【仮面】オペラ座の怪人エロパロ第7幕【仮面】

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1名無しさん@ピンキー

引き続き天使様の御降臨をお待ちしております。
エロ無し・ギャグ無しを投下する天使様は、注意書きとしてその旨のレスを入れてから
SSを投下してくださいませ。

過去スレ
第1幕 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1107434060/
第2幕 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1117948815/
第3幕 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1127032742/
第4幕 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1132843406/
第5幕 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1138109683/
第6幕 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1145801742/ 

関連
【仮面】オペラ座の怪人エロパロ【仮面】:まとめサイト  
http://lot666.fc2web.com/
2羅右流:2006/09/17(日) 06:47:36 ID:Z9EsFM7T
華麗に2ゲット
3芽具:2006/09/17(日) 07:23:29 ID:ScOC/Ipc
3ゲットだわママン
4魔陀夢・慈璃:2006/09/17(日) 11:24:30 ID:oNIr2H24
ほほほ・・・しなやかに4ゲット
5O.G.:2006/09/17(日) 14:16:18 ID:M0IDFhHo






6無臭・麗衛:2006/09/17(日) 16:33:39 ID:ky/HI24d
ムシュレイエ の6
7栗栖体濡:2006/09/17(日) 22:55:50 ID:DVsmKAzn
7ゲット・・・でいいのかしら、マスター?
8名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 00:16:22 ID:JpQRnz0C
懐かしのなりきりスレを見ているようでなごみますね。
マスターは「不安吐無」ってとこかな?
ところでエロパロ板は現在773スレ、あと28スレ立てば100スレがdat落ちしてしまいます。
(この板は28くらいすぐ立つ)
早いとこ前スレを消化してしまわないと重複してるしこちらが落とされる可能性も否めないと思う。
9名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 23:27:14 ID:9DHxFqv0
新スレ早々ですが投下させていただきます。

設定はクリスティーヌと出会う以前のオペラ座
若ファントム×踊り子
エロ極少
乙女チック系

苦手な方はスルーでよろしくお願いします。
10マスカレード幻想1:2006/09/18(月) 23:30:48 ID:9DHxFqv0
オペラ座の踊り子になって何年になるだろう。
今年も私は、マスカレード用にドレスを誂えることが出来なかった。
化粧を終えてドレスを身に着け、鏡の前で唇を噛む。
オペラ座の踊り子で、マスカレードの為に毎年ドレスを新調出来る者などそうはいない。
他の多くの踊り子と同じように、私も去年と同じものを着て出るつもりでいたのだ。
以前のままの、群舞の踊り子であったなら。

マスカレード直前の公演で抜擢され、私だけが世の注目を浴びたりしなければ。
舞台は大成功し、私は突如としてプリマの仲間入りを果たした。
次の舞台も約束され、晴れてドレスを新調できる立場になれたのは嬉しいことだったが、
目前に迫ったマスカレードまではあまりに時間が無さすぎた。
どこの仕立て屋もすでにいっぱいに注文を受けていて、私の為に大急ぎで仕立てを引き受けて
くれる店を見つけることはとうとう出来なかった。
パトロンも持たないただの群舞だった私には、行き付けの仕立て屋すらなかったのだから。

身につけたドレスは引退した踊り子から譲り受けたものだった。
念入りに化粧をほどこし、自慢の黒髪を結い上げてはみたが、気分は晴れない。
仲間達の妬み、やっかみは日に日に増し、仕立てが間に合わないとわかっていながら、
わざわざこの日の為にどんなドレスを新調するのか、と訊ねてくるありさまだった。
11マスカレード幻想2:2006/09/18(月) 23:32:21 ID:9DHxFqv0
大きな花火の音が次々と響き、オペラ座に仮面の紳士淑女が集まりだす。
音楽が奏でられ、年に一度の華やかな仮面舞踏会、マスカレードが始まるのだ。
どうしても気が進まず、仮面をつけてからもしばらく鏡の前でぐずぐずしてから、ようやく自分の
楽屋を出て会場へと向かう。
途中でストッキングのガーターがずれたので、人気がないのをいいことにカーテンの陰で
ドレスの裾を太腿まで捲り上げる。
人に見られたところで、どうせ私だと分かるものものなどいやしない。
音楽が溢れかえる会場で、私は仮面の人々の踊りの渦に巻き込まれていった。


踊り始めてすぐ、遠くからじっと私を見つめている視線に気がつく。
くるくると踊りながら視線の主を探し出すと、それは黒尽くめの衣装を身に纏った背の高い男だった。
遠くからでも見て取れる身なりの良い男。
特別に作らせたものなのだろうか、柔らかそうな革で出来たひどく変わったマスクをつけていた。
それは左右の大きさが違っていて、顔の右側は口元までマスクで覆われて見えなかったけれど、
左側は眼のまわりを申し訳程度に隠しているだけなので、男が端正な顔立ちをしていることが
よくわかる。

明らかにオペラ座の者ではない。
これだけ目立つ容姿をしていたら私が知らないはずがない。
オペラ座を贔屓にしている貴族の師弟の一人だろうか。
興味を引かれた私は踊りの輪の中から抜け出すと、その男のそばまで飲み物を取りに行った。
12マスカレード幻想3:2006/09/18(月) 23:33:57 ID:9DHxFqv0
グラスを受け取り、男の傍らにさりげない風を装って歩み寄る。
「……ムッシュウ。さっきから、なぜ私のことを見つめてるのかしら?」
男を間近で見ると、仮面の奥の瞳は吸い込まれるような美しい碧だった。
身につけた衣装は身体ぴったりに仕立てられており、引き締まった身体つきを強調している。
男の姿に眼をやりながら、つい先日私にパトロンを申し出てきた、たるんだ身体の老貴族を思い出し、
嫌悪感をもよおす。
この男はただ壁にもたれているだけで美しい。
  
「……たいした自信家だな」
男の声は低く、ゆっくりとした物言いが耳に心地よい。
思ったよりも若いらしい。
わずかに微笑みを浮かべた表情など、魅力的で眼を奪われる。

「あら……だって、ずっと私を見ていたじゃないの。違うとは言わせなくてよ?」
黒尽くめの衣装は手の込んだ上等なものだ。
わざわざこの日の為だけにこれだけの衣装を誂える財力のある、若く魅力的な男。
私は男を見上げ、首を傾げて微笑んでみせた。

「……喉が渇いてワインを取りに来たのではなかったのか? まだ一口も飲んでいないようだが」
失礼な物言いにカチンときたが、貴族や金持ちにはこういう男は少なくない。
「! …言われなくてもいただくわ」
つんと顔を背けてグラスを口にすると、
「ふん。口の利き方も知らないと見える。とんだプリマだ」
「……あなた、私を知ってるの?」
「先の公演で役が付いた踊り子だろう?」
「……!」
「……あれは悪くなかったが、次の舞台はおまえには難しいぞ。まあ、やるだけやってみるんだな」
この男はなぜこんなに詳しいのだろう?
次の舞台のことはまだ発表されていないはずなのに――。
13マスカレード幻想4:2006/09/18(月) 23:35:21 ID:9DHxFqv0
「それから…花形の踊り子ならドレスは新調しろ。去年のを着ているのはおまえ位なものだ」
男は言い終わるなり黒い羽飾りのついた長いマントを馴れた手つきで捌くと、引き締まった身体を翻し、
大きな足取りで回廊へと去って行った。

はっと我にかえり、小走りに男を追いかける。
「待って……、待って!! あなた、私の舞台を見たのね? 
 次の舞台のことも知っているの? どうして? どうして私には難しいと思うの?」
男は他に人影のない回廊で立ち止まると、ゆっくりと私を振り返った。
私は言葉を継ぐ。

「……なぜ去年と同じドレスだって知ってるの? ………あなたは誰?」
追いすがる私の手首を、黒い手袋をした手がつかむ。
男が口元だけで微笑み、もう一方の手が私のウエストをいきなり引き寄せた。
互いの身体が密着し、息がかかるほど近くに端正な顔があった。
「………おまえのことは何でも知っているとも。仕立てが間に合わなかった事も、
 そのカーテンの陰でドレスを捲り上げていたことも」
さっきガーターを直した壁の窪みを、男が顎で示した。

驚いて声も出せずにいる私の耳元で、男がさらに言う。
「……なかなかいい脚だった」
片頬だけ微笑む男の緑の瞳が欲望の色を宿す。
そのまま壁に押し付けられ、仮面の奥の碧の瞳がゆっくりと私の上に近付き……、
わけもわからぬまま、私は男の接吻を受け入れたのだった。
14マスカレード幻想5:2006/09/18(月) 23:37:00 ID:9DHxFqv0
男のくちづけは甘く情熱的で、硬い腕に抱きしめられてくちびるを吸われ、舌を絡ませているうちに
身体の奥が熱くなってくる。
やがて吐息混じりの低い声が耳元に囁かれた。
「……このまま会場に戻すのが惜しくなってきたな」
それは私も同じだった。
男を見つめ返す私の眼もまた、欲望の光を宿していたに違いない。
男は壁から一本蝋燭をとると、私の手を掴んで回廊の奥の暗がりへと進んで行った。
ふだん踊り子が立ち入ることのない場所。

迷うことなくひとつの扉に入ると、慣れた手つきで燭台に灯を移す。
そこは衣装倉庫のようで、家具らしいものといえばソファーと粗末なテーブルしかなく、部屋の奥には
衣装箱が所狭しと積み上げてあった。
男は向き直るなり私を抱きしめ、その手が性急にドレスをまさぐる。
互いにくちびるを貪りあいながらソファーに倒れこむと、男が器用に私のドレスを緩めはじめた。
若くても、こういうことには手馴れているらしい。

絶え間なく続く口づけは甘く、その手は私をうっとりとさせる。
すらりと見えた男の身体は、触れると思いのほか逞しい。
二人の吐息が徐々に激しくなっていき、男の手がスカートの奥をまさぐる。
誰とも知らぬ男と、オペラ座の一角で身体を重ねるなど、それまでの私には考えられないこと
だったが、今はそれで良いと思っていた。
マスカレードなど、はなから出たくなかったのだ。
ここで――、この男と抱き合っていたい。
男に身を任せて、奈落の底まで落ちていきたい。
15マスカレード幻想6:2006/09/18(月) 23:39:02 ID:9DHxFqv0
男の指使いは繊細だった。
私の反応を確かめ、敏感な部分を巧みに愛撫し……、堪えきれないほどに高めてから、はぐらかす
ように別の敏感な場所を探り出す。
私の仮面はとうに外れてしまったのに、男は黒革の仮面をつけたまま……碧の瞳で私を見つめている。
蝋燭の照らし出す薄暗がりの中で、互いの熱い吐息だけが際限なく繰り返される。

指先だけで頂上まで達してしまった私は、たまらず私は男に懇願した。
「おねがい……おねがいだから……もう……!」
男は私の懇願を待っていたのだろうか。
しどけなく開かれた脚をさらに押し開き、前をはだけた男が私の中に入り込んでくる。
とうに蕩けた私は熱い塊を歓喜をもって迎え入れた。

遠くで聞こえていた音楽は、もう聞こえなかった。
耳に聞こえるのは私の声と……男の息遣いと……、ソファーのきしむ音、そして男が私の中を
行き来する淫らな音だけ。
私の瞳に映るのは碧の瞳と……黒い仮面と……蝋燭の灯と、暗闇だけ。
私の手が触れるのは男の厚い胸と、筋肉質の腕、そして引き締まった背、腰……。
硬い楔は繰り返し私を貫き……私と男は束の間の愛欲に溺れた。

遠くで、花火の音が聞こえていた。
16マスカレード幻想7:2006/09/18(月) 23:41:17 ID:9DHxFqv0
幾度目かの絶頂から覚め、けだるそうな様子の男に眼を向ける。
男はすでに前をあわせ、穏やかな眼差しで私を見ていた。
恥ずかしくなって、眼を伏せると、しわだらけになった私のドレスが眼に入った。
「もう、着られないわね……。でもいいの。どうせもう着るつもりはなかったから」

もうマスカレードなどどうでもよかった。
ただ、これを着て部屋まで帰れるかどうか、少し心配になる。
男は少し思案してからおもむろに立ち上がり、奥の倉庫からひとつの衣装ケースを引き抜くと、
中のレースのかたまりを私に投げて寄越した。

「着て行け」
「……?」
「下着姿で戻るつもりか?」
驚く私のコルセットを器用な手つきで締め直すと、嵩張る衣装の着替えに手を貸してくれる。
「日の目を見なかった舞台衣装だ。覚えているものはもういまい」
深い色の瞳で私を見つめたあとで、男は髪まで直してくれた。
「髪は下ろせ。……これを」

テーブルの一輪挿しから紅い薔薇を抜き取り、茎を折って私の髪に挿す。
「黒い髪には、紅い薔薇がよく似合う」
衣装は見事なもので誂えたようにぴったり合い、鏡に映る私はかつてない程美しく見えた。
そして鏡の中、私の後ろには黒尽くめの仮面の男が影のように立っているのだ。
「……あなたの、……名前は?」
男は答えず、その手が私の仮面を差し出す。
それは二人きりの時間が終わったことを告げていた。
もう、現実の世界へ戻らねばならなかった。
17マスカレード幻想8:2006/09/18(月) 23:43:56 ID:9DHxFqv0
男にエスコートされて会場に戻る。
男は迷わず広間の中央へすすみ出ると、振り返って微笑み、私にその手を差し出す。
「一曲だけ、お相手願いたい」

たった今、肉の悦びを共にした相手だというのに、このときめきはなんだろう。
伸ばした私の指が男の黒い手袋に触れる。
私の指をぎゅっと握る、男の指の感触。
このまま、ずっとこの手を離したくない。
音楽など何も耳に入らない。
男の手は私の腰を掴み、肩に触れ、引き寄せる。
碧の瞳に魅入られたように身を任せ、ステップを踏む。
男は軽やかに私をリードし、私たちの周りには人がいなくなった。
あたりの人々が遠巻きに私達を見つめている。

――やがて曲が終わり、男は衆人環視の中で私を抱きしめた。
「……おまえは美しいな」
私よりずっと端正な顔立ちであろう仮面の男は耳元でそう囁き、私の首筋にため息の出るような
口づけをひとつ落とすと、思わず見とれてしまうような魅力的な微笑みを見せ、そして身を翻して
行ってしまった。

我にかえって追いかけたときには、すでに回廊には男の影も形もなく――。
私はただ呆然と立ち尽くし、涙を止めることが出来なかった。
おそらくもう二度と会うことは出来ない、そんな予感がしていたから。
あの男は何者だったのだろう。
男はオペラ座から出て行ってしまったのではない。
男はオペラ座の内部へと消えていったのだ。
18マスカレード幻想9:2006/09/18(月) 23:46:28 ID:9DHxFqv0
私の首筋には男のくちづけのしるしがしばらく残っていた。
眼の覚めるような衣装であらわれた駆け出しのプリマと、黒尽くめの長身の男のことは、
今年のマスカレード一番の話題としてその後しばらく世間をにぎわせた。
ことに、たった一曲だけ踊って消えてしまった男について人々はあれこれと詮索し、その身元を
知りたがったけれど、その場に居合わせた誰一人として、男のことを知らなかったのだ。
もちろん、エスコートされた私自身も。


うすれていく首筋のしるしを眺め、そっとそこに触れながら、私は夜毎男のことを思い出した。
マスカレードの夜、私は夢を見たのだろうか?
遠くから私を見つめていた碧の瞳。
私を抱き寄せた逞しい腕、引き締まった腰。
私の肌に無遠慮に触れながら囁かれる、甘く低い声。
私をシンデレラにのように仕立て上げ、夢のような踊りに誘い、幻のように消えてしまった男。


あれから、出番を待つ舞台の袖で、また控え室に戻る途中で、ふとどこからかの視線を感じることがある。
私の次の舞台を、あの男はどこからか見ているのだろう。
オペラ座の全てを知り尽くした、謎めいた男。

私の心はすでに男の影に捉えられてしまっていた。
オペラ座の幻に。



(終)

19名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 23:49:41 ID:9DHxFqv0
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました。
20名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 00:51:56 ID:zf6Y1cP/
GJ!マスターったらマスカレードで堂々と踊っちゃったんだ。
しかも若いのにコルセットの締め方やら女性の髪の直し方を心得ているなんてさすが。
髪の黒い踊り子タン…来月映画を観にいったら思わず探してしまいそう。
ロマンチックなSSありがとう天使様!
21名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 18:24:51 ID:Kfy7os3C
ロマンチックで幻想的な、一夜のファンタジーって感じで、うっとりしました。
美しくてミステリアスな若ファントムも、すご〜く素敵!
文章も雰囲気があって、酔いしれました。
素敵なssを、ありがとうございます〜!
22名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 20:45:44 ID:3kwCAyxI
GJGJ!!
夢の様な一夜を 何度も酔わせていただきました。
もう 溶けそうですw
天使タマ ありがとう。
23名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 23:56:06 ID:gvOotTKW
ジーニアスだから 女性の大変な衣装の着替えを手伝う事くらい
オチャノコサイサイなんですねw
マスターに心を奪われてしまった 踊り子タンはどうなるんでしょう?
もちろん いい舞台が次々決まっていくのでしょうがw
24名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 03:17:49 ID:LoB7tmda
GJ! GJ! GJ!
マスカレードの夜でなければ表に出てこられないファントムが哀しくて、
仮面さえ着けていれば、ため息の出るほど美しいファントムが切なくて、
エロなのに、泣けました……。
2519:2006/09/21(木) 19:53:40 ID:Lb7A69Fv
コメントありがとうございました。
また何か書きあがりましたら投下させていただきます。

引き続き他の職人様方の投下をお待ちしています!
26名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 01:16:07 ID:ZNXImpau
旧スレ、775の天使様。GJ!GJ!
先生、哀れなり・・・w
悲劇と喜劇はまさに紙一重・・・・ww
また投下してくださるのを、お待ちしていま〜す!
27名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:05:58 ID:cWW9F+Fw
もうすぐ再び映画館上映されますね。
ここにも天使様がおいでになりますよう。
28名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 19:04:44 ID:4/j5sEQU
投下します。
エロ無し、完全にネタです。
29武勇伝1:2006/09/23(土) 19:05:51 ID:4/j5sEQU
「お前たちに戦争を宣言しよう……!」
それは些か不自然な言い回しだった。彼はよほど興奮していたと見える。
黒い皮手袋に包まれた人差し指を真っ直ぐこちらに向け、ギラギラとした目つきで睨み付けて
いる。沈黙した我々3人の間には、ただ雪が舞い落ちているのみだ。

「ふん、負け惜しみか!」
僕はそう言い捨てて踵を返し、クリスティーヌの手を引いて、乗ってきた白馬に跨ろうと
たまたま足元にあった墓標に足をかけた。
「待て!!」
彼の言葉に振り向いたのは、クリスティーヌだった。

なぜ振り向く、クリスティーヌ! 君を連れ去り、父親のフリをして墓所に連れ込もうとした
卑怯な男だぞ? そのうえ墓の屋根によじ登り、奇声を発しながら不意打ちで剣を振り下ろして
くるような陰険な人間だ。そんな彼の声に、どうして反応するんだ!

「逃げるのか? 子爵閣下。あなたの忠実なる僕を置いて?」
何て嫌味な奴だ……彼の意味不明な敬称と遜りに、僕の胸に再び怒りの炎が燃え始めた。
ゆっくり振り向くと、彼は人差し指をそのままに、ニヤリと笑いながらこちらに近づいて来た。
咄嗟にクリスティーヌを自分の背後に隠す。

「さっきの決闘は取り消しだ。私は正々堂々とお前に戦争を宣言する!」
取り消し……? 自分から勝手に刃を向けておいて、負けたと思ったらそれか?
大の大人が、これではまるで駄々をこねる子供ではないか! これが支配人たちの恐れる
“怪人”なのか?

「ラウル……」
クリスティーヌは汗と雪に濡れた僕のシャツを掴んで震えている。彼女をこれ以上、不安
がらせてはいけない。
「正々堂々とは笑わせる! 今度は一体何で戦おうと言うんだ、ムッシュウ?」

「ドッジボールだ!!」
「ド……?」
今、彼は何と言った? ドッジボール? 何だそれは……?
「ラ、ラウル……?」
クリスティーヌは僕と彼を見て、戸惑いの表情を浮かべている。

「ふ……何だ、怖いのか? 私に負けて、地獄のかまどで焼かれるのが?」
30武勇伝2:2006/09/23(土) 19:06:46 ID:4/j5sEQU
彼はまた訳の分からない事を言い出した。
しかし、ドッジボールとは何だ? 全く聞いたことのない戦闘法だが、ここで彼に聞くのも
悔しい気がする。何より、クリスティーヌに無知な男だと思われたくはない。
「随分と変わった趣味をお持ちのようだ。そ、そのド……ん、ゲフン! それで戦った
ところで、僕の勝利は目に見えているがね」
「ほぅ?」

彼はマントの中から、球状の物を取り出した。マントのどこにそんな物が入っていたのかは、
この際聞かないでおこう。
「ルールはご存知だろうな、子爵閣下?」
「勿論。しかし、僕の知るそれと食い違っていては困る。確認させてもらおうか」
彼は不適な笑みを浮かべながら言った。
「まず、ボールが体に当たったら負け、という基本ルールは変わりない」
僕は黙って頷く。
「ワンバウンドは無効、当たったボールがノーバウンドでキャッチされた場合も無効だ。
サドンデス、1回のみの勝負という事でよろしいかな?」

大して難しいものではないらしい。命にも影響はなさそうだ。これならすぐに片がつくだろう。
僕は承諾の合図を目で送ると、クリスティーヌの方を振り返って言った。
「すぐに済むさ、ロッテ。2分だよ!」

彼は片足の爪先で、ズー、ズズー、と音をさせながら、雪の積もった地面に線を引いた。
「この線からこちら側が私の陣地、そちら側がお前の陣地だ」
「分かった」
「言っておくが、手加減はしないぞ」
「当然だ」
「先行は私だ」

呆れるほどに自分勝手な奴だ! だが、まぁいい。彼の腕前を探らせていただくとしよう。
クリスティーヌは不安げな面持ちで、我々の様子を窺っている。今度はどんなに彼女が
頼んでも、情けを掛けてやるつもりはない。
「さぁ来い!」
僕は彼を見据えて叫んだ。
彼はマントを翻して振り被り、勢いよくボールを投げつけてきた。
ボールは僕の髪をかすめ、後ろの銅像に当たって転がった。
慌ててボールを拾う。

「ふ……悪運の強いお方だ」
彼は不敵に笑いながら言った。
31武勇伝3:2006/09/23(土) 19:07:40 ID:4/j5sEQU
成程、このボールを思いっきり投げつけてやればいいんだな? 幼い頃から、剣術や馬術
で鍛えた肩だ。目にも留まらぬ剛速球をお見舞いしてやる!
僕はこれ以上ないくらいに腕を振り上げ、彼の上腕をめがけてボールを放った。

瞬間、彼は驚くほどの俊敏さで横にスライドし、ガッチリとボールをキャッチしてしまった。
「驚いたかね? 私が地下に引きこもってばかりいると思っていたのか? ふふ……何を
隠そう、私はアメリカ代表のゴールキーパーとしてW杯に出たことがあるのだ!」
「ええっ!?」
クリスティーヌが素っ頓狂な声を上げた。当然だ、音楽の天使と信じてきた彼が、サッカー
のゴールキーパーとは……。しかし、あのキャッチを見る限り、嘘ではなさそうだ。

「お前とはくぐってきた修羅場の数が違う!」
彼は誇らしげに胸を張った。悔しい。しかも、そんな武勇伝を聞かされては、クリスティーヌ
の心が傾かないとも限らない。
「ぼ、僕だって……テキサスの砦で、ものすごい攻防を繰り広げた経験がある。あの銃撃戦
は並大抵ではなかった!!」
クリスティーヌの顔を盗み見てみたが、大した感動をしていないようだ。くっ……アラモ砦
の銃撃戦では、W杯には勝てないのか……。

「銃撃戦だぁ? 片腹痛いわ! 私は火を吹く怪物と戦ったこともあるのだ。私の活躍の
おかげで、どれだけの子供の命が助かったことか」
子供の命を助けたとは! まずい、クリスティーヌの心が持って行かれる! 何とか巻き
返さなければ。だがしかし……。

「おとなしく敗北宣言でもしたらどうかね? 私の言葉を真に受けないと、後が怖いぞ」
「ふざけるな!」
彼はまたブンッとボールを振り上げ、力任せに投げつけてきた。腕に激痛が走る。先ほど
の傷口に当たったかもしれない。しかし運良くボールは、そのまま僕の手中に転がり落ちて
くれた。形勢逆転のチャンスだ。

「これだけは言わせてもらおう。僕は、裸には絶対の自信がある! ある時は大観衆の目の
前で、またある時は真冬の海岸で……全裸を披露する勇気が、君にはあるか?」
「肉体自慢か? このホモ野郎が!」
僕はなぜか、痛いところを突かれた気がした。

「まだ分かっていないようだな、生意気な若造め! 私だって、天井にぶら下がって
懸垂したり、ロープで逆さ吊りになりながら銃をぶっ放すくらいの体力はあるのだ」
何とアクティブな怪人!! 確かに、並大抵の腕力の持ち主ではなさそうだ。
32武勇伝4:2006/09/23(土) 19:09:54 ID:4/j5sEQU
「あの時は大変だった……元カノには撃たれるし、そうそう、フィルマン氏にも殺されかけ
たっけ……」
フィルマン氏に、こ、殺されかけ……? 単なる支配人と思っていたが、なかなか侮れない
男のようだ。用心しなければ。……などと言っている場合ではない。彼が遠い目をしている
今こそ狙い目だ!!

僕は彼の顔面に向かって、思い切りボールを投げた。ボールは彼の左頬に命中し、反動で
高く舞い上がった。本当ならあの怪しげな仮面にぶつけてやりたかったが、こちら側から
では無理だった。
僕が勝利を意識したその時、彼は落ちてきたボールを軽々と片手に収めてしまった。さすが
アメリカ代表の守護神だ。

「何する!」
怒りに燃えた目が僕を睨んだ。彼は興奮すると、言葉遣いが少しおかしくなる節がある
ようだ。怖い。

僕は得体の知れない恐怖を振り払うように言った。
「ぼ、僕だってものすごい修羅場を経験しているんだ! この間なんか、出会い系サイトで
知り合った14歳の女の子に、アソコを切られ……」

しまった、と気づいた時にはもう遅かった。
クリスティーヌの目が、失望に沈んでいる。さながら、転覆していく船のようだ。
「ち、違うんだクリスティーヌ……」
追い討ちをかけるように、怪人が言う。
「14歳だと? お前ロリコンか!」
「僕はロリコンじゃない! ……ていうか、君に言われたくな……」

言いかけた僕の目の前が真っ暗になり、星がいくつも弾けて消えた。下半身がえぐられる
ような激痛が、股間に走ったのだ。
「ぐ……ぐぅぅ……卑怯だぞ……」
僕はその場にうずくまった。ボールが地面に落ちる空しい音が聞こえる。

「見たか、クリスティーヌ!! 彼はもう、再起不能だ!」
高らかな勝利宣言。男として、これ以上の屈辱があるだろうか。
勝負には負けたかも知れないが、せめて仕返しくらいはしてやりたい。僕は震える手で
何とかボールを拾うと、最後の力を振り絞って、彼の頭へ向けてそれを放った。
次の瞬間、信じられない光景が僕の目に映った。
ボールと共にパサッと音を立てて落ちる黒い物体。彼は……彼は、カツラだったのだ!!

時が止まった。
33武勇伝5:2006/09/23(土) 19:11:09 ID:4/j5sEQU
股間を押さえて悶える僕と、カツラを飛ばされて立ちすくむ彼を、クリスティーヌが交互に
見ている。クリスティーヌ、そんな男を選ぶな! 確かに彼の武勇伝は魅力的だ。でも僕には
将来がある。子爵という身分もある……頼む、僕を裏切らないで……。

クリスティーヌは意を決したように歩き出した。そして、言った。
「あなたに惹かれていました、マスター!」
がっしりと抱きしめ合う2人。僕は捨てられたのだ……。やはり出会い系サイトがいけな
かったのか。それとも、僕も額が相当キていることがばれたのか。

彼はクリスティーヌを抱きながら、悪魔のような微笑をこちらに送った。その笑みは……
まるで吸血鬼のようだった。
そしてクリスティーヌに降り積もった雪を払ってやりながら、「大丈夫か? 寒かった
だろう?」などと優しい言葉を掛けてやっている。

クリスティーヌは、にっこりと笑いながら答えた。
「平気よ、マスター。私、寒さには強いの。たとえ全世界が凍り付いても、私だけは生き
残れる自信があるわ」
そして2人は、黒い馬が繋がれた馬車に乗って、去っていってしまった。

後に残された僕は途方にくれた。
寒い。痛い。これでは、騾馬に跨って帰るなんてとてもじゃないが無理だ。しかしこのまま
では凍えてしまう。助けて、天使様……。

すると、蹄の音をさせながら、2人の乗った馬車が現れた。彼は帰ってきてくれたのだ。
涙を浮かべた僕に、彼は手を差し伸べてくれた。
「……送ろうか?」

僕は彼の男気に惚れた。そして落ちていたカツラを拾うと、「この事は誰にも言わない」と
約束をした。
我々の間に、友情が芽生えた瞬間だった。

《完》
34名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 19:12:54 ID:4/j5sEQU
以上です。
いろいろとごった煮、失礼いたしました。
35名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 19:23:09 ID:SlLy1CA5
GJGJGJ!
お腹痛いよ〜ww
今日埼玉で久しぶりになっち訳に触れてきたばかりだったので
感動がひとしおです。
ありとあらゆる、よくこれだけ盛り込んで素晴らしいww
ありがとうございました、天使様。
36名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:44:25 ID:y7eN2twD
すっげぇワロタwww
先生だって7歳にハァハァする炉利(ry
やっぱワールドカップが強いのか…!
最終的には強敵と書いてともと読むわけですねw
37名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:38:05 ID:S8E9zKy5
どこからツッこんでよいやら、GJ!天使様
ドッジのルールを久し振りに確認したし、中の人の他作品はあんまり観てないので
いろんな意味で勉強になりました。
そして墓場のシーンにも呪いがかかるわけですね
38名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 21:13:46 ID:FiFqi+na
GJGJGJ!!! フルコースみたいな豪華版!
「送ろうか?」って、ファントム男前だw
39名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 00:22:10 ID:Z1Z+LO61
なっち字幕がちりばめられてるのにクソワロタww
先生タイムラインには触れてないんだな。考えてみればあれもフランスでの話だw
40名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 01:07:24 ID:IYA5wIh0
タイムラインを盛り込んだら マスターこの時代にいないよw
14世紀でラブラブしちゃってるからねw
41名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 01:19:41 ID:DS7lfozp
投下します。

・ファントム×奴隷娘
・ファントムの顔は映画版ではなく、ケイ版

ダメな方はスルーでお願いします。
42熱砂の果て:1:2006/09/25(月) 01:20:44 ID:DS7lfozp
ナーディルがその娘を伴って私の部屋を訪れたとき、彼は可笑しいほど口ごもりながら、
おそらく何度も何度も練習したに違いない口上を述べ、それから私の顔色を窺うように
ぎごちなくその目を上げた。
私は憎悪を籠めてナーディルを見つめ返す。
シャーから寵臣に示される最大の恩寵? なにが恩寵なものか。
私がこの娘をどう扱うか、私が―――いまだ女を知らない私が、シャーにどのように
感謝し、どんなふうにこの娘を貪るか、それを見たいがための悪意に満ちた賜り物。
私は死のような沈黙と弓の弦のように張りつめた緊張の支配する部屋で、
宦官たちのどこか軽蔑したような眼差しに曝されながら、目の前の娘をじっと見つめた。

側室になる訓練を終えたこのハーレムの女奴隷は、まだシャーの夜伽の相手には
選ばれていないとナーディルは言った。そう、シャーから寵臣に示される最大の恩寵は、
ハーレムの処女――妻――を賜ることだ。
娘を見つめる私の目は、おそらく仮面でさえ隠せないほど飢えたものだったに違いない。
娘を目にして、突然怒濤のように湧き上がった欲望はこの身のうちで燃え上がり、
爪が肉に食い込むほど強く膝を掴んでそれを抑えこもうとしても、
その炎が鎮まることはなかった。
身体のなかで絶叫する欲望に負け、娘に近づいていく。

ほくそ笑むような下卑たうすら嗤いをその面に浮かべた宦官が娘を私の足許に投げ出す。
私はわざとらしいほどゆっくりと娘の上に屈み込み、そのベールを剥ぎ取った。
アンチモンで縁どった大きな黒い瞳は隠しようのない恐怖を浮かべて私を見上げ、
薔薇のように紅い唇は恐怖のために微かに顫えていた。
「年は?」
「十五でございます」
やっと聞き取れるほどの声で娘が答える。
「なぜここへ連れて来られたか知っているのか?」
「はい」
蚊の鳴くような声で娘がふたたび答えた。
43熱砂の果て:2:2006/09/25(月) 01:21:39 ID:DS7lfozp
ゆっくりと息を吐く。
文明人たるこの私がその意思を無視して女を自由にするべきではないという自制心と、
シャーの悪意に屈するものかというなけなしの矜恃、そして、何より女の身体の
隅々までを味わいたいという耐え難い欲望とが身のうちでせめぎ合う。
この世に生を受けた者なら誰もが知るべき、万人の秘密―――、
それを私も知りたくてたまらなかった。

そして、私は己の欲望に負けた。


顫える娘を抱え上げ、ナーディルに向かって投げつけるように言う。
「しかと受け取ったと伝えてくれ、心から感謝している、とな」
相変わらずうすら嗤いを浮かべた宦官たちを一瞥し、
私は娘を抱えたまま寝室へと入っていった。
44熱砂の果て:3:2006/09/25(月) 01:23:13 ID:DS7lfozp
娘を寝台に降ろす。
寝台に腰掛け、私を見上げるその瞳は哀れを催すほど揺らめき、いまや恐怖のために
その貌は蒼白になっている。
恐れからその息遣いは荒く、このまま抱けば、あるいは恐怖のためにこときれてしまう
かも知れない―――、そう思った私は、猛った欲望をどうにか鎮めて娘をそっと抱き寄せた。
はあぁぁっっ、と怯えたように嘆息して身を強ばらせた娘の背をしっかりと抱く。

「手荒な真似はしない、そう怯えるな」
そう言うと、娘は引きつったように息を吸いながら、それでもおずおずと私を見つめた。
「私が恐ろしいか」
「…………」
「どんな噂を聞いてきた」
「…………」
何を聞いても返事はなかったが、答えようという気持ちはあるらしく、
わずかに口を開けて、何らかの言葉を口の端に乗せようとしている。

「………よい、どうせ禄でもない噂だろうからな」
自嘲気味に嘆息すると、娘の表情がほんの少し緩んだ。
額にかかった黒髪をそっと指先でかき上げてやる。
生え際に滲んだ汗を拭ってやった。
「シャーの側室になるはずだったに、臣下にすぎないこの私に……、
しかもどこの誰ともわからない得体の知れない男に下賜されて、おまえも可哀相だが
これも運命と思って諦めてくれ………、私が返せば、おまえは明日にも処刑されただろう、
それよりはいくらかましだと、そう思ってくれないか」
娘は驚いたように目を瞠り、それから何度か瞬きをすると、静かに俯いた。
45熱砂の果て:4:2006/09/25(月) 01:24:45 ID:DS7lfozp
己の取るべき道を思案しているのだろう―――恐ろしい仮面の男の妻となるべきか、
あるいはそれを拒んで処刑されるに甘んじるべきか、娘のうちで選択しがたいふたつの
命題が戦っている―――、そして、娘は生きる方を選んだ。


俯けていた顔をそっと上げると、娘は静かに私の衣服に手を掛けた。
慣れた手つきで衣服を緩めていく。
女の手が己の衣服を剥いでいくところなど、つい半時前まで想像したこともなかった私は、
娘の小さな手を見ているだけで爆発してしまいそうになる。

そして、娘の手が私の裸の胸に触れた瞬間、私は娘を寝台に押し倒し、その衣服を乱暴に
剥ぎ取っていった。
小ぶりだが形のよい乳房が揺れ、最後に薄物のシャルワを脱がせると細くなよやかな腰が
露わになった。
娘の手が私の胸を這う。あらかじめ教えられた手順で男の身体を愛撫するよう
訓練されているのだろう、しかし、その動きを無視して私は娘に口づけたかった。

私は自分の腰帯を解き、娘の目を覆った。
「あ…………」
驚きの声を発したあと、それを咎められるのを恐れるかのように唇を
わなわなと顫わせ始めた娘に言って聞かせる。
「手荒な真似はしない、こうした方がおまえのためなのだ、おまえとて恐ろしい顔を
間近に見ながら抱かれたくはなかろう……、おまえが私の顔に触れぬと約束できるなら
手は許してやる、………どうだ? 約束できるか?」
そう言いながら、行為のさなかに外れてしまわないよう、注意深く腰帯を娘の頭に巻きつける。

絹の擦れ合う音とともに、先刻から痛いほど感じている欲望によって荒くなっている
私の息遣いが静かな部屋に満ちている。そのなかで娘はやはり思案しているようだった。
「わかった、手も縛らせてもらおう」
固く結んだ結び目を引っ張って確かめながら、私がそう言った時、ようやく娘の口から
「お約束いたします」というか細い声が聞こえた。
「………約束をたがえたら、その時は命を落とすのだぞ、わかっているな?」
「はい」
返事を聞き終わるか終わらないか―――、私は仮面をかなぐりすて、娘の唇に口づけていた。
46熱砂の果て:5:2006/09/25(月) 01:26:48 ID:DS7lfozp
娘の唇は芳しく、舌は柔らかく、口中は温かい。
女の粘膜の得も言われぬ心地よさ―――。

私の両手は娘の身体を滑るように探るように這いまわっている。
何という柔らかさ、何というしなやかさ、何というたおやかさ―――、
娘の身体のあらゆる隆起、あらゆる窪みに手を這わせ、貪るようにその肌を味わい尽くす。
この世に存在するあらゆる曲線はすべて女の身体に宿っていると誰かが言った。
今、私はその曲線に指先を滑らせ、その後を唇で追いかけている。

娘は先刻の約束をたがえては命が危ないと思ってか、あるいは教えられた手順とあまりに
かけ離れた行為に戸惑ってか、その指先をしっかりと折り曲げ、肩の横に投げ出したまま、
時折その身を顫わせるだけで、いっかな反応はない。
しかし、私にとってはその微かな顫えひとつで充分―――、いや、娘の反応など気にかけて
いる余裕すらなかったと言ってよい。
滑らかな大腿をひと撫でした後、私はその両大腿の合わせ目に手を挿し入れた。
初めて触れる女のそこは、他のどの部分よりも熱く、柔らかく、そして微かに湿っていた。
私は性急に己の衣服を脱ぎ捨てると、娘に挑みかかっていった。
47熱砂の果て:6:2006/09/25(月) 01:27:47 ID:DS7lfozp
両脚を大きく拡げさせ、まだ雫ひとつ湧いてもいない女の泉に己の先端をあてがう。
己自身が泉の入り口に触れた途端、爆発してしまいそうになるのをどうにか押しとどめながら、
ぐっと力任せに先をのめり込ませる。
ぐぅというくぐもった声が娘の口から漏れる。
しかし、その唇からは浅く速い呼吸が繰り返されるだけで、抵抗も拒絶も示すことなく、
娘は私を受け入れようとしている。

さらに腰を進める。
私を阻もうと押し返してくる肉の動きがたまらない。
無意識ではあるのだろうが、娘の身体が上へ上へと逃げていくのを、私は肩を押さえ込んで
さらに娘のなかを押し拡げていく。
途中で強い抵抗を感じ、いっそう大きく腰を入れた。
みしみしと軋むような感触を己の柱に残しながら、娘のそこが私のすべてを呑み込んだ。

きつくて、柔らかい。
そして、熱い。熱い。そう、女のここはこれほどに熱いものなのだ……!
どこか硬さの感じられる柔らかい粘膜が私を締めつけ、包み込む。
ああ、何という征服感…………!

破瓜のしるしですべりの良くなった女のなかを往復すると、身体の中心を甘く痺れるように
一本の閃光が貫き、私は白く閃くその光を脳裏に見ながら己の欲望を吐き出した。


続く
48名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 01:29:23 ID:DS7lfozp
読んでくださった方、ありがとうございました。
続きは、いずれ投下します。
49名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 21:35:36 ID:kFQUEYnP
あああ天使様GJ…!

続き、スライディング正座でお待ちしております!!
50名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 21:57:05 ID:1tBTS5Uc
ワーイ女奴隷タンだハァハァ
健気で可愛いし、エリックは優しくてエロいし最高。ふたりの心のふれあいにも
どきどきしました。
ぜひ幸せ方向にいって欲しいなあ。続き待ってます!
51名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 23:06:08 ID:7dmqwrbZ
「ファントム」は読んでいないのですが、女奴隷さんは萌えます
幸せになれるといいなあ、素顔を見られてもエリック切れないで欲しい。
52名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 23:37:31 ID:RxwZM0kh
欲望とか肌の暖かさとか、
いろんな物に負けてっちゃうエリック萌た。
天使様GJ!続き、待ってます!
53名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 22:23:38 ID:XYAJj/tg
投下します。

ファントム×クリスティーヌ
エロ無し
ギャグ無し

時代の関係で、少々矛盾があるかもしれませんがお許しを。
54Parfum(1):2006/09/28(木) 22:26:47 ID:XYAJj/tg
 
コーラスガール達の控え室に、ふわりと甘く優しい香りが漂う。

「なぁに?香水?」
「そう!この間、彼にお願いして、買ってもらったの!良い香りでしょう?」
そのコーラスガールは、恋人が買い与えてくれたと言う香りを身に纏い、嬉しそうに話す。

彼女が控え室に持ち込んだ香りは、ふわふわと漂い、クリスティーヌの髪までもがそれを纏う。

「匂いが付いちゃうんじゃないかしら?」
クリスティーヌの隣にいたメグが、自分の髪を掻き上げて言った。
「衣装も、みーんな同じ匂いになっちゃうわ。そう思わない?」
ちょっと膨れて言うメグを見て、クリスティーヌは首を傾げる。
「メグは、この香りが嫌い?」
「嫌い…じゃないけど、ちょっと甘すぎるわ。クリスティーヌはこういうのが好みなの?」
「え?ん〜…」
そう訊かれて、クリスティーヌは少し考えた。

「…そうね、あまり甘くない方が好きかも」
そう言うのと同時に、クリスティーヌの頬がほんのりと色付く。

どんな香りが好きか、と訊かれて、彼女が真っ先に連想したのは、ファントムが普段身に纏っている香りだった。

何か付けている感じはしないのに、いつも微かに香る、彼の匂い。
抱き締められ、その香りに酔うかの如くファントムに溺れていく時間が、クリスティーヌは好きだった。

ぼんやりと、思い出す分だけの時間に引き込まれていく―…

「…ヌ、クリスティーヌったら!何を考えてるの?頬が赤いわよ」
「えっ!!?」
「またファントムの事でも考えてたんでしょう?本っ当に分かり易いんだから」
「〜…っ」
更に真っ赤になる頬を手で覆うと、クリスティーヌは言葉が出なかった。

55Parfum(2):2006/09/28(木) 22:28:36 ID:XYAJj/tg
 
舞台を終え、クリスティーヌは急いで着替えを済ませた。
ふぅ、と自分を落ち着かせるように息を吐いて、鏡の縁に手をかける。

ゆっくりと引いた鏡の向こうには…誰もいなかった。

―いつもなら、マスターが待っていてくださるのに―

少ししょんぼりとしながら、湿った通路に足を踏み入れたクリスティーヌは、裏側から律義に鏡を元に戻した。

―ランプを持ってくるべきだったかしら…―
仄暗い闇の中、目を凝らして進む。
クリスティーヌの前に広がるのは、ただ闇ばかり。

―きっと、作曲か何かに夢中になっていらっしゃるのよ!いつもそうだもの!―

心の中で呟く。

―…それじゃあ、今夜の舞台はご覧にならなかったのかしら?―

ふと不安になり、悲しさが込み上げた。

―いいえ、マスターに限ってそんな…じゃあ私を迎えに来てくださらなかったのは何故?―

クリスティーヌの頭の中で様々な考えが巡り、ぴたりと足が止まる。

今夜は行かないでおこうか、と考え始めたとき、目の前にぼんやりと松明の火が見えた。

「…クリスティーヌか?」

彼女の姿を確認したらしい“明かり”は、小走りでこちらに近付いてくる。

「ああ、クリスティーヌ…すまない。今、迎えに行こうとしていたところだ」
ぼう、と暖かな炎が、碧色の瞳と白い仮面を照らし出した。
クリスティーヌが心に描き、望んでいた人物。

56Parfum(3):2006/09/28(木) 22:30:24 ID:XYAJj/tg
 
「…マスター!」
胸の中に渦巻いていたものが押し寄せて、クリスティーヌは思わずファントムに抱きついた。

同時に、彼女の髪から甘く優しい香りが漂う。

「いつもと違う香りがするが、どうしたのだ?」
ファントムは低い声で優しく笑いながら、腕の中のクリスティーヌに問い掛けた。
「あ…仲間の、コーラスガールの子が付けていた香水の匂いが移ってしまって」
「ふむ」
「私は直接付けた訳ではないのだけれど…お嫌いですか?この香り」

慌てたような、不安そうな様子で訊くクリスティーヌが愛らしくて、ファントムは再び低く笑う。

「マスター?」
「いいや、嫌いではないよ。少女らしい香りだ。しかし…少しお前には似合わないだろうな」
するとクリスティーヌは暫く間を空けて、やや不機嫌そうに口を開いた。
「じゃあ、私は少女らしくない、ということですか?」
「良い意味でな、クリスティーヌ。何故ならお前は既に『女性』だろう?」
くっくっと笑うファントムを見て、クリスティーヌはその言葉の意味を理解し、頬を真っ赤に染めた。

「もうっ!マスターったらそんな事ばっかり!」
「さあ、向こうに着いたらゆっくり話してあげよう」
「〜…っマスター!!」
照れて怒るクリスティーヌの手を、ファントムはしっかりと取って歩きだした。

57Parfum(4):2006/09/28(木) 22:44:02 ID:XYAJj/tg
 
「クリスティーヌ。実はな、今夜はお前に渡したい物があるのだ」
ワインの注がれたグラスを置き、ファントムはクリスティーヌを見つめて、言った。

「私に…渡したい物?」
「そうだ。少しだけ目を閉じていてくれないか?」
「はい」
クリスティーヌは静かに頷くと、椅子にきちんと座り直してから目を閉じた。

…シュッ。

何かが霧状に吹き出す音がし、甘いキスを期待していたクリスティーヌの前に、官能的なフロリエンタルノートの香りが広がる。

「あの、マスター…これは…?」
「驚いたか?すまない。もう目を開けても結構だ」
その言葉を聞いて、クリスティーヌは恐る恐る目を開けた。

真っ先に彼女の目に飛び込んできたのは、ファントムが手にしている硝子製の香水瓶。

「これはな、少し成長したお前に合わせて、知人の調香師に作らせた香水だ」
「私に…?今、これを?」
「ああ。いつ渡そうかと考えていたのだが、丁度お前の周りで香水の事が話題になったようだからな」
ファントムはそう言って、美しい曲線を描く硝子の瓶に入った、魅惑的に香る液体をクリスティーヌに渡す。

58Parfum(5):2006/09/28(木) 22:45:15 ID:XYAJj/tg
 
彼女は手渡された瓶を暫く眺めた後、自分の身体にその香りを吹き付けた。

「…ローズやガーデニア、ジャスミン等の花々にイランイランが絡み合い、謎めいた美女、という印象の香りだ。ラストは、のムスクの香りがしっとりと締めくくる」
初めて身に纏う香りにやや困惑するクリスティーヌに、ファントムが静かに説明する。

「段々と大人びていくお前に向けて、と思ったのだが…気に入らなかったか?」
ファントムがそう問い掛けると、クリスティーヌは慌てて言った。
「いいえ、凄く素敵な香りですわ!でもマスター、私にしては背伸びしすぎではないかしら?それに…」
「何だ?」
躊躇うような仕草を見せた彼女に、ファントムは言葉を続けるよう促す。

「その…何だか、いつもと違う私になってしまいそうで……」

クリスティーヌは言い終えると、頬を赤くした。
官能的なその香りが、いつにも増して情欲を駆り立てるのだ、と。

「…クリスティーヌ」
暫くの沈黙の後、ファントムはクリスティーヌの頬に手を添えた。

「その香りの所為だろうか?私も…今夜はいつにも増して、お前に惹かれている」
「マスター…」
クリスティーヌの、熱を帯びたような視線がファントムに向けられる。

目は口ほどに物を言う―…この言葉通り、二人の気持ちは、見つめ合うだけで充分に伝わった。

その夜の二人は酔いしれ、溺れ、堕ちていくのだ。
お互いの身体に、香りに。



―終―
59名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 22:51:52 ID:XYAJj/tg
以上です。
読んでくださった方、有難うございました。
60名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 23:58:45 ID:in2d0nt3
SSからいい香りが漂ってきそう・・・GJ!
小走りで急いで迎えに来るマスター可愛いですね、彼はどんな匂いの香水を
つけているんだろう。
61名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 23:41:55 ID:TEWJkDUe
あまあまー(゚▽゚*)
思い出す薫りって官能的だ・・・
62名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:32:46 ID:lYrIX6ZF
甘々なファンクリ話、久しぶりのような感じです。GJですた!
また素敵なエピソードが浮かんだら、宜しくお願いします。

ファントムの匂いって、他の方のssでも出てきたりするけど、
どんな香りだろう・・・・。
63名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:54:55 ID:EzS+jFeh
天使様GJ!クリスは甘い香りがしそうだ。メグタソはフェロモン系かなハァハァ
64名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 19:37:03 ID:nwjc+fq7
>>60マスターだったら趣味のいいフェロモン全開の香水をつけてるんでしょうね

エロパロ板圧縮に伴って前スレもdat落ちしましたね
65名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 00:55:26 ID:P2MpYCSH
天使さまGJ!

今回ファントムがクリスに渡してる香水って、ひょっとしてパルロックス
(パーレックス)の「オペラ座の怪人」がモチーフですか?
66名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:46:10 ID:+c5Hai8d
Parfumを書いた者です。
感想を下さった方々、有難うございました。

ファントムが身に付けている香りは、読み手の皆様のご想像にお任せ致します(これ、といったイメージはあまり無いので…)

>>65
その通りです!
あの香水の存在を知った瞬間「これはネタになる!」と思ってしまったのでw



前幕で書いた、父と息子ものを、何とかシリーズに出来ないものかと考えている今日この頃です。
それでは。
67名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 17:09:26 ID:+oznbOr0
おおあの作品も天使様のものでしたか、ダブルでGJ!
父息子シリーズ化を激しくキボンです。
少し大人気ない父ファントムと、少しマザコン気味息子の闘いをまた読みたいです。
いつまでもお待ちしてます
68名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:00:19 ID:epkJQXEY
父子待ってます!
闘ってるけど「僕妹が欲しい」とか言われたら
手のひら返して「わが子の望みはどうあっても叶えなければ!」
とか言いそうだw
69名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 07:36:41 ID:bmUVHxPN
マスターは部屋に香を焚きしめていて、
それが彼の香りになっているような気がする。
でも、衣類は樟脳臭いイメージwww
>68
そこで女の子が生まれたら、息子もマスターも
干渉しすぎて、年頃になったら「お兄ちゃんもパパも嫌い!」と言われそうだw
70名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:03:08 ID:3Au8FwyD
ラウル×クリス
映画の後です
711/2:2006/10/05(木) 00:03:45 ID:3Au8FwyD
寝台に細い体を横たえる。
はにかんだように笑い、少しうつむいた頬にかかった巻き毛をそっと指先で弾く。
「ラウル…」
「どうしたんだい、クリスティーヌ」
「恥ずかしいわ、明るいもの…」
僕は少し笑って、サイドテーブルの蝋燭を吹き消す。
「これでよろしいですか?奥様…もうシャニュイ夫人になって
半年も経つのにまだ恥ずかしいのかい?」
「どれだけたったって…恥ずかしいわ、ん!」
言葉を唇で遮りながら、レースの部屋着をゆっくり下ろす。
闇の中でも白い首筋に吸い付き、両手で乳房を持ち上げるように回してやる。

「あ…っ、あぁラウル…そこ、もっと…!」
ねだられるままに柔らかな肉を頬張り、口内に収まったその先端を
舌先でつつき、舐め、回してやる。
手を伸ばしなで上げた入り口は緩み蕩けており、溢れる蜜を絡めながら
差し入れた指をひくつきながらもきりきりと締め付ける。
その生き物のような感触に押し入ったときのことが想像され、
自分自身が痛いほどに強張る。

「…クリスティーヌ…いいかい?」
熱く息を吐きながら問うと、クリスティーヌは微笑み
両腕を僕の首に絡める。
抱き寄せるようなその仕草に合わせるように、一気に彼女の中に押し入った。
耳を貫く細く長い、鳥のような声。
722/2:2006/10/05(木) 00:04:19 ID:3Au8FwyD
彼女は完璧に調律された楽器。毎夜毎夜、見事な音色を奏でそしてその度に思い知る。
それは僕のために用意されたわけではないことを。

腰を突き上げる度に上がる水音と細い啼き声。
びくびく震える乳房、何かを求める瞳、震える唇。
蕩けるような表情はしかし、あのときの表情とは違っている。

あの男を見つめていた瞳、あの男を求めて階を上るあの射るような瞳。
触れ合い絡んだ指と指…魂と魂。

「ああぁ!ラウル、ラウル…っ!」
びくびくと組み敷いた身体が跳ねる。
頭の芯を蕩かすような甘い悲鳴。
つめを立てられ、背中に走った痛みになお煽られる。
「…ラウル!」
名を呼びながらも快楽の渦巻く瞳は、僕を通してどこか違うところを見ていた。
徐々に力の抜けてゆく腕、かすかに動いた唇は何を呟いていたのだろう…誰の名を呼んでいたのだろう。
問うことはできない。そして…手放すこともできない。
丁寧に作り上げられた彼女の身体を、あの声を知った今、手放すことなど考えられない。
腕の中の身体を抱き直しながら、僕は自らの魂が深い闇の底に落ちてゆくのを感じていた。
73名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 23:44:48 ID:afWKR+aV
GJ!
クリスの体は自分のものになっても、心はまだもらえないと思っちゃうラウルが哀しい。
74名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 23:54:32 ID:0ThTCR7f
天使様GJ!!
ラウル生`。半年たとうが何だろうが恥じらうクリスカワイス。
75名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:21:53 ID:3kSqaGMN
投下します。
ファントム×マダム・ジリー。
エロ、ビミョウ。
マダム・ジリーの名前は「マンハッタンの怪人」から
いただきました。
幸せな話ではないので、苦手な方はスルーでお願いします。
全部で13レス分あります。
76追想 アントワネット・ジリー 1/13:2006/10/07(土) 23:27:40 ID:3kSqaGMN
今日、クリスティーヌと久しぶりに会った。
オペラ座が炎上したあの日から、クリスティーヌはシャニュイ子爵の元に身を寄せていた。
幼馴染みだったふたりが、身分の差を乗り越えて正式な結婚にまで漕ぎ着けるのは、並大抵では
なかっただろう。まして、あのような禍々しい惨事の当事者だったのだから。
だが、彼女への子爵の愛情と固い決意は揺らがず、ふたりは今年の終わりには式を挙げ、
当面は北欧で暮らすことになるという。
ゆくゆくは、クリスティーヌは伯爵夫人となる―――。

子爵との結婚を祝福すると、クリスティーヌは頬を薔薇色に染めて笑みを浮かべたが、
急に物思わしげな表情になった。
「マダム、……あの方は、どうなさったでしょう………」
「……気になるの?」
「いえ……、はい………」
「あれから随分と警察も捜したようだけれど、見つからなかったわね。彼の行方も………
もしくは、彼の遺体も」
「…………!」
クリスティーヌの肩がぴくりと震えた。みるみる眼が潤んでくる。

「あなたは、そんな心配をする必要はないわ。そんなことを考えては駄目。あなたは
子爵の妻になる身でしょう?」
「はい………」
「それに………、あなたは彼の手を離したのでしょ。今さら彼を気にかけるの?」
一瞬、クリスティーヌの眸が大きく見開かれたが、すぐに眼を伏せてうなだれた。
「ああ、ごめんなさい。言い方が強すぎたわ。……クリスティーヌ、私はね、あなたに
幸せになってほしいの。いなくなった人をくよくよ思って、せっかくの幸福に影が差したり
してほしくないのよ。あなたを妻に迎えてくださる子爵にも、失礼でしょう?」
「………はい」
「忘れなさい、あの人のことは。クリスティーヌ、忘れるのよ。そして、ラウルと幸せに
なってちょうだい………」


私は醜い。私こそ、クリスティーヌを責める資格などありはしない。
彼女のことは、実の娘と思って慈しんできたつもりだった。それなのに………。
私はただ、彼とクリスティーヌの絆を切りたいだけ、彼からクリスティーヌを永遠に
遠ざけたいだけ、彼を私ひとりのものにしたいだけなのだ………。

77追想 アントワネット・ジリー 2/13:2006/10/07(土) 23:29:33 ID:3kSqaGMN
「どこへ行ってたの? アントワネット………」
「ああ、エリック、ごめんなさいね。ちょっと用事があって出掛けていたの。……駄目よ、
無理に起き出したりしては。さあ、横におなりなさい、私がいてあげるから……」
「君がいなくなってしまったかと思って、僕………」
私は縋るような眼差しの彼を支えて長椅子に横たわらせ、毛布を掛けてやった。
隣に腰を下ろすと、彼の頭をそっと持ち上げて膝に載せた。
「私はどこにも行かないわ、エリック。ずっとあなたと一緒よ。守ってあげるわ………」
前髪をかき上げて額に口づけてやると、彼は甘えるように微笑んだ。

この屋敷は、パリ中心部から馬車で二時間ほどの所にある。私の崇拝者だった男の別宅を
借り受けたものだ。男には何も質問をさせず、しかも口の堅い医師と下男まで手配させた。
いかにも訳ありげな私の頼みを、男は聞き入れてくれた。
―――もちろん、そのために、私はすべきことをした。今後もするだろう。
かまいやしない。どうせ、この暮らしはそう長く続かない。


あの日、オペラ座の地下深くで彼を見つけた時、彼は警官隊の銃に撃たれ、重傷を負って
いた。彼をなんとか助け出し、今に至ることができたのは、幸運だったとしか言えない。
いえ、むしろ悪運が強かったと言うべきだろうか。
私はふたたび彼を救った。
救った………? 本当に………?

銃弾は彼の頭部をかすめ、内臓をも傷つけていた。奇跡的に一命を取り留めはしたものの、
長く生きることは難しいと医師に告げられた。
失血と発熱で意識を失っていた彼が目を覚ましたのは、一週間も経った頃だった。
―――彼は、記憶を失っていた。それどころか、自分が何者かも覚えていなかった。
それが頭部をかすめた銃弾のせいなのか、それとも別の原因のためなのか、医師にも
分からなかった。

「あなたはエリックというのよ。そして私はアントワネット」
「エリック………、アントワネット………?」
「そうよ、エリック。あなたと私は、ずうっと前から一緒にいたの。そしてこれからも、
いつも一緒よ………」
無垢な子供のようになった彼は、私の元へ帰ってきた―――。

78追想 アントワネット・ジリー 3/13:2006/10/07(土) 23:31:08 ID:3kSqaGMN
「アントワネット、結婚が決まったのだってね」
「どこでその話を聞いたの? エリック」
「オペラ座にいれば、どこからだって聞こえてくるよ。自然とね………」
―――彼はオペラ座内部に、秘密の仕掛けを作り始めていた。
「おめでとう。でも、プリマの君を失うのは、惜しいような気もするよ」
「どうかしら? プリマになって、多くの賞賛も浴びたけれど、私の踊りはここまでだわ。
だから、潮時だと思ったの………」
「そう………」
彼は否定も肯定もしなかった。それが、彼の私に対する評価を物語っているのだろう。
私はこれ以上、高みへ到達することはないと―――。

三つ年下の痩せこけた小さな子供は、とうに私の背丈を追い越し、姿の良い少年へと
成長していた。どこからか手に入れた白い仮面で、顔の右側を覆うようになっていた。
いつの間に身に付いたのだろう、立ち居振る舞いも優雅になっていた。

そればかりか、彼は多彩な才能を開花させていた。オペラ座の蔵書を貪り読み、秘かに
内部を歩き回り、聞こえてくる音楽に耳を澄ませてきただけで、彼は独学であらゆる
ことを会得していった。
私は彼の天才にそら恐ろしささえ覚え、それが陽の目を見ないことに哀しさを感じた。
そしてまた、私は決して彼の域には達しないのだと思い知らされた。

「もうじき、お別れだね。元気で……」
「あなたもね。それに、あなたはもう、私の手助けは必要ないわね………」
「うん、今まで、色々とありがとう」
私は唐突に彼の手を握った。
「最後に……、もう一つだけ、教えてあげる………」
私は身を寄せると、彼の手を私の胸に押し当てた。
彼の碧の眸が見開かれる。
「アントワネット……!」

うろたえる彼にかまわず、衣服を脱がせていくと、掠れた声が頭上から聞こえた。
「君は、結婚するんだろ………」
「ここでは、皆がしていることよ。向こうだって、私が男を知らないとは思ってないわ」
身に纏うものを素早く脱ぎ捨て、私は彼にのし掛かっていった。
彼は抗わず、―――私にむしゃぶりついてきた。

それから、私は彼に会うことなくオペラ座を後にした。
このまま彼といて、それでどうなるというの………?
私は、彼の手を離したのだった。私たちが出会ってから、七年が過ぎていた。

79追想 アントワネット・ジリー 4/13:2006/10/07(土) 23:32:24 ID:3kSqaGMN
「暗いのは怖い……。そばにいて………」
「大丈夫よ、エリック。何も怖くはないわ。こうして手を握っていてあげる」
「ほんとう………?」
「本当よ、一晩じゅうだって手を離さないわ。だから、安心してお寝みなさい」
頬に口づけてやると、彼は微笑んで、私に向けていた碧の眸を閉じた。


別邸はしばらく使われていなかったらしく、広い庭の木々は伸び放題になっていた。
私は下男にほんの少し手入れさせただけで、後はそのままにした。
鬱蒼とした庭は彼を隠してくれる。そして―――彼を逃がさない。
彼は、茨の森の囚われ人。
閉じ込めたのは、私―――。


「ママ、どうするつもりなの? このままでいい筈がないわ………」
「メグ、私のことは放っておいてちょうだい。あなたに迷惑はかけないわ」
「だって、あの人は………。それに、クリスティーヌには、まるであの人が死んで
しまったように言って………」
「お黙りなさい! あなたに何が分かるっていうの!」
「ママ………!」
頬を押さえる娘を見て、自分が娘の頬を打ったのに初めて気づいた。

「あ……、ごめんなさい、メグ………」
赤くなった頬に手をやり、涙を浮かべて眼を瞠る娘を、私は正視できなかった。
「………今はそっとしておいて。ここにも来ないでちょうだい。……どうせ、そんなに
長い間じゃないわ。それまで、私の好きにさせて………お願い」
「ママ………」

80追想 アントワネット・ジリー 5/13:2006/10/07(土) 23:33:46 ID:3kSqaGMN
六年後、私はふたたびオペラ座へ戻った。夫はクリミア半島で戦死し、わずか三年の結婚
生活だったが、夫と同じ見事な金髪の娘を授かっていた。私はオペラ座のバレエ教師と
して、五歳になる娘は寄宿生として、オペラ座で暮らすことになった。
―――そして、私は彼と再会した。

彼は、脅迫者になっていた。
数年前から髑髏の封蝋のされた手紙がどこからともなく届くようになり、様々な助言――
手紙によれば――と引き換えに、法外な報酬を要求されているという。その指示が的を
射たものであり、時に手を加えられる楽曲から楽器、舞台装置、衣装などまでが、従前
よりも格段に優れたものとなるため、災厄を厭う支配人は詮索を諦め、不承不承ながら
要求に従っているのだという。
脅迫者はオペラ座に伝わる幽霊話を騙ってか、自らをオペラ・ゴーストと名乗っていた。

脅迫者からの新たな指示により、私は手紙を受け取って報酬を渡す役目に就いた。
オペラ・ゴーストは私のファンだったのだろうと支配人は冗談を言い、執務室へ手紙が
来なくなることに安堵していた。もちろん、彼と私が旧い知り合いであり、私たちが
実際に会うなどとは、支配人は想像すらしていなかった。

―――彼は、そうやって己の才能を生かす途を選び、オペラ座を支配しようとしていた。
だがそれは、名前もない、姿もない、まさに幽霊のような支配者、哀しい支配者だった。
「久しぶりだね、マダム・ジリー………」
彼は逞しい青年になっていた。声には深みが加わり、碧の眸には尊大な光が宿っていた。
けれども、彼は以前にも増して孤独に見えた。

彼の手を取ってしまったのは、そのためだったのだろうか。
今後の手筈を説明した後、彼は白い仮面の下から眼を細めて私を眺め、唇の端を上げると
手を差し出した。
「ようこそ、私のオペラ座へ………」

彼の唇が私の首筋に押し当てられ、彼の手が私の裸身を這う。
滑らかな舌の動きも、私を蕩けさせる指の蠢きも、そして私を翻弄する肉体も、あの日の
少年のものではなかった―――。

81追想 アントワネット・ジリー 6/13:2006/10/07(土) 23:35:11 ID:3kSqaGMN
悲鳴のような声を聞きつけて、私は彼の部屋へと急いだ。
「エリック! どうしたの?」
「僕の顔………! どうして…………?」
彼は起き上がり、顔の右側を手で覆って震えていた。
「エリック、驚いたのね。大丈夫、大丈夫よ………」
私は彼を胸に抱きしめ、頭を、背中を、何度も何度も撫でさすってやった。

迂闊だった。彼の部屋には鏡をいっさい置かず、夕暮れに窓ガラスが部屋の灯りを映す
前には、厚いカーテンを引いていたのに―――。
枕元の机に置かれた、タオルを浸した器の水鏡で、彼は自分の顔を見てしまった。
「エリック、聞いて。………ずうっと前に、事故で、あなたの右顔は傷ついてしまったの。
でも、私はあなたが好きよ。あなたの顔も好きよ。傷があっても、なくても………」

彼の過去に触れず、彼の正体を明かさず、私は嘘を重ねていく。
それが何だというのか。自分の顔に怯えて泣きじゃくる今の彼に、真実を告げる必要など
ありはしない。
それに、私は全て嘘をついているのではない―――。

「だから、ね、怖がらないで、泣きやんで………」
「ほ、ほんとう……? 僕がこんなでも、いいの………?」
「本当よ、エリック。私はあなたが好きよ、大好きよ、何があっても………」
私は彼の顔を持ち上げると、右頬に口づけした。碧の眸から零れ落ちる涙を吸い取った。
しがみついてくる彼の肩をしっかりと抱き寄せて、右頬に私の頬を押し当て、私は彼の
背中をさすり続けた。

やがて、彼の身体は震えが止まり、彼が私を見つめて小さな声で言った。
「僕も好きだよ、アントワネット、大好き………」

82追想 アントワネット・ジリー 7/13:2006/10/07(土) 23:36:37 ID:3kSqaGMN
彼と再会してから二年後、私は父親を亡くした七歳のクリスティーヌをオペラ座へ連れて
きた。クリスティーヌはなかなか周囲にとけ込めず、夜になると礼拝堂へ行き、泣きながら
父親に祈りを捧げているような子供だった。

彼がそんな彼女と出会い、心を奪われたのは、偶然ではなかったのかも知れない。
二つの孤独な魂が呼び合い、音楽を通して惹かれ合っていったのだろうか。

いつの頃からか、ふたりは夜の礼拝堂で歌の稽古をするようになっていた。
彼は幼いクリスティーヌの歌声に天稟を見いだし、情熱を傾けていった。壁の裏側から
声だけで指導し、彼が姿を見せることは決してなかったが、彼女の歌声は磨かれていった。
表情も明るくなり、笑顔を見せるようになった。

お父様が音楽の天使を送ってくださったの、とクリスティーヌは嬉しそうに打ち明けた。
夢見がちな少女は、無邪気に天使の存在を信じていた。
彼もまた嬉しそうに、クリスティーヌこそが音楽の天使なのだと言った。そう話す時、
彼の眸は輝き、どこか面映ゆげな表情には、オペラ・ゴーストの面影はなかった。

やがて彼女は美しい娘に成長していき、彼はクリスティーヌをオペラ座の歌姫とする夢に
取り憑かれていった。そして、彼女に恋をした。現在のプリマドンナを陥れる策を弄し、
クリスティーヌを花嫁に迎えることを夢想するようになった。
クリスティーヌへの執着が強まるとともに、彼の精神は危うくなっていくようだった。

それでも、私は彼の夢の実現に手を貸した。私は彼の共犯者となった。
彼からの贈り物である深紅の薔薇を、クリスティーヌに渡し続けた。
暗く孤独な闇の世界で独り生きてきた彼に、幸せを知ってほしかった。
―――そう考えていたつもりだった。

私は彼の幼馴染み、そして彼の共犯者。
それ以上でも以下でもない、それだけの存在だった。
彼は、求めていたものを見つけてしまったのだから………。

83追想 アントワネット・ジリー 8/13:2006/10/07(土) 23:38:08 ID:3kSqaGMN
「エリック、少し庭を歩きましょう」
このところ小康状態の彼を散歩に誘うと、彼は差し出した私の手を嬉しそうに握った。
生い茂った木々の梢の間から木漏れ日が射し、爽やかな風が吹き抜けるなか、私たちは手を
繋いで、ゆっくりと庭を巡る。
「足下に気をつけて、エリック。気持ちいいわね………」
「うん、………鳥の鳴き声も聞こえるね」
「あら、本当……。エリック、あなたの耳はさすがね」

こんな風に、彼と陽射しの下を歩くのは初めてだった。
東屋に着くと彼をベンチに座らせて、私は浮き立つ心のままに、彼の前でくるりと回って
みせた。スカートがふわりと広がる。
「わあ、綺麗だな………、アントワネット」
「ふふ……、ほんとう? エリック」
「うん、とても。………こっちへ来て」
彼は編んだ私の髪をほどき始めた。
「これで、さっきみたいに回ってみせて………」

私は陽の光を浴びてくるくると回った。ほどいた長い髪が風になびく。
彼は東屋から出てきて、手摺りに寄りかかって私を見つめている。
「どう? エリック」
「綺麗だよ、アントワネット。風の精みたいだ………」
私は娘のように弾んだ気分で、何度も何度も回ってみせた。

「あっ………!」
「危ない!」
バランスを崩してよろめくと、彼がすっと腕を伸ばし、背後から私を抱きかかえてくれた。
「大丈夫? アントワネット」
「もう、こんなに回るのは無理ね。つい調子に乗ってしまったわ………」
私は荒い息をつきながら彼の胸に凭れかかった。腰に回された彼の腕に手を重ねる。

