久しぶりすぐる……GJ!!!
フウ可愛いよフウ
ジンは変態だよ(賛辞だよ)久々なんで、エロ侍っぷりが懐かしいよwww
>>この体温を私から奪わないで欲しい。
ってのが良かったヨー
∧__∧
(`・ω・´)
.ノ^ yヽ、 GJなり
ヽ,,ノ==l ノ
/ l |
"""~""""""~"""~"""~"
しまったずれたw
続きまってる
GJ!久々の投下いいよいいよー
フウのツンデレっぷりににやにやするな。
>>764-765 お前に萌えた
>>376GJ!
ジンがヘンタイだしフウが切なくて良いわ。
スレも残っててよかった。
久々に来たら神降臨してるー!変態ジン最高です!!!
ほんとスレ残っててよかった…!
ほんとにスレ残っててよかった。
ありがとうございました、眼福です。
ここでこのような高尚な気持ちになるとは思ってもなかったことです。
770 :
名無しさん@ピンキー:2008/10/06(月) 10:10:51 ID:ynPiTQKI
サムチャ好きすぎる
前スレも見たかったなあ
何ていいスレだ
どうもです
てか検索したら普通に出てきた・・・
おっとあまりスレを無駄使いして落としたくないから
ここまでにしよう
職人さんたちGJ
ほしゅ
ほしゅ
まだ結構見てる人がいるってわかったんで、投下がなくても収穫でした
保守。
ほしゅ
ほ
ほしゅ
保守のため投下してみます。
初めて書いたのであんまり萌えませんがお目汚し失礼します。
一応ジン紫乃です。
----------------------------
あの日も雨が降っていた
三人での酔狂な旅を終えてひと月ほどがたっただろうか、
ジンはまだ一人、あてのない旅を続けていた。
静かな部屋で降り続く雨を眺めていると、一人の女を思い出す。
遠い昔、ただ一度肌を合わせただけのはずの女を。
雨音を聞きながら、ジンは目を閉じた。
「この雨が止まなければ、ずっとここにいられる」そう言ったジンを
「今時そんなこと言う人いないよ」と紫乃は笑う。
顔をあげた紫乃の瞳には熱く見つめるジンの顔が映る。
一瞬の静寂のあと、すっと近づいた紫乃の唇がジンのそれと重なった。
後頭部を押さえこみ唇を割り込んだジンの舌は、紫乃の歯列をなぞり舌を吸い上げ口腔を犯していく。
ジンは右手で着物の襟を割ると、やわらかい乳房を包み込むように揉みしだき、屹立し始めた頂を捏ねあげる。
「ぁ・・・」
紫乃の吐息がもれると共に帯が解かれ着物が落とされた。
さらされたその肢体は透けるように白く、
若い女のそれとは違い腰から尻にかけてむっちりと肉がつき、豊潤な色香を漂わせていた。
ジンは真っ白な乳房の中心に舌を這わせ、ゆっくりと舐めあげる。
口に含んだ突起を吸い上げ軽く噛むと、吐息は甘く変わっていく。
左手で豊満な乳房を揉みしだきながら、右手で茂みを掻き分けるとそこはじとりと濡れていた。
「あっはぁ・・あっあああぁぁっ・・・」
指を這わせすでに硬くなった肉芽をそっとつぶすと、今まで耐えていた紫乃が声をあげた。
「紫乃・・・ここがいいのか?」
溢れてくる蜜を指ですくい取ると肉芽に撫でつけ、ジンは耳元で囁く。
蜜壺にゆっくりと長い指を沈めると、ジンは中の感触を楽しむように二本の指を動かした。
紫乃の腰もそれを求めるかのように揺れ始める。
「ひっ、あああぁぁ・・あああっ!あぁんっ」
紫乃の声が高くなる。
ジンは舌を強く吸いながら、人差し指と中指で抽送の速度を上げる。
肉壁が指に絡みつき淫らな水音が雨音よりも大きく響いた。
「っ!!」
親指で肉芽を強く捏ねあげられた瞬間、押し付けるように腰を揺らしていた紫乃の身体が弓なりに反った。
ジンは唇を離すと、荒く息を吐く紫乃をそっと抱き寄せた。
「・・・このままでいい」
下帯に手を掛けた紫乃の手を取り、ジンが言った。
「紫乃・・・あなたを抱いたら、私は金であなたを買った只の客になってしまう」
「そんなことはないわ。ジンは私をコハナではなく紫乃と呼んでくれるじゃないの」
紫乃はもう一度ジンに口づけると、下帯の中で固く滾るジン自身にそっと触れた。
固くいきり立ったそれの先端は透明な液があふれ、紫乃を欲しがっていた。
「紫乃・・・っ!」
まだ濡れそぼる紫乃の中心にあてがい一気に貫くと、中は熱く絡み付き蠢き締め付ける。
