【涼宮ハルヒ】谷川流 the 31章【学校を出よう!】
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。
Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?
Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。 嫌なときは言って欲しいのね。
Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。
Qここの規制はどうなの?
A行数制限:60行 容量制限:4096Bytes 連投制限:10レスってキョン君が言ってたー
3 :
おまけ:2006/09/29(金) 00:22:13 ID:XM2xt85g
書く人が違えばアプローチも変わる。 これ基本だねっ。
あとはどこまで自分の想像をのせて書けるかだねっ。 綺麗に出来上がったらめがっさうれしいねっ。
なんだかんだ言ってもテーマがカブっても内容がカブる事は結構ないからさっ、(例 憂鬱の朝倉呼び出し) どんどん書いていこうっ。
とにかくネタが思いついたのなら書いてみる事だねっ。 やらなくて後悔よりもやって後悔だねっ。
怪しいジャンルと思っても冒頭に何系(エロ、非エロ、純愛、陵辱、ネタ等)か記入してあれば読み飛ばせばいいし、それに対する煽もみっともないにょろ。
読み手も書き手も大切な人dからさっ、空気を読めない批評家とボクはお帰り願いたいねぇ。
SSを書くのは個人の自由だけど、ただ続きものは忘れ去られる前に書いたほうがいいよっ。(自分でもあらすじを忘れる可能性アリ)
あくまでエロとパロの板だからエロ抜きでもOKだよっ。 ただエロのほうが需要が…
荒れてきた場合は話を他の方向にもって行って欲しいっさ。 そんな状況でもSSが投下されると一気に空気がよくなるからある意味特効薬だねっ。
リクエストは問題ないけど拾ってもらえるかは期待はしないほうがいいよっ。 しつこい男は嫌われるっさ。
せっかく同じスレにいるんだからさっ、おいたはダメにょろ。
あとは
>>2をよーーーっく読んで欲しいねっ。
>>1 乙。ただ、>2 の連投制限についてのキョンの言及は間違っている、らしい
連投制限について、前々スレからコピペ
62 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/09(土) 12:45:38 ID:tz59jugS
ところで、連投規制の話だけど、現在のエロパロ板の設定は
timecount=10
timeclose=8
これは、板全体で見た場合の最新の書込み10個のうち、8個が同一回線からの書込みだった場合に発動するということ。
だから、たとえ20連投しようが、その間に他のスレで書込みがあれば平気。
絶望系はむずいなぁ
絶望系って?
30章に貼られてるスレタイがフェイントな件と、
>>3について
1乙なのね。
埋めネタ投下しようと思ったら無理だったよ\(^o^)/
ぜんすれもう500KBいったのか
いった
そうか、それじゃしかたないな。
ない。
ない。
考えることは同じかw
うふ?
そういや
>>2のテンプレもハルヒばっかりじゃなくて絶望とか学校も入れたいよな
初代
>>2がハルヒばっか入れるから…
しかも
>>3では鶴屋さんがなんかいってるし
でも俺ハルヒ以外の谷川作品読んだことなす
(´っ・ω・`)にょろ〜ん
>>24 Q俺、文才無いんだけど…
A文才など必要ない。 そなたの妄想の赴くまま、欲望の限り書くが良かろう…
むしろここで必要なのは、痛烈な批判でへこたれない精神力だと思う。
ボロクソに叩かれるよりスルーされる方がきつい
叩く事を前提にしてる時点でエロパロオワタ\(^o^)/
最近、SSに要求されるクオリティがかなり高くなってない?
前スレ792のSSで駄文って言われるんなら
俺の書いたやつなんて怖くて投下できねぇ…
がんばれ打たれ弱い俺…
クオリティというよりも、痛いか痛くないかの方がここでは重要っぽい。
上手くても痛いのは叩かれる。
下手でも痛くないのは温かく迎えられてる。
SS自体は痛くなくても作者がうざい語りはじめたり痛い感想が過剰に持ち上げたりするとこれも速攻で叩かれるって感じ。
どこがつまらないのか、何故つまらないのか良くない点を挙げて
次にもっといい物を書けるように助言するのが批判だよな?
このスレは自分の好みじゃなかっただけで、クズだのカスだのもう来るなみたいなことしか言えないやつが圧倒的に多い。
キョン「イタッ!!…い、痛いって長門!!」
長門「………そう」
ペシペシ
キョン「だから…イテッ!叩くなよ!!」
消失長門主役の話の電波を情報統合思念体より頂いたが
なげぇ…(´A`)
キャラが違うのだけは勘弁だぜ。
キョンをキョンと呼ぶ長門とか
みくるを呼び捨てにするハルヒとか
そーいうのだけは勘弁
それ以外のならたいていは萌えられる自信がある
統合思念体から直接情報を受信するのは、有機生命体の身に余るぞ?
>>25 簡単な解説。
・学校
主人公(?)が、ヒロインに(性的な意味で)迫られたりする話。
・ボクセカ
ヒロインが触手プレーされたりする話。
・イージス
人工知能(正確には違うんだが)が、盗撮とかする話。
・絶望系
全裸の幼女と、浴衣の美女がエロトークする話。
……間違ったことは言ってないはずだ
40 :
インスペクタ:2006/09/29(金) 23:31:17 ID:OW8EKoYm
>>38 その線で行くとハルヒは
ヒロインが着衣のまま主人公の下半身に跨ったりする話
辺りか?
エロスがいっぱいですね、このインターネッツは。
43 :
インターセプタ:2006/09/30(土) 00:00:54 ID:aP/Sp+9X
>>38 ボクセカは主人公が機械の幼女をぱんつ一丁にして背中をつんつんする話だよ
>>38 学校は主人公がヒロインに心の奥底まで陵辱される話だよ
過疎過ぎワロスww
ところで、学校の主人公って誰だ?
>>47 さっきからの説明だと主人公は高崎佳由季
ヒロインが縞瀬真琴のようですね
>>32 >どこがつまらないのか、何故つまらないのか良くない点を挙げて
>次にもっといい物を書けるように助言するのが批判だよな?
マジレスしちゃうけど、違うよ。批判っつうのはとにかく良いのか悪いのか評価を下すってこと。悪くいっちゃうと「投げっぱなし」
あなたが言ってるのは「批評」にだね。
そうそう、投げっぱなしと言えばうちの妹がバカでさあ
部室でキョンくんを投げっぱなしジャーマンスープレックスしてうっかり開いてた窓から落っことしてるでやんの
>>50 IDがtit…
あなたは乳首にまつわる話を書くべき……
>>52 IDがmg……
……あなたはマグネシウ(ry
なぁ
>>51、マジレスしていいか?
乳首はtitじゃないんじゃないかと思うんだ。
むしろ乳房とかのほうが語感が近い気がする。
まぁフラットなお前には縁がないんだろうが。
>>51 例えばそれはうっかり窓から落ちそうになったキョンが妹の乳首を掴んで生還するとか?
>>57 どんなだw
全く危なかった。もう少しで洒落にならなかったぞ。
もし妹が乳首を立てていなかったらと思うと今でもぞっとする。
未だブラを必要としない未成熟な身体をもつ妹に、俺は心の底から感謝した。
>>60 妹「キョン君いたーい!千切れるようー!」
キョン「よい突起物だ」
伸びてしまう
俺が餌付けされた猫のごとく決まった時間に部室に着くとあな珍しや。長門さんがだらしなく机に突っ伏してるよ。
どうしたのかな?と近づいてみると可愛いらしい吐息が…どうやら寝てる見たいだ。本当に珍しいな…てゆーか宇宙人もやっぱり睡眠は取るんだな。
いつもはまるでとりつかれたように一心不乱に本を読んでいるだけの長門のこの姿は大変貴重である。記念に写真でも、いや寧ろここは若者らしさをアピールすべく額に肉とでも書くか?
まあ、それは冗談なんだがとりあえず写真は撮っておこう。二度と見られないかもしれんし。
………
……
…
それから俺の体感で一時間ほど(実際には20分ほどなのだが)経過しのだが、遅いな…部室にはまだ誰も来ていない、正直暇を持て余す…
なんとなしに長門を見やるがまだ眠ってるし。そこでふと長門の口元が目に付く、うつ伏せに寝てるせいか涎垂らしちゃってるよ…だらしないなぁ〜
俺がついついよく妹にしてやったように手の甲で涎を拭ってやると長門と目が合った。気まずっ!
「ご、ごめん長門!」
「…………」
このタイミングで沈黙は辛いぜ長門さんよ。そんなつもりじゃないのにやましいことしてるみたいじゃないか…いや、ほんとデリカシーが無くてすいません。
「………もっと、撫でて…」
長門がかすれたような喉が詰まったような、要するに寝惚けた声でそんなこと言ってまた目を瞑るもんだから俺の父性愛溢れる熱いハートは16ビートですよ?
「………」
顔が熱くなるのを感じながらもすやすやと寝息を漏らす長門の頭を撫でる。
この日ばかりは誰も来なきゃいいのにとか思ったり思わなかったり。
〆
なんか過疎ってたから投下してみた。
即興で書いたから文章がおかしかったり表現方法間違えたりしてても堪忍やで〜
>>65 可愛い!
やっぱ長門はリビドーをぶつけるより、こうやって愛でるべき存在だよな
性欲処理担当はハルヒとみくるで充分でしょ
>>65 GJです。和みました。
こういうほのぼの系には弱いんだよなぁ。
負けじと投下します。11レス予定。
今更ですが前々、前スレで出てた体育倉庫なネタを。
前
>>129にあった「上にいるのがハルヒなら微妙な刺激から放尿一択」系です。
ブロックで作られた薄暗い部屋には、砂ぼこりと汗と老朽化が混合された独特の匂いが充満していた。
通風孔と明かり取りを兼ねた天井付近に開く穴からは、湿った空気とうっすらした光が差し込み、
そこから不規則にしてリズミカルな地面を叩く大量の音をあわせて伝えてくる。
「暇だな」
布団として使うには少々硬いマットに寝転がり、俺は漠然と天井に視線を送りながら呟く。
俺の格好が体操着に短パンなのは一・二時間目に体育の授業があったからだ。
「……暇ね」
隣から同じようにマットに寝転がり、足をバタ足のようにゆっくりぶらぶらさせながら、天井を仰ぐハルヒが答える。
こちらも俺と同様、体操着にブルマという体育授業の正装姿をとっていた。
校庭隅にある体育具倉庫。鍵がかけられ、外は雨。
俺とハルヒは、そんな閉鎖空間の中にいた。
「次の体育を待っても無駄みたいね」
ハルヒが両足をマットに投げ出し大の字になる。まあ、普通は雨の中校庭で体育なんて事はしないな。
体育館やホール、ちょっと変わった所だったら渡り廊下の下とか、とにかく屋根の下での授業に変更するだろう。
河童か水泳授業でもない限り、わざわざ好き好んで濡れたいと思う奴なんていない。
まあ谷口辺りなら「濡れた体操着を着た女子の胸元が……」と色々言い出しそうだが。
とにかく、これで三・四時間目に誰かがここへ来る可能性は殆ど無くなった訳だ。
それどころかこのまま雨が続けば昼休みを過ぎ午後の授業、更には放課後になっても誰も来ないかもしれない。
……いや、あいつらがいる限りそれはないか。
ハルヒは──最近は俺もらしいが、宇宙人や未来人や超能力者たちの派閥から監視すべき対象とされている。
俺たちがここに閉じ込められている事ぐらい、既に殆どの派閥が把握済みのはずだ。
その上で誰も助けに来ないと言う事は、何処もかしこも俺たちへの非干渉を選択したと言う事なのだろう。
まあやたらめったら干渉されるよりは、何もしてこない方がはるかにましだと思うがな。
例えばトイレの紙がなくて困っている時に、すっと新川氏あたりが現れて
「どうぞ、これをお使いください」
などと言いながら上質の紙を持って来られた日には、正直どうしていいのか対処しきれん。
森さんならば少し考えさせてくれ。
「キョン、携帯は?」
残念だがカバンの一番奥だ。流石に体育の授業中は邪魔だから持ち歩いていない。
そういうお前は……って聞くまでも無い事だった。もしハルヒが携帯を持っているのならば、わざわざ俺に聞かず
自分の携帯を使ってとっくに誰かに電話しているはずだ。
ハルヒは身体を起こし、座ったまま俺を見下ろす。
「何だか意外に冷静ね、キョン」
そりゃそうだ。どんなに俺たちの運が悪かったとしても、放課後には出られると確信しているからな。
「どうして放課後なのよ。この雨じゃどの運動部も中止かもしれないわよ」
「それでもSOS団は活動するだろ?」
「あ」
このまま俺たちがここに閉じ込められ続け、二人揃って連絡もなく部室に顔を出さないなんて事態になれば
流石に他の団員達が不審になって探し始めてくれるだろう。
少なくとも俺だったら探してみる。お前だって探すんじゃないか?
「でも有希たちの救援を待つ場合、最悪お昼抜きで五時間もここで閉じ込められてなきゃならないのよね」
そうなるな。せめて雨が降ってなければ、もう少し早く誰かが来てくれる可能性があがるんだが。
「あぁ、残念。せっかく今日は月に一度の『一ポンド唐揚定食』の日だったのに」
うちの学食にはそんなふざけたメニューがあったのか。それともあの生徒会長の表事業の結果なのか。
俺はマットに寝転がったまま、雨の音を伝えてくる通風孔をぼうっと眺めていた。
長門・愛でる存在
ハルヒ・ツンデレっぷりに癒してくれる存在
みくる・制欲処理担当
鶴屋・おでこ担当
朝倉・眉毛担当
喜緑・お節介担当
森・ショタイジメ担当
はガチだと思う。
妹?妹はほら、妹=みくるじゃん?
「……意外にでかいな」
「なっ、突然何言ってるのよ! このエロキョンッ!」
俺がぽつりと呟いた途端、ハルヒは顔を真っ赤にしながら何故か自分の胸元を片手で隠し、空いた手で寝転がっていた
俺のボディにどずっと勢いよくパンチを打ち降ろしてきた。
あまりの不意打ちに、一瞬思考も呼吸も命もとまる。
むせ返りながら声なき声をあげ、俺は腹に手を当てながらマットの上を転げまわった。
「いきなり何しやがる! お前は俺を殺す気かっ!」
「あんたがセクハラな事言うからよっ! いっぺん死んで反省しなさい、このおっぱい魔人っ!」
は? セクハラだと? 何の話だいったい。
俺は頭の上に疑問符が浮かびあがるぐらい考えこんでみるが、全く以って思い当たる節がない。
その間もハルヒは一度自分の身体に視線を落として、何やら呟く。
「そ、そりゃ、意外に無いとか言われるよりはいいけどさ……でも、そういうのはセクハラって言うのよっ!」
顔を真っ赤に、ムキーッと叫びながらも視線がとにかく泳ぎっぱなしの状態で、ハルヒはやっぱり片手で胸元を隠しつつ
もう片方の手をぶんぶんと振り回して俺の事を攻撃してくる。
そんなハルヒの妙な行為に、俺はようやくこいつが何を言っているのか理解した。
「ま、待てハルヒ! 勘違いするな! 俺がでかいって言ったのはお前の事じゃない、アレの事だ!」
俺はぶんぶんと振り下ろされるハルヒの拳をかわしながら、慌てて壁の通風孔を指差す。
ハルヒが指差されたその先をじっくり三秒ほど見つめる。
やがて自分の勘違いに気づいたのか、赤らめてた顔を更に真っ赤に染め上げると、再び俺の方へギッと睨むような
きつい視線を向けてきた。
「な、何よっ! つまりあたしの胸は別に大きくも何ともない、その辺によくあるような平凡乳だって言うわけねっ!?」
「何でそうなるんだ!?」
「やっぱりみくるちゃんみたいな巨乳がキョンの好みなんだ! このエロキョンっ! バカ! 死んじゃえっ!」
悲痛の叫びも空しく、俺はハルヒの唱える理不尽極まりない理由によって、理不尽極まりない攻撃を受ける事となった。
全く以って理不尽極まりない。今度労災がおりるか古泉に聞いてみようと思う。
「ハルヒ。お前、あそこ抜けられるか?」
改めて俺は通風孔を指差し尋ねる。何故か全身に痛みを感じているが、今は訴えるのを我慢した。
「どうかしら……微妙ね。みくるちゃんみたいな巨乳だったら無理かもしれない。
でもどうせあたしはみくるちゃんみたいに巨乳じゃないし、少々狭くったって行けるかもしれないわよ」
いい加減そのネタから離れろ。
「だけど、あんな高さにあったらどうやっても届かないわよ」
通風孔は天井近くにあり確かに普通じゃ届かない。試しに俺がジャンプしてみたが無駄だった。
「キョンを踏み台にしてもちょっと無理よね」
いきなり最初の案が踏み台かよ。もう少し俺をいたわる優しい案は無いものだろうか。何故かさっきから全身が痛くてな。
「何よ、キョンがエロエロなのが悪いんでしょ。……そうだっ! ねぇ、肩車なら届くんじゃない?」
踏み台が肩車になった事は喜ばしいが、俺とハルヒの肩車でもまだ通風孔には届かないと思うぞ。
「だから、キョンがあのサッカーボールのカゴに乗っかればいいのよ。それなら何とか届くでしょ」
おいおいマジかよ。ボールが詰まっているとはいえ、カゴの上で肩車なんてかなり不安定な状態になるぞ。
「何言ってるの、全てはこの密閉された空間から脱出する為なのよ。
そう! あたし達に残された手段はこれしかないのっ! キョン、覚悟を決めなさい!
あたしたちに後退は無いわ! SOS団のモットーはいついかなる状況に於いても前進あるのみっ!
助けを待ってるなんて一般人がすることよ! さあキョン、行くわよっ! あたしたちにはやるしかないのよっ!」
何だか映画のアクションシーン前の様なセリフをはきながら、ハルヒは俺の肩に手を置くと通風孔を指差した。
何処の部隊への勧誘ポスターだ、お前は。
どう見たってこの状況を楽しんでいるのがバレバレなぐらい瞳を輝かせながら、ハルヒは満面に笑みを浮かべていた。
こんな娯楽設備の無い密室でハルヒと二人のんびりと最大延長五時間も過ごすよりは、まだここからの脱出を
試みていた方が健全かつ建設的であろうと考え、俺はハルヒの出した案に乗ってみる事にした。
壁際にカゴをくっつけ、更に俺たちがさっきまで寝転がってたマットを重ね置きしてそばに置く。
カゴをできるだけ固定する為と、万が一カゴの上からコケた時の安全策だ。
カゴが大体固定されたのを確認し、まず俺がカゴの上に乗っかり、壁に向かって手を突きながらしゃがみこむ。
「大丈夫? ぐらぐら揺れない?」
そう言いながらハルヒがカゴをガッシャンガッシャン揺らしてくる。バカ、マジで怖いからやめろ。
「うん、大丈夫そうね。……よっと」
ガクッとカゴを大きく揺らしてハルヒが乗り、四つん這いの状態からゆっくりと手を伸ばして俺の背中を掴む。
ゆっくりと身体を移動させ、俺の背中にしがみ付く感じで身体をピッタリとくっつけてきた。
当然そのハルヒの行為全てが、壁を向いてしゃがんだ格好を取り続けている俺の視界外で行われている。
頼むから背中を掴む時ぐらい何か声を掛けてくれ。
俺の方も身体のバランス取りや心構えなど、色々準備しておきたい事がある。
「何言ってんのよ。この程度でビビってたら、クララなんていつまでたっても立てやしないわよ」
俺の知っているクララは、間違ってもボールカゴの上で立とうだなんて考えたりはしないヤツだ。
「んじゃ乗っかるわよ。……ほらもっと頭下げて」
溜息を吐きながらもハルヒの言うとおりにする。
同時にハルヒが俺の肩と頭に手を置き、いっきに片足を跨がせて肩に乗っけてきた。
「い、よっとっ!」
勢いに乗ったままもう片方の足も俺の肩に乗せてくる。が、勢いをかけ過ぎたのか、乗っかってきたハルヒの身体が
そのまま俺を飛び越えていきそうになる。
「うわわわわっ!」
ハルヒは慌てて俺の頭を自分のお腹の方へと抱え込み、さらに両足をおもいっきり閉じて俺の頭を挟み込み、
自分の体重移動になんとかブレーキをかけようとする。
俺もとっさに壁から片手だけを離し、頭の上へ伸ばしてハルヒの身体が前に転がらないように支えようとした。
ふにょん。
それは例えるなら、少し空気の抜けた大きな軟式テニスボールを掴んだような。
ちょっと軟らかい不思議な感触を俺は手のひらに受けた。
「んきゃあっ!」
併せてハルヒの叫び声、更に肩に乗ったハルヒの両足が今まで以上の締め付けを行う。
すねをクロスに交差させ、足のかかとを俺のわき腹目掛けてドスドスと叩き込んでくる。
結果、仄かに熱を帯びたこれまた柔らかい太ももの感触が、俺の両頬にぐいぐいと押し付けられる状態となった。
「ちょっと何処触ってんのよ! このバカっ! エロキョンっ! おっぱい魔神っ!!」
またしても不名誉な魔人の称号を授かりつつ、ハルヒにビシバシと何度も頭を叩かれる。
その動きに再びお互いの体勢が揺れ動き出すが、ハルヒは全くお構いなしだ。
慌てて伸ばした手を引っ込めると、ハルヒの太ももに腕をかけて駄々っ子のようにばたつく足を止めにかかった。
「きゃあっ! ちょ、キョン! アンタさっきからあたしの許可無く何色んなところ触ってんのよっ!」
「いいから落ち着け、状況を見ろ! マジで危険だから暴れるなっ!」
太ももをがっしり押さえつつ壁につく手と両足で踏ん張り、身体の重心をぐっと落としてバランスを整える。
万が一倒れるとしても、後ろのマットの上へ落ちればまだ被害が少ないだろう。
そんなアフターケアまで俺が考えている間も、ハルヒからの抗議を込めた攻撃は止まらない。
「全然良くないわよっ! 胸の次は太ももだなんて、実はお尻とかも狙ってるんじゃないの!? このエロキョン!」
「誰が狙うかっ!」
そんな事をすればたちまち宇宙人や未来人や超能力者といった非日常集団からつけ狙われる破目になる。
いや、それ以前に想像するのも恐ろしい方法でハルヒに殺されるのが先かもしれない。
悪いがまだ俺は命が惜しい。少なくともハルヒの尻を触ってバッドエンドを迎える人生はまっぴらゴメンだ。
ハルヒがばたつくせいで、太ももを押さえていた手が滑る。
真ん中辺りからヒザ付近まで、ももの内側部分を俺の指が一気になぞった。
「くっひゃああっ!」
と、突然ハルヒが一瞬だけ震えて、普段出さないような変に高い声をあげてくる。
そのまま俺の頭を抱え込んだ姿勢のまま、まるでネジが切れた自動人形のようにピクリとも動かなくなった。
何だ何だ、いったいどうした。あまりに突然で不気味すぎるぞ。ついに頭のネジでも切れたか。
「……んな、何でもないわ」
小さな声で一言だけ返し、先ほどまでの大騒ぎがまるでウソの様にハルヒはじっと沈黙し続ける。
「本当にどうした、ハルヒ」
ハルヒの顔色を伺いたく首を上に向けようとするが、両足の締め付けがそれを簡単に許さない。
ギュッと頭を締め付けてくるハルヒの両足に対し、俺は首を小さく左右に振って隙間を稼ごうと試みる。
「あ……んぁ……っ!」
やはり一瞬だけビクッと震え、息を吐くような小さな呟きをもらしてきた。
そして首筋に腰を押し付けるぐらい深く座ってくると、両足で俺の顔を今まで以上にきつく挟み込んでくる。
この状態でハルヒが後方バク転をすれば、かのスタイナーの必殺たる技『フランケンシュタイナー』の完成だ。
マットに沈めば一発KO。下手すれば首がぼっきり折れ、俺の波乱に満ちた人生があっさり不正終了する事間違いなし。
俺の命運というかまさに命そのものが、今やハルヒの手に掴まれた、いや足に挟まれた状態だった。
くそっ、今ここで死んだらどうなる。俺はまだ後を濁しまくっている状態だぞ。
部屋にあるアレがばれるのも困るし『みくるフォルダ』を残したままでコンピ研にパソコンをいじられるのもダメだ。
俺が死んだら即座に積荷を燃やしてくれと、もし今度があったなら長門にでも伝えておこう。
そんな風に俺の思考を遥かプレセペ散開星団の辺りまで飛ばしている間も、ハルヒは俺の頭を両手で鷲づかみにしながら
深呼吸を何度も何度も繰り返している。落ち着きを取り戻そうと必死に努力しているようだ。
何だかよくわからんが、今は刺激しない方がいいだろう。仕方無しに、俺は再び頭を振って顔を前に向ける。
「ふぁ、くぅあんっ! こ、こら、キョン! あんまり刺激すんなっ!」
太ももから全身にかけて身体を震わせつつ、何故か当の本人に叩かれながら注意されてしまった。
……いったいどういう事なんだか、誰か俺にもわかるよう原稿用紙一枚程度で簡潔に説明して頂きたい。
ハルヒに首筋を跨られたまま、ただ時間だけが経過する。
俺はいつまで『待て』の命令を聞いてればいいんだろうか。まるでルソーにでもなった気分だ。
これで阪中に溺愛されているのならまだ許せるが、言葉通りハルヒの尻にひかれている状態である。
「なあ、ハルヒ。俺はこれからいったいどうしたらいいんだ?」
「……大丈夫、落ち着いたわ。キョン、もう立っていいわよ」
何が大丈夫で落ち着いたのか、まずその辺りから教えてくれ。いったい俺の見えない場所で何が起こってるっていうんだ。
「べ、別に、あんたには関係ないわよ。いいから、とっとと立ちなさい!」
先ほどまでの妙な沈黙状態は何処へやら、いつの間にか普段通りの命令口調に戻っている。
そろそろコイツの暴君っぷりに対し、校舎裏か屋上の辺りでこっそり涙してもいいだろうか。
俺は肩を落として溜息をついた。
「あうんっ! こ、こら、勝手に身体を揺するなっ! いきなりなんて卑怯よ!」
鷲づかみにされた指に力が込められ、頭が締められるように痛い。俺はいったい何処で人生の選択肢を間違ったんだ?
このままハルヒとバッドエンド確定なのか?
たまらず溜息をもう一度吐き、俺はハルヒの攻撃で更に頭を痛める事となった。
「それじゃ立つから、ちゃんと掴まってろよ。できれば鷲づかみしている指を少し緩めてくれると俺の頭が大いに助かる」
片ヒザ立てた状態から、両足に力をこめる。バランスを取りながらゆっくりと俺は立ち上がった。
「うんっ……あっ、ふあ……っ!」
身体が動くたびにハルヒが何やら奇妙な声をあげる。
両足をしっかり閉じようと太ももに力が込められ、頭に乗せられた両手は容赦ない力で掴んできた。
片手は壁につき、もう片手はハルヒのヒザ上を押さえた状態で、カゴの上に何とか立ち上がる。
不安定に揺れ動くカゴは地道に俺たちの身体を揺すり、その行き着く先は
「はう……うぅ……んんっ……!」
ハルヒがもらす謎のうめき声へと変換され続けていた。
流石にハルヒの態度が気になる。さっきからどうもおかしい。
俺は「まさかな」と否定しつつもある一つの考えに思い至り、おもいきってハルヒに尋ねてみる事にした。
「……なあ、ハルヒ。一つだけ聞いていいか?」
「んはっ……な、何? こんな時に、聞く事なわけ?」
妙に息も絶え絶えにしつつ、必要以上に俺の頭にしがみつきながら、ハルヒはか細い声で聞き返してきた。
いやこんな時というか、お前がそんな状況だからこそ聞くんだが。
「いったいどうしたってんだ。さっきから奇妙なうめき声ばっかあげてきて、どうみてもおかしいぞ」
「違っ! な、何言ってんの、おかしい事なんて全然全くこれっぽっちのミジンコも無いわよ!」
全然全くこれっぽっちのミジンコも訳がわからん。そもそも何だその例えは。
何かを隠しているようだったが、ハルヒが言わないつもりならば仕方ない。
俺はそうかと一言で返し、ハルヒが再び落ち着くのを待つ事にした。
「そう、そのまま! そのまま……動いちゃダメよ」
腹の減り具合を考えると、閉じ込められてから二時間ぐらいたっているだろうか。
俺はその間ハルヒの吐息とうめき声、それに通風孔からの雨音ぐらいしか聞いていない。
全く以って静かな時間が流れ続けていた。
──────?
何かが俺の心に引っかかった。ハルヒの態度の事じゃなく、別の何かが。
俺はその心の引っ掛かりが何なのかと、なるたけ首を固定したままで辺りを見回してみる。
何故か視界の下半分は肌色一色で埋め尽くされており、ぶっちゃけ殆ど何も見えない状態になっているのだが。
「うぁ……キョ、キョン……それ、微妙にくすぐっ……ダメっ」
その上脱出する気があるのか無いのか、ハルヒはずっと俺にしがみつきっぱなしだ。
雨の音にかき消されそうな小さな声で、呟くようにハルヒが訴えてくる。
こいつの頭の中からは、既に『脱出』という言葉は羽を生やして飛び去っているのではなかろうか。
無駄だとわかりつつも、俺は聞いてみる事にした。
「どうだハルヒ、通風孔に手は届くか? 登って行けそうか?」
「……え、ノ、ボ?」
本当に心此処にあらずだな。頼むから人の話ぐらい聞いててくれ。
仕方なく、俺はハルヒの足を掴んで意識をこっちに向けさせる。
「ふぁ、ダメ! そんなしたら……慢、でき……っ!」
何か呟いているが無視し、俺は上を向いて太ももを更に少しだけ掴みながらもう一度尋ねた。
「行けそうか、って聞いたんだ」
「イケ……そう、イケそうなの。……でも、いったら…」
通風孔から差し込む仄暗く青白い光を受けて、ハルヒの頬が真っ赤に染まっているのが見て取れる。
その表情はまるで何かに耐えているかのように、目をギュッとつぶり、眉間にしわを寄せている。
行けそうだと答えてきたが、どう見ても普通の状態じゃない。
いったいどうしたのかと聞こうとして、突然ズンッという振動が倉庫内を駆け巡った。
衝撃は俺の身体を走りぬけ、上にしがみつくハルヒにまで届く。
「っきゃあうっ! な、何、今の……凄っ……ああっ!」
腰を押し付けてくるというか擦り付けてくるというか、ハルヒはもうまともな思考状態になっていない。
……ってハルヒのヤツ、まさか俺の頭の上で妙なスイッチが入っちまったのか?
俺は確かめるべく、太ももを支える手をすうっと動かし、その軟らかくも引き締まった筋肉をゆっくりなぞってみた。
「あひゃ、あ、はあああっ! な、何、キョン! 何すん、のよっ!」
嬌声をあげてハルヒが首を締め付けてくる。だがエロキョンだのおっぱい魔人だのと言った最初の様な突込みは無い。
こりゃ確定だな。俺に突っ込む余裕すらもう無いって事か。
俺の頭の上で必死になって騒いで…………まさかハルヒがこんなに肩車を怖がるだなんて、俺は思わなかった。
「ハルヒ、正直に言え。お前、本当は行く事なんでできない状態だろ」
さっきからハルヒが必要以上に腰を押し付けている状態を考えれば、いくら俺が万年発情ロンリーボーイの谷口に
『キョンよぉ。お前ってホント、そう言った女心の微妙な変化とかに鈍感だな』
と言われていたってわかる。谷口よりは長門の表情を読むのに長けている俺としては、その評価自体心外なのだが。
腰が抜けてるのか、ただ純粋に力が入らないのか。
どちらにせよ今のハルヒには通風孔から脱出どころか、俺の肩で立ち上がる事すら無理のはずだ。
「無理、よ……だって、今、イッたらあたし……もれ……っ!」
ハルヒが呼吸の合間に声を出して答える。いい加減この状態でいるのも限界のようだ。
俺はカゴの状態とマットの位置を再度確認し、ハルヒの頭に何とか手を伸ばしてそっと撫でた。
「気にすんな。お前の事、ちゃんと受け止めてやるからよ」
「……え?」
最悪マット以外の場所に落ちそうになっても、俺がちゃんと下敷きになってやるって。
腹に肝を据え、俺が覚悟を決めると
「……本当に、受け止めてくれる? こんな……姿の、あたしでも? みっともない所、見せちゃっても……?」
ああ、全部受け止めてやろうじゃないか。
神人や宇宙生命体や怪しい未来人と対峙するよりははるかにましだし、それにこういう事こそ俺の役目なのだろうからな。
「だから我慢すんな。お前に、そんな我慢の表情は似合わねえよ」
「う……うわ、キョン……キョン、キョンキョンキョンキョンキョ─────────ンッ!」
ハルヒが泣きながら、俺にしがみついてくる。どうやら決心したようだ。
後はハルヒを降ろすだけかと考えていると、ハルヒが今まで以上に身体をゆすり、擦り付け、暴れ始めた。
何だ、何だ!? パニックでも起こしやがったのか!?
「おいハルヒ! どうしたんだお前!」
「もう、だめ、ダメっ! とまら……ないのっ! イクの、このままイキたいのおっ!!」
本当にパニック状態になってしまったらしい。俺の声が全く届いていない。慌てて片手でハルヒの腰を押さえて、
ハルヒが落ちないようバランスを取る。
くそっ、こうなったらこれでどうだ!
俺は動かせる限り首を横へ向けると、ハルヒの太ももに噛み付いた。これで正気に戻って────
「ああああああうっ! きゃ、きゅあ、あ、ああああああぁぁぁ────────────────っっ!!」
今までで一番の締め付けと共に、ハルヒが甲高くも可愛い嬌声をあげる。
同時に遠くで何かが砕け散るような音、近くではブシューッという激しくも籠った水音が耳に届く。
首筋から背中にかけて流れ落ち、体操着にじんわりと染みていく暖かい何かを感じつつ
「うおあああっ!?」
俺は怪しげな叫び声をあげながら、マットからがばっと飛び起きた。
- * -
あまりの状況の変化に思考が追いつかず、俺はしばらくの間呆然とし続ける。
背筋を中心に、何か濡れた感触を感じる。よほど寝苦しかったのだろうか、尋常でない寝汗をかいたようだ。
俺の隣では、ハルヒが俺と並ぶようにマットに寝転がり、身体を横にして丸めている。
先ほどからすぅすぅとリズミカルな呼吸音が聞こえてくる。どう見ても眠っているようだった。
通風孔の下にボールカゴは無く、また通風孔へ登ろうとした形跡も全く見られない。
夢、だったのだろうか。
俺は頬を叩いて意識を覚醒させると、さっきまで体験していた事を思い返した。
肩車を怖がるハルヒを思い出し、即座にそれを否定する。
そう、ハルヒが肩車を怖がる事なんてありえないんだ。
何せ孤島に行った時、こいつは俺の肩車に乗りながら水鉄砲を片手に持ち、様々な物を的にしていた過去がある。
砂浜で人一人抱えてダッシュなんていまどきスポコン漫画でもやらねえぞ、と愚痴った事を俺は憶えていた。
夢、だったのだろう、あれは。
やれやれと相変わらずひねりのない口癖を漏らし、俺は盛大なる溜息を吐くと再びマットに沈み込む。
どうしてだろうか、濡れた背中にはあまり不快感を感じなかった。
「なあ、そこにいるのか」
俺は扉に向けて呟いた。少しして扉が開き、傘を差した髪の短い制服姿の少女が姿を現す。
「今、何時間目だ」
「四時間目。後三分二十秒で昼休憩になる」
そうか。どうりで腹が減ってきたわけだ。
さてどうするかと考えたのも一瞬で、俺は身体を起こすと入口に立つ長門に頼んだ。
「俺とハルヒの荷物、部室に持っていっておいてくれるか?」
コイツが起きたら一緒に部室へ向かうからよ。
「わかった」
長門が短く答える。すまないな、後で何かおごってやるから。
「いい。……それより、今度付き合ってほしい事がある」
また図書館に行こうと言うのだろうか。まあいいさ、それぐらいの頼み事ならいくらだって構わないぜ。
長門は頷くと、姿を見せた時と同じように音も無く扉を閉めた。
俺は眠ったままのハルヒを見つめる。さて、コイツはいつになったら起きるんだろうね。
起きたらとりあえず雨の中を部室まで疾走し、服を着替えてから遅い昼飯だ。
俺の弁当を半分奪われそうな気もするが、武士の情けとしてそれぐらいは譲歩してやろう。
校庭隅にある体育具倉庫。鍵は外され、外は雨。
俺とハルヒは、相変わらず体育倉庫の中にいた。
- * -
ブロックで作られた薄暗い部屋には、砂ぼこりと汗と老朽化が混合された独特の匂いが充満していた。
通風孔と明かり取りを兼ねた天井付近に開く穴からは、湿った空気とうっすらした光が差し込み、
そこから不規則にしてリズミカルな地面を叩く大量の音をあわせて伝えてくる。
「…………あー、暇だな」
布団として使うには少々硬いマットに寝転がり、俺は漠然と天井に視線を送りながら呟く。
俺の格好が体操着に短パンなのは一・二時間目に体育の授業があったからだ。
「……暇」
隣から同じようにマットに寝転がり、瞬きと胸の呼吸以外何一つ動いてない姿で、天井を仰ぐ長門が答える。
こちらも俺と同様、体操着にブルマという体育授業の正装姿をとっていた。長門のクラスは体育の授業じゃないけどな。
校庭隅にある体育具倉庫。鍵がかけられ、外は雨。
俺と長門は、情報制御空間の中にいた。
「長門。一つ聞かせてくれ」
「………」
「楽しいか?」
「………わりと」
以上です。まとめたら10レスに入ったみたい。
初ジャンルに戸惑いながら書いてみました。
>>79 ナイスエロス、そしてナイスオチでした
自分も頑張ろう
>>79 乙!面白かったです。でも敢えて言いたい。
ワッフルワッフル
非エロSS、投下いきます
エロなしに興味ない人はスルーよろしく
ある晴れた日のこと、特に特別なことが起こるでもない静かな午後がまったりと流れる部室。
寒気を纏っているであろう風が安普請の窓を叩いてガタガタと音をたてているが、
そんな冬将軍の残存兵力ごときでは甲子園開会式の高校球児なみに規則正しく行進してくる春の日差しに抗しきれるはずもなく、
部室内は眠気を誘発することこの上ないほどの暖かな空気で満たされている。
まあ、普段の部室であればたとえ高級マスクメロン栽培ビニールハウスなみの完璧な温度管理がなされていようとも、
団長様が突然なにをのたまうのかわからない緊張感のため、とてもじゃないが睡眠欲なぞ喚起されている場合じゃないんだがな……
しかし、現在部室は静かそのものだ。
なんせ俺と、地球上に存在するあらゆる文字媒体を読み尽くそうとしているアンドロイド、長門しかいないんだからな。
ハルヒを含めた団員3名はそれぞれのかばんを団長机の上に置いたまま、どこかにお出かけ中だ。
長門が定期的に奏でるページめくり音と、冷風をシャットダウンしてくれる窓がつむぐガタガタメロディを聴いていると、
つくづく人間が惰眠をむさぼることができる状況ってやつは平和の象徴だと実感するぜ。
教師も授業中に机につっぷしてる生徒を注意する前に、もっと今ある平和な世界を心の底から堪能すべきだね。
「………」
おっと、半分まどろんでいた俺の思考に割り込みをかけるかのように、いつのまに席を離れたのやら長門がすぐ隣に立ってるじゃないか。
「どうした?長門」
問いかける俺に、長門はいつかのメッセージ付き栞入りハードカバーを差し出したときのように、今まで黙々と読んでいた本をさしだしてきた。
「読んで」
旧校舎独特の揺れる窓枠が放つ振動音のみをBGMにしながら、長門がたった3音だけの意思表示。
こりゃやっぱなんかの伝言入りに違いないな。
こいつもいい加減こんな回りくどいことせんでもいいだろうに……
「長門、なんか言いたいことがあるんなら、ここで言ってもいいんだぞ」
幸い今はハルヒも古泉も朝比奈さんもどっかにいってるしな。
まったく今度はどんな悪巧みで朝比奈さんを泣かせてるのかね。
「そうじゃない。今ここで読んで」
だが、しごく当然な帰結をみた俺の予想とは違った返答が長門からは返ってきた。
はて、ここでこれを読む?
俺はあらためて長門が手渡してきた、わら半紙製のみすぼらしい本をとにかく受け取った。
ふむ、市販品ではありえないちゃちな装丁だ。
俺は、つい最近ハルヒのやつが自分の知り合いを総動員して(一部知り合いでもなんでもない人間も含まれる)つくりあげた機関誌を思い出したわけだが、
むき出しになったホッチキスの針といい、安物のコピー機を使ってかすれちまってる印刷といい、こいつもそれによく似た雰囲気を醸し出していた。
案外俺達が入学する以前の文芸部が発行した機関誌なのかもしれんな。
さて、続いて俺は表紙に目を向け、飾り気のないワープロ文字で『機関誌』と記されているのを確認、自分の洞察力にちょっとした優越感を感じつつ、それに続く文字群
『枕元に置いておきたい童話100選』
これを目にした瞬間、俺の脳みそはその活動を停止した。いや、嘘だが。
「読んで、聴かせて」
えっと、このときの俺がどれだけ鳩が豆鉄砲食らったような顔をしてたか、想像ができるだろうか?
どんなマヌケ面を思い浮かべたかは各人の自由に任せるが、どれも現実とはかけ離れているであろうことは保証しておいてやろう。
なんといっても俺の顔を覗いていた長門が、あの長門が目の奥に驚きの色をうかべていたくらいなんだ。俺自身にすらどんな顔してんだか想像できん。
だってお前、長門が童話を読んで聞かせろってなぁ……
俺はまるで、一流レストランで舌鼓を打っていたところ、偶然厨房を覗いたらコックが『しゃべる!DSお料理ナビ』を使ってるのを目撃したような気分になったね。
しかしまあ、長門は読書に関してはかなりの悪食、好き嫌いなしだからな。
童話に興味を持つ可能性だってゼロじゃあないはずだ。
長門には世話になりっぱなしだし、この程度の頼まれごとであればいくらでもきいてやるさ、お安い御用だ。
「いいぜ、長門。読んでやるよ」
「そう」
俺が承諾するのを確認するやいなや、長門はわざわざ自分の所定位置、窓際のパイプ椅子に移動した。
なにもわざわざ動かんでも……俺の傍にはいたくないか?
「違う。読書中はここを動かないよう涼宮ハルヒに指示されている」
「なんだそりゃ」
そう言いつつ俺はその機関誌の目次に目を通した。
『桃太郎』
『浦島太郎』
『マッチ売りの少女』
『シンデレラ』
などなど……
うん、どうやら和洋折衷、とにかく子どもの好きそうな有名どころの童話が片っ端から集められてるようだな。
こう見えても俺の童話読みテクニックはなかなかのもんなんだぜ、長門。
妹や親戚の子相手によく絵本専用ナレーターをやってやったもんだからな、シンデレラ以外ならわりとなんでもござれだ。
「………」
てなわけで心なしか期待に目を輝かせているような長門に読みきかせるべく、俺は早速最初の収録作品『桃太郎』を音読し始めた。
支援?
『桃太郎』
昔々あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんとおばあさんは子宝に恵まれず、そのことを大層気に病んでおりましたが、それでも仲むつまじく幸せに暮らしていました。
「さあ、おばあさん。今日はどんなコスプレにする?やっぱ基本のメイドにしとこうかしら?」
「ふえー、や、やめてくださいぃ」
ええ、仲むつまじいんです。これもきっと愛情表現の一種に違いありません。
さて、そんなある日のこと、その日に限っておじいさんが洗濯をすると言い出しました。
「なんかね、予感がすんのよ。きっと不思議なことが起こる前兆よ、これは!」
おじいさんの行動はそのほとんどが直感頼み、今日は川に行きたい気分なんでしょう。
そんなわけでおじいさんが川で洗濯をしていると、川上から大きな桃が、どんぶらこどんぶらこ、と流れて来ました。
「こんな大きな桃、普通じゃありえないわ!間違いなく不思議なものね。案外桃源郷あたりから流れてきたのかも」
おじいさんは喜び勇んでその桃を拾うと、数十キロはあろうかというそれを軽々と抱えて家に帰りました。
って、あなた本当に女性ですか?いや、おじいさんなんだから性別は男に決まってるんですけど……
「長門……この本、おかしくないか?」
「………」
長門は俺がなにを言っているのかわからないとでも言いたげな顔で俺のことを見つめている。
………まあ…そうだよな。長門が桃太郎を詳しく知っているとも思えんし……
「読んで」
「ああ、そうだな…すまん、途中で切っちまって」
先を促す長門に応えて、俺は腑に落ちないものを感じつつも続きを読みだした。
桃を割って中から生まれた男の子にふたりは桃太郎と名付けると、それはそれは大切に育てました。
愛情の注ぎ方がちょっと歪んでいるおじいさんと、正直愛情を注ぐくらいしかとりえのないおばあさんに育てられた桃太郎はわりとまっとうに成長しました。
さあ、そんなある日のことです。
桃太郎の家に、都からお姫様が供も連れずにお忍びでやってくるではありませんか。
「………」
「あのー…なにかしゃべっていただかないと、なにもわからないんですけど……」
大層無口なお姫様の来訪に、メイド姿のおばあさんはビクビクしどおしです。
和装のお姫様、洋装のメイド姿のおばあさん、少女にしか見えないおじいさんがひとところに集まるカオスな空間。
我が家の異常性を改めて実感した桃太郎は、「早いところ家、出ないと俺は頭がおかしくなるんじゃ」と思いました。
自分が桃から生まれたことは棚の上に丸投げです。
「………」
その無口なお姫様が無口なりに一生懸命に訴えるところによれば、なにやら最近都では鬼ヶ島からやって来る鬼が悪さを働いているとのこと。
お姫様の涙ながらの訴えに、桃太郎の心は強く奮い立ちました。
「………」
「あの…ずっと無表情なんですけど、お姫様……」
泣いてるんです!きっと、心の中で。
「許せないわね、鬼のやつら。あそこはいい温泉が多い上に美味しい焼き鳥屋が豊富、そのうえ蒲鉾もイケル、めちゃくちゃいいとこなのに……」
おじいさん、それは山口県長門市です。桃太郎の舞台は岡山ですよ。
「長門!今『長門市』って固有名詞が出たぞ!?」
「………いいから読んで」
おかしい、この本は絶対におかしい、そんな思いを強めながらも、同時にこれ以上気にするのはよそうとも考える俺だった。
そうだろ、最初の話でこんなにつまづいててどうすんだよ……
もうちょっと大人になろうぜ、俺よ……
おじいさんの強い勧めもあって、桃太郎は鬼退治に乗り出します。
「ふん!鬼のやつらも間抜けなことね。『泣いた赤鬼』の鬼だったら見逃してあげたのに。
桃太郎!やつらに出演作を間違えた己の不幸を存分に味あわせてやりなさい!」
桃太郎は「いっそお前が直接行ってくりゃいいだろ」と思いましたが、そんなことを言ってしまえば最後、
おじいさんの暴走を誘発する結果にしかならないことは長年の同居生活で嫌というほど思い知らされています。
なんとかその言葉を胸の奥にしまい込み、桃太郎は素直に旅立ちました。
腰にはおばあさん特製の吉備団子をくくりつけて。
そして道中で仲間になったお供が3匹。
「面白そうなことは大歓迎だよっ!アハハ」
育ちの良さそうな犬。
「なんで俺がこんなことにつきあわされてんだ?」
愚痴の多い猿。
「まあまあ、いいじゃない。こういうときに助け合っておくと、あとで自分がこまったときにひとりひとりの負担が軽くなるもんだよ」
能天気っぽい雉。
集まった仲間を見て桃太郎が思うことはひとつ。
「誰かひとり忘れられてるんじゃ……」
てっきり作り笑顔と解説が得意なキャラが仲間になるだろうと予想していた桃太郎は拍子抜けです。
そしてとうとう鬼ヶ島に上陸した桃太郎一行。
待ち構えていたのは2人の鬼でした。
ひとりはエリート然とした眼鏡の似合う二枚目の鬼。
もうひとりはいかにも本心は隠してますよと言わんばかりの不自然な笑顔を絶やさぬ二枚目の鬼です。
「……そっち側に配置されちまったのか、お前……」
「はい、なぜか」
なかば哀れみすら感じた桃太郎の呟きに、鬼の片割れが不本意そうな声をあげました。
ですが、なにはともあれこの事件も佳境を迎えました。
正直鬼二人程度の戦力、なにげに無敵っぽい犬だけで充分かたが付きそうだと思わないでもない桃太郎でしたが、
ここでさぼってしまうと後でおじいさんに何を言われるものかわかったものじゃありません。
気乗りしないながらも、桃太郎は先陣をきって鬼へとむかっていくのでした。
さて、そんな桃太郎の様子を都にいながらにして観察する二人の人物がいました。
ひとりはこの都の無口なお姫様。
もうひとりは薄緑色の美しい髪の中に小さな二本の角を生やした可愛らしいお嬢さんです。
「頑張ってますね、桃太郎さん」
「………彼はやるときはやる人……」
二人にとってみれば都と鬼ヶ島を隔てる距離なんて観察を阻害される要因にはなりえません。
奮戦する桃太郎の様子を楽しげに見ています。
「それにしてもあなたも結構悪どいですね。わたしたちに都を襲わせて悲劇のヒロインを演じ、桃太郎さんの気をひこうだなんて………」
「……実害はでないよう、配慮している……」
そう、今回の件、すべては都のお姫様と鬼ヶ島のお姫様との共謀なのです。
「勘違いしないでくださいね。わたしはあなたを責める気は毛頭ありませんから。
わたしとしてはこの程度の悪評と鬼二人の犠牲で、物資の乏しい鬼ヶ島への援助の約束を取り付けることができて大変満足しているんですから」
人間の姫と鬼の姫の密約、このことを知っている者は誰ひとりとしていません……
「ところで」
「なんでしょう?」
「次はいつ襲ってくれる?」
「……味、しめちゃったんですか」
どうやら桃太郎の第二回鬼討伐はそう遠くないことのようです……
〈おしまい〉
「……長門、ひとつだけ言っておくぞ」
「なに?」
いろいろつっこみたいことはある。
なんか登場人物に見覚えがありすぎるだとか。
おじいさんとおばあさんのキャスティングがあきらかにおかしいだとか。
だが、その大部分は長門に言ってもしょうがないたぐいのもんだ。
だから俺はひとつだけ、釘をさしておくことにした。
「本来の桃太郎は、こんな黒い話じゃないからな。今の内容は忘れちまえ」
「……………そう」
なんか頷くまでの間が長すぎないか、長門。
本当、忘れろよ。頼むから。
さて、そんじゃ俺はこのへんで夢の中の住人になろうかな………て、長門、なぜそんなに真摯な眼差しを向けてくるんだ?
「続き、読んで」
続きって………
俺は「楽してお金を儲ける大人になりたい」というふざけた夢を語る生徒に説教をたれる小学校教師のごとく長門を説き伏せることにした。
「言っちゃなんだがな、長門。その本はなんというか教育によろしくないぞ。今度、俺がもっとまともな童話の本を持ってきてやるから、それまで待ってくれ」
「読んで」
長門は自分の無表情をどのような角度で見せれば男を篭絡できるか研究しつくしたかのようなベストな上目遣いで俺を見上げてくる。
くそ、可愛いじゃねぇか。
「いや、俺はお前に童話を読んでやるのが嫌でこんなことを言ってるんじゃないぞ。
あくまでお前の健やかな人格形成を願ってのことなんだ。わかってくれ」
「それを読んで」
どうも長門はどうあっても引くつもりはないらしい。
結構頑固だからなぁ、こいつも。
ええい、この本のどこにここまで長門を固執させる魅力があるっていうんだ?
「わかった、わかったよ。読んでやるから……」
「そう」
かなわねぇよな、こんなほっとしたような顔されたんじゃ……
えっと、次は……白雪姫か……
『白雪姫』ならびに『人魚姫』
文芸部発行機関誌に収録されている絵本童話をご覧ください。
挿絵もついているので、そちらのほうがお勧めです。
「なんじゃこりゃ!」
俺はいそいで本の表紙と奥付を確認した。
無論著者名が『古泉一樹』となっていないか、確かめるためだ。
くそ!タイトル以外書いてねぇ!
「これが白雪姫と人魚姫。記憶した」
「待て!早まるな、長門!これはでたらめだ!」
「………」
ある意味幼稚園児よりも無垢な宇宙人に、地球を代表する名作童話を勘違いのまま覚えさせるわけにはいかない。
俺は地球文化の尊厳のため、必死に白雪姫と人魚姫のあらすじを説明した。
「つまり、こう?」
『人魚姫』(長門有希 改定版)
発言が自動的に「禁則事項」に変換される有機生命体青年期女性体が存在する。
その個体は好意を持つ異性に告白する権限を持っていなかったので、こっぴどく振られた。
その後、情報結合解除され、消えた。
「違う!」
「……………そう」
なんか頷くまでの間が長すぎないか、長門。
まさか朝比奈さんになにかうらみでもあるんじゃないだろうな?
「次、読んで」
次か?………次は『浦島太郎』だな。
ちょっとはマシな内容だといいんだが……
『浦島太郎』
昔、あるところに浦島太郎という漁師の若者がおったそうな。
ある日、いつものように漁に出かけようとした太郎は、後一歩で死にそうになっていた亀を助けてやったんじゃ。
「お兄さん、ありがとう。お礼に竜宮城にご招待いたします」
大層利発そうな顔をした亀は、太郎にお礼がしたいと、竜宮城に誘ったそうな。
「いや、いい。なんかオチが読めるし」
太郎はあっさり断ってしもうたんじゃ。
「そんな!わたしの出番はなしですか!」
時の果てでセクシーな美女がひとり、嘆きの声をあげたとさ。
めでたしめでたし。
〈おしまい〉
「これも朝比奈さんの扱いがひどいぞ!」
「次」
『一寸法師』
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
子どものない二人は毎日子どもが授かるよう神様に祈っていました。
「神様、どうか私たちに子どもを授けてください。どんな子どもでも構いません」
そうやって毎日のように祈っていましたところ、驚いたことに二人は本当に赤ん坊を授かってしまいました。
眉の太さが一寸もある可愛らしい女の子です。
二人はさっそく一寸法師と名付け、宝物のように育てました。
「いくら朝倉でも眉毛の太さは3センチもねぇよ!最近30周年を迎えたお巡りさんじゃあるまいし!」
「次」
『金太郎』
静岡県駿東郡小山町金時公園にあるちょろりの七滝は金太郎が産湯を使ったといわれています。
この変わった名前は金太郎が産湯の順番待ちをしている赤子を見て
「ちょろんと待ってて!すぐに順番回ってくるからねっ」
と言ったのが由来といわれています。
「実在する名所のエピソードを捏造すんな!」
「次」
『里見八犬伝』
時は室町時代の中頃、里見家の領主・里見義実(さとみよしざね)には一人娘がいた。
名を伏姫(ふせひめ)という。
大層犬好きな姫君で、なんと八房(やつふさ)という自分の飼い犬と結婚していたほどである。
ある日、伏姫は仙童に「八房の子が出来ている」と告げられる。
本来であれば畜生の子を孕んだことで絶望した伏姫は自害。
腹に宿った玉が各地に散って八犬士を産み、やがて壮大なドラマが展開されるはずなのだが
「ああ!これがあたしと八房との愛の結晶なのね!嬉しい!」
この伏姫の犬好きは筋金入りであった。
その後、伏姫は八房と8人の子どもと末永く幸せに暮らしたとのことである。
「ストーリーが始まりすらしねぇのかよ!」
つうか、里見八犬伝って童話か?
「なあ、長門。そろそろ勘弁してくれ」
俺としても長門の頼みをきくのはやぶさかではないんだが、いかんせん俺の精神にも人並みの限界ってもんがあるんんだよ。
ハルヒと出会ってからはその上限が引き上げられたみたいなんだが、この機関誌音読イベントのSAN値消費量はその程度でおっつくようなもんではない。
自分で声出して読んで、すかさずそれにツッコミをいれる。
まるで俺は自宅でノリツッコミの練習をしている売れない芸人みたいじゃねぇか。
たまらん。つらい。心が寒い。30分ほど前まで感じていた春の息吹はどこに単身赴任しちまったんだ?
「あと、これだけ、読んで」
無謀にも世界チャンピオンに挑戦したあげくボコボコにされた挑戦者のごとき俺に、観客でありセコンドである長門は遅ればせながらタオルを投入した。
あと1話読めばこの地獄から開放してくれるとのお達しだ。
長門が投げ込んだタオル、その名は
『シンデレラ』
シンデレラかぁ……
実のところ、俺はシンデレラの話が苦手なんだ。
といっても、別に読むのが苦手ってわけじゃない。
一時期、妹に毎日毎晩のように読まさせられたもんだから、慣れちゃいるんだ。目をつぶっていてもソラで言える自信があるくらいだ。
だが……なんていうのかな。話自体がどうにも俺に馴染まないんだよ。
理由はよくわからん。
日本人特有の判官びいきみたいなもんで、あんまり人気があり過ぎるもんだから逆に抵抗感を感じてるのかもしれんな。
「長門……シンデレラじゃなきゃ駄目か?」
「駄目」
いや、だからその『捨てられた子犬を拾ってきて、飼ってもらえるよう親に訴える子ども』みたいな目で俺を見つめるのはやめてくれ。
お前のそれはとりわけ強力なんだよ……
「わかったよ。読めばいいんだろ」
「………」
もう一度言っておくが、長門は頑固なんだ。あるいはその頑固レベルはハルヒ以上かもしれん。
逆らっても無駄だし、俺はそもそも長門相手に逆らうほど恩知らずでもない。
長門がシンデレラを読んでほしいってんなら、俺はたとえ一万五千四百九十八回だろうが読んでやるつもりだ。
二回も命を助けられた代金としちゃ安すぎるぐらいさ。
『シンデレラ』
その国はとても豊かでした。人々が飢えに苦しむような飢饉もなく、国民は常に日々の糧を存分に受けることができました。
そんな中でも荘厳なお城とその庇護のもとにある城下町はとりわけ恵まれていました。
さて、しかしそんな中にあって、その恩恵を受けることのない娘がいたのです。
エラという名前のその娘は早くに実の母親を失い、継母とその連れ子である姉達に日々苛められ、まるで使用人のようにこきつかわれていました。
1着の服すら用意してもらえず、その体はいつも灰で薄汚れています。
「灰まみれでなんてみすぼらしい娘なんだろうね!お前なんてシンデレラ(灰かぶりのエラ)だよ」
娘はシンデレラと呼ばれ、毎日をなんの希望もなく過ごしていたのです。
そんなある日、シンデレラの家にお城から舞踏会の招待状が届けられました。
義理の母や姉達は大喜びで着飾り、お城へと出かけていきます。
でも、シンデレラはお留守番です。なぜってシンデレラには舞踏会に着ていくようなドレスがないのですから。
暖炉の火が消えた寂しい家で、シンデレラはひとり涙にくれていました。本当はシンデレラも一緒に行きたくてたまらなかったのです。
「どうして泣いているんだい?」
誰かが尋ねました。
泣き腫らした赤い目でシンデレラはその人を見上げました。
それは一人の魔法使いでした。
「お前も舞踏会へ行きたい、そうだね?」
シンデレラはため息とともに、黙って頷きました。
「畑へ行って、カボチャを取っておいで」
杖で打たれたカボチャはむくむくと膨らんで金の四輪馬車に変わったではありませんか!