「エリック………」
しばらくして、私は彼の腕の中で振り返り、彼と向かい合った。爪先立ちになり、彼の
頬を両手で挟んで引き寄せた。無邪気に私を見つめる碧の眸が近づく。
「アントワネット………?」
私は眼を閉じて、ゆっくりと唇を重ねた。
風が吹き渡り、木々の葉ずれの音が聞こえる。
―――彼との、初めての口づけだった。

84追想 アントワネット・ジリー 9/13:2006/10/07(土) 23:39:27 ID:3kSqaGMN
夕食の後、彼はスケッチを始めた。白い紙の上に、陽光に髪を煌めかせて踊る、美しい
妖精の姿が描かれていく。
「これ、君だよ」
「私………? 私は、こんなに美しくもないし、若くもないわ………」
「ううん、こんな風だったよ、アントワネット。すごく綺麗だったよ。
………どうしたの? なぜ泣くの? 僕、いけないことを言った?」
私の頬を涙が伝っていた。
「ううん………。嬉しいの、エリック。嬉しくて、涙が出てきちゃったの………」

「この絵、君にあげるよ。だから、泣きやんで、ね?」
彼は描き終えた絵を私に差し出すと、子供をあやすように私を抱きしめ、背中を撫でて
くれた。
「ありがとう………、私の宝物にするわ、エリック」
私が顔を上げると、彼はにっこり微笑んで、涙に濡れた頬を拭ってくれた。
「……エリック、もう一度、髪をほどいてくれる………?」

彼の指がピンを抜き、結い直した私の三つ編みをほどいていく。髪に指を挿し入れ、
ゆっくりと梳いてくれる。
長い髪が私の身体に沿って、流れるように広がった。
「エリック、眼を閉じて………」
私は低い声で囁き、顔を寄せて、そして、彼に口づけた。彼の唇を舐め、そっと舌を
挿し入れて彼の舌を吸った。
私の肩におかれていた彼の手に、わずかに力がこもった。

彼の手を引いてベッドへと導き、横たわらせると、枕元の灯りを消した。
ほの暗い寝床の上で、彼が不思議そうに私を見上げている。
「じっとしていて………」
撃たれた傷跡に触れぬようシャツを脱がせていく。
彼を生まれたままの姿にすると、私も衣服を脱ぎ捨てて彼と同じ姿になった。

85追想 アントワネット・ジリー 10/13:2006/10/07(土) 23:41:17 ID:3kSqaGMN
「痛くない? 苦しくない?」
彼の上に覆いかぶさり、碧の眸を見つめて囁く。
「ううん、だいじょう………」
開きかけた唇をふさぎ、私はふたたび彼に口づけをした。彼の舌を絡め取りながら、手を
取って私の胸に押し当てる。
長い髪が、私たちふたりを包むように広がった。

「君の胸、柔らかくて、温かいね………」
彼は私の乳房をまさぐっていたが、やがて、そっと揉みしだくように手を動かし始めた。
親指が胸の先端をかすめる。
「あぁっ…………」
思わず声が洩れた。
彼は私の身体を引き上げると、幼な子のように乳首を口に含んだ。
「くうっ……! ……あぁ…………」
私は眼をきつく瞑って、彼の手と唇、そして舌がもたらす疼くような快感を堪えた。

息が荒くなり、全身が震えてくる。腕で自分の身体を支えていられない。
膝を立てたまま、彼の頭をかき抱いて突っ伏してしまう。
身体の奥底から熱いものが湧き出してくるのを感じた。

「アントワネット………?」
彼の身体に手を這わせ、下へと滑らせていく。わずかに勃ち上がった彼のものを捉えると、
指先で撫で、掌で揉むように愛撫した。
彼は眼を瞠り、何かを問いかけるように口を開きかけたが、眼を閉じて眉根を寄せると、
小さな吐息を洩らした。彼のものが徐々に硬く、大きくなっていく―――。
「アントワ……ネット………」
喘ぐように、彼が私の名前を呼んだ。

ゆっくりと腰を落とし、彼を私の奥へと呑み込んでいく。内部に熱い塊を感じて、身体が
震えてくるのを抑えられない。
「あぁ……、アントワネット、………君は、温かいね…………」
私を抱きしめて、彼が囁いた。
「エリック、………あなたもよ。あなたも………とても、あたた……かいわ………」
そっと腰を動かしていく。
彼の身体に負担をかけまいと思っても、動きを速めていってしまう自分を止められない。
私たちの息遣いと淫らな水音だけが絶え間なく聞こえてくる。

背中に回された彼の手に力がこもり、下から突き上げられる。
私の中で彼のものが硬さを増し、揺らめくのを感じた。
「くっ………、ア…ントワ……ネット………!」
「エリ……ック…………!」
私の内部が激しく痙攣し、同時に熱い奔流が私を満たしていった―――。


「エリック、苦しくなかった………?」
前髪をかき上げて汗ばんだ額に口づけると、彼は小さくかぶりを振って微笑んだ。
「ううん……、だいじょう…ぶ………」
彼の呼吸は荒く、目元には疲れが浮かんでいたが、私の眦に滲む涙を指で拭うと、
髪を撫でてくれた。私たちは寄り添って横たわったまま、しばらく動かずにいた。
やがて、彼の息遣いが少しずつ収まってきて、手が止まった。

無防備な表情を浮かべて眠る彼の隣で、私は朝まで彼を見守っていた。

86追想 アントワネット・ジリー 11/13:2006/10/07(土) 23:42:27 ID:3kSqaGMN
その日、屋敷を提供してくれた男からの呼び出しで、私はパリ市街へと出向いた。
彼は、一時は持ち直したかに見えたが、季節の移ろいとともに弱ってきて、ふたたび
寝つくようになっていた。彼をおいて出掛けたくはなかったが、男の誘いを断ることは
できなかった。彼との暮らしを守るために―――。

屋敷へ戻ってきた時には雨が降りだしていた。
私は濡れた髪をタオルで拭いながら、取る物も取りあえず彼の部屋へ向かった。
「エリック、遅くなってごめんなさいね。気分はどう?」
彼はゆっくりと身体を起こし、無言で私を見つめた。
「ああ、起き出したりしては駄目よ。熱は……?」
額に伸ばしかかった手を握られると、後ろを向かされた。彼の手が私からタオルを取る。
背中ごしに、彼の低い声がした。
「私が拭いてあげよう、マダム………」
「ありが………!」

「そのままで………」
振り返ろうとした私の肩に、彼が手をかけた。それから、私の髪をタオルで丁寧に拭って
くれる。
「………思い出したのね、エリック…………」
声が震えてくるのを抑えられない。
「ああ、………何もかもね」
「いつ………?」
「今日、……あなたが出掛けていた間に」

がたがたと全身が震えてくる。彼に背を向けたまま、私は俯いて唇を噛みしめた。
「ありがとう………」
彼が優しい声で言った。そして、後ろから私を抱きしめてくれた。
「ごめ……んなさい…………」
嗚咽が洩れ出すのを止められない。後から後から涙が溢れてくる。
「あなたが謝ることなど、何もないよ………」
固く握りしめていた私の手を取ると、彼はやわらかく撫でさすってくれた。
発熱で高くなった彼の体温を背中と握った拳に感じながら、私は俯いて身を強ばらせ、
泣き続けることしかできなかった―――。

87追想 アントワネット・ジリー 12/13:2006/10/07(土) 23:43:50 ID:3kSqaGMN
彼は日に日に弱っていくようだった。熱の上がる日も増えて、食も細くなり、ベッドから
起き上がれなくなった。彼は何も苦痛を訴えなかったが、ここでの暮らしが終わる日の
近いことは、明らかだった。
私はかたときも彼のそばを離れず、夜も彼の部屋の長椅子で寝むようになった。

「エリック、……クリスティーヌに、会いたい?」
「…………今さら会って、どうなる……?」
長い沈黙の後、彼は低い声で答えた。
「私は彼女に、私のことは忘れろと言ったんだ………」
聞き取れないほどの小声で呟くように言うと、彼は眼を閉じて深い息をついた。
「あの子はもうじきラウルと結婚して、北欧へ行くそうよ。
しばらくは、そこで暮らすのですって………」
「そうか。………良かった、幸せなのだね………」
眼を瞑ったまま、彼がぽつりと言った。
額のタオルを冷水で絞り直しながら、私は心を決めた。クリスティーヌをよぼうと―――。


メグの案内で、クリスティーヌが屋敷へやってきた。彼女の顔は蒼ざめ、唇が震えていた。
「あの人の部屋はここよ。………もう、幾日もないと思うわ。彼には今朝、あなたが
来ると伝えておいたわ………」
クリスティーヌは黙って私を見ていたが、頷いて、頭を上げると扉をノックして中に
入っていった。

半時間ほどして、クリスティーヌが部屋から出てきた。眼が赤くなっていた。
「……ごめんなさい。許してもらえるとは思わないけれど、本当に、ごめんなさい………」
私は、彼女の顔を見ることができなかった。
「いいえ………、ありがとうございます、私をよんでくださって。そして……、あの方を
救ってくださって………」
伏せていた眼を上げると、クリスティーヌが私を見つめていた。哀しげではあったが、
微笑みを浮かべていた。
「マダムのおかげで、もう一度あの方にお会いできました。きちんとお別れすることが
できました。………あの方は、私の結婚を祝福し、幸せを願うと言ってくださいました」

私は俯いた。肩が震えてきて、顔を上げられなかった。
クリスティーヌが、私の手を握った。
「本当に、ありがとうございました。………あの方を、お願いします…………」
彼女は深く頭を下げると、メグとともに屋敷を去っていった。

部屋の扉を開けると、ベッドに横たわる彼は腕で顔を覆った。
「……すまないが、独りにしておいてくれるか………」
彼の声は震えていた。
「………ええ」
扉を閉めようとする私に、彼が声をかけた。
「今日はありがとう、アントワネット………」

88追想 アントワネット・ジリー 13/13:2006/10/07(土) 23:45:26 ID:3kSqaGMN
彼が逝ったのは、それから数日後だった。やわらかな秋の陽が窓から射し込む午後の
ことだった。
眠っていた彼はふと眼を開くと、私を見つめて穏やかに微笑み、手を差し出した。
「エリック………」
私は彼の手を両手で包み込み、声を聞き取るために顔を近寄せた。
「アントワネット、………ありがとう。あなたには、いつも助けられてきたね。あなたは
私を生かし続けてくれた。いくら感謝しても、し尽くせないよ………」
「エリック、そう言ってくれるの………?」
言葉を続けられず、私はただ首を振った。

「……それしか言えなくて、ごめんね………」
彼は腕を持ち上げて、私の頬に掌を当てた。流れる涙を指先で拭い、そっと頬を撫でて
くれた。
「君のこと、好きだったよ。………ありがとう」
彼の腕が力を失い、ぱたりと落ちた―――。


私のしてきたことが正しかったのか、許されることなのか、私には分からない。
私は知り合いの教会に頼んで、墓地の片隅に彼を埋葬させてもらい、小さな墓を建てた。
―――エリック、ここに眠る。1837〜1871年―――
墓碑銘はそれだけだった。

―――私は彼の墓守りになった。
私が喪服を脱ぐことはないだろう。この小さな墓を、この先ずっと守っていく。
これからも彼を見守り続けるのだ。
私の幼馴染みだった男、哀しい天才だった男、そして、私が愛した男を―――。


<終わり>
8975:2006/10/07(土) 23:47:10 ID:3kSqaGMN
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございます。
90名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:14:39 ID:JgPFAODR
天使サマー!! GJ!!!
何度も読みかえしちゃった。切ないよー。
91名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:52:44 ID:4t8dfnev
あなたの顔も好きといってもらえて、クリスティーヌにも会えて
エリックにとっては幸せな時間だったと思う。
誰にとっても苦しいけれど幸せな結末をありがとう。
92名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 23:45:31 ID:P2NKNrdy
慎み深いマダムの人柄がにじみ出ているよ、良かったです。
話としてはハッピーエンドではなかったけれど、それぞれの人の心は満たされて
そして皆亡くなる時、素晴らしい人生だったと思えるとおもうよ。
93名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 17:22:56 ID:PZdSbcHG
切ないけど、良い話だったよ〜〜。
私にはこれも一つのハッピーエンドに思えました。
何はともあれ天使様GJ!!
94名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 19:42:39 ID:rRMLN8YU
投下します。

 ・>47の続き。
 ・ファントム×奴隷娘
 ・今回も完結はしていません
95熱砂の果てU:1:2006/10/11(水) 19:45:21 ID:rRMLN8YU
一度解放しても、長い孤独を耐えてきた私の熱は治まらなかった。
あっという間に硬さを取り戻した私は、ふたたび娘のなかを行き来し始めた。
激痛にひりつく肉の感覚が生々しく伝わってくる。
その肉をさらに責め苛むように、強引に送り込む。
荒々しく衝きまくられて、娘は私の腕の中で反り返りながら声を上げた。
「………あ、ああ…………」
その哀しげな声音さえも私には刺激的で、娘の最奥を抉るように大きく腰を進めると、
そのまま大量の精を解き放った。


娘は目隠しの腰帯に涙を滲ませながら、それでも泣き声ひとつ上げることなく、
私のものを受け入れ、今や完全に私の所有物となった。
この娘にとって本意ではなかったろうが、それでもこの女は私の妻になったのだ。
妻! 妻! 普通の人のもののような妻!
私が心の奥底でずっと願い、憧れてやまなかった妻!
今、私の下で破瓜の痛みに涙している女は、私の妻なのだ。

そう思うと、急に娘が愛しいような気持ちになり、それはもちろん愛でも恋でもなかったが、
ふと娘の名を聞いていなかったことを思い出した。
二度の放出でまだ荒い息のまま、娘に尋ねる。
「おまえ、名は何という?」
唐突な問いに戸惑ったのか、あるいは口を利くことすら禁じられていると勘違いしていたか、
娘はほんのわずかに唇を動かしただけで返事をしなかった。
私は娘のなかに入ったまま片肘をついて起き直り、娘の顔を見下ろした恰好で、
そっと額の生え際を撫でてやりながら、もう一度同じ問いを口にした。
「名は何というのだ?」
「………ロク……サーレ」
目隠しをしたまま、私の声がする方に顔を向け、娘が切れ切れにそう答えた。
「ロクサーレ………」
思わず鸚鵡返しにその名を呟く。
なんという象徴的な名………。この娘は私の妻になる運命の女だ。
96熱砂の果てU:2:2006/10/11(水) 19:46:46 ID:rRMLN8YU
「では、ロクサーレ、これからはそう呼ぶことにしよう。
 私の名はエリック。エリックと呼ぶように」
「はい、エリックさま」
「エリック様ではない、エリックだ」
「エリック………さま」
「エリック」
「エリック……………さま」
「ふふ、」

どうしても敬称をつけずには呼べないらしい娘が妙に可愛らしく、
思わず笑ったのが娘には恐ろし気に聞こえたらしい。
「申し訳ございません、ご主人さま」と言って、唇を戦慄かせた。
「いや、怒っているのではない、おまえが………、可愛かったのだ」
「…………」
ロクサーレは混乱した様子で身じろぎひとつしない。
「ロクサーレ、おまえは今日から私の妻なのだよ」
そう言って、腰帯と生え際の間にわずかに覗く額に口づけると、
私の妻になったばかりのロクサーレはほんの少しだけ口許を緩めてみせた。
97熱砂の果てU:3:2006/10/11(水) 19:49:03 ID:rRMLN8YU
一度抜き、ロクサーレの隣に横たわると、私の妻になったばかりの彼女を
そっと抱き寄せた。
己を抜くとき、紅に染まった白っぽい体液がとろりと流れ、
既に紅く染まっていたシーツをさらに濡らした。
その場所をよけるようにしてこちらへ引き寄せる。
ロクサーレは私の顔に触れるまいとして、
決して自分の肩より上には手を上げようとしない。
というよりも、両手の行き場をどうしたらよいのかわからないらしく、
戸惑った様子でぎごちなく身体の向きを変えるような有様だ。

私は自分の腰のあたりにロクサーレの手を廻させた。
己の肌の上にそっと置かれた手の小ささがいじらしい。
「つらい思いをさせてすまなかった、こんなにつらいのは今日これきりだから、
 どうか許してほしい」
漆黒の髪をゆっくりと撫でながら囁く。

「こんなに嵩張る目隠しも今日限りだ、ちゃんとおまえに合った目隠しを拵えてやろう」
絹糸のような髪を覆い隠すように固く巻きつけられた腰帯に触れつつ、
彼女の耳元に向かって優しく語りかける。
見ることを奪われたロクサーレは私の声だけで判断しようと自然と耳を突き出す恰好に
なっており、そのわずかな頭の傾きすらがいじらしく愛おしい。
98熱砂の果てU:4:2006/10/11(水) 19:50:19 ID:rRMLN8YU
「あの、」と消え入りそうな声でロクサーレが言い出した。
「何だね?」
「ご主人さまにご奉仕申し上げるときにも目隠しをしなければなりませんか………?」
「ご主人様ではない、エリックだ」
「………エリックさまにご奉仕申し上げるときにも、」
「不便か?」

ロクサーレに奉仕などという行為をしてもらおうとは考えてもいなかったが、
目隠しと言われて真っ先にそれを心配する彼女の生真面目さがどこか可笑しくて、
そんなことを聞いてみる。
「ええ……、あ、はい………、そのように思います………」
「では、そのようなことはしなくともよい」
髪を撫でながらそう言った途端、突如として唇を戦慄かせてロクサーレが
「ああ……!」と絶望したような声を上げた。
99熱砂の果てU:5:2006/10/11(水) 19:52:06 ID:rRMLN8YU
「……そんなにご奉仕とやらがしたいのか?」
彼女がなぜそんなことで嘆き悲しむのかまるでわからず、ふざけてそう問うと、
ロクサーレの口から意外な言葉が飛び出した。
「今宵一夜限りの慰みものになるのならば、」
「何の話だ」
‘今宵一夜限りの慰みもの’という言葉に思わず声を荒げた。
この女は、この奴隷女は、男に奉仕する必要がないと言われ、
己の命を取られると思ったのだ。

「おまえは私の妻だ、妻はただ妻であればよいのだ、
 奉仕もいらぬ、ただ、私の妻でいてくれさえしたら、それでよい」
「…………」
「ロクサーレ、私はシャーではない、ペルシア人でもない、
 私の故国では、妻は妻であって、奴隷ではない」
「…………」
つい先刻まで奴隷として訓練されてきた彼女には、ただ妻であるという状態そのものが
理解できないのであろう、じっと私の言葉に耳を傾けるばかりで、返事もできずにいる。
「……では、いずれ、おまえの訓練の成果を見せてもらおう、それでいいか?」
「…………はい」
安堵したように返事をするロクサーレが哀しかった。
100熱砂の果てU:6:2006/10/11(水) 19:54:36 ID:rRMLN8YU
ロクサーレと会話ともいえない会話を交わしている間にも、
私の欲望は痛いほどに張りつめ、ふたたび女の肉を求めて疼きはじめていた。
しかし、無理やりこじ開けた身体を二度も苛んだのだ、
ここでまた更に痛みを与えたくはなかった。

微かに開けられた唇にそっと口づける。
そのまま首筋、鎖骨へと唇を這わせていく。
まだ膨らみきっていない小さな胸をそっと揉む。
頂きにたたずむ苺色をした果実を下から舐め上げる。
ロクサーレの口から小さな喘ぎ声が漏れはじめた。
男を知らなくても、男の愛撫に反応するよう訓練されているらしい。

そっと両脚を拡げさせると、花びらはまだ頼りなげに顫えるばかりだったが、
肉のあわいにはうっすらと愛液が滲んできており、先刻私のものを受け入れたばかりの
その場所を愛おしむように指先でそっと撫でてやった。

胸への愛撫を唇に任せ、指先で何度もそこを撫でてやっているうち、
花びらはぽってりと水気を含んで膨らみはじめ、その上に佇む小さな蕾が
わずかに莢から顔を出した。
ゆっくりと優しく撫でてやると、ロクサーレの口から切羽詰まったような喘ぎが
漏れはじめた。
101熱砂の果てU:7:2006/10/11(水) 19:56:29 ID:rRMLN8YU
欲望ではち切れそうな己に蜜をなすりつけ、もう一度ゆっくりとロクサーレのなかに入っていく。
ああ、熱くて、柔らかい…………!
ロクサーレのなかは、さきほどとは違い、熱く濡れた粘膜がゆったりと私を包み込み、
奥から入り口から絶え間なく無数の襞が私を絡め取るように蠢いている。
女の胎のなかの何という心地よさ…………。
そして、その熱く蕩ける蜜壺を往復するたびに上がる甘い声の何という心地よさ。
私の背にしっかりと掴まり、エリック様、エリック様と私を呼ぶ妻の声が耳の奥に熔けていくようだ。

「ロクサーレ、…………、ロクサーレ………!」
甘い声ごとその吐息を封じ込めるように口づけると、ロクサーレは縋るように私の舌を求めてくる。
「はあぁ……………んっ……………!」
「ああっ、…………くぅっ…………!」
ロクサーレの声が絶頂を告げるのと、私が己を解放するのとはほぼ同時だった。


………私たちは初めて互いの肉体によって、万人の秘密を知ったのだ。




続く
102名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 19:57:21 ID:rRMLN8YU
以上です。
読んで下さった方、ありがとうございました。
103名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:34:25 ID:vQg3aHzW
お待ちしておりました天使様!
敬称無しでお互いに何気なく名前を呼び合って暮らす日が来るといいなあ。
ぜひともこのふたりには幸せになって欲しい。
104名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 13:27:07 ID:g7pygT7U
女奴隷タン、もといロクサーレタン、エリックの素顔をまだ見てないんだよね
どうかまるごとエリックを受け入れてあげてほしいな。
105名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 14:15:00 ID:C8vnC3Zy
女奴隷シリーズは随分続いているけど完結はしないのかな?
106名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 20:00:07 ID:mzaxpNLg
あおおおお…エロいのう!
素晴らしい文章力。ごちになりました!!
続き楽しみにしてま〜すor2゛
107名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 22:32:21 ID:mK1PxxgA
さま付けでしか呼べない奴隷タン、可愛い。
目隠しを取るとき、どうなるんだろう
天使様GJでした!

>105
何人かの天使様が書かれてるよね、奴隷娘連載。
エリックがキレまくってたやつとか。
108名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 22:46:12 ID:gkhBzhc0
天使様GJ!!奴隷タソの健気さに萌えがとまりません。つづきwktk待機してます。
目隠プレイ(*´Д`)ハァハァ
>105
奴隷タソの話は何種類か投下されてるけど、それぞれ別の職人さんの作品では?
未だずっと続いて投下されてる奴隷タソの話はなかったような。見落としあったらスマソ
109名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 22:47:33 ID:qE9OUIaf
GJGJ!
エリックの幸せが続くことを祈ります。
いろんな天使さまの奴隷話が読めて嬉しい!
続きを心待ちにしています。

>75
美しい切ないお話をありがとう!
もう、GJすぎる!
110名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 23:52:19 ID:esq8eYJW
あー連載途中の奴隷娘タンはも一つあったとオモ。
お互い思ってるのに口に出せないの。
111名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 23:05:41 ID:mV+3QYFy
前スレ 658の続き、投下します。
ラウル×クリスです。
1121/7:2006/10/14(土) 23:06:38 ID:mV+3QYFy
先に目を逸らしたのは、ラウルの方だった。
ふたりは息もできないくらいに張り詰めた空気の中で、見つめ合っていた。

ラウルが2日後に迫った自分たちの結婚式のために、両手に抱えきれないほどの花束を持って、
寝室に戻ってきた時のことだった。
鏡台の前に佇んでいたクリスティーヌが真っ直ぐに立ち上がって、彼の手から花束を受け
取るよりも先に、結婚式を1日だけ遅らせて欲しいと言ったのだ。

本来なら、目前に迫った式の日取りを、新婦の勝手な都合で変更することなど出来るはず
はない。けれどこのふたりの結婚式は、招待客はおろか家族・親族さえも出席することの
ない密やかなものであったので、ラウルさえ承諾すれば、1日くらい延期することはとても
簡単なのだった。

「結婚の前のお祈りをさせて、ひとりで……」
切実な声で訴えるクリスティーヌ――。ラウルの胸に、忌まわしい記憶が過ぎった。
「まさか、君のお父様の墓地に?」
もしクリスティーヌが父の墓地にひとりで出向きたいと言っているのなら、ラウルは
どうしても首を縦に振るわけにはいかない。彼女の瞳に屈し、その望みを許すことはでき
ない。どうしても。
「違うの……教会へ。すべてを神様にお話したいのよ」

オペラ座の寄宿生であった時、クリスティーヌが小ぢんまりとしたチャペルで、ひとり
祈りを捧げている姿を、ラウルは何度も目にしていた。時に不安に怯えながら、時に亡き
父に縋るように……彼女が神の御前で自分の身の上に起こった事を懺悔し、清廉な心を
取り戻したいと欲するのは、当然のことかもしれない――。

クリスティーヌをひとりで外出させることを許したのは、信頼のおける御者を伴わせ、
夕方、ノートルダム大聖堂の鐘が鳴り終わるまでに必ず帰って来ると、固く誓わせたから
――そして、今、彼女の言葉を拒絶することが――認めたくはないが――ラウルには
怖かったのだ。

その日クリスティーヌは、どこかか思い詰めたような様子で外套を羽織り、ラウルの方を
一度も振り向かずに馬車に揺られていった。
ラウルが後から御者に聞いたところによると、クリスティーヌはオペラ座に程近い寺院で
馬車を止めさせ、どうしても一人で祈りを捧げたい、鐘に間に合うように必ず出て来るから、
どうか中を覗かないでほしい、と御者に告げて、寺院の木戸をくぐっていったということ
だった。
そしてクリスティーヌは、約束どおり、日が傾く前に、入った時と同じ木戸から姿を現した。
半日もそこで祈り続けていたとは思えないほど、生気に溢れた瞳をして――。
1132/7:2006/10/14(土) 23:07:28 ID:mV+3QYFy
シャニュイ邸に戻り、荘厳な鐘の音が遠く響くのを聞きながら、彼女は顔を綻ばせた。その
笑顔を見て、ラウルは、クリスティーヌが自分の妻となるために自らその身と精神を清め、
明日の結婚式に備えてくれたのだと安堵した。

ラウルは聞かなかった。クリスティーヌが今日、何を思っていたのか。なぜ御者に中を
見ないようにと言ったのか。本当に一人で祈りを捧げていたのか――。
それは、あの日失われてしまった婚約指輪の行方と同じように、お互いが心にしまったまま、
開かない鍵を掛けてしまうべきことなのだと思った。そしてなぜか、そのことに疑問は持た
なかった。
彼は知っていたのだ。その鍵を開けることは、永遠の破滅を意味してしまうことを。
鍵は、その在処を彼自身も忘れてしまうくらい奥深くに沈めてしまった。それは時間と共に
朽ち、やがて姿を消してしまうだろう。
ラウルはクリスティーヌを腕に抱き、不思議なくらい安らかな気持ちで眠りについた。

その翌日、ふたりは街の外れの小さな教会で、ひっそりと結婚の誓いを立てた。招待客は
誰ひとりとしておらず、ただ司祭の前で、永遠の愛と献身を約束しただけの――フランス中
のどんな人間が見ても、それが500年以上もの歴史を誇る貴族の家の子爵だとは気付かな
かっただろう――完璧なくらい質素な結婚式だった。

春先の風は暖かく、白いドレスの裾を夢のように揺らす。
レースの手袋に包まれたクリスティーヌの手をとって階段を下りる時、ラウルは、この
美しい花嫁を社交界に披露できない自分を悔やんだ。今までに目にしたどんな新婦も、
今日のクリスティーヌほど輝いては見えなかった。薄絹のヴェールも、粒の揃った真珠の
ネックレスも、足元の大理石から沈みかけた太陽まで……すべてが彼女のためにあった。

教会から帰る馬車の中で、ふたりは目が合うたびに微笑みを交わし、時々キスをした。
ラウルは幸福だった。
クリスティーヌを得た自分が、混乱の中で自分を選んでくれた彼女が、誇らしかった。
この一瞬一瞬を止められないのが惜しくて、シャニュイ邸に到着しても、しばらくは馬車を
降りることができないほどであった。
1143/7:2006/10/14(土) 23:08:14 ID:mV+3QYFy
クリスティーヌを着替えさせなければならないから、と言って、衣装係の女中が小さな部屋
に花嫁を連れて行ってしまった。
ラウルははしたないことと知りつつも、その後を追って、彼女と話がしたいからと、部屋
から女中を締め出した。鏡台とスツールが置かれているだけの狭い空間にふたりきりになる
と、ラウルはクリスティーヌの真正面に立って、彼女を見つめた。

「話……?」
クリスティーヌは小さく首を傾げた。ラウルは何も言わずに首を振り、じっと彼女の全身
に視線を這わせる。

「綺麗だ……」
ため息交じりのラウルの言葉に「なんだか恥ずかしいわ……」と答えて、クリスティーヌは
頬を染めた。
「本当だよ、クリスティーヌ。本当に……」
それ以上は言葉にならなかった。ラウルはクリスティーヌを抱き寄せ、唇を重ねた。クリス
ティーヌが甘えるように少しだけ唇を動かしたので、ラウルはさらに熱く、深く口づけを
繰り返した。
彼女の細い首と腰に手を添えて、交わるように舌を絡ませてゆく。時々眼を開くと、クリス
ティーヌはうっとりと睫毛を閉じていて、ラウルの胸を甘い感動でいっぱいにした。

いつもよりずっと長く深い口づけに、クリスティーヌの鼻孔から漏れる息が速くなってゆく。
ラウルは彼女の腰を抱く手に、さらに力を込めた。
すると突然、部屋にノックの音が響いた。

ふたりがハッとして身を離すと、ドアの向こうから「お着替えは……」という遠慮がちな声
が聞こえた。ラウルはドアを少しだけ開いて、「まだ二人にしておいてくれないか。話が
終わったら、僕から声を掛けにゆくから」と言ってドアに鍵を掛けてしまった。
「でも、そろそろ着替えないと……」
クリスティーヌが窺うように言った言葉を、ラウルは口づけで遮った。
「もう少し今日の君を見ていたいんだ。いいだろう?」
唇を軽く触れさせながら囁き、ラウルは再び、熱く湿った舌を絡ませる。ふたりの体温が
少しずつ上がってゆく。
1154/7:2006/10/14(土) 23:08:59 ID:mV+3QYFy
ラウルはクリスティーヌから唇を離し、彼女の髪の先からドレスの裾までゆっくりと視線を
巡らせてから、「そこに座って」と、目でスツールを示した。
クリスティーヌははにかんだような微笑を向けてから、言われたとおりに、そのゴブラン織り
のクッションが張られた長椅子に腰掛けた。

ラウルは着ていたフロックコートを脱いで鏡台に投げると、椅子にたっぷりと広がるシルク
サテンのドレスを寄せ、自分もクリスティーヌの横に腰を下ろした。
クリスティーヌを優しく抱き寄せ、額にキスをする。そのまま、こめかみへ、耳へ、頬へ、
唇を移す。細い顎と首筋を辿る。
クリスティーヌは少しだけ頭を反らせて、ラウルのキスを心地良さそうに受けている。ラウル
は何も言わずにクリスティーヌのドレスの裾を少し捲り、足首を掴むと、絹張りの靴をそっと
脱がせた。

「ラウル……?」
クリスティーヌが訝しげに囁いた。
ラウルの指は、彼女のくるぶしからふくらはぎへゆっくりと移動する。何重にもなったペティ
コートの奥へと腕が進入してゆく。

「ラ、ラウル……? だめよ……」
クリスティーヌの言葉を無視して、ラウルは両腕をドレスの中に挿し入れた。細い両脛を持って
軽く広げさせると、ドレスの裾を膝の上まで捲り上げてしまった。
「あ……だめ……」
クリスティーヌが裾を直そうとするのを強く止めて、ラウルは彼女の唇に口づけた。舌を入れ
ながら、手をクリスティーヌの太腿へ這わせる。
ストッキングに包まれた内腿を指で撫でていると、クリスティーヌの息遣いが荒くなってゆく
のが分かった。ラウルは下着の上から、クリスティーヌの温かい丘に触れた。

「あっ……」
クリスティーヌのそこが、ぴくん、と動いた。
ラウルは中指を伸ばし、丘の割れ目をそうっと擦る。柔らかい谷間を指で何度も往復する。
1165/7:2006/10/14(土) 23:09:57 ID:mV+3QYFy
ラウルの指が下着を擦る音が繰り返される度、クリスティーヌの浅い呼吸が速さを増す。
眉を寄せて、咎めるような目つきでラウルを見た次の瞬間には、目を閉じて湿った溜息を
漏らす。内腿には緊張が残っているのに、脚を閉じる気配はない。そんなクリスティーヌの
様子をじっと見つめながら、ラウルは彼女の下着をじわじわと下ろしていった。

「や……やめて……」
白いレースの端から、セピア色の恥毛が覗いた頃、クリスティーヌが震える指でラウルの
手の甲に触れた。欲情に溺れまいと耐えたためか、彼女の瞳はうっすらと涙に濡れている。
ラウルは、その瞳をもっと濡らしたいと……彼女の理性が陥落して、禁欲的な純白のドレス
に包まれながら愛欲に駆られてゆく様を見たいと、強く欲した。
彼女はもう自分の妻なのだから、その身を夫に任せなければいけないのだ――。ラウルの中に、
征服欲の小さな炎が灯った。

ラウルは下着に掛けた手を、その中にぐいっと差し込んだ。
中指に熱くぬめったものを捕らえると、そこに指先を押し付けて、丸く撫でた。
「もうこんなに濡れているよ? クリスティーヌ」
彼女の目を見ながら、中指で入り口の襞を押し分けるように円を描く。
クリスティーヌのそこから、愛蜜がとろりと溢れ出た。

「あん……ああ……ぁぁ……」
クリスティーヌの指はラウルの手を掴み、小刻みに震えている。快感に崩れ落ちかけた
理性に、必死でしがみついているようだ。
ラウルは片手で溶けかけた彼女の入り口を弄りながら、もう片方の手で下着を引っ張り、
クリスティーヌの片足を抜いた。

上半身は豪奢なシルクサテンとレースで慎ましやかに覆われているのに、捲り上げられた
ドレスの下からはガーターストッキングに包まれた両脚が投げ出され、最も恥ずかしい
場所を自分の目に晒している……ふたりのほかに誰もいない狭い部屋で、クリスティーヌの
見せる淫らな姿は、ラウルの欲情をそそった。
1176/7:2006/10/14(土) 23:10:38 ID:mV+3QYFy
ラウルは目を少し細めて、意地悪く動かしていた中指を、奥へと挿し入れていった。
「……ぅんん……」
クリスティーヌが震えた溜息を吐いた。
自分の手を掴んでいた指に片手を絡ませ、握り合う。クリスティーヌの手はしっとりと
熱していた。

中へと侵入させた指をゆっくりと出し入れさせると、クリスティーヌの内側はふくふくと
膨張してきた。愛蜜で摩擦のなくなったその洞は、今にも蕩けてしまいそうだ。
ラウルは指を動かしながら、クリスティーヌの耳元に淫靡な問いを囁き掛けた。
「どこがいい……? クリスティーヌ」

「い、いやぁ……」
クリスティーヌは泣きそうな声を上げた。
「恥ずかしがらないで、言ってごらん……?」
ラウルは中指を根元まで深く挿し入れて、奥の襞を丸く弄った。
「ふ……ぅぅん……」
クリスティーヌが腰を捻る。
「ここ……?」
「ん……ん……っ」
瞼を閉じて、顔を反らせ、荒い吐息で快感をラウルに伝える。

ラウルは指を少し引き、内襞の感触を慎重に探った。
クリスティーヌの蜜にまみれた中指の腹に、ざらりとした一箇所を捉えると、その部分を
細かく擦った。
途端にクリスティーヌの喉から、高い声が上がった。

「あああぁっ……だめ……」
くちゅくちゅと音をさせてそこを強く愛撫すると、クリスティーヌの下半身がぴくぴくと
蠢いて、その場所が快感の核であることを教える。
「あ、あ、あぁぁっ!」
「ここがいいんだね?」
クリスティーヌは濡れた瞳をラウルに向けた。ラウルは声を潜めてそんな彼女を促す。
「ね……クリスティーヌ」
ラウルの指は、さらに激しくそこばかりを責める。クリスティーヌは、震えるように
僅かに、首をこくりと頷かせた。
1187/7:2006/10/14(土) 23:11:23 ID:mV+3QYFy
「可愛いよ……」
ラウルは目尻だけで微笑んで、中指を動かしたまま、親指で、割れ目からのぞく芽の先端を
撫でた。クリスティーヌが下唇を噛んだので、親指を強く押し付け、なぞり上げた。
「はぁぁっ、だめぇっ!!」
クリスティーヌの洞から、さらさらとした粘液が溢れ出てくる。熱く膨れ上がった胎内は
ぴくんぴくんと痙攣して、絶頂を迎えようとしていた。
ラウルはふたつの指をぐいぐいと動かして、彼女を極致へ導いてゆく。

「あっ、あっ、あぁぁぁ!!」
襞が引き攣り、入り口が収縮した。その感覚を味わうように、ラウルは指を入れたまま、
手のひらで恥丘をそっと覆った。

クリスティーヌの全身が弛緩する。閉じた睫毛の隙間から、涙がじわりと滲んだ。
ラウルはその瞼に唇を寄せてから、彼女の中から指を引き抜いた。
「すごいよ、びしょびしょに濡れてる……」
「や……」
クリスティーヌは小さな声で恥らった。

ラウルは身を屈めて、まだ小さく痙攣している彼女の秘所に口づけた。ペティコートまで滴る
愛蜜を舌先で舐める。
「あん、あぁ……」
くすぐったそうな喘ぎ声を聞きながら、蜜を舐め取ってゆく。音を立てて、膨れた芽を吸う。
しばらくそうして蜜を啜った後、ラウルは唇を離して、クリスティーヌの片足に引っ掛かって
いた下着を引き上げた。

驚いたように瞬きをする彼女を見つめながら、下着を元の位置に戻す。捲り上げたペティコート
の裾を一枚一枚下ろし、ドレスの形を整える。
クリスティーヌはほっとしたような、名残惜しそうな表情でその様子を見つめていた。
ラウルは彼女の髪を指で解き、額にキスをすると、
「寝室で待っているから……早くおいで」と言って笑った。

「ラウル……」
クリスティーヌは切ない声色で呟いて、彼の手を握り、言葉を探して俯いた。
「もう少し、いて……」
ぽつりと出た彼女の言葉は、甘える子供のようだった。

ラウルは視線を落としたままの花嫁を抱き寄せて、何度も何度も、優しいキスを送った。
いつの間にか陽は落ちて、紫色の微かな光が、小さな部屋で抱き合うふたりを包み込んでいた。

〈続く〉
119名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 23:14:49 ID:mV+3QYFy
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございました!
120名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 22:58:37 ID:Mh57bnOO
GJ!天使様
幸せの絶頂にあるふたりなのにラウルの心は不安に満ちているんだ・・・
クリスを疑わしく思う心は決して彼女に気づかせてはイケナイよラウル
まだ続くのですね、楽しみにしています
121名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 23:55:28 ID:/P9GYQFw
天使様GJ!複雑な心境のなか、一応一区切りで花嫁プレイ萌えた。
花嫁プレイ寝室編の本番もあるのかなwktk
122名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 00:07:00 ID:jaWw89yu
本スレ荒れてるね…こええYO…ガクブル
避難させてorz
123名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 01:22:41 ID:/nxN+aao
うは…本当だ……
凄いな本スレ
124名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 02:15:52 ID:HIfl1CG+
久々に見ちゃった、本スレ
スゴいことになってた
ここはマターリしてて、いいやね
125名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 09:36:05 ID:otal+1nW
天使様ラウクリありがとう!
クリスを思いやるラウルの優しさがよく伝わってくるよ。
相変わらずファントムは出ないけど続きどうなるのかなあ気になる。
続き待ってます。

本スレでいつここの話出されるのかびびっちゃうね
    _, ,_    
  :.(;゚д゚):.  
    :.レV):.  
    :.<<:.  
           

126名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 13:49:31 ID:zmkT6oZU
ほんとに本スレ怖いことになってるね。
遠回しにこのスレを批判してるんだろうか…。
127名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 15:12:03 ID:vLpYAY3S
本スレ、言いたいことは多々あれど、ここで
出ていったら負けかなと思ってるw
128名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 15:20:34 ID:+mDnK63j
   _, ,_
  ( ゜ノゝ゜) < ヨソはヨソ、ウチはウチ!

   _, ,_ к
  ( ゜ノゝ゜)△ < まあ喉スプレーでも使って、マタリしてくれ
129名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 15:54:19 ID:wkOxIz+2
最近本スレも見ずにここで寛いでたから久々にのぞいてビクーリだよ
いろいろなサイドストーリーや異なるパターンのエンディング
痛快なギャグてんこ盛りで楽しめるのになあ。
ただ最近メアリー・スーという言葉を知ってそれにはならないように
注意しようと思った。
130名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 00:32:42 ID:gN2Q1rTG
元々、映画をみたりしたあとはしばらくドップリと浸かってしまう性質で、
SSを楽しむ要素を持っていた。キモイと思う人がいるなんて最近まで知らず…
自分には普通だったから。パロスレは大のお気に入り。
いろいろ妄想は膨らむが、文才が無いもんで、ROMですみません。
>>129
メアリー・スー、なにそれ?と思ってググってみた。
SSがメアリー・スーになっている作者のサイト、少なくとも2つは読んでいる…。
でもま、それはそれなりに楽しんでる自分はかなり許容範囲が広いのかも。

…興味がないならそれで結構だからキモがらくてもいいじゃんと思う。

天使様たちが(個人サイト含めて)投下をためらわないことを祈るばかり。
131名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 07:18:08 ID:zMsqomrU
二次創作なんて叩かれても仕方がない気がするけどね。影でこそこそと楽しみましょう。
132名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 10:23:45 ID:qkZlTLtt
ALW版自体が原作の2次創作である、
といえないこともないと思う。
133名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 13:49:06 ID:aR9QIeOf
本スレよりも「こんな・・・・嫌だ」スレの流れに不覚にも萌えてしまった俺ガイル
134名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 00:14:38 ID:weOD1R29
天使様待ちor2゛で小ネタ
エロ無し、1レス、会話のみ。
ファントム、クリスティーヌ、ラウルです。
135名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 00:15:52 ID:weOD1R29
「口のうまい娘よ!では鏡の中を見るがいい…私はそこにいる!」
「音楽の天使さま…ちょっと待って」
「え?」
「天使さま、鏡の中にいらっしゃるの?」
「…そうだが」
クリスティーヌの眉が険しくなる。
「…いつからいらっしゃったの?」
「そ、それは」
「ラウルがきたことをご存知でしたわね。そのとき私はドレスを着ていた」
「…」
「そして今私は部屋着姿…着替えている間、どこにいらしたの?」
「いや、それはその…」
「ど・こ・に、いらっしゃったの?」
「す、すまない、でも私は…!」
「人に謝るときに鏡越しでいらっしゃる。あの厳しかった音楽の天使様が」
「……クリスティーヌ、確かに私は鏡の中にいたが、」
「正座」
「は?」
「そこに正座なさってください。そう、それで、鏡の中にいらっしゃったけれど、見ていないとでもおっしゃるの」
「そう、そのとおりだ!盗み見などこのわた」
「では何故私が着替え終わったタイミングでお声を掛けられたのかしら」
「…!」
「そもそもここはカルロッタの楽屋でしょう?どうしてここの鏡があんなふうに透けるようになっていますの?」
「その、それは…」
「クリスティーヌ?!誰の声だ?」
「…ラウルだわ。丁度良かった」
「クリスティーヌ!エンジェ…あ、クリスティーヌ!どうし…その男は誰だ?」
「それはいいからラウルもそこに座っていただける?違う、正座!」
「クリスティーヌ?」
「2分って何?2分で着替えて支度をしろと?ずいぶん無理をおっしゃるのね」
「それは慣用句というか…」
「大体最初私に気付かなかったくせに”君は忘れているかもしれないが、僕は覚えている”なんて」
「ロ、ロッテ、あのね…」
「それに”ブラヴォー"って!あんな途中で、ソロで歌っているソプラノ歌手に”ブラヴォー"って!」
「わ、我が天使よ、そろそろ私は帰ってもいいだろうか…色々作曲とか」
「マスターはお待ちになっていてください。まだまだ申し上げなければならないことがあります!」
「おぅ、クリスティーヌ…こうなったらマダムが来てくれるのを待つしか…」
「総ての望みと祈りがマダムにかかってるんだね…」
「ラウル!マスター!聞いてらっしゃるの?!そもそもお二人とも…」
明かりも消えひと気も消えたオペラ座の夜は、ただただ更けてゆきます。
136名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 01:40:43 ID:xnvnxVlA
和んだw
ありがとう(*´∀`)
137名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 07:17:20 ID:yB/Xy/sM
>136
ちょwwww
マダムが来たら、二人とももっとこっぴどく叱られそうw
138名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 23:38:19 ID:tlMJefLC
うはは、GJ!!!
仁王立ちのクリスの前に情けないツラして正座する二人の姿がまざまざと見えるw
139名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 01:26:09 ID:ylDc7tls
age
140名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 01:08:02 ID:bQwDmT8u
>>136
テンポ良くて気持ち良かった!
楽しい小ネタありがと〜ノシ
141名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 23:00:29 ID:iFZTl5PR
投下します。

前幕703からの父息子もの
エロなし、ギャグなし
今回は父と息子、戦っていません

また色々と苦しい…orz
142よくある疑問(1):2006/10/23(月) 23:02:12 ID:iFZTl5PR
 
 クリスティーヌと、彼女の息子のシャルルは、自宅から遠く離れ
た大きな街へ出て買い物をしていた。

 「おかあさん、つぎはなにをかうの?」
 紅茶とお茶菓子を入れたバスケットを抱え、シャルルは母譲りの
とび色の瞳を輝かせて尋ねる。

 「ええと、次は…そうね、お花を買いましょう。それと、赤ちゃんが喜んでくれそうな
物も。シャルルも一緒に選んでくれる?」
 「うん!!」
 滅多にない遠出が嬉しいのか、シャルルはずっと上機嫌だ。

 今日の遠出は、クリスティーヌがオペラ座にいた時に一緒だった、
コーラスガールの一人に会いに行くため。
 その彼女は一年程前に結婚し、つい最近子供が生まれたので、ク
リスティーヌはシャルルを連れてお見舞いに行くのだ。

 「シャルル、赤ちゃんの前では良い子にしてなきゃ駄目よ?」
 「はぁい!」
 素直に返事はしたものの、バスケットから中身を飛び出させんば
かりにスキップをするシャルル。

 本当に分かっているのかしら、と、彼を見つめるクリスティーヌ
は不安を抱いていた。

143よくある疑問(2):2006/10/23(月) 23:03:44 ID:iFZTl5PR
 
 「おかあさん、あかちゃんかわいかったね」
 帰りの馬車の中、シャルルがクリスティーヌに話し掛けた。

 「ぼくのおうちにも、あかちゃん、きてくれないかなぁ」
 「あら、シャルルも可愛い兄弟が欲しい?」
 「うん!」
 とびっきりの笑顔を見せる息子に、クリスティーヌも優しく微笑む。

 「それじゃあ、お母さんとシャルルで、お父さんにお願いしない
とね」
 「…あれ、おかあさん、そういえばあかちゃんって…」
 どうしてうまれるの、とシャルルが尋ねようとした時には、クリ
スティーヌは既に眠っていた。

 珍しく遠出をした所為だろう、馬車の揺れも手伝って、心地良さ
そうに寝息を立てている。

 「おかあさん?ねちゃったの?」
 シャルルは母の顔を覗き込み、まだ、あどけなさの残る寝顔を確
認した。

 ―おうちについたら、どうしてあかちゃんがうまれるのかきくんだ―

 シャルルはそう心の中で呟くと、クリスティーヌに寄り添って少
し眠った。

144よくある疑問(3):2006/10/23(月) 23:05:28 ID:iFZTl5PR
 
 馬車が家の前に到着し、先にシャルルが勢い良く飛び降りた。

 「こらシャルル、転ばないようにね!」
 クリスティーヌは御者に代金を渡すと、華やかな微笑みと優雅な
仕草で礼をし、シャルルを追い掛ける。

 「おかあさん、ぼくおなかすいたー」
 シャルルは、玄関のドアを開けようとするクリスティーヌを見上
げて訴えた。

 「ふふ、シャルルったら。じゃあ、ちょっと遅いけれどお茶にし
ましょうか?」
 「うんっ」
 「お母さんは紅茶を用意するから、シャルルはこれをお皿に並べ
て頂戴」
 「分かった!」
 クリスティーヌから焼き菓子の入った缶を受け取ると、シャルル
は家に入るなり、台所へ駆けていく。

145よくある疑問(4):2006/10/23(月) 23:07:05 ID:iFZTl5PR
 
 紅茶の優雅な香りと、バターたっぷりの焼き菓子の甘い匂いが部
屋に満ちる。

 「シャルル、頬っぺたにお菓子のかけらが付いているわよ」
 「むぅ…どこー?」
 シャルルはぺたぺたと自分の頬を触るが、母の言うような物には
一切触れない。

 「ここよ。シャルルったら、頬っぺたまで食いしん坊なのね」
 指先で、息子の頬に付いたお菓子のかけらを拭い、それを舐め取
るクリスティーヌ。

 その仕草の所為なのかは分からないが、シャルルの顔はあっとい
う間に赤く染まった。

 「…シャルル?顔が真っ赤よ?」
 「へっ!?そ、そんなことないよ!!」
 シャルルは首を左右に振り、必死で誤魔化す。

 その時、彼は突然ある事を思い出した。

 「あっ、そうだ!ぼく、おかあさんにききたいことがあったんだ!」
 「ま…まぁ、なぁに?」
 椅子からひっくり返るのではないか、と心配させるくらいの勢い
に圧倒されながら、クリスティーヌはシャルルの言葉に耳を傾ける。

146よくある疑問(5):2006/10/23(月) 23:08:52 ID:iFZTl5PR
 
 「あ、あのね!あかちゃんって、どうしてうまれるの?」

 シャルルのその言葉に、クリスティーヌは大きな衝撃を受けた。

 ―ど、どうして…って、どう教えてあげたら良いの!?―

 「おかあさん?」
 「…え!?うん、えっとね、エリックと私が…お父さんとお母さ
んが、愛し合うとね」
 「“あいしあう”?どういうこと?なにをするの?」
 次々と生まれる疑問に、好奇心の塊であるシャルルは、瞳を輝か
せている。

 「あ…愛し合う、って…」

 ―エリックと私が、ベッドの上で裸になって、お互いの身体を愛
おしみ、熱くひとつに繋がって―

 「〜〜…っ」
 「…おかあさん?」
 クリスティーヌは真っ赤な顔を手で覆い、あまりの恥ずかしさに
涙まで出そうになっていた。

 「…お父さんに訊きなさい……」
 それが、クリスティーヌがシャルルのために言える精一杯の言葉
だった。

147よくある疑問(6):2006/10/23(月) 23:10:36 ID:iFZTl5PR
 
 「あ、おとうさん!」
 シャルルが父の仕事部屋へ駆けていくと、丁度、仕事を終えたば
かりのファントムが部屋を出たところだった。

 「どうした?シャルル、お前がこちらに来るなんて珍しいではな
いか」
 駆け寄ってきた息子が可愛くて、ファントムは大きな手で、シャ
ルルの白金の髪を撫でる。

 「あのね、おとうさんにどうしてもききたいことがあるんだ」
 「何だ?」
 「あかちゃんって、どうしてうまれるの?」
 「……!!?」
 やはりシャルルの言葉は、徹夜明けのファントムの頭に強烈な一
撃を喰らわせた。

 「…あー、母さんにも同じ質問をしたのか?シャルル?」
 「うん。おかあさんは“おとうさんとおかあさんがあいしあうと、
あかちゃんがうまれる”っておしえてくれた」
 「それでお前は、それ以上の何が訊きたいのだ?」
 好奇心に満ち溢れた瞳を見つめると、思わず溜め息が漏れる。

148よくある疑問(7):2006/10/23(月) 23:13:18 ID:iFZTl5PR
 
 「えっとね“あいしあう”ってどういうこと?」
 「“愛し合う”?ああ…それは…だな」

 男女の身体の交わりだ、と言うわけにもいかず、困り果てるファ
ントム。

 ―どう言えば良いのだ?私とクリスティーヌが、等とは言えない
し…、取り敢えず、夫婦が仲良くする事だと説明したら分かってく
れるだろうか―

 「…シャルル、良いか。“愛し合う”というのは、父さんと母さ
んが仲良くする事だ」
 「“なかよく”?」
 「そうだ。一緒の部屋で寝たり、毎朝お早うのキスをしたり…と
にかく、喧嘩したりしないという事だな」
 「ふぅん」
 納得したのか、それとも父の答えがつまらなかったのか、シャル
ルは味気ない返事をした。

 「でもおとうさん、どうして“なかよく”すると、あかちゃんが
うまれるの?どこからくるの?」

 また、ファントムは大きな溜め息を吐く。

149よくある疑問(8):2006/10/23(月) 23:15:03 ID:iFZTl5PR
 
 ファントムが頭を抱える。
 それをシャルルが見つめる。

 「おとうさん?」
 「………」
 答えを求める息子を見て、真実を事細かに話せば良いのだろうか、
とファントムは悩んでいた。

 そして、一つの結論に至る。

 分からないことにして誤魔化してしまおう、と。

 「…その、シャルル。実はな、父さんもよく分からないのだ」
 「えぇっ!?」
 シャルルが、今までに無いような声をあげて驚いた。

 これまで色んな事を教えてくれた父を、誰よりも物知りだと思っ
ていたからだ。

 「内緒にしておこうと思っていたのだが…父さんと母さんが仲良
く暮らしていたある日、セーヌ川を見下ろすと、フランスパンに乗
った赤ん坊が流れてきたのだ。それがお前だ。つまりだな、赤ん坊
が何故、セーヌ川を流れてくる前には何処から来るのか、具体的な
事は父さんには分からないのだ」
 ファントムがそれらしく首を傾げてみせると、シャルルは、ぽか
んと口を開けて父を見ていた。

 「シャルル。赤ん坊は、フランスパンに乗ってセーヌ川を流れて
くるのだぞ。分かってくれたか?」
 再び声を掛けると、シャルルは、はっと気付いて頷く。

 「あかちゃんって、すごいぼうけんをしてるんだね!」
 「そうだ。ちなみに流れてくる間は、乗っているフランスパンを
食べて凌ぐのだ」

 凄いや、と言い続けるシャルルは、父の嘘をすっかり信じてしまっ
ているらしい。

 この事をクリスティーヌに明かした時、ファントムはとても呆れ
た顔をされたとか、されなかったとか。




―終―
150141:2006/10/23(月) 23:17:28 ID:iFZTl5PR
以上です。
読んでくださった方、有難うございました。
151名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 23:39:22 ID:JAY9xxzi
>141
し、死ぬ……、笑いすぎて腹いてえ。
子どもにあの質問をされて、「エリックと私が、ベッドの上で〜」と考えるクリス、
「私とクリスティーヌが」と思い浮かべるファントム、要は似た者夫婦ってことな。

続き、楽しみにしてる!
152名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 23:57:06 ID:6pN86VB3
こ、この夫婦最高(笑)
子供の素朴な疑問に、
男女の交わりやら熱くひとつに繋がってなど何もクソ真面目に考えなくても(自分もハライタイ
父の嘘がばれる日が怖い。
これはぜひともシリーズ化してもらわ…ナイト!
153名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 00:08:08 ID:aMQjL4d4
>ちなみに流れてくる間は、乗っているフランスパンを食べて凌ぐのだ
ここに物凄く感銘を受けたwGJ!
154名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 00:11:04 ID:1ghw1kIB
この二人の夫婦なのに、とっさに出たうそが「天使が連れてくる〜」とかじゃなくて、
「フランスパン」なのもまたツボだw
155名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 20:55:37 ID:R/chfQPO
フランスパンwwwww
156名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 23:42:37 ID:+mb7A0PY
レスを下さった方々、有難うございました。

ギャグと言える自信が無かった故、注意書きには「ギャグなし」
としたのですが、笑っていただけたと知った時は嬉しかったですw

父息子ものですが、幾らかまだ書きかけの物がありますので、出来
次第こちらに投下させていただきたく思います。


少し、調子に乗って今回の投下分なおまけ(後日談風味)を。

―――――

 あれから数日後のこと。

 「どうしたシャルル、今日は何処にも出掛けないぞ」
 ファントムは、朝から出掛ける気満々のシャルルを見て、不思議
そうに言った。

 「あのね、おとうさん!ぼく、いもうとがほしいんだ!」
 「えっ」
 「だからね、いまからセーヌがわにさがしにいきたいんだけど…
いっしょにきてくれる?」
 「…………」
 瞳をきらきらさせるシャルルと、深く溜息をつくファントム。

 「おとうさん、おとうさんってばー」

 ファントムの嘘が見破られてしまう日も、近い。



―終―

157名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 12:26:08 ID:kq2FiiQz
天使様GJ!
ファントムパパ頑張れw
まだSSの在庫があるとかでときめいてます。楽しみに待ってますノシ
158名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 01:57:52 ID:f7OA/ixl
そろそろがっつり濃いエロが読みたいと呟きつつ保守。
159名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 00:13:21 ID:jnI1yFNB
保守ついでに、どのカップリングが好きか訊いてみるテスト
160名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 01:29:58 ID:tZbmjl4P
先生とクリスが一番好きだけど、時々投下される先生×メグも好きだw
161名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 20:17:56 ID:hTKQOBvd
エリック×女奴隷。
基本的にオペラ座メンバーじゃない方が萌える。
162名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 23:04:05 ID:r61iTDaf
先生とカーラで喰うか喰われるかみたいなのでも甘々でもSMでもよし。
ピアンジとカーラで女王さまプレイでもよし。先生とマダムで大人の色気満載でもよし。先生とメグタソでも団員とメグタソでもよし。
ラウルとクリスで甘々でも切ないのでも若さ故に朝までとかでもよし。
ケイ版エリックと奴隷タソでもよし。未だないけど熟女にあれこれされる太后×エリックでもよし。
もちろん先生とクリスで埒監禁調教SM鬼畜甘々イチャラブなんでもうわなんだ縄がt(ry

早い話何でも美味しく頂けます。でもオペラ座ってリンカンものが想像つかない。
メグタソに手出そうもんならマダムの目からビームが飛んできそうだし、
クリスに手出そうもんなら言うまでもなく縄が飛んできそうだ。
163名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 23:33:56 ID:R3RscpHP
ちょwビームwww
リンカンモノ…今までにないが、確かに難しい。
支配人が来たときもメグ&クリスに関してはマダムが牽制してたし。
164名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 23:41:15 ID:Ay1ttGN/
自分はファントム×クリスオンリーだなあ
165名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 00:18:23 ID:4Ersh/oK
投下物は全て美味しく頂いております
改めて、天使様ありがとうなのです

強いていえば、サブキャラ同士の組み合わせが好きだお
オペラ座の話に奥行き感が出来るような、そんな話
妄想万歳なのです\(^o^)/

マダム×ラウル、今までありましたか?
自分で想像できないので、一度読んでみたい…
166名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 01:09:18 ID:tOxPrd/H
>162
同じく!です。素晴らしい列挙ありがとう。
フィリップ×ソレリなんかも密かに好物です。
167名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 04:34:34 ID:vnAMklW8
天使様のお陰でどんな組み合わせのSSでも、ラーメン丼でご飯が5杯はいける。
ギシアンしなくても雰囲気が官能的なのとか大好き。
もちろんギシアンも有り難く頂戴する。

原作寄りのちょっぴるとち狂ったエリックやサルタンの寵姫
の話も読んでみたいなぁ。

168名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 04:36:42 ID:vnAMklW8
↑誤字失礼しました。
ちょっぴるって何だ。
169名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 22:03:53 ID:heJgcAkC
会話の流れを無視してしまうようで悪いんだけど、
こんなのを貼ってみるw

http://seibun.nosv.org/maker.php/the_phantom_of_the_opera/
170名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 23:26:58 ID:HxfkjJen
天使様がいない。
171名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 00:05:54 ID:uWDRT9mN
>>170
一応文章を書いてはいるのですが、中々終わらず…orz
172名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 01:41:54 ID:MhDoY36Z
>>169
Gerard Butlerの77%は情熱のプレイで出来ています
Gerard Butlerの13%はリハーサルで出来ています
Gerard Butlerの6%はシャンデリアで出来ています
Gerard Butlerの4%はオークションで出来ています

うーん、やっぱりか。2005年版だけに。
173名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 10:10:18 ID:FjQu0bpk
ちなみに
オペラ座の怪人成分解析〜2005年映画版〜によるオペラ座の怪人の解析結果

オペラ座の怪人の77%はアミンタで出来ています
オペラ座の怪人の19%はパトロンで出来ています
オペラ座の怪人の2%はハンニバルのポスターで出来ています
オペラ座の怪人の2%はオークションで出来ています

ちょっと地味ね。
他にどんなキーワードがあるか いろいろやってみよw
174名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 00:15:25 ID:sDt8aJQQ
天使様がいない。
175名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 00:23:18 ID:vDViVH8f
過去の投下作品なんかをまったり楽しんでまつ。
176名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 01:21:37 ID:27NKSOs1
観る者を欺き惑わすその手品、聴く者を魅きつけやまぬ至高の声、周りを圧倒するその威厳、滲み出る官能。
この男は神に愛されている、と誰もが思う。神に愛されるとはこういうことだと。
…ただ一つ、不気味さを醸す仮面に隠された顔を除いては。

世にも醜い容貌でありながら才能に溢れた、太后である自分のために招かれた仮面の男は、
しかし自分に目を掛けられようとはせず、どこか自分を見下した命知らずな男。

初めて感じる不服従に、苛立ちと同時に興味が太后の心に湧いた。
この男を跪かせたいと、そう思った。
決して権威に媚びないその高い自尊心を崩してやりたい。
自分を見下すその瞳を屈辱と快楽に歪ませてやりたい。
その声で鳴くがいい。屈するがいい。官能に溺れるがいい。

――そなたはわらわのために招かれた。ならば愛玩されることに文句はあるまい?――

誇り高い醜い道化よ、わらわが極上の甘い鎖で繋いでやろう。
太后はいまだ何も知らぬまま奇術を続ける男を見つめ、どこまでも妖艶な笑みを浮かべた。


うわもうむりぽ('A`)
文章難しい。エロに行かない。
自分>162で言い出しっぺってことで書いてみたけどもうダメヌルポ。
177名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 22:40:32 ID:fYWkdCYO
>>176
ガッ
178名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 22:55:16 ID:MQPulUjE
ワーン貴重な初の太后×エリックなのに寸止めなんて
ずっといい子で待ってますから続きお願いします天使様
179名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 15:33:49 ID:ELUA4MAC
>>175
…イケそうだな。
つーづーき!つーづーき!(AA略)
180名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 17:04:59 ID:pwNGdvA+
ファントム×クリス
初めての…。ネタ寄り、ここまでエロ無し。
(微妙な長さになったので分けます)
1811/3:2006/11/07(火) 17:05:51 ID:pwNGdvA+
"夢に描いていたときは知らなかった…恋とはこんなに痛みを伴うものだとは…"
礼拝堂に澄んだ歌声が響く。
しかしファントムは、愛弟子の歌を途中で遮った。
「そこで止めるんだ、クリスティーヌ」
ぴたりと歌を止め、クリスティーヌは師の次の言葉を待つ。
「今の歌には気持ちが全く入っていない…恋しい相手を思っているのだぞ?」
「…恋しい、気持ち…?」
クリスティーヌは眉を寄せた。黙ったまますっと繊細なまつげを伏せる。
ファントムは胸の奥が苦しいような心持になったが、それを散らすように口を開く。
「お前は知らない…恋がどういうものかを」
告げられない苦しさ、結ばれない切なさ…尚も言葉を続けようとしたとき、彼の愛弟子はぱっと顔を上げた。
「知っています」
「ん?」
一つ頷いて、クリスティーヌは花のような唇を開いた。
「恋のこと、知っていますわ。性交です」
「せ…!」
あっけらかんと言い放つ愛弟子を、思わず凝視する。が、あくまでその表情は純粋で、瞳は澄んでいる。
「皆言っているの、恋はつまり性交で、肉の交わりだって」
幼い頃から慈しみ、影から見守り続けてきた可愛いクリスティーヌ、
その穢れを知らぬ唇から、ああ、何と言う言葉が飛び出すのか。
「…そ、それは違う、我が天使よ」
何とか衝撃から立ち直ったファントムは重々しく口を開いた。
「恋というものはすぐに肉…行為に結びつくものではない。まずは魂どおしが触れあい…」
「でも恋をしたらするのでしょう?性交」
「どこでそんな言葉を」
「皆そういっているわ。
マダムも女性が美しくなるのに必要なことだから恥ずかしがることではないって。」
「!」
「なさらないのですか?性交。恋をしたら」
「…する、が、それは」
もごもごとした応えにクリスティーヌはにっこりと笑った。
「では間違いないのね!」
1822/3:2006/11/07(火) 17:07:12 ID:pwNGdvA+
妙な間が空き、諦めたような天使の声が聞こえる。
「分かった、とりあえずはそれでいい。が、そのせ…直截な表現は止めなさい」
「何と言えばよろしいのですか、天使様」
好奇心だけを宿したきらめく瞳。思わず言葉に詰まる。
「それは…交わ…いや、触れあい…愛の営み?」
「イトナミ?」
「いや、違うな…そうだ、睦み合い、これだ、これでいこう!」
「睦み…合い」
クリスティーヌは頷くと顔を上げ、両手を胸の前で組んだ。
「では天使様、クリスティーヌと睦み合いをしてください」
「何?!」
「だって、天使様は私に他の男に恋をしてはいけないとおっしゃったわ」
「確かに言ったが」
「ですから、天使様がしてくださらないと」
言葉を切ると首を少し傾げる。
「…プリマの歌う歌は、恋の歌ばかりです。先程のように、恋を知らないと本当の気持ちがこめられないわ」
「いや、しかし」
「それに天使様とは音楽を通じて魂が触れ合っていますから、大丈夫です!」
よく分からない断言。娘は期待に満ちたまなざしで天使の声が聞こえるあたりを見つめた。
「ですから天使様、姿を現して!」

幾たびかの沈黙の後、かちりと音がして壁の一部がぱっくりと開く。
四角く切り取られた真っ暗な空間から、影のように一人の男が滲み出た。
黒ずくめの身なり、顔の半面は白い仮面に覆われている。
威圧感を漂わせながら、ファントムは厳しい表情でクリスティーヌを見つめた。
とび色の瞳が大きく見開かれる。
異相の男を見つめながら、しかし彼の弟子は安心したように息を吐いた。
「良かったわ!天使様が男の方の形をしていて」
「かた、ち?」
「翼なんかが付いてらしたら横になって性…睦み合うのに邪魔だし、そもそも人間の姿じゃなくて
光の玉とかだったらどうやって睦み合えばいいのか…」
「……」
ファントムは無言で肩を落とした。
1833/3:2006/11/07(火) 17:09:37 ID:nchYaLyU
「何をしているのだ?」
気付いたらファントムの腕はクリスティーヌに掴まれ、ぎゅうぎゅうと胸元に押し付けられている。
「…こうすれば男の方は…睦み合う気持ちになるってメグが」
「…止しなさい…!」
思わず振りほどくが、クリスティーヌは唇を歪ませた。
「…メグほど胸がないから?だからダメなの?」
じわりと瞳が潤む。
「だから天使様は私と睦み合いたい気持ちにならないの?」
合いたい!合いたいが、こういうことではない。
「私は一生恋が分からないままなんだわ!恋の歌は天使様のおっしゃるとおりに歌えないし、
歌姫にもなれないんだわ!胸がないから…お父様…クリスティーヌは胸がないばかりにお父様とのお約束を果たせません…!」
ぽろぽろと涙をこぼし、クリスティーヌはわっと泣き伏した。
ファントムはなすすべもなく首を振り、無意味にうろうろとクリスティーヌの周りを歩く。
やがてファントムは何かを決意したように天を仰いだ。
「分かった!クリスティーヌ、それ以上泣くのは止めてくれ!」
「でも胸が」
「胸は関係ない…!」
何とか威厳を取り繕いながらファントムは俯くとび色の頭に声をかける。
「…明日の夜、迎えに行く」
クリスティーヌはぱっと顔を輝かせた。
「それでは、天使様!」
「ああ、明日こそお前と…睦み合おう。だから今日はもう部屋に戻って
しっかり睡眠をとっておきなさい」
「はい、天使様!おやすみなさい!」
ぺこりと頭を下げもう一度にこりと笑うとクリスティーヌはくるりと背を向ける。
「……さて…明日の夜までにどうごまかすかを考えねば…」
パタパタと遠ざかる足音を聞きながら、ファントムは額に手を当てた。

(つづく)
184名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 21:46:58 ID:hPxJwbMg
天使様GJ!
マスター何も悩むことないじゃん、願ったり叶ったりじゃないですか
ガンガンイケー、というわけで続き待ってます
185名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 04:53:48 ID:1sLjkgiS
笑い過ぎて目がばっちり醒めちゃったじゃないかw
これから寝ようと思ってたのに。

続き楽しみにしてます!!
186名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 13:18:33 ID:y4cRdrf1
マスター、ごまかす必要なんかないじゃん?
睦み合っちゃえばいいじゃん?

天然電波系少女と直截な表現っていかにも合っててオカシイw
187名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 22:43:15 ID:rxzuOyov
ワラタwww
超GJです!
188名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 00:32:45 ID:1UlFzb86
ちょっと前のssだけど。

シャルルに代わって、>141のファントムに質問。
自分が乗っているフランスパンを食べちゃったらセーヌに沈まないのか?

なにはともあれ、続きを待っている。
189141ですが:2006/11/12(日) 10:51:18 ID:SxZNmdnG
>>188
彼風にお答え致しますと
「拾ってくれる人間が現れるまでに食べ切れない程の、とても大き
なフランスパンに乗ってくるのだから、心配はご無用だ。万が一沈
みかけたとしても、それまでには心優しい老夫婦が拾ってくれるだ
ろう」


こんな感じで如何でしょう?w

190名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 14:31:32 ID:0ERYg/7x
おっ天使様GJ♪
そろそろクリスが
「ふやけて沈むのじゃありませんか?」
とツッこみそう…
191名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 10:10:25 ID:EvFr8y23
神様によってフランスパンに乗せられ
一斉に川に流される赤子たち。
急流、滝、友との別れ(先に拾われた)
運命の両親と出会うため、シャルルの冒険が今、始まる!