ジンは柔らかな尻を掴むと、夢中で腰を打ちつけた。
「ふぁあっ・・ああぁ、あぁ・・・いぃ・・」
揺さ振りながら親指の腹で肉芽を捏ねると、紫乃はさらに甘く鳴き背中に爪を立てる。
ジンの長い髪が互いの汗で湿り、肌に纏わりついていく。
激しい息遣いと水音が響き二人は快楽の波に呑まれていった。
「紫乃・・もぅ・・・・・」
「ああぁ・ジン・・・きてぇ・・!」
抽送は勢いを増し、ジンは何度目か絶頂に達した紫乃の奥深くに大量の精を放った。
雨音が小さくなり、ジンが目を開いた。
下帯の中では自身が窮屈そうにその形を変えている。
「さて、どうしたものかな・・・」
ジンはそう呟くと、颯爽と夜の街へと消えていった。
翌朝には毎度「腰が・・・」となるのを知りながら。
おしまい
次があればジンフウなんかも書きたいです。
このスレがまだあってうれしいです。
良いモン読ませていただいた、乙!
しっとりしっぽりかと思いきや、最後でクスッときたw
ジンフウも楽しみにしてるよー
782 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/05(水) 21:25:46 ID:oubcEJ4C
久しぶりの投下!GJ!GJ!
ジンフウもムフウも全裸でお待ちしております
フウ攻めが読みたいな
おお、GJ!!
十分萌えたよ!
しかし、あれだな、ゲームでもそうだったけど、年上でワケありげな女に弱いよなー
ほしゅ
ほしゅ
787 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/16(日) 23:36:15 ID:kBZvYS6l
ほしゅ
ほしゅ
ほしゅ
ほしゅ
ほしゅ
ほしゅ
793 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/04(木) 09:07:10 ID:J50ggNmt
「オイオーイ。おめーら保守はありがてえけどよォ、そんならちっと上げてくれやー」
「こっこらぁ!何言ってんのあんた!書き込んでくれるだけでもありがたいじゃないよ!」
「ふむ、いわゆる過疎っているというやつだな……寂しいことだ」
「でも最近また、まんぐろーぶの新作が出たじゃん?」
「そうだな、さすればまた私たちがめでぃあに触れる機会もあるやもしれん」
「へっ……馬鹿ヤロウどもめ」
「なにっ」「なによー!」
「古かろうが新しかろうがなあ、いいもんはいいんだよ。俺らがどっしり構えねえでどうすんだァ」
「「…………!」」
「いなくなるやつは引き止めねェし、来てくれるやつは迎え入れる。そんだけだろうがよ」
「…………む」
「まっ、まーあんたも……たまにはマトモなこと言うじゃないよ」
「へっ褒めんなって………でもまァ正直よォ、閑散としてんのはちーっと寂しいけどな」
「年の瀬というのは皆忙しいのだろう。我々と違って時間に追われているのだ」
「ん、そだね……ゆっくり旅できるあたしたちって実は、幸せ者なのかもね」
「…………って、オーイお前らしんみりすんじゃねえよ」
「む。まあ……とりあえず、そうだな」
「おーよ」
「ふたりとも……うんっ!えーっと、2009年もあたしたちをよろしk
「ヤリ納めだな」「無論」
「……………はいぃ?」
「あと一ヶ月は寝かさねえからなァ?覚悟しとけよ」
「我らは所謂にーとと言うやつだからな、寝るのは昼間でもよかろう」
「あ、あははヒマって素敵ね………って何でやねん!っちょ、ちょっとまっ」
「「いただきまーす」」
「きゃああああああ!!皆さん、私を助けるためにもっ、こいつらを抑える新しい小説を投下してくださーい!!!!!」
「「(したところでむらむらするだけだと思うが………)」」
今年も保守、来年も保守!
>>793 なんかもう、お前の書き込みだけで俺は年を越せるぜ……!!
保守
795 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/08(月) 07:52:15 ID:kkkU1DmR
>>794 ありがとうwww
そういや、前スレにすっげー素敵な絵がたくさんうpられてたよな。
もう見れないと思うと保存しとかなかった自分が憎くなる
>>793 感謝!
