ときメモGSシリーズでエロパロ 3

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633名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 23:59:07 ID:4OC9nGqK
私も任天堂たのしみ〜
634王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 00:53:18 ID:WrTy5L1c
こんばんわ、投下に参りました>>624です
◎注意書き◎
・ほんとうは任天堂×主で書いていたはずなのに任天堂フラグになってしまいました。
・そのうちリベンジします。
・王子本命ED及び任天堂黒髪EDをクリアしていない方、ネタバレあります。ご注意ください。
・高校卒業から1年後、という設定です。
・ものすごく長いです。すでにSSじゃなくMSになっているかもしれません。

それでは↓どうぞ。


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「テニスサークルいかがですかっ。一緒にテニスしませんかー。よろしくお願いしますっ」
早いもので、わたしがこの一流大学に合格して、はや1年。
浮かれて、あちらこちらのサークルに勧誘され、戸惑う新1年生たちはものすごく初々しい…
わたしも1年前はあんなふうだったんだなぁ。
と、感慨にふけっている暇はないんだった。
チラシはまだまだある。早く配っちゃわなきゃ!

大学生活1年目は、思い出すとほんとうにあっというまだった。
まずびっくりしたのが、偶然、珪くんと同じゼミになったこと。同じ学部だから会う機会多そうだよね、
と言ってはいたけど、まさかゼミまで一緒だなんて。
学部が違うんだけど、志穂さんともいくつか教養の講義で一緒になって、ちょっと仲良くなった。
守村くんと仲がいいらしくて、たまーに相談事を聞いたりしてる。そうすると志穂さんって可愛いんだ。
恋愛となると志穂さんは「負けっぱなしよ…」だそうだ。
志穂さんと守村くん、そして珪くんとで、夏休みには海へ1泊の旅行をしたりした。
もちろん珪くんと2人でもいろんなところに行った。
って言っても、珪くんは大学に入学してしばらくしてから仕事の量が徐々に増えだしてしまって、
ここ半年くらいは1ヶ月に1回デートできれば、いいほう。
もちろんしょうがないってわかってはいるんだけど…
変なやっかみを受けないように、と、キャンパス内では付き合っていることをあんまり知られないようにしていたから、
たとえば授業で会えたとしてもろくにしゃべれない。こっそり手なんて繋げない。
不満じゃないなんて言ったら嘘になってしまう、かな…
635王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 00:54:38 ID:WrTy5L1c
今日も珪くんは仕事、みたい。昨日も一昨日も仕事だった。
このペースでいったら今度こそ、前期で単位をごっそり落としちゃう羽目になるんじゃないかな。
1年の後期は、こんなことを言うのもなんだけどわたしの代返のおかげでギリギリ単位を落とさずにすんだようなものだもの。
テストだけじゃなくて、講義の出席とレポートの出来で評価を決める教授は少なくない。
いいのかなぁ、もう…
そんなことを考えながら機械的にチラシを配り続けていた、そのとき。
チラシを受け取ってくれた1年生が、立ち止まってぼんやりとわたしを見つめているのに気付いた。
「あの…」
「…」
ん?あれ、どこかで見たことが…
ラフなボタンダウンシャツにぴたっとしたTシャツを合わせ、スリムなブラックジーンズを履き…
さらさらの黒髪に、切れ長の目。
「あ、あああ!天童くん!」
「やっと気づいたか…ちょっと薄情なんじゃねーの?」

