【あかほん】【濱中】氏家ト全総合 21時間目【妹】
まったりいきましょう
次スレ建てルールや、過去スレ情報は
>>2-5 あたり
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7 :
1:2006/09/13(水) 00:20:33 ID:2mcv1DqT
ちょっと立てるの早急すぎたかな…
最近出入りが減ったしね
即死判定ってどうなってたっけ?
即死予防に投下します。あかほんネタです。
スルー対象ワードは『微エロ』『駆け足気味』です。
題は「レイ・プリンセス事務所社長、柏木レイコの残業の一風景」でお願いします。
レイ・プリンセス事務所社長、柏木レイコは椅子に座ったまま大きく伸びをした。
次に、自分の肩を交互に拳でトントンと数度叩き、凝りをほぐす。
机正面の壁にかかった時計の針が指しているのは、午後十時を数分回ったところ。
急いで片付けなければならない仕事があったとは言え、仕事には遅すぎる時間だった。
「ふー、やれやれ」
まだまだ若いつもりでいたが、やはり寄る年波には勝てないものね……と、やや年寄り臭い思いを、彼女は抱いた。
以前は、例え一晩中起きていようとも、次の日に無理は効いたのだが、さすがに今はそうはいかない。
根本的な体力気力が十代の頃には遠く及ばないことを、肩や腕、腰にある疲労感が如実に語っている。
「……これ以上残業しても能率は上がらないわね。帰るとするか」
ノートパソコンの電源を落とし、机の上の書類を適当に片付け、ロッカーから荷物を取り出して帰り支度をする。
「んー、疲れた。こーいう夜は、パーッと何かしたいわね」
もう一度、大きく伸びをすると、灯りを消し、社長室から出る。
と、そこで―――
【ケース1・小田の場合】
と、そこでレイコは、自分以外にも残業している人物を見つけた。
社員の机の一つ、先ほどまでの自分と同じように、書類に埋もれ、ノートパソコンに向かっている者がいたのだ。
ゴツイ体につるつるのスキンヘッド。
誰かといちいち確かめるまでもない。
「あら、小田も残ってたのね」
「……」
顔をレイコに向けず、小田はコックリと頷いた。
何とも無愛想なようだが、それでレイコは怒ったりなんかしない。
何せ長いつきあいなのだ。
愛想が無いのではなく、単に不器用なだけであるということを知っている。
営業その他、仕事に関しては文句のつけようがないくらい腕のたつ男であるということも。
丁度いい、とレイコは思った。
自分のストレス解消だけでなく、小田の慰労も込めて、呑みに行けばいいではないか。
「ねえ小田、その仕事、もう終わる?」
「……」
レイコの問いに、作業の手を止めず、無言でコクリと首を縦に振る小田。
「よし、じゃあ終わったら呑みに行きましょうか」
「……」
小田のキーボードを叩く手が止まった。
そして、ゆっくりとレイコの方へ振り向き、堅苦しい表情のまま、さっきと同じように頷いた。
「オケオケ、決まりね。じゃあ、私も手伝うからとっとと終わらせましょ」
◆ ◆
レイコが書類をまとめ、小田がパソコンに打ち込む。
物凄いスピードで、残りの仕事が片付いていく。
この分だと、あと十分もかからないだろう。
「『白濁屋』がいい? それとも『ブッカケ亭?』」
「……」
レイコの言葉に、ただただ頷くだけの小田なのだった。
【ケース2・井戸田の場合】
と、そこでレイコは、自分以外にも残業している人物を見つけた。
社員の机の一つ、先ほどまでの自分と同じように、書類に埋もれ、ノートパソコンに向かっている者がいたのだ。
広い肩に茶色がかった髪。
誰かといちいち確かめるまでもない。
「あら、ヒロ君も残ってたのね」
「あ、社長」
「何の仕事してるの?」
「いえ、一週間後にあるトリプルブッキングのグラビア撮影のことで、ちょっと」
撮影場所がドラマの収録現場と重なり、譲らざるを得なくなった。
それで、カメラマンと相談した上で、別の場所を選ぶことにした―――というのが、ヒロキの話だった。
「ふーん、エライエライ、ちゃんとお仕事覚えていってるじゃない」
レイコは感心したように微笑んだ。
だがもちろん、その後に釘を刺すことも忘れない。
「だけどね、そういうことはちゃんと私に通してからやってね?」
「は、はい! すいません!」
慌てた顔で、ペコペコと頭を何度も下げるヒロキ。
この辺り、ヒロキは今時の若者に似合わず、妙に腰の低いところがある。
「さ、もう終わりにしなさい。これ以上やると、明日の仕事に障りがあるわよ?」
「はい。あ、イテテ……!」
椅子から立ち上がったヒロキが、腰に手をあて、顔をしかめた。
「あら、どうしたの?」
「長い間同じ格好で座ってたので、こ、腰が」
「あらあら」
と、ここでレイコの目がキラリと光った。
「……そう言えば、最近は結構ご無沙汰だったわよねー」
「イタタタ。え? な、何がですか」
「ああ、ウフフ、気にしないで。ところでヒロ君?」
「はい?」
「腰の痛みと重さ、解消してあげようか?」
さっきまでの口調とは一変、甘ったるい声でレイコはヒロキに擦り寄って行く。
「へ? は? な、何ですか? どうするっていうんですか?」
「フフ……こうするのよ」
言うや否や、レイコはヒロキの前に跪くと、ズボンのジッパーを下ろした。
そして、目にも止まらぬ速さで指をトランクスに突っ込み、ポロリとモノを外へと取り出す。
「わ! しゃ、社長! な、に、ぬ、ね!」
「最近、オヤジばっかり相手にしてて、若いコのエキスが足りないのよねー。あら、結構立派なモノを持ってるじゃない」
パク、とモノにしゃぶりつくと、鍛えに鍛えた舌技を繰り出していく。
「れろ……ちゅ、ぷ……。うふ、コレをすると腰の痛みなんてスーッと取れるはずよ」
「だ、駄目ですしゃ、ちょ……う、うわ……」
「私って疲れるとムラムラしてくる癖があるのよね。ヒロ君も私も解消できて、一発二鳥!」
「そ、そんな問題じゃ、うわ、あ、ああ、も、もう出ます……うっ」
「はむ、あむ……うふふ、この後、応接室のソファーでねっとりと、ね……?」
◆ ◆
レイコは閉じた目をそっと開いた。妄想時間、ドアを開けてからわずか十数秒。
(なーんて、ね)
疲れてくるとムラムラッとしてくるのは本当だが、いくら彼女でも、部下に手出しをしたりなんぞはしない。
他社の人間はともかく、同じ職場、つまり常に顔を合わせっぱなしの人間と関係を持つと、話がこじれてややこしくなりかねないからだ。
過去の経験から、彼女はそれを嫌というほど知っている。想像程度に留まらせておくべきなのである。
「あら、ヒロ君も残ってたのね」
自分がどんなことを考えていたかなんぞはオクビにも出さず、レイコはヒロキに近づいた。
「あ、社長」
「ねえヒロ君、その仕事、もう終わる?」
「え、あ、はい。もうちょっとですけど」
「よし、じゃあ終わったら呑みに……」
【ケース3・三瀬の場合】
と、そこでレイコは、自分以外にも残業している人物を見つけた。
社員の机の一つ、先ほどまでの自分と同じように、書類に埋もれ、ノートパソコンに向かっている者がいたのだ。
小さな背中に、ミディアムな髪。
誰かといちいち確かめるまでもない。
(あら、彼女も残ってたのね)
レイコはしばらく黙ったまま、三瀬の仕事ぶりを背後から眺めた。
振り返らないところを見ると、どうやら彼女は気づいていないらしい。
(……うふふ)
レイコの顔が悪戯っ子めいたものになった。
足音を立てないようにつーっと三瀬の背後に近づき、がばっと両手を広げて、狙いを定める。
「あらー、あなたもまだ残ってたのねー?」
三瀬の脇から腕を通し、両の掌でその胸を鷲掴みにする。
「あ、きゃあ! しゃ、社長!?」
「んー、あなた、結構着痩せするタイプ? なかなかボリュームあるおっぱいじゃない。うり、モミモミ」
「や、あ、しゃち、ょ、ダメ、やめ……てくだ、さ……!」
三瀬の非難の声も何のその、力を弱めるどころか、逆に指の動きを強く、複雑なものにしていくレイコ。
それに伴い、三瀬の上半身がクネクネと、まるで操り人形のように動く。
「もったいないことしたかもねぇ、あなたもモデルとして雇っておけばよかった。ほれ、モミモミ」
「ダメ、ダメです……ぅ! わた、私、胸は、ダメ……!」
「……あり?」
レイコは本気ではなかった。
本気ではなかったが、経験に裏打ちされたその指テクは、服越しとは言えどうやら三瀬には効き過ぎたようで。
「あ、う……!」
三瀬は小さく悲鳴をあげ、首を前に折ると、机に突っ伏し、ピクピクと体を震わせ始めた。
「もしもし? おーい?」
レイコは手を三瀬の脇の下から抜き、トントンと肩を小突いてみた。
が、三瀬は何の反応も示さない。半開きになった唇から、荒くて熱い吐息が漏れるのみだ。
「あらウソ、もしかしてイッちゃった?」
◆ ◆
三瀬が正気に戻ったのは、それから三十分はゆうに経った頃。
思い出して半泣きになる彼女を、レイコは平謝りに謝り、なだめになだめた。
そして、お詫びに全額負担の条件で、彼女を呑みに連れ出すのだった。
「ううう……私、もうお嫁にいけませえん……」
「ゴメン、本当にゴメン」
「ううううう」
「ほら、行こ? どこがいい? 洋風居酒屋の『アナーラ』? 『クリスティーアリス』? それとも……」
以上です。
着痩せする三瀬さんイイ!! GJっした
小田編は妄想のしようもございませんなぁ。
井戸田編・三瀬編は何ともはやエロでございます。
特に三瀬編はたまりませんなぁ。イクの早すぎなような気もしますが・・・
ハッ!シャチョウガアラワレルマデヒトリデモニョモニョト・・・
・・・ピンキリ様、いい仕事でございました。
三瀬さん……俺も揉みた(ry
GJっした!
隠れ巨乳の三瀬さん(*´Д`)ハァハァ
三瀬さんはスレンダーっぽそうだと勝手に個人で思ったりなんかしてるが
しかし、隠れ巨乳は男のロマンとも思う
隠れひんぬーじゃだめか?
>>19 それ、パッド入ってますってだけじゃんか。浪漫がない。
三瀬タンと伊勢丹は似ている
アヤナ+カルナ=アナルヤカナ→アナル屋かな?
アヤナマダー?
保管庫でアヤナとマサが幼稚園に実習(?)に行くやつってどれだっけ?
見つからない・・・。
マホ復活(つД`)
今日は土曜日
来週は月曜祝日
ヤンマガは今日発売
何年ぶりの復活なのやら>マホ
こんにちは、そらです。久々に投下いきます。
「しすたぁちぇんじ! IF2 妹はショーコ」です。どうぞ〜。
ウチの妹はよく出来た奴だ。
「そうだ、兄貴。今日彼氏が家に来るからよろしくね。」
朝、俺は妹の作った朝食を食べながらそんな話を聞いた。妹の名前はショーコ。両親が仕事で居ない
我が家の家事も料理もこなす良く出来た妹だ。
「ふぅん。俺は友達んトコでも行っておいた方がいいのか?」
「ん?別に家居ていいよ。あ、晩御飯は一緒になるかもだけど。」
想像してみる。妹の彼氏と自分。そして妹の三人で囲む食卓。うん、微妙だな。
「あ〜……それなら適当に時間潰して帰ってくるよ。飯はチンして食うからさ。」
「別に気にしないでいいのに。んじゃまぁ、兄貴が帰り遅かったらラップしとくからね。」
ショーコはズズッとお茶をすする。ショーコは気にするなと言うが、そもそもコイツの彼氏は社会人だ。
俺より年上だ。多分、相当にどうしたらいいか分からない雰囲気になるだろう。せっかくの飯をそんな空気で
食べるのは御免だ。
「さてと、それじゃあ行って来るね〜。戸締りヨロシク。」
ショーコは食器を片付けるとそのまま玄関へ向かい学校へ行く。さて、そろそろ俺も準備しないとな。
時計時計……よし、まだ余裕はあるな。俺は適当に準備を済ますと戸締りをして学校へ向かった。
今日はなるべく遅く帰ろう。カズヤとどっか寄り道して帰るかなぁ。
「ただいまぁ〜。」
夜8時過ぎ、カズヤと遊んで帰ると玄関にはショーコの靴と見慣れない革靴があった。俺はリビングに二人が
居ないように祈りつつリビングへ向かう。しかし、その祈りは脆くも崩れ去る事になる。
「あ、兄貴お帰り〜。御飯で出来てるよ。」
「お邪魔してます。」
居やがった……気にする事ないんだろうが、やっぱり社会人相手ってのは緊張する。俺は適当に挨拶を返す。
「御飯、ちょっと前に作ったらから温めないでもイケルと思うよ。じゃあ、私達は部屋行くから。」
「ん、分かった。」
ショーコと彼氏がリビングから出て行く。彼氏さんは出て行く際に軽く俺に会釈する。
「やれやれ…何時もながら緊張するなぁ。さて、テレビ何かあったかな。」
俺はテレビのチャンネルを変える。ん?このアニメ終わるのか。来週から何やるんだろ。
『女子大生家庭教師濱中アイ』?いいのかな。ゴールデンタイムに流して……
「ふぅ、そろそろ寝るかなぁ。」
時間はすでに11時過ぎ。明日は土曜で休みだ。夜更かしも可能だが、今日は何故か眠かった。
電気を消して、布団に潜り込み目を閉じる。シーンとした空間の中で意識が闇の中に落ちていく。
が、そんな俺の安息を妨害する音が隣から聞こえてきた。
「あんんっ!!はぁ……いいよぉ、気持ちイイよぉ!!」
「ショーコ…はぁはぁ……ショーコの中凄く気持ちいい…!!」
ギシギシとベッドの軋む音が聞こえる。いや、聞こえない。俺は寝るんだ。聞こえない。何も聞こえない。
「はぁん!!イクゥ!!いっちゃうよぉ!!」
聞こえない…聞こえ……ない……
「もうイクのか?まだまだ俺を楽しませてくれよ。」
「はぁん!!だめぇ……壊れちゃうよぉ!!」
俺は股間に血液が集まるのを感じる。ああ、もう。悲しい男のサガか。よりにもよって俺は実の妹の喘ぎ声で
おったててるらしい。
「ったく、お前が悪いんだからな。そんな声出すから……」
俺は枕元のティッシュを用意すると、パジャマのズボンを下ろし図太くなった自分のナニを握る。
血管がドクドクと波打ってるのが分かる。俺はそれをおもむろに扱きだす。
シュッ シュッ シュッ シュッ ギシギシギシギシ クチュクチュクチュクチュ
漆黒の俺の部屋に音だけが響き渡る。今晩のオカズは妹の喘ぎ声。
「はぁ……ダメ……もう……あぁ!イクぅうううう!!!」
「あ〜、ショーコ。俺もイクよ……あぁ、イク!!」
一際大きな声をあげて、隣の部屋はフィニッシュを迎える。そして、俺もそれに合わせるように絶頂を迎えようと
していた。
「くっ、出る……ショーコ…ショーコ!!」
俺は妹の名前を呼ぶとティッシュの上に大量の精液を吐き出した。手をティッシュで拭う。部屋の中にザーメン
独特の匂いが漂う。だが、それもあまり気にならない。まぁ、自分の匂いだし。
俺は自慰に満足し、そのまま目を閉じて意識を落とした。
「ふぁ、おはよ……」
今日は休日だ。朝10時ごろのようやく目覚めた俺は顔と、特に手を念入りに洗ってリビングへ。
すでにショーコは私服でソファーに座りテレビを見ていた。
「おはよう、兄貴。相変わらず休みの日は遅いねぇ〜。パン、焼くから待っててね。」
ショーコはソファーから立ち上がるとパンを焼きだす。全くもって出来た奴だ。
「ほい、お待たせ。コーヒーでいいかい?」
「ん、任せる。」
俺はパンをかじる。モサモサとかじっているとトンとコーヒーが置かれる。俺はそれを飲んで流し込む。
「そういえば、彼氏さんは?」
「ん?あ〜、彼は今日仕事なんだってさ〜。だから、今日は暇人なの。」
あー、社会人は大変だねぇ。土曜日も仕事なんて。でも、何の仕事してんだろうな。そんな事を考えながら
俺はパンを食べ終わる。うん、ご馳走様。俺もする事は特にないしテレビでも見てようかな。
そう思ってショーコの座ってるソファーに腰掛ける。二人の重みで少しソファーが沈む。適当にショーコと
雑談をしてると、奴はとんでもない話をしだした。
「それで彼ったらさー、すごい責めで……」
昨日の夜の話だろうか。確かにショーコの声は凄かったが。いや、そんな問題じゃないか。
ショーコに難点があるとしたらここだろう。果たして俺の前だけなのか、それとも普段からこうなのか。
自分の性体験を恥ずかしげも無く語るのだ。一種のセクハラじゃなかろうか。
「あ、兄貴童貞だから分かんないか。あっはっはっは!」
「ど、童貞とちゃうわ!」
う〜ん、物凄い劣等感。事実童貞だからアレなんだけど虚勢くらいは張ってみせる。
「え〜、嘘嘘。兄貴童貞だって知ってるって〜。無理しないでいいよ。まぁ、童貞が恥ずいって感じは
分かるけどもね〜。嘘はいけないよ〜。」
ぐっ……何だかこのまま言われっぱなしってのも悔しい。たまには小生意気な妹にお仕置きも必要だろう。
「そこまで言うなら証拠見せてやろうか。」
「へ?証拠?きゃっ!?ちょっと兄貴?」
果たして余りに事実を言われたせいか。それとも、昨夜のショーコと彼氏のセックスの音を聞いてしまったせいか。
俺はソファーでショーコを押し倒していた。
「んっ……ちょっと兄貴ぃ……」
ショーコの首筋を舐める。ショーコの体が少しだけビクッと震えるのが分かる。手は胸へ。キャミソール越しに
なかなか豊満な胸を揉む。フニフニと弾力があり楽しい。
「ちょっと兄貴、マジ…?んんっ…」
「さぁ?お前が俺が童貞じゃないって分かるまでかな。」
キャミの肩紐をおろし、そのままお腹の辺りまで下げる。ノーブラだったんだろうか、ショーコ白い胸とピンクの
ツンとした突起が現れる。俺の股間が一気に膨張していく。直にショーコの胸を揉むと、衣服越しからは
味わえない感触を楽しむ事が出来た。
「あんっ…胸だけで勃ってるじゃん兄貴…ん、童貞丸出しだよ…」
痛いトコを突かれる。仕方ない。生で年頃の女の胸を見れば、普通は勃起するってもんだ。俺はショーコの
言葉を耳に留めず、口に乳首を含み強く吸う。ショーコの体がビクッとする。舌でショーコ乳首を転がす。
何だかコリコリしてるんだな。軽く噛んでみる。
「はぁんっ…んんんっ…」
ショーコの手が俺の服をギュッと掴む。感じてるんだろうか?俺は調子にのってそのまま左手でショーコの胸を
愛撫しながらお腹をさすり、スカートを捲り上げた。白のショーツが露になる。俺はショーツ越しにショーコの
アソコの筋を指でなぞる。ん?どこが本物だ?コノ奥のはアナルだよな……
「ふふっ…やっぱり分かってないなぁ。ほら、ここだよ兄貴。」
ショーコがまだ余裕そうに笑って俺の腕を握ると、自分のアソコにあてがった。おおっ、確かに穴がある。
俺はその筋にそって指を動かしてみる。ショーコの口から少しだけ吐息が漏れてくる。徐々にだが、愛液が
溢れ出て来てショーツを濡らしていく。俺は頃合を見てショーコのショーツを脱がした。
初めて見る女性器が妹のとはなかなか可笑しな話である。だが、それは俺の思ってモノより遥かに
歪なものだった。ええっと、ここが割れ目だからここに指入れればいいんだよな。
「んっ、兄貴……おしっこの出る方と間違えないでよね。」
む、一緒になってるのか?とりあえず、指を入れてみる。ズブズブとショーコの膣は俺の指を飲み込んでいった。
ショーコの中はジメジメしてるが、温かく、少しザラザラとして感覚を指に与えた。
「あんっ、んっ……もっと掻き回してぇ…」
ショーコの声が段々色を帯びてくる。昨日を思い出して俺は益々興奮してしまう。ショーコの中を2本の指で
グチョグチョと掻き乱す。愛液が指に絡みつき卑猥な音を出す。
「はぁ…ん…兄貴……兄貴のもしたげる……」
ショーコはそう言うと俺のズボンをすっと降ろした。
「へぇ〜、なかなか立派じゃん。彼女出来たら喜ばれるんじゃないかなぁ。んじゃ、いただきま〜す。」
ショーコは俺のペニスをマジマジと観察すると、一気にくわえ込んだ。その瞬間に俺は腰が浮きそうになる。
ショーコの舌が俺のペニスの頭の部分をペロペロと舐める。口から出してペニスを握ると、裏筋をツツッと唾液を
存分につけて舐める。そして、グチョグチョと音を立てながらペニスをしごき、俺の玉袋を口に含む。
それは、洗練された動きだった。俺は初めてのフェラであっと言う間に絶頂を迎えようとしていた。
「んっ、ちゅっぷ…ちゅぽっ…ふふっ、兄貴可愛いなぁ。イキそう?いいよ、出して。」
ショーコの顔と手の動きが一層激しくなる。
「ぐぅっ!!ショーコ、出る!!」
俺の腰がビクビクと小刻みに動く。それと同時に、ショーコの口の中に精を吐き出した。昨日の夜に抜いた
ばかりなのに、それは何日も溜め込んだようにドクドクと溢れ出た。
「兄貴の濃いよ〜。彼氏の薄めだからちょっと新鮮かも…んっ…」
ショーコの喉がゴクリと動く。俺の精液を飲み込んだのだ。
「へへっ、流石は童貞だね。イクの早すぎだよ〜。」
「う、うるせぇなぁ。だから俺は童貞じゃ…」
「はいはい。それで?最後までしたい?ほら、私のココもこんなになってるよ?」
ショーコは自分で割れ目を開いてみせる。透明の糸が引いてるのが分かる。俺は生唾を飲む。
そして、ショーコの肩を掴むと入り口にすでに復活したペニスをあてがった。
「ただし、挿れるには条件があります。」
と、ショーコが言う。自分の手をヴァギナに当てて俺のペニスの進入を防いでいる。
「何だよ、条件って?」
「キス……してくれたら挿れていいよ。」
「へ?」
一瞬頭が真っ白になった?キス?ここまで来てか?でも、その後のショーコの言葉を聞くと。逆に今までキスを
しなかった自分が酷く馬鹿に思えてしまった。
「私、兄貴の事好きだよ。ほら、ウチってお父さんもお母さんもほとんど家にいないから、兄妹二人でしょ?
私にとって兄貴は親よりも特別な存在だから…だから、私は兄貴が好き。」
「ショーコ……ぷっ、お前って案外甘えん坊だったんだなぁ。」
「う、うるさいぁ。ほら、キスするの?しないの!?」
ショーコは頬を赤く染める。全く、可愛らしい奴だ。
「するよ。お前が望むだけ……な。」
「兄貴…んっ、ちゅぷ……」
俺はショーコにキスをする。唇を触れさせあい、舌を存分に絡ませあう。不思議なもので、それでさらに俺は
ショーコと一体感を得たような気すらした。唇を離すと、お互いの唾液が糸となり二人の舌を繋ぐ。
「へへぇ…いいよ、兄貴。来て…」
ショーコがブロックしてた手を動かす。俺は、狙いを定めて一気にショーコの中にペニスを挿入した。
「あんっ!すご……堅くておっきい…んんんっ…」
ショーコの中は未知の世界だった。言葉で表現できない快楽がそこにあった。俺にペニスにショーコが
絡み付いていく。腰を動かせば動かすほどソレが絡まり快感となっていく。故に、さらに腰を動かすのは
必然。俺は最早獣のように腰を動かしていた。
「ああんっ、っつあ、はぁあ!!兄貴ィ…んあっ、やだ、激しい……ああんんっ!!」
ソファーがギシギシと音を響かせる。パンッ!パンッ!と腰と腰。肌と肌がぶつかり合う音が部屋に広がる。
ショーコの形の良い胸が、お腹の辺りに下ろされたキャミが、捲りあげられて腰の辺りにあるスカートが。
俺の動きに合わせて上下運動をする。まさに、一体感。文字通り今、俺とショーコは一つ。
「ハァハァ…ショーコ…俺もう……」
「んっ、早いよぉ…はぁっ…でも…んっ、私も何か……んんんんっ!激しすぎてもう……イクッ!!」
俺の腰が最大スピードまで加速する。腰の辺りに何時もの射精の感覚が襲ってくる。
「うあああ!!ショーコ!出る!!」
「んっ!!いいよ、出して!!あああああんっ!!」
ドクッ、ドクッと俺のペニスから精液がショーコの中に放出されていくのを感じる。俺は息を荒げながら、
前のめりに倒れこみショーコを抱きしめた。ショーコの柔らかい体と、いい匂いが俺を包む。
「んっ…はぁ…兄貴……大好き…」
ショーコはそう言うと、俺を抱きしめ返してきた。
「ま、結局兄貴は童貞だったわけだよね?物凄く童貞っぽいセックスだったし。」
ショーコと交わって約30分後。落ち着いた俺たちはコーヒーを飲みながらソファーに座っていた。
「いや、違うな。」
「嘘だぁ。だって兄貴AVで得た知識まんまのセックスだったよ?いいじゃん、童貞でも。」
「だから、今はもう童貞じゃないだろ?お前としたんだから。」
ショーコは目をパチクリさせる。うんまぁ…情けないが嘘ではないよな?
「ぷぷっ、あはははははは!!これは一本取られたなぁ。もう兄貴を童貞なんて言えないねぇ。」
ショーコはお腹を抱えて爆笑する。そんな笑うところでもないとは思うけど。
「ね、兄貴。兄貴に彼女が出来るまで……何なら出来てからも彼女に不満だったら私がエッチしてあげるよ。」
「あのなぁ。俺が言うのもアレだけど、お前浮気はしないんだろ?」
「それは他の男との話。兄貴は別だよ。」
ショーコはそう言うと、ギュッと俺の体を抱きしめる。俺もそんなショーコの前髪をかきあげるとオデコにキスをする。
「まぁ、なるべくお前の世話にならないように努力はする。」
「別にいいのに。私兄貴のチンコ結構好みだし。彼のよりカチカチで気持ちいいんだってぇ〜。
それにね、何と言うか禁断の愛の背徳感って言うのかなぁ?そのゾクゾク感が堪らないのよ。」
ショーコがゾクゾクっと体を震わせる。コイツ、Mだったのか。
「そんな訳だからさ、これからも持ちつ持たれつ仲良くやってこ、兄貴♪」
本当に、ウチの妹はよく出来た奴だ。
END
以上です。それでは、次の投下でまたお会いしましょう。
そら氏GJ!
次はぜひアキでお願いします!!
あと、小宮山先生が姉という設定も面白いかもしれない。
乙
そら氏GJです。余裕なショーコの反面、甘えん坊なショーコにハァハァさせてもらいました。次が誰かwktkしてます。
>>39 >小宮山先生が姉
王道的姉萌えネタとしては、肉親に対してはすげぇ過保護とか?
当然セクハラ発言行動を行うことは無く、そのはけ口は同僚と生徒に対してだけw
しかし、それで弟に対する劣情は完全に発散されることは無く、それが積もり積もって(ry
43 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 22:02:11 ID:sV11YEaw
ショーコはエロパロではオミソ扱いだが、こんなんだとすごく(・∀・)イイ!!!
(*´Д`)ハァハァ (*´ Д`)ハァハァ (*´ Д `)ハァハァハァハァ :.` *:.・∵ ゚ д:.`
そういやショーコメインの話ってあったっけ?
もしかして初?
井戸田とアイはなんかお似合い
のような気がした、一瞬
明日でこのスレも2周年か…
早いような、長かったような…
一周年祭の頃は隆盛だったよなあ…しみじみ
二周年記念投下があるなら、曜日的に余裕のある週末連休あたりかな?
全てはこの一言からだったんですねぇ。
1 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/09/20 12:53:18 ID:k7f1yEFd
まったりいきましょう
うむ、その通りにまったりいこうジャマイカ
このスレが過疎ったのって長時間氏騒動や名無しの増長、ハ〇テ厨の工作、マサミサアヤ論争のせいかな
何はどうあれ祭りage
こんなんで過疎と呼べるお前が羨ましい
今週のを読んで一層、かつて長時間氏が未完のままで黒歴史化させた
『兄妹』を思い出したよ
あの頃は長時間氏の描写に「井戸田って馬骨野郎に過ぎないんじゃねぇの?」と違和感を覚えてたもんだけど
段々、実際の井戸田が長時間氏の井戸田像に近くなってきたような
以前予告していた通り、早速投下させていただきます。
タイトルは「SUNDAY MORNING」で。
宮本レイコ
ひだまり幼稚園の保母さんである彼女は現在結婚し、姓も変わっている(ここでは旧姓で通します)。
仕事先の幼稚園では、カナミやマナカといった手のかかる子供がいなくなって至って平和な日々が続いているのだが、
そんな彼女にも悩みはあった。
結婚後、しばらくしてセックスレスになってしまったのである。何しろ単調なセックスが続いてしまったからである。
しかし、根が真面目なレイコには積極的に求める度胸は無い。夫は夫で同様の真面目人間である。
こうしてレイコの夫婦生活は早くもすれ違うのであった。
「はあー…」
「どうしたんですか」
同僚の佐々岡が話しかける。
「ははーん、その様子だと、ダンナ様とご無沙汰って感じですね」
「…そうなのよ」
ため息を吐きながら返事をする。佐々岡は軽い冗談のつもりで言ったのだが、あっさり肯定されてしまい
かえって驚いてしまった。佐々岡の言葉を否定する余裕が無いほど悩みは深刻だったのである。
(こりゃ相当重症ね…)
佐々岡はしばらく考えた後、
「……じゃあ、こうしたらどうですか」
佐々岡はなにやらささやいた。
「えーっ、そんなこと出来ないわよ…」
「いいからやってみなさいって。考え込んでいるだけじゃ何も変わらないわよ!」
「……」
面白半分の佐々岡のアイデアだが、彼女の言う通りにでもしない限り、この状況が
変わることが無い事もまた事実であろう。
ある日曜日の朝−
レイコ夫婦のマンションの部屋では夫が眠い目をこすりながら起きてきた。なお、レイコは先に起きて台所で朝食の用意をしている。
夫は洗面所で顔を洗って台所に行く。
「…おはようございます」
「ん、おは……!」
夫は言いかけて凍りついた。無理もない、なんとレイコはお尻が丸見えの、いわゆる裸エプロンの状態でだったのである。
もちろん、佐々岡の入れ知恵である。
「あの、もうすぐ食事の用意が出来ますから」
「そ、その格好は…」
レイコは夫の疑問には答えず夫を食卓に座らせた。すぐに朝食を用意し、レイコは隣に座って言った。
「……あの、私だけ裸って恥ずかしいんですけど」
レイコはもじもじしながら夫にせがむ。
「だから、あなたも裸になって…」
状況が理解できないまま夫はしぶしぶながら言われた通りシャツを脱ぐ。すると、
「下も、ね…」
(一体どうしたというのだろう?)
夫はレイコの変わりように戸惑いながらもパンツも脱ぎ全裸になった。するとレイコは満足気な声で、
「さあ、食事にしましょう」
最初はためらっていたレイコだが、いざやってみると結構ノリノリである。
一方夫は何とも落ち着かない気分で食事を済ませた。レイコは台所で後片付けをする。しかし夫は居間に行くと、露わになっていた
レイコの丸いお尻を思い出し、急にむらむらとしたものがこみ上げてきた。レイコの普段とは違う大胆な格好に新鮮な興奮を覚えたようだ。
夫は食器を全て洗い終わり居間にやってきたレイコに抱きついて、押し倒した。
「あらいやだ、こんなところで…」
レイコは期待していたのは確かだが、せめてベッドに行ってからと思っていたので少々驚いてしまった。
「何言っているんだ、そっちから誘っておいて…」
裸エプロンの効果てきめん、夫の目は明らかに興奮していた。レイコの体以外、眼中に無い。夫がレイコのエプロンを脱がすと、
胸が丸見えになった。既に固くなっている乳首を刺激し、乳房を揉みしだく。決して豊かな胸ではないが、そんな事は関係なかった。
「あ、はぁ…」
レイコは甘い声を漏らした。夫は乳首、臍、下腹部に舌を這わせる。そうするうちにレイコの恥部からは熱い愛液が湧いてきて
ぐっしょりと濡れてきた。夫は股間に顔を埋め、既に濡れている恥部を舐め回した。
「ああ、ひゃあ…」
レイコは股間を舐められるうちに、夫が自分にしているように、自分も夫の股間に顔を近づけ固くなっているペニスを口に含んだ。
この瞬間、レイコの自制心のタガが完全に外れた。
「…ん、んんっ」
レイコはフェラチオをした事は無かったので、ペニスを口に含みながら、舌で時々舐め回す、という拙いものだったが、夫にとってはそれでも充分に興奮した。
「んぐっ、んぐっ」
ペニスを咥える事に対し、汚いという抵抗感は無かった。ただ夫が自分にしているように夫にも気持ち良くなって欲しい、という気持ちからだった。
だが、夫に恥部を舐め回されているうちに段々我慢が出来なくなってきた。
「…あなた、きて……!」
レイコは夫を求めた。夫はペニスをレイコの入口にあてがい、そのまま、ズブズブ中に入ってきた。
「は、ああ、あああん!」
レイコの体に一気に快感がこみ上げてきた。久しぶりなだけに余計に興奮している。夫はペニスを出し入れする。
レイコの嬌声を聞くたびに腰の動きが早くなってきた。
「ああ、いい……もっと、もっと突いて…!」
普段のレイコからは想像もつかない言葉が出てきた。夫は普段とはうって変わったレイコの乱れぶりに
自分もまた興奮し、激しくレイコの体奥を突いた。
「はぁん、ひゃあ…ん、ああ…!」
ふと薄目を開いたレイコの視界にベランダの窓が見えた。それを見ているうちにレイコの頭の中にある欲望がこみ上げてきた。
「ねえ、あなた、ベランダに出ましょ…」
「え、でもそこじゃ外から見えるよ?」
「お願い、いいでしょ…」
レイコはベランダに出て外にいるような開放感を味わいたかったのである。レイコはベランダに出て鉄の柵を両手で掴み尻を突き出すと、
後ろから自分で夫のペニスを挿入した。
「あ、あああ……!」
夫はレイコの尻を掴み腰を前後させ突き上げると、レイコは一際大きな声で喘いだ。
場所が場所だけに声が聞こえるし、近くの建物から見られる可能性がある。しかしそれでも良かった。むしろ、レイコは自分の
あられもない姿を誰かに見て欲しかった。そして淫乱な声を聞いて欲しかった。今まで気が付かなかったいやらしい自分に酔いしれた。
それは幼稚園での真面目な姿を全て投げ捨て、自分を解放するかのようだった。そのうち、夫の絶頂が近づいてきた。
「ああ、そろそろ…」
「は、あん、きて、いく、ひく、ひくぅ!!」
レイコは言葉にならない声で叫んだ。夫が最後に強烈な一突きを加えると子宮の奥に熱い精液が注がれた。
レイコは強烈な快感によって全身の力が抜け、膝をベランダに着くと、柵の下にもたれかかり、夫の方に尻を突き出しながら、
恥部から白い液体を垂れ流していた。
二人は息を弾ませながら、居間の床に寝転がっていた。
「…どうしたんだろう、こんなに興奮したのは初めてだよ…」
「…あ……わ、わたしも…」
「「……………」」
二人は呆然としたまま黙ってしまった。
しばらくすると、二人の耳にお隣さんの部屋から掃除機の音が聞こえてきた。
「…ん?まずいなあ、お隣さんに聞こえちゃったかなあ」
「あら、構わないわ。だって、こんなに気持ちよかったんですもの…」
今までからは想像もつかないような言葉を口にした。大胆なことをいう。
「ねえ、あなた」
レイコはすれ違っていた今までの自分達を思い返しながら言った。
「私達、ちょっと真面目過ぎたのかもね」
そして二人は目を合わせると、クスクス笑い合った。それから二人は唇を重ね、
再びお互いを求め合った。
日曜の朝十時−
隣の部屋からは掃除機の音が響く。またもう片方のお隣さんは休日ということもあって
ようやく目を覚ましたところである。
そしてレイコ達の部屋では新たな性の快感に目覚めた二人の悶える声と喘ぎ声が響くのであった……
以上です。やや急ぎ足になってしまいましたが。
あと、改行がうまくいかなくてすみません。
七巻のP143の扉絵を見て、一度書いて見たくなりました。
最後に、職人&住人の皆さん、三年目も盛り上げていきましょう。
ペピトーン氏GJです!
エロイ宮本先生(ヒンヌゥ)は最強!!!
2周年にベテランが投下してくれると安心しますね
ペピトーン氏GJ!!
GJや
時が勃つのは早いものです
二周年で感じるなんて悔しいッ
ビクビクッ
前スレのしりとりの「る」が思いつかない…
土曜日にワクテカ
神降臨マダ?
静かだ…
新スレも出来て古田氏の保管も済んだみたいだからまずは前スレ埋めない?
特に二周年記念というわけではないですが、濱中ネタで投下します。
スルー対象ワードは『コスプレ』『微エロ』
題は「社会人家庭教師中村リョーコの性知識伝授」でお願いします。
地球上に生きとし生けるモノ全てに、時間は平等に流れる。
それは普遍にして不変。何ごとにも侵されざる絶対法則。
一秒、一分、一時間、一日、一ヶ月、一年……。
時の神のタクトがその振り幅を変えることはない。
この先、どれだけ科学が発達しても、おそらくそのタクトの動きを鈍らせることすら出来ないだろう。
さて、人は時間とともに成長し、老いる。
神のタクトとは一定だが、それに支配される人間の前進及び交代は一定ではない。人によって様々である。
身体はまだしも、精神や知識は特にそうだ。
数年経っても上積みがない人もいれば、僅か数秒で急激に向上する人もいる。
それには才能も関係しているが、何より意欲と実践がものを言う。
知りたい、学びたいという意思がある人間程、より大きく、より強く『伸びる』のだ。
今、地球の日本というちっぽけな国の、さらに小さな都市、東が丘市のある邸宅に、数人の女性が集まっている。
十代が三人、二十代が二人の計五人。
彼女らのうち四人は、ある種の知識において、ほぼ同レベルだ。
唯一人が、普通その年齢で得られるもの以上の深い技術と経験を持っている。
その、ある種の知識、とは―――
性知識。
しかも、相当に偏った。
「コホン。はいはい、いいかしら?」
ベージュのレディスーツを着た、髪の長い女性は咳払いをひとつすると、おもむろに口を開いた。
彼女の後ろには、種類大きさ様々な紙袋が、折り重なって積まれている。
「では、ただいまより第一回、性教育実践講座を行います」
この喋っている女、名前を中村リョーコといい、歳は今年で二十三になる。
名門東栄大学を卒業し、今では業界大手のいつつば銀行に勤める立派な社会人だ。
眼鏡の印象も手伝って、一見知性的理知的に見える。
だが、それは仮面に過ぎない。
顔に常に浮かんでいるいたずらっ子のような微笑が、その本性の何たるかを物語っている。
まあ、今彼女の前にいる娘たちは本性なんぞとっくに承知してはいるのだが。
「わー、中村先生かっこいいですぅ」
「……」
「何で私がこんなことを……」
「先輩、出来るだけ前置きは短くお願いします」
で、中村リョーコの前で絨毯に直座りしているのは、
大学時代の家庭教師のアルバイトの教え子である的山リンコ、
その友人である天野ミサキと若田部アヤナ、
そして、大学の後輩であった濱中アイ。
いずれもリョーコと縁の深い者たちだ。
「さて、第一回目ということで今日は入門編よ」
リョーコは競馬のジョッキーが使う鞭を取り出すと、自分の掌を叩いてペチペチと音をたてて見せた。
スパルタを気取っているのであろうが、
教鞭ではなくてジョッキー用の鞭であるというところに、妙な威圧感と言うか説得力が発生している。
「人は皆、隠された性癖、嗜好というものを持っているわ」
眼鏡の傾きを中指一本でクイッと直すと、リョーコは厳かな口調で話を進めた。
内容はちっとも厳かなんかではないが、残念なことに、今ここにそれに鋭く突っ込める人間は存在しない。
「殴られるのが大好きだとか、逆に殴るのが快感だとか、お尻がいいとか脇がいいとか―――」
いやはや、いくら昨今若年層の性が乱れているからと言っても、
とてもではないがうら若い女性が集まってする話とは思えない。
中村リョーコが話の主導権を握っているので、しょうがないと言えばしょうがないのだが。
「ま、そういったディープな方面はまた後日。今日は所謂、男を惹きつけるコスチュームについて話をしようと思うの」
「……もしかして、その紙袋に入っているのは」
「ピンポーン♪ たくさんの『お服』よ」
「えーと、十袋くらいありますけど……全部ですか?」
「そ。持ってくるの苦労したんだから」
「……苦労したのは、さっき泣きながら帰っていった豊田先生だと思いますけど」
中村リョーコの第一回性教育実践講座、それが何故開かれることになったのか。
別段複雑な事情があったわけではない。すなわち毎度のアレ。つまり、リョーコの気まぐれというやつだ。
そもそも皆が集まることになったのは、若田部アヤナが一時帰国してきたことによる。
数日はこちらにいるということで、お茶したり買い物したりと、実に女の子らしく親睦を深めていたのだが、
リョーコがいる以上、どうしても話はシモの方に流れていったりなんかしちゃうわけで。
「どうアヤナ? アメリカは大きいでしょ?」
「はい、家も庭も道路も全部大きくて広いですね。まだそんなに出歩いていないんで細かいところはわからないですけど……」
「アレも大きかったでしょ? アメリカは」
「アレって何ですか?」
「あら嫌だ、性進国アメリカに行ったのに、まだアンタは未体験なわけ?」
「……」
「んー、じゃあ気になる男の子とか見つけた? 金髪で背が高くてアレが大きそうな」
とまあ、列車のトンネルにヘリコプターで突っ込むがごとき強引な話題の振り回しで、
そちら方面の話に無理矢理持って言ったリョーコ。
結局アヤナにそんな浮いた話が無いということを知り、対象が一人きりではからかいがいがないと思ったのか、
リョーコは次にミサキやアイ、リンコにも矛先を広げることした。
「つまんないわねアンタたちは。アンタらくらいの歳に、私はすでに五十人くらい喰ってたわよ?」
「そんな特殊例と比較されても困るんですけど」
「いいこと、アンタらには積極性と言うか冒険心が足りないのよ。もっとバコバコいかないと男は振り向いてくれないわよ?」
「ガツガツの間違いじゃないんですか?」
「うるさいわね、大体ミサキ、アンタもマサとちっとも進展してないじゃないの。そんなんじゃ誰かにかっさらわれるわよ?」
「え? や、そ、それはその……」
「アヤナ、リン、アイ、どう? 今ならマサを略奪出来るかもよ?」
「な、な、何を言い出すんですか!」
「ほれ、それが嫌ならもっとズコバコいきなさいよ、ほれほれ!」
会話を誘導し、説得力の欠片もない言葉をいかにもそれらしく聞かせてしまうのはリョーコの真骨頂。
そうこうしているうちに天然のリンコやアイが食いつき、さらに流れが加速していくという寸法。で、もう後は怒涛の展開だ。
「よし、私がアンタたちのために男を捕まえる講義をしてやる!」とリョーコが言い出すまでは数分とかからなかった。
リョーコがここまで言った以上、それを止めることが出来る人間は地球上にいない。
渋々ながらも(リンコだけ嬉しそうに)その講義を受けることを承知して、天野邸はミサキの部屋に集まったという次第だ。
天野邸に決まったのは、両親が出かけており、何かと都合がいいというのが理由だった。
「さ、本題に入る前にまず聞こう。アンタたち、私の格好を見て何も思わない?」
「え?」
「……先輩の格好、ですか?」
ミサキたちはまじまじとリョーコを上から下まで眺めた。
ベージュ色をした、どこにでもありそうなレディスーツだ。
「結構スカートが短いですねー」
「おっ、いいところに気がついたわね、リン」
「えへへー、褒められちゃった」
リンコが指摘した通り、そのスカートは短かった。
だが、その奥がモロに見えるという程ではない。
「言っておくけどね、これもコスチュームなのよ?」
「先輩、もしかして出演料教師ですか?」
「はい、大正解」
出演料教師、それすなわちアダルトビデオに出てくる女教師。
成る程、それらは極端に短いスカートをはいていることが多い。
「ストッキングにタイトなミニスカート、そしてちらちらと見える胸の谷間。これが女教師!」
「明らかに偏見だと思います」
「うっさいわよ、こーいうのが男は好きなのよ」
男全員がそうではないだろうが、これが嫌いだという者は確かに多くはないだろう。
その点では、リョーコは間違ったことを言っていない。十割正しいことを言ってもいないが。
「放課後、二人きりの個人授業、足を大きく組みかえる女教師、生徒はそれが気になって勉強に集中出来ず……」
「あの、そんなシチュエーションは今の私達には絶対ありえないんですけど」
「あら、アンタたちはともかくアイは教師志望なんでしょ? アイに限ってはありえないとは言えないと思うけど?」
「先輩、いくら何でもそれじゃ痴女で……うっ」
アイは反論しようと思ったが、最後まで言葉が出なかった。
マサヒコとの始めての授業の時、まさにそんな感じの格好だったことを今更ながらに思い出したのだ。
「……そう言えば、あの時のアドバイスは結局デタラメだったわけですよね、先輩」
「あん? ああ、最初の時のこと? 全部デタラメってわけじゃないわよ、マサが特別な部分もあるわけだし」
マサヒコは思春期真っ盛りの少年として、かなり特殊な存在であるのは間違いない。
別の少年であれば、抑えきれずに襲い掛かっていた可能性もあったわけで、
その意味では、アイは相手がマサヒコでラッキーだったと言えるかもしれない。
「んー、じゃあこれはどう? えーっと、この紙袋だったっけ」
リョーコは別の紙袋を探ると、その中身を取り出した。
「ってこれ、東が丘中学の制服じゃないですか!」
「ふわー、こっちは聖光女学院のだあ、冬服も夏服もあるよー」
「た、体操服? しかもブルマ?」
「スクール水着、ゼッケン付き……」
リョーコがミサキたちの前に並べたのは、『女子学生セット』とでも言うべきものだった。
ご丁寧に、ルーズソックスや白い運動靴まである。
「まだあるわよ、小笠原高校の制服、紅白百合女学院の制服、赤ブルマに青ブルマ、スク水別バージョン……」
「わあ、凄いですねえ」
「女子学生モノは基本中の基本よ。これならアイ以外は年齢的にもピッタリじゃない?」
「……どこで手に入れるんですか? こういうの?」
「ん、まあ適当にね」
ミサキの質問をはぐらかすリョーコ。
ミサキもあえて深く追求はしなかった。
とんでもない答が返ってきそうで怖かったからだ。
「取りあえず、他のもパッパと出してしてしまいましょうか。ほいほいっと」
リョーコはさらに紙袋の中身をぶちまけた。
出るわ出るわ、一般人では簡単に入手できそうにないその手のコスチュームが。
「はーい、これはネコ耳にネコ尻尾よー」
「……ナースルックですか、これ」
「わあ、バニーちゃんだあ」
「えーっと、これってウェイトレス? メイド? って、私がバイトしてた喫茶店のものじゃないですか!」
「お、お姉様、もしかしてこれは巫女さんの!?」
他にもミニスカポリス、レースクィーン、テニスウェア、バイク用レザースーツ、浴衣、チャイナドレス……。
さらにアニメ関係のコアなものまで、よくぞここまで集めたものだと感心すら出来る程の量だった。
「さて、並べて説明してもつまらないわね。よし、アンタたち、好きなの選んで着てみなさい」
「は、はぁ?」
「私達、着せ替え人形じゃないんですけど」
「わーい、私、この『魔法処女マジカヨぬれば』がいいー!」
「このウェイトレス服、久しぶりかも……」
嫌がるミサキにアヤナ、大喜びなリンコ、まんざらでもないアイ。
四者四様の反応だが、例え全員が断ったとしても、リョーコが引き下がるはずがない。
口八丁手八丁を尽くして、最終的には全員に無理矢理着せることになるわけで。
「はいはい、ミサキもアヤナも嫌がらない! 何事も経験! ほれ、ミサキはナース、アヤナは巫女でいけ!」
「ええー!?」
「ま、まあ巫女さんなら露出度が低いから……」
逃げ出すことも出来ず、仕方なしに着替え始めるミサキとアヤナ。
その脇では、喜々としてリンコとアイが選んだコスチュームを身につけている。
「何かこのナース服も、えらくスカートの裾が短いんですけど」
「ううっ、む、胸がちょっと苦しい」
「わーいわーい、変身変装変態! 魔法処女マジカヨぬれば、レッツインサート!」
「……今から考えたら、よくこんな格好で人様の前に立てたわね」
数分後、全員が着替え終わった。
天野ミサキという、優等生である以外は平凡な少女の部屋が、一気に妖しい空間へと早変わり。
女教師の中村リョーコ、看護婦さんの天野ミサキ、
巫女さんの若田部アヤナ、魔法少女の的山リンコ、ウェイトレス(メイド)の濱中アイ。
東京の某電気街の喫茶店でも、ここまで極端な光景は見られはしまい。
「さて、ここでもうひとつ言っておくことがあるわ」
「……何ですか?」
「コスチュームを身につけたなら、その『役』になりきることが重要なのよ」
「『役』、ですか」
「そう。例えばネコ耳ルックだったら、喋る時は絶対語尾に『にゃん』をつけなければならない」
「はあ……?」
「服を着ただけではコスチュームプレイとは言わないわ、外だけでなく中も徹底しないと」
「先輩、何時からコスプレの話になったんですか?」
リョーコ曰く、男は外見だけでなく、中身も求めるとのこと。
「ご主人様」と言わないメイドはメイドじゃない、「アルヨ」と言わないチャイナ娘はチャイナ娘じゃない、ということらしい。
確かに、男は馬鹿だ。そういった『中身』まで演じられたら、間違いなくほとんどの男は喜ぶ。
「まあ、不器用なナースとかツンデレ巫女さんとか、定石外れなのもウケルけどね」
「理解に苦しみます」
「お姉様、これ、脱いでいいですか? む、胸が少し苦しくて」
「ダーメ、苦しかったらこうすればいい」
リョーコはアヤナに近寄ると、胸元を強引に開けさせた。
圧力から開放された乳房が、ポロンと表にこぼれ出てくる。
「ひゃあ!? な、何するんですかお姉様!」
「ほら、これで苦しくなくなったし、しかも半ブラでエロくなった」
「嫌ああ」
顔を真っ赤に染め、胸を両手で隠しながらアヤナはその場にへたり込んだ。
久々に帰国してこの仕打ち、あまりに可哀相だが、相手がリョーコなだけに仕方が無い。
「ほらミサキ、アンタも胸元のボタンを外してブラチラ! あくまでチラよチラ、コスプレの基本は全部脱がないことなんだから!」
「わ、わかりまし、ってそんなのわかりません!」
「リン! アンタは素のまま天然ドジッ娘でやってみなさい! ロリ、ドジ、魔法少女、これぞジェットストリームアタック!」
「よくわかりませんけど、わかりましたあ」
「アイはもっとお尻を突き出したり、前かがみになって胸を強調しなさい。天然エロメイド、これすなわち最強!」
「よくわかりませんけど、やっぱりよくわかりません」
「ほらアヤナ! いつまでへたりこんでるの? 巫女という清潔な職にあるまじきエロス、それが男の心に響くのよ!」
「ふえええん、わかりませーん!」
滅茶苦茶である。
コスプレどころか、禄に性体験も無い彼女らにこの指導、明らかにスパルタの範囲を超えている。
「ほらほらほら、そんなザマじゃあの無関心男、マサの獣欲にヒットしないわよ?」
「マ、マサちゃんはこんなので欲情したりしないと思います、多分!」
「えへへー、小久保君も魔法少女、好きなのかなー?」
「マ、マサヒコ君がご主人様? いや、そんな、その」
「な、何で小久保君の名前が出てくるんですかぁ!」
大賑わいの大混乱。
大洪水、大台風、大津波、大雪崩。
ミサキの部屋は未曾有のコスプレパニックに陥っていくのだった。
◆ ◆
祭りが終わって日が暮れて。
部屋に残るは、下着姿の女が五人。
己の痴態を悔いるとも、過ぎた時間は戻らない。
「……つ、疲れた」
「こんなんでヒイコラ言ってるようじゃ、男が出来た時に困るわよ? 一晩中起きてることだってあるんだから」
リョーコはベッドの上で胡坐をかき、ケタケタと笑った。
一方ミサキたちは、笑いかえす元気も反論する力もない(リンコ除く)。
肩で息をしつつ、絨毯の上でぐったりと座り込んでいる。
「あはは、疲れたけど楽しかったねえ」
「楽しくなんかないわよ!」
「一体何着くらい着替えたのかしら」
「ミサキちゃんたち、数えてた? 私は数えてない……」
全員、ブラジャーとショーツの格好のみである。
普通なら、このように会話する前に、元から着ていた服を身につけるだろう。
だが、そこに考えが至らないほど、気力が失われ、尚且つ感覚も麻痺していた。
「んー、こうして見るとやっぱりアヤナちゃんはおっぱい大きいねー」
「きゃあ!? ま、的山さん、触らないでよ!」
「んふふ、生意気よねえこの巨乳。それに比べてリンやミサキは……」
「溜め息をつかないで下さい!」
「大丈夫ミサキちゃん、もしかしたらマサヒコ君は貧乳好きかもしれないよ?」
「アイ、アンタ慰めにならないことをグサリという癖が時々あるわね」
今度は突如、パジャマパーティーめいた展開になってきた。
リョーコのペースに精神を乱された結果、やや羞恥のガードが下がってきているのもあるだろう。
それに、異性の目も無い。
かつてリョーコやアイが言ったことがあるように、女同士だと箍が脆く壊れてしまったりするのだ。
「よし、私が計ってやる。ほれアヤナ、ブラを取れ!」
「いやあ、やめて、やめて下さいお姉様!」
「中村先生、でも巻尺も何もありませんよう」
「ふっ、私を侮らないで。一揉みすればある程度の大きさはわかる。うり、モミモミ」
「やああ、ひ、一揉みじゃないじゃな、あ、あ……!」
「わわわ、卑猥です! やめてあげて下さい中村先生!」
「おだまりミサキ! それともアンタも計ってほしいの? ほおれ、ツネツネ」
「きゃっ! つ、つねらないで、あぅ!」
……時の神は公平である。だが、運命の神は公平ではない。物凄く残酷で意地が悪い。
何でこんなタイミングにと、最もあって欲しくないことを起こしたりなんかする。
さて、彼女らに起こった、「最も起こって欲しくないこと」とは―――
「ミサキー、皆もいるのかー? 親戚から美味い梨を貰ったから、一緒に、た、べよ……お?」
「はへ……?」
「おう?」
「あれぇ?」
「おや?」
「え?」
ガチャリ、と不意に部屋のドアが開いた。
そこに立っていたのは、誰あろう、小久保マサヒコその人。
「マ、マサちゃん!?」
「よー、マサ」
「小久保君だぁ」
「マサヒコ君っ!?」
「や、わ、こ、く、ぼぼ、君!?」
固まった。
リョーコとリンコを除く全員が、固まった。
小久保マサヒコが何故最初からいなかったか。
答は簡単、親戚に結婚式があり、それに家族揃って行っていたのだ。
もしマサヒコが端からこの講義に参加していれば、リョーコの暴走は若干緩くなっただろうし、
ミサキたちも下着一丁だけになるまで振り回されることもなかっただろう。
これも全て、運命の神のありがたく、そして意地悪なお導き。
「……」
マサヒコは梨の入った籠をそっと下に置くと、無言のまま踵を返し、部屋から出て行った。
無理もあるまい、目の前にあるのは、体を絡ませている半裸の女たちに、散乱した怪しい衣服。
ドギモを抜かれて呆然と立ち尽くさなかったのは、鍛えられたスルー力の賜物と言うべきだろう。
「マ、マ、マサちゃん!?」
「ままま、待ってマサヒコ君! これば別にアブナイ遊びじゃなくて!」
「誤解、誤解誤解誤解なのよぉ!」
扉の向こうに消えたマサヒコ、その後を追って、ミサキ、アイ、アヤナはダダダと駆け出した。
下着のままで。
「待って、話を聞いてマサちゃあん!」
「別におかしいことじゃないんだからね? 全部先輩のせいなんだからね?」
「違うのよ、違うのよー!」
ドカドカドカ、と階段を駆け下りる複数の足音。
問題はその先だ、そのままマサヒコを追い掛けていけば、当然家の外に出ることになる。
逃げる男の後を追う、下着の女たち。
傍目からだと、間違いなく痴女そのものに見えるはずだ。
「行っちゃいましたねー」
「行っちゃったわね」
部屋に残ったリョーコとリンコは、ポソリと呟いた。
「まあ、イキナリだったからねえ。だけどリン、アンタはよくパニクらなかったわね」
「だって、この状態だと隠しようが無いじゃないですか」
「……アンタ、天然を通り越して真の大物かもね」
三十秒程経って、大きな悲鳴が二人の耳に聞こえてきた。
窓の方からだから、おそらく小久保邸の玄関か、それともその中か。
とにかく、ここまで届いたのだから、相当に大きな声なのは間違いない。
「……何か叫んでますねぇ」
「まあね、あの格好だし」
叫んだのは多分、ミサキ、アイ、アヤナ、そして小久保父か。
「向こうは向こうでカタをつけてもらいましょ。私らにはどうしようも出来ないし」
「ですねぇ」
「リン、コスチューム集めてくれない? 片付けましょ」
「はーい」
リョーコとリンコは、散らばるナース服やら制服やらをかき集め、紙袋の中に放り込み始めた。
「ねぇ、中村先生」
「ん、なあにリン?」
「第二回の講義はいつやるんですかあ?」
リョーコは手を止め、首を傾けて数秒考えた。
「そうね……二年後くらい?」
地球上に生きとし生けるモノ全てに、時間は平等に流れる。
それは普遍にして不変。何ごとにも侵されざる絶対法則。
一秒、一分、一時間、一日、一ヶ月、一年……。
時の神のタクトがその振り幅を変えることはない。
この先、どれだけ科学が発達しても、おそらくそのタクトの先を遮ることすら出来ないだろう。
さてさて、人は時間とともに成長し、老いる。
神のタクトとは一定だが、それに支配される人間の前進及び交代は一定ではない。人によって様々である。
身体はまだしも、精神や知識は特にそうだ。
数年経っても上積みがない人もいれば、僅か数秒で急激に向上する人もいる。
それには才能も関係しているが、何より意欲と実践がものを言う。
知りたい、学びたいという意思がある人間程、より大きく、より強く『伸びる』のだ。
次の指導があるという二年後までに、ミサキ、アイ、リンコ、アヤナが、女としてどれくらい伸びるのか?
リョーコの指導を受けても、たじろがないだけの精神力を身につけることが出来るのか?
男に裸を見られても、取り乱さないだけの不動心を手に入れることが出来るのか?
コスチュームを着て男にアピールを試みるだけの遊び心をマスター出来るのか?