これだけでも悶絶したぜ
そして保守しか出来ないことに申し訳なさが…
それでも保守しておく
>>793 素晴らしいお歳暮をありがとう
そして保守
保守
ホシュ>(;ωノ|柱|。。。
801 :
universality:2008/12/21(日) 22:32:58 ID:A/QO/wS4
――――――――――すこし、ふたりで話をしないか。
「もう年の瀬かあ……なーんかみんな忙しそうだね」
雪がちらつく師走の暮れに、鼻を赤くた少女はぽつりと呟いた。
年末年始はどこも店が閉まっているので、今日はふたりで街に買出しに来たのだ。
大荷物になるから三人で行こうと昨晩話し合っていたのだが、もうひとりの男は朝起きると蛻の殻だった。
恐らく荷物持ちが面倒だからと逃げ出したに違いない……あいつめ。
しかしそれはこちらにとって好都合だった。なぜなら今日はひとつ目的があるからだ。
空っ風が吹き付けるたび、傍らで身を震わせながら歩を進めていく。
そこでふと自分の肩の位置ほどにある、栗色の髪と桃色の簪に白い斑点が彩られていたのに気付いた。
そっと、撫でるようにはたいてやる。
「うおー、雪ついてた?………えへへ、あんがと」
こちらを見上げながら、くしゃくしゃとはにかむ愛らしい笑顔に、少しだけ身が火照る思いがした。
左の鼓動を悟られないように、さりげなく話題を逸らす。
「む……正月まであと十日か、歳末ともなると早いものだな」
「ほーんとねえ!こないだまで紅葉がキレイだったのに、あっちゅーまに雪景色だー」
「がらりと表情が変わる」
「ね。雪解けも早いのかなあ。私は寒いの苦手だからさ……」
802 :
universality:2008/12/21(日) 22:33:58 ID:A/QO/wS4
そうやって真顔になり、目を細めて連なる山々に視線をやった。
彼女の見つめる先には、何があるのだろうか。
自分にはその想いの根底を知る由がない。それを思うと、ちくちくと胸が軋むのだった。
「あー……む、そういえば年越し蕎麦は何玉ほど買うのだ?」
「おっ!それなんだけどさあー!」
さっきまで伏目がちだったのが嘘の様に、一気に顔が晴れやかになる。
こういうところは分かりやすいのだから、なんともおかしなものである。
四季のようにがらりと表情が変わっていく。
「飽きないようにうどんもいいかなーって思ってんのよね!喧嘩になんないように蕎麦と……十八玉ずつ!」
「………逃げたあいつの分も買うのか」
「まーね。でないと後でウルサイしー」
「まったく………今頃遊郭にでも行っているんだろうに」
「羨ましいんでしょー?ふーんだ、私で悪かったわねっ!」
「い、いや、そんなことは言ってな…………」
「ああ……おせちまで手が届かないわ……せめて三箇日は麺類で腹を満たさないと……よよよ」
「あ、案ずるな。まだ雑煮があるだろう。具は……えー……スルメと、青菜と、鰤と、蒲鉾か」
「えええええ!ジンってお雑煮にブリなんか入れるの!?」
「む?私の家や道場では元来から魚肉が入るが」
「まじでー!?普通鶏肉でしょーよ!あとはアナゴと春菊と……」
「雑煮に穴子だと?正気か……穴子自体の味付けが緩くなるだろうが」
「出汁に溶け出すのが美味しいんだって!お客さんにも出したりするしっ!」
「ふうん…………」
「うん……………」
「「………まあどっちにしろ………高くて買えないか」」
声を重ねて、同時に肩を落とした。苦笑いで自分達の身の程を嘆いた。
そうだ、そういえば財布にも空っ風が吹きすさんでいるのだ。
だが、上手く年を越せるかどうか、うんうん頭を抱えている傍らの少女を思うと苦になどならなかった。
一緒に家計を遣り繰りしているのが、なんとなく嬉しかったりもするのだ。
なに、意外と女性的だと?……ふん、何とでも言うがいいよ。
さくさくと白い道を汚しながら跡を作り、平行線を作っていく。
ふとこれまで歩いた道のりを見ると、残した歩幅の違いがたまらなく愛しくなる。
街の喧騒に、ところどころに立ち込めるいい匂い、それでも肌を刺すぴりぴりとした寒さ、乾いた空気が喉に張り付く。
五感全てでこの日の穏やかなひとときを噛み締め、脳に刻みつける。
803 :
universality:2008/12/21(日) 22:34:35 ID:A/QO/wS4
「…………ねーねー、なーんかすっごい寒くなーい?」
「ああ、寒いな」
「…………………」
「…………………」
「寒いよねー」
「そうだな」
「う……むむ……………むー」
