アークザラッドシリーズでエロパロ

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195シェリル 17:2007/04/01(日) 23:38:39 ID:E0WfZ86C
あたしはひたすら怒鳴った。口から声にして出さないと、目から涙になって出てきそうだから。

「もう訳わかんない。だいたいあんた、さっきから一体なんなの。久しぶりに会ったと思ったらいきなりこれだし、
 ここに来たらまたいきなり麻痺治してるし。

「そのまま放っておけばいいじゃない!帰りなさいよ!」
「おい…」
「アレクはどういうつもり?仕事ほっぽってあたしを逃がしてさ、一体なに?何がしたいのあんたたちは」
「シェリル」
「あたしがどんな気持ちで――」

自分の気持ち。

墓穴をほってしまった。
――まずい。
鼻の奥がツンとした。
止まれ止まれ、あたしはこいつの前で泣く資格なんて――

「お前さあ、さっきから思ってたんだけど…」

――やめて。

「何をそんなに堪えてるワケ?」

――やめてよ
――あたしは、本当は…

「…うっ」

もう耐えきれない。
196シェリル 18:2007/04/01(日) 23:41:03 ID:E0WfZ86C
あたしは両手で顔を覆った。

「…ふっ………う」

耐えきれなかった。そのまま声を殺して泣いた。
ルッツが立ち上がる気配がする。

――やっぱり帰るのか。

そう思ったが、違った。
横に座ると、いきなりあたしの手をとる。
両手が顔から引き剥がされ、塞いでた視界が開ける。

「なにすんの!」
「おーおーひどい顔。…泣く時はさあ」

ふっと今までみた事もないような優しい顔を見せる。

「声殺すなよ。息が詰まるぞ」

もう、ダメだった。
なんであんたはそんなにも前と同じなの。
あたしはこんなにも変わってしまったのに――。

あたしはルッツの服の裾を握り締めて、小さな子供みたいにわんわん泣いた。
ルッツはちょっと驚いたみたいだったけど、何も言わずにあたしの背中をさすってくれた。
197シェリル 19:2007/04/01(日) 23:43:03 ID:E0WfZ86C
「落ち着いたか?」
「うん…」

ひとしきり泣いて顔を上げると、なんだかすっきりした。
ルッツが横からあたしの顔をのぞきこむ。

「お前の泣き顔なんて初めて見るなあ〜。」
「うっ、うるさい!」
「まだ鼻水出てるぞ」

うう、最悪だ。
ルッツはというと、最初にガレキの中であたしを見つけた時と違い、緊張感のかけらもない。
けどそれが今はありがたかった。

けれど

「それよりさ、なんで泣いたりしたんだよ?」

何を合成してきたのか聞くような気楽な口調で、あたしにとっては恐ろしいことを聞く。
心臓を掴まれたような心地がした。
でもあたしはもう隠すのが辛く、意地を張るのも疲れた。
ここで決着がつけば、あたしも諦められる。

「言っても笑わない?」
「笑うかどうか、言ってみろよ」
「あたし、あんたが好き」

案外簡単に言えた。
あ、ルッツが固まってる。目も口も丸くて、かなりのアホ面。
ダメだろうな、と思った。
覚悟はしていたし、今更辛くはない。

「迷惑だよね」

自潮気味に笑って、ルッツを見ると、なんと首をすごい勢いで横に振っている。そう、横に。
驚く間もなく、抱きつかれる。

「すんごい、嬉しい」
198シェリル 20:2007/04/01(日) 23:47:32 ID:E0WfZ86C
幻聴じゃないかと思った。
何を嬉しいって言ってるの?

「あんた、正気?」

呟いた声がかすれた。
さっき大泣きしたせいで、涙腺も緩くなってるみたいだ。

「あたしは、娼婦まがいのことをしてんだよ?」

ルッツにだって、あたしが体を売っていたのはもうわかるはずだ。。
容姿くらいはリストアップされているんだろう。アレクとルッツがあたしを追い掛けてきたのが何よりの証拠。
けれどルッツは、あたしを抱き締めたままいった。

