていたが、あれはお仕事って感じだったな。」
そうですか。・・・まて、俺に笑いかけていた?長門が?
「まて。もう少し詳しく教えてくれ。今度はお前の客観と主観でいい。」
「キョン。ノッてきたな。よし話すぞ。そのひとはスラリとした長身で、背はキョンより少し高かったな。いつも笑顔を絶やさず、口元に手を当ててクスクスと笑うしぐさは周囲に幸福を与えているようだった。」
・・・・・・。
「キョン?どうした?聞こえているのか?」
受話器の向こうから中学時代の同級生の声が聞こえてくる。もしやこいつの言う“あのひと”とは、その長身で俺にコンプレックスを与えていたり、その笑顔としぐさも俺には気色悪いニヤケ面にしか見えない
輩ではあるまいな。
「あー、山元。ひとつ重要なことを聞く。おまえの言う“あのひと”とは、女だよな?」
山元は何のためらいもなく言いやがった。
「男性だ。何か問題があるのか?」
「おまえ、そっち系だったのか?」
「そっち系とは何だ。人が愛し合うのに男も女も関係あるか。で、どうなんだ、分かったのか?彼の名前。」
ああ、嫌というほど分かったぞ。今すぐこの電話を切りたいぐらいにな。俺は半ば自棄になって、山元のお目当ての“彼”のフルネームと、クラスも教えてやった。ついでに携帯の番号も。山元は仲介してくれ
としきりに頼んできたが、何で俺が男同士の恋愛のキューピッドを演じなきゃならんのかと断固として断った。
俺は電話を切ると、減量中のボクサーがうらやましがるぐらいの大量の汗をかいている事に気づいた。しかし今まで経験したことのない嫌な汗だった。
「キョンくん、またお風呂はいるのー?」
文句あるか。
風呂から出ると、俺はすぐにベッドに横になった。今日は厄日だ。おれ、何か悪いことしたか?永澤あさみの写真集みていたことがそんなに悪いか?別に写真集をズリネタにしてたわけじゃないんだぞ。
俺にハルヒの力があったら確実に閉鎖空間の発生だ。
俺はふいに枕の下に写真をおいて寝るとその夢を見れるという話を思い出し、俺はさっき破けたページを枕の下に置いた。そして俺は眠りについた。
何?携帯番号教えたのはまずいんじゃないかって?文句あるやつはここへ来い、そしてなぜまずいのか説明しろ。
終わり
うーん……非エロが出来たんで落とそうと思ったんだが
あまりにも流れが非エロだね……エロイ方先に書くべきだったか。
カモンベイビー
>カモンベイビー
マジか。んじゃ投下。非エロです。
背後からゆっくりと身体に両手を回し、長門の身体を抱きしめる。
「……ありがとう」
マンションの屋上、月光と街灯に挟まれた世界の中。ショートヘアの少女は俺にそう告げてきた。
俺は黙って頷く。残された時間は、もう数秒程度だった。
「さよなら」
情報思念統合体によって派遣されたインターフェース。
彼女が、彼女の意思だけでここへ来ることは、おそらく無いだろう。
だがそれでも、俺は抱き寄せた少女の耳元にこう告げた。
「それじゃ、またな」
制服の襟をはためかせながら、少女は俺に背後から抱かれたまま不器用に、おそらく、微笑んだ。
強い風が吹く。
俺がその風に一瞬視界を取られた隙に、少女は空へと還っていった。
身体が寒さを感じ出した屋上で、俺はしばし目を瞑り今日一日の事を思い出す。
「……ありがとう」
そよぐ風の音に乗せて告げられた、静かに透き通った長門の声をリフレインさせながら。
- * -
無事に終業式も終え、俺たちは文芸部室でいつも通り今年度最後のSOS団活動に勤しんでいた。
いつも通りの活動、それすなわちいつも通りぐたぐたに過ごしているというだけなのだが。
さて僅か一週間程度の春休みといえど、我らが団長が歩みを止めるわけもなく。
「いよいよ明日から春休み! 明日はお花見に行きましょう! いつもの場所に集合ね!」
そんな鶴の一声で明日、記念すべき春休み一日目の予定は一方的に決定されたのだった。
そろそろバイト料を何処かに請求しても悪くないような気がしてきたのははたして俺だけだろうか。
とまあ俺はいつも通りの生活をしていた訳だが、今日はちょっとだけいつもと違う事があった。
それは駅前でハルヒと朝比奈さんを、次いで古泉を適当に見送りだした後の事。
「さよなら」
珍しく長門が別れの挨拶を告げてきた。どうした、いつもなら無言で帰るくせに。
「……何となく」
そうか。でもお前がさよならって言うとちょっと寂しい感じがするな。
淡々と語る長門口調だと、どうにも今生の別れに聞こえてならない。
「そうだな……『また明日』とか『それじゃまた』とかどうだ。どうせまたすぐに会うんだし」
長門はしばし瞳の奥底でのみ思考している素振りをみせ、頷くと
「それじゃ、また」
ああ、それじゃまたな。上書きされた挨拶と共に俺たちはそれぞれの帰路へとついた。
- * -
翌日、相も変らぬ着順で俺が集合場所に訪れる。
毎度毎度気になるが、一体こいつらいつからここに立ってるんだ? 実は昨日からいるんじゃないか?
「そんな訳無いでしょ。まあ今日に限ってはアンタが何番目に来ようが奢りなんだけどね」
俺が理由を聞く前にハルヒは自分と朝比奈さんの持つモノを見せつけてきた。
「おはようございます、キョンくん」
「おはようございます朝比奈さん。それはもしかして今日の花見の?」
「ハイ、お弁当です。頑張って作ってみましたけど、期待しないで……」
「何言ってるの! 思いっきり期待していいわよ、キョン! みくるちゃんのも、もちろんこのあたしのもねっ!」
朝比奈さんの言葉をさえぎりハルヒが告げてきた。バスケットを振り回しているが問題ないのかそれ。
この二人特製弁当への期待度なんてハルヒに言われるまでも無く、弁当の存在を知った瞬間に百パーセントを越えている。
一年間のSOS団活動を経て天使から天使長へと進化した朝比奈さんと、まぁついでに料理の腕は確かなハルヒ特製の
弁当が食べられるというのなら、五人分の飲み物代なんて快く大盤振る舞いで払ってやろうじゃないか。
「それじゃ、キョンは有希と買出しね。あたしたちは場所取りに行くから」
長門? 古泉じゃなくて? そう思い古泉の方を見ると、
「おはようございます。僕はコレらの荷物もちですよ」
そう言って足もとにあるゴザやら雑貨やらを指差した。なるほど、頑張ってくれ。
「飲み物とお菓子を頼むわよ。場所が決まったら連絡するから、そうしたらすぐ飛んでくるのよ?