…ダーエパパのリトルロッテ物語を超える
超大作になるかもだwww
192名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 19:36:10 ID:zMZ1M3+p
みなさん面白すぎw
193名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 22:04:20 ID:wSOe1vj+
ttp://www.uploda.org/uporg578613.jpg.html

>191
↑こんな感じ?(PASSは『 123456 』)
194名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 23:17:57 ID:7OHCwFH7
ノロイだ!((((;゜Д゜)))コワイヨー
195名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 23:39:50 ID:yPdNzx4Q
>>193 ちょwwwバロスwww
何でノロイ様に襲われてるんだ!凄いアドベンチャーっぷりに吹いたw
196名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 13:37:21 ID:mk34y1AA
こんな風に僕もお父さんとお母さんのところに辿りついたんだ!
ってシャルル感激しそうw
197名無しさん@ピンキー:2006/11/17(金) 01:25:16 ID:1FDaFD8V
hoshu
198名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 10:35:23 ID:RBrBekiB
保守ついで、と言っては何だが
久々に点呼してみたい自分がいる
199名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 00:56:30 ID:Ck4oaoVd
ノシ
結構長く規制掛かってて書き込みできなかったんだよね。
200名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 01:43:29 ID:UB7Bsjdi
ノシ
時々感想、時々投下。
201名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 07:38:47 ID:rhjb0cBE
ノシ
GJ担当w

規制だったのですね。
202名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 16:36:23 ID://+7vTa8
ノシ
ずっと投下放置してるけど。
203名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 20:38:03 ID:tFIZXR+/
204名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 19:22:15 ID:D2p+fbyu
ノシ 放置職人、時々感想レス書き
205188:2006/11/23(木) 09:34:36 ID:zP70kyUT
呼応有難う。

ちなみに自分は書き手兼読み手。

206名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 14:00:40 ID:YTYFAfP2
スレなんだか寂しくなっちゃったね
天使様待ちの間少し雑談でも
前から思っていたんだが、もしも、もしもだが映画のクリスがファントムの希望通り一緒に暮らしたとしたら
なんて呼んでいたんだろう?
このスレでは「マスター」がデフォルトだが(映画では一度だけしか呼んでない?the mirrorのとこで)
映画のふたりは本当に触れ合う時間が少なかったからな、
エンジェル、ファントム、あなた、とも呼んでいた
207名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 14:55:25 ID:1e6N2UZx
やっぱりクリスにとっては何を置いても先生なので「マスター」がデフォな気がする。
結婚すれば少しずつ変わってくるんじゃない?
でもやっぱりベッドの中とかとっさの場合には「マスター」が出そう。
208名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 16:58:14 ID:QWVENZCR
キスいっこで あんなに毒がぬけて子どもの様な
あどけない姿を見ちゃうと「エリック」もありかなー?
でも やはり夜とかwお稽古中はマスターですね。
209名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 18:27:00 ID:AWbNItGv
ほとんど天使じゃないの?
人間だと思ってなかったわけだし、人間だと知ってから
話し合う時間があったら名前になるんじゃない?
210名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 18:32:37 ID:1e6N2UZx
天使とか人間とか爬虫類とかっていうのは種別であって
自分にとっての続柄は師匠じゃないかと思う訳なんだけど、たぶん歌を習い始める前は
「天使様」オンリーだったんだろうね。

関係ないけど自分の好きなファンタジー小説で、天使(ラファエル)からリュートを習う
青年の話がある。それだと天使の名前を呼び捨てにしていたけど、ふつー天使に名前って
(個別名称)ないもんなんだろうか。
211名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 23:31:47 ID:XDGjq93F
ファントムって呼び方もおかしくない?
212名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 00:21:59 ID:fetouucr
ファントムは間違いなくおかしいな
化け物って感じで罵りたい時は別として
213名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 18:49:31 ID:O3b61v7J
スーザン・ケイの「ファントム」のファントムがお気に入り。
ファントムとのお子がシャルル。
翻訳もなかなか素適だったので愛蔵してる。

214名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 14:52:20 ID:wI1uHP+h
お笑い芸人の桜塚やっくんが12/6に3枚目のCDを出すのだが、そのタイトルが
「クリスマスター」
だからどうしたという感じだがここの住人としては敏感に反応してしまったよ
215名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 18:24:06 ID:zNjPIskO
けっしてクリスとマスターをかけたんじゃなく
クリスマスとスターがかかってるんだねw

わざわざそんなカキコするあたいはオバチャン
216名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 19:01:53 ID:t49iS3Kt
うん、無意識にクリス・マスターって発音で読んでたw
クリス攻かw
217名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 22:29:53 ID:1P3PNCKc
自分も無意識&何の違和感もなく、クリス・マスターって読んでたw
そうか、クリスマスとスターなのか
218180:2006/11/26(日) 23:57:03 ID:5/s27xi3
181続き。
マスター×クリス。エロ今回もなし。
ごめんなさい。もっかいだけ続きます。
2191/5:2006/11/26(日) 23:57:39 ID:5/s27xi3
「クリスティーヌ」
鏡の奥から呼びかけると、所在なげに腰掛けていたクリスティーヌは
弾かれたように立ち上がった。
「マスター!どちらにいらっしゃるの?」
「こちらだ…鏡の中を見るのだ、わが天使よ」
黒手袋の指を愛弟子に向かって差し伸べる。
「こちらにおいで、お前の天使のもとへ」
「ああ、天使様…!」
ファントムの手に自らの手を重ねると、クリスティーヌの身体はまるで
それこそゴーストにでもなったかのようにするりと鏡をすり抜ける…はずだったのだが。
ごとりという重い音とともにがくんと細い身体が引っかかる。
(ごとり?)
思わず音のしたクリスティーヌの足元に視線をやると、何だか、大きな、鞄。
「何だその荷物は」
思わず口をついた疑問に、クリスティーヌは至極当然といった風に頷く。
「お泊りするのだから着替えが必要でしょう?
それとマスターとせい…何でしたっけ…肉の悦び?ええと…」
「…”睦み合い"」
「そう、それをするって言ったら、皆が色々下さったの」
「言ったのか」
背筋から一気に何かが抜けてゆく。
「はい。皆…特にマダム・ジリーがとても心配してくださって」
「マダム?!マダムにもしゃべったのか?!」
「いけませんでしたか、天使様?でも私初めてなので不安で…」
その剣幕にじわ、と瞳が潤みかけるのを見て、ファントムはあわてて首を振った。
「信頼できる年長者に相談するのは不安を解消するのに有効な手立てだ」
なるたけ穏やかに聞こえるように言葉を選ぶ。
「だが誰彼かまわずアレ…睦み合いに関わることを話すのは、直截な表現と同じく些か慎みに欠ける行為だな」
「誰彼かまわずではありません、メグとマダムとジュニーヌとマリーとエリーズと
イザベルとサラとテレーズ、ジャンヌ、アンブロージアだけです!」
2202/5:2006/11/26(日) 23:58:55 ID:5/s27xi3
そんなにか…!くらりとする頭を片手で支える。
「…分かった。友人だけなのだな。だが、今後は、こういったことは、
誰にも言わないように…マダムにも・くれぐれも・話さないように…!」
「はいマスター!せい…睦み合いをすることは誰にも言いません!」
クリスティーヌは力強く頷いた。その何だか分かってなさそうな表情に、一抹の不安が残る。
が、起こってしまったことは仕方がないのだし、第一
こんな通路でいつまでも立ち話をしているわけにもゆかない。
ファントムはひとつ頭を振ると顔を上げた。
「それでは行こうか」
「あ、はい」
片手に松明。片手には妙に重いクリスティーヌの鞄。
何故かポイント・オブ・ノーリターンを越えてしまったように感じながら
ファントムはゆっくりと歩き出した。

長い階段を下りながら、時折振り返る。
ちょこちょこと付いてくる少女は、瞳が合うと立ち止まり何か問うように首を傾げ、そしてにこりと笑う。
愛らしさに思わず差し伸べようとした手は、しかしやたら重い鞄に阻まれた。
ああ、本当はこんなはずではなかったのだ。
この階段を、クリスティーヌの手を引いて下りてゆくはずだったのに。

その柔らかい手を握り地下の住処へ導いて、音楽の王国で我が元に仕えよと
優しく時には力強く語りかけ、最初は瞳に揺らいでいた怯えが徐々に溶けて甘やかな輝きに変わったとき
薔薇色のカーテンに隠された音楽の女神を見せるのだ。
そう、これが我が芸術の源、この美の神殿で崇拝されるミューズ…!
自らを写した人形に、クリスティーヌは驚いた顔をするだろう。
蝋燭は彼女の吐息に揺れて瞬き、うっとりと見上げる瞳は濡れて煌き
くすぐるような愛撫にその胸は戦くだろう…それでもその夜はそれ以上は触れない。
一度地上に返し、味わった官能の片鱗が心を苛み幼い身体を焼き、
そうしてクリスティーヌの魂が焦がれるほどに私を欲したとき、改めて生身の女神を我が王国に迎え入れようと…
2213/5:2006/11/27(月) 00:00:33 ID:5/s27xi3
…それが何故こんなことになっているのだろう。
踊るように楽しげな足音を背後に聞きながらファントムは肩を落とす。
憎い…最愛の天使に余計なことを吹き込んだオペラ座の連中が心底憎い。
櫂を操りながら、わくわくと輝く瞳を見下ろして今後の計画をおさらいする。
住処に着いたら隙を見て飲み物に薬でも入れ眠らせてしまおう。
朝になったらもうせ…睦み合ったとでも言えばいい。
コトの本質を理解していない娘を丸め込むのは容易なことだろう。
くれぐれもマダムや仲間に事の次第を話さないように、十分釘をさしてから帰さねば。
それが一番肝要なことだとファントムは心中深く頷いた。

小船は滑るように岸に着く。ファントムの棲家…音楽の王国へ。
ひらりと岸に降りマントを脱ぎ、とりあえず当初の予定通りにファントムはボートに座るクリスティーヌをじっと見つめた。
「…お前をここに連れて来た…」
「はい。ではいよいよ睦み合うのですね!」
勢いよく立ち上がると、ボートはぐらりと揺れる。
バランスを崩すクリスティーヌを、ファントムは慌てて岸から支えた。
「とりあえず船から下りなさい」
腰を抱えて船から降ろす。
「睦み合う前に少し休もう。長い道のりだ、疲れたろう?」
椅子を勧め、ファントムはグラスをテーブルに並べた。
腰掛けたクリスティーヌは足元の鞄を開け、ごそごそと探る。
「色々頂きましたの。始める前に使うものとか」
「始める、マエ?」
「これがエリーズから貰った香水で、男の人が睦み合う気持ちになるんですって。
これはジュニーヌからで、男性が長持ちするようにする為のチョコレート
…何のことかしら?天使様お分かりになる?こちらはマダムから、
明日の朝飲むように頂いた鎮痛薬。それとこっちは…」
次々と鞄から怪しげな瓶や袋を取り出して机の上に並べるクリスティーヌを
呆然と見ていたファントムはようやく我に返った。
2224/5:2006/11/27(月) 00:03:25 ID:AVpoirEK
「も、もういい、クリスティーヌ」
「それと、これは1度目が終わった後に開けなさいって」
妙に重たそうな箱。
「1度目って何ですか?天使様。睦み合いっていちどきにそんなに何度もなさるの?」
「何度もというか、ソレは…」
「マダムは天使様ほどの方なら一晩に3回くらいは当たり前、
それ以下なら鼻で笑ってやりなさいとおっしゃっていましたけど…」
ファントムは思わず目を閉じた。
もともと音楽の天使を信じるような過ぎるほどに純粋な娘を
世間の色恋から隔離したのは、紛れもなく自分だ。
天使から恋を禁じられた少女は、恋多き同僚と教師の中で
独自の方向に進化した耳年増となってしまったのか…!
「今日は何度くらいいたしますの?ね、天使様?」
いや、いや、ここで挫けてはいけない。
「…おいでクリスティーヌ」
こうなったら芸術の真髄に触れさせ、秘められたひそやかな感覚を開花させるのだ。
「我が宮殿を案内しよう」
ファントムは立ち上がった。
「お手をどうぞ、私の天使」
恭しく差し出された手に手を重ね、クリスティーヌは周囲を見回す。
「ここは私が作り上げた…音楽の王国…」
「まあ…」
大きく開かれた瞳が蝋燭の瞳を移してきらきらと輝いた。
数々のスケッチや彫像、美しい装飾を施されたパイプオルガン。
その一つ一つをクリスティーヌはうっとりと眺める。
(これだ、この調子だ…!)
ファントムはクリスティーヌの手を引いたまま薔薇色のカーテンの前に立った。
「そして私の芸術の源…!」
紐を引くとさっとカーテンが左右に別れ、花嫁衣裳を纏った人形が現れる。
クリスティーヌは目を見開いた。
「わ、たし…?」
ふらりと魅入られたように人形に近づいてゆく少女に、ファントムは満足そうに微笑んだ。
2235/5:2006/11/27(月) 00:06:18 ID:AVpoirEK
「そうだ、この音楽の神殿で崇拝されるミューズはお前…何をしている?」
「いえ、下はどうなっているのかなって思って」
「下?」
捲り上げ、覗き込んでいたドレスの裾を離しながら、クリスティーヌはにっこりと微笑んだ。
「はい。下着とか。すごくよくできているから…でも下着は着けていないのね」
…この娘は明らかに、情操の面で何か間違った方向に育ってしまった。
ファントムは10年近くにも及ぶ己の教育の失敗を悟り、深く静かに絶望した。
「マスター?」
不思議そうに覗き込む純粋な瞳。もう手遅れなのだろうか…いや、そんなはずはない。
まだクリスティーヌは若い。いくらでも方向転換の余地はある。
もう一度教育しなおすのだ。我が天使のあるべき姿へ。
そう、素直で純粋で、慎み深く恥ずかしがりだが夜は激しく乱…いやいやそうではなく。
クリスティーヌは我が芸術を、昏く甘美な夜の調べを体現する存在であらねばならないのだ。
そのためには師であるこの私が、今度こそ正しく導いてやらなければ。
「クリスティーヌ…こちらへ」
教えねば闇の煌きを、夜の息遣いを。
「いよいよ性…睦み合うのですか?」
ああ、退廃を、感傷を、もののあはれを!
ファントムは無言で少女を抱き上げると、寝室の黒いカーテンを潜った。

クリスティーヌはファントムの手によってベッドにそっと横たえられた。
紅色のシーツがその微かな重みを受け止め、優しく沈む。
少女の瞳を見つめながらクラヴァットを外し、シャツを脱ぐ。
男の引き締まった胸元が露になると、クリスティーヌは頬を染め
ふと目を伏せて視線を下げる。
「マダムがおっしゃっていたの。男性の価値は
財布の中身ととズボンの中身で決まるのですって」
無邪気な言葉と、しっかりとその部分に当てられた視線に
ファントムは思わずズボンの前を緩める手を止めた。

(つづく)
224名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 00:40:24 ID:OBee3Jw1
天使様GJ!!続きありがとー
ファントム先生頑張れ…!マダムの忠告がいちいちツボです
3回以下なら鼻で笑ってやれだの財布の中身はだの…(ハライタイ
ズボンの前を緩める手を止めるって、エ?もしかして自信がないのかい先生?
次回楽しみに待ってます
225名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 16:32:22 ID:xcBpWhzm
天使さまGJ!!
マスターのズボンの中身はどうなのか烈しく気になるーw
クリスティーヌの凝視に堪えられるか、先生!?
続き楽しみにしてます!
226名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 19:32:15 ID:36RujD1O
なるほど 男は財布の中身とズボンの中身か。

先生 あれほど睦みあいをけん制してたのに
やっちゃう気?w
227名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 22:35:35 ID:KrZo1jWI
あの、先生……?
クリスを脱がせる前にご自分が全裸になっちまうおつもりで……?
228名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 23:00:01 ID:scm/AOTN
GJ!
続編が楽しみで眠れないよ。
先生、やるとなったら気が短いんだねw
229名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 22:49:28 ID:kaga3dsR
天使様がいない
230名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:30:59 ID:XcPr27+O
>229
じゃ、ちょっと短いですが、投下します。

>101の続きです。
231熱砂の果てV:1:2006/12/01(金) 00:33:31 ID:XcPr27+O
それから、私たちはそれなりに幸せな一対の夫婦となった。

ロクサーレはオダリスクとしての訓練は受けてきていたが、
それ以外の教育についてはまるで施されていないようで、
十五という歳の割にはもっとずっと幼い娘のようだった。
そう、ロクサーレはまるで物を知らなかった。もちろん、字も読めない。
暇を見ては読み書きを教えてやることにしたが、
当初、嬉しそうにしていた割にはたいして上達もしなかった。

そして、物を知らない分だけ、感覚で生きているようなところがあり、
私を夫として愛しているのか、あるいは敬っているのか、
そういった意識を持っているのかどうかすらも感じられず、
ただ、自分を庇護してくれる存在として私を受け入れているように思えた。
私はといえば、本来の癇性な自分の性格から、とてもロクサーレのような女を
愛することはできないと思えたが、やはり肉の結びつきというのは私にとっては
非常に重みがあったと見え、気がつくとこのあどけない奴隷娘を
愛らしく思うようになっていた。

ロクサーレは、私をエリック様と呼んで、あどけなくいじらしい様子で甘えてくる。
妻といっても、食事や何かの仕事は今までと変わりなく召使たちがやってくれていたから、
ロクサーレの妻としての仕事は飽くまで閨のなかだけに限られ、
私は長い長い間の孤独と痛みを癒すかのように夜ごと妻の身体を求めた。

シャーや大后の我が儘な要求にも、帰れば可愛い妻が私を待っていてくれるかと思えば、
自分でも驚くほど辛抱強くなれた。
ナーディルに至っては、「まさか、君があのシャーの要求を辛抱強く聞いているとはな。
さすがに妻というのは偉大だな」と冷やかし半分で言い、
「私もルークヒーヤがいた頃は早く家に帰りたかったものさ」と、寂しそうな瞳をしてみせた。
232熱砂の果てV:2:2006/12/01(金) 00:35:30 ID:XcPr27+O
その夜、私とロクサーレはいつものように閨で肌を合わせていた。
彼女の浅黒い肌は艶やかでなめらかで、そして乳香だろうか、かすかに檸檬のような香りがした。

熱く蕩けたロクサーレのなかを往復する。
小さな可愛い唇から洩れるあえかな喘ぎ声、しどけなく左右にふられる頭、私にねっとりと絡みつき、
淫らに蠕動する肉襞―――、私は妻の身体からもたらされる愉悦の虜になったように激しく腰を振った。
女の身体の奥を求め、探り、穿ち、そうやって得られる快楽の喩えようもない甘さが全身を駆けめぐる。

そして、何より私が愛したのは、ロクサーレとの口づけだった。
女だけではない、母からも誰からも口づけをもらったことのない私にとって、
妻との口づけは特別な歓びに溢れていた。
生まれて初めてこの世界が己を受け入れてくれたと実感できるもの、それが妻との口づけだった。
だから、私は閨では常に仮面をはずし、彼女と口づけを交わしてから行為を始めたし、
行為の最中にもたびたび妻と口づけを交わすだけでなく、彼女の身体のそこかしこに唇を押しあて、
自分以外の人間の肌の温かさとやわらかさを堪能した。

仮面をはずしている自分の顔を見られることも触れられることも恐れた私は、
当初ロクサーレの瞳だけでなく、手からも自由を奪おうと考えたのだが、
このひと月の間、彼女は私の言いつけを固く守り、私の肩より上に手を上げたことはなかった。
それに、ロクサーレの小さな手が己の背や胸を這う心地よさは何と言っても手放し難く、
彼女の細い指先が私自身に触れることで得られる、何とも言えない甘美な歓びもまた、捨て難かった。
だから、私は妻の手から自由を奪うことはやめたのだった。

しかし、そのために私とロクサーレの蜜月は、ほぼひと月で終わりを告げることになった。
233熱砂の果てV:3:2006/12/01(金) 00:37:48 ID:XcPr27+O
そう、絶頂の悦びにその身を顫わせたロクサーレが感極まって私の顔に触れたのだ。
「ああ、エリックさま、エリックさま…………!」
ロクサーレの悦びの声がまだ消えぬうち、彼女の両手が私の頬を包み込んだ。
おそらく私と口づけを交わしたかったのだろう、
しかし、はっとしたように手を引っ込めたロクサーレが己の目隠しを取り去ったのと、
私が仮面に手を伸ばしたのとはほぼ同時だった。
絹を裂くような悲鳴が長く長くたなびいて、
次の瞬間、ロクサーレは私の腕のなかで意識を失っていた。


「約束をたがえたら、その時は命を落とすのだぞ」
そう私は言った。
目で見ずとも、手で触れれば、この私の顔が常人のそれとは違うことに気づいてしまう。
ロクサーレとの初めての行為の際、私は彼女の手が自分の顔に触れるのを恐れてそのように言ったのだが、
もはやひと月もともに暮らした妻をこの手にかけるなど考えられないことだ。
しかし、この私の顔を見てしまったロクサーレと、
今までのように夫婦としての暮らしを続けていくことはできないだろう。
己の顔を見てしまったロクサーレを咎める気持ちが私になくても、
ロクサーレがこんな顔をした夫を受け入れられるとは思えない。

この私の顔を一度でも見たことのある人間は、その後ふたたびその目で見ずとも、
決して仮面の下に隠されているものを忘れることはできない。
そして、それがために何びとも命を落とすことになっていた。
234熱砂の果てV:4:2006/12/01(金) 00:39:51 ID:XcPr27+O
意識を失ったまま、昏々と眠り続けるロクサーレの隣に腰掛け、その小さな手を取ってみる。
我知らず禁を破ってしまうほど、私に口づけたいと思ってくれたのか―――。
そう思うとなおさらあどけない様子で眠っている妻が愛おしく、
この容貌の所為でまたもや己の大事にしているものを失うことになるのかと思うと、
そして、それがこの小さく哀れなロクサーレであるのかと思うといっそうこの身が厭わしく、
神の定めた運命を呪うのだった。

故国フランスはおろか、イタリアでもロシアでも
私は常に人々から侮蔑と畏怖の対象になってきた。
この醜い、人あらざる者の容貌に対する恐怖と侮蔑。
瞠目に値する奇術だけでなく、人並み外れた知識と冷酷な尊大さに対する尊敬と畏怖。
しかし、ロクサーレだけは、最初の出会いこそ世の人々と同じであったけれど、
共に暮らすうち、私に対するそういった負の感情を乗り越え、
愛情めいたものを感じてくれるようになっていた。
彼女自身は自覚していなかったかも知れない。
あるいは、生きていくために必要であればこそ、主人である私の機嫌を損ねまいとして
いつのまにかそうなっていただけかも知れない。
だが、自惚れでなく、私ははっきりとロクサーレのなかにある温かい感情の有り様を
感じることができたし、だからこそ彼女だとて私に口づけたいと
咄嗟に手を伸ばしたのだろう。

私への愛情ゆえに命を落とすことになったこの妻の寝顔を眺めながら、
私は夜が明け始めるまで、ただただ涙を流し続けていた。
235名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:41:03 ID:XcPr27+O
今回はここまでです。
読んで下さった方、ありがとうございました。

次回はエロ入れます。
236名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 11:28:20 ID:CgeoY8/u
お疲れ様でした。
実は端々に判らない単語がいっぱいあるんだけど、
原作小説読んだらわかるようになるかな?
237名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:05:54 ID:ESvT7xyl
>236
原作では分からないと思うぜ
238名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:41:12 ID:UdnS9mFt
普通の暮らしって、主人(シャー)の我侭
我慢することとかも含めて
最も望んでいたものだっただろうに…
可哀想だな、エリック

>236
オダリスク=後宮の女奴隷とか?
シャーとかの人間関係は原作じゃなくて
”ファントム”の設定かもだ

239名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:46:37 ID:XfZHYJnY
大人なら黙ってググレ。

天使様GJ!ロクサーレタソは殺されるんだろうか。哀れだ。
ちょっとアホの子ぽくてそこが萌えたのに…。次回のエロに期待。
240名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 23:43:31 ID:Fnv3t3ZR
天使サマーGJ!
続きが気になるよー。お待ちしております。
241名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 02:07:39 ID:j6D/D9IX
GJです!

続きお待ちしてます〜
クリスの方も……
242名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 13:33:48 ID:8/lG09mk
>>239
単語が分からないって意味じゃなくて映画などのオペラ座の怪人で
知らない単語だけどって意味で聞いたんじゃないの?

つーか、大后が出てきてる時点でどう見ても「ファントム」だな。
原作ならスルタンの寵姫だもん。
243名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 20:22:04 ID:580wWaB0
>アホの子ぽくてそこが萌えた
すごく同感、自分も萌えまくりだ

エリック殺さないでやってくれ、結ばれなくてもいいから命くらいは助けてやってくれ
244名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 21:36:03 ID:2JERG1zY
奴隷タンラブなので是非ともハッピーエンドをお願いしたい…。

エリック×女奴隷が一番好きなんだよ…。
245235:2006/12/03(日) 21:47:17 ID:Id4Pkqzk
レス下さった方、ありがとうございました。

1話目の投下時にちょこっと書いたけども、スーザン・ケイ版「ファントム」を
下敷きにしています。で、下は単語帳。
 オダリスク……後宮に仕える女奴隷。
 ルークヒーヤ……ナーディルの亡妻。
 シャーと大后……ペルシアの王とその母。
 乳香……カンラン科の樹木から分泌される樹脂。空気に触れると乳白色になる。レモンのような芳香。
246名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:27:00 ID:zPWo6uFk
天使様ご丁寧にアリガト
次回も楽しみにしています
本当女奴隷タン死なないで欲しい
247名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:58:38 ID:iDnzcLoq
投下します。
118の続き、ラウル×クリスです。
2481/7:2006/12/04(月) 00:59:30 ID:iDnzcLoq
ラウルが寝室に入った時、クリスティーヌは拗ねたような表情をして、鏡台の前に座っていた。
今夜の貴重な時間を無駄にしてしまったことを詫びるラウルの言葉にも、少し首を傾けて
見せただけで、ようやく夫となったばかりの彼と目を合わせようとしなかった。そんな
新妻の態度に、ラウルは困惑した。

下ろしたてのシュミーズドレスの白さが、近寄りがたい空気を強調する。
細い背中の線が、うっすらと透けて見えている。ラウルは鏡越しに彼女の目を見ながら、
滑らかな両肩を抱いた。

「兄の客人だったんだ、追い返す訳にもいかなくて……僕だって早く君の所に来たかった」
「……お酒の匂いがするわ」
クリスティーヌの表情はまだ固い。

急な来客とはいえ、夕刻過ぎに訪れた他家の伯爵を、まさかブランデー抜きでもてなすこと
もできない。ラウルだって、さっきまで触れていた柔らかい肌の感触と温度が忘れられず、
早く寝室に掛け付けたかったのだ。こんな大切な日の夜を邪魔されたくはなかったが、祝福
されない今日の結婚式を報告することもできず、客人がやっと重い腰を上げるまで、ラウルは
指先でグラスの縁を弾いて、苛々と焦る気持ちをやり過ごしたのだった。

「クリスティーヌ……」
ラウルは小さな耳に唇を寄せた。
名前と同時に、微かな息を鼓膜に吹きかけられたクリスティーヌは、少し肩を竦めた。
ラウルは手にその動きを感じると、ぐ、とクリスティーヌを抱き寄せ、耳朶を唇で噛んだ。
舌の先で縁を辿り、温い吐息を吹き込みながら、「ごめん……」と呟いた。

「だめ……」
まだ拗ねているのか、耳から入り込む空気に甘く抵抗しているのか、クリスティーヌは静かに
目を閉じながら言った。
2492/7:2006/12/04(月) 01:00:30 ID:iDnzcLoq
ラウルは唇をうなじに移しながら、シュミーズドレスの背中に編まれたリボンに手を掛けた。
指先で弄ぶようにしながら、ゆっくりと解いてゆく。
クリスティーヌの頬が、微かに紅くなった。

布地の隙間から手を差し入れて、柔らかい乳房を覆うと、ラウルは「立って」とクリスティーヌに
促した。
クリスティーヌは躊躇っていたが、ラウルがもう一度耳朶を噛んで、はだけたドレスの下から
彼女を抱えるようにすると、素直に椅子から腰を上げた。

ラウルはふたりを隔てていた小さな椅子を除けて、後ろから彼女のドレスを取り去った。
目の前の鏡に、下着姿のクリスティーヌが映る。
「恥ずかしいわ……」
蝋燭の灯りのせいで余計に濃く見える睫毛を伏せて、クリスティーヌはラウルを振り返った。
「綺麗だよ、クリスティーヌ。ほら、見てごらん……」
ラウルは鏡越しに目を合わせながら、クリスティーヌの下着を下ろしてゆく。

「あぁ、や……ぁ」
クリスティーヌはラウルの手を止めようとしたが、指先が彼の手の甲を掠めただけで、
彼女が顔を上げた時、鏡には何も纏っていない裸体が白く浮かび上がっていた。
ラウルは自分も服を脱いで、裸の胸を彼女の背中にぴったりと付けた。
クリスティーヌはラウルの興奮に触れ、恥ずかしさに身体をぴくん、と奮わせた。

ラウルの両手が、クリスティーヌの乳房を捏ねる。彼の指先が往復する度に、その先端が色付き、
硬くなる。クリスティーヌは身体の重みをラウルに預けるようにして、その快感に酔っている。

「あぁぁっ……!」
ラウルは、片手をクリスティーヌの秘谷に伸ばした。
彼女のそこはもうしっとりと熟れ、彼の指で開かれるのを待ち侘びて、ひく、ひく、と疼いていた。
ラウルが中指をその隙間に挿し入れて、洞のほんの入り口を弄っただけで、クリスティーヌは大きく
喘いで、身体の奥からとろり、と愛蜜を溢れさせた。
2503/7:2006/12/04(月) 01:01:14 ID:iDnzcLoq
鏡の中で淫らに悶えるクリスティーヌを見つめながら、ラウルは柔らかく膨れた花弁を割り、
中指を奥へと侵入させた。
熱い肉壁と蜜がラウルの指に纏わり付く。摩擦の無くなったそこへ出し入れを繰り返すと、
零れ落ちた蜜で、あてがっているだけの他の指までべっとりと濡れてしまった。

「すごいよ、クリスティーヌ……こんなに濡れて、熱くて……指が熔けそうだよ」
ラウルの言葉に、クリスティーヌは恥らって唇を噛んだ。
そのまま指の往復を激しくしてゆくと、クリスティーヌの膝がかくかくと震え始めた。

「んん……ラウル……もう、だめ……」
クリスティーヌはラウルの肘を掴んで、崩れそうな身体を支えようとしている。
ラウルは乳房を愛撫していた方の腕でクリスティーヌの上体を抱えて、挿入していた指を二本に
増やした。クリスティーヌが「いい」と言った場所を指先に捉えて、攻めるようにそこを刺激した。

「あ、あ、あぁッ……やぁッ、だめぇぇ……っ!」
クリスティーヌの胎内が痙攣して、身体から力が抜けた。腰を震わせて、ラウルの腕の中に
体重を預けきっている。細い両脚の先で、ようやく立っているだけの人形のようだった。

クリスティーヌの収縮が、ラウルの指を吸い上げるように繰り返す。
彼女の絶頂を伝えるその淫靡な動きが収まるのを待って、ラウルは指を引き抜いた。
熱く湿ったクリスティーヌの身体を後ろから抱き締めて、頬や首に何度もキスをする。
クリスティーヌは、睫毛の間に涙をうっすらと溜めていた。

ラウルは除けてあった小さな椅子に目をやると、そこに腰掛けた。
クリスティーヌの細い腰を抱いて、なだらかなウエストに唇を寄せた。
クリスティーヌは、ラウルの肩に手を置いて、潤んだ目で彼を見下ろしている。ラウルが何を
しようとしているのか、探るような視線を向ける。

蝋燭の灯に照らされたクリスティーヌの肌は、円やかな艶めきを放ち、上目遣いで見つめる
ラウルの目に眩しく写った。今日教会で見せた清廉な花嫁姿を思い出すと、目の前に立つ裸体が
より悩ましく感じた。
2514/7:2006/12/04(月) 01:02:03 ID:iDnzcLoq
今まで誰の手にも犯されたことのないクリスティーヌの身体を、官能に綻ばせることの悦び。
彼女の肌は、姿態は、瞳の色は、ラウルが彼女を深く愛撫すればするほど、瑞々しく花開いて
ゆくだろう。
もう二度と、この腕の中から離したりはしない――それが色情の鎖であってもいい、クリス
ティーヌを、自分の手の届かない場所へは行かせない。

ラウルはクリスティーヌを強く引き寄せた。
右手の人差し指と中指を舐め、恥毛に隠されたクリスティーヌの温かい谷間へ差し入れる。
クリスティーヌの下半身が、ぴく、と反応した。
唾液の潤いなど要らないくらい、そこはまだ先ほど迎えた絶頂の証にまみれて、滑らかに
ラウルの指が進入するのを許した。

期待に満ちた花芽を擦ると、クリスティーヌは目を閉じ、天井を仰いで切ない溜息を吐いた。
指を往復させる度に、彼女の下半身はぴくぴくと痙攣して、愛欲の雫を垂らす。膣から溢れ出した
その雫は、クリスティーヌの内腿を伝って、たらり、と零れた。

「すごいよ、クリスティーヌ……あぁ、入れたいよ……」
「……入れて……」
言葉を返してしまってから、クリスティーヌは、はっと我に返ったような表情をした。
「あ……」
自分の口を吐いて出た淫らな要求に恥らって、頬がみるみる紅潮してゆく。ラウルは目を細めて
そんな彼女を見た。

「おいで」
唇の端に笑みを乗せて、クリスティーヌの腰を抱く。クリスティーヌは、少し腰を前に動かし、
ラウルを受け入れる仕草を見せた。ラウルは視線で彼女を催促する。
硬くなった幹の先端を洞の入り口に滑らせると、クリスティーヌは彼の首に腕を回して抱きつき、
ラウルの上に跨った。幹はクリスティーヌの奥深くまで差し込まれて、快感の髄を刺激する。
2525/7:2006/12/04(月) 01:02:40 ID:iDnzcLoq
「あぁぁ……」
ラウルの耳元でクリスティーヌが喘ぐ。腰を動かして突き上げる度、その声はどんどん高く、
切なく、淫らになってゆく。

ラウルは押さえ込まれていた欲情をぶつけるように、激しく腰を突き入れた。クリスティーヌの
身体が跳ねる。ふたりの体重を支えきれない椅子が軋む。

ラウルはクリスティーヌの膝裏をしっかりと抱えると、そのまま立ち上がった。
「やあぁっ」
クリスティーヌがしがみつく。彼女を抱えて立ったまま、尚も突き上げる。ほんの一瞬、
クリスティーヌの腰が浮き上がって、また沈む。反動で、彼の隆起は膣の最奥まで達する。
淫らな水音と、ふたりの皮膚が結合する音が、何度も何度も響く。

「やっ……いやぁっ! ああぁっ!」
クリスティーヌは悲鳴のような声を上げて、ラウルの腕の中で揺さぶられている。
「あ……ぁっ……だめぇ……怖いの……」

ラウルは一旦動きを止めて、ベッドの方へと移動した。火照った彼女の身体をベッドにどさりと
下ろして、その上に覆いかぶさった。

荒い息の合間に深い口づけを交わして、クリスティーヌの脚を開き、紅く露出している秘肉の
奥へ、噴出しそうな興奮の塊を挿入する。
細い両脚を抱え上げて、奥へ、奥へと穿つ。クリスティーヌは眉を寄せて、その動きを夢中で
受け止めている。

ラウルの身体を劣情が支配してゆく。痺れるような快感が底から押し寄せてくる。
往復と共に吸い付くクリスティーヌの襞が、やり過ごせない凄艶な刺激を与える。身体が熱して、
じわじわと汗ばむ。
ラウルは、自分自身の極まりを感じた。
2536/7:2006/12/04(月) 01:03:37 ID:iDnzcLoq
「クリスティーヌ……っ……いくよ……」
「んっ、んっっ……」
クリスティーヌは薄く目を開けて、ラウルの言葉に答えるように唇を動かした。
ラウルは彼女の瞳を見ながら、浅く激しい往復を繰り返し、クリスティーヌの胎内に熱い精を
放出した。

ふたりの身体が震える。深い息が交差する。

ラウルは、迸る感覚が行き過ぎるのを待ってから、クリスティーヌの開かれた唇に何度もキスをして
身体を離した。
クリスティーヌは、少し微笑んだように見えた。

身体が冷めないうちにベッドの中に潜り込み、ふたりはお互いにキスを送り合った。
ラウルは、自分の腕の中にいるクリスティーヌが愛しくて仕方がなかった。どうしたこの気持ちを
すべて彼女に伝えられるのか分からなかった。
クリスティーヌへの愛情が欲望に変わってしまう行為を終えると、自分がどうしようもなく
無力な存在になってしまう気がしていた。身体が沈むような気だるさに引きずられて、さっきまで
滾っていた血や、体温や、満ち足りた幸福感までもが、ぼんやりと霞んで消えてしまいそうな――
恐怖にも似た感覚に襲われる。

両脚でクリスティーヌの身体を挟み込んで、体温を共有しあう。足の指ですべらかな肌の感触を
慈しむ。枕の上に広がった髪も、つやつやとした額も、睫毛の先も、頬のふくらみも、どんなに
キスをしても足りないくらいに愛おしい。
もう、どこへも行かないで欲しい――誰の目も届かない異国へ連れて行くから、何があっても、
どこにいても、必ず自分が守るから――離れないで……。

クリスティーヌのうなじから立ち上る、温くて甘い空気を吸って、ラウルは目を閉じた。
2547/7:2006/12/04(月) 01:04:32 ID:iDnzcLoq
静かな夜だった。
窓の外から、時々木の葉の揺れる音が微かに聞こえるくらいで、シーツが僅かに擦れる音が
部屋中に響いているようだった。

ラウルが寝息を立て始めたので、クリスティーヌはゆっくりとベッドから起き、床に落とされた
ままのシュミーズドレスを緩く纏って、残っていた蝋燭の灯を消した。
さっき、淫らな自分の姿を見せ付けた鏡が、無表情な女の顔を映す。
誰が見ているわけでもないのに、乱れた髪をかきあげて、自分が美しく見える角度を探してみる。

今日の私は、彼の目にどう映ったのだろうか――本当に、彼が言葉にするように、綺麗で、
可愛らしい花嫁だったのだろうか?
私はもう彼の妻で、たぶんこれから、貴族の子弟として育った彼との慣れない暮らしに慣れ、
外国の馴染めない風習に馴染み、子供を産み、育てて、踊りを、歌を忘れ、老いてゆくのだろう。
その時の私を、彼は今と変わらず愛してくれるのだろうか?
私は、今ここにいたことを、後になって悔やみはしないのだろうか?

本当に、忘れられるのだろうか?
忘れてしまうのだろうか……?

どうして、戻れないと知ると、その思い出は途端に甘美に輝くのだろう。
今歩んでいる道が正しいのだと信じれば信じるほど、自分が捨ててきた道には、禁断の果実が
隠されているように思えてしまう。

誰も間違ってはいなかった。他にどうすることもできなかったのだ。
私の運命は決まってしまった――。

クリスティーヌは目を閉じた。
誰かが自分を呼ぶ声が聞こえた気がした。
目を開けて鏡を見ても、そこには月明かりに輝く自分の瞳以外に、何も――誰も、映ってはいなかった。

ここを発つのは明日――そして、誰も自分たちのことを知らない、本当に新しい生活が始まる。

クリスティーヌはベッドに戻り、温かいラウルの身体に身を寄せて、そっと唇を重ねた。
睫毛の間に滲んだ涙は、頬を伝うことはなかった。

〈終わり〉
255247:2006/12/04(月) 01:06:31 ID:iDnzcLoq
以上です。
今回でこのお話、終わりです。
今まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
256名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 11:16:11 ID:HXO2EyJK
>>247
うわーエロエロなのに切ない
ラウルも幸せで、クリスも多分幸せになる
でも先生も忘れられていなくて名作だと思う〜
個人的にはこういうの超GJ
257名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 00:51:09 ID:2zGHQjKO
ラウクリの天使様GJ!最近降臨多くて(*´Д`)ハァハァ
初夜なのに来るの遅いって拗ねるクリス可愛いし、ラウルの独占欲萌える。
でも最後まで名前も出ない方の存在感が凄い。
258名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 16:40:43 ID:5rtxrzIt
GJGJ!
ラウルの我慢の利かなさが坊ちゃんぽい。
新天地への期待とか先の見えない不安とか
二人の気持ちの根っこに先生がいるんだ。
259名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 00:42:01 ID:qqvYzBU3
投下します。

父息子もの
…と言っても、今回息子ちょっと少なめ

そして無駄に長いです。
260朝(1):2006/12/08(金) 00:43:17 ID:qqvYzBU3
 
 閉ざされた瞼の向こうで、室内に陽が満ちるのを感じ、クリステ
ィーヌは目覚めた。

 少しひんやりとするシーツの感触と、人の肌に触れている温もり
との温度差が何だか心地良い。

 目の前には、彼女の最愛の夫であるファントム。

 彼はクリスティーヌを、まるで小さな子供が宝物を取られまいと
するように抱き締めている。

 ―愛しい人の腕の中で迎える朝は、こんなにも幸福で、擽ったい
ものだったかしら―

 クリスティーヌはそう思いながら、まだ目覚めないファントムの
胸に頬を寄せ、彼の腕に再び身を委ねた。

 「…あ……」
 彼女を抱き締める腕が、より力強くなる。

 「お目覚めかね?マダム」

 戸惑うクリスティーヌの頭上から降ってくる、低く甘い声。

 「お…起きていたの?エリック」
 「いや。今、起きた」
 日曜日の清々しい朝日の中で、ファントムは柔らかく微笑む。

 「お寝坊さんのクリスティーヌが、今朝は私より少し早起きだな
んてな」
 「っ、エリック!」
 お寝坊さん、という言葉が子供扱いされているように感じ、悔し
くて恥ずかしくて、クリスティーヌは顔を真っ赤に染めた。

 「怒ったか?」
 「もう!人を子供扱いして!エリックなんて知らないわ!」
 「ははは、すまない。どうか怒らないでくれ」
 小さな拳で攻撃してくる妻を、ファントムは優しく宥める。

 ファントムの指がクリスティーヌの髪を梳き、愛撫する。

 「ん…、ふふ」
 髪に触れられるのが心地良くて、クリスティーヌは嬉しそうに笑
った。

261朝(2):2006/12/08(金) 00:44:51 ID:qqvYzBU3
 
 「お前の髪は、相変わらず柔らかで美しい」
 「そうかしら?私、エリックの髪の方が美しいと思うわ。綺麗な
色ですもの」
 羨ましいわ、と言うクリスティーヌに微笑み返し、ファントムは
彼女の髪を梳いていた手を、その身体に移動させる。

 「んん、擽ったい」
 「何処がだ?」
 「教えないわ…ひゃぁ、あははは!やめて!」
 面白がって、クリスティーヌの擽ったがる場所を攻めるファントム。

 「…意地悪」
 碧色の瞳を見つめ、クリスティーヌは頬を膨らませる。
 少し上気しているその頬に、ファントムは優しく手を添えた。

 「…ん、エリック…」
 軽やかなキスを交わし、ベッドの上で甘い時を過ごす。

 「あ、朝ごはん…作らないと」
 ファントムの唇を指先で制し、クリスティーヌは微笑んだ。
 それが不満らしく、ファントムは逃げる猫を捕まえるかのように、しっかりと妻を抱き
締める。

 「もう少し、ベッドの上でこうしていたい」
 「シャルルも起きてくるわ。あの子、食いしん坊だから朝ごはん
を用意しておかないと、お腹を空かせて泣いてしまうかもしれない」
 「…あいつも朝は弱い。すぐには起きてこない」
 「エリック…」
 甘える夫に、クリスティーヌはとても複雑な気持ちになった。

 ―まるで大きな子供ね―

 昨夜は激しく求め合う男女であったのに、今朝はすっかり親子の
ようになってしまっている。

262朝(3):2006/12/08(金) 00:46:05 ID:qqvYzBU3
 
 「もう…朝ごはん作るの、手伝ってもらいますからね」
 諦めるように呟くと、ファントムは無言のまま頷いた。

 「珍しいわね、貴方がこんなに甘えてきてくれるなんて」
 「…嫌か?」
 「ううん、嬉しいの。いつも私が甘えるばっかりですもの」
 可愛いわ、と最後に付け加えてクリスティーヌが微笑むと、頬を
ほんの少し赤くするファントム。

 「私、どんなエリックも大好きですもの」
 そう言って真っ直ぐに見つめると、これ以上顔が赤くなるのを誤
魔化そうとするファントムからキスが贈られる。

 不意に唇に訪れた温もりが、クリスティーヌの胸をきゅんとさせた。

 「ん…んん」
 少しずつ深くなっていくキスに、今度は身体が反応する。

 昨夜の余韻がある所為か、すぐに熱く火照り、荒くなる呼吸に合
わせて全身が激しく脈打つ。
 他には何も考えられず、ただ、夫の事だけで頭がいっぱいになる。
 ファントムを求めている証拠。

 ぼんやりとするクリスティーヌを仰向けに寝かせ、ファントムは
その上から覆い被さった。
 また、甘くて深いキスが降ってくる。

263朝(4):2006/12/08(金) 00:47:28 ID:qqvYzBU3
 
 「ぁ…朝、から…駄目…」
 既にファントムの事しか考えられなくなった彼女には、これが精
一杯の抵抗の言葉だった。

 意識がはっきりとしても、またすぐに快い感覚の中に沈む。
 そんな事するなんて聞いてないわ、昨夜も沢山したじゃない、と
言いたい事は山ほどあるのに、どう言葉にしたら良いのか考えられ
ない。

 「あ、あ…」
 ファントムの愛撫に、素直に身を委ねる。
 甘い痺れが駆け巡り、クリスティーヌの秘部に、じわりと熱い蜜
が滲んだ。

 「ひぁあ…っ!」
膝を割って潜り込んできたファントムの手が、彼女の最も敏感な箇
所に触れる。
 指先で弄ぶ度に、高く細い声をあげるクリスティーヌを見て、フ
ァントムは笑みを浮かべた。

 「そんなに指が良いかね?」
低い声で笑うファントムを、クリスティーヌは潤んだ瞳で切なく見
つめる。

 「ェ…リック…」
 「ん?」
 「指じゃなくて…エリックが欲しい…」
 「…よく言った」
 ファントムは優しく微笑むと、クリスティーヌにキスをした。

 「叶えてやろう…可愛いお前の望みだ…」
 妻の脚を開かせ、その潤みきった場所に自身を埋め込む。

264朝(5):2006/12/08(金) 00:48:38 ID:qqvYzBU3
 
 「んんっ…!は、ぁエリック…っ」
 根元まで包み込むと、クリスティーヌはファントムに抱きついた。

 一つになった喜びと、恥じらい故の行動だ。

 「おやおや…これでは、クリスティーヌの顔が見られないだろう?」
 ファントムが、やや名残惜しそうにクリスティーヌを引き離す。

 ベッドに身を委ねた彼女の身体が、白い朝日に輝いた。

 「エリック…ねぇ、そろそろ…」
 待ちきれなくなったクリスティーヌが、裸体を眺めるファントム
に向かって恥ずかしそうに囁く。

 「…もう良いのか?」

 そう言って、クリスティーヌが真っ赤になって頷くのを確認する
と、ファントムはゆっくりと腰を動かし始めた。


 
 「や…ん、エリッ…ク…」
 甘い吐息と卑猥な水音が、寝室を満たしていく。


 ―…コン、コン


 その濃厚な空気を引き裂く、硬い物を叩くような軽い音。

 「…静かに」
 その音はファントムの耳にも届き、彼はクリスティーヌに声を抑
えるように言った。

 「おかあさん、おとうさん?まだねてるの?」

 ドアの向こうから聞こえてきたのは、二人の息子であるシャルル
の声だった。

 「………」
 二人は息を潜め、小さな足音が寝室から遠ざかるのを待つ。

 「…シャルルが気になるか?」
 囁き声で尋ねると、クリスティーヌは、こくりと小さく頷いた。

 「では…やめてしまおうか?」
 ファントムが自身を引き抜こうとするのを感じて、今度は首を激
しく横に振る。

 「シャ…シャルルは、気になるけれど…ちゃんと、最後まで…し
てほしいの…」
 頬を赤く染め、瞳を潤ませたクリスティーヌが懇願した。
 その愛らしい様子に、ファントムは彼女を優しく抱き締めた。

 「エリックの顔が…見られないわ…」
 先程彼がそうしたように、クリスティーヌもファントムの身体を
名残惜しそうに引き離す。

265朝(6):2006/12/08(金) 00:51:36 ID:qqvYzBU3
 
 「クリスティーヌ…」
 再びベッドに身を委ねた妻の胸元に、昨夜の物とは違う、新たな
印を刻む。

 「んっ、エリック…」
 唇を這わせ、首筋に顔を埋めているファントムの肩や首筋、鎖骨
の辺りに、クリスティーヌもそれを刻んだ。

 「は、ぁ…っ」
 夫の腰がまた動き始めると、クリスティーヌは甘く艶かしい声を
上げる。
 二人の絡み合う水音が、朝の寝室に響く。

 「エ…リック…っふ…」
 「…クリス、ティーヌ…」
 相手から与えられる刺激に、溺れていく二人。
 名前を呼び、求め合う声は、互いの官能に火を付ける。

 「っ…は、ん…」
 ファントムが胎内を行き来する度、クリスティーヌの唇から熱い
吐息が漏れる。

 夫の動きに合わせて腰を揺らす、艶かしいその様子を、一児の母
としての昼間の姿から想像することは難しいだろう。
 この素顔を見られるのは、自分だけ―その思いが、ファントムを
更に興奮させる。

 ―私だけの、クリスティーヌ…!―

 優越感にも似た感覚にファントムは微笑み、本能のままに妻の身
体を貧る。

 「あ、ぁああっ」
 ファントムの背中へ回された手に、ぐっ、と力が入った。

 そんなクリスティーヌの様子が愛しくて、ファントムは大きく、
激しく腰を使う。

 「ぁ…い、や…!おかしくなっちゃ…う…!」
 「おかしくなれば…良いだろう…」
 甘く低く掠れた声で、クリスティーヌの耳元に囁く。

 その言葉と声に彼女の身体は反応し、秘部からたっぷりと溢れ出
した蜜が、シーツに色濃い染みを作る。

 「あ…っあ…あ!エリックっ…!」
 「っく…クリスティーヌ…」
 今溢れ出したばかりの蜜が泡立つような湿った音と、二人の身体
がぶつかる音、甘く艶めかしい吐息―。

 「あぁ、エリック…っ…もう…だめっ…」
 温かく柔らかにファントムを包むクリスティーヌの胎内が、より
激しく収縮する。

 「っ…エリ…ック!ぁぁあああ…っ!!!」
 「クリスティーヌっ…!!」
 快楽に蠢くクリスティーヌの胎内に、ファントムも己の白濁を放
った。
266朝(7):2006/12/08(金) 00:53:35 ID:qqvYzBU3
 
 「おなかすいたよ…」
 すん、と鼻を鳴らすシャルルを、クリスティーヌは優しく抱き締
める。

 「ごめんなさいね、ついお寝坊してしまって…。その代わりに、
今朝はお父さんが美味しいご飯を作ってくれるからね」
 「うん…。でも、なんで?」
 「え?」
 「なんで、おとうさんがあさごはんをつくるの?」
 シャルルが言うのも無理はないのだが、理由が理由だけに、クリ
スティーヌはつい口ごもってしまう。

 「あ…あのね、お父さんがお母さんに約束してくれたの。今朝は
お父さんが朝ご飯を作る、って」
 「ふぅん。あれ?おかあさん、かおがまっかだよ」
 そう言われて、クリスティーヌは更に顔を赤くする。

 「さ、さあシャルル、席に着いて、お父さんの朝ごはんが出来る
のを待ちましょうね」
 「おかあさん、なんだかへん」
 「そ…そんな事無いわよ、ねぇ!エリック」
 クリスティーヌが声を掛けると、皿を運んできたファントムは、
仮面の着いていない方の頬を赤くして頷いた。

 「ふたりとも、へんなの」

 そう呟いたシャルルに、夫婦は一日中、観察するような眼差しを
向けられることになった。


―終―

267259:2006/12/08(金) 00:56:35 ID:qqvYzBU3
以上です。
読んでくださった方、有難うございました。
268名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 01:11:22 ID:Km6bViPk
父息子の天使様朝エチーGJ!
>昨夜も沢山したじゃない
に萌ワロタww
269名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 07:07:32 ID:WQW5btbA
ちょwwww
何、この激甘夫婦www
お下品は私めは、「朝立ち」という単語が思い浮かびましたわww
270超GJ:2006/12/08(金) 11:17:07 ID:lLzAY/zB
こんな甘甘いちゃいちゃラブラブおバカカップルなんて
ファントムとクリスティーヌじゃないやい!!
271名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 11:33:02 ID:bmOTh6/Z
ほのぼのユーモアと半端に生々しいぬるエロの合わせ技が
芸に昇華できていないからなのか……体験告白系下世話さを感じてダメージを受けた。
屍姦や801に警告がいるなら、こういうのにも警告欲しいと思ってしまうなぁ。
272名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 11:33:34 ID:trq6QfIs
270はツンデレ。
273名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 23:02:16 ID:Km6bViPk
死姦に注意書きがいるのはわかるが普通の男女エロを作者の経験談と決め付けて
ダメージ受けた注意書き入れろ云々はないんジャマイカ。
それだったら俺は意味なく性別ばらした住人のほうがあqwせdr(ry

男×男は注意書きの有無にかかわらず断固拒否する。
274名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 23:26:37 ID:bmOTh6/Z
「体験告白系」ってのは経験談という意味ではなくて
あくまでフィクションの中のそういうジャンル用語のつもりで書いた。念のため。
誤解を招くような表現をしてしまい、作者の方には本当に申し訳なかった。

もちろん勝手な嗜好ってわかってる。
だけどヒステリックなほど拒絶反応が出る分野がある一方で、
幸せな男女エロなら無害で誰にでも受け入れられると思われるのもなんかなーと思って
あえて言ってしまった。
自分にはこのいちゃいちゃっぷりと子供ネタの組み合わせがとても居心地悪かったので。
警告は大げさだが、父息子もの、としかなかったから
「甘甘」とかでも注意書きあったらまだ心の準備できたのにな、と思ったのよ。
275名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 00:49:23 ID:h5yWQ9t5
自分>273ではないが、>274幸せな男女エロがダメなら何ならよいのだ('A`)マァヒトソレゾレダヨネ

何にせよ最初にカプと話の傾向を天使様に書いといて頂くでFA?
276名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 13:55:45 ID:JxeFQg3U
天使様続編をありがとうございました、今回も幸せなファンクリ夫婦楽しませていただきました。
息子タンの出番が少なかったのが残念!
息子に振り回されながらもコソコソラブラブなこのシリーズ大好きです。
また待ってますね、楽しみにしています。

自分と好みと合わない作品なら黙ってスルーするべしって以前も出なかった?
読み手は「お客様」か?書き手は「サービス業」なのか?
こんな雰囲気じゃ誰も投下してくれなくなって「保守」レスが延々つづいて
しまいにはdat落ちするんじゃないのこのスレ
277名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 20:38:27 ID:nX432rLy
274は「甘甘」にも心の準備が必要なのか。

278名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 21:34:20 ID:BIBf0m5B
>277
男×男や死姦に心の準備が必要な人もいれば、
甘甘にも心の準備が必要な人もいるのかも。少数かと思うけど。
>276
>自分と好みと合わない作品なら黙ってスルーするべしって以前も出なかった?
あったね。
自分も、好みと合わないならスルーでいいと思う。
279名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 23:37:47 ID:iQLdpbW4
 _, ._
( ゚ Д゚)

ナンナノダヨこの流れ…天使様ごめんよ
280名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 02:17:48 ID:LWzMr/Kg
話変わるけど。

「失われた環」の天使様、その後いかがでしょうか?
年内投下かもって言ってたような。いや、催促がましくてスミマセンスミマセン。
でも、読みたいんだよ、あれ。
281名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 11:02:14 ID:a1xdrelq
>280
元気に生きてます。
ごーめーんーorz
引っ張るような内容じゃないのに、ずーっと投下しなくて
約束違反だよなと思っております。すみませんです。…反省。
しかもまだ完成してないアハハハハorz
大した内容じゃないから完成してから投下がいいかもと思ってたけど、
暮れも押し迫ってきたので(?)、途中までだけど投下することにしますね。
今日中に頑張ってみます。

282失われた環:2006/12/11(月) 13:04:26 ID:a1xdrelq
>281が誘い受け狙いみたいな書き方になってしまってスマソ
「失われた環」ですが、過去二階投下しておりますが、
二階目のはまとめサイトに出てないので、間も空いてしまったので
再度落っことします。
レスの無駄遣いになりますが、どうぞお許し下さい。

注意書き
・エロ無し、ギャグ無し。
・13レスの予定。
・長いし、エロも無いので、肌に合わないと思われた方はスルー奨励。
では、次から投下します。
283失われた環 1:2006/12/11(月) 13:08:19 ID:a1xdrelq
  2
 オペラ座の歌姫であるクリスティーヌ・ダーエの恋人は、その劇場のパトロンであるラウル・ド・シャニィ子爵である。
 その夜も子爵はクリスティーヌの自宅へ訪れた。もう何年もこんな関係なのだ。
 「こんばんは、クリスティーヌ」
 挨拶のキスは、クリスティーヌがラウルの首に腕を巻き付けたことによって深い濃厚なものになった。
 「ラウル、…ラウル…っ…」
 ぬくもりが欲しい、誰かとつながっていたい。クリスティーヌは暖炉で火が踊る温かな居間へ入ると、耐えきれず恋人を求めた。
 いつになく激しく求められたラウルは「クリスティーヌ、クリスティーヌ」と、祈りのように恋人の名を繰り返す。
 そしてそれを聞きながら、その愛撫に応えながら、自分の名すら呼ばなかった男を想ってクリスティーヌはすすり泣き、やがて絶頂に達した。
 ラウルは彼にもたれ、まだ呼吸が絶え絶えなクリスティーヌの乱れた髪をなでてやる。クリスティーヌがまたはらはらと涙を落とした。
 「…仮面の男のせい?」
 クリスティーヌは図星をさされ、びくりと身を引いた。が、子爵は構わずにきつく抱き寄せたので、彼女は恥ずかしさで耳まで赤くなった。
 あんなに求めて抱かれ、なのに心の中では他の男を想っていたことをラウルは知っているのだ。それなのに責めもせず、こうして抱きしめてくれている。
 「劇場で彼を見かけたものだから、クリスティーヌもそうなのかと思ったんだ。…会ったのかい?」
 クリスティーヌは小さく頷いた。すると子爵はクリスティーヌを上向かせ、荒々しいキスで柔らかな唇を覆った。
 「傍にいるのはぼくだ。こうして君を抱いて、口づけするのはこのぼくだ!そうだろう?
 会って、彼はキスをした?君を抱いた?」
284失われた環 2:2006/12/11(月) 13:09:32 ID:a1xdrelq
 息も出来ないほど強く抱き締められて、クリスティーヌは声を出せず、顔を横に振るのがやっとだった。
 「だろうね。彼は妻を連れていたから」
 ラウルはふっと腕の力をゆるめ、クリスティーヌの瞳を見据えた。
 見つめられているにも関わらず、クリスティーヌの頭の中では、あの家族の姿が浮かぶ。
 「…奥様と…子どもがいて…仲がよさそうで…幸せそうだった…」
 目に涙が溜まってゆくのを感じたが、こぼれそうになったそれを、ラウルがそっと拭ってくれた。
 「ぼくたちも幸せになれるよ、クリスティーヌ」
 あたたかな手、優しい瞳、力強い胸。頼りきって全てを委ねてしまいたい衝動に駆られる。
 今までも彼から申し込みを受けたことはあったが、今夜ほど心を動かされたことはない。けれど。
 クリスティーヌはつっと視線を外し、はだけた胸を服をかき合わせて隠すと立ち上がった。
 「ごめんなさい。飲み物も何もお出ししなくて…着替えて、軽いものを用意してくるわ」
 ラウルも一緒に立ち上がると、クリスティーヌの指先を握った。
 「いいや、今夜は帰るよ」
 彼も服装を整えると言った。
 「君が気弱になっている時に言ってはいけなかった。答えを急いで済まなかった。許してくれるね?」
 「そんな、許すだなんて…私が悪いのに…」
 後ろめたさにラウルをまともに見ることが出来ず、クリスティーヌは瞳を伏せた。しかし彼はまだ涙の乾ききらない頬にキスを落とし、ハンサムな顔をほころばせた。
 「じゃあ、お互い様だ。おやすみ、クリスティーヌ」
 「おやすみなさい、ラウル」
 素直で率直で、日向の匂いのする優しい人。一緒にいると気持ちが安らぐ人。
 はっきりさせなくては。
 クリスティーヌは恋人の背中を見送った。
285失われた環 3:2006/12/11(月) 13:10:24 ID:a1xdrelq
 また一人になったクリスティーヌは、苦しくてたまらなかった。 
 寂しさを紛らわせたくて、失ったものを補いたくて、じくじくと痛む心を正視できなくて、たまらなく人肌に触れたかった。そしてそうしたのだ。
 けれど喪失感は増すばかりで寂しさは埋められなかった。更にそんなことでラウルを求めた身勝手さに腹が立ち、罪悪感が重くのしかかる。
 クリスティーヌはどうすればそれらの思いから逃れられるか分からず、暖炉の前で石炭が燃える様子を息を詰めてじっと見つめていた。
 …マリー=アンヌにも歌を聞かせたのだろうか。あの声を聞かせたのだろうか。
 不意に湧いた考えに、クリスティーヌは拳を握りしめた。
 「私だけの歌よ。私だけの音楽の天使よ!
 エリックなんて知らない。知らないわ。
 …私のマスターよ…!」
 胸がねじれる。胸が灼ける。
 クリスティーヌの肩が震えて嗚咽が漏れた。
 初めて抱いた嫉妬心は、彼女自身にも信じられないほど強烈なものだった。
 オペラ座の礼拝堂、小さなろうそく、頼りなげな灯り、少女の囁きにも似た祈りの声。聞き届けたのは音楽の天使。
 過去が波のように寄せては返し、クリスティーヌの胸に迫る。 
 歌を教えられ、与えられ、導かれてやがて辿り着いた地下の国。彼が作り出した世界。永遠の夜。
 「私だけ、私だけが知っているわ。私だけがそこへ行けたのよ…」
 目を閉じればあの場所に満ちていた音楽を感じることができる。恍惚として肌が粟立つ。
 かつて、天使の声はクリスティーヌの全てに染み入り、満ちて、眠れる部分を揺さぶり、目覚めさせた。そして今この時も。
 再会したことで同じ変化がクリスティーヌに起きたのだ。
286失われた環 4:2006/12/11(月) 13:11:00 ID:a1xdrelq
 この五年無くしてしまったと思っていた感情が、烈しさが、甦り、溢れ出た。彼はクリスティーヌの良い部分も悪い部分も引き出し、心を解放させてしまう。
 彼だけが出来るのだ。
 自由を取り戻した心からクリスティーヌが最後に見つけたのは、たくさんの時間を掛けて何層にも重ねられた真珠のような音楽の天使への想いだった。
 離れなければ、何年も経たなければわからなかった。そういうこともあるのだ。別れたあの日をどれ程後悔しても、当時の私にはそれ以外の判断は出来なかっただろう。
 何か欠けているという感覚は消えないに違いないが。
 「私のおかげで、愛する妻と子どもを得られたのかもしれないわ。
 あの人が幸せならいいじゃない。それが大事なことでしょう?」
 それが自分と共に築くものじゃなかったとしても。
 今度は静かに涙が流れた。今日は泣いてばかりだなとクリスティーヌは思った。
 冴え冴えとした月光が差し込む。熱のない仄白いそれは手を伸ばしても掴むことのできない幻のよう。
 幻影に魅入られ、惹かれ、十年経ち二十年経ち三十年経ちして愚かだったと気が付くのだろうか。それでもいい。愚かでいい。
 私がそうしたいのだから。
287失われた環 5:2006/12/11(月) 13:13:12 ID:a1xdrelq
  3
 長いカーテンを閉め切った部屋の暖炉の前に男は立っていた。広い部屋は一流の職人の手によって作られた調度品や家具が趣味良く配置されている。
 復活祭が間近というのに春の気配は遠くて外は寒かったが、ここは火が焚かれて暖かく、橙色の炎は彼を照らして姿を浮かび上がらせていた。
 男は、長身で均整の取れた体を上等な布地で仕立てられた衣服に身を包み、顔半分を白い仮面で覆っている。
 私生活を明かさず社交の場にも殆ど出てこない理由は仮面の下に酷い傷があるせいだろうと、この英国で彼に会ったことのある数少ない者はそう考えていた。
 実際、醜さを隠すためのものだったが、彼らは普仏戦争で怪我をしたのだと思っていたし、彼の方もそれを否定しなかった。
 素顔を隠した謎めいたフランス人はエリック・カレと名乗り、この国で事業を展開し成功していたが、アメリカの製鉄と鉄道会社の買収が上手くいったので、近くそちらへ本拠地を移すことが決まっている。
 事業を発展させることでは胸の中の欠けた部分を癒し埋めることなど出来なかったが、男は仕事に没頭している間はそれらのことを忘れられたのだ。
 彼の手は無意識に懐中時計の金鎖をさぐり、同じに繋がれた指輪を胴衣のポケットから取り出す。
 女物だろう華奢な指輪にはクリスタルが輝き、暖炉の明るさが反射して、暗い部屋の中にちらちらと小さな虹を作った。
 愛する者に受け取ってもらえなかったそれを捨てることも出来ず、箱や机の中に置いておくことも出来ず、こうして彼の懐にいつも収めてあるのだ。
 反射した光が一つ目に入り込んで、彼はまた指輪を弄んでいることに気が付いた。
 「どうしようもないな」
 すっかり癖になってしまったその動作に、ふっと唇を歪ませた。
 思い出の一つくらい持っていてもいいだろう。もう会うことなどないのだから。
 彼は目を閉じて二月のパリの冷たい空気を思い出していた。
288失われた環 6:2006/12/11(月) 13:15:57 ID:a1xdrelq
 以前から、このイギリスである程度の成果を上げることが出来たらアメリカへ移ろうとエリックは考えていた。
 アメリカへ行ったらもう二度とこちら側には戻ってこないだろう。伝統や因習にまみれたヨーロッパはエリックのような者には生き辛いのだ。故郷と呼ぶには酷すぎる過去がそこにはある。
 けれどいざ移住が決まると、もう一度、どうしてももう一度、フランスにいるかつて愛した女性に会いたかった。
 いいや、そんな贅沢なことは言わない。遠くからひと目だけでも見ることができれば、元気で幸せに暮らしていることを確認できればいい。 
 幸せでなかったら?もしそうだったら一緒に連れてゆこうか。新しい国へ。
 エリックは一瞬夢を見て打ち消し、自身の浅ましさに冷笑を浮かべた。
 あの若者が一緒でどうやって不幸でいられる?身分も申し分なく、勇気と優しさを備えたシャニィ子爵が、クリスティーヌにはついているじゃないか。
 きっと、すっかり奥方らしくなっていることだろう。子どもだって産まれて母の顔になっているかもしれない。
 彼女のそんな姿を見ればアメリカへ行くのに思い残すことなど何もない。
 そしてエリックは冬のパリを訪れたのだった。
 秘書のマリー=アンヌ・アルトーとその娘のオーレリーも同行させた。
 外との接点は彼女が取り持つようになっていたし、彼女たちにとっても故国がこれで最後になるだろうからとそうしたのだった。
パリへ着き、クリスティーヌの居所を調べなければと思っていたエリックだったが、それはすぐに分かった。新聞で、ポスターで、その姿を見ることができたからだ。
 彼女はオペラ座に今も出演していたのだ。
 何故まだ舞台を続けているのだろう?もうとうの昔に引退し、そこにはいないと思っていたのに。
 クリスティーヌが舞台に立っている。結婚もしていない。この事実は、最初エリックを喜ばせた。
289失われた環 7:2006/12/11(月) 13:17:31 ID:a1xdrelq
 自分が教えた歌を手放さずにいてくれたこと、歌姫として成功していること、それから独身であったこと。
 もちろん恋人はいるだろうが、まだ神の前で誓えるほどの相手を見つけていないと思うとやはりほっとした。
 けれどマリー=アンヌが耳にしたというホテル客の噂によると、シャニィ子爵と何年も恋仲だという。エリックは深く息を吐いた。
 あのような別れ方をしたので結婚する決心ができないに違いない。私が愛していると言ってしまったばかりに、その言葉に縛り付けられているのだろう。
 自分だけが幸せになることに後ろめたさを感じているのではないだろうか。醜い不幸な男を見捨てたと思い込んで罪悪感を背負ってしまったのかもしれない。
 まさか、考えすぎというものだ。エリックは苦笑を浮かべたが、彼女の繊細さを思い出して頭を横に振った。無いとは言い切れまい…。
 彼女を自由にしたつもりで、かえって見えないもので拘束してしまっていたのではないだろうか。
 クリスティーヌにとって、オペラ座の怪人であった自分と過ごした時間は忘れてしまいたいものだろうとエリックは考えていた。だから彼が去った後は、すぐに歌手を辞め結婚し、新しい生活を始めたと思い込んでいて、ずっと様子を知ろうとしなかったのだ。
 もっと早くこの状況を知るべきだった!私はあれだけ振り回してひどい目にあわせたのに飽きたらず、クリスティーヌに枷をはめたままでいるつもりなのか。
 エリックはかつての教え子に対して何ができるか考え、そして秘書に協力を求めた。
290失われた環 8:2006/12/11(月) 13:19:58 ID:a1xdrelq
 「…マダム・アルトー、芝居は得意かね?」
 秘書は怪訝な表情を浮かべて自分の上司を見た。
 「お芝居を観るのは大好きですわ」
 「いや、演じる方だ。
 私と夫婦の振りをしてもらいたい。もちろん、オーレリーも一緒に。私の家族の振りをしてくれればいいだけだから、気構える必要はない。オーレリーは私を気に入ってくれているし差し支えないだろう。
 心優しい戦争未亡人とその子どもと三人で仲良く暮らしているという設定でね」
 「…随分と回りくどいことをされますのね。
正直に会いに来たとおっしゃってみてはどうです?彼女の方もあなたを待っているのかもしれないでしょう。結婚していないということは、その可能性もあるのではないですか?」
「マダム・アルトー、私は指図されるのが嫌いだ。それに、おせっかいもね」
詮索するなということらしい。氷の冷たさを感じさせる雇い主の瞳から、アルトーは目を逸らした。
「存じております。私の勝手な憶測です。気になさらないで頂けるとありがたいですわ。 
あなたにはご恩がありますし、そのお話はお受けしますけど…結局騙すことになりませんか?趣味が良いとは言えませんわね」
 「多少の嘘は人生を豊かにするものだよ、マリー=アンヌ・アルトー。それに、これは良い嘘だ。君も娘に真実だけを話しているわけではないだろう?これに関して、君は何も考える必要は無い。もちろん、特別手当も支払う。
私が家族を得て幸せそうに見えれば十分なんだ。君の演技力に期待しているよ」
 私がごく普通の男のように、平凡で幸福な生活を送っていると知れば、クリスティーヌが罪の意識も何も持つ必要がなくなるだろう。彼女はもう一歩前に進めるはずだ。
 それでも歌手として生きていたいというのなら、それならそれでもいいだろう。
 「そこまで仰るのなら…了解しましたわ。期待に添えるよう努力しましょう」
 マリー=アンヌは、その女性は彼が時々触れている金鎖に通された指輪の持ち主だろうと思った。