「お前、バカか?」
「バカってなによ」
「関係ねーんだよ。オレは、シェリルが好きだ」
「あたしを軽蔑しないワケ?」
「しないっての」

夢みたいだけど、これが夢じゃないことをあたしは知ってる。
たまらない程嬉しい。

そのままルッツの胸に顔を預けていると、ふいに体が傾いた。
抱き合ったまま、ベッドに倒れこむ。
驚いて、少し体を持ち上げたルッツの顔を見ると、一瞬でわかった。

ああ、こいつもやっぱり男だ。こういうこと、したいんだ。

――けど、嫌じゃない。

「わり……」

あわてて身を引こうとするルッツの腕をつかんだ。

「いいよ」

ルッツの目がまた丸くなる。

「抱いて」

驚いたけど、嫌じゃなかった。
ルッツなら、いい。
199シェリル 21:2007/04/01(日) 23:50:54 ID:E0WfZ86C
カンだけど、どうやらルッツはこういう事をしたことがないらしい。
あったらあったで悲しいけど、自分の方がああいう経緯で経験を積んでるってのがもっと悲しいし、わけもなくルッツに申し訳なかった。
けどルッツは気にしていないのか、手際よく服を脱がされる。
――やっぱり器用だ。

「えーと」

両方すっかり裸になってしまってからルッツが言った。

「どーすりゃいいんだ?」

呆れたやら気が抜けたやらで笑いが漏れる。あたしはルッツの頭を引き寄せると、口付けた。
そういえば客とキスだけはしたことなかったな。
顔を離すと、ルッツが真っ赤になっていた。

「アンタやったことないの?って言うか普通聞かないよこういう事」
「ううう…うるへー!」

あたしはそんなルッツの手を取ってとりあえず胸に……うわ、ごつごつしてて、ちゃんと男の手してる。
最初はぎこちなく、ルッツは胸を揉みはじめた。

「やっぱ小さいな」
「うるさい!」

照れ隠しだとわかっていても、言い返してしまう。
怒鳴ってルッツを見て、少しぎょっとする。
肩幅、広い。
細身に見えてたけど、やっぱりこいつは男で、あたしは女だ。
視線に気付いたのか、ルッツはあたしの顔に視線を移した。
思わず顔が赤くなる。
200シェリル 22:2007/04/01(日) 23:52:24 ID:E0WfZ86C
そして唐突に、自分の気持ちが今までとまったく違うことに気付いた。
軽い吐気を覚えるはずのこの行為が気持ちよく、もっと触って欲しい。

「あっ…」

いきなり秘所に指を入れられて、声が漏れた。不意打ちだ。

「なになに、かわいいじゃん」

多分、本とかで仕入れた知識だろう。
ぎこちないながらも指を出し入れする
けどそのぎこちない動きでも、奉仕してばかりだったあたしには新鮮で。
既にそこはかなり濡れていて、指一本くらいじゃ物足りない。

「あのさ、せめて二、三本にしてくれない?」
「あ、待て待て」

指が引き抜かれる。
と、ルッツは秘所の上付近をいじりはじめた。
擦るように押される。

「んぅっ!」

強い刺激。体に力が入る。
あたしの贔屓目じゃなく、ルッツは初めてにしては上手かった。
元々の知識と、あとはカンでやってるんだろう。

「んっ……あ、うぅっ…」

指二本で中を、親指でぐりぐりと突起をいじられ、声が出る。

「シェリル…」

ん、と顔を上げると、ルッツが照れ笑いであたしを見ていた。
それで大体わかった。
あたしが頷くと、ルッツ自身が中に入ってくるのを感じた。
熱い。

そのまま激しく動かれる。

「あっ……ルッ、う、ああっ、ルッツっ」

もう言葉らしい言葉も出ない。それでも名前を呼ぼうとする。
涙が伝うのを感じる。これは嬉しいからか、それとも体の反応かどっちだろう。
201シェリル 23:2007/04/01(日) 23:55:31 ID:E0WfZ86C
「シェ、リル…」

荒い息に混じって、名前を呼ぶ声が聞こえる。

「……シェリルっ」

目の前には好きな人がいて、こんな風に名前を呼んでくれて。
こんなに幸せなことって、ない。
朦朧とする頭でそれを考えていると、なにかが弾けた。

「ああぁぁぁっ!」

何も見えないのは涙のせいだろうか。
ルッツの背中に回した手に力が入る。
中でルッツのそれが膨れ上がり、引き抜かれてあたしの足に熱いものをかけた。
同時にルッツから力が抜け、あたしの上にのしかかってきた。