「はー。テニスサークル、ね。高校んとき、テニス部とか入ってたんだっけ?」
「そうだよー。それにしてもびっくりしたぁ。合格、おめでとう!」
「へへ。サンキュ」
照れくさそうに笑う天童くんに、わたしは生協で買ったコーラを手渡した。
ペットボトルのフタを開けて、乾杯、とボトルをぶつけ合う。
「これはお祝いってことで」
「…なんか、しょぼくねぇ?」
「気にしない、気にしない」
「ま、いいけど」
「…それにしても、ほんとに…心配したんだよ?これでも。
あの日ケンカしに行っちゃってさ、あとで心配で連絡しようと思ったのに…
天童くん、結局連絡先とか教えてくれなかったし。
わたし受験終わってからしばらく新聞とかニュースとか気になっちゃったよ」
「あはは、わりぃわりぃ…ボロボロでさ、かっこわりぃとこ見せらんねぇなって思って。
会いに行けなかったんだ。
でもよ、俺、約束、守ったぜ?自分からは手出ししなかった」
「…そうなんだ」
ふ、と天童くんと視線が合った。
天童くんは、いろんなものを乗り越えてきたんだな。
そして負けないで、この場所に立ってる。
それは言葉にしてしまうともしかしたら1行で終わってしまうのかもしれないけど、
きっととてもとても言い表せないくらい、頑張った結果なんだろうと思う。
「偉いね、天童くん」
「…なんか、アタマ撫でられてっと子供扱いされてるような気分なんだけど」
「うふふ、センパイですから」
「なんだかなぁ…」
636王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 00:55:54 ID:WrTy5L1c
今度こそきちんと天童くんとアドレスと番号を交換して、「ほかのサークルも覗いてくる」という彼を見送った。
「見たわよ?」
いきなり背後から声。
「ひゃあ!あ、志穂さん…」
振り返るとそこにいたのは、「文化系サークル連合委員」の腕章をした、志穂さんだった。
彼女は今日、盛り上がっている学生が羽目を外し過ぎないように監視することになっているはず。
役回りが高校時代とあんまり変わっていないあたり、なんというか、志穂さんらしい、というか。
「見回り?お疲れ様!」
「うん、そうなんだけど…浮気はいけないわね」
「えぇっ?!やだなぁ、浮気じゃないよ!ちょっとした友達!」
「彼、見覚えあるわ…そうだ、高校の文化祭にきてなかったかしら?あなたと一緒にいるの、見た気がする」
「あ、そうそう。…っていうか、よく覚えてるね?ちょっと見ただけの人なのに」
「印象的だったもの。葉月君が、むっとしてたから。かなり。あなたが知らない男子を案内してるの、見て」
「け、珪くんが?初めて聞いた」
「そのときは付き合ってるわけじゃなかったから、言えなかったんだと思うわよ?」
「そうなんだ…」
「でも、難しいわよね…
付き合ってる相手のことを考えたら、ほかの異性とあまり接触しないほうがいいのはわかりきってるけど、
でも、度がすぎると世界が小さくなっちゃうものね…」
「うん…志穂さん、なんかあったの?」
「…べつに、とくにないわ」
「そっか」
これは、何かあったのかな?
うーん、まあ、志穂さんが話したくなったときに聞けば、いいか。
637王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 00:56:43 ID:WrTy5L1c
4月は、結局珪くんと会えないままに終わった。
それでも時間をみつけて、珪くんは電話をくれたけど…
「会えない」は「電話」じゃ埋まらないみたい。
寂しくて寂しくてしょうがなかった。だけど、そんなこと言えなかった。
だって、珪くんは仕事を頑張っているんだもん。
『いますごく…やりがいのある仕事、やらせてもらってる』
「そうなんだ、どんなの?」
『内緒。…というか、契約で、商品の発表までプロモーション内容は秘密、って言われてる』
「へえ。そんなこと、あるんだね」
『…たまに』
「そっか」
次はいつがオフ?
会いたいよ。仕事ばっかりしてないでよ。
キスして抱きしめて欲しい。
手を繋いで触って欲しい。
喉の奥まで出かかった言葉を、わたしは、押し殺した。
「明日、早いんでしょ?そろそろ、寝たほうがいいんじゃない?」
『ああ…ごめんな、いつも』
ううん大丈夫、お仕事頑張ってね、と電話を切って。
ぽろりぽろりとこぼれる涙をティッシュでぬぐった。
会いたい。
珪くんの、顔が見たい。触りたい。
触って欲しい。いつもするみたいに、うなじを撫でて欲しい。
耳に残る声なんて、悲しい気持ちが増すばっかり。
わたしはベッドに寝そべりながら、自分の下着をなぞった。
「…ん」
珪くんにしてもらってるみたいに、くにくにとその場所を刺激してみる。
珪くん。珪くん。
「は…んっ。ん…」
そして、珪くんのことを思うだけでとろとろになってしまういやらしい自分のそこに、ぬるりと中指を差し込んだ。
だけどわたしの指は細くて短くて、珪くんの指にはけしてならない。
ほんとうに届いて欲しいところに、届かない。
何度したってどんなに深くしたって、満たされず寂しくなるのをわかっていながら、わたしはこの行為をやめられない。
「珪、くん…」
しょうがないんだ。会いたくて会いたくて、死んでしまいそうなんだもの。
638王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 00:58:22 ID:WrTy5L1c
天童くんは結局、テニスサークルに入ってくれることになった。
志穂さんが「狙われてるわね…」なんて、不吉なことを言っていたけど。
わたしを狙うとかそんな前に、彼…かっこいいから、同じ1年の女の子たちに大人気。
しょっちゅういろんな人に声をかけられていて、なんだか忙しそう。
でも彼に邪険にされても、彼女らはめげずにきゃあきゃあ言ってる。
それを見ていると、なんだか珪くんが思い出されてしまう。
モテるっていうのも、大変だなぁ…
その珪くんは、といえば、本日も講義を休んで仕事に行ってしまった。
頼まれたわけじゃないけど、こっそりと珪くんのぶんの出席用紙も書き込んで、提出してしまう。
大部屋の講義だから、先生もそこまで細かく学生の人数をチェックしてるわけじゃないしね。
教壇でマイクを使って話してる教授は、いまも生徒の顔をあんまり見てないみたいだし。
ぼんやりしてても、別にとがめられるわけでもない。わたしは機械的に板書をしながら、物思いにふけった。
(珪くん…大学やめちゃってもいいのかもなぁ…)
彼は高校生のころと違って、なんだかこのごろ仕事に意欲がある。
とってもいいことだと思う。迷いながら仕事をするよりも、ずっとずっといいよね。
そしたら大学なんて、来てられなくなっちゃうんじゃないかな、って思うんだ。
でも。
(だけど、そしたら、わたしと珪くんの距離が、どんどん離れて行っちゃう…)
ぱきん。
シャープペンの芯が折れてしまって、はっとした。
慌てて歪んだ字を消しゴムで消して、書き直す。ダメだなぁ、わたし…
講義はあと少しで終わりそう。板書もここまでみたい。
ペンと消しゴムをしまって教授の話を聞き流していると、ポケットの中で携帯が振動した。

