魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第7話

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1名無しさん@ピンキー
弥子でもアヤでもアイでも叶絵でも由香でもカップリングはご自由に
基本はsage進行でマターリといきましょう
雑談時は名無し推奨
次スレは>>800くらいで

<投下される職人さんへ>
・投下前にカップリングと傾向を宣言してから投下してください
・なるべくメモ帳などに書き溜めてから投下してください
・ss投下時のコテ記入は可
・連投はなるべく避けてください

前スレ等
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第6話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1156007017/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第5話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1147461265/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第4話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1133629021/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第3話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1124459592/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第2話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1121771861/
魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1110801893/
まとめサイト
ttp://neuro.h.fc2.com/
まとめサイト2(携帯可)
ttp://m-pe.tv/u/page.php?uid=3words&id=1
2名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 00:27:40 ID:Nn0OWsdy
即死回避に>>1
3名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 01:43:40 ID:oGLmEDX9
とりあえず、即死回避と前スレ以上に新スレが賑わい、かつ新たな神降臨祈願
ということで土曜日に投下予定のエロ話の前振り置いていく。
4契約 序章 1:2006/09/29(金) 02:48:10 ID:oGLmEDX9
眠れない夜が空しく過ぎて、陰鬱な朝がやって来た。
「朝なんて、来なければいいのに」
カーテンの隙間から漏れる白く綺麗な光が、今日に限ってはやけに眩しくそして忌々
しく感じてしまうのだが、それも仕方のないことだろう。
昨日は最愛の父親の葬儀だったのだ。
しかも、死因は何者かに室内に侵入された挙句の惨殺で、突然この世に遺された者
としては本当に悔しく、やりきれない。

側のテーブルの上には、ほんの少しだけフォークでつついた形跡のある王美屋のフル
ーツケーキが真っ白な皿の上で一晩を過ごして、もうスポンジが乾きかけている。季
節によって使われる果物が変わることもあって、弥子の一番の大好物でもある。いつ
も何かというと亡き父親が買って来てくれたものだ。それなのに、今は楽しい思い出し
かないそのケーキを口にすることが出来なくなっていたのだ。
既にこの世の終わりとしか思えない最悪の事態の只中にいるというのに、それでも太
陽は当たり前に昇るし普通に今日という日は過ぎていく。
考えれば当然のことなのに、今の弥子はどっぷりと浸っている悲しみと怒りから抜け
出すことが出来ずにいた。
「お父さん、お父さん、お父さん…」
呟きながら、弥子はわずかに錯乱したようにぶんと首を振った。まだこの現実を本当
に起こったことだとは認識しきれてはいない。
これが全部たちの悪い夢だったら、どんなに良かったか。
あの凶行さえなければ、きっと今朝もいつも通りの朝で、弥子はやはり目覚まし時計
をセットするのを忘れて慌てて起きてきただろうし、父親も何事もなく朝食を摂りながら
そんな娘を眺めて笑っていた筈だ。
なのに、誰があんなひどいことをお父さんに。
そして私とお母さんを絶望のどん底に落としたのか。
どうしても犯人が誰なのか知りたかったし、理由を尋ねてみたかった。あの理知的で
穏やかな父親が、誰かに恨みを買うようなことは絶対にない。たとえ仕事上の何かが
あったとしても。
5契約 序章 2:2006/09/29(金) 02:49:00 ID:oGLmEDX9
「お父さん…もう会えないの?寂しいよう、お父さん…」
ほろりと涙が零れて頬を伝った。
「はて面妖なことだ、こんな良き日に泣くとは何と無粋な奴」
急に、それまで全く聞き覚えのなかった声が室内に響いた。
幻聴だろうか。
「…誰?」
「まあ、この日に合間見えるのも何かの縁というべきだな。では姿を現そうか」
その声は弥子の目の前で夢幻のように人の姿を取った。辛うじて人の姿、と言った方
が正しいかも知れない。それほどに禍々しいものをその姿は纏っている。
堂々たる長身の体躯は、男そのものだ。
決して広くはない部屋の中で、男の体躯と女であれば恐らく誰もが魂を奪われる容貌
は明らかに場違いだった。
「誰だってば」
「急くな、虫けらにも満たない人間の女よ。しかし我が輩は今気分がすこぶるいい。貴
様等のように卑小でくだらない種族が殊の外上質な謎を生み出せるらしいからな、し
ばらくはここに留まれば、我が輩も空腹に苛立つことはなかろうと思うがどうか」
「…何それ。知らない、そんなこと」
男がとりあえずどうやってここに来たのかは考えないことにした。当然弥子の悲しみな
ど知らないだろう。だからといってあまりな言い草だ。謎とか空腹とか、一体何のことだ
ろう。
「最初の縁の女よ、貴様にも何やら謎の気配がするぞ。しかも、何と美味そうな謎なこ
とか」
男は芝居めいた身ごなしをして、悪意たっぷりの表情でにたりと笑った。突然この場に
前触れなく現れたということは、きっと人間などではないのだろう。だが、どうでもいい
ことだ。今はむしろ只の人間の方が弥子には恐怖なのだから。
「謎…?」
「そうだ、貴様は随分と興味深い。そこでどうだ、最初の縁のよしみだ。おそらくは貴様
が今最も気にかけていることが謎に繋がっているのだろう。需要と供給、には当て嵌
まらないやも知れんが、ひとつ協力してやろうか」
6契約 序章 3:2006/09/29(金) 02:50:10 ID:oGLmEDX9
得体の知れない男の言葉は、今の弥子には嘘でも魅惑的だった。
「協力…してくれるの?」
「いかにも。しかし、それには契約が必要となる。その覚悟が貴様にはあるか?」
馴れ馴れしく顔を近付けて弥子の反応を楽しんでいる男の目には、明らかな淫色があ
った。なのに、悲しみで心が塞がっている弥子は読み取ることが出来なかった。
「私、私ね…お父さんを亡くしたの…」
「ほう。だが、我が輩にとっては契約の是非にしか興味がないぞ。時に、貴様は処女
か?」
「な…にを…」
「自己紹介が遅れたが、我が輩の名は脳噛ネウロ。先刻魔界から来たばかりだ。我
が輩を使うというなら、貴様にもそれなりのリスクが必要だろう。元々魔界の者との契
約をするにあたっては処女の貞操を捧げるのが最上とされるのでな」
やはりこの男は人間ではなかった。しかも、犯人探索への協力を匂わせておいて弥
子に何よりも大事な貞操を捧げろと言う。
もしも言うことを聞いてしまったら、弥子はこの先誰かを愛することも叶わなくなるかも
知れない。まだ何も知らない少女の身には一時の怒りで全てを捨てるほどの覚悟な
ど備わっていなかった。
なのに、父親が恋しいあまりに弥子は一気に全てを踏み越えてしまったのだった。
「…協力して、ネウロ。私に協力して…私、男の人なんて何も知らないから…」
我が意を得たり。
耳元でそう囁いた男の声が、じんわりと身の内に浸透していった。



続く
7名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 02:52:50 ID:oGLmEDX9
原作第一話ネタ。
でも自分流に好き勝手してみた。
昔から、悪魔と契約するには処女の純潔が必要じゃん。
だからそれを当て嵌めて書いたんだけどね。
8名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 02:53:50 ID:crqHldsl
続きは土曜日なんだよな?wktkしつつGJして待ってる!
9名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 02:58:01 ID:oGLmEDX9
うん、土曜日は休みなんで全力投球する。
今は前振りしか書けないけど、待っててくれると嬉しい。
10名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 03:59:21 ID:zzL3KeQe
エロはないけど即死回避に投下する。
テーマは石垣と弥子の休日の過ごし方。
11石垣+弥子:2006/09/29(金) 04:01:48 ID:zzL3KeQe
 玩具付きのラムネを買ってきてはラムネを押しつけて自分は玩具に夢中。二十歳を超えた大人が何をそんなにはしゃぐのかと弥子は半ば呆れながら石垣の姿を眺めた。
 机の上には袋に詰められたラムネと空き箱の山。
 弥子はポリポリと絶え間なくラムネを噛み砕く。
「うお、すげえ。なあなあ知ってる? これって超レアなんだぜ。こいつはな、第四十九話の」
 手のひらサイズのフィギュアの素晴らしさを熱っぽく語る石垣。正直、どの辺りがレアか語られても弥子にはすべてが大差なく見える。
「で、結局何種類集めるんですか」
 ずらりと並んだフィギュアを指差し、弥子はラムネを口に放り込んだ。
「ん? 十五種類プラスシークレット三種類だから十八かな」
 つまり、すべて手にするまで買い続けるわけだ。箱で、いわゆる大人買い。
 若干の蔑みを含んだ弥子の視線に気づき、石垣は不服そうに眉根を寄せた。
「いいじゃん。ラムネ好きだろ?」
「嫌いじゃないですけど、ラムネばっか食べてると口乾くししゅわしゅわするし」
 そう言いながらも弥子はラムネの袋を、石垣は玩具の袋を開ける手は休めない。
「お、出た! シークレット!!」
「石垣さん」
「なんだよ」
 不満たっぷりな弥子と視線を合わせ、石垣は弥子の次の言葉を待つ。
 一、二、三、四──
 黙ったまま見つめあう二人。
 石垣は不思議そうに首を傾げた。
「だから、なに?」
 弥子は大げさすぎるほどに大きく溜め息をつく。
「な、なんだよ」
 手にしたラムネを一粒、石垣の額めがけて弾く。
「とりあえず、その袋全部開けたら奢って下さい。ラムネの口直しに、ゴハン」
「えー! なんでだよ」
「休日に呼びつけて山ほどラムネ食べさせるって、石垣さんアホですか。おしゃれしてきた私の気持ち、ちょっとは考えればいいんです」
 ぱちぱちと石垣は数度瞬きを繰り返す。
「もう。わかんないならいいです。バカ」
 拗ねたように唇を尖らせる弥子。石垣は慌てて未開封の袋をかき集めた。
「し、しょうがないな。おごってやるよ。だから、ちょっと待てよ。すぐ片すから。あ、お前さ、何食べたいの?」
「回らない寿司」
「はあ?」
「ウソ。そこのファミレスで我慢してあげます」
 くすりと弥子は笑う。
 石垣は困ったような怒ったような顔をして、大切そうにフィギュアを棚に並べていくのだった。


おわり

12名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 10:19:50 ID:b+lN9715
石垣ヤコ新鮮だな。GJ!
拗ねるヤコかわいいよヤコ
13名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 13:55:52 ID:54gYj8nV
突然だが、ネウヤコ投下。
実は初めてなので、色々未熟な文で申し訳ない。

エロは弱め。
14ネウロ×弥子:2006/09/29(金) 13:58:07 ID:54gYj8nV
思えば、この魔人(年齢不詳・発情期)とも、長い付き合いになるなぁ、とか。
そんな事を思いながら、弥子はポテトチップスを口に運んだ。

「む? どうした、ヤコ。そんな熱い視線を我が輩に向けるとは。誘っているのか?」
「誘ってない! って、あー! 私のポテトチップス!!」
何やら弥子の視線を素敵に勘違いして下さった魔人は、弥子の手からポテチの袋を奪い取り、握りつぶした。
ぐしゃり、と音を立てて、袋とその中身がネウロの手の中で小さくなる。
弥子が恨みがましそうな目でネウロを睨みつけると、ネウロはいかにも楽しそうに笑った。
「こんなものよりも、もっと良いモノを頬張ってみたらどうだ」
弥子をソファの上に押し倒し、ズボンのベルトを外しながらネウロが囁く。
その意味を悟った弥子は、真っ赤になると、じたばたと暴れ出した。
「やだ、最悪! セクハラ! 変態!」
「暴れるな。何を今さら照れる事がある? 今までに交わった回数を教えてやろうか。にじゅ……」
「うーるーさーいー! きょ、今日はソウイウ気分じゃないの!」
「貴様はいつも同じ言い訳を繰り返すな。もっと他に何か思いつかんのか豆腐め」
「豆腐って何……ゃ、ぁっ」
制服の上から胸を鷲掴みにされて、弥子は肩を竦ませた。
「……おとなしく感じていれば良い」
ぴちゃ、と、耳を舐める音と共にネウロの声が響く。
弥子は、ネウロの首元をしばらく睨んでいたが、やがて小さく溜息をつくと身体から力を抜いた。
「そう、それで良いのだ」
「……あ、……ん……」
微弱に与えられる快感に、弥子は吐息のような喘ぎを洩らすと、ネウロの背中に腕を回した。
ネウロを、抱き締める。
離れないように繋ぎ止めるかのように。
15ネウロ×弥子・2:2006/09/29(金) 13:59:04 ID:54gYj8nV

思えば、この魔人(年齢不詳・発情期)とも、長い付き合いになるなぁ、とか。
そんな事を思う時は、いつも。
もう一つ、思う事がある。

いつか、離れてしまうんじゃないかと。
この付き合いが、いつか、消えて無くなり、ただの思い出になってしまうんじゃないかと。

そんな不安が。


「……ひぁ、あっ! ネウ…ロ」
貫かれる衝撃に、弥子は身体を仰け反らせた。
「ネウロ……ネウロ」
「……どうした、ヤコ。苦しいか?」
ネウロの名前を呼び続ける弥子の頬に、ネウロは手を添えた。
「ネウロ……」
弥子は、ネウロの背に回した腕に力を込めた。
「……ぎゅってして……」
荒い息の中、小さな声で懇願する。
ネウロは、片眉をピクリと動かして、弥子の顔を凝視した。
「…………あっ……」
言ってしまってから、弥子は、上気させていた顔をさらに真っ赤にさせた。
どうしよう。恥ずかしいコト言っちゃった。絶対からかわれる。
ぐるぐると、恥ずかしさで目の前が回っている気分になる。
そして、今の無し! と言おうとして、口を開いた、と、同時。
「…………」
ネウロは、何も言わずに、弥子の背に手を回した。
「…ネゥ、ロ……」
ぎゅうっ、と音がしそうなぐらい、きつく抱き締められる。
「……」
与えられたネウロの温もりに弥子は小さく笑うと、ネウロの首筋にキスを落とした。
幸せ、とか、思いながら。
16ネウロ×弥子・3:2006/09/29(金) 13:59:53 ID:54gYj8nV

いつか消えてしまうのならば、ねえ。
一時でも良い、錯覚でも良いから。
せめて、永遠に思えるぐらい、深く愛して。
そして、私にちょうだい?
目の眩むような愛と、心を穏やかにしてくれる幸せを。
どうか。


おわり。
17名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 15:17:22 ID:+Br5bvCJ
ひゃっほぉおおおおいいいいいい
乙女なヤコがすごく可愛いです。真昼間からGJ!!!!

一昨日昨日今日と神続きで幸せです。
エーロ・ゴシカァン!
18呪【おいわい】:2006/09/29(金) 15:41:56 ID:OML5re3P
XI「ちょっとアイ…何やってんの?白い着物で額にローソク、藁人形と五寸釘片手にこれからどこ行くんだよ?」
アイ「…新スレの誕生をお祝いしてるんですよXI…こうする事で貴方の中身が少しでも分かる様にと願かけをしているんです」

XI「そんなの俺にしか分からないんだからほっといてよ…ってゆーかアイの目何かヤバいよ、
イッちゃってハートマークになってるよ…!」

アイ「XI…いつか貴方と私に中身が見えます様に…」
XI「ガッ…l4LnaHJTAuふじこ…b」

アイ「それエーロゴシカァァン!!エーロゴシカァァン!!」
19名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 16:33:57 ID:54gYj8nV
アイさんw
20名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 19:48:35 ID:BRzEefyP
土曜日仕事だよ…orz
でも帰るまでずっとwktkして待ってる
またダークな雰囲気漂っててソワソワするなあ
処女ヤコいいよ処女ヤコ
21名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 19:59:18 ID:BRzEefyP
ちょ、アイさんwww


連投スマソ
ってことで脈絡もなくエーロゴシカァン!
22名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 20:15:34 ID:E7fuG/hg
ちょwwwアイさんww
あと改行に気を付けてくれたら嬉しい。
23名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 20:25:29 ID:bT30ykJM
おお、新スレも神々がおわして
嬉しい限り。

そして、前スレ836、さりげにいい仕事ぶり。
ワロタw
24名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 21:57:02 ID:54gYj8nV
前スレ>>836
ちょwネウロwwダジャレwww
25 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:28:52 ID:VH2BImEm
連日うざくてスマソ 完結編上がったので投下。
なんとも言い難いけど、強いて言うならあんまり後味が良くないので
注意したって下さい
26 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:29:28 ID:VH2BImEm
 我が輩は完璧だ。
 完璧すぎるのだ。

 魔界の謎を食い尽くした後でやって来た空腹の中、考えたのはそんなことだった。
完璧と言うのは有害であると悟ったのもその時だったように思う。完璧であったがために
自滅した。あれはまさに自滅と呼ぶにふさわしい空腹だったのだ――食われるのならばと
謎を構築するのを止められ、残されたものなど何も無い。腐った百合ばかりが甘い臭さを
発している世界。荒涼の影の真ん中で餓えていた我が輩が嗅ぎ付けたのは、遠い別の世界の謎。
 完璧すぎるがゆえに感覚は世界を脱出し、あるいは追い出されたのかもしれない。
自分の居場所などもぎ取れば良いだけだと思っていた。突然変異。向けられる好奇の目の中で
そんなことは生まれた時から自覚していたはずだったものを、まさか世界と言う根本から
弾き出されることなど考えも及ばなくて。
 多少の青さを突きつけられた不快感と共に飛び出した世界には、泣いている小娘が一人。
 その世界は、弥子一人だった。

「ヤコ」

 フライデーが伝えてくる視覚をぼんやりと感じながら、我が輩は目の前の応接セットで
たい焼きとやらを頬張っている弥子に声を掛ける。日の入りが随分早くなった昨今、
後ろの窓から背中を焼く光も赤い。照らされた弥子もそうだ。子供のような頬で子供のように
あどけなく、あい、とこちらを向く。たった一回身体を重ねてからこっち、弥子はあまり我が輩の
言葉に警戒しなくなった。それはそれで、からかいやすい。

「なにネウロ、謎の気配? あと一個だから食べながら行っても良い?」
「食い終わるまでは待つ。それに今日は別段気配がないのだ、愚劣な虫どもにも無意識ながら
 休養日がありでもするらしくてな。だから、貴様はもう帰ってかまわん」
「そなの?」
27 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:30:03 ID:VH2BImEm

 残りの一個をかぷっと口に突っ込んで、弥子は首を傾げる。意外なのだろう、日の長かった
夏でさえ、完全な日没まで待機を強要していたのだから。変なところで経験を盾に警戒心を働かす、
無邪気な顔で。頬杖を付いた我が輩は、構わん、と手をひらひら振った。

「ついでに言うなら、今日はどうも食指が動かん。我が輩も休養日と言うことらしいのだから、
 貴様にもそういうものをくれてやると言うのだ。判ったら早く荷物を纏めろ、
 その手付かずの宿題とやらもな」
「ん、判った。って、なんでそんな追い出そうとすんのさ」
「別に追い出そうとはしていない」

 浮かべた笑みは不自然ではないだろうか?

「送ってやる」

 デスクの上に置かれたDVDを指先で撫で、我が輩は立ち上がった。
 あかねが僅かに揺れて、ぺちりと壁を叩いた。

 道中の弥子は多少の警戒心を滲ませていたものの、機嫌が良い様子だった。そう言えば
引き摺るのではなく、こうして一緒になって歩いてやるというのは珍しい出来事であるといえる
のかもしれない。迎えに出ては引き摺り、事務所から引き摺り出し。途中弥子は伺うように
我が輩を見上げて寄り道――悉皆が食料だった――を打診したが、許可してやると喜色満面に
相好を崩した。
 狭い路地で車が通る際その身体を壁側に押してやると、はにかんだ様子で礼を言う。他愛ない
ことに喜ぶ様子に、今まではそんな他愛の無いことも無視していたらしいと気付いたのは、
もう家が近くなってからだった。ウサギ小屋程度とは言え事務所よりは広いのだから、生意気だと思う。

「ちょっと寄っていきなよ、お母さんもネウロのことは結構気に入ってるしさ。今日は美和子さん
 お休みだから、無理にお茶とかも勧められないよ」
「そうだな、そうしてやっても構わん。なにせ休養日なのだから、暇はあるのだ」
「あはは、なんか珍しいねっ。いつもこうなら良いのにさ」
28 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:30:39 ID:VH2BImEm

 けらけら笑った弥子が、ドアを開ける。
 同時に走ってきた母親が、その身体に飛びついた。

「わわッお、お母さん!?」
「あ、ああ、や、やこ、やこちゃん」
「ちょっとどしたの、また料理失敗したの? だからお母さんはあんまり台所行かない方が良いって」
「弥子、……あなた弥子に何したの、何したのよぉぉお!!」

 母親が我が輩に向かって叫ぶ。それを見下ろす。特に感情は込めずに。
 混乱した弥子が、母親の肩を掴んだ。
 だが母親はそれを振り払って、我が輩に組み付く。
 大した衝撃も感じずに、それを受ける。

「あなた何したの、弥子に何したのッあのビデオはなに、なんなのよッどうなってるのよ!!
 弥子に、弥子になんてこと、弥子に――」
「お、お母さん落ち着いてったら、どうしたの!?」

 弥子が母親にしがみ付く。この構図は、そう、漁った雑多のデータから引き出したのは童話
――蕪を引き抜く一族の、なんてことのない童話だ。となると蕪は我が輩か。豆腐の親に蕪扱い
されるのは好かぬ。
 軽く女を振り払い、土足のままに我が輩は家に足を踏み入れた。母親と一緒に跳ね飛ばされた
弥子はしりもちを付いて、後ろに続く。母親は頭を打ったのか気絶しているようだった――ビデオ。
オーディオ機器のあるリビングに足を向けると、テレビが点いていた。

「……ここにもか」

 呟いた言葉は最小限の。
 画面の中では、我が輩が弥子を犯している。
 身に覚えはない。
 廃屋の中、縛られた弥子が犯されている。
29 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:31:16 ID:VH2BImEm

「――――ぅぐ」

 それを認識するなり、弥子は小さく声を漏らして口元を押さえた。その様子を眺め、我が輩は
大股でテーブルに近付く。上に乗っていたリモコンで映像を止め、電源を落とした。天板に
散らばっているのはCDケースと封筒、ご丁寧に宛名には弥子の母親の名と共に『親展』
の文字がある。デッキからトレイを出させれば、そこには一枚のDVDが収まっていた。
 弥子を振り向けば、口元を押さえる形のままで蹲っている。大股で近寄り、我が輩は、
その小さな背を見下ろした。この構図は知っている、――この家に初めて来た時と同じだ。
この世界に始めて触れた時と、同じだ。

「サイだな」

 言って手の中のディスクを握りつぶすが、弥子は応えずただ身体を蹲らせて震えるだけだった。

「母親が錯乱するのも無理はなかろう、娘の強姦現場など見せられればな。
 記憶を多少弄って忘れさせておくぞ。反論は聞かん」

 弥子を置いて玄関に戻ると、母親がぐったりと横たわっていた。意識の無い顔には少しだが
弥子の面影がある。年を取った弥子はこんな形になるのだろう。身体の形など意思一つで
どうにでも出来る我が輩には、そうやって短い間に変態を繰り返すことが想像出来なかった。
意義もよくは見出せない。短い寿命の中に何か妙なプログラムが組み込まれて、それがゆっくりと
進行して行ってでもいるのだろうか。まるで、病のように。
 腕に抱えた女をリビングに持って行き、ソファーに寝かせる。事務所のものと違って完全に
室内用のそれは、ふかふかとした柔らかい布地に覆われて寝心地が良さそうだった。
懐から取り出した片栗粉の袋、その中身を頭からぶちまけ、適当に道具で頭の中を弄る。
記憶を改竄させる。
 入り口を振り向けば、さっきと同じ形で微動だにしない弥子の姿があった。

「ヤコ」

 呼んでも返事をしない。
 苛立ちが沸いて、その身体を抱え上げた。
30 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:31:51 ID:VH2BImEm

 片手で背を支え、片手は膝の下に入れる。母親のようにモノ扱いではなくそれなりに抱いて
やったと言うのに、弥子の身体は怯えるばかりだった。震えが伝わってくるのが煩わしい、
理由も無く癪に障る。階段を抜かすように飛んで家における弥子の個室に向かえば、
そこは以前と随分様変わりしていた。
 散らかされた紙屑は本棚に収まっていたレンアイショウセツ。折られたシャープペンシルは
数えるのが面倒なほど。机の上にはインクのようなものがぶちまけられて、黒く汚れている。
壁に貼られたポスターはカッターで切り裂かれ、その刃を目に深く突き立てられていた。
クローゼットも箪笥も全開で中がぶちまけられている。
 無事なのは外に向かっているカーテンと、唯一安息を得られる場所なのだろう寝台のみ。

 弥子が自分でしたことだろう。
 弥子の内側のことだろう。
 だから我が輩は何も見ずに、ベッドにその身体を下ろしてやる。

 抱いてやることで行為の委細を塗り替えてやったつもりだったが、どうやらそう都合良く行く
ものではなかったらしい。計算不足だ。サイに受けたレイプが記憶の改竄をしたのなら、
我が輩が交わしてやった性行為でも同様のことが行われるだろうと推測したものを――
この様子では、やはりフラッシュバックを受けて癇癪でも起こしていたらしい。
 歪なものだ。多面体のような精神が、一面を塗り替えても多面に残った傷が内側に反射する。
不意に差した光の方向で、通り過ぎる影の形が変わって行くように。我が輩には判らぬ――
面などない、球体のように完全な精神を持つ、我が輩には。
 弥子のいびつな面に映されれば、我が輩も多面体に過ぎぬのかもしれぬが。

 小さく震えて口元を押さえるばかりだった弥子が、こくんっと喉を鳴らす。嘔吐感を収めたのか、
両手がゆっくりと降りてベッドカバーを握り締めた。我が輩は腕を組んでそれを見下ろす。
黙って、色の薄い髪を観察する。つむじが二つあるのがわかった。髪の方向を整えるのが
面倒そうだと、何気なく思う。
 弥子は顔を上げず、渇いた喉を潤すように何度か喉を鳴らした。そしてゆっくりと、か細く
震える声を零す。我が輩は表情を変えずに、その音声を拾った。何か思う必要はない――
何か考える必要は無い。今日は、必要ない。
31 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:32:26 ID:VH2BImEm

「ねぅ、ろ」
「なんだ、ヤコよ」
「……事務所にも、来たの?」

 濡れた声は泣き出しそうで、絶望の香りがした。

「ビデオ見たとき、言ってたよね……『ここにもか』、って。だったら、事務所にも来たの?
 あれ、送られて――見たの?」

 思い出す。
 昨日の昼、あかねが郵便受けから取ってきた封筒。表に書かれたのは、
『親展 魔人探偵脳噛ネウロ様』という酔狂な文字。いつものように起動させていたパソコンで
同封のDVDを読み込む、再生されたのは、自分の形をしているのに自分ではない存在に
――陵辱される、弥子の姿。
 驚きは感じなかったし、憤りも感じなかった。ただ納得した。これならいくら能天気な弥子でも
傷つけられるのだろうと――多面体の心を抉り取られて、また面を増させるのだろうと。
 それだけだ。
 それだけの、ことだ。

 無言を肯定と受け取ったらしい弥子は、絶望的な吐息を漏らして頭をぎゅぅっと抱えた。
細い指は力を込められすぎた所為で真っ白になっている。普段愚鈍なわりに、こういう状況では
察しが良すぎることが、今までにも稀にあった。今もそれが発揮されているらしい。
 小さな身体をさらに小さくするように、弥子は身体を屈める。腹を守るような形は防衛姿勢だ。
外的な攻撃から身を守る様子。形の無いものには、まるで効果の無い
――動物じみて反射的な、格好。
 ヒクリと漏らされた喉の引き攣る音は、何度か聞いた覚えがある。どの時も、弥子は泣いていた。
ならば統計からして、今も泣いているのだろう。絶望に涙を流して、解決になるわけでもない
のだろうに。大体もう解決はしている。母親の記憶は改竄したし、我が輩は、もう知っていたことだ。
映像として見せられたところで、どうと言うことも無い。
32 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:33:01 ID:VH2BImEm

 そのはずなのに、何を泣くのか。何を悲しむのか。
 どうして、震えているのだろう。
 判らない。それでも、思考はしない。
 今は、必要が無い。

「ヤコ」
「っひ……っぅ、ぃぅぅ……」
「弥子」

 呼べば小さくだが肩が反応した。こちらの言葉はきちんと通じている。肩を掴めば、それは
いつもより数段に細く華奢で頼りないように思えた。弱すぎる生き物を潰してしまわないように、
力の加減をする。簡単に包み込んでしまえる丸みが、ほんの少しだが愛らしい。
 膝を折ってやっても、ベッドに座って身体を傾がせる弥子より視線が上に行ってしまう。
子供を扱ってでもいるような錯覚を覚えながら、我が輩は指先でその顔をかるく上げさせた。
ぎゅぅっと目を閉じて視線を合わせまいとしているそれは、涙が滲んで顔がくしゃくしゃに歪み、
不細工だ。真っ赤な頬がやはり子供を思わせる。震える背中に腕を回して引き寄せれば、
その身体は簡単に腕の中に収まった。
 ベッドカバーの上を滑った身体は、膝の上に落ちてくる。両腕で覆ってしまえば、その身体は
簡単に我が輩に包まれた。小柄で成熟の兆しの見えない身体は、無防備に胸に縋り付いて来る。
声を殺して泣いている背を撫でれば、骨の感触がした。こんな子供を抱いて、我が輩は何を
しているのか。あの男も、何をしているのか。何を――したがっているのか。

「弥子泣くな。貴様が泣くのはあまり好かん、煩いし汚い」
「ふ、うぐ、うぇ」
「押さえるぐらいなら喚いて早く終われ。我が輩がいつまでも大人しくしていてやると思うな」
「う、うわぁあ、あああああ」

 零れた声は、やっぱり子供だった。
33 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:33:37 ID:VH2BImEm



「うわぁああああ、ぁぁぁぁあああぁああぁああああ!!」
「…………」
「あああ、いやだ嫌だイヤだ厭だ否だッ」
「…………」
「いや、いやだあぁあああぁああああああぁぁあ!!」



 当たり前のことだが我が輩には陵辱経験などない。そもそも魔界には陵辱と言う概念すらない。
だから弥子が何を絶望しているのかなど判らない――サイに犯されたのだと弥子が告白した
あの後、あかねに尋ねたことがあった。あれも一応人間の女だったのだろうから多少は想像の
足しになるのかと、気軽に。

『それは女の子に気軽に聞いて良いことじゃないよ』

 珍しく反抗的にあかねは返した。

『弥子ちゃんぐらいの女の子は、純潔が一番大事ってことが結構あるの。
 異性に興味はあるけれど、ほんとのところはまだ子供で怖さがあるから、
 自分の中の女の子を綺麗に綺麗に守ろうとしてる。
 それを不意に、全然知らないような相手に奪われたりしたら、残酷だと思うよ。
 人によっては死ぬよりずっと辛くて悲しくて怖いことなんだと思う』

 人間の死は何度か目の当たりにしてきた。こちらの世界でそれは、そこそこの大事なのだろう
と思う。それでもよくは判らない、我が輩の感覚が、やはりこちらと決定的にずれていると言うこと
なのだろう。放逐されたあの世界に律されている。齟齬が気持ち悪いのはいつものことだから
意識をしていなかったはずなのに、何故だかその時は妙に不愉快で。
 その理由は今に至るも理解に達していない。それでも今は考えるつもりがない。ひとしきり
叫び終わって咳き込む弥子の背筋を撫でて、我が輩はベッドカバーを眺める。カピバラ柄なのは、
一体何の嫌がらせなのかと。デフォルメされているものなら多少は平気だが。
34 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:34:14 ID:VH2BImEm

「ッうぐ、うえ……っげほ、ふえええッ」
「終わったか」
「ふ、ふぅっく」

 弥子はこくこくと何度か頷くが、とてもそうとは思えない。震えた肩、ごしごしと手で乱暴に顔を
拭って、咳き込んでいる。すっぽりと覆われた小さな身体、頭に顎を乗せて、更に深く包んでみる。
こうしてみると、中々丁度良い大きさだ。立っている時は肘も掛けられる。
 一瞬身体を強張らせて、弥子はそれでも力を抜いた。おずおずと伸ばされた手が我が輩の背に
回り、いつかのようにぎゅっと上着を握り締める。子供のように下から縋られるのは、何故だか
こそばゆい感覚を胸の奥に与えた。馬鹿な、臓物も入っていない身体だと言うのに。

「なんかネウロ、今日優しい、ね」
「特にそういったことは無い。我が輩はいつもこれ以上に紳士的だ」
「うそだぁ、殴ったり投げたりするもん」

 鼻の詰まった声は甘えているように響く。けふけふと少し咳を漏らしながら、それでも弥子は
いくらか落ち着いたようだった。笑う声に多少の無理はあるが、いつかのような危うさはない。
転がり続けた石が、綺麗にバランスを取れる面を見付けたような様子。やはり判らない。
転がることなど、我が輩にはないのだから。だからいつも冷めた視線しか向けることはない。
それ以外出来ない。
 今もそうだ。顎の下でざりざり擦れる髪の感触がリアルを僅かに思わせる程度。背中に
回された腕が、温かい程度の。
 弥子の触れている場所ばかりが、現実味を伝えるだけの。

「弥子」
「ん、ん?」
35 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:34:49 ID:VH2BImEm



 あかねに尋ねた。気心の知れた相手に抱かれる分には構わないのか、好意を寄せ合う相手と
まぐわうことにはなんの問題も無いのか。答えはやはり、我が輩にはよく理解の出来ないものだった。

『愛してる相手じゃなくて、恋してる相手にだったら、素敵なことだと思うよ』

 漁った知識の中に、愛と恋の区別など特に記載されていなかった。精々愛の方が多少強い
意味合いで使用されるという程度のこと。そもそもが理解の外にある単語でもある。あかねは
少し得意げにしながら続けた。

『愛と恋は全然違うよ。愛はいろんなことに振りまけるけど、恋は違うもの。
 動物愛はあっても動物恋はないの。一般的にはだけど。
 恋は強いよ。
 ほんとは怖いことでも、乗り越えて、挑めることになっちゃうぐらい』



 だから。
 だから弥子。

「我が輩に恋をしろ、弥子」

 そうして我が輩のために尽くせ。
 我が輩のためにその心の皹を治せ。
 いびつな心を完全に。
 サイに抉り取られたものなど、埋めてしまって。
 泣きもせず、笑って。
 いつも通りにいれば良い。


36 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:35:24 ID:VH2BImEm
 一瞬完全に無反応になった弥子は、次の瞬間に我が輩の胸を思いっきり突き飛ばした。
何事かと訝れば、あわあわと一人で百面相をしている。泣いていた時と同じように顔を赤くして、
わたわたと意味不明に腕を振っていた。何をしているのかと呆れた溜息が出て来る。頭を鷲掴み
にしていつものように引き寄せ、目をそらせないように至近距離に近付けば、涙目になった。
どうやら混乱しているらしい、口もぱくぱくと声が出ていない。

「聞こえなかったのか、我が輩は貴様に命令しているのだ。我が輩に恋をしろ、弥子」
「あ、う、な、何いきなり言ってるのよッこんな時に!? ば、馬鹿ー!!」
「何が馬鹿なものか。あかねから聞いたところに寄れば、恋と言うのは爆発的に精神能力を高める
 技法なのだろう? 相手をこの我が輩がかって出てやると言うのだ、さっさと恋をしろ」
「なんで、なんでいきなりそうなるのよこのセクハラ魔人、離せ痛い近いー!!」
「恋をすれば、怖くないのだろうが」

 暴れる弥子を先ほどまでと同じように抱きこむ。やはりこのサイズは丁度良い。抱き枕のような、
人形のような、すっぽりと収まる良いものだ。腕の中にしっくりくるのが気持ち良いのか、胸の奥
から安心感のようなものが込み上げてくる。丁度良い台座を見つけたような。
 もがもがと少し離れて見上げてくる弥子は、驚いたように目を見開いてから、やはり困惑気味に
眉を寄せる。やはり察しの悪い豆腐だ。馬鹿な無能めが、説明してやらなければ何も判らないのか。
面倒な生き物め。

「恋をすれば、お前はサイにされたことも拒絶せずに乗り越えられるのだろう?」
「う、ぁうう」
「部屋を散らかして嘔吐感に喘いで圧し掛かる感覚に恐怖することから、逃れられる」
「あ――――」
「だから我が輩に恋をしろ」

 笑った顔はいつものように。かぱっと開けた口元に引いてから、弥子はもごもごと口の中で
何かを呟いていた。曰く心の準備が出来てないだとか不意打ちだとか――準備などどうやって
すると言うのだ。準備の準備、準備の準備の準備と、それでは時間ばかり掛かって仕方が無い。
少しずつ積み重ねるようにおっかなびっくりに言葉を伝えるなど、面倒なことこの上ない。
 答えを催促するように覗き込めば、大げさなリアクションでその身体は引いた。どこか本気では
ないのが判るから、腰を掴んで引き寄せる。案の定二度目は抵抗せずに、弥子は我が輩の目を
まっすぐ上目に見上げた。
37 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:35:59 ID:VH2BImEm

「ふ、ふつつかものですが、よろしくおねがいします」
「うむ、精々よろしくしてやろう」

 上着を脱いで床に敷く。その上に、我が輩は弥子の身体を横たわらせた。



 カピバラ柄のベッドカバーは、裏返して落とした。だがどうにも気分が乗るものではないので、
床の上でことに及ぶこととする。シーツが汚れるのが嫌らしい弥子はそれを簡単に承知した。
そして制服が汚れるのも嫌だと言うので、仕方なく脱がしてやる。
 いつものニットセーターを頭から抜けば、白い半そでのシャツから伸びた腕に大量の引っ掻き傷が
あるのに気付く。利き手ではない左手に集中しているということは自分でしたのだろう。
戯れに上から引っ掻けば、苦悶の声がする。睨まれるのに笑えば、何よ、と胸を叩かれた。

「自分に傷を付けるのが好きなのだろう、変態め」
「そうじゃないもん、そんなことないもん」
「どうだかな。お前にはマゾヒストの気質でもあるのかもしれん」
「そんなんあるか!」

 うがー! と上げられた両手を逆手に取るように、脇の下から腕を突っ込む、背中の側、
スカートからシャツを引き抜いた。弥子はぞくりと震えて恥ずかしそうに視線をそらす。
前もずりずり引き抜いてからセーターと同じように頭から抜こうとすれば、それは違う、と肩を落とされた。

「違うのか? 統一されていないとは不便な服だな、バランスが悪い」
「こっちはこれでもバランス取れてるのよ。これはボタン外すの」

 ぷちぷちと細かいボタンを順番に外してから、弥子は首元のリボンも外す。襟をぐるりと通して
アジャスターで止めているらしいそれをぽとりと膝に落としてから、シャツの袖を抜きかけて、
むうっと顔を顰めた。いわく、何で自分から脱いでるんだ、とか。
38 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:36:33 ID:VH2BImEm

「スカートはどうなっている? 前は引き裂いたから判らんのだ、それも脱いで見せてくれ」
「その満面の笑みはなに。汚されるより良いけど……ほら、ここにホックとファスナーがあるから、
 これを外して脚から抜くの」
「ほうほうほう」
「見るな」

 さてこのカピバラ柄のぱんつにはどう突っ込むべきなのか。まあ良いどうせ脱ぐものだ、
スカートを脱いだ弥子の下着に指を引っ掛けて、我が輩はそれを引き下ろす。うひゃ、と
弥子から声が漏れるのが少し面白い。悪戯に腹を舐めると、顔を隠してしまった。その隙に
ブラのホックを外してやると、薄い胸がもっと薄くなる。何か仕掛けがあったのか、まあ構わないが。

「な、なんでスカートだとかブラウスだとかわからなくて、ブラの外し方は知ってるのよっ」
「嗜みだろう? 最近は胸元にホックのあるタイプも普及しているらしいが、貴様には上等すぎる
 だろうな。スポーツブラで十分だ」
「小学生か私は!! って言うか偏った知識だけ増やすな、欲望に忠実すぎるわよ!!」
「喚くな」

 胸と腹の間辺りに顔を寄せると、弥子は黙る。丁度良い位置が中途半端で、なんとも愛撫しづらい。
立っていた弥子を膝に座らせて、背中から抱いてみる。身体の形が沿う所為か、向かい合っている
時よりも幾分触れ合っている場所が多く感じられた。むき出しの肌同士が触れるのに、自分も
スカーフと上着を脱ぐ。そんな上半身を、弥子は振り向いて凝視していた。

「なんだ弥子、不躾に見詰めるな」
「不躾って失礼な……いや、なんて言うか、ネウロも脱ぐんだと思って」
「人間の礼儀ではそうなのだろう? 娯楽作品ではそうでもないらしいが」
「礼儀って言うかなんて言うか、……でも、けっこう厚いね」

 ぺたりと弥子の手が胸に触れるのに、ぞくりとする。
 気付かれなかっただろうかと伺うが、弥子は興味深そうに我が輩の身体に触れるばかりだった。
ぺたぺたとするそれは、まさに好奇心にかられた子供でしかない。何か言うだけ無駄かとベルトを
引き抜いて、下半身も寛げようとすると、弥子は慌てたように我が輩の手を止める。
39 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:37:10 ID:VH2BImEm

「ちょ、ちょっとたんま、それはまだ!!」
「なんなんだ一体。貴様一体何がしたいというのだ、我が輩の知識が間違っているというのなら
 遠慮せずに訂正するが良い」
「ち、違うくて、その、まだ見る度胸が無いって言うか、怖いって言うか」

 俯いてもじもじと言う弥子に、あかねの言葉を思い出す。興味はあるけれど本音は怖い、とは
こういう状況か。受け入れたことはあるのに見るのが怖いとは――アンヴィヴァレンツ。
喉で笑う声に気付いて、弥子がむくれる。

「まあ良い、構わん。恐ろしいと言うのならば無理強いはせん」
「ほんと、今日はなんかすっごく優しいね」
「さあな」

 恋をしろ。

「気のせいだろう」

 我が輩に。

 後ろから抱き締めるのは、顔が見えないことを覗けばやりやすい体位だった。手首に負担を
かけず、胸や脚の間に手を伸ばせる。薄い胸はどくどくと弾けそうな心音を伝えてきて、心配に
なるほどだった。何か刺激をしたら、この小さな身体が爆発してしまうのではないかと思えるほど。
物理的にそれはないと判っていても――
40 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:37:46 ID:VH2BImEm

「っふぁ、やーぁあ」

 弥子は身を捩るが、逃げようとしているわけではなく反射的なことらしい。股間で入り口をまさぐり
ながら敏感な性感帯を刺激する。皮膚とは違う皮手袋の感触が劣情を煽るのか、弥子は絶えず
我が輩の手に手を添えて、かしかしと指を引っ掛けていた。反対の手は我が輩の膝に伸びて
小さく爪を立てている。
 顔が見たくなって、胸を弄っていた手で顎を捉え無理に上向かせた。熱に潤んだ瞳が我が輩を
映して、口元から零れる唾液が首を筋になって流れていく。だらしなくて汚い顔だ。それでも、
それが良いと感じる。乱れさせているのが自分の手だと思えば、愛しく見えるのだ。
 覆いかぶさってさかさまな口付けをくれてやると、伸ばされた舌がぎこちなく口内を探ってくる。
精一杯な子供の背伸び。蹂躙するように内部すべてを掻き混ぜる、同じように、入り口をなぞる
だけだった指先も侵入させた。弥子は抵抗せずに努めて力を抜こうとしている――が、無理に顔を
上げさせている所為か、あちこちで筋が突っ張っているらしかった。それでも口付けは止めない。
丁寧に愛撫を重ねれば、弥子の奥から零れだした愛液が、下に敷いた上着に落ちる。
 ぱたりと布に染み込む音にやっと口唇を離してやれば、弥子は小さく咳き込んで引いていた糸を
切ってしまう。落ちた唾液が喉に引っ掛かったのだろう、ゆっくり胸を撫でてやれば、
赤い顔が小さく睨んでくる。

「そこは背中、じゃないよっ」
「知っているが? 抉れているからと言ってそう僻むのも醜いぞ、弥子よ」
「僻んでない、抉れてないっ!」
「なら気にせずとも良いだろう」

 握り締めたのは、やはり左胸。

「鼓動が近いのは『好き』だぞ」

 するりと出て来た言葉に、自分が驚く。
 弥子はもっと驚いて、頬を染めた。
41 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:38:21 ID:VH2BImEm

「……そ、なら、いい」
「弥子?」
「すき、ならいい」

 そっと腕に縋られる感覚が気持ち良くて、よく判らない感覚が胸を撫で上げた。
 ぴったりとくっ付いた身体を、もっと近付けるように抱き締める、拍子に指を少し深く含ませて
しまうが、それでもほんの入り口だった所為かそれとも解されていたのか、抵抗はなかった。
弥子は小さく笑みを零しながら身体を我が輩に持たせ掛け、指先を腕に引っ掛けている。
つむじの上に顎を乗せて、それから、髪に頬ずりをしてみた。行動の理由は自分でも不明瞭だが、
弥子は嬉しいらしいし、我が輩も不快ではない。
 潜ませた指先をゆっくりと奥に入れれば、流石に弥子は少し身体を緊張させた。慣れるもの
ではないのだろうか、うぶなだけなのか。何度も戻しながら愛液を掻き出すようにして、ゆっくりと
進める。親指で軽くクリトリスに愛撫をしてやれば、艶かしい吐息が零れだした。

「っは……ね、ぅろ、もどかし……」
「ゆっくり解した方が負担は少ないぞ。あまりがっつくな、堪え性がない」
「が、がっついてないもん!」
「なら構わないはずだろう?」

 喉で笑う振動が直に響くのか、弥子はもぞもぞと身体を捩らせた。それを収めるように我が輩も
座り直し、腰の辺りに座るように仕向ける。尻に感触が当たるのに気付いてか、また弥子の身体が
緊張した。
 うぶなやつめ、処女でもないのに、何をそれほど過敏になる必要があるのか。それとも無意識に
身体が反応しているのか――敏感というやつなのだろうか? どちらでも、多少煩わしいのは同じだ。
跳ねるたびに抱き直すのでは、面倒くさい。
 指をゆっくりと円を描くように動かし、じわじわと奥に忍ばせる。長い指がゆっくりと飲み込まれ、
奥に突き当たった。震える弥子を押さえ込むように抱き、軽く掻く。手袋越しの感触は、
柔らかで濡れていた。

「ネウロ、ねうろ」
「今度はなんだ、もう欲しいのか?」
「ちが、……手袋、外さないの?」
「外さない」
42 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:38:56 ID:VH2BImEm

 指を鉤型に曲げる、弥子はびくんと背をそらした。

「傷を付けてしまうからな」

 頬に口唇を寄せる。
 そうか、我が輩は弥子を傷つけたくは無いらしい。ふっと自覚するのがおかしかった。
自分のことなど自分が一番理解しているとばかりに改めて思考しなかったが、恒常的に
関わる第三者への感情に関しては考察しておくべきなのかもしれない。このちっぽけな少女に
関わる感情、程度は。
 それも今すべきことではないか。
 今は、このちっぽけな少女を、快楽で騙してやることに集中してやるとしよう。

 唾液をぽとぽと零しながら、弥子は喘ぐ。指は三本に増えて、ぐちゃぐちゃと卑猥な音を
零していた。ゆっくりと激しい動きに移項していった所為か、弥子はもう抵抗しないし、
言葉も紡げないらしい。びくびくと背をそらせて、我が輩の腕や膝に小さく爪を立てるばかりだ。
零れた唾液を舐めるのに顎を上げさせる、苦しげな呼吸を飲み込むように、口付ける。
 小さいな、と思う。
 爪も歯も舌先も、下肢の奥の秘められた場所も。すべてが我が輩には小さくて、少し力を
入れたら壊れてしまいそうだ。心臓もきっと小さくて脆いのだろうと、ぼんやり思う。絡めるにも
足りない弛緩した舌を嘗め回し、一旦すべてを解放するように手を外す。
 訝るような息遣いの弥子を放ってスラックスを寛げる。潤滑のために性器を股に挟ませると、
弥子の喉がヒッと鳴った。

「弥子?」
「な、なにこれっ……やだ、あついよネウロ!?」
「何、とは――生殖器だろう。性器、男性器、ペニス、ちん」
「言わなくて良い、っつーか言うなぁああ!!」
43 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:39:32 ID:VH2BImEm

 ああーん!と声を上げる弥子に、今度は我が輩が訝ってしまう。
この娘は一体今更何を戸惑っているのか――ああ。

「見るのは初めてか、弥子」

 サイが犯すのは後ろからだったし、我が輩の時は正常位だったが、眼はきつく閉じていた。
目の当たりのするのは初めてなのだろう、完全に勃起した性器など。なんともおかしなことだ、
込み上げてきた笑いは喉を揺らす。だがそれでは止まらず――思わず、吹き出してしまった。

「わ、笑うな、も、もう良いもん見ないもん!」
「ふくく、ふははははは! っくく、いや弥子よ、きちんと見ていろ」
「見ない!」
「見ろ。貴様が我が輩を受け入れる姿だ」

 腰を掴んで上げる。弥子はぎゅうっと目を閉じていたが、好奇心に負けてか
薄目で様子を伺うようにした。それを気配で悟り、ゆっくりと先端を押し当てる。
熱に目が開くのを見計らって、ゆっくりと、だが確実に――突き上げる。

「ッ、ふああ……」
「よく、見ていろ。これが性交と言うものだ」
「やぁ、やッネウロ、やだぁ」
「嫌なのか?」

 意地悪く訊ねれば、弥子はふるふると首を小さく振る。そして、我が輩を見上げるのだ。
いつものように見上げられる、瞳には、我が輩の姿がある。

「恥ずかしい、よ」
44 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:40:08 ID:VH2BImEm

 奥まで突き上げる。唐突に襲ってきた性欲が、涙と唾液で汚れた顔が、何かとても
不思議なものに思えた。それを探りたくて中まで入り込む。弥子は声を上げたが、
それは悲鳴ではなく嬌声だった。零れるそれがさらに煽ってくる。細い腰を掴んでがくがくと
強く揺さぶってやれば、奥がぐんぐんと突き上げられていた。乱暴にしたら突き破ってしまいそう
だと思うのに、止めることはできない。零れた愛液は上着に垂れる。立てられた爪はスラックスに
皺を寄せる。
 唾液が零れて、弥子の肩に落ちた。性交を考えて濃度は調整していたが、気を抜くと本来の形
に戻ってしまいそうだ。体液も、姿も、何もかもが解き放たれてしまいそうになる。強烈に下半身を
支配する快感。飲み込まれる錯覚に、ぎゅぅっと緊張が走った。睾丸が締め付けられるような
錯覚を堪えて、弥子の胸を掴む。ささやかなそれの下にある心臓の鼓動を、確かめるように抱き締める。

「や、やあネウロ激し、そんなしたらダメ、だよぉ!!」
「ッふ、あ……ぁ――」
「いたい、いたいぃ! おなか、いたッ……強すぎ、るぅ」

 嬌声は甲高く響く。唾液が止まらない。クリトリスを弄ってやり、腰を突き上げて注挿を繰り返した。
性感を煽るようにしてやる。それでも、これではがっついているのが自分だけのようだった。
髪に鼻先を擦り付けて、汗ばんだニオイを一杯に吸い込む。背中を垂れる唾液が嫌なのか、
弥子はふるふると身体を逃そうとした。
 だがそんなことは無理だ。すっぽりと収まっている姿は、御誂え向きの檻に入っているのと
変わらない、我が輩の身体は、弥子を閉じ込める檻なのだ。手を伸ばしても指は空を掻く。
ここにしか、何も届かない。

「ッ、弥子。弥子」
「ねう、ふあ、ねうろ……やだあ激しい、激しすぎるのやぁああ!!」
「何が嫌だ? 気持ち良いだろう、きゅぅきゅうに締め付けて離さぬではないか」
「やああ、壊れちゃうよっ」
45 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:40:54 ID:VH2BImEm

 壊れる?
 いびつに抉り取られて?
 ああ、もう構わない。
 そうなってしまえば良い。

 自分の完全な心も、ひび割れてしまった気がした。

「やあッああ、ひぁああああ!!」
「弥子、ぉ」
「ネウロ、やあ、こんな強いの、だめぇえ!!」

 突き上げる、零れだす。
 今度は躊躇わずに、中に吐き出した。
 緊張した下半身が搾り出すように痙攣するのを助ける、何度か打ち付ける。
 弥子は笑っていた。
 蕩けるように笑って、我が輩の手に手を重ねていた。
46 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:41:28 ID:VH2BImEm



 物心ついた頃の一番古い記憶を辿る。
 自分の周りがすべていびつに見えた。どうしてそんな不安定な精神状態で日常生活を
送っていられるのか不思議でたまらなかった。それでも彼らは謎を作り出して我が輩の
腹を満たしてくれた。謎は、欠けた心を補う代償行為なのだと思っていた。だから完璧な
我が輩には自分の空腹を満たす謎が作れないのだと、思っていた。
 壊れた欠けた多面体のような周囲の心と違って、自分は完璧な球体なのだろう。
 そう思っていた。

 多面体の瞳に映された自分は、ゆがんで多面体のように見えた。乱暴だとか横暴だとか
意地汚いだとか、初めて触れた世界で、そんな言葉をいくつも重ねられた。追い出されて辿り着き、
触れた世界。触れた一人の人間の娘。傷付き歪んでいた、多面体の心。
 もしかしたら、と思う。我が輩も多面体でしかないのかもしれない。自分の中の歪んだ像が、
完璧な球体に錯覚させていただけなのかもしれない。
 でもそれで良いのかもしれないと、少しだけ、思う。
 完璧なだけのガラス玉は、何も映せないのだから。

「私はネウロに、ちゃんと恋してるよ」

 疲れた笑顔で笑った弥子の言葉は、刺激だ。たとえるならば一条差した、ささやかで細い光。
 プリズムのように弾けるのは、この心が多面体だったということなのだろう。
 歪む。
 だから、歪む。
 サイ、お前もそうだったのだろう?

47 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:42:17 ID:VH2BImEm
 フライデーを弥子の家に飛ばしたのは、弥子に帰りを急かす少し前のことだった。
食事中は他に気をやったりしない単細胞だとはよく知っていたから、堂々と。括りつけた封筒、
宛名には母親の名前。データを写したばかりでまだ熱の残るDVD、先日サイから送られたもののコピーだ。
 あかねはもの言いたげにおさげを揺らしていたが、弥子も我が輩もそんなことは
気に止めていなかった。必要もない。何も、理由など無いのだ。

 サイ。完璧に他人をトレィスしてしまうのならば、貴様も我が輩の中身を垣間見たのだろう。
 弥子に対する感情を、錯覚したのだろう。
 あのただの何気ない普通の少女を愛する――我が輩の心を。
 ただ最初に触れただけ、歪んで愛しい世界への憧憬を。

「弥子」

 呼びかける。逃がさないと決めた少女に。
 幸せそうにたい焼きを頬張っていた少女は、視線を向けてくる。
 最小限の嘘を思考しながら、言葉を適当に繋げる。

「送ってやる」

 浮かべた笑みは、不自然ではないだろうか?
 獲物を罠にかける我が輩の笑みは。
 きっとあの怪盗な殺人鬼と、同じ顔だ。
48 ◆zero1/xkZ6 :2006/09/29(金) 22:44:50 ID:VH2BImEm
異常終了。三部作総括編、今回はprismでした

遅ればせながら>1さん、スレ立てして頂きありがとうございました
これからは迂闊に番号を踏む前に状況を確認したいと思います
大変失礼致しました

前スレ809
当たり。すごいな。弥子とファックして良いぞ
49名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:47:23 ID:y94S+wkC
神ぃぃ! GJぅぅぅぅ!!
50名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:55:54 ID:toS+N3Jj
GJーーーッッ!! ずっとROMってたけど、思わず書き込んでしまったよ。
ネウロ視点なのが個人的にツボ。キャラがらしくて、すごくいい。
神よ、萌えをありがとう!
51名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:59:52 ID:54gYj8nV
GJ! 神だ……
52名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:09:34 ID:PZ1bGXLB
さあ、皆、神への感謝を!

エーロ・ゴシカァン!
53名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:22:50 ID:HrHt62mD
エーロ・ゴシカァン!
エーロ・ゴシカァン!!
エーロ・ゴシカァン!!!

萌えと感動をありがとう。心からGJ。
54名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:36:04 ID:E2HRbJ1O
GJ

そしてやっぱり今回も目から塩水出しながら見た。
55名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:38:03 ID:Q4biToAw
GJGJ! 文章もだが構成が神だ
一作ずつでも楽しめるが三作揃ってパズルが完成するこの妙!
しかもすべてが切ない

すばらしいです神 エーロ・ゴシカァン!
56名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:38:35 ID:Q4biToAw
興奮のあまりあげてしまったよ……ゴメン
57名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:41:24 ID:AMrJUWXm
>>48
うお・・曲名やっぱ当たってた・・うれしい。
そして神!あんたへのGJ!が止まらない!CCBだって止められない!
なんかもう・・「我が輩に恋をしろ」で涙がさあ・・
なんだか安いドラマを見てるよりあんたの文章のが100倍泣けるぜ。

このスレはやっぱり素敵だ。石ヤコ新鮮で滅茶苦茶萌えたぜ。
ネウヤコも甘くて良かった。アイさんにはワロタww
そして>>4の続きを待ってる!エーロ・ゴシカアン!
58名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:49:45 ID:LO0jFVOK
GJGJGJGJ!!!!!
素晴らしいという言葉に尽きる!

丁寧な心理描写のおかげで伝わってくる、ヤコのストレスもネウロの欠落感も辛かったけど
恋のくだりで泣けた…
あんたの台詞好き過ぎるよ…

この傑作長編を書き上げた神に心からありがとう!!
59名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:05:05 ID:pRqWhPaU
>> ◆zero1/xkZ6氏

この作品が流れてしまうのはあんまりに惜しい。
マッパで保存させてもらった。

久しぶりにこのスレで泣かされたよ GJ ありがとう。
60名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:18:00 ID:TxLVDfPz
>>48
GJ!
こんなすばらしい作品に出会えて本当にうれしい。
素敵なネウヤコ作品を産み出してくれてありがとうまじありがとう!!
心理描写が細かいとか伏線の貼り方がうまいとか
この異常なクオリティの高さはもしかしてプロの方?とか
まだ言いたいことは沢山あるけれどこれだけは言っておく。

あ な た の 作 品 が 大 好 き だ !
61名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:50:33 ID:pfkTjiB/
>>48
GJGJ!!!!
緻密な構成と心理描写、どっか別のジャンルであなたの作品を見たことが
あるような気がする。……マジでプロなんじゃないか?
62名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:21:27 ID:T3xBSTHq
>>48 とってもGJでした!!
自分ずっとROM派だったんだけど
思わず書き込んでしまう程の神作品でした…!!

本当に言葉の選び方とかにものすごいセンスを感じる。
読んだ後頭がボーっとするよ…しばらく
この状態戻らなそう。お疲れ様っした!!
63名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:22:15 ID:xhvgVFX2
つ[トリップを検索]
本当に何者だww
64名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:32:54 ID:tIfmXrAK
48GJです…!!
まじで素晴らしい!!!特に3部がヤバイ!!!!まじで神だ…!愛と恋はすごく納得したよ。感動しすぎました
65名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:38:55 ID:hj/By4sU
>>◆zero1/xkZ6
ああ!我慢できずに自分も検索してしまった!
ホントにあんた何者なんだwwww
素敵すぎるよ。マジで著書あるんじゃ・・・
66名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:53:25 ID:MMQ2r1Lr
神だよGODだよメシアだよGJ
後味の悪い話とおっしゃったが、自分はもどかしさを感じたよ
67名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 02:01:02 ID:L3MMDjI7
全てにおいてGJ!!
こんなすんばらしいもの読めて本当に幸せです!
ネウロ視点すごい自然に読めた!
このスレには素晴しい神がおわしたぁあああ
書いてくれてありがとう!!