それから、ハツカネズミ捕りの罠にかかっている六匹のハツカネズミを杖で打って、灰と白のまだらの六頭の馬に変えました。
ネズミ捕りにかかっていた三匹の太ったドブネズミのうち、一番ひげが立派なのに杖で触れると、たいそう立派なひげの御者に変わりました。
「ほら、もう舞踏会に行くに充分な馬車も御者もそろったよ。嬉しくないのかい?」
「ええ、あの……でも私、こんな汚いボロで、行けるでしょうか……」
そこで魔法使いがシンデレラの服を打つと、金糸銀糸に宝石の縫い取りのきらびやかな服に変わり、おまけに、この世で一番美しいガラスの靴をくれました。
「楽しんでおいで。ただし、この魔法は夜中の十二時までしか効かない。それまでには必ず帰ってくるんだよ」
シンデレラは夢心地で舞踏会へ出かけて行きました。
誰も知らない立派な姫君が到着されたと報せを受けて、王子様は走って出迎え、馬車から降りるシンデレラに手を貸して大広間に案内しました。
すると、広間はしんと静まり返りました。踊りも音楽もやんで、この美しい姫君に注目します。
女性たちは参考にしようとシンデレラの髪形やドレスに食い入るような視線を送り、老いた王様さえ「こんなに美しく愛らしい女性に会うのは久しぶりだ」と声を潜めて王妃に囁かずにはいられないのです。
王子様はまっさきにシンデレラをダンスに誘いました。シンデレラのダンスはそれは上手で、それにもまた人々は見とれるのでした。
王子様はシンデレラに夢中になり、豪華な夜食も目に入りません。ずっと彼女の側にいて、愛の言葉を囁くのをやめませんでした。
ふたりの目には互いの顔が映っています。他の何もかもが溶けて消えてしまい、シンデレラはただそれを見つめるのに夢中になりました。
そのとき、重々しい鐘の音が響きました。夜中の十二時を告げる、お城の大時計の音です。
はっとして、次にさっとシンデレラは青ざめました。
十二時です。この鐘の音が全て鳴り終わると魔法は消え去り、シンデレラは灰まみれのみすぼらしい女の子に戻ってしまうのです。
ものも言わず、シンデレラは牝鹿のように身を翻しました。驚いた王子様が何か言いながら追いかけて来ますが、後も見ずに階段を駆け下ります。
十二時の最後の鐘が鳴り響く頃、あの美しい人はお城から駆け去り、どこにも見えなくなっていました。
王子様は呆然としたまま階段に立ち尽し、ふと、キラキラときらめくものが落ちているのに目を留めました。
それは、美しく輝くガラスの靴でした。
今までの話はなんだったのかと問いただしたくなるほど、至極まっとうな内容のシンデレラがそこには掲載されていた。
だからこそ、俺はここまでで読むのをやめちまった。
突然現れる魔法使い。
ガラスの靴を持って迎えに来る王子。
王子と結婚して幸せになるシンデレラ。
そして、専用椅子に腰掛けて俺の語り口にじっと耳を傾ける長門。
ああ、そうか。長年疑問に思っていたが、ようやくわかったよ。
俺がなんだってシンデレラが苦手だったのか。
ようするに俺はこの、個人の努力なんて幸せになるためにはなんの役にもたたないんだ、って諦めがついてまわってるストーリーが気に食わなくてしょうがないんだな。
なにが魔法使いに王子様だ。
シンデレラはそんなスーパーヒーローが二人も手助けしなきゃ幸せになれないほどの人間なのかよ。
そんなもんが出てくる前に、もっと周りが気遣ってやらなきゃならんのじゃないか。
頑張ってるじゃねぇか、シンデレラは。
もっとまっとうな幸せを掴んだっていい人間なんじゃないのか。
つくづくそう思う。なんせすぐそこにまんまシンデレラみたいなやつがいるんだからな。
長門だ。
俺の目の前にいる統合思念体製ヒューマノイドインターフェースだ。
心の底から断言してやるが、こいつほど滅茶苦茶頑張っているやつはどこを探したって他にはいないはずだ。
今の世界が平和なのは間違いなくこいつのおかげなんだ。
それこそ世界中の人間から感謝され、拍手喝采を浴びたっておかしくないくらいだ。
そんなやつだっていうのに、こいつは人並みの幸せすら感じさせてもらえない。
何回世界を救おうが、いつまでたってもハルヒの観察係だ。
あんまり追い詰めちまったせいで、こいつはとうとう魔法に頼って別人になったあげく、嘘っぱちの舞踏会に行っちまった。
なんだよそりゃ。馬鹿馬鹿しい。
こいつは幸せにしてやんなきゃいけないんだよ、王子でも魔法使いでもない、俺やハルヒみたいな町民Aがな。
そうだ、俺たちだ。
何度も命を救われた俺なんてその筆頭だ。
ハルヒだって長門には世話になりっぱなしだ。
事あるごとに長門の能力に頼ってる古泉にも文句を言わせやしねぇ。
いくら長門が苦手とはいえ、お優しい朝比奈さんは一肌でも二肌でも脱いでくれるだろう。
ほら見ろ長門。お前に比べりゃなんとも頼りない連中だけどよ、こんだけお前のために頑張ってくれそうな連中がいる。
お前には魔法使いも王子も必要ないんだぜ。
だから………こんなまっとうなシンデレラはこいつにきかせるべきじゃねぇ。
俺はもはや用なしになっちまった機関誌を静かに閉じた。
「長門………続きだ、よく聞いとけ」
俺は今からシンデレラのストーリーをぐちゃぐちゃにしてやるつもりだ。
グリム兄弟がそろって難癖つけてきそうだが、知ったことか。
今、長門に語ってきかせてやってるのはお前等じゃねぇ、この俺だ。
文句があるなら今すぐここにやって来て、長門が幸せに浸れるような話を作ってみやがれ。
それは一夜の夢でした。
夜が明けてシンデレラに残されていたものは楽しかった舞踏会の思い出と、変わりのない灰まみれの自分だけでした。
今日からはまたつらい日々がはじまるのでしょう。
でも、シンデレラはそれを変えていけるような気がしました。
楽しい思い出はシンデレラの胸の中でちっぽけな勇気にかわりました。
もうしばらくしたら継母たちが帰ってくることでしょう。
まずは彼女たちに訴えてみようと思います。
自分も幸せになりたいと、自分も幸せになれるはずだと。
だって自分も輝くような女の子になれることを知ってしまったのですから……
〈おしまい〉
「とまあ、こういうわけだ」
どうにもこっ恥ずかしいな。シャルル・ペローが「素人がなにやってんだ」と嘲笑しそうな内容だ。
だがな、ペローさんよ。
長門は舞踏会から帰ってきて、それでまだエンディングは迎えてないんだよ。
ま、ようするにまだ機会は残ってるってわけだ、まともなハッピーエンドを迎える、な。
あざ笑うんならそれが失敗してからにしてくれ。
「……………」
長門はただただ黙って俺の顔を見つめている。
らしくもないくさい話を披露しちまった俺としちゃ照れるよりほかないわけで。
「長門、このシンデレラは幸せだと思うか?」
思わず感想なんて訊いちまったわけだ。
「………………わりと」
「そっか、わりと、か」
「そう」
長門の保証つきなら、まあそういうことなんじゃねぇか………
「有希!読み終わった!」
突然なんの前触れもなく、ハルヒのやつが部室のドアを粉砕せんばかりの勢いで顔を出した。
こら、なんの文句も言わずにお前にその身を差し出している文芸部室をもっといたわってやれよ。
「あらキョン、来てたの?」
来なきゃ文句を言うくせに、なんて言いぐさだ。
「って、なんであんたがその本持ってるのよ!有希に、読んで、って渡したのに!」
「その長門に、読んで、って渡されたんだよ、俺は」
俺とハルヒがそんな実にもならないことを言い合っているうちに、残りの朝比奈さんと古泉も中に入ってきた。
うお、一気に部室が狭くなったような感じだな。
「古泉、揃ってどこに行ってたんだ?」
「どこに行っていた、と言うよりも、純粋にこの場を外していたんですよ。長門さんにじっくり読書を楽しんでもらうために」
なんだそりゃ?
俺が古泉の言わんとしていることを理解できないでいる中、ハルヒは団長机の上の自分の鞄をごそごそとまさぐっている。
「さて、ちゃんと撮れたかしら……」
そしてハルヒが取り出したものは、映画撮影のときに俺が持たされたハンディカメラだった。
………って!
「お前!長門を盗撮してたのか!」
「人聞きが悪いわね。あたしはただ有希の自然な表情を撮りたかっただけよ。有希だってちゃんと、どうぞ、って言ってくれたんだから」
『読書中はここを動かないよう涼宮ハルヒに指示されている』
唐突に、長門が言っていたことを俺は思い出した。
あれはそういう意味だったのか。
「実はですね、涼宮さんがどうしても長門さんの笑顔が見たいとおっしゃいましてね」
ハルヒがカメラの画面をチェックしているのを遠巻きに眺めながら、俺は古泉から種明かしをされていた。
「長門さんが笑うような本を用意してくれ、と頼まれましてね。ですから不完全ながらもこんなものを渡したというわけです」
そういって手元の機関誌をぺんと右手の甲で叩く古泉。
「じゃあそれを作ったのは」
「はい。我々『機関』の面々です。ちゃんと表紙に書いてあったでしょう、機関誌だと」
馬鹿野郎。機関誌って聞いて、誰がお前等の機関のことだなんて思うかよ。
せいぜい俺と長門と朝比奈さん、それと喜緑さんと生徒会長……
くそ、結構いるじゃねぇか。
「まあ、この程度の内容で長門さんの表情を崩せるわけはないんですが…おや?」
ぺらぺらとページを斜め読みしていた古泉が、訝しげな声をあげやがった。
「ちょっと内容が我々が作ったときとは変わってますね」
「ああ、人魚姫なら長門がいじくっちまったぞ」
「いえ、そうではなくシ「キョン、もうちょっと芸のあるつっこみしなさいよ。有希がクスリともしてないじゃない」
うるせえ、撮られてるとわかってりゃもうちょいギャラリーを意識したつっこみをしてるさ。
「で、なんだって?」
「いえ、いいです。そうですね……つまりシンデレラはまだガラスの靴を待ってるのかもしれない、ということですね」
「………お前の例えは相変わらずよくわからん」
俺の脳裏に白紙の入部届けなんぞが浮かんだが……
馬鹿言うなよ。俺はそんな自惚れやじゃねぇぜ。
脇でにやにやしている古泉にむかっ腹のたった俺はちょっと反撃してやることにした。
「ところでその桃太郎を書いたのは誰だ?」
「たしか森さんだったと思いますが」
「お前、森さんに嫌われてるんじゃねぇのか」
「……あはは、そ、そんなことはありませんよ」
声が震えてるぞ。
「やっぱ文字情報じゃ限界があるのかしら。そうだ!今度は実演しましょうよ!みくるちゃん、はだかの王様とかやってみたくない」
「えー!なんではだかなんですか!」
「いいじゃない。ほらほら女王様、馬鹿には見えない美しい服ですよ。早速着替えましょう!」
「やめてくださいー!」
「………」
ハルヒと朝比奈さんの狂乱の様を黙って見ている長門を眺めながら、俺は改めて思う。
長門、ガラスの靴なんか履いたって足が痛いだけだぜ。
裸足で踊っても痛くないように、俺達が必死に掃除してきれいな床を用意してやるよ。
そうしたら思いっきり馬鹿騒ぎしようぜ、俺達全員でさ。
以上です。
おかしいな。シンデレラだけ書くつもりだったのに、なんで余計なもんがゴテゴテとくっついてんだ?
101 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 11:18:14 ID:SlQIvwTm
乙!!
ゴタゴタしてたけど長門市のネタは今いる出張先なので笑えたぜwwww
>>100 どれもこれも上手く改竄されてて凄く良かったwwwGJ
>>79 キョンよぉ。お前ってホント、そう言った女心の微妙な変化とかに鈍感だなw
それと、
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂彡
良いおっぱいですたwGJ!
こーいう弾けた話を書けるっていうのはいいことだ。
この辺はやっぱり感性ってやつなんだろうね。
しかし、SANチェックとはマニアックなところ持ってきたなぁ。
SANチェックは人類に常識だろう。
里見八犬伝にすごく噴いた。
シンデレラに感動した……!
今から妹に読んでやることにする。
お疲れ様でした。グットジョブ!!
南総里見八犬伝・・・先日歌舞伎座(8月納涼歌舞伎)で見てきたばかりだから漏れもすっごく吹いたwwwwww
GJです!!
>>100 GJ!
ラスト4行が個人的にはかなり好きです
110 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:32:20 ID:+v3i23Q3
作品名:祭りの終わりに・・・・?
ち〜〜〜〜ん・・・・・
献花台の向こうに、とんでもない笑顔を貼り付けた少女の顔写真がある。短い髪に黄色いリボンのカチューシャを付けた。そして後には、短いながらもポニー。何時の写真だありゃ?
ああ、あの、ちらりと見える水色の襟・・・なんだってそんな古い写真を使うかねぇ?っつーか、良く劣化しないで保存していた物だな。最近の保存技術は侮れん。80年・・・前?
「どうしたのあなた。」
「んあ?ああ。あの写真を見てたのさ。」
「ああ。おっぴちゃんが、『あたしの遺影はこれを使いなさい!使わなかったら死刑!!』って言ってた物よ。知らなかった?」
「『死刑』・・って・・・でも・・・あのおっぴちゃんなら言いかねんし、実際使わなかったら、今すぐ其処の箱から出て来てドロップキック物だな・・・」
くす。そうね。
「あれ?んでも何時預かってたんだ?俺は知らないぞ?」
「ええ。私が此処にお嫁に来るときにね。・・・おっぴちゃんが、『あたしは多分あんたより先に逝くから、これを渡す。』って言って。色々な物を渡されたわ。写真、雑誌、服、等々。そして、『鍵』。」
「この写真にどんな想いがあるんだ?」
「これ・・・・先に逝ったぴーじいちゃんに撮って貰ったんだって。若い時に。」
「ふーん・・・まぁ、確かに良い写真だな。今のおっぴちゃんの写真よりは良いけど・・・なんでまた、これを使えと言ったのかな?」
「・・・・・遺作・・・なんだって。」
「あ。」
私達の曾祖父は、若い時に亡くなった。事故だった。この写真を撮った後、階段から一寸足を踏み外して10段ほど落ちた。そして・・・・打ち所が相当悪かったらしい。
暫く半狂乱になった曾祖母は、自分のお腹の中に既に曾祖父の子を宿していることすらも気付かず、半年を棒に振った。そして、いい加減気付く。お腹が膨らみ、乳も張ってきたことに。
それからの曾祖母は又以前に戻ったと彼女の友人達は語ったという。
産まれてきたのは女の子だった。
名を”有希”と名付けた。
私の旦那様の祖母に当たる。
曾祖母は結婚もせず、その娘をたった一人で育て、学校にも行き、なんと大学まで行って博士号を取り、電子部品メーカーに就職して画期的な発明をした。
そして今度はその娘が成長すると、またもや親子で大発明をし、今では全世界の電子部品シェア7割を誇る大企業にしてしまった。
111 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:37:14 ID:+v3i23Q3
「さてと。弔問客が来るのは夜が明けてからだな。今のうちに寝ておけよ。
明日は忙しいぞ。多分。」
「はい。」
今夜はお通夜。来るのは近隣の身内と近所の方くらいだ。
でも、それももうかなり少なくなってきている。遠くの親戚の到着は明日だろう。一寸は・・・休めるかな・・・
「こんばんわ。御焼香させてください。」
「あ、はーい。」
誰だろう?玄関に行くと、其処には妙齢の女性。う・・・大きい・・
「今晩わ。私、みくると申します。生前涼宮ハルヒさんには、大変お世話になりましたので・・・」
「そうでしたか・・・こちらにご記帳の上どうぞ。」
「では、失礼します。」
その女性・・・みくるさんは栗色の長い髪を揺らして献花台の前に座った。
目には・・・大粒の涙。
「・・・御免なさい。御免なさい。私の所為です。私の所為です。私が・・・
あなたから奪ってしまったから・・・御免なさい。御免なさい・・・・・禁則事項だったのです。あの時は・・・それが規定事項だったのです。でも・・・・もし今の私なら、何とでも出来たのに・・・・御免なさい・・・・御免なさい・・・」
「あの・・・?」
泣き崩れるみくるさんに私はどうしようもなく、唯見ているだけしか出来ませんでした。
「そう。あなたの所為。」
!!!!!!!!!!
「そして・・・私の所為。」
!!!!!!!!!!
112 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:38:04 ID:+v3i23Q3
ゆっくり振り返る。其処には、何か、見覚えのある制服の少女。
「・・・・どうして・・・」
みくるさんは、その少女に対し、怒りの目と、そして、悲しみの目の両方を向ける。
「あの人を失ったのは彼女だけではない。貴女も。私も。でも、それは言いっこなしの筈。」
「みんなの・・・・責任・・・・」
「そう」
訳が分からない。この二人・・・何の話をしているのか?
少女が私の方を向いた。
「『鍵』を出して。」
「え?」
「『鍵』。預かっているはず。」
・・・・!
「ああ、曾祖母がくれたあの箱の中に。取ってきます。」
私はわけわかめながらも、献花台の横に置いておいた箱を取り出し、鍵を見せた。
「貴女はそれが何の鍵か説明を受けましたか?」
冷徹な目で少女は私に聞いてくる。
「いいえ?何処かの部屋の鍵っぽいですけど・・・・」
「そう。」
ぐずぐずと泣いていたみくるさんが、私の手を取る。そして、少女も私の手を取る。
ぐにゃ。なにか・・・空間が?気分が・・・・
気がつくと目の前に扉が。
其処に映るあたしの顔。ふん!黄色は”警戒色”なんだって。良いじゃん!あたし向きだわ!!
開けようとしてノブを回す。空かない。
またまた気がつくと、手には鍵。ダメ元で鍵穴に入れ回してみる。
かちゃり。
ひらく。
開けてみる。
すると中には何故か、少女が窓辺で本を読んでいた。
113 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:41:21 ID:+v3i23Q3
「ここ・・・文芸部よね?貴女一人?」
「そう」
「あたしは涼宮ハルヒ。あんたは?」
「長門有希。」
「広いわねこの部屋。貴女一人じゃ勿体ないわね!」
「そう」
「あたしはこれから倶楽部を造ろうと思って居るんだけど、此処、貸してくんない?」
「どうぞ」
「邪魔はしない・・・と思うけど、騒がしいのは勘弁してね。なんせ、最低後3人はメンバーを集めないといけないんだから!」
「本さえ読めればいい」
「そうなの?」
「そう」
「じゃぁ、又放課後!!最低一人は連れてくるわ!!もう確保しているのよ!!あたしの○○を!!」
「・・・・・そう」
私は駆け出す。これで部屋はキープした。宇宙人をゲットした!!後2人ね!!後は未来人と超能力者!異世界人は会ったこと無いって”あいつ”も言ってた!!
あたしの黄色いカチューシャが揺れる。
お楽しみは、これからだ!!
覚悟しなさい!!!
キョン!!!!!!!!!!
・・・・・
なに?今の?
おっぴさん・・・の夢?
私の・・・夢?
114 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:42:35 ID:+v3i23Q3
私の高校時代・・・・輝いていた。
最高のメンバーだった。
最高の無口キャラ宇宙人と。
最高の萌えマスコット未来人と。
最高の超能力者転校生と。
そして。
最高の最愛の人と。
だから、あんたも!あたしに付いてきなさい!!
あたしが、最高のあんたにしてあげる!
その『鍵』は、あたしの夢の続き。
あたしの夢をあんたに託す。
行け!!
行って頂戴!
大海原へ。
そして・・・・
情報統合思念体なんかぶっ飛ばして、「有希」を取り戻せ!!!
あ・た・し・の「有希」を!!
そして・・・
彼奴と一緒にあたしは・・・・
生きたい!!!!!!!!!!!!
115 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:43:57 ID:+v3i23Q3
は!!!
なに?
夢・・・?
さっき来ていた弔問客の姿は既に無く、記帳にも名前がない。書いていたのを覚えているのに。
そしてもう一つ気付く。
私の手に『鍵』が握られていることを。
『鍵』・・・・・
『鍵』・・・・・を集めれば良いんだろう?長門。
任せろ。
得意中の得意だ。
集めてみせるさ。
何年かかっても。
俺は・・・彼奴を泣かせたからな。
もうこりごりだ。
彼奴の泣き顔はこりごりだ。
彼奴の泣き顔を一回でも見てみろよ?
そりゃぁ、罪悪感に苛まされ、地獄の方が余程楽に思えるんだぜ。
なにせ、生き神様だからな。
神に逆らって、平常心でいられる様な存在を俺は知らないね。
なにせ、俺は、その辺に転がっている一介の人間なんだからな。
だから、あの神様のご機嫌を取るために、俺は・・・・頑張れるのさ。
”惚れた弱み”なんて言うなよ、照れくさい。
兎に角『鍵』だな。
先ずは・・・・・
宇宙人と、未来人と、超能力者だな。
頑張れ・・・・俺。
は!!
何?今の。
また・・・夢????
「やぁ、こんばんわ。お休みの所申し訳ありません・・・所で、奥さん?超能力者は如何ですか?お安くしておきますよ?」
目の前に急に現れた一寸イケメンの男の子。17〜8才?に私は・・・・・
「古泉。その冗談をあの頃の彼奴の前で言って見せたら買ってやる。」
え?え?え?なに?私の口が勝手に動いた。
116 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:46:37 ID:+v3i23Q3
「やぁ、こんばんわ。お休みの所申し訳ありません・・・所で、奥さん?
超能力者は如何ですか?お安くしておきますよ?」
目の前に急に現れた一寸イケメンの男の子。17〜8才?に私は・・・・・
「古泉。その冗談をあの頃の彼奴の前で言って見せたら買ってやる。」
え?え?え?なに?私の口が勝手に動いた。
「おや。怖ろしい注文ですね。やれやれ。僕のアルバイトを増やそうって言うんですか?
ふ。まだ混乱をしているようですね。はい、奥さん。貴女が『鍵』を集めるために僕は来たのですよ。
連絡先を書いておきます。ご用命がありましたら何なりとお申し付けください。出前迅速即日出張。
『鍵』を集めるために僕は此処にいるんですから。」
「おせぇんだよ、古泉。さっき、朝比奈さんと長門が来たぞ。もう一寸で揃ったのに。」
「すみませんねぇ・・・こちらにも色々と野暮用があるんですよ。」
「今すぐ行って、二人を連れてこい。まだ、その辺にいるはずだ。」
「おやおや。では・・・・方向を言って下さい。捜します。
あのお方と最も近い存在になった貴男なら・・・」
「右よ右!!!さぁ、古泉君!ちゃっちゃととっつかまえて来なさい!!
あの二人には借りが有るんだから、たっぷり返してやらないとね!!!!!!!!!」
「I I MAM!!」
おわり。
117 :
駄文書き:2006/09/30(土) 21:48:01 ID:+v3i23Q3
*******
エロ無し・やまなし・いみなし・・・・
此処の趣旨から言えば最悪だねぇ・・・
駄文失礼しました。
何がなんだか分からない…
多分まともにかかれていれば面白いんだろうけど、
なにぶん描写不足で何が起こっているんだかまったくわからない。
いみふ
あのね
駄文駄文と言うなら最初から投下する意味が無い訳よ。自虐は見てて面白くない
↓
>>110 ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
┏━━┓ 二三┓∵. ・( 〈__ > ゛ 、_―
┃━┏┃ 二三┛ _、 (/ , ´ノ
┃ ┛┃ 二三┓ 二三┓ ;, / / /
┗┳┳┛ 二三┛ 二三┛ _=;, / / ,'
┏━┛┗━二三三┓ 二三┓ / /| |
┃┃ ┏二三二┛ 二三┛ .!、_/ / )
┃┻━┓┃ 二三┓ 二三┓ |_/
┗┳━┛┃ 二三┛ 二三┛
┃ ┃
┃ ┗━━━┓
┃ ┏━━━┓┃
┏━━┛ ┃ ┃┃
┗━━━━┛ ┗┛
┏━━━━━━┓ .' , .. ∧_∧
┏━━━┓┃ ━━━━━┻━━━━━━━┓ .∴ ' ( ) ←
>>110 ┌┃┗┓ ┣┫ ━━━━━━━━┫', ・,‘ r⌒> _/ /
┌│┃┃ ┣┫ ┃. ’ | y'⌒ ⌒i
││┗━━┯┛┃ ━━━━━┳━━━━━━━┛ | / ノ |
│└―――┘│┗━━━━━━┛――――――┘ , ー' /ヾ_ノ
└―――┘│└――――――┘――――――┘ / , ノ
└――――――┘ / / /
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!、_/ / 〉
|_/
自分で駄文言うなや、読む前からさめるんだよ。
>>118に同意する
頭をひねってみても話の意味が分からん……
うん。意味分からない
曾孫の口借りていろいろしましたってことでOK?
ようするにハルヒが死んでその子孫が鍵を集めて昔にもどろうYO!
ということかな?
駄文ですと書かれていて、それが面白ければ
「またまたご謙遜を。面白かったですよ〜」と書けるが、
本当にびっくりするくらいの駄文だった場合、
「自分で駄文と分かっているなら投下すんなよ糞が」と思ってしまう。
我々の間でも意見が分かれていて、しばらくは様子見ってとこです
「訳が分からない」にしてもいい意味と悪い意味があるよな
平和維持活動とかパン工房とかの訳の分からなさはいいものだ
まあ話のジャンルが違うから引き合いに出すのはどうかと思うが
この雰囲気嫌いじゃないけどな。でももうちょっと描写あってもよかったかも
あと彼奴って何て読むの?あやつ?
今気がついた!
>>110は最初からこのスレの混乱が目的だったんだ!
皆落ち着け!落ち着いてタイムマシンを探すんだ!
>>129 「きゃつ」だな
何故この表記を用いてるのかが分からんが
何だかんだ言って描写不足なだけなんだと思うこれは
その割に1レス目の後半辺りで必要なさそうな描写があるし
あいつ。
今、保管庫の『長門有希の嫉妬』を呼んできたんだが感動したわ
他にもオヌヌメある?
>>131 >何だかんだ言って描写不足なだけなんだと思うこれは
だからそれが一番問題なんでは?
でも、冒頭は曾孫(男)の一人称ではじまってるのに
数行後にはその曾孫の嫁の一人称になったり、
文章力にもかなり問題あると思う。
ネタはすごく面白そうなのにね。
それ以外がダメすぎ。もったいない。
>>134 そうだな
俺の言い方が悪かったみたいだ
つまりそういうことだ
まあ、一番の問題はこれが本当に21歳以上が書いた文章なのかってことだ。
おっぴさんて仙台弁で曽祖父、曾祖母のことなのね。
知らなかったわ。
ググったら一つ賢くなったのね。
>>137 何、方言だったのか
一つ賢くなったぜ地元民
仙台じゃないけど
>>117 ネタはいい素材だと思うわ。
文章の構成は、書いてるうちにうまくなってくもんなんで、
これからも頑張ってくれたら、嬉しいなあと。
読んでいてさっぱり解らないと思ったのはおれだけじゃなかったか。
描写が足りないよ。進行上伏せておきたいものもあるだろうけどさ、
これじゃあ必要な部分まで欠けてるんだもん。
ネタは良いからさ、もうちょっと解るように書いて欲しかったかな。
べ、べつにあんたのこt(ry
>>137 おっぴさんって、そういうことだったのか。仙台ね。
仙台に10年いたが知らなかった。
てか普通にみんな曾祖父はいなかったからねぇ。
原作は関西を舞台にしてるんだよな。
>>142 モデルが関西なだけで舞台ってわけじゃないんでは?
みんな標準語しゃべってるしね。作者は関西の人なのか?
おやすみ
149 :
145:2006/09/30(土) 23:06:56 ID:/pLA0Gii
>>147 ああごめん、「兵庫」のつもりで間違って言ってしまった。
谷川は兵庫在住なのでモデルにしやすいんだなぁ
ちなみにアニメ化によってキョンの家(のモデル)まで特定されてる様子
チ(ry
兵庫はルミナリエ見に行ってからいってないなぁ…
モデルになった北高は隣に私立校、大学がある。マジで坂の勾配がハイキングコースレベルだ。
切迫した状況でチャリンコで上まで上ったという作品がいくつかあるが、走ったほうが速いと思った。
南側から坂に入ったが駅からだともっと辛いと思われ。
北高出身の俺が来ましたよ
そんなID赤くされても
合宿で関西学院大に行ったことあるけど、あのへんがモデル?
よく思い出してみると、降りたのは甲東園駅だった。よく似てるけど違うんだね。
そんなんあったんだな。
しかし撮影で阪神尼崎周編を採用した経緯が知りたい。何であんなところなんだ?
なるほどなー。なるほどなるほどなるほどなっ! こういうところを舞台にしてるのね。
それにしても探索はかなりの距離歩いてるんだな。SOS団乙www
実際歩くと映画撮影した池まで30分くらいかかってしんどいよ…。
つーか、喫茶ドリーム選んだ理由が理由だからなあ。
6
そんなわけで朝比奈さん(なぜか制服姿だぜ)と俺は鶴屋さん邸に戻ったわけだが、門の前で三人が待っていた。
「やぁ、待ってましたよ」
古泉が手を上げて出迎えてきた。 こっそり出たつもりだったんだがな…
「あたしが言ったんだよっ 2人だけで会うなんて怪しいからねぇ! あとみくるっ、おかえりっ! お、何かおっきくなってないかい? いろんなところがさっ!」
先ほどのことが嘘のような笑顔で鶴屋さんが手を振っていた。
朝倉(IN喜緑さん)もニコリと笑って、
「はじめまして。 になるのかな?」
「え、喜緑さん… ですよね?」
そういや同じクラスだっけ? こりゃ少し説明しといた方がいいな。
俺は4月の夜空の中、朝比奈さんに、おそらく世界改変が起こって俺も含めSOS団関係者全員の記憶操作が行われ、
俺の頭の中にいた朝倉の力を借りて何とか記憶を取り戻し、古泉を元に戻したところまでは良かったが、生徒会もとい喜緑さんに呼び出され、
すったもんだで朝倉が喜緑さんを乗っ取って、鶴屋さんの家に泊まることになった…という例によって訳の分からない説明をし、
「えぇっと、つまり見た目は喜緑さんでも中の人は違うという事ですかぁ?」
何とか理解してくれた。 よくあんな説明で理解してたものだ。 というか中の人って…
3レスほど借ります。
うが、激しく誤爆
すまん、ごゆっくりぃ…
「あぁハルヒか?うん…うん…実は妹が風邪を引いてな、俺が看病しなくちゃならなくなったんだ。だから今日は…うん…………悪いな、この埋め合わせはいつかするからさ。じゃあまた学校でな」
土曜日。普段ならSOS団恒例市内不思議探索パトロールに行くはずなのだが、今さっき電話でハルヒに説明した通り妹の看病をしなくちゃならないことになった。
なんだって両親が出払ってる時に風邪を引くんだろうねこいつは。
「キョンく〜ん…」
はいはい、喉が乾いたのか?それともおしっこか?
「シャミは〜?」
「…今連れてくるから」
確かに風邪を引いた時は人肌が恋しくなるもんな。
シャミを妹の頭の横に置いてやる。お前にはいつも迷惑をかけるな…今日だけは一番高い猫缶食わせてやるから我慢してくれよな。
軽く背中を撫でてやるとシャミセンがニャアと鳴く。どうやら交渉成立したようだ。
「キョンくんお腹空いた〜」
「はいはい、すぐ作ってやるから少し待ってなさい」
「うん、アイスも食べたいの…」
「…………買ってきてやるから」
「えへへ」
取り急ぎダッシュでコンビニまで行き昼飯の材料とアイスと猫缶を買ってくる。
さきに妹にアイスを渡し、シャミに猫缶を渡す。さて、に料理を作るとしますかね。
…………ふむ、ところでみなさんの家の風邪を引いた時のメニューはなんであろうか?大体のご家庭はお粥と答えるだろうが我が家はちょっと違う。なにを隠そう我が家では風邪を引いたら誰がなんと言おうともカレーうどんなのだ!
べ、別にお粥の作り方がわからないわけじゃないんだからねっ!
というわけで体のことを考えての肉無しカレーの出来上がりだ。た〜と食べなさい。
「熱い…」
「出来立てだからな」
「熱い…」
「冷ませ」
「………」
わかった。わかったからそんなウルウルした目で俺を睨むな…
「食わしてやるから箸貸せよ」
ふ〜、ふ〜…あんまうまそうじゃないなぁ…
「ねぇキョンくん〜」
今度はなんだ?おしっこか?
「今日、ハルにゃん達と遊ぶ約束してたんでしょ?私はもう平気だから行っていいよ」
「変な気を使わなくてもいいぞ。それよりおしっこしたくないか?」
「本当だよ?もう治ったもん」
どれどれ………確かにさっきより熱は下がってるな。
「ね?行って」
「ダメだ。またぶり返すかもしんないだろ?」
「平気だよ。もうすぐお母さん達帰ってくるし、私寝てるから」
そうは言ってもなぁ…
「じゃあお前が寝たら行くよ」
そう言うと妹が目を瞑った。少しでも早く寝ようとしてるのかね?子供なんだから変な気を使わなくていいのに…
「もう寝たよ?」
…………………やれやれ、
「おやすみ」
「おやすみ、兄ちゃん…」
母さん達が帰ってくるまでに台所でも片付けてるかね。
〆
>>161 30分位かかるって溜息にも書いてるしな
アニメではあの池だったけど、溜息書いたときの設定では
立ち入り禁止のフェンスとかあるから
火垂るの墓で有名な池だったような気もする
妹が勝手におしっこするといかんしな。
>>168の最後に下の文章書き忘れたorz
>>171 確かキョンに鶴屋さんが恋人としてあてがわれた状態で全員記憶喪失になり、
そんな状況の中キョンの体内に残存していた朝倉の手を借りて反撃に乗り出す、って話だったと思う
なんかこのスレ読んでると混乱してくる
>>168 GJ
こういう話はわりと好きだ
>>98 を読んで飲んでいたスコッチがほとんど涙に代わってしまった俺がいる
やっと続きを待っていた作品がきたと思ったら誤爆かよ…
もうかなり前の話だ。
誰かと付き合うってのが、初めて同士だった俺と朝比奈さん。
そもそも付き合うって何すれば良いのかも良く解らなかったんだが、
街を歩くカップルを見かけて俺は、真似してみたい事を思いついた。
「えーとー朝比奈さん……腕とか、組んでみません?」
「え、ど、ヵfjjshlkじぇhsrs」
しどろもどろになって何か考え始めた朝比奈さん。
横断歩道の信号待ちで、
立ち止まって自分の腰に両手を当てた
「ああああの、ど、どっちからでも、どうぞ!」
あの時の話をすると、今でも朝比奈さんは、真っ赤になって照れる。
続かないのか?
「こ、こうですか?」と言いながら、腕組みをする朝比奈さん。
特盛っ!
>>178 自分の両腕を組んで胸をアピールですか?
どっかのお笑いコンビがやってたネタだな
>さきに妹にアイスを渡し、シャミに猫缶を渡す。
シャミって缶詰を自分で開けられるんだっけ?
人語を話すだけじゃなかったか。それも『溜息』の間だけ。
>182
なぜそこを突っ込むのか分からん。
缶を開けて渡したとしても、別に文章に不足があるとは思わないんだぜ。
猫缶=猫の缶詰=共g(ry
ハルヒが襲撃してくる続きを期待
猫は共食いするのか…ううむ…
>>163 「涼宮ハルヒの抹消」の続きじゃないですか。
投げてくれないのか… とほほ
>184
カニに蟹缶を食わすようなもんかw
>>187 …誤った知識の伝達はこの地域の有機生命体の情報伝達にとって大きな問題となる。
問題は除去する必要がある。
なので、あなたには消(ry
でも普通猫に「渡す」とは書かないな。かわいらしくて好きだけど、こういう表現。
190 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 10:39:19 ID:/0ejcVQH
マトメサイトで
長門もので心にジワジワクル奴ってありますか?
>>184 猫用の缶、略して猫缶。
もしかして俺の家だけ?
メガミのピンナップではSOS団三人娘から五人娘へと変貌しつつあるようだな。
「涼宮ハルヒの抹消」の続きをただひたすら待ち続けていたのに誤爆とは…。
なら一体ドコに貼り付けようとしていたというのか…、是非その場所を教えて欲しいぜ。
つかもう我慢できないんで宜しくお願いします。
なるほどね。宇宙人はともかく、未来人が焼けてないのはなぜだろう。
>>196 ちゃんと日焼け止め塗ってるから
エンドレスエイト読み返してみるといいと思うよ
>>195 全体的に酷い感じなんだが…
誰の落書き?
よーし
>>198が6人娘を描いてうpしてくれるんだってよ!
wktk
サカナ〜カ〜
>>200 喜緑さんか妹かそれともまだ見ぬ新たな誰かか……
まぁアニメ版の8人+1人(朝比奈さん(大))は、出して下さいお願いします涼宮サマって事だ。
6人目は妹だよ
>>193 言えない。
まさか他の小ネタSSを投下しようとして、コピペミスったなんて…
朝比奈さん萌えのSSって全然投下されないよな…(そんな自分は鶴屋派(´・ω・`)にょろーん)
驚愕の真実
いつでもいいから待ってるよ(´;ω;`)
「キョン君……もぅ〜駄目ぇ〜抜いてくだしゃい。わたしもう我慢が……」
「朝比奈さん……俺の欲しいですか?」
「キョン君の、これより大きいですぅ。もう、早くいれて」
はい朝比奈ネタ
ワッフルワッフル
210 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 17:53:46 ID:kepH/GXY
保管庫の7-695氏は「ファビョ」を誤解してないか?
日本語がどうなろうと、標準語が河内弁に(ry
VIPのSSに最近朝比奈さん萌えのがあったよ(`∀´)
エロなし、長門もの投下します。朝比奈さんじゃなくてごめんね(´・ω・`)
部室に行くと、長門が増えていた――
いや、正確にはもう一人長門がいた訳じゃなくて、長門っぽい人が長門の隣りで椅子に座って本を読んでいた。
誰だよ。お前。
「あの・・・どちら様でしょうか?」
いやに丁寧な口調になってしまったが、仕方ないだろう。
なぜなら長門似の少女は、魔法使いのコスプレをしているからだ。
近くの壁には杖――スターリングなんとかよりも立派そうな木製のやつ――まで立て掛けてある。
もしこいつが朝倉みたいなやつで、下手に刺激してカエルにでも変えられた日にはたまったもんじゃない。
殺されるよりはマシかもしれんが。
「・・・タバサ」
それだけ言うと、それで説明は十分とでもいうように読書に戻った。
仕方ないので長門に聞いてみる。
「なぁ長門よ。この人は何なんだ?お前の親戚か何かか?」
“誰”でなくて“何”と聞いたのは失礼かもしれんが、俺は人間という前提で名前を聞いた訳じゃなくて、まず人間であるかどうかが知りたいのだ。
「わたしの異世界同異体。朝に会った」
ははーん。異世界同異体ね。なるほど。
どういうものかは知らんが、目の前の光景から考えるに・・・こういうもんなんだろう。
それで納得するか、発狂してみる位しか俺に選択肢はない。
「で、何故ここに?」
「異世界で戦争が起きている。人が死んで紅世の徒に存在の力を取られると、時空に歪みが生じる。それによってこの世界に来たと推測される」
全然わからん。わかりたくもない。グゼノトモガラ?正直言ってどうでもよくなってきた。
「つまりこの人は・・・異世界人なんだな?」
「そう」
「帰る方法はあるのか?」
「ある」
「そうか。何か手伝えることがあったら言ってくれ。今日は俺たち以外来ないっていうから、俺は寝る。なんかあったら起こしてくれ」
「了解した」
面倒臭くなった俺は、寝て覚めたら夢だった的な結果を期待しつつ、そう言った。
*****
しかし異世界同位体ね。『同位体』ってことはやっぱり長門に通ずるものがあるんだよな。
組んだ手に頭をのせて眠気を待ちつつ、複製された部室の備品兼SOS団万能選手を眺める。
・・・黙々と読書を進める長門とタバサ氏。
お前ら双子か。双子だろ。
タレントかお笑い芸人になったら売れるかもな。もしかしたらトーク番組の隅で2人して本を読んでるだけでギャラが貰える『読書キャラ』とかが確立するかもしれんぞ。
たまに司会の振りに辺り触りのない事言ったりしてな。
芸人だったら『無口突っ込み』かな。振られたりボケたりされても無言でスルー、そこを突っ込むという図式はどうだ?
今は何が売れるかわからんからな。笑いがとれなくても二人の容姿ならコアなファンが付きそうだ。
などと眠れない頭で下らないことを考えていると、長門が口を開いた。
「おでまし」
いい終わるやいなや、黒板の側の壁一面がぐにゃりと歪み、でかい爬虫類の頭のようなものが現れた。何だこれ?
「次元断層」
「わたしの使い魔」
息の合った説明が出来るのは同位体のなせる業か。
呆れるね。この状況もそれに感動も興奮もしない俺も。すっかり異常な事にも慣れちまったな。
タバサ氏と長門は、椅子から立ち上がると本を閉じて
「ユニーク」
「興味深い」
とそれぞれ感想を述べて交換した。
何の本を読んでたのだろうか。
タバサ氏は杖を持って爬虫類の頭に咥えられた。
長門はとてとてと本棚に向かい、大型本を取り出して返された本と共に彼女に渡す。
「気をつけて」
長門が言うと、タバサ氏は少し微笑んで――長門じゃないから確信は持てないが――爬虫類の頭と歪みの中に消えた。
*****
「これであの人は帰れたのか?」
「そう」
「そうか」
・・・しかし疲れた。
何もしてないのに疲れることなんてあるんだな。
ハルヒ絡みの事件にはなりそうにないからよしとするが、俺の手には余る問題だったな。ほとんど理解できん。
そもそも何でナウシカの原作をあげたんだ?
「一つは漫画なら言語が分からなくても概要が理解できると判断したから」
「もう一つは?」
「彼女への激励」
なんだそりゃ。
何でナウシカ原作が激励になるのだろうか?宇宙的な力または同位体的な感覚で分かるのか?
「よく分からんが、元気づけられるならそれにこしたことはないな」
本から顔を上げた長門は、少し寂しそうな目で遠くを見て、こっくりと頷いた。
(終わり)
みくる・・・
もはや習慣性の薬物におかされてしまったかのように
いつも通りにSOS団部室に行ってみると、
朝比奈さんが体育祭かなんかでやる
創作ダンス?とかいうものの振りを練習していた
フラで手を波みたいに揺らす仕草を何回も
真剣にやってたのが、それはもう可愛らしかったので
「これはどういうダンスなんですか?」って真似してからかおうとしたら、
「キョンくんへたっぴです〜、それじゃあ呪いかけてるみたいですよぉ」
と爆笑されてしまった
それ以来、朝比奈さんはそのやり方で
時々俺に呪いをかけて来るようになった。
昼寝してたらルソーが私の腕を枕にして添い寝してくれたのね。
思わずタバコを吸うフリなどしながら
「…このヤマが済んだら…お前に俺の生まれた大阪の街を見せたる…
ウソやない、ホンマや。おまえと二人…夜の大阪を歩くんや…」
とか言ったらルソーが「くぅ〜ん?」と寝言を言ったの。
「こんなに愛しい思うたのはおまえが初めてや…
必ず…約束や…」
そんなところを突然部屋に入ってきたおかあさんに見られたのね。
ニンともカンとも_| ̄|○
>219
可愛い朝比奈さんかわいいー
>220
ワロタ
>>214 ついにやりやがった。 切り込もうとして躊躇するネタに踏み込んだ貴方に賞賛をw
223 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:47:37 ID:EgNfRztC
>>223 鶴屋さんの日焼けあとがエロイよ…
あとハルヒの歯が欠けて見えるのは俺だけか?
>>223 キョンが朝倉に「それは水着とは言わない。世間一般では布と呼ぶ」とツッコんだ。俺の脳内で。
……どうでもいいんだが、委員長キャラらしからぬ水着だよなぁ。
情報統合思念体(急進派)はどういうキャラ立てを狙っているのだ。朝倉の趣味かも知れないが。
みんなに揉みしだかれてくちゃくちゃになった
Hの文字
朝倉は本性はともかく真面目かつ気さくな委員長タイプなのに、何時からエロ要員に…
アニメ見た時は何とも思わなかったが、朝倉を消滅させたことは
商業的観点から見るとかなりの痛手だったのではなかったのだろうか?
「まさかこんなに人気が出るとは…」みたいな。
原作でもアニメでも、今後登場するとしたら消失くらいだし。復活させる
のは難しいだろうな。
朝倉がエロ要員になったのはのいぢ絵の雰囲気と「ナイフ=男根の象徴」説のせいだろうなあ。
まあひょっとしたらのいぢ自身にもその説が頭にあって、ちょっと淫靡な雰囲気纏わせたのかもしれないけど。
>>234 もし二期をやることになって
消失のところになったら
一話くらいアニメオリジナルの朝倉ストーリーを
入れてみるってのも面白いと思わない?
見た目ではなく感情移入の度合いで好きなキャラが決まる俺の場合、そんなに朝倉好きでもないなあ。
ここの創作から広まったと言われる「青鬼説」でファンが増えた側面もあるらしく、
彼女に纏わる設定も曖昧であることから想像力の豊かな人の方が朝倉スキーに転ぶ傾向強いかもね。
240 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 08:18:37 ID:eakVib3H
朝倉主観のSSは極めて少ないな
まあ、難しいんだがな
>>236 今読んでる斎藤環って人の本の話とあまりにもかぶっててワロタw
結局、この物語の中での朝倉の役割って何だったのだろう?
長門が宇宙人だという根拠、キョンと長門をくっつける要因、
SOS団の敵対勢力の一人などなど。しかし未来人のパンジー
や誘拐少女とは少し違うポジションのような気がするんだよな。
>>239 ここから広まったのか?俺には朝倉が青鬼には思えないがな。
朝倉の行動って、どちらかといえば鶴屋さんみたく享楽的な
部分があると思う。
>>233 んー? どうしたんだいキョン君。 そんな見たら減るもんじゃないしさっ! それとも恥ずかしいにょろ?」
>>242 朝倉は奔放なイメージが確かにあるなあ
笑いながら人を刺すところなんか、行動に確信がある感じ
エロ担当なのはアニメの朝倉がエロい所にも原因があるんでない?
……まさかキャラクターソングまで出るとは思わなかったぜ
>>242 俺は鶴屋さんより憂鬱初期のハルヒに似てると思うな
何も変化しない現状に飽き飽きしたので何か行動を起こすという点で
ハルヒと朝倉は共通している。
朝倉青鬼説についてはやっぱり憂鬱Wの朝倉の隠しセリフ
「キョンくんのこと好きなんでしょ? わかってる〜」
がこれほど広まった原因。
もしこれが京アニのお遊びだったとしたら責任を取って
もらわないといけないな。
朝倉は現場の独断で勝手に行動するように作られてたのか?
長門に感情らしきものが芽生えたように、朝倉も変わったんじゃないか?
個人的にTFEIはタチコマのようなイメージがあるんだが。
>>246 そうなんじゃない? 長門もかなり勝手な行動してるし
今日はうれしいことがあったわ。私とキョンがいつもみたいに一緒にお昼を食べた後、教室を出て中庭の木の下で休むことにしたの。私が座ろうとすると、キョンがハンケチを敷いてくれて。
私がそこに座ると、なんとキョンが私の膝に頭を預けて横になったの!(キャーッ///)
澄み切った秋の青空の下、風が木の葉を揺らします。さらさらという音が聞こえてきてそれがとても心地よい。
キョンが私の膝の上で寝息を立てています。つい一週間前までは想像できなかった光景。
私の側にキョンがいる。それだけで胸が熱くなるの。
「○○」と名前を小さな声で呼んでみたりします。キョンは起きません。気持ちよさそうに眠っています。ついうれしくて微笑んでしまいました。
キョンの顔を眺めていて、つい唇を見つめてしまいます。私はゆっくりとキョンの唇に自分の唇を近づけて・・・。
キョン「お弁当美味しかったよ長門」
長門「……そう。また、作るから///」
かゆ
うま
ごめん、素で投下するスレを間違えた。
>>249はなかったことにしてください。
これから色々肉付けする予定だったので。
>>245 結局アレって本当だったの?
おれ聞いたことないんだけど
>>253 どちらかというと消失長門な希ガス
現ver長門じゃここまでできないといってみるテスト
>>252 DVD2巻(「憂鬱III」「憂鬱IV」収録)に付属してるポストカードには
「長門有希と朝倉涼子が話している早口の言葉にはちゃんと意味がある。分かる人には分かるかもしれない」
と解説が書いてあるのでほぼ確定だと思われる。
この解説を付け加えたということは、単なるお遊び要素だけの意味合いではなさそう。
「監修 谷川流」がお飾りでなくガチだったり、節分の青鬼赤鬼とか、
消失終盤の言葉とか、ヒントに見えるものがあまりにも強すぎるんだよなあ…。
「脚本 谷川流」もしっかりあったしなー。
>>255 隠しセリフの動画とか音声って残ってない?
ちょっと聞きたいかも・・・・・・
これで朝倉と長門の早口が
「実は高速しりとりだった」とかだったら面白いのに
〜好きなんでしょ。解ってる〜
とは辛うじて聞こえるな。
やっぱり青鬼か?
ただこれがお遊びでないとなると、この時点で少なくとも朝倉は感情という概念を理解してることになる・・・のか?
>>263 理屈では理解してんじゃない? 体験として知っているのかは知らんが。
彼女は高校生の時からいつも一緒だった。
弁護士を目指して頑張っていた。「異議あり!!」ってのを
どうしてもやりたかったらしい。まったくあいつらしい。
俺は就職したばかりで、仕事をこなすのに精一杯だった。
お互い一人前になったら結婚しようと約束していた。
3年前の夏、「体調がすぐれない」と聞いた。
2ヶ月後、彼女はいなくなった。
それからの俺は、まったく前に進めなかった。
仕事は懸命にやったが、他にやることがないからだな。
彼女が死んだ9月末、今年も墓参りに行った。
3年間、季節ごとに行くことにしていた。
いつもの通りご両親にあいさつした時、言われた。
「キョン君、もう来なくていい」
「娘のために将来をムダにはしないで欲しい」
いい加減ふっきらなければとは思っていた。
ただ、それが正しいことなのか判断できなかった。
俺は今週末、最後の墓参りに行く。
手元にある手紙も写真も、全部ご両親に返すことにする。
当時と同じカッコいい俺になるため、15kg減量した。
前に進もうとしていることを、ご両親に伝えるためだ。
彼女に最後に何と言おうか、まだ考えている。
行きの電車までに思いつけばいいのだが。
帰りの電車で、ケータイに残った彼女のメモリーを消す。
これだけはもう決めている。
昨日、恋人が死んじゃったんです。病気で。
そしたらなんか通夜が終わって病院に置いて来た荷物とか改めて取りに行ったら
その荷物の中に俺宛に手紙が入ってたんです。
で、よく見たらなんか「あたしの人生は普通の人よりも短かった、だけどキョンと一緒に
過ごせたことで普通の人よりもずっと幸せな日々を送れた」、とか書いてあるんです。 もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前な、そんなこといまさら言ってんじゃねーよ、ボケが。死んだ後だよ、もうお前いねぇんだよ。
なんか最後の方はろくに起き上がれもしなかったくせに。弱々しい字で必死で書いてたのか。おめでてーな。
よーしキョンのことずっと見守ってるぞー、とか書いてるの。もう見てらんない。
お前な、俺だってまだ言いたいこと沢山あったんだから生き返ってこいと。
愛の言葉ってのはな、もっと生きてるうちに伝えるべきなんだよ。
初めて出会った頃みたいにドギマギして恥ずかしさの余りいつ心臓が破裂してもおかしくない、
言おうか言わざるべきか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。今になってこんな事言い出すやつは、すっこんでろ。
で、やっと涙堪えながら読み終わったと思ったら、最後の方に、「あたしの事は忘れて他の人と幸せになって欲しい」、
とか書いてあるんです。 そこでまたぶち切れですよ。
あのな、俺はお前がホントに死んだなんて信じらんねーんだよ。ボケが。 得意げな顔して何が、見守ってる、だ。
お前は本当にこの世にいないのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、これは全部タチの悪い夢でホントは閉鎖空間かどっかで生きてるんちゃうんかと。
独り残された俺から言わせてもらえば今、お前に対してできる供養はやっぱり、 お前の事を忘れないこと、これだね。
たとえジジイになってボケたとしても。これが俺の生き方。
お前との思い出ってのは俺には辛すぎる。そん代わり忘れない。これ。 で、それにお前の事をずっと想い続ける。これ最強。
しかしこれを貫くと次から恋人が2度と出来ないかもしれないという危険も伴う、諸刃の剣。 軟弱者にはお薦め出来ない。
まあお前みたいな寂しがりやは、俺がいつかそっちに行くまで待ってなさいってこった。
吉野家コピペに初めて感動した。
この朝倉談義もそろそろスレ違いではないかと思う今現在。
ちなみに俺は青鬼説には否定的。あるとしたら後付だと思っている。
>>262 いやがらせかも知れん。皮肉とか。
>>266 コピペ?
やべ
コピペで泣きそうw
朝倉と言うキャラには、とても親近感を感じるのだよ。
i ::: ,.-'"" ヽ, i ,'",v,..-_ ヽ ,.. i
i'"`.::::: i , i =, `- ' i =- ?"ヽ
ヽ::::::::::. i ソl ヽ,_ ,.-" i
ヽ::::::::::::.."::::":::::i ヽ i
ヽ ::::::::::::::::::::::::...ヽ -,. ,/."
` i ::::::::::::::::::: i
i :::::::::::::::::::: ,. -=−- y
ヽ ::::::::::::::::: ..:::: /,
ヽ :::::::::::::. ... ..::/ i,
i" ::::::::::::....:::::.....:: ,..- '" ,.'"ヘ
i :::::::::::::::::::::: _,.. -='" ヘ
i :::::::::: ヽ,::: _,.-=" ヘ=-.,,__
_,..-='",;;;; .,_ i^" ,.-, _,.",;;;;;;;;;;,,ヽ
267見て、他のそれ系のコピペをキョン×ハルヒに脳内変換して読んだら
少し新鮮だった
数ヶ月ぶりに投下します
今大丈夫かな。10スレほど借りますが
ハルヒ×キョン(長門付き)エロ
「スレ」じゃない「レス」だ久しぶりだとコレダから
1/10
「困惑の蒼い球体」
いつものごとく俺は部室のドアを開けた。
そこにはこれまた、いつもの見慣れた長門の姿が──
なかった。
ハードカバーを手に持ち、視線をそれに落としているのはいつもと同じ。
パイプ椅子に座っているのも同じ。
しかし服装が違った。いつもの見慣れたセーラー服ではない。
白の体操服に……青のブルマ。標準の体操着姿である。
「あー、長門」
俺の呼びかけに、つい、と長門が視線をあげる。ぱたりと本が閉じられた。
「その格好は何だ?何かあったのか?」
ハルヒが体操服で来たことは何度かある。めんどくさいとか、暑いとかそんな理由だったはずだ。
しかし長門がそんな理由でこんな格好をしているわけがない。
ハルヒや朝比奈さんならなにも気にすることはない。
が、長門である。
ベルレーヌの詞を繰り返すラジオ放送を聞いたドイツ兵の心境だ。こいつの変化は何かの予兆のように感じる。
長門は俺の言葉にわずかにうなずく。
「あなたに話がある」
……悪い予感は的中したようだ。
「古泉一樹から伝言」
え?
「『大規模な閉鎖空間が発生しました。今日はその処理のためそちらには行けません』とのこと」
おい。
「わたしがこの格好をしているのは閉鎖空間の発生原因に関係がある」
発生原因というと……考えるまでもないな、ハルヒか。
「そう。発端は半月ほど前」
長門はそう前置きすると淡々と話し出した。
その日部室には長門とハルヒの二人だけだった。
俺は母親に用事を頼まれ部室には来ていない。古泉と朝比奈さんも同様に欠席。
「ねえ有希」
退屈そうにパソコンを操作していたハルヒが長門に呼びかける。
「なに」
視線を本から上げずに長門は答える。
「あなた、好きな人はいないの?」
退屈からの質問だったのだろう。ハルヒは長門にそう聞いた。
「好き、と言う概念がわたしには良く分からない。でも」
2/10
長門が本から視線を上げる。
「なになに、誰か気になる人でも?」
ハルヒが楽しそうに聞く。
長門はうなずく。
「それが恋愛感情かは分からない。けれど気になる人はいる」
「へえ」
ハルヒは少し驚いた風に長門を見返す。
「あなたにもそんな人がいるのね」
「あなたにはいない?」
ハルヒは長門からの問いかけに、不意を突かれたような表情で黙り込む。
「……気になる奴はいるわね」
「──そう」
長門は黙って視線を本に戻す。沈黙が空間を支配し、しばらく時が過ぎる。
「ねえ、有希」
「なに」
「あなたセックスに興味はないの?」
長門が視線をあげる。
ハルヒは頬を赤らめ、怒った様な表情で長門を睨む。
「ないことはない。でも興味に対する優先順位は低い」
「好きな人とセックスしたいと思わない?」
「肉体的な接触はあまり重要視していない」
「へえ、好きな人と抱き合いたいとか思わないの?」
「……その人がいてくれればそれでいい」
「そう」
ハルヒは立ち上がり長門の側に立つ。
「ねえ、あなたは女の子は嫌い?」
ハルヒは押し殺したような笑顔で長門を見つめる。
「あなた可愛いわ。女の子同士でも気持ちよくなれるのよ?」
ハルヒは長門の肩を掴み顔を寄せる。
「いや?」
「……あなたが望むならわたしはそれを受け入れる」
「え?」
ハルヒは面食らったように声を上げた。長門が音もなく立ち上がる。
思わずハルヒは後ずさる。
いたずらのつもりだったのだろう。
ハルヒは長門がどんな反応をするか興味本位で迫ってみたのだ。
しかし長門はそれを受け入れると答えてしまった。
ハルヒの心の中で何かが外れた。
3/10
「……本当に?」
こくりと長門がうなずく。その表情に戸惑いやからかいといったハルヒが予想したものはまったく見えない。
「……そう」
ハルヒはゆっくりと長門の背に手を回し抱きしめる。顔が近づき唇が重なった。
「ん」
ハルヒの舌に長門の舌が絡む。ハルヒが予想した以上に長門は愛撫に積極的に答えた。
その快感に抗うかのようにハルヒは長門の制服の下に指を這わす。
ブラの下からささやかな長門の胸をもてあそぶ。
長門がハルヒの中心に指を這わせた。
「はっ……」
ハルヒは声を上げ、唇が外れた。長門は正確に繊細にハルヒを刺激する。
目を開けたハルヒの目に映る長門の顔。いつもと変わらぬ無表情。
しかし、その頬に赤みが差している。
長門もまた肉体の刺激に興奮していた。静かに。
ハルヒは自分がされているのと同じように長門の中心を下着の上からなぞる。
「ん……」
長門が控えめな声をもらす。肉体の快感に感情が負ける。
二人はその敏感な中心を同時に探り合う。
部室の窓際で。
立ったまま。
グラウンドから運動部のかけ声が響く。
ブラスバンドの音が遠い。
上から押しつけるように二人は互いのクリトリスを刺激しあう。
下着の中には指を入れない。恐れているかのように。
自分の高まりに伴ってハルヒの指が早くなる。
二人の下着はもう既に滴るほどに潤んでいる。指が動くと同時に響く、粘つく水音。
「ああっ、有希……」
「あなたも」
二人は同時に達した。
ハルヒは長門のスカートの中から手を抜く。指先に絡んだ透明な液体。
同じものが長門の指の間で糸を引く。
ハルヒは長門の体を引き寄せ、唇を合わせる。深く。
4/10
「わたしの体は」
長門が続ける。
「人としての機能の大半を制御されている。しかし、今回涼宮ハルヒから当該行為の要求があった事により、性的な刺激に対する制御は解除された」
どういう事だ?