早くしないとアンタの分もみんなで食べちゃうんだから」
それは困る、連絡を受けたら死ぬ気で飛んでいこう。俺は決心を固めながらハルヒたち三人を見送りだした。
さて俺は残されたもう一人の買出し要員へと目を向ける。そいつはいつもと相変わらず分厚い本に目を落としていた。
「よう、長門」
俺が声をかけると長門が首を上げる。じっと俺のことを見つめてくると
「おはよう」
殆ど表に出ない表情で短く挨拶を返してきた。おやまあ珍しい。
昨日といい今日といい、長門の中では今挨拶するのがブームにでもなっているのだろうか。
「……それじゃ行きますか」
本をしまいちょこんと立ち尽くす長門を連れて、俺は駅前の大型スーパーへと向かっていった。
- * -
飲み物と菓子を買うのが俺たちの使命だ。カートを用意して食料品売場を回り始める。
リッターサイズを五本も買えば飲み物は十分だろう。禁酒は夏からの団の規律に入ってるしな。
次いで菓子コーナーを回る。長門が徳用菓子を適当に何個か選び、俺の持つカゴへと入れていく。
そつないチョイスに俺は少なからず感心した。お前の事だからてっきりカレー味で統一してくるかと思っていたぞ。
「…………」
俺とかごの中の商品を見比べ、そしてカレー味の商品に目線を移し始める。
あ、いや別にこのままでいいんだ。よしもう会計しよう。
カゴに入れた飲み物と菓子を確認しレジへと向かう。有名医師を三人ほどレジに渡し、硬貨を受け取る。
菓子と飲み物に分け袋に詰めると、長門はすっと飲み物の袋を手に取った。
「重いぞ。俺が持つからお前はこっちを持て」
「わたしは大丈夫」
実際長門なら全く重さを感じずに持つ事ができるだろう。だがコレは俺の気分の問題だ。
俺が全ての飲み物を持ち長門に菓子を託す。いいから、お前はこっちを持て。
「……非効率的」
ぼそりと告げてくるが、その表情が訴えているものではない事はすぐにわかった。
- * -
『映画の時の公園覚えてる? あそこに決めたからすぐに来なさい、オーバー』
へいへい、オーバー。ハルヒから連絡を受け、俺は長門と駅へ向かった。
両手荷物の俺に代わり、長門が切符を二枚買って来る。何とか自動改札をくぐり、ホームで次の電車を待った。
ふと、袖を軽く引かれる。何かと思えば長門がホームに設置された椅子を見つめていた。
ありがたい。早速俺は両手の荷物で椅子を一つ占領し、赤くなった両手を振ってほぐした。
「手を出して」
長門の言葉に素直に従い手を差し出す。と、長門はその小さい白い手でギュッと両手を握ってきた。
ひんやりと冷たく、火照りと痺れで赤くなった俺の手にとってそれはまさに気持ちいい感触だった。
「な……」
何を、と言おうとして無粋な事に気がつく。きっと俺の手を冷やす為、なんだろう。
荷物を持つと言った俺へのお礼だと考えていいんだよな。
「いい」
「……そうか」
人が行き交う駅のホームで互いの両手を握り合う姿だなんて思いっきり恥ずかしい構図だが、長門の精一杯の心意気を
むげにすることもできず、結局俺は電車が来るまでずっと長門に両手を握られ続けたのだった。
- * -
「キョーン! 有希ーっ! こっちこっちーっ!! 遅いぞーっ!!」
桜色に染まりだした公園の一角を陣取るハルヒたちが三者三様に手を振ってくる。
まだ宴もたけなわどころか始まってすらいないってのに何たってあんなに元気なんだろうね、ハルヒのヤツは。
「きっと楽しいから」
突然の回答に思わず歩みを止め長門の方を見る。長門は我関せずといったまま歩き続ける。
「今のわたしはおそらく楽しんでいる」
歩みを止め頭だけをこちらに少し向ける。長門はただまっすぐな視線をこちらへと向けてきた。
「あなたは、どう?」
……それもそうだな。これから花見で、しかもこのメンバーで騒ごうっていうのに
「楽しくないわけないだろ」
そう言うと俺は荷物いっぱいの手で長門の手をなんとか掴み、ハルヒたちのもと目掛けて走りだした。
- * -
「それでは、SOS団の色々に向けて! カンパーイッ!」
どっかで聞いたような団長挨拶の元、俺たちは紙コップを交わして各々乾杯をする。
その後は俺とハルヒと長門の戦争だった。朝比奈さんとハルヒの用意した重箱弁当をとにかくつつきまわす。
「相変わらず料理の腕は上手いな、お前」
「美味しい」
俺と長門がハルヒの唐揚を口にし、揃って賛辞を述べる。
「あったり前でしょ! いざ孤島や雪山で遭難した時に美味しい料理が食べられた方が元気が出るってもんよ!」
まあ確かにその通りで、実際その通りになったんだが。
「はいキョンくん、こっちもどうぞ。ポテトサラダは自信作なんですよ」
ありがたくいただきます。そう言ってからこちらも一口。俺に合わせて横から長門がフォークを伸ばしてくる。
朝比奈さんの作ってくれたモノなら、どんなものでも美味しいと思いますが、そんな色メガネ無しにしても
十分美味しいと思います。コレをまずいと言うヤツがいたとすれば、それはそいつの味覚の方がおかしいのだ。
お前もそう思うだろと話を振ると、長門は数ミリ単位で頷き
「思う。量販物以上の深い味を出している」
こちらもまた俺に習って朝比奈さんの料理を褒め称えた。多分。
長門にまで褒められるとは思っていなかったのか、朝比奈さんは少しびっくりした後、
「あ……うふふ、そう言ってもらえると頑張ったかいがあります〜。どんどん食べてくださいね」
桜の花びらを纏いながら上機嫌に微笑んだ。そのお姿は、思い出すだけで三倍飯が食べれるぐらい素敵な笑顔だった。
「珍しいですね」
古泉がそんな姿を見つめながらぽつりと語る。どうした、仲間はずれにされてて寂しくなったか。
「それもありますが、僕が言ったのは長門さんです。今日はいつもより社交的に振舞っているよう感じられますが」
流石にお前もそう感じたか。俺の言葉に古泉は頷く。
「ええ。彼女が朝比奈さんの料理に感想を述べるなんて姿、僕は初めて見ましたよ」
まぁな。言われた朝比奈さんですらびっくりしてたし。
でも、俺はこれはこれで良い事だと思ってる。感情の出し方がわからず改変を起こした時に比べればずっと、な。
「そうですね。組織としても長門さんの……」
古泉はそこで言葉を止める。ゆっくりと瞬きをしながら笑みを浮かべると
「……いえ、よしましょう。折角の宴席に失言でした。謝ります。
長門さんの変化についてですが、僕個人としてはあなた全く同じ意見を持っています。もちろんその理由も。
これは神に誓っても構いません」
一瞬だけハルヒに目線を投げ、すぐに俺に戻す。
なるほど、神に誓うね。お前がそこまで言うのなら本当なんだろう。
俺は古泉の発言に目をつぶると、そのまま朝比奈さん特製の卵焼きを堪能する事にした。
- * -
持ってきた弁当も買ってきた飲み物も菓子も全滅させ、それでも一時間ぐらいは騒いでいただろうか。
「流石に何も無いと寂しいわね」
ハルヒが空の菓子袋を振りながら聞いてきた。
どうする? 公園を降りて近場まで買い出ししてきてもいいが、いっその事場所を変えるというのも手だろ。
「それもいいわね、うん。でも何処に行こっか?」
何処がいいかと思慮を巡らせていると、ふと自分に向けられている視線に気がついた。どうした長門。
「構わない」
そこに至るまでの経緯を全て省略し、結論と思われる一言だけ述べる。後はただじっと見つめてくるだけだ。
あー、それはつまりあれか。この後俺たちがお前の家に移動して宴を続けても構わない、って事だよな。
省略された内容を予測し俺が補完した回答を述べてみると、長門は小さく頷いてきた。
「だ、そうだ。ハルヒ」
「オッケー。それじゃ途中で買い物してから、有希の家で一晩力尽きるまでパーティよ!」
お前がいつ力尽きるのか結構気になるが、そこまで付き合う前に俺の命が先に燃え尽きるかもしれん。
まあ、たまにはとことん付き合うのいいかもしれない。
舞い落ちる桜の花びらの中で楽しく騒ぐハルヒたちを見て、俺はそんな風に考えていた。
- * -
長門の家で俺たちは意外なものに遭遇する。
「あれ、有希この鍋はなに? あっ、おでんじゃない! こんなにいっぱいどうしたの?」
新たに買い出した食材を台所に置きながら、ハルヒがコンロに乗った土鍋を見つけた。
「持って行く手段が無かった。うかつ」
どうやら長門は今日の為におでんを用意していたようだ。しかしそれを入れていくものが無かったと。
流石に土鍋を持って歩くわけには行かないだろうし、冷えたおでんじゃ魅力も半減だ。
しかしお前がおでんとは驚きだ。俺はてっきりこんな場合でもカレーを作ると思っていたが。
「今日のような場合、カレーは家から持っていくものではない。外で作るもの」
そう言いながら台所脇に置かれたものを見る。長門が見つめる先にはいくつかの飯ごうが用意されていた。
「確かにそうね。んじゃ、今度は有希の希望を取り入れて、飯ごうすいさん付のキャンプにしましょう!」
ハルヒが飯ごうを楽しげに振り回しながら、さっそく次回の予定を決定していた。
河川敷で飯ごう炊いて、地元民から警察やら消防署やらに通報されない事を祈ろう。
暖めなおした長門特製おでんを中心に、台所を借りて作ったモノや買い出した菓子やらジュースやら酒やらが並ぶ。
「っていつのまに酒なんて買ったんだ」
「古泉くんに頼んだの。有希がそばにいたら買えないでしょ」
そりゃそうだ。長門は相変わらずのセーラー服姿であり誰がどう見たって高校生だ。それと仲良くつるむ連中なんて
いくら普段着で大人びてみようと誰だって高校生だと思うだろう。
「そこで僕一人が別行動で買いに行っていたんです。……もしかして気付きませんでした?」
ああ、全く。悪いが俺は荷物とゴミの運搬に必死でお前の行動を観察する暇なんて一秒たりともなかったからな。
「ご苦労様です。おかげで助かりました」
困っていた素振りも助かったというような素振りも見せず、相変わらず爽やかさがウリの笑顔を見せながら、古泉が
アルコール缶の一つを差し出しつつ礼を言ってきた。
- * -
「美味しいわよ、有希。さすがは我が団きっての万能選手ね!」
「本当です。今度レシピを教えてもらえませんか?」
そんな評価からスタートした第二部は、時間の経過とアルコール摂取量に比例してバカ騒ぎをみせ始める。
「だからさぁ、目玉焼きにはめんつゆが意外と合うって阪中さんが言ってたのよ」
「違いますよぅ。飛ぶのはモトラドじゃありませんよぅ」
「炎の魔女とか傷物の赤とか、せっかくですからバイト用の二つ名があってもいいかと僕は思うんですよ」
限定能力者が何を言う。だったら適当に『水星症候群』とか名乗ってろ。
「ユニーク」
そしてクリスマスの時に使ったツイスターで必死に勝負を始める。
「……左手青。右手青。左足青。右足青」
何で青しか出ないんだそのルーレットは。誰かの陰謀か。いやまあそれはいい。そんな事より突っ込ませろ。
何で俺は女性人三人の前で古泉なんかとツイスターしてるんだ、おい。
「わかってるはずです。これもまた」
ハルヒが望んだ事ってか?