「…重いよ」

しばらく呼吸を整えてから、そう声をかける。

「あー…悪り」

ルッツはそう言うと、転がるようにして、あたしの横に寝そべった。
そのまま引き寄せられる。苦しいくらいに押し付けられ、あたしはルッツの胸に頭を預けた。
どれくらいそうしていただろうか。
ルッツが言った。

「あのさ、サシャ村に来ねーか?」
「サシャ村……と言うとエテル島?」
「そーそー」

ルッツとアレクの家があるところだ。
二人とも世界中を回ってるし、家の用を成してるかというとかなり怪しいが。

「いいところだぜ。皆親切だし、食事は美味いし」

それは知っている。旅の間、何回か行ったこともある。
202シェリル 24:2007/04/01(日) 23:57:21 ID:E0WfZ86C
ベルニカ以上に小さいながらも、平和な村だった。

「一緒に暮らそう」
「バカじゃない?」

あたしは思わず突き離した
顔は見えないけどルッツがアホ面になってるのがわかる。

「あたし達、まだ15歳だよ?この年でその…」

結婚、だなんて。

「へ?
 ……あー、お前勘違いしてるぞ」

………。

「ここにいるのは辛いだろ。そりゃ生まれ育った街だけど生活辛いみたいだし。
 今までは仕方ないけどもうああいう事はしてほしくないし」

えーと。
つまり。
結婚だとか同棲だとかじゃなく、単にサシャ村に移り住めば、と言ってるだけなのだ。
結婚するわけではないと聞いてホッとした反面、残念な気持ちもある。
というかわざと紛らわしい言い方されたんじゃ…

「けど…」
「?」
「いつかは結婚したいな。それなりの年になったら」

反則だ。
また顔が熱くなってくる。
それを悟られまいとして、より強く顔を胸にうずめながら、言った

「どうせなら…村で待ち惚けより、あたしもハンターの仕事やりたいな。」

ルッツが吹き出した。

「…なに」
「いやいや、確かにそうだよな。うん、お前ならやっぱりそう言うよなあ」

それを肯定と取って、あたしはルッツを見た。
203シェリル 25:2007/04/02(月) 00:01:39 ID:zzbYvGeE
見返してくる優しい顔。

ああ、そういえばアレクはどうなっただろう。
言い訳下手そうだけど、大丈夫かな。
今日…は、もう無理そうだけど明日になったらアレクに謝ってちゃんとお礼をして、
そして一緒に行くんだ。
考えなきゃならないことも、やらなきゃならない事も山積みだったけど、
そばにある温もりは心地よくて、今あたしは幸せで。
あたしはそのまま、ゆっくりと目を閉じた。

「そういやオレは言ってなかったなあ」

照れたような声が降ってくる。

「好きだ」

あたしは、寝たふりをした。
204おわり:2007/04/02(月) 00:03:26 ID:E0WfZ86C
これで終わりです。
長々とお付き合いくださりありがとうございました。
この二人にはハッピーエンドが似合うと思います
205名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 02:37:52 ID:yzNdQzVY
>>204
うぉぉぉおGJ!!
この板で泣くのは初めてだ(ノД`)。
感動とエロスをありがとう!
206名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 02:31:06 ID:gIZ9oQ0C
GJ!
207名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 03:12:05 ID:DR1JWr3F
GJ!!ルッシェリはやはりイイ!

ヴェルマー投下してくれる職人様の光臨に期待!
208名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 02:09:40 ID:Oc4ShfBw
保守
209名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:06:03 ID:jg6CrK+L
ところでおまいら、アークシリーズでどのカプが一番好き?
210名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 02:52:11 ID:B8rU3ZjE
エ ロ ス という意味でならカーグ×ポーレット
211名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 11:42:27 ID:3i20xjpn
トッシュとサニア
アレクとアンリエッタ

ツンデレ好き
212名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 01:55:19 ID:vWsEGFsA
>>209
何となくアーク×ククルでズルズルここまで来た感じ
グルガ×シャンテも好きかな
…何だろう、穏やかな方が好きなんだろうか
213名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 03:53:49 ID:CimMv0th
空気読まずにシュウシャンなぞ投下します。



「…ふう。」

シャンテは、ドアの前で息をついた。
両手には大量の買い物袋が下がっている。
一度に仲間が増えて、買い物の量も格段に増えた。
十人あまりの大所帯だから、買い出しも一苦労だった。
あと何人かいればよかったのだが、あいにく軍資金のためのハンター稼業やラマダ経典の捜索に皆が出払っている。

