【涼宮ハルヒ】谷川流 the 30章【学校を出よう!】
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由に書いてもらってもかまわんが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたりしたんだけど…
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人ならまず気にしません。 あなたも干渉はしないで下さい。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど…
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。 必要なのは妄想の力だけ… あなたの思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aふみぃ… 読み飛ばしてくださぁーい。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろ。
Q〜ていうシチュ、自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 だっていきなり言われていいのができると思う?
Q投下したSSは基本的に保管庫に転載されるの?
A拒否しない場合は基本的に収納されるのね。 嫌なときは言って欲しいのね。
Q次スレのタイミングは?
A460KBを越えたあたりで一度聞いてくれ。 それは僕にとっても規定事項だ。
Qここの規制はどうなの?
A行数制限:60行 容量制限:4096Bytes 連投制限:10レスってキョン君が言ってたー
立てようと思ったら立ってた。
お疲れさん。
ぎゃー!SMスレがテンプレから削除されてるー!
まぁいいや。
>>1乙
規制の件は建つ前に話題にすべきだったか。
八回連続書き込むと規制
間に他スレでもいいから一レスでもあればおkだっけ
とにかく乙
板自体によほど人の居ない時間帯じゃなければ
まず制限に引っ掛かることはない罠
8 :
童貞物書き:2006/09/17(日) 03:29:42 ID:dQ6u3Oa7
前スレ436を参考にして立てたけど…すまんの
さっそくだけれども例のものUPしていいか?
・消失長門レイプモノ。ヤるのはキョン以外。はい、ダメな奴は見るな
・エロシーンの質の低さは想像で補ってくれ。ぶっちゃけ代筆頼む
・キョンの独白がヘタとか言うな、難しいんだ。ヘタレすぎるって言うな作者に似たんだ
・消失長門はこんなんじゃねぇって言うな、俺の嫁はこんなのだ
・叩きはかまわんが、幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
どうぞ
>>8 したけりゃ勝手にすればいい。
貴方はちゃんと警告文を出しているので、読んだ後で痛がる奴が悪い。
質についてはまぁ内容が内容だからある程度の叩きは勘弁してくれ。
投下後は速やかに就寝したまえ。
11 :
童貞物書き 1:2006/09/17(日) 03:39:32 ID:dQ6u3Oa7
あっちの世界に戻れる選択肢を捨て、こっちの世界を選んだあの大騒動から幾日か経ち、俺は文芸部の一員となっていた。
騒動の細かい内容は作者にでも聞いてくれ。どうせ考えてないだろうがな。
ともあれ、こうして文芸室で放課後長門と一緒に本を読むのはすでに日課となっていた。
あれ以来、長門と進展があったのかと言うと、これがまたまったく進展していない。
そこ、ヘタレとかいうな、お前だってヘタレじゃないならこんなスレ見てないで彼女とデートでもしてろ。
放課後になると文芸室に向かい、長門と向かい合わせに本を読み、読み終えたら長門にまた本を借り…
そんな向こう側の世界では考えられないようなのどかな日々を送ってる。
……いや、「いた」にしよう。そろそろもうワンステップ進まなくては。
手元には映画の前売り券が二枚。この前長門に借りた本の映画化だ。
「おい長門」
本から目を上げたのは、向こうの長門よりも幾分温かい瞳を持つ長門。
「次の土曜、用事ないか?」
小さくこくんとうなづく長門。
「よかったら、映画見に行かないか? この前借りたあの本、映画化されたみたいだから」
こちらを見つめていた長門の表情が赤くなる。
慌てて俺は、
「いや、デートって訳じゃないからな。長門にはいつもお世話になってるしな、これぐらい」
ああ、なんでこんな言い訳しちゃいますかね、俺。
長門は赤くなった顔を本に埋めながら、
「楽しみに……してるから」
そう、ギリギリ聞き取れるぐらいの声で言った。
12 :
童貞物書き 2:2006/09/17(日) 03:40:25 ID:dQ6u3Oa7
嬉しい。キョン君が私を初めてデートに誘ってくれた。
でも…デートじゃないのかな。彼は一生懸命否定してたし。
でも、嬉しい。彼と一緒に映画を見に行けることが。
今日は土曜日。ついつい待ち合わせ時間の一時間も前に来ちゃった。
今日の私はちょっぴりおめかし。前に朝倉さんに選んでもらったワンピース。
そういえば、その時朝倉さんが言ってた。「有希、かわいくなったね」って。
その後、「女の子は好きな人ができるとかわいくなるっていうけど、有希にも彼氏できた?」
って言われたときは、真っ赤になっちゃった。
やっぱり、私……
「あれ〜、長門じゃん」
声をかけてきたのは……キョン君じゃない。同じクラスの、なんだか怖い人。
「なんだかおめかししちゃってさ、何? 逆ナン?」
それはねーよ、ハハハ、とその男の人のお友達が笑ってる。
怖い……早くキョン君、来てくれないかな…
その人と目線を合わせないように俯く。
「どうせヒマなんだろ、お前みたいなネクラ、誘うような奴なんていないだろうしよ」
男の人は私の腕を強引に引っ張る。
「や……」
こんなときでも、私は大きな声が出せなかった。
このことを、私は後に一生後悔することになった。
13 :
童貞物書き 3:2006/09/17(日) 03:40:58 ID:dQ6u3Oa7
「遅いな……」
ついに長門との初デートの日だ。
いや、デートではないのだろうか。あの時否定した自分を思いっきり殴ってやりたい気分だ。
自分でデートではないと言い張っておきながら、30分も前に約束の場所に来てしまった。
で、今はそれから一時間後。
あの長門が時間を違えるとは思いづらい。
何か悪いことに巻き込まれてなければいいけれど…
14 :
童貞物書き 4:2006/09/17(日) 03:41:58 ID:dQ6u3Oa7
「や……やめ……」
男の手が無遠慮に私の胸をまさぐる。
気持ち悪い……夢の中でキョン君に触られたときは、こんな感じじゃなかったのに。
袖口から服の下に手を入れて……痛っ……そんなに強く揉まないで。
誰かがワンピースの下を持ち上げる。時折、ゴーッと上を電車が通り過ぎる音。
この薄暗いガード下、この騒音の中、何をやってても見つからない所。
「ひゃぅっ……」
下に潜り込んだ誰かがパンツをずらし、私の股間を舐める。
むず痒いような、変な感じが私を襲う。
「おい、誰か来る前にさっさと済ませようぜ。最初は譲ってやるから」
私の胸を触っていた男は、股間を舐めていた人に言う。
股間を舐めていた人はズボンを下ろすと……
「ひぅっ……」
赤黒くて、なんだかグロテスクな”ナニ”か。
男の人は私の両足を抱えて、固く冷たいコンクリートの壁に押し付けた。
もしかして……
男の人はそれを私の大切なところにあてがい、一気に押し込んだ。
「ひぃぃぃぅっ……」
痛い、痛い、痛い、痛い
やめて、あ……血が出てる。
「お前初めてだったのか。通りで締め付けがキツい訳だ。あんまり濡れてないし、痛いぐらいだ」
男の人が何か言ってる。でも、分からない。ただ、痛い、痛い、心も。
挿れているだけでも痛いのに、男の人は腰を動かし始めた。
「や、やめて、痛い、うぅっっ……」
中で擦れて、痛い、痛い、痛い。
こんなの、気持ちいいわけないよっ。
「ああ、やべっ、もう出る……」
男の人は私の腰を引き寄せ、そのまま中に……
「いやぁぁぁっ……」
私の中に熱いものが注ぎ込まれる感触。目からぽろぽろ涙が零れ落ちる。
「なんだよ、お前早すぎ」
「だってよ、こいつ、めちゃ気持ちいいぜ」
「じゃ、次、俺な」
男の人のが引き抜かれる。太ももを熱いものが伝う感触。
私、汚されちゃったんだ……
15 :
童貞物書き 5:2006/09/17(日) 03:42:41 ID:dQ6u3Oa7
もう一人の男の人が地面に座り込み、私をその上に座らせる。
そして……
「くぅぅぅんっ……」
一気に私の所につきたてた。
さっきの中に出されたぬるぬるで、さっきよりは痛くない。でも……
「ほら、自分で動け」
「え……」
「文芸部で仲良くしてる……キョンとかいったっけ? アイツにバラしてもいいのか?」
さっと青くなる。こんなこと、キョン君に知られたら……
こんな、エッチな、変な事された女の子って知られたら……
「くぅぅっ……」
腰を持ち上げて、すとんと落とす。
痛い……でもその中に変な感覚。
男の人に命ぜられて、何度もそれを繰り返す。
もう一人の男の人が私の目の前にあのモノを差し出す。
「舐めて綺麗にしろ。お前が汚したんだからな」
否定はできない。そんなことしたらキョン君に……
差し出された男の人のモノを舐める。苦い、気持ち悪い、キョン君……
「オラ、下も休んでいるんじゃねーぞ」
そう言われて、また下の運動も再開する。
なんだか変な感じがこみ上げてきた。何、これ、私……
上の人はガマンができなくなったのか、私の口の中にモノを入れ、頭を掴んで前後に動かす。
下の人も自分から腰を打ちつける。
もう……私……
16 :
童貞物書き 6:2006/09/17(日) 03:43:14 ID:dQ6u3Oa7
待ち合わせの時間からどれぐらい経ったか。
時計を見るのもやめた。デートをすっぽかされた男なんて、悲しすぎる。
いや、もしかして何か事件にでも……
「おうわっ」
いきなり携帯のバイブレーション。着信は長門。
慌てて電話を取る。
「もしもし、長門か、今どこにいる?」
「ごめんなさい……」
長門の、消えるような小さな声。
「急に……用事ができて、行けなくなった。連絡が遅れて……」
「ああ、いいんだ。長門、何もなくてよかった。」
小さく、向こうで啜り上げる声。
「長門、そんなに気にしなくっていいって。急に誘った俺も悪いんだし。明日は空いてるか」
「ごめんなさい、明日も……用事があって」
「そうか、じゃあ来週以降に持ち越しだな」
「……ごめんなさい」
電話の向こうの長門は泣いているのか? 連絡が遅れて、俺が怒っているとでも思ったのだろうか。
「長門、気にするなって。じゃあ、また月曜日にな」
「……また……月曜日に」
プツン、と二人を繋ぐ電話は切れた。
駅前に一人取り残される俺。
さて、これから独り、どうしたもんかね。
一人ため息をついた。
17 :
童貞物書き 7:2006/09/17(日) 03:44:16 ID:dQ6u3Oa7
落ちない、落ちない、何度体を洗っても、あの男達の臭いが消えない。
あれから解放されて、ティッシュでできるだけ拭って、私は一人帰り道についた。
電車になんて乗れない。とぼとぼと一人道を歩いて。
家に帰ると鍵を閉め、トイレに向かい、吐いた。
飲まされた、あの男達の精液を吐き出すために。
何度頑張っても出ない。便器に流れ落ちるのは胃液と私の涙だけ。
ドアをノックする音が何度も響いた。
多分、朝倉さん。
私は出ることができなかった。
朝倉さんは、きっと気づいてしまうから。
お風呂から上がって、扉の覗き窓を確認してドアを開ける。
ドアの前には小さな土鍋、一人分のおでんが取り分けられていた。
コタツの上に土鍋を置き、蓋を開ける。
冷め切ったおでんの汁に、浮かぶ私の顔。
おでんの汁に私の目から零れ落ちた波紋がいくつもできた。
・・・支援?
終わりじゃね?
終わりか。じゃあオヤスミ
以上。続きも考えちゃいるんだが、書くか分からん。
とりあえず、参考になりそうな消失長門(できればエロ)を頼む
「長門有希の暴走 - 消失」とか、「長門有紀の否決」が好きなんだが
んじゃ、レスが怖いんで、長門で抜いてから寝る。
こういうの嫌いじゃない、むしろ好きなんだが、
レス跨ぐ度にハンネが目に入って微妙な気分になるんだ。
俺も嫌いじゃない。
けど……何だか読んでて微妙な気分になった。
微妙に感じるのは多分……この話の元ネタがハルヒである必要がないからじゃないか?
いや、話自体は悪くはないんだが
ま、まあ、なかなかいいんじゃない?
でも童貞が書いたってところが微妙なんじゃないかしら
微妙なのは、レイープモノなのにレイープ描写が下手だから
゜゚・*:.。..。.:*・゜ヽ( ´∀`)人( ´∀`)ノ・゜゚・*:.。..。.:*・゜
レイープ苦手だから華麗にスルーしちゃった
>>27 (゚∀゚)人(゚∀゚)人(゚∀゚)ナカーマ
まぁ最近は言わなくてもいいことを言う奴が増えたわけで…
上でスルーとか書いてるけどそのレス自体がスルーしてない証拠だというのにな
VIPでこういうSSよく見るな。
いくら消失長門が薄幸の美少女だからって、この展開は
哀れすぎる。
すでにオリキャラの領域
長門VS消失長門の(激消極的な)キョンの取り合いを見てみたい。
でもどうやって消失長門をもってくるかが問題な…
同じようにハルヒVS消失ハルヒの取り合いも・・・
「遅れてごっめーん! この子連れてくるのに手間取っちゃって」
「別に待ってもいないん… って、お前誰を連れている」
ハルヒが連れて来た女子生徒はブレザーを着て、見事なまでのポニーの… ハルヒだ。
「あぁ、この子あたしにそっくりじゃない。 もう一目見て拉致ってきちゃったわ」
「いきなり引っ張ってきたと思ったらアンタ何なのよ。 ってジョンじゃない」
OK,確定した。 アイツはあの改変された時のハルヒだ。 でも何でこんなところに…
「ジョン? 何を血迷ったか分かんないけどアイツはキョンよ。 ん、ジョン?」
(省略されました。 続きはどこにもありません。)
こんな感じかな?
チ裏
消失のポニテハルヒがシャナに見える。
胸の大きさで判断するといいですよ
-‐ '´ ̄ ̄`ヽ、
/ /" `ヽ ヽ \
//, '/ ヽハ 、 ヽ
〃 {_{ノ `ヽリ| l │ i|
レ!小l● ● 从 |、i|
ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│ もまいら、餅付くにょろ
/⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
\ /:::::| l>,、 __, イァ/ /│
. /:::::/| | ヾ:::|三/::{ヘ、__∧ |
`ヽ< | | ヾ∨:::/ヾ:::彡'
>>35 把握した。 たしかにシャナのほうが胸がうわなにをすくぁw背drftgyふじこlp;@:「」
慎重があからさまに違う、、、あ
長門VS消失長門はキャラが違うから取り合いの構図が
ある程度想像できるが
ハルヒVS消失ハルヒの方はほとんどキャラが一緒だからなぁ
どうやって当て馬にするから肝になるな
「あたしの方が髪が長いし!ほーらジョン、あんたの好きなポニテ〜」
"二人目の方"のハルヒが、髪を手で束ねて、ふりふりと振ってみせやがる。
「…んなっ!あああ、切っちゃったのは不覚だったわ。
ていうかキョン!あんたジョンスミスだったの何で黙ってたのよっ!」
モチつけ一人目、それはだな…
「こっちのあたしって、何か毛が三本足らない感じねぇ。あたしのが断然いい女だわ。
ジョンは、わざわざ校門前で待ち伏せまでして、会いに来てくれたもんねーぇ?」
煽るな、二人目!
…とかか?
いいねいいねぇ
wktk
ちょうど腹部に打撃を入れられたらしく、俺は深い眠りをぼんやりと破いたんだ。
朝になると俺の体をサンドバッグか何かと勘違いした妹が、わざわざ起こしにやってきてくれるわけだが……。
「……なんでお前裸なんだよ」
「え?」
馬乗りになって俺を見下ろす妹は、見事にすっぽんぽんだった。お前の裸なんか見ても面白くない。
つーかなんで裸なんだ。なんの冗談だ。
「えいっえいっ」
「やめろ馬鹿。もう起きたから」
「起きてないよー」
裸で兄の寝起きを襲う妹。それなんてエロゲな展開にうんざりしながら、俺は妹の腋の下に手を突っ込んで体を持ち上げた。
「ん?」
裸の妹に触れたはずなのに、手に伝わってきたのは布地の感触だった。
「ほら起きてーっ」
持ち上げられながらも必死でもがく妹。何がおかしい。
「だからな、お前なんで裸なんだ?」
「裸じゃないよ。キョンくんねぼけてるの」
「寝惚けてなんかいない。寝惚けてるのはお前だ」
「むー」
ひょいと床に妹を降ろしてやる。
時計を見ると、いつもより少し早い時間。あと10分は寝ていられたはずだ。
妹が俺の部屋からパタパタと走り去っていく。ドアくらい閉めていきなさい妹よ。
「おかーさーん。キョンくんが起きないよー」
「じゃあフライパン持って行きなさい」
「わかったー」
それをどう使う気だ妹よ! そしてそんなものを渡すな母さん。
リビングに下りると、母さんも父さんも裸だった。
顎の関節が緩んだね。ああ、しかしまぁなんていうかさ、こういうのはさすがにナシなんじゃないのかな。
「あれっ、キョンくん起きたの? 残念」
心底残念そうにフライパンを見詰める妹もやっぱり裸だ。
「仕舞ってきなさい」
俺はある確信を持ちながら、妹の背中を押した。やっぱり、こいつは服を着ている。だが、俺には見えないのだ。
手で背中をさすると、トレーナーらしきやや固めの生地の感触を知ることができた。
こんなわけのわからない現象を引き起こせるヤツは、俺の知り合いにたった一人しかいない。
ハルヒだ。あいつがまたわけのわからないことを望んだに違いない。
俺は寝起きの顔も洗わないままに、玄関に置いてあった父さんのサンダルを履いて表に出た。
日中は随分暖かくなってきたが、朝の空気は獲物を狙う猟師のように静かな寒気を包んでいる。春先の冷たい風が、頬にぴりぴりと刺激を与えてきた。
ちょうど家の前を出勤途中の車が通り過ぎようとしていた。運転手のオッサンは裸だった。
「……春、だな」
制服に着替え終えると、俺は携帯電話のストラップに指を絡ませながらベッドに腰掛けた。
無理やり喉の奥に流し込んだ朝食が、胃袋の中で文句を立てているらしく、胃がぐるぐると痛んだ。
「さて、どうするよ俺」
続きはwebでとか言いたいところだが、そうもいかない。
もうトンデモには慣れたわけで、どうすべきかは一応検討がついている。
長門か古泉に、俺の状況を話してこれからどうすりゃいいのかアドバイスを求めるというものだ。
どちらに相談すればいいのか、それが問題だった。
まず俺が現在おかれた状況を説明しなきゃならないのだが、そんなことを話してもすぐに今の状況が改善されるとは思わない。
実は人の服が透けて見えるようになったんだ。どうすりゃいい?
それを俺は人に相談するのか。どうなんだそれは。恥ずかしくないのか。
長門も女の子だ。まさか自分の服が透けて見えるだなんて知ったら、俺の前に姿を現したりはしないだろう。
会わないまま、電話で解決を求めるというやり方で、なんとかなるんだろうか。
古泉はまぁ、別に裸を見られたって困るわけでもないだろう。あいつの裸体なんざ見たくなんかないがな。
どっちが頼りになりそうかというと、今のところ古泉に傾いていた。あいつなら、ハルヒの精神についてのの自称専門家だし、ビシッと解決策になりそうなものを示してくれるかもしれない。
もっともその方法がマトモなものになるのかどうかはわからないし、解決方法を示してくれるかどうかもわからない。
あるいは、誰にも相談せずに自分で解決策を探るか、だな。
俺はベッドから立ち上がり、窓の傍に立った。カーテンを開け放って、家の前の道路を眺める。ちょうど、犬の散歩をしているおばさんが裸で歩いていた。
おばさんの裸も見たくねぇな……。どうせなら朝比奈さんの裸体を……。
ああ、そうなんだよな。ぶっちゃけた話、せっかく手に入れたこの能力だかなんだかを、自分の欲望のために使ってみたいな、なんてことを少しは考えるわけだよ。
だってさ、俺はホモでもない健全な高校生なんだぜ。あわよくば女の子の裸を見たいなぁ、なんて考えるのが筋ってもんだろう?
「なぁシャミセン?」
「……にゃあ」
「そうか、お前もそう思ってくれるか。お前もオスだもんな。って、お前はメス猫の裸見放題じゃねぇかよ! チクショウ、なんか不公平だぞ」
「にゃ」
呆れたようにシャミセンが尻尾をふらふらさせながら、俺の部屋を出て行った。
すまん、俺がアホだった。
自転車を押しながら、裸の妹と一緒に歩く。
やっぱり、すれ違う人はみな裸だった。その、なんだ。困る。
「じゃあねーキョンくん!」
ぶんぶん手を振りながら、友達の元へ駆けていく妹。その友達たちも裸だ。最近の小学生は発育がいい子もいるんだな。
じっと見ていると、向こうの子が俺に軽く手を振ってくれた。
さすがに、登校途中の坂道まで来ると、かわいい女の子が沢山歩いてたりするんだよな。
真正面から見れば、ブラジャーで形を保たれた胸を見ることが出来たし、もちろん下の毛もバッチリだ。
まぁその……。勃ってしまって俺が困る。
爽やかな春先の風が心地よく、本来なら思わず口笛でも吹きたくなるような陽気に包まれているというのに、俺は俯きながら歩くしかなかった。
落ち着いたところで再び周りを歩く女子生徒を眺めてみたりもするが、罪悪感を感じてしまってすぐに目を背けてしまう。
小心者もいいところだ。
廊下を歩いてみても、教室に入ってみても、みんな裸だ。
ふざけんなと、神様に悪態をつきたくなる。休み時間のように、クラスメイトたちは適当なグループを作って談笑している。
俺は窓際の自分の席に腰掛けて、ひたすら窓の外を眺めた。白を混ぜ込んだ青空が清々しく、思わず溜め息をこぼしてしまう。
頬杖をついて窓外に見える海を思ってぼんやりしていると、突然声をかけられた。
「おはようキョン。今日はいい天気ね、うん。なんかいい事ありそう」
「あるわけないだろ馬鹿」
ぼんやりしてたのがまずかった。俺は話しかけてきた女のほうへ視線を向けてしまったのだ。
俺の目の前に、突き出されるように盛り上がった乳房があった。当然だ、俺は座っていて、女は立っているんだ。
「どうしたのよキョン。間抜けな顔しちゃって。まぁ、いつものことかしら」
「……うるさい」
俺はそれだけ言って、再び窓の外の海の青さとか自然の雄大さとかそんなことを無理やりにでも頭に浮かべながら、さっき目に飛び込んできた、ハルヒの胸を山奥にでも不法投棄してやった。
「なによ、あんたが間抜けなのはいつものことでしょ。なんか反論でもある?」
「無い」
話しかけるな。俺は今、精神を落ち着けたいんだ。お前のその美乳に感動してる暇はないんだ。
しかし、見事に綺麗な形をしていたな。もう少し重力のせいで垂れ下がったりとかしないんだろうか。
よく考えれば、服が透けてるんだから、ブラジャーをしている状態なんだよな。だから綺麗な形を保ってるんだろう。
まぁそれを差し引いても、ハルヒの胸は綺麗だと思えた。
細く括れた腹の白さも魅力的だったな。多分、エロ本かなんかでこんな体を見ちまったら、そのページを末永く愛用するだろうね。
誰にだってあるだろ、そういう心を揺さぶるページがな。
って、何を考えてるんだ俺は。精神が落ち着くどころか、昂ぶってきてるじゃないか。
目を閉じ、手で顔を掴むようにしてまなじりを揉み解す。
授業中は、出来るだけ窓の外を眺めるようにした。
だが、どうしたって人が俺の視界に入るのを防ぐことはできない。
開き直って、もう女子の裸を見まくってやろうとも思ったが、どうやら自分で思っていたよりも俺はうぶらしかった。
何気にクラスメイトの女子は、どいつもこいつも可愛い顔してやがったり、よく見てみればかなり乳のでかいヤツもいたりで困る。
昼休みになると、俺は弁当をひっさげて教室を出た。
どうしたんだと声をかけてくる裸の谷口も放っておく。
「いやあ、あなたから逢引きのお誘いを受けるとは思いませんでした。はてさて、一体どういったご用件でしょうか」
校舎の脇にある丸テーブルを挟んで、古泉がにこやかに笑いながら椅子に腰掛ける。
逢引とか言うな。そりゃ誰にも知られないように来いとは言ったが。
「ハルヒのやつが、またロクでもない力を発揮しやがった」
俺はそっぽを向きながら、そんなことを言った。
教室を飛び出した後、俺は人目の無い部室棟へ行き、そこから古泉に電話をかけてここへ呼び出した。
何も訊かずに来てくれるのはありがたいんだがな。
「涼宮さんが、ですか……。一体どのようなことが起きたのでしょう? 近頃は不安定な要素を感じなかったのですが……」
古泉は浮ついた笑みを消し去ると、そう訊ねてくる。
「それはだな……」
「それは?」
「……」
言うのか? まさか人の服が透けて見えるだなんてことを、こいつに言わなくちゃならんのか。
「安心してください。あなたが話したことはすべて秘密にします」
言いにくい内容だと悟ったのか、古泉がそんなことを言う。
溺れてる時の板切れ程度にありがたい言葉だが、素直に全て喋ってしまっていいものか。
しかし、今頼れるのはこいつくらいのものだ。
「実はだな……」
俺は古泉のほうを見ようとしないまま、今俺に降りかかっていることを喋った。
朝起きたら、突然人の服が透けて見えるようになったことを、だ。
「……それは、驚きですねぇ」
驚いているのかどうかわからない声で古泉がそう言った。
「本当にそうなんですか? さっきから僕のほうを見ないのは、その為ということですか? 疑うわけではありませんが、あなたが実際に服が透けて見えるということを証明していただきたいのです」
どういうこったい。
「僕の体を見て、本当に透けて見えているのかどうか検証しましょう」
おいおいおいおいおい。なにキモいことを言い出すかなこいつは。
「実は僕の体のある箇所にホクロがありましてですね」
「すまんな古泉。お前に頼った俺が馬鹿だった」
立ち去ろうとした俺に、古泉は苦笑交じりに冗談です、と声をかけた。
本当に冗談だったんだろうな?
「しかし、人の服が透けて見えるとは。男なら誰でも一度は考えるシチュエーションですね、いやあ実に羨ましいです」
「全然羨ましく聞こえないんだが、まぁそれはいい。さっさと解決策を寄越せ」
「おやおや、僕は解答用紙じゃないんですから、そう簡単に答えを出したりはできませんよ。しかし、あなたが僕を頼ってくれたことはとても誇らしいことですし、僕も微力ながら力を貸しましょう」
そりゃ頼もしいな。さぁ早くなんとかしてくれ。
「服が透けて見える、などということは不可能な現象ですからね。そしてあなたは、人が着ている服だけを透視することが出来る。つまり、あなたの認識によってます服を着ているという情報を得てから、透視の能力を発揮するということでしょう」
「んなこと訊いてねぇよ」
誰がそんなこと解説しろなどと言った。うんざりして、俺は向こうに生えてるケヤキに向かって溜め息をついた。
「靴も透けて見えるんですか?」
「ああ、そうだ」
「と、いうことは靴の厚さの分、人がわずかに浮いて見えるわけですね」
「……そういえばそういうことになるな」
はっきり言って、そこまで具体的に見てはいなかった。厚底ブーツ履いてる人だったら、それはもう超能力者のごとくはっきりと浮かんでいるんだろう。
携帯電話を取り出したのか、カチッという軽い音がしてから、カシャッというカメラで何かを写す音がした。
「これを見てください」
「ああ?」
古泉が差し出した携帯電話の画面を見ると、古泉のズボンが写っていた。
「透けて見えますか?」
「見えん。つーか見たくねぇ」
何故股間を写す必要がある。透けて見えたら大惨事だ。
「なるほど、あなたが直接目にしないと、透視はできないということですね。身につけているアクセサリーなども透けて見えるわけですか」
「ああ……」
こいつに相談してよかったのかどうかを自分に問いながら、何度目になるのかわからない溜め息がこぼれた。
春先の陽気があまりにも気持ちよかったが、どうにも気分は暖かくなりゃしない。
「とりあえずだな、そんな確認はどうだっていいんだ。どうすりゃ治るのかだけ教えろ」
「そう言われても答えに窮しますが、もしこれが涼宮さんの力によるものなら、簡単です。彼女がそう望んだからです」
「あいつが真性のアホだとしても、人の服が透けて見えることを望んだりはしないだろ」
「彼女が自分の裸を見られることを望んでいる、と解釈できますね」
「それこそ普通じゃねぇ」
あいつに露出狂じみた性癖があるとは思えない。
「いえ、わかりませんよ。乙女心は複雑ですからね。裸を見てもらいたくなるような理由があったんじゃないでしょうか。例えば、スタイルが良くなったとか」
「……そんなわけないだろ」
「おや、彼女が望まない限り、そのような不可思議な現象は起こらないと思いますよ。あなたがどう思おうともね。つまり、彼女はあなたに裸を見てもらいたがっている可能性は高いでしょう」
「嘘だろ」
俺は丸テーブルに突っ伏して、目を閉じた。
あいつも女だし、スタイルの良さとかそういったものを見てもらいたいと思っても不思議じゃないとは思う気もする。
そりゃあいつは、やたら食うくせに痩せてるし胸もそこそこあるさ。スタイルとか顔だけで言えば、それこそAランクだとかそんな谷口的尺度で測れば高い位置にいる。
よくよく考えれば、どこに出しても恥ずかしくないくらいのプロポーションをしてるんじゃないだろうか。
俺は机に顔を埋めたまま、古泉に問いかけた。
「もし、お前の言うことが当たってたとしてだな、どうすりゃ俺はこのとんでもない状況を抜けられるんだ」
自分で言っておいて、ある程度は検討がついてたさ。
「彼女の容姿、スタイルなどを褒めちぎることですね。終わらない夏もそうでしたが、彼女が満足すれば不思議な現象も治まるかもしれません」
「俺には無理だ……」
「おや? どうしてですか。別に彼女のスタイルの良さを褒めたところで、それは何の嘘でもありませんし誰も傷つきませんし、良いことづくめじゃありませんか」
「けどな、面と向かってそんなこと言えるか?」
「言えばいいじゃないですか。それとも、このまま過ごしますか? 実害はありませんよ」
「他人事だと思いやがって……」
くそっ、やるしかないのか。
どの面下げて、あいつの体を褒めろというんだ。
「とりあえず、対症療法としてひとつの案を思いつきました。試してみましょう」
支援
俺をぽつんと残したまま立ち去った古泉は、10分ほどしてから戻ってきた。
そろそろ昼休みも終わろうという時間だ。春の陽気と、机に突っ伏してたこともあって、俺はうとうとしながら古泉の持ってきたものを眺めた。
「……なんだこりゃ」
「見てわかりませんか?」
わかるさ。眼鏡だろ。特に目が良いわけでもないが、眼鏡が必要になるほど悪くも無い。
「まさか、これが俺の力を抑える特殊な眼鏡とかいうんじゃないだろうな」
「そんな大層なものではありません。普通の眼鏡ですよ」
開けたケースの中に収められた、縁無しの眼鏡をまじまじと見下ろす。
「ちょっとかけてみてください」
俺はまず重い息をテーブルに落としてから、右手でそいつを摘み上げた。
かけてみると、目の奥に鈍い痛みが走り、視界がぼやける。
「おい、どういうつもりだ?」
そう言って古泉の方を見ると、ぼんやりとだが、服を着ている男の姿が映った。
「どうでしょう?」
「……どうだろう」
「あなたがしっかりと人を認識することが出来なければ、服が透けて見えるということも無いと思ったのですが」
「なるほどな。大当たりだ」
ただ、こいつをかけたまま歩くというのも難しい。
目の奥の痛みは次第に治まって来たが、それでもぼやけて滲んだ世界には慣れないでいる。
自分の手の平でさえよく見えないんだぞ。
「必要があれば外せばいいじゃないですか。さすがに眼鏡をかけたまま外を歩くのは危険でしょうが、学校の中であればなんとかなるでしょう」
投げやり気味な言葉に、俺は舌打ちをした。
「つーかこんなもん、どっから調達してきたんだ」
「クラスメイトにお借りしました。出来れば早いうちに返してほしいかな」
「借り物かよ……。大丈夫なのか」
「眼鏡が無いほうが似合ってますよ、と言ったら喜んでましたし、しばらくは大丈夫かと」
「……その女子生徒、問題ありすぎだろ」
「男子生徒ですよ?」
死んでしまえ。あますところなく死んでしまえ。
「ありがとよ古泉。とりあえず、こいつは借りとくぜ」
「ええ、それよりも、涼宮さんの件、お願いします」
ぼやけた視界の中でも、古泉がニヤけているのがなんとなくわかった。
教室に戻るのも一苦労だった。ぼやけていても、なんとなく歩けるんだが、足元に対しての距離感がいまいちわからず、階段を昇る時なんか手すりに手をかけてないと不安になってくる。
誰かとすれ違うこともあったが、ちゃんと服を着ているんだろうということは判った。
ようやく教室に戻ってきて席につくと、俺は目を閉じて眼鏡を外した。
しばらく目を休めておかないと、本当にこいつが必要になっちまいそうだ。
俺は目元をぐりぐりと解しながら、さぁどうするべきかを考えていた。このまま古泉の言うことに従って、ハルヒのことを褒めちぎるしかないのか?
そうじゃないと、俺は人の服が透けて見えるという、妄想の中でだけ楽しめるような下らない能力を持ったままかよ。
俺は普通の人間でいたいんだ。目からビーム出すのも、赤い玉に変身するのも無しだ。
「なにやってんのあんた」
誰か人が近づいてくる気配がしたと思ったら、ハルヒだった。俺は眼鏡をかけて、目を開ける。
大丈夫、視界はぼやけたままだ。俺は後ろに座ったハルヒのほうへ向き直った。
おそらく腕を組んでいるんだろう。
「あんた、目ぇ悪かったの?」
「ああ、最近ちょっとな。それより……」
言うのか俺? マジで言うのか?
「それよりなによ?」
「お前、すげぇ綺麗だよな」
言っちゃったよ俺。
反応は無かった。ハルヒが動いた様子は無い。
無言のまま、じっとこっちに顔を向けているのだけはわかる。
「あんた、目と一緒に頭まで悪くなったの?」
言うにことかいてそんなことを言いますかこいつは。
「違う。本当にそう思ってる。最近、痩せたんじゃないのか? 凄くスタイル良いから」
「馬鹿じゃないのあんた」
途中で言葉を遮られた。
「どうせなんか企んでるんでしょ。なんの罰ゲーム? 谷口あたりが差し金かしら」
ハルヒが自分の髪を払いのけているのがわかった。
「そんなんじゃない。本気でそう思っただけだ。お前が、綺麗だから」
誰か背後から俺を殴ってくれ。今なら許す。
俺の口はこんな馬鹿なことを言うために出来てるんじゃないだろう。言ってて段々恥ずかしくなってきた。
しかも、ハルヒは全然喜んでないと見た。
「この眼鏡も罰ゲーム? 大体、今日の昼までかけてなくて、昼休み終わったらかけるってのが怪しいのよ」
すっとハルヒが両手を伸ばし、俺のかけている眼鏡を取りやがった。途端に、ハルヒの体が目に飛び込んでくる。
本能なんだ。仕方ないだろ。わかってるのに、胸に視線をやっちまうんだ。
「ば、馬鹿やめろ! 返せよ」
「はいはい、馬鹿はあんたでしょ」
指先で摘んだ眼鏡をぶらぶらさせながら、ハルヒは意地悪く目を細めながら俺を見ていた。
「返せって」
手を伸ばすが、ひょいとハルヒが手を上げてしまい、俺の手が空を切る。
「必要ないでしょ。あんた目悪くないんだし」
「そいつが無いと、まともにお前のこと見れないんだよ!」
ハルヒがびくっと震えた気がした。自分が思っていたよりも大きな声を出していたことに気づいたのは、周りが余りにも静かだったからだろう。
ふと周りを見渡すと、俺に視線が集中している。どいつもこいつも、目を見開いてるのは何故だ?
お前ら馬鹿なのか? そんなぽかんとした表情をするんじゃない。
「お、おいキョン!! どうしたんだお前!」
谷口が俺の服を掴む。
「わたしも聞きたいの」
すぐ近くに居た阪中も何故か俺のことを真剣な表情で見ている。
ちょ、なんだお前ら。
そう思っているうちに、俺は谷口と阪中に引っ張られて教室の入り口の辺りまで連れて行かれた。
不思議なことに、人が増えていた。谷口と阪中だけではなく、ロクに話もしない女子生徒まで寄ってきてるのだ。
困ったことに、俺にはそいつらも裸に見えてしまうのだ。ボリュームは無いが、綺麗なお椀のような形をした阪中の胸も、あいつ、実は巨乳なんだぜ、などと谷口がほざいてた成崎まで。
「なんだよお前ら!」
俺はそいつらを見ないよう、目を閉じようと思ったが、あちこちから押されていて、目を瞑ったら確実に倒れてしまう。
「キョンよぉ、お前どうしちまったんだ」
「寄って来んな谷口!」
「わたしも気になるのね」
放っとけ! 道端のアリンコくらいの勢いで気にすんな。
「わっ、凄い顔が真っ赤!」
「ほんとだ! 照れてるんだ!」
「きゃーっ、ついにこの時が来たのね! みんな待ってたんだから」
なんの話だ。てめぇら寄ってくるんじゃねぇ。特に女子! 野郎が寄ってきてもそれは困るが、とりあえず女子は来るな。
「だーっ、お前ら離れろって」
半ば悲鳴じみた声だったかもしれない。ちょうどその時だった。
「お前ら、授業始まるぞ。なに騒いでるんだ、まったく」
数学の吉崎の声だ。嫌いなダミ声だったが、今だけはムハンマドに天啓を告げるガブリエルの声のように神々しく感じられた。
こいつの機嫌を損ねると後で面倒になるというのは、周知の事実だ。俺の周りに群がっていたヤツらが、散り散りに席へ戻っていく。
ぼんやりとしているハルヒから眼鏡を取り戻し、俺はそいつをかけることもなく、ずっと目を閉じたまま5時間目を過ごした。
授業の内容は1ミリリットルも俺の脳みそを満たすこともなく、右から左へ、左から右へと風のように流れていく。ああ、大丈夫なのか俺の成績。
そうは思ってみても、目を開けることが今は怖かった。
人の服が透けて見える。女子生徒の服も透けて見えるんだぜ? これが幸福でなくてなんなんだろう。
けれど、俺はその幸せな能力が憎たらしかった。欲しいヤツがいたら、大量の熨斗でくるんで放り投げてやる。
そうだ俺は小心者さ。笑うなら笑えと、自分を笑ってみる。結局、じっくりと女の裸を眺めることも出来ずに、俺は自分が陥ったこの状況に馴染めずにいる。
気が狂いそうだ。
昔、古泉が言ってたな。突然意味もなく自分が超能力に目覚めたと。自分が狂ってしまったんじゃないかと思っただなんて。
今ならあいつの気持ちが少しだけ理解できた。俺もトンデモな事態には慣れたと思ってたが、人の裸には慣れない。
5時間目が終わっても、俺はじっと座ったまま休み時間を過ごした。目を閉じていたが、周りの気配が何かおかしいのには気づいた。
普通の休み時間の喧騒ではなく、何かを狙っているかのような、そんなピリピリした空気を感じる。
動いたら殺られる。そんな意味不明な言葉が脳裏に過ぎった。
6時間目もほとんど俺は目を閉じたまま過ごした。寝てるんじゃないかと教師に咎められなかったのは幸いだった。
実のところ、何度か眠気に負けて落ちてしまっていたのだが、それは仕方ないだろう。
放課後を告げるチャイムが鳴る前に、現国の教師が授業終了の合図を出し、委員長が起立と礼を促す。
俺は眼鏡をかけて、周りを見渡した。曇りガラスの向こうのような世界の中で、誰かがこっちを見ているような気がしてしまう。
誰も見てなんかいないさ。そうさ。
荷物をまとめて鞄に詰め込んで立ち上がると、空気を読まないことにかけては定評のある谷口が話しかけてくる。
「キョン、お前さぁ……」
「黙れ、いいから黙れ。お前にミジンコ並の頭があるなら、黙れ」
「……やれやれ。いいさ、詳しくはきかねぇよ。けどな、」
俺は谷口を無視して、廊下へ出るべく歩き出した。くそっ、こんなもんかけてるヤツってのは、どれだけ目が悪いんだよ。
教室の壁に手をつきながら、俺は廊下へとたどり着く。背後からやたらと視線らしきものを感じるが無視だ。
一人になれる場所に行きたい。
そう思って俺の足が向いたのは、昼休みに古泉と話したテーブルだった。温い風が頬をぐりぐりと撫でてくる。
ああ、鬱陶しい。何もかもが鬱陶しい。なんで俺がこんな思いをしなきゃならない? 誰の陰謀だよ。
ハルヒのせいか? ちくしょう、なんてことをしやがるんだあいつは。俺がこれだけ苦労してるんだから、お前も少しくらい裸を見てもいいんじゃないのか?
倒れこむように、俺は椅子にへたりこんで溜め息を落とした。
「やれやれ……」
しばらくの間、俺はぼんやりとしていた。
もうこんなのはうんざりだ。なんだって、俺がこんなに苦労しなきゃいけないんだよ。
古泉が言うように、俺がハルヒを褒めちぎることでこの状況を脱することができるのなら、もうそれをするしかないんだろう。
もう段々どうでもよくなってきた。もうこれから先、二度と言うことが無いような美麗字句を並べ立ててやる。言ってるほうも聞いてるほうも恥ずかしくて死にそうなヤツをな。
全部解決したら、今度は二度とこんなことを起こさないようどうすればいいかを、古泉あたりにでも相談しなきゃならない。
頼むから余計なことだけはしでかさないでくれよハルヒ。
ハルヒは部室だろうか。
俺は重たく垂れ下がった脚を、無理やり前に進ませて部室を目指した。
今まで色んな目に遭っては来たが、これからまた予想の斜め上を飛び交うような事態になるとは思っていなかった。いや、予想もできるはずがない。
しえん
とりあえずここまで。
orz
期待してます。
待ってます。
「そいつが無いと、まともにお前のこと見れないんだよ!」
いやぁ、見事に開けたねぇパンドラの函w
>58 カワイソス
wktk
できれば谷口の裸体についての潮騒も書いて欲しかったりw
女子はキョンのメガネがかっこいいからよって来たでおk?
いまだかつてないエロス展開にwktk
>>65 ついにキョンが涼宮さんに告白するのね!?って
他人の恋愛話に敏感な女子が多かったって事じゃない?
あの状況から谷口だけでなく阪中さんまで一緒になってキョンを
廊下に引き摺りだすとは、ゴシップ好きな級友達だな
クラスの人気者だなぁキョンw
やっぱりみんな、カウントダウン目前だと見解が一致してて、
とっとと最後のステップ踏みやがれ状態でwktkしてたんだろうなー。
すまん、キョンが子供になって長門がアスタリスクもどきを使うSSって何だっけ。 タイトル失念_| ̄|○
放置されてる時間自分で探せば見つかるよな
ケーキフェアのやつか?
暇だな…SSでも書くか……
=─‐\\‐ /─'''''ニ二\''' |レレゝゝ、\
 ̄く<<く >, ゙、/<三三二\ ̄\ゝゝゝゝゝゞ''ヽ、
<<<<〈__入 ゙、く彡三三三二ヽくゝ\メメメゝ、_ゝ、\
くく<<<<<< ゙、 ゙、ミ三三二ニ─ゝゝゝゝゝ,,,,,,,、 '( ゙''ヽ、ヽ、
くくくくくく彡‐ヽ ゙、ミ三三二ニ'''くくゝゝ_ゝゝ、\\_,>」ノ,
く く く く く 彡゙、゙、三三二ニ‐くゝ、/ ,,,,,,,,メメゝヽ''''"ゝゞ丶、
二─二二彡彡、゙、三三二==くメゝ/ ゙'ヽ、メゝゝゝゝゝゝゞ''ヽ-、,,,,,,_
‐'''" ̄ \彡彡ミ、゙、三二=''"く<メ/:: \''-、メメゝゝゝ_ゝ 、 ,,、ヽヽ
、 ,,,,- ゙彡//ヾ、三二= くゝ/:::.... \>∠レ-,-‐ニ二メヽ''ヽ ノ
゙ヽ、,,,-‐//_///,,、゙、三二= ゙、 ""''' ヽ>//レレヽ,,___ /
-,,,,,,-‐'''"""/////,,ヽ ゙、三二─ ゙ヽ. //-ヘヘ,、 レレレレノ さあお題を言え
''" ,l|"////ノ,、\彡'''''‐-ニ,、 ::::::::::,,,,,,,,// ゙ヽフ/|/| レ' どんなお題でも聞き流してやろう。
(`・ω・´)メガネ君がハルヒに保健体育を以下略そこにキョンが無理矢理連れて来られ以下略キョンとメガネ君は攻めでハルヒは受け以下略
=─‐\\‐ /─'''''ニ二\''' |レレゝゝ、\
 ̄く<<く >, ゙、/<三三二\ ̄\ゝゝゝゝゝゞ''ヽ、
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くく<<<<<< ゙、 ゙、ミ三三二ニ─ゝゝゝゝゝ,,,,,,,、 '( ゙''ヽ、ヽ、
くくくくくく彡‐ヽ ゙、ミ三三二ニ'''くくゝゝ_ゝゝ、\\_,>」ノ,
く く く く く 彡゙、゙、三三二ニ‐くゝ、/ ,,,,,,,,メメゝヽ''''"ゝゞ丶、
二─二二彡彡、゙、三三二==くメゝ/ ゙'ヽ、メゝゝゝゝゝゝゞ''ヽ-、,,,,,,_
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''" ,l|"////ノ,、\彡'''''‐-ニ,、 ::::::::::,,,,,,,,// ゙ヽフ/|/| レ' みっくるんるん
一瞬メガネ攻めキョン受けに見えたおれ古泉
=─‐\\‐ /─'''''ニ二\''' |レレゝゝ、\
 ̄く<<く >, ゙、/<三三二\ ̄\ゝゝゝゝゝゞ''ヽ、
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くく<<<<<< ゙、 ゙、ミ三三二ニ─ゝゝゝゝゝ,,,,,,,、 '( ゙''ヽ、ヽ、
くくくくくく彡‐ヽ ゙、ミ三三二ニ'''くくゝゝ_ゝゝ、\\_,>」ノ,
く く く く く 彡゙、゙、三三二ニ‐くゝ、/ ,,,,,,,,メメゝヽ''''"ゝゞ丶、
二─二二彡彡、゙、三三二==くメゝ/ ゙'ヽ、メゝゝゝゝゝゝゞ''ヽ-、,,,,,,_
‐'''" ̄ \彡彡ミ、゙、三二=''"く<メ/:: \''-、メメゝゝゝ_ゝ 、 ,,、ヽヽ
、 ,,,,- ゙彡//ヾ、三二= くゝ/:::.... \>∠レ-,-‐ニ二メヽ''ヽ ノ
゙ヽ、,,,-‐//_///,,、゙、三二= ゙、 ""''' ヽ>//レレヽ,,___ / 確かに、聞き流した。
-,,,,,,-‐'''"""/////,,ヽ ゙、三二─ ゙ヽ. //-ヘヘ,、 レレレレノ
''" ,l|"////ノ,、\彡'''''‐-ニ,、 ::::::::::,,,,,,,,// ゙ヽフ/|/| レ' では、さらばだ
(´・ω・`)にょろーん
>>メガネ攻め
些細な事でキョンと喧嘩したハルヒが性知識に興味津々(早熟なので)なメガネ君といたす、というのはどうじゃろか?
こう軽いNTRチックな感じが何とも…
>81
それなんてSF/フェチ・スナッチャー
>81
メ「……やっぱり高校生の男女って進んだなんですか?」
ハ「エロエロよーっ!!」
ってやり取りが頭よぎった。
朝比奈みくるの膜理論?の続き
マダー?
>>81 メ「…ところで恋人っているんですか?」
ハ「な、なにをいってるのよ!別にキョンなんて恋人でも何でもないんだから!」
メ「(恋人の名前はキョンさん…)」
なぜかこんなのが浮かんだ
ネタ電波受信中....受信中....準備OK...
いつも通りツンツン言い訳してるハルヒの横で
キ「(ふ…思春期の性欲を甘くみるなよ、ハルヒ。ヒイヒイ言わせてやるぜ)」
メ「(予習は万全です。涼宮お姉さん、僕無しじゃいられない体にしてあげますよ)」
キ「ム…!?」
メ「ム…!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……。
ハ「だから勘違いしないでよね、バカキョン…て、何よこの空気?」
その後、ヒイヒイ言わされて二人無しじゃいられない体になるハルヒを言いだしっぺは希望
>>89 むしろ、そこでハルヒ無しではいられない体にされるメガネとキョンだろ
叩かれるのを承知で訊く
メガネって誰?
おれもわからんかったがアレだろ
未来のお偉いさんでしょでしょ?
山根…って奴にはそんな機会絶対にやらん!
>>91 ハルヒが家庭教師をしている少年でみくるのいる未来においては超重要な人物
>>91 小説『動揺』内、「朝比奈みくるの憂鬱」参照。
音のない世界に舞い降りたI was snow
(生み出されてから三年間私はずっとそうやって過ごしてきた
そういえば、自らの国家や民族に固執する右翼系の若者が世界的に増えているという事実も、多少気になるところだが。)
何かが壊れて何かが生まれる
>>97 長門。ハルヒが帰ったら確認したい事があるんだが……ありがとな。じゃああとで。
「僕に勝てると思っているのですかキョン兄さん」
「あまくみるなよ。ていうかお前もその名で呼ぶのかメガネ」
と言ったものの・・・どうしようかこの状況。
このメガネに頭脳戦を持ち込むのは自殺行為だ。どうする俺、考えろ…考えろ…あ、そうだ。
俺はハルヒの方を向いた。
「好きだハルヒ。いつだったかのお前のポニーテールはそりゃもう反則的なまでに似合ってたぞ」
「当然じゃない。私もキョンが好きよ」
メガネはその自前の美しい曲線を描いたような黒ぶち眼鏡をピシッという効果音付でヒビを入れるとジェットコースターの頂上から一気に落下するごとくスクリームした。
「そりゃないよハルヒお姉さんぁああああ!!!!」
「黙りなさいそのメガネ割るわよ」
ハルヒ。メガネもう割れてるから。
変な電波受信した
眼鏡が割れちゃったら追跡できなくなっちゃうよ……
>>87で思い出したんだが
友「おまえの好きな人って誰?」
俺「おまえとおんなじ人だよ」
友「俺が好きなのはA子じゃないぞ」
俺「あっそ」
ってやり取りを思い出した。
>>101 谷口とキョン、どっちに当てても成立する会話だな…
あれ、保管庫落ちてる
谷口「それは無いって!」
キョン「いやあるって!」
国木田「ねぇキョン、ちょっといい?」
キョン「ん?何だ?」
国木田「僕たちって中学からの仲だよね?」
キョン「そうだな」
国木田「でも谷口の方が仲良いよね…」
キョン・谷口「………」
って夢を見た
みくる攻め、ハルヒ受けの上級者向けお願いしまつ。
>105
左から:「ふもっふ。」
右から:「・・・ぽに・・」
さて、SSを書いてるんだけど、
どうも読み返してみるとキョンのモノローグが少ないんで増やそうかと思ったものの、
一部を増やすと全体のバランスが崩れそうだし、増やしすぎると古泉の説明のように鬱陶しい物になってしまうという危機感もあり、増やすかどうか手をこまねいていて、それ以前にあそこまでいい感じのモノローグが思いつかない現状なんだけど、
やっぱ他の職人さんもそういうの意識してますか?
>>106 いいね
個人的にはキョン受けもありかと
111 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 11:52:06 ID:bPnWsDpy
ここも過疎ったもんだな…
>>111 エロパロスレなんてそんなもん。
一時爆発的に流れが速くなったりはするけど、大体どこもちょっとしたら落ち着く。
ここはまだ人がいる方だと思うよ。
>>111 そうですよ
>>112さんが言うとおり、ここは極めてましな方です。
漏れが行っているスレなんか、勢いが3.5とかそんなもんだし・・・il||li _| ̄|● il||li
くだらないレスとか不幸自慢とか書き込んでるよりも
ss書こうぜ?
俺?俺は今書いてるよ
801用だけど
唐突だが電波を受信した!
放課後、文芸部室へ向かうキョン
メイド服で出てくる朝比奈さんとすれ違い、
あぁ、今日はもう大丈夫だなとノックをせずに扉を開いたが
部室の中にはバニーの衣装に着替えてる最中のハルヒがっ・・・!
うん、それだけなの(´・ω・`)
サンゴ礁にイタズラ書き「ハルヒって誰だ?」
ねつ造「キョン架空会見」
「『消失』での長門有希の世界改変にはアジア的優しさ」
「古泉一樹は男好きなお兄さん」
「朝比奈みくるの所属する未来は地上の楽園」
>>115 「なにしてるのキョン」
「早く扉閉めなさいよ。私が寒いでしょ」
「ああもう」
「ねえ、このフックとめて」
「はやくしなさいよ」
次踏んだ方、続きどぞー
↓
>>117 「ん、ああ」
それにしてもこいつには差恥心って物がないのかね
こいつの背中見てると、なんていうか俺がもてあますような
「キョン!さっさととめなさい!」
「なあハルヒ」
「何よ」
俺はハルヒの背中のフックをはずして
踏んだ方、続きどぞー
↓
保管庫が…………
>>118 フックをとめようとして……
ハルヒの背中に、ファスナーが付いているのを見つけてしまった。
もちろん、寒いのでバニー衣装の下にファスナー付きインナーを着ているなんてことではない。
肌に直接ファスナーが付いているのだ。
そう、あの都市伝説やギャグネタでよくある、中の人ネタのように……。
>>120 「……しかし今日は寒いな」「本当、寒いわよね」
ストーブを点けるか。古泉も寒いだろ。
「気が利くわねキョン。それじゃお願い」
そりゃどーも。
……さて、本当どうしたもんかね。
無茶しやがって……
いつの間にかリレーになってるな。
だが私は謝らない(`・ω・´)
>>121 頼む。本を読んでるだけでセリフがなく、
みんなに存在を気づかれてない長門よ。
どうすんだよこの流れ
改変するから問題ない
流れを変えるべく投下……と言いたいが書き途中のしかなくてな。
体育倉庫で肩車してからどうしようか迷ってて筆が進まないんだ。
上にいるのがハルヒなら微妙な刺激から放尿一択で
保管庫まだ直らないのー?
>>128 肩車をしているのを忘れてそのまま帰宅しちゃうキョン
雑談しつつ新作を待とう。
>>121 続き
俺がハルヒのバニー姿にほんの少しでも興奮しなかったかというと
年頃の高校生がおそらく誰でも大抵そうであるように意識しないわけがなかった。
ハルヒ、おまえ肌が本当に白いんだな
「ねぇキョン」
「なんだ」
「相談があるんだけど」
「聞くだけなら聞いてやる。言ってみろ」
ダメだ。思わず目がいっちまう。朝比奈さんに比べると小ぶりなんだが
まるでハルヒ本人のようにしっかりと強烈に自己主張する胸が段々と近寄ってきて
ガチャ
長門がいきなり入ってきた。
いつもの無表情でちらとこちらを見ると扉をぱたんと閉め鍵をかけた。
おい待て何故鍵を。長門はそのままつかつかと歩いてくる。
「これ?」
一体全体なんの話だよ
「私の衣装」
団長の机に置かれた袋の中にはメイド服とバニー服が入っていた。
>>129 >>131 上に乗ったハルヒが微妙な刺激から放尿してしまうも、
キョンはそれに全く気付く事なく下校……?
難易度高ェorz
雨が降ってた事にすればよくね?
ついに30スレ目か…凄いスピードと量だな。
エロパロからしてみると驚異的なスピードだな。
空気<ここ、これも涼宮ひゃんのおかげでーしゅ
>>108 遅レスで申し訳ないが、自分で読み返して分量が足りないと感じるなら、それは間違いなく足りない
多分、他人がそれを読んだら「あっさりしすぎている」という感想を抱くはず
自分も同様の経験があるんで、気持ちは痛いほどわかるよ
>>106 受け、攻め、っていうのとはちょっと違うけど、ほとんど死んでいる氏のHPで公開されてる
最新のハルヒ漫画はみくるにしてやられるハルヒが見られる貴重なものだと思う
今日、仕事中に電波を受信した。
朝比奈みくるに指令が来た。
内容が「朝比奈みくるの現在地時間の朝比奈ナントカ(祖先)を守れ」
狙っているのは、例の別組織の未来人野郎。
しかしみくる自身の正体を感づかれてはならない。
そこでキョンに協力を頼むみくる。
ここまでが受信直後。
相手のあまりの強さに苦戦。
異変か危機を察知した長門etc登場で助かる。相手は一応にげた。
ワケを話し長門etcも組織がおkのため協力。
数日なにもおきない。
4人でなにしてるとハルヒ。
ハルヒに自身らの正体バレない範囲で説明、SOS団起動。
書き出し、口調、キャラの思考が思いつかないor2
誰かに書いてもらうつもりじゃないけど、どこか使えたら使って頂いて構いませんので
捨てます。
荒らしてごめん
保管庫がずっと繋がらないな、管理人さんがんばれ
あれ?さっき一度繋がったのにまた見れなくなってる。
144 :
阪中小ネタ:2006/09/18(月) 21:31:22 ID:OmUtr/kw
家に着いてから教科書を学校に忘れて来た事に気付いて学校に戻ったのね。
それで教室のドアをガラガラと開けたの。
するとそこには裸の涼宮さんとズボンを下ろしたキョン君がいたのね。
「うわっ!?」
キョン君が慌ててズボンを履こうとしてるの。
「あのっ、わすれもの、とりにきてっ、ごっ、ごめんなさいなのねっっ」
私が冷静な訳無いのね。
私も慌ててドアを閉めようとすると、涼宮さんが手で止めたの。
「入って」
…絶対何かされる。直感がそう告げたのね…
保管庫………
俺のオカズ………
まあ借りてるサーバーが落ちてしまったら管理人さんもどうしようもないと思うけど
144
頼むから何かされてくれwww
何事もない一日が終わり、何事もなく就寝につこうとしていた夜のことだった。
キョン「そろそろ寝るか………!?体が…動かない…?」
「ふふふ…」
キョン「お前…朝倉か!」
朝倉「こんばんは♪」
朝倉涼子は…Yシャツ1枚だけの格好でそこにいた。
洋館での偽物の朝比奈さんを思わせる、誰かの妄想から出てきたような姿だった。
朝倉「どう?この格好。私には似合わないと思ったんだけど…
これがあなたのお望みの格好って聞いてたから。」
お望みの格好…やはりあの洋館で出てきた朝比奈さんは俺が望んだモノだということか。
しかしなぜ朝倉が洋館の出来事を知っている?…長門に聞いたのか。バックアップらしいからな。
キョン「…なんの真似だ」
朝倉「反応がイマイチね…やっぱりやめるわ。」
朝倉の服が光ったかと思うと見慣れた制服姿になっていた。
朝倉「ちょっと待ってて。ふふっ」
と言って部屋から出ていった。一体何がしたいんだあいつは。
願わくばお前のYシャツ姿に反応してしまった股間の位置修正がしたいのだが…
朝倉「こっちよ、こっち。」
朝倉が戻ってくる。誰かを連れているようだ。
キョン妹「え?……お姉ちゃん……だれ……?」
ヤツはなんと…妹を連れてきた。
朝倉「キョンくんのお友達よ。今日は泊まっていくって言ったでしょ」
キ妹「あ………そうだった………かも……」
夏のパジャマを着た妹が操り人形のように朝倉に連れられてくる。
キョン「おい、来るんじゃない。部屋で寝てろ。
…朝倉。そいつに何かしたらただじゃ済まさんぞ。」
キ妹「?……キョンくんなんだか苦しそう……」
目がトロンとしたまま俺の言葉に反応しない妹。どうした、妹。なぜ動かん。
――あなたの声は聞こえてないのよ――
朝倉の声が脳に響いてくる。
――この子にはあなたが苦しそうに眠ってるようにしか見えてないの。――
朝倉が妹を俺のベッドの横に立たせる。
朝倉「どうしてお兄ちゃんが苦しそうなのか、知りたい?」
朝倉が…俺のズボンに手をかける。馬鹿、やめろ!そこは今――
キ妹「……これのせいで……キョンくんが苦しいの?」
いきり立った俺の分身を見てたじろぐ妹。
そして朝倉が後ろから妹に手を這わせる――
朝倉「そうよ…あなたがお兄ちゃんを助けてあげるの……」
朝倉は妹のパジャマの前のボタンをはだけさせ、下腹部に手を進める。
キ妹「どうすれば……いいの?……んっ……」
くちゅ…くちゅ…と部屋に音が響く。
朝倉「手で…こうしてあげるのよ…」
キョン「…ぅぐっ!……やめろ!朝倉!」
妹を持ち上げ俺の足の上にぺたんと座らせた朝倉は、
片手を妹に這わせながらもう片方の手で俺の男性器に触れる。
キ妹「……こう?……んんっ……」
妹が両手で掴み手を上下し始めると、朝倉は俺から手を離しその手で妹の胸をさする。
朝倉「そうよ……いい子ね……」
妹の耳元でそう囁くと、朝倉は舌でその耳穴をほじくり、
胸をさすっていた手を自身の秘所にあてがった。
朝倉「あっ……くぅ……んんっ……あぁぁっ!」
部屋に響く水音が2倍になった。
朝倉「お口も使ってしてあげるのよ。」
キョン「う…くっ…」
朝倉が妹の後ろから身を乗り出し、俺の肉棒に下からベロッと舌を這わせ、亀頭を攻める。
その横でその行為を見ていた顔も、
キ妹「…あたしも…」
と言って舌を兄のペニスに這わせる。
キョン「おい!やめろ!ん…ぐ…あ…」
朝倉「ふふ…キョンくんも喜んでる…
このまま気持ちよくさせてあげようね…妹ちゃん…」
もう……限界……だっ……!