「珪くん!ごめんね、待った?」
「いや…俺もいま、着いたとこ。悪いな、急に呼び出して…」
「ううん、すっごく嬉しいよ。…ひさしぶり」
珪くんだ、珪くんだ。ほんものの珪くんだー!
急に時間が空いたから、と嬉しいメールをもらって、わたしは講義が終わるまでの数分間をはやる気持ちで過ごした。
639王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 00:59:33 ID:WrTy5L1c
アルカードに着くまでの長かったことといったら!
ああ。最後に会ったの、いつだっけ?ちょっと髪型が変わってるみたい。
それとも撮影で、いじってるだけかな?
わたしが見蕩れていると、珪くんが小さく笑った。
「お前、顔真っ赤。走ってきたのか?」
「あ。…えへへ」
「サンキュ。…すいません、アイスティ1つ追加お願いします」
「わっ。ありがと、珪くん。
…あの、今日、どれくらい時間あるの?」
「ああ…ちょっと、急に用意するものがあって、それが届くまでだから…
1時間くらいは、大丈夫だと思う」
「…そっか」
うう。
残念そうな顔をするな、わたし!
でも、1時間って1時間って、短い…
こんな風に会えるだけでも貴重なのは、十分わかってるんだけどな。
俯きそうな首を無理矢理しゃんとさせて、頑張ってにっこり笑って、話題をさりげなく変えた。
珪くんがせっかく時間を作ってくれたんだもん、落ち込んだ顔なんてしたくない。
「…でね、志穂さん、文化サークル連合の委員になっちゃったんだよ。
すごいよね。わたしは何の役職にもついてないの」
「…有沢なら、一昨日ここに来たぞ。守村と一緒に」
「そうなの?」
「ああ。ちょっと休憩しに来たらいて…ちょっと、話した」
「…」
珪くんの眉がほんのすこしだけ、ひそめられた。
…なんだかちょっと嫌な予感。
まさか志穂さん。
「新入生に見覚えのあるやつがいたって…聞いた」
わーーー!
志穂さん…話したんだ…。
珪くんの視線が痛い。ううん、別にやましいことなんて何もないのよ?
だから堂々としてていいはず、なんだけども。
「あの…友達が、一浪して、合格して、再会したっていうか」
「…」
「話したことなかったかもしれないんだけど、天童くんっていって、はね学出身で。
あの、その…そう、テニスサークルに入ってくれたの」
「!」
「それでね…」
「どうしてそういうことを、言わないんだ?」
わたしの言葉をさえぎって、珪くんが押し殺したような声で言う。
お、怒ってる…
「どうしてって…べつに、言うようなことじゃ…」
「…なら、もういい」
「あっ、珪くん?!」
い、行っちゃう。
わたしも慌ててかばんに携帯を入れ、上着を手に抱えてレジに向かった珪くんを追いかける。
珪くんは黙ったまま2人分の会計をすませ、足早に店を出てしまった。
その腕を掴み、振り向かせる。表情は怒ったまま。
「待ってよ、もう戻っちゃうの?」
「…悪いけど」
わたしが掴んだ右腕を振り払って、彼は背中を向けて歩き出した。
その背中にわたしは、かあっとなった。
なんでそんな…!!
「馬鹿、珪くんの馬鹿!なんでせっかく会えたのに、そんなふうに怒るのよ!
わたしだって、もう知らない!」
…もしかしたら。
視界の端で珪くんが振り返ったような気もしたけど…わたしはその場から、走り出していた。
640王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:01:46 ID:WrTy5L1c
もちろんアタマでは、わたしが悪いんだってわかってる。
わたしの知らないところで珪くんに女の子の友達が増えてたりしたら、わたしだってちょっと嫌だって言うと思う。
何から何まで報告しなきゃいけないってなったら、束縛がきつすぎるけど…
わたし、天童くんが入学してからいままで、珪くんにそのことを話すのを、意識的に避けてたんだよね。
理由は自分でもよくわからないんだけど。
あ、言おうかな?って思ったときに躊躇して、それからずっと言いそびれて、
悪いことしてないのに、後ろめたさがちょっとずつ重なっていった。
志穂さんもきっと、わたしはとっくに天童くんのことを報告してるだろうって思ってたんだろうな。
ああ…なのに、理不尽に怒っちゃった。
最低。珪くんは当然のように怒っただけだったのに。八つ当たりしちゃった。

気持ちがぐるぐるして帰りたくなくて、サークルの友達に電話をしたら、ちょうど駅前で呑んでるからおいでよ、と誘いを受けた。
「やだどうしたのー?なんかあった?」
「そういうんじゃないんだけど、たまには呑みたいなぁって」
「いいじゃん細かいことは。呑めばいいんだよ呑めば」
「あはは、じゃあ、とりあえず生たのもっかな」
「よし!すいませーん!大ひとつ!」
「違う違う違います!中です!」
はあ、いまは騒がしいのが逆に、いいかも。気がまぎれる。
お酒のチカラって偉大だなぁ。たくさん呑まなくっても簡単にハイテンションになってしまう。
反省はあとですることにして、今日は落ち込まないことにしようかな?
珪くんには明日、電話して謝ろう。うん、そうしよう。
最初5人だった小さな呑み会は、だんだんと人が増えていくようだった。
誰かが誰かを呼んで、その誰かが誰かを連れてくる。
サークルの人間関係が垣間見れるときでも、ある。ちょっと面白い。
ビールに飽きたので、人の勧めで芋焼酎を呑んでみる。意外と美味しいなぁ。

人数が増えてテーブルを一つ増やしたころ、1年の男の子の集団がやってきた。
「…あ」
「よお」
天童くんも、来たんだ…
人懐っこい笑顔でわたしに右手を上げた彼に、先輩たちが「おいおい、敬語使え敬語!」と
ジョッキを押し付けて…




「…ん」
頭を起こしかけて、ぐらりと揺れた。やばい、酔ってる?
あきらめてぽす、と頭を戻す。あれ?枕だ。
ここどこ?
ほんのりと薄暗い室内には静かな音楽が流れてる。
ギシ…
ベッドが軋んで、わたしの視界に誰かの影が入ってきた。…ベッド?
スプリングが沈み込む感触。
わたしは必死に目をあけて、その影を見た。
「…てん…ど…く」
逆光になっていても、見間違えようもない距離。
彼の髪の毛が降って来て…唇を塞いだ。
何?
何?