「現在のわたしは性的な刺激に対しては一般人と変わらない」
それは……
「クリトリスを中心とする外性器や乳首、いわゆる性感帯に対する刺激……」
「あーわかったわかった、それ以上言わんでいい」
変な気分になっちまうじゃねえか。いや、もうなってるが。
あんな告白を長門の口から聞かされたんじゃな。長門には今の俺の状態はバレバレなんだろうなあ。とほほ。
「で、何で閉鎖空間が発生したんだ?ハルヒの欲求不満が解消されれば問題ないんじゃないのか?」
「彼女はわたしとの性行為を望んではいない」
じゃ、何でおまえに……。
「彼女が本当に性行為の対象として望んでいるのは」
長門の目がいつもより冷ややかに見えるのは気のせいだろうか。
「あなた」
「推測するに、涼宮ハルヒはわたしとの行為に対して後ろめたさを持っている。わたしに行為を強制したことと、あなたの代償としてわたしを抱いた行為に対して」
俺のせいか。
「彼女はそれを自覚していない。わたしとの行為に快感を覚えてはいるが、それを行っている自分に対する嫌悪がある」
………
「そのため彼女の行為はエスカレートしつつある」
え?
「先日、彼女はわたしの性器の中に指を差し込んできた」
をい。
「最初は下着の外部からの圧迫、摩擦といった刺激を与え合うのが中心だったが、先日からは下着の中に手を差し込み、性器を直接指で刺激する様になってきている」
ちょっと待て。
「今度は何か器具を使うと言っていた」
「まてまて」
長門は言葉を止め、俺を見返す。相変わらずの黒い瞳。
「俺はどうすればいいんだよ」
長門の口から淡々と語られる事実は、溜まった高校生には刺激が強すぎる。
ハルヒと長門、美少女キャラ二人のレズプレイだぞ?
いったい俺は何をすればいいのか。
5/10
「とりあえず」
長門は俺の手を引きロッカーの戸を開けた。
「ここに」
まさか……
「入って」
有無を言わさぬ長門の口調に、俺は鞄を抱えて狭いロッカーの中に入る。
朝比奈さんと一緒に入って以来だなあ。一人だからあの時よりはマシだが。
ぱたんと扉が閉じられた。
長門が椅子に戻る気配がする。何が起こるんだ?
……何となく分かるような気はするがな。
ロッカーのスリットから床が見えている。
射し込む日差しがはっきりと矩形の光を床に浮かび上がらせていた。
扉の開く音がした。音を立てないように入り口に目をやる。
ハルヒだった。
白い体操服と青いブルマは長門と同じ。
何か思い詰めたようなに表情でハルヒは室内を見回すと口を開いた。
「有希だけ?他の人は?」
「古泉一樹はアルバイトで休むと伝言があった」
「ふうん、みくるちゃんも休むって言ってたわね。キョンは?」
長門が首を振る。
「そっか、今日は二人だけね」
長門がうなずく。
ハルヒは後ろ手に扉を閉めると鍵をかけた。金属音が室内に響く。
長門が無言で立ち上がり、丸めてあったゴザを広げる。宝探しの時に使ったやつだ。
ハルヒも団長席の机をずらしてスペースを作る。長門がそこにゴザを敷いた。
おい、この状態だと俺のいるロッカーの真正面に二人が……。
ハルヒは自分の鞄の中から何かを取り出す。丸い球体から伸びる細い電線と電池ボックス。
ローターだ。器具とはこれか。
「有希、脱いで」
ブルマで横座りしたハルヒがゴザの上で長門を誘う。
長門がロッカーに背を向けたままブルマを下げる。白い尻が日に照らされまぶしい。
「早く」
まだ全部脱ぎ終わらないうちにハルヒが長門の手を引いた。すとんと倒れるように長門はハルヒの横に並ぶ。
ハルヒが長門の顔を引き寄せる。ゆっくりと二人の顔が重なった。舌の絡み合う音。
キスを続けたまま長門がハルヒのブルマに手を這わせる。
「……ん」
6/10
長門の指がハルヒの中心をブルマの上から刺激する。
ハルヒは自分でブルマをずり降ろす。
長門はハルヒの片足を自分の足で押さえ込み、大きく開かせた。まる見えになったハルヒの中心に長門の指がうねるように滑り込む。
「ああっ!」
たまらずハルヒが声を上げる。
長門の指は的確にハルヒのクリトリスを刺激。
二人の舌の絡み合う音と指の動きが立てる粘つく水音。
しんとした室内にそれだけが響く。
運動部のランニングの掛け声が窓から流れ込んでくる。
風がカーテンを揺らす。
「ね、これ使って……」
ハルヒがローターを長門に手渡す。
長門はハルヒの下半身に横から覆い被さった。大きく足を開かせてハルヒのクリトリスにローターをあてがう。
「ん……」
次なる刺激を期待してかハルヒは目を閉じ口を結ぶ。
長門はコードを口に咥えスイッチに指をかけ、ロッカーに向かって視線を上げた。目が合う。
……長門、おまえわざとこっちに見えるようにやってないか?
スイッチ・オン。
「ひっ!」
ハルヒが悲鳴を上げ、のけぞる。くぐもった振動音に粘つく水音が混じる。
ハルヒの薄い茂みに長門はローターを潜り込ませ、引き上げるように往復しクリトリスをこすり上げた。
「あ、あ、だめ強すぎるわ……」
流れ出る透明な液体がゴザに滴る。
ハルヒは刺激から逃れようとするかの様に足を閉じようとするが、長門は腿に手をかけてそれを許さない。
ローターをハルヒの中に沈め、クリトリスを唇で挟み舌を使う。
「……んんっ!」
強い刺激にハルヒは声も出せず、ゴザの上で体を捻る。
長門の指、舌、さらにはローターの刺激にハルヒは高ぶってゆく。
「……駄目……」
長門が包皮を剥いたハルヒの敏感なそこにそっと歯をあて引き上げるようにこすった。同時に舌でその先端を刺激。
「……!」
ハルヒは声も出せず体を大きくのけ反らせる。透明な液体がゴザの上にぱたぱたと落ちた。
……あれはいわゆる潮吹きなのだろうか。
ハルヒの中からローターが流れ出る。長門がローターのスイッチを切り、室内に静けさが戻った。
ハルヒの荒い息が響く。
「有希……」
長門はハルヒの声に体を起こす。ハルヒはそのまま長門を引き寄せ、唇を合わせる。
二人の体が重なる。静かに。
7/10
二人はしばらくそうしていたが、長門が音も無く立ち上がり服装を直す。
「……どうしたの、有希?」
まだ余韻に酔っているかの様なハルヒの声。ブルマも下着も足に引っかけたままだ。
「あなたは」
長門がハルヒを見下ろして語りかける。
「わたしとの行為を本当に望んでいる?」
「え?」
唐突な長門の問いに戸惑うハルヒ。
「わたしがあなたの要求に応えるのはたやすい。わたし自身もこの行為に対し、肉体的快感を覚えている」
長門おまえ何を?
「でも、あなたは本当に私との行為を望んでいる?」
「………」
「わたしが見るところ、あなたに同性愛的な傾向は少ない。あなたは私に好意を持ってくれていると思う」
ハルヒは無言で長門を見つめている。
「わたしもあなたに好意を持っている。でも性的な接触に対する欲求は少ない」
長門の声はあくまで静かだ。
「あなたは女性よりも男性との行為を望んでいない?」
「でも」
ハルヒが長門の質問に声を上げる。
「でも、誰とそういうことをすればいいというの?そんな人は」
「本当にいない?好意を抱いた男性は?」
ハルヒの声を長門が遮る。
「わたしがあなたを観察して得た答えは」
長門が後ろに下がる。
無造作にロッカーの扉を開ける。
「うわっ!」
限界までロッカーの細いのぞき窓に顔を近づけていた俺は、体勢を直すまでもなく外へと転がり出る。
「痛てえ……」
前のめりに倒れる俺。うつぶせの体勢から上半身を起こすとゴザの端が目に入った。
そのまま視線を上げた俺の目の前にあったものは。
「………」
ハルヒの両足。
下着ごと足首まで下げられたブルマ。
白い太腿、その付け根のしずくに濡れた薄い茂み。
驚愕に口をわずかに開いたハルヒの顔。
「よ、よお」
馬鹿な挨拶をする俺。
「後はあなたと彼の問題」
8/10
淡々とした長門の声。ハルヒは顔色を蒼白にして何かを言おうとするが声が出ない。
「涼宮ハルヒ」
長門がハルヒを呼ぶ。ぎこちなく長門に視線を向けるハルヒ。
「逃げては駄目」
長門にしては強い口調のように思えたのは気のせいだろうか?
長門はブルマ姿のまま鞄を持つと、部室を出て行った。
扉が閉まる。鍵のかかる音。
「……見てたのよ?」
「え?」
「いつから見てたのよ!」
涙目で俺を睨むハルヒ。
「……最初から」
「死にたいわ……」
おい。
「アンタなんかに見られるなんて!」
そういわれてもな。
「……なぜ長門と?」
「………」
ハルヒは視線を落としたままだ。
「他に相手を見つけろよ」
俺が話の接ぎ穂に困って適当な言葉を口にしたとき、いきなりネクタイが引っ張られた。
「何をしやが……!」
引き上げられた目の前にハルヒの顔。
涙のにじんだ悔しそうな顔。
「そんなに言うならアンタが相手しなさいよっ!」
紅潮し、泣き出しそうな表情でハルヒは叫ぶ。
「あたしだってね、何で有希とこんな事になったのかわかんないわよ!やめようと何度も考えたわ!」
俺のネクタイを引きつけたまま、ハルヒは横に視線を落とす。
「でも、やめられないんだもの……有希はいいって言ってくれたわ、でも」
手が震えている。
「有希は本気じゃないわ。あたしに付き合ってくれただけ。わかっているのよ、あたしだってそうだわ……だから」
ふっ、と力が抜けた。代わりにネクタイが緩められ、シャツのボタンが外される。
「責任取りなさいよ……」
声が小さくなる。
「俺でいいのか?」
いちおう聞いてみる。
9/10
ハルヒは俺と視線を合わせようとはしなかった。
「………」
返答はない。ワイシャツを脱がせる手が止まらないのを肯定の意志と俺は受け取る事にする。
自分で下着を脱ぎ、ハルヒに手を伸ばす。
体操服をずり上げるとノーブラのハルヒの胸。
俺はその先端に舌を這わせる。
「んっ……」
微かに堪えるようなハルヒの声。
股間に手のひらを当てる。長門との行為で潤ったそこはまだ熱かった。
中指を沈める。
敏感な突起。その下に指が沈む。
ハルヒが俺の背に腕を回し、引きつける。荒い息が耳朶を打つ。
必死に声を出すまいと耐えているようだ。
俺はハルヒの乳首を吸いながら指で中心をまさぐる。
体をひねるハルヒ。顔を上げると唇を強く結んで、耐える表情。
いつもの強気なハルヒの表情とは違うそれは新鮮で……かわいかった。
しかしその俺の感慨はあっという間に破られた。
「やっぱりこれじゃ駄目よ!」
突然ハルヒが体を起こす。お前は何を言っている?
「あんたが下になりなさい!」
は?
「ほら、早く!」
ハルヒは俺を仰向けにさせると、上に跨った。足ににブルマが引っかかったままだ。
俺の股間のものをぐい、と乱暴に握る。
「おい、ちょっと待て、痛いって!」
「我慢しなさいよ。何よこれ……思ったより大きいわね」
ハルヒが膝を付いて俺の先端で自分の中心を探る。
ぬるぬるとした感触が俺の敏感な部分を刺激。……これは気持ちいいかも。
ハルヒは先端で自分のクリトリスを刺激する。
「んんっ……」
ころころとした滑らかな感触が俺を刺激する。ヤバイ、気持ちいい。
ハルヒは目を閉じたまま、一心に俺で自分を刺激している。
俺は手を伸ばして体操服の下に手を入れ、ハルヒの両胸を持ち上げた。
ふわふわとした感触の先端に硬く盛り上がった乳首。俺はそれを指でつまみ、こする。
「あっ」
ハルヒはあごを引きその刺激に微かに声を出した。ハルヒの手の動きが速くなって……止まった。
「……挿れるわよ」
目を開いてハルヒは俺を見つめ、宣言するように言った。
10/10 a
視線を下に向けて慎重に位置を探る。熱い感触が先端を包んだ。
「あっ!」
一気にハルヒは腰を落とす。
全体が熱いものに包まれた。想像以上にハルヒの中は熱い。
肩で息をつくハルヒ。
「おい、大丈夫か?」
「平気よ、このくらい」
うつむいていたハルヒが顔を上げ、髪を掻き上げた。だがその額に薄くにじむ汗と紅潮した顔はその言葉を否定している。
「動くわよ」
きつい締め付けがずるりと動く。
「う……」
思わず声が出た。引きつれるような感触がたまらない。あんまり持たないな、こりゃ。
ハルヒは俺の胸に手をつき、腰だけを動かす。
表情は快感と言うよりは何かに耐えているようにしか見えない表情。
俺は股間に手を伸ばし、結合部をまさぐる。ハルヒのクリトリスを刺激。
「ああああっ!」
とたんにハルヒはのけ反って声を出す。
俺はそのまま、下からハルヒの尻を持ち上げて、腰を突き上げる。
「あ、や、ちょっと、だめぇ……」
消え入りそうなハルヒの声に俺は我慢の限界をあっという間に突破した。
「ハルヒ、出すぞ」
抜こうとした俺の腰にハルヒは体を押しつけた。
「駄目、中で出して」
俺の顔を両手で掴み、不敵な笑顔でハルヒはそう宣言する。
「おい、ちょっと待て」
あわてる俺。おい、中で出しちまうぞ。
最後の瞬間ハルヒは自ら腰を落として深く突き刺した。
「あっ……」
「うっ……」
俺達は同時に達した。俺から放出された物が、ハルヒの中にじわりと暖かかく拡がる。
ハルヒは背を反らせ、口を結んで腰を強く押しつける。
堪えていた俺の放出は止まらない。幾度も幾度もびくびくと痙攣するかの様に放出する。
ハルヒは体を離そうとはせず、むしろ強く押しつけてくる。俺は快楽の放出を続け、ハルヒの中もまたそれを貪るかのように俺を締め上げた。
俺は荒い息をついているハルヒを引き寄せ、唇を合わせた。
お互いの舌を絡ませる。
いつまでも。
10/10 b
ハルヒの「先に帰って」の言葉に押され俺は先に部室を出た。
やはりハルヒでも気まずかったんだろうか。
俺もいまいちどんな態度で接したもんだか、少し困っている。
夕日の射し込む玄関で俺は靴を履き替えると、周囲に視線を投げる。
「長門、いるのか?」
何となくそんな気がして俺はつぶやく。
下駄箱の陰から小柄な人影が音もなく現れた。さっきと同じ青いブルマ姿のままだ。
「これでよかったのか?」
長門は小さくうなずく。
「閉鎖空間の拡大は収まった」
だがな、これからどうしたものか。
「それはあなたと涼宮ハルヒの問題」
いや、そうなんだけど。
俺はふと、浮かんだ疑問を口にする。
「なあ、長門」
「なに」
「お前はこれでいいのか?」
卑怯な質問だったかも知れない。
俺はハルヒも長門も好きだ。だが恋愛感情としてみたとき、どちらを選ぶのか。
それを回答しないまま長門にのみ答えを問う。
「わたしは性的接触はあまり重要視していない」
まあ、そんな気はしていたが。
長門は音もなく俺の目の前に立つ。背に夕日を浴びて長門の顔に影がかかる。
「でも」
小さな人影が俺を見上げる。
「行為を望むならその対象は」
俺は長門の小さな姿に気圧される。
「あなた」
長門はくるりと俺に背を向けると玄関を出てゆく。
青いブルマ姿がオレンジ入れに照らされている。
俺は丸い長門の尻を見ながらただ困惑していた。
終わりです
もう数ヶ月ぶりの投下だから勝手が……
とりあえずエロい物から投下してみました
次は非エロ長門ものかなあ
乙カレー 甘口
>5-409
おお、久しぶりの投稿乙です
エロも含め投下自体が過疎ってる状況にありがたや
>>276 久しぶりにエロスキターーー!
GJでした!!
次はいつになるかなあ
どうもここんとこ私生活共々スランプで
一応描いてるのは長門ものと
構想はあるけどまだ書いてない「学校」もの
今はどんなものが望まれているのですかねえ
ハルヒ読み返しつつDVDでも見てリハビリだ
……新刊マダー?
久しぶりのエロに多少困惑しております
エロイよっ!
私生活頑張ってください
個人的には学校ネタ期待してます
>>249の一応完成品なんだけど2レスばかり借ります。
>>249の一応完成品なんだけど2レスばかり借ります。
いつもの昼休み。私は今部室にいる。なんとなしに中庭を覗くとチラホラとカップルの姿が伺えた。
どうせ夏休みの間に勢いで付き合っちゃっただけのバカ共だ、すぐに別れる決まってるわ!
そんなことよりブログよブログ!せっかく有希に作って貰ったんだから有効活用しないとね。
『今日はうれしいことがありました。私とキョン(仮名)は一緒にお昼を食べた後、教室を出て中庭の木の下で休むことにしました。私が座ろうとすると、キョンがハンケチを敷いてくれました。』
なんかいまいちね……てゆーかリアリティに欠けるわ。ここは一つキョンに協力させて中庭のカップルみたいに……あれ?
なんで中庭にキョンと有希がいるのかしら?てゆーかあんたたちくっつき過ぎよ!それじゃまるで恋人同士みたいじゃない!
ちょっと……やめてよ…なんでよ有希?私の気持ち知ってるくせに……キョンだってポニーテール似合っるぞってキスしてくれたじゃない…やめて……やめてよ…
な〜んてね。雰囲気は似てるけど全然違う人だわ。うん、全然違う人…そんなことよりブログ更新しよっと。
『私がそこに座ると、キョンが私の膝に頭を預けて横になりました。
澄み切った秋の青空の下、風が木の葉を揺らします。さらさらという音が聞こえてきます。
キョンが私の膝の上で寝息を立てています。つい一週間前までは想像できなかった光景です。
私の側にキョンがいる。それだけで胸が熱くなります。
「○○」と名前を小さな声で呼んでみたりします。キョンは起きません。気持ちよさそうに眠っています。ついうれしくて微笑んでしまいました。
キョンの顔を眺めていて、つい唇を見つめてしまいます。私はゆっくりとキョンの唇に自分の唇を近づけて…』
あらやだどうしたのかしら?急にパソコンが本棚に向かって飛んでっちゃったわ……それにしてもあの二人いい雰囲気ね、何を話してるのかしら、ここからじゃ良く聞こえないわ。
「……………唐揚げの味がする」
「ご飯食べたばかりだからな………おかわり、するか?」
「………うん」
ふ〜、なんだか野球したくなっちゃった…選手交代しなくちゃね…
私は備品のバットを持つと中庭に向かった。
〆
何がしたいのかは一応わかるが。
『完成』といえるレベルではな(ry
『』内の“私”を“有希”にすると幸せになります。
以上、スレ汚しすいませんでした。
>>301 俺も何か足りないのはわかるけど何が足りないかわからn (ry
>>303唐突すぎて、味気ない。
起承転結の「起」だけ「結」だけだから物足りないんじゃね?
はやる気持ちはわかるけどもうちょっと肉付けしたほうが良い。
何でハルヒはブログをつくろうとしたの?
何でキョンと長門がくっついているのか?
ハルヒはどんな気持ちでブログを更新しているのか?
ハルヒがキレた後の一騒動。
etc……書こうと思えばいくらでも書けるんじゃね?
>>305 ああ、そうか……なんとかSSに見えるようにしようとして起承転結を忘れてたわ。
SSというのは
Short Story
Side Story
どっち?
どっちでも
エロパロ的に訳すと Sex story
Saint Saiya
正直すまんかった
Short Shortじゃない?
Sumire September
>312
Love は、どこへ行ったんだ
Sugoku Suki
Sex Sasete
Sugoku, o-ki-de Su.
一般構造圧延鋼 Structural Steel
マジレスすると、ショートストーリーないしショートショート(人によって違うが意味は同じ
SSSなんかもある(ブルバじゃなう
そして長編SSだと意味が矛盾してる件
319 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 08:43:52 ID:7LdHmjAY
ナチスドイツ
supattu sukisuki
Sakanaka San
長編FAなら問題ないんだけどな。
以下、何も無かったかのように小ネタが投稿
>>318 サイドストーリーという意味もあるから長編でも問題ないんだよ。
な〜がと〜な〜がと〜 たーっぷり〜な〜がと〜
な〜がと〜 ながと〜ちゃーみーな〜がと〜がやーってく〜る〜
な〜がと〜な〜がと〜 たーっぷり〜な〜がと〜
な〜がと〜 ながと〜ぷにぷにな〜がと〜がやーってく〜る〜
ちょっと怖かった
このスレ的には
sugoku suzumiya
では
S(anigawa Series work) の S(ippori H naSide Story)
キョンが消失世界からの脱出に失敗したSSがあったと思うんだけど
誰かタイトル教えて
>>329 スマン、その手のSSは複数あった希ガス
もうすこしkwsk
アナザー長門がPCのコンセント抜くやつだったらあったな
教えてやんないけど
d
「コンセント」←このヒントで
電源とかケーブルで検索かけたら出てきた!
333 :
8-17:2006/10/03(火) 19:41:58 ID:SV5wiQtr
8レスほど借ります。直接的なエロはなし。
1/
その日、いつも通り部室にやってきた俺は、一冊のノートを発見した。
今日は、珍しくハルヒと古泉が来られないことを知っていたので、
俺としては、朝比奈さんの淹れてくれたお茶でも飲んで、さっさと帰るつもりだった。
しかし、そこには朝比奈さんの御姿はなく、
あろうことか、備品がごとく常にここにいる長門の姿すら見えなかった。
どうしたもんかと机に鞄を置いたとき目に付いたのが、
机の脇に落ちていたそのノートだったのだ。
かわいらしい装丁の手帳サイズのノートで、表紙には「diary」と書いてある。
誰の日記だ? 悪いと思ったが、適当にページを開いてみた。
『今日は、今まで付き合ってきた子たちについて。
どうせ私しか読まないんだし、いいよね?』
こ、これは・・・間違いなく、朝比奈さんの字だ。
付き合ってきた子たちって、まさか・・・。
俺は、彼女に申し訳ないと思いつつ、読み進めることにした。
2/
『一人目の彼と出会ったのは、高校に入る直前のこと。
涼宮さんの監視のため、この時間平面にやってきた私にとって、
見るものすべてがいろいろと珍しくて、毎日街をぶらぶらしていました。
与えられていた知識とのギャップに、新鮮な驚きを感じていた時期。
そんな時に出会ったのが彼です。
お店の前で、目があったのがきっかけでした。
私は、いままで彼のようなタイプとお付き合いしたことはなかったけど、
この時代の女子高生としてならいいかも、と思って・・・。
う〜ん、長くなるから省略しま〜す。てへっ♪
でもやっぱり、彼のことをちょっとだけ書いちゃおう。
彼は、とってもかわいい感じで、そこが大好きでした。
私の中にすっぽりと納まるサイズで、なんだか相性もぴったり。
ちょっと不器用だったけど、ずっとこのままでいいかもって思ってた。
でもね、・・・二人目の彼と出会ってしまったの。
彼を紹介してくれたのは、お友達の鶴屋さん。
一人目の彼とは違って、わりとカッコイイ系かな〜。
私の好みとは、ちょっと違かったけど、鶴屋さんが薦めてくれたし・・・。
ちょっとかわいそうだったけど、一人目の彼とはバイバイしました。
二人目の彼は、いろいろできるスゴイ子。
朝は、ちゃんと私を起こしてくれるし、
用事があるときは、控えめに身体をさすって教えてくれる。
夜はいっぱいお話しました。
その分、少し大きくて、私にはきつかったかも。
しっかり納まるサイズだったらもっと良かったかな〜。
でもね、彼との生活も数ヶ月で終わっちゃった。
あれは、お風呂でお話してる時のこと。
・・・私がいけなかったんだよね。
あんなこと、しなければよかった。
3/
そういうわけで三人目、いまの彼です。
二人目の彼との関係が修復不可能だとわかって、
落ち込んでいた私の目に飛び込んできたのが、彼でした。
ちょうどSOS団に入ったころかな。
彼はとてもファッショナブル。
いろいろな装いで、私を楽しませてくれます。
私も涼宮さんに色々な格好をさせられたせいか、少し慣れちゃって、
彼には、恥ずかしい格好の写真をたくさん撮られちゃったけど・・・。
あんなのキョンくんには見せられない。
そんなわけで、彼とももうすぐ一周年。
でも、何だか最近、上手くいかない。
なんだかキレやすくなってる気がするし・・・。
そろそろ、この子も・・・。
次はどんな子がいいだろ?
今度は、キョンくんにでも聞いてみようかな〜』
何だこれは・・・。
朝比奈さんが、よもや三人もの男と付き合っていようとは。
あのお方の愛らしい容姿を考えれば全くおかしなことではないのだが、
俺は、あの公園での言葉をすっかり信じていた。
まさか現在進行形で付き合っている男までいたとは!
っていうか、サイズがぴったりとか、一緒にお風呂とか、
恥ずかしい写真とか、なんなんだコイツラ。
なんて羨ましいことを・・・。
俺の妄想シチュエーション・パターンM−69そのものじゃないか!
想像で反応してしまった自分が悲しいぜ。
しかし、更に気になるのは、最後の一節だな。
次の彼氏について俺に相談するってのは、どういうことだ?
まさか俺を・・・。
4/
その時、部室のドアからノックの音が響いた。
俺は、慌ててノートを閉じて、鞄の中に隠す。
「すみませ〜ん。遅れてしまいました」
朝比奈さんだ。危なかったぜ、コンチクショー。
「あれ、キョンくんだけですか〜。
?? どうしたんですか? 私、どこか変?」
おっと、思わず顔にでていたようだ。誤魔化さなくては。
「なんでもありませんよ。いつも通り、見目麗しいお顔ですよ。
えっと、ハルヒと古泉は来れないみたいです。長門は俺もわかりません」
「そうですか? 何か私に隠してません?」
いえいえ、そんなことは全く、絶対、ちっともありません。
「う〜ん、あっ!」
朝比奈さんは、何か思い当たることがあったのか俺の座るイスの周りを見回した。
「キョンくん・・・私の日記、見たでしょ?」
やばいやばい。どうする、俺。
えーとライフカードはどこかな? 続きはネットで!!
「見たんですね・・・。ひどいっ」
俯き加減でこっちを見る朝比奈さん。あーあー、マジでどうすりゃいいんだ。
早速もって「隠蔽」とか「誤魔化し」って選択肢は消えたっぽいぞ。
もうこうなりゃ正直になった方がましか。
「すみません。ほんっとーにすみません。誰のものか確かめるだけのつもりだったんです。
この通りですから、許してくださいっ!」
俺は、日記を鞄から取り出して朝比奈さんに手渡し、深々と頭を下げて謝罪した。
朝比奈さんの命令だったら、土下座だってなんだってします。
だから、お許しを!!
5/
「・・・いいです。許してあげます。ただ、ひとつだけ答えてください。
一番新しいページ、見ました?」
ああっ、救われたと思ったのも束の間、またヘヴィーな質問が。
それってあれだよな。正にさっき読んでた箇所だ。
ええい、もうこうなったら自棄だ。こっちから聞いてやれ!
「ええ、見ました・・・。朝比奈さん、教えてください。
いまの彼氏と上手くいってなくて、次の男がどうとか書いてありましたが、
アレ、本当のことですか?」
「・・・彼氏?」
「そうです。俺は別に責めてるわけじゃないんです。
恋愛するのは、朝比奈さんの自由ですから。
ただ、あれが本当なのか?
もし本当なら、俺に相談しようってのは、どういう意味なのかを知りたいんです」
朝比奈さんは、しばらく考えていたようだったが、やがて口を開いた。
「本当だったら、どうします?」
えっ? それはどういう・・・。
「いまキョンくんが言ったことがすべて本当で、
私が次の彼氏のことについて、あなたに何か聞くつもりだったとしたら」
それは、その・・・。
「4人目の彼氏に、なってくれます?」
妖艶な口元。上目遣いに覗いてくる瞳。
やばい、どうにかなりそうだ。
俺は返答の言葉を探すが、
目の前の女性の視線にとらわれ、それも不可能だ。
沈黙が広がる。
6/
いつまでも黙っているわけにはいくまい。沈黙を破って、どうにか声を出す。
「あ、あの・・・お、俺はですね」
だが、俺はなんて答えればいいんだ?
ちらっと、脳裏に浮かんだのはアイツの顔だった。
くそっ、何だってあんな奴が。
あ〜もう意味分からん。
「・・・ぷっ、くすくすっ」
へっ? なんだなんだ?
さっきまでマジな顔をしていた朝比奈さんが、突然笑い出した。
「ごっ、ごめんなさい。まさか本気にすると思わなかったから。
はあ、はあ。あ〜、おかしいっ」
なにやらつぼに入ってしまったらしい。笑い続ける朝比奈さん。
え〜と、俺はどうリアクションすればいいんだ。
結局、さっきのは冗談だったのか?
「ふぅ〜、わかりました。
じゃあキョンくん、私が本当に聞きたいこと、聞いてもいいですか?」
こ、今度はなんだ。もう一度真面目な顔をしようとしているらしいが、
うまくいかず口元が緩んでしまう朝比奈さんだが、
真相がはっきりするまで、俺にも対処しようがない。
俺は、ごくっと喉をならしてから、朝比奈さんを促した。
7/
「え〜とですね、私、今度ケータイを買い換えようと思ってるんですけど、
何かおすすめの機種とかってありますか〜?」
・・・へっ? け、携帯ですか? 彼氏じゃなくて?
「そうです、携帯電話ですよ〜。
私はこの時代では恋人をつくるわけにはいかないって、前に言ったじゃないですか」
そうですよね。そうですとも。
「それでですね、今のやつが、すぐバッテリー切れするようになっちゃって。
今度、番号ぽーたびりてぃーっていうのが始まるじゃないですか・・・」
ああ、そういうか・・・。全部俺の勘違いってわけかよ。
いろんな意味で先走っちまった。やれやれ。
「で、朝比奈さんの好みとしては、小さめで、かわいらしいのがいいってことですか?」
「あっ、そうです。そんな感じで、何かいいのありますか?」
やっぱりな。ふぅ〜、マジであせったぜ。どうも一旦落ち着く必要があるようだ。
ちょっと時間をもらって考えよう。
「わかりました。すぐには思いつかないんで、朝比奈さんは着替えていて下さい。
俺はその間に考えてみますよ。朝比奈さんにぴったりなやつを」
「わかりました〜。じゃあ着替えるので、悪いけどキョンくん、ちょっと出ててね」
*
8/
私は、彼が出て行ったのを確認して小声で話しかけた。
「長門さん、出てきて大丈夫ですよ」
いつもの席に、長門さんの姿が現れました。
認識阻害の呪文をつかっていたみたいですね。
「普通の音量で話しても問題ない。彼には聞こえないようにしている。」
「そうですか。それで、頼んでいたデータは採取できましたか?」
「できた。あの日記を読んでいる間の彼の反応は、様々な要素から観察できた」
「では、彼が一番反応を示した部分を教えてください」
大丈夫とわかっていても、自然とまた、声が小さくなります。
「写真の件。脈拍の上昇、発汗が見られ、無意識の内に視線をコンピュータへと向けた」
コンピュータ? ああ、例のフォルダのことですね。
ふふっ、そうか〜。キョンくんは、そういうのが好きなのか〜。
「じゃあ、キョンくんの願望を叶えてあげなくてはなりませんね。
長門さん、協力していただけますか?」
「任せて」
即答です。心なしか、嬉しそうなのは、私の気のせいでしょうか。
彼と二人っきりじゃないのが少し残念だけど、まあ長門さんならいいでしょう。
「さ〜てキョンくん、今度はあなたの好きな写真を撮っていいんですよ〜。
なんなら、それ以上だって・・・」
私は、はやる気持ちと火照る身体を抑えながらも、
彼を"なか"に迎え入れるため、扉へと手をかけた。
「キョンくん、"入って"きていいですよ」
以上、終わりです。
エロ描写は書けないんで、後は他の作品を読むなり、
キョンみたいに妄想で勘弁してください。
>>340 >ああ、そういうか・・・。
「そういうことか・・・」でした。ごじごじ。
>>342 乙。ニヤニヤした。
朝比奈さんが(大)みたいだったが、これが彼女の本性なのかと妄想すると、正直少し怖く感じた。
まああとはキョンみたいに、“なか”へ(ry
続きktkrよ!
「学級委員なんだけど」
「ねえ、最近阪中さんと仲いいわよねえ・・・。」
誰もいない放課後の教室で、俺はいわれのない疑惑の目を一人の女からむけられている。2学期から付き合い始めた葉山だ。この女、意外と嫉妬深く今日は
阪中のことで問い詰められている。
事の発端の阪中は、最近、授業中に俺の背中をしょっちゅうつついてくる。最初のころは消しゴム拾ってとか問題の答え教えてとか他愛のない用だったが、
このごろはただニコニコしてるだけ。阪中は憎めない性格のようで俺もあまり邪険にできないでいた。それが葉山に勘違いされたようだ。豊原によると、阪中は
涼宮のマネをしているのではないか、ということだった。豊原の席の隣の涼宮は、授業中よく前の席のキョンをつついてなにやら話をしているらしい。まったく
涼宮にやつ、普段から協調性がないばかりか、俺のプライベートにまで迷惑かけるなよな。
「で、どうなの?」
葉山がずずいと寄ってきた。俺はさっと葉山の後ろに回りこみ、後ろから手を回して葉山の胸を制服の上からわしづかみにした。
「ちょ、ちょっと!」
葉山の抗議の声を無視して、俺は葉山の胸をもみだした。
「あ・・・あ・・・」
葉山の性感帯が胸だと知っているのは俺だけだ。もう目まで潤んでいる。俺は葉山の耳元で
「なあ、俺がおまえ以外の女に目移りするわけないだろう?」
とささやいた。
「はっ・・・、あ・・・ど・・・どうっ、あっ・・・かしらね・・・」
葉山はすっかり感じまくっている。最初俺の手を解こうとしていたものの、すでに葉山の両手はだらんと下がっているのだ。俺は制服の中に手を入れ、ブラをた
くしあげた。そして水泳部ならではのほどよい肉付きと張りと柔らかな乳房を俺の両手のひらの中に収めた。ぴくりと葉山の体が震えた。そして、今度は乳首を
思いっきりつまんだ。
「ひゃあっ、いっ、あああ〜!」
ビクビクと葉山の全身が痙攣するように波打った。イッたようだ。
「葉山は本当にいやらしいからだしてるなあ。おまえがこんな淫乱なんてクラスの連中が知ったらどうなるかな。」
俺はわざとニヤニヤと笑いながら言った。葉山は涙目で
「私・・・淫乱・・・なんかじゃ・・・」
と途切れ途切れで反論する。
「胸もまれて乳首つままれただけでイッちまうんだぞ?水泳部で体しまってるからアソコもしまってるしな・・・。」
俺はさらに言った。
「ば・・・ばか・・・わたしのからだ・・・あんた・・・しか、知らない・・・」
「そうだったな。」
俺はずっと葉山の胸をもんでいた両手のうち片手を、今度は葉山のわき腹にはわせた。プルプルと震えている。
「おまえの体のことは俺しか知らないんだ。だからおまえは俺のものだ。わかったな?」
そう言っている間もずっと胸をもんでいる。5本の指をバラバラに自在に動かし、葉山の胸は原型をとどめていない。
「わ・・・わかった・・・。もっもうっ、この話・・・終わり・・・お願い・・・」
葉山の体は熱でもあるんじゃないかと思うほど火照っている。全身うっすらと汗をかいている。もう少し、いじめてみようか。
「分かった、じゃなくて分かりました、だろ?」
葉山はピクッとして
「こ、この・・・あっ、調子にのって・・・」
しかし、
「分かりました・・・」
と小さな声で答えた。なんとなくうれしそうな声で。
「よし、ごほうびだ。そら、もう一回イッちまいな!」
さっきよりも強く乳首をつまんだ。
「ひゃっ、ひっ、ひいいっ、ぐうう・・・!」
再び葉山の全身が痙攣したかと思うと、くたりと今度は全身の力が抜けたように崩れ落ちた。
「はーっ、はあっ、はあっ・・・」
ふせって息を切らしている葉山を見下ろしながら、ふと思いついて葉山のスカートをめくってみた。案の定ショーツがビショビショだ。
「おい葉山、帰りはノーパンで帰れ。いいな?」
葉山は黙ってうなずいた。なんだ、声も出ないのか?
そういえば、俺が葉山にこんなことするの何度目だろう?俺たちまだデートもしてないんだよなあ。最初ふざけて葉山の胸さわったら異常に感じてそれからなんだ
よな。葉山がこんなにM性を発揮するとは思わなんだ。俺たちどうなっていくんだろう、まったく。
終わり
俺はペットショップで子犬とかと目が合って、愛玩動物を飼い始めたってオチかと思った。
子犬じゃなくてハムスターなんかも有りだけど。
で、何故か飼う奴毎に胸元に突撃してくるエロいのかと。
ハルヒの真似をする阪中さんに萌えたのね。
これ阪中じゃね?
>>342 GJ!……なんだか一つだけ聞かせてくれ。
>私の中にすっぽりと納まるサイズで
>少し大きくて、私にはきつかったかも
何処に、なんだ?
>>347 葉山エロいよ葉山。
そしてハルヒしか目に入ってない阪中さんが可愛かった。
>>352 ポケット? 不二子? それとも・・・。
ご想像にお任せします。
>>341 長門とみくるが結託するなんて・・・
よほど利害が一致したんだろうなあw 策士だな、大人さひなさん。
今さらながら書きあがった長編物の続き投下します。
初出17-126ととんでもないスローペース_| ̄|○
しかしいえない、まさかコレを無視してSSSをポツポツと投下してたなんて…
後半部結構微妙です。 誤字脱字は… 読める範囲なら見逃してください。
やっぱ一気に書き上げないとダメだわ
6 みくるを時速88マイルまで加速
そんなわけで朝比奈さん(なぜか制服姿だぜ)と俺は鶴屋さん邸に戻ったわけだが、門の前で三人が待っていた。
「やぁ、待ってましたよ」
古泉が手を上げて出迎えてきた。 こっそり出たつもりだったんだがな…
「あたしが言ったんだよっ 2人だけで会うなんて怪しいからねぇ! あとみくるっ、おかえりっ! お、何かおっきくなってないかい? いろんなところがさっ!」
先ほどのことが嘘のような笑顔で鶴屋さんが手を振っていた。
朝倉(IN喜緑さん)もニコリと笑って、
「はじめまして。 になるのかな?」
「え、喜緑さん… ですよね?」
そういや同じクラスだっけ? こりゃ少し説明しといた方がいいな。
俺は4月の夜空の中、朝比奈さんに、おそらく世界改変が起こって俺も含めSOS団関係者全員の記憶操作が行われ、
俺の頭の中にいた朝倉の力を借りて何とか記憶を取り戻し、古泉を元に戻したところまでは良かったが、生徒会もとい喜緑さんに呼び出され、
すったもんだで朝倉が喜緑さんを乗っ取って、鶴屋さんの家に泊まることになった…という例によって訳の分からない説明をし、
「えぇっと、つまり見た目は喜緑さんでも中の人は違うという事ですかぁ?」
何とか理解してくれた。 よくあんな説明で理解してたものだ。 というか中の人って…
「そういう事ね」
まぁ、確かに事情を知ってる俺たちも一瞬混乱するからな。 いい加減姿を変えて欲しいものだ。
「とりあえず中に入りましょう。 このまま立ち話でも何ですし」
古泉が雑談ともいえる俺たちの会話をさえぎってお得意の提案してきた。 いい加減寒くなってきたし。
「了解さねっ。 みくるも御疲れのようだから暖かいお茶でも用意するからさっ」
俺たちは再度離れに集まって、宇宙人と未来人と超能力者との作戦会議を開始した。 ちなみに鶴屋さんは席を外してもらってる。
俺たちは座布団に座り鶴屋さんが持ってきたお茶を頂いている訳だ。
「まず聞きたい事があるのですが…」
いきなり古泉が気持ち一つ強きで話し出した。 どうしたんだ?
「僕はいつもこんな感じですが、何か違って見えますか?」
いや、心なしか… なんでもない。
「そうですか。 で、質問ですが朝比奈さん、時間の歪みも消えた今、あなたはどんな理由でここにきたんですか?」
古泉が確信をついたな。 ってか『機関』の人間は未来人の事をどれだけ知ってるんだ?
「それは…」
朝比奈さんは少しためらうような表情を見せた後、何かを一大決心したような表情をした。
「わたしがSOS団をあんなかたちで終わらせたくないからです」
「それは時代改変を行うと見てもよろしいんでしょうか?」
朝比奈さんはゆっくりと一度うなずいた。
「でもあなたが来たくても上司が許すはずが無いと思うんだけど?」
朝倉(IN喜緑さん)も朝比奈さんを問いただし始めた。 それでも朝比奈さんはたじろぎもせず、朝倉(IN喜緑さん)を見た。 まるで朝比奈さん(大)のような雰囲気だな。
「ホントは申請とかが要るんですけど、少しづつ乗っ取りをかけて無理矢理飛んできました」
乗っ取りですか!? と声に出す前に俺は改めて朝比奈さんを見た。
心なしか大きくなった背と胸、いつもの朝比奈さんらしからぬ落ち着き。 恐らくだがあの朝比奈さんは未来に戻ってから歳月が経ってる。 いくらなんでも今までの朝比奈さんに時代改変なんて勇気は無い… と思う。
朝比奈さんは俺の考えに気付いたのか、こちらにも視線を向けて、「ふふ、秘密です」とヴァルハラの神々も魅了しそうな笑顔を見せた。
そしてターンが回ってきたかのように古泉。
「ですがどうやって改変するおつもりだったんですか? 長門さんを抑えるにしてもこの人員では…」
古泉がまわりを見渡した。 確かにこれではな。 少し前に喜緑さんを抑えれたのも偶然に偶然を掛け合わせてさらに奇跡を陪乗したようなものだからな。
「実はそれを考えてなくって…」
朝比奈さんは肩を落として前のめりになった。
「でもあの日に戻ればどうにかなるかもね」
俺はその発言の主を確認した。 朝倉(IN喜緑さん)なんだがな。 で、なんて言った朝倉?
「あの時間平面の情報統合思念体に接続できれば何か得られるかもしれないしね」
「大丈夫なのか? まさか逆に乗っ取られるとかはカンベンしてくれよ」
本当にそれだけは勘弁して欲しい。 狂ってまたナイフを刺された日にゃどうしようもないぞ。
「うん、それは大丈夫」
なにをして大丈夫なのかは知らんがまぁ信用してやろう。
「で、朝比奈さん。 いつ行くんですか?」
「できれば今すぐに…」
今すぐですか!? まだ心も何も準備できてないんですけど…
「ごめんなさい、いつこの時間平面上から移動させられるか分からないから…」
そんな真横でバルサンを炊かれたヒマラヤンみたいな顔をしないでください。 あなたとなら過去だろうと未来だろうと西部開拓時代だろうと行きますよ。
そんな事を思っていると古泉が考え込むようなポーズをとって、
「それは分かりましたがどうやって移動するのですか? ここにはラベンダーもありませんよ」
だそうだ。 そういや古泉は時間遡行した事が無かったな。 まぁ朝倉の方は長門も知ってたし大丈夫だろう。
「ラベンダーですか? よく分かりませんが、そんなんじゃないんです」
「そうですか。 僕としてはもっと大掛かりなものかと考えてたのですが…」
先に言っとくと、机の引き出しや空とぶ機関車や後付けで空を飛ぶようになった某ギョクーザも使わんし、落雷のエネルギーも使わん。
「そうですか」と古泉が肩をすくめた。 本当にそういうのを期待してたのか? 俺は朝比奈さんに時速88マイルまで加速なんてして欲しくないぞ。
「ではわたしの肩に手を置いて目をつぶってください」
俺は朝比奈さんに近づくと右肩に手を置いて目をつぶった。 そのまま朝比奈さんの体温を感じていると、
「では行きます!」
そう朝比奈さんが言った途端に地面の接地感が無くなった気がした。 すべての感覚が消え去ったといいたい所だが、朝比奈さんの感触だけはしっかりと感じていた。
「……着きました」
やっとまともに戻った感覚に目を開けてみるとそこは校舎が見えていた。 言うまでも無く北高だ。 北高なんだがな…
「屋上… ですね」
「そうね」
2人が言うように北高の屋上である。 前に映画撮影した時もここ使ったよな。 朝比奈さんの時計で確認すると、ちょうど俺が教室を出たころだ。
「ごめんなさい、今の状態だと細かい場所指定までは…」
そんなに深々と頭を下げなくてもいいですよ。 俺の方が困ってしまいます。
「うーん、とりあえずインターフェースを再構成して情報統合思念体に接続してみるわ」
そう言って朝倉(IN喜緑さん)は手を地面の方にかざすとそこにホタルよろしくどんどん光が集まってきた。
しばらく静観しているとどんどん光は人型になっていき、光が薄らいできたと同時に朝倉(IN喜緑さん)が頭から倒れた。 ゴンッという擬音が聞こえてくる感じだ。
「ど、どうしましたぁ…」
朝比奈さんは喜緑さんに駆け寄り必死に肩をゆすった。 俺と古泉は似た状況を生徒会室で体験済みだから驚いたりはしない。 あと朝比奈さん、口調が元に戻ってますよ。
まぁお約束の通り、人型の光が朝倉になって目を覚ましたと思えば「おまたせ」などとさらっと言う訳だ。 何とまぁベタだな。 …ってちょっと待て、喜緑さんはどうなるんだ? というか何で今さら変身するんだよ。
「この時間平面上ならいちいち喜緑さんを介さなくても大丈夫なの。 あと喜緑さんにはロックをかけてるからおきないわよ」
そうかい。
「反応が薄いわね。 まぁいいわ、じゃあちょっと調べてみるわね」
朝倉は少し上を向いてしばらく虚空を見つめていた。
ふと部室棟の方を見ると部室にちょうど俺が入って… ってヤバイ! 朝倉、まだなのか?
朝倉は寝起きを害された猫のような顔になり、
「分かったわ、やけに急すぎると思ったらそういう訳だったのね」
と一言。
「お前一人で納得してないで俺たちにも説明しろ」
俺もすかさず突っ込む。 『俺』が部室に入ったって事は、もうすぐハルヒたちが突撃してくるはずだ。
長門たちがいつ改変を行ったかは分からないが、早いに越した事はない。
「どうやら長門さんは情報生命体亜種に乗っ取られたようね」
それだけを言われても困るんだが…
「なるほど、あのカマドウマのお仲間というわけですか… つまりは長門さん経由で情報統合思念体が乗っ取られたという事ですか?」
「そういう事。 でもアレよりもずっと力を持ってるようね。 長門さんですら乗っ取られたようだもの」
なんつーか以心伝心って感じだな。 もういっそくっついちまえ。
「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ」
と古泉。 どういうことかさっぱり分からんが?
「まぁ、今はそういう事にしておきましょう。 それよりも、どのような経路で長門さんに感染したのでしょうか? 分かりますか?」
「分からないわ。 こっちも感染しないように最低限の情報しか取り入れてないから…」
古泉と朝倉の討論を方耳に聞き、俺は部室に入るハルヒを確認した。
「朝倉、急いでナノマシンを注入してくれ。 ハルヒが部室に入った。」
振り返ると朝倉はすでに古泉の腕に噛み付いていた。 お前、俺の心でも読んでるのか?
5秒ほど見ていると注入が終わったらしく、古泉の腕から離れていく。
「次はあなたね。 あとキョン君はもう中にいるから必要ないから」
と朝比奈さんを呼び寄せる。 俺は無しなのか… ちょっぴり残念だ。
って言ってる間に長門が部室入り。 間に合うのか?
「ひあぁ」
悲鳴に振り返ると朝倉が今度は朝比奈さんの腕に噛み付いていた。 とりあえず彼女たちには後で百合の花でも捧げよう。
ふと朝比奈さんと目が合い、彼女は思い出したかのように言葉を紡いだ。
「そんな事よりもキョン君、長門さんを止めるのは改変が終わってからでお願いします」
「分かってます。 改変後に直さないと俺がここに遡行する未来がなくなってしまうって事なんでしょう?」
「え!? そ、そうなんですがなぜそれをキョン君が?」
経験済みというのは黙っておこう。 あとで説明が大変そうだし。
「おひ、ほうはいひょうふ」
言いたい事は分かるが朝倉、朝比奈さんの腕から口を離せ。
朝倉はなぜか名残惜しそうに口を離した。
「これで改変に巻き込まれる事はないわ」
少し自信ありげに朝倉が言った。 まぁ、ここは信じるしかないからな。
「ひゃあぁ」
朝比奈さんの悲鳴に再度振り向くと、彼女は風で麦藁帽が飛ばされそうになった少女のような顔をしていた。
俺の視線に気付いたようで、朝比奈さんは少し頬を赤らめて、
「すごい時空震を感じたので… キョン君大丈夫ですか?」
大丈夫もなにも俺には何も分からんのだが…
「とりあえず部室棟に向かいましょう。 ここでいつまでも居る訳にはいきませんし」
と言いつつ扉を開ける古泉。 それは確かだがお前が仕切るな。
とりあえず生徒指導の先生の出現や恋愛フラグ的出会い頭の衝突も無く部室の前に到着。 全力で走ってきたはずなのに朝比奈さんが全く息切れしていない。 未来の道具でも使ってるんですか?
ドアのノブに手をかけようとしたところで古泉が声をかけてきた。
「さて、ここをあければあなたは長門さんと戦わなければなりません。 それでも行きますか?」
古泉、それこそ何を今さらって奴だ。 その質問に対する選択肢はイエスしかないぜ。
「それを聞いて安心しましたよ」
「正直言うとだな、できれば長門とやり合わないですむ方法があればいいんだがな…」
「それについても同感です。 長門さんは僕たちの仲間ですからね。 それにまともにやって勝てる見込みもありませんよ」
仲間か… 長門にはいろいろしてもらったからかな。 今度は俺たちが助ける番だな。
俺はハルヒにも負けない位の勢いでドアを開け、すぐに長門の後姿を視界に捉えた。 ドアは旨い具合に開きっぱなしの状態で静止。
奥には俺が無様な姿で倒れており、入り口側ではハルヒが倒れていてすうすうと寝息を立てていた。 こうやってみるとやっぱかわい… じゃなくてぇ!
「長門!」
俺の声に長門はゆっくりと体ごと振り向いた。
「………」
しばらく磨かれた黒曜石のような瞳でこちらを見ていたが、
「…」
長門の右手が電撃を飛ばしつつ大振りの刀のように鋭くなっていった。
「痛いのは一瞬…」
の言葉と共に長門が獲物を食べようとするタイワンコブラのように飛び掛ってきた。
思わず俺は硬直し辞世の句を3つほど思い浮かべたが、それを口にする前に朝倉が俺の前に回りこんだ。
「邪魔」
「きゃっ」
「のわっ」
まるで扇風機の前の発泡スチロールのように朝倉は長門に跳ね飛ばされ、扉の前に立っていた俺にぶつかり、俺は朝倉の下敷きになった。 文字通り尻に敷かれてるわけだ。
「それ以上は進ませませんよ!」
「………」
そんなフラグ的な事を言ったせいかは分からんが、更に上に古泉が追加。 マジで重い。
多少パニくった頭をどうにか整理しつつ動かない朝倉と動こうとしない古泉をどかそうとすると、長門が俺の喉に切っ先を突きつけてきた。
「これで終わり」
俺の16年と数ヶ月の人生が本当に終りそうだ。
「な、長門さんっ!」
朝比奈さんの声だ。 長門が振り向いて、俺も視点をそのまま廊下側に向けた。 切っ先は相変わらず俺ののどにある。
長門が朝比奈さんに気を取られている間に俺はポケットをまさぐっていた。 何かないのか? 何か…
ふとブレザーの裏ポケットに何かが入っているのに気がついた。 俺はすぐさま手を突っ込んで取り出してみた。
短針銃だ。 そういや後一発残ってるんだった。
朝倉の作ってくれた情報復元プログラム。 長門に効くか分からんがやるしかないっ。
「あの、それで… その…」
朝比奈さんが何とか時間を稼いでくれている。 今のうちに…
「動かないで」
長門がいきなりこっちに振り向いた。
それに驚いて俺は短針銃のトリガーを引いちまった。 もうだめだ、グッバイ青春、グッバイハ…
「うかつ」
いきなり長門は二回瞬きをしてひきつけを起こした子供のように倒れた。 どうしたんだ?
「どうやらうまくいったようですね。 本当にあなたには感謝しますよ」
古泉、それはいいからとにかくまずはどいてくれ。 重いんだよ。
古泉と朝倉にどいてもらい、長門を観察してみる。 どこに刺さったんだ?
「ここに刺さったみたいね」
朝倉の指差す先をよく見ると、長門のデコに見事に刺さっている。 本当に神様がいるって信じたくなったよ。
しかしコレ、実は某名探偵もびっくりの即効型麻酔銃じゃねえのか?
とりあえず朝倉。 俺たちはこれからどうすればいいんだ? まさかハルヒが起きてハイおしまいなんてオチじゃないよな。
「ちょっと待ってね、長門さんに一時的な独立支援プログラムを仕込むから」
ウイルススキャンのみならず、分析してワクチンまでつくるのか。 ノートン先生も裸足で逃げ出すな。
朝倉は長門の額に手を置き、何かを高速でつぶやいた。 パッと見介抱してるようにも見えるが、状況が状況だけに、笑えない。
しばらく傍観を決め込んでいると、朝倉の口が止まり… 長門の目が開いた。
「長門…」
「……………」
むくりと上半身を起こしてじっと俺を見た。
「俺の言ってる事は解るよな」
コクリと首を縦に一回。
「えーっと長門、確認のため聞くがこいつは誰だ?」
俺は古泉を指してみた。 記憶喪失にでもなってたらかなわん。
「…赤坂衛」
…なんだって?
「待って。 今修正中」
しばらくまばたきを多めに俺を見つめていた長門だったが、
「古泉一樹」
よかった… 俺は胸をなでおろした。
「で、長門。 まずはこうなった原因を教えてもらおうか」
俺達は部室の椅子に腰をかけて長門を問いただした。 なお、ハルヒは起こすとマズそうな感じがするので端のほうで、倒れてる方の『俺』のブレザーをかけて寝かせておく。
「原因は私」
長門は淡々と話し始めた。
「始業式前日に私はここの情報処理端末である事を行っていた。 その隙を突かれて私の構成情報の一部を掌握された」
情報処理端末ってパソコンのことだな。
「後は抵抗もできずに簡単に内部情報を書き換えをされた。 うかつだった…」
そう自分を責めるな、誰にだってミスはあるんだ。 そういう俺だってここまでくるのに色々とミスってるからな。
「ありがとう」
長門はじっとこちらを見て言った。
「いや、礼ならいいさ。 それよりこれから俺達はどうすればいいんだ? まさかこのままという訳にもいかないだろう」
俺たちが帰ったとしても情報生命体亜種とやらがまだ残ってる上に、長門の親玉は乗っ取られたまま。 このまま帰っても改変されたままだからな。
「今の状態での改変修正は不可能。 情報生命体亜種を抹消し、情報統合思念体の意思を通常に戻す必要がある」
「でもどうするんだ?」
「朝倉涼子と協力して情報統合思念体から不要因子を取り除く。 その後一時的に別空間に移送する。 そこで削除して欲しい」
そんな回りくどい方法を取らなくてもそのまま消せばいいんじゃないのか?
「その方法で削除を行えば膨大な時間を要する事になる。 こちらのほうが得策。 あと平時と同じ情報処理能力を使えないため朝倉涼子が引き続きバックアップに付く」
そして一呼吸間をおいて、
「そして私も同行する」
ちょっと待て、お前の代わりに朝倉が来るんじゃないのか?