ドクンッ!
キ妹「きゃっ!?」
朝倉「凄い…こんなにたくさん出るものだったのね…」
妹の顔にありったけの精液をかけた俺は…放心していた。
キョン「……はぁ…はぁ…」
キ妹「……これで……いいの?」
朝倉は妹の顔にかかった精液を舐めとりながら答える。
朝倉「あたしが仕上げをしてあげるから…手伝って?」
153 :
SS保管人:2006/09/18(月) 23:07:33 ID:9Ftf/lk/
朝倉が妹を俺の顔の上に乗せ、自分は腰のあたりにまたがる。
ずっと朝倉に指で犯されていた妹の性器は自身の液体が垂れるほどに濡れており、酸っぱいような香りが…鼻をついた。
キ妹「…あたし…何するの…?」
妹は先ほどの行為の後から一層考えが回らなくなっているようだ。
朝倉「そこにいるだけでいいわ。今度は…キョンくんがしてくれるから。」
朝倉が聞き取れない言葉を喋る。聞いたことがある…これは……呪文だ。
―――!?
キ妹「ひっ!?ぁ…だめ…だめだよキョンくん…」
キョン「…んぐ…」
舌が勝手に動く。喋れない。
俺の制御を受け付けなくなった舌は巧みに妹のヴァギナに攻撃する。
キ妹「ふ、ふぁぁぁっ!?これ変、ヘンだよぉ!だめぇ!」
妹はうずくまり俺の頭にしがみつき、頬に彼女の口から漏れた涎が垂れてくる。
そこでそれまで黙っていた朝倉が口を開いた。
朝倉「いくね……キョンくん。」
不意に朝倉が俺のペニスを掴み、体を下に落としてきた。
キョン「――!!?」
………突然の衝撃に理性が飛びそうになる。
少しの抵抗を突き抜けた後、俺の性器は暖かい感触に締め付けられた。
キョン「う…あ……」
朝倉「い…痛ぁ……ふぅ……じゃあ動くね…」
朝倉が両手を俺の手に絡ませてくる。お互いに握りあった状態になった。
朝倉「ん……んっ…ああっ…」
腰を上下させる朝倉。感じているのだろうか。
顔が見たくなったが妹がまだ俺の顔にしがみついていて確認出来ない。
キ妹「あっ…あ…キョンくん……気持ちいい……」
俺の体を必死に掴んで離さない。舌が深くに侵入するたびに体を痙攣させ、
涙を流しながらも俺を求めるかのように腰を擦り付けてくる。
だが俺には妹について考える余裕はなかった。
キョン「あ……さくら…」
朝倉「んっ…んっ…何…?キョンくん……ひぁっ!?」
腰を自分から突き上げる。少し束縛が弱くなっていたようだ。
キョン「朝…倉………俺……もう……」
朝倉「あっあっ…ああっ……イクの……?……キョンくん……じゃあみんな……一緒に……」
俺は朝倉と握りあっていた手を片方外し、妹の腰を掴んだ。
キ妹「え?あっ……キョンくん……んあっ!?お……お姉ちゃんも……?」
朝倉は外した手を妹の濡れた場所に伸ばし、皮に包まれた敏感なポイントを攻め始めた。
キ妹「ふぁぁぁっ!?そこはっ……らめぇ…!変に……変になっちゃうぅ!」
朝倉「みんなで……んっ……一緒にイキましょう……あっ…」
朝倉は腰をより激しく動かし、俺もそれに合わせて朝倉を犯した。
朝倉「あっ…ああっ…あああっ…ふあああっ!!」
朝倉は感じながらも妹への攻めを緩めない。
キ妹「ああああーーーーっ!!」
キョン「あ…さくらっ!朝倉ぁっ!」
朝倉「キョンくん!キョンくん!イっちゃう!イっちゃ………ああああっ!!!」
ドクンッ!ドクッ……ドクッ……
らめぇ噴いたw
続きは?
キョン「……はっ!」
思考が回復してくる。上体を起こすとそこには朝倉と妹がいた。
キョン「朝倉…お前…何てことしやがる…」
朝倉「……ねぇ……私のことキライ?」
チュッ
唐突にキスをされた。
キョン「……」
朝倉「めちゃくちゃに犯していいのよ?ねぇ…」
再び朝倉が腕を絡ませてきた時……俺の理性が飛んだ。
………目を覚ますと、そこには長門がいた。
長門「………」
キョン「な……がと……?」
長門が抱きかかえていた人物を見て………俺は胸がはり裂けそうになり……吐きそうになった。
全身が精液にまみれ…秘部から血を流し…目から涙を流して気絶している俺の妹が…そこにいた。
キョン「ま……さか…俺が……」
長門「……落ち着いて。あなたのせいではない。」
キョン「俺が……俺が………」
長門「しっかりして。朝倉涼子があなたの感情を操作しただけ」
キョン「そう……なのか」
長門「この子の体は元通りにして記憶も消す。」
キョン「記憶を……俺のは?」
長門「………消さない方がいい。あなたは少し危機感を持った方がいいから」
キョン「?」
長門「もう作業は完了した」
長門の腕の中の妹はすやすやと眠っていた。長門は妹を俺に預けるとドアの方へ歩いていった。
キョン「……迷惑かけたな」
長門「……こちらの不手際。朝倉涼子は処分されないが
このような事態は起きないように私が善処する。……それと」
キョン「?…なんだ」
長門「……私でよかったら性欲の処理を手伝う。」
長門はそう言って出ていった。
本当に……妹を犯した俺は朝倉に操作されていたのだろうか。
――『危機感を持った方がいい』『私でよかったら性欲の処理を手伝う』――
長門は…嘘をついてくれたんだ。
やはり俺は……自分の性欲に押し潰されて……自分の妹を……
終わり。
初&携帯から。実際作るとあえぎ声とかがムズイことに気づくw
あと妹妹とか何度も言っちゃうのをどうにかしたいのと文章を読みやすくしたいかな
>>どうした、妹。なぜ動かん。
落ちろカトンボの人ですかw
朝倉、お前には解るまい。
俺の体から出る妹たちの力が。
ですか?
そのノリだとキョン死亡フラグと朝倉精神崩壊フラグ立ちそうなw
映画版なら、最後にハルヒがやってきて、そのまま空中駅弁ファック突入ですな。
長門、みくる、古泉は、それを全部観察している。
後味悪くないのに、ちょい辛ダーク風味効いてて良いと思った。
>>161 悪くなかった。台本形式じゃなけりゃもっと良かったかも知れない。
>>162 GJ
前スレの最後のほうで1年5組のモブキャラのSSがあったが
こういうのをもっと読んでみたいって最近思うようになった。
170 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 03:15:48 ID:7IqUhBdi
なぜカップリングSSが受けるのか?それは結局、
情けなくて受動的なキョンとリアルの自分と重なる為
自分をキョンに置き換えて、ハルヒや長門とラブラブになったり
セックスする二次小説を読んだり、妄想する事によって自分が
ハルヒや長門とイチャイチャした『気分』になって悦に浸れる
のである。
もし、ハルヒの主人公が古泉では、
ここまでカプSSは広がらなかったはずである。
古泉だとリアルの自分とは正反対の人間だからだ。
暗くて受動的なキョンがハルヒや長門とSEXする事によって自分=「キョン」が現実ではありえない状態に興奮するのである
つまりカプ房のほとんどは、
『キョン』とハルヒ(長門)を付き合わせたいのではない。あくまで、『自分』(キョン)がハルヒや長門と付き合いたいのである。
何故、わざわざ「キョン」を媒介にするかというと
そのまんま「自分」とハルヒ(長門)が付き合うのは、
あまりにも不自然だし、『うまく』妄想に浸る事が出来ないから。
カップリングとは自分がSEXしたいヒロインと
自分が感情移入できる男をカップルにする事によって
『自分がヒロインと付き合ったりSEXできた「気分」になって悦に浸れるのである。』
カプSSとは妄想をより『うまく』手助けする為の道具である。
171ゲットオ!
俺はキョンが情けなくて受動的だとは思わんが、
そういうふうに思ってしまうのは>170を書いた奴自身が
情けなくて受動的だと自分を認識していると言うことだわな。
特に、消失以降まともに読んでてキョンをそう評せるならある意味大した奴だよ。
キョンはそんなに情けなくないだろ。
俺なら朝倉事件の所でリタイアしてる。
クラスメイトが笑顔でナイフ持って刺して来るんだぞ?あれはキツいって。
でも実際みんなキョン大好きだよな
キョン以外の男が恋愛に絡むのってあんま受けないし
私はキョンとハルヒを応援しています
>>176 基本的に、原作において、メインヒロイン三人が、キョン以外の男性に対して
好意を寄せている描写がないから、ってのはあると思う。
そういう意味で、個人差はあると思うけど、原作との齟齬が少ない、または
関係が明示されていないカップリングなら、割と受け入れやすいかも。
個人的には、キョン以外なら、古泉×森さんとか、古泉×鶴屋さんとかは
全然OKだった。というか、キョンと古泉以外は、情報量が少なくて難しいだろ。
かろうじて谷口くらいか・・・。新川×森さんなんかも面白そうだが。
小ネタ
「おはよう、鈴木」
俺はいつもの様に隣りの席の鈴木に声を掛けた。
「おはよう、榊君。相も変わらずの美声ですなぁ」
鈴木はいつもの様に明るく挨拶を返してくれたが、
その美声の下りは何とかしてくれ。
「また朝一から眼鏡をずらす様な事を…」
褒められるのは嫌ではないが多少恥ずかしいんだ。
「本当に、素敵だよ。」
鈴木は一拍置いてそう答えた、なんだか顔が少し赤く見えるんだが?
「なぁ、鈴木?」
「なに、榊君?」
俺は鈴木に聞いた。
「風邪引いたのか?顔が赤いぞ」
「はぁ?」
「ほら、谷口とか風邪引いてる様だし」
今回の風邪菌は強力だと思いつつ、マスクをしている谷口に指を向ける。
「い、いや、風邪では無いと思うんだけど」
鈴木は素頓狂な声をあげる。
ふむ、自覚症状は無しか。これが一番危ないんだ。
「後で熱が出ても遅いぞ、頭だしてみろ」
手のひらを鈴木の額に付け、熱を計って見る。
「ふむ、熱は無い様だ。…だがさっきより顔が赤い、微熱かもしれん」
「…榊君のせいだよ」
鈴木は更に顔を赤くしてそう呟いた。
はて、俺に移されたと言う事か?
「俺はここ一週間風邪を引いてはいないぞ」
「…もういいよ」
鈴木は少し目を潤ませていた。
…そうか、苦しいんだな。
しかし授業は休みたくない、と言う事か?
偉いぞ、鈴木。
「辛くなったら言ってくれ、いつでも付き合うぞ…保健室に」
鈴木は顔を机に伏せた。
「…ねぇ榊君、わざと言ってる?」
どういう事だ?
「他意は無いつもりだが」
「…ありがとう、心配してくれて」
前の席では由良と植松が肩を揺らしていた
保管庫終わったな
自業自得だべ。
管理人とかいってふんぞり返りながら裏で荒らしとかするからこうなる。
予備は機能してないし………
どうしよう
おまいら、ログ全然読んでないだろ。
>>153に書いてあるべ、と釣られてみる。
>(収納済:30th-103rd)
うん、確かに途中までだなw
ブクマにあったから、過去の読みたい人がいればと思って・・・w
保管庫の人、いつも乙です。
そういや予備の人はどうしたんだろ?
確か8月中は更新できないとは言ってたけど。
せっかく静かになったんだし次のSSが来るまで会話無しってのもなんか持て余す気分だから、
今まであまり挙げられていないけどコレは良かったっていう、隠れた名作を挙げてみたりしない・・・・・・だべ?
>>188 俺は「お勉強の時間」が好きだ
っていうかオチが良かったからって理由だけだけど、印象的
鶴屋さんの陰謀かな
本編と上手く話を合わせてたし何より古泉×鶴屋という新しいジャンルに目覚めさせてくれた
キョン妹「キョンくんこれやって。」
キョン「え?ざ、座薬くらい自分で出来るだろ!」
妹「やだ。怖いもん」
キ「……お袋が帰ってきたらやってもらえ。」
妹「今じゃないと駄目なのー!」
キ「あーわかったわかった。ケツこっちに向けろ。」
妹「え?……こんな格好やだ。恥ずかしいよ」
キ「こうしなきゃ入れられないだろ。」
妹「この…格好がいい。」
俺に抱きついてくる妹。暖かい息が耳にかかる。
キ「……じゃあ…入れるぞ。」
座薬を手に、入れるべき場所を探す。妹の息遣いが早まっていく
妹「……ぁ……そこじゃない……そこじゃあなくて……
…!………そ、そっちはだめ!……うぅ……」
いつになく元気のない我が妹。 <
ここは少し悪戯をしてみたくなるのが男の本能である。
キ「見つからないから指で探すぞ。」
妹「えっ?…ふぁぁっ!」
露骨にグニグニと妹の秘部を刺激する。
妹「あ…あ…そ、そこじゃない!そこじゃないよぉ!!」
キ「どうしたんだお前。ココびしょ濡れだぞ。」
妹「ぬ、濡れてない!」
もちろん濡れてなどいない。だがその嘘は口にすることにより真実となるのである。
くちゅっ…くちゅっ…
指摘されて秘部を意識した途端これである。暴れる妹を空いている手で
抱くように抑えつけ、そのまま手を前に進ませ胸の突起を刺激する。
キ「ほら、音がするだろ?」
妹「違うもん…キョンくんがヘンなこと言ってくすぐってくるから……やめてよぉ…」
自身の股間から漏れる音を否定すべく暴れていた妹だが、
音が大きくなるにつれて大人しくなる。
妹「あっ……やぁ……んぅっ……」
行為を続けるうちに耳元の息遣いは酸素を求めてあえぐようになり、
水音はますます大きくなっている。首の後ろに回された細い腕が強く俺にすがってくるのを感じた。
妹「あ……なんかくる……なんか来ちゃう!なんか来ちゃうよぉ!!」
妹が一際甲高く声を上げるのと同時に、濡れないように非難させておいた座薬を突っ込んでやる。
妹「あぁっ!?やぁぁぁ!だめっ……だめっだめぇぇぇ!!!」
俺は力なく横たわる妹の股を広げ、ズボンからペニスを取り出す。
そしてスネーク風にこう言った。
キ「ショウタイムだ」
ごめん < から下はキョンの性格からなにから全部ギャグ
アニキャラ板に貼ろうと思ったら18禁止まんないね状態に陥り、仕方なくヒマしてるここに投下するに至ったw
ショウタイムだ(苦笑)
ええい、
>>191をショウタイム、いやシャウツァイトだ
なんか覚えの無い規制がかかってるー!
>>178 新川×森は年齢が犯罪級・・・。
キョンの話ばかりになるのは、
単純に物語がキョン視点だからってのもあるんだろうな。
未来人宇宙人超能力者トリオがお互いを個人としてどう思っているかは
未だにちょっと不透明なところがあるし。
俺は〜タイムのつくSSだね
白日と黒日だな。描写がうまいのなんの。
○天国とか子供キョンとか脱衣オセロとかループとか、長門がボケにまわるの全般。
>>195 ハゲ同、というよりみくるが黒いの全般が好き、古泉一樹の日常など
遅くなりましたが、ミヨキチSS「夢=未」が完成しました。
前回までの分は、前スレなので、過去ログか保管庫からどうぞ。
では行きます。8レスの予定です。
201 :
8-17:2006/09/19(火) 22:08:14 ID:edxf95Jj
19/
あの時も、すっきりとしない気持ちでここに寝転がっていた。
あの時、あの文化祭のあと。秋の午後。
あの時は、どうしてモヤモヤがなくなったんだっけ?
キョンだ。
今は、どうしてモヤモヤしてるんだっけ?
キョンだ。
キョン。キョン。キョン。キョン。キョン。キョン。
そう、全部あいつのせい。
目を閉じると、女に腕を組まれて鼻の下を伸ばしてるあいつのマヌケ面が浮かんでくる。
なんで、私があのバカのせいでこんなに憂鬱な気分にならなくてはいけないの?
私は、天下のSOS団団長、涼宮ハルヒ様で、あいつは団員その一に過ぎない。
でも、この憂鬱を吹き飛ばしてくれるのは、今回もキョンな気もしていた。
何? 足音が近づいてくる。足音は、私のすぐ側で停止した。
キョンかしら。私は目を開く。
そこにいたのは、予想外の人物。
私は少し驚いたが、気持ちを落ち着かせて、嫌味な口調で聞いてやった。
「ミヨキチっていったかしら? 私に何のよう?」
*
20/
ハルヒさんは、私がここにいることに少し驚いたようでしたが、
すぐに言葉を投げて寄こしました。
「ええ、あの時はご挨拶できなくてすみません。私は、吉村美代子と申します。
ミヨキチと呼んでいただいて結構です。今日は、先日のことを謝りにきました」
「そう。私は涼宮ハルヒ、って知ってるみたいね。で、謝りにって何を?」
「はい。先日、私は嘘をつきました。私が彼と、お兄さんとお付き合いしているって
言ったのは・・・嘘です。すみませんでした」
そう、あの言葉は私が勝手にいったこと。ですから、そこははっきりしなくてはいけません。
「そうなの。まあ、私には関係ないけど、そんなことを言いにわざわざここまで来たの?
まったく、ご苦労なことね」
そう言いながらも、ハルヒさんの顔にはわずかに安堵の色が見えます。やっぱり・・・。
だからこそ、私はこのことを言っておかなくてはいけません。
「ええ、でもそれだけではありません。お兄さんとお付き合いしているというのは、
確かに嘘です。でも・・・でも、私が彼を、す、好きだというのは、本当です」
・・・言えた。 初めてはっきりと口にすることができた。
驚き、固まっているハルヒさんを見つめながら、私は続けます。
「でも、彼が私をどう思っているかはわかりません。誰か他に好きな女性がいるのかも・・・。
ただ、彼とあなたは、何か特別な関係に、私には見えました。
・・・だから、もう一度聞きたいんです。あなたに。
あなたは、彼の何なんですか? お願いします。教えて下さい」
*
21/
私とあいつの関係。そんなのは決まりきっている。あの時は、いきなりだったので
はっきりと答えられなかったが、ちょっと考えてみれば簡単な質問だ。
「私は、絶対たるSOS団団長で、あいつは、団員その一で雑用係。それだけだわ」
ところが、思わぬ反撃がかえって来た。
「なら、私が彼と、お、お付き合いしても問題ないですね」
「だっ、駄目よ。だめだめ! そういうのは駄目!」
「なぜですか?」
いつのまにか、彼女、ミヨキチの方が落ち着いている。
「ふ、風紀が乱れるから、団員間の恋愛は禁止しているの。だから・・・」
「団員間の、ですか? なら私は関係ないはずです」
気弱そうな少女だと思っていたが、私が押されているなんて・・・。
「ん゛〜、私が駄目といったら駄目なの。とにかく、そういうのは禁止!」
自分でもわかる。まるで出鱈目な子供の論理だ。
私、なんで、こんな出鱈目なことを言ってるんだろ。
「・・・どうしてですか? もう一度だけ、聞かせてください。
あなたの本当の気持ち、本当の言葉で。そうでないと私、納得できません」
本当の、気持ち・・・。
22/
本当の気持ちって言われたって・・・。
キョンはキョンであってキョンでしかない、なんてトートロジーで誤魔化すつもりはない。
ないけど、絶対的な解答を、私は持ち合わせてなどいない。
だってそうでしょ? 教室の前の席にいるクラスメイトを指して
「そいつはお前にとって何なのか」と問われて何て答えればいいっていうの?
・・・いえ、これも誤魔化しね。私にとって、キョンはただのクラスメイトじゃない。
ましてや単なる「団員その一」でもなく、かといって「宇宙人」「未来人」「超能力者」でもない。
あるはずがない。あいつは単なる「一般人」だ。
「無口キャラ」でも「萌えマスコット」でもない。「謎の転校生」ですらない。
ならなぜ? なぜ、私はあいつと一緒にいるの?
思い出しなさい。あの夜見た夢を。なぜ、私はあの日、ポニーテールにしてきたの?
そう、わかってた。本当は、あの日・・・キョンが「似合ってるぞ」って言ってくれた時から。
「・・・キョンが、好きだから」
そうなんだ。ずっと前から、心のどこかでブレーキをかけてた。認めるのが怖かったから。
その先を考えるのが、怖かったのだ。あいつは、私のことをどう思ってるのか。
私は、SOS団団長としてじゃなく、一人の女としても、
あいつと一緒にいられるのかって。
でも、やっと認めることができた。
やっぱり、気持ちを曖昧なままにするのは、私らしくない。
気付けてよかった。認めることができてよかった。
それが出来たのは・・・。
「部室」
「えっ?」
ミヨキチは、突然の発言の意図がわからないようだ。
「あいつは部室にいるわ。あの窓の部屋。表札がついてるから、すぐ分かるはずよ」
・・・そう、この子のおかげ。
23/
「ハル・・・涼宮さん。それは、どういう・・・?」
さっきとはうって変わって、遠慮がちな口調ね。
「ハルヒでいいわ。勘違いしないでよね。
あいつを、あんたに譲ったわけじゃない。これはお礼よ、お礼」
自分の気持ちに気がつかせてくれた、ね。
「仮にあんたたちが付き合おうが、何だろうが、最後にはあいつは私のものよ。
・・・私はね、欲しいものは、どんなことをしても手に入れる女なのよ!」
はっきりと言い切って、にぃっと笑う。
そう、私はいま、笑えている。さっきまで、あんなに憂鬱だったのに。
きっかけをくれたのは、ミヨキチだったけど、
やっぱり私を笑わせてくれたのは、あんただったわよ、キョン。
うん。これが私。私が一番好きな、涼宮ハルヒだ。
私は、さっきから圧倒されているミヨキチに言ってやる。
「さあ、行きなさい」
「で、でも、本当にいいんですか?」
ま〜だ、控えめな態度。さっきの強気な子はどこ行ったのかしら?
「あたしがいいって言ってるんだから、いいのよ。ね、小さなライバルさん」
その言葉をどう受け取ったのか、彼女ははっとしたような表情を見せたあと、
大きく頷いて、旧館の方へと走っていった。
その背中を見送りながら誓う。
「さあ、キョン。明日から覚悟してらっしゃい。
私から告白するなんて、プライドが許さないわ。
必ずあんたを私にベタぼれにして、あんたの方から、大好きって言わせてやる!!」
太陽は、決意を新たに、明日に備えてその身を翻した。
空は、朱い。
*
24/
いつまでここにいればいいんだ?
俺は、部室で一人、自分でいれた不味い茶をすすっていた。
ハルヒは今日も来ていないし、古泉は例のバイト。
長門は朝比奈さんを連れて、どっか行っちまった。
出て行く前に、あなたはここにいて、と俺に言い残してからな。
あいつに、あんなに強い口調で言われると、俺も残らざるをえない。
しかしな〜、もう完全に夕方だぞ。
一体いつまで待ってりゃいい?
と、その時、部室の方に歩いてくる足音がした。続いて、控えめなノックの音が響く。
古泉か朝比奈さんあたりが戻ってきたのか?俺は、どうぞ開いています、と声をかける。
「・・・失礼します」
か細い声と共に入ってきたのは、なんと吉村美代子、ミヨキチだった。
なぜ、キミがここにいるんだ? WH〜Y?
「こ、こんなところまでお邪魔してすみません。
お兄さんにどうしてもお話したいことがあって・・・」
すまん、正直に言おう。ここまで言われて、俺にも事情が大体飲み込めていた。
俺は、確かに鋭いほうではないが、そこまで鈍感でもない。
このあいだのことだけならともかく、それまでのミヨキチの態度を鑑みれば、
まあ、分からない方がおかしいのかもしれない。
「まず、先日のことをお詫びしたくって・・・。
勝手なことをいってしまって、本当にすみませんでした。許して、くれますか?」
OK、OK。確かにびっくりしたが、あのくらいなら、
ハルヒなんかに比べりゃ可愛いもんだ。気にしてないよ。
「あ、ありがとうございます。でも、あんなことを言ったのには、わけがあるんです。
そのことを、お兄さんに伝えたくて・・・」
ミヨキチは真剣だ。かわいい顔が、緊張でこわばっている。
そう。実際ミヨキチはかわいいのだ。
こんな美少女に好意を寄せられて、嬉しくないわけないさ。
でも、考えてみろよ。この子はまだ、小学5年生だぜ。そんな風には、とても見られない。
ミヨキチは、妹の親友。俺にとっても妹みたいなもんだ。だから・・・
「わ、私は、お、お兄さんのことが・・・」
彼女は泣きそうな顔をしている。
なあ、俺。こんな小さい子に、こんな辛い思いをさせてもいいのか?
俺の方から、やんわりと否定してやった方がいいんじゃないか?
そう決意した俺は、ようやく口を開いた。
「なあ、ミヨキチ。お前の気持ちは「やめて!・・・・・・やめて下さい」
*
25/
彼が何を言おうとしているか分かったから、私は思わずそれを遮りました。
「わかってたんです。お兄さんが、私のことを、どう見ているのかも。
いまの私では、だめだってことも。でも、その言葉を直接聞かされるのは
・・・耐えられそうにありません。いまの私は、まだ弱くて、子供だから」
「ミヨキチ・・・」
「だから・・・だから、待っていてください。
私、早く大人になって、ハルヒさんみたいに、
お兄さんに見てもらえるよう女になれるよう、がんばりますから!
だから、待っていてください!!」
いまはまだ、遠く届かない夢だけど、きっと、そんな未来を掴んでみせる。
お兄さんは、しばらく戸惑っていたようですが、
最後には頷いて、優しくこう言ってくれました。
「わかった。ただし、ハルヒみたいになるってのは勘弁してくれ。
あんな迷惑なやつは一人で充分だ」
私たちは、どちらともなく、笑ってしまいました。
夕陽の射す教室で、最後に私は切り出しました。
「最後に、ひとつだけお願いしてもいいですか?」
「お願い? まあ、無茶なことじゃなければな。で、なんだそのお願いって?」
「はい・・・」
私は、親友の言葉を思い出す。
「お兄ちゃんじゃなくて、キョンくんって呼べば、
妹じゃなくて、一人の女の子として・・・」
「私も、お兄さんのこと、キョンくんって呼んでいいですか?」
*
26/
それから俺がなんて答えたかって?
そいつはご想像にお任せしよう。
ただ、今回の一件で、ひとつ分かったことがある。
俺は以前、ミヨキチを評して、
あと五年も待てば朝比奈さんの対抗馬になるかも、と言ったよな。
ありゃ間違いだった。
五年も待たなくて、いいかもな。
全く女ってのは怖いぜ。
なあ、封印していたあの言葉。
もう一度だけ、使わせてくれないか? いいだろ?
ふぅ〜、まったくやれやれだ。
"You may call me..." End
終わりかな?
乙
ところで鶴屋さんと谷口の異色SSって既出?
彼氏(谷口)にフラれた鶴屋さんをキョンが慰めるってのがあったような・・・・
鶴屋さんスレと混同してるかもしれんが
GJ、そして乙。
だから ユメ イコール ミ だったんだ。
久しぶりに来たが何か違う
>>212 べ、べつに10スレくらい間があいたって、あいたっていいじゃないかぁ〜〜 三(つД`)
が、どう見ても開きすぎです(ry
>141
「あいるびーばっく」とかの?
改行の使い方が気になる希ガス。三点リーダも。
あと人称が途中で変わってるようだが。
______
| ,.へ、__,.ヘ/
| / \ ∠ヽ
|i^|「::::::ノ=l:::::ィ / ̄ ̄ ̄ ̄
,. -‐- 、 |ヽ| r_ \l | 静粛に……!
_/ \ ____/| ∧. (二二7! <
>>214は今、自分が
∠ ハヾミニ.r-、\∠L:r‐-‐-、:::::::::|/ ヽ_‐__.」`ー- | 未完のSSを抱え込んでいると公言した。
. /ィ ,L V∠ \l \\.)j j j j`二i\ /:|::::::::::::| 最初に言ったはずだ。
W、ゞi ,、~ __ 「 ̄∧ ヾ´´´ |. \ / |:::::::::::::| そういう行為は一切認めていないと……!
,ゝし'/ ,ノ.| / i l. l \、.|::::::::::::| 繰り返す! SSの途中中断は
l 、`ヾニンl\./\|l、_」 ヽ、 / ヾ::::::::::::::| 無条件で閉鎖空間行きだっ……!
. | l | _l\ト、 | \r──‐┐ト/ / r‐┴-、::: \_____
. |. | 7 l ヽ | /☆☆☆.| | ∨ {ニニヾヽ
>>214 ?
8-17ってのは、保管庫用の名前で、この前の部分は、29スレ。
先週のうちに書きましたよ?
まあ、それでも5日くらい間が開いたので、間隔が開いたのは確かです。
次は、なるべく開けずに仕上げます。
>>217 改行や三点リーダは確かに改善点ですね。
視点は、*ごとに一人称の主観を変更しています。
>>219 >>214は自分のことを言ってると思われ
なんにせよ公言するってこたぁ、書いてるって事だよな。 な!
>>208 俺は面白かったよ
妹ちゃん可愛かったし
ただ今回より前回のほうが盛り上がってたから
まとめてアップしたほうがよかったという意見が多いとおもう
それほど前回アップ分がよかったってことだと
乙!面白かったよ。
俺も書こうかな…
誰だって老いるんだよ!
おっさんにだって真っ赤な血が流れてたんだよ!
ネタは思いついたが展開が思いつかない・・・。
ちょっと頭整理してくるか。
ああすまん
誤爆してたよ
ちょっと聞きたいんだが、アニメEDのダンスって元ネタあるん?
原作で『SOS団でダンスチームを作る』みたいな話があるとか?
>>227 アニメ版「ライブアライブ」ラストに、きっかけを匂わすような会話あり。
マジでのいぢ1年5組全員のイラスト描いてくれないかなぁ
せめて原作でも出番のあった阪中さんはきちんとカラーで描いてほしい。
>>227 冬休みの合宿で鶴屋さんとスモークチーズを賭けた勝負の一環。
SOS団対鶴屋さん、荒川氏、森さん、キョン妹の混合でダンス合戦。
森さんが実はブロードウェイ経験者だった事と、荒川氏の保護で組織に入った事実が語られた。
などと言ってみる。
>227
ED担当がその手のが好み。
テレビつけたらアイドルが踊っているのをみて「これだ!」と思い、急遽振り付けや曲を考えて団員に無理矢理覚えさせた。
という設定が脳内にあるらしい。
>>220 勘違いしたみたいですね。すみません。
他の皆さんも、感想ありがとうございました。
おませな妹ちゃんが書きたかっただけなんですが、
なんだかんだで長くなっちゃいました。では、また。
>230
ふらっちゅだんすー
234 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 01:18:02 ID:21Yey7LF
/ // / / /| | ヘ \
/ // / / / | | | ハ 、.ヽ ヽ
i |/| | /|_,ム‐-!- .| | | | l. !
|. _', | /´V ___ V |\ | | | | |
| / 〉 !、. | r'ヌ:::::::}ヽヽ.! \|`t-、 | | ト. |
| 〈. | ` トl {:::::::/ _,..-、',. / ./ ./|/
| `‐|. | ー-' /::::::ケV / ./ .|/
| |. ! 、 {:::::/ ムィ /
|. | ! ', .., ` ,〈. /ィ
/ | | ', 、 _ノヽ`ー.
. / .| | ヽ\ _. r ´ __ `__┐ l
/ / ,r1 | ', ` 下、_ | ヽ ソ__ `ー
/ / / V | ', ヽ\`! l〈/ __` }
ム< ヽト. L. -─-ヽ\. | V ,、` ∧
r,ニ ._`ヽ\ ヽ }‐ 二..', ヽ.| `-ソ ハ }
r'´ \ \\. ',. ム‐'´ | |ヽ / / ヽ
| \ \\ | ∧ | | ∧ ハ. ',
本日、朝比奈みくるの最萌トーナメント出場日です。
2006年最大のヒットとなったアニメ、涼宮ハルヒの憂鬱。
SOS団三人娘の一人で、萌え担当の未来人。
本選は一発勝負で、負けたら即終了です。
自分の気持ちに正直になって、ご投票下さい。
まず、下記のサイトでコードを取得して下さい。(携帯なら即時、PCなら2時間以内に発行されます)
http://banana236.maido3.com/~bs5114/a06/ 取得したコードを下記のスレに貼り、
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/vote/1158585666/l50 <<朝比奈みくる@涼宮ハルヒの憂鬱>>
と書けばOKです。
投票受付期間は今日の夜の11時までです。
是非投票を!!
小ネタ・もしキョンが熱い漢だったら
あらすじ・閉鎖空間から戻った次の日教室に向かったキョン・・・
そこにはハルヒが短い髪をむりやりポニーテールにしているという信じられない光景が!!
いったい!!どうなってしまうのか!!
「ハルヒ・・・」
ハルヒはちょっとだけこっちに目を向けた。
「似合ってるぞ。」
「・・・とでも言うと思ったかぁぁああぁあぁあぁ!!!!!!
貴様は!断じて!!断じて間違っているッッ!!!
俺は確かにポニーテール萌えと言った!!しかしッ!!貴様のはポニーテールではないッ!!
そもそもポニーテールの萌えポイントがどこかわかるか!?三秒以内に答えろ!!!
3・・・2・・・1・・・遅い!!ふざけるな!!!答えやがれ!!!玉落としたか!!!
まずはうなじだ!!後ろにまとめた髪の間からのぞく妖艶な肌!!
これはポニーテールの魅力を倍・・・いや二乗・・・いや!!はかりしれない程にひきあげるッ!!
その条件は満たしているな貴様は。よし、俺の妹をFuckしていいぞ。
しかし!!!なんだその髪型はぁぁぁぁあぁあぁあぁあぁぁぁぁぁあぁぁッッ!!!
それはポニーじゃあない!!ただのちょんまげッ!漢字なら丁髷ッッ!!
ポニーの萌えの最高潮はある一定の髪の長さをこしてから初めてわかるのだ!!!
貴様はポニーを愚弄しているッ!
謝れ!ポニーに謝れ!俺に謝れ!!全国ポニーファンに謝れ!!!俊夫さんに謝れぇぇぇええッッッ!!!
そもそも昨今のマンガ・アニメ界は腐っている!!
奇抜な髪型にこだわりポニーをおろそかにしやっとポニーがでたと思わせきや安易に髪を切るイベントをいれるという愚かさ!!!
そもそもきちんとキャラの性格を考えて髪型をつけろ!!そうでないと・・・」
「げぇーッ!!なんじゃありゃーッ!!」
「あれはキョンの固有結界“歩煮威帝流”・・・!!」
「なにィーッ!!知ってるのか!!国木田!!」
「キョンの萌えの臨界点と怒りの臨海点が頂点に達したときに発生するキョンの必殺・・・!!あれを発動するのは実に5年ぶり・・・!!」
「恐ろしい技だぜ・・・!あの涼宮が完璧にドン引きしてやがる!」
「ああ・・・!!」
空気嫁。
……いや、みくるは空気な嫁だからこれはこれでいいのか?
>>235 ハルヒのリアクションが想像つかない…ガクガクブルブル
>235
キン肉マンでもできそうやなあ
>>235 なんという良SS
見ただけで手が毒手に変わってしまった…
この作者は間違いなく転校してきて仲間になる
AAがない
俊夫さんって誰だ?
俊夫さんってかまいたちの夜でよく出てきた人?
孤島の話で出てきたような気もするが…
自信がない
ハルヒの一人称ってあたしだよな?
そう。<<あたし
ふたりは、たがいにさりげなく敬意をはらいあい、そのくせふたりとも、自分の世界をしっかりと保っていました。
相手のためになにかをしてあげるなんてことはなく、わかりあおうともしなければ、気にいられようともしませんでした。
こういうのも、居心地よく一緒にすごす、一つの方法ではないでしょうか。
そんな二人のSSが見たいなあと世迷い言を吐いてみる。
二度寝してくるノシ
>>235 ワロタ
この熱いキョンでの長編が見たくなったよw
>>179 遅レスだがGJ
榊はキョンに負けず劣らず鈍感なんだなw
>>245 ムーミンの一節だっけか。
いいよねそれ。
ふたりは、たがいにさりげなく警戒しあい、そのくせひとりは、自分の世界をしっかりと保ち、もうひとりは流されっぱなしでした。
相手のためになにかをしてあげるなんてことはなく、わかりあおうともしなければ、気にいられようともしませんでした。
こういうのも、居心地よく一緒にすごす、一つの方法ではないでしょうか。
長門×みくるだとこんな感じ?
とりあえず
>>245に謝罪。
>>245な感じでちょこっと書いてみた。単発です。
-----
ここは、とあるマンションの一室。その部屋は、がらんとしていてまったく飾り気がありません。部
屋の真ん中に、はだかの炬燵机がひとつあるだけ。
それでも、この部屋の主はこの部屋が好きでした。
その主というのは、ひとことで言えば、宇宙人の女の子です。
宇宙人で、しかもロボットみたいな人です。人間特有の、感情、というものがよく理解できません。
だから、我が家が一番落ち着く、という、他の人がたまに言うそんな感覚は、よくわかりませんでし
た。
でも、自分には帰るところがあるというその確かな事実が、幾分かの安心をもたらしているのもま
た事実です。もっとも、安心という概念も彼女はよくわかっていないのですが。
さて、そんなマンションの部屋に、宇宙人さんは人間の男の子を連れてきました。
男の子は、自分が連れてこられた理由がよくわからないようです。
「なあ長門、なんで俺、呼ばれたんだ? まあイヤじゃないが……」
さっきから、何度もこう質問しています。しかし、対する宇宙人さんは、答えようとしませんでした。
男の子は、答えてくれない宇宙人さんにちょっと呆れ、そのままごろんと横になってしまいました。
そんな彼の様子をみた宇宙人さん、やっと口を開きました。
「今、どんな気分?」
「ん? ああ……。……ヒマ、だな」
すると、宇宙人さんは、こういいました。
「私も、暇だったから……」
そう言って、彼に並んで横になりました。
そのままふたりは、
「なあながとー。ひまなんだけどもー」
「そう」
そんなやりとりを、会話の内容とは裏腹に居心地のよさそうなふにゃふにゃした声で繰り返しながら、
ごろごろと日曜日を丸一日つぶしたのでした。
>>253 みくるちゃん一方的に居心地悪すぎw
>>254 乙!良いなぁ、なんか口の奥から甘い空気が沸いてくる気が…
帰ってきてみたら思ってみない流れにw
オマイラみんなめちゃくちゃ大好きだコンチクショウ・゚・(ノД`)・゚・。ちょっとムーミン詠んでくる
去り際に恋するスノークのお嬢さんを置いていこう。付き合わせてゴメンね
「初恋と最後の恋のちがいを、ご存じ?
初恋は、これが最後の恋だと思うし、
最後の恋は、これこそ初恋だと思うもの。
・・・・・なのよ」
鶴屋×谷口の電波を受信した、いざ実践して書いてみた。
・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
ずっと昔、15スレだったか16スレだったかで俺が言った谷口×朝倉(幽霊)を誰が覚えているだろうか…w
ところでふと気付いたんだが、ひょっとして偽ポッキー書いてくれた人って「キョンの消失」の人じゃね?
文の繋ぎが同じ書き方でピンと来た。今にして思うんだが俺これとんでもなく有り難い事だよなw
偽ポッキーと言えばあれか
キョンが持ってたポッキーを長門と古泉がぺろぺろ舐めて「「プリッツ〜」」「ばっちいことするんじゃありません」の
>253
まんま超団長と雑用その一かと・・
>>862 俺は生脚のバニーガールもアリだと思うぞ
華麗に誤爆したけど気にするな(`・ω・´)
そんな悩ましい話題を繰り広げているのはどこのスレだい?
>>862に生足のバニーガールの話が!
期待しながら待つか
266 :
志村〜:2006/09/21(木) 00:13:38 ID:hFkkfKAJ
>261
窓に!窓に!
>>258 バレた!? 流石は異時間同位体のオリジナルw
ポッキーの続きを書いてくれてこっちも嬉しかったっすよー。
……アレに対抗したくてオセロを書いたぐらいだしw
さて
>>259の古泉長門がポッキーを舐め合う妙な展開と
>>862の生足バニーにwktkしてよっと。
VIPのSS『時のパズル〜迷い込んだ少女〜』スゲー面白い。
>>268 あれって、前スレの
>>800ぐらいで言ってたタイム・リープを元に書こうかなって言ってた人かな?
正直、改変物はあんま好きじゃなかったけど、ハルヒ世界の人物をうまく起用していて、原作を読んでいてもすごい引き込まれた。
毎日、あの文量を投下するのは更にすごいな。
後、インタールードで作者がよく作品を理解してるんだと分かった。
こっちに投下してくれなくてちょっと残念。
タイムリープってどこで読める?
ここでなんの流れも読まずに投下。
一番最近読んだ谷川作品が絶望系だからか知らんが、少しだけ暗い雰囲気になっちまったw
274 :
月光:2006/09/21(木) 01:11:11 ID:7ZDrGQVp
〜満月〜
「あなたが好き」
びっくりするくらい綺麗に真ん丸い月が空に輝いてる。窓からこぼれる眩しすぎる光は湖に映し出されたみたいに満月の形をかたどっていた。
そして目の前の人物は確かに、「その言葉」を発した。
だが、本当に『そいつ』は、そんなことを言ったのだろうか?俺の自惚れ、勘違い。あるいは聞き違えではないだろうか?
そうだな、長門流の言いかたをすれば、「情報の伝達に齟齬が発生した」ってやつだ。
それは夏休みも半分を過ぎた8月のある日のことで、その時の俺は特別見たくもないテレビをぼんやりと眺めていた。
丁度、司会者が「CMのあとに驚きの映像が」とか何とか番組を引っ張ったと時を同じくして、俺の携帯が着信を知らせる音楽を奏でたのだった。
──♪夏休みはやっぱり短い やりたいことが目の前にあり過ぎて 今日までまだ誰も知らない まぶしい時を僕が君に見せてあげる……
「もしもし」
「…………」
押し当てた受話器の向こうから帰ってくるのは、ただひたすらの無言。
無言電話?団長閣下の新手の悪戯か……いや、あるいは?
「長門か?」
更に三点リーダが続いたあとに、小さな声が返ってくる。
「そう」
こんな夜中に、部室付属品の読書少女が俺に何の用があるのだろうか?
「なんだ。またハルヒ関係で何か起こったか……?」
「違う。この件と涼宮ハルヒは無関係」
さてさて、いよいよ分からなくなっちまった。
涼宮ハルヒ関係を除いてしまってこの無口宇宙人が俺を呼ぶ理由は何だろうか?
「でも、あなたに来て欲しい」
「分かった。すぐ行くよ」
何にせよ、とりあえずあいつに会いに行くべきだろう。
朝倉の件や、カマドウマ事件で、長門には世話になってるしな。何かこの一般ピープルの俺に出来ることでもあったら、喜んで協力してやろう。
275 :
月光:2006/09/21(木) 01:11:41 ID:7ZDrGQVp
適当な言い訳を妹に伝えると、夜の町を愛車の自転車で漕ぎ出す。
「いい月夜だな」
空には、まるでコンパスで書いたような丸い月が東の空に登っていた。
半時間近い時間をかけて長門の住むマンション。
「…………」
あいも変わらず、なかなかインターホンは主の言葉を返そうとしない。
「よう、俺だ」
『入って』
感情の篭らない無味乾燥な言葉が返ってくる。
──ハルヒと関係無く、こいつが俺を呼び出した理由は何だろうか?
考えれば考えるほど分からなくなってくるが、幸いにして長門なら全て俺に教えてくれるだろう。
「座って」
コタツ机の上には急須と湯飲み。
「で、いったい何の用だ?」
話しかけると、思い出したように長門が急須の中身を俺の前の湯飲みに注いできた。
湯飲みに手をつけて口に含む、最初にここに来たときと同じ中身。ほうじ茶だ。
じっとしていると長門の状況再現は更に続いた。
あの時と同じく長門は困ったような躊躇するような表情を見せている。
まあ、こいつを含めSOS団と付き合い出して、早3ヶ月以上。
ボードゲーム以外で上手くなったことをあげても片手の指で足りちまうが、「長門の表情を読むこと」はあげても良い一つだろう。
そうだな……長門の今の表情は多分後者だ。でも、何を躊躇ってるんだ?
「うまく言語化出来ない。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない。でも、聞いて」
おいおい、そんなセリフまで一緒じゃなくてもいいだろ?
なあ、長門よ。何がしたいのか、そろそろ教えてくれないか?
あの時の再現をしたいのか?あるいは、俺が五月まで時間遡行でもしちまったのか?
276 :
月光:2006/09/21(木) 01:12:40 ID:7ZDrGQVp
「あなたが好き」
全世界が停止した。
──というのはモチロン嘘だ。時計の針は勤勉にもせかせかと秒針を動かしているし、目の前の長門は時々まばたきをしている。
そう、世界は何の滞りもなく、通常通り動いているのだ。
にもかかわらずだ。俺の世界は突如、大怪球フォーグラーでも出現したかのように静止していた。
…………アナタガスキ
あなたが好き……?ありえん。何故に?どうして?俺が長門から告白を受ける理由がどこにある?
ああ、そうか。俺の聞き間違いか。
穴子が好き……?
ああ、良いな。穴子。俺も好きさ。白焼き、蒲焼。寿司にしても良いしな。
って阿呆か俺は。
いくら俺でもタとゴを聞き間違うほど耄碌しちゃいないだろ。
じゃあ、何だ?
貴方が隙?
ああ、これか。これ。
そうだな。確かに朝倉と戦った時も俺を庇ったせいか、こいつは上手く戦えなかったらしいしな。
「私のメモリ空間にエラーデータが蓄積されている。」
長門が淡々と言葉をつなぐ。
「そのエラーデータを照合してみた際、唯一、近しいと判断された結果が存在した」
長門が、ひたすらに真摯な目でこちらを見てくる。それはとても必死なように見えた。
「それが恋愛感情」
長門が嘘なんて言わないことを俺はしっかりと知っていた。
しかし、この時ばかりは、俺は自分の認識の方を疑うことにさせてもらった。
「信じて」
脚色という名のフィルターでも俺の目には入っているのだろうか?
懇願にも等しい表情でこちらを見る長門は、悲しそうな目をしていた。
「わたしはあなたが好き」
277 :
月光:2006/09/21(木) 01:13:31 ID:7ZDrGQVp
気がついた時、抱え込んだ腕の中に長門がいた。
何でだろうな?
多分、目の前のこいつがいとおしくて仕方がなかったんだと思う。身体が勝手に動いていた。
でも、理由なんてものは些末な後付けだ。
エラーデータ?そんなもんクソ食らえだ。
誰か偉い人が言っていた。
──プログラム通りにしか動けないはずの人口知能でも、そんな回路の入ってないロボットでも、時を経たらそいつを持つようになるのがパターンなんだ。
感情。
多分、俺達有機生命体の誰もが持っているもの。
──ああ、そうだよな。長門、お前も人間なんだな。
腕の中に抱きしめた小さな心を、強く抱きしめてやる。
……こんな簡単なことにも気付いてやれなかったんだな、俺は。
「私はただのヒューマノイドインターフェース……人間とは構造上の…」
「お前は人間だよ」
例えお前自身が認めなくても、いや、世界中が否定したって良いさ。
少なくとも、俺にとっての長門有希は人間なのさ。
「そう」
そうだろう?長門。感情のないアンドロイドはそんな嬉しそうな表情はしないもんだぜ。
278 :
月光:2006/09/21(木) 01:14:52 ID:7ZDrGQVp
〜既望〜
「どこを見ているんですか?」
気がつけば、古泉のニヤケ面が俺の方を向いていた。
水滴のついた身体を寄せようとするな、気持ち悪い。
「別に……」
何処かを特別見てるわけじゃないさ。
「そうは見えませんね」
「お前の気のせいだ。そうじゃないなら、被害妄想だな」
「そうだったらいいのですが」
──♪入道雲が踊るとき 聴こえてくるよ ゆうがたクインテット You gotta Quintet . You gotta Quintet Quintet Quintet ……
「はい、もしもし?」
それは丁度、高校野球を見てるときの事だったと思う。
昨日の電話の事を思い出して、何気なく携帯に手を伸ばした時、示し合わせたように着信を告げる音楽が鳴り響いたのだった。
「今日あんた暇でしょ」
長門のか細い声を聞くためにMAXにした受話音量が俺の耳をざくっと劈く。
やれやれ……先に、誰からの電話なのか表記を見るべきだった。
誰の大声か?言うまでもないよな……涼宮ハルヒだ。
「二時ジャストに駅前に集合だから。ちゃんと来なさいよ」
あい変わらず、こちらの都合はお構い無しだ。
「ああ、そうそう。持参物は水着、それからあんたは自転車と充分なお金ね」
少し古めのエアコンが、労働基準に文句を申し立てるような不満げな音を立てながら健気に働き、締め切った窓の外からはアブラゼミの大合唱が締聞こえてくる。
早いところ、その合唱がツクツクボーシ、更にはスズムシやらマツムシやらのものへと移行して欲しいものだが、近年気が狂っちまったとしか思えないこの国の気候はなかなかそれを許してはくれないのだろう。
……ふぅ
ハルヒの荒唐無稽にして猪突猛進な行動に軽く溜息をつくと、俺は水着を探すために箪笥をあさりはじめるのだった。
──夏はまだまだ続きそうだった
279 :
月光:2006/09/21(木) 01:16:10 ID:7ZDrGQVp
備え付けのビーチパラソルの下。
俺はゴーグルを外すと、同じくパラソルの下に備え付けられた椅子に座りこんだ。
目の前には青い空。
真夏の太陽が馬鹿みたいに空を照らしていた。
「みくるちゃん行くわよ」
ハルヒが水面を突き抜けて高々とジャンプして、シュートと差し支えないようなパスを朝比奈さんに投げつける。
よくあんなにジャンプできるな。感心に値するぜ。
「ふえ?え?」
おどおどと慌て、頭を抑える朝比奈さん。
「…………」
無言でビーチボールをインターセプトする長門。
SOS団3人娘(+ガキども)の水球もどきが目の前で展開されていた。
ハルヒ提案のもとやって来た市民プールは、一部の危ない性癖をもつ人間からみたらたまらないであろう人種でうめ尽くされていた。
まあ要するに、市民プールなんかに来るのは年端も行かぬ少年少女くらいだってことだ。
最も、「年齢に見合った大型プールに行こう」と意見でもしたら、自転車でそこまで漕がされることは請け合いなのでやめておいたのだが。
──俺が何処を見ているか。
別に何処かを特別見ているわけじゃない目は、気がつくとまた長門の方を見ていた。
深紅のタンキニのハルヒがバシャバシャと水飛沫を上げている。元気だな、お前は。
朝比奈さんは相変わらずわたわたとボールをおっかけてている。そのバディーを目の保養にさせて頂きますよ。
そしてビーチボールを抱えて黙々と水中を泳ぐ長門の姿は普通の高校生と何の違いもなかった。
……同じなんだよな
「楽しそうですね」
なんだ古泉。まだ側にいたのか、俺にはもう用はないぞ。
しかしまた同じ方向に目が固定されてしまいそうなので、相手をしてやることにする。
「小学生の相手とは、あいつも暇な奴だな」
「僕にとってはありがたい事ですよ。ああやって楽しそうに遊ぶ涼宮さんは世界を揺るがすこともないですからね」
だといいんだがな。
わざとらしく溜息をついた俺を、古泉が奇妙なものでもみたような表情で見ている。
なんだ?どうかしたのか?
「いえ……気のせいでしょう。そう、変な感覚を一瞬覚えただけですよ」
変な感覚ね……?
「おや、あがってこられたようですよ」
視線をプールサイドに戻すと、水も滴る3人娘が陸にあがる所だった。
280 :
月光:2006/09/21(木) 01:17:22 ID:7ZDrGQVp
「なんだこりゃ?」
プールを後にした俺を待ちかまえていたのは、喫茶店の奢りの苦行とハルヒの突拍子のない思いつきの二重苦だった。
目の前には、大きくバッテンのうたれた合宿とプールの文字。
それ以外にも、花火大会や、アルバイト、天体観測や、昆虫採集etcなんかの文字がA4の紙切れを踊っている。
「見れば分かるでしょ。予定表よ、予定表」
それぐらいは見りゃ分かる。お前の予定表を俺達に見せ付けてどうする気だ。
「あたしの予定表じゃないわ。あたし達のよ」
──お前の予定表だろ
という言葉を俺は飲み込むことに決め込んだ。
別に言ったって構やしないが、どうせ言っても無駄なのだ。なら、言わない方が良い。
「何か思いついたら他にもするわ。あんた何かしたいことある?みくるちゃんは?」
したいことね……
──自由時間をくれ
という言葉も忘れることにしよう。人間には無駄だと分かっていてもやらないといけないこともあるかも知れないけれど、今は無駄なことをする必要もないはずだ。労力が惜しい。
「えーっと……あたしは金魚すくいがしてみたいです」
「うん。ナイスアイディアよ、みくるちゃん」
ハルヒが金魚すくいの文字を机上の紙にすらすらと書き足す。
「有希は?」
長門が黙って首を振る。
こいつが自分の希望を言ったことがあっただろうか?
…………
「図書館だ」
「と・しょ・か・ん?」
ハルヒが文字を一字一字区切って聞き返してくる。
「あんたが図書館ねぇ?」
「読みきってない本があるんだ」
そして、果たしていない約束が。
「ふーん……まあいいわ。図書館にも行きましょう」
いまだ怪訝な顔つきを崩さないまま、ハルヒが図書館という文字を書きつける。
「古泉君は?」
「いえ、特には。ちょっと失礼して予定表をお借りしても良いでしょうか?」
用紙を摘み上げた古泉がしげしげと見つめている。何を考えているのだろう、こいつは?
「どうも」
卓上に紙を戻した古泉が再び思案顔に戻る。
「明日から決行よ。明日もこの駅前に集まること!この近くで明日に盆踊りやってるとこってある?花火大会でも良いけど」
「それについては僕が調べておきましょう。金魚すくいも、花火大会か盆踊りに縁日が出ているところがあると思います」
「うん、お願い。任せたわよ古泉君」
ハルヒは楽しそうに、A4用紙を鞄にしまった。どうやら早くも機嫌が直ったらしい。単純な奴だ。
281 :
月光:2006/09/21(木) 01:18:47 ID:7ZDrGQVp
一通り、散在の苦難をレジ前で嘆いた後、俺は一人の背中を追いかけて呼びとめた。
「長門」
変わり映えのしないセーラー服の後姿が振り返る。
……?なんだろう。何かが足りない気がする。
ああ、そうか。そういえば長門は本を持っていない。
もっともプールに持ってくるようなもんでもないのだが、なんとなく欠けたイメージがある。
「…………」
無言。
でも、俺を見たときに、その目がどこか嬉しそうに変わった気がした。自惚れかも知れないけどな。
「家まで送るよ」
夜道で何かが現れたとき、助けてもらうのは俺になりそうだが、こういうのは気分の問題だ。
「そう」
…………
無言が夜の街を支配する。
絶えきれずに空を見上げると、少し欠けた円月が俺達を照らしていた。
…………
「ありがとう」
「え?」
それは突然の言葉。でも、確かに聞こえた言葉。
何に対してだろう?図書館のことか?昨日のことか?
でも、一つ確かなのは長門がまた人間に近づいたこと。
少し欠けたその月は満月よりも眩しい気がした。
282 :
月光:2006/09/21(木) 01:20:02 ID:7ZDrGQVp
〜立待月〜
──♪香春岳から見下ろせば 伊田のたてこうが真正面 12時下がりのサマちゃんが ゲージにもたれて思案顔 サノヨイヨイ……
「盆踊り会場が見つかったわ!時間は今夜ね。場所は市民運動場よ」
朝っぱらから俺の惰眠タイムを奪ったのは今回もハルヒの電話だった。
出ると同時に、凄い勢いでまくし立ててくる。
もしもしを言う暇すら俺には許されていないらしい。
「で、みんなで浴衣買いに行くから早く来なさい」
嬉しくてしょうがないといった声が、受話器の向こうから続く。
やれやれ……遅れてきたら浴衣代を出せとか言わないよな?
俺はまたもハルヒの行動に溜息をついた。
待ち合わせ場所には、既に皆が雁首を揃えて待っていた。
「遅い罰金!たこ焼きおごりだからね!!」
怒り顔でこちらを睨むハルヒ、こちらを向いて微笑をささげてくれる朝比奈さん。軽やかに会釈するニヤケスマイル。その横に長門が退屈そうに立っていた。
──退屈?長門が退屈なんて変な話だな……そういえば今日も本を持ってない。
頭に電撃が流れるような既視感を感じる。なんだこの感覚は?
「さ、行くわよ!」
残念ながら売り場に向かう団長の手は、俺に考える余裕を与えてくれないまま、俺の手を売り場へと引っ張っていった。
283 :
月光:2006/09/21(木) 01:20:55 ID:7ZDrGQVp
婦人物衣料品店には、まるで誂えられたように、安売りの均一セールが行われていて、早くもハルヒが山を掻き分けている。
「みくるちゃんはこれね」
ハルヒがカラフルな金魚模様の浴衣を朝比奈さんにつきつけているのが、眼の端に映る。
俺と古泉は場違いな気分を感じながら、婦人物が並ぶ棚の間でうろうろと時間を持て余していた。
「じゃーん!どう?」
振り返ると、着付けを終えた3人娘がそこにいた。
黄色い生地に、金魚の踊る浴衣をめかした俺のエンジェル朝比奈さんは、イヤと言うほど美しく、浴衣をまとうその姿はまさしく創造神の考え出した天使のようだった。
「いやいや、朝比奈さんホント綺麗ですよ。天使みたいだ」
朝比奈さんを褒めちぎる俺を見て不満顔を見せていたをハルヒの浴衣には、適当な感想を漏らしてやったが、ありがたいことに本人は満足してくれたらしい。
なんて言ったかなんて覚えちゃいない。
けれど、覚えてないって事は記憶にも残らないような月並みな感想を漏らしたんだろうよ。
地味だが味のある幾何学模様の浴衣を着ているのは、長門だ。
「…………」
相変わらずの無表情で俺を見つめている。
「浴衣、似合ってるぞ」
「そう」
「ああ。その模様もなんだか長門らしくていい気がする」
「そう」
他人からみたら変わらない仏頂面だったと思う、けれど俺にはちゃんと長門の表情を読むことが出来た。
長門は嬉しそうだった。
噂好きそうな店員達が、さっきからずっと俺と古泉の方を見ている。
「誰が誰の彼氏なのかしら」とでも、いいたげな表情だ。
──彼氏か……
俺は長門の彼氏なのか?
衝撃告白を受けて、あいつを抱きしめて…………
で、俺はあいつの想いに何も答えていない。チキンもいいところだ。
──ちゃんと考えないとな…………
俺は喘ぐように溜息を漏らした。
284 :
月光:2006/09/21(木) 01:21:57 ID:7ZDrGQVp
「あ!みくるちゃん。そこの店は駄目よ!モナカはすぐ破けちゃうからね」
「そうなんですか?」
和太鼓の音。
スピーカーから聞こえてくるノイズ交じりの温度。
綿密にくまれた櫓を囲むまばらな人影。
毎年見かけるような盆踊りの光景がそこにあった。
「そうよ!やっぱり和紙じゃないと。探しに行きましょ」
ハルヒは最寄の屋台をのぞく朝比奈さんの手を引くと、楽しそうにどこかへ駆けていった。元気な奴だ。
「俺達も見て回るか」
手持ち無沙汰そうに立ち止まっていた長門がこくりと頷く。
焦げ付くソースの匂い。安っぽく光る提灯。
俺は長門の手を引いて屋台を歩き回った。
「何か欲しいものあるか?」
ゆっくりと動いた目が指したのはお面屋だった。
「お面……?」
「そう」
「どれがいいんだ?」
長門の細く白い指が、M78星雲出身の宇宙人のお面を指す。いや、最近の光の巨人は宇宙人とは限らないんだっけ?