さあ今晩も叫ぼうあの言葉!!!
エーロ・ゴシカァン! エーロ・ゴシカァン! エーロ・ゴシカァン!
68賛辞を送ります。:2006/09/30(土) 02:03:22 ID:dKVg+XIV
弥「……ネウロ、急に拍手なんかして、どうしたの」
ネ「いや、今このスレに『神』が舞い降りたのでな。賛辞を送っていた所だ」
弥「? ……ふーん……」
ネ「興味なさそうだな」
弥「だって、スレ、って、何? 分かんないよ」
ネ「スレとはスレッドの事だ」
弥「???」
ネ「…………見た方が早いだろう」
弥「え、何? パソコン? ……………って、ななななななな何よコレ!!」
ネ「何をそんなに驚く事がある」
弥「だだだだだだだだだだだって、わわわわわわ私とネウロが、エッ、エッ、エ………ェ〜〜〜〜ッッ!!」
ネ「『エッ』の続きはなんだ?」
弥「うるさぁい!!」
ネ「ふむ………『えっち』とでも言おうとしていたのか?」
弥「ななななななななななななな」
ネ「真っ赤だぞ、ヤコ。貴様は完熟トマトか」
弥「お、美味しそう……。……じゃなくてっ! わ、私とネウロは、こっ、こんなヤラシイ事、する仲じゃない!」
ネ「それがどうした」
弥「どうした…って……ア、アンタねぇ!」
ネ「事実にすれば良いだけではないか」
弥「…………………は?」
ネ「ふむ、『神』とやらの話を読んでいたら、らしくもなく興奮してしまったな。丁度いい。処理に付き合え」
弥「ネ、ネウロ、さん。本気、デス、カ」
ネ「本気だ。本気と書いてマジと読むぐらい本気だぞ」
弥「あっ、あはははははは……エイプリルフールはまだ先だよ?」
ネ「そんな事は知っている」
弥「ちょっ! なに服脱がそうとしてんのよ! きゃ、きゃあぁぁぁぁ!!」

強制終了。お目汚しスマソ。そしてありふれたネタでスマソ。
69名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 02:03:54 ID:YpcXxSL6
>>◆zero1/xkZ6氏
あんたの書く作品は本当に素晴らしいよ!
ずっとROMってるつもりだったけど、これは書き込まずにはいられない。
単なるエロじゃなくて、それぞれの心を描いているところがたまらなく好きだ。
一作目から思ってたけど、めちゃめちゃ文章を書き慣れている気がする。
ここまで読む人を引き込む文章を書けるって、やっぱりプロか?
一作目の弥子の錯乱とか、読んでてぞくぞくした。
あとカピバラワロスw

あなたの作品がもっと読みたいので、是非また投下してくれ。
エーロ・ゴシカァン!!
7068:2006/09/30(土) 02:10:20 ID:dKVg+XIV
>>◆zero1/xkZ6様。
言い忘れてしまっていたが、GJ!
もう大好きだ。結婚してくれ。
71名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 02:37:59 ID:hHFKVbxE
神に歓喜

「ヤコ、神の概念とは何か貴様のゆとり脳でも理解し得るか?」
「だ、誰がゆとり脳だ!いきなり訳わかんないこと言わないでってば」
人間界の知識が変に偏った方向で蓄積されているらしいネウロは、時折弥子の理解
の範疇を軽ーく超えることを突然のたまうのが、ごく普通のことになっていた。いつもは
面倒なのでスルーする弥子も、やけに執拗に絡んでくるネウロに根負けして、仕方なく
頭を絞った。
「…うーん…人間の存在を遥かに超えた者、かな」
「小学生レベルの稚拙な答えだな。まあ貴様にはそれがせいぜいか」
「重ね重ね失礼な奴、急にそんなこと言われて、気の利いたことなんて言えないよ」
コンビニから買ってきたスナック菓子の袋を握り締め、弥子は口をぱくぱくさせながら
必死で反論する。
ただ弥子をからかいたかっただけで、望む答えなどはなから期待してはいなかったら
しいネウロは、ただ小馬鹿にしたように鼻で笑っただけだった。
「神とは、すべからく相応しい場に降臨するもの、だがなかなかそれが叶わぬこともま
まある。しかし数多の神が集う場にこれ以上ないほどの崇高さをもって現れた神がい
るとすれば、これは最上の歓喜をもって歓迎せざるを得ないだろう、見ろ、このスレの
ようにな」
ネウロはゆっくりとパソコンの画面を指して軽く笑い、くるりと弥子の方を見た。
「さて、それでは弥子」
「…何よ、ネウロ」
「このスレの神作品が如く、我々も交わろうではないか」
「結局それが目的かーーー!」

つまりは崇高なる神、◆zero1/xkZ6様への言葉足らずながらも賛辞の言葉と、素晴ら
しい三部作への感動を表してみた。
72名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 03:05:57 ID:f4kz4bkv
この胸のときめきはどうやって表現したらいいんだ…!
もう神とか何とか賞賛する言葉は陳腐すぎて言えん
遥ママの狂いぶりとかヤコの怯えぶりとか
ネウロの我輩に恋をしろの下りとか…
ときめきすぎてロマンティックが止まらない!
自分のボキャブラリーの少なさが嫌になるほど素晴らしい作品だ
ありがとう!ありがとう!!神!!
あんたの靴なら舐めるよ俺エーロ・ゴシカァン!!
73名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 03:23:53 ID:/A7mw9fT
>>48 エーロ・ゴシカァン!! zero1/xkZネ申よありがとう!!!
昨日このスレに興味持って読み返してたんだけど素晴らしいスレッドですね!
皆クオリティ高けeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!ここは神の聖地ですか?
zero1/xkZ様のファンになりました!次回作楽しみにしてます!ありがとう!!
74名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 05:11:39 ID:VfzYQFXm
新スレの投下すべてにGJ!!
少し気になったんだが>>10と前スレ>>836は同じ人だよな?
75名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 08:33:01 ID:Lrn6/3VB
うあー!こんな素晴らしい物語を読めて幸せだあ…。この板で泣いたの初めてかも。
◆zero1/xkZ6様ありがとう。
76名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 09:28:32 ID:ZkHwsfAo
だが、賛美もそろそろにしとかないと、他の神が投下しにくくなるぞ。ここは一神教じゃないんだから。
もう30レス弱も賛美が続いてるじゃないか。
まあ、それほど◆zero1/xkZ6がすばらしかったってことなんだろうがな。

それでは◆zero1/xkZ6がまた再臨してくださることのありますように
そして他の神がどんどん現れますように
ネウロエロパロスレの更なる発展と繁栄を祈って

エーロ・ゴシカァン!
77名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 11:11:42 ID:dKVg+XIV
ネウロ「♪ざ〜ん〜さ〜つ〜ま〜じん〜血しぶきどくどくネウロさ〜ん
ざ〜ん〜さ〜つ〜ま〜じん〜心臓どくどくネウロさ〜ん
踏んで縛って……」
弥子「え、ちょ、何その禍々しい替え歌」
ネウロ「我が輩にピッタリだとは思わぬか? 『惨殺魔人ネウロさん』」
弥子「思う。思うけど、その声(子安)でノリノリで歌われると、かなり恐いんだけど色んな意味で」
ネウロ「ふむ……ならば『毒殺コックシロタさん』はどうだ」
弥子「いやいやいやだからそういう問題じゃないって……」

急に思いついてやった反省はしていない。
『絞殺三つ編みアカネちゃん』も考えた反省はしていない。
78名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 11:45:24 ID:Y48qDpD9
さあ次の神よ!降臨されたし!!
79名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 11:52:10 ID:vPnKCT0S
>>77
ちょっドクロちゃんwwwww

さぁさぁお母さんもやっちゃうぞぉー
エーロ・ゴシカァアン!エーロ・ゴシカァン!!
80名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 15:29:12 ID:xhvgVFX2
「ヤコよ」
「なーに?」
「義母と中出しプレイ、とやらをしてみたいのでお前の母親を犯して良いか?」
「なんでお母さんがあんたの義母になるのか突っ込んで良い?」
「ん? お前のものは我が輩のものだ。お前の母親も我が輩の母親」
「いやそのりくつはおかしい」
「だがお前は我が輩の伴侶だろう?」



 弥子撃チン。
81俺のIDに『サイ』が居た記念。:2006/09/30(土) 15:55:09 ID:dKVg+XIV
サイ「エーロ・ゴシカァン! って何?」
アイ「呪文です。神が降臨する呪文です」
サイ「ふーん……」
アイ「そうだ、どうせなら、私達も神が降臨するように貢献しましょう」
サイ「へ?」
アイ「語尾にエーロ・ゴシカァン!と付けるのはどうでしょうかエーロ・ゴシカァン!」
サイ「嫌だよっていうか既に実践してるし!」
アイ「……ならば、イく瞬間に『エーロ・ゴシカァン!』と叫ぶのは……」
サイ「萎えるよ」
アイ「では、もう『エーロ・ゴシカァン!』だけで会話をするのは……」
サイ「無理だよ」
アイ「やってみないと分かりません。というワケで、エーロ・ゴシカァン?」
サイ「……………エーロ・ゴシカァン」
アイ「なるほど、サイの趣味は、老若男女問わず、とにかく誰でもいいからパンツを盗み、それを被って一人お祭りを開催する事ですね」
サイ「俺の知らない内に変な会話が構成されちゃったよ! せめて日本語訳つけてよ! ワケ分かんないままテキトーに答えた所為で俺ただの変態になっちゃったじゃん!」
アイ「貴方がどんな趣味を持っていようとも、私は貴方の中身を見るまでは、どこまでもついていきますよ」
サイ「やめて哀れみの目を向けないで!」
アイ「まぁそんな事はともかく、神の降臨を願って、エーロ・ゴシカァン!」
サイ「…………エーロ・ゴシカァン!」
アイ「なるほど、サイは毎日妄想の中の私と交換日記をするのが日課、と」
サイ「今の会話だったの、っていうか訳をつけてってば!」

強制終了。段々俺の中でアイさんのキャラがおかしくなってきた。
おそらく>>18の所為だ。
82名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 16:27:00 ID:M7obN3SX
ちょwww アイさんwww
そりゃイク時にこんなこと叫ばれたら萎えるよなw

>80
いやそのりくつはおかしいワロタ
83名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 19:15:14 ID:pRqWhPaU
>>81 GJ

アイ=悠
サイ=阿久津

で脳内変換されてしまった
84名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 00:26:49 ID:N/DSg3Bt
>>89
Ww
ジャンプの…ももてたいぞう?
85名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 00:27:18 ID:JDDhuKKR
>>84
うはっ鉄wwwww
86名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 00:27:49 ID:JDDhuKKR
あっごめん誤爆orz
87名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:36:04 ID:pBKHZm+D
>>3の続きはまだかいのう
883:2006/10/01(日) 02:41:48 ID:GeFaxD2D
ごめん。
まだ書いている途中。
昨日から悩みつつ書いてるが、ドラマ見てる途中でつまんないのでうっかり
うたた寝したりしてて、予定の半分ほどしかまだ出来てない。
なんか途中で投下するのは心痛いので、もちっと続けてみる。
ダメだったら、明日の午後に投下する。
89名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:46:39 ID:pBKHZm+D
>>88
急かしたみたいですまんかった
楽しみにしてるのでじっくり書いてくだされ
903:2006/10/01(日) 02:53:22 ID:GeFaxD2D
いやいや、気にするな。
土曜日に休みだったから、すっかり寛いでたのが悪かった。
超絶神作品の投下に続きたかったから、つい気張ったのかも試練。
四時までに投下出来なかったら、やっぱ明日の午後に投下かな。
ごめんよ。
91名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 04:07:44 ID:UPQ251Q4
>>3の投下をwktkしながら待ちつつ、
藻前らの萌えシチュを訊いてみる。
どんなのが好みだ?(ちなみにヤコ受けかサイアイで)
もしネタが浮かびそうなのがあったらそれをテーマにして書いてみるよ。
ご応募お待ちしてます。
92名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 05:29:51 ID:paGAQp4J
>>91
ヤコが最後までネウロ嫌いな(もしくは受け入れられない)ままの拒否しまくりでシリアス
…ってのが見てみたいなと思った

さて私もお祈りの時間だ。エーロ・ゴシカァン!
93名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 08:56:32 ID:JDDhuKKR
>>91
童貞ヒグチと処女弥子ネタとか言おうと思ったけど下らなすぎるな
時間が取れたら自分で書くよ
94名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 11:31:06 ID:3NL9cs7/
なんてクオリティ高い流れなんだ…
そーれエーロ・ゴシカァン!!
このスレの技術は世界一ィイイイ!!!
95名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 11:35:47 ID:vICxq47e
>>92
タイトルまで言っていいのかわからんが
彼氏アリ弥子、ネウロ嫉妬して強姦…っていう話が纏めサイトにあったぞ。
個人的にはすれ違いネタ好きだから萌えた。
963:2006/10/01(日) 12:45:49 ID:GeFaxD2D
昼前に起きた。
なるべく早く投下出来るように、必死こいて書いてる。
97名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:55:30 ID:W0OzehYh
>>95
いいよな。すれ違いで切ないのとか。
けど自分はやっぱり甘〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いのが好きだ。
でもやっぱりすれ違いはいい!ネウロ嫉妬話は更にいい!
まとめるとすれ違いでネウロ嫉妬で甘いのはもっと更にいいって事だ!!!!
エロ・ゴシカァーン!
983:2006/10/01(日) 14:58:26 ID:GeFaxD2D
書いたので投下する。
99契約 朱花 1:2006/10/01(日) 14:59:05 ID:GeFaxD2D
前日に父親の葬儀を済ませたばかりの弥子は、きっとまだ冷静にはなりきれていなか
ったのだろう。それもまた仕方のないことだ、誰よりも信頼しこれからもずっと一緒にい
られると思っていた父親を瞬時に何者かの悪意によって奪われたのだから。
だからといって、突然目の前に現れた魔人と契約する決意を決めるなど、意外と用心
深いこれまでの弥子では有り得ないことだった。
魔人ネウロは本性を剥き出しにして笑う。
「本来なら、何が契約の引き換えになるかなど事前には口にしないものだ。面白味が
ないからな。だが、わざわざそうやって念を押した上での契約なのだから、二度と後戻
りは出来ないぞ」
念を押すでもなくあくまでもさらりと黒手袋の手で頬を撫でられて、初めて凄まじい怖気
に襲われたが、それもまた自分で選んだことだからと必死で脳裏で振り切る。
「…分かってる。私はただ誰があんなひどいことをしたのか知りたいだけ。それが後で
泣くことになっても」
今の弥子の心の中は、本当にそれだけだった。
だからこそ、魔人に憑かれたのだろう。

まだ時刻は早朝。
母親もまだ起きて来る気配はなかった。そして葬儀の翌日はまだ非日常の延長線上
にあった。だからこそ、こんな非常識なことは許されるのだろう。そうとでも思わなけれ
ばとても心が耐え切れない。
結局、魔人との契約を遂行する為、他に最適な場所もなかったが為に弥子は自室に
魔人を引き入れることとなった。そんな判断が割と気に入ったのか、弥子の気持ちを
逆撫でするほどネウロはやけに上機嫌だ。
「なかなかの演出だな、貴様の部屋でとは」
「仕方がないでしょ 、ここしかないもの」
出来るだけ冷静でいるつもりだったのに、やはり弥子はまだほんの少女でしかなかっ
た。契約を望んだ以上は何でもないことの筈なのに次第に魔人の手の内に落ちていく
のが嫌でも感じ取れ、早くも神経が擦り切れそうだった。
100契約 朱花 2:2006/10/01(日) 15:00:00 ID:GeFaxD2D
ふるっと震える体を、後ろからネウロの長い腕が抱き締める。
「怖いのか?」
「当たり前じゃない…私、初めてなんだから」
「我が輩にとっては好ましいことだ」
「私にとっては、お父さんが死んだ時の次に嫌な日になったんだけど」
「恐れるな。貴様自身が望んだことならば、せいぜい愉しませてやろう」
蜘蛛の糸のように絡みついてくる指が、弥子の顎を捉えた。
「貴様の名前を聞いておこうか」
「桂木…弥子」
「ヤコか、悪くない。契約の際には呼びやすいのが何よりだからな」
契約、そう言いながらも結局のところ肌を合わせるには違いない。こうも簡単に支配出
来る女を見つけたことがそんなに嬉しいのだろうかと思うほど、ネウロは楽しそうだ。
長い舌が目尻から頬を舐め、そのまま唇の端を啄ばむ。
「くっ…」
緩やかに始められた行為に、それでも弥子の体は竦んだ。なのに逃げられないことは
分かっているからこそ必死で立ったままの足を踏ん張っている。くすくすと笑う声とぞっ
とするほど甘い吐息が耳にかかって、恐怖がたちまちにして弥子を包む。
「何をそんなに震える」
「震えてなんか…あっ」
急に抱き上げられて、昨夜は体を休めることのなかったベッドに連れられていく。特に
乱暴ではなく落とされて、混乱しつつある頭の端で弥子は戸惑っていた。奇妙な情け
など今はいらない。むしろ契約の名目で何でもする方がいいと。
「ほう、見た目以上に貧相な体だな」
やや乱れた征服から剥き出しになった弥子の体をまじまじと眺め、ネウロは好色そう
に舌舐めずりをしていた。興でもそがれたのかと思ったが、意外にもその逆だったらし
い。
「だが、起伏の乏しい体というのもなかなかの風情だ。肉付きが悪い分、目に映るべ
き陰影が殊の外深くなる」
弥子の羞恥心がざらりと獣同然の舌で舐め上げられるような感覚。今にも叫び出した
いほどなのを必死で堪えているというのに、ネウロは体のあちこちを撫でたりするだけ
で、まるでふざけてでもいるようだ。
101契約 朱花 3:2006/10/01(日) 15:00:42 ID:GeFaxD2D
「あ、あ…ネウロ」
「何だ、ヤコ」
「どうせするんなら、早くして。そしてお父さんを殺した犯人を見つけてよ」
恥ずかしくて堪らないというのに、まるで焦らされてでもいるような感覚が嫌で、遂に弥
子は懇願のような声を出してしまった。それまで幸せに育ったせいで人を疑うなどする
こともなかったのが仇となった。きっとそれを口にするように誘導されていたのだろう。
「ふん、言ったな。ヤコ」
制服の上から胸に顔を寄せていたネウロが、頭を上げて真正面から弥子を見た。
朝の眩しく白い日差しの中でも、その瞳の色はあくまで緑色に深い。角度の関係で煌
めきはしないようだが、きっと直接光を受ければたちまち宝石のように輝き渡ることだろ
う。だが、魅了される暇はなかった。
「約束通り、貴様の処女は我が輩に捧げて貰うぞ、ヤコよ。最初の縁の女よ」
にたりと笑うネウロの手が、乱れながらも辛うじて身につけていた制服を強引に引き剥
がした。乳房を覆っていたブラをも毟り取ると、抵抗を封じるように唇を鋭い歯でがりっ
と噛んできた。キスされる、とばかり思い込んでいた弥子は思ってもいなかった攻撃に
頭が真っ白になった。
やはりこの男は魔人なのだ。
そして、今こうしているのも只の契約でしかないのだ。
こともあろうに生まれて初めて男に肌身を許すのが好意など一切介しない性質のもの
だなど、その日が来るのを甘々しく想像していた弥子にはあまりにも残酷過ぎた。どう
してこんなことになったのかと涙が流れてくる。何もかも分かっていて要求を受け入れ
た筈なのに。
「ひくっ」
喉が短く痙攣した。
「泣くな、煩わしい」
さすがに唇に血は滲んでいないだろうが、ちりちりとした痛みはある。とにかく落ち着こ
うと大きく息を継ぐ為に開いた口が男の唇で塞がれた。
「…ん」
ぬるんと口腔内に入り込んでくる舌が、がさがさに荒れ果てた弥子の神経を宥めるよ
うに繊細な舌遣いで探りたてる。とっさに逃げようとした舌が巧みに絡め取られて、懲
らしめられるように吸い上げられた。
102契約 朱花 4:2006/10/01(日) 15:01:28 ID:GeFaxD2D
経験など全くないのに、頭の芯が甘く蕩け出す。口だけでこんな風になってしまうのだ
から、この先もっと色々されたらどうなってしまうのか正直言って分からない。その間に
も、ネウロの両手は体中の官能を湧き上がらせようと淫らにまさぐり、膝で力の入らな
くなった足を割っていく。呆れるほど手馴れた様子に、これまでもこんなことが度々あっ
たのかと勘繰ってしまうほどだ。だが、今の弥子には直接関係のないことでしかない。
それよりも、身の内から熱くじんわりと湧き上がってくる切ないほどの快感に、心を奪
われかけていた。
「よし、そろそろいいか」
悪巧みを思いついたような声に、快感に潤んでいた意識が現実に引き戻される。さっ
と身を起こしたネウロは、ベッドサイドに腰を降ろすと弥子を床に引き摺り落とした。
「何する…」
「呆けている場合ではないぞ、これは契約だ。貴様は我が輩の責め苦に抵抗すること
もなく耐えなければならん。よって」
にやりと意地悪く笑う顔がひどく歪んで見えた。
「しゃぶれ」
「えっ…」
一体何を言われたのか、すぐには理解出来なかった。そんな弥子を冷徹に見下ろして、
ネウロはさっさとズボンのファスナーを開き、あたかも凶器のように硬く隆起したものを
目の前に突き出してきた。
「さっさとやれ。出来ないなら契約はなしだ」
「う…」
元々は父親を殺した犯人憎しで必死で成立させようとしている契約だ。男のものをしゃ
ぶるなど死んでも嫌だったのだが、拒否など当然出来る筈もなかった。ここまで必死で
我慢してきたというのに、台無しにはしたくなかったのだ。
覚悟を決め、おずおずと弥子は口を開いてこれでもかと存在を主張するものに舌を差し
伸べた。

「…ン、んっ…」
大きく開かれた男の足の間で、弥子は不慣れなりに舌と口と手を遣って男の中心でそ
そり立っているものに愛撫を加えていた。もちろんどうすればいいのかなど全然知らな
い。時々ネウロがもっと手で扱けとか、先端を円を描くように舐めろとか 非情な命令に
従うのが精一杯だ。父親のものでさえ、ごく幼い頃に一緒に入浴した時に見ただけだ。
これほどまで間近に目にしているのが自分でも信じられない。まして、たった今出会っ
たばかりの男だ。夜明け前までの弥子なら考えもしなかった今の成り行きに、まだ肝
心の心がついていってはいない。
103契約 朱花 5:2006/10/01(日) 15:02:15 ID:GeFaxD2D
「…いいぞ、ヤコ。そろそろ出してやる」
「…っ、んっ…」
フェラチオは決して上手くはないが、それなりには昂ぶっていたのだろう。ネウロは唐
突に弥子の髪を掴んで股間に引き寄せた。その拍子に口一杯に頬張っていたものが
ぐっと喉奥まで突き当たり、苦しさと気持ち悪さで吐き気を催してしまう。
「うぐっ…」
それと比例するように、ネウロのものは極限まで膨れ上がってすぐにでも弾けてしまい
そうだった。酷薄な笑みを目元に浮かべているネウロは、弥子を見下ろしてゆっくりと
口を開いた。
「いくぞ、ヤコ。射精してやるから、全部飲め。一滴たりとも零すのは許さん」
「ぐっう…っ…」
「分かっているな。契約せしめようとする魔人の精液を上下の口から取り入れることこ
そがまさに契約の成立になる」
只の人間の弥子にはそれが本当のことかどうか分からない。
単に弥子を苦しめようとして、わざと無体なことをしているだけのような気もする。だと
してももう逃げられなかった。
「もう、いくぞ」
その声に絶望感に支配されかけた時、もう口では収まりきらなくなるほど大きくなって
いたものが大きく痙攣した後で先端からどろりとした濃い液を放った。それは残虐にい
たいけな弥子の喉奥を叩き、断続的にまとまって溢れ出していく。
「…先程も言ったが、全部飲むがいい」
残酷な魔人の手が髪から離れて、柔らかに頬を滑る。宥めるような動きについ騙され
て、必死で激しい吐き気を堪えながら時間をかけてようやく全部飲み込んでいく。これ
はもう責め苦でしかなかった。
ようやく全部飲み下し、更に精液を吐き出してぬらぬらと濡れたままのものをも舌で舐
め清めるまでをこなして、ようやく弥子は責め苦から一時解放されたのだった。
「はあ、はあ…」
もう何も考えられない。男など全く知らなかったのにこんなことまでして。
床の上に座り込んで激しく肩を上下させながら呼吸する弥子を面白そうに眺めていた
ネウロの腕が、しなる鞭のようにさっと伸びてたちまちのうちに再び抱え上げられてし
まった。
104契約 朱花 6:2006/10/01(日) 15:03:21 ID:GeFaxD2D
そして無言のまま、まだ体に纏わりついていたスカートとショーツまでを弥子が抵抗し
ないうちに取ってしまうと、一切情のない強引さで足を開かせた。
「あ…やっ」
そんなところは見られたくない、嫌だ、そう言いかけてとっさに弥子は自分の口を押さ
えた。そんな様子を見咎めるように、ネウロもとどめを刺すように言い置く。
「人間風情の貴様の為だ、何度も言うぞ。これからすることに『嫌』や『ダメ』は絶対に
言うな。言えば契約は当然なしだ」
「…わ、分かってる…」
シーツに押しつけられ、まな板の鯉でしかなくなった弥子は深い絶望の色を目に浮か
べ、それだけを答えた。
「それなりに覚悟は出来ているようだな、では遠慮はしないぞ」
元々そんなものはなかった癖に、思う存分振舞える免罪符を勝ち取ったとでもいうよう
にネウロは傲慢な笑みを浮かべた。長い指先が既に潤みかけている弥子の中心を嬲
るようにくりっと動く。
「あっ…」
「先の行為と引き換えだ。せいぜい貴様も良くしてやろう。幸いなことだな、我が輩は
存外に気のいい性質だ」
勝手なことをのたまいながらも、指先は一本から二本、三本と増えていく。すっかり膨
れ上がって敏感になっているだろうクリトリスを擦り、愛液を零す内部を戯れに抉ったり
して反応を愉しんでいるのが癪に障った。
自慰でなら時々触ったことがある部分をこうして晒していることが、恥ずかしくて仕方な
い。なるべくその淫らがましい場面を見ないように固く目をつぶっているというのに、体
に受ける感覚は次第に激しいものになっていくから、堪えることが出来なくなりかけて
いた。それまでずっと守っていた自我が、こうして呆気なくぐずぐずと崩れ果てていく。
「あんっ」
もうすっかりされるがままになっていた弥子が、甘い声を上げた。完全に蕩けてたらた
らと愛液を零し出した薄紅の花弁を指先で押し開き、ネウロが舐め出したからだ。信じ
られないほどに気持ちがいい。指とは違う柔らかい感触に、すぐにでも達してしまいそ
うだった。だが、多分それは出来ないのだろう。この行為は契約を成立させる為にして
いるのだから。
105契約 朱花 7:2006/10/01(日) 15:03:55 ID:GeFaxD2D
巧みな舌遣いと指先が徐々に弥子の秘められた性感を引き出していく。
ほんの一時間前まで只の青い果実同然だった少女が、今ではもじもじとじれったく腰
を振り、自分で乳房を揉みしだき、涎を垂れ流しながら喘いでいる。自分でもこれほど
変化してしまったのが信じられないほどだ。
それも全て父親恋しさからきたもので、たとえ神が見咎めたとしても裁くことは出来な
いに違いない。
蕩けきった思考の隅で、ようやくそれだけの結論を弥子は引き出していた。身勝手な
理屈だとしても、それしか縋るものがもうないのだから。
「ヤコ」
「…ん?」
「準備は出来たようだな、では」
まだ男を知らない内部はもう丁寧にほぐされて、いつでも受け入れられそうだった。戯
れの一つのようにクリトリスを摘んで刺激を与えながらも、ネウロは嫌になるほど柔ら
かい声を漏らしてもう一度弥子に口付ける。優しい、受ける全ては何もかも優しかった
が、それら全ては弥子を縛り上げる鎖でしかなかった。
なのに、もう心が麻痺しているのだろう。
こんなに感じることが出来るのなら、もっとして欲しい。更に大きな快感を与えて欲しい
と思い始めている。もし一生契約の効力が消えず、弥子は縛られ続けるだけにしても、
今この快感が何よりも重要だった。
「…うん、ネウロ。して…私にいっぱい…して」
目元と頬を染めながら、弥子は自分から受け入れるべき部分を開いた。契約どうこうと
いうよりも、行為そのものに溺れかけている。もちろん、普通の人間相手になら絶対に
いきなりこうはならなかっただろう。全ては魔人ネウロの成せる技だ。魔界の者との交
わりはそれほどに魅惑的で官能的なのだ。
「よし、それでは欲しいだけくれてやろう、ヤコよ」
「あぁ…ネウロぉ…」
蕩けきったそこに硬い感触を感じて、思わずヤコは喉を反らした。そのままぐぐっと入り
込んでくる圧迫感は感じても、少しも痛みはなかった。きっと初めてだからひどく痛い筈
だと覚悟をしていたというのに。
「ネウロ…私、体が変…」
一度奥まで突き当たったものが、その勢いを緩めることなくピストンを繰り返す。とろと
ろに蕩けた内部が激しく擦れ合うのは凄まじいばかりに気持ちがいい。堪らず腕を伸
ばして男を抱き寄せ、必死で縋りつく。
106契約 朱花 8:2006/10/01(日) 15:04:27 ID:GeFaxD2D
「あ、はぁ…変、変だよこんなの…でも、いい、気持ちいいよおおっ…」
もう、闇には自分が何を言っているのか認識すらしていなかった。名前も何もない只の
雌に成り下がって、与えられる快楽を貪るだけ。もうそれで良かった。
「いいぞ、ヤコ。そうして従順にしていろ。それが貴様には似合う」
自在に腰を使いながら、強い腕で華奢な体を抱き締める魔人の男が神経までを侵す
ように魅惑的に囁いた。
「うん、ネウロ…」
うっとりとした表情で全てを受け入れるヤコは、どこか幸せそうだった。ほんのわずか、
これでようやく父親を殺した犯人が分かるとの考えもよぎったが、今はどうでも良くなっ
ていた。
深く、更に深くまで腰を入れて突き込み、時折焦らすようにグラインドを繰り出す男の巧
みな技巧に弥子はすっかり脳髄の芯まで痺れきっていた。
もう、何もかもどうでもいい。このまま時が止まればいいのに。
そう思いかけていたその時。
「ヤコ」
ネウロが急に冷静な声をかける。
「中に出すぞ、それで契約は成立する」
「…あ、ネウロ…」
ドクン、と一杯に敏感な内部を満たしていたものが痙攣した。途端にひどく熱いものが
たっぷりと注ぎ込まれる。二箇所に魔人の精液を受け入れる。これはつまりそういうこ
とだったのだと、ようやく理解をした。
ドクン、ドクンと内部に溢れるものは遂に収まりきれずに零れ出してきた。それに構わ
ず一気に一物を引き抜かれ、留まることなく精液が垂れ落ちてくる。
「あぁ…」
こんな自体になることは全然考えていなかった弥子はただ慌てるだけだったが、ネウ
ロは平然と再びベッドに沈めてくる。
「ネウロ…」
「契約も成立したことだ、後始末はしてやろう。ついでに貴様はまだ達してないだろうか
ら、イかせてやる」
言うなり、当然のように白く汚れた局部に舌を這わせてきた。達することのなかった体
が、その感触でまた目覚めた。
これほどに官能的な契約を体験して、確実に弥子は変わっていた。
107契約 終章:2006/10/01(日) 15:05:31 ID:GeFaxD2D
契約成立によってネウロの協力を得た弥子は、程なくして父親殺しの犯人を突き止め
ることが出来たのだった。
それはこの事件を担当していた初老のベテラン刑事。実直で温厚な表情をしながら、
その内面は残忍な嗜好を隠していた。既に何人も同じ手口で殺めていたらしい。こん
な変質者が平然と市井に紛れて生活していたなんて、とても信じられなかった。だが、
世の中とはそんなものなのだろう。
ひとたび事件が起こっても、被害者のプライバシーは格好のネタにされ、陵辱されるが
如く徹底的に暴きたてられる。その癖、加害者側のプライバシーといえば何故か厳重
に保護されているのだ。
再犯の可能性を充分に考慮した上での社会復帰の為だと表向きは綺麗なことを言う
が、それで再び同様の事件が繰り返されるのは珍しくない。
もしも加害者が未成年だった場合は、更に厄介なものが重なる。そして本人はのうの
うと普通の人々の中に紛れている。
時は留まることなく過ぎ行き、どれほどに残酷な現実でも余すことなく目の前に晒すば
かり。
そんな歪んだ現在の世の中に、弥子は生きている。

ネウロはその後も、主食の謎を喰う為と称して探偵事務所を設立し、弥子を名義人に
立てた。そして偽りの助手として側にいつも付き従っている。
契約はやはり生涯に渡って続くらしい。だが、それは弥子にとって都合が良かった。最
初に感じた快感が忘れられなかったのだ。

「ヤコ、来い」
とうに全てを支配しきった魔人が、当然のように手招きをした。契約は成立しているの
だから、もう『嫌』も『ダメ』も口にしていいというのに、あれ以来弥子は一切それらを口
にはしなくなった。
大人しく受け入れてさえいればいい、そうすればまたあの快感を味わえる。身の内か
ら甘く痺れるようなあの素晴らしい感覚がまた欲しくて、今日も弥子はネウロの手に落
ちる。
夜が来ようとしていた。
血の色のような夕日がビルの影に沈みゆくのを眺めつつ、思わず知らずに笑みが浮か
ぶのを止められない。これからゆっくりと二人で愉しめる時間がやってくるのだ。
「ネウロ…もっと強く抱いて」
背骨が軋むほど強く抱き締められながら、歓喜の吐息を漏らしてそっと目を閉じた。
朝なんて、来なければいい。
愛する者を失い、再び愛する者を得た今は心からそう思っていた。



終わり
1083:2006/10/01(日) 15:08:28 ID:GeFaxD2D
精魂尽きた。
とりあえず、今の自分自身のネウヤコへの思いを全てを叩き込んだよ。
これほどまでに萌えられるカップリングは今までなかったな。
では真っ白に萌え尽きた(誤字ではない)ので落ちる。
109名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 15:24:28 ID:kNJXWUwx
GJー!
ヤコ可愛いよ萌えたよ。
そして話の雰囲気も好きだ。
GJ!!

さて、自分は>>91だ。
とりあえず>>91>>97の意見を取り入れて、話を書こうとは思っているんだが。
>>93のは、書いた方が良いか? だが93本人が自分で書くとも言っているし。
どうしたらいいだろうか。
110名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 15:31:31 ID:GeFaxD2D
傍観者からの意見。
>>91へ。
>>93の話は元ネタありと注釈をつけた上で書けばいいと思う。
あくまでイメージを貰ったということで。
そうすれば>>93自身も書きやすいだろう。>>93本人の意見も聞きたいところ
だが。
111名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 15:38:57 ID:kNJXWUwx
>>110
なるほど、ありがとう。
まあ、確かに>>93本人の意見も聞いてみたいな。

とにかくまずは>>92>>97のネタでネウヤコを書いてみるよ。ヒグヤコはその後かな。

そして何度も言うが>>3GJ。
神が多くて嬉しいよ本当に。
112名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 15:56:29 ID:Cak63Pwg
ネウヤコ(*´Д`) GJGJ!
流れに乗って自分も投下。ネウヤコエロ無し。
前スレで穏やかなのと言われたので、そんな感じのを。
113 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/01(日) 15:57:05 ID:Cak63Pwg
「結局のところ、あんたあの助手さんとどういう関係なのよ?」

 学食の大盛りタンタン麺を啜っていた私は、サンドイッチとカフェオレの優雅な昼食をとる
叶絵の言葉に、思わず濃厚なスープを噴出しそうになった。
 叶絵からこの手の質問が出るのはそうそうあることじゃなかったけれど、でもそのタイミングは
いつでも的確だった。携帯が鳴らないなーとか、今日は行くの面倒だなーとか――つまりはネウロに
関連することを考えてほんの少し心に隙が出来ている時、さらりと抉るようにしてきて、私を驚かせる。
今だってそう、限定タルトを食べに喫茶店に行きたいから、ネウロにどうやってお伺いを立てようか
思案している最中だった。
 けほけほ、気管に入ったスープに咽て涙目になりながら私は叶絵を見る。クールな様子にほんの
淡い笑み、見るからに理知的な風貌。進学校の女の子っぽさがきっちり出てるのにはたまに
コンプレックスを掻き立てられるけれど、結局は同じ高校生の女の子なのだ。友達の恋愛沙汰には、
興味津々だったりする。嫌じゃないけど、でも……。

「だからネウロは別にそんなんじゃないんだってば。何度も言ってるのにしつこいよー、ただの助手っ。
事件を拾ってきてあてがってくれたり、事務雑事してくれる感じの……美和子さんと変わらないよ」

 豪快な嘘も、ネウロ関連ならもう慣れが出て来てるなあと思う。あの巨大な『エサのいらない猫』
を外さない男の真実を、どれだけ外に訴えたって無駄なんだから。まさか魔人で探偵だなんて
言ったら、疑われるのは自分の頭だろうし。
 口いっぱいに野菜と麺を頬張って、日々唯一の糧を堪能する。誰にも気兼ねなくお腹を
膨らませられるのは、幸せなことだ。放課後はどうやっても事務所に呼び出されるから、食べるのも
命がけになる。いつ伸びてきた手が食料をそれ以外のものに変えてくるのか判らないし。
叶絵はじぃーっと私を伺うようにしてから、カフェオレに口をつける。いつもならこうやって
黙秘の態度を取ると矛を収めてくれるんだけど。

「弥子、あれ誰だか判る?」
「へ?」
114 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/01(日) 15:57:40 ID:Cak63Pwg

 叶絵が指差したのは、向こうの席に座っている男子生徒。同じクラスだから見たことのある人だ、
私はきょとんっと頷く。

「佐島くんでしょ、サッカー部だっけ」
「あれは?」
「小山内くん、クラス委員長」
「あっち」
「藤谷くん、お菓子屋さんと同じ名前」
「ほら、やっぱり」

 首を傾げる。得意げに笑う叶絵の意図が判らない。

「小学生じゃないんだから、この年で初めて会った異性ってあんまり馴れ馴れしく呼ばないでしょ?
 今も全員苗字呼びだった。小山内くんは確か中学も同じだったし、藤谷くんは隣の席に
 なったこともある」
「えっと……?」
「なんで脳噛さんはネウロなのかなーって、それだけ」

 にっこり。
 叶絵はいじわるそうに、だけど可愛く笑ってみせる。
 居心地が悪くて、私は麺を食べきったラーメンに大盛りライスを突っ込んだ。まず白米ありき、
一日の計はご飯にあり。蓮華であぐあぐとがっつく、叶絵は今度こそ突っ込んでこなかった。
ただ余裕の様子で、論破された私の様子を眺める。
 ずるいや、頭が良い人って。どうせ私はこればっかりが取り柄だもん。
 思わず僻んでみる。ポケットの中で、携帯が振動した。
115 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/01(日) 15:58:16 ID:Cak63Pwg



 ネウロはどうせ人間じゃないし、なんて理屈は捏ねられない。放課後になってから小走りに
事務所に向かって、私は思う。通り過ぎた喫茶店、限定タルトの文字がまぶしくも恨めしく、
そして悲しい。せめて授業は受けてきたけれど、やっぱり怒られるんだろうなあ。遅いって、
言われるんだろうなあ。
 人間以外のものだったら、呼び捨てになるのも頷けると思う。犬とか猫とか蛇とか、
ああいうのは一応飼い主の苗字がついてるけど、名前で呼ぶし。あとは外国人とかもそう。
でもネウロは、名前の形式が日本風だし、それに動物と一緒にするのはちょっと抵抗がある
――魔人。異邦人では、あると思うけど。
 お母さんはネウロを『脳噛さん』と呼ぶ。警察の人は大概『助手』とかそんな感じ。あかねちゃん
は、なんだっけ……性格的に呼び捨てじゃなかったと思うけど。吾代さんは男の人だから却下
なのかな、叶絵基準なら。同性なら、呼び捨ては気軽だと思う。私と叶絵みたいに。

「脳噛さん、かぁ……」

 信号の下、息を整えながら私は呟いてみる。もう事務所は目の前だ。迎えに来ないってことは
そんなに急いでもいないのか、もう謎の気配は逃した後なのかもしれない。どっちにしても
――どっちにしても、なんか、ドアを開ける瞬間を考えると憂鬱になってくる。やだやだ、
奴隷扱いもいい加減勘弁して欲しい。無理だと思うから、せめて加減して欲しい。
 赤から青に変わった光、一応左右を確認してから私は走り出す。
 脳噛さん。なんだか他人行儀で今更な響きだなあ、と思う。耳慣れなくてこそばゆいような、
変な感じ。なんだかくすぐったくて、おかしな響きだ。他の人が言うのは全然普通だと思うのに、
自分で言ってみると、喉に引っ掛かるように言い難くて。
 中学の時、初めてお付き合いした男の子に名前で呼んでって言われた時みたい。
 変なの、逆なのに。
116 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/01(日) 15:58:50 ID:Cak63Pwg

 ドアの前に立つ、息切れした呼吸を整えるために、膝に手を付いた。ぜーぜーひゅーひゅー、
体力は人並み程度だけど、学校からここまでは結構な距離だ。汗がじっとり、首筋にシャツを
貼り付けて気持ち悪い。こういう時はいつものニットが恨めしくて嫌になる。凹凸のない身体を
隠すように、すっぽりするのは好きなんだけど。
 ノブに手を掛けて、思いつき、私は息を吸い込んだ。

「脳噛さん?」

 窓の前のデスク、パソコンから顔を上げたネウロは一瞬いつもの営業スマイルを見せてから、
呆けたようにする。何だかその様子がおかしくて、私は噴出した――と同時、一足飛びで距離を
詰められて頭を掴まれる。痛い痛い、骨が軋むっ!

「なんだ紛らわしいことをするなこの豆腐めが、妙なことを言うから客かと思ってしまっただろうが。
 この我が輩を惑わして悦に入るとは随分偉くなったものだな、ヤコよ」
「い、いだいいだい、吊し上げないでー!! 首だけで全体重を支えるのは無理っ!!」
「やかましい、大体貴様に連絡を入れてから何時間経ったと思っているのだ。
 五秒以内には来るように、常々散々言い含めていたはずだが?」
「こ、これ以上欠席させられたら留年するの! 探偵業に従事する時間が減るんだよ、
 その方が大局的に見てデメリットが多いとっ」
「言い訳は聞かん」

 べちん! っと一つ頭を叩かれて、ネウロはやっと私から手を離す。魔人の力は制限されている
とは言え、あの大きな手で殴られたら痛いに決まってる。くっそぅ、絶対いつか復讐してやるんだから。
 すたすたと長い脚を大股にして、ネウロはデスクに戻る。あれ、と、私は訝った。呼び出したのに
行動を起こす気配がないのがおかしい、てっきりずるずる外に引き摺られるか――謎を逃したなら、
もっと過酷なお仕置きがあるかと思ったのに。
 そろりそろりとデスクに近付く。どっかりと椅子に腰掛けたネウロは、いつものように知識吸収に
精を出す体勢になっていた。髪も反応していないなら、やっぱり謎は遠ざかったのだろうか。
でもでも、なんだか……。
117 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/01(日) 15:59:31 ID:Cak63Pwg

「あの、……脳噛さん?」
「だからなんなのだその呼び方は」
「き、気分。って言うか、呼び出したのに出掛けないの? それとも、逃げられちゃったの?」
「別に謎で貴様を呼んだわけではない。あの刑事がやって来て、貴様に土産とやらを置いて
 行ったのだ。生ものだから早くしろと言われたので、連絡を入れてやったまで……そら」

 あの刑事、って言うなら、多分笹塚さんのことだろう。パソコンから目を離さず、ネウロは
つぃっと長い指を台所に向ける。導かれるままに脚を運ぶと、シンクの上にには白い箱が
置かれていた。金色で印刷されたお店のロゴ、そしてこの平たい形状――まさか、
私はシールをはぐのももどかしくそれを開ける。

「やったぁああ!」

 思わず万歳。
 季節限定、いちごタルト!!

「わーわーわー、嬉しい嬉しいっ! やったぁ笹塚さん大好きー!! ネウロも偉いっ、
 タルトは焼き菓子だから冷蔵庫に入れない方が良いんだよ、ここに置いとくのがベスト!!
 うわぁ、嬉しい嬉しいー!!」
「うむ。やはりそれが良い」
「ふえ?」

 一人こっくんと頷いたネウロを振り向く、私の手にはティーカップ。さっそくお茶を入れて
楽しもうと身体が条件反射で準備をしていた。ネウロはパソコンに向かってこっちを向かない、
別にそれを望んでもいないのだろう――あかねちゃんがお皿とフォークを出してくれる。
私は首を傾げて、ネウロを見る。

「何が良いの?」
「呼び方だ。そちらの方が、実によく馴染むぞ」
「なんで?」
「知らん」
118 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/01(日) 16:00:09 ID:Cak63Pwg

 ネウロは投げやりに呟く。

「少なくとも、あの刑事と同じように呼ばれるのは好かん」
「……ふうん」
「それだけだ、早く処理してしまえ」
「え、やだ、まったりこってり味わうもん!」

 私は思わずタルトを高く掲げて持ち上げる。変にゲテモノにされて堪るもんですか、
ホールでこのタルトを食べられるなんてそんな素晴らしいこと、誰が邪魔させたりするもんですか。
 応接セットのソファーに腰掛ける、あかねちゃんが入れてくれた紅茶にお礼を言う。
ネウロを見る、やっぱりその視線は興味なさそうで、パソコンに向かっていた。

「ねえねえネウロ」
「なんだ豆腐」
「なんでもないっ」
「そうかそうかそんなに刺されたいのか、よしよしよし」
「違う違う違う!!」

 うん、やっぱり私もこっちの方が馴染む。今更呼び方を変える方が、なんだかおかしいみたいだし。
 名前で呼ぶ、そう言う距離なだけだろう。叶絵みたいに、そういう距離。一日の半分ぐらいは
一緒にいるんだから、そうなってしまっても別におかしいことなんかないはずだ。なんだか自分を
説得してるみたいでおかしいけれど、別にやましくもないんだし。後で叶絵にも、そう反論してみよう。

 後であかねちゃんが教えてくれたことには、この時ネウロはお菓子作りのページを眺めていたらしい。
 笹塚さんが気に入らないのも、そういう距離なだけだろう。
 人間を見下すくせに変に対抗意識が旺盛なんだから、まったくもう。
119名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 16:02:01 ID:Cak63Pwg
終わり。穏やかと言うか青臭い。

ところで、ふとした思い付きで弥子とネウロの種族逆転もの
(魔人ヤコと人間ネウロ)のネタが出来てしまったんだが…
アイタタだけど、出来たら投下しても大丈夫だろうか
120名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 16:07:56 ID:GeFaxD2D
うわ、◆zero1/xkZ6さんの投下にリアルで立ち会ったよ。
超ラッキー。そしてGJ!!!
エロじゃなくても弥子カワエエ(*´∀`*)
そんで笹塚さんに対抗しようとするネウロもカワエエ
真昼から思いっきり堪能しましたっす。

魔人ヤコと人間ネウロっすか。
うわー、読んでみたい。
結構これまで色々なパターンを見てきたけど、◆zero1/xkZ6さんはどう書く
のか楽しみ。
121名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 16:33:12 ID:OuaxQKkZ
>>119
GJ!
笹塚さんに軽く嫉妬しつつもお菓子をちゃんと扱ってるネウロに萌えたw
ってか◆zero1/xkZ6さんシリアスもこういうほのぼの系も上手くてすごい。
あとストックしてたのかわからんけど執筆速度が速いのにも驚いた。

魔人ヤコと人間ネウロは投下前に注意書きがあればいいんじゃないかなと思う。
出来上がったらぜひ投下して下さい!
122名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 16:38:12 ID:boGw3TRR
エーロ・ゴシカァン!!
ありがとうございました(´:ω;`)また神々のお話が読めて幸せです。エロが無くても大変面白かったです!
◆zero1/xkZ6さんの書くお話はほんとにキャラが自然で・・・。本編が少年誌なんでありえないけど
【ネウロ】にこういう世界があったら、多分こんな感じなんだろーなと感じます。

種族逆転もの是非読ませて下さい。なんか斬新ですね!楽しみにしています。
123名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 17:02:33 ID:q7kfFufO
>>109-111
なんか困らせたみたいですまん
同じシチュでも書き手が違うと大分違うと思うんでできれば書いてみてくれると嬉しす

自分遅筆なんで遠慮なくドゾー
124名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 18:08:11 ID:paGAQp4J
>>92です。

>>95
それも好き。できれば嫉妬なしが読みたかったのであえてリクエストしてみた。

>>111
ありがとう! 楽しみにしてる!!
125名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 19:06:05 ID:JMNDHQUT
>>108
GJ!!!楽しみにしていた甲斐がありましたっ!!!!

>>119
本当、このクオリティ&執筆の早さは凄いと思います!!GJ!!!

本当、このスレにはネ申ばかりだ
12691:2006/10/01(日) 19:20:59 ID:kNJXWUwx
>>123
了解。じゃあ、ネウヤコが出来上がったらそっちも書いてみる。だが自分も結構遅筆…。悪しからず。

>>124
あまり期待しすぎない程度に楽しみにしてくれ。自分素人なもんで、期待通りにできるかは分からんが、頑張るよ。

そしてもう>>◆zero1/xkZ6氏はホント神だな。萌えた。
エーロ・ゴシカァン! は本当に効くみたいだなぁ……。
つーわけでエーロ・ゴシカァン!
127名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 20:22:06 ID:Cak63Pwg
みんな素人さー
物を言うのは萌え
12891:2006/10/01(日) 21:45:12 ID:kNJXWUwx
>>92>>97の意見をちょこちょこ取り入れたネウヤコ。
『弥子がネウロ嫌いですれ違い。でも甘め。シリアス』
色々矛盾点が生じてるかも試練。
というか書き慣れてないんで、所々おかしいと思う。先に謝っておく。スマソ。
129嫌われネウロ。:2006/10/01(日) 21:45:55 ID:kNJXWUwx

「ヤコ」
返事はない。
「ヤコ」
白い背中を撫でてみるが、僅かに身体が竦むだけで返答は返ってこない。
苛立つ。焦燥。
この手袋を外して、自慢の爪でこの背中に傷を付けてやろうか。
白い肌に紅い血はさぞ映えるだろう。
そこまで思い至って、嘲笑する。
何を馬鹿な。
そんな事をすれば、より一層嫌われるだけではないか。

人間界に降りて、随分とまあ臆病になってしまったものだ。
それもこれも目の前で不貞腐れているこの豆腐の所為なのだろうが。


130嫌われネウロ。2:2006/10/01(日) 21:46:33 ID:kNJXWUwx

パタン、と、ドアの閉まる音を聞いて、ネウロは顔を上げた。
弥子はひらひらとネウロに手を振ると、事務所の真ん中まで歩き、ソファに腰かけた。
「今日はいつもより早いのだな」
「早めに学校終わったから。……あー、それにしても今日はあっついなぁ……」
確か今日は真夏日。事務所内はクーラーがきいているが、外はまるで灼熱地獄だ。
さっきまで外にいた弥子にとっては、事務所はまるで天国。
少しでもクーラーの冷風を全身で受けようと、弥子はソファの上でもぞもぞと体勢を変えていった。
「芋虫のような動きだな、ヤコよ」
「うるさいなぁ…………あー、ここ。これが一番良い」
肘掛けに顎を乗せ、うつ伏せの状態でソファに寝転がる。
ほぅ、と、息を吐く弥子はとても幸せそうだ。
そんな弥子を眺めながら、ネウロは顎に手をやった。
舐めるかのような視線で弥子を見る。
「んー? なに、ネウロ……」
その視線に気付いた弥子が、机の向こうにいるネウロを見遣る。
ネウロは口角を上げると、椅子から腰を上げた。
ソファの前に立ち、ネウロが屈み込む。
「無防備だな。それとも誘っているのか」
そう囁いて、弥子の太ももを撫でると、弥子はびくりと身体を揺らした。
「ちょっ、ネウロ!」
咎めるような声も無視して、ネウロは弥子の上へと覆い被さった。
起き上がろうとしていた弥子だったが、背中から加えられる重さと圧迫に阻止される。
「や、やめてよ……」
「これが初めてでもあるまい。何をそんなに恥じる事がある」
今までも、ネウロと弥子はこの事務所で身体を重ねた。
回数は数えてはいないが、結構な数にはなるだろう。
「恥ずかしいとか……そんなんじゃないっ!!」
弥子が叫ぶ。
ネウロは片眉を上げると、僅かに身を引いた。
131嫌われネウロ。3:2006/10/01(日) 21:47:31 ID:kNJXWUwx
弥子の腰に馬乗りしている体勢で、ネウロが弥子を見下ろす。
言ってしまってから、弥子は我に返ったのか、息を飲んだ。
「……ほう? なら、何だと言うのだ」
弥子の肩が揺れる。
「ヤコよ。貴様が性交をしたがらないのは、恥じているからではないと言うのなら、何なのだ」
ネウロが、再び弥子に覆い被さる。
ギシ、とソファが音を立てた。
「……ヤコ」
弥子の耳元に唇を宛てがい、囁く。

「貴様は、我が輩が嫌いだからしたくないのだろう?」

弥子の身体が、震えた。




床に、弥子の制服が落とされる。
下着しか身に着けていない弥子の身体を、ネウロは眺めた。
弥子はうつ伏せているので、背中しか見えない。ひっくり返して仰向けにさせようかと考えたが、別に良いかと思い直す。
132嫌われネウロ。4:2006/10/01(日) 21:48:37 ID:kNJXWUwx
そして、足のラインを手で辿る。
膝から、太もも。
さらに、その上。
「……ぁっ」
弥子の足が跳ねる。小さく洩れた声を耳に入れると、ネウロは、弥子の下着を下ろし、床に散らばる制服の上へ放り投げた。
ネウロの手が、前に回る。
むき出しにされたソコを撫でられ、弥子の息が乱れた。
「んぁ……ゃ、あ」
「感じているではないか。嫌いな男に弄られていると言うのに」
「あっ、あ……!」
「……いやらしい身体だ」
つぷり、と、人差し指を中に沈められ、弥子は背中を反らせた。
ジュプジュプと音を立てながら指を抜き差しすると、弥子の声は段々大きくなっていった。
「あぁ、やああぁぁ……っ!」
次に、中指も挿入する。
二本目、三本目、と指を増やしていくにつれ、弥子が快楽に溺れていくのを、ネウロは感じ取った。
そして、にやりと笑う。
「本当にいやらしいな。快楽さえ与えられるのならば、相手が誰でも構わないのだろう」
「んあ、あ、あ…っ」
ネウロの言葉が聞こえているのかは分からない。それでも、ネウロは責めるような言葉をやめなかった。
「とんだ淫乱だな」
喉の奥で笑う。
ネウロは、空いている手でブラジャーを外した。
「ああああぁぁっ!」
乳首を摘むと、電撃が走ったかのように、弥子の身体が跳ねた。
「ひぁ、あっ…!」
あと少しで絶頂を迎える、という所で、ネウロは指を抜き去った。
「あ…………」
弥子が、ねだるような声を出す。
ネウロは、乳房からも手を離すと、ベルトを外し始めた。
133嫌われネウロ。5:2006/10/01(日) 21:49:17 ID:kNJXWUwx
カチャリ、という金属音に、弥子の身体が強張る。
それを眺めながら、ネウロはゆっくりとベルトを抜いていった。
「イきたいのだろう? その願いを叶えてやる」
ジ……と、音を立て、ズボンの前が開けられる。
そして、ネウロは、いきり立った自身を取り出した。
脈打つソレを、弥子の濡れた秘部に押し付ける。ビクリ、と、弥子の身体が震えた。
「や………やだ、ネウロ……」
弥子が、力なく首を振る。
ネウロはソレを無視して、ソレを一気に押し込んだ。
「や……ぁああああああっ!」
衝撃に、悲鳴が上がる。
甘い悲鳴が。
「ほう。嫌いな男のモノも、簡単に受け入れるのだな。まったく嫌がっていないぞ、お前のココは」
「ぁあっ…!」
『ココ』が何処かを指し示すかのように、ネウロが突き上げる。
内部の擦れる感覚は、快感しかなくて。
今まで何度も繰り返されてきた事だったが、いつだって、沸き上がるのは快楽のみ。
ヨくなかった事なんて、一度も。


腰を揺らしながら、ネウロは弥子を見下ろした。
弥子のまとう雰囲気に、舌打ちしたくなる。

身体は、自分を受け入れているのに。

心は拒絶するばかりだ。

134嫌われネウロ。6:2006/10/01(日) 21:49:58 ID:kNJXWUwx

「あ、ああ、やぁ……っ!」
「ヤコ」
「んぅっ…」
「ヤコ」
「は、ああぁ」
「………名前、を」

少女の身体を抱きすくめる。
細い身体は、今にも折れてしまいそうな。

「名前を呼ぶのだ」

僅かに香る汗の匂いに、情欲をそそられる。
腰の動きを、まずます激しくした。

「我が輩の名前を」

少女は首を振る。
拒絶する。

「呼べ、ヤコ」

懇願。
それすらも少女は。

「…………ヤコ」

拒絶する。


「あぁっ、ゃああ……!」
「ヤコ」
「う、んあっ、ふぁ…」
「ヤコ、ヤコ」
「あっ………、あああああ……っ!」
「…ヤコ…………」

少女の名前を呼び続ける。
そうすれば、自分の名前を呼んでもらえると信じて。
少女の名前を呼び続ける。


それでも、少女の口から自分の名前が零れる事はなかった。


135嫌われネウロ。7:2006/10/01(日) 21:50:49 ID:kNJXWUwx


「………ヤコ」
服装を整える。
ベルトを手繰り寄せながら、目の前の豆腐の名前を呼ぶが、返答はない。

我が輩の名前を呼べば、我が輩がお前を抱いているのだとしっかり認識させてやれるかと思っていたのだが。
強情だ。
……それほど、我が輩を嫌っているという事なのだろうが。

「ヤコ。いい加減、返事をしろ。ヤコ」
「………」
無言で、首を振る。
……何ともまあ頑固な豆腐だ。
「服ぐらい着ろ。それともまだ物足りないか」
床に散乱している衣類をかぶせると、ようやくヤコは身体を起こした。
「…………腰痛い」
やっと口を開いたかと思えばソレか。
「その歳で腰痛持ちとは苦労するな、ヤコよ」
「あんたの所為でしょうが……」
茶化してやると、呟くように文句を垂れてきた。
「あぁ、そうだな。確かに、我が輩がお前を抱いたのが原因だな」
「…………」
苦虫を噛み潰した顔、とでも言うのだろうか。こういうのを。
眉を顰めたヤコの顔を見て、笑う。
「お前は本当に我が輩の事を嫌っているな」
「…………」
「まあ、それでも良いがな」

本音は分からない。
本当にそれでも良いと思っているのか、否か。
ふむ、ヤコの心は分かるというのに、自分の方は分からないというのも謎だ。
食欲は沸かないが。

「……ほら、服を着ろ」
溜息を吐きながらそう告げると、ヤコは頷いて衣類を身に着け始めた。



椅子に腰かけ、服を着るヤコを眺める。
この豆腐が、いつか我が輩を愛する時が来るのかどうか。
それは分からないが、今はまだこのままでいい。
傍にいるのであれば、嫌われてようが何だろうが構わない。
愛される事よりも、今はまだ、傍にいる事を望む。


……終わっとけ。
13691:2006/10/01(日) 21:51:23 ID:kNJXWUwx

かなり未熟な文でスマナイ。
でも頑張った。それだけは認めてくれ。
リクエストには萌えたんだが、いざソレを形にするとなると難しいな……。
精進する。
137名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:52:20 ID:Cak63Pwg
ネウロ切ないなー…
頑なに耐えるヤコたんもえす(*´Д`)
138名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:32:02 ID:c/yy7Tym
>91
GJ!リクに答えたおまいさんに拍手!
ネウヤコもエス(*´Д`) カンジルヤコアンエロス
139名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:55:14 ID:4pD3C98F
やばい・・凄くツボだ・・GJ!ラブラブも好きなんだが
いいなこれ。ネウロがせつな過ぎる・・

ここはホントに神が多いなあ。
もう・・泣き濡れて・・頬染めてエブリナイだよ。
140名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:08:44 ID:paGAQp4J
>>91
早い、早いよ、ここのネ申たちは! そしてGJ!
こういう乾いた感じで切なさを醸し出すのが読みたかったんだ。
ネウロとヤコにそれぞれ違う空しさが出てていい。

リクエストに期待以上のもので答えてくれてありがとう!
次作も書くなら期待してる。エーロ・ゴシカァン!
14197:2006/10/01(日) 23:14:35 ID:W0OzehYh
>>91
うぉおおおおおおお!
自分の希望を聞いてくれるなんて優しい御方なんだ!
もう全てにおいてGJ!!
ありがとう!切ないネウヤコは良い!!神が多すぎだなこのスレは・・・・
まだ連載一年ちょっとの作品なのに、エロパロが豊富だなぁ。
142名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:20:14 ID:sDuuEJnt
GJ!!切ねぇー!!!泣くよ全く
名前の下り最高です!!
143シンプルマインド:2006/10/02(月) 00:09:37 ID:R57tWqhB
すまん、何かこんなの出来た。
特にテーマはなし。

結局のところ、本音は好きに扱える奴隷が欲しいだけ。
ネウロの欲望は本来魔界仕様なので、常に分かりやすいものだ。
この世界で愛や恋などと証するものもそれに類するのだろう。
ただ、この卑小でありながらやけに繁殖能力のある種族が跋扈する世界においては、どうしてもこ
の意思は届きにくくなる。肝心の奴隷対象にですら。
何と厄介なことだと吐き捨てても、元々が住む世界の異なる種族同士のことだ。どう足掻いたとて
それぞれの意見の擦り合わせは必要になる。面倒この上ないことだが。

弥子が望むものをネウロは知らない。
愛や恋の概念そのものは魔界にもあったが、どちらもこの世界で常識とされるものとは著しく逸脱し
ている。その相違に、ネウロ自身がまだ慣れてはいなかった。
ゆえに、弥子が望むものは与えることは出来ない。
今のところは。

「で」
恨みがましげに見上げる顔は、ひどく不満そうだった。
それもそうだろう。この時期、コンビニに山と並ぶ新作菓子とやらを袋一杯買ってきた弥子はソファー
に座るなり、すぐに食べるつもりでいたのだ。わくわくしながら最初の箱を開けるところで襲ってやっ
たので、不機嫌極まりない。
しかし、ネウロは割と気分が良かった。
「このいたいけな女子高生の、ささやかな楽しみを奪う代償は?」
せっかくこの世界に来て、選んだのは存外思い通りになってもくれない女だったが、今日のところは
特別気にもならなかった。この睨み上げる目がいい。
「それはこれから充分に味あわせてやろう、ヤコ」
「いつも勝手なことで」
毎日のように繰り返される言葉の応酬も、最近では互いの間に余裕が生じている。口の端に乗る
言葉にならない感情が淡く弾けているのが分かった。
「今日中に食べたかったお菓子より、それは美味しい?」
その時だけは女そのものの濃密な艶を視線に乗せて、弥子は軽く笑った。最初は只の陵辱にしろ、
魔人を咥え込んだことで内なるものに凄まじい変化を遂げている女に否応なく引き込まれているの
を感じている。
不確定だが、ごく近いうちに、弥子が望むものは叶えられそうでもあった。


144名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:56:15 ID:DcaM13v3
>>◆zero1/xkZ6氏
前スレで穏やかなものも見たいと言った者だが、ありがとう!!
エロなしでもここまで書ける、あなた本当凄いな。読めてうれしい。

>>129
乾いた切なさがいい!! 報われないネウロがかわいそうだな。泣ける。

>>143
タイトル通りシンプルにまとまっててうまい! GJ!!
慣らされて妖艶な弥子モエ。


自分エロパロはここぐらいしか読んだことないんだが、他もこんなに
レベル高いのか? よくわからんが桁が違う気がする・・・
14591:2006/10/02(月) 00:58:08 ID:nnh66L9W
>>143
GJ!弥子色っぽいよ弥子。

さて、自分の未熟な文でも褒めてもらえて嬉しかった。ありがとう。
だがな、実は、『ネウヤコすれ違い』で、


inお祭り

弥「はぁ……。なんで折角のお祭り、ネウロなんかと一緒に来なくちゃいけないの……」
ネ「そんなもの、謎を発見した時、素早く対処するために決まっている」
弥「せっかくのお祭りなのに……」
ネ「まあ、『デート』も兼ねているわけだが」
弥「………うわぁ嫌」
ネ「素直でないな。嬉しいくせに」
弥「嬉しくない! ……あ、焼き鳥だーv」
ネ「色気より食い気か」
弥「うるさいなぁいちいち……。そういえば、ネウロの本体って、鳥だよね? 頭」
ネ「……まあソレに近い形状はしているな」
弥「じゃあ、腹いせに、この焼き鳥をネウロだと思って食べてやる!」
ネ「ふん、やれるものならやってみろ」
弥「ムカつくなあ……。…いっただきま……」
弥(うっ……! この焼き鳥をネウロだと思うと、なんか凄く恐い…! お腹壊しそう……っていうかそれだけじゃ済まなそう…………!! うわあぁぁぁ……)
弥「……や、やっぱりやめとく……。食欲失せた……」
ネ「そら見た事か。愛している者を食べられるはずがなかろう。これが愛の為せる技だ」
弥「いや、……うん、まあ、…うん……。そういう事にしておく……(小声)」


っていうのも考えていたんだが、いやコレは何か違う、と思い直した。
146名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 01:10:39 ID:R57tWqhB
>>144
エロパロスレはまさに玉石混合。
これといった職人が集まらずに落ちるスレもあれば、神が集うスレもある。
ここはその中でもトップクラスじゃないかな。
神作品のレベルといい、投下される頻度といい、みんながこの作品を愛して
いるからイマジネーションが湧くというのを、ひしひしと感じる。

>>91
すれ違いと言いながら、これもかなりカワエエ
147名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 04:12:42 ID:cv7cVn1K
ここはまさに ネ申 の集うスレだと確信した。

一日にこんな投下あるなんて思ってなかったよ!
皆GJまじ!!どのネウヤコも美味しく頂いた!!
まじ呪い聴いてんだよこれ。さすが魔人スレだ。
エロ・ゴシカァーン!
148名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 10:44:46 ID:gzZia9Ug
一日見てなかっただけでなんだこのスレ…!
もう神無月だというのに、ここには神が絶えないじゃないか!
感想とかいちいち書きたいけど書いたら長文ウザくなるからやめとく
代わりにまとめてエーロ・ゴシカァン!!
そーれもいっちょエーロ・ゴシカァン!!
149名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 12:26:04 ID:J2rARpAW
エーロ・ゴシカァン!!【ネウロ】はネ申に愛された作品
150名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 14:17:14 ID:GyNAOT1g
冥土喫茶てほんとにあるんだな。驚き
151名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 15:54:25 ID:fC+JDbYT
>>150
イッペン、よってみる?

ここは出雲なんだと思うことにした。
八百万の神のなかでいま一番敬いたし!
エーロ・ゴーシカアン
152魔人探偵☆脳噛ヤコたん:2006/10/02(月) 18:22:11 ID:H9/Af8hB
誰も居ない…イタいことするなら今のうち…

>119で書いた、魔人ヤコと人間ネウロの話投下します
脳内設定が若干入り込むので、苦手な人は飛ばしたって下さい
153 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:22:46 ID:H9/Af8hB
 その少女が降って来たのは、父親を殺した男を告発しに行く直前だった。
 リビングの天井付近、電灯の明かりが揺らいで、現れたのは少女の形。
 そして。
 それは豪快に、我が輩の上に落ちてきた。

「ネウロ」

 事務所の机に向かう椅子の上にちょこんと座り、パソコンの合間からヤコが我が輩を呼ぶ。
常々言っているのに止める気配の無い体育座り、カムフラージュのために着用している
都内の高校の制服。辺りに浮かせた目達に情報の吸収を任せながらこちらを見ているのに、
我が輩は食っていた棒付き飴を手に取った。応接セットのソファー、膝の上のパソコンは
株の情報を映している。
 事務関連はあかねが済ませてくれるから、我が輩の生活はヤコが来る前となんら変わって
いない。唯一、この探偵事務所で過ごす時間が出来ている以外は。

「なんだ、ヤコよ」
「私ってばすっごくすっごくお腹が空いてるのね。そんな私の前で無遠慮に食料摂るの
 やめてほしいなーって常々言ってると思うんだけど、ネウロ的にそれについて思うことって
 ないのかなっと」
「ほう」

 我が輩は立ち上がり、大股でヤコに近付く。別の方向に向けられている視覚に集中している
のかそれとも単純に感覚を広げるのが苦手なのか、我が輩はその無防備な口に手を伸ばした。
ぐいぐい引っ張ると小さな牙が覗く。最初は驚いていたそれも、今では大して気になるものではない。
 ぎりぎりぎりっと広げてやると、やっと感覚をこちらに向けたらしいヤコがいだだ、と声を漏らした。
酸性の唾液でも構わないようにつけている、革の手袋が焦げるニオイが少し立ち上る。じたばた
暴れて下着が見えそうになるのに手を離してやると、ヤコはフライデーの視覚を遮断して我が輩を
見上げる。
 元から大分身長に差があるものを、椅子に座っているのではまるで巨人と小人だ。ぐーっと首を
上げてくる様子を笑って、我が輩は机に身体を凭せ掛ける。少しは見やすくなっただろうか、
しかしそんなことは気に留めず、ヤコは腕を振り上げた。
154 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:23:20 ID:H9/Af8hB

「奴隷人形のくせに主に向かってなんてことすんの、フェミニズムの欠片もないんだからっ!」
「その奴隷にエサを恵んでもらわなければ食事にもありつけない様子の魔人が何を言うか。
 魔界の謎を解けずに空腹で行き倒れ、こちらに飛んできたもののやはり解けず――なんだ、
 また推理小説など眺めているのか。物語の探偵が解いているのを見たところで、
 腹など膨れはせんだろう」
「あんた達で言うところの料理雑誌見てるようなもんなのっ! あー、見てたら余計お腹空いた
 ……ネウロ、早く謎拾ってきてよう」
「貴様が探さねば脚を運ぶ場所もあるまい」

 図星を突かれて不満なのか、ぶううっと少女の容貌で魔人は唇を尖らせた。

 魔人を自称するこの少女の名前を、桂木弥子と言う。こちらの世界に合わせて名乗っている
だけの名前なので真偽はわからないが、だからと言って別に不便があるわけでもないから
構わないだろう。魔界の突然変異、謎を解いてそれを食らうことが糧となる変異亜種。
 なのだが。
 断言して言うが、この魔人は頭が悪い。知識量が圧倒的に不足していて論理がまるで
立てられず、状況と証拠を眺めてもそれを頭の中で関連付けることが出来ないのだ。
具体例を上げると、我が輩ならば半分読んだ辺りで犯人の見当がついてしまう推理小説の類を、
力いっぱい解決編まで読んでもまだよく判らないほど。
 そんな様子なので、魔界で餓えてどうしようもなくなったらしい。別世界の謎ならば多少は易いかと
こちらに来て、その最初の場所は我が輩の家のリビングだった。豪快に落ちてきて、押し倒した
我が輩の胸倉を掴んで――言ったことには、『その謎解くなら食べさせて!』。
 父親を失ったことを忘れるほどの衝撃に、思わずアルゼンチンバックブリーカーを掛けてしまった。
あれは腰に来た、この身長差で。

 以来居付かれ、今はこうして探偵事務所まで手配してやっている様だ。幸い金には困っていない
からまあ良いものの、こちらにはデメリットばかりが向けられている気がする。今のように食事を
していれば絡まれて、謎の気配に間に合わなければ喚かれて。探偵業も、助手とは名ばかりで
我が輩がすべての事件を解体してやっているのだから、最近は取材の申し込みを断るのが
面倒なぐらいだ。――名探偵脳噛ネウロ、また事件を解決か。まったく。
 風体は女子高生だが、まるでこれでは子供だ。子供は嫌いだ、煩く喚く。こいつも然り、
のはずだが、こうして律儀に出勤をしている辺り、そうでもないのかと思う。それとも、
我が輩が慈悲深いだけなのか。
155 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:23:56 ID:H9/Af8hB

「お腹空いた空いた空いたぁあー……あかねちゃんの謎食べちゃいたい」
『ヤコちゃん、解いてくれたら嬉しいけれど、何か手がかりでもあるの?』
「有能な探偵さんが解いてくれるよっ!」
「貴様が反応しないものをどうして我が輩がどうこう出来るか。大体、ここは以前金融会社が
 使っていただろう。何かしらの遺留品があったとしても、そやつらの生活に掻き消されて
 どうにもならん。相変わらず短絡な豆腐頭が」
「ご主人様って言え、この馬鹿ー!!」
「ほう馬鹿と言ったか」

 頭をがっしと手で掴んでやると、ヤコはじたばたとまた暴れる。今日の下着はいちごか。
買い与えているのも自分だからどうこう思うことはないが、もしやの人目を考えて離してやる。
ヤコは膝を抱えて、ごはんごはん、と妙な歌を呟く。

「ネウロばっかり食べてずるんもん。ネウロ絶対人より大食いだよ」
「貴様の食い意地には負ける。大体こちらは日常の仕事はもとより、貴様に非日常の探偵まで
 押し付けられているのだぞ? カロリーを摂らなければ頭が上手く働かないことなど常識だ。
 もっとも、貴様の軽い軽い頭では実感出来ないだろうがな」
「……イビル」
「道具を使うとまた腹が減るぞ、懲りないやつめ」
「あううー。フライデー、謎探してきてよぅ」

 しくしく、泣きながらヤコは周囲で飛んでいたのフライデーを外に飛ばした。それから我が輩が
手に持ったままの飴を見て、うげ、と声を漏らす。

「よくそんな人工甘味料だらけのものなんか食べてられるわね、人体は鈍感だからそんなもの
 でも消化吸収出来るんだろうけど、繊細な魔人の私にはとっても無理だわ」
「ほう、それ」
「んむぐ、あぐぐ!! おぇッ、無理に口に突っ込むなー!!」
156 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:24:30 ID:H9/Af8hB

 口に突っ込んだと言うよりは喉まで突っ込んで攻撃したつもりだったのだが、変なところで
防御力が強いらしい。酸の気配を見るために軽く手袋で触れてから、我が輩はチュッパチャップスを
口に戻した。やはりいちごミルクが良い。コーヒーフレーバーも好きだから、後でこの魔人に
買いに走らせるか。大体何もしない助手の分際で、所長用の椅子に座っているのが生意気なのだ。
行かせた隙にこの席も奪うとするか。
 げぇえっと舌を出して気持ち悪そうにするヤコに、我が輩は興味本位で尋ねてみる。

「魔人の舌にはそんなにも不味いものなのか? こちらでは一般的に美味……と言うよりは、
 甘いものなのだが」
「私は脳髄で味わう魔人なのっ!」

 えっへん。
 張られた胸は薄い。ぽむっと掴んでみたが、平らで掴める場所も無かった。ぎゃーぎゃー叫んで
腕を振り回すのを適当にいなして宥め、我が輩は続きを促す。しかし、身体の形が自在ならば、
もう少しどうにかしようとは思わないものなのだろうか。

「だから、味覚はそれほど発達してないって言うか……そもそもこっちの食料は人工物ばっかりで、
 そっちを苦いって思う方が強すぎるのよっ! 消化は出来ないけど、他のもっと天然のもの
 だったら、それなりに口に含めるんだから。ご飯とか」
「天然とは、贅沢なことだな。果物の類ということか?」
「うんうん、そんな感じ。あとは」

 ぴょんっと立ち上がったヤコが我が輩を見上げ、細い腕を首に回してくる。
 引き寄せられて、はむっと噛まれたのは――首筋。
 ぞくりと背筋が粟だって、思わずそのまま背中を抱き締める。
 ――そしてバックドロップ。

「いったぁぁあぁぁあ!! ちょ、女の子にそんなことして良いと思ってるのあんた!?」
「悪いが人間以外の女にそれほど優しくしてやる意義は感じないな。ついでに言うなら貴様は
 女ではなく子供だ、人に噛みつくような輩には多少の暴力を持って鉄拳制裁としてやらねば
 ならんだろう。躾の基本だ」
「それは子供って言うかペットに対する扱いでしょ!? ちょっと味見しただけなのにっ」
157 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:25:05 ID:H9/Af8hB

 ひっく、涙目で頭を押さえながら睨みあげるヤコを無視して我が輩はソファーに戻る。
株価の変動はなし。仕事の依頼のメールも特には無い。とてとてと背中から覗き込んできたヤコは
興味深そうにしているが――理解は出来ないだろう。新聞に載っていた高校受験用問題も、ろくに
解けない様子だったし。知識の無い状態でグラフばかり眺めても、どうこう意見の出るものではない。

「なんだ、今度はパソコンでも味見したいのか。それなら貴様にくれてやった方にしろ、
 もしかしたらリンゴの味がするかも知れんぞ」
「ロゴがリンゴだから? そんなことあるはずないでしょ、そのぐらいは知ってますーっ!」

 ぷううっと膨れて、ヤコはまた我が輩の首に腕を回す。先ほどとは違って後ろから抱え込まれる
ようにされて、頭には顎がこつんっと乗せられた。貧相な胸が僅かに後頭部に当たって、
髪が乱れるのがこそばゆい。

「ネウロはあんま美味しくない味だね、なんか塩っぽくて。汗とかの所為かなあ」
「……貴様の言う天然と言うのは人体も含むのか」
「うん、口に含んで楽しむ分には不可能じゃないからね。でもほんと、この飴やめてよー。
 ニオイもなんか変で、あんまり好きじゃないの」
「貴様の好き嫌いなど知ったことか」
「言うと思ったけど、あんたって本当に私の奴隷になってくれる気ないよね」
「当たり前だろう」
「ならさ」

 ヤコの顔が目の前でさかさまになる。
 頭も悪くて道具もそれほどは使えないが、こうやって浮かぶのは得意らしい。
 スカートが捲れるとは、三度以上忠告したのだからもう言わなくて良いだろう。

「なんで謎、解いてくれるの? あんた頭は良いけど別に探偵とかするつもりはなかったんでしょ?」

 じぃ、っと頼りない様子の目に見つめられて、
 癪に障ったから口付けで息を塞いでやった。
158 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:25:40 ID:H9/Af8hB

「ん、んぐ、んぐんぐんぐんぐ!!」

 一緒に含ませた飴玉が不味いのか、ヤコは飛ぶのを忘れてじたばたと暴れた。落ちてきた
身体を受け止めてソファーの上に置き、上半身を膝の上に乗せて、したすらに唾液を送り込んで
やる。ヤコの嫌いな甘い味をたっぷりと含んだ唾液だ、さぞや苦しいだろう。床に落ちそうになった
パソコンは、あかねがキャッチしてテーブルに置いてくれた。それからそっと壁に隠れていく。
 ぐちゅぐちゅと音を立てて深いキスをする。目をぎゅうっと閉じて暴れたヤコが、観念したように
こくんっと喉を鳴らした。我が輩の唾液を受け取ったのだろう――飴は突っ込んだままで、口を離す。
最後の嫌がらせで、舌で口唇にも唾液を塗りたくってやった。つつ、と引いた糸に、ヤコは真っ赤な
顔で睨んでくる。吐き出した飴を、我が輩の口に突っ込んで。

「な、んてことすんの、にっがぁああ! こういうの甘く感じたり出来ないって、言ったばっかり
 だったのに! ばかばか、ネウロのばかばかばかー!!」
「喚くな単細胞のミジンコめ。貴様が人の仕事の邪魔をするからだろう、早く我が輩の膝から
 退くが良い。下らない小説でも読んで、精々腹を鳴らしていろ」
「意地悪、変態、ドS! んっもー、あかねちゃんおいでっ! トリートメントしてあげるんだからっ!」

 ぷんぷんと背中を向けるヤコを眺め、我が輩は喉を鳴らして笑いを漏らす。
 我が輩を奴隷にしたいらしいのに、実際の奴隷はどちらだかまるで判らない。良いようにされて
いるのはあちらの方だ――同時に、こちらの方でもあるのか。矛盾がおかしくて笑えてくる。
人間と同じ、それよりも柔らかいような口唇。広がっていたのは、こちらにばかり甘い味。
なんとも、象徴的な。
 開いたパソコンには、あかねからのメッセージ。『いじめすぎちゃ駄目だよ』、なんて。

「苛められてるのはこちらの方だろう?」

 ブラウザは閉じてシャットダウン。取り出した携帯で警察の知り合いに事件の有無を伺う。
せめてご機嫌取りに、腹を満たしてやる謎をくれてやろう。我が輩は心が広い、人間なのだ。
幼い魔人よりもずぅっと、余裕もある。だから、少し苦しい。
159 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:26:15 ID:H9/Af8hB