長門は少し沈黙した後、長門が口を開いた。
「あくまで平時と同じ情報処理能力が使えないだけ。 制限があるとはいえ私もついていくのがいい」
長門がそう言うんだったらそうなんだろう。
「で、その空間とやらはどうやって行くんだ?」
「あの情報端末内のフォルダ内の『キャプテンスクウェア』をクリックすれば、自動的にプログラムが起動し、空間を作成するようになっている。 あとはそこに入るだけ」
いつの間にそんなプログラムを組んでたんだ? しかも何のために… ってか何だそのネーミングは。
「今はそれどころじゃない」
まぁ、そうなんだがな。 ちょっと気になったもんで…
「でもそれは空間を作成するだけなんだろう」
「空間が固定されれば私達の力で介入できるわ。 その時は任せて」
朝倉が締め切り直前でネームを大量に思いついた漫画家のように言い切った。
言われるがままパソコンの電源を入れ、キャプテンスクウェアとやらをダブルクリック。
別ウィンドウが開き、しばらく謎の文字列が流れた。 しばらく傍観しているといきなり文字列が止まった。
「準備OKみたいね,行くわよ」
朝倉の声がして、気がつけば宇宙空間のようなところに透明な床があるだけのだだっ広い空間に立っていた。
あたりを見渡す。 全くといっていいほど何も無い。
「ここでも僕の能力は若干ながら使えるようですね」
ふと横に立っていた古泉が赤い光球を出していた。
「じゃあ集めるわよ」
朝倉が早口になった。 それと同時に江戸末期の薩摩藩のような何か重苦しい空気が流れた。
朝比奈さん、さすがに武器とかは持ってきてませんよね?
「たしか持って来たはずなんですが… あれ?」
どうやらどこかに置き忘れてしまったようで。
「どうやらおでましのようですね」
と古泉。
天保時代後期の農民のような目で古泉の指した先を見ていると、黒い物体が現れ、それは俺達もよく知ってるアレの姿になった。
まぁ何といえばいいのだろうか。 ここは黒くてテカテカしててじめじめしたところが好きな割にはやたらめった速い生物とでもいっておくか。
まあ、いわゆるアレだ。 種類は解らんが、若干茶色いのでチャバネだろう。 多分。
「まぁ、さっさと終らせますか」
そう言って古泉が手に光球を出して、それをバレーボールよろしくアレに向けて飛ばした。
古泉の放った赤い光球がアレに当たり、ニトログリセリンのように爆発。 アレは跡形も無く消えていた。 爆風がこちらまで吹いてきて、俺達の髪を揺らした。
「まだ終ってない」
と言って長門が上を見る。 げえ、うじゃうじゃいる。
しかし1匹見れば数千匹と言ったものだ。 上を見上げると、黒い固まりが顕微鏡で見た微生物のように動いているのが見て取れた。
アレってマツゲが邪魔で見辛かったな、などと思っていると上で飛んでいたアレは降下を開始。 あまりにも多すぎて羽音がヘリコプターのように聞える。
「ひえええええ」と朝比奈さんはその場でしゃがみこみ頭を抱えた。
朝倉が縄文式土器を作るかのようにしゃがんだかと思うと、水をいれると煙が出そうな物体を手に持っていた。 何だそれは?
「何って、見れば解るじゃない。 こういうのはまとめて倒すのがいいのよ」
そう言って朝倉はそれを地面に設置、その途端に水も入れてないのに煙が出始めた。
「これは息を止めた方がよさそうですね」
と古泉。
当たり前だ。 あんなデカブツを落とすための煙だ。 吸った途端俺らまで退治されかねん。
息を止めた途端、完全に視界が奪われた。 そしてそのまま息を止めている事30秒、緊張もあってかそろそろ限界が近づいてきた。
「もういいわよ」
朝倉の声とともに一気に煙が晴れた。 煙が無害だったのか情報操作をしたのか長門も朝倉も平然としてやがる。
頭上を飛んでいたゴキ集団は跡形もなく消え去って、満天の星が広がっていた。 もうベテルギウスまではっきりと見えそうだ。
「終わりましたぁ?」
朝比奈さんが顔を上げる。 そんなウツボ料理をはじめて出された時のような顔をしないで下さい。 もう終わりましたから。
と、ここで俺はあたりを見渡す。 よくみてみるとちょうど最初のアレがいたところになにかある。
近づいてみると携帯ほどの大きさの黒い箱があった。
「なんだこりゃ?」
俺は無用心にも拾い上げてしまった。 ひょいっとな。
「危ないっ」
朝倉が俺を後ろから突き飛ばした。 顔を地面に打ちつけ、痛えなと言おうとした瞬間だ。
急に閃光が迸った。 それが朝倉に雷が落ちたと気付くのに少しの時間も要らなかった。 同時に俺の手の中の箱もボロボロと崩れ去った。
「朝倉!」
俺は起き上がって慌てて倒れていた朝倉に駆け寄った。 朝倉をみると足の方から砂のように崩れていってる。
「無事なようね。 どうやら敵の悪あがきみたいだったけどもっと慎重に行動して欲しいな」
そんな緊張感のかけらもない口調で言い、そして朝倉が完全に消えた。
「だいじょうぶ。 一時的に有機結合を解除しただけ」
長門が淡々と口を開いた。
「ただ… 今の攻撃のダメージは深刻。 修復にしばらくかかる」
「そうか…」
「では元の空間に戻るとしますか。 長門さん、お願いします」
だからお前が仕切るな。 そして顔が近い。
「わかった」
そう言った瞬間にはもういつもの部室に戻っていた。 某工務店以上に仕事が速いな。
とりあえずハルヒを見てみる。 相変わらず幸せそうな寝顔だ。
「ん、キョン… 幕張で… サボテン…」
どんな夢をみてるんだこいつは。
さて、後はどうしたらいいものか…
「じゃあとりあえず… ふあぁ」
かわいらしいあくびと共に朝比奈さんは床に横になった。
と同時にドアが開き、朝比奈さん(大)がパラパラを踊ろうとして間違えて演歌をかけてしまったDJのように入ってきた。
「あなたがでてきたという事は…」
「えぇ、これも規定事項でした。 だからこそ『この』わたしは強制的に帰還させられなかったんです」
朝比奈さん(大)は淡々と語り始めた。
「この私はあなたといた私ではありません。 あの私よりも… 結構後の私です」
どうやら時期については禁則らしい。
「とりあえずこの時間軸の歪みを元に戻します。 長門さん、手伝ってください」
「分かった」
そう言って長門と朝比奈さん(大)が部室の外に出て、ドアが閉まった。 でも長門だけでも再改変はできたような…
「ところで古泉、今のが誰か分かったのか?」
魔がもたなくなってきたので古泉に話を振ってみる。 コイツは会うのは初めてなはずだからな。
「見たのは初めてですが、話の内容で察するともっと未来の朝比奈みくるのようですね」
さすが古泉だ。 説明がなくても何ともないぜ。
しばらくすると、ドアが開き、
「終りました」
と朝比奈さん(大)と長門が入ってきた。
「とりあえず改変による時間のズレは元に戻しました。 ですがキョン君達の記憶とほかの皆さんの記憶が違ってるので少し戸惑うかもしれませんので、その辺はごまかしてください」
「分かりました。 こっちで何とか誤魔化しておきますよ。 ところで今回は送ってはもらえないんですか? こっちの朝比奈さんは眠ってますし」
「ごめんなさい、わたしはこれ以上は留まれないんです。 すぐにわたしもおきますのでそれまで待っててください」
そして朝比奈さんはドアの方に向きを変えた。
「朝比奈さん」
俺は朝比奈さん(大)を呼び止めた。 どうしてもひとつだけ聞きたいことがあったからだ。
「この朝比奈さんは、未来に帰ったらどうなるんですか? まさか厳罰とか…」
朝比奈さん(大)はナゾナゾを出題して誰も答えれなかったときのような笑顔で笑った。
「ふふふ、わたしがここにいるという事が答えになる思いますが」
あ、そうだ。
「じゃあわたしは戻ります。 あとキョン君、その私は何かあったか聞くと思いますのでうまく言っておいてください」
そう言って朝比奈さん(大)は部屋を出た。
「朝比奈さん、起きてください」
いつハルヒが起きるか分からないので早速朝比奈さんを起こしにかかる。
「あふ… あ、ご、ごめんなさいっ」
寝ぼけ顔から一瞬で泣きそうな顔になった。 阿修羅でもこうは変えれまい。
「いや、いいですよ。 とりあえずすべて片付きました。 ハルヒが起きる前に帰りましょう」
「あ、はいぃ」
半分あくびの混じった声で返事をする朝比奈さん。 なんともチャーミーです。
「じゃあまたわたしの肩につかまってください」
俺はすぐさま手を置き、続いて古泉が手を置いた。
「あれ、長門は?」
俺は長門の方に目をやる。 長門は定位置で椅子に座り広辞苑のような厚さの本を読んでいた。
「私はこの時間平面状の存在。 またあとで」
そうだったな。 すっかり忘れてた。
「じゃあキョンくん、古泉くん。 目を閉じてください」
言われるがまま目を閉じた。
「じゃあ行きます」
朝比奈さんの声がした。
「じゃあハルヒ、長門、後でな…」
そう心に思ったところでまた体の感覚がなくなった。
「もういいですよぉ」
朝比奈さんの声に俺は体の感覚が戻ってきた事を確認し、あたりを見渡した。
鶴屋さんの家の離れにしっかりと戻ってきたようだ。 時間遡行する前となんら変わらないが、ただ1つ朝倉のいた場所には長門が座っていた。
「おかえり」
「あ、あぁ、ただいま長門」
何かちょっと違う気がするが。
「やっと帰ってこれましたね」
そう言って古泉がお茶をすすった。
「…とりあえずわたしは元の時代に戻ります」
朝比奈さんはとてとてと出入り口の方に走って行き、襖を開けて外に出た。
と思いきや襖の端からひょこっと顔を出し、
「キョン君、わたしは元の次代に戻りますけど、またわたしが戻ってきます。 彼女は戻ってこれた理由が分からないと思いますのでうまく言っておいてください」
そう言って朝比奈さんは襖の端から顔を引っ込めた。
「帰る」
長門はいつもと同じ口調で言い、開けっ放しの襖から退室。
「では僕もこれで。 もう少しここに留まりたかったのですが、この一件を一応『機関』に報告しなければいけませんので…」
そう言って古泉が立ち上がり、退室。
「おやぁ、みんなお帰りにょろ?」
入れ替わりで鶴屋さんが入ってきた。 お盆にお茶が乗ってるという事は誰も伝えずに帰ったようだ。
「鶴屋さん、今日はなんで集まったんでしょうか?」
改変された後がどうなってるのか知らないので、鶴屋さんが持ってきた2杯目のお茶をすすりながら聞いてみる。
「キョン君、ついにアルツハイマーにでもなったのかい? ハルにゃんがウチで今後のSOS団についてを話し合うって事でウチに泊まりに来たんだよっ」
「それで、どうなったんですか?」
鶴屋さんは半ば苦笑いしながら頭をかいて
「で、ハルにゃんが親が旅行に行くからーとかでドタキャンになって、結局残りで泊まる事になったんだよっ。 でもやっぱこういうのはハルにゃんがいないと盛り上がらないねっ」
「すみませんね、みんな帰っちゃったみたいで」
「いいっさいいっさ、またいつでも遊びにおいでよっ」
そう言って俺の背中をバンバン叩く。 正直少し痛い。
「あとハルにゃんに言っといておくれっ。 あんましあたしがキョン君をとっちゃうぞっ、てさっ!」
思わず俺はドキッとした。 さすがにあの時の記憶はないはずだから冗談。 だと思う。
その後一直線に俺は家に戻ったわけだが、なぜか妹が起きており、「キョン君おかえりー」などと大声で言うもんだから、オフクロに気付かれてそのまま説教を受けるハメになった。
豚骨もダシガラになるくらいにこってりとオフクロに絞られて脳の7割がスポンジ体状態な俺は、3日間の事を部屋で思い返しながら、また夢の中で朝倉に出会わない事を祈りながら眠りについた。
続く
そしてタイトルつけ忘れに気付く
17-126『涼宮ハルヒの抹消』です。_| ̄|○
正直スマンカッタ
あと
>>357のサブタイみたいになってるのは消し忘れです。 保管の際には削除お願いします。
乙です。
乙リアン
370 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 02:48:03 ID:kK/f1kEg
待望の抹消キタヾ(゚∀゚)ノ
てか古泉ひぐらしかよ
抹消キタ━━━━━━\(゚∀゚)/━━━━━━ !!!!!
某ギョクーザワロタwクロノトリガーかよw
最近ハルヒ関係スレで妙にスクデイネタが出ているらしいのだが
どのへんが似てるんだ?
女子高生が人を切りつけるトコかな
ギガ超パッチと言う名の改変
378 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 19:42:56 ID:H5edCeia
今日も授業を受けている俺
後ろの席にいる異性が気になってしょうがない俺は思い切って言うことにした。
先生!
何だ出席番号何番かしらんがキョン君とやら。
俺は涼宮ハルヒが大好きです。どうしたら良いですか?
そ、そうゆうことは直接本人に言いなさい。(青春だな…)
「バカ……。」
分かる人いたら教えて欲しいのだが結構前のSSで
キョンが朝比奈さんの家から朝帰りしてて
SOS団でそのことをおくびにも出さないことに感心したりして
その後長門の家に呼ばれて
「みくるにしたのと同じことをして欲しい」
と言われて、ばれたのかと思ってやっちゃうんだけど
「そこまでしてるとは想定外だった」
っていわれるSSのタイトル分かる?
結構長くてその後はみくると長門の誘惑は
ハルヒの仕組んだ悪戯だったはずなのに
2人とやっちゃったことがばれて修羅場になったところで
続いていたような。
保管庫でタイトルにみくるとある奴は全部見たんだが見つからなかった。
380 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 19:56:41 ID:w28k4UmR
凉宮ハルヒの誤算
だったと思うよ
>380
おお、これです。ありがとう。
みくるの印象が強くて「涼宮ハルヒの〜」ってタイトルは見逃してたな。
ひさびさに読んだがこれって完結しているのかな。修羅場落ち?
この後どういう展開になるのかも読んでみたいところだ。
3人娘と乱交END
384 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 21:50:06 ID:UB068U1A
誤算おもしろいな
みくるマジックですな
確かに伏線とその説明が対応しててよいね。
二つほど題名を教えてほしいのがあるんだけど、
一つ目は山かどこかで鬼ごっこ(鬼は女性陣)をやって、キョンを捕まえた人がお持ち帰りできるという作品
二つ目は女性陣みんながキョンの妹になっていてる作品
わかる人がいたらよろしく
誤算は良かったよなぁ。
俺としては妹ちゃんの嫉妬とか背伸びをしてるトコとかが観ててモエス。
だけどあの嫉妬は兄貴を誰かに独占される事に対しての嫉妬だろうな当たり前だけど。
後、あの後妹が余計な事言わず、ハルヒにばれずにそのまま終わっても長門と黒みくるの暗闘は続く訳だよな?
実際にあの2人はキョンと肉体関係を結んでいて、キョンを巡って修羅場っている訳だし。
空気を読まずに4レス程浪費します。
放課後。退屈な授業が終わるやいなや掃除当番の涼宮ハルヒの「手伝え」という災害から逃れるがために部室へ急ぐ。牧用犬に追い舞わされる羊か俺は?
こんなノスタルジック溢れる比喩が自然と浮かび上がる日はSOS団専属メイド――いや、俺専用のメイドと言っても過言ではあるまい――朝比奈さんの煎れてくれた熱いお茶を一気にあおりたいね。
トントントンとドアをノックする。着替を覗かないようにする為の紳士としては当然の行いだ。ちなみに2回ノックはトイレノックと言い場合によっては失礼な行為になるのでここは3回ノック。まさに紳士の中の紳士、ジェントルマンオブジェントルマンとでも呼んでくれ。
「…………」
ノックをして三点リーダーが返ってくるってことはまだ長門しかいないということであり俺は落胆の色を隠し切れないでいた。
「入るぞ」
いくら相手が無口、無表情、無感動(ついでにオッパイも無い)の無い無い三拍子が揃ったSOS団専属読書マシーンの長門とはいえ最低限の礼儀は必要だろう。親しい仲にもなんとやらだ。というわけで軽く挨拶をしてからドアを開ける。
案の定長門は読書マシーンと……な、なんと長門が読書をしていないではないか!しかもよりにもよって無い無い宇宙人にはもっともにつかわしくない行為。ザ・編み物をしているではないか!
本来は編み物、オッパイ、ポニテなど女の子らしい属性は朝比奈さんの専売特許であるはずの行為を何故、谷口的美的ランキングAマイナー。ついでにバストのサイズもAマイナーのちんちくりん宇宙人の長門が?
俺は正直困惑していた。だがそれ以上に歓喜していた!何故ならこれは長門が変わろうとしていることに相違ないからだ。
今まで極一部の脳に重大な病気を抱えた先住民(ロリコン)向けに特化された局地的大量殺戮兵器【ユキ・ナガト】が己の可能性を信じ、今、まさに行動を起こしているからである!
これは日々、暇さえあれば長門を舐めまわすように観察していた俺の努力の賜だろう。GJ俺!頑張れ長門!お前なら朝比奈さんの次の地位……は鶴屋さんだからその次くらいの地位は狙えるぜ!
だがしかし敢えて言わせて貰うならば編み物をする時はもっとお母さんがまだ見ぬ子供に想いをはせるような、
それでいてまだ少女のようなあどけなさを残した儚くも確固とした幸福をたたえた表情をだな……それに今気付いたがなんで藁を編んでるのさ?
「何を編んでるんだ長門?」
「……藁人形」
俺の当然の疑問におよそ女の子が発声するにふさわしくない濁点だらけの返答を返された。why?何故?何か俺にいたらないところでも?
「あなたは…思っていることを口に出してしまう癖を治すべき……」
しまった!てことは今までのことは全て口に出してたってことか!成程、そりゃ声も怒りに震えるってもんよ。なんせ本人を目の前にしてペチャパイペチャパイと悪口を連呼してるようなものだからな。
………すいません!神様!仏様!長門様!土下座でもなんでも致しますのでその「今日のオカズはハンバーグ♪」みたいな目で凝視しないでくだい!めがっさ怖いです!
「そう…なら、涼宮ハルヒの前で私を愛してると100回言って」
俺に死ねと?
「そう」
冗談ですよね長門さん?
結局その後、珍しく頬を膨らませて怒りを訴える長門に謝ったり、土下座したり、そのまま上履きを舐めようとして鼻っ面を蹴られたり、ガムをあげてみたり、頭を噛まれたり、誉めたり、話しをそらしたり、誉めたり、誤魔化したり、
誉めて鋤かしてしまいには泣き出した長門をハグして慰めたりしてなんとか問題をうやむやに出来た。
でも、そう思ってたのは俺だけでしっかりと仕返しされましたけどね。
なにをされたかって?それは涼宮ハルヒの消失を読めとしか言えないね。
〆
以上。
くどい上にキョンがアホの子になってる駄文でした。おやすみなさい。
>>396 キョンの性格が違う気がするが、面白かった。
>>389 おそらく後者は『涼宮ハルヒの完結―その後』だと思う。
GJ
>>377 確かにw
しかも一度ギガパッチで改変した後
後発のパッチで再改変しなくちゃならんしなぁ
キョン妹×古泉の電波を受信した。今までそういうのあったっけ?ちなみに鬼畜。
俺はあんまり見た事無いね。古泉×喜緑さんなら考えた事あるけど。
純愛で
喜緑さん×生徒会長ってなかったけ?
プリンだったかな。
>>402 なかった
シチュがちょっと思い浮かんだので書こうと思った時期もあったが
喜緑さんも生徒会長もキャラがつかみにくい
「キョン……もぅダメ……挿れて、もう我慢出来ないっ!!あああっ!!」
「まだダメだハルヒ。それにしてもそんな腰振っていやらしいな。そんなお前に罰を与える」
「キョン何を………お尻!!やぁダメ!!そんなことしたら」
「問答無用。ほらよ」
ズブズブ
「ああああああっ!!!!!ダメダメ動かないで!!イッちゃう!!!」
「ほらハルヒこんなとこ膨らましていやらしいな」
「やぁぁ!!!クリトリスいじらない……あああっあああっあああっあああっ!!!!!イクう!!!!!」
という夢を見た
いいね。それ。
おじゃましますよ(不法侵入)→おや?いないのかな?
→キョンくーん、あれ?→ウマー(゜д゜)
今日は、喜緑江美里です。
実は……最近、同僚のセクハラに困っているんです。
おしりを触られたり、胸を強くもまれたり……。
逆らえないんです。相手の方が立場が上だから。
このあいだは、学校に行くとき、下着をつけちゃいけないって命令されて……。
その日は体育でした。ノーブラで走ったら、男子がみんな私の方を見てて……汗で透けてたんです。走るたびに揺れるし……。
だんだん、命令がエスカレートするんです。
昨日の昼休みは、だまって大人のおもちゃを差し出されました。
リモコンのスイッチを入れると、震えだすやつです。私は言われるまま、女子トイレで、おそるおそる自分にそれをつけました。
トイレからでたら、同僚は、急にスイッチを入れるんです。そのとたん、股間でそれが暴れだして、私はみっともない喘ぎ声をあげて、その場にへたり込んでしまったんです。
『あぅ……』
うめく私を、同僚は目に微かな喜色を浮かべて見下ろしています。
『あれ、大丈夫ですか?喜緑さん』
たまたま通りがかった男子生徒が声をかけてくれました。涼宮ハルヒの作ったSOS団の団員、キョンくんです。
同僚は、彼に見えないようにこっそりとスイッチを切りました。
『ええ……大……丈夫……です』
『顔が赤いですよ、熱があるんじゃないですか?』
有機生命体と違って熱なんか出さない……と言いたいところですが、私の体の構造は人間のそれと変わりませんから、振動に体が勝手に反応してしまうんです。
『平気です……ありがとうございます』
『そうですか。俺はちょっと用事があっていかなきゃならないんで、これで……さよなら喜緑さん』
はい。なんとか笑顔を作って手を振ります。
『後で部室でな、長門』
コク、とスイッチを手にした同僚は頷きました。彼が私のことを気にかけてくれたのが、腹立たしいのでしょう。また命令がエスカレートしそうです……。
>>407 そこで生徒会長が長門と格闘ですよ・・・
>>400 ちょっと待て
それはキョン妹が責めるのか?古泉が責めるのか?
もち古泉だろ。
「成る程この締まり具合はキョン君のそれに近いですね」か、
「こんなことをされて感じてるとは、なんて恥女なんでしょうね」
みたいな感じだな。言葉責めとか。俺のイメージは。
以前に生足のバニーガール云々ってのがあったけど憂鬱の時に既に出てるじゃない!
何でアニメだと律儀に網タイツしてるのさ・・・(つД`)
>>410 案外妹が積極的で古泉がヘタレてると萌える。
「……う…ん?」
はてここはどこでしょうか?自分の部屋ではないようですが……
「あっ古泉くん起きたー?」
この声は彼の妹さんですか?何故彼女と一緒にいるのか……わかりませんね。
「やぁどうも。起きて早々申し訳無いですがここはどこかわかりますか?」
「ここはわたしの部屋だよー古泉くん忘れちゃったの?」
何故彼女の部屋に僕が居るのか疑問ですがここがどこかはわかりました。
「そうですか……では何故僕はここに居るのですか?」
「もーう!本当に忘れちゃったの?昨日あんな事したくせにっ!」
彼女は何を行っているのでしょうか。昨日?そういえば昨日の記憶がありませんね。
それになにか下半身が妙に涼しいのですが……
ま さ か !!!
急いで僕の上に掛かっていた布団をはぎ取り確認します。
……僕は裸体でした。らたいと書いてはだかと読む。僕の愛しいジョン君も目覚めも伴ってか元気ハツラツです。
「NANANA何ですかこれは!何故僕は裸体なんですか!?」
「昨日の古泉くん。激しかった……」
そこで俯いて顔を赤らめないでください。
事実なんですか?そうなんですか!?もう既成事項は出来上がってるんですかっ!?
それならいいでしょう。何故なら『ょぅι"ょ』は僕の大好物ですからね!。
僕は勢いよく妹さんを押し倒します。
「きゃっ!古泉くん朝から元気!」
「ふふふ……もう僕は止められませんよ!マッガーレ!」
「アッー!」
「という夢を見ました」
「死ね。氏ねじゃなくて死ね」
どう見てもVIPネタでした
ええと、魔界何とかさんとこの古泉?
「長門とタバサ」を読んだ、そして録画しといたゼロ魔の最終回もやっと見た。で、俺の中で化学反応発生。
どっちのスレに書き込むか悩んだ末、とりあえずこっちにすることにした。
あけぼの町、俺の住む町だ。小さな下町だが、人の優しさが溢れるいい町だ。俺はこの町で生まれ育ち、
この町の警察官として人々の平和を守りながら、愛するハルヒと平和に暮らしていた。
ところがある日、町に人間の負の感情から生み出されるマイナスエネルギーを奪おうとする「魔物」が現れた。
俺は魔物に対抗しうる唯一の力「魔弾龍」の一つ、ゴウリュウガンに選ばれ、魔弾銃士リュウガンオーとして
魔物と戦う事になった。そして、1年が過ぎた。
俺はいつものように魔物と戦っていた。すると、空から何か落ちてくるような音が聞こえてきた。空を見た俺は
自分の目を疑った。落ちてきたのは間違いなく、先の大戦で使われた「ゼロ戦」と呼ばれる旧式の戦闘機だった。
そして中から出てきたのは、剣を背負った高校生くらいの少年と、魔法使いのようなカッコをしたピンクの髪の
少女だった。
「痛てててて・・・って、何だこいつ等!?」
それが少年の第一声だった。魔物は二人に狙いを定め、襲いかかろうとしていた。とりあえず、俺は彼らを救うべく
再び魔物どもを蹴散らし始めた。
「おい、怪我はないか!」
俺は少年に訊いた。すると少年は
「あ・・・ああ、大丈夫。ところでアンタ、ここ、日本だよな?」
と俺に訊いた。俺は
「ここが日本じゃないなら、何処だって言うんだ!いいから早く逃げろ!」
と言った。少年は怯えた様子の少女を連れて逃げようとした。だが、彼らの行く手を一体の魔物が塞いだ。すると
少年は剣を抜き、魔物に挑んでいった。
その見事な太刀筋には俺も驚かされた。やがて魔物は形勢不利と見て退散して行った。
俺は一時その場を撤退し、変身を解いて彼らを保護、あけぼの署で詳しい話を聞いた。
少年の名前は平賀才人。何でもこの辺りの町の高校生で、ある日変な穴に吸い込まれ、異世界に飛んでしまったそうだ。
少女の名はルイズ・フランソワーズ・ヴァリエール。何でも異世界から付いて来たらしい。そして剣の名前はデルフ
リンガー、何でも意志を持ったインテリジェンスソードというらしい。言葉を話したときは俺も驚いた。まぁ、俺のゴウリュウガン
も言葉を話すから俺は他の人たちよりも驚かなかったが。
才人君によると、向こうの世界であのゼロ戦を見つけ、日食の日に太陽に向かって飛んで行くと帰れるという話を聞き、
帰る準備をしていた矢先、彼のいた国が敵国と戦争を始めたそうだ。それに加勢して、決着がついた時ゼロ戦は既にボロボロだったという。
で、そのまま勢いで帰ってきたため、ルイズちゃんを置いて行くのを忘れてしまったという訳だ。
話を聞き終えた俺は、とりあえず才人君を自宅に送り届けようした。その時、町に上級の魔物が現れたと言う通報が入った。
俺は急いで現場に向かった。するとそこではバッタみたいな魔物とさっきも現れた雑魚の遣い魔が暴れ回っていた。俺は
生身で遣い魔を6,7体倒すと、腰のゴウリュウガンを掴んだ。
「ゴウリュウガン!」
一瞬で大型拳銃サイズになったゴウリュウガンのグリップに、変身用のリュウガンキーをセットする。
「リュウガンキー、発動!」
『チェンジ、リュウガンオー』
ゴウリュウガンがキーを読み上げる。そして俺は叫んだ。
「剛龍変身!」
俺の身体が赤いマダンスーツに包まれ、あっと言う間に変身が完了。そしてポーズを取りつつ名乗った。
「魔弾銃士リュウガンオー、ライジン!」
その頃、才人とルイズはあけぼの署地下の対魔物組織「SHOT」の基地に招かれていた。
彼はSHOTの隊長から「魔弾戦士になる素質がある」と言われ、魔弾戦士として戦うか、普通の高校生として生きるか
の選択を迫られた。こんなところで逃げるつもりはない、そう思った彼は、この町を、そして愛するルイズを守る為、
魔弾戦士として戦うことを決意した。そして隊員の一人、古泉一樹はデルフリンガーに魔弾龍の力を与えた・・・。
動きが早すぎる。これじゃ当たるものも当たらん。それにこの遣い魔、邪魔だ。邪魔すぎる。くそっ、どうすりゃいい?
バッタの如くあちこち飛び回る魔物に苦戦していた俺の前に、才人君が現れた。しかし、持っている剣が違う。どうした?
「彼の所持していた剣と魔弾龍の力が合成された模様。彼が魔弾戦士である可能性、100%。」
いつもの調子でゴウリュウガンは言った。すると、予想通り才人君は剣にキーをセットした。
「リュウケンキー、発動!」
『チェンジ、リュウケンドー』
あの剣がキーを読み上げる。才人君は叫んだ
「撃龍変身!」
俺の赤とは違い、青いマダンスーツに包まれ、変身が完了した才人君は名乗った。
「魔弾剣士リュウケンドー、ライジン!」
その後、才人君、いや、リュウケンドーは初めての戦闘とは思えない戦いを見せ、魔物を撃退した。
戦いが終わった後、、才人君は特例としてSHOTの隊員に採用され、ルイズちゃんは才人君の所で面倒を見ることに
なった。やれやれ、これで肩の荷が軽くなるってもんだ。
>>417 とりあえず、投下するならもう一度スレタイをよーく読んでからにしてくれと言ってみる。
俺には正直キミが何をしたいのか全くわからん。
つーか谷川流全く関係ねぇし。
そして、俺は自宅へ帰った。
「ただいま。」
いつもの如く疲れた声で言うと、いつものように元気そうなハルヒの声が聞こえてきた。
「おかえりなさい、キョン。今日も大変だったわね〜。」
嬉しそうな声でハルヒは続けた。こいつは昔から不思議なことが大好きで、始めて会った
時、「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらアタシのところに来なさい」と言った。
それから3年、あいつが設立した妙なサークルに無理矢理入れられ、引っ張りまわされ、
気が付けばアイツに惹かれていた。そして今や俺の奥さん。おかしな話と言えばおかしな話である。
しかし、後悔とかはまるで無しだ。俺は今の生活には不満は無いし、勿論、今でもハルヒを想う
気持ちは変わっていない。だからこうして、日々魔物と戦っているのだ。今まで一人で戦っていたが、
新たに仲間が増えた。これでもう怖い物無しだ。俺は絶対にこの町を、ハルヒを守り抜く。そして俺は
今日も戦う。
「魔弾銃士リュウガンオー、ライジン!」
END
423 :
417:2006/10/06(金) 02:39:39 ID:RivAsAVC
>>421 テンションの上がりすぎで勢いで書いてしまった。自分の妄想が書ければそれで良かった。今は反省している。
スレ住人のみなさん、この度は誠に失礼しました。
>>423乙です。
えっと、このスレじゃひとまとめに投下するのが原則な雰囲気になってる事と、
キョンとハルヒにもっと出番があった方が喜ばれたと思うよ。
色んな意見あるけど、一緒にぼちぼちと頑張っていこうよ(´・ω・`)ノ( >ω< )
まあ、最近はすっかり過疎っちゃってどうしようもない状態なので、
谷川モノでまた面白そうなネタがあればどうかよろすく。楽しみにしてます。
いや、上から見てるつもりは全く無く、切実なお願いムード。
自分と比べりゃー衝動書きできるだけでも大したもんだで...=■○_ 書キタイノニ,,奴ノ心ガ読メネェンダ…ガクッ
SS書きの人達は今どうしてんだろう?
頑張って書いてたりしてるのかな…|ω・`)ノシ wktkして待ってる奴ここに一名。
早朝から殺伐としたふいんきに合わない長文レスで正直スマンカッタ orz
ルイズは日本語しゃべれるのか?混乱するんじゃ…
俺なんかネタは思いついても文章化する事は無理だぜ(`・ω・´)
みくるの一生は球技のボールに譬えることができる
18歳、みくるはサッカーボール
22人の男が彼女を追いかける
28歳、みくるはホッケーのパック
8人の男が彼女を追いかける
38歳、みくるはピンポンの球
2人の男が彼女を押し付け合う
48歳、みくるはゴルフ ボール
1人の男が彼女の後をトボトボついて歩く
58歳、みくるはドッヂボール
みんなが彼女を避けようとする
90歳、みくるはボーリング球
みんなは静かにその姿を見送り、残したブラの大きさに一喜一憂する
あっちゃ〜
ミクルゥ
431 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 15:33:22 ID:sH7n3I3X
■[アニメ]美水かがみ「らき☆すた」アニメ化企画進行中!
> 監督:山本寛
> シリーズ構成:待田堂子
> キャラクターデザイン:堀口悠紀子
> アニメーション制作:京都アニメーション
432 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 15:47:33 ID:n7u9FCfX
本当に過疎ってるのね
職人さんは他スレとか個人サイトにうつっちゃったのかな
平日の昼間はこんなもんでしょ
それでも昔よかは遅いね
でもそれでもエロパロ板のなk(ry
今さっき阪中さんネタ書き上げて読み返して面白くないと破棄した所orz
エロ無しで面白くも無いのは致命的だよね……練り直して来る。
みんなそうやって上達するんだよ!
「新しい可能性を発見した話」
文芸部兼SOS団部室に入る前は、必ずドアをノックしなくてはならない。朝比奈さんの生着替えと遭遇しないために、俺と古泉が編み出した方法だ。そして今日も、
部室に入る前に俺はドアをノックした。
「はぁい、どうぞ。」
マイスイートエンジェルのかわいらしい声がして俺はドアを開けた。−するとそこには、着替えがまだ済んでいない、いや済んでいないばかりか下着姿のままの朝比奈
さんがこちらに背を向けていた。
「あ・・・あの・・・朝比奈さん??」
俺は状況に混乱しながらも声を発した。朝比奈さんは振り向くと
「あ・・・ひゅみいぃ!!」
みるみるうちに顔が真っ赤になっていく。目に涙も浮かべて。
「し、失礼しましたあ!!」
俺はあわてて部室の外に出た。50m走をしたあとのように息を切らしてしまった。ややあって、
「キョンくぅん・・・、もう大丈夫ですぅ・・・」
朝比奈さんの声がしたので、俺はそろりそろりとドアを開けた。今度は、いつものメイド服に着替え終わっていた。
「びっくりしましたよ、朝比奈さん。」
びっくりはしたが、嫌じゃないんだけどね。
「えへ・・・すいません。ついうっかりぃ・・・。」
朝比奈さんはウインクをしながら謝ってきた。少々嬉しそうなのは気のせいか?
次の日。
コンコン。
「はぁい、どうぞ。」
俺は昨日のこともあったので、ややゆっくりとドアを開けて中に入った。
そこにはなんと。
上と下の大事な所を隠す最後の砦であるはずの下着すらつけていない朝比奈さんがこちらを向いていた。星型のホクロどころか、その下の豊満な乳房にしては小ぶりの
乳首まで見えてます。
「つ、つゆだくっ?!」
俺は意味不明な言葉を発していた。俺と朝比奈さんは呆けてお見合い状態だったが、俺はビデオの巻き戻しのようにドアを閉め部室の外へ出た。気がつくと、100m
走のあとのように息を切らしていた。
「キョンくん・・・どうぞ・・・」
昨日より小さめの朝比奈さんの声がしたのを合図に、再び部室に入った。朝比奈さんは下着姿でした。俺はハイになってしまったようだ。
「朝比奈さん!」
いつもは決して出さないような大声で声をかけてしまった。
「ふひっ、はふわぁいっ?!」
朝比奈さんがビクッとする。その朝比奈さんに言ってしまった。
「それ、狙ってますね?」
朝比奈さんは真っ赤になってうつむき、モジモジとしていたが、
「禁則事項ですぅ・・・。」
とおっしゃった。やれやれ朝比奈さん、ハルヒのやつに辱めをうけているうちに、露出癖に目覚めましたか。
「キョンくんの反応がかわいくて・・・」
朝比奈さん、それ、正直たまりません。
終わり
朝比奈さんが悲鳴を上げるだけでご飯三杯はイケる
とにかくGJ
みくる好きの救世主乙
長門が消え、朝比奈さんが未来へ帰り、古泉が転校してしまった高校二年の冬、
俺はなぜか北の街にいた。わかっているとは思うが、SOS団の面々が空中分解
したのは、ハルヒの変態パワーが消え去ったからだ。
俺は三人が消えた後に、今までの出来事を一切合財ハルヒにぶちまけた。
案の定、蚊帳の外だった事にご立腹の様子で、今では口も聞いてくれない。
鶴屋さんや阪中に仲介を頼んだけど、いまだ音沙汰なし。
長門や朝比奈さんがいなくなり、ずいぶんとショックを受けたもんだ。
古泉?あの胡散臭い笑顔を拝めなくなってせいせいしてるよ。
そのショックから抜けきれない冬休みに、親父の海外への転勤が決まった。
来年受験生の俺は日本に残る事となり、北の街へと旅立った。妹?大喜びで
着いていきやがった。ミヨキチと別れるのは辛そうだったけど、それ以上に
海外での生活が楽しみらしい。
古泉あたりがいたら、俺の転校もハルヒの力が消えた影響とか、もっとも
らしいデマカセを言い出すんだろうな。今思えば、席替えのたびに背後霊の
ように付きまとわれていたのも、力のせいだったんだろうね。
もちろんハルヒにも転校の連絡したが、あれ以来、絶交状態。電話にも出ねえ。
一時間近く、駅前のベンチで待ってるが、従姉妹はまだ来ない。大量の長門が
空から舞い落ちてるよ。あいつは本当に雪になっちまったんだろうか。待ち合わせ
場所は駅前だよな。長門、教えてくれよ。ああ。またあいつを頼ってしまった。
最期まであいつには迷惑の掛けどうしだったな、もっと自腹を切って本をプレゼント
して置くんだった。と意識が朦朧としてきたそのとき、そいつは現れた。
「雪積もってるわよ」
ポニーテールに仏頂面のえらい美人がそこにいた。
「そりゃ一時間も待ってるからな」
「あたしの名前、覚えてる?」
ああ。忘れるわけない。でもここはすっとぼけよう。
「ずいぶんと様変わりしたな名雪」
「誰よその女」
「迎えに来るはずの従姉妹さ。一時間近く待たされてるがな」
「あんたに似て遅刻魔ね」
「どこかの団長と同じで俺の財布を食い物にしている奴さ」
「あんたがいつも遅れるから悪いのよ」
「なんでハルヒがここにいるんだ?」
「あたしも転校したのよ。キョンでも受かる編入試験に落ちるわけないでしょ」
ごもっともで。
「どこに住むつもりだ」
「キョンと同じ下宿先よ」
秋子さんなら三秒で了承するだろうな。なんか忘れてる気もするけど、
まあいいか。とにかく秋子さんの家に向かおう。
この北の街で俺とハルヒは、SOS団時代に匹敵する不思議な
出来事に遭遇するが、それはまた別のお話。
それから一時間後の駅前
「祐一極悪だお〜。祐一の朝ごはんは紅しょうが〜。お昼も紅しょうが〜。
夜も紅しょうが〜。おやつは百花屋のイチゴサンデー〜。一週間おごりだお〜」
イチゴジャンキー兼猫狂いが凍りかけていた。
京アニ版kanonを見て、同じ電波を受信した奴は他にもごまんと
いるんでしょうね。最初は名雪で書いてたけど、ここは葉鍵版では
ないのでハルヒにしました。kanonSSは久々に書いたんで、名雪の口調は
間違ってるかも。
タイトルと1レス目みてコーヒーふいたw
仕事選べ杉田ー!!
「やっほーー!!」
部室でいつものように朝比奈さん特製のお茶を飲みながらくつろいでいると、
これまたいつものようにハルヒがドアを蹴破らんばかりの勢いで入ってきた。
「みんな、面白いものを見つけたわよ!」
ハルヒは満面の笑顔をたたえながら、ずかずかと歩き、部室奥のPCを起動した。
今度は何を始める気なんだ?
「キョン、ちょっとこっちにきてこれを見なさい」
俺がPCに近寄ると、ハルヒはブラウザを立ち上げ、
ttp://www.tv-asahi.co.jp/anime100/ と、URLを入力した。画面に現れたのはテレビ番組のページのようだ。
「好きなアニメランキング100?」
「そ。芸能人と一般からの投票でアニメのベスト100を決めるっていう番組ね」
それで、この番組がどうかしたのか?
「わがSOS団の名を天下に知らしめるチャンスだわ!
これで上位に入れば、SOS団の知名度は鰻の滝登りよ。
不思議なできごとを知らせるメールもじゃんじゃん来るはずよ!」
はあ、なるほどね。
「で、いつなんだ?その番組は」
「来週の月曜」
「明後日じゃねえか!いくら何でも急過ぎんだろ!」
ハルヒは俺の言うことなど気にもとめなかった。
「分かってるわね。私は負けるのが大嫌いなのよ。目標は打倒ドラ○もんよ!」
打倒ド○えもんだと?ドラえ○んといえば日本で一番有名な猫型ロボットだぞ。
しかも未来製だ。とてもじゃないが勝てる気がしない。
勝てる気が・・・しないか?
よく考えてみればこっちにはアンドロイドも未来人もいるのだ。
これでおあいこだとして、超能力者がいる分こっちに有利なんじゃないか?
「さあキョン、早速投票するわよ!ええと、
作品名は『涼宮ハルヒの憂鬱』、フリガナは『スズミヤハルヒノユウウツ』ね。送信っと。
ふふふ、これでSOS団の噂は一人歩きしていくというわけね!」
俺はいつものように肩をすくめた。やれやれ。
>>446 社員乙w
よくできてますな
とりあえず打倒プリキュアあたりで
プリキュアといえばこの番組に嫌な思い出があるので外れてくれると嬉しい。
最近スレ消費遅いな。
自業自得にょろ
全盛期は凄かったのになぁ・・・
そんな頃もあったねぇ( ´ー`)y-~~~
エロパロはまったりが普通
今までが異常だったんだ・・・
まあ始めの頃は、1スレ半年くらいだったもんなぁ。
>
>>444 ちょ、お前のせいで完全に祐一がキョンにしか見えなくなっちまったじゃねーか!
ただでさえ似てるってのに!!
人増えると、増えたことに文句でるからな
思うんだけどみくるが貧乳だったらすごい萌えるんじゃね?
おまえらピーナッツ入り柿の種の教訓をもう一度噛み締めろ
長門→そのまま
みくる→貧乳に
ハルヒ→貧乳に
朝倉→貧乳に
で、キョンに大きくしてもらうっと
>>462 で、減った分は
キョン→そのまま
谷口→巨乳に
国木田→ショタ巨乳に
鶴屋さん→特盛に
でいいでしょう
>>463 ついでに、
キョン妹→貧乳で淫乱
ミヨキチ→美乳で妹の相手(受け)
森さん→貧乳でドM(古泉に大きくしてもらう)
で。
ここは貧乳好きの多いインターネットでつね
>>465 と同時に同じくらい、ツンデレでありながら、ツンデレが好きな人のいるインターネッツだと思う。
べっ、別にアンタに答えて欲しくなんかなかったんだから!
みくる巨根説
469 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 13:22:38 ID:hwXqLRF6
何その同人誌
472 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 16:45:31 ID:sbkRFWvc
298 名前:はじめまして名無しさん :2006/09/15(金) 23:22:38 ID:pNL/1NTp
________
/:.'`::::\/:::::\
/:: \
/::. /""" """\ ヽ
|::〉 ●" ●" | 竹石圭佑
(⌒ヽ |) (1986〜 愛知県名古屋市)
( __ ( ∩∩ ) |
| 、_____ /
ヽ \____/ /
\ /
\____/
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/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l;;;;;;;;;;;;;;;;;;',
l;;;;;r'´ ̄ ̄~  ̄ ̄ヽ;;;;;!
|;;;;;;| |;;;;;|
{;;;;r',;;'"゙`、 .,,;-ー、 ',:;} 植草一秀
rゝl!. (●)│l (●), :l;jヽ 名古屋商科大学客員教授
〉),| . ノ ヽ :!ノ/
ゝ_.l ゝ- ' ,jノ
l、 ___, /!
lヽ ー‐' ,/ !
/!、`ー─‐'" /ヽ
竹石圭佑と植草一秀氏には多くの重大な「共通点」がある。
竹石圭佑は覗き&盗撮が趣味で高校時代にも最低2回は「覗き」「下着泥棒」で捕まっている。
顔の系統も同じで、かなりレベルの高い金魚面である。
竹石や植草氏は世の中の女性を「性欲処理の道具」としてしか見ていない。
犯罪・変態行為で互いにしのぎを削りあう両名。好敵手とも言える。
しかし、この二人の不自然なほどの重大な「共通点」から考察すると、竹石圭佑は植草一秀氏と血縁関係にあるとも考えられる。
↑に古泉4人ほど確認。
>>464 森さんはSに違いないと思っていたけど
あれで実はMってのもヨイね。
いやSMスレにだろ
>>477 俺リアルタイムに読んでたがすげぇと思ったね。
長いだけ
480 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:03:17 ID:IK7SPtaU
確かにああうまいなって言葉遣いがないのが残念だ。淡々と述べてるだけに感じてくる
他スレの話はあまりしない方が良いんじゃないの
また「偉そうに〜」どうのこうのケチつけて来るから
初めてSS書いた……
が、いきなり長編書いたから、序盤と終盤で文章力の差が……
今さら序盤を書き直す気力なんてねえorz
早く手直し終えて投下してぇぇ
がそれもまた、時間かけ過ぎて、もう全然客観的に読めねぇよorz
>>482 客観的に読んでやるからとっとと投下するんだw
ここ投下する度に荒れるからどんどん人がいなくなるんだろうな。最近はそんなこともなくなったが
いかにも初心者お断りって感じだったしね
ケチつかないとラッキー
つか、ネタだってそろそろ切れ気味だろ
ここだけでもう千作品近くあるんだぜ
487 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:01:50 ID:gEl4dBLx
プリンスレの情報爆発でもうふらふらデス。
>>487 段々gdgdに……って他板批判はなしか……。
>>486 俺は完全にネタ切れだな。もう投下なんて無理
ネタ浮かんでも被ってるかどうかの確認が面倒だったり
古泉が森さんをメイドとして調教するってあり?
>>488 盛り上がっている、それ事態が良いことで。
それなら自分が盛り上げりゃいいって話なんだが…
>>486 ネタは色々と思いつくのに…書く気がしないお(´;ω;`)
それもたった今せこせこと書こうとしている長編ネタが……
>>424の理由で便秘カスorz
これ終わらせないとスッキリしないお……でも頑張るお…ぼちぼち待っててお!(`・ω・´)にょろろーん!
>>487 プリンスレはスレの雰囲気が嫌いだからまとめだけ見てる。
なんでもGJつければいいってもんじゃないと思うんだがな。
>489
確認などしない
書きたい時書きたいように書きたいものを書く
それが俺のジャスティス
すまんが、あっちのVIPはとんでもない方向に進んでいる
495 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:29:02 ID:gEl4dBLx
>492
16時ごろから200レス級の超大作が投下されてて
5時間wktkしっぱなしで疲れた…。
>>490 エロパロじゃ逆パターン(森さんが古泉を教育する)と合宿前の古泉による演技指導(エロ無し短編)だけ!
そんなに気にせず気のままに書くっさ!!
じゃあ妹初潮ネタとか書いてもいいんだね安心した
>>497 それで困ったキョンがハルヒを呼んでわたわたするのがあったな。
やっぱあんのね。ルソー獣姦もありそうだしもうどうすればいいの。
>>501 大好きなハルヒを犯すために大好きなルソーをけしかける、Sな阪中はまだいないと思うが。
ワッフルワッフル
喜緑さんで何か書こうかな
>>501 ルソーがらみだと、阪中・キョン・ルソーの3Pがあったな。
こうしてみると本当にいろいろやったんだなと思うよ。
この状況で新境地を切り開くとなると…
シャミセン獣姦とかはいかが?
となると
王道のキョンもの、キョン×ハルヒものだと
ほとんどネタが出尽くしてそうだな……
被ってなきゃいいが……
>>507 内容が被っても仔細まで一緒になることはない。
心配せず投下してください
>>506 シャミが壮年男性化して、キョン妹やら年末旅行先で森さんとやる……つうのはマニアック?
確かにやり尽くした感があるよね。もういっその事登場人物全員で乱交パーティーとかヤっちゃえばすっきりするかもね。
性的な意味で
古泉の男女カプネタはあんまりやり尽くし感が無い、と思う。
あと、みくるの小ネタ系。
自分が全部チェックし切れてないだけかも知れないけど。
既視感と言われようとデジャビュと言われようと、思い付いた物
片っ端から書いてしまえばいいのさ!
妹初潮ネタ書いたの俺じゃん……。すっかり忘れてた。
え?Σr(‘Д‘n)亀ながらGJw
新川×みくるとか、田丸×長門とかはまだかな?
全く想像付かんが。
>>田丸×長門
許せん
陰謀の誘拐女は使えそうだけど
詳細待ちかね
みくるを誘拐したのは優弥の組織なんだろうか……
>優弥
‥‥‥誰?
まぁ、新刊でるまでこのペースでいいか
このすれにはれずがたりない
このすれにはやんでれがたりない
>519
『学校をでよう』に出て来る古泉の異世界同位体。
個人的には同一人物案を提案したい。
だからキョンの考えが読めるんだよ!w
>>523 こらこら、本気にしたらどうするんだ。
他人のそら似だよ
たぶん。
それは鶴屋さんの裏の顔
はっ(;゚ Д゚)
鶴屋さんと古泉は実は兄妹だったのか・・・
>>523-524 なぁんだ!学校をでようは見てなかったから知らなかったよ。サンクス
でも流石に違う作品とリンクしちゃうなんて事態は無いでしょ〜w
俺は騙されないぜ!
さて、と ラノベ買うお金はあったかな…
>>526 実は兄妹、じゃなくて、姉弟、とマジで言われても
ああそうですかで納得しちゃいそうな自分がいる・・・
なんだかんだ理屈こねる前に、情熱のまま思いを叩きつけるんだ!
俺?
俺はwktkして待ってる。
>>530 鶴屋さん、目が笑ってないように見える……というか、どこ見てるんだ彼女は?
ところで黒ニーソーとストッキングってどっちの方が攻撃力があるんだ?
ミニスカとの組み合わせならニーソ。
ロングスカートとの組み合わせならストッキング。
何をマジになっているんだオレは…
>>534 THX。早速今日の集まりミニスカニーで逝ってみる。
巨乳と無口に勝てたら帰還報告するわ。んじゃ。
休日恒例のSOS団課外活動は当然のように本日も行われる。
いつも通りの集合場所である駅前にこれまたいつも通りの着順で俺が着くと
そこにはいつも通り愛くるしいお姿でたたずむ朝比奈さんと、いつも通り制服姿の長門に並んで
いつも通りでない格好をしている奴が笑顔で立っていた。
普段ははかないミニスカートからすらりとした足を伸ばし、ニーソックスで纏めあげている。
オーソドックスだが、その姿に俺は思わずクラッときた。
ハルヒはただ笑っているだけだが、古泉が俺に感想を言えとアイコンタクトを送ってくる。
溜息をはき内心頭を痛めながらも、俺は仕方なく思ったまま感じたままの感想を言ってやる事にした。
「……キモいぞ、古泉。何でお前ミニスカなんてはいてんだ?」
ハルヒ、ただ笑っているだけなのかwww
539 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 09:13:20 ID:BpU0BiTF
朝から爆笑させんなwww
団員きっての良識派として一応は突っ込んでおいたが、よく考えれば古泉がこんな妙ちきりんな事を何の意味もなくするはずがない。
些細なことにすら意義を見出そうとする探偵気質なコイツの事だ、今回だって何か理由があるはず。
俺は他の三人と軽い挨拶を交わしてから、古泉を半ば引きずるようにして近くのモニュメントの裏に回った。
「で、今回はどんな面倒が起きてるんだ?どうせハルヒ絡みだろうが、
そんな格好までしないといけないなんて、滅多な事じゃないだろう?」
内容如何によってはハルヒに聞かれてはマズい事になるからな。
早めの状況把握も、今まで散々厄介事に巻き込まれたが故の知恵である。
しかし古泉は、そんな俺の気遣いにも苦笑いをするばかりだ。一体何だと言うのか。
「涼宮さん絡みである事はその通りなのですが…
もしかして、僕が自発的にこんな格好をしていると思っていますか?」
「そりゃ喜んで…っつー訳では無いだろうが、
意味も無くそんな格好をしてるわけでもないだろう」
「あなたは一つの可能性を忘れていますよ。しかも一番有り得る可能性です」
一番有り得る…?しかし閉鎖空間や機関絡み以外でコイツがこんな事をするだろうか…いや、そういえば。
「…神様の命令か」
「ええ、その通りです」
しかしどうしてまたこんな。困惑する俺に古泉は、変わらぬ苦笑で説明を始める。
「涼宮さん…いえ、女性陣にはかねてからの疑問があったのです。
つまり、何故あなたが、何時まで経っても三人に手を出さないか」
途端に気が抜ける。
「その疑問については僕も納得なのですが…彼女たちは一つの仮説を建てるに至りました。
あなたが男色である、
という、ね」
なっ…!
「なんだそりゃ!俺はノーマルだっての!」
「知っていますよ…しかし彼女たちはそれ以外に理由を見つけられなかったのです。
仮説を立てた後にすることはなんですか?」
「…そりゃあ実験だろ…まさかっ!」
モニュメントの端から向こうを覗き込む。何やら三人が姦しく言い合っているのが聞こえるぞ…。
「やっぱり古泉くんが攻めでしょうか…」「甘いわねみくるちゃん。ここはキョンのヘタレ攻めで決まりよ!」
こくりと頷く長門。
なんだか頭が痛くなってきた…。
そこで頷くか長門w
頭痛いのに朝から笑わせるなww
ワッフルワッフル
古泉はリバでキョンは強気攻めだろ
数字版池よお前ら
ところで1年5組の座席表に書いてあった
松代に詮索されるほどの後藤と豊原の関係ってどんなのだろうか?
数字板って何のことかと思ったらあの魔境か
なんか感心した
お互いのシャーペンを交換 → 文字を書いたり口に含んでみたり恥ずかしい所に入れ(ry → 再度交換
よっしゃ〜〜!!!
この過疎スレにSSを
投下しないぜ
お前には失望した
>>546をきっかけに、クラスメイトの関係図をまとめてみた。
=しっと団の標的 →淡い恋心 ‥‥友愛 ×犬猿、和解、そして愛 ◆ 絆 ⇒×お前氏ね
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
♀由良‥♀高遠
:
♂後藤=♂豊原=♂葉山
:
♂松代 ♀西島‥♀剣持
: ↓
♂垣ノ内→♀瀬能→♂榊←♀鈴木
:
♀大野木‥♀佐伯 ♀柳本‥♀日向
: : ×
♀成崎‥♀阪中→♀涼宮=♂キョン
↑ ↑
♂岡部◆♂宮本◆♂谷口=♂国木田
◆
♂手島◆♂植松◆♂荒川◆♂花瀬
◆
♂中嶋=♂吉崎 ⇒×♂山根→♀朝倉(享年3歳)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
由良と後藤は吹奏楽部なので仲良しな気がした。
ちなみに吉崎と成崎も同じ美術部。でも吉崎には慈母神属性有りなので影響薄し…?
訂正よろすく
全然関係ないのだが、1年5組の面子ってどいつもこいつも
スクールでランブルしててもおかしくないようなキャラしてるよな。
で、そんな中もひたすら独自路線を歩み続けるハルヒと(ネクタイ引っ張られてる)キョン。
>>551 俺はツッコまねぇぞ。
♂谷口=♂国木田
は修正した方が……
≒ 不可侵条約
これいれてみてよ
「木曜日の仲良し4人組」
あのね、SOS団って全部で5人いたのね。涼宮さんと、キョンくんと、同じ学年の長門さん、古泉くんって人。それと2年のメイド服の・・・朝比奈さん?って人。
パソコンつきの机に座っていてから、涼宮さんがリーダーぽかったのね。え?ほかの人は長机の前に座ってたの。朝比奈さんっていう人は、お茶汲みしてたのね。
うん、上級生よ。涼宮さんにアゴで使われてたのね。全然嫌そうじゃなかった。なんか嬉しそうだったのね。
それでルソーの話したんだけど、涼宮さんしか興味なさそうだったの。キョンくんは涼宮さんに話しかけたり、私に話しかけたり、うん、してきたのね。でも他の人は
何も言ってこなかったのね。
だいたいの話がまとまったあと、ルソーを連れて現場検証をすることのなったの。うん、前にも言った通り幽霊のね。そしたらね、涼宮さん、巫女さんの服を出してきたのね。
えへ、どこで買ったのかは分からないのね。朝比奈さんっていう人は嫌がって、涼宮さんがムリヤリ服を脱がしだしたの。あれにはびっくりしたのね。ふう、朝比奈さんって
いう人、顔に似合わずおっぱい大きかったのね。私もあれくらいあれば・・・、あ、話の続きね。朝比奈さん、服を脱がされてるときも巫女服を着させられてるときもかわいい
悲鳴をあげていたけど、本当に嫌って感じじゃなかったのね。そう、「ふみゅう」とか「ふひっ」とか。電車の中でもおどおどしてたけど、まんざらでもなさそうだったのね。
涼宮さんってやっぱりキョンくんと一番話してるのね。キョンくんは困ったような顔をしていることが多いけど、涼宮さんのこと気にかけてる感じだったのねうん、あれは二人とも
いい感じなのね。
私の家についてちょっとお茶でもって誘ったんだけど、早く行こうってことですぐ家をでたの。私は家で待機ね。こないだ買ったお茶がおいしかったから飲んでほしかったんだけど
・・・え?お茶の話はいいからってひどいのね。家に遊びに来ても飲ませないのね。
涼宮さんたち一生懸命やってくれたのね。調査結果だと散歩コースを往復したり、ジョギングしてる人に聞いたり、地図に印つけたり。朝比奈さんっていう人は呪文まで唱えてくれたのね。
ほら、「はんにゃーはらみーだじいー」ってやつなのね。えっ、般若心境っていうの?すごいのね。そんな呪文知ってるなんて。
でもその時は原因がはっきり分からなかったのね。なんか熊かなんかの犬が嫌がる臭いが残っているとか言ってたのね。よく分からなかったけど一生懸命やってくれたからちゃんと
シュークリームをご馳走したのね。えっなんで笑うの?