「今度から、絶対買い出しなんて一人で行かないんだから…」

一人でぶつくさいいながら、片手のメモに従い、指定されたものをそれぞれの泊まる部屋に置いていく。
そうこうするうちに最後の一部屋になった。
シャンテは、これまでと同じように、今は誰もいないであろう部屋の戸を開けた。

「誰だ?」
「!!」

瞬間、中から声がした。
買い物袋が落ちる。

「…なんだ、シャンテか」
「なんだとは酷いわね。帰ってたの?」
「ついさっきな」

その通りなのだろう、シュウはまだ忍者のような黒装束に身を包んでいた。
シャンテは袋を拾うと、手近なテーブルに置いた。
214名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 03:56:07 ID:CimMv0th
「エルクとリーザと…ええと、あの赤毛の…」
「トッシュか?あいつなら酒場だ」

シュウと共にギルド仕事をしていた者の行方を問う。
シャンテに限らず、まだ全員の顔と名前が一致しない者はいた。

「エルクとリーザは散歩らしい」
「あら、そう…」

シャンテの脳裏に若いカップルの姿が浮かぶ。
エルクが元気にしているのを見たリーザの喜びようを思い出して、自然と笑みがこぼれた。
まるで奇跡のようだった。
別別の国へ行っていた仲間たちが、あのキメラ研究所で一同に会した。
シュウの姿を見て、偽物でないと知って、安心した自分も知っている。

「シャンテ」

名前を呼ばれ、思い出にひたっていた自分に気付く。

「あら、ごめんなさい。部屋に戻るわね」
「待て」

言って背を向けたシャンテを、しかしシュウは止めた。
振り返るシャンテを、抱き締める。
久しぶりだったが、それでも変わらない感触。

「無事で良かった」
「……。あなたこそ」
215名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 03:58:34 ID:CimMv0th
少し身を離し、見つめ合った。

「会いたかったわ…」

言って、どちらともなく口付ける。
舌を絡めて、互いを求め合う。
シュウの手が、シャンテの豊満な胸に延び――

「シューウー、いるかー?」

途端に、勢いよくドアが開かれた。
とっさに離れる。

「あ、あらエルク、おかえり」

駆け込んできたのは、シュウの息子同然のハンターだった。
シャンテを見るや、その顔がぱっと輝く。

「シャンテ!オレのブルーベリーパイ買っといてくれた?」
「ええ、そこの袋に入ってるわ」
「おう、サンキュ」

シャンテは苦笑を漏らし、部屋から出ようとした。が。

「シャンテ」

買い物をあさりはじめたエルクの隙をつき、シュウが影のように近付き、言った。

「今晩、また来ないか」
「…エルクとトッシュは?」

別にエルクに聞かれてもどうという事はないのだが、声を落として話をする。

「エルクは夕食後はアークと話があるそうだ。遅くなると言っていたし、トッシュは…多分帰って来ない」
「…そう、わかったわ」

シャンテは部屋を出た。
ほんの少し、顔に朱が混じっていたが、部屋に戻っていたリーザは気付かなかった。
216名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 04:00:11 ID:CimMv0th
短くてゴメンよ。
キメラ研究所直後のグレイシーヌあたりだと思ってもらえれば幸い。
217名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 23:38:10 ID:YIMoA+4t
>216

GJ!!

トッシュが帰ってこないのはサニアと…!?
職人様一発ツンデレお願いします

218名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 02:44:55 ID:Q0a0AVxO
小説、冒頭を投稿します。
シュウ×シャンテ前提のグルガ×シャンテです。
時期はクレニア島を出る直前。
グルガがややヘタレなのでご注意ください。
219グルガ×シャンテ 1:2007/04/13(金) 02:46:28 ID:Q0a0AVxO
私の部屋にわざわざ来たとき、その態度からなんとなく予想はついてたけれど、いざ言われてみるとなかなか驚くもので。

・・・困ったわ。

グルガに、好きだと言われてしまった。
短い付き合いだけど、私は彼の苦悩を知ってる。
殺してしまった敵の娘を育てて、目を治して
だけど自分の正体を隠すために、これから、別れてしまう。
私は、それを見てきたから、彼の力になりたいとは思ってる。

だけど私には・・・

「ごめんなさい」

相手の、グルガの顔が曇る。

「私は、もう彼氏がいるの」

今どうしてるかわからないけど、きっと無事でロマリアにいる。
最後に見たのは、吹き飛ばされる私を見て、名前を呼んだあの姿。
それから、重ねた肌の暖かさと、乏しい表情の中にある起伏。
私は、シュウが好きだから、グルガの気持ちには答えられない。