641王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:03:41 ID:WrTy5L1c
携帯が鳴ってる。
「恋のド・レ・ミ・ファ・ソ」…珪くんの着信音。
手を伸ばしても、近くに携帯は見つからない。あれー?
仕方なく起き上がって、わたしは自分の置かれている状況に硬直してしまった。
薄暗い部屋。
大きなベッド。そのそばには照明や音楽を設定するためのパネル。
パネルの脇にはティッシュボックス、そしてコンドーム…
「…!!!!!」
ばっ、と隣を見た。
反射的に見た。
着信音が、鳴り止んだ。でも、動けない。
「て…んどうくん…」
「…おはよ」
天童くんがラブホテルのロゴが入ったガウンを着て、寝そべっているのを見てしまったから。


わーーーーー!!!!
声なき悲鳴、っていうのはこういうもの?
布団から這い出てみて、さらに硬直した。
わた、わたし、スカート、履いてない!!!
布団を引っ張って、隠した。でも、隠し切れなくてベッドから落ちてしまう。
「い、痛ぁ…」
「お、おい…なにしてんだよ」
「きゃああ!ちょっと、前閉めて!」
かろうじて天童くんはボクサーパンツを履いていたけど、痩せた上半身がだらしなく袖を通しただけのガウンから、
…丸見えになっている。
そ、その前にわたしがもっと駄目!
「やだやだ、見ないで!スカート、スカートどこ…」
「…ったく。ほら、しわになるから脱がせたんだよ」
「ぅえ?」
「何変な声出してんだよ…ほら!早く着ろ!後ろ向いてっから!」
「は、はい!」
頭、頭が痛いよ…
ボタンがなかなか止まらずに苦戦していると、背中のほうからカチャ、カチャカチャ、だとか、衣擦れの音がした。
天童くんも服を着てるみたい。…服!!?
さああ…と血の気が引いていった。
642王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:04:48 ID:WrTy5L1c
昨日のこと、途中まではしっかり覚えてる…
だけど、どうしてどうやってここまで来たのか全然…

「あの、天童くん…わたし、なんでこんなとこにいるの…?」
背中向きのまま、恐る恐る聞いてみる。声だけが、返ってきた。
「覚えてねぇの?」
「うん、…ごめんなさい」
「酔っ払ってぐでんぐでんになって泣き出したから仕方なく連れてきた」
「…覚えてない…」
「タチわりぃな…気分どうだ?」
「頭、痛い」
「まあ、当然だな。ビールのあとに芋いって、最後にワイン1本あけてたらしいし」
「…」
芋までしか覚えてない…
ここまで盛大に酔っ払ったの、はじめてかも…
天童くんには感謝しても足りない、けど。
確認しておかなきゃいけないことがあとひとつ。
「て、天童くん」
「ん?」
「こ、こんなこと聞くの、あれかもしれないんだけど…
なにも、してないよね?」
「さてと…清算すっか」
「ちょっと!」
もうとっくにスカートは履き終わっていたんだけれど、わたしはやっと天童くんのほうに振り返った。
(え…)
「バーカ…酔ってるとこにつけこむような真似、するわけねぇだろ?」
その口調はいつもどおり、軽口をたたいてるような、ものだったけど。
それにそぐわない表情だった。
せつないような。
どこか痛い、みたいな。
なんだかわたしの心臓まで、ちょっと痛くなるくらいの。
「天童くん…」
「さ、とっととこんなあやしいとこ出ようぜ。
そういや携帯がすっげぇ鳴ってたけど、見なくていいのか?」
あ!
そうだ、起きたときも携帯が鳴ってた。
一瞬で表情が戻った天童くんのことがほんの少し気になったけど、とりあえず携帯をチェックする。
…どうしよう。
着信が、珪くんで埋まってるよ…

643王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:06:18 ID:WrTy5L1c
珪くんが迎えに来るから帰っていいよ?
って言っても、天童くんは頑として帰ろうとしなかった。
…そういえばわたし、天童くんに珪くんのこと話したことないのに、何も聞かれなかったのはなんでだろ?
公園でぼんやりと天童くんから渡されたウーロン茶を飲んでいると、公園の入り口に車が停まった。
なんだっけ、あの車。たしかえーと、ミニ?だっけ。
そう。ワーゲンのミニ。いつか乗ってみたいなって思ってた可愛い車…
!!
その運転席から降りてきたのは、わたしの好きな人…珪くんだった。
うそ。あれ?免許は?
…目が合った。
わあ、すごい速さでこっちに歩いてくる…!
「け、珪く…」
慌ててわたしも駆け寄ると、開口いちばん、
「馬鹿!!!心配したんだぞ!!」
怒鳴られた。
珪くんが…怒鳴った?あの、珪くんが。
怖いというよりもその事実にびっくり。
「ごご、ごめんなさい…」
どうしよう、すっごく怒ってるよ…!
身を縮めて泣きそうになったわたしの肩に、天童くんがぽん、と手を置いた。
「まあ、そんな怒るなよ、ハヅキさん」
「…なんだよ、お前」
「俺?天童ってんだけど…」
「…汚ねぇ手、どけろ」
「怖いねぇ。…ちょっとカオ貸してくんない?すぐすむからさ」
え、えええ?
「ちょっと天童くん…!」
「ごめんな。彼氏、借りるわ。すぐ戻るから」
「…」
天童くんはニヤニヤしながら、珪くんを連れて並木道のほうへ歩いていってしまう。
まさか…
ううん、天童くん、もうケンカはしないって約束してくれたもんね?