そんなこんなでSOS団潜入初日は終了したのね。でも楽しかったのね。私、思うんだけど、朝比奈さんっていう人のポジションならなれそうな気がするのね。私もメイド服着れば涼宮さんとー
「「なに言ってんのよ!?」」
私の話を聞いていた佐伯と大野木に怒られたのね。
「あんたってばもう〜、心配だわ。」
大野木が私の頭を撫でてきた。なんかくすぐったいのね。成崎はニッコリしてる。
「それで、今はルソーは元気なの?」
佐伯が聞いてきたのね。うん、元気は元気だけど、やっぱりあの散歩コースは嫌がるのね。
「そうなの・・・。まだルソーからは気が抜けないわね。」
そうなのね。でも大丈夫。またルソーが調子悪くなったら涼宮さんにー、
「「「病院へ連れて行きなさい!!!」」」
今度は三人に怒られたのね・・・。
終わり
地味に黒いぜ阪中さんよ
「ひらめ、たい、、まぐろ…」
「魚か!」
>>560胸を大きくて誰にみせるつもりですかと小一じかくぁw瀬drftgyふじこlp;@:
で、
>>551を改正してみた。またずれてるかも知れないが気にスルナ
=しっと団の標的 →淡い恋心 ‥‥友愛 ×犬猿、和解、そして愛 ◆絆 ≒放置プレイ ★ 誰も邪魔できぬ究極の愛
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
♀由良‥‥‥‥‥‥‥‥♀高遠
: :
♂後藤=♂豊原=♀葉山
: :
‥‥‥‥・
:
♂松代
♀西島‥‥‥‥♀剣持
: ↓
♂垣ノ内→♀瀬能→♂榊←♀鈴木
:
♀佐伯‥‥‥♀大野木 ♀柳本‥‥‥♀日向
: ×
♀成崎‥‥‥♀阪中→♀涼宮★♂キョン←SOS団三人組
↑ ↑
♂宮本(しっとマスク)★♂谷口=♂国木田
◆
♂手島◆♂植松◆♂荒川◆♂花瀬
♂宮本(しっとマスク )
★ ★
♂岡部 ≒上記の一年五組26名の生徒全員≒♂山根→♀朝倉 ♂古泉★機関(秘密結社しっと団)
ll ★ ★
♂吉崎★♂中嶋 ♂マーテル(しっとマスク2号)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これでヨシ。正直スレ違いですまんかつた。
とりあえずさっき性別間違えた葉山さんに殴られてくる ノシ
>>561 朝比奈さんが卒業してから2代目メイドに就任予定、
と好意的に解釈w
またずれてた(゜Д゜`)正直死にたいorz
♀由良‥‥‥‥‥‥‥‥♀高遠
: :
♂後藤=♂豊原=♀葉山
: :
‥‥‥‥‥
:
♂松代
♀西島‥‥‥‥♀剣持
: ↓
♂垣ノ内→♀瀬能→♂榊←♀鈴木
:
♀佐伯‥‥‥♀大野木 ♀柳本‥‥‥♀日向
: ×
♀成崎‥‥‥♀阪中→♀涼宮★♂キョン←SOS団三人組
↑ ↑
♂宮本(しっとマスク)★♂谷口=♂国木田
◆
♂手島◆♂植松◆♂荒川◆♂花瀬
♂宮本(しっとマスク )
★ ★
♂岡部≒上記の一年五組26名の生徒全員≒♂山根→♀朝倉 ♂古泉★機関(秘密結社しっと団)
ll ★ ★
♂吉崎★♂中嶋 ♂マーテル(しっとマスク2号)
やっと、やっとできた……
初めてのSSが……
さて、投下してもらおうか
長編、投下させてもらいます。
王道のキョンもの、キョン×ハルヒもの
エロなしです。
40レスほどの予定
「ふえぇーいやですぅー!」
「ちょっと! 待ちなさいみくるちゃん!」
どうやら久々に始まったようだ。
我らがSOS団部室においてはさして珍しい光景ではなく、この部屋に足を運ぶ全員が見慣れている
であろうワンシーンなのだが、この一年近くでハルヒの奴も大人になったと捉えていいのか、長らく
この見慣れているはずのワンシーンを拝見していない。
俺は懐かしさに任せ、うっとりと眺めていそうになったのだが。
やはり、俺のヒーリングシンボル朝比奈さんが嫌がる姿というのは、どうにも落ち着かん。
……てゆうか、これを見ても落ち着いてられる方が問題ありだと思うがな。
「もうそのくらいにしておけ、ハルヒ」
「うっさいわね!毎回毎回全く同じ台詞で止めようとしてんじゃないわよ、黙ってなさい!」
毎回と言うか、久しくこの台詞を口にしたんだが。
しかし、よくそんな悠長にあたかも微笑ましい光景を目にするかのようにしてられるな古泉よ。
嫌がる朝比奈さんの姿がお前にとっての癒しか? なんなら一度俺がお前を嫌がらせ……
……聞き流してくれ。気持ち悪い。
「それはそれは残念です。あなたになら苛め――」
「やめんかっ」
とまあ、かの住谷氏も羨望の意を表するであろうゲイトークを繰り広げている間にも、ハルヒと
朝比奈さんの新喜劇はまだ続いているようだ。
「だめぇ〜お願いですからぁー!」
「ったく往生際が悪いわね。大人しくなさいっ!」
朝比奈さんの抵抗が予想以上に激しく、ハルヒが段々と苛つき始めている。
おいおい、なんだかいつもより……いや、いつもというか久々なんだが……エスカレート
しすぎじゃないか?
お、おい、ちょ、ハルヒ、それはいくらなんでも……。
さすがの古泉も度が過ぎていると感じたようで、席から立ち上がらんと机に両手を置いている。
顔が真剣には見えないのは気のせいだと言っておこう。
「ハルヒ、いくらなんでも今日はちょっとやりすぎだ。大人しく朝比奈さんから離れろ」
とりあえず俺は、いきなり怒号を飛ばすのもどうかと思い、なだめるように言ってみた。
「いつあんたがあたしに意見できる身分になったわけ? あたしに反抗してる暇があるならあんたも
手伝いなさいよ! あんた団員その四なんだから!」
……おい、今のはちょっとムカッときたぞ。
みくるみくる……いや、みるみる俺の頭に血が上っていくのがわかる。
いかん。落ち着け俺。この一年近くで成長しただろ? 一、三、五、七、十一、十三……OKだ。
「いったいどうしたんだハルヒ。何か気に入らないようなことがあったんなら話してみろ」
よく耐えた俺。我ながら落ち着いた大人の発言だ。
「だー、もう!大人しくしなさいってば!」
…って無視かよっ。いいのか? 俺の精神面の成長が盛大に盛り込まれた貴重な発言だぞ。
「涼宮さん……僕としても、少々過激過ぎ……だと感じるのですが……」
「なになに? 今日は古泉君まであたしに反抗するわけ!?」
「長門からも何か言ってくれないか」
「何か」
……ダメだ。
「ハルヒ、めずらしく古泉までこう言ってるんだ。そろそろやめにしないか?」
「みんな揃ってうるさいわね!」
それは今の長門の台詞も含めてなのかハルヒ?
「揚げ足取るようなこと言ってないで、あんたはとっとと手伝いなさい!」
「びえぇ〜いやあぁー!」
な……あいつ……なんてことしようとしてんだ。ちょっと……まじでシャレにならん。
朝比奈さんの目に大粒の涙が浮かぶ。
「……お、おいハルヒ」
これはまずい。
「……えぐっ、うぐっ……えぐっ」
とうとう朝比奈さんが泣き出してしまった。当然だ。こんな卑劣な仕打ち、かよわい女の子なら
誰だって泣くぜ。俺のマイスウィートエンジェルになんてことをしやがった。
……「俺の」と「マイ」は同意義だなんてつっこみは、なしで頼む。
しかも泣き出した朝比奈さんを見て、ハルヒはとんでもないことを言いやがった。
「何よまったく。泣けばなんでも許してもらえると思ってるのかしら。計算?」
このハルヒの一言で、懸命に頭に血が上るのを抑えていた俺の理性が飛んだ。
バンッ!!
俺は思いっきり両手で机を叩いて立ち上がる。
「いい加減にしろハルヒ!!」
旧館中に響き渡るような大声で叫んでしまった。
「……え」
ハルヒは、少したじろいだ様子で俺を見て固まっている。
おーこいつにもこんなリアクションができたのか。ちょっとしたサプライズだ。
古泉も朝比奈さんも、驚いた様子でこちらに視線を向けている。今ので朝比奈さんの涙は止まった
ようだ。長門も顔をこっちに向けている。言うまでもないが、表情は変わらん。
ま、そりゃそうだ。なんせ俺自身が驚いてるからな。
こんなに大声で叫んだのは、これが初めてかもしれん。今晩は赤飯にしてもらおう。
「な、なによ……いきなり大声で……」
ハルヒの言葉も、さっきまでの勢いはすっかり身をひそめている。
さて、これからどうしたもんか。といってももう後戻りできん状況だ。ハルヒにも今の叫びは
効いてるようだし、俺らしからぬ行動だが、ちょっとこのテンションのまま特攻してみるか。
「お前、いくら何でもやっていいことと悪いことがあるだろ! 今までのはまだ、ほんのちょっとだが
可愛げがあったかもしれん。でも今日のは違うだろ! 誰が見てもいたずらの度を超えた行動だ!」
「ふん、何よ! 相手がみくるちゃんだからそんなこと言ってかっこつけてるだけじゃないの!?
早くみくるちゃんに手でも差し伸べて、さっさと胸を貸しt」
「ハルヒっ!!」
またまた旧館中に俺の声が響き渡る。
「ほんっとうるさいからやめてそれ!」
な……こいつ、また朝比奈さんに近づこうとしてやがる。
「まだわからんのかっ!!」
俺は、朝比奈さんに近づこうとするハルヒの腕をぐっと鷲掴みにし、引き離そうと男の力で思いっきり
引っ張ってしまった。いくらハルヒの運動神経が俺の数倍はあろうとも、腕力で男に勝てる訳がない。
ハルヒは後ろによろめき、本棚に背中をぶつけた。
「……痛っ」
……やっちまった。
おい、なぜみんなそこで俺から視線を逸らす。そこはBの"視線を逸らす"ではなく、Dの"助け舟を
出す"でファイナルアンサーだろうが。いいのか? 一千万だぞ?
……何に出場してんだか。
とりあえず会場のみなさんにでも……。
「いやあ、男として女性に手を出すのはどうかと……」
……どうやらCの"非難する"でファイナルアンサーのようだ。
とりあえず俺は全身全霊をかけて逃げ出すのが妥当な線に違いない。
「……ボコボコ」
長門、小声で言うな小声で。余計不安になるだろうが。今ならお前と喜緑さんのフュージョンでも
逃げる俺には追いつけんぞ。
という訳ですまん古泉、今夜は徹夜でバイトがんばってくれ。
うん、それ、無理。
何か今、一生思い出したくない台詞が頭をよぎった気がするがああ究極にパニクってるな俺。
「……何よこれ」
ハルヒはわなわなと肩を震わせている。
「何すんのよ……バカっ!!」
そう言うなりハルヒは、団長机に置いてある自分の筆箱を取って、俺に渾身のストレートを投げつけて
きた。蓋開いたまま投げるなよ、おい。
まあまあの至近距離でかなりの剛速球を投げられては、こちらもかわしようがない。モロに顔面に
食らってしまった。
……痛てえ。
しかも食らうと同時に中身が飛び出て、ペンやらシャーペンの芯やらが顔の色んな部分に当たるわで
二重の痛みだ。
どっかの破戒僧が命掛けで編み出した必殺技を一瞬でマスターしやがったのかこいつは。
しかも遠当てかよ。
「い……痛てえー……」
「だ、大丈夫ですかぁ……キョン君……」
「ふん。自業自得よ」
とりあえず目が両方とも痛くて、手で目のあたりを押さえる。
「目が痛くて開けられん。消しゴムのカスとかが入ったようだ」
「ちょっと僕が見てみましょう。手をどけてもらえますか?」
「今は無理だ。目を開けるのはかなりきつい」
「では、手だけでもちょっと下ろして下さい」
俺は古泉に言われるがまま手を目から離した。
……しかし、こいつの言われるが侭になるというのは、なぜか抵抗を感じるよな。
「……ひあぁ」
「え……キョ…キョン」
「……残念ですが、これは消しゴムでは……」
ん?なんなんだ、このリアクションは。声はしないが長門が近くに来たのもわかる。
俺が実は奥二重瞼だということに気が付いたのか? 朝の調子によっちゃあ、パッチリ二重に
なることもたまにあるんだぜ。
ああ、そういえば手に少し水分が付いてるような……まさか、高校生にもなって痛くて泣いてしまった
のか俺。なんて情けない……そりゃそんなリアクションが出て当然だな。
「早急に病院へ行きましょう! 僕がタクシーを用意します」
「ちょ、ちょっと待て。そりゃ高校生にもなって痛くて泣くなんて、頭も痛い子なのかもしれんが……」
「……どうやら、手と顔に付いているのが涙だとお思いのようですね。少しそれを舐めてみて下さい」
俺は再び、古泉の言われるが侭にする。
ん?なんか鉄っぽい味が……なんだ、血か。
………待て、今俺何つった?
……血とかなんとか…って、血!
「……そう。あなたの眼球から出血している」
「眼球から、ですか。瞼の裏あたりであって欲しかったのですが、長門さんがそう言うのでしたら……」
「うそ……そんな。あ、あたし……」
残念だが、古泉の言うとおり長門が言うのなら間違いないのだろう。
……やれやれ、なんてこった。齢十六にして早くも失明か。
「……や、やめてよ。そんな……あたしのせいで……キョンが」
こんな弱々しいハルヒの声を聞くのも今日が初めてだな。お前も今晩は赤飯だ。
「そうですよ。まだ失明だと決まったわけではありません。一刻も早く病院へ向かいましょう!僕が
おぶりますが、今日だけは我慢して下さい。たとえ拒否されようとも無理矢理おぶりますけどね」
その台詞、今だけは感謝する。たのむ古泉。
「急ぎましょう」
古泉は、視覚を奪われた俺を手早く背中に乗せる。
そしてすぐに走りだそうとするが……
「ちょっと待ってくれ」
俺は思い出したかの様に、走り始めた古泉を一瞬止める。
うん、やっぱこいつには一言言ってやらないとダメだ。
自分が原因でこうなったんだから、軽くパニクってるかもしれんしな。
「ハルヒ、俺は失明なんかしない。安心しろ。だから自分を責めるな。そのかわり、朝比奈さんには
後でしっかり謝っておけよ」
「……キョン…うん」
今日で一番いい顔のハルヒが思い浮かぶ。
こいつも、いつもこんな弱々しい感じならすぐに惚れ……えぇい、アホか俺っ。
と、いまいましいことを考えている間にも、俺を乗せた古泉号はタクシーへと向かって走り続ける。
朝比奈さんは、血を見てからへなへなとその場に座り込んでいる……に違いない……多分。
……見えねえからわかんないんだよ。
長門は……
「……」
付いて来てくれているようだ。
長門、いつも心配かけてほんとすまない。
……しかし、この目の痛さはなんとかならんのか……。
「どう?みくるちゃん。落ち着いた?」
「はい……もう大丈夫です。ひぁ……」
「ちょっとちょっと、無理して立ち上がらなくてもいいわよ」
「……でも、わたしだけこんな……情けないです」
「まあ、確かに目から血を流してたのはあたしでも衝撃だったわ。でもまさか腰抜かすとはねー」
「……ごめんなさい」
「……ううん。謝らなきゃいけないのはあたしの方。さっきはほんとごめんね……みくるちゃん」
「涼宮さん……だ、大丈夫です。もう全然気にしてませんからっ」
「ありがとう。あたし、どうしちゃったんだろほんと……キョンにも、とんでもないことしちゃった」
「キョン君……。涼宮さん、キョン君……大丈夫ですよね…目が見えなくなるなんてこと……」
「……うん。大丈夫だと思いたいわね………いや、ダメよダメよ! あたし達がこんなんじゃ!
あいつが、大丈夫だから安心しろって言ったんだし。きっと大丈夫に決まってるわ!」
「そうですよね! 大丈夫ですよねっ。でも……なんだか羨ましいなぁ……信じてるんですね、
キョン君のこと」
「なっ……なに言い出すのよいきなり! そんなこと言えるくらいなら、もう大丈夫ね」
「え……」
「かなり時間食っちゃったし、今からあたし達も病院に行くわよ! 全力で走ればすぐ着くわね!」
「走るんですかぁ?ひえぇ…」
かくして俺達三人は、無事病院へと辿り着いたわけだが。
なんだなんだ、この"救命病棟24時"というタイトルでも付きそうな俺の扱いは。
どうせなら、ガラガラ走るベッドに乗せられて急いで手術室に向かい、古泉と長門が走るベッドに
付いて来ながら、ベッドに横たわる俺に必死に声をかけている。なんてのを経験してみたかったぜ。
……そんな事態にならないことを切実に祈る。
残念ながらガラガラベッドには乗せられなかったが、やはり手術で眼球に刺さった異物を取り除き、
なんやらかんやらすることになった。
全身麻酔初体験だ。何か今日は初めてなことづくしだな。赤飯の量は足りるだろうか。
……急速に眠くなっていく。さすが全身麻酔。そういえば、麻酔がなぜ効くのか科学的に解明されて
いないって話をどこかで耳にしたことがある。俺に世界で初めて麻酔の副作用が、とかは勘弁な。
まあ、ないだろ。
………そろそろ意識がなくなりそうだ。
……眠いな。
…。
「ああ、こうして手術が終わるのを待っている時間というのは、とても長く感じられますね……」
「……」
「おや、いつものように本は持ってきてないんですか?」
「このような状況で本を読むのは、不謹慎と判断した」
「なるほど……そうかもしれないですね」
「そう」
「彼、大丈夫でしょうか。失明なんて……考えたくないですね……心配です」
「……」
「長門さんから見て、彼はどんな状態なんでしょうか」
「……非常に危険な状態であると感じている」
「……やはりそうですか。僕もそう思いましたが、信じたくはなかったですね……」
「同意する」
「無事を祈りましょう」
「涼宮ハルヒと朝比奈みくるも、ここへ向かい始めた」
「そうですか。間に合うといいのですが」
「……間もなく手術が終わる」
「……おやおや、どうやら間に合いそうにありませんね」
「恐らく」
「では、僕たちはそこの手術室の扉の前まで行きますか」
「……」
「おや、そっちは……長門さん、どこへ行かれるのですか?」
「……トイレ」
「ふふ…長門さんでも緊張されることがあるなんて、驚きです」
「あ、出てきましたね。行きましょう」
「……」
「先生方、手術の方は……どうだったのでしょう」
「お友達の方々ですね。結果は後ほど、病室でお知らせします。彼の意識が戻る時に、そばにいて
あげて下さい」
「わかりました。そういえば先生、彼の家族の方は来ないのですか?」
「いや、それがですね。何度も呼ぶように説得したのですが……彼が、今は絶対呼ぶなと言って
聞かないんですよ。どうしたんでしょうね。何か心当たりないですか?」
「それは僕にはわかりかねますね。長門さん何かわかりませんか?」
「……特に、それに関する情報は感知できない」
「……そうですか。あとで彼に聞いてみるとしますか。先生、ありがとうございました」
「では彼を病室に運びます。あなた達も、どうぞ病室へいらして下さい」
「はい」
「ん……ここは病室か?」
どうやら手術が終わったようだ。目は……眼帯と包帯が巻かれていてわからん。
「気が付いたようですね。そうです。病室です。どうですか?気分は」
「気分も何も、起きて最初に聞いたのがお前の声だという時点で、爽快とは言えん」
「おや、それは残念です。長門さんに声を掛けてもらうべきでしたか」
全くその通りだ。
まあ手術中もずっと待っててくれたのは……ちっとは感謝してやる。
「それはそれは、光栄ですね」
ニヤけ声で言うな。今のでチャラだな。
「長門、ここにいるんだろ? お前もありがとな」
「礼には及ばない」
いつもなら、ミクロン単位での表情の変化で長門の感情はある程度わかるんだが、それが見られない
のは厳しいな。
「そういえば先生が、あなたが家族の方を呼ぶのを拒否したと言っていましたが、なぜなんです?」
「……いや、まあたいしたことじゃないんだが、ショック受けるだろうと思ってな」
このことに関しては詳しく説明しなくてもいいだろうと思って、俺は簡単に言った。
……まあ、しかし詳しく言うとだな、要は妹のためだ。
あいつは……自分で言うのもなんだが、俺のことを異常に慕ってくれてると思う。まだ小さい
そんな妹がだ、もし俺が失明したとして何の前触れもなくいきなりその事実を突きつけられたら
どうなると思う? それが怖かったんだ。
「……まあ、あなたがそう言うなら、そういうことにしておきましょう」
いつもの古泉の、肩をすくめるジェスチャーが想像できる。
「では、先生にあなたが起きたら呼んで欲しいと言われていたので、今から呼びに行きますね」
「……ああ」
そう言って、古泉の足音のあと扉が開いて閉じる音が聴こえた。
視覚が欠けていると、しゃべらないと何か物寂しいので長門にしゃべりかけることにした。
「長門、ハルヒと朝比奈さんは病院には来てないのか?」
「来ていない。今向かっている」
「そうか」
「そう」
……なんとゆうか、いつもなら長門が無口なのはあたり前であって、俺も全然長門はそれでいいと
思っている。しかし顔が見られないとなると……長門の口数の少なさが妙に目立つな。
ページをめくる音も聞こえないし、本も読んでないのか。
「長門、今は本読んでないのか?」
「読んでいない」
「俺に気を使わず、読んでもいいんだぞ」
「わたし自身の意志で読んでいない」
「……そうか」
「そう」
……いかん、単発会話なのを妙に気にしてしまう。早急に目を完治させる必要がありそうだ。
そこへタイミング良く、助け舟を出すかのように古泉が先生を連れて戻ってきた。
「呼んで来ました」
お前にしてはナイスタイミングだ古泉。
「お疲れ様。よくがんばりましたね。気分はどうですか?」
先生が優しい口調で俺に言う。
「ありがとうございました。はい、特に悪くはないです」
「それはよかった」
「早速ですが先生、彼の目の状態はどうなんでしょうか?」
古泉の問いかけに、先生は少し間を置いて答える。
「はい……結果なんですが」
病室に、なんともいえない空気が広がるのを感じる。
まあ、大丈夫だろう。俺が失明とか、まるで現実感がない。
だが非情にも担当医の声は低く、暗かった。
「………非常に申し上げにくいのですが……残念ながらあなたはこの先、もう目に光を感じることは
ないと思われます……」
……今なんつった?
……光? 感じない?
―――まじかよ。
光を感じないってことは、やっぱり……そうだよな。
……失明以外ないよな。
病室の空気は凍りついている。
古泉も長門も何も言葉を発しない。きっと言葉を失ってるに違いない。
覚悟はしていたが……これはきつい。予想以上にショックかもしれん。
……俺はこれからどうするべきだ? 長門、朝比奈さん、小泉……ハルヒ。
長門、せっかくお前の表情が読めるようになってきたのに、また振り出しに戻っちまったな。
朝比奈さん、その美しいお姿をもう二度と見ることができないなんて、酷すぎます。
古泉、お前の本当のキャラをちゃんとこの目で見てみたかったぜ。
……ハルヒ、こうなる前に、お前には何か言わなきゃなんなかった事がたくさんあったような気がする。
これから、みんなに迷惑かけるだろうな。SOS団の活動にも支障が出るだろうし。
家族に何て言おうか。特に妹にはどういう言い方すればいいんだ。
「……なんてことになってしまったんでしょう…」
ようやく、古泉が口火を切った。
「お前たちがそんなに落ち込むことはない。俺は……まあなんとかやっていく。大丈夫だ」
「何言ってるんですか。親しい友人が失明ですよ?僕もさすがにそんな状況で、いつものように笑って
いることなんてできませんよ」
「……そうか。すまんな」
やっぱり、俺も古泉もいつも通りには振舞えていない。
「俺は、当分SOS団の活動を休んだ方がいいかもしれんな」
みんなもその方が活動しやすいだろうしな。
「そのようなことは全員が望まない。今のあなたの目の状態を問わず、全員があなたの存在を必要とする。
それは涼宮ハルヒに選ばれた人間としてではなく、一人の人間としてのあなた。わたし個人としても、
そう感じている」
「そうですよ。長門さんの言うとおり、僕にもあなたにいて欲しいと思っています。間違いなくみんな
そう思うはずですよ。だからそんなことは言わないで下さい」
……そうだった。
今はもうハルヒの観察者としての三人ではなく、それぞれがお互いに一人の人間として、友として
接している。俺がこんな塞ぎ込んでてはいかん。
古泉、長門、ありがとな。
「いえいえ、僕は思った通りのことを言ったまでですよ」
「……安心」
こいつらと一緒なら、案外早く立ち直れるかもしれん。
ハルヒと朝比奈さんにも、変なところ見せないようにしないとな。
……ん?そういえば。
「……なあ。このこと、ハルヒに言ってもいいと思うか?」
そうだった。あいつに失明したことを知られるのは、かなり危険かもしれん。
あの五月の時以上の規模の閉鎖空間……なんてのは勘弁して欲しいしな。
「……それが問題です。今涼宮さんがいないのは不幸中の幸いです。おそらく涼宮さんがこのことを
知れば、閉鎖空間……どころではすまないでしょう」
「すまない?どうゆうことだ」
閉鎖空間以上のこととなると……まあ、だいたい予想はつくがな。
「なんせ、自分が原因で涼宮さんにとって大切なあなたがこのような事になってしまったんですから。
自分への責務の念に押し潰されかねません」
頼むからこんな時くらいはその回りくどい言い方はやめてくれ。
「だから、どうゆうことが起こるのかって聞いてるんだ」
「……おそらく、世界改変が起こると僕は思います」
「やっぱりそうか……でもな、それは俺の目が見える世界に改変されるってことだよな?」
もしそうなら……改変されてもいいと俺は思う。
しかし長門の言葉が、そんな甘い考えを打ち砕いた。
「……そう。でもそれに加えた改変内容が、もう一つ考えられる。涼宮ハルヒは今、あなたに軽率に
暴挙を振るってしまう自分に、多少ながら嫌悪感を抱いている。自分が変わらなければ、これからもまた
このような事態が起こるかも知れないと危惧している」
「……なるほど、そういうことですか」
おいおい、二人だけで理解しないでくれ。
「涼宮ハルヒ自身の人格の大幅な改変が予想される」
……ハルヒが、ハルヒじゃなくなっちまうってことか。
それは確かに……いいことではないかもな。
いや、そうなのか? あいつの唯一の長点である顔とスタイルの良さはそのままなんだぞ。その上で
俺への被害がなくなるなら最高じゃないか。
……本当にそう思ってるのか俺は。以前の俺なら間違いなく改変されることを選んだだろう。
しかし、今の俺はまがいなりとも、この非日常的な日常を楽しいとさえ感じてしまっている。
そして、今のあいつだからこそ俺は………えぇい、いまいましい。
「正直、今回に関しては僕個人としては世界改変されてもいいと思っています。涼宮さんが変わって
しまうのは思わしくないですが、あなたの目が見えるようになるのなら……まあ、機関は間違いなく
反対するでしょうけどね」
「わたしも同じように感じている」
ありがとよ。でもな、今はまだやっぱりハルヒには知られたくない。
いずれ知られてしまうことだってのはわかってる。けどな
「今はまだ、ハルヒにはこのことは伏せておいてくれないか? 除々に気付かせて、ある程度心の準備が
できてから知らせる方がいいだろ」
「……なるほど、そうかもしれませんね。朝比奈さんには、後ほど教えておきましょう」
朝比奈さんもけっこうやばそうだな。今までにない、すさまじい動揺ぶりが見られるかもしれんな。
……いや、見ることは、もうできないんだった。
えぇい、いかんいかん。さっき塞ぎ込まないって言ったばかりだろ俺っ。
「……大丈夫」
長門、俺の心を読んだかのような発言は控えてくれ。心臓に悪い。
その後、しばらく俺たちは雑談をしていた。
普段となんら変わらない他愛もない話。だが今の俺にとっては、この『普段』がちょっと嬉しい。
失明が原因で、この『普段』が奪われるかもしれないという不安感が、やっぱり俺の中にある。
そんな中、話の途中で長門がいきなり言う。
「到着した模様」
言い終わると同時に、勢いよく扉の開く音が聞こえた。
「キョーン、来てあげたわよー!」
おいおい、ここが病院だとわかった上での絶叫か、それは?
どうやらこいつの脳内譜面には、フォルテッシモ以外の強弱記号は書かれていないようだ。
「キョン君、大丈夫ですかぁ?」
たとえ姿は見えなくとも、そのお声だけで十分結婚を決意できます。
「……もう、リアクション薄いわねー。せっかくあたしたち美人二人が来てあげたっていうのに。
もっとわかりやすく喜びなさいよ」
どうやらこいつの中では、大して俺は嬉々としていないという選択肢はないようだ。
もちろん、朝比奈さんが駆けつけてくれたのは大いに喜ばしいことではあるが。
しかし、立ち直ってるようで少し安心した。あの弱々しいハルヒも捨てがたいが、やっぱりこいつは
こうでないと………おい、今日はノー羞恥心デーだったか?
……神よ、あなたは私の目だけでは飽き足らず、正常な思考回路までをも奪うおつもりですか?
古泉に言わせれば、神はハルヒだってことは今は考えないことにしておこう。
「ハルヒ、朝比奈さん、わざわざ来てくれてありがとう」
「ううん。とんでもないです」
「似合わないこと言うんじゃないわよ。団長が団員の世話するのは当たり前なんだから。
で、結果はどうなの? まあ、あんた自分で大丈夫だって言ったんだから、もちろん大丈夫よね」
ハルヒはまくし立てるように一気に言う。
「……ああ、大丈夫だ。たいしたことはない。だが数日の間は目を開けられん」
ここは嘘も方便。すいません、朝比奈さん。
「そうですか〜。よかったぁ」
「……そっか。よかった…」
俺の嘘で安心したのか、いつもとは違う少し優しげなハルヒの言葉に、俺は少しだけ胸が痛んだ。
やっぱり心配してくれてたってことだよな。ハルヒも人の子だったってことだ。
……まあ、悪い気はしないよな。強いて言うならちょっと嬉しい。いや、ほんっとにちょっとだぞ。
その後、担当医は俺に定期的に通院するよう告げ、病室をあとにした。
これからのことを詳しくは言わなかったのは、俺たちのやりとりを見ていて、俺がハルヒに
失明したことを隠してるのを知っていたからだろう。いい担当医だ。
そして俺たちも雑談を早々に切り上げ、それぞれの帰路につくことにした。
目の見えない俺がどうやって帰ったのかというと、
……不本意だがハルヒに手を引かれて送られたってとこだ。
病室で、解散宣言のあと「さ、帰るわよ」と言うや否やすぐに俺の手を取り、俺を引っ張っていった。
少し強引な引率だった気もするが、障害物や車などにはしっかり気を配ってくれていた感じだし、
悪くはなかった。
その気の配り方を普段にも見せてくれればいいのだが。
まあ、古泉お墨付きの神であられる涼宮様に、それを望むのはおこがましいってもんだ。
そんなこんなでようやく我が家に辿り着いたにも関わらず、非情にももう一つの試練が俺を
待ち受けていた。
妹だ。
俺は妹が寝たであろう頃を見計らって、覚悟を決め親に事実を話した。
……親は泣いていた。俺もこの時だけは、ほんとに申し訳ない気持ちと悔しさでいっぱいになり、
いつ以来だろうか、親の前で泣きそうになった。
しかしここからがその試練で、俺が親に話してたのをトイレの為に起きてきた妹に聞かれたのだ。
もう泣くわ喚くわ叫ぶわで、マジで大変だったんだぞ。
しまいには「キョンくんと同じになるぅぅ」とか泣き叫んで鉛筆を自分の目に突きつけたりするわで、
もう心臓が飛び出そうなくらい焦ったぜ。
そんなこんなで妹も泣きつかれて眠り、ようやく俺も就寝できるというわけだ。
……はぁ、これから大丈夫かね俺。
とりあえず、みんなには落ち込んでるところを見せないようにすることを心掛けよう。
「お客さん、着きましたよ」
「あ、はい」
今、俺はタクシーで登校中である。別に急に小金持ちになったとかそういう訳ではない。
俺の失明が突然だったので、両親が仕事や色々予定があったのを休めなかった為だ。
それで、とりあえず今日は、ってことで本日限定のお坊ちゃま登校である。
……しかし、タクシーで登校なんてめちゃくちゃ目立つだろうな。常にスポットライトから
逃げ続けて十六年。そんな俺にとっては残酷な話だ。
ははは、そうだ、どうせ目が見えないんだから目立ってようが俺は知らなくて済むんだった。
………。
……OK、笑えないジョークだってのはわかってる。そこ、顔がひきつってるぞ。
運転手さんが手を引いて車から降ろしてくれる。
「気をつけて行くんだよ」
「はい、ありがとうございました」
ここまでは順調だ。
さて、ここからどうやって教室まで行ったもんか。SOS団員以外はまだ誰も俺の目のことを
知らないわけだし。
足音と話し声から察すると、人の流れはあっちからこっちに向かっている。よし、ここは勇気を出して
一人で初めてのおつかいといくか。
……何を買いに行くんだか。
歩こうとしてすぐだ、登校時というシチュエーションにおいては以外な人物から声が掛かった。
「手を出して」
その声の主はもしかして。
「お、長門か?」
「そう」
長門は、俺の手を引いて校舎があろう方向に向かって歩き出す。
「まさか、校門で俺が来るのをずっと待っててくれたのか?」
「部室で本を読んでいた。ここに到着したのは一分十八秒前」
長門なら俺が着くころを見計らって来るなんて造作もないってことだな。
「そうか、ありがとな」
「礼には及ばない」
これからは長門に教室まで連れてってもらうか。待ち時間がほぼゼロなんだから長門も苦には
ならんだろう。
……いかんいかん。さすがに自分勝手すぎる。こんなことまで長門に頼ってどうする俺。
「しかし、お前いつも何時ごろに登校してるんだ?すでに部室って……早いだろ」
「まちまち」
あまりに小さい長門の手に引かれながら、いつもの単発トークに花を咲かせているうちに教室の
前までやってきた。
「着いた」
「そうか、助かったよ。わざわざありがとな、長門」
「……いい」
長門の足音が遠ざかっていく。
俺は目の前にあるはずの扉の取っ手をまさぐりながら探し当て、扉を開ける。
ガラガラっ
「おーす、キョ……ん? キョン!お前、その目どうし……のわっ!」
「おっはよー、キョン!」
哀れな。お前の出番はもう終わりらしいぞ谷口。
「おはよう、ハルヒ」
ハルヒは朝の挨拶を済ますと、さっと俺の手を取り俺を席へと先導する。
クラスメイトの「どうしたんだろ?」的な会話がちらほら聞こえるが、俺の目の包帯を見てなのは
間違いないだろう。
とりあえず、登場するやいなやハルヒに押し退けられた谷口があまりにかわいそうなので、
ハルヒに取られている反対の手を顔の前に持ってきて、すまん、というジェスチャーをした。適当に
横を向いて。
……谷口と国木田には、失明の事実を伝えておくか。
他のクラスの奴らにはハルヒと同じように、数日で治る事にしておいた方がいいな。ハルヒが事実を
知ってしまう危険性が高い。
「キョン、今日はあたしがあんたを先導してあげるから、動きたいときはあたしに言いなさい」
「気持ちはありがたいが、席を立つ時は常にお前に宣言してから席を立たなきゃなんないのか?」
「そうよ。てゆうかあんた、どっちにしろ誰かに言わなきゃ動けないじゃない」
「……まあ、それはそうなんだが」
「……あ、ごめん…」
何か急に以外な態度で以外な事を言い出した。
「ん?何がだ?」
「え?……いや……だ、だから」
なんだなんだ、気味が悪いぞ。その態度も台詞も。なぜこいつは謝っている?
普通に考えれば、そうだな……今ちょっと言い過ぎた、とかか。
こいつが? この罵詈雑言型有機生命体ハルヒが?
……ないか。ないな。
「なんだよ。はっきり言えよ」
「あーもう! ちょっと言い過ぎたかなとか思っちゃったのよ! バカ? 普通わかるでしょ」
あった。
「あーー謝って損したわ」
「そうか。すまんな」
「…はぁ。とりあえず無茶な行動はしないこと、いいわね。あんた、変〜に人に気つかうとこあるから
あぶなっかしいったらありゃしないわ」
ハルヒといえども、俺に対してまがいなりにも責任ってものを感じてるんだろうな。
今思えば教室に入ってからのハルヒの行動や言動だって、こいつなりの精一杯なんだと俺は思う。
……まあ、うん、悪い気はしないしな。
…応えてやるか。
「なあハルヒ。消しゴム失くしちまったから買いたいんだが、購買まで付いてきてもらえるか?」
俺は筆箱の中の消しゴムの感触を指に確かめつつ言った。
午前の授業が終わると、ハルヒは
「食べ終わったらすぐ戻ってくるから、おとなしくしてなさいよ」
と言って学食へと走り出した。どう聞いても母親が小さい子供に言う台詞だな。
俺はいつも通り弁当を広げ、谷口と国木田お互いの机を引っ付けてのランチタイムだ。
「なあ、今、周りにけっこう人いるか?」
小声で二人に聞く。
「ん〜まあ、割といる方じゃねえか? どうしたんだ?」
「そうか。じゃあ食い終わったらちょっと教室出ないか? 話しておきたいことがある」
俺たちは昼食を済ますと早々に教室を後にし、屋上へ向かった。
寒さは覚悟していたのだが、風がない為か思ったほどのものでもない。
「いや実はな、俺の目の事なんだが……」
俺は昨日の出来事を二人に話した。谷口は最初「うおっ」とか「まじかよっ」とか言って大袈裟な
リアクションをしていたが、話が進むにつれ、段々と真剣になっていった。
「……ってことなんだ」
話し終わってすぐは、二人の声が全くなかった。まるで俺一人しかいないような錯覚に陥る。
「……そ、そんな……嘘でしょ?」
ようやく、国木田の声が聞こえた。
「……あ…の………ロウ、涼宮のヤロウ!」
まずい、谷口はハルヒに対して憤りを覚えているようだ。
「谷口、ハルヒだって悪気があってやったことじゃない。元はといえば最初に手をあげたのは俺だ、
俺にだって過失はある」
「で……でもよ、キョン。お前の人生を180度狂わされたんだぞ!?」
「頼む、ハルヒには何も言わないでくれ。あいつにはまだ俺が失明したことを知らせてない」
「……え?なんでだよ……」
「まあ、いろいろだ。この事は当分、お前たちの胸の中だけにしまっておいてくれないか?」
「……お前がそう言うなら、わかった。しかたねぇ、お前と涼宮の事に関しては俺たちは完全な
部外者だからな」
「恩に着るよ」
「…ったく。とりあえず、失明してもお前はお前、キョンはキョンだ。俺たちに気を使うこたぁないし、
俺も普段通りにいくからな」
この谷口の言葉はちょっと嬉しかった。やっぱお前らには話しておいてよかったよ。
その後すぐに教室に戻ったのだが、やはりハルヒはすでに自分の席に戻っていたらしく、いきなり俺に
怒号を飛ばしてきた。
「ちょっとキョン! どこ行ってたのよもう!」
なんかほんとに母親と子供だな。
俺は適当に理由をつけ、谷口と国木田に付いてきてもらってたから大丈夫だと言った。
渋々、過保護ママハルヒは子供の言うことを聞いてくれることにしたようだ。
午後の授業からも、黒板見られないノートも取れない俺が暇そうにしてるのを感じ取ったのか、
ハルヒはよくしゃべりかけてきた。まあ、普段からノートなんぞ取ってないけどな。
「ねえ、キョン。部室にさあ、ステレオコンポとか欲しいと思わない?」
「コンポか、悪くはないな。なんだ? もしかして俺の目――」
「あ、あーなんか音楽聴きたくなったのよねー」
急に焦りだして俺の発言に被せてきやがった。
まあ、部室に軽く音楽が流れてるのもいいかもな。そういえば、ハルヒの音楽の趣味ってどんなのか
全く知らんな。そもそもこいつが音楽なんて聴くのか?
……かくいう俺も人のことは言えんがな。最近の流行もんの曲とか全くわからん。
「失礼ね。あたしのピアノの腕はバックハウスも目じゃないんだから」
なになに、後ろの家がどうしたって?
「まあ教養の欠片もないあんたが知らないのは当然ね。有名なピアニストよ。今度あたしのピアノ
聴かせてあげるから、楽しみにしてなさい」
「そ、そうか。そりゃ楽しみだな」
こいつにそんな特技があったのか。まあ、もともとスーパーユーティリティプレイヤーな奴だから
ピアノが弾けてもさほど不思議ではない。
しかし、ハルヒのキャラを考えるとピアノは………似合わんな。
……まあ姿は、姿だけは、強いて言えば姿は……絵になりそうな気がしないでもない。
「とにかく、そうゆうことであたしは授業終わったらあんたを部室に送って、その足でコンポの調達に
行ってくるから」
「キョン、行くわよ」
ハルヒは最後のチャイムが鳴るや否や俺の手を取り、そのまま引っ張っていく。
いつもなら走っているところだが……今日はゆっくりと歩いてくれている。
「なあ、ハルヒ。調達って、どこで調達してくるんだ?」
こいつの場合、まともに買ってくるとは考えられん。
「うーん、そうねえ……」
「そうだな。軽音部に行けば、コンポまでとは言わんがラジカセくらいはあるんじゃないか?」
「なるほど、いいわね。あんたたまにはいいこと言うじゃない」
……な、なに言ってんだ俺っ。これじゃあコンピ研からPC強奪したハルヒと同じじゃないかっ。
……いつの間にやら俺もハルヒの毒に侵されていたのか。
医者「自覚症状はありますか?」 俺「いや、ありません」 医者「どうやら重症のようですね」
……えぇい、脳内お医者さんごっこなんぞどこで覚えた俺っ。
………末期だな。
脳内で遊んでいると、いつの間にか部室の前まで来ていたようだ。
扉を開ける音がした。
「着いたわよ。あ、小泉君、キョンを席まで連れてったげて。じゃ行ってくるから」
ハルヒはそう言うなり軽快な足音を鳴らしていった。
「おや? 涼宮さんはどちらへ?」
古泉は、俺の肩を押して席へと誘導しながら聞く。
「ああ、なんか音楽が聴きたいらしい。コンポかラジカセを調達してくるそうだ」
「なるほど、そういうことですか。いやはや、いいですねぇ」
おい、何がいいんだ。目は見えないがお前がニヤけているのはしっかりと感じ取れるぞ。
「……健気」
あまつさえ長門までもがおかしなことを言う始末。
とりあえず俺は話を逸らすことにした。
「古泉、お前は何か音楽聴いたりするのか?」
「そうですねぇ。僕が聴くのは……」
なにやら流行りのアーティスト、バンド名が挙げられている。今、古泉が挙げた中では3、4割程度
しか知らん。
「長…」
「聴かない」
だろうと思ったぜ。話が早すぎるのは気にしないことにしよう。
ガチャ。
控えめな扉の音がした。この時点で朝比奈さんなのは確定だ。
「……ご、ごめんなさい。遅れちゃい……キョ、キョン君っ」
「ど、どうしました?朝比奈さん」
朝比奈さんはいきなり泣き出してしまった。
「……う、嘘ですよね? えぐっ…キョン君の目、目がぁ……うぐっ」
そうだった。朝比奈さんには失明のことはまだ知らせてなかった。
昨日古泉が後で教えておくとか言ってたな。おおかた今日知ったってとこか。
「残念ながら本当です。まあ俺は大丈夫ですから、朝比奈さんもそんなに落ち込まないでください。
俺だって、そんな朝比奈さん見たくないですから。ね?」
俺はできる限り優しく言った。
「えぐっ……キョン君……でも、でもぉ」
「ほんとに俺は大丈夫ですから。もう泣かないで下さい。俺が困っちゃいますよ」
「えぐっ……わ、わかりました。わたし……が、がんばりますっ」
必死に明るい声を出そうとしているのが愛らしい。しかし……朝比奈さんは何をがんばるのだろうか。
……いかん、卑屈になっている。普段なら華麗にスルーだろ俺。
「キョン君。涼宮さんには、まだ失明って言ってないんですよね?」
冷静を取り戻した朝比奈さんが聞いてくる。
「はい。やっぱりあいつには、まだ言えそうにないですね……」
「……そうですか。もし知ったら、きっとわたしたちよりもすごくショックなんだろうなぁ……」
「ハルヒに悪気がないとはいえ、ハルヒ自身が原因ですからね……」
「それもありますが、その相手があなただからというのも大きな要因になるかと、僕は思いますよ」
なんかもう、こういう真面目なシーンでの古泉の不真面目な台詞に慣れてきたぜ。
「僕はいたって真剣です」
「わ、わたしも、古泉君の意見は合ってると…思います。ご、ごめんなさいっ」
……なんだなんだ、朝比奈さんまで。
「同感」
長門、お前の一言はヘビーすぎるぞ。
「まあ、とにかく。昨日も言ったように僕は涼宮さんに失明の事実を伝えるのは反対ではありません」
「わたしも同じ気持ちです。涼宮さんが…すごくショック受けるのは見たくな――」
「……いる」
長門が急に朝比奈さんの言葉を遮って言った。
……そして、
ガシャッ。
扉の向こうで、何か重めの物が落ちたような音がした。
――まさか。
……いるのか?
……まずい。
………非常にまずい。
ゆっくりと、ひどくゆっくりと扉を開ける音が部室に響く。
「……うそ……嘘、よね?」
声の震えているハルヒが、そこにいた。
――最悪だ。
「ハルヒ、落ち着け。俺は――」
「……うそって言いなさいよ………早く…」
「涼宮さん、落ち着いてくだ――」
「…なによ……なんなのよこれ………何よ何よ何よ何よ何よ! もうキョンは死ぬまで何も見えないって
わけ!? みんなの…あたしの顔ももう見れないっていうの!? そんなの……そんなの許されるわけ
ないじゃない!!」
「……ハルヒ、すまなかった。でもな……」
「でも何? やめてよ…なんであんたが謝るわけ? 悪いのはあたしなんじゃないの? そうよ、あたしの
投げた筆箱があんたを失明させたのよ!? あたしを憎めばいいじゃない!!」
「ハルヒ落ち着けっ。俺はな、今日お前が俺を気遣ってくれてるのがすごく伝わった。嬉しかった。
憎らしいと思ったことなんぞ一瞬たりともないっ」
「……そうよ……あたしの…あたしのせいでキョンが……キョンがこんなっ…」
……くそっ。まるで聞いてねぇ。
「聞けっ!ハルヒっ。いいか、お前がそこまで責任を感じることはない。お前はいつも通り乱暴で
無茶苦茶やって俺を振り回しながらここに居ることが、俺にとって一番いい事なんだよっ!」
今俺、すっげーこと言ったよな。
「……そう。あたしって、あたしってそんな役目だったんだ。こんなに……こんなに悔みきれないくらい
悔しい時も、何事もなかったように振る舞ってなきゃいけないんだ!」
「違うっ! 卑屈に捉えるなっ」
「何が違うのよ! わかんない……ちっともわかんないわよっ!!」
……誰か教えてくれ。
……俺は今こいつに…こいつに何を言ってやったらいい?
「そうだ……キョン……今から…今から病院行くわよ」
ハルヒの足音が俺の方に向かってくる。
「……なに言ってんだ。俺の目はもう医者では…」
「あたしの右目あげるから」
一瞬、固まった。
「……おい、なに言ってんだお前……」
「……だから……あたしの…あたしの右目をあんたに移植したげるって言ってんのよっ!」
「ハルヒ、冗談はよせ」
「なに言ってんの? あたしは本気よ!」
ハルヒは乱暴に俺の手を取り、引っ張っていこうとする。
「やめろっ!」
俺はハルヒの手を振り払う。
その手は、人間の体温とは程遠く高温を帯びているように感じた。
「…なんで……なんでなのよ……あんたが見えるんなら、あたしの片目くらい………なんでわかんない
のよあんたはっ!」
この一年で今、初めてこいつの涙声を聞いた。
目の前から遠ざかる足音。
「ハルヒっ!」
思わず俺は、その足音の方向に走り出してしまった。先導者のいない俺は、勢いよく足を机の脚に
引っ掛け、転ぶ。
だが、すでにハルヒの足音は扉の向こう側にあった。
「……すまん、みんな。俺は……あいつを、ハルヒを止めてやれなかった……」
「……ううん、キョン君は全然悪くない。だから……キョン君こそ自分を責めちゃダメです」
「ええ……十分です。おそらく誰が説得しても同じ結果だったに違いありません」
「あなたは最善を尽くした。結果が伴わなかっただけ」
ありがとよみんな。しかし……くそっ、あいつの涙声が頭から離れねぇ。
悔しさ、そして自分の無力さに対する怒りが俺の中に沸々と沸き上がる。
……俺はハルヒに失明の事実を知られることを楽観視しすぎていた。こいつなら、ハルヒなら、
なんだかんだ文句は言うだろうが結局は大丈夫だろうと。
……だが、今俺の目の前にいたハルヒは……壊れそうだった。
失明を知った時の、ハルヒとハルヒ以外の三人のショックの差は、朝比奈さんの言った通り大きかった。
やはり原因が自分にあるというのは、想像以上にきついものがあるのだろう。
……それだけか?
それだけでここまでの差が出るのか? 仮にもあのハルヒだぞ?
さっきの古泉の言葉が思い出される。
……その相手が俺だから。
俺だからなんだってんだ。俺は人を鬱にできるほどの負のオーラは発していないはずだ。
じゃあどういう意味だいったい。
視点を変えてみよう。例えば俺以外の三人のうち誰かが失明したとして、ハルヒは今のように
自分の目を差し出そうとするまでに思い詰めるか?
いや、ないな。やはり俺に対してだからなのか? ハルヒにとって俺は特別ってことで特別って
いうことは俺はみんなとは違ってハルヒは俺のことが……えぇい、わからんっ。
……わかるような気がしないでもないが、どーにも脳がそれを考えることを拒否している。
……いかん、このままではとんでもない結論に達する予感がする。やめだ。
今はハルヒを立ち直らせることを考えよう。
「残念ですが、涼宮さんを立ち直らせる機会はもうないかもしれません。先程の涼宮さんの状態では、
おそらくもう明日まで……いや、あと数時間も……」
――カッ
突然だった。暗闇でしかない俺の視界でさえ、段々と白くなっていく。
「……もう来ましたか……早いですね」
みんなの声、そして全ての音がボリュームを下げていく。
「キョ………わた…………キョ……にとって…………だか…ね」
……くそっ。
「……僕に………良い………あな…に……………から」
……俺はもう今のハル…………ダメ…だ
「……」
……もう……意識……もた……
「はあっ、はあっ……まさか0時限目に体育があったとは驚きだぜっ」
明らかに今の独り言に対して、哀れむ視線をこちらに向けている通行人にも全く構わず、俺は今
全力で愛車のチャリンコを漕ぎ続けている。
いつも朝は大抵、妹のフライングボディアタックが強制的に俺を目覚めさせるのだが、今日は
校外学習らしく、普段俺が起きる時間にはすでに妹は登校中という事態。で、起きる手段を失った俺は
寝坊で遅刻寸前というわけだ。まあ、寸前というか……多分、間に合わん。
……ったく朝から憂鬱にしてくれるぜ。早いとこ到着して、あいつの可愛い笑顔を見て気分を
晴らさないとな。他のクラスメイトに対してはオドオドしちまうのに、俺だけには笑顔を見せてくれる
から可愛すぎる。
心臓破りの坂をようやく征服し、我が学び舎へと辿り着いた。チャイムが鳴った。急いで靴を脱ぎ、
上履きのかかとを踏みながら教室へ走る。まだ来るなよ岡部っ。
着いた。扉を開ける。そしてすぐさま教壇に目をやる。
……。
よし、よくがんばった俺。岡部はまだ来ていない。
「あ、おはようキョン。よかった、間に合ったね」
これだ。全速力で走ってきた疲れも一瞬で吹き飛ぶ、天使のような笑顔。もうこの為に学校へ来てる
ようなもんだからな。
「ああ、おはようハルヒ」
俺は席に着き、体を半身にして後ろのハルヒの方を向く。毎朝の習慣になった体勢だ。
「なあハルヒ」
「なに?」
朝のHRが始まるまで、俺たちはいつものように他愛もない会話をしていたのだが。
「涼宮ー、あのさあこないだの課題なんだけど、俺忙しくてちょっとできなくてよぉ。ちょっとだけで
いいから見せてくれないか? な?」
谷口が割り込んできて、二日ほど前に出された数学の課題を写させろとハルヒに言っている。
「え? あ、う…うん。いいよ……」
ハルヒは困ったという感じでオドオドと下を向いて答える。
「おい、谷口たまには自分でやれよ。それか俺の写すか? それなら一向にかまわんぞ」
俺は軽く谷口を牽制する。
「……はいはい、涼宮の王子様にはかなわねえよ。誰かほか当たるわ」
一度、数学の教師に谷口がハルヒの解答を写したのがばれて、ハルヒまで減点されたことがある。
俺はそれから、ハルヒに解答の複写をせがんでくる奴をできるだけ追い返そうとしている。
ハルヒの気弱な性格につけこんで、こういう事を強要してくる奴が少なからずいる。
……まあ、俺もハルヒに課題を写させてもらう時もあるけどな。いや、ほんとたまにだぞ。
「あ、ありがとう……キョン」
「いいってことよ。でもな、いつまでもこんなんじゃダメだぞ。ちゃんと「NO」って言えるように
ならないとな」
それは日本人全体に言えることでもあるけどな。おっと、似合わず社会に目を向けてしまった。
「う、うん。がんばってみるね」
ハルヒはほんの少しだけ頭をかしげ、嬉しそうに答える。それは反則だ、可愛すぎる……。
顔の作りは超絶美人の部類に入るし、成績も優秀。ここまでは完璧なんだが……どうにも気弱すぎるし
人見知りも激しい。入学当初は、クラスの誰とも言葉を交わせなかったんだぞ。
しかし、やっぱりと言うべきかこのルックスの良さで、中学時代はハルヒとバラ色の中学時代を
送ろうとした男どもが少なからず存在したらしい。しかし、ハルヒは告白されるとあまりの緊張と
恥ずかしさに耐え切れなくなり、告白の途中でその場から逃げ出していたようだ。最後まで耐えて
聞いたら聞いたで、その気弱さゆえに拒否することができず、すべてOK。しかししかし、今度は男と
二人で並んで歩いているという状況に極度の緊張と恥ずかしさと覚え、逃げ出してしまいそのまま破局。
一番長く続いて一週間、最短で五分というのは谷口の情報だ。
俺は入学したての時、もちろんそんなことはつゆ知らず、たまたま席がハルヒの前だったという
地の利を生かして、お近づきになっておくのもいいかなと血迷った俺を誰が責められよう。
最初に話しかけた時は、ずっと下を向いてモジモジしながらあまりに小さい声でしゃべるもんだから、
ちょっとイラついちまったもんだ。
しかしだ、まあこの一年いろいろあって、今俺とは普通に会話ができるように成長した。ほんの
ちょこっとだが他のクラスメイトとも言葉を交わせるようにはなった。
「あ、キョン、岡部先生来たよ」
俺は体を前に向け、朝のHRが始まる。
俺は机に突っ伏して寝たりハルヒに話しかけたりしながら、いつもどおりの退屈な授業をようやく
終え、放課後という時間帯に突入した。
「あたし掃除当番だから先に部室行っててね」
「ああ、わかった。じゃあ後でな」
「うん」
俺たちは同じ部活に入っている。
……まあ部活というかなんというか、とりあえず俺とハルヒが作った部活だ。
ハルヒが俺とは少し会話ができるようになってきた頃、俺はこいつの気弱で人付き合いができない
ところをなんとかしてやろうと思い、どこか部活に入ることを勧めた。
「……ぶ、部活に? あたし……そ、そんなのできない……」
予想はしていたがハルヒは怖がって却下。そこで俺は二人で新しい部活を作ることを提案した。
ハルヒはそれにも最初は嫌がっていたんだが、二人だけならってことでOKしてくれた。
まあ、目的はハルヒの極度の人見知りと気弱さの改善だったから、俺は少しづつメンバーを増やして
ハルヒと友達になってもらうつもりだったが。
俺は、なるべくハルヒでも話しやすいような奴を見つけ出し、説得して入部してもらった。最終的に
三人、俺たちの部活に入部してくれた。
かなり無口で大人しいところが、ハルヒの第一段階の修行にぴったりだと思い、入ってもらった長門。
やはり男もいた方がいいと思い、顔もまあまあで物腰もやわらかい感じだったので入ってもらった
のは古泉。しかし今となればこいつを入れたのは失敗だったぜ、まったく。
最後に朝比奈さん、やっぱり大人しい感じだったので……すまん、嘘だ。八割がた俺の趣味だ。なんと
でも言ってくれ。
『どう「ゆ」う』って書く人の作品は十中八九駄作。
しかし、ハルヒのネーミングセンスには笑わせてもらったぜ。部の名前を決める時
「これはお前の為の部活なんだから、名前はお前が付けた方がいい」
とハルヒに振って、ハルヒに命名させて出てきた名前が……。
……SOS団。
これが俺たちの部の名前だ。何の略かというと……ぐはっ、無理だ、笑っちまって説明できん。また
機会でもあれば説明することにしよう。
その後は、俺が偶然集めたはずの長門、朝比奈さん、小泉の三人全員からハルヒについての
とんでも告白を受けたりと、まあいろいろあって今に至るわけだ。
俺はハルヒを教室に残し、一人部室へと足を運んだ。
「おや、お一人ですか?」
古泉はチェスの駒を並べながら聞いてきた。
「ああ、ハルヒは掃除当番だ」
俺は古泉の対面の席に座り、自分の駒を並べ始める。
「なるほど、そうですか。それより最近はほんとにいい感じですよ」
「何がだ?」
「閉鎖空間ですよ。最近はよく眠れる日々が続いていますね。あの一ヶ月前の発生以来はまだ一度も
出ていません」
一ヶ月前……ああ、谷口のせいでハルヒも減点された時か。ハルヒ、落ち込んでたもんな。
「こないだ、涼宮さんがあなた以外のクラスメイトと言葉と交わすところも偶然拝見しました。順調
じゃないですか」
「ああ、いい傾向だと思う。もう俺に対しては自分から積極的に話しかけてくるしな」
「はは、いや実に羨ましい。あんな可愛らしい人があなたにだけ、ですよ」
「なに言ってんだ。ここのみんなにも自分から話しかけるだろ」
「でも、積極的に、はあなただけじゃないですか」
あーもういい。こいつはどーしても俺とハルヒをくっつけたいらしい。俺も嫌ってわけじゃ
ないんだが、なんていうか……まあ確かにすごく可愛いんだけどな。
「お茶です。キョン君はい、どうぞ。古泉君もはい。長門さんもはいどうぞ」
「「ありがとうございます」」
古泉と絶妙なハーモニーを醸し出してしまったのは今世紀最大の反省点になりそうだ。
こうして朝比奈さんの入れてくれたお茶で、俺と古泉はチェスで時間を潰し、長門は本を読む。
そこでハルヒが超ハイテンションでやっほー! とか言いなが……な、なに考えてんだ俺。ハルヒが
そんなこと言うわけねぇ。……こほん、謙虚に静かに扉を開けて、自分の席にちょこんと座る。
こうしていつものSOS団部室の光景の完成ってわけだ。
そんな誰にしているのかわからない説明を終えると、扉が謙虚に静かに開けられた。
ハルヒが来たようだ。
「ご、ごめんなさい。あたし、その……お、遅れて」
「はいはい、なんでもかんでもすぐ謝らない。みんなには掃除当番だって言ってあるから大丈夫だって。
いや、大丈夫というか別に何をするってわけじゃないんだから遅れるも何もないだろ」
俺はできるだけ優しい感じで言ってやった。
「あ……うん。そうだね」
ああ、だからその斜め十五度スマイルはやめてくれっ。スマイル0円どころか金を出しても
欲しいスマイルを何回も見せられれば、そりゃあんた、そのうち理性だって飛んじゃいますよダンナっ。
……いかん、すでに別のところが飛んでしまっている。
「チェックメイトです」
「うおっ、いつのまにっ」
ゴトッ
俺は驚いた拍子にお茶の入った湯呑みを倒してしまった。
「熱っ」
「あ、キョンっ」
ハルヒが心配してすぐさま駆け寄ってきてくれる。
「おやおや」
「キョン君っ」
「そのお茶の現在の温度は摂氏56度。さほど熱いと体感する温度ではないはず」
長門の言葉で冷静になった俺は、お茶があまり熱くないことに気付いた。
「……よかった。キョン」
ハルヒはハンカチでお茶のかかった俺の袖を拭きながら、目を細めて言う。もう押し倒しても誰も
文句は言わんだろ。
「ありがとなハルヒ。ん、ちょっと茶の葉が目に入っ――」
――!!