それでも正直、断るのはかなり気がひけた。
220グルガ×シャンテ 2:2007/04/13(金) 02:48:40 ID:Q0a0AVxO
今まではグルガにはエレナちゃんがいたけど、もう明日には彼女から離れないといけない。
寂しいのは、わかるけれど。
けど、一時の感傷に流されることはできない。
私は、自分の気持ちに正直でありたい。

「そんな顔しないでよ」

一瞬、グルガの顔に深い悲しみが見えたけど、強いて明るく言った。

「ほら、あなただっていい男なんだから、きっともっと・・・きゃっ」

いきなり肩を掴まれ、押される。
ちょうど後ろにあったベッドに倒れ込み、押し付けられるかたちになる。
覆い被さるグルガの表情は、よくわからない。

「何をする気?」

肩を掴まれてまったく動けない。そしてベッド。
告白されて断ったというこの状況からして、まったくわからないとは言えないけど・・

「一度だけ」

ああ、やっぱり

「一晩だけ、一緒にいてくれないか」

心細いのね。
なんだか、アルフレッドを亡くしたと知った後の自分とかぶる。
ただ寂しくて寂しくて、誰かに側にいてほしくて。

「本当に、これっきりだからね」

グルガは頷く。
それを見てとって、私は息を吐いた。


・・・シュウ、ごめんなさい。
221名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 02:52:10 ID:Q0a0AVxO
すみません続きはまた後日投稿します。
222名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 10:38:35 ID:os/gcDq3
222get
223名無しさん@ピンキー:2007/04/13(金) 22:54:26 ID:Ty3CHrat
キャラ改変は微妙だなぁ
224名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 21:12:22 ID:+/v761YD
225名無しさん@ピンキー:2007/04/18(水) 19:32:36 ID:4vn72Mx3
お前頑張りすぎだろwwwwwwwwwww
226名無しさん@ピンキー:2007/04/21(土) 00:07:21 ID:QXcWuEye
>>224
吹いたww
227名無しさん@ピンキー:2007/04/26(木) 02:27:05 ID:KUQiiZEB
2のリーザ希望っス!
228名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 04:35:18 ID:GL/hAGmx
アレクとシェリルがみたいなあ( ^ω^)
229名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 00:52:48 ID:3VsdL6/X
しょーがねー から自分でかくだよ

ツンデレ投下

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スメリア。
今回この地を訪れた目的は情報収集の為だが、
アークとククルの二人だけの時間を少しでも作ってやろうという
皆の気づかいがあった。
そのため主なメンバーは街に出て情報収集の名のもとに
つかのまの休息をとることになった。

パレンシアのダウンタウン。よく晴れた昼下がり。
長い栗色の髪を揺らしながら街の往来を歩く少女がひとり。
(はぁ…)
小さなため息を肩でつく。
物憂気なエメラルドの瞳に長いまつげがかぶさる。
(聞き込み…って苦手なのよね…もぅ…)
亡国の王女サニアだ。
サニアは群れて行動するのを嫌って、単独で行動していた。

酒場にいけばやたらと絡まれるし、親子づれは時勢のためか
警戒してさっさと行ってしまう。
(シャンテのようにうまく振る舞えればいいのだろうけど…。
苦手だわ。私にはこっちの方が向いてる…)
そう思いながら胸の谷間にさしてある呪符に手をあてる。

声をかけれそうな人を目で追っているとひとりの男に目が止まった。
(あいつ…)
燃えるような赤い髪。長身で刀を背中に背負い、派手なキモノをまとっている。
街の往来でイヤでも目につく風貌だ。
自分が指名手配されているということを自覚しているのであろうか。
(もう、わかってるのかしら…!)
サニアは軽いいらだちと共に少し明るい気持ちになった。
(こそこそするのが嫌なやつだとは思うけど、もちょっと考えてよね…!)
そう、声をかけようとしてふとサニアは足を止めた。
230名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 00:53:40 ID:3VsdL6/X

トッシュのとなり。見知らぬ女性がいた。
艶やかな色彩のキモノを着て、化粧は濃く、トッシュの逞しいその腕に
自らの白い腕をからめてぴったりよりそって歩いている。
王家育ちのサニアにも、それがどんな職業の女であるかはわかった。