 父が死んだあの時、自分は悲しみと言う気持ちの代わりに好奇心を翳して犯人を突き止めた。
もしかしたらそうしなくてはダメージが大きくて立っていられなかったのかもしれない。でもそこに
やって来た魔人はあまりにも突飛で、そちらの方に意識が持っていかれて。
 少し泣きそうにさせられたのが癪だったから、バックブリーカーを繰り出した。
 父がいなくなったはずの家は、なのに暮らしている人数が変わっていない。
 だから、我が輩も別に悲しくはない。人としての質には大分違いがあるが、どうやら家族の
ようなものとして、認識しているようだし。

「ヤコよ、あかねの世話が終わったら出かけるぞ。笹塚が良い事件に当たっているらしい」
「ほんと!? やったぁ……って、あかねちゃん拗ねないで! もう、適当になんかしないからー!!」

 幼い魔人の少女の声が響いてくる。我が輩はそれを聞きながら、ぼんやりと空間を感じていた。
 天然か。これからは甘味も、キシリトール中心にしてみるかな。
 釣られて口に吸い付いてきたら、たっぷり愛でてやるとしよう。
 今度はお互いに甘くなるように。
160 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/02(月) 18:28:23 ID:H9/Af8hB
補足:ネウロは二十代半ばのネオニートで一人暮らし
   現在ヤコたん居候中。同棲生活。公的には従姉妹扱い。
   刑事達には色々噂されてる。色々。カジヒデキか、とか。

なるべく関係性はそのままで種族だけ逆転になるようにしたかったんだけど、
案外難しいと気付いたorz
あと、なんか地味に続くらしいですよ
161名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 18:57:21 ID:ww2LQMbB
160>>
ネオニートをオナニートと読んでしまった漏れはもう末期
162名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 21:17:48 ID:F71iIxum
魔人ヤコの可愛さと人間ネウロの知的クールさに萌え死んだ。
新スレも神が多くて何よりです。

ところで・・このスレでちょっとしたイロモノな自分は
お馬鹿なネウヤコを書き上げてしまったんだが・・
投下してもエーロ・ゴシカァン?
163名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 21:23:42 ID:QS4G02Fy
誘い受けは嵐の呼び水
黙って落として、君も神となれ!
164名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 21:24:48 ID:QS4G02Fy
>>160
おもしろかった。
エロに突入すんのが楽しみ。
165162:2006/10/02(月) 21:37:26 ID:F71iIxum
よし・・じゃあ投下するよ。

テンション高いから注意してくれ。

テーマは逆襲のヤコ。
166下克上1:2006/10/02(月) 21:39:00 ID:F71iIxum
昼下がりの探偵事務所・・女子高生が涙を滲ませながら
細い首筋にアンメルツヨコヨコを塗る姿は芭蕉も一句詠みたくなるほど風流である。
『・・・痛たたた・・』
今日も退屈を持て余したネウロに覚えたてのプロレスの技をかけられ、このザマなのだ。
一体何故・・この平和ボケした日本でこんな危険な目に遭っているのは弥子と
全盛期の三沢光晴くらいである。
しかし、三沢にはエルボーがあるが貧相で丸腰の女子高生・弥子にはネウロに
反撃する術は何一つ無い。
『・・・もう嫌・・こんな生活・・』
飲んだくれ亭主の妻のような台詞を吐き、弥子はがっくりとうな垂れた。
そこへ高田純次よりうさんくさい笑みを浮かべたネウロがじりじり近寄ってくる。
『痛そうだな・・ヤコよ』
『・・あんたのせいでしょ!』
弥子は涙目でキッと睨んだ。
『・・そうかそれなら我が輩が直々に癒してやろう』
そう言うとセクハラ部長よろしく制服の上から弥子の身体を撫で回し始めた。
『・・あっ・・あんた散々プロレスの相手させておいて・・今度はこっち?この鬼畜!』
『む・・失礼な・・スピッツの歌詞のような我が輩の純愛が何故伝わらん』
『どこがだよ!・・謝って!スピッツとファンに謝って!・・ってああっ・・』
そんな抗議も虚しく今日もまた――誰も触れない二人だけのちょっとアレな国
ネウロビンソンに弥子は連れて行かれてしまうのであった。

・・・・・・また流されてしまった・・・・・・・・・
すっかり乱された制服を整えながら弥子は溜息をつく。
当のネウロは事を済ませて満足した後、小さな謎の気配を感じたのか出掛けてしまった。
・・カタカタ・・《・・・お疲れ。弥子ちゃん・・でもあれがネウロさんの愛情表現だから・・》
心優しき長い友達が精一杯のフォローをしてくる。
『・・・・ありがとう・・あかねちゃん・・中立の立場も大変だね』
力無く笑いながらお菓子に手を伸ばす弥子。
ああもう溜息とか食欲とか食欲とか食欲とか色々止まらない。

――ああなんかこのままじゃ駄目だ!ていうかもうぶっちゃけ一度でいいから
あのドS魔人、ギャフンと言わせたい!そしてもっと大切に扱え!
弥子のヒートアップは加速する。何か無いのか?――奴の弱点は。
おもむろにテレビのスイッチを入れる。
{ ・・ただいま○×動物園に来ています。・・・これは珍しいカピバラ!可愛いですね〜 }
――カ ピ バ ラ――・・・・・・・これだ!!!!ふははははははは!!!
・・・カタカタ《・・や・・弥子ちゃん・・ヒロインの顔じゃない・・》
越後屋より悪そうな弥子にあかねちゃんは怯える。
167下克上2:2006/10/02(月) 21:40:14 ID:F71iIxum
『――動物園?いきなりどうしたのだ?』
事務所に戻ったネウロは突拍子もない誘いにきょとんとする。
『だから・・行きたいの!たまにはいいでしょ?』
『ふむ・・しかし・・節足動物の貴様から見れば
 遥かに格上の者ばかりで惨めになるだけだぞ?』
――おい!人間だってば!心の中で突っ込むだけで我慢し、
出来るだけ殊勝に弥子は振舞う。
『・・ちょっと動物で癒されたいの・・嫌だったら一人で行くからいいよ?』
ネウロはしばらく考え込んだ後、思い立ったように口を開いた。
『――気が向いた。なので我が輩も行く・・思いがけない謎に出くわすかもしれん』
・・ほら釣れた・・さあ乗ってきた・・結局は弥子を監視下に置いておきたい魔人なのである。
『じゃあ明日、日曜だから・・朝10時に事務所ね』
そう言った後、企み笑いをする女子高生に魔人は気づいていなかった。

・・・・・だが美しいキューティクルの彼女は気づいていた。
《・・ああ・・・・そんなに上手くいくかなあ・・・・》
弥子の幼稚な逆襲計画に一抹の不安を覚えるあかねちゃんであった。

――その夜。
『・・っしゃあああああ!みてなさいよ・・ドS魔人!』
布団を被り異常なテンションで意気込む弥子。
xxxxxxxxxxxxxxここから弥子の妄想xxxxxxxxxxxxxxxxx
「ああ・・先生・・今まで無礼を働いて申し訳ありませんでした」
・・黒目の助手顔になっておどおどするネウロ・・
「・・はっ・・今更謝っても遅いんだよ!この魔界生物が!」
「・・ああ・・先生・・どうか僕にご慈悲を・・」
「おら!さっさと王美屋のフルーツケーキ買って来い!鳥!」
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx
『・・ふっふっふっふ』

一方その頃。
『・・はあはあ・・桂木・・ダメだろ・・そんなカッコしちゃ・・お前って意外と・・』
――匪口アイコラ製作中。

『あ・・弥子ちゃん・・まずいだろ・・ここ病室・・』
――笹塚病床で妄想中。

『・・・・なんっか最近貧乳が気になるんだよな』
――吾代コンビニでエロ本、物色中。

それぞれの夜が更けて行った。
168下克上3:2006/10/02(月) 21:41:15 ID:F71iIxum
――そして当日。
『・・・おいヤコ見てみろ!レッサーパンダが立ってるぞ!』
・・・キャッキャッとまるで弥子に悪戯をする時のような
無邪気な黒目顔でネウロは思いのほか楽しんでいる。
【・・あ・・あれ〜なんか意外と楽しんでる・・あれ〜?】
ここにカピバラがいる事など夢にも思っていないのだろう。

『・・ああ〜う〜んねえ・・可愛いね・・』
今日の目的は唯ひとつだが、可愛い動物を目の前にすると
癒されるのも確か。しばらくは一緒に楽しもうと弥子は思った。
【あ〜まったく・・いつもこうなら可愛気もあって無害なのに・・・】
隣ではネウロが好奇心いっぱいで猿山を見ている。
『見ろヤコ!道具を使ってバナナを取ったぞ・・やはり貴様より賢いな!』
『・・・あ?』
【・・・・糞っ!前言撤回!ああ・・でもこんなに楽しんでるのに・・】
心の中で憤慨しながらも子供のようにはしゃぐネウロを
見上げながら微かに罪悪感が・・・いやいやいや駄目だ!
こういう所が甘いんだ!いつももっと酷い事されてるじゃないか!
弥子は自分に言い聞かせると決意を固めたのだった。
【・・・よ〜し・・】
一呼吸置いて話しかける。

『・・ネっ・・ネウロ!今度あっちの方行こうよ!』
がっしりと腕を掴みぐいぐいと弥子は引っ張る。
『む・・・何なのだ?』
珍しく強引な弥子だがネウロ的には悪くないらしい。
・・そうして連れて行かれた先には一つのコーナーが・・・

――カピバラ――ヤマアラシ亜目・カピバラ科。最大の齧歯類。
・・・似ている芸能人=森三中・村上。なんと堂々たる風格。
弥子はそろーりとネウロの様子を伺う。その表情が微妙に硬い・・・
【やった!・・き・・効いてる?効いてる?】
内心有頂天の弥子に目もくれず俯くと、そのまましゃがみ込んでしまった。
【ああっ・・計画通りっ!】
素敵なノートを拾った主人公の様な邪悪な笑みを浮かべ
弥子は勝利を確信する。根拠の無い勝利を。
169下克上4:2006/10/02(月) 21:42:19 ID:F71iIxum
『・・ネウロどうしたの・・具合悪い?・・少し休もうか?』
しゃがみ込んだネウロに弥子は優しく手を差し伸べる。
残酷な女神の様にそれは優しく。
ネウロはその手を無言で取ると立ち上がり、繋いだままズカズカと歩き出した。
『・・・ちょっ・・ネウロ!どこ行くの?』
進むのは園内の奥の奥の方。ネウロの足は止まらない。
引っ張られるままに弥子がついて行くと、動物の檻やコーナーからは
少し離れた小屋のような所に辿り着いた。
ボロボロで扉も無い。おそらく以前は動物がいたのかもしれない。

中に入るとネウロは木製の塀のようなものに腰を下ろす。
その表情は相変わらず硬く、無口だ。そしてその額には珍しく汗が出ている。
【・・うわあ・・予想以上の効果・・こんなとこまで来ちゃって・・大人しいし・・
  やっぱあれだよね・・・・動物とかって弱ると人目につかない所に行くって言うし・・】
優越感と母性本能の混ざったような気分でハンカチを取り出すと
弥子はネウロの汗を拭おうとした――その時。
ガシッと音を立てて弥子の手首が掴まれた。
『ひゃっ・・・??』
ゆらゆらとゆっくりネウロが顔を上げる。

『――どういうつもりだ、ヤコよ?』

爽やかな満面の笑みとは裏腹に髪の毛は逆立ち、凶悪なオーラを放つ。
そのまま立ち上がるとその長身の姿にいつもより迫力が増していた。
『・・へ・・ええ?・・な・・何で』
大量の冷や汗が弥子の背中を伝う。
予想外の展開に呂律もあまり回らない。
『――何で?全く心外だという顔だな。何を企んだ?当ててやろうか?』
深い緑の瞳が見透かすように弥子の顔を覗き込む。

170下克上5:2006/10/02(月) 21:43:22 ID:F71iIxum
『・・うう・・あ・・あの・・』
弥子はもごもごと何か言いながら目を泳がせた。
『――確かに我が輩はカピバラが苦手と言ったな・・・だが・・』
弥子が目を逸らさないように両手で顔を挟みながら、ネウロは続ける。
『・・魔界のカピバラがどれくらいだと思っている?都庁より大きいのだぞ。
       子供だましな地上サイズで我が輩が動じると思っていたのか?』
『・・う・・嘘ぉ』
【・・・じゃあ弱ったフリしてたって事〜?】
サーっと血の気が引く。
やばいやばい・・弥子は青ざめる。デスラーより青ざめる。
ネウロはそんな弥子の背後に回り、両腕でしっかりと身体を抱え込むと
耳元で意地悪く囁いた。
『・・・我が輩の足元を掬うつもりだったか?形勢逆転でも狙って。
     ・・・・・豆腐頭で節足動物の貴様がいかにも考えそうな事だ』
『・・・い・・や離して・・』
もの凄く嫌な予感がする。弥子の経験上もの凄く嫌な予感が。
皮手袋の大きな手がいやらしく服の上から撫で回してくる。
『・・・・っや・・』
やっぱり・・・予感は的中だ!
『――まだそんな反骨心があったとは・・今一度、調教をし直す必要があるな。
          ・・・・・くく・・・・調教をし直す場所が動物園とは全く滑稽なものだ』
無邪気に動物を見ていた時と同一人物とは思えない・・いやこれが本来だろう
サディスティックな笑みを浮かべる。
『・・いやっお願い・・ネウロ!・・罰なら事務所でいくらでも受けるから・・ここは嫌っ!!』
普段好き放題されている弥子も、流石に屋外は気が引けるのか必死で懇願する。
人目につかないとはいえ、全く来ないとは言えない。ましてや荒んだ小屋の中だ。
『――事務所まで?待てんな。それに調教にはこの場が相応しいだろう』
ぴちゃ・・と音を立てて弥子の左耳が舐めあげられる。
『・・やあっ・・ちょっと!』
――なんて所かまわずなエロ魔人!新條まゆヒーローもびっくりである。
その貧相な胸を笑い飛ばしてやる!!!・・なんちゃって・・いやいやいや
窮地に立たされているというのに弥子は意味不明な一人ツッコミを脳内で繰り広げる。

171下克上6:2006/10/02(月) 21:44:21 ID:F71iIxum
身体中を撫で回していた黒い両手ががっしりとささやかな胸を鷲掴みにする。
上着の下のキャミソール越しにぐいぐいと。
『あ・・もう・・やめてよ・・やだ・・両手で乱暴に・・』
『何を言う。右の乳を揉まれたら左の乳も差し出せと聖書にも書いてあるだろう?』
『・・頬だよ!頬!この馬鹿エロ魔人!』
まんまと呼吸が乱れかけていた弥子が若干正気に戻る。
『どうでもいいだろう。どっちにしろ貧相な胸だ・・・しかし生意気な口だ』
弥子の顎を掴み、自分の方を向かせるとネウロは強引に唇を塞ぐ。
『・・んんっ・・』
そのまま小屋の壁に弥子の身体を押し付けると、やはり老朽化が進んでるのか
木屑がぱらぱらと落ちて来た。
ドンッと勢いよく弥子の背中が壁に付いたどさくさに紛れてネウロの舌が侵入してくる。
『・・んっ・・ふ・・うん?・・ううううう』
――長い。いつも以上に長い。
肉食獣が獲物を仕留める時に息の根を止める様にネウロは続ける。
弥子は次第に苦しくなり、ネウロの背中を激しく叩いた。
酸素不足で弥子が朦朧としている隙にキャミソールとブラをたくし上げて行く。
そこで要約、唇が離された。
『・・ぷはあっ・・はあっ・・ちょっとあんた!殺す気?』
『殺す気は今の所無いが仕留めたので貪らせて貰うぞ』
そう言うとネウロは腰を抱えるような形で露になった弥子の胸に唇を落とす。
今度は動物の雄が雌を射止める様に優しく甘噛みする。
『・・ああっ』
びくっと身体を跳ねらせる弥子を面白そうに眺めながら
ネウロは硬くなってきた先端を口に含む。
『・・いやああっ・・』
弥子に見せ付けるようにねっとりと舐ったり、わざと大きな音を立てて
吸い付く。羞恥心を煽るように。
『・・・あ・・はあ・・嫌・・だって・・言ってるでしょ・・こんな所で・・』
『・・その割には随分と良い声で啼くではないか。発情期の雌犬の様だぞ』
『・・だれが!』
『大きな声を出すな。折角の死角に他の客が集まってくるぞ。
      ・・・・・まあ見世物になりたいならそれも構わんがな』
『・・・うう』
ネウロの言葉に弥子は大人しくなるより他になかった。
全てを諦め始めていた弥子の下半身にネウロの手が伸びてくる。
デニムのミニスカートに手を入れれば、屋外の緊張感が
かえって性感を高めたのか、中のショーツはぐっしょりと濡れ、
太腿の付け根あたりまで溢れ出していた。
172下克上7:2006/10/02(月) 21:45:32 ID:F71iIxum
『――まったくとんだ淫乱だ』
『・・やだあ・・言わないでぇ・・』
弥子は涙目で羞恥に震える。当然だ。
傲慢な魔人に仕返ししてやるつもりでいたのに
結局は返り討ちに合い、いつも通り翻弄されているのだ。しかも屋外で・・・
湿り気のあるショーツは弥子の両脚から抜き取られ、片脚を持ち上げられる。
充分に潤った花芯にネウロの長い指が一本、二本と埋められていく。
『・・ひっやあああ・・だめえっ・・』
ぐちゅぐちゅと中から蜜を掻き出すように蠢かせ、陰核に擦り付ける。
『・・あっ・・はあ・・やだあ・・』
弥子は形ばかりの拒絶の言葉を出すが、その顔は蕩けきっている。
『――いい顔だぞ、ヤコ。・・・・・・あんなに嫌がっていた癖にな。
        貴様はこの園内のどの動物よりも浅ましいメスだ』
ノリにノッて魔人様の言葉攻めも冴える。だって今日は日曜日。
ひくひくと内部が波打つのを指で感じるとネウロはずるっと引き抜く。
『・・やあ・・ね・・うろ』
『どうした、ヤコ。欲しいのか?言わないと、くれてやらんぞ』
『・・あ・・もう・・お願い・・』
潤んだ瞳で弥子は懇願する。
『聞こえんな』
人の悪い笑みを浮かべながら、弥子に再度恥ずかしい言葉を言わせようとする。
『・・ああ・・だからもう・・欲しいの・・くるしいよぉ・・』
なんと素晴らしい調教の成果。ネウロの支配欲は完全に満たされる。
『まあいいだろう。くれてやる・・今日の謀事の罰として本来ならば
   四つん這いにでもして辱めてやりたい所だが、勘弁してやろう』
満足そうにネウロは言うと、凄まじいほど張り詰めた物をズボンから取り出す。
思いがけない状況で余程興奮していたのか、いつも以上に大きさが増していた。
そのまま弥子の片脚を再び持ち上げ、壁に背をもたれさせると、
湿った入り口に一当てして一気に突き上げる。
『・・ひっやっあああ・・やだ・・ねうろの・・なんかいつもより・・』
『・・・何だ?』
『・・なんか・・おっきいよぉ・・やだ・・そんなに動かさないで・・』
弥子は片脚で立っていて力が入らないのか、がくがくと震える。
ネウロは弥子の腰をしっかりと支え直すと更に腰を激しく動かす。
『・・やああああ・・だめえっ・・もう・・』
『・・・いいぞ、ヤコ・・要約奴隷としての自覚を取り戻してきた様だな・・』
すっかり従順になった弥子を目の当たりにした歓喜で、
ネウロの呼吸も少なからず乱れてくる。
『あああああっ・・そんなに揺さぶらないでぇっ・・』
激しいピストン運動で弥子の肩が壁に打ちつけられる度に木屑が落ちる。
『・・ああああっ・・ね・・うろ・・いっちゃう・・壊れ・・ちゃうよぉっ・・』
『・・・・っ』
弥子の内部の収縮も激しくなり、ネウロが顔を顰める。
『やあっ・・ああああ・・あああああ』
限界が訪れた弥子は頭が真っ白になり、がくんと力が抜けた。
『・・ヤコ・・・残さずに我が輩を受け止めろ』
夢見心地の弥子の身体を支えると、ネウロはいつもより多目の
熱い物をゆっくりと注いで行った。
『・・はあ・・はあ・・』
弥子は肩で荒い呼吸をしながら、支えられてなんとか立っている状態だった。
『・・ああ・・どうしよう・・これ・・』
立っていたため、逆流した精液が膝近くまで零れて来ている。
『――仕方が無いな』
ネウロはしゃがみ込むと、弥子の太腿から花芯に掛けて舌を這わせた。
『・・ひゃっ・・ちょっと・・平気なの?・・自分の・・』
『――気にするな』
そうして、自分の放った物と弥子の分泌物を丹念に舐め取って行った。
173下克上8:2006/10/02(月) 21:46:27 ID:F71iIxum
塀に腰かけ、ハンカチで身体を拭く弥子の隣にネウロも座る。
余韻でどことなくふわふわとした弥子にネウロの顔が近づく。
『――で。今更何故、我が輩に盾突こうと思ったのだ?』
・・・そう・・まだ尋問は続くのだ。
『・・・・・・・。』
弥子は俯いたまま無言だ。
苛立ちを覚えたネウロが髪の毛の先をいつものように刃物に変える。
『――答 え ろ』
弥子の肩が微かに震えて声が漏れる。
『・・・ううっ・・ふえっ・・』

『――ヤコ?』

『・・ううっ・・また・・そうやって・・刃物とかで脅してきてえっ・・ひっく』
何かの糸が切れたように突然泣き出す弥子にネウロは驚く。
『何なのだ?煩わしいぞ・・豆腐』
軽く窘めるネウロの言葉に耳も傾けず、弥子は止まらないとばかりに
溢れて来る物を吐き出し続ける。
『・・ちょっと・・弱らせてやろうと思った・・ひっく・・だけだも・・うっ』
『――ヤコ。落ち着け』

『・・ううっ・・だって・・ネ・・ウロ・・私だけ・・ぐす・・扱い違くて・・依頼人の女の人とか
  家のお母さんとかっ・・うっ・・あかねちゃんとかには優しいくせにっ・・私にだけ
 いつも酷い事してきてっ・・ううっ・・ネウロの馬鹿あ・・唐揚げにでもされちゃえ・・ひっく』
『・・・・・・。』
子供のように泣きじゃくる弥子を面倒に思いながらもネウロは抱き寄せる。
『・・・わからん奴だな。これが我が輩の純愛だと言っただろう?これ程
                  特別扱いして来てやったというのに・・・・・』
『・・・わかんないよっ・・そんなの!魔界の基準なんてわけわかんないっ
                         ・・・・・うわああああああああんっ』
中々泣き止まない弥子にやれやれ・・と溜息をつくとネウロはその頭を軽く撫でる。
そのまま弥子の身体を肩に担ぎ上げるとズカズカ歩き出し、動物園を後にした。


174下克上9:2006/10/02(月) 21:47:35 ID:F71iIxum
事務所に着くなりネウロは疲れたのかソファで眠りについていた。
正確には二度目の眠りである。
一度目はうなされていた所を弥子に起こされたのだ。
弥子が問いただせば・・なんと久しぶりに魔界の夢を見たらしい。
――しかも魔界カピバラの夢を。しっかり暗示になっていたようだ。
一応、弥子の仕返しは成功したのだろう。

弥子はすぐ傍でネウロの寝顔をぼんやりと眺める。
そしてその手首は何故だかがっちりとネウロに掴まれていた。
『・・なんか今日本当に楽しそうだったよなあ・・そう言えば・・・
 謎や事件関連以外で二人で出掛ける事って初めてだったっけ・・』
【・・もしかして結構楽しみにしてたのかなあ・・・】
不意に弥子はあかねちゃんの言葉を思い出す。
『・・愛情表現かあ・・でもやっぱズレまくってるよなあ。
    でもネウロが言ってるしやっぱり純愛なのか?』
大変だ・・・着々と自分の状況を受け入れつつある弥子。
M街道まっしぐらである。
弥子はしばらく物思いに耽った後、
自分の手をしっかり握り、眠るネウロに向かってそっと言う。
『・・・ネウロ・・今日はごめんね』
普段よっぽど酷い事をされている上、今日はあんな報復を受けたというのに
元来、お人好しなせいか、弥子は少し罪悪感を感じてしまっていたのだった。

『――おお・・要約、謝罪をしたか』

『・・あっ・・あんた起きてたの?』
離れようとした弥子だったが、当然手首は掴まれたままだ。
『――素直に謝ったので子種を植えつけるだけで許してやろう』
『はあ?何言って・・・』
『罰なら事務所でいくらでも受けると言ったのは貴様だろう?』
『・・だっ・・だから動物園で受けたじゃん!しかも子種って・・・』
『あれ位で我が輩の気が済むと思うか?単細胞め』
『いやああ!前言撤回!謝るんじゃなかった!鬼畜魔人!』

カタカタカタ・・《・・だから思ったんだよね・・そんなに上手く行くかなあって・・・》
あかねちゃんは見えない溜息を浮かべ、見守る。

『――あのレッサーパンダ、双子が生まれていたぞ』
『動物と張り合うなあああ』
抱き寄せてくるネウロの顎に両手を当てて避ける弥子だったが
背中に回された長い腕が思いのほか優しいのを感じていた。
事が終わった後のあの涙の主張は少し効果があったのだろう。
『先程、ウジ虫の様に拗ねていたからな。特別に地上基準でレディ〜扱いしてやろう』
ネウロは心底楽しそうに弥子をソファに引き上げる。
『ああ!・・調子に乗らないでよ・・エロ魔人・・』
今日もソファで組み伏せられ、雁字搦めの弥子。
こんな様子じゃ、弥子が下克上出来る日は当分、いや一生訪れないであろう。
175162:2006/10/02(月) 21:50:03 ID:F71iIxum
以上で投下終わりです。

いやあ・・変なテンションですまない。スピッツファンの人もすまない。
今度はまたシリアスに挑戦してみたいです。

とりあえずエーロ・ゴシカアン!
176名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:02:05 ID:xKcX1g8u
>>162まず…スピッツで堪えてたのに
ネウロビンソンでリアルに吹いたビールとカキフライと今週のジャンプの賠償をして貰おうか。
デスラー総統といい「だって今日は日曜日」といい…

殺傷能力の高いワードを散りばめてGJなタネ(ネタ)植えて行くなやあ!
するってえと何か?動物園は「誰も触れない二人だけの国」か?宇宙の風になる気か?

何だよこの流れ、居候だったりカジヒデキだったりスピッツだったり動物園だったり………職人さんGJ!

笹塚のテンション低い分妄想で笑った。
177名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:02:10 ID:TF5f/tsB
      Y^´       ∨// /,∠ ,. ' /l/// /, ' , '/ ! | l }´     〈
       〉    変  〈/ , ' // ̄`>< /// /// _,.=‐|'"´l l〈  変  /
        〈    態.   ∨, '/l|   ,.'-‐、`//`7/  /''"´__ | ハ l丿  態   {
     人)   ! !   (/!  |ヽ〈_ ・.ノ〃  〃 /  '/⌒ヾ.! ,' !く   ! !  (_
 ト、__/   ヽ、_,.イ    /l l |:::::::```/:::::/...´..   //´。ヽ }! ,'  !! )     /
ト'    亦   ,イ⌒ヽ/   !l l ! l し   J ::::::::::::::::::::``‐-</ /  ,'、`Y´Τ`Y
l      夂   (ハ ヽ l i   ! l ', !   , -―-、_   ′::::::::::::: //! Λ ヽ、ヽl
ヽ          〉,\ ! i   ',.l `、'、/_,. ―- 、_``ヽ、  ι  〃,'/! ヽ、\ ヽ、
 !     能   // ,' lヽ! ii  ',l  ∨\'⌒ヽー-、 `ヽ、!   / ハ ノヽ._人_从_,. \
 |    心   { / ,' ' ,! ll  l`、 { ヽ' \     ヽ  '  '´   Λ ',}      ( \
.丿  

弥子っぽくないかね?
178名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:03:47 ID:TF5f/tsB
ごめん、ageてしまった
179名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:04:17 ID:QS4G02Fy
>>162
魔人め、スピッツ聴くのかw
ワロタよ GJ!
180名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:09:14 ID:H9/Af8hB
ちょwwネタ満載ハゲワロタwwww
個人的なツボは「その貧相な胸を笑い飛ばしてやる!」
スピッツ聞いてる魔人を思い浮かべたらなんだか腹が捩れて来たので、謝罪と賠償を(ry
181名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:42:19 ID:fBqO+Sal
>>162
GJGJGJGJGJ!!!!!!!!!!!!!

エロいのに笑えるとはこれいかに。
全盛期の三沢って、エロ社長かよ!
エメラルド・フュージョン決められて昇天しました。
182名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:23:32 ID:NFtj2RKu
>>162
エロと笑いが共存してGJ!!
183名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:29:52 ID:Z0tjMS2z
匪口アイコラ吹いたwww
184名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:44:58 ID:1EeA+3ul
それぞれの夜がうけるwww
揃いも揃って何やってんだwwwwww
185名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:07:56 ID:yugWhgLx
>>162
GJ!! 笑わせてもらった!! エロも楽しませてもらった!!
186名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:08:07 ID:AGpMLfls
>>160
魔法少女ものっぽいふいんき(ryで面白かったw 続きも楽しみです。

>>162
まゆタンのくだりでがんもどき噴いたw
しかしこんなにも野郎どもを翻弄するとは
ヤコ、おそろしい子…!
187名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 01:23:17 ID:rFRcnvT3
エーロ・ゴシカァン!

ここのネウロは弥子に子供産ませたがる率が高い気がするな。
頑張れ、弥子。
188擬似家族:2006/10/03(火) 01:27:34 ID:B5cbNfm+
神作品投下の勢いに押されて、こんなの書いた。
深く考えずに読んでくれ。

にゃあ。
ある日、学校帰りの弥子がいつものように事務所への道を歩いている時のこと。
物陰に置かれた箱の中で震えている黒い子猫を見つけた。
子猫は雄でまだやっと目が開いたばかりのようで、手に乗るほどに小さい。
普段はこんな哀れな子猫を見たとしても、とても飼える状態ではないので可哀想という気持ちを抑
えて無視を通してきたのだが、何故か今日だけは足を止めてしまった。
それほど弱々しく見えたのだ。
一度目が合ったからには仕方ないと覚悟を決めるしかない。もしも事務所に居ついている魔人が
飼うのを拒否したとしたら自宅に連れて行けばいいだけだと考えると、幾分気が楽になった。何し
ろ、母親の遥は無類の動物好きなのだ。ただ、忙しい身の為か自分で世話が出来ないからあえ
て何も飼っていなかっただけで。
ちなみに、在宅で仕事をしていた父親はその正反対だったことを付け加えておく。だから、これまで
弥子は自宅で動物を飼ったことがなかったのだ。

「ネウロー」
制服の中に子猫を忍ばせて、弥子はおずおずと事務所のドアを開いた。中にいたのは相変わらず
無表情の魔人。じろりと弥子を見るなり、いつも通りの冷たい言葉を吐き捨てた。
全く腹が立つ。
「いつもよりも三分遅かったな。今日は何を遅刻理由にするつもりだ」
「あ、あの」
にゃあ、とセーターから顔を出す子猫。
「何だ、それは」
「あの、拾ったの」
「遂に生食に手を出すようになったか。貴様も人間離れしてきたな」
「だ、誰がじゃい。この子はさすがに食べないって」
黒い小さな頭を撫でながら、弥子は必死で言い募る。だが、ネウロにとってはどうでもいいことのよ
うで、ふうとわざとらしく溜息をついてデスクから立ち上がった。
189擬似家族 2:2006/10/03(火) 01:29:00 ID:B5cbNfm+
「そんなものに気を回す暇などないだろう、ヤコ」
「そ、うだけど…」
仕方ない。こんなに哀れな生き物を一度見かけたら、誰でも保護欲が掻き立てられる。弥子も色々
と実現可能なシミュレーションを幾つか考えていたのだ。
その時、小さな子猫がぴょんと床に飛び降りた。
「あ、こらっ」
そして、とことこと怖いもの知らずにもネウロの側に寄って行く。
「ほう、これは猫というものか」
「そう、だけど…」
魔人と黒い子猫は、妙に似合っていた。古来から伝わるイメージからだろうか。
「ふむ、貴様以上に卑小な生き物だが、満更悪くもない」
ごく普通に、抱き上げると腕に抱き込んでしまった。子猫は安堵したのか爪を出すこともなく、その
ままごろごろと喉を鳴らしている。
「この猫、ここで飼っていい?」
「それはダメだ」
つれない返事に、ヤコはがっくりと肩を落とす。分かりきっていることだったが、やはり拒絶されたら
心が痛い。
「…じゃあ仕方ないから家で飼うよ」
「ヤコよ」
「えっ…」
猫を抱いたままのネウロが、すぐ近くまでやって来て指先で顎をくいっと上げた。
「貴様には、もっと大事な役割があるだろう。我が輩を楽しませるという…な」
その言葉に合わせるように、子猫はにゃあと鳴いた。
まるで同調しているようだ。雄同士、言葉がなくても構わないのだろうか。何となく憎らしかった。
「それ、あんたが勝手に決めたことじゃん…」
「だが、それほど悪くないのだろう」
「そうだけど…」
頬をするすると撫でられて、徐々に変な気分になってきた。きっとこのままセックスに持ち込まれ
る。まだ子猫を飼うかどうかは決めてもいないのに、また今日も流されるのかと弥子は自分の淫
蕩さを恥じるばかりだ。
弥子に触れてくる仕草は次第に淫らなものになっていた。
190擬似家族 3:2006/10/03(火) 01:30:29 ID:B5cbNfm+
結論から言えば、子猫は事務所で飼うことになった。
意外にも、ネウロ自身が子猫を気に入ったからなのだが、その可愛がり方は尋常ではない。まる
で我が子そのもののような親密さで接している。この冷徹な魔人にそんな面があったのは意外だ
ったが、逆に言えば血の繋がった存在をそれほどに欲しているということなのだろう。
それだけはひしひしと伝わってきた。
その思いは弥子にとってはそれほど悪くない。

「ネウロ」
二週間ほど過ぎたその日、三十分遅刻した弥子は心躍らせていた。
「今日、病院に行ってきたの」
「ほう」
相変わらず懐いてしまった子猫を掻き抱いているネウロは、無表情に言葉の続きを促した。こんな
ことは滅多にないと、わざと弥子は勿体をつける。
「私、あんたとの子供が出来たの」
「…そうか、よくやったな。ではその子はこの猫の弟、ということか」
「…うん、そうなるね」
当然だと、魔人の腕に抱かれた子猫は意思表示のように、にゃあと高く鳴いた。
魔人と人間と子猫の他愛ない擬似家族の中に、今度は全てを繋ぐ本当の家族が出来るのだ。



191名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 01:31:53 ID:B5cbNfm+
ぶっちゃけ、例の呪文はマジ効くね。
一回でも投下した職人は、つい書きたくなる魔性の言葉だ。
192名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 01:40:18 ID:B5cbNfm+
>>187
自分、188だが弥子タンに子供を期待するネウロって、やっぱ当然のような
気がする。
まあ、一代限りの変異種だし、ティンコすらついているのかどうか分からない
んだけど。
193名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 01:47:42 ID:/sfmCwOL
ぬこモエス(*´Д`)



関連して、野良猫ヤコたんと高級種のネウロでねこねこするのを
一瞬だけ想像して悶えたのは秘密だ
194名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 01:56:34 ID:1li3+kDG
一日のぞかなかっただけで何だこの連続神降臨・・・! 高天原かこのスレ。

それにしても「ネウロぉ、どんどん入ってくる!!」とは今週もエロいな松井w
原作も負けてない。そんな感じでカーセッ(ry)きぼん。
195名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:00:09 ID:7zt0c2ik
                 _         パシ
               /´  `フ  __ ヾ
         , '' ` ` /      ,! ;'',,_,,)   パシ   パシ
.        , '      レ   _,  rミ,;' ノ )))
        ;          `ミ __,xノ゙、,r''  ,,_,,)    パシ
        i     ミ   ; ,、、、、 ヽ、//,,_,,)/_,,))
      ,.-‐!       ミ  i    `ヽ.._,,))
     //´``、     ミ ヽ     <○ノ
.    | l    ` ーー -‐''ゝ、,,))    (へ
     ヽ.ー─'´)               〉
196名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:23:24 ID:I5uBTFOg
ぬこ…(*´Д`) ハァハァ
197名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:23:49 ID:EQDrWjm7
ヤコを見つけたので虐待することにした。
他人の目に触れるとまずいので事務所に連れ帰る事にする。
嫌がるヤコを風呂場に連れ込みお湯攻め。
充分お湯をかけた後は薬品を体中に塗りたくりゴシゴシする。
薬品で体中が汚染された事を確認し、再びお湯攻め。
お湯攻めの後は布でゴシゴシと体をこする。
風呂場での攻めの後は、全身にくまなく熱風をかける。

その後に、小麦粉を練って焼いた不味そうな塊を食わせる事にする。
そして我が輩はとてもじゃないが飲めない白い飲み物を買ってきて飲ませる。
もちろん、温めた後にわざと冷やしてぬるくなったものをだ。

その後は棒の先端に無数の針状の突起が付いた物体を左右に振り回して
ヤコの闘争本能を著しく刺激させ、体力を消耗させる。
ぐったりとしたヤコをに毛布をしいただけの質素なソファーに放り込み
寝るまで監視した後に就寝。


ヌコネタで思い出してコピペ改造。なんか無理があったか…orz
198名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:25:24 ID:B5cbNfm+
ハアハアハアハア…
199名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:26:46 ID:fvGDK2m7
>>197
無理って言うんじゃなくて。
多分、エロが足りない。
200名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:39:55 ID:p00daS1f
>>199
俺の脳内では色々変換した訳だが
201名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:43:21 ID:EQDrWjm7
>>199 アッー!
そういえばここエロパロだった…
頑張って再変換中。
202名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:51:50 ID:ci2mAWY5
>>197
いやいや、萌えたよ。ネウロにゴシゴシ洗われるヤコw
寝るまで監視するネウロw
このコピペ改変だとすごく優しいネウロになるねw
203名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 03:31:59 ID:cpT3eA9Z
>>197

>薬品を身体じゅうに〜
↑ソープを身体じゅうに塗ったくってゴシゴ(ry


イイヨイイヨ-(・∀・)モンダイナイヨー
204名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 03:41:54 ID:zTdPiyf+
ヤコを見つけたので虐待することにした。
他人の目に触れるとまずいので事務所に連れ帰る事にする。
嫌がるヤコを風呂場に連れ込み●●攻め。
充分お湯をかけた後は●●を体中に塗りたくり●●●●する。
●●で体中が汚染された事を確認し、再び●●攻め。
●●攻めの後は●でゴシゴシと体を●●る。
風呂場での攻めの後は、全身にくまなく●●をかける。

その後に、●●●を●って●いた不味そうな●を●わせる事にする。
そして我が輩はとてもじゃないが飲めない白い●●●を●ってきて飲ませる。
もちろん、●●た後にわざと●●して●●くなったものをだ。

その後は棒の先端に無数の針状の突起が付いた物体を●●に●●●して
ヤコの●●●●を著しく刺激させ、体力を消耗させる。
ぐったりとしたヤコをに毛布をしいただけの質素なソファーに放り込み
寝るまで●●した後に就寝。


>>197がエロ過ぎるので検閲削除しました><
205名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 06:51:34 ID:QF5Lm3KT
エロイこれはエロイぞ
206名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 11:47:23 ID:szGbGi2I
DCS思い出したww
207名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 11:54:32 ID:vwn+yqv5
8巻の表紙みて萌えた。
ネウロとアヤの組み合わせってエロイなぁ…。
208名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:08:59 ID:/sfmCwOL
夜中の猫三昧に萌えちゃったじゃないか
即興だが、ネウヤコで猫弥子。ばかっぷるにラブラブ
209名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:09:33 ID:/sfmCwOL
 事務所で眠りにつくことは、よくあった。お母さんのが取材旅行に出掛けると知ればネウロはいつも、
誰にも気兼ねなくいられるうちに腹を膨れさせようとする。お腹が空いてひもじい気分は判らなくもない
けれど、それがいたいけな週末の女子高生を一晩中つれまわす免罪符にはならない――
大体、お母さんはいなくても、美和子さんはいるのだ。結局外泊の連絡を取らなきゃいけないのは
同じで、そのバツの悪さは、肉親よりもある意味で増している。
 そんな心労から、事務所に戻って眠りこけたのは午前二時。目が覚めた今は、時計を信じるなら
午前十時なのだろう。随分深く寝入ってしまったと、私は小さく欠伸を零して顔をこしこし掻く。
頭の上でぴょこぴょこする耳も軽く掻くと、毛並みに沿って流れるのが気持ち良い。

 …………。
 ちょっと待てぇい。

「ん、んにゃ、んにゃぁあ!?」

 上げた声はまるっきり猫のそれ。慌てて壁際の姿見まで走れば、やっぱり錯覚でなく、私の頭には
ネコミミが生えていた。感触がある、生えてる、生えて。ご丁寧に手足もグローブのような猫スタイルで、
興奮で立った尻尾はスカートの下から伸びている。真っ黒な毛並み、ふかふかの感触。
ふにふに握った尻尾の感覚が、おしりにむずむずしてくる。
 こんなことをする奴なんて一人しかいない、私は思いっきりに所長の机を睨む。けれどそこにいつも
鎮座しているネウロの姿はなかった。天井にもその姿がなくて、おかしいと思う。あいつは悪戯をしたら、
それを確認した私の反応を楽しむような奴だ。そういう姿は子供みたいだと、いつも心から思う。

『や、弥子ちゃんおはよう』

 ぱたぱたとあかねちゃんがホワイトボードに書いた挨拶を叩くのに、私ははっと我に返る。

「にゃ、にゃんにゃ、にゃにゃー!!」
210名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:10:09 ID:/sfmCwOL

 しまった、声が出ないんじゃあかねちゃんとのコミュニケーションも成立しない。ネウロはどこかとか
この状況の説明はとか、色々求めたいのに――チャットで会話しようにも、この手じゃ無理。
私は水性マジックを両手で握って、ホワイトボードに向かう。

『ネウロはどこ、これなに!?』
『夜中に何かしてたみたいだけど、多分その所為だと思う。さっき出掛けて行っちゃった。
 すぐに帰って来るとは思うよ、そんなこと言ってたから』
『なんでねこ!?』
『犬だとキャラ被りするからって……』
「ふんにゃーーーーー!!」

 わけわかんなーい!! っと叫んだつもりの私を宥めるように、あかねちゃんは顎を毛先で
こしょこしょしてくる。いやいや本物の猫じゃないんだからまさかそんなもんで、ああでも案外
気持ち良いかも、ああーそこそこ、気持ち良い気持ち良い……。

「(これ可愛いかも……弥子ちゃんたら……v)」
「んにゃ、ふんにゃ、にゃんにゃぁ」
「(あ、三つ編みにじゃれないで、解けちゃう切れちゃう! えいえいえい!)」
「ふんにゃぁぁああ……」

 ひ、ひまった、これは俗に言うフレーメン状態……ああでも気持ち良い、あかねちゃんの毛先の
絶妙な撫で具合が堪らない……そしてこのゆらゆらする感じが堪らない。あ、ゆらゆらする、ゆらゆら。

「ほう、中々従順にしていて結構なことだな」

 音もなく開いたドアの前、紙袋を抱えたネウロが佇んでにーっこりしているのに、私の意識は
フレーメンの海から僅かに浮上する。尻尾が知らずぴんっと立ち上がって、威嚇するように
睨んでしまう。にやにやと浮かべられた笑いが気に入らなくて、ふーっと息が漏れていた。
あかねちゃんがわたわたと引っ込んで行き、解放された私は思いっきりに腕を振り上げる。
211名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:10:43 ID:/sfmCwOL

「にゃんにゃぅにゃ、ふにゃにゃにゃ!!」
「まあそう逆毛だてるな、貴様が休みたいと言ったから不本意ながらこうして余暇をくれてやって
 いるのだぞ? ただ休ませているだけでも我が輩が退屈だから趣向を凝らしてみたのだ、
 中々のものだろう」
「にゃぅぅにゃにゃにゃ、にゃにゃーぁあ!」
「贅沢を言うな、本来ならば貴様など哺乳類以下の節足動物で十分なところだったのだぞ。
 それをわざわざ機敏な類の猫にしてやったのだ、感謝こそされても抗議される謂れなどない」
「にゃにゃんにゃにゃ――――!!」
「言ってしまえば暇つぶしの一言だが。しかし、随分と鳴くものよな、ヤコよ」

 にぃっこり、ネウロはひとしきり抗議した私の頭をいつものようにぐぎぎぎぎッと掴み上げる。
と、耳が潰れてなんとも言えない不快感が首から背筋までを覆った。痛い痛い気持ち悪い、
離せ離せ。じたばた暴れて手を引っ掻くと、その笑みに凄惨な色が含まれる。
 しまった、なんか豪快な自爆スイッチを押した気がする。さよならコロニーさよならガンダム、
第一話で自爆スイッチ押すのは正直無くね? って言うかそもそもなんでこいつ、会話通じてるの。
ストレスの重圧に耐え切れず、心がどうでも良いところに思考を飛ばす。

「貴様の動物以下な生温い脳みそには、たっぷり教育をくれてやらねばならんようだな?
 まあそれも目的の一つではあったのだ、安心するが良い。我が輩は動物には優しい紳士だぞ、
 何も案ずることなどない」
「にゃ、ふんにゃ、にゃぁあああ!!」
「黙っているのが一番賢い選択だがそんなことは理解できまい、そら」
「にゃぁあああ!!」
「たっぷり調教してやる」

 ブラウスの胸倉を掴まれて顔を寄せられる。多分この魔人の牙は、今の私に生えてる
ささやかな牙や爪よりも鋭くて――あまつさえ毒を含んでいるのだろう。
 ぷちんっとボタンが外される様子に、私の尻尾と耳の毛が逆立ち、ぶわぁっと膨らんだ気がした。
212名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:11:18 ID:/sfmCwOL



「んっにゃ、にゃぅにゃぁああ!」

 叫ぶような声がこだまするのはお風呂場だ。
 豪快に服を剥ぎ取られてバスルームに放り投げられ、私は現在泡風呂の泡攻めをされている。
わたわた暴れるけれどそのたびにネウロの腕が頭を掴んで水に沈めてくるから、もう拷問でしかない。
やめてやめてと何度も叫んでいて、多分それはネウロに通じているんだろうけれど、やめる気配は
まるで無かった。裸にひん剥かれてるだけでも嫌なのに、こんなお湯攻め。口や目に泡が入って
気持ち悪い、けほけほ咳き込むと、上着を脱いだだけのネウロがふむと小さく頷く。

「なるほど、猫は水を嫌がると言うのは本当らしいな。子猫では耐性も無いということなのか、
 なんとも脆弱な生き物だ。普段の貴様の方がまだ丈夫だと言える」
「にゃーぁぁあああ!!」
「知らんのか、猫の一歳とは人間で言う十六・七歳に当たるのだぞ。まったく自分の世界の事も
 ろくに認識していないのか、だから貴様はゴミムシ以下のミトコンドリアだと言うのだ。
 ああ、今は猫か。この猫め、ネズミも取れん役立たずの穀潰しが」
「にぁうう!!」
「酷いことなど特に無い、実に的確に貴様を形容している」

 お湯の中でじたばた暴れた所為か、朝ごはんを食べていなかった所為か、それともネウロの
暖簾に腕押しを地で行く様子に疲れたのか――私は段々抵抗する気が失せて、ぐったりと
お湯に浸かる。そう言えば猫って一旦身体がずぶ濡れになると観念するとか、呆然とするとか、
そんな話を聞いたことがあったっけ。いや猫じゃないけど、断じて猫じゃないけど。
 ぐったりした私に満足したのか、ネウロはごしごしとスポンジで私の身体を擦り始めた。モノ扱い
と言うかペット扱いと言うか、ちょっと無骨な手付きが変にくすぐったい。耳の付け根や尻尾の
付け根も丁寧に、首の裏や項もごしごしと。胸やらおしりやらされるのも、まあ、今更だ。
一応洗ってるだけだし、頭はぼーっとするし。

「んにゃ……」
213名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:11:58 ID:/sfmCwOL

 お湯の中、脚の間に入ってきた手が、ごしごしとそこにスポンジを当てる。
 普段そんな洗い方しないところにごわごわした感触が擦られて、なんだか変な感じだ。呼吸が変で、
ふわふわと泡が揺れる。バスタブ深くに腕を突っ込ませたネウロの顔が近い、くくくっと笑うのが、
ちょっとだけ悔しい。噛み付くと怒られるだろうから、頬っぺたを舐めた。
 ざりざりの舌の感触にネウロはきょとんっとして、おかしそうに笑う。むう、猫科に嘗め回されたら
皮が剥げるんだから。ざりざり繰り返すと、それに呼応するようにネウロの手付きも乱暴になる。
強く押し付けられたスポンジは、そこをゆっくりと押し広げた。敏感な粘膜に触れるお湯と、
異物の感触がヒリヒリ痛い。

「っにゃ」

 やだ、そんなとこ擦ったらやだ。ぐいぐい強い力で潰されて、小さなところがコリコリした感触を
伝えてくる。泡風呂の所為だけじゃないぬめりが零れだすのが判って、恥ずかしさに呼吸が上がった。
ネウロを舐めてる場合じゃなくて、ただその頬に荒い吐息を吹き掛けるだけになる。やだ。
ぬるぬる気持ち良い、擦られちゃう。

「どうした? 発情期のような様子だぞ、何をそんなに腰を揺らしている?」
「んっにゃぁあ!!」

 ぐいッと尻尾の付け根を抓られて、私は思わず身体を仰け反らせた。それはスポンジに強く
クリトリスを擦り付けることになる。ぷっくりと包皮から顔を出していたそれがきめの粗いものに
刺激され、ぞくぞくと快感が背中を覆って行くのが判った。きゅんきゅんあそこが収縮する感触、
開いた口からはとろりと唾液。お腹の奥がぽっこりとした熱を孕んで、頭が真っ白に染められる。
 こんなのでイッちゃうなんて、思わなかった……くりくりと尻尾の愛撫を止めないネウロの腕に
縋って、軽く引っ掻く。上目遣いに見上げれば、溜息を吐いて仕方なさそうに止めてくれた。
零れだした唾液をこしこし拭って、バスタブの底に手を付いてへたり込む。ぷくっと勃ち上がった胸を
見られるのが嫌で、前屈みになった。呼吸を整えるけれど、ゆらゆらと陽炎のように快感がちらつく。
 お湯の中だから見えないよね。私は少しだけ、尻尾の付け根を愛撫する。あそこがぱくぱく開いて
物欲しそうだ――尻尾とか、入れちゃおうかな。
214名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:12:32 ID:/sfmCwOL

 変な考えに浸りそうな私の脇に腕を入れて、唐突にネウロがバスタブから身体を引き上げさせた。

「っんにゃ、ぁん!?」
「何を恥らうかケダモノが。貴様だけ洗われているのでは不公平と言うものだろう?
 しっかりこの飼い主にも奉仕行動を取れ、ぼやぼやしていると今度はネズミにするぞ。
 そして浦安のテーマパークに放り込む」
「にゃ、にゃにゃぁあ」

 くしくし、大きな手の長い指先が、タイルの冷たい床にへたり込んだ私の顎を優しく撫でた。
言葉と裏腹に手付きがいつもより優しい感じで気持ち良い、あかねちゃんの毛先も良いけれど、
ネウロの皮手袋のつるんっとした感じも好きかもしれない。私はネウロの腕に頬を摺り寄せて、
青白く不健康そうなその皮膚を舐めた。筋張ってて美味しくはなさそうだな、なんて思う。
 ざりざり舌を這わせて愛撫すると、ネウロは反対の手を上げて手袋の指先を噛んだ。濡れた
それをぐいぐい引っ張って外し、指先で私の舌に触れる。柔らかく摘むように、軽くこりこりしたり。
気持ち良くてかぷんっと軽く噛み付くと、くくっと喉で笑う声が漏らされた。でも私は構わずに指の
感触を舌で楽しむ――爪の形、節くれだった感触。指の股を舐めると少し顔を顰めるのが楽しくて、
そこを重点的にざりざりしたり。
 気持ち良い、この感触。おいしいと思う。もっと食べたい、でも歯を立てたらきっと怒られちゃう。
舐めてこそげ取れないのかな、くちゅくちゅ唾液を鳴らすと、ネウロは小さく息を吐く。気のせいか、
なんだか悩ましげな。

「淫蕩な顔だぞ、ヤコよ」
「ふにゅ、んにゃぁん……っちゅ」
「もっと吸い付け。脳髄で達しそうだ」
「ん、っん」
「もっとだ。もっと蕩けてしまえ」

 わがままだなぁ、なんてぼんやり思いながら、私は頭を軽く振る。くちゅくちゅ出し入れするように
しながら、指に舌を絡めて音を立てた。ぬるぬるの唾液が零れて糸を垂らすのも見せ付ける。
上目遣いに見上げると、うっとりと恍惚の表情でネウロが私を見下ろしていた。顎を擽ってくれてた
手が止まってるけど、今は私の番なんだろう。くちゅくちゅ、ぺちゃぺちゃ。舌を出して爪先を
こしょこしょ擽る。弛緩したネウロの指先に、強く吸い付く。
215名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:13:08 ID:/sfmCwOL

「ん」

 小さく声を漏らしたネウロに、私は口唇をゆっくり離した。

 満足したらしいネウロは晴れやかな、だけど邪悪さが前面に出てるいつもの笑みで私の頭を
撫でた。耳の付け根を軽く掻かれるのが気持ち良くて、むにゃむにゃ声が零れる。喉を鳴らすのって
こんな感じなのかな? 判らないけど、そうなのかなあと思う。
 ネウロはぬるいお湯で私の身体を優しく洗い流してくれた。それから丁寧に、髪にシャンプーを
してくれる。耳に泡が入らないように気を使いながらしてくれるのが気持ち良くて、すりすり懐くと、
ぺちんっと叩かれた。曰く、服に泡がつく。だったら脱げば良いのに――いやそれはまずい。
うん、それはまずい。流されるな私。

「すっかり大人しくなったな、良いことだぞヤコ。ペットはそうあるべきなのだ、貴様にもようやく
 奴隷としての心構えが出来たと見える。腐心しただけに、我が輩も嬉しいぞ」
「にゃぁう」
「なぁに不満などすぐに消える。それ」

 ごーごー煩いドライヤーで髪を乾かされて、身体も丁寧に拭かれる。猫だとかペットだとか奴隷だとか、
そういう言葉や状況を無視すれば、これはもしかしたら可愛がられていると言えるのかもしれない。
大事にされてる気が、しないでも、ない。バスタブにしこたま沈められて、口の中にはまだちょっと
泡の苦味が残ってるけれど、下手に抵抗しなけりゃ良いのかな、なんて。そんな自分の考えに、
調教と言う言葉が過ぎらないでもないけれど。
 ふわふわのバスローブはさっき買ってきた紙袋の中に入っていたみたいだった。もこもこ身体を
包んでくれる感触が気持ち良くて、ソファーに転がりながらすりすりしちゃう。ネウロはそんな私の頭を
膝に乗せながら、穏やかに髪を撫でてくれた。気持ち良くてこのまま眠っちゃいたくなるけれど、
起きたのはさっきだし、流石にちょっとお腹も空く。にゃぁ、と声を漏らすと、そうか、とネウロは頷いた。
216名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:22:28 ID:/sfmCwOL

「そうだな、貴様も食事は必要か。どれ、さっそく買ってきた猫缶を」
「にゃあ」
「冗談の通じない奴め。大体聞いた話だと猫缶と言うのはそこそこ食えるものらしいぞ、
 人間が好むファーストフードの類に比べると栄養価の計算もきっちりなされているらしいのだし」
「にゃーあああ!」
「面倒な奴め。アカネ」

 私の抗議に肩を竦めたネウロがあかねちゃんを呼ぶ。三つ編みがごそごそとテーブル上の紙袋を
漁ると、そこには見慣れたビニール袋が入っているらしかった。薄い白のそれから透けて見える
のは、紛れもなく――ああ、若菜のたこ焼きだッ!

「貴様が暴れるから風呂で時間を食って冷めてしまったが、温めれば十分食えるだろう。
 あまり熱いと猫舌は火傷するらしいから、加減はしろよ」
「にゃっにゃ、にゃーにゃぁ♪」
「猫になっても現金な奴め、貴様は本当に食うことしか考えていないのか? うん?」
「んにゃ、ふにゅふにゃにゃにゃ!」

 こしょこしょこしょ、顎をわしわしと指で撫でられて私は思わず腕をじたばたさせる。これは地味な
拷問なのかしら、でもなんか気持ち良いような、いやいやけっしてマゾだとかそういうことは無くて。
このドSに付き合っているからって私がMかって言うと、けっしてそんなことはないわけで。
 ちーん、と言うレンジの音がして、あかねちゃんがすすすっとたこ焼きを持って来てくれる。
髪で器用にバランスをとりながら、壁や床を伝って来るのがちょっと面白い。なんかこう、
じゃれつきたいような――うずうずする私の口元に、ネウロはたこ焼きを突っ込んでくる。
ちょっとぬるいけれど、食べやすい熱さだった。んまんま、あぐあぐ。

「美味いか?」
「にゃあ!」
「そうか、まったく食っている時が一番いやらしいぞ。卑しいと言うのかもしれんが」
「にゃぅにゃぁ、にゃっんにゃぅにゃ」
「ふむ。猫は食事中に自分の食料を主張して鳴くと言うが、本当だったか」
「にゃんにゃぁー!」
217名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:23:04 ID:/sfmCwOL

 ごちそうさまっと手を合わせて、私は口元のソースを拭うように顔をこしこし洗う。ぺろぺろ
手を舐めて擦るとネウロは、雨が降るな、なんて言った。猫に関する迷信の類でも読んで
こんなことしてるのかもしれない、まったく、だったら普通に猫でも拾ってきて実験すれば
良いだろうに――まあ、本人も言っていた通り、暇つぶしか。
 ぐーっと伸びをする。お腹があったまると何だか元気が出て来て気持ち良い、せっかくのお休みだから
色々したいことはあるのだけど――この格好じゃあ怪しすぎて、そうそう出掛けることも出来ない。
結局ここにカンヅメなのはなんとも言えないけれど、休養が出来ないことはないだろう。テレビを見たり
あかねちゃんにスペシャルなトリートメントしたり、出来ることはいくらかある。何も無い事務所だけれど、
この中で過ごすことに関して、私はわりとプロだと思うし。

 ぶるぶるぶるっと頭を振った私に、ネウロはひょいっと『あるもの』を示した。
 それは棒状の先端に無数の針状の突起がついた、持ち手の細いおもちゃ。だけどこれで遊ぶのは
基本、動物だ。でも私は思わず、それに目を釘付けにされる――ひよん、と揺れると、手を伸ばしてしまう。
触れられてゆらゆらするのに、また。
 猫じゃらし。こんなものまで買って来たのか。呆れるやら、それに反応してしまう自分に戸惑うやら。

「ほれほれほれ」
「にゃ、にゃっにゃ、にゃんにゃ」
「ふむ、よし。食後の運動だ、たっぷり遊んでやろう」

 ネウロの髪の影から出て来たフライデーが、短い脚に猫じゃらしを持って飛び上がる。
私は思わずそれに釣られて、駆け出していた。



 …………っと、三時間も狭い事務所を走り回ると、流石に飽きと疲れが来るもので。
 途中煩いと文句を言いに来た吾代さんは、ネコミミを生やしてバスローブで走り回る私を見て、
そっとドアを閉じて行った。あとで言い訳するのが面倒だなーなんて、私はソファーにぐったり
転がり込む。フライデーが挑発的にちらちらと猫じゃらしを振っているけれど、それはもう良いから。
ぺいっと払いのけると、しょぼーんッとデスクに向かっているネウロのところに帰っていく。
ちょっと可哀想なことをしたかな、なんて仏心が出てしまうのはどうしてだろう――初めて見た時は、
出現シーンも込みで激しく引いていたんだけど。
218名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:23:38 ID:/sfmCwOL

「なんだ、もう遊びつかれたのか。猫は朝に出て行って夜にも帰ってこないものらしいぞ、
 この本によると。夏に限ったことのようだが」

 むう、呆れたネウロが読んでいたのは、和み系ペット実録エッセイ漫画だった。やめて、その最終巻
思い出すと泣けるからやめて。長い長い散歩に出ちゃうから止めて、つーかそんなキャラに合わない
ものを難しい顔で熟読しないで。そして何気に机に積まれている本は何。リラックスしたクマとか、
頭巾被ったウサギとか、次はそれに化けさせるつもりですかと。流石にそれはないから。
そういうのはヒステリアさん辺りにやらせて。

 ちたぱたするフライデーから猫じゃらしを受け取り、びよんびよんさせながらネウロがソファーを
見下ろしてくる。でれーんっと伸びた私にクククッと笑いを漏らしながら――
ぐいっと、脚を掴まれて広げられる。

「にゃ、にゃっあ!?」

 完全にだらけていたところだったから反応も声だけで、振りほどくことが出来ない。そしてその隙は、
十分な致命傷だ。脚を広げられて晒されたそこ、バスローブ一枚だったから当然下着は付けていない。
お風呂とは違って、直に見られるのは流石に羞恥心が爆発する。暴れようとしても体勢が不安定で、
かしかしソファーを引っ掻くだけだ。ぱっくり広げられている感触、そこに触れる――ちくちくとした、刺激。
 まさか。私は恐る恐る視線を向ける。
 猫じゃらしが、私のそこを刺激していた。

「なんだ、ここは十分元気そうではないか。どれこの我が輩が手ずから貴様と遊んでやろう、感謝しろよヤコ」
「にゃ、にゃぁん、ふにゃぁあ!」
「そんなに暴れなくともしっかり――もてあそんでやる。心配するな」

 もてあそぶのは遊んでんじゃねぇええええ!! それで楽しいのはあんただけだ!!
219名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:24:23 ID:/sfmCwOL

 突っ込みの出てこない口はぱくぱくとして、顔は壮絶に青ざめる。ちょっと待っていや本当に、
これって一体なんのプレイ? いや、猫になってる時点でその突っ込みはするべきだったでしょう私!!
やっぱり流されてたんだ、今更それを自覚してあわあわ焦っても、後の祭りも良いところだ。
わたあめもイカ焼きも残ってない。いやそうじゃなくて。
 せめて引っ掻いてやろうと身を捩らせるより先に、ぐいぐい押し付けられた猫じゃらしの刺激に
身体がびくんっと震えた。気持ち、……悪い? 良い? なんだかよく判らない。突起が敏感な部分を
ぐいぐい刺激して、入り込むようにして。
 はひゅ、っと喉を鳴らすと、ネウロが楽しそうに口の端を吊り上げる。

「おお、涎を垂らして絡め取ろうとしているぞ? ヤコ、やはり貴様の口は食う時が一番に淫らな
 ようだ。上も下も反応がまったく同じだな、ケダモノに進化してもやはり貴様には変わりないと
 言うことか。だらしないことこの上ない」
「にゃ、ふぁ、ひぁーああ」
「どれ、食い物を与えて塞いでやるとしよう……しっかりと、な」
「んにゃぁあひぁぁあああああ!!」

 指で広げられた場所にぐいぐいと異物が挿入されて、私は背を反らせて悲鳴を上げた。
気持ち悪い、ちくちく痛い。ぐちゅぐちゅと粘膜を刺激する無遠慮な動きと硬さに、涙が滲んだ。
遊んでた時はびよんびよん柔らかそうだったのに、触れる場所一つで凶器みたいになる。
ぐちゃぐちゃ零れだした愛液を掻き混ぜられて、ひりひりする。
 ネウロは力任せに猫じゃらしを突っ込んでは引き抜いてを繰り返した。擦れるたびに上げた悲鳴は
段々掠れて、ただのひぅひぅする呼吸だけになる。痛い、嫌なのに、掻き出される愛液の量が増して
恥ずかしい。こんな刺激で感じるなんて、まるっきりえっちな女の子か――動物みたい。発情、してる。

 でも今の私は猫なんだから、そうなっても仕方ないのかな? そう考えるのは、逃げ道になるような
気がする。いつもそうだ。ネウロが愛撫するから、ネウロが悪戯するから。私は悪くない。
私の所為じゃない。そう思って、逃げて、身体を任せて。
 でもネウロはそれを責めない。むしろ歓迎しているのかもしれない。理由を付けて奔放になれるなら、
そうしろって――言われてるみたいだ。悪魔みたい。優しく囁くそれは、ただ堕落させる。
理性を剥ぎ取って、動物にしていく。だから今の私は猫だ。
 この理屈は、爆弾魔の彼女と同じなのかも。
220名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:24:57 ID:/sfmCwOL

 ぐちょぐちょ出し入れ、音が嫌だ。ぬりゅぬりゅ垂れてくる感触が脚に走ってくる。
触覚も聴覚も犯されて、魔人の手の中で転がされて。ぐいぐい押し込まれた突起が、一番奥の
大事なところを擽ってくる。いつも受け入れてるものとは違う感触が、病み付きになりそうな。
ぐいぐいねじ込まれて、お腹の奥まで掻き回されちゃいそう。
 力の抜けた脚をソファーに引っ掛けて、ネウロが笑う。唾液を垂らしながら潤んだ目で見上げてくる
私の頬を撫でて、愛おしそうに。粗相をした子猫を慈しむようなそれが気持ち良くて、
ふにゃふにゃ喉を鳴らす。擽られた顎が気持ち良い。

「ん、ふにゃぁあん」
「気持ち良いだろう? ヤコよ」
「ふにゅ、ふにゃ」
「もっと食いたいか?」
「にゃーぁあ」
「――――良い子だ」

 きっと普段ならこんなに素直に言葉は出てこないだろうなあとか、今は鳴き声だけだから
良いんだろうなあとか。ネウロにしか通じない言葉だから、きっと恥ずかしさを感じないんだろうなあ、
なんて。
 脚の間に身体を入れて、ネウロが私の耳にキスをする。それから悪戯に甘く噛まれて、
むずむずする感触に私は思わず笑ってしまった。とろとろに零れていく心も声も、包むように
ネウロが抱き締めてくれる。ずるりと抜き取られたおもちゃは、濡れた重い音と一緒に床に
落とされた。でも、そんなの気にしない。
 くちゅくちゅと唾液を絡ませるキスの音の方が、近くて大きい。

「そら、ヤコ。これを食え」
「んふ、にゃぁ」
221名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:25:37 ID:/sfmCwOL

 突き出されたそれは、まだ半分柔らかいみたいだった。頭を押さえられて、膝立ちのネウロの
そこに口唇を寄せる。濡れた唇を滑るそれをぱくりと頬張って、私は赤ちゃんみたいに吸い付いた。
太くて、苦い味が薄っすらと先端に滲んでる。喉まで飲み込んでこくこく締め付けながら刺激すると、
それはゆるゆると持ち上がってくる。
 喉を突かれないように半分出して、根元は手で擦った。肉球に当たってくる感触が新鮮で、
ふにふに弄ってみる。ネウロも同じなのか、いつもより硬くなるのが早いみたいだった。
上顎をぐいぐい突くぐらいに反り返ったそれを、勢い良く口から吐き出す。ちゅぽんっと音がして、
先走りと唾液の混じった液が顔に掛かった。
 こしこし顔を洗うと、ネウロが耳をふにゅふにゅ手で包んで愛撫してくれる。かりかりっと
根元を掻かれるのが気持ち良くて、お返しにネウロのそれもこしょこしょ根元を擽ってあげた。
とろり、白い液体が零れ出して、伝っていく。舐め取ると、ネウロは良い子だと褒めてくれた――嬉しい。

「ペットはそうやって従順にいれば良い。媚びていればいくらでも愛でられるものだ」
「んにゅ、ふにゃーぁ」
「……そうだな。それで良いのだ、ヤコ」

 額に落とされるキスの甘さに、笑みが零れる。抱っこされて膝に乗せられる、対面座位。これは
好きだ。理由を付けて縋りついていられるし、顔を合わせてるからキスも多い。体格の違いで
私からのキスは出来ないけれど、ネウロがねだるように顔を寄せてくれるから、やっぱり好き。
 とろとろに濡らされた場所に、ネウロの熱が当てられる。顔を見上げて首に腕を回して、
おねだりするような上目遣い。ネウロは小さなキスを口唇にくれた。そして。

「ふ、ふぁにゃっ……にゃぁああああんんん!!」

 ぐっちゅん!
 大きな水音を立てて、ネウロのそれが私の中に一気に入ってくる。痛みはまるでなくて、
押し広げられて満たされる幸福感が私のお腹をいっぱいに覆った。初めての時は太さと長さに
尻込みして怯えたけれど、今はこれが馴染むのがよく判る。おもちゃなんかよりずっと、
私はネウロを待ってたんだろう。じゅわ、と奥から零れだす熱い愛液に、火傷しそうだ。
 ネウロは浅く息を零してから、歯を見せて笑う。ネウロだってケダモノだ、鳥みたいな頭してるもん。
こう言う時はがっついて来て離れなくて、求められてるのが幸せに感じられちゃう。騙されてるとか
流されてるとか思うのに、でも、幸せで胸の奥がぎゅーっとなる。
 好きだなあって、切ないぐらい。
222名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:26:11 ID:/sfmCwOL

 激しい注挿が何度も繰り返されると、頭がぼんやりしてきて何も考えられない。口を閉じてるのも
億劫になって、零れた唾液がネウロの胸を伝っていく。でもそんなだらしないのは私だけじゃなくて、
ネウロもそうだ。謎を見付けた時みたいにだらだらと口元から涎を零して笑う。ぽとぽと顔に落ちてくる
それを、私は口を開けて受け止めた。ネウロの味、するのかなぁ、なんて。ちょっと酸っぱい、
酸性のそれ。ファーストキスのレモン味とは、全然違うんだろうけど。
 ぐっちゅ、ぐっちゅ、断続的な音が続いて、刺激が続く。たまに奥を突き上げた形で止まっては、
ネウロは零れそうになる精液を止めているみたいだった。一気に搾り出すつもりなんだろう。
私はそれが気持ち良いけれど、男の人もそうなのかな? 一度では出きらなくて、どくんどくんって
脈打ちながら、お腹に零れてくる感触。突き上げられた場所がこくんっとそれを飲み下す時の熱さも、
みんな好き。

 動物だもん、今はそう思って良いよね。いつもは絶対こんなの認めないし、自覚もしない。
好きとか、気持ち良いとか、そんなの、はしたなくて恥ずかしくて。
 なのに今は、許されてる。
 ネウロ、だいすき。

「ふあ、っんーにゃ、はにゅ……ふにぃ、ぃんん!!」
「ん、っふ……ぁ、あー……ヤコ、……弥子」
「んにゅ、っちゅ、んぷぅ」
「気持ち良いぞ。素直な貴様は、我が輩に優しいな」

 くすくす笑ってネウロが私の尻尾をぎゅっと掴む。思わず力の入った下半身が、きゅぅぅっと強く
ネウロを締め上げてしまった。熱さと快感で飛びそうになる意識を繋ぐように、ネウロは掴んだ尻尾の
先をくりくり遊ぶ。そして、私のおしりを、擽った。

「にゃ、にゃぁあ、にゃあああんん!!」
「ははッ安心しろ挿れはせんさ、流石に無理だろうからな。ただしこちらも刺激すれば、
 我が輩はもっと気持ちが良いのだ。ヤコ、ご奉仕だ。ペットの鉄則だろう?」
223名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:26:46 ID:/sfmCwOL

 かぷかぷ噛まれた耳の先が、ふるふる震える。毛が逆立っていく感覚がこそばゆい。私、何してる
んだろう――猫にされて抱かれて、尻尾でおしりを弄られて、耳を噛まれて――突き上げる質量が
増す。ネウロは留まらない。出すつもりだ。

 私はネウロの首をぐいっと引き寄せる。存外簡単に、その顔は近くに来てくれた。
 目を閉じて、キスをする。触れるだけのつもりだったけど、感触が気持ち良くて舐めてしまう。
ざりざりの舌で、ネウロの口唇を。ここだけ柔らかいのが好き。舐め続けたら、皮が剥けちゃうのかな。

 大きな手に後頭部を支えられる、噛み付くようにキスを返される。
 ぐちゃぐちゃ音を立てて口内を掻き混ぜる不躾ないつものそれは、嫌いじゃない。好きだと思う。
だから笑って、身体全体ですりすりっと懐いた。乳首が擦れて変な感じ、いつもより敏感で、怖いぐらい。

 ネウロが私の奥に腰を打ちつける。このままぎゅぅっと抱き締めて、逃がさないようにさせられる。
 あ、来るんだ。
 私は口唇を離して、小さく鳴いた。
 何を言ったのかは、ネウロしか知らない。
 お腹の奥に吐き出される熱さの感覚を、私しか知らないように。
224名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:27:21 ID:/sfmCwOL



「…………つかれた」

 はふっと溜息を吐いて、私はぼんやり呟く。頭をネウロの膝に乗せて、くったり凭れかかりながら
ソファーで足を伸ばす。猫耳と尻尾、手足は戻って、すっかりいつもの私だ。なのにネウロは
ごろごろ顎を擽ってくる。人間には、ただこそばゆいだけなのに。

「せっかく、おやすみ……だったのにぃー。もう夕方だよ……脚も変だし、歩けない……」
「すっかり堪能していた分際で不平不満しか出て来ないとは無粋だな。人間達は事後のこういう時間、
 ピロートークとか言うものをするのだろう? 貴様も少しは小洒落て、そう言ったことをしてみれば
 どうなのだ。このゴマダラカミキリめ」
「うわ、また哺乳類以下にされた。なぁにさ、もー……ばーかばーか、ネウロのばぁーか」

 くすくす笑いながらじゃれるように、ネウロの脚に頬を摺り寄せる。ネウロもいつものように
頭を掴んでくることはしなかった。ただ笑って、ぺしぺしっと、軽く叩かれる。
 たぶん、まだ猫の気分が抜けてないだけだ。
 だから甘えてる、だけだと思う。

「貴様は猫の方が素直だと言っているのだ」
「じゃあ、今度はネウロが猫になってよ」
「我が輩は身を堕とさずともいつも素直にしている」

 耳元に、吐息。

「弥子、愛しているぞ」

 チェシャ猫め。
225名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:27:58 ID:/sfmCwOL
終わり。この時のネウロのPCには、>204が表示されていたという。
226名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 13:39:33 ID:UQLbFttm
>>208-225
乙!!!
マジで萌えたよハァハァ
227名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 14:45:55 ID:6Mmhs1MC
甘〜〜〜〜い!!! 激しく堪能した! GJ!!!
228名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 15:09:02 ID:sFVang3U
甘い〜!
ディスプレイの前で激しくニヨニヨしたよ(*´д`)
229名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 18:53:15 ID:IKvxeEff
激しく萌えたにょ
230名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 19:03:05 ID:84gZ4MOP
前半ほのぼの読んでたら後半ごっさエロくてテラモエス
一粒で二度おいしい…ラブいし甘いしもう最高っす
にゃんこ弥子も激しく萌えるなー。ゴッドジョブ!!
231名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 20:47:23 ID:Ng7e5KOX
チェシャ猫ネウロ禿萌ええええええええ

甘くてエロくて笑いまであって
もうここの神様は我々をどこまで昇天させれば気が済むんだああああ
232名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:26:24 ID:sFVang3U
スレ立ってから1週間弱なのに神ラッシュ続きだな!
はぁはぁしっぱなしで息つく暇もないよ。幸せだ……。
神々のみなさん、ありがとう!