それは誰にもわからない。
……もしかすると、彼女らはそれらを全て自分のものとするかもしれない。
そのためには、今回のように、運命の神がどうイタズラをするかがポイントになる。
何かのきっかけで、男と付き合い始め、『女』になることが出来れば、あるいは。
そして、その男が小久保マサヒコなのかどうか。
それもまた、運命の神の匙加減ひとつ。
「きゃああああ!」
「いやああああ!」
「見ないで、見ないでー!」
まだ、窓の外から悲鳴は届き続けている。
「先生、助けに行きます?」
「ほっときましょ、これも運命よ」
「はー、そうですか」
「いずれ深い仲になってしまえば、一時の恥ってもんよ。時間が解決してくれるわ」
時の神のタクトは一定に、運命の神の匙は気まぐれに。
彼女らの上で振られ続ける。
今この瞬間も、これからも。
F I N
以上です。
はい、どうも郭です。
72氏にGJ!相変わらずショートは抜群に上手いですねえ。
ペピトーン氏にもGJ!って宮本先生って珍しいキャラを。ひんにゅー好きとしては美味しいSSでした(コラ)
ピンキリ氏>>あぶねえ、被りかけました。なんかこの感覚も久しぶりで二周年っぽい(苦笑)
二周年記念……にはちょっとアレですが、まず前スレ
>>622の続き。
NGワードは「濱中×あかほんミクスチャ」、「エロはちょい淡泊」、「レイコの性格が微妙」
では、投下。
「ふう……」
柏木レイコは短くなったタバコを車の灰皿に押しつぶすと、小さく溜息をついた。
(最近仕事が忙しくなったのは……良いことなんだけどね)
レイ・プリンセス事務所の屋台骨を支える看板アイドル・小池マイは勿論、
最近では新人のトリプルブッキングにも徐々にではあるものの仕事が入り始め、
事務所としてはやらしい、もとい嬉しい悲鳴をあげているところだった。
特にトリプルブッキングについてレイコは当初さほど期待しておらず、
3人のうちひとりでも人気の出る子がいれば儲けもので、
もし売れたならその子だけ独り立ちさせれば良いと考えていた程度だったのだが。
蓋を開けてみれば3人それぞれ固定ファンをつかんでおり、
来月にはグラビアデビューを、と某漫画週刊誌からオファーがあったばかりだった。
(しかし首都高ってなんで時間ずらしてもこんなに混むのかしらね……)
愛車シトロエンのギアを忙しくチェンジさせ、少し苛立ちながらつぶやく。
「ダメダメ、今日はにこやかにしないと。スマイル、スマイル」
今日は午後から大切な――――とても大切な、新人の面接が入っていた。
(もっとも……新人になってくれるかどうかも、まだ未知数なんだけど)
そう思いながらレイコは携帯を開け、フォルダの中から画像を選択して表示した。
(ルックスは十分に合格ラインね。あとは表情や話し方、それに頭の中身か)
先日長年の友人である女性から、息子のことについて相談されたところだった。
それがその人からの話でなければ、単なる親バカの欲目と一蹴していたところだったのだが。
(お姉ちゃんの息子さんだもんね。これはひょっとしたらひょっとするかも)
十数年前、レイコがモデル事務所に所属していた頃から不思議とウマの合う人だった。
(あの頃の私、ものすごくイヤな子だったはずなのに……)
「芸能界でいつかはアイドルとしてデビューする、モデルはそのステップ」
そう公言してはばからなかったレイコは同じ事務所のモデルの中でも浮きがちで―――
孤立していたレイコに優しく接してくれたのが、吹石だった。
プライドの高かったレイコは、そんな彼女にもなかなか慣れなかったのだが。
吹石の陽気な人懐っこさに少しずつ心を開くようになり、
いつしか二つ年上の彼女を“お姉ちゃん”と呼んで慕うまでになった。
雑誌モデルの撮影の帰り、エキストラとして出演したドラマのリハの合間、
そして互いの部屋で――――ふたりは本当の姉妹のように仲良く語り合い、
いつかはふたりでコンビを組んでデビューしたいね、などと夢をふくらませた。
と言うか、後日事務所の社長に聞いたのだが、実際にそんな話もあったらしい。
しかし――短大を卒業した吹石はあっさりと結婚し、この世界から身を引いてしまったのだった。
タレントとしての才能は、むしろ彼女の方があったはずなのに。
「ゴメンね、レイちゃん。でもね、私はこの人と一緒になりたいの」
「お姉ちゃん、なに言ってるの!今最高に幸せそうだよ?おめでとう、おめでとう、お姉ちゃん……」
済まなそうに――それでも幸せそうに語る吹石に、
レイコはただ彼女の手を取って祝福の言葉を贈るしかなかった。
結婚式で見せた、吹石の笑顔――――
それは、ふたりの青春時代の終わり、その象徴のようにレイコには見えていた。
その後モデルからタレントになったものの結局芽が出なかったレイコは、
リポーター等の小さな仕事をこなしながら事務所の仕事を手伝って生計を立てていた。
しかし、彼女の才能はむしろ経営の方にあると当初から見抜いていた社長は、
経営ノウハウの全てをレイコに教え込み、それを彼女が全て吸収した頃を見計らって
経営権の全てを彼女に委ね、潔く引退したのだった。
引き継いだ事務所の名前を自分の名を取って“レイ・プリンセス事務所”と変え、
社長として多忙を極めるレイコだったが、不思議と『お姉ちゃん』こと吹石との縁は切れなかった。
年賀状だけの付き合いになり、やがて自然消滅してしまう昔のなじみも多かったが、
彼女とだけは年に一回“同窓会”と称して会うのがレイコの年中行事となっていた。
なにを話すでもなく、ただふたりで過ごすだけの時間。
それはしかし、レイコにとってかけがえのない時間だった。
ふたりでいると、時が止まったように――――不思議なくらい、あの頃のままでいられたから。
§
だからこそ『小久保』と姓を変えた吹石から、
「息子が芸能事務所にスカウトされたみたいなんだけど、相談に乗ってくれない?」
と聞かれたときに、興味を持ったのだ。
事務所の名前と名刺にあるスカウトの名を聞けばレイコとて同業者、
その人物がスカウトとして目利きであり、身元も確かな人物であることはすぐに分った。
冗談交じりに「息子さんの写メを送ってくれ」とお願いしたところ、
その場で撮ったらしい、ちょっと困惑した表情の少年の画像が送られてきた。
「マサヒコ君、か………」
確かその子が小さい頃に、何回か会ったことはある。
うっすらとだが、母親似で整った顔立ちの利発そうな男の子という記憶がレイコにもあった。
断るにしてもスカウトに会うにしても、一回自分に会わせてからにして欲しいと頼んだ。
業界のツテを使って、悪いようにはしないから、と。
だが実際は、この子が有望そうならばレイ・プリンセスで面倒を見たいと思っていたのだ。
「今日の、10時」
ハンドルが、少し汗で濡れていた。自分が珍しく緊張していることに気づいた。
そして、それ以上に期待している自分に気づいて、レイコは軽く苦笑していた。
“コンコン”
「社長、小久保さんがお見えになりました」
「入ってもらって」
「失礼します………」
(ああ…………)
三瀬と一緒に入ってきたマサヒコを一目見て、レイコは心の中で吐息を漏らした。
(やっぱりお姉ちゃんに似てる……)
サラサラで鮮やかなほどの黒髪。すっと通った鼻梁。
幼さと、鋭さと、優しさと、冷たさを併せ持った吊り目気味の目。薄く整った唇―――
若い頃の吹石そっくりの少年が、そこには立っていた。
「座って、小久保君」
「あ……はぁ、失礼します」
緊張したような表情のまま、遠慮がちにマサヒコがソファに腰掛ける。
少し低めだが透明感のある、通る声だった。
「早速なんだけどフライヤーズについて話すわね。男性アイドルが多く所属している事務所で、
業界ではジャニーズに次ぐ大手よ。それは、知っているかしら?」
「いえ、初めて聞きます。そうなんですか、へえ……」
「ただ、評判そのものはあまり芳しいものじゃないわね。
裏では暴力団と繋がっているっていう黒い噂も絶えないし、
プロモーターに無理な圧力をかけたり、随分強引な営業もやってる。
タレントの育成方法にしても、人気が出なければ即切り捨てな無茶なところが多いって話ね」
嘘ではないが、100%の真実でもない。
多かれ少なかれ、どこの事務所でもそんなことはこの業界では常識の話だった。
「……怖いですね」
マサヒコは素直な感想を口にするしかなかった。
「君が大手タレント事務所のスカウトに目をとめられたってことは、
それだけ魅力があるってこと。そのことは、間違いない。私も実際君に会ってそう思う」
「………そんな、俺は普通の中学生で」
「いいえ。私もこういう世界で生きてきてね、多かれ少なかれ会った瞬間に分るのよ。
その子が最低限モノになるかどうかくらいは。だからね、君には言っておきたいの。
大手の事務所だから良いとは限らない。確かに営業力という意味では大手に敵わないけれど、
ウチみたいな小さな事務所はタレントを大事に育てる……それも、事実なのよね」
呆然と自分の熱弁を聞いているマサヒコの顔を見ながら、レイコは既に決意を固めていた。
(逃がさない……この子は、ウチでもらう)
会ったときから、感じていた。“お姉ちゃん”こと吹石の息子だから、という欲目もあるだろう。
しかし、それ以上に――レイコの勘が、マサヒコの才能を見抜いていた。
なにより、マサヒコには異性を惹きつけるフェロモンのようなものが出ていて、
しかも彼自身がそれに全く無自覚であるところがレイコは気に入っていた。
§
(癒し系のブームは終わったって思うけど……でも、
マサヒコ君みたいな美形でありながらほんわかした子の需要はまだあるはず……)
頭の中では冷静に計算していた。マサヒコは、絶対にモノになると。
まだ男性タレントを採用したことはなかったが、彼なら即戦力で使えるはずだと。
「あの……でも俺はマジで芸能界とか良く分かんないし、興味もないんですよ。
今は受験生だし、勉強の方で頑張りたいっていうか」
「うん、もちろん今は学業最優先で行くべきよね。だから高校に入ってからでも良いのよ。
一応聞いておくけど、マサヒコ君は高校に入ってから部活とか特にやりたいことがあるの?」
「………それは、まだ無いっすけど」
「ならね、自分の視野を広めるっていうか、自分の知らない世界に飛び込んでみるとか、
そういうのって無いかな?さっきも言ったけど、君には可能性があるんだから」
「……………」
「若さっていうのは、いろんな失敗をすることだって思うのね、私は。
それはウチのタレントたちにも言っていることだし。だからね、興味はないかもしれないけど、
とりあえずやってみる、それでつまらなかったらやっぱり止める。それでも良いと私は思う。
ウチの事務所の方針は学業と両立だし、部活みたいな感覚でしてもらって良いから」
「あの……でも、母さんがなんて言うか」
「大丈夫。この前冗談交じりでそんな話をしてたんだけど、全然オッケーだって言ってたから」
(!!!……って母上?ああああ、あの人はああああああ!!!)
マサヒコは、今やっと自分がハメられたことに気付いた。
「で、でも俺やっぱ向かないと思うんですよ、音痴だし、演技とか全然分らないし」
「別に歌なんて上手くなくたっていいのよ。ふふ、そうね、ちょっと待っててくれる?マサヒコ君?」
「はあ………」
少し悪戯っぽい笑顔を浮かべるとレイコはソファから立ち上がって社長室を出て行った。
しばし彼女のマシンガン・トークに押されっぱなしだったマサヒコは、ようやく息をついた。
(ふぅ……しかしまぁ……)
自分の母親と懇意の女性、と聞いていた時点で多少警戒心は持っていたものの、
レイコの押しの強さは予想以上だった。
(マズイ………このままだと……マジで)
いくら流され上手のマサヒコと言えど、このままレイコの話を聞いていけば
この事務所に所属することになるのは目に見えていた。
(さすがに……ハッキリ断らないとな、でもなんだかあの人、手強そうっつーか……)
しかしつくづく、なぜ自分の周囲にはこうも一癖ある女性ばかり集まってしまうのか―――
宿命的とも言える自らの女性運の悪さに、マサヒコは溜息をつくのだった。
「あの、社長、でも……」
「いいから。あなたにはこれから銀行に行った後で小田と合流してもらうから。
確か井戸田はトリプルブッキングと営業で5時まで帰らないのよね?」
「はあ、そうですけど……本当に良いんですか?確か今日は大切な取引先だから、
社長と私のふたりで行くって……小田さんだと、その……」
「ああ、大丈夫。あの男なら、黙って相手を睨むだけで十分だから。
今から携帯で細かい打ち合わせをしておいて。じゃ、すぐによ?お願いね?」
ドアの向こうからは三瀬と呼ばれていた社員に指示を出す、レイコの声が聞こえてきた。
話の内容からすると相手は少々戸惑い気味のようだが、
レイコはお構いなしに話を進め、すぐに社長室に戻ってきた。
「ごめんなさい、お待たせしたわね、マサヒコ君?」
「あ、いえ。そんな……あの、で、柏木さん、俺……」
「さっき音痴だって言ってたわよね?大丈夫、歌なんてすぐに上手くなる秘訣があるから……」
なぜかそう言って――ひどく獰猛な微笑みを浮かべると、レイコがマサヒコの隣に腰を下ろした。
「!?%&、3あ、か、柏木さん?」
ぴったりと身を寄せるようにレイコが座ってきたため慌てるマサヒコだが、
レイコは笑顔のまま彼の手を取った。
「うふ………ねえ、マサヒコ君?」
「は、ひゃい?」
鼻腔をくすぐる大人の女の香りと、柔らかく冷たいレイコの手のひらの感触。
事態に混乱したマサヒコは、声を裏返らせて答える。
§
「マサヒコ君って、童貞かな?」
「!“#T@−はああああああ???」
「驚かないで。大事なコトなの。ウチにとって君は大切な存在になるんだから、
キチンと情報を管理しておかないと………」
「ああ、あのですね、だから俺は」
「うふふ、でもその様子だとまだ童貞みたいね。うん、合格よ」
「ご、合格って……」
「まだ女の子の手がついてないってことは、身辺整理をする必要が無いってことだし。
あともしかしたらキスもまだなの?マサヒコ君?」
「そ、それは……」
「ふふ、完璧に真っさらな新品なのね?ますます良いわ。
じゃ、話を戻すけど、今日は早速歌唱力アップのレッスンをしておきましょうか?」
「い、いやでも、その」
“ちゅッ”
(☆◇★□▲!!!!!)
言葉を続けようとするも、いきなりレイコに唇を塞がれて驚愕するマサヒコ。
“ちゅッ………ちゅるッ”
あまりの早技にマサヒコが無抵抗なのを良いことに、レイコは好きなように彼の唇を貪った。
(薄くて……でも、すべすべして気持良い唇……この子はやっぱり掘り出し物ね……)
丹念に唇を味わいながら、レイコは自分のシャツのボタンを早くも三つ目まで外していた。
“くちゅッ、ちゅぅッ”
そして舌先を小さくすぼめると、マサヒコの口内へと強引にこじ入れた。
“くちゅ……ぐちゅ、ちゅうる”
「んッ……んっんっ、んぐぅ〜〜〜ぐッ、ぷ、ぷはああ!!!なッ、なにするんスかああ!」
しばし呆然と為すがままだったマサヒコもさすがに正気に戻り、慌てて唇を離した。
マサヒコの方を見つめて未練がましそうな表情をするレイコだが、
そのまま口の中に残ったマサヒコの唾液をくちゅくちゅと味わうように転がした。
そして―――こくり、と咀嚼するようにそれを呑み込むと、にやり、と笑って言った。
「初めてにしては上手じゃない……ふふ、やっぱり君は見込みがあるわ」
「じ、じょうずって……ちょ、ちょっと、何の真似を……」
「歌が上手くなるにはね、ブレス……息の使い方が重要なの。
それにキスを練習すれば舌の使い方も上手くなるし」
「だ、だからって!」
「あら〜〜〜?興奮してるの、マサヒコ君?うふ、大丈夫よ。さっき人払いをしたから、
もっと気持ちを高ぶらせなさい……大きな声を出す、それも、歌の練習のうちだし。
じゃあ今度は、もっと良い声を出してもらうから………」
「はぁおッ!?」
くにくに、とジーンズ越しにマサヒコの股間をまさぐるレイコ。
動転した彼が目を白黒させているのにも構わず、
白くしなやかな指先で何度もそこを絶妙なタッチで擦っていく。
「うふ……マサヒコ君も、なんだかんだ言っておちんちん、固くなってるじゃない……」
「そそそそ、それは、だって柏木さんが」
「良いのよ……男の子なら普通のことよね。んふ、じゃ……」
ぎゅぅぅうううう、と少し強めにレイコがそこを握ると、
彼女のその動きに反発するようにマサヒコのペニスはむくっ、と勃起してしまっていた。
「ち……ちょ、ちょっと」
レイコの妙技に抵抗も忘れ、ほぁ〜〜〜〜っとした表情を浮かべてしまうマサヒコ。
「こんな……30過ぎのオバサンじゃ、嫌?マサヒコ君」
そう言いながらもレイコは素早くマサヒコのジーンズのジッパーを下ろした。
トランクスの中から元気よく屹立したペニスが、ぺろん、と顔を出す。
「い。嫌とかじゃなくて……って、だから」
「こんなにおちんちん固くして、おっきくして、嫌なわけないわよね?」
「あ、あのやっぱり俺」
「うふ……でもマサヒコ君、まだぜんぶムケてないんだ?」
「う………」
§
男としては指摘されると怒るよりも情けなくなってしまうところをつかれ、黙り込むマサヒコ。
「だいじょうぶよ……君くらいの頃は、火星人で当たり前なんだから。
これからいっぱい私としていけば、キチンとムケるから。ちょっと待ってね、マサヒコ君。ホラ……」
“ぷち……ぷるっ”
レイコがシャツのボタンを外し、ブラを外す。
真っ白で、たわわに実った重そうな乳房がマサヒコの目に飛び込んできた。
“ごくっ”
思わず唾を飲み込んだ。乳首や乳曇こそやや薄茶がかってはいるものの、
三十歳を超えたとは思えない、見事な張りの乳房だった。
「うふ……ほら、私のおっぱい見て、またおっきくなってきた、マサヒコ君のおちんちん。じゃ……」
“くりゅっ”
「あ……うぁ……」
レイコの舌先の、ざらり、とした感触がペニスの先端から伝わってきた。
惚けたような声をあげ、思わずマサヒコは天を仰いだ。
“ちゅっ……ちゅむっ”
ほっそりとした指でペニスの根元をきゅっ、きゅっ、と軽く絞るように挟み込みながら、
レイコはマサヒコのペニスに啄むようなキスを続けていく。
“くちゅ……くに、くり”
そしてキスを繰り返しながら、爪先で傷つけないようにゆっくりとマサヒコの包皮を剥いていく。
「あ……う……あ………」
わずかな痛みと、くすぐったいような、痺れるような快感。
レイコの舌先に弄ばれながら、徐々に徐々にマサヒコの亀頭が顔を現し始めた。
「あ……は、ムイちゃった……マサヒコ君の、おちんちん」
「はぁ……か、柏木……さん」
「レイコで……良いわ」
「レイコさん……俺、俺……こんなの……」
「良いから。全部……私に、任せて」
“ぢゅぷっ”
レイコは顔を出したばかりの、ピンクの亀頭を口に含んだ。
「あ………あああ……う」
ぬるぬるとして、どろどろとして、ねっとりとして―――柔らかで、弾けるようで、溶けるようで―――
ペニスの先から全身へ、ぶわりと広がる快感に、身を仰け反らせるマサヒコ。
“ず……ぢゅぼっ、ちゅうっ、ちゅっ”
マサヒコのペニスの熱さを感じながら、
レイコは自分自身も身体の芯から熱くなっていることに、ひどく戸惑っていた。
(あ………んふくぅ……凄い……こんなに、私まで興奮するなんて)
タレント時代も、事務所の社長となった今でも、
芸能界という過酷な世界で立ち回るために、仕事を取るために。
相手に求められれば、レイコは持って生まれた自分の美貌と肉体を利用することも厭わなかった。
ただ、そんな相手と肌を合わせるたび、身体を重ねるたび―――
彼女は、酷く自分が磨り減っていくような気持ちになり、
その気持ちを忘れるためにセックスに対してどんどん無感動になっていった。
元々自分はセックスに対して淡泊だったのだし、それで仕方ないとも思っていた。
だが―――レイコは今、親友である人の子供のペニスをくわえながら、
久しぶりに自分のそこが熱く潤ってきていることに気付いて、驚いていたのだった。
“すっ”
マサヒコのペニスを舐め続けながら、左手をショーツの中へと伸ばした。
“ぐぢゅ……”
(あ………)
やはりそこはしっとりと潤い、指先からの感触で分るほど、下着もべっとりと濡れてしまっていた。
(………どうして?お姉ちゃんの、息子さんだから?大事な、私の……
一番、大切な人の子供だから?だから濡れているの?なぜ……)
分らなかった。混乱しながらも気持ちを高ぶらせたレイコは、
マサヒコのペニスを口に含んだまま、指先で自らのそこを弄り続けた。
“ぷ……ぷちゅ、ぴちゅ、ぐっ……ぐ、にっちゅ”
§
「んっ……んっ、んむ」
「あ……ああ……あ、あ」
マサヒコの眼下には、目を閉じてペニスを貪るレイコのとろん、とした表情。
そして彼女が頭を揺らしてペニスを口でしごくたび、
しっとりと汗ばんだ白く大きな乳房がぷるぷると震える。
いつの間にかレイコは下着を膝まで下ろし、
指先をその中に突っ込んでくちゅくちゅ、と湿った音を響かせていた。
(う……うわ……ダメだ……もう、が、我慢できね……エロすぎる)
普段クラスの男子に“仙人”と称されるほどそちら方面に疎いマサヒコだが、
ここまで淫靡なシチュエーションの中では最早歯止めがきかなくなっていた。
“じゅっ、じゅぷ……ぐにゅう”
「あ……ああ、ダメだ……れ、レイコさん、俺……」
“びゅ!!びゅうう、ビュッ、びゅ!”
童貞の悲しさ、レイコに予告する余裕すらなく射精してしまったマサヒコ。
“ぶじゅ、るぅううう”
一瞬驚いて目を大きく見開いたレイコだが、すぐに表情は淫蕩な微笑みへと変わった。
ペニスから溢れ出る精液を、喉の奥で受け止めてずるずると吸い出す。
「んっ、うんっ……ん、ふふふ……やだぁ〜〜〜、マサヒコ君たら」
「あ……あの、レイコさん、すいません、俺……が、我慢できなくて……」
「射精したばっかりだってのに、まだ全然おっきくてかたい……そんなに溜まってたの?」
「あ……それは、その、いや、環境が、その……」
「?」
まさか日々女子大生家庭教師や同級生に囲まれて溜まっているとは言えず、マサヒコは言葉に詰まった。
「うふ……それは、いっか?じゃ、その溜まってるのを、私がいっぱい出してあげるからね?」
「あの、もう、俺……」
「いいから……次は私も気持ち良くさせて……」
ソファの上にマサヒコを押し倒し、レイコはペニスを握って自分の裂け目へとあてがった。
“ず……ずるぅ”
「あ……入ってきた、マサヒコ君の……あ、いい……」
自分の中に侵入してきたマサヒコの肉棒の熱さと固さに、思わず声をあげるレイコ。
「だ、ダメですよ……そ、そんな、に、妊娠したら」
「あら〜〜心配してくれるの?エライエライ、やっぱり男はフェラニストじゃないと。
モデルにしてもタレントにしても、思いやりは大切なことよ。やっぱり君には才能が……」
「じ、冗談言ってる場合じゃなくてえ!!!」
「大丈夫。私ね、赤ちゃんができない薬を飲んでるから。だから生で思いっきり……」
“ぐり……ぶにゅ、ずちゅ”
騎乗位の状態で、自分の思うまま腰を振りまくりながら―――
レイコは、ようやく自分の気持ちに気付いていた。
(分った……私は………私は、お姉ちゃんが羨ましかったんだ……)
親友であり、姉と慕っていた吹石。だが彼女は、自分の幸せのためにこの世界から去っていった。
そのときの感情を、レイコは思い出していた。寂しかった。
それ以上に―――裏切られた、と思ったのだ。一番大切な、彼女に。
祝福の言葉を口にしながら、本当はそう思っていた。
“じゅ、ぢゅごっ、ずるっ……ぐちゅっ”
「あ……あ、ああ……れ、レイコさん……」
恍惚の表情のまま激しく腰を振るレイコに、マサヒコは切なげな声で応えていた。
そんな彼の表情を満足げに眺めて――唇を、重ねた。
(初めは……この子に女の味を覚えさせて、事務所に入らせるつもりだった。
でも、もう逃さない。この子は、私のものにする……ずっと、ずっと)
暗く黒い歓びに心が満たされていく自分に、気付いていた。
「あ!ああ!!レイコさ……ん!!」
マサヒコが、甲高い声をあげる。レイコの膣内に、熱くどろりとした液体が溢れるのが分った。
(逃がさないわ。あなたは……私のもの)
小さく呟いた、レイコのその声は、マサヒコの耳に入ることは無かった―――
END
今回は以上。
でですね、ちょい面倒なんですが、前スレの
>>617−622は文末に
<→後編あかほん保管庫へ>
と付けて頂いて、「スタア誕生 前編」というタイトルで濱中保管庫へ、
今作は「スタア誕生 後編」であかほん保管庫に収録願います。
なんだか最近お手数ばっかおかけしてスイマセン>>古田監督
しかしもう二年。早いんだか遅いんだか。
まだまだアイデアだけで書きたいものはいっぱいある、
引退が当分先になりそうなポンコツとしては(苦笑)二周年って感慨深いものがありますよ。
休筆中の職人諸氏のいつかの復帰を切に願いつつ、では股。
祭りじゃ祭りじゃあ!
GJ! (*´Д`)=з
こんばんは、そらです。ピンキリ氏、郭氏GJです。作ってたらいつの間にか
祭り状態でビックリです。
勢いに乗じて自分も投下。「しすたぁちぇんじ! IF3 妹はアキ」です。どぞ〜。
「んっ……む〜……あふぅあ…」
頭がフラフラする。意識もまだ混濁してる。数秒ほどベッドの上でぼけーっと時間を過ごす。
「今何時だ?」
俺は枕元に置いてある携帯を手に取る。時計は10時20分を表示していた。ただし、曜日はSUNDAY。
つまりは日曜日だ。学校などあるわけがない。
「起きるか。あいつ、ちゃんと起きてっかなぁ。」
俺はベッドから出ると、部屋を出てリビングへ向かう。俺の部屋は二階で。一応階段で転げ落ちないように
気をつけて歩く。以前、寝惚けて落ちたことあるしな。トントンと階段が音を立てる。
一階へ降り、リビングのドアを開ける。中は全くの無人。太陽の光だけがフローリングを照らしている。
「……出かけたか?」
俺はそのまま体を翻し玄関へ。両親が仕事で家に居ない我が家は玄関に置いてある靴もすくない。
玄関には、俺の靴が一足。そして、俺と二人で住んでる妹の靴とサンダルが一足ずつだけだった。
「何だ、家から出てないって事は……まだ寝てやがるのか。」
俺は再びトントンと音を立てながら階段を上り、俺の正面の部屋のドアの前に立つ。
トントントン。と、3回ノック。
「アキー。起きてるか〜?」
中から返事はない。もう一度ノックするが矢張り反応はない。
「やれやれ……入るぞ〜!」
ガチャリと音を立てて妹に部屋のドアを開ける。中は女の子の部屋にしては、随分と素っ気無いと言うか。
随分アッサリした部屋だ。因みに、部屋自体はよく出入りしてる。でもまぁ、一応ノックとかは礼儀みたいな
もんだろう?16歳なんて年頃の女の子だしな。その年頃の妹はベッドの上で、だらしなく布団を蹴飛ばして
眠っていた。昨日は秋にしては若干暑かったせいかタンクトップに短パンと随分薄着で寝ている。
16歳にしては成長しすぎてる胸を見ると思わずドキリとする。俺は首を振って雑念を振り払うとアキを揺すった。
「やっぱりまだ寝てやがったか。おい、アキ。起きろ〜。ア〜〜〜キ〜〜〜!!」
「んん〜……ふわぁ……ん〜〜……あー、おはよう兄ちゃん。」
ゴシゴシと目を擦りながら妹、アキがようやく目を覚ます。色素の薄い短い髪が寝癖で所々跳ねている。
「おはよう。もう10時半になるぞ。今日の昼の当番はお前だろう?」
アキは未だにボケーッとしながら携帯を手に取る。しばらくカチカチ操作すると、ようやく半開きな目が開かれる。
「あー、もうこんな時間かぁ。朝昼兼用でいいよね?」
「ウチは何時もそうだろうが。」
ウチは両親がいないせいで、御飯の用意は交代制にしてある。もちろん、俺だって料理くらいするさ。
「炒飯でいいかな?冷御飯あるし、卵もあるし……あ、このお肉使ってちょっと豪勢にしようかな。」
「何でもいいよ。てか、お前炒飯好きだな。」
アキが当番の日はやけに炒飯が多い気がする。いや、実際多い。週に二日は炒飯食べてる気がするし。
「ん〜、私料理得意じゃないからねぇ。簡単に作れるものしかできないし。」
アキが台所で御飯をレンジで温めつつ、卵をかき回している。俺はテーブルに座り新聞でも読みながら
炒飯の完成を待っていた。
「得意じゃないって言ったって、一応二日に一回は作ってるじゃないか。」
「手先が不器用なんだよね、私。裁縫とかも苦手だしね。」
「やれやれ……手料理は基本だぞぉ?彼氏に作ってやったりしろって。」
「彼氏なんていないの知ってて言うかな、兄ちゃんは。」
ジャッジャッジャッと米を炒める音が聞こえる。今頃米が踊ってるんだろう。段々と香ばしい匂いが漂ってくる。
「あ、兄ちゃん。悪いけどサラダ作ってくれない?レタスあるから千切って盛り付け。」
「それは作ると言わないんじゃないのか……?」
俺も差し当たってする事はないので、台所で置かれたレタスを千切って更に盛り付ける。コレだけだと余りに
寂しいので、冷蔵庫からトマトを取り出して切って盛り付ける。うん、幾分マシになったな。
「ほい、完成。サラダは兄ちゃんが運んできてね。」
アキが炒飯を更に持って、スプーンを乗せてテーブルに持っていく。俺は適当にドレッシングをぶっかけて箸を
添えてテーブルに持っていく。今日の朝昼飯、炒飯。サラダ。以上。う〜ん、シンプルと言うか何と言うか。
「アキは今日は出かけないのか?」
俺は炒飯を口に運びながら言う。うん、ちょっとした焦げ目が逆に美味しい。スパイスの効き方も良。
しょっちゅう炒飯作るだけあって、炒飯は完璧のようだ。
「ん〜、みんな今日は予定あるっぽいからね。家でゴロゴロかな。兄ちゃんは?」
「俺も同じだな。しっかしまぁ、相変わらず兄妹揃って寂しい休日だな。」
「私は別に暇なら暇でいいけどね。テレビ何かやってなかったかなぁ。」
アキがリモコンでピッピッとチャンネルを変えていく。実に何時も通りの休みの日の昼だった。
3時頃。俺がリビングのソファーで昼寝をしているときだった。ユサユサと体が揺さぶられて目が覚めた。
「兄ちゃん、ゲームしよ。ゲーム。暇っしょ?」
「ん〜……ふぁああ〜〜〜……そうだな。何するかな。」
俺は体を起こし、目を擦る。アキは変わらずタンクトップに短パンと刺激的な格好だ。
「アキ、寒くないか?それ。それにお前、男の前でそんな格好すんなって。」
「ん〜?今日はまだ少し暑いし。それに男の前ったって兄ちゃんじゃん。さ、やろやろ〜。」
昔から、アキは少し男の子っぽかった。今だって髪はその名残でか短い方が好きみたいだ。一緒に男の
遊びしたりしてたが、今ではそうもいかない。アキも今じゃ立派に女の体な訳だ。胸だって、同年代だと大きい
方だし、顔だって随分女の子らしく可愛くなった。兄馬鹿と思われるかもしれないが、彼氏が居ないのがオカシイ
くらいだ。そんな子が薄着だと例え妹でもドキドキするのが男のサガだろう。
「んじゃあ、先ずは格ゲーでもやろっか。最近昔の漫画のゲーム化多いよね〜。」
アキがセットしたのはドラゴ○ボールだ。確かに、昔のバトル漫画のゲーム化が最近は多いよなぁ。
アキはクッションを枕代わりにうつ伏せでテレビの方を見ている。クッションでフニョッとなったアキの胸に
思わず釘付けになる。良く見れば、タンクトップのせいで青の下着も少しだけはみ出てる。
「ほらほら、兄ちゃんも早く選んでよ。私は先ずはヤ○チャでいくから。」
アキの声に慌てて目を逸らし、ゲームを始める。ちなみに、俺もアキも格ゲーの時は、ダメージを貰うと思わず
「いてっ!」とか言ってしまう派だ。しばらく格ゲーをやると、次はシューティング、落ちゲー……とまぁ、適当に
ゲームを変えていき最終的にはレースゲームに回ってきた。
「ふぅ〜……そろそろ晩御飯の時間だね〜……そうだ、兄ちゃん。賭けしない?次のレースで勝った方が
負けた方に何でも命令できるの。」
「お前、晩御飯作りたくないだけじゃないのか?」
「あれ、ばれた?いいじゃんいいじゃん、兄ちゃんが勝てば私を自由にしていいんだし♪」
自由に?思わず脳内に破廉恥な映像が流れ込んでくる。多分、鼻の下が伸びてた気がする。
「じゃあ、勝負は一回ね。せっかくだからロングコースで勝負しよっか。」
アキが選んだのは一番長いコースだった。車を選び、精神を集中させる。賭けはともかく俺も負けるのは好きじゃ
ない。シグナルが赤から黄色、そして青に変わる。瞬間、俺とアキの車が飛び出した。
ちなみに、格ゲー同様俺もアキもコーナーではついつい体を曲げてしまう派だ。
「私今日はカレーが食べたいな。」
「それはお前が勝ってから言うんだな。」
一進一退の攻防が続く。ショートコースなら決していただろうが、残念ながらロングコースだ。どれくらい画面に
見入っていただろうか。最終的に一位でゴールしたのは俺の車だった。
「ああ〜〜!!!後ちょっとだったのにぃ……はぁ、晩御飯かぁ。」
「まだまだ甘いなアキ。そういう訳で、御飯の担当は変わらずだな。そんで……賭けしてたよな?」
アキがハァと溜息をつく。よほど晩御飯が作りたくなかったのだろうか。
「まぁ、約束は約束だしね。何して欲しい?あまり無理じゃないのなら何でもいいよ。」
アキが言う。何して欲しい……か。俺はアキを凝視する。上から、短いが色素の薄い髪。少し男の子っぽい
が充分可愛らしい顔。すでにかなりの成長を見せてる胸。反して細い腰。情けない事に、俺はそんなアキに
欲情したのだろうか。とんでもない事を言った。
「じゃあ……アキの胸見せて欲しい。」
「……え?」
言って後悔した。どうしてこう、人間てたまにとんでもない事を言ってしまうんだろうか。
「いや、今のはちが…」
「……いいよ……」
ん?今何て言った?俺の聞き間違いじゃないなら、いいよって言わなかったか?
「ごめん、もう一回。」
「うん、兄ちゃんならいいよ。ちょっと待ってね。」
アキがタンクトップの裾に手をかける。顔が真っ赤なのを見ると恥ずかしいんだろう。そして、それを持ち上げる。
アキの細い腰とお腹が露になり、そして再び隠れた。やっぱり恥ずかしいんだろう。元々無茶なお願いだ。
そう思っていると、アキは何故かリビングのカーテンを全て閉めた。電気をつけてないせいか、妙に暗くなる。
「兄ちゃん以外には見せたくないから……あ、でも……あんまりジロジロみないでね?」
アキはそう言うと、再びタンクトップを持ち上げ、今度は全部脱いだ。アキの青のブラと胸の谷間が
目の前に現れる。俺の股間に血液が一気に凝縮されていくのを感じる。
「兄ちゃん、ブラも……とる?」
「へ?ああ、まぁ…嫌じゃなければ。」
アキは小さく頷くと、手を後ろに回す。カチンとホックを外す音がする。そして、少し躊躇った後にブラを外した。
アキの胸は綺麗だった。もちろん大きい。だが、ただ大きいだけじゃなく、何て言うか大きさとかハリって言う
のかな。細かい事は分からないけど、ただ一言で言えば綺麗だった。
「ひゃあ…にいちゃん……」
俺は思わずそのアキの胸に触れる。フニッとした感触が手に伝わる。アキの体温が伝わってくる。両手で
アキの胸を包む。と言っても、手には収まりきってないが。そして、ゆっくりとアキの胸を揉み始めた。
「んっ……ダメだよ兄ちゃん。見るだけ……じゃないの?」
「嫌なら殴ってでも止めさせればいいよ。」
「嫌じゃない……けどさ。」
徐々にアキのピンクの乳首が起き上がってくる。アキの顔も紅潮してくる。俺は起き上がった乳首を軽く
摘んでみた。
「あんっ!!」
アキがビクッと体をくねらせる。俺はその仕草と声に益々興奮を隠し切れなくなる。股間が痛い。ジーンズの
狭い空間では勃起したペニスを遊ばせるスペースなんてある訳がない。俺は一度アキの胸から手を離すと
ジーンズを脱ぎ、トランクスまでも脱ぎ去った。
「兄ちゃん?」
「いいかな、アキ。」
俺は勃起したペニスをアキに見せ付ける。アキはただ、俺のペニスに見入っていた。
「いいかなって……どうすればいいの?」
「そうだなぁ。じゃあ、先ずは握ってしごいてみて。」
アキが恐る恐る俺のペニスを握る。それだけでも俺の背筋がゾクゾクとするのを感じる。アキがこれでいいの?
って、目で俺を見ながらペニスをしごく。すでに亀頭の先からは透明な先走り汁で出ていた。
「はぁ……じゃあ次は舐めてみて。出来るか?」
「ん……やってみる。」
アキがフゥと少し深呼吸してから意を決して俺のペニスを口に含んだ。咥えた瞬間歯が当たって少し痛かった
が、快楽のほうがそれより遥かに勝っている。アキは俺のペニスの先をチロチロと下で舐め回す。俺はその
快感に思わず腰が引けてくる。自慢じゃないが、俺は童貞だ。まさか、フェラがここまで気持ちいいなんて
全く知らなかった。ちゅぷ、ちゅぽっとアキの口から音が漏れてくる。アキも恐らく初めてではあろうが、
聞いた知識だけで懸命の俺のペニスを舐めていた。アキの髪を触る。アキの髪は短いながらもキチンと手入れ
されており、サラサラと俺の手の中で流れていった。
「ん……兄ちゃん、くすぐったいよ。」
アキがペニスから口を離して言う。彼氏もいないし、髪も短いから撫でられ慣れてないんだろうあ。
「ははっ、アキの髪が綺麗だからさ。フェラはもういいよ。最後に……挟めるかな?」
「挟むって胸……だよね?当然ながらした事ないんだけど。」
「大丈夫、俺もされた事ないから。」
「大丈夫な要素が全くないよ、もう。」
アキは笑いながら言う。そして、アキの唾液で薄っすらと光沢を放つ俺のペニスをその胸に挟みこんだ。
「やっぱりアキは胸、大きいよな。」
「私はそんなに好きじゃないけどね……この胸。でも、兄ちゃんが喜んでくれるならいいかな。」
アキは挟んだ胸を上下させる。が、イマイチ滑りがよくない。
「アキ、唾垂らしてみて。滑りがよくなると思うから。」
アキがコクリと頷いて、ペニスと胸の間に唾液を垂らす。そして再び胸でしごくと、さっきまでと打って変わって
滑らかに滑る。ぐにゅっ、ぬちゅっ、くちゅっと音を立てながら俺のペニスがアキの胸に挟まれてしごかれる。
「んっ……合わせてみよっか。」
アキが俺のペニスをしごきながら、舌で亀頭をペロペロと舐める。一気に俺の性的興奮がマックスまで
駆け上っていく。それくらいにアキのパイズリは気持ちいい。段々と速度が上がっていく。アキも
徐々に息遣いが荒くなっていっている。懸命に胸を上下させ、滑りが悪くなれば唾を垂らしペニスを舐める。
その献身的な姿が俺の心にジャストミート。
「うあ、やべ……アキ……あ、出る!!」
俺はそのまま精液を発射した。アキの顔と胸に俺の白濁液が大量に降りかかる。
「わぁ!?すご……こんなに出るんだ……うえ〜、生臭いよ兄ちゃん。」
アキが俺の精液の匂いに顔をしかめる。まぁ、気持ちは分からなくもない。
「へへっ、でも……兄ちゃんの……せーし……」
「わりぃ、自分でもビックリするくらい出ちまった。」
俺はアキの髪を撫でる。髪にかからなかった分幸いと言えるんじゃなかろうか。アキは俺の精液を伸ばしたり
して遊んでいた。
「ほれ、買い物は俺が言ってくるからシャワー浴びておいで。何なら、一緒に入って洗ってやろうか?」
「ん〜、今日の兄ちゃんはエロイから一人で入るよ。洗うだけじゃ済みそうにないし。」
アキがジト目で俺を見ながら言う。あらら、読まれてました。でも次の瞬間、アキは俺に抱きつきキスをした。
「んっ……私だって女の子だからね。初めてがお風呂は味気ないから。今度また……ベッドの上でね。」
アキはそう言って、もう一度俺にキスをすると浴場へ向かっていった。俺はただポケーッと棒立ちになっていた。
ああ、やっぱり。何だかんだ言ってもアキは女の子だなって。そう思ってしまった。
END
以上です。誤字脱字は補完お願いします。後何故か改行が随分変になってる
けどお気になさらずに。
「兄」はシンジとは全く書いてないのでご自分を当てはめて妄想してお楽しみ
ください。次回はカオルの予定。では。
郭氏にそら氏、乙&GJ!
GJ!!!!
だけどGOOD JOBではないぞ。
GOD JOB!!!!
祭りの日とか決めとかないか?
その方が職人さん達の準備期間の目安にも良いだろうし
103 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 19:42:15 ID:NCBwBppf
素晴らしい…皆様GJ!!!
>ピンキリ氏
ツンデレ巫女アヤナ(*´Д`)ハァハァ…
>郭氏
自分的に予想外の展開でした!!そしてエロ過ぎる…この続編も読んでみたい
>そら氏
こんな妹が欲すぃ…ナチュラルパイパンカオルにも期待!!
偶然だろうけど本日投下のピンキリ氏郭氏そら氏の三作で「濱中」「あかほん」「妹」全てカバーしてますな
ペピトーン氏まで含めると「ひまわり組」までも!!!!!!
いやぁ皆様GJです!特にアイドル化の話は自分も続きが読みたいっす
社長エロいよ社長
俺も続編キボンヌ
遅れましたが皆様超GJ!!
長時間氏に戻ってきてほしい俺が居る
だってさあかほんのキャラ氏のSSと似てるじゃん
今週の新キャラといい
>>108 だよな。
あの人実は氏家だったんじゃないかと思う程カブってるよ、いろいろ。
今週の新キャラが業界の上下関係に厳しかったり、グラサンかけてたり。
長時間座っていると腰にくるって漫画を描いてるからじゃ…
職人の詮索はやめた方がいいよ。荒れるだけだから。
書きたい人が投下し、読みたい人が読む。気に入らなければスルーする。それだけのことさ。
あかほん井戸田→レギュラー
カテキョ豊田→準レギュラー
いもうと坪井→行方不明
氏家二十代男性キャラの悲しき差
マイ可愛いなぁ
やさぐれアイドル(・∀・)イイ!!!
マイ(*´Д`)ハァハァ
小池と言えば郭氏のアヤナレイプ未遂SSの反面教師と同じ名字だったな
あれは名作だから一度読むことを奨める
>>116 あの作品は好きだけど最後のオチだけは苦手だ
幾ら相手がDQNでも自分も同じことしちゃいかんでしょ
>>117 保管庫にある郭泰源氏の「ずっとずっと・・・」って作品の事だと思う
俺は未遂だとしても無理矢理なシチュはあんまり好きくないな
思えば今まで数多の作品が投下されたわけだがみんなの一番のお気に入りってどれだい?ああ、こういう話題はアウトだったかな?
好きなのを言う分にはいいんじゃないのかなあ
それで下手に職人マンセーしたり格付けとかしずに、だだ俺は●●が好きだったな〜程度ならいいのでは?
だな、比較はNG。お気に入りベスト10みたいなのはOKだと思う。
集計はしないほうが良さそう。
集計=格付けになっちゃったりしない?
淡々と好きな作品をあげていけばいいんじゃない?これ面白いからオススメ〜みたいな感じでさ。
何にしても、スレが生きてるときにやるこっちゃねーな。
職人さん方が投下しづらくてしょうがないだろ。
スレ終盤で埋め代わりにやるか、じゃなきゃ投票所か格付け板あたりにスレ立ててやるべきだ。
堅苦しく考えすぎる必要もないと思うが
まぁ注意してても荒れる原因になるので、次スレ立った後の埋め時で十分だろう
前スレも埋まってねーけどなw
じゃあ、好きな作品については前スレへ
卑猥しりとり……
俺、さっき間違えて最後「ん」にしちゃって終わらせちゃったんだわww
しっかり続いてるぞw
131 :
129:2006/09/29(金) 17:28:54 ID:Blo070Nc
アヤナが家の鍵を落としてマサの家出一晩過ごすって話はどれでしたっけ?
>>132 518氏
確かノータイトルだったから自分で探すしかないよ
さぁ週末の夜ですよ
>>135 おれは134じゃないけど、妄想はいくらできても、文章には出来ないんだよ。
エロに限らず文学的な才能0。中学位から何度も試したのでもう絶対無理。悲しい・・・。
まぁマターリしましょ
じらしプレイ
ビクビクッ
518氏は元気だろうか…
さすがに勢いが小さくなりつつあるな。
全盛期がエグすきたんだよw
祭でもないのに一週間ほぼ毎日誰かが投下なんて、正直おかし杉
昔は昔、今は今ということで、まったりとした流れもいいもんですよ
ではミサキ姐さんにまったりカレーを作ってもらおうか
今回の埋めしりとりはなんか凄いな
元気です。
かてきょでマサ×アヤナです。
20ほど。
エロは……どうだろう?あるけど相変わらずあんまエロくない。
っと、書き忘れ。
設定は三年目の冬あたりです。
「素敵な眺めね」
ワイングラスを片手にアヤナは窓の外を眺める。
高級ホテル最上階のロイヤルスイートから眺める夜景は文字通り絶景。
「ねえ、あなたもそう思うでしょ?」
振り返った先には、マサヒコ。
彼は何も言わない。
構わずアヤナは続ける。
「まるで私たち二人の新しい門出を祝福してくれているようで……とっても素敵な眺め」
微笑み、グラスの中の液体を飲み干す。
「あなたも飲まない? 味は保証するわよ」
マサヒコは答えない。
構わずアヤナは続ける。
「そう。そうね。こんなもの、いつでも飲めるものね。大事なのは……今という時だから」
アヤナはマサヒコに近寄る。
「あなたと二人で、歩んでいく道。二人で手を取って、歩いていく道。
今日はその出発点に立つ記念すべき日。
そんな善き日をアルコールでうやむやにするなんてもったいないものね」
そう言って、マサヒコに抱きつく。
「愛してるわ、小久保君……ううん。あ・な・た、と呼ぶべきかしら」
微笑む。
満面の笑み。
見るものを、とろけさせる微笑。
しかし。
マサヒコはアヤナの肩をつかみ、半泣きでその体を揺さぶる。
「若田部……帰って来いって!」
「……何を言ってるの?」
「現実から逃げるなよ。つーか俺一人残されてどうしろってんだよ?」
「小久保君も……こっちに来れば楽になるわよ」
「いや、楽にはなるかもしれないけどそりゃまずいって。
つーかワイン飲むなよ。未成年だそ、俺もおまえも」
「何を言っているの? 私たちはもう成人して、両親の薦めで結婚するんじゃない」
「まだ二人とも中学生だっての! 現実逃避したい気持ちはわかるが帰ってきてくれ若田部!
このままだと目論見どおりになっちゃうだろーが!」
小久保マサヒコ、15の冬に人生の冬(ある意味春)に遭遇。
パートナーの若田部アヤナは頭ん中が春になっちゃってるし。
マサヒコ、久々にガチのピンチ。
・
・
・
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BEFORE 48:00:00
BEFORE 47:59:59
BEFORE 47:59:58
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・
・
「あの子って……男の子が好きなのかしら?」
「……」
愛する妻の言葉に彼は一瞬固まった後、何事もなかったかのようにウイスキーを飲み干す。
そして視線で妻に先を促す。
「あの子ももう15歳。エッチな本とか持っててもよさそうなのに一冊もないのよ。
思春期よ? 一番女体に興味もつ年じゃない? ねえ?」
同意を求められたがあえて無視した。
「だから女の子よりも男の子の方が好きなんじゃないかな〜って」
「そんなことないだろ」
「でもミサキちゃんのことだってあるし」
唐突にご近所の娘さんの名前が出てきて眉をひそめる。
「ミサキちゃんがどうかしたのか?」
「ほら、ミサキちゃん好き好き光線だしまくりなのに全然気づかないでしょ。あの子は」
「……」
知らなかったと心の中でつぶやく。
代わりに納得した。
どうやら息子は自分に似たらしい、と。
「あの子が男の子連れてきて「母さん、これが俺の恋人です」って言ったらどうしよう?
ぶっ飛ばしたほうがいいかしら?」
「やめておけ」
「ふーぞくにでも連れて行こうかしら?」
「もっとやめておけ」
「いっそ私が女の素晴らしさを手取り足取り腰取り」
「心底やめておけ」
息子をふーぞくに連れていこうとする母。
息子の筆おろしを試みる母。
どっか間違っている。
しかしそれもすべては息子を想うゆえ……………だと思いたい。
「もう! あなたももっと真剣に考えてよ。大切な一人息子のことなのよ!?」
「そうは言われてもな」
彼は腕を組んで唸る。
「あいつは私に似たんだろう。私もその時期、異性にそれほど興味はなかったからな。
だがまあ焦る事はない。ほんとに好きな子ができたらそーいうことにも興味をもつようになるさ」
「好きな子ねぇ」
それでもまだ納得が行かない様子だったので、
「何なら見合いでもさせてみるか?」
「あ、それいい」
「……」
つい余計な事を言ってしまって「しまった」と思った。
うっかり彼女のツボをクリティカルヒットしてしまった。
「お見合い、いい。させましょう! 面白そうだし!」
「い、いやしかし相手が……」
「あてがあるから「お見合いさせる」なんて言ったんでしょ?」
「う……」
確かにあてはある。
彼は某大企業の秘書室長をしており、かなり顔が広い。
取引先の重役が娘のお見合い相手を探していると言っていたのを
思い出してしまったからつい言ってしまったのだ。
「じゃあ相手に連絡しておいてね。日取りは……あさってがいいわね」
「早いな」
「善は急げよ。あ〜楽しみだわ〜。とりあえず明日あの子の服を買いに行かないと」
「……」
浮かれる妻の姿を見ながら、彼は天を仰ぐ。
そう言えばちょうどこの上は息子の部屋だ。
「すまん、マサヒコ」
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・
・
BEFORE 4:00:00
BEFORE 3:59:59
BEFORE 3:59:58
・
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・
・
・
「すご……」
マサヒコはホテルを見上げうめいた
「ほんとにこんなとこで食事するの?」
「そうよ。だからそれなりの格好もしてるでしょ?」
マサヒコは昨日買ってもらったばかりのスーツ姿。
髪も美容院に連れていかれてばっちり決まっている。
「ん〜。こうしてみるとわが息子ながらいい男ね♪」
母親は彼のそんな姿にいたくご満悦で、抱きついてみたり頭を抱きしめたりと浮かれまくっている。
そんな彼女自身もぴしっとフォーマルな出で立ちだ。
「母さん浮かれすぎ」
「そ〜お〜?」
「……父さん」
「なんだ?」
「母さんのうかれっぷりも気になるけど、
父さんのその売られてく仔牛を見るような目も気になるんだけど」
見たことあるのか?売られてく(以下略)
「マサヒコ……こんどPSP買ってやろう」
「な、なに急に? まさか俺ほんとに売られるの?」
「当たらずとも遠からじ」
「と、父さん!?」
「母さんには逆らえないからなぁ」
「父さん……俺、死なないよね?」
「ある意味死ぬことになるやも……いや、言うまい」
「言ってる言ってる。言ってるよ父さん」
「マサヒコ、人生は絶えることなんだ」
「字が壮絶に間違ってる。「絶」えてどーするんだよ。「耐」えないと」
「……「耐」えきれず「絶」える」
「父さん……俺、ホントにどうなるの?」
「…………こんどニンテンドーDS買ってやろう」
「……」
何がどうなるかはわからないが。
「まあいいさ、腹を括るよ」
「それがいい」
「……首は括らなくてもいいよね?」
「……」
父はなにも言わなかった。
アーメン。
・
・
・
BEFORE 3:50:00
BEFORE 3:49:59
BEFORE 3:49:58
・
・
・
「お見合い……」
「そう。お見合いよ。」
うれしそうに廊下を歩く母。
ホテルに入ってようやく今日の本当の目的を聞かされたマサヒコは……正直ほっとした。
お見合い。
結婚を決めるために他人の計らいで見知らぬ男女が顔をあわせ相手の様子をうかがうこと。
「お見合いか……そっか」
よかった。
人知の及ぶ範囲だ。
いろいろ突っ込みたいこともあるが、とりあえずよしとしよう。
「お見合い……なんで?」
よしとはしてもわけは知りたい。
マサヒコの言葉に母が答える。
「だって、あんたが男連れてきて「これが俺の恋人です」って言われても困るし」
「は?」
わけがわからず、マサヒコは父を見る。
父はなにも言わず首を振る。
「だから少しでもあんたの女性交友関係を開拓しておこうと思って」
「いや、それはもう正直お腹いっぱいなんだけど」
濃ゆい女性交友関係を構築しているマサヒコからすればもうご勘弁といったところだ。
母もそれは予想していたのだろう。
あっさり「知ってる」といった後さらに続ける。
「でもこれはお見合いよ? お見合い。
お見合いするってことはとーぜん相手も出会いを求めてるのよ?
だったら恋愛関係にも入りやすいじゃない」
「……お見合いって、たしか結婚を前提にするから、
ずるずる付き合うのってまずいんじゃなかったっけ?」
なかなか博識なマサヒコの言葉に父が頷く。
「確かにそうだな。相手に失礼にあたる」
すると母はあっさり言う。
「でもマサヒコまだ結婚できる年じゃないし」
「じゃあなんでお見合いさせるんだよ!?」
「それはおもしろそ――ゲフンゲフンッ……さっきも言ったようにあんたのためよ」
一瞬本心が見えた。
マサヒコは父を見た。
父はマサヒコを見てくれなかった。
そりゃないぜ。
「ところであなた」
そんな父子の複雑な胸中など露知らず、母の明るい声。
「お見合いの相手って誰なの?」
「ああ。取引先の重役の娘さんだ。
なんでも最近娘との会話で「おねえ様」という単語が出てきて危機感を持ったらしい」
「あら、うちと同じね」
「「違うと思う」」
「似たようなものよ」
少なくともマサヒコは一言も「お兄様」とは言った事はない。
が、母にはそんなこと関係ないらしい。
「それで、ほかには?」
「まあとりあえず相手の娘さんもまだ未成年だし。
すぐ結婚ってことじゃなくてとりあえず男性交友関係の構築が目的だそうだ」
「ますますうちみたいね」
「……そうだな。まあそんなところだ」
いろいろあきらめた感のある父。
まあ何はともあれ。
マサヒコはこれからお見合いをしなければならない。
これは小久保家の chief operating officer いわゆる最高執行責任者による決定事項だ。
しかしこれはそれほど困難なことではないとマサヒコは考えた。
お見合いがどういったものかは知らないが、普段の家庭教師の授業よりは楽なのではないかと思う。
あのエロ魔神がいる授業よりは楽だろうと思う。
少なくとも母の折檻を覚悟でここから大脱走するほど酷くはないと思う。
ちょっと会話して、食事して、それでさようなら。
せいぜい2、3時間の我慢だ。
おっと、我慢って言い方は相手に悪いかな?
な〜んて。
相手への気遣いも含めつつ楽観視していたのだが、
「あ、そー言えば聞いてなかったけど相手方の名前は?」
「若田部さんだ」
激烈にいやな予感が冷たい汗となって背中を滑り落ちる。
…………大脱走するべきだろうか?
・
・
・
BEFORE 3:40:00
BEFORE 3:39:59
BEFORE 3:39:58
・
・
・
目的の部屋にいたのは果たして。
若田部アヤナとその両親だった。
「や〜…まさかお見合いの相手がアヤナちゃんだとは。夢にも思いませんでしたわ」
「世間って広そうで狭いものですのねぇ」
朗らかに話すは顔見知りの両家母。
「小久保さん、これはいったい?」
「どうやら、お互い知り合いだったようですな。知らぬは父ばかり」
「お互い駄目な父ですな。仕事仕事で家庭も顧みず」
「まったくです」
苦笑するは両家父。
「……」
「……」
火の出るような眼差しの主役と、その視線を全身で受けるもう一人の主役。
なんとも奇妙なお見合いだ。
「じゃあまあ、年寄りはこの辺で失礼しましょうか?」
「この二人なら「今更」って感じもしますけどね」
お見合いお決まりの「あとは若い二人に任せて」的発言をしつつ、そそくさと母二人が退室。
「じゃあアヤナ。マサヒコ君と仲良くな」
「マサヒコ……幸運を祈る」
ちょっと心配そうなアヤナの父と戦場に部下を送るかの面持ちのマサヒコ父も退室。
残されたのは主役二人。
「で、どーいうことかしら?」
「どーゆー事って言われても……実は――」
アヤナの言葉にマサヒコは自分の知る限りの情報を口にする。
「――と、まあ。こんな感じだよ、こっちは。そっちは?」
「同じよ。母親が面白がってるところからホテルで食事するって連れ出されたところまで、ね」
お互い改めて顔を見合わせて、
「「はぁ……」」
同時にため息。
「まあある意味、相手が若田部で助かったのかもな」
「あら、どうして?」
「いや、だって初対面で二人っきりにされてもなに話していいかわかんないし」
「じゃあ、私とはどんな話をしてくれるのかしら?」
ちょっと面白がるようなアヤナの声色。
マサヒコはしばし考え、
「母親へのリベンジの手段の相談を」
一も二もなく。
アヤナは何度も頷き、その後白熱したディスカッションがなされた。
その結果導き出された結論が Mission Impossible なんだから涙を誘う。
・
・
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BEFORE 1:00:00
BEFORE 0:59:59
BEFORE 0:59:58
・
・
・
「ホテルで食事をする」とは小久保、若田部両家の親の言葉だが、嘘ではなかったらしい。
ただし。
レストランで家族水入らず、ではない。
飛天の間とかいう広いホールで行われる豪華な立食パーティーへの出席という形で。
豪華な食事もそうだが、居並ぶ人々も凄い……らしい。
らしいとは父がそう言っていただけでマサヒコとしては凄いのかどうかわからない。
別に芸能人がいるわけではないのだが……どこかで見たことがあるような人がちらほら。
「父さん、これ何のパーティー?」
基本的なことをマサヒコは問う。
「父さんの会社と若田部さんの会社の提携記念のパーティーだ。
まあそれだけじゃないんだがな」
「ふ〜ん」
「経済界の重鎮の方も居られるから、あんまり失礼のないようにな」
「んなこといわれても……どうすればいいの?」
「普段通りしてればいい」
そう言って頭をくしゃくしゃっとなでられる。
そんな父の態度に少し安心する。
自分がかなり場違いな感じがしていたのだ。
「なにか食べるか? 取ってきてやるぞ」
「いいよ。それくらい自分でするから。それよりも挨拶とかあるんじゃないの?」
「まあそうなんだが……一人で大丈夫か?」
「母さんを一人にするほうがまずい気がするんだけど」
「……そうだな」
その母はといえばなにやら恰幅のいい高齢の男性と楽しげに談笑している。
父曰く「我が社の会長だ」とのこと。
話の内容は怖くて聞けやしない。
母の元へと向かう父を見送り、マサヒコは豪華な食事の並ぶテーブルへ。
並んでいるのはよくわからないが恐らく高級なんだろう材料を使った高級なんだろう料理の数々。
「濱中先生がいたら喜びそうだな」
大食漢の家庭教師を思い出し、顔が綻ぶ。
「小久保君」
声をかけられ、振りかえる。
そこにいたのは予想通りの人物だったが。
格好は予想通りではなかった。
「若田部……着替えたのか?」
「着替えさせられたのよ」
先ほどとは違いアヤナは胸元の大きく開いたワインレッドのドレスを身に纏っていた。
「ふ〜ん……若田部に赤ってよく似合うな」
「お、お世辞を言ってもなにも出ないわよ」
ちょっと照れた様子で顔を赤らめる。
その赤も似合うなぁとは思ったが口には出さない。
言ったら叩かれる。鉄板だ。
「それにしても凄い人の数ね」
「まったくだ。人波に酔いそうだよ」
「気をつけたほうがいいわよ。飲み物はほとんどアルコールだから文字通り酔っちゃうわよ」
今まさにオレンジ色の液体を飲もうとしていたマサヒコは驚き、軽く舐めて飲み物の正体を探る。
「ホントだ。ちょっとニガイ」
「しかも結構強いから。油断すると大人でも――」
「やあ小久保君!」
「――こうなるから」
アヤナはやれやれといった様子で頭を振る。
ニコニコとマサヒコに声をかけてきたのは彼女の父親。
顔が赤いのはアヤナの言葉通り、油断した結果なのだろう。
「食べてるかい? 飲んでるかい? 楽しんでるかい?」
「あ、はい。おかげさまで」
「何が「おかげさま」なんだか」
皮肉の言葉にマサヒコは苦笑する。
アヤナの父親はマサヒコの肩をバンバンとたたく。
「いやしかし。やっぱり小久保さんの息子さんというべきか。
さすが小久保さんの息子さんというべきか。たいした子だよ君は」
そう言ってバシバシと背を叩く。
「何が「たいした子」なんだか。小久保君と話なんてほとんどしてないじゃない」
今日のアヤナはちょっとシニカルだ。
しかし父は意にも介さず、逆に微笑む。
「わかるさ。アヤナの友達なんだ。悪い人間なわけがない。言うだろ? 類は友を呼ぶってね」
「……」
アヤナの顔が、少し赤い。
父親からの厚い信頼にちょっと照れたのだろう。
そんなアヤナの頭を笑顔で撫でていると、
「よう! まー坊!」
「お〜、けんちゃん! 久しぶりだなぁ」
一人の男性が声をかけてきた。
「ん? 誰だそれ? 愛人か?」
「ちがうちがう。愛娘だよ」
「ほ〜。これまたなんというか……くれ」
「ダメダメ。アヤナはこの子のだから。お見合いしたんだよ、今日」
「へ?」
そう言ってマサヒコの肩を叩く。
「おや、こちらもなかなかいい面構えの……誰?」
「小久保さんの息子さんだ」
「お〜お〜! なるほど! 確かに面影があるな」
納得した様子で何度も頷く。
「君、名前は?」
「小久保マサヒコです。父がいつもお世話になってます」
「いやいや、お世話になってるのはこっちのほうだよ。
いやしかしなるほど。そーなると小久保さんとまー坊は親戚関係だな」
「まあな」
「ちょ、ちょっと! お父さん!」
何やらすでに結婚が決まったかの言い様にアヤナが抗議の声をあげる。
「じゃあお祝いしないとな。マサヒコ君、家建てるならうちの会社で立ててあげよう。
原価割れで建ててあげるからな」
「は?」
「ふ、相変わらずけち臭いな貴様は」
「むむ! お前はマンション業界を牛耳ってるちー助!」
「私は君達の新居としてマンションをプレゼントしようじゃないか」
「いや、あの」
「おっ! そーいう事なら家具は俺が用意するぜ」
「あっちゃん! 家具の輸入販売を手がけるあっちゃんじゃないか!」
「ただ俺は電化製品はなぁ……ちと畑違いでな」
「だ〜いじょうぶだよ。家電のことならしんちゃんがいるから。おーい! しんちゃーん!」
そんな感じでどんどんアヤナとマサヒコの周りに人が集まってくる。
つーか知り合い多いな、アヤナの父よ。
しかも酔ってる為か妙に気前いい。
「なんか……気のせいかもしれないが大変なことになってきてないか?」
「なってるわよ。十分に」
二人顔を見合わせて「はあ……」とため息。
「アヤナ、マサヒコ君。来なさい」
「え? ちょっとお父さん! どこ行くのよ!?」
「いいからいいから」
ぐいぐいと手を引かれて会場から連れ出される。
それに続くアヤナのパパさんの親友たち。
・
・
・
BEFORE 0:10:00
BEFORE 0:09:59
BEFORE 0:09:58
・
・
・
連れていかれたのは最上階のロイヤルスイート。
促されるまま部屋の中に入る。
「うわっ! すごっ!」
「広いわね……」
豪華さに庶民なマサヒコのみならずセレブなアヤナも圧倒される。
「一泊いくらだ、ここ?」
「下世話な疑問ね」
「下世話でも気になるものは気になるよ」
そう言って苦笑する。
「でもおじさん、なんで俺達をこんなところに連れてきたんですか?」
「うん。今夜は二人にこの部屋に泊まってもらおうと思って」
「「はぁ!?」」
「孫は女の子がいいなぁ。あ、マサヒコ君似の男の子もいいかも」
「ちょ、ちょっとおじさん!」
「まあ頑張ってくれたまえ」
「何言ってるのよお父さん!!」
「じゃ〜な〜」
そう言って出ていってしまう。
後を追おうとアヤナはドアに手をかけるが。
「っ! 開かない!?」
「はぁ? なんで!?」
「知らないわよ!」
ノブをガチャガチャと回すがドアは微動だにせず。
どんどんと叩いてみてもビクともしない。
どうやらカギが掛かっているらしい。
つーかなぜ外側からカギがかかる?