「…………………」
ふと、沈黙。
もちろん向こうが何を言わんとしているのかくらい分かる。
何せ久しぶりにふたりきりになったので、少し嗜虐心が湧いてきた。
口をつぐんで向こうの出方を伺ってみる。ほら、赤く膨らんできた頬が今にも破裂しそうだ。
「あーもう!いじわるー!ジンのバカァー!!!!」
「……………ふ、何がだ」
「寒いとお腹が減るでしょお!?」
「意味が分からんぞ」
「分かるのっ!寒いと……こう、ふるふる震えちゃうでしょ?その連続運動でぺこぺこに……なーんて」
「くく……分かった分かった。もう昼時だしな、汁粉でも食おうか」
「………えっ、まじでいいの!?」
「こっそりだからな……あいつには内証だぞ」
「…………うんっ!!」
804 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:35:07 ID:A/QO/wS4
雑踏を踏み分けて、ひとつの茶店を見つけた。煉瓦色の暖簾をくぐって中に入る。
時節も相まって中々に繁盛しているようで、注文を受けに来るのに少し待たされた。
しかし、そうやって一つの品書きを、ふたりでああだこうだと相談しながら見定めるのも楽しいものだった。
嬉々としてうきうきしながら目を動かしているこの少女を思うと、だ。
「あっすご、抹茶あいすの餡蜜和えだって。斬新っ……!」
「それに白玉汁粉とほうじ茶も付けたらどうだ、好きだろう?それに温まる」
「そ、そんないっぱい食べちゃっていいの?」
「構わん」
「えー……じゃあジンは何食べんのー?甘いの苦手だし、やっぱ緑茶?」
「今はそんなに空腹ではないし、みたらしと緑茶でいい」
「そんだけ?」
「それだけ。お前は沢山食べていいぞ」
「……………………」
「………どうした?」
「なんか、今日やさしーね………」
「………いつものことだが?」
「………そっかなー?」
「………そうだよ」
「そだね…………えへへージンあんがとー」
「ふ………………構わん」
何だろうか、このやりとりは。肋間神経痛みたいな……胸の辺りが痛い。
峰打ちをされたが如く痛い………いやもしかしたらそれよりも。
この店にいる周りからは私たちのことをどのように見ているのだろう。それを思うと何故か心が踊る。
やがて注文の品が届いて、食べ始める。たまには甘いのもいいでしょ、と白玉を進められ口に入れてもらう。
いや、もちろん初めは遠慮したのだが、まあ向こうがしたいというのだから仕様がないだろう?
「あーん、どーよ?」
「むぐ…………」
「どーよ、美味しいっしょー?へへん!」
「お前が作ったわけじゃないだろう」
「うっ…………そりゃそうだけどー………」
「ふ……うまいよ、うまい」
「………でっしょー!ならもうひとくち……てか、うふふ湯気、湯気で……眼鏡曇ってる……あっはっは!」
805 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:36:10 ID:A/QO/wS4
………ああ本当に何だろうか、甘ったるいこのやりとりは。これまで二十年以上生きてきてこんなことはなかった筈だ。
これまで経験したことのなかった、何だ、この耳の裏が赤くなるような感じ。
ふわふわと宙に浮くような心持の中で、どこかこの環境を遠くから客観視している自分がいる。
するとどうだろう、何と言うかそこには、そこにいる私たちはまるで……………まるで、
「あー、えっと。なんか恥ずかしっすよねー……?」
「……………え、なに?」
「あはは、ごっめん!はしゃいでアーンとかしちゃったからさー何かゴメン……」
「……………嫌ではなかったが」
「え…………ほ、ほんと?」
「というか、何だろうな、まあ心地がよいのは本当だ」
「なら…………よかったよ……よかった。ありがとね」
そかそか、とぼやきながら少女はもうすでに温くなっているであろう法事茶をさも熱そうに啜る。
自分で水を差してしまったこの空気を少しでもまどろませるように、何度かわざと音を立てながら。
そのぎこちない仕草がとても愛しくて、つい助け舟を出してしまった。
「フウ、実はな…………」
「おっ!なあになあにっ?」
「ええと……む、私はこれまでにな、こういう…………何だ、女子と普通に茶をしばくことがなかったのだ」
「………ぷっ!ジョシて!しばくて!………くっく、あははははオジサンみたい!!」
「………だから、これまでにこういった経験がないのだ………笑うな………」
「ひー、あっはっは………ごめ、ごめ!」