……なんだ今のは、記憶の断片のような、いや、記憶というか夢の断片と言った方がしっくりくる。
それが一瞬頭をよぎった。それは……今、目に異物が入ったせいか目から血を流す俺。
それともう一つ……さっき俺が考えちまった全然違うキャラのハルヒ。
……ふう。
きっと今日は疲れてるんだろう。早いこと帰って休んだ方がよさそうだ。
「すまん、みんな。今日はもう帰ることにするよ」
「……え。キョ、キョン……大丈夫?」
「どうしたんですか。やはり先程のお茶ですか?」
みんな心配そうな視線を俺に向ける。
「ああ、別になんでもない。じゃまた明日な」
俺はカバンを取り、部室を後にした。
しかし、さっきのはなんなんだ。夢にしてはリアルだが、実際の記憶に比べれば現実感に欠ける。
うーん、一年も宇宙人未来人超能力者に囲まれた生活のおかげで、とうとう俺にも何か能力が
備わったのか。ハルヒ、とうとうお前の周りには一般人はいなくなってしまったぞ。
……そうでないことを切実に願うぜ。
俺の凡人でありつづける才能をなめんなよ。
……いかん、また意味のわからん日本語をぼやいている。
俺は足早に帰路に付き、もうこの事は考えないようにした。今日は早めに寝るか。
その後三日間は特にこれといったことはなく、いつもどおり平和な日常を送っていた。のだが……
「お、ハルヒ、そういえばそのコート初めて見るな。新しく買ったのか?」
「あ……うん」
昼休み、俺とハルヒは校庭の隅のグラウンドが見渡せる場所を陣取り、並んで座っている。野球を
しているのをぼんやりと見ながら、ほのぼのトークだ。
普段俺は弁当でハルヒは一人で学食なんだが、今日は俺は弁当がないので、珍しくハルヒと一緒に
学食で昼食を済ませた。ハルヒはいつも学食から教室に戻ると、そのまま一歩も教室から出ないのだが、
いい機会なので学食から出てそのまま校内散歩をしようと提案した。
「でも、もうすぐ暖かくなってくるんじゃないか? ちょっともったいないぞ」
「うん、でも前のコートが破れかけてて……や、やっぱりもったいなかったかな……」
ハルヒは残念そうに下を向く。
「うーん、ま、やっぱりいいんじゃないか。それ、可愛いデザインでお前らしいと思うぞ」
「え、え?……あ、ありがとうキョン」
今度はうって変わって顔を赤くして照れている。プチカメレオンだな。これで可愛くなかったら
口に出してそれを言っているところだ。
……ひでぇな俺。こんなこと本当に口にすれば、ありとあらゆる罵声をハルヒに浴びせられ……
――まただ。
またこないだと同じハルヒのキャラが頭に浮かんだ。どうも最近おかしい。
気を取り直して、今の暴言を深く反省しつつグラウンドに視線を戻す。
その時だった。
グラウンドであっちこっち飛び回っていた軟式ボールが、俺目掛けて飛んできていた。
――ぐあっ。
痛てえ。
「キョン!」
目に直撃しかけた。正確には右目より少し外側のあたりに当たった。って、また目かよ。
『あたしの右目あげるから』
――え?
『えぐっ…キョン君の目、目がぁ……うぐっ』
――なんなんだ。
こないだのより確実に現実味を帯びた夢の断片。
……いや、もうこれは夢の範囲を大きく超えた感じ、実際の記憶に近い。
「キ、キョン……大丈夫? キョン……」
「ああ、大丈夫だ。心配するほどのもんじゃない」
少しクラクラする……頭に近い場所に当たったからか。
痛っ。
――!!
『……うそ……嘘、よね?』
『……健気』 『……残念ですが、これは消しゴムでは……』
『キョーン、来てあげたわよー!』
『急ぎましょう』
――そうか、これは……
『あ、あーなんか音楽聴きたくなったのよねー』
『キョン君、大丈夫ですかぁ?』 『何すんのよ……バカっ!!』
『僕は涼宮さんに失明の事実を伝えるのは反対ではありません』
――そうだった。
『涼宮ハルヒ自身の人格の大幅な改変が予想される』
――全部思い出した。
「ハルヒっ、すまん、先に教室に戻っててくれっ」
「え? キョン?」
俺はすぐさま部室に向かって走り出していた。
なんてこった。くそっ、これはいつからだ? 確か失明したのをハルヒに知られた日は……。
ちっ、七日間も気付かなかったのか俺は。
頼むぜ、いてくれよ。いるんだろ部室に。そしてこのことに気付いててくれよ。
あぶなかったぜ。たまたま短期間に二回も目に刺激があったから気付いたものの。
……たまたまか? あまりにも話が出来過ぎてる。
そうか、あいつが操作したんだとすれば納得できる。俺に気付かせるために。
だとすればあいつは今確実に部室にいる。そして俺よりも早く気付いている。
くそっ。足遅せぇな俺。
息を切らしながら到着し、ノックもせずに勢いよく扉を開けた。
「長門っ、お前は気付いてるんだろ!?」
部室に入るや否や、問いただした。
「気付いているというのは語弊がある。正確には最初から知っていた」
「知っていた? どういうことだ」
「今のわたしは、この時間平面上のわたしではない」
「時間平……そうか、俺に知らせるために未来から来たってことか?それで最初から知ってるんだな?」
「違う。相違点が二つある。このインターフェイス自体はこの時間平面上のもの」
また俺には意味わかんねぇ話になってきた。
「簡単に言うと、肉体はこの時間平面上のわたしのもの。記憶、思考に関してこの時間平面上のわたし
ではない」
「なるほど、中身だけ未来のお前ってことか」
「そこがもう一つの相違点。この時間平面上から見て未来ではない。過去のわたし」
「な……過去だと? ちょっと待て、じゃあなんでこのことを知ってるんだ」
「過去といっても大幅な時間量ではない。今から言えばほんの数日前。正確にはあなたの手術が終わる
直前の時間平面」
「俺が失明するのを感じ取ったってわけか」
「そう。手術がほぼ終了したのを見計らい、手術室内の医療機器の情報を解析、あなたが失明したことを
知った。そうなれば涼宮ハルヒによって時空改変が起こること、そしてその改変内容は容易に予測
できた。そこでわたしは未来のわたしと同期を取ることを申請し、精神をこの時間平面上のわたしと
連結した」
「……わかったようなわかんねぇような。しかし、よくそんなことできたな」
「涼宮ハルヒの性格の内向化は、自律進化の可能性を著しく低下させる。情報統合思念体にとっては
不都合。わりと簡単に申請は受理された」
「……いや、そういう意味じゃなくてだな。お前、古泉と一緒に待ってたんじゃないのか? 古泉に
何て言って来たんだ?」
「心配ない。わたしはトイレに行っていることになっている」
「……トイレって、まさか何日もトイレに入ってることにしてんのかよ」
「この世界では数日でも、あちらでは数秒の出来事ということにしている」
そうか、俺が病室で意識が戻ったとき、長門もいたもんな。ここでの時間の流れがそのまま向こうでの
時間の流れと同じなら、俺は手術が終わってから一度も長門に会うことはできないことになる。
「それにしても、そんなめんどくさい事してまで、なんで過去からなんだ? 未来から来た方が先の事を
わかってるからやりやすいだろうし、古泉の目を盗んでとかも必要ないだろ」
「もし、あなたが時空改変に気付かなければ改変前の記憶を持ったわたしは未来に存在しない。あなたが
気付かない可能性も否定できない。未来に頼るのは危険と判断した」
……確かに、長門のアプローチがなければ俺は気付かなかったかもしれない。
「改変されて、どれくらいから過去のお前だったんだ?」
「改変から九分二十秒後」
「ってことはほぼずっと過去のお前だったってわけかよ。俺が気付くのをずっと待つためか?」
「それも一つの理由。もう一つは、再改変プログラムを早急に作成するため。わたしのようなインター
フェイスが起こした改変なら、再改変プログラムは容易に作成できる。しかし、涼宮ハルヒによって
改変された時空を元に戻すのは容易ではない。実際にその改変時空に身を置き、その本人がプログラムを
組まなければならない。時間も大量に必要とする。睡眠中もプログラムの作成を進めていたとしても、
一週間ほど必要」
「なるほど、それで一週間たってプログラムが出来上がって、俺を気付かせようとしたわけか」
「そう」
「で、俺はどうすればいい?」
「その前に、あなたは元の世界に戻りたい?」
「……え?」
……そうだった。世界を元に戻せば、俺は生涯視力を失ったままだ。
今までの癖で、無意識に元に戻す方向に行動してしまったが……どうなんだ?
「あなたが望まなければ、再改変は必要ないとわたしは感じている」
「お前の仲間は、ハルヒの今の性格は都合が悪いんじゃなかったのか?」
「情報統合思念体としてはそう。でも、わたし個人としては……あなたの視力がある世界が望ましいと
感じている」
「……そうか。ありがとな、長門。後でお前も聞くことになると思うが、古泉と朝比奈さんも同じことを
言ってくれたよ」
「……そう」
みんながこう思ってくれてるのは、すごく嬉しい。
だが、俺はどう思ってるんだ? 元に戻したいのか?……自分でわかんねぇ。
「あなたが元の世界を望むのであれば、これを涼宮ハルヒの身体に」
そう言って、長門が俺に渡してきたのは……元学級委員長のおかげで目にするのも嫌になった、
アーミーナイフだった。
おいおい、これでハルヒを刺せってか。もっと別の方法はなかったのかよ。
「大丈夫、負傷させることはない。プログラムが発動するだけ」
いや、そうわかっていてもだな……。
「涼宮ハルヒ以外の有機生命体に使用すれば、実際に刺してしまうから注意して」
「刺すかっ」
なんか、世界を元に戻すのに余計に覚悟がいるようになってしまったじゃないか。
「答えを出すのはいつでもいい。よく考えて」
「……ああ」
「わたしは元の時間平面に戻る。後はあなた次第」
「わかった、じゃあな。ありがとう、本当に感謝するよ」
長門に心からの礼を言い、もうすぐ午後の授業が始まる時間だというのに気付き、俺は部室を
あとにした。
俺は世界を元に戻したいんだろうか。
再改変すればハルヒを元に戻せる……が、俺の視力と引き換えに、だ。
それに、ハルヒを元に戻してどうなる? 今のままでもみんなは変わらないし、ちゃんとSOS団
だって存在してる。他の俺の知り合いも、元の世界と比べてなんら変化はない。
……そうだ、元に戻す必要なんてないじゃないか。
俺の目が見えている方がみんなに迷惑もかけずに済む。
……だがあの時、あの時も俺は平和な世界とあの可愛い長門を捨て、エンターキーを押した。
今一度エンターキーを押さなければ、あの時の行動は無駄になるような気がしてならない。
今だから思う。長門、古泉、朝比奈さん、それぞれがハルヒに対してなんらかの役割がある。
だとすると俺は、ハルヒが変えた世界に対してエンターキーを押すのが俺の役割、いや、使命
なんじゃないかと。
……そうだ、例え自分の視力が奪われようとも、俺はこれからもエンターキーを押し続けなれば
ならない。それが、あの時エンターキーを押した自分に対して課せられた使命であり、けじめ
なんだと思う。
俺は決意した。
本日最後のチャイムが鳴った。今日のそのチャイムは、授業以外の何か別の終焉を示唆するかの
ように聞こえた。
「ハルヒ、部室に行く前にちょっと付き合ってくれないか?」
「え? あ、うん、いいよ」
俺はハルヒを屋上へ連れ出した。ハルヒは……嬉しそうに微笑みながら俺についてきた。
「ねえ、キョン、ど、どうしたの? こんなことに来て……」
ハルヒは少し照れた様子で、少し俯きぎみで言う。
俺は少し間を置いて、長門から渡されたナイフを取り出し、ハルヒに向かって構えた。
「……え? キ、キョン?」
さっきまでの嬉しそうな表情が、一瞬にして不安と恐怖の色に変わる。
「……ハルヒ、すまん。ちょっとだけ我慢してくれ」
「え?……ど、どうしたの? どうしちゃったの? キ……キョン……いや」
ハルヒは震え、懇願するように俺に言う。
……くそっ。こいつのこんな表情、見てらんねぇ。
「ハルヒ、信じられないかもしれないが痛みは全く感じない。本当だ。俺を信じろ」
「……い、いや……どうして?……キョン……お、お願いだから……」
「ハルヒっ。頼むから信じてくれっ」
ハルヒの可愛い顔に涙が伝う。
やめてくれ……なんで、なんでこんな思いしなきゃなんねぇんだよ。こんなハルヒを刺せるわけ
ないだろうがっ。
「……ぐすっ……キョン、キョン……ぐすっ…」
ちくしょう。わかってる、わかってるさ。刺しても本当に痛みはない。
でもな……そうだよ、世界を元に戻せば、こんなに可愛いハルヒがいなくなってしまうんだ。
なにもこんな思いまでして世界を元に戻さなくてもいいじゃないか。
今のハルヒは、朝比奈さんと比べても頭一つ抜け出て可愛いんだぞ。
「……キ…キョン…ぐすっ」
ナイフを握る手に力が入り過ぎ、震えている。
「……いや……いや…」
くそっ。
情けねぇ。
「……すまなかった、ハルヒ。今のことは忘れてくれ……」
……俺は、ナイフにカバーを被せ、ポケットにしまった。
ハルヒは呆然として、その場に座り込んだまま動かない。
俺はハルヒに背中を向け、静かに屋上の出入り口を開いた。
……これで、よかったんだよな。
俺は自問自答する。
……こんな思いを味わったんだ。誰も俺を責めるやつなんていないだろ。
長門、せっかく作ってくれたプログラムなのにすまない。
しかし、今のハルヒは元のハルヒとはほんと別人だな。まがいなりにも俺は朝比奈さんよりも
可愛いとか思ってしまったんだからな。
女の子はやっぱ見た目も重要だが、性格の重要度をいやというほど思い知らされたぜ。
元のハルヒときたら、うるさくて乱暴で自己中で無茶苦茶で……まあ、でもいざという時だけ仲間の
ことを第一に考えてくれて……ああ、俺が三日間意識が戻らなかった時もずっと泊り込みで看病して
くれたっけ。
……なんだこれは。なぜこんな、今の世界のハルヒを選んだ俺らしからぬことを考えているんだ。
いや、考えてるというか……自然に頭をよぎる。
これで……本当にこれでよかったのか?
なんだかんだ言って、俺はあいつの満面の笑顔を見ながら、投げ縄の如く振り回される毎日が
楽しかったのかもしれない。
いつもあいつがとんでもない事を言い出して、それに振り回されて、けったいな事に巻き込まれて。
俺も文句は言うが、結局最後まで付き合って、で最後にまたあいつの笑顔を見て。
ほとんど笑顔か怒ってるかだもんなあいつは。
ああ、俺が失明したのを知られた時、初めてあいつが泣いてるのを見た、てゆうか聞いたんだっけ。
……俺のために泣いてくれたんだよな。あの時は必死で、そのことに頭が回らなかった。
ハルヒに失明のことを隠してたのも、あいつには心配させたくなかったから。
……だけじゃない。
ああそうだ……俺は、世界が改変されて俺の知ってるあいつを失うのが怖かったんだ。
じゃあなんなんだ? なぜ俺はハルヒを失うことに対して拒否感を覚えていたんだ?
俺にとってハルヒとはどういう存在なんだ?
……同じだ。あの時と。
あの五月の閉鎖空間でも、俺は同じような問いを自分に投げかけた。
ハルヒは俺にとってただのクラスメートじゃない。
もちろん進化の可能性でも、時間の歪みでも、ましてや神様でもない。
……そう、ここまでは、あの五月の時点ですでに解かれている。
要はその先。俺は持ち合わせてなどいないと言った、決定的な解答。
あれから十ヶ月近く傍でハルヒを見てきた。いろんなハルヒをだ。
笑ったハルヒ。そして怒ったハルヒ。はたまた戸惑うハルヒ。ちょっとだけ優しいハルヒ……。
他にハルヒをどういう風に形容すればいいんだ。
……いや、違う。そういうことじゃない。
何か根本的に考え方を間違っている。
『……や、やめてよ。そんな……あたしのせいで……キョンが』
――俺は
『……そっか。よかった…』
――俺はどうしたい?
『ちょっとキョン! どこ行ってたのよもう!』
――俺はハルヒに対してどうしたいんだ?
『…なんで……なんでなのよ……あんたが見えるんなら、あたしの片目くらい………』
――俺はハルヒを……
俺にとってのハルヒ。
……ハルヒ。
……ハルヒ……会いてぇ。
……ハルヒに会いてぇよ。
――ああ、そうか。
――そうだったのか。
――アホだ俺は。
――真性のアホだ。
なに難しいことを考えてんだ。
こんなに遠回りして、追い詰められて
ようやくこんな簡単なことに気付くなんてな。
――そう、俺は
――俺はハルヒのことが
――ずっと好きだったんだ。
俺は屋上から降りる階段をもう一度走って登る。
――まってろハルヒ。
俺は今一度
――お前を取り戻しに行く。
そして再び、俺は屋上の出入り口の扉を開く。
もう一度、エンターキーを押すために。
いつもどおりの平日の朝。朝日が窓から差し込み……なんてのは医学的に俺は体感できる状態にない。
俺は妹から手渡しで制服を受け取り、急いで着替える。
「も〜キョン君早く早く」
足をジタバタさせて妹が急かしてくる。
「あーもう、うるせぇ。これでも急いでるんだがな」
俺が着替え終わるや否や、俺の手を取り玄関へと直行する。
「ま、待て待て。急いだらあぶないだろっ。ちゃんと障害物を気にして先導してくれ」
「早くしないとダーメ。ハルにゃんが外で待ってるんだからー」
「おい、朝飯はどう――」
「とうちゃーく」
妹は勢いよく玄関のドアを開ける。
そしてそこには……
「遅いっ! 遅い遅い遅い!罰金っ」
聞き慣れた、そして現在に至っては愛しいという感情すら覚えるあいつの声があった。
ハルヒは毎朝、登校がてら我が家まで足を伸ばし、俺を学校まで送ってくれている。
「ハルヒ、毎日ありがとな」
「あんたはそんなこと気にしなくていいの。黙ってあたしに送られてなさい」
今、ハルヒは俺のほぼ専属介護士かのような状態になっている。通学帰宅はもちろん、学校内でも
ほぼ俺に付きっきりだ。
まあ嬉しいんだが、それだけでは済まず、何の連絡もよこさず我が家という俺の唯一のプライベート
テリトリー内を侵してきやがるのは勘弁して欲しいぜ。俺があられもない行為の真っ最中だったら
どうするんだ、まったく。
せっかくハルヒが無理矢理、俺とハルヒの携帯をラブ定額にしやがったんだから電話してから来い。
俺のプライバシーがなくなりかねん。
学校でもハルヒの専属介護士ぶりは極限を極めている。
今、教室の俺の席はハルヒの横になっている。横っていっても単なる横隣じゃあない。なんか急に
めずらしく俺を置いて教室から出て行ったと思えば、ガガガガと何かを引きずる音と共に戻ってきた
じゃないか。二人掛けの長机を持ってきやがったのだ。最初は教師たちもやめるようには言うのだが、
ハルヒの奇人ぶりは北高に関わるすべての人間の常識になっているので、すぐに誰もなにも言わなく
なった。しっかりしてくれよ、まったく。
そうそう、男子トイレの入室許可を取るとか言い出した時はマジで焦った。なんとか説得して
止めたが、ハルヒは不満爆発だったな。
昼食は、ハルヒはいつも学食だったのだが、今は通学途中コンビニで買ってくるか、たまに自分で
弁当を作ってきたりしている。
……そう、俺と一緒に食べるためだ。しかも……こんな感じでだ。
「今日は卵焼き、から揚げ、きんぴら、プチトマト、真ん中に梅干のご飯、どれ?」
「……そ、そうだな」
「早く言いなさいよ。あたしの食べる時間が減るじゃないの」
「……じゃあ卵焼きで」
「はい、口開けて」
「な、なあハルヒ。俺の箸を卵焼きまで持っていってくれれば自分――」
「早くしなさいっ」
……とまあ、傍から見れば完全なバカップル状態なわけで。視覚がない分、恥ずかしさが半減される
のが不幸中の幸いだ。
SOS団部室での俺の席もまた、今は長机での団長様の隣である。
俺がパソコンをいじれなくなったもんだから、ハルヒは古泉や長門に教えてもらって、ネット以外も
そこそこ出来るようになった。長門が教えようとしたのがコマンドプロンプトだけだったような気も
するが。きっと俺のいないところでちゃんと教えてたに違いない。ああ、きっとそうだ。
「さあ、今日は昨日やりかけてたやつを完成させるわよ」
カタカタカタカタ
ん? なんだ? なんでその作業でキーボードを叩く音なんだ?
カタカタカタカタッカタカタカタ
「……ハルヒ、それはコマンドプロンプトでやらんでいい……」
「ん? そうなの? だって有希が……」
「……あいつは特別だ」
古泉、なんで指摘してやらんのだ。
「いやあ、おもしろかったんでつい」
最後のは余談だが、こうしてハルヒは無茶苦茶なりにも、ほぼ俺のためと言っても過言ではない毎日を
過ごしている。
そして、今日も長門の本を閉じる音でSOS団の活動が終わり、それぞれが帰路につく。
俺はもちろん、ハルヒの手に引かれながら、だ。
「今日はあんた、めずらしく一度も足引っ掛けなかったわね」
俺は情けないことに、一日一回は何かに足を引っ掛け、転びそうになるのだ。
「そういえば、そうだな。ハルヒの献身的な介護のおかげかもな」
「ん、よくわかってるじゃない。これからもその気持ちを大事にしなさいよ」
おそらく、お前が思ってる以上に大事にしてるはずだ。
「大事にしてるさ。ハルヒ、いつもありがとう。本当に感謝してる」
「……な、なに似合わないこと言ってんのよ。ほら、さっさと歩きなさい!」
お前への本当の気持ちを我慢してんだ。これくらい言わせてくれ。
「俺は真剣にそう思ってるんだぞ」
ハルヒは照れているのか、無言になった。繋いでいる華奢な手が少し熱くなったような気がした。
少しの間、二人の足音のみの時間が続く。
そんな短い沈黙を破ったのはハルヒだった。
「ねえキョン。あんたまた……夜に眠れなくなったりしてない?」
俺は元の世界に戻って最初の失明生活の数日間、夜中に目を覚ます日が続いた。目を覚ますと
いっても、意識は戻るがもちろん目は見えていない。
睡眠中、俺はとてつもない恐怖感に襲われた。寝てようが起きてようが、俺の視界は暗闇一辺倒の
世界。そして夜中、街中が静かになり音もしなくなる。
何も見えない聞こえない誰もいない状況。俺は生きてるのか死んでるのかもわからなくなり、
恐怖と孤独で気が狂いそうになった。
手、足、そして体全体が異常に震え出す。経験したことのない痙攣。一人きりという状況に限界を
感じた。そして、涙が止まらなかった。
俺は気が付くと、ハルヒに電話をかけようとしていた。
『ちょっと……あんた今何時だと思ってんのよ……』
ハルヒの寝起きで不機嫌そうな声が耳に届いた。
「ハ、ハル……ヒ……お、お…俺……お…俺…」
もう自分とは程遠い人物像だった。まともに言葉を紡ぐことすらできなかった。
『キョン?……ちょ、ちょっと、ほんとにあんた?……』
「も…もう……お、俺……こ…怖い……こわ…い…」
『ちょっ…キョン……キョンっ!! 大丈夫、大丈夫だからっ! 今から、今から行くから待ってるのよ!』
俺はただひたすら待った。恐怖と孤独で自分が壊れないように必死で気を強く持ちながら。
早く、早く誰かに触れたい。
ハルヒの到着の早さは、目を見張るものがあった。
……こんな夜中に、窓の外からハルヒの声が聞こえる。ああ、母親の声もするな。
震えは一向に治まる気配がない。
ドタドタと階段を登る足音。そしてすぐに俺の部屋のドアが開かれた。
「キョンっ!」
聞きなれた声の主が俺との距離を瞬時に詰めた。
「キョン、もう大丈夫……大丈夫よ」
ハルヒは、震えながら涙を流す俺の頭を抱え込み、優しくなだめてくれた。
ハルヒの腕の中は、とても温かった。
「ハ、ハルヒ……俺…俺っ」
「わかった、わかったから。今はあたしに甘えなさい……」
ハルヒの、俺の頭を撫でるという行為が、急速に安心感をもたらす。
体の震えが鎮まっていく。
自然に、自分の頭をハルヒの肩に預ける。
「寝てても起きてても同じ……同じ暗闇なんだ。それに……みんなが寝ると、何も音がしないんだ」
俺は、しゃべることが出来るということを確認するように、ゆっくりと口を動かした。
俺の頭を抱える力が、少し強くなった。
「キョン……そう。でも、もう安心しなさい。これからはあたしが付いててあげるから」
「……ハルヒ」
「これから、夜中にこんなことになりそうになったら、絶対あたしに電話すること。いいわね」
「……いいのか? 俺、これから当分、毎日こうなるかもしれないんだぞ……」
「そうなったらあんた、あたしが電話するなって言ってもどうせしてくるでしょ」
「ハルヒ……ありがとう。ほんとにありがとな」
「いいのよ。もう落ちついたでしょ、寝なさい」
俺は再びベッドに横たわり、眠りについた。
俺が寝るまで、ハルヒはずっと俺の手を握ってくれていた。
俺は足を止めて、この夜中の出来事を思い出していた。
「ああ、もう大丈夫だ。最近はちゃんと眠れてる」
「そう。ならいいわ。また……もしあんなことがあったら、電話してくるのよ」
この出来事で、よりハルヒに対する気持ちが強くなった気がする。
やべぇ、絶対近いうちに口が滑ってしまいそうだ。
いかん、でも今は……今はまだ……
……そう、今はまだ言えない。
でも、いつか、完全に今の俺の状態が落ち着いたら言おうと思う。
――俺のハルヒへの気持ち、すべてを。
俺は無意識にハルヒの頭を優しく撫でていた。
あの日の夜中、ハルヒが俺にそうしてくれたように。
華奢な手が、また少し熱を帯びた。
そしてその時、撫でている方の手が、いつもはないはずの後頭部の髪の突起に当たった。
――ポニーテール
俺は一つの短い台詞を思い出した。
そう、今はまだ言えない。
だから、この言葉が今の俺の精一杯。
今度はありったけの気持ちを込めて。
「なあ、ハルヒ」
――あの時の台詞を
「なによ」
――今一度
「――似合ってるぞ」
今ハルヒは、どんな顔をしているのだろうか。
もし微笑んでくれているのなら、俺は少し嬉しい。
――「二度目の選択」
以上です。
ありがとうございました。
GJだ。久々にいいもん読んだ。
失明したまま終わらせたのも最後の締めも最高だ。
書いてるうちに慣れてきてるのもわかるし、ぜひまた書いてくれい。
GJ。これで初めてなら十分センスある。
後半空行が少し多いって印象を受けたけど、演出だと思えば許容範囲。マジでお疲れ様。
……失明程度なら長門の力で治せると思うのだが。
GJです。
一部言葉の間違いなどが見受けられるものの内容は非常にうまい。
別の作品も読みたい。
おもしろかったよ。感情面の描写がいい。
ただ、失明ごとき長門の力で何とかなりそうだと思ってしまったから
冷めてしまった。
失明を直せない理由付けがほしかったかも。
あと、何でも駄作認定したがるやつがここにはいるが気にするな。
だって駄作じゃね?
モノローグにしらじらしいうけねらいが多すぎでさめまくりなんだけど。
軸になってるストーリーは悪くないんだけど、
書き方がよくない。
長門が干渉できない理由
ハルヒの すごい 独占欲
この考え方はすごく黒いが
>>563 >>565 お前は実にバカだ。すごいバカだ。しかもスレ違いだ。
だが、それでもよく頑張った。存分に葉山に殴られてきてくれ。
作品投下中に割り込むような奴の言うことは気にするな。
学校で嫌われてる奴はどんな正論を述べてもキモイとしか扱われないのと同じ。
「ストーリーは悪くないんだけど」
と感じた時点で駄作とは呼ばないと思うがな。
誰かが不幸になる話はイヤだよう…特に文章がうまければうまいだけ辛くなるんだよう
長門なら目に刺さる前に阻止しそうだがな。
他にもツッコミどころは多いけどオチの描写は好きだ。
魔法の言葉
>>2 新機軸だったな。こういうのも有りかと。
古泉が総理になってた所がちょっとあったな。
あと、35とエピローグの間が欲しいと思った。
俺も眼じゃないけど医者から病気で治療法無いし一生治らないかもと言われたことのある身で、
視力とか何かを失っちゃうお話にはどうしても怖いって気持ちが自分の中にあって、
病気になっちゃうとか死んじゃうとかそういうドラマやら映画やらは見られなくなったけど、
とりあえず読んじゃったしなぁ。
長門なら治せるんじゃないかと思ったけどそんなに甘いもんじゃないのかなと。
エロくてもエロくなくてもいいから次回作楽しみにしている。
>>625 >長門なら治せるんじゃないかと思ったけどそんなに甘いもんじゃないのかなと。
消失で死にかけのキョンを簡単に治療しとりますがw
なんつーか、創作物にそういう突っ込みをするのは野暮ってもんな気が
>>610 上手い。
「40レス?なげーYO!」
と最初は思ってしまったがグイグイ読ませる文章のおかげで
全然長いとは思えなかった。
ちょっと失明しっぱなしというのが引っかかるけど
まあある意味ハッピーエンドなのかな
夜中に電話された時のハルヒがすげー可愛いとおもったです。
次に書く機会があったら長門メインでぜひ・・・w
ハルヒの深層心理がキョンの独占を望んで
改変の力が加わったために文房具程度で失明し
それ故に長門では太刀打ちできず
エンディングまでハルヒの思う壺
こうですか?わかりません!
>>627 しかし、そんな風に言うと「だったら二次創作って何?」って事にならないか?
>>626 何とも出来なかった何らかの理由があったと言うことにしておきましょう。
視力が無くなったらこのスレ読むのも誰かの手を借りないといけないんだな。
不毛だろ
批判するやつをどうこう言うより作者をフォローする方がスマート
>>630 限度を過ぎない限り、話を作る為に必要な設定なら目を瞑ろうと俺は考えている
っていうかそういう話を始めたらバッドエンド系の作品は大抵「ハルヒはそんなの望まねぇYO!」で終わっちゃうわなw
>>631 うーん。自分も
>>615さんと同感なんだよね。
>ただ、失明ごとき長門の力で何とかなりそうだと思ってしまったから
>冷めてしまった。
>失明を直せない理由付けがほしかったかも。
せっかくの長編なのにもったいないな、と思いました。
次作に期待させて頂きます。
やば、なきそうになった
俺は泣いた
辻褄合わせが必要だってのは勿論分かってるんだけどねー
まぁ、十分良く出来てたってホントに
気合入れて書いてるのは伝わってくるし、面白い。
けどやっぱり、ハルヒの立ち聞きだって長門なら気付くんじゃないか?等の疑問が出て、
素直に楽しめない感じもする。
長ければ長いほどキャラが破綻していく法則。
最後のあたりのキョンとか誰コレって感じ。
短く纏めるのも作者の能力
ま、長文投下した努力には乙と言えるが
書く側にしてみれば批判は一回で分かるし、
賞賛は何回有ってもいいと思うんだ。
ちょっと考えて書き込もう。
こんなスレでまた書く気になるか。
GJ。おもしろかったよ
ただ、俺が今書いてるのと少しネタかぶってる…どうしよ(´・ω・`)
べつに書く気にならなくてもいいんじゃね
素数は、一からではなく二から始まるよ。
ぶっちゃけ面白かった
色々突っ込みどころはあるけど、初めてでこれだけ書けるのは凄い。
俺なんか自分が初めて書いたSSを目の前に出されたら、のたうちまわる。
>>641 ネタかぶりとかは問題ナッシング
かまわず書いて投下するんだ
647 :
417:2006/10/09(月) 00:20:18 ID:StbbqCaP
>>446のことを思い出してサイト行ったのに「攻殻機動隊シリーズ」と投票してしまった私は裏切り者なのか?・・・裏切り者なのか?・・・
なんて悩んでるうちに懲りずにネタ三通り発想
情報統合思念体の急進派が完全な情報を得て、力に溺れ地球侵略を開始というあまりにもオーソドックスな展開。そして穏健派が急進派を食い止める
ためにキョンと古泉に託した物は・・・
・光の巨人「TIGA(古泉)」、「DAINA(キョン)」への変身能力。
・地球の持つエネルギーを具現化した変身能力。キョンには大地の力「GAIA」、古泉には海の力「AGUL」が宿る。
・ちょっと違うパターン。急進派の手によって瀕死の重傷を負わされるも、穏健派の再生手術でキョン復活。古泉も自身の超能力が完全に覚醒、
長門も変身機能を追加。改造人間、超能力者、人造人間というどっかで見たようなトリオが活躍。
どれにせよ簡単なあらすじと最終決戦の話を執筆。ちなみに「TIGA」&「DAINA」の場合はキョンがグリッター化。理由は・・・うん、まあ・・・。
っていうか、調子乗りすぎ(w
>>610 お前バカじゃないのか?
こんなとこで油売ってないで仕 事 し ろ 谷 川
「二回目の選択」の中の人、乙でした。
話の流れやオチ、登場人物の配置(特に長門の使い方は良かったと思いました)が面白かったと思います。
失明というような特殊な状況下以外のネタの作品にも期待します。
650 :
二度目の選択:2006/10/09(月) 00:33:52 ID:R1W3xf9G
感想、批評を下さった方々、ありがとうございます。
こんなにたくさんの反応を頂いたということが何より嬉しいです。
原作未読の為、長門の力を完全には理解できてなかったみたいですね……。
消失のストーリーもここのスレやSSのみでの知識だったので
少し不安でした。
ちゃんと原作を読んで、また挑戦してみたいと思います。
やっぱここは手厳しいな…
心が折れそうになる。
前にもハルヒが目に余ることをしてそれを強引に止めたキョンが過剰に悪者扱いされた作品があったが
その時も思った感想なんだがハルヒのやってることを考えればこれでも全然キョンの対応は非難されるものではないと思うしむしろ甘いくらい
ましてや両目失明なんてある意味殺されるよりもきついことなのにその事実があまりに軽い扱いに見えて
そんなつもりはないだろうがハルヒが凄い無責任に見えるし他の面々も事の重大さをさっぱり理解してないように見える
ハルヒが罪悪感を感じてるように見せてるつもりだろうがろくに報いを受けてないしキョンに対する周囲の扱いが軽くさえ見える
キョンの冷静?っぷりもここまでくると気持ち悪ささえ感じるし正直これはキョンと周りの人格がハルヒに都合のいいよう改変されてるとしか思えない
>>651 原作未読だと、厳しい以前の問題のような……
原作未読でよくここまで書けたもんだ。しかもこのスレに投下とは、なかなか根性のすわった奴だ
ここで有意義?な批評を受けて茨の道を進むか
他スレで無難に礼賛されて労ってもらうか
特に新人職人にとっては今後の投下先を迷うところだと思う
>>652 いや、「GJ!原作者並みだぜ」って意味の、610さんに対する讃辞でしょ?
>>650 未読ですか。
それなのにここまで書けるのは今までのSSの
Lvが高い水準にある事の裏づけといえるんでしょうな。
失明させられたのに、「俺にも過失が」とか言うのは人間味が薄すぎないかい?
>>657 今ハルヒのSSサイトを作って適当に更新すれば毎日400人くらい人が来る
多分今のここより多いか同じくらい
茨の道を進むような人は自サイト作った方がいいし
褒められたいなら他に行く
このスレってあんまり書く意味がないよな
辛辣なコメントが付く以外に
キョンに落ち度があるようには全く見えないのにこれだけの重傷負わされて
俺も悪かったなどと言って全く攻める気もなく許すのは
よほどキョンを聖人君子と思ってるのか人間味のないと思ってるのか
そうでなければこの世界そのものがすでに改変されたものという伏線か
>>661 >このスレってあんまり書く意味がないよな
原作既読者の谷川作品に詳しい人が多いから、
「わかるひとにはわかる」ネタを書く場所としてはいいところだよ。
詳しい人ならではの視点での批評も聞けるし。
あと「学校を出よう!」などハルヒ以外の作品も投下しやすい。
要するに谷川マニア向けの投下場所だと思う。
批判が多いとかいうけど、俺は今までここに投下してきて一度も批判されたことが無い。
多分俺と同じような人も多いんじゃないのか。
たまーに荒れるから批判が多いように思えるだけで。
谷川作品以外のネタがちょろっと入ったようなのが投下されたりもするな
>>650 なかなか面白かった。
が…やはり失明は直して欲しかったなあ。再改変の時に朝倉を絡ませてって…それじゃ俺の書いたSSと同じじゃねーか!
ごめん、今の発言は忘れてくれ。
ハルヒは朝比奈さんに何しようとしたんだ?
「うるさいわねぇ、そうしないと物語が続かなかったのよ!」
>>661 各自の脳内の理想的な物語やら、強いキャラ愛が強固なものだからこそ、辛辣な批判が書かれると考えればいいのでは?
ただの思い込みで批判してる人も……まぁたまにしかいないし。
絶望系のSSまだかな〜
>>672 すまん。訂正
×強いキャラ愛
○キャラ愛
16年間普通に生活していたのに、失明した事実をこんなにあっさりと冷静に受け止められる人間に恐怖の念を隠せない。
全身麻酔するような手術をした当日に目が覚めて、さらには自分の足で歩いて帰る人間にやはり恐怖の念を隠せない。
取り合えず長門が失明直さなかったのは上のほうから涼宮に大きな変化が見られるからとかでとめられていたとか言う理由でよくね?
でもそうすると内面的な性格を否定する理由が消えるな・・・
生命に関わる怪我じゃないと直したら駄目とか?
つまりなんだ、お前は「まんじゅう怖い」と言いたいわけだな?
親が事実を知るのが手術を終えたキョン本人の口からというのもあまりにもひどい
妹に知らせたくないというのはわかるが常識以前にキョンのためにも親に真っ先に知らせるべきだろう
文章云々以前に話の流れに違和感がありすぎる
>>677 理由付けはやめようぜ
長門の力をよく理解できてなかったって作者がいってるんだから
作者さんは原作を読んで研鑽を積んでまた投下してくれよ。待ってるからな
1人でいつまでも粘着して批判してるヤツは何なんだ?
いろいろつっこみどころの多い作品だったけど初めてのssでここまで書けるのはすごいだろ。
これからの作品に期待しようぜ。
最近作品の投下が減ってきてるんだから才能のある作者は大歓迎だろ?
練りこみが甘かったが久しぶりに気合の入った作品ではあったな。
これで初めてとか将来が恐ろしいぜ。
>>650 GJ!
勝手に次回作にも期待するわ
可能ならば今度は明るめに頼みます
>>650 乙。この長さにも関わらず、読み手を飽きさせない。素晴らしい。
しかも初投下でこのクオリティはすごい。
ツッコミどころは多かったがなw
だがID:FDa+ngCSのいうことには激しく同意せざるをえない。
次回作をwktkして待ってますw
みんな久しびりの投下で興奮してるなwww
くだらんツッコミは書く暇があったらSS書いてくれといいたい
細かい所はまだまた稚拙だけど、書きたい事、書きたい台詞なんかは十分伝わるからいいんじゃね?要はアイディアの勝利って事で。
687以降に、確かなbbspinkの入場資格を感じるな。
なんかリアルさが足りないみたいな批判してる奴がいるけど
そんな見方してなにが面白いのかと思ってしまうね。
それに長門は万能だからこの手の作品では扱いが難しいんだとは思うけど
まあ許容範囲、理由とか適当に脳内保管でいけるw
とにかくGJ! エピローグが特に気に入りました。
批評は構わないし、気にしてないけど、それにいちいち住人が食って掛かるから荒れるんだと思う。
>>1にあるとおり気に入らないレスはスルーしようぜ。
俺の発言が気に入らない人もスルーしてね。
色々アレな所はあったが十分良作だと思う。
ちなみにハルヒが望めばキョンの失明は治るし、長門に頼めば治るし、朝比奈さん(大)が過去に連れていき治すかもしれない。
まぁ、失明エンドでショックもあるだろうが救いはあるから良いんじゃないか?
魔法の言葉は、
「ハルヒ、またお前の顔が見たいよ」
キョン失明回復!
まぁ、長門とハルヒは何かしら条件付けで能力制限しないと
なんでもアリだからな(ついでに朝比奈さんもか?)。SS書く上でそれは割と重要になることも。
>>695 長門、朝倉、みくるはある程度制限を掛ける事が容易
問題はハルヒの能力の方だね
こっちは制約も糞もないから感情とか周囲の環境を調整しないと難しい
>>694 失明させた本人に言える図太さがキョンにあるかね?
あぁ長門に言うんですね
698 :
694:2006/10/09(月) 10:28:39 ID:3SlfH5CR
確かにハルヒには言えないな。
となると、長門と古泉に協力してもらいハルヒに『古泉が眼科の名医を紹介してくれる』とか言って『治るかも』と希望を持たせ。
機関御用達の病院に行きハルヒの前で機関の用意した医者に『これなら半年もあれば治るよ』と言わせ『治るんだ』と信じさせる。
後は長門が手術(偽)の度に徐々に目の機能を回復させたり、ハルヒの力(キョンの目は治る、と強く祈らせる)で治させたりすれば大丈夫そう。
でもキョンが、ハルヒを利用したくないとか長門に迷惑は、とか言って渋りそうだな。
無駄に遠慮がちなんだよなあいつは
野暮野郎ばかりだな
ヤボヤボ星に帰れよ
重箱の隅より重箱の質を問う方がステキ
ウホッいい漆器…
買わないか?
「漆器に限らず、生産物には価値を決める為の何かしらの指標が必要。
食物なら生産地、生産環境、生産者。美術品なら作者、保存状態、希少価値。
そして、そういった第三者の視点で見た ”価値” を、そのものの価値とする人もいる
主観ではなく、客観的な評価を重視するのも一つの手段」
「…それが、俺がお前の部屋に呼び出されたことと何の関係があるんだ?」
「情報総合思念体は私に対して、第三者の評価を求めてきた。インタフェース間での相互評価では
限界がある。無関係な人間の評価が必要。情報総合思念体に関係が無く、私を一番知っているのは、
あなた」
このヒューマノイドなんちゃらにも、上司の査定というものがあるらしい。世知辛い世の中になったもんだ。
現場は現場のやり方というのがあるだろうに。評価が悪いと給料が下がったりするのだろうか。
しかし俺の主観を差し引いても、この地球なんて辺境に出張してきているこいつは、間違いなく
給料以上の頑張りを見せてくれている。俺が上司なら全部に十点満点をつけてやるね。
「わかった、任せろ。お前がもっといい評価を貰える様にお前の上司に訴えてやる」
それで、評価ってのはどうすればいいんだ? 記入用紙があるのか? それともマークシートか?
「地球上の知的生命体からの信頼度がそのまま評価となる。活動には信頼が最も重要。
一定時間、この部屋内のログをとる。あなたはじっとしているだけでいい」
信頼か。長門にやれって言われれば、空だって飛ぼうとするし、湖の水だって飲み干そうとするさ。
フォローがあると信じているからこそできることだがな。
…ってナガトサン? 何故にそんな薄着に? というか現在進行形でクロスアウト中?
「色、艶、手触り、使用感は実際手に取ってみないと分からない。隅々まで知ることが不可欠。
また、見たり触ったりしているとき、満足感と充足感を得られるものが本物」
それは芸術品の話だ! 信頼はどこへいった!? しかもこれ記録取られるんだろ!
「私があなたに何かをしたとき、不安や嫌悪を感じなければ信頼している証拠。
併せて、満足感や充足感を得られるように努力する。…嫌?」
そんな上目遣いで見られたら、嫌なんて絶対言える訳ないだろうに。
一糸纏わぬ姿となり、肌を摺り寄せてくる妙に饒舌な宇宙人を相手に
俺はこの上ない満足感と充足感を味わったのであった。
kwsk
最後の二行を20レス程度にまとめてはくれんかね
わかりやすいなお前らwwwwwww
あれ?
>>706に俺のレスが……おかしいなぁ、今日は一回もレスしてないのに
>色、艶、手触り、使用感
>使用感
えろいな
みくるちゃん…恐ろしい子!!
あはっ恋する乙女のあっつい純情にヤケドしちゃいそうだよ
貴様と俺とは同期の桜
同じ航空隊の庭に咲く
離れ離れに散ろうとも
花の都の靖国神社
同じ梢に咲いて会おう
age右翼史ね
右とか左とかよくわからないんだがスレ違いだろ。
そういえば、自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が
世界的に増えているという事実も、多少気になるところだが。
それが全然無いのが日本な訳で
エロいハルヒに国境は無い!!
>>565 なんだこの相姦図ww
ところで葉山と付き合っているのは豊原じゃなくて後藤じゃないのか?
>>610 いつのまにか、すんごいのが投下されてるし
原作未読でここまで書けるのなら、既刊8冊読んだ後にはどれほどのものを生み出すのかわからない
一刻もはやく読むべきだな
>>446 惨敗wwww
ハルヒのハの字も出てこなかったw
結局原作って今続いてるの?
あと既刊のラストはどんな感じだったっけ?
>>721 今結果を見たがこりゃ残念。まぁ、一般からすりゃまだまだ「何それ?」だからしょうがないな。
でもアンケート投票の方じゃ4位だったぞ(まぁそれでもハルヒは満足しなさそうだが)。
ちなみに1位はハガレン、2位はエヴァ、3位はぱにぽにだった。
俺はまたここで書いてもいいのだろうか?
自信がなくなってきたな。
自信のある作家の方が少ないもんよ
ただし「俺はここに居て良いんだよね?」みたいなレス乞食は勘弁な
俺はまたここで書くよ。ダメだと言われたら落ち込むだけだ。
けっこのどM野郎が、さっさと投下しろよゲヘヘヘヘ
人が減ったように見えるのは
投下がなくて話題が続かないから
つまり、スレは投下を待っている
>>729 超既出だろう。
宣伝と受け取られるような行為は避ける事をおすすめするよ。
>>729 VIPだからもう見ることはないだろうと思っていた
なので少し感謝している、てことであとで読みます
他スレのやつもってくると荒れるから注意して
投下ならプリンのほうにすればいいとおもう
というか
他の書き手、ここの事知らなくね?
知ってても非エロならプリンでいいやという考えも有りそうだし。
俺? ここに非エロしか投下したことありませんが
(´っ・ω・`)にょれろ〜ん
>>730,732
了解、スマンかった。以後自粛する。
「大ニュースよ!大会出場が決まったわ!」
ハルヒがそういって部室に飛びこんできたのが2日前の金曜日の事だった。
何でもハルヒは古泉や長戸にも秘密で様々な大会への参加希望を出しているらしい。
今回のもその内の一つで全国の変わった部活が集まるそうだ。
まあ何にせよ、宇宙人と未来人と超能力者がいるSOS団にかなう所はないだろう。
適当に参加して野球大会の時のように2回戦で負けておけばいいな。
「ところがそうも行かないのです。」
…相変わらず唐突な奴だ、人のモノローグに割りこむとは。とりあえず顔を離せ。
「これはすいません。しかしそうも言ってられないのです。油断していたら一回戦も通過できるかどうか…」
なんだって?いくら変わっていても長門に勝てるような人間はいないだろう。
「気付きませんか?能力とか関係無しにこの控え室が余りにも異質な空間になっているのを」
大袈裟な奴だ。少しくらい変わっていても周りの人達は普通…じゃなかった。
中に数人明らかに異常な奴がいる。何故今まで気付かなかったんだろう。今からでも棄権すべきだ。
「何やってるの!キョン、古泉君。もうそろそろ始まるわよ。早く準備しなさい。」
いや、ハルヒちょっと腹が…
「あ、もう主催者のおじいさんが号令をかけるわ、いくわよ!」
俺の願いも空しく主催者の老人が大会の開始を告げた。
光成「校内の変な集団を見たいかーーーーッ」
観客「オーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
光成「ワシもじゃ ワシもじゃみんな!!」
全団体入場!!
新開さんは生きていた!! 更なる研鑚を積み金剛力が甦った!!!
夜が来る!! 天文部だァ――――!!!
夢落ちはすでに我々が完成している!!
ハイスクール奇面組だァ――――!!!
試合開始しだい虐殺しまくってやる!!
地獄甲子園代表 外道高校野球部だァッ!!!
デスメタルなら我々の歴史がものを言う!!
遅刻のオーソリティ アルプス伝説 ワンゲル部!!!
真のショタを知らしめたい!! 魔法先生ねぎま 麻帆良学園中等部2−Aだァ!!!
アクションは3階級制覇だが萌えなら全階級私達のものだ!!
風花学園のチャイルド使い HiME戦隊だ!!!
キャラ設定は完璧だ!! 愁一樹 一年777組!!!!
全TRPGのベスト・不幸キャラはFEARにいる!!
柊蓮司が来たッ 輝明学園天文部!!!
萌えキャラなら絶対に敗けん!!
大野さんのコスプレ見せたる げんしけんより 現代視聴覚研究会だ!!!
悪球打ち(グワラガキーン)ならこいつらが怖い!!
チャンピオンのピュア・ファイター 明訓高校野球部だ!!!
ローマからコダえもんが上陸だ!! アフタヌーン G組のG!!!
薔薇の花嫁がほしいからデュエリスト(決闘者)になったのだ!!
世界の果てを見せてやる!!鳳学園生徒会!!!
夢見る力は絶対無敵とはよく言ったもの!!
サンライズのメカが今 実戦でバクハツする!! 日昇小学校 地球防衛組先生だ―――!!!
ちびっこ先生こそが萌えキャラの代名詞だ!!
まさかこの組がきてくれるとはッッ ぱにぽに 桃月学園3年C組!!!
廃部を阻止したいからここまできたッ 先行き一切不明!!!!
島本和彦の逆境(どうにもならない)ナイン 全力学園野球部だ!!!
副団長の心は氷ではない冬なのだ!!
御存知 帝高校 護衛団!!!
ジュヴナイルの本場は今やSHOUT!にある!! 墓を荒す奴はいないのか!!
天香学園生徒会だ!!!
テレッテッテエェェェッ順平は!! LVが!!! 上がった!!!
月光館学園特別課外活動部だ!!!
シンクロは華麗に使えてナンボのモン!!! 超実戦シンクロ!!
マリアナ伝説からシンクロ部の登場だ!!!
対戦はオレのもの 邪魔するやつは思いきり本田連打し思いきり本田対空するだけ!!
ゲーメストより 速攻生徒会
不思議を探しにここへきたッ!!
ライトノベル全スニーカーチャンプ SOS団!!!
EMP能力に更なる磨きをかけ EMP学園黒夢団が帰ってきたァ!!!
今の自分の部屋に踏み場はないッッ!! サボテンキャンパス明日香と仲間達!!!
知恵のリンゴが今ベールを脱ぐ!! 悪魔のミカタから みークルだ!!!
奏会長の前でなら私達はいつでも極上だ!!
私立宮神学園極大権限保有最上級生徒会 本名で登場だ!!!
接客の仕事はどーしたッ ブルジョアの炎 未だ消えずッ!!
ラブコメもヤオイも思いのまま!! 桜蘭高校ホストクラブ!!!
特に理由はないッ たしけがおかしいのは当たりまえ!!
腐女子にはないしょだ!!! 超人テニス!
青春学園テニス部がきてくれた―――!!!
同人界で磨いた実戦ユリ!!
コバルトのデンジャラス・ライオン リリアン女学院・薔薇の館だ!!!
横暴だったらこの人を外せない!! 動物のお医者さん 漆原ゼミだ!!!
超一流大学の超一流のサークルだ!! コンパに来てオドロキやがれッ
早稲田大学の犯罪集団!! スーパーフリー!!!
プロレスネタはこの男が完成させた!!
真右衛門の切り札!! 3年B組長州先生だ!!!
アンドロイドが帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ R田中一郎ッッ
俺達は君らを待っていたッッッ春風高校光画部の登場だ――――――――ッ
加えて物足りなさに備え学校その物が変なのを4校御用意致しました!
ジャンプ連載 魁!男塾!!
TRPG 番長学園!!
メールゲーム!蓬莱学園!
……ッッ どーやらもう一校は作画がヤシガニっている様ですが、到着次第ッ皆様にご紹介致しますッッ
俺達は生きて帰れるのだろうか…。
ボンボン坂高校演劇部がいない
明瞭高校生徒会はないのか?
一番食い付きそうだが
立橋院高校の生徒会やその候補はいない?
陣代高校生徒k(ry
なんだこの流れw
ところでクロマティ高k(ry
わかめ高校のあいつらがいないじゃないかーっ!(がびーん
ちょwwww
ナレーションバキかよwwww
ふとどこでやってるのか気になった
甲子園球場の地下闘技場か?
東京ドームだろw
>>719(Д)゜゜
…スマン。俺もうマジで駄目だわorz 逝って来る ノシ
真右衛門作品が二つもあることに気づいて吹いた
,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;;
{;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; 長門がいればなんとかなる
ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙ そんなふうに考えていた時期が
`Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> 俺にもありました
,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f
~''戈ヽ `二´ r'´:::. `!
友引高校と私立ドキドキ学園からは(ry
このメンツにナンパに行くのは自殺行為だが、あたると太蔵ならやりかねんwww
ここって最近投下がガクっと落ちているような。
TV放送から大分経って、また新刊も結構間隔開いているから
ハルヒ熱が以前と比べると全体的に沈静化してきたのもあるんだろうけど
プリンスレとかキャラスレ(特に今は長門や朝倉スレ辺りか?)では未だSSがそれなりに盛んなとこ見るとどうにも。
まあ確かにスレの場所が場所だが、9月前半くらいまでは結構ここも投下盛んだった気もするしちと気になった。
>>610の人は本当に原作未読なのか?それは驚きだ。その割には、キョンの
「何だかんだ言いつつも、今のSOS団の非日常な日常をかなり楽しんでいるしその事を少なからずは認めている」
みたいな陰謀〜溜息付近(冒頭の一年近くという描写から大体そこら辺だうし)
の心理描写が結構的確に出来ているよなーと感じた。
後、消失のEnterキーに関する所とかも。
文化祭や、その後にやってきたゴタゴタも終了し、はや冬の足音が山風と共に聞こえてくる今は、もうそろそろ十二月。
創立以来の古さを誇る旧館、この部室棟はその壁の薄さのせいもあって、屋内にいながら妙に寒々しい日のことである。
さて、俺たちがいる旧文芸室はいつになく静かだった。
室内は、遠くから聞こえてくる、運動部の熱血する声やブラスバンド部の音楽がわずかに響くばかり。戦場のような普段の騒がしさは無い。
理由は単純明快である。涼宮ハルヒがいないからだ。
ハルヒはHRが終わると、弾丸のように教室を飛び出していった。
俺が亀の歩みで部室に着いても、奴の姿は無かった。
気まぐれなあいつのことである。その内現れるだろう、何か厄介ごとを持って。
かくして、ハルヒという暴虐な嵐がやって来るまで、俺たちは束の間の静けさと平和を享受することになった。
俺は古泉とカードゲームに興じ、メイド服が実に良く似合っている朝比奈さんは可愛らしく編み物をなさっている。長門は……いつも通りである。
毎度いろんなことに巻き込まれてきたSOS団。というよりもっぱら俺だったが、しかし、そんな事態が毎日毎日律儀に訪れるわけはなく、大体、毎日のようにあれやこれやの非日常爆弾が炸裂していたら、俺の身がもたず心のほうはもっともたない。
たまにはこんな平和な日があっても良いだろう。
それはさておき、この静かな空間が功を奏したのか、古泉は普段よりもカードを上手く使ってくる。と言っても、それは比較論でしかなく、普段のものに毛が生えた程度である。
おい、にやにや笑うなよ、気持ち悪い。
寒気のするような古泉の笑みで、俺は急に室内の寒さを思い出した。
俺は暖を取ろうと、朝比奈さんが入れてくださったお茶を飲んだ。まだ湯気が立っているそれは、身体の中から暖めてくれるように感じた。
一息ついた俺は、何の気なしに団長席を見た。そこには、いつもの騒がしいハルヒはいない。
しかし、ハルヒがいないと、本当に静かで良いなー。
……でも、少し静か過ぎるか?