何よりエロ欲を喚起せざるをえない原作を描いてくれる松井に100万回ありがとう。
233名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:39:50 ID:NHWHl4Q+
>>208
GJ!!
猫ヤコに萌えた!かわええのうヤコたん。

まさかネウロのエロパロで須藤真澄が出てくるとは思わなかったので
ながいながいさんぽでびびったw
234名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 02:12:28 ID:Y1KIRwD5
そっと去っていった吾代が可哀そうだwww

エーロ・ゴシカァン!
235Y嬢の悲劇 1:2006/10/04(水) 02:14:45 ID:gX2w5JgL
「ただい…はぁうっ!」
その日はごく普通に過ぎた日だった。
そのまま普通に終わる筈だったのに、事務所のドアを開けようとした時から弥子に定められたMの
運命が怒涛の如く押し寄せようとしていた。ドアを開けると、目の前にネウロが立っていたからだ。
「帰ったのか。ちょうどいい、これを着ろ」
言うなり、何か丈の長さからしてドレスっぽいものを渡してくる。シフォンのようにごく薄い生地で、こ
の時期に着るには少し寒そうだ。色合いは上品なシャンパンゴールドだったが、いきなり着ろと言う
辺り、怪しい。超怪しい。
これまでの経験上、こういう場合はろくな展開になってないからこそ、弥子もそれなりには学習して
きたというのに、やっぱり今日も同じだった。
「え、何これ」
「いいから着ろ」
「いや、だって説明してくれないと」
「着 ろ」
「…はひ」
その日のネウロは、いつも以上に押しが強かった。なので、つい命の危険を感じた弥子は、渋々奥
のキッチンで着替える羽目になってしまった。
「…たくもう、何でいきなりこんなの着なきゃいけないの…」
ぶつぶつ言いながらも制服を脱ぎ、ドレスに袖を通すと、何だか色々と様子が変だった。あえて何
に、というならば肝心のドレスのデザインに。

「………着た」
ぶすっとしながらも、弥子はドレスを纏ってネウロの前に出た。
机に頬杖をついたネウロは、弥子の姿を見てやや色めき立ったようだった。
「ほう、なかなかだな」
「あんたの趣味が、これでよーーーく分かった」
恥ずかしさで一杯一杯の弥子が着ていたドレス。
それは、女性として隠しておきたい乳房と局部が全部丸見えになっている、所謂「O嬢ドレス」という
ものだったのだ。
236Y嬢の悲劇 2:2006/10/04(水) 02:15:27 ID:gX2w5JgL
「今更だな、ヤコ」
しれっとした顔で言葉を返すネウロは全く悪びれてもいないのが、弥子にとっては妙に腹立たしい。
そうだ、この男は魔人なのだから、どんな嗜好があってもおかしくはない。それなりにいつも従順な
弥子に嗜虐心を持っても少しもおかしくないのだ。
それにしても、といつも思う。
こんな抱き心地のあまり良くなさそうな、貧弱な体よりはそれなりに肉付きのいい方が結局はいい
のではないか。
それについては一度聞いてみたことがある。
答えは、実にシンプルだった。
「単に目の前にいる女を使いやすくする方が良かろう」
ネウロの本音はそんなものだろう。わざわざ新しく奴隷を探すよりは、手近な人間を思い通りに仕
込む方が遥かにローリスクだ。ある意味、本音がだだ漏れなのだが、それは唯一ネウロの美点と
認めるべきだろう。

「では、せっかくだ。前を全部開いてみろ」
「…分かった」
丸出しドレスでは、隠すものも全くない。半分ヤケになって要求に応じるようにドレスの裾や胸元を
開いて見せつけた。貧弱なのは自分が一番分かっている。これで誘惑になるとすれば、かなりの
変態だと思いつつも、弥子は仕方なくネウロの目を楽しませるだけの行為を続けていた。



続く
237名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 02:16:34 ID:gX2w5JgL
…ごめん。
途中で力尽きた。続きはすぐにまた書く。
238名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 08:25:12 ID:p8P5qJ20
>237
がんがれ超がんがれ
O嬢ドレスがぐぐっても出て来ないorz


>225
もしかしてzero1/xkZ6氏?
違ったらゴメソ
239名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 13:06:14 ID:4qOHT1st
おお!続きwktkして待つ
240名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 13:27:52 ID:AP9s8bd8
225=zero1/xkZ6氏?と思ったの自分だけじゃなかったか
違ったらすげー失礼でごめんなさい。

>>237神、続き全裸で待ってる。エーロ・ゴシカァアン!!!
241笛吹+弥子:2006/10/04(水) 13:44:40 ID:uTe8dlXG
「よろしいのですか?」
前を歩く笛吹に向かって、筑紫は問いかける。
「ふん、邪魔する訳にはいかないだろう」
不機嫌そうに笛吹が答える。
笛吹の脳裏に、先ほど笹塚の病室で見た光景が蘇る。
珍しく微笑んでいる笹塚と、あの小娘探偵。
楽しそうに会話している二人。
その光景を見た笛吹は、何も言わずに背を向けたのだ。
筑紫は笛吹の態度に疑問を感じながらも、笛吹について行く。

あんな小娘ごときに、こんなにも心を乱されるとは。
笹塚もあの小娘の事が好きなのだろうか。
そして小娘は・・・。

「ふん、まあいい・・・」
今日は小娘の笑顔が見られただけで良しとしておこう。

だが、いつかきっと、小娘を俺のトリコにしてみせる。

「仕事が溜っていたな、戻ったら早速片付けるぞ」
「はい」
笛吹は思考を切り替えると、車に乗り込んだ。

おしまい。
242名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 16:15:31 ID:p8P5qJ20
弥子はもう人見知りがひどくて、初めての人に会うと我が輩の後ろにいつも
隠れるべきだと思う。そのかわり一度仲良くなると大胆で、いつもノーブラ
乳首ぽっちで我が輩を小悪魔的な笑みで挑発するべきだと思う。そして胸を
凝視するといたずらっぽく「また私の胸見てるでしょ?えっち!」
とか言うべきだと思う。そして「貴様のぺたんこの胸など見るわけがないだろう」
とか言うと「ペタンコじゃないもん!ちゃんと膨らんでるもん!」と
手をつかんで自分の胸を触らせるべきだ。そして股間が膨らんでるのを
見て「ほら〜おちんちん硬くなってるじゃん!見せてみなさいっ!」
ってちんこを弄ぶべきだ。

そうだな?弥子。


「くたばれアホエロ魔人」
243名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 20:27:37 ID:od68/wQQ
>>235
うおお・・O嬢の物語とはマニアックですなあ・・ハアハア
少年誌で平然とSMプレイするネウヤコにぴったりの題材だ。
どことなく貴族チックなネウロにも合ってるな。
続きにwktk!
244名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 22:29:07 ID:1OhxV9FN
笛吹+弥子イイ!
笹塚+弥子は基本だし、筑紫+弥子だの篚口+弥子だの
刑事どもは天然弥子たんに次々篭絡されてしまえばいい!
245名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 23:19:49 ID:Y9YywCeN
Y嬢続き待ちでエーロ・ゴシカァン!
246名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 01:43:29 ID:EjCYX9e2
筑紫+弥子なんてあるのか?
247名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 02:16:48 ID:IYxTwCdY
前スレにあった。執事の様に従順な筑紫とお嬢な弥子に激萌えた。
248名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 02:28:38 ID:kUgIK61T
来週の展開でヒグチ×弥子を妄想した俺もうダメポ
249Y嬢の悲劇 3:2006/10/05(木) 02:55:17 ID:FW1idao0
続き書いたぞ。

一体どこでこんな卑猥な代物を買ったのだろう。
そもそも元ネタとしてO嬢なんて知っている辺り、やっぱりネウロが吸収している地上の知識はか
なり偏っている。その上、魔人なだけに自分の欲求には超ストレートだ。とどめに性格は極悪とき
てる。こんなたちの悪い相手に、単なる少女でしかない弥子が万に一つも勝てる筈もない。
だから仕方なく従っているだけなのだ。決してこんな淫らなことがしたいのではない。
なのに、色々な手口で翻弄され、セックスに持ち込まれるうちに最近では分からなくなってきてい
た。抱かれれば感電でもしたように激しく感じるし、それは弥子も認めるしかない。
だから本音は嫌々従順な振りをしているのではなく、根っからネウロに影響されてしまったのでは
ないかと。それならこうすることも、されることも、全部望んでいるのではないかと。
あと少しで見知らぬ世界の扉が開こうとしている。そんな感覚を覚え、魔人の男の目の前で薄い
ドレスの裾をたくし上げている弥子はぞくっと肌を震わせた。
「…もういいでしょ、ネウロ」
「そうだな」
優雅な物腰でソファーに座り、弥子の淫らな姿をしばらく眺めていたネウロは目を細めて残酷な笑
みを浮かべていた。貧相な弥子の体でも、それなりには欲情をしているらしい。
「こっちに来い、ヤコ」
「…うん」
今日は一体何をされるのか。恐れながらも仕方なく膝の上に乗ると、まるで猫の子でも触るように
剥き出しになった乳房を戯れにむにむにと揉んできた。
「あっ…」
「悪くないだろう。まだ貴様には調教が足りないようだからな。これからじっくりと施してやろう。貴
様の持つこの体の全ては主人である我が輩のものだと、とくと教え込んでやる」
「何、いきなりっ…」
弥子を人形扱いしたり、小動物扱いしたり、暇な時にどんなものをネットで拾っているのかは知ら
ないが、とにかく毎日弥子への対応はそれぞれ違っていた。
今日は完璧な奴隷扱いだ。それだったらいつもとそう変わりないと思ってしまう辺りが、ネウロの
影響そのものなのだろう。
「黙れ」
一切の口答えを許さない。そんな口調そのままに黒い手袋の指が口に突っ込まれる。恐怖で鳥
肌が浮いたのだが、意外にも指先の動きは実にソフトで繊細だった。まるでキスされて、舌を差
し入れられてでもいるようだ。
250Y嬢の悲劇 4:2006/10/05(木) 02:56:50 ID:FW1idao0
「ン…」
時間にしてほんの数分。
弥子の口の中を探っていた指は舌の動きそのものの優しさで騙まし込んだまま、引き抜かれてい
った。ねっとりとした唾液が指先に纏わりついているのが何だかエロティックで、これから何をする
のか考えると、つい頬が染まっていく。わずかずつ変化していく少女の反応を間近で見ている、そ
んな役得にネウロはほくそ笑んでいた。
「こんなことで感じたのか、淫乱め」
「仕方…ないじゃん。あんたがそうさせるの」
「まあ当然だな、我が輩が直々に仕込んでやっているのだ。思い通りになってくれねば甲斐がない。
平然と言ってのけながら、ネウロはまだ唾液で濡れたままだった指先を、既に潤み始めている弥子
の恥ずかしい部分に這わせていった。
「あ、ダメぇっ…」
触られたら感じているのがあからさまになる。それが嫌で、弥子は必死で足を閉じようとしたのだが、
腰から下が痺れたようになっていて、もうすっかり力が入らなくなっていた。
「あぁん、ネウロ…」
痺れが次第に全身に広がっていく。堪らずに弥子は自らの体を安定させる為にネウロに必死で抱き
つこうとした。
ガチャリ。
ボリュームは小さいが重い金属音が一瞬したと思うなり、弥子の両手首はネウロの首を抱き込んだ
まま手錠で繋がれてしまった。全く周到な魔人だ。この分ではドレスだけではなく、他にも色々とア
レな道具を買ってきていることだろう。
「ネ、ウロ…やだ、こんなの嫌だよおっ」
「口答えは許さんぞ」
「そんな…」
慌てている間にも、内部に侵入してきた指は的確に知り尽くした感じるポイントを刺激して、いいよう
に弥子を喘がせていく。性感が跳ね上がるに従って、内部はどんどん潤みを増していく。留まりきれ
ずに溢れたものがびっしょりとネウロのズボンをも濡らしていた。それを咎めるでもなく、にたりと笑っ
てじっくりと耳を舐めながらごく間近で囁く。
更に性感を煽るようなエロティックな声で。
「思った以上にスケベだな、弥子」
「あっ…言わないでえぇっ…」
普段なら、弥子を小馬鹿にするように難しい台詞を平気でのたまう口が、滅多に聞けない猥雑な単
語を吐く。それだけでも背筋がゾクゾクした。本当に、堪らない。
251Y嬢の悲劇 5:2006/10/05(木) 02:57:51 ID:FW1idao0
「…ネウロ」
「何だ、ヤコ」
憎たらしい魔人は、素知らぬ振りでしらっと言葉を返す。
体の中から湧き上がるとてつもない熱に突き動かされて、弥子はいつもなら絶対に言わない言葉を
口にしてしまった。
「いや、いや…おかしくなるっ…ネウロぉ、して、いっぱいしてぇぇぇっ…」
「いつになく素直だな、ヤコ」
「だって、だって…あんたがそうしたんじゃんっ、私、こんなこと他の誰にだって嫌だからねっ…」
半泣きになりながらも、不自由な腕で抱き着く弥子を優しく掻き抱いてネウロは媚薬の囁きを耳に流
し込んだ。
「主人に対する奴隷の態度としては悪くない。この先も、じっくりと調教をしてやろう」
そう言いながらも、股間で意思を表明するものはしきりに焦れったく脈動を続けている。もう言葉など
何一ついらなかった。ただ、これだけが欲しい。
「ね、して…」
「では、存分にくれてやろう。我が輩の奴隷よ」
「あん、ネウロ…大好き…」
歓喜の声を漏らす弥子の中心を、すぐさま欲望の化身たるものが傲慢に貫いた。これまで重ねてき
た関係が物語るように、セックスそのものにはもう何の抵抗もない。ようやく欲しかったものを与えら
れた喜びで、弥子はもう何の枷もなく思いを爆発させた。
「ああっ!いい、いいのっ、ネウロぉっ…!」
繋がった部分はもうとろとろに蕩けていて、時々感極まったようにぷしゅっと潮を吹く。その度に弥子
はネウロの膝の上で身をくねらせて喘ぎ、存分に甘く鳴いた。
「…ふふ、まあ調教の成果はそれなりに出てきているか。嬉しいぞ、ヤコ。所詮人間の羞恥心や罪
悪感など、わずかで意味のない倫理観に縋っただけのものだ。そんな呆気ないものなど我々には
必要ないだろう?これからじっくりと教え込んでやろう」
小振りだが形のいい薄紅に染まった乳房を弄び、激しく腰を突き上げながらも魔人の男は満足げに
囁いた。
無論、弥子には聞こえてもいなかったが。
252Y嬢の悲劇 6:2006/10/05(木) 02:58:38 ID:FW1idao0
奴隷。
何と忌まわしくも甘い響きだろう。
絶対に容認するつもりもないことが、ただ一人にだけはあっさりと解放されている。
「ネウロ」
ひとしきり戯れた後、ソファーからのろのろと起き上がった弥子は、乱れきったドレスを直して痛む腰
を宥めながらようやく立ち上がった。ネウロはといえば、相変わらずパソコンの画面を無表情で眺め
ている。
どうしてこんな気持ちになるのか、きっとネウロは知らないのだろう。奴隷が奴隷であることを認める
のは、まさに感情あってのことなのだ。
「私ね、本当にあんたが好き」
「それは奇遇だな、我が輩もだ。愛しているぞ、ヤコ」
軽々しく言葉を返すネウロは、きっと意味合いなど何も考えてはいない。その言葉も単に弥子を繋ぐ
為のものだろう。
だが、それでも良かった。
あの口で言うのならば。
「ネウロ、私をもっとあんたの好きなようにして」
甘く蕩かされた体の内側が、どろどろに黒く沸騰している。そういう性癖ではなかったつもりだったの
に、もう遅かったようだ。
こんなにも、ネウロに与えられるものを求めている。



終わり
253名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:00:51 ID:FW1idao0
とりあえず、今回はここまで。
今度はもっと濃厚にねっとりエロを書きたい。
254名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:09:23 ID:FW1idao0
>>238よ。O嬢ドレスは便宜上、俺が勝手にネーミングしたのでぐぐっても
出てこないと思うぞ。
まあ、映画なんかで見れば分かると思う。あんな感じだ。
255名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:34:37 ID:ElrXikFS
>>197投下して>>201で再変換するって言ったけど
>>208-225でGJなのが来たからおまけの予定で晒そうと思った
ものだけ置いとく。
ttp://kasamatu.o0o0.jp/pochi/src/hajime3579.jpg.html
pass:neuro
256名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 11:08:24 ID:RS3d4tQp
ゴシカァァン・パニック☆〜アヤお姉さまといっしょ〜

私…お姉さまの歌を聞くと…もう何も出来ない…(結構うろ覚え)





ストパニのあの人がアヤにしか見えなかった自分は末期。
特に反省はしていない。
257 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:48:02 ID:zzBznYN2
誰もいない、こそこそするなら(ry

投下。ネウヤコっぽいシリアスでエロなし。若干支離滅裂。
あと、生理だとかゲロだとかあるので、苦手な人は回避してたもれー
258 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:48:37 ID:zzBznYN2
 身体のサイクルに合わせて見る夢に諦めを覚えたのは、三度目からだった。
 貼り付けられた笑みで残酷を振るう人影。魔界生物と自称し、事実そうであるネウロとの行動を
いくら重ねても、やっぱりそれは恐ろしいものだった。私がその人を人間だと知っているからかも
しれない。人間だからこその醜悪はあるのだろう――いっそ化け物か突然変異なら、それは理解の
及ぶところに存在するものではないのに。だけど彼は、当たり前の人間の風貌をした、人間だ。
 足元に転がっているのはばらばらにされた死体。身体は人の形を留めていなくて、ただ顔だけが
私を見ている。物陰、書架と書架の間のデッドスペース。小さな頃はよくこうやって入り込んだ、
お父さんの部屋。生首は呆然とした無表情。私は、ただ佇んでいる。やがて狂人が退出するのと
同時に、そっと動き出して。

 小さな脚で歩く。無力な私は小さな子供。今となんら変わりの無い子供。掲げた生首には
生まれた時から知っている人の顔が刻まれていた。ぽた、ぽた、零れてくる血が顔に掛かる。
そっと身体の山の上に戻して、小さな肉片を拾った。ぱくり、食べる。味はしない。

 よろよろと覚束ない足取りでお母さんの部屋に行くと、部屋一面にその身体はぶちまけられていた。
やっぱり原型がなくて、ただ首だけが呆然としている。お父さんとお母さんは仲良しだから、きっと
お揃いになったんだ。ぼんやり浮かぶ狂った考え。抱えた生首、顔に滴る血。部屋の真ん中に
そっと首を立てて、また味のしない肉片を食べる。

 覗いた台所には美和子さんの内臓がぶちまけられていた。辺り一面真っ赤なのに、呆然とした
顔には血飛沫がまるで飛んでいない。なんだか可笑しくて、覗き込む。お腹の中に全部入っていたとは
思えないぐらい沢山の臓物が零れだしていた。一欠けら摘む。少し苦い。気がした。やっぱり味は無い。

 玄関には制服姿で叶絵が死んでいた。屠殺された豚か、アンコウの吊るし切りのような様相で、
電灯のコードにぶら下がっている。傍らに落ちているのは宿題を入れるトート、その上には、綺麗に
取り出された臓物が山になっている。お腹の中は空っぽだ。スレンダーでスマートだもんね、
と納得する。呆然とした顔を眺めながら、ぱくんっと。
259 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:49:12 ID:zzBznYN2

 玄関から外に出ようとする。手を上げてノブを捻る。
 影が掛かった。

「何処に行くんだい?」

 にっこりと柔和な人殺しが、私を見下ろした。

 そうして目を覚ましたのは、五回目のこと。



「弥子、ほれ」

 終わった授業のノートをぼんやり見下ろしていた私に、叶絵がひょいっと差し出したのは
ミントのガムだった。顔を上げれば心配そうな、だけどそれを出来る限り押し留めた様子で、
叶絵が微笑している。惰性のようにガムを受け取れば、ぺしぺし頭を叩かれた。子供扱いの
ようなそれを訝ると、溜息が漏らされる。

「ちゃんと薬飲んでこなかったの、今日重い? かなりしんどいっぽいけど」
「え?」
「あの日なんでしょ、コロン付けてるじゃん」
「あ、うん」

 人がニオイをさせているのはあまり好きじゃない――食事処なんか論外だ――から、
私は基本的に香水の類を付けない。だけど月に一回は、そうもいかない気になる日がある。
今日みたいに。優しいレモンの柑橘臭が好きで、その時はいつもスカートの内側に軽く
1プッシュする。動くときに少し、匂い立つように。
 体調が悪い時はいつもこんなニオイだ。爽やかなのが好き。お父さんの部屋のルームコロンが
そうだったって言うのがルーツなのだけれど、今は違う意味もある。ニオイを消す。血生臭いニオイを、
お父さんの部屋みたいに。刻まれたものを覆い隠す比喩、思考の海に沈み掛ける意識は、叶絵の
溜息に引き上げられる。ぐいっと首に腕を回されて、引き寄せられた。近い表情が生きてる気配を
伝えてきて、ほんの少し安心する。
260 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:49:51 ID:zzBznYN2

「あんま忙しくしてると周期狂っちゃうよ? ただでさえ最近のあんた、わたわたしてるしさー
 ……探偵なんて一週間やそこら、休んだって別に良いじゃない。こんな時ぐらいはゆっくりしなさいよ」
「そうしたいのは山々なんだけど、カツカツだからさー。助手がスケジュール詰めてきて、もう大変なの」
「ありゃりゃ、惚気ですかこれまた」
「だからそんなんじゃないって」
「だったら良いけどねー? 一線越える前に相談の一つぐらいして欲しいわよ、友人としては。
 あんたってば、……『あれ』からこっち、あんまり私にそう言うこと言わなくなってるし」

 心配されてるんだなあ、と思う。まるでお母さんかお姉さんみたいな様子で私を見る叶絵は
確かに大人っぽいし、面倒見も良い。前ならそれに頼ったけれど、最近はそうも出来ないのが
現実だった。相談内容自体に不明瞭な隠し事が入ったりするし、そもそもそんな時間が取れない
というのもある。ただでさえ、皆無のプライベート。
 『あれ』、から……か。
 夢を見たのは、あの三日後から。

 周期の狂いが出たのは、ネウロに事件を解決して貰ったその日の夜からだった。
明確に名前と人格、何より『顔』を与えられた恐怖が、ぐるぐると夢を陵辱する。幼い私には
それから逃げる術が無くて、ただ呆然としているだけだった。幼さが理由になるなら、大人に
なれば良い。生命の危機に反応するように、やってくるそれ。赤い色の不快感。
 以来、月に一度のそれは悪夢を伴ってやってくるようになった。判りやすいのは良いかも
しれないけれど、でも、やっぱりそれは悪夢だ。心が疲れ果てて苦しくなる。気持ち悪い。
あまり生理痛が軽い方じゃないのも拍車を掛けているのかもしれなかった――気持ちが悪い。
始業のチャイム、私はのろのろと次の授業の道具を出す。鞄に突っ込んだ手が、携帯に触れた。
 出来るだけ離れたくて、切りっぱなしの電源。怒られるだろうとは思うけれど、こんな時ぐらい
少しは逆らう勇気を振り絞ったって許されると思う。

 でなきゃ、壊れてしまう。
261 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:50:42 ID:zzBznYN2

 ささやかなクセはよく見抜かれる。叶絵の言ったコロンのように。でも多分まだ気付かれて
ないだろう、私にはあれ以来、もう一つ習慣が出来ていた。目に掛かる髪を軽く払う、耳元、
いつものピンの気配はない。付けてこなかったから。
 ――この時は、見たくない顔が増える。
 だから、顔を隠して目を閉じる。
 口の中には噛むのを忘れていたミントガムが、じんわりと毒のように舌を痺れさせていた。



 放課後、夢の中のように覚束ない足取りで事務所のあるビルに向かうと、その玄関先に人影が
あるのが遠目に見えた。髪でちらつく視界にぞくりと冷や汗が溢れるけれど、どうやらそれが
吾代さんらしいことに気付いて、ほっとする。良かった、ネウロじゃない。

「吾代さんこんにちは、どうしたんですか?」

 駆け寄って声を掛けると、げっそりした様子で見下ろされた。どうしたのかと思って首を傾げると、
ぐい、と階段を示される。事務所。ネウロ関係なんだろう、何かされたのか――言葉も出ないぐらい
って、一体。視線で問うと、疲れきって掠れた声が振ってくる。

「携帯繋がらねーとかで、すんげー不機嫌なんだよ。どうにかしてくれよあいつ……っつーか何で
 お前は確認しねーんだよ、こっちに被害来るの判ってんだろーが」
「あ、あはは、やっぱ怒ってます?」
「大時化も良いところだ、おさげが取り成してもどうにもなんねぇ。おまけに客が来てるもんだから、
 空気が重くてしゃーねぇよ」
「お客さん? 誰か、依頼人さんとか?」
「あの刑事だよ、えーと、笹塚っつったっけ?」

 ぞく、っと。
 背筋が冷たくなった。
262 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:51:18 ID:zzBznYN2

「判ったら早く行けよ、ったく」
「……ごめ、吾代さん」

 髪の所為だけじゃなく、暗くなる視界。ふらりと傾ぎそうな身体を支えるのに、私は目の前のシャツを
掴んだ。悪趣味なアロハ、どこに売ってるんだろう、なんて思う。掴む指先に力を入れられなくて、
震えるのが嫌だった。俯いた私の様子が変だと気付いたのか、そっと肩を支えられる。暖かくて
大きな手が少しだけお父さんを思い出させて、落ち着いた。スカートから立ち上る柑橘のニオイも
手伝って、どうにか動悸は治まる。

「なんだ、どうしたんだよおい」
「ご、ごめん、ちょっと具合悪くて、でも入ったら帰して貰えなさそうだから、その、行けないって
 伝えて貰えないかな?」
「いや流石に死ぬ……あの刑事の前だったら無理も言わねぇだろ、さっさと断って帰れよお前。
 顔真っ青だぞ」
「無理。ごめん。お願い。ほんとにお願い。おねがい、します」

 歯の根が合わない、背中が冷たい。思い浮かべないようにする顔なのに、ここでは無理だ。
気持ち悪い。視界を隠す、震える指が離れそうになる。駄目だ、離したらいなくなっちゃう。
シャツを掴む。ぎゅぅっと。込み上げる吐き気。傍にいて。気持ち悪い。怖い。思い出したくない、
連想したくない、だから会いたくない。だから。

「何をそんなところで油を売っているんですか、先生?」

 響いた声に、膝が震えた。
 気配。ネウロが階段から私達を見下ろしている。タバコのニオイ、隣にいるのは笹塚さんだろう。
嫌だ。こっちにこないで。嫌だ。

「連絡がつかないから随分心配してしまったんですよ、こちらの刑事さんも随分お待ちでしたし。
 さて雑用くん、先生を事務所に運んで差し上げて下さい。そんな地面に這い蹲らんばかりの
 カメムシ染みた格好をされていては、風評にも関わりますから」
「いや――弥子ちゃん、具合悪いんじゃないか。顔色随分悪いぞ、ちょっと見せて」
「来ないで!!」
263 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:51:52 ID:zzBznYN2

 階段から降りて来ようとする笹塚さんに、私は思わず声を上げて懇願した。吾代さんに縋りついて、
その影に隠れるようにしながら視界を閉ざす。何も見ないように感じないように世界を閉ざす。
今は嫌だ。とても見れない。顔を合わせたくない、同じ空間にいたく、ない。
 笹塚さんの傍らに影が見えてしまう。あの時一緒に家に来た。嫌だ、思い出したくない。赤い。
気持ち悪い。ぶちまけられて、見下ろされて、酷薄な。込み上げる吐き気。脚の奥が気持ち悪い。
誤魔化せないぐらいの生臭さが零れだす。お父さんのニオイが消えるぐらい。込み上げる、
眼が眩む、ぐらぐらと。お父さん。守ってもらえない。死んじゃったから。
 人殺しの顔がちらつく。そして飛び散る真っ赤な。

「ッ、あんた達はちょっとそこで待ってろ!!」

 不意に怒鳴り声が響いて、吾代さんが私の身体をぐいっと抱え上げた。抵抗も何も出来ない
まま、一階の一室に連れて行かれる。設えられていたソファーに投げ出されるように寝かされると、
吾代さんが壁をドンドンと殴った。二階からあかねちゃんを呼んでいるのか、するする落ちてきた
綺麗な三つ編みが、私の顔をぺたぺた叩く。
 香ったシトラスのニオイが、なんだか心を落ち着かせた。この前買ってきたトリートメント、
そう言えばそんなニオイだったっけ。ぎゅぅっと握り締めて鼻先に寄せる、縋り付くように。
脚の奥がどろどろした。筋のような冷気に、垂れちゃったのかとぼんやり思う。吾代さんは
心底からバツが悪そうに、私を見下ろした。

「と、とりあえずパンツ買って来るからな、他に何か欲しいもんあるか? あーと、毛布はそこに
 積んである。ここは昔仮眠部屋だったからよ。あれか、食いもんか? 飲みもんか?
 何すりゃ良いんだ!?」
「……、れもん」
「レモン? まるまんまか?」
「うん。れもん、お願い」
「判った! あとそこのおさげ、鍵掛けとけよ! あいつら来ても絶対入れんな!!」

 吾代さんは優しいなあ。ばたばたと慌しく出て行く気配に、そんなことを考える。
 心配そうにあかねちゃんがお下げを揺らせた。筆記具がないから言葉を伝えられなくて
もどかしそう。生徒手帳とシャーペンをポケットから出して差し出すと、すらすらと芯が擦れる音が
した。『大丈夫? 何か出来ることはない?』、吾代さんと同じことを訊ねる。私は首を振る。
264 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:52:27 ID:zzBznYN2

「ごめん、すこし、ねむらせて」

 言い終わる前に、眼を閉じた。



 殺人鬼でも魔人でも突然変異でもなく、その人は人殺しだった。優しそうな顔で私を慰める言葉も
掛けてくれた人が、人殺しだった。暖かい手で背中を支えて気遣うようにしてくれた人が、人殺し
だった。たった一人のお父さんを殺した人が、人殺しだった。
 普段は考えないでいられてるつもりだったし、もしかしたら吹っ切れてきてるのかも、なんて
思っていた。だけどそれは容赦無く襲い掛かってくる。瘧。フラッシュバック。悪趣味な悪食の夢の中、
真っ赤な血を顔にべっとりと付けて、小さな私を見下ろす。そうやって目を覚ます夜中、
トイレに駆け込んで胃の中身を何もかもぶちまけるお定まりのイニシエーション。
喉が壊れて血が零れだすのに嫌悪感、そして、連想に追い詰められるのもルーチンワーク。
明かりを点けて携帯を握り締めて、震えながら朝を待つ鈍痛の夜。

 いつもならそれでもこんなにはならなかった。ネウロの顔を見ないようにピンを外して、笹塚さん達に
関わらないように事件の記事を探して。だけど、今回は不意打ち過ぎた。一気のオーバードーズ。
吾代さんの不器用な助け舟が無かったら、多分泣き喚いてどうしようもなかったんだろうと思う。
 輪切りのレモンを口に咥えると、酸っぱい味が感覚のすべてを支配してくれた。そのままぼんやりと
ニオイに浸ると、吾代さんはバツが悪そうに頭をがりがり掻き毟る。頭皮に悪いよそれ、禿げるよ。
お腹から脚にかけてをすっぽり毛布に包まれながら、私は思う。

「結局、なんだ? あの刑事の前の上司に親父殺されて、その時にあの変態魔人と会って……
 思い出して気持ち悪くなった?」
「うん、そんな感じ。調子悪いとそういうの、結構しんどいんだよ。顔とか声とか辛くて、
 嫌になるって言うか。そう言えば、何も言われなかったの? さっき出て行ったとき」
「あー、刑事の方は体調不良ってので納得してくれたんだけどよー……」
265 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:53:04 ID:zzBznYN2

 がっくり項垂れた様子から察するに、ネウロの方はきっと人を殺せる視線を向けてきたんだろう。
笹塚さんの前では猫を被ってるだけに、抑圧されたそれはかなりの毒を持ってそうだ。流石に悪い
とは思うから、後日埋め合わせはさせてもらおうと思う……そう言えばお母さん、次の仕事で
荷物持ちと写真係が欲しいって言ってたっけ。紹介してみようかな。
 あかねちゃんはネウロを説得してみると、事務所に戻ってしまった。鍵の掛かった部屋の中、
私はぼんやりレモンを噛む。毛布に果汁がぽたりと落ちて、ふんわりニオイが立った。これも
クリーニングに出して返さなきゃな、血とか、汚れちゃったし。血のついた毛布って何だか
死体遺棄の香りがするけれど。いやいやそれはない、ネウロに毒されてるのか私。あぐあぐ、
残った皮をぺそんっとゴミ箱に捨てて、溜息を吐く。

「……正直、自分でもここまでだとは思わなかったんだよねー……」

 夢を見るのが初めてだったわけじゃないし。口元を拭って軽く舐める。鼻の奥から通り抜ける
酸っぱいニオイが気持ち良くて、大分気分は落ち着いていた。傍らに置いた鞄の中、電源を
切っていた携帯を取り出す。新着メール七十件。着信は見たくない。メールも開かずに削除したい。
乾いた笑いが漏れる。
 私はこんなに弱弱しかったかな、なんて思う。難しいことを考えるのは嫌いだし、能天気だとか
元気だとか、昔からそんな言葉ばかり言われてきた。自分でも実際そうだと思う。ご飯を食べたら
幸せで、満腹で眠ったらすっきりして。なのにこの時だけはまるで別人、異邦人、ストレンジャー。
情緒不安定な、子供みたい。
 吾代さんは掛ける言葉を見付けられない様に、ただ黙っていた。そうして貰ってる方がありがたい
から、正直助かる。ただ誰かに何か言いたいだけだ。叶絵みたいに相談に乗ってはくれないだろう
けど、吐き出すものは受け止めてくれる、基本的には良い人だし。私はあはは、なんて乾いた笑いで、
携帯を閉じる。

「だってさ、結構前のことだし、普段は平気だし。笹塚さんにはたまに奢って貰ったり、
 ネウロとは毎日顔合わせて、警察の人達だって結構よくぶち当たって
 ……なのになんでこの時だけ、こんななのかなぁ、って」
「…………」
「どうしようもないのかなあって、弱いなあって。ほんと、駄目だなあって――なんで、わたし」
「あー」
266 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:53:44 ID:zzBznYN2

 吾代さんが遮るように、唸る。
 私は、小さく俯いて顔を上げられない。

「ほら、これ」

 差し出されたのは、掌に乗るぐらい小さな紙袋だった。
 ファンシーショップのものらしい花柄のそれは、なんだか武骨な吾代さんの手に全然合わない。
お店に入るのを想像したら、笑いすら込み上げてきた。ぐいっと手を引かれて握らされる。開けて
みると、髪留めのピンが二つ入ってた。赤い楕円形でシンプルなそれは、いつも私がつけてるのと
ちょっとだけ似てる。

「顔なんか隠してるから気が滅入るんだよ。ぶっちゃけ俺は女の身体のことだとか、心理学が
 どーたらこーたらとかはわかんねーし、親父が殺されたってのも想像出来ねぇ。でも、すげー信用
 ……違うな。信頼してた相手がいなくなっちまうのは、判る。たぶん、すげー判る」
「吾代さん」
「でも、ぐだぐだしてるのは性にあわねぇから、今もここに居ついてるっつーか居つかされてるけど
 ――でも、こんなもんだ」

 肩を竦めて、苦く笑う。

「お前だってそうだろ。性に合わねぇ。なら、美味いもん食って、遊んだり喚いたりしてりゃ良い。
 我慢しねーで、ここに来るのだってすっぽかしてよ。殺されやしねぇだろうし、良いじゃねぇか、それで」

 不器用な言葉を重ねて、いっぱいいっぱいになってるのが判る。私が思わず笑みを漏らすと、
吾代さんは『笑うな!』なんて怒鳴った。くすくすけらけら、でも、無理だ。
 ああ、出来ないなぁ、って――私は弱くないけど、こんなにも強くないなあって。
 喝を入れられても、受け止められても、お腹の奥の鈍痛は消えないし、ちらちら過ぎる顔も止め
られなくて。正しいことは何も出来なくて、だからせめて、貰ったピンで髪を止める。明るくなった
視界に広がる世界は、だけど根本、何も変わったりしない。何も。涙が出るぐらい、怖いままだ。
267 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:54:18 ID:zzBznYN2

 不意に携帯が振動してメールの着信を告げる。あかねちゃんからのSOSコールだ。ネウロが
いくらあかねちゃんに甘くても、やっぱり駄目だったらしい。毛布をずるずる引き摺って、私はドアに
向かう。助けに行かないと悪いし、多分何も解決しない。

「おい、平気か?」
「うん、大丈夫大丈夫。毛布借りるね、洗って返しに来るから。あと、ありがと」
「え? ああ」
「ぱんつとか」
「早く行け!!」

 真っ赤だった。遊んでそうなのに、案外ウブなんだなあ。



 事務所のドアの前に立つと、壮絶な殺気が漏れ出しているのか、身体が寒気に震えた。
やっぱり弱いなあ、なんて自覚する。ピンを外したいけど、なんだか勇気付けられてるようにも
思えるから、頑張ることにしよう。ノブを回す、毛布を押さえる手は、じっとり汗ばんだ。そっと音を
立てないようにするけれど、無常な蝶番はキィイッと泣く。
 向かいの机には、姿が無い。と言うことは、多分真上の天井にいるんだろう。顔を上げようとして、
でもやっぱり見るのが嫌で、私は俯く。目を閉じながら、そっと一歩踏み込んだ。途端に扉が、
意思を持つようにバタンッと大きな音で閉じられる。電気椅子に座らされるのはこんな感じなのか。
私は襲ってくるだろう痛みに身構えて、肩を小さく縮める。

「警戒心を剥き出しにしているのに飛び込んでくるとは、支離滅裂な行動をするものだな豆腐よ」

 頭の上から響く声に、身体が震えた。
 吐き気が込み上げて、喉が痛い。
 酸っぱいニオイ。でも、レモンとは全然違う。
 ただ痛みと嘔吐感を誘うそれを引き出すように、ネウロの声は続く。
 冷たく、淡々と。
268 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:54:52 ID:zzBznYN2

「アカネの言うことでは要領を得んのでな、貴様に直接問い掛けることにしたのだ。速やかに
 我が輩の疑問に答えろ――何のつもりだ。連絡には応えず人の顔を見るなり拒絶とは、
 如何に貴様が下等生物の中でも底辺に当たる者だとて、こちらの癪に障る。お陰で食事を
 逃したのだ、貴様には応える義務があり、我が輩には尋問の権利があるだろう?
 さっさと固く噤んだその口を開け」

 気持ち悪い。
 気持ち悪い。
 気持ち悪い。

 閉じてるはずの目の前が、ぐらぐらと明滅して白黒している。口元には悲鳴と吐瀉物が込み上げて
きて、とてもじゃないけど開けられない。不快感、恐怖、威圧感。ワルツで繰り返されるそれが首筋の
神経を圧迫して、震えが止まらなかった。いつも以上に感じるストレス。顔が、浮かんでくる。笑う顔。
にっこりと。貼り付いたように。私を見下ろして。人殺し。

 その頭を食い千切る、化け物。

「ッぅ、うぐ」

 がくんっと膝が崩れて、私は床に這うように倒れ込んだ。押さえた口元からは込み上げてきた
ものが零れだして床にぶちまけられる。お昼は殆ど入らなくて、だから、それは透明な胃液と
レモンの欠片ばかりだった。食道を焼きながら零れ出して来るそれが、手を濡らす。生暖かい。
血液のように。気持ち悪い。夢の続き。

 人殺しの頭は、化け物の鳥に食い千切られた。ぶちん、音がして飛び散った赤色が私の顔に、
身体に、びしゃあっと音を立てて降りかかった。がりごりと凶悪な音で咀嚼される頭蓋骨、化け物は
真っ赤な口を大きく広げて歓喜の声を上げて。私は頭を失った人殺しを覗き込む。千切られた首の肉。
それを、一つまみ、ぱくん。ごくり。味のしないそれ。
269 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:55:27 ID:zzBznYN2

 誰が殺したのか判らない。人殺しも化け物も、脆弱な私を殺すのはどっちだって同じだ。
そして私も、その結果を食い物にする。味のしない食料、それはきっと、『謎』だ。私には判らない
その概念。ネウロの食料、私の経験。慣れていく。私はきっと、慣れていく。お父さんを見た時の
衝撃を、きっと感じなくなってしまう。
 だから身体は警告する。サイクルに合わせて警醒する。身体に変調まで起こして、遠ざけようと。
誰からも。警察もこの魔人も、一緒にいたら。同じだ。嫌だ。怖い。気持ち悪い。吐き気がする。
止まらない。胃がぎゅうぎゅう収縮して、涙がぼろぼろ零れだして、唾液がだらだらと落ちて。嫌だ。嫌だ。

 心が、死んでしまう。

「ッい、いや、いやだ、いや、だぁあ」
「…………」
「こわい、こわ、いぃい、気持ち悪いッ……わたし、は、人間、なのにぃ」
「…………」
「化け物になんか、なりたくないッ」

 人殺しは人だけど。
 突然変異も人だけど。
 この魔人は化け物で。
 じゃあ私はなんなのか。
 人が死ぬのを待って。
 悪意の謎を、待たされて。

 赤い色が落ちる。喉が切れたらしい。赤い色が落ちる。スカートの奥からも。赤い色が落ちる。
嗚咽の振動に、髪留めすら。誰も何も守ってくれない。この腐ったニオイが、何もかもを埋めて
しまった。俯く、髪で隠していられない目がそれを確実に認識する。叫びたい。でも何も変わったり
しない。冷たい視線で魔人は見下ろす。化け物の鳥は私を見下ろす。
 いっそこの頭をもぎ取って食い千切ってくれれば、どれだけ楽なのか。きっと許してくれないし、
私にも覚悟は出来ない。だけど願ってしまう。私は人でいたい。人で。お父さんとお母さんの子供で、
人間で。そうしていたい、よ。
 怖くて辛くて苦しくて、それにも慣れて、化け物になるのは、嫌だ。
270 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:56:02 ID:zzBznYN2

「貴様が化け物になどなれるものか」

 天井から降ってきた声は冷たくせせら笑う。ふっと目の前に長い脚が下りてきて、ぶちまけた
吐瀉物を蹴散らした。びしゃり、スラックスの裾に汚物が跳ねる。普段ならそんなことしないのに。
首根っこを掴まれて引き上げられる、反射的に目を閉じれば、チッと不機嫌そうに舌を鳴らされた。
げほげほ咳き込む、胃液が散る。喉が痛いし、苦しい。ずるりと毛布が落ちれば、赤い筋が
だらだらと落ちる脚が晒されてしまう。見られたくない、だけど脚はただ、びくびくと痙攣する。

「下らないことをほざくな、このフナムシが。お前のような脆弱な生き物がそれ以上にも以下にも
なれるものか。我が輩と行動していて何か勘違いでもしたか? 貴様風情が何になれる、
貴様は誰にもなれないし、何にもなれない。それが貴様の器だ」

 吐き捨てるような言葉を掛けられる。締められた喉が苦しくて口唇が震えると、手が離されて
床に打ち捨てられた。毛布の上にへたり込むと、もう動けない。何もかもが限界だ。消耗して
磨耗して、何も考えられない。頭が飽和状態で、ただ、あの顔が。
 人殺しの顔が頭の中でぐにゃぐにゃと歪んでいく。サイの変身のように、だけど、それは、ネウロの
顔になった。食われたものが同化して行ったんだろう。じゃあ私が恐れていたのは、一体なんだった
のか。それは一体、誰の顔だったのか。どんな生き物だったのか。何もかも包括するなら、それは
――ネウロの中の人間だろうか。人間が動物の脳を内包するように、彼の中にある下等生物の。
生臭い血と酸っぱい胃液のニオイが身体中を包む。思考は働かない。ネウロと同じニオイのする
人間が、怖い。
 目の前の汚れた床に、ネウロが膝を折った。そしてそのまま、伸びてきた腕が私を強く抱き締める。
あまりの強さに喉がひゅぅっと鳴って、込み上げた恐怖が嗚咽を零した。だけど、背中に回された
大きな手は、私を支えるように抱き締める。人殺しのように。お父さんのように。胸に頭を押し付けられ
ても、鼓動は聞こえなかった。体温も。死体のように、その身体は、形だけのもので。
271 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/05(木) 18:56:36 ID:zzBznYN2

「貴様は誰にもなれない、何にもなれない」
「っぅ、あ」
「誰にもならない、何にもならない」
「ね、う」
「我が輩の同属にも、我が輩にも」
「ねう、ろ」
「だから――――」

 だから、良いんじゃないか。
 言い聞かせるように、言葉を重ねられる。
 身体が重ねられる。
 ほんの少し寂しそうに、ほんの少し不機嫌そうに、ほんの少し安堵して。

「貴様が怯えることなど何もない。我が輩は貴様の精神や本能、生態に干渉することはないのだからな。
 いずれ時が来れば何もかも消える。だから、――――怯えないでくれ。拒絶を、するな」
「……ネウロ」
「我が輩の傍にいろ。不安定なら奉仕活動は無理強いしないでやる。だが、ここにいろ。我が輩の傍に在れ」

 記憶を拒絶した。自分の身体のサイクルを狂わせた要因を恐怖した。誰も彼も何もかも、
連想させるものすべてがただ恐ろしくて、身体が震えて膝が立たなくて言葉は潰されて耳は聾されて
目は閉じられて。だけど閉じられない感覚のすべてが、支配される。抱き締める力が、強制する。
 このたった独りの生き物だけには、何もかも解体されるように抉じ開けられる。
 涙が零れたのは――今が初めてだった。

 ごめんね、本当は仲間が欲しいのにね。

 私はネウロの顔を見上げる。背中に腕を回して、そっと抱き締める。
 叶絵がそうしてくれたように、お母さんがそうしてくれたように。吾代さんがそうしてくれたように、
お父さんがそうしてくれたように。精一杯に、可哀想な魔人を抱き締めた。愛する私にすら本能で
拒絶された可哀想な魔人を、抱き締めた。一人ぼっちは嫌なのに、誰かを引きずり込むことも
出来ない優しい魔人を、抱き締めた。
 有機的に腐敗した汚物が散らばる真ん中。魔界の百合はこんな生臭く酸っぱいニオイなのかも
しれないと、ぼんやり思いながら。

「ここにいるよ」
「嘘吐きめ」

 ごめんなさい。
272名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 18:57:31 ID:zzBznYN2
終わり。吾代は親父扱い。
どうでも良いけど、あかねちゃんと吾代ってキャラ的に対極だから
絡ませたら面白そうだとか思ってしまった。
273名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 18:59:50 ID:zzBznYN2
あと>238、>240
なんで判った(・∀・;)

前スレでシリアス言ってくれた人、こんなのしか無理だったよorz
274名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:28:14 ID:DTXsMI8k
>>ZERO1氏

神業、GJ

>>225 ああ、やっぱり。
変則な内容だったけど、何となく判った。

血のにおいって鼻につくね、あの鉄の臭いが非常に。
ちょっと凄惨な内容だったけど、ヤコの気持ちは良く判った
描写が神
275名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 21:38:30 ID:H2HdDM6h
◆zero1/xkZ6氏、あんたどこまで神なんだ…!
正直、鬱系の話は苦手なんだが、圧倒的な筆力で一気に読んじゃったよ
着地点が意外なほど甘かったので自分的には満足だ。
でもすごく悲しい話なんだね
魔人が哀しくて、不覚にも泣いてしまった。GJ!
276名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 22:57:20 ID:vkvl03EJ
職人様方いつもありがとうございます。
今日ネウヤコの夢を見た。ネウロの戯れで体が入れ替わったネウヤコ
男体化女体化注意?

「あっ…」
ネウロ(中身弥子)の顔が快感に歪む。本来ネウロが絶対出さない声で鳴く。
「こらえ症のない豆腐め」
弥子(中身ネウロ)がせせら笑う。
「ネウロっ…締めちゃだめえっ」
「貴様の体は感じやすすぎる…まぁいい貴様の体だ存分に出すがいいっ」

職人様お願いですできればこのネタで書いてはもらえませんか!!
下手だから書けなかった('A`)
でもこのスレのみんなとあの感動わけあいたいんだよ…いい夢だったんだよ…チラ裏スマソ
277名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 23:08:11 ID:CXIJcwv9
>>276
変態なオイラはすげえ興奮した・・続きは?
278名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 00:55:43 ID:eEvjbTiZ
>>276
ノシ 立候補する。
これぐらいの変態度だったら、まあ何とかいけるな。
長いのは書けないけど、まあ今夜中には何とかする。
279名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 01:07:07 ID:0MngWCR2
>>278
おぉ!楽しみにしとるよ
280名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 01:26:57 ID:CSbvQAdN
期待してます、エーロ・ゴシカァン!
281名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 01:45:42 ID:LpZWhZtT
>249
遅レスだけど続きGJ!これも結構ねちっこエロだったよw
楽しませていただいた…やっぱりネウヤコはSMがいいな

>278 も楽しみに待ってる!無理せずがんばってくれ
エーロ・ゴシカァン!!
282名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 02:22:06 ID:XiYfGF/e
◆zero1/xkZ6氏
今回もよろしき作品をありがとうございました。

ところで今回の作品は、読んでて鬼塚ちーちゃんの歌が浮かんできたんだが、違いますかね?


さてさて、他の神紙の作品をも求めつつエーロ・ゴシカァン!
(ところでこの呪文の出典は何なんだろう?)
283名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 07:02:58 ID:PWxjVguh
神の後で心苦しいが、すこし前に魔人弥子を書いていたzero1/xkZ6神に触発され
た。ネウロが人間で、弥子が謎じゃなくて男の精を糧にする魔人だったらどうし
ようと唐突に思った。気が付いたら書いていた。暗い上にエロが少なくて申し訳
ない。ネウロが情けなくて申し訳ない。

神の書かれる続きをwkwkしながら待ってる
284恋ではない:2006/10/06(金) 07:04:28 ID:PWxjVguh
かつらぎやこ、っていうの。夜闇に紛れて、まるで鳥の羽がふわりと空から
落ちてくるように唐突にネウロの前に現れた化物をネウロはいまだ鮮明に記
憶に抱いている。どこまでも貧弱であえかな子供の外見を持ちながら、ぺろ
りと舐める赤い舌は妖艶で、上目遣いの瞳は男の誘い方を知っているそれだ。
ネウロの頬に低い位置から伸びてくる指が描く曲線は淫靡を絵に描いたよう
な艶めかしいものだったのだから、ネウロは微動だにせず、できず、声も上
げずに化物の赤い瞳だけを見ていた。吸い込まれる。ネウロだけを映す瞳。
食らわれる。しかしそれを拒絶できるわけはない。だって唇の端からちらり
と覗いた小さな犬歯は、進んで食われたくなる牙、それだった。
ねえあなた、いやらしいことはすき?舌足らずを騙った、目だけ獰猛な肉禽獣
の瞳で化け物が微笑む。子供のように、女のように。吐息を混ぜた甘い声。い
きなりごめんなさいね、だけど私は貴方が気に入ったの。
あなたのこと、たべていい?
疑問の形を取りながらそれは命令のような傲慢を孕んでいたが、ネウロはそれ
を、化け物から片時も目を離さず、聞いた。理由も過程もこの子供の存在その
ものについても何も分からなかった。けれどもしばしの沈黙の後、出てきたの
は疑問ではなかった。肯定だったのだから、囚われたのはこの瞬間。最愛にで
あった瞬間に呆然と首肯したその言葉が全て示すように、ネウロは一目見ただ
けの化け物に恋をしたのだ。それは獣が罠にかかった瞬間のように、唐突に無
上にネウロを恋慕と言う炎で一瞬に焼き尽くした。小さな化け物に、恋をした。
こげる様な愛情をしらなかったネウロは、初めてこれだけが欲しいと、この小
さな獣だけを手に入れたいと思ったのだ。思ったのだから。だから、側にそれ
を置いて置けるのなら、何でもよかったのだから。
恋を、したのだ。
ああ、それが悲惨の始まりである。
285恋ではない:2006/10/06(金) 07:05:06 ID:PWxjVguh


「はぅあ、あうっ」。獣じみた声がネウロの耳に聞こえる。自分を受け入れてい
る女の声だ。弥子、の声だ。上体だけを起こして仰向けになった自分の、腹に跨
ってか細い悲鳴のような嬌声を上げて、頬を紅潮させた姿は外見の子供っぽさに
似合わず艶やかで嫌らしく、細い体を添えた手で揺らしてやると更に気持ちよさ
そうな声を出す。「ぅああ、」。ぐちょぐちょと、二人が座るソファの上はもう
何のものか分からない液でぐちゃぐちゃで、見るも無残な状態である。お互いに
半端にひっかっかっている衣服においてもそれは然りであったのだが、そんなこと
二人が気づくはずもない。ただ獣みたいにお互いを求め食らう。「んっんっんっ」。
胸の頂点を咥えて吸うともどかしそうにぎゅっと頭を抱えられる。抱えられた頭が
弥子の体温で温かい。そのか細い力が、心底愛しい。弥子、やぁこ。思わずその名
を囁こうと眼を細めたネウロは、しかしその余韻に浸る事を畏れるかのように少し
唇を噛んで律動を激しくする。「ふぁぁぁあっ!きっ、きもち、いいよぉ」。ぐち
ゃ、ぢゅ。欲望に忠実な化け物はあけすけなく言い放つ。弥子の汗の匂い。唇を寄
せるあるやなしやの胸の谷間に舌を這わせ、そのにおいに浸る。優しい匂い。愛し
い匂い。相変わらず獣のようにネウロを締め付けて離さない弥子の中のきつさに、
まるで求められているように思う。糧ではない、ネウロという、それ自身を。だけど
それは錯覚でしかないと、それも同時に知る事だった。
「く、」知覚の苛立ちをぶつけるように腰を揺らす。嬌声。
だって弥子は化け物で、この化け物は男を食らって生きているのだから、これはただ
の食事であって、恋の行為ではない。

「もっと、ぁっあああっ、」恋ではない。恋、ではない。「っもっと、つよくっ」

この交じり合いの激しさは、恋の激しさではない。
286恋ではない:2006/10/06(金) 07:05:55 ID:PWxjVguh
愛した。愛したのだ。ネウロは人間らしい恋情を持って、化け物を。しかし化け物に
とっては愛が何だと言うのだ。だって所詮化物と人間は違う生き物だったのだから化
け物は人間の言う言葉の意味がわからない。人間の愛なんて理解できない。セックス
は愛ではない。唯の捕食の行為だ。生存を繋ぐ為の、それは何かを分かち合う濃いな
どではありえない。ただの略取だ。愛などではない。だって化け物は人間ではないの
だから愛などいらない。そもそも化物に人間を理解する気などないし、その方法を思
いつきもしないのだ。無邪気な瞳で、自分に向けられる人間の恋慕を、子供のままご
とを見つめるように楽しげに見つめている。感情には、登らない。

ネウロは、恋をしたのに
(弥子)
化け物はいつでもネウロの手の届かないところ
(・・・やこ、)



ねうろぉ。切なげな声は荒い呼吸に消されて消える。余韻すら残らない。

287恋ではない:2006/10/06(金) 07:06:31 ID:PWxjVguh




「弥子、我輩の事が好きか」。呼吸を荒げる行為の後はいつも化物を抱きしめて過
ごす。鳥篭を作るように腕で細い体を囲って、どこにも行かないように、祈るように
華奢な裸の首筋に唇を埋めて囁く。いつも同じ言葉を。「愛している、か」。香り立
つのは甘いにおいだ。触れるのは絹の肌触り。何処までも人間の女を擬している。く
すぐったい、きゃらきゃらと笑うその声も女そのものなのに、それでもやはり化け物
は人間ではないのだ。それを知っていた。ネウロにとっての悲惨であった。だって女
は化け物であるのだからいつかはネウロの前から消えていく。ネウロの前に唐突に現
れたように。ネウロが彼女の糧に認識されなくなったのならいつでも。体を交える事
は化け物が望むのだから何度もできた。それで手に入れたと錯覚することも、できた。
けれど駄目だった。だって本当は化け物はネウロの手に届かないところにいるのだから。
どうして欲しいものだけ遠い。
どうすればいい。どうしようもないのか、蹲って無様に嗚咽を漏らして、どうすれば
いいのだろう。乞えば側にいてくれるか。跪けばいいのか。どうすればその細い腕を奪
えるのか。呼吸を。どうすれば振り返ってくれる。どうすればいい。いつも考えている。
体だけ触れ合って、それが何とする。野良猫をなでるだけではもう、我慢できるはずも
ないのだ。

だけど化け物と人間は所詮違う生き物なのだから。



「側にいると、言ってくれ」
「言葉の意味が分からないよ、ネウロ」
きょとんと首を傾げてきゃらきゃらと化け物が笑っている。ネウロに抱きしめられなが
ら、何よりも残酷な言葉をそれを気づかず囁く。声は優しい。いつものことだ。ネウロ
は、何も言わずに目を伏せる。自分の表情など知らない。知りたくもない。いつものこ
とだ。そう自分に言い聞かせる
どこまでも人間は無力だった。恋を押さえつけるすべもわからない。人間は絶望を聞い
て、化け物が笑う。
288恋ではない:2006/10/06(金) 07:08:35 ID:PWxjVguh
勢いが先行した感が否めない。
読み流して下さい。御免なさい。
289名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 07:10:17 ID:PWxjVguh
あ、以上で終わりです。名前変え忘れた・・・最後まで申し訳ない・・・
290名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 07:28:41 ID:eEvjbTiZ
278だけど、他作品のすぐ次に投下するのは気が引けるので今夜投下する。
まだ推敲もしてないし。
291名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 07:34:21 ID:0MngWCR2
>>288
GJ!!!!心理描写の緻密さにグッと来た
こういうすれ違いの話好きだ

>>290
wktkして待ってる


それでは期待と感謝を込めてエーロ・ゴシカァーン!
292名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 07:39:34 ID:31bINhen
流石にここらで濃厚なエロが欲しい所
293名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 08:02:59 ID:1EBl2+Sj
その濃厚なエロの詳細を事細かに語れば凄い勢いで書くぜ(*゚∀゚)=3
書きたいけどネタの神が降りて来てくれないよ
294名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 10:00:17 ID:LP/JeTbf
ネウロ攻めで濃厚なのが読みたい
出来ればネウアヤで。
295名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 16:03:01 ID:tEDQy1tU
◆zero1/xkZ6氏、精神的に濃厚でえがった。上手く言えないが
訳わからん救いみたいなものがあって、読後は決して悪くない。
また作品エーロ・ゴシカァン!出来ればエロ有りだと泣く。
296名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:30:25 ID:3C9ed4xN
あちゃー…
人間ネウロと魔人ヤコのネウヤコ、俺も触発されてたんだが先越されたなぁ
ネタっつかテーマはかぶらないのだが雰囲気はかぶってるかも知れない
文章はまだ途中だが脳内では出来てるんだ…
一応お伺いを立ててみる
ID:PWxjVguh、似ちゃうかも知れんが書いていいか?
297名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:38:56 ID:2RujxUEM
恋ではない氏GJ!!こういうの好きだ
298名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:41:31 ID:TfL6eV7E
匪弥子・笹弥子・吾弥子分もそろそろ補給したい…!
自分で書けないのがもどかしいよorz
299名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:56:06 ID:JsDL1VqQ
基本はネウ弥子なんだろうけど
これからの本誌展開を想像すると
なんとなく匪弥子は外せないよなあ。
もちろん笹塚も吾代もいいな。
いやなんでもおいしい!エーロ・ゴシカアン!
へへ・・これ流行っちまったな・・ちょっとした言いだしっぺとしては
嬉し恥ずかしだぜ。
300名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 21:08:42 ID:cKJaofN9
>295
この話にはエロ無くてもいいと思うんだけど、今回のシリアス話の延長上での
ラブ甘エロがあったら激しく燃え燃えしそうだ
お互いの欠落部分を補い合うように求めあう、みたいな切なくて濃厚なやつ
読みたいです…◆zero1/xkZ6神よ…
301名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 21:26:17 ID:8yP1LCCj
ネウロの同人で抜いた
302名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:20:25 ID:XiYfGF/e
>>299 この呪文はどこで発生したん? 出典がキキタイ(・∀・)!!
303名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:21:51 ID:CJoYWQap
そろそろST疲れた
普通の濃厚なエロが読みたいよママン
304名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:40:08 ID:DBnaL3OA
>302

前スレ433だな。携帯のまとめには載ってるぞ。
……あの時はもっさりさんズを連れてきちまってごめんなさい

まあとにかく効く呪文であることは確かなようだ
というわけで、エーロ・ゴシカァン!