291失われた環 9:2006/12/11(月) 13:20:34 ID:a1xdrelq
 「上々の出来だったよ、マダム・アルトー。オーレリーもね。まったく君は何においても有能だ」
 クリスティーヌ・ダーエに会ったその夜、エリックに呼ばれたマリー=アンヌが部屋を訊ねると、彼はそう言ってワインを開けた。とくとくと音を立てて赤い液体がグラスに注がれる。
 無理にはしゃいでいるようにマリー=アンヌには感じられた。昼間の出来事が原因なのは明らかだったが、それを気取られまいとしている様子は痛々しい。かといって、優しさを示しても彼は拒絶するだろう。扱いづらい人だ。と、マリー=アンヌは思う。
 「あなたほどではありませんわ、ムッシュ・カレ。
 …正直に言いますけれど、あまり良い気分ではありませんでした。あんな、紙のように白い顔をして…ひどく動揺しているように感じましたわ。私はあなたに協力すべきではなかったのではありませんか?本当にこれでよろしかったのですか?
今更、良い人ぶるつもりはありませんが、こんな後味の悪い気分を味わうことになるとは想像外でした」
 「心ならずも片棒を担いでしまったと?全て私のせいにしてもらって結構だ。何も知らない君に理由も話さず協力させたのだから。君がこのことに関して心配したり考えたりする必要は一切無い」
 もうそのことについては触れるな、お前には関係ない。と、目が言っている。エリックはグラスを空けた。
 「オーレリーは眠っただろうか?」
 ふいに彼は訊ねた。静かな声だったが、感情を抑え込んでいるのが感じられ、激昂した彼を何度も目の当たりにしたことのあるマリー=アンヌは、クリスティーヌ・ダーエの話題は二度と出さないのが賢明だと判断した。
 「ええ、毎日はしゃぎっぱなしですもの。乳母と一緒に寝室にいかせましたわ。さっきも覗いたけれどぐっすりでした」
 「ではゆっくり出来るね、マリー=アンヌ」
292失われた環 10:2006/12/11(月) 13:21:14 ID:a1xdrelq
 マリー=アンヌはどきりとした。彼がその名前で呼ぶときは彼女の体を求めている時だからだ。
 エリックはグラスをテーブルに置くと、彼女のスカートの裾から視線をゆっくりと上げてゆき灰色の瞳のところで止めた。
 「…慰めてくれるだろう?」
 「…なんなりと」
 マリー=アンヌは引き寄せられるようにエリックの元にきた。
 エリックが女の髪留めを丁寧にはずしてゆく。ぱらりぱらりと金色の髪が肩に落ち、背中に流れる。
 「この方が美しい」
 エリックの腕が伸びてきて、背中の留め具が外されてゆく。息が耳に掛かり、マリー=アンヌはびくりと身を震わせた。
 「生娘みたいじゃないか」
 ふふっと忍び笑いが漏れた。耳を甘噛みしながら、首筋に唇を這わせながら、徐々に衣服を脱がしてゆく。
 ボディスが床に落ち、慣れた手つきでコルセットのリボンを解き緩めて前身頃の留め金を外すと、たっぷりとした乳房が露わになった。
 「いつもは未亡人のようにきっちりと濃い色の服に身を包んでいる君が、こうして素肌を晒して男を悦ばせているなんて誰も想像しないだろうね?」
 「さあ、どうでしょう?」
 マリー=アンヌもうっとりと潤んだ瞳をして、エリックのシャツのボタンを慣れた手つきで外してゆく。
 床に膝を付き男のものをズボンの中から出そうとすると、エリックが手を重ねてきて制した。
 「今夜はそれはやめてもらおう。もちろん、君の口の中は素晴らしいが…」
 腕を取って立たせ、仮面で覆われた顔をマリー=アンヌの頬に触れそうな程近づけた。
 「今夜は唇で味わいたいね。キスは許して貰えるのかな」
 「いつもお聞きになりますのね。今日は私はあなたの妻なのでしょう?どうぞお好きなように」
 くすくすと笑ってそう言うと、エリックが腰に腕を回してきて引き寄せられた。
293失われた環 11:2006/12/11(月) 13:22:14 ID:a1xdrelq
 エリックの締まった太股がマリー=アンヌの両足の間にねじ込まれ、「あ」と口を開けた瞬間に唇を奪われた。
 唇を吸われ、舌先でなぞられ、そっと口内に舌が差し込まれた頃には、マリー=アンヌも男の首に腕をまき付けて豊かな胸を押しつていた。
 彼がスカートの上から尻を掴んで引き寄せたので、腰を擦りつける。幾重にも重なった布地が間にあるにも関わらず、下腹部がきゅっとなり喘ぎ声が漏れた。
 「…ん…っ」
 「マリー=アンヌはいやらしいね。まだ私はキスしかしていないのに、自分だけ気持ち良くなってしまったのかい?」
 熟れたような乳房の先端を指先で弄びながら、耳の傍で囁く。
 「…ごめんなさい。でも、あなたのも大きくなっていましてよ?」
 マリー=アンヌはいたずらっぽい眼差しを向けてズボンをぱんぱんにしているそれをなでた。
 「ベッドへ行きましょう。これをどうにかして差し上げますわ」
 上気した頬にえくぼを作って笑顔でエリックを誘った。
 彼女はロンドンの娼館で気まぐれに訪れたエリックと出会い、気に入られて今に至っている。
 彼も他の男性と同じように衝動を覚えることがあったし、それには仮面の下に醜い素顔を隠していても詮索もせずたやすく受け入れてくれる女性が傍に欲しかった。
 マリー=アンヌはその通りだったし、声も会話も心地よくてその上賢く、教養があり、エリックが望む以上だったのだ。
 マリー=アンヌも不特定多数の男と交わって金を得るよりも、エリックの補佐役を勤めながらときどき夜の相手をする方が、自分の為にも娘の為にもずっと良かった。
 フランスでは牧師の娘として、早くに亡くなった母の代わりに女主人役を務めていたが、結婚せずに妊娠した彼女は、父親に追い出されてイギリスへ渡ってきたという過去を彼女は持っていた。
 世間では愛人というのかもしれないが、彼はベッド以外でのマリー=アンヌも高く評価してくれていたし、恋人や夫ができればそちらは求めないと約束してくれたので、こうして彼の元に留まっている。
 偏屈ではあったが信頼のおける上司でもあるのだ。
294失われた環 12:2006/12/11(月) 13:23:02 ID:a1xdrelq
 「あら…いつもと逆ですのね」
 ベッドまで来たマリー=アンヌは押し倒されてふっかりした枕に金色の髪を広げていた。
 「今夜はね」 
 エリックは肘で体を支え、半ば被さるようにするとまたキスをした。今度はさっきよりもずっと丁寧で、相手の反応を確認しながら、大切なものを壊さないかのような口づけだった。
 エリックは思い返す。今朝会ったクリスティーヌは楚々として美しく、やはり天使のようだった、と。
 傍に立って話しをした。以前よりも声が大人っぽくなっていた。以前よりも洗練された物腰。…五年経っているのだ。
 その五年を共に過ごしたかったと思う。大人の女性になってゆく過程を近くで見ていたかった。
 あのまま連れ去ってしまいたかった。琥珀色の温かみのある瞳が潤んでいるように見えた。
 彼女も私に会いたいと思っていてくれたのだろうか。ああ、違う。ただ驚いていただけだ。無理矢理作る硬い笑顔は、畏れ、怯えていたからだろう。私に再び全てを奪われると思ったのかもしれない。
 幸せかと訊ねられて頷いた私にほっとしていたじゃないか。
 これで彼女は過去の亡霊に悩まされなくて済むだろう。怪人を忘れられるだろう。私を思い出すことなど無いに違いない。…それを望んでいたはずなのに、どうして胸が痛むのか。
 「…クリスティーヌ…」
 泣き声にも似た小さな小さな声をマリー=アンヌは聞いた。
 いつもと違う静かな行為に、この人は慈しむように女性を愛するのだとマリー=アンヌは思った。
 それから、もう一度「マリエンヌ」と甘く呼ばれたいという思いが浮かんで急いで打ち消した。
295失われた環 13:2006/12/11(月) 13:23:56 ID:a1xdrelq
 ロンドンに戻って一月半ほどしてエリックが耳にしたのは、パリのオペラ座のクリスティーヌ・ダーエ嬢が今期限りで引退するという話しだった。
 パリからの新聞の社交欄によると、長い間恋仲だったシャニィ子爵と結婚する為だという。
 やはり私の影に囚われていたのだ。幸せそうな私を見て安心したのだろう。
 これでもう、クリスティーヌとエリックの人生が交わることはもう二度と無い。無いのだ。
 「思い残すことなく新しい国の土が踏めるわけだ…」
 呟くと同時にノックの音がしてエリックは物思いから覚めた。
 「失礼します。引き継ぎの件ですけど…まあ、灯りもつけずに。カーテンをお開けになればよろしいのに、まだ午後になったばかりですのよ」
 書類の束を持った秘書のマリー=アンヌ・アルトーが現れたので、再び指輪をベストのポケットの中に戻した。
 「眩しくてね」 
 指輪がちらりと見えて、あの女性のためなら嫌いな昼間の表通りも歩けるくせに…と、意地悪く思ったが口には出さなかった。
 「そうですね。いつものことでしたわね。…こちらを確認しましたら、サインをお願いします。これでニューヨークに着くまで仕事らしい仕事はありませんわ。予定通りにいけば、ですけど」
 「ああ。君がいてくれて本当に助かる。あちらに行ってもよろしく頼むよ」
 「なるべくご期待に添えるようにいたしますわ」
 彼女はわざと畏まって頭を下げたので、エリックはそれを見て小さく笑った。
 数日後に彼らはアメリカへ発った。
296失われた環 :2006/12/11(月) 13:39:57 ID:a1xdrelq
<続く>と入れ忘れてしまった。
こうやって投下した後に見ると、ギチギチに書き込んであって読みにくいなw
読んで下さった方、ありがとうございました。
マスターの姓も勝手に付けたので、違和感があったらごめんなさい。
297名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 13:57:47 ID:M7g6KonR
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
(この顔文字使うの何年ぶりだろうw)
しかし今仕事中なので読めない(しかしチェックはしてるという)
あとでゆっくり読んでレスします〜
スゴい楽しみ天使様ありがとん。
298名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 14:04:38 ID:3NT3BVFm
GJGJGJ!!!
天使様ありがとう!
自分も「失われた環」の続きを待ってました。
しっかし、こんな展開になるとは! 目が離せん……!
個人的には全部完成してからの投下より、
途中まででもときどき読ませてはもらえる方が嬉しい!
これからも続きよろしくお願いします!
299名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 21:41:42 ID:LWzMr/Kg
GJ! GJ! GJ! 超GJ!
天使様ありがとうありがとうありがとう!

続きはこんなかな、あんなかなと想像して数ヶ月、予想を遙かに上回る展開に
ビックリ&滂沱の涙です。
あああ、続きを早く読みたいような、ジリジリしながら待っていたいような。
300名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 23:25:14 ID:/ETnH00l
ドキドキした!すごいドキドキしたよ!
そうなのか、ファントムも…。
ドキドキしたまま続きをお待ちしています!
でも無理なさらないで下さいね。

301名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 23:38:29 ID:JigkM1GV
失われた環続きktkr!!!!天使様GJ!!!!
予想外な展開に悶え死にそうです。略奪愛じゃないじゃないか突っ走れクリス。
それにしても後半先生の見事な勘違いぶりが切なすぎる。しかしマリエンヌタソも萌える。
続きを全裸で待ってます。漏れも何か書けたら書いてみるよ。
302名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 13:50:17 ID:3QhaCUwF
すごいGJ!
この続きは来年かなあ。
楽しみに待っています!

他の天使様の投下も楽しみに待っている!
303180:2006/12/17(日) 02:29:33 ID:nr2VTY7F
223続き

ファントム×クリス
ネタ寄り甘め

これで終わりです。
3041/6:2006/12/17(日) 02:30:11 ID:nr2VTY7F
衣服を取り去る手を止めたファントムに、クリスティーヌははっとしたように自らに視線を落とした。
「あ、私も脱いだ方がよろしいのかしら」
はにかみながら、でもいそいそとブラウスのボタンを外しだす。
「待ちなさい、クリスティーヌ、待つんだ」
脱がせるのは男の楽しみ…ではなく、こういった場合恥じらいを持った乙女は自ら脱いではいけない。
「…それは私の役目だ」
「マスターは自分でお脱ぎになったのに?私も自分でいたしますから、その間にマスターは」
ちらと男の下半身を見つめる。
「…早く、ズボンの中に何があるのか、クリスティーヌに見せてください」
にこりと笑顔を見せ、再び細い指はブラウスのボタンへ伸びる。
…仕方ない。これ以上余計なことをやりだす前にとにかく始めてしまおう。
ファントムは大またでベッドに歩み寄り、クリスティーヌの頭を支えると深くくちづけた。

柔らかな唇をぴったりと覆う。顎に手を添えてやり、薄く開いた隙間に舌を捻じ込む。
「ぅん…」
少し苦しそうな声。一度唇を緩め呼吸を助けてやって、改めて舌を深く差し入れた。
口の中を探り、逃げるように奥に縮まっていた小さな舌を掬い上げ、絡め取る。
「ん…ふ…」
強張っていた口腔が徐々に緩んでゆく。
やがて完全に力を失った舌は男のそれがなすがままに水音を立てはじめた。
「これが、そうなの?」
しばらく後ファントムが青を話すと、クリスティーヌは小さく喘ぎながら瞳を上げる。
「そう、とは?」
「性交って、男の人、の、ナニかを、女の人のドコかに入れるって。これなの?」
「これは、違う」
否定しながら唇をゆっくりと滑らせてゆく。耳の下から顎、首筋へ。
鎖骨の窪みを舌先でくるりと丸くなぞると、華奢な肩先がひくんと揺れた。

「前を解きなさい」
男の声にふっと上げた目の縁が、薄く色づいている。
「ほら、自分で解きなさい」」
両手首を取り、上下している胸の上に置いてやると、
やがて細い指はもそもそとブラウスの胸元を緩め始めた。
3052/6:2006/12/17(日) 02:30:50 ID:nr2VTY7F
すっかりとボタンとその下のリボンを解いてしまい、不安そうな、問うような瞳で見上げる。
「開いて。睦み合うには服を脱がねば…自分で脱ぐのだろう?ん?」
じっと当てられる視線に瞳を逸らし、クリスティーヌはすねたように唇を尖らせた。
片手で胸元を隠し、もう片手でそろそろとコルセットの前を左右に広げる。
現れた肌の白さに一瞬ファントムは目を細め、そしてクリスティーヌの両手首を掴むと
顔の両脇でシーツに縫いとめた。
「きゃ…!」
急に外気にさらされた肌はぞわりと震え、露にされた二つの丘を微かに揺らす。
なだらかな曲線を指先でなぞり上げ、先端に達する前に掌全体でそっと握る。
「やっ、ぁん」
くすぐったそうに震わせる唇の端にくちづけてファントムはそのまま掌に、指先に力を入れた。
円を描くように揉み、時折指を立てる。
その度に柔らかな丘はひくひくと強張り、クリスティーヌは食いしばった歯の間から何度も息を吸い込んだ。

柔らかく立ち上がる頂上を口に含み、唇で甘く噛み、吸いたてる。
「あっ…あん、うぅん…」
舌が先端を嬲り指が柔らかく肉に埋まる度、子犬のような鼻にかかった声が零れる。
行き場の無い痺れを逃がすように、身体をもぞもぞと動かす。
胸にあった手は、誘われるように下へと降りていった。
熱い掌が脇腹を過ぎ、茂みの上を梳くようにとおり、下着の中へもぐりこんでゆく。
まだ自分でもまともに触れたことのない身体の中心が、男の指先に確かな熱と湿りを伝えた。
「…濡れている」
安堵したような声に、クリスティーヌは居心地悪く腰をよじる。
そのとたんそこに触れた指がくちゅりと音を立てた。
「いや…」
反射的に目を閉じ、拒絶の言葉を唇に上らせる。
「いやか?」
あやすように指先がぬるついた少女の中心を擦る。
「い、やぁ…」
嬌声は、拒否ではない。
「ではこれは?これもいやかね?」
ファントムは戯れていた指を解すように動かしながら、ゆっくりと差し入れた。
3063/6:2006/12/17(日) 02:31:30 ID:nr2VTY7F
「あぁ!」
「嫌ではないのだな?」
少し乱れた息の下から問い、根元まで埋め込んだ指をくるりと回した。
内壁を擦るような動きに、そのずっと奥から新たに熱い何かが湧き出してくる。
親指で溢れた液体を絡めながら、肉芽のあたりを優しく擦ってやる。
「あっ…あう…!」
隠されていた突起が指の腹に当たるのを感じ、男は指を抜き取った。
ズボンの前を緩め、既に十分立ち上がった己を蜜の零れる入り口にあてがう。
とたんにクリスティーヌははっと瞼を上げた。
「や…」
先端の、その指とは異質の硬さと大きさに、怯えたような声音で呟く。
「大丈夫だ、力を抜いて」
しっとりと汗ばんだ腹に掌を置く。
「ん…」
大きく開いた瞳が不安に揺れている。
肩も背も力を抜くとは程遠く強張っている。

「…息を大きく吸いなさい」
クリスティーヌは無言で頷き、そのとおりに息を吸い込んだ。
「ではゆっくり吐いて」
素直に唇を緩め細く息を吐き出す。ふっとその身体から
力が抜けた瞬間にファントムは腰を進めた。

「…ぅくうッ!」
くぐもった悲鳴を上げてクリスティーヌは仰け反った。
「動かない、方がいい…」
両手で腰を掴み、慎重に自らをクリスティーヌの中へと沈めてゆく。
初めての異物への強い抵抗に、その部分にますます全身の熱が集まってゆく。
「んんっ!」
頭を反らせて呻き声を上げる。
「痛いの、だめ…小さくして…」
「それは、出来ない」
3074/6:2006/12/17(日) 02:32:04 ID:nr2VTY7F
片腕で腰をしっかり抱え、動きを止めたまま宥めるように頭を撫でる。
「どうして…?大きくはできるのに、小さくは、できないの?」
浅く小さな息を繰り返しながら、見上げた瞳にはいっぱいの涙を湛えている。
その雫を親指で拭いながら、ファントムは小さくかぶりを振った。
「出来ない…すまない、クリスティーヌ」
「え?」
クリスティーヌの声を合図にしたように、男はゆっくりと動き始めた。

深く差し入れられるときも、浅く引き抜かれるときも
ファントムが動くたび、下腹の奥に響くような痛みを感じる。
ぎゅっと目を閉じ耐えているうちに、その感覚に痛み以外の何かが混じりってくる。
じんじんと火照るような、掴みどころのない感覚。
何とかその感覚を引き寄せたくて、男の背に手を回す。
掌の下で、動きに合わせて筋肉が踊る。
「ああ…クリスティーヌ、クリスティーヌ…!」
自分の名を呼ぶ低い囁きにぞくりと全身が粟立ち、クリスティーヌが
奥歯をかみ締めた瞬間、男が一気に腰を引いた。
「や、あ…?」
腹の上に、何か暖かいものが放たれる。
男の体が力を失い、少女の体の上に落ちてくる。
厚い胸板から伝わってくる男の呼吸を全身で感じながら
クリスティーヌは改めて両手をファントムの背中に回した。

「クリスティーヌ…」
しばらくしてファントムが身を起こした。
緑の瞳が心配そうにクリスティーヌを見つめ、伸ばされた指先が
いつの間にかまた頬を濡らしていた涙をそっと辿った。
「そんなに痛んだか。辛かったか?」
急に鼻の置くがつんと痛くなる。絞り出した声は涙混じり。
「い…痛かった…痛かったの」
しっかりと広い胸にしがみつく。
「ああ、すまなかった。痛かったのだな、すまない…」
髪を梳く大きな掌。
労わられるともうそんなに痛みはないのに、何故か涙が溢れてくる。
身体を優しく拭われながら、頬を肩を宥めるように撫でられて
クリスティーヌは悲しいような安堵したような気持ちでしゃくりあげた。
3085/6:2006/12/17(日) 02:32:35 ID:nr2VTY7F
「大丈夫か?」
「はい…もう大丈夫、です」
気遣わしげな師の声に、頬を手の甲で拭ってクリスティーヌは身を起こした。
「あ、忘れていたわ」
そのまま立ち上がろうとして、眉を寄せる。
「まだ辛いのだろう?じっとしていなさい」
ファントムは寝台から降り、部屋着を羽織った。
クリスティーヌにもガウンを手渡してやりながら尋ねる。
「何か欲しいのかね?」
「そちらの箱を…」
クリスティーヌの荷物の中にあった、あの箱。
何が入っているのかずしりと想い。
持ち上げると同時に頭の中に、何か嫌な予感が走り抜けた。

「…これか?」
「はい。ありがとうございます」
ガウンを羽織ったクリスティーヌはベッドの上に座り、箱のリボンを解きだした。
「皆が、1度目が終わったら開けなさいって」
1度目が終わったら。先ほどちらりと掠めた嫌な予感が
暗雲のように急速にファントムの胸に湧き上がる。
「開いたわ!……何かしら」
横から中身を覗き込んだファントムは目の前が暗くなるのを感じた。
「鎖?ハンニバルので使うのに似ているわ」
クリスティーヌが両手で持ち上げた鎖には、両端に鉄環が付いている。
「ふたつあるわ…一つはちょっと大きいみたい。分かった!1つはマスターの分ね!」
私のぶん?鎖?思考が追いつかない。
「首輪に…目隠し。どんなとき使うのかしら。この丸いのは何?」
革紐に取り付けられたいくつかの金属環。
ファントムの背筋をぞくりと明確な寒気が駆け抜ける。
3096/6:2006/12/17(日) 02:33:49 ID:nr2VTY7F
「まあ、ご覧になって!」
箱の底にはずらりと並んだ色とりどり、大きさとりどりの…。
「形は…似ているけど…」
クリスティーヌはちらりと男の腰の辺りに視線を走らせる。
「これなんか凄く綺麗な模様…ね、マスター?」
「あ、ああ」
「あ、ぜんまいが付いているわ…きゃ!動いた!動きましたわ、マスター!」」
シーツの上でうねうねと不審な動きを繰り返すソレを
楽しそうに見つめる無邪気な娘…さて、今後どうやってコレに情緒とか余韻を教えればいいのだろう。
まずは恋愛小説でも読ませてみるか?
「そうだわ、天使様。今日はあと何回しますの?最低3回ということは少なくともあと2回…」
毎日のレッスンに恋に身を焼く系統の歌を、もっと積極的に取り入れて。
「ねえ、マスター、早く次を始めないと、眠る時間がなくなってしまいますわ」
ああ、何より回りの連中が余計なことを吹き込まないように脅さなくては。
”我がオペラ座内で品のない会話は慎むべし”…マダムはどうすればいいのだ?
「あと少なくとも2回…あ、せっかくですから頂いたもの、どれか使ってみましょう。
どれにします?天使様。あの動いたのなんてどうかしら」
マダムの娘も侮れない。遠回りだが、まずあの娘から躾け直したいいのか…そもそも矯正可能なのか?
「心配なさらないで、さっきは凄く痛かったけれど、きっと我慢して見せますわ!」
力強く頷くクリスティーヌにを見ながらファントムは
再教育にはどのくらい時間が掛かるのだろうと、心中頭を抱えていた。

(おわり)
310名無しさん@ピンキー:2006/12/17(日) 21:23:05 ID:TN3hEQXi
面白かったです!
クリス、さすがにはじめてらしい戸惑いもあるかと思えば、
次へ向けてやはり逞しいww
がんばれマスター。お望みのロマンチックな夜への道は遠いなw
311名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 00:02:52 ID:uuGAAsLX
>309
GJ! GJ!
クリスが初々しくて可愛かった!
「小さくして」が萌えた。……無理だって、それ。いくらジーニアスでも。

で、このクリスはいずれ「小鳥さん、小鳥さん、荒鷲さんになあれ」とか
言い出しそうな感じがするのだが。いや、天使様違うだろうけど。
312名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 07:35:36 ID:4D88iTGu
天使さまGJ!
情緒や余韻はそのうちってことで、今は技術を叩き込め!先生!w
>311
私も「小さくして」が良かった〜。
でも実際言われたら萎えそうじゃない?w
313名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 22:24:07 ID:cc/29Xtv
面白かったー
おとぼけクリスとつっこみの先生を見てニヤニヤしてたいw
クリスはこの後、マダム達に何て報告するのかなあ…
314名無しさん@ピンキー:2006/12/19(火) 10:47:11 ID:sza1naJN
ごっごっ後日談キボンヌww
この後がたのしみなんジャマイカ〜!!
315名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 19:42:44 ID:pJAE5+zu
前幕にあった「過去スレ含めて、どのシリーズが好き?」という
のを、ここでまた訊いてみるテスト
316名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 21:46:00 ID:zGpH6G4l
あてくし、SなクリスにちょっとMッ気
呼び起こされたマスターに非常に萌え燃えですた。

ああいう切り口のまた読みたい。
愛がなきゃいやだけど。
317名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 14:35:28 ID:TCnoLWgb
そりゃもちろん自虐。
318名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 15:43:10 ID:X3CGj1fB
小鳥ちゃん…w
319名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 15:49:29 ID:Hz+je9RO
忘れられないのは大道具作ってたマスターと小鳥ちゃんwww
あと聖夜に幼いクリスと2人で歌う話が良かったー。
エロ系ではメグ&クリスの百合さん系が結構好き。
320名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 16:48:02 ID:KEKyOP0v
おまいらコミケの天使様をお忘れになってはいけませんよ。
321名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 22:26:43 ID:LKvNpqFE
カルロッタ様や3pの話が中々好きだ。ソレリタソとかも。
あと生殺しから鬼畜放置プレイになりつつある寸止めの天使様の作品がエロくてたまらん。

まぁ漏れ結局投下はすべて美味しく頂いてるので一番が決められない。
322名無しさん@ピンキー:2006/12/23(土) 01:02:07 ID:S+rd0Fay
「お胸もじゃもじゃで気持ち悪い」の娘たんとマスターw
323名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 02:55:03 ID:1EnrkhaO
あったね、その後ショック受ける父マスターが妙に可愛いかった
娘でも息子でも、ファントムの子供話が私は大好きだ
324名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 20:31:05 ID:v/PHuj+Y
失われた環が好きだった。
続きが投下されて本当に嬉しい。
他にも数え切れないくらい、ここで良い作品に出会えたよね。
来年もこのスレがにぎわいますように。
325名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 15:36:49 ID:UBMzc9W+
失われた環の続きを投下します。
>324
どうもありがとう!
今年中に完結させようと思ってましたが、終わりませんでしたorz

注意書き
・エロ無しギャグ無し
・10レスの予定
・アメリカに移動するんで「マンハッタンの怪人」とデジャヴーするかも。
 読んだのが何年も前だからどこが似てるか自分でもよくわかりませんがw
・長い&エロ無しなのでお肌に合わないと思われた方はスルーで。
では、次から投下します。
326失われた環 14:2006/12/27(水) 15:49:12 ID:UBMzc9W+
  4
 舞台の観客はクリスティーヌ・ダーエの変化を敏感に感じ取っているようで、ここひと月程の間に贈られてきた花束の量といったらなかった。
 「今夜も素晴らしかったよ」
 勢いよくクリスティーヌの楽屋のドアを開けて飛び込んできたのは、やはり花束を持ったシャニィ子爵だった。
 クリスティーヌは今夜の舞台を終え、鏡の前で一息ついているところだった。
 「ありがとう、ラウル。まあ、スイートピー…きれいね。どうもありがとう」
 淡いピンク色の花束を受け取る。蝶々の羽根ようにひらひらとした花弁が美しい。
 「温室で咲いていたんだ。以前、好きだと言っていただろう?」
 「覚えていて下さったの?…良い香り。春の匂いね。三月になったばかりで外はまだ寒いのに」
 花の香りを吸い込んで、クリスティーヌはじっとラウルの誠実そうな瞳を見つめた。
 何気ない会話の中で言ったっきりだったのに覚えていてくれたのだ。
 「花ぐらいしか君は受け取ってくれないからね」
 クリスティーヌは少し困ったように微笑んだ。ラウルは高価なものを贈りたがったけれど、正式な婚約者でもないのに宝石やドレスなど受け取るわけにはいかない。
もし受け取ってしまったら対等ではいられなくなるような、品物と自身を引き替えにしているようなそんな気がして、彼女は節度を守っていた。世間では愛人だと言われていると知ってはいたが。
 「…あのね、ラウル。お話があるの」
 クリスティーヌはひとつ息を吸った。
327失われた環 15:2006/12/27(水) 15:51:07 ID:UBMzc9W+
 「私…今期で舞台を降りることにしました。マダム・ジリーにも相談して決めたの。支配人や他の人にはまだ言っていませんけれど」
 「え、あ、じゃあ…!」
 自分の元に来てくれるという期待に、ラウルの顔がぱっと輝いた。
 「いいえ、いいえ!ごめんなさい。そういう事ではないの。パリを離れます。アメリカへ行くことに決めたの」
 驚きのあまり、子爵は、今度は表情を凍らせた。クリスティーヌはそんな彼を目の前にすると、これから話さねばならないことに躊躇いを覚えた。しかし今言わなければならない。後になればなるほど言いだしにくくなるだろう。
 「…舞台に立つ必要がなくなってしまったのよ。観て欲しい人はもう私を観てくれない。
 私は自分でも気付かずに、何処かであの人が聞いているかもしれないと思って、私はここにいると伝えたくて、歌っていたのよ。
 あなたの求婚に『はい』と言えないのは、自分だけ幸せになることがやましいからでも、あの人を愛せなかったことへの罪悪感からでもなかった。
 …わかっています。あなたはこのままの私ごと愛してくれると言って下さる。けど、それでは私が嫌なの。
 きっと結婚したとしても上手くいかない…私はあなたにずっと申し訳ないと思って暮らすでしょう。
 後ろめたさに歌も歌わないでしょう。あなたも、そんな私を見て苦しむでしょう。考え過ぎだと仰る?
 でも、私は音楽の天使が与えてくれた歌を大切にしたい。これだけが私に残されたものだわ。ずっと音楽と共に有りたい。
 …今度は私が誰かに与えるの。教えるのよ、歌を。そうしたいの、どうしても。
 答えを出すのにすごく時間が掛かってしまって本当に申し訳なく思っています。わがままばかりで…ごめんなさい。お別れして下さい」
 ラウルは最後の言葉を一瞬理解出来ず、時間が止まったように感じた。そして、ぱあんっ。と、楽屋に高い音が響き、その拍子にクリスティーヌの膝に乗せていたスイートピーが床に落ちた。
328失われた環 16:2006/12/27(水) 15:54:25 ID:UBMzc9W+
 「…あ…っ…クリスティーヌ…」
 ラウルは自分の行動に動揺し、クリスティーヌの頬を叩いてしまった手のひらを握りしめた。 
 「…彼だって結婚して人並みの幸せを手にしているよ?それともアメリカで彼が待っているのかい?」
 ラウルの握られた手も声も震えている。彼は頬を赤く腫らしたクリスティーヌの顔を見ることが出来ず、混乱のあまりいつもの礼儀正しさも何処かへ無くし、きつい口調になった。
 「私は今彼がどこに住んでいるかさえも知らないわ。
 舞台を降りようと考えた時、たまたまアメリカ人が私の元に訪れたの。数年後に完成する歌劇場に歌手として来て欲しいという話だった。
 でも、私が教える側になろうと考えているからと断ったら、それでも来て欲しいと。あの国には、まだ良い歌手が多くないし、歌手を育てる人材も足りないからと。
こちらでの契約もあるから少し時間が掛かるかもしれないけれど…私はアメリカへ行くわ」
 しっかりした声は強い意志が感じられ、今のラウルとは正反対だった。彼は顔を上げてクリスティーヌを見ると、今まで彼女の何を見ていたんだろうと思う程毅然として美しかった。
 「このパリでの歌姫としての成功も地位も捨てて?…君は莫迦だ」
 ラウルはこれ以上口を開けば罵ることしかできないような気がして、それだけ言うと目を瞑った。
 「自分でもそう思うわ。けれど、どんどん若い才能がでてくるし、いつまでも歌手でいられない事はあなたもよく知っているでしょう。私にあるのは歌だけ。だから、それを教えていけたらと思うの。…いままでありがとう」
 子爵は唇を噛みしめて何も言わずに楽屋から出て行った。
329失われた環 17:2006/12/27(水) 15:58:02 ID:UBMzc9W+
 クリスティーヌは二人で過ごした楽しい時間が思い出されて引き留めたい衝動に駆られた。今ならまだ間に合うわ。並んで散歩をした。楽しく食事をしてダンスもした。笑い声、触れあった体、キス。
 拳を口元に当て、声が漏れないようにクリスティーヌは泣いた。
 …寂しいからという理由で引き留めてどうするの!もう決めたことよ!
 それでも恋人と別れたというより、親友と永遠に仲違いをしてしまったような感覚が強く、そのことに良心が痛んだ。
 しばらくすると、そっと楽屋に入ってきたマダム・ジリーにクリスティーヌは肩を抱かれた。彼女は小さな子どもをあやすように、背中を優しく撫でてくれた。
 マダム・ジリーは我が子のように思っているクリスティーヌから相談を受けた時、あの男を忘れて子爵夫人として生きる方が易しいだろうと助言したのだった。女が一人で生きていくのは生半可ではないと経験から知っているからだ。
 わざわざ苦労を勝手出なくとも良いのにと思うが、クリスティーヌは殉教者のような険しい道をゆくことを望んでいる。どちらの道が幸せなのかはマダム自身だって分からないけれど、娘の決心は固く、何度話合っても揺るがなかった。
 母親代わりのマダムとしては今回の選択に迷いがないことを祈るしかない。
 「…あら、スイートピー」
 マダム・ジリーは床に落ちているかわいい花束に気付いて拾い上げると、クリスティーヌの手に握らせた。
 「スイートピーの花言葉にこんなのがあるわ。『門出』と言うの。頑張りなさい」
 マダム・ジリーは微笑んで、もう一度クリスティーヌを抱きしめた。
330失われた環 18:2006/12/27(水) 15:59:51 ID:UBMzc9W+
  5
 エリックもクリスティーヌも同じ国、同じニューヨーク、マンハッタンという狭い土地にあってお互いに全く気が付かなかった。
 当然と言えば当然のことだが、彼らが再び出会うには更に4年の時間が掛かった。

 「深呼吸して。さあフィリッパ、いってらっしゃい」
 安心させるようににっこり微笑むとクリスティーヌはフットライトが眩しく輝く舞台へと、教え子の背中を押した。
 今夜はフィリッパ・ブライトンのデビューだ。
 新しく誕生する歌姫。前評判は上々、客の入りも上々。クリスティーヌの初めての生徒は念願叶って、完成したばかりの本劇場に立ったのだった。
 フィリッパは美しい。豊かな黒髪に大きな緑の瞳はエキゾチックで、それだけで人々を魅了するだろう。天性のものを持っているし、なにより彼女自身が歌うのが大好きなのだ。
 手探りで声楽の教授を始めて、失敗も足りない部分もたくさんあったけれど、フィリッパはよくついてきてくれたわ…。教えるよりも、こちらが学ばされたことの方が多いかもしれない。
 晴れやかに堂々と舞台で歌うフィリッパを、クリスティーヌは誇らしい気持ちで見つめた。
 さっきまで震えていたのに、練習の時よりも声の伸びが良い。改めて本番に強い娘だとクリスティーヌは思った。同時に自分のデビューを思い出していた。
 …自信なんて殆ど無かったから、あの人は不安と心配で胸をどきどきさせながら私の声を聞いていたのではないかしら?そう考えて笑みが漏れた。
331失われた環 19:2006/12/27(水) 16:09:20 ID:UBMzc9W+
 喝采が響き、フィリッパの成功が確かとなった。クリスティーヌは自分の元へと駆けてきた教え子を抱きしめる。
 「ああ、ミス・ダーエ!」
 「素晴らしかったわ、フィリッパ!」
 「ありがとう!ミス・ダーエ。全部先生のおかげよ!」
 感謝の念に溢れた瞳のなんて愛しいことだろう。私もかつてはこんな目をしていたのだろうか。…きっとそうだ。だからこそ、あの時あの人は私を愛したのだろう。
 けれど私は憧れというフィルターをかけて見ていた為にその素顔に驚き、彼こそが噂されていたオペラ座の怪人であると知って畏れた。
 音楽の天使の正体を確かめたいという好奇心と怪人ではあって欲しくないという願望から、許しも得ずに仮面を剥ぎ取ってしまった自身の愚かさを、クリスティーヌは今も悔やんでいた。
 ゆっくりと彼を知ってゆけばもっと違う結果になったかもしれない。
 いいや、現実を直視せず、いつまでも子供のように誰かに守られていたいと思っていたあの頃の莫迦な私は、何かのきっかけで素顔を見てしまえば、やはり恐れおののき、彼から逃げようとするのではないだろうか?
 クリスティーヌはかぶりを振った。逃げようとしたけれど、最後には向かい合うことができたわ。
 そして惹かれていることに気付いた。彼とずっと一緒に過ごしても良いとさえ思った。なのに、無意識に浅ましくも計算していたのだろう。私は安定と安心の将来を約束してくれるラウルと共に地上へ戻ったのだ。
 結局、自分の気持ちを欺き続けるができず、ラウルとも別れて今は一人だけれど。
332失われた環 20:2006/12/27(水) 16:14:44 ID:UBMzc9W+
 時々、たまらなく寂しさを感じることはあったが、クリスティーヌはパリに居た時のような冷めた気持ちや孤独感に苛まれることはなかった。
 教えるという事にずっとやり甲斐を感じているからだろう。それに、ここでは知る者も頼る者もなく一人でやってこなければならなかったから、大変な反面自信もついたし逞しくなったとも思うのだ。
 生きているという実感が、手応えが、クリスティーヌがニューヨークで得たものだった。
 もしラウルと結婚していたら、海を遠く隔てたアメリカまで来ることはなかっただろう。
 歌を教えることも無かっただろうし、フィリッパにも出会えず、今夜のデビューを見ることさえ無かったことだろう。教え子を舞台に送り出し、喜びを分かち合うことも無かったに違いない。
 「フィリッパと出会えて本当に良かったわ」
 「何を言うの!私こそ先生に会って、先生のレッスンを受けたからこそ、今夜デビューできたのよ」
 フィリッパの楽屋で着替えを手伝っていると、笑顔とともにそんな嬉しい言葉が返ってきた。
 「厳しくてたくさん泣いたけれどね」フィリッパはぺろっと舌を出して見せた。
 「そうだったわね」
 クリスティーヌとフィリッパは見つめ合うと、お互いにふふっと笑った。
 その間にも花束が次々と届けられた。今夜がデビューということになっているが、地方でも地道な活動をしており、劇場側の宣伝も上手く、フィリッパの名は知られているからだ。
 その色とりどりの花の中にクリスティーヌは深紅のばらを見つけてはっとした。
 …何を驚くの?ばらなんて珍しくもないわ。
 手にとってみれば、たった一輪の赤いばらにはカードが添えられておらず、ただ、黒いリボンが結ばれてあった。
333失われた環 21:2006/12/27(水) 16:16:29 ID:UBMzc9W+
 「ミス・ダーエ、どうかなさったの?あら、きれいなばら。一輪だけだなんて、カードも無いの?これでは送り主が分からないわね。でも、黒いリボンがミステリアスだし、なんだかロマンチックじゃない?」
 フィリッパは若い娘らしく想像の羽根を広げて無邪気に喜んでいる。
 「そう?…でも、黒いリボンなんて縁起でもないわ。悪戯なのかも…」
 そう言いつつ、クリスティーヌは姿見の前までくると鏡を軽く押してみた。
 「鏡がどうかしたの?」
 「…ううん、なんでもないわ。あの…このばら頂いてもいいかしら」
 「もちろんだわ。他のお花もどうぞ持っていらして。たくさん贈っていただけるのはとても嬉しいけれど、こんなにあったら私の部屋にも入りきらないもの」
 「これだけでいいの。どうもありがとう、フィリッパ」
 クリスティーヌはフィリッパが帰るのを見届けると、ばらを持って劇場内にあるレッスン室に入った。歌いたくてたまらなかったのだ。
 目を閉じて今夜のフィリッパを思い浮かべたがそれが自分の姿とすり替わり、パリのオペラ座に立っているような気がした。
 思いかけずデビューとなったあの夜、こんなばらが届いた。同じく一輪、カードも無く黒いリボンが結ばれてあった。あの人からの花だった。
 ではこれは?
 これは誰が?
 クリスティーヌは深紅の花弁を見つめた。ほんの少し夢をみよう。これは天使が贈ってくれたものだと。
 彼女は目を閉じると、とてもとても久々に音楽の天使が傍にいてくれているような感覚を覚えた。十年も前に彼の生徒であった自分に戻った気さえした。
 誰も聞くものはなかったが、真夜中の劇場にクリスティーヌの歌声が微かに響くのだった。
334失われた環 22:2006/12/27(水) 16:20:43 ID:UBMzc9W+
 さて、劇場から住居としているホテルの部屋へ戻ったエリックは、ソファにどさりと腰を下ろした。
 火の気も人気もない部屋は薄暗く、家具や壁の輪郭がぼんやりと見えるだけで、いつものことだが冷え冷えとしている。
 彼の事業は英国にいたとき以上に上手く回転し、ほんの数年でニューヨークでも屈指の富豪となっていた。そして建設中のセントラルパークからほど近いホテルの上層階に住んでいるのだった。
 人前に滅多に姿を現さない彼だったのに、この日は何故か歌劇の招待に応じた。
 秘書を務めるマリー=アンヌ・アルトーは驚いたようだったが、表情には出さず、「出席でよろしいのですね?」と念をおした。
 「何か問題でも?」
 「いいえ。お珍しいので確認しただけですわ」
 劇場へ行くのも歌劇を観るのも四年前のパリ以来のことだった。
 来てはみたものの、ボックス席とはいえ劇場内の人の多さに息苦しさを感じたエリックは、付き添わせてきたアルトーにその場を任せて席を立とうとした。
 しかしその時、女性歌手の歌声が彼の元に届くとエリックは思わず目を閉じ、席から離れることはなかった。
 何に惹きつけられたのだろう。若葉のような初々しさに?初夏の陽の光のような明るさに?
 歌声は高く低くしなやかに伸びて客席を満たし、エリックにパリ・オペラ座の歌姫を思い起こさせた。
 今舞台に立っている娘の姿が、自らが歌手として育て上げたクリスティーヌ・ダーエと重なり、やがて取って代わった。
 無意識にウエストコートのボタンホールに通されてある金鎖をたぐる。指輪とともに思い出が引き寄せられて、こみ上げる懐かしさに心が震えた。
 忘れようとしていたものが揺さぶられ、呼び起こされ、あのオペラ座でのクリスティーヌと過ごした時が鮮やかに甦って胸に迫る。
335失われた環 23:2006/12/27(水) 16:23:40 ID:UBMzc9W+
 指輪をまた弄んでいることに気が付き、彼はもう一方の手で額を抑えた。
 面差しに似たところもなく、声質も違うのというのに、どうしてクリスティーヌ思い出した?今日舞台に立った他の歌手には何も感じなかったのに。
 …多分、あの若さが、当時の彼女と重なっただけなのだろう…。
 エリックは舞台の幕が降りると、束の間の夢を見せてくれた歌手に、かつて、かの歌姫へ贈った赤いばらを夢の続きに届けさせたのだった。
 「酔狂なことだ」
 自嘲し、立ち上がって窓辺へ寄り、カーテンを少しだけ押しやる。眼下には街灯の小さな光が無数に輝き、地下で揺らめいていたたくさんの蝋燭の灯りのように錯覚した。
 そしてその夜から、エリックは再び音楽に囚われたのだった。 
 もうずっと長いこと、教え子であった娘と別れて以来、音楽を手放していた彼だったが、フィリッパの歌声は耳に残り心に刻みつけられて、劇場へと引き寄せられるのだった。
 オーケストラによって奏でられる音が波のように押し寄せて彼をさらってゆく。
 旋律は色を持ち、一音一音がタペストリーのように丁寧に重ねられ、編まれ、情景が浮かび上がる。
 音楽に身を委ねるという感覚をどうして忘れていられたのだろう?
 彼には分かっている。クリスティーヌを失った時、あの地下室に過去と共に音楽に対する情熱も一緒に置いてきてしまったからだ。だが今、フィリッパの歌声で心に音楽が取り戻されつつある。
 フィリッパの歌声…?私は彼女の声を聞いているのではない。その中に見えるクリスティーヌに酔っているのだ。妄想に違いないが、それでもいい。私は夢を見ていたいのだ。クリスティーヌがそこにいて歌っているという夢を。
336失われた環 :2006/12/27(水) 16:53:46 ID:UBMzc9W+
また<続く>と入れ忘れたw
読んで下さった方、どうもありがとう。
続きをまた来年投下します。
337名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 18:05:50 ID:Sp99BWYs
天使様ありがとうございます!
なんか一気に読んじゃって入り込みすぎちゃって急に途切れたところが苦しい。
どうか年末年始をゆっくりとお過ごしくださいと言いつつ早めに続きをお願いしますw

今年素敵なお話を投下してくださった他の天使様方もありがとう。
皆様良いお年を。
338名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 00:00:32 ID:qz08Qd+b
ああ・・・ 二人の再会が待ち遠しいです。

投下を待ち焦がれてます!

天使様方、そして住人の皆様、良いお年を〜。
339名無しさん@ピンキー:2006/12/29(金) 03:41:03 ID:ub7gQ8+m
>336
GJ! GJ! 猛烈にGJ!

しかし、あんなところで<続く>とは!
>337同様、入り込み過ぎてて、いきなり終わってびっくりした。
オトナになったふたりが再会して、誤解が解けて……を期待していいんだろうか。

このスレも足かけ3年になるんだね、あとちょっとで。皆様、どうぞ良いお年を。
340 【1405円】 【大吉】 :2007/01/01(月) 00:06:36 ID:oi6Th8Wv
天使様そして住人の皆様明けましておめでとうございます
今年も萌えSSがたくさん投下されますように
341 【329円】 【ぴょん吉】 :2007/01/01(月) 00:08:16 ID:Lwd5BLUQ
↑おっ良いのが出た♪
!dama!omikuji
 をコピペして名前欄に貼ってみて
342 【60円】 【だん吉】 :2007/01/01(月) 00:30:26 ID:3ILbMzou
おめ!
今年もこのスレ、賑わいますように
343 【649円】 【末吉】 :2007/01/01(月) 04:27:59 ID:TQmgaCNP
明けましておめでとうございます。
今年もスレが続きますように。
344 【1494円】 【吉】 :2007/01/01(月) 16:12:37 ID:vcEIZQaO
ボナネ!
天使様、スレの皆様、今年もよろしく!
345 【178円】 【大吉】 :2007/01/01(月) 18:18:52 ID:Z4DErpcu
324です。
出先からケータイで投下を知り狂喜しました。
失われた環の天使様ありがとうありがとうありがとう!
346 【1461円】 【中吉】 :2007/01/01(月) 23:49:49 ID:YSx5RfRv
今年はエリック×女奴隷が増えますように…!
347!dama!omikuji :2007/01/02(火) 20:38:00 ID:ORHHo3+G
小○哲哉とKEIK○は
何気にマスターとクリスっぽい…。
348名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 20:40:19 ID:ORHHo3+G
遅かりし…
349名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 13:57:44 ID:9bsTumiI
薬中っぽいマスターはいやだぁぁぁ
今年は映画ベース程度の知識で読めるパロが増えますように
ギャグの天使様が復活されますように
あちこちいろいろ読んでないと判らないファンフィクはムズイです
350名無しさん@ピンキー:2007/01/05(金) 19:44:45 ID:0AaWHk+3
最後の一行はチラ裏にドゾー
351名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 21:46:52 ID:oyUS/675
あ〜 エィンジェル オブ エロパロ どこに行ってしまったのかしら…

352名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 21:52:06 ID:O16JMw3F
いんさーい やーまーぃん
353名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 22:59:59 ID:D+e7Q/f5
前回の投下から放置しすぎて続きを書いていいものか戸惑ってる…orz
354名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 23:15:08 ID:a5ika6Y6
どうぞどうぞ!
是非お願いします天使様
355名無しさん@ピンキー:2007/01/08(月) 23:16:38 ID:nEsQRDE3
>>353
ZE!HI!!!!!1!!
…いやマジに投下お願いします!
途中で止まってるシリーズどれもまだお待ちしてるんです
356名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 02:34:02 ID:1rjSzRE0
途中で止まってるシリーズって何があった?
357名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 03:47:43 ID:h750ZX2O
古くは尻エンジェル、吊して剥いてた鬼畜マスター、
上でも出ている寸止めマスターにプロイセン軍の天使様、
あとロクサーレタンとはまた別口の奴隷娘タンも
…まだ他にもいらっしゃるかな?
358名無しさん@ピンキー:2007/01/09(火) 22:04:06 ID:4ypsQo2L
うーん どうだったかな… 

ところで、確かタイトル無しでメグ×マスターのがあったとオモ
鞭やらなんやらフルコースでもう(ry
あれは前スレでしたっけ? メグたんの奴隷っぷり良かったなあ
359名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 19:28:45 ID:BZQ4cRqO
今こそ天使の降臨を!
360名無しさん@ピンキー:2007/01/12(金) 22:04:02 ID:bp3+WAQW
待ちくたびれたよ天使様・・・

  __( 'A`)_ハァ         
  |E三( ヽ/)三l.|     
  |jY===)=)tr=l
361名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 00:22:05 ID:77thByjU
耐えるんだ、これは忍耐のレッスンだ。
362名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 00:55:59 ID:E3+zW5+Q
 _, ,_
( ゜ノゝ゜) <エロい話しようぜ
363名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 01:20:45 ID:cFeOEUQR
原作、派生小説、舞台、映画各種…
商業作品から一番エロいシーンを選ぶならどれ?
ときいてみるテスト
364名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 02:34:42 ID:auYJi4Dp
映画だとPONRでマスターがクリスの手の甲に唇を近づけるとこかな。
キスしそうでしない焦らしっぷりがエロい。
舞台だとMOTNがまんべんなくエロい。
原作はもっかい読んで探してみるよ!(`・ω・´)

2ちゃんがもうじき閉鎖って噂だけど、本当にそうなったら
もうこんな風に雑談出来なくなるのかな。
ここがなくなったらどこで天使様を待っていればいいんだ。
365名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 22:21:38 ID:cxF0VETL
派生小説の「ファントム」なら、音楽で犯す場面がそうだと思うんだが。
366名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 23:10:35 ID:59M3gxm6
>365 我慢できずに「音楽で犯」しちゃうんだよね
で、クリスは自分で(ry
…あのあたりは「あー!もう両思いなんだから、さっさと付き合っちゃえよ!」
と、微妙に甘酸っぱい気持ちになる

>364 ここは別ドメインだから、直接は関係ナイっぽい…多分
367名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 23:13:21 ID:jxcrLgGh
クリスタソの一人エチーのシーンか。あれはエロいな。
368名無しさん@ピンキー:2007/01/13(土) 23:57:20 ID:UwZkjf19
肉体が伴ってないだけで二人はもうそういう関係にまで行ってるんだよね
369名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 02:29:06 ID:zvq2n9M8
え?クリスタン自分でしちゃうの…?!
370名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 03:04:31 ID:QSCzfnLW
そっクリスオナヌーするんです、マスターの曲を聴きながら。
んでマスターもその事に気がついているようだし。
自分は舞台のPONRでクリスがファントムの後ろから腕を回すシーンがエロいと思った
その回した手首をファントムが掴むところも
371名無しさん@ピンキー:2007/01/14(日) 22:53:48 ID:QwdBMhW8
>>370
>自分は舞台のPONRでクリスがファントムの後ろから腕を回すシーンがエロいと思った
>その回した手首をファントムが掴むところも

禿げ上がるほど同意だ
あとは舞台版MOTNの、マスターがクリスのあごを手の甲で撫でるシーンが・・・(;´Д`)
372名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 00:01:43 ID:cXDeV/ym
個人的に舞台が一番エロい気がする。
何て言うか抑えに抑えたエロさ?

多分自分がチラリズム好きなせいもあるだろうけど。
373名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 22:33:00 ID:moIL1Ywb
アルジェント版の映画だと、モロにベッドシーンがあるが、逆に萌えられなかった。

舞台のドンファン、フードの衣装でのからみが、ミステリアスでエロいと
思う自分も、やはりチラリズム好きなんだろうな。
374名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 22:54:11 ID:2JDkMt7w
つーか日本の八代目が最エロな気がw
375名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 23:04:52 ID:xoPhx/Rp
>>374
ん?八代目?
S野ファントム?
376名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 00:04:32 ID:FvbByDQB
確かに映画版はPONRとかは直球エロだがw
それでもクリスの衣装の肩ん所がすっごいイイタイミングで
するんと落ちるところとか、
ファントムがクリスの喉に手をやるとこなんか
浅黒い手が白い肌の上を這い回ってて、もう(*゚∀゚)=3ムッハー
377名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 00:14:12 ID:Q+ukFxbB
>>375
いんや、8代目はT井ファントム。S野氏は9代目だよ。

映画版の最エロシーンは言わずもがな、PONRの橋の上だと思うのだがどうだろう
378名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 01:03:55 ID:mggYL3EH
総合して

チラリズム派…舞台
若干直球派…映画
激しく直球派…アルジェント
腐女子派…ケイ版一部

という括りでよろしいか。
379名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 01:21:12 ID:bx9Qmq2r
>>378 違ーう!
映画は直球な中に見え隠れするチラリズム(監督の罠)を、妄想で補(ry
380名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 08:13:47 ID:GUWsffOL
話ぶった切りごめん。
先日江戸川乱歩の「黄金仮面」を読んでいたら
その中に一章に「浴場の怪人」っつーのがあって笑ってしまったw
地下の隠れ家を健康ランドだの温泉だのって言ったのは誰だ!
地下温泉で湯船につかるファントムだのマダム・ジリーだの(混浴?)を
想像してしまったじゃないかw
381名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 14:39:16 ID:1O3mVxol
マダムが浸かってるときはマスターは追い出されている気が
するのは私だけでしょうか。
下手すると上着を脱いであのひらひらシャツ姿でせっせと
薪をくべて追い炊き(?)している気がします
「エリック、まだ温いわよー!」

現在いけいけな若き日のマダムに犯されるwいたいけな
マスターに挑戦中。
382名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 14:44:42 ID:r/Nhe2D2
>>381
よろしく!
383名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 17:54:40 ID:8WNNIjWK
待ってます天使様

>>380のレスを見て「欲情の怪人」と脳内変換された自分の事を、
もはや恥ずかしい人間とも思わない
384名無しさん@ピンキー:2007/01/16(火) 20:56:21 ID:8SeeqOZ5
  (  ´)`Д) )) < ハァハァ こんな所でダメェ
  /  つ つ  < 大丈夫さクリスティーヌ,こんな糞スレ誰も来ない
(( (_(_  ノ ノ
  し∪ ∪

 Σ( ゚д゚ )゚д゚)
  /  つ つ
  (_(_  ノ ノ
  し∪ ∪

  ( ゚д゚ )゚д゚)
  /  つ つ
(( (_(_  ノ ノ
  し∪ ∪
385名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 00:33:08 ID:kD66Z9qh
天使様が来ますように。

   *'``・* 。
   |     `*。
 ,。∩      *
+ (*・ω・*) *。+゚
`*。 ヽ、  つ *゚* 
  `・+。*・' ゚⊃ +゚ 
 ☆   ∪~ 。*゚
  `・+。*・ ゚
386名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 00:52:58 ID:Ud9/9K0Y
>385 フェアリーさん(魔法使いか?)

和んだ。

387名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 00:54:23 ID:xVWCdKt0
>384
ってか、アレだな。先生(か?)意外とお尻プリっとしてんのな。

あと、こっち見んなw
388名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 14:47:46 ID:o4fT8+QA
 (^ω^) <歌えばあの娘は喜んでくれたんだお それだけで嬉しかったんだお

Σ(^ω^) <クリスティーヌ、そいつ誰だお!

...:.:;ω^) <ひ、ひとりはいやだお もっと一緒にいたいお…

..... ..;::: .:;::....;:^) <クリスティーヌ、大好きだお
389名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 18:30:16 ID:xwQ7q5kZ
>>388
全米が泣いた
390名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 18:37:54 ID:+eHV2UE/
>>388
変にいろいろ解説されるよりわかりやすいw
391名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 19:12:14 ID:gyilwjIX
どのスレで見たんだか忘れたけど
「なんだ、夢か…」っていうAAも妙にじーんとしてしまったな。
392名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 23:24:54 ID:1wJtkg8j
これ?嫌スレの2幕
泣きそう
711 :名無シネマさん :2005/04/15(金) 22:49:47 ID:pWLbPamB


  <⌒/ヽ-、_____
/<_/______/
 ̄ ̄ ̄  

     クリスティーヌ・・・・?
   ∧∧
  ( ・ω・)
  _| ⊃/(___ 
/ └-(____/ 
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



       なんだ、夢か・・・・・・
  <⌒/ヽ-、______
/<_/_______/
 ̄ ̄ ̄  
393名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 23:35:10 ID:uqJvKWN2
>>388
>>392
弱ってるときに見たんでマジ泣きしそうになった…
394名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 23:41:03 ID:bYpWeUPu
>>392
これはクるな…
395名無しさん@ピンキー:2007/01/17(水) 23:45:14 ID:Ud9/9K0Y
やっぱこのスレ住人はエロでも
切ないのが好きなんだな…

そういう自分も切なくて、エロいのが大好物だ。
396名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 00:30:42 ID:cK3RZwL/
前スレにも切ないのがあって泣いたっけな
397名無しさん@ピンキー:2007/01/18(木) 22:07:20 ID:XVvxfF2s
こう放置プレイが続くと、天使様方の過去作を
再読するだけでは飽き足らず、他スレで神技を
発揮しておられる職人さんがいると、ついこの
スレに降臨してくれないかしら… なんて
願ってしまうオイラは、弱い人間さ。
398名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 17:02:34 ID:TmC45KdG
投下します。
ファントム×カルロッタ。1レスのみ。
ごめんねエロ薄くてごめんね。

携帯で書いてて投下しようと思った矢先に電池切れて焦りました。
399名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 17:04:29 ID:TmC45KdG
「くぅ…っ、…は…ぁ」
 薄暗い寝屋に響く、掠れたような息遣いと衣擦れの音。
「ほら、息が上がっているようだが…」
「うるさい、わ…」
 その間に混じる睦言。
男の上になった女の頬は赤らみ、垂れた巻き毛が男の胸を擽っている。
 話は半刻前に遡る。
いつものように人知れず歌姫の部屋を訪ねた男に、
歌姫は随分と当たり散らした。
それはいつもの事。
だが褥に誘い込んだ男に、歌姫は珍しく自らが上になると言い出したのだ。
「私を気持ち良くしてくれるのでは無かったのか?」
 そう意地悪言う男―――奇妙な白い仮面を付けた―――が歌姫の下腹部に手を延ばした。
「あっ…!」
 身体の最も敏感な部分を指先で擽られ、歌姫が喘いだ。
「自分だけこんなにして…ずるいじゃないか」
 その指先を今度は歌姫の唇に押し付ける。
唾液と、また違う何かが混ざり合い、赤い唇から糸を引いた。
「黙って、なさい…!」
 途切れ途切れの掠れた声で命令する歌姫が、男は愛おしかった。
全ては自分の思い通り…。
歌姫が嫉妬することを見越して、数日前から若いコーラスガールの話をしたのだ。
さも自分がその娘に興味があるかのように。
「わたしがいい、と言いなさい…」
 男を締め付けながら、歌姫が言う。
絶頂を何とかプライドだけで堪えながら。
本当はもう、崩れ落ちそうな程だろうに…。
内心笑いながら男は哀れっぽい声を出した。
「お前が、いい…」
 歌姫がまた、男を締め付けた。
「あんな乳臭い小娘よりも、わたしがいいと…!」
「ああ、お前が一番だ…」
 歌姫は赤い唇を吊り上げ、自ら男に口付けた。
「出すぞ…」
「あっ! あああぁぁっ!」
 きつく己を締め付ける歌姫の中に、男は熱をぶつけた。
400名無しさん@ピンキー:2007/01/19(金) 17:06:53 ID:TmC45KdG
ごめんね2レスになってごめんねorz

「あんな小娘を気にするなんてどうかしてるわ」
 歌姫がいつものように文句を言う。
さっきまで自分にもたれかかっていたくせに、と思いながらも、男はそんな様子は見せない。
可愛い歌姫…。
感情の全てをありのままぶつけてくる様が可愛いくて仕方がない。
「そうだな、お前が一番だ」
 笑いを隠しながら男は言った。
「一番じゃ嫌よ」
 歌姫はつい、とそっぽを向いた。
「一番じゃ嫌。わたしだけを見ていないと赦さないわ」
「もちろん、お前だけだとも…」
 巻き毛に指を絡ませて男が言う。
「だから機嫌を直してくれ…女王様」
 女王に傅く騎士の様に、男は髪に口付けた。
「ふん…」
「だから今日の様な魅力的な顔をまた見せて欲しいものだ」
 歌姫の頬に赤見が射す。
「気が向いたら、してあげてもいいわ」
 歌姫の耳まで赤くなったのを見て、男は小さく笑った。
「期待しているよ―――カルロッタ」


<終>
401名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 10:42:06 ID:kv3F0GTR
おお!天使さまだ! !
ツンデレプリマドンナ!
402名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 21:48:12 ID:XXFcWf60
        (⌒)  
      (⌒  (       
        ` ̄ ヽ. 
              ∧ ∧,―、
            ((()))ノヽノ
             (`д´*ξ彡)   <き、気が向いたら、してあげてもいいわ!
            (__)~∞~(__,)ノ)
           (_,ノ {ソヾ} ヽ_)、6,
          r'(       ァ、
          ^; `ァ〜r-〜'" ,r'
           `^〜〜-〜'^
403名無しさん@ピンキー:2007/01/20(土) 23:40:07 ID:U8LJ/v6P
天使様ktkr GJ!!!
やばいツンデレカーラ様テラモエス
404名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 01:56:44 ID:Td6BoSZH
GJ! GJ!!
久々のファンカロ、最強・最重量?カップル話に萌えますた〜!
カルロッタの可愛い勝ち気・強気っぷり、そしてファントムの
余裕こきっぷりがイイ!
ありがとう!!
405名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 13:22:30 ID:+5OleKC5
GJ!
つ、続きに期待してもいいわ天使様!
406名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 17:29:13 ID:LTvySgih
最重量w
お忘れですよ つウバルド
407名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 23:08:20 ID:j51P66DQ
投下します。

>234の続きです。
408熱砂の果てW:1:2007/01/22(月) 23:08:58 ID:j51P66DQ
翌朝、一睡もできずにバルコニーで悄然としていた私の肩に、
起き出してきたロクサーレが「エリックさま、どうなさったのですか?」と
その小さい頭をもたせてきた時、私は喜びとともに驚きを禁じ得なかった。

「ロクサーレ………、私が恐ろしくはないのか?」
妻の方に向き直り、そう問うた私にロクサーレは、
「どうしてそんなことをお尋ねになるのですか……?」と不思議そうな顔をして、
それからはにかんだような笑みを作ってそっと俯いた。


小さな手を取る。
夕べ、涙を流しながら一晩じゅう撫でていた手だ。
「本当に恐ろしくはないのか?」
「ええ………」
小首を傾げるようにして答えるロクサーレを見て気づかされる。
あまりの衝撃に、夕べのことを何ひとつ覚えていないのだということに。
でなければ、彼女がいつもと変わらず可愛らしい笑みを浮かべていることに説明がつかない。
私の醜い容貌をよしんば受け入れることができたとしても、
こうまで自然に振る舞うことができるだろうか?
大后のような女ならいざ知らず、このロクサーレにそんな真似ができるとは思えない。

「こちらへおいで」
試しにそう言って彼女の身体を膝に抱え上げた。
「エリックさま………」
嬉しそうに私の名を呼んで、ロクサーレは私の耳の後ろに唇を押しあてた。
片手を私の胸に置き、ほんのわずか伸び上がるようにして口づけるのも、
いつも妻がする仕草だ。
仮面に触れることは禁じてあるので、妻は私に甘えるときには耳や耳の後ろに口づけるのだ。
今もいつものように、私を怖がる風もなく甘えている。
409熱砂の果てW:2:2007/01/22(月) 23:10:33 ID:j51P66DQ
ロクサーレは本当に夕べのことを覚えていないらしい。
だが、それは今だけではないのか?
しばらくすれば思い出すのではないのか?
思い出したとき、果たしてロクサーレは私を恐怖するだろうか?
今この瞬間、この娘は夕べのことを覚えていない、この娘は私を怖がっていない。
しかし、夕べのように抱いてみたら思い出すのではなかろうか?
それを確かめるためにも、私はロクサーレの身体を抱きたかった。

それに、こうして膝の上に妻の身体を抱いているうち、
夕べ突然に断ち切られた欲望が大きく湧き上がってきていた。
大腿に伝わる丸く小さな尻の重み。
胸に押しつけられる乳房のやわらかさ。
その頂きにある小さな突起が微かに私の胸を掠る。
そして、仄かに立ちのぼる甘い乳香の香り。
ああ、今ここで妻の身体を抱きたい。
ロクサーレの熱いくぼみに己を押しあて、一息に貫いたらどれほどの歓びだろうか。

「ロクサーレ……」
妻の名を呼びながら、その艶やかな髪を撫でる。
肩を撫で、二の腕をさすり、そっと胸のふくらみに手を押しあてた。
「エリックさま………?」
あどけなく小首を傾げるロクサーレの唇を指でゆっくりと撫でる。
丸く見開かれた瞳は黒々と潤い、その真ん中に小さく己の仮面が映っていた。
そうだ、仮面を着けたまま抱いてみるか―――。
仮面を着けたまま抱くことで、仮面の印象を強める手助けにならないだろうか?
夕べ、一瞬だけ垣間見た仮面の下の顔ではなく、この仮面に抱かれているのだと、
ロクサーレがそう思ってくれることを期待して、目隠しを着けないことに決めた。

私は、ロクサーレのクルタに手を掛けた。
410熱砂の果てW:3:2007/01/22(月) 23:12:38 ID:j51P66DQ
朝のまばゆい陽光のなかで上半身を剥き出しにされたロクサーレは
瞳にうっすらと涙を浮かべて首をふっている。
「エリックさま、こんな……、こんな人目のあるところは恥ずかしゅうございます。
どうか、閨に………」
小さな乳房を両手で隠すようにしながら、私の膝の上で身を捩るロクサーレの姿は
何ともいえず艶めかしかった。
胸を隠す手を取って拡げ、それから両方の手で乳房をそっと包み込む。
抵抗するのは諦めたのか、かすかに首を振りながらロクサーレが
私の愛撫を受け入れるそぶりを見せ始めた。

ゆっくりと乳房を揉み、色づきはじめた先端をそっと摘む。
はぁっと大きく息を吐き出して、ロクサーレが己の胸元を見遣ってから
私を縋るような目つきで見上げた。
普段、見ることを奪われたまま抱かれている所為か、戸惑いを覚えているらしい。

「そら、私がいつもどんな風におまえを抱いているか、よく見るがいい」
胸の頂きを指先でくりくりと愛撫しながら、ロクサーレの耳元に囁きを送る。
「可愛いよ、ロクサーレ、おまえはそんな顔でよがるのだな」
切なそうに眉根を寄せ、頼りなげに揺らめく瞳が何とも言えず可愛らしく、
いっそう欲情をそそった。

ロクサーレを膝に乗せたまま、片手をシャルワにかけた。
「いや、エリックさま、いやでございます、………ああ……、ゆるして……くだ………」
泣きながら抵抗する妻の身体からシャルワを引き剥がし、一糸纏わぬ姿にすると、
己の膝の上で両脚を開かせた。

「……やぁ………、」
いやいやをするように首をふるロクサーレの秘所に手を伸ばす。
くちゅ、という水音がして、指に蜜が絡みついた。
411熱砂の果てW:4:2007/01/22(月) 23:14:58 ID:j51P66DQ
そのまま指を挿し入れていく。
私の腕に背を乗せたまま、大きく仰け反るようにしてロクサーレが喘ぐ。
「………んっ、あ、はぁぁぁ…………!」
仰向けた顔は紅潮し、瞑った目の際に微かに涙が認められる。
衝動的に口づけたくなるのを自制心で押しとどめながら、仮面の下で唇を舐めた。

背に廻したままの手で左胸の先端を弄り、右手でたっぷりと秘所を攻めたてる。
身を捩ってよがるロクサーレの息遣いが荒い。
「ああ、エリックさま、エリックさま………」
譫言のように私の名を呼びながら高まっていくロクサーレの姿は
朝の陽光の下でこれ以上ないほど艶めかしかった。

そして、親指の腹でぷっくりと膨らんだ肉芽を弾いてやった瞬間、ロクサーレの背が
ぴんと伸び、続いて腰から砕けるようにがくがくと私の腕の中で頽れていった。


私の肩に手を廻し、しがみつくようにしてロクサーレが甘えてくる。
絶頂の余韻に火照った肌からは甘い香りがたちのぼり、
私の肩の上でしどけなく息をつくロクサーレの背をゆっくりと撫でてやる。
「エリックさま………」
甘えた声で夫の名を呼ぶ幼な妻の身体を持ち上げ、片脚に手をかけて私の上に跨らせた。

「エリックさま………?」
これから起こることについて、おおかた予想は出来ていたのであろうが、
それでも怪訝そうな声を出して私を見上げるロクサーレは、
そのあどけない瞳によっていっそう私の劣情をそそった。

妻の呼びかけには応えず、前を開けて己を取り出す。
一息に貫いた。
412熱砂の果てW:5:2007/01/22(月) 23:17:35 ID:j51P66DQ
「あああっ、ああぁぁぁ……………!!」
絶頂の名残りで濡れそぼったロクサーレのそこは、私を易々と受け入れた。

細い腰を掴み、前後に揺さぶりながら突き上げる。
「んんっ、…………ん、あっ、ああぁ………」
しどけない声を聞きながらロクサーレの熱い胎内を感じる。
胸の谷間を透き通った汗が滴り落ち、その光景を眺めながらやわらかい乳房に手を伸ばす。
「ん、あぁぁ………」
頂きに実った小さな果実を摘み上げるようにして擦ってやると、その淫らな唇から
心地よさそうな喘ぎ声が洩れ、私を締めつける襞の動きがいっそう強くなった。