ほんの10分で、珪くんは戻ってきた。
「あ、珪くん!」
「終わった…行くぞ」
「え?あ…天童くんは…?」
「…帰った」
有無を言わさず、珪くんはわたしの手を引き、公園の入り口に停めたままだったミニの助手席に乗せた。
辺りを見渡しても、天童くんの姿はない。
(大丈夫かな…)
「シートベルト」
「え?ああ!うん…」
急いでシートベルトを締めると、珪くんは車を発車させた。
公園を遠く見送りながら、わたしは天童くんの、あの表情を思い出していた。
644王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:08:09 ID:WrTy5L1c
駐車場からオートロックのエントランスを抜けて、最上階の珪くんの部屋まで。
珪くんはひとこともしゃべってくれない。
…怒ってる。
怒らせて当然のこと、したもんな…
いい加減、わたしのことなんて、キライになったかな。
ワガママで、我慢がきかなくて…
次に珪くんが口を開くとしたら、別れの言葉じゃないんだろうか。
そんなことを考えながら珪くんの部屋に入った。玄関で靴のストラップを外す。
するといきなり、珪くんがわたしを抱き上げた!
「ひゃあ、珪くん?!」
左手に持っていたわたしの鞄を床に置き、まっすぐにバスルームへ連れて行かれた。
ピ、と自動運転のボタンを押し、脱衣所でわたしの服を脱がせ始める。
「や、珪く…んむっ」
ざざざざ、と、お湯が溜まる音を聴きながら。
1ヶ月ぶり以上の珪くんのキスに、わたしは身体中のちからが抜けてしまった。
唇を浅く、でも狂おしいほどに繰り返して愛してくれる。
たっぷりと時間をかけてくれる、珪くんのキス。
ハイソックスを脱がせながら、やっと唇を開かせて舌をからませて…
パンティに指を引っ掛けて、太ももまでずりさげ、膝までゆっくりとゆっくりと、下ろしていく。
下半身をすべて脱がせてしまってから、わたしのブラウスのボタンに手をかけた。
「…ん、は…んっ」
やっと唇を開放されて、わたしは大きく息を吸った。
だけどすぐに、また飽きることなくキスが続く。
(珪、くん…)
ブラウスを片腕ずつ通して腕を抜き脱がされ、ブラも丁寧に外されてしまった。
わたし、もうなにもつけてない…
彼はキスしながらまたわたしを抱き上げ、バスルームの椅子に座らせ…出て行ってしまった。


…お風呂に、入れってこと?
珪くんの行動は唐突過ぎて、よく戸惑うけど…
今回はいつにも増して不可解。とりあえず、シャワーのレバーを倒す。
ふわぁ、と湯気が舞い上がった。そして、またバスルームのドアが開いた。
645王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:10:08 ID:WrTy5L1c
「!!!!!!!!!」
け、け、け、
珪くん!
珪くんが服を全部脱いで…
いや、その、…え?
きゃああああ。
全裸の珪くんに、わたしは思わず顔を背けてしまう…
見るのは初めてじゃ、ないけどさ。お、お風呂だよ?だって。
すこしだけ頬を赤らめて、珪くんはボディソープをスポンジにとって泡立てる。
そしてわたしの背中に、そのスポンジをこすり付けてきた。
「珪、くん…?」
恥ずかしくて椅子に座ったままのわたしの背中を、珪くんはこすりはじめた。
背中全体、首筋を優しく、洗い残しがないように気をつけながら。
「あ、あん…やだ、ちょっと、珪くん…?」
珪くんは、何も言わない。
彼の手が背中からわたしの身体に回され、抱きしめられるような格好になる。
泡だらけの手で、胸を腰を、丹念に洗い出した。スポンジはわたしの膝の上。
「やああっ…」
いつも強くつままれると痛い乳首をこねるようにされて、でもわたしは反応してしまう。
あと、背中全体に、彼の身体が密着していて、その…
『彼』が、熱く熱く硬くなっていくのが、はっきりとわかってしまった。
珪くんはわたしの腰を掴み、椅子から立ち上がらせ…
「あっ、や、珪くん、ん、はぁん、あっ…!」
後ろから、『彼』をなんの前置きもなく、そして躊躇なく、いちばん奥まで突き入れた。

「ああ、やん、はぁん、けい、くっ、あん、あ!あぁ、はぁっ…」
事前に指もなにも入れていなかった、というのに、わたしのそこはどうやらキスだけで彼を受け入れてしまった。
浴槽の縁にわたしの手を付かせて、珪くんは激しく、ときに緩急をつけて腰を打ち付けてくる。
わたしはもう、何もできなかった。すこしでも声を抑えようと途中までは努力をしたけれど…
そんなことには何の意味もなかった、みたい。
珪くんはわたしを責めながら、手を前に伸ばし、…『わたし』にちょっとだけ触れる。
「や、やぁ!そこは、そこは駄目…!」
わたしの制止なんて、聞いてくれるはずもなく…
「あっ、や、ああああ…っ!!」
また激しくそこを突かれながら『わたし』を苛められ、わたしは一気に、登りつめてしまった…
646王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:13:01 ID:WrTy5L1c
髪の毛を洗って、2人で湯船に浸かる。
結局彼は、わたしを数えられないくらいイかせ、自分も3度到達して、やっとわたしを解放してくれた。
…珪くんってば、相変わらず、Hのときは性格変わるんだもん、もう…
「…ごめんな」
「え?…何が?」
「ちょっと…やりすぎた」
「…いいよ。気持ち、よかったし」
「そっか…あと、もうひとつ、ごめん」
「え?」
「あいつに言われた…お前が、泣いてたって」
「…天童くんが?」
「寂しくってしょうがない、ってずっと言ってたって…」
うわ、わわ…
わたし、酔いながら、そんなこと言ってたの…・?
うわーん。内緒のつもりだったのに…
「わ、わたしこそ…天童くんのこと、言わなくて、…ごめん」
「…いや。もう、いい」
「…?」
「でもこれからは、2人でどこかに行くとかは…避けて欲しい」
「うん、わかった。…ほんとうに、ごめんね」
ふわ、と湯船の中で抱きしめられる。
気持ちいい…
「あ、そうだ。いつのまに免許、取ったの?」
「…」
「ねぇ…」
「半年前から…ちょっとずつ、通って、先月取った」
半年前、か。
「…あれ?もしかして…ねえ、珪くん」
「…なんだよ」
表情が変わった。…怪しい。
「もしかして仕事が忙しいって言って…教習所行ってたの?」
「…」
じっ、と見つめると、珪くんはいたずらがみつかった子供のように渋々、口を開いた。
「…仕事が忙しいっていうのも、半分はほんとだ、けど…」
「けど?」
「…正解」
「やっぱり」
「前に…あの車見て、乗りたいな、って言ってただろ?だから」
「だから?」
「驚かせてやろうと、思って」
「そう、だったんだ…」