(チクン)

その女の白いうなじが、赤い口紅の間からのぞく白い歯が、
その腰にまわされた腕が、サニアの心をかき乱した。
サニアは自分でもわからず、あわてて近くの露店の客にまぎれた。
見つかりたくなかった。
(違う…別に私は…)
なにかに言い訳するように自問自答した。
次第に目頭が熱くなってくるのを必死にこらえた。
なぜかひどく自分がみじめなもののような気がして悲しくなった。
(トッシュはいつも飲んだくれで、お調子者で、喧嘩もするけど…)
まさか…

裏切られたような気持ちがサニアを支配していた。
別に関係ない。わかってる。
トッシュは私よりも11も年が上で、男で、
自分の知ってるトッシュがすべてじゃないってこと…。

目がそらせなくてこっそり二人を目で追った。
二人は楽しそうに話ながら木造の古い小さな一軒家の中に消えていった。

言い知れぬ脱力感とともに怒りとも悲しみともつかない激情が沸き上がってきた。
(知らない…!あんなやつ!知らない…!)
サニアはその場を走って去った。

(つづく)
231名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 02:51:20 ID:LNxPRF8/
トシュサニキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
なんすか甘酸っぱス
期待age
232名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 23:13:56 ID:3VsdL6/X
エロスまで行くまでちょっと長くなった

以下つづき
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それから数日後…


ククルの神殿。

サニアはバルコニーからぼーっとよせてはかえす波を眺めていた。

「どうしたの…?最近元気ないみたいだけど」
シャンテが後ろから声をかける。
「…べつに…そんなことないわ…」

「そう…ならいいんだけど…」シャンテも深くは聞かない。
となりに並んでまっすぐ海を眺める。
「みんな…心配してるわ」

「そんなんじゃないのよ、大丈夫だからほぅっておいて…!」
いらだたしげにサニアが言葉をきる。

(大丈夫そうにみえないんだけどね…)
シャンテは小さくため息をつく。

そこにまたひとりの人影があらわれた。
「おーい、シャンテ!わりぃんだけどちょっと面かせよ」

その低くよく通る声にサニアはドキリと身をかたくする。

「あら、なんのようかしら?」
「あぁ、エルクのやつがまたひどく無茶してよ。手を借りたいんだ」
「またぁ?ほんと世話の焼けるぼうやねぇ」

サニアは反射的にその場を足早に去ろうとした。
その瞬間…

「待てよ」

ドスの聞いた声とともに一瞬で手首をつかまれる。

233名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 23:18:42 ID:3VsdL6/X
「…ちょっと、痛いじゃない!放してよ!」
サニアはふりむきざまにくってかかった。

「お前なんで最近俺のこと避けてんだよ」

「は?避けてなんかないわよ!放してったら!」

「いーや、避けてる。なんでだよ。」

ぐいっと引き寄せられてとび色の瞳で見据えられる。
真直ぐな瞳で見据えられたサニアは一瞬たじろいだが、
「痛い!」っといって目をそらした。

「わっかんねぇのに避けられるとか、気分わりぃだろ。教えろよ」
トッシュが更に引き寄せようとした瞬間…

パンッ

「ってぇ…」

サニアの平手打ちがトッシュの右頬を打った。
「知らない…はなしてよ…」
サニアはかすれた声で言った。
トッシュは穏便でない表情をしていたが
サニアの今にも泣き出しそうな顔を見て手を放した。

サニアはそのまま逃げるように走り去った。

「ちぇっ…なんだよアイツ…」

トッシュは不服そうに打たれた頬に手をやった。
傍観していたシャンテがトッシュに冷たい視線を投げる。

「強引ねぇ。
あんたサニアの気にさわるようなことしたわけ?」

「しらねぇよ…くそっ」

右頬にのこる熱だけがヒリヒリとリアルに感じられた。
234名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 23:25:39 ID:3VsdL6/X
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(どうしてあんなことしちゃったんだろう…)
自分で思いつめて、自分で避けて、結果あんなことして…

最低…

「はぁ…」

深くため息をつく…

「サニア、大丈夫?気分が悪いなら戦闘メンバーから今日ははずすけど…」

アークが心配そうに声をかける。

「ううん、平気。ちょっと考え事してて。戦闘には参加させて。お願い。」

「そう…あんまり無理しないようにね。」

優しい仲間たち。

(今日はトッシュも戦闘に参加してる。今までなんとなく避けちゃってたけど…

あんなことがあってもトッシュは私に普通に接してた。
挨拶だってちゃんとしてた。
悔しいけど…トッシュは私なんかよりずっと…)