「いいえ、僕のほんのささやかな策略です」
長門、次のルーレットで右手を相手の顔面にってヤツを当ててくれ。
「……唇、相手の唇」
「そ、そんなの書いてあったんですかぁ!?」
「いけー! ぶちゅっといけー!」
悪いが全力で拒否させてもらう。負けを認めよう。だから俺から離れてくれ古泉。
今ならまだお前の目が据わり顔が赤いのはアルコールのせいだと言う事にしておいてやる。
だから離れろ、マジで。
- * -
いつの間にか眠っていたらしい。コタツに下半身を突っ込んだ状態で俺は目覚めた。
部屋の電気は落とされ、窓から月と街による夜光が差し込んでいる。
携帯で時間を確認。日付が変わってから既に三時間、まさに深夜と言った時間帯だ。
寝そべったまま窓から空を見上げると、僅かに欠けた月が天頂を越え、そろそろ沈もうかと動いているようだった。
静かに起き上がり部屋を見渡す。
ハルヒが大の字になり、その腕の下でハルヒにすがる感じで朝比奈さんが丸まっていた。
部屋の片隅では古泉がジャケットを身体にかぶせて座ったまま眠っている。そして
「起きた?」
台所からグラスを持って長門が近づいてきた。どうやら水を持ってきてくれたらしい。
アルコールを飛ばす意味も込め、俺は長門が渡してくれた水を一気に飲み干す。
「ありがとよ。……ずっと起きていたのか?」
小さく頷く。それにしては本を読んでいた形跡とかはない。いったい何してたんだ。
「あなたたちをずっと見ていた」
俺はみんなを起こさないように抜け出ると、長門を連れて外へと出た。
春がもうすぐという季節とはいえ、夜風はまだまだ肌寒い。先ほどまで部屋で温まっていたからもあるだろう。
火照った身体を冷やすには少々きついかな。そんな事を考えていたら後ろからそっと手を握られた。
途端に先ほどまで感じていた寒さが、次第にゆっくりと緩和されていく。駅でされたのと同じようなものだろう。
「寒くない?」
ああ。俺は頷くとそのまま長門の手を引いて階段を登っていった。
錆びた金属音を立てながら開く扉を抜け、マンションの屋上に出る。
屋上に光源はなく街灯も届かない。月光だけが静かに宵闇に眠る世界を照らしていた。
手を離そうとすると、長門は小さく、でもしっかりと握ってくる。
「……寒くなる」
そうか。それじゃ仕方ないな。俺は屋上出口の壁に座って寄りかかると両足を広げて伸ばす。
長門は一度手を離すと俺に背を向け、背中から抱っこされるような形で俺の両足の間に座ってきた。
左手を長門の脇からお腹の方へと伸ばすと、長門が右手で掴み指を絡めてくる。
長門の左手は俺の足を、そして俺の右手は長門の頭を。お互いにゆっくりと撫でていた。
「今日は楽しかったか」
長門が小さく頷く。聞くまでも無い、今日一日の長門の姿を思い出せばそんなの明白な事だ。
寂しそうな背中を見せつつ、小さく頷いた答えが返る。
「楽しかった」
そうか、それはよかった。
暫く二人で空を見上げる。満点に輝く星空が、ただ静かに俺たちの事を見上げていた。
そのまま長門が身体全体を俺に倒し、思いっきり体重をあずけてくる。
「名前を」
長門がぽつりと告げてくる。どうしたんだいきなり。
「あなたにわたしの名前を呼んでほしい」
ちょっとだけうつむき小さな声で、でもはっきりと言ってくる。
「お願い」
俺はそんな長門の頭をもう一度優しく撫でると、彼女の期待に応えてやった。
「あぁ、わかったよ────────朝倉」
彼女の身体がぴくっと動く。ゆっくりとうつむいていた顔をあげると少しだけこちらに傾け、
「………正解。よくできました」
長門から、長門らしからぬイントネーションで言葉が返ってきた。
「いつ、わたしだって気がついたの?」
今日一日、お前の態度が微妙に長門らしくなかったんで気になってはいたんだ。
お前が朝倉だってわかったのは、あのおでんだ。過去に一度食べた事があったからな。
お前もそれが狙いだったんじゃないのか。俺に気付かせようと狙ってあのおでんを作ったんだろ。
「ええ、そう。でもちゃんと覚えていてくれたんだ、嬉しいな」
状況が状況だったからな。あんな最高にして最悪だったおでんの味を忘れろと言う方が無理ってものだ。
「長門さんの精神が、昨日からオーバーホールに入ったの」
長門の姿をした朝倉は俺の肩に頭を乗せ、空を見上げながら話し始めた。
「稼働時間は五・六百年経ってるし、外敵や想定外の要因からの負荷とかも結構あったでしょう。
そこで今回、長門さんを一度フルメンテナンスしようって事になったの。
本来なら上がざっと精神を再構成して一瞬で終わらせられるんだけど……でも、長門さんはそれを拒否したわ。
あなたなら、その理由はわかるわよね」
産みの親であれ自分の精神をいじられたくない、そういう事か?
「正解。よくできました」
「今、長門さんは喜緑さんの監修の元、自分自身で一つ一つチェックを行っているわ。
記憶の整理やエラーの処理など、六百年弱分をこつこつとね。
で、その間長門さんの生活に支障が無いよう、わたしがこうして代役をしていたって訳。
ちなみにこの身体は長門さんのよ。憑依しているって思ってくれたら早いかしら」
なるほど。お前が長門の姿をして俺たちといた理由はわかった。
だが何でよりにもよってお前なんだ。正直こうしてお前と話してる間も、俺は内心ひやひやしてるんだぞ。
俺の膝を軽く撫でながら、朝倉は楽しげに言葉を出す。
「春先の教室や冬の時みたいに、またわたしがあなたに襲いかかるかもしれないから?
大丈夫、それは無いわ。だって、わたしは朝倉涼子であって朝倉涼子じゃない存在だもの」
何だそりゃ、朝倉であって朝倉でないとは一体どういう事だ。
「わたしは今回の為に長門さんの上、つまり主流派によって新規に構成された存在なの。
いうなれば急進派朝倉涼子をオリジナルとした模造品、メイドバイ主流派の朝倉涼子ってとこかしらね。
長門さんのメンテ中の代役が任務だから涼宮ハルヒを観察する義務も無い。
つまりは涼宮ハルヒの出方を見る必要も無いので、あなたを襲う理由は全く無いって事。
……あなたがこの長門さんの身体に不埒な事をしようとするなら、話は別だけれどね」
するか。いや、長門の身体を抱いている今のこの状況はもしかしてしてる事になるのか?
微妙に問題ある状況はとりあえず考えない事にして、俺は話を続ける。
つまり長門の任務のバックアップではなく、長門自身のバックアップを行うのが、今のお前の任務なんだな。
「そう。わたしなら長門さんの事もあなたたちの事も、他のインターフェースより詳しく知っている。
そしてわたしという存在は既に消失していて、今は宇宙のどこにも無い。
逆を返せば長門さんの代理をする間、自分の身体を隠す必要も、他人に対し不在の理由をフォローする必要も無い。
ちょうどうってつけの存在だったのよ、わたしは。
そこで白羽の矢が立ち、めでたく今回わたしの思考が再構成された……と、こういう訳」
朝倉は俺の手を両手で包みこみながら、長門の淡々とした声に少しだけ楽しさを乗せて話してきた。
「長門はいつ頃戻ってくるんだ?」
「三百十五秒後。さっき最終調整に入ったって連絡があったわ」
朝倉は俺の手を離して立ち上がると、両手を空へ伸ばして軽く伸びをする。
「今日一日、本当に楽しかったわ」
何だか今回のお前は妙に人間的だな。急進派か主流派かってだけでこうも変わるものなのか。
「急進派、主流派は関係ないわ。わたしが人間的に見えるのは、多分人間の時の記憶が残っているからよ。
有機生命体、いえ、人の感情と言う曖昧なロジック。今なら何となく理解できるかな」
そして数歩前に出ると、後ろ手に指を組み軽くうつむいた。
そういえば、朝倉が正体を明かして以降、俺は長門──朝倉の表情を一度も見ていない事に気付く。
おそらく故意的に見せないようにしているのだろう。
「……お前はどうなるんだ」
気になったことを聞いてみた。長門がその身体に戻ってきたら、こいつは一体どうなるのだろうか。
「長門さんのシンクロを確認したら、もちろん空へ帰るわ。その後の事についてはわからない。
そりゃ今のわたしにとって、ここは魅力的な場所よ。あなたたちの存在を含めて、いえ、あなたたちが居るからこそ。
でもこの場所に居続ける為の身体はもう無いの。それはあなたが一番よく知っているはず。
自業自得。因果応報。あなたを殺そうとした罰があたったのよ」
今日の夕飯を決めるような、そんな軽い口調で朝倉が告げてくる。
「朝倉、お前はそれで──」
「ストップ」
朝倉は振り向くと、俺の口を指一本で塞いでしまった。
初めて朝倉としての長門の顔を見る。だが表情は殆どなかった。
まるでいつもの長門のような、微妙な変化を見せる表情だ。
「一時の感情で言ってもムダな事なら言わないで。それとも、長門さんとわたしを天秤にかけるつもりなの」
朝倉の身体がない以上、朝倉を繋ぎとめると言う事は長門の事を捨てる事になる。
いくらなんでもそんな事はできない。それこそ朝倉が言うように一時の感情で、だ。
「そういう事。それにわたしもこの身体で生きるのはお断りするわ。わたしは長門さんとしてここにいたいんじゃない。
わたしは、朝倉涼子としてここにいたいの」
そして俺に背を向けると、両手を横に伸ばして天を見上げた。
「……わたしに同情してくれるなら、抱きしめて。気分的には口づけしたいけど、長門さんに怒られそうだしね」
背後からゆっくりと身体に両手を回し、長門の身体を抱きしめる。
「……ありがとう」
マンションの屋上、月光と街灯に挟まれた世界の中。ショートヘアの少女は俺にそう告げてきた。
俺は黙って頷く。残された時間は、もう数秒程度だった。
「さよなら」
情報思念統合体によって派遣されたインターフェース。
彼女が、彼女の意思だけでここへ来ることは、おそらく無いだろう。
だがそれでも、俺は抱き寄せた少女の耳元にこう告げた。
「それじゃ、またな」
制服の襟をはためかせながら、少女は俺に背後から抱かれたまま不器用に、おそらく、微笑んだ。
強い風が吹く。
俺がその風に一瞬視界を取られた隙に、少女は──朝倉涼子は空へと還っていった。
身体が寒さを感じ出した屋上で、俺はしばし目を瞑り今日一日の事を思い出す。
「……ありがとう」
そよぐ風の音に乗せて告げられた、静かに透き通った長門の声をリフレインさせながら。
そして意識が戻るなり抱きしめられた状態で驚いているのか、小さな表情で振り向いてくる少女に、俺は告げた。
「お帰り、長門。お疲れさま」
「────ただいま」
長門は相変わらず微笑む事は無く、でも少しだけ何かを加えたような感じで答えてきた。
- * -
そんな事が懐かしく感じられるある日の事。
俺の携帯電話が見慣れない番号を表示しながら鳴り響いた。
いぶかしみながら俺が電話を取ると電話の相手は名乗りもせず、ただ一言だけを俺に告げてきた。
『────ただいま』
初めて電話越しに聞いたその懐かしい声に、俺は当然の受け答えを返してやった。
- 了 -
と、以上ッス。消費レス数書き忘れごめん。
長門の姿な朝倉でエチするはずが……微妙な話になったなぁ。
つ、次は頑張るんだからね!