647王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:14:28 ID:WrTy5L1c
考えてみたら、クリスマスのときも、そうだったな。
珪くん、わたしにあの景色を見せてくれようとして…1年も秘密にしてたんだった。
思い出したら急にとても愛しい気持ちになって、わたしは自分の恋人にキスをした。
「ありが、と」
「…ん」
「えへ」
珪くんの笑顔に、わたしのこころはほっこりした、優しい気持ちになった。
とてもとても幸福で…涙が出そうだった。



ゆうべ、天童くんがわたしにキスをしたことは夢だったのか現実だったのか。

それはあやふやなままだけど、
…でも。


「そろそろ、あがらないか?おれ…ゆうべ、寝てなくて…ねむ。
今日は仕事…休むから…」
照れたように、つぶやく珪くんに、わたしはもう一度キスをした。
お風呂を出たら、一緒に手を繋いで、眠ろうと思う。
そしてまた、たくさんキスしてね、珪くん。
648王子本命任天堂フラグ:2007/05/10(木) 01:17:23 ID:WrTy5L1c
終了です。
誤字脱字…ございましたら申し訳ないです。
だいぶ句点が多いので読みづらいかもしれません。すみません。

エロの修行してきます。これでも精一杯でした。

お読みくださったかた、ありがとうでした。
649名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 01:44:50 ID:eBncStoy
乙です。
すごく良かったです。
またの投稿お待ちしてます。
650名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 02:43:32 ID:8DR8gntC

良かったよ

でも気になって気になってしょうがない
ワーゲンのミニって何?
651名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 09:02:56 ID:mId8hw26
>>650
た、大変申し訳ない…
ミニクーパーはBMWでした。
ゴルフと混ざりました…

主人公が覚え間違えてたということでおながいします…
652名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 09:16:47 ID:o/qpYI8h
>>650
ローバーのミニ、のことでは?
653名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 09:18:34 ID:o/qpYI8h
ゴメン、リロってなかった
654名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 19:30:04 ID:+HKGbtQG
乙。
性格変わる王子いいなぁ。
生協にワロタ
655名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 23:05:50 ID:9YlaUMKy
乙です。
読み応えあったよ〜
せつない任天堂、イイ!
656名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 03:07:40 ID:aRKe0Dvd
>>651
>>650だが説明ありがとう
車詳しくないから
ワーゲンのどれがミニと呼ばれてるのか当ててやると
カタログとにらめっこしてたw

その内のリベンジ期待してます

>>652もありがとう
657有沢視点モリリン×主:2007/05/12(土) 01:18:25 ID:b61AHqPU
◎注意書き◎
・思いつきで書いたSSです。
・たぶん誤字はないはずですが…発見しても流し読みおねがいします

------------------------------------------------------------------------


わたし、有沢志穂は考える。

「可愛い」っていうのはどういうことをいうんだろう。
外見の愛らしさ?性格の純粋さ?でもまず原点に振り返ってみると、なによりもまず
「可愛い」っていうのは個々人の評価だから、つまり相対的には語れないもののはず。

ものすごく乱暴な論理展開をしてしまえば、わたしのように華やかさもなく勉強だけがとりえの、
感情の起伏に乏しいような女だとしても、「可愛い」と評価されることはあるはず。
絶対的支持は集めなくても。

「可愛い人気のある子」というのは、要は大勢の嗜好に噛み合うポイントを持っているというだけ。



わたしの親友の彼女は(と言ってしまって構わないと思う)才女だ。
このあいだ、ついに期末テストで首位を獲得してた。
努力の結晶だと思う。彼女の努力を横で見てきたわたしがいうのだから間違いない。


「息を、吐いて…ください。…いいですか?挿れます…!!」
「やっ…!ま、まって…あ、ああっ…」
「駄目です、もう待ちません…ほら、もうこんなに濡らして…締め付けてる…」
「もり、むらく…んっ、だれ、だれか、きちゃう…」


…「可愛い人気のある子」というのは、要は大勢の嗜好に噛み合うポイントを持っているというだけ。


そのはず。
彼女にあってわたしにないものはなんなの?
彼は彼女のどこがそんなに魅力的だったの?
どうしてこんな光景を見ているんだろう。
ドアの向こうの彼らに気付かれないように、歩き出した。

最低なのは、こんな状況に置かれても涙さえ出ない可愛げのないわたし。
…可愛いあの子に、わたしは、なりたい。

--------------------------------------------------------------------------------

終わりです。
658657:2007/05/12(土) 01:22:49 ID:b61AHqPU
先日からレスくださってるみなさまありがとうです。
レスいただけるだけでかなり嬉しいです。ありがとうございます。

また投下しに参ります。
659名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 01:48:03 ID:rdqK6Hr+
なんだかなぁ
660名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 04:56:51 ID:mN9rFKcU
これはひどいな('A`)
テンプレの気配り関連読んできた方がいいんじゃないか
それと、単にチヤホヤされたいんだったら自分でサイトでも持ちなよ
なんつーか空気嫁
661名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 07:15:22 ID:oWSh1Ede
初心者の私には659と660の意見がわからんのだが

657>>超良かったですー。面白かった!!!任天堂、切ない。
でも、続きっていうか任天堂×主人公な感じもみたい!!
おまちしてますー
662名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 08:02:47 ID:k7PQQce4
>>659、660
言いたいことはわかるがちょっと落ち着け