サニアは自分の子供じみた対応を反省し、きゅっと唇をむすぶ。

(今日、謝ろう)
235名無しさん@ピンキー:2007/05/01(火) 23:28:29 ID:3VsdL6/X

そうサニアは決心して戦闘にのぞんだ。
アーク、トッシュ、エルク、ポコ、サニアがメンバーだ。

「さぁ、行くぞ!」
アークの号令で皆、一斉に戦闘体制につく。
今回は物理攻撃が強く、防御が固い敵が多いため、サニアはポコと共に援護にまわった。
前線で闘うトッシュ、エルク、アーク。

「シャッフルショットォ!」
広範囲の攻撃魔法で徐々に敵の体力をじりじりとけずっていく。

「よし、あと少しだ!みんながんばろう!」
アークの声が向こうで聞こえた、その時だった。

「サニア!」

トッシュのするどい声が天を裂いた。


(えっ…)


ビリリリリリッ


「きゃぁぁあああ」


するどい雷激のようなものが全身を打ってサニアはその場にくずれおちた。
皆、前の敵に夢中になっていて、後ろからせまる的に気付くのがおくれたのだった。


(身体が…痺れてうごか…ない…あぁ)

だんだんと意識が遠ざかる中自分の名前を呼ぶ声がこだましていた。

「…ニア!…サニア…!」




236名無しさん@ピンキー:2007/05/02(水) 04:15:04 ID:bCnqL2IB
wktkあげ!
237名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 02:57:53 ID:TlNEtVeo
トスサニむずー
後半のトッシュ→漏れ代理 を目指してがんばった

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目が覚めると、そこは見覚えのない天井だった。
古いスメリア式の木造建築。
(あ、私…)

ぼんやりとする意識の中で自分がどうしいていたのか、
記憶の糸を辿ろうとした。
(そう、戦闘に参加してて…伝えなきゃいけないことが…)

そこまで考えて、ハッとして身体をおこそうとしたが、
よろけてどさっと倒れてしまった。
(か、身体が動かない…)

「ん…」

一生懸命上半身を起こそうとしたが、うまく力がはいらず、倒れてしまう。

(私の身体…どうなっちゃったの…)

軽く息をきらせて必死に起き上がろうとしているところに足音が近付いてきた。
ふすまをさっと引く音。

「あら、気付いたのね。よかったわ。」

サニアが目を向けるとそこには女がひとりたっていた。
色白の、背の高い、美しいキモノ姿の女だった。

「あ…」

女は近くにかけよるとサニアの身体をそっと助けおこした。
「無理は禁物よ。あなたの受けた麻痺のダメージは最大級の魔法レベルのものだったからね。
命に別状はないけど…しばらく安静にしてなくちゃ」

落ち着いた、低い、優しい声だった。

「こ…こ…は…?」
「ふふ、心配しないで。ここは安全な所よ。さぁ、お薬をのみましょう」
女は紙につつんだ白い粉をお茶にそそいでサニアの口もとにもっていって
少しずつ飲ませた。温かいものがのどをつたって生きてる実感が沸き上がってきた。

女の顔…どこかで見たことがある…
そう思ってぼんやりと彼女を見つめていてハッっと気付いた。
トッシュといつの日か歩いていたあの女性…!

「あなた…は…?」
238名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 03:00:08 ID:TlNEtVeo
サニアはわなわなと震えながら聞いた。
「私?私は闇医者よ。こう見えてもね」
そういってウィンクする。
(医者…?)
そんなやりとりのなかもう一つ足音が近付いてきた。
「おぅ、気がついたか」

低いよく通る声。ゆったりとした胸元がひらいた部屋着に着替えたトッシュが
現れた。
「トッ…シュ…」

(なぜ、どうしてこの「二人の場所」に私を連れてきたの…)
サニアはいたたまれない気持ちになった。
目をふいとそらすサニア。
そんなサニアをしりめに二人は会話をつづける。

「世話になったな。おまえの薬は昔から下手な回復よりずっと効くからよ。タツロー」

(…?)

「ちょっと!ここではキヨノって名前で通ってんだからその名前で呼ぶのやめろっていってんだろ!」

(…!!?)