「いいよ」
財布に手を伸ばした長門を制してやる。
「こういうのは男が出すもんだ」
「…………そう」
しかし、なんでこのお面なんだろうな?
「宇宙人同士なにかシンパシーを感じるんでしょうか?」
ああ、そうかもな……
って古泉いつの間に?邪魔だぞ。
「重症ですね」
何がだよ。
「僕は最初からいましたよ。色々な意味でまずいことにならないようにね」
…………
──♪月が出た─ガガッ─た つ─ガッ─が出た
スピーカーから炭坑節が流れてくる──ひどいノイズだ。
どこでだろう?遠い昔に同じような音頭を聞いた気がする。──っ……ノイズのせいだろうか?変に頭が痛い。
見上げると、更に小さくなった円月が会場を照らしていた。
285 :
月光:2006/09/21(木) 01:23:09 ID:7ZDrGQVp
〜居待月〜
「ほら!山に帰りなさい」
ハルヒが虫かごの蓋を開けると、セミ達はそれぞれ帰るべき場所に帰っていく。
「よし、じゃあ。今日は解散!明日はアルバイトをするわよ!みんなちゃんと10時に駅前集合ね」
一日中、北高周辺を虫を求めて走り回った昆虫採集もハルヒの一言で、幕を閉じた。
「よう」
4人が4人、それぞれの方向に散ったのを見届けた後、俺は夏服セーラー服の後姿に声をかけた。
「…………」
俺の声に反応して、長門が音も立てずに振り返る。
「家まで送るよ」
……既視感を感じる。まあ、つい一昨日同じようなことをしたから当然か。
「そういえば本を持ってないな」
今日も長門は本を持っていなかった。こうまで続くとは驚きの事態だ。天変地異の前触れじゃないと良いんだが。
「……読み飽きてしまった」
──ますますもって驚愕だ。
長門が本を読み飽きるなんてな……放っておけば百年でも本を読んでいそうな奴なのに。
そこで会話は途切れ、再び夜を沈黙が支配する。
286 :
月光:2006/09/21(木) 01:23:40 ID:7ZDrGQVp
…………
「考えたんだ」
俺が今日のたもと、虫かごの代金を奢らされたのは、昨晩ずっと考えてたからだ──多分だけどな。
「お前に気持ち伝えられてからさ、ずっと考えてた」
曖昧模糊なまま、俺はずっと返答から逃げてきた。
「俺もお前が好きだ」
最初に出会ったのは、文芸部の部室。ハルヒに拉致られて、SOS団に強奪されたその部屋で俺達は出会った。
栞を使って呼び出され、突然の『涼宮ハルヒとわたしは普通の人間じゃない』発現。あれはまさに晴れ渡った空に雷が落ちるような衝撃だった。
その次は、朝倉の事件だ。
『あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る』と、いきなり襲いかかってきたクラスメートの魔の手から俺はこいつに救われた。
その次は野球大会か。野球に負けたくらいで世界を破壊しようとするハルヒのワガママの為に、また長門は力を貸してくれた。
ハルヒの書いた絵が引き起こした事件。カマドウマと戦ってたのは長門だ……あ、古泉もか、まぁあいつはどうでもいい。
七夕の夜、ハルヒに会う為に時間を遡った俺達を無事に帰還させてくれたのは長門の助力だ。
今ここに俺がいるのは、全部こいつのお陰だって言いきったって過言は1ミリの余裕もないだろう。
そう、それは古典的なRPGと一緒なんだ。
勇者にずっと守られてきたお姫様ってのは知らず知らずと勇者に惹かれちまうものなのさ。
──俺が姫のポジションってのはなんとも情けないけどな。
それに加えて、あの告白だ。
その小さな身体で長門は、必死に必死に俺に全力の想いを伝えてくれた。
──好きにならないはずがないんだ。
──そうだろう?
287 :
月光:2006/09/21(木) 01:24:40 ID:7ZDrGQVp
「キスしていいか?」
すっかり日の暮れた708号室のドアの前で俺は長門に問い掛けた。
「……いい」
楕円に近くなった月の下、俺達は唇を重ねた。
「唇を交わすことにより、口腔内のバクテリアや、寄生生物が交換され、う触等の原因となる」
唇を離すと、長門が口を開いてきた。
「何故、人はこんな行為を行うの?」
「俺にも分からん」
多分、人は不器用で他に伝える手段を持たないからだ。
「嫌だったか?」
「ちがう」
「そうか」
長門の短い髪をそっと撫でてやる。
「やっぱり眼鏡はないほうがいいぞ」
呟くと、俺達は再び、口腔内の生命を交換しあった。
どこか背徳的なその行為を見ているのはただ欠けゆく月だけだった。
288 :
月光:2006/09/21(木) 01:25:46 ID:7ZDrGQVp
〜寝待月〜
「あちー」
現在感じる感情の全てをこめた愚痴と供に、俺はカエルの頭を脱ぎ捨てる。
「ふえー」
「これは大変な作業ですね」
朝比奈さんや、古泉も同様のようだ。
「…………」
長門は一人、平静な顔。少し羨ましい。
ハルヒに案内されたアルバイトにて、俺達に回ってきたユニフォームは真夏の炎天下にはとてもじゃないけど似つかわしくない、分厚い皮のぬいぐるみだった。
幸いなことに、ぬいぐるみの正体がボイスチェンジャーつきの強化服なーんてことはなかったが、俺達のお給金は全部このぬいぐるみに化けてしまうことが、団扇とアイス片手に涼しげに現れたハルヒによって判明した。
全くもって溜息ものだ。
「このカエル、記念に部室に飾っとくわ。みくるちゃん、いつでも好きなときにこれ着ていいわよ。あたしが許すわ!」
そう言い放つハルヒの笑顔があんまり楽しそうなんで、俺の怒りは雲が散って霧が消えるみたいにどっかに行ってしまった。
──♪コートの中には魔物が住むの 頼れる仲間はみんな目が死んでる バレーに掛けた青春 でも みんな目が死んでる……
真夜中。世が世なら丑三つ時と呼ばれる時間に俺の携帯は鳴り響いた。
「……ぅぅ(しくしくしく……ぅぅぅぅ(しくしく)」
聞こえてきたのは泣き声。
なんだ?たたりか?幽霊か?喜べ、ハルヒ。お前に教えても問題なさそうな不思議騒動が勃発だぞ。
でも、何で俺のところに化けて出る?
六年前に妹が死んだとか、幽霊が出る直前に部屋に天使と悪魔が現れたなんて記憶は脳みそを隅の隅までまで手繰り寄せても見当たらない。
「キョンくーん……」
「その声は朝比奈さんですか?」
「あたしです……あああ、とても良くないことが……ひくっ……うく……このままじゃ……あたし、ぅぅうえ」
さてはて、どうしたものか?今なら犬のお巡りさんの気分も分かってしまえる気がする。困ってしまってワンワンワワンだ。
「もしもし、古泉です」
電話の声が突然変わる。なんでこの2人はこんな時間に一緒にいるのだろうか?
「ちょっと由々しき事情がありまして、長門さんにも先程連絡しました。今から集合することは可能ですか?もちろん涼宮さん抜きで」
「すぐに行く。どこだ?」
嫌な予感がした。
今回ばかりはハズれてくれないかと願うくらいの。
289 :
月光:2006/09/21(木) 01:26:38 ID:7ZDrGQVp
*みくるインパクト ビックリ大作戦*
「土とか……食ってみようかな…… 」
…………
な…何を言い出すんですか朝比奈さん!??未来が恋しくなって頭に、蛆か何か沸いてしまったんですか?
「いや、違うの。キョン君」
何がどう違うんでしょうか。やばいな、ショックでおかしくなったか?
「涼宮さんはツンデレ属性、長門さんは無口属性でファン層が豊富だって噂だけど 」
朝比奈さんがなにやら身体をくねらせながら話を続ける。
「私にはそういうイインパクトがないなぁと思って……」
──はぁ…
「いやいや、だからってこんな所で土をムシャムシャ喰べても誰も気付きませんよ?」
俺一人だけびっくり。って言うか引きますけど…
「ふみぃ・・やっぱりガチレズ属性とかないとツンデレには勝てないんでしょうか…みくる無念 」
「あ、古泉よりは人気あるんじゃないですかね? 」
「あ、本当ですね。よーし!! 」
確認するように、朝比奈さんが古泉の方にすたすたと歩いていく。
──ん……?
急に、くるりと振り返るとこっちに戻ってきた。
「ヲトコじゃねーか!!」
男ですけどーーーーーー!!?
「しかも全然ガチレズ関係ねーじゃねーか!なんだよあの●は!わたしも●になれっていうのか!」
そんな…無茶な…
290 :
月光:2006/09/21(木) 01:27:26 ID:7ZDrGQVp
「やあ、今晩は」
よう、古泉。
「機関でいい海苔が取れたので持ってきたのですが、お一つどうですか?」
何で海苔なんだ?
あれか?機関は、昔、神人が田植えを真似て海に竹の枝を植えてるのを見て海苔作りでも始めたのか?
って、おいおい。なんだよ、このローカルなネタは?
まあ、古泉からとはいえど、せっかくの好意だ。貰っておくことにしよう。
パリッ
むっ……これは!!
「これはいい海苔だな 」
張りがあって、黒く。綺麗な正方形にカットされている。
「むっ!何ですか?その■。貸してください!」
こちらに気付いたらしく、朝比奈さんが振り向く。
「海苔じゃねぇかよ!!」
海苔ですけどーーーーーーーーー!!?
「ち、畜生!!もう!何故私はこんなに地味なんだ!こんなことでちゃんと歴史の教科書に載るのか!? 」
「朝比奈さん、頭に蛆か何かわいてしまったんでしょうか?」
「ハルヒみたいなインパクトが欲しいらしいぞ…」
「ぁ〜も〜やっぱり土だ!土喰うしかねぇ!赤土もってこんかい! 」
「やめて下さいって、意味不明なインパクトは……」
「じゃぁどうしろってんだ!?脱げってのか?よぅしもう全部脱いだろか?全裸で走ったろか!? 」
うわっ興奮してきた(性的な意味で)
いやいやいや、待て待て待て。ここは止めるべきだ。理性がギリギリの瀬戸際で俺を押しとどめる。
「止めてくださいよ!!!意味がわかりませんよ。」
「いや!!!むしろ全てぶっ壊してやろうか!!?」
ぶっ壊れた!!???
「チクショー!ぶっ壊してやるーーー!!どいつもこいつもーー!!! 」
「落ち着いてください朝比奈さん!!!長門、手伝え!!」
「無理。修正不可能なレベル」
*
291 :
月光:2006/09/21(木) 01:28:14 ID:7ZDrGQVp
「いったい何があったんですか?」
俺は朝比奈さんをなだめると、当然の疑問を投げかける。
「あたし……あたし……未来に帰れなくなりましたぁ……」
か細い朝比奈さんの声が事実を告げる。物悲しい真実を。
「どういうことだ?」
「我々は同じ時間を延々とループしているのですよ。8月17日から8月31日までをね」
古泉が大げさなポーズで嘆きの意を示す。
「うー、ええと……『禁則事項』が、『禁則事項』で、『禁則事項』がないので、『禁則事項』してみたんですけど、『禁則事項』でー」
涙交じりで朝比奈さんが答えるが、サッパリ分からない。
「どうすればいいんだ?」
「それが分かれば解決したも同然ですね」
クソっ……無意味と分かっていながら悪態をついて天を罵る。
「それで何回くらい僕達は同じ2週間をリプレイしているのですか?」
「今回は、2503回目に該当する」
否定を期待した長門の言葉は、悪夢の真実味を増すだけだった。
めぐるめぐる輪の中で、俺達はどこにも行くことが出来ない。
めぐるめぐる輪の中で、俺はたださ迷うことしか出来なかった。
えっと、ギャグマンガ日和?
ただでさえ長いのに、ここでto be continuedだぜhehehe
しかし、おっかしいなー……プロットを思いついたのがお盆で。
今日は大学の休みの最終日で、季節はすっかり秋ですよ。
どこで間違ったんでしょうね?
=月光=
〜NG〜
──♪死ね 死ね 死ね死ね死ね死ね死んじまえ 黄色いブタめをやっつけろ 金で心を汚してしまえ…
「もしもし…?」
「JASRACのものですが…」
俺は無言で電源ボタンを押した。
>>293 乙!ギャグマンガ日和キタwww他の曲名も知りてー。
あとみくるの壊れっぷりばびったよ。続き気体。
>>293乙!
「夏の決心」と夕方クインテットのテーマはわかった。
「夏の決心」超懐かしいぜ。
297 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 03:24:09 ID:2kKr5kIh
俺が書いてやる・・・。
>>862の生脚バニーの話は俺が書きたい・・・。
その前に銀魂のクロスオーバー完成させないと・・・。
最近仕事が忙しくて・・・。
すいません。sage忘れました。
タイムリープってまとめWiki内のドコ……
タイムリープ自体はタイムトラベルもののSF小説
ハルヒのパロ小説ではない 詳しくはググレ
で、タイムリープを元にして書いてるのが「時のパズル」というSS
場所は
>>272 を見れ
ずいぶん亀で既にスルーされた話題。それはわかっているのだが、誰も言わないので言ってやる。
>>256、あんたこそGJ!! (`・ω・)人(・ω・`)
>>300 タイム・リープの設定を借りてるけど、完成度はかなり高いから読んでみな。
所どころ変えてる所もあって、原作読んでた俺は、にやにやしながら読んでた。
改変物って言うけど、俺にはあそこまで上手くアレンジは出来ねえよorz
VIPもあなどれんよ
● < 頼れる仲間はみんな目が死んでるって、僕そんな目してますかー??
え、僕のことじゃない。よかったぁ。
…僕は頼れる仲間じゃないんですねーーー???
それにしても、喫茶店でアイスクリームに刺さっていた黄色い板を、
ウェハースだと思ってかじったらカラシだった!くらいのビックリ
舌休めが入ってますねw ちょっと、うろたえちまったです。
>>301 なるほど! そういうことか!
ぐぐったらなんか面白そうだったからアマゾンで買ってきた。
世の中に不満があるなら自分を変えろ。
それが嫌なら耳と目を閉じ口を噤んで 孤独に暮らせ
>>308 2章まで読んだ。
あとは原作みてからにする。
囁くのさ、俺のゴーストが
VIPのなら夏草も素晴らしいよ
夏草って、あのみくる壊れ系のやつ?
ちょっと、俺は駄目だったな。短くまとめられていたとは思うけど
唐突でゴメンだけど、アニメの谷口の自己紹介文わかる人っている?趣味が聞こえねえんだよバッキャロウ…⊃Д`;)
趣味はラジオdrftgyh
伊集院でも聞いてるのかね
ハガキ職人なんじゃねえの
>>313 俺もアレ好きだな。雰囲気がなんともいえん
ラジオならコサキンだろwwwww
じゃ、ラジオネームは「アイツエピローグ17歳」あたりで
/:: :: :: :: :: :: :: :: :: ::\
/:: :: ::/ \:\:: :: l:: :: :: ::ヽ
/:: ::l:_/ \r‐:-l:: :: :: :::ヽ
|:: /::| \:::l:: :: :: :: :l
|:: :|:|ヾ , -、、l:: :: :: :: |
|:: :| ,-ミ l::;;:il ヽ:: :: :: l
|:: :| イ::;;il ` |:: :: :: :|
|:: :|、 ` , ''' |:: :: :: |
ハ.:::ハ''' |:: :: ::/
ハ:: :ヽ、 - イ|:: ハノ
|:ハノー> ー l、|/ー- 、
r'ヽ ヽ / l // ヽ
i´ ヽ ヽ lヽ、 /l // - ´`l
/ ヽ ヽ i l | // i/ l
_/ l ヽ /、 /|// ヽ |
__/ / ヽ ` -´' .|/ l l
/ ___ __l ‖ ::::/. | | |
/ ´ ヽ / l ,‖ .::/ .::| | l
l // ̄∨ lヽ |::. .:/ .:::::| | l
>,// \ | |::. / | | l
/ ゝ\ ヽ、_ イ |:/ | l |
l \ ヽ\ |/ | ヽ l
ヽ -ー ゝ 、 ヽ\ | | .ヽ| `l
ヽ/:::::::::::::::ヽ\ ヽヾ|::. ..:ヽ ヽ ヽ
\::::::::::::::::::ヽ ヽ ヽ:ヽ >__, - 、ヽ_ ヽ
lヽ:::::::::::::::::ヽ l ヽ /r 'メ;;;;;/. . . . /ヽ-
|. .ヽ:::::::::::::::ヽ | |―― イヽ;;_;;_;;/. . . . /
|. . . ヽ::::::::::::::∨ , i i |、ヽ ;_;_/. . . . . . . . ./
|. . . . .ヽ:::::::::::::∨l l ト、|. . . . . . . . . . . . . . . / , - '::::
すまん、誤爆orz
弦エニシうぜええええええええええええ
>293
なんか改行の基準が一貫してなくね?
時のパズル読んだけど設定だけ利用して新しい物語作るならまだしも
プロット原作そのままでキャラだけ入れ替えただけじゃん。
初めて読む人が面白いって思うのは当然だよ、金賞受賞作なんだもん。
ここまでやるとパロディよりもパク(ry
>>326 確かに原作のプロットはそのままだよな。
てことは犯人はあいつになるのかね?てか最後まで原作そのままだったら萎えるな
どうかな?作者もそんな簡単に終らせるつもりは無いッて言ってるが
完結するまではあまり言わない方がいいと思う
>>326 同感
このSSが名作なんじゃなく、あくまでタイム・リープが名作ってだけ
しかもタイム・リープのストーリーラインに合わせるためにハルヒキャラの性格、変更しすぎ
性格や行動理念、能力がそのままでタイム・リープのストーリーを展開させることができたのなら、まだ評価できるのに
時のパズルに対しては同感だが、
なんでVIPに投下されたSSをエロパロで論じてるんだ?
それだけエロパロでアップされるSSが少ないってことでしょ。
涼宮ハルヒの憂鬱キャラクターソング
Vol4鶴屋さん Vol5朝倉涼子が某アニメ専門通販サイトで
発売予定にはいってるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!
最近ここも投下がすくなくなったなぁ…
批判ならVIPでやれば?
あくまでVIPでの作品なんだし
それでも俺は
>>862の生脚バニーに期待しちゃってるんですよ(`・ω・´)
一段落ついたな。あんまり早くてついていくのがやっとだったし。
>>333 夏も終わったしねぇ。
前出た体育倉庫の話が面白そうでまったり書いてるんだが
リアルが忙しくて全然進まない。
おかげでハルキョンが一週間肩車状態ですよ orz
色々言ってるけど、あれだけのアレンジが出来るかって言われたら俺は出来ないから。
原作読んだけど、あれ指示するよ。
オリジナルで創作する才能と
二次創作する才能って別の種類のものだからな
二次と二次を掛け合わせてあの面白さを創りあげるのも彼独自の立派な才能だよ
ここ投下するのなんか気が引けるんだよな
「コスプレAV男の乱」の影響が残ってるな・・・
>>342いつの間にあんなクダラン荒らしにそんな変態世界史的な名前が付いたんだwwwww
妙にマッチしてて思わず吹いちまったじゃねえかwww
ちょっと質問
カップリングものになっちゃう場合投下前にことわるべき?
多分ここに一度も投下された事無いのがメインの話なんだけど。
黙って作品だけ投下していちいちレスしないのが一番だよ。
そうやって訊いてくるのが一番ウザい。
>344
ここにあるもののほとんどがカップリングだろうと思われるが。
マイナーだったら一応明記した方が良いんじゃないか?
まあ、何かネタを仕込んでいて、それがバレるようであれば書かなくてもいいと思う。
前から思ってたけど、ここの住人は何様なんだ?
投下時は褒めて後で、批判しまくったり、それだけでは飽き足らず他の板の作品まで批判する。
おもしろい作品ならそれでいい。なんで、そう思えないんだ。
『ループタイム』の時からイライラしてたけど、もう限界だな。
お前らが、尊大過ぎるからここの板での投下は減ったんだよ。
黙ってっていってもいきなり始まったらさすがにあせると思うのは俺だけ?
投下前に一言もとい一レスほしいなぁと思う九月の小春日和の夜(わざと間違えるのがコツだ
>>344 どう?と聞かれても、
「一度も投下されたことがないネタがメイン」ってだけでは
提示されている情報が少なすぎて
OKともNGとも答えられない。
>>349 それだけマイナーなカップリングなので
投下するときは断りいれたほうが無難ですか、てことだろう。
ちゃんと嫁。
俺は別になくてもいいかなと思う。
>>344の文章を見て、あんまり期待できないと思った。
あくまで二次創作は趣味の範囲なんだから、自分の好きなものを書いて、
好きに投稿すればいいだけなのに。
なんで>344みたいな神経質な人とか、>347みたいな勘違いしてる人が出てくるのかな。
>344
もっと気楽に、自分の書きたいものを書けばいいと思うよ。
例えこのスレの住人にウケなかったとしても、別にあなたの価値になにか影響が
出るわけでもない。
皆さん、
>>2の誓いを思い出しましょう。特に、彼の魂の叫びを(二行目)
後は
>>350のおっしゃる通りかと。
一言質問することも許されないか?
いやな世の中になったもんだ
どんだけマイナーでも全然構わないと思うっさね!
でもBLと百合の場合はその旨注意が必要かなっ!
後は内容のジャンル次第っ!
読んでみてからのおっ楽しみっ!
……幼馴染みじゃないが。
相変わらずちょっとしたことで荒れるなw
スカトロ、陵辱、鬱、寝取られ、性転換も
事前注意無しだとさんざん荒れた過去……
何せここは縛りが多いよ。
おもしろけりゃなんでもいいんだよ
ネタとしてコレだけは言わせてくれ
どうして俺が帰ってくる時間になると荒れるんだ?
みんなまとめて帰ってくるからだろ
大丈夫。
どんなマイナーでもキョン妹×新川氏よりはメジャーだから。
>>359 それがお前の幽波紋能力。
362 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 00:53:36 ID:WXMqJ1gj
なんでエロなしでもええのん?
ここエロパロ板ちゃうん?
エロなしなら他のハルヒスレでやればいいんとちゃうん?
書かない奴はグダグダ言うなとかはなしで。質問なんで(´・ω・`)
>>361 え、そんなのがあったのか?
それは知らなかったわ。是非とも読んでみたい。
保管庫に入ってる?
>>362 エロコミック誌の明らかにエロくない漫画は不要だといいたいのか
>>362 散々既出
ぶっちゃけ言うとジャンル云々とかは読み飛ばせばいいと思う。
煽りはスルーでいいと思う。
結局読み手も書き手も敏感になりすぎなんだよ。 ここは。
なぁ、俺は後いくつテンプレを増やせばいいんだ?
366 :
344:2006/09/22(金) 01:07:17 ID:BKkUSEqD
質問にレスくれた皆さんありがd
気にしすぎだったのかな?
とりあえず投下の時は1レス使って最初に断りを入れることにするよ。
>>363 いや、ただの例えだから。
保管庫全てを読んでる訳じゃ無いから言い切れんが、多分探しても無いぞ。
……無いよな?
しかし書いといてなんだが、妹に攻められる新川氏ってどんなだw
>>366 まってるよー。
実は、スレ住人の中の人はたった一人なんだよ。つまり俺だ。
40台の携帯電話と、40台のパソコンとプロクシとプロバイダを駆使して、
長門的超能力で高速で自演してるんだ。
>>371 お前は俺なのか?異時間同位体とかいうあれか?それともまた別の何かなのか・・??
>>367 責められるというか、責めさせてあげるって感じならちょっとは想像できた。
妹の好きにさせていて、上からニヤニヤ妹を見ている新川さん・・・
>>371 じゃあ俺はレスしてから1分以内に俺自身に突っ込みを入れよう。
今でも思う。偶然だと信じたいと。
マジレスするとさっきの話は嘘なんだけど、
でもたまに、こういう掲示板を見ていると、自分がレスしたりされたりする相手って実はでっかいひとつのAIで、
自分はその中で踊らされているだけなんじゃないかと思うことがある。
(´・ω・`)にょろーん
>>375(`・ω・´;)にょっにょろ!?突っ込まれてるにょろ!
やっぱり俺の異次元同位体かはたまた超常的な何かやでっかいひとつのAIがあqあwせdrftgyにょろーん(´・ω・`)lp
なんだ、まだこんなとこ荒らそうって奴がいるのか。もう秋だぞ。
>>373 「オジサンのおヒゲ……ふさふさじょりじょりー」
「はっはっはっ、気に入って頂けて光栄です」
「うん……なんだかくすぐったくて、気持ちいぃの」
>>377 気をつけろ。きっと相手は三属性兼ね揃えた阪中さんだ。
襲われたら犬の話題で逃げるんだ、いいな。
……って雑談はさておき。
マイナーカポーは今から投下なんー?
キョン×阪中さんってマイナーカポーなのか…
そういやキョンって阪中さんのことなんて呼んでるんだ?
って言っても呼び捨てか「さん」付けのどちらかだろうけど。
今、手元に小説『憂鬱』しかなくて確かめられないから言い切れないが
上の方で出てた質問で、ハルヒの一人称は「あたし」だって言ってたけど
「あたし」って表現してるのは『憂鬱』だけだよな?
『憂鬱』ではみんな「あたし」って言ってるけど、以降「わたし」になってたような気がしたんだが。
そんな俺が今気になってんのは『消失』の朝倉一人称。
「わたし」になってたっけ?「あたし」のままだったっけ?
それとも大穴で表現がなかったとか。
亀だけど『時のパズル』読んできたよ。
なんつーかオレンジレンジみたいだった。
今すげーカップリング考えた
シャミセン×神人
シ「にゃー!にゃあみぃあ」
神「うぼーあー…んっ……」
>>382 溜息〜憤慨7冊ともパラパラっと見てみたけど、ハルヒの一人称は
目に付いた所全て「あたし」だった。
消失朝倉は「わたし」。
長門の家が火事になる話ってタイトルなんだっけ?
亀レスだが
>>337 あの時の俺が振ったネタをまだ考えてくれる人が居て俺は感動したお(´ぅω;`)
>>387 つ 長門週間(11-374)
これで合ってるはず。
>>386 dクス。勘違いだったか。
朝倉スレでこの話題に狙ったかのような突っ込みが入ってて笑った。
>>385 で、この場合は一体どっちの視点で話が進むんだw?
392 :
長門有希と月:2006/09/22(金) 11:24:54 ID:Xf329DuO
その日は新月に近いような、細い細い三日月がよく見える夜だった
急にまた、借りた本に挟まっていたしおりに導かれて俺は自転車を押して公園にやって来ていた
肌を撫ぜる涼しげな風に虫の音も聞こえてくる、もう秋なのか……
「少し遅くなった。待ったか?」
俺は呼び出してくれた本人にそう聞いた
「呼び出したのはこちら。私が待つのは当然」
無表情の長門が、そう静かに返した
「で、今日はどんな用だ?」
「あなたに頼みがある」
頼み? 長門が俺にか
長門がこくりとうなずくのだから、二重に驚きだ
俺なんかが頼まれることなんか、長門は普通にこなせそうなもんだが
「わかった。俺は何をすればいい?」
「そこで私のことを見てくれていればいい」
……なんのこっちゃ?
と思った瞬間、俺の心臓が飛び出るかと思った
ていうか、もう口から勢い良く飛び出したかもしれない
何せ、長門が俺の目の前で一枚一枚服を脱いで……俗に言うストリップを始めちまったんだからな
「ま、待て長門っ! いきなり何をして―――!」
「あなたは黙って見てて」
そう凄んで言われると、俺は急に勢いを失う
いや、ごく一部分はもの凄い勢いがついているんですけど
おぼろげな月明かりの下、長門の白い肌が映える
その儚げな美しさは、まるで芸術作品のようだが……これに匹敵するものを俺は知らない
長門は何も恥じることなく、制服を脱ぎ、靴と靴下を脱ぎ……と、順々に脱いでいく
下着も躊躇うことなく、肩口や足からするりと脱ぎ捨てる
一糸纏わぬ、生まれたままの姿の長門がそこに立っていた
薄いヘアーもわずかな膨らみとそこの突起物も、総てその目で確認することが出来る
どこも手で隠そうとしない、実に堂々としていて逆に恥ずかしがっている俺が惨めに思えてくる程だ
393 :
長門有希と月:2006/09/22(金) 11:25:34 ID:Xf329DuO
男子高生の俺としては非常に嬉しい光景だが、夜の公園という場所はまずい
誰か他の人間が来たらどうする気だ、俺も長門も通報されて補導か逮捕されるぞ
「大丈夫。あなた以外、ここには来れないようにしておいた」
……ああ、そんなことも出来るんだよな
なら、安心か……って違うだろ! 俺!!
俺が打開策も思いつかず目のやり場に困っていると、その上長門はぶつぶつと何かを言い始めた
「Santa Luna,Santa Strlla,fammi crescere questa mammella.(サンタ・ルナ、サンタ・ステラ、ファミ・クレセレ・クエスタ・マムッメラ)」
おい長門、どうしたというんだ
いい加減服を着てくれ、どこの国の言葉だそれは
現在俺の脳内では目のやり場には困ってるんだが、目を瞑るのも勿体無いって混乱し始めてる
そして、下半身は正直にその勢いを衰えず硬直を維持し続けてる
このままだと理性が吹き飛びかねん、目の保養を通り越して目の毒なんだ……わかってくれ……
しかし長門は相変わらず無表情で、俺の事を見て………………ないな
少し上目遣いで、俺じゃない……空を見上げている気がする
……先程の言葉を9回繰り返すと、そこで止めてまた服を着始めた
ちょっと惜しい気もしたが……いやいや何を言ってる、俺
ようやく下半身の勢いも衰えだし、クールダウンしてきたんだ
あっ、こら、思い出してんじゃない俺
394 :
長門有希と月:2006/09/22(金) 11:26:11 ID:Xf329DuO
……で、長門は結局何がしたかったんだ?
「ナポリの風習。女性が胸を大きくするのに、月の豊饒の力を引き寄せる」
どこから得た知識だ、それは
あれか、昨日だか一昨日だかに読んでいた分厚い本か?
えーと、題名は……『月世界大全』だったかな
「その為には月光の下で衣服を総て脱ぎ、呪文を9回唱える必要がある」
全身に月の光を浴びる為だけ全部に脱ぐっていうのか、どうかしてるぞナポリ市民
ぶつぶつ言ってたのは呪文だったのか、あれ
「―――意味は、『聖なる月よ、聖なる星よ、私の胸を大きくしておくれ』」
そりゃまたそのまんまだな、ていうか仮にも聖なるって付けてるお月様やお星様にそんなこと頼むなよ
「胸の成長は月が大きくなるのと歩調を合わせるそう。だから、次の満月には少なくとも涼宮ハルヒと同じぐらいにはなれるはず」
そうなのか? そんなにうまくいくもんなのか?
「実験では90%の確率で成功している。大丈夫、きっとうまくいく」
……まぁ長門がそう言うなら、そうなんだろう
にしても、俺がここに呼び出された意味がわからんのだが
「あなたは証人。今現在の私の胸の大きさと状態をしっかりを視認。そして、それが確実に大きくなっていくのを、日々……服の上からでもいい、確認してほしい」
そ、そうだったのか
って、俺である必然性が全く感じられないのだが
あ、そこで横目にそらすなコラ
……うーん、まぁ……何というか……その、えらい自信があるんだな?
「…………」
すまん、俺が悪かった
わかったから、もうそんなにらまんでくれ
「そう」
それだけ言って、長門は何事も無かったようにさっさと帰路についてしまった
ふぅ、まったくやれやれだ……
……そういえば長門は、どうして胸を大きくしたかったんだろうか?
本人にその理由も真意も聞けぬまま、俺はしばらく月と長門の顔を見るたびに悶々とし、眠れぬ夜を過ごすこととなったのだった
395 :
長門有希と月:2006/09/22(金) 11:27:47 ID:Xf329DuO
「……で、その……どうなったんだ?」
あれから半月ばかり経ち、確か今夜は満月のはず
ようやく落ち着いてきた話せるようになった俺が長門にそう聞くと、ほんのわずかだけ表情が揺らいだ
「……何の変化も見られない。おかしい」
ああ、つまり成功しない10%に含まれたってことか
嬉しいような悲しいような、ちょっと複雑な気分だ
まぁ巨乳の長門も見てみたかったが、今のサイズでも充分イイと思うぞ
というか、その身体は初めからそういう規格でそれ以上のサイズにはならないんじゃないか?
もしかしたら、ナポリでやってこそ意味があるのかもしれんしな
「うかつ」
長門はそれだけ言って、さっさと足を速めて先に行ってしまった
……で、結局何が長門をそうさせたんだろうか
まぁ、それを改めて聞いたら俺は間違いなく変態だ……
気を取り直して、俺もSOS団部室に向かうことにする
そろそろ巨乳でメイド服を着た朝比奈さんの、美味しいお茶の準備が整った頃だ
見目麗しゅう光景に、いつも・・・特に谷間とかについ目がいってしまうのは当然のことかもしれん
俺は軽い足取りで、部室へと足を進めるのだった
投下宣言と投下番号書くの忘れてた、すまん
ハルヒ作品で書くのは初めてなんで、お気に召したかどうか
本当は埋めネタのつもりだったんだが……
>>396 GJ。矢張キョン鈍杉www
次回からも良ければ宣言の上お願いします。
>>396 ナポリの風習とかイタリア語とか、あんた博識だな。
ついでに長門がそのまま現地に飛んだのかと思ったw
>>400 長門が行ったんじゃなくて、本に実験の記録が載ってたってことじゃ?
長門がいつになく「解読可能」な呪文を唱えだしたと思ったら
イタリア語だな。そういう風習自体は実在したの?
しかしまた、えらくエレガントな言い訳をつけましたな長門はw
野暮ツッコミ、お星様の綴りは stella だね。凡ミスタイプだけど。
>>403 そして解説の俺。
>>394 静かな主張だな、長門。
日々服の上から「触って」確認するのかと思った。
GJ
月の光はAiのメッセージ・・てなんだっけ? >392おちゅ
怪しいジャンルってなにさ?
たとえば谷口と国木田の絡みとか?
ちがうな、ハーレム状態の榊の話か
いじめてちゃんオーラ全開の成崎さんの陵辱ストーリーだ
SMスレ行ってきますわ
生徒会長×喜緑さんのSSが頭の中で浮かんではじけて消えた
FF12の改変物書いていてバルフレア登場辺りで挫折した
喜緑→生徒会長の二人称
生徒会長→喜緑の二人称
生徒会長の本性を知っているか
を誰か教えてくれないか?
わかりません。
わかりません。
喜緑さんに隠し事が出来るとは思えないのでおそらく知られている。
オフィシャルではどれも語られていないので適当にどうぞ。
順に
・「会長」
・「喜緑くん」
・ヒューマノイドインターフェイスがその程度を知らないなんてこと、あると思う?
因みに、「会長」 も「喜緑くん」 も表向き口調の時のものなのでその点注意。
#生徒会室の扉を閉める前と、資料を持ってきた時
非現実的なマンガにありがちな人間の意識が入れ替わるみたいなSSが頭に浮かんだ
キョンと小泉の意識と長門と朝比奈さんの意識が入れ替わり、
4人でなんとかハルヒにそれを悟られないようにするが、違和感ありまくりの日常が展開される…
みたいな感じ
「会長……」
「黄緑くん……」
「ちょwww黄緑ちがう喜緑wwwww」
「正直すまんかった」
「もう会長ったら!かぁぃい!」
>419
入れ替わりモノならガイシュツ
>>407 作品の枠を超え、古泉・抜水・天使で3P
…………怪しすぎるな
>>419 それ憶えている。
全く無表情の朝比奈さんが出てきた時はワラタ。
確か未完じゃなかったっけ?
424 :
超小ネタ:2006/09/23(土) 00:37:22 ID:fwzcybTN
ある男の涙
その男は屋上に居た。
男が通う高校の屋上。
その男の前には女が居た。
男と同じ高校に通う女。
教室では男が前の席で女は後ろの席。
男は涙をボロボロと流していた。
女はケラケラと笑っている。
その女の手には水鉄砲。
赤い水の入った。
唐辛子の水。
男は涙をボロボロと流した。
>>392-396 色々出てるようなので一応回答
単語スペルは凡ミスなので、保管庫とかに入るなら、そのときに直してくださると有難いです
どうせなら、ってことで小ネタ風に
>>400-401 長門「あれは『月世界大全』という本の217ページに出ていたもの。実際にナポリに行ったわけでも、やっているところを見たわけでもない。
他にも興味深いことが書かれていて、ユニーク。あなた達には鏡リュウジの翻訳版を勧める」
キョン「長門よ、本に出ている知識を鵜呑みにしちゃいけません」
長門「…………」
>>404 長門「……うかつ」
キョン「ちょっと待て、長門。やめなさい。もっと自分を大切にしなさい」
長門「あなたなら別にいい」
キョン「…………」
長門「実はそれも考えていた。しかし、そこまで要求すると引かれてしまう恐れがあった」
キョン「夜の公園に呼び出しておいて、いきなり全裸になるっていうのは引かれないっていうのか。
どうなんだ、長門……あっ、こら、目を逸らすな」
>>406 長門「月にはデイヴィットがいるの?」
キョン「長門、ベタだがA.I.じゃなくて愛な。セーラームーンか?」
長門「……あなたがどうして知ってるの?」
キョン「いや、有名だし妹も見てたから……その、な? 決して、他意があったわけではなくて……」
長門「月に代わっておしおきして……いい?」
キョン「やめてくれ。何が気に食わなかったんだ。
俺がセーラームーンなんて知ってたからか、胸を大きくしてくれなかった月の代わりに俺で腹いせする気か」
長門「両方」
キョン「ちょ、ま……アーッ!!」
>>425 この二人だとたいてい漫才になるな……(笑)
書く人が違えばアプローチも変わる。 これ基本。
あとはどこまで自分の想像をのせて書けるか。 綺麗に出来上がったらうれしい事この上ない。
なんだかんだ言ってもテーマがカブっても内容がカブる事は結構ない。(例 憂鬱の朝倉呼び出し) どんどん書いていこう。
とにかくネタが思いついたのなら書いてみる。 やらなくて後悔よりもやって後悔。
怪しいジャンルと思っても冒頭に何系(エロ、非エロ、純愛、陵辱、ネタ等)か記入していれば読み飛ばせばいいし、それに対する煽りも荒らしと思えばいい。
読み手も書き手も大切な人です。 空気を読めない批評家とボクはお帰りください。
SSを書くのは個人の自由。 ただ続きものは忘れ去られる前に書きましょう。(自分でもあらすじを忘れる可能性アリ)
あくまでエロとパロの板なのでエロ抜きでもOK。 ただエロのほうが需要が…
荒れてきた場合は話を他の方向にもって行きましょう。 そんな状況でもSSが投下されると一気に空気がよくなる。 ある意味特効薬。
リクエストは問題ないけど拾ってもらえるかは期待しない。 しつこい男は嫌われるよ。
…と今まで思ってたことを書いたらテンプレみたいになっちまった。
28章-450 『涼宮ハルヒの日常』 続き 22レス
「疲れた」
帰宅しかばんを放り投げベッドに突っ伏した俺の口から自然と言葉が漏れた。
ベッドの上で丸まっていたシャミセンが迷惑そうににゃうんと鳴く。悪いな、邪魔して。
普段着に着替える気力もない。ごろんと仰向けになるとすぐにまぶたが重くなる。
晩飯はまだだし、一眠りするのも悪くないか、などとぼんやり考えながら、意識が夢の中へ沈んでいった。
ちゅっ。
「ん……」
眠りの淵から徐々に覚醒していく。微妙に頭が重いのは、疲れているからか。
頭を振りつつ身を起こした俺がぼうっとベッドに腰掛けていると、
「キョンくん、晩ごはんー」
横手からいきなり妹の声がした。いつの間に部屋に入ったんだ?
顔を横に向けると、シャミセンを抱いた妹がにへらっと笑っていた。
いたずらが成功したような笑い方だな。顔に落書きでもしたんじゃないだろうな。
顔を撫で回す俺を見ていた妹は、
「キョンくんってふしぎー」
「何がだよ」
「にゃははー」
質問に答えずアホみたいな笑い声を上げたかと思うと、シャミセンを抱えたまま部屋を出ようとする。が、
「あ」
言い忘れていたことがあったのか、扉を開けたところでくるっと振り返った。
「おかあさんがお弁当箱持ってきなさいって」
「ああ」
返事する俺に満足したのか、
「シャミー、シャミー、ごはんだにゃあ」
妹は自作のごはんの歌を歌いながら部屋を出て行った。
起きぬけで食欲はあまりないんだが、食うもんは食わないとな。
背伸びをひとつして、放りっぱなしだったかばんを拾い上げる。何か忘れているような。
記憶の糸を手繰りつつ、手はかばんを漁り、目的の物を探り当て――
「うっ」
ずっしりと手が感じた重量が、俺の記憶の糸を一気に手繰り寄せた。
なんてこった。おふくろが作った弁当のことをすっかり忘れちまっていたとはよ。
一瞬、このまま突き出そうかとも思ったが、何を言われるかわかったもんじゃない。
今日はもう、これ以上の厄介事は願い下げだった。仕方ない。
「……食うか」
晩飯が控えている状況に思わず嘆息をつくと、俺は箸を取り出した。
弁当を速攻で平らげたあとに晩飯も腹に入れるのは、寝起きの胃には非常に辛かった。
しかし俺はおふくろに余計な気を回させないよう、やってのけた。孝行息子と呼んでくれ。
メシ食ったらフロだ。今日の疲れを洗い流して明日に備えないとな。
タオルを引っ提げて浴室に入り、椅子に座る。こっからは流れ作業だ。俺はボディソープを手に取った。
「ふう」
体を洗って頭も洗う流れ作業の末に、俺は湯船に浸かっていた。
あふれ出る湯の音が心地いい。気が緩む。今日初めて心の底からリラックスできている気がする。
腕を湯船の縁にもたれ掛かるように広げ、中空に上がる湯気を眺める。
「今日は色々あったな……」
起床直後はなかったこととして、鶴屋さんのショーツも拝めたし朝比奈さんの白い三角形も拝めた。
喜緑さんのブラと谷間、ふとももには目を奪われ、抱きつかれたときの感触や匂いもたまらなかった。
ハルヒはやっぱりグラマーだったし、不本意ながら顔を上向けて目を閉じたときの顔は可愛かった。
朝比奈さんに抱きすくめられたときに後頭部が感じた柔らかさは、最早感激物と言ってもいいだろう。
耳に息を吹きかけられたことも、こうして振り返ってみると天にも昇るような出来事だ、って、
「エロいことばっかじゃねえか」
自嘲してみたものの、俺も健全な高校生であるからして、浮かんでくるのはそんなのばかりだった。
もちろん弁当をくれた阪中や長門を忘れているわけではないが、いかんせん刺激的過ぎた。
そして体の一部が健全な高校生らしい反応を見せても仕方のないことだと思われる。
「……」
とりあえず、立ち上がった、足でな。息子さんは疲れとは関係ないのかとっくに勃起している。
やるか。こうなったらやるしかないよな。俺は湯船から上がって椅子に再び座った。
普通なら部屋でブツでも見ながらすべきなんだが、シャミセンがウチに来てからというもの、油断すると
妹が部屋にやってきてご対面、なんて可能性もあった。実際、もう妹は寝ただろうと見越して始めたときに
寝ぼけた妹が部屋にやってきて、危うくバレそうになったことがある。それ以来、風呂場も活用していた。
当然風呂場にブツなど置いてあるはずもないため、使うのは俺の頭の中に住んでいる妄想さんだ。
手を添えて、妄想に身を委ねる。刺激が多かったからか、すぐに妄想が形になった。
本人が知ったらどう思うかわかったもんじゃないが、
『キョンくん』
妄想は朝比奈さんの姿形をしていた。すみません、朝比奈さん。
『キョンくん、何を謝っているんですか?』
下着姿の朝比奈さんが嫣然と微笑んでいた。
『あ、もしかしてわたしでエッチなことしようとしているんじゃありません?』
少し怒ったそぶりを見せてから、蕩けるような笑みを浮かべる。
『キョンくん、エッチなんだから、もう』
朝比奈さんが近寄ってきて、耳元に息を吹きかけた。
熱っぽい吐息のあとに、唇が耳に触れるぐらいの距離で囁く。
『でもキョンくんなら許してあげます。わたしの身体でしちゃってください』
そう言って顔を離した朝比奈さんは、後ろに回ると背後から抱きついてきた。
柔らかい感触が後頭部に押し付けられる。
『わたしの胸、気持ちいいですか? 触ってみて』
朝比奈さんの手に導かれて、後ろ手に双丘へたどり着く。
『んっ……そう、でももう少し優しく、ね?』
胸を揉まれた朝比奈さんがやんわりと諭す。
『あふっ、キョンくん、そこ、そこをもっと揉んでくださぁい』
しばらく嬌声を上げ続けた朝比奈さんは、上気した顔で肩口から顔をのぞかせた。
『わたしばっかり楽しむのもずるいですよね』
そのまま正面に回りこんできて、体育座りの姿勢でぺたっとお尻をつける。
見せ付けるように脚を開くと、白い三角形があらわになる。
『どうですか? もっと近くで見てもいいんですよ』
三角形が近づく。ふとももの付け根との境界線がいやらしい。
『キョンくんに見られていると思うと感じちゃいます……』
頬を赤く染めた朝比奈さんが、手を顔に当ててうつむく。
『あんっ、やだ、息を当てないでくださ、ひゃんっ、うう』
身体を捩じらせて快感に耐えていた朝比奈さんは、
『もうっ、わたしだってやられてばかりじゃありません!』
膝を着くとお尻を揺らしてにじり寄ってきた。
『うふ。わたしでこんなに大きくしてくれているんですね。うれしいです』
朝比奈さんが手を伸ばして掌におさめる。
『熱い……これがキョンくんのなんですね……』
もの欲しそうに潤んだ瞳でじっと見つめてから、朝比奈さんは軽く手を上下させた。
『わっ、びくって跳ねました、いま』
少し驚くも、楽しそうに再びこすり出す。
『これで気持ちよくなってもらえているといいんですけど』
すごくいいです、朝比奈さん。
『そうですか? それならもっとがんばっちゃいます』
朝比奈さんがこする速度を上げる。朝比奈さんにしてもらっていると思うとすぐに込み上げてくる。
『イッちゃいそうですか? キョンくん』
汗を滴らせながら、朝比奈さんが聞いてきた。うっ、もうそろそろイキそうだ。
『イクならわたしの胸にかけて……』
朝比奈さんが激しくこすりながら胸を寄せてくる。星型のホクロが見える。
限界に達しようとしていた俺は、朝比奈さんの胸目掛けて熱い精子をぶちまけ――ガランっ。
「ねえ、キョンくん。わたしもいっしょにおふろ入――え」
俺が今にもイキそうなところに乱入してきたのは、裸の妹だった。
妄想の朝比奈さんが掻き消える。残ったのは息子に手を当てている俺だ。
妹はまじまじと俺と脈打つ局部を見比べていたが、振り返ると、
「おかあさーん、キョンくんのおちんちんがはれて大きく」
「だああっ、余計なことを言うな!」
手が届く位置だったため、座ったまま慌てて妹を浴室の中へ引っ張り込む。
「ひゃうっ!」
引っ張られ濡れる床に足を滑らせた妹が、支えを探そうと手をばたつかせ、
「うあ」
俺の息子を握り締めた。妹のひんやりとした柔らかい手が刺激してくる。
妹が来なかったら数秒で発射していたであろう俺は刺激に耐え切れず、
「きゃんっ!」
盛大に射精してしまっていた。
射精の快感を覚えながらも、俺は呆然としていた。
俺はイク際に「きゃんっ!」などという悲鳴を上げたりはしない。普通、無言だ。
その声を上げたのは、ビクンビクン跳ねるペニスからほとばしる精液を顔に受けた、
「キョンくんなにこれぇ」
妹だったのだ。
顔どころか上半身を白く汚した妹は顔に付着した精液をすくい取って鼻に近づけた。
「うえー、変なにおい」
まだ立ち直れていない俺をよそに、妹は精液を見て首を傾げる。
「これ、キョンくんのおちんちんから出たよね。白いおしっこ? キョンくん病気なのー?」
「いや……」
ようやくそれだけうめいた俺だったが、妹は違う部分に注目していた。
「あ、キョンくんのおちんちん元に戻った。よかったねー」
無邪気にはしゃぐ妹を見ながら、俺はどうしたものかと思っていた。
事故とはいえ実の妹に顔射した兄。最低である。朝よりひどい。
とりあえず、したくないが説明だけはするしかないか。
うっかり口でもこぼされたら、俺の人生が終わるのはともかく、妹にも迷惑がかかる。
ちらっと妹の裸を見る。毛すらまだ生えてない。つるぺたなのは言うまでもない。
性教育は最低あと一年、早い気もするが、仕方ない。
「洗い流すぞ。それからちょっと話がある」
シャワーを手にした俺は、妹に声をかけた。
説明は難航するかと思われたが、意外と小学生というのは進んでいるらしい。
「それくらい保健で習ったもん」
体をきれいに洗った妹は男の生理現象を説明する俺にあっさり理解を示した。
「じゃあ、なんで珍しそうにしてたんだよ」
「見たのは初めてだったから」
そうだろうな。初めてじゃなかったら、おふくろが卒倒するぞ。
妹は子ども扱いされたと思ってか、怒って顔を膨らました。
「わたしはまだだけど、ミヨちゃんとか生理きてるんだよ!」
「ミヨキチが?」
確かにミヨキチなら来ていてもおかしくないが……いや、これ以上深入りはやめておこう。
生々しすぎる。
「ほれ、湯船に浸かって百数えなさい」
「むー。キョンくんもいっしょに入るの!」
「わかったわかった」
ここは妹に従っておくのが無難だ。新たな弱みを握られてしまった俺はうなずき、唯々諾々として従った。
「――で、なんでお前と一緒に寝なきゃならないんだ?」
風呂から上がり寝巻きを着て自室に戻った俺に「いっしょに寝る」とパジャマ姿の妹が宣言してきた。
当然、俺が疑問を呈しても不思議ではあるまい。それに対する妹の返答は、
「なんでも」
取り付く島がないとはまさにこのことだ。子どもってのはどうしてこう、頑固なんだろうな。
あまり付け上がらせるのはまずいと思いながら、今日のところは折れておく。
「俺は宿題を片付けないといけないから、先にベッドに入ってなさい」
学年末が近いとはいえ、まだ宿題はあった。平常点ぐらい取っておかないと、シャレにならないからな。
「はーい」
元気よく声を出して、妹がベッドに潜り込む。シャミセンがそんな妹をからかうように上で跳ねた。
「きゃっ、シャミー、くすぐったいー」
シャミセン、しばらく妹の世話を頼む。俺は机の上に広げた教科書に集中することにした。
そう量も多くない宿題が片付いたのは、一時間ほど経った九時半過ぎのことだった。
普段ならまだまだ就寝する時間ではないのだが、今日は疲れもたまっているようだから寝ておくか。
途中から部屋が静かになったことに気付いていた俺が振り返ると、
「すぅ……」
やはりと言うべきか、妹は睡魔に負けてとっくに夢の住人と化していた。シャミセンご苦労。
電気を消し、俺も妹を起こさないようにベッドに滑り込む。手狭になったからか、シャミセンは
ベッドの下に潜り込んで寝ることにしたらしい。億劫そうにベッドから降りた。
俺は妹の安らかな寝顔に一言、
「おやすみ」
と告げると目を閉じた。押し寄せる睡魔に抗う気などなく、俺も数分後には妹と同居していた。
「むにゃ、キョンくん大好き……」
「生徒会書記としての立場は建前で、あなたを今日ここに呼んだ理由は、本当は……」
残りの言葉を余韻に残して口を閉ざし、喜緑さんはまぶたを伏せ顔を上向けた。涙が頬を伝って流れる。
俺は喜緑さんのつややかな唇に目が釘付けになっていた。それしか見えなかった。
魔法にかかったかごとく抱く力を強めると、俺は顔を少し傾け、目を閉じて、顔を寄せ――
「ん……」
唇と唇が合わさった。ほのあたたかく柔らかい感触が伝わってくる。
夢中で喜緑さんの唇を味わいつつ目を開けると、喜緑さんも惚けたように見つめ返していた。
揺れる瞳の色に、俺はさらに唇を重ねる。さっきよりも荒々しく。
「んっ、んん……ぅん」
喜緑さんもおずおずと、それから積極的に応じてくれる。いつしか舌と舌とが絡み合い、淫らな音を
出すようになっていた。俺の首に回された喜緑さんの腕から力が徐々に抜け、代わりに俺が
完全に喜緑さんを支える形になる。顔を離すと、唾液が糸を引いた。
「はぁ、はぁっ、はぁ……うれしいです」
しばらく胸を上下させていた喜緑さんが潤んだまなざしと共につぶやいた。
「喜緑さん、俺なんかでいいんですか?」
俺の問いかけに喜緑さんは、言葉の代わりに優しくついばむキスを頬にくれる。触れた部分が熱い。
そのまま耳元に唇を這わせて、そっと囁いてきた。淫猥な誘いを。
「わたしを抱いてください……」
言葉が麻薬のように脳に染み込み、危うかった均衡が崩れる。頭の中が真っ白になった。
「喜緑さん!」
欲望に衝き動かされた俺は、喜緑さんを思いのままに押し倒した。喜緑さんの身体を間に置くように膝をつき
片手を顔の横について身をかがめる。乱暴に唇を奪うと、喜緑さんも熱い吐息と舌で応えてくれた。
喜緑さんの口腔を蹂躙しながら、空いた手がもどかしく喜緑さんの制服に伸びていく。手探りでリボンを
探し当て解くと、ハルヒが朝比奈さんに以前やっていたように肩から制服を脱がせようとした。
しかし女物の制服の勝手がよくわからない。どうやって脱がせればいいんだ? 理性が戻り焦り始めた俺に、
「んぅ……んっ、自分で脱ぎ、ます」
喜緑さんがキスを止めて申し出てくれた。素直に従う俺の下で、喜緑さんが身じろぎをする。把握した俺は
喜緑さんを助ける形で腕を地面と喜緑さんの身体の隙間にもぐりこませ、身を起こす支えにしてもらう。
半身を起こした喜緑さんは、肩を狭め腕を抜き取り器用に制服を下ろした。腰の辺りに制服がだぶつき
それがまた絵も知れぬ淫靡さを醸し出す。白いブラジャーが映え、その下のふくらみに目がいってしまった。
ブラジャー姿になった喜緑さんは、両手を後ろに回しかけたところで、俺のそんな視線に気付いたらしい。
「外して、もらえますか?」
上目遣いで懇願されるほどそそるものはない。言葉を受け、俺は顔を上気させた喜緑さんの背中に手を回して
ホックに手を掛けた。喜緑さんも俺の首元に手を伸ばし、ネクタイを緩めにかかる。互いに互いの衣服を
脱がせつつも、自然と顔を寄せ合い、キスに移行していた。喜緑さんの唇といつまでも触れ合っていたかった。
一応支援
「あまり見ないでください……」
胸元を手で隠した喜緑さんが、俺の無遠慮な視線を受けて顔を逸らした。
小脇には脱ぎ捨てられたブラジャーやネクタイが散乱している。ブレザーは喜緑さんの柔肌を
傷つけないよう、地面に敷いてあった。俺はボタンを上から二つ外したワイシャツ姿だ。
俺は無理に喜緑さんの手をのけようとは思わなかった。それよりも、顔を逸らせて覗いた
うなじの色っぽさに欲望をくすぐられる。思いのままに顔を喜緑さんの首筋に寄せて、唇を押し付けた。
「ひぁ」
短い声とともにびくっ、と喜緑さんの身体が跳ねる。妙に色っぽい。喜緑さんの驚きの声が俺には新鮮で
もっと聞きたいという思いを強く喚起させた。首筋から肩のラインにかけて、執拗に責める。
「ふぁっ、ああん」
徐々に艶を増す喜緑さんの声がますます俺を刺激してきた。舌も使って喜緑さんの肌を愉しむ。
少し汗ばんでいた喜緑さんの肌は、ほんのりとした味を舌に伝えてくる。うなじに顔をうずめて
息を吸うと、甘酸っぱい喜緑さんの香りが鼻腔を通り抜けた。先程のお返しに、耳元に囁く。
「喜緑さん、いい匂いです」
喜緑さんは顔を真っ赤にして、無言のまま俺の腕をやんわりとつねってきた。
つねられた腕が心地いい。甘える喜緑さんの仕草は、暗に先を求めているように思えた。
喜緑さんの要求に応えようと思った俺は、顔をうずめたまま手をゆっくりと喜緑さんの乳房に伸ばす。
「っ」
健気にもまだ手で胸元を隠していたのか、喜緑さんの手と手が触れ合った。喜緑さんの喉が軽く鳴る。
一瞬、身体を硬直させた喜緑さんだったが、
「……して、ください」
言葉と共に手をどけてくれたのか、ワイシャツ越しに喜緑さんの手の感触が残った。
その手つきは俺の身体を撫でるようないやらしい手つきで、あまりに淫猥であえて意識しないでおいた
勃起中の下半身が痛いぐらいにズボンを押し上げる。が、気持ちは喜緑さんの乳房に向かっていた。
改めて手を伸ばす。柔らかいものに行き当たるのを期待していたが、手が擦れたのは想像より固……い?
「ひぅっ!」
剥き出しの背中に蜘蛛でも降ってきたような奇妙な声を喜緑さんが出す。もしかしてやっちまったか?