>>657
作者はあんまりレスしないほうがいい ちょっとコテハンぽくなってるのもまずい
ちょっと注意してもらえるとありがたい

個人的には気にならないしどんどん投下してほしい

663名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 18:41:20 ID:rdqK6Hr+
>>662
自分は>>659だが、別にファビョってる訳でも何でもない
>>660の人だって別に荒れた書き方してないだろ

なんで「落ち着け」と言われるんだか謎だ
664名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 18:59:58 ID:3Q6vv4ms
自分はROMってた人間だが、663にまるっと同意
665662:2007/05/12(土) 20:03:02 ID:k7PQQce4
言い方が悪くて申し訳なかった

ただ、単なるお礼のレスだし個人的にはとりあえず気にしなくてもいいレベルだと思ったのと、
トゲがないつもりだったのかもしれないがこれから荒れそうだと思うくらいにはトゲがあった気がした

なんでちょっとレス付けてみた

666名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 23:23:45 ID:KYKz0Ln5
ID:b61AHqPUとID:k7PQQce4はまとめてROMっといてくれ
667名無しさん@ピンキー:2007/05/13(日) 02:51:07 ID:hwO640KW
前スレで荒れたからな。

まあレスもらって嬉しくなっちゃう気持ちは解るが
2ちゃん、更にはこのスレの空気的にはあまり慣れ合いは好まれないので
気をつけてくれ>b61AHqPU
668名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 00:21:06 ID:RVD/jU7N
ほしゅ
669名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 00:50:01 ID:gnqPaCWU
神はまだ来ないかなぁ…
保守
670名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 08:33:29 ID:+W1oaFLa
ネ申来い〜♪
671氷室×主人公 課外授業inプラネタリウム:2007/05/18(金) 02:46:35 ID:BP56XCZb
氷室×主人公 プラネタリウムネタです。
先生、葉月と友好状態。葉月は当て馬ではありませんが、あまりいい役回りではないのでご注意を。
また痴漢っぽい描写なので、そういうのがお嫌いな方はお気をつけください。
672氷室×主人公 課外授業inプラネタリウム 1/5:2007/05/18(金) 02:48:17 ID:BP56XCZb
 今日は課外授業でプラネタリウム。もちろん、はりきって参加した。
 今回は珍しく珪くんもいたので驚く。なんでまたって聞いたらプラネタリウムは好きなんだって。
 そうだよね、珪くんが好きでもない課外授業に来るわけないよね。内申稼ぐ必要なんて全くないし、
……わたしみたいに、先生にちょっとでも気に入ってもらうために参加、なんてこともないしね。
 まあ、でもおかげで。
「珪くん、途中で寝ちゃダメだよ?」
「大丈夫……だと、思う」
「私語は慎むように。もうすぐ開始時間だ」
「あ、すみません、せんせぇ」
 こんな夢のような状態が実現したので、神様プラネタリウム様、なんだけど。
 学園のアイドルと憧れの先生に挟まれるなんて、正しく両手に花?(この場合草なのかな?)
 顔が緩みっぱなしになっちゃって困る。すぐに暗くなっちゃって顔見えなくてよかったと思いながら、
浮かび始めた星空に集中する。レポートちゃんと書かないといけないもんね。
673氷室×主人公 課外授業inプラネタリウム 2/5:2007/05/18(金) 02:49:14 ID:BP56XCZb
 始まって10分くらい経って、ふと左隣を見ると……案の定と言うか、何と言うか。珪くんが寝てた。
 ちょっと、まだ始まったばかりなのに。しかも先生の隣の隣だよ? さすが珪くん。
 ダメもとで肩を軽くつついてみたけど、やっぱり起きない。
 昨日も仕事だったって言ってたし、疲れてるのかな? しょうがないかと思って。
 また星空を見上げようとしたら……あれ?
 なんか、膝のとこがもぞもぞする。その、誰かに撫でられているような。
 一瞬体が凍り付く。え、ちょ、ちょっと待って。これって、どういうこと?
 暗いとこで明らかに故意に体に触られるというのは、恋人同士とかじゃない場合を除いたらつまり
痴漢に遭っているということで、でもこの場合どう考えても犯人はひとりしか考えられないわけで。
 あまりのことにパニックになって、そのまま固まってたら。
「何処を向いている?」
 いきなり、そう囁かれた。唇が耳に触れるくらい間近で。
「上映中だ、集中しなさい」
 ぞわりと全身に鳥肌が立つ。強ばっていた体から、今度はがくんと力が抜けてしまう。
「は、はい……」
 何とか頷いて、おそるおそる体を元の位置に戻した。けど、足のとこは怖くて見れない。
 気づくと膝を撫で回していたスカートの中の手は、いつのまにか太ももまで上がって来てた。ありえない
……と思っても、手のひらが這い回る感触は間違いなくホンモノで。
 カチンコチンに固まっていたはずの体は、いつのまにかバターみたいにとろとろに溶けてしまってた。
ずるずると座席にもたれかかる。肌が熱く火照って来たのが自分でもわかる。
674氷室×主人公 課外授業inプラネタリウム 3/5:2007/05/18(金) 02:50:12 ID:BP56XCZb
 そのせいで冷たい指の動きをますます感じちゃって……。太ももがこんなにキモチいいなんて、今まで
ぜんぜん知らなかったよぉ。
 とにかくもう必死で、頭の上に映し出される星たちに目を凝らした。いつのまにか涙まで滲んできちゃって、
星空がぼんやりとかすむ。なんで泣いちゃってるのかは、自分でもよくわからない。
 イヤとか怖いとか、そういうふうに感じて当然なんだけど、なんかもう、それどころじゃなくて。
 単純に、気持ちよくて泣いちゃってるのかもしれない。だって、もう、あそこまで指届いちゃってるんだもの。
「……っ」
 下着の上からぞろりとなぞられて、ひゃ、と息を飲む。ひとにこんなふうにされるの初めてで、もうどうして
いいのかほんとわかんなくて、思わずスーツ越しにその腕を掴んでしまった。
 そしたら……
「先程から落ち着きがないな、君は」
 また、耳元で囁かれた。熱い息が耳から首筋へとかかる。……って、ウソ、もしかしなくても舐められてる?
 何とも言えないその感触に、またぞわぞわと肌が粟立つ。おまけに、
「葉月に迷惑だろう?」
 そう言われて一瞬我に返った。慌てて隣の様子を窺うと、珪くんは相変わらず気持ちよさそうに眠ってる。
ほっとしたのも束の間、珪くんが起きたらどうしようと思うと、それ以上体も動かせなくて。
「静かに観賞するように」
 その言葉に、声も出せずに頷いた。掴んだ手から力が抜けると、満足したようにその指がまた自由に這い回り
しつこいくらいに何度も、わたしの一番感じやすい場所の形を確かめるようになぞっていく。
 布越しの柔らかな感触は、嫌悪を感じる隙もなくて。ぼんやりとした快感に、どんどんもどかしさも増していく。
675氷室×主人公 課外授業inプラネタリウム 4/5:2007/05/18(金) 02:50:56 ID:BP56XCZb
 もっと、触ってほしい……
 いつのまにかそんなことまで考えていて、でもそれを伝えられるはずもなくて、ただただ乱れる呼吸を何とか
抑えることに必死だった。
 そうして、ぐっしょりと湿った布がぴったりと肌に貼り付いた頃。長い指が漸く直に触れて来た。
「ひゃ……っ」
 耐え切れなかった声が漏れる。もう隣を気にする余裕もないまま、腰を浮かせてその指を受け入れた。ぐちょ
ぐちょになってたソコは難なくそれを飲み込んで、滑らかに動き出す。
 その指使いに、以前見た光景を思い出す。ピアノをあんなふうに弾いたみたいに、わたしの体を弾いてるんだと
思うと更にゾクゾクして来ちゃって、体が勝手に動いちゃって。
「あ……んっ」
 いつのまにか空いていた方の腕が制服の裾から忍び込み、わたしの胸を揉みしだいていて。ブラ越しに尖った
乳首を摘ままれて。
 どんどんと激しくなる指に合わせて腰を揺らして、だらしなく開いた口から涎まで垂らして。
 我慢できなくて隣にあるその広い肩に縋り付いて。
「せん、せぇ……っ!」
 叫んだ、ところで。

