【ゼロの使い魔】ヤマグチノボル総合4

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630名無しさん@ピンキー
森の中で拾った彼の熱はまだ引かない……
「ル……イ…ズ、……にげろ……ルイズ…」
ずっと……うなされている。
(かわいそう……)
指輪の魔力も尽きてしまった……
わたしにこの人を助ける力はもうない……
(ごめんなさい……)
熱を測るために、額に手を当てる。
まだ……熱が高い。
「……ルイズっ」
「きゃっ」
いきなり抱き寄せられる。
小さいときのお父さんやお母さんとは違う、私より逞しい腕。
恥ずかしくって動けなくなる。
彼の腕が、何かを探すように私の胸を探る。
(あっ、あうあうあうあうあうあう)
声にならない悲鳴を上げていると。
「……ち、……がう……ルイズ……じゃない……」

どういうことかしら?
また何かを探すように、腕が虚空を彷徨う。
……私にできること……ないの…かな?
ちょっと寂しくなって立ち去ろうとした。
「あっ」
また捕まる。
「……ル、イズ……良かった……」
今度は何か安心したように、息が静かになる。
(よかったぁ……)
あ、でも……私の服を掴んだままだ……
(もうすこし、このままでいてあげるね)
不思議なことに私の背中を掴んで安心した彼の側に、私は暫く居る事にした。