305名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:41:27 ID:aau7rWyt
>304
あのもっさりさんズはモニタの前でニヨニヨ萌えたお
306299:2006/10/06(金) 23:02:50 ID:RnhBkPHs
>>302
出典とか無いよ。自分が冗談で作った言葉だ。さあ今夜も神を待つ!
307誘惑アンビバレント 1:2006/10/07(土) 00:20:46 ID:XK853YVp
完成した。
さて、投下。


地上での基本的な情報をわずか十二時間で吸収したというネウロ。
まさに魔人的な脅威の頭脳は、打って変わったその支離滅裂な性格のせいでいつもろくなことに
使われていないらしい。今日という今日は、弥子もつくづく思い知った。
まさか、こんなことになるなんて。

「わーい、これ食べたかったんだあ」
本日最後の依頼人が、手土産として持ってきたのは最近テレビや雑誌で話題の洋菓子店の、超
レアなケーキだった。本来ならそういうものは全て断っているのだが、食べ物に目のない弥子のこ
と。つい受け取ってしまったのだ。
これで何かと便宜を図ってもらえるとにこにこ顔の依頼人が帰った後、すぐさま飛びつこうとした弥
子の襟元が急に苦しくなった。ネウロが子犬でも掴むように摘み上げたのだ。
「見苦しいな」
「な、なによおっ、大好きなものが目の前にあったら、誰だって」
「貴様はかなり常軌を逸している」
「いいじゃん、ケーキ食べたいんだもん」
子供のようにぎゃあぎゃあ喚きながら手足をばたばたさせる弥子を冷ややかに見下ろしながら、
ネウロは唇の端で薄く笑う。何だかそれがひどく似合っていて、急に腹が立つ。
「あんたにはこの気持ち、分かんないなんてホント残念ねー」
精一杯強がりを込めて言ってのけた言葉だったが、それを額面の十倍返しで解釈する魔人のこと
だ。何を思ったのかにやりと凄絶に笑った。
「…それもそうだな。たまには互いの立場に立ってみるのも悪くない」
冷たい声だったが、芯には熱がある。
突然床に投げ出されて、訳が分からなくなっているところに突然奇妙なドス黒いアンプルの中身
を飲まされてしまった。同じものをネウロもあおっている。
「何したの、私に。これ何よ」
「まあ焦るな、すぐに分かるだろう」
底意地の悪い魔人は、ヒントさえくれずにただ弥子を眺めて笑っているだけだった。
308誘惑アンビバレント 2:2006/10/07(土) 00:21:46 ID:XK853YVp
三十分後。

「きゃあぁぁぁああっ!!!」
事務所内に異様な悲鳴が響き渡った。
そりゃ、確かにそれが子安声では異様極まりないだろう。まるで○○高校ホスト部の主人公父を
思わせる。
「ネ、ネ、ネウロ…私、あんたになってるんだけど…」
がくがくと膝を震わせながら床にへたり込んでいるのは、見た目はネウロだが中身は入れ替わっ
た弥子だった。
「焦るなと言ったぞ。この程度のことは誰にでも起こりうることだ。格別珍しくもなかろう」
あたかも貴族のお姫様のような、毅然として優雅な物腰でソファーに身を預けているのは言うまで
もなく弥子の体を借りたネウロだった。中身が違うせいか、普段よりも三割増し妖艶に見えるのは
決して気のせいではないだろう。
「珍し過ぎるわっ!!」
(便宜上、これからは中身の名前で表記することにする)
「何よこんな悪戯して。早く元に戻して。いつもの私に戻してよおっ」
「まあ、こんな機会も趣があろう。せいぜい楽しめばいいではないか」
そんなことを言いながら、ネウロはテーブルの上に置かれたままのケーキの箱を開いた。中からは
まるで宝石そのもののように美しく飾りたてられたケーキが現れる。弥子はそれを見ただけで涎が
出そうだった。ネウロの体では食べられないこともすっかり忘れて。
「あっ、ダメ!それは私が楽しみにしてたんだからっ」
「ほう、残念だったな」
にやーりと意地悪く笑ったネウロは、貼り付いたように凝視している弥子の前でケーキを一つ取り
出してぱくりと口にした。体が入れ替わっているせいか、こんな嫌がらせも出来るようだ。だが、リ
アルタイムの弥子はそれどころではない。
「あっ、食べないで!別に今じゃなくてもいいじゃん」
「ほう…なかなかの美味だな。かつ視覚的にも快い刺激を感じるぞ。貴様の貧相な体を借りなけ
れば知り得なかったことだな」
ソファーでケーキを堪能する制服の少女。
絵面的にはこれ以上ない萌えシチュだが、中身は魔人だ。
「貧相は余計じゃ!」
今にも頭が沸騰しそうになりながらも、弥子はこの状況で何か少しでも自分にいいことを考えてい
た。そうでなければ全部がパンクしてしまう。
309誘惑アンビバレント 3:2006/10/07(土) 00:22:40 ID:XK853YVp
「…あ。そっか。ネウロになってたらこれはしなきゃね」
急に、いいことを閃いたように弥子は床に放置していたカバンを取り上げた。中には今日の授業で
使ったノートが入っている。
「へへっ♪ネウロだったらこんなの軽いよね。せめてこれぐらいはいい目見ないと」
今日の数学の宿題を書き写したノートをがばっと開くと、やはり元の自分では考えられないほど良
く分かる。たちまちのうちに答えを書き込んで、ついでに出題分の間違いを見つけて、弥子は得意
の絶頂だった。
「まあ、そのぐらいならと大目に見ていたが、何をいつまでグダグダしている」
「なっ…変なこと言わないでよっ」
弥子がネウロの頭脳ですぐに宿題を終えたように、ネウロもまた弥子の食欲でケーキを全部食べ
尽くしていた。
「あー、私のケーキ…」
「美味かったぞ。貴様が騒ぐのも理解した。ところでヤコ」
弥子の表情で、体で、ネウロは妖艶この上ない笑みを浮かべて手を差し伸べた。そしてさらりとと
んでもないことを言う。
「この機会だ、このまま交わってみるのも面白いかも知れん」
「えっ………」
「何だ、我が輩の頭脳を貸してやっているというのに、何を混乱している」
「いや、これって頭脳そのものより感情の問題だから」
「別に貴様がどう思おうと、我が輩は一向構わん」
ぺろり。
更に何か喚こうとしている弥子を制するように、ネウロは細い指先を一度舐めてソファーに横になっ
た。そして、濡れた指先が唇、顎、喉と滑り降りていった。
「やだ…私の体で変なことしないでよおっ」
返事はなかった。
指先はそのまま、制服の上から胸、腹をなぞって遂にはスカートを挑発的に開き出す。
「よく見ていろ、ヤコ。貴様はいつもこうして我が輩を誘うのだ。これほど貧弱な体でも、そういう時
はなかなかにそそる。それを貴様にも味合わせてやろう」
「勝手なこと言わないで…私、そんなのしたことない」
「ほう、自覚もなかったか。余計に面白いな」
ネウロが乗り移った弥子は、悩ましい流し目でぼうっと立ち尽くしているネウロ(弥子入り)を見上
げながら巧みに性感へと誘導していく。
310誘惑アンビバレント 4:2006/10/07(土) 00:25:30 ID:XK853YVp
「ちょっと、変なことしないでったらっ…」
「何故だ」
「だって、それ私の体だもん。あんたに勝手をされたくない」
目の前の光景に目眩を覚えながらも、弥子はネウロの体の変化を直に感じていた。中身はあの
意地悪いネウロだと分かりきっているのに、ネウロの立場で弥子に本気で欲情している。それが
信じられなくて、勃起しているのを隠そうとするのだが、今更のようだった。
ネウロ入りの弥子は、感極まりつつあるせいか、妖艶の度を増していた。いつも鏡の中で見ている
自分自身と同じだとはとても思えない。それがまた、そそって弥子はごくりと唾を飲んだ。
「中身が何者であっても、貴様は特別変わらないようだな。そら、この有様だ」
スカートを捲くり上げ、ショーツを片足に引っ掛けた状態でネウロは指先を濡れそぼって蜜を滴らせ
ている部分に紛れ込ませていた。わざと引き抜いた指からは、重くて透明な液がねっとりと滴り落
ちている。
「この淫乱め」
「あ、あんたがそうさせたんじゃないっ…」
「当然だ、貴様は我が輩の奴隷。ただそれだけの存在だ。そら、こんな風に貴様は誘うぞ」
くちゅり。
呆然としている弥子の前で、ネウロは嫣然と微笑みながら大きく足を開いて普段は隠している部
分を思い切り見せ付けた。そして指先で開いて紅色に色付いている内部を見せつけてくる。
「…さあ、ヤコよ。これが貴様の体だ。滅多にない機会だ。存分に堪能するがいい」
わずかに乾いた唇をぺろりと舐める舌の動き。それにすら弥子は感じ入ってしまっている。まさか
こんな風に自分を眺める日が来るなんて思わなかった。そしてこれもいい機会なのかと思う。
ごくりと喉が動いた。いつもネウロがしているように、ズボンのファスナーをくつろげる。中からは、
とてつもなく怒張したものが現れた。
そうだ、こんなものにいつも弥子は悩ましく狂わされたり、甘やかに鳴いたりする。目の前の魔人
入り少女なら、どんな反応をするのだろう。そんな意地の悪い気分になっていた。
「ネウロ…いくよ。いい?」
「構わん、さあ来い」
ソファーに身を預ける少女(くどいようだが魔人入り)を眺める弥子は、もうどうにでもなれという心
境だった。
311誘惑アンビバレント 5:2006/10/07(土) 00:26:47 ID:XK853YVp
じゅぷりと途方もなく柔らかい肉の狭間に呑み込まれていく。
最初の感想はそれだった。気持ちがいいとかどうかのレベルをはるかに超え、意識さえ飛びそう
な感覚をもたらした。
「あ…ネウロ…」
「そうだ、いいぞヤコ。そのまま奥まで来い。貴様の常に味わっている感覚、なかなか捨て難い」
やや蕩けたような表情で弥子を見上げているネウロは、腕を回して縋りついてきた。そう、いつも
弥子がすることをそっくりなぞっているのだ。
「ネウロ、いい…信じられない…おかしくなりそうっ」
「ふむ、興味深い。貴様自身の体の反応に刺激されているのか。全くもって面白い」
「なに訳の分からないこと…あんっ」
普段とは逆の立場で、夢中になって突き上げながら弥子の声色も次第に変化していく。やはり、
こんな時でも子安声だが。
「随分と切羽詰まっているな、なかなか初々しいぞ」
「だから勝手なことっ…あぁ…」
初めて体験することもあって、もう達してしまいそうだった。それでなくても自分の体(やっぱり魔
人入り)のとてつもない反応には、自分ながらびっくりすること続きのままだ。ついでに、中身がネ
ウロのせいもあるのか、やはり性悪に達しそうになるところを締め上げたりして本当にたちが悪い。
「あ…ネウロ、そんなに締めたら出ちゃうぅっ…」
「存分に出せば良かろう、どのみち貴様自身の体だ。それほど罪悪感もないだろうしな」
「私は、違うってば…」
言い訳は形になっていなかった。こんな風に交わるなんて考えてもいなかったし、対処の仕方も
忘れていた。
なのに、この失態を埋めて余るほどの歓喜がすぐに貰えるのだと分かっている限りは、どうする
ことも出来ない。むしろする気もない。
「ネウロ…私、本当にあんたが好き」
やっとのことでそれだけを口にすると、もう何もかも分からなくなった。後は欲望に任せて振舞う
しかなかった。目の前が激しく発火してスパークする、何もかもが弾ける。だが、これまで未知だ
っただけに素晴らしく刺激的な感覚だった。
312誘惑アンビバレント 6:2006/10/07(土) 00:28:02 ID:XK853YVp
あれはただの夢。
そう思おうとしても忘れられないほどの、とても刺激的なひとときだった。
なので、あれからもたまにだが二人は体を入れ替えてはセックスするようになった。どちらの感覚
も味わえるのはなかなか悪くない。それに、他の誰とでもない、ネウロとだけこうしているのなら、
それは背徳でも何でもないのだから。



終わり
313名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 00:29:32 ID:XK853YVp
軽い変態ネタは書いてて楽しかった。
314名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 00:39:04 ID:hdq7DZRy
>>313
GJ!!子安声吹いた。思わず脳内で再生しちまったじゃねーかwwwww
315名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 02:17:55 ID:g/tUiFzr
>>296
PWxjVguhだけど是非読みたい。wktkしながらまってるから。

>>313
GJ!!ネウロは弥子になっても、弥子はネウロになっても素敵だった。
316名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 03:15:51 ID:2IDJ45nx
>>313 

超GJ。

ネウロは、普段自分がする事はまずない、蕩けた状態の顔と
自分の声の嬌声を聞いた訳か?
INからは鏡見ながらのプレイだったら、
ヤコは普段ネウロが絶対見せる事の無い表情を見れてたんだな。
それはそれで面白そうだ。

とか思った。
317名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 06:40:27 ID:o8FpT6RA
>>276です
職人様ありがとうございますううううううう!!!!!!!!
めちゃくちゃGJす!!見た夢よりもエロくてハイクオリティでした(*´Д`)=з
318名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 17:52:12 ID:0ual5IZP
すばらしい!
ここは本当にネ申が集うスレですね。
吾ヤコをリクエストさせて下さいー。
エーロゴシカアン!
319名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 19:25:20 ID:hDXoqMg7
このスレネ申すぎる…
吾ヤコリクに便乗しますエーロゴシカァン!!
320296:2006/10/07(土) 23:27:07 ID:1pjhMloQ
>315
ありがとう!
ネウヤコ以外をご所望の空気も読まず書くよ
投下はちょっと先になるかも知れんので
他の神の降臨を待ちつつエーロ・ゴシカァン!
321名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:41:59 ID:XK853YVp
人間ネウロと魔人ヤコネタは俺も書いてる。
出来次第投下ということで。
322名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:18:23 ID:9fhVhXqo
そっと嬉しい(*´Д`)
323君は軽やかに歌う鳥 1:2006/10/08(日) 00:59:02 ID:IUuWmZa1
書いた。
とりあえず、エロは全くないよ。

あれは金糸雀、それとも極楽鳥。
そんな綺麗な鳥を見たような気がした。
満月がとてもとても綺麗な夜の公園で。
その鳥は街灯の上に腰掛けて、鼻歌を歌っていた。とても楽しそうに。

「何をされているんですか、そんなところで」
最初に鳥だと思ったのは、まだ幼い印象の少女だった。よほど気分がいいのだろう。視
線を彼、ネウロにゆっくりと移してとても艶やかに笑った。こんなに綺麗な笑みは見たこ
とがない。
「この世界はとてもクリアで綺麗ね、気に入ったかも」
「それはどうも。出来ればそこは危険なので降りて来られてはどうかと」
「ふふ、そうね。人間はこんなとこ登らないしね」
ひらりと身を翻して地面に降り立った少女は、どこからどう見ても普通に可愛い女の子
だった。
しかも、ネウロの好みを実にピンポイントで突いていた。
だからつい拾ってきたのだった。

何でも簡単に出来過ぎて、分かり過ぎるせいでこの世界はとてもつまらない。
大学生のネウロはそれまでひどく退屈していた。やりたいことや夢は子供の頃から特に
なかったのだ。ただ講義を受けて時々はバイトをするだけのありきたりな毎日。もちろん
誰かに恋をしたりすることもなく、そんな感情の欠落が自分にとっての重大な欠陥だなと
思ったりもしていたのだが。
今では猫の子のように何をするか分からない、自由でわがままで魅力的な少女に振り
回される日々が正直楽しくて仕方なかった。つまらない退屈な二十二年の月日は、月
夜の偶然の出会いによってで完璧に塗り替えられてしまったのだ。
324君は軽やかに歌う鳥 2:2006/10/08(日) 01:00:12 ID:IUuWmZa1
ヤコと名乗る少女は魔界からやって来たと言った。
理由は実に単純で、食糧とする謎が尽きたし退屈だったからと。最初は信じられなかっ
たが、最初の出会いからして街灯の上だ。何となくうやむやになっているうちに、色々な
事件に巻き込まれて信じざるを得なくなってしまった。
「魔界にもテレビはあったし、テレビドラマもあったの。でもつまんなかったな」
「そうなんですか」
「住んでいるだけで息が詰まりそうだったし、退屈過ぎたから滅ぼしちゃったの。でもい
いよね、どうせ元々存在しないも同然なくだらない連中なんて」
そんなとんでもないことをけらっと笑って話すヤコに、もう魂まで引き込まれてしまってい
るのは大袈裟な話ではない。
あれから一週間、何となく自宅に居ついてしまったヤコが、居間のソファーの上でやは
り猫の子のようにしなやかな体を横たえている。
「ねえ、ネウロ…しばらくここにいてもいいかな」
「もちろん構いません。ずっといてもいいですよ。僕は一人暮らしですからね」
「ありがと、でも親御さんとかいないの?」
「ああ…半年前に亡くなりましたから。っていうか、突然いなくなったんですが」
「へえー」
その時、ヤコの目がきらりと光った。
「それ、事件か何かでしょ」
「え」
「私、謎を喰べるの。あんたの謎、結構美味しそう…話を聞かせてよ」
目を輝かせ、わくわくしながらヤコは詳しい話を聞こうと身を乗り出してくる。正直を言え
ばネウロのたった一人の肉親である父親は何者かによって殺されたのだし、まだ未解
決事件である以上は安易に口には出す気になれなかったのだが、この魅惑的な少女
の瞳の前では何もかも無効だった。
魔法にでもかかったように、ずっとこの件では重いままだった口が滑らかになる。
「…実は、僕の父親は…」
325君は軽やかに歌う鳥 3:2006/10/08(日) 01:02:21 ID:IUuWmZa1
ヤコはやはり魔人で、しかも謎を食糧とするタイプだった。
話を聞き出すなり、様々な道具で更なる情報を収集し、瞬く間に犯人を突き止めてしま
った。つい講義がバイトがと理由をつけて何もしないでいたことが恥ずかしくなるほどそ
れは見事なものだった。
真犯人が事件の担当刑事だったのは予想外過ぎたが。

それから、ヤコが効率良く謎を探せるようにと探偵事務所が出来た。本当は就職活動
に勤しまなければいけない時期なのに、ネウロはもうすっかりヤコをサポートする側に
回っている。より新鮮で美味な謎を供給出来るようにだ。
「んで、お嬢さんと大学生が一体何のお遊びしてんの?ここは殺人現場だからさっさと
帰んな」
こんな素人同然の人間が現場をうろうろしていたら、警察関係者からは当然いい顔を
されない。だがヤコは食欲の為に全然動じていないし、それはネウロも同じだった。人
間なら食べるものはたくさんあるけれど、ヤコにとって口に出来るのは謎だけなのだ。
なるべくたくさん与えなければたちまち飢えてしまう。そんな事態だけは何としても避け
たかった。
幸い、ヤコの魔界道具とネウロの洞察力によって、警察の力ではどうしようもなかった
事実が明るみにされることも珍しくはなくなってきている。それによって少しずつではあ
るが周囲に認められつつあった。
これで探偵として仕事を続けられるようになれば、ヤコが飢えずに済む。
「ねえ、ネウロ」
ある日の夜、久し振りに大きな謎が喰べられたせいでいつになく御機嫌なヤコは、キッ
チンで遅い夕食を摂っていたネウロに子猫のように纏わりついていた。食事中だという
のにそれほど嫌な気分にはならないのは、やはりこの小さな少女に恋をしているから
だろう。
「何ですか、ヤコ」
「もっともっと美味しい謎をちょうだい。そしたらずっとそばにいられるし」
「それは嬉しいことを。では頑張りますね」
退屈だった毎日が、ヤコがいるだけできらきらと輝き出す。それが何よりも嬉しいし、ヤ
コの為なら何でも出来そうな気がした。
この恋が成就するかどうかは、まだ分からない。






ごめん。
ネウロのキャラぶっ壊れた。
でも、最初に魔人ヤコと人間ネウロで考えた時、助手バージョンの人間型が頭に浮かんだ
んだ。
326名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:29:20 ID:9fhVhXqo
おお、助手とは新鮮な。心のうちでニヤニヤ食べごろを狙ってるんだろうかw
GJ!!
327名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:33:34 ID:F8/LO+r8
これはこれでいいな〜
GJ!
328名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:40:57 ID:5o2H9DrA
GJ!!
こういう立場のネウヤコも面白くて好きだな。

相思相愛になったら助手ネウロがたまに意地悪な面を見せたりして…とか妄想した。
329吾ヤコ(?):2006/10/08(日) 09:02:05 ID:kZ7tG8YR
吾ヤコ。エロのエの字も見当たらない。多分ほのぼの。


「吾代さんも食べる?」
箱の中に入っていたプチケーキを、吾代さんの前に差し出す。
「珍しいな。お前が食いモンを人に寄越すなんて」
「失礼な……。私だって食べ物を誰かにあげる時くらい、あるんですよーだ」
頬を膨らまして、そっぽを向くと、吾代さんの笑う声が聞こえた。
「そうかよ」
吾代さんは顔が恐いから、微笑んでも、子供が見たら泣きそうな顔で。
それでも、本人にしてみれば、優しい笑みなんだって、私は分かるから。
「そうなの」
嬉しくて、胸がポカポカする。

本当は、このケーキだって、独り占めしたいけど。
でも、吾代さんが喜んでくれるなら、って思うと、あげたくなるの。
いつかこの気持ち気付いてくれないかなあ。

「何ジロジロ見てんだよ?」
「ん〜…。……吾代さんにケーキって似合わないなあと思って」
「うるせえな、余計なお世話だ! つーか寄越してきたのはお前だろ!」
「あはははは」

終わり。
急に浮かんだんだ。吾ヤコって言うよりは弥子の片思いっぽいが、きっと吾代も心の底では弥子のコトが好きなんだよと脳内妄想。
330名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 09:43:39 ID:VQ7jHmyD
今さらだが>>18の元ネタが「最後の自分像」のXIの説明に出てくるキャラだと今分かった…。
331名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 13:12:16 ID:/CBBSp+g
ほのぼの吾弥子ハァハァ
GJ!!!
332あほな吾ヤコ:2006/10/08(日) 20:21:19 ID:HSusmXgN

 目をうるませて顔を紅潮させ、時折口の中のものにむせている弥子。
「……無理すんな」
 見かねた吾代が言っても、口いっぱいに頬張るのをやめようとしない。
「だって、……好きなんだもん」
 そしてまたしても大きく口を開き、それをくわえこむ。
 弥子が先ほどからご執心なのは、吾代が手土産に買ってきた特大シュークリーム3箱だった。
 口の周りに粉砂糖とクリームをつけているのに気づいているのかいないのか……いや、それよりも。
(こいつ、エロい顔して食うなー…)
 むせてしまって荒らげた息や、しあわせそうに上気した頬、目を細めて味に心酔している顔、どれを
とっても官能的なものを連想してしまう。
 L字型に配置されているソファの角に、二人は腰掛けている。
 横目でこっそり見やると、白く細いふとももは短いスカートに続いていた。ごくりと生唾を飲み込む。
 そんな視線に気づいたのか、弥子が吾代に目を向けた。
「吾代さんも食べたい?」
 小首をかしげる少女の無垢さに、吾代はひどくうしろめたくなった。
「お、おう。じゃあ一個」
「残念でした! もう全部食べちゃったから、吾代さんが食べるにはもう1箱必要なんだ」
「はぁ?」
「だから、おねがい吾代さん」
 唇についたクリームを舐めとるちいさな舌。なおも名残惜しげに指先でぬぐって、口内でじゅうぶん
味わう。
 そうしてから、きらきら潤んだ上目遣いで手を合わせる。
「……もっと…欲しいの…きゃぁぁ」
 新しいの買って来てくれる?と、それに続く言葉を、弥子は発することが出来なかった。
 我慢の糸が切れた吾代にソファに引き倒され、シュークリームとは別のものをたっぷり味わわされる
ことになるのだった。
              (終)

フェラに持ち込もうと思ったが気持ちがくじけた。寸止めすまん
333名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:46:19 ID:6CDuJb1j
GJwww
激しく萌えた(*´Д`)
334名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:48:50 ID:/lc5dBGT
吾ヤコ は読んでてあったかい気分になれる。俺だけだろうか。

今日ようやく最新号読んだお。
確信犯……?
もう激しくヒグヤコじゃないかどうしてくれるんだ!(;´Д`)ハァハァ…
335名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:54:04 ID:WnqRoUBs
ああ・・今週の匪口は可哀相だったな。
祭りの予感したのにあんま盛り上がってないと思ったら・・
ひょっとして土曜発売な事気づいてない奴多い?
336名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:56:05 ID:4rZ55hii
来週の展開によると思ってる人と腐臭が強くて近寄れないと思ってる人がいるとオモ
最近、神の間になんか変なの混じってないか?
337名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:08:20 ID:gnwRAT7H
そうか? バレスレはスゴかったぞ。バレ見て眠れない人が続出で。
来週の展開の後あたりに、ヒグヤコの激しいエロが見たいと思った。
もしその時に筆のノる神がいたらお願いしますエーロ・ゴシカァン!
338名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:11:41 ID:L/8on40b
自分の好みに合わない作品はスルーすりゃいいのであって、
作品投下してくれる人に対して「変なの」って失礼じゃね。
週漫版でまでわざわざ愚痴ってたのと同じ人?

「変なの」ってのが投下作品の事じゃなかったら悪いが。
339名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:16:46 ID:4rZ55hii
いや作品じゃないし週漫板で言ってたのは別人
340名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:24:47 ID:VQ7jHmyD
ほのぼのレイ(ry)な吾ヤコGJ!!

ちなみにシュークリームだけじゃなくあの長細いエクレア
(語源はクリームが口から溢れる前に稲妻の様に食べなければならない)って手もあるぞw

ヤコ「んん、美味しい〜!んぐ、んぐ、んぐっ……この味たまんな〜い…って吾代さん!?」

吾「うるぁぁあぁあああああ!!!!」
341名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:30:21 ID:tDREPXRk
あまり空気を悪くしたくないんだが…
最近ひとりの作者さんに信者、というかファンクラブみたいなものができていてその作者さんが投下した作品ばかりが絶賛されている気がする。
たしかにその作者さんの作品はすごく上手だし俺も好きだよ
だけどあまりにもマンセーがすぎて他の作者さんがすごく投下しづらいふいんき(←何故か変換できn)になってると思う。
最近の神作品投下ラッシュで感覚が麻痺してるのかもしれないが、ひとりひとりの作者さんへの感謝の気持ちを忘れないで欲しい。
このスレが大好きだからこんなことを言うんだ。
長文ですまなかった。
342名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:43:49 ID:7vlEp1ke
>337
俺もエーロ・ゴシカァン!ヒグヤコは凄そうだ。ヤコも父親なくしてるしな
343名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:44:48 ID:VQ7jHmyD
>>341
そうか?
投下されたSSにレスしたいヤツはする。
自分のリビドーにツボるSSが来たらレスる。
その数が多いか少ないかのどうかだと思うが。

いーじゃんレスなんか無くても
SSなんか投下したいからしてんだよ。


エーロ・ゴシカァァン!
344名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:54:06 ID:pOLSLpap
そいやいつかのスレでコテについて問題になってたな。
どーなったか忘れたけど。
345名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:54:17 ID:6HxrRtNl
>>341
おまえここが2ちゃんねるだということ忘れてない?空気嫁よ
346名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:54:54 ID:IUuWmZa1
>>341
俺も何作か投下している職人の一人だが、その辺は心配いらないんじゃ
ないかな。例の職人さんの作品の素晴らしさは読んだ人なら誰もが認める
ものだし、それに異論はないだろう。
こんなに同じ感想を持つ人がいるんだ、といつも嬉しくなるけどな。それ
に特別投下しづらい雰囲気ではないし。
まあ、GJが少なめになったかなとも思うが、それは今後努力すればいい
ことだしさ。
俺の個人的意識としては最近のラッシュは切磋琢磨という感じで、それぞ
れの職人が自分の持ちうる技を競い合っている感じがして好きだな。
でも、気にかけてくれているのは職人の一人としてすごく嬉しかった。
超ありがとう。

失礼ながら蛇足だが、雰囲気は「ふんいき」だよ。「ふいんき」じゃない。
347名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:56:14 ID:BEs2stUJ
>329,332
GJ!!禿萌えた。
吾ヤコいいよ吾ヤコ(*´Д`)


これからヒグヤコも更に盛り上がるといいな
エーロ・ゴシカァン!
348名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:56:32 ID:4rZ55hii
>>346
ネタをネタと(ry
それは「ふいんき」で誤変換系ネタなんだよ
349名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:59:26 ID:7vlEp1ke
俺はこのスレで完全に消費者側だが(職人さんいつも有難う)
語彙の少ない俺は同じような感謝の言葉しか出てこない。そうなると
GJのパピコもスレ汚しかと思って控えてしまったりする。そんな訳で
いつも感謝してるぜ職人さん。有難う。
350名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:06:37 ID:18wOexbH
より住人の脳を揺らした作品(神)に支持が集中するのはある意味
仕方ない事じゃないか…?
読み専の人間からすると、GJレスや感想で労うしか感謝の意を表すことが
出来ない訳で。
確かにGJレスが延々続いてそれでスレ消費ってのも何だが、ちゃんと嗜める人も
いたしそれなりに自浄作用は働いてると思うが…
それともテンプレに入れるのか?GJレスは早いもん勝ちで3レスまで、とか?
351名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:08:35 ID:IUuWmZa1
二度目の書き込みスマソ
今週のヒグヤコな流れはどうも職人的にそそられない。
ヒグチの過去は凄まじいし共感するのだが、それでヤコと絡める気にはなれ
ないんだ。その辺はヒグヤコ萌えマインドを持つ職人に任せるとする。
352名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:13:12 ID:18wOexbH
あ、スマン リロってなかった。
なんか特に荒れずに収束してるっぽいな…それならいいんだ。
やっぱりこのスレ平和でいいな。
353名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:17:43 ID:9fhVhXqo
単行本派で最先端の萌えには即せないし、ちょっと立ち止まって精進するか
正直、調子乗ってすまんかった
354341:2006/10/08(日) 23:32:09 ID:tDREPXRk
なんか俺のせいで話をややこしくしてしまったみたいですまなかった。
これからも今まで通りROMに徹するよ

最後に、ネウロスレの繁栄を願ってエーロ・ゴシカァン!
355名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:37:31 ID:XmBtVUUp
自分も>>349と同じで完全な読み手。
ここにいらっしゃる神々はみんな素晴らしいって
いっつも思ってる。
自分は文章を書くってことができないから
どうしてこんな素敵なものが作れるんだろう!って
読む度にものすごく憧れるし感動する。

今までGJとかしたことなかったんだ。
この場をかりまして皆様GJ!いつもありがとう!
356名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:56:09 ID:NfCClilM
おお・・荒れずに収束してるっぽいな・・
そうだ和め和め・・

【 禁じられた遊び 】
『た・・・・たまご』
『――拷問部屋。』
『や・・・焼きそば』
『――売女。』
『た・・・たこ焼き』
『――亀甲縛り。』
『り・・・りんご飴』
『――雌豚。』
『・・・・・・・・・・・・・・。』
『む・・どうしたヤコよ。もう終わりか?語彙の乏しい豆腐め』
『・・・ネウロ・・私もう・・あんたとしりとりしたくない・・』

【 好色浪人脳噛ネウロ 】
有名な団子屋兼茶屋にて。
『お〜いし〜』
『・・こ・・困るよ・・お弥っちゃん・・売り物なんだから・・』
『大丈夫です〜ちゃんとお金払いますから〜』
『・・そういう問題じゃないよ・・他の客が・・』
突然現れる人影。
『――大分困っているようだな・・茶屋の店主よ・・』
『・・だ・・誰だあんた?』
『・・は・・はれほ(だ・・だれよ)』
一つ、人より巨根持ち。
二つ、故郷、魔界の地。
三つ、魅惑の指技で
四つ、よがらせ夜の花。
『――我が輩は脳噛ネウロ・・店主、この小娘は我が輩がなんとかしてやろう・・』
『・・ひょ・・ひょっと(ちょ・・ちょっと)』
『――来い』
連れて行かれた先は満開な桜の木の下である。
『・・何よあんた!私は花より団子なんだからね!』
『――何を勘違いしている?小娘・・』
『・・え?』
『――花より男根だ』
『きゃあああああああ』
お弥っちゃん開花しました。

【 幻のラジオ 】
『はい!匪口結也のSWEET19BLUESの時間です。第一回目!
まずは初めに悩み相談のコーナーです〜まず一枚目のハガキ・・・』
《・・元彼女とよりを戻したいです。
                 東京都・U吹N大 》
『・・・ああ〜こんなのスタンガンで拉致って監禁して犯っちゃいなよ。・・次』
《・・彼女がドMの癖に麻縄を嫌がります。何かいい拘束具はありますか?
                                 東京都・N噛N 》
『・・ああそれならLANケーブルがお勧め。張りがあるし、よく食い込むよ。・・次』
《・・・ピロリ菌のいない女性とお付き合いしたいです。
                      東京都・T紫K平 》
『ああ?そんなの気にするなよ・・ピロリ菌みたいの混ざった白濁した液体
                         あいつら平気で飲んでるんだよ?』

※色々と問題があったため第一回で放送終了※

・・・和まないかorz
よしわかった!今からウチの母ちゃん、スケスケネグリジェで待機させるから
皆やる気出せ!エーロ・ゴシカァン!
357名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 00:00:30 ID:F8/LO+r8
既出かもしれんが投下。

「う〜ヤコ、ヤコ」
今、ヤコというワラジムシを探して全力疾走をしている我が輩は
魔界に住んでいたごく一般的な男の子。

強いて違うところをあげるとすれば
謎に興味があるってとこかナ−

そんなわけで帰り道であろう公園のトイレにやってきたのだ。

ふと見るとベンチに一人の若い髪の毛が座っていた。

ウホッ!いい謎
(省略されました続きを読むにはここをクリックしてください)

カッとしてやった。今は反省している。

358名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 00:01:03 ID:YMKrabcx
>>356
コーヒー吹いたww
GJ!
359名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 00:04:42 ID:4rZ55hii
>>356
またお前かwwwwwwww
サイコーだよww
360名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 00:09:30 ID:E0lQkEus
>>356
GJ! いろいろ噴いた!
「好色浪人〜」は、どこのおしとね天膳かとオモタw
361名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 00:40:38 ID:vC8We/U0
>>356 禿ワロタ。あんた最高!!

>>357 く/そ/み/そ/か( ゜∀ ゜)!
……ウホなネウロ想像しようにも出来ないorz しかし楽しい。
362セピア 1:2006/10/09(月) 02:39:23 ID:qantOQtX
秋だからこんなの書いた。
エロ要素少なめ。

学校帰りの道を、いつものように事務所に向かって歩いていた弥子の背後でガラスの割れる
音がして、すぐ後ろにどさりと人が降ってきた。
ほんのわずかの差で、弥子は巻き込まれていたかも知れない。
生きているうちには、そんな偶然も何度かある。
だが、弥子はネウロと出会ったことによって他人の死にも、たった今起こった偶然の出来事
にも、特別関心を示すことはなかった。
探偵なんてやっているせいで、感性が麻痺しているのだろう。
血を垂れ流しながら、もうぴくりとも動かない死体を見下ろしながら、ここはやはりいつものよ
うに探偵役でもするしかないのだろうかと、面倒そうに溜息をついた。

「…今日遅れたのは、そういうこと」
「ふむ、言い訳としては上等な部類だ」
結局、携帯で警察に通報してから関係者が来るまでの間、弥子は現場にいる羽目になって
しまった。これは単なる事故なのか事件なのか分からないし、興味もない。
なのにこうなってしまう自分の不幸性を嘆くしかなかった。
かくて、定時に遅れた弥子はネウロに仕置きをされている。
まだ日がありさえすればぽかぽかと暖かい今の時期、弥子は制服も下着もそっくり脱がされ
てソファーに沈んでいた。全部脱がされているのに黒いソックスだけはそのままなのが妙に
マニアックだ。
「私、言い訳なんかしないじゃない」
「まあそうだな。あの事件のことはさっきテレビで報道してたしな」
「あんたは、こんなことがしたいだけじゃない」
今日も弥子を手中にしたと上機嫌なネウロは、当然だとでも言うように薄い乳房を両手でぐ
いっと揉んだ。早くも痛みと共に鋭い快感が確かに感じられる。
「あぁっ…」
思わず、甘い声を上げて弥子は身を捩った。
この世は全て偶然。
ネウロと出会ったのも、こんな関係になったのも、全部予定外のことだ。なのに、既成事実が
寄り集まればこれも一種の運命のように思えるから不思議だった。こうして、この世界は日々
色々なものが砂上の楼閣のように積み上げられていくのだろう。
363セピア 2:2006/10/09(月) 02:41:04 ID:qantOQtX
こうして、他の誰も立ち入らない世界の中にずっといたい。
そうすれば、もう一切の偶然なんて絶対に浸入したりしないのに。
今この時が永遠のように思えて、弥子ははらりと涙を流した。その間にも、ネウロは珍しく性
急に弥子の体中に愛戯の痕跡を残しながらも互いの性感そのものを高めていく。まだ了承
の言葉など言ってもいないのに。
それほど激しく望むというならもう構わないと思えてしまうのも、きっとネウロの手口なのかも
知れない。
「ヤコ、いくぞ」
永遠の幸せな時の中にいたかった弥子の目前で、支配者と自惚れる魔人がやたら嬉しそう
に笑った。
ああ、しょうがない。
弥子はこの期に及んで全てを委ねるしかなかった。

未練がましく西日が事務所内に長く差し込んでいる。しばらくソファーの上で眠り込んでいた
弥子は、左腕が少し熱いと思いながら目覚めた。どうやら腕の一部に直射日光が当たって
いたらしい。こんな時期に日焼けをしたら嫌だなと思いながら、ふらふらする頭を抱えて起き
上がる。
そういえば、散々弥子を翻弄した魔人はどこにもいない。何か足りないものでも買いに行っ
たのだろうか。
「…もう、バカネウロ」
声を 出してみると喉がひどく渇いていた。そろそろ夜が近付いている。セピア色の日差しが
それを教えている。ああ、もう季節はすっかり秋なんだなと今更ながらに感慨を覚えていた。
そういえば金木犀の香が街の中に漂っている。
偶然が重なって生じる日々の中で、唯一必然性のあるものはといえば。
のろのろと制服を着ながら、今この場所にはいないネウロのことをつい考えてしまっていた。






このスレの雰囲気は本当にいいよな。だからいつも来るんだ。
364名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 10:42:55 ID:SLWJiIZN
>>356
ヒグチのSWEET19BLUESで死ぬほどよがったwwww

花より男根腹いてぇwww

待て、スケスケネグリジェじゃこの季節カーチャン風邪引いちゃうだろ!
せめて横にネギ添えてやれよ!
カーチャンがよりセクスィーにバージョンうp!
365名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 11:09:55 ID:wU6/vAza
このスレに限っては、10月は神無月じゃなくて神有月だ。
366名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 11:15:57 ID:PTXEoLlh
>>362
GJ!!!!
何ていうか切ない……!
367名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 21:26:30 ID:vfRHgtMs
>>362
美しい詩的な文体にしびれたよ。
マジで切ないな・・・GJ!!!
368名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:20:06 ID:BinXg5PV
|Д`) エロモ ネタモ ショクニンサンモ ジュウニンサンモ

|)彡サッ

|Д♥) イイトコダラケノ コノスレガ スキダ

|)彡サッ

|Σ≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ソーレ エーロ・ゴシカァン!!

369NEW WORLD:1:2006/10/10(火) 01:35:15 ID:Y+1RjJNy

昨日も、今日も。毎日のように。

HALとの戦いが終わり世界が元に戻った今、
平和な世界の平和な事務所に。
女子高生探偵の元へと。

「よー、桂木」
事務所で学校の宿題と戦っていると
いつもの時間。いつもの笑顔。にやりと、笑みを浮かべた見慣れた人物が部屋の中に入ってきた
今日は珍しくネウロはいない。
最近、匪口さんが来る時間にいないことが多い気がするような。
「匪口さん 今日も来たんですか?なんか最近毎日だし…お仕事とかって…」
「情報犯罪課って言ったって実際ネット詐欺の対策とかさ、意外と地味な作業が多いワケ」
そんなのは俺がいなくったってどーにかなるしねー、と言いどさっ、と。当たり前のように横に座ってきた。
横には匪口さんが。目の前には空白だらけの課題。
最近の数学と理科は段々と難解になってきて毎日授業に出ていない私は、つらい。つらいんだ。
勉強が出来ない。問題のやり方がわからなくて。
「あ、そうだせっかくだから勉強教えて匪口さん!!」
「なんで?」
………なんで、だって?即答で?
「え…そこは普通に承諾してくれるんじゃないんですか…?」
「は、桂木こんなんもわかってないの?」
殊更笑みを増して私の宿題を指差す。ああ、そうだこの人〔天才〕なんだっけ。本物の。
「………意地悪だ」
頭が良すぎる人ってみんなこんな意地悪なのかな。ネウロは、魔人だけど。
「理科のこれは仕組みを理解すれば一発。数学なんかは公式当てはめれば絶対解けるんだしさ」
「その仕組みがわかんないんだもん」
だって、授業は出てないか寝てるかだから教わってないし。
それは口に出せないから口をきゅっと閉じたままでいると、
匪口さんはふーん、って。納得してなさそうなよくわかんない相槌を返してきた。
「教えてやってもいーよ」
「…ほんとに?」
「桂木の為だからな」
その言葉はどういう意味だろう?
「!!ひゃっ!」
疑問が飛んだ。腰に手を回される感触。ぞくり。こそばゆい。
「匪口さん何してんですかっ!?」
「セクハラ」
「何それ!?」
「性的イタズラ。こーゆーことする事」
「じゃなくて!!しかもそれって犯罪だし!」
きょろりとした大きな目に見つめられドキリと胸が痛くなる。からかわれてるって判った瞬間腰にあった感触が太股に移る。ぞくっ、背筋に何かが通った。気持ちが変。気持ち悪い。けど。
「桂木、教えてやるから教えて お前のこと」

耳元で囁かれたら なんだかとっても変な気持ちになってしまう、ねえ、狙ってるってずるいよ。

370NEW WORLD:2:2006/10/10(火) 01:37:18 ID:Y+1RjJNy
「やっ!やだやだ!!」
簡単にされるのは嫌だ。大事に扱って欲しいから。犯りたいから犯られるだなんて、嫌だ
「なんでだよ、いーじゃん桂木…こういう事すんの嫌じゃないだろ?」
「俺は桂木に触れたい」
…あ。私、求められてるんだ。
あの、一件。匪口さんの過去。
愛して欲しい人に触れることすら叶わなかった過去
愛されることを、愛することを許されなかった人
もう人を愛することなんてできないだろう、あんなトラウマ。私には想像つかない。いや、誰にもわからないだろう。
人を愛することがトラウマ
なのに人を愛せない人はまた、愛されもしない。
悲しい真理が、世界にはあると思う
あいをもとめているのにあいされない
それは人に愛を与えられない人だから。


ぎゅう。


私に出来ることは、包んであげることぐらい。
いっぱいいっぱい、出来るだけ、とにかく、抱き締める。ぎゅうっと。
抱き締めたり抱き締められたりすることは心地良くなるから好き。あったかい。本能が愛を感じられる幸せ。
「私、匪口さんのこと好きです」「…っ、桂木?」
あまりに強く抱き締めたからかな。言った言葉にびっくりされたのかな。なんだかちょっと苦しそう。
「カオスな世界はもうないけど、この世界だって素敵なものはいっぱいあるんだよ」
「…」
「ずっと言いたかったんだ、匪口さんに。みんながいるから世界があって。匪口さんがいるから、私の世界も広がって、変わってく」
「……なあ、桂木。」
「俺の世界も変わったよ、お前がいたから。」

「だからお前が、欲しいんだ」

371名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:39:36 ID:Y+1RjJNy
初投下の上に携帯からだから見辛かったらごめん。
ヒグヤコ需要ないのかな…来週の展開次第だとも思うけど。
需要あったら続き書いてみる。
372名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:45:53 ID:ls6Y4JZR
GJ!
きっとその後の日々はこんなんだったら嬉しい。
匪口はまた元の日常に戻って普通に過ごしていて欲しいんだ。その中で自分の
幸せってものを見つけてくれたら言うことないんだけど。


実は俺も今週の展開を見てたら短いのを書きたくなって、仕上げた。
どさくさで投下する。
373慟哭:2006/10/10(火) 01:47:26 ID:ls6Y4JZR
普通の家族でいることを望んだだけ。
ただ、毎日他の家族のように当たり前の会話をしたかっただけ。
なのにそれすらも一切叶えられずに一人、虚構でしかないと両親に決め付けられた世界に放り出された
子供は一体どうすれば良かったというのだろう。
目の前にぶら下がっていた二人の姿はまだ夢に出る。
あの日から匪口の時間は止まったままだ。
両親さえ否定したこの世界ならば、みんな自分と同じ立ち位置まで引き摺り下ろしてやる。そうすればみ
んなが平等のある意味幸せな世界が訪れる筈だ。奇妙なほどに知識で頭でっかちになった子供は、そ
んな哀れな夢を見て心を躍らせるしかなかった。

さて対峙するのは魔人か少女か。
自らの賭けはどうやら勝ったようだった。谷底に落ちた車の中から辛うじて助かったのは無防備な少女。
全能に見えた魔人は、爆発した車から何とか脱出したものの、匪口が操り続ける人間によって完全に囲
まれている。心配はいらない。このままじわじわと嬲り殺してやればそれで済む。
どうせ、人間は誰も彼も薄汚い欲望を隠して生きているだけのケダモノ。企みが成功して犯罪者だけの
世の中になったとしたら、どんなにか素晴らしいだろう。
「匪口さん」
ようやく状況が呑み込めてきたらしい少女、桂木弥子が口を開く。
さあ心配しろ、これまで互いに散々いい思いをしてきた男の終焉を手もなく見守るがいい。お前にはそん
な徹底的な絶望が何よりも似合う。情を交わしてこの絆は永遠と自惚れていた浅慮を恥じるがいい。
そしたら拾ってやるから。
欲しいものだったら、どんなことをしても手に入れたくなるし、障害だったら取り除くもの。そういう概念に従
ってみただけだ。
いい考えだろう?

頭の芯がずんずんと熱くて痛い。
まるで風邪でもひいているようだ。
痛いよお母さん痛いよ。寂しいよお父さん寂しいよ。二人とも今日で一ヶ月ディスプレイ越しでしか話をして
ないね。それもゲーム関連のものだけだね。欲しいものがあるならすぐ調達するから何か言って。返事が
ありがとうじゃなくてもいいから。散らかったゴミもちゃんと片付けるし、宿題もするし学校にも毎日遅刻しな
いで行ってるから心配しないで。出来るだけいい子にしてるからいつか本当の家族になろうね。会社が休
みの度にみんなで動物園や旅行に行ったりするような家族になろうね。その為だったらどんなことでも言う
こと聞くから。今は二人のその目がディスプレイしか見てなくてもいい、いつかそうなろうね。
ああ痛い、痛い痛い痛い。
「桂木、こっち来な」
何だか頭が熱くて仕方ないから、全部埋める為に崖下を覗き込んでいる少女を呼んだ。なのにこの期に及
んで少女は何の色も浮かべない目でさらりと匪口を見ただけだった。まるで『あなたとは家族にはなれな
い』とでも言っているように。

どれぼとに望んでも策を巡らせても欲しいものは決して手に入らない。そんな筈はないと決めつけるだけ余
計に確証が増すだけだ。
お母さんお父さん僕は一体どうすればいいの。どうすれば欲しいものは得られるの。
答えて早く答えてあの子が目の前からいなくなる前に。



終了
374名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:47:36 ID:y7NAclYY
激しく続きwktk!!

ヒグヤコ燃える。
375名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 02:26:53 ID:FPgyci7C
>>373
GJ!寒気した…匪口せつないな…
筆がノったら続きも見たい。そーれゴシカァン!
376名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 02:30:42 ID:Y+1RjJNy
>>373
また涙出てきそうになった…辛いな。でもGJ!!!
凄い素敵な文章だ

ヒグヤコ続き書きたくなってきた!
遅くなるかもだけどがんばってみるよ。エロ。
377名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 02:47:19 ID:ls6Y4JZR
頑張れ。
神無月(神有月)の今だから、多分何でも書けるぞ。
さて新たな職人降臨祈願でエーロ・ゴシカァン!!!
378俺と弥子1:2006/10/10(火) 04:03:20 ID:Jax4nSoU
俺=あなたです、ネウロとは知り合いです


「早くしてね、ネウロ帰ってきちゃうから」
「うん」
本当はネウロに許可を得て事務所に来ているのだが
彼女にそれを伝えないのは色々都合が良いからだ
「それで・・・本当におしいの?その・・・精液って・・・」
顔を赤くしながら聞く弥子は可愛い
「そうだよ、AVって見たことある?」
「え?・・・うん、少しだけ」
「そう、たまに精液飲むのがあるでしょ?あれは勝手にやってるんだって」
「そうなの・・?」
半信半擬の彼女の前に俺は自分のモノを取り出す
「きゃっ!そ・・・それが?」
「うん、やり方はさっき説明した通りだよ」
弥子はゴクリと息を飲むと恐る恐る俺のモノに触れる
「あ、硬くて熱い・・・」
「まだまだこれからだよ」
弥子は手を動かしつつゆっくりと舌をつけた
「どう?」
「ん、変な味・・・」
379俺と弥子2:2006/10/10(火) 04:05:08 ID:Jax4nSoU

弥子はアイスキャンデーを舐めるように俺のモノに刺激を与える
「じゃあ・・・くわえてみようか・・・」
弥子はゆっくりとそして優しく口を俺のモノで満たしていく
「んっ、んっ!」
少々苦しそうだ、だけどおいしい精液のためだ!頑張れ!
「俺の顔見てくれる?」
すると弥子はくわえたまま上目使いで俺を見つめた、少々涙目なのがさらにクル
「じゃあいくよ」
俺は弥子の頭を掴むと思いきり腰を動かす
「んっ!!んぅっ!!」
「・・・イ・・・イクよ」
その瞬間弥子の目が輝くのを俺は見逃さなかった
「うっ・・・・ぁぁああ・・」
「んくっ・・・んっ・・くぅ・・・」
さすがと言うべきか、弥子は一滴溢さす飲み干した
「ふぅ・・・・あの・・」
「なんだい?」
「その・・・あんまり美味しくなかったんですけど」
そう言われるとわかっていた俺は更に弥子を自分のモノにするため、あることを告げた
380俺と弥子3:2006/10/10(火) 04:06:11 ID:Jax4nSoU

「え!?・・・・・・あっ!そうか」
俺はわざとらしい動きで弥子に話す
「あの・・・」
「そうだ、俺は童貞だったんだ・・そうかそうか」
「え?」
弥子はなんのことだかわからないという顔をしている
「ごめんね弥子ちゃん、童貞の精液はおいしくないんだ」
勿論嘘だが
「え、それって・・・」
弥子は一瞬何か考えたようだったが顔を何度も振っている
「あー、残念だ、俺が童貞じゃなかったらおいしい精液を飲ませてあげられるのに!」
俺は弥子に話す暇を与えず話し続けた
「本当においしいらしいんだけどなぁ、でもすぐ童貞捨てるなんて無理だよねぇ」
最後は弥子の目を見ながら言う
「え・・・でも、私も初めてだし・・・あの」
「いやいや!別に弥子ちゃんに相手してもらおうなんて失礼なこと!でも本当に残念だなぁ」
弥子は明らかに悩んでいる
「病み付きになるおいしさらしいけど機会はいつでもあるさ、ね?」
「あの!」
よし!さすが食が関わると目の色が変わる女子高生だ
「私と・・・・Hしませんか?」
381俺と弥子4:2006/10/10(火) 04:07:18 ID:Jax4nSoU

「んっ・・・ふぁ・・」
弥子をソファーに寝かすと優しくキスをした
「初めて?」と聞くとコクリと頷く、その仕草だけで出してしまいそうだ
セーターをたくし上げYシャツのボタンを外す
俺は優しく胸に手を当てると撫でるように愛撫する
「はぁ・・ぁぁ・・・」
ブラジャーを外し弥子の胸が露になる、悪くない
俺はむさぼるように吸い付いた
「はぁんっ!ダメッ!そんな強く!」
その間に空いた手をスカートの中へと侵入させる
「ふぁあっ・・・ぁあっ・・・・・・・」
パンツをずらしいきなり指を挿入、残りの指で淫核を刺激
「あぁっ!・・・やぁあっ・・・・あぁぁ・・・」
だらしなく空いた口を唇で塞ぐ、愛撫も忘れずに
「ふぅっ・・・・ぅぅっ・・・・ぷはぁ・・・はぁ・・はぁ・・」
「弥子・・・キスおいしい?」
「・・・・うん・・・おいひぃ」

続く
382名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 07:39:12 ID:pQ4IexPc
北風と太陽ktkr
383名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 13:38:27 ID:yzo1Pn26
おお、こういうのも有り!だな。イイ!>378
384名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 18:41:47 ID:B1jcB/46
そっと投下。ネウヤコ、>258の続き
ぬるいエロで切な系シリアス
385 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:42:22 ID:B1jcB/46
 男の人のどこに一番魅力を感じるか。中学の頃、友達に訊かれた心理テストで『背中』と答えたら、
包容力を求めるファザコンタイプだ、なんて言われた記憶がある。製図しているお父さんの背中は
確かに好きだった。ボードに向かってしゃんと背を伸ばしている姿、曲がってきたら、背伸びをして
肩を揉んでいたっけ。ささやかな子供時代は誰にでもある。私にとってのお父さんの印象は背中が強くて、
だから必然、男の人は背中を基準に見てしまう。
 ネウロも、そうだ。
 あまり身長の高くない私が日本人離れ、いや、人間離れして長身のネウロを見る時は、背中しか
見えない。後ろを歩いている時、どんなに顎を上げてもそれが限界だ。手を引かれてすぐ後ろを行く
からなのかもしれない。大きくて広くて、定規でも入っているみたいに伸びた背中は、好きだ。そこに
寄り掛かってみるのも、好き。膝を抱えて身体を預けてもびくともしない。指先なんか絡ませてみたり、
するのも。

「貴様はいつもそうだな」
「何が?」
「顔を見せたくない時はいつもこんな体勢をとる。一体どういう習性なのだ? 人間全般に関わるもの
 ではなく、貴様の個人的な好みのようだが、我が輩にはよく判らぬ。人の背中に身体を壁扱いするなど」
「壁じゃないから良いのに」
「同じだ。体温もなければただ固いだけだろう」

 ソファーの上で膝を抱える。ネウロは分厚い百科事典を暇つぶしに捲りながら、私に付き合って
くれていた。長い足を肘掛に乗せている姿はどことなく優雅で、ともすれば見蕩れてしまいそうだ。
造形だけは完璧で綺麗なんだから、ずるいと思う。童顔だったり背があんまり伸びなかったりの私には、
特に。
 床には分厚い本が何冊も積まれていた。世界に愛されるブリタニカ百科事典を一冊十分の斜め読みで
片付けていくのは、正直忙しない光景だと思う。ぱらぱらと本が捲れるたびに漂うのは、古い本特有の
紙魚とカビのニオイ。図書館かどこかから拝借してきたらしい年代モノだ。肩越しに眺めるけれど、
ページを捲るのが早すぎて、一文もろくに読めない。肩に顎を乗せて、ぼんやり。背中に擦り寄って、
手元だけを眺める。
386 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:42:56 ID:B1jcB/46

 顔を見るのはまだ、ちょっと緊張する。でもなんとなく傍にいたくて、だからこんな。細くて長い指、
黒い皮手袋に包まれたそれが、くるくると動く。長い腕が本を取る。伸びた脚が退屈紛れに組み替え
られる。顔以外のすべてを眺めながら背中に縋るのは、なんだかおかしかった。いつも私の頭に顎を
乗せているネウロは、私の仕種をこんな風に眺めているのだろうか。それとも、追いかける謎ばかり
に気をやっているのだろうか。
 絶対後者だろうな。一瞬で出た結論に笑ってみれば、溜息を零される。何を笑っているのだ、なんて、
抑揚のない声。仕方なく構ってやってるように。だけどそれで十分の、向けられた意識。目を閉じて
触覚だけで認識しながら呟く。なんでもなぁい。甘えるみたいに。

 顔を見ないで近くにいるのは楽だと思う。反応を極力気にせずにそこにいられるのは、ストレスが
溜まらない。この魔人はそんな私の我が侭を許容してくれるから好きだ。してくれなくても、
まあ、好きだけど。
 ぱらぱらと本が捲れていく。紙魚のニオイ。大きな背中。お父さんみたいだけど、もっと大きくて
気持ち良い。この背中は良い背中だ、なんて、変なことを考える。ずるずる肩から顔をずらせて、
ぺったり背中に耳をひっつけた。腕は腰に回して、抱き締める。ネウロは無反応でいてくれた。
ほっとする。馴染んで、気持ち良い。身体の輪郭がなかったら、溶け合いそうなぐらい。

「ヤコ」
「んんー」
「顔を見せろ」
「まだ、やー」

 見せるのと見ることは同じだ。摺り寄せた額、固い上着に擦れて痛む。ひりひりと。目を閉じる。
溜息の音が降って来た。雨みたいに。吐息で身体全部包まれて、窒息しちゃえばいいのに。私なんか。
 ずりずり下がっていく身体が、ソファーの上を滑る。スカートが捲れた。別に誰が見てるわけでもない
から気にしない。ただ怠惰にぼんやりと溶け落ちる。ローファーの爪先が床に落ちて、こつん、と音を
立てた。すぐに消えてしまう音。忘れてしまうそれ。ささやかな、記憶。

 ぺたり、頬が皮張りのソファーにくっついた。
 頭のてっぺんだけで、ネウロの腰に触れている。
 視線を向けずに寄越された手が、わしわしと髪を撫でてくれるのが気持ち良い。
387 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:43:32 ID:B1jcB/46

 視線だけ上げる、背中が山のように聳えている。
 首がこっちを向こうとするから、上着を引っ張った。
 本を捲る音のリズムが戻る。目を、閉じる。そんな時間が、百年ぐらい。十分ぐらい。

「もう待たない」

 ぽつりと宣言して、ネウロは私の頭を膝に乗せるように引き寄せた。

 待たないなんて言いながら、結局顔を見せないようにしてくれる辺り、腐っても紳士っぽいんだなあ
と思う。横になった身体、猫みたいに頭を撫で繰りされて、私は目を閉じた。すりすり脚に頬を摺らせる
と、摩擦で生まれた熱が体温みたいに思える。そんなものないのに、錯覚のぬくもりを手繰り寄せる。
惨めで無様、とは思わない。意味がない。
 縋り付いているのは好きだ。どうせ弱い生き物なんだと諦めてしまえる。どうせ、この魔人とは違う
んだから、こうして甘えていくらだと思えば良い。単純に、甘やかされるのが心地良いだけかもしれない。
顔を見せないで笑う。気付かれないようにゆっくりと吐息を零す。
 ごめんね。まだ上手く笑えてる自信がないから、見ないでね。

 むにむにした感触は皮の手袋。もどかしいのか、ネウロはそれを外して床に落とした。ぱさり、音が
する。直に触れてくる指は私のと違って節くれ立ち、無骨な感じだ。神経質そうな細さ、体温は感じない。
くしくしと頬を擽って、耳の裏にも触れて。髪を梳いて、首を触って、優しく。壊れ物みたいに。事実、
ネウロの力の前では、私なんて壊れ物なんだろう。
 するりと伸びてきた指先が、半袖のシャツから伸びた二の腕を撫でる。夏服の袖口から這い上がる
ように、捲りあげて。肩に触れる。気持ち良い。ぷちん、首元から外されたリボンが、床に落ちる。

「ネウロ」
「待たない」

 宣言。背中を抱っこするように起こされて、抱き締められる。顔の見えない抱擁をしながら、ネウロは
私のシャツのボタンを一つ一つ丁寧に外していった。ああ、そっか、えっちしたいんだ。今更気付いて、
ちょっとおかしくなる。私の髪に額をすりすりと寄せるネウロは、さっきまで背中に懐いていた私みたいだ。
視線を伏せて見ないように、優しい愛撫。肩から落ちたシャツを腕から抜いて、床に。
 身体に優しく触れる手に、手を重ねる。止める気はなくて、ただ添えただけ。胸を滑るように撫でて、
薄いお腹まで降りて行く。ぞくん、震えると、手が止まった。
388 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:44:06 ID:B1jcB/46

「くすぐったい」

 怯えてるわけじゃないと伝えれば、耳元で漏らされた吐息は安堵の溜息のように響く。
 下着の中に手が入って、小さな胸を軽く揉まれた。大きなネウロの手の中だと、ただでさえささやかな
ものがもっと小さく感じるから複雑だ。凹んでるとか抉れてるとか散々言うくせに、絶対揉んでくる。
育ててでもいるつもりなのかな。それはそれで嫌だ。
 鼻から抜けるように息が零れる。くすぐったさとは別の感覚に、思わず目を閉じた。真っ暗なのが嫌で
すぐに開く。むずかゆいようなそれはけっして不快じゃない、ゆっくりと円を描くように揉まれるのは、
嫌いじゃない。気持ちが良い。埋む熱は自分のものだけなのに。
 ゆっくりと食まれた耳朶から甘い痺れが走って来て、背筋や胸を震わせた。背中でネウロが、器用に
口唇でブラのホックを外す。やりやすいように一つだけのやつを選んでるけど、ちょっと動くと外れて
困るの、こいつは知らないんだろうな。いや、知られたいとも思わないか。肩紐が腕を抜けていくのを、
止めずに落とす。床には服の山。でも、ネウロが脱いだのは手袋だけ。むう。

「ネウロも脱いでよ」
「まだ必要ない」
「ちぇ。なんか、恥ずかしいの」

 拗ねるように呟けば苦笑が響く。背中に押印される、丁寧なキス。痕は付けないソフトなそれ。
くすぐったさに笑えば、スカートのアジャスターに手が伸ばされる。ぱちん、と、外される音。ファスナーを
下ろすちりちりと言う振動はゆっくりで、なんだかいやらしい。変態め。
 脚から落ちたスカートも、床に重ねる。下着は自分で脱いだ。汚れたら帰れなくなっちゃうし、まさか
給湯室で洗うのも、なんだか。もういくらか湿ってしまっているけれど、許容範囲かな。

「なんだ、積極的だな」
「汚れたら困るの。家じゃないんだし……家でこんなことなんかしたくないけど」
「たまにはベッドでするのも乙だと思うが」
「だったらここにベッド入れなさいよ。……いや、ごめん、嘘。冗談。本気にしないで。事務所にベッドが
 あるとか本気で嫌、あんた今以上に頻繁にサカりそう」
「ここに入れなくても、他の部屋に突っ込めば良いではないか。洗濯機だとかシャワーブースだとかも
 付ければ、貴様には随分快適になりそうだが」
「ラブホかよ」
「ほう貧相なくせにそんな所に行った事があるのか」
「いやないけど。ないけどー」
389 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:44:41 ID:B1jcB/46

 言葉に詰まるとくすくす笑われる。むう。って言うか、ラブホって言うより家みたいじゃない。この身空で
別宅を持つのは抵抗がある。気恥ずかしいとも言う。なんか、なんか、夫婦みたいで。
 このまま何年か一緒にいたら、内縁関係ってのになっちゃうのかなあ。政経の授業でそんなの習った
っけ。でも相手が魔人じゃ、やっぱりないか。ないない。なっても何も変わらないような気がするし、
考えても仕方ない。

「何を考えている?」
「っん」

 心此処にあらずの一瞬を悟られたのか、伸びてきた指先に脚の奥の敏感な箇所を触られる。少し
伸びた爪を引っ掛けられて、恥ずかしいけれど気持ち良い。ピンポイントで突かれるぐらいに馴染んで
るのを自覚するのは、何度重ねても照れくさかった。脚を軽く開かされて、ゆっくりと指が身体の真ん中に
滑るのを感じる。優しく、ゆっくりと。抉じ開けようとはしないで――ただ撫でる。指の腹がクリトリスに、
絶えず触れる。
 とろりと零れてくる愛液が指を濡らしても、ネウロはただ撫でるだけの仕種を続けた。脚がもじもじし
てくるのに、軽く押さえられているだけで閉じられない。呼吸が上がって、腰を擦り付けるように揺らして
しまう。顎を上げて喉を晒すと、肩口から顔を出したネウロがちろりと舐めた。生温い唾液が胸元に
落ちる感触にまで、身体が火照る。指を伸ばして袖を引っ張ると、どうした、なんて耳元で囁かれた。
ぞくりとクる。意地悪、だ。

「どうしたのだ弥子、先ほどから身体が震えているぞ? 寒いのならば、上着を貸してやるが」
「ばか。痺れてるの……誰かが意地悪なことするから」
「意地悪か。なら、どうすれば意地悪ではないのだ?」

 変態。

「指、入れても……良いよ」
「うむ」
390 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:45:16 ID:B1jcB/46

 求めない、出すのは許可。頷いたネウロは至極満足そうな声で、とろりと濡らされた指を私の中に
浅く含ませる。丁寧と冗長と焦らしの差ってどこにあるんだろう。入り口を擽るような指の動きが
もどかしくて、小さく喘ぐ。口に含まれて舐られる耳朶からは、粘つくような水音が響いて。脚を押さえる
手は膝の裏を柔らかに愛撫する。滲んだ涙で視界がぼやけた。目の前のテーブルも、見えないぐらい。
きゅぅっと縋った上着は、本当にネウロなのかな。
 背中をぺたんっと胸に預けて、感触を確かめた。固い上着の生地、ボタン、スカーフ。ベルトに
スラックスと、そのジッパーも。確かめて、触れて、ここにあると認識する。肌から染み込ませるように、
その存在を。大きな胸板。あんなに大きな背中だもんね。肩幅も広くて、私なんかすっぽり包まれちゃう。
腕も指も脚も身体も長くて、なんにも勝てない。
 でもそれが心地良い。赤ちゃんがお母さんに感じる全能感って、きっとこんな感じだ。親鳥に懐く
雛みたいに、私はネウロの上着を引っ張ってみる。耳元で笑う息遣いが、愛しい。

 ゆっくりと内部に入り込む指は、一本から二本に。混ぜるように撫ぜ広げて、私の身体に準備させて
いく。受け入れられるように、快感を感じられるように。零れる愛液は増して、ネウロの指をべとべとに
していた。潤滑が良くて、時々爪の先が一番奥を掠めてくる。そのたびに、私は喘ぐ。小さな声で、
小鳥のように。
 ネウロは私の髪に頬を摺り寄せて、胸の愛撫を再開する。押さえられなくても脚を閉じられないぐらい、
下半身は痺れていた。ただ宥められて愛玩されている。ネウロは私に何か強制したりしなくて、
したいようにしているから、それは安心出来た。いつもと同じ。いつものように、それは優しい自分勝手。

 いつも、そうだ。

「大分ほぐれているようだな。そろそろ別の刺激が欲しい頃合か?」
「ん、っふ……んぁ、待たない、んでしょ」
「ああ、待ちたくないな。だが我が輩は紳士なのだ、貴様にも選択権をやろう。
 ――――このままでいるか? それとも」

 もっと別の刺激が欲しいか?
 囁かれる言葉に、こくんと頷く。
 顔を、見ても?
 もう一度頷いて、私はネウロを見上げた。
 さかさまにキスをして、舌を絡めあう。
 目が眩んで、蕩けそう。
391 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:45:51 ID:B1jcB/46

 向かい合うように抱きなおされて、一度ぎゅぅっと胸に抱き締められる。背中で感じていた感触を胸で
感じて、それはなんだかくすぐったくて刺激的だった。悪戯にスカーフを抜くと、硬質的な音を立てて
ダイヤが鳴る。今はもうあまり驚かない。床に落として、上着のボタンも外して。ベルトを抜いて
スラックスも寛げた。ネウロはただ黙って、優しげな視線で私を見下ろしている。腰を抱いている手は
大きくて、今更ながらに気恥ずかしい。
 そっと手を入れると、固い熱の塊が指先に触れる。こくんっと息を呑んでから指を絡めて、ゆっくり
取り出した。体温なんて殆どないのに、そこにはある。私に合わせてくれてるんだろう。身体の内側に
触れる部分ぐらい、なんて。上目遣いにすると、髪を避けて額にキスを落とされる。自分でするのを
促されてるみたいだけど、怖くてまだそんなのは無理だ。じぃ、っと視線で訴え続けると、溜息。
腰を掴まれて、熱が、触れる。

「、ん」

 目を閉じて感じる。ゆっくりと襞を押し広げて、入り口に辿り着いて。一つ呼吸を置いて覚悟の瞬間を
くれてから、やんわりと伺うように――押し入って、来て。
 漏れた声を宥めるように、背中を支えられる。見上げるとネウロは、やんわりと微笑んでいた。
こんなときしか見せない、気持ち良さそうな顔。謎を食べる時みたいに激しい興奮じゃなくて、
静かな歓喜、みたいな――そんな風に考えるのは、ただの自惚れかもしれないのに。でも嬉しくて、
身体を擦り寄らせる。零れる唾液を胸まで辿られたり、腰をなぞられたりして、もっともっと。

「弥子、きつくはないか? 随分、締め付けが強い……痛むなら、言って構わんのだぞ」
「い、ったら、止めるの?」
「否。もっと蕩けられるように、努力をしてやる」
「あは、らしい、なぁ……んきゃ、ひぁッ」

 鼻先にキス、顎にも首にも。ぎゅうっとお腹の奥を締め付けても、ネウロはただ微笑むだけだ。
なんだか私ばっかり気持ち良いみたい。でも、腰を打ち付ける動きがゆるゆる早くなってるんだから、
そうでもないんだろうな。袖に引っ掛けていた指、腕を背中に回す。ぎゅっと、縋る。

 ネウロはいつも自分のしたいようにする。私の意見は私任せで、それを特に聞き入れようとはしない。
それはいつものことで、この時だけじゃなく、日常生活でも同じだ。自分のことは自分任せ、他人の事は
その個人に任せて。
392 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:46:25 ID:B1jcB/46
 それは当たり前のようだけれど、少しだけ悲しい。例えば、私達の関係だ。ネウロは私に愛を
囁いたり、こんな風に抱いたりする。自分がしたいから愛撫をして、自分がしたいから言葉を掛けて。
それは別に私を気遣っての事じゃなく、やっぱり、エゴイズムが根底にある。私が嫌がるのは楽しくない。
楽しくしたいから、宥めたりするだけ。自己完結って言っても、良い。自己満足って、言っても良い。
 私は多分、その逆だ。自分の事を自分だけで決めるのはそんなに得意じゃなくて、相談したり
しながら色んなことを決める。学校とか。県外にも評判の高い学食の学校はあったけれど、両親や
先生との相談で今の進路を決めた。この関係も、求められて、それほど嫌じゃないから。そんな感じだ。
そういう、性格だ。

 自分の意思だけはしっかり示すネウロと、自分の事は決められない私。他人のことは他人任せな
性格と、他人も抱え込んで迎合する性格。相談しないネウロと、相談したい私。
 ネウロは私のことを私に任せてくれる。肝心なところはいつだってそうだ。だけど私は、任せられる
よりも引き摺られた方がやりやすい。何もかも選択肢を剥奪されて、ただ諾々と流されて。そう、
――愛していると何度も伝えられるより、愛せと命令される方が、きっと。
 深いところでネウロは個人主義、私は全体主義なんだろう。突然変異で孤独な魔人と、群れて
戯れて生きる人間の差異だ。きっと。だから。

「何を、考えている」
「ひぃん、やぁあっ!?」

 強い突き上げに仰け反って顔を上げれば、不敵な笑みで笑うのは魔人。意地悪で自分勝手で
孤独主義な、だけど私を愛してくれるひと。私に愛されることは、特に望んでいないひと。誰とも
繋がっていない彼が、身体だけの繋がりに酔いながら見下ろしている。私は彼を見上げて、
荒い呼吸を整える。ぎゅっと背中に回した手、爪を小さく、立てたりしながら。

「いきなり、突き上げるの……や」
「予告すれば良いのか? 我が輩は今から貴様の腹の奥の子宮口を性器の先端部分で何度も強く
 突き上げて、貴様の快感が頂点に達してその場所が淫らに喘いだ瞬間を狙って、子種の溢れる精液を
 叩き込む――満足か?」
「ひっや、やだぁそんなこと、言うなぁッ!」
「いきなりが嫌だと言ったのは貴様だろう、我が侭な奴め。こんなに深く雄を咥え込める身体をしていると
 言うのに、子供のようだぞ」
「あんたが、変態なだけでしょっ」
393 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:47:00 ID:B1jcB/46

 言葉に緊張してキツく締め付けてしまう、ネウロは楽しそうに笑っている。変態め、エロ魔人め。
子種だとか、子宮だとか、そんなこと――ふるっと、肩が震える。お腹の奥に吐き出される熱の記憶。
逆流しないように締め付けるそれ。痙攣する場所が、こくこくと飲み干す――せいえ、き。悪寒めいた
快感が走って、身体が緊張する。

「……弥子、きつい」
「ふぁ、あ――あんたが、わるぃッ」
「なんだ、言葉で感じたのか? 想像して快楽を感じたのか、淫乱め。お前は案外とスキモノだな」
「うる、さぁいー!!」
「はは、そら、予告通りにッ!」
「ひぃ、んんぅあぁあ!!」

 ぎゅぅっと強く抱き締められた身体を、一直線に貫かれる。すっぽりと身体に包まれた。逃げられない。
逃げない。追いかけてくるもん。捕まえはしないけれど、後ろにぴったりついて、待ってるんだ。
こんな風に、ぴったりして。そんなことされたら駆け出せないのに、捕まえてるのと、同じなのに。
 呼吸が上手く出来なくて咽ると、背中をとんとん叩かれる。だけど突き上げる深さと速さは変わらない、
リズムを上げて、身体が揺さぶられる。強く強く、一番奥を抉じ開けようとするみたいに。擦れる感じが
気持ち良い、涙が零れて、唾液も止まらない。目尻や口元をぺろぺろと舐められる、舌の感触が好き。
 ぎゅっと抱きついて、ぬるぬるに濡れた口唇と舌でキスを求めた。ぺちゃぺちゃちゅくちゅく、粘つく
水の音が響いてくる。どこからも、ここからも。きっと自分が蕩けだしているんだ。心も身体も、
蕩かされているんだ。
 ぬくもりは移った自分の熱でしかないのに、お互いが熱いみたい。浮かされて求め合って繋がって
いるみたい。だけど私はネウロ任せで、ネウロは自分の欲求に従ってるだけだ。繋がってない。
自分から求めているわけでも、繋がることを求められているわけでもない。だから、待ってくれない。
したいと思ったら、もう。

「弥子、気持ち良いだろう? 貴様はこんな風に激しくされるのが好きだからな、我が輩も加減せずに
 快楽を求められる」
「ふ、っく、あんたがこんなの、ばっかする……からぁ」
「貴様の素質だ。我が輩はそれを助けてやっただけのこと――ッ、ん」
394 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:47:34 ID:B1jcB/46

 ネウロの息が小さく詰められる。ぎりぎりまで抜かれた性器が、そっと敏感な部分を裏から擦り上げた。
目が眩む、眩暈のように。呼吸すら忘れるその一瞬に、強く突き上げられて。

「ッひ、や、ぁあ」
「弥子」
「あ、ひ、ひゃぁあああぁあぁぁあ!!」

 呼ばれる、ぎゅぅっと締め付ける。眩んだ目の後ろから、ペンキをぶちまけるような白が襲い掛かって
くる。溜息のように息苦しいそれに包まれて、私はただネウロを抱き締めて、締め付ける。どぴゅ、ん。
お腹の奥で音がして、熱が生まれていく。広がって、叩き付けられる。どぷ、びゅ、びゅく。何度も何度も
断続的に、突き上げ、られて。犯される。侵される。冒される。

「ひぃい、ぁあ――ネウロ、ねぅ、どんどん……入って、来ちゃってるよぉ」
「ん、っふ。く」
「多い、すっごく……多くて、」
「弥子」
「あつ、ぅいぃ」
「……ん」

 優しく抱き締める腕。呼ばれる声。縋り付く背中。
 白濁の心地よさに、目を閉じる。
 熱に任せてそっと――私は意識を手放した。


395 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:48:09 ID:B1jcB/46
 例えば。
 私がなんの意思も意識もなく道具のように、ただネウロの付属品として存在していたら良いと、
思うことがある。スカーフみたいに、そこに付いてるダイヤみたいに。なんてことなく思い通りになって、
それに何も感慨もないような、そういう存在。単純な理由で愛でられては、簡単に投げ捨てられるような。
 そんなだったらきっと、こんな気持ちにならずに済んだ。人権も何も無視されていたら、何もかも諦めて
迎合していたのだろう。何も感じないがらくたみたいに、いたんだろう。素敵で、だけど、悲しい想像。

 ネウロの膝に横たえられて、私はぼんやりと目を覚ます。髪をするする撫でられる感触が気持ち良い。
裸の身体に大きな上着を掛けられて、まどろむ今は、多分とても幸せなはずなのに。
 瞼を動かすと、零れだすのは涙で。
 綺麗な言葉が何も零れないから、ただ静かに顔を隠して眠った振りをしながらやり過ごす。

 もっと我が侭で独善的だったら良かったのにね。そしたら、引き摺られてあげられたのに。
ネウロの所為にして、何もかも投げ出して、本当に奴隷みたいに。寂しがりで優しいから出来なくて、
だから繋がれなくて苦しい。繋がりきれなくて、形骸だけで。
 それが余計に虚しいことだとも気付かないで、満足しているのかな。そんなことはないだろう。
ネウロは私なんかよりずっと頭が良いし、想像力や演算力がある。それが自慰行為と何も変わらない
ことにぐらい、気付いているはずだ。でも自分一人で片付けられることじゃないから――待ってる。
私の傍で、そっと寄り添うように。

 ごめんね。向かい合ってはいられないから、せめて背中のすぐ後ろに付いていてあげる。
 いつかネウロが振り向けたら、私がその裾を引っ張って引き止められたら。
 本当に心から向かい合って、抱き合えたら。
 だから今は、背中に。
 見せられない顔を抱えたままで。

 眩んだ目を、そっと閉じたままで。
396 ◆zero1/xkZ6 :2006/10/10(火) 18:49:36 ID:B1jcB/46
とくに歌は意識してなかったけど>282のレスでちょっと思いつき続いてみた
ちーちゃんはトリック関係しかしらなかっ(ry
397名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 20:11:34 ID:KC3nS5LS
うおわぁわぅわゎwあぉwぁ(落ち着け

ネ申  再  降  臨  !  !