特殊病棟かここは?
保健指定医はどこだ?
「ダメか。別に出口ないかな?」
マサヒコはうろうろと部屋の中を歩き回る。
さすがにロイヤルスイート、広い。
和室もあり、刀と鎧一式が飾られていた。
まあ外人さんは喜びそうではある。
兜飾りに「愛」の文字がまぶしい。
「直江兼続か?」
キッチンに行ってみるとなぜか栓の開けられたワイン。
「何で栓が開いてるんだ?……まさか」
確信をもってマサヒコはアヤナを探す。
そして、伝説へ……もとい、物語は冒頭へ………。
・
・
・
AFTERE 0:10:00
AFTERE 0:10:01
AFTERE 0:10:02
・
・
・
「落ち着いたか?」
「ええ……ありがとう小久保君」
ソファに深く座り込んだアヤナが礼を言う。
マサヒコの用意した水を飲んだおかげで酔いも少し覚めたらしい。
隣に座るマサヒコに軽く頭を下げる。
「ごめんなさい。つい現実逃避しちゃって」
「いや、気持ちは十分わかるから」
マサヒコだって現実逃避したくないといったら嘘になる。
「小久保君もどう? 味は本当にいいわよ」
「ん〜……じゃあ一杯だけ」
マサヒコだって現実逃避したいんです。
アヤナの酌を受け、ワインをおっかなびっくり口に含む。
その様子がおかしかったのか、アヤナがくすくすと笑う。
「なあに小久保君ったら。そんなおっかなびっくり」
「飲んだことないんだからしょうがないだろ」
「男ならぐいっといきなさい。ほらイッキイッキ!」
アヤナに囃し立てられ、グイッと飲む。
「いい飲みっぷりじゃない。はい、もう一杯どーぞ」
「あ、ああ」
空になったグラスにアヤナがにこにこしながらワインを注ぐ。
落ち着いたとはいえまだまだ酔っている様子だ。
「うわっと!」
「あ、ごめんなさい」
その証拠に注ぎすぎて少し溢れてしまった。
「すぐに拭くから」
「大丈夫だって」
「ダメよ。シミになるわ」
そう言ってズボンにこぼれたワインをハンカチで拭くのだが。
(うおっ!?)
やや前のめりになったせいでアヤナの胸の谷間が強調されることになる。
普段のマサヒコならばすぐに視線を逸らしただろう。
しかし。
今は色々な意味で普段とはかけ離れていた。
ホテルの部屋に二人きりで、しかも慣れない、初めてのアルコール摂取。
彼の中の男としての本能が鎌首をもたげようとしていた。
だが。
彼はやっぱり小久保マサヒコなのだ。
「わ、若田部。その……胸が…」
「え?……あっ!?」
ぱっとマサヒコから離れ、胸元を手で隠す。
「……えっち」
「悪い」
マサヒコが悪いわけではないのだが、謝る。
「もう……でも……小久保君も、そーいう事に興味あるのね」
「……俺だって一応男だぞ?」
そう言ってマサヒコはグイッとワインを飲み、空いたグラスに手酌で注ぐ。
アヤナはくすくす笑いながら
「ごめんなさい。ちょっと意外だなって思ったのよ。
だって小久保君って女の子とかに興味ないって思ってたから」
「んなことないんだけどなぁ」
マサヒコはまたグイッとワインを飲み干す。
少々ペースが速い。
アヤナがワインを注ぐ。
……あ、今更だけどお酒は二十歳になってから♪
「でも、他の男子とは違うでしょ?」
「そうかな?」
「そうよ」
アヤナもワインをグイッと飲む。
頬が赤い。
再び酔いはじめたようだ。
「私、体育の時間がすごくいやなの」
「なんで? 若田部運動神経いいだろ?」
そう言って首を傾げるマサヒコに苦笑する。
「薄着になるでしょ?」
「あ、そっか」
そこまで言われ、さすがにマサヒコも気づく。
年の割に豊かな胸はアヤナのコンプレックスなのだ。
「胸をじろじろ見られるから。けど、小久保君は見たりしないでしょ?」
「そりゃまあ……だって俺は若田部が見られたくないって知ってるから見ないわけだし」
「じゃあ私が見られても構わないって思ってたらじろじろ見る?」
「どうだろうな……たぶん、それでも見ない……かな」
「でしょ? やっぱり他の男子とは違うのよ」
アヤナの言葉にマサヒコは考えるように宙を見上げる。
「どうしたの?」
「いや、その他の男子と違うってのは誉め言葉なのかなって思ってさ」
「誉め言葉ではないわね。けど……」
その先を言おうかどうか悩んだアヤナは、ワインの力も借りて言うことにした。
「けど、そんなあなたのこと、私は嫌いじゃないわよ」
「……そっか」
マサヒコもワインをグイッと飲む。
照れ隠しだ。
「小久保君がモテるのってそのあたりなのかもしれないわね」
「はぁ? 俺別にモテたりしてないぞ」
「あなたが気づいてないだけよ」
そう言ってクスクス笑われる。
どうにも居心地が悪くて、また、ワインを飲む。
アヤナももう一杯飲もうと空いたグラスに注ごうとして、
「あら、もう空ね」
中身が空っぽなことに気づく。
「もうちょっと飲みたいわね」
アヤナがそう言うとマサヒコが無言で立ち上がる。
「持ってきてく――!?」
ドサリ、とマサヒコがアヤナに圧し掛かる。
ソファに押し倒される形になったアヤナは目を見開く。
「こく、小久保君!?」
「……わかたべ」
「きゃっ!!」
マサヒコのささやきが、息が耳に降り掛かる。
「ちょ…ま、まって」
「…わかたべ……おれ…なんか…」
「ひぁぁ!」
わずかに。
耳に唇が触れただけなのにアヤナは背を反り返らせる。
確かに耳はアヤナの性感帯のひとつだ。
しかしそれを差し引いても………
(やだ………なにこれ)
感じすぎる。
快感が電流のように全身を駆け巡る。
「わかたべ……」
「ひぃんっ!」
「おれ……おれ……」
「う……うん」
アヤナは、覚悟を決める。
あのマサヒコがコトを望んでいる。
その事実はアヤナの中の女性の部分を非常に満足させていたし。
マサヒコのことは嫌いじゃない。
翻って好きだから。
だから、覚悟を決めた。
決めたのに。
「おれ…目が回る」
「……は?」
「世界が回る……なんだ、これぇ?」
「………」
マサヒコは酒に飲まれたようだ。
あんまりなマサヒコの言葉にアヤナは真っ赤になる。
これでは……これでは一人で興奮した自分がバカみたいじゃないか。
だから。
「小久保君……私は今からあなたを殴る!」
「はい?」
「体の痛みはすぐに消えるわ! けれどその心の痛みを忘れないで!」
「は? ちょっ? ええ!?」
戸惑うマサヒコをポコンと叩く。
ポコン、だ。
力なんかまったく込められちゃいない。
けれどそれで納得したのだろう。
アヤナは大きく息を吐き、自分に圧し掛かるマサヒコの体を抱しめる。
「しばらく安静にしてれば酔いは覚めるから。じっとしてて」
「いや、その前に。パンチとか、今の体勢とか。色々聞きたいことが」
「気にしないで」
「いや、しかし」
「気にしないで!」
「……そっか」
普段ならもっと色々突っ込んだだろうが、如何せん酔っている。
まあいっかと、マサヒコはぐったりとアヤナに体を預ける。
そうするとアヤナの体の柔らかさとか、やけに速い心拍とか、色々なものを感じることが出来る。
柔らかさ、特に胸のあたりに二つの柔らかいものが。
「……」
ついぞ意識したことのない何かが心の奥底から湧きあがってくるのをマサヒコは感じた。
それは多分、最も本能的なもので。
最も原始的なもので。
最も純粋で。
最も危険なもの。
「あら? 小久保君、あなたポケットにペンか何か入れ……て……」
太ももに当たる硬い感触にアヤナはそう言ってから気づいた。
「あ、あの…小久保君…これって……」
「う……いや、その…悪い」
真っ赤になって謝る。
何とかしたいがこればっかりは、自分の意思ではコントロールできない。
文字通りの暴れん棒なのだ。
「……なんで?」
「は?」
「何でおっきくなっちゃったの?」
「いや、それは……その……」
さすがにアヤナに欲情してしまったとは口が裂けたって言えやしない。
「言って小久保君」
「……若田部のせいだよ」
口が裂けてないけど言っちゃいました。
酔った勢いです。
「………欲情した?」
アヤナの直球に空振り三振でバッターアウト。
観念してマサヒコは頷いた。
アヤナはじっと、マサヒコの顔を見つめ、
「……する?」
続けて発せられたアヤナの言葉にマサヒコは顔をしかめる。
「んなこと言うなよ。さっきも言ったけど、俺だって一応男だぞ」
「知ってるわよ」
「……」
マサヒコは首だけ動かし、アヤナを見る。
アヤナもマサヒコの事を見ており、至近距離で視線が絡む。
いいのか? とのマサヒコの視線。
承諾を意味するかのように、アヤナは目を閉じてマサヒコへと顔を近づける。
触れ合う唇。
一度離れて、また触れ合うと、アヤナのほうからおずおずと舌を入れてきた。
ここまでされて引き下がるようでは男ではない。
据え膳食わぬは男の恥。
もちろんマサヒコは男の子だ。
しかも今日はいつも以上にケダモノチックな男の子だ。
「んぅっ!?」
アヤナの舌を押し返し、逆にアヤナの口内に進入。
侵略者は我が物顔でのさばり、隅々まで物色していく。
「んっ!……んぁ……ぁ!」
未知の感覚に戸惑っているのだろう、アヤナが身悶える。
口を離すと二人の間に唾液の糸が懸かる。
なんとも扇情的な光景にアヤナは顔を赤らめる。
そんなアヤナの耳元に顔を近づけ、
「若田部」
「ひっ!」
囁く。
「俺も初めてだから、うまく出来ないかもしれないけど、出来るだけ優しくするから」
「う…うん」
「痛かったり、嫌だったりしたら、言えよ」
「わかっ――ひあぁっ!だ、だめ。みみはだめぇ」
ぺろりと耳を舐められ、アヤナは甲高い声を上げる。
「やぁ!……みみ……やぁ……」
はむはむと甘噛みし、穴の中へと舌を差し入れる。
「ひぅっ!! ま、まっ……ひぁ!」
アヤナは身体をのけぞらせ、びくびくと身体を震わせる。
軽く達してしまったようだ。
「若田部……大丈夫か?」
はあはあと荒い息で、視点が定まらない様子のアヤナを気遣う。
「若田部?」
軽く頬を叩くとようやく視点が定まってくる。
「え……あれ? 私……」
「なんか痙攣したと思ったらいきなり動かなくなったんだけど……大丈夫か?
痛かったりしたらやめるけど?」
マサヒコの言葉にアヤナは首を振る。
「痛いとかじゃなくて、その……気持ちよくて……それでよく分からなくなって……その……」
「イッたって事か?」
「あぅ……」
恥ずかしさに顔を真っ赤にして、それでも素直に頷く。
「そっか。じゃ、続きな……と、その前に」
「え?……きゃっ!」
マサヒコはアヤナを、いわゆるお姫様抱っこで抱き上げる
「な、なに小久保君?」
「いや、ここじゃあれだろ? 場所移動だよ」
そういってベッドルームへ移動し、アヤナをそっとベッドに下ろすとアヤナの上にのしかかる。
すっと、マサヒコの手がアヤナの股間へと向かう。
「あっ!」
アヤナは反射的に両足をきつく閉じる。
するとマサヒコは無理に足をこじ開けることはせず、手を上へと向かわせる。
目的地は胸だ。
元々胸元の大きく開いたドレス、苦も無く胸を露出させることが出来る。
早速マサヒコはアヤナの胸を味わう。
そう、文字通りに。
「ひあぁ!」
乳首を強く吸われ、アヤナはあられもない声をあげてしまう。
「ここもかなりいい感じみたいだな」
「そんな……んっ!………こと!んあぁ!」
「気持ち……よくないのか?」
不安そうな顔をするマサヒコのためにアヤナは少しだけ恥ずかしい思いをすることにした。
「気持ち、いいわよ……ふぁっ!……自分でするより……んぁっ…」
「……自分でするより?」
「!?」
マサヒコの言葉に、自分が思わぬ失言をしていたことに慌てる。
「ちがっ! ちがうの!」
「何が違うんだ?」
「ふぁ!」
乳首をいじりながらちょっと意地悪に聞く。
言葉責めだ。
「なるほどなるほど。若田部は毎日毎日自分でいじっているのか」
「毎日なんてしてない……んぁぁ!」
「じゃあどのくらいのスパンでしてるんだ?」
今日のマサヒコはとってもケダモノチック。
お酒って怖いですね。
「そ、それは……」
「それは?」
「……週一回ぐらい」
恥ずかしいことを告白させられ、アヤナは目に涙を浮かべる。
それを見てマサヒコは「げっ!」と慌てる。
「わ、悪い! 変な事聞いた」
「……ヤダ」
「う……」
睨まれてマサヒコはたじろぐ。
「ご、ごめん」
先ほどまでの、いぢわるっぷりはどこへやら。
シュンと小さくなってしまうマサヒコを見てアヤナは怒りも忘れて笑ってしまう。
「もう。ほら、男の子がそんな顔しないでよ」
そう言って顔を寄せてキスをする。
「若田部……」
「さっきのことは許してあげるから。ね、だから……続き、して?」
最後のちょっと照れながら言った「して?」の部分が激烈にかわいかった。
もうこれ以上なくかわいかった!
マサヒコ、覚醒! 何が覚醒したかわからないがとにかく覚醒!!
「ひゃっ!」
アヤナの下半身へと手を伸ばす。
ツプッと人差し指の先をアヤナの膣へと埋めると、アヤナの腰がはねる。
「ひぁ!……な、かに……!……」
ゆっくりゆっくり奥へと指を進めて行くと壁のようなものに突き当たる。
「大丈夫か? 痛くないか?」
「うん、大丈夫みたい」
アヤナが大丈夫そうなのを確認し、マサヒコはズボンを下ろし、自らの欲望を露出させる。
目の当たりにしてアヤナの顔におびえが走る。
「っ!!? そ、そんなの入らないわよ!」
マサヒコのモノは馬並ってわけじゃなく、いたってノーマルサイズ。
それでも初見のアヤナにとっては十分グロテスクなものなわけで。
恐怖を喚起させるには十二分だった。
アヤナのおびえにマサヒコは、
「じゃあ……やめとくか? 俺は別にそれでもいいけど?」
大嘘をついた。
ジュニアは臨界寸前。
それでもアヤナを泣かせることになるよりはずっとマシだと思った。
「……ばか」
「なぜに?」
いきなり馬鹿呼ばわりされて少々傷つく。
「じゃあ聞くけど、やめてって言ったらやめてくれるの? やめられるの?」
「それは……」
言葉に詰まるマサヒコにアヤナはさらに詰め寄る。
「ねえ、どうなの?」
「……やめられないかも」
本当に、本当に申し訳なさそうな表情で言葉を続ける。
「悪い、若田部」
「アヤナ」
「……へ?」
「アヤナって、呼んでよ」
今更なことかもしれない。
お互い半裸で、抱き合って、性交をしようというときに望むことではないかもしれない。
けれど、アヤナにとっては大切なことだった。
「ねえ、呼んでよ。そうしたら――」
「……アヤナ、好きだよ」
「!?」
そして、マサヒコはアヤナの意思を十二分に理解していた。
だからこそ、一言付け加えた。
いや、一言だけじゃない。
「アヤナが好きだ。笑ってる顔のアヤナ、照れてる顔のアヤナ、
怒ってる顔のアヤナも、アヤナの全部が好きだと思う……うん、好きだな」
マサヒコの言葉を聞き、アヤナの目からぽろぽろと涙が出てきた。
「や、やだ! 何で私泣いてるのよ!好きな人に名前呼ばれたくらいで、泣くなんて。
私そんなステレオタイプじゃないのに」
「それだけ俺が想われてるって、勘違いしちゃってもいいか?」
こくりと、頷く。
「こく――マサヒコ……」
アヤナも、呼称を変える。
呼び方を変えて、一番最初に言いたいことは、もちろん、
「だいすき」
もう、我慢なんか出来なかった。
「んぁ!」
勢いよくアヤナの唇を奪い、そのままマサヒコは暴れん坊なジュニアをアヤナにロックオン。
「いくぞ」
「ん……」
アヤナの腕がマサヒコの背に回され、ぎゅっとしがみつく。
ゆっくりゆっくり、細心の注意を払いながらマサヒコはアヤナの膣へ。
僅かな抵抗を感じた後、一気につき入れる。
「ふっ――!!!?」
背に回されたアヤナの腕に一層の力。
食い込む爪。
そして、零れる涙。
「大丈夫か?」
「っ……!」
無言で何度も首を振る。
……縦に。
目を真っ赤にして、爪を立てて、全身で「痛い」と言ってるくせに。
嘘をつく。
痛みを与えた……いや、痛みを与え続けている、マサヒコの罪悪感を無くすために。
そんなアヤナの姿を目にしてマサヒコの胸に何かが込み上げてきて。
「アヤナ!」
ぎゅっと、強く抱きしめた。
それでも足りない。
自分の胸にこみ上げるこの想いを伝えきれない。
愛おしさを、伝えきれない。
だからキスをした。
この想い伝われと言わんばかりに。
何度も。
深く。
貪る。
何度も名を呼ぶ。
名を呼ぶたびにアヤナはマサヒコを甘く締め付ける。
たまらない。
我慢なんか出来るわけがない。
「っ! やべっ……」
熱いものがこみ上げてくるのを感じてアヤナの中から抜こうとするが、
「ちょっ…アヤナ!」
アヤナが足を絡めて離さない。
「やばいって!」
焦るマサヒコと対照に、アヤナは、笑った。
ぞくぞくするほど妖艶な、女の笑み。
限界だった。
だったら!との思いでマサヒコはアヤナの最奥をえぐり、そこに熱いものを注ぎ込む。
「っ!!?」
声にならぬ声をあげてアヤナの身体がびくんっと跳ねる。
欲望を吐き出し終わってもマサヒコのものはまったく萎える様子を見せない。
その夜、マサヒコとアヤナは気を失うまで交わりつづけた。
何度も、何度も。
目を開けたら至近距離にマサヒコの寝顔があって、アヤナは驚き思わず声を上げる。
「え!? ちょっ、なに!? なんで!?」
一瞬うろたえたが、すぐに昨夜のことがフラッシュバックのようによみがえり、顔を赤くする。
ぺちぺちと頬を叩いて火照りを冷まそうとする。
……無理です。
マサヒコの顔が至近距離にある以上、火照りを冷ますなんて無理。
”あばたもえくぼ”とはよく言ったもので。
ちょっと涎の垂れているマサヒコの寝顔を見ても……カッコいいとか思ってしまいました。
「ふふっ」
ニコニコしながらマサヒコの寝顔を眺めていると、
「ん……」
気配を察したか、マサヒコが目を開ける。
「あれ? 若田部?」
瞬間、アヤナの眉がつりあがり、マサヒコの頬を抓る。
「アヤナでしょ!? ア・ヤ・ナ!」
御立腹の様子のアヤナにマサヒコも色々と思い出し、顔を赤らめる。
「あ、ああ……えと、アヤナ」
「ちょっ…赤くならないでよ。私まで恥ずかしいじゃない」
昨夜のことを思い出し、二人そろって顔を真っ赤にしてしまう。
「え〜っと、なんだ。おはよう……にはまだ早いな」
「そうね」
ベッドサイドの時計の短針はまだ4と5の間だ。
「……とりあえずもう一眠りするか?」
「そうね」
二人でベッドにもぐりこんでのピロートーク。
「なんか、釈然としないわ」
「なにがだ?」
「だって、元々マサヒコとこーいう関係になるようにってここに泊まらされたわけでしょ?
それで目論見通りにこーいう関係になっちゃったんだもの」
「若――アヤナは俺としたこと、後悔してるのか?」
「違うわよ! ただ」
「じゃあいいんじゃないか?」
「でも……父に何か言われたらどうしよう?」
「『おかげさまで』って言ってやればいいさ」
「ふむ……なかなかいいわね、それ。マサヒコは両親になんて言うの?」
「俺は『予約してきた』とでも言うさ」
「あら、私なにに予約されちゃったの?」
「……想像に任せるさ……ふぁ〜……わるい、も…寝るな」
「マサヒコ?」
返事がない。
眠ったようだ。
アヤナもマサヒコの身体にしがみつくようにして目を閉じる。
やがて聞こえる寝息が二つ。
END
終了。
誤字脱字表現間違いは君と僕だけの秘密だ!
かなり昔に放置してたものを引っ張り出してみた。
かっとしてやった、今は反省している。
うおーーーー、GJ
愛娘を簡単に差し出すアヤナパパの行動がおかしいのと、
後半の絡み描写に継ぎはぎ感があるのが気になったが、
もうね。
そんなことはどうでもイイくらいに、アヤナの恥じらいぶりが強烈でした。
脳内で氏家絵を再生しながら堪能しました。
うお―――!感動をありがとう!!!!!!!!!
超GJです。
超GJです!!
不覚にも息子をふーぞくに連れていこうとしたり自分で筆下ろししようてするママンに萌えた
投下キタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆
もう少し遅ければ燃料として俺が書くところだったぜ!
GJ!!
久々のマサアヤだよ!GJ!
スゲー良かった!超GJ!!
こーいう親の策略に乗せられるマサヒコ×アヤナは良いね!!
今度はシリアスなマサアヤが読みたいなぁ
最近あかほんやアサミサばっかですっかり飢えてます
職人の皆さん、古田氏、お疲れさまです。
スルー対象ワードは「酔っ払い」「キス」「強引」です。
題は「愛欲の秋」でお願いします。
では投下。
中村リョーコは酔っていた。
何だ、それだけならいつものことじゃないか、と思われるだろう。
だが、違う。
一緒に飲んでいる仲間がいるのだ。
何だ何だ、やっぱりいつものことじゃないか、とまた思うかもしれない。
だがだが、違う。
相手は、哀れな奴隷の豊田セイジではない。
濱中アイ、小久保マサヒコ、天野ミサキ、的山リンコ、若田部アヤナの、後輩&教え子軍団。
それが、今宵のリョーコの酒の相手なのだ。
事の経緯は至って簡単、季節は秋、すなわち食欲の秋ということで、
「晩餐会を開くぞ」とリョーコがいつものごとくマサヒコたちを呼びつけたことから、全ては始まる。
お月見にしてはいささか時期を失っているが、
窓を開放して涼しい風を受けながら、スキヤキなんぞを突付く食事会とあいなった。
当然リョーコは酒を飲む。二十歳を過ぎているアイも酒を飲む。
リョーコがイタズラ心を起こしてリンコに酒を勧める。
マサヒコが止める間もなく、リンコが酒を飲む。
酔ったリンコがミサキにおっぱいネタで絡む。
ぢぐじょおお、とミサキが酒を飲む。
次にアヤナにリョーコが陵辱ネタで絡む。
いやあああ、とアヤナが酒を飲む。
はい、これでマサヒコ以外全員酔っ払い。
◆ ◆
「うははは、マサも飲め飲め」
「嫌です」
マサヒコはよくわかっている。
自分まで我を見失ってしまったらこの後をどう収拾つけるのか、ということを。
この苦労症とも取れる考えは、この数年間でたっぷりと得た経験に基づいている。
「つまらん奴だこと。周りが酔ってる時は自分も酔う! 基本中の基本よ!」
「俺は例外で結構です」
リョーコが伸ばしてきた手を、マサヒコは素早く後方に跳び退ってかわす。
この呼吸も、経験あればこそである。
「あははははは、マサヒコくぅ〜ん」
アイが抱きついてくるのもかわす。
これも経験あればこそ。
「小久保君小久保君、うふふ、上の口で飲めなければ、お尻から飲んでみたら〜」
酒瓶を持ったリンコの突撃もかわす。
これも経験あればこそ。
「ねぇ、小久保くぅん。自分で飲めないなら、私が飲ませてあげる」
ワイングラスを持ったアヤナの擦り寄りもかわす。
これも経験あればこそ。
「何? マサちゃん、私のお酒が飲めないって言うの?」
頬を真っ赤にしたミサキの突進もかわす。
これも(略)。
「……皆、いい加減にしてくれ。俺は絶対飲まないぞ」
マサヒコが頑として飲まないのは、後始末をどうするのかという理由もあるが、
それ以上に、飲んでしまうと自分がどうなってしまうのかが不安なのだ。
まだへべれけに酔ったことがない。酔ってしまったら自分がどう変わってしまうのかがわからない。
何しろ、周囲にアイやミサキなど、酔っ払いの具体例がいるだけに、恐ろしいったらありゃしないわけで。
「くっそー、本当につまらん奴だ」
「つまらん奴で別にいいです」
「ふん、可愛げの無いこと」
「ふにゃ〜、中村先生、カワイ毛ってどこの毛ですかぁ」
「そりゃあリンちゃん、きっとちぢれてて、固くて」
「卑猥、卑猥よ天野さん! うぇっぷ」
「カンベンしてくれ……」
マサヒコは頭を抱えた。
恐ろしい、本当に恐ろしい。
「よぉし、じゃあ私が歌を唄ってやるからありがたく拝聴しろ!」
「なるべく近所迷惑にならないようにお願いします」
釘を刺したマサヒコだったが、その心配は無用だろう。
何せ、このマンションは防音対策に気をつかってある。
それが目的でリョーコはここに引っ越してきたのだ。
実際、越してきてこのかた、セイジとの情事の際の声や音で、隣近所から苦情が出たことは一度もない。
「あれマサヒコが啼いている〜チンチコチンチコチンココリン♪」
「やめろ」
マサヒコはすかさず突っ込んだ。
だが、リョーコがやめるはずがない。
「秋の夜長をイキ通す〜♪」
「やめろと言ってるだろうが! この酔っ払いメガネ!」
「ああいやらしい雌の声〜♪」
最後はリョーコだけでなく、リンコやアイも加わって大合唱。
さすがにミサキとアヤナは唄わなかったが、これは恥ずかしかったからとかではなく、
酔いが全身に回りつつあって、それどころではなかったからであろう。
「あっははは、マサってスケベスケベ」
「マサヒコ君もやっぱり男の子だったんだね」
「小久保君えっちぃ」
「……何でそっちで勝手に作った替え歌で責められなきゃならないんだよ」
口々に好き勝手なことを言うリョーコたちを、ジト目で睨むマサヒコ。
その視線の槍もアルコールの壁を突き崩すところまでいかないが、
マサヒコとしても、無理に手厳しい一撃をくれてやるつもりもない。
ムキになって逆らったところで、所詮おもしろがられるだけのこと。
ならば適度に突っ込みを行いつつ、受け流して拡散させてしえばいい。
それが被害を一番少なく出来るのだということを、マサヒコは知っている。
そう、これも経験あればこそ、だ。
◆ ◆
「ねぇ、マサちゃあん」
「ん、何だミサキ?」
酒の残量も少なくなって、宴会の終わりが見え始めた頃、ミサキはマサヒコに近寄ってその手を取った。
マサヒコは特にそれを振り払ったりはしなかった。
その動きが緩慢だったのと、ミサキの目が眠気に押されてトロンとしていたからだ。
さっきみたいに勢いが感じられないなら、別に回避する必要はないだろう。
そうマサヒコは思った。
だが、それが油断だった。
「ふふ、マサちゃん……ちゅっ。む……ふ、ぶ……」
「な、ミサ……っ、う、んん」
猫にも似た素早さで、ミサキはマサヒコの唇に吸い付いた。
そして、物凄い力でマサヒコの首に抱きつき、ぐいぐいと顔を押し付けていく。
「……ぷはあ」
「へ、へはぁ」
ミサキがマサヒコを解放したのは、たっぷりと三分間程唇と口内を味わい尽くしてからだった。
「うふふぅ、マサちゃん、マサちゃん♪」
多量に摂取したアルコール、そして眠気でぼやけた意識。
それが、ミサキに羞恥の境界線を突破させた。
見境が無くなった、と言ってもいいかもしれない。
「えへへ、マサちゃん……。むぅ、ふ」
「あむむっ、むむむ」
再度のキス敢行。一度目よりも強く、激しく。
そして―――そこで、ミサキのガソリンは切れた。
「ふひゅぅうう……」
ミサキ、何とも幸せそうな顔で沈没。
マサヒコの胸の中で、くぅくぅと小さく寝息を立て始める。
「あ、ややや、ミミ、ミサキ……って、わあわ、わかた……うぅむ……」
ミサキの口撃が終わったその次の瞬間、マサヒコはまた別のキス・アタックを受けることになった。
アヤナがミサキを押しのけるようにして、マサヒコに唇を重ねてきたのだ。
「むむ……っ、小久保君、いや、いやいやいや。天野さんにキスしたのなら、私にもして」
「ふはぁ、わわわ、若田部落ち着け、大体、俺からしたんじゃなくてミサキからしてきたんだって!」
「うぅん……ねえ小久保君、小久保君は天野さんとつきあってるんでしょ?」
「へあ?」
中学卒業直後、マサヒコはミサキの告白を受け入れ、恋人としてつきあうようになっていた。
マサヒコとミサキが皆に報告したので、当然アヤナもそれを知っている。
「なら、私ともつきあって。そして、天野さんにしたように私も抱いて。そしてそして、アメリカに一緒に来て」
「なななななーあ、何言ってるんだお前!」
「だって、だってだって、私、私……うみゅみゅむむ」
ミサキに次いでアヤナも、ここでガス欠。
だが、マサヒコの受難はまだ終わらない。
「わーい! 小久保君、私もキスキスキスー!」
「なにぬね的山、はむむむむ」
「ちゅ、ちゅ、りゅ……ぅ、はぷぅ、うふふふぅ、小久保君の唇、あまーい」
「あままま、甘くないないない。甘いはずがない。キスがカルピスの味なんてそんなことないないない」
マサヒコ混乱中。
突っ込みの焦点が物凄く外れてしまっている。
「うふふ、ねぇねぇ小久保君、ミサキちゃんとはどこまでいったの?」
「あいうえお!?」
「うふふっ、私も小久保君が好き。だから、私にもミサキちゃんと同じことをして、ほわわいしい、ふわぁああんにぃ、ふああ」
はい、リンコも電池切れ。
そして、最後に真打ち登場なり。
「……マサヒコ君」
「ひゃわわ、は、は、濱中先生!?」
「お話がありましゅ」
「は、はい」
「一度に多くの異性とつきあうのは、ふしだらでしゅ」
「せ、せ、先生、目が据わってます。それに語尾が変です」
「だけど、こういう諺もありましゅ。ひっく。毒を喰らわば皿まで。女一人喰らわば二人三人も皆同じ」
「そ、そ、そんな諺ありませんんんん、むむっ、むむんんっ」
「ん、ん、ん……っ、だからマサヒコ君、私の始めてのキスもあげりゅ。で、私の始めても貰っちぇ。私、マシャヒコきゅんのきょと……」
「うわわわあ、せ、せ、先生も寝てくださいーっ!」
圧し掛かるアイから逃げながら、マサヒコは思った。
ああ、俺も酒を飲んでたら、もしかしてこんな目にあわなかったかもしれない、と。
一緒にはしゃいでたら、そこで終わってたのかもしれない、と。
油断大敵という言葉を心に刻み、これを経験にして、次に皆が酔っ払った時は、
ずっと回避運動を取り続けよう―――と。
◆ ◆
中村リョーコは酔っていた。
だが、それでもさすがに理性を完全に失うところまでいっていなかった。
自分の酒量の限界を知る、まさに経験あればこそ。
で、彼女の目の前では、五人の男女がぐてっと大の字になり、寝息を立てていたりなんかする。
それは、酒量の限界を知らない、愚かしくも愛しい者たちのなれの果てだ。
「……いやあ、なかなかの見ものだったわね」
酔っ払ったミサキ、アヤナ、リンコ、アイが次々にマサヒコに迫り、
口付けを強引にかわして、眠りの園に落ちた。
そして最後、動転したマサヒコが自棄になったかワインをかっくらい、一本あけてバタンキュー。
時間にして十分を越えるか越えないかだったが、これほどのドタバタ劇はそうはお目にかかれるものでもないだろう。
「ふふ、それにしても、ミサキはともかくアイたちは目覚めた後にどうするかしらね?」
酔ってからの記憶が無ければ、それは事件が無かったことと同じで、特に騒乱は起こらない。
だが、もし記憶があれば、どうなるか。
おそらく、アヤナとリンコ、アイは始めてのキスなはずだ。
そして、告白同然、いや、告白そのものをしたのだ。
後悔し、恥ずかしがり、照れ、それからどうなるか。
酒の勢いとごまかすのか。それとも、開き直ってミサキからマサヒコを奪いに走るのか。
「それも、マサ次第ってか?」
リョーコはよっこらしょ、とオヤジ臭い掛け声とともに腰を浮かし、マサヒコに近寄った。
屈み込み、その寝顔にぐぐっと自分の顔を近づける。
すらりと通った鼻筋、長い睫毛、女と見紛うばかりにすべすべの肌。
「皆が入れ込んでも、おかしくないだけの容姿よね」
彼女たち以外にも、密かに惹かれていた少女たちはおそらくいたに違いない。
だが、その心根に触れたことがあるとすれば、もっともっと好きになっていただろう。
ミサキたちは、顔だけでなく、それに捕らわれてしまったのだ。
「結局アンタも酔っ払っちゃったけど……どうかね? 皆のキスと告白は、脳に刻まれたかね?」
酒でふっ飛んだか、それとも克明に覚えているか。
どちらにしても今後、彼の行く道は険しいイバラの道になる可能性がある。
他の男からは、その道はイバラではなく、バラの花咲く夢のような道に見えるかもしれないが。
「ま、頑張んな」
リョーコはそのままの体勢で、顔をさらに近づけると、優しく、軽く、マサヒコに口付けをした。
「……年齢が離れ過ぎてなれければ、私も参戦しても良かったかな」
リョーコは立ち上がった。
足元に転がってきた、おそらく最後の一本であろう缶ビールを拾い上げると、それを開け、口をつけた。
そして、足音を立てないように、寝室へと歩き始めた。
大の字になって果てている五人に、かける毛布を取りに行くために。
F I N
以上です。
GJ!素晴らしいです!てかマサ羨ましい…しかし今日は久々にラッシュが凄いな。一昔前みたいだ…有難いことです。
なんだかんだでハーレムの主・・・やっばりマサヒコはこうじゃなくては( ゚∀゚)
182 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 08:49:31 ID:FtxAVKdx
518氏の話は独特のリズムというか雰囲気があっていいな
トモコト氏の「龍虎婚約大合戦」も続きかと思った
>518氏
甘甘なマサアヤにハァハァしました
>>184 トモコト氏、ミセリ氏、乖離氏、弱味☆氏、新参者氏、サブロー氏…
かつての名投手よ、今いずこ
518氏、このマサアヤでシリーズ化してほすぃです…
いや、不躾で失礼ですが…
俺を含めマサアヤって何で人気あるんだろうなぁ
ツンデレなんて今じゃ珍しくないだがそれが良い
アヤナにはツンデレ以外にも隠れた魅力があると思う
巨乳
アヤナのツンツン→デレへの移行、そのギャップにたまらん可愛さを感じて萌えまくるわけなのだが。
シナリオ考えたんですが職人さんどうですか!?
・親の命令で緊急帰国と結婚させられそうなアヤナ
↓
・何も知らないミサキ達は祝福するがマサだけ何故かアヤナが悲しそうなことに気付く
↓
帰り道、マサに相談するアヤナ
↓ マサや中村の励ましによりお見合いへ
↓
相手はイケ面だが結構ヒドイ奴
↓
それを知って自分の気持ちに気付いて助けに行こうとするマサ
↓
恋人ミサキに一言謝り覚悟を決め中村に乗せてもらうマサヒコ
↓
アヤナ救出と相手をふっとばす
↓
中村のつてで駈け落ち。そしてセクース
そこまでやったんなら自分で書こうぜ!!!
'`ァ,、ァ(*´Д`*) '`ァ,、ァ ピンキリ氏乙ぅ・・・
168でGJ書き込みしたらIDが5Pやらnioiやらと淫猥・・・
なんか運命的なものを勝手に感じ取ってみる。
需要なさそうだけど、腹が減ってるときなら沢庵だって高級料理に勝てると信じて書いてみる!!
駄作が見たくないがための職人炙り出しが主な目的だけどw
職人さんたちがいかに大変かを実感してみるよ・・・
では今からお出かけしてくるので後で。
雨なのでヌレヌレになっちゃうのが心配だ・・・
ヌレヌレになっても雨のせいにできるからオッケーだー!
はい、どうも郭です。
518氏に超絶GJ!!!!!!!!!!!!!これぞ518氏、流石と拳を握りしめました。
別に長々やってりゃ偉いなんて全然思いませんが、
518氏と私は1時間目からほぼ皆勤賞で1時間に1作は必ず投下してきてるんですよね。
だからずっと518氏については勝手に驚嘆したり嫉妬したり唸らされたり戦友みたいにおもったり。
518氏が大黒柱なら私はマッチ棒みたいなもんですが、本当に凄いと思います。
そしてこちらも2時間目から皆勤ローテーション投手、ピンキリ氏にGJ!!!!!!!!!!!!!を。
小ネタの甘さ&上手さは流石ですよ。甘くて切なくて微エロででもコメディで。好きです。
興奮しまくって何言いたいのか自分で分らなくなってきました(苦笑)。
とにかくGGGGGJJJJJ!!!!ですよ♪
そんなこんなで、遅れまくっていたシンジ×エーコです。
NGワードは「ダラダラ」「なんかエーコのキャラが変」「前フリ長ッ!」
では、投下。
「なあ、エーコ?福浦さんさ、俺のこととか、なんか言ってないか?」
「マホが?ううん、別になにも言ってないけど?」
「ふぅん……なら、いいけど」
「?……!あ!さてはシンちゃん、マホのこと!」
「あのな、そんなんじゃなくてさ。彼女、俺の出す課題とかはきっちりこなすし、
それなりに真面目に勉強してくれてるんだけど……でもなんか、無口っつーか、無表情っつーか」
「あ〜〜、前も言ったでしょ?マホってね、結構人見知りするんだよね。
シンちゃんのことは、別に嫌ってないと思うよ。この前の小テスト、すごく良い成績で喜んでたし」
「まあ………なら良いんだけどさ」
そう言いつつもまだ思案顔のシンジのことを、ちょっと悪戯っぽい表情でエーコは見つめていた。
「ふふ〜〜、でもシンちゃん、そんな顔するってことはやっぱりマホのこと……」
「だーかーら!違うっつの!中坊に手ぇ出すほど、不自由してねーし」
「うわあ♪ヨユーの発言だねッ♪てことはもう、合コン行きまくりの食いまくりってことだねッ♪」
「…………いったい、お前はどこでそういう言葉を覚えてくるんだ」
シンジの部屋で従兄妹同士がじゃれ合う、なんとものどかなある日の風景だった。
シンジがチカ・エーコ・マホの三人の家庭教師をするようになってから、一ヶ月が過ぎていた。
最初の頃こそ、人に勉強を教えるという初めての体験に悪戦苦闘していたシンジだが、
元々素質があったのか最近はスムーズに授業を進めることが出来るようになっていた。
それだけに―――マホの、どこか冷たい態度が気にかかっていた。
「福浦さんはさ、頭の回転も早いし、理解力や判断力もあるんだよ。
ただそれだけに諦めが早いっつーか……あと、どうも計算や英文法とかで雑なところがあるし」
「あ〜〜わかるかも。部活でもマホって一年とか格下の選手が相手だと、
露骨にやる気の無い試合したりするんだ。先輩からは何度も注意されてるんだけど」
「うん、エーコの言うとおりでさ。それになんて言うか……人間関係にも冷めてるって言うか」
「………ねえ、シンちゃん?マホには、言っちゃダメだよ?」
「?なにが?」
「いいから約束!マホには言わないって」
「?ああ、なら約束するけど……」
いつもどおりのエロボケなエーコが一転、真剣な表情になった。
従妹の珍しい様子を少し不思議に思いながら、頷くシンジ。
「あの子のウチって、結構お金持ちっぽいでしょ?」
「まあ、確かにな」
既に何度か訪れた、福浦邸を思い起こしていた。歴史を感じさせる古めかしい門、
広大かつ良く手入れされた庭、玄関には巨大な彫刻。そしてどれくらい歩いたんだ、
とシンジの距離感覚が麻痺した頃にやっと到着したマホの部屋は、
城島家のリビングを軽く超える広さで――40インチはあろうかという液晶テレビ、
一目で分る高級オーディオ、それに豪奢なベッド……とにかく、シンジの度肝を抜きまくったのだった。
「マホの家って、地元のね、政治家の家なんだ」
「!ま、マジで?」
「うん。親戚にね、大臣をやったことのある人もいるっていう家系で。
マホのひいお祖父さんが県知事をやって、お祖父さんは県議会の議長をやった人なんだって」
「………いわゆる地方の名家って奴か?」
「そう。マホのお父さんも県会議員でね、前にウチのお父さんが言ってたんだけど、
次の選挙で国会議員を狙ってるっていうのが地元の噂なんだって」
「はあ………なるほどね」
「でもマホは自分の家のことが大嫌いで……と言うより男が大嫌いなんだよね、あの子。
お祖父ちゃんも、お父さんもそうらしいんだけど、愛人っていうの?
お母さん以外の女の人がいるのが当たり前の家庭で……なのにお母さんやお祖母ちゃんも、
全然お祖父ちゃんやお父さんに逆らわないらしくて。だから両親とも、大嫌いになったって」
「ふぅん………今でもそんな家があるんだな」
エーコの話を聞きながら、シンジはマホの部屋の様子をもう一度思い出していた。
確かに、金はかかっている感じだった。しかしそこには――思春期の少女らしい、
背伸びしている感じや、お洒落に憧れている感じが、すっぽりと欠落していた。
ひどく無機質で、機能的な“だけ”の部屋だった。
§
「親はね、マホの成績が悪くなった去年の秋くらいから家庭教師を付けるって言ってたらしいんだ。
けどマホは親の決めたような家庭教師なら要らない、って言い張ったらしくて。
なのにシンちゃんが家庭教師につくのはすんなり賛成したでしょ?
だからシンちゃんのことを嫌ってるとか、そういうのは無いと思うよ?」
(それも実は、お前とチカちゃんに手を出さないように釘を刺すためなんだけどな……)
<「…………だから、絶対、絶対!エーコとチカには手を出さないで下さいね?」>
あの日マホが言ったことを思い出して、シンジは思わず苦笑した。
「あ〜〜笑ってる!疑ってるね、シンちゃん?ホントだよ!」
しかしマホの発言を知らないエーコは、そんなシンジの表情を見てぶう、と頬を膨らませた。
「はは、疑ってるとかじゃないけど。そうか、なら仕方がないかな。
俺としちゃ、もう少し打ち解けて欲しいところもあるんだけどな……」
「で、打ち解けついでにマホの処女もいただ」
「それは、ない。……ま、でも、ありがとうな、エーコ」
「???なによ、シンちゃん、急に?」
「いや………なんだかんだで、お前のおかげでバイトも見つかったしな。
そのあたりは感謝しておかないとな。チカちゃんも福浦さんもすごく良い子だし。
お前も真面目に頑張ってくれてるし。人に勉強を教えるなんて初めてだけど、
なんとかやれてるのは、お前やあのふたりのおかげもあるのかなって」
「………そんなこと……」
「はは、それじゃ雑談は抜きにして、社会の……」
「………ねえ、シンちゃん?」
「ん?なに?」
「私だけ言うのって、ちょっとズルくない?」
「?………どういう意味だ?」
「シンちゃんも、私の質問に答えて!」
「……そりゃ、内容にもよるが……第一、さっきのはお前からしゃべったんだし……」
「シンちゃんって、童貞?」
「…………………………………………」
「ねえ〜〜教えてよ〜〜〜!」
「そういや前も電話でいきなり同じことを聞いてきたよな、お前。
あんときチカちゃん隣にいただろ?声、してたぞ?」
「だ〜〜〜って、チカがシンちゃんが童貞かどうか、ど〜〜〜しても聞きたいって言ったんだもん。
親友として、聞いてあげるのが私の役割ってもんでしょ〜〜?」
「嘘つけ。確かに登場時の“清楚な子”っていう設定が崩れつつあるけど、
あの頃のチカちゃんはまだそこまで変になってなかったぞ。絶対お前の暴走だろ!」
「なに言ってるのよ!設定があってないようなのが氏家漫画の醍醐味でしょう!」
「…………論点を意図的にずらそうとするな」
「ってずらそうとしてるのはシンちゃんじゃん。教えてよ!ねえ、童貞なの?
言えないってことはまさか………禁断のインセスト?」
「?なんじゃそれは?」
「さては………経験はあるけど、その相手がカナちゃんなんだねッ!
禁断の近親相姦だから愛と欲望の狭間で苦しんでるんだね!言えないのはそのせいで……」
「勝手にストーリーをこさえるな!俺はバリバリのど、!!い、いやその」
「あ〜〜、やっぱりシンちゃん童貞なんだ!わ〜〜〜い、聞いちゃった♪」
「……………そうだよ、どうせ童貞だよ。ってお前だって処女のくせに」
「ウン、そうだよ。だってシンちゃんに処女もらってもらうまでとっておくんだもん」
「!?!な、お前いきなり今なにを……」
「昔約束したじゃん。私の処女をもらってくれるって」
「………………え?」
「ホラ。夏休みにウチに遊びに来たとき。三人で海行った後、将来の話になって。
カナちゃん、『私はおにいちゃんとけっこんする〜〜!』
って言って、だけど私もシンちゃんのこと好きだったから、
『シンちゃんとけっこんするのは私!』
って言ってケンカになっちゃって」
§
「…………そんなこと、あったっけ?」
「あったの!で、両方と結婚するのはやっぱり無理だから、
ふたりのはじめてのオトコになってもらうって約束したの!シンちゃんだってニコニコしてたじゃん」
「………それって本当の意味は絶対分ってなかったぞ、俺。ていうか、
それお前が幼稚園くらいの頃だろう!なんでお前は意味が分るんだよ!」
「でも、そっか……カナちゃんとはまだしてないんだ、シンちゃん。とっくにもう済んだと思ってたのに」
「だからなあ、俺は実の妹に手を出すほどケダモノじゃねえ!」
「でも本当にカナちゃんと血が繋がってるか、戸籍を調べたんだよね?」
「!@¥#!ななななななな、なんでお前、それを知ってるんだ!」
「前に遊びに行ったとき、シンちゃんの部屋でエロ本漁ってて偶然見つけちゃったんだよね」
「!=?*+なあ、なな、なにいいいい!」
「ゴメンね、本当に見る気なんて無かったんだよ?でもエロ本の間に、
戸籍謄本だっけ?なんか書類が挟んであったから……多分シンちゃん、
カナちゃんが本当の妹か確認したかったんだろうな、ってそのとき気付いちゃったんだ」
「ぐ…………」
事実だった。いつもどおりのエロボケの後、『お前が義妹だったら……』
などとカナミの前でついうっかり言ってしまったこともあるくらい、シンジにも限界が来ていたのだ。
――このままカナミの逆セクハラを受け続けていたら、先に自分の理性が崩壊してしまう――
そう悩み抜いたシンジは、去年の夏休みに法務局を訪れたのだった。
「でも、やっぱり本当の兄妹だった……」
「………ああ」
そのときの気持ちを、シンジは今も忘れていない。
ほっとしたような、残念なような、口惜しいような、安心したような。
とにかく、これで普通の日々が送れる、と思ったことだけは事実だった。
「でも、シンちゃん?もしカナちゃんが実の妹でなかったら……」
「………もし、は無いんだよ、エーコ。もし、は。あいつは俺の大切な妹……ただ、それだけだ」
シンジは、自分がひどく虚しいことを言っていることに、気付いていた。
(もし………カナミが、本当の妹じゃ……無かったら……)
それは、シンジが想像しないでいたこと。想像しては、いけないと思っていたこと。
「ねえ、シンちゃん?苦しかったんだよね?」
「え?」
「カナちゃんと一緒にいることが……苦しかったんでしょ?
だから、わざわざシンちゃんちから遠くの大学ばっか受けたんでしょ?」
「……………ああ」
エーコの言うとおりだった。もう抵抗しても無駄だと思い、シンジは素直に頷いた。
その感情は、殺したはずだった。心の奥底に、隠しておくつもりだった。
「俺の成績じゃ、そんな上は狙えなかったしな。だから逆に無理目なとこばっか受けたんだよ。
順当に全部の大学を落ちれば、東京の予備校に行って一人暮らしするつもりだった。
もし何かの間違いでどこかに合格しても、なるべく遠くの大学なら大丈夫だと思ったんだ。
どうせ今年になれば親も帰ってくるし、そうなればカナミも寂しくなくなるって思って……」
「でもそれって可哀想だよ……可哀想すぎるよ。シンちゃんも、カナちゃんも」
「…………?どういう意味だ?」
「あのね、今だから言うけど……カナちゃん、シンちゃんの引っ越しのとき、
シンちゃんちのお母さんとお父さんと一緒に手伝いに来てたじゃん?」
「…………」
「あの夜カナちゃん、私の部屋でずっと泣いてたんだよ?シンちゃんと離れたくないって。
シンちゃんと会えなくなるなんて、考えたくないって。寂しくて寂しくて、おかしくなっちゃいそうだって。
私……私、なにも言ってあげられなくて……」
(カナミ………)
シンジは、エーコの言葉を聞きながら、妹の顔を思い出していた。
(………笑顔が可愛くて、いつもエロボケをかましてきて、寂しがり屋で、怖がりで、
しっかりもので、料理が上手で、それで………それで……)
最後に会ったときの―――必死で涙をこらえている、カナミの表情を、思い出していた。
何か言おうとして、唇の端が動いて……何かを、シンジに伝えようとして……
結局何も言えず、無理に笑おうとしながら、カナミは手を小さく振って、去っていった。
§
シンジはあのとき―――自分の中で、一番大事なものを失ったのだ。それを、知っていたから。
(俺は……俺は…………でも、それは、そうしなくちゃ、いけなかったから……)
あれからシンジは実家に帰っていなかった。距離的には日帰りすら、可能であるにもかかわらず。
「シンちゃんも、辛かったんだよね?カナちゃんを諦めなくちゃいけなかったから」
「………仕方なかったんだ。それが、大人になるってことだからさ」
「それが、大人になること、なんだ………」
ひどく寂しそうな顔をエーコは浮かべていた。
(ああ………やっぱり、コイツとカナミって似てるんだな……)
エーコを見つめながら、シンジはそう、思っていた。
彼女の表情は、最後に見たカナミの寂しげな笑顔と、驚くくらいよく似ていた。
「シンちゃん……。私ね、私……本当に、思ってるんだ」
「…………なにがだ?」
「シンちゃんなら……良いよ。私の、初めて、あげても」
「…………だからなあ、エーコ」
「カナちゃんの……代りでも良いの。ホラ、カナちゃんと私って顔そっくりだし。ね?」
ふわり、とエーコがシンジに覆い被さってきた。ほとんど、重さは感じなかった。
(エーコ………)
そのまま、きゅっ、とシンジに抱きついてきた。つむじから、甘いシャンプーの匂いが薫った。
「ダメだよ、エーコ。そんなの……悲しいだろ、お前も。誰かの代りなんて……」
「いいの……それがシンちゃんなら、いいから」
“ちゅ”
Tシャツの首元に唇を寄せ、鼻先でくすぐるようなキスをシンジの肩にするエーコ。
「好きなの。小さい頃から、ずっと好きだったの。シンちゃんのこと……」
「でも、エーコ。お前は俺の……」
「好き」
“ちゅっ”
エーコの小さな唇が、シンジの唇を塞いだ。ほんの先端だけが触れるだけの、キス。
シンジは、エーコの顔を見ていた。頬を赤く染め、小さく――震えていた。
(普段はあんなことばっか言っていても……)
まだ彼女とて異性と付き合ったこともない、中学生なのだ。
花咲く前の、蕾のような唇の感触を愛おしく思いながら、シンジはゆっくりとエーコの髪を撫でた。
「ありがとう、エーコ。俺も、お前のことは好きだよ」
「シンちゃん……」
「でもそれは……お前のそれは、大切な人のためにとっておくもんだ。
本当に好きな人ができたときのためにさ」
「なら良いの。私は、本当にシンちゃんが好きなんだもん」
「多分、お前は兄妹がいないから、そんな風に思ってるだけだと思うよ。
いつかきちんと好きな男ができたとき、こういうのは辛くなるから……だから」
「さっき言ったよね、シンちゃん?大切な人にとっておけ、って。好きな人ができたときのために、って」
「……ああ」
「それがシンちゃんじゃ、ダメなの?」
「………だからそれは」
「シンちゃんは忘れてたみたいだけど。なんで私がちっちゃい頃の約束を忘れていなかったかって、
やっぱりシンちゃんが好きだったから。シンちゃんのことが大切で、好きだったからだもん」
「エーコ……」
「カナちゃんと似てる、私の顔を見るのが辛いなら、目を閉じていて。
カナちゃんのこと、私が……忘れさせてあげるから」
“かち”
再び、エーコが唇を重ねてきた。少し勢いがついたせいで、前歯と前歯が当たった。
ほんのわずかな痛みを感じながら、シンジは彼女の体を受け止めた。
小さくて、細くて、今にも壊れそうな体だった。―――シンジの両腕は、覚えていた。
ずっとずっと昔、この体を抱いた記憶を。幼いエーコを、抱きしめた記憶を。
(あの頃………)
カナミと同じくらい怖がりだったエーコは、彼女の両親がエーコを置いて出かけると、
寂しがって泣きじゃくった。そんな時にエーコをあやし、抱きしめるのがシンジの役目だった。
§
少年だったシンジはもう一人小さな妹ができたような、
そんな愛おしさでいっぱいになって幼い従妹を抱き、
エーコもシンジに抱かれると不思議にすぐに泣きやみ、
笑顔に戻ってシンジやカナミとお留守番をするのが常だった。
(こんなに……大きくなったんだ)
そう思いながら、シンジは少し強くエーコの唇を吸った。
「ん………」
エーコがシンジの行為に反応して声を漏らす。幼子がむずがるように、シンジに抱きつく。
“ちゅ……ちゅ、くちゅ”
遠慮がちに、それでも熱心にふたりがお互いの唇を吸う。舌先と舌先を、絡める。
シンジはエーコの舌を口内に導き入れると、たっぷりと時間をかけて愛した。
“ちゅ、ぷきゅ、ちゅう……”
唾液を交換するように、舌の表面を撫でるように、口内の襞を舐めるように……キスを、続ける。
“ちゅぱ”
しばらくキスを続けた後、シンジから唇を離してエーコを見つめた。
「本当に……良いんだな、エーコ?俺で」
「うん……」
大人しく頷くエーコを見つめながら、シンジはゆっくりエーコのTシャツを脱がしていった。
ほんの小さな乳房には、清潔な純白のブラ。腕には意外に筋肉がついているものの、
全体にほっそりと固い、少女の体つきだった。
「シンちゃん……ちょっと待って」
恥ずかしそうにエーコがホックを外し、ブラを脱ぐ。乳房と言うにはまだ幼く、小さなふくらみ。
曲線よりは直線に近い線を描くなだらかな肉の丘の頂点には、
小粒な桃色の乳首が恥ずかしげに実っていた。
「シンちゃん……ちっちゃくて、ゴメンね?でも……」
「………でも?」
「私は……シンちゃんに、私のおっぱい、好きになって欲しいの。だから」
くい、とエーコがシンジに向かって胸を押しつけてきた。
甘いエーコの薫りと、少し汗ばんだ酸い匂いが香り立つ。
「エーコ……」
“きゅッ”
小さな果実を、口に含んだ。口の中に、グミのようなエーコの乳首があった。くにくに、とそれを味わう。
「あ……シンちゃん、あ……ぁう」
舌先で、ちゅるり、とエーコの乳先を嬲る。くりくり、と転がす。
ぺろり、と舐めるたびにミルク色の彼女の肌が赤く染まる。
“きゅ、ちゅ、ぷちゅ”
右の乳首を、左の乳首を、順番に口に含んで舐める。少し、引っ張るように吸う。
「あ……、ン、あ」
「くすぐったい?エーコ」
「う……ううん、気持ち……良いよ」
「じゃ、ちょっと……」
「え?………ふわぁ!!」
エーコの首と腰に手を回して抱きかかえた。心地よい重みが、両腕に伝わる。
「わ〜〜い、お姫様ダッコだ!」
ぱたぱたと、嬉しそうに脚を揺らして無邪気にエーコが言った。
「………改めてそう言われると照れるな」
「えへへ〜〜♪でもコレって女の子の憧れなんだよ、シンちゃん!」
(………実は男も、な)
「?何か言った、シンちゃん?」
「………別に」
そのまま、ベッドまでエーコを連れて行った。小さな体を、横たえる。
「ゴメンな、エーコ。シーツとかしばらく洗ってないから、ベッドちょっとクサいかもだけど」
「えへへ、でもシンちゃんの匂いだから……私、好きだよ?」
そう言いながら、エーコがくんくん、とシーツの匂いを嗅いだ。
「ば、馬鹿止めろって!」
§
「ちょっと汗の匂いと、タバコの匂いと、それと……シンちゃんの、匂い。好き」
「………タバコの匂い、するか?」
「うん。さっきキスしたときもね、したよ。タバコの匂い」
「………嫌か?」
「気にしてるの、シンちゃん?」
「タバコの匂い、嫌いな子もいるしな。気にはなるよ」
「大丈夫。シンちゃんの匂いだもん。好きだよ、私」
“ちゅ”
目を閉じて、エーコがまたシンジと唇を重ねる。少し慣れたのか、今度は滑らかなキスだった。
「じゃ、良いか?エーコ」
「うん」
ふにり、とエーコの小さな胸の谷間に顔を埋めた。汗の匂い。あまい匂い。エーコの匂い。
“つ〜〜〜”
舌先を、谷間につけて、それを下降させていく。
「ん…………」
小さく、エーコが呟く。びくん、とひとたびからだが震える。
“つ、ちゅ”
きれいに窄まった、臍にたどりついた。唾液を溜めて、可愛い窪みに垂らした。
“とろ………”
「あ……ふぁ」
自分の窪みから伝わるシンジの唾の冷たさとくすぐったさに、エーコが吐息を漏らす。
「下も、脱がすぞ?」
「う、うん」
ゆっくりとスカートを、脱がす。ブラとお揃いの、小さな白いショーツ。
“する……”
「………あ」
ショーツの中に、手を入れた。指先から、熱い体温が伝わる。エーコの、興奮が、伝わってくる。
「エーコ、お前もしかしてもう……」
「濡れちゃってる?シンちゃん」
「いや、良く分かんないんだけど……あったかいし、湿ってるかも」
“す……くに”
ふっくらとした肉の丘を撫でる。解きほぐすように、その柔らかさを確認するように。
疎らに生い茂った、恥毛が手のひらに絡みつく。そしてようやく、小さな裂け目へと指先を伸ばす。
“ち……ぴち”
「あ!」
「痛いか?エーコ」
「う、ううん、痛くはないけど……ゴメンね、シンちゃん。なんか、声、出ちゃった」
「力抜いた方が、いいんじゃないか?俺も良く分らんけど」
「うん……」
くりくり、と膣口の周辺を刺激する。少し、ぬめっているのが分った。
(やっぱり濡れてる……エーコ)
興奮しながらも、安心してほっと一息つくシンジ。空いている左手で、ぎゅっとエーコの手を握った。
「…………」
エーコは、無言の微笑みで答えた。可愛かった。笑顔が、やはり一番可愛いと思った。
この小さくて大切な、可愛い従妹に、気持ち良くなってもらいたい。
そう思いながら、指先をエーコの小さな裂け目へと沈み込ませていった。
“くちゅ……ち、ちゅく、ちゅぴ”
「ん………あぅ」
予想以上に、狭い入り口だった。中で小さな円を描くように、人差し指を動かす。
頬を赤く染めたエーコがぶるっと震え、それに反応して声を漏らす。
少しずつだが、潤いが増していくのが指先から伝わる。
「シンちゃん……お願い」
「あ……痛かった?」
「ううん……キスして。口と、胸に」
「……うん」
§
“ちゅ”
指で裂け目への愛撫を続けながら、エーコと唇を重ねた。
すぐに舌を彼女の中に入れて絡める。エーコも積極的にシンジと舌を絡める。
ふたりの口内から、くちゅくちゅと唾液を混ぜ合う湿った音が漏れる。
エーコの下着の中からも、その音に和するような小さな潤んだ音が漏れる。
“ちゅ……つる”
唇を離して、彼女の乳首を口に含む。小さなピンクの粒は、すぐに唾液でべとべとになった。
甘く噛んで、周りをねっとりと舐めて、強く吸う。
「あ……あぁ……ねぇ、シンちゃん?」
「なに?エーコ」
「あの……シンちゃんの、好きなトコも……いいよ」
「?好きなトコって………あ、もしかして!お前」
恥ずかしそうに、エーコが頷く。シンジは少し迷ったが……裂け目をなぞるのを親指に切り替え、
その裏にある小さな恥穴に小指を這わせた。
「あ………」
「くすぐったい?やっぱり止めるか、エーコ?」
「う、ううん、大丈夫。もっと……シンちゃんに、好きになって欲しいから。
だから、全部……私の全部に……シンちゃんを、ちょうだい」
く、と歯を食いしばるようにしてエーコが身を任せてきた。
思い切って、シンジは熱っぽい菊穴に小指をずぶずぶと挿れていった。
「あぅ………シンちゃん」
異物感と未知の快楽に、エーコの小さな体が震える。シンジは、愛撫を続ける。
乳首を舐りながら、潤んだ裂け目をかき回しながら、菊穴の中で小指を微動させながら。
やがてエーコの口端から一本の唾液が垂れて……
「あ……あ、ぅあ、シンちゃん!私……あ……シンちゃん!」
びくっ、びくっ、と激しく跳ねて、くたっと体中から力が抜けた。
「エーコ……大丈夫?」
さすがに心配になったシンジが尋ねるが―――
「あは……シンちゃん、イっちゃったよ……私。オナニーで何回かイったことはあるけど、
こんなすごいの初めてだよ……ありがとう、シンちゃん」
まだ顔は赤いままだが、満足そうな表情でエーコはシンジに抱きつき、唇を重ねてきた。
それまでの恥じらいの表情から、普段の元気いっぱいの彼女に戻ったのに安心したシンジだが、
肝心の自分のそこはちっとも安心していないわけで。
「で……あのな、エーコ。まさかこれで終わりってのは……」
「うふ……こんなに私を気持ち良くしてくれたんだから、お返ししなきゃね。良いよ?来て……」
ショーツを脱ぎ捨て、エーコはシンジに向かって両手を広げて見せた。
シンジはぎゅっと彼女を抱きしめたあと、ベッドに優しく押し倒した。
「まぁ、あんだけ感じてたんだし、オナニーもけっこうしてるみみたいだから、
死ぬほど痛いってことはないと思うけど」
「あ!それ酷いよ、シンちゃん!デリカシー無さ過ぎ!」
「……それでも、痛かったら痛いって言えよ?俺、止めるから」
「………シンちゃんの馬鹿」
「なんでだよ」
「男の子って収まりつかないんでしょ?こういう時って」
「だからなあ、お前はどっからそういうことを」
「女の子だって、一緒なんだから」
「……………どういう意味だ?」
「私は、すごくシンちゃんとエッチしたいの。もうしたくてしたくて我慢できないの。
だから途中で止めるなんて言わないの!良い?シンちゃん、最後までしてくれなきゃ、嫌だからね?」
「………ああ」
(しかし5つも年下の従妹に主導権を握られている俺ってどんなもんだろうか……
それもお互い処女と童貞の初体験で……)
そんなことを思いながら情けなくなってしまうシンジだが、
エーコの言うとおり収まりのつかなくなってしまった分身君はご主人様のそんな気持ちも知らず――
とにかく、痛いほどに勃起してしまっていた。
§
「もう!だからシンちゃんも早く脱いでよ。私だけだとなんか馬鹿っぽいじゃん!」
「……ああ」
やはり主導権は彼女の方にあるようだった。
ちょっと気まずくなったシンジは、なぜか猫背になりながらTシャツを脱ぎ、ジーンズを脱いだ。
ここまで来て悩むのもアホらしいということに気付き、さっさとトランクスも脱いだ。
勢い良く立ち上がった、分身君が顔を出す。
「わあ!凄いね、シンちゃん!」
シンジが裸になっていくのを興味津々といった表情で観察していたエーコは、
予想通り嬉しそうな顔で分身君とご対面の様子だ。
「………お前なら、絶対恥ずかしがったりせんだろうとは思ったが」
「へえ……おっきいんだね、それに思ったよりキモくないし」
「………まあ、な。それより、エーコ?」
「あ!ゴメン、シンちゃん……じゃ」
なんとなく妙な流れになった会話を中断してベッドに横たわるエーコ。
シンジはペニスを彼女の裂け目にあてがった。先ほどまでの愛撫でぬるぬるになっていたそこは、
軽くペニスを触れさせただけでもぶるり、と震えた。
「んッ………」
「エーコ、行くよ……」
無意識のうちに身を固くしたエーコの頬に、もう一度キスした。
そして、ゆっくりとペニスの先端を彼女の中に滑り込ませて行く。
“くち……くち”
「きゃ……」
痛みに耐える少女のいたいけな表情を見て、不安になるシンジ。
「やっぱり痛い?エーコ」
「…………」
無言のままエーコがくい、とシンジの肩をつかんで引き寄せた。そして……耳元で、囁く。
「シンちゃん………」
「………なんだ?」
「私を、大人の、女に、して」
「……………」
「ずっと………ずっとね、思ってたんだ。私は、シンちゃんに……大人の女にして欲しいって。
だから……だから……」
“ちゅ”
なおもなにか言おうとするエーコの唇を、シンジの唇が塞いだ。
そしてぎこちない笑顔を浮かべながら―――力強く、言い切った。
「俺が、お前を、大人の女にする。だから……怖がるな。俺が……側にいるから」
「ウン……」
“くち……くちちちち………”
「ふッ……ん……んん……」
痛みを堪えながら、涙を浮かべながら――エーコは、シンジが入ってくるのを迎え入れる。
“く……くりゅ〜〜ッ、ぬう〜〜〜ッ”
シンジのペニスが、エーコの中に割り入っていく。つながったところから、鮮血が漏れて、垂れた。
「ちょっとずつ……少しずつだけど……入っていってる。分るだろ、エーコ?」
「う……ウン。すごく……不思議だね、シンちゃんの……入ってるんだ。
本当に……私の中に入るんだ、あんなおっきいのが……」
「俺が、お前を、気持ち良くしてやるから。今だけ……今だけ、痛いのを我慢して、エーコ」
「……うん」
痛みは、まだ消えていなかった。それでも、エーコはシンジの言葉が嬉しかった。
「えっと……それで………動くよ?エーコ」
「え………えッ?う、ウン」
ちょっと慌てて、エーコが頷く。
“ちゅうッ”
跡が残るくらい強く、エーコの細い首筋にキスをする。そして……
“ぬぬぅ〜〜〜、じゅぶ、じゅっぷ、きゅうッ”
シンジが、動く。わざと、性急に。エーコの中を、突き立てるように。かき回すように。
§
「ぁ………シンちゃん、だ、だ、だ、、メ……キツいよぉ……もっと、ゆっくりぃ」
「ゆっくり?じゃ、こんくらい?」
“ぬ………ぬる……”
小さくて狭くて熱くて柔らかくて熔けそうな、エーコの中に。
破瓜の血と愛液とシンジの体液がぐちゅぐちゅに混ざり合ったそこに。
ゆっくりゆっくり、時に押し込むように、強弱をつけて。ねっとりと、動く。絡めるように、突き立てる。
「は………あぁ……シンちゃん……シンちゃん」
まだそれは、快感にまでは至っていなかった。エーコの未熟な性感では、
それはやっと痛みを通り過ぎただけの、自分の中で巨きなものが暴れているだけの――
初めての。
侵入、
圧迫、
硬さ、
苦しさ、
痛み、
異物感。
それでも、エーコには処女を失った哀しみより、嬉しさが勝っていた。
小さい頃から大好きだったシンジが自分の上で汗を撒き散らし、
苦痛に耐えるような表情で――快楽に惚けるような表情で――本能のまま、動いていた。
初めて見るシンジのそんな顔が愛おしくなったエーコは、脚を従兄の腰に絡ませた。
“きゅッ……きちッ、きりッ”
「?え??!うあッ、エーコ、そんなにしたら……」
狭いエーコの中が、さらにぎちぎちとシンジを挟み込んで締めつけてきた。
「……痛いけど……ちょっとだけ、ちょっとだけ、気持ち良くなってきたの、私。シンちゃん」
「もっと……もっと、気持ち良くしてやるから……エーコ。お前は………」
「………?」
「お前は、カナミの代りなんかじゃない。お前は……俺の大切な従妹で、俺のもんだ。エーコ」
「シンちゃん……シンちゃあん……」
エーコの目から、涙が一筋、流れた。シンジの言葉が、嬉しかった。
“ぎゅうッ”
シンジは――彼女の両手を、強く、強く、握った。
“ちゅッ”
そして、キスをした。エーコの唇が、熱かった。体温よりも、ずっと、ずっと熱かった。
“ず、じゅるッ!ぬずッ!ずううぅぅ!!”