「む………でな、遊郭で花魁やら芸妓をひっかけて、同衾するだけの関係だ」
「あー確かにそうだったねえ…………うん、それで?」
「まどろっこしい駆け引きだとか、ふとした……何だろう、空気感?の図りというかな、そういったものがなかった」
「……………うん、うん」
「ただ入れて出して抜く………失礼、いわゆる簡単で気軽なものだったのだ」
「…………………うん」
「確かに後腐れもなければ、心を痛めることもない。何と楽なことだろうと思っていた……麻痺していたというかな」
「……………………」
「だから、最近になってからだが、お前と居て………考えがまとまったことがあるよ」
「!……………例えば?」
806 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:37:19 ID:A/QO/wS4
「それまではえらく水準が上がっていたのだが……普通とはこういうものなのか、ということだ」
「…………こんなに普通なのか、って?」
「ああそうだ。こうやって飯を食い、買い物に出掛け、喋ったり、無言で歩いたり………」
「ふふ、私は法事茶そっちは緑茶!」
「そうだ。煎れ加減は……お前、濃い目が好きだろう?私は薄いのが」
「あはは、そやって気付くことあるよね、なんちゅーか……癖とか、好みとか……気付いちゃうっていうか」
「気付くのが普通だし、気付かなかったら嘘だろう。私はお前とはそんな薄っぺらい関係を結んでいるつもりはない」
「……………うん、うん」
偉そうなことを言い放ってから、ならば薄っぺらくない関係とはなんだ、そう自問自答してしまった。
こういった会話内容に慣れてないもので、いやに饒舌だ。私は今日どんな話題を出した?
まるで痴話だ、こんなものは。だめだ、こんな回りくどいことを彼女に伝えたいのではない。
もっと、もっと核心的な何か………もっと他の人たちが普通に努力し、経験しているだろう何か。
無意味に高い自分の矜持が嫌になる。もっと素直になりたい、もっと、もっと伝えたいことがあるのに。
「ああ………何だか、真面目な話になってしまったな、済まない」
「あっ!いーよいーよう!私もじっくり語りっちしたかったし…………」
「(語りっち……?)まあつまりは、そういうこと全部ひっくるめて普通を知れたと」
「…………普通ってさ。世間一般の、他の……ひと、たちがしてるみたいな?」
「そうだな、ごくありふれた………」
「ありふれた………なに?薄っぺらくない関係ってこと?」
「ああそうだ。まるで……………」
「なに………聞きたいよ」
「………まるで…………………まるでほかの、
そういいかけたところで若い給仕が、お茶のお代わりはいかがですかあ!と割り込んできた。
一息おいてから、彼女は熱めのやつお願いね、とにこやかに微笑んだ。
私はといえば『何て邪魔を』だとか『ああ助かった』とも思わなかった。
冷めた訳では絶対にないが、なんとなく無感情になってしまったのだった。
そこからはもう、さっきの話題が私たちの会話に上ることはなかった。
別に避けた訳ではない。ただ何となく、お互いに触れることはしなかったのである。
そこから茶店を出て、手打ちの店でうどんと蕎麦を買い、根菜類と餅、そして少しの穴子を奮発してから帰路についた。
街に来た道を戻り、やっと宿に着く頃には、とっぷりと日が暮れていたのだった。
やけに早いなと思ったが、そういえば今日は冬至なのだ。
807 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:37:58 ID:A/QO/wS4
私たちは部屋に入るなり、戦利品をどさどさと畳の上に置いた。
結構な道なりを、結構な重さの荷物と共に徒歩で持っていたのだ、私でさえ腕が痺れていた。
「うおおおう!おーっもい!あは……さっすがに野菜買いすぎたんじゃなーい?」
「腰が………………」
「わーわー!荷物いっぱいになっちゃったもんねー……大丈夫?」
「無論だ………さあ、混み出す前に下に持っていって夕餉を調理してもらおう」
「そーね!あのバカも宵闇でそろそろ帰ってくるだろうしー」
「私は膳と囲炉裏の準備をしておく。お前はほら、この野菜と残りの米で雑炊を頼め。肉の無心は出来るか?」
「そーゆーおべっかはフウちゃんの得意分野っ!じゃー行ってくるー」
「うむ、心強い………多めに頼むぞ」
「あいよーっ!」
そう言ったかと思うと、少女は急いで白菜と春菊を取り出して、米と一緒に腕に抱えた。