弥子切ない…(ホロリ
とにかくGJGJGJ!!!!!1
398名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 23:14:55 ID:8Ke7rxcC
>>378
おぉ、夢とはまた新鮮な!期待してます!!

>>384
丁寧な心理や五感の描写が毎度ツボ来てに凄く好きです!!

本当にこのスレはどこの出雲大社かと……!
399名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 23:50:37 ID:wIq/LdEB
>>378
夢小説って始めて読んだけどなかなかよいですなぁ。
つづき楽しみにしてます!

>>384
すごいじんわりじわじわ来る・・・涙腺が・・・
鬼ちー好きなのでなんだか嬉しくなっちまった。
頭の中でその曲が自動再生されたぜ

皆様GJ!神有月エロゴシカァン!!!
400名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 23:53:04 ID:E64FT/QG
>>369
>>373
ヒグヤコ神ありがとう!
どっちも胸キュンですげー(・∀・)イイヨ!!
禿げ萌えた!
401名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 00:07:00 ID:zCwJy6LX
今週の展開の発展で
ネウロ→←弥子な状態で匪口が『えろいことさせてくれたらネウロは半殺しで許してやる』的なこと言って
泣く泣く弥子了承
為す術無くボコられるネウロの目の前で処女レイープされる弥子        弥「ネウロ、見ないで…」
匪「今まで無理矢理にでも大事に傍に置いてきたのにまさか自分のピンチのせいで他の男に取られるなんてザマぁ無えwwww」

みたいな激欝を妄想したけど書けないので
余力ある方お願いします
402名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 00:08:15 ID:Emaj+lv/
>>401
お前が書け
俺は読む
403名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 00:08:56 ID:rgoKqXi5
>>401
日付を変えるのは今だ!
404名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 00:18:59 ID:Tu64KPS0
>>401
やあ。
職人の一人だけど、『為す術無くボコられる』ってのがまずあり得なっぽ
なので、話がまとまらない。絶体絶命とは言っても、無策ではないだろう
からさ。
書けそうなアレンジはあるけど、要望とは別物になってしまうので挫折。

なので
お前が書け。
405名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 00:37:34 ID:+WWBOTaU
お前が書け。
……だけだとなんんとなく401がかわいそうなので、コレも追加してやる。
エーロ・ゴシカァン!
だからお前が書け。
406名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 01:34:21 ID:dbbSfBmg
匪「桂木の処女喪失の瞬間、そこでよおっく観ていなよ、ネウロッ!!」
弥「ダメっ…嫌、やめてえ!!」
匪「…あれ?どーやっても滑って挿入んない…」
ネ「フハハハ…こんな事もあろうかと、そこの奴隷には魔界777ッ能力を
  ぶっかけて来たのだ。頭のてっぺんから満遍なくな。」
弥「まさかそれって…あれ本物のガソリンじゃなかったんだ…」

伏線?回収。
魔界能力の名前はいいのが思いつかなかったorz

スマン、やはりネウロが無敵すぎてどうしてもこんなになっちゃう。
でも俺も401のシチュは読んでみたいのでエーロ・ゴゴゴシカァン!!
407名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 01:42:02 ID:adepq9KT
>>406
ワロタ。
>>401もおまえも書くといい。
エーロ・ゴシカァン!!!!!
408名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 02:01:08 ID:995dEnRQ
とりあえずおまじないをする。
エーロ・ゴシカァン!
エーロ・ゴシカァン!
409404:2006/10/11(水) 02:01:34 ID:Tu64KPS0
誘い受けと思われるのもアレなので、思いついたものは書いてみた。
ちなみに、>>401の要望とは全然違うことを最初に断っておく。

「ネウロ!」
崖下に取り残されて、人間兵器と化した連中に飛び掛られているネウロを
どうすることも出来ずに眺めている桂木の姿が今の匪口の目にはひどく魅
惑的に映った。
邪魔者はいない。
こんな絶好の機会はないのだ。
「桂木」
完全に勝算を掴んだ確信をもって、わざと優しい声を出す。
「取引き…してもいいぜ」
「取引き?」
きょとんとした少女の顔は、これから何を言われるのか全く分かってもいな
いようだった。御馳走を前にしたハイエナの心持で、匪口はいきなり核心を
切り出す。
「奴を助けたかったら、足手まといのお前がリスクを負わないとな。なに、簡
単なことさ。この場でヤらせてくれるだけでいい。それで奴は半殺しぐらいで
済ませてやるからさ」
「…うそ」
「嘘じゃないぜ、バリマジ」
「うそ」
途端に、ひ弱な少女の目がぎらりと光った。
「そんなつまんないうそをつくひぐちさんはきらいよ、だってたのしくない。い
っそきえてみる?」
頭に響いたのは少女の声だったのだろうか。生まれてからずっとどれが現
実で何が本当なのか断定し難い世界で生きてきた。そのせいで今もって意
識下の境界線は曖昧なままだ。まして両親さえそのボーダーの上で処刑し
たも同然だというのに。
いっそきえてみる?
どろどろに溶けた世界の中で、匪口一人だけが全てから取り残されたよう
に立ち竦んでいた。


終わってもいいよな。
410名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 02:07:01 ID:Emaj+lv/
続けよwww
411名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 02:12:03 ID:VhjmA8v9
続こうぜ
エーロ・ゴシカァン!
412404:2006/10/11(水) 02:18:39 ID:Tu64KPS0
いや、ここであえて終了。
だってこんなヨタ話は続ける気ないし。

ぶっちゃけ、俺はネウヤコ派。
413名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 02:22:16 ID:gVfhersJ
ネウヤコ派多い中で
この題材はなかなか厳しいな
414名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 03:08:46 ID:rom3BV0S
ネウロとあかねちゃんがラブラブな話キボン
415なにかへんなものができあがりました。:2006/10/11(水) 08:27:52 ID:FQXTOkye
>>401
こんなのしか浮かばなかったぞ。

ヤ『本当に、抱かせたら、アイツを助けてくれるの……?』
ヒ「勿論」
ヤ『それなら……んっ……いい、よ……約束ね…?』
ヒ「あぁ。…ほら、服、脱げよ」
ヤ『……』
ヒ「なんだよ、そんなに脱がせてほしいのか?」
ヤ『え、きゃっ、いやああ!』
ヒ「おとなしくしろよ、桂木」
ヤ『ぃやぁ……助けて、ネウロォ……』
ヒ「ふっ、何言っちゃってんの? あいつが今、人を助けられる状態かっての。…ほら、約束は?」
ヤ『ひっく……ひっ……』
ヒ「泣くのはまだ早いよ。これからいっぱい泣かして、鳴かしてやるんだから……」
ヤ『ぅ、う……』
ヒ「さあ…一緒に堕ちようぜ、桂木…………」
ネ『ぐ……ヤ…コ……』
ヤ『ネウロ、見ないで…』
ヒ「くくっ……今まで無理矢理にでも大事に傍に置いてきたのにまさか自分のピンチのせいで他の男に取られるなんてザマぁ無えなあ」
ネ『貴様……!』
ヤ『いやあああ! ネウロオォ!!』

ガチャッ

弥「こんにちはー、って、匪口さん、そんなに熱心にパソコン使って何してるの?」
匪「こっち来んなあぁぁぁあああ!!」


分かりにくくてスマソ。
恋人を助けるために敵にレイプされる女、っていう話のAVを加工してる匪口っていう、そういう………アレだ。
416名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 11:12:18 ID:xBgNeDsK
>415
ワロタww
平和でいいな
GJ
417名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 12:08:41 ID:GzPSMcVt
>>415
ワロスwww
匪口は妄想してるくらいが丁度いいのかもしれん。
弥子でアイコラ作ったり、AKIBA48のライブに行ったり。
418名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 14:14:05 ID:cB9+LCKo
>>415
う、ウケる(≧m≦)
しかし今は職場の休憩室なのだぁー、笑えない!肩が震えるじゃないかー!!;
でも平和でイイ。凄く好き!
41997:2006/10/11(水) 15:41:58 ID:Ka+GLfGv
>>418
・・・・・・・・絵文字やめれ。
女か?
420名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 15:43:02 ID:Emaj+lv/
>>419
同じこと思ったが名前欄ー名前欄ー
421名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 16:24:21 ID:FXeQTNjj
俺はマイナー好きだったのか…
サイヤコ本命のヒヤコ好きて…
422名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 16:35:44 ID:Ka+GLfGv
>>420
消し忘れた
423名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 16:49:49 ID:7IhWWTIc
サイヤコなー 自分も好きだ
しかしどう書いても魔人様がすべて掻っ攫っていくのは何故だろうw

他の何かいても魔人エンドになってしまう、これはなんて魔界道具なんだ
424名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 18:08:39 ID:4tArylaS
魔界777つ道具…お前の物は俺の物(イビル・ジャイアン)

こんなのが咄嗟に浮かんだ俺を許してくれ…orz
425名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 18:22:08 ID:jmns+acO
イビル・ジャイアンてwwwww
426名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 19:15:48 ID:vI2OHJan
ふいたwwwwww
427名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 19:31:21 ID:+WWBOTaU
それ素敵www
頼む、イビル・ジャイアンで一つ書いてください!
エーロ・ゴシカァン!
428名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 19:43:51 ID:4tArylaS
受けてもらって嬉しいよ。反省心が薄れたw

>>427
すまん。こんなネタで書ける才能がない。
なのでお前に頼んだwww
429名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 20:38:58 ID:FXeQTNjj
イビル・ジャイアン
でのび太とジャイアンのウホッしか思い浮かばなかった俺氏ねよ…
いつもは想像力に乏しいくせにこういうときだけ無駄に想像力発揮させる俺氏ねよ…
430名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 20:57:33 ID:18bi98AN
イビルジャイアンwwww
マージャンのときみたいに総取りしていきそうだ
431名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 22:22:06 ID:7IhWWTIc
笹「ハァハァ……弥子ちゃん良いだろ? 丁度ベッドもあるし。病院だから」
弥「いやっ笹塚さん、そんなキャラに合わないことは駄目ですよっ!」
ネ「はいはいさあさあ、先生帰りましょうねー」
弥「えっ、なんで!? 黙って出て来たのに、どっから沸いたのネウロ!?」
ネ「ああ、イビルジャイアンだからな」
笹「イビルジャイアンじゃあ、仕方ないな( ´∀`)」

吾「うぉぉー!! 桂木ぃぃー!!」
弥「うわッ何そのクマ吉くんみたいな迫り方!? これが悪質なストーカーってやつ!?」
ネ「何をしているか奴隷共が。我が輩の所有物同士が勝手に戯れるな」
吾「げふッ!? なにぃ、京極全巻セットで事務所に縛り付けたはずなのにッ!?」
ネ「ああ、イビルジャイアンだからな」
吾「イビルジャイアンじゃあ、仕方ないな( ´∀`)」

匪「頼みの綱ももういない。お前の世界に俺を入れてよ、桂木」
弥「匪口さん、そんな……正気に戻って、いやッ!」
ネ「残念ながらヤコの中は我が輩でいっぱいだ。色んな意味で」
匪「何その少年誌的に大問題発言!? つか、あんた車ごと落ちたろ!?」
ネ「ああ、イビルジャイアンだからな」
匪「イビルジャイアンじゃあ、仕方ないな( ´∀`)」



参考 サタンじゃあ、仕方ないな( ´∀`)のガイドライン8
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/gline/1157194168/
正直すまんかった
432名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 23:02:50 ID:3xYtlK9h
>>431
元ネタ知らなくても笑えたw
乙カァン
433名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 23:08:40 ID:8xH5dSVO
>>431
GJ!!!笑ったwwwwww
434名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 23:21:17 ID:s2Uij0/W
ごめん、自分427だがありがとう!
435名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:01:00 ID:A7fnwiB9
匪口で吹いたw
GJ!
436名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:03:34 ID:Emaj+lv/
>お前の世界に俺を入れてよ、桂木

これはそういう意味なんだよな?www
それにしても小ネタのレベル高いよなぁ、GJ
437名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:44:11 ID:Zh4ue3RT
イビルジャイアンワロスwww
GJ!

>お前の世界に俺を入れてよ、桂木
はそういう意味でもそういう意味でなくても萌えるな
438名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:54:50 ID:NT8aENFc
何となくエロパロ板に滑り込んだ夜の8時
気がついたらこんな時間
こんなネ申の集う場所をしらなかったなんて…!

ハイクオリティな作品群とみなさんの紳士な姿勢に感動しました
明日原作買って読みます

エーロ・ゴシカァン!!
439名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:59:56 ID:09Goqzvj
>>438
エロパロからその作品を買うのかw
お前はいい奴だ!是非原作買って読んだら感想を聞いてみたい!
440名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 01:32:45 ID:9Uk9Xo98
>>439
実は自分も……
以前は、ジャンプ立ち読み時にはネウロはパラ読みの対象だったんだけど、
ここを知ってからじわじわと気になる☆ポイントゲージが上がり始め……
今ではすっかりハマってます。本当にありがとうございました。
441名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 01:32:52 ID:2tda7ZgL
>>438
原作に興味を持ってくれたようで、嬉しい。
俺たちはみんな原作が大好きで、ありがたいことに職人もその中からいっぱい
出てきて、神作品を書き続けてくれている。
まさに神が集う出雲の様相だな。

これほどまでに引き付けられる原作だ。>>438が面白いと思ってくれるといい
んだが。
442名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 01:44:53 ID:7FvN1ilk
良い流れだな(*´∀`)

そして>431>、お前>423かよwwwちょwwwwww
443296:2006/10/12(木) 01:47:47 ID:Hme0wh/j
>>438
思う様読み漁るといい。
そして新世界の神になるのだ!
444名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 02:04:23 ID:Ps3WT33n
流れ読まずにネウヤコ投下します。エロ少なめかもしらん。

 You don't know what love is

「さて、ヤコ」
 魔人が寄ってきて、口の拘束を解かれた。
「我が輩に言うことがあるだろう?」
「この……人でなし」
 もちろんだ。声の限りに罵倒してやりたかった。だが、嗚咽が漏れてうまく言葉にできない。
「なんであんなことっ……」
 にやにや笑うネウロを潤んだ瞳で精一杯睨みつける。
「それだけか?」
「鬼、悪魔、最低最悪」
 多分これも魔人の罠なのだろう。弥子の稚拙な罵倒を楽しみ、その挙句に罵倒したことに対する罰を与える気なのだ。
だが、今の弥子にはこの後どんな仕返しをされてもいいと思える怒りがあった。
「なんで、叶絵に、あんなことするの」
 声が震えるのは、悔しさと情けなさのせいだ。
「合意の上だ」
 しれっと言ってのける男を、殺されてもかまわないから殴ってやりたかった。だが、椅子に縛りつけられている弥子は
まさしく手も足も出ない状態である。
 叶絵が弥子を訪ねてきたのは忘れ物を届けにきたという名目だった。だが、多分彼女の目的は外見と外面が
気持ち悪いほど完璧な弥子の助手、つまりネウロなのだと気づくのに時間はかからなかった。
 そういえば最近、叶絵はやたらとネウロのことを聞いてきたな、なんて考えていたときは、まだこの理不尽な拘束
――椅子の足に足首を、その背に両手首を縛り付けられたあげく猿轡、毒入り消毒液(イビルキャンセラー)のオプション
つきの意味がわかっていなかった。
 弥子の見ている前でネウロは、見せつけるように叶絵を抱いたのだ。
 嘘を込めた甘い言葉と、ありえないほどの優しさに騙されて、親友が毒牙にかかるのはたやすかった。
 思わずうめき声をあげようとした瞬間、足を縛り付けていた縄の先が蛇になって太ももに上がってきて、きしゃあと牙を見せた。
 だから、弥子はただ目をつぶって震えていることしか出来なかったのだ。聴覚がシャットダウンできない人体の構造を
このときほど呪ったことはなかった。
「どうした、ヤコ」
 にっこり笑うネウロの魂胆は見えたと思う。叶絵が弥子の大事な親友だとわかっていたからあんなことをしたのだ。
つまり叶絵を人質に取ったつもりなのだ。もちろん、ネウロにかかれば叶絵は簡単に壊されてしまうだろう。身体も、心も。
弥子とてとどめを刺されないでいるだけなのだから。
「もっと何か言うことがあるだろう?」
 つまりは、弥子に屈辱と服従を強いたくて仕方がないのだ、このサド魔人は。
「お願いだから……、叶絵には手を出さないで」
「遅かったな、もう出した」
「そうじゃない、わかってるでしょ。酷いことをしないで」
 ネウロの秀眉が顰められる。
「叶絵は大事な親友なの。お願いだから、壊したり、わたしにしているようなことはしないで……」
 悔し涙が頬を伝う。自分には友達を守ることすらできないのかと思い知らされて、涙が止まる気配はなかった。拭うこと
すらままならないので俯いて、声をこらえる。
 だから、ネウロの表情が変わったことに気がつかなかったのだ。
4452:2006/10/12(木) 02:05:52 ID:Ps3WT33n

「……期待はずれだ」
「へ?」
 間抜けな声が出て、思わず見上げたネウロの視線は冷たかった。
「貴様、我が輩に言うべきはもっと違うことだろう」
 追い詰めて逃げられないようにして、ナイフと一緒に一つしかない選択肢を突きつける、それがネウロのやり方だ。
わかっていながら逃げられた試しはなかったし、これからも一生そうなのだろう。
 ごくりと喉が鳴った。
 つまり、魔人のご機嫌を取らないことには、一生このまま椅子に縛り付けられたままということだって考えられる。
それよりも、叶絵を壊されるかもしれない。それだけは避けたかった。
 意を決して、そろりと言葉を舌に乗せる。
「わたしを、どんな風にしてもかまわないから……、叶絵を傷つけるようなことだけはしないでください。お願いします……」
 不自由な身体で、精一杯に頭を下げる。ぱたぱたと、涙がスカートの膝に落ちた。
「くだらん」
 髪を掴まれて、無理やり上を向かされた。
「貴様をどんな風にしようとも、もともとが主人たる我が輩の権利だ。貴様に与えられるものではない」
 権利など、すべて無理やり奪っていったくせに。弥子は精一杯の反抗を視線に乗せる。そうだ、この男にしても一つだけ
奪えないものがある。
「まあ、いい。ミジンコにしては上出来の謝罪だ」
 ふと掴まれる力が緩んで、椅子に縛り付けられていた縄も消えた。不自然な体勢だった弥子は、顔から床に倒れこむはめになった。
「わきゃっ」
「ふん、色気のかけらもないうめき声だな」
 椅子を放り投げ、弥子の腰に跨ったネウロは、まずベストに手をかけ一気に脱がせた。
「優しい主人に感謝しろ。貴様の拙い謝罪を容れてやったのだからな」
 背中側からなのにてきぱきと脱がせられ、あっという間に上半身が露になる。ブラをぽいと捨てられ、こんなもの必要ない
だろうと呟かれた。言われ続けると本当にへこむ。
 もう心が疲れ果ててしまったようだった。反抗の言葉を口にするのも億劫で、弥子は脱力して男の好きにさせることにした。
結局結果は同じなのだから、黙ってしまえばいい。ただ、それだけは奪われない心の中で、この男を蔑んでいるのだ。
「おとなしいな、ようやく我が意に沿う気になったのか」
 するりとスカートが抜かれ、下着も容赦なく投げ捨てられる。
「どうした、死んだか?何か言え」
 再び髪を掴まれ、頭をめいっぱいのけぞらせられる。
 涙目で睨んだって、まったく効果がないことは知っている。多分、男の嗜虐心を煽るだけであろうことも。
 予想通り、男の唇に笑みが浮かんだ。
「おお、やっと言う気になったか?」
 きゃっきゃと、まるで無邪気にはしゃぐような声音に違和感を覚える。
 この男はさっきから、いったい何を自分に期待しているのだろう?
「……何を、言うの」
 声は涙のせいか、かすれてしまった。でも、ネウロの表情がわずかに変わったから言葉は届いていると知れた。
「あんたに言うことなんて、もうないよ。……ワラジムシに何を期待してるわけ?」
 殴られるかな、と思ったけど、もうどうでも良かった。叶絵とか、お母さんとか、大事な人たちに害が行くなら自分一人が
殺されるほうがはるかにましだ。
4463:2006/10/12(木) 02:06:40 ID:Ps3WT33n

「……何故だ?」
 ネウロの眉が顰められる。
「貴様は人間のメスのくせに、何故特有の勘違いをしない」
 手を離されて、ごちりと額が床にぶつかった。
「本気で何言ってるかわかんない……」
 呻くように呟くのがやっとだった。
「まったく、これだから貴様はゴミムシだというのだ、いや、ゴミムシに悪いな。そもそも貴様は……」
 いつもと同じ罵詈雑言が呪文のように響いていく。声質だけはいいせいか、なんだか眠くなってきた。もう、いろんなことが
ありすぎて頭がついていかないのだろう。
「人の話を聞け」
 いきなり首筋を咬まれて、痛みと気色悪さに背が弓なりになった。
「い、あああ、や、痛いっ……!」
 ぶつりと牙が肌に穴を開ける感と、流れ出る熱いものを舐めとって肌に広げる感触がやけに鮮明だった。
 舌が傷からようやく離れた、そう安心したのも束の間で、肩や背中を何箇所も痛いくらいに吸われる。
「痛っ、ひあ、や」
 気持ち悪い、男が触れるのが厭わしい。
「……ヤコ」
 くるりと身体をひっくり返されて、ネウロの顔が目の前に来る。
 思わず反射的に目を閉じる。
 再び咬みつくように首筋や、胸、腹、あちこちに痕をつけられる。するりと内腿を撫でられる。
 いやだいやだ、厭わしいったらありゃしない。
「無視とはいい度胸だ」
 いきなり下腹を引き裂くような痛みが襲ってきて、反射的に目が開いた。
「ひ、い、ぁっ……!」
 準備も出来ていないのに貫かれ、悲鳴が声にならなかった。おかまいなしにがくがく揺すられ、出血するんじゃないかと
思うほどの痛みがそのたびに重ねられていく。
「ヤコ、」
 ささやかな胸をつかんだ大きな手は、ぐりぐりと掌でふくらみを押しつぶすようにした。刺激にふくれた先端をきゅう、と
摘まれてさらに痛みが走った。
 初めて奪われたときのほうが、まだ優しげだった。これはただの暴力の一手段でしかない。きっと、ネウロも性欲のため
なんかじゃなくて自分を傷つけるため、言うことをきかせたいためにしているんだろうと思う。
「い、ふっ、あぅ」
 痛みに涙がぼろぼろ零れる。ネウロの顔が、にじんでよく見えない。でもきっと笑ってるに違いないのだから睨みつけてやる。
 突き動かれるその動きが最初より滑らかになってきた。ああ、厭わしい。
「ヤコ、濡れてきたぞ、貴様感じているのか?」
 馬鹿じゃないの、それで言葉責めかなんかのつもり?女の子の身体が自分を守るためにも濡れるんだって、この頭のいい
魔人は知らないのだろうか。
 肩も胸も下腹も、全部痛い。ネウロが望む言葉なんてわからない。ごめんね、叶絵。でもわかりたくもない気持ちもかなりある。
わたしがネウロに用意してやれる言葉は、理不尽な謝罪と悲鳴、それしかない。
4474:2006/10/12(木) 02:07:11 ID:Ps3WT33n

「返事がないのは肯定でいいんだったな」
「い、や……、違っ」
 吐息に混じらせて否定すると、ぐい、と一層奥まで突き込まれた。そのままでぐりぐりと身体を押し付けられる。ももが引き
つってはねそうになるのを黒手袋が押さえつけた。
「いやよいやよも好きのうち、か。人間のメスは面倒だな」
 ネウロのことだから、こっち系の知識はいかがわしいサイトとか駅売りしてるような官能小説で仕入れたのだろう。濡れた
イコール感じてると本気で勘違いしているのかも知れない。
 馬鹿な男だ、ざまをみろ。また一つあんたを蔑む理由が増えたね。
「ヤ、コ……、もう言ってしまえ」
 再び男の動きが激しくなって、濡れて少しはましになったと思った痛みが鈍く広がった。痛い、いやだ、助けて。途切れ
途切れの悲鳴と嗚咽しか喉をつかない。
「そうじゃ、ない」
 何故、これこれこうと言えって命令しないんだろう。弥子は再び違和感を覚えた。なぜ面倒なことをするんだろう?
「ヤコ」
 ああもう、絶対返事なんかしてやるものか。



「……ヤコ」
 気絶した少女は返事をしない。
「ヤコ」
 手首に、太ももに、目立つような場所にまで痕をつけていきながら、ネウロは弥子の名を呼んだ。
 腹立たしかった。
 人間とは往々にして、関係を持った相手は自分のものだと思い込むものではないのか。
 もちろん、弥子は自分のものだ。自分のものにした。
 だからといって、自分が弥子のものになるなどという馬鹿げた事態にはなりえなかった。
 だからこの所有は一方的なものなのだが、弥子が普通の女のように自惚れた勘違いをしてもおかしくない、むしろする
のが当然ではないか。なのに。
「ヤコ」
 涙の跡を拭ってやり、疲れた表情を見下ろす。いつも以上に貧相に見えるのは、あの快活そうな表情が消えているからだと知った。
 不愉快だった。
 目の前で他の女に手を出したのに、何故弥子が嫉妬しないのか、まったく理解ができなかった。
「この、朴念仁が」
 咬みつくように唇を重ねても、少女が目覚める気配はまだなかった。
448444:2006/10/12(木) 02:10:03 ID:Ps3WT33n

 おしまい。多分ネウロは恋を知らないんじゃないかと思って書いた。叶絵さんごめんなさい。
449名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 08:48:19 ID:/F5hmudf
>>448
GJ!!!!
ネウロのとことんな勘違いとか、弥子がどこまでも鈍いのとか、とにかく切ない!
こういうすれ違いネタ大好きだ
450名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 10:23:43 ID:lBcI5FxN
>>488
GJ!!!!
ネウロ切ないなぁ…。
こういう描写も好きです。
451名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 12:47:50 ID:NQvfhsk6
>>448
GJGJGJGJGJ!!
>>438>>440さんと同じく自分もここのスレのお陰で原作購入に踏み切れました。
職人さん達本当にありがとう(*´∀`)
452名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 14:41:05 ID:ruwRjFFd
>448
GJ!!禿げ萌えた!!
あんた最高だよ
453名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 15:51:26 ID:mXuSUnzm
>>448
ぐっじょぶ!嫉妬して欲しいネウロにニヤニヤした。
454名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 21:22:57 ID:nQTBibOs
助手っぽく「どうして嫉妬せんのだ?」とか
直に聞いちゃうネウロもいいけど
あえて小さな謎を残しておくネウロにGJ
455名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 23:30:59 ID:yEQkCNzx
>>448さんGJです!!
 >嘘を込めた甘い言葉と、ありえないほどの優しさ

うわー!ソレが読みたいです!!;
ネウロの囁く甘い誘惑……うわわ、ヤバげ。さすが魔人……
456名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 23:35:18 ID:sZvnasSU
ネ申GJ!!


>>455
ごみついてますよ。つ;
457名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 23:54:36 ID:yEQkCNzx
>>456ご親切にどうもです。
458名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 00:58:52 ID:pv4ebwTj
>>448、GJ!激しく萌えた!

自分も昨日から書いてたネウヤコが出来たんで投下ゴシカーン↓
459うたかたの日々 @:2006/10/13(金) 00:59:57 ID:pv4ebwTj


キスは、無かった。身体は触れ合っても、口唇が触れ合う事は無かった―――。


午後の日差しはどうしてこんなにも眠気を誘うのだろう。
片肘をつき、シャープペンシルを指でクルクルと回しながら窓の外に眼をやる。
校庭の木々はまだ青々しく茂っていたが、吹き抜ける風は渇いて冷たそうだ。
教室ではけだるそうな声の教師が、もう彼是10分程教科書の文章を朗読している。
「―――には、つい先刻まで人が居た事を示す暖かな湯飲み茶碗が・・・」
そういえば駅前のファミレス、秋限定ティラミスパフェが新発売だった筈・・・。
「―――の群れが中庭をぐるぐると飛びまわり・・・」
あぁでも、確か事務所の近くの喫茶店でも新発売のモンブランが出てたなぁ。
今日は両方に行くお金もないし・・・どっちにしよう・・・。
・・・・・・ガタンッ!
急に豪快な音を立て机が揺らいだ事で、いつの間にか自分が眠ってしまっていた
事に気付いた。周りを見ると、皆クスクス笑い声を上げている。斜め後ろの叶絵は
呆れ顔だ。消しゴムでも何でも投げて起こしてよ!恥ずかしい・・・。
「昼飯食って満足してお昼寝か?桂木」
いつの間にか弥子の横に立っていたけだるそうな声の教師は、やれやれという
表情で弥子を見下ろしている。
「・・・すいません」
「しっかりしろよ。あと20分だ、頑張れ」
「はい・・・」
けだるそうな声の教師はそう言うと、ツカツカと教卓に戻っていった。
「どこまで読んだかな・・・ここだ。桂木、187ページ開け。(ここでまたクスクスと
笑いが響いた。)さ、この最後の文章にある『泡沫』の意味、分かる奴いるか?」
急いで教科書を開き、最後から2行目の文章に眼をやる。
『母と過ごした最後の3日間は、まさに泡沫の様な日々だった。母はベッドの上で
終始にこやかな笑みを浮かべ、私の話を興味深げに聞いていた』
「何だ、誰も知らないのか?そうだな・・・籠原!何だと思う?」
誰も手を挙げなかったのか、けだるそうな声の教師は叶絵を指名した。
「えーと、ふわふわした・・・夢の様な?」
「はいOK。ある意味正解、でも不正解」
そうなんだ。私もそういう意味だと思ってたけど・・・。
「泡沫・・・うたかたってのは、2つの意味があってな。1つは水面に浮かぶ泡・・・海で
波がザバーンと撃ちつけられると泡が浮かぶだろう。ああいうもんだな。
もう1つは儚く消えやすいものの例え。何となく言葉のイメージから、籠原の言った
様な事を皆言うんだよなぁ」
460うたかたの日々 A:2006/10/13(金) 01:01:03 ID:pv4ebwTj
海の泡。儚く消えやすいもの。そういえば人魚姫は結局、王子の愛を手に入れられ
なくて海の泡になったんだっけ。
―――王子、ね。
弥子の脳裏に、鋭い緑の瞳が浮かぶ。スラリとした長身。あいつも見た目だけなら
王子なんだけどな・・・性格はサド侯爵もびっくりのドSだし。あの時なんて・・・。
あの時。弥子の頬が微かに火照る。あの日、弥子はそのサド侯爵と初めて身体を
重ねた。
それは弥子の望んでいた事ではあったが、それにしてもいささか攻撃的すぎる
セックスだった。無理矢理に押さえつけられ、強引にこじ開けられたその痛みは、
その後何日も弥子の身体に鈍く響き渡った。
『ヤコ・・・』
頭の中で、あの日のネウロの声がする。長ソファの上。弥子は魔人に圧し掛かられ、
全身がこれから起こる出来事を察し震えていた。耳元でネウロは囁く。
『怖いのか?ヤコ』
心配そうな声とは裏腹、ネウロはにたりと嬉しそうな笑みを浮かべている。口唇を
弥子の首筋に滑らせ、そのまま制服のシャツをべりっと引き裂いた。
『ちょっ、何すんの!?やめてよ!!』
じたばたと身体を捩っても、腰の上に乗られ両手を押さえつけられた状態では殆ど
無意味な抵抗だった。
『大人しくしろ。ほう・・・小振りでも中々に形の良い胸だな』
『小振りって言うな!やめ・・・あっ』
冷たい口唇が胸の先端に吸い付いている。チュウチュウと音を立てたかと思えば
立ち上がったそこを舌先で突く様に転がされる。初めての感覚に、どうしても声が
漏れてしまう。
『ね・・・やめて・・・っんぅ・・・』
皮手袋をした指が、弥子の割れ目をなぞり始めた。注意深く突起した部分を
探り当て、執拗に指の腹で捏ねくり回す。きゅうっと、下腹部に力が入るのを
感じた。
『ふむ・・・初めて性交をする人間のメスは中々濡れないのだな。どれ・・・』
身体をずいっと下げ、ネウロは弥子の腿の間に顔を埋めた。コットンの下着が
指でずらされ、弥子の中に温度を持たない舌が滑り込んで、暴れ出す。
『いやぁ・・・そんな、とこ・・・あぁんっ!やめ・・・あっあ・・・っ』
快感の波が弥子を襲う。その内に、自分にも聴こえる程グジョグジョと、愛液と
唾液が混じり合い溢れる音が耳に入ってきた。気持ちいいのか恥ずかしいのか
嫌なのか嬉しいのか、何だか訳が分からなくなってきたその時、弥子は自分の中で
何かが決壊したのを感じた。いつの間にかズボンを脱いでいたネウロが、弥子に
侵入してきたのだ。
『痛・・・いだぁっ・・・やめてえぇぇっっ!!』
余りの激痛に、堪え切れず悲鳴を上げた。想像より何十倍も上をいく破瓜の痛み。
叫び続ける弥子を無視し、ネウロは容赦なく突き上げてくる。
『痛いイタイいたいっ!!やめ―――んぐ・・・っ』
『黙れ』黒手袋に口を塞がれる。『こう五月蝿くては折角の快感も引いてしまう』
『んぐんぅ・・・んー!んーっ!』
苦しい。このままでは冗談じゃなく死んでしまう。痛みは快感に変わるどころか
益々激しさを増していく。眼から熱い涙が溢れ、首筋を濡らしている感触も
気持ち悪い。吐きそうだ・・・。
『このまま出すぞ。ヤコ』
表情一つ浮かべず、ネウロはヤコの腰を片手で押さえつけガクガクと揺らし始めた。
もう何でもいい。早く終われ、終われ・・・。
『・・・そらっ』
一瞬、ネウロは腰をビクンと震わせ、弥子の中に冷たいものをどっと放った。
461うたかたの日々 B:2006/10/13(金) 01:02:00 ID:pv4ebwTj
キーンコーンカーンコーン・・・
はっと気付くと、終業を知らせるチャイムが鳴り終わったところだった。
けだるそうな声の教師は既に教室から居なくなっており、皆帰りの仕度を始めて
いる。
「弥子・・・あんた寝不足なの?木村も呆れてもう起こしもしなかったよ」
木村、というのは件の教師だ。叶絵は溜息をついて弥子にバッグを寄越す。
「今日はどうする?あんたパフェ食べたいとか言ってなかった?」
「んー・・・いいや。今日は帰るよ」
あんな事を思い起こしてしまった今、とてもじゃないがパフェなんて気分には
なれない。
「そ?じゃああたし夕実達とカラオケ行くわ。また明日ね、弥子」
ひらひらと手を振り、叶絵は数人のクラスメイトの輪に溶け込んでいった。
「はぁ・・・」
まだ半分夢見心地な頭、重い身体。のそのそと席を立ち、弥子は教室を後にした。
462うたかたの日々 C:2006/10/13(金) 01:02:43 ID:pv4ebwTj
「・・・遅い」
雑居ビルの4階、既に午後5時を回った時計を見てネウロは独り呟く。
「あの豆腐・・・何処かに寄るならば連絡の一つ位したらどうなのだ」
キーボードを打つ指に力が入る。しかし、今迄連絡を寄越さなかった事はない。
補習か何か受けているのだろうかと思い弥子に着けているイビルフライデーの
映像を見ると、送られてきたのは自宅のベッドにうつ伏せになっている弥子の
映像だった。
「・・・ほう・・・良い身分だな、奴隷風情が。」
パチンと指を鳴らしフライデーの視覚を消すと、ネウロは立ち上がりパソコンの
電源を落とした。
「躾が必要だな」
463うたかたの日々 D:2006/10/13(金) 01:03:43 ID:pv4ebwTj
―――どうしよう。
美和子さんが毎日干してくれるふかふかのベッドに寝そべり、弥子は自分のして
しまった事に今更ながら怯えていた。今なら間に合うだろうか。何食わぬ顔で
事務所の扉を開け、補修受けちゃったよー何て言いながらあの長ソファにどすんと
腰を降ろす。ネウロはやれやれという顔でいつもの悪態をついてくるだろう。
そうして夜までに謎の気配を感じなければ、あの日から毎日行われている様に
弥子の身体を求めてくるだろう。
「いやいやいやいや」
身体を仰向けにして足を組み、弥子は天井を見つめた。言い訳を考えて何になる
だろう。今日までの事を思い起こしただけで、気分が重く塞いでしまった今、
ネウロには会いたくない。ましてやセックスなんて冗談じゃない。
意味のない、愛のない、目的のないセックスなんて。
ネウロと身体を重ねる内に分かった事が幾つかある。まず、ネウロには全てにおいて
『温度』が無い。体温、口唇、舌、唾液、精液、感情も・・・。そして、ネウロには
生殖機能が無い。
セックスの最後、ネウロはいつも射精して終わるが、これは人間の真似事だと自分で
言っていた。

『―――安心しろ。我が輩は身体に種を宿してはいない。我が輩は突然変異種で
あるが故、一代限りの生物なのだ。どんなに人間の真似事をしたところで、命を
宿す事は神の領域だ。我が輩に、そこまでの力は無い』

「人間の真似事・・・ね」
ならば、何の為に―――。
464うたかたの日々 E:2006/10/13(金) 01:05:25 ID:pv4ebwTj
「ヤコ、こんな所で何をしているのだ?」
「何って、見りゃわかんでしょ。今日はあんたに会いたくないからこうして・・・」
!!
起き上がると、ベッドの横にネウロが立っていた。にっこりと、不気味な笑みを
浮かべている。
「ネウロ!?」
「ほう・・・。奴隷がご主人様に会いたくないと・・・。随分と生意気な口を利く様に
なったな、ヤコよ。中々来ないので心配してしまったのだぞ?」
「ごっ・・・ごめん・・・」
心配、という言葉に反応して、つい謝ってしまった。我ながら何て情けない。
「じゃなくて!も・・・、もう嫌なの!謎を食べたいっていうから探偵業に協力
してんのに、最近じゃ事務所に行っても意味のないセックスばっかじゃん!」
「ム?何だ急に。反抗期か?」
少し楽しそうな表情だ。ネウロは笑みを浮かべたままベッドに腰掛けた。
「・・・そんなんじゃなくて!」
「少し黙れ。母親は外出していても、下には手伝いの女がいるのだろう?」
そうだった。美和子さんが帰るのは7時。今はまだ5時半だ。時計を見る為に
視線を外した隙に、ネウロは弥子の上に覆い被さり耳元に口唇を当てた。
「・・・まぁ、声を出して怪しまれようが我が輩は構わないぞ。隠れて貴様の慌て様を
見るのもまた一興だ」
甘い、作られた声で囁きながらネウロはごそごそと弥子のスカートを弄る。下着が
お尻の半分まで脱がされ、隙間からぬっとネウロの指が伸び秘部をなぞる。
「やめてよ・・・こんなとこで・・・」
ネウロは何も言わない。沈黙の部屋。ちゅぷ、ぴちゃ・・・いやらしい音だけが響く。
「初めのうちは随分時間が掛かったが・・・随分従順になったものだな、ここは」
「ね、ホントやめて・・・お願い・・・」
抵抗はしても、確かにネウロの言う通りだ。日を追うごとに弥子の身体は
慣らされていく。現に、今この状況で弥子は蕩けそうな快感を全身で感じて
しまっている。
「我が輩は嬉しいぞ、ヤコ。本当に調教しがいのある奴隷と巡り会えて・・・」
ぐるり、ぼすん。ネウロは弥子をうつ伏せの体勢にし、背中に覆い被さる体勢に
なった。
冷たい舌で弥子の背中を骨に沿って舐め上げ、肩甲骨に軽く吸い付く。腕を
脇の下から回し込み抱き抱える格好で小さな胸を揉みしだき、先端をくりくりと
玩ぶ様に転がす。
弥子はビクンと身体が震えるのを感じたが、下には美和子さんが居る。今は快感の
ままに声を上げる事は出来ない。
「んぁ・・・ん・・・っ」
弥子の一番の性感帯は背中だ。ネウロはそれを3回目の夜に理解した。丁寧に
舐め回しながらも指の動きは止めない。秘部をなぞっていた指は2本になり、
そのまま弥子の中に捩じり込む。
「んむ・・・んぁぁ・・・」
「我慢せずに声を出せ、ヤコ・・・」
「んんんっ・・・ん・・・っあぁっ」
中で暴れるネウロの指の感触と背中を走る快感に、声を出せないもどかしさが
加わり、ほんの数分で弥子は果ててしまった。
「何だ?いつもより早いな・・・抑え付けられて興奮してしまったのか?」
嬉々とした声だ。
465うたかたの日々 F:2006/10/13(金) 01:06:08 ID:pv4ebwTj
・・・悔しい。何もかも知り尽くしているネウロと、それを知りながら抵抗出来ない
自分。この状況。
「何なのよ・・・」
ゆらり、重い身体を起こしてネウロの方を向き、緑の瞳を睨み付ける。ネウロは
好奇の眼を弥子に向けている。
「何なのよ!毎日毎日毎日!!もういい加減にして!」
思わず声が張り上がる。それでも表情の揺るがないこいつのこの余裕は何なんだろう?
胸の中に苛立ちを覚え、燻っていた想いが溢れ出して来る。
「私達のしてる事なんて意味ないじゃん!子供も出来ないのに人間の真似とか何とか
言って・・・そりゃああんたにとって私との日々なんて!不死身の魔人様にとっては
長い一生の中の一瞬の出来事かもしれないけど!私は・・・私は人間なんだから・・・
とっても短い一生の中で、とっても大事な時間なの!」
大爆発。自分でも何を言っているのか分からない。涙がどんどん頬を伝って流れる。
ネウロは、もう笑みを浮かべてはいない。無表情で私を見下ろしている。

無表情・・・そうだ。セックスが嫌なんじゃない。そこに気持ちが無いから嫌なんだ。
耳には自分がわあわあ言って泣き叫ぶ声が聴こえるのに、頭の片隅に凄く冷静な
もう一人の私がいる。
私は・・・私はネウロが好きだ。例えネウロに子供が出来なくても・・・そこに少しでも
愛情とかそんなのがあるなら、そんなのは何の問題もない、我慢出来る。
・・・違う、我慢なんかじゃない。ネウロが求めるまま喜んでセックスでも何でもする
だろう。私の短く儚い一生を捧げるだろう。でも、何も無い。キスは、無かった。
初めての夜も、それからも、今も・・・。
身体は触れ合っても、口唇が触れ合う事は無かった―――。
466うたかたの日々 G:2006/10/13(金) 01:06:56 ID:pv4ebwTj
見上げると、見事な満月が頭上に浮かんでいた。弥子はあの後すぐに泣き疲れて
眠ってしまい、ネウロは黙って桂木家を後にした。それで、こうしてすっかり
暗くなった夜道を独り歩いている。
―――不死身の魔人様にとっては長い一生の中の一瞬の出来事かもしれないけど・・・
叫び声が、先程からずっと耳に残っている。
確かに、弥子の言う通りだ。魔人は少女と出会う前の、遠い日々を反芻した。
・・・我が輩にしたらこの日々は、確かに一生の中の一瞬の出来事だ。だが仮に、
ヤコが死ぬまで共に在るならば、『ヤコにとっては』一瞬などではない、一生の出来事
の筈だ。それなのに何故泣く?何を悲観する事がある?
・・・これまで、気の遠くなる様な日々を独りで過ごした。そして多分、これからも。
一代限りの突然変異種。いつ死ねるのかも分からない。どんなに肉体が地上の常識に
囚われ馴染んだ所で、我が輩は『魔人』だ。謎を喰い、謎を求めるだけの生物。
食糧である謎に飢え、脳髄の空腹に耐え切れず弱体のリスクを背負って地上まで
出てきたというのに、今我が輩の身体は何か別の種類の飢餓感に襲われている。
これは、この飢餓感は・・・。
この感情は、何なのだ?

事務所に着いた所で思考は中断された。ソファに腰を下ろし何気なく窓に眼を
やると、先程の満月がビル群の上で煌々と輝いていた。
「一瞬の出来事、か・・・まるで泡沫の様だな。ヤコ・・・」
467うたかたの日々 H:2006/10/13(金) 01:07:39 ID:pv4ebwTj
眼を覚ますと、時計は午前1時を指していた。月明かりが弥子の部屋の様子を
蒼く鮮明に浮かび上がらせている。頭はぼんやりし、瞼は熱を帯びて重い。
喉が渇いたので台所に降り、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを出して
ゴクゴクと飲み下す。
―――あんな事言うつもりじゃなかったのに・・・。
喉を鳴らしながら、先刻の出来事を反芻し半ば後悔をした。ネウロは怒っただろうか、
傷ついただろうか・・・呆れただろうか。
それでも、あれは私の正直な想いだった。身体を重ねる様になってから・・・違う、
その前から、途方もない虚しさに襲われていた。私はいずれ―何十年も先だけど―
必ず死ぬ。それでもネウロは生き続ける。いずれ来るその時、私はネウロの中に
生き続ける事が出来るのだろうか?それとも一瞬の出来事として終わってしまうの
だろうか?そんな想いが今日、決壊し溢れ出してしまったのだ。
「・・・私に王子様を刺す事は出来ません。王子様の愛を得られないと知った今、
私は喜んでこの身を海の泡へと変えましょう」
暗闇の中、いつか読んだ小説の中の人魚姫の台詞を諳んじてみる。
海の泡。儚く消えやすいもの。この、うたかたの日々。
「明日、どんな顔して会えばいいんだろう・・・」
部屋に戻り、ぽつりと小声で呟いた。月は東。弥子はベッドに潜り込み、まだ熱の
残る瞼をゆっくりと閉じた。
468名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 01:17:23 ID:pv4ebwTj
投下完了。エロ濃度薄めでごめんなX
469名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 01:28:38 ID:3yRgTUS/
>468
おおおGJ!!!背中で感じる弥子ちゃんに萌えたぞ。
ネウロも弥子も切ないな……。
すれ違い祭り勃発か?

とかいいつつ自分は448だったりする。GJくれた人ありがとう、初投下だったんでどきどきしてた。

それでは職人方とこのスレの皆様に、エーロ・ゴシカァン!
470名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 01:34:23 ID:HPtNtgZM
GJ!!
弥子の切ない思いが切ないね。
きっとネウロは簡単に理解してくれないんだろうな。
種族が違う以上、認識の差や生命の長さが異なるのはどうしようもない。
でも当事者である以上は、リアルな問題として考えてしまうんだろうね。
少しは報われる展開があるといいなと思った。
471名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 00:44:50 ID:5sToTcoW
ここらで一つ、エーロ・ゴシカァン!
サイアイが読みたいな、とか呟いてみる
472名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 01:01:11 ID:x6pjh57i
>>471

おまいのIDもサイアイを求めて泣いてるなw
そーれ、エーロ・ゴシカァン!
473名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 01:15:35 ID:LkzxtU9E
アイがいまいち動いてくんなくて難しいんだよな、サイアイ
さあ、萌えシチュを列挙するんだ!
474名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 01:19:36 ID:dv4OanQC
>>473
おまいが動かないアイなんて言うから、
感じないアイを攻め攻めのサイなんてシチュにうっかり萌えちまったじゃないか!
475名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 01:33:06 ID:5sToTcoW
>474がそんなこというから
サイへの意地悪で、わざと動かないアイさんというシチュにうっかり萌えてしまった。
それじゃアイサイなんじゃないのかと思ったが、まあどっちでも大好きだ!
476名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 02:09:22 ID:LkzxtU9E
判った、一晩待て(・∀・)
477名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 02:11:21 ID:5sToTcoW
おおお、ありがたやありがたや!wktkして待つ、エーロ・ゴシカァン!
478名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 07:34:25 ID:TBL4ZgiM
サイアイ好きだー嬉しいよー
でも自分も今書いているけど書きにくいorz
479名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 11:20:13 ID:dv4OanQC
>>476
楽しみにしてる!エーロ・ゴシカァン!
480名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 11:27:50 ID:pI18zqXp
下心系のネタが読みたいとか言ってみる
サイアイもwktk
481名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 12:30:38 ID:5sToTcoW
>476、478
二人とも楽しみだ、エーロ・ゴシカァン
482名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 13:53:50 ID:wIRl4++S
>>480
下心ネタってどんなだ?
むっつりスケベネタって事か?
483名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 18:18:26 ID:TBL4ZgiM
アイがサイをいじるのも好きだし
サイがアイを攻めるのも好みだ
サイアイいいよエーロ・ゴシカァン!
484名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 22:30:40 ID:wIRl4++S
黙々とフェラしてるアイとかいいな。
485名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 23:15:30 ID:nepSxkHo
久しぶりにここ覗いたらイロイロと凄いことになっててビックリしたよ
神クオリティは相変わらずだが
486名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 00:05:31 ID:TBL4ZgiM
>>484
逆に少し恥ずかしそうにしててもいい
487名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 00:35:06 ID:WrCAqA13
寝る前にエシヤ編を読んだら、犬がサイで、アイを襲おうとして、お手させられた夢をみたorz
488名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 00:39:57 ID:1fPT132R
>>487
それ犬夜叉
489共依存系恋愛:2006/10/15(日) 01:42:53 ID:oH8ecC6w
サイアイ待ちの流れの中で、あえてネウヤコ投下逃げ。
エロは雰囲気のみ。


抱き合っている最中に、うっかり眠り込んでしまったらしい。
窓の外はもう深夜になったようだ。ネオンが輝いている。
目が覚めると、ネウロは器用なことに狭いソファーの上でしっかりと弥子を抱えたまま寝
こけていた。途中で一緒に転げ落ちてもおかしくはなかったのに、一体どんなバランス
だか。
急におかしくなって、剥き出しのままだった肩がつい震えた。必死で声を殺して笑うほど
辛苦なものはなかったが、なんてバカな男なんだろうと、笑えて仕方がない。

気付いているのだろうか。
特別何の力がある訳でもない、こんなちっぽけな人間の女に執着したが為に失うものが
桁違いに大きいことを。それが魔人としての誇りを失わせかねないものだということを。
弥子が気付くほどだ。
ネウロが気付かないままでいる筈がない。
何もかも知らない振りをして、それでも側にいたがるのは存在を求められる弥子の方と
しても戸惑うばかりだ。
だったらもう少し優しくして欲しい。言葉尻に柔らかさが生じるだけでいいから。
いつもいつも強姦のように犯されるのだけは、まだ慣れてもいなかった。いや、絶対に慣
れたりなんかしない。それが愛情表現だとでも寝惚けたことを言うなら、どうせ出来ない
けれど一発殴りたいぐらいだ。

考えても仕方のないことに時間をかける必要もないと、ソファーの下に脱ぎ散らかした制
服を身につけ、帰宅する為にドアを開けようとする直前、ネウロが寝返りを打って目を覚
ます気配がした。手頃な抱き人形がなくなったのを察知したのだろう。
「どこへ行く」
「家に帰るの」
「明日は日曜日だろう」
「だから、何」
「我が輩が承知すらしていない。勝手な行動をするな」
ああ、この男がごねたから今夜はもう帰れないかも知れない。溜息をつく振りをして呼び
戻される弥子もまた、そんな他愛のない駄々ひとつで簡単に言いなりになるように心を
変えられてしまっていた。



490名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 02:16:07 ID:h2CRsumh
>>489
GJ!
短いのに甘さとほろ苦さと二人の関係が過不足なく書かれてると思ったよ
凄く美味しい一口タルトのようでした
ごちそうさまでした
491名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 23:33:18 ID:0V6N/up3
>>489
ホントだ・・スプーンに乗った高級メインディッシュの様だ。
GJ!

サイアイ神はまだか〜エーロ・ゴシカアン・エクストラ!!
492名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 01:24:25 ID:SGzeyV7E
あー、以前深夜にそんな番組あったね。
和洋中からデザートまで、一つの料理をスプーンの上に美しく盛り付ける
のは一種の芸術だった。

ところでサイアイはまだかいな。
またネウヤコを書いちゃうよ。
493名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 01:25:12 ID:g9dq0L5p
もうちょっと待ってね
くそう休みまで掛かる仕事なんてくるくるぱーになっちゃえ!!
494セクハラ?なサイアイ:2006/10/16(月) 01:25:30 ID:BZp+QGcT
サイアイ出来たんで投下
あ、ちなみに>>476とは別人です自分
エロくならなかった……
495セクハラ?なサイアイ1:2006/10/16(月) 01:27:20 ID:BZp+QGcT
「ねえ、アイ。キスしてもいい?」
「お断りします」
 無邪気でさえあるXIの問いに、彼女はさらりと拒絶を返した。


 体勢としては、モップを手にした彼女にXIが後ろから抱きついている形になる。
「……うわ、また即答。いーじゃん別に減るもんじゃなし。キスの一回や二回や十回や二十回」
「減りはしませんが、これは私の個人的な問題ですので」
 整った卵型の顔には、いつも通り何の表情も浮かんではいない。
 色の濃い両の瞳からも、小さく上品な口元からも、一切の感情が排斥されている。
 今に限らず、いつだって彼女は「そう」である。愛らしく鳴く子犬を抱き上げるときも、香りのいいお茶を一杯
口にするときも、床に転がる血と肉の海を、その白い手で片付けていくときでさえも。
 彼女――アイはそういう女だった。
 普通人ならば誰にでも、生まれたての赤子にさえ当然あるはずのものが彼女にはないのだ。
 そしてそれは誰に対しても変わることはない。
 長年相方として連れ添い、最も身近な存在であるXIに対しても同じことである。
 アイの返答にXIは唇をひん曲げる。彼女とは対照的にストレートな感情の表現だ。
「そーやってあっさり拒否されるとへコむな……アイ、俺のこと嫌い?」
「いいえ。大好きですよ」
 またさらりと言い放つアイ。
「嫌いなら、こうしてわざわざお手伝いをさせていただいたりはしません。
 それより掃除ができませんのでそろそろ離れていただけませんか? 秋とはいえまだまだ暑くて鬱陶しいですし」
「つ、冷たっ……やっぱり嫌いなんじゃ……」
 一瞬ホロリとするXIだったが、しかしこの程度では引き下がらない。
「わかったよ。じゃ今回は諦める。
 でもキスが駄目ならなんか他のことで埋め合わせしてよ。そのくらいならいいでしょ?」
「私にできることなら構いませんが。埋め合わせというとどういったものを?」
「そーだね、して欲しいこと色々あるけど。んー、たとえば」
 ぎゅう、とアイを抱く手に力をこめつつXIは答える。
「セックスとか?」
 アイの手からガチャンとモップが落ちた。
496セクハラ?なサイアイ2:2006/10/16(月) 01:28:46 ID:BZp+QGcT
「脱がして、触ったり撫でたり吸ったり。後ろからもいいけどやっぱ正常位で繋がるのがいいよねー。
 ってアイ何そのケーベツした目」
「………………」
 アイはこめかみを押さえていた。
 天然なのか、あるいは天然をよそおった巧妙なセクハラなのか。
 彼の場合どちらも充分にありえるから怖い。
「……それもお断りします」
 かろうじて呻くように声を絞り出すと、
「え〜、これもダメ? じゃあ口でするとか」
「却下します」
「……わがままだなー、アイ」
「どっちがですか」
 ため息をつきながら、アイはXの腕の中から逃れた。
 そのままモップを拾い上げ、袖をまくって床を拭きはじめる。
 Xはそれを指をくわえつつ寂しげに眺めた。
「冷たいなー。悔しいなー、欲求不満だなー。……いっそ無理やり犯しちゃおうかなあ」
 ドタンと音を立ててアイは転んだ。
497セクハラ?なサイアイ3:2006/10/16(月) 01:30:05 ID:BZp+QGcT
「どーしたの、アイ。ドジッ娘メイド属性でも開発中?」
「――Xがさらっと不穏なことをおっしゃるからです」
 よろよろと半身を起こしながら呻くアイ。
「冗談だよ。やだな、さすがにソレは妄想の中に留めとくって。ホラ立って」
「……してらっしゃるんですか? 妄想……」
 無表情をわずかに引きつらせつつ、差し伸ばされたXの手をアイはとる。
 怪物という通り名には不似合いなほど優しげな手つきで、彼はアイを支え立ち上がらせた。
「ねぇ、やっぱ嫌?」
 モップを手渡しつつ、怪盗X。
「俺はアイが好きだから、どれもすっげーやりたいんだけど。あんたは嫌なの?
 いつも俺の言うこと何でも聞いてくれるから、あんたも同じ気持ちなのかなって思ってたんだけど。
 違うの?」
「………………」
 黙り込むアイに、真摯な瞳でXは続ける。
「ダメ? キスしたり、先っぽ舐められたり、俺の飲んだり、しがみついたままイッたり、したくない?」
「リアクションに困るセクハラ発言はやめて下さい」
 一言のもとに切り捨ててから、深い深い息をひとつ吐くアイ。
 本当に――この少年(?)は、どこからどこまでが本気なのか分からない。
 しばらくの間言葉を探し、軽く首を振りつつ口を開いた。
498セクハラなサイアイ4:2006/10/16(月) 01:31:42 ID:BZp+QGcT
「あなたのことは好きですよ、X。本当のことです。嘘でもその場しのぎに言っているわけでもありません。
 あなたが望む限り隣にいて、お手伝いし続けていきたいと思っています。
 ただ、だからこそ『けじめ』は明確につけておきたいのです。
 あなたと……そういう関係になってしまっては、何のためにあなたのお傍にいるのか、その意味がわから
なくなってしまうでしょう?」
 Xは彼にしては珍しく、何も言わずアイの言葉を聞いていた。
 終始淡々としたその語り、そして最後の問いかけを受けて、ぱちり、と一度だけ瞬きする。
 首を傾けつつ言った。
「あんたって、意外に頑固だよね」
「自覚はありませんが、Xがそうおっしゃるのならそうかもしれません」
「生真面目だね、アイは。そんな真剣に考えなくてもいいと思うけどな。
 好きだからやりたい、それでいいじゃん」
「Xはそう割り切れるのかもしれませんが」
 アイは首を横に振った。
「私にとっては……、…………っ!」
 言いさしてアイは口をつぐんだ。
 Xが急にアイの手を取り、顔を寄せてきたからだ。
499セクハラなサイアイ5:2006/10/16(月) 01:33:14 ID:BZp+QGcT
 外見は少年、されど中身は怪物。腕力で彼女に抗えるわけもない。
 手首を掴まれ、床に引きずり倒される。のしかかってくる体に、たやすく唇を奪われてしまう。
「……んっ……!」
 口を塞がれたまま必死に身をよじるが、それもXの怪力に封じられてしまった。
 唇を割り口腔に舌が侵入する。ぬめりを帯びた熱い肉塊が、歯の裏を、頬の内側を、アイ自身の舌を
こねくり回す。いたぶるようにじっくりと、犯す。
 聞こえよがしに口の中で響くのは、体液と体液の混じるいやらしい音。
「…………!」
 ひくり、とアイは体を震わせた。
 Xの手が――左はアイの手首を押さえつけたまま、右の手が――体をまさぐってくる。
 首筋をなぞって胸元に。形のいい乳房を慈しむように揉んでから、脇腹のライン、そして華奢な腰へと。
 明らかに前戯の手つきだった。
「いや……ぁっ……」
 押さえつける左手の無情さとは真逆に、右手はあくまでも甘く優しく、アイの快楽を誘うためだけに動く。
 スカートの上から恥部をなぞられたその瞬間、電撃のように悦びがはしり腰が跳ねる。
「っ!」
「いや?」
 唇を離し、耳元でXがささやく。
「どうしても……だめ?」
 声がかすれている。
 彼もまた昂ぶっているのだ。
「…………、い……いや、です……っ」
 アイの無表情はもはや完全に崩されていた。
 羞恥と快感に白い肌は薄く染まり、目尻には涙さえ湧いている。
 ストイックな普段の彼女からは信じられない光景だった。
「許し……て、くだ、さいっ……」
 ――涙ながらの懇願に、Xの手の動きが止まる。
500セクハラなサイアイ6:2006/10/16(月) 01:34:35 ID:BZp+QGcT
「……ひどいよ、アイ」
 のしかかってくる重みが急に軽くなった。
「そんな顔されたら、どうしたらいいか分からなくなっちゃうじゃん」
 アイから体を離したXは、ゆるゆると何ともいえない笑みを浮かべた。
「わかったよ、今日はやめといたげる。
 俺だって、あんたの泣き顔見るためにやりたいわけじゃないんだからさ」
「X……」
 主の顔を呆然とアイは見つめた。
 形容しがたい表情だった。
 普段の無邪気そのものの彼とも、被害者を生きたまま引き裂くときの、嗜虐に酔いきった顔とも違う。
 疲れきったような、あるいは泣き出す一瞬前のような。
 ある種の空虚さすら感じる笑みだった。
「X……申し訳ありません、私は……」
「謝んないでよ。あんた悪くないし」
 言いながらXはアイの頭に手を伸ばす。
 アイは反射的に身を固くしたが、今度は押さえつけられることも撫で回されることもなく、ただ髪の
毛にそっと触れられただけだった。
「あんたの嫌がることはしないよ。あんたが泣くの見るのは……なんか知らないけど、すげー嫌な気分になるし。
 それに、無理やりやって嫌われてコンビ解消とかになったら、誰が俺の仕事の後始末やってくれるのさ?」
「X」
 アイは目を見開く。
「好きだって言ってくれたのは嬉しかったよ」
501セクハラなサイアイ7:2006/10/16(月) 01:36:01 ID:BZp+QGcT
 床に手をついてXは立ち上がろうとする。
 と、アイの白い手がすっと伸び、彼の頭を抱え込んでそれを阻んだ。
「アイ? ……んっ」
 きょとんとするXの唇に、アイの唇が重ねあわされる。
 ほんの一瞬、ただ触れ合うだけのキスは、柔らかな感触だけを残しあっけなく終わる。
「アイ、なんで……」
 今度はXが呆然とする番だった。
「わかりません」
 淡々と答えたアイは既に、いつもの鉄仮面に戻ってしまっている。
「急にしたくなりました。それだけのことです。それ以上でもそれ以下でもありません」
「……何それ電子ドラッグ?」
 その存在を確かめるように、Xは自分の唇を指でなぞった。
 何度も何度も。
「ね、ねぇアイ、今のキスもう一回いい? もう一回! もう一回だけ!」
「ダメです」
「キスがダメならフェラでもいいから!」
「調子に乗らないでください」


 この二人の関係はおそらく変わることはないだろう。
 少なくとも今、しばらくの間は――
502セクハラなサイアイ:2006/10/16(月) 01:38:01 ID:BZp+QGcT
終わりです
Xはしょせん地上の悪人だから
魔界のいい人なネウロほど鬼畜にはなれんじゃないのかと思いながら書いてました
つまりはXはへたr(ぇはん
503名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:04:58 ID:V5YOejb6
GJ!!!!!!
この距離感大好きだ!!!
504名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:07:57 ID:v8y3ohVm
GJ!
アイさん相手だとへたれちゃうXいいよ!