アスタリスクの人(『- * -』の人)だったのか!
相変わらずうまい……感激。GJ。
>>825 べ、別にあなたの次のSSなんて期待してないのねっ。
まぁ書いてくるんなら見てあげない事も無いけど、別にそれはあなたのSSがいいとかじゃなくて単に… ヒマなだけなの。
どうみても(ry
某スレの影響か*みると……いや、なんでもない。
GJ
>>825 また長門消失物か、と思っていたんだがそうきたか
エロに行かなくて正解だと思うよ。なんにせよGJ!
830 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 21:49:13 ID:gvdLYs7A
>>798 普通の男は相手にしない、なんて言ってないでしょ?
恋愛は時間を無駄にする精神病とは言ってるが。
>>831 アニメでは付き合った最短記録が5分とかのあたりの回想で「普通の人間の相手をしてるヒマは無いの」と断言してたな
原作は… すまん、憶えてない
正直ハルヒと付き合うことなんかないからどうでもいいや
これはしてやられたわ。そこで朝倉とはな。
いちじてきにエラーの起こった長門の話かと思ってたんだがな。
ずっと見てきたが、これといい少年オンザ〜といい機関の上司の振りして電話してきたやつといい
みんなどれもどんでん返しが凄いな。
>>832 原作でも谷口の説明でそういって振っていたといっているよ。
ただ、ハルヒの変と普通の定義は主観によるものだから、ハルヒに気に入られた時点で
キョンは十分変なのかもしれない。
>>825 まさか朝倉をもってくるとは思わなかった。
最初のシーンで騙されたよ。GJです。
>>834 『少年オンザグラウンドゼロ』は違う人ッスよー。
「機関の上司の振りして電話してきたやつ(古泉一樹の消失)」は確かに自分ですが。
……つーかよく気づいたなぁ。
>>835 付き合っても会話すらなかったらしいしね。
ハルヒの性格から自分の気に入らないものは徹底して拒絶するから・・・
そんなハルヒもキョンに出会って男を意識するようになったし、キスまでしてしまったから
あとはエロに持ち込むだけだ。
久しぶりに想定外の展開だった。これは思いつかなかったな。
>>825 上手い!
長門消失ネタかとおもってorzしながら読んでたんだが、こーゆーオチかい!
長門スキーにはたまらぬ逸品でございました。GJ!
次回は長門とのエチシーンを超希望♪
>>825 乙過ぎる
こういったほのぼのとした展開の話はいいものだ
心が安らぐ。
AVでヌいてるからエロスはいらな(ry アッー!
843 :
834:2006/10/28(土) 06:34:46 ID:L9hKdMkG
>>837 乙
何か最後のどんでん返しの仕方が似てるな〜と思った。
俺はこういうシリーズがすきだな。面白いから。
>>837 まことに勝手なお願いではありますが、
過去の作品のリストって出していただける?
個人的に作風が好きなのでまとめておきたいのだけど……
>>844 倉庫にある、タイトルついた奴。
『いくさがたな』
『脱衣オセロ』
『You mind fly』
『古泉一樹の消失』(25-257)
『キョンの消失』
『宇宙人×未来人×超能力者』
『ハルヒと、雨の密室で』/『ユキと、雨の密室で』
『雄弁な神と寡黙な端末』
『長門有希は微笑まない』
後はゲリラ的に小ネタを落としてたり。
>>476とか。
>>825 話は面白かったんだけど、日本語がおかしいところがいくつか気になった。例をあげるなら料理の腕が上手いとか
「早く良くなってね、キョン。」
「…だから俺はもう大丈夫だって」
「駄目よ。ちゃんと寝てないと」
ここは病室でベッドに寝ているのは俺。
しかし本当の病人は、横で俺を看病しているハルヒだ。
「ねぇキョン、あたしまたあの怖い夢を見たの。」
「…そうか」
「キョンがね?…あたしの目の前で…バラバラにされて
…血が…あたしの顔に……あっ……あっ……」
「!わ、わかったハルヒ、言わなくていい。」
「……うん」
その夢とは現実にこいつの目の前で起こったことだ。
俺は再びハルヒを取り巻く勢力の一つに目をつけられ、命を奪われかけた。
長門のお陰で死ぬことはなかったのだが、その場にこいつがいたのがまずかった。
ハルヒは長門に"元通りくっつけてもらった"俺がいくら話しかけても反応せず、しばらく長門が
様子を見ることになったのだが…帰ってきたのは別人のようになったハルヒだった。
「ねぇキョン…しよ?」
「ああ。」
ハルヒがベッドに入ってくる。
あの日からハルヒは俺と離れることを極度に怖れている。
そして長く一緒にいるうちに、俺とのより深い関係を求めるようになってしまったのだ。
「んっ…キョン…あたし以外の人と…しちゃダメだからね?」
「わかってるよ」
「…んぁっ…ん…」
ハルヒはいつも俺が病人だから、と自分から動いてセックスをする。
支配的なまでに束縛しながらも、子供のように甘えてくる。
「キョンとキスできるのはあたしだけ……キョンとエッチできるのも
あたしだけ……キョンの子供を産むのもあたしだけなのよ。
わかった?キョン。…だからあたしとずっと一緒にいなきゃ駄目なの。
いえ、これだけ一緒にいればもう絶対に離れ離れにならないわ…安心して、キョン…ずっと一緒よ…」
ハルヒはいつも怯えていた。
俺を失いたくないからともっと俺の近くにいようとしていた。
そんなハルヒを見るのは辛い。
……必ず元に戻してやるからな。
――――――――――――――――
オチが浮かばないのでこれでエンドォ!
戻してやるとこまで書いてやれよぉー・゚・(ノД`)・゚・。
そこで秘孔を突くキョン! アタタタタタタタタタ!
お前はもう、戻っている!
「キョン、早くよくなんなさいよ。探索に行けないじゃない!」
動け、動くんだハルヒ!
えぇい、なぜ動かん?
ハルヒには俺の知らない性技でもあるのか?
キョン、ただ下になり子づくりを遊びにするあんたには解るまい!
あたしの体から出るこの力が
戻しすぎました
ハルヒを元に戻すために長門にツボを教えてもらった。早速試してみよう。
「うりゃっ」ドスッ
「アンッ!」
さあどうなる?
「あっキョン君!はやくよくなるっさ!めがっさ寂しいにょろよ」
なるほどここは鶴屋さんのツボか。次は……ここだ!
「セイッ」ドス
「アッー!」
今度は誰だ?
「……あなたは早くよくなるべき。私という個体もそれを望んでいる」
長門?
ふむふむ。なかなか面白いじゃないか。もういっちょ。
「ドラァ!」ズブッ
「アヒィ!」
朝比奈さんか?
「やあお目覚めですか。早くよくなって下さいね。僕のためにも、あなたのためにも」
何故古泉なんだ……。
その後俺のツボ治療もとい人格改変は朝方まで続くのであった。
「おもしれーなコレ」
852 :
844:2006/10/28(土) 15:30:45 ID:df84ygWM
>>845 おおう!
ありがとう!
全部もっかい読んでくるノシ
>>847 ヤンデレktkr
今このスレに足りないのはヤンデレ分だと把握した。
>ヤンデレ
魔界都市日記にでも行け
ヤンデレってヤンキーが恋人といる時だけデレデレする現状のことだとつい先日まで思ってたのは自分だけ?