襖を開けてやると踊り場に駆け出し、階下へと向かっていく。そして音が遠ざったかと思ったその時、声が響いた。
「………………あ、ねーえ」
「………ん?どうした、何か忘れたか……人参入れるか?」
「やー………さっき言い忘れたんだけどー……」
動悸がとくとくと早くなる。そのことなら今日はもういいのに。だって心の準備には時間がかかるのだから。
なんとなく眼鏡を掛けなおし、姿勢を整え、衣服の乱れを直す。まったく何をやっているのだ私は。
「こほん………あー……何の話だ?」
「あのさ、さっきのことだけどさ」
「あ、いや気にするな。あの手の話題など、これからいくらでも……いやだが、ふたりになるのは稀有……」
「いっぱい荷物持ってくれて、ありがとね!」
「それでなくとも、まだ長崎までは道のりも…………え?」
「腕痺れたっしょ?あたし頑張って台所で愛想振りまいてくるからー!んじゃ!」
「あ……………ああ、頼んだ………」
808 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:39:06 ID:A/QO/wS4
気が抜けていく。ずずず、と足を崩して溜息を吐いた。
まったく相変わらずの調子だな………そういうところにも惹かれる要因があるのだろうか。
彼女には、わざわざこちらが気にしてもいないようなところを気にかけてくれるきらいがある。
もしかしてこのどっちつかずな関わりに気を張っているのは私だけなのか?という疑心にも苛まれた。
それはもう、これから沢山話をしていくことで確信に変えていくしかないのだろう。
あのとき茶店で、腰を上げて私に詰め寄ったのがひとつの種になってくれたことだし。
もっと、もっと君と話がしたい。核心をついた話じゃなくていい。
くだらない、思い出すだけで話したこと自体を笑えてくるような陳腐なことでもいい。
もっと、もっと君と手が繋ぎたい。誰かに見せ付けるような自己満足な形じゃなくていい。
小さく柔かい手のひらを暖めたい。私の細く節くれ立って、醜く血に染まった手でもいいのなら。
もっと、もっと君のことが知りたい。生い立ちからじゃなくていい。
今思って、感じていること、これからしてみたいと考えていることを、私だけに相談してほしい。
もっと、もっと君と一緒にいたい。ずっとこのまま傍らで君を感じていたい。
塗装が剥がれた簪、日に焼けた髪、すぐ赤くなる頬、甲高い声質と、最近色気づいて付け始めた安物のおしろい。
我侭で気の強い物言いと、それでいて調子が良くて臆病で、いつだったか私の胸で泣いたときのあの掠れた声。
私の価値観を変えてくれた君の強さをずっと覚えていたい。
もしいずれ離れるときが来ても、たぶんきっと、忘れはしないだろう。何年たっても思い出す。
だからそのときまで、私に『普通』を教えて欲しい。君のその声でその仕草で、無知な私に教えて欲しい。
一言だって聞き漏らさない、一瞬だって見逃さないよ。だから。だから、
――――――――――すこし、ふたりで話をしないか。
終
809 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/21(日) 22:43:15 ID:A/QO/wS4
以上です。ぜんっぜん破廉恥じゃねえwww
実は茶店じゃなくて寝所とも考えたんですけど、ジンの勇気が足りませんでしたサーセンwwwww
>>793を書いたら喜んで頂けたので、調子に乗って投下してみました。
ジンフウは、くっつくかくっつかないか、ふたりでまごついているところも可愛いと思うのです。
先日最終回を見て、ぐああああっと萌えが間欠泉のように吹き出てきたので発散させていただきました(笑)
読んでくださった方、もしおりましたら本当にありがとうございました。
良いお年を。来年もサムライチャンプルー大好きですぜ!
810 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/22(月) 14:13:21 ID:syFyuWdI
新作キタ――――(゚∀゚)――――!!!!
お雑煮談義の地域差萌え!
そういう普通の会話たまりませんナァ( ゚∀゚)o彡゜
勇気が足りないジンがイイ!
会話のやり取り読みながら自分もうっかり脈拍上がったwww
この2人がどういう状況で一線を超えるのか楽しみだ
>>809よ、ありがとー良いお年をーっ
ジン視点の日常描写が新鮮だったよ良いお年をー