顔を上げた俺が目にしたのは、咎めるように少し冷めた視線だった。
「いきなり乳首は……刺激が強すぎ、です……」
「す、すみません」
平謝りに謝り倒す俺に、喜緑さんは顔を逸らせつつ、まぶたを伏せた。
「恥ずかしいですけれど、ちゃんとわたしを見て、してください」
身を起こした俺の視界には、喜緑さんの白い肌と双丘が映し出されていた。
ツンと立ったピンク色の突起が目を引く。むしゃぶりついて舐め回したい。そう俺の本能が告げる。
しかしさっきの冷めた視線を忘れるほど俺の理性は飛んじゃいなかった。それに喜緑さんの形のいい乳房が
俺を誘っている。ならば俺のすべきことは、ひとつだった。
「きれいなおっぱいです、喜緑さん」
「そ、そんな恥ずかしいこと言わな、あぁんっ」
乳房に手をかけた俺に、喜緑さんがせつなく身を震わせる。漏れ出た声がかすれがちに尾を引いた。
下から優しく搾るように指を絡ませると、喜緑さんの乳房がたわんだ。ふにゅっ、と柔らかい触り心地が
指にまとわり付く。生暖かい。力を加えると、先端の突起がますます強調されて見えた。
「はぁっ、なん……で、いつもはこんな、ひぁっ、こんなに感じない、のに……」
乱れる喜緑さんに、嗜虐心を煽られる。乳房を揉みしだきつつ、声をかける。
「いつも自分でおっぱいを揉んでるんですか?」
「なっ……そん、あぁっ、い、言わせない、で」
かぶりを振っていやいやする喜緑さん。その仕草は肯定しているに等しい。
気をよくした俺は、少し力を強め乳房の弾力感を愉しむ。
「なるほど。だからこんなに感度がよくて柔らかいと」
「い、やぁっ……あまりつよ、ひゃっ、強くされる、と、わたし」
「どうなるんです?」
と言いつつ、わざとさらに強く力を込め、乳首も人差し指でそっと撫でた。
「――ぁっ!」
喜緑さんが声とは言えないような音を漏らして、目を見開いた。口も開いたまま、声を発しない。
四肢がぴんと伸びて、硬直した。
自失したかと思うほど喜緑さんは固まっていたが、息継ぎと共に失っていたものが戻ってきた。
「っはぁっ、はぁっ」
荒い息をついて呼吸を整える喜緑さんに、聞いてみる。
「気持ちよかったですか?」
「……いじわる」
返事は目尻に涙を浮かべた喜緑さんの拗ねた物言いだった。いじらしい姿に征服欲が湧き起こる。
いい加減、我慢していたが限界だ。喜緑さんに覆いかぶさる。
「やっ、あふぅっ!」
おもむろに乳房に吸い付くと、喜緑さんが甘い声をついた。舌で乳首を探し当て上から下からねぶる。
乳房の柔らかさとは対照的に、張った乳首は舌に存在を主張してきた。甘い匂いが鼻をくすぐる。
舌先で転がしては音が立つぐらいに強く吸い付き、軽く乳首を甘噛みしてもみた。
「あっ、吸っちゃだ、だめっ、あぁっ!」
甘噛みにこらえきれず喜緑さんが一際大きな喘ぎ声を上げる。断続的に響く声を耳にしながら
俺は喜緑さんを跨ぐ姿勢から片膝を動かし体を喜緑さんの脇にどけ、手を下のほうへ持っていく。
だぶついた制服を越え、スカートの中へ潜る。つつっと太腿をなぞり、やがて喜緑さんの下着に辿りついた。
擦り付けるように脚を合わせていた喜緑さんに割り込み、指を中心部分に這わせる。
そこはショーツの上からでもわかる、じっとりとした濡れ具合だった。
湿った喜緑さんのあそこに、俺は抑制していた理性が緩むのを自覚した。これでもよく持ったほうだ。
乳房を責めるのをやめ、顔を上げる。喜緑さんの乳房は、吸い付いていた部分が赤らんでいた。
「あぁんっ、も……もうやめ……え?」
喘いでいた喜緑さんが、突然責めが止んだことに疑問を投げかけるも、
「ぁあっ!」
ショーツを撫で上げると再び嬌声をあげて腰を浮かした。濡れている部分をショーツ越しにさすって
刺激しつつ、俺は喜緑さんの太腿を割るようにゆっくりと片膝を入れた。ついでもう片方の膝も。
股を割って入りスカートをめくり上げると、ブラとお揃いの白いショーツが現れる。
もっとも白いと言っても、分泌液で濡れた部分は半透明になっていて、それがまた淫靡さに華を添えていた。
顔をうずめる前に、喜緑さんの表情を窺う。首をもたげてこちらを見ていた喜緑さんは、自分がおかしく
なるんじゃないかという不安感と、もっと快感を得たいと思う貪欲な心が同居しているように俺には思えた。
揺れる喜緑さんの表情に昏い愉悦を覚えながら、俺は喜緑さんの太腿に手を置く。
「あ、あの、ズボンを下ろさなくてもいいんですか……?」
見当違いのことを言う喜緑さんへの返事として、半透明の部分に口付けをした。
「ひっ! そ、そんなと、こっ……汚いの、あぁっ、に……やめっ」
喜緑さんが制止の言葉らしきものを言うが、俺は喜緑さんを味わうのに夢中だった。
汚いかどうかはともかく、甘さとも甘酸っぱさとも違う女の匂いが俺をひどく興奮させてやまなかった。
鼻面をショーツにぐりぐり押し付けて匂いを堪能し、口は愛液で濡れそぼったショーツ越しに喜緑さんの
女の部分を圧迫する。喜緑さんの声のトーンが一段と上がった。
「どうして、ああ……わたし、腰が勝手に、動いて、止まらなくて……」
顔を押し付ける行為に最初は戸惑い半分だった喜緑さんも、いつしか腰を押し付けて自分から
快楽を得ようとしていた。締め付ける太腿に窒息死されないように押さえ込まなければならなかったほどだ。
そうして喜緑さんを感じていた俺だが、当然欲求が込み上げてきた。そして抑える必要もなかった。
「喜緑さん、直にさせてください」
端的に言い俺の唾液と喜緑さんの淫液でぐしょぐしょになったショーツに手をかけ、勢いよく下ろした。
茂みがまず目に飛び込み、先程まで俺がショーツ越しに刺激していた箇所もあらわになる。
乳首と同じような色合いのそこは、愛液に濡れて卑猥さが増していた。愛液の量の多さに茂みの一部が
べっとりと張り付いているのも、性欲を湧き立てる。
「お願い、します……わたしももっと、気持ちよくなりたいです」
喜緑さんも素直に心情を吐露する。自分の状態を一番わかっているのは喜緑さん自身に違いない。
気持ちを確かめ合い、俺は喜緑さんに顔を寄せて、愛液まみれの部分に触れた。残り少ない理性も
かなぐり捨て、喜緑さんを思うがままに味わう。むわっとむせ返るような女の匂いを出すそこを舌で
舐めると、喜緑さんの肢体が突っ張り、喜悦の声を出した。滾々と溢れ出る愛液も舌で舐め取る。
指で割れ目を広げると、濡れててらてらと光る内部がのぞいた。舌を差し込み、愛液を掻き出す。
憑かれたように貪り続ける俺に、喜緑さんも絶え間ない喘ぎ声で応えた。
粘膜と粘膜の触れ合いがぴちゃぴちゃと淫猥な音を立て、二人に興奮を呼び起こす。
互いに限界寸前だった。
「わたし、わたし、もう……」
喜緑さんの哀願に呼応し愛撫を止めて立ち上がり、ベルトに手を掛けた。脱ぐ時間すら惜しいぐらい
乱雑にズボンを脱ぎトランクスも一気に下ろす。屹立したペニスが顔を覗かせた。
「それが、わたしの中に……?」
出てきたものを見て、喜緑さんは不安を隠せないようだった。
しかし俺に行動を委ねてくれたのか、じっと横たわったまま俺を見上げていた。
喜緑さんの視線を受けながら俺は再び膝を着き、股の間に割って入る。
「挿れる前に……」
滑りをよくしておこうと、喜緑さんの濡れた中心部に擦りつけた。
「あっ、熱い……それに、はぁんっ、わたしのと擦れて、ヘンな、感じ……」
「……気持ちいいです、喜緑さん」
今までがずっと責める立場だっただけに、ぬめぬめとした喜緑さんのそこと擦り合わせただけで
頭の中がからっぽになりそうだった。淫液が絡みつき潤滑油の働きをして、徐々に擦れる速度も上がり
滑らかになっていく。先走りも出ているに違いない。二人の分泌液が摩擦で白く泡立つ。
だめだ、気持ちよすぎる。まだ中に挿入もしていないのに、射精感が込み上げてきた。まずい。
このままだと挿入前に射精してしまうと察した俺は、動きを止めた。
「あ……」
喪失感を覚えてか、喜緑さんが物欲しげに濡れた瞳を向けてくる。最初の不安はどこかへ
飛んでいってしまったらしい。続きを求める女の媚びを漂わせていた。
「いきます」
「はい……う、くぅっ」
挿入の準備が整った俺は、喜緑さんに一声かけてから挿入を開始した。
少しずつ喜緑さんの中へ入っていく。受け入れる喜緑さんは、さすがに苦しいのか
我慢するように目をぎゅっと閉じて、耐えていた。挿入している俺も、中の狭さと締め付けにうめく。
どろどろの愛液と肉が熱を持ってまとわりつき、俺を絞り上げようとしていた。
それでもなんとか、根元まで挿入を終える。
「大丈夫ですか?」
俺の言葉に、喜緑さんはゆるゆるとまぶたを上げた。
「……中が、いっぱいで……少しきついです」
弱々しく微笑んだ喜緑さんは、手で俺の頬をそっと撫でる。
「でもなんだかうれしくて……あったかくて……だから、平気です」
喜緑さんの返事を聞いて、俺に急に感情が押し寄せてきた。愛しい、と思う心が。
つながったまま顔を寄せ、俺は喜緑さんにキスをした。喜緑さんも、優しく受け止めてくれた。
しばらく唇を合わせたまま、時が過ぎるのに身を任せる。
そして二人の呼吸を合わせて、俺は腰を動かし始めた。
「あぁっ、動いてる……はあっ…ん……」
ゆっくりと出し入れを始めると、喜緑さんの瑞々しい唇から音が次々と発せられる。
抑えきれなくなった快楽に身を任せた喜緑さんは、ふわりとした髪を揺らしながら全身で
快感を味わっていた。汗で首筋に張り付いた後れ毛が見え隠れする。動きに合わせて乳房が
小刻みに上下し、喜緑さんの手は、細い腰をつかんでいる俺の手と重なるように置かれていた。
喜緑さんの快感を示すように、締め付けがますますきつくなって、俺の射精欲も高まる。
「どう……です、か?……あんっ、わたしの中、は」
喘ぎながら淫らな問いをする喜緑さんに、俺は徐々に速度を上げながら、答える。
「すごく熱くて、たまりません」
俺の返事に、喜緑さんは淫蕩に染まったとろんとした瞳で俺を見てきた。
「わたしも、熱くて……は…ぅんっ、太いのが、奥を突いて……」
うわごとのように言いつつ、重ねられた手に力を添えてきた。
「もっと、あぁんっ、感じさせて……壊れるぐらい、に」
清楚な印象のカケラも残っていない淫らな誘いかけに、理性が消し飛ぶ。
喜緑さんの細い腰をしっかりと抱えた俺は、欲望のままに腰を打ち付けだした。
結合部から愛液が飛び散り、卑猥な音が喜緑さんの嬌声に重なる。
「はぁんっ、中が、擦れて……わたし、んんっ」
快感を少しでも逃すまいと喜緑さんの腰が妖しくくねって、俺の突き上げに同調する。
突き上げるたびに角度が変わって、まとわりついた肉が収縮を繰り返し締め付け押し寄せる。
頭の中が肉を味わうことで満たされ、獣のように喜緑さんと俺はまぐわう。
「なにかが、はぁっ、きて……ぁ…んっ、ヘンになり、そう、です……」
目を閉じ、唇から甘くて熱い喘ぎ声を出す喜緑さん。涎が唇の端から滴り落ちる。
限界が近いのか喜緑さんがぎゅうっと俺の手を握り締めてきた。爪が皮膚に食い込む。
「うっ」
鋭い痛みに、急激に俺も臨界点に上り詰めていくのを感じた。口から叫びが突いて出る。
「喜緑、さんっ、俺、もう!」
俺の叫びに、喜緑さんが声を振り絞った。
「出してっ、わたしをいっぱいに、してくださいっ」
本能的にか、ますます締め付けが強まる。絶頂に向け俺は力を振り絞り、喜緑さんの中を抉る。
受け止めていた喜緑さんの喘ぐ間隔が狭くなっていき、先に弾けた。
「ああっ、だめっ!」
顔を仰け反らせてビクッと身を震わせ、乳房を突き出すように背を弓なりにする。
声と共に腰に痙攣が伝播し、俺を咥え込んだまま強烈な締め付けをしてきた。うっ、俺もダメだ。
最奥を突いていた俺の限界があっさり突破する。下半身に神経が集中し、頭の中が真っ白になった。
「ああああっ!」
吼える俺の声と同時に大量の白濁液が喜緑さんに叩き込まれた。ビュクビュクと何度も
発射される精液が、喜緑さんの中を満たしていく。想像を絶する快感が押し寄せ、俺を攫った。
「はあっ、はあっ」
気を失いそうな快感を得た俺は、荒い息をつきつつ喜緑さんの胸の中に倒れ込むように体を預けた。
喜緑さんはそんな俺の背に腕を回し、優しく抱きしめてくれた。
「気持ち、よかったです」
喜緑さんが、倒れ込んだ俺の耳元に囁いた。熱い吐息が耳をくすぐる。
「中に、たくさん入っていて……これが、あなたのなんですね」
顔を横に向けると、喜緑さんが慈愛とも表現できそうな柔らかい表情で俺を見つめていた。
「喜緑さん……」
俺のつぶやきに、喜緑さんはそっと目を閉じて、唇を心持ち尖らせた。
手を伸ばし、喜緑さんのほつれた髪をすいてから俺は肩を抱き寄せ、キスをした。
顔を上げた俺は、瞳を潤ませたままの喜緑さんに、素直な気持ちを告げた。
「……まるで、夢みたいです」
俺の言葉に、喜緑さんはふわりと中空を漂いそうな微笑みを浮かべた。
「ごめんなさい、夢です」
「……え?」
何を言われたか咄嗟に理解しかねた俺に喜緑さんは、
「正確には違いますけれど、現実世界であなたが眠った状態にあるのは確かです」
そう言って、微笑んだまま言葉を紡いだ。
「ごちそうさまでした」
その言葉で喜緑さんの情報操作が解除されたのか、俺は全てを思い出した。
しかしあまりの急展開に、頭が働かない。射精した直後のように放心状態だった。
呆然とする俺を尻目に喜緑さんは腰を動かして、未だつながったままだった結合部をするりと抜け出た。
「あんっ」
抜くときに可愛らしい声をあげた喜緑さんは、覆いかぶさっていた俺をやんわりと横にどけ
ぺたりとあひる座りをすると、スカートを自分の手でたくし上げた。どろりと溢れ出る精液。
その様を興味津々に見ていた喜緑さんは、顔を俺に向けた。
「すごいです。こんなにたくさん出てます」
流れ出る精液を俺もぼんやり眺めていたが、我に返った。
「よくも情報操作を――」
食って掛かろうとした俺の体が動かなくなる。くそっ。
「今回の情報は有効活用させていただきますので、ご安心ください」
とても股間から精液を流しているとは思えない笑顔を見せ、喜緑さんは固まっている俺に近寄ってきた。
「それではまた学校でお会いしましょう、気持ちよかったです」
視界が暗くなる。目元に感じる体温から、手で目隠しをされたのだと推測した。
次いで顔の前方から何かが迫ってくるのを感じ取る。顔に当たった生暖かい空気は、喜緑さんの、呼吸、か?
――ちゅっ。
軽くキスをして、顔が離れた。目を隠していた小さな手がどけられる。
「喜緑さん、なぜ目隠しなんか――」
俺は身を起こしながら今まで情愛を交わしていた相手の名前を呼び、疑問を投げかけたところで止まった。
なぜなら、そこにぺたりと座りこんでいたのは、
「キョンくん……もう一度、するの?」
あどけない顔にそぐわない女の色香を漂わせ、精液まみれの顔でこちらを見つめる妹だっ……た……?
「うわああああああああああああっ!」
「あああああっ!」
ガンっ!
「――――っうあぅっ!」
ベッドから跳ね起きた俺は顔を何かに激しくぶつけて悶絶した。
手で顔を押さえてごろごろベッドを転がる。痛いなんてもんじゃない。大げさかもしれんが星が見えた。
大体、俺が天井まで跳ねたわけじゃあるまいし、何とぶつかったんだよ、いったい。
しばらく転がっていたが、なんとか痛みも引いてきた。
依然顔に手を当てたままだったが、身を起こし目を開け、指の隙間から部屋の中を窺う。
特に何もないし空中に何かぶつかるような物体があるわけでもない。なんだったんだ?
そう思ったとき、俺の耳が声を拾った。
「……ひっく、うぅ」
押し殺した声だった。まるで顔に手を当てて泣いているような、って。
俺の脳がようやく正常に動き始めた。昨日俺は誰と寝たんだっけ? それはだな、
「大丈夫か!?」
答えを瞬時に導きだすやいなや、顔の痛みも忘れて、俺はベッドの端から下を覗きこんだ。
そこにはベッドから転げ落ちたのか、顔を押さえて泣いている妹がいた。
「キョンくん、ぐすっ、いたいの……」
慌ててベッドから降りて、妹の容態を確かめる。妹の顔から手をどけた。
「げっ」
妹の手の平に、赤い血がついていた。量はそれほどでもないが、立派な血だ。
妹の顔を見た俺は、それが鼻血だと理解した。鼻骨がどうこうというわけではないらしい。助かった。
「この血、わたし、の……?」
だが妹は、手の平に付着した血を見て、さらに鼻をすすり出した。目にみるみる涙が浮かぶ。
決壊して盛大な泣き声を上げる前に治療をしようと思った俺は、妹を抱き上げた。
目指す目的地は、洗面所だ。まず顔を洗わせて、それから救急箱か? ティッシュでも詰めるか?
とにかく、妹を小脇に抱えたまま、俺は部屋を出た。
「ふう……」
制服に着替え終わった俺は、ベッドに寝転がっていた。
幸い、妹の鼻血は大したことなかった。ティッシュを詰めておけば、家を出るまでには止まるだろう。
問題は俺だな。アドレナリン全開で治療をしていたからか、途中から鼻血がうつりやがった。
そういうわけで鼻にティッシュを詰めて寝転がっているのだが、止まるかどうか微妙だった。
頼むから止まってくれよ。間抜けなツラを晒したくはないぞ。
「キョンくん、なんで大きな声を出しながら起きてきたの?」
ランドセルを背負った妹が、歩きながら俺を見上げてきた。鼻血はなんとか止まった。
さて、なぜだったかな。悪夢か何かを見たのだと思うが、記憶に残っていない。
「わからん」
端的に答えてから、逆に疑問が沸き起こった。
「それより、なんでお前は俺の顔を見ていたんだ?」
「えっ? えーっと、それはね、んーと……」
中々答えを言わない妹は、自分の頭を軽く叩いて舌を出した。
「てへっ」
誤魔化す気か。ま、いいや。大した理由じゃないだろ、どうせ。
「あまり刺激すると、また出るぞ、鼻血」
適当にからかいながら話を切り上げようとしたが、別に言うことがあったのを思い出した。
朝からのドタバタのせいで、すっかり忘れていた。危ないな。
「おい、昨日のことは絶対誰にも言うなよ」
チャリを押しつつ声を潜めて、俺は妹に念を押した。
キョトンと瞬きをした妹は、
「昨日のことってちゅうのこと?」
「それもあるが、別のだ」
「んー」
忘れたんじゃないだろうな。そう思った俺だったが、杞憂だったらしい。
人差し指を口に当て、斜め上の空を見て考えていた妹が唐突に、
「あ、キョンくんがせーえきをわたしの顔に」
「だからそれを言うなと言ってるんだ!」
チャリが蛇行するのもおかまいなしに、手を伸ばして妹の口を塞ぐ。
「むぐーむぐぐ」
ジタバタ抗議する妹だったが、死活問題な俺にはそれどころじゃない。
今の誰にも聞かれてないよな? 聞かれていたら一巻の終わりだ。
周囲を見渡す。幸い誰もいなかった。ほっとして手を離す。
「ぷはっ、キョンくん、いきなりなにするのー」
こっちこそいきなり何を言うんだと言いたいぐらいだよ。
「絶対、口に出すなよ」
殺気でもにじみ出てるんじゃないかと思うぐらいの剣幕で言うと、妹はこくこくと首を縦に振った。
角を曲がったところで、妹が口を開いてきた。
「キョンくんもミヨちゃんのこと、誰にも言わないでね」
「言うわけないだろう」
男の口から誰それの生理がどうこう、なんてのは最低クラスの下ネタだ。品位を疑われる。
「キョンくんに知られたなんて知ったら、ミヨちゃん恥ずかしくて死んじゃう」
なら、最初から言うなよ。俺も変に意識してしまうじゃないか。
待ち合わせ場所に立ってこっちに手を振っているミヨキチの姿を見止め、多少の憂鬱を覚える。
妹はそんな俺を面白そうに見ていたが、昨日に引き続き下手くそなウィンクをすると、
「いってきまーす」
と駆けていった。
チャリを自転車置き場に置いて坂を上がる俺の足取りは、軽いとは言い難かった。
昨日の心労を考えるだけで憂鬱になってきたからな。
ハルヒの処罰ってなんなんだろうな。無茶なことでなければいいのだが、ま、無理か。
いっそのこと回れ右して坂を下ってしまうのもいいかもな、と思い始めたとき、
「キョンくんっ、いい朝だねっ」
やたら大きな声に合わせて右肩が叩かれた。かなり痛い。
声だけで誰だかわかっていたが、振り向く。想像通りの人物がいたので、挨拶をした。
「おはようございます、鶴屋さん」
「どしたいっ? あまり元気ないね」
原因を知っているのにわざと聞いてくる鶴屋さんを、はぐらかす。
「鶴屋さんが元気ありすぎなんですよ」
「あははっ」
本当によく笑うお方だ。
「今日も日直ですか?」
横に並んできた鶴屋さんに、当たり障りのない話題を振る。
「んー、違うよっ? なんで?」
「いつもは朝比奈さんと登校してるって朝比奈さんから聞いたので」
俺の返事に、鶴屋さんはさらっと、
「キョンくんと一緒に登校したかったから、みくるには黙って来たのさっ」
「俺と?」
意外な言葉に耳を疑う。今まで一度も鶴屋さんと登校したことはなかったのだが。
鶴屋さんは至極真面目な顔で、
「あたしじゃダメかなっ?」
いや、そういうわけでは、と答えかけたところで鶴屋さんの性格を思いだす。
鶴屋さんは本気のような顔で冗談をおっしゃるお方だった。と、いうことは――
俺の頭が素早く回転して答えを導き出すと同時に、背後から寄ってくる足音に気付く。バレバレだ。
「わっ!」
精一杯張り上げた声とともに、俺の左肩がトンと押される。
鶴屋さんの反対側、俺の左側からひょっこりと頭をのぞかせたのは、
「ふふー、驚きました?」
いたずら笑いを浮かべた朝比奈さんだった。
「みくるぅ、キョンくんわかってたみたいっさ」
「そんなぁ」
鶴屋さんの言葉に朝比奈さんが残念そうに肩を落とす。がっかりする仕草もいいね。
落ち込ませっぱなしもなんなので、非を鶴屋さんにも分担してもらうことにする。
「鶴屋さんも、もうちょっと俺を騙せるような嘘をついてくれないと」
「おや、あたしはそれなりに本音混じりだったんだけどなぁ」
からかいを込めた鶴屋さんの言葉は、どこからどこまで本気なのかわからない。
朝比奈さんが立ち直るまで、俺はどう応じていいものやら悩むことになった。
鶴屋さんはそんな俺の反応を楽しんでいたようだが、復活した朝比奈さんにひょいと顔を向けた。
「それよりみくる、キョンくんに渡す物があるんだよね?」
「あ、うん」
かばんを開いて何か探し始める朝比奈さん。俺に渡す物だって?
朝比奈さんがくれる物なら、なんだってありがたく頂戴する気でいた俺だったが、
「あの、これを受け取ってください」
差し出された物に対しては、さすがに戸惑いを覚えざるを得なかった。
花柄のデザインの布に覆われている小さめの物体は、
「お弁当、ですか?」
「はい」
ふんわりした笑顔をくれる朝比奈さん。笑顔につられて受け取ってしまう。
朝比奈さんお手製のお弁当だ。本当なら感涙してもいいぐらいなのだが、内心複雑だった。
長門も今日、作ってきているはずであるからして、そもそも朝比奈さんも聞いていたのでは?
「長門さんは長門さん、わたしはわたしです」
朝比奈さんにしては珍しく、きっぱりと言い切った。俺の胃はひとつしかないんですが。
「キョンくん、モテモテだねっ。お姉さんまぶしいっ!」
茶々を入れる鶴屋さんに朝比奈さんが顔を赤くする。こういうときの鶴屋さんは水を得た魚だな、まったく。
弁当をしまい込んだ俺だったが、サプライズはこれだけではなかったらしい。
「あ、朝比奈さん?」
朝比奈さんが突然、俺の左腕を抱えてきたのだ。
「こうしちゃダメですか?」
顔を赤くして上目遣いで聞いてくる朝比奈さんに、俺が否と言えるはずがなかった。
抱えられた腕に胸が押し付けられているどころか、挟まれているように思える。
『わたしの胸、気持ちいいですか?』
不意に昨日の妄想を想起してしまい、慌てて振り払った。大丈夫なのか、俺。
支援もう一回要るかな?
こうして左腕を朝比奈さんに抱えられたまま、登校を続けることになった。
右側を歩く鶴屋さんがひたすら囃し立ててきて、言われるたびに朝比奈さんが顔をうつむかせる。
間に挟まれる格好になった俺は、両手に花の状態でありながら、平静を保つことに専念していて
楽しむどころじゃなかった。朝もお風呂にお入りになるタイプなのか、密着した朝比奈さんから
シャンプーの匂いが漂ってきたりして、俺をダメ人間に変えようとしていたからな。
俺がひとえに理性を保ったままでいられたのは、鶴屋さんのおかげだと言っても過言ではないだろう。
鶴屋さんがいなくて朝比奈さんと二人っきりだったら、通学者もいる公道とはいえ、どうなっていたやら。
時間的な区分では語ることができないようなひとときの末、ようやく校門に辿りついた。
ええと、そろそろ解いてもらわないと、全校生徒に目をつけられて襲われそうなんですが。
朝比奈さんにアイコンタクトを試みる。お願いします、朝比奈さん。
だが朝比奈さんは俺のアイコンタクトに応えないどころか、
「うわ」
逆にぎゅうっと俺の腕を抱きしめてきた。胸と言うよりおっぱいの感触が襲いかかってくる。
朝比奈さんは俺を悶死させる気なのだろうか。ダメ人間一歩手前でこらえつつ、朝比奈さんを見る。
よく見ると、朝比奈さんはどこか別のところに目をやって、睨みつけているような感じだった。
何を見ているんだ? おっぱいを頭から追い払いながら、朝比奈さんの目線を追う。
朝比奈さんが見ていたのは、
「阪中……」
昨日と同じく校門の前でかばんを抱えていた阪中だった。
阪中もこっちに気付いていて、おどおどしていた。朝比奈さんに睨まれているからか。
いくら昨日のことがあるからと言って、朝比奈さんの態度は褒められたものじゃない。
朝比奈さんを諭そうと俺は口を開いて言葉を発しようとするも、
「こーら、みくるっ。大人気ないよ!」
「きゃっ!」
その前に鶴屋さんが朝比奈さんの頭をぺちっと叩いて諌めてくれた。
腕を離して頭を押さえた朝比奈さんはほおを膨らまし、
「だって……」
と抗議の文句を並べかけたが、再度鶴屋さんに頭をはたかれて黙り込む。
「うう」
「キョンくん、うちのみくるがごめんねえ」
「いえ……」
代わりに謝る鶴屋さんに口ごもっていると、鶴屋さんは見事なウィンクをくれた。
「あとは若いもの同士、仲良くおやりよっ。行くよみくる!」
「ふええ、キョンくん、お弁当食べてくださいねー。残したら今日も冷凍茶ですよー」
鶴屋さんにずるずる引っ張られるようにして、朝比奈さんは校門をくぐっていく。
鶴屋さんにだけは逆らわないようにしよう。消える朝比奈さんを見て俺は固く誓った。
それにしても、今何かぶっそうな言葉を朝比奈さんの口から聞いた気がしたのだが、ま、気のせいだな。
朝比奈さんと鶴屋さんの姿が見えなくなるまで見届け、俺は阪中に顔を戻した。
呆然としていた阪中は、俺が見ているのに気付いてぎこちない笑いを返してくる。
今日は阪中の用件もわかっているので、手でそれとなく合図をしてから校門をくぐる。
校門をくぐったところで、阪中が追いついてきた。歩を進めながら声をかける。
「よっ」
少し軽かったかな、とも思ったが、阪中は別にどうとも思わなかったらしい。
「おはよ」
挨拶を返して、俺の斜め後ろを着かず離れずといったぐらいの距離でついてきた。
それっきりで沈黙が場を占める。黙々と歩く俺と阪中だったが、なぜか悪い気はしなかった。
「で、今日もなんだよな?」
昨日と同じく人気の少ない場所で、俺は振り返って阪中に問いかけた。
「うん、でも……」
かばんに視線を落としたままどこか歯切れが悪い。阪中の言葉尻を捉えて聞き返す。
「でも?」
「さっき朝比奈先輩がお弁当食べてくださいって言ってたのを耳にしたから」
ああ、そのことを気に病んでいたのか。にしても朝比奈先輩ってやけに新鮮な表現だな。
俺は正直に言うことにする。
「確かに朝比奈さんからもらったし、あと長門も作ってきてくれているはずだ」
「だったら」
「だからと言って、せっかく作ってきてくれた物を受け取らない理由にはならないな」
少しずるいと思いつつも、阪中に吹っ切ってもらうため付け加える。
「それにハルヒが作ってきた物なんだろ? 阪中が気にすることじゃないさ」
「え? あっ」
すっかり忘れていたらしい。みるみる顔が赤くなる。
「そ、そうなのね。わたしったら余計な気を回しちゃって」
慌ててかばんから包みを取り出し、俺に差し出してくる。
俺が受け取ったのを確認すると、目線を下向けたまま、そそくさとかばんを閉じた。
「昨日言われたことは涼宮さんに言っておいたのね。だからそんなに豪華じゃないと思うの」
相変わらず上ずった早口で言うと、阪中はくるっと振り返って俺に背を向け、
「じゃ、行くのね。またあとで」
と俺が返事する間もなく、去っていった。
阪中が角を曲がり見えなくなったところで、俺は手元に残った弁当を見ながらひとりごちた。
「とはいえ、三つか……」
贅沢な悩みだとは思うが、腹に全部入るか心配になってきた。今日は体育もない。
不安を抱えつつ俺も教室に向かうべく、包みをしまい込んで歩き出した。
靴箱を開けるとそこには弁当箱があった。
ま、そりゃそうだよな。長門が約束をたがえるはずがない。昨日と違い長門はいないようだが。
かばんに弁当箱を入れ、上履きに履き替える。靴を靴箱にしまい教室へ向かうかと振り返ると、
「うおっ!」
長門が立っていた。いつの間にだ?
「最初から」
いや、俺の認識でも誤魔化されていない限り、いなかったぞ。
ま、それはいい。それより長門が現れたという事実のほうが重要だ。
長門の様子も昨日から少しおかしいからな。今も俺を見つめる視線にわずかに色がついているように思える。
「何か言いたいことがあるのか?」
「喜緑江美里のこと」
問う俺に長門はぽつりと言って、俺の反応を窺うようにじっと視線を注いできた。
「喜緑さんがどうかしたのか?」
長門の意図がわからなかった俺は、無難な返事をする。
そんな俺に長門は、大掃除で本棚を整理、処分したほうがいいと提案したときに見せたような
どことなく悲しそうな色を含ませた瞳で見つめ返してきた。ええと、ここは俺が何か言うべきなのか?
必死で頭をめぐらす。すると朝比奈さんの『長門さんだって怒ります』という言葉を思い出した。
現に昨日の長門はハルヒの実演後、怒っているように見えた。なんだかわからんが、謝っておくか。
「昨日はすまなかった。喜緑さんのことは誤解なんだ」
謝った俺に、長門は悲しみの色を消して口を開きかけ、
「……」
何も言わずにつぐんだ。長門が言いかけて止めるなんて初めて見た。どうなってんだ?
怪訝に思った俺は、長門の視線が少しずれていることに気付いた。これまた珍しい。そう思っていると、
「おはようございます」
突然、背中から声がかかった。その声に聞き覚えがあるどころか、噂をすればなんとやらってヤツだ。
振り返った俺が見たのは、話題の中心人物、にっこりと笑った喜緑さんだった。長門が見ていたのも彼女か。
喜緑さんはそのまま会釈を送ると、俺と長門の横をすり抜け校舎の中へと消える。
すれ違ったときに髪からふわっと漂った香りは、相変わらずいい匂いだった。
喜緑さんがいなくなって話も続けられると思った俺は、長門の言葉を待った。
しかし、しばらく待ってようやく長門が声に出したのは、
「そう」
という応答で、長門は無表情に俺を見つめたまま、
「お弁当、食べて」
「あ、ああ」
それだけを言うと俺に背を向け、まるで初めからいなかったかのように音もなく
喜緑さんを追うように校舎の中へ入っていった。なんだったんだ?
何か俺を中心にしてぐるぐると回っているような感じがする。
それともこれもハルヒが中心にいて、俺は衛星よろしく回されているのだろうか。
ま、そう考えたほうがいいか。一般人たる俺に注目が集まるとも思えん。
非日常的な何かが起こったわけでもない。気にするだけ無駄だ、今のところは。
ぐだぐだ考えながら、俺は今日も一年五組の教室に入った。
谷口と国木田に絡みたい気分だったので、だべっている二人に近寄って声をかける。
「よう、谷口。相変わらずバカやってるか?」
「誰がバカだ、アホ。お前のほうがよっぽどバカやってるだろうが」
谷口が心外だとばかりに言ってくるが、心配するな。俺もお前も差のないバカだ。
「あ、キョン。バカと言えばこないだ谷口さ」
国木田もバカ論議に加わってきた。何も考えずにこういう話をする時間が案外大切なのかもな。
チャイムが鳴るまで二人とだべり、頭をすっきりさせた俺は自分の席に戻った。
「ハルヒ」
「なによ」
後ろの席に座っていたハルヒは、無愛想ではあったがそれほど機嫌が悪いわけでもないらしい。
「昨日の俺の処罰は考えたか?」
席に腰を下ろしつつ、問いかける。ハルヒはどうでもよさげに手にしていたボールペンを一回転させ、
「案は出たけどひとつに絞れないのよね。どっちにしても、発表するのは部室でよ」
「いっそのこと、処罰しないってのはどうだ?」
「バカ。そんなの聞き入れるわけないでしょ」
ナイスアイディアだと思ったんだが、却下されては仕方ない。だがハルヒもあまり乗り気じゃないみたいだな。
ハルヒなら嬉々として処罰の内容を全部並べ立てるぐらいはしてくるはずだ。
「結局、あの書記の人とはなんだったの?」
そのハルヒが質問を返してきた。ったく、昨日言うべき内容をやっと言えるのか。
「喜緑さんはな、生徒会長が企んでいることを教えてくださったんだ。それはな――」
「――というわけで、お前が見たのは貧血で倒れた喜緑さんを俺が介抱している場面だったんだよ」
古泉との打ち合わせ通りの内容を告げ終える。ハルヒはボールペンをピコピコ上下させていた。
「ふうん、最後の部分が少し足りない気もするけど、ま、いいわ」
鋭いな。しかし俺も喜緑さんから明言されたわけじゃないから、告白されたとはとても言えん。
「それにしても、生徒会長も腹心の部下に裏切られるなんて情けないわね。あたしなら」
と言いかけて、何かを思い出したのか俺を見たままアヒル口で黙り込む。なんなんだよ。
「なんでもない」
いきなり不機嫌になりやがった。なんだってんだ、まったく。
沈黙が生まれたが、間を埋めるように丁度担任の岡部が教室に入ってきた。助かったぜ、岡部。
もたれていた壁から離れて前を向くと、HRが始まった。
ハルヒの不機嫌さはHRが終わる頃には鳴りを潜め、特に気にならなくなっていた。
あまり不機嫌だとこっちまで不景気になってくるから、好都合だ。さらに言えば、昼休みが近づくにつれ
俺に余裕が徐々になくなってきたから、ハルヒに気を回さなくていいのはありがたかった。
何せ弁当三つ食ってから喜緑さんに会う約束があるんだからな。余裕もなくなってくるさ。
そしてあっという間に昼休みだ。かばんを机の上に出し、考えた末出した結論に従うことにする。
さすがに三つは誤魔化しきれん。だから見晴らしのいい場所で一人で食おう。これが結論だった。
谷口と国木田には、適当に断ればいい。毎日必ず一緒に食っているというわけでもないからな。
よし、行くか。そう思い席を立ったときだった。
「どこ行くのよ、キョン」
いるはずのない人物が俺を制止した。振り返る。ハルヒがいた。
「学食へ行かないのか?」
いつもなら、昼休みが始まると同時に教室から飛び出していたはずだ。
ハルヒは自分の机の上に出してあった包みを指差し、
「今日はお弁当」
そう言って、にやりと意地の悪い笑みを俺によこした。
「あたしも同席させてもらうわよ」
最悪だった。
教室の外に出るに出られず、さりとてハルヒと二人で席を囲むなんてのは論外だ。
「今日は涼宮さんも一緒に食べるの?」
机を合わせながらのんびりと国木田が声を出す。
「おいおい、どうなってんだ? キョン」
俺が説明して欲しいぐらいだよ、谷口。
溜息を押しとどめ弁当を取り出そうとかばんに手をかけ、ふと考えが脳裏をよぎり手を止めた。
ここで三つ全部弁当を出していいのだろうか。谷口と国木田にバレるのは覚悟しているが、ハルヒはどう思う?
だが、全部食べないのも不公平だ。ハルヒは俺が阪中と長門からもらっていることは知っている。
最後の一つは、おふくろが作った弁当として誤魔化すか。仕方ない。
しかしこの躊躇が命取りになった。
「怪しいわね。かばんの中を見せなさい」
ハルヒが横から手を伸ばして俺のかばんを奪い取りやがったのだ。
「おい、やめろ!」
俺の抗議もむなしく、次々に机に出されていく弁当箱。
「ひとーつ、ふたーつ、みーっつ」
皿の枚数でも数えるように数字を声に出しながら、ハルヒは包みを取り出していき、
「……よっつ?」
手に取った四つ目の包みに困惑気味の声を上げた。終わった。
ハルヒは包みを置くと、丁寧にもかばんを閉じて机の横に引っ掛けてくれた。
俺の位置からハルヒの顔は見えない。だが谷口の驚天動地とでも言いたげな表情で
俺はハルヒがどんな顔をしているのか想像がついた。国木田が同情の視線を俺に寄せてくれる。
「キョン、なぜお弁当が四つもあるのか説明してくれるわよね?」
振り向いたハルヒは、口元が不自然なまでに引き攣った最高級の笑顔をしていた。
それからしばらくはまさに悪夢だった。
追及してくるハルヒに谷口が何を血迷ったか加担しやがり、日和見を決め込んでいた国木田の背後で
阪中が今にも卒倒しそうな青ざめた顔を見せ、同席していた佐伯や成崎、大野木が心配そうに声をかける横から
垣ノ内が調子よくしゃしゃり出てくるも瀬能、西嶋、剣持のトリオに撃墜され、柳本が迷惑そうに
ちらちらこっちに視線を送ってくる傍らで日向がいつでも仲裁に入れるように腕まくりをし、その二人の横で
のほほんとお茶をすすっている鈴木と感覚を共有してか、机に突っ伏した手島は午睡を楽しんでいた。
おい山根、なんだそのカメラは。お前いつから写真部に転部したんだよ。ローアングルから撮るな。
教室に残っている一年五組の生徒全員を巻き込む形でハルヒの公開処刑はしめやかに行われ
なんとか阪中のことはハルヒも自制してくれたものの、朝比奈さんと長門の件はつまびらかになってしまった。
二人とも、すまん。
「で、これがみくるちゃんのお弁当なわけね」
花柄の包みを指すハルヒに、精根尽き果てた俺はうなずいた。
「けっ、いいよな。北高の天使様から直々のお手製弁当だ。あーあ、俺の出会いはどこにあるんだか」
これ見よがしに谷口が悪態をつく。返事をする気力もない俺は包みを解き、中から現れた
小さめの可愛らしい黄色い弁当箱のふたも開ける。げっ。
「うわ」
国木田も緊迫感のない驚きの声を上げた。朝比奈さんリモコンスイッチで時限爆弾ですか?
弁当の具自体は、ごく普通と言ってもよかった。朝比奈さんのことだ、おいしいに違いない。
問題は海苔で『I Love Kyon』や『みくる』『キョン』を相合傘に入れた図をデザインしてあったことだ。
ふたに張り付かないよう、わざわざラップを掛けてある当たりに朝比奈さんの気合を感じた。
上下逆さまをそれぞれ向いている魚のてんぷらは、『キス』と『スキ』か? なんてベタな。
「みくるちゃん、やるわね……」
一悶着あるかと思っていたが、なぜかハルヒは感心した様子を見せ、自分の弁当をつっつきだした。
文句が出なかったようなので、俺も朝比奈さんの心づくしに感謝しつつ頂くことにする。
うん、うまい。卵焼きが俺の好みより少し甘口だったが、それも朝比奈さんらしい味と思えば納得だ。
弁当箱が小さめだったこともあって、あっという間に食べ終えた。
次に手繰り寄せた阪中の弁当は、慎ましいものになっていた。ただ、手を抜いてあるどころか
煮物を中心にさらに手を掛けられているのを感じた。昨晩のおかずの残り物ならいいんだが
新規に作ったのだとすると、この味のしみこみ具合はやばいぞ。一体どれだけ時間を掛けているんだ?
「ちょっとキョン、あたしにも味見させなさい」
味わっていると昨日の谷口よろしくハルヒが言ってきた。俺のために作ってきた弁当を分けるわけないだろ。
「うるさい。これと交換よ」
と、ささっと箸を使って阪中が作った弁当から里芋を奪うと、卵焼きを押し付けてきた。
すぐにひょいと里芋を口に放り込んだハルヒは、
「すご」
とだけ言って、無言と化した。食われた物を奪い返すわけにもいかなかった俺は、大人しく
ハルヒの卵焼きを口に運ぶ。咀嚼する。嚥下した。
あまり感想は言いたくないが、うまかった。
そろそろ俺の腹もきつくなっていたが、まだ長門の弁当が残っている。
昨日の注文に応えてくれていることを期待して、包みを解いた。
「……」
弁当箱の上にスプーンが乗っていた。みんなの視線がスプーンに集まる。嫌な予感がして、ふたを開けた。
「長門……」
中身は、カレーだった。俺の想像が正しければ、レトルトじゃないカレーだ。
長門流のジョークだと思いたいが、どうなんだろうな。スプーンを手にしながら、そう思うしかなかった。
22レス投下したのでここまで
>>453 長旅お疲れさまです。
この後も期待待機します。
>>453 適度にハーレムもので、適度にエロく、そのうえで適度にキャラクター性は保たれている
いい仕事してますね
「支援」は三分も四分も開いたら入れろよっての
邪魔くさい
ニヤニヤが止まりません
GJです。
超GJでした
いいなぁこのノリ。
続き期待してるよー。
個人的には修羅場状態の教室でのほほんとお茶をすする鈴木がヒット。
最近エロが少なかった中でこれはよかった
ハルヒ物投下します。4レスぐらい。
466 :
465:2006/09/23(土) 14:16:23 ID:qg3i79ci
一
クソ暑い夜だった。
ハルヒがハムスターのごとく生活用品を持ち込んでいたSOS団の部
室だが、さすがに布団なんぞあるわけもなく、夜になっても全然気温の
下がらない夏日、このクソ暑い部室で、俺は寝袋にくるまって寝るはめ
になっていた。
当然のごとく、横になってから数分でそんなものは蹴りのけていた。
今は床に敷いたシーツの上に、シャツ一枚で寝っころがっている。そん
な状態で快適な眠りができるほど、俺は人間ができていない。
意識はぼんやりと、まどろみの中をさまよっていた。
どれほどたったのだろうか。
なんだか不愉快な夢を見た気がして、俺は寝返りを打った。
寝苦しい夜だが、真夜中まで続いた文化祭の準備のせいで、体はバキ
バキに疲れてる。無理にでも寝ちまいたい。
再びまどろんでいると、ゆっくりと意識が泥に溶けていく。
思考が溶け、だんだんと現実感が失われていく。
あ、寝れる。
そう思った瞬間、ハルヒのにやけ面が思い浮かんだ。
心の中で声ならぬ声を叫んで、体をびくりとさせる。
ああ、くそ、思い出した。
不愉快な夢だった。
SOS団の部室で、なぜか俺は椅子にロープで縛りつけられ、死刑執
行を待つ囚人のような面持ちで、ハルヒの熱帯的快晴と評すべき笑顔を
見上げていたのだ。
部屋には二人きり。これから何が始まるのかとおののいている俺に、
ハルヒはゆっくりと近づき、俺のシャツに手をかけた。夏服のボタンを
ぷちぷちと外し、ついでにベルトも慣れた手つきで外していく。
これだけでも発狂物だが、ハルヒは、ズボンを膝までずり下ろした間
抜けな格好になった俺の腰に、またがってきた。
トランクスを持ち上げる俺の物と、ハルヒの下着がこすれる感触、胸
板にぶつかる二つのふくらみに、白いうなじから鼻孔をくすぐる柑橘系
の香りは、まだ生々しく覚えている。
ハルヒはあごを俺の肩に乗せるような形で全身を押しつけてきていた
から、どんな表情をしていたのかはわからない。知りたくもない。
くそったれ。俺は毒づいた。よりにもよってハルヒかよ。
もちろん生物である以上、性欲はどこまでもついてまわる難題ではあ
るのだが、それならせめて朝比奈さんにして欲しかった。というかなん
で俺はロープで縛られているんだ。そういう趣味でもあったのだろうか。
そんな感じで自己嫌悪の塊になっていても、体は正直だった。ハルヒ
の柔らかい感触がまだ体に残っていて、下の方はギンギンになっていた。
まあハルヒも女だしな。と無理やり自分を納得させる。ハルヒだから
元気になっている、というわけでは断じてない。
そんな風にいろいろ葛藤していると、眠気はすっかりどこかへ行って
いた。俺はシーツの上でごろごろするのを諦めて、体を起こした。
暗い部室の様子が目に入る。
いつもは部室の中央にある机は、部屋の隅に寄せられている。隅っこ
の方で、これまた力尽きたハルヒが、シーツの上で眠りこけていた。ハ
ルヒの隣には、床から天井を埋めつくす、よくわからん創作物が鎮座し
ていた。
テンションの上がりきったハルヒは、ここ数日、展示に使うとかいう
その奇怪なオブジェの制作に夢中になっていた。それでも昨日まではちゃ
んと家に帰っていたのだが、文化祭まであと少しとなり、ついに今日は
無断の泊まり込みを決行したのだ。
付き合わされたのは俺。
朝比奈さんと長門はちゃんと家に帰っているのに、ハルヒは風呂にも
入ってない。女の子がそれでいいのかと疑問がよぎるが、まあハルヒだ
からな。
467 :
465:2006/09/23(土) 14:17:30 ID:qg3i79ci
「よっこらしょっと」
膝に手をついて立ち上がる。
近くに転がっていた上履きをはき、ハルヒを起こさないように足音を
忍ばせ、部室の外に出た。
夜の校舎だ。
少しわくわくしていたことは認めよう。なんといっても、夜の学校と
いうのは独特の雰囲気がある。特に文化祭の時期は。非日常的世界とい
うやつだ。
青白い月の光が窓から差しこみ、足元を柔らかく照らしている。こつ
こつと静かに響く自分の足音を聞きながら、俺はトイレに向かった。
努めて意識しないようにしていたが、さっきから下半身が異常に元気
になっていた。疲れマラというやつだろうか。小用を足せば治まるだろ
うと思っていたが、まったくそんなことはなかった。便器の前から離れ
たあとも、チャックを閉めるのに苦労するほどだった。
妙にムラムラする。月の光のせいだろうか。
学校にバレるのを恐れて、電気も点けずに用を足したが、月明かりの
おかげで特に困ることはなかった。見慣れた学校のはずだが、輪郭がお
ぼろげにぼやけ、見知らぬ場所にいるような気がした。
「うーむ……」
ズボンを突き上げている自分の物を眺めながら、腕組みをする。そう
いえば、最近は文化祭の準備で、自分ですることもほとんどなかった。
どうせしばらく眠れそうにないし、ちょっと始末しておくのも……
しかし、俺の秘蔵コレクションはここにない。オカズなしでやるって
のも味気ない……
そのときふっと、ハルヒの白い足が脳裏をよぎった。部室から出てく
るときに、ちらっと視界に映った。月光に照らされた肌が妙になまめか
しく、慌てて視線をそらしたことを思いだした。
やはり今の自分はどうにかしているらしい。
「……まあ、あいつも一応女だしな」
そうつぶやいて、俺はトイレを出た。
二
開けっ放しになっていた部室の扉をくぐり、ハルヒの方を見る。
シーツの上で、左肩を下に、横向きになって寝息を立てていた。スカ
ートから伸びる太股が白い。膝を軽く曲げていて、下着が見えるか見え
ないか絶妙なところだ。
ちょっとだけ寝ているところを見てから、と思っていたが、ハルヒの
寝姿を見た俺の足は勝手に前に進んでいた。
慎重に足音を殺して近づく。シーツの前で上履きを脱ぎ、ハルヒの後
ろ五十センチぐらいまで近づいた。膝を落とし、ハルヒの上に屈みこむ。
すー、すー、という静かな寝息が聞こえた。上から見える横顔は、恐
ろしく整っている。頬にかかる乱れた黒い髪が、妙な艶かしさを感じさ
せた。
若干のやましさを覚えながら、恐る恐るハルヒのスカートをめくって
みた。たぶんこのぐらいでは起きないだろう。ハルヒもこの数日、ろく
に寝ないで働いていたのだ。今は精根つきて爆睡中というわけだ。
スカートがたくし上げられて、目に入ったのは飾り気のない白い下着
だった。薄い素材なのか、少し肌色が透けている。重ねられた白い太股
が目にまぶしい。
普段の唯我独尊ぶりからは想像もできない、無防備な寝姿だった。こ
うして見ると、ごく普通の女の子にしか見えない。
そう意識すると、急に我慢ができなくなった。
「ハルヒー……? 寝てるよな? 起きるなら今のうちだぞ」
少し大きめの声で聞いてみた。寝息のリズムはまったく変わらない。
痺れたような思考のまま、寝ているハルヒの背中に張りつくように、
自分も横に寝転がった。目の前十センチのところに、ハルヒの乱れた髪
がある。いい匂いがした。
ズボンのチャックを下げ、トランクスからブツを取り出す。外気の解
放感があった。
468 :
465:2006/09/23(土) 14:18:00 ID:qg3i79ci
すぐそばにハルヒの下着があると思うと、どんどん硬くなっていくの
がわかった。反り返ったそれが、下着に包まれたハルヒの股間に当たっ
た。上等な生地らしく、竿にサラサラした感触があった。少し揺すって
みると、むず痒いような快感が走った。
どうせ起きないだろうと半ば開きなおって、右手でハルヒの体を引き
寄せた。ペニスがハルヒの太股に挟まれる形になり、むっちりした肉に
包まれて、なんともいえない感触になった。素股の体勢だ。
ハルヒは相変わらず、静かな寝息を立てている。よほど疲れているら
しい。
横向きなので前後運動はやり辛かったが、異常すぎる状況に、小刻み
な動きでも十分な快感があった。筋肉の一つも感じられない柔らかい内
股の間を、亀頭が割り開いていく。引き戻すときには、カリ首をやんわ
りと圧迫する。サラサラした肌が心地よい。
何回も擦りつけていると、先走りがハルヒの下着を汚し始めた。ペニ
スを挟む太股にも、粘液で濡れた白いすじがつく。摩擦でこもった熱が
ペニスに移り、破裂しそうなほど膨張していた。太股から引き抜き、股
間にぐにぐにと亀頭を押しつけると、薄い生地を通して、ぴっちり閉じ
たハルヒの秘部の感触が感じられた。
横になったまま、右手をハルヒの胸にやる。
くたっと折り重なっていたハルヒの両腕を上にあげて、制服の上から
ゆっくりと膨らみに手をやった。制服の下に少し硬いブラの感触があり、
さらにその下の弾力が返ってくる。こうしてみると、ハルヒの胸は意外
と大きかった。右手を少しはみ出すぐらいはある。
制服の中に手を入れると、肌は汗で少し湿っていた。へその上から撫
でるようにして、上にのぼっていく。
胸の下の薄い肋骨を指に感じたあと、ブラにぶつかった。ブラの下に
指をもぐりこませると、なんとも言えない柔らかい感触があった。乳首
を探り当てたかったが、さすがにブラを外すわけにもいかない。
指を戻し、ブラの上から右胸をゆっくりと揉みしだく。やはり大きい。
着痩せするタイプなのだろうか。
右手を制服から抜き取り、ハルヒの腰にやった。下着に指を引っかけ、
ぎりぎり股間がむき出しになるぐらいにおろした。下着はくしゃっと丸
まって、太股に絡みつくただの布切れになる。
ペニスを一度抜き取り、露になった股間と、太股に挟まれた空間に突
き入れた。
まず感じたのは熱さだった。直接触れるハルヒの肉が、カリや亀頭と
擦れていく。暴発寸前の快感を耐えながら、竿の部分でハルヒの感触を
味わった。
しばらくそうしていると、明らかに滑りがよくなってきた。ぬちゃ、
にちゃ、と静かな部室に粘着質の音が響く。
「んっ……!」
寝ているはずのハルヒから、小さな声がこぼれた。
一気に血の気が引いた。
思考が急速に覚めていく。
部室は痛いぐらいに静まり返っていた。
いつからハルヒの寝息が聞こえなくなったのか……
十秒ぐらいの沈黙のあと、恐る恐る、声をかけた。
「ハルヒ?」
返事はない。
「ハルヒ? 起きてるのか?」
ハルヒは答えない。
耳を澄ませていると、すー、すー、という寝息の音だけが、耳に戻っ
てきた。
「寝言……か?」
夢の中で感じていたのかもしれない。
しかし、さすがに調子に乗りすぎたと思った。
さっさと終わらせようと、再び前後に擦り始めると、
「……ぅ……く……」
ハルヒのかすかな喘ぎ声が聞こえた。
469 :
465:2006/09/23(土) 14:18:45 ID:qg3i79ci
少し体を起こすと、ハルヒの右手がぎゅっと自分の左腕を握りしめて
いるのが見えた。寝息は乱れ、股間の肉をえぐられるたびに、熱い息を
吐き出していた。
こいつは起きてる。
ぼんやりとした頭で考えながら、今度は腰の動きは止めなかった。
制服の下に手を潜りこませ、ブラを強引にたくし上げる。あふれた右
胸を揉みしだきながら、硬くなった乳首を人指し指と中指でこりこりと
転がした。
「ゃ……んっ!」
聞いたことのないような甘い声だった。ぴりぴりと脳髄のあたりを痺
れさせる、劣情を誘う声だ。
腰の動きももう容赦はなくなっていた。溢れ出た愛液で結合部はぐちゃ
ぐちゃに乱れていた。挿入されてはいないが、もはやどこまでが自分で、
どこまでがハルヒなのかもわからなかった。ただ快感だけがあった。
前後するたびにペニスがハルヒの秘部をえぐり、竿が擦られる。漏れ
聞こえるハルヒの声を聞きながら、その体をむさぼった。
腰を叩きつけるうちに、上下に重なって、ハルヒにのしかかるような
姿勢になっていた。腰に当たるむっちりした尻の肉と、両側から挟み込
む太股の感触が、ペニスを限界に近づけていく。汗があごを伝い、ぽと
ぽとと落ちた。
左腕をハルヒの下にまわし、ぎゅっと抱きしめる。
ハルヒのうなじに顔をうずめ、首を舐めあげた。汗の味がした。右手
に埋もれた柔らかい胸の感触を感じながら、ひときわ強く腰を突き入れ
た。
「やぁっ!」
腕の中のハルヒの体が、びくりと痙攣した。太股がぎゅっとペニスを
挟む。ハルヒの右手が、ぎゅっとシーツを握りしめるのが見えた。
強烈な締めつけに、こちらも限界を越えた。
何かが腰を駆け上がり、脳髄に白いスパークが走った。焼けつくよう
な快感の中、ドクッ、ドクッと、音まで聞こえそうな脈動を感じながら、
ハルヒの股間に精液を放出していた。亀頭は半ばハルヒの肉に埋もれて、
ビュルビュルと精液を放つ間も、唇でくわえられているような感覚があっ
た。その圧迫感に絞り出されるように、いつまでも射精の快感は続いた。
終わったあとも、腕の中にハルヒの体を感じながら、しばらく余韻に
じっとしていた。
三
重なっていたハルヒの体から、ゆっくり力が抜けていくのがわかった。
そのまま下手くそな寝息を立て始めたので、俺もとりあえず後始末を
することにした。
ティッシュで軽くぬぐい、両腕でハルヒを持ち上げて俺のシーツに移
した。汚れたシーツはトイレで洗った。
終わったころには、俺も疲労でくたくただった。汗だくの体が気持ち
悪かったが、ハルヒの横に転がり、あっと言う間に眠りについた。
翌日。
ハルヒはいつも通りにいつも通りのハルヒだった。どうやら、あれは
無かった事にするつもりらしい。
今夜も泊まり込みだって仁王立ちで言われたけどな。
(終)
抜いた
これは素晴しい。
ああ……実にエロいな
久々のエロに感動した!エロの王様に感謝感謝
いい作品をありがとう!GJGJGJGJGJGJGGJGJGJGJjjjjjj
何だ、今日は神が二柱もおわすではないか
グレイトフルGJ!!!
キョン大物だなww
478 :
473:2006/09/23(土) 18:30:37 ID:kzB41B5v
>>469 王様、あまりにも興奮したおかげで、今まで手を出すまいと思ってたDVD買っちゃったよ。
勇気をありがとう
素晴らしい!
眠っている女の子にイタヅラするのは男のロマンですな。
>>453 GJ!続き待ってます!
みくる弁当良い!
何この自演地獄
キョンが、あたしを襲ってきた……。
はぁっ、ふぅん、いいっ、キョンの気持ちいいのぉ……。
ああっ! 熱いの出てる……。
今夜も待ってるからね♪
_, ,_
(; ゚Д゚)
ここまであたしがお膳立てしてやらないと手を出してこないなんて、
何て手間のかかるヤツなんだろう、キョンってば。
そんなヤツを待ってるあたしも、どんなもんかとは重うけどさー。
重いのか……
ヘビーだな…
あ〜なたの愛が〜重いの〜♪
>>469 ところでこれ保管庫に行くときタイトルはどうなるんだ?
489 :
886:2006/09/24(日) 00:44:11 ID:4AbA053h
ジョン・スミスは偽名の代表みたいな感じでよく使われるから意味は無いんじゃない?
以下セリフ抜粋
「あんた、名前は?」
「ジョン・スミス」
「……バカじゃないの」
「匿名希望ってことにしておいてくれ」
だそうだ。
493 :
886:2006/09/24(日) 01:02:11 ID:4AbA053h
>>491 確かに偽名の代名詞みたいだからね
だから過去に偽名として使われた例を探してたら、代表例の一つがあしながおじさんでストーリーがハルヒシリーズに通じるものがあるかと思ったんだが
国外の映画調べるとジョン・スミス作の映画なんて腐るほど発掘できるぞ。
偽名ならアラン・スミシーでも面白いんだろうが。
>>493 話の筋が似てるね。
キョンを「魔法使い」として見るなら、「お金」つまり団の活動費を賄わされてるなんて、ところが。
やっぱりキョンが異世界人?
497 :
886:2006/09/24(日) 01:35:52 ID:4AbA053h
キョンは異世界人じゃないと俺は思うな
ハルヒがSOS団の目的を古泉に説明するとき宇宙人、未来人、超能力者と遊ぶことって言ってたからSOS団には宇宙人、未来人、超能力者はいても異世界人はいないんじゃない
>>496 何が「やっぱり」なのかはよく分からないが、最初は超能力者にする予定だったところを
あえて一般人って設定にしたんだから、今更「実は異世界人でした」なんて事もなさそうに思う。
ハルヒジョン・スミス=キョンに気付いてキョンを異世界人に位置付たのでもう異世界人は要らなくなった。
てのが俺の妄想ですが…でも何故キョンを問いたださないのか。何故異世界人に位置付けたのかは説明出来ない諸刃の剣
500 :
496:2006/09/24(日) 01:54:17 ID:ivNgIdap
>>498 あ、ただ下敷きになってる設定が件の話だとしたら、「やっぱり」キョンは下敷きを援用したまま、「魔法使い」のような異世界人って事になるのかな?
と思ったばかりでした。
説明不十分で申し訳ないです。
「ただの人間であるキョン」とハルヒの組み合わせがいいんじゃないか。
実は異世界人でした、とか言われたらがっかりだぜ。
そういう時は逆に考えるんだ!
つまり「キョンが異世界人だから特別」じゃなくて
「キョン以外が異世界人だから特別」だと考えるんだ!!!
やべ、妄想ふくらむ
ハルヒは3年前に何らかの理由でもうひとつの世界を作った
その世界(仮にハルヒワールドとしよう)を作ったはいいが
最初の生命体として、ある種自分の理想の男をつくった(それがキョン)
ところが予想以上にイキモノを作るのが疲れたため面倒くさくなった
ハルヒは現実世界から生物をごっそり連れてきたわけだ。
どうだろう、これで「キョンが普通なのに特別」「3年前の情報フレア」
「3年前に獲得した超能力」(ハルヒワールドに連れてくる際いじった)
「3年前以前に戻れない」「キョンに名前がない」etc.etc.
なんかの理由がつけられると思うんだがどうか?
つまりこれはノストラダムスの陰謀だったのだよ!!!!!!
キョンは宇宙人でも未来人でも超能力者でもないけど
「ハルヒの好きな人」という付加属性がついてるじゃん
お前ら、そういうのは本スレでやれよ。
ならばエロパロ板らしく言おうか。
つーか皆分かっていると思うが、キョンは「フラグの王様」という素敵な属性を持ってるんだよ!
フラグクラッシュのじゃないのか?
「覚えてる?キョン」
「な…何を?」
「星も出てない夜の学校に行ったときのこと。2人きりで誰もいなくて……あの時は面白かったわ。あのあとであんたは……」
「ごめん覚えてない」
あ、確かにそれも持ってるなぁ。
っつーか何そのブレンパワードwwwwww
ここでブレンか。
キョン、ハルヒを一蹴! ってな絵面を浮かべて噴いたよw
509 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 07:42:28 ID:QrhsmCbZ
うんこっこw
うんこ!
うんこ!
うこんんんんんんんんんんんんんんwwwwww
ハルヒ! 宇宙人や未来人や超能力者の代わりに俺の体を差し出す!
だから、世界はこのままにしてやってくれないか!