「ロクサーレ、見よ、おまえと私が繋がっているところを。
おまえはいつもこんな風に私に抱かれているのだ」
私の言葉に導かれ、ロクサーレがふと視線を下げる。
やわらかい下生えを掻きわけて肉芽を探り出すと、そっとその莢を剥いて下腹を押しつけた。
「ああ、エリックさま、」
ふいに与えられた刺激にその身を顫わせたロクサーレが私を切なげに見上げる。
「そら、」
そこをぐりぐりと刺激するように腰を動かしてやると、ロクサーレの身体が大きく仰け反った。
その背を抱きとめてやりながら、いっそう激しく突き上げる。
「ああ、エリックさま、エリックさま………」
荒い息の切れ切れに私を呼ぶ妻の声を聞きながら、耐えに耐えた欲望を解き放つ。
「あっ、ああ………………」
逝ったのか、あるいは逝く直前で絶頂を断ち切られたのか、
ロクサーレの切なげな声が朝の光に溶けていく。

女の襞がうねり、絡みつき、絞り上げていく感覚は、
阿片の見せてくれる夢よりもずっと甘かった。
413名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 23:20:06 ID:j51P66DQ
今回はここまでです。
読んで下さった方、ありがとうございました。

念のため単語帳。
・クルタ………上衣
・シャルワ……下衣
414名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 01:35:51 ID:MFlnueqX
んはー! 天使様GJ!
ロクサーレたんが無事でよかった(つД`)

続きを正座でお待ち申し上げます(*´Д`)
415名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 14:20:26 ID:Ak5nn+9W
うはっ!女奴隷タン可愛い!
天使さまGJ!
>414
私は体育座りで続きを待つぜw
416名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 20:11:42 ID:FRqEEq/2
ロクサーレタン生きてた〜!
天使様ありがとう!GJ!
例えつかの間でも、エリックが普通に奥さんと暮らせてよかった
ではイイ子で続きを待ちます。全裸で。
417名無しさん@ピンキー:2007/01/23(火) 22:54:49 ID:rKzwxDDY
天使様GJ!!!ロクサーレタソ生きてタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
健気な幼妻に萌死にそうです。俺も欲s(ry
このままロクサーレタソと幸せな生活を続けてほしいなぁ
続きを楽しみに待ってるよ天使様。正座で。
418名無しさん@ピンキー:2007/01/25(木) 22:42:44 ID:7viw3JRa
GJGJ!
引き続き連載の続編を全裸正座で求ム!
419名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 15:04:17 ID:ewQSrjeD
投下します。

ウバルド×カルロッタ
多分…どころか結構甘めかと。
道具(媚薬)使用あり。
「強気じゃないカルロッタはカルロッタじゃない!」な方や「尻に敷かれてないウバルドはウバルドじゃない!」な方はスルーお願いします。
420甘い仕打ち(1):2007/01/28(日) 15:10:47 ID:ewQSrjeD
 
 「もう止めにしてくれないか…」
 ガウンを羽織る歌姫の背中に、ウバルドが低く呟いた。

 「ずっと、君の悪戯だと思って受け止めてきたが」
 彼の体には、無数の“悪戯”の痕が残されている。
 それを摩りながら言うウバルドの方を、カルロッタは不満そうに
振り向いた。

 「嫌よ、何があっても止めやしないわ!痛みに咽び泣く貴方の姿…
思い出すだけでぞくぞくするんだもの!」
 初めは怒りから噛み付くようだった口調も、最後には喜びを語る
ように軽やかだ。
 「それに、このラ・カルロッタに虐められること、貴方も光栄じ
ゃなくて?」
 高慢そうに顎を突き出し、ふふんと鼻で笑ってみせるカルロッタ。

 彼女との行為は以前から普通とは言い難い物だったが、最近は異
常でしかなくなった。
 日中溜まった鬱憤を、夜になると“悪戯”としてウバルドにぶつ
けるようになったのだ。
そう、クリスティーヌ・ダーエが舞台で歌うようになってから。

 お陰で、ウバルドの自尊心はぼろぼろだった。
 痛みに耐えた代償に、男としての悦びが充分に与えられる訳でも
なかった。
 気まぐれで、自分が世界の中心であるカルロッタは、ウバルドを
虐めて気が済むと彼を放って眠ってしまうのだ。

 ―見てろカーラ、そんな風に笑っていられるのも今のうちだ!―

 ウバルドは静かに、しかし激しく復讐の炎を燃やしていた。

421甘い仕打ち(2):2007/01/28(日) 15:13:10 ID:ewQSrjeD
 
 掌にある小瓶を見つめ、ウバルドは溜息をついた。
 もしかすると自分は物凄く単純で愚かなのかもしれない、と後悔
しながら。

 静かに復讐を誓った翌日、ウバルドは市場でとんでもない物を入
手してしまった。
 媚薬。いかにも、といった風な老婆がそう言っていた。

 それを仕込んだ紅茶を、カルロッタは美味しそうに飲んでいたが―。

 「ウ…ウバルド…」
 彼女が消えた浴室から、普段とは違った苦しそうな声が聞こえた。
 途端、ウバルドの顔がさっと青ざめる。

 「カーラ、どうかしたのかい!?」
 浴室に駆けていき、そこを覗くと、ウバルドは思わず息を飲んだ。

 普段の自信に満ち溢れた表情は消え、代わりに、切なげで艶めか
しい女の顔をした歌姫。
 頬も体も淡い薔薇色に染まり、ピンク色のガウンと彼女の赤毛が、
それをより一層引き立てる。
 荒い呼吸に伴って上下する胸から、女の香が匂い立つ。

 「ウバルド、私…何か変だわ…熱いの、体が…」
 床にうずくまるカルロッタを見下ろしながら、ウバルドは激しい
後悔と共に又とない好機に胸を躍らせていた。

 「だ、大丈夫かい?カーラ」
 だらしなく頬が緩むのを堪え、ウバルドはカルロッタを抱き上げ
ようと腕を回した。

 「っ!!」
 びくんと体を強張らせ、頬の色を更に紅潮させるカルロッタ。
 唇から漏れた吐息は、ウバルドの情欲をそそる。

 「あ…ウ、ウバルド…」
 抱き上げられた腕の中で、太腿を擦り合わせたカルロッタが呟く。

 「ベッドに、連れていって…」

422甘い仕打ち(3):2007/01/28(日) 15:15:06 ID:ewQSrjeD
 
 歌姫のお望み通り、ウバルドは彼女をベッドに優しく下ろした。
 しどけなく横たわるカルロッタを見て、ウバルドの胸は高鳴る。

 媚薬は効いているのだ。
 カルロッタは抵抗する術さえ忘れ、押し寄せる快楽の波に身を任
せるだろう。
 老婆が彼に囁いたように、愛する人は腕の中で思う存分に乱れる
のだ。

 「ウバルド…」
 潤んだ瞳でウバルドを捕らえ、カルロッタが掠れた声で彼を呼んだ。
 「体が…熱いの…」
 内部に秘めた熱を開放しようと、カルロッタはガウンの帯へ手を
伸ばす。

 「ああ、カーラ」
 ウバルドは彼女の手を止め、代わりに自分の手で帯を解いてやった。
 「手伝ってあげよう。辛いだろう?」
 その言葉にうぶな少女のように頬を染め、カルロッタは力無く頷く。

 普段高慢な彼女の、滅多に見られない表情。
 その顔や仕草に、愛しさがつのる。

 「凄い汗だ…拭ってあげよう」
 側にあったタオルを手にし、ウバルドは歌姫のガウンを脱がせて
いった。

423甘い仕打ち(4):2007/01/28(日) 15:17:36 ID:ewQSrjeD
 
 隠そうともしない裸体を、じっくりと見つめる。

 張り詰めた豊満な胸、滑らかな腰の線、美しい赤毛の叢、すらり
と上品に伸びた脚。

 彼の視線に犯されるその姿に、支配欲が満たされていく。

 「ウバルド…?」
 不思議そうに呼んだカルロッタの声で、ウバルドは我に返った。
 「すまない、汗を拭うのだったね」
 丁寧に折り畳んだタオルで、彼女の体を丹念に拭いていく。

 全裸にされたことに何も疑問を持たないその表情は、媚薬の所為
なのか。
 それとも、単なる演技なのか。

 どちらにせよ、ウバルドが彼女に魅せられているのは確かだ。

 「カーラ…」
 タオルで拭う手を下腹部に這わせ、ウバルドは空いている手で歌
姫の秘部に触れた。
 「ひっ…!」
 一際高い、悲鳴のような声を上げるカルロッタ。
 すると、ウバルドに触れられている所にじわりと熱い蜜が滲む。

 「此処も拭ってほしいかい?」
 ウバルドはそう言いながらベッドに乗り上げ、カルロッタの脚の
間に身を屈めた。
 「ウ…バルド、やっ!ぁああああ!!」
 カルロッタが頷くより先に、ウバルドの柔らかい舌が秘部の上を
這う。
 溢れてくる蜜を掬うようなその動きに、翻弄されるカルロッタ。

 「っあん、ウバルド!駄目…駄目ぇえ!!!」
 舌先で蕾を転がされると、カルロッタは呆気なく達した。

424甘い仕打ち(5):2007/01/28(日) 15:19:50 ID:ewQSrjeD
 
 「いつからこんなに濡らしていたんだい?いけない人だ」
 唇を舐めながら、ウバルドが顔を上げた。
 「はぁ…っ、し…知らないわ…」
 気怠そうな口調が、かえってウバルドを煽る。

 「…おや、また溢れてきているね」
 広げられた脚の間で、再び蜜が滲んだ。
 媚薬が齎した熱は、まだ彼女を満足させられないようだ。

 「カーラ、次はどうしてほしい?」
 「………」
 ウバルドが悪戯に尋ねると、カルロッタは困惑する。
 分かっている。この歌姫が、これだけで終わらせるはずがないと。

 「また舌が良いかい?指?それとも」
 彼がそこまで言うと、カルロッタが喉を鳴らしたのが分かった。

 求められている。確実に。

 ウバルドは静かに微笑んだ。

425甘い仕打ち(6):2007/01/28(日) 15:22:03 ID:ewQSrjeD
 
 「言ってくれ、カーラ。でないと分からない」
 彼女の羞恥心を煽るように、ウバルドが言う。
 「…し、舌と指以外の…」
 カルロッタが呟くと、彼は大袈裟に溜息をついた。

 「もっとはっきり言ってくれないか。舌と指以外なら、足だってあるんだからね」
 そう言うウバルドを、カルロッタは切ない表情で見つめる。
 少しの間の後、彼女は震える声で、言った。

 「貴方…の、ウバルドの…で滅茶苦茶にしてほしい…!」

 その言葉だけで、ウバルドは満たされていく。
 満足そうに微笑み、両手で彼女の腰を捕らえた。

 「分かったよ、カーラ。君の望み通りにしてあげよう」
 互いの腰を近付け、ガウンを脱いだウバルドは、自身の尖端をゆ
っくりと彼女の秘部に擦り付けた。
 それだけで、カルロッタはひん、と小さく声を上げて体をのけ反
らせる。

 「ぁああ、焦らさ…ないで!」
 カルロッタが我慢しきれずに叫んだ。
 「早く、来て…!」
 懇願するその様子に、ウバルドも理性が吹き飛ぶ。

426甘い仕打ち(7):2007/01/28(日) 15:23:56 ID:ewQSrjeD
 
 カルロッタという、媚薬に酔いしれる。

 「カーラ…!」
 ウバルドは彼女の名前を呼んだのと同時に、ぐっと体重をかけて
侵入した。
 カルロッタが、歓喜の声を上げる。

 「あ、あ、貴方と…本当はずっとこうしたかった…の」
 悦びの、涙を堪えるような声で言葉を紡ぐ。
 「ああ、カーラ…カーラ!」
 愛しさとどうしようもない衝動に駆られ、ウバルドは性急に突き
上げた。

 「ひっ、あ、ウバルド…!や……っ!」
 次の瞬間カルロッタは胎内をひくつかせ、絶頂を迎えた。
 襲い来る心地よい波を、ウバルドは息を吐いてやり過ごす。

427甘い仕打ち(8):2007/01/28(日) 15:26:11 ID:ewQSrjeD
 
 「…あ…」
 カルロッタは意識を取り戻すと、ウバルドがまだ達していないこ
とに気付いた。

 繋がったままのそこで、硬さを全く変えずに存在を主張している
ウバルド自身。

 「随分と勝手じゃないか、カーラ。一人で気持ち良くなってしま
うなんて」
 「な…何よ!貴方が遅いだけで…ぁ、っ…」
 カルロッタが満足に言い終わらないうちに、ウバルドは腰を動か
し始めた。

 媚薬の効果はまだ残っているようだった。
 とろけるような胎内と、艶めかしい反応が何よりの証拠だ。

 「んん…ふぅ…」
 甘い吐息を漏らしながら、ウバルドの動きに合わせて腰を揺らす
カルロッタ。
 「ウバルド…ぅ、ん…良い…良いの…」
 「く、カーラ…っ」
 誰にも見せない表情を、自分だけに晒している彼女が愛しい。
 自尊心が満ちるのと同時に、いかに自分がカルロッタを愛してい
るのかに気付かされるウバルド。

428甘い仕打ち(9):2007/01/28(日) 15:28:06 ID:ewQSrjeD
 
 花で溢れ返った部屋に、男女の吐息と体を絡ませ合う音が響く。
 優しい蝋燭の明かりで、壁に二人の姿が影となって落ちる。

 「んっ、やぁ…っ」
 しっとりと手に吸い付く胸を、労るように揉みしだく。
 頂を指で弾くと、カルロッタは嬌声を上げて一層悦んだ。

 「カーラ…愛しているよ…」
 腰を使いながら、ウバルドは低い声で甘く囁く。
 「わ、私も…ウバルド…愛…し…」
 最後の方は快楽の所為で言葉にならなかったが、ウバルドはそれ
で充分だった。

 普段隠されている彼女の本心に、少しだが触れることが出来たの
だから。

 「もう…駄目、なの…ぁああ、ウバルド!」
 三度目の絶頂を迎えたカルロッタの誘うような律動に、ウバルド
は身を委ねる。
 「っく…は、カーラ…!!」
 彼は後を追うように達し、愛しい人の中へと欲望を開放した。

429甘い仕打ち(10):2007/01/28(日) 15:30:06 ID:ewQSrjeD
 
 幾度か迎えた絶頂の後、ウバルドは気持ち良く眠っていた。
 全て満たされ、大切な人と愛を交わしたことで、幸福に浸ってい
たのだ。
 しかし、それが長く続くはずもなく。

 「…なさい、起きなさい!ウバルド!!」
 カルロッタから、強烈な平手打ちを喰らうウバルド。
 驚いて彼が起き上がると、ガウンを着て床に仁王立ちになってい
るカルロッタがいた。

 「貴方、よくもこのラ・カルロッタにあんな事をさせてくれたわ
ね!もう大っ嫌いよ!」
 目覚めた後、歌姫は冷静になった頭で自分が何をしていたのか理
解したらしい。
 腕を胸の前で組み、顔を真っ赤にしている。
 無論、その赤みは先程までの物とは全く別物である。

 「わ、悪かったカーラ、許してくれ!」
 「許すもんですか!貴方が死ぬまでね!」
 ウバルドに向けて、贈り物の箱やらクッションやらが飛んでくる。

 再びウバルドは激しく後悔した。
 やはり自分は物凄く単純で愚かだ。間違いない。

 「全く…!」
 一人落ち込むウバルドに背を向けると、カルロッタは本当に微か
な声で、静かに呟くのだった。


 「たまには、ウバルドに思い切り愛されるのも…悪くはないわ」



―終―
430419:2007/01/28(日) 15:33:26 ID:ewQSrjeD
読んでくださった方、有難うございました。
無駄に長くて申し訳ないorz
431名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 18:43:38 ID:UYuaaJ/g
GJ!GJ!
そっかー、カルロッタとピアンジはこんな関係だったんですなぁ。
うひゃうひゃw
ピアンジなんて今まで眼中になかったけど、
これ読んだらなんか可愛くてファンになってしまいそうだw
そういや、最近ラウルもの読んでいない…ような気がする。
432名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 21:57:42 ID:JPfiVaam
GJ!GJ!

ほっこり和む二人だ〜。
若くないからこそ、またいいのよねぇ…
433名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 23:05:24 ID:+P8PcPGb
健気なピアンジとツンデレカルロッタGJ!
2人ともオトナの可愛さだなあ。
434名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 22:55:52 ID:pO7USLUU
hoshu
435名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 23:35:52 ID:SC5cqCIJ
突然の告知で申し訳ありません。
第二のまとめサイトを作ってみました、既に投下されたSSのほとんどを格納済みです。
現まとめサイトは7月から更新が止まっておりますのは住人の方々も御存知のことと思います。
管理人様に「体調でもお悪いのですか」とメールを送らせていただいたのですが
本日現在お返事はまだいただけておりません。本当に心配しております。
新まとめサイトを作っていることもその際付け加えさせていただきまして
今月末くらいまでに、お返事が難しいようでしたらスレへの告知を許可していただけたと
いうことでよろしいでしょうかとも追記させていただきました。
スレの住人の皆様には驚かれていることと存じますが、個人的に読みやすいように勝手に
まとめてしまいました。
本当にどのSSも素晴らしく宝物です。
まとめながらいつまでも読み耽ることもしばしばでした。
リンクを張らせていただいてます天使様方全員からスレ告知の許可をいただいております。
本当にありがとうございます。
どうぞ覗いてくださいましたら幸せに存じます。

http://movie.geocities.jp/eroparo2005/top.html
436名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 23:47:50 ID:VhbFJDPL
>435  
わあ、すごく嬉しいです。 またゆっくり過去作品を楽しみます。
本当に天使様方の作品すばらしい物ばかりですもんね。

437名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 23:54:40 ID:kDWrH2C8
>435
新しいまとめサイト、ありがとうございます!!!
すごく嬉しい!!!

>435管理人さんに1つお願い……。
ブログか、BBSでもいいから、時々管理人さんの近況がわかるようにして欲しいな……。
最初のまとめサイトの管理人さん、BBSのレスとかから見る限り、飽きて放り出すような
ヒトじゃない気がして、つまり事故とか病気なんじゃないかと思って、実はちょっと
心配している。気になっている。
だから、新まとめサイトの管理人さんの近況が時々でいいからわかると嬉しいな、と。
438名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 00:00:11 ID:uc/P43Qg
>435
ありがとうございます!
またまとめて読み返せるとは、嬉しくてたまりません!
感謝感謝です。
これからも楽しみにしています!

>437
同感です。
そうしていただけるととてもありがたい!
439名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 00:43:32 ID:kYJBETRR
>435
GJ!超GJ!!!まとめサイトにない過去ss読みたかったんだ。マジでありがとう。
でも本当に管理人さんどうしたんだろう。邪心ssの背景が秀逸すぎて忘れられないww

ちょ、本スレでエロがどうのって書き込み…間違ってもここの住人じゃないだろうな。住み分けようよ('A`)
過去数回あんな感じのヤシで本スレが荒れたせいかヲバ臭のするレスに拒絶反応がでる。
頼むから半年かもしくはずっとROMって欲しい。
440名無しさん@ピンキー:2007/02/01(木) 23:07:26 ID:FUCmwVPh
新まとめサイト管理人です
ありがとうございます、アドバイスや不具合などお気づきの点ございましたら
ぜひ御意見ください。
ブログかBBS作ってみます。
441名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 12:47:13 ID:f/SwtUFt
新まとめサイト、ありがとう!
過去の作品が読めて嬉しいです!
>440
わーい。ちょくちょくのぞきにいくぞー。
442名無しさん@ピンキー:2007/02/04(日) 01:34:50 ID:ogCNnUcq
遅ればせながら、新まとめサイト、ありがとう!
毎日の楽しみが増えマスター。
文字の大きさや広めの行間も、読みやすくて嬉しいっす。
これからも宜しくお願いします。
443名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:13:40 ID:18rdVaXp
投下します。

>412の続きです。
444熱砂の果てX:1:2007/02/06(火) 23:16:01 ID:18rdVaXp
ロクサーレは夕べのことを覚えていない。
そう確信した私は心の底から安堵して、その日一日を妻とともに過ごした。

乱れた髪を結ってやり、衣服を整えて朝食をとった後、いつものように読み書きを見てやった。
たどたどしい筆跡で書かれた文字を嬉しそうに見せるロクサーレをやはり愛おしいと思う。
新しい言葉を覚えるのに飽きると、いち早く覚えた私たちふたりの名を書いては
「エリックさまと、これはわたくし」とどこか誇らしげに私を見上げる。

召使いが運んできた水ギセルを吸っている横で、籐のテーブルに肘をついて、
hとxをつい間違えてしまうのだと哀しそうな瞳をしてみせるロクサーレは
どれほど愛らしかったことだろう。
このままロクサーレが夕べのことを思い出さずにいてくれたら、と
どれほど願ったであろうか。

しかし、恐れた瞬間は何の前触れもなく訪れた。
地平に陽が沈み、夜の帳が広いペルシアの大地に降りてきた頃、
いつものように妻を閨に誘った。
寝床に横たわり、おずおずと天蓋に入ってきたロクサーレの手をとって抱き寄せる。
はにかんだ様子で小さく肩をすくめ、微笑を形作った唇を見て、
朝の交わりで一度も妻の肌に口づけることのできなかったことを思い出した私は、
一瞬、躊躇いはしたがいつもの目隠しを取り出してロクサーレに着けさせようとした。
が、その途端、目隠しを手で払いのけ、ロクサーレが叫んだのだ。
「ああっ、いやあっ―――! 助けて、助けて!」

バルコニーに向かって走り出したロクサーレの腕を掴む。
恐怖に怯えた瞳が振り返る。
顫える唇が‘化け物’と叫ぶ。
細い腰を抱え上げた瞬間、ロクサーレは恐怖のあまりに意識を失ってしまった。
445熱砂の果てX:2:2007/02/06(火) 23:17:39 ID:18rdVaXp
やはり思い出してしまった―――。
寝床に横たわる妻の身体を眺めながら、私は頭を抱えた。
今日一日のあまりに楽しい思い出が、すぐにも手を下すのを躊躇わせていた。
ふたりの名を書いては嬉しそうに私を見ていた妻、さもいじらしい様子で
シャーベットを口に運んでいた妻、何度も私の名を呼びながら昇りつめていった妻―――。
どうしていまさらこの妻を手にかけることができようか。

私は仮面の下で涙を流しながら己の暗い運命を呪った。
私が愛したものはなにもかも、指の間を砂がこぼれ落ちるように失われていってしまう。
母も、尊敬した師も、その娘も、そして、このロクサーレも―――。

こんなことならロクサーレを我がものにするのではなかった。
こんな悲しみをもう二度と味わいたくないと思えばこそ、私は己ひとりで生きていく運命と
思い定め、ひとを遠ざけて生きてきたのに。
何の関わりも持たない人間からだとて呪詛の言葉を聞けば身を切られるような
屈辱と悲しみを感じるのに、少しでも思いをかけた者から同じ言葉を聞かせられれば
その悲しみはどれほど強く胸に迫るだろう。
先刻、ロクサーレの口から迸るように出た‘化け物’という言葉が
まだ耳の奥でじりじりと焼け付くような痛みを発している。
しかし、それでも私はそのロクサーレを手にかける気にはなれなかった。

目を覚ましたロクサーレが今朝のように、また今夜のことを、
今夜のことだけでなく夕べのことをも忘れていてくれたらよいのに―――。

ふと、そう思ってから、もう一度朝まで待ってみようかと思いつく。
手を下すのはいつでもできる。
それこそ、瞬時に息の根を止めることもできる。
ロクサーレがそれと気づかぬうちに、彼女を死に追いやることはいつでもできるのだ。
446熱砂の果てX:3:2007/02/06(火) 23:19:40 ID:18rdVaXp
昨日と同様、バルコニーの籐椅子にかけてロクサーレが起き出してくるのを待つ。
ふらふらとおぼつかない足取りで現れたロクサーレは、予想通り、
夕べのことを何も覚えていなかった。

ぼんやりとした様子で私の横に立ち、縋るように私を見るロクサーレの瞳は
どこか常人のようでなく、しかし、その涙を湛えたような潤んだ瞳は
いつものあどけないロクサーレのようでもあり、
私はどう彼女に声を掛けたものか、しばし迷った。

「起きたのか?」
「はい、エリックさま」
「………掛けなさい」
「はい、エリックさま」

バルコニーに朝食を運ばせ、食後にコーヒーを飲んでいると向こうから
ナーディルがやってくるのが見えた。
ロクサーレを奥へやり、ナーディルと向かい合う。
私たちふたりの様子について、既にナーディルは知っているのだということは
わかっていた。
この宮廷内で部屋を与えられている以上、私たちふたりの動静が逐一シャーに
報告されていることは自明の理で、今ごろあの冷酷な男がほくそ笑んでいるかと思うと
腹わたが煮えくりかえるような心地がした。あの男は、当初の目論見がはずれ、
私たちがそれなりに幸せに暮らしていることに臍を噛むような思いでいたのだろうから。
が、今の私にはシャーも宦官たちの悪意に満ちた噂話もどうでもいいことだった。

「で、どうするつもりなんだ?」とナーディルが問う。
カップの底に残ったコーヒーのかすを眺める。
ナーディルにも誰にも話したくはなかったが、この男とて手ぶらで帰ることは
できないのだからと思い、仕方なしに、今までと何も変わることなく
暮らすつもりだと答えた。
447熱砂の果てX:4:2007/02/06(火) 23:20:37 ID:18rdVaXp
「今までと変わりなくだって?」
素っ頓狂な声をあげてナーディルが私の顔を――正確には私の仮面を――見つめる。
「何もそんな大声をあげなくたっていいよ、警察長官。今だって見ただろう? 
あれは別におかしくなっちゃいない」
「しかし、夕べ、君たちは………」
「夕べは夕べ、今朝は今朝だ」
「いや、しかし………」
「これ以上、君とこのことで話し合うつもりはない。私は忙しいんだ、帰ってくれ」
そう言いざま立ち上がり、ナーディルをバルコニーに残したまま奥へと足を踏み入れた。


ロクサーレの傍にいた召使いが席をはずし、同時にロクサーレが不安そうに近づいてくる。
私にそっと身を寄せ、小さく吐息をついた。
「何でもないよ、ロクサーレ、案ずるな」
「………はい、エリックさま」
髪を撫でてやったが、まだどことなく不安そうにしている。
警察長官に連れられてやってきたロクサーレは、彼の姿を見て、
また連れ戻されると思っているようだった。
「おまえは私の妻にとシャーから頂いたのだ。どこへもやりはしない」
「はい、エリックさま」
「おいで、今度作る新しい宮殿の模型を見せてやろう」
「はい、エリックさま」

妻の手を引き、壁際の机に誘う。
ロクサーレは新しい宮殿にさしたる興味もないようで、
私は己ひとりの声が虚しく部屋に響くのを聞いているしかなかった。
448熱砂の果てX:5:2007/02/06(火) 23:22:51 ID:18rdVaXp
時間が経つのが早い。
夜になり、さて、私はどうしたものかと思案にくれた。
昨夜のことから類推するに、ロクサーレにとって恐怖の記憶を呼び覚ます契機と
なるのはあの目隠し………、か、あるいは視力を奪われること、のどちらかだ。
いずれにせよ、私は妻の肌膚に口づけることはできないわけで、
無論、これまでの独り寝の孤独を思えばそんなことは何でもなかったが、
それでもどこか寂しいような物足りないような心地がした。

………否、口づけができるできないを云々している場合ではない。
彼女の記憶を呼び覚ます契機は本当に目隠し、あるいは視力を奪われること
だけなのだろうか?
他に、何らかの契機によって私の仮面の下を思い出したりはしないだろうか?
仮に思い出したとして、今度こそ、朝になってもその記憶は残り、
私の姿を見た途端に逃げ出すのではなかろうか?
一体、どうしたら私はロクサーレと今まで通りの生活を続けていくことができるだろう?

湯浴みを終え、隣の部屋で召使いに支度を調えてもらっているロクサーレを待つ時間が
これほどに恐ろしいものだとは―――。
今日一日、どこかぼんやりとしたままだったロクサーレは、それでも夕方になると、
水ギセルを吸う私の横で曖昧な微笑を浮かべたまま侍り、時折そのあどけない瞳で
私を見ては嬉しそうに微笑んでいた。
だから、目隠しさえしなければ、きっと今夜はいつもの夜と同じように
過ごせるはずだ―――。
そう己に言い聞かせるようにして、私はひとり先に閨に入り、
妻がその優しい身体を褥に滑り込ませてくるのを待っていた。
449熱砂の果てX:6:2007/02/06(火) 23:24:23 ID:18rdVaXp
「エリックさま………」
ロクサーレのか細い声がして、見上げると彼女が天蓋をくぐるところだった。
手を伸ばす。
私の手に導かれながらロクサーレが褥に入ってきた。
細い身体を抱きしめる。
乳香の甘酸っぱい香りがふわりと漂い、胸が締めつけられるような慕わしさを感じる。

「ロクサーレ」
「はい、エリックさま………」
相変わらず、どこか虚ろな瞳をしてロクサーレが私を見る。
その子どものような瞳を見た途端、急に愛おしさがこみ上げ、
たまらずいっそう強く抱きしめた。
「エリックさま………?」
艶やかな黒髪を撫で、細腰を抱く。
ああ、もしかしたら夕べのうちにこの手にかけたかも知れないこの妻の
身体の何と愛おしいことか―――。
仮面の下で思わず目を瞑る。
ああ、神よ、どうかロクサーレがおとといの夜のことを思い出しませんように。
どうか永遠にロクサーレを与えてくださいますように。
どうかもう二度と孤独を味わわずにいさせてください―――。

その夜、私はいつものようにロクサーレの身体を求めることはせず、
彼女が寝入るまでずっと髪を撫でてやっていた。
ロクサーレは私の腕の中で安心したようにあっという間に寝息を立て始め、
彼女が深く寝入ったことを確かめてから、私は仮面を外して妻の唇に
そっと己のそれを重ねた。
ロクサーレの唇は、花のようにやわらかく、天上の音楽のように優しかった。
450名無しさん@ピンキー:2007/02/06(火) 23:26:09 ID:18rdVaXp
今回はここまでです。
読んで下さった方、ありがとうございました。

念のため注。
hとxは、ペルシア語のアルファベットでは点がつくか、つかないかの違い。
451名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 00:18:21 ID:sgXSD26q
GJGJGJ!!
天使さま、ありがとう!
綺麗で切ない…。そして何よりストーリーの動きにドキドキします。
心拍数あがったまま続きを待ってます!
452名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 23:43:09 ID:A0RgQjrZ
おおぉ、ロクサーレタンの続きが!
髪を撫でてやるエリック、切ない。
安心して寝ちゃうロクサーレタンも
健気で可愛いので、幸せになって欲しいなぁ。
453名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 07:37:55 ID:abYuuZ8+
続きが気になる!
女奴隷タン、ほんっとに可愛い。
エリックもこれからどう行動するんだろ?
続きを楽しみに待ってます!
454名無しさん@ピンキー:2007/02/08(木) 23:30:05 ID:xaOp/FQS
エロなしでも心理描写に引き込まれるよ天使様GJ。
それにしてもロクサーレタソ都合よく忘れるなww切ないのにちょっと笑ってしまった
幸せになってほしいなあこの二人
455名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 00:41:30 ID:lPHv4Ieu
映画版、ラストの地下で。
暗いし、ハッピーエンドにはなりません。

ファントム×クリス
ラウルもちょっと出てくる。
2回続きますが、今回はエロ入らなかった
すいませんorz
4561/4:2007/02/12(月) 00:42:03 ID:lPHv4Ieu
「私は…あなたとここで暮らします」
選択を迫る男に、少女は俯いた。
「だから、ラウルは、助けて…」
「いけない!駄目だ、クリスティーヌ!」
叫ぶ恋人の声を振り切るように、クリスティーヌは頭を振る。
「もう決めました。私は、あなたのものに、なります」
ファントムは唇を歪めるような笑みを浮かべた。
「では誓いの口付けを」
「…」
無言で閉じた瞳の端から涙が零れ落ちる。
「止めろ…クリスティーヌ、止せ…!」
ファントムは乱暴にクリスティーヌの顎を掴むと、その顔を叫ぶラウルのほうへ向けた。
「証人は子爵殿だ、私の花嫁よ」
「クリスティーヌ!」
悲痛な叫びに、大丈夫というように強張った笑みを浮かべてみせる。
その顔をしばらく眺め、ファントムは噛み付くようにクリスティーヌの唇を奪った。

蛇のような舌が柔らかな唇を抉じ開ける。
「…!」
びくりと震えた腰を抱き寄せ、見せ付けるように男は少女の舌を絡め取る。
くちゅりと舌に合わせて水音が上がるたび、細い眉は寄せられ
身体の脇で握られた拳に力が篭る。
やがて顔を離し、ファントムはクリスティーヌの唇をべろりと舌でなぞった。
「悪魔め…化け物!!」
がしゃがしゃと格子を揺らす男を一瞥し、クリスティーヌを抱き上げる。
「では行こうか、クリスティーヌ。我らの寝室へ」
「クリスティーヌ!クリスティーヌ!!」
血を吐くような残響を背に、ファントムはかつての音楽の王国へと歩んでいった。
4572/4:2007/02/12(月) 00:42:37 ID:lPHv4Ieu
カーテンを跳ね上げ寝室に歩み入る。
クリスティーヌを投げるようにベッドに横たえ、ファントムは縄を手に取った。
細い両手首を重ね縄で縛ると、頭上でベッドに結びつける。
「そんなことを、なさらなくても…私は…」
「逃げないと?」
手を止めてぎらつく瞳でクリスティーヌの顔を覗き込む。
「あなたの花嫁になると誓いました、だから」
「お前は一度私を裏切った。裏切りあの男に私の秘密をしゃべり
…私から守ってくれと懇願していた」
「それは…!」
大きな手がぐいと顎を押さえる。
「闇から守り、光の下へ連れて行ってくれと」
ファントムはクリスティーヌの顔の上で手の中に持っていた小瓶を傾けた。
瓶の縁を越えて、どろりとした粘性のある液体が流れ出す。
ぽたぽたと唇に、口腔にたらされた液体を、クリスティーヌは反射的に飲み込んでしまった。
薬草のような匂いとともに強い熱が喉を灼く。
激しい咳き込みが収まってから、ファントムはクリスティーヌの口に猿轡をかけた。
「うぅ…」
「闇が怖いか?だが、お前は一度は闇に惹かれた」
恐れと驚き、悲しみと絶望とがない交ぜになった瞳を見つめ、
青ざめた頬を両手で包み込む。
「お前の中にある暗い部分は、闇を欲しているのだ。それを、教えてやる」
手は首筋から胸元、両脇を腰まで滑ってゆく。
細い身体に震えが走るのを掌で感じ、ファントムは屈めていた身を起こした。
「さて我が花嫁よ、少々お待ち頂けるかな?…あの男を始末せねばならん」
「うぅうッ!」
クリスティーヌの身体が大きく跳ねる。
「ああ、心配は要らない、地上に送ってゆくだけだ。約束は、守る」
嘲るようにそう言った瞳にふと影がよぎる。
「…この期に及んでまだあの男を案じるのか」
「…ん、ん…」
ファントムは瞳を閉じ、頭を振った。
「まあいい、すぐにそんな心配をする段ではなくなる」
「う、んん!」
問いかけるような呻きに背を向け、ファントムは呟いた。
「では待っていておくれ。なに、退屈な時間にはならんさ」
4583/4:2007/02/12(月) 00:43:10 ID:lPHv4Ieu
程なくしてクリスティーヌは、自分の心臓がやけに激しく打っていることに気付いた。
頬が火照ったように熱を持っている。いや、頬だけではない。
全身が…体の奥がじりじりと焙られるように、熱い。
息苦しさから大きく息を吸おうとしたが、轡に阻まれてままならない。
何とか起き上がろうと、背を撓める。
「…っ!」
とたんに肌に走った感覚に、クリスティーヌは思わず息を呑んだ。
身を捩った拍子にドレスの布地が肌を撫でる。
それだけなのにぞわぞわと、細波のような刺激が肌の上を駆け上がる。
それは、皮膚の表面を擽りながら、身体の内部の熱を揺さぶってゆく。
下腹の奥がずうんと疼く。
膝が、がくがくと震えている。
たまらず腰を捻ると、かさりと動いたスカートが腿をなで上げる。
「う…く」
両足が、背がびくびくと強張る。
鼓動が全身を震わせる。
胸の蕾が布に擦れ、痛いほどに立ち上がっているのが分かる。
内側からの激しい波に揺さぶられるが、縄に縛められた身体は
その熱を散らすことを許さない。
「うぅん!う…!」
衣服と肌が擦れる微かな刺激。
そんなものでも無性に欲しく、クリスティーヌは狂ったように身体をよじった。

「さて、ムッシュウ」
「クリスティーヌをどうした!」
格子の下に戻ったファントムは、ラウルの問いかけを無視し、唇を歪める。
「小賢しい"作戦"など立てるべきではなかったな」
「何?!」
「クリスティーヌを舞台に立たせたりしなければ…少なくともあれはまだお前の腕の中に居ただろうに」
4594/4:2007/02/12(月) 00:43:43 ID:lPHv4Ieu
「くそ!離せ!縄を解け!」
格子を揺らし、暴れる様を嘲るように眺める。
「…無様のなものだ、シャニュイ子爵」
「く…!」
「墓場で殺しておけばよかったのだ。なのになぜ殺さなかった?
……お前は恐れたのだ…人を殺すことを」
「黙れ!魔物め!」
「そうだろう。オペラ座の踊り子風情に自らの手を汚す必要など無い。
愛しい娘より、ご立派なご自身の方が大事だな?子爵殿」
「違う…違う!違う!」
必死に首を振る耳元に、脳を焼く毒のような言葉を流し込む。
「捕らえられると思ったのだろう?墓場での一件で御せる相手だと判断したのだろう?
だからこそ"作戦"を立てた…愚かな"作戦"を。だが残念だったな、
化け物を仕留めることも出来ず、オペラ座は炎に包まれ…」
戦慄く唇が色を失ってゆく。男は囁くように優しく語りかけた。
「…挙句に無様に囚われて、この化け物の慈悲を請うことしか出来ない」
ぐいと崩れた顔を端正な顔に近づける。
「お前の命と引き換えに純潔を化け物に捧げ、嬲られ、貪られ、
クリスティーヌは一生をこの陽の射さぬ牢獄に囚われたまま終える…貴様の所為でだ」
「僕、の…」
若者の瞳から、砂が零れるように光が抜けてゆく。
「そうだ、何もかも貴様の所為だ」
「あ、ぁ…クリスティーヌ…」
ラウルの身体が崩れ落ちる。すっかりと光を失った瞳を覗き込みファントムは小さく笑った。
腹に拳を入れ意識を失わせる。
ファントムは縄を外してラウルを担ぎ上げた。

(つづく)
460名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 11:26:30 ID:WtuDuVT7
ここ、過疎っててもたまに爆弾が落ちてくるな。
つ、続き早く〜!!!
GJGJGJGJ!
461名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 14:19:59 ID:FIoxAVk1
いやあそんなに過疎ってないよ、寂しいこと言わないで
自分も続き気になる!
クリスも大丈夫かなあ・・・久し振りにすごく狂気じみたファントムを読んだよ
462名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 15:02:08 ID:xty6KMPi
GJ!
続き楽しみに待ってます!
463名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 18:52:40 ID:v1ywmG+j
すごいよ!! この緊張感といい、後半への期待といい。
464名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 21:25:05 ID:ytljUeTC
過疎だなんてw 投下頻度もいいし各SSのレベルも極上じゃあございませんかw
GJGJ11!!!
他スレでもご活躍の方かな 続きお利口に待ってます!
465名無しさん@ピンキー:2007/02/12(月) 22:16:09 ID:L+5PmNn3
GJ!
自分も続きが激しく気になるw

しかし本当に、これだけレベルの高いSSと天使様方が集まってかつ長く続くって凄いことだよね
466名無しさん@ピンキー:2007/02/14(水) 10:24:41 ID:GdpErPIq
うひょー!クリスもラウルもどうなっちゃうんだろ?
ファントムもどうするつもりなんだろ?
期待!期待!
あ、でも、ちゃんとよい子で待ってマス。
天使さま、GJです!
467名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 22:41:50 ID:6YHwi0g1
やはり過疎ってる……
468名無しさん@ピンキー:2007/02/18(日) 23:50:39 ID:tRbKg4zQ
君は本当の過疎をご存じない
469名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 00:20:04 ID:FwNcBgS2
一昨年の夏に比べたら…。
470名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 23:43:04 ID:UGzZ+MeN
………にしても過疎ってる。
471名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 20:23:19 ID:q3wXitd/
じゃあ点呼してみるか。
472名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 23:11:29 ID:80DgDwTJ
(・∀・)ノ<1
473名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 23:16:56 ID:aCFnINOl
|−`)ノ 2
474名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 00:31:00 ID:SboAyLxD
ノシ<3
普段はROMってるが、どの作品も楽しく読ませていただいております。
天使様方にはいつも大感謝の嵐です。
475名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 00:48:33 ID:JJYQ2Y0D
    ∩4
(*´д`)彡
476名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 01:02:06 ID:mXEPaSNF
5を頂く!
477名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 02:13:20 ID:IOL+TOd2
6。
マイナーカップリング推奨派。
478名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 02:16:11 ID:KX01Vn+m
7!
ROM専ですが、過疎っているときはサイトの天使様が頼り
479名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 12:39:59 ID:k0OFzWkl
8('-'*)ノァィ
480名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 12:41:37 ID:k0OFzWkl
('-'*)スイマテン サゲマツ
481名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 14:08:16 ID:eb11EB5S
9.オリキャラものより正統派カップルが好み。
組み合わせとは別なんだけど。
482名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 17:26:02 ID:1bvDYO9e
10.
ROM専です。
天使様方、いつも御馳走になるばかりで
申し訳ありません。
483名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 20:24:55 ID:9QtDHk+1
11は私のものだ!
484名無しさん@ピンキー:2007/02/22(木) 21:44:04 ID:kHrobx/Z
12!
485名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 02:32:59 ID:H3vNPmr1
(´;ω;`)誰か続けてよぉ
486名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 02:43:07 ID:q0JPVQx5
じゃ、じゃあ遅ればせながら13
487名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 10:56:11 ID:YFD66jVp
前に点呼したときの半数以下だな。
本スレも伸びが悪くなったし…。
488名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 16:55:11 ID:3jAdXiak
あ、点呼してたのか。
14!
489名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 19:11:43 ID:TkXTlBrG
15!
490名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 19:13:50 ID:nJt+mCcr
16
ファンサイトのヲチスレってあるの?
491名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 19:42:46 ID:1n6aS69t
17
いや知らない
492名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 21:02:04 ID:R6/ZGmYr
じゃ、18ってことで。
493名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 23:10:43 ID:MEu3IyMC
んじゃ、19どすえ。
494名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 01:57:07 ID:kxxfDxnn
20

495名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 10:53:46 ID:1EwWrsf3
21。
496sage:2007/02/25(日) 11:19:39 ID:gn5QQHkO
・・・22!
497名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 11:55:22 ID:UuFKqwcT
23人のファントムオブオペラ
498名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 14:12:56 ID:CiRq1Xsy
24 クリスティーヌよ、お前が湖に落としたのは
この23人のファントムオブオペラかね?
それともラウルひとりかね?
499名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 14:53:24 ID:aLx0ilES
25
いいえ、どちらでもありません
私が落としたのは、ガーターストッキングを握りしめた仮面の男です
500名無しさん@ピンキー:2007/02/25(日) 21:34:15 ID:7V165cHU
正直に言ったごほうびに
この23人のファントムオブオペラとラウルひとり、
ガーターストッキングを握りしめた仮面の男
それに
何故か物凄く怒っているマダム・ジリーも一緒にさしあげましょう。
501名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 02:44:52 ID:iT1JAb5v
点呼中に失礼いたします。
前スレ745の続編、投下します。
ファントム×メグ、またまたファントム鬼畜気味です。
5021/9:2007/02/26(月) 02:46:07 ID:iT1JAb5v

ジョゼフ・ブケーが殺されてから数日が経とうとしていた。
支配人たちの必死の計らいによって、大道具係の不幸な死は「事故」として片付けられ、
オペラ座には、普段と変わらない静寂と喧騒が戻っていた。

「絶対に『怪人』の仕業だわ、ねぇ、メグだってそう思うでしょう? ……メグ?」

噂好きの踊り子が、開演前の舞台袖で青白い顔をしているメグに話しかけた。
カルロッタの降板による配役の変更で、メグはかつてクリスティーヌが纏っていた小姓の
衣装を身に着けている。
いつもはきりりとした表情で出番を待つメグだが、今日は様子が違っていた。
頼りなげに視線を彷徨わせ、しきりに「何か」を気にしている。
まるでこの舞台に住み着いた不吉な亡霊に怯える子供のようだ。

「メグ?」
踊り子が彼女の肩を叩くと、メグはびくっと身体を奮わせた。
「どうしたの? 今日はなんだか……」
「何でもないわ」
メグは踊り子の言葉を遮るように言って、また舞台の方へ視線を向けた。

今夜のメグを支配していたのは、慣れない役を演じることになった不安でも、突然主役に
抜擢されたクリスティーヌへの気遣いでもなく……今朝、あの引き出しから消えていた枯れた
バラのこと、そして、その代わりに置かれていた瑞々しい一輪のバラのことだった。

夢か現か分からない、危険な、けれど凄まじく官能的なあの夜に得た、一輪のバラの花。
彼女はそれを引き出しの奥へと仕舞い込んで、誰の目にも触れない深夜、濃艶なその香りを
ひっそりと吸っていたのだった。

今朝、前の晩にきっちりと閉めたはずの引き出しが、ほんの僅かに開いていた。
その違和感は、メグをたまらなく不安にさせた――けれど、彼女は、それと同時に身体の
芯から淫らな期待が湧き上がるのを、自覚せずにはいられなかった。
指先にまで鼓動を感じながら引き出しを開けると、そこには――黒いリボンをきつく巻かれた
一輪のバラと、「シャンデリアの滑車」とだけ書かれた小さなメモがあった。
5032/9:2007/02/26(月) 02:47:14 ID:iT1JAb5v
大したミスも事故もなく、二度目の「イル・ムート」の上演が終わった。
メグは小姓の衣装のまま、そっと舞台裏の細い回廊へ足を踏み入れた。

「シャンデリアの滑車」。
小さな紙切れにしたためられた文字は、今日のメグの瞼に焼き付いたまま離れなかった。
一輪のバラと共に残された乱暴なメッセージは、それだけで彼女の奥底に渦巻く欲情を煽るのに
充分だった。

シャンデリアを吊っている滑車のある場所は知っている。
普段は大道具係ですらめったに足を踏み入れることのない、回廊の狭間に隠された薄暗い
小部屋のような所だ。
そこへ行くことはとても危険なのだと分かっているはずなのに、また無事に帰って来られる保障
などないのに……足は吸い寄せられるように回廊を抜け、軋む階段を上っている。
階段を一段上る度に、不安が期待に変わり、怯えが麻痺してゆく。

足音を忍ばせて、メグの身体ほどもある大きな滑車がいくつも居座っている部屋に入ると、彼女の
緊張は最高潮に達した。息は弾み、喉はからからに渇いている。

誰かが消し忘れたのか、小さな蝋燭が1本だけぼんやりとした光を投げており、その灯が激しい
鼓動に合わせたように、ゆらゆらと揺れる。
もう舞台裏には誰も残っていない。人目から完全に隔離されたこの部屋は、不気味なほど静まり
かえり、自分が唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえる。

ふと、古びた木の床が軋む気配がした。
メグが振り向くのを制するように、背中に大きな人影が寄り添う。
メグは身体を強張らせた。背後から無言の圧力が掛かっている。動けない――。

「必ず来るだろうと思っていたよ、メグ」
低い声で囁きながら、背後の影はゆっくりとその手をメグの首に掛けた。
ひやりとした感触は、彼が革の手袋を嵌めていることをメグの首筋に伝える。
5043/9:2007/02/26(月) 02:48:16 ID:iT1JAb5v

その手はメグの細い首を締めるような仕草をしてから、彼女の肩へと移動した。
細い肩に、じわり、じわり、と太い指が食い込む。
「い……痛い……っ」
メグがたまらず身を捩ろうとすると、男は脅すような口調で言った。
「自ら進んでここまで来たのだ――私の言うことには素直に従うな?」

メグに否定することなど、できるはずもなかった。

男の両手はメグの腕を滑り降り、手首まで来ると、少し止まった。
そしてゆっくりと両方の手首を掴み、腕を広げるようにさせながら持ち上げ、ついには
彼女の頭よりも高い位置で括ってしまった。

「あ……ぁ」
メグは顔を引きつらせながら切なく声を発した。
男はそんな小さな悲鳴など聞こえないように、持っていた荒い縄で彼女の手首を縛ってゆく。
ちくちくとした感触が手首に食い込んでくる。……痛い。

そのまま彼の手によってメグの細い手首はきつく拘束され、1本の縄で吊られてしまった。
両脚は床にぴったりと付いてはいるものの、とても楽な姿勢とはいえない。
このままどれくらいの時間を過ごさなければならないのだろう?
背中越しに粘った視線を受けながら、メグは再び恐怖と不安に苛まれていた。

「その衣装は、お前のものではないだろう? 線が整ってない、醜いな」
少し離れたところから、男が冷たく言った。
「だって……代役だもの……急に」
そこまで言って、メグは口をつぐんだ。

あんな「事故」を起こして、配役をめちゃくちゃにしたのはきっとこの男なのに、何を言って
いるんだろう。何をするつもりなのだろう。
彼がクリスティーヌに執着しているのは知っている。私がこの衣装を着ているのが気に食わない
のだろうか?

床が軋んだ。
5054/9:2007/02/26(月) 02:49:02 ID:iT1JAb5v

「や、いやっ!!」
男が寄り添う気配を感じたその瞬間、胸元を強く引っ張られた。
布地が引き裂ける音が響き、冷たい空気が肌を刺す。
メグが纏っていた小姓の衣装は、真二つに裂かれ、あっという間に上身頃を左右に分断されてしまった。
破けたフリルの間から、メグのたわわな乳房が零れる。

「ああ……」
無残な自分の胸元に目を落とし、メグは震える息を吐いた。

男はゆっくりとメグの前に回り込んだ。
腰高にサッシュを締めた黒いズボン、襞の寄った白いシャツ、その隙間から覗く肌……メグが
顔を上げてゆくと、男は彼女の顎をぐい、と掴み、自分の鼻先に近づけた。

メグの目の前に、白い仮面と、冷たく光る灰緑色の瞳が現れた。
男は真っ直ぐにメグを見て、意地悪く目を細めると、言った。
「さぁ……変装を解くのだ、好色なセラフィーモ」

皮手袋を嵌めたままの男の手が、メグの胸元に滑り込んだ。
ひやり、とした感触に、つい肌が反応する。
男はメグの乳房を覆うように掴み、そのまま両手でねっとりと揉みしだき始めた。
「んんっ」
メグは顔を背け、じわじわと伝わってくる甘い刺激を切なく受け止める。

その大きな手が蠢く度に、メグの身体は痺れ、疼き、頭はぼうっとして、何も考えられなく
なってしまう。
蝋燭のおぼろげな灯と、小さな覗き窓から漏れる光が霞んで見える。

不意にちりちりとした刺激がメグを突いた。
「ふうぅんっっ!!」
男の指が、強く乳首を摘んだのだ。
メグは下唇を噛み締めて、淫靡なその痛みをやり過ごそうとした。
が、彼の指は、メグの身体が緩むのを許さない。
さらに激しく両胸を揉み、硬くなった尖端をねちねちと虐める。
「いやぁ……ああぁ」
手首を釣られたメグには、眉を寄せて喘ぎ声を紡ぐ以外に、成す術がなかった。
5065/9:2007/02/26(月) 02:49:57 ID:iT1JAb5v

痺れるような官能に全身を支配され、メグが目を閉じて天井を仰いだ瞬間、危うく揺れていた
蝋燭の灯が消えた。
自然に消えてしまったのか、男が消したのかは分からないが、それを合図にしたように、
メグを翻弄していた手が止まった。

微かな明かりを失い、部屋は暗さを増した。
男が纏っている仮面とシャツの白さだけが厭に目に付く。
手を離した男は、唇を薄く開けて激しい息を漏らすメグを満足そうに眺めた。

「お前はこの時を待っていたんだろう? 続きが欲しくて堪らないといった眼をしている」
男は可笑しそうに言って、再び身体を寄せると、水色のキュロットに手をかけた。

酷く屈辱的な言葉――けれどメグは逆らうことができない。
この「怪人」によって壮絶な愛欲を注ぎ込まれた身体は、確かに求めていた。再び彼の手が
この肌を弄るのを。閉じた肉の蕾を割って、快楽の坩堝を犯し尽くすのを――。
それは彼が公然と固執する相手であり、自分の親友でもあるクリスティーヌの知らないところで
行われるのだ。彼と、自分と、あるのかないのか分からない時間だけが知る秘密――。

ついこの間までクリスティーヌのものであった衣装を身に纏って、この、狂人とも化物とも
噂される男に陵辱される興奮は、メグの身体をぎりぎりと縛り付けて離さない。
刺すように危険な、けれどどこかに憂いを秘めたような彼の瞳は、媚薬のようにメグの中枢を
蕩けさせ、底のない沼に引きずり込むのだ――。

男は器用にキュロットを解き、白いタイツを引き下ろした。
下着に包まれたメグの下半身があらわになる。
無残に破けた衣装を肩から垂らし、下着だけになった下半身を男の目に曝しながら、両手首を
拘束され、吊られている……メグの身体は心許なさと屈辱に震えた。
5076/9:2007/02/26(月) 02:50:38 ID:iT1JAb5v

男は、メグの背後から彼女を抱くように腕を回すと、欲情に膨らんだ乳房の間から臍のあたり
まで指をすべらせ、下着の隙間に差し入れた。
シャツ越しの体温と逞しい体躯が、メグの背中に寄り添う。
メグの胸を高鳴らせたのは、もう恐怖ではなかった。

薄い下着の縁を片手で弄りながら、男はもう片方の手をメグの口元に当てた。
革の匂いが鼻をつく。
男は黒革に包まれた人差し指をメグの唇の上で弾ませながら、耳元で囁いた。
「“これ”を外さなくては……?」

太い指先が唇の間に割り込んだ。
メグの火照った身体と頭は、もう意思を持っていない。温い香油のように耳に流れ込んでくる
男の声に促されるまま、ぴったりと吸い付いている革に前歯を当て、きり、と噛んだ。
男が手を引くと、革手袋は男の肌から剥がれ、メグの口元に垂れ下がった。
そうやってもう片方の手袋も外し、メグが唇を緩めてそれを床に落とすと、彼は熱い手のひらを
下着の下へ潜り込ませた。

片手でメグの尻を押さえ、違う方の手でメグの潤んだ隙間を探る。
男の指が滑る感触で、メグはもう自分自身がとろとろに熔け、大量の蜜を垂れ流していることを
知った。
彼の指先がメグの秘裂を擦り上げる。快感が背筋を貫き、下半身が震える。
「は……はぁぁ……」
悲しくなるほど甘い喘ぎ声が、口から零れ出てしまう。

背中に寄り添う男が、ゆるりとした熱い息を吐き、耳朶を噛んだ。
「もうこんなに涎を垂らして、なんと淫らな小姓なのだ……えぇ?」

そう言いながら、男は脹れた亀裂を指で割り、敏感になった芽を強く擦った。
ぬるぬると愛蜜を纏った指は容易にそこを往復し、メグの官能を押し上げる。
「いっ……ひいぃっ」
下半身が痺れ、他の感覚がどんどん麻痺してゆく。
男の指によって花芽は膨張し、過敏になり、官能の頂点までぐいぐいと牽曳される。

限界はすぐにやってきた。
メグは腰をびくびくと痙攣させて、絶頂の波に芯から呑み込まれてしまった。
5087/9:2007/02/26(月) 02:51:30 ID:iT1JAb5v

脚の力が抜ける。
「あ、あ、あぁぁ……」
声にならない声と荒い息が、メグの唇から吐き出される。

男は彼女の身体を支えようとはせず、縛られた手首には身体の重みがそのまま食い込んできた。
けれど絶頂に達したばかりの彼女の身体は、その痛みに耐えられる意思を持っていない。

「うぅ……痛い……」
メグは子どものように顔を歪めた。

「お願い、痛いの……解いて、お願い……」
嗄れた声で彼女は訴えた。
彼にこんな懇願が通じるのか分からないが、他の言葉は出てこない。

しかし、彼はすぐに縄に手をかけ、それを解く仕草を見せた。
「いいだろう」

メグは意外さにはっとしたが、次に彼が発した言葉で、再び混沌に引き戻されてしまった。
「代わりに、お前の手に相応しい物をやろう」

男は手首を縛っていた縄を外し、だらりと力を抜いたメグの身体を後ろから抱きかかえた。
そのまま、幾重にも縄が巻かれている巨大な滑車の縁へ彼女の腰を凭せ掛け、肩を押さえる
仕草で、彼女にその姿勢を強いた。
メグは不安な心中と麻痺した身体で、それに従った。

男がメグの目の前に回り、淫らな彼女の姿を舐めるような視線で辿った。
そして蔑むような口調で「その醜い扮装を解け」と命じた。

男はこんなになってしまった衣装と、たった一枚の下着を脱ぐように言っているのだ。――自分の
目の前で。
覗き窓の隙間からひやりとした風が舞い込み、メグの羞恥を再起させる。
メグがその表情で抗っても、男の手で愛欲に溺れさせられ、容易く達してしまった事実がどうやっても
彼を優位にする。彼はメグが恥らったり、逆らったりすることを許さない。
男の灰緑の瞳に射られながら、メグはそろそろと破れた衣装に手を掛けた。

男は表情を変えずに、その様をじっと眺めている。
絡み合う視線が、メグから流れ出した欲情に再び灯を燈す。
指が震える。息が熱く、速くなる。
5098/9:2007/02/26(月) 02:52:19 ID:iT1JAb5v

メグが衣装を肩から抜いて床に落とした時、男の濃い墨色の睫毛が動いた。
彼の手で破かれてしまった衣装――クリスティーヌのために縫製されたもの――メグには
いまひとつしっくりと来なかった。
それまで冷酷な色でメグを見ていた男の瞳が、少しの間、衣装の上で止まっていた。
メグの心臓が、突然熱した油を注したように熱くなり、彼女の手を推し進めた。
彼女自身も自覚できない、理不尽な嫉妬の炎――今夜、メグをここに来させたのも、その
捩れた熱量だったのかもしれない。

メグは男が睫毛を上げた瞬間に、湿った下着を脱ぎ捨てた。

メグが一糸纏わぬ姿で男と眼を合わせ、ごく、と喉を鳴らすと、男は口づけしそうなほどに
顔を近づけて、彼女の背後から「何か」を手に取った。
ことり、という硬い音がメグの耳に響く。

「お前は“これ”で」
男が低い声で囁く。
「自分を導くのだ」

メグが男の手元を見ようとした瞬間、男は彼女の両脚をぐい、と広げ、濡れそぼった秘口に
持っていた物をあてがった。
「いやっ、やあああ!」
それはメグの蜜に促されて彼女の膣内に侵入し、男の手が往復するのと同時に、彼女に新しい
快感を吹き込んだ。

「ああっ! やめてぇぇ……いやあぁ……」
メグは苦しい息を吐きながら、霞んだ目で自分に挿入された物を見た。
男が手に持っていたのは、滑車の取っ手のような――先端に膨らみのある木製の棒のようだった。

男は手の動きを止め、メグの手首を掴むと、その棒へと導いた。
「さぁ」
メグは男に言われるまま、自分の秘所から露出している先端を握った。
男の眼がメグを煽る。その光はメグを官能の沼へと貶めてゆく。

どうして抗えないのか――こうも屈辱的な行為を受け入れてしまうのか――彼の眼が持つ
淫靡な魔力、底知れぬ快感への道標――メグを突き動かすのは、こじ開けられてしまった
彼女自身の淫らな本能だけだ。
5109/9:2007/02/26(月) 02:53:14 ID:iT1JAb5v

メグは夢中でそれを動かし、自らの手で快感を求め続けた。
男は満足気にそれを眺めている。
男の言葉で、視線で、そして自らの手で――犯されてゆくことの悦楽。もう戻れない――。

「ああ、ああぁ……いやぁ! 見ないでぇ……」
メグは汗と体液で湿った腰を悶えさせ、自身の手で官能の極みに達した。

メグの意識は宙に漂っていた。
あまりの羞恥と快感に、思考は遠く霞んでいる。

濡れた身体を暖めるように、男の腕が彼女を抱いた。
彼の肩にぐったりと身体の重みを預けると、じわじわとした心地よさが広がった。
男はゆっくりと彼女の身体を広げ、自分の体躯を割り入れると、その隆起を深く深く突き入れた。

メグは不思議な愛しささえ感じながら彼を受け入れ、逞しい腕にしっかりと掴まったまま、
激しく揺さぶられた。
メグの全身は熱く蕩け、男が侵入する度に、夢見るような愉楽へと舞い上がる。

男の腕と胸に抱かれながら、メグは目の前が白く、白く消えてゆく感覚に翻弄されていた。
彼女はそのまま、意識を失ってしまった。


彼女は朝になればまた、夢から目覚めるだろう。
そして、自分の身体に刻まれた確かな官能と、何も残っていない現実の狭間に苛まれるのだ。

彼女は再び得る――一輪のバラと、淫らな秘密を。
そして待つのだ――また、その花が密かに蘇る日を。
511501:2007/02/26(月) 02:54:33 ID:iT1JAb5v
以上です。
読んでくださった方、ありがとうございます。
おやすみなさい。
512名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 02:55:34 ID:3II3kwGj
リアルタイム遭遇!
うはー、天使様GJ!
ものすごく個人的な好みにダイレクトヒットです。
513名無しさん@ピンキー:2007/02/26(月) 09:46:21 ID:aj/4hMZB
GJ!GJ!
鬼畜ファントム最高w

そして点呼に乗り遅れたけど、26!と言っておく。
514名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 01:31:01 ID:syu05CD8
>501
GJ! GJ! GJ!
最後に挿入するファントムのエロさがたまりません!
先生、なんだかカッコいい………。
515名無しさん@ピンキー:2007/02/27(火) 20:11:23 ID:8dSX11SL
あぁGJすぎる

ファントムエロいよファントム
516名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 00:54:14 ID:nY5eKhiW
点呼乗り遅れた!
27っす。やっぱりファンクリが好きですヽ(´ー`)ノ
517名無しさん@ピンキー:2007/03/01(木) 01:06:51 ID:nriN+hM5
>501 GJ!!!
メグエロいー!ほの見える嫉妬も色っぽい!
このマスターがクリスをどう思ってるのかも気になる…
518名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 22:51:42 ID:J6iqIROV
ものすごくGJ
これからも天使様の投下が続きますように

失われた環の天使様、まだかな
519名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 23:01:16 ID:8hCuMPu2
では自分は寸止めの天使様を待つ。
520名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 22:20:54 ID:cBcv/EST
では私は熱砂の果ての天使様を待つ事にしよう。
従順なロクサーレタンにハァハァ。
521名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 12:31:38 ID:qwSGhdmj
皆様がお待ちの天使様ではなくて申し訳ないのですが、投下します。

ファントム×クリスティーヌ
ネタ寄り甘め…かも。
522無題:2007/03/04(日) 12:34:34 ID:qwSGhdmj
 
 淡い薔薇色に染まった肌に、刻まれる紅い印。

 未だ男を知らないはずの少女は、その愛撫に確かな反応を示す。
 何処かで覚えてきたのか、という考えが頭を過ぎったが、柔らかな少女の肌から立つ甘い香に全てを忘れた。

 徐々に手を下に滑らせていくと、少女の息が早くなっていくのが分かる。
 「ぁ…マスター…」
 頬を染め、不安そうな声で彼を呼ぶ。
 体は淫らに反応するものの、心は純粋なままらしい。
 その様子に、思わず口元が緩んだ。

 「ふ、大丈夫だクリスティーヌ。こんなに濡れていれば」
 「あっ!」
 指が秘部を掠めただけで、高い声を上げる。
 「また溢れてくるな。お前は感じ易い子のようだ」
 「ひぁん、マ…スター!駄目ぇ…っ」
 「駄目?私の指まで存分に濡らしたくせに、拒絶するのかね」
 「違…やっ、ぁあん!」
 秘部を愛撫する指に、少女は喘ぎ、体を震わす。
 分かっている。行為の際の拒絶の言葉は、大して意味を成さない事など。

 「欲しいと言うまで、ずっと指だけだ。良いね?」
 くちゅ、とわざと大きく水音を立て、少女の羞恥心を煽る。
 真っ赤になり、唇を噛み締めながら潤んだ瞳で見つめる姿が愛しい。

 「わ、たし…マスターが欲しい…」
 少女の切なげな甘い声が、男の求めていた言葉を紡ぐ。
 その表情と言葉の、何と淫靡なことか―…この男以外に、少女を生娘だと信じる者はあるまい。

 「…良いだろう、クリスティーヌ。さあ力を抜いて」
 男は少女の脚を大きく広げさせ、次に腰を持ち上げさせた。
 少女の体は、未知の世界へ飛び込む恐怖に震えている。

 「クリスティーヌ、安心しなさい。私が上手くお前を導く」
 天の高みまで。
 男もまた、計り知れない興奮に震える。
 「ああ、クリスティーヌ…」
 熱く潤んだ秘部に、導かれるように尖端を埋めた―。


523無題:2007/03/04(日) 12:37:17 ID:qwSGhdmj
 
 「あら、起こしてしまったかしら」
 甲高い嬌声が響き渡ると思われたその時、男の耳に届いたものは、少女の何等普段と変わらない声だった。
 訳が分からず、男は机の上に頭を凭れたまま、ぼんやりと宙を見つめる。

 「うたた寝していらっしゃったから、これを掛けて差し上げようとしたのだけど…」
 起こしてごめんなさい、とマントを持った少女は申し訳なさそうに言った。

 ああ、夢をみていたのか。と男は心の中で虚しく呟く。
 同時に、あのような欲望を隠し持っていた自分に憤慨した。

 「ところでマスター、何の夢を見ていらっしゃったの?」
 愛らしいとび色の瞳が、身を起こした男の顔を覗き込む。
 「途中、笑っていらっしゃったわ」
 さぞ楽しい夢だったのだろうと考えている少女に、本当のことを言えるはずがない。
 いや、男にとっては楽しくないとも言い切れないのだが。

 「…さあ、どんな夢だったかな。忘れてしまった」
 それらしい素振りで言ってみせたが、上手く誤魔化せただろうか。
 少女の顔を窺うと、何とも残念そうな表情をしている。
 それは勿体ないわね、とでも言いたいところだろう。

 「そうだクリスティーヌ、お茶にしないか。今日は私が入れよう」
 立ち上がり、少女の腰にそっと手を回す。
 少女は静かに頷いてから、嬉しそうに笑った。

 水の流れ落ちる音が響く男の住み処に、上品な香りが満ちていく。
 いつかは、きっといつかは現実に―…男は紅茶をカップに注ぎながら、頭の片隅でずっと呟いていた。


―終―
524名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 12:42:57 ID:qwSGhdmj
以上です。
読んでくださった方、有難うございました。
525名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 13:52:48 ID:wIxQ93pO
天使様GJ!
夢想マスターなんだか可愛い(*´д`)早く夢のように現実になると良いね
526名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 16:03:08 ID:CSpYgNes
GJですた! ありがとう。
夢もお預け・・・悶々マスター、哀れなり!w
中学生みたいな夢を見て、それも途中で破られて、大人っぽい態度を
取り繕いながらも、心中ひそかに実現を期すマスターが可愛かったっす。

>この男以外に、少女を生娘だと信じる者はあるまい。
ここも思わせぶりで、なんだか笑えちゃったよ!
527名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 22:48:21 ID:iOdXln4n
GJ!
先生気の毒だな。
エロ切ない話をありがとう。
528名無しさん@ピンキー:2007/03/10(土) 00:52:18 ID:muikgnsC
hosyu
529名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 01:14:04 ID:o889Yyd+
投下します。

第5幕>752からの続き。
1年近くも放置していてスミマセン。
530マスカレードの夜U:1:2007/03/12(月) 01:16:14 ID:o889Yyd+
「いやあ……、見ないで……、見ないで…………」
恥辱に平手の痛みを忘れてクリスティーヌが泣きじゃくり、男はしかし先刻のように
平手を張ることもなく、顕わになった弟子の乳房を見つめていた。
雪のように白く輝き、その薄い皮膚の下に静脈が青く透けてみえる。
可愛らしい珊瑚色をした乳首が柔らかさを保ったまま脅えたようにふるふると顫えた。
初めて見る愛弟子の乳房………。
身体を捩ったところでその白い双丘を隠せるはずもないのに、クリスティーヌは狂ったように
肩を捩り、零れた涙が儚げな肩先やふたつの丘の谷間へと滲んでいく。

いまやかろうじて下穿きだけでその美しい肢体を隠す弟子を、
そして、その激しく泣きじゃくる様子を冷たい眸で眺めていた男だったが、
ついと机の方に移動した。
クリスティーヌは男の様子など目にも入らぬようで、相変わらず身を捩っては
「見ないで………」と繰り返すばかりだ。

ひゅん、と何かが空を切る音がして、クリスティーヌの真白い胸元に鞭がふり下ろされた。
「あああああぁぁぁぁ………………!」
ふいに与えられた鋭い痛みにクリスティーヌの口から悲鳴が上がる。
羞恥も屈辱も感じられない、純粋に痛みだけに対する悲鳴だった。
「許しなく声を出すことはならぬ、と言ったはずだ」
じんじんと拡がっていく痛みにただただ泣く弟子に向かって告げるその無情な声音。
クリスティーヌは恐怖に唇を顫わせながら、それでも、師の許しを請うように
ぽろぽろと大粒の涙をこぼした。
531マスカレードの夜U:2:2007/03/12(月) 01:18:00 ID:o889Yyd+
真白い乳房を斜めに紅い筋が浮き出てくる。
次第に赤黒さを増すの筋を男の指がそっと撫でる。
「痛いか」
「………はい」
「美しいな」
「…………」

ひゅん、とふたたび鋭い音がして、鞭が振り下ろされる。
声は上げず、荒い息だけで痛みを堪えるクリスティーヌの胸元に
先刻の印と交差するように入った新しい痕を男がその唇でなぞった。
「美しいな?」
同じ問いを上目で問う師に、涙をこぼしながら頷くクリスティーヌ。

「美しいものを愛でることは罪か?」
「いいえ、いいえ………」
男がクリスティーヌの身体をくるりとひっくり返す。
脚をもつれさせながら向きを変えさせられたクリスティーヌの首筋に唇を這わせながら、
さらに男が問う。
「罪ではない、とそう言ったな?」
「……………はい」
涙声で返事をしたクリスティーヌの乳房を男の両手が捉える。
後ろからゆっくりと円を描くように掬い上げ、揉みしだく。
ぎゅっと目を瞑り、この恥辱に堪えるクリスティーヌの白い胸元が、
赤黒い鞭の痕とは別に次第に紅みを帯びてくる。
532マスカレードの夜U:3:2007/03/12(月) 01:20:26 ID:o889Yyd+
男の指先がその胸の頂きを捉えた。
二本の指で挟み、そっと捻る。
「あ、はあぁぁっ………!」
堪えきれずに唇から出た声は充分甘さを含んでおり、声と同時に女の腰がうねる。
仮面の下で男の唇が暗い嗤いを形づくる。

「声を立ててはいけない」
クリスティーヌの耳元に毒のような甘く優しい声でそう囁いて、男がいっそう乳首への愛撫を重ねる。
そっと捻り、親指の腹で先端を撫でさすり、敏感になったそこを今度は爪の先でこする。
その度、クリスティーヌの頭は左右に振られ、唇は白くなるほど引き結ばれ、
そしてその細腰はうねうねと淫らに揺らめくのだった。

優しい婚約者の指ではなく、師から強姦者に変貌した男の指で乳房を弄ばれ、
乳首を弄られて感じていく己の身の何という浅ましさ―――。
クリスティーヌの双眸からはとめどなく涙が流れ、
後ろ手に縛られた肩先を揺らすことでしか拒絶を表わすこともできない。

いまや、細い首筋にも白い肩にも男の印が紅く刻まれ、無論、クリスティーヌ自身は
それを見ることは叶わなかったが、それでもだんだんと我が身が男の手に墜ちていく
感覚だけははっきりと感じ取っていた。
533マスカレードの夜U:4:2007/03/12(月) 01:22:21 ID:o889Yyd+
そして、とうとうすべてを師に奪われる瞬間がやってきた。
男がクリスティーヌの背に音を立てて口づけた後、ふたたびその身体をくるりと廻した。
もう脚に力が入らなくなってきているのだろう、もつれた脚が宙に浮き、
体重が縛られた手だけにかかる。
ぐう、と苦しげな声を上げた弟子の身体を己の前に据え、男が跪いた。

「かつて、おまえは私の仮面を剥いだ。人に見られたくない秘密を暴かれるということが
どんなものか、おまえにもよぅく味わわせてやろう」
男がクリスティーヌの下着に手を掛け、ゆっくりと下ろしていく。
「ああ、いや………、いや………」
果実の薄皮を剥くようにことさらゆっくりと時間をかけて下ろしていくのは、
次第に肌を顕わにされていく女の羞恥心をいっそう呷るための暗い企みか。
一枚また一枚と剥ぎ取られ、今また最後の一枚を奪われようとしているクリスティーヌの
涙ながらの哀訴と苦悶の表情がたまらない。
布地の下から真白く瑞々しい肌が現れた。
「マスター……、ああ……、許して……、許して…………」
「さあ、おまえの恥ずかしい繁みだ……、そら!」
クリスティーヌの下生えが顕わになったところで男は一息に下着を下ろし、
足首からそれを抜き取ると部屋の向こうに放り投げた。

「いやあああぁぁぁぁぁ…………っっ!」
両の眸から涙を溢れさせ、狂ったように悲鳴を上げるクリスティーヌに
男が鋭い一瞥を投げかけ、ついと立ち上がった。
「声を出すなと言ったはずだ」
クリスティーヌの耳元で、冷たく怒りを含んだ声がそう告げる。
534マスカレードの夜U:5:2007/03/12(月) 01:24:13 ID:o889Yyd+
「それに」と男の昏い声が言う。
「まだ、これがあるだろう? これに我が身を守ってもらえばいい」
そう言って男がクリスティーヌの眼前につきつけたのは、他でもない、
優しい婚約者から贈られた指環だった。
「う、うう……………」
指環から顔を背けるようにしたクリスティーヌの顎を男が掴んだ。
「これが何の役にも立たないことを、おまえはここで知るのだ」
男の手から離れた指環がクリスティーヌの胸元で揺れた。


「ここを見られるのは初めてか」
「…………」
「初めてかと聞いている」
「……はい、マスター……、ああっ!」
男の手がふいに繁みをまさぐった。
「恥ずかしいのか」
「は……はい、マスター……」
「声を立てても良いぞ、おまえの啼き声を聞きながらゆっくりと楽しませてもらおう」
「ううう…………」


男の手がクリスティーヌの長い脚を割り開いた。
クリスティーヌの身体がびくっと震える。
婚約者どころか、己でさえもほとんど触れたことのない場所を男の指が這っていく。
「やあ………、マスター、いやあ………!」
「ふふ、やはり濡らしていたか」
乙女の花びらをまさぐる手があふれ出した蜜を捉える。
「随分と感じやすい身体をしているじゃないか」
くちゅくちゅとわざとらしく水音を立てながら男が楽しげに言う。
「やだ……、やだ………」
子どものように泣き声を上げる弟子の顔を見上げ、涙で溢れる眸を捉えたまま、
男が無垢の蕾を吸いたてた。
535マスカレードの夜U:6:2007/03/12(月) 01:25:37 ID:o889Yyd+
「……………っ!」
生まれて初めての感覚にクリスティーヌは声にならない叫びを上げる。
男の指が、まだ誰にも許したことのない小さな突起をゆっくりと撫でさする。
薄皮に包まれた愛らしい芽が、くん、と膨らんだ。

「ひい………! やあ………!」
ぼろぼろと涙をこぼし、男の指から逃れようと腰を揺すってみせるクリスティーヌだったが、
もとより脚に力が入らないのだ、その動きは単に男を歓ばせるだけのものになっている。

指先がその芽を撫で上げるたびにクリスティーヌの身体は揺れ、縛られた手に体重がかかる。
「うう、痛い………、もう、いやあ………」
無理やり与えられる快楽に対する拒絶とは別に、痛みに対する泣き声を上げたクリスティーヌに、
ようやく師の動きが止まった。

<続く>
536名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 01:27:06 ID:o889Yyd+
今回はここまでです。
読んで下さった方、ありがとうございました。

続きは近日中に必ず。
537名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 01:39:39 ID:e3senSXI
リアルタイムだーーーーーー!!!
ありがとうございます!ありがとうございます!
続き楽しみに待ってます!