そして腰の動きを、激しくしていった。小さな中を抉り立てるように、動く。
柔らかく窄まって、絞り込んでくるエーコの幼い中心に、何度も何度も。
「あ……エーコ……俺……俺」
やがて――ぶるぶると、震えるような快感が脊髄に走った。最後のときが来たことを感じた。
急いでエーコの中から、ペニスを引き抜いた。
“ぴゅッ……ぷぷッ、ぴゅぅッ!”
思いっきり、解き放った。ペニスの先から、熱く青白い迸りが何度も何度も溢れ出る。
「あ……………………」
普段ならば、その様子を喜んで観察するはずのエーコも――初めての体験に、
茫然自失となってただそれを眺めていた。………ただ、呆然と。
♯ ♭ ♪
「あはぁ……エッチって、こんななんだね、シンちゃん……」
「感心するのは良いけどさ、お前、大丈夫か?その……血も結構出てたし」
「うふ〜〜心配してくれるんだ、シンちゃん?やっぱり優しいよね、シンちゃんは……」
「そりゃ、な。俺のせいなんだし」
「でも、大丈夫だよッ!本当に、全然ッ!!」
(あんま元気いっぱいなのも………その、なんとなく趣っつーか、そういうのが無いんだが……)
身勝手なことを考えているシンジだが、とある可能性に気付いて慌ててエーコに向き合った。
「あのな、エーコ?こうなっちゃったのは俺のせいだし、責任もとるつもりだけど」
§
「え?それって……もしかしてプロポーズ?」
「良いから黙って聞け。その……叔母さんとか叔父さんとか、あとチカちゃんや福浦さんには」
「うん!シンちゃんと、私の、秘密。そうでしょ?………でも、そのかわり」
「=&#ええ、エーコ?」
ふわり、とエーコがシンジに覆い被さってきた。そしてそのまま――
“ちゅッ”
唇を、重ねてきた。満面の笑みで、エーコがシンジの耳元で囁く。
「気持ち良くしてくれる、ってさっき言ったよね?」
「……あ、ああ」
「じゃ、今から!さっきはちょっとしか気持ち良くならなかったから、もう一回戦!」
「な?ななな、エーコ、お前さっきしたばっかなのに、痛みとか……」
「うふ〜〜〜それッ!」
シンジに跨り、ちゅッちゅッ、と彼の乳首にキスを繰り返すエーコ。
そして指でペニスを握り、くりくりと刺激を与えてきた。さきほど放出したばかりにもかかわらず、
エーコの愛撫にむくり、とペニスが起きあがり始める。
「うわ〜〜い♪シンちゃんだってそう言いながら元気になってきたじゃん♪」
「だ………だからなあ、エーコ」
「騎乗位って一番女の子がリードできるんだよね?んしょっと」
「ひひひひひひ、人の話を聞けええええええ!!!!!」
シンジの悲痛な叫びも届かず……エーコがペニスをつまみ、自らの中に導き入れる。
ペニスの先端がくちゅくちゅ、と中に納まり始める。
(…………結局)
あっという間に復活してきた自分の分身の節操の無さに呆れながら―――
「あッ………まだ、ちょっと痛いけど……んン、この体勢だと、さっきより気持ち良いよ……」
シンジは自分の上で早くも艶かしく動き始めている、従妹の姿に目を奪われていた。
誰に教わったのでも(耳学問で学んでいた可能性は大いにあるが)ないのに、
シンジのペニスを挟み込みながら腰を振り、とろけそうな表情を浮かべていた。
(やっぱ俺には無いのな……主導権)
そう思いながら、腰を動かすしかないシンジであった―――。
END
今回は以上。
またも七面倒くさいですが>>古田総監督に保管庫収録作の修正をばお願いです。
現在「恋わずらい」と「No Title」のリンクがちょっと逆転しています。
入り口で「恋わずらい」と表記されていますが、実際は「No Title」になっている、
このSSの導入部(妹保管庫、私達のSSの下から2番目です)を、
タイトル:「Some Girls #Intro」
として、今作は
「Some Girls #1」でお願いします。
ちょっとリンクが混乱してるみたいですけど
「No Title」になっていますがこちらが「恋わずらい」です。お手数ですがよろしくです。
次作は「Some Girls #2」で シンジ×チカ の予定です。
ま、その前にアヤナ帰国SSの続きだとは思いますけど。
では股。
207 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 21:59:15 ID:UmIoEbDE
GJ!!
アンタはいつもそうやって僕の心にドキドキを残して去っていくんだ!結婚しろ!!
乙っす
いや・・・なんか萌えるけどちょっと悲しいお話ですね。
グッジョブ(o^-')b
今北産業
読んで三田製紙
518氏のアヤナにハァハァ
郭氏のエーコにハァハァ
皆さん乙であり真下製作所
週末ですたい
「兄は発情期」の続編まだ〜?
では全ての続編希望も含めて神に祈っておこう
ナムナム
どうも
>>193です。
ちょっと時間がかかっちゃったけど、今夜には投下できそう。
いきなり長かったり、グダってたりだけどゴメンね。
予告として、タイトルは『MOTEL』です。
モテる、じゃないよw
ほいじゃまた!
期待
期待しつつ、トリップが卑猥。
(*´Д`)ハァハァ
生殺しの予感
酔っ払って寝てしまった・・・( ;´・ω・`)人(´・ω・`; )
急ピッチで執筆中
本当に申し訳ない
+ +
∧_∧ +
(0゚・∀・)
(0゚∪ ∪ +
と__)つ__)
たどりついた小さなベッドの上で僕らは眠る
張り切りすぎたせいで、肝心のところまで中々進まない・・・
とりあえず書いたところまで投下します。
焦らしプレイでゴメンね。
「あ・・・・」
中村リョーコは、中身のないタバコの箱をぐしゃ、と握りつぶした。
なぜかイライラしている。
仕事だって上手くいっているし、交友関係だって相変わらず豊富だ。
いいマンションに住んで、いいものを食べて、いい男を食べて・・・
これが自分の望んだ生活、そう考えていたのに・・・
中村リョーコ、大学を卒業して3年目に入る春のことであった。
都立英稜高等学校。
スポーツが盛んで、成績は可もなく不可もなく。
地元の中でも人気校である。
そんな地元の人気校の人気者が、下校を始める。
「お疲れ様、小久保くん」
中学時代からの同級生に声をかけられた彼こそ、『英稜の無気力ハーメルン』こと小久保マサヒコその人であった。
「あれっ、なんで的山まだいるんだ?」
そう返されたのは『天然眼鏡っ子』を地で行く的山リンコ。
実はこの二人、同じ部活に所属しているのだが、マサヒコは掛け持ちであった。
サッカー部に入ったものの、リンコが勝手に入部届けを出してしまったためにファッションデザイン部の部員にもなってしまった。
取りやめになりそうにもなったが、モデル役ということで示談成立、ファッションデザイン部はまんまと次年度以降の客寄せパンダを得た、という経緯がある。
しかし活動にはほとんど参加しないために、普段はサッカー部で練習を終えて帰宅するのがマサヒコの日課であった。
「今日は長引いちゃったんだよ〜去年と今年は一気に部員が増えたからね。こういうのやらしい悲鳴って言うんだっけ?」
マサヒコはこの状況にデジャヴを感じつつも、気持ちの落ち着きを得ていた。
当のマサヒコも、サッカー部のレギュラー争いに日々張り詰めた空気を味わっていた。
今まで事なかれで生きてきたマサヒコにとっては、この雰囲気は慣れようもないものだ。
「的山も次のコンテスト用のデザイン頑張ってるもんな。いい感じのできそうか?」
えへへ、とリンコは照れくさそうに笑いながら頭をかいた。
どうやらあまり進んでないらしい。
目標に向かって頑張ることはしてきたが、お互いに誰かと競うというラインに立ったことはない。
ある意味、その中で争ってきたあの二人は凄いんだなぁ、と昔を懐かしむマサヒコ。
「オーーーーーーーーー!!!マサヒコサーーーーーーーーーーン!!!」
外人特有のテンションで、マサヒコに迫ってくる女性。
留学生のクリスティーナ=ブライアントは、UFOでも見つけたかのように慌てふためいていた。
「マサヒコサーーーン!!肛門から女性がインターホンデーーーース!!!」
「ちょ、待て、落ち着け」
最早何を言っているのか分からない。
少なくともマサヒコに何か言いたそうではあるのだが。
「そうだよクリちゃん、濡らしてからじゃないと痛いらしいよ?」
いつもならリンコに突っ込みを入れるところだが、今はクリスを落ち着けないことには話が進まない。
深呼吸させて、ゆっくりと話すように促す。
「エットですネ、校門のところデ、マサヒコさんを呼んでいる女性がいるのデス。堅気じゃナイデス!」
(えっ・・・?なに俺堅気じゃない人にマークされてんの・・・?)
一瞬戸惑ったマサヒコだったが、恐らくは言い間違いだろうと校門へ向かった。
念には念を置いて、二人には裏門から帰るようには言ったが。
しかし、校門で待っていたのは見覚えのある人物だった。
「よっ・・・」
「中村先生・・・」
いつもとは違う中村リョーコが、そこにいた。
「久しぶりですね。ちょうど的山もいますから」
勘違いで裏門へ追いやった的山を呼ぼうと、マサヒコは携帯電話を取り出した。
「いや、アンタに用事」
リョーコはマサヒコの携帯を奪い、パタンと閉じた。
「まぁ、来なさい」
いつもは第六感のように背筋が凍る相手だが、何故だが覇気のないリョーコにマサヒコは黙ってついていった。
何か企んでいるのは間違いないのだが、どうにも調子が狂う。
結局、マサヒコが連れてこられたのはリョーコの住むマンションであった。
「ホラ」
そういって差し出されたのはビール。
現在のマサヒコが手渡されても、飲んでいいものではない。
「なに遠慮してんのよ。タバコは13歳から、酒は15歳からでしょ?」
「いや、でしょ?じゃないですよ。俺は法律を遵守するので」
間髪いれずに返し、横にあったミネラルウォーターを奪い取った。
拒否され、ははっ、と笑うリョーコはやはり様子が違った。
しかし、マサヒコはその理由を聞き出すことを踏み切れずにいた。
「ホント、アンタの周りっていつも人がいるのね」
沈黙が続きそうな一瞬を切り裂いたのは、リョーコのほうだった。
そういってグイ、とビールを流し込む。
ゴクゴクとこれ見よがしに喉を鳴らし、一気に缶の半分以上を飲んだ。
「そんなことないですよ・・・」
どう反応していいか分からず、マサヒコはやや困惑気味に答えた。
それを聞いたリョーコはまたも、ははっと自嘲気味に笑う。
やはり様子がおかしい。
マサヒコは意を決して、その理由を聞いてみることにしたが・・・
「私のこと、覚えてた?」
またもリョーコが切り出した。
しかも、意図の理解できないような質問。
確かにここ数ヶ月連絡を取っていなかったが、リョーコも仕事が忙しいのだろうと気にも留めていなかった。
「当たり前じゃないですか」
当然、マサヒコにはこう答える以外になかった。
それを聞いたリョーコは、なんともいえない表情でマサヒコを見つめる。
「私さぁ・・・」
見つめたかと思いきや、目を逸らすようにしてリョーコは切り出した。
「アンタが羨ましいって、いつも思ってたのよ」
虚空を見つめながら語るリョーコからは、悲しみを感じ取れた。
眉を顰めて、唇を噛み締めるリョーコ。
「いつも・・・一人だったから」
振り絞るように語るリョーコを前に、マサヒコは固まってしまっていた。
本当に彼女はあの中村リョーコなのか?
「一人じゃないですよ。俺たちがいます」
マサヒコにとって、今言える精一杯の言葉だった。
なぜリョーコがこんなに弱気になっているのかわからないが、きっと辛いことがあったんだろうと予測した。
「そういうんじゃないのよ・・・」
また遠くを見つめ、ここにはいない誰かと会話するように呟くリョーコ。
豊田先生とでも喧嘩したのか?と考えたが、あの人に限ってそういうことはなさそうだ。
「アタシさぁ・・・」
今度はリョーコが意を決したように、話を切り出す。
それでもマサヒコの目を見れないのか、マサヒコの手元を見つめて。
「あんまり・・・家庭環境よくなくってね」
まさかとは思ったが、やはりリョーコの悩みは真剣なものであると実感する。
マサヒコも唾を飲み、目の前のリョーコに集中する。
「だからさ、アンタらと一緒に馬鹿やってて本当に楽しかった」
昔を懐かしんでか、やや笑みを零す。
「でも・・・世の中アンタらみたいにイイヤツばっかじゃないのよ」
そっと、リョーコはマサヒコの手をとった。
まるで、藁にでもしがみつくかのように。
「先生・・・俺」
マサヒコはリョーコの手を握り返し、優しく、そっと、語り始めた。
「今まで、俺も周りにいつも人はいませんでした。女の子と話すのも苦手だったし・・・でも、先生たちと会ってから変われたんですよ」
そのときリョーコのつま先にあったビールが、コトンと倒れた。
中身はまだ入ったままで、床に流れ出しそうになる。
「あっ・・・」
マサヒコは床を汚してはいけないと思い、手を離して缶を起こそうとしたときだった。
ガバっと、リョーコがマサヒコを押し倒す。
マサヒコは一瞬驚いたが、ギュッと握り締められた手から震えが感じられたことに気をやった。
リョーコはまるで、手を離されることに恐怖しているかのようだ。
「連絡・・・しなくてスイマセンでした」
これからは、とマサヒコが続けようと思ったときには、リョーコの唇で自分の唇を塞がれていた。
鬼気迫る、というような表情で、マサヒコを封殺するように舌を絡ませる。
マサヒコは一瞬引き離して話そうとするが、リョーコはマサヒコの襟を掴んで離そうとしない。
それでもマサヒコは、くるっと体位を反転させてリョーコの上になる。
体重を利用して強引にキスしていた唇は、パっと離される。
「先生・・・無理しないでください」
マサヒコは辛そうな目で、リョーコを見つめる。
「俺は先生のことを攻めたりしませんよ」
リョーコは虚を突かれたように、表情を崩す。
押し倒して強引にキスすれば、マサヒコ自身が罪悪感を感じずにいられると思っての行動だった。
しかし、マサヒコはそれを感じ取っていた。
わざと、悪者になろうとするリョーコを。
「なんでっ・・・」
また、振り絞るようにリョーコは話し出した。
「そこまで・・・アタシのこと分かるんだったら・・・」
「アタシのこと・・・分かるとこ見せないでよ・・・」
もう言ってることが無茶苦茶だが、顔を手で覆ってしまったリョーコは泣いているようにも見えた。
「先生・・・風にでも当たりませんか?」
マサヒコはスッと立ち上がり、服装を正した。
努めて明るい雰囲気にしようと、矢継ぎ早に話し続ける。
「俺も、相談に乗ってほしいことがあって。夜風にでも当たりながら話しましょう」
感情の起伏が激しくなっているのは酔いのせいだろうという読みもあって、マサヒコはとにかくこの空間を脱することを考えた。
ここの雰囲気は、ちょっとヤヴァイ。
「うん・・・」
諭された子供のように、リョーコはだるそうに起き上がる。
何も言わないままクローゼットを開け、中にあった服をマサヒコに投げ渡す。
男性用の高そうなジャケットだった。
「その格好のままじゃアタシが補導されちゃうでしょ・・・」
確かに、リョーコに付き合わされて時計は23:00を回っていた。
高校生が制服のままウロウロするような時間帯ではない。
いつもなら、なんでこんなもの持ってるんですかとも突っ込むところなのだが・・・
バサっとジャケットを羽織ると、リョーコは少し嬉しそうな表情になった。
「似合ってるわよ」
ニヤッと笑うリョーコは、いつもに似た落ち着きがあった。
「それじゃ、行きましょう」
長い夜の、始まりだった。
続きは随時執筆中。
今気づいたけど行間開けなさ過ぎて究極に読みづらいね。
ごめんね、母さん執筆初めてだからゴメンね。
あ、もうぜんぜん読みにくいなんて事無いっすよ。ええ。
久しぶりの大型新人の登場にハァハァが抑えられんですよ。
続きもいい仕事してそうなんでお楽しみマックスですよ。
ところでヌレヌレになりましたか?
乙
まぁ気張らずガンガってくれ
みなさま今晩は。
>>228 ヌレヌレもビショビショよ。
中まで濡れちゃったし・・・あ、靴のことだよ?
投下ルールも守らずに申し訳ない、続き行きます。
いきなり変更で申し訳ないんだけど、タイトル変更するね。
『MOTEL〜横恋慕〜』でよろしくお願いします。
夜風は二人の体を冷やした。
リョーコにとっては、いい酔い冷ましになっているのだろう。
マサヒコにとっては些か寒さを感じる気温だったが、リョーコから渡されたジャケットは外気からマサヒコを守った。
「これ、いいジャケットなんですね。まだ少し冷える時期ですけど、これのおかげで寒くないです」
まずはジャブ、と言わんばかりに切り出すマサヒコ。
先ほど唇を奪われたことに、動揺がなかったわけではない。
しかし、今その話題に触れてしまっては先ほどの雰囲気に戻ってしまう。
「気に入ったならアンタにあげるわよ」
そういったリョーコの顔は、穏やかながら虚空を見つめるかのようだった。
「高そうですし、なにか縁もありそうですし・・・遠慮しますよ」
「それより」
遠慮するマサヒコの言葉を制するように、リョーコは言葉をかぶせた。
「相談したいことがあったんじゃないの?」
ある種、あの場を抜け出すために言った言葉に突っ込まれたマサヒコは少し言葉が詰まった。
しかし人生経験豊富なリョーコ相手なら、相談する価値があるかもしれない。
「実は俺・・・今サッカー部でレギュラー争いしてるんですけど・・・」
高校受験のときから、こういうことは自分で解決するしかないのは分かっていながら。
「結果を出さずとも、あなたの努力を見ている人は必ずいるわ。全力を尽くして、結果を受け止めなさい」
スパッと答えられて、次に出てくる言葉がない。
リンコの話でもするか、と思ったときだった。
「そのジャケットねぇ・・・親父のなんだ」
リョーコの言葉に、この先続くだろう話の重さをマサヒコも感じ取っていた。
「ま・・・さっきも言ったけど、家庭環境はよろしくなくてねぇ。誰かに注目されたくて・・・見てほしくてね」
マサヒコから目を逸らし、ゆっくり歩をとりながら語る。
マサヒコは、隣を歩きながら話を聞いていた。
「そのジャケットは、家を出るときに持っていった戦利品」
リョーコの指す『出るとき』が、父親が出て行ったのか、リョーコが出て行ったのか、どちらを指すのかがマサヒコには分からなかった。
当然、それを聞き出すこともできなかった。
「何でも・・・誰でも・・・良かったのよ、最初は。欲を出すと・・・ろくなことにならないわ」
チラッと視線をやられ、慌てて目を逸らすマサヒコ。
なぜだか、妙に気恥ずかしい。
「奇抜なことやってりゃ、注目集めるのくらい簡単だったわ。でも、アンタ・・・マサ、アンタは違った」
「え・・・」
リョーコは歩を止め、マサヒコの顔を掴んだ。
先ほどの出来事から、まさか、と思いマサヒコは少し身を引いた。
しかし逆にリョーコから押され、倒れそうになる。
倒れまいと前へ重心をやった瞬間、今度は引っ張られて体をコントロールされる。
こういうところにリョーコ独特の『人生経験』が見え隠れする。
結局、警戒していたはずなのにマサヒコはまたも唇を奪われた。
「んむっ・・・」
あの頃に比べれば、マサヒコは大人の体になっていた。
いつの間にかリョーコより背も高くなり、運動部所属なだけあって肉付きも良くなった。
思いっきり振りほどけば、キスをやめることはできた。
しかし、マサヒコはそれをしなかった。
キスの最中に目を開ける。
ある種、反則行為ともとれるそれをしたことが、マサヒコの行動を縛り付けた。
キスをするリョーコは、明らかに泣いていた。
愛を求めるように、必死にキスするリョーコを止めることができなかった。
マサヒコの口内に侵入した舌は、生き物のようにグネグネと動く。
応えようとマサヒコが舌を軽く動かすと、それを狙いすましたかのようにリョーコはマサヒコの舌をくわえ込む。
大人特有、とでも言うべきなのだろうか、ネットリとしたキスにマサヒコは戸惑う。
浮き足立つマサヒコ相手に、リョーコは思う存分暴れまわる。
ゆっくりリョーコが唇を離すと、つ・・・と架け橋が出来上がって一瞬で消える。
少し寂しげに、リョーコはマサヒコを見つめながら笑った。
「上手じゃない」
有り難くないというかなんと言うか、微妙な部分を褒められて微妙な表情のマサヒコ。
なによりリョーコにされるがままだったマサヒコが、上手などと言われても困る。
「ここじゃ・・・」
と言いながら、リョーコは目をホテル街の方へやった。
案の定、リョーコは仕掛けてきた。
先ほどまでは押されてしまったが、こういうことは勢いだけで行っていいものではない。
マサヒコは抵抗を試みる。
「いや・・・・・・それは流石に」
「ここの方がいいならアタシは全然構わないけどね」
マサヒコが攻勢に出ることを許さないリョーコ。
ついさっき、体を自由にコントロールする技術を見せ付けられたばかりだ。
本気になれば、この場で押し倒されかねない。
とりあえずマサヒコは時間を稼ぐために、リョーコについていくことにした。
すると、急にリョーコが腕を組んできた。
マサヒコはまたも戸惑う。
「ちょっ・・・先生」
「いいじゃん♪」
嬉しそうに微笑むリョーコは、まるで子供のようだった。
妙に、愛らしく感じてしまった。
迂闊だったとでも言うべきか、マサヒコの思考が対策に至る前にホテル街へと到着してしまった。
ヤバイ、と目を泳がせるマサヒコを尻目に、リョーコはズイズイと歩を進めていく。
しかし、辿りついた建物を前にマサヒコは拍子抜けする。
テカテカと輝くホテル街を抜けた裏道に、ポツンと居座るビジネスホテル。
「着いたわよ」
本当にここなのか、というマサヒコの疑念を晴らすようにリョーコは言い放った。
これもガードを開けさせる作戦なのか、などと疑心暗鬼にマサヒコは考える。
「内装が好きじゃないのよね・・・ラブホはさ」
こんな時間からでもチェックイン出来るのか、と疑うマサヒコだったが、フロントで鍵をアッサリと受け取るリョーコ。
まさか最初からここに連れてくるつもりだったのか?
「さ、行くわヨ」
ビジネスホテルというのは本当に飾り気がない。
部屋には小さなベッドがひとつ、申し訳程度のドレッサーと薄っぺらなクローゼット。
いかにも、というユニットバスが付いている程度だ。
「座りなよ」
ベッドに腰掛け、ポンポンとそれを叩きながらマサヒコを誘う。
いや、そこに座ったらなにが起こるかぐらい容易に想像できる。
俺はこっちでいいです、と近くにあった椅子に座る。
「あ、そう」
さっきまでの流れからすれば、ここで沈んでしまうことも考えられたが・・・
コロコロと変わるリョーコの態度に、マサヒコは混乱していた。
緊張のためかやたらと喉が渇く。
まともに飲み物も置いていないが、水とコップくらいは用意されていた。
なにか気を紛らわしたくて、マサヒコは一気に水を飲んだ。
と、思われたときにはリョーコの上半身は下着一枚になっていた。
マサヒコは盛大に水を噴出し、大道芸人も真っ青な美しい虹を作り出す。
「ゴフォッ、なかむ、グッ、なにやtt、ゲホッ!」
まったく予想していなかった展開ではないが、さっきまでじっくり攻められていたのにいきなり速攻の作戦に出られるとは・・・
虚を突かれたマサヒコは動揺して、息継ぎもままならない。
「落ち着いて・・・マサ」
そんなことを、下着姿の女性に言われても。
そう抗議したいのは山々だったが、マサヒコは上手く喋ることが出来ない。
その隙を狙って、リョーコは井上康生を彷彿とさせる内股でマサヒコをベッドに押し倒す。
「落ち着けって言ってんでしょぉ」
じ、と意地悪く見つめられ、マサヒコはやっと落ち着きを取り戻した。
しかし、胸の鼓動は早くなるばかり。
マサヒコも男である。
黒のブラに包まれた二つの膨らみを、意識せずにはいられなかった。
余計な肉のない引き締まった体に、妖艶な匂いが鼻をつく。
ぞわ、とスイッチが入ったように、マサヒコの体は反応を始めていた。
「あっ・・・」
マサヒコに男の反応があったことをいち早く発見し、リョーコは嬉しそうにニヤついた。
「EDじゃなかったか・・・」
本気で言っていたわけではないが、このご時世にあそこまで浮付かないのは異常としか思えなかった。
あの家にエロ本の一冊もなく、嫌々ながら真顔でAVを鑑賞し、嫐る体位でも無反応のあのマサヒコが。
今、自分の姿に欲情している。
リョーコはなんとも言えぬ勝利感に満たされていた。
「触ってもいいんだよ・・・」
それがなにを指しているのか、マサヒコには分かっていた。
そして、それを実行することがなにを意味するのかも。
「大丈夫・・・誰にも言ったりしないよ」
リョーコ自身も、マサヒコがそれを行うことの代償を知っていた。
むしろ、だからこそだったのかもしれない。
自分がもう、取り戻せない純粋さ。
その塊みたいな少女から、マサヒコを奪うこと。
生徒たちを思う気持ちと、略奪欲を天秤にかけること自体への罪悪感。
とことん、堕ちてやろうという覚悟があった。
・・・それなのに。
マサヒコはグイッと体を反転させ、リョーコの上になる。
ある種、悪者に成り下がる自分に酔いを感じながら、マサヒコの行為を待った。
「俺は・・・今から中村先生を抱きます」
思いもよらない言葉。
そんなことを言わなければ、被害者でいられるのに。
マサヒコはキレイなままでいられるのに。
「俺の意思で、あなたを抱きます」
マサヒコの言葉の一つ一つが、リョーコに染み渡る。
築き上げてきた心の鎧を溶かすように、熱く、激しく。
マサヒコはリョーコの体に唇を落とす。
チュ、チュとマーキングするように、何度も。
「あぁっ・・・」
こんな行為、慣れっこのはずなのに。
まるで、灼熱を押し付けられているような感覚を味わっていた。
肩に、胸に、腹に・・・
そうして下降しつつ続けられる灼熱の口付けに、リョーコは陶酔していた。
下腹部まで達したところで、マサヒコはそっと行為を中断する。
頂点まで達しそうだったリョーコにとって、ここでの中断は生殺しに他ならなかった。
マサヒコは、自分の上着を脱ぎ捨て、あっという間に上半身裸になる。
「これで平等ですね・・・」
そう言って、マサヒコはリョーコに圧し掛かる。
首筋にそっと舌を這わせて、軽く息を吹きかける。
「ひっ・・・!」
リョーコはこんなにもマサヒコに翻弄されることは予測していなかった。
地肌と地肌が触れ合う感覚。
無防備な首筋を攻められる焦燥感。
中断された下腹部までの熱が、湧き上がるようにリョーコの全身を燃え上がらせた。
「ちょっと体浮かせてくださいね・・・」
快感に意識をとられて、リョーコは反応がいちいち遅れていた。
促されるままに身を預けていると、気づけばブラを外しにかかられていた。
しかも、片手で。
手つきが慣れてるな、とリョーコは複雑な思いになる。
マサヒコの早業によりブラは外され、形のいい乳房がぶるっ、と外気に晒される。
先端は勃起し、張り詰めていた。
それを口に含んだマサヒコは、舌で遊ぶように転がしながら吸い上げた。
もう片方の乳房は、マサヒコの片手で弄ばれていた。
「あっ、あっ・・・・・・・・・んんっ!!」
マサヒコが乳首を吸い上げ、もう片方の乳首をつまみ上げた瞬間のことだった。
リョーコは体を大きく跳ねさせ、虚空を見つめた。
「・・・イキました?」
マサヒコの余裕のセリフに、憎たらしさすら覚える。
百戦錬磨の中村リョーコ様を、こんな風に蹂躙して。
イキました?、なんて言葉を、一方的に浴びせられるようになるなんて。
ここではリョーコも妙なプライドがあり、反撃に転じようとする。
「そういうアンタも・・・!」
リョーコはガバっと体位を入れ替え、片手でマサヒコのベルトを外す。
このあたりの技術も白熱の対象なのか。
外れたと同時に、下着まで一気に下ろしてしまう。
リョーコの眼前には、待望の男根が聳え立っていた。
「おおっ・・・」
これは中々いいものを、と職人のような目つきになるリョーコ。
ギラギラと目を輝かせるリョーコに、マサヒコは照れる。
「あの・・・」
「ん?」
マサヒコは、申し訳なさそうに話し始めた。
「名前で、呼んでいいですか?」
「ほあっ?!」
なぜこのタイミングで、と思ったこともあってか、リョーコは出したこともないような声で反応してしまった。
「こういうのは・・・やっぱり・・・」
その先を、妙に恥ずかしげにするマサヒコ。
やはり、愛しさを感じずにはいられなくて。
「いいわよ・・・マサ」
そう言って、リョーコはマサヒコの男根をくわえ込んだ。
やられっぱなしでたまるか、という意思の現れか、リョーコは最初からペースを飛ばす。
竿の根元から、裏まで舌先を存分に使って舐めまわす。
いかにこの数年でマサヒコも経験を積んだかも知れないとはいえ、ここまでのテクニックは未経験であることは容易に想像できた。
いたいけな女子高生どもなんぞに、この中村リョーコ様のテクニックが劣るはずもない。
マサヒコの反応を確認するまでもなく、一気にディープスロートまで転じた。
「うっ・・・あっ・・・」
マサヒコのあえぎ声が聞こえる。
それだけで、リョーコは言いようのない興奮を覚えた。
チラ、とマサヒコの顔を覗くと、端正な顔を歪ませて快感に浸る美青年がそこにいた。
ここぞとばかりに一気に攻め込むリョーコ。
女のように甲高い声をあげるマサヒコを、十分に堪能しながら。
「もうっ・・・イクッ・・・!!・・・リョーコッ!!!」
そう言った瞬間、リョーコの口内にマサヒコの欲望が爆発した。
ドクッ、ドクッと凄まじい勢いで口内に射精され、舌で転がしつつ飲み込む。
アドレナリンが分泌されるように、リョーコの欲望は増していくばかりだった。
「はぁッ・・・美味しい・・・♪」
本来精液に美味を感じるはずもないのだが。
愛の成す業か、はたまたリョーコ独特の味覚なのか。
精液を堪能するリョーコは、魅惑のアドレナリンを放出しているようだった。
マサヒコ自身も、リョーコを見て興奮を増長させていた。
「手ぇ、ついて・・・」
リョーコを四つん這いにさせて、一気にズボンを下ろす。
ブラとお揃いの黒いショーツは、ビショビショに濡れそぼっていた。
「こんなに濡らして・・・」
あぁ、もう官能小説みたいだな、とマサヒコのセリフに苦笑するリョーコ。
しかし、そんなありふれたセリフがリョーコの被虐嗜好を刺激していた。
年下の元教え子に、蹂躙されている。
頭の中で現状を把握すればするほど、リョーコの思考はパンクしそうなほどに膨れ上がった。
下着をそっと下ろすと、ツー・・・っと糸が名残惜しそうに残る。
マサヒコの前に晒された秘所は、恥ずかしいほどに濡れそぼっている。
「綺麗ですよ・・・」
マサヒコの指が、割れ目をそってなぞる。
ススス・・・と、もったいぶるようにジリジリと。
「あぁん・・・マサ・・・」
はやく、はやくと目で訴えるものの、そんな目をされることも計算済み。
結局、マサヒコの加虐嗜好を煽るだけなのであった。
いつになったら、とリョーコが辛抱しきれなくなったときだった。
ズブッ、とマサヒコの指が割れ目の中へと食い込む。
「ふあっ!!」
リョーコはいきなりの快感に体を跳ねさせ、喘ぐ。
マサヒコの姿を確認することが出来ないため、次の一手が予測できない。
とはいっても、この体制から攻められる箇所は限られるのだが。
マサヒコは中で指をしっとりと動かしながら、舌をクリトリスへと這わせた。
「んあああぁぁぁぁぁっっ!!!」
女性にとって全般的に言える性感帯。
もちろん、リョーコにとっても例外ではなかったが・・・
今まで交わってきた男たちだって、リョーコを鳴かせようとここを攻めるのは常套手段。
いわば、慣れっこのはずだった。
なのに、こんなにも声が抑えられないくらいの快感が得られるなんて。
自らの秘められた被虐嗜好と、長年不足していた愛欲に満たされ、リョーコはこれ以上ない快感を得ていた。
チェンジオブペース、決してがむしゃらにでもなく、優しすぎもせず。
マサヒコの卓越した技術は、才能の成すものなのか、経験の成すものなのか。
そのどちらかによって大きくニュアンスは変わるものの、今のリョーコにとってはどうでも良いことだった。
Gの前後を微妙な加減で擦りながら、クリを挟み上げるように舐める。
「んっ、んっ、んっ、んっ」
段々と極まってくるリョーコの声に、マサヒコも気づいていた。
グチュグチュ、と水っぽい音が響き渡る。
音を立てれば立てるほど、リョーコは自分が犯されていることを実感して興奮する。
マサヒコもまた、わざと大きく音を立てるように演出していた。
「駄目っ!!来るっ!!あぁッ!!!!イクッ!!!!!」
矢継早に、限界を伝える声。
少し遅れて、リョーコは盛大に潮を噴き上げた。
ベッドがビショビショになってしまったのも気にせず、マサヒコは倒れこんだリョーコを抱き上げる。
「終わってないですよ・・・」
潮吹きなんて、ここ数年していないのに。
絶頂を味わった直後、まだ迫るマサヒコに戦慄すら覚える。
「ま、待ってマサ」
なんとか時間を稼ごうとするものの、すでにマサヒコの男根は完全回復していた。
結局そこに目が行ってしまい、ゴクリ、と生唾を飲む。
同時に、そこで時間を稼ぐべきであったはずの言葉までも飲み込んでしまった。
マサヒコは脱ぎ捨てられた上着のポケットから、財布を取り出した。
あぁ、持ち歩いてるのねと感心するリョーコであったが、それはすぐに撤回することになる。
「・・・・・・イチゴ味・・・」
綺麗に包装された近藤さんは、初恋の味。
こんなふざけたキャッチフレーズのアイテムを持ち歩いているなんて、マサヒコの私生活を疑うリョーコ。
「信じてもらえないかもしれませんけど、もらいものです、ソレ」
凄いタイミングで持ってたな、とも思うリョーコであったが、本妻相手に使う代物ではないということでも有るのかもしれない。
自分には愛人がお似合い、そんな考えをまた過ぎらせていたが、察したのかマサヒコはソレをリョーコに手渡した。
「付けてください」
生意気な、と思いながらも渋々口にコンドームをセットするリョーコ。
マサヒコの男根にあてがって、一気に装着する。
「マサ、顔見てたい」
後背位よりも、正常位で。
リョーコは自らが心を許す相手との行為を、実感したかった。
相性の問題なのか、リョーコは後背位のほうが本来好きであるのだが。
マサヒコは慣れた手つきでリョーコをころん、と転がした。
「行きますよ・・・」
濡れすぎ、というくらいの秘所に、マサヒコの男根が挿入される。
ズブ、ズブ・・・・・・
「あっ・・・イイッ・・・!」
想像以上に、イイ。
リョーコは今まで感じてきた快感の中でも至高のものを味わっていた。
相性か、大きさか、愛か。
そんなことはどうでもいいくらいに、リョーコの中でマサヒコの分身が暴れ始める。
「動かしますよ」
どんどんと分泌される愛液で、滑らかに出し入れを繰り返す。
締め付けはきつくなり、快感の摩擦が二人に電撃を走らせる。
マサヒコ自身も興奮を増したのか、次第に激しさは加速を増していく。
パンッ、パンッ、と二つの肉壁がぶつかり合う音がどんどんと大きくなって、部屋中を支配する。
あまりの激しさにリョーコは自ら腰を振ることもままならず、挿入の衝撃に乳房をぶるっぶるっと弾けさせた。
左右の動きも加え、完璧なテクニックでリョーコを圧倒するマサヒコ。
マサヒコの分身は、リョーコの中で滅茶苦茶に暴れまわった。
リョーコも視点が定まらないくらいに興奮し、自分の腰の動きも加え始めた。
元々セックスの技術に関して優れているリョーコだから、本領が発揮されれば一方的に攻め入られることなどない。
守勢ながらもやっと土俵にたったリョーコだったが、マサヒコはさらにペースを上げる。
パンッ!パンッ!パンッ!と突き上げられ、体中に衝撃と快感が響き渡る。
「ふあっ、あぅ、あああぁっ」
またしてもリョーコは快感の海へと放りやられる。
全身が性感帯になるような、どうしようもない状態。
もう、何もかもが弾けてしまいそうだった。
「だっ、駄目ッ、マサっ、まさっ」
イキそう、イッちゃう、とにかく伝えたいのに。
一緒にイキたいという願望もあったが、どうにもペースから考えて自分のほうが持ちそうにもなかった。
それを察してか、マサヒコはピストンのストライドを一際大きくする。
リョーコの限界はもう目の前まで来ていた。
「俺も・・・イキますっ・・・!」
一緒に、やっとイケる。
待望の一瞬は目の前にある。
「リョーコッ・・・!」
「あああああああああああああぁぁぁぁぁッッッ!!!!!」
名前を呼ばれて、それをキッカケに達するリョーコ。
「うッ!」
ほぼ同時に、マサヒコも射精の瞬間を迎えた。
マサヒコは即座にゴムを外し、男根をリョーコの眼前へ向ける。
ビュルッ、ビュルルルルッ!!!
リョーコの顔は一瞬にして真っ白な化粧を施されてしまった。
顔一面を静止で汚し、とろん、と意識を飛ばしたリョーコはこれ以上なく淫靡である。
マサヒコも大量の射精による虚脱感から、ふっとベッドに突っ伏した。
「慣れすぎよ、アンタ」
行為を終えて一休みしている最中に、リョーコが切り出した。
『あの』中村リョーコを掌で躍らせるようなテクニックを、どこで学んだんだと迫る。
『関東のセックスマエストロ』の看板も、今日限りになりそうだ。
「そんなことないですよ・・たまたまです」
セックスにたまたまなんかあるか、とでも言いたげなリョーコだったが、たどり着く先が分かっていたために追求しなかった。
改めて、自分の犯した行為がいかなるものであったか実感する。
「・・・キレイなままでいたかった?」
リョーコの言葉が意味することを、マサヒコも分かっていた。
自分たちの行為、それが示す裏切り。
リョーコにとっては経験済みのことかもしれないが、マサヒコがそれを経験しているとは考えにくかった。
「全部、自分で決めたことですから。後悔なんてしてませんよ」
嬉しいような、申し訳ないような気持ち。
少なくとも、確かなのは愛しい気持ち。
自分が、居るべき場所。
ずっと、求めてきた場所。
リョーコは、やっと本当にほしかったものを見つけた。
「・・・それにしても、俺こういうホテルなんて初めて泊まりましたよ」
「ホテルなんて、勝手な言いようだわ。こんなんじゃモーテルと変わらないもの」
フーッとタバコの煙を吐き出し、窓の外を見つめるリョーコ。
「今のアタシらには、お似合いかもね」
マサヒコを巻き込んだ罪悪感からか、自分と同じような道を歩ませようとしていることに対する後悔の念なのか。
瞬時、リョーコの表情が曇る。
「それでも」
マサヒコは、リョーコの手をとる。
「これからは、一人じゃない」
真っ直ぐにリョーコの瞳だけを見つめ、マサヒコはハッキリとした口調で話した。
「一人じゃないから」
言葉を出せないリョーコの唇を、マサヒコの唇が塞いだ。
降り注ぐように輝く星空は、いつしか明けようとしていた。
終わり
以上です。いやー生みの苦しみってヤバイね!w
文章をまとめる技術がないからめちゃ長いけどゴメン。
突っ込みどころもたくさんあるのは分かってるけど、これを機にここが活性化することを願うよ。
名投手カムバック!
ほいじゃまた!
誰も居ないだろうから今のうちに!
gj
マサヒコ×リョーコでこういう展開とは新鮮な・・・
グッジョブ(o^-')b
新エース誕生の悪感
あらたな風が吹き込んできたぜ!
GJ!
本当は天下無敵系のリョーコのほうが好きなんだけどね。
誰か書いてちょ。
そういやここってエロ以外駄目なんだっけ?
個人的には濡れ場が無くても面白ければぉk。
ここはエロパロ板なので、冒頭に濡れ場無しとかの注意書きは必須。
>>245 サンクス。了解した。
携帯から失礼しま素股。
静止→精子です…
決め所でこれだよ…orz
俺が書く→とりあえず作品が投下されること自体は嬉しいものの、良作が見たくなってくる住人
→仕方ないな…と、とうとう腰をあげる長時間氏→次々と復活する名投手
→かつての隆盛を取り戻す
みたいな展開キボンヌ
247 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 23:03:18 ID:7ifoq9DI
素敵(*u_u)
前スレのしりとり1ヶ月も続いてるのかw
さすがにもう少しで埋まりそうだな
焦らずいこうぜ
→ガンガンイこうぜ
このスレ的には獣姦ってどうなんだ?
有りなら書きたいんだけど
描いてみればいいジャな〜い
リンコがナナコにやられるのか(*´Д`)ハァハァ
きんたまプレイだな
ナナコって雌じゃなかったっけ
つまりマサとヒイイイイィィィ
まぁ、そっちが駄目な人の為に前書きで注意文があれば問題ナイのではなかろうか
256 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 21:14:14 ID:FQJIZva5
ヒロ君と三瀬エリコをお願いしま。
氏家スレはどこにイッテも癒されます。今日も天邪鬼さんの、まさかのマサ、リョーコ
翻弄のエロに癒されました。ありがとう。
>>251 リョーコ正夢ネタとか?とりあえず期待。
そうそう、
>>255が言うように、くどいくらいの注意文出した方が良いよ。
数年後のユーリ×ヒロティとか(今現在のユーリ10歳相手はさすがに犯罪だし)
もうすぐ週末・・・
wktk
前回郭氏が投下してくれてからちょうど一週間たつんだな・・・
期待しちゃう。
それまでの暇つぶしに短編でも書こうかなぁ。
リクあるー?
>>262 頑張ってみる。
出来には期待しないでくれ
264 :
262:2006/10/14(土) 11:38:17 ID:6fUv5mtP
ベテラン陣にばかり負担をかけるわけにいかないしな
俺も期待してるぜ
エロ部分を書こうって時に帰って来るんだよな・・・
エロパロは書く時間をとりづらいから困る
さて、リクエストを受けたはいいが完成する前に出かけなければならない。
とりあえず選択肢だけ用意しておくのでヨロ。
早くても完成は今日の深夜になりそうだけど。
遅筆でごめんね。
「あちぃ・・・」
青い海が呼んでる♪白い波が歌ってる♪
真っ赤な真っ赤な太陽追いかけて♪
走っておいでよ、プリンセス!!
などとはしゃげはしない。
南国じゃあるまいし、冷房完備の中で育った現代っ子に温暖化現象など耐え切れるはずがない。
幸い日本の学校には夏休みというシステムがあるものの、暑さを緩和する効果を持っていないのが唯一にして最大の欠点だ。
夏休みに入ったばかりの今日、晴天につき今年一番の猛暑。
早速宿題に取り掛かるわけでもなく、友人宅へ向かうアキの心情は複雑であった。
友人、『城島カナミ』は勉強に関しては優秀なものの限度を過ぎた思春期少女である。
夏休みに入るなりいきなり遊びの誘いというのがどうにも怪しい。
いつもなら「まずは宿題やろうよ」という変態には似つかないセリフを放つはずなのだが。
しかしアキにはその企みを推理する頭脳を持っていなかったのである。
ぴんぽ〜ん
ついた。ついてしまった。
まぁいい、なんとかなるさ。下手なことをしてきたら宿題やらせてやる。
そう自分に言い聞かせていたアキだったが、ドアを開けたカナミの姿に驚く。
「あっ、アキちゃん・・・いらっしゃい・・・」
明らかに顔色は悪く、声にも覇気がない。
少し喋っただけでむせてしまっている、その姿は紛れもなく風邪だ。
「うおっ!アンタ大丈夫?!」
「う〜ん・・・なんとか〜・・・」
話を聞いてみると、昨日全裸で寝ていたらしい。
パジャマだとどうにも暑いが、冷房をつけると効き過ぎる。
そこでカナミのとった行動が、全裸でタオルケット&冷房だったのである。
とどのつまり寝返りでタオルケットを失ったカナミには、冷気から逃れる術はなかったのである。
温度調節しろよ、という突っ込みもする気の失せたアキは、夏休み早々風邪引きの看病をするはめとなった。
カナミには帰るように促されたが、こんな状態の友人を放って置くほど無情に育てられてはいない。
着替えや汗拭き、濡れタオルの用意などを手際が悪いながらにこなしていった。
ところどころでかまされるエロボケにキレのないところが具合の悪さを物語っていたが、まだそんなことを言える余裕はあるのだな、と安心する材料にもなった。
ひとまずカナミの看病にひと段落つき、さてどうするかと思っていた矢先。
カナミは疲れていたのかすっかり眠りについてしまった。
「アタシを呼んでたから寝ないようにして待ってたのか・・・」
律儀というかなんというか。
こんなド変態でも、こんなだから友達でいられるんだろうな、と微笑むアキ。
そんなことをやっているうちに、アキにも睡魔が訪れた。
仕方ない、居間で寝よう・・・
というアキの決断は、夏の太陽が許してくれなかった。
「あっつぃ・・・」
カナミの部屋は温度調節がして有ったから良かったものの、ここは暑すぎる。
全裸になる気はないが、なりたくなる気持ちも分かる。
どこか冷房のある部屋はないのか・・・
たどり着いたのは、カナミの部屋の隣にある一室であった。
「いないのか・・・」
部屋の主、シンジはどうやらいないようだった。
まぁ夏休みだし遊びに行ってるんだろう、とアキは踏んだ。
結構早めの時間に来たから少しくらい寝てもすぐには帰ってこないはずだと。
人というのは自分の都合のいいほうに解釈するもので、現在シンジがカナミのための買出しに行っている可能性など、アキの頭の中に巡っては来なかった。
「シンジさんがいつも寝てるベッドかぁ・・・」
すっ、と少し匂いを嗅ぐ。
あぁ、確かにこの匂いだ・・・
イカ臭いだの汗臭いのだとは別に、個人特有の匂いというものはある。
アキはシンジの匂いのするベッドに、少し気持ちを高揚させていた。
「ははっ、匂いなんて嗅いでどうこう言ってたら・・・カナミのこと・・・言え・・・な・・・」
矢野アキさん、睡魔を侮ってはいけませんよ。
まだ大丈夫、そう思うときに最も力を発揮するのが彼らなのですから。
謎のお告げを聞きながら、アキはスーッと眠りについた。
カナミが風邪を引いてしまったため、看病のために買出しに行ったのは良かったのだが。
普段頑張ってくれているカナミのために、そう思って余計に買い込みすぎてしまった。
「大丈夫かなアイツ・・・」
しっかり者ゆえに頑張りすぎるカナミは、あの体でまた家事でもやろうとしているかもしれない。
一刻も早く妹を看病するため、シンジは帰路を急いでいた。
「ただいまー。カナミ、ちゃんと休んでるかー?」
返事がない。
まさか買い物に行ってないだろうな?
そんなことを考えながら荷物を運ぶシンジは、玄関に増えている靴に気づかなかった。
カナミの部屋をノックしてみると反応がない。
恐る恐るドアを開けてみると、すぅすぅと寝息を立てている妹の姿があった。
「なんだ・・・寝てるのか」
一先ずの安堵を得たシンジは、次になにをしようか考えていた。
着替えも済ませているみたいだし、寝たばかりだろうから粥を作るには早い。
ずっとこの部屋にいてカナミを見ているのも・・・
そういえば宿題も溜まっている(とはいえまだ時間はあるが)。
ついでに欲望も溜まっている。
うーむ。
, -―――- 、
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l::::::::::::::::::::::::::::::::::/ l:::::::ハ::::::::::::::::::ヽ
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l:::::::::::::::::::::::l´ l:/ l;/ ヽ' l::::::l
l::::::, -、:::::::::l  ̄ ̄  ̄ ̄ l:::::l
lハ::l ヽ::::l lヾi
i! l:::l ヾi l
l:::ヽ、_ l ̄ ̄l /
l:::::::::::`ヽ、. |__| /
ヾi ヽiヽ::::::|` ‐┬― ´
, ィ´ヾヽ、_,//\
/´ ヽ、` ―‐ ´/ ヽ
| |
「シンジはどうする?」
【カナミの看病を続ける】
【自室へ戻ってみる】
ニア【カズヤとアーッ!!】
ちょwww終わりかよwwwww
274 :
262:2006/10/14(土) 19:08:18 ID:6fUv5mtP
あははは
できれば【自室へ戻ってみる】で続きをお願いしたく候
_ ∩
( ゚∀゚)彡 自室! 自室!
⊂彡
そういやこの「続き選択制」タイプの話は今までに無かったよなぁ
できれば全部書いてほしいものだ
_ ∩
( ゚∀゚)彡 全部! 全部!
⊂彡
ニア【カナミの看病を続ける】
ニア【カナミの看病を続ける】
ニア【ペットのケイちゃんにエサをあげに行く】
ニア【カナミの看病を続ける】
ベタだが、解熱座薬プレイをきぼんするッス
お待たせしました。
いきます。
「たまにはアイツと遊ぶか」
そういえば、今までの夏休みはカズヤと遊んだ記憶が少ない。
愛想を悪くしているつもりはないのだが、どうにもカナミに付き合っているのが多すぎた。
少し経てばエーコも遊びに来るだろうし、たまにはこっちから誘うか。
そうしてシンジはカズヤと遊ぶことに決めた。
メモ帳に少し出かけてくることと、起きたら必ず連絡するように書き置いた。
「カズヤ!」
連絡をしてからすぐに、カズヤは駅で待っていた。
理由はわからないが、妙に嬉しそうな表情に見える。
しかし恍惚とした表情でいるのはいつものことだと、気にも留めていなかった。
「いや〜、お前から誘ってくれるなんて嬉しいよ」
テクテクと歩きながら、ハイテンションで喋るカズヤ。
夏休みに入ったばかりだからか?とシンジは第六感を生かせずにいた。
「今ウチ誰もいないからさ、はやくイこうぜ」
なんだなんだ、女を誘うような言い方だな、とシンジは苦笑する。
カズヤが妙に早歩きするものだから、あっという間にカズヤの家についてしまった。
まぁ、帰るのも早くしないとカナミが心配だ。
そうしてシンジは自分の能力をまったく生かすことのないままカズヤの家へと上がりこんだ。
暗闇。
機械音。
なにがどうなってる?
カズヤの家に来てから記憶がない。
状況を確かめようとして、自分が身動きのできない状態になっていることに気づくシンジ。
カズヤ!
そう叫ぼうとして、喋れる状態ですらないことに気づく。
少し冷静になって自分の感覚を探ってみれば、どうやら暗闇ではなく目隠しがされているようだ。
「目が覚めたみたいだな・・・」
カズヤの声だった。
いくらこいつが変態だからって、こちらの意思を無視して巻き込んでもらっては困る。
とにかく話をつけようと、シンジはがむしゃらに暴れまわった。
「おいおい・・・興奮しすぎだぜ?」
そういいながら、足音が近づいてくる。
ようし、とりあえず外してくれ。
話はそれからだ。
そうして期待したのはいいが、最初に目隠しを外されてシンジは呆然とした。
そこに立ち並んでいたのは、目元だけをマスクで隠した全裸の集団だった。
これで美人の女性でもいればこちらの息子も披露したいところであったのだろうが、そんなにうまい話はない。
こんな怪しい集団の真ん中に、全裸で置かれた自分が何をされてしまうのかと思うと・・・
・・・
全裸。
「んんんんんんんんんんん!?!?!?!!?」
そう、シンジも全裸に剥かれていた。
これをキッカケにシンジは完全に意識を取り戻した。
カズヤの家に着くなり後ろから何か鈍器で殴られ、その先の記憶がない。
おそらく、その後この状況に置かれたのであろう。
「それではオークションを始めます!!アナル好きの高校生、プチモテなのに童貞というオプションがついています!!」
待て待て人が今情報を整理しているときになに始めているんだ。
見ている奴らもオォーッとか言ってないで帰れ。
そして何も言わなくていいから家族に土下座して普通の生活に戻ってくれ。
シンジの願いむなしく、カズヤの熱弁は続く。
「120!まだ出ませんか!?アナル好き!プチモテ!なのに童貞!!初モノですよ!!」
「うぅむ、よく見れば中々のチョモランマを持っているじゃないか・・・」
「うぅむ、ガタイも良いのに綺麗な肌をしておる・・・染めてみたい・・・」
もう耳を塞ぎたいくらい恐ろしい会話が目の前でされている。
何俺?売られんの?