『本日の上映は終了いたしました』

 アナウンスが耳に飛び込んできて、目を開いた。
676氷室×主人公 課外授業inプラネタリウム 5/5:2007/05/18(金) 02:52:39 ID:BP56XCZb
「漸く起きたな」
 目を開けて真っ先に入って来たのは、明らかに怒ってる先生と、心配そうな珪くんの顔。
 一瞬何が何だかわからなくて、はっと我に返る。
「あああああ!」
「あああああ! ではない」
 氷室先生はわたしの叫びをびしりとたしなめると、いつものお説教モードに入った。
「君は完全に眠りこけていた。やる気のない者は参加しなくてよろしい!」
「す、すみません!」
 慌てて立ち上がって謝ったけれど、もちろんもう遅かった。先生はぷんぷんしながら、先に行ってしまった。
 あーん、わたしのバカバカ! 印象サイアクだよ!
 落ち込むわたしに、珪くんが話しかけてくる。
「お前、疲れてるんじゃないか? すごい、うなされてたぞ」
「そんなに?」
「ああ。おかげで眠らずに済んだけど。どんな夢見てたんだ?」
 珪くんの質問に答えようとして……あれ? どんな夢見てたんだっけ?
「さっきのショックで忘れちゃった」
「ならいいけど。早く帰って休め」
「うん、そうする」
 悪い夢じゃなかったと思うんだけど。そんなにうなされてたのかなあ?
 期末考査が終わったばかりで疲れてたのは事実なので、珪くんの言葉に素直に頷いた。ほんとは課外授業に
出るのも辛いくらいだったんだけど、無理して来たのがまずかったかな。
 ……印象悪くしちゃっただけみたいだけど。
 しょんぼりしながら、これから仕事と言う珪くんと別れて一人帰ろうとしたら。
「待ちたまえ」
 先生に声をかけられた。
「は、はいっ」
「君は少し疲れているようだ、家まで送ろう……その前に」
 そう言って、時々見せてくれる、あの優しい微笑を浮かべた。
「今から少し時間をとれるか? 君に見せたいものがある」
 ああ、その笑顔を見ただけで、何だか疲れが吹き飛んでいくみたい。
「もちろんです!」
 わたしはとっても嬉しくなって、思いっきり頷いた。
677氷室×主人公 課外授業inプラネタリウム:2007/05/18(金) 02:55:04 ID:BP56XCZb
夢オチごめんなさい。
わかりにくくてすみませんが、この後夕焼けイベントということで。
それでは。
678名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 03:33:30 ID:WQU6hb5t
ネ申ktkr!!
素敵なのを拝見しました
dです
679名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 10:06:53 ID:g+c1kLLy
乙でした。
怒っている先生、心配そうな圭くんの顔…目に浮かびます。
また宜しくお願いします。
680名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 15:15:37 ID:PtlKW7pT
乙でした。
途中までドキドキした分
余計に夢オチに萎えた。
それだけが残念。
681名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 22:18:53 ID:BP56XCZb
>671ですがすみません、容量ヤバいの気づいていなかったです。
とりあえずスレ立てに挑戦してみますが、テンプレは>6を採用しますね。
682名無しさん@ピンキー
次スレ
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179494734/

書き込めますように…