>855-857
喜多さんスレにでも池
ツンデレクーデレガチホモは分かってもヤンデレが何か分からない俺ガイル
まぁ、どうでもいいが…
男が浮気したら、両手足の腱を切って監禁とか
相手の女を撲殺とか、そんな感じ。
432が縦読みな件について。
あと残りの容量がちょっと微妙だから
森さん×古泉と、鶴屋×古泉(orキョン)の話は次スレにするわ。
把握
とちくるった鬼ヨメと理解した。
ってこれでいいのか?
ヤンキーキャラいないよなと思ったが、周囲の世界に反抗しているという意味ではハルヒがその役割か。
埋める前に次スレ立てだろうて
今467kBだけど、480kB越えくらいで立てればいいか。
それまでは小ネタなり雑談なりしてりゃいい。
病んデレってぶっちゃけホラーのとかグロの領域じゃないか?
いつの間に流行った、ていうか浸透しだしたんだろう。
マターリ進行が基本じゃないのか?
ところで何か手頃でお勧めな
ポータブルDVDプレイヤーはあるかい?
スレ違いとマターリは別物だぜ子象
ヤンデレとホラーは別物だぜ小象
作者の突出した文才・シナリオ創造力。満ち溢れる愛。
読者の卓越した批評と殺伐感。足りない愛。
レス出来ない雰囲気とマターリは多分別物。
流れが気に食わないなら自分でネタをふる。基本でしょ。
VIPでツンデレに火がついてた頃、楓(アニメSHUFFL)のイタイ壊れっぷりがブレイクして、
どっかのブログがその解説に「ヤンデレ」という造語で解説してたのが起源と思われる。
ちょっと前までSSをバリバリ書いてたのに、今になってはネタはあるのに書けなくなってしまった…
文章能力の衰えか、それともハルヒへの愛情が濃くなりすぎたのか、薄くなったのか…
この上司がボケたのに上の人すぎて突っ込めない部下のような歯がゆさをなんて言おう…
>>825の題名がジョジョ第四部みたいだと思ったのは俺だけ?
880 :
催促小ネタ:2006/10/29(日) 04:00:29 ID:kxNcN0CA
東中出身涼宮ハルヒ!
この中にレイプ、凌辱、寝取られ、絶望系SSが大好きな私のために一肌脱いでくるっていう職人がいたら今すぐ投下しなさい!
い、今すぐって言ったけど別にいつでもいいからね!投下さえしてくれればそれでいいわ!待ってるからね!
…お願いだよ?
SOS団の女性陣が、誰がキョンを悩殺できるかで勝負することになった。
1人目に有希が団長机の上に立ち、そのままひと踊りすると、
キョンは喜んで5分間ほど拍手した。
次にみくるが団長机に立ち、服を脱いで下着姿で踊ると、
キョンは大喜びで10分間ほど拍手した。
更に3人目にハルヒが団長机に立ち、パンツ一丁のトップレスで踊ると、
キョンは熱狂的に拍手し、当分の間興奮しっぱなしだった。
最後に飛び入りで朝倉が団長机に立ち、素っ裸で踊ったが、
キョンはまったく静かで拍手はひとつもなかった。
朝倉「ちょっと!どうして拍手しないのよ?」
キョン「すまん。片手じゃできない」
>874
語源はシャッフルだったのかー。
あれ、中の人がキョン(杉田)とみくる(後藤)じゃなかったっけ。
みくるが目線の飛んだ顔で空の鍋をグルグルかき回しながら、
キョンの遅い帰りを待つ… うーん、話が続かない。
「レイプに凌辱に寝取られに絶望系ですって? あぁもういっぱいあって難しいわね」
ああ、そうだな。で、どうするんだ?
「考えるだけ考えてみましょ。そうね……例えばアホの谷口があたしを激しくレイプするの。
それでとりあえずレイプと凌辱はクリアね。で、その時の弱みで谷口と付き合い出すとかはどうかしら」
なるほど、それが寝取られと絶望か。
「さすが涼宮さんです。ですが、それでは絶望感が少し足りなくないでしょうか」
「そう?」
「えぇ。涼宮さんの案を少しだけ弄りましょう。配役を代えるんです。それだけで絶望感もバッチリですよ」
どうするんだ?
「谷口さんの役割を僕が引き受けます」
なっ、お前がハルヒを襲うのか!? だがそれは設定的に難しくなるぞ。なぜハルヒを襲う。
「いいえ、僕は涼宮さんを襲ったりはしません。襲われるのは────あなたです」
ハッハッハッ、なるほど、そいつは絶望しそうだ。
おーい、誰かコイツを埋めてきてくれ。
「絶望系」の意味を間違って捉えてるような気がしてならないんだが
れっきとした谷川作品のひとつだぞ?
「絶望系」は知ってる。
でもここでいう絶望系はジャンルの事じゃないの?
ジャンル三つ並べて最後だけ「絶望系」がいいってあんまり言わないんじゃ……
って事でジャンルとして考えたんだが。
ところで「ネズミのマーチ」の解はまだー?
>>884 アニメ版の場合杉田さんで間違いないっす。
ただし、PC版(Really?Really!)から他の声優さんに変更のようです。(凜の中の人現在不明っす。)
889 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 14:07:32 ID:2ObI2JaR
890 :
小ネタ:2006/10/29(日) 14:33:36 ID:kxNcN0CA
「PM7:00に○○公園にて待つ」
栞に託されたメッセージをもとに、俺は今、何故か長門の部屋でお茶を飲んでいる。ちょうど一年前くらいに同じような事が起こったような気がするのはなんでだ?ちなみに今回も三杯目でギブアップだ。
「話しってなんだ?」
「私は、騎士。あなたを守る騎士」
てゆーと俺はナイトに守られるお姫様か? なんとも情けない事だ。男としてはお姫様を守る騎士役を希望したいね。
ところで何の話?
「涼宮ハルヒという悪い魔法使いからあなたを守る。それが私がここにいる理由。あなたがここにいる理由」
イメージ的には魔法使いは長門で、俺がナイト、ハルヒがお転婆姫って感じだけどな。
って、何を考えてるんだ俺は! これじゃまるでハルヒに好意を寄せているみたいじゃないか! いや、違うんだ長門。そんなに睨まないでくれ。
俺は「悪い魔法使いと恋に落ちる騎士」なんてすっとんきょうな物語も嫌いじゃないぜ?
「……悲恋好き?」
うん、まぁ、 悲恋になりそうな香りがプンプンしてるけどさ…
俺は悲恋にする気はないぜ?
…もしかして俺告白されてんのか?
>>882 ハルヒと付き合い始めて幸せそうなキョンを見て
徐々に壊れていくみくる。
うん、確かに無理があるな。
全身が青白く輝く、高層ビルより大きな破壊神が無気力に腕を振るう。
その一振りで近くにあった十数階建てのビル何棟かが一気に破壊され、地上数階分を残して瓦礫と化す。
その瓦礫の間を紅玉の光が器用にすり抜けて行き、青白い存在《神人》へと向かっていく。
「好きにはやらせませんよ」
足元から一気に駆け上り、紅玉の光が《神人》に消失の刃を打ち込もうとする。その刹那
「一樹っ!」
横から突っ込んできたもう一つの光にぶつかられ、二つの紅玉の光はそのまま《神人》の横へと飛びぬける。
直後、それまで飛んでいた位置に《神人》の手が振り下ろされた。あのまま飛んでいたら今の一撃を喰らっていただろう。
「すいません、助かりま……」
「何度言われればわかるのですか、一樹!」
古泉の感謝を遮り、助けた紅玉のが氷のような響きで怒声をあげる。
「何よりも自分の命を優先しなさい、これは厳命なのです! わたしが教えた事をもう一度思い出しなさい!
……わたしたちは命がけで《神人》と戦う戦士です。ですが、わたしたちに替えはいないのです。
これは失敗の許されぬ戦い。誰か一人が戦線離脱すれば、戦況は確実に悪化します。
……もしかしたら、戦線離脱した戦士の分だけ新たな補充があるかもしれません。
ですが、それは言い換えれば、新たな一般人にこの能力を持たせて死地へ送り込むと言う事です。
いいですか、一樹。絶対に死んではダメです。倒れる事も許しません。そして、その上で《神人》を倒すのです。
それができて、ようやくわたしたちは最低限の仕事をこなしているという事を、心技体その全てで理解しなさいっ!」
紅玉の中、メイド姿の女性が古泉にキツく言い渡す。だがその叱咤こそがこの女性の師としての教育であり、
また先輩としての激励であり、そして彼女なりの心配であると古泉は知っている。
「ほら、顔がこわばってますよ、一樹。
常に微笑んでいなさい。わたしは一番最初にあなたに教えたはずです。
いついかなる状況でも微笑むのです。そうすれば心に余裕が生まれ、状況を冷静に把握できる……と」
一度自分の顔を両手で叩き活を入れる。
「……見つけたんです。僕がこうして微笑んでいても心配してくれる、僕にとって大切な人たちを」
「そうですか……。おめでとう、一樹。本当に守りたいものができたのですね」
「はい」
微笑みながら力強く頷く。そして決意を灯した瞳を彼女に向けると、はっきりと告げた。
「行きましょう。誰にもできない、僕たちだけができる事をする為に」
「ええ。わたしたちができない事をしてくれる人たちの為に」
古泉に全てを教えた彼女──森はいつもより少しだけ優しく微笑むと、古泉と共に《神人》へのアタックを再開した。
SSの書き出しに使おうとしたネタ。
本来はこの後
『───《神人》攻撃SSの最中ですが、ここで涼宮ハルヒに新たな動きが発生した模様です。
《神人》攻撃SSはここで中断し、緊急特別SS『涼宮ハルヒは今!』をお送り致したいと思います───』
といきなりハルヒSSを投下する予定だったがやめて埋めネタ代わりに。
ある日長門と朝倉と喜緑さんが揃って俺を呼び出した。
「思念体はあなたの協力を失いたくないとの結論を出した」
「そしてあなたの意思を奪わないで懐柔するってことに決まったの。
意思を奪って涼宮さんが感づいたりしたら困るし、あなたの望みを叶えるくらいは
別に減るものじゃないしね。でもあまり協力的じゃなくなるとわからないわよ?