シンジの不安そうな表情を察知したのか、カズヤはソソソと近寄ってくる。
「安心しろ・・・ちょっと相手するだけだから。いわゆる予約制でな・・・定期的にこなすだけで、後は普通の生活が出来るぜw」
どこが普通なんだ!
安心するどころか不安を増したシンジは、どうにかカズヤに交渉する手段はないか四苦八苦する。
カズヤはシンジの意を察したのか、そっとマスクを外した。
「カズヤ・・・今はそれどころじゃないんだ。カナミが熱出して寝込んでるんだよ」
「ふむふむ」
「それにお前はこんな趣味じゃないだろ?資金調達のためにプライドを捨てるような男じゃ」
「よしOK」
最後まで話し終える前に、シンジはまた口を塞がれてしまった。
「お客さんたち!!こいつのレアさを分かってないようですね!!」
カズヤがさっきより高らかに話す。
「こいつはキスすらまだです!!しかも家には滅茶苦茶可愛い妹までいます!そして今はその妹は熱で寝込んでいます!!!さらにヒィ!」
張り切りすぎて最後は声が裏返るほど熱弁するカズヤの姿に、シンジは戦慄を覚えた。
誰なんだ、こいつは本当にカズヤなのか。
「自分が犯される姿をクラスメイトに見られてしまうというオプションまで付けますよォォォ!!!」
ここで一際大きな歓声が沸いた。
目の前の無数の男根が一斉に勃ち上がり、見事なアルプス山脈が現れる。
口笛が遠くまで聞こえるなら、おじいさんに救出を願いたい。
口々にされる数字が大きくなっていき、その声も感極まっていく。
最後に聞いた声はサンビャクゴジュフゥン!!とかいうオカマ声だった。
「ハイハイハイハイ更にィィ!!彼は夏休み最高のオナニーをするため、かなり溜まってますよ!!」
カズヤはどんどんと客を煽る。
ん・・・?
そういえばこいつさっきクラスメイトがどうとか・・・
ハッと周りを見渡すと、見覚えのある人物がいた。
井川・・・!!
こいつらどうかしている。
金のためなら男も抱くのか?
そうシンジが疑問を抱いた瞬間だった。
「シンジ・・・手に入らないものを追いかけ続けるロマンもいいが、現実問題手の届く幸せのほうがいいってこともあるんだぜ?」
カズヤが耳元でそっと囁いた。
その行為と、言っていることの気持ち悪さが合わさってこれ以上ないくらいにカズヤは不気味さを増した。
まさか・・・
「こっちの業界は人が多くないからな・・・引く手数多だったわけだ。それに・・・想像以上だぜ?」
何がだ。
いや待て知りたくない。
もはや、自分ひとりで突っ込みを完成させるしかないシンジ。
想像以上も何も、こんなケースを誰が日常から想像しているというのだ。
というかコイツ一度この場を経験してるのか。
「俺のときでもかなりの高額が出たんだぜ?現役で童貞の高校生ってだけで300は出るからな・・・だけど今日はオークション始まって以来の値段が出そうだ」
会場に、5000の10、という声が響いた瞬間だった。
オォーッという歓声の後に、誰一人喋らなくなってしまった。
「決まりだな・・・」
カズヤが遠い目をしながら、言い放った。
声の主が近づいてくる。
「シンジ君・・・」
マスクを外された瞬間、男がシンジの唇に激しく吸い付いた。
舌を入れてきたり、その間にヽ(・*・)ノアナルをいじられたり。
無駄にスキルの高い相手に、シンジは困惑した。
次の瞬間には、なにやらデロデロとした液体を尻に塗りこまれる。
同じものを、男は自らのフジヤマに塗布していた。
「最初は強引なくらいがイイ・・・良い声を聞かせてくれよ!!」
そういわれた次の瞬間には、シンジの滝壷に男のフジヤマが一気に入り込んだ。
「アーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!」
シンジのチョモランマも、山脈に加わった。
―――――――――― アルプスにようこそ! ―――――――――――
以上、とりあえず一番早かったのを書いてみました。
BL注意、って書き忘れたけどまぁプレイは未遂だからセーフってことにしといてw
セーフ?んなわけねえだろ。バリバリのアウトだよ
、 ___
_ -―ヽ`´'ー―ァ、_ /
> / イハハヽ ゝ!
∠ / , ヽ |
/イ  ̄ `ー ヽハ;,:| カウパー出ちゃう
/ -― ―-、 ;';';';'|
/ハ , , ;';';';';|
. l ;';'; <
. ', 、_ _( /\
、  ̄ `ー /  ̄ ̄
`ー- _ r‐'
// / ト、
/´トV ,.-' l
/ ヽ/ |
/ |
GJwwwww
これはひどい
責任を持って、残りの選択ver.も書くべきだ!
カズヤとのプレイを責任もって書くべきだ!
次から注意書きを忘れないようにな?
どう見てもアウトです。本当に(ry
こんな展開にした
>>273出て来いやー!
でもまあ面白かったけど。
296 :
262:2006/10/15(日) 11:26:17 ID:+6CG3aPA
笑ってしまひました
でもやっぱ【自室へ戻ってみる】ルートを書いてほすぃ
男だが、若い頃旅行に行くと必ず便秘になった私の体験です・・・。
とても 固 く 固 く な っ た 太 い モ ノ が結腸を通過するときに
感じる、表現しようの無い何かを味わったことが度々。
そんな感覚を味わう前にすっかり女好きになっていた私としては、それまではその手の
趣味の人達に同情を抱いていたのですが、以降絶対俺の操は守らねば、そうしないと彼岸の
彼方に逝ってしまう、と自覚した次第。皆様も気をつけた方がいいよ。
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
マサヒコ×ミサキで、スルー対象ワードは「アツアツ」「小ネタ」です。
題は「熱いミルクティーが似合う秋の午後」でお願いします。
天高く、馬肥ゆる秋の日曜日。
黄色がかった草葉が優しい風にゆらゆらと揺れ、陽光は実に穏やかだ。
お出かけには絶好の日和と言って良い。
「あん、マサちゃん……やだぁ」
「ん、ミサキ……」
だが、このアツアツペアはずっと屋内に篭りきりだった。
中村リョーコがその場に居合わせたら、顔をしかめて言ったことであろう。
外は秋なのにこの部屋だけ真夏か、このバカップルめ、と。
時間は正午を少し回った辺り。
本来なら、遊園地やデパートにでもデートに行っているところだ。
しかし、マサヒコもミサキも、昨日は学校に遅くまで残って文化祭の準備をしていた。
それで疲れており、朝早く起きることが出来なかった。
とは言え、それで別々のまま家でゴロゴロする、という選択肢は二人にはない。
何せ付き合い始めて約半年、メチャクチャ楽しい時期なのだ。
「あっ……!」
「相変わらず首筋が弱いんだな、ミサキは」
疲れている、とは言っても、男と女が二人っきりになれば、することはひとつだけ。
それに、小久保家、天野家ともに父は出張、母は町内会の日帰り旅行中。
誰にも邪魔されないし、誰にも気兼ねする必要がない。
「やぁ、あ、あっ!」
「ミサキはいやらしいな、こっちも、凄いことになってる」
「はぁ……! 嫌ぁ、そんなこと言っちゃっ、んんっ!」
マサヒコの部屋は色々と散らかっているので、二人でイチャイチャするのは専らミサキの部屋と決まっている。
今日もそうで、十一時頃に起きた二人は携帯で連絡を取り合い、マサヒコがミサキの部屋へ御出征と相成った次第。
「はぁ、はぁ……マ、マサちゃ、ん……」
「脱がすよ、ミサキ……」
付き合い始めて半年、こっちの方もメチャクチャ楽しい時期、なのだった。
◆ ◆
「ミサキ、これ、沸騰させただろ。ミルクティーってのは沸騰寸前で火を止めるもんじゃなかったっけ?」
「い、いいじゃない。新しい作り方よ、新しい」
「ふぅ、ふぅ……ズズッ、しかも、砂糖を入れ忘れてる」
「あう」
白昼の睦み事が終わると、二人はシャワーで汗を流し、新しい衣服に着替えた。
一階の居間でテレビなんぞを見つつ、ミサキが作ったホットミルクティーでお茶休憩に。
実に優雅な休日の午後、のはずが、ホットミルクティーを作り損ねてしまうところが、いかにもミサキらしいと言えばミサキらしい。
「ま、いいか。飲めないわけじゃないし」
「その慰め方、ちょっと傷つくかも」
二人は肩を寄せ合い、ミルクティーを吹いて冷ましつつ、ゆっくりと喉の奥へと流し込んでいく。
「ふふっ」
「うふふ」
テレビからはバラエティ番組、開けられた窓からは爽やかな風。
顎に当たるホットミルクティーの湯気、肩に感じる愛しい人の体温。
「……ふ、わふ……」
「ふああ……」
そして、同時に出るあくび。
なんと幸せな時間であることか。
天高く、愛広がる秋の日曜日。
黄色がかった草葉が優しい風にゆらゆらと揺れ、陽光は実に穏やかだ。
ミルクティーを飲みつつ、恋人とお昼寝するには絶好の日和と言って良い。
「……」
「すぅ……すぅ……」
ミサキはマサヒコの肩を、マサヒコはミサキの頭を枕にし、二人仲良く夢の園へ。
なんと、幸せな時間であることか―――
F I N
以上です。
長めのエロいネタは、またいつか。
なんていうか、ほっとしたよ。
グッジョブ
確かにほっとした
GJ!さすがピンキリ氏!!
いいですなぁ(*´ー`)
前スレ埋め終わりますた(`?ω?´)ゞビシッ!!
埋め立て乙
さぁ、次の作品を待とう
アキを堪能したいねぇ
おっと失礼、秋の味覚を堪能したいねぇ
733 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 09:28:01 ID:kuWLny02
コドモはヌードなんかになっちゃいけません!
せめてきちんと、下が生えるまで我慢しなさい!
「い」
初心者質問ですみません、前スレの埋め立てについてですが、容量が500kB越えると
自動的にしまるものだとばかり思っていましたが、そうでは無いのですか?実は
許容量1000kBまであって、それでも半分でやめるのが礼儀?まだカキコできるので
頭にのっていたのですが・・・。
レス数は1000まで
容量は約500kbまで
前スレ容量埋め乙パイであります
毎回1000までイかずに、たっぷりと500kb中出しされちまうこのスレの、なんと淫乱なことか!
確かに1000イッたことないね、このスレ
マサ「ハァハァ……ウッ」
アヤナ「……早いのね(ボソ)」
マサ「orz」
カズヤだったら持続力より回数で勝負だろうな
カズヤは生きている意味があるのか謎だ
…そういや、カズヤが女性キャラとギシアンする話ってないな
マサパパや坪井、園長先生すらあるというのに
あるよ
リョーコとのやつが
カズヤは将来一体何になろうと言うのだろう
リョーコって
誰だっけ
シンジだって無いじゃんか!!
マサ
シンジ
ヒロキ
誰でもいい、俺と立場代わってくれ
ハーレムならマサ
信頼ならシンジ
仲介人のヒロキ
・・・てところか
はい、どうも郭です。
エロ無し導入部ですいませんが、アヤナ帰国SS、前スレ
>>470の続き。
NGワードは「エロ無し」「生殺し」「短い」「無駄にモブキャラ氾濫」
では、投下。
「おい、見ろよマサヒコ。まただ」
「…………?」
教室の窓際でなにをするでもなくダベっていたマサヒコと友人達だったが、
そのうちひとりがなにかを発見したらしく、マサヒコに声をかけた。
マサヒコたちの教室は二階の隅に位置し、小さな空きスペースがポツンと窓下に存在していた。
登校時や昼休みといった空き時間に生徒の通りが極端に少なくなることでそこは知られており、
英稜高校では屋上と並んで告白のメッカとなっている場所でもあった。
なんとなく嫌な気分がしながらもマサヒコがそこをのぞき込むと―――
「あ〜〜あ、また犠牲者が増えたか。か〜〜〜っ、しかし本当に罪だよな。
なんでフリーなのかね、若田部姫は」
「…………」
アヤナが男子生徒に告白されて断っているらしき、正にそのシーンだった。
「しかし今月に入ってから、俺が知ってるだけで7人目だよ」
「へへっ、7人の中にお前は入ってないのか、杉内?」
「一応断っておくが、俺は謙虚な性格で有名なんだ」
「は〜〜ん、釣り合わねーと思って最初から諦めたか。賢明な判断だな、杉内」
「人のこと言えんのかよ、新垣!」
「………どっちもどっちだろ。で、俺はその7人の中に入ってるんだよな、杉内?」
「あらら?和田もそうだったの?」
「はいよ、撃沈ですよ。先週見事にね」
和田君は、少しおおげさに首をすくめて両手を広げてみせた。
「しかし和田に小野寺に中島に西岡だろ。それにさっき振られてたの、
確か3年の新庄先輩だと思うから、この学校のイケメンたちをことごとく振ってるわけだな」
「まだ俺とマサヒコが残ってるけどな」
「自分で言うか?川崎。それに俺は別にそんな……」
「そう言うけどさ、マサヒコ?本当にお前、若田部さんとなんもねーの?」
「だから、俺にはミサキっていう彼女が……て言うか、川崎もまだ諦めてないのか?」
「いや、おれはどっちかと言えばリンコちゃんの方が」
「あ〜〜〜なんか、ムシャクシャしてきた!なあなあ、川崎、合コンの口とかないか?」
「振られてすぐにそれかよ。あ、合コンと言えばさ、マサヒコ。来週の日曜時間ある?」
「…………無くは無いけど、なんだ?」
「この前合コンした紅白百合女学院のコらから、オファーが来てんだよ。またどうですか?って」
「またマサヒコの一人勝ちかよ〜〜!!」
「しょーがね〜〜だろ、声かかったのはマサヒコと俺だけなんだから。
お前らもな、合コン行ったときくらいキチンと場を盛り上げろって」
「あ〜〜あ、なんでなんだろな」
「顔なら俺や川崎の方が良いのに」
「………本人の目の前で言うか?和田」
「カラオケも苦手だからとか言ってたクセに、結構上手いってのはアレ、ズリーよな」
(本当に苦手なんだって……先生たちに散々付き合わされてなんとか歌えるようになっただけで)
「なあ、マサヒコ。俺は若田部さんはどうでも良いんだけどさ、
マジでリンコちゃんとは何もないんだよな、お前?そこだけ確認を……」
「だからあ!!!!!!」
「なんでマサヒコばっか………」
「俺は、なんとなく分るけどな」
珍しく沈黙を守っていた杉内君が、口を開いた。
「顔だけなら、確かに和田や川崎の方が良いと思うよ。
でもマサヒコって自分がイケてるのを顔に出さないし、結構気を使うし、優しいし、
下心無さそうに見えるし。女の子はそれでヤられちゃうんじゃないか?」
「………お前が言うと、説得力あるな、杉内」
「ま、観察眼だけは超一流なんだよ、俺は」
「それが実戦で活かせたらな」
「うるへえ」
「ま〜〜た集まってなんかエロい話してるんでしょ、アンタら」
「別にそんな話してねーよ、柴原」
§
「どうだかね〜〜聞こえたよ、小久保?ミサキに隠れて合コン行くなんて、感心しないな〜〜?」
「隠してなんてねーって。この前のはキチンとアイツには言ってあるし……て言うか、
お前も鈴木に隠れて行ったりしてないんだろうな?」
「残念ながら、私はダーリン一筋だもん♪」
“キーン♪コーン♪”
「あ、もう時間じゃん。じゃね〜〜〜」
「カレシ持ちなのが惜しいけど、なにげに柴原さんも良いよなぁ」
「サバサバしてて話しやすいし、結構美人だしな」
「リンコちゃんに、若田部さんに、柴原さんだろ〜〜。
ウチのクラスのトップスリーと仲良いんだから、やっぱマサヒコずり〜〜〜」
「だから、アイツらとは中学の頃からの付き合いなだけだって」
「お〜〜〜い、みんな、席につけ」
担任の秋山先生と副担任の森脇先生が教室に現れたところで、座はお開きとなった。
だが、マサヒコの悶々とした気持ちは晴れないままだ。
(若田部……なんで、あんなこと……)
アヤナからの衝撃の告白とミサキの涙。そのふたつの事件から、まだ彼は立ち直れずにいた。
振り返ってみればアヤナが帰国したときから、なんとなく嫌な予感はしていたのだ。
(若田部は……友達だ、それで……そうだって、本当にオレは……)
中学時代から激ニブ王の名をほしいままにしてきたマサヒコだが、
アヤナが自分に対して好意以上の感情を持っているのでは、と思うこともあった。
しかし彼女は中学卒業と同時にアメリカへ渡り、マサヒコはミサキと付き合うようになった。
幸か不幸か、そのタイミングがほぼ同時であったために最悪の事態だけは避けられてきたのだ。
(……あのとき、オレは……本当は、はっきりさせるべきだったのか?オレは……)
「小久保?ねえ、小久保?呼んでるよ、先生が」
「!?あ、ははは、はいッ!」
上の空でボー―――ッと考え事をしていたマサヒコは隣の席の柴原さんに肘でつつかれ、
慌てて返事をした。そんな彼の様子を秋山先生は苦笑しながら見つめている。
「まあホームルームなんてそう気合いを入れる時間でもないが……にしても、
ちょっとひどいな、小久保?まだ目が覚めてないのか?」
「あ………すいません、秋山先生」
「全く、もう少し気合いを入れないか、気合いを!」
「まあまあ、森脇先生。よし、じゃ目が覚めるように小久保には大役を頼もうか」
「え?」
「しかし本当に全然聞いてなかったんだな、お前?英稜祭なんだがな、
誰も実行委員になってくれないんだよ。そこで小久保にお願いしてるんだが」
「あ………別にオレは良いですよ。部活やってるわけでもないし」
「そうか、お前ならそう言ってくれると思ったよ。ありがとう、小久保。で、女子の方は……」
「私、立候補しても良いですか?」
その声がした瞬間、教室の空気が凍った。と言うか、一部で沸騰した。
その声の主は勿論―――
「ほお、若田部やってくれるか?はは、なら有難いけど」
前回の騒動を知りながらも秋山先生は素知らぬ顔で彼女の名前を黒板に書いた。
「………………」
さてマサヒコはと言えば――――
「(小声で)大丈夫、小久保?顔色悪いよ」
「(小声で)柴原、オレもしかしたら今日も保健室送りに……」
クラス中の男子からの嫉妬と秘かにマサヒコに心を寄せる女子から敵意、
そしてその他の生徒からは好奇心丸出しの視線を集めながらも、
当のアヤナはこれまた素知らぬ顔をしていた。
「じゃあ後は委員のふたりに任せようかな。小久保、若田部、いいか?」
「はい!」
「……………はい。ところで先生、なにを決めれば?」
「まずは催し物を決めてくれ。基本的にお前らの好きなものをやればいい。
だがお前らも知っての通り、ウチは学園祭が非常に盛んな学校だ。一般の方も多く見えられるし、
英稜祭を見て進学を決める生徒も多いくらいだから、あまりヘタなものはできないぞ?」
§
「はぁ…………」
ゾンビのような表情でクラスの前に立つマサヒコと、ニコニコと上機嫌なアヤナ。
好対照なふたりだが、司会進行そのものはと言うと―――
「それじゃ、なにをやりたいかまず意見を……」
「喫茶店!」
「おばけ屋敷!」
「パフェ!」
「ラーメン屋〜〜〜!」
このふたりが壇上に立つことで、どうなることかと思われたのだが。
秋山先生の言うとおり英稜祭を楽しみに入学してきた生徒も少なくないくらい、
学校及び地域を挙げての一大イベントである。
議論は白熱し、生徒達は自分の意見を戦わせるのであった。
「絶対喫茶店!んでコスプレ!俺は(リンコちゃんの)ネコミミメイド服姿が見たい!」
「なな、なら(若田部さんの)スク水喫茶で!」
「カチューシャ喫茶ってのも!」
「………とりあえず新垣、寺原、斉藤。お前ら退場」
そしてともすれば暴走しがちな(一部)男子の意見も、
ツッコミなら手慣れたもののマサヒコが冷静に場を仕切り、滑らかに司会をこなす。
―――そんな彼の姿に、また一部女子が萌えてしまうというのも皮肉な話なのだが。
「それじゃ案としてはこんなものですか………では、意見集約に移りたいと思います」
議論もようやくスローペースとなり、意見が出尽くした頃を見計らってマサヒコが多数決を提案した。
少し議論に疲れ始めていたクラスの雰囲気を読んだ、絶妙のタイミングだった。
「それじゃ、若田部、良いか?」
「うん、もう出来たよ、小久保君」
「今から投票用紙に希望の催し物を書いて下さい。一人一個までですが、
なにかそれに対する意見を書いてもらっても構いません。では後ろに回して……」
あらかじめアヤナに用意させた、小さく切ったメモ用紙を配るマサヒコ。
淡々と進めているようで、なかなかの名司会ぶりである。
「それじゃあ発表に移ります。喫茶店一票……」
「喫茶店1……」
「おばけ屋敷一票……」
喫茶店 十三票 おばけ屋敷 十一票 甘物屋 九票 ラーメン屋 六票 その他 二票
「と、言うわけで喫茶店に決定ですね。メニューなんかの具体的な部分や、
当日は所属している部と掛け持ちの人もいるでしょうから、
時間割や役割分担についても決めなくちゃいけないですね。
そうした細かいことは次回ということで良いですか、先生?」
「ん?そうだな、もうHRも時間だし」
「はい、では次回までにそうした細かいところについても考えてきて下さい。あと先生?
具体的にいくら予算がもらえるかとか、全体の予算立てや支出なんかの細かいところを考える、
会計役の人も出来たら決めて欲しいんですが」
「ああ、その通りだな。じゃ、ちょっとしか時間が無いが会計役を決めよう。え〜〜と、立候補は?」
「俺、やってみたいです」
意外にも、杉内君が立候補してきた。
「ほぉ。珍しいな、杉内。お前が積極的なのは」
「あ、酷いッスよ、先生。実は俺、経営学部狙ってるんでこういう役やってみたいっつーか」
「………経営学部とはあんまり関係無いような気もするが」
マサヒコの情け容赦無いツッコミが入るが、杉内君の狙いは別だった。
(こういうときは……なんかやってた方が女子と……)
マサヒコの名司会っぷりに女子の一部が萌え状態だったことにいち早く気付き、
なんらかの役をもらった方が女子と接触が持てることを計算した杉内君。
そして彼の計算は、見事的中するのであった。
§
「杉内を信用しないわけじゃないが、一人に集中するよりもう一人いた方がいいだろう。
誰か副会計役をしてくれる人はいないかな?」
「わたしヤりたいです〜〜〜!」
元気良く手を挙げたのは、もちろんフルカラー総天然娘・リンコだ。
「的山、良いのか?」
「はい〜〜〜、だって楽しそうじゃないですか〜〜〜!」
にほにほと、いつおどおり天真爛漫な笑顔を振りまきまくるリンコ。
―――勿論、その裏ではガッツポーズを取る杉内君がいた。
「(小声で)おい杉内、お前絶対コレ狙ってただろ?クソ、上手いことやりやがって」
「へへへ、恨むな川崎。お前いつもモテてるんだから、たまには、な」
「よ〜〜し、じゃあ、金曜日のHRで第二回の打ち合わせをすることにするから……」
相変わらずやる気があるのか無いのか分らない秋山先生の締めの言葉でHRは終わった。
「ねぇねぇ、杉内君、じゃあお金の扱いは私と杉内君なんだよね〜〜〜?」
「う、うんそうだね、的山さん」
「中村先生は〜〜、いい女は男とお金の扱いが上手いものよって言ってたけど〜〜、
いい女になれるかな〜〜、えへへ♪」
「ま、的山さんならそのままでも十分……いや、その」
早くも天然爆弾炸裂中のリンコに杉内君は完全にデレデレのご様子だ。さて、一方。
「お疲れ。案外司会とか上手いじゃない、小久保君」
「………そりゃまあ、中学の頃から大変な人たちばっか相手にしてきたからな」
「あら、その人たちの中に私も入っているのかしら?」
「それは、言えないけど」
「言えないってことは入ってるってことじゃない、もう……」
「ねぇねえ、小久保。喫茶店ってことはさ、女の子はウェイトレスってことだよね?
可愛い制服がいいな〜〜〜、私」
「だからな、柴原。それも予算次第だし」
「あら、それは大丈夫よ。さっき先生も言ってたけど英稜祭ってすごく有名で、
OBや町内会からも結構補助金が出るって話だから」
「へえ、そうなんだ」
「ふぅん……じゃあ、女子みんなでウェイトレスの制服とか決めようか?」
「あ、それ良いね、アヤナ!」
「おふたりとも出来たらメイド服で……」
「…………まだこだわってんのか、新垣」
なんだかんだで、結構クラスの雰囲気は良いようだ。
学園祭に向け、はしゃぐ生徒たちを苦笑しながら見つめていたマサヒコだったが――
(って結局俺、若田部と組まされてるし……)
厳然たる現実を思い、ちょっと暗くなってしまうのだった。
「ねえねえ、どう?小久保君?」
「どう?小久保♪」
「可愛い〜〜〜?杉内く〜〜ん?小久保く〜〜ん?」
「あ、ああ……その、すごく似合ってるよ、ま、的山さん」
「確かに女子みんなで作っただけに可愛いデザインのエプロンだな」
それから月日は少し過ぎて―――時は英稜祭前日。
渾身のコスチューム、もとい制服が完成してお披露目となった。
とは言っても結局服の全てを新しく作る予算までは無かったので、
女子でデザインして作ったエプロンを英稜高校の制服の上に着ることになったのだが。
それでも聖光女学院と並んで近隣では可愛いと評判である英稜高校の制服の上に、
ふんだんにフリルや花柄をあしらったエプロンを羽織るアヤナや柴原さんやリンコの姿は、
相当に男の萌え心をくすぐるものであった。
「エプロンだけ〜〜〜?もう、小久保はデリカシー無いなあ」
「へへ〜〜、誉めてくれてありがとう、小久保君♪デザインは主に私がやったんだようっ♪」
「へえ、さすがはデザイナー志望だな、的山」
「ま、的山さんはデザイナーになりたいんだ?」
§
「ウン!ホラホラ、ここなんか凝ったんだよ?あとみんなね〜〜、
好きな絵柄がワンポイントで入ってるの。私はペットのナナコなんだ♪」
「胸元にハートマークって……ちょっと子供っぽかったかしらね?小久保君」
「いや……似合ってるよ、若田部」
「すげえ似合ってますって!若田部さん!」
「いや、なに着ても若田部さんなら……」
相変わらず拍子抜けするほど自然体のマサヒコだが、
他の男子の視線は当然のようにアヤナに釘付けである。
豊かな胸を覆い隠しながらも逆に強調するかのようなワンポイントのハートマークは、
クリーム色地のエプロンに良く映え、彼女のスタイルの良さを際だたせていた。
「も〜〜う、相変わらずねえ、新垣に馬原は。他の女子を敵に回す気か〜〜?」
「い、いや柴原さんも……良く似合ってます。カチューシャ萌えって言うか」
「そ、そうそう。(小声で)あとはカレシさえいなければって言うか……」
「なんか言った?馬原」
「しょーがねーなぁ、お前ら。ま、女性陣にはお疲れさん、ってことで。
後は俺らが舞台を作っておかねーと始まんねーからさ。あと一息、頑張ろうぜ」
「「「「「「おう!!!」」」」」」
祭りの前の賑やかさと言おうか、クラスの空気が浮き立っているのは仕方がないところだった。
そんな活気を冷すことなく、中断していた作業へと導くマサヒコ、案外強かなのである。
「わりい、マサヒコ。こっちの板はどうすんの?」
「ああ、穴開けるんだけど、電気ドリルの扱いは危ねーから手伝うわ」
「あとマサヒコ、水回りやガスは……」
「昨日森脇先生と確認したから大丈夫だと思うけどな。念のためカセットコンロも用意すっか?」
「そうだな、俺、家にあったと思うから持ってくるわ」
「うん、じゃ、頼むわ大村」
あくまで押しつけがましくなく、淡々としているようで周囲に気配りをし、
しっかり全体を把握しながらマサヒコは作業を進めていた。
「ねえ小久保君……」
「悪い若田部。今からドリルで板に穴開けるし、危ないから後で」
「あ、うん」
アヤナを残しそそくさと作業中の友人のもとに行くマサヒコだが、
板を立て掛けていた和田君はいきなりマサヒコをぐい、と引き寄せ――
教室の隅に移動すると、耳元で囁いた。
「!?いきなり何するんだよ、和田?」
「………羨ましいんだけど?」
「?何がだよ、和田」
「ほれ、見ろよ。若田部さん、ずっとお前のこと見てるだろ」
「……俺とあいつは実行委員のわけだから。さっき何か言いたいことがあったからじゃねーの?」
「気付いてないフリすんの、止めろよ、マサヒコ。お前ももう分ってんだろ?
それだけじゃなくて、若田部さんがいつもお前のことを目で追ってるって」
「……………」
「一応俺もあの子に惚れてた訳だしさ、なんとなく分るんだよ。なぁ……可哀想じゃねーか?」
「……………何が?」
「お前はいつも彼女がいるとか、若田部さんとは中学時代からの友達なだけだって言うけど、
あの子はそう思ってないべ?お前だって気付いてるんだろ?
それなのに態度をハッキリさせずにいんのってさ、ズルくね?可哀想じゃね?」
「…………和田、俺…………」
「お節介でわりいな……ま、フラレた男の愚痴だと思ってくれい。
よっし、そんじゃ作業に戻るかね、マサヒコ」
「………ああ」
友人の痛すぎる忠告に――――マサヒコは、ただ頷くしかなかった。
和田君の、言うとおりだった。あの告白から今日まで、
英稜祭の準備の忙しさを理由にして、マサヒコはアヤナに答えをまだ返していなかった。
(オレは……ズルいのか?オレは……ただ、若田部と友達でいたいから……)
自分で自分を責めるマサヒコだが、答えなど、出ない。
§
いや、答えはある意味で決まりきっていた。だからこそ、悩むのだろう。
その後、準備作業そのものは順調に進んだのだが―――マサヒコの気は、晴れないままだった。
「よ〜〜〜し、完成!!だァ――――ッ!!」
「うおおおお、頑張った、頑張ったぜ、俺ら!」
「よ〜〜〜し、じゃ明日もこの勢いで行くぞ、オラァァァ!!!!」
そんな彼の気持ちとは裏腹に、喫茶店の準備は大盛り上がりの中で終わった。
クラスメイトは皆軽いハイ状態で帰路につくのであった。
「じゃあ明日ね!バイバ〜〜イ、小久保君、アヤナちゃん、柴ちゃん、杉内く〜〜〜ん!」
「あ、あの……送ってくよ、的山さん」
「ふに?いいの?だって杉内君って電車通学じゃ」
「ほ、ホラ、その、もう七時だし危ないしさ、それに駅の方向と的山さんちって結構近いし」
「ってなんでいつの間に的山さんちの場所をお前が知ってんだよ、杉内!」
「杉内、お前抜け駆けしようたってそうは……」
「(小声で)頼むから邪魔しないでくれ……これは俺の人生最初で最後のチャンスなんだ。
分ってくれよ、川崎、新垣。タダとは言わない。藤井寺亭のお好み焼きおごるから」
「………ちッ、しょうがね〜な」
「でも、俺だって……リンコちゃんのこと……」
「ね〜〜ね〜〜?なに話してるの〜〜〜?」
「%&#Q!いい、いやあの、そのッ!!!」
「あ〜〜〜もう!焦れったいわねえ、アンタら!ホレ、だったら四人一緒に帰りなさい!」
「ししし、柴原さん?」
「だけど一緒に帰ったはいいけど、結局誰もコクれなかったなんてことになったら、
明日からアンタら三人まとめてへタレ扱いだからね?分った?川崎、新垣、杉内!」
「「「……へ〜〜〜い」」」
「なんかよく分らないけど〜〜〜、じゃ、一緒に帰ろうか〜〜、川崎君と新垣君も」
青春の一コマはそこかしこで繰り広げられていた。――この物語の、主人公であるふたりにも。
「ねえ……小久保君、さっきの話なんだけど」
「ん?ああ、さっきは悪かったね、若田部。結局準備でバタバタしちゃってさ」
「それは……良いの。あのね、明日の準備のことなんだけど……
帰りながらでいいから、ちょっと話してもいい?」
「ん、分った。じゃ、一緒に帰ろうか」
なんとなく、ぎこちなく言葉を交わすふたり。
アヤナは潤んだような目でマサヒコを見つめ、
マサヒコはアヤナのことを正視できず、それでも、彼女と向かい合おうとしていた。
他のクラスメイトにとって、そんなふたりの微妙な空気は―――
恋する者同士が持つ、独特の雰囲気にしか映らなかったのかも知れない。
誰もふたりに声をかけることさえ出来ず、いつかマサヒコとアヤナは、ふたりっきりになっていた。
「いっぱいやることがあったけど……もうすぐ終わるね、小久保君」
「ははは、気が早いな、若田部。明日が本番なんだから」
「ウン……でも、なんだか寂しいんだ。今まではみんなとすごく楽しかったのに、
明日が終わっちゃえば、全部終わりなんだよね……」
「確かにそうかもだけどさ、だからお祭りって楽しいって気がしないか?
みんなでわいわい騒いでさ、それで終わった後のちょっと寂しくなる気持ちも込みって言うか」
「………小久保君って、結構ロマンチストだよね」
「ななッ、これは先にお前が……」
「うふふ、照れちゃってる、小久保君?」
「………のなあ」
そう、確かになにも知らない人間がふたりの会話を聞けば――
それは甘やかでありながらも初々しい、恋する者同士の会話に聞こえたかも知れない。
しかし、ふたりは互いにどこか距離感を感じながら会話をしていることに気付いていた。
かつて―――そう、昔ふたりでいたいたときには、感じたことのない感情を抱いていた。
それがなにか、本当は知っているはずなのに、分らないまま言葉を重ねていた。
「ありがとう、小久保君。送ってくれて」
「別に良いんだよ。ま、杉内の言うとおりもう遅いしさ」
「ねえ……ちょっと、時間ある?良かったら、もう少し話したいんだけど」
§
今回は以上。ピンキリ氏お得意の、青春小説っぽくしたかったんですけど……出来は微妙。
次回はエロ有りの予定なんで許してくらはい。では股。
GJ GJ GJ
もうGJとしか言えない!
あ〜…学生時代に戻りたい………(´・ω・`)
あまずっぱーい。こんな臭々の青春がしたかったぜチクショー、でもGJ。
乙でした
郭様、今回はちょっと拒否反応が。で、それはこのスレとは関係なく、野球関係で。
今や亡き球団ファンだった者にとっては某リーグ所属の名前てんこもりの「モブ」登場の
物語は正直堪えました。だって、郭様ご在籍の球団はしっかり頑張ってるじゃ有りませんか!!
>>271 別ルート投下します。
ニア【自室へ戻ってみる】
CASE2 アキの場合
「溜まってるものを処理するか・・・」
それが性欲なのか宿題なのか。
聞くだけ野暮ってもんですぜ。
実は先ほど買い物に行った際に新しい本を仕入れてきていたのだ。
新作を心置きなく堪能するチャンスだと、シンジは小走りで自室へと急いだ。
妹がこんな状態のときに自慰をしに部屋に戻るというのも多少は罪悪感があるが、せっかく空いた時間を利用しない手はない。
カナミが起きるまで結構時間も空いていることだし、今日まで我慢してきたものをぶちまけたい。
カズヤと暇つぶしでもしようかと思ったが、さすがに時間が掛かりすぎるだろうし、なんとなく嫌な予感がするのでやめた。
新創刊『私はアナタのアナリスト』を片手に部屋に戻ったシンジの前に現れたのは、自分のベッドで気持ちよさそうに寝ている妹の友人の姿であった。
「アキちゃん・・・?」
状況がまったく分からない。
こんな早い時間に、人の部屋でなにをしているんだこの子は?
冷房がついていることから考えると、差し詰め自宅の空調でも壊れて非難してきたのだろうか。
「仕方ないな・・・」
ここで怒らないのがシンジの性格なのか、とりあえずカナミの看病を続けようと決めた。
とはいえこの本だけはどこかに隠さねば。
アキを起こさないように、そっと本棚に背表紙を奥側に向けて入れた。
「ん・・・・・・」
しまった、起きたか?!
一瞬焦ったシンジだったが、単なる寝返りだったことに胸を撫で下ろす。
しかし、胸を撫で下ろしたはずの手は自らの胸の高鳴りを実感する材料となった。
ぶるんっ・・・
思いっきりくつろぐことを遠慮していたからか、アキはタオルケットをかぶらず直接ベッドに寝転がっているだけだった。
寝返りで少し体を動かしただけで、その豊満な胸は存在感を放ちまくっていた。
(うおおっ・・・!)
夏はイイ、夏最高!柔道最高!
秋山ばりのイイ声を心の中で叫びながら、シンジは思わずガッツポーズをとってしまった。
ただでさえ素晴らしい胸をお持ちだが、夏の薄着はそれを強調する効果を十分すぎるほどに持っていた。
一昔、キャミソールが流行りだしたときに「下着で歩いているみたいだ」「はしたない」などの意見が世間を賑わせたが・・・
若者たちよ、大人の言葉に惑わされずに良く頑張った!感動した!!
あそこでキャミソールが根絶していたら俺はこの喜びに出会うことは出来なかったかもしれない!!
過去の偉人たちを褒め称えている間に、アキは再び寝返りをうった。
うおしゃあああああああと喜びながらも、シンジは現状を冷静に分析する。
先ほどまで気づかなかったが、冷房の温度はあまり低く設定されていなかった。
そのため中途半端な温度となり、日光を浴びて結局少し暑めになってしまっているようだ。
結果として、アキは少し汗を滲ませながら若干寝苦しそうにしている、というわけである。
チャンス。
チャンスなのである。
今まで、不思議で仕方なかった。
人懐っこく、整った顔立ちに太りにくい体質。
さらに殺人的なアドレナリンを引き寄せるバストを持ち合わせた彼女が、今まで彼氏の1人もいなかったなんて。
違うのだ、これは神の巡り合わせなのだ。
自分の元に来るまで、綺麗な状態でいるために神がフィルターをかけていたに違いない。
欲望が限界レベルにまで至ったシンジは、行動を決意する。
まずは隣の部屋のカナミを覗く。
先ほどまでと変わらず寝息を立てており、しばらくは起きそうもない。
誰かがビルの屋上から覗いてないかとか、有り得ない想像までもしながら窓の外も確認してみたが、せいぜい犬が鳴いているくらいだった。
完璧な状況だ。
さぁ、いざ始めるぞというときに決意が鈍るのはよくあることだ。
妹の親友だし、ここでナニかしてしまったら犯罪者だ。
しかしこの状況でナニもないとか男じゃねー・・・
そんなとき、エアコンのリモコンが目に入った。
「・・・・・・そうだ・・・節電節電・・・」
シンジはエアコンの温度を上げた。
「う・・・・・・・・・ん・・・」
部屋の温度は上昇していく。
じわじわと汗が滲んで、艶を増していくアキ。
額の汗を拭ってワキフェチゲッチュゥ!と新たな境地を見つけ出すシンジ。
完全に被害者と加害者に分けられた空間の中、シンジの脳内ではまだ「セーフセーフ」だった。
このまま室温を上昇させ続ければ、もしかするとティクビが浮き上がってくるかも知れないわけです。
なぜか綾小路きみまろ口調で自分の期待を煽るシンジだったが、どうにもノーブラではなさそうだ。
もう少し、もう少し大胆になってくれ。
そう願うシンジは、とうとうエアコンのスイッチを切ってしまった。
最早体温もシンジの欲望も制御できる段階でなくなっていた。
「うぅ〜ん・・・」
さすがにかなり寝苦しそうにしているものの、未だに起きる様子はない。
夏休み早々夜更かしでもしたのだろうが、シンジにとってすべてが好都合であった。
(間違いないッ!!確信したっ!神は今っ!!俺へ使命を架したッ!!妹?犯罪?なんのことです?)
自分にばかり好転する今の事態を、シンジは神からの献上品と信じることにした。
というか、現状を神に責任転嫁することでシンジは自らへの免罪符を作っていた。
いざ、甘美の世界へ・・・
シンジの手が、アキへと伸びていった。
ふにっ・・・
ファーストコンタクトは、人差し指だった。
柔らかい。柔らかすぎる。
一体なんだというんだ?
マシュマロみたいというか・・・
アキを覗いてみても、まだ起きる気配はない。出来ればもっとぐっすり寝ていてほしい。
(カナミのやつ、睡眠薬とか持ってないかな)
もう完全に犯罪者思考ですよシンジさん。
アキが起きていたならこうでも突っ込んだのだろうか。
駄目だ、もう我慢できそうにない。もっと触ってみたい。
シンジの手が再びアキの乳房へ伸びる。
ふにぃっ・・・
(柔らけぇ!!!!)
掌までは行く勇気がなかったものの、今度は五本の指で柔らかさを確かめる。
興奮と緊張のあまりシンジの手はプルプルと小刻みに震えているが、それすらもプルプルと反応を返すこの罪な胸が愛しくてたまらない。
完全に今までは未知だった領域。
もし自分が人としての常識をかなぐり捨ててカナミに迫っても、この感触を味わうことは不可能だ。
興奮のあまり力の加減がつかず、シンジは思わず強めに乳房を押してしまった。
ぷにゅぅーっ・・・
しまったぁ!と慌てて手を離すと、弾けるように乳房がたゆんたゆんと揺れた。
シンジが生唾を飲んだ瞬間、そのときは訪れた。
「うぅ~ん・・・ん・・・」
やべえええええええええええええええ
さすがに起きたかぁああああああああああ
シンジはとりあえず自分の顔を隠そうと、手近にあったジーパンを被った。
上下ジーパンという意味不明なクリーチャーになってしまったものの、これなら誰か分かるまい。
いや、実のところバレバレ極まりないが、今のシンジにそれを判断できる思考は残されていなかった。
ただでさえ冷房を切って暑いのに、頭にジーパンを被ってしまったのでかなり蒸す。
更に先ほどまでの興奮で、フーッ、フーッ!と息を漏らし、変質者の極みたる姿に成り下がったのは明らかに逆効果だ。
今起きられたらマズイ・・・が。
完全に起きたように思ったが、寝返りをうって反対側を向いただけに収まった。
爆発寸前だったシンジの心臓も、一命を取り留めた。
しかし壁側を向いてしまったために、さっきのように触るのが少し難しくなってしまった。
・・・が。
その副産物は別のところに現れていた。
スカートが若干、まくれ上がってきていたのである。
ボーイッシュな格好をしていることが多いアキだが、今日はスカートを履いていた。
(なーに、スカートめくりなんて小学生でもやってるぜ・・・)
もうシンジの価値観はとっくに崩壊している。
被っていたジーパンを床に置き、汗を拭いながらアキの元へと近づいていく。
これがドラマなら怪しげな音楽がこの場を盛り立てていることであろう。
スス・・・
捲り上げる感覚を気づかせないように、慎重に、かつ大胆にスカートを捲り上げてられていく。
そこには、情熱的な深紅の布が存在感を示していた。
(赤ッ・・・!夏の開放感はここまでもぉっ!)
素晴らしきかなっ、と下着に手を合わせるシンジ。
さすがにこっちはヤヴァイだろ、と躊躇するが、どう考えてもさっきの時点で一線は越えてしまっている。
下着履いてるからセーフ!という理屈で自分を押し込めて、シンジは深紅の布に指を近づけた。
ヒタッ・・・
ここから足の隙間まで指を滑り込ませれば・・・
そう、男性ならあるモノがナイ、女性だけの領域がそこには待っている。
下着のラインに沿ってその谷間まで指を滑らせている最中だった。
「ん・・・」
ふおあっ!
シンジは慌てて手を引いてなんとか逃れることが出来たが、今度は仰向けに転がったためにシンジの大好きな尻は拝むことが出来なくなった。
が・・・しかし。
お帰りなさい、おっぱい様。
日光が眩しいのか右手は目元にいっているし、左手は腹の上。
真っ赤な三角地帯に未練もあるが、彼女の魅力を最大限に発揮しているのはこちらだ。
だが、またチマチマと指で遊んでいるなんて耐えがたい。
思春期なのは妹だけじゃない、シンジだって思春期どころか発情期真っ盛りだ。
やってやる・・・やってやるぞ!
某シミュレーションゲームの雑魚キャラのように決意を固めたシンジは、ついに例の「アレ」を実行するときが来たのである。
・・・そう、「巨乳を鷲掴み」だ。
その大きさと柔らかさを同時に実感できる、最も効率的な手段だ。
汗だくの手を乱暴にズボンで拭き、準備は万端だ。
(さぁ・・・・・・行くぞ・・・!)
シンジは本人に圧し掛からないようにアキを跨って、マウントポジションで両手を構えた。
ごくりと生唾を飲み込んで、その掌をアキの胸へと伸ばしていった。
むにゅぅーっ・・・!
(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!)
なんだ!?ナンダ!?NANDA!!!!?
さっきまで十分に堪能したつもりでいたが、実際に鷲掴みにしてみると未だ知らない領域が存在していた。
(これが・・・・・・これが・・・・・・)
その柔らかな手触りに感動を覚えながら、シンジの興奮は抑えきれないほどに膨れ上がっていった。
むにっ!むにぃっ!
角度を変えながら、何度も乱暴に揉みしだく。
キャミソールと下着越しであるにも関わらず、ゆさゆさと律儀に反応を返す乳房。
もう、我慢の限界。
直に・・・直に触りたい。
シンジは揉むのを中断し、両手をアキの肩に添えた。
ススス・・・といやらしく指を頂点までずらしていく。
その途中、地肌と衣服との境界線でシンジは指をストップさせる。
ここに指を引っ掛けて、まくってしまえば・・・
シンジの率直な欲望が、頂点まで上り詰めようとしたとき・・・
ガタガタッ
(!?!?!?!?!?!??!?!??!?!)
隣の部屋から物音に、シンジは慌てふためいた。
バレリーナのように華麗にベッドから着地し、足音を立てないように、かつ迅速に隣の部屋へ向かう。
そこには布団に頭だけ突っ込んでいるカナミがいた。
「カナミ・・・起きたのか」
努めて冷静を装うとするシンジであったが、全身汗だくで息も切れ切れな姿はあまりに不自然なものだった。
「お兄ちゃん・・・おはよう♪」
にやり、と笑いながらシンジを見つめるカナミ。
シンジの額からさっきとは違う汗がひたりと落ちる。
「お前・・・・・・まさか・・・・・・!」
「分かってたよ・・・いつかこの日が来るのは」
「ちょっ」
っと待て、と言おうとした次の瞬間、今度は自室から物音が。
シンジが慌てふためく暇もなく、カナミの部屋までアキがやってきた。
「おー、カナミ起きてたんだ・・・。シンジさん、お邪魔してます。スイマセン、勝手にお部屋使っちゃってて・・・」
「い、いやいいんだよ。俺も今帰ってきたところだし・・・」
だよな、とカナミの目を見ると、先ほどまでと変わらずカナミの表情はニヤニヤとしていた。
「うんうん、色々買い込みすぎたんだよね」
「そ、そうそう!急いで走ってきたから汗かいちゃって・・・」
「でもアキちゃんなんで汗だくなのぉー?」
てめぇ!とでも言いたそうなシンジだったが、万が一に備えて表情を崩すわけにはいかない。
体中から噴出す汗が空調の風にさらされて、シンジは身も心も凍えるような気分だった。
「あぁ、空調入れてたんだけど・・・勝手に長時間使うのも悪いと思って、タイマーかけてたから。でもかえって汗でベッド汚しちゃったなぁ。スイマセン、シンジさん」
「い、いやいや!大丈夫!!この時期なんか毎日シーツ代えるし、むしろ俺のベッドなんて汗臭かったんじゃないかって申し訳ないくらいで」
「お兄ちゃん汗フェチにも目覚めたもんね!」
「んなわけないだろ!!」
ギリギリのやりとりは、妙に矢継早に行われた。
カナミのエロボケにより不自然さをなんとか流したシンジは、シャワーを浴びてくるといって浴室へと逃げ込んだ。
「アキちゃん、今日はありがとうね。」
「ん、いいよ。じゃあアタシは帰るね。」
シンジが入る前にシャワーにも勧められたが、どうせ帰りも汗かくよ、といってアキはそのまま帰路へ着いた。
手を振るアキを見送ったあと、カナミは再びニヤリと意味深に笑った。
「ふー・・・」
シャワーから上がり、アキが帰ったことを確認して一息つくシンジ。
しかし、これからが本当の地獄である。
「お兄ちゃん・・・ここに座って」
先ほどとは打って変わって真剣な表情のカナミを前にして、シンジはついに観念した。
「本当に・・・なんて言っていいか・・・」
「やったねお兄ちゃん!!」
想像していた発言と正反対の言葉が来たため、シンジは唖然として言葉が出なくなる。
というかなぜこいつは風邪なのにこんなに元気なんだ、と別のところばかり気になってしまう。
「お兄ちゃんの彼女がアキちゃんなら・・・私も許してあげちゃう!!」
「ま、待て待て!一体全体なんでそういう話になるんだ!!」
「えっ、だって・・・」
1人帰り道を歩くアキ。
その表情はどこか虚ろであった。
(はぁ・・・まさか、あんなことになるなんて・・・)
実は、アキは途中から目を覚ましていた。
シンジの部屋で起こったことを思い出しながら、アキは複雑な表情になる。
(正直・・・嫌じゃ・・・なかった自分がいるんだよなぁ・・・)
熱くなった下腹部を意識しながら、アキは早歩きで家へ急いだ。
(あそこで下着触られてたら、バレてたなぁ・・・危なかった・・・)
あの状況に酔っていた自分がいたことを、アキ自身も分かっていた。
とはいえ、その自分を曝け出す勇気もまだ持ち合わせていなかった。
しかし、もう一度「それ」を望んでいる自分。
今や、常識という箍が微かにアキを制限しているだけなのであった。
(もう一回・・・同じことがあったら、そのときは・・・)
アキは足を止め、振り返って城島宅の方向を見つめた。
(そのときは・・・)
「・・・マジか?」
シンジがカナミにズイっと迫る。
「まじまじ」
カナミはその反応を待ってました、と言わんばかりに嬉しそうににやける。
「アキちゃんもその気だったんだよ・・・その証拠にホラ!!ここにバッチリ写ってるでしょ?真ん中あたりをよーく・・・」
「っと待てぇぇぇぇぇぇェェ!!!」
当然のように差し出された盗撮画像に、シンジは青ざめた。
コイツ・・・まさか計算ずくで・・・
シンジの冷や汗が、背中をぞぞぞと伝い落ちた。
「そういえばアキちゃんって、いつも宿題終わるの遅くて苦労してるって言ってたなぁ・・・ウチでやれば、はかどるかもね♪」
イタズラっぽく肘でシンジを小突くカナミの顔には、悪びれた様子は一切ない。
コイツには適わないな、と項垂れながらも少し心躍らせるシンジなのであった。
―――――――――思春期へようこそ!――――――――――
以上、アキパターンでした。
だらだら〜でごめんね!
郭氏、ピンキリ氏、乙です。
続きが気になるw
そういや、あかほんネタ少ないね。
書こうかなぁ。
兆GJ!今回もシンジがやられちゃいましたね
郭氏、天邪鬼氏、ともにおつかれさまっす。
郭氏>何かこーしんみり来るっつー感じのお話でございますなー。十分に学生時代な雰囲気もでてるんじゃないっすかね。
天邪鬼氏>オダギリのCMみたいでおもろいっすw
乙でした
あかほんが次々号で打ち切り
348 :
117(´_ゝ`):2006/10/21(土) 18:02:23 ID:SjgHa+pl
48号予告 ◆Ijbg3iR4eg sage 06/10/21 17:21:35 ID:hozwloAn
グラビアは時東ぁみ。巻頭はトッキュー!!。センターカラーはダイヤのA。
アイドルのあかほん最終回。魔法先生ネギま!・あひるの空休載。
おつかれ氏家先生w
( ・з・)アルェー?
円満終了後の即打ち切り
こりゃ当分ホサれるパターン……
ここもこのまま打ち切りになればいいのに
ああ、やっぱり、っていうのが正直な感想なんだわorz
・゚・(ノД`)・゚・ウワァァン
なんだが投下しずらい雰囲気になってますが職人さん、気にしないで
投下して結構です。オレがいえる立場じゃないけど
打ち切り喰らったとなると、中堅の氏家じゃ当分は連載を回してもらえない
妹、ひまわりも切られてマンガ界から消滅……だけは避けてほしいが、厳しいな
打ち切りというより、マガジン本誌のショート枠削減の編集方針が原因っぽい。
妹の方は多分大丈夫かと…
それも打ち切りって言わない?
ショート枠減らすなら、クロマティの作者のほうがつまらんけどな。
他作品を叩いて、
比較しないと持ち上げられないような作品なぞに・・・
まあ終わってしまうものはもう仕方ない
逆に妄想の余地がたくさん残った、とポジティブシンキングする
ヤングマガジンに移行してry
正直、あかほんそんなに面白くなかったなぁ。
アイが面白かっただけに期待してたんだが、なんか肩透かしを食らった気分だった。
なにはともあれ、氏家先生、お疲れ様。
これは妹がアニメ化する予兆
またマガジンから読むものがなくなっていく……
あとは絶望先生くらいしか残ってない
クメシン乙
雑誌ってそんなもんだろ
いくつもある記事・特集・漫画などの抱き合わせ商法
1つしか興味のない記事がなかったらその部分だけ読めばいい
えっと…久しぶりに
痴女はイイ!!
カナミのナカミ
wikiで濱中の欄を見てたんだけど
マサヒコの説明に
>背は低いが精悍な顔立ちをしており、好感が持てる。
て書いてあるのに笑ってしまった。
>>368 先生、自分の恥ずかしい写真をネット上にうpして愉しんでる
お姉さんは痴女に入りますか?
※それは変態です!
てかクレーム多かったんじゃね?
大コマでのチンコ発言
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
マサヒコとリンコで、スルー対象ワードは「ベタ」「小ネタ」「エロなし」「1レス」です。
題は「ジンジン、チクチク」でお願いします。
ぼんやりと光る街灯の下を、一組の少年少女が歩いていく。
正確に言うと、歩いているのは少年だけで、少女の方は、少年におんぶされている。
「大丈夫、重くない?」
「ん?」
背負っている側の少年の名前は小久保マサヒコ、英稜高校の一年生。
そして、背負われている側の少女の名前は的山リンコ。同じく、英稜の一年生だ。
無論、こんな状態になっているのには、理由がある。
英稜高校の文化祭はその規模が大きいことで近隣では有名だが、
マサヒコとリンコのクラスは、教室を改造してお化け屋敷をすることになっていた。
二人は小道具係で、本番を明後日に控えた今日、学校に残って、突貫で最後の仕上げ作業を行った。
何とか出来上がり、いざ帰宅という段になって、リンコが階段で躓いてこけ、足をくじいてしまった。
幸い保健の先生が残っていたので手当ては何とかなったが、ジンジンとした痛みで自力では歩けそうになく、
結局、リンコはマサヒコに背負われて帰ることになった―――というわけだ。
「ああ、重くないよ」
「……ホント?」
リンコは問い返した。
以前、コンタクトを無くした時、同じようにマサヒコに背負ってもらって家へ帰ったことがあった。
あの時、マサヒコは額から汗を流し、しんどそうに息をついていた。それをリンコは覚えている。
「ゴメンね、小久保君……」
しんどかったはずだろう、当時、マサヒコはまだ本格的な成長期に入る前だったのだから。
さすがに小柄なリンコよりは大きかったが、それでもリンコ一人を軽々と担げる程の体格ではなかった。
「小久保君、おっきくなったね」
「何を突然?」
だが、今はどうだろう。マサヒコはあの時より遥かに身長が伸び、体つきも逞しくなった。
「私はほとんど身長伸びてない……それに貧乳のままだし、ゴメンね、おぶってても面白くないでしょ?」
「お前、結局そこに話が行くのか。ってか、気にするなって」
「小久保君……」
「だって俺たち、友達だろ?」
「……うん、そうだね」
マサヒコの言葉に頷いたリンコだったが、一瞬胸の奥に、かすかな痛みを覚えた。
(あれ、何で私、心臓がチクチクしたんだろ……)
病気だろうか、と一瞬リンコは思ったが、今朝から特に体調が悪かった覚えはない。
「何でだろ……」
「ん? どうした?」
「あ、ううん、何でもない」
リンコはマサヒコの右肩に、左頬を埋めるようにして顔を伏せた。
痛みを、気のせいだと思うことにして。
(小久保君の背中、広くてあったかい……何か、すごく、安心出来る……)
優しい温もりに包まれているような気がして、リンコは一瞬、頭が麻痺したようにぽうっとなった。
そしてそれは、次第に「眠気」へと変わっていった。
(こく……ぼ、く……ん)
人通りが少なくなった商店街の中を、少年が少女をおんぶして歩いていく。
不意に背中に重みを覚えた少年は、
立ち止まると真横の大きなガラスのショーウィンドーケースに、自分達の姿を映してみた。
そして、苦笑しながら、ふぅと溜め息をひとつついた。
背中の少女が、とても幸せそうな顔で目を閉じていたからだ。
やれやれ、と少年は言うと、体を揺すって少女をもう一度背負いなおし、また、足を再び前に進め始めた。
少女が起きていた時より、若干速いペースで。
少年の名前は小久保マサヒコ、英稜高校の一年生。
少女の名前は的山リンコ、同じく英稜高校の一年生で、マサヒコの友達。
マサヒコはリンコを、友達だと思っている。
そして、リンコも、マサヒコのことを友達だと思っている。
リンコは、そう思っている。そう、今は、まだ。
F I N
以上です。
長めのエロいネタも手をつけていますが、
1レスものも機会があったら全キャラ分やってみるつもりです。
GJ!!
リンコは思春期って感じでいいですな(〃 ̄ー ̄〃)
来週はあかほん追悼祭とあうことでよろしく…
賑やかに見送ってあげましょう…
まあマターリいきましょ
では次のヒワイなSSへドゾー
あかほんのSSは、これからも書いて欲しいな。
失速だけは避けたいところだよな
というわけで、マターリいきつつ活きの良いSSの投下をキボンだが
アイドルのあかほんは終わってしまった(´・ω・`)
だが、SS職人いる限り、アイドルのあかほんは死なずΣ (`・c・´)
ホスト規制で投下できね…
てすてす
カナミほしい
こう言っちゃ何だが、早期打ち切りにより設定と展開が出尽さなかったことで、逆に職人にとったら「その後の話」が書きやすくなったんじゃないか?
まあ最終回次第だけれどもさ
ところで追悼祭は本当にするの?
ラスト投下から一週経った今週末か、来週水曜(木曜)以降?
追悼祭は連載終わってからで良いだろ
追悼祭なんて必要ありません。
ここも連載と同時に終了いたします。
いや、まだ妹はおわってないんですが
マターリと待つ
ところで夜食として食ってるエースコックのワンタン麺ウマー
弱味氏とかどうしたかなあ
一番の古株72氏とかもな
教育実習生・濱中アイ、マダ〜(チンチン!
日ハムおめ
日ハムの選手の苗字貰ってるキャラっていたっけ?
坪井先生……は初出の時はまだ虎チーム所属だったっけ?
399 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 19:45:49 ID:mFfN+a5u
前スレ落ちたな
静かだねぇ
今がある意味普通の状態なんだろうけど、昨年の毎日投下の頃は奇跡みたいなもんだったんだね
近親相姦ネタPLEASE〜!
マサヒコ×パパンか?
>>402 パパンの教養講座、「女の鳴かせ方 ー泣かせてはだめよー 」ってなもんか!