おっと、いかん。少し呆けていた。ただでさえ締まりの無い顔なんだ。ぼんやりしていたらまぬけに見える。現に古泉の奴は、面白そうに俺を見ていた。
ええい、忌々しい。ゲーム再開だ。
俺はサイコロを振り、攻撃してターンエンド。まあ、この調子なら今日も俺の白星だろう。
古泉が策を寝る間、俺はいつもより広く感じる部室を見渡してみた。ずいぶん物が増えていることに、今さらながら驚いた。
そうか。よく考えたら、ハルヒや朝比奈さんたちと出会って、もう半年たつのか。
色々やらかしてきたもんだ。ハルヒが原因なものもあれば、そうでないものも含めてな。
ま、たいていはこうして俺たちがまったりと時を過ごしている最中に、あいつが突然飛び込んできて始まっ
「みんな、聞いて! 朗報よ!」
部室の扉を勢いよく開け、ハルヒが現れた。満面の笑みを浮かべ、なぜか携帯電話を掲げている。
また、か。
こいつの言う朗報とやらが、俺たち、特に俺と朝比奈さんにとって朗らかな報告となったことなど実際ほとんど無いのだが。
今度は何だよ?
「部室に暖房器具を設置する手はずが整ったわ!」
ハルヒは、せかせかと団長席へと歩いていった。そして、安っぽいオフィスチェアーに慇懃無礼といった感じで腰掛けた。
「あ、はいはい」
朝比奈さんは反射的に立ち上がり、ハルヒの茶の用意を始めた。メイドの鑑ですね、朝比奈さん。
「映画撮ったときにスポンサーになってくれた電気屋さんが提供してくれるって。去年の売れ残りを倉庫にしまったきり忘れちゃってて、処分に困ってる電気ストーブでよければって、さっき電話があったの」
鬼の首を取ったように話すが、ハルヒにわざわざ電話して、そんな申し出をするほど暇で親切な電気屋はないだろうから、どうせこいつがごり押しでねじ込んだのだろう。
「だからキョン、あんたこれから店に行って貰ってきてちょうだい」
「俺が? 今から?」
「そ! あんたが今から!」
朝比奈さんがハルヒに湯飲みを渡す。ハルヒはそれを一気飲みし始めた。おいおい、それは風呂上りの牛乳じゃないんだぞ。味わって飲め。
「お前、俺が毎日往復してる山道をもう一回降りて、しかも電車で二駅かかる電気店まで行ってから、おまけに荷物抱えてここまで戻って来いって言うのか?」
「そうよ!」
湯飲みを机に叩きつけ、即答しやがった!
「だって急がないと、おっちゃんの気が変わっちゃうかもしれないじゃない! いいからさっさと行ってきなさい! どうせ暇なんでしょ!」
この部屋にいる時点で、暇でない奴などいないような気がするが……
「お前は暇じゃねーのか?」
俺がそう言うと、ハルヒは心外と言わんばかりの表情をして、
「私は、これからしないといけないことがあるから」
ハルヒは、近くにひかえていた朝比奈さんのほうへと顔を向けた。ハルヒの表情は見えなかったが、また朝比奈さんをオモチャにするつもりではないのか。
ならば、ハルヒを止めるためにも俺が残って、古泉が代わりに行けばいいじゃないか。
「古泉君は副団長で、あんたは平の団員なんだから、階級の低いほうがきりきり働くのはどこの組織だって同じよ。もちろん、SOS団もそのルールを採用しているわ」
古泉はそれを聞いて、光栄といわんばかりの表情をして見せた。いちいちムカつくヤロウだな。
長門を見ると、我関せずと読書をしている。こいつは対有機生命体うんぬんとは言え、女の子だ。それも谷口流に言えばAマイナーの。こんな寒空に出すわけにも行くまい。
朝比奈さん? 論外だね。あの愛らしい方に、そんな仕事を押し付ける男などいないだろう。第一、朝比奈さんは、何も無い所で転ぶようなドジっ娘だ。とてもそんなことはさせられない。
まあ、いいか。今回ばかりは、ハルヒもましな用件を取り付けてきた。ちょうど部室に暖房器具が欲しいと思っていたところだ。
朝比奈さんや長門に行かせるくらいなら、俺が行くさ。
「わかった、わかった」
「どうぞ、お気をつけて」
黙れ、古泉。
「あ、私も行きましょうか?」
いえ、大変嬉しいですが、朝比奈さんをこの寒空に出すわけにはいきません。
「みくるちゃんはいいの。ここにいなさい。雑用係はキョンの使命みたいなものなのよ」
横暴な団長様だな。ま、朝比奈さんを外に出さないってところだけは、同意しておこう。
俺は、椅子に掛けておいたコートを着た。窓の外は、雲が切れ間無く広がっている灰色の世界だ。寒そうだな。早めに片付けよう。
「待って」
なんですか、朝比奈さん?
振り返ると、朝比奈さんがピンクのマフラーを俺の首に巻き始めた。
「今日は冷えますから」
朝比奈さんはにっこり笑った。朝比奈さんの心遣いと、マフラーの柔らかな感触が嬉しかった。
「どうも」
照れ臭くて、少しぶっきらぼうなお礼だったが、朝比奈さんは笑い返してくれた。
「はーやーく! 行きなさいよー!」
やれやれ、団長様がお怒りだ。じゃあ、さっさとお使いを果たしてくるか。
部室を出ると、放課後の喧騒が廊下に響いていた。その中を、俺は一人歩き始めた。
窓の外は、曇り空だ。どうやら雨が降りそうだ。
延々とアニメをなぞるだけだったら勘弁してくれ
>>756 味わって飲め、の下に変な行ができちゃった(´・ω・`)ショボーン
さて、シーシュポスというものをご存知だろうか。
シーシュポスとは、ギリシア神話に登場する人物である。彼は罪を犯し、山頂まで岩を持って登るという罰を受けたそうである。
これで、現在の俺の状況を理解してくれると甚だ幸いである。
何の因果か、高台にある我が北高から下山しお使いに行くことになった俺は、電気ストーブの入った段ボール箱を抱え、再び登山をすることになった。
灰色がかった空から雨が降り始める中、俺は懸命に坂道を登り、どうにかこうにか学校に帰還することができた。
下駄箱の前まで来て、ようやく俺は腕の中の岩を置くことができた。それほどたいした重量ではなかったが、長時間抱えて歩くとやはり疲れる。おまけに雨にまで降られ、身体はすっかり冷えてしまっている。
家に帰るとき、またあの坂道を下山することを考えると、気分が滅入ってくる。シーシュポスも、ゼウス真っ青な力を持ったハルヒにこき使われている俺に同情してくれるだろう。
やれやれ…
「あれれ、キョン君、お使いだったのかい?」
「鶴屋さん」
軽快に走りながら、顔見知りの先輩が現れた。朝比奈さんの親友の鶴屋さんだ。
「どーりで」
そう言うと、鶴屋さんは少し身を乗り出して俺のほうを見てきた。
「何がです?」
鶴屋さんは何が面白いのか、にこにこと笑っている。
「なんでもないっさー。ごくろうさん」
鶴屋さんは、俺の服を見ると、
「んー、濡れてるねー」
コートのポケットからハンカチを取り出すと、俺の頭に乗せてくれた。
「あ、ども」
俺は、鶴屋さんの意外な行動に間の抜けた礼をした。
「じゃあねー! ハンカチなら、これと一緒に後でみくるに渡しといて」
これこれ、と強調するように朝比奈さんのマフラーを指差した後、鶴屋さんは走り去って行った。
相変わらず、挙動のよく読めない人だ。さばけた感じの良い先輩だが。
さて、と俺は気合を入れ直し、段ボール箱を抱え再び歩き出した。
階段などの障害を乗り越え、俺が部活棟に辿り着く頃、雨足はさらに強まっていた。
部活棟に響いていた喧騒は聞こえず、ただ雨音のみが静寂を壊していた。廊下には蛍光灯も着いておらず、部室棟は暗かった。
我らが根城の旧文芸室の扉を開くと、俺が出て行ったときとまったく姿勢が変わっていない長門がいた。
「あれ、長門。お前だけか」
長門は俺を見てかすかに頷くと、再び本に視線を落とした。
俺は、段ボール箱を適当な場所に運び、床の上に置いた。あー、腰が痛い。運動不足だな。
さて、俺に命令した団長様とその太鼓持ち、そして部室専属のエンジェル朝比奈さんはどこに行ったのかねー。
俺はマフラーを外しながら長門に尋ねた。
「ハルヒたちは?」
長門は俺のほうを向くと、俺の眼をじっと見つめてきた。
長門観察歴半年の俺は、長門が意思表示しようとしていると感じたが、何を伝えようとしているのかはわからなかった。いや、意思表示しようとしている、と俺が勝手に思い込んでいるだけかもしれない。
戸惑う俺の表情を見てか、長門は視線をそらした。そしてわずかに首を傾けた。
どうやらハルヒたちの所在は知らないらしい。
長門は何を伝えたかったのか、三人が今どこで何をしているのか。
少しは気がかりだが、さすがにかさばる荷物を持っての坂道登りは堪えたぜ。しかも同じ道を下校時に、また下りないといけないときた日にはなおさらだ。正直、体力の限界を感じている。
俺は寒さと暇に耐えかねて、電気ストーブの起動の準備を始めた。
段ボール箱を開け、電気ストーブ本体を取り出す。ストーブの電源プラグをコンセントにセットする。最後にストーブの調節ねじを回し、起動させる。来い来い来い来い来い。
電気ストーブはすぐに発熱を始め、俺は手をかざした。あー、手が冷てー。すっかり濡れネズミになっちまってるな。
ある程度身体が温まると、無性に眠くなってきた。俺は椅子にもたれかかって眠気と戦い始めた。
しかし、俺の肉体は休息しようとしていた。いつの間にか俺は机につっぷし、腕を枕にしていた。
疲れた……
俺は、長門をぼんやりと眺めながら意識を手放していった。
俺は、人の気配でぼんやりと目を覚ました。
あれ、俺はいつの間に寝ちまったんだろう。確か身体があったかくなって、長門を見てたら……
俺が薄っすらと眼を開けると、そこには大口を開けて慌てた様子のハルヒがいた。
俺が上体を起こしハルヒを見ても、あいつは妙な声を漏らしながら固まっていた。
俺は、寝ぼけ眼をこすりながら、
「あー、お前だけかー?」
「何よ。悪いの?」
ハルヒは妙な声を止め、いつもの調子で答えてきた。
「悪くはないが、お前、俺の顔にいたずら書きとかしてないだろうな?」
一番の懸念事項である。俺は、顔を洗うようにしてぬぐってみた。幸いインクの臭いはしなかった。
「しないわよ、そんな幼稚なこと!」
「他の三人は?」
ハルヒは、机の上においてあったデジカメとビデオカメラを持って団長席に歩いて行った。夏の合宿のときみたいに、俺の寝顔撮ってないよな?
「先に帰ったわ。あんた、なかなか起きそうになかったから」
「で、お前は帰らずに残ってたのか?」
「しょうがないでしょ。あんた寝てるし。部室に鍵かけて帰らないとだめだし」
ハルヒは窓を指差して、
「それに、雨も降ってるし」
窓の外はすっかり夜の帳が落ち、おまけに雨まで降っていた。どうやら寝すぎたようだ。
「返しなさい」
ハルヒは俺に向けて手を伸ばしてきた。
返すって、何を?
「カーディガン!」
そこで、俺はようやく肩に掛けられたカーディガンの存在に気がついた。
肩から外そうとしたが、なぜかカーディガンは二枚掛けられていた。
ハルヒは苛立たしげに、上の一枚を俺から剥ぎ取った。
俺はもう一枚のカーディガンも脱いだが、ここで疑問が生じる。
一枚はハルヒの物で間違いない。だが、このもう一枚は誰のだ?
俺はなんとなくだが、長門の座っていた椅子に目を向けていた。長門らしくもなく、読んでいた本が机の上に置かれたままだった。
もう一人の候補たる朝比奈さんの衣装スペースに目が向いた。そこには、朝比奈さんのメイド服やナース服があった。
あれ、メイド服? 今日、朝比奈さんが着てらっしゃったのはメイド服。
って、待てよ。ということは、朝比奈さんが、俺の寝ている横で着替えをしてたのか。
くそ! どうして本当に寝ちまったんだ! 寝たふりをしておけば!
「さ、とっくに下校時間だし、あたしたちも帰るわよ」
ハルヒは、俺の内心の苦悩を知らず声をかけてきた。ゲーテ先生も、若い頃はこうやって悶々とした日々を過ごしたのだろうか。
「ああ」
俺は内心の動揺を隠しつつ、平然と答えられた。
俺は、持ち主不明のカーディガンを椅子に掛けた。明日、長門か朝比奈さんの手元に戻るだろう。
「でも、まいったなあ。俺、傘持って来てないぜ」
それに、けっこう本降りだし。天気予報じゃ、降水確率十パーって言ってやがったのに。まったく、あてにならん気象予報士だ。
「一本あれば十分でしょ」
ハルヒは、勢い良くカーキ色の傘を俺の前に突き出した。
さてさて、俺たちは青春の学生生活らしく、相合傘をして帰ることになった。
と言っても、相手はハルヒである。甘酸っぱいものや熱くたぎるものを感じるだろうか、いや感じるはずがない!
俺が傘を広げ、ハルヒがその中に潜り込む。そして、俺たち二人は歩き始めた。
ああ、北高名物ハイキングコースをまた下山するのか。俺はストーンズじゃないんだぜ。坂を下りるのにも体力使うんだ。なあ、シーシュポスさんよ?
「もっとこっちに寄せなさいよ。あたしが濡れるじゃないの」
「十分寄せてるだろ」
俺でも女の子を雨で濡らさないように善処はするさ。
「あ、この傘、お前のじゃねーな。職員用って書いてあるぞ」
「学校の備品だもん。生徒が使って悪いことなんかないでしょ。それとも何? 濡れて帰りたいってんなら、入れてあげないわよ」
そう言うと、ハルヒは俺から傘を奪い取って走り始めた。
まったく。せっかくストーブを貰って来てやったってのに、労りの言葉もなしか、この団長様は。
やれやれ……
「待てよ」
俺はハルヒを追って走り始めた。
街灯の淡い光の中、ハルヒは俺のほうに振り返ってあっかんべーをした。
“涼宮ハルヒの消失”に続く。
これはSSじゃないだろ。
“涼宮ハルヒの消失”を書く気はあるのかね?
>>765乙。
けど、キョン視点なのに駅の女の子にストーブをくれたオジサン、それに谷口&国木田のシーンがカットされてるお(´・ω・`)
あえてカットしてアニメでの淡々と進んでいく風景を再現したかったのはよく解るんだけど、
個人的にはそりゃあカットされてしかるべきだろってぐらい長々しいキョンのモノローグも見たかったかもしんないなあ
でも台詞ひとつひとつ取り入れたところには愛を感じたよ(´Д`*) 次回作もwktkして待っとりやす。正直長々しい文ですまんかつた
批判ばっかで、Mの俺としては(ry
サムデイは、涼宮ハルヒの消失に繋がる話だと考えている。
だから小説化して、最後に「“涼宮ハルヒの消失”に続く」って書いてみたかった。
で、色々シーンを消したのは、サムデイのメインは長門だと考えているから。
わかりにくい。長門メインというなら小説の体裁を崩してでも長門のモノローグの一つでも入ってないと、消失に繋がる心情なんかわかりえない。
なんと感想言っていいのか困る作品なんだが
パロディーでもなくサイドストーリーでもなくただのry
ID:NQUMm4lgは↑のサムデイを踏まえたうえでの消失を書くんだよな?
原作の消失を読んでトラウマになった俺
原作と全く同じ内容なら全力でスルーさせて頂く
なんでトラウマになったん?古泉がガチじゃないから?
>>753 ここのSSに、キョンが非日常を楽しいと感じているという描写はいくつかありました。
消失に関してのことは、SSでけっこうたくさんあった思います。
SS書く上ではよかったけど、もう消失の大まかなストーリーを知ってしまった……
ちょっと残念…。せっかく最高傑作っていわれてる巻なのに、読む時楽しさ半減しそうorz
バレンタインの話とかも、それが原作をハルヒ視点で書いた物とはつゆ知らず、
普通に読んで後のレスで知って後悔したことのあるSSも…
やっぱエンターキーって原作では"Enterキー"ってアルファベット書きなんですか?
「キョンの消失」でもアルファベットだったけど、自分はなんとなく雰囲気的にカタカナかなと思い
そのままカタカナで書いてしまった。
>>775 エンターキーは原作でも"エンターキー"。
つか、原作読んでないなら、ここのSS読んで原作の展開を知ってしまったとぼやいても仕方がない。
逆に、原作知らないと面白さ半減のSSも多いしな。
>>753 投下すれば荒れるスレに嫌気がさしたんだろ
VIPに移ったやつも多いみたいだからな。
先月のエロパロからきますたってのをよくみかけたよ。
匿名板の素人から偉そうに批評されたくないんだろうな。
だいぶ前のやつの続きです。
お暇なら見てください。
少しして長門が戻ってきた。
無言でお茶を渡され、徹にも同じように渡される。
「……………」
お茶を飲む。朝比奈さんほどではないが上手い。
しかしこの空気では話せない。あまりに静かだ。
外を走る車がどのようなルートを走っているのか想像できるほどだ。
無言が続く。常人なら絶えられない程度にまで来ている。
そして俺もその常人であるため、話題を切り込ませるしかない。
「な、なあ長門、お前は何かないのか?」
は?
「なにが?」
何をやっている、俺。徹以上の無口少女、長門に話を振るとは。
何故話のある徹を無視して長門に話を振ったんだ。
「いや、話しておくこととか、話したいこととか」
「特にない」
ほら見たことか。このMs.無口に話振った俺が悪い。
ああ、ほめ言葉だからな。
「ただ、あなたにあまり関係の無いことならある」
「ならそれを頼む」
話があるのなら何でも良くなっていたので、つい了承してしまう。
俺はあまりの静けさにおかしくなってしまったのだろうか、いまだに何故話しかけたのか分からない。
「情報統合思念体が伊藤徹に対して緊急態勢をとっている」
また徹の話か。前はハルヒが引っ張りだこだったが、今度はこいつなのか。
「情報統合思念体は伊藤徹の出現を予測しえなかった。
あなたの出現はほぼ確実に無きものとされていた。
しかし事実としてあなたは現れた」
長門は徹を見つめながら話している。徹は黙って聞いている。
「あなたの出現は涼宮ハルヒの進化の可能性を止めた。
彼女はあなたが、つまり異次元人が発見できたことで舞い上がっている。
でも、その間の彼女からは何も観測されていない」
「観測?」
徹が問う。
「涼宮ハルヒは常に爆発的な情報量を生み出す。
それが世界を変える力。進化の可能性。
しかし、あなたが自分の正体を明かしてからそれが止まった。
彼女はもう、世界を変える必要などないと思い始めている」
それは俺にとってはいいことだ。
何しろ、これからはハルヒの無茶に付き合わなくてすむことになる。
「…なるほど、そういうことか」
何か理解したらしく、徹はわざとらしく頷く。
「俺はやつらにとって価値がある。しかしハルヒもまたしかりだ。
どちらかというとハルヒのほうがお気に入りで、
俺はその進化を止めてしまった」
「そう」
「それをその情報統合思念体だかいうやつらは気に入らない。
そういうことだろ?」
「そう」
長門はうんうんと頷く。(ホントはそんなでもないし、微妙な角度だけどな)
「そいで、一番手っ取り早い方法にでた。それが」
「伊藤徹の抹殺」
俺は息が止まった。ついでに茶でむせた。
まさか長門、お前徹を殺そうなんて思ってないよな。
「ない」
横に首を振り、否定する。
「情報統合思念体の中でも意見は割れている。
先ほど言ったように、彼を抹殺しようとする党派、
涼宮ハルヒに新たな可能性を見出そうとする党派、
そして、涼宮ハルヒをこのまま放置しておけば、
また飽きて新しいものを探そうとするだろうと考える党派」
ずいぶん物分りがいい党派があるものだ。
「3番目に提示した党派は、涼宮ハルヒと多くのことをともに経験し、
現在までで一番の信頼関係を得ているあなたから導き出された答えを基にしている」
俺から?俺はお前の親玉に協力していないぞ。
「情報統合思念体は、涼宮ハルヒ、伊藤徹だけではなく、あなたにも注目している」
「なぜだ?俺は特殊な力なんて持っていない、いたって平凡な高校生だ」
と思うが。
「あなたは涼宮ハルヒの感情をコントロールする力がある、唯一の存在。
私たちにとってはそちらのほうが不可思議」
そうかい。まさか長門に俺が不思議なんていわれるとは思わなかった。
「まあとにかく、俺は命を狙われてるって事か」
徹がため息混じりで話す。
「まったく、何で俺は命を狙われやすいんだ」
狙われやすい?
「ああ。最強の魔術師という職業柄、嫌いなやつにはすぐ消されそうになる」
職業だったのかよ、それ。しかも正義の味方みたいな言い方だ。
「悪かもよ?」
冗談っぽく徹が言う。
「そうは思えんが」
「そうだな」
自分で言っといて他人の答えに納得すんな。
「まあ今日読んだのもこのことについてだ。俺について、話しとこうとね」
どうやら自分の正体をはっきりさせて、怪しくないということを証明したいようだ。
別にそんなことしなくてもいいと思うのだが。
「必要なんだ。そこにいる有希も、お前にすぐ正体を明かしたろ?
一樹やみくるちゃんもそうだ」
いつからお前はSOS団のメンバーを名前で呼べるほどフレンドリーになったんだ。
「いちいち突っかかるな。話が進まん」
じゃあ、手っ取り早く頼む。
「…わかった」
それでも話が長くなったので省略して解説しよう。
どうやらこいつは別の世界の日本の東京から来たらしい。
でも生まれたのはまた別の世界で、その別の東京は兄弟がいるから住んでいるそうだ。
生まれた世界では国王らしい。どうも疑わしいが。
この世界に来たのは傷心旅行として。だから朝比奈さんや古泉や長門のように目的があってきたわけではないそうだ。
「そういうことだ」
俺の省略解説の約30倍近くのだらだら説明だった。
「めちゃくちゃな設定だろ?俺も今更ながらふざけてると思えてきた。
まあ悪いというわけじゃないし、自分の生まれを嘆いてもしょうがない」
そういいながら徹は大きくため息をついた。
「まだとんでも設定はある。でも今は必要ない」
そうしてくれ。これ以上はいくら俺でもたるくなる。
「ああ、ちなみにハルヒにこのことは全部話しておいたから」
…なんだって?
「心配するな。俺のせいで世界がどうこうなる可能性もない。
あいつは俺のことさらに知りたがってたから。
しかし面白いやつ。おかげで少しずつ俺も元に戻ってきている」
元に戻る、というのは元の性格に戻る、ということらしい。
長門は俺と徹が話している間ずっと読書をしていた。多分既に分かっていることをいちいち聞くのが面倒なのだろう。
徹はもう話し終えたらしく、再び黙りこくった。
そのまますることもなく時間は過ぎ、いい加減帰らないとおふくろがどこからともなく乗り込んできそうなので、帰ることにした。
「長門」
「……」
「帰るからな」
「…気をつけて」
珍しく気の利いた返事だった。
「ああ」
そっけない返事で俺は部屋を立ち去った。
そういえば徹はこのあとどうするのだろう。長門のうちにでも泊まるのだろうか。
…そう考えると妙にうらやましくなった。
無事家まで辿り着いた俺は、飯も食わずにベッドに倒れこんでしまった。
相当疲労が溜まっていたらしく、目を開けていられない。
俺はまもなく眠りについた。
俺は夢を見た。嫌にはっきりとした夢。
思い出したくもない場面だ。あの朝倉涼子に笑顔で刺されそうになった時。
多分その夢だろう、朝倉が近づいてくる。
「目が覚めた?」
目が覚めた?
夢の中でその問いはないんじゃないか、俺。
この朝倉はいわば俺の記憶の中にあるメモリー朝倉な訳で、つまりこの朝倉が言うことは俺が考えてることにもなるわけで・・・
「まだ覚めないの?そんなことじゃ、もう一度私に殺されるかもよ?」
朝倉にでこを触られた。すると、一気に意識がはっきりした。
「ここは夢じゃないの。そして私も」
辺りを見回した。まったくあの時と同じ空間。
コンクリ壁で一面が覆われている、机や黒板しかない殺風景な部屋。
俺もいつの間にか制服に着替えていた。
「久しぶりね」
朝倉涼子。俺にとっては魔性の美少女が現れた。
「…俺に何のようだ」
少し強気で対応する。もしもの時は長門が来てくれるだろう、そう思ったからだ。
朝倉はくすくすと笑う。
「違うわ。今用があるのは貴方じゃない、彼の方」
何もない壁を朝倉が指差した。
するといきなり朝倉の指差す方向の空間が歪んだ。
いや、俺は歪むとかそういった確かな表現はできないのだが、その言い方が一番近い。
朝倉が指差すそこだけがねじれ、大きくねじれたかと思うと急に元に戻った。
そしてそこに、ねじれる前にはいなかった二人が立っていた。
「・・・・・・」
長門と徹は、何事もなかったかのように立ち尽くしていた。
またここまでです。
続きはまた今度。
3、4ヶ月ぶりじゃないか?
投下乙です
>>777-780 やっぱそういう風潮はあるのかね。
確かにエロもの以外のSSだったらプリンやキャラスレで代用効くし、わざわざここに投下する必要も無いしな。
最近、他で原作風味で作ろうとした長編急に増えた感じもしてたが、元々はここに投下していた人が流れてきたのも多いのかな?
>>774 1.読み終わったあと、報われてない消失長門の事を考えたら鬱に。
2.「朝目覚めたらパラレルワールドに飛ばされており、今まで当たり前の存在だった人や家族が全くの別人と化していた」
という奴はどうも苦手。飛ばされた主人公が事態を察するまでの過程が痛々しく見ていて鬱になる。
消失は改変された世界だったけれども、ハルヒ含むこういったSFモノには向いていないのかもしれない。
3.キョンに過失があったとはいえ、マイスイートエンジェルに打たれて「あんた誰?」と(ry
4.キョンが殺意向き出しな朝倉に刺され(ry
とまぁ、完全に個人的な理由なんでキニシナイでくれ・・・
原作風味でやりたい奴は、文章を練りこもうとしている者が多いと思う。
そういう奴等は、萌える状況があれば満足する人間が多いこのスレには合わないだろう。
まあ、ニーズが違う人間は、このスレを去って行くということだろうな。
>>790 萌える状況があれば満足する人間が多いのは、プリンやキャラスレの方じゃないか?
ここは質を求めすぎたあまり敷居が高くなっちまったんだろ。
今は、ここに投下する人みるだけで勇気あるなぁって思うし。
そう思ってるのは>790だけじゃないのかな
別に萌えメインじゃなくても原作風のSSは
いいモノ読んだーって気になりますけどね。
萌える状況があるだけで満足する場所であるのならばここはナゼ過疎(ry
単に夏休みが終わって学生さんが来にくくなったのと、
原作+アニメで新作が出ていないからネタ切れなんじゃないですかね。
投稿量が減っているのは。
単に萌えが書きたいだけなら
>>791さんが言うように
VIPやアニキャラ個別板で書けば済むだけだしね。
こっちはスレタイが示すように「谷川流」のSSスレ。
原作既読者でないと楽しみにくいマニア向けのスレだからね。
>>794 プリンは夏休みになってから人増え(ry
こっちはプリンみたいなまとめからの直リンが少ないんだろ。
>>794の説も多少はあるだろうけど、ただの楽観視だろ。
>原作既読者でないと楽しみにくいマニア向けのスレだからね。
んなこたぁない。一見さんお断りみたいな空気はあるけどな。
実際ここと他のエロパロのスレの両方に投下してると、
その空気差に妙な気分になるし。
798 :
795:2006/10/10(火) 16:43:06 ID:EKtdsGwi
夏休みになってから→夏休みが終わってから
はっきり言うとかなり投下しにくい。この投下しにくい空気なんとかしないとな……
VIPはなれ合いだとか、何でもかんでもGJGJ言い過ぎだとか、そう言われているけどな
投稿する側から言わせて貰えば、そう言う雰囲気の方が投稿しやすい。
プロの物書きを目指しているワケではなく、ただ妄想を書き綴っているだけだから
批判食らうよりは、ウソでもGJ言って貰いたいもんさ。
と言う、ここもキャラスレもVIPも投稿しているヘボSS書きからの一言
このスレは元々毛色が違うから同じように馴れ合えるとは思えないけど
VIPの「文才ないけど小説書く」スレみたいな雰囲気に出来ないものかと思ったり
ttp://ex16.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1160405745 そうしたら、自分の文章力を高めるためのスレとして活用されそうだけど
そう言う方向性は無理かな?
>>799 このスレは
「自分の文章力を高めるためのスレ」じゃなく
「谷川作品のSSを書いたり読んだりして楽しむスレ」だから方向性が違うかな?
そもそも板自体「エロ」か「パロ」目的の板だし。
読み手上位ってのがなんとも。
人が減らないと変わらないだろね。
他と比べて浮いてるってのは、エロパロの他のスレには行かないって人が多いのか、それともここだけ対応を変えてるのか。
後者ならなんとかなりそうなもんだけど。
>>800 それはわかってる。
でも今のままじゃ、書いてても楽しくないんだわ。このスレ。
読んで楽しいけど、書いて楽しくはないスレの現状を憂いての提案で
現状の読み手優先のこのスレの雰囲気を維持したいなら方向性の転換もありだと思っただけ
多少枠から外れても、このスレの意味を求めていければいいなと思ったが、
>>799は無かったことにしてくれ。
かつては投下が多かった分神SSもかなり来てたから、読み手の目が肥えてるっていうのもあると思う。
目が肥えてても態度が肥えてないつーか。
何時間も掛けて書いたものを数秒で書ける批判で斬られて嬉しいはず無いから。
作者にとってありがたい空気ではないのは確かではあるな。
>>802 痛いほどわかるぜ。とにかくここに投下しても楽しくもなんともないな。せめてアドバイスなりなんなりしてくれれば次へ繋げられるんだがな……荒れるからな
読み手優位は金払った時だけだよな…
俺はここが読み手上位だと感じたことはないけどなあ。
他のエロパロのスレよりやさしいほうじゃないかね。全部のスレを見てるわけじゃないけど。
ただ、スルーできない人は多い気がする。
投下したものについて批判的なレスが付いても納得できることもあるし、
あまり気にならないんだけど、そんなレスに対して他の人が妙なツッコミを入れたりして、
挙句に、たいして荒れてるわけでもないのに、「なんで荒れてるんだ」とか
「ここは投下されるたびに荒れる」とかいうレスが付くと、しばらく投下は控えようって気にはなる。
ま、ネタが溜まれば、また投下するんだけどさ。
他のスレがどうこうじゃなくて、ここがどう感じるかだ。
VIP、キャラスレすべてを含めてもここが一番投下しにくい。
なんかハードルが高そうで
>>793 ここが過疎って居るのなら、例えばげんしけんSSスレは廃墟だろう。
ぶっちゃけ、プリンスレやらキャラスレやらでも書いているのに、
その上、ここでもさらに書くって言っても、リソースは有限なんだ。
今愚痴ってる人って大体投下経験あるでしょ。
その人たちがそう感じてるんだから。
>>808 分かる。なんつーか、速度とエロと、何故か文面を品評される という三大要素があって投下し難い。
過疎は更なる過疎を産み、エロが無いと叩かれ、文面が少し雑でも叩かれる。
>>809 げんしけんって原作終わったからじゃないの?
「ここは過疎ってる」
「投下すると荒れる」
「ここに投下しなくてもプリンやキャラスレに投下すればいいや」
こういった発言を見ていると、本当に投下する気が萎えていくのを感じる
なんだって住人自体がこのスレは不要だ、みたいな発言を繰り返してるんだろう?
スレ立ちから2週間足らずで800レス、SSも20ほど投下されてる現状が過疎なの?
自分もこのスレの最初のほうで童話もの投下したんだけど、「過疎ってる、過疎ってる」と繰り返し言われると
「お前の駄作なんざ誰も求めちゃいねぇよ」と言われてるような気分になってくる
そして何よりも今この流れが一番投下しにくい
十分過疎ってるだろうよ。
これは昔(アニメ前)と比べてではなく、現在の他スレと比べてもだ。
投下はあるけど断然小ネタ中心や中編のものが増えたし、ペースも前より大分落ちてる。
プリンなどでは、投下作品こそ多少減りこそしたものの、それでも長編のみで2日に1スレペース。
アナルスレはよく落ちはするものの、毎日数十個は小ネタや短編が投下される。
キャラスレは、長門・ハルヒスレのように個別に別れてるとはいえ、総合したら一週間に20近くは出てるしな。
明らかに、この板の投下ペースのみ異常に落ちている。そこは、もう素直に過疎ってるって認めるところだろう。
まあおまいら、>815みたいな頭の悪い働き者はほっといて
何事もなかったみたいにSS投下しよーぜ
>>816 人の意見に耳も貸さないそういった横柄な態度取ってるから人も作者も減るんだよ。
事実ぐらい受け入れろや。
>>816 こんな殺伐状況で投下できる奴がいたら唯我独尊ハルヒ様の称号を与えるよ
その事実をここで述べたら何か流れが変わるの?
作者の事を考えてる割に作者が投下しづらい空気は作るんだね
>>819 最後のレスにするけど、俺はほっといてもますますここの過疎化が悪化するだけだろうし、変えたいから言ってるの。
元々、投下しづらい空気はあったんだから、ならば、そこからどう空気を変えていくのかを考えるべきでしょ。
それを、いきなり荒らし扱いされて、
>>816のように何事もなかったようにSS投下とかありえないだろうよ。
到底、君ら二人がなにか考えてるようには思えないね。
-------------ここで時空改変---------------
空気読まずに登場。
サムデイ投下したが、全く相手にされずに放置プレイされた者でつ。
しばらくROMって、ちゃんとしたSS書いてきますφ(`д´)カキカキ
めげずに頑張りますよ。
あと、一応これだけは言わせてくれ。
自分の作品を読んでくれる人は、テレビのサムデイとザッピングして楽しんでくれ。
ではノシ
最初に話を酷くした全部俺が悪かった。
このスレはこのままでいいと思っている人がいるんだからこのままでいいでしょ。
このままではまずいと思っている人間は消失したほうがが良さそうだ。
空気悪くしてすまなかった。
-------------ここからデレ期---------------
このままでいいと思うよ
ここに投下する時はどんな感想が返って来るか楽しみだからね
作品に対する正直な反応が見られるのはここだけだと思うし
流れが比較的ゆっくりだから色々な人の意見も見れるしね
そもそもこれで過疎ってるとか言ったら他のスレとかもう(ry
>>822 頑張れ
サムデイインザレインに関しちゃ確かに独自色が薄いと感じたが(でも、おそらくそれは狙ってのことなんだろうけど)
それでもテレ東が映らない地域の人にとっては有難いものだったんじゃないだろうか
次回作に期待してる
>>822 乙です
ただカットされてるシーンが少々あったのが残念です
>>822 頑張れ〜
あとサムデイだけど一つ言わせてもらうと
どうせならキョンの寝てる間の出来事でも書いて欲しかったな
もし俺が投下して空気が変わったとしたら正直すまん。
でも俺は書き終えるまで投下したい。
>>830 前から聞きたかったんだけど、あのSSは狙ってやってるの?
特に伊藤君の設定や周囲の動き。
俺も釣りかどうかずっと悩んでたんだけど……
「ちょっと……あんた今、あたしの胸に手、当たったわよ……」
「そうか、そりゃ残念だったな」
「は? なにそれ? 可憐な乙女の純潔を汚しておいてそれ? ふざけんじゃないわよ」
いや、わかってる。今のは良くない。ちゃんと謝ろうと思ったさ。
でもな、今俺の手に残っている感触が脳を一瞬麻痺させた。その瞬間に言葉が口を出たってわけだ。
……ああ、柔らかかったさ。羨ましいだろ?
制服の上からでこれ程の感触だ。直に触ればもっと素晴らしいに違……
……いかん、これ以上考えるのは危険すぎる。
俺は自分の席に戻ろうと、体を反転させた。
その時だった。
――ムニュ
……あ。
ハルヒの胸にある二つのお山型の突起の片方が、さっきよりも遥かに著しく標高を低くした。
「ん……なっ…ちょっと! あんた今のはわざとでしょ!」
やべぇ、この感触は悪魔すぎる。
……まずい、俺のものが覚醒しそうな気配が……。
「ち、違うっ! 誰が好き好んでお前の胸なんか触るかっ」
ハルヒが俺のネクタイを締め上げる。
――まずい。
ハルヒが俺に近づいたせいで、俺の覚醒の象徴物が少しハルヒの腰に触れた。
ハルヒの顔がみるみる赤くなる。
「こ、この……このエロキョンっ!!」
もうダメだ。我慢できん。いや、この状況で我慢できる方がおかしいだろ。
……いいよな? この状況下における必然の行動だよな?
えぇい、ままよっ。
俺はゆっくりとハルヒのブラウスのボタンに手を伸ばす。
「……!!」
ハルヒは一瞬固まった。
よし、そのままだ。動くな、動くなよ……。
「……ちょっと」
第一ボタン、解除成功。
「……何やってんのよ」
こう言いながらも、ハルヒは抵抗を示さない。
第二ボタン、解除成功。
「……あんた、自分で何やってるかわかってるわよね?」
第三ボタン、解除成功。
ハルヒの以外と深い胸の谷間が俺の視線を釘付けにする。
この時点で、ハルヒの手がようやく俺の手に向かって動き出した。
第四ボタン、解除成功。
ハルヒのブラジャー越しの胸があらわになる。
ハルヒの手が俺の手を捕えた。
「ここまでよ」
しかし、ハルヒの手は台詞とは裏腹に、ほとんど力は入っていない。俺は構わず続ける。
第五ボタン、解除成功。
上半身を覆っていたブラウスはほぼ開いている。
俺はブラウスの中に両手を伸ばしていく。
そして胸を……と行きたいところだが、ここはぐっと我慢して胸をスルーし、背中まで手を回していく。
手に触れるハルヒの素肌の感触が、より俺を興奮させる。
「んん……ちょっ……待ちなさいっ」
ハルヒは俺の両手を掴むが、やはり力は入っていない。
……あともう少し。
両手が背中に到達した。気付くと、ハルヒの息は少し荒くなっている。
俺は、ハルヒの背中を締め付けている伸縮性のある紐状の物を両手でつまみ、クロスさせる。ブラジャーの
ホックが外れた。
「…ん……あんた……そこまでは……」
俺は一気にブラジャーを剥ぎ取りたい衝動を抑え、背中から手を引っ込める。
そして、ハルヒの後ろに回り込もうとした。ハルヒはそれに気付き、俺に合わせて自分も体を回転させて
回り込ませまいとしたが、俺はハルヒの肩を掴んで抑制する。背面に回り込むことに成功した。
そして、ハルヒの体に密着する。
――うあっ
俺の膨張物をハルヒの尻に押し付ける形になった。
「んあ……ちょっ……あ、当たってるわよっ」
……や、やべぇ…なんて感触だ。
「……ハ、ハルヒ」
もうそろそろやばい。このスタイルのいい体をめちゃくちゃにしたい。
衝動が爆発寸前まで高まる。
……いかん、ここはゆっくり、ゆっくりだ。一気にいくと拒否される可能性が高い。
俺はハルヒの脇の下から手を入れていく。
「……なっ」
ハルヒは驚き、脇を閉める。しかし、すでに俺の手はその二つの膨らみを射程範囲に捉えていた。
俺の手がホックの外れたブラジャーを簡単にたくし上げる。
ハルヒの綺麗で白桃のような胸があらわになった。
「あっ……」
「ハ、ハルヒっ」
俺はもう我慢できず、その白桃を掌で包む。
――フニッ
……うはぁ、と、とろけそうだ…。
「んあ………」
ハルヒは感じているのか嫌がっているのかよくわからない声を出す。
俺は好き勝手にその柔らかい胸を揉みまくった。その柔らかさでハルヒの胸はぐにゅぐにゅと形を変え続ける。
「んん……くっ……」
……はぁ…はぁ…や、やわらけぇ。
ハルヒの胸の感触を十二分に味わう。
今度は下から上に持ち上げながら、円を描くように揉む。ムニュムニュ感に加え、重量が十分に掌に伝わる。
「んあ……はぁ……ちょっ…キョン……」
「はぁ……な、なんだ?…」
「こ…こんなこと……して……わかってんでしょうね?……んあ…」
俺は答える代わりに、中指と人差し指で白桃の先端の突起を挟み、コリコリと刺激を与えながら胸全体を
揉み続ける。
「んなっ……くっ……んあ…」
ハルヒは眉間にしわを寄せ、何かに耐えているような表情だ。
俺は乳首と胸全体を揉みながら、さらに尻に押し付けている膨張物を、その尻の割れ目に擦りつける。
と同時に右手でハルヒの顎を掴み、こちらに顔を向けさせ、舌で口内を犯す。
「んん……んんっ……」
ぴちゃぴちゃという卑猥な音が響く。その間ももちろん膨張物を尻に擦りつけ、手は胸の愛撫を休ませない。
ハルヒの体のあまりの気持ち良さに、俺は挿れてもないのに射精感が湧き出てくる。
……やばい、イキそうだ。
俺はとっさに繋がっている口と口の間に距離を置き、愛撫を止める。
俺とハルヒの口周りはびちゃびちゃに濡れ、唾液が二人の間で糸を引いている。
「ぷはっ……。あんた……ここまでやったからには、覚悟はできてんでしょうね……」
ハルヒは鋭い眼光で俺を睨み付ける。
「その割には大して抵抗してなかったように思うがな。俺の気のせいか?」
「う、うるさいっ! 気のせいに決まってるでしょ!」
「とりあえずこのままでは俺のあれが治まらん。最後までやらせろハルヒ」
――続……かないかもしれない
>>835 言いたいことはただひとつ
続けてくれよ!頼むから!
誰かの傷ついた心が 孤独な空で燃え上がる
誤爆です。すいません。
みくるちゃんの撮影を終えたあたし達は、そろそろ日も暮れるという事で部室に戻って来ていた。
「あれ?キョン戻って来てるじゃない。有希はいないけど」
「あったかいですぅ」
「彼が持って来たストーブのおかげのようですね」
確かにこの部室は廊下よりも暖かい。それにしてもぐっすり寝てるわね。
キョンを起こすために声を出そうとしたその時、古泉君がそっと囁いた。
「まあまあ、いいじゃないですか。彼もお疲れのようですし」
「そうですよ。たまには休ませてあげないとダメですよ」
むぅ。二人して言われちゃしょうがないわね。
それに……まあ、こいつだって色々雑用させられて疲れてるだろうし。
「そんなに言うなら……」
あたしは渋々といった面持ちで答える。それを見てニヤける二人。なんなのよ?
「いいえ。あなたも本心を語らない方だな。と思いまして」
古泉君って妙に遠回しな言い方するのよね。
「ふふっそれでは僕はこれで」
と言い残し古泉君は帰ってしまった。なにを言いたかったのかしら。
古泉君の言葉を頭でこねくりまわしているうちにみくるちゃんの着替えが終わっていた。そんなに時間経ったっけ?
「じゃあわたしも帰りますけど、涼宮さんはまだ残ってるんですか?」
「うん、デジカメのデータをパソコンに移さないといけないし。もうちょっと居るわ」
「キョンくんの事も心配ですしねっ」
「んなっ……!」
何言ってるのよこの子は!あたしは別にキョンの事なんか……ゴニョゴニョ
「ふふふ、じゃあさようなら」
あ、帰っちゃった。
もう!なんなのよ二人して!そりゃちょっとは気になるけど、好きとかそんなんじゃない……はず。
ふとキョンの方を見る。幸せそうな間抜け面ね。肩にかかってるカーディガンは有希のかしら?
有希はこいつの事好きなのかな?あの子の事はよくわかんないけど、多分そうね。
あたしは……まだよくわからないわね。あとちょっとでハッキリしそうなんだけど。
こいつはどうなのかしら?何も考えてなさそうだけど……。
よそう。自分の事もよくわからないのに人の事なんかわかるわけないわよね。
あたしは考えるのを放棄した。今はこいつの苦労を労う事だけを……。
「お疲れ様、キョン」
と、こんな感じだと思ってるけど
今ってもうそんなにネタないの?知らんかった。
どんなに小さい物でもいいから
ネタをくれたら書いてみようと思うんだが。
今の自分の中の候補としては、
1無人島(だっけ?)症候群
2森さんの(SでもMでも)調教(できれば相手は古泉)
3長門が朝倉を再構成して襲う
ぐらいかな…
ぐっじょぶー
読んでて気が付いたのですがキョンがたっちゃったのを
ハルヒに接触させた場合も、ラブラブゆえにあててんだよ、で、
ゆるされないかなあ。
すいません、飲み過ぎてました。
>835
ツヅーケ!
>835
おお〜GJ!!
生殺しはいやんwぜひ続きを〜
>>839 そういやこれまで「お疲れ様、キョン」のセリフを掘り下げた作品はあまりなかったな
GJ
余談だけどDVDにおいて収録され直してる長門版次回予告だと、14話はどうなっちゃうんだろう
ハルヒのセリフが本編の方に持っていかれるのか?
事ここに至ればドアラ×キョンで一つ
ヤンデレ?
ちら裏
ネギま!スレの敗残兵から見れば
このスレは天国みたいなものだけどな。
あの地獄を経験したら、たいていのスレは平気だぜ。
VIPのどこに良いSSが投下されているんだ?
構成すらまともに練られていない駄作ばかりじゃないか。
レベルの低い作品を有り難がっているVIPPERは馬鹿ばかりだ。
VIPに出入りしている奴はこのスレに来なくていいよ。
ウホッイイツンデレ!!
なるほど、こんな空気を作る人が多いんじゃねぇ…。
>>855 で、そのレベルの低い作品すら投下されてない件ついて。
とりあえず結構各スレ回ったりしてるけどそこまで酷いのは無かったかと。
というか落ち着け。
>>各々
批判ばかりの人はキョン顔負けのツンデレです。 生暖かい肩叩き機をみるような目で見守ってあげてください。
駄作ばっかって。。。
おまえどんだけ夢中で読んだんだよ m9っ`Д´)
ああそりゃびっkりして絵文字もつかうさ
待て、みんな。
これは(このスレを荒らそうとする為の)孔明の罠だ!
孔明=ツンデレ
「2回来たくらいじゃ、あんたについていかないんだから!///」
−−−−−−以下再び壮絶なデレ期−−−−−−
VIPの作品だって大好きよ!
VIPが駄作ぞろいとは言わないが、
「微笑」レベルで、神認定や谷川認定って言うのはレベル低すぎだよ。
さんざん上のほうで言われたけど、あんなガチガチで固い文、谷川のと比べれば雲泥の差。
少なくとも読者に読ませようというより、自分の書きたい文をダラダラ書き流した感が強いしな。
一気に投下したからいかにも凄い大作に見えるけど、実際は他の長編とそう大差ない量だし。
前振り文で具体的な数字を挙げていかにも凄そうに見せて、一気に投下し、読み手の心を掴む。
そういった文本体以外のテクばかりが目に付いて、正直醒めまくった。しかもそれを疑問視すると荒し扱いだしな。
書き手に厳しすぎるスレはダメかもしれんが、書き手に甘すぎるスレもいずれダメになると思う。個人的見解ではね。
>>864 あまりここでは関係のないこと書いてるみたいだから
そのVIPってところに同じように書き込んできたらどうかなとおもうよー
せっかくID:m8Th0bW0が流れ作ったのに
他所でやれよ
VIPの方がキャラの特徴掴んでるの多いような気がする
こっちは小説という形態に拘泥している人が多くて、萌えでなくて青春も感じさせないような話が結構ある
そういうパロだともう、何が楽しくてパロしてるのかわかんない
原作の楽しさが喚起されるとかもなく、ただ読み流すだけになって苦痛
お前らいい話をしてやろう。
いいか、
ツンデレはいいものだがツンが過ぎればただの痛い人だ。
その配分を間違えるんじゃないぞ。
CVは若本で頼む
じゃあ俺デレ。
みんなもSSも超愛してる。
「なっ……あんた、最後までって意味わかって言って……ちょっ!」
ハルヒが何か言ったのにも構わず、俺は再び行動に出た。
とりあえず体勢は先程のままだったので、右手をまた脇の下に入れて胸を激しく揉み、左手でスカートを
たくし上げる。
女の子の胸ってみんなこんなに柔らかいものなのか? いや、こいつが特別なんだろ。多分。
いくら揉み続けても飽きる気がしねぇ。
「ちょ……揉み…強……んあ……」
強く揉んでいるためか、指と指の隙間から胸の柔らかい肉がはみ出す。本当に、ぐにゅぐにゅという擬音が
聞こえてきそうだ。
左手がスカートのたくし上げ作業を完了させていた。
俺は制服のズボンを下ろし、お互いパンツ越しで、膨張物を再びハルヒの尻の割れ目に擦りつける。
……うあ、この感触……さっきの何倍も…。
ハルヒの生足の感触も、俺の太ももに直に伝わる。
俺は擦り付けるスピードを上げた。
「んあっ……ん……キョン…んあ」
「はぁ…はぁ…ハルヒ……はぁ」
もうハルヒは完全に俺に体を預けている。
俺は左手で、上げたスカートを押さえながら下腹のあたりに触れる。
ハルヒは一瞬ビクッと反応したが、胸と尻の刺激が強いらしく、そちらに意識がいっているようだ。
俺はゆっくりと左手を下に降ろしていく。
指先がパンティーラインに当たった。ハルヒはまだ胸と尻の愛撫に夢中だ。パンティーの中に手を入れ、
さらに下へと手を向かわせる。
「んん……なっ、ちょっ……そこは…んあ」
ハルヒが大きく反応した。俺はしゃべるのを防ぐように口で口を塞ぐ。
「んんっ、んん……」
再び、ハルヒの口内を犯すかのように舌同士を絡ませる。
そして左手がとうとうハルヒの秘部に到達した。
「んんっ…んんっっ」
ハルヒの体が仰け反る。そしてハルヒの唾液が大量に俺の口内に流れてくる。
口からはぴちゃぴちゃと、下からはクチュクチュと二通りの音が響く。
「んんっ……んんっ……ん…」
俺は激しく指で秘部を擦り、あそこで尻の割れ目を擦り、胸を揉みしだき、舌を絡ませ、四点同時責めを行う。
……はあっ…はあっ……やべぇ…これはやべぇ…。
ハルヒもあまりの快感の為か、苦しそうに頭を引き、口を離した。お互いの唾液が入り混じり、大量の糸を引く。
「はあっ……はあっ……はあっ…」
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
……今のは俺もやばかった。めちゃくちゃ気持ちよかった……。
呼吸を整える為、少し間を置く。
「はぁ……ハルヒ…はぁ……挿れるぞ……」
俺はグミより数倍柔らかい胸をさわさわと触りながら言う。もうハルヒは胸を触られることに全く抵抗を
示さない。
「…はぁ…はぁ……勝手に……すれば……はぁ……いいじゃない…」
今度はハルヒと俺を向かい合わせる。また唇を合わせ、今度はお互いが激しく口内を犯し合う。
その間に俺はハルヒのあられもない部分を覆っているパンツをずらしていく。
ハルヒの片足からパンツが抜ける。
それを見計らい、俺は口を離してハルヒを仰向けに寝かせ、両足を開く。
「…はあっ…キョン……早く…なさい…はあっ」
「……はあっ…ああ」
俺は自分のものをゆっくりとハルヒの秘部にあてる。入り口部分が亀頭に吸い付いてくる。
……こ、これだけで…やばい。
俺は必死に耐え、ゆっくりゆっくりとハルヒの膣内にズブズブと沈めていく。
「んあっ……ちょ…キョンっ……んんっ」
「はあっ…ハルヒっ……はあっ…」
ヌルヌル感と同時に、膣内がひたひたと纏わり付いてくる。
このまま腰を動かせば数秒でイッてしまうだろうが、動かさないことには始まらない。俺は腰を振り始めた。
「んあっ…んんっ…はあっ…はあっ…はあっ」
「うあっ…くっ…はあっ…はあっ…」
ぴちょぴちょという水音と、ぴたっぴたっという腰をぶつける音が同時に響く。
……ダメだ、もたねぇ……すごすぎる…。
俺は腰を振りながらハルヒに抱きつき、再び口内を犯す。
上と下、両方からの水音。そしてハルヒの両胸がむにゅっと俺の胸に押し付けられる。腰を休まず振り続ける。
「んんっ…んんっ…ん…んっ」
俺は口を離し、唾液の糸をそのままに、ラストスパートへ向かう。
「ぷはっっ…はあっ…はあっ…んああっ……キョンっ」
「はあっ…はあっ…ハルヒ…はあっ…ハルヒっ」
激しく腰を打ち付ける音が、俺とハルヒをより早く絶頂へと向かわせる。
ハルヒも限界に近いのか、涎をだらだらと垂らし、どこを見ているのかわからない表情で喘いでいる。
ヌルヌルした水分が、大量に俺の膨張物に纏わり付いていく。
……イク…イクッ。
――!!
「んはあっ…キョン…キョンっっ」
――!!
「なんだハルヒ、結局喜んでたじゃないか」
「なっ……あんたの目は節穴? どこ見てそんな台詞が出てくるわけ!?」
「なあハルヒ、また……いいだろ?」
「……なっ…もう、勝手にすればいいじゃない」
以上です。ありがとうございました。
まさか二度目の投下がエロになるとは自分でもびっくり……
GJ!!!
エロはいいな、うん。
>>868 きょーりょく、わ・か・も・と!
「…ねぇ、キョン。帰ったらさ。これ飲んでから、また……ぅよ……」
「ん? どしたハルヒ。 『また』何だって?」
「だからさ………ぁのその………ぁぁあああああ!!! もう! 女の子に恥ずかしい事なんども言わすな!!
こっの、バカキョンッ!」
「いてっ! 何だ? ……おぃっ! だから何でっ俺g……うおっ殴られにゃなら……んごっ!」
>872 エロかった GJ。
いきなり教室でとは・・・若いってイイナ・・・
878 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 03:33:27 ID:TlXOz5Ox
県立北高等学校校歌
最寄り駅から徒歩10分 今日も息切れ青息吐息
きつい傾斜の坂道が 僕らの試練だそうなんだ
いったい何%だ腹が立つ 高山病にかかるぞこのやろう
こんなはずではなかったのに 無駄に校内広いんだ
近くにコンビニひとつもねぇ 責任者出て来い 出て来いよ
おまけに女房は帰らない 男こさえて出て行った
お酒とおでんが友達さ あっこれって校歌だっけ
ああ 我等が北高校
え 誰が来たって
ああ 我等が北高校
え 誰が来たって
879 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 03:34:00 ID:TlXOz5Ox
「正気の沙汰とは思えないわよこんなの」
ああ、それには同意しておこう。無論、こんな歌を採用した人もろとも。
「あのぉ、こんなのどうですか。今はやりのミュージシャンに頼んでみるのは」
流行り廃りの激しい今はやめたほうが無難でしょう。過ぎたら微妙ですし。
「今よりましです」
そりゃ、そうだが。
「それならさ、毎年毎年違う人に頼むのはどう。話題にもなって一石二鳥よ」
どこにそんな金があるんだよ。
「今よりましです」
だから無理だっての。『機関』が金を工面してくれるのか。
「さっきから文句ばっかりじゃない、何時から資本主義の奴隷になったのよ」
とりあえずもっと地に足の着いたアイディアを出してくれよ。晩年の豊太閤じゃあるまいに。
「そうね、あたし達が作詞作曲するってのはどう」
俺たちで、か?
「ナウでヤングなあたし達が作れば、名曲、間違いなしよ!!」
なんでダブルで死語なんだ。何歳なんだおまえは。
「まずは全体的な曲のイメージを決めるのよ」
今までよりは格段にましだ。つきあってやろう。
「流行り廃りのない、ロックンロールはいかがでしょうか」
校歌とは真逆の位置に陣取る曲調じゃないか。老教師が泡吹いて倒れるぞ。
「哀愁ただよう感傷的ブルース」
暗ッ!!場末の飲み屋か。青春を謳歌しているはず俺達が歌う曲じゃないぞ。
「覚えやすくて歌いやすい両方を兼ね備えた童謡風がいいと思います」
真面目に考えてください。
だいたい校歌ってのは学校を褒めるようなものじゃないか。式典でも歌われる訳だから、
曲調もソレっぽいものじゃないと。
そもそも、あんたら作曲できるのか。
「それこそ愚問よ」
「マルチな才能がウリ、それが僕たちではないですか」
「カスタネットを少々」
「タンバリンを少々」
何を言っているんだ。
「あとトライアングルを少々」
なら聞くがどう作曲するつもりだ。モーツァルトも吃驚だぞ。
「僕、本当はあの時大太鼓をやりたかったんですよ。ですが大太鼓に選ばれるのは目立つ人ばかりで」
いつ俺がそんな話聞きたいといったんだよ。しかも何の話だよ。
「あの〜わたし自信ないですけど、ピアノ弾けます」
さすがマイエンジェル、優雅な技能をお持ちで。
で、音楽室である。
「弾きますが、失敗しても笑わないで下さい」
880 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 03:36:42 ID:TlXOz5Ox
流石です、朝比奈さん。俺たちの期待を裏切らない方だ。
自信が無いと仰っていましたが、ここまでヒドイとは!!
リズム感皆無!!!
ただ譜面の音階通りに鍵盤を押さえているって感じだ…
音楽って感動じゃない鳥肌も立つんだ!?
笑えない…
何なんだこの不安感を掻き立てられる感じは…
もしやこれが未来音楽なのか?
そうなら俺は一生未来人とよろしくやってけない
ううっ 気持ち悪い なんか酔ってきたぞ!!!