あなたの意思を奪うことも楽なんだから。」
「私達がある程度までならあなたの望む物を与えて、望む事をして差し上げます。」
「……望みを言って」
「急に言われてもな…」
朝倉が寄ってきて俺に抱きつき、胸を押し付ける。
「何でもいいのよ?な・ん・で・も♪」
俺は悩んだ。長門の言うことを聞くのに抵抗はない。
だが俺が一体何をした。
本当に褒美を受けるべきなのは……長門じゃないのか。
適当に思いついたこれ面白くなりそうかな
涼宮ハルヒの柔道
書き始めたのが何ヶ月も前なのでだいぶ時期はずれなネタです。
書きたい事が多くてかなり長くなってしまいました。
読んでいただければ幸いです。
いろいろあった去年から年を越えて、すでに二ヶ月が経過している。
光陰矢のごとしとはよく言ったもので、時間が加速しているような気がするのは年明けしょっぱなの一月からそれなりのことをやっていた自覚があるからだろう。
寒気のピークも過ぎ、そろそろ春の足音が聞こえてきてもいい季節のはずだが、今の日本には四季がないらしく、山間にあるこの高校はまだかなり冷えていた。
秋に桜を咲かせたハルヒが望めば明日にでも蝉が鳴き出してもおかしくないのだが、幸か不幸かいまだに雪が降っているところをみると一応あいつにも常識というものはあるらしい。
ちなみに俺は夏が好きだ。世の女性達は皆こぞって薄着になるし、プールに行けば薄布一枚のあられもない姿を拝めるしな。解るだろ?
そんな俺のささやかな願いが通じたのかそれはやってきた。
ハルヒを中心とした、季節はずれの大型の台風が上陸したのだ。
確かに夏の風物詩ではあるがそんなものを望んだ覚えは毛頭ない。
俺は自分勝手な神様を怨みつつ、これから起こるであろう災厄に怯えながら今日も部室へと足を運ぶのであった。これ以上神様のご機嫌を害わないように……。
文芸部に間借りというより寄生しているSOS団のアジトには、団長を除いた他の団員たちがすでに揃っていた。
「あ。こんにちは」
そう言って微笑む朝比奈さんが今日もかいがいしく、ハルヒに強要されたメイド姿で俺を出迎えてくれる。彼女の笑顔を今日も拝める幸せを噛締めつつ、俺は定位置となっている席のパイプ椅子を引いて腰を下ろした。
「やあ、お待ちしていましたよ」
長テーブルにトランプを並べてブックカバーのかかった本を読んでいた古泉が顔を上げて会釈をした。
「男に待っていてもらっても嬉しくねえよ」
「相変わらずつれないですね」
お前は相変わらず如才のない笑顔だな。
冷えきった俺の身体をさらに凍りつかせるようなことをさらっと言いやがった。
「それより、あなたに見ていただこうと思いまして」
そう言って目の前に五つに分けて並べてあるトランプに目配せをする。
「なんだ? 手品でも始めたのか?」
「……さすがですね。ええ、その通り手品です。涼宮さんの余興にと思いまして」
なぜ手品とすぐに解ったのかと器用に笑みを崩さないまま、不思議そうな表情をする。
ハルヒの憂さ晴らしに手品を覚えようとはまったく殊勝なことだ。さすが副団長といったところか。とてもじゃないが俺には真似はできんね。
「最近は安定してきているとはいえ、定期的に涼宮さんを楽しませたほうが安心ですからね。我々としましてもこのまま閉鎖空間が発生しなければそれに越したことはありませんから」
その我々ってのはお前の所属する機関とやらのことか?
確かに、俺としてもあの閉鎖空間には二度と関わりたくない。定期的にハルヒの憂さ晴らしをしてやることで世界が平和になるなら安いもんだ。
「そこで涼宮さんにお見せする前に一度あなたに見て頂けないかと思いまして」
「遠慮しとく。どうせなら俺も一緒に楽しみたいからな」
「それは残念。ではそのうち機を見て披露することにいたします」
古泉は肩をすくめて再びカバー付きの本に戻った。
カバーのせいで表紙は見えないが、でかでかと手品と書いてあるから解らないように隠しているんだろか。残念ながらばればれだぞ、古泉。
その古泉の奥では相変わらず無口な宇宙人がひたすら読書をしている。
何気なく何を読んでいるのかとタイトルに目をやって驚いた。そこには我愛称と書かれていた。俺の記憶が確かならばあれは愛していますとかそんな類の意味だったはずだ。
長門もついに恋愛に興味を持つようになったのかと感慨にふけっていると、
「ニーハオ」
俺の視線に気付いたのかそれだけ言うとまた読書へと戻った。長門よ、いったいお前に何があったんだ?
しかし長門と一緒ならどこへ旅行しても通訳に困らないだろうな……いや、口数が少なすぎて余計に意思の疎通に齟齬が発生するかもしれん。
などとどうでもいいことを考えていると朝比奈さんが目の前に湯飲みを置いてくれた。
「どうぞ。熱いから気を付けて下さいね」
俺は心から感謝しつつ、心のオアシスである朝比奈さんの淹れてくれた玄米茶で冷えきった身体を温めていた、その時、
「まったく、ふがいないったらないわ!」
荒々しく扉が開かれ、いつにも増して不機嫌オーラを纏った女が辺り一面に不機嫌を振りまきつつやって来た。
突然現れたかと思うと肩を怒らせながらズカズカと団長席に向かい、床が抜けるんじゃないかと心配になる勢いで椅子に座るとそのまま後ろへ踏ん反り返る。
長門はそんなハルヒを一瞥すると、すぐにまた読書に戻った。一瞬、心地良い読書タイムを邪魔されたことに長門が怒ったように思えたが、気のせいか?
「みくるちゃん、お茶!」
「ふぁ、ふぁい!」
これ以上ない不機嫌な声でいきなり名指しされた朝比奈さんは手にしていたお盆ごと数センチ宙に浮き、健気にもハルヒの湯飲みにお茶を注ぎにかかる。
「何が気に食わないのか知らんが朝比奈さんにあたるなよ。仮にも朝比奈さんは上級生だぞ?」
「うっさいわね! 私は団長だから団員に敬語なんか使わなくてもいいのよ!」
鶴屋さんにも敬語を使ってる姿を見たことがないんだが、いったいいつ、誰に対してなら敬語を使うんだこいつは。
「ど、どうぞ……」
朝比奈さんが腫れ物でも扱うかのように恐る恐るハルヒの前に湯飲みを置く。
「ありがと」
ハルヒはぶっきらぼうにそう言うと湯飲みをむんずと掴み一気に飲み干した。
せっかく朝比奈さんが淹れてくれたんだからもっと味わって飲め。谷口ならラップを巻いた上に冷凍庫で永久保存するぞ。それはそれで朝比奈さんに失礼な気もしないでもないが。
「ぷはあ! みくるちゃん、おかげで少し落ち着いてきたわ」
「ほんとですか? よかったあ」
そう言って朝比奈さんはさっきまでの怯えた表情とはうって変わってその可愛らしい顔に満面の花を咲かせる。
……朝比奈さん、あなたの笑顔ならきっと何十年と内戦の続く国にも平和をもたらすことが出来ますよ。少なくとも俺はあなたの笑顔を見るだけで全てを許せる広い心を持てるのですから。
即刻、総理大臣は朝比奈さんを外務大臣にでも任命す――、
「バカキョン! 何みくるちゃんに見惚れてんのよ! まるで変質者みたいよ!」
お前全然落ち着いてねえじゃねえか。
それに言うに事欠いて変質者とはなんだ、変質者とは。 名誉毀損で訴えるぞ。
古泉、お前も肩を震わせながら「くっくっく」とか笑ってんじゃねえ!