どうなっちゃうんだクリス…
538名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 22:54:15 ID:gkCfYY2U
痛くて泣いている大事な存在のはずだったクリスに対して
鬼畜になりきれるのか先生!
再開お待ちしておりました。続きはあせらずゆっくりで
539名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 23:15:45 ID:XNw95gMv
待ってた!続き待ってたよ!!
剥きかけだったから、どうなることかと思ってた!
鞭に羞恥プレイ(*゚∀゚)=3 ムッハー!
クリスに対してここまでとことん鬼畜なファントムって
あんまりナイ気がする。

このまま突っ走るのか、はたまた改心するのか
…ドキドキしながらお待ちしてます。
540名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 23:16:47 ID:dZUljZ4J
やっぱここは極上天使さまがいっぱいいるなあ!
クリスが健気…(TдT)鬼畜マスターカッコヨス。
くうー!萌えの天使よ今夜もありがとう〜!!

点呼してたんだね。とっても遅ればせながら、28。
541名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 03:56:23 ID:En4Og4Qe
萌の天使様が来るまで雑談しようよ。

今更思ったんだけど
オペラ座に登場する設定や小道具って
エロ妄想掻き立てられるものが多いよね。
主役が仮面付けてる時点で見た目は
十分倒錯的だし。
542名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 13:26:18 ID:o5NZjWeS
そういえば本スレで公開時に
仮面+黒マント+黒髪オールバック+黒皮手袋+ロープ
=それなんて縄師?と言われていた。
543名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 17:19:28 ID:9i8Zwn4W
舞台派の自分は黒フェルト帽も外せないアイテム。
あれカッコいいのにな。何で映画はかぶってないんだろ
544名無しさん@ピンキー:2007/03/16(金) 19:18:40 ID:fm6yOE1b
映画で被ってたらマフィアにしか見えんだろう。
545名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 21:47:05 ID:k+6ct4Xb
鬼畜ファントムたん
(*´д`)ハァハァ
546名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 15:38:48 ID:4JLDGOul
26 ノシ
亀すぎる自分……OTL
547名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 21:48:48 ID:ezx5vXN7
投下します。

>535の続きです。
548マスカレードの夜V:1:2007/03/19(月) 21:50:34 ID:ezx5vXN7
「痛いのか」
縋るような眸で頷いたクリスティーヌに微かに笑って見せながら、
男がようやく岩屋から吊していた縄を解いた。
が、後ろ手に縛られていることには変わりないので、縄を外された瞬間、
クリスティーヌの身体はふらふらと支えを失って倒れ込んだ。

その身体を抱きとめ、肩に担ぎ上げるようにして男が寝室へと歩いていく。
「許して………、いや………、おねがい、おねがい………!」
自分がどこへ連れて行かれるのか、そしてその場所で何をされるか、
はっきりとその結末を悟ったクリスティーヌが男の背に向かって懇願する。
果たして、ベッドに投げ出されるようにして横たえられたクリスティーヌの身体を
男が組み敷いた。

両脚を大きく拡げさせる。
つい先刻まで執拗にいたぶった蕾は、ほんのわずかに包皮から顔を覗かせ、
羞恥と恐怖に顫えている。
男は満足そうに笑ってから、いきなり指先でその薄皮を剥き上げた。

「やあ………!」
そのまま舌先で敏感な蕾を舐る。
「やだ……、やだ………、マスター、もう、もう、やめ………」
声を上げて啼くクリスティーヌのそこからは、しかし大量の蜜が溢れ、
その蜜を啜る音がクリスティーヌの啼き声に混ざって暗い寝室にこだまする。
549マスカレードの夜V:2:2007/03/19(月) 21:52:17 ID:ezx5vXN7
気がつけば、男の舌が蕾を責め立てる合間に、その太い指はクリスティーヌの
蜜壺に挿し入れられ、蠢く粘膜をこすり上げていた。

高く上げさせられた脚の間から溢れ出た蜜がシーツに大きな染みを作る頃、
クリスティーヌは生まれて初めての絶頂を迎えようとしていた。
男の舌が執拗に肉芽を舐り、男の指が何度も何度も柔襞をこすり上げる。
「あっ、ああぁぁっ、ああ、いやあぁぁぁ……………!!!」
次第に身体がびくびくと顫え出し、後ろ手に縛られたまま大きくその背を
仰け反らせて、クリスティーヌが達した。

びっしょりと汗をかいた肌膚が紅色に染まり、虚ろな眸をしてぐったりとする
クリスティーヌの耳元に男が言う。
「逝ったな」
無論、返事はない。
「良かったか」
「……………」
「いまにうんと良くなると言っただろう」
「……………」
「もっと欲しいか」

何の反応も返さない弟子の両脚をふたたび左右に開く。
剥き出しにされたままの蕾をちゅっと音を立てて吸い上げた。

「ひいっ………!」
ぐったりと絶頂の余韻に身を任せていたクリスティーヌの身体が跳ねる。
その拍子に突き出された胸の頂きを男の指が摘み上げた。
「ああっ、やあ………!」
身体じゅうで最も敏感な場所を同時に責められ、クリスティーヌの口から
悲痛な叫びが上がった。
550マスカレードの夜V:3:2007/03/19(月) 21:53:47 ID:ezx5vXN7
「やあっ、マスター、もう、いや……、いやあ………!」
噎び泣く愛弟子の蕾に熱い舌を押しつけ、先刻と変わらぬ執拗さで責め立てる。
後ろ手に縛られたまま、肩だけで男から逃れようとするが、
両の乳首をこりこりと摘まれ、捻られながら、小さく尖った肉芽を舌先で舐られ、
クリスティーヌの身体はふたたび官能の極みに押し上げられようとしていた。

「やあっ、だめぇっ………!」
男の歯がその場所を甘噛みした瞬間、クリスティーヌはふたたびの絶頂を迎えた。

まだ息の整わぬクリスティーヌの肉芽を男の舌が捉える。
「ひ、」
声も上げることもままならぬほど息が上がっているクリスティーヌ。
しかし、男はその攻撃の手を緩めることなく、快楽の味を覚えたばかりの蕾を
吸いたてた。
「や、あ………」
力なく拒絶の声を上げるが、男の耳に届くはずもない。

ひくひくとその意思に反して蠢く女の入り口に指を挿し入れる。
「う、くぅ………」
挿し入れられる指を甘く締めつけてしまう己の身体を呪いながら、
クリスティーヌが涙をこぼした。
551マスカレードの夜V:4:2007/03/19(月) 21:55:31 ID:ezx5vXN7
男がその指先を膣内で折り曲げた。
鉤にしたまま粘膜を擦り上げる。
「うう、だめ、だめぇ………」
我知らず臀がうねり、膨らみきった蕾は男の舌に舐られながら快楽に顫え、
太い指を咥えた蜜壺はいっそう強く入り口を締めつける。

男が蕾を吸いたてるたび、男が粘膜を擦り上げるたび、クリスティーヌの
身体はびくびくと悶え、軽い絶頂感とともにその背を反らしたり、
つかの間の弛緩とともに大量の蜜を吐き出すのだった。


何度目かの絶頂のあと、ぜいぜいと荒い息を吐き出すクリスティーヌの身体を
そっと横にし、男が縛めを解いた。
だらりと両腕がシーツの上に投げ出される。
その両手首を男の手がまとめて上に上げるのを、クリスティーヌは
ぼんやりとした眸で追っていた。

「もう許して欲しいか?」
優しい師の声が耳元で問う。
小さく頷く弟子の頬に口づける。
「では、師のもとへ戻ると誓うか?」
一瞬、クリスティーヌは師の方へ顔を傾けた。
しかし、耳から首筋へと唇を這わせる男の顔は見えない。
「私のもとへ戻るか?」
ふたたび男の声が問う。
その問いが意味するものをクリスティーヌは正確に理解していた。
クリスティーヌは諦めとともに今度も小さく頷いた。
552マスカレードの夜V:5:2007/03/19(月) 21:57:42 ID:ezx5vXN7
婚約者でもない男に素肌を曝し、あまつさえ男にその場所を嬲られて
何度も何度も達してしまった。
優しい恋人の腕のなかで迎えるはずだった絶頂、それをこの師に無理やり
味わわされ、もう自分は決して婚約者のもとへは戻れない。

「クリスティーヌ、では、師弟の契りを」
やわらかい耳朶を甘噛みしながら男が言う。
男の指先はふたたび敏感な肉芽を捉え、その愛らしい膨らみをゆっくりと
撫でながら別の指が入り口を狡猾に刺激している。
「ちぎ……り………」
クリスティーヌがその眸を閉じた。
こめかみを新しい涙が流れていった。


男の身体がクリスティーヌの上をゆっくりと上がっていく。
高く上げさせられた両脚の間に男の身体がおさまった。
「く、う………」
とろとろに熔けた蜜壺に熱い楔が押し当てられる。
押し当てられた瞬間、クリスティーヌは恐怖の高まりに思わず息をつめた。

男の両手が細い腰を掴む。
「ああぁぁぁっっっ………………!!!」
クリスティーヌの唇から悲鳴が迸ったのと男の切っ先がクリスティーヌに
突き刺さったのは同時だった。

「ああっ、くうぅぅっ………! い、いた……………い………………」
師のそれがゆっくりと押し入ってくる感覚にクリスティーヌは白い喉を
仰け反らせ、唇を噛みしばって耐えた。
息が止まる。
自由になった両手を思わず師の背に廻した。クリスティーヌは痛みのあまり、
己を犯す男の背にしがみついた。
553マスカレードの夜V:6:2007/03/19(月) 21:59:27 ID:ezx5vXN7
「あぁ………ん、……ああ、……ん、あぁ………」
十年もの間、天使と信じ、師として仕えた男に犯され、さらに無理やり絶頂に
導かれたクリスティーヌの唇から先刻とは明らかに声音の違う喘ぎが洩れている。
一夜のうちに快楽の味を覚えたクリスティーヌの身体は、
突き上げられ、粘膜を擦り上げられて、今また幾度目かの絶頂を迎えようとしていた。

「クリスティーヌ………」
男の声が小さく女の名を呼んだ。
これまでの冷たい声ではなかった。わざとらしいほどに優しい声でもなかった。
聞こえるか聞こえないかほどのごく小さい声だった。
唇から絶え間なく喘ぎ声を放っているクリスティーヌには聞こえなかったかも
しれない。
男の手がか細い背を抱く。
「愛して、いたんだ………」
そして、こめかみに溜まったクリスティーヌの涙をそっと啜った。



暗い岩屋に肉のぶつかり合う音と卑猥な水音、それに女の嬌声がこだましている。
クリスティーヌの胸元で揺れていたはずの指環は、
千切れた鎖ごとどこかへいってしまっていた。




554名無しさん@ピンキー:2007/03/19(月) 22:01:22 ID:ezx5vXN7
お読み下さった方、どうもありがとうございました。
長い間、放置していて申し訳ありません。

……他の放置職人の皆様が投下しやすくなることを願って。
555名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 11:24:30 ID:shcRbOUp
>>547
大作乙でした!
久々の正統派作品で息詰めて読んでしまった

これでクリスティーヌはファントムの元に留まるのかなあ
身体は手に入れたけど心は手に入れられない
自分にとって大切なモノをこんな形で蹂躙してるマスターが
切ないっす
556名無しさん@ピンキー:2007/03/20(火) 23:35:15 ID:oZHpktJt
この暗さがオペラ座の怪人の持味だよな
天使様GJ
557名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 02:31:30 ID:lUxjWs+H
凄くGJ!!!
先生の最後の一言が…(;ω;)
もう一度まとめサイト様で最初から読み返してくるノシ
558名無しさん@ピンキー:2007/03/21(水) 22:58:59 ID:LIQGRg4w
連載有り難うございました、自分もまとめサイトで始めからゆっくり
読み返して来ました。
本当の意味での大人の為の「オペラ座の怪人」だった。読んだ後もいろいろ
考えさせられたよ。
559名無しさん@ピンキー:2007/03/22(木) 20:31:41 ID:nVZhtAHY
重いの軽いの甘いの辛いの いろいろあっていいと思うよ
みなさん すばらすぃ
560名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 23:44:11 ID:kzoWvORe
このスレはageておかねば
561名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 18:55:18 ID:mI4KZ4hA
>>559
相田みつお氏?
562名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 22:06:44 ID:tmmJnrk0
>>561何でだw字のアレさは先生と張るかも知れんがw
563:2007/03/25(日) 23:19:42 ID:mI4KZ4hA
>>562
個人的に文章の構成がそれっぽいなぁーとw
564:2007/03/25(日) 23:21:55 ID:mI4KZ4hA
まちがえたつじゃなくて561です
565561:2007/03/25(日) 23:25:30 ID:mI4KZ4hA
上はあたしです
566名無しさん@ピンキー:2007/03/25(日) 23:50:37 ID:XBUGGF9l
ずうずうしいお願いを一つ。
熱砂の果ての続き激しく希望しております。
エリックとロクサーレの恋路がものすごーく
気になる。
エリックのためにもロクサーレを亡くさないでほすい。
職人様まってます。
567名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 17:09:06 ID:T+r/Ji0u
エロなし、超小ネタ。
天使さま待ちところ申し訳ない。
場繋ぎなので、投下を是非!
ラストの地下で。クリス、先生、ラウル。


「私かこの若造か…さあ!選べ!」
「…どちらもイヤ…」
「クリスティーヌ?」
「もうイヤ!もうたくさん!大体選べも何も、私はラウルを選んでますわよね?!」
「いや、だからこそこうして人質に…」
「訳が分からないまま連れてこられて、キレたいのはこっちなのに!
どうしてあなたが逆切れしてるの?」
「逆切れだと?!私は最初から」
「そもそもお顔のことは別として、住所不定無職(自称音楽の天使)、
趣味は人形制作、収入は主に恐喝って、若い娘に結婚を迫る条件として
ちょっとあんまりじゃありませんこと?」
「無職?お前に音楽を教えていたではないか!それに数々の創作活動が」
「収入に結びつくものを職というんです!
それにその収入源であるオペラ座を燃やしてしまうし!」
「そ、それは」
「ああ、私って不幸だわ…!自己アピールが無駄に激しい考えなしと、
芸術的素養ゼロのバカ君の2択しかないなんて!」
「ク、クリスティーヌ?それ僕のこと?」
「…冬場にシャツ一つで風邪もひかないヒトのこと、なんて呼ぶかご存知?」
「そ、そんな、あれは君を追って急いで」
「その前に見張りをしてくださっていたときから、シャツ一枚でしたわね?
…前の肌蹴た」
「う…」
「おびき出して捕まえるって作戦まではよかったけど、
あの配置じゃどう考えても捕まえるのは無理よね?
マスターが客席においでになったらどうするおつもりだったの?」
「そうだ、クリスティーヌよ!だから私を選ぶ…」
「あなたも!ピアンジと入れ替わったら体型で一目で分かるのに!
大体ここだってラウルにあっさり進入されるような状態じゃないの。
結局どちらも考えなしなのよ!ああ、天国のお父様
…もうちょっと何か、こう、まともな方をお送りくださればよかったのに!」
「クリスティーヌ、すまん、謝るから、少し話を…駄目か…」
「クリスティーヌ…僕のこと…そんな風に思ってたんだ…」
「なんて不幸な私…神様、お守り下さい…!」

そろそろ蝋燭の炎も尽きる頃、冷たい水に膝まで使った3人の上を
それぞれの理由で発生した沈黙だけが流れてゆきました。
568名無しさん@ピンキー:2007/03/26(月) 17:30:21 ID:n3X+RnKu
バロスwwwwwwwww
確かに現実的に考えれば、どっちも選びたくないわwwwwww
569名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 00:04:25 ID:zTdyvnh6
暴言クリス最高w
ここまで言われてもふたりはそれでもクリスが良いのかなあ
570名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 03:19:11 ID:fwB8fELI
ワロタ
567さんGJ!!
571名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 04:18:20 ID:D1IY6ZU8
下から5行目の >駄目か… がなぜかツボった
妙に諦めのいい先生に惚れそうだ
572名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 21:10:52 ID:s/yAvwJ8
書き出してみた。

先生
・ストーカー。
・数ヶ月歌のレッスンしただけで結婚を迫る。
・住所不定無職。
・無駄に目立ちたがり。
・「許さない…選べ…!」って許すも何も逆ギレ。

ラウル
・音楽の天使発言をさっくり流す。電波だと思った可能性大。
・マスカレードで恋人一人にすんな。
・敵のアジトでよそ見して絶対絶命。
・助けになってない。
・お坊ちゃん故か考えが甘い。

これ以上書いてもキリがないが…。
外見は抜きにしても、どっちがマシなんだろう。
573名無しさん@ピンキー:2007/03/27(火) 22:16:47 ID:fFxf8b8o
先生みたいな基地外が恋敵でなければラウルで問題なさげだが
574名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 11:06:09 ID:3yk0FWAL
あれ、歌の先生って7歳の時からじゃないの?
映画と原作で違うのか。
若い女心はよく判らないが、なんとなく頼りないラウル
(イケメン、金持ち、家柄良し)のとこに嫁に行って
「オペラ座のコーラスガールですって、pgr」とかって
いびられるよりも
先生の嫁になって、徹底的に才能磨いて貰って、
陰謀でバックアップして貰って
一生大好きな音楽に関わりつつ
トップスターとして君臨する方が報われる気がするのだが
575名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 11:44:47 ID:TXuEQKdr
レッスン期間は原作だと数ヶ月、映画だと子供の頃から。
先生の嫁になってトップスターになるのは、クリスに野心があるなら有りかもね。
576名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 15:31:25 ID:FMrVCdJg
>>572
それを見るとラウルの欠点って先生を相手にしてるからだなw

特に>>・音楽の天使発言をさっくり流す
普通は電波だと思うだろ?信じる成人の方がやばいわw
577名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 16:05:09 ID:3yk0FWAL
それでいくとクリスティーヌは
・天然
・電波
・優柔不断
・ファザコン
・バレエが下手(映画版w)
・臆病なのに好奇心だけ旺盛
じゃないか?

>>575
d、話の展開的には映画版の何年もの絆が好きだな
力と才能は溢れているけどどうしようもなく孤独なファントムが
小さなクリスに出会って初めて知った暖かさみたいなのを想像すると
じわーっと来る。
578名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 18:05:25 ID:a5BTh4AG
年齢設定も変わってるせいで、個人的には逆に、映画の先生がロリコンに思えて仕方が無い…。
何年も何年も世界中を回って、それでも誰にも受けて入れてもらえなくて、
歌のレッスンを始めて、その女性にどんどん傾倒していく…。
という原作の悲劇な感じが好きだ。

いろんな解釈があるから、オペラ座が面白いんだよなー。
579名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 21:16:58 ID:chUzCUUd
クリスとの絆は映画のほうが萌えだけど、
先生がオペラ座しか知らないってのは自分の中でしっくり来ないので
適当に脳内保管してる。きっとあれからあちこち行ったんだよってことで。

>>578の言うとおり、原作・舞台・各種映画を混ぜて
好きなように解釈できるオペラ座が好きだ。
580名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 23:20:14 ID:je5lk6Cf
しっかし改めて書き出されると、映画マスターの
スペックの方向性が…
引きこもりでマッチョとか、無駄なハイスペック振りw
581名無しさん@ピンキー:2007/03/29(木) 12:13:54 ID:Jjys5pf/
あと映画版スペックだと
ムダにテンション高そうとか
デカイ仕掛けが好きそうとか
大道具作るの(大工仕事?)巧そうとか
(でも実は歌はイマイ…qswでfrgthふじこl)
582名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 09:43:38 ID:NJ32A1r+
若いし顔もいいしマッチョだし
天使の歌声も無いし腹話術も出来ないし奇襲してさえラウルに負けるけど
それでも奴もオペラゴーストさ!
583名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 23:50:34 ID:2JLapLGu
投下します。
第6幕154からの続き。エリック×女奴隷。
放置しまくってすいません_| ̄|○
全6レス。若干笛アリ。
584薔薇の時代1:2007/03/31(土) 23:51:22 ID:2JLapLGu
 倒れたまますすり泣く女奴隷を尻目に、荒くなった呼吸を整える。
こんなものでは到底怒りは収まりそうにない。
この女は、私を殺そうとしていたのだ。
虫も殺さぬような顔をして、仮にも『夫』である私のことを!
 私は寝台に腰をかけ、大きく息を吐いた。
「こちらへ来い」
 この女に、罰を与えなければ。
自分が誰のものであるのか、理解させなければ。
二度と、そのような気を起こさないようにさせなければ―――!
 女奴隷はすすり泣いたまま、動こうとしない。
「聴こえないのなら、もう一度打ち据えてやろうか?」
 女奴隷の身体がびくりと震え、壁に手を付き、ゆっくりと立ち上がった。
痛みを堪えるように眉をしかめ、おぼつかない足取りで私の元へと歩み寄る。
「エリック、さま…」
 泣き声混じりで女奴隷が私の名を呟く。
何とか立ってはいるものの、ふらつく足は今にも崩れ落ちそうになっている。
ぐい、と手首を掴んで引くと、女奴隷は抵抗する事もなく私の胸に倒れこんだ。
「まだ、こんなものでは終わらんぞ」
 びくり、と女奴隷が涙に濡れた目で私を見つめた。
初めて、この女の目を覗き込んだような気がする。
黒曜石のような瞳は私への怯えに満ち、長い睫には真珠のような涙が溜まっている。
どうせ、解り合えるはずもないのだ…。
「今夜はお前が上だ。寝台を血で汚したくない」
 女奴隷は震えながら小さく頷き、私のシャツのボタンに手をかけた。
震える指先が、ゆっくりとボタンを外していく。
あらかた胸元が肌蹴られたところで、女奴隷はまた私を見、そして胸元に唇で触れた。
女奴隷の唇が当たった場所が、嫌に熱く感じる。
小さな手が胸元に差し入れられ、遠慮がちに私の胸板を撫ぜた。
585薔薇の時代2:2007/03/31(土) 23:52:51 ID:2JLapLGu
下げ忘れました。吊ってきます_| ̄|○

「エリックさま…」
 何故、この女は私の名を呼ぶのだろう。
赦しを乞いたいのだろうか?
私を頼る事でしか生きていけないというのに、何故、あのような事をしたのだろうか?
―――それだけ私が嫌だと言う事なのだろう。
昨日といい今日といい、それは火を見るよりも明らかだ。
この女が私のことを、火箸でも触りたくないほどに嫌っているという事は―――!
きっとこの女は、自分のことをさぞかし不幸だと嘆いているに違いない。
シャーの戯れでこんな化け物の下へ嫁がされたのだから。
 『人並みの生活』が他人の差し金とはいえ、私のものになるのだと思っていた。
あの日捨て去った家族が、またできるのだと思っていた。
シャーの戯れと言うのが腹立たしいが、それでも―――。
だが、この女は私を拒んだのだ。
シャーの命令よりも、己の命よりも、私が嫌なのだと。
化け物の花嫁になるぐらいなら、死んだ方がましなのだと。
586薔薇の時代3:2007/03/31(土) 23:53:38 ID:2JLapLGu
 女奴隷の温かな舌が肌に触れる。
こんなに間近で人に触れたことなどあっただろうか。
女の匂いが、こんなにも甘く、私に迫ってくるような事など…。
身体の奥底からじわりと湧いて来る快感で、身体が熱い。
シャツの前が全て肌蹴られ、女奴隷の唇が胸から腹へと下がっていく。
そこに触れていいものかどうか躊躇した女奴隷が私を見上げたが、私は目で続けろ、とだけ合図を送った。
 窮屈な衣服から取り出された私を、女奴隷がそっと口に含む。
温かく、柔らかい舌を転がし、私を丁寧に愛撫していく。
「よく濡らしておけ……自分のためにな」
 きゅう、と私を吸い上げ、女奴隷が口を離した。
ぬらぬらと唾液で滑った私の先端を今度は舌先でくすぐり、形をなぞる。
この女を支配しているのは、私のはずなのに―――。
 ―――恐怖を植えつけてしまえば、私に敵意を示さなくなるだろうか。
責めて、責めて、自分は無力なのだと思い知らせてしまえば、私を拒まなくなるだろうか。
恐怖ででも、暴力ででも、何でもいい。この女が、私を受け入れるなら―――。
「…もういい」
 女奴隷が口を離したのを見届けて、女奴隷の腕を掴み、立たせる。
急な動きに、女奴隷は顔をしかめた。
「早く来い」
 寝台のクッションに背を預け、女奴隷を待つ。
女奴隷は小さく礼をして、私の上に跨った。
587薔薇の時代4:2007/03/31(土) 23:54:24 ID:2JLapLGu
「はっ……ぅ…」
 私の腹に手を付き、女奴隷が徐々に私を咥え込んでいく。
昨日よりは滑りがいい。
私を全て飲み込んだところで、女奴隷は大きく息を吐いた。
きつく、温かな感触。
時折小さく私を締め付けるのが、なんとも心地いい。
私の感触に慣れていないのか、浅い呼吸を繰り返していた女奴隷が覚悟を決めたように私を見、そして動き出した。
「くぅ…っ…、はぁ…」
 ゆっくりと腰を上げ、下ろす。
毛も生え揃っていないそこが私を咥え込んでいるのに、何とも言えない背徳感が湧き上がる。
何とは無しにそこに指を延ばすと、女奴隷の腰が跳ねた。
「どうした」
 女奴隷は目を伏せたまま、何も言おうとはしない。
「ここが、どうかしたのか」
「あっ…あぁ…」
 指で何度かその辺りを掠めてやると、女奴隷の唇から苦痛ではない、甘い声が漏れる。
「どうかしたのか、と訊いている」
「そこは…そこは……あぁ…!」
 どんなに幼く見えても、ハーレムの教育を施された女なのだ。
答えを待つように何度もそこに刺激を与えていると、女奴隷の中が潤ってきたのを感じた。
女奴隷が腰を動かすたびに、粘ついた水音が耳をくすぐる。
「あぁ…あ……エリック、さま…」
 少し熱を帯びたような目で、女奴隷が私を見た。
酷く変な気分だった。何と言い表していいのか判らない。
不快なのかそうでないのかすら判らない。
殺そうとした相手に、何故そんな顔を見せる?
痛めつけ、手酷い仕打ちしかしない男に、何故?
この女の考えが、何も解らない。
その奇妙な気分を振り払うかのように小さな乳房に手を伸ばし、小さな膨らみに、先程女奴隷が私にしたように触れた。
「あっ! あ、ぁ…!」
 上を向く乳房の先を指の腹で掠めると女奴隷の背が弓なりに反り、それに合わせるかのように私を締め付ける。
指の腹だけでなく爪先で掠め、時折摘んでやる。
その度に女奴隷は切なく喘いだ。
胸の奥が痛い。
心臓が鼓動を打つ度に、小さな棘が刺さっていくようだった。
588薔薇の時代5:2007/03/31(土) 23:55:09 ID:2JLapLGu
「エリックさま、あぁ…!」
 女奴隷が腹から胸へと手を伸ばし、私のシャツをきつく掴んだ。
豊かな黒髪が私の胸をくすぐり、女奴隷が腰を動かすたびに真珠の耳飾が揺れる。
少し開いた唇を無理矢理奪いたい衝動に駆られたが、何とか理性でそれを押し留めた。
唇を奪えば、またこの女は私を拒絶するだろう。
今また拒まれたら、その時こそこのか細い首に手をかけてしまいそうだった。
 胸が痛い。
何故、私を受け入れないのだ。
私が化け物だから、私の顔が醜いから―――!
「エリックさま、エリックさま、エリックさま…っ!」
 女奴隷が泣き声雑じりに私の名を呼ぶ。
冷静さを装う事も忘れ、私は彼女の腰を掴んだ。
背筋を走る快感がどんどん強くなっていく。
「あっ、あっ、あぁ…!」
「…くっ…」
 女奴隷の体温を感じながら、私はその最奥に欲望を吐き出した。
589薔薇の時代6:2007/03/31(土) 23:55:42 ID:2JLapLGu
 繋がったまま私の胸に倒れこんできた女奴隷を寝台に寝かせ、身なりを整える。
怒りは収まっていたが、酷く胸が苦しい。
「…二度と、するな」
 それだけ言い、部屋を出た。
他に何も言う事ができなかった。
嫌な気分だった。
どうも落ち着かずに、ただ廊下を歩き回る。
途中で下男を呼びとめ、女奴隷の手当てをするよう、また、背中を冷やしてやるように言いつけた。
屋敷中に女奴隷の悲鳴が響いていたようで、下男の顔は少し青ざめていた。
 ―――私は、どうしたのだろう。
今までに何人もの人間を殺してきたのに、ついぞこんな気持ちになったことなど無かった。
きっと、関わらなければいけない他人ができてしまったせいだ。
それがこんなにも心を掻き乱すだなんて―――。

明朝、暗い気持ちを引きずったまま、私は全てを振り切るようにやまびこ宮へと旅立った。


<終>
590名無しさん@ピンキー:2007/03/31(土) 23:56:55 ID:2JLapLGu
以上です。放置しまくって本当にスイマセン_| ̄|○
あ、あと当時のハーレムの女性たちは、髪と眉と睫以外は全部脱毛してたそうで…。
591名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 00:05:50 ID:ApmgsEFe
天使様CJ!!!
揺れるマスター!奴隷タソ!やっぱり切ないエロはいいw

脱毛・・・ハーレムの皆さんトゥルットゥルですな。
>紙と繭と睫以外は
もしやあそこm(ry

大変だ、マスターの胸毛が目立つ。
592名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 00:08:21 ID:ApmgsEFe
興奮しすぎて間違えた
おうクリスティーヌなぜに CJ。


地底湖に頭突っ込んでくる
593名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 16:14:08 ID:yE0XP93A
天使様GJ。
リクに答えて下すってありがと。
素敵でした。切ない系のエロは良いわー。
594名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 19:22:06 ID:dDX5lrFr
天使様マダー?
595名無しさん@ピンキー:2007/04/04(水) 21:05:26 ID:WIVvseIb
来週まで投下がなかったら
奴隷タソは俺のもの。
596名無しさん@ピンキー:2007/04/05(木) 00:24:19 ID:tmbm/aWB
ペニ
597名無しさん@ピンキー:2007/04/07(土) 01:06:57 ID:ZKlnxSGV
天使様GJ!全身つるつるな奴隷娘萌
598名無しさん@ピンキー:2007/04/09(月) 21:52:53 ID:9IWtWBAL
つるつる萌え…!イロイロよく見え(ry

ラウル「2分だよ!」
いろいろ、もぞもぞ、ギシギシあって
クリス「(ベッドでシーツにくるまりながら)本当に 2 分 でしたわね…(ため息)」

ってのが突然浮かんだ
599名無しさん@ピンキー:2007/04/10(火) 02:06:46 ID:U0+ei3Sq
で、「ンッフ! アハッ!」って、悪びれもせずに返された日には………。('A`)
600名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 21:54:23 ID:fmipMFGz
ワロタww
601名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 01:18:02 ID:DF1IFduG
太后×エリック
K女史ファントム版。
未読の方には申し訳ない。能書きも長くて申し訳ない。

エリック=ペルシャに滞在中。奇術師→国王の寵臣に。
そんな小さなビンには入りません。

太后=若きペルシャ国王の、美貌の母親。
後宮の支配者、ペルシャ影の実力者。趣味は拷問(致死)。
エリックの素顔を見ても動じなかった。

ペルシャでエリックは太后に斬新な拷問方法を考案してやり、
太后はエリックのアイデアもさることながら、エリック自身にも強い関心を持っています。
太后×…というより実質後宮の女奴隷2人×エリックです。
太后はあんまり働かない(偉いから)。

3回くらいに分かれます。
今回まだちゃんとしたエロに到達していません。
6021/3:2007/04/14(土) 01:18:34 ID:DF1IFduG
深夜密かに運び込まれた荷物を見下ろし、太后は小さな笑いを漏らした。
結わえられた紐が解かれると、包まれた絨毯の中から一人の男が転がり出る。
顔の大半を白い仮面で覆った男は、
仰向けに横たわったまま浅い呼吸を繰り返している。
「分からぬものであろう?」
楽しげな問いかけに、男の唇が動く。
「そう、阿片に混ぜた。我がペルシャには
そなたの知らぬ薬がまだまだあるのじゃ。特に、この後宮には」
男は声にならぬままに、再度唇を動かした。
「?何を言っておる?」
投げ出された男の脚がひくりと動く。掠れた音が漏れる。
「…、…」
太后が身を乗り出した瞬間、男の右手が大きく動いた。
「!」
とっさに身を引いて、首筋を掴もうとした男の手から逃れたものの、
喉に小さな痛みを感じ、太后は唇を歪めた。
男の手を眺め、その小指に嵌まっているダイヤの指輪に目を留めると、
ゆっくりと自分の喉の辺りを撫でる。
はたしてその指先には、小さな赤い滴が付いていた。

「国母に血を流させた罪は死に値するが」
赤い舌でちろりと滴を舐め取り、再び唇の端を吊り上げる。
「未だそれだけ動けることに免じて罪を減じてとらす
…ただの死ならばここには掃いて捨てるほどあるゆえ、な」
太后がその瞳を僅かに動かすと、隅に控えていた男たちが立ち上がった。
「エリックよ、そなたには死に代わりもっと良きものを与えてやろう」
6032/3:2007/04/14(土) 01:19:08 ID:DF1IFduG
部屋の隅にしつらえられた広い寝台。
絹の房飾りが垂れ下がる豪華な天蓋の、
それを支える4本の支柱に、両手両足をそれぞれロープで繋がれる。
大きく手足を広げた状態で、エリックは寝台に固定された。

「…ふむ」
男たちが音もなく出てゆくと、太后は掛けていた椅子から立ち上がった。
エリックの手が届かない程度に近づき、その顔を覗き込む。
「薬の具合はどうじゃ?」
視線を滑らせ首筋から、胸元、下腹を無遠慮に見つめる。
そこでは彼の男の徴が厚い絹地を持ち上げて、頭をもたげてきているのが見て取れた。
「そなたの独創性は確かにその顔と釣り合うだけのものであった。
そなたはいつも言葉を違えぬ。よって随分以前より思っておったのじゃ」
含み笑いと共に身を翻す。
「初めておうたときのそなたの言葉…本当のことなのかと」

豪奢な長椅子のクッションに凭れ、赤く染められた指先を鳴らす。
扉は静かに開き、ふわりと2人の女が入ってきた。
頭からすっぽりとベールを被っているが、しなやかで均整の取れた身体つきが見て取れる。
「後宮の”娘"たちじゃ」
金糸の縫い取りが施されたベールが少しずらされる。
1人の娘は、この国の者よりさらに濃い色の肌。漆黒の髪。
もう1人は淡い色の髪に雪の肌。
太后の合図でベールをはらりと床に落とすと、
二人の体を隠すものは、手首と足首に幾重にも巻かれた黄金の輪とその豊かな髪だけとなった。
「これは、"夜"」
赤い爪がつつと浅黒い肌の上を滑る。
「そしてこれは"絹"」
指は次にもう一人の娘の金髪を1房掬った。
「…ペルシャ語、の響きは…いかにも音楽的だ…」
「口の減らぬ男じゃ」
6043/3:2007/04/14(土) 01:19:42 ID:DF1IFduG
ふふと小さく笑い、太后は微かに顎を上げた。
豊かな乳房を重たげに揺らし、2人の娘はエリックの両脇に跪く。
真っ白な指が次々と上着のボタンを外し、後を追うように浅黒い指が袷を左右に開いてゆく。
「”娘"らのもてなしを受けるのは王族以外では初めてのこと…光栄に思え」
声と共に二つの唇が露になった男の肌に吸い付いた。

肉の花弁が吸い上げ、舌先が擽り、そうしている間にも4つの掌と指が
そこかしこを撫で上げ、擦り、摘み上げる。
真綿のように柔らかな乳房が男の顔に押し付けられ
胸の先端と臍の周りを濡れた舌がぬらぬらと這い回る。
もう片方の先端は細い指先に挟まれ擦られ、下肢の目覚めかけた蛇は
それぞれ根元と先端を、服の上からではあるがやわやわと揉まれている。
背を撓ませ喉を反らせ、寝台の支柱をぎしぎしと軋ませながらも
エリックは唇を噛締め、微かな呻き以外は何も漏らさなかった。

「…何と強情な男」
じれたような吐息に、娘たちは男の肌から顔を上げる。
細くくびれた腰を揺らめかせながら"夜"が立ち上がった。
そのまま長椅子の脇に膝をつき、太后の視線の促すまま寄木細工の小箱を手に取った。
エリックの隣に戻り、中身を見せるようにふたを開く。
布張りの中に納まるっているのは翡翠のような石で作られた小さな輪の連なり。
子供の腕輪のように見えなくもないが、端には革の細いベルトと金の留め金がついている。
不快に顔を歪めるエリックに、太后は満足そうに微笑みかけた。
「何か分かったようじゃな?」
「ペルシャの…下劣な道具の名など、存じません…マダム…」
心底楽しそうな笑いが、タイルの壁に反響する。
「名など無い。あれは…単に”輪”とよばれておる。ここでは、それで足りる」
美しい手が閃くと、"夜"がその輪を手に取った。
石が触れ合う涼やかな音。
「下劣だなどと言うではない。王の快楽へそなたを導く鍵なのだから」
揺れる灯火が太后の歪んだ影を石壁に映し出した。

(つづく)
605名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 03:25:46 ID:EGr1LlF5
うああああペルシャキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
天使様めっちゃ続き楽しみです!
太后攻め(*´Д`)ハァハァ
606名無しさん@ピンキー:2007/04/14(土) 23:30:58 ID:AufUQmGD
一服盛られてさらに道具責め?!
いったい何をされちゃうんだエリック――――!
すっげー気になる!
続きの投下をお待ちしております!!!
607名無しさん@ピンキー:2007/04/16(月) 14:38:29 ID:zF2Pbxi1
続きが気になる気になる気になる
608名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 21:19:39 ID:JmWMlb2U
なんて羨ましい筆おろし…(*´Д`)ハァハァ
天使様GJ!続き待ってます。
609名無しさん@ピンキー:2007/04/22(日) 23:56:04 ID:HgXwfLLG
hosyu
610名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 08:37:47 ID:YlHjhFqM
圧縮来そうなので保守。

マスカレードに居る、バレリーナのような格好をして
三角帽子をかぶったおっさんが、気になる。
611名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 09:01:16 ID:Q0xP5cWi
むしろage
612名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 22:01:06 ID:yw5LJWbq
圧縮落ち回避につき保守。
613名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 23:42:47 ID:9GGbiCuY
今見たらもう圧縮されたみたいだ。よかった落ちなくて。
天使様たちはGWは執筆なさるのだろうか…やはり遊びに行かれるんだろうな
そんな自分は四季の大阪開幕に立ち会って来るハァハァ
614名無しさん@ピンキー:2007/04/29(日) 23:53:11 ID:ks92VN3N
>>613
ぬおぉ何と羨ましい・・・
615sage:2007/05/04(金) 14:22:40 ID:vxYt8Am5
hosyu

天使様は休暇中か。
616601:2007/05/05(土) 23:33:50 ID:G3jEQnAP
604の続きです
K版「ファントム」で太后(等)×エリック
エロは未遂です
6171/3:2007/05/05(土) 23:34:27 ID:G3jEQnAP
「続けよ」
声に合わせて、白い手が男の下半身に伸びた。
慣れた様子で紐を解き、布地を掻き分け、頭を擡げかけた両脚の間の蛇を引き出す。
「止めよ…恥知らずども…」
怒気を孕んだ低い罵りに、娘二人は顔を上げた。
二つの唇は淫蕩な笑みを浮かべているが、その瞳には何の表情も浮かんでいない。
「無駄じゃ。"娘"たちは、十分に躾けられておるでな」
肘掛に頬杖を付きながら、太后は優雅な仕草で頷いた。

立ち上がり具合を見定めるように、"夜"は4つの連なる石の輪を次々と彼自身に通してゆく。
最後に革紐を根元の柔らかい袋を潜らせるように廻し、金具を留めつける。
すぐに白い掌が柱を扱く様に撫で上げた。
瞬きの間にそれは膨張し、結果として石環をその柔らかい表面に喰い込ませることになる。
グロテスクに飾られた尖塔。
桃色の唇と葡萄色の唇が音を立ててその根元を吸いたてる。
噴出した汗で濡れた腹や腿に掌を置き、
"絹"と"夜"は彼のこわばりを左右から舌先で挟むように、根元からじわりと舐めあげた。
捩る腰も、脚も胸も、二色の肉に埋められ押さえられている。

太后が微かに顎を引く。その僅かな仕草を視線の端に捕らえ
"夜"が一番先端に近い輪を無造作に引き抜く。強く己を扱かれエリックは身体を強張らせた。
「く…あ、あ!」
続いて次の輪も。その次も。低く呻く男の首筋を汗が伝った。
「…!…!!」
噛締めた唇に、血の色がにじむ。
いつも優雅な動きを見せるその手の長く繊細な指は鉤のように曲がり強張り、自らを柱に繋ぐロープを強く握り締める。
ロープに引かれて、天蓋がぎしぎしと音を立てた。
蠢く雪の肌と夜の肌の間から、男の引き締まった腹が、反らされた喉が、何度も振りたてられる頭が
喰いしばられた唇は時折耐え切れないかのように開き、声にこそならないものの熱い吐息を零す。
太后は暫く無言でその様を眺めていたが、やがてゆらりと立ち上がった。
6182/3:2007/05/05(土) 23:35:02 ID:G3jEQnAP
「下がれ」
短い言葉に、二人の娘は咥え弄っていた男を解放する。
そのまま寝台から離れ、床に落としたベールを再び纏うと
猫のように足音も立てずに部屋を後にした。
切れ切れに吐かれる男の息だけが静かな空間を荒々しく乱している。

太后は寝台の脇に立つと、縛められた男を見下ろした。
すっかりと肌蹴られた胸元が大きく上下している。
その汗でぬらぬらと光る表面を、太后はつと指先で辿った。
皮膚の下のしなやかな筋肉がびくびくと痙攣する。
に、と赤い唇を歪め太后は視線を男の腹から下腹へ移す。
「なるほど…いつぞやの言葉は嘘ではなかったとみえる」
くすくすとおかしそうに笑い根元に一つ残された輪を爪の先で弾く。
「そなたには特別な瓶が必要だが、これを切り取ってしまうのはいかにも惜しい」
そんな微かな刺激にも、男の眉は苦悶するように寄せられた。

「隋分と息が上がっておるな」
美しい手がそっと伸ばされ、愛撫するように乱れた前髪を梳く。
「苦痛と快楽はいつもお互いに恋しておるのだ」
そのまま指先を額から頬へと降ろし、仮面の縁に指を掛ける。
「止、めろ…!」
その手が何をしようとしているのか悟り、エリックは身体をびくりと震わせた。
「止めろ止めろ止めろ!!」
何とか逃れようと顔を必死に背ける。構わず太后はエリックの仮面を取り去った。
「堕落した獣め!女の中で最も悪しき者!」
蛇が毒を吐きかけるように叫ぶエリックに、太后はうっとりと目を閉じた。
頬が喜びに歪む。
「ああ…そなたのそのような声を聞きたかったのじゃ」
瞳を開け、視線をひたとエリックの顔に当てる。
「なんという顔…人とは思えぬ…」
低く唸るエリックに艶然と微笑む。
「褒めておる。そなたの暗き魂に似合いの顔じゃ」
右手の指でエリックの固く歪んだ頬を撫でる。
「我が…魂にも…」
「一緒に、するな…!」
6193/3:2007/05/05(土) 23:36:43 ID:G3jEQnAP
「そなたはいつも取り繕った態度を崩さぬ」
長い爪の先で、男の胸の先端を擽りながら囁く。
「だれもがわらわに媚び、跪く。だがそなたのわらわへの言葉はびろうぞの肌触りなれど
常に底に硝子の刃を潜ませておる…」
瞳に暗い欲望を輝かせながら、太后はエリックに馬乗りになった。
「そのような目をしておるはずが無いのだ。苦悶の果てに死を齎す、そんな道具を
息をするよりも簡単に考え付くそなたの瞳は、もっと濁り澱んでおらねばならぬ」
仮面がそのヘナで染められた手から滑り落ち、床で耳障りな音を立てる。
「喚かせ、叫ばせ、その顔も魂も、そなたが押し隠し守っているもの総てを晒し…」
うっとりと呟くその顔には歪んだ笑みが浮かんでいる。
「そなたは、わらわと同じ場所で、わらわのものになるのじゃ」
ぎらぎらと光る瞳でエリックを見つめ、跨ったまま胸の方へとゆっくり身体を移動させる。
エリックは腹に熱と滑りを感じてぎゅっと眉を寄せた。
「辛かろう?」
胸の先端を指先で転がすように摘み上げられ、
エリックは地に打ち上げられた魚のように背骨を大きく撓ませた。
「欲しいとは思わぬか?」
胸元を自ら押し開き、微かに汗ばんだ白い肌を灯火に晒す。
肩を廻し腕を抜くと、滑らかな肌、豊かな曲線を描く乳房の上を
薄い絹地が水のように滑り落ちる。

「ここは地獄であるが…天国でもある」
細く長い指が、蛇のように男の柱に絡められる。
何も纏わぬ上半身に夜気を纏いつかせ、太后は後ろ手でエリック自身をぎゅっと握った。
「く…うっ!」
「わらわに請いさえすれば」
のたうつ男の腹を腿で締めながら、脈打つ柱を撫で擦る。
さらに数度声を上げさせてから太后はその手を男から離した。
「そなたには地獄の業火より熱く燃え立つ快楽を与えてやろう」
精一杯にそむけた顔を掌で挟んで、ぐっと顔を近づける。
しっかりとその崩れた顔をぎらつく瞳で見つめながら、ちろりと舌で自らの赤い唇を舐める。
「請えば…」
「そうじゃ。這い蹲り、わらわの慈悲を請うのじゃ!わらわを欲しいと、そう言え、さあ…!」
エリックのそれと触れ合わんばかりに近づけられた太后の唇に突然冷たいものが当てられた。
「しかし、マダムそれは不可能です」
「な…!」
それが男の指であると気付いた瞬間、太后の視界がぐるりと揺れた。

(つづく)
620601:2007/05/05(土) 23:37:40 ID:G3jEQnAP
あと1回続きます。
次はファントム×太后になります。
攻守交替。
すみません。
621名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 01:11:33 ID:nQ3Yvf/6
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
天使様超GJ!!!
続き期待してます!
622名無しさん@ピンキー:2007/05/06(日) 19:40:12 ID:yNeB8+e5
天使様ありがとう!
エロい戦いだハァハァ 伏して待ってます
連休中なのに投下感謝します
623名無しさん@ピンキー:2007/05/07(月) 01:25:59 ID:81NOdxKa
はあああん太后さまぁぁぁ(;´Д`)ハァハァ
天使様GJ!
624名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 20:01:36 ID:6c0hBEqx
いつきてもここはクオリティタカシだ
625名無しさん@ピンキー:2007/05/08(火) 22:35:14 ID:B+r21glP
んだんだ
626名無しさん@ピンキー:2007/05/09(水) 21:51:36 ID:8m0ShLry
遅ればせながら、本日ケイ版ファントムでの
クリスが一人でナニするところ、確認してきた(立ち読みだけど)
何だかものっそいエロかった罠・・・(*´д`)
627名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 00:48:58 ID:wlKzbERb
うん、エロい。
自分が何をしたか、相手が何をしたか
分かってて黙ってる関係性もエロい。
628名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 20:09:12 ID:bWvmn7yb
何か久しぶりに見たら寂れてるな
それともファンクリじゃないとレス付かないだけか?
629名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 23:24:54 ID:wDFJerHF
んにゃ、ファンクリでも最近はレスついてない気がする。
630名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 13:38:41 ID:NRQc3fNS
なんか最近メアリー・スーって感じのオリジナルが多すぎて
自己完結している気がする
631名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 21:38:09 ID:2j1dBFS4
まぁエロパロだし。とメアリー・スーを知らないが呟いてみる。
632名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 22:46:51 ID:JKc89bY9
ぐぐってメアリー・スーテストやってみたw 9点だった。
ちなみにここに投下したことはない
633名無しさん@ピンキー:2007/05/11(金) 23:21:56 ID:2wE8mcle
映画版 ALW版 ケイ版 原作
どれに準拠するか ってことじゃないの
634名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 00:27:12 ID:5HuVLrTX
どれでもばっちこい。
635名無しさん@ピンキー:2007/05/12(土) 20:58:13 ID:9cXfB5A2
最近ロムが多かったけど、すごく楽しんでます。
天使さまたちありがとう。

>634
同意!
636名無しさん@ピンキー:2007/05/14(月) 00:50:44 ID:e6drYnwg
601の注意書きのお陰で、未読なのに雰囲気感じられて面白いんですが
わしゃ続きが読みたいでござるよ
637名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 00:28:21 ID:M97eb/x8
ホシュ
638名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 18:11:11 ID:lSVMFA1W
待ってます…
639名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 12:46:22 ID:DOM0hzAF
寂れてるし久しぶりに点呼しようぜ

1 ノシ
640名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 12:53:35 ID:37MbA0GH
2 ノシ

最近は個人サイトも控えめになって来て寂しい
641名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 20:23:44 ID:X7SfDNxg
3 ノシ
642名無しさん@ピンキー:2007/05/20(日) 23:33:11 ID:On+HB0CV
4 最近原作を読み返してて、楽しい。
643名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 09:10:55 ID:1QflmZbA
5 毎度点呼に応える自分が律儀で悲しい
644名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 18:57:57 ID:kq5AHR/4
6 待ってる間はDVDエンドレスだw暇で哀しい。
645名無しさん@ピンキー:2007/05/21(月) 19:08:10 ID:kq5AHR/4
さげまつ スマソ
646名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 17:34:07 ID:5PxSbRBg
6人しかいないのかよ!
647名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 17:59:22 ID:lrTNhWMb
んじゃ、 7
648名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 19:22:31 ID:W9ZXsrRD
649393:2007/05/22(火) 20:07:59 ID:wmtuxt7b
9!
650名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 20:47:49 ID:8TIxRYFk
10をいただく
651名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 23:04:36 ID:Wec5vOvr
11。
映画はおろか翻訳物も読んだことがなく、
だいぶ昔の漫画版のみの知識でROMっているが、
投下された作品はどれも楽しく読ませていただいている。

>>633
こんなにいろんなバージョンがあったとは知らなんだ。
とりあえず本屋を巡ってみることにする。
652名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 10:57:01 ID:jiOqZRKQ
12
点呼初参加。

>>651
漫画版てJET?
他にあるのかな。
653名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 14:40:27 ID:3Rbj1Sqf
何か妙にキラキラした感じのやつもあるよ。
でもそれは去年一昨年辺りの発売だから違うかな。
JET版を読んで笑ってからJETさんの絵を見るだけでも笑いが込み上げて仕方ない…_| ̄|○
そんな自分は1。
654名無しさん@ピンキー:2007/05/23(水) 22:38:13 ID:CTcMBlaO
13
あれ忘れてるぞ、ほら、マンハッタンw
655651:2007/05/24(木) 00:59:45 ID:I7g9l1aY
>>652
JET氏のやつで正解。
あの漫画のファントムは顔の全面が焼けただれていて、とても怖かった……
だから余計に悲惨さが増すんだけど。

昔は怖い怖いと思っていましたが、今ではすっかり不遇の男ファントム信者です。
656653:2007/05/24(木) 02:09:19 ID:Yy67LGBr
JET氏のはファントムの着てたガウンがオッサン臭く、見えて仕方が無い…。
新人女子社員と浮気してる部長に見える、と言われてからそうとしか見えなくなりました。
素顔のインパクトは凄かったけど。
そして結末もテラカワイソス…。
657名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 01:09:27 ID:1fkkxFrn
14?
658名無しさん@ピンキー:2007/05/26(土) 02:00:35 ID:bJ++oCBd
じゃ、15。
659名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 00:37:17 ID:eAOB3jFh
16!
660名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 00:46:18 ID:lPdlQFIK
17
去年までいくつか投下してた職人だ。またいつか書いて投下したい。
もうすぐオークション!
661名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 03:50:49 ID:S1EGfPmW
18
662名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 12:37:58 ID:zbxHA95P
19
663名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 21:16:25 ID:FkF2E8fk
20

当劇場の作品ハンニバルのポスター。
8フランで落札!
664名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 23:15:56 ID:DKdiFaue
残念だが663は『悪魔のロベール』の小道具のピストルとしゃれこうべだ。

というわけでポスターゲット。
しかし『ハンニバル』と聞くとレクター博士の方しか思い浮かばない…。
665名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 23:24:21 ID:706RoNLF
21?
オルゴール、ゲット!
欲しかったんだ〜
666名無しさん@ピンキー:2007/05/27(日) 23:44:22 ID:traciRva
シャンデリア!!
667名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 02:50:11 ID:C5RgK1Bs
22?
クリスティーヌのストッキングゲト
668名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 08:53:51 ID:2PdmekEY
>>664
甘い。663はポスターで正解。
664の君がピストルとしゃれこうべだ。
669名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 08:56:15 ID:sN1AoceY
>668
_| ̄|○

過去スレで確認したら664にポスターゲットされてたんだ…。
ゴメン663
670名無しさん@ピンキー:2007/05/28(月) 10:42:14 ID:JspPoF7W
>>665
怪しい仮面の男が、今夜泣きながら
小声でマスカレードを歌いに来ます。
クリスが来ないとずっと歌ってます。

>>663
赤毛のプリマドンナが、今夜豪華な衣装で歌いに来ます。
騒音と共に立ち去ったあとラメやら何やら床に散らかって
掃除がとても大変です。

おめでとう!
671名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 14:25:19 ID:AddUPyPc
23だな
672名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 22:28:03 ID:8O6WdOv5
んじゃ24
まとめサイトの管理人さんノシ
673名無しさん@ピンキー:2007/05/31(木) 23:13:26 ID:/aExFUfI
新まとめサイトの管理人が25取りましたノシ
674名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 12:07:13 ID:R2gEnZKQ
最近サーチを巡り始めた
こことか最初のページに大いにワロタ

ttp://xxxxxism.web.fc2.com/first.htm

エロも書いてくれたらいいのに。
おっぺら個人サイトの復興を切実に願う !
675名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 12:52:48 ID:mTav2N2C
ageんなボケ
あと個人サイト晒すなよ

正直な話映画公開から時間も経ってサイト主の大半が他の萌えに移行したんだろ
多分最盛期ほどのジャンル盛り上がりには今後ならないよ
萌えが無いなら自分で補給汁
676名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 14:24:48 ID:o6PVwJDh
盛んじゃなくても神か゛ひっそりおか゛めるおっへ゜らか゛俺は好き。
677名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 14:39:24 ID:2ibAr6fn
久々にのぞいたが随分過疎ってんな。

>674 個人サイトさらすとか荒らしかよ。消えろ。

>676 ちょwその濁点半濁点ナニゴトww
678名無しさん@ピンキー:2007/06/02(土) 18:55:08 ID:6ljESuSn
まあまあ、雰囲気悪くなるからこの辺りでスパッと切ろうよw

引き続き天使様のご訪問をワクテカして待ってます
そんなわけで26ゲトww
679名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 15:02:06 ID:M3/yXX0W
閑古鳥が鳴いてますな
680名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 00:54:24 ID:563bLw2L
グワァー
681名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 20:59:42 ID:eUk2zEj3
やっぱり、ファントムの中の人が来日したからかな?
682名無しさん@ピンキー:2007/06/14(木) 23:00:28 ID:o2HHzjtW
ホシュ?
683名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 14:35:57 ID:Krj7ZAr3
684名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 17:08:35 ID:ftLIkJ4b
685名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 19:45:52 ID:t2ZuLcS4
686名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 21:00:39 ID:EqGufjiF
687名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 21:29:15 ID:qJpV5jS4
688名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 23:31:37 ID:tT5JGPYf
689名無しさん@ピンキー:2007/06/15(金) 23:36:04 ID:fuuhIbKl
690名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 07:30:27 ID:TjEqAdgs
ちょwwwwwwwwwwwww
691名無しさん@ピンキー:2007/06/16(土) 21:26:13 ID:6CJu1tIt
先生が震えながら縄を握ってたぞ
689は手を目の高さに上げて!
692名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 03:26:37 ID:hPVXJm89
689、逃げて!超逃げてー!
693名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 21:53:18 ID:En5/j9Tw
投下します。

>449の続き。
今回で完結です。長い間の放置、申し訳ありません。
ハッピーエンドではないので、好みじゃない方はスルーでお願いします。

>566
お待たせした上、ご要望に沿ってない、ごめん。
694熱砂の果てY:1:2007/06/17(日) 21:55:46 ID:En5/j9Tw
私たちふたりから漆黒の夜がなくなった。

あれから幾度かロクサーレの記憶が蘇る瞬間があり、それは常に彼女の視力を
奪った場合か周囲が暗闇に包まれた時であったので、私たちの居室は常に明るく
照らされることになった。
煌々と輝く松明の火に照らされながら眠りにつけるようになるまで
いささか日を要したが、次第に多少薄暗くとも私の姿、もしくは私の仮面が
彼女にはっきりと認められる程度の明かりがあれば充分であるということがわかり、
私たちはまた元の幸せな夫婦に戻っていった。


記憶を蘇らせる契機について、早い段階で気づいたことは非常な幸運だったと言える。
ロクサーレの記憶が蘇った瞬間は二日目の夜のような地獄を味わったが、
それは元々こちらが意図して与えた機会であったし、悲鳴と逃走、失神という行動も
常に同じであったから、それほど心が傷つけられることもなかった。
無論、愛しい妻の口から呪詛の言葉を聞くのはいつだって悲しいが―――。

あの夜の記憶がロクサーレを侵し、あの夜を再体験するかのように
同じ行動を繰り返すロクサーレを見るのは可哀相であったが、
今後の対処法を考える上での充分な検証もできた。
仮説と検証―――、そして得られた結果によって我々夫婦の平安は
揺るぎないものになったはずだった。

ロクサーレとの交わりの最中、彼女の肌膚に口づけることができないのは
非常に残念だったが、これも諦めた。
私はロクサーレが寝入った後、ほんの一時、仮面を外して妻の唇や柔らかい肩先などに
口づけるだけで満足しなくてはならなかった。
そして、無論、私はそれで充分に満足で充分に幸福だった。
695熱砂の果てY:2:2007/06/17(日) 21:57:22 ID:En5/j9Tw
その夜は新月だった。
松明と蝋燭の灯った部屋で、私はいつものように妻の身体を求めた。


小さなふくらみを両手で包み、硬くしこった蕾を親指で焦らすように愛撫する。
小麦色をした艶やかな肌の上を指先で小さな円を描く。
引き締まったふくらはぎに手を這わせ、そのまま腰まで滑らせる。
私の腕の中で小さな喘ぎ声をあげながら細い身体が跳ねる。
仰け反り、胸を突き出し、腰を揺らめかせる。
滑らかな内腿に這わす手をほんのわずかに動かす。あふれた蜜が指先を濡らした。
私は、温かく湿った妻のなかに押し入り、絡みつく粘膜の心地よさに酔った。

細い腰を引き寄せ、何度も何度も打ちつける。
ロクサーレの内襞が私をきつく締めつける。
小さな手が私の背を這う。
熱くて、やわらかくて、蕩けるようでありながら、私自身を隙間なくぴったりと
包み込んだ粘膜が、時に締めつけ、時に絡みつく。
私の首筋に何度も口づけては、「エリックさま、エリックさま」と私の名を呼ぶ。
可愛い臀を振り、しなやかな脚を私の腰にからめ、次第にロクサーレが高まっていく。

「ロクサーレ、」
妻の一番奥に突き進むのと同時に、己の身体が震えた。
自分自身が硬直し、痙攣する。
吐き出した精が妻のなかを熱く満たしていく。
私の射精とともに絶頂を極めたロクサーレの身体は細かく顫えていた。
696熱砂の果てY:3:2007/06/17(日) 21:58:45 ID:En5/j9Tw
全身をかけめぐる阿片のように強力な満足感に身をゆだねたまま、
そっとロクサーレの身体を抱き寄せた。
しっとりと汗ばんだ肌が、まだ火照りを留めていた。
「ロクサーレ、腕環はどうした?」

寝る前、夜空の下で願を掛けたトルコ石の腕環をロクサーレにはめてやった。
「おまえを守ってくれる石だ」
ロクサーレは嬉しそうに私を見上げ、それから腕環にはまったトルコ石を
そっと指先で撫でた。
「外さずに、ずっとつけていなさい」
私の言ったことがわかったのか、わからなかったのか、ロクサーレは
曖昧な微笑みを浮かべたまま頷いていた。

「はい、あちらに」
ロクサーレがそう言って枕元に置かれた小卓を見遣った。
その瞬間、ざあっと木々の葉ずれの音がした。
松明と蝋燭の炎がかき消される。
一瞬、すべてのものが―――小卓も腕環もロクサーレも何もかも―――闇に沈み、
次の瞬間、ロクサーレの悲鳴があたりに響き渡った。

ガウンを掴み、羽織ながらロクサーレを追いかけた。
激しく首を振りながらロクサーレが部屋を駆けていく。
「ロクサーレっ」
ロクサーレが恐怖に満ちた瞳でこちらに振り返る。
私の手が妻の腰を捉えようとするより一瞬早く、彼女がバルコニーの手すりに
ぶつかった。
駆けていた反動で腰が蝶番のように折り曲がる。
ロクサーレの身体はそのまま下へと落ちていった。
697熱砂の果てY:4:2007/06/17(日) 22:04:07 ID:En5/j9Tw
バルコニーからそのまま妻が横たわっている地面に飛び降りた。
「ロクサーレ」
抱き起こそうとすると、腕がべったりと血に塗れる。
ロクサーレがうっすらを目を開けた。
「ロクサーレ、大丈夫だ、ロクサーレ」
「エ………リ……ク…………」
‘さま’という敬称だけを口の端に残して、ロクサーレの瞳がゆっくりと閉じられる。
そして、その瞳がふたたび開くことはなかった。


なぜ、あのとき、私はガウンを羽織ろうなどとしたのか―――。
あの一瞬の判断がロクサーレを死に追いやったのだ。
あとほんのわずか、ほんの一瞬早ければ、ロクサーレは私の腕の中で
失神していたはずだったのに―――。

集まってきた宦官や召使いたちを立ち去らせ、私はロクサーレの亡骸を
私たちの部屋へと連れ帰った。
三階にある私たちの部屋に着くまで、私たちふたりは好奇と同情の視線に晒され、
それらの視線は階段や廊下に点々と落ちた紅い跡で止まり、やがて嘲りに
変化するのが背中越しに伝わってきた。
明日の朝になれば、この国のしきたりに従って葬るため、彼女は連れ去られて
しまうことだろう。
しかし、今夜だけは妻だったロクサーレとふたりきりで一緒にいたかった。
血に濡れた肌を清め、髪にべっとりとついた大量の血を拭ってから梳り、
初めて彼女が私のところへ連れてこられた時に着ていた衣裳を着せてやる。
あのトルコ石の腕環を嵌めてやった。
これを嵌めていれば、あるいはロクサーレは死ななかったかも知れない、と
ふと思う。
身に着けた人物の身代わりになるはずの石だったから―――。
だから誂えてやったのに、と、そんな詮ないことを思いながら、
指先で紅をさしてやった。
698熱砂の果てY:5:2007/06/17(日) 22:06:19 ID:En5/j9Tw
ロクサーレの表情は最後に私を認めた時のまま、どこか安心したようなあどけないもので、
ロクサーレの瞳に最後に映ったものが、恐怖の対象たる己ではなく、夫である私だったこと
だけが救いだった。

愛しい妻の小さな手を取る。
まだやわらかさを留めた手には、ほんのりと温みが残っていた。
仮面を外し、そっと手のひらに口づける。
それから、かすかに開いたままの唇にも口づけた。
こぼれた涙がロクサーレの唇を濡らす。
その涙を拭ってやってから、もう一度紅をさした。


ロクサーレ。
おまえが初めて私の前に連れてこられてから、まだふた月と経っていないのに、
私の生活はおまえなしでは成り立たなくなっていた。
シャーに仕えるために後宮に連れてこられたはずのおまえにとって、
私との結婚生活は意に染まぬものだったであろう。
しかし、おまえのはにかむような笑顔、あどけない様子、いじらしい仕草、
それらが私にとってどれほど大切でかけがえのないものだったか―――。
この世のものとも思われぬ怪物の顔を持った男の妻になったがゆえに、
あたら盛りの花の命を落としたおまえ。

堰を切ったように涙がとめどもなく溢れ、私は私の妻になったがために
命を落とした哀れなロクサーレのために泣いた。
699熱砂の果てY:6:2007/06/17(日) 22:08:05 ID:En5/j9Tw
朝、訪ねてきたナーディルを帰し、妻のいなくなった部屋にひとり佇む。
妻のものだった衣裳や装身具はまだ残されており、私は何とはなしに
小卓におかれたままになっていた薄紫のベールを手に取ると、
そのままバルコニーに出た。
夕べ妻の身体が落ちていった場所に立ち、はるか遠くに烟る砂漠を眺める。


ロクサーレ―――、顔という意味の名を持つ女。
ロクサーレには、単に顔という意味だけではなく、内面の顔、すなわち心という
意味もある。
ロクサーレにとって、私の顔は恐怖の対象でしかなかったであろう。
しかし、彼女は私を、私の内なる心をわかろうとしてくれていた、と思う。
心のどこかで私を愛してくれていた、と思う。
自分を庇護する夫としてでしかなかったかも知れないが、いつも私の傍に侍り、
覚えたての文字を得意げに見せ、甘えていた。

ベールが風に飛ばされ、ふわりと虚空を舞う。
遠くの砂漠で砂煙がぼうと霞む。
どこまでも続く蒼い空が私の上に圧し掛かってくる。


もしも、おまえが私の恐ろしい顔を忘れ、私の心だけを見つめてくれていたら。
もしも、おまえがもっと気強く、私の心だけでなく、顔をも受け入れてくれていたら。
故国を捨て、この砂漠の国でおまえとふたり、永遠の幸福を生きただろう。

しかし、この熱砂の果てで私が見たものは、永遠の孤独、ただそれだけだった。




700名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 22:11:19 ID:En5/j9Tw
以上です。
お読み頂いた方、ありがとうございました。
701名無しさん@ピンキー:2007/06/17(日) 23:25:53 ID:dsTOebgh
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

でも
。・ ゚・(つД`)・゚・。
続きはずっと読みたかったけど、でも、ロクサーレタン…。・ ゚・(つД`)・゚・。
702名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 22:07:43 ID:Jkw7cgAd
投下乙!