●< 涼宮さんなら別行動ですが… あなたがそこまで言うならア(ry
徹夜でレポート書いてたらいつの間にか電波がゆんゆん入ってきてた、ってこと無い?
うわ誤爆マジすまん
ゆんゆんwwwww
「ゆんゆんゆんゆん」
「ハルヒ!?」
突然変な電波を受信しだした。ヤバい。本当に電波女になってしまったのだろうか。
「ゆんゆん……そうよ!それがいいわ!」
「なにがだ?」
意味がわからない。いきなりそうよ!とか言われてもだな。
「キョン!Hしましょ!」
「へ?」
情けない声を出してしまった。いや、俺達は付き合ってるわけでもないんだぞ…?
いきなりそんなこと言われても順序ってもんがな…。
「じゃあ付き合いましょ!それじゃ脱ぎなさい!ホーレホレ!」
あ、バカ!いきなりすぎてパニくるぞ!きっと今夜はフロイト先生も大爆笑な夢をみるんだぞ!
じゃなくてこの状況はヤバい!ハルヒに犯される!俺の童貞フォーエバー!
「いただきます」
アッー!
「ゆんゆんゆんゆん」
「古泉!?」
突然変な電波を受信しだした。ヤバい。本当に電波男になってしまったのだろうか。
「ゆんゆん……そうだ!それがいいですね!」
「なにがだ?」
意味がわからない。いきなりそうだ!とか言われてもだな。
「キョンたん!Hしましょう!」
「へ?」
情けない声を出してしまった。いや、俺達は付き合ってるわけでもないんだぞ…?
いきなりそんなこと言われても順序ってもんがな…。
「では付き合いましょう!それでは脱いでください!ホーレホレ!」
あ、バカ!いきなりすぎてパニくるぞ!きっと今夜はフロイト先生も大爆笑な夢をみるんだぞ!
じゃなくてこの状況はヤバい!古泉に犯される!俺の童貞フォーエバー!
「マッガーレ」
アッー!
部室で静かに本を読んでいた長門が、突如俺を見て呟いた。
「……ゆんゆん」
おい……いきなりどうしたんだ長門……どうやら統合思念体もかわった電波を発信してくるんだな。
「ゆんゆんは、名前」
「名前?なんのだ?」
長門はパタンと本を閉じて椅子から立ち上がる。俺の隣まで来て、じっと俺の目を覗き込んでいる。
「あなたと私の子供。名前は有加。小学校でのあだ名はゆんゆん。髪型は私と同じショート。髪の色は茶色でくせっけ。読書が大好きで物静かな図書委員タイプ。性格は控えめで大人しく――」
慌てた俺は長門の肩を掴んだ。
「な、長門!落ち着け。どこの怪しい電波を受信したがしらないが、俺たちになんで子供が――」
長門は、いとおしそうに俺をじっとみつめながら、そっと自分のおなかに優しく手をあてた。
「あと、十月十日……」
おいおい……うそだろ……なにもやっていないぞ俺は……
「新しい生命の誕生……祝福」
ロボットなのに、子供ができるのか、クリリン?
「構成要素は人間と同じ……問題ない」
「まてよ、というか、その俺と長門は――その……やっていないだろ!子供ができるはずが――」
「あなたの部屋のゴミ箱に捨てられたティッシュから、サンプルを採取、着床、妊娠……素敵」
長門はぶるぶると体を震わせる俺に、嬉しそうにひしと抱きついてきた。
「……幸せな家庭を」
「……というのは、エイプリル・フール」
やれやれ、全然洒落になってないぜ。でもまあ、一応助かった……。
ガラ
ドアが開いて、入ってきたのは……ああ、また俺の体が小刻みに震えだした。
長門と同じくせっけで、栗色の髪。小学生ぐらいだろうか、大人しそうな少女は、俺を見てにっこりと微笑む。
「パパ。あ、ママも。ねえ、有加、おなかすいた。プリン食べていい?」
長門がコクリと頷いて冷蔵庫からプリンを取り出す。
「さっき言ったことは、一部嘘……ほんとうは、もう、生まれている」
「パパにもあげるね」
ゆんゆんが、スプーンにプリンを載せて差し出した。
ゆんゆん……ああ、頭がどうにかなりそうだ。
電 波 祭 か ! ! ?
ゆんゆん
電波みくるが出ないのは仕様ですか?(´・ω・`)
ついでに電波鶴屋さんも(´・ω・`)
みくるや鶴屋さんがゆんゆんいってもあんまり違和感ないからでは…。
鶴屋さんのゆんゆんは容易に想像できる上に和むから困る
にょろ〜ん
「ようキョン相変わらずしけたツラしてんn、ゆんゆんゆんゆん」
…お前まで電波か?
「…どうした谷口?」
「ゆんゆん……いや、な。俺が女にもてないのは必然なんじゃないのか、って天啓が下ってな」
「…そうか、お前もとうとうバカとアホと電波の三冠王か」
「まぁ茶化さないで真面目に聞きたまえ……お兄ちゃん」
…あぁもうダメだ、谷口迄ハルヒ毒に犯されたのか。
「まぁいい、いろいろツッコミたいが無視しよう。それでどんな天啓が下ったんだ?」
「やっぱり僕達他人から見たら仲の良すぎる兄と妹じゃない?」
「…安心しろ、金輪際お前とは何の関係も無い」
「でもね今日はね…今日ばかりは」
完全に無視か?
「一線を越えようかと思って、な」
や、やめろ頬を上気させるな、肩を引っ張って裏道に連れ込もうとするな
「ワッスレモーノ」 国木田いいところに来た、たっ助けてくれ。
「ゆんゆんゆんゆん」
アッー
阪中がゆんゆん言い出したら、リアルに気持ち悪いな…
>>525 じゃあみくる(大)やパンジーに言ってもらうか…
SSがやっと完成したので投下いってみます。
15レスほどお借りします。
それは気持ちのいい朝だった。まだ明け切らぬ太陽の七色の光が俺の瞼を優しくこじ開け、
うすらぼんやりしながらも、潮の匂いが鼻腔をくすぐる。
だが、ほどなくして俺の仰臥していたはずの自室のベッドの感触に違和感をもつ。
それは感触として硬くはないものの、明らかにマットレスではない。
すると、ようやく俺の石膏で塗り固められたかのような瞼が徐々に開き、周囲の風景の輪
郭に焦点が合いつつあった。
幾分頭がハッキリしてきた。睡眠時間は決して長いとは思えなかったが、思ったより眠気
はない。いや、むしろ潮風が気分をすっきりさせてくれる。
って、まてよ? 俺は自分の部屋で惰眠をむさぼっていたはずだ。
だのに、なぜ俺の体の下は砂浜で、目の前は水平線さえ見渡せる大海原が存在し、あたり
を潮風が通り抜けていているんだ?
いったい、ここはどこなんだ!?
──冷静に考えてみよう。俺をこんな島? に連れてきたのは、対抗古泉、注意長門、大穴
朝比奈さん、というかガチガチの本命でハルヒだな。こいつしかいない。鉄板過ぎて、賭け
の対象にすらならないぜ。
原因はわかっている。なにも一週間も一ヶ月も前のことではない。
それは、昨日の放課後のことだった。
すでに、季節は春の息遣いを感じ始めていた。季節の移ろいは日に日に俺たちを苦しめてい
た寒さを薄れさせ、それと入れ替わるように、草花の息吹や、虫や生き物たちの蠢きが見ら
れるようになっていた。
そんな時期である。放課後といっても短縮授業のため、終わりは早い。
俺としては、さっさと家に帰っても良かったのだが、そうは問屋が卸さないとSOS団の団長
である涼宮ハルヒによって、決して抜けはしないだろう極太の釘を刺されていたのだ。
何しろ、勝手に帰ったら死刑だなどというご無体な団長様だからな。
そこでやむを得ず、母親に愚痴を言われながら作ってもらった手製弁当を携え、俺はSOS団
の部室に足取り重くやって来たわけだ。
そうはいっても、俺はこのSOS団での活動が嫌でたまらないというわけでもなかった。そこは
朱に交われば赤くなるの格言の通り、ハルヒによって俺も感化されちまったのかもしれないな。
それにこの部屋には、マイスイートエンジェル朝比奈さんが今も編み物をしながら俺の来着を
待ちわびているはずである。
……根拠はないが。
彼女の存在こそが、俺のストレスや鬱憤を少しでも和らげ、そして癒しを与えてくれるのだ。
すでに彼女の存在は俺にとって一種の文化財であり、世界文化遺産として、ネス湖だかユネ
スコだかに推挙したいぐらいだ。
俺は部室の前で足を止めると、ドアをノックした後、ゆっくりとノブをひねり、空いた隙間に
体を滑り込ませるように部室に立ち入った。
すると、朝比奈さんは予想通り編み物の手を止め、こちらに顔を向けつつ微笑みを浮かべて、
『キョンくん、こんにちわ』と言ってくれた。
だが、その声を光の速さで追い越すように、
「キョン、遅いわよ、何してたの?」
と、ハルヒは都会の喧噪だに遮りそうな大音声で、歓迎だか威嚇だかわからないあいさつを俺
に投げつけると、ギロッと見やった。そうはいっても、少し嬉しそうにしているように見えな
くもない、ような気がしないでもない。
俺が何を言っているのか自分でもよくわからないが、素直に表現しにくいのだ。であるから、
ここは適当に流していただきたい。
すると、もうそういったやりとりに馴れきってしまったのか、朝比奈さんは臆することなく席
から立ち上がり、いそいそとポットの前まで足早に10ほどの歩みを数え、もはや彼女のライ
フワークとなったお茶の用意をしてくれている。
次に俺は、長いテーブル席の一角に目を向けてみる。すると、そこにいる古泉が例によってに
こやかな顔を俺に向け、軽く会釈をしてボードゲームを戸棚から取り出し、今日の対戦の用意
をしつつあった。やる気満々といった様子で俺を待っている。
だが、まて、俺はまだ昼飯を食っちゃいないし、俺に勝とうだなんて片腹痛いぜ。一刀のもと
に返り討ちにしてくれるからちょっと待ってろ。
今度は長門に目を向けてみると、彼女ははいつものごとく、俺にAランクの──谷口曰く、長門
が以前より少し表情が軟らかくなったそうで、一階級昇進した──その顔を向けることもなく、
淡々と残りページの少なくなった極厚の本へと視線を落としている。
さて、俺は遅ればせながらも弁当タイムだ。他の連中はというと、ハルヒ以外は皆すでに食べ
終えていたようだ。
ハルヒ、お前まだ食べ終わっていなかったのか? 学食に行くんだろ?
というと、かぶりを振りつつ、俺の顔を盗み見ながら、
「今日はお弁当を作ってきたから、みんなと一緒に食べようと思ったのよ。残念ながら、3人
とも食べ終わっていた後だったけどね。でも、勘違いしないでよ。……あんたを待っていたわけ
じゃないんだからね」
ハルヒは団長席に座ったまま胸の前で腕を組み、顔は明後日の方向に向けながらそんな憎まれ
口をたたく。
そうかい、なら俺も勝手に弁当を食べさせてもらうよ、と言って俺はテーブルの上で弁当の包み
を開けて、フタを取り外し裏返しにした。
そして、食べ始める。
「キョン、それ美味しそうね。ちょっとそのあんたのおかずを、あたしのと交換しなさい」
と一方的に告げ、ハルヒは宝物を見つけた小さなお子様のように目を輝かせて、自分のイスを俺の
席に横付けした。
どうでもいいが、何でお前はそんなに尊大なんだ?
しかし、こいつの尊大さは実は家業ではないかとも思えるほどのもので、一子相伝脈々と受け継
いできたに相違ないような、その態度が変に似合ってもいた。
しばらくすると、俺が交換の承諾をするまでもなく、返答を待たずしてハルヒが勝手に俺の弁当
箱の中を漁っていた。
すると意外なことに、ハルヒとの間に行われた交易の交換レートが、やけに俺に有利だったのだ。
なんだ、お前、体の調子でも悪いのか?
「違うわよ、バカ。あたしがこれでいいって言ってんだから、早く食べなさい。……どう、おい
しい?」
まだ食ってねえよ。そう急かすな。
俺はハルヒに促されて、ハルヒ特製の卵焼きと鶏の唐揚げに箸をつけ、次々と口に運んだ。
「うん、旨いな」
「当然よ。あたしが作ったんだから」
ハルヒは顔を赤くしたまま俺を見ずに、自信に満ち溢れる発言をした。
なら、何故俺にそんなことを聞くんだ?
「い、いいじゃない!せっかく交換してあげたんだもの。評価を聞くぐらい普通でしょ?」
まあ、いいけどな。
しかし、交換してあげたとはどういうことだ? 一方的に俺のおかずを取り上げたくせに。
そうはいっても、なんだかんだで楽しい昼飯だったのだ。
少なくとも、谷口や国木田など男同士で食っているよりは、幾分かいい。これで朝比奈さんとだっ
たら言うことなしだがな。
しかし、何か周囲の目が気になる。俺はひょっとして、とんでもなく恥ずかしいことをしていたん
じゃないだろうか? そう自責の念にとらわれていた。
おい、古泉!何を微笑ましそうな顔で俺たちを見ていやがるんだ? そんな目で見るな。
朝比奈さんと長門も、じっとこちらを見つめるのは勘弁してください。
しかし、この2人は古泉とは違って多少微妙な表情に見えなくもなかった。
そんなこんなで、楽しかったような、しかし、いらぬ勘違いをされてしまったような昼食を終え、
食後のひとときとして、何か黒いオーラを内に秘めた笑顔を向けている朝比奈さんから手渡されたお
茶をいただいていた。
幾分、いつものお茶より苦いような気がするが、気のせいだな。そうに違いない。
俺は、根拠なしにそう結論づけた。
ほどなく、2人の女性部員から剣呑な雰囲気は消え去り、部屋の中をまったりとした空気が支配した。
そこには負の感情は一切ない。時間は緩やかに流れ、俺たちは穏やかな大海にたゆたう小舟に乗って
いる気分だった。
そんな時、長門がゆっくりと立ち上がり、書棚に歩を進めた。書棚の前に立ち止まると、読み終わった
ハードカバーを書棚の本の隙間に差し入れ、ついで思案しながら2段上の本に手を伸ばした。目的の本
を手に取り終えると、長門は自分の席に戻った。
そして、長門がその本を開いたところ、ハルヒはおもしろいものを見つけたかのように、その大きな
瞳を一段と開かせた。
「有希!それ『ロビンソン・クルーソー』じゃない? いいわよねぇ、それ。あたしも昔読んだわ」
ハルヒは満面の笑みをその顔に浮かべ、長門に向けてそう言った。
何か良からぬことを考えついたんじゃないだろうな?
「それって、主人公が航海の途中で遭難しちゃうんだけど、たまたま無人島に流れ着いて、そこで狩り
をしたり、果物を取ったり農業をしたりと、工夫を重ねながら28年間も自給自足して暮らすのよね。
時には難破船から食料弾薬を手に入れたり、はたまた食人民族がいたりするんだけど、最後には無事
自分の国に帰れてハッピーエンドになるってお話だったかしらね」
「………」
おい、ハルヒ。あらすじを全部しゃべっちまってどうすんだ? 結末まで言っちまいやがって。
お前は気づかなかったかも知れないが、長門は一瞬ムッとしていたぞ。
「ごめんごめん、有希。でもまあ、言っちゃったものはしょうがないし。まあ、あまり気にしないで
あなたは読み続けてちょうだい」
『お前が言うな!』と、心の中でツッコミをいれておいた。
まったく、なんて奴だ。
あれだ、こいつは推理小説を読んでる最中の人間に、なんの悪意もなく犯人をバラしちまうんだ。
悪意がまるでない分、かえって質が悪い。
「でも、いいわねぇ無人島。そこでは魚を捕ったり、狩りをしたり、木の実を取って生活していくのね。
その島には脱出するような大きな船はないし、あたりには島も見えない。それに岩礁に囲まれていて、他
の船さえ寄りつかないところなのよ」
ハルヒは、興奮してきたのか団長専用の机の上に立ち上がった。続いて腕を組み、うんうんと頷きなが
ら妄想に耽っている。そして、その長くスラリとした美脚を惜しげもなく俺たちに晒していた。
この見えそうで見えないところがなかなか……なんてことは決して思っていないのであしからず。
団長が妄想に耽っている間、さも平然を装いながら俺は古泉とゲームの対戦を続け、朝比奈さんは編み物
雑誌とにらめっこ、長門はハルヒによって結末まで知ってしまったその本に目を落としている。
ハルヒが何かを考えているときは、必ず良からぬことがSOS団の面々、さらに言えば主に俺と朝比奈さんに
ふりかかってくるのだ。
これが俺の1年間にわたる体験から得た経験則だ。
ほんの10分ほどの間、修行僧よろしく瞑想に耽っていたハルヒが、大魔神のように目をカッと開いた。
戦々恐々の俺と朝比奈さん。何が言い渡されるのか……
「決めたわ。無人島に行くわよ!古泉くん、知り合いに無人島をもっている人はいないかしら?」
ほら始まった。ハルヒの理想を叶えるような無人島がそこいらにあるものか。
そういえば、夏休みの合宿で行った『機関』お抱えの島も無人島には変わりないのだが、そこは今のハル
ヒの要件を満たすものではないらしい。
「いえ、残念ですが、僕もそんな知り合いはいません。お役に立てなくて申し訳ありませんが」
「じゃあ、無人島ツアーなんてのはどうかしら?」
どこかの旅行社のお仕着せじゃ、ハルヒ、お前の望む環境は得られないだろうよ。
「そうね、じゃあ、キョン。前に無人島を2週間占有できる権利が抽選で当たるっていう懸賞があったわ
よね」
よく覚えていたな。だが、それがどうした?
「あんた、それに応募しなさい。当選通知の送付先はあたしの家にしなさい。それからキョン、絶対に当
てるのよ!当たらなかったら、責任を取ってもらうからね」
無茶を言うな。そんなの簡単に当たるわけがないだろ。と、言っても無駄か。ハルヒだからな。
それなら長門に頼んでみるか。ズルはしたくないんだがな……。
「……でも、当選まで待ちきれないわね。あたしは明日にでも行きたいぐらいよ」
こいつ、もう当たった気でいやがるのか。もし、当たらなかったらガクブルものだ。
そしてその日はまもなく解散し、俺は家に帰ると、いそいそとハルヒに命令された懸賞の応募はがきを書き、
近くのポストに投函した。
その後その日は休日前ということもあり、深夜番組を見た後、安らかに眠りについたわけだ。
その翌日にとんでもないことが起こるとはその時思いもせずに……。
少し長くなったが、回想シーンはここまでだ。さて、意識を現実の世界に戻すとするか。
俺は頭を振り、座り込んでいたこの砂浜を立ち上がった。
周囲を見回してみる。前方にはエメラルドグリーンの美しい海。周囲に他の島は目視できず、遠くにごつごつ
とした岩礁がいくつか確認できる。そして俺の足の下には、美しいとしか表現しようのない、白くサラサラと
した砂を敷き詰めた砂浜。体の後ろを振り返ってみると、草原が見え、さらに奥には森が見えた。
まさしくハルヒが望んだとおりの環境だな、ここは。
ところで、俺の着ている服は外出用の普段着で、ベッドで寝ているときに身につけていたはずの寝間着姿では
ない。さらには、俺の体のそばに旅行用のバッグが一つ置いてあって、その中には数日分の着替えと、旅行用
の必需品が入っていた。
俺は疑問に感じつつもそれを肩にかけ、誰かいないものかと探索を開始した。これがハルヒの望んだことであ
れば、ハルヒの他にSOS団の連中もいるはずだ。
それに、今後のこの島での生活のために、食料や水源を確保しておく必要がある、それも兼ねて歩いている。
探索の途中に飲み水として使えそうな透き通った川を発見し、それに満足しつつもさらに歩みを進めた。
そしてそこから1時間ほど歩いたとき、
「やあ!あなたでしたか」
古泉だ。
やはり奴も島に連行されたようだ。
いつもよりやや感情を露わにした、ホッとしたような表情で小走りに俺の元にやってきた。
俺は小川で汲み取った水を奴がもっていた紙コップに注ぎ、それを持って手近な石に座った。
「やっぱりお前もここにいたようだな」
「ええ、あなたこそ。ですが僕は、これほどあなたに会えてホッとしたことはありませんでしたよ」
この場合は俺も同意してやるぜ。
「念のために聞いておくが、今回の一件は『機関』の仕込みじゃないよな?」
「さすがに、ここまで手の込んだことをする力はありませんよ。僕たちの仕込みだとすれば、あなた方を寝室
から拉致して来たことになります。ここに長門さんがいるとすれば、我々『機関』に手の負える相手ではありま
せんからね」
確かにそうだ。長門を気づかずにこっそり連れてこれる奴がいたとすれば、俺はそいつに敬意を表するね。
となると、やはりハルヒしかいないな。
「そうでしょう。彼女の昨日の発言、強い意志、そしてこの島の環境。そこから導き出されるのは
涼宮さんの力しかありえません」
お前は最近ハルヒの力が弱まっていると言っていたんじゃないのか?
「ええ、ですがそれも彼女の感情に大きく左右されるようですよ。最近は本当に穏やかな日々が流れ、
多少退屈していたんじゃないでしょうか? 彼女は退屈すればするほどその力は大きくなりますから、
それが一気に発現されたのでしょう」
やっかいな女だよ、あいつは。
さて、そろそろ他の部員を捜さなきゃならんが、最後に、どうやったら元の世界に戻れるんだ?
「それは言うまでもなく、涼宮さんを満足させることでしょう。その役目はあなたしかいませんからお
任せして、僕は今回、この無人島生活を楽しませてもらうことにするつもりですよ」
無責任な奴め。俺に何をしろっていうんだ?
心持ち長めの休憩を終え、俺たちは立ち上がり森へと向かった。もちろん迷わないように道しるべとして、
群生していた草を大量に刈り取り、歩きながらそれをちぎり投げていった。
そして、俺たちは森の中をあらかた探索し終え、そこに食す木の実や野生の果物があることを確認
するとその成果を携え再び砂浜まで戻った。
そこには都合良くハルヒ達女子団員が集結していた。
「キョンに古泉君、あんた達もこの島にいたのね」
俺たちをこんな島に送り込んだハルヒにしては、幾分不安と緊張に支配されているようで、やや顔
がこわばっている。
朝比奈さんはさらに不安そうで、挙動不審に陥っている。ここが都会ならお巡りさんに交番へ連行
されかねない動揺ぶりだ。
だが長門は、いつものごとく本から顔を離さない。冷静さもこの中では際だっていた。
それどころか部室でまったりしている状況とまるで変わらない。さすがというしかないな。
「ねえ、キョン。ここってやっぱり無人島なのかしら?」
「ああ、俺と古泉であたりを探索してみたが、紛れもない無人島だ。人のいる気配がまるでないし、
もちろん人工物も存在しなかった」
「そう、何でこうなったのかしらね? でも、落ち着いてくるとちょっとわくわくしてこない?」
こうなったのはお前の所為だがな。それに、わくわくなんかするどころじゃねえよ。
ハルヒは緊張がほぐれてきたのか、表情を緩め、やおらおなかを押さえると、
「ねえ、そう言えばおなか空かない? そろそろお昼時じゃない?」
「ああ、とりあえずは俺たちが森で採取した野生の果物や木の実で我慢してくれ。夕食のことは後で考えよう」
無人島生活の記念すべき一食目だ。
「意外にいけるわね。でもちょっと甘みが足りないかしら」
ハルヒはかなり余裕が出てきたのか、いっぱしの甘味評論家のようなことを言い出した。
なにも食えないよりいいだろ? この状況で贅沢を言えるお前の精神には敬服するよ。
ところで他の女性陣はと言うと、朝比奈さんは不安げな表情を崩さずにちびちびと食し、長門は黙々と口にほお
ばっている。
俺たちは簡単な食事を終えると、午後の予定を話し合った。取りあえずは食糧問題が最重要課題である。
そこでハルヒ達女性陣には、危険のないことが確認されている森での食料調達、俺と古泉は小川で魚の
捕獲と、引き潮の際に、浜辺で食べられそうな貝類を取ることに決まった。
成果は上々だった。魚を捕獲する手段がなかったので、大きな石で魚を囲い込んでの手づかみだったが、
人数分の食糧は確保できたようだ。
「古泉。なかなか豊漁だな。これならハルヒに文句を言われなくてもすみそうだ」
「ええ、そしてなかなか楽しいイベントでもありますね、これは」
こういった体験は初めてなのか、古泉はまるでレジャーのように楽しみながらやっているようだ。
普段の作り笑いとさえいえるスマイルよりも、よっぽど自然な表情だった。
案外こういうことをしている方が、こいつには似合っているのかも知れないな。
時は風のようにあっという間に過ぎ去り、俺たちは成果を持ち寄って仮の宿がわりの大きな木の下に集まった。
そこで、それぞれもっていたレジャーシートを床と天井代わりとしてそこに仮の住居がしつらえられた。
その後総員たき火用の木の枝を持ち、海辺に再び移動した。
そこで困った事があった。
「火をつける道具がないわね。火打ち石なんてないでしょうし、木の棒で火起こしをするしかないのかしら?」
長門に火でもおこしてもらうかと思ったとき、古泉が口を開いた。
「ああ、それなら僕がライターを持っていますから、これを使ってください」
それなら最初から出せばいいのに、古泉は今になってライターを差し出した。
ん? どこかで見たことのあるライターだな。
「古泉くん、高校生がライターを持っているなんて……ひょっとして、あなたタバコ吸うの?」
古泉はとんでもないといったように首を振って否定し、
「いえ、違いますよ。僕はローソクを点けるために持っているんですよ」
「あら、そうなの?」
ローソクだと? いったいどこで使うんだ?
まあ、それはいいとしても奴の差し出したライター、どこかで見たことがあるんだよな。
………そういえば、生徒会室で……いや、なんでもない。
……よそう。余計なことを考えてしまいそうだ。
ハルヒは古泉から受け取ったライターを使って、まず枯れ草に火を点けた。続いてそれを薪に見立
てた枝に乗せて火をおこした。
焼き魚に果物という、豪華とは決して言えない献立だったが、そこはこの人数で食べることもあり、
雰囲気も手伝って、不思議と不満はなかった。
次に女性陣が入浴をしたいということだったが、そこは無人島である。ハルヒは不満を口にしながら
も、小川での水浴びで我慢するしかなかった。
そういったことをしている内に辺りは暗くなりつつあった。日の入りである。
夕焼けの赤い輝きが海面を照らし、その照り返しが全てのものを朱く染めている。
やがて日は沈み、あたりがほの暗くなっていた。だが、明かりを採る手段はない。たき火をつけ続けて
おくほど乾いた枝のストックはない。
「どうしましょうか。だいぶ早いけど、もう寝るしかないのかしら?」
「………」
なんだ? 長門。
「……海水があれば、人工の太陽が作れる」
……なんのことだかよくわからんが、ほのかに危険な匂いがするぞ長門……。 つうか、こんなとこ
ろで宇宙人の叡智を披露するのはよしてくれ。
しれっとして、そんなとんでもないことを言い出す長門。
朝比奈さん、未来から持ってきた明かりを発生させる道具は持っていないんですか?
「あたしはなんにも持ってきてません。カバンの中には着替えと水着ぐらいしか入ってませんでした」
だろうな。朝比奈さんには悪いが、俺はまったく期待していなかった。
彼女は未来から来たというだけで、決して猫型ロボットではないからな。やむを得ないところだ。
「では、僕がローソクを持っていますから、これを使ってください」
古泉はそう言うと、自分の旅行カバンからローソクを取り出した。
「そう? ありがと古泉くん」
俺は突っ込まない、突っ込まないぞ。何でローソクを携帯してんだなどとはつっこまないぞ。
まるでコントのオチ担当のようだが、結局一番役に立つものを持っていたのは古泉だった。
だが、なんの用途で持ってきたのかは問わない。つうか聞きたくない。なにかおぞましい想像をして
しまいそうだったからだ。
幸いにも古泉からの提供によって、何とか明かりを採る手段は得たものの、それは決して無限ではない。
そこでやむをえず、節約のためにも普段よりもかなり早い就寝時間ということになるが、床につく
ことになった。
その前にハルヒが俺に一言はなった。
「ところでキョン、あたし思うんだけど、今の状況ひょっとして夢じゃないかと思ってたのよ。だって、
こんなに荒唐無稽なことがあるわけないものね」
何が荒唐無稽だ。非常識が服を着て歩いているようなお前が言うな、と言いたいところだが、こいつが
夢だと思っているのならその方が好都合だ。面倒がなくていいから、そのまま否定をしないでおこう。
今宵は野宿も同然だったため、男女別というわけにもいかず、全員ザコ寝だった。
ちなみに俺の左隣には古泉が横たわっていて、右隣にはハルヒがいる。
両手に花ならぬ、両手に猛毒だ。
だが、両人とも妙に嬉しそうなのが気に掛かる。なぜか、俺は貞操の危機を感じるのだが、気のせい
だよな?
翌朝、日の出と共に俺たちは目を覚ました。昨夜眠りに入る時間が早かった分、起床もまた早く
ならざるを得なかった。もっとも、実に健康的な生活ではある。
ただ、俺が目覚めたとき、寝間着代わりのTシャツが鎖骨あたりまで捲り上げられていたのだが、なん
でかね?
それに就寝中、俺は蛇に巻き付かれたような夢を見たんだが、それが何か関係あるのだろうか……?
誰か、知らないか?
俺がいち早く目覚めて外で伸びをしていると、誰かに起こされることなく、SOS団の他の連中も起床し
つつあった。
ハルヒもまた然りだ。
ハルヒは起き抜けに俺の顔をチラリと見て、再び正面に向き直ると、
「もう野宿同然の生活にも飽きちゃったわね。今日はベッドで眠りたい気分だわ。あたしはぜい
たくは言わないから、ベッドとシャワーとトイレぐらい欲しいわね」
起きて第一声がそれかよ。ハルヒ、それは十分贅沢というものだ。ていうか、お前は飽きるのが
早すぎる。ちょっとは、無人島に連行された俺たちの気持ちを考えてみろ。
そして、質素な朝食の後、今日の予定を決めることになったのだが、話し合いを始めるまでもなく
ハルヒが勝手に決めて指令を出した。
まあ、その内容に関しては妥当だったので、俺も文句は言わなかった。もちろん古泉をはじめとして、
他の団員達が、ハルヒに意見を出来るわけがない。
予定としてはこうだ、午前は俺と古泉が宿の居住性改善工事、女性陣は自生していて食べられそうな
食品の採集だ。
そして午前の予定を消化し、午後は全員総出で夕食の食材探しになった。
ハルヒは意気軒昂、隊伍の先頭で実に楽しそうである。そして、そのハルヒの気分を代弁している
かのように、彼女の持つバッグが上下に舞い踊っていた。
しかし、食材といってもこんな草原に何がいるってんだ? ここには自生している果物や木の実、山菜
などはないし、もちろん魚がいるわけがない。動物ならいるかもしれんが、俺たちはなんの武器も持っ
ていなければ、罠を仕掛けているわけでもない。
そう疑問に思いながらも歩いていると、ハルヒが立ち止まって突如叫んだ。
「キョン、いたわ。空を見て!あの鳥を撃ち落とすのよ。ロビンソン・クルーソーだって銃で野鳥を
撃ち落としたでしょ?」
銃なんぞ持っているわけないだろ。無茶を言うな、ハルヒ。
ハルヒはそれを聞くと不満顔になったが、なにか閃いたようで、花を咲かせたように満面の笑みを浮
かべた。
何か思いついたな。
「みくるちゃん。今こそ『おっぱいミサイル』を使う時よ。そして、あの鳥を撃ち落としなさい」
「えぇ!? な、ななな、なんですかぁ、それは!? そんな恥ずかしいこと言えませぇん!」
あまりに突拍子もないことを言うハルヒに呆気にとられ、俺達はハルヒを止めることさえ忘れて2人
のやりとりを見つめていた。
「いいから言いなさい。あなたの必殺技で、あの鳥を撃ち落とすことが出来るのよ」
できるか、そんなこと!
何をトチ狂っているんだ、こいつは?
今日のハルヒはいつもより5割増しでブッ飛んでいるようだ。
だが、しばらく声を掛けかねていると、さすがにハルヒのプレッシャーに耐えられなくなったのか、
朝比奈さんは涙目になりながらも熱血主人公のように必殺技の名を絶叫した。
「お……お、おっぱいミサぁイル!!」
それを合図として、朝比奈さんの胸のあたりがキラッと光った瞬間、2発の小型ミサイルが飛び出し、そ
して飛翔した。
某ロボットアニメのそれと違って、朝比奈さんから生み出されたミサイルは追尾式のようだ。
そのミサイルは噴射音を上げながら、シースパローかそれともスタンダード対空ミサイルかというように
標的の鳥を目指して追尾と上昇を続けている。
そして、限りなく接近した。
「ドゴォッ!」
小さな爆発音を上げた。命中したのだ。
などと、冷静に解説をしてどうするんだ、俺は。
さすがにミサイルの製造元である朝比奈さんも、もちろん古泉も言葉がない。
長門はいつもと変わらないようでいて、俺にはわかるが感情の揺らぎを感じた。
ところで、あんな鳥にミサイルをぶち当てちまったら木っ端微塵になるんじゃないのか?
そんなもの、食えるのか?
俺がそんな疑問を頭に浮かべていると、上空から何かが落下してゆくのが見えた。百メートルほど先の
場所だ。あるいは撃墜された鳥だろうか?
それを確かめるため俺たちはその場所に急行した。
その場所に到着した俺たちは、目に飛び込んできた光景に唖然とした。
なんとそこにあったのは、撃ち落とされた鳥ではなく、大皿に盛りつけられた揚げたての鶏の唐揚だった。
目が点になるとはこのことだ。あまりのことにハルヒを除く俺たちは言葉も出ない。
その後ハルヒに命令されて俺がその大皿料理を回収すると、また何かを発見したようで、オドオドしている
朝比奈さんに再び攻撃命令を下した。
「みくるちゃん、今度は豚が走っているわ。今よ、『ミクルビーム』を撃ちなさい!」
出た。朝比奈さんの18番『ミクルビーム』は以前にも彼女が放ったことがあるが、長門博士によって
封印されたはずだ。
ところで、家畜であるはずの豚がこのような無人島にそもそもいるのか、というのは愚問だろうか?
「ミ、ミクルビーム!」
すでに抵抗する気も失せたのか、ハルヒの命令に従い、力もつ言葉を解き放った朝比奈さん。
すると、巨大な光の束が彼女の瞳から出で、その奔流は目標の豚をめがけて突き進んでいく。
それはあたりの障害物を薙ぎ払い、その全てを無にしながら……。
なんということだ。悪の総帥ハルヒによって改造された『ミクルビーム』は以前より数倍の威力を彼女に
与えたようだ。
俺は混乱しているのか、頭に思い浮かぶものはこのようなくだらない冗談ばかりだが、まあ気にしない
でくれ。
当然ながら俺たちは、惨状を確認するため現場に急行した。
このありさまでは、豚は消し炭になっているのではないかと思いながらも……。
だが、もうもうたる煙が徐々に雲散すると、先ほどと同じく事態は想定と違っていた。
……まったく、想像の斜め上を行く状態だった。
今度は二枚の大皿に、それぞれ揚げたてのトンカツ、生姜焼き、そして、深皿に豚バラの煮込みなどが
盛りつけられていて、非常に美味そうだった。
……ただただ絶句するしかない。
ハルヒはそれを見てとると、満足そうに顔をほころばせて、その珍妙としかいいようのない光景にいつ
までも見入っていた。
この奇想天外かつイカレた出来事に何ら違和感を感じていないというのか? こいつは。
結果さえ良ければ過程は一切気にしないという、ある意味究極におおざっぱな女だ。
だが、そんな俺の心のつぶやきが聞こえるわけもなく、ハルヒは陽気な笑顔を見せて結果を総括した。
「さあ、目的は成し遂げたわ。後は宿に帰りましょう。なんか午前中、キョンと古泉くんががんばっていた
みたいだから、随分と住みやすくなっているんでしょうね。とっても楽しみだわ」
そして、宿営地がある方向へときびすを返すと、泣く子も逃げ出すほどの上機嫌さで元来た道を戻り始めた。
「♪〜みんみんみらくる〜みっくるんるん」
スキップをしながら歌を歌っているハルヒには悪いが、あえて言わせてもらおう。
正直、不気味だ。
このような情景を見ることになるとは思いもよらなかった。俺の体には鳥肌が立ち、血の気が引きそう
なほどに背筋の冷たさを感じる。
その光景に天も恐れをなしたと見えて、先ほどまで垂れ込めていた暗雲も、歌のごとく『空の彼方へ〜』だ。
つまり、吸い込まれそうなほどに抜けんばかりの真青な空へと天候が変化してしまったのだ。
もはや突っ込む気力が萎えてしまったぜ。
……あえて言わせてくれ。
やれやれだ。
俺は帰りの道すがら、古泉にささやいた。
古泉はハルヒの奇天烈な行動のさなか、困ったような顔をしていたが、今は表情をもとのスマイルに戻って
いた。
「古泉、俺はもはや言うべき言葉も見つからないが、お前はどうだ?」
「僕も同感です。どうやら──涼宮さんが今の境遇を夢だと思い込んでしまったことが、彼女の心理的な
枷を全て取り払ってしまったようですね」
どういうことだ?
「つまりですね、僕は前にも言いましたが、涼宮さんは意外に常識的な考えを持っている方です。彼女は
こんなことが起こって欲しいと思いつつも、そんなことがあるはずがないと心のどこかで力の暴走に歯止
めをかけていたわけです。それが、今は夢だと思い込むことで力のリミッターがはずれてしまったという
わけです」
それが今日半日の暴走につながったわけだ。
ハルヒの力、恐るべしだ。
今日だけで俺は一生分の『!』を使い果たした気分だぜ。
だが、こいつはどうすりゃいいんだ? すでに手がつけられないぜ。
「昨日も言いましたが、涼宮さんをもとの世界に帰ってもいいと思わせる役目はあなた以外にありま
せんので、僕は特に何もする気はありません。それに、ここで涼宮さんの力が存分に使い果たされれば、
僕にとってもかえって好都合というものです。幸いにも、この無人島でしか涼宮さんの力は及んでいない
ようですしね……」
お前、今回はやけに無責任だな。何か他に言うことはないのか?
古泉はいっそう爽やかさを滲ませつつ、ことさらにこやかな表情で述べた。
「なにも悩むことはありません。あなたは、この島を一種の閉鎖空間だと思えばいいんです」
軽く言ってくれやがるぜ。俺にまたあれをやれというのか?
すると、古泉は首を振りつつ、
「いえいえ、以前あなたが閉鎖空間で涼宮さんにしたことを繰り返したところで、彼女は満足しないで
しょう。むしろ、今度はそれ以上のことをするべきでしょう」
あれ以上のことって、まさかあれか? おい、よしてくれよ。相手はハルヒだぜ。俺にだって相手を選ぶ
権利はある。
ていうかそれ以前に、ことをいたす前にハルヒに地獄巡りをさせられそうだぜ。
「さて、それはどうでしょうかね」
古泉は俺を、何もわかっていませんね、というような視線を投げかけながら肩をすくませ、いつものポーズ
を見せつけた。
おのれ、いまいましい奴だ。
古泉との諍いもほどなくして終わり、再び静謐を取り戻した俺たちが帰路を急いでいると、あたりが赤らみ
始めてきた。あと2時間もしないうちに、夜のとばりがあたりを覆うだろう。
そして、さらに半時間ほど歩くと、ようやく視認できるようになった。我らが住まいだ。
だが、俺はすぐに明らかな異変に気づいた。古泉もだ。そして女性陣もそれに気づく。
まず声を上げたのはハルヒだ。
「へえ〜!こんなにきれいに生まれ変わるなんてねぇ。あんたたちもやればできるじゃないの」
何を言う。俺たちで何とか出来るレベルを遙かに超えているだろ。
さて、状況を説明せねばなるまい。
俺と古泉は午前中、居住性の改善のため若干の手直しをしたんだが、今現在俺の目の前にある光景には
その痕跡はかけらもなかった。
そこにあったものは、まるで旅館の離れといった印象の建物が、SOS団のメンバー一人づつににあてがうこと
が出来るだけの数で建っていたのだ。
離れといっても、一軒一軒は森の木の中を縫うように三件、そして向かいに二件といった様子で、建
物同士の間隔は狭かった。
広さはワンルームマンション程度か。バストイレ付きだ。それに電子レンジ、冷蔵庫まで備わっており、
その中にはアルコール類から一週間分ほどの食材まで揃っていた。
まさに至れり尽くせりだ。
今日俺は驚き尽くして、在庫一掃セールは完売したと思っていたが、在庫はさらに追加されたようだ。
俺はこうしてハルヒの力をまざまざと見せつけられ、改めてこの女のイカレっぷりを再確認せざるを
得ないというわけだ。
だが、まてよ。ハルヒの奴は今のこの状況を夢だと認識しているはずだ。それにしては醒めない夢に
疑問を抱くこともなく、ここの生活を楽しんでいるように見える。
あるいは、なにかたくらんでいるんじゃないだろうな?
それもいずれはわかることだ。今は静観するしかないか。
その後、しばらくの休憩で疲れを癒し、夕食を取るべくハルヒの部屋に俺たち全員が集合したのだが、
すでに俺たちが狩りで獲得した料理は冷め切っていた。
それでも、おあつらえ向きに部屋に備わっていた電子レンジを使い、温め直して、さらに冷蔵庫に貯
蔵してあった食材を使ってハルヒと朝比奈さんが腕をふるった料理が食卓に並び、昨日とは打って変
わって豪華絢爛きわまりない晩餐、もとい宴会がとりおこなわれた。
そこでは、あの夏以来アルコールを封印したはずのハルヒもビールを口にし、ほどよく酔いながらも
抑えるところは抑え、以前のような記憶が飛ぶほどの乱れは見せなかった。
俺もアルコールは嗜む程度に抑え、テーブルに並んでいる料理の数々に舌鼓を打っていた。
そして宴もたけなわになり、余興として王様ゲームが行われた。そこでは、王となったハルヒによっ
て命令された長門が安来節を踊ったのだが、この道30年の達人も真っ青になるほどの見事と言うほか
ないような技巧を見せつけ、俺の長門に対するイメージを良くも悪くも崩してくれたのが印象的だった。
そして楽しい宴会もつつがなく終わり、各自部屋に戻って待望のベッドでの睡眠を取ることになった。
俺は一息ついたあと、シャワーを浴び、髪の毛をバスタオルで拭っていると、ドアをたたく音が聞こ
えた。
ドアを開けるとハルヒが立っていた。
未だ酔い醒めやらぬ表情のまま、有無を言わせず部屋に乗り込んできた。
ハルヒも風呂上がりのようで、上気した肌、艶っぽい唇が色っぽい。
「何しに来たんだハルヒ。もう寝る時間じゃないのか?」
俺が問うと、ハルヒはなにやら決意を秘めているようにも見える瞳と表情で俺ににじり寄ってきた。
「いいじゃない。あたしといるのがそんなに嫌なの?」
おい、お前酒臭いな。まだ酔っているだろ?
「そうよ。酔わなきゃ、こんなことする勇気なんてないもの。例え夢であったとしてもね」
と、わけのわからないことを言うが早いか、ハルヒは自分の唇で俺の唇を塞いだ。
何をする、と抗議をするいとまも俺に与えず、ハルヒは俺に体を預けて、そのままベッドに押し倒す
形になった。
俺は混乱の極みで、まるで正常な思考が出来ないでいる。
何故、ハルヒがこんなことをしているのか、まったくわからない。しかし、いくら奇矯な振る舞いの
多いハルヒといえどもここまでするだろうか?
それにしてもハルヒはいつになく本気を思わせる表情だ。
「キョン、あたしがこんな行動していることに戸惑っているみたいだけど、本気なの。夢の中でしか
言えないことが情けないんだけど……あたし、あんたのことが好きなのよ!」
その瞬間、俺の全身を巡る血液が沸騰したかと思えた。
なんだ? 俺は何をそんなに動揺しているんだ。
そして俺の中で沸々とマグマのようなものが煮えたぎっている。
ハルヒはまるで誘うように俺ににじり寄る。
すると、俺の中から湧き出る衝動が怒濤のように流れ出だし、抑えきれない。
……俺はどうしようもなくこの場でハルヒを抱きたいと思った。
いいんだな? と確認するようにハルヒを見ると、コクリと肯いた。
──もう止められなかった。
俺はハルヒの唇に最初は軽く触れるように、そしてじっくりと俺の唇を合わせた。
長い口づけだった。唇を離すと、結びついた唾液が糸を引いて2人の間を吊り橋のように垂れ下がり、
ハルヒは恍惚の表情を浮かべ、ほうっと息を吐いた。
続いて俺はハルヒの後ろに回り込み、風呂上がりで髪を上げたままのなめらかなうなじをひとなめした。
「ひゃん!」
柄にもない声を上げるハルヒ。だがそれも悪くない。
今度は舌を沿わすようになめ上げる。体は抱きしめて密着させたままだ。
「……う…く」
上気した肌がさらに朱く染まっていく。
俺は朝比奈さんからの仕返しとばかりにハルヒの耳たぶを甘噛みした。
「ひゃうっ!」
思ってもいない箇所を責められたからか、ハルヒから驚きの声が漏れ出した。
そして、俺は甘噛みをつづけながら、ハルヒのパジャマをたくし上げてブラを取り外した。
そこには白く形が良く、そして大きめの見事な乳房と、その頂上に小さくピンク色の突起が確認できた。
俺は、パリのルーブル美術館で展示されても不思議ではないようなその造形美にしばし目を奪われた。
すると羞恥に耐えられなくなったハルヒが、
「ちょ、ちょっとキョン、いつまで見てるのよ。恥ずかしいんだからいい加減にしてよね」
もうしばらくハルヒを羞恥心で真っ赤にしてやろうかと思ったのだが、そろそろ鉄拳制裁が飛んできそ
うだからここで止めて、ハルヒの胸に手を伸ばす。
最初は弾力を確認するように大きく揉みほぐした。
「ん……」
ハルヒはくぐもったような声を漏らした。
ハルヒの胸は水さえはじきそうに張りがあり、プルッとした弾力は俺の掌を押し返してくる。
その揉みごたえのある胸の触感に、俺はたまらずこね回すように丹念に揉み上げる。
「ちょ…キョン。はぁ……んん」
ハルヒは徐々に声がうわずり、感じ始めているのがわかる。
続いて山の頂上にある突起をこね回したり、口に含んで舌で転がしてみる。
「きゃ……はぁ」
そして、片方の手を伸ばして、ハルヒの大事な場所に直接沿わせる。
すると、ハルヒの秘部はすでに濡れそぼり、受け入れる準備は整いつつあるようだ。
俺はハルヒのパジャマと下着を脱がすと、彼女を生まれたままの一糸まとわぬ姿に変えた。
それはすばらしく均整のとれた肢体だった。文句のつけようもない、まさに芸術品だ。
だが、ハルヒは俺に見つめられているというその恥ずかしさにいつもの憎まれ口を聞く余裕さえない。
俺はそんなハルヒの態度につけ込んで、足を広げさせ、まじまじとそこを見つめる。そこは何者にも触
れさせたことのないきれいな色をしていた。
そして抗議の声が上がる前に、ハルヒの太股の奥にある突起をコリコリと弾き、ヒダをこね回した。
「ひっ……くぅ…」
ハルヒはその快感にたまらず声を上げた。
そして俺は直接舌を使って、ハルヒの大事な部分をなめ回した。
「キョン、そこは…くぅ……ひぃ……」
ハルヒのそんな反応を見るうちに、俺の怒張は張り裂けんばかりだ。
その後も愛撫を繰り返すうち、お互いの気持ちがますます高ぶってきた。
そろそろ頃合いだ。
俺はトランクスを脱ぎ捨て、そそり立ったペニスを取り出す。
それを見たハルヒは一瞬絶句し、俺のモノを興味深そうに見つめている。
こらこら、そんなに見るんじゃありません。
俺はハルヒの秘部にペニスをあてがう。
「いくぞ、ハルヒ」
「ええ」
ズブッと突き進んでいくと、途中に壁のようなものがあった。だがその抵抗で止められるわけもなく、
かまわず腰を進めた。
瞬間、ブチッと音がしたような気がした。
「ひぐっ」
ハルヒが苦痛の表情を見せた。
すると、俺とハルヒのつながっている部分から赤い液体が流れ落ちた。
ハルヒの初めてを奪った証だ。
「痛いか? ハルヒ」
「いいえ、キョン。もう平気よ。……だから動いて良いわ」
涙を浮かべながら無理に笑顔を浮かべようとするハルヒ。
まったく……痛みがまだ引いていないくせに変に意地を張る奴だ。
だが、そんなハルヒの態度が俺にえもいわれぬほどの愛しさを煽り立て、俺は痛みが少ないように
ゆっくりとだが腰を前後に動かした。
ハルヒも最初は依然として苦痛の声を上げていたのだが、何度か往復運動を繰り返していると、
徐々に声が甘いものに変化した。
「はぁ……ん。あ……ん…ああ」
ハルヒはこの行為が生み出す快楽に、囚われの身となりつつあるようだ。
だが、ハルヒの締め付けによりこちらも限界が近い。心地よい痺れが俺のペニスを支配している。
それでも限界を超える勢いで腰を振る。
「キョン……好き……きて!」
「……っ!」
ハルヒの嬌声が引き金となり、まるで堤防が決壊したかのように白い奔流が彼女の中に流れ込む。
ドクッ、ドクッ、ドクッ……
とどめを知らぬほどにハルヒに注ぎ込み、彼女を白く染め上げる。
そして、果てた。
ハルヒはとても満たされた表情を浮かべていた。
そのまま2人はベッドに倒れ込み、睡魔が忍び寄ってくるのを拒まず流れに任せた。
目が覚めると、俺は自宅の自分の部屋のベッドで横たわっていた。
どうやらもとの世界に戻れたようだ。
…………
……昨日のことはしばらく忘れたい気分だ。
昨日、俺が流れに身を任せたおかげで元に戻れはしたものの、激しい後悔と羞恥で頭がどうにかなり
そうだ。
──顔でも洗って、気分をすっきりさせよう。
その日、俺はいつもと変わらず登校した。
ハルヒは俺と目を合わせてはくれなかったが、頬を赤くしたままずっと窓の外を見つめていた。
そこで、俺がおそるおそる理由を尋ねてみても、『考えられないような夢を見ちゃったのよ!しばらく
話しかけないで!』の言葉で会話は終了した。
この流れなら当然かも知れないが、放課後SOS団の部室にハルヒは姿を見せなかった。
ところで、他の連中は別に島での記憶を失うことはなかったが、なぜもとの世界に戻れたのか朝比奈
さんは当然として、長門も表面上は知らない素振りを見せた。
ただ古泉だけが、昨日はお疲れでしたね、とばかりにニヤニヤしながら俺の顔を見つめているのが気
に入らん。知られたくない秘密を握られたような気分だ。
──あれは夢として、ハルヒの中で扱われるのだろうな。
……だが、俺にはあの時ハルヒとつながった感触が今も生々しく残っている。
そして俺の中には──隠しておきたかったのだが──ある感情が膨れあがりつつあるのを感じている。
…………
今、以前なら考えられない想像をしてしまったが、それを否定する感情はもはや俺の中から消えつつ
あった。
まあ、なるようになるさ。
ここで唐突に後日談というかおまけだ。
無人島から帰って一ヶ月以上が過ぎ、俺たちはすでに新学期を迎えていた。
そして、放課後だ。
ハルヒの表情がなんだかおかしい。
ハルヒは突如イスから立ち上がると、俺を睨めつけ口を開いた。
「アレが来ないの」
……なんですと?
「だから、アレが来ないのよ。キョン、この始末どうしてくれるの? 責任取ってくれるんでしょうね?」
アレとはまさか……アレのことか?
脂汗が全身から吹き出し流れ落ちる。
「キョンくん、あなたまさか……」
「…………」
女性陣2人の視線が、鋭く研いだナイフのように胸に突き刺さる。
「おやおや」
俺は何もしていません濡れ衣です、ときっぱり否定できないのが辛いところだ。
それどころか、きっちりハルヒといたしてしまっていたのだ。
……俺はこの年で赤ん坊の親になるのか? しかもハルヒとの間の子供だ。
『お父さん、ハルヒさんを下さい』などと挨拶をしなければならんのだろうか……?
若さ故の過ちが、俺の一生を狂わせることになるとはな。
ここから飛び降りようかどうか決めかねていると、ハルヒがさっきより幾分音量を上げて言った。
「ちょっとキョン、聞いているの? こないだ出した懸賞の当選通知が来なかったら、責任取ってもらうっ
て言ったでしょ。……って、なぁに、その顔は?」
……ちょっと待て。
……………
………
アレって当選通知のこと……か?
「それ以外に何があるって言うの? ほら、今日はキョンに何をさせるかを議題に会議を始めるわよ」
俺はテーブルに突っ伏した。
そして意識を失う直前、そういえば朝比奈さんの『おっぱいミサイル』はそのままなんだろうか、と
考えながら……。
おわり
以上です。
GJですぜ旦那
エロも良かったがオチも良かったw
GJ!
アレの存在をすっかり忘れていたぜGJ!
>>543 GJ!
おっぱいミサイル、ミクルビームの扱いにクソワロタw
箍の外れたハルヒが面白かった。GJ!
長門の安来節をkwsk
GJ!
古泉、みくるがいい味出してる。
「アレが来ないの」
まんまとだまされたw
>>アレが来ないの
俺達はハルヒを除くSOS団4人と全く同じ表情をしていたに違いない
話は変わるけど、ネタとして出たものの、文章にできずにボツったネタって何がある?
俺は陰謀でキョンが鶴屋さんにお風呂に誘われるので考えたけどダメダた_| ̄|○
554 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 20:43:06 ID:NCBwBppf
今までの作品で
シリアスな感じ・BADENDな感じの作品はありますか?
>>553 体育倉庫で閉じ込められたハルヒとキョンが肩車して上の窓から脱出を試みるっていうのと
SOS団の部屋の外でメイド姿の朝比奈さんと出会ったばっかりに安心しきったキョンがノックせず扉を開けたら
バニーの衣装に着替え中のハルヒに出くわしちまって・・・
って電波なら受信したけど文章化には至らず・・・(´・ω・`)
他の人が書いてくれているらしいけどね
>>555 もしあんたがキョンxハルヒ派だったとする
するとキョンと長門のハッピーエンドものはBADENDってことになる
もしあんたが朝倉ファンだったとする
すると朝倉が原作と同じ扱いの作品は全部BADENDってことになる
ことほどさようにBADENDの価値観は人によってさまざま
だから自分好みの作品を読みたいのなら保管庫から自分で探すよりほかはない
>>555 キョンいじめ、涼宮ハルヒの後悔、鍵の消失・・・・
全部VIPの作品だな
>>558 何かVIPが悪者みたいな書き方だな
エロパロにもBADENDけっこうあるだろ
むしろレイプ物とかが結構あるエロパロのほうが(ry
>>543 GJです。
ところで古泉×生徒会長なのだろうか
いや、古泉×会長×喜緑さんじゃないか?
>>543 キョンが「ガクブル」モノローグしてるのを見て、キョンって実はちゃねらwwwって落ちもいいなって思ったよ。乙。
鶴屋×谷口ものってないの?
只今電波待ちでごじます
ゆんゆん
でんぱ発信
ハルヒがまた変なこと考えて起きたら江戸時代に
でもそこは何故か精密機械があったり宇宙人がいたり巨大な犬がいたりでもうハチャメチャ。
アレ?
>>564 とりあえず寝る前に妄想してネタ考えとくわ
電波発信
キョンから5m以上離れると自爆する長門
アレ?
ある日のことだった。俺はいつものように部室で朝比奈さんの入れたお茶をすすってまったりしていると、デカイダンボールを
積んだ台車を転がしてハルヒが部室に入ってきた。
「今日は全員コスプレ!着ないやつは死刑よ!!」
全く、今度は何だ・・・ってこれ、まさかお前・・・・。
「そうよ、懐かしいでしょ?」
懐かしい・・・?じゃ、やっぱりこれは・・・
「「鳥人戦隊ジェットマン」」
どうやらハルヒの奴、この間俺が偶然古本屋で見つけて買って、半ば強制的に貸りた小説を読んで影響されたようだ。
んで、俺はどれを着ればいい?
「アンタみたいなのには似合わないけど、はい。」
これは・・・ブラックコンドル、結城 凱の衣装か!懐かしいなぁ、かつて俺が憧れた男、最終回で俺の涙をさそった
男、その男のカッコをするのか・・・どれどれ・・・うわ、ぴったり。それじゃあ、言ってみるか?アレ。
「俺に惚れろ!」
「うん。それ、無理。」
って、朝倉!何故お前が!?っていうか、いつのまに外に出た!?
「それじゃ、死んで。」
朝倉の持っていたナイフが俺の腹に突き刺さる。そう言えば・・・凱もこうやって刺されて死んだっけ・・・あ・・・
意識が・・・・
「・・・ョンくん・・・キョンくん、朝だよー!」
何だ、夢か。しかし縁起の悪い夢だった。
そして、俺はいつものように部室で朝比奈さんの入れたお茶をすすってまったりしていた。すると、デカイダンボールを
積んだ台車を転がしてハルヒが・・・ってアレ?この展開・・・
「今日は全員コスプレ!着ない奴は死刑よ!!」
おいハルヒ、その中身もしかして・・・
「そうよ、懐かしいでしょ?」
やっぱりか・・・んで、俺はどれを着るんだ?
「はい。」
これは・・・レッドホーク、天堂 竜の衣装!?何で俺が・・・てハルヒ!そのカッコは?
「そうよ、ホワイトスワン、鹿鳴館 香!」
・・・おい、長門。女のお前に聞くのも難だが、これってまさか・・・
「そう、そのまさか。涼宮ハルヒは最終回の内容を知っている。だからあなたにその衣装を渡した。」
おいおい、冗談じゃないぜ・・・
「ちなみに、あなたが見た夢のようには絶対にならない。アタシがさせない。」
分かったから、雷太のカッコしてそういう話し方するのはやめろ。
「というわけでキョン!今日はアタシに付き合いなさい!!」
どういうわけだか知らんが、へいへい分かったよ。か・お・り。
「うんうん、分かってるじゃない。じゃ、行きましょ、竜!」
そしてハルヒは俺の腕に組み付いて俺を引っ張っていった。
「「お気をつけて〜」」
凱のコスプレをした古泉とアコのコスプレした朝比奈さんが笑顔で手を振っている。くそっ、古泉め。引ったくりに
刺されればいいんだ。アイツなんか。
その日、俺はハルヒにさんざん振り回され、気付けばあたりはすっかり暗くなっていた。
「楽しかった!コスプレしてデートってのもなかなかいいもんね。」
はいはい、そうかい。こっちはもう疲れたよ。
「それじゃ・・・後、あんたじゃなくて竜にするんだからね、誤解しないでよ!」
「誤解?何をするって・・・」
俺の口はそう言いかけたが、ハルヒの唇によって塞がれた。数秒、いや、数十秒か?ほんのちょっとの間だったが、俺は
ものすごく長く感じた。
「・・・・それじゃ、衣装は洗濯して明日持ってきなさいよ!」
そう言ってハルヒは去っていった・・・。
翌日、俺が部室に行って見ると、そこにはホットパンツをはいたハルヒ、黒いテンガロンハットを被った古泉、地味な服を着た朝比奈さん、
そして、ベレー帽を被った長門がいた。
おいおい、随分と時代を遡ったな。よりによってゴレンジャーかよ。
そう、モモレンジャーがハルヒ、アオレンジャーが古泉、ミドレンジャーが朝比奈さん、キレンジャーが長門である。
「やっと来たわねキョン。今日はこれよ!」
やっぱり、俺がアカレンジャーかよ。で、これはお前が持って来たのか?
「違うわ、有希が持ってきたの。」
長門が?おい、どういうことだ。
「・・・おいどんは活火山たい、怒ればでっかい阿蘇山たい・・・。」
まさかお前、そのカッコをしたいがために・・・?
「・・・・・そう」
分かった、今度カレー奢ってやるから、とっとと辞めさせてくれ。
END
ちょっとクスリときた。それにしても元ネタ知らんとさっぱりだな。
にしても、キレンジャーはカッコ悪いヒーローの代名詞だな。
>「・・・おいどんは活火山たい、怒ればでっかい阿蘇山たい・・・。」
笑った
575 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 03:16:49 ID:UOQiaIqc
前みたいなハルヒが孕むやつがみたいze〜
>>535 「………」
ぺたぺた。
「………」
無人島、戦隊共にGJです!