シンジ「日ハムが日本シリーズを取ったか・・。」
カナミ「・・・ソーセージやハムが安くなるね。おにーちゃんのソーセージは安くならないから大丈夫。」
シンジ「何がだ・・・。」
カナミ「安くならないからお兄ちゃんのソーセージは買えないけど、試食ならオッケーかな」
シンジ「ちょ・・・ちょっ・・・カナミさん、なんでズボンのチャックを下ろしていらっしゃるんですか」
カナミ「それじゃちょっとお味見を・・・」
シンジ「*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!! 」
いや抵抗しなさいよシンジw
あかほん、マジで最終回ですか………
ちょっと考えてたんですが、どうしても拓弥氏の「明日も残業」と被ってしまって断念した、
井戸田×三瀬、の残骸部分をチョコチョコとアレンジしてみました。
NGワードは「エロ無し」「ピロートーク」「超薄味」では、投下。
「おはよう、ヒロキ君」
「おはよう、エリコさん」
「………」
「やっぱまだ照れます?」
「だって昨日まで私は井戸田君って呼んでたし、あなたは三瀬さんって呼んでたし……
そんなにすぐには、慣れないよ」
「恋人になったんだから、名前で呼び合おうって昨日言ったのはエリコさんじゃないですか」
「………そうなんだけど……あは、改めてだと、その、なんだかちょっと、ね」
「でも、照れてるエリコさんも可愛いですよ」
「!!!もう、年下にそんなコト言われても、嬉しくなんかないモン」
「へへ、そんな風にちょっと怒った顔も可愛いですけど」
「……え?い、井戸田君?」
「ダメっすよ、エリコさん?名前で呼ぶって決めたんだから……だから名前で呼んで下さい」
「あん……いや……耳舐めないで……くすぐったい」
「へへ……そう言いながら?」
「あ……ダメ、そこ」
「おっぱい弱いですよね、エリコさん?ホラ、もう乳首コリコリだし」
「や……井戸田君、エロオヤジみたい、あ!やン……」
「あとここは……」
「!やッ!ダメッ!……あ、ゴメン」
「……一晩たちましたけど、やっぱり痛かったりします?」
「ゴメン……私、はじめてだったから……まだちょっとだけ、あの……違和感があるっていうか」
「謝らなくても、良いです。俺、頑張りますよ。エリコさんに気持ち良くなってもらうように」
「……出来たら他のトコロでも頑張って欲しいんだけどね、お仕事でとか」
「ぎゃふん」
「って古いよ〜〜〜、ヒロキ君」
「ははっ、やっと名前で呼んでくれましたね?」
「あ………もう、乗せるの上手なんだから……」
「昨日乗ったのは俺の方だと思うんですが」
「またオヤジギャグ〜〜〜」
「すいません……怒りました?」
「ちょっとだけね。ふふ、でもこういうのも恋人っぽくていいかな?じゃ、私ゴハン作るから」
“ちゅ”
「?ひ、ヒロキ君?」
「今日は休みだし……もう少し、このまま……」
「…………でも」
「本当は、一日中エリコさんを見てたいけど……もう少しだけ」
「………私なんて見てて、何が面白いの?全然可愛くないし、地味だし、華もないのに」
「エリコさんは可愛いですよ。それに俺の好みにバッチリだし」
「?好み?」
「癒し系のお姉さんで隠れ巨乳っていう…………イテ!」
「もう……冗談なんだか、本気なんだか分らないよ、ヒロキ君は」
「でもエリコさんのことが好きなのは、マジですから……だから、もう少し一緒にいて下さい」
「…………ウン」
小柄な三瀬のカラダをすっぽりと包み込むように抱く井戸田。
(……朝ゴハン……どうしよ?でもヒロキ君のカラダ、気持ち良い……
ふふ、でも男のひとの匂いって結構好きかも)
(エリコさんの髪………キレイだな……それに良い匂い)
そんなことを思いながら、ふたりはやがてスヤスヤと気持ちよさそうに寝息をたてはじめた。
忙しい社会人ふたりに訪れた久しぶりの休日の午前は、甘く惰眠を貪る幸せな時間になった。
どちらかが先に目を覚ますとき、恋人の寝顔を見てまた幸せに思うのだろう。
それがエリコがなのか、ヒロキなのかは分からないが。
ふたりの社内恋愛は、始まったばかり――――
END
今回は以上。タイトルは「if エリコとヒロキ編」でお願いします>>古田監督殿。
追悼祭りにはこの「if……」シリーズであかほん全キャラでSS書ければな〜〜、
なんて思っていますけど。
しかしあかほん、何が悪かったのですかね?濱中の初期に比べれば絵柄も安定してたし、
内容も決して悪くなかったと思うのに。残念でしたが、なによりお疲れ様でした>>氏家先生
では股。
郭氏GJです。
あかほんは、ネタを出すのが難しかったのかと。
このスレでも投下は少なく、不評も多かった。
氏家神も同じなのでは。
ところで三瀬さんの名前って既出でしたっけ?
エリコという名前をはじめて知ったよorz
ウホッ
413 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 19:10:50 ID:euadWxYw
このスレもネタ切れだろwwwwww早く畳んじまえよwwwwwwww職人さんはこんな職人を蔑ろにしるゴミスレよりハヤテスレにカム!歓迎する。あ、カスな住人はこないでね(^-^)
痴女はイイよね!!
郭氏GJ!!
最近、痴ょぅ゛jょもイイかも…とか思えてきた…
郭氏GJ!!
ヒロキ×三瀬さんで、いずれ濃厚なのを宜しくお願いします。
あらあら、これはCJですな
乙でーす
郭氏GJ!
秋の夜長に古田氏のまとめサイト
しかし改めて見ると初期職人の残存率が異様に高いな
その継続意欲に顔射
もちろん全ての職人さんにも顔射
初期職人は顔射顔射で、そりゃもうかぴかぴなんだろうなっ
ネタが出ないので終わります。
ありがとうございました。
氏家SSスレ職人一同
最終回、すげーあっさりでワロタw
ああ氏家やる気ホント無かったんだなーって
>>421 .。::+。゚:゜゚。・::。. .。::・。゚:゜゚。*::。.
.。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。 。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウワ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ソ!!
。+゜:*゜:・゜。:+゜ ゜+:。゜・:゜+:゜*。
.:*::+。゜・:+::* *::+:・゜。+::*:.
だが、最後に出てきた家庭教師キャラsと思わせる演出は深い意味があるのだろうか………
それともただのファンサービスか……
後者
後者でしかないでしょうなぁ
なんつーか、やっぱセンセは濱中キャラに思い入れがあるんじゃね?ココも見てそうだしw
ここ見てくれてたらメチャウレシイ。参考程度に出良いから本当に見て欲しい
429 :
117(´_ゝ`):2006/11/02(木) 07:14:52 ID:T3QCwUFh
ネタが出なくてあかほんを途中に放り投げた氏家君に、頑張ってる神職人の爪のアカを無理矢理飲ませやりたい。
ま、この失敗?を経た氏家の性長に期待しようジャマイカン
次の連載も「ネタ切れで〜」とか言って早期に終わったらさすがにアレだが
431 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 13:16:17 ID:fbBIfMPc
あかほんが終わってしまったが、代わりに妹は思春期が20巻くらい続けば我が輩は満足じゃ
>>431 さて、「おいおい20巻ってあと何年後だよ」とやんわり突っ込まれたいかね?
それとも「そこまで続くわけないだろバーヤ」と激しく突っ込まれたいかね?
はたまた「20巻までいく頃はこのスレは何時間目までイッてるだろうな」とボケられたいかね?
20巻まで続くと考えると、あと8〜9年って所か
あと十年はいくら何でも……
週間の4コマでこれだけ続いてるのも珍しいぞ
下ネタだけで5年も持ったのは偉業だと思う。つーかこの漫画、バレがないよな
あかほんは毎週バレ来てたけど妹はバレほとんどなかった
ないんだ・・・・
マッタリ行こうぜベイベー
どうも、お久しぶりです。
ここ2ヶ月余り忙しくて投下できなかったわけですが、
ようやく最近暇ができたので、あかほんで一本書いてみました。
ま、あかほん追悼の一本目ということで。
NGワード「直接的な絡みなし」「オリキャラ(?)有り」
タイトルは「アイドルのうらほん」で。
では投下。
「―じゃあ次の質問だけど…
TBのみんなが『自分は売れっ子になったなあ』って感じるのはどんな時だと思う?」
その日、TBの三人はアイドル雑誌のインタビューを受けていた。
この手の仕事は結構こなしてきている三人。本日も順調に質問に答えていく。
―だが、残念ながらTBのインタビューは何故かまともに終わることが無い。
誰かしら(特にシホとユーリ)が余計な発言をかまし、場を濁してしまうからだ。
そして今回もそれは例外では無いようで―
「えと…私は『街を歩いていて声をかけられるようになった』…とかですかね」
「わたしは『友だちにサインを書いてってお願いされる』とかー、
最近だと…『ファンレターをたくさんもらえるようになった』とかかな?」
と、カルナとユーリはまともな回答で済ませる。
―はい、というわけで…本日の“爆弾”は飯田シホ。
「少しでも他の二人より目立ちたい!!」と考えた彼女が出した答えは―
「私は…うーん、やっぱ…
自分のそっくりさんのAVアイドルが出てきたときかな?」
「「「「……は??」」」」
シホの発言に、和やかだった場の空気が一瞬にして凍りつく。
「…え、知らないんですか?
女性タレントって人気が出ると、よくそっくりさんのAVが出るじゃないですか。
ほらあ…例えば小倉○子とか、安部なつ○とか…」
「「具体名は出さんでいい!!」」
「え、あ…もごっ…!!」
なおも止まらないシホにカルナとヒロキから速攻でツッコミが入り、その口を強引に塞いだ。
―その後は微妙な空気のままではあったが、
なんとかインタビューは終了したのだった。
―その日の夜。
とあるレンタルビデオ店のAVコーナーの一角に、
TBのマネージャーである井戸田ヒロキはいた。
彼がAVのタイトルを物色し始めてから、既に小一時間が過ぎようとしている。
「はあ…なんで俺はここに…?」
何度もため息をつきながら、ヒロキは数時間前の社長室での出来事を思い返していた。
「―んー…確かにシホの言い分にも一理あるわよね」
ヒロキから本日のインタビューの顛末を聞いたレイコは大きく頷いた。
「な、なに言ってんですか、社長!?」
社長の思いもよらぬ発言に、ヒロキは驚きの声を上げる。
「…別にそんなに変なことじゃないでしょ?
どんなに清純派アイドル気取ってても、それで欲情する男は少なからずいるんだしね。
実際この前のシホの誕生日にコンドーム送ってきたファンがいるじゃない」
「ま、まあそうですけど」
「そういえばマイのデビュー直後にもいたわね。
『毎晩マイちゃんでオナニーしてます(;´Д`)ハァハァ』ってファンレターに書いてた変態野郎が」
「はあ」
「やる気の無い返事ね…とにかく、TBがエロ方面に需要があっても別におかしくない、ってことよ」
「…はあ。でも本当にそんな…AVがあるんですかね?俺も聞いたことないし」
「だからさ…それをアンタに調べてもらうのよ」
「えっ!?」
社長のまたも予期せぬ発言。ヒロキは「何言ってんのこの人!?」と呆れ、驚くしかない。
だがレイコは目の前の彼に一切かまわずに話を続ける。
「今日にでもビデオ屋に行ってみてくれない?どうせ今夜は暇でしょ?
見つけたらそのビデオを借りてみて、中身がどうなってるかを私に報告しなさい」
「あ、あの…まさか…本当に俺がやるんですか?」
「当たり前じゃない。仮にもアンタはあの子たちのマネージャーなんだから。
それに、こういう事は男の子の方が詳しいでしょ?」
「いや、でも…」
「言っとくけど、これは業務命令だから」
「…はい」
業務命令とまで言われては、もう何も言えない。
社長の勢いにぐうの音も出ず、ヒロキは素直にそれに従うしかなかった。
「あ、レンタル代は経費で落としてあげるから、
ちゃんと領収書もらってきなさいよ」
「……はい」
―とまあ、こんな感じである。
確かに『芸能人のそっくりさんのAV』が「一種の人気のバロメータ」であるという
シホや社長の言い分はヒロキにも…微妙に分からんでもない。
「しっかし…本当に俺が借りるのかよ…」
『領収書を貰ってきなさい』と言われたときはどんな羞恥プレイかと思ったが、
よく考えれば会社の仕事という名目で借りる分、多少は気が楽になるというものだ。
そこは多少なりとも社長に感謝すべきかもしれない。
「だからって…なんで俺が…?」
まあ結局のところ、彼にとって理不尽なことに変わりないのだ。
それに肝心のビデオがそんな都合よく見つかってたまるかと。
これだけ探したのだ、どうせ見つかるわけが…
…見つかるわけが…
…見つかるわけが…?
「……見つけちゃったよ……」
“それ”を目にしたその次の瞬間、
ヒロキは自分の身体から力が抜けていくのを感じた。
―それからしばらくして、自分のアパートへと戻ってきたヒロキ。
借りてきたビデオのタイトル名を改めて確認し、彼はまたため息をついた。
「ま、この名前じゃ見つからなかったわけだ…」
『あの人気急上昇中アイドルグループに劇似!?T○誕生!!』
―いや2文字しかないのに片っぽを伏字にしたらもうわけ分かんねえよ。
…とまず軽いツッコミを入れながら、ヒロキはそれをビデオデッキへと放り込み
リモコンの再生ボタンを押した。
いかにも安っぽいオープニングタイトルに続き、
まずは棒読み演技での二人の女優の自己紹介が始まる。
この棒読みっぷりはAV特有というか、なんというか。
(演技がうまいと肝心の絡みの部分も演技じゃないのか?
と思われてしまうので、演技はわざとらしいほど棒読みにしているらしいとか何とか)
…まあ、流石にユーリ役は見つからなかったというか、
出したらどう見てもアウトなので居ないようだが。
『飯田リホでーす』
『ハルナです』
『『ふたり合わせて…『トリプルペッティング』でーっす!』』
―ひねりが無いというか、なんというか…
そもそもシホ役とカルナ役の二人しかいないのに、トリプルって何だそれは。
…と二度目のツッコミを入れながら、先へと進める。
「それにしても…明らかにアイツらより年とってるよな」
カルナ役もシホ役にしても、本来の彼女たちより2歳は年上に見える雰囲気だ。
(あくまで外見上そう見えるだけで、本当は二人とも18歳以上だというのは百も承知だが)
まあその辺は仕方のないことかもしれないが。
「さて…肝心の内容は、どんなもんかな…」
―まずはコンサート後という設定なのか、
派手な衣装を着た二人が更衣室と思われる部屋へ入ってきた。
『疲れたねー』『そうだね』と早送りしたくなる程の棒読みセリフの後、早速レズの絡みへと突入。
ディープキスを交わし、互いの衣装を脱がしあって裸になる二人。
どうやら“ハルナ”が攻め役、“リホ”が受け役という設定のようだ。
ハルナの唇と舌がリホの可憐な乳房を愛撫し、
下半身へと伸びた指先がリホの蜜壷を責め上げていく。
『ふふ…リホ、もうアソコがぐしょぐしょだよ…』
『ああっ…いやっ…やめて…ハルナぁ…』
―アイツら絶対こんなこと言わねえ。
特にカルナ。画面に映る“ハルナ”は
営業スマイル全開のカルナに影響を受けているのだろうが、
楽屋裏の素の彼女があんなハキハキした表情を見せるわけがない。
「やっぱり芸能人の裏の顔ってのは、近くにいないと分からないのかなあ」
…と、マネージャーの視点から彼は思った。
「―あ…いつの間にか見入っちゃってんな、コレ」
既に30分近くが過ぎ去っていることに気付き、ヒロキは静かにそう呟いた。
場面は切り替わり、今度は複数の男優を絡めた乱交が始まろうとしている。
裸になった“リホ”と“ハルナ”がベッドの上へと倒れこむと、
続いて欲望をたぎらせた男達が、どこからともなく二人の前へと現れる。
『―いいわよ…来て』
“ハルナ”のその合図と共に、男達は一斉に二人の肢体へと群がる。
淫乱なる饗宴の始まりだ。
「…でも、ちょっと似てるかな、アイツらに…」
はじめは少し違和感があったものの
大人びている事に目をつぶれば結構似ているように見えるのだから、不思議なものだ。
ここでヒロキはふと思った。
―あの二人も、数年後にはこんな感じになるんだろうか?―と。
シホもカルナも(そしてユーリも)心と身体はまだまだ成長過程にある。
シホなどは、胸が大きくならないことを何度もネタにしているくらいだ。
しかし、この時期の女の子ってのは“化ける”。
これは決して大げさな表現ではない。
まるで花のつぼみが開くかの様に、蛹から蝶へと羽化するかのように―“化ける”のだ。
高校生のカルナはそうだが、中学生のシホの方も次第に、そして確実に大人びてきている。
(もっとも下ネタ関連は逆に性徴、もとい成長しすぎだが)
最近では、初めは「馬子にも衣装」だと思っていた三人の水着撮影やコスプレにも、
時たま色気を感じるようになってきた―
「…って俺、何考えてんだ!!」
と、ここでヒロキははっと我に返る。
―まさか、俺が彼女たちをそんな劣情の目で見ているというのか?
―これでは俺は…ロリコンではないかっ!!
―それにマネージャーがタレントをそういう目で見るなんて…もう最低だ。
しかしそれを頭の中から打ち払おうとしても、目の前の画面に写る女優があの二人に重なって
彼女たちが男に汚されていく姿が脳裏に浮かんでしまう。
―男の肉棒に嬉しそうにしゃぶり付くシホとカルナを。
豊かな乳房を揉みしだかれ、汗を散らして淫らに腰を振り、嬌声を上げる彼女たちの姿を―
どうしても想像してしまうのだ。
「いやっ!違う…俺は変態じゃ…」
『―本当にそうかしら?
もうココはこんなに大きくなってるじゃない…』
「うわわっ…いやそんなことは…ってあれ!?」
ビデオの女優のセリフと今の心境がシンクロし、ヒロキは更に動揺してしまう。
実際、下半身が言うことを効かなくなり始めているのだからどうしようもない。
「ああっ…違う…違うんだあ…」
嘆きながらも何とか己を静める方法を考えるヒロキ。もはや彼に猶予などない。
―そうだ、思い出した!!俺は…俺は巨乳のお姉さんが好きなのだ!!
―俺は“年上”好きの“巨乳”好き。決してロリコンじゃないっ!!
―ああ、でもアイツらも2、3年後にはあんな感じに胸が成長…
「…ってバカー!!俺のバカーッ!!」
暴走しかける理性を必死で抑えながら、
井戸田ヒロキは一晩中葛藤し続けたのであった。
―そして翌朝、レイ・プリンセスの社長室にて―
「―というわけでして…今のところ発売してるのはこれ一本だけみたいですね」
「そう、お疲れさん。ところで…
…昨日はスッキリできたかしら?」
「はい、そりゃあもうおかげさまで…
…はうッ!!??」
(おしまい)
終了です。お目汚し失礼しました。
あかほんに関しては、まだまだネタがありそうなので
暇があればこれからも投下していきたいと思います。
それではまた。
そして氏家先生、お疲れ様でした。
GJっす
乙であります!
GJ
455 :
454:2006/11/04(土) 23:35:42 ID:UVSSTBqS
なんかおれのIDすごい
>>455 「SS、トリプルブッキング」か……
こりゃ次の新作はお前が書けという、神の啓示に違いないぜ?
>>451 乙っす。ああ、あかほんが続いていれば、こんなネタが出てきたかもしれないなぁ……?
>>454 期待してるぜ!
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
あかほんネタです。
スルー対象ワードは「デビューから三年後」「ヒロキと三人はすでに一線を越えている」
「御都合主義」「強引展開」「本番なし、フェラあり」です。
題は「奇跡のユニット」でお願いします。
飯田シホ、如月カルナ、有銘ユーリ。
今をときめくアイドルユニット、『トリプルブッキング』のメンバーだ。
偶然に偶然が重なった、奇跡のような結成からはや三年、実力もめきめきとつけ、
テレビにラジオ、雑誌と引っ張りだこの存在にまで上り詰めた。
三年という歳月は、アイドルとしてのあり方、見せ方を進歩させただけではない。
何せ彼女らは花の十代、外見の成長ぶりも目覚しいものがあった。
最年少だったユーリは、一番変わる年頃だけに特に顕著だ。
さなぎが蝶に、という表現があるが、まさにそれに当てはまる。
幼さと将来性の同居、とでも表現すればよいだろうか。
ふくらみはじめの胸、なだらかになりつつある体つき、時折見せる大人びた表情。
成長過程の真っ只中、ローティーンの魅力というやつだ。
一部の熱狂的なファンが多くついているのも頷けよう。
カルナはメンバーの中で最年長であり、TB結成時には既に身体的に充分に発育していた。
だが、身体の発達が終わりを迎える時こそが、女性の真の成熟のスタート。
視線にしても笑顔にしても、挙措のひとつひとつが、「大人の女性」になっていくのだ。
こちらは落ち着きと艶の同居と言えるだろう。
シホはと言えば、その中間にあってややワリを喰ってしまった感は否めない。
とは言っても、元々愛嬌があり、元気と勢いがウリである彼女にとってはあまり問題ではない。
ふくよかな、つまりグラマーな身体つきとは縁が無いが、
スレンダーなボディはいかにも健康的で、また別の意味でグラビア映えする。
度胸満点の性格もスター向きだ。
噛み癖は一向に直らないものの、それさえもチャームポイントに変えてしまう一種独特の図々しさ。
場の流れを一瞬にして持っていってしまう空気ブレイカーっぷり。
ミスしようともトチろうとも、くよくよせずに常に前向きに考えるそのポジティブシンキングの度合い。
一歩間違えばバッシングの対象になってしまうそれらも、彼女は全て包み込み、魅力に変えてしまう。
美しさ、可愛らしさ、演技力や歌唱力で彼女たちを上回るアイドルはたくさんいる。
が、彼女たちにしか出せない魅力、いや、魔力というのは確実に存在する。
おそらく、一人ひとりが単品で売り出されていたら、その『魔力』は眠ったままだっただろう。
ユニットで活動することで、彼女たちは一層輝くことが出来る。
そう、トリプルブッキングはまさに奇跡のアイドルユニットなのだ。
「はー、疲れた疲れた」
「えらく時間がかかっちゃったね」
「それもこれも、シホが台詞を何度も間違えたせいだけれど」
時間は夜の九時を少し回ったあたり、テレビ局はこの時間も忙しい。
タレントから各スタッフまで、色々な番組のために走りまわっている。
TBが今日、このテレビ局に来たのは、あるバラエティ番組の収録があったためだ。
スタジオの中での撮影のため、タレントがおのおのの役目をキチンと果たせば数時間で終わるはずだった。
TBをはじめ、全てのタレントが揃ったのが午後の二時、
そして実際に収録がスタートしたのがそれから一時間後の午後三時。
終了予定は夜七時、特にアクション的にも難しい番組ではなかったのだが……。
途中、シホが何度も噛んでしまい、結局時間は大幅にオーバー、
撮り直しの連続で二時間の超過になってしまったのだった。
「うー、あれは私を陥れる罠だ! 早口言葉のコーナーなんて!」
「事前にちゃんと説明を受けたでしょう。練習をしっかりしてこなかった貴女が悪いのよ」
「私とカルナちゃんはキチンと出来たもんねぇ」
一度や二度の失敗ならば、笑いのシーンとして放送で使えるので問題はない。
だが、五度、六度七度、そして十度を越すとさすがに現場が笑えなくなってくる。
当人のシホはますます焦ってくるし、周りのタレントはだれてくるし。
「貴女は将来女優を目指してるんでしょう? 早くその癖を直しなさい」
「くーっ、一足先にドラマデビューしたからってそんな偉そうな口をー」
「シホちゃん、それってヒガミだよ。それにカルナちゃんのドラマデビューだってたったワンシーンじゃない」
「それでもちゃんとエンドクレジットに名前が載った! ああ羨ましい!」
「……主人公が通う学園の女生徒、台詞は僅か、初回の後は最終回以外に出番無し。それでも羨ましい?」
「うまやらしい!」
テレビ局の玄関ホールに響くシホの叫び声。
その大きさと言葉に、周囲のタレントやテレビ関係者がギョッとしてTBの方を見る。
「シホ、恥ずかしいから大きな声出さないで」
「何よう、これからもっと恥ずかしむむむむ」
シホの口を、カルナとユーリが慌てて塞いだ。
そのドタバタっぷりに、さらに三人に周囲の視線が集中する。
「すいません、すぐ退出しますんで」
「ごめんなさーい」
愛想笑いを振りまきつつ、二人はシホを引き摺るようにエレベーターへと乗り込む。
「……お願いだから気取られるような危険発言しないで」
「ご、ゴメン」
シホは素直に謝った。
「バレたらエライことになっちゃうよ」
「まったくだわ」
誰も乗り込んでこないことを確認すると、カルナは地下一階のボタンを押した。
地下一階には駐車場がある。そこで、彼女たちのマネージャーが待っている。
三人をマンションへと送っていくために。
現在、三人は分かれて暮らしている。
シホとユーリは自宅で、カルナは高校入学から生活しているマンションで。
コンサートやレコーディングなどの大きな仕事がある時のみ、三人暮らしのあのマンションを使っている。
丁度、講談ホールでのコンサートまで三週間をきっており、今日はそこに帰ることになっている。
そして、明日は久々の三人揃っての英気を養うための完全オフ。
人気が出てきた今となっては、実に貴重な休暇だ。
「おーい、ヒロくーん!」
エレベーターを降りるとすぐに、TBのマネージャーである井戸田ヒロキが車を回して待っていた。
シホは荷物を放り出すと、ダッシュしてヒロキに飛びつく。
「わ、わわわ!」
「さあ帰ろう、今すぐ帰ろう!」
「何がすぐ帰ろう、だ! 遅くなったのはシホちゃんのせいだろう!」
まるで子猫のように、ヒロキにピッタリとくっつくシホ。
それを見て、ユーリとカルナもヒロキの側へと近寄った。
「……帰りましょう、井戸田さん」
「帰ろう、お兄ちゃん」
側からみれば、仲の良いアイドルとそのマネージャーという構図だ。
しかし勘のいい人ならば、四人の間に単なる仲の良さ以上のものを感じ取っただろう。
「うふふ」
「ふふっ」
「……ふふ」
「いや、あはは……」
明日は完全オフ。
しかし、彼女たちが帰るのは三人暮らしのマンションであって、それぞれの家ではない。
理由はコンサートに備えるため。
だが、理由はそれだけではない。
飯田シホ、如月カルナ、有銘ユーリ、そして井戸田ヒロキ。
四人には、ひた隠しにしている事実がある。
それは、アイドルとマネージャーにあるまじきこと。
四人の関係。
それは、単なるアイドルとマネージャーの範囲に収まるものではない。
四人の関係。
それは―――深い愛に基づいた肉体関係。
◆ ◆
都内某所にあるマンション。
防音及び警備設備が整っており、芸能人や作家などが多く入居している、知る人ぞ知るマンションだ。
その一室で、四人の男女は服を着たまま身体を密着させている。
その部屋の表札には、こう書かれている。
『飯田 如月 有銘 TB』と。
「ヒロ君……」
「ああ、井戸田さん……」
「お兄ちゃん」
「ん……」
ヒロキは、三人が求めるままに、キスを何度も交わす。
その回数に比例して、シホたちの表情はトロリと蕩けていく。
「ヒロ君、もっとぉ」
「シホちゃん……」
シホとヒロキ、長めの口づけ。
二人に、カルナとユーリが羨望の眼差しを向ける。
ヒロキにかまって欲しいのは、カルナとユーリも同じだ。
「井戸田さん、私にも……」
やや鼻にかかるような声を出しつつ、カルナはヒロキの上着のボタンをひとつずつ外していく。
その声と表情は、普段の彼女からはとても想像がつかないものだ。
テレビの前の視聴者にも、両親にも、聖光女学院のクラスメイトにも、見せたことのない媚態。
「お兄ちゃあん……」
ユーリもまた、同じように甘えた声で呼びかける。
カルナの動きと連動して、ネクタイを解いていく。
その艶っぽさは、13歳の少女にはとても見えない。
いっぱしの『女』になっている。
「ちょ……待って、今日は長居出来ないんだって」
ヒロキの言葉に、悲しそうな目になるシホ、カルナ、ユーリの三人。
「ごめんね、皆」
三人はお休み。
だが、ヒロキは違う。
マネージャーである彼は、ある意味TBよりも忙しいのだ。
テレビ局やCM制作会社、グラビア撮影の打ち合わせ、
インタビューの事前セッティング等々、やるべきことはたくさんある。
「じゃ、すぐ帰っちゃうの?」
放したくない、とばかりにユーリがヒロキの首に抱きつく。
そんな彼女の頭を、ヒロキは優しく掌で撫でる。
「……うん。今から事務所に帰って社長や三瀬さんと話をしないと」
「つまんない、せっかく一緒に夜を過ごせるかと思って帰るのをこっちのマンションにしたのに」
「コンサートのことで緊急に話し合う必要があるんだよ」
「うう、そうなんだ……」
「シホ、ユーリ、我侭言わないで。井戸田さんは私達のために頑張ってくれているんだから」
ひきとめようとするシホとユーリを、カルナはたしなめる。
だが、彼女とて寂しい気持ちに変わりはない。
口ではそう言っていても、心はヒロキを欲している。
ヒロキのシャツを脱がそうとしたのは、その表れだ。
「ね、ヒロ君……すぐ行かなきゃならないの?」
「え、う、うん。社長たちをこれ以上待たせるわけにはいかないし」
「三人に一回ずつで三分、てわけにはいかない?」
「……無茶言うな」
どれだけ早漏な男でも、三分のうちに連続して三回など無理だ。
それに、ヒロキはイケても、シホたちが満足出来ないだろう。
「うーん、それじゃ、一回ってのはどう? ジャンケンで決めるからさ」
「いや、それもどうかと」
ヒロキもヤルとなれば、三人を均等に愛してあげたい。
他人から見れば、鬼畜としか思われないだろうが、それはヒロキの偽らざる思いだ。
タレントとマネージャーという一線を越えてから、ヒロキと三人は何度となく身体を重ね合わせた。
だが、三人のうち一人だけというのは、したことがない。
愛を交わす機会が、TBがマンションに泊まっている間しかないというのもあるが、
やはり、残った他の二人を仲間外れにはしたくないのだ。
「やっぱりダメかあ」
「あ、そうだ!」
「どうしたの、ユーリ?」
ユーリが何かを思いついたように、声をあげた。
「えへへ……」
カルナの問いには答えず、ユーリはヒロキのズボンのチャックをジーッと下ろしていく。
「ユ、ユーリちゃん!?」
ヒロキが止める暇も無かった。
ユーリは流れるような動きで、ヒロキのモノを摘みだすと、外気にさらした。
モノはまだ半勃ちの状態だ。
「じゃ、せめてお兄ちゃんだけでも気持ちよくしてあげようよ、皆で」
「……ヒロ君だけでも?」
「それってつまり……」
「うん、日頃のお礼も込めて。本番はまた、次の機会にってことで。ね?」
シホとカルナは、ユーリの言いたいことを理解した。
三人でヒロキに『ご奉仕』してあげよう、というわけだ。
「まま、待って。それはそれで困、はうっ」
ヒロキは思わず背筋を伸ばした。
ユーリがその桜色の可愛らしい唇で、自身のモノにしゃぶりついてきたからだ。
「あ、いきなりサオの部分に行くとは……今日のユーリはえらく抜け駆けが得意なようね」
シホは先を越された気分になり、少しムッとした表情をした。
だが、そのままボケッと見ている程、彼女ものんびり屋さんではない。
ユーリとは逆の方に回り込むと、同じようにヒロキのモノに舌を這わせ始めた。
「はううう!?」
情けない声を出すヒロキ。
しかしその声も、カルナが唇を合わせてきたために出せなくなった。
「む、んー」
「……ふ、む、ん……ちゅ」
舌を巧みに使い、ヒロキの口内をまさぐっていくカルナ。
唾液が、二人の唇の交差点から溢れ、下へと滴り落ちていく。
「く……み、みんな」
アイドルが寄って奉仕してくれる。
まさに、男の夢の極致のひとつと言えるだろう。
しかも、ただのアイドルではない。
今まさに、お茶の間で人気が沸騰しつつある話題のアイドルたちなのだ。
グラビアの水着姿の彼女たちに、いったいどれだけの男どもが欲情しただろう。
ブラウン管の中で歌う彼女たちが持つマイクを、自分のモノに見立ててオナニーした者もいるだろう。
妄想の中で、彼女たちは何度、妄想の主たちに犯されていることだろう。
だが、今ヒロキの目の前で彼女たちがしてくれているのは、
全国のイケない男性ファンが夢にまで望んでいる、まさにそういう行為なのだ。
井戸田ヒロキ、とんでもない果報者である。
神に感謝して済むレベルの話ではない。
「うっ……」
ユーリとシホの唇と舌が、ヒロキを快楽の谷へと落とし込んでいく。
さすがに抜群のテクニックとは言い難いが、
十代の、まだ幼さが残る少女が自分のモノを舐め、咥えてくれているという事実だけで、充分に気持ちが良い。
視覚による快感、こればかりは、いかにヒロキが巨乳のお姉さん好きであっても関係ない。
「ヒロくぅん……」
「お兄ちゃあん……」
「井戸田さぁん……」
カルナも、ヒロキの唇から離れると、『ご奉仕』に加わった。
三人でかわるがわる、まるでソフトクリームを食べる子どものように、
舌先でヒロキのモノを舐め上げていく。
シホの次はユーリ、ユーリの次はカルナ、カルナの次はシホ……という順番に。
ユニットを組んでいる強み、とは言い方がおかしいかもしれないが、それは絶妙な連携だった。
「くぅ、シホちゃん、カルナちゃん、ユーリちゃん……っ!」
もはやヒロキは限界だった。
うなじがピリピリと痺れ、その痺れが背骨を通って下へと降り、腰を、そしてそのさら下へと向かっていく。
「く、ううっ!」
痺れが足先まで到達した時、ヒロキの堤防は決壊した。
多量の飛沫が、モノの先端から放たれ、三人の顔に降り注ぐ。
「あ……」
「出た、ぁ……」
「……ああ」
三人は恍惚とした表情で、ヒロキの精液を顔面に受けた。
汚い、という思いはない。
むしろ、ヒロキが自分たちの奉仕でイッてくれた、その嬉しさ、愛しさの方が大きい。
「は、ふぅ」
「んん、凄い……」
「こんなに、たくさん……」
丁度シホが舌を突き出した瞬間だったので、彼女が最も多くの量を浴びることになった。
鼻先、頬、唇に、べっとりと青白い精液がまとわりつく。
それを、左右からユーリとカルナが顔を寄せ、ペロリと舐め取っていく。
「う、わ」
その光景の何と扇情的なことか。
通常の感覚でいけば、男一人に女三人が奉仕すること自体が有り得ない。
ましてや、相手は売れっ子アイドルで、自分はそのマネージャーなのだ。
しかも、皆いずれも十代の少女たちだ。
なのに、その身体から発散される『女性の気』の何と妖艶さと言ったらない。
「ま、まずい」
ヒロキは必死に自制心を働かせた。
放出して萎えたはずの股間のモノが、また勢いを戻しそうになったからだ。
ムラムラと心臓を焦がす欲情を無理矢理、ヒロキは押さえにかかる。
ここで爆発してしまったら、事務所での話し合いに間に合わない。
何のために、こんな深夜遅くまでレイコたちを待たせているのかわからなくなってしまう。
「えいっ!」
気合一声、ヒロキは強引に性欲を封じ込めた。
そして、その勢いのままに立ち上がる。
「ちょ、ちょっとシャワー借りるわ!」
床に落ちていたYシャツとネクタイを引っつかむと、ヒロキはドタバタと浴室へと駆けていった。
膝までずり下がったズボンが、何ともマヌケだ。
「す、すぐ上がるから! あ、汗を流すだけだから! それで出て行くから!」
そう叫びながら浴室の向こうへと消えていくヒロキ。
そんなヒロキを、三人はやや呆然とした態で見送った。
「……そんなに慌てんでもいいのに」
「ホントなら、まずシャワーを浴びなきゃいけないのは私たちだよね」
「キッチンでタオルを濡らすわ。それでまず顔を拭きましょう。シャワーは井戸田さんが出た後で」
さっきまでの、大人顔負けの淫らさは、すでに三人からは消え去っていた。
いつものシホ、ユーリ、カルナに戻っている。
「うー、あそこまでやったんだから、ヒロ君は狼になってくれてもいいのに」
やや不満顔になるシホ。
その期待は、当然ユーリとカルナにもあった。
話し合いをうっちゃって、今夜一晩相手をしてくれたなら……という思いだ。
しかしその一方で、ヒロキが自制してくれたこともまた嬉しかったりする。
社長との話し合いを優先したということは、つまりはTBの仕事を守ろうとしてくれたのと同じことだ。
アイドルユニットとしてのTBを何より大事に思ってくれているという証だ。
不満だけれども嬉しい、嬉しいけれども不満。
何と贅沢で、そして複雑な乙女心であることか。
「でも、シャワー何て浴びてったら間に合わないんじゃない?」
時計の針はすでに十時半の手前を指している。
ヒロキが何時に話し合いを予定していたのかは知らないが、
明らかにこれはその時間をオーバーしているだろう。
「社長にボコられるんじゃない?」
レイ・プリンセス事務所社長の柏木レイコは、業界の裏も表も知り尽くしている。
女の武器、その使い方も熟知している。
今のところ、レイコは四人の関係について何も言って来ない。
隠し通せている、とは四人は思っていない。間違いなく気づかれている、と考えている。
何も言って来ないのは何か考えがあるためだろうが、言って来ない以上は四人も黙っているしかない。
「シホちゃん、それって怒られるの間違い?」
「……ある意味、間違ってないとは思うけれど」
三人は顔を数秒、顔を見合わせた。
まだ、それぞれの顔にはヒロキの精液の残滓がところどころに付着している。
「ぷっ」
「あはは」
「ふふふ……」
不意におかしくなって、三人は笑った。
自分たちはヒロキを愛している。ヒロキもまた、自分たちを愛してくれている。
アイドルとしても、そして女としても。
確かに、愛の形としてはイビツなのだろう。
三対一という付き合い方は。
自分ひとりだけを見て欲しい、ヒロキを自分だけの物にしたい、そういう思いは当然、心にある。
嫉妬もある。それは、人間である以上、そして女である以上、仕方が無い。
だが、それ以上に、三人はTBというユニットも愛している。
TBがあったからこそ、三人はここまで成長出来た。
シホ、ユーリ、カルナにとって、今はそれだけで充分だった。
充分過ぎる程に、満ち足りていた。
TBは奇跡のアイドルユニット。
イビツだろうと何だろうと関係ない。
それぞれが、深い愛と信頼で結ばれている。
遠くない将来、アイドルとしても女としても、いくつかの辛い選択を強いられることになるのは間違いないだろう。
もっともっと人気が出て、一人ひとりにアイドルとしての価値がさらに加われば、
社長命令でソロ活動に転向する可能性もある。
それに、日本では重婚が認められていない以上、ヒロキとくっつくことが出来るのは唯一人だけだ。
だが、例えそうなったとしても、彼女たちは悔やまない。
いや、悔やんだとしても、すぐにまた前を向いて歩き出すに違いない。
彼女たちの中でTBは永遠の存在であり、ヒロキへの愛もまた不変のものだ。
今の満ち足りた思いがあれば、どんな障害だって乗り越えていける。
それは、すでに確信だ。
そう、トリプルブッキングはまさに奇跡のアイドルユニットなのだ―――
F I N
以上です。
実際は投下した分の二倍以上の量があったのですが、エロに焦点を当てるためにバッサリ斬りました。
そのために読みづらくなったかもしれません。今後はその点に気をつけたいと思います。
しかし、あかほんは難しいです(特にユーリの扱い)。
エロあり、エロなしでいくつかネタがありますので、また機会があれば投下したいと思います。
自分語り失礼しました。
乙です
ものすごくGJです。寝る前にちょうどいい読みやすさでした。
文章を切って意味を通すって大変なんだよな
夏休みの読書感想文や校内新聞の記事なんか、絶対指定量まで書けないと
思うのに毎回オーバーして苦労したことを思い出した
なんかここ、雰囲気良い。
もう今週からあかほん載ってないんだよな……テラサミシス
で、全然関係ないけど72氏のSSを読んで、
昔AV宅配便(郵便受けによく入ってたチラシのやつ)を一度買ったことがあったのを思い出した
送られてきたビデオには、二時間延々富士山が映っていた
苦い性春のヒトコマということで、遅ればせながら72氏GJ
そういえば72氏って一番の古株だよな。本当に氏家漫画が好きって証拠だ
氏家マンガで一番の巨乳は誰だろう
ナツミ=83 アキ=85だった気がする。
アヤナは数字出てなかったかな?
カップ等は不明…
アキが一番ぽいけど、アキアヤナ共に成長中だからなぁ。
そいやあかほんには巨乳キャラいなかったね。
上から87・56・88のパーフェクトボディを持つ加藤先生をわすれるな
子供持ちでそのボディだものねえ。氏家センセの描き方を平均してみるとトップと
アンダーの差はアヤナの方があるようにみえる。いずれにせよ貧乳トリオとはえらい
違いですなあ。ミホ、ショーコもその年としては十分な様子ですね。
ところで天邪鬼氏の「カナミの看病を続ける」が見たいわけだが
やっぱ「お兄ちゃんったらくんずほぐれつなんだよ!」って感じなんでしょうかねえ、
ワクワク。
急かしても悪いのでマターリと待ちましょ
マターリ
土日で続けて二作投下されてるからマターリってのもなんかおかしい気もするがw
とにかくマターリと待ちますか
じゃあフワーリを待とう
フワーリか…男のロマンだな
フワーリズミー
フワーリ待つ…響きが気に入ったw
次からマターリの代わりに使うか?
フワーリOK!
思えば、あのふわーりから全てが始まったんだな
痴女はフワーリ!!
フワーリ
静かDESUNE
嵐の前のふわ〜りさ
492 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 12:06:45 ID:j/KvnDXD
たまにはあげまん
493 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 12:51:37 ID:DWGIIBEm
age
期待のage
マサはPS3買えたかな?
>>495 中村に並ばされてる豊田orマサが頭に浮かびました・・・・
497 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 01:14:11 ID:/FUjTfYh
age
>>496 「ったく…なんでオレたちが…?」
「仕方ないだろ…リョーコの命令なんだから」
「だからって…なんでこんなに朝早く、
中村先生のために並ばなきゃいけないんですか!?」
「だって、黙って従わないと後が怖いし…
もし買えなかったら、アイツにどんなお仕置きを食らうか…
…お仕置き…
…(;´Д`)ハァハァ」
「ちょ…何を期待してんですか」
・
・
・
「ところで…お金は中村先生から預かってるんですよね?」
「ああ、この封筒の中に入ってるよ。
流石に俺らもそんなに金は出せないからね…
…って、あれ?」
「…どうしたんですか?」
「中に…3万しか入ってないんだけど」
・
・
・
「―やだなあ先輩、今日はPS3の発売日ですよ?」
「あれえ?Wiiじゃなかったっけ?
…ま、いいか♪」
こうですか?わかりません!!
中村うざいよな
DQNだし
まだ小宮山の方がマシ
ポパピピピピピポパポピパパピポピピ
___ _, -、
, -'~/~ ̄ヽ,~ヽ-l、
/`'''' ''''''''''''''''`'''''~ ヽ、
>>1 ポパピピパピピポパポピパパピポピピ
///⌒l~|^l ヽ,
>>3 ポパピピピポピポパポピパパピポピピ
//.|'-‐' /,/ _i
>>4 ポパピピパピピポパポピパパピポピピ
|-l'三=i/=-,| ̄||~~l~~l ̄ l.l
>>5 ポパピピポピピポパポピパパピポピピ
/=|=]-'=(_).ヽ'='|_|l___|=-'-‐'._|
>>6 ポパピピピピピポパポピパパピポピピ
// >-ニニ''ー------ーー '''''~~-'-- 、
>>7 ポパピピピピピポパポピパピピポピピ
| | |:l~''''==- ̄二',','''''''~~ ̄/ // _ l
>>8 ポパピピポピピポピポピパパピポピピ
| | |:|ニ=--====--' l .l l./ .):|
>>9 ポパピパピピピポパポピパパピポピピ
| | |:|'‐-=,,,,|=ニニニl .| .| |:>-'=|
>>10 ポパピピピポピポパポピパピピポピピ
`-=:|l .|'''=-, | .| |:|::::::j|
>>11-1000 ポパピパピピピポパポピパピピポピ
おお、宇宙一有能なロボットが……
どうしたんだw
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
マサヒコとミサキで、スルー対象ワードは「小ネタ」「エロなし」「1レス」「ベタベタ」です。
題は『長袖不要』でお願いします。
時は神無月を経て霜月の半ば、一年も残すところあと一月と僅か。
つい半月程前までは残暑の長い抵抗に梃子摺っていたのに、何時の間にやら長袖の上着のお世話になっている。
「とても良かったね、感動してちょっと泣いちゃった」
「ああ。そうだな」
さて、寒くなってきたとは言え、それと一向に関係なく、アツアツな関係を育んでいるカップルがここに一組。
それは誰と誰かと問うまでもない、小久保マサヒコと天野ミサキの幼馴染ペアだ。
「不治の病を助ける主人公がとっても格好良かったね」
「……ああ」
二人は今、駅前のとある喫茶店、その窓際の一席に座っている。
「ラストシーンはすごく良かったわよね、画面が涙で滲んじゃってよく見えなくなっちゃった」
「……あー、そうだな」
日曜の今日、互いにクラブ活動もなく、二人は朝から一緒に出かけることになった。
ミサキが今話題になっている映画を観に行きたいと言い出して、デートの行き先はそこに決定。
それで、見終わった後こうしてお茶を飲みつつゆっくり休息中、というわけだ。
「キャストも特に不満はなかったし、いい映画だと思うわ」
「ああ……」
二人が見に行った映画、そのタイトルは『今、世界の中心で会いに行きます』という。
若い世代の、特に女性を中心に絶大な人気を誇っている小説を映画化したものだ。
あるところに、深く愛しあっている高校生の男女がいた。
いつものように仲良くデートに出かけた二人だったが、その最中にデート中に彼女が突然倒れてしまう。
彼女を病院に運び込んだ主人公は、彼女を診察した医師から驚くべき言葉を聞く。
彼女は脳腫瘍を患っており、今の現代医学ではそれを治す術がない、というのだ。
意識を失い、目を瞑ったままの彼女を前にして、主人公は決意する。医学を勉強し、必ず彼女を救おう、と。
それから十年後、日本でも指折りの医者になった主人公が、眠ったままの彼女の前に現れる。
今、世紀の大手術が始まる。果たして、二人の愛は不治の病を乗り越えられるのか―――
とまあ、良い言い方をすればシンプルな純愛映画、悪い言い方をすれば陳腐なバカップル映画といった内容だ。
カップル役がイケメン人気俳優と売り出し中のグラビアアイドルで、話題性が高いのは確かではある。
「あ、そう言えばトリプルブッキングの三人も少しだけだけど出てたよね。マサちゃんはわかった?」
「え? あ、う、うん」
さっきからひたすら生返事のマサヒコだが、これはまあ仕方が無いと言える。
マサヒコは上映中、ミサキ程に食い入って画面を見ていない。逆に、何時終わるのかとそればかりを考えていた。
何故かと言うと、ぶっちゃけ、マサヒコはこの映画に興味が無かったからだ。
ミサキが観に行きたいと強く言ったから、マサヒコはそれに頷いただけに過ぎない。
無論、ミサキが喜んだのなら、それでデートの意味は充分にある。
だが、マサヒコが映画を楽しめたかどうかとなると、これはまったく別の話だ。
「ねぇ、マサちゃん」
ミサキの声のトーンが、先程までのとは変わったのにマサヒコは気づいた。
今まではずっと映画の内容について熱っぽく語っていたのだが、急に甘えるような口調になったのだ。
「もしも、私がこの映画のヒロインと同じような病気になったら、その、あの……マサちゃんは助けてくれる?」
「え?」
マサヒコは一瞬、返答に詰まった。
本当なら、ここは笑顔で「もちろんさ」と即答するのが、恋人としてのあるべき姿かもしれない。
だが、そこまでマサヒコはずうずうしくもなければ天然でもないわけで。
「……もちろん」
ミサキの問いに遅れることたっぷり十秒、マサヒコは答えを返した。
十秒という時間、そして肯定、どちらもマサヒコらしいと言えばマサヒコらしい。
「……嬉しい、マサちゃん」
マサヒコの答えに、ミサキはうっとりとした表情になった。
「な、何だよ」
釣られて照れたのか、マサヒコは顔を逸らすと、乱暴な手つきでコーヒーカップを手に取った。
「うふふ……」
「……」
微笑むミサキに、黙り込んだままコーヒーを飲むマサヒコ。共に頬はリンゴのように真っ赤になっている。
そのアツアツっぷりは、映画の中のバカップルの遥か上をいくかのようだった。
小久保マサヒコと天野ミサキ、二人の恋に、当分長袖は必要無いだろう―――
F I N
すいません、チェックミスです。
>その最中にデート中に
が間違っていました。デート中に、を省いて下さい。ごめんなさい。
次は妹かあかほんでエロありを。
乙です
誤爆かね?
ま、ともかくフワーリと待とうぜ
>>ピンキリ氏
ナイス甘々!
フワーリ
マサヒ子もフワーリ
>>512 今週の妹のメイド服を着たマサヒ子を
想像してしまったじゃないかw
メイドマサヒ子、お嬢アヤナにいじられるの図、が浮かんだ。
保管庫の女装するものってどれでしたっけ?
女装させられて写真撮影っつーのがあったと思うが。
マリリスト氏の『M子の悲劇』がマサヒ子だったっけ。
初期にもあったね、女装させられてママンに笑われるってやつが
郭泰源氏の「My funny valentain」も
マサヒコの女装物ですよ。
意外に多いマサヒ子モノw
それにしても最近職人も投下も少なくなってオメガサミシスフワーリ
いつも通りだろwwww
マターリ行こうぜ…
フワーリだいじに
マナーカにまかせろ
ふじわらのかマターリ
若田部「恋人だれよ?おいらっち外人なんやけど〜wwwwww」
小久保「先生です」
若田部「・・・え・・・!?」
小久保「濱中アイ先生です。」
若田部「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから転げ落ちる)」
小久保「どうかしましたか?」
若田部「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」
小久保「やだなあ、そんなにびびらないで下さいよ。ちょっとミサキに飽きただけですから^^」
若田部「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ビクンビクン(小水を漏らす)」
小久保「決め手はおっぱいです。」
若田部「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」
それ元ネタ何?
早稲田ガイドライン
>>526 決め手がおっぱいならアヤナを真っ先に選ぶと思うが
あかほん世界と濱中世界はつながっているのがあかほん最終回でわかったが、
妹世界ともつながっているのかな?
中村の就職先。
532 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 22:15:18 ID:1OVWYuHG
過疎ってるのでage
職人さん期待age
みんなが大好きだからage
大きすぎず小さすぎず全てを包み込むおっぱい
そんなおっぱいに、私はなりたいデス
>>533 たぶんケイちゃんのおっぱいはそのぐらいの適乳だよ
週末だってのに…
お久しぶりです。静かなようなので投下します。
小ネタですが。
タイトルは「カズヤの中学生時代」で。
これは新井カズヤが中学生時代の話である。ちなみに今岡ナツミは同級生である。
保健体育のテストが返ってきた。そのテストの問題のひとつ−
問:性病をふたつ挙げよ
大部分の生徒の解答:エイズ 梅毒 淋病
この三つのうちから書いた生徒がほとんどである。ちなみにカズヤが書いた解答は、
二つともバツがついていた。カズヤは首をかしげながら隣の今岡に聞く。
「なあー今岡、オレの解答まちがっているかなあ」
「んーどれどれ…ってバカモノ!」
カズヤの解答を見た瞬間、今岡の鉄拳が頭にガツンと飛ぶ。カズヤの頭には大きなタンコブが
出来たが、この頃はこの程度で済んでいた。今岡の鉄拳も未完成だったのである。
カズヤの解答:腹上死 肛門裂傷
以上です。細かい所には目をつぶってもらえると幸いです。
現在、アイデアはあるのですが相変わらずまとまらない上に私の用事が
あまりにも忙しすぎて完成に時間がかかっています。
完成次第投下したいと思います。では失礼します。
ワロタwペピトーン氏GJ!
ケイがいたら「腹上死ってなぁに?」って言ったんだろうなぁ
思春期(ひまわり組)&濱中キャラほぼ総出演のイカセロワイアルを考えてみた。
皆さんが望むのなら投下する。
徹頭徹尾エロ三昧の本道エロパロ成分を補給してくれ
wktk待ち
フワーリと待つ
静かだ…
焦らずフワーリと待つべし
シンジもフワーリ
フワーリだいじに
551 :
541:2006/11/21(火) 12:13:15 ID:4ZliiC9z
スマン、私生活が忙しくてフワーリはもうしばらく先になりそうだ。
他のSS神の降臨を待ってくれ。
ではフワーリ
おうよフワーリ
そしてフワーリ
おやすみフワーリ
こんばんは。キリのいい所で仕上がったので投下させていただきます。
なお、濱中からは初めてになります。
今回はエロ無しです。
タイトルは「おかしな2人 ダメージ」で。
問題:以下の文章を読んで空白に当てはまる文字を答えなさい
自○○○
中村リョーコの部屋にて−
リョーコは右手に鞭を握り、網タイツに黒のレオタード、仮面までつけていわゆる
女王様姿でいる。その足元にはセイジがロープで縛られた状態でいる。リョーコは現在
銀行勤めであるが、ストレスが溜まるとセイジを自分の部屋に呼んではSMプレーで
発散しているのである。しかし、呼ばれるほうのセイジはたまったものではない。
しかし、セイジにリョーコの命令を断りきれるわけが無い。それだけ立場の違いは明白なのである。
リョーコがセイジの後ろから鞭を振り下ろすと、部屋にはパチン、パチンと乾いた音が響く。
それに合わせてセイジの悲鳴があがる。やれやれ、明日もミミズ腫れを作って出勤である。
全く災難としか言いようが無い。
次の日−
リョーコが昼休みに食事をしに同僚数人と外に出ると、突然セイジが現れた。
何だか具合が悪そうである。リョーコはセイジに近づいて同僚に会話を
聞かれないように小声で、
「セイジ、今日仕事はどうしたの?」
「そんな状態じゃないから休んだよ。ほら、これを見ろ」
セイジはワイシャツの左腹の部分を捲り上げる。見ると、昨日のSMプレーの
影響だろうか、ミミズ腫れだらけである。
「…リョーコ、今から病院行ってくるから一万程貸してくれよ」
「な、何?私に金貸せっていうの?」
「しょうがないだろ。給料日前で持ち合わせが無いんだから。それにこんなにしたのはどこの誰だ?」
リョーコは付き合っていられないと思ったが、同僚の目もあるし、これ以上
付きまとわれるのも面倒である。それに、セイジを怪我させた負い目も多少なりとも感じていた。
「ああ、わかったわよ。貸してやるから、早くそれをしまいなさい」
リョーコはセイジのシャツの裾をしまわせると一万円札を渡し、とりあえず引き取ってもらった。
昼休みの間、リョーコが同僚にいろいろ聞かれごまかすのに一苦労したのはいうまでもない。
昼休み終了後−
どうにか同僚を煙に巻き、リョーコは何か釈然としないものを感じながらも仕事をしていた。
(まあ、昨日はキツクやったからねえ…)
昨晩のプレーを思い出しながらまあ仕方が無いかと思っていた。が、リョーコの身体に
突然衝撃が走った。そして釈然としなかったものの謎がみるみる解けていった。
「…………セ、セイジィ…!!!!!!」
リョーコの怒り炸裂。ちょうど上司がリョーコに声を掛けようと近づいたがリョーコの身体から
発散されるオーラの前に声を掛けるのをためらったのであった。
その日の夜−
セイジが自分の部屋のドアの鍵を開けようとすると、
「あーら、セイジ。随分と遅いお帰りねぇ」
リョーコがどこからとも無く現れた。口調は穏やかだが、明らかに殺気がこもっている。
「な、なんだよ、リョーコ、どうしてここに?」
「あのさあ、よく考えたら変なんだよね」
「何がだよ」
「私さあ、昨日はアンタの後ろから鞭を使ったのよ。そして、私は右利きなの。そしたらアンタの
右半身に痕が残るはずよねえ。なのにどうしてアンタの左半身が傷だらけになるのかしら?
私はそんなとこきつく叩いた覚えはないわよ」
「……………」
セイジは黙っている。
「さ、本当のことを話せ。洗いざらい吐いてもらうわよ」
リョーコがなおも迫ると、セイジは観念したように話し始めた。
「バレちゃあ、しょうがないな。そうだよ、自分で傷つけたんだよ」
「あっさり白状したな…ところで、私が貸した一万は何に使ったのよ?どうせ、
病院には行っていないんだろ?」
「ああ、この際だから正直に話してやるよ。イメクラに行ってきたんだよ」
「おい、私という女がいながらイメクラに行ってきただと?」
「だって、最近のお前はSMプレーばっかりでオレの要求などちっとも聞いてくれないじゃないか。
セーラー服とか、ブルマとか、スクール水着を用意してもさっぱり着ようともしないじゃないか」
「…このコスプレ野郎、それでも教師か?」
「中学(がっこう)の生徒に手を出すわけにはいかないだろ。だからイメクラで発散してきたんだよ」
リョーコは呆れたように首を横に振りながら、
「…ま、いいわ。とにかく中に入りな。貸した一万円分今度は私が楽しませてもらうわよ」
そういうと後はセイジに部屋の鍵を開けさせ、有無を言わさず部屋の中に押し込んだ。
その直後−
扉の向こうからはドス、ドスッという低く鈍い音とセイジのうめき声がする。
やれやれ、明日は体中あざだらけで出勤である。全く愚かとしか言いようが無い。
解答例:自作自演 自業自得 自殺行為
以上です。セイジのキャラが壊れ気味ですが。
これはシリーズ物にしたいと思っていますが、次回作はまだ未定です。
それではこれで失礼します。
GGGGGGGGGJJJJJJJJJJJ!!!!!!!!!
乙であります
リョーコとセイジの話はあまりないから新鮮に感じますな
おはようフワーリ
564 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 22:11:47 ID:nX8+qg6p
故きを温め新しきを知ろう。
乙でした
シリーズと言うことは他キャラパターン等もありえるって事ですかね?
フワーリマターリお待ちしてます
今までのSSのリョーコ×セイジはどこか甘い雰囲気があったけどこれはハードですな
こっちの二人のほうが原作に近い……のかな、ハテ(しかし本当にセイジはどんなことされてたんでしょね)
>>566 原作ではリョーコは気まぐれだから、甘えてちゃんになるときは思いっきり
甘えてちゃんになると思う。で、セイジは今回のような話になっても逃れられないのは
その甘えんぼうぶりが堪らない、のではなく、やっぱり恐怖の支配下にあるのでしょう。
リョーコとセイジは「元恋人同士」とかの甘い表現よりも「主従関係」がピッタリかも
愛だの恋だの腐れ縁だのでなく、奴隷とご主人様だとしたら本当にセイジはカワイソス
何だかんだでリョーコと付き合ってんだから
少なくともセイジは現状を嫌がってはいない、とは思うけどなあ。
セイジがドMでもない限りは嫌がるでしょ、もしかしたら諦めちゃってるのかもしらんが
ま、リョーコのスレンダーながら出る所は出てるグッドボディをいかな理由にせよ味わえる身分なのだから
カ ワ イ ソ ス どころか ウ ラ ヤ マ シ ス
一回俺と替わってくれと言いたい
……静かだな
嵐の前の静けさ
あらしのよるに……
ミサキがフワーリ
ここらで神降臨
576 :
名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 21:54:03 ID:gfRrrhtL
今更だが、ボクッ娘マナカはよかった
ボクっ娘マナカもフワーリ
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
「ヒロキ×シホ」のあかほんネタを考えているのですが、
文章化に手間取っていて時間がもう少しかかるので、先にひとつ別の話を投下します。
濱中ネタです。スルー対象ワードは「エロなし」「小ネタ」「ママンあり」「会話多し」です。
題は「二人の時間」でお願いします。
光陰矢の如しとはよく言ったもので、時間が経つのは実に早い。
今年も気がつけば、あと一ヶ月でクリスマスというところまで来ている。
さて、実際に流れている時間とは別に、『体感時間』というのがある。
子どもの頃、病気になって医者に行った時、順番待ちが異様に長く感じたことはないだろうか。
逆に、ゲームで遊んだりおもしろい本を読んだりしている時、
ふと気がついたら数時間経過していてびっくりした、ということはないだろうか。
嫌なことは長く、楽しいことは短く感じてしまう。
それが、物理的に流れている時間とは別の時間、すなわち『体感時間』なのだ。
「で、どこまでイッたの?」
「……何がですか」
時は日曜日の午後三時過ぎ。
場所は日本の某市某町某所にある某邸宅。
そこでは、二人の女性がコタツに足を突っ込みつつ、会話をしていた。
「だから、うちの息子とどこまでイッたの?」
「……あー、えーと、この前のデートではディズニーランドまで足を延ばしました」
「そういう意味じゃなくって」
「……」
先ほどから一方的に年長の女性が質問をし、それに少女が答えるという形だ。
もっとも、言葉のラリーが完全に成り立っているとは言い難い。
「はぁ、やれやれ。この分だと孫の顔を見るのは当分先になるかしらねぇ」
「ま、孫だなんてそんな」
「あら、もう確定事項じゃない?」
「そそ、そんなことは」
とまあ、こんな感じである。
年長の女性が少女に突っ込んだ質問をし、少女は恥ずかしいのか上手く答えることが出来ていない、というわけだ。
「つきあって半年なんだから、もう少し冒険してもいいと私は思うんだけどな」
「……それは、その、あの……こ、こういうことは焦らずゆっくりと進めていった方が」
「でも、もう少し積極的に迫って欲しいと思ったことはない? それか、自分から行こうとか考えたことは?」
「そ、そんな。は、は、恥ずかしくて出来ません」
年長の女性はやれやれという風に肩をすくめた。
「あの子、母親の私から見てもおかしいと思うのよね。部屋にはエロ本のひとつもないし」
「は、はあ」
「本当に女の子に興味があるのかなー、って。だから、あなたとつきあい始めたって聞いた時はそりゃあ嬉しかったわよ」
「そ、そうですか」
「そうよ。あなたの気持ちも私は知ってたし、収まるところに収まったって気持ちもあったしね」
年長の女性が言うあの子とは、当然ながら彼女の息子である。
そして、少女の恋人でもある。
「でさ、つきあい始めたらもう後はヤルことヤルしかないんだけどなあ」
「……」
「お父さんも結構オクテだったし、あの子は外見は私、中身はお父さんに似たのかしらねぇ」
「はあ……」
「とにかく、まどろっこしいわけよ」
「そ、そう言われましても」
丸めた拳でドンと机を叩く年長の女性。
その衝撃で机の上の湯呑みが若干浮く。
「まだキスのひとつもまともにしてないなんて、普通考えられないわ」
「そ、その……さっきも言ったように、少しづつ前進していけばいいかな、って」
「それじゃ甘いわよ。あのね、あの子は私が言うのも何だけど、結構顔はイケてる方だと思うわけよ」
「は、はい」
少女は頷いた。
そんなことは、もちろん彼女も百も承知でわかっている。
もっとも、「顔がいい」だけが好きになった理由ではないが。
「それで、別の女の子があの子に言い寄ってきたらどうするの?」
「えっ?」
「あなたがボチボチやっているうちに、別の女の子が身体を武器にしてかっさらっていくことだってあるのよ?」
年長の女性は、鋭い目で少女を見据えた。
焚き付けているのと同時に、脅しているようにも思える視線だ。
「……それは、ありません」
だが、少女はその目と言葉に揺さ振られることなく、ハッキリとした口調で答えた。
会話が始まってから、はじめての強い声での返答だった。
「へ?」
「それは、彼に限って絶対ありません。それだけは言えます」
「……」
「信じてますから」
そう言うと、少女は幸せそうな顔で微笑んだ。
「……そう。要するに……わかってるのね?」
「はい、わかってます」
わかっている、とはつまり、恋人が決して黙ったまま自分を裏切らない、
そういうことをする人間ではないと知っているということだ。
もし他の誰かを好きになったとしても、そちらに走る前に、必ず先に説明をして謝ってくる。
性欲に訴えるアピールがあっても、それに簡単に転ぶことはない。
そんな性格の男なのだ、そして、自分もそんな彼を心の底から信じているのだ、と。
「はぁ……ウチの息子は果報者だわ、こりゃ」
「いえ、果報者なのは私の方です」
「はいはい、お熱いことね」
年長の女性は、自分の企みが完全に失敗したことを悟った。
遅々として進まない、目の前で笑っている少女と、自分の息子との関係。
万事にライトな彼女にしてみれば、それはまだるっこしくてたまらなかった。
だが。
「あなたたちらしくて、それもいいかもしれないわね」
「はい、私たちは私たちなりにやっていきます」
つきあっていきなり肉体関係に進んで、それで絆を強める場合もある。
逆に、ゆっくりゆっくりと徐々に愛を深めていく場合もある。
このカップルは後者なのだと、年長の女性は思った。
「……思えば、私と父さんも似たようなモンだったわ。父さん、なかなか手を出してくれなくて」
「え?」
「あ、いやいや、これは別の話」
手を振って、年長の女性は言葉を切った。
「……気になるんですけど」
「んー、聞きたい? なら、話してあげてもいいけど……その前にお茶を新しく淹れてくるわね?」
「はあ」
「ほら、息子が帰ってきたみたいだし」
その言葉通り、トタトタと廊下を歩く音が少女の耳に届いてきた。
そして数秒後、二人がいる居間の扉がカチャリと外から開けられた。
「はー、ただいま」
「遅かったわねー」
「しょうがないだろ。焼き芋屋の車、俺に気づかずに走っていっちゃったんだよ」
「それにしても、表で声が聞こえてアンタを買いに行かせてかれこれ十分は経ってるわよ」
「信号で一回振り切られそうになったからなー。でも十分? 俺は二十分くらい追いかけたかと思った」
「はいはい。じゃ、コタツに入ってミサキちゃんと二人で待ってなさい。お茶っ葉を換えてくるから」
時は日曜日の午後三時過ぎ。
場所は日本の東が丘町の小久保邸。
天野ミサキと小久保マサヒコ、そしてマサヒコの母が焼き芋とお茶でオヤツの時間。
光陰矢の如し、時間が経つのは実に早い。
ミサキとマサヒコがつきあい始めてから、もう半年。
その進展具合は母が焼き芋、もといヤキモキするくらいに遅々として遅い。
でも確実に、しっかりと恋は進行中。
二人は、あたたかい時間を感じつつ、ともに前に歩んでいる―――
F I N
以上です。
「ヒロキ×シホ」のエロあり話も何とか早いうちに完成させたいと思います。
ほのぼの、普通の青春ものって感じッス。
やっぱ貴方はネ申です。超GJ!!!