再び、教室。
「んじゃ…曲に関しては適当にパックってくる、ってことで」
それはマズイだろ。
「だって作曲できないし」
できる、って言ったのあんたらだろ!!?…アレでできる気になってたのがすごいけどな。
「では、各自作詞開始!!」
まあ、作詞ぐらいならいいけどな。作曲はあとで吹奏楽とか軽音とかに頼めばいいか。
BGM『大きな古時計』
「みんな、そろそろ出来たみたいね。作詞はSOS団名義にするから、各自のいいところを
ピックアップしてつなげるわよ」
おい、そんなことは一言も聞いてないぞ。
と、言うわけで我らがSOS団プレゼンツ北高等学校校歌が完成した。
まぁ、なんだ言いたい事は多いがとりあえず聞いてくれ。
881 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 03:37:15 ID:TlXOz5Ox
山上に聳え立つ わが母校
眼下に摂津の 海望み
若き英気を 打ち鳴らす
この世で一番偉いのは SOS団 団長よ
唯一無二にして不可侵の存在
団長こそが正義 団長こそが法律
てろろてろろんててろろろん
綺麗な顔して 裏では虐待 ぼぼぼぼぐじゃ
忠臣ふりして背後から一刺し ぐさぐさぐさぐさぁ〜
天下一の謀反人 その名も MITUHIDE
敵は 敵は 敵は 本能寺にARI
「や、やめろ。俺にはそんな趣味はない」
「ふふふ、そう言いながらあなたのここは…ふふふ」
「っつ、ううぅ」
一樹の指摘通りだった キョンのそこはすでにはちきれんばかりだった
「痛いのは一瞬ですよ」
不確定のエラーが発生した
直ちに再試行を実行することを推奨する
はい いいえ
ああ 我等が北高校
え 誰が来たって
ああ 我等が北高校
え 誰が来たって
WWWWA忘れ物〜
882 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 03:37:50 ID:TlXOz5Ox
ああ、ちなみに上から、俺、ハルヒ、古泉、朝比奈さん、長門の順だ。
長門の次の歌詞は前校歌からの引用で、最後のあれはいつの間にかついていた。
本当にこれでいいのかよ。
「ええ、これでいきましょう」
正気か?もう一回考え直したほうがよくないか。
「正直、飽きたわ」
暇潰しだったんかい。これを提出せなあかんとは、本当頭痛いぜ。
ま、没になるだろうがな。
で次の日。
「採用、だってさ」
おい、なんだその、三十分くらいで描いた写生大会の絵が金賞を取ったみたいな顔は。
誰も真面目に考えてなかったのかよ。
「で、理由はなに?あんなのが採用された理由」
おい、何だ今までの努力を無にする物言いは。
「前よりマシだからだってさ」
「今回は前頭三十朗に救われた、ってわけね」
「いえ、恐るべし前頭三十朗、と言ったほうがよいでしょう」
以後末永く歌い継がれたんだとよ。
883 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 03:39:19 ID:TlXOz5Ox
以上です。
稚拙な文で申し訳ござらん
元ネタわかるかな…
>>883乙!
朝比奈さんあなたはそんな目で二人をていうか北高関係者全員801に洗脳させるつもりですかwww
それよりも大きな古時計のイントネーションで歌えるのかコレは?俺には無理だったw
元ネタはわからんが、こんなのを歌わされる北高生徒が不憫w
学園革命伝ミツルギキタコレww
しかし古泉はムッツリだと思う
パードゥン高校万歳
888 :
840:2006/10/11(水) 06:23:46 ID:ufN0goDe
よし。じゃあ森さんと古泉で(多分)古泉攻めで書いてみる
元ネタはさっぱり分からんが、
> ああ 我等が北高校
> え 誰が来たって
このセンスは盗みたいなぁー
>>888 がんばれ。
しかし知り合いのハルヒ仲間はみんな森さんのことは攻め認定だなあ・・・。
>>890 孤島とかならともかく、陰謀を読んだら誰だってそう思う。
何か知らんが、朝からずっと古泉×朝倉の悲恋話を考えてた。しかもいきなり二人のsexシーンから始まる。
非エロの馬鹿なSS投下いきます
俺がこの北高において最低学年の地位に甘んじているのも残り1週間をきってしまった。
はっきり言って俺がこの1年間で学び、体験し、そして成し遂げてきた数多くのあれやこれやを考えれば、学年を一個進級させるだけなどとケチくさいことは言わず、
一気に高卒資格、いや、いっそのこと大卒資格に各種職能試験資格に自動車運転免許までプレゼントしてくれてもけっしてバチはあたらないんじゃないだろうか。
我が家の家計にも優しく、かつ学校側としても俺の通信簿を印刷する手間と経費を節約できて万々歳だろう。
もっとも俺が北高からいなくなるなんてことになった日にゃ、俺の後ろの席を自分の指定席と決めているハルヒが黙っちゃいないだろう。
俺の家はおろか、校長室にまで突貫して、北高史上最も悲惨な汚点を刻みかねず、そうなったら間違いなく尻拭いをするはめになるのは俺だ。
そんな面倒をしょいこむくらいなら、SOS団雑用係として北高に在籍しているほうがなんぼかマシだ。
未来から降臨した癒しの女神、朝比奈さんの給仕をうけられるという特典付きだしな。
ともかくあと1週間、なんの問題もなく過ごすことが出来れば晴れて2年生だ。
そう、けっして昼休みに生徒会室に呼び出されるなどということさえなければ、な……
お察しの通り、俺は何故かこの時期に生徒会室に呼び出しを受けちまった。
勘違いすんじゃねぇぞ。俺はいたって品行方正、模範的一般生徒だ。生徒指導の対象になるような問題は断じて起こしちゃいない。
そもそも俺は学校とハルヒの間に立って被害を最小限にとどめている消波ブロックのような存在だぞ。
感謝状の一通も貰ったっておかしくないくらいだ。
いや、かといって今回の呼び出しが俺を表彰するためのもんじゃないことぐらいは俺にだってわかるさ。
幸いだったのは呼び出し方法が校内放送やホームルームでの岡部からの連絡などといったかたちではなく、廊下をひとりで歩いていた俺へ口頭にておこなわれたことだな。
前記2パターンのようなハルヒの耳にも入る手段を用いられた場合、昼休みといわず、情報が脳に到達した途端にエンジン全開で生徒会室に突撃してそこを爆破しかねん。
相手にそれぐらいの予測が出来るだけの理性があったのを感謝すべきなのかね。
あの長門の異母姉妹、喜緑江美里さんにさ。
「呼び出しに快く応じてくださってありがとうございます」
妻を人質にとられて大人しく参勤交代する外様大名のごとく生徒会室にやってきた俺に、喜緑さんは下級生相手では過剰とも思える礼儀正しさで頭を下げた。
結局俺は今回の呼び出しのことを誰にも伝えずにここへ来ちまった。
長門ぐらいには一言相談するべきかとかなり迷ったんだが、ことが喜緑さん関連だけに下手をすると長門自身の立場がどうなるのかわかったもんじゃない。
まあ、喜緑さんの仕事はハルヒの観察じゃあなく、長門のお目付け役らしいからな、朝倉みたいに俺のことをどうこうしようとは思わんだろ。
「一体生徒会が俺になんの用なんです?」
俺はあえて『生徒会が』と言ってみた。この呼び出しが宇宙人関係のもんじゃない可能性だってまったくのゼロってわけじゃない。
ただ、ゼロが9個ほど並んだあげく、申し訳程度に1が付け足されたパーセンテージがどれほどゼロと違うというのかはわからん。
「いえ、お呼びだてしたのはわたし個人がお願いしたいことがあったからです」
そら見ろ。やっぱり宇宙人関係だよ。
よく考えてみりゃ生徒会関係の用事なら伝言係は古泉になるはずだからな。そりゃそうか。
「お願いですか?俺や長門やハルヒがどうにかなるようなものなら、お断りですよ」
そうだな……俺の精神の許容範囲としちゃ、カマドウマ駆除あたりが限界ギリギリかな。
俺のかんばしくない返事に、ある程度予想通りだったのか喜緑さんは表情を崩すこともなかった。
もっとも俺は最近、この喜緑さんの微笑み以外の表情というもんを見てないがな。
表情筋を銀行の貸し金庫に預けちまってるのかね。長門でさえもうちょっと表情の変化があるんだが……
「危ないことはありません。実に簡単なことなんです。
これを見ていただけますか?」
競馬予想士のごとく喜緑さんと長門のパラメーター差異の分析をしていた俺に、喜緑さんは机の上にデンと鎮座している物体を見るよう促した。
オッズの表示もなく、またそもそも高校生である以上馬券の購入資格もない俺は不毛なことをするのはとっととやめ、その言葉に素直に従ったのだった。
「え?」
そこには俺にとって、見覚えがあり過ぎるものが存在していた。
そして、あまりにも見覚えがあり過ぎて、それがここに存在していることがまったく信じられなかった。
「その様子ですと、これがなんなのか正しく理解なさっているみたいですね」
基本的には耳障りのいい喜緑さんの涼やかな声も、このときばかりは魔王の手下の嘲笑のように不快な響きに聴こえたね。
なんせそこには、いつか部室で対面した古めかしいデスクトップパソコンがあったんだからな。
そう、古泉がアンティークものと評し、眼鏡っ娘なアナザー長門がびくびくしながら使っていたパソコンにして、その正体は目茶苦茶になっちまった世界からの緊急脱出プログラムだった、例のアレだ。
「なんで、これが、ここに?」
「正確には形状が同一というだけであなたが知っているものとは別物です。
統合思念体より譲渡されたプログラムを元に、わたしが生成しました」
俺は我知らず呟いてしまっていたらしい。
喜緑さんの補足説明によって、俺はようやく自分が呆然と口を開いていたらしいことに気付かされた。
わざわざ同じ形のものをこしらえただって。
この可愛らしい上級生の偽装をした宇宙人専用通訳係なアンドロイドはなんだってそんな悪趣味なマネをしたんだ。
「もちろんこれがこの形状をしているのにも意味があります。
あなたがキーボードのエンターキーを押す際、どうしても12月18日からの3日間を連想せざるをえないようになっているんです」
だからそれが悪趣味だっていうんだ。
つうか、今この人はなんて言った?俺がエンターキーを押すだって!?
「お願いとはまさしくそれなんです。どうかこのエンターキーを押していただけませんか?」
まるでトレイの上のデザートを薦めるメイドのごとき軽々しさで、喜緑さんは俺の前にキーボードを恭しく掲げながら微笑み成分を3割ほど引き上げた。
「こいつを押すと………どうなるんです?」
目の前にはキーボード。
用意したのは長門とは別派閥付きのインターフェース、喜緑さん。
しかもスイッチ入力係に俺をご指名だ。
これで警戒すんなってほうが無理ってもんだ。
皿に手を伸ばす12使徒を眺めるような不信感バリバリな俺の顔を見ても喜緑さんには一切動揺するような様子はみられなかった。
さすがは長門の監視係なんてものを務めるだけあって、肝が据わってるな。
「世界改変が実行されます」
サラリととんでもないことを言ってのけた。
「そう言われて俺がそいつを押すとでも思いますか?」
そして俺は当然のように断った。
冗談じゃない。誰があんな厄介な経験をもう一度したいなんて考えるかよ。
「押していただけないんですか?」
セリフこそ困っているような感じだが、表情はいたっていつも通りだ。
もうちょっと残念そうにしてくれないもんかね。こっちも断り甲斐がないったらありゃしない。
「大体、俺の記憶が確かなら、喜緑さんは長門にそれをさせないことが仕事だと思ったんですがね」
「ちょっと違うんですが、大筋ではその通りです。
ですから安心してください。このプログラムによって確かに世界情報の上書きが成されますが、予め崩壊プログラムが組み込まれています。
発動から59時間48分35秒後に自動的にキャンセル、基準情報値の再生が行われるようになっています」
えらく中途半端な数字だ。きっちり60時間とかじゃ駄目なのか?
俺はえらく場違いな疑問を自分の灰色の脳細胞の中に思い浮かべた。
だが、それにも一応理由があるらしく、喜緑さんいわく
「12月18日午前4時23分から、あなたが文芸部室において脱出プログラムを起動させるまでと同一期間ですよ」
ということらしい。
技術的なことはよくわからんが、多分その時間がいろんな意味で限界なんだろう。
しかし、いくら期間限定とはいえ、そんなことをするのはまっぴら御免だ。それが嘘じゃないって保証もないしな。
そもそもなんで俺に核ミサイル発射ボタンよりも厄介なシロモノを押させたがるんだ。自分でやりゃあいいじゃないか。
「あなたでないと正常な起動ができないんです。
解析不能な涼宮さんの能力を用いて可逆性を保持したままで世界改変を行うのは統合思念体といえども困難極まります。
ですから出来る限り前回の改変をトレースするのが望ましいんです。
それには是非とも『あなたがエンターキーを押す』という条件が必要なんです」
どういう理屈なんだか俺にはさっぱりわからんが、ひとつだけ言えるのは自分で出来ないんだったらやらなきゃいいってことだ。
俺だっていきなり自分で弁当つくったり、教師にかわって教壇に立つような分不相応なマネはしないぜ。
喜緑さん、ぜひともあなたの親玉に『自重』って言葉を教えてやってください。
「そんな大それたことがわたしにできるとお思いですか?
……それとも、こういうのはどうでしょうか」
そう言って喜緑さんは俺の右手をとった。
美少女にそんなことをされたんでは普通の男子高生としては狂喜乱舞するのが礼儀というものかもしれんが、俺はちっともそんな気になれなかったね。
なんせ喜緑さんはそのまま俺の人差し指をキーボード上に持っていったんだからな。
「ちょっと!こんな強引なやり方もOKなんですか!?」
「はい。これでもプログラム起動には支障はありません」
そう言いつつ、俺の手をあっさりと離す喜緑さん。ああ、あせった。
「ただわたしとしてもこのような強硬手段は望んでいません。
できることならあなたには自主的に協力していただきたいんですけ」
「ど」と最後に発音したらしき喜緑さんの発言は、突然の破砕音によって掻き消された!
ドアの辺りが爆発し、爆音と爆風に煽られて床を無様に転がる羽目になっちまった俺にはなにが起きたのやらさっぱりだ。
ただ、想像はつくね。
こんなド派手な登場をするヤツは俺の知り合いには一人しかいないからな。
なんとか上下方向だけは正しい位置関係を取り戻した俺の体のすぐ傍に出現したのは俺の予想通り
見た目は地味な文学少女にして、ダイハードに出演してもやっていけるSOS団きっての実力派アクション女優
長門有希、そのひとだった。
「あの、長門さん」
俺がみっともなく転げまわったのが嘘みたいに、長門乱入前と変わらぬ姿勢で佇む喜緑さんが、これまた変わらぬ表情で口を開いた。
「空間閉鎖していたわけでもないのに、こんな暴力的な突入をする必要はなかったんじゃありません?」
なに?そうなのか?
「長門、そりゃいくらなんでも」
『やり過ぎだ』と繋げようとして、俺は慌てて口を噤んだ。噤まざるをえなかった。
「………」
無言で喜緑さんを睨みつける長門は、無表情に見えてその実、『憤怒』とさえ呼べそうな強烈いら立ちオーラを発していたからだ。
発信先でない俺でさえ息を呑む。はっきり言って、怖い……
しかし、当の怒りの矛先である喜緑さんはまったく気にしていないようだった。
「この事はあなたも承知のことだったはずですが」
「わたしは計画凍結の申請をした」
「でもこれ、長門さんの進退にも大きく関わってるんですよ」
「関係ない。彼を巻き込むのは許さない」
マズイ……これはとにかくマズイ。
シチュエーション的には俺が朝倉に襲われたときに似ているが、内部事情を多少なりとも知っている今、あの時よりもよっぽど危機的状況なのがわかる。
長門と喜緑さんの立場は、言ってみれば保護観察処分を受けている子どもとその監察官みたいなもんだ。
勝負の勝敗いかんに関わらず、喜緑さんに逆らうことそのものが長門の身の危険に直結しているわけだ。
「長門!穏便に!穏便にいこう!」
そう俺が叫んだのと同時か、はたまたコンマ何秒かのタイムラグがあったのかははっきりとしないが、とにかく俺は長門に腕を引かれつつ壁の大穴から脱出させられていた。
いつの間に!?
だが、その程度のことで驚いている場合じゃなかった。
俺の背後でみるみる壁が元の姿を取り戻していくのは長門がやったのか、それとも喜緑さんの手によるものなのか。
これも今更俺のびっくりメーターを上昇させるもんでもない。
俺が驚いたのは、長門が肩に旧型パソコン一式を抱えていたことだ。
これまたいつの間に喜緑さんから掠め取ったんだ!?怪盗ルパンの4代目が襲名できるぞ。
「長門、それをどうするんだ!?」
「プログラムに修正を施し、無力化してからあなたにキーを押してもらう。
エンターキーさえ押せば、喜緑江美里も文句は言えない」
走行スピ−ドを緩めないまま、長門はそう言った。
「そんなんでいいのか?」
「いい。情報にはあらゆる可能性が内包されており、わたしが介入しなくともプログラムが本来の効力を失う可能性はゼロではない。
事後の反証は不可能。問題ない」
俺はさっき『ゼロ』と『限りなくゼロに近い』なんて似たようなもんだと考えていたが、今回の場合はゼロでさえなけりゃいいらしい。
いい加減なもんだな。
「で、今は一体どこに向かってるんだ?」
「部室」
「あそこまで行くのか?喜緑さんが追ってくるだろうし、間に合うのか?」
「部室以外ではプログラムの修正は無理。生徒会室侵入前にトラップを配置した。時間は稼げるはず」
つくづく抜け目がないね。将来は検査院に入ったらどうだ?政治家の不正がなくなりそうだ。
部室までなんとか無事にやって来た俺達。
長門は到着するなり壁に手を付き、人間の理解領域を遥かに超えた早口呪文を唱えた。
見た目はなんも変わっちゃいないが、これでも密室になっているらしい。
「でも長くはもたない。
喜緑江美里はわたしの能力に対抗するのに特化されたインターフェース。
ただちに世界改変プログラムの修正を開始する」
言うがはやいか、長門はいつも俺と古泉がゲーム盤を置いている長机にパソコンを置くと、またまた右手をそれに添えて呪文の詠唱だ。
どうもソケットにプラグを差し込む必要はないらしい。
どうにも手伝えることがないのがもどかしいね。
せめて邪魔にはならんよう静かにしてるさ。
「押して」
って、もう終わったのかよ!?1分もたっちゃいないぞ!?
「喜緑江美里が侵入してくるまで時間がない。
完全なかたちでの無力化は無理と判断した」
長門がそう言うからには、もう本当に時間がないんだろう。
「でも可能なかぎり、無害化は出来た。
押して」
押すさ。当然だろ。
俺は自分が将来年金を受給できることは信用しちゃいないが、長門のことは誰よりも信用してるんだからな。
俺が迷わずエンターキーを押すのと、部室のドアが開くのはまったくの同時だった。
世界改変プログラムは作動した。
つまり、今この世界は今までのものとはまったくの別物ってことだ。
なにが変わった?
目の前には長門がいる。
その顔には眼鏡が装着されている。
一瞬ギョッとなる俺だったが、いや、表情を見ればわかる。
眼鏡をかけているだけで、他はなんにも変わっちゃいない。いつもの長門だ。
次いで後ろに振り返る。
開け放たれたドアの向こうに喜緑さんがいるはずだからな。
そして、さすがにこれには驚いたね。
「まさかこのようなかたちに世界が改変されてしまうとは思いませんでした」
つぶやく喜緑さん。
ちょっと呆れ成分が混ざったその微笑み顔には、ノーフレームの眼鏡がかかっていた。
両手でせわしなく眼鏡の位置を微調整をする喜緑さんは言う。
「つまりですね、『女性は人前では眼鏡をかけていなければならない』というのが常識な世界になってしまったんです」
んなアホな。
俺の感想はそのひとことに尽きた。
「前回の世界改変の期間中、長門さんは眼鏡をかけていましたからね。
その残存データがこのようなかたちで作用してしまったんでしょう」
眼鏡業界は今すぐ長門を生き神様として奉るべきだな。
なんなら俺がマネージャーを務めてやってもいい。
ふと見ると、長門と喜緑さんが揃って天井を見上げている。
天井の木目が般若の顔にでも見えるのか、なんて間抜けなことは俺だって考えないぜ。
これは例のアレだ。宇宙にいるボスと連絡をとってるんだろう。
そのあいだも、いまいち眼鏡の位置がしっくりこないのか、しきりに眼鏡を上下させる喜緑さん。
それ、サイズが合ってないんじゃないですか。
「統合思念体は今回の結果に満足している」
「長門さんに対してなんらかの処分がくだされることもないみたいですね」
そりゃよかった。
3日間、世界中が眼鏡っ娘だらけになる程度で収まってくれたんなら、それこそ万々歳だ。
まあ、しばらく素顔の女子を見られないのは残念なんだが、それぐらいは我慢しないとな。
なんだかんだで事態が平穏無事に済んだことで安堵しきっていた俺は、その時の長門の目に妙な色が宿っていたことには気付けずじまいだった。
「………」
「あのー、なぜここにいるんですか?」
「………」
「え?慰めて、ですか?そんな義理はないと思うんですけど。だってわたしは仕事の邪魔をされたんですよ」
「………」
「まあ、愚痴ぐらいなら聞いてあげてもいいですけど。
はあ、つまり長門さんは、全員が眼鏡をかけるようになれば自分が一番似合っているはずだから、自然に彼の好意を独占できると予想したと」
「あの伏兵は予想外」
「結局のところ今回の敗因は、彼の眼鏡属性のなさを過小評価していたことではないかと思いますが」
「まさかクラスメイトの由良に好意を抱くとは想定していなかった」
「それに関しては同感ですね。
つまり、今までは眼鏡をかけているということで敬遠していたけれど、全員が眼鏡をかけるようになったらクラスで唯一のポニーテールである彼女の魅力が際立ってしまったんですね」
「………」
「そんなゴムを用意したって無理ですよ。その髪の長さでどうやってポニーテールなんてしようっていうんですか。
諦めてあと2日間我慢してください」
「………」
以上
そのいち、でした
ネタに困ったときはとりあえず長門と喜緑さんをからめとけ、というのが自分のやり方
続いて、そのに、いきます
「呼び出しに快く応じてくださってありがとうございます」
妻を人質にとられて大人しく参勤交代する外様大名のごとく生徒会室にやってきた俺に、喜緑さんは下級生相手では過剰とも思える礼儀正しさで頭を下げた。
「どうかこのエンターキーを押していただけませんか?」
まるでトレイの上のデザートを薦めるメイドのごとき軽々しさで、喜緑さんは俺の前にキーボードを恭しく掲げながら微笑み成分を3割ほど引き上げた。
「関係ない。彼を巻き込むのは許さない」
『憤怒』とさえ呼べそうな強烈いら立ちオーラを発しつつ、長門は無言で喜緑さんを睨みつけている。
「喜緑江美里が侵入してくるまで時間がない。
完全なかたちでの無力化は無理と判断した。でも可能なかぎり、無害化は出来た。
押して」
俺が迷わずエンターキーを押すのと、部室のドアが開くのはまったくの同時だった。
世界改変プログラムは作動した。
つまり、今この世界は今までのものとはまったくの別物ってことだ。
なにが変わった?
目の前には長門がいる。
その顔に眼鏡は装着されていない。
一瞬ホッとする俺だったが、いや、なにもかもがいつもの長門だってわけじゃなかった。
長門の、いつもなら短く切り揃えられているはずの髪、その髪型に変化が……
若干の期待と共に後ろに振り返る。
開け放たれたドアの向こうに喜緑さんがいるはずだからな。
そして、希望通りのその姿に、思わず俺の顔はにやけちまったね。
「まさかこのようなかたちに世界が改変されてしまうとは思いませんでした」
つぶやく喜緑さん。
その喜緑さんの、普段であれば肩にかかっているセミロングの柔らかな髪は、後頭部において水色のリボンでくくられていた。
そう、今まさに、俺はポニーテール姿の美少女アンドロイドに前後から挟まれていたのだった!
指で梳ったらさぞかし気持ちがいいであろうポニーテールを揺らしながら喜緑さんは言う。実にいい。
「つまりですね、『女性は人前ではポニーテールをしていなければならない』というのが常識な世界になってしまったんです」
なに、その俺専用ニルヴァーナ。
俺の感想はそのひとことに尽きた。
「前回の世界改変の期間中、涼宮さんはポニーテールをしていましたからね。
その残存データがこのようなかたちで作用してしまったんでしょう」
あのアナザーハルヒは実際にポニーテールを披露して俺を楽しませてくれたうえに、こんなお土産まで用意してくれていたのか。
今すぐ国民栄誉賞を授与したいくらいだ。
ふと見ると、長門と喜緑さんが揃って天井を見上げている。
季節外れの蚊でも飛び回ってるのか、なんて間抜けなことは俺だって考えないぜ。
これは例のアレだ。宇宙にいる親分と連絡をとってるんだろう。
顔を上下させるごとに跳ね回る長門と喜緑さんのポニーテール。
べっかんこう先生、ぜひ次回作のメインヒロインは再びポニーテールにしてくれ!
「統合思念体は今回の結果に満足している」
「長門さんに対してなんらかの処分がくだされることもないみたいですね」
当たり前だ!これが気にいらないなんてトンチキなことを言いやがったら、これからの俺のモノローグの『情報統合思念体』の部分を『精神異常者』に変えてやる!
3日間限定とはいえ、世界中がポニーテールっ娘だらけになるなんて、それこそ極楽浄土だ。
玄奘三蔵さん、すまんな。俺はあんたみたいな辛い旅もしてないのに天竺にたどり着いちまったよ。
これからの天国のような3日間に想いをはせてうっとりとしていた俺は、その時の長門の目に妙な色が宿っていたことには気付けずじまいだった。
「………」
「あのー、なぜここにいるんですか?」
「………」
「え?彼が部室にいなくて暇、ですか?いつもみたいに本でも読んでいたらいいじゃないですか」
「………」
「まあ、愚痴ぐらいなら聞いてあげてもいいですけど。
はあ、つまり長門さんは、ポニーテールのオンオフによって変化が一番激しいのは自分だから、彼の『ギャップ萌え』を期待できると予想したと」
「この結果は予想外」
「結局のところ今回の失敗原因は、彼のポニーテール萌えを過小評価していたことではないかと思いますが」
「まさか世界が元通りになったら寝込んでしまうとは想定していなかった」
「彼にとって、どれだけあの3日間がパラダイスだったのかが窺えますね」
「………」
「はい?『オーガストファンBOX』でも持っていけば元気になるかも、ですか。18歳未満へのお見舞いにそれはマズイのでは?長門さんじゃ購入できませんし」
「………」
以上
そのに、でした
キョンは絶対オーガストファンだと思う
べっかんこうにシンクロニシティを感じてると思う
続いて、そのさん、いきます
俺が迷わずエンターキーを押すのと、部室のドアが開くのはまったくの同時だった。
世界改変プログラムは作動した。
つまり、今この世界は今までのものとはまったくの別物ってことだ。
なにが変わった?
目の前には長門がいる。
その顔に眼鏡は装着されていない。
つうか、眼鏡がどうこう言ってられる次元じゃなくなってる。
次いで後ろに振り返る。
開け放たれたドアの向こうに喜緑さんがいるはずだからな。
そして、長門と同じ格好、というかコスプレをした喜緑さんを見てさすがに呆れたね。
「まさかこのようなかたちに世界が改変されてしまうとは思いませんでした」
つぶやく喜緑さん。
その喜緑さんの全身は艶やかな白色で埋め尽くされていた。
ウエディングドレス。
普通なら花嫁が結婚式場でのみ着ることを許された衣装。
俺の目の前で宇宙人を親に持つ美人姉妹は揃って花嫁姿を晒していた。
薄手のヴェールの向こうから口を動かし喜緑さんは言う。
「つまりですね、『女性は人前ではウエディングドレスを着ていなければならない』というのが常識な世界になってしまったんです」
冗談にもほどがあるだろ。
俺の感想はそのひとことに尽きた。
「えー、そのー、誰かさんの結婚願望やらなにやらがいろいろと影響したりしなかったりで、こんなことになっちゃったんじゃないでしょうか」
なんてやる気のない説明なんだ。
もし嫌だってんなら古泉にでも代わってもらえば、5分くらいかけてもっともらしい理由付けをしてくれますよ。
ふと見ると、長門と喜緑さんが揃って天井を見上げている。
飛行機が上空を通過する音でも聴こえたのか、なんて間抜けなことは俺だって考えないぜ。
これは例のアレだ。宇宙にいるゴッドファーザーと連絡をとってるんだろう。
格好が格好だけに、キスでもせがんでるように見えないこともない。
誰かこの2人の花婿に立候補したいって猛者はいないか?
「統合思念体はおおむね今回の結果に満足している」
「ただ意識の一部に激しいノイズも検出されますね」
ノイズ?どういうことだ?
「人間の感情に置き換えるなら『嘆き』『悲しみ』『怒り』が複合した感情らしきもの、といったカンジでしょうか」
「さらに意訳するなら『嫁に行くなど許さん』と言っているように思われる」
親バカなのか?性別不明な2人の親御さんはよ。
3日間ぐらい我慢しろよな、実際に結婚するわけでもなし……
ちょっとアホみたいな光景ではあるものの、華やかでいいじゃないか。
流石のハルヒでも用意できそうもない高価な衣装の乱舞に目がクラクラしていた俺は、その時の長門の目に妙な色が宿っていたことには気付けずじまいだった。
「………」
「あのー、なぜここにいるんですか?」
「………」
「え?3日間なにも起きなくて不満、ですか?そんなことをわたしに言われても」
「………」
「まあ、愚痴ぐらいなら聞いてあげてもいいですけど。
はあ、つまり長門さんは、花嫁衣裳というメタファーによって自分の感情がそこまで高まっていると彼にアピールしたかったと」
「この無反応ぶりは予想外」
「結局のところ今回の失敗原因は、たったひとつのシンプルなもの、だったと思いますが」
「………」
「は?あなたがわたしを怒らせた?違いますよ。わたしは別に怒ってませんし。
長門さん、日本文化に毒され過ぎじゃありません?
そうじゃなくて、理由はこれです」
「日本では18歳未満の男子には婚姻の資格がないので、手を出さなかったのではないかと」
「………」
「今度は法律の改変も視野に入れる?多分、統合思念体の許可がおりないと思いますよ」
「………」
以上
そのさん、でした
続いてラスト、そのよん、いきます
世界改変プログラムは作動した。
「まさかこのようなかたちに世界が改変されてしまうとは思いませんでした」
つぶやく喜緑さん。
その喜緑さんの胸のあたりが寂しくなっていた。
ちなみに長門はまったく変化なしだ。喜ぶべきか哀れむべきか……
「つまりですね、『女性は貧乳』というのが常識な世界になってしまったんです」
つまり3日間は女性の胸に夢も希望も詰まっちゃいないってことか。寂しい世の中だな、おい……
「………」
「あのー、なぜここにいるんですか?」
「………」
「え?胸の大きいメンバーと同じ空間にいたくない、ですか?それで生徒会室に来るというのはどういうイヤミなんでしょう」
「………」
「まあ、愚痴ぐらいなら聞いてあげてもいいですけど。
はあ、つまり長門さんは、全員貧乳にすることで自分の欠点を抹消しようと考えたと」
「この変化のなさは予想外」
「もう、ここまでくると、彼は長門さんのことを異性としてはまったく見てないと考えるべきでは」
「………」
「イタ!痛い痛い!攻性情報痛い!」
以上
4つほど馬鹿な世界改変モノを書かせてもらいました
ああ、やっぱ馬鹿な長門と喜緑さんを書くのは気持ちいいなぁ
実にお馬鹿だった。
ポニーテールの世界の続きを読んでみたいなぁ。というか、ポニーテール鶴屋さんを読んでみたい。
>908
長門と喜緑さんは漫才コンビになりうる、と。
OK、グッジョブ。井上よしひさが嬉しすぎて死にそうな世界をありがとう。
ところでその三日間鶴屋さんと朝比奈さんとあとハルヒはどうしてたんだろうね。
実に面白かった。できれば改変中の3日間の様子も読んでみたい。
もー、じつにばかだなー。すげえよ(誉め言葉
ニヤニヤした。
ありがとう。
『女性は貧乳』が常識の世界でも朝比奈さんは巨乳ですかそうですか。
に、さん、よん、と徐々に余計な文章を省いていった点も高評価。素晴らしい。
バーカ!(ジュウシマツ和尚の形相で) これはいい素敵面白姉妹ですね。
前振りとかがどんどん適当になっていくのが個人的にツボだった。
あと18歳未満なのにオーガストファンにされてるキョンに乾杯。
どうでもいいけど、シンクロニシティの使い方が間違ってると思った。
現在475kB。1000と500kB到達どっちが早いかな?
馬鹿馬鹿しくて最高!!
いいなあこういうの。
このまま投下なけりゃ1000いくんじゃね?
一個書き上がってるんだが、21kある……。
素直に次スレにまわすか。
ニヤニヤが止まらない。
SMスレをテンプレにいれてくれ
同じくSMスレをテンプレへ
前々から疑問に思っていたんだが、SSスレは幾つもあるだろうに何でSMスレだけテンプレに入れるのはおかしいだろう
なんか見てて宣伝してるようにしか思えない
実際宣伝だろうな。VIPにも誘導コピペあったし
俺日本語でおk
>前々から疑問に思っていたんだが、何でSMスレだけテンプレに入れたがる?
>SSスレは幾つもあるだろうに、SMスレだけテンプレ入りするのはおかしいだろう
じゃあちょっとスレ立て試みて来るか
>>3を削除、
>>2の規制についての部分を削除、宣伝は無視、の三つで
932 :
920:2006/10/11(水) 19:11:04 ID:dBbUcgaB
立ったみたいですね。乙ー。
んじゃ宣言してた21kを12レス予定で。エロなしです。
……間に合ったぁ。
春休みまでのカウントダウンもあと一桁といった週末の放課後。
珍しく部室一番乗りを果たした俺は、この陽気な風を受けつつ春眠でも貪ろうかと部室の窓を開け放った。
俺のつかの間の平和はこの二行であっさり終わりを告げる。
なぜなら突如、何かが窓の外から部室目掛けて突撃してきたからだ。
あと一歩窓を開けるタイミングが遅かったら、ガラス製の窓はあっさりぶち割られていた事だろう。
俺の横を通り抜けたソレは部屋の中央でごろんと転がる。二、三回転がった後おもむろに立ち上がると部室を見回し
「ほう、これはなかなかの混沌空間だな。殺伐としていて良い趣向といえよう」
一般人とはかなりかけ離れた感想を述べた。
三階にあるこの文芸部室に窓から侵入してくる時点でどう考えても一般人じゃないのだろうが。
「邪魔をする。そなたがこの部屋の主か」
侵入物がこちらを振り向く。眠たげな表情をした、まだ子供を思わせる顔と体つきをした少女だった。
ぱっと見た感じ、妹と同年代ぐらいではないだろうか。
但し雰囲気は大違いで、落ち着いた感を見せる少女は妹はおろか、俺なんかよりも大人びて見えた。
そして一つ大きな問題がある。それは少女が素っ裸であるという事だった。
正確に言えば首にぼろ布を纏っているので素っ裸ではないのだが、逆にエロティシズムを増しているだけに過ぎない。
言葉を失ったまま極力その少女を見ないように努めつつ、冷静になれと俺は心を落ち着かせる。
どうやら俺はまたふざけた状態に陥ってしまったようだ。
この部屋の主はいったい誰なんだろう。律儀に答えることも無いが、冷静さを取り戻す一環として考えてみる。
学校側からすればここは文芸部の部室であり、主は当然この学校唯一の文芸部員である長門となる。
だがここが何であるかを知る者ならば、誰だって迷わずアイツの名をあげるだろう。
そう、つまりは「涼宮ハルヒ」の名を。
「涼宮ハルヒ……破留妃。流れ留まる現世をうち破る女皇、か。なるほど、それ程の者が主ならこの空間も頷ける」
少女は訳のわからん納得をみせる。平和主義者の俺としてはあまり打ち破ってもらいたくないものであるが。
ところで俺からもちょいと訪ねていいか、そこの露出狂少女よ。
「何なりと訪ねるがよい。我の知る範囲なら萌えとエロの違いからクツシタのみの姿に発情するロジックまで答えよう」
えらい狭義な知識だな。
口調は大人びているというより古風な感じを受けるが、話す内容はメチャクチャだ。
何故素っ裸なのか、何故窓から飛んできたのか、謎は多いがとりあえずこれだけはハッキリさせておきたい。
「お前は宇宙人か、未来人か、超能力者か、はたまたそれ以外の存在か。まずはソレを教えてくれ」
なるたけ裸体を見ないよう目元を手で隠しつつ、俺は少女に尋ねる。
少女は感心したかのように息を呑み、うんうんと頷きながら俺に近づいてきた。
「ほほう、我がその正体を明かす前に尋ねる最初の質問が『人間』を除外した選択肢とは本当に興味深い。
流石はこのような混沌が飽和せしめる部屋に於いて何食わぬ顔で存在しえる者か。
そなたがこの部屋の主で無いという事実に我は驚愕を覚える。
それともそなたが人間に見えるのは擬態か何かか。そうであるならそなたの擬態は完璧といえよう」
別に俺は擬態も何もしていない。正真正銘普通の人間だ。宇宙人、未来人、超能力者のお墨付きだから間違いない。
「さてそなたの疑問に答えるならば、我は『それ以外の存在』と言うカテゴリになるな」
……なんだと。よりにもよって『それ以外の存在』だと?
息を呑んで現状を把握する。つまりアレか、ついに異世界人までやってきてしまったって事か。
「先の質問のみで我が異世界からの来訪者である事を突き止めるとは、ますます興味深い。気に入った。
そなたにならこの身体を無償でサービス提供しても良く思えてきた。
最初の一回に関しては我が欲情とは関係なしに、ロハでそなたの望むプレイに答えてやろう」
少女があっさりと肯定してくる。俺は目を覆った手をそのまま眉間に当て、小さく首を振った。
気に入る必要も妙なサービスも必要ないから、とっとと服を着て元の世界へ帰ってもらえないだろうか。
「永劫を生きる我とて暇ではないし仕事もある。我とてできるものならそうしておる。
まあ、そなたと目くるめく官能を十分に堪能するぐらいの時間は取ってやってもよいと思うがな」
少女は笑いながら俺の股間をさすりだす。突然何しやがるんだ、俺は思わず後ずさりつつ訴えた。
「良いではないか。我が格好も窓から飛び込むシチュエーションもそなたの熱く滾る獣欲を扇情する為のものである。
全裸の幼女が窓から飛び込んできて欲情せぬ男はおらぬだろう」
欲情する前にドン引きするぞ普通。そんなのでいきなり欲情するのはエロゲーの主人公ぐらいだ。
「そう言う割には、そなたのそこは我が肉体に勃起し始めておるようだが」
言うな。ドン引きしてても見せ付けられれば立ってしまうのが男の悲しい性だ。
「まあそなたのような若い男なら、性欲などそれこそ毎夜毎夜に搾り出すぐらいは持て余しておるのだろう。
そなたのカチカチになったそれを激しく突き入れられるのなら、我はいくらでもお膳立てしようではないか。
オプションは何がいい。後ろに尻尾を挿すとか黒クツシタだけだとかポニーテールとかがお望みか。
そなたの欲望が増加し我を満遍なく満たすのなら我は何ら惜しみなく努力しよう」
頭が痛くなってくる。こいつのいた世界は一体どういう所なんだ。そこでは誰も彼もが欲情しまくっているのか。
それともあれか、性行為に関してはオープンで食欲辺りが恥ずべき行為な世界だというのか。
「いや、そのような事は無い。我が世界の人間界もこちらと限りなく近い社会を形成しておる」
人間界だ? 何たってそんな神の目で語るような……とそこで俺は言葉を止めて考え直した。
思い出せ。まずこいつはこの部室へ空を飛んでやってきた。
俺の質問に『人間』を除外してとか言っていた。
そして永劫を生きるだ人間界もうんたらだという発言だ。
何かおかしくないか。そう、人間としては何かが。
「ところでさっきオプションを語った際、そなたのモノが反応したのが見て取れた。そなたが一体どのオプションに
反応を示したのか、我は気になっておる。後ろに尻尾を挿す行為か、黒クツシタだけか、ポニーテールなのか。
それともその全てがそなたの望みか。なるほどこれは失念した。
早速尻尾と黒クツシタを用意し、髪型をポニーテールにしようではないか。
ところでそなたの望む尻尾は犬派か、それとも猫派か? 意外なところでは兎という選択肢もあるな」
まぁ妙にエロ思考であるという時点で、こいつが人間として何かがおかしいというのはわかるんだが。
「……すまんが、もう一度尋ねさせてくれ。お前が異世界から来たのはわかった。だが、お前の正体は一体何だ」
少女が不敵に微笑み、俺へと一歩近づく。部室に流れこむ風にぼろ布をなびかせ、そのほんのりピンク色な肌を何一つ
隠すことなく、両手を腰に置き凹凸の少ない裸体の全てを俺に見せながら告げてきた。
「答えよう。我はそなたが気付いている通り、異世界より来たりし人間非ざる者である。
我は霊魂加工業者──────つまり『死神』である」
なるほど、異世界人ではなく異世界神ときたか。
しかも普通の神様じゃない、よりにもよって死神ときたもんだ。
俺は死神の言葉に納得し、次にすべき行為を迷うことなく実行する事にした。
「そうか。じゃ死神さんとやら、とりあえずその辺の椅子に適当に座っていてくれ」
もう少ししたら宇宙人か未来人か超能力者がここへとやってくるはずだ。
お前がここにいる理由やら何やらは全部そいつらに話すといい。きっと何とかしてくれるはずだ。特に宇宙人あたりが。
「よかろう。我も宇宙人、未来人、超能力者とは面識がない。ところで、そなたはカバンを持って何処へ行くつもりだ」
もちろん俺のすべき事とはただ一つ、こいつの存在を無かった事にして帰ることだ。だから帰る。
誰か来たら俺は帰ったと言っておいてくれ。じゃあな。
自称死神はさっと立ち上がると扉を開けて帰ろうとした俺のベルトを掴んで止める。
「待たぬか。そなたがいなくなったら、我のこの欲情溢れる身体はいったい誰と床を共にして治めればいい」
そこらで勝手に一人で抜いてろ。何で俺が死神の欲求不満解消に付き合わねばならんのだ。
「オナニーで発散できる程度の欲求なら誰も頼まぬ。そうでないからこうして我が一糸纏わぬ姿で扇情しているのであろう」
ぼろ布を纏っているから一糸纏わぬというのは間違っているがな。
「ならば脱ごう」
あっさりと言い放ち死神が申し分程度に纏っていたぼろ布を脱ぎ捨てる。
これで誰かが部室のドアを開けた時には、俺はどう見ても言い逃れできない青少年保護法違反者だ。
仕方なく俺は扉に鍵をかける。死神なら死神らしく真っ黒いローブにデスサイズの一つでも持ってきやがれ。
あるいは北高の制服に軍隊用のナイフでも持って襲い掛かってくれば、まだ今のお前より死神に見えん事もない。
「最近の死神は鎌ではなく手帳を手にしているのが流行と聞いていたが間違いか」
手帳すら持ってないヤツが言う台詞じゃないし、昔も今も裸の死神なんてのはおらん。
「何処からともなく服を出すとか、そういう特技はお前には無いのか」
「そのような事ができるのは天使か悪魔か魔術師ぐらいだ。それともこの世界では死神は奇跡を起こす存在なのか」
確かに違うな。俺は呟きカバンと共に持っていた袋からジャージを取り出す。
死神に両手を挙げさせてジャージを頭からかぶせ、チャックを上げて首元をしめる。
よし、とりあえずこれで隠してほしい部分は隠れた。目線のやり場にも困らない。
「そなたも全裸よりチラリズムや着衣にシチュエーションを求めるタイプか。しかし幼女に丈の合わぬ男物の貫頭衣とは
これはこれでマニアックなシチュエーションだの。だが荒い合成生地が乳首とすれてこれはこれで楽しめる。
その上このように指先だけを袖から出せば更なる萌えの一環にもなる。なるほど、そなたの萌えが理解できた」
どこまで曲解するつもりだ。俺は死神にチョップをかまして黙らせた。
いったいこの異世界人ならぬ異世界死神は何なのだろうか。何故ここへやってきたんだ。
足を曲げてしゃがみこみ、毒づく死神の袖を適当にまくってあわせていると
「涼宮ハルヒが望んだから」
突如俺の真後ろから声が投げかけられた。正直、今日一番びっくりした。
頼むから鍵の掛かった部屋にあっさりと、しかも音も立てずにそっと俺の真後ろまで入ってこないでくれ。
本気で心臓が止まるかと思ったぞ、長門。
「心配するな。我が居る故安心して心臓を止めるがいい。異世界人の魂は初めてだが何とかなるであろう」
お前はお前で不穏当な事を言うな。
「その必要はない。彼は死なない。殺させない」
「ほう。ただの外星系端末かと思いきや、明確な意思表現があるとは驚愕だ。何がそなたから端末装置の枠組みを外した」
長門は答えずにただじっと俺のことを見つめる。
「なるほど、そなたがこやつの伴侶か。それなら我が挑発しても獣の如く襲い掛からぬ理由がわかる。
人間には一つの個体に固執する習性があり、それを美徳とするのが現在の主流らしいからの。
なら我はこやつからではなく、その界隈を歩く童貞どもから溜り滾る性欲を白濁に変え、我が肉体を白濁に染め上げるまで
浴びせてもらう事によって、我の性欲を満たす事にしよう。それならよいな」
「いい」
よくねえよ。長門もしれっと答えるな。
「でも、それを汚すのはダメ」
長門はそう言うとおもむろに死神へと近づき、俺がようやく袖を合わせたジャージをあっさりと剥ぎ取った。
そして自分のカーディガンを脱ぐと、メガネを注射器に変えた時のように呪文を唱え始める。
呪文にあわせ、長門の手の中でカーディガンが物質変換されていく。
「物質再構成か。なかなかの手腕、そなたの製作者は情報系に有能と見受ける」
やがてカーディガンが小さめの真っ白いワンピースに変換されると、長門はそれをすっと俺へと差し出した。
「これを」
俺が受け取ると、今度はスカートの中へと両手を差し込む。
白い布切れを太ももから足首まで下ろすとゆっくりと片足ずつあげて抜き取り、先ほどと同じように呪文を唱える。
自分の下着から白いキャミとパンツを作りあげ俺に渡してくる。仕方なく俺は死神に下着をはかせ、キャミをかぶせ、
最後にワンピースを着せて格好を整えた。こんな事をしていると、昔妹に洋服を着させてやった頃を思い出す。
さらに長門は自分のスポーツブラから死神用の靴下、部室の隅にあった来客用スリッパから靴を構成する。
俺が受け取りそれらを履かせる。不承不承ながらも死神は抵抗せず、眠たげな目でじっとみつめてくるだけだ。
苦労した甲斐もあって、死神はぱっと見た感じでは何処にでもいる少女のように見える所まで化けた。
正直に言うとかなり似合っている。ワンピースと同じ純粋無垢で真っ白な少女と言ったところだ。
「ふむ、これが人類の萌え文化の三大始祖たる白いワンピースか。初めて纏ってみたが、この貫頭衣の腰布が歩く事で
時々めくれ上がり、白い生地から内股と更なる奥を覗かせる事でチラリズムと称される効果が存在すると……」
前言撤回、中身の黒さが全てにおいて台無しだった。
さて、どうすればこの死神エロスを元の世界へ召還できるか考えよう。
「召還自体は可能。だが涼宮ハルヒへの対処を行わねば再度召喚される可能性がある」
長門は本棚から分厚い本を取り出すと、いつもの席に座り本を開く。
俺は死神を適当に座らせるとオセロを取り出し、死神と対峙する席に着いた。
「ルールは知ってるか」
「挟んだ相手の駒を自駒に変える、最後に駒の多い方が勝ち、負けた方は一枚脱ぐ」
最後のは余計だ。そもそもこの部室では脱衣オセロは禁則事項だ。何でもかんでもそっちに繋げるな。
ついでにそこで本を手にしているお嬢さん。そんなやる気を込めた眼差しを向けなくていいぞ。
大体よく考えたらお前、死神の服を作った時に下着使っただろ。
「スカーフに制服上下、靴下と上履きで五着。問題ない」
そんなギリギリなオセロはやめなさい。今度賭け無しでいくらでも遊んでやるから。
「………わかった。カレーを作って待っている」
泊り込みかよ。俺は溜息をつきながら第一手を指した。
話を戻して、ハルヒへの対処っていったってどうすればいいんだろうかね。
大体アイツは死神と異世界人、どっちを望んで呼び出したんだ。
「我、つまり死神だろう」
パチパチと駒を返しつつ死神が答えてきた。
「先ほども言うたが、我は人間ではない。故に厳密には『異世界人』にはならない」
死神だからな。でもそれなら逆に、異世界の死神を呼ぶ必要だってないはずだ。
「その通り。もしそなたらの世界に死神、ないしそれに準ずる存在があるのなら、その死神を呼べば事足りる」
つまりこの世界に死神はいない、そういう事か。
「ああ、少なくとも我と我が業者の様な死神はおらぬ。この世界の理に則った死神は何処かに居るやも知れぬが、それは
我を呼び出した召喚主の想像した死神では無いのであろう」
それでお前の出番ってわけか。全くご苦労な事だ。
「全くだ。数百年ぶりに地上にでて任務を行い、ようやく完了したかと思った途端に召喚された。おかげで業務報告書と
上申書の作成に加え、出張報告書と天災遅延証明までもが必要になった。一体誰が遅延証明を発行するというのか」
駒を手で弄びながら死神がぼやく。確かにそんなものを発行できるようなヤツは
「問題なければサンプリングDD12矩形汎用型で、次元転移証明並びに転移理由証明書を作成する」
此処に一人いた。
「問題ない、感謝を述べよう。これで査閲官に対し無駄な色仕掛けを行わずに済む」
何だかわからんが長門の指定したフォーマットでいけるようだ。改めて長門の万能さを思い知る。
それにしても色仕掛けとは、死神世界もどろどろのようだな。
「うむ。結局のところは死神関係というヤツでな。袖の下から色仕掛けという原始的なモノほど有効な手となる場合が多い。
なに、どうせ担当者に片乳首は吸わせる予定だった。それが両方になったと思えば安いものである」
遅延証明が片乳首吸引というのが高いのか安いのか全く持ってわからん。
「破格の値段だが、我が欲求にとっては低すぎる行為だな。全く最近の死神には獣欲さが足りぬ。お陰で我はここ数十年と
充足せぬ日々が続いている。蝋を垂らせど鞭を貰えど、攻めても受けても満ち足りぬ。
どうだ人間、我の欲求を満たすつもりは無いか。今ならどのようなサービスもオプションプレイも認可するとしよう」
「却下。彼への行為は許さない」
何故か長門が却下してくる。まあ長門が答えるまでもなく却下するのだが。
「適度な間隔における射精は健全な人間の青年男子には必要不可欠な行為だと我は認識しておる」
「処置が必要となる場合はわたしが行う。彼が望むなら手淫や吸茎、生殖行為も辞さない」
「我は三人でも構わぬ。理想はそなたら二人が我を攻めるという形だが、そこまで我を通すのは抑えよう」
「了解した」
こらそこ、勝手に俺とヤる算段をするな。俺はとどめの一指しで盤上の黒を白に染める。
「何か不満なのか。こやつもインターフェースらしからぬ程のヤるきを見せているというのに」
「………」
長門も首を傾げてどうしてと聞いてくる。
俺はその質問には答えず、代わりに一試合遊んでいる間に決定した今後の方針を長門に告げた。
「長門、こいつを連れて今すぐ帰ってくれないか」
この死神をハルヒに会わせるのはまずい。あまりに毒がありすぎて、気に入ってしまう事間違いなしだ。
オセロを片付けながら長門に告げると、長門は俺を見て、死神に視線を移し、再度俺の方を見つめてきた。
わかってる。お前にだけ押しつけたりはしない。
「俺はハルヒにどうして死神を呼び出したかさりげなく聞いてみて、部活が終わったらお前の家に行く。後はそれからだ。
夕飯と、場合によっちゃ一晩やっかいする事になるかもしれんが構わないか」
「いい」
いつもより数ミリだけ大きく長門が頷く。喜んでいるように感じるのは気のせいではないだろう。
「ふむ、こやつの家が今夜の会場か。何だかんだ言いつつそなたもヤるき満々のようで重畳である」
会場には違いないが、行うのは乱交パーティじゃなくお前の召還儀式だ。
俺は片付け終えたオセロを長門に渡すと、携帯を取り出し自宅に電話をかけた。
長門はオセロをカバンにしまうと死神の手を取る。そして一言、
「待ってる」
電話中の俺に小さくそう告げてきた。俺が目線と手で了解のポーズをとると長門は頷き、死神と共に部室を後にした。
さて、そもそも何故ハルヒが死神を呼び寄せたかなんだが───。
「そう、あたしは新世界の神なのよっ!」
笑うに笑えない冗談を叫びながら、ハルヒが部室の扉をぶち破りそうな勢いで現れた。
古泉が聞いていたらまず表情が凍りついていただろう。で、何なんだ。
「昨日見た深夜番組が意外に面白くってね。死神から殺人ノート貰った主人公が世界を粛清する話なのよ」
話し合いをするまでもなく死神を呼び出した理由があっさりとわかってしまった。
こいつにはこう、物語のワビサビってヤツを教える必要があるのかもしれない。
とりあえずハルヒの死神渇望は一過性の症状のようだ。
そうとわかればあの死神はとっとと元の世界へと召還するべきだろう。
俺はあの生活観希薄な一室で、雄弁な死神を完璧に無視しつつ、寡黙に大量のキャベツを千切りにしているであろう
長門の事を思い浮かべていた。
- * -
部活も滞りなく終了し、俺はみんなに別れを告げると家に帰った。
私服に着替え、宿泊支度を整えてから長門の家へと向かう。
万が一泊まる事になって、明日の集合に制服で行ったらどんな事になるかなんて事は考えるまでも無いだろう。
長門の家を訪れると、死神は隣の部屋で布団を引き眠りについていた。話によるとつい先ほど眠りについたらしい。
そういえばずっと眠たそうにしていた記憶がある。中身は真っ黒な死神も、静かに眠る姿はただの可愛い少女だった。
俺は死神の睡眠を邪魔しないよう、静かにフスマを閉じた。
長門は台所で鍋をかき回している。どうやら今日はレトルトのカレーではないらしい。
既に千切りにされた大量のキャベツの横で、一人暮らしには似つかわしくない大量炊きの炊飯器が稼動している。
死神の事はしばし忘れ、俺はつかの間の平和ってやつを十分に堪能していた。
「惰眠を貪った」
カレーの準備が整い皿にご飯を盛り始めたところで、隣の部屋から死神が姿を現した。
ぼろ布を纏った全裸姿だった。何でまたその格好に戻っていやがるんだお前は。
「ここには我らしかいない。故に格好を気にする必要は無いと判断した。無為に締め付けられるのは趣にあわん」
もう何ていうか説得を諦めた俺は、とにかく死神を椅子に座らせると自分も席に着いた。
後で裸体にカレーを散らせて無意味に熱がればいい。
相変わらず大盛りという言葉が過小評価に感じる量のカレーとキャベツをよそわれる。
「前に摂取した味覚と比較すれば面白みに欠けるが、これはこれで僥倖である。宇宙端末の作成した人間用料理という
観点においてもしばし話題に事欠かぬ事になるであろう。ところでこの栄養素は何という名か」
「料理名はカレー、その食材はニンジン」
褒めているのか馬鹿にしているのかわからない発言で、次々とカレーに入っている食材を尋ねる死神。
そして淡々と答えていく長門。こうしてみると意外とあっているコンビなのかも知れない。
二人の会話に時々口を挟みながら、俺は長門の手料理を文字通り腹いっぱい味わった。
- * -
食事を終えると、長門はお茶を俺たちに淹れたあとコタツに向かった。
そのまま何やら呪文を唱え始める。死神召還の準備を始めたのだろう。
「あのモノのしてくれた食事代と衣類の賃貸、提出書類作成に帰還方陣。我はその全てに感謝を込め、一つだけそなたに
死神らしからぬ忠言をしようと思う」
隣で大人しく長門の様子を伺う死神は、視線もそのままに俺へと語ってきた。
死神の助言とは一体なんだろうね。できれば実のある事を教えて欲しいものだ。
「あの混沌の部屋で行われた会話には二つの意がある。一つはあのモノが人間としてふるまう為、そしてもう一つは
あの端末がそなたに聞かせたいと思慮し、語った言葉だと言う事を理解せよ」
……何だって?
「我とあのモノだけで理解すればよい語りなら、わざわざ人間の、しかもそなたにわかる言語で話すことなど無い。
人間の言語など、我らが思慮の万が一も伝達できぬ原始的な意思疎通手段であるのは、そなたなら知っておろう。
実際そなたと別れた後は、我はあのモノと全く別の手段で語り明かしていたのだからな」
死神は雄弁に語りながらコタツへと向かう。どうやら準備が整ったようだ。
コタツの上に死神が立つ。全身に淡い光を纏いながらこちらを振り向くと、文字通りの捨て台詞を最後に告げた。
「それを前提とし思い出すが良い。このモノがあそこで何を言うたかを。それがこのモノの意思であると言う事を。
去らばだ、もう会うことも無いであろう、永劫に触れ合わぬ我が世界の隣人達よ」
纏わりつく光源の出力が絶頂を迎え激しくはじける。
部屋が蛍光灯と夜の静寂を取り戻した時には、もうコタツの上に死神の姿は無かった。
「……死神は還ったのか」
「多分」
そうか。とりあえず死神騒動は一段落したようだ。
「した」
長門は最後にコタツに何か呪文を唱えると、台所の方へと戻っていく。俺はそんな背中に労いを込め、言葉を投げた。
「やれやれ、宿泊覚悟で来たのにいきなり暇になっちまったな。……仕方ない、持って帰ったオセロでもするか。長門」
台所で新しいお茶を淹れながら、長門は静かな動作で頷いた。
───処置が必要な場合の云々という発言は、今は忘れる事にしておこう。
- * -
高崎佳由季が自室に戻ると、室内は思いつく限りの混沌が渦巻いていた。
窓は打ち破られて風が吹き込む室内で、万年コタツを囲い三人の若者が鎮座している。
「やあ帰ったかね室長殿!見てもらえばすぐにわかるかと思うが珍客万来だ。いやはや君という人物は実に興味深い。
どうしてこう毎度毎度パンドラの箱から大脱走したトラブルが君の元を訪れるのか、その愉快な人生を送れる秘訣を
是非とも私に教えていただきたいものだ」
「十中八九お前みたいのと関わっているからだ。これを機に是正するよ」
白衣を纏い雄弁に語る珍客一号に佳由季は答える。
「あらあらいきなり怒っちゃって、かーわいいわねユキちゃんは。今度二人きりになったら、今妄想しているような事
いくらでもしちゃってオッケーだからね。何だったら今ここで始めちゃってもわたしは構わないわよ」
「それとこんなのと関わっているからだ。これも是正しよう」
色情魔としか思えない言葉をつむぐ珍客二号を指差し、佳由季は言葉を付け足した。
「ふむ。これだけの異形の者達にその貫禄とは、そなたがこの超常現象集団の長と言うのも確かに頷けよう」
そして珍客三号にして正真正銘本物の珍客が最後に語ってくる。ぼろ布一枚まとった素っ裸な女性、いや少女だった。
佳由季は再度確認した現状に頭を抱えると、ただ一言だけ呟いた。
「それで珍客のお二方に尋ねるが、この珍客は一体誰が生んだどんな化け物なんだい?」
「ほほう、我がその正体を明かす前に尋ねる最初の質問が『人間』を除外した選択肢とは本当に興味深い。我は──」
かつて幽霊憑きだった一般人が死神と出会った貴重な瞬間であった。
───が、それはまた別の話である。
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以上ですー。
多分コレ以上書き込めないだろから、一応次スレ案内を……
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