北高戦隊涼宮レンジャーか・・・
どこぞの生徒会長が似たようなことやって暴れてたのを思い出すよ。
>>572 無言でブラックコンドルになった古泉に涙が止まらない(つД`)・゚・
「いいんですか、本当に」
あぁ、満足している。お前にもさ……感謝してるんだぜ。
「……らしくないですよ」
ウソだ。礼ならお前に言われる方だからな、むしろ。
……まあ、付きあえよ。お前とサシで飲むのも久々だしな。
笑えよ、古泉。お前はやっぱり笑ってる方がいい。
カラッポだなんて言って悪かったな。
「……ムチャな事……言わないでください」
ジェットマン思い出すはずかいつの間にか違う作品に。
しかもキョンが死んでるしorz
581 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 12:34:55 ID:jH8pKVNb
>>572 GJ! 雷太な有希を想像したら吹いたw
>くそっ、古泉め。引ったくりに刺されればいいんだ。
キョンヒドスwww
「放課後 教室にて」
豊原「あ」 ペタペタ
後藤「どうした?」
豊原「眼鏡かけて来るの忘れた」
後藤「……してないほうが可愛いと思うぞ。俺には眼鏡属性ないし」
豊原「眼鏡属性って何?」
後藤「っく…、何でもない! ただの妄言だ」
豊原「そう」
>>578 その面から言うとブルーは古泉が抜擢されるべきだな。
にしても涼宮と某生徒会長って性格にてるよな・・・
東郷平八郎だっけ?
>>586 何か大阪で住民のために蜂起でも起こしそうな名前だな。
すまん、ゼタが知らんかったから言ってみたかっただけなんだ…
大塩平八郎じゃね?
>>589 1582だっけ?
覚え方はイチゴパンツ
ここはいつからキョンの歴史うんちくスレになったんだww
大塩平八郎の乱は1837じゃなかったけ?
とすると覚え方は「イヤミな」か。
ここで流れを変えるようなSSを投下する勇者はいないか?
日本史の教師か うう…うう… うおお おっ おっ オメーらはよォォォォ
久しぶりに投下。
23レスぐらいです。長いです。エロくも無いです。
ご注意ください。
俺がまっとうでない人生を過ごしている現在時間をさかのぼる事、三年前。七夕が少し前に過ぎ去った日のこと。
朝日もまだ昇っていないうちから、東中の下駄箱に怪しく蠢く二つの影があった。
まあ、俺と朝比奈さんなんだけどな。
「す、す、す、数奇屋、鈴木、涼宮、……朝比奈さん! こっちにありましたよー!」
「はーい!」
可愛らしいサンダルを履いた朝比奈さんが、森の小動物のように軽い足音を響かせながら駆け寄ってくる。
「あ、こっち側だったんですね」
丸めて結い上げた髪の毛と、ブラウスの下のタンクトップが夜気にまぎれてもなお眩しい。夏っていいな。
「ごめんねキョンくん、ちゃんと下調べできてなくて」
全然かまいませんよ。朝比奈さんと一緒なら、懐中電灯で下駄箱の名前を確認するような陰険な真似をしてても、俺の胸は爽やかな春風で満たされっぱなしです。
俺の言葉を聞いた朝比奈さんは、暗闇の中でも衰える事のない輝く宝石じみた笑顔で頭を下げると、一転して緊張した面持ちになりながら、ポケットから小さな箱を取り出して、ゆっくりと開く。
「じゃあ、今のうちにやってしまいましょう…………あいたっ!」
「だ、大丈夫ですか?」
「ううー、刺さっちゃいましたぁー」
朝比奈さんの手元に懐中電灯を当てると、白く柔らかそうな指先の一点に、ドット欠けのような暗い染みができてしまっていた。ああ、痛ましいお姿。
「俺がやっときますから、朝比奈さんは手元照らしといてください」
指を自分の口の中に入れて消毒する朝比奈さんに、栄えあるルネサンス期の絵画にも劣らぬ芸術的価値を見出しながら、箱を受け取って中身を二つ摘まみ出す。
明かりの下で鈍く輝く、尖った金色。
要するに画鋲だ。
「すまんな、ハルヒ。これも、えーっと、何か知らんが、多分未来のためだ」
適当な事を言って罪悪感を誤魔化しながら、でかいフォントのゴシック体で『涼宮』と書かれたシューズの中に、針を下にして画鋲を入れる。
あいつは鋭いからすぐ気付くだろうが、万が一刺さったりしたらさすがに可哀相だしな。
「よし、完了です」
「うぅ、何から何まですいません……」
いえいえ。指を口に咥えた可憐な姿、こちらこそごちそうさまです。
「じゃあ、取りあえずここを出て時間を潰しましょう。腹も減りましたし、ファミレスなんかどうですか?」
「うん、そうしましょう。手伝ってくれたお礼に、私が奢ってあげますね」
昇り始めた朝日に照らされて、ぼかした様な灰色を取り戻しつつある下駄箱の間で、俺たちは笑い合う。
人のシューズに画鋲を入れるという、無視するには微妙に大きすぎる後ろめたさをかき消すための笑いだった。
なんか、みじめだな。
さて、たしかに俺はハルヒに対して、自然災害によって家を滅茶苦茶に荒らされるお年寄りのような感情を抱くことも多々あるのだが、いくらなんでも時空を超えてまで、いじめらっれ子の小学生がするような仕返しをしたいと思ったことは一度もない、と思う。
そんな俺がどうして三年もの気の遠くなるような時を越えて、ハルヒのシューズに画鋲を仕込んでいたのかと言えば、
「本当にごめんね、キョンくん。未来からの指示だからって、こんな事に付き合わせちゃって」
ま、こういうことだ。
俺に朝比奈さんのお願いを聞いて頭を横に振る機能なんて備わっている筈が無く、二つ返事でお誘いを承諾した結果、もう何度目か分からない三年前の時空に足をつけてるってわけさ。
「にしても、中学時代のハルヒのシューズに画鋲を入れとけって、さっぱり意味がわからない指令ですね」
いつもの事っちゃいつもの事だけど。
「ええ。でも、大切なことらしいですから。……涼宮さんには、やっぱりちょっと申し訳ないですけど……」
ガムシロップたっぷりのアイスコーヒーを啜っていた朝比奈さんは、義務感と罪悪感が複雑に混じりあったような顔で小さく息を吐く。
いかん。せっかく朝比奈さんと二人っきりという夢のような時間だってのに、こんな雰囲気のままじゃ近所の霊園とかで無縁仏の供養をしてしまいそうだ。
「ハルヒには悪いけど、これも規定事項ってやつなんでしょう。それに、あいつのシューズに画鋲が入ることが、皆にとってすごくいい結果に繋がるかもしれないじゃないですか」
風が吹いても桶屋がもうかるぐらいだしな。世界の食料危機とかが改善されるきっかけになるかもしれん。
「だから、悩んでてもしょうがないと思います。それより、夕方までの時間を何に使うか決めませんか? そっちの方が、きっと楽しいですよ」
実は未来からの指令はもう一つあって、それは『夕方の六時まで同時空に留まっておけ』というものだ。
ハルヒには本気で申し訳ないという気持ちもありつつ、合法的に朝比奈さんとデートできるチャンスを見逃すことができないアンビバレンツな男子高校生の気持ちを、どうか理解して欲しい。
朝比奈さんは少しの間、考え込むように俯いていたが、すぐに顔をあげると、
「そうですよね。うん、折角だし、夕方まで楽しんじゃおっか」
春の陽射しみたいに暖かな笑顔を見せてくれた。氷河期の恐竜たちに見せてやりたいね。
その後、俺と朝比奈さんは駅前で三年前の流行を眺めてみたり、電車に乗って普段行かないような観光名所なんかを回ったりした。
俺の感想はただ一言で足りる。生きててよかった。
しかし、世の中ってのは複雑に見えて単純にできている。子供の頃やったシーソーとブランコを思い出してみればいい。高い所の次に待ってるのは、地面すれすれの最低だ。
それに昔から言うだろ、ほら、因果応報、勧善懲悪。
とにかく、人の靴に画鋲を入れるような悪い事なんて、するもんじゃないってことさ。
「……やっぱりダメ。時間移動どころか、通信すらできなくなってる……」
北高にある狭いトイレの個室の中。朝比奈さんの綺麗な顔は、窒息寸前のように青ざめている。
「落ち着いて、朝比奈さん。もう一回、もう一回試してみてください」
朝比奈さんは首を横に振る。頭の上で丸められた長い髪の毛も、それに倣って不安そうに揺れていた
「何度やっても同じ。強烈なジャミングがかかってるみたいなの。それが無くならない限り、TPDDが正常に作動するとは思えない……」
簡略化すると、帰れない、ってわけだ。
三年前の時空に取り残される二人。冬の雪山よりはまだマシかもしれないが、ロマンスには程遠いな。
脳漿でベストドラマー決定戦でもやってるんじゃないかと思うぐらい痛む頭を抱えながら、俺は情けない声をあげる。
「原因とかってのは、わからないもんなんですか」
朝比奈さんは壁の方を向きながら、独り言のようなトーンで、
「……正確にはわからない。でも、涼宮さんの作り出した時間震動に似てるかも……そういえば、ここは震源時空からも近いし……けど、さっきまでは問題なく……」
バラけた思考を整理するように、壁に向かって呟き続けている。
俺も閉じたままの便器に腰を下ろして、役に立たないなりに善後策を講じようとしたが、自分が一般人だということを思い出して、すぐに止めた。閃くはずの電球がそもそも無いからな。
しかし、ほとほと三年前ってのは俺と縁が深いらしいな。この時空の長門の部屋では、数ヶ月前の俺が暢気に爆睡してるだろうし、家では中一の俺が晩飯で食ってるはずだ。
普通に考えたら気が狂いそうな話だが、まあ俺にとっちゃ今更だ。宇宙人だの未来人だの超能力者だのと付き合ってたら、いつの間にか免疫ができて……
「……そうだ!」
突然の大声にピクリと震える朝比奈さんに構わず、俺は続ける。
「朝比奈さん、長門の家に行ってみましょう。あいつなら原因を知ってるかもしれないし、何か上手い手を教えてくれるかもしれません」
最悪、また三年ばかり寝かしてもらえばいい。
長門には迷惑をかけちまうかもしれないが、身を隠したまま三年も過ごすってのは、さすがにぞっとしないからな。
「……そうですね。どちらにしろ、私たちだけではどうにもなりません。長門さんを頼らせてもらうのが、一番の近道かも」
俺と朝比奈さんは頷き合うと、トイレの個室から足を踏み出した。
ちなみに、今までいたのは女子便所である。
俺は城主の寝首をかけ、失敗すれば一族の命はないぞという命令を受けた凄腕忍者のように、人の気配を窺いながら慎重に歩を進めた。
ニンニン。
もうお馴染みとなった三年前の長門は、いつもどおりの無愛想さで、快く俺たちを迎えてくれた。
俺の横で正座している朝比奈さんは、友達に無理矢理誘われてやった悪戯がばれてしまった気弱な少女のように恐縮していた。
対面の長門は、一口も飲んでいないお茶を両手で覆ったまま、
「涼宮ハルヒが、この時空を他の時空から切り離すために、大規模な時空震を発生させている」
やっぱりハルヒか。ナマズと勝負できるぐらいの地震娘だな。違うのは髭の有無ぐらいだ。
「しかし、彼女がその様な行動を起こすに至った原因は、あなた達にある」
「ひぇ?」
朝比奈さんが小鳥みたいに不器用な声で疑問符を浮かべている。もちろん俺も同じ気持ちだ。
「俺たちって……俺と朝比奈さんのことか?」
「そう」
「……今お前と喋ってる俺たちのことか?」
「そう」
はは、そんな馬鹿な。俺たちが今日やったことといえば、シューズの中に画鋲を仕込んだり、朝比奈さんと楽しいひと時を過ごしたぐらいで、悪い事は何にも……あれ?
「ひょっとして……」
長門は、まだ外していない眼鏡の下から、射抜くような目で俺を見つめながら、
「今朝早く上履きの中に画鋲が入れられているのを発見した彼女は、誰かが自分に危害を加えようとしていると判断し、非常に大きなストレスを発生させている」
嫌な予感が、タービンで蒸気を発生させるぐらいのフルスロットルで加速し始める。
「加えて、放課後まで同級生を締め上げ続けても誰がやったか分からなかった彼女は、絶対に犯人を逃がしたくないと強く願い、この時空に閉鎖的な属性をもたらしている」
朝比奈さんの、湯飲みを持つ手が震えている。
それもそのはず。今回起こった大規模な時空震は、完全に俺たちのせいだった。
ていうか、仕返しのためだけに時空を切り離すって、無茶にも程があるぞ。
朝比奈さんが堪らずに声をあげる。
「で、でも、未来からそういう指示が来てて……」
対する長門は冷静に、
「おそらく、この事態を見越した上での指示だと思われる。時空震が起きたのは、午後五時五十三分。学校が閉まり、犯人探しができなくなった時間。それ以前から飛べば、時空のブレに巻き込まれる可能性がある」
夕方六時までこの時空に留まれってやつか。それまで朝比奈さんと楽しく遊んでいた俺としては、なんか美人局の詐欺に遭った気分だな。
かなり失礼なことを考えつつ、三年後より微妙にとっつき難い長門に尋ねてみる。
「それじゃあ、これから俺たちはどうすりゃいいんだ?」
「そこまではわからない。しかし、これは絶対的な時空断層ではない。時間を置けば解決する可能性が高い」
時間って、どのぐらいだ?
「それも不明。一日かもしれないし、一年かかるかもしれない」
「い、一年ですか!?」
朝比奈さんがうろたえたている。心配しないでも、あなたは何年経ったって美しいままです。だが、俺は薄汚いおっさんになる可能性もある。それは勘弁願いたいな。
「他の手はないのか、長門?」
長門は頷いて、ずれた眼鏡を戻しながら、
「簡単な手がある。私達で、涼宮ハルヒの心を安定させればいい」
なるほど。あいつが自分でストレスを処理するのを待たず、こちらが打ち消してやればいいわけだ。自分でやったことの尻拭いを自分でやるって感じだな。
しかし、こっちだって未来からの指示で仕方なくやったんだぜ。そう考えると、何となく納得いかない話だな。
それとも、また三年寝太郎ごっこをやれってことなのか?
「それは推奨できない」
冷蔵庫の稼動音より小さく、長門が呟いた。
「この部屋は、もう既にあなた達が眠っているので使えない。もう一つ部屋を用意することになれば、どちらかに私の目の届かない部分が出てくる危険性がある」
眠ったままどうにかされるってのは、御免被りたいな。それに、戻れる可能性があるのなら、これ以上長門の手間を増やす道理はない。
「わかった。あいつの傾ききったご機嫌を直してやりゃいいんだな?」
長門は三年後と同じ角度で、小さく頷いた。
そうと決まれば話は簡単だ。ここ一年そればっかりやってきたんだからな。餅は餅屋って奴さ。
「あの……本当にごめんなさい」
湿ったような言葉が、横から聞こえてきた。朝比奈さんの方をみると、大きな目一杯に涙を溜めながら、ぺこぺこと頭を下げている。
「ごめんなさいキョンくん。変なことに巻き込んじゃって……私、こんな事になるって知らなかったから……長門さんも、また迷惑かけちゃいました」
下手糞な泣き笑いの顔で、自分の頭を小突く。
朝比奈さんは自分の頭を叩くときの仕草も、泣きそうな顔も壮絶に可愛らしいが、笑顔でいらっしゃる時はその二億倍可愛い。
「そんなの、全然ですよ。むしろ楽しいぐらいです。なんせしばらく学校に行かないでよさそうですし。気を張らないで、休暇気分で頑張りましょう」
朝比奈さんと旅行に来たと思えば、迷惑どころか、金を払いたくなってくる気分だ。
「それに長門だって、そんなの気にしちゃいないですよ。な?」
長門は朝比奈さんの方を真っ直ぐに見詰めながら、
「できる限りのことは、する」
小さいが、温度のある声だ。
朝比奈さんはそれを聞いて、ますます涙を流し始めた。
結局、泣きつかれた朝比奈さんがころりと眠ってしまったこともあり、俺たちは元の時間に帰れるまで、長門の部屋で世話になることになった。
頭が上がらないね、まったく。
翌日から、俺と朝比奈さんと長門によるハルヒのご機嫌矯正ミッションがスタートした。
といっても、直接あいつに会うことは避けなくてはならない。
今の俺はあいつにとって、キョンではなくジョンである。見つかったら絡まれることは間違いないだろう。
もしそんな事になって、俺の顔をあいつがはっきりと覚えてしまえば、未来が変わってしまう危険性がある……とは長門の弁だ。
それは朝比奈さんにも言えることで、俺と違って非凡な顔立ちをしていらっしゃる朝比奈さんを間近で見てしまえば、ハルヒの頭はハイエンドのデジカメばりに高解像度で記録してしまいかねない。
加えて、中学生なんてほとんど学校と自宅の往復だ。まさか学校に侵入したり自宅に押し入ったりするわけにもいかないだろう。
というわけで、俺たちは限られた時間の中、限りなく婉曲的な方法でハルヒの機嫌を直さなくてはならず、予想以上の苦戦を強いられていた。
作戦その一 『お菓子の家のハルヒ』
登校する途中、道端に点々と落ちているパンくずを想像して欲しい。
ほら、非日常の匂いがぷんぷんするだろ。
グレーテルのようにパンくずを追いかけていった先には、何と古びた宝の地図(長門作)が!
ちなみに、さすがに宝を用意する時間は無かったので、長門の家にあったレトルトカレーを埋めといた。
冒険ってのは結果じゃない。大事なのは、過程でいかに大切な仲間達との出会いを、
「ふぇ、キョンくん! パンくず、カラスに食べられちゃいましたぁ!」
よし、撤収。
作戦その二 『行け! 東中卓球部』
下校する途中、道端にそっと置かれた卓球大会のチラシを想像して欲しい。
ほら、胡散臭い匂いがぷんぷんするだろ。
ちなみにこれは、以前ハルヒが野球大会に申し込んだ時の事を思い出して作られた作戦だ。
といっても、いまのあいつにはSOS団なんてありはしないから、一人でもできる競技ということで、タイミングよく掲示板に張られていた卓球大会のお知らせを使わせてもらった。
「涼宮さん、まだ来ませんね」
俺たち三人は、東中の真横にある軽食屋の二階で、ハルヒが通るのを待っていた。
揃って窓から身を乗り出している姿は死ぬほど怪しいが、長門のミラクルパワーが発動しているのか、いまだ職質は受けていない。
「あ、来ましたよ!」
朝比奈さんの声を聞いた俺は、校門から出てくるハルヒの前に、軽く丸めたチラシを投げつける。
急に飛んできた紙くずに、ピクリと反応するハルヒ。
これは釣れたな! と思った瞬間、
「あ、何だこれ?」
横からやってきたアホそうな顔の男子中学生が、チラシを拾い上げてしまった。
ていうか、谷口じゃねえか……。
「卓球大会? お、賞品は旅行券だってよ。どうだ涼宮、一緒にダブルスでも……」
アホをスルーするハルヒ。懸命だ。
俺はアホに向けてフォークを投げつけてやりたい気分だったが、相手は中学一年生だ。大人の俺が、我慢しなくてはならない。
野郎、三年後に戻ったら鼻の穴を三つにしてやる。
盛大にため息をつきながら、フローリングの床に寝転がった。頬に当たる冷たい感触は、何となく長門を思い出させる。部屋は主に似るってわけか。
当の長門は、朝比奈さんと揃って買い物にでかけてしまっている。
「俺が行くから」と言ったのだが、朝比奈さんはまだ責任を感じている様子で、頑として聞き入れようとしなかった。
長門は長門で、「途中で過去の知人と遭遇してしまう可能性がある。目を離すわけにはいかない」と言って、こっそり後をつけていってしまうし。
男女の役割逆だろ、とは言わないでくれ。わかってるから。
そんなわけで、俺は今日の反省会を一人寂しく行なっているというわけだ。
しかし、あいつの機嫌を直すのがこれほど難しいとは思わんかった。
やっぱり直接接触できないってのが最大のネックだよな。作戦の幅がかなり限られてる。長門もこういうのは苦手分野みたいだし。
いっそ俺が出て行って説明した方が早い気がしてきた。お面でもつけときゃ、顔もわかんないだろ。
いや、でもお面なんてつけてたら、明らかに変質者だ。しかもあいつのことだから、絶対お面を引っぺがそうとするに違いない。
というかそもそも、あいつのロールシャッハテストで見せられる絵のような思考体系をトレースするのは、俺みたいな凡人じゃ不可能なわけだから……
「くそ、わからん」
頭をかきながら立ち上がり、ベランダに続くガラス戸を開く。
外に出ればいい考えが浮かぶかもしれない、なんて追い詰められた芸術家みたいなことを考えたからだ。
実際はそう都合よく天啓が下りてくるはずも無く、隣のビルの窓を数えるのにも飽きた俺は、何となく空を見上げてみた。
七階だけあって、暗い藍色をぶちまけたような空がすぐ近くに感じられる。クーラーの室外機が無粋な音を立てているが、気になるほどじゃないな。
「……いつ、帰れるかな」
記憶ってのは、人の弱気につけ入るもの。高校生のハルヒの顔や、妹の小六とは思えないガキっぽい顔や、おまけに白い歯が嫌味に輝く古泉の顔まで思い浮かべてしまう。
まだ二日目だってのに、俺は随分とホームシックになりやすい体質みたいだ。
自分に対して皮肉めいた笑いを投げかけながら、視線を元の位置に戻すと、
「……おい、ちょっと……」
すぐ隣のマンションの屋上。七階より少し低い位置だ。いや、それはどうでもよくて、フェンスの上に、何か黒いものが……。
「……人じゃないか?」
思わず身を乗り出した。目を細めて視野をぎりぎりまで絞る。間違いない、誰かが屋上のフェンスによじ登ってやがる。
頭の中が、錆びたエンジンみたいに軋んだ音をたてながら回転を始める。
あんな所に登るのは、どんな時だ。
決まってるさ、壁の補修かなんかだろ。
あんな小さい奴がか?
おいおい、差別はよくないぞ。小柄な修理工だっているかもしれない。
いや、それは無いな。Tシャツに短パンの修理工なんて聞いた事が無い。
じゃああれだ、フェンスの向こう側に財布でも落としちまったんだろ。
冗談だろ、縁まで何センチも無いんだぜ。
そうか。じゃあ次で決まりだ。ほら、シーソーとかブランコを思い出せよ。
ああ、なるほどな。
高い所の次は、低い所だ。
冷静になって考えてみれば、警察にでも電話すりゃ良かったんだろうが、生憎とそう都合よく回るタイプの頭を持っていないんだ。
「長門!!」
叫んでから気付く。あいつは今いないんだった。
「おい! そこの奴! ちょっとそのまま待ってろ!」
びっくりしたように、こちらに顔を動かす人影。小柄な顔だ。
「子供かよ、くそ……いいか! 絶対落ちるなよ!」
俺は部屋を飛び出すと、一階で停止しているエレベーターを横目に、転がりながら階段を下りて、隣のマンションに飛び込んだ。
オートロックを開けて出てきた若い男と入れ違いに中に入ると、一階から上昇していったエレベーターに見切りをつけ、階段を駆け上る。
機械ってのは、なんでこう肝心な時に役に立たないんだ、などと現代文明の功罪について感慨を抱きながら舌打ちしつつ、最上階から開きっぱなしの非常階段を抜けて屋上へ。まるでピンボールになった気分。
邪魔臭い給水塔を迂回して、長門の部屋が見える位置に走りこむ。
徐々に見えてくる小さな人影。
フェンスの上の一番高い所で、子供はまだ俺の事を待っていた。
「……な、何だよ!」
何だよじゃねえよ、チクショウ。
腰の引けている声を聞いて胸を撫で下ろしながら、真夏日の犬みたいに舌を出してへたり込む。
ゲーセンに行ってる奴は、もうちょっとピンボールのことを労わるべきだと思うね。
しばらく経ち、息も落ち着いてきたところで、フェンスの上に足だけでまたがっている子供を見上げる。
小学校高学年ぐらいか。ちょうど俺の妹と同じような雰囲気だ。身体は小さいし、変声期前で男か女か分からんが、さっきの口調からして男だろう。
俺は少年(多分)に一応聞いてみた。
「お前、何やってんだ」
「……見ればわかるだろ! 飛び降りだよ! 自殺だよ!」
やっぱりな。これで「財布落としたんです」なんて言われたら、こっちが飛び降りたい気分になるところだ。
少年は乳歯みたいな牙を剥きながら、俺にむかって吠え立てる。
「何だよ! 止めたって無駄だからな! 絶対落ちるからな!」
絶対落ちる度胸ないなこいつ。でも、こんな所にいたら本当に何かの拍子に落ちてしまうかもしれん。
目の前でそんなスプラッタなシーンを見たくなかった俺は、説得を試みることにした。
「危ないからとりあえず下りろ。なんか世間に不満があるなら、俺が聞いてやるから」
凡百の言葉しか出てこない俺の口。今度広辞苑でも読んでみた方がいいかもしれん。
「お前まだ小学生だろ。自分の人生を諦めるには早すぎるんじゃ……」
「中学生だ!」
「……失礼。あー、まだ中学生だろ。せめてお前、高校生になるぐらいまで頑張ってみろよ。そしたらあれだ、ほら、人生を変えるような出会いがあるかもしれないぞ」
どっち方角に変わるのかは知らんが。
「うるさい! 別にそんなの無くていい!」
駄々をこねるようにぐずる少年。
やっぱり俺は説得とか苦手分野だな。ハルヒか古泉なら、上手くやるんだろうけど……。
あ、そうだ。長門に連絡を取って、力ずくでも引っぺがしてもらおう。
すっかり存在を忘れていた携帯を取り出すと、頭上から怯えたような声が降りかかる。
「あ、け、警察に電話するのか?」
「いや、お前を助けてくれる知り合いに電話するだけだ。それにお前、いつまでもそんな所にいたら、すぐに誰かが警察呼ぶと思うぞ」
警察沙汰になるのは嫌みたいだ。俺としては、下にマットでも敷いてもらえりゃ、安心できるんだけどな。
「……ふん、誰を呼ばれたって下りないからな!」
「いや、下りるね。なんたって、俺が呼ぶのは宇宙人だ」
少しでも興味を引こうと思って、そんなことを言ってみる。すまん長門。本当のことだから、勘弁してくれよ。
「宇宙人?」
しかし、少年の反応は俺の予想していたものよりはるかに大きかった。
こちらを大げさに指差すようにして、
「お前、涼宮ハルヒの仲間か!」
「あ、ハルヒ? って、おい、馬鹿! 危ないっての!」
「え……、うあ、うわぁ!」
無理な体勢でバランスを崩した少年が、顔を真っ青にしながらフェンスの上に両手でしがみつく。小便でも漏らしそうな雰囲気だ。
「あー、もう!」
見てるこっちが先に心臓麻痺で死んでしまう。
俺は携帯を放り投げ、走り高跳びの要領でフェンスにしがみつくと、田舎で親戚の子と遊びまわった経験をいかして蜘蛛のように上りまくり、まだ目をキョトンとさせている少年の首根っこを片手で掴むと、自分の体ごと屋上の床に放り出した。
「いっつぅ……」
華麗に着地しようとしたが、さすがに足を捻ったらしい。カッコよくは決まらないもんだな。
足首を押さえて蹲る俺を動物園のでかいイグアナを見るような目でみていた少年は、腰を抜かしたように座り込むと、わんわんと泣き出した。
泣き虫ってのは、どこにでもいるもんだ。
フェンスの下で肩を並べながら、俺は少年の話を聞いていた。
なんでも彼の親は頻繁に転勤を繰り返しているらしく、それに連れられてあちこちを転々とする少年は、まったく友人を作ることができず、一人でずっと悩んでいたらしい。
それに加えて、
「お前をいじめてる奴の名前は、本当に涼宮ハルヒっていうのか?」
少年は目を擦りながら頷いた。
「宇宙人とか、未来人とか、超能力者とかは、みんなあいつの仲間なんだ」
あいつ、中学校でもそんなこと言ってんのか。しかもいじめっ子。
俺はただただ身内の愚行に恥じ入るばかりだった。さすがに情けなさすぎるぞ、ハルヒ。
拳骨の一発でもくれてやりたいところだが、今の俺にはできんことだ。三年後に戻ったら、絶対たんこぶ作ってやる。
「もう、死んだ方が楽かもって思ったんだ。……今だって、そう思ってるよ」
にしては腰が引けてたな、なんてことは口が裂けても言わない。あんな高い所、誰だって怖いに決まってるだろ。本人は涙を流すぐらい真剣だったんだ。
「よっしゃ、わかった」
子の罪は親の罪。ハルヒも原因の一端を担ってるようだし、俺がなんとかするしかないだろ。
「今は無理だが、その涼宮ハルヒとかいう奴には、俺が責任を持ってお仕置きをしといてやる。必ずだ。友達の方は、そうだな、今は俺だけで我慢しとけ」
まあ、すぐいなくなっちまうんだけどさ。
「別にいいよ。そこまでしてくれなくても」
冷たい反応。思春期ってやりづらいな。
「実はな、俺も今実家から出てきて、親戚の家に居候してるんだ。でもそこは女性しかいなくてさ、どうにも話が合わなくてな。話し相手になってくれる奴が欲しいなって思ってたんだよ」
「……うそっぽいよ」
まあ嘘だけどな。女しかいないってのは本当だ。
「いや、本当だって。学校にも行ってないし、暇で暇でしょうがない。な、どうだ。俺がこっちにいる間だけ、話し相手になってくれよ」
俺の言葉を聞いた少年は、両手で膝を抱えたまま、戸惑うようにコンクリートのつなぎ目を見つめていたが、その内ゆっくりと頷いた。
それから俺たちは中身の無い馬鹿みたいな話をしたあと、明日もここで会う約束をして、それぞれの部屋に戻った。
新しい友達ができた、と思っていいんだろう。
時間旅行ってのも、そう悪いもんじゃないな。
三年前、三日目。妙な響きだが、事実なんだからしょうがない。
昨日の少年の話を聞いた後では、正直ハルヒのご機嫌窺いなんて蚊の血を吸う部位の正式名称ぐらいどうでもよくなっていたんだが、俺たちが帰るためには、どうしてもあいつをご機嫌にしてやらねばならん。
娘を人質に捕られたジャック・バウアーみたいなもんさ。
「昨日の涼宮ハルヒは、私達の用意した作戦の端緒にさえかかっていなかった。方法を根本的に変える必要がある」
とは言え、俺達が積極的に介入するわけにはいかないしな。せいぜい道端に何か仕掛けるぐらいしか……
「そこで、動かしやすい第三者を使う」
「動かしやすい?」
……長門、まさか、お前。
驚愕する俺に、長門は目だけで頷く。
朝比奈さんは、子犬が飼い主を見るような目で俺達を交互に見つめていた。
作戦その三 『小さな恋のメロディー 映画編』
朝の早い時間。俺は長門がどこからか調達してきた易者変装セットを身に着け、裏道の影で息を潜めていた。
やがて、欠伸をしながら表を通りかかる、アホそうな中学生。
「おい、そこの賢そうな中学生」
「え? 俺?」
お前賢くはないだろ、と叫びだしそうになる自分を抑えて、俺は鷹揚に頷いた。
「そう。お主だ。お主は他の人にはないオーラを持っている。だからついつい呼び止めてしまったのだ」
「ふーん、おっさん、見る目ありそうだな」
のこのことやってくる谷口。将来が心配だ。
俺はできるだけ潰したような声を作ると、
「その体から溢れ出しているオーラに免じて、特別にただで占ってしんぜよう」
「え、マジで! らっきー」
そこまで素直に喜ばれると、さすがに良心の呵責を感じるな。しかし、これも元の時間に帰るためだ。
俺はおみくじみたいな奴を適当にしゃこしゃこ振り回し、それっぽいのを一本取り出して、
「お主は今、恋をしているな?」
「え? あ、うん。してるかも……」
「相手の苗字は、す、から始まってる。名前は……は、から始まる。違うか」
谷口はビックリしたような顔でカクカクと頷く。インチキマジシャンと純真な少年。
「そうだろう。しかし、お主と彼女の相性は、あまり良いとはいえん」
正直、最悪だ。
「ほ、ホントかよ?」
「ああ。だが、私の目には、それを何とかする手立てが見えておる。聞いてみるか?」
「もちろんだ! 聞かせてくれ!」
ああ、何て思い通りのリアクションをしてくれる奴だ。お前が魚なら、五秒で釣れる自信があるぞ。
「彼女は、今自分が置かれた状況に、かなりの不満を感じておる。というか退屈しておる。そこで、」
俺は服の下に忍ばせた映画のチケットを取り出し、
「このペアチケットを使って、お主がその退屈を紛らわせてやるのだ」
谷口は目を輝かせながら、
「そ、それ、くれるのか?」
「うむ」
料金は三年ローンにまけといてやろう。
「ありがとう、おっさん! おれ、頑張るからな! 友達にもあんたのこと宣伝しといてやるよ!」
「頑張るのだぞー」
俺はひらひらと手をふって、スキップするような足取りで去っていく谷口を見送った。
しばらくして、偵察役の長門から連絡が入る。
『涼宮ハルヒは、彼の誘いを承諾した。今日の放課後、さっそく駅前に向かう模様』
よし、これであとは、谷口が上手くやらないまでも、少しでもハルヒの気を紛らわすことができれば、何とかなるかもしれん。
……無理だろうな、絶対。
その日の夕方。
またも買出しと尾行に出かけた女性陣二人を待つ間、隣のマンションの屋上で、少年と二人でお喋りをする。
実際、女性二人に対して男一人、しかも一つ屋根の下ってのは何となく気を張ってしまうため、年下の同性と話をするのは実際結構楽しかった。
「そのハルヒってのは、ガキ大将みたいな奴なのか?」
「うん。もうすごいよ。いっつも怒ってばっかりで、竜巻みたいに大暴れしてるんだ」
俺は前に聞いた古泉の言葉を思い出していた。あいつの精神状態、一時期ひどかったらしいもんな。
「クラスの中に、そいつを止められるような男気溢れる奴とかいないのか?」
「……うん。いることはいるけど、それでも、いつもってわけにはいかないしさ」
じゃあ、そいつらにくっついてればいいんじゃないか?
「それもちょっと、かっこ悪いし……」
そんなもんかね。
「ま、お前も男だしな。もうちょっとでかくなれば、そんな奴なんてすぐに……」
……しまった。ハルヒに現在進行形で振り回されている俺には、あんまり偉そうなことは言えない。
俺が別の言葉を言おうとすると、少年は自嘲気味に、
「いいよ、僕は。そんなに強くならなくても、やりすごせれば、それでいい」
「……ま、そうだな。人には向き不向きってものがあるしな」
たしかに、あのエイリアンに寄生されたじゃじゃ馬より性質の悪い娘を相手にできるのなんて、限られた一部の人間だけだろう。
「それよりさ、何で実家を出てきたのか、聞いていい?」
ええっと、
「あれだ、ちょっと悪いことしちまってな。親からは、その始末をつけるまで帰ってくるなって言われてる」
「悪い事って?」
悪い事、悪い事……どうしよう。なかなか思いつかないな。
しかたない。無理矢理話題を変えるか、と思い顔を横にやると、少年の様子がおかしい事に気付いた。
「どうした?」
少年は答えない。俯いたままで、じっと肩を抱いている。
なんだ? ひょっとして寒いのか? 馬鹿な。今は夏だぞ。いや、夏風邪かもしれないよな。心配になって、少年の額に手を当てようとすると、
「ひっ……」
手のひらに怯えるようにしながら、俺から遠ざかっていく。少年の背中に当たったフェンスが、海鳴りのような音をたてた。
俺は慌てて差し出した手のひらを見てみたが、何がついているわけでもない。
「……おい、どうしたんだよ。大丈夫か」
少年はそわそわと周りを見渡すと、
「み、みず……水、買ってきてくれないかな……」
焦ったように言葉を紡ぐ。
「水?」
病気か何かなのか?
「あそこに、コンビニがあるから」
指差した先には、見慣れたコンビニの看板。
「でも、俺は鍵持ってないから、一回出たら入って来れなくなるかもしれない」
昨日入れたのはラッキーだったし、今日は少年の部屋に連絡して開けてもらった。
「そうだ、俺がお前の部屋に行って、水持ってきてや……」
「水道水じゃダメなんだ! 鍵なら僕のを貸すから!」
投げられた銀色の鍵を、慌ててキャッチする
「わ、わかったよ。ちょっと待っててくれ」
何か知らんが、よっぽどのことらしい。
俺はまたしても転がり落ちるように階段を下りると、コンビニに向けて走りだした。
たまにはエレベーターを使わせて欲しいもんだな。愚痴っぽい事を考えながらも、大急ぎでミネラルウォーターを買ってエントランスに戻ると、鍵を差し込んで扉を開く。
すぐに閉まろうとする扉を潜る直前、天井のライトの陰に、赤色の突起があることに気付いた。
何かのスイッチだろうが、まあ、今は気にしてる場合じゃないな。
急いで階段を駆け上り、屋上に行ってみると、
「あれ?」
そこに少年の影は無く、代わりにぺらぺらの紙が一枚、置石にされたタイルの下で、申し訳無さそうに揺れていた。
『調子が戻ったので、部屋で眠ることにしました。鍵の方は、そのまま持ってて。明日返してくれればいいです。それと、心配かけてごめんなさい。全然大丈夫なので、どうか気にしないで下さい。じゃあ、また明日。水は飲んでもらって構いません 』
俺はしばらく呆然としたまま、コンビニの袋を握りしめていた。
三年前、四日目。
少年の事が気になりはしたが、気にするなと書かれていたし、夕方には事情を聞けるはずだ。
今はとにかく、ハルヒである。
作戦その四 『小さな恋のメロディー 遊園地接触編』
またしても早朝。
俺は易者のコスプレをしながら、
「彼女さ、映画が始まって十分もしないうちに、帰っちまったんだ……」
昨日とはうってかわって、さめざめと泣く谷口の人生相談に乗っていた
「しかし、お主の誘いを断らなかったということは、脈は無くも無い、ということが無きにしも非ず、のような気もするぞ」
何だか本気で慰めてしまう俺。
「それによく考えてみろ。明日は学校が休みであろう? 昨日の雪辱デートをするには、絶好のチャンスではないか」
「でも俺、彼女にあんまり好かれてないような気がする……」
昨日の上がりっぷりとは対照的な下がりっぷりだ。振り子みたいな奴。
「大丈夫だ。今日はお主のために、昨日よりも素晴らしいものを用意しておいた」
懐から取り出したるは、遊園地の一日フリーパスが二つ。
俺の財布は火の車どころか、燃えることすらなくなった。もう小銭しか残ってないからな。
今すぐ返品したいところを、断腸の思いで谷口に差し出す。
谷口は、チケットを目にして、二三度瞬きをすると、湿っぽい声になりながら、
「おっさん、何でそこまでしてくれるんだ……」
ドキュメンタリー番組の司会にはない正直さで、かなり感動している。
そんな奴に、ぶっちゃけ自分のためだ、とは言えるわけもなく、
「お主の黄金色に輝くオーラが、私をそうさせるのだ」
エロ本の裏表紙より胡散臭い言葉を並べ立てる俺。何か自分がどんどん汚れていくようだ。
「頑張るのだぞ。私はいつでも、君を応援しておる」
せめて、谷口には楽しい思いをしてもらおう。
心に魚の骨が刺さったような罪悪感を感じながらも、俺が激を送ってやると、
「わかった。わかったよ、おっさん! 俺、彼女をデートに誘う、そんで、明日こそ告白するよ!」
え?
「いや、ま、待て。告白はせんでもいいんだ。ちょっとばかりハルヒの退屈を解消して……」
「本当にありがとう! 今度友達を百人ぐらい連れてくるからなー!」
「あ、待てこら、告白はいかん。いかんぞ。私の占いによると、一旦成功はするが、五分というカップラーメンに丁度いいスピードで……」
最後まで言葉を聞かず、ブレーキの壊れた勢いで走り去っていく谷口。
俺は呆然と見送ったあと、長門から預かった携帯で連絡をいれる。
「あ、もしもし、長門か? その、悪いんだが、遊園地の着ぐるみを一つ……」
やがて日が沈もうとする頃、屋上には人影が二つ。
「ほら、水」
「え?」
え、じゃないだろ。お前が買ってこいっていったんだぞ。
「飲んでもらってよかったのに」
俺はミネラルウォーターを買って飲むほど金持ちじゃないんだ。
ペットボトルを不意打ち気味に放ってやると、少年は余裕でキャッチした。
意外と運動神経はいいのかもしれない。
飲もうとはせずに、ペットボトルを手の内で遊ばせる少年に、俺は尋ねる。
「お前、病気なのか」
「ちょっと違うけど、似たようなものかな」
意外にもさらりと答える。
「今日は大丈夫なんだな」
少年は顔を上げ、周りをキョロキョロと見渡したあと、
「うん。多分ね」
なんだよ。風邪のウィルスでも見えてるのか?
「……そんな感じかも」
少し言い淀んだ。何かありそうだが、人の事情にどこまで入り込んでいいかわからず、俺はそこで止めることにした。
君子危うきに近寄らず、だ。
俺はポケットから鍵を取り出すと、
「鍵、俺が持ってて大丈夫だったのか」
「え? ああ、うん。ガス管のとこに、合鍵置いてあるからね」
なるほどな。
納得しながら鍵を手渡そうとしたが、何故か少年は顔をあげると、
「投げてよ。キャッチするから」
「ああ、いいけど」
今度は落ちないようにゆっくり投げてやると、機敏な動作でキャッチする。
野球部にでも入ってるんだろうか、こいつは。
それでも部活のことは聞かず、いつも何して遊んでるとか、俺の妹の話とかをしているうちに、時間は砂のように流れていく。
話の合間、少年はフェンスの外を指差した。
「あれ、何やってるの」
人差し指を向けられた方角では、蛍がとまっているような光が点々と高台を色づかせていた。
「ああ、あれは祭りの準備してるんだだ。あそこには神社があるからな。たしか、もうすぐじゃなかったっけ」
終業式あたりの日に開催されてるはずだ。
少年は「へぇー」と気の抜けた声をあげながら、俺の方を振り返ると、
「行った事ある?」
「ああ。毎年行ってるよ」
最近は友達と行ってるけど、昔はよく妹を連れていってたよな。あいつ、変な着ぐるみに風船貰って喜んでたっけ。
ノスタルジックな気分に浸っていると、
「毎年親戚の家に来てるの?」
あ、そうだった。俺は少し迷ったが、自分の家の方を指差して、
「実はな、実家って、あの辺なんだ」
ぼかしとけば大丈夫だろ。
それを聞いた少年は、失礼なことに、口をタコみたいにして吹き出した。
「プチ家出じゃん」
うるさいな。多感な時期なんだよ、俺は。
言い訳しながら長門のマンションの方に目を向けると、七〇八に明かりが灯っている。
二人とも帰ってきたみたいだな。
俺は立ち上がり、少年に別れをつげる。
「ああ、そうだ。明日は用事があるから、朝から遊ぼうぜ。お前、学校休みだろ」
思い出して付け加えると、
「うん。わかった」
と素直に頷く少年。
何だかんだで、結構仲良くなってしまったな。
その内来るであろう別れが、少しだけ遅くなればいいな、と思った。
三年前、五日目。
朝方、少年とコンビニで買ってきた将棋で遊んだ。
不思議なもので、青空の下でやってると、ペラペラの紙将棋をしていても運動した気分になった。プラセボってやつか?