ピンキリ氏GJ!!
ここは嫁姑問題は起きそうにないなwww
氏家女性キャラ全員でフワーリしたらさぞかし壮観だろうなぁ
同じ顔が何人も混ざりそうな気が
>>586よ。お前は触れてはいけない線に触れてしまったようだな
まあええことよ
結局ママンは何歳だったんだろーなー
35歳前後かな…
高卒なのは確定だから大体それくらいかな
主婦子持ちで聖光行ってた可能性もあるが
このスレももうやばいかもな
前が鬼すぎただけっす
まあマターリとフワーリと、な
マターリフワーリハァハァして参りましょうや(*´Д`)
ウホッ
いいフワーリ
神よ降りたまえ
「もう一度自らの足で」を読んだ。ほぼ同じ境遇でもう二度と遊べなくなった友人を思いだし泣いた。
その友人との思い出を肴にして久しぶり呑もうと思う。
書かずにはいられなかった。スレ汚しスマソ。
まあええことよ
あれはスレ史上でも最高レベルの傑作ゆえ
まさかこのスレで感動話が聞けるとはな
そろそろマサアヤが読みたいな
一応週末だが…
人が居ないみたいなので投下。SS初書きなので稚拙なのは許してくださいw
エロなしです。
タイトル「メモリー」
「・・・ん」
声が聞こえる。はっきりとは聞こえない。
「・・く・君」
若干さっきより聞き取れた。その声は誰かの名前を呼んでいるようだ。
「小久保君」
声がはっきり聞こえた。「うっ・・・」
「大丈夫?小久保君?」
まぶしい・・・。首を少し起こし周りを見渡す。見覚えの無い風景。どこだ・・・ここ?
「・・・ちょっと・・いつまでそうしてるつもり?目が覚めたんならさっさと立ちなさいよ!」
そこまで言われてやっと今の自分の状況がわかった。どうやら膝枕をしてもらってたらしい。慌てて身を・・起こせなかった。頭に鈍痛が走ったせいだ。
「小久保君大丈夫?」
上から心配そうな声がかけられた。疑問を感じ返事をしようと試みたが「・うぅ・・・」うめき声を上げるのに精一杯だった。
「・・・・・はぁ」
ため息が聞こえたので頭の痛みを無視し、起き上がろうと体を動かしたら「無理して動いちゃだめ」と、言われたのでしばらくの間じっとしておく。
何分間かこの状態が続き、頭の痛みもだいぶ治まってきたので「ありがとう。もう大丈夫」と、感謝の声をかけ身を起こした。
「まったく・・・小久保君ってほんと人がいい上にドジね」
スカートをはたきながら言われ、その言葉にまた疑問を抱きさっき聞こうとして聞けなかった事を思い出す。
「なぁ小久保ってオレのこと?」
「っ・・・。笑えない冗談ね」
「いや・・冗談とかじゃないんだけど・・」オレの言葉に膝枕をしてくれてた女の子が顔色を変えた。
「ねぇ、私の名前・・わかる?」
「・・ごめん。わからない。」
「若田部って聞いたこと・・・・あるよね?」
「・・・ごめん」
いろんな質問に答えつつ、オレの頭の中はこれからどうしようと言う考えでいっぱいだった。
以上です。続きは書くかわかりませんw需要あるなら書くかも。
初書き乙
期待してる
続き希望。
ここで終わったら、濱中SSである意味すらないw
期待してます。
611 :
541:2006/12/03(日) 22:41:33 ID:6K5yRswE
ちきしょう…。一応第1話出来たのにネットに繋がらねえ…。
フワーリはまだ先になりそうだ。
この静けさはアレだな、クリスマス祭の前ぶれだな
>>611 ちくしょう…こっちは全裸で待っていると言うのに…ガクブル
まあ慌てず待ってます。
このスレは衰退する運命なのか?
思春期はまだやってるのにこの静かさ
濱中の存在ってほんと重要だったね
難しい言葉で言うと栄枯盛衰
卑猥な言葉で言うとエーコ聖水
盛者必衰。マイナー漫画にありまじき勢いだったしな。
住人が暴走したのか。或いは職人が暴走したのか。長時間氏の騒動から確実に雰囲気悪くなったからな。
かつて、エースと呼ばれた郭氏やトマソン氏。百合を開拓したマリリスト氏。新世代エースのそら氏。今ではもう、いない。
だが、俺達が出来ることは復活を待つことだけさ。
この一ヶ月で投下は四人の職人で八件、そりゃ以前の常時お祭り状態に比べりゃ少ないが、普通に見れば十分なくらいだ
それより投下した職人のうち三人が超ベテランなほうが気にかかる。このスレ(21時間目)だけを見てもベテランに針が偏ってる
つまり、お祭り時期に次々デビューした投手陣が定着できていないんだな、長時間氏のような不幸な礼も含めて
一種の熱病みたいにガーッときてガーッとひいた、っつうかね……
まぁなんだ、フワーリだ
長時間氏に何があったか知りたい<オレは新参者
今年のクリスマスと正月は職人の皆様は祭に参加して下さるだろうか。
長時間氏騒動の原因は
・名無しの増長
・ハ〇テスレの工作
・あかほん自体つまらん
どうもご無沙汰、good淫猥!
あかほん最終回の前の週当たりからバレ回避で避難してたものの、その後忙しくなって中々筆が進まない・・・
途中まで書き終わってはいるので、年内には一作くらいは投下できそう。
元々活性化して職人復活のために書き始めたのに、大したことが出来てなくて申し訳ない・・・
フワーリ
前が異常に過密だったのはガチ
アレを基準に考えてはいけない
スレは今日も生きているし残ってる職人だっている
極めて普通、ああフワーリ
やはり我々名無しか、職人さんが企画しないと祭は出来ない。でも郭氏や518氏をはじめとする職人さん達もやはりこの時期は特に忙しいしな…
職人の皆様、恐れ入りますがそのあたり如何でしょうか?
年末年始は誰でも忙しいしな
625 :
宣銅烈:2006/12/06(水) 18:27:30 ID:0KpNdCQQ
「身・体・検・査ァァァァァッッッ!!!!」
マサヒコは唐突に叫びながらアイの服を破り棄てる。
「キャアアアアッッ 今日着替え持ってきてないのに……」
アイの瞳から涙が零れる。 それを見つめながらマサヒコは醜く、笑う。
「先生がいけないんですよ オレが全財産叩いて買ったメイド服を着てくれなかったから!」
マサヒコはアイのブラのホックを外しながら耳元で囁く。
「だから…… か、体で支払っても…らうんですよ…」
そう言ったマサヒコの手はふるふると震えていた。
「――初めて…なんでしょ?」
アイが呟くとマサヒコは手の動きを止めた。
「先生…… んぐっ!!」
そう言い終わらないうちにアイはマサヒコの口を塞いだ。
二人の夜の始まりを告げる鐘が、マサヒコの胸の中で静かに響いた。
626 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/06(水) 18:31:27 ID:HJGrJtkX
キタ(´・ω・)?
リアルタイムアゲ
627 :
宣銅烈:2006/12/06(水) 18:43:24 ID:0KpNdCQQ
「――せ、先生…… でも…先生も初めてなんじゃ……」
マサがあたふたしながら言うなか、アイは恥ずかしさで目を逸らしながら、云う。
「マサヒコ君、これでも一応キミの先生なんだよ…何も心配しないで……」
そう言い終わらないうちにアイはまたもマサヒコの口唇を貪る。
戸惑っていたマサヒコも自然と舌を絡まし始める。
「んっ……んんんんっ…… ぷはぁッ!」
キスを終えるとマサヒコはアイの左胸を廻しながらうなじに舌を這わす。
「――――胸の音、聞こえる? 波打ってるでしょ?」
「――はい… 少し、動悸が激しい気もします」
マサヒコは少し意地悪く答えながら左腕を腰にまわした。
628 :
宣銅烈:2006/12/06(水) 20:29:34 ID:0KpNdCQQ
「ぁ……ああっ……あっ!」
あれから数分が経ち、マサヒコはアイの秘所を舐め続けた。
「先生、大丈夫ですか?」
「……ぁ…大丈夫じゃ…ないかも……ッ…あっ…あぁぁぁああん!」
アイは背を張り、悦楽に堕ちた。
「せ、先生…… 先生!」
「来て…… マサヒコ君……」
悦楽に堕ちた妖艶な…それでいて心の奥を充たしてくれるような笑顔をマサヒコに向ける。
マサヒコはそばにあったゴムもつけずに、アイのなかに挿入した。
「――――痛ッ!」
「す、すみませんッ! 気持ちよくて……」
「いいよ、もっときて……」
アイは一瞬苦痛に顔を歪めるが、すぐに表情を戻しマサヒコを抱きしめる。
?
続きは?フワーリ
631 :
宣銅烈:2006/12/07(木) 23:08:21 ID:GQBLa7WW
「んぐっ…んッッ……」
マサヒコが動かすなかで、アイは必死でしがみつきながら痛みに耐える。
「――先生、そろそろ……限界…」
「うん――、マサヒコ君……キスして……」
膣に精をだしている間、二人の口唇は自然と惹かれあっていた。
「――――すぅ…すぅ……」
熱さが過ぎたころ、静かな寝息が聞こえる。
「じゃあね、マサヒコ君…」
アイは眠っているマサヒコの頬に軽くキスをして部屋を後にした。
632 :
宣銅烈:2006/12/07(木) 23:10:16 ID:GQBLa7WW
投下します宣言を忘れていました。というかリアルタイムで書くもんじゃないですね。
タイトルは「背徳の掟編 最終節」でお願いします
乙っす
失礼ながら、次からはまとめてから投下していただけるとありがたいっす
昨日駅の階段で生フワーリに遭遇した
白だった
ええもん見せてもろた
一応週末だが…
636 :
某総帥:2006/12/09(土) 12:08:05 ID:yBLZjc/r
>>634 今すぐその英知をSSにして住民達に与えてみろ!
>>636 城島シンジは駅の階段を登っていた。
親友のカズヤと映画を見にいくつもりだったのだが、カズヤは今はやりのノロウイルスに感染してしまい、外出できなくなってしまった。
一人で見る気もおきず、こうして帰宅の途についたというわけだ。
「風が強いな」
シンジは上を見上げた。
一人の少女が歩いている。
その時、イタズラな風がホームから吹き上げた。
「おおっ白!」
望外の幸運にシンジは思わず声をあげてしまった。
少女がスカートを押さえ、非難がましい目を向けてくる。
「あ?」
「あれ?」
何とその少女は……
「エーコだよそれは!」
今日従妹が遊びに来ることをすっかり忘れていたシンジだった。
以上。
ガンダム知らないとわからんネタでスマネ
正直もう駄目かもな。週末だってのにこの所ほとんど投下が無い。フワーリとか訳分からん事言い出したあたりから(特に住人の)駄目っぷりが激しくなった。まぁ偉そうな事言う俺にも具体的な提案はないが…
長文スマソ
痴女はイイ!!
こんなので駄目とか過疎とか言ってたら罰があたるわ
某ジャンプのToL○VEるなんて酷いぞ。それに比べまだこっちはいい方。
一応がんばって執筆中の俺。イブまでには完成させたい
妹8巻の描き下ろしが激萌えなのだがどうにかならないか
はい、なんだかお久しぶりの郭でございます。
ピンキリ氏、72氏及びルーキー・天邪鬼氏には変わらずの健闘に敬意を表します。
あかほん追悼祭予定のSSだったのに、
大幅に内容増になってしまったために延期に延期を重ねたユーリ×ヒロキの前編です。
一応、拙作「マネージャーのお仕事」からも続いておりまして、
連載終了時から五年後のお話です。なので、相変わらずNGワードは
「未完成エロ未満」、「未来モノ」、「ダラダラ・前フリ長ッ!」、「ユーリのイメージがちょっと違う?」
ってとこですかね。では、投下。
「おはよう!おにいちゃん」
「………おはよう、ユーリちゃん」
「どうしたの?元気ないよ?」
「……………夢じゃなくてマジだったんだ、って思って」
「あ、ひどいよぉ!後悔してるんだ」
「後悔、するさ。だって君はウチの事務所の大切なアイドルで、まだ未成年なんだし」
「未成年って言ってももう15歳だよ、私?
処女喪失には少し遅いくらいだってシホちゃん言ってたし」
「アイツの言うことを真に受けちゃダメだって……世間的には君みたいな15歳の女の子と、
俺みたいな成人男子が関係を持っちゃうと淫行っていう立派な犯罪に」
「犯罪じゃないよ。無理矢理されたわけじゃないし、
それにユーリとおにいちゃんは5年も付き合ってるんだし」
「付き合うってねえ……君と俺はマネージャーとタレントの関係であって、
おまけにあの頃の君はまだ小学生で10歳だったんだから」
「でもあの頃からユーリはお兄ちゃんのこと好きだったんだもん」
「え?」
「やっぱり気付いてなかったんだ〜〜?うふふ、ドンカンだよね、お兄ちゃんは。
でもそういうところも好きなんだけど」
そう言って悪戯っぽく微笑むユーリ。
ヒロキは――やれやれ、と痛む頭に手を置いて嘆息するしかなかった。
――トリプルブッキングがデビューしてから、5年近い月日が流れていた。
その間の、山あり谷ありの芸能活動、そしてヒロキの奮闘については省く。
最近のTBはユニットとしてより個々での活動が目立つようになっており、
メンバーそれぞれ人気アイドルの仲間入りをしていた。
カルナは学業と芸能活動を両立させ、高校卒業後は東栄大学に合格した。
最近は年齢に似合わぬ落ち着いた言動と現場を仕切る能力の高さを買われて
教養番組や報道番組のアシスタントを多く務めるようになり、
知性派アイドルとして特に中高年の男性に人気を集めていた。
元々勉強は大の苦手だったシホだが、努力の結果なんとか小笠原高校に進学した。
そしてある深夜のお笑い番組に出演したときに例のごとく下ネタ発言を連発し、
おまけに噛み癖まで連発したのだが(もちろんヒロキはその現場で頭を抱え込んだ)、
司会のベテラン芸人に妙に気に入られてその後も度々番組で起用されるようになり、
現在では下ネタ系ぶっとび発言の多いアイドルとしてバラエティ番組で重宝されていた。
そして、ユーリである。TB結成時より芸能歴の長さからか妙に大人びた魅力のあった彼女は、
幼女好き層のみならず一部のカルトアイドルマニアの熱狂的な支持を受ける存在だった。
年齢を重ねる毎にその小悪魔的な魅力は更に磨きがかかり、
今では正統派のアイドルとしてTBの三人の中で最も人気を集める存在となっていた。
(しかし……あのユーリちゃんが……)
昨日のあの出来事を、ヒロキは呆然と思い出しながらユーリを見つめた。
シーツで体を隠しながら、彼女は楽しそうに彼を見つめ返している。
ヒロキは罪の意識に苛まれながら、甘い記憶を思い起こしていた。
すらり、と伸びた手足に、これから豊かに実ることを予感させる可愛らしい乳房。
腰回りはほっそりとくびれ、肌は新雪のように白くきめ細やかだった。
少女だった頃からずっと彼女の成長を見守ってきたヒロキにしても、
それは魔法にかかったかのような――信じられないとしか、形容できないものだった。
「あ〜〜〜、おにいちゃん昨日のこと思い出してるな〜〜、えっちぃ」
「…………」
ヒロキの表情を鋭く読みとったのか、からかうようにユーリが微笑みかける。
だが頭の中身を悟られたことに焦る余裕すらなく――ヒロキは、なおも呆然としていた。
そんな彼のことを悪戯っぽく、しかし愛おしそうにユーリは見つめ続けている。
§
彼女のそうした小悪魔っぽい表情は、
あどけなさの残る愛らしい顔立ちと不思議に調和していた。
長年付き添ってきたヒロキでさえもぞくり、とさせるほどに。
(はぁあああ………なんでこんなことになっちゃったんだ?)
それは全て、ユーリのワガママから始まったのだ。
そして断り切れなかった自分の優柔不断さに、腹が立っていた。
「ねえねえおにいちゃん、おにいちゃんのお部屋見せて!」
「だから現場ではその呼び方は止めなさいって………って俺の部屋?」
「ウン!あのね、お仕事で男の子のお部屋のお片づけしなきゃいけないの!」
「部屋って……ああ、あの企画のことだよね?」
「そう。ユーリ、男の子のお部屋なんて入ったことないから」
それは『プチ変身計画!モテない君をアイドルが改造』という、とある番組の人気コーナーだった。
毎週素人男性の服装や髪型等を週替わりで人気アイドルが改造していく、という企画で、
ユーリは番組に募集してきた男子大学生の部屋をコーディネートすることになっていた。
「だからって……なんで俺の部屋なんだよ?」
「だ・か・ら!頼める男の人なんて、おにいちゃんくらいしかいないんだもん。ね、お願い!」
(まあ確かに……ユーリちゃんがヘタに他の事務所の男の子とかに頼んだりしたら、
大問題だしな。最悪そいつがユーリちゃんに手を出したりしたら、俺もクビだし)
冷静に考えてみれば、ユーリがヒロキを頼るのはもっともな話ではあった。
「……ま、気は進まないけど分ったよ。ただし分ってるだろうけどこの事は番組内は勿論、
カルナちゃんやシホにも内緒だよ?アイツら絶対変な風にとるだろうし」
「ウン!ありがとう、おにいちゃん」
(それだけじゃなくて……シホまで俺の部屋を見たいとか言い出すかもしれないしな。
ま、ユーリちゃんだけなら大丈夫だろ、この子案外しっかりしてるし……)
だが、そんなヒロキの思惑は―――結果として、裏切られるのであった。
「じゃ、今日はこの撮影で仕事終わりだから。おにいちゃんも今日は直帰だから良いよね?」
「!?え?今日いきなりなの?」
「だってあの企画、来週だよ?もう時間ないし」
「い、いや、だって俺の部屋散らかってるし、ちょっとは片づけないと」
「ダメだよ、おにいちゃん。汚い部屋をユーリがお片づけしてあげる、ってのがテーマなんだよ?
ご奉仕プレーみたいなものなの!おにいちゃんがお部屋をキレイにしちゃったら意味ないんだもん」
「……分ったから、ご奉仕プレーとか言わないで。どうせシホの仕込みなんだろうけど……」
はああ、と溜息をつくヒロキ。TB結成時から、
シホのエロネタにユーリがさらにボケで重なってきてカルナかヒロキがツッコミを入れる、
というのが4人の基本パターンではあった。
だがあの頃の意味が分っているのかいないのか、という年齢のユーリではない。
現在の彼女は大人未満少女以上の危うい魅力に満ちた、美少女なのである。
彼女の際どい言動は、正統派アイドルとして売り出している事務所としても、
マネージャーであるヒロキとしても、非常によろしからぬものなのだった。
「えへ、ごめんなちゃい、おにいちゃん!」
「………上目遣いで猫のマネしても、ダメだよ」
「にゃ〜〜、萌え狙いだとか言ってこのポーズの特訓させたのはおにいちゃんなのにぃ!」
「仕事として、だよ、それは。とにかく、やっぱ片づけてからじゃないと」
「や!ユーリ、汚いおにいちゃんの部屋を綺麗にするの!」
「だから、その呼び方止めろっての」
ヒロキにしてみれば周囲のスタッフから奇異の目で見られるのを避けたいだけなのであるが。
「しかし相変わらず仲が良いですね、あのふたり」
「デビューからずっとだしね。TBは個性派揃いだから井戸田さんも大変だ……」
実は心配するほど、現場における彼の評判は悪くなかった。
アクの強いシホ、おとなしそうに見えて扱いの難しいカルナ、ワガママの多いユーリという三人に、
デビュー以来振り回されながらも誠実に仕事をこなして売れっ子にしてきたヒロキは、
現場スタッフからそれなりの信頼を集めるようになってきていたのだった。
「やぁあああん、おにいちゃんがいじめるぅ!」
「分った!分ったから!」
§
「しかしワガママな姫を持つとじいやは大変やね、井戸田クン」
「あ!おはようございます、福本さん」
「わ〜〜い、福本さんだ!」
現れたのはTB初のグラビア撮影の仕事を一緒にして以来、
TBとは多く仕事で絡むようになったベテランカメラマン・福本だ。
「あはは、おはよう、ユーリちゃん。一年ぶりやけどまた一段とキレイになったねえ」
「えへへ、ありがとうございますぅ♪」
「あんま誉めないで下さい、また調子に乗るから」
「ぶぅ〜〜〜、ひどいマネージャーですよね、福本さん?おにいちゃんたらいつもこうなんですよ?」
「だからその呼び方は!」
「あははは、まあまあ、マネージャーさんとタレントさんの仲がよろしのはエエこっちゃで。
ま、旧交をあっためるのはこれくらいにして、撮影にしよか」
「はい!」
カメラマンやディレクターによってはテンションの差が出やすいタイプのユーリだが、
旧知の上タレントを乗せるのが巧い福本とあってかこの日の撮影はスムーズに進んでいた。
「――ああシホ?明日の『行列の出来る包茎相談所』の撮影だけど、
いつも通り東出さんの天然パーマネタをイジるようにね」
「分った。ねえねえ、東出さんって亀頭みたいな髪型ですよねって突っ込みを返すのは」
「ダメに決まってんだろうが!」
「――カルナちゃん?明後日の『まらちんのあそこまでイって委員会』なんだけど、
小田島さんには極力絡まずに三禿さんに上手く絡むようにね」
「分りました。宮地さんと橋本さんとはどう絡めば?」
「宮地さんは多分普通に絡んでも大丈夫だと思うけど、
橋本さんは絡みにくいだろうから適当に弁護士か子だくさんのネタで」
「確かにあの人、絡みにくいですね。下らない冗談ばっかり言ってると思うと突然鋭いこと言ったり」
「ま、大変だとは思うけどさ。そのあたりは君が頑張って……」
いつもならつきっきりで撮影を見守るヒロキだが、
カメラマンが福本のときは安心してユーリを任せることができるため、
合間を見つけてはカルナとシホのふたりに携帯で仕事の指示を与えていた。
「はい、カット!いや、相変わらず良かったよ、ユーリちゃん。お疲れさん」
「………ありがとうございます、福本さん」
「で、久しぶりやし、もし良かったらこれから井戸田クンも一緒にゴハンでもどう?」
途中まで上機嫌だったユーリだが、撮影が終わると表情が曇り出した。
気遣った福本が食事に誘うが―――
「………いえ、すいませんけど………今日は」
依然表情は晴れないまま――むしろ、険しくさえなっていった。
「?いいじゃん、ユーリちゃん。これが今日最後の仕事なんだし、ゴハンくらい……」
「今日は、帰るの!」
吐き出すようにヒロキに言い捨てると、そそくさとスタジオを後にするユーリ。
呆然と彼女の後ろ姿を見つめていたヒロキだったが、我に返ると慌てて周囲のスタッフに言った。
「あ、みんな、今日はお疲れ様でした、ゴメンね、ちょっとユーリちゃん調子悪いみたいで」
「「「は〜〜〜い、お疲れ様でした〜〜」」」
アイドルが撮影中に突然気分を害したりすることなど、日常茶飯事なのだろう。
ヒロキの心配をよそに、現場スタッフの反応は淡々としたものだった。
「すいませんね、福本さん。相変わらずあの子お天気屋で」
「あははは、エエんよ、井戸田クン。ボクはユーリちゃんのエエところもちゃんと分ってるつもりやし」
スタッフ一人一人に丁寧に謝り、最後に福本にも頭を下げるヒロキだが、
福本は気分を害した様子も無く、逆にヒロキを慰めるかのような口調だった。
「いえ、でもホントありがたいですよ。ユーリちゃんって結構難しいタイプなんですが、
福本さんにはすごくなついてますからね。正直今日の撮影だって福本さんだから」
「井戸田クン、それ以上は言うたらアカンよ?あの子はキミとこの大切なタレントさんなんやから」
「あ………はい、すいません」
福本の鷹揚な態度に、意識しない内につい気が緩んでしまっていたのだろう。
愚痴っぽい言葉を口に出しそうになったヒロキだが、福本は一転、真顔になって彼を諭した。
業界の大先輩にそんな気を使わせた自らの浅薄さに、ヒロキは自分を恥じるしかなかった。
§
「まま、せやけどしゃあないわね、相手は女の子っちゅう、
我々男が何千年かかっても手に負えん魔物やし。………ところで井戸田クン?」
ぐい、と福本が井戸田の袖を引っ張ると、耳元で囁いた。
「こんなこと、ここで聞くのはマナー違反なんやろうけど……カルナちゃんとは……」
「……キチンと、終わってます。すいません、色々ご心配をおかけして」
悄然と、ヒロキは答えるしかなかった。
―――カルナとヒロキは、つい半年ほど前まで、恋人同士だったのだ。
勿論、それがこの業界の禁を破ることなのはお互い承知の上で。
最初にその事実を知ったのは他ならない目の前の福本だったが、
彼はそれを旧知の仲である事務所社長の柏木レイコに告げるようなこともせず、
逆にその後もヒロキの相談に乗ってくれるなど、若いふたりの恋を応援さえしてくれていた。
ヒロキはそのことを思うと、申し訳無さでいっぱいになってしまうのだった。
(もし……もし、福本さんがその気になれば)
TBの人気が上昇した頃に、ふたりのことを写真週刊誌に売ることはたやすいはずだった。
そうなれば勿論ヒロキはクビであり、タブーを破った人間として業界に戻ることも許されないだろう。
「ゴメンな、井戸田クン。辛いことを思い出させたみたいで……せやけど、その後カルナちゃんとは」
「大丈夫ですよ。仕事上のパートナーに戻っただけですし。最初は確かに気まずかったけど……
有り難いことに仕事が忙しくて、意識することも少なくなりましたし。今じゃ普通にやってますよ」
「なら………エエねやけど」
福本はなおも心配そうな表情でヒロキを見ていた。ふたりの仲を初めて知った人間が、
業界内でも性格の良さで評判の人物であるという幸運に、ヒロキは改めて感謝していた。
「それより、今はユーリちゃんやで。余計なお世話やろうけど、彼女にもしっかりフォローしとかんと」
「あ、はい。まあ一応叱っておきますけど、そのあたりはしっかり」
「あと、あのね、井戸田クン?……ユーリちゃんを、あんま子供扱いせん方がエエと思うよ」
「え?」
「多分……あの子、気付いてるわ」
「?………あ!!え、え?そ、それって?」
周囲に聞かれないように小声で話してくれた福本だが、
ヒロキは彼の言葉の含む意味を察し、思わず驚愕の声を上げてしまっていた。
「なんとなくやけど……前からそう思っててん。今日のこともそれと関係があるかもしれん」
「で、でも……それとユーリちゃんが不機嫌になるのとなんの関係が」
「ま、そのうち分ると思うけど………気を付けてな、井戸田クン」
「は……はい」
福本の言わんとすること、それは―――
(まさか……まさか、ユーリちゃん……俺とカルナちゃんのことを)
帰りの車中、ユーリはずっと無言だった。
「まあさ、色々気に入らないこととか多いかもしれないけど……
それでも仕事なんだから、少しは我慢しようよ。それに今日は福本さんとの仕事だったろ?
ユーリちゃん、福本さんとまた会えるのをずっと前から楽しみにしていたじゃないか」
「………………」
「俺だって、福本さんのことはすごく好きだし、この世界の大先輩だしね。考えてみなよ?
君が調子悪そうだと思って、わざわざ食事に誘ってくれたんだよ?あの人だって、ヒマじゃないのに」
「………………」
いくらヒロキが言葉を投げかけても、ユーリは俯いたまま目を上げようともしなかった。
バックミラーには、彼女が右の親指の爪を噛んでいる姿が映っていた。
ユーリの不機嫌さが最高潮になったときだけにする、クセだ。
「それ、止めろ」
ヒロキの言葉に、びくッ、とユーリの体が震えた。
「君が……気持ち良く仕事できなかったっていうのは、マネージャーである俺の責任だ。
そのことで、俺を責めるのは、良い。だけど、福本さんにあんな態度をするのは、許さない。
それに、そのクセ………いくら言っても直らないけど、子供っぽいよ。少しは大人になりなさい」
言葉を投げかけてくれれば――直接不満を言ってくれれば――そう思っていたヒロキだが、
ユーリの周囲を拒絶するような態度にさすがに苛立ってしまい、つい強く叱ってしまっていた。
ヒロキの冷えた怒りを感じたのだろう。幼子のように、シュンとしてしまうユーリ。
§
(ちょっとキツすぎたかな?でも、やっぱり変だな。最近のユーリちゃん、割合調子良かったし……
それに、今日の相手は福本さんだったのに。やっぱりカルナちゃんと俺のことを……)
頭の中で色々と思案を巡らせるヒロキだが、いきなりカルナとのことを問うわけにもいかず、
それ以降無言になってしまい―――叱られたのがショックなのか、ユーリも無言のままだった。
「じゃ、今日はマンションまで送りで良いね?」
長く続いた沈黙をようやく破ったのは、ヒロキの事務的な発言だったが――
「…………ダメ」
ユーリから帰ってきたのは、小さな、しかし強い意志のこもった拒絶の声。
「?事務所に忘れ物でもしたの?」
「………忘れてる」
「…………?……あ、もしかして……」
「おにいちゃんの、お部屋」
「でも君の調子が悪いなら、別に今日でなくても」
「ダメ。だってあの番組の収録、来週だし。今日くらいしか時間ないでしょ?」
「……まあ、そうなんだけど」
気まずい雰囲気のまま、ユーリを自分の部屋に入れることも気が進まなかったが、
それ以上に―――今更ながら、ヒロキは気付いた。
(やべ……多分、カルナちゃんの気配の残るものとかは無いはずだけど……)
一応別れたときにカルナの持ち物は全て処分したはずだった。
だが多くの読者諸氏も経験があるだろうが――女の子というのは不思議なもので、
男の気付かないところから過去の女の子の気配を嗅ぎ取るものである。
深い考えもなくユーリの願いに応じてしまった自分の軽率さを、今更ながら悔やむヒロキであった。
「でも……」
「じゃなきゃ、この前番組で無理矢理メアド教えてきたコンドームブーツの篤さんに、
お部屋のお掃除させてってお願いしちゃうもん」
「(んなことがあったのか……)わ、分ったよ。その代り、そのメアド、即消去してよ?」
「………分った」
女癖の悪さで評判のお笑い芸人の名前を出されては、ユーリの言うことを聞かざるを得ない。
はああ、と心の中で盛大に溜息をついてクルマを自分のマンションまで回すのだった―――
「結構立派なんだね、おにいちゃんのマンション」
「声出すなって、バレたら大事なんだから」
ユーリをこのまま部屋に招き入れることが危険なのは、ヒロキも十分承知していた。
車をマンション近くの駐車場に停め、車内でユーリに帽子とメガネをかけさせて変装させた。
(事務所にバレたらクビは無くても減給ものだよなあ……それとさっきの駐車料金、
経費で落ちねーよな……最近三瀬さん厳しいし……あ〜〜あ)
セコイ事を考えながら、ヒロキはオートロックを解除した。
まだキョロキョロしているユーリの手を握って引くと、エレベーターの中へと導く。
「分ってるだろうけど、部屋の前で誰かに会っても、絶対に」
「声を出しちゃダメなんだよね?分ってるよぉ」
(ふぅ………機嫌が少し直ってくれたのは、良いんだけど)
それでも、まだ危険が去った訳ではない。なにしろ有銘ユーリと言えば、
人気急上昇中のアイドルなのだ。今この瞬間も、写真週刊誌が監視しているかもしれない――
そんな最悪の可能性を考えて、手のひらに汗を滲ませるヒロキ。
(もし……こんなことが原因でこの子の将来を潰してしまったら、俺はマネージャーとして……)
「おにいちゃん……緊張してるの?すごい汗。それに、右手」
「あ……ゴメン、ユーリちゃん、痛かった?」
緊張からか、握っていた右手につい力をこめてしまっていたようだ。
慌ててユーリの手をほどこうとするが、彼女はしかし、ヒロキの手を離そうとはしなかった。
「ゴメンね……おにいちゃん、今日はユーリ、ワガママばっかり言って」
「……仕方が無いよ。人間誰でもイライラするときはあるし。でもね、ユーリちゃん?
不満をぶつける相手は、俺だけにして欲しいんだ。福本さんやシホやカルナちゃんみたいに、
ユーリちゃんのことが好きな人たちなら分ってくれるだろうけど、みんながそう言う訳じゃないからさ」
「ウン……ゴメンなさい、おにいちゃん。あの……おにいちゃん?」
「?なに?」
§
「あの……あのね、私」
"ウィ〜〜〜ン"
なにか言葉を継ごうと迷うユーリだったが、それはエレベーターの扉が開くまでに間に合わなかった。
ヒロキはユーリが何か言おうとするのを制して素早く周囲を見渡し、手を引いて駆けだした。
部屋の前に着くとはやる心を抑えながら鍵を回してドアを開け、
先にユーリを部屋へ入れて隠れるように自分も部屋の中へ入った。
"カチッ、ガチャッ"
内鍵とチェーンキーをかけて玄関照明のボタンを押すと、ようやく一息ついたような気分になった。
「ゴメンね、ユーリちゃん。急いじゃったけど、大丈夫?」
「う、ウン。大丈夫」
ヒロキの迅速な行動に、目をパチクリさせながら答えるユーリ。
しばし呆然としていたが―――やがて、気付いたように玄関を見渡した。
「ふぅ〜〜ん。外で見たより、狭いんだね。ワンルームみたい」
「ああ。実はココ、前にマイちゃんが住んでたところでさ。
防音とセキュリティはしっかりしてるんだけど、広さは大したことないんだよね」
「?マイちゃんが?」
「うん。あの子がそこそこ売れ出してココじゃ手狭だし違うところに移りたい、
って言い出したときにちょうど俺も引っ越しを考えてて。社長の薦めもあったし、
ここなら職場にも近いし良いかな、って思って引っ越したってワケ」
「ふぅん………あ、お邪魔します」
「ああ、今更だけど、どうぞ。汚い部屋だけど」
狭い玄関で苦労しながらなんとかブーツを脱ぎ、ヒロキの案内に続いて部屋へと入るユーリ。
「へえ〜〜〜、これがおにいちゃんの部屋……」
「………汚いだろ?」
「汚くは、ないよ。ウン、確かにキレイじゃないけど」
「………どっちなんだよ」
ひとりだけ得心のいったようにうんうん、と何度も頷くユーリを横で見ながら、苦笑するヒロキ。
―――確かに、お世辞にも綺麗な部屋とは言えなかった。
下着や靴下が床に脱ぎ捨ててあったり、ゴミが転がっているわけではなかったものの、
書きかけの企画書らしきものがそこら中に散らばり、
CDや雑誌も整理されて収納されるわけでもなく床の上に平積みの状態だ。
ジャケットやジーンズといった衣類も無造作にパイプハンガーにまとめて吊されていた。
「うん、でもこれくらいの方がお片づけにはちょうど良いよね。よし!
それじゃ、おにいちゃん、雑巾とバケツと掃除機を貸して!」
「あ……ああ。いいけど」
こうなってしまえば、最早ユーリのペースである。彼女の言うがまま、
ヒロキが掃除用品を急いで集めると、ユーリはテキパキと雑誌や企画書をまとめ始めていた。
「ねぇねぇ、大切な雑誌とかプリントとかはあるの?」
「いや……そこいらは君たちのことが掲載されてる記事をスクラップするために買った雑誌だけど、
全部処理済みだから捨てても大丈夫だと思う。雑誌以外は没った企画書ばっかのはずだし」
「分った。じゃ、まとめるからヒモとかちょうだい」
「ああ……」
普段はどちらかといえばおっとりした感じのユーリだが、
元々は下町育ちで、スイッチが入ってしまえばこの通りチャキチャキした子なのだ。
生き生きとした様子で部屋を片づけているユーリを見ながら、ヒロキはぼんやりとそう思っていた。
「どう?結構キレイになったでしょ、おにいちゃん」
「あ………ああ、そうだね、ありがとう、ユーリちゃん」
二時間ほども過ぎた頃には、ヒロキの部屋は見違えるほどキレイになっていた。
「へええ……案外広かったんだな、俺の部屋……全然気付かなかったよ」
「でも雑誌とかをお片づけして掃除機かけて雑巾がけしただけだもん。
せっかくのお部屋なのに、散らかりすぎだよ」
「ま、社会人ともなると色々忙しくてさ」
「言い訳しないのぉ!あとゴハンも作ったげるね」
「え?い、いいよ、そこまでは……」
§
「ダメだよ、今日はユーリのワガママでゴハン食べられなくなったんだから、おわびなの」
「でも……」
「いいの、作るの!」
ヒロキが止めるのも聞かず、ユーリはエプロンを着込んでキッチンをガチャガチャと物色している。
(はぁぁぁ……エプロン持ってきたってことは最初から計画してたな。結局、ユーリちゃんのペースか)
半ば諦めかけて彼女の後ろ姿を眺めるヒロキだが、未練がましく一応抵抗する。
「でも冷蔵庫ん中なんて、ビールぐらいでほとんど」
「大丈夫だよ。ユーリ、パスタとインスタントだけどミートソース持ってきてるし」
(やっぱり計画犯だったんだな……)
はぁ、と今日何度目になるのか分らない溜息をつくが、
既に鍋を探し出したユーリはその中に水を張って温め始めた。
「それじゃおにいちゃん、パスタ盛りつけるお皿の準備して」
「へいへい……」
完全に諦めたヒロキはユーリの言うがまま皿の準備をした。
じきに鍋の中の水は沸騰し、ユーリはパラパラと円の形に広げるようにパスタを入れた。
くっつかないよう箸で掻き混ぜ、固茹でになる前にインスタントのソースを入れてしばらく待つ。
「これくらいかな?よいしょ」
茹で上がりのタイミングで、笊にパスタをあけた。
水気を切り、ヒロキの準備したパスタ皿に盛りつけると一緒に温めたソースをかける。
「はい、簡単だけどできたよ、おにいちゃん」
「ああ、ありがとう。じゃ、いただきます」
ごくごく簡単に作られたパスタだが、意外に味は悪くなかった。
「へえ……おいしいな」
「ふふ〜〜♪ありがとう、おにいちゃん。このパスタソースね、
インスタントの割には結構イケるってシホちゃんやカルナちゃんにも好評なんだ」
「うん、お店並とは言わないけど、手作りって言われても信じちゃいそうなくらいだね」
「パスタは?ちょっと固かった?」
「いや、俺はどっちかと言えば固めが好きなんでこれくらいが」
「良かった〜〜♪私も固めが好きなんだけど、シホちゃんが柔らかめが好きなんで、
部屋で作るときは苦労するんだ」
「ああ、そっか。食事、当番制だもんね」
「ウン。でも一番味にうるさいシホちゃんが一番作らないんだけど」
「………まったくアイツは」
顔を見合わせて苦笑するふたり。ギクシャクした感じはまだ完全には消えないものの、
少しずついつもの自然なふたりに戻りつつあった。
(そう言えば……カルナちゃんも、たまに部屋に来て飯作ってくれたな)
「………おにいちゃん?」
「え?」
回想モードに入りかけたヒロキだが、ユーリの声に気付いて視線を彼女にやると――
(げ…………)
思いっきり、キツく睨まれていた。
「あ、あの?ユーリちゃん、俺なにか」
「……………」
そのまましばらくヒロキを睨み続けていたユーリだったが―――
やがて目を伏せると、絞り出すような声で、言った。
「思い出してる………」
「な、なにを」
「おにいちゃん、カルナちゃんのこと、思い出してるんでしょ?」
「!?&!ゆ、ユーリちゃん?君、いきなり何を」
「なんで?」
「え?」
「なんで、ユーリのお仕事のときに、カルナちゃんに電話したの?」
「あ……さっきのこと?あれはさ、明日収録が入ってる番組の関係で」
「でも、おにいちゃんユーリちゃんと話してるとき、楽しそうだった……
私やシホちゃんと話してるときと、全然違った」
§
「!ち、ちょっと、ユーリちゃ」
「私、知ってるよ。おにいちゃんとカルナちゃんが付き合ってたの。
知ってるよ。最近……ふたりが、別れたの」
(そう言えば………最近)
ヒロキは、思い出していた。今日も含めてだが、それまで気分の浮き沈みの激しかったユーリが、
カルナと別れた半年ほど前から妙に機嫌良く仕事をするようになっていたことを。
そして、それまで以上に、自分にじゃれつくようになっていたことを。
「おにいちゃんとカルナちゃん、ふたりとも上手くごまかしてるつもりだったのかもしれないけど、
私はなんとなく分ってた。シホちゃんや三瀬さんや社長は気付いてなかったかもだけど。
ねえ、おにいちゃん?それってなんでだか、分る?」
「…………どうして?」
「おにいちゃんが好きだからだもん。ユーリは、お兄ちゃんが好きだからなんだもん」
「ユーリちゃん………」
(なんで俺は何度も何度も……こんな目に)
ユーリの告白を聞きながら、ヒロキはデジャヴにも似た感覚に襲われていた。
あの日―――カルナから告白を受けた日の夜が、脳裏に蘇っていた。
「おにいちゃん……ユーリじゃダメ?私……」
「あ、あのね、ユーリちゃん。君はウチの事務所の看板アイドルで、
俺は君のマネージャーでしかないんだから」
「でも、カルナちゃんとは付き合ってた」
「う……それは、ね、あの」
「ねえ、おにいちゃんは、ユーリが嫌い?私、もっとおにいちゃんと」
「ダメだよ、やっぱり。君はね、今じゃ知らない人はいないくらいのアイドルなんだよ?
君のファンでいてくれる人のためにも」
「嫌!」
ヒロキの言葉が終わらないうちに、ユーリは、叫んだ。
「おにいちゃんが好きになってくれないんなら、アイドルなんてもう嫌。やめる!
もう嫌、いや!うわぁぁぁぁぁん!!」
「ユーリちゃん……」
いつものユーリのワガママだと、思いたかった。すぐに機嫌を直すはずだと、思いたかった。
しかし、泣きじゃくる彼女の姿は―――あまりに、幼かった。
「うッ、うわぁん、お友達はみんな、好きな男の子とかいたりするのに、うッ、私はお仕事ばっかり。
ちっちゃい頃からなにも分らないうちに、うッ、この世界にいて、お仕事ばっかり。
好きになった人はカルナちゃんに取られちゃうし、ううッ、私……私、ずっとつまんなかった。
おにいちゃんとカルナちゃんが別れて、うッ、やっと、やっと……告白できたのにッ」
ユーリは、ただ、泣き続けていた。堪えてきた感情を、破裂させるように。
(そう言えば……ユーリちゃんは……)
物心付く頃にはこの仕事をしていて、芸能界以外はほとんど知らずに過ごしてきたはずだった。
ある意味では、同世代の女の子たちよりもむしろ禁欲的な生活を送ってきたはずであり――
恋愛に対しての憧れは、普通の女の子よりもずっと強いのかも知れない。
「ユーリちゃん……俺はね、君のこと、好きだよ。これは、嘘やゴマカシなんかじゃなく、本当に」
まだ、嗚咽を漏らしながらだが――ゆっくりと、ユーリが顔をあげる。
大きな瞳からは、ぽろぽろと大粒の涙が零れていた。
グラビアで見せる小悪魔っぽい感じはそこにはなく、年相応の――幼い、少女の顔だった。
「ただね、君と付き合うってのは、やっぱり違うと思うんだ。
カルナちゃんと俺が付き合ってたのは事実だ。そのことで……君を傷つけていたのなら、謝るよ。
でも、それと君のことは、別なんだ」
「なんで?カルナちゃんのことがまだ好きだから?私じゃ、ダメなの?」
「違う………本当のことを言うと、怖いんだ」
「………クビになることが?」
「それも、違う。カルナちゃんとのことは、この世界ではルール違反のことだったんだ。
俺は、……俺たちは。ずっとそのことが気になってた。普通の恋愛じゃなかった。
カルナちゃんのことは好きだったし、楽しいことだってたくさんあったけど……
俺たちは、ずっと、恐怖感みたいなものをお互いに持ちながら付き合っていたんだ。
結局それが原因で、上手くいかなくなったんだと思う」
§
ヒロキは、決めていた。正直に全てを話そうと、決めていた。
「だから……怖いんだよ。また同じ事を繰り返すんじゃないかって。
カルナちゃんを傷つけたみたいに、君のことを傷つけてしまうんじゃないかって」
「おにいちゃん、私は大丈夫だよ。だって」
「ダメだよ、俺は、君に」
「私は、カルナちゃんと違う。私は、ユーリだから。だから、他の誰でもなくて、私を見て」
「俺も、もうあんな思いはしたくないし、君にもさせたくな」
「いいから………私を、見るのッ!」
ユーリが、叫ぶ。
「みんな……みんな、同じ。私のことなんて、本当は誰も見てない。
お願いだから、ユーリを見てよ。………私を……見てよッ!!」
ユーリは、再び、泣き出していた。
「ぐすッ、おにいちゃんだけは……私のことを、分っているって、思ってたのに。
だって、みんなみんな、全然私のことなんて、見てるけど見ていないんだ。
辛いときや、嫌なときでも、カメラの前だと無理に笑わなきゃいけないのに……
そういうときの惨めな気持ちなんて、誰も分ってくれない。
おにいちゃんは、おにいちゃんだけは、私のことを分ってくれているって、そう思ってたのに!」
「……ユーリちゃん」
ヒロキには、ユーリの言っていることが、痛いほど良く分った。
一見華やかに見える芸能界だが、実際の中身は弱肉強食の世界である。
つい数ヶ月前まで栄華を極めていたアイドルが、いつのまにか消えてしまうことも、
人気芸人が不祥事でタレント生命を絶たれてしまうことも、珍しいことではない。
胸の内を隠しながらも、皆表面だけは楽しげにしている――そこは正に、ガラスの遊園地だった。
幼い頃からその世界の中で暮らしてきたユーリが、
いつの間にかこの世界の『毒』にあてられて中毒症を起こしてしまうのも無理はなかった。
「…………」
机の上に顔を伏せて嗚咽を漏らしているユーリの後ろに回ると、
ヒロキは無言のまま彼女を抱きしめた。震えていた小さな肩が、一瞬、固まる。
「……恋人とかじゃない。だけど、君のことは、誰よりも好きだし、分っている。
俺は君の、お守りみたいなもので良いって、そう思ってる。それじゃ……ダメかい?」
「………おにいちゃん」
「昔、君に兄みたいな人だって言われたとき、ちょっと恥ずかしかったけど、嬉しかった。
君がそれだけ俺のことを信頼してくれてるって思って、本当に、嬉しかった。
だから、あのとき思ったんだよ。ユーリちゃんを、TBを、俺が売れっ子にしたい。
俺が、君を、君たちを守っていくって思ったんだ。君には……いつか、きっと相応しい男の子が」
「………守って、ユーリを」
「分った、約束するよ。だから」
「約束して。ユーリを、一生守るって」
「………それは」
「好き。おにいちゃん。だから、私を守って。ずっと、ずっと……」
「俺は」
"ちゅ"
ユーリが、ヒロキの正面に回ると、そのまま唇を押しつけてきた。
(ユーリちゃん………)
逃げようと思えば、かわそうと思えば、出来たはずだった。
しかし、ユーリを傷つけてしまうことを思って、ヒロキはそのままキスを受け入れた。
小さくて、熱い、唇だった。少し、塩辛かった。さっきまで食べていたミートソースと、涙の味がした。
「んっ……」
短くユーリが呟くと、ヒロキの背中に手を回す。ふたりのからだが、密着する。
ユーリの小さなからだから、体温が伝わる。久しぶりに感じる、柔らかい感触。
「おにいちゃん……」
「ユーリちゃん、俺」
「好き。だから……」
ぎゅっ、とユーリがヒロキを抱きしめる。戸惑いながらも、優しく抱きしめ返す。
ユーリの匂いが、ヒロキの鼻腔をくすぐる。
§
今回は以上。え〜〜、後編もボチボチ(挿入手前、前戯ぐらいまで)できあがってますので、
クリスマス前後になんとか。投下に間が空いたのは実は理由がありまして。
自分語りの批判を覚悟でゲロしちゃいますと、二人目、できちゃいまして、わははははは。
んなわけで、嫁チェックもちょい入らない状態が続いてて、しばらく投下ゆっくり目になるかもです。
未完箱関係のSSもなんとか投下したいんですがね。
では股。
>>654 GJです。スレエースとしてがんばってください。
ユーリの次はシホなんて展開もあるのでしょうか。
ところでミスを一つ見つけました。
>>651のラスト2行目は、「カルナちゃん」ですよね。
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
あかほんネタです。
スルー対象ワードは「ヒロキ×シホ」「本番あり」「ほぼエロのみ」「シホらしくないかも」です。
題は『秘密の恋の物語』でお願いします。
場所は東京某所のマンション。
作家やタレントが多く入居している建物で、部外者は入ることすら出来ない。
そのマンションの最上階の一室、窓のひとつから、カーテンの隙間をぬってうっすらと灯りが漏れている。
芸能界の事情に詳しい人なら、その部屋の使用者が誰であるか知っているだろう。
いまや日本を代表する国民的アイドル・ユニット、トリプルブッキングの『居城』こそがここなのだ。。
そして今、その部屋には二人の人間がいる。
一人は、TBのメンバーである飯田シホ。
もう一人は―――TBのマネージャー、井戸田ヒロキ。
遠くて近きは男女の仲。
飯田シホと井戸田ヒロキは、アイドルとマネージャーの間にある垣根を越えた関係になっていた。
「ヒロくぅん……」
「シホちゃん……」
シホとヒロキ、二人は互いの名前をいとおしそうに呼ぶと、ゆっくりと顔を近づけ、唇を重ねた。
舌は絡めず、さえずるようにあわせては離し、離してはあわせる。
「ヒロ君……ぎゅって、して……」
「……ああ」
ヒロキは両手を広げると、シホの細い体を包み込むように抱き締めた。
シホの心臓の鼓動が、ヒロキの腕にトクントクンと伝わってくる。
同時に、ヒロキはシホの身体の小ささを改めて実感する。
その小さな身体の中には、情熱と夢が詰まっている。
アイドルはただ微笑んでいるだけでは勤まらない。
歌や舞台のために発声練習は欠かせないし、スタイルを保つためにトレーニングもしなければならない。
「ヒロ君、あったかいね」
自らが望んで飛び込んだ世界とはいえ、明らかに芸能界は一般の十代の生活からはかけ離れている。
シホだけではなく、カルナやユーリにも言えることだが、
アイドルとして華々しくスポットを浴びるその代償を払わなければならない。
スケジュールに拘束され、自由な時間を無くし、学校行事には参加出来ず、
友達と遊ぶ機会も減り、家族とゆったり過ごす時間も削られていく。
「ああ、シホちゃんもな」
そういった過酷な毎日に耐えられた者が、最終的に大スターへの道を歩めるのだろう。
だが、そこに至るまでに挫折していった人間もまた、数多い。
くじけず、耐え続けるためには、支えが必要になってくる。
例えば、今のシホに対するヒロキのような存在が。
「今日もすっごく疲れたよ……」
「シホちゃんはよく頑張ってるよ」
頑張っている、という自分の台詞に、ヒロキは少し罪悪感を覚えた。
マネージャーの自分が取ってきた仕事が、シホたちを消耗させているのではないか、という思いがあるからだ。
その考えがプロのアイドルのマネージャーとして「甘すぎる」というのを、ヒロキは理解している。
しかし、理解はしていても、納得しきれないことはあるのだ。
「ヒロ君……」
「うん……」
ヒロキはシホの身体をひょいと抱え上げた。
ヒロキにしてみれば、シホの身体は羽毛のようにとはいかないまでも、軽い。
その態勢のまま、二人はまたキスをした。
そして、ヒロキはシホを抱えたまま、奥のベッドルームへと歩き出した。
二人の胸の奥にある、恋と性欲の炎は、もはや制止出来ないほどに燃え盛っていた。
◆ ◆
薄暗い光の中、二人は生まれたままの姿になって、ベッドで抱き締めあっている。
肌が密着し、二滴の汗が混じって一滴の汗になる。
「シホちゃん……」
ヒロキは右手の人差し指をシホの唇に含ませると、唾液をまぶした。
右手に続いて、左手の人差し指も濡らす。
そして、その人差し指をシホの両の乳首に押し当て、転がすように回転させる。
「ひゃ、あ……んんっ!」
シホが「いやいや」をするように首を左右に振るが、表情は決して嫌悪に彩られてはいない。
快楽のあまりに大きすぎて、それを受けきれていないのだ。
「シホちゃん、固くなってきたよ」
「あ、ああ……」
ヒロキの言葉通り、シホの胸の桜色の突起は、腫れあがるかのようにだんだんとその大きくなっていく。
シホの乳房は決して豊かなほうではない。
むしろ同年代の女の子に比べると小さい方だろう。
だが、巨乳がアイドルの絶対条件というわけでもない。
要は全体のバランスであって、シホの場合、スレンダーな身体にやや小振りな乳房がマッチしており、
グラビアなどで水着になった時、セクシーさは確かに足りないかもしれないが、
それを問題としないくらいの、健康的で明るい印象を見る者に与えるのだった。
「ひうっ!」
シホはビクリと身体を震わせた。
固くなり、敏感になった乳首に、ヒロキが舌を這わせたからだ。
しかも、より感じやすい右の乳首に。
もちろん、ヒロキはどちらがシホにとって大きな快感を与えるか、知っていてしゃぶりついたのだ。
自らの唾液が付着した指によって起たされ、今度は男の唾液によってどろどろに塗れる、ピンクの突起。
そのことが、さらにシホの陶酔に加速をかけていく。
「ヒロくぅん……!」
シホは両の掌で、ヒロキの頭を抱え込んだ。
その際、ヒロキの顔がさらに胸に沈み、歯がカリカリと乳首を擦る。
「ふあ、ああうっ」
シホの体中全体を、ピリピリとした痺れが襲った。
軽くだが、イッたのだ。
「……シホちゃん、イッたの?」
「ふ……うん、ちょっとらけ……」
シホの舌は普段以上に回らなくなっている。
それが、シホが感じている証拠なのだということもまた、ヒロキは知っていた。
というより、シホの身体のことで知らないことの方が少ないだろう。
どこをどのようにいじればシホは悦ぶか、どのように触れば乱れるか、感じるか……。
マネージャーの分を超えた範囲で、ヒロキはシホの全て(に近い)を知っている。
「あ……!」
ヒロキは頭に当てられたシホの手を解くと、顔を上げた。
同時に、フリーになっていた右手をシホの太股へと持っていく。
「シホちゃん、触るよ……」
シホを横向きにさせると、大きく脚を開かせ、人間として最も隠すべきところを露わにする。
シホは抵抗しない。むしろ、ヒロキがやりやすいように進んで身体を開いているかのように見える。
今のシホの頭の中には、仕事のこと、ユーリやカルナのこと、両親のこと、友達のこと……それらは欠片も存在しない。
ただ、ヒロキへの愛と快楽への欲求のみで占められている
「……っ!」
シホの身体が、乳首と同じような桜色にすぅっと染まり始める。
ヒロキが身体の中で一番敏感な秘所の突起をいじり、シホのさらなる快感を引き出していく。
「あ……あ……!」
シホは最早、身体を小刻みに震わせることしか出来ない。
ヒロキの指によって間断なく与えられる極上の悦楽。
「あ……!」
シホの唇がさざなみのように揺れ、その僅かな隙間から熱い息が漏れ出る。
再度、軽い頂点を迎えたのだ。
「……はぁ……あ」
カクリ、と首を折、頬をシーツに密着させるシホ。
彼女が達したのを見て、ヒロキはシホの秘部から指を離し、お腹の辺りまでもっていき、
おへその周囲を優しく、子猫の頭を包むようにそっと優しく、撫で擦った。
ヒロキの手はシホが分泌した淫らな液体でべっとりと濡れており、
彼の指が円を描く度に、シホのお腹にそれが塗りつけられていく。
薄暗い部屋の中で、その円の部分が、鈍く、そしていやらしく光った。
「シホちゃん……」
ヒロキはシホの耳元に口を寄せると、低い声でささやきかけた。
ヒロキの分身は、もはや限界に近い状態で屹立しており、今すぐにでも柔らかい肉壁に突入したがっているようだった。
ヒロキ自身も、引き絞られた性欲の弓を放ちたい気持ちになっている。
シホが欲しい、シホをメチャクチャにしてやりたい、と。
「……ヒロ君……」
ヒロキの問いかけから数十秒経って、やっとシホが言葉を紡いだ。
すぐに反応出来なかったのは、軽くとはいえ、イッてしまっていたからだ。
「……シホちゃん」
「ヒ、ロ……くぅん……」
二人はどちらからともなく、顔を近づけた。
貪るでもなく、ゆったりでもなく、ただ静かに、二人の唇が重なる。
挿入の確認を、言葉にする必要はなかった。
そのキスだけで、ヒロキとシホには充分だった。
「ああっ、んっ、ヒロ君……っ!」
「シホちゃん……!」
欲望のままに、ヒロキは腰を突き出す。
シホの細い体が、純白のシーツの上で妖しく左右に揺れ動く。
「くぅ、ううん……やぁ……っ、す……ごい、よぉ」
ヒロキの額に滲んだ汗の一滴が、ポトリとシホの頬に落ち、唇へと流れていく。
「はぁ、ああ……ヒ、ロ、くぅ……」
「シホちゃん、シホ……!」
異様なまでの興奮が、ヒロキの背筋を貫いていく。
自分がマネージャーとしてついている売れっ子のアイドル、十歳も下の少女。
それを、こうして貫いている。
背徳感にも似た、黒い快感。
「あぅ……!」
シホもまた、ヒロキと似たような思いを抱いていた。
マネージャー云々ではなく、ヒロキのことは普通に男性として好きだ。
年の差や立場なんて関係ない。
だが一方で、後ろめたく感じるのもまた事実。
ユーリとカルナが、異性としてヒロキを好きかどうかはわからない。
だが、ひとりの人間として好意を、信頼を寄せているのは確かだ。
TBのマネージャーとして常に頑張ってくれているヒロキを、こうして独占している嬉しさと罪の意識。
「あ……ぅ!」
「くぅ!」
腰と尻とがぶつかりあう渇いた音、秘部同士が擦れあう湿った音、そしてベッドが軋む濁った音。
それに加え、二人の口から漏れる熱い息の音と、自然に出てくる快楽の声。
五つが混じりあい、淫らな楽曲となって、二人を上へ上へと押し上げていく。
「……っ!」
ヒロキの挿入のスピードが増した。
絡み合った音もともに、アップテンポになっていく。
「い……ぃ……あ……!」
ヒロキの背中に回されていたシホの手が、パタリとシーツの上に落ちた。
閉じられた目蓋からは涙がとめどなくあふれ、また、唇の端から、唾液が一条の細い滝となって零れ落ちていく。
顎の下から鎖骨一帯にかけ、肌の赤みがぐっと鮮やかになる。
それは、シホが快楽の深遠に到達しようとしている予兆だった。
「シ、ホ……ッ!」
ヒロキもまた、爆発の時が近いのを感じていた。
そこにたどり着こうと、さらに腰を繰り出す速度を上げる。
「あ……ああ……」
シホが身体を硬直させた。
続いて、その身体中に小さな汗の珠を浮かび上がらせる。
山の頂点を通り越え、その上にある快楽の極致に、シホは放り上げられた。
「くうっ!」
ヒロキも我慢の限界に達していた。
ほとばしる直前、ヒロキは自分のモノをシホの中から抜き去った。
そして、達したままの状態であるシホの顔に、それを近づけた。
「う……」
びゅ、びゅっと物凄い勢いでシホの顔に叩きつけられるヒロキの欲望の証。
頬にぶつかったそれは、唇、鼻、そして閉じられた目と、色々な方向にドロリと広がっていく。
その光景の、何と淫靡なことか。
「……ああ」
ヒロキは放出してからも十数秒程、自分の征服欲によって汚されたシホの顔をぼうっと見ていた。
自分より十も下の女の子。
国民的アイドルになりつつあるアイドルユニットのメンバー。
マネージャーとして面倒を見てあげる存在。
今だ発達しきらぬ、青い果実と呼ぶにふさわしい、スレンダーなその身体。
コロコロと変わる愛くるしい顔。
周囲の全てを笑顔にさせてしまう、明るい性格。
それを、ヒロキは完全に自分のものにしているのだ。
「シホちゃん……」
ヒロキは何かを振り払うように顔を数度左右に振った。
そして、シホの顔に飛び散った自分の精液を拭うべく、ベッドの下からウェットティッシュを取り出した。
明日は幸い、シホに仕事はない。
ユーリとカルナがともにインフルエンザに罹って療養のため自宅に帰っており、まるまる一週間仕事をキャンセルしたのだ。
当然、スケジュールに皺寄せが来るが、それはマネージャーであるヒロキの腕の見せ所だ。
彼もまた、TBと一緒に成長している。
レイコに怒られまくっていた三年前とは違う。
「……」
ヒロキは濡れティッシュをゴミ箱に放ると、ベッドから立ち上がり、毛布を二枚取り出して、シホの身体にかけた。
そして、次に浴室へと向かった。
熱いお湯をシャワーから出し、タオルを濡らして、それで身体を拭く。
シャワーを使わないのは、水音でシホが目覚めてしまうかもしれないと思ったからだ。
一通り身体を拭き終えると、服を身につけ、ヒロキはシホの部屋へと戻った。
シホは幸せそうな表情で寝息を立てているが、その息がまだ少し荒い。
身体が快楽の頂からまだ完全に戻ってきていないのだろう。
「お休み……」
ヒロキはシホの身体に毛布をかけなおした。
さらに、エアコンを操作して、部屋の温度を一定に保つようにセットした。
彼女の身体は大切だ。
アイドルとしても、ヒロキの恋人としても。
「ふわ……あ」
大きくひとつ、ヒロキは欠伸をした。
ポケットから携帯電話を取り出し、時間の確認をする。
表示は、2:30となっていた。
「着信は……社長と、それから……」
履歴を確かめつつ、ヒロキはシホの部屋から出ると、玄関へと足を進めた。
そして扉から顔を出すと、周囲をチェックする。
マンションの通路は、静まり返っていた。遠くから、監視カメラの機械音が僅かにヒロキの耳に届いてくる。
「よ……っと」
足音をたてないよう、ヒロキは通路へと身体を滑り出させた。
ヒロキの背後で、ガチャリと自動ロックシステムが働く。
「さて……」
ヒロキはもう一度携帯を取り出すと、緊急性が高いと思われる相手を探した。
足は監視カメラがあるエレベーターではなく、ほとんど誰も使わない非常用階段へと向けられる。
「あ、もしもし、社長ですか? 井戸田です……」
響かないよう、だが確実に相手に聞こえるよう、ギリギリまで小さく低くした声で、ヒロキは電話の向こうにいる相手に話しかけた。
「はい、いや、ちょっと所用で電話に出れなくて……。や、やだなあ、女じゃないっすよ、女じゃ」
真っ暗に近い非常階段を、ヒロキは降りていく。
「はい、シホちゃんは大丈夫ですよ。ええ、明日早朝、講談企画に言って話を詰めてきます……」
シホは明日休み。
だが、ヒロキは休みではない。
「ふう……」
レイコとの話が終わると、ヒロキは階段途中で立ち止まり、溜め息をついた。
白い息が、ほわりと薄暗闇の中に広がっていく。
ヒロキは、携帯電話をコートのポケットにしまいながら、後ろを振り向いた。いや、上を見上げた。
階段のずっと上にある部屋では、シホが、彼の恋人が眠っている。
「……」
ヒロキは顔を前に向けた。
そして、慎重に、しかし危険ではない最大の速度で、階段を再び降り始めた。
彼の幸せは天上にあるが、やるべきことは地上にある。
トリプルブッキングをスターにするため。
そして、シホとの愛を守るため。
彼は働く。
明日も、これからも。
飯田シホ、有銘ユーリ、如月カルナの三人によるアイドル・ユニット、トリプルブッキング。略称TB。
TBは結成三年目を迎えて、三人は順調にステップアップを果たしていた。
芸能界とは生存競争が激しく、生き馬の目を抜くという表現がピッタリだ。
同時に、運も大きく関わってくるところでもある。
下積みに下積みを重ねてもまったく売れない芸能人もいれば、ひょんなことがキッカケであっさりとブームに乗ったりする。
不断の努力が結果に直結しないことが多々ある一方、
オーバーナイト・サクセスという言葉もあるように、「一日経ってみれば売れっ子」になる可能性も充分に秘めた世界なのだ。
幸いにも、TBは「売れっ子になる」ことが出来た。
三人にアイドルとしての素養があったからだが、多くのラッキーに背中を押されたのも事実だ。
事務所の社長柏木レイコや、マネージャーの井戸田ヒロキの支援も大きい。
何にせよ、TBは成功しつつあるし、未来は明るい日差しに満ちているように思える。
大きなスキャンダルが無ければ、このまま無事に成長していくことだろう。
売れっ子の三人に声をかける男性は多いが、社長の柏木レイコが目を光らせているため、
まだ誰ひとりとして「お友達」以上の関係に進んだ者はいない。
本当に彼女らを好きではなく、その名声に擦り寄ろうとする者もいるが、
とにかく外部からの不埒者は全てシャットアウトされている。
そう、外部から……は。
F I N
ここまでです。
切り取りとツギハギで文の量を減らしたので、読みにくかったらすいません。
エロ以外の状況や前振り、説明を必要以上にダラダラ書いてしまう癖が抜けないもので……。
乙!まさか1日で2つもの大作を見れるとは!