ネウヤコもサイアイもみんなまとめてエーロ・ゴシカァン!
505476:2006/10/16(月) 02:39:41 ID:g9dq0L5p
セクハライイ!(・∀・)
涙には強く出られないんだな…てっきりそのまま襲うかと思ったよ

自分もやっとこ書けたので、投下。サイアイでぬるいエロ。ぐだぐだ長い。
506名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:40:18 ID:g9dq0L5p
 アイのことは特別嫌いじゃない代わりに、特別好きだとも思わない。ただそこにあるのが当たり前で、
知識と擬似でしか知らないけれど、家族って言う概念は一番近いんじゃないかと思う。たまに面倒に
なって、成り代わっていた人間ぜーんぶを纏めて社会的に殺しちゃって休息を取ったりするけれど、
その時俺はやっぱりアイの傍にいる。アイも黙ってそこにいて、黙々と自分の仕事を続けて。理由もなく
一緒の場所で一緒の時間を過ごすんだから、やっぱりそれは家族みたいなものなんだろう。姉か妹か
母親かか、判らないけれど。もしかしたら、妻かもしれないし。
 ガラスのテーブルの下に潜り込んで、ごろりと転がったのは膝の上。透けた天板からはノートPCの
裏側が見える。アイの手元は僅かなリズムの狂いもなく、キーボードを叩き続けていた。俺なら鬱陶しい
とかむずかゆいとかで、何かリアクション起こすのに。アイの中身だけは、やっぱり予測が付かない
――なんて思う。どうなってるんだろう、本当に。こんなにも中身を見せない、自分を見せない人間なんて、
俺はアイしか知らない。

 中身を思い出せなくて見せられない俺とは、違った異質。
 ごろり、転がれば、投げ出された手の甲がカーペットの上を擦れる。

「――――」

 目の前に手を翳して、手の甲を眺める。今擦れて痛みを感じたばかりの場所は、なのに少しも赤く
なっていなかった。戯れに爪先で引っ掻いて蚯蚓腫れを作ってみようとするけれど、引っ掻いた端から
それは消えて行く。細胞の増殖が止まらないことは、つまり、再生能力の異常にも繋がる。アポトーシス
だとかなんだとか、俺の自殺因子ってのはブッ壊れているらしい。
 溜息を吐くと、翳した手がそっとアイの青白い手に包まれた。
 血色は悪いのに暖かい、変な手。

「戯れで傷を付けるのは感心しかねます、サイ。何か苛立つことでもありましたか」
「別に、本当にただの戯れなんだけどさ。よく判るね、アイ。ずっとディスプレイ見てたでしょ」
「あなたの仕種にはいつも、気を配っています」
「ふーん……だから膝に頭乗せてみても、想定の範囲内?」
「ええ、そうですね」
「ちえ」
507名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:40:53 ID:g9dq0L5p

 見守られてるんだか監視されてるんだか。アイは一応俺――否、関わりを持った『過去の俺』に忠誠を
貫いているらしいけれど、その理由が今の俺には思い出せない。ご先祖様の記憶なんて持っていない
のと同じだ。自分の親も、過去の自分も、同じカテゴリになる。それは少し、悲しくて滑稽なこと。
 訊けば答えてくれるだろうけれど俺がそれを信じられる根拠はなくて。とりあえず確かなことは、アイが
現在の俺にも同じだけの忠義を通してくれること。それは少しだけ、悲しいこと。基本的には、放任だし。
 ごろりと転がった膝は痩せている。筋ばっかりで脂肪も筋肉もない。軽く指先でなぞれば、くすぐったい
のか、少し笑う息遣いがあった。嬉しくて何度も撫でる。すりすり頬を寄せて、多分これは、甘えている
んだろう。いつでも邪魔をするのは客観的な自分。打算と計算で、素直の概念がどこにもない。
可愛くないなあ、こんなにぴっちぴっちな少年なのに。今は。

「アイ」
「はい、なんですか。サイ」
「えっちぃことしようぜ」

 虚を突く言葉を選んだつもり。
 なのにアイはやっぱり、ディスプレイに向かったまま言うんだ。
 手元のキーボードのリズムも、変わらないままに。

「構いませんよ」



 ベッドに倒した身体はやっぱり軽くて細い。今の俺もこんなもんだとは思うけれど、アイの身体は
結構薄いと思う。着痩せするだけかな、むにむに触れてみた胸は柔らかい。アイは目を閉じて、
ただ俺の与える刺激を感じてるだけだ。なんかなー、もっとムードとかなー。
 擬態の最中に恋人達との甘いひと時、ってのもやっぱり経験はするもので。男でも女でも。それは
とても幸せそうに寄り添っている。たまに鬱陶しかったりもするけれど、基本的には傍らにいる人間に
対して、かなり注意を払っているし――意識、してる。こんな風にマグロっぽくはない。
 なんだか寂しくなるから、俺はぐいぐい引っ張ってアイの服を脱がせる。タートルネックのざっくりした
セーターを首から引き抜いて、黒いシンプルなアンダーもたくし上げる。白い下着は、最低限の機能
だけを求めているみたいで飾り気がなかった。フロントホックを指で軽く弾く。ほんのりと揺れる、白い胸。
508名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:41:29 ID:g9dq0L5p
 アイって俺が頼んだ仕事以外で外に出たことあるのかな。生ッ白くて、心配になるかも。
 パンツのホックを外して、ゆっくり下げる。スカートをあんまり履かないのは、純粋に機動性のことを
考えてなんだろう。もっと楽しめば良いのに、なんて思いながら、自分を振り返ってみる。面倒くさくて
サイズも合ってないシャツ。まあ、そう言うことに無頓着な俺もいるんだから、良し。

 骨の浮きそうなお腹にぺたんっと頭を乗せてみる。ふにふにと柔らかい感触が頬を包み込んで、
気持ち良い。内臓の動きや身体の中の流れを感じ取るのは、楽しくて好きだ。視覚での観察は箱で
するけれど、触覚や聴覚での観察はこういうのが良い。
 おヘソにちゅっと小さくキスをする。心音も筋肉も何も変わらない。予測済みなのか、覚悟済みなのか、
もっと反応してくれたら良いのに。寂しくなっちゃうじゃん。俺は軽く齧りつく。赤い鬱血。俺には出来ないもの。

「アイはさ、嫌じゃないの? 俺にこういうことされるの。嫌だったら言って良いんだよ?
 好きになってくれるように努力するから」
「いえ、嫌ではありません」
「キライだったりしないの?」
「はい。キライでは、ありません」

 アイは自分のことを言わない。こんな風に質問の答えしかしてくれない。機械的なそれは寂しいと思う。
どこが弱いとか、どこが恥ずかしいとか、そういう個人情報は何もくれないんだ。そんなの、ずるい。
俺の事はなんでも知ってるくせに。
 あむあむ齧り付いたお腹からゆっくり下がって、下着に噛み付く。ブラと同じでやっぱりシンプルだ。
ゴムの部分を歯に引っ掛けてゆっくり下ろすと、アイはゆっくり脚を開いてくれる。やりやすいように。
これも結局俺のサポートの一環なのかな。晒された場所も乾いてて、なんか、なんか。

 ちょっと悲しいかも。
 俺は、むしゃぶりつくようにそこに口を寄せた。
509名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:42:06 ID:g9dq0L5p

「、ッ」

 少し動揺した息遣いが嬉しくて、俺は少し乱暴に嘗め回す。薄い陰毛を鼻先で退けて、割れ目に舌を
差し込んで。唾液を沢山垂らしながらぺちゃぺちゃ音を立てる。歯を引っ掛けて苛めるのはクリトリス、
女の子なら一番敏感なはずだろう。指も使って、爪の先で強く包皮を捲ってやる。晒された場所を
引っ掻いて、くりくり苛めて。
 ナカに突っ込んだ舌はぐるぐると円を描くようにして、広げさせる。狭くて熱くてぬるぬるする。
ちゅぷちゅぷ、音を立ててむしゃぶりつくと、とろりと酸っぱいニオイがしてきた。滲み出た愛液と唾液を
乱暴に混ぜる。脚を抱えて、開かせて。
 アイの様子を上目に伺うと、目を閉じたポーカーフェイスのままだった。だけど心音は早くて、筋肉も
所々でヒクついている。脚がたまに頭を挟んでくれるのが嬉しくて、俺は歯を擦らせた。舌をぐいぐい
突っ込んで、やがてそれは奥に触れる。腹の奥に続く、敏感な扉。

「ぁ、ふ」

 鼻から抜けるような声。感じてるのかな? アイの性感帯ってどこなんだろ。とりあえずGスポット苛めて
ばっかだけど、もしかして他にも色々あるのかな。ゆっくり口を離して指を突っ込む、ぐりぐりとクリトリスの
裏を突き上げるように引っ掻いてやる。アイは少し呼吸を乱して、眦に薄っすらと涙を浮かべてみせる。
 嬉しくなって、俺はアイのお腹にまた顔を寄せた。体流の音が少し狂ってるのが判る。鼓動もさっきより
ずっと早い。零れだす熱も何もかも、全然違う――ちゅっと、ヘソにキスをした。ゆっくり嘗め回して、
ふぅっと息を掛ける。胸の下の柔らかい皮膚を口唇で軽く挟むと、背中ががくんっと仰け反った。

「アイ?」
「…………」

 頬が僅かに紅潮してる。
 もしかして……。
 俺ははむはむと同じところを口唇で挟む。緩急強弱をつけて、たまに歯も滑らせて。
 アイはびくんびくん震える。
510名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:42:41 ID:g9dq0L5p

「アイ、ここ弱いの?」
「っ、ぁ……いえ、その」
「弱いの? 感じちゃうの? 性感帯なの?」
「サイ、あまりそんなこと、言わないで」

 歯切れの悪い答えと逸らされた視線に俺は笑う。下乳とは、マニアックな性感帯を……そう言えば俺、
あんまりアイの胸って弄ってあげたことなかったっけ。下は十分に濡らしてあげるけど、触れるのが好き
なのはお腹だったし。あむあむあぐあぐ、白くて薄い胸を食べるみたいにする。弾力があるけど柔らかくて、
それは案外気持ち良いのかもしれなかった。
 間にぱふんっと鼻先を埋めて、アイを見上げる。恥ずかしそうに見下ろして、アイは俺の首に腕を
回してくれた。えへへっと笑うと、崩れたのはポーカーフェイス。それが楽しくて、胸もナカも精一杯に
弄ってあげる。ぐっちゅ、ぐちゅん。音を鳴らして、感じさせて。アイはぞくんぞくん身体を震わせる。
きっと心音は、爆発しそうなぐらいに鳴ってるだろう。

「アイってば現金なの。一度感じたら、もうビクビクしてる」
「そんな、こと……っん、ふ」
「うーそーだ。胸だけでこんななっちゃうはずないもん、我慢してたんでしょ。心音とか血流とか、
 全部全部さ……俺に意地悪? そういう助手には、嬉し恥ずかしのお仕置きしてあげなきゃ」
「ちが、サイ、本当にっ!」

 取り乱した顔が可愛くて、俺はちゅっとする。アイは一瞬呆けた顔をした。俺は笑ってぶかぶかの
パジャマの下穿きを脱ぐ。もうちょっと大きくなった方が良いかと思って、身体を少し成長させた。
それからアイのお腹に乗って、胸に性器を擦り付ける。
 勃起したそこからはもう先走りが出ていた。唾液で濡れた胸にそれを擦り付けると、アイの喉が
ひくんっと鳴る。熱が恥ずかしいのか、それとも、視覚的な快感なのか。顔を背けようとする顎を捉えて、
頬を舐める。逃がしてなんか、あげない。

「ちゃんと見てよアイ。こんななってるの、全部アイの所為だよ。気持ち良くて嬉しくて
 ビンビンになっちゃってるの。アイもおそろいだよね?」
「っひぁ」
「アイのここもビンビンだよ。欲しがってるんだ、入れられたがってる。俺とは逆だね。
 入れたがってるんだ、すーっごく……アイのナカに包まれて、気持ちよくなりたいって」
511名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:43:16 ID:g9dq0L5p

 がりがり、乱暴に爪でクリトリスを引っ掻くとアイは小さな悲鳴を上げた。普段無表情だから判らない
けれど、崩してしまえば案外その表情は幼いらしい。可愛いな、って思う。言葉で責められると口元が
ぱくぱくした。忠誠を逆手に取るのは意地悪だけど、反論しないからこその苛め方。認められること
じゃないけれど、俺は絶対だもんね。
 頬から首筋に口唇を下げながら、胸に擦り付けていた性器も下ろして行く。敏感なクリトリスにねっとりと
先端に擦らせてから、ゆっくり入り口に当てさせた。じゅくじゅくしてる場所は開いてて、すぐにでも俺のこと
を飲み込めそう。首を降りた口唇は胸に辿り着く。俺は悪戯に、アイの小さく尖った赤い乳首に噛み付いた。

「や、んゃぁあ!!」

 甲高い声に、俺は思わずきょとんっとアイを見上げる。アイは自分の口元を押さえて、今度こそ俺から
目を逸らしていた。
 ……やばい、何いまの声。鼻に掛かってちょっと甘くて、甲高くていつもとは全然違った。
 胸に吸い付いて舌先で転がすと、アイは両手で口元を押さえて頭をふるふるとする。長い髪が乱れて
顔に掛かるのが色っぽい――軽く噛むと、やっぱり声が出る。零れた唾液を舐めて、俺は笑う。

「わら、わな……で、サイ」
「別にアイを笑ってるんじゃないんだよ。個人的に、嬉しいの」

 ちゅっと額にキス。それからすかさず胸を指で弾く。身体を跳ねさせるアイが可愛くて、身体を起こして
抱き締めた。いつもの身体だと下から甘えるみたいに抱き付けて良いけれど、こうやって包み込むように
抱き締めるのも悪くない。腰を抱いて、上に乗せる。アイの髪止めを解いて、長い髪をぺろりとした。
恥らったような顔にも、ちゅう。
 それから、一気に突き入れる。

「や、あ、あっ」

 ぞくん、背を震わせる、声は少し固い。よしよしっとあやすように撫でて、俺はアイを抱き締めた。
背中と腰に腕を回して、胸と結合部同士がぴったり密着するようにする。口唇も。重ねて、ちゅぅ。
 舌を差し入れると、アイは戸惑いがちに差し出してくる。キスするのって珍しかったっけ? いつも
べたべたしてる気分だからあんまり考えてなかったかも。擬態の最中には色んな人間と交わすものだし
――アイは違うのかな。違うと良いな。ちゅくちゅく唾液を絡める、舌をぺろぺろ宥め合う。生温い温度。
これってこんな、いやらしいことだっけ?
512名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:43:50 ID:g9dq0L5p

 角度を変えて喉の奥まで舐める。唾液をゆっくり流し込むと、アイはこくんこくん飲み込んだ。少し咽て、
でも離してあげない。アイの唾液も掬い取って、飲み込んであげる。ぽろりと頬に涙を滑らせたから、
それも吸い取って。ぺろぺろ眼球を軽く舐めると、アイは身を捩って逃げる。可愛い可愛い。
 ぎゅっと一度強く抱き締めて、腰を揺らす。奥をぐんぐん突き上げるとすぐにイッちゃうから、加減して。
染み出した愛液が脚や性器を伝ってくすぐったい。ゆっくり擦り上げて、もっと零させて。

「サイ、さぃい……っん」
「どこが気持ち良い? どうして欲しい? アイの好きなようにしてあげるから、教えてよ。
 ここイジッたら気持ち良い?」
「や、胸、やぁあっ!」
「やっぱりココがスキ?」
「あひ、抓っちゃッ……!!」

 胸を齧りながらクリトリスを抓ると、一気に締め付けが強くなる。きゅぅきゅぅしちゃってイヤラシイ、
えっちなところを思いっきりに突き上げる。強張った身体、反射的に閉じようとした脚がぎゅぅっとしてきた。
息を詰めてそれに耐える、まだ、出しちゃうのは勿体無い。ぎゅうぎゅう抱き締めてキスを重ねて、
善がらせてあげたい。
 拗ねたように軽く俺を睨むアイの頬にキスをする。ぷいっと背けられるのが寂しくて、だから悪戯に
胸を噛んだ。喘ぐ声が気持ち良い、いつもと全然違う。いつもこうなら良いのに。曝け出してぶちまけて、
してくれたら良いのに。
 ぽすんっと押し倒して、顔の横に両手をつく。犬みたいに腰だけを動かしながら、正常位で突き上げた。
アイは俺の首に腕を引っ掛けて、じぃっと見上げてくる。熱に眩んだ眼差しはとろんっとしてて、いつもの
冷たさは欠片も見えない。こうなら良い。いつもいつも、こうなら、きっと。

「さ、ぃ」

 ぽつんっと呼ばれる。くすくす笑う声。
 ぐい、と腰に絡められたのは、アイの細い脚。
 引き寄せられて、締め付けられる、身体の奥で。
513名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:44:25 ID:g9dq0L5p

「、っあ」
「サイ、貴方だけ楽しむのはずるいですよ」
「や、アイ、締めないでッ……まだ、まだッうぁあ」
「私はもう、駄目です――あ、はあ、ぃいッ奥ぅうッ!!」

 ぐいぐい押し付けられて締め付けられ、俺は身体から力が抜ける。ころんっと体勢を逆にされて、
アイが俺の上に乗り掛かった。そのまま激しく腰を揺らして、喘ぐ――ぐちゅ、ぐちゅん。零れだす愛液に
絡め取られて、動けないみたいだ。せめて手を伸ばして胸をぎゅぅっと掴む。アイは、蕩けたように笑う。
 アイが気持ち良いなら、仕方ないか。俺は指先でくりくり乳首を転がしながら腰を突き上げる、
アイは半狂乱に笑って啼いた。甲高い声が何度も零れる。気持ち良い声だ。子供みたいに高くて、
なのに艶っぽくて。ぐんぐん奥を突く。考えない。気持ち良い。

 アイのナカ、気持ち良い。

「アイ、アイ……もっと、啼いてよぉッ」
「はあ、んっくふ――あん、ああああ! いやぁサイ、良いですッ……すごく、気持ち良いですッ!
 もっと、強く、下さ……ひゃ、あ、ああああ!?」
「あげる。いっぱいいっぱい、あげるよ」
「やん、ああ、駄目ッや……!!」

 ぎゅぅっと抱き寄せた身体、胸に齧り付いてクリトリスを抓る。一番奥を力いっぱいに突き上げて、
腰を押し付けさせた。アイは固く目を閉じて口唇を噛んで堪えてから――――

「ひぁ、あ――――!!」

 解放するように、掠れた声で叫ぶ。
 とぴゅん、小さく吹き上げられた潮を感じた。
 俺も奥に思いっきり精液を吐き出す。
 どろどろのそれはなんだか、胎液の温度に似ていた。

514名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:45:01 ID:g9dq0L5p

 くったり眠り込んだアイの胸に吸い付きながら、俺は勝手に甘える。
 お腹に頭をくっつけて音を聞く方がスキだけれど、こうやって子供みたいに胸に甘えるのも案外良い
かもしんないと思う。口唇の中でころころ転がす乳首。ちゅくちゅく吸うと、たまに漏れる喘ぎ声。
それは耳に心地良い。
 音を聞くのはアイ限定だけど、この胸もアイ限定かな。箱に解体出来ないから、こうして身体に訊く。
身体を聴く。視覚を閉じて触覚と味覚と聴覚で身体の中身を探って。

 アイの事は家族みたいだと思ってる。
 世話も焼かれるし、セックスもするし、まどろんだりもする。
 母親か娘か妻か妹か姉かは判らない。
 でも、なんだか、今はお母さんみたいかなって思う。

 無条件に、だいすき。みたいな。ね。
515名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:46:02 ID:g9dq0L5p
終わり。この二人の関係難しいよー
原作がいつかもっと補足してくれるように、エーロ・ゴシカァン!
516名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 03:10:42 ID:srWZGXXu
すげぇ…サイアイでがっつりエロGJGJ!
サイとアイの距離感のある関係性ってなんだかいいな。
サイアイに目覚めそうだ。>>505氏GJ。
517名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 08:16:10 ID:v8y3ohVm
GJ……!おまいさんの文章はいつもクオリティ高いな(って違ったらゴメソ)
最後にアイさんが主導持ってくとはおもわなんだ。

518名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 20:43:47 ID:hPygDCeq
サイアイいいな!!
ネ申降臨が続いてすごい。
519名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 21:25:38 ID:AOZPYNsx
神有月バンザーイ!
エーロ・ゴシカァン!!
ハァハァハァハァハァハァ
520名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 21:26:45 ID:AOZPYNsx
神有月バンザーイ!
エーロ・ゴシカァン!!
ハァハァハァハァハァハァ
521名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 21:28:24 ID:AOZPYNsx
連投スマソ…だが私は謝らない。
522名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 21:45:03 ID:Pt2bKrn/
謝ってるじゃんww
523名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 23:04:21 ID:dPfNP1KC
サイアイ素晴らしい!!
やっぱりここクオリティ高すぎる。

吾ヤコ求む。
吾代が自慰してる所をヤコに見つかって、
吾代の自慰姿に欲情したヤコが襲う、みたいな。
エーロゴシカアン!エーロゴシカアン!!
524名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 23:09:36 ID:1ejsC3E1
おまいさんそれじゃヤコ吾じゃまいか

とりあえずエーロ・ゴシカアン!
525名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 23:17:39 ID:ln9mSEUw
うお・・・やべえ・・もうサイアイの流れじゃなくなってるのか?
どっちみちもうしばらく掛かるから、投下は明日になりそうだが。
526名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 23:24:27 ID:1ejsC3E1
>525
少なくとも私は待ってるぞーノシ
527名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 23:28:14 ID:IZuUt9Jn
ちょっとよそスレに浮気してる間にサイアイ祭りか?
ネ申有月スゴス
漏れは読み手に変わるぞエーロゴシカアン!!
528名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 00:12:24 ID:HzPZm0PP
>>525
待ってる……
サイアイ個人的に一番萌えなので増えるとすっごい嬉しい
いろんな人が言ってるけどあの微妙な距離感がエロいんだ……
529名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 00:30:03 ID:kzu1GCpM
さ、サイヤコもまってる!
マイナーなんて言葉は知らん。
530名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 00:34:23 ID:oy/7rrTU
萌えシチュを言うんだ!<サイヤコ
531296:2006/10/17(火) 01:39:59 ID:A7iUdhNJ
>>525
流れなど気にするな
自分の書きたいものを書いて投下すればいい
きっと誰かが待っている
532超アクシデント:2006/10/17(火) 02:20:12 ID:Lg1eSdvG
ごめん。
流れを無視して軽くネウヤコ投下。


弥子はもう、今日はくたくただった。
今日行われた数学の小テスト(例によって、途方もなく難しい)で疲弊しきっていた為だろう。
だからといって、事務所のソファーが気持ち良かったからとついうっかり眠り込んでしまったの
は、迂闊と言うしかなかった。
はっと気付くと、目の前に綺麗な緑色の瞳。
ああ、マスカットみたい。
一瞬そう思ってお腹がぐうっと鳴ったのは、まあ御愛嬌だ。まだ日が高いうちから寝込んでい
たのに、今はもう窓の外は暗いのだからすっかり空腹には違いない。
しかし、肝心の問題はそれ以外のことだ。

「ようやく起きたか、いい度胸だな」
そうだ、この上なく底意地の悪い魔人の目の前で寝こけて隙を見せてしまったのは、まさに
一生の不覚。下手をすれば何か色々とされていてもおかしくはない。にったりと至近距離で
笑う魔人は、つまりそういう性悪な性分なのが頭の痛いところだ。
「…だって、疲れてたんだもん」
「普段の貴様にしては考えられないほど脳と神経を費やした、というところか」
別にネウロには小テストのことなど一言も言っていないのに、弥子のことなら相変わらず良く
知っている。見事と言うしかない。ストーカーの才能があるのではと思うほどだ。
そこで、ダイレクトに違和感を感じてしまう。
そう、寝ている間にしっかりアレとかコレとかセクハラどころではないことをされていたようだ。
今現在の状況はというと、完璧にソファーの上で繋がっている。
「あのー…」
「何だ、ヤコ」
「つかぬことをお伺いしますが、もしやもうなさっているとか…」
「おお、その通りだ。貴様ときたら奴隷の癖に主人たる我が輩の要求もろくに受け入れない
体たらくだからな」
「だ、だからって…勝手になんて…」
緩く中のものを動かされては、さすがに息が上がる。しどろもどろになってやっと言葉を返す
健気な弥子を見下ろして、ネウロはふんと鼻で笑った。
「奴隷の体をどうしようと、自由だろう」
その時思わず『奴隷イズフリーダム♪』というフレーズが頭をよぎった弥子は、既に今日の負
けを認めたも同然だったらしい。



終わり


エンタは好きだなあ。
533名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 02:30:19 ID:lKAMTjvv
流れなど全く気にしないネウロばりにカコイイ532に萌えた
534名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 02:38:13 ID:avnnyL77
>>532
GJ!! 相手が寝てようがおかまいなしとはさすがに鬼畜だなネウロ。


…で、空気読めてなくてすまん。
キャラスレで、今週の顔にヒビの入ったネウロの下から、消耗化をおさえる
ために何故か少年姿のネウロが登場し、そのネウロを弥子が負ぶって山道を
下るというネタが上がっていて思わず萌えてしまったんだが、
誰かそれで書いて頂けんだろうか。いや、エロとかじゃなくて。

…って、もしかしてここって絶対エロじゃないとダメなのか?
535名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 02:39:52 ID:Lg1eSdvG
絶対ってことはないと思うが内容による。
536名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 02:47:26 ID:oy/7rrTU
(*´Д`) ちょっと萌えた。しばし待て
537名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 03:09:34 ID:oy/7rrTU
 ネウロは魔界生物だから。そう思って納得していたのは思考停止に他ならない。心からそう思う。
ネウロにだってネウロの歴史があって世界があって過去があって、だからこういう、なんて言うか、
子供のころみたいなものもあるって言うのは、ちょっと考えれば判ることだ。でも私はそういうのを
今まで思考しなかった。魔界生物だから、そんな常識的な歴史なんてあるはずない。
 いや、想像しても、雛かなーとか思ってて。そんな感じだと思ってて。
 目の前には生意気そうな顔立ち、釣り目は好奇心いっぱいに開かれてる、子供。
 腰に手を当てて、小さな足を踏み鳴らして、その子――ネウロは、私を見上げている。

「ヤコ、我が輩の言うことが聞こえないのか。姿が変わったぐらいで動揺するな、このゴミムシめ。
 我が輩がこうしろと言ったら貴様は黙ってそれを容れれば良いのだ、さっさとしろ愚図め。
 だから貴様は節足動物以下のミジンコだというのだ」

 態度も言葉遣いも同じなのに、姿が幼いだけで印象が全然違う。笑いそうな口元を押さえて私は
ふるふる震える。とにかく今は、平常心。冷蔵庫、アイスクリーム、シャーベット、カキ氷、氷枕。
冷静になれ、頭を冷やせとおまじない。
 見下ろす。
 ちみみんっとした、子供。

「ッぶふ」
「何を笑っている、死に面して気でも触れたか」
「いや、ううん、その、ごめ……っふふ、う」
「さっさと動けこのナメクジ」
「ぁいたッ!」

 げちぃ! っと蹴られたのは、弁慶の泣き所だった。的確に狙われて、私は思わず飛び上がる。
小さくてもネウロはネウロ、油断は出来ない――でも要求が要求だ。笑うなって言うほうが無茶だろう。
リーチの差とかコンパスの差とか色々あるけれど、まさかこんなことする日が来るなんて思っても
見なかった。そもそも、こんなネウロを見る日だって、想像なんか。
 私は痛む脛を押さえながらひょんっと蹲る。誰もいないから、捲れるスカートだとかは気にしない。
ネウロは小さな手を私の肩に引っ掛けてから、ぽてんっと身体を私に預ける。
538名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 03:10:20 ID:oy/7rrTU


 力の省エネの為に縮んだ身体は、小学校低学年の子ぐらいだった。
 私の腰ぐらいまでしかない身長で、偉そうにのたまうことには、『負ぶって下山しろ』。
 その頃には身体を戻せるだけ、力も回復してるだろうってことらしい。
 立ち上がっておしりを支えてあげる。軽くて小さな身体は、まるで別人。当たり前か、このサイズじゃ。
 歩き出した途端に響いたのは、寝息。回復優先ってことらしい。
 乗り物として、信用ぐらいされてるのかなあ。


「ちっちゃいと案外、苛々しないもんなー……結構可愛いのに。ネウロの子供の頃かぁ……」

 暗い山の中に一人でいるのがちょっと怖くて、思わず独り言を重ねる。ちっちゃな腕でぎゅぅっと私の
首にしがみ付いてるネウロの背をぽんぽんっと撫でてみたり。
 ネウロにも子供の頃があるとしたら、どうやって過ごしてたんだろう。どうやって親や、それに順ずる
存在達と接していたんだろう。人間の常識が当て嵌まるものじゃないから、よっぽどの無関心か、
スパルタなイメージがある。案外、スパルタと言うよりもスパルタンだったのかもしれない。
 こっちの世界を取り入れたネウロなら、自分の子供とどんな風に接するんだろうなあ。パパー、
とか呼ばせるのかも。いや、なんかもしかしたらプロレス技ばっかり教え込むとか。実施で。

 ん? ネウロの子供?
 …………。
 思わず私は自分のお腹を見下ろす。特に意味はない。今月はまだだっけ、なんて、
一抹の不安を感じたことにも意味なんかない。ないったらない。

「んー、ぐー」

 ネウロの寝息にドキリとして、私は夜の中を駆け出した。
 馬鹿な考えなんか、ふっとばすみたいに。
 大体種族違って子供なんか出来ないって、うん。うん。
 ……そうだよね、ネウロさん?



終:なんか武装錬金の鷲尾戦思い出した
539296:2006/10/17(火) 03:18:23 ID:A7iUdhNJ
リアルタイム投下遭遇に感謝
そしてGJ
ヤコは出来たら産むのかな?
まぁ遺伝子は99%ネウロを引き継いでるだろうがw
540名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 03:19:22 ID:A7iUdhNJ
名前欄間違えた…orz
541名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 03:31:34 ID:p98v7/JD
GJGJ!!!なんて萌える設定なんだ(*´д`*)ハァハァ!
542534:2006/10/17(火) 03:48:36 ID:avnnyL77
>>536
ギャー!! 言い出しっぺだがまさかこんなに即座に書いてもらえるとは
思っていなかった!! あんた神だ!! グッジョォォォブ!!!!

つか、マジで神有月だな…。どうなってるんだここは。(*´д`*)ハァハァ!
543名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 04:35:11 ID:SPX3wY59
>>536
GJ!GJ!
ちみっこネウロとおかあさんヤコに萌えた(*´Д`)
しかし20分かそこらでこんな文章が書けちゃうなんて
おまいはやっぱりすごい物書きさんだなあ。
544名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 05:29:32 ID:kzu1GCpM
GJ!
やばいな、ここは出雲大社か。

サイヤコ萌えシチュ考えてみたがどうしてもサイの片想いというかひとりよがりでおわってしまう…萌えるんだがな、この二人。
探偵と怪盗なんて萌えるジャマイカ。
サイがサディスティックな変態で報われない可哀想な話が好きな俺は歪んでるのか…!
545名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 07:06:46 ID:HzPZm0PP
>>537
ネウヤコ今まであんまり興味なかったここでは異端気味の住人だけど
これはイイと思った、萌えだよ

サイと弥子書こうとして詰まってやめたことある
あるようで意外に接点ないから難しいんだよな
546名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 12:24:34 ID:L7eQb9es
547438:2006/10/17(火) 22:46:34 ID:qXar6Lkf
このスレでネウロに興味持った438です。
今日とりあえず5巻まで読んで見ました(金欠ゆえ漫喫でしたが)

独特の表現技法も内容も面白かったので買うと思います。
みなさんのおかげでまた新たな楽しみを見つけましたどうもありがとうございます。

しかし弥子の扱いには素でエロスを感じますね(´д`*)
548名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 23:32:43 ID:mDZVyHeV
今週の展開を見てほっとした ・゚・(つД`)・゚・ ヨカッタナヒグチ
しかしヤコたん、吾代といいヒグチといい
いろんな人の心を癒しまくってるなあ

そんな無意識に周囲に愛をふりまくヤコにイライラしてしまうネウロキボンヌ
549名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 23:34:23 ID:mDZVyHeV
書き忘れた
>>サイがサディスティックな変態で報われない可哀想な話
俺も大好物だ
550名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 23:36:02 ID:HzPZm0PP
>>547
楽しんでくれたようでよかった
サイアイスキーな俺としては6〜7巻が特におすすめだ
ヒグヤコとか色々新機軸も出てるので8巻も読むと更においしいと思われ
551名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 03:32:15 ID:urIyfEhh
>>547
よしよし…その調子でもっと好きになるんだ…おりしも今は丑三つ時…
(呪文風に)エーロ・ゴシカァァン…エーロ…ゴシカァァン…


流れを読まずに言ってみる。
腐蒲温泉の飲み湯をバケツで飲み干すヤコにはきっとアレも美味しく飲み干せるに違いない。

ヤコ「ねー吾代さん…もう出ないの…?」
吾代「いい加減にしろやぁぁあぁあ!!」
552名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 17:40:05 ID:FrneWMen
>>551
(*´д`*)ハァハァ
553名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 18:20:56 ID:s11Vw6Cc
>>551
書いてみたいが、俺じゃ糞つまんねぇのになりそうだ。ネ申よ…。
554名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 18:40:13 ID:mGGA5x9j
毎回ネ申GJ!!ここは極楽浄土だ
ちみっこネウヤコもサイアイも吾代さんも大好きだ。
ここの住人も大好きだ。

>>209-224
最近気が付いたんだが、猫って交尾排卵だから妊娠率は90%以上ジャマイカ
ネウロはそこまで予測して猫化させたんだろか。魔人GJ
猫は交尾排卵&一度の出産で父親の違う子を生む事もある…
猫化した弥子に複数プレイハァハァとか想像している自分は負け犬orz
555名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 18:46:47 ID:MZ2lR+Sx
ちょwwww そこまで考えてなかった
そうか、猫は便利なんだなネ子は。ぽこぽこ産んだら楽しそうじゃないか
イビルジャイアン的に、何故かどれも鳥頭かもしれんが
556名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 19:10:31 ID:ovBRFW+I
>>551
書いてみたいが、レポートに追われて時間がない……
書くとしたら12月頃になるかな
557名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 21:54:41 ID:VG0zdCfq
ネ申のみなさま!!!!!
今週の本誌のおかげでヒグヤコ萌えがとまりません……!!!
どなたか…!!
どなたかお願いいたします…!!!

エーロ・ゴシカァン!
558名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 01:10:26 ID:czc7xbSv
ヒグヤコはそれだけでも萌えるが
最終的にイビルジャイアンが発動するともっと萌える
559名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 02:08:50 ID:qfmSB/Z9
匪「正気の50パー分、お前のこと考えてやってもいいぜ、桂木」
弥「いや、ちょっと。そんなつもりじゃ。あははは…」
ネ「策も尽きたからには、そう簡単にはいかんな。ヤコに手出しはまかりならん」
匪「うぉっ!?何あんたいきなり復活してんの。さっきまで谷底だったのに」
ネ「ああ、イビルジャイアンだからな」
匪「イビルジャイアンじゃあ、仕方ないな( ´∀`)」

こんなベタなネタが浮かんだ。
560名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 02:25:22 ID:JTxhgHDI
ちょwwww

イビルジャイアンに萌えたのは私!
561559:2006/10/19(木) 02:43:17 ID:qfmSB/Z9
これだけでは何なので。
短いものをひとつ投下。

淡い翼

孤独な子供にとっては、両親の存在が全てだった。
言うことを聞いていい子にさえしていれば、いつか他の子供たちのように普通の家庭
に戻るとずっと盲目的に信じていた。
それが裏切られたあの日から、誰の愛情も信じられないまま成長してきた気がする。
それを微塵も疑うこともなく。
当然のことだ。未熟な子供に正しい生き方の指針を示す筈の両親があの様だったの
だから、一体何を信じていいのか分からなかったのも無理はない。ずっとそんないびつ
なものを抱えたまま、弱い心に知識だけを鎧のように纏って匪口は今日までを生きて
きた。

「私で良ければ、いつでも話をしに来てよ!」
見るからに何不自由なく、愛情に包まれて幸せに育ったと思える少女が目の前でそ
う言って笑った。匪口が焦がれて欲しがってもひとつも得られなかったものを、当たり
前のように全部手にして成長してきた少女。だからこそこれまで只の甘ちゃんな娘と
しか見られなかったのに。
今、この瞬間に何かとてつもない聖性のようなものを見た気がしたのは、きっと間違
いではないだろう。
もちろん、この桂木弥子という少女にまだそれほどの力があるとは思えない。ただ、
今自分に出来ることを言っただけなのだろう。そんな一生懸命さはがさがさに乾いた
匪口の心に、冷たい水のように気持ちよく沁みた。
半分だけHALに洗脳されていたとはいえ、間違ったことをしていたのはさすがに自覚
している。このまま何事もなかったように元通りの生活に戻ることはささやかなプライド
が許さなかった。
もし、戻ることがあるにしても、自分なりに何か納得のいくものが掴めた後になるのだ
ろう。そんなことを思いながら匪口は、少女に背を向けた。
『私で良ければ いつでも話をしに来てよ!そしたら必ず答えてあげられる 匪口さん
は犯罪者じゃないって』
ごく自然に、そう口にした少女の背後には日差しが逆光していたせいだろうか、天使
の翼のようなものが見えていた。
当然、気のせいなのだろう。



終わり
562名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 05:50:44 ID:I4YWf48i
GJ! 弥子はやっぱり癒し系なんだなあ
同時に卑し系だけど。卑猥の方の意味で。あの脚とか。



脳噛ヤコたんネタが一段落書き終わったけど、長い上にエロメインじゃなくなった(´・ω・`)
url投下とかおk? 駄目ならエロ関連のとこだけ投下する
563名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 06:51:10 ID:G6UO7KWf
>>551 書いてみた。ギャグですらねぇorz

 何でこんな事に…。吾代は肘掛け付きの椅子にふんぞり返るように座って唸っていた。
原因は一つ。正に今吾代の股間にしっかりと張り付いた弥子の所業だ。吾代の大事な部分を、付け根から軽く指で扱いたり深く喉まで頬張ったりと粘ること小一時間。
「ンッ…おいテメェ!何時までフェラってる気だ!」
 椅子と机、布団一式に競馬新聞やら古い求人誌なんかでスペースの無い部屋に、さっきから犬がミルクを舐めるようなピチャピチャという水音が響いていた。
「(いろんな意味で)ナメやがって」「あ、ん…もうちょっとかな」「ウッ、痛ってて、噛むんじゃねー!」
軽い痛みに吾代が股間を見下ろすとやはり、極限まで硬くそそり勃ったソレの尖端に弥子の犬歯が引っ掛かっていた。
「んなろ…クッ」「吾代しゃん…ツライろ?」弥子がくわえ込んだまま上目遣いで聞いてきた次の瞬間、吾代はあっさりと精を放ってしまった。これで今日は3発目だ。
…つづく
564名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 06:56:28 ID:G6UO7KWf
 つづき…
 「ん…美味し」
 弥子は口から溢れた白いモノを指で拭い、キレイに舐め上げた。そして上気して潤んだ目で吾代を見つめて言った。
「こんなに頑張っても一口かー。ねーもう出ないの?…もっと欲しいな」「いい加減にしろやあぁぁあぁぁ!」
「だって、吾代さんのが一番美味しいんだよ。どうしてたったの三口しか呑ませてくれないの…?」「俺は、馬じゃねぇぇえ!そんなに出せっか!」
吾代にとって、一番とか言う順位やら本物のお馬さんならアレがじゃぼじゃぼ出る事実やらは別にどうでも良かった。
(「体の外側から内側から…てめーらどんだけ俺を馬車馬みてーに搾取する気だよ」)
終わり。>>556のも待ってる。暫く修行してきます。orz
565名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 21:59:51 ID:sjCIg5/G
祭りの流れに乗り遅れてサイアイ投下します。
前スレでバッドエンド気味の寂しい話投下したあとのネタで
フォローになってないとのお叱りwがあったので。

ほのぼのしようとしたら中盤でサイがサドです。
566cubic lover 1:2006/10/19(木) 22:02:23 ID:sjCIg5/G
――アイ、俺と一緒に地獄を見に行こうか?
   血に塗れた二人の手を繋いで。
   たくさん悪戯して来た俺達だから特等席で行けるよ――

『お断りします』
『うわ・・即答だ』
せっかくロマンチックに誘ったのにな。箱の中より醜くて綺麗で
混沌とした・・そんな絶景が待ってるかもしれないのに。
ドロドロのグチョグチョで怪物みたいな花とか咲いてたりしてね。
ああダメだ・・想像力が追いつかないね。ネウロがいた魔界みたいな感じかな?
今度会ったら聞いてみるか・・・・・・・


ビルとビルの間をすり抜けて壁に駆け登る。最早人間技じゃないね。
今夜は4箱――つまり4人。だけどやっぱり俺とは関係ない。
『・・・今日も見つからなかったなあ』
服はもう血みどろだし、ここからはアイと共同の隠れ家も近いからそこに行こう。
多分、アイもいる。今日は手土産ないから怒るかな。ガイコツ貯金箱持ってくりゃよかったか?
近道するためにやっぱり壁を駆け登る。楽々出来るようになって来たのが複雑だ。
『やっぱ化け物に近づいてるなあ』
一瞬眩しい光が目に入る。・・ああ満月か・・だからかな・・身体が熱い。               
567cubic lover 2:2006/10/19(木) 22:03:22 ID:sjCIg5/G
しばらくするとアイが偽名を使って借りてるマンションの一室に辿り着く。
誰にも顔が割れてないとはいえ、今こんな格好だしちょっと気をつけなきゃね。
辺りを軽く見渡した後、インターホンを鳴らすとドアが開いた。
『アイ、ただいま』
『お疲れ様です・・・サイ・・』
出迎えたアイは血みどろになった俺の姿を見るなり、呆れ顔だ。
例えるなら泥だらけで帰ってきた子供を見た母親って感じか。
『・・・また派手に汚して来られましたね・・』
『あ〜今日もダメだったよ』

『・・お話は後で聞きますから先にお風呂に・・』
玄関に上がるなり、ぐいぐいと引っ張られる。
『・・うわ・・ちょっと』
そのままタオルを持たされバスルームに押し込められた。
『ちゃんと血を落とすんですよ。それから肩まで浸かって10数えて・・』
『わかったよ。もう』
シャワー浴びて血を洗い落とすと、湯船に浸かる。いや10は数えないけどね。
身体の奥底が熱い・・・湯のせいじゃなくて・・箱を作った後はいつもそうだ。
やっぱ俺も殺人犯だからか。人を殺した後、異常に気分が高揚するとかいうしね。
だから興奮しちゃってんのかな?アドレナリン出っ放しか。とんだ変態だ。  
568cubic lover 3:2006/10/19(木) 22:04:14 ID:sjCIg5/G
風呂から上がって髪を拭きながら、ソファに座る。
やっぱり身体が熱い。人を殺した夜は全身の細胞が沸騰しそうだ。
――熱い。下を向いて両肩を自分で抱え込んでいたから、すぐ傍まで
アイが近づいてる事に気づかなかった。

『・・またそんな格好で』
・・・・・熱い。熱い。熱い。
『・・・風邪を引きますよ』
・・・・まいったな・・・・こんな時は・・・
『・・ほら着替えです』

――近寄らないで欲しい。

『・・・・サイ?・・・・んっ・・』
気づいたら細い手首をがっしり掴んでキスをしていた。本当に無意識だ。

舌を侵入させたら微かに吐息が漏れた。
『・・・・んっ・・ふ・・』
口の中の粘膜が擦れる音が響く。温かくて目の前がぼんやりとする。
身体の内部が熱い。熱くて熱くて熱くて。人を殺した夜は・・・人肌が恋しい。

互いの唇を離すとつうっと唾液が糸を引いた。少しだけ息を乱したアイと目が合う。
『・・・サイ、またですか?』
見透かされたように言われた。普通の男なら自分の劣情にギクリとするかもしれないけど
俺達はいつも大体この流れだから、なんてことは無い。                               
569cubic lover 4:2006/10/19(木) 22:05:04 ID:sjCIg5/G
『・・ああ・・わかった?俺が今ヤリたくてたまらないって事』
『いつも突然、戯れを仕掛けてきますからね』
そう言って、てきぱき服を脱ぎだした。なんか事務的だなあ。
あっという間に俺の前で全裸だ。太陽を余り浴びてない身体は青白くて
病的に綺麗。さっき見た満月みたいで不思議な力に引き込まれる。

だけどさ恥ずかしくないの?慣れちゃったか・・俺との関係に。

『・・・たまには拒んだら?』
何でそんな事を言ったのか自分でもわからない。

『よろしいんですか?今から拒否しても・・』
『・・・いや、それはもう無理』
それは今更遅い。危険なテリトリーに入って来たあんたが悪い。
近寄るなオーラは充分に発していたつもり。
『そうじゃなくてもっと恥じらったりさあ・・・』
俺がそう言うと少し驚いたような顔をした。いや目をちょっと見開く程度だけど。

『・・・あなたがそんな普通の事を求めるなんて意外ですね』
――いや、普通じゃない。普通の女が拒んだって、恥じらったって面白くないけど
アイがすれば普通の事も面白い。乾電池で動いてそうなアイがするのなら。
結局は俺もギャップって奴に弱いのか。新たな自分の発見に驚きながらも
アイをソファに押し倒す。頬に触れた後、唇に手を滑らせたら少しピクリとした。   
570cubic lover 5:2006/10/19(木) 22:05:57 ID:sjCIg5/G
顎から首にかけてのラインが綺麗で好きだ。誰と比べてかは覚えてないけど。
白い肌に血管が青く浮かび上がって綺麗。頚動脈がピクピクするのがたまらない。
少しくすぐったそうなのが面白い。手を更に下の方に滑らせていく。
意外にある胸も形良くて気に入ってる。これはあの女子高生探偵と比べて。
ごめん、ネウロ。だってあの娘、見るからに貧相じゃん。アイの勝ち。何だこの勝負。

撫でるようにして捏ねると、アイが身を捩じらせる。声こそ余り漏らさないけど
身体は反応しているみたいだ。
『・・・・は・・あ・・』
やっぱり吐息が微かに漏れるだけ。つまんないな。もっと激しく喘がせてみたい。
『もっとなんか反応してよ・・気持ちよくない?』
『・・快感はありますよ。身体も反応してます。・・なんだか熱いですし・・』
身体の反応は直に触れてるからわかる。冷静な顔に反して肌はしっとり汗ばんでるし
胸を触ってみれば乳首だって硬くなってて、その下では心臓が早鐘みたいだ。
そうじゃなくて・・・・・
『もっとこうアイ自身のリアクションがほしいよ・・』

子供みたいに駄々を捏ねてしまった。そんな俺を見てアイが微かに口角をあげる。
ちょっと意地悪にも見える笑みだ。そんな顔も一瞬だけどね。
『・・ポルノ女優のようにでも振舞えばよろしいですか?』
おい・・随分飛躍したなあ・・ポルノ女優って。真顔でさあ・・狙ってんの?
唇がゆっくり動く。
『・・・Turn me on・・』
おおポルノ女優。何て言ったんだ?意外だね。そんな色っぽい声出せたのか。
『何今の?どういう意味?』
『・・・・・WイカせてW・・・・・』
『・・過激だね』
よく知ってるなあ・・そんな事。それよりそれは俺への挑戦状か。
そんな事も淡々と言うから面白い。だけど相変わらず澄ました顔が気に入らないね。
いつもそう・・本当の顔を中々見せてくれない。だから・・・これから剥がして行こうか。             
571cubic lover 6:2006/10/19(木) 22:06:49 ID:sjCIg5/G
鎖骨とか胸にキスして探って行く。まるでゲームの攻略法でも探してる気分だ。
何気なく腋と胸の境目をなぞってみたら、アイの身体がビクリと跳ねた。――ここ?
『・・・ここ弱いんだ?』
『・・あ・・違い・・ます』
嘘だ。絶対ここ弱いね。頬が上気して息が弾んでる。
弱点を見つけたら、なんだか嗜虐心が沸いて来た。これは支配欲か。
乱暴に胸を掴んだ。小さく声が漏れる。ちょっと手荒にした方が反応も大きいかもね。
さっき見た満月と青白い肌が重なって変な高揚感。身体中を狂気が駆け巡る。
やばいな・・・・サディスティックな気分だ。これがルナシイってやつか。

『・・・・は・・あ・・』
漏れるのは吐息だけ。ねえ。何でだ?
聖女みたいに、まだ理性を保ってるのが気に入らない。
弱点をなぞりながら胸を舐めたら身を捩じらせた。

『・・は・・やああ・・』
やっと声を漏らした。そうだよ・・・もっと・・・
誰かに成り代わって相手した女みたいに形振り構わず乱れればいい。
片手でアイの両腕を押さえつけながら乳首にかりっと歯を立てる。
『・・ひっ・・いやああっ・・』
喘ぐ声が自然になって来た。少しずつ理性が剥がれて来てるね。
だけど荒っぽい俺の行動に微かに肩を震わせてる。怖いの?
追い詰められたウサギみたいだ。・・・可愛い。                                    
572cubic lover 7:2006/10/19(木) 22:07:34 ID:sjCIg5/G
『・・アイ・・やらしい顔・・』
『・・そんな事言わないで・・ください』
少し涙目?無駄だよ。そんなの・・・俺を煽るだけ。ああ可笑しい。
下のほうに手を伸ばしてみればもうトロトロして、温かく湿っていた。
ぎゅっと抓るようにクリトリスを摘む。
『・・いやあっ!痛っ・・・ああ』
苦痛に歪んだ甲高い悲鳴がたまらない。ねえ・・アイ・・もう全然冷静じゃないね。
少し苛めすぎたかな?徐々に手を和らげて行くと、アイの顔から苦痛が消えて
気持ちよさそうだ。
『・・んっはあ・・ああ・・』
擦るようにして中指を入れたら、ちゅぷっと音を立てた。中で折り曲げたりして
変幻自在。俺の得意な・・なんてね。愛液がどろりと絡み付いてくる。

『・・ひっ・・い・・そんなに動かさないでっ』
冷静沈着・優秀な助手さん。何処へやら。やっぱりここが一番の弱点なのは共通だ。
『・・気持ちいいでしょ?アイ・・・気持ちいいよなあ?所詮あんたも淫乱な女だ!』
なんか攻撃的になってる俺。声を荒げて言葉でも責める。
『・・いや・・恥ずかし・・そんな事・・はあっ・・言わないで・・くださ・・』
世界の全てをシャットダウンしたような瞳が蕩けて潤んでる。
完全に堕ちた俺の手の中。挿入する指を増やしていく。
『・・・だ・・め・・やああ・・』
いやらしくて可愛いアイ。
『・・いやっ・・指っ・・増やさないでっ』
壊れて壊れて可笑しなアイ。
見せて・・・見せて・・・全部。その顔をもっと見せろ。
乱れて、溺れて、本能を剥き出しにして。淫らに喘いで。
背徳も冒涜も数え切れない。どうせ俺達、血に飢えた獣だ。化け物だ。
―――化け物。・・・・・・力ずくで押さえ付けた身体は脆くて簡単に壊せそうだ。
違う・・・・・・・・あんたは人間だね。                                           
573cubic lover 8:2006/10/19(木) 22:08:25 ID:sjCIg5/G
『・・・サイ』
急に動きを止めたから不思議がってる。紅い頬で息を乱しながら見上げてる。

可愛いアイ。

『・・・・サイ?』

俺とは違うアイ。

化け物なんて・・・・・・アメーバみたいな俺と一緒にしてごめん。
快楽に流されて少し緊張が解れたような顔は俺を心配してるのが見て取れた。

『・・・・サイ』
細い腕を伸ばしてくる。
『――触るな』
命令を聞かない。そのまま両手で包み込まれて再びソファに倒れこんだ。
髪を撫でてくる。やめろよ・・・そういうの。聖母にでもなったつもり?
俺と同じでその手は真っ赤なくせに。だけど俺の苦しみなんて結局あんたにもわからない。

『・・・・サイ・・続きをなさって下さい』
耳元で甘く囁かれた。
『――・・・・・』
『・・・私、とても気持ち良かったのですよ?』
小さな子供を宥めるように触れてそんな風に言うのはずるい。
なんかもうどうでもいいや。身体がまた熱くなってきたような気がした。                       
574cubic lover 9:2006/10/19(木) 22:09:17 ID:sjCIg5/G
『・・やらしいなあ。アイは』
なんだか可笑しくてからかってやった。

『・・・中途半端は嫌なだけです』
少し恥ずかしそうにそう言うと、アイは俺の下半身に手を伸ばして来た。
途中で気分が削がれたから勃ちかけみたいな状態のそれを手で刺激される。
・・・気持ちいい・・すごく。
『・・・サイ・・もうすっかり硬いですよ。どうぞ・・・・』
『・・うん』
再び指で触れてみたら、さっきまで散々攻めまくってたせいかアイの内部もすっかりいいみたいだ。
波打ってるのがわかる。両脚を抱えて覆いかぶさると、一気に侵入する。いつもより滑りがいい。
『ひっ・・・やあ』
アイが声を漏らす。
内部に入ると、やっぱり温かく湿ってて気持ちいい。いつもそう思う。
子宮まで辿り着けば体中温かい膜に包まれたような気分になる。
『・・アイ・・もっと触らせて』
『は・・あ・・ん・・どう・・ぞ・・お気の・・済むまで』
夢中でアイの身体を触る。何かを確かめるように夢中に。
掌で包んだ左胸の下で心臓がドクドク。ぐぐっと押して血管がピクピク。
生きた細胞の押し返す感触と温もりに安心するなら・・・俺は人間だよね?
・・人間だろう?人間に決まってる!・・・ねえ・・アイ。                                 
575cubic lover 10:2006/10/19(木) 22:10:07 ID:sjCIg5/G
『はあ・・アイ・・俺は人間だよね?』
無意識に口走っていた。言って・・・そう言って!祈るようにして腰を突き上げる。
背中に回されたアイの手に力が入る。
『いやあっ・・はあ・・それは・・わかりませ・・んっ・・』
・・こんな時でもそこは冷静か。とっくにその姿は乱れてるのに。
やっぱりそう言ってはもらえないのか・・・そうだよね。
『・・嘘でもいいから・・気の利いた事・・言ってよ・・』
何もかも忘れたくて腰の動きを速くする。アイの中の収縮が激しくて
凄く気持ちがいい。どんどん中から溢れてくる。
『やああっ・・はあ・・んっ・・でもっ・・』
涙を流して息も絶え絶えだ。

『・・私は・・あなたが・・何物でも・・構いま・・せん』
『――――』
馬鹿じゃないの。

『・・・あなたが・・はあっ・・何でも・・やあああっ・・』
馬鹿だ。

『は・・・得体の知れない奴と・・は・・あ・・こんな事・・してんだよ?いいの?』
『・・い・・いです・・ああっ・・それが・・私の・・望み・・』
よっぽど気持ちがいいのか呂律も余り回ってなくて、答えるのが苦しそうだ。
それなら塞いでしまおうか。口の中も同時に攻め立てる。                          
576cubic lover 11:2006/10/19(木) 22:10:53 ID:sjCIg5/G
『・・・んっ・・ふ・・ん・・』
薄目を開ければとろんとした顔と目が合った。苛立ちと快感がぐちゃぐちゃになる。
変な女・・・・変な女!馬鹿じゃないの?こんな俺を受け入れて。本当に・・・・・変な女。
――だから中身が見たくなる。

『・・く・・はあ・・すごい・・締まる・・アイ・・気持ちいいよ・・』
『・・はあ・・私もです・・いやあああっ・・駄目・・そんなに掻き回さないでっ・・・』
そんな懇願は無視。だって身体は言ってる。もっと欲しいって。
膣壁がぐいぐい押し寄せて来るのがわかる。腰の動きを変えるようにして
もっともっと突き上げる。
『あっああああ・・サイっ・・もう・・私・・』
『・・・イッちゃいそう?』
くりっと悪戯に胸を軽く弄ってみる。
『・・ひっ・・いやあああっ』
目の前がチカチカする。何か点滅してるみたいだ。そろそろこっちも限界が近い。
触れ合う粘膜から全身の細胞が沸騰しそうになる。
『・・あああ・・んあああっ・・サイっ・・サイっ・・』
何度も叫んだ後、びくんと痙攣するとアイの身体から力が抜けてぐったりした。
『・・はあ・・イッた?・・出しちゃっていい?』
『・・あ・・はあ・・どうぞ・・存分に・・』
肩で荒い呼吸をするアイを眺めながら、吐き出すように注ぎ込む。
解放感と快感で頭が真っ白になる。何もかも忘れてしまいそうなこの瞬間。
アイにしがみ付きながら残さず吐き出した。

《――あなた何物でも構わない――》
そんな言葉で癒されてなんてあげない。・・・・あげないよ。目頭が熱いのは気のせい。          
577cubic lover 12:2006/10/19(木) 22:11:45 ID:sjCIg5/G
あっけないもので、終わってから身体を離したアイはすぐにでも着替えそうな勢いだ。
顔もいつもの能面顔。いつもの事だけどそれってなんか寂しくない?
ガシッと手首を掴んだ。
『・・ねえ。いつも離れるの早くない?一番大事なのは終わった後のスキンシップらしいよ』
仕方が無いですね、と溜息をつかれた。アイはソファに座ると俺の頭を掴んで太腿の上に乗せた。
・・・膝枕か。いいね。なんだか懐かしい。すべすべした膝を撫でる。
ソファカバーを引っぺがしてかけて来た。端っこで自分の身体も隠してる。恥ずかしいんだ?
『ふっ・・・脱いだときはあんなに堂々としてたのに・・』
『何かおっしゃいましたか?』
・・傍にいて。
『なんでもないよ』
・・こんな人肌の恋しい夜は。


『あ〜また明日から正体探しか』
『・・・そのうち必ず見つかりますよ』
だけど、気が遠くなるなあ。こうしてる間にも片っ端からどんどん記憶は崩れていくし。
ヘタクソな人真似は出てくるし。・・・・・なんかもうネウロはしぶといし。次こそ勝つけど。
色んな事あって結構イライラするんだよね。・・・・・・だけど・・
――髪に触れてくる手は優しい。
・・・・・・だけどさ                                                    
578cubic lover 13:2006/10/19(木) 22:12:37 ID:sjCIg5/G
『あんたとこうして一緒にいるのは結構好きだよ』
『・・・ありがとうございます』
ふわっとした空気を肌で感じる。・・あれ今・・ひょっとして・・
『笑った?』
今までにない位はっきり笑って見えたのに。からかう様に俺が言ったらまた無表情に戻った。
なんだよ・・照れてんの?まあいいや一瞬でも珍しいものが見れたしね。
すっかり頭を預けた膝の温もりでうっかりとろんと眠くなる。
人肌は気持ちいいなあ・・・・・こうしてると安らぐのは嘘じゃない・・・ああ・・だけど・・

・・・・だけど、アイ。俺の悪い癖だ。時々無性にその細い首をへし折って、
綺麗な顔と小さな頭をコンクリートの壁に叩きつけたくなる。
そんな衝動に駆られるから・・・その時はごめんね。ちゃんと綺麗な箱にしてあげる。
・・・でも出来る限り我慢するよ・・うん我慢する。せめて俺の正体が見つかるまでは。

だから、それまではもうしばらく一緒に遊ぼうよ。
派手なアクション。窓を破ってボニーとクライド。駈けずり回って世界の果て。
――今度は何する?

『人間を的にダーツなど如何ですか?』
――いい趣味だね。
『出来た箱でルービックキューブは?』
――それはちょっと無理じゃない?
ああ面白い。やっぱ可笑しいこの女。やべえすげえ中身見たい。
・・・だけど我慢するよ・・うん我慢する。もしそれでずっと我慢出来たらその時は・・・・              
579cubic lover 14:2006/10/19(木) 22:13:21 ID:sjCIg5/G
『アイ・・俺と一緒に地獄を見に行こうか?』
『お断りします』
・・うわ・・また即答だ。一緒に死んであげるって言ってるのに。
俺がデートに誘ったのはネウロくらいだよ?女はあんたが初めてだ。
何を考えてるか分らないけど、そのままアイは黙り込んだ。嫌な沈黙だ。せめて顔に出せよ。
最高に居心地悪い数分間の後、要約口を開いた。
『・・・・サイ』
『ん?』
やっと喋ったよ・・全くヒヤヒヤするね。ほとんど表情変えないから余計にね。
『・・・あなたは御自分の正体が見つかった後、私の中身を御覧になるのでしょう?』
『・・・・ああ・・うんそうだね。すげえ楽しみだ。箱にして早く見たいよ』
ちょっと話の流れ変わってびっくりしたけど、せっかくだから会話を続けてみる。
いつも俺が話しかけても一言、二言返してくるだけだからね。滅多に無い機会だ。

『・・・・それで隅々まで観察したら・・思い残す事も無いしさ。・・・俺も・・・』
本当にそんな夢が叶った時の事を考えたら、ちょっと楽しくなって来た。
そしたら例の如く・・・
『駄目です』
『うわ・・またまた即答だ・・』
『堕ちるのは私一人です』
『え?何で?』
あんたが堕ちるなら俺も堕ちるでしょ?主に殺してるのは俺だしね。
確実に地獄に堕ちるセンス抜群だ。おっかしいなあ。本当に何でだ?
『あなたは私の中身を見ながら生き続けるんです。ずっとです。私を忘れたら許しませんよ。』
『・・あんたの中身見ながらずっとかあ・・』
それも悪くないね。それより・・へえ俺に忘れないでいて欲しいのか。
結構可愛い所あるね。微妙なリアクションされそうだから言わないけどさ。
ん?ずっと?ずっとって・・ああそうか・・一人で堕ちるってそういう意味か。                      
580cubic lover 15:2006/10/19(木) 22:14:06 ID:sjCIg5/G
『・・・ずっと生き続けるって・・やっぱり俺は化け物って事?酷いなあ』
俺の問いかけの何がいけなかったのかアイは顔を顰めた。これは予想外。

『・・・そういう意味ではありません』
『ええ?じゃあ・・どういう意味?』
アイは呆れた様な顔で俺の頭を持ち上げ自分の膝を抜くと溜息をついてソファから立ち上がった。
ちぇっ。もう終わりか・・・しばらくこのままでいたかったのに。
アイが自分の服を拾いながらこっちを向いて一言。

『あなたは観察眼に長けているのに、時々お察しが悪いので困ります』

ええ?怒った?あっれ・・急に不機嫌だ。わかんないなあ・・女は。
何人解体しても本当に女の事はわからない。そういやヒステリーの語源は子宮だって。
いや、そんな事は今、関係ないけどさ。
『お茶を入れるので失礼します』
服を着て一通り身なりを整えると、アイはキッチンの方へ向かった。                         
581cubic lover 16:2006/10/19(木) 22:14:56 ID:sjCIg5/G
・・・なんだよ。さっきは笑ってたのになあ。時々あるんだよな・・こういう事。
一体何が言いたかったんだろう?ずっと生き続けるか・・・
人間だったとしても正体見つかったところで、今更血縁とかめんどくさいよ。
どうせ馴染まないだろうし。あんたと過ごした時間の方が何倍もリアルだ。
ぶっちゃけ犯罪者だし。これまでの記憶が無いからこの世に特別思い入れも無い。

・・・・・・それに

――もう一人は嫌だ――
あれ・・今の何だ?また誰か紛れ込んだかな。
なにしろ色々成り代わってるしなあ。うん・・気のせい気のせい。
もうこの事考えるのよそう。どうせ明日になりゃ忘れそうだ。
ああ・・なんか甘い匂いしてきた。アイがなんか作ったのかな。
用意されていた服を着るとテーブルの方に向かった。

『アイ、服着たよ』
『座ってください・・お茶を入れますから』
何気なく話しかけたら、いつも通りのアイだ。もう怒ってはないらしい。
出てきたのは俺の好きな苺ゼリー。毒々しいほど真っ赤なやつ。
しかも形はご丁寧に立方体。――いい趣味だね。果肉の粒々が妙にリアル。
一口食べたら、紅茶を運んできたアイが耳元で囁いた。                                
582cubic lover 17:2006/10/19(木) 22:17:28 ID:sjCIg5/G
『・・・先程のお話ですが・・・よろしいですよ・・・一緒に行きましょう』
『・・ああ・・うん』

『・・・・あなたは一人だと始末に負えませんから』
あれ?なんの話だっけ?ああ・・そうかさっきの。へえOKか・・マジで?嬉しいね。
どんな顔してそんな事言うんだろうと、向かいの席に座った顔を覗き込めば
やっぱり無表情だ。まあいいや。今日はヤってる時、色んな顔見れたし、
笑った顔と怒った顔が引き出せたから収穫あったかな。

小出しにしか見せてくれない感情をパズルみたいにかき集めるのは嫌いじゃない。
それでも端から崩れて行くんだろうけど。出来る限り網膜に、細胞に焼き付けていく。
いつかきっとその冷静な顔を崩して感情を剥き出しにさせた後、
その中身も隅々まで暴いてやりたい。おっと・・今はこんな血生臭い事
考えるのはよそうか。なんだか気分もいいしね。真っ赤なゼリーがちらっと視界に入った。
【cube】―立方体。不動・固執の象徴。

目の前ではアイが静かにティーカップを口に運ぶ。
『・・・・・っ』
なんか様子が変。はは・・・・意外だ。猫舌?だけどやっぱり無表情。
面白くてずっと観察してみる。少し俯くと長い睫毛が伏せる。
奥底にどこまでも何か潜んでそうな深い瞳が好きだ。

明日は何して遊ぼうか。                 


おまけ
ttp://up.spawn.jp/file/up45472.jpg                              
583565:2006/10/19(木) 22:20:34 ID:sjCIg5/G
以上で投下完了です。
いやあ・・長くてすまない・・
出だしから悪趣味なプロポーズですまない。
でもネウヤコの次に好きな二人だ。
584名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 22:21:51 ID:uLWH3UHU
>>566に百億の乙と千億のGJを
萌えすぎて鼻血で窒息しそうだ
アイさんは素敵だしサイは妙に可愛いしですげえツボ

四角いイチゴゼリー悪趣味だなw
585名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 22:35:11 ID:uLWH3UHU
感想に追加
ボニーとクライドって確かにこの二人にぴったりかも、強盗殺人犯だし、互いの立ち位置も似てなくもない
でもこの二人って確か警官に射殺されるんだよな……
586名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 22:37:29 ID:zPKSiRoG
おおお、長かったけどすらすら読めたぞ!GJ!!
いいなぁ、サイアイ!悪趣味なプロポーズ、いいじゃないか!
自分の彼女(=アイさん)をネウロの彼女(=弥子)と比較して勝ち誇るサイ可愛いよサイ
ダーツの絵が可愛くて好きだ。

あと、ちょっといいにくいんだが、おまいさん「漸く」をいつも「要約」って変換する癖ないか?
587565:2006/10/19(木) 22:43:13 ID:sjCIg5/G
>>586
すまねえ・・素で間違えてたよww変換して最初に出てくるからつい・・
ひらがなにすりゃよかったな。

今度から吾代を小卒って馬鹿にするのやめますorz
588名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 23:10:52 ID:P8lC3EiJ
>>562
私は一向に構わない!
ただ、携帯なので出来ればHTMLにして頂けるとありがたい
どちらにしても楽しにしてます!!

>>563
GJ!!!吾代がかわいそうでワロタw
>>566
文全体のスピード感、それと微妙な儚さがたまらんですGJ!!!