「あーあー、わーった、わーった。お前が「完璧に」に女になった暁にはそう呼んでやるよ」

「ふんっ、ったく、この飲んだくれが!
お嬢ちゃん、あたしこれから出張で出かけなくちゃいけないの。
しばらくここ使っていいから安静にね。あとトッシュ、この塗り薬、手足に縫ってあげてね」
それまでしとやかだった女性が
いきなりドスの聞いた低い声になってあいた口がふさがらないサニア。

「え、…お、おと…!?」

「乙女よ★うふ」

そうウィンクしてそそくさと立ち去る姿をあんぐりと見つめるサニア…
(そんな、じゃぁ、あれは…)
サニアは自分が勘ぐっていたことがことごとくはずれてすっかり脱力してしまっていた。

「調子はどうだい?」

トッシュの一言でふと我に帰る。
こないだのことなど何もなかったような態度。
それがなぜかとてもうれしくてずっと思いつめてた言葉が一気にあふれでた。

「ごめん…」

「あん?なにが」

「こないだの…ほら!…ぶったでしょ私…ごめん」

「あぁ そんなこと気にしてねーよ」

トッシュはぼりぼりと頭をかきながらぶっきらぼうにいった。
たぶん、トッシュにこんなに素直に自分の話したことは今までないし、
これからもないかもしれない、そう思った。
ふと口元がほころぶ。
239名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 03:06:24 ID:TlNEtVeo
「あの…トキノさんって人は…?」
「あー古いなじみさ。昔から線は細かったし女々しい野郎だと思ってたが…今じゃあの通りの化け物よ。
だが、医者としての腕はこの界隈の仁侠ものも一目おいてる。
まぁ、アッチの方の商売もしてるみたいだけど…な…」

トッシュはさも興味がなさそうに話す。
サニアはそれがなんだかおかしくなってクスクスと笑った。

「なんだよ、やけに機嫌がいいじゃねぇか」
「ううん、なんでもないわ。それよりアークたちは?」
「先にトウヴィルに帰ってる。ほら脚だせよ。薬縫ってやるから」

サニアはドキっとして身を畏縮させた。
「いい…わ、自分でできるから…」
「あ?腕もろくにうごかねーくせに、ほら」

そういってぺロリとふとんをめくるトッシュ。

「あ…!」

寝着の浴衣のはだけたところからのぞくほっそりとした脚が、
太ももの中ばまであらわれた。

サニアは真っ赤になった。
(な、なんてデリカシーがないの…!)
普段なら声を荒げて怒るところだけど、安堵した気持ちと
トッシュの不器用な優しさを拒んでしまうのも今は気が引けて
されるがままになっていた。

ねっとりとしたローション状のものを小さなつぼから手にとって
サニアの両の脚につまさきから揉みこむ。
その大きな手にすっぽりとおおわれてしまうほどの
ほどよく肉付いた若鹿のような美しい脚だ。

サニアは仰向けになったまま顔を横にふせて緊張していた。
脚も麻痺がのこっているため、そんなに感覚がなかったのだが
、サニアにとって脚をさすられるという行為自体を眺めることが
破廉恥であり、とても凝視にたえうる行為ではなかった。

(あぁ 早く終わって…)

同時にトッシュはなんにも感じてないのだろうか…と余計なことまで気になってきた。
(私のような小娘にはなにも感じないのかな…)
そう思うと少しもの悲しくもなった。

5分ほどの沈黙の中、ゆっくりとマッサージは続けられ、
サニアの脚に徐々に感覚が戻りはじめた。

くるぶしから大腿部までゆっくりと手でおおいながらさすりあげられている感覚が
サニアの中で感じられるようになってきた。

(あっ…ダメ…!あっ…)

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(つづく)トッス鬼畜で
240名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 03:23:30 ID:FDDx3APD
こ、これはいいツンデレですな!期待!
サニアのトランスファーでトッシュのターン増やす戦術だったんで
これはかなり燃える
241名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 16:28:32 ID:jcEvAZf0
トシュサニGJ!サニアかわいいのう。
242名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 16:55:54 ID:cka1qjWF
シュウシャンもグルシャンもルシェリもトシュサニもGJ
243名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 01:31:06 ID:5tJ6/OJh
シュウシャン続きキボンヌ
244名無しさん@ピンキー
トシュサニ好きだったんだ。あのツンデレ具合が良い!!!
続き待ってます('◇')ノ