「これは失礼、あまりにも面白かったものでつい。いや、さすがですね。まるで夫婦漫才ほみへひふほふへ……いふぁいへふほ」
この口か! この口が言ってるのか! 俺は古泉のほっぺたを思いっきりひっぱってやった。
「ふひはへん……ひどいですねえ。僕は率直な感想を述べただけですよ」
古泉は一つ咳払いをするとほっぺたをさすりながらいつもの笑顔に戻した。
「ところで涼宮さん。なにやらご立腹のようですがどうかされたんですか?」
「よくぞ聞いてくれたわ古泉君。さすが私が副団長に任命しただけのことはあるわ!」
そう言うとハルヒは腕組をしたまま団長席から長テーブルまで歩み寄ると、そのまま仁王立ちの姿勢で俺に質問をする。
「キョン、あんたも観てたでしょ?」
「何だ? 朝比奈さんの着替えなら今日は見てないぞ」
「バカ、テレビよ!」
「またロクでもない深夜の映画でも観たのか?」
もう映画作りは勘弁してくれ。
「違うわよ。あんた観てないの? あれを観てないなんてあんた非国民よ!」
左手を腰にあてがって、右手で俺を指差した。
何の番組のことを言ってるのかさっぱりわからん。観ないだけで非国民扱いの番組ってなんだ。
「ああ、わかりました」
と古泉。
「柔道ワールドカップのことですね? 涼宮さん」
「そう、それよ!」
ハルヒの話を要約すると、ゆうべ柔道のワールドカップというのが放送されていたらしい。あいにく俺は柔道にはまったく興味がないので、その時間は妹と一緒にアニメを観ていた。
ワールドカップというだけあって各国の代表が勝ち抜きの団体戦で競ったらしいが、日本は男女共に成績がいま一つだったらしく、それにハルヒが憤慨した、というわけである。
「で、それがどうしたんだ? なんでお前が結果に憤慨する必要があるんだよ」
「柔道って言ったら日本のお家芸でしょ。それなのに優勝できないなんて恥じだわ、恥じ!」
俺にどうこう言えた義理じゃないが、何も負けたくて負けたわけじゃあるまい。ぷんすかしているハルヒの愛国精神論に適当に相槌を打ちつつ右から左へ聞き流す。
そこにノックの音。
「どーぞっ!」
熱く語っていたハルヒは突然の来客に対して苛立たしげに返答した。
「失礼する」
入ってきたのは生徒会長だった。相変わらず長門とは違った意味での無表情に冷徹そうな顔をしている。
意外な来訪者に虚を付かれた顔をしていたが、ハルヒの口角は見る見る鋭さを増し、格好の憂さ晴らしの相手を見つけて笑顔を取り戻していく。
「わざわざ敵地に乗り込んでくるとはいい度胸ね!」
釣り上がった眉に満面の笑みという器用な表情で敵を威嚇する。
会長はいきなりのハルヒの怒声にひとつ咳払いをすると、臆することなく淡々と喋り出した。
「前回の機関紙は上手く捌けたようだが、あれはあくまでも文芸部の話だ。正式な文芸部員はそこの長門だけだろう」
そう言って部室の隅で読書をしている長門に目配せをする。長門は読書を中断して会長のほうを見ていた。
「文芸部員でもない者がこの部室を利用する事など到底認められん。そこで我々生徒会としては即刻、文芸部員以外の者の退去を命ずる」
正論だが、前回ので決着したんじゃなかったのかよ会長さん。
ハルヒの表情が徐々に怒りへと変化していく。わなわなと肩を震わせ怒りの沸点へと達し今にも会長に掴みかからん勢いだ。
これも古泉の用意したハルヒへの余興かと思い対面へ視線を移す、よりも先に古泉は立ち上がっていた。
「涼宮さん落ち着いてください」
「落ち着けですって!? こいつは私達SOS団を潰そうとしてるのよ!」
古泉もハルヒの剣幕に臆することなく爽やかな笑顔のまま、怒りに震えるハルヒをよそに会長へと向く。
「あなたの仰る通り我々が文芸部の部室に居座るのは問題があるでしょう」
「なっ!?」
古泉の言葉にハルヒが驚きと怒りの混じった声を上げる。しかし古泉はそれをも無視して続ける。
「しかし前回も同じような理由で我々に課題を出しています。そして我々はそれを見事に達成した」
「ふん。だからそれは文芸部の存続が認められただけであって、決してSOS団とかいう同好会まがいの存在を認めたわけではない」
「ええ、それは理解しています。ですがこれではフェアとは言えません」
「何が言いたい?」
「前回はそちらからの提案でした。ならば次は我々が課題を決める。これならお互いに納得がいきます。ですよね? 涼宮さん」
まるで三流の芝居を見ている気分だ。淡々と交わされる古泉と会長の会話はまるで用意された台詞を読んでいるかのようだった。いや、実際そうなんだろう。俺にはこの会長と古泉の関係が嫌というほど解っているからな。
長門は相変わらずの無表情だから解らんが、朝比奈さんはこのやりとりを目に涙を浮かべて見守っている。
「えっ……、そ、そうね、その通りよ! 私達と勝負しなさい!」
いきなり話を振られたハルヒは一端頭を整理してから、腰に手を当てて会長に挑戦状を叩き付けた。
ハルヒの言葉が予想通りだったのか会長が笑みを浮かべる。眼鏡をくいっと上げてこの展開が予定調和だったかの如く会長がハルヒに質問した。
「ふむ、よかろう。で、何で勝負するんだ?」
ハルヒはしばらく会長を睨んだ後、朝比奈さん、長門、古泉、俺とそれぞれ一瞥する。そして頭の上に電球でも浮かんだのか実にハレ晴レとした笑顔で高らかに宣言した。
「柔道で勝負よ!」
その時のハルヒの目には間近に迫った春を思わせるように、いくつものダイアモンドが燦然と輝いていた。
鼻息荒く先頭を歩いているハルヒに連れられて現在SOS団は校内の柔道場へと向かっている。
「いやはや、困ったことになりましたね」
隣を歩いていた古泉がハルヒには聞こえないように話しかけてきた。
「古泉、一応確認しておくがこれもお前の仕組んだ余興の一つなんだろ?」
これから行われる事に頭痛を感じ片手でこめかみを押さえながら古泉に質問する。
「ええ、その通りです。ですが上手くいったのは会長を部室に呼んで涼宮さんに新たな課題を与えるというところまでです。柔道で勝負をするというのは予定外ですよ」
「じゃあお前の計画では何をすることになっていたんだ?」
「ふふっ、それはまた次の機会の為に秘密、ということにしておきましょう」
胸糞の悪くなるような笑顔だ。
「先程も言いましたが最近の涼宮さんは随分と安定しています。おかげで僕のバイトも減って楽になりました」
「何が言いたい?」
こいつの焦点をぼかした話し方は未だに好きになれん。
「つまり、これで閉鎖空間の発生確率が下がると思えば自然と足取りも軽くなりませんか?」
そう言って爽やかな笑顔を俺に向けた。
確かにその通りだ。夜中に寝てようが対処に追われる古泉にとっては死活問題なんだろう。俺が古泉の立場だったらと思うとぞっとする。
そのまま五分ほど歩いたところで目的地に到着した。
廊下の突き当たりに両開きの扉があり、その上に『道場』と墨で書かれた看板が掛けられている。解りやすい事この上ない。
扉の前には生徒会書記の喜緑さんがいた。俺達の姿を確認するとゆっくりと頭を下げてお辞儀をする。
「お待ちしておりました。私達生徒会のほうで道場の利用については話をしておきましたので今は柔道部員もおりません。皆さんの柔道着もこちらで用意いたしました」
なんとも手際のいいことだ。俺達が部室からここへ向かっている間にそれだけの用意を済ますとは、さすがは生徒会と言ったところか。いや、喜緑さんなら長門並の力を持ってるわけだし当然と言えば当然なのかもしれんな。
「ごくろう! でも感謝はしないわ。あんた達は敵なんだからね」
丁寧に対応をする喜緑さんとは裏腹に、我等が団長様は憮然とした態度で応対する。
「着替えをするために部室も借りておきました。男性のかたはこちらでお願いします」
ハルヒの失礼極まりない態度を無視して道場横にある柔道部と書かれた部室を指し示す。
「女性のかたには別の部室を用意しております。道場を挟んだ反対側にありますのでそちらでお願いします」
「有希、みくるちゃん、行くわよ!」
ハルヒ達SOS団の女性陣は奥へと消えていった。
俺もさっさと着替えるかと柔道部の部室へ進もうとした時、長門と喜緑さんが道場の前で見詰め合っているのに気付いた。二人は何も言わずに見詰め合っている。何事かとしばらく様子を見守っていると、喜緑さんは長門に軽く会釈してハルヒ達の消えた方へと歩いていった。
なんとなく長門に尋ねてみた。
「長門、テレパシーで会話でもしていたのか?」
「……」
長門はいつもの無言の後、顔を俺に向け「気をつけて」と一言だけ告げ奥へと消えていった。
柔道部の部室に入ると既に古泉が着替え終わっていた。
「お前、柔道の段なんて持ってたのか」
柔道着姿の古泉の腰には黒帯が巻かれていた。
「ええ、機関での訓練の一環として柔道も習いますので。ちなみに二段です」
「その機関ってのはスパイでも養成してるのか?」
超能力まで使えるんじゃ反則だぞ。
「だったら面白いんですけどね。まあ、備え在れば患い無し、ですよ」
何の備えだか。
ネクタイを外しカッターシャツも脱ぎ捨て、ズボンのベルトに手をかけたところで部室の扉が開かれ、会長が入ってきた。
「ふう。めんどくさい事やらせやがって」
事情を知っている者しかいないことを確かめると、生徒会長ではない本来の姿をあらわにした。
「ご苦労様です」
「古泉、解ってるとは思うが……」
「解っていますよ。内申書のほうはおまかせください」
前回の生徒会室でのやりとりと同じだ。
「で、あのバカ女はなんで柔道で勝負とか言い出したんだ? お前の計画してた――、」
「おっと、それはまだ秘密にしておいてください。彼にはまだ内緒ですので」
そう言って俺にウインクをしてくる。
俺は吐き気を堪えつつ古泉を無視して着替えに専念した。
「……おい」
俺はこの会長が好かん。俺はこいつらの計画には関わらないようにと、二人の会話を無視していたのだが、
「おい、お前だよ!」
俺のささやかな願いもむなしく、どうやら俺が呼ばれているらしい。
「何だ?」
「あの女とはどこまでやったんだ? もう最後までいったのか?」
とんでもないことを言いやがった。俺がハルヒと? 冗談じゃない。
「何を勘違いしてるのか知らんが、俺とハルヒは別に付き合っちゃいないぞ」
沈黙。俺が自分の台詞の問題点に薄々気付き始めたころ会長が切り出した。
「おい古泉、ハルヒってのは涼宮のことだよな? 俺は別に涼宮のことを言った覚えはないんだが」
はめられた!