神有月万歳っ!!!エーロ.ゴシカァン!!
589名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 00:57:27 ID:NqPry4UJ
>>523>>551に萌えまくって書いてみた。
ヤコ×吾代で長めに失礼します。
590ヤコ吾 @:2006/10/20(金) 00:58:43 ID:NqPry4UJ
 世間一般の人々は惰眠を貪っているはずの休日の昼下がり。スカイブルーの空を見
つめながら、吾代忍は口汚く毒づいていた。
「チクショーなんで俺が休日出勤なんだよ女抱きに行く暇もねーよクソが」
 めっきり会う暇がなく、拗ねていた弥子を思い出す。
 店屋物であわただしく昼食をすませると、少しだけ安寧が満ちた。空腹が落ち着くと
心も落ち着くという単純なつくりの吾代である。
 盆と食器を廊下に置きに行こうとあてがわれている部屋を出れば、人っ子一人いない
事務所が広がっている。またしても自分の不遇が思い出されて、怒りが沸き始める。
 社員たちのデスクはお世辞にも整然としているとは言いがたい。カップ麺の空き容器や
タバコの吸殻で溢れた灰皿、お菓子の袋や成人誌まで堂々と積んである。
 ふといたずら心が起きて、ページが開いたままのエロ本を手にとった。女子校生ものだ。
「…弥子?」
 開いたページには、弥子に似た女が恥ずかしそうに身をよじっているショットがあった。
 いいエロ本だな、ちょっと借りるぞ。
 期待に胸と、ある一部分を膨らませて、吾代は副社長室にいそいそ戻っていった。
591ヤコ吾 A:2006/10/20(金) 01:00:26 ID:NqPry4UJ
 数十分後、弥子似の少女でしこたま抜いた吾代がぼんやり座っていると、すぐ近くで
物音がした。
「ご…吾代さん……」
「うおわぁあっ」
「…こんにちは…」
 当の弥子がソファの影から出てきた。吾代は思わず立ち上がる。
 頭の中は大混乱だ。
 席を外したのなんてほんの数分、戻ってきてからも確かに誰もいなかった。だからこそ
安心して一発抜いたっていうのに。
「い、いつからいた?」
 裏返りそうな声を必死で取り繕って尋ねると、弥子は申し訳なさそうに、
「職場に対する愚痴をいいながら天丼をがっついてる頃から…かなぁ」とのたまった。
「ほぼ始めからじゃねーか!!出て来いよ何観察してんだよ!」
「なんか出るタイミングを逃しちゃって。ごめんね……」
 どうやって侵入してどこで隠れていたかなんてどうでもいい。問題は抜いているところを
見られたということだ。それもおかずに使った張本人に。
「見たな」
「見た…けど………あ、でも、男の人だからきっと普通のことだよ! 気にしないで!」
 必死にフォローしている弥子を見て、吾代は舌を噛み切りたくなった。
 死にたい。
 真っ白に燃えつきて佇む吾代に、弥子は歩み寄る。
 だらりと垂らしたままの両手を掴んで、ぺろりと舐めた。
「うわっ、汚ねー!」
「汚くないよっ」
 拭いたとはいえ精液が付着しているのだ。
 吾代が面食らっているのをいいことに、弥子はなおも舐め続ける。
 控えめに指先をなぞっていた舌は、抵抗されないと知るとそのままぱくりと咥え込んだ。
「お……おい」
 急に暖かな口内に含まれて、吾代はひどく驚く。
 狼狽する吾代を上目遣いに見やって、いたずらっぽい笑みを浮かべる弥子。
 指の腹を舌で柔らかくつつかれ、関節をいとおしげにねっとり嘗めまわされる。
(やべ、変な気分になってきやがった)
 していることは赤子の指吸いと同じでも、シチュエーションが変われば淫靡になる。
 ちゅうちゅう音を立て、吾代の指に吸い付いていた舌が指の股に触れた瞬間、どういう
身体の反応か吾代のその部分は屹立してしまっていた。
「やめろって、アホ」
 照れ隠しに乱暴に指を引き抜く。
 たった今までなぶられていたそこは、唾液でぬらりと鈍く光った。
「……意外にいけるよ」
「はぁ?」
「吾代さんのアレ。おいしい!」
 満面に笑みを浮かべて、弥子は満足げだ。
 純粋な食への探究心からの行動なのだろうか、それとも誘っているのだろうか。
 迷っている間にも、剛直は一向に収まらない。
592ヤコ吾 B:2006/10/20(金) 01:01:31 ID:NqPry4UJ
「吾代さーん、おすわり」
 向かい合って手を握られ、下方向へ引っ張られた。なすすべもなく吾代が椅子に腰掛
けると、弥子はいそいそ膝の上に乗って来た。
「なんか久しぶりだね」
 照れ笑いしながら唇を押しつけて来た。深く重ねたあと小さな音を立て、頬や額に何度
も口づける。
「くすぐってーよ」
「えー?」
 吾代の首に手を回し、弥子はくすくす笑ってキスをやめようとしない。
「しばらくぶりだから、いっぱいするの」
 していることは甘ったるくても、柔らかな尻の感触が直に伝わって来て、吾代は気もそぞろ
だった。
 ちゅっ、と派手な音を立てたあと、弥子は膝から滑り落ちる。
 そのまま吾代の開いた脚の間に座り込んだ。がちゃがちゃとジッパーに手をかけてきて、
「オイ、何やってんだ」
「えっ? ダメ?」
「ダメじゃねぇけどよー……」
 言いよどむ吾代。笑いながら小首をかしげた弥子は、下着の上から勃起を咥え込む。
「うあっ」
「ダメ?」
 布一枚隔てて与えられる刺激がもどかしい。先走りが洩れるのが自分でも解った。
 もうどうにでもなれ。投げやりになって許可を与えると、少女は心底嬉しそうに吾代の
トランクスをずり下げた。
593ヤコ吾 C:2006/10/20(金) 01:02:27 ID:NqPry4UJ
「んっ、……んむ」
 女子校生が跪いて、モノをしゃぶってくれている。いいのかこのシチュエーションは。
 鈴口を舌で軽くタッチし、まず先端を口に含む。流れる唾液を潤滑油にして、竿を
上下に扱く。
「ごあいさんきもひいい?」
 舐め咥えたまま不明瞭な発音で尋ねられ、鷹揚に頷いた。
「なかなか上手い」
 急に根元まで口腔内におさめられて、吾代は息を詰めた。
 性器全体が生暖かく湿った粘膜に包まれている感触。どうしようもなく反応してしまう。
 そのまま口をすぼめて出し入れをする。おそるおそると言った感が吾代の心に火をつけた。
「もっと吸え」
「んーっ」
 弥子が言われたとおりにすると、吾代のペニスには締め付けが与えられる。
 がちがちに硬くなった肉棒を濡れた唇が飲み込んでいる光景はかなりいい眺めだが、
やはりフィニッシュは口では物足りない。
「おい、もうやめろ。挿れるぞ」
「えー? 吾代さんの飲みたいのになぁ」
 不満げに弥子は性器から口を離そうとする。
 というのは見せかけで、じゅるるっと音を立てて尿道に口をつけて啜った。
「うっ」
 先走りを吸引されているだけなのに、射精しているかのような錯覚を覚える。
 出さないように我慢している吾代を面白そうに見上げ、なおも弥子は口全体で締め付け
つつ先端をすすり上げた。
 射精を促すその行為は功を奏して、吾代はあっけなく放出してしまった。
 先端の割れ目から溢れる青臭い液体を、少女は嬉しそうに味わう。喉の奥に射出すると
すこし苦しそうな顔をした。
 あらかた出し終えて一息ついた吾代が弥子を見やると、先を口に含んで茎を扱いていた。
「おまえなぁ……」
「んんー!」
 大方、残ってる精液も飲もうとしているのだろう。にじみ出てくるわずかなそれを、幸せそうに
舌の上で転がして名残惜しそうに嚥下する。
「もう出ねーぞ」
「やだっ」
 しばらくそうして弄くっていたが、諦めたようだ。再び膝の上に載ってくる様は猫を思わせる。
594ヤコ吾 D:2006/10/20(金) 01:03:23 ID:NqPry4UJ
「じゃあエッチしよ!」
「おまっ……何さっきからサカってんだ!? こちとら仕事で疲れててそんな体力ねぇんだよ!」
「へー。一人でする体力はあっても、私とエッチする分はないんだ?」
 じっとり湿った目でそう呟いた。痛いところを突かれて吾代は言葉に詰まる。
 言い返さない吾代に気を良くした弥子は、
「でも安心して! 男の人は疲れると逆にエッチしたくなってたまらなくなるんだってよ!」
「だから何だァァァ!! じゃあお望みどおりやってやるよこのヤロー!!」
「やったーっ」
 やけくそで怒鳴ると、弥子は嬉しげに首に腕を回して抱きついてきた。シャツのボタンを外し
今度は鎖骨に吸い付き、キスマークをつけた。
(こいつもやりたいみてぇだし、ちょっとぐらい強引でもいいだろ)
 勝手な解釈をして、スカートに手を潜り込ませる。
「んっ」
 ショーツの上から性器を探ると、そこはすでにじっとり湿っていた。
「しゃぶってて興奮したのかよ?」
「ちがぁ……」
 指を数度出し入れしただけの適当な前戯のあと、いつのまにか復活した男根をねじ込んだ。
「や、あ! あっ! あ!」
 狭い肉襞をこじ開ける。
 慣らしていないせいでいつもよりきついが、溢れる愛液は性器同士を滑らかに摩擦させる。
 最奥へと挿入しきって、吾代は満足げに息を吐いた。
「…なんか、いつもよりおっきい?」
 荒い息を抑えながら弥子が訊いてくる。
「まあ久しぶりだしな」
 少し腰を揺すると驚いたように声をあげた。対面座位は動くのがめんどくせーんだよな。心の
中でぼやきつつ、膝の上の少女を翻弄する。
「…あ、! あん…ッ」
 ぐりぐりと男根が押し込まれるたびに、弥子は声をあげる。乱れて鎖骨に噛み付いた。
「……ってーな」
 痛みのせいで凶暴な感情が目覚める。細い体を砕けよとばかりに容赦なく打ち付けた。
「あ、ごめ、ごめんなさ…あっ!吾代さ、あああっ」
 途切れ途切れに謝罪して、噛み付いた場所を舐める弥子。
 涙を浮かべてしがみつく姿がひどく扇情的だ。
「ちょっと抜くぞ」
「ふぁ…っ」
 埋め込んでいたペニスを引き抜くと、少女はちいさく震える。
595ヤコ吾 E:2006/10/20(金) 01:04:34 ID:NqPry4UJ
 デスクの後ろの大きな窓に手をつかせた。履いたままの弥子のスカートは汗や愛液で濡れて
しわくちゃになっている。
 これまた脱がすのを失念していた下着を横へずらして、後ろから再び挿入した。互いの腰の
高さが違って微妙にやりにくい。
「もっとケツ突き出せよ」
「え……」
 腰骨をつかみ、尻を上向けた。これなら動きやすい。
「……っ! 吾代さ、恥ずかしいって…! あ……っぁああ…っ」
 身体の前面が窓に当たって冷たいらしい。尖った乳首が擦れている。
 ぐちゅぐちゅと水音が響く。弥子の愛液はスカートを濡らしショーツを汚し、吾代の性器までも
ぬらぬらと溢れてくる。
「すげーな、洩らしてるみてぇ」
「…や、だ…ぁ…!」
 繋がったまま見上げると、大きな窓からは青空が見える。そういえば今は休日の昼下がり、
外を誰が歩いていてもおかしくないんだった。
「弥子、下見てみ」
 言われるままに見下ろした弥子は声をなくす。人通りは決して多くはない。しかし、全くいない
わけではない。
「あいつらがちょっと上見たらよ、ヤってんの見られるぞ」
「いやぁ、やぁっ」
 つめたい窓に頬と胸を押し付け、弥子は吾代の抽送を受け入れる。
 押し込んで、引き抜く。抜くときに女陰の襞は出ていかせるまいと絡み付いてくる。
 態度では嫌がっているが、その実、弥子は悦んでいることを吾代は解っていた。
「弥子……っ」
 腕をとる。ぐいっと手を引き、首筋に唇を寄せる。そろそろ限界が近い。
 狭いその部分を押し広げる男根に、ときおり咳き込みながら少女は喘ぐ。
「ご…だいさ……っ」
「ぁ? あンだよ」
「…むね…さわってっ」
 つかんでいた手首はまとめて左手で持ち、右手で弥子の乳房をまさぐる。
 が、手のひらを上下させてもあばら骨にしかあたらない。
(もともと乳ねぇのに、のけ反ってるからますますなくなってんだな)
 苦笑しながら吾代は、小さく張り詰める突起を探り当てた。
「…ひぅ……っ!」
 急に締め付けがきつくなる。
 せまい膣に無理やりのように性器を押し込むと、背筋に火花が走った。
 ぴっちりつながっている部分に指を這わせ、ちいさく起ちあがる陰核を軽く挟む。
「きゃああ……っ! や、だぁあ、見られちゃ、う……見られちゃうよぉ、やあぁあああッ」
 叫ぶ少女の子宮の、奥の奥まで突き入れて、吾代は白濁を流し込んだ。
596ヤコ吾 F:2006/10/20(金) 01:10:03 ID:NqPry4UJ
「おま、もう、ほんと…やめろって。いや、やめてください」
 椅子に腰掛けている吾代の開いた脚の間に、弥子は跪いている。
「やだ! だってさっき飲ませてくれなかったじゃん、吾代さんのばか」
 その口元には吾代のペニスが咥えられている。
「まだ出ないかなー」
 さっきまで自分の中に入っていたことを解っているのか忘れているのか、平気で熱心に舐め
しゃぶる姿を見て、吾代は、底知れない恐怖を抱いた。
 弥子に精液の味を気に入られたのは、吾代忍最大の不幸であることは疑いようもない。
(赤玉って……マジで出るのかな…)
 遠い目をして快楽にたゆたいつつ、不幸な男は精気の抜けた乾いた笑いを洩らした。
 その顔には死相が出ていたという。

  (おわり)

投下完了。
やっぱり吾代は不憫じゃなきゃ物足りないな。弥子以上の不幸キャラが板についている。
597名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 01:36:17 ID:v49AwRLC
GJ!!!
フェラネタ発展でさらにエロいよ。
MUSASHIネタちょっとワロタw
598名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 01:53:44 ID:bAdVEBbI
誰だよ、神召喚呪文をバレスレで唱えたヤツwwww
599名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 02:00:04 ID:dPXu/xsg
ほんとだwwwwなにしてんだよwwwww
600名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 02:01:14 ID:8c3ba/G9
まったくだ。こっちの住人にはバレバレだぞ。戻って来いw
601名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 02:26:49 ID:gt00jje9
吾ヤコ激しくGJGJGJ---!!!!
誰よりも不憫なごだいカワイソスww
602名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 02:30:41 ID:Bo71aAkf
ちょ…誰だよ若干笑えねーだろ(;´Д`)


エーロ・ゴシカァァン(の単語)を読めるのは魔人探偵n(ry)だけ!
603名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 02:59:03 ID:mmS86YhW
とりあえず、スルーする姿勢のバレスレ住人の優しさにGJ!!
住み分けはキチンとせないかんよ。
604The Gift 1:2006/10/20(金) 03:56:03 ID:pP1M+4+l

吾代、がんばれ吾代!
空気読まずにネウヤコでエロ分少なめの真珠プレイ投下。


The Gift


 びくり、身体が跳ねて、爪先が反った。
 思わず目の前の青いスーツにすがりついたが、けして本意ではなかった。
何かにつかまらないと、脚が攣ってしまいそうだったから。
 緑の瞳が一瞬嬉しそうな色に輝いたのは気のせいだと思いたい。
……勘違いするな、あんたに屈したわけじゃないんだからね。
「ヤコ、ヤコ」
 うるさい。終わったんなら早く出てってよ、重いし。こんなときにどうでもいいことで
声をかけるな、惨めさが増すだけじゃないの。
「貴様、何か欲しいものはないか?」
「……はい?」
 意外な質問に、思わず問い返してしまう。
「今なら一つ、貴様の望むものをやるぞ」
 目の前にははしゃぐような、ご機嫌笑顔のネウロ。
 ……明日は吹雪か、天変地異の前触れか。
 あるいは、温泉の時みたいに優しくして貸しを作る気か。うん、多分それだ。
「さあ言え、何が望みだ?」
「わかんない」
「――貴様のことだ、食物を要求するかと思ったぞ。食べたいものがありすぎて
決められないオチではあるまいな」
 ネウロから食べ物をもらうって、なんかやだ。ペットと飼い主みたいじゃないか。
何入れられるかわかったもんじゃないし。
「そうだな、たとえば、人間の女は宝石を欲しがるものではないのか?」
 いつの間にか黒手袋には真珠のネックレスが握られていた。
大ぶりで、素人目にも照りが良い珠。これも蓄財の一環だろうか。
「あんたも好きだよね……、ダイヤとか」
 光物が好きって、烏みたいだ。
「いらないよ」
 こぼれた言葉に、ネウロが不思議そうに首を傾げた。
ますます鳥っぽいなぁと思って笑うと、べしりと額を叩かれた。
「何がおかしい」
「あんたからは何ももらいたくない」
 真珠の首飾りも、金の指輪も、ネウロから与えられる限りは首輪となり、枷となる。
 確かに私は馬鹿だろうけど、それくらいはわかるのに。
605The Gift 2:2006/10/20(金) 03:56:35 ID:pP1M+4+l
「ヤコ」
 繋がったままだった腰を突き上げられて、じわりと熱が生まれた。
「はぅ……、ちょっ、なに」
「なにではない。貴様には我が輩から与えられる義務がある。
だが、拒む権利を与えた覚えはない」
 頭のいいやつの理屈なんかわかりたくもない。苛立ったならそれでも構わない、
だって本当なんだもの。
 ぶちりと音をたててネウロがネックレスを引きちぎった。手袋の指の間をすり抜けて、
ばらばら音を立てながら、火照った肌、つけられた痕の上にも降り注ぐ真珠。
顔にも当たってちょっと痛いけど、なんだかお星様が降ってるみたいで嫌な気分じゃない。
もったいない、とは思うけど。
「……ならば、貴様も我が輩に贈り物をしてみろ」
「はぁ?……謎もダイヤも用意できないよ?」
「かまわん。貴様の一番大切なものを寄越せ」
「ご冗談」
 そんな、ちょっとがっかりしたような顔をされても困る。ノリツッコミでも期待
していたのだろうか、まさか。
 ……でも、わたしの一番大切なものってなんだろう?
「ヤコ」
 ネウロが名を呼んだ。同時に緩く動かれて、身体の内奥にまで声が響くような感覚に
めまいがしそうになった。
 発情してるときに綺麗なのも鳥のオスっぽいな、そう思って身体の力を抜く。
「あんたも一番大切なものをくれるっていうんなら、考えてもいいよ」
 革に包まれた指先が、散らばった真珠を一粒つまんで唇に押し込んできた。
「我が輩と、我が輩が与えるものを拒むな」
 ワラジムシに執着するふりをするなら、いっそのこと愛してみろ。
 真珠を吐き出し、男を見上げる。
 どうせなら、自分を見下ろす男の瞳と同じ色をした孔雀石の方が好みかもしれない、
そう思って目を閉じた。
606名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 03:57:49 ID:pP1M+4+l
おしまい。

真珠で違うの想像した人、もしいたらごめん。
一応お互い好きあってるのに、全然通じ合ってないつもりで書いた。

ここはバリエーションも豊富だし、本当にいいところだ。
>562、待ってるぜ、というわけでこれが正しい使用法だ、エーロ・ゴシカァン!!
607562:2006/10/20(金) 05:19:45 ID:jjhj97ZI
擦れ違ってたり蓄財してたりネウロが何気にめろめろ甘々だったりで萌へた(*´Д`)
やっぱり擦れ違いは良いな、切なさがほんのりと



軽量版作ってたら時間食ったorz
一応>153の続き、全十二話。改行少なくて見づらいかも
PC→ ttp://illnessxxx.fc2web.com/txt/ne05-2.html
携帯→ ttp://illnessxxx.fc2web.com/txt/ine05-2.html
608名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 06:26:09 ID:JkyTwE9x
>>562
泣いた。最近のお涙頂戴な下手なドラマや映画では流せない涙だった。
本当にありがとう。人間ネウロの感情描写が凄まじくネ申だ。
読み終えて、ミ/ス/チ/ルの掌(てのひ/ら)が浮かんだ。
609 ◆ChdC8VZqyE :2006/10/20(金) 09:54:22 ID:ioCxqLY0
作品投下神乙かれさまです。

別サイト・うp場所等にうpしている文章も保管庫に保管していいものなのでしょうか。
以前保存しそこねて悔しい思いをしたので…
保管庫行きにしたくない方が居たら言ってくださいねー
或いは直接メルよろ
[email protected]

>>566
正しく「要約」と使っている箇所はあったでしょうか。
全文に渡り「要約→漸く」と置換したので。
こちらも、最後のイラストは保存してうpしてもいいですか?
610名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 10:51:13 ID:6SJGuk/u
>>606
>ワラジムシに執着するふりをするなら、いっそのこと愛してみろ。
この一文にガツンとやられた。
あともちろん真珠はアレと勘違いしましたが何か?w

>>562
前に魔法少女ものっぽいふいんき(ryとか言ったのは俺だw
続きを投下してくれてうれしいぜ。
ネウロの内面にうずまく感情がせつないな…。
藻前はやはりとんでもない作家だと改めて認識した。

>>609
保管庫管理人さんいつも乙です!
611名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 17:14:13 ID:0IjjNo9P
>>609
管理人さん乙です。誤字の置換ありがとう。566です。
〜を要約する。みたいな文章は書いた記憶が無いので
全部変換でOKです。マヌケですいません。
それじゃあ一応、絵の方もお願いします。

吾ヤコ、エロくて最高です。魔人ヤコもネウロが切なくていい!
ここは神が多くて幸せ。エーロ・ゴシカアン!
612名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 17:21:31 ID:0IjjNo9P
連続ですまん。
>>606
自分もワラジムシに執着する〜のくだりでガツンと来た。
噛み合ってない愛情がいいです。あと当然、真珠はね・・・
613名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 19:42:23 ID:+Im3Hsry
吾ヤコもサイアイもネウヤコもGJです!最高です!!

すみませんが保管庫の場所教えていただけませんか?間違って消えてしまったもので…
614名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 20:13:15 ID:Gc3+YDyN
615名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 20:32:31 ID:+Im3Hsry
614すみませんありがとうございます!
全然気付いてませんでした!
616名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 21:15:47 ID:xH1KdDi4
>>557です…
遅くなりましたが、書いてくださったネ申……!!
ありがとうございました!!!!

いや、ほんとにこのスレのクオリティには
驚かされるばかりです……
どうしてこんなにネ申ばかり……!!!!!
617名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:19:18 ID:7mlZms07
>>607
ヤコは可愛いしネウロは切ないし…。本当、言葉にならない位GJ!!!
そしてわがままを聞いてくれた上、軽量版まで作ってありがとう!!

ネ申達への感謝を込め、エーロ.ゴシカァン!
618名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:29:14 ID:jjhj97ZI
>609
保管に関しては裁量を完全にお任せいたします
量が多いので面倒なら直リンクしたって下さい 消す予定はないので

とにかくエーロ・ゴシカァン!
幼児化ネウロを弥子で育ててみ隊
619名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:46:19 ID:UW6zJp0M
エーロ・ゴシカァン!
620名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:47:12 ID:4No2GXnB
>>606
切ないの好きだ…GJ!!!!
でも誰か…。「真珠」って何?
あと携帯から見てるんだけど、まとめサイトの長い話は途中で切れるんですが…自分だけ?orz
621名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:52:37 ID:kanZrE7J
>>620
携帯は機種によって途中で切れる
訊かなくてもそれぐらいは気付くだろ
622名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:58:11 ID:4No2GXnB
>>621
そうかありがとうゴメンな
623名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 00:03:41 ID:qmhwkpzm
>>607
。゚(゚´Д`゚)゜。
止め処なく溢れるこの感情と液体は何なのだ!?
あぁ神よありがとう!エーロ・ゴシカァン!!!
624名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 00:52:14 ID:aZdGUbc0
エーロ・ゴシカァぁン!!!
625名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 03:06:45 ID:KP2FGNim
>623
どう見ても精子です、本当にありがとうございました
626名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 09:09:45 ID:i/qMAbg4
>>625
どう見てもVIPPERです。本当にあり(ry
627名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 15:47:10 ID:TpE7/B/k
>>625 その台詞、本スレかバレスレのひぐちワクチン話題の時も見た。まーアレは本当に(ry …なんか次回本誌が大変な事になりそうだから、その前に和んでおく。
628名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 16:57:18 ID:b6dEPlXz
元ネタこれだお

どう見ても精子のガイドライン 8
http://ex13.2ch.net/test/read.cgi/gline/1148338551/l50
629名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 18:22:45 ID:JnKSbYyz
>>618
もしかして>>537-538書いた方?
だとしたらそんな感じのを読んでみたいです。待ってます!

原作も盛り上がってきたしこのスレも神々が多く降臨されるしですげえな。
エーロ・ゴシカァン!
630名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 20:51:25 ID:YAwq1BsK
>>562
うああ!泣いてしまった泣いてしまった!!
そして何気にポチリとお気に入りに入れてしまった自分が居た!!
631名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 21:47:44 ID:rwDKGFNa
室井さんが筑紫さんにしか見えないよう。

632名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 23:40:49 ID:TpE7/B/k
>>628
元ネタd。2ちゃんはまだまだ探索中なんだ。
筑紫な室井氏も確認したかったが仕事の都合でそうも言ってられねぇorz 冤罪筑紫ネタでエロパロって難しいだろうな。
633名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:00:24 ID:/ObxgMQH
>632
エリート教師×学食のおばちゃん、というカップリングよりはまだいけるんじゃなかろうか。
いや、私は書けないが。
634名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:03:52 ID:aylR86ah
>>633
ごめん俺それここに出そうとして挫折したことあるわ
……平野さんは結構イイ体してると思うんだ、うん
635名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:05:55 ID:Tvr20p4D
>>634
うpマダー?
636名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:11:13 ID:/ObxgMQH
>634
ちょww読みたい、それ!
エーロ・ゴシカァン!!
637名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:11:44 ID:/ObxgMQH
あ、ごめんなさい、あげちゃった
638名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:11:49 ID:q5jt/pTr
おしっ時代は平野さん!バッチコーイ
639名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:15:10 ID:C2pRZ+pi
なんでもいけるこのスレの住人の嗜好の広さにこそ感心した
エーロ・ゴシカァン!!
640名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:16:09 ID:WB6qf4lI
平野さんはいい身体してるよなw読みてえww

自分はHALの目の前でオナーニする江崎さん書こうとして
撃沈したことがあるなあ。みんなの挫折ネタがちょっと知りたい。
641名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:20:38 ID:q5jt/pTr
じゃあちょこっと
思春期ヒグチを書こうとして居た堪れなくなってやめた

>>640
俺は読みたい
642名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:37:04 ID:+7nrQRnM
ヒグチの弥子監禁陵辱ネタ書こうとして、挫折。
643名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:44:13 ID:aylR86ah
待てお前らw

昔ヒグチはピザオタだったんじゃないかと妄想して
いろいろ書こうとしたこともある、今は反省している
644名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:47:24 ID:/ObxgMQH
ネウ叶書こうとして挫折中 ノシ
645名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:57:14 ID:Tvr20p4D
未完は数知れず
646名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 00:58:05 ID:Tvr20p4D
二度目ごめん。
書き終わらなくて保存しっぱなしのもの数点。
最近だと>>551ネタ…
647名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 01:05:57 ID:WB6qf4lI
よし・・ここらでエーーーーロ・ゴッシクワアアン!!
648名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 01:10:09 ID:NuXDXOoV
シロタとあかねちゃん書こうとして挫折した。
出会いのきっかけがどうしても思いつかなくてな。
本気で二日考えたんだがな・・・・・orz




649名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 01:32:07 ID:+7nrQRnM
原作で接触の機会がないキャラ同士は困るよな。
650名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 09:48:10 ID:XI0LDn/r
朝っぱらからそっと投下。>537-538の続き、ちびネウヤコ。
罅割れの真実が出る前に滑り込みでバカやってみた。
651名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 09:48:45 ID:XI0LDn/r
「ヤコ、ごはん」

 きゅるん、と見上げる視線。
 私は見下ろす。
 事務所の机にも背が届かない様子の、ネウロを。

 省エネの為に縮んだ身体は目覚めると、頭の中まで縮んでいた。どうにか事務所に戻って
起きるまで待ってあげてたけど、それが悪かったのか、刷り込みされたらしいネウロはカルガモの
子供みたいに私に付いて来る。学校にも行けなくて事務所に閉じ篭りっぱなしなだけでも気が
滅入るのに、更に食事まで求められた日には――食事?
 主食は謎、どうしろって言うのよ、ちょっと。子供に戻ってるなら、サーバーに詰め込んである
コニャンやらカネダハジメ少年から適当に見せれば良いのかしら。私は所長机のパソコンを
起動させて、サーバーに接続する。と、膝の上にネウロがちょこんと乗り掛かってくる。

「ネウロ? ご飯はちょっと待ってね、えーと、『十五番目の目撃者』辺りで良いかな…」
「ヤコー」
「はいはい待ってね。あ、九津川警部とかの実写が良い?
 それとも香港半漁人伝説殺人事件とか漫画実写系」
「ごはん」

 んちゅ。
 んちゅ?
 んちゅー。

 小さなネウロの口唇をぎゅーっと押し当てられて、マウスをいじっていた手が思わず止まる。
 いつもみたいに異様に巧みなキスじゃなく、それは吸い付くような幼いものだった。ネウロは行儀良く
目を閉じて、私の口に吸い付いている。ちるちるちるちる、ちょ、なにこの貼り付きっぷりは。
離れないんだけど、って言うか、息がどんどん吸い込まれる! ちょっと、ちょっと!
 肩を掴んでぷはぁッと引き剥がすと、ネウロは泣きそうな様子で私を見上げる。見られた私も
酸欠で泣きそうだ、ぜーぜー息を整えながらたまに咳き込むと、ひっく、ネウロがしゃくり上げる。
652名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 09:49:19 ID:XI0LDn/r

「ごは、ごはん……」
「いやいやあたしは口から謎とか出せないから!」
「ヤコ、ごはぁあん……」
「だからちょっと待ちなさい、ってば!」

 そう言えば鳥って言うのは、親が半分消化した食べ物を雛に食べさせるんだったっけ。
それのイメージで吸い付いてきたんだとしたら、ちょっと可哀想だけど、残念ながら私は
哺乳類なわけで。とむとむ、胸に抱っこして頭を撫でながら私は溜息を吐く。ただでさえ
ちみちみしたネウロには慣れないってのに、この上さらに泣かれたら弱るに決まってる。
 大体一人っ子な女子高生に子育て経験なんてあるはずないじゃないのよ。なんだって
私こんなことしてるんだろ……下山する頃には戻ってるって言ってたくせに、どころか頭の
中まで退化しちゃってるじゃないのよさ。
 さすがにこのまま、育ち直し……なんてことにはならないでしょうねぇ。うー、この魔界生物の
ことはよくわかんないから、流石に不安が重い。お腹も空くし。あとで吾代さんに何か持って
来てもらわないと、飢え死にするのは確実だ。外に出すのはなんとなく避けたいし。

「んちゅ」

 とにかく今はネウロのご飯が先決か。雑多なフォルダの中から探すのはミステリ、なんだけど、
訳のわからないフォントで魔界ナイズドされてるPCからの探し物には手間が掛かって仕方が無い。
一体何事なのよこのフォルダ達は。って言うかグロ画像フォルダをサムネ表示すんな。いやエロ画像も
すんな。って言うかエログロ総合かよ!! 未知の拡張子も大量だし、なんだってこんなことに
なっちゃってるのよ!!

「んちゅぅ、ちゅ……」

 こんなんだったら普段からネウロのPCのチェック小まめにしとくべきだった、大人しく情報収集
端末にしてるもんだと思ってたのにこんな駄目カスタマイズしちゃってるなんて想定の範囲外も
良いところじゃない。あーもう、こんなことに能力使っちゃうから肝心なときに充電切れになったり、
こんなちっちゃくなっちゃったりするんじゃない! って何このハメ撮りフォルダ!? そしてアイコラ!?
あいつってばかなり高度に駄目な魔界生物!?
653名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 09:49:55 ID:XI0LDn/r

「んふ、っちゅ」
「ネウロあんた何勝手に人の写真ッ」

 んちゅぅ。
 ちゅるる。
 ちゅくちゅくく。

「って何勝手に人の胸吸ってるの!? あ、しかも服勝手に溶かして穴まで!!
 外に行けないどころか人も呼べないでしょ、っぁ」
「んむ、哺乳類は乳から養分を放出するはずだから……」
「妊娠も出産もまだの女子高生に無茶言うなー!!」
「そうか、ならば両方させれば良いのだな?」
「え?」

 にこにこと見上げてきたネウロが、私の膝の上で瞬時に元の大きさに戻る。
 圧し掛かられた半裸の私は、ヒクリと口元を引き攣らせた。



「さて、我が輩を育ててくれヤコv」
「もう十分育ってるじゃないのよッ!!」
「いやいやまだまだ乳離れには遠くてな」
「判ってるならしろー!! っあ、んふぅ!!」

終:なんか酔ってたんだよきっと。
654名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 09:52:17 ID:q5jt/pTr
バカスwwwwww


>香港半漁人伝説殺人事件

上海魚人伝説殺人事件のことかぁああああああ
655名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 11:03:54 ID:+7nrQRnM
GJ!
ネウロ、PCになに保存してんだよ。
エログロ画像にハメ撮りにアイコラって…。ワロス
656名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 12:25:03 ID:SPRX2pzk
GJ!朝からニヨニヨ萌えたニョ。
またネタ思いついたらシリーズ化してくれ!
657名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 13:04:29 ID:RY4villf
ここってネウヤコが主流なのかな?
四天王中心にヤコ総受け萌えだけど・・・
そろそろ総受けが読みたいな・・・・
658名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 13:22:42 ID:NuXDXOoV
ここの人気
一位 ネウヤコ
二位 笹ヤコ、吾ヤコ
三位 ヒグヤコ、サイヤコ


か??
659名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 13:23:44 ID:9e8CsohM
旅行で数日ここから離れていただけなのに…皆すげえよ…職人さん達に敬礼!
660名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 14:39:39 ID:lE5dBwI4
>>650
ちょwww昼間からワロタ。ネウロおまwww
楽しんだ。激しくGJ−!ww
661名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 14:46:33 ID:NO2nXqLO
>>657
総受けって3P4Pってことか?
複数プレイ好きだから自分も読みたい
662名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 16:39:05 ID:9e8CsohM
裸に黒ニーソで椅子に縛られてる弥子を取り囲んで剃毛プレイする四天王が頭をよぎった。
663名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 17:20:06 ID:aylR86ah
>>658
サイアイも入れてやってくれ
よくて4位か5位ってとこだと思うけどorz

弥子受けつえーな
664名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 17:42:39 ID:8wMjGuq4
何せレギュラー女キャラが少ないもんなぁ…
アカネちゃんが体持ってたらいい感じに二極化しそうだったろうに
665名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 17:46:17 ID:wvjfYpmg
>>662
なんか懐かしいwwww

あの頃に比べて順調に男キャラばっかり増えたからな
警視庁〜いけない取調室〜ネタとかも読みたいな
666名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 18:38:28 ID:64vein8T
>>650
GJ!!!笑ったし萌えたよ

……続きも読んでみたい
などと呟いてみる
667名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 19:43:12 ID:8xn6demt
ちびっこネウロ可愛いwGJ!!!!
668名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 19:44:38 ID:8xn6demt
2月14日――それはキリスト教司祭バレンティヌスが天に召された日。彼は
時のローマ皇帝クラウディウス2世の反対した兵士の結婚を極秘で何度も行い、見つかった。
処刑された彼を人々は愛の聖人と崇め・・・とまあロマンチックな歴史は置いておいて・・・
気の早い話、食い気第一・色気なし。だけど魔性の女、桂木弥子が
今年のバレンタインは誰と過ごすのかという事なのである。

@
『当然、我が輩と過ごすのであろう?ヤコ。チョコレートという物を我が輩は食えんからな。
代わりに貴様に食わせてやろう。なあに、我が輩のモノにたっぷりと塗りたくっておくから、
存分に味わうがよい』
――さあ・・来た。健気な乙女の一大イベントをぶち壊すこの発言。流石としか言いようありません。
流石はマグナム脳噛。己の欲望に忠実だ。街はきらめくパッションフルーツ。緑の瞳が妖しく光った。
A
『・・いいかい?弥子ちゃん。チョコはわざと失敗するんだ・・・ガタガタで下手糞なチョコの上に
ホワイトのペンで申し訳なさそうな文字・・・「おにいちゃんへ」・・・完璧だ』
――徐々に明るみになるアブナい嗜好。それでいいのか笹塚衛士。Can’t stop 31歳。
低テンションの下に隠されたエロの炎。世捨て人の様に死んだ瞳が微かに光った。
B
『なあ桂木、いいだろ?絶対何もしないから!・・ただ俺の目の前でバナナとか棒付アイスとか
食べてくれるだけでいいんだよ。それをデジカメで撮らせてくれるだけでさあ・・・』
――たくましい妄想力。撮った画像は加工する気満々。匪口やっぱりお前、犯罪者だよ。
惚れた女は触れるよりオカズするのが萌え燃える。おでこの眼鏡でデコデコデコリン。
C
『・・そんな大層なモンとかいらねえからよ・・あれだ・・お前の身体にチョコを・・・な・・
なんだコラああ!!・・その変態を見るような目はよおおお!!』
――チンピラ丸出しの卑猥な要望。風俗に影響され過ぎだ。子猫と呼ばれていたのはいつの日か。
迸る柄の悪い股間の暴れ馬。ああ6年の義務教育よ。人相学的に最凶な三白眼がギラついた。

以上、エントリーの方々です。曲者揃い、究極の東西南北。強烈な逆いちご100%!
桂木弥子の鉄壁のスカートの中をカメラに納めるのははたして誰なのか?!
【解説者・筑紫公平】『・・・やはり・・イビル・ジャイアンを持つ彼が有力でしょう・・』

さあ・・お前らも賭けるんだ。                             BGM・G1ファンファーレ
669名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 19:49:42 ID:+9gO7iZB
>>668
GJ!ワロスwwwwwww
つ【大穴狙いでAに一円】
670名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 19:51:49 ID:wvjfYpmg
笹塚自重wwwwwwwww

大穴でDの叶絵さんと友チョコバレンタイン→頂きます、で
671名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 20:14:33 ID:4WT5EG0v
じゃあ俺はさらに大穴狙いで、箱型の真っ赤なチョコレートを笑顔でプレゼントするXIに1円
672名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 20:39:34 ID:DJxcpuVB
>>668
バロスwww
街はきらめくパッションフルーツとかデコデコデコリンとか
歳バレんぞw

>>650
GJ!小ネタが効いてて(・∀・)イイ!!
続きも是非。
673名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 22:55:45 ID:rVDcgiFi
脈絡なくテストネタがうかんだので投下


月曜日の放課後…


少女は様々な教材机に広げ、かれこれ十分頭を抱えていた。
地獄のようなテストをかろうじてやっつけ(られ)たあとの開放感も束の間の夢、第2ラウンドはとっくに始まっていたのだ…

「あーあ…嫌になっちゃうなぁ…なぁんで一回終らせた問題をほじくりかえさなきゃならないんだろ…」
弥子は何度めかのため息と共に紙辞書をひきはじめた。ちなみに電子辞書は既にネウロに分解されゴミ箱の奥に沈められている。
古典のテスト。69点。
なんていうか微妙だ。悪い点ではないが間違いの直し甲斐がちゃんとある点数である。

「ほぅ。ゾウリムシにしてはなかなか良い点をとったではないか。」
頭上から声が降ってきた。
珍しく罵倒じゃないじゃん…弥子がそう思った時、頭上の魔人は何故かそこはかとなく親父のかほり漂う声で言った。
「ヤコよ、その貧相な体で我が輩を誘うとはいい度胸ではないか」
「…え?
さそってなんかないけ…あ――――――――ぁぁッッ!」
「む?…どうしたのだヤコ。遂にニューロンが自己嫌悪で自殺でも図り始めたか?」
弥子は人間に変態している変態の暴言を無視してピンク色のマーカーを取り出して69の上に二本線をひいた。
そして横にかなり大きく70と書いて満足げに言った。
「一点あがるだけでも69と70じゃ嬉しさが違うね!
ね? ネウ…?
どうしたの急にテンション下げて…」

「…この串刺し公め……」


Good bye SIX NINE
Say hello to 70
あかね

おわりです
つまらないもので申し訳ない
674名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 23:04:28 ID:Tn8VvFIt
>673
GJ! 細かい言い回しに笑った。
串刺し公って表現がすげーイイ。
675名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 23:21:10 ID:mOmHu4Dy
>>668
解説者筑紫侯平参戦希望で
676名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 01:27:41 ID:lHvvwBGM
同じこと考えた>筑紫参戦
おいしいところ掻っ攫っていきそうだ
677:2006/10/23(月) 02:04:04 ID:r07DRcBj
ジャンプ買ってきて読んだ。
何だよあの展開は。
てなことで、思いついたものを書き殴ってみた。

違和感というか、緩い疑問は最近ずっとあった。
いたぶるばかりで優しさなど微塵も見せないネウロが、一旦弥子が危機に陥ればすか
さず身をもって助けることなどに。他にも幾つか細かい気遣いをこれまでにも何度か感
じてはいた。
なのに、普段の傍若無人なネウロの言動が弥子の目と心を曇らせていたのだろう。も
しかしたら、それが必要以上に領域内に踏み込ませないネウロの策だったのかも知れ
ない。

その夜は、何もかもを遮断してしまうほどにネウロは執拗に迫ってきた。
ソファーに縫い付けられたように、弥子は逃れることが出来なくなっている。こうなった
ら最後、散々弄ばれて痺れるほどの快感を与えられ、自分でも嫌になるほどの甘った
るい声で鳴き続ける羽目になる。それが分かりきっているというのに、その手に落ちれ
ばいいように操られるだけだ。
「あ、あ…ダメ、ダメだったらあ」
見たいテレビドラマがあるから今日は早く帰りたい。他愛のないそんなことを言っただ
けなのに、一体どこが癇に障ったのか最初からずっと怒ったような顔をしている。そん
な時の心の中はさすがに読めない。
敏感になった内部の粘膜をぬめる肉の棒で傲慢に摺り上げられる度、ぐずぐずとだら
しなく溶けていく意識の端で弥子は必死で正気を繋ごうとする。こんな時のネウロの
本心が一体どこにあるのかを確かめたくて、いつも足掻く。
激しく突き上げられて、ドクドクと壊れそうなほど心臓が跳ね上がった。自分が自分で
なくなりそうな恐怖感から、つい細い声が上がった。
抱き締められる腕の中で身を捩って涙を零す奴隷は、さぞかし滑稽なことだろう。
「あぁ…そんな、にしないでぇっ…」
「何を言う、ヤコ」
悶え狂う哀れな囚われの獲物を見下ろして、あくまでも優位に立つ魔人が静かに薄
く笑う。
「今の姿が貴様の本性だ。全てを解放しきった法悦の何が怖い?」
あと少しで達しそうになって震える唇をわざとらしくぺろりと舐めて、快感を煽る遣り方
が何だか余裕を含んでいて腹が立った。すっかり余裕を失くして、自我すら崩れて、
そんなものが本性な筈がない。
絶対にない。
そのすぐ後に訪れた絶頂は、いつもよりも大きくて少し苦々しいものが残った。

あの夜は突然来る終わりの前兆だったのだろうか。
突然、ネウロが目の前で血を吐いて倒れ伏した。
「…ネウロ?」
一体何が目の前で起こったのか分からない。まるで分からない。これまでネウロは無
敵状態だっただけに、どうしてこうなったのか理解すら出来そうになかった。
ただ、確実なのは全てのものに突然にして終わりが来ることだけだ。
「ネウロ!」



おそまつ。
678名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 02:17:33 ID:nffvV2qZ
最終回はネウロとヤコは別れて終りかな…って予想してみる
679名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 08:41:04 ID:wPPzPUuD
>>677
GJ!!!!11
自分もたった今ジャンプ読んできたとこで、さらにこれを読んで朝っぱらから切なくなった。
魔人死ぬなあああああ

お別れエンドなんてヤダナア…
680名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 09:07:09 ID:TkvEuThM
最終回予想

A 究極の謎を食ってネウロ的ハッピーエンド
B サイを倒して少年誌的エンド
C 弥子とネウロがくっついて(もしくはフラグ立って)ラブコメ的エンド
D ネウロがどこかへ消えて別離エンド
E ネウロが死んで死別エンド
F ネウロが人間になって探偵事務所はこれからも不滅だよ的エンド
G ネウロが作品テーマ的な何かを語りだして説教まとめエンド
H A〜Gのいくつかの複合的なエンド
681名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 09:27:57 ID:ykem4966
 ああ、そうか、そうなんだ、と、理解する。
 治らなかった散弾銃の傷。くっ付かなかった手。時折見せる穏やかな眼差しに
含まれていたのは暖かさ。それはなかったもの、ありえなかったもの。『魔界生物』のネウロに、
ありえなかったもの。

「――――、」

 声が出ない。喉で滞留する。息も声も涙も何もかもが喉に詰まって、窒息しそうだ。
頭に血液も酸素も回らなくて、目が眩んで視界が暗く冷たくなっていく。死体のように。
死体への模倣のように。飛び散った血。喀血。吐血。倒れる身体。音。違う。違う、と、思う。違う。

 『これ』はもう、殆ど魔人じゃなかったのか。
 『これ』はもう、殆ど人間だったのか。
 『これ』は、

 ――――『この人』、は。

「ねぅ。ろ」

 呂律が上手く回らない。喉が詰まってそれどころじゃない。
 お父さんが死んだ時は、玉美屋のフルーツケーキも喉を通らなかった。
 今は、吐息すらも通らない。
 手を伸ばして触れた身体が、暖かい。
 人のように生まれた熱が、死体のように失われていく。
 目が見えない。
 ぐちゃぐちゃに歪んで、何も見えない。


682名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 09:28:32 ID:ykem4966
 ふ、と、ネウロがその視線を上げる。
 にやりと、笑う。
 かちん。と、頭の奥で、音が生まれた。



 私は思考する。何を思考しているのかは判らない。心が走る。何処に向かっているのかは判らない。
そんなことはどっちでも同じだ。なんでも、同じだ。どこでも、同じだ。何も考えていなくても何処にも
向かっていなくても同じだ。でも立ち止まってはいられない。かちん、かちん、音がする。ゆっくりと
時計が動く。呼吸が上がる。心音が煩い。だけど、私は行かなくちゃ。
 時間が動き始めてる。私の時間が日付を越えようとしている。そしてネウロの時間も動き出している。
止まっていなくちゃいけなかった時計が動いてしまった。もうずっと動いていたのかもしれない。
リミットが近付いて、動かなきゃいけなかった私の時計は、それが遅すぎた。

 まだ遅くない。遅くなんかない。笑った顔、まだ、大丈夫。平気。間に合う。きっと。絶対。
 間に合わせる。リミットなんか、知らない。
 そんなもの、知るもんか。

「ッ、にんげん、なら」

 ひくり、喉が鳴る。真っ赤な色が煩くて目を拭う。目を閉じてしまった人の襟首を掴んで、
ごしごしと汚れた口元を拭いてやった。袖が汚れる。汚れじゃない。いのちの色だ。
零れた命が染みこんで色付いている。本物になってしまった、紛い物の色。嫌だ。
駄目だ。噛み付く。舐める。鉄の味がする。いのちの味がする。不味い。こんな不味いもの、
捨てたら迷惑だ。だから、手放しちゃ駄目だ。


683名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 09:29:06 ID:ykem4966
「にんげん、なら、近付いてる、なら、越えて――望んで、よッ」

 諦めは人を殺す。

「資質が十分なら、欲望があれば、それは手に入るって――にんげんなら、出来るってッ!
 そう言ったのはあんたなんだから、だから、実践しなさいよッ! こんなの絶対駄目なんだから、
 あんたが負けるなんてヤなんだからッ」

 欲望は進化を促す。

「だから、生きてよッ! サイみたいに忘れちゃっても、なんでも良いから、死ぬよりそんなの
 全然怖くないからッ! 判らないことは全部私が教えるから、ネウロのこと精一杯教えるからッ
 考えるから!! だからこんな、の、やだぁあああぁぁあ!!」



 死は、何を生むのだろう。
 個体の死は全体に影響しない。
 経験として生きる。
 養分のように。枯れた葉が分解されて土に還るように。
 いらない。
 こんなもの、たべたくない。
 こんな感情で、生きたくない。


684名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 09:30:11 ID:ykem4966
「煩い」
「みぎゃ!?」
「少し休むだけだ、いきおい眠りに落ちやすくなってるとは言っていただろう……
 力を使いすぎただけだ、貴様は我が輩に食事を用意しておけ。用意が出来たら、嫌でも起きる」
「え、え? ええ、ちょっとあんた無事なわけ!? 私の涙の意味とかは!?」
「知るかナメクジめ。良いから汚い顔を拭いておけ、見苦しくてかなわん。それと」

 ちぅ。

「お守り、……だ……」

 がくり、今度こそ落ちたネウロを慌てて支えて、私は口唇の触れた頬を押さえる。
 ……くそぅ、本気で泣いて気力損した。超損した。
 でも、いいお守り貰っちゃったから――。

「……料理、これでも上手いんだからね」

 ネウロをぎゅぅっと抱き締めて――私は思考する。
 究極には遠くても、せめて食べられるレシピでお腹を満たせるようにしなきゃ。
 どっちにしても、時計が動き始めてしまってるのには変わらないんだから。
 初めての料理に向かう新妻の心境で、私はもう一度ネウロを強く抱き締めた。



終:つまりこれは新妻に任されたはじめての料理なだけなんだよ!!゚・゚(ノД`)゚・゚
685名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 10:38:14 ID:TyspYPOX
>>680
A,C,Fの複合エンドでお願いします

>>684
仕事前なのに泣いちまいそうだよ(ノД`)
ヤコ料理がんがれ超がんがれ

あれはほんとに眠気が限界でぶっ倒れただけとかそうゆう状態だといいんだが
686名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 11:04:41 ID:sXrCowjW
>>681-684 時事もの、仄かに甘くてGJ。
…な話の後に馬鹿話でスマソ。563ヒグチ版です。本編から逃げてますなorz

 そんな幼い時の事なんか覚えてる訳ないのに、…母親の胸に抱かれて乳を味わっている白昼夢を見た。
あんなネット漬け状態になる前の母親は、もしかして普通に俺を愛してくれてたのかなぁ
 …なんて意識がトンでいるのは、深夜にパソと格闘して睡眠不足なせいじゃない。白昼堂々と俺の大事なところに被りついてきた桂木のせいだ。
ってことで、
実際トンだのは何か白いモノなんだろーけどさ。
 「なー桂木、そろそろ止めてくれない?」俺は、相変わらず一生懸命にしゃぶっている彼女へ声をかけた。「んとね、もうちょっとだよひぐちさん」
 境目や尖端をピンポイントで舐め上げたり、吸い込んでみたりといろいろ刺激してくれて、腰が蕩けそうだ。が、これは俺を悦ばす為じゃなくて、
彼女の旺盛過ぎる食欲(?)を満たす為、相談料代りにさせてやってる訳。でもそろそろヤバイよ、俺。ブラックアウトしてメモリー跳びそう。
 それともう一つ。「…あのさぁ桂木」「らに?」さっきからアンタの脚を伝って降りている透明な液体は何?ここは直ぐにでも近くのコンビニへ飛んで行って下着でも買ってきてやらないとな。
(無印のブリーフな。)
687名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 13:42:31 ID:vamjIPa8
ヒグチブリーフかよwwwwww

切ない時事ネタの後だから余計吹いた
みんな乙wwww
688名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 19:00:49 ID:4PM0gCpE
>>681 神 GJ。

何気に旦那の格言が混ざっててニヤリした。

この切ない描写はきっと某神なんだろうと確信して
更にGJ。

もう一回本編読み直して来る。
689名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 00:52:51 ID:dkwfybDR
ソルダートJが鳥ネウロにしか見えなくなっている自分に気付いた俺何組
690名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 02:15:16 ID:UzqNmDNz
>>680
松井が凡人で、かつなるべく綺麗に終わらせたいと思った場合。
I 何もかもうやむやになったまま、探偵事務所は今日も平和ですエンド

ただ、松井はそういう奴じゃないからなあ…どう締めるのか見当もつかない。
691名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 03:27:38 ID:DkhVwZEq
>>690
全ての複線を消化し、最上の謎を見つけた脳噛ネウロですが今日も殺伐ですエンド
692名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 04:58:27 ID:+FhW0ape
ネウヤコ好きとしては、いつか本スレででてた、
ヤコに恋をして女心は究極の謎と気付いたネウロが
空腹を満たし人間に生まれ変わるエンド
693 ◆ChdC8VZqyE :2006/10/24(火) 05:56:22 ID:DkhVwZEq
ネ申の皆様乙かれさまです
沢山読みたい作品はあるのですが、その中でも>>640を待っています、全裸で

>>620-622
手伝い人とも問題にしていました
長いものは2つ以上に分けようとも考えているところです
よろしければ下記↓で報告願います
長くて読めない報告
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/travel/6434/1161636595/l50
694名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 06:02:26 ID:DkhVwZEq
平野さんに反応してしまいました、一番読みたいのは>>634
皆さんお待ちしています、がっつり保管しますよー
695名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 10:49:16 ID:aJp1MC3y
サイがネウロに倒されるなら、アイさんも死んで
倒されないなら、戦いはまだ続くって感じにして
ネウロは生きてて弥子の傍にこれからも居るって締めなら
この2組のカップルが好きな俺は幸せだ。
696名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 17:30:43 ID:LxfKPKdx
>>695
いいなあ、それ
個人的にはサイとアイは一緒に死ぬというより
アイさんのほうが何らかの形で先に死んで
サイが豹変しそうな気もしてるけど……やらんかそんな欝展開
ネウロと弥子はこれからも一緒がいいと思う
697名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 17:55:42 ID:7kOSKKkL
給料日イヴだぜエーロ・ゴシカァン!
ネ申達の極上の食事をお待ちしております。
698名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 20:31:03 ID:H+JNVa/7
給料締め日イヴだぜエーロゴシカァン・・・
給料日まで遠いな
699名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 01:54:08 ID:qZlx3WGP
江崎さんと朝永とか…ないですか
どなたかエーロゴシカァン!!
700名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 02:42:16 ID:m6guo+oC
江崎さんに射ちまくるが、外側だけではなく内側にもしようとしたら、
貫くことを拒まれて、まー人それぞれですよねとか言いながら、江崎さんに貫かれてる朝永が浮かんだ
701名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 08:03:32 ID:qZlx3WGP
朝永が江崎さんにかw
まあでもそうか…。朝永が貫通願望だったら良かったのに
と今初めて思った
702名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 08:55:09 ID:/j0fpMhf
男が貫通願望だと洒落にならないwwww
703名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 13:42:32 ID:qZlx3WGP
少年誌じゃ無理だな…w
ってか>>700さんそれ書いてくれないかグァシカァン!!
あと小柴さんも交えて3(ry
704名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 14:24:35 ID:pbsxLULT
ネウロ「貴様はこれでも入れていろ。イビルディルドー(ドラえもんの効果音)」
朝永「アッー!」
ネウロ「きんもーっ☆」
弥子「ならやらないでよ!!」
705名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 22:13:13 ID:N0+lZlGv
>>704
魔人バカスwww星飛ばすなwwww
706名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 22:58:09 ID:m6guo+oC
>>703
すまない。
>>700書くんでいっぱいいっぱいだった俺にはむりぽorz
707名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 23:17:28 ID:QW7cpgzk
>>704
ネウロ「きんもーっ☆」

腹抱えて笑ったwww


こんな春川=HALは嫌だ→パスワードがお気に入りのキャバ嬢の名前。
708名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 00:09:54 ID:NGxsaKLe
何このGAGな流れwwまー自分もそうなんだが。
即興でHAL三人組だと…『縁日』
・小柴→水ヨーヨーを大量に買い、バシバシ叩きながら歩くが、時々風船本体を揉み揉みして全部割ってしまい、立ち去る。
・朝永→江崎にねだられ、人形をゲットするべく射的に精を出す。その後、江崎にも…と目論むが…。
・江崎→なんか針を刺して型抜きするヤツで小銭を入手、アメリカンドックを食して見せる。朝永にはたこ焼やポテトボールを目の前で串刺しにして見せ、
「私の的を射て良いのはHALだけよ…」
と微笑む。
こんな感じだな。文章化する前に…もっとエロ加工が…必要…ドッ…。
709名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 00:41:43 ID:Ukf0Ou9a
>>708
不覚にも小柴に燃えた
710名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 00:55:11 ID:b8xioibb
小柴さん何かちょっと可愛いなww
>>706 そうかでもありがとう!!
711名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 06:54:12 ID:BAu/4/gP
ネウアヤ世見たい
712名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 22:46:32 ID:BtFglaHF
せーの、エーロ・ゴシカァン!
エーロ・ゴシカァン!
713名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 23:23:35 ID:kOAyCMPd
未亡人萌えな自分は、1回ネウロと遥さんの絡みを読んでみたいと思うのだが
やっぱイロモノかな?
ネウロの熟女いじりを見てみたいんだw 
悪趣味か…と思いつつダメモトで、エーロ・ゴシカァン!!
714名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 23:33:43 ID:BtFglaHF
遥さんといえば、過去スレにあった娘と助手の同人誌を出してしまう彼女のイメージしか出てこなくて困っている。
715名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 23:43:33 ID:Ukf0Ou9a
>>713
親子どんぶりとはマニアックな
ネウロは絶対助手口調だろうな
716名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:58:02 ID:LSy/7T4z
>>713-715
ネウロが普通に色男演じてるの見てみたい。
きっと癪に障るほど艶っぽいぞw

教授と江崎さんのムーディーな話も読みたい。つか書きたい…。
717名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 02:00:14 ID:Ewhr9yty
>>716
全裸でお待ちしています。
エーロ・ゴシカァン!
718名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 02:05:20 ID:mD1unJOg
>>711
自分も読みたい
大人って感じでかなり好きなCPだ
719名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 02:11:59 ID:Wy0U9AyO
ごめん。
今そのネウアヤ書いてた。
エロ成分少な目だけど、醸し出すエロティシズムは目指してたつもり。
推敲したら投下する。

で、>>714
それ書いたの俺だわ。
思い出したんで、そのうち書くかも知れん。
720秘めごと 1:2006/10/27(金) 02:21:35 ID:Wy0U9AyO
晩秋に近い夕暮れは、夕日すらも燃えるような色彩から葡萄色へと変化している。日差しの
色すらも柔らかになっているのだから、当然だろうか。
その日、ネウロは少し遠くの古書店に遠出をしていた。弥子からはは補修があるから帰りが
遅くなると午前中に連絡が入っている。だから事務所の入り口はきちんと施錠した筈なのに、
今こうしてドアのノブに手をかけてみると何故か開いていた。
大事な施錠を忘れる訳がない、とやや奇妙な心持ちで室内に足を踏み入れると、そこには決
して存在する筈のない女性が端然とソファーに座って微笑んでいた。

「あら、残念」
息せき切って弥子が入って来るでも思っていたのだろう。やや期待をそがれたような表情を
浮かべながら、それでもあえて自分の意思でここに来た彼女は悪戯っぽく笑った。それにし
ても、いつ眺めても実に美しい女だ。まして、今は犯した罪を償う為に囚われの身となっては
いるが、その状況こそがこの女自身の嗜好と上手く噛み合っているせいで、あたかも光を撒
き散らして輝くばかりだ。一人きりの闇を好んでいるというのに。
「アヤさん、どうしてこちらにいらしたのですか?」
「ふふ、聞かなくても分かっている癖に…久し振りに探偵さんに会いたくなったの」
アヤと呼ばれた女は優雅にソファーにもたれながら、さらりと髪を撫でた。アヤの能力につい
ては弥子から聞き及んでいる。決して辿り着けない筈の場所に来ることなど、造作もないの
だろう。ただ思いを込めて歌うだけ。それで周囲を思いのままに操れる女の願いはただひと
つ。
唯一、心の中を見抜いて言い当てた女子高生探偵に会うことだけ。
「それは残念ですね、先生は今日はまだ補習がありまして。帰りは多分遅くなるでしょう」
「あら、それは困ったこと」
ネウロの言葉に特別困った様子もなく、アヤは長い髪を揺らした。
「お時間が取れるのでしたら、お待ちになっては如何かと」
見覚えのない女性に対して、あかねは警戒しているようで壁から出て来ない。奥のキッチン
で紅茶を淹れてきたネウロが、如才ない動作でカップとソーサーを静やかにガラステーブル
に置く。これは青い草花が乱れ咲いているデザインに特徴のある、弥子のお気に入りのブ
ランドで、特別の客用にも何客か揃えてあるものだ。こんな時に使わなければ、まさに宝の
持ち腐れという奴だ。
「ありがとう、でもそれほど時間に余裕はないの。ここに来ればいつでも探偵さんに会える
と思っていたから。だけど」
挑発に近い目の色が、ネウロを見上げた。
「あなたなら、きちんと言付けて下さるわね…私の言葉を」
721秘めごと 2:2006/10/27(金) 02:22:41 ID:Wy0U9AyO
「ええ、それはもちろん」
「じゃあ、お願いしようかな。あなたは探偵さんに一番近い人でしょうから」
す、とソファーの端に座り直した美しい女は、ネウロに隣に来ることを無言で促していた。簡
素な服装だが、元々が抜きん出ているだけに面白いほど引き立っている。弥子では逆立ち
しても叶わないだろうと、こっそりと腹の中で哂いながら隣に座る。
「先生に会えないのが残念、とは正直あまり思えませんね」
「まあ、そうかしら」
「主観ですのでお気になさらず」
「ふふ…その通りかも知れないけど」
「悪い人ですね」
「お互い様、と言うべきかしら」
「御自由に」
葡萄色の日差しが窓から差し込んで来る夕暮れ。まるで奇跡かと思える光景がそこにあっ
た。これ以上にないほど美しく配剤された男と女が戯れ合うように唇を触れ合わせ、微笑み
合っている。
その二つの姿が日差しの中で同化する如く溶けてしまったのは、誰ひとり知り得ない出来
事だった。

一時間ほど経った頃、抱き合っていた腕の中から女はしなやかな魚のようにするりと抜けて
髪を直した。
「…探偵さんとも、こんなことを?」
「さあ。答える必要があるとも思えませんね」
「ふふふ、確かに。でも妬けるかもね。あんなに可愛らしい探偵さんを思いのままに出来る
なんて」
乱れた髪と服装を簡単に直すと、冷めてしまった紅茶を一口飲んで微笑む。その表情は随
分と嫣然としていた。
「…そろそろ帰ろうかしら。あまり長居をするつもりではなかったしね。それでは探偵さんに
よろしく」
「そうですね、ではお気をつけて」
「ありがとう、あなたもね」
もう一度、ネウロの唇にキスをすると、今なお燦然と光り輝く歌姫アヤ・エイジアは女王のよ
うに堂々とした物腰でドアを開けて立ち去って行った。来た時のように、その美しい声で自ら
の先に確かな道を作りながら。
722秘めごと 3:2006/10/27(金) 02:26:24 ID:Wy0U9AyO
「あれ?誰か来てたの?」
雑用など御免だと放り出していたカップとソーサーを、ようやく補習から開放された弥子が
不思議そうに眺めていた。
「依頼があっただけだ。気にするな」
「ふーん…」
まさかアヤが来ていたことなど露知らない弥子は、首を捻りながらも奥で洗う為にかちゃか
ちゃと音をさせながら片付けている。
別に大した用件でもなかったことだし、あえて教えることもないかと人間以上にずるい魔人、
ネウロはデスクの向こうでひっそりと笑った。



終わり
723名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 02:40:09 ID:KnByNSbg
GJGJGJG!!!!11111
この二人は大人の色気だな。なんつーかあばんちゅーるってやつか。
724名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 02:12:33 ID:5k1MfHHF
このふいんきマジ最高。
アダルトな関係イイヨイイヨ
725名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 02:51:27 ID:aSzpZ8hC
このスレいいなぁ。ネウロパロには興味無かったんだがかなり食指が動いてしまった。
おそらく言われるだろう書けレスに最長一週間待ってくれと答える。
726名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 04:13:51 ID:aSzpZ8hC
「ヤコ、我が輩を愛していると言え」
自分を逃がさないよう抱き締めながら、目の前の魔人が甘く囁く。
「どうした?何を強情をはっている。お前の体はこんなにも正直ではないか」
「…ぅぁ」
耳を食まれながらの愛撫。ネウロに開発されきってしまった身体が、ぴくんと跳ねる。
けれど。
絶対に言ってあげないんだから。いつも私を振り回す、あなたへのちょっとした仕返し。
「お前のその言葉をもう二日も聞いていない。我が輩もそろそろ我慢の限界なのだがな」
そう言ってますます愛撫を強める。でも、言ってあげない。
「…ヤコ、一体我が輩にどうしろというのだ」
ネウロの憮然とした表情。この傍若無人を体現している男にこんな表情をさせてる自分が少し誇らしい。
「ネウロ」
「なんだ?ヤコ」
相変わらず憮然とした表情のネウロ。でも、その声に僅かにまぎれている喜び。もっとも似合わない言葉だけど、可愛い、と思ってしまう。
でも、あなたが望んでいる言葉は言ってあげない。その代り、この言葉を言うのだ。言い終わったら、キスして欲しい。気を失っちゃう程抱いて欲しい。愛してるって言ってあげない。だから言おう。
「大好き」
と。
727名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 04:17:11 ID:aSzpZ8hC
とりあえず実際にかけた時間では10分で出来た砂糖をあらん限りにぶち込んだ小ネタを投下。
い、一週間待たせるのが可哀そうって思っただけじゃないんだからねっ!
ちゃんと長いのも書くんだからっ、それまで待ってなさいっ!
728名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 04:34:01 ID:qn0Fc5Tq
>>727
GJGJ!
拗ねるネウロいいな。

アナタの更なるデレをお待ち申しております。全裸で。
エーロ・ゴシカァン!
729名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 04:34:32 ID:BhPSYhbn
GJ!!寝る前に覗いてよかったよ。待ってる。
でも、弥子はネウロを「あなた」とか言わないんだ。
それだけはスマンが頼ませてくれ(´・ω・`)
730名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 09:27:09 ID:n1icjM7Y
>>725
「そうか…興味が「できて」良かったな」これからも期待。
>>729
言葉遣い一つでキャラ変わるからな。と本誌の誤植でXiの一人称が「僕」の時真剣に悩んだ自分が通りますよ。
という訳で、
エーロ・ゴシカァーン!!
731名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 11:07:28 ID:E/JZGXXS
またーりヽ(´ー`)ノ 新たな同志を歓迎しようぜ
そろそろ次スレの季節かな? 梅用の小ネタ何かやるかー
732名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 11:36:39 ID:AKuN+o5s
ちょい早くね?
そんな自分はそろそろ笹弥子が読みたい時期だ。
エーロ・ゴシカァァン
733名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 12:22:27 ID:oFxFIIzM
Xアイでエロなしを投下してみる。
小ネタ的な話。

食わず嫌い王

「X」
朝の日差しが眩しく降り注いでいる。なのに、アイは無表情の中にも明らかに憮然とした
声色を含めて声をかけた。
「何?」
「知らない振りをして席を立たないで下さいね」
「だから、何のことさ」
「これ、全部召し上がって下さい」
アイの指がとんとんとテーブルを叩いた。Xの目の前の皿には、メインのつけ合わせにし
た人参のグラッセが三切れ残されている。
「一切れは食べたよ。だからいいじゃん、これぐらい」
幼い子供のように頬を膨らませるX。食べたくないものは徹底して食べないで済ませる作
戦に出ている。だが、いつもこんな食わず嫌いに閉口しているアイも負けてはいない。
「変ですね、最初から三切れだった筈ですが」
「あ、実はアレルギーが…」
「ピーマンの時もそうおっしゃってますよね。でも、どちらにもアレルギーが出たなんて話
は世間一般でも聞いたことがありませんけど。きっと神様の『これだけは食べろ』という
御意思でしょうね」
「でも俺、犯罪者だから神様関係ないもん」
「犯罪者でも聖人でも三度三度の御飯は食べますでしょう?」
さすがはアイ。どんなことを言っても徹底抗戦の構えだ。それでも、あくまでも三切れの
人参を食べようとしないXに、ふうっと溜息をついた。
「X、そろそろ極度の食わず嫌いを直して頂きませんと。オムレツの挽肉は嫌、ミネストロ
ーネのパプリカとトマトが嫌…何をお出ししても嫌いなものがあるのでしたら、作る張り合
いがありませんもの」
「だってさ、美味しくないもの食べても楽しくないじゃん」
人並み以上に食べられないものが多過ぎるXは、まあそれでも生きているんだからいい
とでも言っているようだった。
そして、やっぱり人参は残っている。

ちなみに、その日の夜にハンバーグの中に混ぜ込まれたのを知らずに食べたらしい。



終わり
734名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 12:25:41 ID:oFxFIIzM
元ネタはこの前、昼休みにしてた同僚との会話。
「食べ物のアレルギーって多いけど、人参やピーマンっていう子供が嫌い
なものには不思議と聞かないよな」っての。
やっぱり神様が「これだけは体の為に食っとけ」と言ってるんだろう。
735名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 12:42:22 ID:i4IgZg1v
今494KBだから結構ぎりぎりっぽい。
俺は無理だったので、誰か頼む。
736名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 12:50:43 ID:gSHJlaVx
はいよ

魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第8話
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1162007369/
737名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 13:00:59 ID:pT3emyHA
流行りの洋服よりも、男子よりも、興味があったのは「食べる事」だった。
でも、今は―――

「食べられる」事に喜んでいる自分がいる

魔界の事は分からないけれども、人間界にも美味しい物はいっぱいあるんだよ。
だから――美味しい物をたっぷり詰め込んだ私は、絶対美味しい筈だよ
きっと、どんな「謎」よりも

そうだよね?ネウロ…


お目汚し大変失礼しました…orz
738名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 13:20:03 ID:SCgGGjTT
>>736
乙です。

最近ご新規さん多くてわくわくテカ濡れだな。
739名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 13:43:21 ID:18MX3cJL
>>733
GJ!ほのぼのしてて和んだ
流石の怪物強盗も味蕾を増やしたり減らしたりは出来ないんだなw

>>737
動物は補食される瞬間にエクスタシーを感じるなんて話を思い出した
可愛くていい!GJ!!
740名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 19:53:40 ID:a+yaPrDA
>>733
Xが可愛すぎる。駄々っ子だな
アイさんが母親みたいで素敵だGJ!

>>737
弥子、恋する乙女なかんじで(・∀・)イイ!!
あなたの長編を読んでみたい
741名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 22:45:49 ID:6TDYufuk
>>733
イイ!! やっぱこの二人好きだ
最近サイアイ多くて嬉しいな
エロいのもいいがこういう母子ちっくな雰囲気もいいね

ところでニンジンは知らないが
ピーマンアレルギーは知人にいるよ
触るだけで手がかぶれて痛くて、あまり洒落にならんらしい
742名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 23:00:44 ID:oFxFIIzM
>>741
733だが、そうか。ピーマンにもアレルギーはあるのか…。
こっちの認識不足ですまん。知人にも、くれぐれもよろしく。
ピーマン恐るべし。
743名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 23:56:37 ID:pT3emyHA
>>737です
>>739
「食べられる側になった食欲魔人」をイメージしたら、こんなのができましたw

>>740
ありがとうございます、SSを書いたのは初めてだったので、次はもっとエロに挑戦したいと思います。
でわ。
744名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 00:04:07 ID:p5Gt4KK/
食欲魔人…貴様!川原泉を読んでるな!!
確かに弥子はあのタイプだなあ、考えなかったや
745名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 01:55:28 ID:6mvoOKq3
カレーは丼に限るよね
746名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 02:05:23 ID:5IR3JJmP
まだまだカキコは出来そうだが埋めてみます。前スレの冥土喫茶+8巻巻末の影響を多大に受けた季節ネタ。

 何故かカボチャだらけの事務所。
「時にヤコよ。明後日はHalloweenだな」「事務所の惨状の理由がそれ?足の踏み場も無い…」
「まあ『埋め』だからな。そんな事より貴様はtrick or treatを知っているか?」「お菓子か悪戯かってヤツでしょ。…アンタお菓子なんて喰えないでしょうが」
「ふむ。我が輩なら、謎か扱きか…で片が付く。しかしそれでは面白くないのでな…」「(やな予感…)」
「fuck or funkではどうだ?」「英語苦手だけどヤバいニュアンスだけは感じる…」「要は、犯しか(魔界的)イタズラか?という事だ」
「やだ!嫌だ!どちらも嫌だ!…でもさ、Halloweenに付き物のカボチャのジャックってアンタに似てるかもね」
「ム、どういう意味だ」「このジャックって、天国にも地獄にも居られなくて地上をさ迷う幽霊なんでしょ。アンタも本当は足無いんじゃ…あだだだだ!」 ただ今羽交い締め中。
「痛い痛い痛い!…もーわかったよ、アンタはイタい位ここに居るんでしょ」「うむ、分かれ。さあ、どちらかを選べ」
「…好きにすれば」
「おお、調教の成果が出たようだな。では存分に可愛がってやろう。>>736に用意された次スレで、じっくりとな」
747名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 02:12:46 ID:1/o6lNSS
>>744
ネウロ「いただきます…」






もぎゅもぎゅ
748名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 02:27:22 ID:0KIjOWjF
「もみじまんじゅうー♪」
その日、弥子は御機嫌だった。
叶絵の母親が広島に旅行に行ったとかで、大量に広島名物もみじ饅頭を買って
来たのだ。それこそ何十とあったので、弥子も一箱貰ったという訳だ。
「嬉しい嬉しいー、叶絵、ありがとー。お母さんにもお礼言ってね」
「うん、もちよ。でも我が母親ながら驚いた。あんなに買って来るとはさ」
呆れつつも、嬉しそうな叶絵を前にして、弥子は何か気の利いた言葉の一つも
言いたくなった。
「あのさ、もみじ饅頭だけど。これって伊藤博文の台詞から出来たものなんだ
よね」
「え、マジ?」
「うん、伊藤さんが広島に遊説か何かで行った時、宴会のお酌をした女の子の
手がもみじみたいにふくふくして綺麗だったんで、『この手を焼いて食ったら
美味かろう」と言ったからこれが出来たって話…あれ?」
その場は一瞬にしてドン引きになっていた。


おわり
749名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 02:29:08 ID:0KIjOWjF
すまん。
以前ちょこっと小耳に挟んだことなので、本当の話かどうかは分からんよ。
ただ、本当だったら面白いなと思った。
てか、「この手を焼いて食ったら」って…。
750名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 02:48:42 ID:NuNn6gNd
未成年は帰りなさい
751名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 09:46:21 ID:/dy8VAbZ
752名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 09:46:33 ID:5IR3JJmP
弥子の事か?お酒は20歳になってから!
長編は厳しいと思ったから小ネタ書いて見たが…エロ加工が足りなかったな。修行に戻ります。
神無月もあと2日だ…。
753名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 23:50:54 ID:5IR3JJmP
む…神無月?言い方を間違えたか。ここは出雲、神有月也。我、神を待つ者、梅の枝を片手に祝詞を唱えて吟い躍らん。
エーロ・ゴシカァーーン!!
754名無しさん@ピンキー
      / ̄ ̄ ̄\/ ̄ ̄ ̄\
      | う  電       そ |
      | な  人    書  れ |                 / ̄\
      | ら  H     く  ま |            / ̄ ̄\ |  い |
      | せ  A     の  で |            |  2   ` ' い |
      | る  L     だ  に |             |  日     な |―- 、、
      |. :  を         \           ,ィ|  だ  ,/\__ _/    `~` 
      \___/\___/ ̄        /:::::\__/:::::::::::У 、    、ヽ
        _, -‐ '´ ̄`'´    `丶、        /.: .:/:::::l .::∧:::::ヽ:::::::::i  li  ヽ  ヽ'、
     ,. '"~´ /          、  ヽ     / ::. .:::::,ィ! :/,, ヾ:::::ト、:::: l   l  '、 、',
   z'′  ,イ         、 ヽ   ヽ    /,, .::::://l..:l'';:;''ハ::::j N:::l  l   ',  l 
,.イ'´/   /l|         li ト、 ヽ   ',   l::i::l:::::/i,' l:::l ,;:;:';:'l::l  .:::l  l   ,l ,l l  
. / /   r‐'-ミ!       ,M lul i、 l  l、',   j:::l::::::/l l! l::l,.-;:―l:i:l, ,il::l   l  i l l l
,' /    l::::ト、lト,  l     リ」_l|,_||', ト、 lヽ!  /l::::::::イl リ l:l ゙ソ  |::::l lj::::l   l  l l l l
!/     l:::lWl|l', l,   l  ,!l | リ l`'l l ,ハリ  / l:::::::|l,ツ  ll ',ニニコ!::::ll::::リ   l  l l ,'
! l i  i ゝ、:::l|::'、!i、 l リlj,.-z=tミ リ lヽ!    l:::/   ll  、!:j_,リ!:::il:::/l l l  ,! / l
l / l  l ',!>‐li,ッリ-i, l l  〈 l゚:i`  丶、   r '゙´    ,i!  ,: ̄/゙l:::リ:/ l l /! /}´li l
l/l, l  l  ',!lil||' rぅl'、 l, /   ヽ_J,    `ヽ 丶、   /  '";:;/ /:::::/ lツリ l /i' リ l/
l八 l ,'i'、 V|l| l//,、'、l/  u       /   !::)     乃'.; ,':::::/ /  ツ'´ /ィi /!
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魔人探偵脳噛ネウロinエロパロ板 第8話
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