悲しい恋というかなんというか…
映画が作れそうな話だぁ…
703名無しさん@ピンキー:2007/06/19(火) 02:07:44 ID:pjEy0DQq
天使様久々の投下GJ!超GJ!!でもロクサーレタソがー!ヽ(`Д´)ノウワァァァン
ファントム上の石工の親方の娘の最後みたいだ…てかロクサーレタソの名前の意味にいたく感心してしまった。
だから「象徴的な名前」だったのか。悲しいけど萌えた。
704名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 21:39:37 ID:boIxq6Qw
天使様GJGJ!!
あぁぁ…哀しいけど、こういうの好き。
視界が霞んだぜ!
705名無しさん@ピンキー:2007/06/20(水) 22:43:10 ID:k34DG3V5
以前お願いしたものとしては、頼んでよかったーです。
天使様、職人様、良い良いです。
本流から離れていても、これで一本話ツクレソ。
終わって寂しいけど、ロクサーレの意味に脱帽。
706名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 00:08:41 ID:YPPJwQDj
どうしてもエリックと女奴隷は結ばれない運命のカップルなんだなあ
切ないけど良かったよ天使様、ありがとう。
クリスとの恋よりも切ないと自分は思う、天使様の作品を読んでから本当そう思う。
707名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 17:26:22 ID:DrXtAXR2
だれかハッピーエンドのエリック×女奴隷を書いてくれる天使様はいないものだろうか…。
708名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 22:03:26 ID:RQomVJLW
人の感想はそれぞれだと思うけど、クリスとの恋より切ないって
言う必要あるの。
別に比べないで切ない、でいいじゃん。
709名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 22:11:29 ID:DrXtAXR2
>>708はファンクリが一番切ないのかもしれないけど
>>706はエリック×女奴隷がいいのでしょう?
人の感想がそれぞれだと言うのなら、どんな意見だって必要だとは思うのだけど。
あなたの意見が一番比べているように思えるよ。
710名無しさん@ピンキー:2007/06/21(木) 22:44:47 ID:2BQ9aLo8
テラワロスw
711名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 00:25:26 ID:ouZ2Vqiy
話の行方は天使様次第。
読み手はぐだぐだ言わずに待つのみ。
712名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 20:37:31 ID:6tS8M9xm
ほ し ゅ
713名無しさん@ピンキー:2007/07/08(日) 20:32:23 ID:V4aTC7LO
hoshu
714名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 00:45:46 ID:3GhM/ik2
ところで、他に連載中のモノって何だっけ?
自分、「失われた環」と「木から下りたラウル」の続きを待っているのですが。
715名無しさん@ピンキー:2007/07/09(月) 01:01:14 ID:0FEoIWeh
あとは>>601氏の太后×エリックがあるね。

ここは3スレ目くらいからずっと見ているけど、
本当に読み応えのある作品ばかりで眼福だ。
過去スレにリアルタイムで参加できなかったのが
残念で仕方ないよ。
716名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 22:06:52 ID:0zixjW2A
放置職人の一人だけど…

受験が終わったら戻ってくるよ(`・ω・´)
717名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 23:20:41 ID:gxp/MSi0
ちょっ
受験て
718名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 01:42:30 ID:Tm1HEpT/
「失われた環」自分も待ってます……。
ずっと気になっている。
719名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 10:43:07 ID:OgB2kCnw
>>717
院試かもしれんし
そうなったら秋頃には復帰してくれるだろう
720名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 13:05:48 ID:I65H/Hyc
危険物取扱者試験とかかもしれん

と打ってて、
危険人物取扱者試験てのがあれば、
マダムはそれの1級保持者だとおもた
721名無しさん@ピンキー:2007/07/11(水) 20:16:01 ID:eRxZBF8l
で、716はどっちの作者様なんだ?
722名無しさん@ピンキー:2007/07/12(木) 23:42:30 ID:DZae2KeS
ここ、すっかり過疎っちゃったね。
723名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 18:10:44 ID:yORw9bMT
すみません、ギャグ投下します。
映画ファントムの中の人に興味のない方はスルー推奨。
724ファントムの日記:0日目:2007/07/13(金) 18:11:24 ID:yORw9bMT
今日やっと、楽しみにしていたものが届いた。今、巷ではこれが大流行しているらしい。
何でも7日間で肉体改造ができるという優れものなのだ。愚かな民衆が飛び付かない筈がない。
こういったものは流行り廃りが激しく、私は手を出すつもりは無かったのだが、どうしてもやりたい事があり、それを達成するために購入したのだった。
今なら7日間チャレンジで5,000フランがキャッシュバックされるという。それならば、と思ったところが大きい。
私の月収は20,000フランで、これは14,700フラン(税込み)もするのだ。

箱を開けると、「彼」の勇ましい姿が4パターンも現れた。とても頼もしい。
そして同梱されていた黒色の紐(バンド)。
これが要だ。うっかりいつもの癖で、誰かの首を縛り上げるのに使ってしまわないように気を付けなければならない。
今日のところは開梱だけにして、本格的な訓練は明日から行うこととしよう。
私は心の中で、彼――隊長に向かって、入隊の敬礼をした。
725ファントムの日記:1日目:2007/07/13(金) 18:12:12 ID:yORw9bMT
逸る気持ちを抑えつつ、DVDを再生する。
なぜこの時代に…などという問いは、自他共に認めるジーニアスな私には愚問だ。無視していただきたい。

すぐにテンポの良いBGMがオペラ座の地下に響き渡った。
音楽の天使を自称する私にとって、このBGMの出来は満足できるものではないが、妙にリズミカルで体が自然に動いてしまう。さすがと言うほかない。
日ごろの運動不足がたたり、最初のストレッチで既に体が攣りそうになる。スクワットするだけでも腿がプルプル震える。
しかし、隊長の励ましによって、私はなんとか55分のプログラムを終えることができた。
「できるところまででいい」「絶対に諦めるな」。この飴と鞭の絶妙な使い分けが人々の心を虜にするのだ。
早速クリスティーヌへのレッスンに取り入れてみよう。
726ファントムの日記:2日目:2007/07/13(金) 18:12:45 ID:yORw9bMT
朝起きると、未だかつて経験したことのない筋肉痛が全身に走っていた。
まだ基本プログラムを1日終えたばかりだというのに、これで7日間ものワークアウトが達成できるのだろうか。私は不安になった。
が、しかし、私はどうしてもこれをやり遂げなければならない。もう衣装は揃っているのだ。

昨日と同じDVDを見ながら、必死で画面の向こうの彼に食らい付く。
両手を目の高さに上げてグルグル回していると、腕の筋肉が悲鳴を上げ始めた。
隊長、そんなにカメラ目線で喋らなくていいから早く「OK、グッジョーブ!!」と言ってくれ!
しかし我らが隊長は、そんな私の甘えを許してはくれない。
小気味良い声が心と体に響く。
「ワンモアセッ!」
727ファントムの日記:3日目:2007/07/13(金) 18:13:41 ID:yORw9bMT
今日から応用プログラムに入る。
隊長は衣装を新たにしており、なぜか帽子(迷彩柄)を被っていた。訓練を始める前に、彼は帽子をポイッと脱ぎ捨てた。
その帽子に何か意味はあったのか、隊長。

応用プログラムは、やはり基本とは一線を画している。隊長のテンションも上がり気味だ。
腕立てだけでも汗が吹き出る。床に手をついてキックする動作など、眩暈がするかと思ったほどだ。

しかし、隊長の一言が私に力を与えた。
「キックする時は敵をイメージするんだ。敵はどんな奴だ?」
……決まっている。あの忌々しい子爵だ!!
「グッジョーブ、ナイスキック!」隊長は親指をグッと上げてくれた。

この最強のコンバット・キックで、子爵だろうとどこかの国の使者だろうと、簡単に奈落の底に突き落としてみせる。
728ファントムの日記:4日目:2007/07/13(金) 18:14:21 ID:yORw9bMT
今朝はもうベッドから起き上がるのをやめてしまおうかと思った。それほどまでに体が辛い。
腕が、腹が、腿が、脹脛が……少し動かそうとするだけでも激痛が襲ってくる。
しかし、今日はとても大切な日だ。怠けてはいられない。

私は2回目の応用プログラムを必死の思いでやり遂げ、滝のような汗を拭ってから、「赤い死神」の衣装を身に纏った。
私の体にはかなり筋肉が蓄えられてきており、衣装が心持ちパツパツになってしまったが気にしない。

夜も更け、楽しみにしていたマスカレードが始まった。
宴が盛り上がりきったところで、満を持して登場した私に、皆の視線が釘付けになる。嬉しい。
が、脚の筋肉痛のせいで、つい階段を下りる足取りがぎこちなくなってしまった。それを誤魔化すために、とりあえず手当たり次第にダメ出しをしてみた。
これで太りすぎのピアンジ君も健康に気を付けてくれるだろうか。彼にもぜひ入隊を勧めたい。後で手紙を書こう。
729ファントムの日記:5日目:2007/07/13(金) 18:15:08 ID:yORw9bMT
3枚目のDVDには「腹筋プログラム」と記されている。
「覚悟はできてるか?」と隊長。
ああ、望むところだ。
私の目標を達成するためには、まずは割れた腹筋を手に入れることが不可欠なのだ。

今日の訓練は35分。今までのものよりも短いではないか。楽勝だ。
しかし、この腹筋プログラムが思ったよりもかなりキツイ。
やはり割れた腹筋は並大抵の努力で得られるものではないのだ。
しかし私は歯を食いしばってエクササイズを続けた。

「声を出さないやつは腕立て100回!」
あんた無茶苦茶だ、隊長。
730ファントムの日記:6日目:2007/07/13(金) 18:15:38 ID:yORw9bMT
腹筋プログラムの成果はすぐに現れた。
雪の降る墓地で、ついに子爵と死闘を繰り広げた私は、うっかり倒れこんでしまったものの、上体を起こしてそのまま維持することができた。
この姿勢は、腹筋が弱い者にはかなりキツイはずだ。息切れしながらも、いつもの癖でつい7秒間キープしてしまった。
子爵は私に恐れをなし、馬に乗って走り去った。
ざまあみろといったところか。

さあ、今日も元気に飛行機ブンブンだ!
731ファントムの日記:7日目:2007/07/13(金) 18:16:35 ID:yORw9bMT
今日で訓練は最終日を迎える。

もう筋肉痛に泣いていた私ではない。腕立てもスクワットも軽々とこなせる。飛び散る汗が心地良い。
最後、隊長が「両手で肩を抱け」というので、エクササイズの続きかと思って素直に従ってしまった。
隊長は「俺からのハグだ」と言った。騙された。ハズカシイ。

それでも私は、7日間のワークアウトを全うした。そして心のたけを、この一言に託した。
「スリー、ツー、ワン、ヴィクトリー!」
ああ、なんて清清しい響きだろう。

それから私は、前もって準備していた衣装に着替えた。
もう暑苦しいタキシードとはおさらばだ。
鍛え上げられた肉体に似合うのは、なんといっても革のパンツ。そして赤いマント。肘下と向こう脛だけに申し訳程度の甲冑を付けた。

最強だ。
私は目的を見事に達成したのだ。

鏡に映る自分を惚れ惚れと眺める。腹筋は見事に割れ、胸も脚も、申し分のない逞しさ。乳首も立ちっぱなしだ。
これで雨が降ろうと槍が降ろうとへっちゃら、弾丸のような手榴弾や、やたらと巨大なサイも敵ではない。
こんな素晴らしい肉体を得ることができたのは、他でもない、隊長のおかげだ。
ありがとう、ビリー・ブランクス@最強の51歳。

私は鏡の中の自分に陶酔するあまり、ここがあの楽屋裏であることを忘れていた。
つい発してしまった「ヴィクトリー!」の声に、聞き覚えのある声が反応した。

「マスター?」
まずい、あの声はクリスティーヌだ!!
私は急いでその場を立ち去ろうとしたが、クリスティーヌが鏡を開いた方が早かったようだ。

「マ、マ、マスター!?」
クリスティーヌが裏返った声で私を呼んだ。
彼女の瞳にはくっきりと 「 変 態 」 の文字が刻まれている。どうしよう、どうすればいいのだ。

踵を返して逃げ出したクリスティーヌの背中に向かって、私は必死の釈明を試みた。
クリスティーヌ……これは、これは……ディ、ディ……

「ディス、イズ、スパルタァァァー!!!」

私の魂の叫びは、空しくこだまして消えていった。
732723:2007/07/13(金) 18:17:22 ID:yORw9bMT
以上です。
たいへん失礼いたしました。
733名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 18:51:05 ID:bt1X8Ne4
こwwwwwれwwwwwはwwwwwwwwwwwwwwwwww
変な声出してワロタwwwwwwwwwww
天使様GJ! 超GJ!www
ピアンジの身体を気遣う先生のヌクモリティwwww

オチがそうくるとは思わなかった。
734名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 20:20:34 ID:jwt8b/op
うっはwまさかビリーとのコラボが来るとは!
色々ネタ盛り込み過ぎですよ天使様wwwww
どこを読んでも笑ってしまったwww
OK、GGGGGGGJ!!!!!
735名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 20:22:04 ID:hxx8JzxE
おお堕天使よ、ゴッドジョブ!!!

爽やかな笑いを堪能したんだぜ。
736名無しさん@ピンキー:2007/07/13(金) 20:50:18 ID:PheOFIYq
GJ! GJ! GJ!

4日目、皆の視線を釘付けにして嬉しがる先生がカワユスv
737名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 00:30:06 ID:zDkLjBk1
はらいたいwwGJwww!1!!
何この絶妙な交ざり具合はwwwwしかも三つwwww

そういえば後ろ姿とか髪型とかクリスに似てないこともないよな、あの王妃。
でも10キロの盾をホレって渡すのはクリスにはむりぽ。マダムならできるかな。
738名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 01:15:54 ID:vUOzt3SS
GJ!
絶妙でワロタ
こうなると才能だね。
文句なし、尊敬するw
739名無しさん@ピンキー:2007/07/14(土) 02:47:53 ID:ZBNc+1KM
やばい面白いww
私らの心をピンポイントで掴みすぎです天使さま。
いやーGJ!
740名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 02:02:55 ID:XIOUIg0o
「違うんだ、クリスティーヌ!この革ぱんつがせめてもの妥協の結果なのだ!
原作通りならほぼ全裸、いやそれでも良かったんだが、それはやはり刺激g
……クリスティーヌ?おぅ、クリスティーヌ!」

こんなオペラ座は嫌だw
741名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 15:13:01 ID:znzEbJJi
うはっ!GJ!!
>乳首も立ちっぱなしだ。
もちろん股間も大層すばらしいことになっていることだろう。
クリスも目を覆う指の間から釘付けになるほどw
742名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 23:17:04 ID:VuI+Dj6G
>>741
ここだけのハナシですけどね、
あの皮パンツ、中に古くなったクラヴァットなんかをいっぱいに詰めてるんですよ。
あ、マスカレードに行くときはスコア入れてるんですけどね。
743名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 23:40:25 ID:oZVELf6N
>>742

お前はトミー・リーか!!
…って一体誰が分かるんだ、こんなネタorz
744名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 01:07:13 ID:pYzf1uFZ
ドラえもんの四次元ポケットか!

先生上げ底乙。
745名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 01:12:56 ID:+mCpRsxm
先生は、実際に尻の方を上げ底していた疑惑が…。
746名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 01:44:04 ID:pYzf1uFZ
尻はパット入れてライン出したって300関連の記事で読んだ。
747名無しさん@ピンキー:2007/07/17(火) 17:27:15 ID:MuErOUuK
  、  ∩
( ゚∀゚)彡 尻パット!尻パット!
  ⊂彡
748名無しさん@ピンキー:2007/07/18(水) 21:15:51 ID:2vqgBl8O
尻(けつ)バット、に、見えた。
そっか…前も後ろも上げ底か…
動きにくそうだな、先生。
749名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 00:54:10 ID:+vPS63X9
>741
なんかプロデューサーズのゲイカップルの家にいる振り付け師か何かの
紫レオタードのおっさんを思い出した>股間も大層すばらしいことに

先生の中の人が、革パンの中に大きい靴下つめたとか
何かで言ってた気がすんなそーいえば。
750名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 08:49:01 ID:VCNKCzOU
「私は靴下だが、あいつはズラだぞ
さあ選べどちらか、This is the choice!」
751名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 09:45:13 ID:Y3l6XUcE
どちらも

お  断  り  だ  。
752名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 13:36:18 ID:xrTc3idj
ゲ、靴下って所がなんかまた・・・履かせたのか、何重にも。
753名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 14:54:26 ID:XG/C54ZI
>752
新生児用から大人サイズまで、汗だくになりながら
幾重にも履かせている先生を想像してしまった・・・
754名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 16:07:17 ID:XROu+mOK
履かせるwその発想はなかったwww
一番内側は新生児用で大丈夫なんだw
755名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 22:00:26 ID:+vPS63X9
ちょwwおまいらwwww革パンに靴下云々は中の人の冗談だぞwwww

先生の中の人って、先生からは想像つかん程気さくでお笑い好きな
オサ-ンだからギャップに困る。まだ300の王の方が違和感ない
ときに先生だけでなくクリスの中の子の新作はないものか(*´Д`)
756名無しさん@ピンキー:2007/07/19(木) 23:42:27 ID:otLOPkbC
し、新生児用って5〜6センr



いざ変形したときに地獄を見……、見ないのか?
757名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 09:07:11 ID:/zWQlxLX
>756 見ない…の?セツナス

!!!急募!!!

素直な生き物に靴下を順番に
履かせるだけの、簡単なお仕事です。
就労場所はパリ市の中心部、
ショッピングにも便利な場所です!
※住み込み歓迎

待遇:委細面談
条件:年齢15〜22歳
    独身の女性
    スウェーデン人
    父親がバイオリニスト
  ※歌が上手な方、優遇します
      
758名無しさん@ピンキー:2007/07/20(金) 11:25:43 ID:vF/lvRNz
クリス以外の条件が当てはまる人が応募してきたらどうするんだw
759名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 09:15:57 ID:sGrlr4Nn
>757
素直な生き物ってw
素直に反応するだろうけどな!
760名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 23:54:32 ID:K4VOrsIe
私、人種と父親の職業以外は当てはまるわw

ちょっと帰化して向こうで養子縁組してくるノシ
761名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 00:40:05 ID:5tcZvnkL
>760

ついでに、デムパ的素質も必要だ。
762名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 09:05:58 ID:M3+gqkrU
>760

エロパロ住人は不可
763名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 19:20:27 ID:WQXSpEJF
「まぁ、マスター…そんなになさっては、
上手く履かせられませんわ…ね?いい子にしていらして
…駄目、ぁあ、凄い…こんなに…」

やったね!日課の妄想に
新しいレパートリーが加わったよ!
764名無しさん@ピンキー:2007/07/22(日) 20:37:38 ID:1YXjUhvu
>>757
募集条件細かすぎだろww
765名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 16:38:10 ID:4k4b45JY
マスターの足の間に芋虫が!?
766名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 21:25:31 ID:LfCuC5ks
>765
せめてナマコであってくれい。
767名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 22:58:43 ID:FOeWID2B
しかしこういうアホな下ネタとかギャグの時は必ずといっていいほど
怪人はバトさん版で絵が浮かんでしまうwすまんなレオニダス
シリアスとかは話によって骸骨っぽいのとか舞台俳優の誰かとか原作系とかいろいろ
浮かぶのに
768名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 23:08:06 ID:djYsY7HX
言われて見れば自分もだw
ごめん王よ。

やっぱり、その他版のファントムとのヘタレ度の差だと思うw
769名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 11:28:52 ID:1ifilBSJ
>765
>766
何でそんなにぐったりしたものにばかり例えますかw

必死に靴下履かせるビジュアルは、確かに
バト氏以外には適用できない。
770名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 02:36:54 ID:GhlG8Hz9
妄想はあれど文章に出来ない俺が出来るのはホシュ
771名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 12:45:36 ID:w+5GWXpG
>770
その妄想を晒してみる。
天使様が文章にしてくれるかもしれん。
772名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 15:50:56 ID:fdxifAQ5
天使様を起こしてみるお
                _
               /´  `フ
         , '' ` ` /      ,!
.        , '      レ   _,  rミ
        ;          `ミ __,xノ゙、   ソー 
        i     ミ   ; ,、、、、 ヽ、
      ,.-‐!       ミ  i    `ヽ.._,,))
     //´``、     ミ ヽ.    _,,..,,,,,,_
.    | l    ` ーー -‐''ゝ、,,))  ./ ,' 3  `ヽーっ
     ヽ.ー─'´)          l   ⊃  ⌒_つ
      '''''''''            `''ー---‐'''''"
773名無しさん@ピンキー:2007/07/27(金) 19:44:52 ID:NLwKbzfy
>>772
カワユスw
774名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 12:38:06 ID:XHuuwLi8
772を見てアイシャにいたぶられる御大を想像
こんな想像(妄想)しかできない自分OTZ
775名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:34:14 ID:ABek7KhM
書いた人は腹筋割れたか?
776名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 15:13:09 ID:zQ0nJtFl
↑意味不明
777名無しさん@ピンキー:2007/07/30(月) 23:00:41 ID:qLe93NiT
>776
ファントムの日記を書いた天使様の腹筋は、
ファントム同様、割れたのでしょうか。

と、>775は問いたいのではあるまいか。
778723:2007/07/30(月) 23:55:43 ID:xzvmrIhl
割れてるに決まってます
レイエ氏も転げ落ちるほどの見事な腹筋、そし
てもちろん乳首は(ry これで300人vs1,000,000人
まっこう勝負!
せんせい! 今日のばんさ
んは地獄でとることになると思います



orz
779名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 02:12:49 ID:Hejc4REF
おまいら何も言わずにコレを見るんだ。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm224801

作者無駄にすげえwwwwwww
曲と映像合いすぎwwwwwwwwww
780名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 01:43:09 ID:Pj3MvfwB
>>778
ちょwww縦wwwww
ギャグの天使様は返レスにまでネタを仕込まれるのですねwww
781名無しさん@ピンキー:2007/08/01(水) 17:38:19 ID:z9bEX6vV
わはw
だからここの天使様好きなんだ〜
782名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 01:03:08 ID:ySJAzaPO
>>779
見れない;;
783名無しさん@ピンキー:2007/08/03(金) 18:45:13 ID:82oz9pzS
私も見られん…
784名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 00:02:03 ID:kglCQ5fu
>782,3

登録して、ログインして、2:00〜19:00に見るのだ。
785名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 00:45:18 ID:EfamYZJM
>>784
そこまでして見る価値あった?
786名無しさん@ピンキー:2007/08/05(日) 22:28:31 ID:0K6ro5b4
787名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 23:48:44 ID:eGSJTcY/
788名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 01:42:10 ID:/LTRqdC4
>782、3
こっちでも見られる
ttp://www.youtube.com/watch?v=JdudeFQSpGI
789名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 10:01:01 ID:jJlznmhU
>788
いや、やはりあのコメントがないと……w
790名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 19:44:04 ID:TGPAFkma
失われた環の天使さま・・・まだ年末年始をお楽しみでしょうかw
い、いえ 何年でもお持ちいたしますが^^;
791名無しさん@ピンキー:2007/08/08(水) 23:26:55 ID:dpKDdYm5
再び挑戦


      ∧_∧  天使様起きてお お願いだお
     (´・ω・)o,..,,,,_
      /つi'" ,' 3  `ヽーっ
      し-,l   ⊃ ⌒_つ  
        `'ー---‐'''''"
792名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 01:08:43 ID:0W5yN3LW
           、ゞヾ'""''ソ;μ,   
          ヾ  ,' 3    彡
クリスティ━━━━ミ         ミ━━━━ヌ!!! 
          彡        ミ
           /ソ,, , ,; ,;;:、ヾ`
793名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 12:11:35 ID:t2vGOAgN
ケータイで見るとワケワカメ
794455:2007/08/10(金) 16:49:06 ID:tyyKz14m
すごく間が開きまして申し訳ありません。
456-459の続きです。
ファントム×クリスですが、主に陵辱です。
ハッピーエンドにもなりません。お嫌いな方はご注意。
7951/4:2007/08/10(金) 16:51:20 ID:tyyKz14m
暫く後に姿を見せた男は、赤く擦れたクリスティーヌの手首の跡に、唇を歪めた。
「随分と暴れたようだな。逃げようとしたのか、それとも…」
男の指が頬から顎先、首筋へと移動する。
「う…」
クリスティーヌは息を呑んだ。触れられた場所がじんじんと火照る。
全身から汗が噴出し、無意識のうちに腿を縒り合せる。
「どうした、我が花嫁よ」
そんな反応を見定め、ファントムはドレスの胸元を緩め引き摺り下ろした。
露になった乳房を掌でゆっくりと回すように揉みしだく。
「んんん!」
「…柔らかい…クリスティーヌ…」
双球に顔を埋め、次いで先端を頬張る。
「ふうっ!ううっ!」
指が食い込み、歯を立てられるたびに、細い腰は痛みではない感覚に捩られた。
「ああ、すまんな。いつまでもこんなものを掛けていては苦しいだろう」
唾液でぐっしょりと濡れた轡を口中から引きずり出す。

「あ…」
クリスティーヌは既に荒くなった息の下から、切れ切れに問いかけた。
「ラウルは…あの人をどう…」
男は頬を引きつらせると視線を険しくする。
「今はまだ、オペラ座の中だ」
歪んだ笑み。
「助けは期待しない方がいい、あの若造は独りではあの部屋から出ることすら出来ない」
「そんな…ラウルは、助けてくださると…」
「人の心配よりこれから己の身に起きることを案じるべきだが…まあいい、
あいつはおまえが無事私の妻になった後、シャニュイ邸まで送り届ける。
私に何かあったり…おまえが自ら命を絶つようなことがあれば、
あの男は光も入らぬ穴倉の中で餓え渇いて死んでゆく羽目になるぞ」
「自ら命を…?私は、そんなことは、しません。ちゃんとあなたの妻になると誓…」
「よい心がけだ」
ファントムは胸の下辺りで蟠っていたドレスを両手で掴み、一気に下まで引き裂く。
「"終わった"後にもう一度その言葉を聞きたいものだな」
弱弱しい悲鳴に哄笑が重なった。
7962/4:2007/08/10(金) 16:53:35 ID:LOvkDRVQ
下着を毟るように破り取り、固く合わされた腿の間に掌をこじ入れる。
「準備のよい花嫁だ」
指先で隠しようもないほど濡れた花弁を開き、合わせ目を指の腹で撫でる。
蜜を滲ませながら綻びかけているそこに、ゆっくりと指を捻じ込んでゆく。
恐怖のためか、拒むように締め付ける入り口を擦るように抜き差しを繰り返す。
「いや、いや、いやぁ…!」
言葉とは逆に内部は熱く蠢き、とろりと新たな蜜を滴らせる。
「…辛いか?」
指を抜き取りながら囁く声は優しい。
「い、や…や…」
「そうだな、花嫁となるにはこれでは辛いだろう」
絶え入るような声で拒否の言葉を呟くクリスティーヌにファントムは顔を寄せた。
「…私を、受け入れられるようにしてやろう」

両膝に手が掛けられ、左右に大きく開かれる。
粘膜が外気に晒され、恥ずかしい部分がどうしようもないほどに潤っていることを肌に伝える。
冷やりとする表面と裏腹に内部は炙られるように熱い。
「いやっ!」
男が何をしようとしているのか悟って、少女は鋭い悲鳴を上げた。
「止めて、止めてぇ!」
必死に腰を引こうとするが動くことが出来ない。
制止は聞かず、強い力で膝を押さえつけたままファントムは両脚の間に顔を近づけた。
「止め…あうっ!」
生暖かい舌がざらりと合わせ目を舐め上げ、身体の奥深くから何かがじわりと湧き上がる。
「あ、あ、あぁ」
不快なぬるつきを、尖らせた舌がかき回す。粘ついた水音、敏感な粘膜に感じる熱い息。
「あ…くぁ…あ、はぁ…っ!」
花弁もその上に姿を現した肉の突起も音を立てて吸い上げられ
足の指先は強張り丸まり、寝台を軋ませるほどに何度もシーツを蹴立てる。
7973/4:2007/08/10(金) 16:55:39 ID:LOvkDRVQ
クリスティーヌは両脚をだらしなく投げ出したまま、身を離した男が
次々と自らの衣服を取り去ってゆくのをぼんやりと眺めていた。
腰がまるで融け崩れてしまったかのようだ。
手も足も、自分のものでないかのように感覚が無い。
それでいて両脚の間だけははっきりそれと分かるほど脈打ち、
そのリズムに合わせて時折、細波のような電流が頭から足の先までを駆け抜ける。
総て脱ぎ去ったファントムは、クリスティーヌに覆いかぶさるとクリスティーヌの戒めを解いた。
「あ…あ」
自由になった両腕も、しびれて力が入らない。
開いた両足の間に、男の身体が収まる。
綻んだ花弁の中心に硬い肉が押し付けられ、クリスティーヌは
恐怖とそれを上回る本能的な期待感に、身体を大きく震わせた。
花弁を押し開くように先端をこじ入れる。
「痛くはないか?」
強引に押し広げられる感覚も、薬の疼きに誤魔化され痛みとはならない。
それでもその衝撃に、クリスティーヌは声を立てた。
「あぁあッ?!」
初めての抵抗を押し開くように、一気に最奥まで突き入れる。
十分に潤った柔肉は男の手荒な進入をすぐに受け入れた。
「どんなに拒絶しようと、お前の身体は、こうして私を、受け入れる」
「いや、ちが…う…!」
「違わないだろう?
さらにゆっくりと再び己を埋め込みながら尚もファントムは囁いた。
「う、くぅ」
「いい声だ。本当に違うのか?悦んでいるのではないのか?」
ぐちゅ、とことさらに音を立てながら抜き取り、突き入れる。

「うぁ…あ、あ…!」
何度も頭を振りクリスティーヌは啜り泣いた。
「違う、違うの…いやぁ…」
男が腰を引くたび、自分の内部が引き止めるように蠢くのが分かる。
そして信じたくないのに、自分の身体がそれを悦んでいることも。
「いや、もう、あぁ…」
溢れ流れ、幾筋もこめかみを伝う涙を、男の指が丁寧に拭う。
「…可哀想に、こんなに泣いて」
男の声色が変化した。
7984/4:2007/08/10(金) 16:58:04 ID:MJbSzmwE
「どんなに感じようと、おまえは悪くない」
ぎゅっと閉じられた瞼がひくりと動く。
「お前の所為ではない。お前は恋人を助けるために、この化け物に身を投げ出したのだ」
「こい、びと…」
ゆっくりと腰を使う男の動きに背を引きつらせながら、浮かされたように呟く。
「そうだ。忌まわしい薬と縄の所為で抗いたくともできないお前は、何も悪くない」
「…」
乱れた巻き毛を梳いてやりながら、耳朶に唇を寄せる。
「だから、身を任せてよいのだ、自らの魂に、感覚に。お前はそうするしかないのだから…」
少女はゆるゆると瞳を上げた。
「そうするしかないのだ…」
男の目に浮かんだ狂気の色に本能的に身震いする。
が、熱に混乱した頭ではもはやその意味を理解することは出来なかった。
「そうだな?クリスティーヌ」
曇った目で見上げながらクリスティーヌは小さく頷いた。
「は、い」
浅く速い息を吐きながら掠れた声で囁く。
「…はい、マスタ…ぁ…」
「…マスター…」
男はふと動きを止めた。
「…マスター、天使…ファントム…」
「え…?」
クリスティーヌの表情に生気が蘇る。
「どれでもない怪物だ…今お前を犯しているのは」
「…違うわ…」
「醜い獣。身体も魂も腐りきった獣」
「違う、だって…」
「もういい、天使などどこにもいなかった、初めからこうなるさだめだったのだ…!」
「あ…あぁっ!」
クリスティーヌの瞳に宿りかけた正気の光は、性急な突き上げに散らされる。

やがて狂ったように動く男の背が一瞬止まり、大きく撓んだ。
「クリスティーヌ…クリスティーヌ…」
一瞬膨れた肉の柱は、一気に熱を内部に吐き出す。
「う…ぁあ」
唸るような声、注ぎ込まれる感覚にクリスティーヌも奥歯をかみ締め背を逸らす。
「クリスティーヌ…」
濁った声で名を呼びながら男がゆっくり身を離す。
同時に力を失った楔が抜け落ち、どろりと生暖かい何かが内腿を伝った。
「おまえも怪物になるのだ…」
髪を身体をまさぐる手、肩口を這う唇。
「…怪物の子を身篭れば…おまえも、私と同じ…」
すすり泣くような呟きが耳に届いてもクリスティーヌは
薬に曇った瞳を見開き、ただ唇を戦慄かせるだけだった。
799455:2007/08/10(金) 17:00:18 ID:MJbSzmwE
エロのない後日談が
あとちょこっと続きます。
もう暫くお付き合い下さい。
800名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 19:16:59 ID:y9aVzOed
おぅ、天使様GJ!!!
続き待ってました〜!
ファントムがエロ悲しいよ。
後日談もお待ちしてます。
801名無しさん@ピンキー:2007/08/10(金) 23:29:25 ID:IMsZg5Xp
天使様GJ!ハァハァし…(つД`)マスター…
802名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 23:25:43 ID:Jnjyqzf2
天使様お待ちしておりました!
哀しいなあマスター、クリス嫌わないでやって欲しい…
803名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 19:30:21 ID:ZEZprO53
GJ! GJ!
10年にわたる師弟関係の結果がこうなるのかと思うと、
ハァハァしながらも涙が………。エロいのにカナシイ。
804名無しさん@ピンキー:2007/08/12(日) 23:30:46 ID:l0/ZKf1X
GJ!・゚・(ノД`)・゚・
805名無しさん@ピンキー:2007/08/14(火) 14:00:28 ID:HhVVBdab
うは、GJ!えろい!
天使様降臨、首長くして待ってマシタ!
ここの住人達はお盆休みカネ?
806名無しさん@ピンキー:2007/08/16(木) 14:45:13 ID:7g2OG4rP
天使様GJGJ!
せっかくの降臨時に留守してて残念だった。
ここの住人達もお盆で帰省中だろうか?
807名無しさん@ピンキー:2007/08/17(金) 18:07:40 ID:6Cy/KxTB
引き続き天使様待ち
808名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 01:48:30 ID:iTWgk5sM
ながーい年末年始休暇をとっていた者ですw
いや、春に引っ越しがあって前後数ヶ月落ち着かなくってさ。(言い訳w)

>335から「失われた環」の続きです。
エロ無し、ギャグ無し。
よくあるすれ違いものなので、苦手な方はスルー奨励です。
では、次のレスから。
809失われた環 24:2007/08/18(土) 01:53:41 ID:iTWgk5sM
  6
 オペラシーズンが開幕して半年も経ち、劇場を訪れるご婦人方の装いも春らしくなってきた頃、クリスティーヌの耳に噂が入ってきた。
 そう、仮面の紳士の噂が。
 「変わったお客様がよくいらっしゃるそうよ」
 レッスンも終えてフィリッパとお茶の時間を楽しんでいる時だった。
 「変わったお客様?」
 「そうよ、ミス・ダーエ。仮面の紳士が度々お見えになるんですって。彼は必ずボックス席に入るんだけど、開演してしばらく経ってから入場して、幕の下りる前に出てゆくそうよ。
 一人の時もあれば、女性を連れていることもあるというけど、お金持ちが不倫の恋をたのしみに来ているにしては妙よね」
 「フィリッパ、そういう言い方はよくないわよ」
 「はい、先生。でも、案内係がそう言ってたんですもの。
 その方はとても身なりが良くて物腰も優雅で、微かに外国語訛りのあるちょっと良い声なんですって。
 どういう身分の方なのかしら?外国の高貴な生まれなのかしら?
 正体を知られたくなくて仮面を付け、時間をずらして、人目を避けて劇場へいらしているのではないかしら…?」
 「それはちょっと想像が行きすぎでしょう?」
 「だって、ミステリアスでどきどきしない?」
 「またおかしな小説を読んでいるのね」
 困った子ねと、クリスティーヌが冗談っぽく顔をしかめて見せると、フィリッパはにっこりして、読むだけよと言うようにクリスティーヌの腕を軽く叩いた。フィリッパにとっては、面白いゴシップの一つに過ぎないのだろう。次の瞬間にはもう違う話題になっていた。
810失われた環 25:2007/08/18(土) 01:54:52 ID:iTWgk5sM
 けれど、クリスティーヌにはその噂を無視することが出来ず、その後の話は殆ど耳に入ってこなかった。
 もちろん劇場で怪異が起こることは無い。不可解な手紙も届かなければ、プリマドンナの失踪事件も、誰かが殺されたという話もない。
 変わった事といえば、劇場に出資したいという人物が現れたぐらいだろう。しかしこれも、ショウビジネスに乗り出す資本家の存在は珍しくないので、特別な出来事ではない。
 「仲介者によれば、その人物はフィリッパにご執心らしいよ」と、クリスティーヌは総支配人から聞いていた。
 出資したいというのは噂になっている仮面の男なのではないだろうか?
 男はフィリッパを見たいが為に醜い素顔を隠して劇場へと来るのではないだろうか。
 それは、たった一輪のばらを贈ってよこしたのと同じ人物なのでは?
 心に一人の男の姿が浮かび上がり、クリスティーヌは頭を横に振った。
 フィリッパのファンは多い。どこかのお金持ちが出資を申し出たとしてもおかしくはないし、仮面の男の事だって、世界は広いのだからアメリカに一人や二人いたって不思議じゃないわ。
 深紅のばらなんて更にありふれている。街のどの花屋にも溢れているもの。それに、あのばらは一度きりしか届かなかった…。
 起こった事柄を一人の人物に繋げて考えるのは間違いで、それぞれ別の人間がやったことなのだ。多分、きっと…。クリスティーヌはそう考える方がずっと自然だと自分に言い聞かせ、くっきりと思い浮かぶ黒い影を心から追い払った。期待してしまうことが分かっていたから。
811失われた環 26:2007/08/18(土) 01:57:39 ID:iTWgk5sM
 同じ頃、劇場でそんな噂が流れている事など知らないマリー=アンヌ・アルトーが資料の束を持って上司であるエリックの部屋の扉をノックした。
 「以前頼まれました歌劇場とフィリッパ・ブライトン嬢に関する調査報告をお持ちしましたわ。
 ムッシューはこれまでも若い才能や新しい技術に投資されてきましたが、芸術の分野では始めてですわね」
 エリックはデスク越しに資料を受け取った。彼の使用している良く磨かれたマホガニー製の机や革張りの椅子、部屋の内装、ちょっとした小物に至るまで、どれを取っても一級の品で、部屋の主の趣味の良さとそれらを持てる財力とが伺われる。
 しかし彼が背にしている広い窓はいつも厚いカーテンで覆われ、人工の灯りだけが頼りのここでは、珍しい調度品も十分にその美しさを発揮してはいない。
 主人もそうではないだろうか?彼の奇妙な美しさは、陽射しの中で、また違う美しさを見せることだろう。アルトーは思うけれど、太陽の下に彼を引っ張り出せるのは自分ではないことをよく知っていた。
 「まだ出資するとは決めていないよ、マダム・アルトー」
 エリックは、肉体労働とは無縁だとわかる長い指でぱらぱらと報告書のページを繰った。
 「そうですか?私はてっきり、ミス・ダーエの為に出資されるのかと」
 アルトーは口をつぐんだ。仮面の奥にある瞳に射すくめられたからだ。
 軽々しくその名を出してしまったことを後悔したがもう遅い。紙をめくる音が止んだ。
 「どういう事なのか説明してもらおうか」
 ためらうアルトーを見て、エリックは苛々と指で机を弾いた。「何を知っている?」
812失われた環 27:2007/08/18(土) 01:58:44 ID:iTWgk5sM
 「…詳しいことは私どもには分かりません。
分かっているのは、フィリッパ・ブライトン嬢が師事を受けているのはまだ年若い女性だということ。パリのオペラ座でソプラノを何期も務めた人物だということ。…それから彼女の名前はダーエ。ミス・クリスティーヌ・ダーエ。
…本当にご存知ではなかったのですか?」
アルトーは思わず訊ねてしまい、火に油を注いでしまったと一瞬思ったが、エリックが見せたのは怒りではなく困惑しているかのような瞳だった。
「からかっているのだろう?ここはアメリカだ、マダム・アルトー」
いつもの冷静さはどこへいったのだろう。エリックの声は心なしか震え、ウエストコートのポケットにある指輪を無意識に取り出して、握りしめている。
主人が動揺する姿など見たことのなかったアルトーは、クリスティーヌ・ダーエだけが彼の琴線に触れることができるのだと今更ながら思った。
「そうです。アメリカのニューヨーク、マンハッタンですわ、ムッシュー。どうぞ資料をご覧下さい。彼女の名前がそこにあります」
エリックが下がるようにと手振りで示す前に、立場をわきまえているアルトーは一礼して部屋から下がった。
秘書が出てゆくと、エリックは資料の中にあるという女性の名前を探し、これまで一日たりとも忘れたことのなかったその名を見つけた。
さまざまな感情に襲われたエリックは目眩がして、椅子の背もたれに背中を預けると目を閉じた。手の中には指輪がある。
813失われた環 28:2007/08/18(土) 02:02:44 ID:iTWgk5sM
 クリスティーヌはここに、ニューヨークにいるという。思い出でもなく、舞台に見る夢でもなく、彼女自身がすぐそこにいるという。
 知らなかった。こんなに近くにあって気付かなかった…いいや、私はフィリッパの中にクリスティーヌを見ていた。フィリッパの歌に惹かれたのも不思議ではない。彼女の教え子なのだから。弟子は師に似るというではないか。
 エリックは思い当たってふっと頬をほころばせた。クリスティーヌの教え方は私のそれと似るのだろうか?よく泣かせたものだが…。
 同じ土地で生き、自分がかつてそうであったように彼女もまた歌を教えているという事実は、エリックを温かな気持ちにさせた。
 エリックは想像する。あの夢見がちな娘がどうニューヨークで生活してきたのかと。どんな先生ぶりなのかと。今、どんな姿をして、どんな声で歌う?
 自分を追いかけてきたのかもしれないという考えが浮かび、莫迦莫迦しさにエリックは声を立てて笑った。乾いた笑い声が薄暗い部屋に響く。
 身分の異なる彼らが結婚するには、色々と大変なことがあったに違いない。特にクリスティーヌにとって上流社会は厳しい場所であっただろう。
 階級や伝統というしがらみから脱して生きようと、二人はアメリカへ来たのではないだろうか。
 そう思い至ると、一度は殺そうとしたことのあるシャニィ子爵ではあったが、彼の妻に対する優しさを思い、エリックは賛辞のひとつも贈るべきだなと、皮肉からではなく思った。
 彼は妻との生活を一番に考えて、身分も、フランスでの居心地の良いだろう暮らしも捨ててアメリカへ渡ってきたのだろうから。
814失われた環 29:2007/08/18(土) 02:04:12 ID:iTWgk5sM
 そう思う傍で、クリスティーヌが未だに劇場から離れられないということは、どこかで音楽の天使であった男を思っているからではないか?という考えも浮かぶ。
 エリックは嘲るようにくっと笑った。彼女は純粋に音楽を、歌を愛しているだけだというのに、私はどうしても自分と繋げて考えたがる…。
 彼らはお互いを思い遣り、支え合いながら幸せに暮らしているだろう。かつての怪人が、殺人鬼が近くにいるなど夢にも思わずに。
 自分の存在を知れば彼女は不安になるに違いない。劇場へ足繁く通っていると知れば、尚のこと畏れるだろう。フィリッパ・ブライトンに危害を加えると考えるかもしれない。
 そして、夫や教え子を守る為に再び私の前に身を投げ出すのだろうか。恋人であった子爵を助けようと、自身を差し出そうとしたことのあるクリスティーヌなのだから。
 指輪を握る手に力が入り、拳が白くなった。エリックの現在の地位と権力があれば、夫のある女性でも手に入れることは可能だろうが、今も昔も彼が欲しいのは生贄ではない。意思を持った生身のクリスティーヌなのだ。
 エリックは、もう二度と劇場へ行くことは無いと決めた。何かの偶然で顔を合わせてしまうかもしれず、そうなればクリスティーヌの生活を脅かすことになると考えたからだ。彼女の幸せこそが彼の望むものなのだ。
 なのに、会いたいという欲求は強烈で、彼を悩ませるのだった。
815失われた環 30:2007/08/18(土) 02:06:27 ID:iTWgk5sM
クリスティーヌは仮面の男の噂を聞いてからというもの、ずっと落ち着かない気分でいた。芽生えた期待は摘み取ることが出来ず、逆に育ってしまったらしい。
客席係や支配人に聞けば、席の所有者のことや訪れる人物のことをもっと知ることができるのだろうが、以前、隠されたものを無理に暴こうとして人を傷つけてしまった経験があるクリスティーヌに、それは出来なかった。
それでも気になる気持ちは抑えきれず、用もないのに劇場内を歩いたり、客席を観察してみたりする。
別人である可能性がずっと高いと思うのに、その人を探さずにはいられなかった。
大西洋を渡り、パリから遠く離れて二度と会うことはないと思っていたのに、舞台裏で流れる噂のひとつに振り回され、「あの人であったら、また会えたなら」と、クリスティーヌは何度も何度も想像してしまうのだ。
歌の先生をしていると一番に言おう。教えられるほど経験を積んでいないと怒るだろうか?
ありがとうと言おう。あなたのおかげで歌手となり、引退しても歌を教えることができ、外国でも糧を得て生きられると。
舞台を降りて堅実な生活を送っている弟子を残念に思うだろうか。同じように教える側になった事を喜んでくれはしないだろうか。それとも、私がアメリカにいることに驚きはしても、何をしているかなんて興味などないかもしれない…。
816失われた環 31:2007/08/18(土) 02:08:53 ID:iTWgk5sM
 地下の隠れ家で私に何故と訊ねた彼は、自分で答えを見つけ、幸せを引き寄せることができたのだ。今更私に会いたいなどと思わないだろう。家庭を持ち幸せに暮らしているであろう現在、過去が引きずり出されることを誰が好む?
 けれど、忘れないで欲しい。覚えていて欲しい。私を思い出すとき、どんなに忌まわしいと思ってくれてもいいから。…心の隅に留めておいて下さい。私の音楽の天使…。
 クリスティーヌは頭を横に振った。本人だという確証もないのに、そこまで感傷に浸れる自分が可笑しかった。
 それに、フィリッパのおしゃべりによれば、ここしばらくの間、噂の人物は現れていないという。「本国へ戻ったのじゃないかしら」とフィリッパが言った。
 「そう…そうかもしれないわね」とクリスティーヌは答えた。余計な心配ばかりしていたのでほっとした部分もあるが、がっかりした気持ちの方がずっと大きく、改めて、その存在は自分の多くの部分を占めているのだと感じた。


         <続く>
817失われた環 :2007/08/18(土) 02:12:34 ID:iTWgk5sM
読んでくれた人がいたら、ありがとう。
あー、もうどこまで続くんだよ?いつ終わるんだよ?ってな感じですねぇorz
冬が来る前に終わるかなー…。
818失われた環 :2007/08/18(土) 02:17:35 ID:iTWgk5sM
げげっ。ざっと読み直したら改行がえらいことになってた。
読みにくさ倍増だぜorz
ごめんなさいです。はい。
819名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 09:58:08 ID:xOTqq6ZQ
天使様GJ!超GJ!
すれ違いすぎに悶え死ぬ…
続き町
820名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 14:32:29 ID:qfhhODpr
天使様お待ちしてました、ありがとう!
惹かれ合い求め合っているのに身も心も擦れ違ってしまっている。
続きが待ち遠しいです、いつまでも待っています天使様
821名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 17:39:10 ID:551G7Oy3
GJ! GJ! GJ!
お互いを忘れられなくて想い合っている描写がもう……!
早く互いを見つけて欲しいような、そうでないような。
822名無しさん@ピンキー:2007/08/18(土) 20:24:14 ID:mVxmc8G6
ぎゃーーーー!!!
失環投下されてたもうどうしよううれしくてもうだめdふぃうjkふじこ


ありがとうありがとう想い会ってる二人に激しく萌え……!
どこまで続いてもいいので完結まで待ってます間違いなく絶対にはい。
最後になりましたがGJ!
823名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 19:41:40 ID:Px/2tIrD
808サン
GJ!
首を長くして待ってました。
次の投下までの休暇はどうか短めでおながいします。
824名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 23:38:50 ID:LW30IATA
ただただGJ
825名無しさん@ピンキー:2007/08/20(月) 16:49:30 ID:k+znh1v/
いやーーーーーーーーーーー!失われた環の天使様キターーーーーーー!!
でも飲めば飲むほど渇く甘露みたいなんだぜ?
読むほど続きが気になる、しかし完結してしまっても寂しいし
つくづくワガママだな自分…
826名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 20:29:31 ID:UkX3dKqL
年末からお待ち申しておりましたm(_ _"m)
超悶絶〜〜〜〜〜
なんだか Mな気分だ・・。
またまたいつまでも 続きお待ちしております。
827名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 20:31:22 ID:UkX3dKqL
興奮のあまり上げてしまった。
〆られてきます。
828名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 21:04:43 ID:PvNRUOQC
2chで2ch以外の顔文字みるとイライラする
半年ROMれといいたい
829名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:37:52 ID:+qNYNeVc
まあそう言わずにカリカリすると余計暑くなるぞ

天使様ありがとう!
ますます目の離せない展開になってきた…!
続きは無理せず天使様のペースでやって下さい
いつまでもいい子で待っています
830名無しさん@ピンキー:2007/08/21(火) 23:38:23 ID:UkX3dKqL
書き込まずにいられないほどイラつかせたのに
わざわざレスありがと。
申し訳ありませんでしたね。

831名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 10:56:25 ID:xhDvIjUS
雰囲気悪くなっちゃったね
天使様が呆れなければよいのだが
832名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 11:33:44 ID:77yymj0f

   ○○○
  ○ ・ω・ ○ <天使さまー
   ○○○
  .c(,_uuノ

              ○。  ○
    ミハックシュ   ○    o   ○
    ミ `д´∵° 。 o ○
  .c(,_uuノ  ○ ○   ○


    ∧∧   <いい子で待ってるお 
    ( ・ω・)      .○○○ ○○○
  .c(,_uuノ   ..○○ ○○○  .○○○ ○○
833名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 18:58:24 ID:zcS3l605
じゃあ、ちょっと恐れ多いけど投下しようかな。

・ファントム×クリスティーヌ
・微鬼畜、ちょっと痛い
・色々と無理矢理気味

以上が苦手な方はスルー推奨。
834:2007/08/23(木) 19:01:11 ID:zcS3l605
 少女は、愚かだった。
 オペラ座にいる限り、常に“彼”の目があるのだということを、
忘れていた。

 何とも愚かで、幼く、無知な少女――。

 「マスター」
 澄んだ声が、彼を呼ぶ。
 鏡の裏に潜んでいるであろう、怪人を。

 「もう、いらっしゃるのでしょう?」
 クリスティーヌが部屋着に着替えてから、大分時間が経っている。
 普段ならば、不思議なくらい絶妙な間合いで現れる彼が――。

 クリスティーヌは、彼が今夜の舞台を観て、酷く怒っているのだ
と思っていた。
 地下に着いたら、叱咤と厳しい稽古が待っているに違いない、と。

 「マスター……、」
 不安そうな声色で彼を呼んだとき、遂に目の前の鏡が動いた。
 がらり、と音を立て、その向こうへと続く通路が現れる。
 しかし、クリスティーヌが求めた師の姿も、松明の明かりも無い。

 「いらっしゃる、のよね?マスター?」
 鏡が動く仕組みは、手動であったはずだ。
 ならば、彼の姿はすぐ側にある。

 「ねえ、マス……っ!?」
 突然、壁に力強く引き寄せられた。
 長い腕のようなものが伸びてきて、だん、と乱暴に壁へと押し付
けられる。

 「……子爵の他に親しい男がいるとは、私の想定外だったな」

 訳が分からず硬直していたクリスティーヌの耳に、怒りの色を帯
びた低い声が囁かれる。
 体中が粟立つのは、恐怖か、それとも――。

 「マ、ス……ター」
 唇が戦慄く所為で、上手く言葉にならない。
 暗闇の中、様々な感情を抱えて鈍く輝く、碧の瞳。

 恐ろしい。

 本能的に、少女はそう感じた。

 「迂闊だった。お前の身辺については、調べ直す必要があるな」
 「お、お待ちになって、マスター……何のこと!?」
 「知らぬふりか」
 ぎりり、と細い手首を掴む手に、更なる力が込められる。

 「やっ、痛い!」
 「『痛い』か。覚えているか?初めての夜。そのときも、お前は
そのように鳴いたことを」
 囁かれた言葉に、クリスティーヌの顔は一瞬で熱くなった。
 熱は顔だけに止まらず、全身へと巡り、怪人の手にも伝わる。
 それに気付いた怪人の口元が、怪しく歪む。
835:2007/08/23(木) 19:02:46 ID:zcS3l605
 「そうだ。お前の初めての男は私で、お前の恋人は私だ。だから
私は、お前のあのような行いを赦さない」
 「あ、のような、行い?」
 「……ほう、まだ知らぬふりを続けるのかね?」
 クリスティーヌを嘲笑い、煽るかのように、怪人の手と指が、彼
女の体に触れる。
 恐怖で硬直していた体が、ぴくん、と跳ねた。

 「才能の微塵も感じられない、あの男……。同僚だからといって、
クリスティーヌに近付くなど……!」
 怪人が憎々しげに呟いたとき、クリスティーヌは彼の怒りの理由
に気付いた。

 同僚の、踊り手の男。
 楽屋の側で話し掛けられ、突然のことで驚きはしたが、少しの間、
会話をした。
 『君は素晴らしいよ』と、嬉しい言葉をかけてくれた。
 ほんの些細なこと。

 「あのように笑って、そんなに嬉しかったのかね?男に色目など
使って」
 怪人は声の調子を下げ、クリスティーヌの耳元で意地悪く囁く。

 「赦さぬぞ……。お前は私のものだ」
 揶揄するようだった手の動きが、しっかりと意識を持ったものへ
と変わる。
 部屋着の裾をたくし上げ、柔らかな腿を直接、力強く愛撫する、
黒革に包まれた大きな手。

 「お前が、この“オペラ座の怪人”のものであると」
 「んっ」
 ぬるりと、耳の中へ滑り混む、熱い舌。
 「証を刻んでおかねば……」
 「!」
 頬を伝い、唇へと到達した彼の舌と、秘裂をなぞる指。

 「だ……駄、目、マスター……向こうまで、地下までは……」
 「ん?地下なら良いのかね?誘っているのか、淫らな娘だ」
 「ぁあ、違……!」
 「違う?嘘をつけ、既に濡れてきているくせに」
 充血しはじめた秘裂に指を潜り込ませ、わざとらしく、くちゅくちゅ
と音を立てる。

 「お前はこれが、濡れていないと言うのかね?」
 「…………、」
 羞恥と絶望に、言葉が出ない。

 「そんな淫らな娘には、此処でくれてやろう」
 「え?……あ、嫌ぁっ!」
836:2007/08/23(木) 19:04:25 ID:zcS3l605
 「ひっ……!」
 濡れているとは言っても、まだ十分ではないそこに、男の屹立した
物が入っていく。

 「痛いか?」
 その問い掛けに、少女は無言で必死に頷く。
 眉を寄せ、息を飲み、苦痛に身を捩りながら。

 「苦しいか?」
 立て続けの、しかも身を案じてくれているような問い掛けに、解放
してくれるのではないか、とクリスティーヌは淡い期待を抱いた。
 こく、と、再び無言で頷く。

 「そうか」
 怪人が、穏やかに言う。
 ああ、例え地下までの間だけで良い、解放してくれたら――しかし、
少女の切実な願いが、現実のものとなるはずはなく。

 「……じきに慣れるだろう」

 にやり、と歪む口元。
 クリスティーヌが絶望した途端、開始される激しい律動。

 ぱん、ぱん、と響く、二人の体がぶつかり合う音を聞きながら、
クリスティーヌは覚悟を決めた。

 堕ちるところまで、堕ちよう。
 そうすれば、この絶望も悲しみも、きっと快楽に変わってくれる。

 「あ、あ、あ」
 律動に合わせ、クリスティーヌが甘い吐息を漏らしはじめた。
 そうしなければ、そうしなければ――。

 「ふ、やはり淫らな娘だな。抵抗しておいて、結局はこうだ」
 嘲笑う怪人との結合部が、徐々に潤いを増していく。

 「こうなれば尚更、しっかりと証を刻む必要があるな?」
 「ぁあ、あん!」
 深い挿入と荒々しい律動が、クリスティーヌの奥を犯す。

 「ん、んんっ!」
 「……クリスティーヌ」
 「はぁ、ん、っふ……!」
 「クリス、ティーヌ……っ」
 怪人の息も上がり、クリスティーヌは一層淫らに堕ちる。

 「マスタぁ、や……あぅ、ぁああ!」
 怪人の首と肩に縋り付き、腰の動きのままに揺さ振られるクリス
ティーヌ。
 彼女の秘部は、蜜をたっぷりと溢れさせ、それは既に怪人の腿へ
と伝っていた。

 「じきに慣れると……言ったとおりだな」
 「ぅ、あ……」
 「愚かで、無知で。淫らな娘よ」
 怪人が熱い吐息で、しかし冷ややかに笑う。
837:2007/08/23(木) 19:06:13 ID:zcS3l605
 「裏切るな、お前は私のものだ!」
 噛みつくように叫ぶと、呼吸は更に荒くなり、律動も激しくなった。
 「あ!嫌……駄目、マスター!」
 クリスティーヌは、これまで彼に抱かれたときの記憶や経験と、
本能的な部分から、我が身の危険を感じ取る。

 「やめて!中には、中は駄目ぇっ!」
 「何故だ……クリスティーヌ、何故だ」
 「ぁあ、赤ちゃ……赤ちゃんが出来ちゃう!」
 目には涙を溜め、クリスティーヌは余力を振り絞って叫んだ。
 いくら、相手が信頼出来る師であり、恋人であったとしても、こ
のような行為の果て、実を結ぶことは本望ではない。

 「ほう、やっと知識が経験に追い付いたかね?」
 「あ、うぅ……嫌……」
 「褒めてやろう、勤勉なお前を」
 憎らしく、怪人が微笑む。
 彼を“憎らしい”と、これほど強く思ったことは、恐らくクリス
ティーヌにとって初めてのことだっただろう。

 「身篭るがいい。『オペラ座の怪人』の……醜い化け物の子を」
 呻き声と共に怪人がそう呟いたとき、クリスティーヌは、胎内の
奥深くに熱が迸るのを感じた。
 それと同時に、彼女の意識は絶望の闇の中へ、完全に堕ちた。


 少女は、愚かだった。
 オペラ座にいる限り、常に“彼”の目があるのだということを、
忘れていた。

 何とも愚かで、幼く、無知な少女――。

 果たして、そうだろうか?
 愚かであったのは、少女だけだろうか?

 劣情の冷めていく中、怪人はぼんやりと考えていた。


838833:2007/08/23(木) 19:08:41 ID:zcS3l605
読んで下さった方、有難うございました。

雰囲気を穏やかに、なんて言える話ではなかったが、箸休め程度になれれば嬉しい。
839名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 21:05:07 ID:1snMcgeu
ありがとう天使様!
赤ちゃん、て台詞が出てくるとなんだかリアルというか現実的なエロスを
感じてしまうハァハァ
マスターこれで本当にお望みなのかなあ…
終、と書いてらっしゃいますが続きませんか?
すごくこのふたりの今後が気になるのですが
840名無しさん@ピンキー:2007/08/24(金) 07:55:00 ID:IQztMMBv
天使様、エロいのに悲しいです!
好きな女を傷つけずにはいられないファントムが憐れでたまらん。
クリスもファントムを受け止めるには幼いんだよね。
不幸なままなのか?と思わせる終わり方に身悶えしてしまうー。

ほんとに赤ちゃん出来たら、先生どうするんだろうか。
ギャグ→親バカになる
シリアス→知らん顔?流産させるようなことをする?
ああ、妄想が妄想を呼ぶw
841833:2007/08/26(日) 00:04:11 ID:N3aDIeME
レス下さった方、有難うございます。

ちょっとその気になって、続き書いてみようかな?と思って構想練った
んですが、無理でしたorz

やはりここは、>>840氏のお言葉通り、妄想が妄想を呼ぶという方向でお願いしますw
無責任な書き手で申し訳ない。

と言いつつ、ついでに保守。
842名無しさん@ピンキー:2007/08/26(日) 01:45:41 ID:wh8jSAr3
おっ天使様ハッケン!
続きませんかそうですか…(残念)
何にせよGJでした、また違うストーリー思いつかれたらお願いします
843名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 14:00:11 ID:e60h0EBi

   ___
  / || ̄ ̄||    ∧∧
  | _ ||__||   (   ) ギィ…
  | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/ テンシサマ マダカナ
  |    | ( ./     /





   ___
  / || ̄ ̄||
  | _ ||__||    ミ   ゴトッ
  | ̄ ̄\三\  ミ  ___ ,-'´\⌒>
  |    |    |    \_____ヽ_>\
                 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
844名無しさん@ピンキー:2007/08/28(火) 18:18:21 ID:7U/cP66o
投下されたばかりだが
失環の天使様待ち
845名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 19:32:57 ID:eLbpnFVk
>>843
それおいらか?おいらなのだな?
846名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 01:43:31 ID:zPULVrOZ
天使さま待ちに。
エロなし、小ネタ。
クリス×ラウル(?)




「小さなロッテは考えた…」
幼馴染の声にクリスティーヌは振り向いた。
「私の好きなものはなにかしら?お人形…」
「ラウル!」
笑みを浮かべる少女に、ラウルは歌うように囁きながら近付く。
「それともチョコレート…」
「2人でお馬さんごっこをしたわね」
「きみは僕に乗っかって…本物の乗馬鞭を使うのがお気に入りだった」
2人は微笑みあい、抱き合った。
「無邪気に僕に向かって鞭を振るったあの時も今夜も、君はまるで天使のようだったよ」
クリスティーヌはぱっと瞳を輝かせる。
「ね、聞いて。お父様が音楽の天使様を送ってくださったの」
「天使?そうだ、あの赤いスカーフを覚えてるかい?」
「勿論よ!あなたが拾ってくださったスカーフを…轡と手綱にしたのよね」
ラウルは思い出すように視線をつかの間天井に向ける。
「ふふ、何かの拍子に外れて首に掛かったのに、君が力いっぱい引っ張ったから
天使様が迎えに来るのが見えたよ」
ふと笑いを消して、青い瞳に真剣な光を宿す。
「…初めてだったあんな感覚。鞭も、柳の枝も、君の平手も…忘れられなかったんだ、ずっと」
「ラウル…」
「ね、クリスティーヌ、食事に行こう!そしてまた昔のように…」
「ダメよ」
クリスティーヌは眉を寄せた。
「音楽の天使は厳しいのよ」
「大丈夫、そんなに遅くはならないよ…今日は、ね」
笑みを浮かべながら、そっと花瓶から薔薇の枝を抜き取りクリスティーヌに手渡す。
「…そう」
細い指先が棘を確かめるように枝をなぞり、そうしてクリスティーヌもまた笑みを浮かべた。
「…私のために馬を用意して頂戴!」
「そして君は僕の背中に座る…待ってて、すぐに戻るから!」
悪戯っぽい笑顔を残してラウルは部屋を出て行った。
残されたクリスティーヌはゆっくりとかけていた椅子から立ち上がった。
「ラウル…」
低い呟き。
「もう私たちはお馬さんごっこだけで満足できる子供ではないのよ…」
手にした枝でヒュっと空気を切りながらクリスティーヌはひっそり微笑む。

そして一部始終を鏡の向こう側で眺めていたファントムは、
抑えきれぬ恐怖に震える身体を抑えることができずにいた。
847名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 09:09:05 ID:j3ciqJTM
>846
ちょwwwww
クリスがラウルにどんな事するか気になるwww
848名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 21:13:32 ID:ehA4eCmI
GJ!!テラワロスwwwww
「天使様が迎えに来るのが見えたよ」で吹いた。
849名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 22:34:43 ID:fEFxFCa2
先生wwビビッてないで出てくるんだwww
850名無しさん@ピンキー:2007/09/01(土) 23:42:11 ID:QW9gtbGE
うわー 読み間違えて、幼少期にそうなってるのを想像した俺

笑ってハァハァした! 萌え殺し天使!
851名無しさん@ピンキー:2007/09/02(日) 17:25:54 ID:dUCqIET0
846様、GJです!
自分も、幼少期のことかと思ってしまったw


皆様がお待ちの天使様じゃなくて申し訳ないが、ちょっとした続き物投下。

・ファントム×下級娼婦
・今回はエロなし
852面影 1:2007/09/02(日) 17:26:48 ID:dUCqIET0
 何となく、だ。
 あの晩、あの通りで、以前耳にしたアリアの一節を口ずさんだのは。

 「酷い歌だな」
 それを、何処からか現れた黒衣の男はそう言って、笑った。
 そして私は、当然むっとする。
 しかし、下級娼婦の私に、例え歌の才能があったとしても、どう
しようもないのだが。

 「だが、声は良い」
 掌を返したようなその言葉に、私は呆然とするしかない。
 「からかって、いらっしゃる?」
 やっと出た言葉。
 私は恐らく、変な顔をしていただろう。

 「からかう?何故、私がそのような事をしなければならない」
 ――ならば、本気なのだろうか?
 男の顔を窺おうとしたが、彼は帽子を目深に被っており、その上
明かりの少ないこの通りでは何も見えず、その口元が笑っているの
かさえも分からなかった。

 「本気なの?」
 「まだ疑うのか」
 そうだ。
 今まで家に招き入れたことのある男たちのように、哀れなほどに
取り柄のないこの私を、やたらと褒めて褒めて――私がいつも寂しく、
惨めに丸くなって眠る寝台の上で、ただ自分の欲望を満たすのだ。
 この男も、そうなのだ。

 「そんなに言うのなら」
 ふふん、と私は根拠のない自信に満ち溢れた笑みを浮かべ、
 「私の家へ、招待して差し上げてよ?」
 甘く囁いた。
 何度使っただろう、この手口。
 騙されるのは、金のない貧乏人ばかりだったが。

 「家に?」
 「そうよ。貴方、女に飢えているから、私にあんな風に話しかけた
のよね?」
 男に見えているのか知らないが、私はにやりと笑う。
 「分かっているわ。娼婦だもの、そんなの慣れっこよ。まあ、
これまで私の声を褒めたひとなんていなかったけれど――。さあ、
夜はすぐ更けるわ。行きましょう」
 男の手を、強く引っ張った。
 私の家のある方向へ。

 しかし、私の力は、その反対の方向へはたらく力に敵うはずもなく。

 「そういう事ではない」
 私は、少し前まで優位に立っていたはずだ。
 ほんの少し前までは、確かに。
 なのに今、私は子猫のように大人しく、男の腕の中に収まっている。

853面影 2:2007/09/02(日) 17:28:18 ID:dUCqIET0
 男の胸に凭れ掛かった状態の私には、成す術もなかった。

 間近で見、触れてみると、男の服は随分と質の良い生地だ。
 そんな彼と、洗いざらしの貧相な服を纏った私――誰が見ても、
不釣り合いとしか思わないだろう。

 「私は、お前の体になど興味はない」
 それを聞いて、私は再びむっとする。
 下級ではあるが、今まで何人かの男を相手にしてきた。
 体に興味がないと言われて、自尊心が傷つかないわけがない。

 「失礼ね!貴方――」
 「だが、声には興味がある」
 私は敵意を剥き出しにして言ったのだが、男の穏やかな様子に、
何となく抵抗出来なくなってしまった。

 遅かった。
 何故、この男に踊らされているのだと、もっと早く気付けなかっ
たのだろう。

 「悪い気は、しないだろう?」
 男の口元が、にやりと笑った気がした。
 確かに、自分の一部分――しかし声だとは、思いもしなかったが
――を褒められて、嫌な気分になることはない。

 やはりこの男、私を踊らせて楽しんでいるのだ。

 「お前の歌声を聴いて、久々に心を揺さぶられたようだ」
 「え?そんな……」
 それほどに素晴らしかったのだろうか?と少し舞い上がっていると、
男は小さな紙きれを私の前に差し出した。

 「昔のように、誰かに歌を教えたくなった。気が向いたらで良い。
いつでも来たまえ」
 そう告げると、男は踵を返し、暗闇の中へ黒衣を溶け込ませていった。

 私はそれを引き止めることも出来ず、ただその場に立ち尽くす
だけだった。
受け取った紙きれを、大切に握りしめて。

よく分からないが、あの紙きれは彼にとっても私にとっても、とても
大切な物のように思えたのだ。

854面影 3:2007/09/02(日) 17:29:41 ID:dUCqIET0
 家に帰るなり、寝台へと倒れ込んで、側にある蝋燭一本だけに火
を着ける。
 この蝋燭も、随分と短くなってしまった。そろそろ替え時だ。

 そんな日常的なことを考えながら、男から貰った紙きれを取り出す。
 備忘録だ。
 暗闇の中では分からなかったが、変色の具合から、さほど新しい
物ではないと見える。

 氏名と住所を書き付けた、備忘録。

 「エリック・ムルハイム……」
 ぼんやりと、そこに書かれた男の名前を呟く。
 そうか、あの人はエリックというのか。
 そう思うと、不意に胸がむず痒くなった。

 「明日、会いに行ってみようかしら」
 目深に被った帽子と暗闇の所為で、近づいても顔は分からなかった。
 私の、底無しの好奇心。
 それが、彼の姿を明かりの下で見たいと、そう思わせる。

 どんな顔で、どんな瞳で、どんな髪なのか。
 日中は、どんな服を着ているのか。
 どんな家具を誂えて、どんな生活を送っているのか――。

 興味は尽きない。
 これは私の長所であり、短所。

 まだ霞のようにもやもやとしているが、彼の姿を想像してみる。
 やはり、何も分からない。
 ただ覚えているのは、彼の低くて甘い、あの声だけ。
 嫌いではない。寧ろ好きな声だ。
 もう一度あの声を聞ける、と思うと、胸が躍るのは何故だろう?