「ええ、涼宮さんのことです。彼には自分と親密な関係の女性=涼宮さんという方程式が成り立っているのでしょう」
いつもの爽やかスマイルではなく、ニヤついた笑みを浮かべてやがる。
俺は脳をフル活動してこの危機的状況を打開する台詞を考えたが出てきた言葉は、
「何とでも言え」
というなんとも情けない負け犬の遠吠えでしかなかった。笑いたければ笑え。しょせん俺の脳みそではこれが限界だ。
着替えの終えた俺は二人を置いて逃げるようにして部室を後にした。
なぜあの女という言葉にハルヒの顔がすぐに浮かんだのか。それまでの二人の会話がハルヒの事だったから……、というのは言い訳にしか過ぎないだろうな。
俺はそんな考えを一蹴し、猛烈な寒さに身を震わせながら道場へと足を運んだ。
道場に上がった俺に見覚えのある柔道着姿の女性が駆け寄ってきた。
「おーい、キョンくんっ!」
SOS団名誉顧問、鶴屋さんである。
「あれ、鶴屋さん? どうしたんですか」
「あっははっ。なんか人数足りないとかで古泉くんに呼ばれたのさ!」
超のつく笑顔で俺の肩をばんばん叩く。
「ハルにゃん達には悪いんだけど生徒会側の助っ人なんだよね。ま、あたしはどっち側でも面白そうだからいいんだけどさ!」
そう言って豪快に笑い出した鶴屋さんの長い髪は後ろで括られ、見事なポニーテールを作っていた。腰には真ん中に白線の入った黒帯が締められている。
「鶴屋さん柔道やったことあるんですか?」
「昔っから空手とか柔術やらされててさっ、護身術ってやつ? だからあたしは黒帯なのだっ」
と言って帯に指を掛けてクイックイッと動かして見せる。
この人の家からして納得だ。あの広い敷地に道場があっても全く違和感がない。おもわず、ひげを生やした白髪の頑固なお爺さんに稽古を受ける鶴屋さんを想像してしまった。
「それよりキミ! 道着姿もなかなか様になってるねーっ。お姉さんますます惚れちゃいそうだよっ」
くったくのない天真爛漫の笑顔で今度は俺の両肩をばんばん叩いてくる。着馴れない柔道着が肌に痛い。
改めて鶴屋さんを見ると柔道着姿がよく似合っている。違和感がないと言うか何と言うか、普段から着馴れているんだろう。鶴屋さんのスレンダーな身体のラインが普段の制服姿以上にはっきりと見て取れる。着痩せするタイプなんですね、鶴屋さん。
「んーっ? 何見惚れてるんだい? もしかして惚れちゃったのかな?」
ふいに俺の顔を下から覗き込む形で聞いてきた。その表情には先程までとは違った怪しい笑みが浮かんでいる。
予想外の行動に俺は混乱していたのだろう。普段なら絶対に言わない歯の浮くような台詞が無意識に口から漏れてしまった。
「い、いやその、何て言うか素敵だなーって……、あ、いやっその変な意味じゃなくてですね? ポニーテールがすごく似合ってると言うか綺麗って言うかその――。」
気まずい空気が流れた。俺はいったい何を言ってるんだ? 怪しい笑顔を浮かべていた鶴屋さんが呆然とした顔をしている。
俺がポニー萌えなのは自分でも認めるが断じて他人に教える気はない、いや教えてなるものか!
自分の性癖、否、萌え要素を知られるのは母親にエロ本を発見される事に等しい。ましてや相手は同じ学校の生徒である。自分の萌え要素が全校に広がるようなことがあれば俺は即刻転校もしくは自殺を考えなければならないのである!
転校するならどこか遠くで一人暮らしか……、自殺するなら首吊りかな? などと考えていた俺は鶴屋さんの顔が俯いてしまっていることに気が付いた。
「……」
「……」
鶴屋さんと俺は何も言わず、ただ時間だけが経過していく。
どれくらい時間が経っただろう? 実際には一分も経っていなかったような気もするが、静寂を破ったのは鶴屋さんだった。
「あははっ。キョンくんに褒めて貰えるなんて思ってなかったからさっ、びっくりしちゃったよ!」
再び俺を見上げる鶴屋さんの顔にはいつもの笑顔が戻っていたが、その顔はどこか赤く染まっているように見えた。
「キョンくんは……ポニー萌えなのかい?」
ばれている! 早急に転校先か丈夫な縄を探さねばならない!
「キミさえよければその……、さ、触ってもいいにょろよ?」
遠くで一人暮らしとなるとバイトを探さねばならないな。縄はコンビニで売ってたかな――、
って何!? 今なんと仰いましたか鶴屋さん。
真っ赤な顔に潤んだ瞳が俺を見つめている。その顔は普段見せる鶴屋さんからは想像できないほど愛らしく、どこか弱々しくも感じられた。いつも朗らかな笑顔で場を盛り上げる上級生が見せたその表情に、俺の理性という名のダムはいとも簡単に決壊する。
思考が停止した俺は鶴屋さんの長く美しいその黒髪へと、ゆっくり手を――、
「うーっ、さっむいわねえ! 暖房くらいないのかしらここ!」
静まり返っていた道場に突如として響いたハルヒの怒声により、俺の手は鶴屋さんの髪に触れる寸でのところで停止した。
「あれ? 鶴屋さん? なんでここにいんの?」
どうやらハルヒには気付かれなかったようだ。危うく古泉にバイトが増えたと小言を言われるとこだったが、世界崩壊の危機は免れた。
「んーっ、残念!」
っと小声で言うと鶴屋さんはペロリと舌を出し、
「続きはまた今度にょろ」
と言ってウインクをした後、ハルヒのもとへと元気よく駆けて行ってしまった。
鶴屋さん……、正直、たまりません。
「鶴屋さんが生徒会側なのは残念だけど、うちは手加減しないわよ!」
「望むところだよハルにゃん!」
鶴屋さんから事情を聞いたハルヒは鶴屋さんと肩を組みながら二人で「がはははは!」と豪快に笑っている。よほど相性が良いんだろう、なんとも微笑ましい光景だ。
鶴屋さんとバカ笑いしているハルヒを見ると、腰には鶴屋さんと同じく黒帯が巻かれている。真ん中に白線の入った女子用の帯だ。
「ハルヒ、お前も柔道の段なんて持ってたのか」
「あー、これ? 持ってないわよ」
じゃあ何で巻いてんだ。
「格闘技は実力主義なんだから私が黒帯をしても許されるのよ。むしろ二、三本巻きたいくらいだわ」
もう何も言うまい。何本でも好きなだけ巻くがいいさ、聞いた俺がバカだった。公式大会なら怒られそうだが今は問題ないだろう。
とそこへエンジェルボイスが、
「遅れてすみまーん」
眩暈がした。はちきれんばかりの胸を申し訳程度に柔道着が覆っている朝比奈さんが現れたのだ。
妄想、もとい予想はしていたが朝比奈さんの胸は規格外らしく、彼女にあてがわれた柔道着ではぎりぎり胸の突起物を隠す事しか出来ていなかった。
ハルヒの持ってくる衣装もきわどい服が多いが、意図していないにも関わらずこれほど胸を強調した姿はお目にかかったことが無い。
しかも中にシャツを着ているものの、俺の目に狂いが無ければノーブラである事が明らかだ!
こんな状態で試合をしたら胸の突起物はどうなるのか? 俺はおとなしく試合を観戦できるのか? 俺のアレはおとなしくしていてくれるのか? 様々な疑問が俺の脳裏を駆け巡った。
「ふふーん似合うでしょ」
羞恥心で顔が赤い朝比奈さんから再びハルヒに視線を移す。
こちらも改めて見ると素晴らしい出来栄えで、朝比奈さんには及ばないものの平均的な女子高生としては大きいと言わざるを得ないハルヒの胸がその存在を強くアピールしている。サイズが少し小さいのかピチピチの柔道着がハルヒの抜群のスタイルの良さを際立たせていた。
「……」
鼻歌を歌いながら朝比奈さんの髪を結い始めたハルヒから目を逸らすといつの間にか長門も道場に入って来ていた。
柔道着を着ていてもする事は変わらないらしく、壁際で正座して本を読んでいる。悲しいかな座っているせいで胸元がだぶつき、朝比奈さんとは別の意味で胸を強調させている。
こちらもシャツの下はノーブラだ。
心なしかうっすらと乳首が見え――、
「……ケダモノ」
長門の会心の一撃により俺は心に深い傷を負った。