古泉と鍛えた俺の腕に、少年が敵うはずもなく、結果は俺の全勝。
悔しがる少年を尻目に、俺はタンニングマシンの中みたいな昼前の屋上を後にした。
向かうは、遊園地。
作戦その五 『小さな恋のメロディー 遊園地発動編』
ハルヒと谷口が来る前に、俺はまたしても長門がどこからか持ってきた犬のマスコットキャラ(従業員用のパス付き)の着ぐるみを被って、遊園地内部に潜入を果たしていた。
これなら不自然に思われずに、直接監視できるな。
谷口が暴走してハルヒにちょっかいを出さないよう、見張らねばならん。
だってほら、あれだろ。そのせいでハルヒの機嫌が悪化したら、大変だろ。
〈二人がバスから降りた。入り口付近で待機していて〉
「了解」
インカムで長門とやり取りを交わしながらも、
「ねー、一緒に写真とってー」
さっきから大人気の俺。子供達と一緒に写真を撮られまくりだった。ポーズも取れない棒立ちの巨大な犬と写真を撮って、嬉しいんだろうか。
お詫びの気持ちを込めて、大げさに手を振りながら最後の家族連れに別れを告げたあと、大急ぎ、といっても足がでかすぎて走れないので早歩きで入り口に向かうと、丁度二人がゲートを潜ってくるところだった。
遊びにくるには気合の入りすぎている格好の谷口と、ラフすぎる格好のハルヒ。二人の温度差を示しているようだ。
「す、すす涼宮。最初はどこに行きた……」
無視してスタスタと歩き出すハルヒを、アヒルの子供みたいな足取りで追いかけていく谷口。
俺はさらにその後ろを、ぺたぺたという足音を響かせながら、アヒルの孫みたいに追いかけていった。
ジェットコースターにて。
「やっぱ最初はこれだよな。涼宮、こういうの大丈夫な方?」
「私並んでくるから、あんたはここで荷物持っといて」
フリーフォールにて。
「これこれ。日本一の高さらしいぜ。やっぱりこれに乗らないと……」
「興味ないわ」
宇宙生物的お化け屋敷にて。
「うわっ! ……はは、何だ、大したことなギャーー!!」
「あー、もう!うるさいわね!」
レストランのテラスにて。
「ご注文はお決まりですか?」
「涼宮、ここは俺が払うから、じゃんじゃん好きなの頼んでくれ!」
「じゃあこの最高級特選フィレステーキ300gと、ジャンボチョコレートパフェと、ドリンクバー」
「……俺、水でいいです」
観覧車の前にて。
「お二人で乗られますか?」
「いえ、一人づつでお願いします」
「…………一人づつで」
メリーゴーランドにて。
「無理」
途中から涙なくしては見られなくなったデートも、そろそろ終盤に近づきつつあるようだ。
夕暮れの色を弾き散らす人工の湖が、成人男性一人分ぐらいのスペースを開けてベンチに座っている二人の顔を照らしている。
谷口は干されたスルメのようになって俯き、ハルヒはハルヒでソフトクリームを舐めながら、つまらなそうに道行くカップルなんかを眺めていた。
カップルどころか、どう見ても他人です。
しかし、谷口は夕日に炙られたスルメのように顔をあげると、ベンチから立ち上がり、座ったままのハルヒと向かい合う。
あいつ、まさかこの状態で本当に……
「すすすっす涼宮ハルヒさん!」
「何よ」
目も合わさずに応じるハルヒ。
それを見て、谷口は一歩後ずさったが、それでも目を瞑りながら、
「その、もし、もしよければ、おおお、俺と、つぅ、付き合ってくれ!」
二人を後押しするかのように、一斉に街灯が灯りだす。何だこの状況。
ハルヒは眩しそうに眉間にしわを寄せながら、
「……別にいいわよ」
と短く答えた。
一瞬呆然とする谷口。しかし、次第に言葉の意味が脳に届きはじめたのか、顔を夕焼けよりも真っ赤に染め、放心したように立ち尽くしている。
〈落ち着いて〉
どこからか監視している長門の声を聞いて、勝手に前に出ようとしていた俺の足が動きを止めた。
いや、しかしだな、別にハルヒが誰に告白されようと知った事ではないが、谷口というのはいかん。俺としてはもっとこう、あいつを更正させられるぐらいのできた男とだな、
〈いいから〉
少しきつめの声に、俺がたたらを踏んでいると、ハルヒが立ち上がって谷口と向かい合い、
「ただし、次はもっと面白い所に連れてきなさい」
下僕に命令する上流貴族のようなことを言い出した。
「お、おう! 実はもう、明日の事を考えて……」
鞄から何か取り出そうとする谷口を置いて、ハルヒはさっきまでと同じくさっさと歩き出す。
ただ、その後ろに慌てて続こうとする谷口の顔は、目を背けたくなるほど崩れきっていた。猫が福笑いをやってもあれよりマシだろう。
俺は何となく釈然としないものを感じつつ、舌を出した犬面のままで、できたてカップルの後を追った。
支援
谷口は早歩きでハルヒと横並びになると、手をわきわき動かし始める。
何だ、呼吸しやすいように空気でも揉んでるのか、と思ったら、その手がハルヒの手の方に微妙に近づこうとしているのが見て取れた。
まさか、もう手を繋ごうってのか。
ダメだ。中学生ってのは、もっとこうプラトニックに付き合うもんで、取り敢えずは交換日記ぐらいか始めないとダメだ。
〈あなたがダメ〉
二人の間に手刀を振り下ろそうとする俺を、長門がまたしても制止する。
だが長門、こいつらってば中学生のくせして、
「何よあんた」
前を見ると、ハルヒの視線と俺の視線が正面から衝突する。
……まずい。
「何で真後ろで手を振り上げてるわけ? ……ていうか、あんた昼からずっと私達にくっついてたわよね」
「そ、そうだったのか?」
ハルヒの言葉を聞いて、胡散臭そうな目を向けてくる谷口。
俺はとりあえず振り上げた手を自分の頭に持っていき、『てへっ』ってかんじのポーズをとった。朝比奈さん直伝。
悪意の無い可憐な犬を装う俺に、ハルヒの眼光が鋭く迫る。
「さてはあんた、私を狙う秘密組織か何かの……」
「おかあさーん! ほら見て見て! あの着ぐるみ、ルソーにそっくり!」
聞き覚えのある声。見れば、二人の後ろから小柄な少女が走ってきている。さらに後ろでは、見覚えのある女性が心配そうに、
「こら、ちゃんと前を向いてないと危ないでしょ……あっ、ほら、前!」
「へ? あ、きゃぁっ!」
叫ぶ少女。
「「あ」」
ハモる俺とハルヒ。
「あれ?」
そして、少女のタックルにより、柵の隙間から飛び出した谷口。
ちなみに、下は湖だ。
「あれえぇぇー」
湖や 谷口飛び込む 水の音
すまん。字余りだ。
二分後、集まってきた野次馬に見守られる中、自力で這い上がった谷口に対し、ハルヒは心底あきれたように、
「そういう面白さはいらないわ」
と一言で切り捨てると、さっさと一人で帰ってしまった。
カップラーメンの恋も、これでおしまいだ。
平謝りする少女とその母親、というか阪中親子の言葉も耳に入らない様子で、真っ白に燃え尽きている、というか無理矢理消火させられた谷口。
かける言葉も見当たらず、俺がその様子を眺めていると、その内係員が現れて、三人をどこかに連れて行ってしまった。
谷口。今度一緒に、フィレステーキ食いにいこうな。
着ぐるみのでかい手で合掌のポーズを作りながら、さて帰るか、と思ったとき、道端にチラシが落ちているのに気付いた。
谷口が鞄から取り出してたやつだ。
俺は何気なくそれを拾い上げると、着ぐるみの穴から覗き込む。
ああ、例の夏祭りのチラシだな。そういや明日だったっけ。
懐かしいな、と思いつつ字面に目を走らせていた俺は、その文章を見た瞬間、思わず被っていた犬の頭を放り出していた。
小学生が描いたにしちゃ上出来な神社のイラストの下。
小さいフォントでプリントされた、短い一行。
『アルバイト急募! 君もヒーローになってみないか!』
閃光のような鮮やかさで、いつかの記憶が甦る。
夏祭り。沢山の屋台。小さな妹。風船を配るヒーロー。
「……これだ」
三年前、六日目。
夏祭りの日だ。
普段はハトぐらいしかいない神社の境内に、多くの人々がひしめきあっている。
信心深いんだか現金なんだかよくわからない群集の中で、俺は一際目立つ格好をしていた。
燃え上がるような、というにはいささか蛍光色すぎる赤色に全身を包み、子供たちに風船を配るニューヒーロー。えーっと、何とかレッドだ。たしか。
「すいません。この子にも風船下さい」
俺の膝ぐらいまでしかない子供に、赤い風船をプレゼント。最近のヒーローは、地道なPR活動が重要なんだぜ。
しかし、澄ました仮面の表情とは違い、昨日よりピッタリとした着ぐるみの中は、暑いと言うよりもはや熱いレベルにまで達していて、気をぬいたら失神しそうだった。
〈聞こえる?〉
胡乱になりつつある意識の中でも、耳元にはめたイヤホンから聞こえてくる長門の声は、蠢く熱量に突き刺さったアイスピックみたいに鋭い。
「ああ、ばっちりだ」
〈あなたの予想通り、涼宮ハルヒは自宅を出て、神社の方に向かっている〉
「一人か?」
〈そう〉
やっぱりな。三年前とはいえ、あいつがこんなイベント見逃すはずがない。
つまらなそうに道行く人々を睨みつけながら、女王のような居丈高さで道を歩いている姿が目に浮かぶようだ。
〈私もすぐそっちへ向かう〉
「ああ、頼んだぜ」
できれば、俺が気を失う前にな。
「あの、」
おっと、お客さんだ。俺は営業スマイルをマスクにまかせて、風船を一つ差し出した。
「いや、俺じゃなくてこの子に欲しいんですけど」
顔を下に向けると、俺の足元に小さな少女がまとわりついている。
ん? 何か見たことのある顔だな、こいつら。
……いや、見たことあるというか、毎日見てるというか、
「うわぁー、レッドだー。キョンくん、レッドだよ!」
「ほらやめろ。中の人に迷惑だろ」
聞いたかよ、この可愛げのない台詞。こんなこと言う奴なんて、間違いなく俺か俺ぐらいのもんだぜ。
ヒーローの俺は昆虫みたいに小さな妹に、二つ風船を握らせてやる。身内だけの特別サービスだ。
「いや、一つでいいんですけど」
お前は黙ってろこの野郎。というかなんだその可愛げの無い顔は。喧嘩売ってんのか。
かつてない類の憎しみを自分に抱きながら、妹の頭を撫でつけてやる。
「ありがとー!」
生えたばかりの紅葉みたいに小さな手を振りながら、妹とその付き添いは人ごみの中に消えていった。
俺は何とも言えず息をつく。
まさか、あの着ぐるみが自分だったとはな。
ということは、あの時も俺はここにいたわけで、今もここにいる俺は、ぐるぐると時間を……
「風船くださーい」
はいはい、とマスクの中で呟きながら、それ以上は考えず、順調に風船を捌いていった。
俺が原案を出し、長門が練った『ハルヒのご機嫌矯正ミッション・ファイナル』はこうだ。
まず、俺が祭りの運営委員に連絡を取り、あまりの辛さに超不人気と言われる、入り口での風船配りに参加し、着ぐるみをゲットする。
そして祭りの当日、いつものように長門はハルヒの監視役。朝比奈さんは長門宅で待機してもらい、時空震を計測してもらう。
ハルヒが祭りに来たところで、俺がヒーローからストーカーに、長門は一歩はなれた場所から色々な小細工をしてもらう役にチェンジ。
あいつが射的や輪投げなどのゲームをはじめたら、俺が横から颯爽と登場。同じゲームで見事パーフェクトを取る俺〈ていうか長門〉。
するとどうだ。あいつの一ミリぐらいしかない導火線にはたちまち火が点り、対抗意識をむき出しにして俺と競い合おうとするちがいない。
そうすればもうこっちのもんだ。あとはあいつの気の済むまで遊びまくり、いい感じで勝ったり負けたりしながら、あいつの憂さを綺麗さっぱり晴らしてやる。
要するに、あいつは今一人で悶々とストレスを抱えているのが問題なわけで、あいつと正面から向き合える奴がいれば、簡単に事は運ぶはずだ。
ちなみに、「キョンくん、なんだかんだ言ってやっぱり涼宮さんのことよく見てますよね」なんていう意見もあったが、それは木を見て森を見ずって感じの、酷い誤解なのであしからず。
夕暮れ前の紫に映える、薄い朱色に彩られた浴衣姿のハルヒが境内に続く階段の下に現れたのは、九十二個目の風船を配り終えた時だった。
「来た! 来たぞ長門!」
〈私はもう高台に移動している。全ての屋台を補足可能〉
長門の言葉を聞いた俺は、九十二人目の子供に残りの風船を全て渡すと、ハルヒと並んで人ごみの中に入っていく。
ハルヒはちらりとこちらに目をくれたが、それも一瞬の事。人ごみに怖気づくこともなく、威風堂々と歩いていく。海が割れなくてもモーゼはモーゼだ。
最初に向かったのは、意外にもたこ焼き屋だった。
「おっちゃん、それちゃんとタコ入ってんのよね」
早くもケンカを売る勢いだ。思わずなだめてしまいそうになる自分が恐ろしい。これも生活習慣病の一種なんじゃないだろうか。
でかい口を開けてたこ焼きをほおばりながら、次に向かったのはアメリカンドッグ。
また食うのかよ、と突っ込んでしまいそうになった自分が恐ろしい。末期症状なんじゃないだろうか。
そして、次の屋台。
「長門、ストラックアウトだ」
〈任せて〉
頼もしいね。
ハルヒはいかにもって感じのおっさんに百円玉を渡すと、真剣な表情で九つに分かれた的に向き合う。
教科書に載りそうな綺麗なフォームと、細腕に似合わぬ剛速球で、次々と的を沈めていく。しかし、
「あー、惜しい。あと一個でパーフェクトだったのにね」
おっさんの酒に焼けた声が響く。
くやしそうに顔をしかめるハルヒの肩に、俺はそっと手を置いた。
「……何よ、あんた」
俺は手で、「よく見てろよ、お嬢ちゃん」といったジェスチャーをして、おっさんに百円を渡した。
軽めの球を、ぐっと握り締める。
頼むぞ、長門。
「パーーフェクトぉー!!」
巻き起こる拍手。憧れの視線。何ともいえない快感と後ろめたさが、俺の背筋を震わせる。やばい、病み付きになりそうだ。
〈主旨を忘れないで〉
冷水を浴びせられるような長門の一言で目を醒ました俺は、一人面白くなさそうにしているハルヒの目の前に人差し指を持って行き、くいっと手前に引いてやる。
安い挑発だが、こいつに火をつけるには十分だろう。
予想通り、ハルヒの顔に歪んだ笑みが広がる。顔が整ってるだけに、中一とは思えん迫力だ。
「ついて来なさい」
それだけ言うと、ハルヒは人ごみの中にまぎれていく。
俺はその後ろを歩きながら、まるで久しぶりの我が家に帰ってきたような気分になっていた。
これ病気だろ、絶対。
その後の俺とハルヒは、ただ勝負を楽しむばかりだった。
最初は掘りこまれたように仏頂面ばかりだったハルヒも、激戦の末勝利を得た射的を境に、いつものぎらついた笑顔をみせてくれるようになっていた。
対する俺も、途中でインチキだということは忘れ、夢中でハルヒと競いあっていた。
こいつは天災みたいに迷惑な奴ではあるが 台風と一緒に外で踊れるようなテンションの時には、悪くない相手だ。
だから、朝比奈さんから〈時空震が晴れました! 元の時間に戻れます!〉という通信が入ったときも、少しばかりがっかりしてしまったぐらいだった。
「次は早食いで勝負よ!」
浴衣を泥だらけにしながら、楽しそうに笑うハルヒを、俺はそっと片手で制す。
「……? 何よ、どうしたの?」
ジェスチャーでなんとか、と思ったが、さすがに無理そうだったし、三年前のこいつと喋るのは久しぶりだしな、と言い訳しながら、ハルヒの耳に口の部分を近づける。
「残念だが、俺はもう行かなきゃならない」
ハルヒは目をぱちくりさせながら、やがていつものアヒル口になると、
「ダメよ。まだ花火も上がってないじゃない」
「いや、子供たちの助けを呼ぶ声が聞こえるんだ」
「……今まで散々迷子の放送シカトしてたくせに」
さすが、よく見てるな。俺はマスクの下で笑いながら、
「君と遊ぶのは楽しかった。また来年……というわけにはいかんが、そうだな、四年後ぐらいにまた遊ぼう」
間の三年はシーズンオフなんだ。
ハルヒはしばらく不服そうな顔でマスクに開いた穴を凝視していたが、やがてわざとらしいため息をつくと、
「わかったわ。あんた嘘つかなそうだから、四年後まで我慢してあげる。その代わり、四年後勝負できなかったら、見つけ出してギロチンの刑だからね」
「ああ、もちろん」
死刑はいやだからな。
俺はハルヒの若草みたいに柔らかな髪を撫でると、最後の忠告を口にした。これだけは言っとかないとな。
「君こそ、学校で誰かをいじめたりしてはいけないぞ。もしそんな事をしたら、拳骨の刑だからな」
頭に置いた手を、拳骨の形に変える。
しかしハルヒは、心外そうに目をしばたかせるばかりだ。
「は? 私がそんなくだらないことするわけないじゃない。あんた意外と見る目無いのね」
…………。
「君は、台風みたいに大暴れして、クラスメイトをいじめてるんじゃないのか?」
「だから! なんで私がそんなことすんのよ! たしかに、こないだ腹の立つことされて、その時何人か軽く締め上げたりしたけど、いじめなんて真似するわけないじゃない!」
「……君のクラスに、なよっとした感じで、男か女か分からんような顔の、小さい男子生徒はいないか」
細かい特徴も付け加える。
「全然いないわ、そんな子。ていうか、何で私がよりにもよってそんな弱そうな奴をいじめないといけないのよ! そこまでみじめったらしっくないっての!」
ハルヒの機嫌が目に見えて下がっていく。しかし俺の頭は、別のことでぐるぐると回っていた。
「もう! せっかくおもしろい奴に会えたと思ったのに!」
「……すまん、ハルヒ。でも、約束は絶対守るからな」
俺はそれだけ言うと、人ごみを掻き分けて走り始める。
後ろからハルヒが何かを叫ぶ声が聞こえたが、喧騒に紛れてすぐに消えた。
剥ぎ取ったマスクを片手に走る道すがら、耳元で悲鳴のような声がサイレンみたいに鳴り響く。
〈キョンくん! また時空震が出てる! 何かあった〈今度は涼宮ハルヒが原因ではない。彼女か作った閉……〉
「わかってる!!」
俺はそれだけ言うと、イヤホンを外してポケットにしまいこんだ。
立ちはだかるオートロックの扉。
俺は鍵の差込台によじ登ると、天井の角に作られたスイッチを押し込んだ。強制解除。
扉は間抜けなブザー音をあげながら、あっさりと開いた。
やっぱりアナログが最強だな。
エレベーターに目をやることもなく、そのまま階段をかけのぼる。
もうすっかり頭に入っていた番号の部屋。ノブを引いても、硬い手ごたえしか返って来ない。
「おい! 開けろ!」
反応なし。
俺は少しもためらわず、ガスメーターの扉を力任せに引き倒すと、ガス管の裏を探る。パイプとは明らかに違う、金属の手触り。
セロテープでとめられていた合鍵を使うと、錠はすぐに外れた。チェーンは……かかってないな。
「おい! いるんだろ!」
暗くて狭くて、物が全く無い部屋だ。テーブルの上に、食べかけのコンビニ弁当が投げ出されている。
布団も一つ。コップも一つ。
何が親の転勤だよ、ホラ吹きめ。
部屋を全てまわっても、誰もいやしない。
あいつ、どこに行ったんだ。
フェンスの上でじっと待っていたあいつの姿が頭をよぎる。
……考えるまでもなかった。
俺たちが会うのは、冷たくて硬いコンクリートと、ぼろいフェンスがある場所だ。
そいつは屋上のフェンスの隅っこで、星の出てきた空に潰されるようにして膝を抱えていた。
「探したぞ」
少年は答えず、ただ下を向いて震えている。
俺はゆっくりと近づきながら、ここ数日のことを思い出していた。
画鋲。機嫌の悪くなるハルヒ。逃げられない俺たち。年下の友達。いつも膝を抱えていた手のひら。失敗する作戦。ふられる谷口。楽しかった祭り。笑うハルヒ。
そしてこの段になって、俺は自分の役割って奴にようやく気付いた。
にしてもだ。
まったく、画鋲の一つ二つでこんな大事になるなんてな。今度大きな朝比奈さんに会ったら、絶対文句言ってやる。
気付けば少年は目の前だ。俺は膝を折り、目線を同じ高さにした。
「近くにいるんだな?」
少年は答えない。
俺は肩に手を置こうとして、
「近寄っちゃダメだって!」
跳ね上げられた手を掴んだ。
星が消え、コントラストは狂い、灰色に染まる。
愕然とした様子の少年を尻目に、俺は立ち上がると、フェンス越しにあたりの景色を俯瞰する。
この建物より高いものなんて、もう何も残っちゃいなかったからな。
「これはまた、随分と平らになったもんだな」
見渡す限り瓦礫の海だ。震度十でもここまでひどくはならないだろう。
地平線まで続く灰色を眺めていると、激しい振動が辺りを襲った。地鳴りのような音が、遮蔽物のなくなった街に響き渡る、
俺は給水塔の裏に回りみ、音の震源地を見やる。
祭りがあっていた高台で踊る、闇をくりぬいて作られた巨大な人影。
少女の鬱憤の塊だったものだ。
野郎、祭りの会場を無茶苦茶にしやがって。まだ花火も上がって無いんだぞ。
「行くぞ」
俺はまだ口を開けたままの少年を無理矢理抱えあげると、今上ってきたばかりの階段を下りはじめる。
もうすぐ一階に着く、という頃になって、ようやく少年が声を出した。
「……い、行くって、どこに……」
俺はわかりやすいように、指で示してやる。
「あいつのところ」
黒い巨人は、ちょうど神社の本殿を叩き潰しているところだった。
「何言ってるの! あんなとこに行ってどうすんだよ!」
「そんなの、あれをやっつけるに決まってるだろ」
なんせ俺はレッドだからな。巨悪を放っては置けないんだ。
「やめろ! 下ろせ! 下ろしてよ!」
こっちだって下ろしたいよ。重いし怖いしで泣きそうだ。
それでも俺は、ぐずる少年を無視して、マンションの外に踏み出した。
瓦礫の世界。ぞっとしないね、まったく。
転ばないように気をつけていても、そこら中に散らばった瓦礫のせいで、身体はあっというまに傷だらけになった。マキロン必携だ。
俺が傷口の数を数えるのを止めた頃、少年も抵抗するのを止めていた。
途中で何度も休憩をいれつつ、たっぷりと一時間かけて、神社の階段だったものが見えるところまでたどり着いた。
息はすっかり上がってしまい、膝も爪弾いたメトロノームみたいにせわしなく揺れている。
俺は肩に担いだ少年を下ろすと、砂埃にまみれたどっかのビルの外壁に腰を下ろした。
「さあ、へっぴり腰のお前をここまで連れて来てやったぞ」
神人が足を踏み鳴らすたび、少年は肩を震わせている。
「だけど、俺はここまで。さすがにこれ以上いくと、踏み潰されて求人情報誌ぐらいの薄さになってしまうからな」
本当にすぐ近く。あのデカぶつにしてみりゃ、あと五歩も無いだろう。俺としてはあと二千マイルぐらいは離れていたいんだがね。
「ここからはお前の仕事だ」
少年は俺の隣で、ただじっと蹲っているだけだ。
「お前、もともとあいつを倒すためにここに来たんだろ?」
居心地が悪そうに動く肩。
「それが見ろよ。お前が仕事をサボってたせいで、一面瓦礫だらけだ」
俺たちが帰れないわけだ。こんなのを放っておいたままじゃ、近いうちに現実に影響がでるぐらい壊しきってしまうだろう。
「まあ、ハルヒの機嫌は直ったし、神人の数も大分減ったはずだ。もうちょっとしたら、ここにもお前の仲間が来てくれるだろうな」
神人が歩くたび、そこら中の石ころがポップコーンみたいに跳ね回る。
「でも、それまではまだ時間がある。お前はこのまま、黙って見てるのか?」
こんな時に子供に説教してる俺は、一体なんなんだろうな。
「今やらなくても、きっといつかやらないといけない日が来るんだぞ」
少年は変わり果てた世界の陰に隠れるようにして、目と耳をじっと閉じていた。
やれやれ。
ここまで近づけば、自衛のために頑張ってくれるかとも思ったんだが、甘かったみたいだな。
俺は盛大にため息をつくと、立ち上がってズポンについた埃を払う。
「よし、わかった。お前がやらないんだったら、俺がやってやる」
「え……?」
「いいから、お前は黙って見てろ」
走る膝が震える。疲れてるだけってわけでもないさ。でも、こいつがやらないんだったら俺がやるしか無いだろ。
どっちみち、こいつを倒さないと元の時間に戻れないみたいだからな。
頬を叩いて気合を入れ、ただの坂になってしまっている階段を一気に駆け上がる。
「やめろって! 本当に死んじゃうよ!」
悲鳴が聞こえる。不吉なことを言うな、ちびっ子め。
坂を上りきった先には、見上げれば首がへし折れそうなほどでかい巨人が、破壊の限りを尽くしていた。
様々なものが一瞬で壊れる濃密な音が耳元で弾け、しなる竹みたいに鼓膜を揺する。
目の前で花火の四尺玉が連発されてるみたいだ。そういや、そろそろ花火が上がる時間だな。
「おい! ハルヒ! ……とはもう違うのか。とにかく、そこのでかいの! いいかげん大人しくしろ!」
神人は、まるで俺のことなど眼中に無いかのように、というか実際に眼中に無いんだろうが、壊しきった屋台を、また掬い上げて壊している。
木のクズだのボンベだのが雨みたいに降り注ぎ、一秒だって同じ場所にはいれない有様だ。
グラウンド・ゼロで必死に走り回る俺。谷口あたりがみたら、爆笑すること間違い無しだろう。
くだらない想像で気を紛らわしながら、下手糞なステップを踏み続ける俺の傍の地面を、巨大な足が踏み抜いた。
砂利道が粘土みたいにひしゃげて、足元の地面が捲れ上がる。
上半分を無くしたストラックアウトの屋台が、岩の中に沈んでいくのが見えた。
巨人は、それすら顧みない。
「ムカつく奴だな、この野郎!」
俺はそのまま神人の足元に突っ走る。
むき出しの岩盤を蹴り、青いシートを飛び越え、猫のキャラクターのお面を踏み潰して、鉄板の欠片に躓きながら、でかい柱みたいな足の真下に。
しかし、鯨の背中みたいにのっぺりとした足首にローキックを食らわせてやろうとした矢先、もう一本の足が空から降ってきて、今度こそ俺はそこら中の破片と一緒くたに吹き飛ばされた。
目玉を洗濯機に放り込まれたみたいに視界がぐるぐると回り、体中のあちこちを何かわからないものに打たれまくり、とどめに頭を硬い何かに思いっきり打ちつけた。
一瞬辺りがストロボを焚いたように真っ白になり、激しい耳鳴りが襲ってくる。
肺が石になったみたいに重くなり、脳までミキサーにかけられて、感覚の一つも上手く手繰り寄せることができない。
ずっと握り締めていた赤色のマスクも、いつの間にか消えてしまった。
レッド、敗れる。
「……! ………ぇ! 起きてよ!」
始めに戻ってきたのは、聴覚だった。
一つ掴めばあとは簡単だ。全ての神経を耳の先から引っ張り出して、身体に思い出させてやる。忘れていた呼吸が戻り、咳き込みながら胃液を漏らす。
と同時に、神経に電極を直接差し込まれて電流を流されるような痛みが、全身をかけめぐった。
「い……っっってえ」
とにかく全部痛い。痛くない所は感覚が無い。
歯を食いしばって痛みに耐えていると、視界を覆っていた白い靄が消え、灰色の代わりに、鼻水と涙でぐちゃぐちゃの顔が見える。折角のいい男が台無しだな。
「何で、こんな……」
泣き声を払うように、痛む肩を無理矢理動かして腕をあげ、多分北の方向を指差す。
「ほら、あっち見ろよ。あのカップアイスみたいに抉られてる所な、俺の高校があった場所だ」
そこからちょっとばかり動かして、
「で、あのちり取りの中に入ったゴミみたいにぐしゃぐしゃな一帯に、俺の実家があった。多分」
あーあ、あれじゃせっかくの一戸建てが台無しだ。
「お前も知ってるとは思うけど、あいつをずっと放っとけば、この世界が現実になるかもしれないんだ。ずっとだぞ。はっきりしてないんだ。明日かもしれないし、一年先かもしれない」
喋るたびに、喉からヒューヒューと音がした。草笛みたいで懐かしい。
「だから、俺はあいつを今すぐぶっ飛ばしたいわけだ。それが見ろよこの有様。半死半生もいいとこだ。できるのにやらない誰かさんのせいでな」
「……っ! 僕のせいじゃないよ! 涼宮ハルヒのせいだろ!」
それはその通り。あいつの我侭はいつだって行き過ぎてる。だけどな、
「そのハルヒに、あいつ自身を諌めるための力を与えられたのが、お前らだろ」
「あいつが勝手に僕を選んだんだ! 何が組織だよ。勝手にそんなのの一員にされて、言われたままに飛び回って、そんなこと、したくないんだ!」
だろうな。俺だってそんなこと頼まれても、途中の川にでも捨てちまうさ。
「まあ、何したってお前の自由だと俺も思うよ。でも、屋上から飛び降りるのも、あいつに潰されるのも、大して変わらないだろ。だったら……」
「うるさい! どいつもこいつも、勝手なことばっか言うな!」
子犬みたいに吠える少年。裏切られたといわんばかりの暗い瞳。
「そうだな。勝手な言い草だ。いきなりクラスメイトに死んでとか言われるようなもんだ」
世の中ってのは理不尽にできてるもんさ。なんたって、ちょっとベランダに出ただけで、人が死のうとしてるんだぜ。
俺は一度咳き込んで、喉の奥に絡まったものを吐き出すと、また口を動かし始める。
「実は俺な、自分から何かできるタイプじゃないんだ。他人の勝手な言い草にでも乗らないと、エンジンさえ掛かっちゃくれない」
今回も、未来の誰かの口車に乗せられたようなもんだからな。
「でもさ、ずっとそうして流されてたら、最近はそんなのも面白いかなって思ったりして、そしたらいつの間にか自分の意志で走ってたりして……」
少年は目を閉じて涙を流した。だけどでっと、耳は閉じていない。
「だからお前だって、できる事を頑張ってやってみればいい。そんな凄い力を持ってるんだ。俺なんかよりよっぽど色んなことを選び放題遊びたい放題の人生が待ってるぞ」
いい加減、自分で何を言ってるのかわからなくなってきた。やっぱり俺は説明とか説得とか向いてないんだよ。
「とにかく、あー、もう、何ていうかな、俺は今もたまにさ、空を飛んで怪獣を倒したり秘密組織の一員になったりして、世界を救ったりしてみたいって思う時があるんだよ! お前みたいな奴に憧れるんだ!」
くそ、恥ずかしくて死にそうだ。ハルヒなんかには、死んでも聞かせられん言葉だな。
「だから、お前も七階から落っこちる前に、少しばかり俺の口車に乗せられてみろよ! 小難しい理屈はいいから、お前に憧れてる友達と、そいつが住んでる街のために、あのデカイ化け物をぶっ倒してみせてくれ!」
我ながら反吐がでるぐらい身勝手で、残酷な言葉。
少年はそれに鞭打たれ、歯を食いしばって巨人を見上げる。
でも、きっとこれが俺の役割なんだ。色々な思惑の上に乗って、朝比奈さんと共にここに来た、俺の役目だ。
だけど、それだけじゃないさ。
お前ともう一度会うために必要な言葉だから、俺は自分の意志で言うんだ。
別にお前に会いたくてしょうがないってわけじゃないが、まあ、SOS団は今のところ五人いるわけで、俺は結構、それが楽しい。
だから。
痛む肺と、軋む骨を無視して、大きく息を吸った。
灰色の煙が立ち込める中、神人が星の無い空を仰ぐ。声無き咆哮。
よくわかってるじゃないか。お前の命運も、そろそろおしまいだぜ。
「立って戦え!! 古泉一樹!!」
へっぴり腰のままで立ち上がった少年の顔は、涙と鼻水でキラキラと輝いていた。
神人と超能力少年との戦いは、とてもじゃないが正視できる代物じゃなかった。
弱ったハエみたいにふらふらと飛び回りながら、無軌道に振るわれる腕を紙一重で避け、その間にセミの小便みたいな攻撃を続ける。
見てるこっちが心臓麻痺を起こしそうな有様で、俺は地べたに這いつくばったまま何度も悲鳴をあげ、賞賛し、罵倒した。
とにかく叫ばずにはいられなかったんだ。
それもそのはず。なんせ少年は、自分で登ったフェンスの上で、青い顔して震えあがってるような奴だ。アメリカに行けば間違いなくニワトリって言われるだろう。
それでもそいつは、自分の何百倍もでかい巨人を、一人っきりで倒してみせた。
涙と鼻水を垂らしながら、みっともなく戦うヒーロー。
何事もスマートに決めてキザったらしく笑う奴より、何倍もかっこいいのは確かだな。
「もしもし、朝比奈さん?」
〈……え? き、キョンくん!? ……うぅ、よ、よかったですぅ〜! いきなり通信は切れるし、長門さんは反応が消えたって言うし、私、私……〉
「す、すいません! 色々と立て込んでしまって……その、それより、時間移動の方は……」
〈ひぅ、ぐし、うぅ……じ、じく〈時空震は解消された。時間移動は十分可能〉
長門、ナイスフォローだ。
〈そちらは、どう〉
「ああ、何ともない」
気付いた時にはマンションの屋上にいて、身体の傷も無くなっていた。
「長門、心配かけて悪かった。朝比奈さんにも謝っといてくれ。もうちょっとしたら、そっちに戻るから」
〈わかった。待ってる〉
ピンマイクのついたマスクを放り投げ、硬いコンクリートに腰を下ろす。
いつの間にか、花火は終わってしまっていたようだ。皆と一緒に見たかったな。ま、あと半年もすれば、俺たちには夏がくるし、その時までお預けか。
「ねえ」
何だよ。
「何でいろいろ知ってるの? 涼宮ハルヒのこととか、巨人のこととか、僕らのこととか……やっぱり、宇宙人?」
だから、一般人だっての。
「嘘だよ」
嘘なもんか。宇宙的かつ未来的でしかも超能力的な保障つきの一般人だぞ。
「……じゃあ、神様とか?」
何でもかんでも神様と結びつけるのは、宗教的事情は置いといて、あんまり感心しないな。
「まあ、そんなことはどうでもだろ」
俺みたいな一般人のことなんて、詮索しても小銭ぐらいしか出てこないぞ。
尚食い下がろうとする少年を片手で追い払いながら、フェンスに寄りかかって下を見る。
祭り帰りの人々の流れ。服の色と髪の色と人の色が混じりあい、星空を映した極彩色の川みたいに輝いていた。
空と地べたを流れる星の川に挟まれながら、俺は少年に向き直る。
「さて、俺はもう帰らねばならん」
「……帰るって、実家に?」
「ああ、そうだ。お前もまた、別の場所に行くんだろ」
「……うん。多分ね」
秘密組織も大変だな。
「ちゃんと、やれそうか?」
少年は再び俯くと、
「わかんない」
弱気な声で呟いた。見慣れた姿だ。
しかし、少年の目は、少しだけ上を向いていた。
「でも、やってみようとは、思ってるかも」
「……そうか」
それがいい事なのか悪い事なのかはわからないが、三年後のお前は、結構楽しんでるみたいだぞ。
「それに、辛くなったらどっかで震えてればいいさ。そしたらまた、俺みたいな変人が寄ってくると思うから」
その言葉には頷いてくれない。思春期の男子は複雑だ。
俺は少し笑いながら、膝を屈めて、まだ小さな少年と真正面から向き合った。
「じゃあ、お前ともしばらくお別れだ。だけど、そのうち嫌でもまた会うことがあると思うから、その時が来たら俺によろしくしてやってくれ」
頭に手を置いてやると、猫みたいに目を細める。
と、そうそう。無駄かもしれんが、こいつの未来のために一応忠告してやらんと。
「それとな、確かにハルヒは悪い奴ではないが、すさまじくはた迷惑な存在であることは確かだ。間違っても、神様だの何だのご大層なもんじゃないということを、よく覚えとくんだぞ」
頭の上にハテナマークを浮かべる少年を置いて、俺は非常口階段に足を向ける。
最後に振り返ると、少年はこちらに向かって両手を振った、ガキっぽい仕草。
俺も手を振り返しながら、片手で口元にメガホンを作る。
「さっきの戦いなーー」
戦う超能力少年に、エールを込めて。
「結構、カッコよかったぞーー!」
少年は嫌味に整った顔を、恥ずかしそうに伏せていた。
眼鏡をかけた長門と一緒に夕飯を食べ、平伏して礼を述べたあと、俺と朝比奈さんはもとの時間軸に戻ってきた。
朝比奈さんは最後まで恐縮しきりで、お礼に今度何か奢ってくれるとまで言ってくれが、俺はそれを辞退する代わりに、二人でお茶を買いに行く約束を取り付けた。
やっぱり、時間旅行は悪いもんじゃないな。
そして翌朝。
実際は一日ぶりだが、俺にとっては一週間ぶりの学校だ。
いっそ滑り台にでも改造した方が子供達のためになりそうな坂道を登っていると、後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。
「おはよっす、キョン」
「おう、谷口」
変わらぬアホ面を見ていると、帰ってきたんだと実感できるな。ちょっと嫌だが。
「お前、風邪とかひかなかったか」
「全然。何でよ?」
いや、最後に見たお前はびしょ濡れだったからさ。
「はあ? お前こそ風邪ひいてんじゃねーのか?」
額を触ろうとしてくる谷口に蹴りをいれて、のんびりと坂を登っていく。
箸にも棒にもかからないような話をしながら、少し懐かしくもある教室の扉を開けると、
「てい!」
という掛け声とともに、何かが俺の頬を掠めていった。
「ごぶっ」
後ろを見ると、顔面にビニールボールをめり込ませた谷口。すごいブサイクだ。
「あー、惜しかったわね」
舌打ちしながら物騒なことを呟くハルヒ。
「お前、何してんだ。また野球の試合でも申し込んだのか」
尋ねる俺に、西部劇のような仕草で人差し指を振ると、
「私、今年の夏祭りに、宿敵との決闘が控えてるの。なかなかの強敵だからね。今から鍛えといて早すぎるってこともないわ」
そう言うハルヒの瞳には、核の炎が燃えていた。
あの着ぐるみ、持って来ときゃよかった。まだ保管してあるといいけどな。
まあ、今はそんな未来のことよりも、
「おい、ハルヒ」
自分の席に座り、後ろで偉そうにふんぞり返っているハルヒと顔を合わせる。
「何よ。何か面白いもんでも見つけたの? ラージノーズグレイとか?」
そんなもん見たけりゃ、FBIにでも就職しろ。お前ならいけるぞ。
「嫌よ。あんなのアメリカの犬じゃない」
国際問題になりかねないようなハルヒの発言を片手で制し、
「面白いもんは見つけてないが、面白いことを考えた」
ハルヒは猫缶を前にした野良猫のように目を輝かせながら、
「やっとあんたもわかってきたじゃないの。いいわ、そういうことは、団長の私にどんどん言ってみなさい!」
じゃあ、遠慮なく。
「俺とお前で、団員の労をねぎらうための、慰安会でも開いてみるってのはどうだ?」
ハルヒは銀紙を噛んでる猫を見るような目で、俺の顔を見つめている。
「俺はあんまり何もしてないが、朝比奈さんは何かにつけお前の言う事に従ってるし、長門はお前を助けてくれてるだろ。それに、古泉は企画とかを積極的に考えてきて、団に貢献してるじゃないか」
涙ぐましい努力だ。朝比奈さんなんて、たまに本当に泣いてるしな。
「団長からも、何か具体的なお返しを考えてもいいんじゃないか」
珍しく黙って聞いていたハルヒは、腕を組んだまま上唇をぴこぴこと動かす。何かにつけて器用な奴め。
「それもそうね……団長たるもの、団員の働きはきっちりと評価してあげなくちゃいけないわ。来週は丁度連休があるし……」
昼にかけて跳ね上がっていく夏至の温度計のように、笑顔の色を強めていくと、
「よし、キョン! 早速今日の夜から、あんたの家で秘密会議よ! SOS団の活動が終わったら、校門前にこっそり集合ね!」
そう言うハルヒの肩の上では、少しだけ伸びた髪が、楽しげに揺れていた。
拳骨だけは、勘弁しといてやるか。
時差ぼけで眠りこけていた授業時間も終わり、放課後。
俺の足はまたいつものごとく、コンビニの光にたかる羽虫のように何も考えないまま文芸部室に向かっていた。
「ちわーっす」
本から顔を上げた裸眼の長門と目礼を交わし、座るたびに軋みがひどくなっている椅子に腰を下ろす。
今度どっかから新しいの持ってこよう、と悪巧みしていた俺の横から、湯飲みを持った白磁の手がそっと差し出された。
「どうぞ、キョンくん」
「どうもです」
三国志の時代でなくとも、家を一つ買えるぐらいの価値は十分にある朝比奈さんの淹れてくれたお茶を飲みながら、春の陽射しを眺める一時。体中がミトコンドリアごと癒される気分だ。
俺がチョモランマの難峰で溶かしたチョコレートを飲みながら命を繋ぐ登山家みたいに息をはいていると、正面から低めの無粋な声が聞こえてきた。
「今日は何やらお疲れのご様子ですね」
ああ。一週間ほど旅行に行ってたもんでね。
「おや、昨日もたしかこの部屋でご一緒していたと思ったんですが、僕の記憶違いでしょうか。それとも……」
ちらりと朝比奈さんの方を流し見て、
「また何やら未来的な事件にでも巻き込まれていたんですかね?」
やかましい。無粋な詮索はするもんじゃないぞ。
古泉は気取った仕草で肩をすくめると、棚から将棋盤を取り出した。
「どうでしょう。涼宮さんもまだいらっしゃっていませんし、たまには将棋でも一局」
「……ああ、構わん」
お前には負ける気がしないしな。
朝比奈さんが見守る中、一日ぶりの対局がはじまる。
「なあ、古泉」
パチ。
「はい」
パチ。
「お前さ」
パチ。
「何でしょう」
パチ。
「ミネラルウォーターの代金、いい加減返してくれないか」
パチ。
「…………」
パチ。
「…………」
パチ。
「……あれって、奢りじゃなかったんですね」
はい、王手。
俺が王将を奪うと同時に、部室のドアが廊下にデイジーカッターでも落ちたみたいにやかましく開かれる。
「みんな、体操服に着替えなさい! 今日は野球部と合同で投球練習よ! 各自十個は三振を獲ること!」
無理だ馬鹿。
朝比奈さんは怯えた猫のような声をあげ、長門が本を閉じる。
俺は顔の向きを変え、そろそろ桜が咲き始めそうな外の様子を眺めながら、ここ一週間で一番大きなため息をついた。
そんな空気の中、気の合う遊び相手を見つけた子供のように、心底楽しそうな顔で両手を広げるキザ野郎が一人。
「素晴らしい提案です、涼宮さん」
すいません。
改行を勘違いしてて、23レスをめちゃくちゃオーバーしてしまいました。
それと途中で支援してくださった方、どうもありがとうございました。
古泉ものはなんでこう熱いのになるんだろうな
もう貴方にはGJとしか言いようが無い
GJ
感動が止まらない。あんた凄すぎるよ
>>629 読んだことないタイプで良かった
キョンいい奴だな。安心して読めた。乙。
テーマとはあんま関係ないが、
>「ハルヒには悪いけど、これも規定事項ってやつなんでしょう。それに、あいつのシューズに画鋲が入ることが、皆にとってすごくいい結果に繋がるかもしれないじゃないですか」
ひどすぎてハゲワロタwwwwww
>>629 随所随所にしこまれるネタにクスリとしながら、古泉に熱き物を感じた。
GJを祝電として送りま
なんというか素直に感動したとしかいえねぇ
とりあえず谷口乙
こりゃぁキテるわ、GJ。途中で古泉だって気付いた時には「アーッ!」だった。いや、性的な意味じゃなくてな?
>>629 久々に良いもん見させてもらったわ。乙。
俺の勘違いかもしれんが、3属性・女キョンの人か?
キョンのキャラクターが似ているような気がした。
久々にぐいっと引き込まれたよ。
いやぁ面白いじゃないか
>>629 まーべらす!
面白いものをありがとう。
>>629 バランスが絶妙。体の芯にあつい物が残る。ほんとありがとう。
これすげぇ。
気がついたら一気に読んでいた。GJ!
これはいい。
久々にいいのが来たな。
ありがとう。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃの古泉を想像して胸が熱くなった
GJ!!本当にありがとう。
そうだよな。古泉にもきっとこんな頃があったんだよな。
うん。とても良かった。GJでした。
GJ! 魂が震える話でした!
キョンはやっぱりヒーローなんだなぁ。
>>638 違うですー。
あぁ、俺もこれぐらい熱くたぎるのを書きたい……。
647 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 23:06:41 ID:dD6HGPkn
>>629 いいものを読んだ。胸がいっぱいだ
ありがとう
どこが面白いのか全然わかんね…。
GJです。
>>583 松代「うぃ〜す WAWAWA忘れも のわぁっ!? ……すまん、ごゆっくりぃ〜」
豊原「面白い人」
後藤「どうすっかなぁ」
豊原「任せて。松代は転校したことにする」
後藤「………なんだって?」
650 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 23:16:09 ID:RnwRdkC1
GJ!!!!普段ROM専だがこれは書き込まずにはいられないwww
読めて良かった
ひたすらありがとう。
以前に書いた物とかあったら教えてくれませんか
読みたい
てか聞くのマナー違反だったらスマソ
ハーレムなキョン求む
ご馳走様でした。
乙!
>>653 マンハッタンの黒人地区でサングラスをかけてあるくキョン
さて、流を読まずに小ネタ投下
IMMATURITY すべてが終わり夜の部室にて…
雲ひとつない月夜だった。 月明かりが俺たちを照らす…
俺はSOS団の部室にいる。 SOS団のメンバーも涼宮を除いて勢ぞろいし、鶴屋さんもいる。 だが…
「おしいよナ コイツを消しちまうのか…」
俺はそいつの寝かされた長机をに手をかける。
まるで今にも起きそうな… 意識不明のキョンの顔をみた。
「仕方ないですよね、ここまでイッてたら。 何やってもダメです、絶対直りません」
あのかわいらしい朝比奈さんがあっさりと断言した。 何かむなしさがこみ上げた。
「……そーかな?」
俺はそう言って端で椅子に座って座って本を読んでいる長門を見た。 コイツまでこうなる事を分かってたんだな…
本気で手間と時間つぎ込めば、直らねえヤツなんて世の中にひとつもない。 情報因子1個残ってりゃモトの形にオコす。 そううそぶいていたのはお前達だろ」
「そういう事を言ってた時もあった。 でも現実問題としてやっぱり無理」
長門は何事もなかったかのようにページを進める。
「そういうのはすべてバランスシート。 植物状態からいきなり復活したら誰もが不自然に思う。 涼宮ハルヒがまた動き出す。 歴史的な有名人ならいざしらず、キョンなんてしょせん普通一般の高校生、この年ならいくらでもいる」
「そーゆーリクツはいいんだヨ」
俺は長机を叩いた。 その振動でキョンの体が少し揺れる。
「お前達の心として、意図的にこーゆー事態に仕上げたその結果としておまえ達自身のオトシマエの言葉を聞かせてくれヨ」
「た… 谷口くん…」
朝比奈さんがよろめくようにパイプ椅子にトサリと腰掛けた。 少しうつむいているのはどうなんだろうか…
「未熟だったんです… すべて…」
本棚にもたれかかっていた古泉が語りだした。
「神人退治と涼宮さんの精神分析の天才とはやしたてられ自分でもドコかそうなんだと思っていた」
「涼宮さんに耐える意外性としなやかな常識性、相反する2つを高い次元でシンクロさせて、さらに涼宮さんに非日常を忘れられるようにと…」
「あまりにも未熟だったんです… 未熟ゆえ涼宮さんの能力の暴走を招き、一人の男を再起不能にしてしまった…」
「…」
「……」
しばらく沈黙が漂う。
「ちがうだろ!」
「未熟だったんですヨ。 僕のレベルがもっと上ならば…」
「全然ちがう」
俺は古泉の言葉をさえぎった。
「もし未熟なモノがあるとしたら、それは技術じゃなく心だろう」
「最後の最後で引いてしまった、お前達の心だ。 不思議のネガティブな部分しか教えられなかったお前達の心だ」
「イベントの日常感が常に涼宮に不思議=あるわけがないと意識させ、それでいて一般人で不思議に興味のある性格、早い段階から危険を敏感にしらせてくるキョンは、聞けば何か知ってそうな態度で応えていく」
「すべてがその方向に向いている。 宇宙人、未来人、超能力者、そして鶴屋さん、あなたまで…」
俺はあたりを見た。 あの鶴屋さんですらも笑顔が消えていた。
「お互いが相談するコトもなく、それぞれの担当するパートでそうやって作戦を作り込んだ」
「最後の最後で涼宮を助けるために…… そして、涼宮にあきらめてもらうために……」
「間違いなく超一流の仕事だ。 …だがキョンが生きていたらそれを望んだか? 2年前のお前達はそうゆうコトをしていたのか?」
「チューニングは――― いつも失ったモノばかりが目につく。 得たモノは少なく、それはわかりにくい」
「涼宮に残ったモノは再起不能になった恋人と、それを無視しても大きく残る過去だけだ」
「そしてお前達はドコかでそれでヨシとしている。 なにより涼宮が閉鎖空間を作らず無事だったし、これで涼宮が不思議 あ世界から離れていけばすべてOKだ」
「いちばん大事なコトは何ひとつ教えられず、キョンの生きていたこの世界からハルヒを突き放す!」
「お前達は教えてやれなかった… 走り続けていくコトを…」
「走り続ける事で見えてくる世界があるコトを、お前達は、教えてやれなかった!」
そう言い放って俺は部室を出た。 残された奴がどんな顔をしてたかも見たくもなかった。
この後どうなるかは元ネタが分かる奴には分かる筈
『〜ヨ』はないよ『〜ヨ』は。
チューニングと2年前は違うだろ
まぁあれだ。
改変失敗って奴か。 布団もぐってくる。
湾岸ミッドナイト乙w
>>629の健闘を讃えたい。GJ
古泉(小)の描写はもちろんだが、特にキョンの語りが原作よりも流れるように自然だったのが良かったと思う。
あとみくると長門のバランスも◎だし、谷口(小)のエピソードに阪中(小)を絡めるなんて神展開だと思った。
また何か書いてほしいです。
ハルヒのガチエロ求む
>>629 キャラに違和感が無いし、すごく面白かった。
古泉の過去ものとして見ても素晴らしいし、細かいギャグもいちいち面白かったよ
こんな作品をありがとう
10レスの連投制限って前からあったっけ?
>>662 キョン「インサート!」
どぴゅ
ハルヒ「エクスタシ〜」
667 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 01:56:31 ID:5SWAu6mQ
「長門有希さんの〜」続きマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
>>629 結構最初の方で古泉って気付いたけど、面白かった。
ただ、キャラに違和感が無いことが違和感かな。
長門に余分な台詞が多い気がする。
ところで北高は体育で水泳とかやるんですか?(特に女子)
水泳のない高校に谷口が来るわけないってことで、あるに1票
>>670 アニメ2話でハルヒがプールサイドにいる場面があったからやるんじゃない?
きっとあるよ。
だってその方が面白いでしょ!
うちの高校はプールはあったんだけど、男子しか水泳の授業しなかったんだよ(´・ω・`)
>>674 うちの高校は三年の女子だけプール無かった。
が、私が三年になった年から三年女子もプール入る事になり、そう決めた体育教師はその時の三年女子のほぼ全員から嫌われてた。
元々セクハラ疑惑のあって決して好かれてた教師では無いんだけど。
>>629 素晴らしい。百点中百二十点つけたい気分だ。
なんかそのうちハルヒの力のせいでプールの底が開いて巨大ロボとか出てきそうだな。
>>677 そんなアナタには【5-728様: 小ネタ、涼宮ハルヒの絶対無敵】をどうぞw
>>629 体が震えるくらい熱い物語を読んだのは久しぶり。
良いものを見せてくれてありがとうございました。
にしても保管庫の更新がやたらはやいな
>>629 最初はメガネ君だかハカセ君みたいな「未来にとって重要な人物」かと思ってたが
古泉がくるとは予想できなかった。
文章も原作と違和感が無かった。むしろ
谷 川 仕 事 し ろ w
谷 川 尻 を 掘 る
>>629 正直言って、ただで読ませてもらうのが申し訳ないほどの出来
いや、だからって金振り込めって言われたらヒクんだけど…
>>682 いや、ナガルンはしてるでしょ。プロットやら執筆自体やら。
もしかしたら、ハルヒたちの2年目なり最終話まで組んでるかもしれん。
リ ス ペ ク ト 、 こ れ 最 強。
686 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 21:00:48 ID:0OARRxWE
なぁ、キョンレイプものある?
いまなかなかの電波を受信したんだが。
「しまった、ネタが完全に被った… これじゃ出せないな…」
とかパソコンの前で呟いてる谷川のヴィジョンを受信した。
>>688 それウザい。流行らせようとすんのやめてくんね?
ウザいとか言うのやめてくんね?
「あの日あの時あの場所で」
文芸部の機関誌に載せるため俺が書いた小説に登場するミヨキチが、当時10歳であったことがわかるや否や、俺を仰向けにしてマウントポジションをとっていた
ハルヒはひょいと立ち上がり
「なーんだ。」
と言った。なーんだとはなんだ。
「あんたみたいな甲斐性なしに同い年の彼女なんてできるわけないわよね。せいぜい妹ちゃんのお守りってぐらいよ。」
まあとりあえずこれ以上の追求がなくなったことでホッとしたが、ハルヒよ、なぜそんなに勝ち誇った顔してるんだ。俺はハルヒに脱がされかけた制服を直しながら立ち上がり
「まあいくらなんでも小学生相手におまえもムキにならんだろ。」
と言ってやった。ハルヒは
「ムキになんてなるわけないじゃない!」
とアヒル口をしてむこうを向いてしまった。まったく女ってヤツは・・・。
さて。
ハルヒ連中には知られていないし、俺も誰にも話していないのだが、俺とミヨキチとの間には「ナニか」あったのだ。
それは小説の中でも書いた映画館でおこった。
ミヨキチが観たいといったB級ホラー映画ははっきりいって人気があまりなく、席はけっこう空いていた。真ん中あたりのいい席に座ろうとしたのだが、ミヨキチはなぜか一番
後ろの席がいいと言ってきかなかった。俺は特に考えずミヨキチに従い誰も座っていない最後列の席に座った。
そしてそれは唐突に起こった。
「きゃっ!」
ミヨキチが、たいして怖くもないシーンに驚いて俺の体に抱きついてきたのだ。俺は映画よりもミヨキチが抱きついてきたことに驚いたが、やっぱ容姿は大人びていても中身は
小学生だななどとのほほんと考えていると、ミヨキチの顔が俺の目の前に来ていた。
「・・・おっ・・、ちょっ・・・」
俺が言い終わる前に俺の口はミヨキチの小さな口に塞がれていた。
「ちゅ・・・ちゅ・・・ちゅ・・・」
それはキスというよりミヨキチが俺の口を吸っているだけのような感じだった。ミヨキチの体が小刻みに震えているのが唇越しに伝わってきた。
そのうちミヨキチは舌を入れてきた。俺はパニックでされるがままだった。
「ぷは・・・」
苦しくなったのかミヨキチは唇を離した。俺とミヨキチの口は糸を引いていた。ミヨキチはそのまま、今度はズボンに手を入れてきた。
「ま・・・待て・・・!」
俺がさすがに声を上げようとするとミヨキチは耳元で
「声を上げるとほかの人に気づかれます・・・。」
とささやいた。俺は黙ってしまった。そしてミヨキチが一番後ろに座りたいと言った真意を理解した。
ミヨキチはズボンのチャックを開けると、俺のペニスを引き出した。すでに最初のキスで硬くなっていた俺のムスコは勢いよく飛び出し、ミヨキチの頬に当たった。
「わっ・・・」
暗がりでミヨキチの顔はうっすらとしか見えないのだが、おそらくはじめて見る男性器に少しひるんだようだ。しかし意を決したように
「はぐっ・・・」
ミヨキチが俺の男性器を口でくわえこんだ。
「なっ・・・」
俺は思わず周りを見渡してしまった。ちらほらといるほかの客はみなスクリーンを向いていてこちらには気づいていないようだ。
「ふぐっ・・・じゅっ・・・ぐっ・・・」
その時俺はああこれがエロ本で読んだフェラチオというやつかとか、なんでミヨキチはこんなことしてるんだとか、小学生相手にこんなことしちゃいかん、しかしミヨキチの
口の中気持ちいい・・・とかさまざまな考えが頭の中をめぐっていた。
ミヨキチはやはり小学生で、フェラの仕方もたどたどしく、口も小さいので俺のペニスを根元までくわえ込む前にペニスの先っちょが喉の奥に当たっていた。そのたび
「ふぐっ・・・ぐぼっ・・・」
と苦しそうな声を上げていたが、フェラはやめなかった。ただ、俺の太ももをぎゅっとつかんでいた。
俺は俺で、俺のペニスがミヨキチの喉の奥にあたる感触がまた気持ちよく、俺はイスとミヨキチの肩をぐっとつかんで踏ん張っていた。こうでもしないと声を上げてしまいそ
うだったからだ。そのうち、俺の下腹部から何かこみあげてくる感覚に襲われた。それにつれ下半身がビクビクと震えだした。
「んーっ、んぶうう・・・!」
フェラされるなんて初めてだったし、「射精すぞ」なんて言う事もできないまま、ミヨキチの口の中に放出してしまった。
びゅっ、びゅっ、びゅっ・・・
俺の射精は波のように一度、二度、三度、とやってきた。そのたび腰が浮きそうになり、ミヨキチの肩をつかむ手にも力がはいった。その間もミヨキチは口を離さず、ごくごくと
精液を飲み込んでいた。
俺が精液をすべて放ち終えると、ミヨキチはペロペロと俺のペニスに残った精液やら唾液やらをきれいになめ取った。そしてズボンを上げチャックを元に戻した。
そして、とすんと、俺にもたれかかってそのまま寝てしまった。俺もその睡眠が伝染したかのように寝てしまった。
「あ、あの・・・さっきは突然すいませんでした。」
映画館の帰り、公園のベンチに座るとミヨキチはそう切り出した。
「わ、私、普段学校でも周りの女の子たちに比べて背も高いし体つきも大人びてるって言われてて・・・。逆にそれがコンプレックスで・・・。でもお兄さんとだと不思議とそのコンプレックス
も小さくなりました。」
ミヨキチはそこまで言うと顔を上げた。
「わたし、多分お兄さんのことがすきなんだと思います。それで今日、そのことを言おう言おうと思っていたらあんな行動を・・・。」
ミヨキチは涙目になっていた。
俺ははじめからミヨキチを責めるつもりなどなかった。妹の親友で、家にもよく遊びに来ていたから人柄はよく知っている。ふざけ半分でこんなことをするような子じゃない。
ただ、その年以上によくできた性格が、身体的特徴からくる周囲の目に耐えられなかったんだろうな。小学生ながらに保健体育で習うような本とか読んでいたんだろう。
「ミヨキチ、そんなに負い目を感じることなんてないんだよ。」
俺は切り出した。
「ミヨキチに限らず、俺の妹だってそのうち性のことは意識するようになる。ミヨキチが周りより少し早く意識し始めただけなんだ。少しだけな。」
「そう・・・なんですか。」
「うん。まあ今日のことは俺もびっくりしたけどさ、ミヨキチなら悪い気もしないし、ミヨキチも少しは落ち着いただろ?」
ミヨキチは黙って頷いた。
「だったらもう気にすることはない。忘れろなんて無責任なことは言わないし、そうだな、二人だけの秘密にするってのはどうだ?」
「秘密・・・?」
ミヨキチは少しキョトンとしていた。
「そう秘密。ほかの誰も知らない今日のことを、二人だけが知っている。これってなかなかないぞ。」
俺はミヨキチの頭をなでた。
「は・・・はい!」
ミヨキチは急にぱっと明るくなった。やっぱおませな子だ、ミヨキチは。
俺はベンチから立ち上がると、
「ほんじゃメシでも食べに行こうぜ。お腹ペコペコなんだ。」
とミヨキチに促した。ミヨキチは
「行ってみたいお店があるんです。」
と答えた。いつもの笑顔に戻っていた。
「今日は本当にありがとうございました。」
帰り際、ミヨキチは深々と頭を下げた。この礼儀正しさをわが妹も見習って欲しいもんだ。
「また、いつものように、家に遊びに来いよ?妹の親友としてな。」
「はい!」
それじゃあな、と言おうとしたとき、ミヨキチが寄ってきた。映画館のときのように耳元で
「あの時わたしの口、気持ちよかったですか?」
とささやいた。
「へっ?」
ずざざっと後ずさりして発した言葉がそれだ。俺の反応を見てミヨキチはウフフと笑いそのまま去っていった。俺はしばらく動けなかった。
まったく女ってヤツは・・・。
その後ミヨキチは普段どおりに「妹の親友」として家に遊びに来る。あれ以来、ミヨキチはあの時のような素振りをみせることはなくなった。やはり相当思いつめていたのだろう。
今にして思えば、あの諭し方でよかったのか疑問だが、俺もミヨキチより年上といっても中3だったし、あのくらいしか言うことができなかった。だからそのまま、約束どおり
二人の秘密の思い出として記憶の片隅においてある。
けれど、ミヨキチが精一杯背伸びしてみせてくれた「女の顔」は忘れることはないだろう。
終わり
前触れもなく突然きたねw
眼福なり
あれだ。キョンレイプものだろ
ともかくGJ
エロはいいな。うむ。エロはいい
ぜひ他のキャラも頼む
ミヨキチがミヨチチに見えて一瞬興奮した
697 :
突然の告白:2006/09/26(火) 21:59:53 ID:EcLOuwJ8
今日も授業を受けている俺
後ろの席にいる異性が気になってしょうがない俺は思い切って言うことにした。
先生!
何だ出席番号何番かしらんがキョン君とやら。
俺は涼宮ハルヒが大好きです。どうしたら良いですか?
そ、そうゆうことは直接本人に言いなさい。(青春だな…)
「バカ……。」
キョンレイプものといえば
横暴なお方が力ずくでヤるか
黒いお方が一服盛るか
電波を垂れ流しているお方が情報操作するか
アッー
699 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 22:03:37 ID:0OARRxWE
や、そうじゃなくて俺がききたいのはいままでにあったかってこと。
書いてからかぶってた、なんて泣こうにも泣けん。
>>697 被ったかと思ってガクブルしたが1レスだったか
すっごく…青いです…
ハルヒ的にはアウトっぽいがw
>>699 キョンがヤられるのは結構あったと思うからネタだけ書き留めて
保管庫をひっくり返すといいよ!
追記
保管庫行くのが面倒なら思い切って書いちゃったほうがいいよ
何々に似てるとか言われてもヒドイ内容じゃなきゃ酷評されないさ
702 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 22:15:17 ID:0OARRxWE
すまん、説明が足りんかったみたいだ。
えーと、キョンがやっちゃうっての。
そこに至るまでの経路とかは言えんっぽいから、自分で見るしかないんだよな。
マジで頼んます。
703 :
702:2006/09/26(火) 22:22:50 ID:3NJbl1e0
思い切って書いてみる
ありがと
今探している小説があって、皆さんの力を借りたいと思って書き込みます。
探している小説の内容は、小ネタ(多分)でハルヒ×キョン、その話の最後がハルヒのセリフで、
「キョンは有紀にもみくるちゃんにも渡さない」みたいな感じだったと思います。
最後のセリフだけわかって、全体の内容がわからず眠れません。よろしくお願いします。
下駄箱に入っていた一通の手紙。
内容は放課後教室にて待つ。ただ、それだけだった。
俺は長門だと思い放課後教室へ向かう。
しかし、そこにいたのは長門ではなかった。
「遅かったのね、キョン君!」
「あ、朝倉。なんだ、お前だったのか!」
「なんだって事はないでしょう。もっと喜んでよ!」
「で、何か俺にようか?」
「う、うん。涼宮さんの事なんだけれど、どう思っている?」
別にハルヒのことなんぞ俺はなんとも思っていない。
「ああっ、ただの変わった女だと思っている」
「ふ〜ん、じゃあ、別に好きとか好意を持ってるって事じゃないんだ?」
「あ、当たり前だ!なんで、あんな女のことを……」
「じゃあ、涼宮さんがこんな格好していても気にならないということね!」
朝倉は掃除用具入れを開けると、そこには信じられない格好をしたハルヒがいた。
「ふふ、どう涼宮さんがこんな格好しているんだけど、なんとも思わない?」
ハルヒはノーブラで男物のYシャツを着ているだけだった。
(以外に胸でかいなぁ。)
っと俺はナニを考えているんだ。
「朝倉!何のまねだ!ハル、涼宮にこんなことをするなんて。」
「別に、ただ、私が気にかけているのに無視したりするから、ちょっと懲らしめてあげようと思って……」
「ん"ー、ん"ー」
ハルヒが何か言いたそうだ。
「な〜に?涼宮さん、何か言いたいの?」
朝倉はハルヒの口についているガムテープを取った!
「げほっ、げほっ、アンタどうゆうつもりよ!」
「いったでしょ、懲らしめてあげるって!」
朝倉の手が突然光りだした。
「な、何なの?」
「ふふ、私は宇宙生命体なの。こうやって身体の一部を変化したりできるの。」
朝倉の手はまるで大人のおもちゃみたいな形になった。
朝倉は変化した手をハルヒに近づけた。
「ほ〜ら、涼宮さん!コレッ、どう思う?」
「ふ、ふんっ、何よ!バイブってやつでしょ。知ってるわよそれくらい。」
「よくできました。ご褒美に挿れてあ・げ・る」
おいおい、まじかよあんな太いものを挿れるのかよ。
「じょ、冗談でしょ!?」
「私が冗談言うと思う?」
えいっ
朝倉は前戯もなしにハルヒのあそこにアレを突っ込んだ。
「ガッ、ガハッ、い、痛い〜、抜いて、抜いてよ〜」
「うん、それ無理♪」
朝倉はなにやら楽しそうだ。
「グ〜リグリっと、どう気持ちいい?」
「き、気持ち良い分けないでしょ!は、はやく抜きなさいよ。」
「うん、それ無理♪」
「あっ、なに、何か私の中で動いている」
「変化できるということは、指を細くそして柔らかくもできるということよ。
人間には無理でしょうね。こんなこともできるのよ」
朝倉はハルヒの中で指をばらしているみたいだ。
「あっ、うそっ、気持ちイイ〜♪」
ハルヒが潮を噴いた。すごい行水だ。
「あはは、涼宮さん射っちゃったよ。
すごい、満足そうな顔してる」
「う、うるさいわね。」
ハルヒは開き直ったみたいだ。
「ここで、特別ゲストが登場します。
有希ちゃんカモン!」
ガラッ
入ってきたのは、まぎれもなく長門だった。
「涼子ちゃん、もうやっちゃったの?」
「うん、涼宮さんが抵抗するから。」
「じゃあ、次は私の番……」
「待て、長門よ!何をするつもりだ」
「涼宮ハルヒは観察対照。でも、たまには私達インターフェイスも何かしたくなる。」
それが、こうゆう行為だということか?
「そう。」
「キョン君!私も射くって経験してみたいの。
だ・か・ら、しましょ♪」
「あ、朝倉ナニを、あっ、う、うまい」
「ふふ、どう?気持ちイイ?」
「ああっ、気持ちいいぞ!」
続きは明日にするかな。
読んでくれている人サンクス。
708 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 23:08:17 ID:3NJbl1e0
俺が言うのもなんだが、あえて言わせてもらう。……むちゃくちゃだ
こういうことを言っちゃいかんとは分かっているが……はっきり言って厨が書いたとしか思えんぞ、これは
>>950 俺はアリプロよりもジャムプロの方が好きだな
牙狼の主題歌とかテラアツスwwwww
誤爆した。(´・ω・`)ソマソ
>>706 ここは結構キビシイからな・・・
その分、力がつくってもんだ。がんばれー
>707
こりゃひでえ
もう書かなくていいよ
人に読ませるレベルじゃない
エロに関しては、神とか王様クラスがとてつもなく良いもの書くしな。
しょしょ職人さん、がんばってくだしゃーい。
>>706 ちょっちセリフの割合が多すぎかなっ。
もうすこしモノローグとかを挟んで書いてみるといいっさ。
あとエクスクラメーションマーク(だっけ?)とかクエッションマークがめがっさ目立つね。
まぁ、頑張れって事にょろ。
あと、
>>708>>709>>714 >>2嫁。 そういう事を言うと荒れると過去ログでもあれほど…(ry
言わねばならないときもあると判断したからそうしたまでだ。
スレ汚しすまなかったな。俺は去る
おまえら何真面目になってんの
>>705-706はギャグで書いてるにきまってんだろ
なかなかシュールでおもしろいぞGJ
まあ言われんと分からんこともあるかもな
エロを書こうという意気込みは応援する
とりあえず一回メモ帳にまとめてから投下してはどうだろう
ご指導ありがとうございます。
今日は寝て、また明日書きます。
>720
いや、もう書かなくていいよ。
誰もクズSSが増えるのを喜んだりしないから。
公共の場でウンコされても、その、何だ、困る。
722 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 23:54:03 ID:3NJbl1e0
俺も応援してるぞ
>>716 正直スマンかった。
>>707 一つ一つのセリフが甘い。
だからわたしに叩かれる。 他の叩きも許す。
……だから、あなたにはもっとちゃんとして欲しい。
あなたの行動パターンはもう分かっている。
あなたと出会ってから……
つまり、6歳の頃から今までのパターンから行くと……あなたはめげずに続きを書いてくる。
……ワクテカして待っている。
6歳のころからなにがあったんだwww
そこらへんをkwsk
「遅いよ」
微笑んでいた。
朝倉涼子が。
どこで。
俺の家の食卓で。
「何で、お前がいる?」
机にはご飯に味噌汁、玉子焼きに焼き鮭が並んでいる。
「んっ、何が?」
パンの方が良かった?と、朝倉は続ける。
「何故、お前が、ここにいる。」
俺は無意識に後退りしていたのか、後頭部に壁が当たる。
「どうしたの?『あなた』」
本気で心配した様な顔で、俺に近付いてくる。
そして朝倉が俺に触れた瞬間、意識が飛んだ、気がした。
「あぁ、おはよう、涼子。」
俺は妻の頬にキスをしてから、椅子に座った。
_,.>
>>724 r "
情報操作されてる!? \ _
r-''ニl::::/,ニ二 ーー-- __
.,/: :// o l !/ /o l.}: : : : : : :`:ヽ 、
/:,.-ーl { ゙-"ノノl l. ゙ ‐゙ノノ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
ゝ、,,ヽ /;;;;;;;;;;リ゙‐'ー=" _゛ =、: : : : : : : :ヽ、
/ _________`゙ `'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
...-''"│ ∧ .ヽ. ________ / ____ ---‐‐‐ーー \: : : : :
! / .ヽ ゙,ゝ、 / ________rー''" ̄''ー、 `、: : :
.l./ V `'''ー-、__/__r-‐''"゛  ̄ ̄ \ ゙l: : :
l .,.. -、、 _ ‐''''''''-、 l !: :
| / .| .! `'、 | l: :
l | .l,,ノ | ! !: :
/ '゙‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__l___ `´ l / /: :
\ `゙^''''''―- ..______/_/ /: : :
>>724 設定に気付いた時、そのギャップに萌えた。GJ!
次スレきぼんぬ
428KB。もう次スレの時期か……。
だが俺は覚えている。
>>862に生脚バニーガールが来る事を。
729 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 01:09:51 ID:0Ex0FHv1
……っぽいな。
460kb超えたら建てる、でいいのか?
というか絶対にキョンのレイプ物寝るまでに書き終えて投下したい。
今じゃないと書き上げられない気がするんだ!あともうちょい、というかけっこうかかる
>729
ガンバレ応援シテル(ト、カナデ支援)
まだ70k以上あるのに次スレとか言ってのか。やれやれだ。
732 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 01:18:18 ID:0Ex0FHv1
>>731 キョンなのかジョジョなのか非常に判断に困る
やれやれならキョン。
ヤレヤレならジョジョ。
マッガーレなら古泉。
ジョジョは「やれやれだぜ」だ。
このスレこそはあの時書いた続きを投下しよう、なんて思ってたらすでに10スレ以上経過していた。
あちゃー。
おっと
>>729でいってたのができた。
以下6,7レス使うと思うよ
気付けば長門を押し倒していた。
俺は必死にこれまでの経路を思い出す。
放課後の活動も終わり―――朝比奈さんの着替え―――俺はドアの外で待つ―――
―――終わったので朝比奈さんと入れ替わりに部室に入り―――長門は窓辺に立っていた。
夕日に照らされる長門――――……その後俺は何をした?
俺は長門を組み敷いている。
長門は無表情だ。寒々しい俺に目を向けている。
その目に俺はビクリとし、長門を押さえつけていた手を横にずらす。
目の色が変わった。さっきよりは寒々しくない。
だが俺は言いようの無い不安感を覚える。
……なぜ俺の行動に対して抵抗しないのか?
……なぜ長門は何も言わないのか?
俺の目は長門に向けられている。
思わず、理性がまた飛びそうになる。
その顔は……反則的だ……っ!
今の長門の表情はどこか優しげで、俺を抱擁してくれているような目だった。
俺は長門の体を見る。こいつはずっと無言だ。
まだ未発達の状態なのか、それともこれが最終的なものなのか。
それを知る術を俺は持っていない、が。
気付けば俺はその胸に手を伸ばして、その二つの膨らみを、その柔らかさを確かめていた。
柔らかい中に、二つの粒がある。
その粒がだんだんと硬くなっていくのを手で感じ取る。
長門が口を開く。
俺はその一言で理性を取り戻した。
「くすぐったい」
「ぅあ?……わぁっ?!」
「……」
長門お得意の3点リーダも今や立派に雰囲気を醸し出すのに役立っている。
「長門……お前は今、俺に犯されてるんだぞ」
俺は自分で言ったセリフに自分で驚く。
自分で言ったことなのに初めて気付いたような。
その現実を言葉に直すだけでこんなにも違うのか。
「そう」
「嫌じゃないのか?」
「……嫌、かもしれない」
……じゃあ……抵抗、してくれよ……っ!
お前の力なら俺を跳ね飛ばすなりなんなりできるだろ?!
「……長門……」
目の前の長門の顔が流動的に霞んで見える。
俺は泣いているのか?
「あなたは……嫌?」
「……何がだ」
「わたしを犯すこと」
俺はその問いに答えられる回答を持ち合わせていなかった。
嫌だと言えば嘘になるが、今までの日常を壊すことが嫌なんだ。
欲望に負けるなんてなんて不甲斐無い男なんだ、俺は。
「嫌なら、しなくていい。でも」
俺は長門の言葉の一文字ずつを噛み締める。
俺は……俺は……。
「しても、いい」
俺は動揺する。
何を言ってるんだ?もう一度頭の中で長門の言葉を整理する。
長門は俺に犯されることを許した……?
そんなこと、有り得ない。きっと何かの間違いだ。
「間違いでは無い」
長門は俺の独り言に反応する。
「……あなたに任せる」
俺はその一言で理性は完全に崩壊したかのように思えた。
……実際そうだった。
「長門……長門……」
俺は長門の名前を呼びながら服の上から胸を揉む。
どちらかといえばマッサージだがこれはこれでいい。
長門の口が少し動いているが、
これだけ顔が近いのに聞き取れないなんてことは無さそうなのでたぶん動かしているだけだろう。
俺は服の上からでは存分に味わえないと思い、長門の服を脱がそうとする。
が、なかなか脱がせられない。どうなってんだこれ。
カーディガンは簡単に脱がせられたのにな。
なんか落ち着きが出てきたが、確実に理性は帰ってきていない。気配さえ見せない。
興奮しつつも落ち着いている、というような不思議な感覚だ。
しかしマジでどうなってるんだこれ。
「……どうすりゃいい」
犯してる本人に訊くなんて俺はなんてマヌケなんだ?
たぶんレイパー史上初の快挙だろうな。返事を貰うなんて。
「……ここを、こうして……」
俺は言われた通りに胴体の横のボタンを取る。
確かに、こうすれば余裕が出来て脱がせることができるな。
しかし、腕を上にしなければ服が脱がせられん。
「腕、上げてくれないか?」
なんかこれはもう和姦なんじゃないかと思えてくるほどだ。
長門は腕を上げる。するすると上着と一緒に下着まで剥ぎ取っていく。
……シミ一つ無い、真っ白な純白の玉のような肌。まるで真珠だ。
ふと、俺はその光景が赤く照らされていないことに気付く。
もう夜だ。月明かりが俺たちを照らしている。
長門の肌にもその月明かりはかかる。
より一層美しく見える。出来れば写真にとってのばしてポスターにしたいほどだ。
……誰かに見られたら困るが。
「長門……綺麗だ」
「そう」
長門は一言だけ言う。
その一息の言葉の中に少しだけ、1%くらい艶が入っていた気がしたので、
いつもとは少し違う声質に興奮した。
長門の裸。
その膨らみの頂点にそびえる赤みがかかった蕾に目を取られる。
外気に晒されたのはまるで初めてのような初々しささえ感じ取られる。
とりあえず触ってみる。
さっきまでとは違い、手に吸い付くような弾力を感じ取る。
この感触だけでご飯が5杯は食える。
そう確信した俺はカレー=長門なんだ、と感じ取る。
カレーはご飯に合う。長門の胸もご飯に合う。
なんと、やつらは仲間だったのだ。
……なんて馬鹿なことを考えつつも、長門の胸を揉みしだく。
ところでカレーは単体で食べてもうまいよな。
だから、こいつも単体で。
俺は長門の胸にかぶりつく。いや、噛み付きはしてないが。
だいぶ硬くなっている蕾を舐め回す。
……しまった。歯が当たってしまった。
「……っはぅ」
……っはぅ?