 ただの好奇心のような、しかし恋のような、複雑な気持ち。

 「決して恋ではないわ、恋ではないのよ。決して……好奇心よ」
一人寝台の中で呟きながら、自分が眠るのが早いか夜明けが早いか、私は静かに争っていた。
855851:2007/09/02(日) 17:34:08 ID:dUCqIET0
今回はここまで。
読んで下さった方、有難うございました。

ちなみに、投下前に書き忘れたけど、先生の姓は「マンハッタンの怪人」より拝借致しました。
856名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 17:46:42 ID:potoLV2l
久し振りの連載ものがスタート!
次はめくるめくエロエロなのですね天使様
切ない話になりそうな予感
857名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 17:20:14 ID:IXCLR9tp
かつて教えてたってことは、後日談なのかぁ
続き楽しみにしてますノシ
858名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 00:30:46 ID:WuUYva5o
GJ!
声のいい娼婦ってところが気になる。
経験豊富な主人公みたいだし、続きに期待してます天使サマ
859名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 00:37:00 ID:0p+NHeAp
「男性用股間補正グッズ」が人気というニュース。
$16.00で前をもっこりさせられるらしい。
860名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 05:06:09 ID:BDWgEKsh
>859
せっかくお知らせ頂いたところ申し訳ないが、
わが身体にそういう類の商品は、全く不要であるのだ。
むしろ、例えばドン・ファンの衣装のときなど、
ご婦人方が失神してしまわぬよう
寄せて寄せて下げていたほどだ。
とはいえ私以外の諸兄には、例えば某子爵など
必要な者も居るかと思われる。
いま少し詳しい説明や、着用のコツ、
入手方など書いてゆかれるが良かろう。
あなたの忠実な友 O.G.
861名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 07:43:49 ID:/LRDC0kB
マスター降臨w

まあ、いざその時に大っきくなればいいわけで…。
862名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 08:43:47 ID:MYiJixp1
男性用股間補正グッズ = 新生児用靴下
863名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 14:35:53 ID:WuUYva5o
>862
そのネタwwwwwwwwwwwwww
864名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 18:21:55 ID:RBHurgLB
なんだマスター 子爵のせいにして
自分も興味深々なんじゃないかwwプ
865名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 19:10:07 ID:/Try2kYI
その後>>864の姿を見た者はいなかったと言う。
866名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 19:30:50 ID:RBHurgLB




ウワ"----------ッ
867851:2007/09/07(金) 17:51:00 ID:9sxIv/4s
大丈夫か>>864

851ですが、>>857氏のご指摘通り、このシリーズは映画以後のものになります。
注意書きに書き忘れてました。
映画前だと思われた方には、本当に申し訳ないorz
868クリスティーヌ:2007/09/07(金) 17:52:03 ID:nIAFp1uc
マスター許してあげて
869851:2007/09/07(金) 17:57:33 ID:9sxIv/4s
うわ、上げてしまった申し訳ない

クリスティーヌ降臨キター!(AA略)
870名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 22:33:22 ID:DUw9ZX3+
723ですが、「新生児用靴下」の妄想が止まらなかったので、投下します。
一応エロはありますが、完全にネタです。
ファントム好きの皆様、ごめんなさい。
871クリスティーヌの日記1:2007/09/07(金) 22:34:31 ID:DUw9ZX3+
○月×日

私もついに、この日を迎えることができた――のだと思う。

メグや他の踊り子たちはとっくに済ませているのに、私はずっと、処女を守ったままでいた。
今まで誰にも誘われたことがなかったと言えば嘘になるけれど、私には幼い頃から思っている人が
いたから、私の「初めて」は、その人にあげると決めていたのだ。

幼馴染のラウルなんか何度も迫ってきて、その度に「2分だから、2分で済むからっ」と必死に
懇願するので、私の心は津波の前の引き潮のような勢いで、彼から離れてしまった。

今日、ガラコンサートでアリアを歌い収めた私を、あの人は鏡の向こうから迎えに来てくれた。
いつもは偉そうな態度の彼なのに、地下へと降りる間、しょっちゅう私の方を振り返ったりして、
今思えばあれは、緊張のあまり挙動不審になっていたのかもしれない。

オペラ座の地下に隠された彼の部屋には、夥しい数の蝋燭や絵筆、目隠し用の布などが散乱していた。
きっと何かのプレイに使うんだわ……私の期待はますます高まり、つい口元が半笑いになってしまった。

白鳥の形をしたラブホのような……もとい、造形的なベッドに連れ込まれて、私は彼の愛撫を受けた。
彼は執拗に私の身体を撫で回して、舌と指でたっぷりと感じさせてくれた。

私はメグに教わったとおり、初々しさを演出しようと、ずっと目を閉じたままでいた。
彼はいよいよという頃になってもまだ指ばかりで私を責め、皆が言うところの「始めはすごく痛い、
でも慣れれば天国のよう」な例の行為に及んでくれない。

私ははしたないこととは知りつつも、我慢ができなくなって、つい、こう言ってしまった。
「お願い……早く、入れて」

私のその言葉に、彼の愛撫が止まってしまった。
彼は私から身を離して起き上がってしまい、それきりベッドに戻ってこなかった。

気が付くと彼は、湖のほとりで体育座りをしながら「呪われろっ、人を裏切る悪魔め」などと呟いていた。
帰り道でも、私たちを非常に重く、気まずい空気が包んでいた。彼の表情はとても暗かった。

私は何かいけないことを言ってしまったのかもしれない。
872クリスティーヌの日記2:2007/09/07(金) 22:35:18 ID:DUw9ZX3+
○月×日

今日はオペラ座の関係者も、そうでない人も、心から楽しみにしている日――仮面舞踏会が催される日だ。

あれから、彼とは一度も会っていない。
いつものように、チャペルでのレッスンはしてくれるのだけど、鏡の向こうから私を呼んでくれたり、
姿を見せてくれることはなかった。
私は、舞踏会には彼のパートナーとして出席したかったから、何度もそれとなく話を振ってみたりしたのに、
彼はそんな私の気持ちに応じてくれることはなかった。

仕方なく、私は例によってしつこくせがんできたラウルを伴って、舞踏会に参加することにした。

舞踏会はいつもの盛り上がりを見せて、皆、心からこの夜を楽しんでいるようだった。
あの人は、また地下でいじけているのかしら……私がそんなことを考えながらラウルとワルツを舞っていると、
突如、皆の視線が、一斉にある一点に向けられた。

大階段の上に仁王立ちになっている、真っ赤な衣装の男――それは、紛れもなく、あの人だった。
不気味な髑髏の仮面、無駄に長い上着の裾……正直に言って、悪目立ちとしか言えない衣装だったけれど、
皆が注目していたのは、それよりももっともっと目立っていた「ある部分」だった。

彼の股間は、今までに見たことがないくらいにもっこりと隆起していたのだ。
す、すごい――そこにいた全員の心の声が聞こえてくるようだった。

彼は堂々とした足取りで、階段を一段、また一段と下りてくる。
メグも、マダムも、踊り子たちも、彼の股間に視線を張り付かせていた。

私は、隣にいたラウルが、ごくりと唾を飲み込んだのが分かった。
ラウルはそそくさとその場を去り、しばらくの後、カチャカチャとベルトを弄りながら戻ってきた。
どうやら自分の「モノ」を確認してきたみたいだ。

彼は一か八か、勝負に出ることにしたのだろう――得意げに去ろうとするあの人の後を、必死の形相で追っていった。

舞踏会が終わってしまっても、ついにラウルは私の所に戻ってこなかった。
自分の部屋へ戻る道すがら、私は、マダムに「大丈夫、男の魅力は大きさじゃないのよ」と慰められるラウルを見た。
873クリスティーヌの日記3:2007/09/07(金) 22:36:15 ID:DUw9ZX3+
○月×日

今まで必死にお稽古を頑張ってきた甲斐があった。
私は今度の舞台「勝利のドンファン」で、主役を務めることになったのだ!

今日はとうとう舞台の初日。共演のピアンジに身体をさわさわされるシーンは酷だけれど、これもプリマの務め。
私は立派にアミンタ役を演じきるだけだ。

けれども舞台は、思わぬ展開を見せたのだった。

お触りシーンに入る前、何故か姿を消してしまったピアンジの代わりに、なんとあの人が舞台に現れたのだ。
私はとても嬉しかった。彼はとても素敵だったし、またしても股間を激しくもっこりさせていたからだ。

舞台が終われば、この前の続きができるのかもしれない。私たちの情熱のプレイが、今始まる……!

私は彼の股間を凝視したまま、階段をゆっくりと上っていった。
橋の上で、きつく抱かれる私。
彼の手はいやらしく私の胸の辺りをまさぐり、頬や首をさわさわ、さわさわと弄る。

ああもう、いっそこの場で……

私がうっとりと目を閉じた次の瞬間、背後から「いだだだだだだだーっっ!!」という断末魔が響いた。
ハッとして振り返ると、彼が股間を押さえて呻いている。騒然とする観客。

彼はうろたえる私をすばやく抱きかかえて、橋を蹴落とし、奈落の底へと落下した。

「血が、血が止まるぅぅ〜」と半ベソ状態で自分の部屋へと駆け込んだ彼は、ベッドに倒れ込むなり、
気を失ってしまった。

私はどうしてよいか分からず、しばらく彼をじっと見つめていたのだけれど、不自然に隆起したままの彼の股間は、
私の好奇心をくすぐった。

「マスター、マスター?」
声を掛けても、彼は起きてくれそうにない。
私はおもむろに、彼のズボンに手をかけた。

ぴったりとしたその黒いズボンは、どうしても股間で引っかかってしまう。
素敵……ズボンの下に隠された彼自身を想像して、私は溜息を吐いた。

やっとの思いでズボンを脱がせると、そこには見慣れない光景があった。
彼はその部分に、何故か男性用の靴下を履かせていたのだった。

これはどういうことだろう? 最新の避妊法なのだろうか?

不審に思いながら、私はそろそろとその靴下を捲った。
するとその下から、今度は一回り小さい女性用の靴下が現れた。
嫌な予感がする。
874クリスティーヌの日記4:2007/09/07(金) 22:37:00 ID:DUw9ZX3+
私は取り憑かれたように、靴下を捲っていった。
女性用靴下の下にはジュニア用靴下、その下には子ども用靴下、その下には……まるでマトリョーシカのように、
靴下は幾重にもなっていた。

最初の期待もほとんど消えてしまった頃、私はクマさん柄の靴下に「9〜11cm」という文字を見つけた。
そういえば、友達の出産祝いにとベビー用靴下を買いに行った時、店員さんが「これが一番小さいサイズです」と
言って出してくれたのが、このサイズだった。

9〜11cm、まぁ妥協レベルだわ……そう思いながらベビー用靴下を捲ると……
その下から「新生児用7〜9cm」という文字が見えた。

私はその時、すべてを理解した。

ああ、あの時入っていたのは指ではなくて……私はなんてひどいことを言ってしまったんだろう。何年も私に
歌を教え、可愛がってくれた恩師に対して、取り返しのつかないことを……
私は自分の失態を贖おうと、また、少しでも彼自身を元気づけたくて、新生児用靴下に包まれていたナマコ――
いや、芋虫というべきだろうか――とにかくぐったりとしたそれを、そっと口に含んだ。

私の口の中で、彼自身はみるみる固くなり、ぴくぴくと震え始めた。
私は嬉しくなって、柱に舌を絡め、強く吸い立てた。
彼はその刺激に目を覚まし、悩ましい目つきで股間に唇を這わせる私を見た。

「クリスティーヌ、なんて上手なんだ……」
「マスターを喜ばせたくて……ねぇ、今日こそは」
「ああ、駄目だクリスティーヌ、そんなにしては……っ」
「今日こそは、私を存分に……」
「ク、クリスティーヌ……うッ!!」


2分だった。
875名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 22:37:31 ID:DUw9ZX3+
以上です。
大変失礼いたしました。
876名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 23:32:25 ID:KIUUR/rc
マ、マスター つД`)

せめてナマコであって欲しいと念じていたが、
やはり芋虫だったのか………。
877名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 23:52:22 ID:ZeoSHV0B
9〜11で妥協レベルなのかw悟ってるw
処女なのに上手なクリスエロスw
878名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 01:14:37 ID:tZs9fCU4
思わず嗤って… もとい、笑ってしまった。
マスター い`!!
879名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 02:19:21 ID:z5Vih2s/
先生はパワフル設定が多いんで、新生児設定は新鮮だw
とりあえず875は手を目の高さに上げといた方がイイがww
880859:2007/09/08(土) 03:24:22 ID:3AL52ucs
>860のO.G様

形状:腰廻りをぐるりと一周するベルトに小さなU字のゴムバンドが下がっている。
装着方法:1.パンツを履くようにベルトを腰にフィットさせる。
     2.U字のゴムバンドに睾丸を乗せ、もっこりさせる。
材質:ゴム
カラー:赤、青、黄、ピンク
価格:$16.00

睾丸を寄せて上げることでもっこりを実現する商品でございます。
ジャポンでは「小摩羅の千こすりより大睾丸の一打ち」という俚諺もございます。
小摩羅であっても大睾丸をアピールすることでご婦人の心を鷲掴みになさっては?
881名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 17:41:05 ID:E/0Vrf4L
なんというか
>カラー:赤、青、黄、ピンク
色ちがいを作る意味が分からんw
882名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 19:04:04 ID:jvVHOQ4U
見えないところにこだわるのが真のおしゃれ。
883名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 20:18:39 ID:j4JudnHI
そういえば、新生児用靴下って梵天付きっていうのがあるよね。
884名無しさん@ピンキー:2007/09/08(土) 20:19:21 ID:z5Vih2s/
マスターも靴下じゃなくてコッチ使えば
血が止まらずすんだのに
885名無しさん@ピンキー:2007/09/09(日) 23:06:52 ID:ftg9DrXM
>>880
委細は理解した。
しかし黒がないのはどういうわけだ?
確かにマスカレードのような華やかな場なら、赤も良いだろう。
しかし大半の紳士の礼装は黒、コーディネイトを考えるならば
青だの黄色だのの前に、黒と言う選択肢を用意すべきである。

また、少々着脱に手間取るのもいただけない。
いや、「着」はともかく、問題は「脱」だ。
衣服を取り去ったとき件のピンクのゴムひもが
しかるべき場所にひっかかっているのを目にしたご婦人は
どのような感想を抱くであろうか?

勿論私はこのようなものを必要としていないので
そういった状況になることはないのだが、
例えばとある子爵であるとか、とある太りすぎの歌手やらが
不幸な状況に陥るのを見過ごすに忍びないので、
片手で外せる留め金を考案しておいた。
設計図を同封するので、すぐに改善に着手するのだ。

新商品が完成した暁には、オペラ座気付けで送付されたい。
…設計者としての責任から、チェック等を行うためだ。
私の指示を真に受けないと、怖ろしい災難が降りかかるだろう。
   あなたの忠実な友 O.G.
886名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 13:43:12 ID:f36uJcKB
マスター、結局使う気満々なんじゃんwwしかもピンクかよpgr
ゴムひも見たクリスが何て思うか気にしちゃってさ
887名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 14:25:01 ID:cPLi1YP5
なんつーかこのスレにはマスターの犠牲志願者が多いみたいだなw
それにしても>>875GJ。
個人的にはよく判らないオリキャラだらけの長編よりこういうウィットの
効いたギャグが好きだw
888名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 16:23:41 ID:HDiwKwyn
空気読まずに投下します。
・ラウル×メグ
・一応ファントム×クリスティーヌ前提で
・ラウルがどうしようもない男になっちゃったゴメン
889終わりと始まり 1:2007/09/10(月) 16:25:28 ID:HDiwKwyn
 「さあ、始めましょう」
 金の髪を蝋燭の明かりで美しく輝かせながら、メグが言った。
 透けるように細いそれを、ふわりと寝台の上に垂らす。
 誘惑する、一糸纏わぬ白い肌。

 「でも、僕は――」
 「クリスティーヌがお好きなんでしょう?そんなの分かってますわ」
 「……」
 「でも振られちゃったのですよね。可哀相に。あの子、財力なん
て関係なかったのですわ。必要で、必要としてくれる相手を選んだのです」
 戸惑うラウルの服を脱がせながら、メグは鋭い言葉を投げ付ける。

 所詮、箱入りのお坊ちゃまなのよね――涙を浮かべるラウルを、
メグは心の中でひっそりと嘲笑した。

 「神様のどんな思し召しかしら。私も、ついこの間失恋しましたの」
 メグの手が、ラウルのズボンへと差し掛かる。
 「失恋した者同士、傷を舐め合う夜なのですよ」
 そして、取り出したラウル自身を、口に含んだ。

 「……!」
 驚いたのか慌てたのか、ラウルは声にならぬ叫びを上げる。
 「あら?子爵様ともあろう方が、この歳になって童貞だなんてこ
と、ございませんよね?」
 「し、失礼な!そんなこと、あるはずがない!」
 ラウルは真っ赤になり、声を荒げた。

 経験はある。
 ただ、少ないだけだ。
 ラウルは一人、声に出さずに言い訳をしながら、大人しくメグの
奉仕を受ける。

 「ん……」
 甘い声。
 それを注がれたラウルの耳が、真っ赤に染まる。

 「良い子ね」
 口を離して唇をぺろりと舐め、尖端を指で撫でながら、メグが言う。
 「素直で、良い子」
 何処かあどけない、しかし艶冶な微笑みが、独特の色香を放つ。

 「こうされるのは、初めてでいらっしゃる?」
 そう尋ねた刹那、屹立したラウルのものを、メグは二つの豊かな
膨らみで包んだ。
 「初めてでいらっしゃるのね」
 驚いたラウルの表情に、メグは嬉しそうに微笑む。
 そして、屹立したものを挟んでいるそこに、僅かに先走りの混じ
った唾液をたらりと垂らす。
890終わりと始まり 2:2007/09/10(月) 16:27:04 ID:HDiwKwyn
 繋がっているときとは少し違う水音を聞きながら、ラウルはひた
すら快楽に耐えていた。

 失恋はした。
 しかし、まだクリスティーヌが好きなのだ。
 ここで流されては、何か彼女に申し訳ない気がしていた。
 自分には彼女だけなのだ、と主張したかったのかもしれない。

 「子爵様……」
 甘い声が、自分を呼ぶ。
 「ね、もっと感じて……お願い……」
 そして、誘う。
 「一人じゃ、寂しいんだもの……」
 男のものを愛撫するだけで、何故この少女はこんなにも色香を漂
わせるのか。
 これほどまでに欲情する理由は、何処にあるのだろうか。

 「ん、子爵様……」
 二つの膨らみが揺れ、ラウル自身を刺激する。
 女性の乳房をこのような行為に使う背徳感が、よりラウルを煽っ
ていた。

 背徳感と、単純な劣情。
 渦巻き、噴き出そうとするのは、それだけだったはずだ。
 それなのに、今、自分でもわけの分からない感情が、ラウルの胸の中に渦巻く。

 自分は、クリスティーヌが好きだ。
 好きだった。
 今“愛しい”と思えるのは、誰だ。

 自分は、クリスティーヌでなければ駄目だ。
 駄目だった。
 今“この人でないと駄目だ”と思えるのは、誰だ。

 くちゅ、と、水音が先程の唾液よりも、粘性のある音に変わる。
 湧き出す先走りが、徐々に混じっていく。
891終わりと始まり 3:2007/09/10(月) 16:28:46 ID:HDiwKwyn
 「メグ・ジリー」
 ラウルはメグの名を呼び、ぐい、と顔と体を自身から引き離した。

 「有難う、僕はもう十分だ」
 にっこりと、クリスティーヌにしか見せなかった、愛のある優しい
微笑み。
 「次は、君が楽しむといい」
 クリスティーヌにも聞かせたことのない、とびきり低い、欲情した
男の声。

 ラウルはメグを押し倒し、その秘部に舌を這わせた。

 男が女性の秘部を舐めるなど、これまでのラウルには考えられな
かったことだ。
 クリスティーヌにもしてあげられたかと問われると、彼は悩むだろう。

 今夜も、彼女も、特別なのだ。
 既に、そうなっていた。

 「あ……っ!」
 舌先が、メグの敏感な芽をつつく。
 「駄、目、わた……私、私」
 「壊れるなら、壊れるといい」
 「ぃや、ししゃ、子爵様ぁ」
 首を横に振り、乱れ、抵抗する姿が“愛しい”。

 「う、ぁう、やぁあ……っ!」
 体を震わせ、メグが達した。
 その表情を、ラウルは彼女に覆い被さって見つめる。

 「美しい」。
 素直にそう思えた。

 ああ、この気持ちは。
 時折仲間達が語る、あの気持ちではないか――。

892終わりと始まり 4:2007/09/10(月) 16:30:25 ID:HDiwKwyn
 「メグ・ジリー」

 穏やかな声を聞き、メグは意識を取り戻した。
 はっ、として見開かれた視界に、端正な顔立ちが映る。

 「子爵様……!」
 「随分と深く達したんだね」
 「も、申し訳ございません……」
 真っ赤になるメグに、ラウルは再び微笑んだ。
 先程の強気な姿勢は何処へやら――全く、可笑しくも愛しい少女だ。

 「さて」
 ラウルの手が、メグの腰を持ち上げるように脚を開かせる。
 「どちらかだけが気持ち良くなるのは、もうごめんだ」
 「あ」
 既に硬く屹立している自身を、主張するかのように潤んだ秘部に
擦り付ける。

 「挿れるよ、良いね?」
 「で、でも、クリスティーヌは……」
 「クリスティーヌは、自分の師を選んだ。それに」
 ラウルは、穏やかで優しい口調を一変させ、
 「今、僕の瞳に映っているのは、君だ」
 と、低く甘く囁いた。

 好きだったのは、クリスティーヌ。
 しかし、愛しているのは。

 「んっ、子爵様!」
 「っ、」
 ずぷ、という卑猥な音と共に、二人は繋がった。

 「あっ、あん、」
 ラウルの律動に伴って、メグが甘く高い声を上げる。

 「子爵様、子爵様ぁっ」
 背中に縋りつき、快楽に翻弄されている様子の、何と愛しいことか。

 「、と」
 「え……?」
 「ラウル、と呼んでくれ。メグ」
 その要求に、メグは艶冶に、そして嬉しそうに頷く。
 その笑顔に、メグの胎内にいるラウルが一層膨らんだ。

 「ふ……ぅん、ラウル、ラウル……」
 「メグ、メグ……」 互いの名を呼び、そして体を絡ませ合いながら、二人は本能の
赴くままに交わる。

 「ラウル……ラウ、ラウル……好、き」
 「ああ、僕もだ……メグ」
 二人は同時に、意識を手放した。

893終わりと始まり 5:2007/09/10(月) 16:31:50 ID:HDiwKwyn
 快楽の余韻に浸っている中、ラウルは僅かな罪悪感に苛まれていた。

 確かに、自分はクリスティーヌに恋い焦がれていた。
 ほんの少し前までは。
 しかし今は、隣で眠る少女、メグ・ジリーを愛してしまっている。

 体を重ねて心変わりしたなど、最低ではないか。
 いや、しかし自分が本気で愛しているのは――。

 そう思い悩んでいるうち、メグが目覚めた。

 「おはよう、ございます」
 「お、おはよう」
 まだ夜なのだが。
 二人の間に、何とも言えない気まずさが漂う。

 「あ、ええと、メグ。僕が途中で言った、あの、今僕の瞳に……
っていうのは、その、嘘じゃないから」
 情けないほどしどろもどろになっているラウルを見て、メグは
「ぷっ」と吹き出した。

 「嫌ですわ、子爵様。そんな状態じゃ、どんな愛の告白も様にな
りませんわ」
 落ち着いて、と肩に置かれた手が、何だか優しい。

 「……僕は、確かにクリスティーヌが好きだった。だけど今は、
メグ。君が好きだ。単純で情けなくて、どうしようもなく最低だっ
て分かってる。でも、途中で気付いたこの事実だって、どうしよう
もないんだ」
 オペラ座の屋上でのときより、真剣になる。
 寂しく、傷付いた自分を――ああいった形ではあるが――救い出
してくれた、彼女。
 愛さねば。と、本能的な何かが叫ぶ。

 「私は……」
 桃色の唇が、言葉を紡ぐ。
 諾か否か。
 胸が、ざわざわと騒ぐ。

 「私も、貴方と同じ……。好きです、あのときに言ってしまった
けれど、好き。好きなの、子爵様……いえ、ラウル」

 終わりから生まれた、この恋。
 確実に、何かが変わった気配がした。


894888:2007/09/10(月) 16:34:11 ID:HDiwKwyn
読んでくださった方、有難うございました。

何か楽しい雰囲気豚切りで申し訳ないorz
895名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 22:53:19 ID:FRMFwON1
ラウルとメグのカップリングは久し振りではないですかGJ!
ファントムがどこかから見てたら小躍りしてしまいそうな展開…
続きはないのでしょうか天使様
896名無しさん@ピンキー:2007/09/11(火) 23:17:48 ID:+KW1NJDu
メグタン誘っておきながらだんだん受けに…エロー!!
GJですた天使様
897名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 00:34:23 ID:1H8r2g1S
ヒサビサニミタラレンゾクシテテンシサマガ!

   。 。
  / / ポーン!
( Д )

  * *   * *
 * * * * * *
  * *    * *
      パーン!
( Д )

            スポポポポポポーン!!!
      。     。
        。  。 。 。 ゚
       。  。゚。゜。 ゚。 。
      /  // / /
     ( Д ) Д)Д))

            スパパパパパパーン!!!!!!

         + ,,  *    +
   " +※" + ∴  * ※ *
    *  * +※ ゙* ※ * +
   +  "※ ∴ * + *  ∴ +
      * ※"+* ∵ ※ *"
     ( Д ) Д)Д))

テンシサマ アリガトウ
898名無しさん@ピンキー:2007/09/12(水) 01:41:11 ID:O5FBn0bP
うわーぉ天使様GJ!
>>897
落ち着けwww
899名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 00:18:43 ID:xMsyINbA
日記が秀逸過ぎるwwww
腹筋崩壊wwwwwwww
900名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 02:59:10 ID:CC57D6O2
>>875  最高だ もうたまらん
いっそマダムやカーラのバージョンも読みたいくらいだ
901名無しさん@ピンキー:2007/09/13(木) 10:55:26 ID:IZ+3eWwT
>900
マダムの日記は読んでみたいw
オペラ座の人間をすべて把握してそうだし、
日記に彼らの秘密を色々書きつづっていそうなイメージ。
マダムのファントム観察記録なんてのがあったら楽しそうだ。
902名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:29:48 ID:VEtDWeRq
・ヤマなし、イミなし、オチなし
・エロもなし
・ssですらない

このスレでいいのか迷ったけど投下します。
903問題:2007/09/14(金) 23:35:15 ID:VEtDWeRq
次の記述を読み、以下の各問に答えなさい。

 1870年、ファントムは、いよいよクリスティーヌをプリマドンナにするべく、
カルロッタの上に背景幕を落とし、これによりクリスティーヌはその夜の
ガラ・コンサートにおいてソロで歌うことができた。その成功に乗じた
ファントムは、コンサート終了後クリスティーヌを地下5階に不当に設けられた
隠れ家に拉し去り、 A(クリスティーヌの身体を触りまくった上、彼女の手を
取り、自らの頬に触れさせるなどの振る舞いをした)。その後、 B(昏倒した
クリスティーヌを寝台に寝かせ、翌朝まで放置した)。
 翌朝、クリスティーヌに素顔を見られたファントムは、クリスティーヌを
寄宿舎に戻すものの大道具係であったジョセフ・ブケーを殺害、さらにオペラ座
屋上においてシャニュイ子爵とクリスティーヌの二重唱を聴くに及んで、ついに
クリスティーヌ奪回を決心した。
 1871年に入ると、ファントムはマスカレードに突如として現われ、 
C(カルロッタをはじめとしたオペラ座関係者に様々なダメ出しを行い)、
またクリスティーヌから婚約指輪を奪って逃走、これを追いつめようとした
シャニュイ子爵をも殺害しようと企てたが失敗、さらにクリスティーヌが
亡父の墓所に参ろうとする機会に乗じて拉致を画策したものの、これも
シャニュイ子爵の介入によって不首尾に終わったため、ついに二人に対して
戦争を宣言するに至った。
 ファントム自ら作詞・作曲した『勝利のドン・ファン』上演中、
ドン・ファン役として舞台に現われたファントムは武器である( D )を
用いてクリスティーヌを魅了しようと謀ったが、一時陥落寸前まで追い込まれた
クリスティーヌの目が醒めたことによって仮面を引き剥がされ、これに激怒した
ファントムはシャンデリアを落下させるという暴挙に及んだ。地下5階へと
クリスティーヌを拉致したファントムであったが、マダム・ジリーに手引きされた
シャニュイ子爵にふたたびの介入を許し、最後は E(身ひとつでオペラ座を去る)
こととなった。
904問1:2007/09/14(金) 23:36:45 ID:VEtDWeRq
記述中の(  )で囲まれた部分Aに関して、この時、ファントムは
クリスティーヌに2つの命令を与えている。
2つの命令の組み合わせとして正しいものはどれか。
1〜5の解答群から1つ選びなさい。

1.私を触れ   ―  私を信じろ
2.私を咥えろ  ―  私を頬張れ
3.私を舐めろ  ―  私を味わえ
4.私をしゃぶれ ―  私を吸え
5.私をしごけ  ―  私のを呑み込め
905問2:2007/09/14(金) 23:37:50 ID:VEtDWeRq
記述中の(  )で囲まれた部分Bに関して、その後の調査・研究によって、
この夜のファントムの行動が明らかとなっている。
現在、定説となっているこの夜のファントムの行動について記述したものとして
適切でないものはどれか。1〜5の解答群から1つ選びなさい。

1.クリスティーヌの乙女の証を頂いた。
2.クリスティーヌの目蓋にシャドーを塗り足した。
3.クリスティーヌの足許に、セットした猿ゴールを置いた。
4.クリスティーヌのガーター及びストッキングを持ち去った。
5.クリスティーヌの髪にカーラーを巻き、いっそう頭が爆発するように企てた。
906問3:2007/09/14(金) 23:38:50 ID:VEtDWeRq
記述中の(  )で囲まれた部分Cに関して、オペラ座関係者とそのダメ出しの
内容の組み合わせとして適切でないものはどれか。1〜5の解答群から1つ選びなさい。

1.カルロッタ   ― 演技の勉強をしろ
2.クリスティーヌ ― 師の胸へ戻れ
3.支配人s    ― 事務所にいろ
4.ピアンジ    ― 減量しろ
5.ラウル     ― ズレない鬘を使え
907問4:2007/09/14(金) 23:40:30 ID:VEtDWeRq
記述中の空欄Dにあてはまるファントムの武器として最も不適切なものはどれか。
1〜5の解答群から1つ選びなさい。

1.尻パッド
2.情熱ダンサーズ
3.唇に当てた親指
4.股間補正グッズ
5.マントばさばさ
908問5:2007/09/14(金) 23:41:17 ID:VEtDWeRq
記述中の(  )で囲まれた部分Eに関して、ファントムが自身の他に携えていったものがある。
それは何か。1〜5の解答群から正しいものをすべて選びなさい。

1.クリスティーヌからもらったストッキング
2.クリスティーヌからもらったガーター
3.クリスティーヌからもらった指輪
4.クリスティーヌからもらったキス
5.クリスティーヌからもらった愛
909名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 23:42:10 ID:VEtDWeRq
以上です。
910名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 02:39:15 ID:ViaFZHdc
先生!問1は欲望をストレートに出し過ぎだと思います!w
911名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 10:01:10 ID:3s4HD/Vu
天使様wwwGJwwww
問1の2から下全部同じこと示してるwww
クリスの頭にカーラーまくだの瞼にシャドーだの
ラウルのずれないヅラだのそれなんて演出ミs(ry
912名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 11:17:54 ID:0aYkZnva
天使さまGJ!wwww
タラワロスwwww
こういうネタ大好きだw
913名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:43:25 ID:zPIddv51
支配人にan Office!とダメ出ししているメロディーでラウルに
You must wear the wig ! …that doesn't shift〜♪
と剣を突きつけている先生が見えました。
914名無しさん@ピンキー:2007/09/15(土) 23:46:15 ID:UTJQMjJX
>このスレでいいのか迷ったけど

ここ以外の何処にしようと迷ったか教えて下さい先生! 
あなたをマスターと呼ばせて下さい!
915名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 00:29:08 ID:HqPgTanZ
GJww
昨日からこの問題の秀逸っぷりに笑わせてもらってるが、
自分ではネタでの反応さえ思いつけなかった;
不出来な生徒ですまん、ありがとう先生。
916名無しさん@ピンキー:2007/09/16(日) 17:37:41 ID:zDDaqce8
みゆき座アゲ
917名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 13:49:54 ID:n2iuQZxI
天使様GJ!GJ!

ふぁんとむテスト問4に関して

> 3.唇に当てた親指

そりゃ違うだろうと思いましたが
セクシーアイドル風な仕草を想像しキモがりつつ
萌えしてしまいました。

しかし答えがわかりませんマスターorz
映画では見せてくんないけどピンク装着してんだろwwとか邪念がorz
呪いが多すぎるが愛してるぜオペラ座orz


918標準解答および解説:2007/09/18(火) 01:20:56 ID:Z4twEu5C
レス下さった方々、どうもありがとうございました。
>917のリクにお応えして。

問1 正解 1
 ファントムはクリスティーヌに「Touch me,trust me」と言っていることから、1が正解です。
 それ以外の選択肢はあなたの妄想もしくは願望に過ぎません。
 ファントムの妄想、願望については、それを示す証拠が発見されていません。

問2 正解 1
 ファントムとて1の行為に及ぶのも吝かではなかったかも知れませんし、あるいはそういったことも
 あったかも知れませんが、こちらも証拠がありません。
 なお、その他に明らかとなっている行為として、関係各位への書状をしたため、かつ配送の手配なども
 していたことが挙げられます。
 また、これは仮説の域を出ませんが、身体測定をしていたとする説もあります。

問3 正解 5
 ラウルのでこを見る限りにおいては、ファントムはラウルに対してそのような指示をすべきだったかと
 思われますが、己も脛に傷持つ身、同病相憐れむとしてその指示は控えたものと思われます。

問4 正解 3
 親指ではありません。

問5 正解 ―
 あなたの心のままに………。
919名無しさん@ピンキー:2007/09/19(水) 21:10:32 ID:/BwOlFIf
あああ天使様、いかに自分が呪われているか思い知らされマスター。
問5しか正解できなかったよ。
920名無しさん@ピンキー:2007/09/20(木) 22:55:38 ID:m6W1O0XX
投下します。
・ファントム×メグ
・ネタ、エロあり
・このファントムは、芋虫ではありません
・全部で9レス分です
921特命指南役メグ・ジリー1:2007/09/20(木) 22:58:55 ID:m6W1O0XX
「バッキャロ〜〜〜〜〜!!!」
と、ファントムが屋上の彫像によじ登って吠えた夜から3日が経った。
そして今、彼は―――案の定―――いじけていた。スワンベッドに身体を丸め、ひたすら
苦悩し、ひたすらジタバタしていた。
「天よ泣け、地よ吠えろ! 神に呪われし我が苦悩を誰ぞ知る〜〜!  
めそめそ………しくしく………。それにつけても忌々しきは、ラウル・ド・シャニュイ。
ぐ、ぐるぐるチューなんかしやがって………こんちくしょ〜〜〜!!!」

ぐるぐるキュゥゥゥゥ………。
腹が情けない音を立てた。さもあろう、あれから彼は、ほとんど何も口にしていなかった。
人間、どんな時でも腹は減る。神ならぬ身のファントムもまた、自然の摂理からは
逃れられぬ運命なのであった。
「こ、こんな場面で腹が鳴るとは、不覚! ………でも、ひもじい………」
と、思わず素直な本音を洩らした、その時―――。

「ファントム、いるぅ?」
明るい声が聞こえた。軽やかな足音と共に、何やらいい匂いも漂ってくる。
「あーらら、えらく黄昏ちゃって………。ママが予想したとおりね」
メグ・ジリーだった。腕には大きなバスケットを提げている。
「どうせメソメソしてるだろうからって、ママからの特命で来てあげたのよ」
「ほ、ほっといてくれ! 大きなお世話だ」
「あーら、いいの? お腹の方は違う考えのようだけど?」
バスケットから漂う香ばしい匂い、ほのかな湯気に、彼の腹は大交響曲を奏でていた。
「涙と鼻水とよだれでベトベトじゃない。まずはお風呂に入って着替えていらっしゃい。
その間に食卓を整えておくわ」

922特命指南役メグ・ジリー2:2007/09/20(木) 23:01:45 ID:m6W1O0XX
「パクパク、もぐもぐ、カリカリ、ポリポリ………う、うぐっ、ゲホッ、ゴホッ!」
「いやぁね、そんなにガッつかなくても大丈夫よ。ほらぁ」
喉を詰まらせて眼を白黒させるファントムの背中を、メグはさすってやった。
結局、食い物の誘惑には抗しがたく、彼はメグの言いつけに従っていた。3日ぶりに
こざっぱりとして温かい食事を口にすると、人心地もつき、なおかつ人の情けが身に
しみる。ジリー家の女性に餌付けされるのは、彼の宿命なのであろう。

食事も終わり、ファントムはメグと並んで長椅子に座り、食後のお茶を啜っていた。
―――そして、メグの説教を拝聴していた。
「せっかくクリスティーヌが主役を得たというのに、舞台を台無しにしちゃって。
どういうつもり?」
「あいつは日頃からチョロチョロと目障りだったし、なんか、その場の勢いで………」
「あ"〜、もう! あなたって超弩級のバカね。ブケーを殺るのはいいとして、舞台に
吊り下げたりしたから、あんな事になっちゃったんじゃない!」
「え………? 問題はそこ………?」
「当然! 覗き魔の呑んだくれがいなくなって、せいせいしたわ。それはGJ!よ」
メグは輝く金髪をかき上げ、事もなげに言い放つ。
「メグ・ジリー、………恐ろしい子!」
自分のことは棚に上げ、お約束の台詞を呟くファントムであった。

「幸い舞台上方は暗くて、あなたの姿ははっきりと見えたわけじゃない。支配人sも
事故として片付けたがってるし、ママも隠蔽工作に努めてるわ。
でもクリスティーヌにはバレちゃったじゃないの。あの子って妙なところで勘が鋭くて、
しかも無意味に潔癖なのよね」
屋上での情景を思い出し、ファントムは悄然とうなだれた。あの時、舞台で誰よりも派手に
叫んでいたのは、メグだったような気もするが―――。

「で、今後の方針は考えてあるの?」
「え? ………え〜っと…………」
「やっぱり。何も考えてなかったんでしょ」
「い、いや。これまで書き継いできたオペラ『勝利のドン・ファン』を完成させて、
クリスティーヌに歌わせれば………」
ファントムは方針とも言えない思いつきを口にしてみたが、あっさりと斬り捨てられた。
「で、あなたが現実逃避してギャルゲー……じゃなかった、作曲に没頭している間は
どうなるの? あなたって、芸術や科学にはジーニアス(って設定)だけど、やる事
なす事が、ぜ〜んぶトンチンカンなのよね。クリスティーヌを連れ込んだ夜も、肝心の
ことは何もできなかったらしいじゃない。今だって独りでノンキに黄昏れてて、彼女への
フォローも考えてないし」
_| ̄|○
メグに容赦なく決めつけられても、ひと言もない。

923特命指南役メグ・ジリー3:2007/09/20(木) 23:05:55 ID:m6W1O0XX
「早めに手を打たないと、あの子はますますラウルと接近しちゃうわよ。今はママが
禁足令を敷いて、ふたりを会わせないようにしてるけど」
「ど、どうしよう…………」
新たな涙が浮かんでくる。ファントムは眸をウルウルさせ、縋るようにメグを見つめた。
「あ〜あ、また泣いて………。でも、そうやってると、あなたって何だか………クスッ。
ダメな子ほど可愛いってヤツね。ママがあなたを見棄てられなかったのが、分かるような
気がするわ。よしよし………」
メグは悲嘆に暮れるファントムを抱き寄せ、頭を撫でてやった。彼の頬が温かく弾力の
ある胸にムニュッと押しつけられる。

「これが悪女の深情けっていうか、母性愛なのかしらねぇ………。クリスティーヌも
このダメっぷりを愛でるタイプなら良かったのに、あの子は保護されたいファザコン娘
だものね。そしてあなたは彼女に依存するストーカーのヒッキー。人間的にも社会的にも、
そして年齢的にも、あの子はラウルと結ばれた方が幸せなのかも………」
「そ、そんな………!」
ファントムの頭を撫でながら、メグは残酷な事実をしれっと口にする。
彼は眸を潤ませ、ふるふるとかぶりを振った。

「ふふっ、分かってるわよ。(それを言っちゃあお終いよ、だもんね)
それでもクリスティーヌとラブラブになりたいんでしょ?」
ファントムはポッと頬を染めて、こっくりと頷いた。
「だからこそ、オペラ座最強母娘の私たちが一肌脱いであげるのよ。あなたの味方なんて
ママだけなんだから、そこんとこ、よ〜く理解するように」
「………ハイ」
「ま、あなたも精神年齢はラウルより若いとも言えるし、ママもいい加減にマンドくさい
男から解放されたがってるし………」
メグが最後に呟いた言葉は、幸か不幸かファントムの耳には届かなかった。

924特命指南役メグ・ジリー4:2007/09/20(木) 23:09:11 ID:m6W1O0XX
「さぁ、ノンビリなんてしてられないわ。さっそく始めましょ」
メグは紅茶のカップを置くと立ち上がり、ファントムの手を引っ張った。
「え? な、何を………?」
「あら、私がここへ来たのは、文字どおり一肌脱いで性の奥義を指南して、クリスティーヌ
ゲット作戦を伝授するために決まってるじゃない」
「え、え………えぇぇぇ〜〜〜〜〜〜っ!!!」
「ママでも良かったんだけど、やっぱりクリスティーヌと同い年の私が教えた方が、
より実践的だろうってね」
ファントムは言葉もなく、ただ口をパクパクさせるのみ。
メグは金髪をかき上げて頭をツンと反らし、誇らしげに宣言した。
「そりゃママの方が経験は豊富だけど、私だってなかなかよ。今年度の『踏まれたい足
ナンバー1』の座も確定してるし、ママの5年連続記録を抜く自信もあるわ」

茫然自失のファントムを、メグはスワンベッドへと連れていった。ベッドはシーツも
取り替えられ、スタンバイOKである。
「いい? まず今夜は基本テクニックを学んで、明日は礼拝堂で予行練習、そして
明後日は本番よ。時間がないんだから、真剣に学ぶのよ」
「れ、礼拝堂で…………?!!!!」
「ママがクリスティーヌを言いくるめて、礼拝堂へ送り込むわ。そして鍵をかけるから、
その間にあなたが彼女をモノにするのよ。あの子はネンネだから、2日も特訓すれば
なんとか彼女を籠絡できるわ」

「……特訓……モノにする……籠絡………キャッ!」
今やファントムの脳内は、グルグルと回っていた。
ファントムの脳内にはお構いなく、メグは彼を隣に立たせると、てきぱき指南を始めた。
「まずは彼女の服を脱がせるのよ。こうやってコルセットの背紐を解いて………って、
何やってんの?」
「……なんか、紐がひっからまっちゃって………」
「んもう……ドンくさいわねぇ。あ、何でもない、何でもない………泣くんじゃない!」

925特命指南役メグ・ジリー5:2007/09/20(木) 23:13:13 ID:m6W1O0XX
「あなたねぇ、物言いや態度をもちっとシャッキリさせなさい。ウジウジ、メソメソ
してちゃ、どうしようもないでしょ」
「だ、だって………」
「だって、じゃない! あなたって、仮面も含めて見てくれはけっこうイケてるのよ。
ビジュアルならラウルに優るとも劣らないわ」
「ほ、ほんと………!?」
「まぁね、本来の怪人にはあるまじき事だけど。とにかく、外見にふさわしく、もっと
堂々と男っぽく振る舞いなさい」
褒めているのかいないのか、メグの表現はビミョウであったが、ファントムは何となく気分が
高揚してきて、コルセットの脱がせ方を習得すべく発奮した。

「そうそう、その調子。でも、いきなりはダメよ。『ああ、クリスティーヌ、愛しい
おまえ……』とか囁きながら、ごく自然に脱がせるのよ。さっ、言ってごらんなさい」
コルセットが外れ、メグのたわわな胸が弾けるように零れ出た。男ファントム33歳、
惑乱の一瞬―――。
「ああ、ク、クリスティー……うぐっ! ひ、ひた噛んだ………」
「……ったく。まぁいいわ、その辺りは即興で何とかしなさい。当日はあの子にも、
脱がせやすい部屋着か何かを着せるようにするわ」
「………ハイ」

「首筋に唇を這わせたりしながら、ゆっくりと優しく全てを取り去るのよ」
メグが金髪をかき上げて頭を傾け、白くなめらかな首筋を露わにした。甘やかな
香りが立ちのぼる。
ごくっ………。
ファントムは背中越しに恐る恐るシュミーズをはだけさせつつ、肩に唇を押し当てた。
「くぅっ……………」
メグはくぐもった呻きともつかない声を洩らし、身体を捩らせる。
そう言えば、あの時クリスティーヌにも似たようなことをしたんだっけ………。
さよう、彼はあの夜もいい線までは行ったのだ。自作の等身大フィギュアを披露するという
暴挙にさえ及ばなければ―――。
それはともかく、ファントムは唇をますます強く押しつけ、背中へと這わせていった。
今回は彼の手を自分の胸と腰へ誘導する、メグのヘルプも付いている。

926特命指南役メグ・ジリー6:2007/09/20(木) 23:15:21 ID:m6W1O0XX
「ふぅん………。下から膨らみを掬い上げるようにするのよ。親指で先端を撫でたりして。
もう一方の手で下着のリボンを解くのよ。『あぁ………美しいよ、クリスティーヌ………』」
「あぁ………美しいよ、クリスティーヌ………」
メグに唱和しながら、ファントムは片手で胸を撫で回し、片手で下着を脱がせ、大わらわで
ある。メグの乳首が硬く尖り始めたのを感じて、はや彼の脳内もニエニエ状態。
「『愛しいおまえ………』ハァハァ………」
「愛しいおまえ………ハァハァ………」
「あぁん………。ハァハァは真似なくてもいいのよ………ハァハァ」
「違う………真似じゃないけど、ハァハァ………」

誰がクリスティーヌで誰がファントムなのか、いささか倒錯的な言葉を交わしつつ、
ふたりの息遣いはいつしか乱れていった。
「今度は前から……乳首を口に含むの………あ、あぁっ!」 
「舌先を……ハァハァ………動かして…………くうっ……そうよ…………」
メグ師匠に言われるまま、忠実なる弟子のファントムは実行に励む。
硬く尖った薔薇色の蕾をくわえて舌先をチロチロ動かすと、メグはひときわ高い啼き声を
上げ、息遣いはますます速くなった。それでも指南を続けるあたり、さすがマダムの娘と
言えようか。

「クリスティーヌを生まれたままの姿にしたら………ハァハァ………マントを床に敷いて
………今日は省略でいいわ………そっと横たえるの。あ、あぁ………あぁぁ」
「ハァハァ………マントだけでは、冷たいのでは………?」
ファントムはふと浮かんだ疑問を口にした。この男、意外にも細かいところに気が回る。
メグはうっすらと眼を開けると、烟った眼差しのまましばし思案し、謎めいた提案をした。
「そうね。………じゃあ、明日は礼拝堂の隅にマットを用意しておくわ。ジャポンは
伊香保の某所に伝わる秘儀を教えてあげる。糸を引くとマットが舞台中央に出てくるの」

とにもかくにも、懸案は解決らしい。今日のところは、スタンバイOKのスワンベッドに
ファントムはメグをそっと横たえた。
「あなたも寄り添って横になったら、掌を全身に這わせるのよ。『あぁ………可愛いよ、
クリスティーヌ』………あ、ああっ、あぁぁぁ………」
「あぁ………可愛いよ、メ……違った、クリスティーヌ………」
耳元にセリフを囁きかけながら、教わったとおりにすると、メグはかすかに震えながら
身体を捩って身悶えはじめた。

927特命指南役メグ・ジリー7:2007/09/20(木) 23:17:20 ID:m6W1O0XX
クリスティーヌもこんなにハゲシク反応してくれるのだろうか………と、ちらと浮かんだ
不安を打ち消し、ファントムは触れるか触れないかのビミョウなタッチで、メグのすべらかな
肌を撫で回した。白い肌が薔薇色に上気して、うっすらと汗をかいているのが分かり、
彼の胸も否が応にも高鳴ってくる。そして、下腹部が痛いほどに疼いていた。
「そろそろ……手をここに………ハァハァ」
メグはファントムの手を取ると、女体の神秘の源泉とも言うべき内腿へと導いた。
そこからは、温泉ならぬ熱い蜜がこんこんと湧き出している。
「あ、熱くてヌルッとしたものが! こ、これは………?」
「これこそが、秘湯・情熱のプレイよ………ハァハァ」

「指を………ここへ………あ、あぁぁ………」
ファントムの男らしい(?)太い指が、神秘の源泉へと導かれた。そのまま、ふっくりと
膨らんだメグの萌える丘を往復させられる。丘を覆う若草のようなにこ毛は秘湯に
濡れそぼり、ファントムの指を灼くかのごとし―――。

「メ、メグ………ハァハァ、もう、辛抱たまらんとです………ハァハァ」
いよいよ切羽詰まった様子のファントムに気づき、メグも指南役という自分の役目を
思い出したらしい。一気にレッスンの最終段階へと進む。
「うふん、しょうがないわねぇ………ハァハァ。じゃあ、指技は明日の晩に教えてあげる。
指使いなら、あなたはお手の物だわね、きっと………ハァハァ」

「あなたも……前立てをくつろげて………」
ようやくお許しが出て、ファントムはもどかしげにズボンの前をゆるめた。
怒張した彼のものが、勢いよく躍り出る。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

「あ、あら………なかなかの…………ごくっ」

928特命指南役メグ・ジリー8:2007/09/20(木) 23:19:06 ID:m6W1O0XX
「ハァハァ……そ、そんな前じゃなくて、もっと奥………そこは奥すぎ、もうちょっと
手前……そう、そこよ」
「み、3つも入口があるなんて! ………ハァハァ」
女体の神秘は奥が深いのであった。もっとも、あまり奥だと数字風味になりかねないが。
ともあれ、ファントムは何とか正解に辿り着いた。おっかなびっくり入っていくと、温かく
ぬめりのある襞が蠢き、彼を妖しく締めつけてきた。
「うわっ、なんか、動いてる!」
「ふふん、俗に言うミミ………豆知識はどうでもいいわね。私は名器だもの……ハァハァ」

最初の衝撃をやり過ごすと、ファントムはおもむろに腰を動かし始めた。誰に教えられた
わけでもないが、DNAに刷り込まれた男の本能がなせるわざか。得も言われぬ快感が
背すじを這いのぼり、彼は「あぁ………」と、あえかな吐息を洩らした。
「ふふっ、………そうよ。耳元に息を吹きかけられると、ゾクゾクしてきちゃうわ」


「も、もうちょっと堪えるのよ………あぁっ!」
「そ、そんなこと言ったって………くぅっ!」

シュルルルルルル…………ド〜〜〜ン! パパ〜〜〜〜〜〜ン!!!
た〜ま屋〜〜〜! か〜ぎ屋〜〜〜〜!!!

          . .* * * *            
        *   ! !   ! !  .*
       *  ヽ   *  *  /  .*
     * ヽ   * 。+  。 *   /  *             
      * ヽ   * 。 * 。 *  。+。 *  /  *   
    * + * + + 。。+  *  *   + .*                 
   * ― ‐ *   *  o ○ * +  *.‐ ― *
     * + * + * o   * + * * *
       * / * 。+ * 。 + 。 * 。ヽ *.
         *  * 。* 。+。 * 。+*.
        */ * * 。 *。+ ヽ *           
         *  iii i   *             
           * * * *                
 
929特命指南役メグ・ジリー9:2007/09/20(木) 23:20:57 ID:m6W1O0XX
ハァハァハァハァハァハァ………………。
ファントムとメグは共に荒い息をつきながら、ぐったりと脱力していた。
「ハァッハァッ………最後はちょっと暴走気味だったけど、なかなか良かったわ。初めてに
しては上出来よ」
「ハァッハァッ………ほ、ほんと!?」
「ええ、ファントム、あなたってスジがいいみたいよ。教え甲斐があるわ」
メグはにっこり微笑みかけると、彼を優しく抱きしめ、髪を撫でてやった。
「事の後は、あなたがクリスティーヌにこうしてあげるのよ。やってごらんなさい」

ファントムはおずおずとメグの背中に腕を回し、そっと抱きしめてみた。ふたりの胸が
密着し、速い鼓動が重なり合うように感じられる。
「温かい………」
そう呟くと、彼は絹糸のようなメグの金髪に片手を伸ばした。
「そんな風に何か囁きかけるといいわ。あなたの声、素敵よ………」
そのままふたりは無言で寄り添い、互いの温もりを確かめ合うかのように、じっと
動かなかった。


「じゃあ、また明日ね、ファントム。私がついてるわ! ガンバ!」
メグは小さなガッツポーズを作り、彼に笑顔を向けると、軽やかな足取りで帰っていった。
ふと気づくとファントムもまた拳を握りしめ、メグと同じポーズをとっていた。
慌てて手を開くと、メグの香りと体温が掌から立ちのぼってくるようだった。
そして、先ほど触れた胸の弾力も、あそこの潤いも―――。
くるくる変わるメグの生き生きとした表情、明るい声音を思い出し、ファントムの胸が
ほっこりと温かくなった。

師匠の奮闘努力と激励をよそに、不肖の弟子はバチ当たりな独り言をぽつりと呟いた。
「クリスティーヌが駄目だったら、メグでもいっかな………」


<終わり>

930920:2007/09/20(木) 23:23:30 ID:m6W1O0XX
以上です。
読んでくださった方、どうもありがとうございます。
931名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 01:49:07 ID:GIdRGCmM
最近楽しいなあ、天使様達ありがとう。

920天使様製のファントムは喪ですねww巨砲かもだけどさw
ダメポな喪ファントムカワエエーーイイヨイイヨーー
>辛抱たまらんとです
に吹いたよ。
小悪魔メグGJ!

クリスチーヌと無事いたすことができるんでしょうか
気がかりで禿げそうですエンジェル…

932名無しさん@ピンキー:2007/09/21(金) 21:37:17 ID:LzXacKBt
GJ!ワロタwww
「ガンバ」って久しぶりに聞いたよ天使様www
933名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 03:56:44 ID:kgIiN00s
不思議だ なんで映画のビジュアルで再生できるのかわからんぜえぇぇ

ありがとうエンジェル もういっそくっついていいよ二人!
934名無しさん@ピンキー:2007/09/23(日) 23:57:59 ID:5d2MEzai
このスレの天使様は実に多才だW
935名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:03:34 ID:Fsua9aDf
天使さまありがとうございますwww

ところで、失われた環の天使さまはお元気でしょうか?
投下お待ちしてます。
936名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 22:52:08 ID:TlWztNS4
クリスよりメグのがいいんじゃwwwww
天使様、別の意味で幸せな先生をありがとう!
937名無しさん@ピンキー:2007/09/24(月) 23:15:38 ID:MfdOXlFe
メグとくっつくのはシャニュイ子爵もご推奨ですw

ところで今486KB。次スレの時期ですかね。
938名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 21:48:50 ID:hQtG7npn
やはりスレ消化に約1年か。
のんびりペースだけど上質な作品ばかりで嬉しいよ。
次スレも盛り上がるといいなあ。
939名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 00:52:28 ID:z09vxd4m
エロなしネタのみ投下。
940ファントムOP-5型 1/2:2007/09/26(水) 00:57:55 ID:z09vxd4m
数ある出品の中から、当オークションをご覧頂きましてありがとうございます。

こちらの商品は、旧型アンドロイド、ファントムOP-5型。
リアルな緑色の瞳が印象的な全長188センチという大型、その上便利なナビゲーション機能が
内蔵されています。
製品上部、顔面の左側に製造時の難がありますが、問題のある部分を仮面型のカバーで
しっかりと覆ってお届け!
中身は正規品となんら変わらない、たいへんお買い得な商品です。

どのようなナビゲーション機能が搭載されているかと申しますと、

*オペラ座地下5階までの誘導
*墓場までの馬車運転

なんと2つの目的地に貴女をご案内できる優れもの。
地下への誘導時には、背面CD差込口よりサントラ盤を挿入していただきますと、誘導中、
音楽に合わせて口パクいたします。
ファントムOP-5型には企画立案者、シューマッカ氏の強い希望により、地下5階までの誘導中、
ひっきりなしに振り返る機能が内蔵されております。
通路を明るく照らす、地下には欠かせない松明ももれなくプレゼント。
ただし、人前で仮面をはがすと誤作動を起こし、暴言を吐く場合がございます。
またその際、地下までの誘導ルートは奈落経由の手荒なものとなりますので、仮面の取り扱いには
十分ご注意下さい。
941ファントムOP-5型 2/2:2007/09/26(水) 01:06:35 ID:z09vxd4m
衣装は黒いテイルコートに白い仮面が標準装備、他にオプションといたしまして、

★赤いパーティー衣装(髑髏仮面付)
★ドンファン舞台衣装(黒仮面付)

を別料金にてご用意しております。
仮面はその日の衣装に合わせて交換していただけます。
ファッション性にもとても優れています!

また、パーティー衣装には赤褌、舞台衣装には尻パットがおまけとして付きますので、
その日の気分に合わせて下着の着せ替えを楽しんでいただけます。

<注意事項>
なお、墓場から戻る機能はインストールされておりません。ご了承下さい。
夜間迷惑メールを自動発信する場合がございますが、この機能は削除できません。ご了承下さい。
夜間個室内で使用することも可能ですが、ベッド内での誘導機能は期待できません。
お手数ながら落札者さまからの誘導が必要となり、その際の当アンドロイドの部分的身体能力は不明です。ご了承下さい。
下着は付属しますが、新生児〜大人用靴下一式は付属しませんので、必要と判断された場合、別途お買い求め下さい。

ご入札はお早めに!
なお、動作確認はしておりますが、当機種には記載以外の難がある場合があります。
現品限りにつき、ノークレーム・ノーリターンでお願いします。


追記*ヤフーゆうパックがご利用いただけます。
942939:2007/09/26(水) 01:10:45 ID:z09vxd4m
以上、ネタでスレを消費してすまぬ。

現在489KB。
943名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 02:49:33 ID:91VHC+hX
>939
入札します。

最高入札額:2万フラン
パスワード:IAMKURISU

出品者への質問
・黒マントは標準装備として付いていますか?
・濃紺のガウンやピンタックのついた白シャツなどのオプションはないのですか?
・髪型はどのようになっていますか?
 デフォルトで黒髪なのか、生えそろっていない金茶に黒髪の鬘なのか、など。
以上3点、ご回答頂けましたら有り難く存じます。
944名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 09:23:02 ID:K/GRuCw2
>943
待て、そのパスワードはなんだww
945名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 22:36:36 ID:3syJaM7O
出品者への質問

初めまして〜!!
購入(製造)時期はいつ頃ですか?
また、新品かどうかも教えてください♪
946939:2007/09/27(木) 01:06:17 ID:Lc3FRrOw
>>943
入札&ご質問ありがとうございます。

・黒マントは標準装備です。テイルコートの上に羽織らせても素敵ですが、お好みではだかマント等の
 特殊プレイにもご使用下さい。
・濃紺のガウン・ピンタックのついた白シャツの他、コスプレ用クリスティーヌ衣装各種から、
 地下背景用かつおぶし置物まで、オプションとしてあらゆるものをご用意しております。
 落札後、マニア向け通販小冊子をお届けいたしますのでお楽しみに。
・本体には子爵も羨む最高級アデランス蒸れない黒髪鬘を標準装備。その下の金茶の髪は、
 十分ご注意された上で、落札者さまご自身の目でお確かめ下さい。


>>945
ご質問ありがとうございます。

・こちらは2005年製造です。2年間オペラ座地下の鏡裏に隠されていたデッドストックです。
・新品とは言いかねますが、未使用品ですから、夜も気持ちよくお使いいただけると思います。

ご入札をお待ちしております。
947名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 01:19:33 ID:s0E+Kw2E
天使様GJww
自分も埋め用に小ネタを。

○毎日使ってるよ
○部屋にあるよ
×楽屋はマジックミラー
×××たまに開けっ放しだよね

ガウン
○寝るとき使うよね
○ダンディーなおじさんとか着てそうだよね
×中はフリフリシャツだよね
××その鍋蓋みたいな帽子も無きゃだめなの?

シャンデリア
○綺麗だよね
△刈谷崎さんの家にあるね
×××ムカついたら落とすよね

ガーター
○何となくセクシーだよねー
△・・・何それ?
×脱がすよね
××××あの娘のガーターゲットォォォォォ!
情熱の・・・
○バラ?
○国?
××ダンサーズ?
×××プレイ?

ロープ
○結ぶ
○縛る
×投げる
×××投げて絞める

ズラ
○タレントも多いよね〜
△ちょっと笑っちゃうよねw
×ドンファンの前に押さえてるよね
××横にスペアあるよね
×××穴に落ちる前にずれてる人が約一名いるよね

靴下
○履いてるよ?
○やっぱり裸足が好きだな・・・
×ニヤリ
×××新生児用、7cmか・・・

さて、あなたはいくつ当てはまりましたか?
二つ以上当てはまったら、貴方も立派なオペラ座オタです。
元ネタはこちら。
ttp://ex20.2ch.net/test/read.cgi/gline/1182157346/l50
950名無しさん@ピンキー:2007/09/27(木) 08:51:35 ID:eIE7sy07
>947
靴下で反応してる時点でアウトwww

立ててきた
【仮面】オペラ座の怪人エロパロ第8幕【仮面】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1190850492/
951名無しさん@ピンキー:2007/09/29(土) 23:48:53 ID:IcC285Tw
>×××ムカついたら落とすよね
先生ちょっと落ち着けw
952名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 03:21:31 ID:lMug3xgL
>950
スレ立て乙でした。
今あっちを保守してきたけど、こっちも埋めないとな。

そういや前スレはスレ立てから5ヶ月だったけど、このスレは約1年だったね。
953名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 19:43:31 ID:Q0GFpDE8
    _, ,_  ,_
ヤダァ(`Д´(`  )<ミュージックオブザ…ナイト!
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.|
|  | ̄ ̄ ̄ ̄|  |
|  |  @  @|  |
|  |@  @  |  |
|  |____|  |
|__________|
954名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 09:16:03 ID:p1zHgBGE
オイw
その布団はアレか、薔薇柄なのかw
955名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 17:15:31 ID:hK5ODV/7
埋め
956名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 19:24:18 ID:3taqywEM

                 みなさん
                      おやすみなさい・・・
                  /^ヾo
             ○= ノ:;☆_;;.ヽ===○
             ‖(⌒(´・ω・`n ‖  .‖
            /(_,,..てっ..,,__ ノ  ̄./i
           _,.(~ ̄        ̄ ̄~ヘ, | !
         (~ ,::::::☆:::::::::☆:::::::::::::::.''  }i | 
        ノ ..:☆::::::::::☆:::::::::::☆::::."  丿

957名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 19:56:09 ID:ZECyAnZd
 |____  \□ □
       / /   _____
      / /   |_____|
     / /                  おきろ!!
    / /
     ̄                 (⌒ ⌒ ::⌒ ヽ
    ∧_∧             (´ wwwwwww⌒ヾ
   ( ;   )           ('⌒ ;wwwwww;w  )
    ( ̄ ̄ ̄ ̄┴-      (´ (' wwwwww;w :::) )
     |  (    *≡≡≡≡≡(´   wwwwww: );  )
    /  /   ∧   \    (⌒:( 'wwwwww: ;::⌒ )
    / /   / U\   \   (   wwwwww   )ソ
   / / ( ̄)  | |\  ( ̄)  (((' wwwwww ´ソ
  / ( ノ  (   | |  \ ノ (   ヽ   ヾ  ノノ  ノ
⊂- ┘(    ) └--┘ (    )
     UUUU      UUUU
958名無しさん@ピンキー:2007/10/10(水) 19:59:49 ID:+VMjzkpk
>957よ、>956を起こすなよw
959名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 18:13:59 ID:5ITUlj9q
                                -―─- 、
                           , '´ /ヽ/レ'^\`¨  ̄`ヽ
                          //^∨       \ ⌒\ \
                           //               \  \ \
                    / ̄7/:/      l        \  \ ヽ
                       /   / ./:   ,':.../!:.  |:::l:{ :..      \  Vハ
                  / / .:::/:'::.  !:::/ |::.. |:::l:::ヽ::.. \    ヽ  Vj __
                   |.:/,イ...::::::l::l::::. |:::| l::::.. |::.l:::::::.\ :::..\::...  ∨::Y  `\
                   l// :!.::/:::|::l::::. |:::l  !::::: |::.{ヽ::{\ ヽ、::: \::... .l::::|⌒ヽ  l
                  //:::::|:::l:::::|::l ::::.、|l:_|  \_;{ ヽ \ \ \:_丶‐::.|.::|:::::::::l j
                     /イ ::::::|:::l:::::|::l :::::::|ヽ「二ニヘ:ヽ   `ニ二下\:ヽ:::|.::! :::::::| {  其れなら私を
                 { !| :::::::l:/!::::|:ハ::::::::V仟アてヽ\     仟アてヽ乂:::|/ ::::::: | l   し、尻穴奴隷にしてくださいっ!
                     ? :::::::{:∧::∨{\_::ヽ∨少'_      ∨少'_//リ::::   | |
                 `ト、::::::ヽ:∧:?:::: ハ ///    ///イ:::::::|! ::::   | l
                  l ::::::::::/::∧\:::::小、     '       小 ::: |l :::::.  ∨
                   i ::::::::/::/  ヽ:ヽ:::|:::l\    (⌒)   //l| l:::: |.| :::::  {
                    l :::::/::/   /|::::: :|:::|ハ{> 、  _ , イヘV /' |::::.| ! :::..
                 l ::::::::/:!   {ハ::::::::|::{ ヾ:{ F==v===7}:}/  !::: l人:::::.  ヽ
                   :::::::/:::l   ヽヘ::: ト \ rK ((db))  h<_  /:::./  |\:::..  \
                / :::::::/ l:::! , -‐- ヽ:::l/ ̄ ` ‐-|l|-‐ ´  `/:::./. ___j_:::.\:::..  \
                  / :::::::/ j://     \{        |l|     /:::./ /   `\\::.   \
              / :::::::/  /         l |\  _  |l| _ /; イ /      \\::.   \
                / ::::::/  /           :l |   {__rx/{\ `}} ̄:/ /           \\::.   \
.               / ::::::/   {          ∧ヽ / _,>!:::}::::}\  / ∧            } \::.   \
             / ::::::/   }ヽ        l /∨    /}ーく   \,∧ヽヽ          ,/    \::.   \
               / ::::::/    {\         l l l{   二 }::::::{      l l│      /      \::.   \
           / ::::::/    人 \___/l l j }   ヽ/:::::::}       l l│     /          \::.   \
            / ::::::/    <  ヽ____ ハ_{ { !    l::::::::::l      l l人__//              \::.   \
         / ::::::/      /    ー─/ ̄}厂{j    /| ::::::::|    孑/ ヽー‐ イ             \::.   ヽ
           / ::::::/      /      ∠二ニヘ  \ /{│::::::::| ニ二 /´l| \__,/│                 \::   \

960名無しさん@ピンキー:2007/10/11(木) 18:35:10 ID:5ITUlj9q
 __,冖__ ,、  __冖__  / //     ,r――――――― ,,、
 `,-. -、'ヽ' └ァ --'、 〔/ /  /              \
 ヽ_'_ノ)_ノ    `r=_ノ    / /        ,VVVVVVVVVV
  __,冖__ ,、   ,へ    /  ,ィ      /      "  ノ
 `,-. -、'ヽ'   く <´   7_//     /   ■■■ ■■、
 ヽ_'_ノ)_ノ    \>     /     /   /●)、,.;j/●)
   n     「 |      /      |   -'''" ̄ = -`ヽ、
   ll     || .,ヘ   / |  ,-、  |   ,r':/ ̄''‐-〆_ノ
   ll     ヽ二ノ__  { | / ハ `l/   i::::i    _   `ヽ
   l|         _| ゙っ  ̄フ.rソ     i::l  r' ,..二''ァ ,ノ
   |l        (,・_,゙>  / { ' ノ ::::::::::::l  /''"´ 〈/ /
   ll     __,冖__ ,、  >  >-'   ::: ;::::|  !    i {
   l|     `,-. -、'ヽ'  \ l   l ::::::::::;:::l |     | !
   |l     ヽ_'_ノ)_ノ   トー-.   !:::::::::::;::|. | ,. -、,...、| :l
   ll     __,冖__ ,、 |\/    l::::::::: ;::l i   i  | l
   ll     `,-. -、'ヽ' iヾ  l     l:::::::::;: l |  { j {
   |l     ヽ_'_ノ)_ノ  {   |.      ゝ:::::;:i' `''''ー‐-' }
. n. n. n        l  |   ::.   \::ヽ、__     ノ
  |!  |!  |!         l  |    ::.     `ー-`ニ''ブ
  o  o  o      ,へ l      :.         |
961名無しさん@ピンキー
    r'''"     ゙l,
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    / _,r"∠ニ、'L- l,,/ l   ,rー--−ヽ、 l /      ,,r 、 ゙l
  <" ,,r'" l 、___`_|.   |  / ,,/" ``ヽl l/    ,,,,ノ" ,,ハ ゙l   
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  〈  ゝ'ヘ、\., - 、/.li____ゝ || 、___イ_, 〔   r、 !、   ヽ l 丿
   vヘ、  ヽ、 ヽ==l,,ハ,,   ハミ lーー--ー-//ゝ、 ゝゝ7 、__ ' //   
  ,,_.n ,,ゝ、,,,,,,,゙゙''''^'',,,,,,彡ーく./ ミ \, ‐-‐.//  l`ー‐=ト、`ー' /l ̄\_
. / l,,l,,厂  l\∧l'''''l∧l    ヽ \`ー-' イ  ノ,,r‐'''| | ヽ ,,イ .l  l'",,,、 ヽ