俺は今現在ここに存在するのは俺と長門だけだと認識しているが、間違っていたか?
長門の声じゃない気がする。
が、確かに俺のすぐ目の前から聞こえてきた。
ということは長門の声だよな?
「声、出したのか……?」
長門は俺の顔から目を逸らしている。
そうかい、じゃあ勝手にやらせてもらうぞ。
俺は右の蕾を歯で甘噛みする。
左の胸を手の平で揉む。
「……ふ……っふぅ」
明らかに吐息を洩らしている。それも艶がかった吐息。
俺はその反応に戸惑う。
でも、悪い気はしない。感じてくれることはいいことだろう。
次のステップだ。スカートに手を伸ばす。
裾を掴み、一気に捲くし立てる。
そこには魔の三角地帯が。
白地に横縞、青ライン。……そそる。俺の好みだ。
そもそもだな、縞パンの歴史を紐解けば、……語りが長くなりそうなのでやめておく。
俺の目の前のパンツは、そういうパンツだ。
つまりだな、俺はパンツに釘づけなわけである。が、それも致し方ない。
パンツは少しだけ濡れている。なんだろう、汗か?
それは本初子午線のような、真ん中に一本縦スジに湿っている。
……これが汗なわけない。いわゆるあれだ、あの、あれ。
その濡れた軌道に沿って指をなぞる。
押し込んでみる。パンツと共に指が埋まる。熱い。
俺は急にパンツを脱がしたい気分に陥る。
いいのか?パンツを脱がせても。一応確認とっとくか?
……そうだった。俺は長門を犯しているんだ。
だから、勝手に脱がすも良し、脱がさぬも良し。
俺は脱がすことにした。じゃないと存分に楽しめないからな。
ちなみに足首に引っ掛けておくことがポイントだ。
長門は足を振ってパンツを取ろうとしたが、俺はそれを制止する。
俺が犯しているのだから、反抗は許さない。……してもらったほうが雰囲気出るがな。
俺がこのような行動を行っているうちに、段々と長門の吐息が荒くなっていく。
「ふぅ……ふぅ……」から「っはぁ……ふぅ……」へと。
俺には女性経験が無いのでこれが良い事かはよく分からんが、
表情はほんの少し嬉しそうなのでほっとく。
それにしても犯されているというのに、こいつはなんで嬉しそうなんだ?
こんなんじゃ俺もレイパー失格だ。……別に失格でもいいんだが。
直接露にされた長門のそこは、毛の一本も無く、閉じていた。
俺はそこに指を這わす。
ぬめりとした液体の感触が俺の指を襲う。気持ちいい。
指を入れてみる。第一間接しか入らない。
それ以上はキツすぎて指の方が痛い。
むぅ、どうするべきか。こんなんじゃ挿入れるモノも挿入れられん。
もっと滑りを良くするべきだろうな。
人差し指の抜き差しを繰り返す。といっても第一間接までだ。
無理やり奥へと押し込んでみる。
どうにか第2間接まで入った。
その状態でどうにか指を動かす。
指を折り曲げ、引っかくように膣壁を擦る。
「……っふぅ?!」
ここか?ここがいいのか?
俺は何度もそこを刺激する。
「っふ、はぁ、ん……」
艶がかかりすぎだ。ヤバイ、マジで。
このままじゃ早くも挿入しかねん。
もっとこの状況を楽しみたい。
だが俺の息子は元気にテントを張っている。ホント元気そうだな。
そして早く外に出て、どこか穴に入りたいと嘆いておられる。
しょうがない。俺は軟禁状態にしていた息子を解放する。
つまり、ズボンのチャックを開けた。
ビョン、という擬音さえ聞こえてきそうなほどに勢い良く出てくる。
さて、長門にはこれをしゃぶって貰おうか。
「……長門、頼む」
まったく。俺が犯していると言うのに「頼む」はないだろう。
自分の中でツッコミを入れつつ、長門の口に俺自身をあてがう。
長門は口を開く。舌が亀頭に絡んで来る。
これ、は……やばいくらい、気持ちいい……。
俺は体を反転させ長門のふとももを抱える。
両足の間に顔を近づける。それはもう目の前にある。
舌で表面をペロリ、と舐める。うむ。塩っぽいな。
よくこの汁は甘いとか聞くが、全然そんな感じはしない。しょっぱい。
だが、長門の体液だと思うとなんか甘く感じるのは……俺だけでいい。
長門が俺自身を咥える。
熱い。長門のよだれと俺の先走りが交じり合ってぬめぬめしている。
こんなんじゃすぐにイってしまう。
俺は腰を誰かに掴まれる。もちろん長門だ。へ?……な、長門?
長門は俺の腰を引き寄せる。喉の奥まで使い、俺自身をしごく。
後で知ったことですが、これ、ディープスロートって言うんですよね?長門さん。
いったいどこでこんなテクニックを……っ!?
「長門、長門ッ!射精るっ!」
俺はさっきまで随分我慢していたようだ。
自分でも驚く量の精液。
そして命令したわけでもないのにコク、コクと喉を鳴らして飲み干す長門。
……可愛すぎるぞ、コンチクショウめ。
俺がイった後も舐め続ける長門。
今出したばっかりだって!感じすぎちゃう!いやん!
……って、俺は何時の間に主導権を握られていたんだ?!
とりあえず気持ちいいのでそのままにしておく。
また大きくなってきたが、イったばかりからか、出る気配は見せない。
俺は長門のそこを舐めるのを再開した。
……コイツはいつになったらイくんだ?
全然その気配を見せない。十数分は舐めているはず。
長門も顎が疲れたらしく、俺のは解放したが、俺は続ける。
……俺って……舌技……ないんだな……。
そうだ。現実ってのはいつも俺を窮地に立たせる。
長門が哀れみの目でこっちを見ている。
いつの間にか荒い吐息も無くなっている。
……やばい、な。いろんな意味で。
しょうがないのでもう止め。膣内を指でこねくり回す。
汁がいっぱい出てきた。息も荒い。
そろそろ……か?
「ふぅ、ふ、はぁ、ふぅ、」
俺はさっきの行為がいかに無意味かつ無力だったかを思い知らされる。
最初から指でしておけば良かった。
ほら、イっちまえ!
「キョ……ん、ふぁっ!」
キョ……ってなんだ?
まぁ、いい。こうして長門はイってしまったのでした、ちゃんちゃん。
って終わるわけないだろ。
長門はその華奢な背中を弓なりに反らせ、ビク、ビクと痙攣している。
目の焦点は遠く、どうやら天井に合っているようだ。
急にくたん、としおれる長門。肩で息をしている。
その様子を見て、もう我慢できないと思った俺は、俺自身を長門のそこにあてがう。
「長門……挿入れるぞ……?」
「……」
長門はしっかりと俺の目を見据え、うなづく。
完全に和姦だな、こりゃ。
俺自身が長門にめり込む。
一見すると明らかに入りきれないような気がするが、ここは女体の神秘にかける。
亀頭が入る。
……キツすぎて痛いくらいだ。噛み千切られそうだ。
我慢しつつ、もっと押し込む。
と、急に血が出てくる。
長門、処女だったのか!……ってパンツ脱がした時に分かってたけどな。
「痛……い」
「すまん……長門……っ!」
これ以上痛がるのは見たくないので一気に突きあげる。
長門の声には痛みやら不安?やらが混じっている。
それにしても長門なら痛みとかそういうものはどうにかなるんじゃないか……?
「……これでいい」
どーゆー意味だ、それ。
俺はしばらく動かない。長門の痛がる顔を見ながら犯すのは嫌だからな。
残念ながらどうやら俺はM……らしいな。
認めたくない事実が発覚した。
……血も引いてきたみたいだな。
そろそろ動いていい……か?
「いい」
ゆっくりと腰をグラインドする。
ギリギリまで引き抜き、最奥まで突き上げる。
繰り返す。どんどんと速度を上げていく。
いつしか部室には俺の荒い息と長門の嬌声(?)と腰骨のぶつかり合う音だけが淫らに響いていた。
抜き差しするたびにパチュンパチュンと音を立てる長門のそこは、
もう俺の先走りやら長門の汁やらで、いっぱいいっぱいだった。
なんていうかもう、なめこ汁みたいな。
泡が立っていく。白い泡。
体位を正常位と呼ばれるものから変えていく。
長門の右足を両手で抱え、横から突く。
俺は必死に腰を振る。長門の膣内の感触を味わう。
さらには長門の右足を左に持っていき、俺は長門を後ろから突く形となる。
尻の肉を掴む。ほどよい柔らかさだ。弾力もある。
腰を打ち付けるたびに出る音に興奮する。
長門の口から出てくる甘い声に興奮する。
俺はまた正常位に戻す。
最後は顔を見ていたいものだからな。
「長門……で、射精そう、だ……」
「だめ。……っふぅ、そと……」
しかし、俺はその言葉に反抗したくなった。
「膣内に……膣内に射精すぞっ!」
「やめて……嫌」
もう誰も止められない。
ラストスパートと言わんばかりに腰を打ちつける。
「孕め……っ!孕んでくれっ!長門っ!俺の子を……産んでくれぇっ!」
「嫌……熱い……出てる……」
ドクドクと白い奔流は長門の膣内を余すところ無く埋め尽くす。
さて。
何で長門は口では嫌がっているのにあんなに嬉しそうな顔をしているんだ?
俺はゆっくりと自身を引き抜く。
俺の精液が長門から漏れる。なんかエロい……。
長門が口を開く。
「あなたの精子が卵子に到達するまで後3時間……」
え?
「大丈夫。安心して。良性の精子を選出する」
は?
「確実に着床させる。失敗は許されない」
すまん、意味が……。
「……受精」
と、いうことはマジで俺の子を孕むのか?
「そう」
……冗談じゃないよな?
「……今日から"あなた"と呼ばせていただく」
……やめてくれ。
「"ダーリン"が良い……?」
それもやめてくれ。
長門はお腹をさする。
「楽しみ」
……もうどうにでもなれ!
2ラウンドへと移行し、さて3ラウンドに突入しようかという時に、
俺は聞いてはならないことを聞いてしまった。
「場所、時間、わたしの反応。全て計算通り」
え?
「あなたの所持する雑誌からこの状況・反応が一番ベストと出た」
……つまり俺は罠に嵌められた、ってことか?
「……実際にはわたしがハメられた」
……ギャグはいい。
さて。
長門のお腹がそれなりに大きくなる頃には様々なプレイも重ね、(俺はやっぱりMだった)
いつの間にか名前で呼び合う関係になっていたわけだが、
名前を決めるのに少々討論に講じていた。どうやら女の子らしい。
「いや、お天気系で。例えば有芽とか」
「だめ。可愛い名前にするべき」
「例えばなんだ?」
「有美……など」
「"有"の漢字は入れたいよな」
「わたしもそう思っている」
でもまぁ、最初に話すことは決まっているのだ。
そう……
「今夜はわたしがじょおうさま」
やれやれ。今夜は寝かさないぞ。
〜end〜
>>744 関東平野が焼け野原になるくらいGJGJ!!!!
>たぶんレイパー史上初の快挙だろうな。返事を貰うなんて。
とか、
>だが、長門の体液だと思うとなんか甘く感じるのは……俺だけでいい。
とか、実に谷川っぽい。上手いな。
それよりもなによりも、長門の反応が可愛くてイイですな。ヒィーハァ!!
GJ!長門にはかなわないぜ!
GJ!
長門エロいよ長門
ハメられたw
>>745 >関東平野が焼け野原になるくらいGJGJ!!!!
お前マジで死ね。
厨うぜーよほっとけよ
みんなスルーしてるんだから触るなよ。
GJ言ってりゃなにしても許してもらえると思ってる中学生だろ。
さあ、また荒れますよ
ここからが本当の地獄だ……
てか、ここの殺伐さは日を追って酷くなっていってるな。
ここの人たちVipより刺がある気が
>>753 その殺伐とした世の中で、穏やかな気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、このバーボン改変を貼ったんだ。
じゃあ、注文を聞こうか。(´・ω・`)
このたびボロクソに言われたので
「朝倉さんの復讐」は打ち切らせていただきます。
短いながら応援ありがとうございました。
そりゃだって21歳未満立ち入り禁止だぜwww
>>756マスター、そういうわけだ。
別れの門出に彼に一杯オススメを頼む ああ、もちろん俺の奢りで
VIPの住人のほうが大人に見えるのはどういうこった
>>759 普通に会社員が仕事の合間に入り浸ってるのがVIP
それ以上に厨房が多いが、最近のVIPは結構な確立で会社員ですよ。
ここの雰囲気が悪いのはたんに自治厨が多いからだろ
VIPって何よ?
こいつは真性のかほりがしやがるぜっ!
これじゃVIPのほうが大人と言われても仕方ないな。
こういうのが増えると(ry
それでだ。
そう、お前だよお前。 俺はお前に訊いている。 重大な質問だから心して聞け。 そして答えろ。 無回答は許さん イエスかノーかでいい。
じゃあ聞くぞ。
『お前はここを厨と馴れ合いの溜まり場にして楽しいのか?』
答えろ。考えろ。どうだ? お前の考えを聞かせてもらおうじゃねえか。 言ってみろよ。
暴言に振り回され、荒らしの襲撃を受け、出来の悪いSSにアドバイスもなく突っかかり、感想にすら突っかかり、それがループしたり、馴れ合いが発生したり、意味不明な批評家気取りが出てきたり、にも関わらずSSがマメに投下される幸福状態。
なのにVIPより子供って言われるこの状況。
そんなのが楽しいと思ったのかよ。
>>757あたりの反応に大人とは思えないものを感じたので書いた。 本気で反省はしている。
l..:.::::::::::::::::::::::::::::イ = =
|.:::::::::::::::::::::::::::::: | ニ= 仙 そ -=
|:r¬‐--─勹:::::| ニ= 道 れ =ニ
|:} __ 、._ `}f'〉n_ =- な. で -=
、、 l | /, , ,ヘ}´`'`` `´` |ノ:::|.| ヽ ニ .ら. も ニ
.ヽ ´´, ,ゝ|、 、, l|ヽ:ヽヽ } ´r : ヽ`
.ヽ し き 仙 ニ. /|{/ :ヽ -=- ./| |.|:::::| | | ´/小ヽ`
= て っ 道 =ニ /:.:.::ヽ、 \二/ :| |.|:::::| | /
ニ く. と な -= ヽ、:.:::::::ヽ、._、 _,ノ/.:::::| | /|
= れ.何 ら -= ヽ、:::::::::\、__/::.z先.:| |' :|
ニ る と =ニ | |:::::::::::::::::::::::::::::::::::.|'夂.:Y′ト、
/, : か ヽ、 | |::::::::::::::::::::::::::::::::::::_土_::| '゙, .\
/ ヽ、
俺は今日のお昼ご飯にと思って固焼きそばを作っていたんだ
固焼きそばは良いね
野菜炒めてアンを作るだけでお手軽だし、美味いし
それで確か野菜を切っている時だったかな
そう、あれは玉ねぎを切っている最中だ
唐突にだけど俺は思ったね
ハルヒって文化祭前日から泊り込んでいるのにシャワーはどうしたんだろうか・・・
いや、普通に文化祭を過ごすってだけなら俺もそんな事を考えなかったんだけど
バニーガールの格好でビラ配りしてたじゃん?
やっぱ普通の女子高生じゃないよなハルヒ
うん、俺が言いたいのはそれだけなんだ
あっ、物を投げるのはヤメテ(ノ∀`)ノ
バカスwwwwwwwwwwww
>766
キョンは匂いフェチなので無問題
さりげなくアンチハルヒが混じって荒らしてるな
そりゃあおめぇ・・・男子が居ても
平然と着替えだすハルヒのことだからな
早朝の誰も居ない校庭で運動部御用達の
コンクリの水飲み場で堂々と水浴びしたんだよ。
グラウンドに撒布するためのホース使って。
>>766 何投げられても笑ってるキョンの献身さに古泉も泣いた。
>>770 そのあと着替え中にキョンに見つかるなんて電波を受信した
ネタにしてSS書こうとしたが思い付かなかったので。
既出かも知れんが、ツガノマンガ版2巻で
ハルヒが部室でバニーに着替えてる間
古泉のヤツ、ずっとその部室の中にいるよな?
うp
そーいや漫画版を元にしたSSって無いっぽいよね
>>766 においとかよりも腋の毛の処理が気になる
>>776 漫画版といっても大筋は原作と変わりはないからな。
唯一目新しいところと言えば先月のゴスロリ長門くらいか。
それじゃネタにもしづらいだろうて。
>>774 ソレハキニシチャイケマセンヨ(*´∀`)ノ
VIPに行くのもなんだからみんなでSMスレに避難しませう
「不肖この古泉、一命を賭けてこのスレを最後の最後までお守りする所存です。」
>>774 「キョンは出てけ! 古泉君はどうでもいいわよ」
キョンだけが意識されてる証です。
だって古泉はホモ。
ハルヒもそれを承知なのさ。
ところで質問があるんだが
ミヨキチがキョンの彼氏だって言い張る話があったよね?
それがどうもまとめサイトに載ってない様なんだけど、
俺が見落としてるだけかな、それともなにか事情があるのかな?
>>629 GJ!!
立派に単独作品として自立している。人物が
>>629氏なりの解釈できちんと生きている。
素晴らしい。や、良かったです。
ああ・・・またパン工房みたいな才能系シュールのSSが読みたい・・・
こればっかりは「自分で書いてみろ」と言われてもできない。
>>756 ありゃ、一足遅かったか。
キャラの口調だ描写だと言いたい事は色々あったんだがどうも上手く言えないんで……
色々言うより「
>>705を俺ならこう書く」を実際やってみた。
次の参考にでもなればいいし、ウザイと思ったらスルーしてくれ。
多分2レス、
>>705だけね。
その日登校してきた俺を迎えてきたのは、かなり履きなれた上履きとその上に置かれていた小さな封筒だった。
俺はそいつを手に取る。何処かへの招待状でも入ってそうな真っ白い封筒の中には、一通の手紙が入っていた。
『放課後、教室にて待つ』
シンプルで丁寧な楷書体は、かつて栞に記された一文を思い出させる。
これは長門から……なのだろうか。
わざわざ手紙で呼び出すなんてどういう事だ。またあの時の電波話を続けるつもりなのだろうか。
俺は軽く首をかしげながらも手紙をカバンにしまいこんだ。
そして放課後。体調不十分を理由に今日は休むと言い残し、ハルヒはとっとと帰ってしまった。
珍しくのんびりとした時間ができた。
俺はこの手紙が谷口たちのイタズラという線も考え、時間を潰せるだけ潰してから教室へと向かう事にする。
本当に長門からの呼び出しだった場合、これはいったいどういう意味なのだろうか。
手紙の真意が掴めてないが、まぁその辺りは会ってから聞けばいいだろう。
あれこれ考えているうちに教室まで戻ってきた俺は、そう軽く決断して教室の扉を普通に開けた。
教室で待っていたのは長門ではなかった。
まるで予想だにしなかった人物が、夕焼けに染まる教室の中黒板の前に立っている。
「遅いよ」
朝倉涼子は窓の外からこちらへと視線を移し、いつものように人当たりの良い微笑みを浮かべてきた。
「……手紙を書いたのはお前なのか、朝倉」
「うん、そう。意外だった?」
まあな。谷口的に最高ランクに位置づけされる美少女にこんなシチュエーションで呼び出されて全く驚かない
ヤツがいるとすれば、そいつは自意識過剰なナルシストぐらいだろうよ。
「ふうん。でもその割にはあまり喜んでないみたいね」
俺みたいな一般人はこういう状況に置かれると幸せに浸るより疑ってかかってしまうものなのさ。
それより、俺に何か用があるんじゃないのか?
いまだドッキリか何かと疑いを持つ俺は、朝倉へ話をふりながらも教室のあちこちに注意を払う。
「うん。……ねえ、涼宮さんの事なんだけど。あなた、彼女の事どう思ってるの」
とんでもない事を聞いてきた。なんだおい、そういう方向でのサプライズ企画なのか?
大体そこでなんでハルヒの名前が出る。例えこれが万が一、告白前の相手への恋人の存在の確認だったとして
そこであげていい名前ではないはずだ。
「そうなの?」
ああ。別にハルヒの事なんぞ俺は何とも思っていない。
強いて言うならば、俺や朝比奈さんにとことん迷惑を振りまく、かなり変わった女だってとこか。
「ふうん」
朝倉は教壇を降りて俺に近づき、腰を軽く曲げて下から覗きこむ仕草で聞いてきた。
「それじゃ、別に涼宮さんが好きだとか、好意を持っているだとか、そういう感情はないわけだ」
当たり前だ。そんな事が起こればまさに天変地異だ。俺にだって選ぶ権利はある。
マイエンジェル朝比奈さんのようなお方に対してならともかく、何が悲しくてハルヒなんぞと恋に落ちねばならんのだ。
「そっか」
朝倉は姿勢を戻すとそのまま教室の後ろへと歩いていく。そのまま掃除用具入れの傍に立つと
「それじゃ、涼宮さんがこんな事になってたとしても、あなたは別に気にならないのよね」
まるで今日の晩御飯のメニューを決めるかのように、あくまで日常を崩さぬ姿勢で朝倉は掃除用具入れの扉を開けた。
しかし、日常はそこまでだった。
何せ掃除用具入れの中には人間──涼宮ハルヒが入っていたのだから。
ハルヒはガムテープで口を塞がれ、男物のYシャツ一枚だけを羽織り、両手を後ろ手に縛られた状態でいる。
Yシャツの隙間からは意外とある胸が覗いており、ハルヒが抵抗しようと動くたびにそのボリュームを見せ付けてくる。
古今東西、俺の知る限りにおいてそんな光景を日常と呼ぶ世界など存在しえなかった。
「何のまねだ、朝倉! ハル、涼宮に何してやがるんだ!」
「あなたの思うような事は、まだ何もしてないわ。ただ、わたしがこんなに気にかけているのに、彼女ったらずっと
無視し続けてるでしょ。だから、わたしの事をちょっと教えてあげようかなって」
ふざけるな。そんな教え方が何処の国にあるって言うんだ。
「国には無いわね。でも、宇宙にならある……かもしれないわよ」
朝倉はあくまで普段どおりに話してくる。そんな姿を見ているとどうにかなってしまいそうだ。
「ん、むぅーっ!! んん、んんんーっ!!」
ハルヒが更に激しく暴れだす。どうやら何か言いたげのようだ。朝倉もそれに気づいたのか、あらあらとか言いながら
ハルヒの口を塞いでいるガムテープを勢いよくはがし取った。
「げほっ、げほっ……ったいわねえっ!! ちょっと、朝倉っ! こんな事して、あんたいったい何考えてんの!?
その上キョンまで呼び出して……言いなさい! あたし達をどうするつもりなのよ!!」
「あら、涼宮さんったら何も聞いてなかったの?」
ハルヒの必死の抗議に対し、朝倉はハルヒのあごを愛おしく撫でるように指を這わす。
そのまま手を離し、ハルヒの前に見せ付けるように持ってくると
「……言ったでしょ? わたしの事を、ちょっと教えてあげるって」
その言葉と共に、朝倉の腕が突然まぶしく発光しだした。俺もハルヒも思わず目を細める。
「んなっ、何、いったい何なの!?」
ハルヒの叫びが聞こえる。何だと聞かれたって困る。俺が聞きたいぐらいだ。
「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしの所に来なさい、だったっけ」
ハルヒをハルヒと知らしめた一番最初の自己紹介だ。朝倉は光り続ける手を軽く上げると
「はぁーい。あなたの期待に応えて、宇宙人さんがやってきてあげたわ。よろしくね、涼宮さん」
にっこり笑いながらハルヒにその手を見せ続けた。と、朝倉の光る手に変化が現れる。
もうぐうの音も出ない。俺にいたっては情けない事に、床にへたり込んでいる状態だ。
その手はクレイアニメーションの如く形を変化させ、最終的には笠のついた警棒の様な、ぶっちゃけて言えば男性器を
象った触手の様なうごめくモノに変質させていった。
「……主にこっちの意味で、ね」
そう言って微笑む朝倉の笑顔は、俺が今まで見てきた朝倉の中で一番感情溢れた表情ではないかと感じていた。
いじょ。
さて自分の続きをとっとと書こうっと。
一行しか読んでないけど、
> その日登校してきた俺を迎えてきたのは、かなり履きなれた上履きと
「俺を迎えてきた」ってなんだよって思った。
「俺ならこう書く」とか何か言ってる割には、なんだこいつはって感じだ。
すまんな。
「俺ならこう書く」って、いくらここが2chだからって(今は違うが)、人様の作品を勝手に改竄することが許されるのか?
良識を疑うね。
別に書くことに対して文句はないけど、偉そうな事言ってる割には大した事ないから、なんだかなぁ〜って感じだな。
> その日登校してきた俺を迎えてきたのは、かなり履きなれた上履きとその上に置かれていた小さな封筒だった。
(゚听)イラネって感じだが。
俺だったら
「その日登校してきた俺を迎えたのはハルヒの笑顔でもなく谷口のアホ面でもない。
一年が始まったばかりだというのにひどくくたびれた上履きの上に置かれた、小さな白い封筒だった。」
って書くだろうし。そんなの人の好きだろしかいいようがない。
文章ってうまさだけじゃないからなぁ。その作者が書いたときの勢いってのが大事だと思う
いくら推敲したところで文が整うだけで、勢いってのは死んでいっちゃうから
ま、あれだな。
今必要なのは人への推敲とかじゃなくエロいSSだってこった。
時には駄文を受け入れる勢いも必要ってことだな
良ければ反応すればいい。
駄文だと思えばスルーすればいい。
パクリやなんかはまた別の話で。
802 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 08:30:59 ID:aQDAY8L5
空気の読めないことで有名な俺がここで一発SSを投下。
7レス分いきますよ。
大佐!思いっきり上がってしまった!これじゃいい恥さらしじゃないか!
というわけで潜行するまで待ちますね(´・ω・`)
1/7
思い返すと、その日のハルヒは少し違っていたように思える。
目を合わせずに話すことが多かったし、目を逸らされることもあった。
何より珍しいことに、グロス付きのリップを使っていた。
まあ違うことに気付いても、その意味に思い至らなければ気付かない
のと同じなんだけどな。本当に自分の鈍さには呆れるね、まったく。
さて、愚痴っていても仕方ない。話を進めよう。あれはハルヒの閉鎖空間
から出てきて、最初の土曜日だった。
朝比奈さんも長門も、ついでに古泉も欠席してたSOS団市内探検の活動日。
俺が午前中にした一時間にも及ぶネタばらしを一笑に付したハルヒは、
「あの夢は何だったのか」の検証をしようと言い出した。宇宙人や未来人や
超能力者の話は信じられなくても、自分が体験したリアルな夢は紛うこと
なき不思議体験だ。しかも二人同時となると、これはもう偶然なんかじゃ
説明がつかないというわけだ。
昼もだいぶ過ぎた頃に喫茶店を出た俺とハルヒは、お互いの話を突き合わせ
ながら学校までの道のりを歩いた。ああ、ちなみに遅れてきたのはハルヒ
なのになぜか俺が奢らされていたなんて事実もあったが、敢えて言うまでも
ないよな?
2/7
昇降口前でまずハルヒが目を覚まし、俺を起こす。
さすがにガラスを割るわけにはいかないから普通に職員室を覗き
――バスケ部顧問が茶を飲んでいた――各教室を回ってSOS団部室に
入る。
当然といっちゃあ当然だが、部室の窓の外に広がる景色は至って普通で、
電車も走っていたしカラスも元気に飛んでいた。
「おっかしいわね。ここまで来たら不思議なことの一つもあるかと思った
のに」
内心、俺も本当に何かあるんじゃないかとビクビクしていたが、そういった
心配とは裏腹に何事もなく校内探索は進み、ついにSOS団部室までたどり
着いた。
「ここでアタシは、一人で校舎のあちこちを見て回ったのよね。キョンは
何してたの?ずっとここにいた?」
「お前がここにいろと言ったんだろう。いろいろと原因を考えていたさ」
実のところはここで赤い光と化した古泉と話したり長門からのメッセージを
受け取っていたんだが、その話は今日の午前中で打ち切りになったからな。
妙なことを蒸し返すこともあるまい。
3/7
「そんじゃ、あたしは自分で歩いたルートを辿ってみるわ。キョンもできる
限り状況を再現してて。すぐに戻ってくるから、ヘンに出歩かないようにね!」
言うだけ言ってハルヒは部室を出て行った。やれやれ、立ち止まって考える
って発想はないものかね。
朝比奈さんが買い置きしておいてくれた水出し麦茶を作りながら、俺は
ぼんやりと窓の外を眺めていた。野球部がグランド整備を終えて引き上げ
始めている。さっきまで練習試合をやっていたみたいだが、結果はどう
だったのだろうか。
ほどなくして、不満の色を顔いっぱいでに広げたハルヒが帰ってきた。
「何にも無かったわ。音楽室も理科室もカギが閉まってたし、体育館には
バスケ部とハンドボール部。岡部のバカと目が合っちゃったわよ」
そりゃ災難だったな。よく考えれば、日曜とはいえ私服で校内を歩いている
ところを見つかったのはマズかったかもしれん。
「で、そっちは何か不思議イベントの一つも起きなかったの?隠さなくても
いいわ。出し惜しみせずにあったこと全部言いなさい」
残念ながら、そんな状況にはそうそう出会えるもんじゃないな。あるとしたら、
こんなにのどかな土曜日の昼下がりなんかじゃなくて、もっとどんよりした
冬の夕方あたりが旬の時期なんじゃないか。
「何言ってんの。諦めたらそこで試合終了よ。ケンタッキーおじさんが言ってた
から間違いないわ。こんなところで時間潰してないで、先に進みましょ」
カーネル・サンダースがそんな事言ったかどうかは知らんが、まあここまで
来たら一通り回ってみないと気が済まないだろうな。
で、次はどうするんだっけ?
4/7
「・・・はい」
ハルヒは俺に向かって手を差し出している。何のマネだ?
「キョンがいきなりあたしの手を引っ張っていったんじゃない。ほら、さっさと
しなさいよ」
仕方なく――本当に仕方なくだぞ――俺はハルヒの手を取って歩き出した。
そうか。確かこの後は、青い巨人に追われるようにグラウンドまで出て行くん
だったよな。
あの空間で校庭に出るまでの間に何を話していたかは、実はあまり覚えていない。
ハルヒが灰色世界を気に入り始めていたらしいことや、それに俺が危機感を
募らせていたことをぼんやりと思い出しながら校舎を出た。
校庭の真ん中まで来て、校舎を振り返ってみる。
そこには謎の巨人などおらず、世界が灰色であるわけでもなく、ただハルヒ
だけが隣にいた。
「何もないわね」
「何もないな」
振り返ってみて、俺は部室からここまでの間、ずっとハルヒの手を握っている
ことに気付いた。慌てて離すのももったいない気がして、なんとなく握り直して
みる。
「やっぱりただの夢だったのかもな。非現実的な世界への旅を考えるよりは、
夢占いとかシンクロニティの資料でも漁った方がよさそうだ」
「・・・まだ、やり残したことがあるでしょ」
俺は改めてハルヒの顔を見つめなおした。
5/7
「何よ」
それはこっちの台詞だ、とは言えなかった。
初めて見るハルヒの表情。
いつもの怒り顔を作ろうとしているが、失敗している。不安の色を隠し切れて
いない、微妙な表情。
真剣な瞳だけが・・・ああ、わかっているさ。一番重要なイベントが終わってない
ことくらい。
「何でもねえよ」
だがここまで再現ルートを辿って何もなかったんだ。最後の儀式を終えた後に
だって、何か起こる可能性なんて低そうなもんじゃないか。
いや違う、そうじゃない。
正直、事ここに至ってもまだ俺には自信がなかったんだ。俺は本当にハルヒが
好きなのか。朝比奈さんでも長門でもなく、涼宮ハルヒというワガママで
破天荒で根本的に勢い任せな女に、俺は惚れちまっていいのか。
――惚れちまってる俺を認めていいのか。
6/7
「・・・しなさいよ」
「・・・いいのかよ」
「しょうがないでしょ。本当にあたし達が同じ夢を見たのか検証することが
今回の目的だし、そのためにはお互いの夢の内容を忠実に再現する必要がある
じゃない。知ってると思うけど、あたしこういうことを中途半端にするのって
嫌いなの。だから好きとか嫌いとかじゃなくてこういうことはきっちり最後
までやりきるのが大事なのよ。何よその目は。何かヘンな勘違いでもしてるん
じゃないでしょうね!」
くそったれ、頬を染めるな。
睨んできたくせに、目を合わせた瞬間に背けるなよ。
不安そうに横目で様子を窺ったりするのはもう反則だろ。
俺は右手をハルヒの頬に寄せてみた。まだ決心はつかない。
ハルヒが、まっすぐに俺を見上げた。いいのか、俺。
目を閉じる一瞬前。
その瞳が、少し潤んだ気がした。
7/7
結論から言おう。大変なことが起こった。
月曜日、俺を待っていたのはクラス全員の好奇の眼差しと、それを一身に
背負った谷口の質問責めだった。
当然の話ではある。
校庭のど真ん中で男女二人が、そのなんだ。ちゅーなどしていて、目立た
ないはずがない。
ましてハルヒの顔と名前は全校生徒で認知度100%を誇っている。
その噂は秒速299792458メートルで校内を駆け巡り、俺は頭を抱えながら
自分の浅はかさとケータイ普及率の高さを呪うハメとなった。
「なあ」
「何よ」
「後悔、してるか?」
「・・・するわけないでしょ。バカ」
まあ、言わせておくさ。
あいつらは知らないだろう。余韻に潤むハルヒの表情を。そこから照れ隠しの
怒り顔に変わるまでのグラデーションを。繋ぎ直した手の柔らかさを。
それを知っているのが俺だけってのは、悪い気はしないものなのさ。
「何ニヤけた顔してるのよ、バカキョン」
<涼宮ハルヒの検証 了>
以上ス。
出だしでキョドってごめんね。
エロとか全くなくてごめんね。
>>811 乙!これはいいんじゃない?
最近のこのスレの雰囲気的になんて言われるかわかんないけどw
>>811 >ケンタッキーおじさんが言ってたから間違いない
ウケた。なんか癒されたよ。
エロ無しでも十分なのにキョドらせてごめんね。
にやにやしながら言っちゃうけどごめんね。
クソ甘すぎだよアンタwwwGJ
ツンデレの王道って感じですな
顔がにやついて正直たまりません
そうか、カーネルおじさんて
「私だけですか?まだ勝てると思っているのは」
て言った人か!積年の悩みが晴れたよ。
なんかこんな甘いSS大好きだぜ!GJ!
ニヤニヤが止まらない
>>499 「異世界人」と言っても、相手の方が非現実世界にいるとは限らない。
こちらの方が非現実世界の存在でも、相手が現実世界の存在なら、「異世界人」になる。
つまり、ハルヒの存在は3年前を境にして現実世界のハルヒと非現実世界のハルヒが入れ替わって、存在が断絶したのだ。
だから、今のハルヒにとっては自分以外の人間は全部「異世界人」になる。
470kB超えてるよ
そろそろ次スレを意識した方が良い
大きなお世話だ
まだ次スレ立ってないんだな。
俺は今は携帯からだからむりす
最近のこのスレの過疎りようからみて次スレ立てたら2日は容量埋まんないんじゃないか?
まだこのスレに投下する神がいるのか
>>811 乙
バーローwwwニヤニヤがとまんねえよwwwどうしてくれるwww
もしニヤニヤしながらチャリこいでる香具師を見掛けたら
それはオレです
>>811 こんな甘いのは大好物www
>>629 今さらだがGJ。構成超上手いな。
古泉(小)に泣いたが、別の意味で谷口(小)にも泣いた。
>>811 超GJ
こういうの来るからこのスレはやめられん
>>827が船GJに見えた俺は寝た方がいいのかあな?
>>828 ぐっすり休んで明日は元気になってくれ。
日曜日。特に用事もないが朝からハイテンションな妹に文字通り叩き起こされた俺は居間で信じられない光景を目にした。
「何やってんだ長門?」
居間にはテレビの真正面に鎮座した長門がいた。目を悪くするぞ…
「…………テレビ」
テレビ?あぁ、テレビね。そういや長門の家にはテレビ無いもんな。見たい番組があっても見れない、それはとても辛いことだ。長門がそんな俗っぽい事に興味を示すのははなはだ意外ではあるが…
「………見る?」
「いや、遠慮するよ」
朝っぱらから濃度の濃い、原液のような少女アニメを見るのは少々キツイ物があるし。
「……そう」
なんて、寂しそうに言うもんだから父性愛溢れる俺が見過ごせるわけが無いのは自明の理だ。
「…と、思ったが気が変わった。俺も見るよ」
「………」
長門はどう贔屓目に見ても嬉しそうにして自分の隣りをペシペシ叩くのでそこに座ることにする。……テレビ近くね?
「……ずいぶんカオスなアニメだな……」
「………」
俺達が見ているアニメは猫耳メイドが目からビーム出したり、ウサ耳ウェイトレスがバズーカ撃ったり、納豆に混ぜられたりするそんなアニメだ。これを簡潔に表現するなら“カオス”としか…俺の乏しい語彙では不可能だ。
「パカパカパッパッパ〜ン」
朝っぱらから濃度の濃い原液のようなオタアニメを見させられてげんなりしていると突如隣りからファンファーレが鳴り響いた…?
「ユッキーはレベルが上がった!レベルが4になった!目からビームを覚えた!ユッキーはキョンのことがさらに好きになった!キョンもユッキーの事が好きになった!」
右手を天に掲げ、左手を腰にあてがい高らかに宣言する長門は可愛いと言えば可愛いのだが高校生としてその行為は不適切だと言う他ない。
「……………とりあえず座れ」
何かを期待するような視線を横っ面に浴びながらも俺は長門がどんどんアホの子になっていく事実に…また一つ懸案事項が増えた事にげんなりとする他なかったのであった。
>>831訂正
>俺の乏しい語彙では不可能だ。→俺の乏しい語彙では表現不可能だ。
携帯で書き込むとこういうミスをするから嫌だorz
そんなもので経験値得ちゃダメーw
よりによってげのまのず販促アニメかよw
835 :
811:2006/09/28(木) 22:46:33 ID:aQDAY8L5
おまいら感想トンクス。
また電波受信したら書いてみます。
ノシ
感想dクス
またスレが終わる頃に小ネタ書きにくるよノシ
837 :
埋め:2006/09/28(木) 22:52:55 ID:8jeWi7Oj
長門は俺の頭をまたいで立っていた。
生真面目にも上履きの横に小さく名前を書いているのがこいつらしい。
小説の朗読をするような口調で長門は何かを呟いた。
つい長門を見上げてしまった。
「白地に青の縞」
長門のかかとが俺を思い切り蹴飛ばした。
>>832 ナイス埋めネタ
てなわけで自分もひとつ埋めネタなんぞを
「いた!」
どうしたことか、ハルヒのやつが突然悲鳴をあげたかと思うとそのままうずくまっちまった。
なんだ?このブルドーザーとガチンコで喧嘩できそうなほどバイタリティに溢れたハルヒがこともあろうに
よくはわからんが痛みを訴えているだと?
「おい、どうしたハルヒ?」
「指が…」
ハルヒはおそらく痛みに耐えるのに必死なんだろう、まともに返答することができないらしい。
それでも指に異常が発生したんだろうことだけはわかった。
「右人差し指の乳酸蓄積量が異常。
また筋肉の摩擦による損傷を確認」
長門が俺にだけ聴こえるような小声で説明してくれたんだが、正直言って詳しすぎてかえってよくわからん。
それでも必死になってその意味を理解できるよう頭の中で咀嚼する。
えっと、つまり
「ハルヒ、お前、指がつっちまったのか」
「……そうみたい」
なんともはや。これには純粋に同情するね。
なんせこういう症状には明確な治療法なんてもんがない。
ただひたすら痛みが治まるまで我慢するしかないんだからな。
「原因はなんなんだろうな?」
俺は、目元に涙をためながら人差し指をくわえるなんていう普段じゃ絶対お目にかかれないレアなハルヒを眺めながら、
そんな疑問を口にした。
「僕にはなんとなくわかりますよ」
なんだ、古泉。言ってみろ。
「ではお言葉に甘えて」
「涼宮さんは人差し指をつきつけすぎなんですよ。同人誌の表紙で」
生まれて初めて行ったとらのあな、そこに大量にあったハルヒ同人誌のほとんどでハルヒが人差し指をつきつけていたのを見て
こんなネタを思いついた。
あと、長門は本で口元を隠しすぎだと思った。
840 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 22:59:15 ID:vqzYzJ6d
意義あり!!
あ、それとGJ!!
一瞬乳酸蓄積量が乳酸菌蓄積量に見えて20スレ目の『涼宮ハルヒの健康 』思い出したw
GJ。
俺なんか一瞬ブルドーザーがプールサイドに見えて
元気良くプールサイドで走り回ってるハルヒが転んで泣きべそかいている所を想像しちゃったもんね!
┐(´ー`)┌ やれやれ
843 :
埋め:2006/09/28(木) 23:15:32 ID:jh0B1GEM
>>832 >>839 GJ。自分も思いつきの埋めを。
憂鬱P44より
「気がついた!」
唾を飛ばすな。
「どうしてこんな簡単な事に気付かなったのかしら!」
「いないんだったら自分で作ればいいのよ!」
「何を」
「子供よ!」
頭が痛いのは机の角にぶつけただけではなさそうだ。
ドーピングコンソメネタのためだけに埋め小ネタ投下
埋め用なので全く筋を考えてなかったり
「長門、ちょっといいか?」
「なに?」
意味不明な文字列の書かれたハードカバーの本を閉じ、長門がこっちを見た。
「お前って料理作れるのか?」
そう、俺はこれが知りたかった。 ずいぶん前に持ってたのもコンビニ弁当だったし、カレーもレトルトだった。 もしかするとご飯もレトルトかもしれん。
「……できなくはない」
「よし、じゃあ今日材料もって行くから作ってくれ。 オフクロに飯抜きを宣告されて困ってるんだ」
当然嘘だ。 本当の理由は知的好奇心とでも言っておくか。
「ちょちょちょっとキョン、あんた一言もそんな事言ってなかったじゃない。 そ、そもそも一人暮らしの家に男が上がるなんて不健康極まりないわよ」
どういう理由で不健康と言ってるのかは知らんが、ただ俺は長門に料理を作ってもらいたいだけだ。
「そ、そりゃそうなんだけどさ… ホラ、有希の都合もあるし…」
「私はかまわない」
よし、長門のOKが出た。
「サンキュー長門。 じゃあ買い物をしたらマンションの前で待ってるぞ」
「分かった」
そんな訳で俺は長門のマンションの前でスーパーのビニール袋を持って突っ立っている。
何で入らないかというと、どうやら長門は出かけているようでインターホンを推しても無反応。 だからこうして長門が戻ってくるのを待ってるわけだ。
およそ5分ほど待っていると長門が帰ってきた。 あの手に持ってるのは…
「長門、何だそれは?」
「ねぎ塩豚カルビやきそば。 460円」
「そうじゃない、お前はこれから料理を作ってくれるんだろう。 一人分しか作らない気か?」
長門はほんの数ミリ顔を傾けた。 両方食うつもりか。
そのまま長門の家にIN。 こちらキョン、これよりクッキングミッションを開始する。
俺が持ってきたのはジャガイモやら固形カレールーやらと、どうみてもカレーの材料だ。
「ほら、長門」
俺は長門に袋を渡した。
長門はジャガイモを取り出し、天保時代後期の農民のような目でみていた。
「そのまま食うなよ」
「……分かった」
少しの沈黙の後に反応。 そのまま食うつもりだったのか?
「では作ってくる。 そこで待ってて」
と袋を持って台所に消える(といっても死角に入っただけだが)長門。 俺もすることがないのでエプロン姿で不器用に包丁をふるい、少し指を切ったために傷口を咥える長門を想像してみる。
それはそれでアリじゃないのかと思っていると… いい匂いが漂ってきたな。
「おまたせ」
と長門がお皿に盛り付けて持ってきた。
しかし、これは旨そうな…… ハヤシライスだ。
「長門」
「なに」
「俺が持ってきた材料はカレーの材料のはずだが…」
「……食べて」
何かごまかされた気もするが、俺はハヤシライスを口に運ぶ。
辛え、辛すぎる。 今すぐ水を30ガロンもしくはペール缶で20缶ほどもってきてくれ! 大至急。
「な、長門。 これに一体何を入れたんだ?」
「普通のハヤシライス。 でも隠し味に鷹の爪、クミン、コリアンダー、ターメリック、
ナツメグ、カルダモン、クローブ、フェンネル、ブラックペッパー、ジンジャー、コショウ、ショウガ、
唐辛子、桂皮、八角、山椒やコンソメなどを絶妙なブレンドで混ぜ合わせて煮込んだ。 筋力増強の効果がある」
いろいろと突っ込むところはあるが、とりあえず血液や尿から何も検出されず、他の薬の効果も数倍になりそうだな。
「なぁ長門、コレ全部食べなきゃダメか?」
「だめ」
俺が完食したのは草木も眠る深夜2時で、家に帰った後にオフクロに怒られたのはいうまでもない。
カレーの材料でハヤシつくって、でもカレーに使うスパイスとコンソメ入れて
…これはいいドーピングコンソメカレーですねってもうハヤシじゃねえw
ひさしぶりに、ハイテンションユッキーみたいのキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
そろそろ次スレかな
261 名無しさん@ピンキー sage New! 2006/09/20(水) 23:15:18 ID:5RwqiIEz
>>862 俺は生脚のバニーガールもアリだと思うぞ
262 名無しさん@ピンキー sage New! 2006/09/20(水) 23:16:01 ID:5RwqiIEz
華麗に誤爆したけど気にするな(`・ω・´)
俺はまだちょっと期待してるぜ(`・ω・´)
次スレ立ってるわけでもないのに埋めとか言ってる馬鹿達はいったいなんなの?
じゃあそろそろ次スレ用意してみる
もし規制だったら他の奴頼む
ということで、次スレを立てた後、まったりと >862 を待つのも悪くないとか思っているんだが
ふむ、絶望系とな
生足バニー書いてみよう
「明日からコスプレ月間よっ!」
なんてハルヒが宣言した昨日だが、何故か今日に限って部室には俺とハルヒしかいない。
「有希は?」
大食い大会の収録だそうだ。
「みくるちゃんは?」
お茶の勉強会があるらしい。
「古泉君は?」
バイトだそうだ。
バニー姿のハルヒが、俺に尻を向ける様に机にうなだれる。
ん?ハルヒ、網タイツはどうした?
「忘れたのよ」
不機嫌そうにハルヒは答えた。
どうでもいいが男子高校生に、ハルヒの形のいい尻と、白い素足は毒だ。
理性を抑えるのが大変だ。
寧ろ抑えきれなかった。
俺はハルヒの肩を机に押さえ付けた。
「えっ、ちょっ、何!?ちょっと!キョン!変なのが当たってる!離しなさい!」
暴れるハルヒを無視して、解き放たれた息子を股間と腿の隙間に差し込む。
「ちょっと本気で怒るわよ!やめなさい!」
未だに暴れるハルヒの耳元で本心を打ち明ける。
「ハルヒ、こんな時に言うのもなんだが、好きだ。」
「…本気?」
本気だ。
「…じゃ、じゃあ素股だけなら、やってもいい、わよ…」
恥ずかしそうに言うハルヒの上体を起こし胸を露出させる。
まぁその後は胸を揉みながら腰を振って終わりだ。
「…なぁハルヒ、本番は駄目なのか?」
「無理に決まってるでしょっ!そんな格好で初めてなんて死んでもお断りよ!!」
ハルヒの言葉で俺は自分の服を確認し、死にたくなった。
キョンとハルヒがバニーガールのコスプレしてうさぎさんは寂しいと死んじゃうのプレイと申したか
どうも生脚バニーは水着と大して変わらない気がしてな。
だからバニー朝倉を生脚に剥くならむしろ水着姿をみたい。
なぜバニーが朝倉決定なんだw
すまん……期待にこたえてやれなかったようだな……
いや、お前はがんばったよ・・・
これはいいね
866 :
埋めネタ:2006/09/29(金) 11:06:42 ID:d9O0O8+u
負けた……完全に負けちまった。俺は呆然と黒一色に塗りつぶされたオセロボードを眺めていた。
「どうです、なかなかのものでしょう?」
うるさいぞ、古泉。俺は殺意をこめてにやにや顔を睨みつける。
「もう一度、頼む……今度は将棋で」
「将棋、ですか……?その、オセロのほうが得意なんですが……」
「じゃあ、将棋で」
俺はオセロをわきにどけ、将棋盤を取り出した。
「まーったく、大人げないわねぇ、キョン」
「うわぁ、大人げないですぅ……」
「……精神的に子供」
「……せいしんてきに子ども」
こら、有芽、絵本を読んでいる一歳児に言われたくないぜ。
そういうと、有芽はぷっとふくれておさるのジョージの本を閉じた。
「まあいいでしょう、どうか、大人気ないキョンくんのお相手をしてください」
俺の向かいに座った超能力者は、古泉の言葉に、はい、と頷いた。黒髪ストレート、古風という形容がぴったりの美少女である。
「イトコちゃん、ぼっこぼこにしていいわよ!あたしが許可するわ」
黙れ、ハルヒ。仮にも年下の新入部員におめおめと負けるわけにはいかないんだよ。
たとえ、それが古泉の十倍以上の超能力を持つ、「機関」の上級幹部だろうがな。
「イトコ、じゃなくてイト、なんですが……」
「でも古泉くんの従妹でしょ?ならイトコちゃんでいいのよ!ダブル・ミーニングでかっこいいわ!」
「ただの駄洒落じゃねえか」
俺の言葉に、少し落ち込んだ様子で、古泉伊都が、パチリと歩を進めた。
「ま、まだやるんですか……最後の一枚ですよ?」
目のやり場に困って、古泉伊都は顔を真っ赤にしている。だがな、男はたとえパンツ一枚になってもやらなきゃならんときがあるんだ。
「いいのよ……キョンをすっぽんぽんにしちゃいなさい、イトコちゃん!!」
ハルヒ、舌なめずりするな、息が荒いぞ!
「うわぁ、けっこう筋肉質ですぅ……じゅる」
朝比奈さん、恥ずかしいとか言ってたくせに、指の間からばっちり見てるじゃないですか。
「……眼福」
有芽に後ろから目隠ししながら、長門も無表情のままよだれをたらしている。
「伊都さん、さあ、彼の最後の嬉し恥ずかしを剥ぎ取ってください!!」
大興奮だな、古泉。あとで殺してやる。
「……これで、詰み、です」
おいおいまてまてそんなところに角がきいていたなんてそんなばかな――
アッー!
埋め小ネタ。何処かで聞いた話。
結局、なし崩し的にハルヒと結婚した俺は、何とか中堅企業のサラリーマンになることができた。
ハルヒは不満そうだったが、まあ、俺としては上出来だろう。
少なくともこれで人並みに普通の生活をしていけるんだからな。
その日、俺は急な出張から帰ってきたところだった。
疲れた身体を引きずり、無言で家のドアを開け、リビングに入ったところで俺は固まった。
ソファーの上でハルヒと古泉が半裸で抱き合ってたんだ。
「こ、古泉、お前……」
そう呟いた俺の言葉に反応したのはハルヒだった。
「ま、待ってキョン、違うの、これは――」
古泉は何時になく真剣な顔で、何も言わずに床に視線を落としている。
俺は湧き上がる疑問と怒りに身体が震えるのを感じながら、ハルヒを一瞥した後、
古泉に向かって口を開いた。
「すまん、一つだけ訊かせてくれ。
俺はハルヒと結婚しているから仕方がないんだが、何でお前まで、そんなことをしてるんだ?」
「お止めください」
な、なんだお前。何処から入った?邪魔するなよ。
俺は今から古泉が3年間抱いた黒い感情を吐き出すシーンを描かなきゃいけないんだ。
キョンは古泉に殴りかかるが全く敵わなくて、ハルヒにも見捨てられちまう。
そうして世界に絶望したキョンは……俺は……
「そうはいきません。確かにあなたの現状には深く同情しています。
しかし、そのような感情を無作為に吐き出したあげく首を吊ろうだなんて真似を、許すわけにはいきません。
世界のために……そして、僕自身のためにも。
……僕の話をしましょう。
彼女に対し好意的な思いを抱いていた事は認めます。
あなたが描く通りに彼女と抱き合いたかったという思いがあったことも事実です。
彼にも……そう、少なからずそういう思いがあった事も。
あなたが抱く僕の偶像は、皮肉な事ですがおおよそ正しいものです。
ですが、『神』に誓って言います。
僕はあなたが考えているような、彼女の心の隙に突け入るなどという卑怯な行為は……絶対に、しません。
絶対にです。
それが、僕が……… 僕が好きだった彼女を、変えてくれた彼への お礼だからです。
それにですね。
仮にそのような真似をしたとすれば、僕に出来る拳傷はひとつでは済みませんよ。
僕はそんな事で命を落としたくはありませんから。どうせ死ぬなら、彼らのために……おっと、お喋りが過ぎたようですね。
さあ、ドアをお開けください。彼女が待っていますよ。
二人が家に居た、ただそれだけで早とちりをしてしまったあなたが悪いのです。
ちゃんと事情を聞き、お互い仲直りする事です。それでは……」
やれやれ、任務も完了しましたし、戻るとしますか。
……長門さんが僕に事態を任せた理由も、解った事ですしね。
おや、そういえば彼の書きかけたレスがそのままでしたね。
長門さんによれば、あれには筆者の不安定だった感情を第三者に感染させてしまう厄介な情報生命素子が潜んでいるという話なのに…。
いえ、これ以上僕がでしゃばらずとも何とかなるでしょう。
これも長門さんの話ですが、「負のウイルスには心温まる良質のワクチンを」だそうです。
意味は…語らずともわかりますよね。
さて、このままでは二人の結婚式に遅れてしまいます。
後は頼みましたよ、『 名無しさん@ピンキー 』の皆さん。
>>867の元ネタも知らず字面通りに受け取ってムシャクシャして書いてしまった。
反省はしているが後悔はしていない。正直スマンカッタorz
「ま、待ってキョン、違うの、これは――」
古泉は何時になく真剣な顔で、何も言わずに床に視線を落としている。
俺は湧き上がる疑問に頭上にハテナマークを浮かべながら、ハルヒを一瞥した後、
古泉に向かって口を開いた。
「すまん、一つだけ訊かせてくれ。
俺はハルヒと結婚しているから仕方がないんだが、何でお前まで、そんなことをしてるんだ?」
ハルヒ「心底不思議そうに聞くなっ!!」
がばっと飛び起きたあたし。
時計を見ればまだ夜中だ。
夢なの?
とてもリアルな…夢……。
でも、唇に残るこの感触――なにより体が熱い……。
キョンとキスした――夢。
いくら夢だからって、キョンがあんなことするわけないわよね……。
あたしがキョンとキスするなんてありえない。
あんただってあたしとキスなんてしたくないでしょ? そうよねキョン。
そうよ、一時の気の迷いよ。すこし体をもてあましただけ……。
体をもてあます――。あんたのせいなんだからね! キョン!
もう、体が火照って眠れないじゃない!
――
「うん…いやっ、あたし…ふっ、あっ…ううん、くぅ…いいっ、キョン、気持ちいいっ!」
『くちゅ、くちゅ、にちゅっ、ちゅく、ぷちゅ……』いやらしい音が響く。でも、我慢できない。
あたしは、左手で乳房を愛撫し、右手を唾液で湿らせショーツへすべりこませる。
最初はゆっくりと割れ目に沿うようになぞる。しだいに愛液が溢れ出し、あたしの指はぬらぬらに
なって快楽が全身を支配する。
「あっ…あん、いやっ、だめっ、キョンまだっ早い、ふぅん、ああっ」
『くちゅっ、にゅちゅっ、ぷちゅっ、くちゅ……』
キョンに愛撫されている事を想像し、あたしは指を動かす。
物足りなくなってきたあたしは――中指で入り口をつつく――。
「ああっ、いいよ、キョンいいのぉ…もっと舐めて、あたしの恥ずかしいところ……」
『ちゅぷ、くちゅっ、ぷちゅ、にちゅ……』
キョンに舌で舐められている……凄い妄想。でも、あたしは快楽に溺れ、指の動きが早くなる。
邪魔になってきたショーツを脱ぐ。
十分に湿っているあたしの恥部は、ひんやりとした外気にさらされて一瞬現実に戻される。
でも、この異常な状況にあたしは更なる興奮を覚えていた。
「キョン、いいよね? あたし…もうとまらない……」
『にゅぷっ、ちゅぷっ、くちゅ、にちゅっ、ぷちゅっ……』
「あん、あっ、ああっ、うっ、くぅっ…キョン、キョン…気持ちいいよ…あたしおかしくなっちゃう」
快楽に任せて、声が出るのが気にならないぐらいあたしは乱れた。
このままキョンに襲われたい――。
あたしを犯して……。あたしをキョンだけの物にして……。
あたしの中にキョンの熱い精子いっぱい出して……。
「あああっ! いいっっ! はあっ、いっいくぅ、んふっ、ふあっ、
キョン、キョンっ――いくっいくぅ!! いっ、ああぁぁぁん――!!!」
あたしは枕に顔を埋めて、その声を殺した。
「はぁっ、はぁはぁ……キョン……」
息が上がる。まだ覚めぬ快楽があたしの全身を支配する。普段のそれより興奮しているのが分かる。
「キョン……」
あたしは暫くその余韻を味わった。
――
全身汗でびっしょりだ。
冷静さを取り戻したあたし。ひどい格好。胸をはだけ、下半身をあらわにして仰向けだ。
放り出したショーツにはあたしの愛液が付いていた。
新しい下着とパジャマを着て布団をかぶる。今度は寝られるかな?
明日学校でキョンに聞いてみよう。へんな夢を見なかったかってね。
そうね、明日――。
ポニーテールにしてみようかな。
fin
キスをして、夢から覚めたら誰もがポニテ
すまん、言ってみたかっただけなんだ
恐らくそうなったとして一番喜ぶのは 俺の親父
>>874 お前まさかキョンの子供なのか!?w
ぜひとも母親の名前を。
禁則事項です。
今更ながら「涼宮ハルヒのギギギ」が面白かった
さて、絶望系のSSでも書き始めるとするか
今期絶望の系!
今期絶望の刑のSSがあったら読んでみたい(性的な意味で)
>>880 確か有希の娘だったか妹だったか……
そう言えばネタ元がわからないほど離れちゃってるオリキャラだな
>>881 d
なんか読んだ気もするがどんな作品か思い出せん
次スレは?
すまん、自己解決した。
凱旋門賞枠順確定、ディープインパクトは2番枠(06年09月29日)
現地時間10月1日に仏・ロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞(仏G1・芝2400m)の枠順が確定した。
日本から参戦するディープインパクトは2番枠、昨年の覇者ハリケーンラン Hurricane Runは1番枠、
前哨戦のフォワ賞(仏G2)を制したシロッコ Shiroccoは6番枠にそれぞれ入った。
発走は現地時間17時30分(日本時間2日0時30分)。枠順は以下の通り。
( )内は性齢、所属・騎手
1 ハリケーンラン Hurricane Run(牡4、仏・K.ファロン)
2 ディープインパクト(牡4、栗東・武豊)
3 ベストネーム Best Name(牡3、仏・O.ペリエ)
4 レイルリンク Rail Link(牡3、仏・S.パスキエ)
5 プライド Pride(牝6、仏・C.ルメール)
6 シロッコ Shirocco(牡5、仏・C.スミヨン)
7 アイリッシュウェルズ Irish Wells(牡3、仏・D.ブフ)
8 シックスティーズアイコン Sixties Icon(牡3、英・L.デットーリ)
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〃 {_{ノ `ヽリ| l │ i|
レ!小l● ● 从 |、i|
ヽ|l⊃ 、_,、_, ⊂⊃ |ノ│
/⌒ヽ__|ヘ ゝ._) j /⌒i !
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あなた!ムダに盛り上げようとしていますね!
世界サッカーとか世界バスケとか!
勝手に盛り上げられた人の気持ちを考えた事はないんですか!
絶望した!!
私は世界をあまり盛り上げない為の団を推奨します!
ああ盛り上がらない人生の何て素晴らしい事か!
絶望系ってこんな感じか?