郭氏
お久しぶりです!前のカルナ×ヒロキのSSが好きだったので別れてたのはショックかも
まぁパラレルワールドと考えて続きも超期待しております!!
ピンキリ氏
シホがカワエロ過ぎ!!ピンキリの文章は大好きです!!
お二人ともGJです!!!
濱中スレは何度でも蘇る!!!!!!
お二方とも超GJです!
クリスマスも期待しますです。
お二人ともGJ!!でした。
久々復活の郭氏、コンスタントに投下してくれるピンキリ氏の
二本立てが見られて楽しい週末でした。
668 :
541:2006/12/11(月) 11:28:51 ID:VScyeziX
参加者名簿
1番 天野ミサキ
2番 新井カズヤ
3番 今岡ナツミ
4番 叶ミホ
5番 金城カオル
6番 黒田マナカ
7番 小久保マサヒコ
8番 城島カナミ
9番 城島シンジ
10番 関川エーコ
11番 濱中アイ
12番 福浦マホ
13番 的山リンコ
14番 矢野アキ
15番 吉見チカ
16番 若田部アヤナ
669 :
541:2006/12/11(月) 11:32:35 ID:VScyeziX
0 2006 6/9 19:00
「あー、よく寝た」
矢野アキはおおきな伸びをして、ずっと同じ体勢でいた体をほぐした。今日の最後の授業は得意ではない退屈極まりない数学の授業。授業中に寝入ってしまうというのはすでに日常だった。
アキは伸びをしたあと、数回体を振って体を完璧にほぐす。もうすでに今日の授業はない。委員会の活動の日でもない。あとは帰りのホームルームと掃除を済ませ、帰路に着くだけだった。
だが、真っ先に飛び込んできたその風景は、見慣れた教室の物ではなかった。
「あれ…、何、コレ…?」
教室の照明より少し暗い蛍光灯の光に、黒板ではなくホワイトボードが照らされていた。別に特別教室で授業をしていたわけではなかったので、そこにホワイトボードなど存在するわけもない。左右を見渡すと、そこには全く知らない部屋が広がっていた。
「えっ…、ちょっとここマジでどこ!?」
椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がり、机に手をつく。その椅子は自分の座っていた椅子ではなく、会議室で見かける教室で使うものよりほんの少し豪華なパイプ椅子だった。
机も教室に備え付けてあるものではなく、やはり会議室に置いてあるような長机で、それがアキの力で少しだけ左右に揺れた。
自分が座っていた席の横では、なぜか城島カナミがすやすやと寝息を立てて眠っていた。
そして、さらに横の席では黒田マナカ、城島シンジといった見知った顔が全員それぞれの体勢で眠りに付いていた。さらに前のほうの席では、どういうわけか自分のまったく知らない人間がやはり眠っており、そのわけのわからない状況はますますアキの頭を混乱させた。
「おい、カナミ!起きろ!」
とりあえず横の席のカナミを起こす。アキに揺さぶられたカナミはすぐに目を覚ました。カナミは少しだけ寝ぼけたような素振りを見せていたが、すぐにアキの存在に気づいた。
「あっ、アキちゃん、おはよう」
「おはようじゃねえ!なんか私達知らないところにいるわよ!」
アキは必死になってまくし立てたが、すぐにカナミの視線が変な方向に向いているのに気がついた。カナミは自分の目を見ることはせず、その少し上を向いている。
「ちょっとカナミ…、アンタどこ見て…」
「プッ、アキちゃん、犬耳のヘアバンドに首輪までして。まるで本物の犬みたい」
「はあ!?」
カナミの言葉に慌てて首と頭部に触れる。そこには、あるはずのない感触があった。首にはしっかりと冷たい金属製の首輪が巻かれていて、頭部にはヘアバンドが装着されている。
そのヘアバンドを外し、しっかりと見てみると、それはカナミの言ったとおりの、コスプレに使うような犬耳のヘアバンドだった。
「なんじゃこりゃあー!!」
驚きのあまり絶叫してそのヘアバンドを机に叩きつける。ガツンと大きな音を立て、そのヘアバンドは床に転がった。その音でマナカやシンジを始め周りの人間が次々と目を覚ました。
「どこここだ?」
「ねえ、なんでみんな首輪してるわけ?」
「あー、アヤナちゃんがいる〜!なんで〜!?」
それぞれ驚きを隠せない様子で状況を確かめている。アヤナという聞いた事のない名前に驚きそこを確かめると、数人の自分と年の変わらないであろう少女達と一人のこれまた同い年ほどの男子生徒がグループを作っていた。
「あのー、これは一体何なんでしょうか?」
アキは思い切ってその中の一人の女に声をかけた。パッと見年齢は自分と同じほどに
見えていたが、男子がその女に「先生」と声をかけていた。おそらく担任か何かだろう。
とにかく、何があったのかを知りたかった。
「それが、私達もよく分からないの。みんな気がついたらここにいたみたいで。もしか
したらあなた達もそうなの?」
「ええ…」
まったく状況が飲み込めない。授業中に寝入ってしまい、気がついたら知らない部屋
の中。しかもそこには顔も見たことのない男女がいる。そしてその男女もなぜここにいるのかが分かっていないという風だった。
「あの、一回外に出ませんか?ここがどこなのか確認したいんで」
とにかく外に出てここがどこなのかを確認しなければならなかった。女を連れ、アキは部屋を出ようとした。だが、女は立つことをしなかった。それどころか何故か床に座り込むと、子犬のような潤んだ目でアキを見た。
女のその頭部には、先ほどアキが付けていたヘアバンドと同じものが装着され、アキにも同じものが取り付けられているであろう首輪の先には、リードが結わえられていた。
670 :
541:2006/12/11(月) 11:35:24 ID:VScyeziX
「く、くううぅん」
「何やってんだ!?アンタは!?」
ほとんどひったくるようにしてヘアバンドを取ると、アキはムリヤリ女を立たせ、引きずるようにして部屋をあとにした。
「何をやってるんですか!」
「ご、ごめんなさい。あんなヘアバンドを付けるとついつい…」
ついついってこの女はどんなプレイをさせられていたのか。そこまで考えて、アキは慌てて頭の中でその言葉を否定した。
その発想はカナミそのものではないか。とにかく女を落ち着かせ、そして一刻も早く事態を進展させなければならなかった。アキたちがいた部屋と外をつなぐ廊下を歩く。
廊下は電気が点いていたので移動に困りはしなかったが、窓がないせいかほんの少し恐怖感を煽る。
「あっ!」
突然女が叫びだし、アキを物陰に引きずり込んだ。突然の出来事にアキは小さく悲鳴を上げ、ほとんど尻餅の状態で派手に転倒してしまった。
「何するんですか!」
「あっ、いきなりゴメンね。でも、あそこに誰かいたの気づいてた?」
「えっ?」
女の指差す先には、数人の人影が移動していた。それは男と女のグループで、少し女の人数が多いように見える。さらにそのうちの何人かは、自分がよく知る人物に見えなくもなかった。
「先輩、こんなところで何してるんだろう…」
「先輩?」
「うん、あそこに背の大きいメガネをかけた女の人がいるでしょ?あの人は私の先輩なの。あっ、あとスーツのメガネをかけていないほうの男の人はその先輩の彼氏で…。でも二人とも本当に何やってるんだろう…」
その言葉にアキは何気なくその人物のほうを向いた。彼らは先ほどよりこちらに近づいており、視力に自信のないアキでもはっきりと顔が確認できる位置にいた。そして、そのうちの一人がアキの気配に気づいたのか、その視線をすっと泳がせた。
白衣に身を包んだその顔は、アキのよく見知った顔だった。
「小宮山先生!?なんでここに!?」
呆然とするアキの顔をその小宮山が捉えた。とたんにその顔が何かを企んでいるような顔に変わり、そそくさと身を隠す。そしてすぐに入れ替わりに現れたのは、これまたアキのよく見知った、マリア・ルーズベルトの顔だった。
マリアはアキの姿を確認するや否やキラリと目を光らせ、ダッシュで走り寄ってきた。
「アキさーん!!」
もうこうなればここから先の行動はただ一つ。マリアに捕まらぬよう、少しでも遠くへ逃げるのみだ。もし捕まってしまえば、身の毛もよだつ恐怖のお楽しみが待っている。
キスか、アナルか、もしくは処女喪失か。幾度となく未遂、もしくは完遂されてしまった数々の行為がアキの頭を駆け巡った。
「うわあああ!!」
先ほどついてしまった尻餅の痛みも忘れるほどの力走でこのまま最初の部屋まで逃げ切るはずだった。だが、背後からアキを追ってきた女がスタートダッシュに失敗しアキを巻き添えにする形で転倒した。
二人揃って間抜けな悲鳴を上げながらその場に団子虫のように転がり、すぐに互いの様子など気にせず我先にと立ち上がる。
女はマリアの特殊な性癖ど知らないはずだったが、なぜかアキと同じほどかそれ以上にパニックになっているようだった。
671 :
541:2006/12/11(月) 11:39:12 ID:VScyeziX
すぐにマリアが追いついてきた。その視線を追ったアキはすぐにその眼が自分と女を捕らえていることに気がついた。このままでは女もろともマリアの餌食になってしまう。再度足に力を込め逃走を図ろうとした。
だが、ここにきて一つの重要なことに気がついた。女がアキのスカートの裾を握っていたのだ。このまま逃走を図れば最近ウエストが大きくなってきたとの理由でゆるめていたスカートのホックが取れ、スカートが脱げ、あられもない姿を晒してしまう。
一度カナミに風対策でスカートに錘をつけるというろくでもないアイディアの実験台にされ、道端でスカートの中身をさらけ出してしまうということはあったが、今回は明らかに状況が違う。マリアの前でスカートの中身を出してしまうことは自殺行為である。
ここはどうするべきか。もとからよい方ではない頭をフル回転させ、アキは一つの結論を出した。スカートを気にしつつここから逃げる。それしか考えられなかった。未だもがいている女には悪いが、セクハラされるのは勘弁だった。だが当然、それをマリアが許すわけがない。
アキのスカートを覗き込むような形で転んでいる女を見て変な妄想が掻き立てられてしまったのだろう、その舌がジュルリと音を立てた。
「私も混ぜなサイ!」
女とアキのスカートの間にムリヤリ顔を突っ込み、アキのスカートの中身を堪能しようとするマリア。もう何かを考えている場合ではなかった。マリアの突然の乱入に怯んだ女が力を緩めたその一瞬をアキは逃さなかった。
悪いほうではない瞬発力と火事場のバカ力を活かして、その場からの逃走にどうにか成功した。
「うおおおおお!!」
全速力で元来た道を引き返し、その勢いのまま部屋の中に飛び込む。すぐに女の悲鳴が背後から聞こえたが、そんな物を気にする余裕はなかった。アキのあまりの形相にカナミたちが少し驚いていた。
「アキちゃん、何があったの?」
「小宮山先生とマリア先生がいるぞ!なんか知らない人もいた!」
その言葉に一人の金髪の少女が反応した。隣に座っていた少年と目配せをしたあと、おずおずと立ち上がりアキに話しかけた。
「あの…、その知らない人ってメガネをかけた女の人じゃありませんでした?」
「うん、そうだったけど…、もしかして知り合いなの?」
再度二人が目配せをした。今度は少し驚いたような表情だった。
「なんで中村先生が…」
「中村先生?」
「ええ、私達の家庭教師の先生です。さっきあなたと一緒に出て行ったのが、同じ家庭教師の濱中アイ先生で…」
「家庭教師の先生が、なんでこんなところに?」
「さあ…、私達にもさっぱりで…」
何か釈然としない表情のまま、アキは席に着いた。そして時を同じくしてどうにかマリアから逃げ延びたと思われるアイが少し泣きそうな顔で部屋に戻ってきた。アキの姿を確認し、うなだれるようにして近づいていった。
「ひどいよ〜、私だけ置き去りにするなんて〜」
アイの着衣は程よく乱れていて、マリアに何をされたかは彼女を知っている者ならだいたい見当がつく。
「何があったんですか?」
事情を知らない男子生徒が聞いた。
「外にいたら、なんかいきなり金髪の外人さんがそこの女の子のスカートに頭を突っ込んできたの。それで私は胸を触られて…、女の子は一人で逃げちゃうし…」
その言葉にカナミがアキの方を向いた。
「だめだよアキちゃーん、一人で勝手に逃げちゃー」
「あの状況でそんなこと言ってられるか!」
いつも通りのツッコミを入れたあと、アキはふとマナカの方を向いた。釣り目からマジメそうだが固そうな雰囲気を他人に与えてしまうというその目が、今はアキたちが入ってきたドアの方を向いていた。
「どうしたの?」
「誰かが入ってきます」
その言葉に場が静まり返った。マナカの隣に座るカオルや最前列の席でアイの方を向いていたメガネの少女はまだキョトンとした表情を浮かべていたが、すぐに聞こえたドアの開く音とともに視線をそちらに向けた。
672 :
541:2006/12/11(月) 11:39:48 ID:VScyeziX
すぐにぞろぞろと入ってきた女達に全員の視線が釘付けになった。「やっぱり先輩だ!」「中村先生!?」というアイ達の驚きに満ちた声に動じることもなく中村という女はヨッ、と小さく手を挙げてアイ達に余裕の挨拶をかます。
女たちの中には、白衣にメガネといういつものスタイルの小宮山もいた。
その背後で加藤先生、坪井先生の二人が何故か真っ青な顔をして小宮山の後をついてきていた。そのほかにもマリアや先ほど見た中村の彼氏だという男を含め、男女総勢7人もの集団がホワイトボードの辺りに集まった。
最初は全員がその光景にあっけにとられ、しばし言葉を発することもなく、ただただ成り行きを眺めていた。
そして、その中央に小宮山が立った。わざわざ朝会のようにハンドマイクを手にしながら「あーあー、ただいまマイクのテスト中」などといかにもらしいことを繰り返していたが、ふいに立ち上がった一人の少女がそれをムリヤリ中断させた。
「これは一体何なんですか」
物腰の柔らかな、それでいて落ち着いた声。マナカだった。小宮山はマナカのほうに視線を向けると普段の何か良くないことを企んだ時のような笑顔を向けた。
「まーまー黒田さん。これから全部説明するから座りなさい」
マナカの表情が一瞬だけ曇り、それからその命令にしぶしぶといった感じで従った。小宮山はそれを見届け、ゆっくりと全体を見渡しながらマイクを手に取った。
「さっき質問があったから、今からそれに答えるわね」
妙に浮ついた、機嫌の良さそうな声に、アキは寒気を覚えた。彼女の機嫌がいい時は、大抵ロクな事が起こったためしがない。だが、今回はそれに輪をかけて嫌な予感がする。
自分自身、女の勘という奴が働いたときは決まってとんでもない目に遭っている。その勘が警告を発しているということは、またきっと何かのセクハラに巻き込まれることになるのだろう。
だが、その次に小宮山が発した言葉はアキの、いや、全員が予想だにしない言葉だった。
「これから皆さんには、イカし合いをしてもらいます」
乙
もう少し改行を使って見易くしてくれたらなおよし
何にせよ傑作誕生に期待してますぜ
ついききましたね、名前かぶり
さて、どうまとめましょうか
そうか、リョーコ14歳の541氏がいるもんな。
新しいほうの541氏は今からでもコテハン名乗ってくれると
読み手としては分かりやすくてありがたいかも。
仮置きで21スレ541氏とかにするとか。ちと長いか…
後発の541氏には改名していただくしかあんめぇ
かぶってしまったのなら仕方なし
おっと俺はかぶってないぜムケてるぜ
アヤナマダー?
残りおよそ50KBか
クリスマス前後に投下が固まれば次スレかな?
でも年末年始に新スレだと下手したら即死しそう(さすがにみんな家庭優先だろうから)
まあでもそれはどこのスレも同じことよ
気にしすぎても仕方あんめえ
さぁ週末ですよ
ネタが大分書き尽くされちゃったのかなぁ。
ネタ・・・
例えば
マサが渡米
とか?
・・・いや、俺はエロパロ書けないから結局ロムるだけしか出来ないんですけどね?
すんませんorz
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
濱中で「マサヒコ×ミサキ」の小ネタです。
スルー対象ワードは「エロなし」「小ネタ」「1レス」、
題は『恋人たちのクリスマス……まであと一週間』でお願いします。
この時期になると、どこの商店街も赤と白とで彩られ、クリスマスソングが鳴り響く。
そう、あと一週間ちょっとで、サンタが皆の家にやってくる。
「ローソクは買い忘れてない? マサちゃん」
「ああ、大丈夫」
北風がぴゅうとアーケードを吹きぬけていく中、一組の男女が肩を寄せ合い、歩いていく。
栗色の髪の少女が天野ミサキ、そして収まりの悪いやや長めの髪の少年が小久保マサヒコだ。
二人が手に抱えている紙袋には、一週間後に行われるクリスマスパーティのためのツリー用電飾、
クリスマスキャンドル、クラッカー等がたっぷり入っている。
「まったく、皆で集まってパーティするのはいいけどさ、何で俺たちが買出ししなきゃならないんだろ」
「いいじゃないマサちゃん、中村先生も濱中先生も忙しいんだし」
銀行員の中村リョーコも、中学教師の濱中アイも、年末ということで仕事に追われる日々だ。
買出しに行けない代わりに、リョーコはパーティ費用を、アイは会場として部屋を提供することになっている。
「いや、別に今日じゃなくても良かったんじゃないか、って話さ」
「え?」
「だって、的山も若田部も別の用事で来れないってんだから」
「あ……」
ミサキは立ち止まった。
風が強く吹いてミサキのおさげをさらりと揺らす。
「どうした、ミサキ?」
「あ、あのね、マサちゃん……」
「?」
「今日、リンちゃんと若田部さんが来れないっていうの……嘘なの」
「え? 嘘って……何で?」
マサヒコはびっくりしてミサキの顔を見た。
マサヒコの視界の中で、ミサキの頬がどんどん赤くなっていく。
「マサちゃんと……二人で行きたかったから」
「えっ?」
「マサちゃんとね、二人だけで買出しに行きたかったの」
「ミ、ミサキ」
頬どころか顔じゅう真っ赤にして俯いてしまうミサキ。
釣られて、マサヒコも顔を朱に染める。二人とも、今にも湯気が出そうな勢いだ。
「最近デートしてないし、それで、リンちゃんと若田部さんには特別にことわって……」
「じゃあ、前日になって二人が揃って「行けない」と連絡してきたのは、ミサキが……」
マサヒコはミサキの告白に驚いた。
確かに、ここ最近はこうして二人で外出する機会が無かったのは事実だ。
だが、それにしてもこうまで大胆なことをミサキがするとは、マサヒコは欠片も思っていなかった。
「ゴメンね……」
「ミサキ……」
先程とは一転して、ミサキは申し訳無さそうな表情になる。
「……いいよ」
「えっ?」
「俺も、ミサキと二人だけで出かけられて、本当は嬉しかったんだ」
マサヒコは一瞬にして、ミサキの表情からその心中を理解した。
マサヒコと二人だけになりたかったという思い。
嘘をついたことに対する後ろめたさ。
そして、やっぱり嘘をついたままではいられない、という気持ち。
「じゃあ、寒いけどもう少し歩こうか。……そう言えば、ミサキは駅前広場に巨大クリスマスツリーが出来たの知ってる?」
「え、あ、う、ううん。し、知らない」
マサヒコはニコリと微笑んだ。
そして、紙袋を右手で抱えなおすと、空いた左手をミサキへと差し出した。
「オッケー、じゃ、それを見に行こう」
北風がぴゅうぴゅうとまるで囃したてるようにアーケードを吹き抜けていく中、一組の男女が手を繋ぎ、駅前広場へと歩いていく。
栗色の髪の少女が天野ミサキ、そして収まりの悪いやや眺めの髪の少年が小久保マサヒコだ。
赤と白とで彩られた商店街、耳に届くクリスマスソング、恋人たちを見下ろす巨大なツリー。
あと一週間ちょっとで、サンタが皆の家にやってくる―――
F I N
以上です。
乙
689 :
元コテハン:2006/12/17(日) 00:30:34 ID:aTkje9E8
クリスマスには是非続きの長編を・・・
エロいハーレムものマダー?
浮き沈みの激しいスレになったな
住人そのものの数が減ったのか……
なに言ってんだよ、俺がいるじゃあないか。
実際はROMってる人も多いと思うけど。
濱中連載中は雑談も多かったし。
|)ノシ ROMッテマース
職人さんに変な圧力かけては、と思って黙っていました。とりあず、スレの存続を祈って。
で、フワーリと待ちまする。
(………子供だとばっかり……思ってたけど)
笑ったり、怒ったり――くるくると表情が変わるのが、可愛いと思っていた。
わがままな顔を見せることはあるが、本当は努力家で、そのことを誰よりも知っているつもりだった。
マネージャーとしてだけでなく、本当の妹のように――大切に、思っていた。
しかし今目の前にいるのは、あまりにも脆くて儚げな、一人の女の子だった。
「おにいちゃん……」
潤んだ目で、ヒロキを見つめるユーリ。そして――ブラウスのボタンを外していく。
「!ゆ、ユーリちゃん、ダメだよ。それは……」
「……カルナちゃんと……したことと、同じことを、私にも、して、おにいちゃん」
「ダメだって、そんなことは」
「嫌。もう、嫌なの。私を見て。私だけを、見てよぉッ!」
引きちぎるように、上着を、スカートを、ユーリが脱いでいく。
慌てて彼女を止めようとするヒロキだが、ユーリはあっという間に下着姿になると、ブラを外した。
(あ………)
目を逸らすこともできず、ヒロキはユーリを凝視してしまっていた。
ほっそりとした肩、まだ大きくはないものの熟れ始めた果実のような乳房の上にのる、
小さな薄桃色の乳首。くびれた腰から下を包む、ピンクのショーツ。
今までに何度も仕事でユーリの水着姿を見てきたヒロキだが――
半裸の姿はあまりに扇情的で、息をのむほどに、美しかった。
「おにいちゃん……私と、エッチして」
「俺……俺、でも」
「おにいちゃん……私の、初めてのひとになって。もう、嫌なの。
水着とかを着て、いやらしい目で見られるのも、本当は嫌なの。
本当は、おにいちゃんにだけ、見て欲しいの。お願い、見て……私を」
そう言いながら、ゆっくりと、ユーリは、ストッキングとショーツを、脱ぐ。
(!……………)
白く細い脚の間に、黒々とした茂みが見えた。
ひりひりとするくらい、喉が、渇いて、言葉を発することが、出来なかった。
「見て……おにいちゃん。私、おにいちゃんに、見て欲しいの。触って、欲しいの」
「ユーリ……ちゃん……」
目の前で全裸の姿を隠そうともせずに佇むのは、
今や時の人になりつつある美少女アイドルである。
必死で理性を働かそうとするヒロキだが、既にそれは限界をとっくに超えてしまっていた。
くっ……
ユーリがヒロキの手を取ると、自分の胸の上へとそれを導く。
ふるり、とした柔らかな弾力と、とくッ、とくッと脈打つ少女の鼓動が、手のひらから伝わる。
ユーリが、熱を帯びた視線でヒロキを見つめる。
「好き……好きだから、全部、して欲しいの。全部……おにいちゃんに」
"ちゅッ……"
背伸びをして、ユーリが唇を重ねてきた。もう、ヒロキはそれを避けることすら、できなかった。
――ふと、ヒロキは思い出していた。
「………仕方がないですよね、井戸田さん。なるようにしかならないって言うか、
結局、流されるしかないって言うか……」
レイ・プリンセス事務所所属で最近人気が急上昇しつつある、とある男性タレントの言葉だった。
それを聞いたときは、いつもながら冷めたことを言うというか、大人びたことを言うものだと、
ヒロキ自身もTBに振り回されっぱなしの立場だけに苦笑しながら聞いていたのだが。
今、彼の言葉はなによりも切実に、ヒロキの心に響いていた。
(そうだね………マサヒコ君。なるようにしか、ならないんだね)
覚悟を、決めた。なるようにしか、ならないのだ。
なにより――ここでユーリを拒絶してしまえば、彼女の心には、癒えることのない傷が残るだろう。
それだけは、避けたかった。たとえ、自分がクビになったとしても。
「ユーリちゃん……いいのか?俺みたいな奴で」
「ダメなの。おにいちゃんじゃないと。私、決めてたの。初めてのときは、おにいちゃんだって」
「後悔………しないね?」
「ウン。絶対、しない」
§
"ちゅ"
ヒロキから、キスをした。ユーリは、夢見るように瞳を閉じて、それを受け入れる。
"くちゅ……ちゅっ"
舌が、入ってくる。瞬間、身体を固くするユーリだが、
すぐに頬を紅潮させてうっとりとした表情になる。
"くちゅッ、ちゅくッ、ぷち……ちゅう〜〜"
舌と舌をねっとりと絡ませた後、頬の裏側を、歯茎を、舐める。
唾液を、混ぜるように、吸う。くちゅくちゅと、音をたてながら、掬う。
「んッ……ふぅ………あぁ」
ヒロキの舌戯に、たっぷりと浸ったユーリは、やがて、感極まったように小さく震えた。
かくん、と彼女の小さな体から、力が抜けるのが分った。
「………キスは、初めて?」
「………シホちゃんと、ふざけてしたことは、あるけど。
男の人とするのは、おにいちゃんのために、取っておいたの」
(シホの奴…………)
苦笑しながら思うヒロキ。彼の心の中を予想したのだろう、ユーリも小さく、笑った。
「あんまりシホちゃんのこと、悪く思わないで。あれで結構友達思いなんだから」
「いや……悪い子じゃないのは、分ってるんだけどさ」
互いに抱く思いは一緒だった。なんとなく、和やかな空気になった。
緊張していた空気もときほぐれたふたりは、くすくすと笑いながらキスを続けた。
"くつ……ぷ、ちゅ"
「あ……ン、おにいちゃん」
「ユーリちゃん……可愛いよ」
舌が、熔けそうだった。ぐしゅぐしゅになったそれが、味覚にも似た体温を伝える。
唾液を、交換するような、キス。唇が、舌が、腫れぼったくなったように、熱い。
ヒロキは、その熱に冒されるまま、ユーリの胸を揉む。
"くに……"
「ん……ああぁ……」
手のひらにすっぽりとおさまる、まん丸の乳房を、ぐにゅり、と揉む。
(……すべすべで、ぷるっぷるっで……吸いつくみたいだ)
巨乳派を自認していたヒロキだが、形良く膨らみ、
ぷるん、とした弾力を持つユーリの乳房の新鮮さに感動していた。
「ユーリちゃん……いい?」
「?!きゃ?」
ヒロキはキスをいったん中断すると、ユーリのからだを抱きかかえた。
「あのさ、ずっとここでってわけにもいかないし、ベッドで……」
「う、ウン。だけど、ユーリだけ裸なの、恥ずかしいよ、おにいちゃん」
「あ、そうだね。ゴメン」
ユーリをベッドに横たえ、そそくさとヒロキも裸になる。その様子を、ユーリはじっと見つめている。
「………おにいちゃんって、痩せてるよね」
「ん?ああ、そうだね。学生時代からあんま体重の増減は無いな」
「カッコイイし、背も高いし」
「それは、どうかな?」
「マネージャーじゃなくて、モデルとかタレントさんにもなれたんじゃない、おにいちゃんなら?」
「ははは、実はさ、ちょびっとだけやってたんだよね、モデル」
「え!」
「つっても遊びみたいなもんだよ。俺、服飾関係の専門学校行ってたんだけど、
そんときに見習いで撮影補助のバイトとかしてたんだよね。
で、モデルさんが間に合わなかったり、穴が空いたときは俺が代打でモデルしてたわけ」
「じゃあ、そのままモデルになる可能性もあったの?」
「はは、ないない。俺、あがり性だったしさ。とても本職にする気はなかったよ。
でもそのバイトしてて裏方さんの面白さに目覚めて、この仕事を選んだっていうか」
「ふ〜〜ん。でも、そこで私たちと出会えたんだから、運命だよね!」
嬉しそうにそう言うと、ユーリがヒロキに抱きついてくる。ヒロキも、笑顔で彼女を抱きしめた。
半身を起こした体勢で、抱き合う。身体が、絡み合って体温を感じる。
§
"ちゅッ"
唇を重ねて、触れる。互いの裸の感触を、確かめ合う。
ユーリはヒロキの肉体の硬さを感じ、ヒロキはユーリの身体の柔らかさを感じていた。
「ん……ん………」
「は……ふぅ……」
ふたりの呼吸が、シンクロする。ヒロキが、ユーリの肩をさする。ぷにぷにと柔らかいお尻を、撫でる。
ユーリの気持ちが、高ぶるのが分る。長いキスの間に、少しずつ、息が荒くなる。
"ちゅぷッ"
唇を、離した。無言で、彼女を、押し倒した。
ほんのり赤く色づいた肌には、玉の汗が浮き出るように滲み、蛍光灯に反射していた。
"きゅッ"
ヒロキはユーリの左手を一回強く握ると、再び唇を重ねた。
「んッ………」
すぐに唇から離して清々しいほどに白いうなじに、キスをする。
「あ……ふ」
くすぐったさそうな声を漏らすユーリに構わず、首筋に舌を這い回らす。
「ふ………んッ、ひゃん、ふ―――、くっ」
舐める場所によって、ユーリの声が変わる。何回も舐め回した後、小さな乳首に舌先をつける。
"る……る〜〜〜"
舐めるというよりも、口内にたっぷりと溜めた唾液で浸すように口づけして、舌先で転がす。
小さな可愛い果実が、唾液にまみれててらてらと光る。
「ふぁ、ふぅ―――ッ、はぁ……んッ!」
"ちゅ、る、ちろッ……くぅちゅうッ、れろッ、れろッ"
乳首の縁に沿って円を描くように、舌先で弾くように、ねぶる。
しつこいくらいに口撫を繰り返すと、やがて果実は、ぷっくりと、膨らむように起きあがった。
"れろッ……かにッ、くん!"
「あ!や……噛むの、だめ……」
「ユーリちゃん?噛まれるの、気持ち悪い?」
「気持ち悪くは無いけど………ぞくぞくっ、てきちゃった。ダメだよ……わかんない」
「嫌な感じとかは、する?」
「おにいちゃんだから……嫌じゃ、ない。でも、他の人にされるのは、恥ずかしい」
「あんまり他の人としてもらったら、困るんだけどね」
苦笑するヒロキだが、ユーリは初めての快楽にただ目をとろん、とさせている。
「ユーリちゃん……じゃ、もっと恥ずかしいかもしれないけど、もう少し我慢して……」
「あ……ふ、うン」
肉の丘に、手のひらをのせた。豊かに生い茂った恥毛が、ふわふわと優しく反発する。
"つ……くちゅッ"
固く閉じられた裂け目に、中指を沿わせる。ゆっくりと、沈めていく。体温と違う温もりが、伝わる。
「あ……ッ。おにいちゃん」
「痛い?ユーリちゃん」
「う、ううん、違うの。あの……あのね、おにいちゃん。優しく……して」
「うん……優しく、するよ」
「…………萌えた?」
「 は?」
「あのね、シホちゃんが初めてのときはこれを言うのがお約束で、
男の人が萌える必殺のフレーズだから」
「ストップ」
(しかし……シホの奴、いったいどこまで仕込んでるんだ……)
ふと、特大級の嫌な予感に襲われたヒロキは恐る恐る尋ねた。
「ねえ、ユーリちゃん?まさか、俺とのこと、シホに相談したりとかは……」
「え〜〜、さすがにそれは、してないよぉ〜〜」
ぷん、と可愛らしく頬を膨らませて抗議するユーリだが、
ヒロキの脳裏からはシホの顔がなかなか消えないわけで。
(アイツ、普段は鈍いくせに妙〜〜に鋭いところがあるしな。まさかとは思うが、
ユーリちゃんの気持ちを知ったシホが面白がって焚きつけたっていう可能性も……)
§
「ダメ!おにいちゃん!」
「!?な、なんだよ、いきなりおっきな声出して」
「また思い出してる……ひどい。またカルナちゃんのこと」
「ち、違うって。カルナちゃんのことじゃなくて」
「?」
(そうは言っても、シホのこと考えてたなんてのも言えねーよな……)
なんとなく情けない表情になってしまうヒロキだが、ユーリはそんな彼のことをじっと見つめた後――
"ちゅっ"
「え?」
不意打ちに、キスをしてきた。
「ゴメンね、おにいちゃん」
「?いや、謝られても」
「おにいちゃんがせっかくしてくれたのに、変なこと言っちゃったよね、ユーリ。ごめんなさい」
「それは、大丈夫だよ、ユーリちゃん。えっと……俺の方こそ、ゴメン」
見つめ合うふたり。ユーリの真剣な瞳を見ていると、
心配している自分が馬鹿らしくなってくるのも事実だった。
(今は……ユーリちゃんのことを)
大切に―――愛さなければならない、と思った。
ガラスのように脆く壊れやすい、少女の心とからだを、愛そうと、思った。
"ちゅッ……つっりゅ"
ヒロキの方からもキスをした後、再び裂け目に指を沿わせる。
「ん………」
ユーリが、低い吐息を漏らす。入り口の周りをほぐすように、こちょこちょ、とくすぐる。
"くちゅ……く〜〜〜っ、ちゅうッ"
「あ……はぁッ!!ふやっ」
乳首にも、また口をつける。かにかに、と甘く噛む。ユーリの汗の匂いと、酸味が口の中に広がる。
「まだ、痛かったりする?」
「う、ううん。だ、大丈夫」
「じゃ……」
"くぷッ"
「あ!」
入り口から、少し中へと指を沈める。ぐにぐに、と狭い肉が締めつけてくる。
襞がみっちりと指先に絡んでくる。肉の壁が、優しく挟んでくる。
"ちゅぷッ……にゅるうぅ……"
小さく、指を動かす。細かな振動を伝えるような、丁寧な愛撫。
「あ………あ、はぁッ………」
ぎゅっ、とユーリが抱きついてくる。ヒロキの腕に、爪が、めり込む。
ユーリの目尻に、小さな涙が粒になって浮かんでいるのを、ヒロキは、見た。
「好きだよ……ユーリちゃん」
「私も……あ……うン……好き。おにいちゃん」
快感に溺れながら、必死にユーリが答える。
彼女のことが一層愛おしくなったヒロキは、夢中になって指でユーリの裂け目を、愛した。
"くッ……くにッ、くりッ、くちゅ"
「あ!」
少しずつほぐれてきたそこを、軽く広げる。親指で、まだ包皮にくるまれたクリトリスを、擦る。
「にゃ………ふぃやあ……」
ユーリが、惚けたような声を漏らす。ふるふる、と肉体が、震える。
「コレ……好き?ユーリちゃん」
「分かんない……でも、気持いい……」
「もっと、気持ち良くしてあげるから……少し、我慢できる?」
「うん………」
興奮と恐れが混じった表情でいるユーリの、脚を広げた。
固かったそこが、とろとろになってしまっているのが分る。
ベッドのマットレスの下にしまい込んでいた、コンドームを取り出してペニスにつける。
「おにいちゃん……来て。ぎゅっと、して」
§
ユーリが、小さく手を広げてヒロキを迎える。その言葉のまま、ヒロキは彼女を抱きしめる。
ゆっくりと、狙いを定めて膣口にペニスを押し当てた。ユーリのからだが、びくッ、と大きく震えた。
ペニスの先端に、彼女の肉の感触を感じた。何度か、擦りつけるように入り口で往復させる。
"ちゅッ……ちるッ"
からだを固くしてヒロキの侵入を待つユーリと唇を重ね、舌と舌をねっとりと絡める。
緊張をほどくように、ユーリの幼い性感を刺激するように、乳首をこりこり、と摘む。
"ぐ……ぬ……く……くッ"
「あ!あ―――ッ、あ……」
狭いユーリの入り口に、ペニスの先端がめり込むように入っていった。―――幻聴だろうか?
ヒロキは自分のペニスの先端から、ぷちぷちと弾ける音が聞こえたような気がした。
ぷっちりと、ペニスが両側から締めつけられる。ぬるり、と心地よい圧迫感がヒロキを襲う。
「は……い……入った……の?おにいちゃん……」
「まだ……全部じゃないけど、入ったよ、ユーリちゃん。ユーリちゃんの中に、俺のが」
「……きもち、いい?おにいちゃん」
「うん。ちっちゃくて、あったかくて、すごく気持良いよ。………ユーリちゃんは、痛いよね?」
「……大丈夫。おにいちゃんが、いっぱいさわってくれたから。痛いの、最初だけだったよ。
おにいちゃん……ちょうだい、もっといっぱい、おにいちゃんを」
「………分った。じゃあ、いくよ?ユーリちゃん」
"く……くち、くち、くぐッ!"
「あ!は―――――ぁッ!!!」
細い腰に手を回し、一気に奥までペニスを突き立てた。
ユーリが、甲高い叫び声を上げた。小さなからだが、一回、釣り上げられた魚のように、跳ねた。
ペニスが抜けないよう、ヒロキはしっかりと彼女のからだを抱きしめる。
「は……はぁ………」
「ふ……ふぅ―――」
ふたりは、荒い息を吐きながらしばらく絡み合っていた。
ヒロキは、吹き出すように汗をかいてペニスを埋め込んだまま。
ユーリは、目を閉じて白いからだを赤く染めたまま。
ふたりは、そのまま動かずに―――ただ動かずに、抱き合っていた。
「おにいちゃん……」
「ユーリちゃん……」
どれくらい、そうしていたのだろう。ふたりにとって、永い――永い、時間が過ぎた頃。
ユーリとヒロキは、ほぼ同時にお互いの名を呼びあっていた。
またも無言に戻って見つめ合った後―――
"ちゅ……"
小さな、キスをした。それだけで、ふたりには通じていた。空白の時間を埋めるように、ヒロキは。
"ぬぷッ、ちぷっ、くちゃ!くぷッ、ちるっく!"
腰を、強く動かし始めた。ユーリの、中まで。ユーリの、奥まで。ユーリの、深くまで。届くように。
「あ………ああ……はぁ……おにいちゃん」
ユーリは、ただ切なげな声でそれに応える。痛みが完全に消えたのでは、無かった。
それでも、ユーリはヒロキの動きにあわせて幼い反応を、返す。
"きゅ……くうぅ"
「あ……ユーリちゃん……」
ユーリの中が、急速に収縮する。ヒロキを、包むように。柔らかく、温めるように。
「ぅ……ぅくっ、好き……おにいちゃん……ずっと、好きだったの」
自分の中を、引っ掻かれるような、掻き回されるような、初めての感覚。
痛みにも似ていたが、しかしそれは確かに痛みでは、無かった。不思議な、感覚だった。
ヒロキに突かれるたび、ユーリは、自分の身体の奥底から熱くなっていくのを感じた。
今までに感じたことのない、なにか―――感情ではない、思考ではない、感覚ですらない、
なにかが―――ユーリの中から、迸って、溢れてきた。
"ぐっ!ぐにゅっ!ぬぷっち!"
(あ……ユーリちゃんの、中、気持良い)
一方ヒロキは、ユーリの身体を気遣う余裕すら、無くなりつつあった。
両側の肉壁から、ぬるぬると挟み込まれ、奥の方から熱くとろけたように包み込まれ、
ペニスが、腰が、下腹が、冒されたように、熱かった。限界が、近づきつつあった。
§
「ゆ……ユーリちゃん、俺……もう」
「はッ……!おにいちゃん、私も、わかんないけど、ね、くぅッ、はッ……あ……」
"く……どくっ!びゅッ!びゅるぅ!"
ヒロキの動きが止まり、青白い精が、何度も何度もコンドームの中に吐き出された。
「……ユーリちゃん……」
「あ!あはぁぁぁああッ!おに……おにいちゃんッ!」
一瞬遅れて、ユーリの肉体がぶるるっ、と震えた。
泣きながら叫び声を上げると、強く、強く、ヒロキの体にしがみついてきた。
(きゅ………きゅちゅぅぅぅッ)
ユーリのそこは、しかし、固さを失おうとするペニスを離そうとせず―――
それどころか、搾り取るように熱く、締めつけてきた。
「!あ……あぁあ……ユーリちゃん……ああ……」
体中から精気を吸い取られるような錯覚を感じながら、ヒロキもユーリを抱きしめ返す。
ふたりは、全てを解き放ってしっかりと抱き合ったまま―――深い、深い眠りについた―――
「それは、ともかくさ。大丈夫なの?ユーリちゃん。その……」
「ふふぅ〜〜〜♪はい、おにいちゃん!」
「へ?」
ユーリが、突然掛け布団をばさり、とまくった。そこには―――
「…………あ」
「おにいちゃんが、私の初めてのひとだって証拠!えへ、でも思ったより出なかったね!」
シーツの上には、小さな鮮血の痕があった。時間が経ち、赤黒く乾いた、破瓜の痕が。
「ひょっとして………これを俺に見せようとして」
「うん!おにいちゃんが起きるの、待ってたの。うふ、ありがとう、おにいちゃん」
嬉しそうに笑うと、ユーリがヒロキに抱きついてきた。昨晩の記憶の中にあるとおりの、
柔らかい肉体がヒロキの裸の胸に触れる。長い黒髪が、ふわり、と顔にかかってくすぐったかった。
「ねえユーリちゃん……ひとつ、聞いて良いかな?」
「なに?おにいちゃん」
「君さっき、デビューしたての頃から俺のことを好きだったとか言ってたけど……
なんか、きっかけとかあったの?一人っ子で、お兄ちゃんができたみたいで嬉しい、
とか言ってたけど。それだけで10歳以上年上の俺のことを好きになったわけじゃないんだろ?」
「ふふ、きっかけ、かあ………」
ユーリが顔を上げ、悪戯っぽく微笑む。多くのファンを魅了してやまない、
小悪魔チックなスマイルに、またもどきり、とするヒロキ。
「絶対、おにいちゃんは覚えてないだろうけど……ココ」
「え?」
ユーリが、人差し指を眉毛のうえに乗せた。訳が分らず、呆然とするヒロキ。
「うふ、やっぱり覚えてないね?あのね、私、眉毛が濃いのがすっごく嫌で。
おにいちゃんにね、もっと眉を細くしたい、って言ったの。でも、おにいちゃん、
『もったいないよ。ユーリちゃんの眉毛はそのままでも凄く可愛いよ』って言ってくれて。
私ね、すごく、すごく、嬉しかったの。そのときからおにいちゃんのこと、本当に好きになったの!」
「はあ………」
意外だった。もっと劇的な何かがあったのでは、とヒロキは思っていたのだが。
「ふふ〜〜♪やっぱり覚えてない。そういうところも、やっぱり好き♪」
子猫がじゃれるように、ユーリがまた抱きついてきた。
ヒロキは呆然としながらも、白く小さな彼女の背中を撫でるしかなかった。
(しかし………結局)
カルナに続いて、ユーリとも関係を結んでしまった。確かに後悔は、していた。
しかしそれ以上に心配なのが、二人の今後だった。マネージャーと、人気絶頂のアイドルの恋愛。
それがどれだけ困難なものなのか、ヒロキはカルナとの経験を思い出して途方に暮れていた。
(はぁぁぁ………本当にね、マサヒコ君)
「………結局、流されるしかないって言うか……」
自分も、運命に流されるしかないのだろう。
そして、流されながらも、ユーリを守るしかないのだろう。そう思って、力無く笑うヒロキだった。
END
はい、どうも郭です。
ってはぐああああああ!投下宣言忘れてもーた!!すいません、上記の文は
>>653の続きです。
ほんっとーーーーーにすいません(土下座)。
もひとつお詫び。
>>655氏のご指摘どおり、
>>651の最後から二行目、ミスってます!
×「でも、おにいちゃんユーリちゃんと話してるとき、楽しそうだった……
○「でも、おにいちゃんカルナちゃんと話してるとき、楽しそうだった……
どうもすいませんです。ご迷惑をおかけしますが、古田総監督、修正願います。
なんかいつも以上にダメダメ君で申し訳無し。ひいい。
一応、今回は以上です。ユーリって、なにげに将来ムチャクチャ美少女になりそうですよね。
余談ですが、妹8巻収録の書き下ろし、ギャルゲ世界のシンジで一本書こうと思ったけど、
私実は一回もギャルゲってしたことないんで良く分らんのですよ(涙)。
なんだか資料として買って嫁にめっかったら情けないし〜〜〜。とほほ。
それよりアヤナ帰国SSの続きですかね。年末前後にはなんとか脱稿できれば(多分エロ有り)。
では股。
702 :
名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 22:38:24 ID:EpPiLdhB
乙age
郭氏いつも乙です。楽しませてもらいました。続編期待しています。
あと、シンジ×マホの続きもよろしくお願いします。
マサヒコくん?
何はともあれ郭氏乙です
乙です。
しかしマサが出たってことは次回はウホッか…
郭氏乙!
土日で投下がまったくなかったのでどうなるかと思いましたがGJ!
遅くなりましたが、郭氏GJ!
そしていつも甘ーいショートを投下してくださるピンキリ氏もGJ!
さすがに今年は性夜祭は無理か
週末が連休でイブだしね
家庭・彼女彼氏・友人優先になってまうわな
こんばんは。前作の続きが出来たので投下します。
タイトルは「おかしな二人 第二話 三日月の憂鬱」で。
前回からしばらく経ったある日の夜−
リョーコはいつもの様にセイジを自分の部屋に呼び出しSMプレーを楽しんだ。セイジは金を借りたうえにその金で
イメクラに行ったという負い目がある以上断れるはずも無かった。ようやくプレーから解放されてセイジは今
シャワーを浴びている。するとセイジの携帯が鳴った。
(ん、誰だろう)
リョーコはセイジの背広のポケットから携帯を取り出し着信をのぞいた。するとメモリーには、
12/10 22:34
マリリン
とあった。
(セ、セイジの奴…)
そしてメモリーを更に調べると、結構履歴が残っていた。どうやらこの女に入れあげているようである。
大方、どこかの飲み屋かなんかのホステスであろう。セイジは懲りもせずリョーコを騙していたのである。
それにしても二股掛けているなら履歴ぐらい消去しておくべきだと思うのだが。
そんな事とは露知らずセイジがシャワーから上がってきた。リョーコはその場は努めて平静を装った。
そしてセイジが帰った後、
「ふっ、ふっ、見てろよセイジ」
不気味な笑みを浮かべるリョーコ。さて、嵐の吹き荒れる予感がする。
一週間くらい後−
セイジは学校に出勤してきた。
「おはようございます」
「あっ、豊田先生、校長先生が呼んでますよ」
と同僚に言われたので早速セイジは校長室に行った。
「失礼します」
セイジは校長室に入る。
「豊田先生、今朝来たらこんなメッセージが入っていたんだけどね」
校長は留守電を再生させる。
「アッ、セイジサン、お電話ありがとう、私、マリリンよ。」
セイジは一気に顔から血の気が引いた。
「豊田先生、これは一体どういう事かね?」
「あ、その、それは…」
セイジはしどろもどろになっている。
「君は校長室で外国人ホステスを口説いていたのかね?」
なおも校長は詰め寄る。
「こ、これは何かの間違いですよ」
「この事は二人だけの秘密だ、って念を押しましたよね?」
何と、クラブには校長と一緒に行っていたのである。校長は椅子から立ち上がり、横にあったガラス製の
灰皿を手にして灰皿の角でセイジを殴る。ボコッという鈍い音がした。
「君は、私の言った事を忘れたのかね?二人だけの秘密だと何度も念を押したはずですよ」
「い、痛い、やめてくださいよぉ、これは何かの間違いですよぉ」
情けない声を出しながら言い訳するセイジ。
「もし教育委員会に知られたら私の立場が危うくなるでしょうが。バレたら君も道連れですよ?」
行動といい、言動といい全く校長のやる事とは思えない。
ほうほうの体で校長室を後にするセイジ。頭から出血している。とりあえず頭に絆創膏を二枚貼って血を止める。
何とも間抜けな姿である。その姿を見て、同僚たちは誰もセイジに話しかけなかった。とてもそんな雰囲気ではない。
セイジは頭の痛みに耐えながら考える。
(しかし、一体誰が?)
言うまでも無く犯人はリョーコなのだが、なぜこんな事になったのか。
リョーコはセイジが帰った後、女の元に電話をかけ、女が一体何者かを調べた。すると、外国人クラブ「レイノソ」の
ホステスである事が分かった。さらに話していくうちにセイジ一人だけではなく、年配の人物と一緒に来ている事が分かった。
勘のいいリョーコは大方校長か教頭だろうと推測した。セイジの給料ではそうそう外国人クラブになど通えないからである。
そして今度はマサヒコを無理やり呼び出し、夜中に学校に入ったのである。学校に入る理由はどうにでもなる。
そしてマサヒコにセイジのふりをさせて女のもとに電話をさせ、校長の留守番電話につながるように連絡させた、
というのが事の真相である。
セイジは不思議がりながら机の引き出しを開ける。すると、中から一枚のメモが出てきた。
それはリョーコの字で書かれていた。
12/10 22:34
マリリン
↑
ふざけるな
第二話 おわり
以上です。やや展開を早足にしてしまいましたがそこは平にご容赦を。
次回投下予定はまだ未定ですがなるべく早く仕上げます。
ちなみに次回はエロシーンを挿入予定です。
ピンキリ氏、郭氏も楽しく読ませて頂きました。
古田氏、保管庫の管理ありがとうございます。
それではこれで失礼します。
ペピトーン氏GJです!!セージの叛乱が成就する日を祈っております
乙であります
クリスマス&年末の強化週間スタート
フワーリマターリ
投下なし、か
やっぱりリアル優先な日だからしゃあないか
フワーリ
どうもお久しぶりです。
簡単ではありますが、クリスマスネタで投下します。
NGワード「エロ薄め」「ちょっと完成度低め」
タイトルは「サンタと乙女の狂想曲」で。
では投下。
「はぁ…サンタさんにちゃんとしたお礼をしたいなあ…」
「……は……?」
時はクリスマスイブ。
城島家ではマナカの誕生日祝いも兼ねたクリスマスパーティが行われていた。
そしてすっかり夜も更け、宴もたけなわと言った頃
カオルがポツリと呟いた一言のおかげで、城島家のリビングは一瞬にして静まり返った。
「…え、えっと…カオルちゃん?サ…サンタさんに?お礼?」
頭の上に疑問符が浮かびまくっているシンジが、おそるおそるカオルに尋ねる。
「うん…そうだけど。なんか変なこと言ったかな?」
「あの、えっと…」
カオル以外の全員が『お前は何を言っているんだ』と言いたげな表情になるが、
当の本人はキョトンとした顔である。
この娘はまだサンタさんを本気で信じているのだ。
「昨日サンタさんから手紙があったんだ。
『今年はカオルちゃんはイブの夜にお泊りのようなので、
特別に次の日の夜に来ることにします』ってさ」
「あ…そう…」
毎年サンタクロースに手紙を出していたと聞いていたものの、
ここまで乙女回路全開だったとは。
その場の全員が、半ば呆れ顔でカオルを見つめていた。
「…でさ、今年こそはちゃんとサンタさんにお礼を…と思ってね。
いつも寝た後にサンタさんが来るからさ、
今年は寝たふりをしてサンタさんが来るのを待って、直接何かお礼をしたいんだ。
ねえ、何がいいと思う?」
「え…あ…うーん…?」
皆がその返答に困る中、
そんな様子を冷静な目で見ていたマナカの頭に、ピカッと電球が灯る。
―その顔には明らかに悪戯心が浮かんでいた。
「そんなの簡単ですよ。サンタさんが一番喜ぶプレゼントはですね―」
「うんうん」
「―カオルさんが『ミニスカサンタ』の格好で
サンタさんを迎えてあげればいいんですよ」
「み、みにすかさんたあ!?」
意外なマナカからの答えに、カオルは思わず聞き返す。
「…ええ、ミニスカサンタです。それが何か?」
「ミ…ミニスカって…あ、あんなハレンチなカッコで、サンタさんが喜ぶわけないじゃない!!」
『ミニスカサンタ』がいかなる物かはカオルも流石に理解しているようで。
(彼女が一体どの程度の物を想像しているのかは分からないが)
その顔がほのかに赤くなる。
しかしマナカは、困惑するカオルに対して冷静にこう切り返す。
「ふう…甘いですねえ、カオルさんは。
カオルさんはなぜサンタクロースの服が赤いのか、その理由を知っていますか?」
「…え?知らないけど」
「では教えてあげましょう…
『真っ赤なお鼻のトナカイが、サンタに笑われたことに対する腹いせに服を赤く染めた』とか、
『ある戦争中の国の子供たちにサンタがプレゼントを届けるため、
戦場を駆け抜ける途中に返り血を浴びて真っ赤になった』とか…
まあ諸説ありますが…」
…既にこの時点で、でまかせにも程があるのだが。
マナカの思考も、気付かないうちにだいぶ小宮山に侵されているようだ。
この時点で何かおかしいって気付くだろう…と思いきや、
当のカオルの顔は、これがもう至って真剣で。
シンジ以下、他の面々は何も言えなくなってしまった。
そしてマナカの嘘八百劇場はなおも続く。
「その中でも、一番有力な説はですね…
『赤い服は純潔な処女の血を意味している』というものです」
「えっ、そうなの?」
「ええ、意外と知られていない事実なんですが…
もともとサンタクロースの起こりとは―
『18世紀のヨーロッパにおいて
クリスマスの日に年頃の少女たちが
恵まれない貧しい人々のために、プレゼントを配り歩いた』
―という逸話が始まりと言われています」
「へー…そうなんだ…それは初耳だね」
『そりゃあそうだ』とカオル以外の全員は心の中でツッコミを入れる。
「…で、その少女たちに求められた条件が『処女』だという事です」
「え、しょじょ!?」
「ええ、聖母マリアの処女受胎の逸話を筆頭に、
キリスト教では『処女』というのが重要な意味を持っています。
その時代、貧しい人々に清らかな心で奉仕を行うのは
まだ男を知らず、汚れていないとされた少女たちが最適とされたのです。
あの赤い色は彼女たちがまだ失っていない『破瓜の血』を表しており、
それを示すために、彼女たちはあの赤い服を着るようになったのです」
「へー…」
「ちなみに『ミニスカサンタ』は、彼女たちが当時着ていた服装を
原型に作られたと言われる、由緒正しきものです」
「え、マジで!?」
「ええ、ですからミニスカサンタは決して破廉恥な格好ではなく、
クリスマスにおける神聖な服装なのです」
「へー…」
「というわけで、カオルさんもミニスカサンタの格好で
サンタさんを迎えてあげましょう」
「うん、分かった!」
「では早速ですが、カナミさん。アレを…」
「え?あー…アレね。じゃあマナカちゃんとカオルちゃん。一緒に来て…」
そう言うと、カナミは二人を連れて自分の部屋へと向かった。
―そして、それからしばらくして。
その準備が終わったのか、三人が二階から降りてきた。
まずはカナミ一人がリビングへと入る。
「えー、おほん。それではカオルちゃんのミニスカサンタです。どうぞー!」
カナミのその言葉と共に、マナカに背中を押されたミニスカサンタがリビングへと現れた。
その正体はもちろんカオル。やはり少し恥ずかしいのか、その顔は若干うつむき気味である。
「…へへ、どうかな…」
「へえ…けっこう似合ってるわね…」
カオルのミニスカサンタの姿を見て、素直な感想を漏らすアキ。
頭にはサンタ恒例の赤い帽子。カナミのミニスカサンタの衣装は、
スレンダーなカオルの体にジャストフィットのようだ。
「うん、サイズもピッタリだね。…まあ、アキちゃんだったらこうは行かないけど、ね?」
「ええ、その“バスト”のせいでキツくて着れないでしょうから。ねえ、アキさん?」
「お前ら、性懲りも無く…また胸いじりかよ!!」
「…へへー、そうかな?」
カナミとマナカにキレるアキをよそに、褒められて嬉しそうな様子のカオルは、
続いて何故か明後日の方向を見ているシンジに感想を尋ねる。
「…あの、どうです?シンジさん?コレ似合いますか?」
「え!…あ…そうだね…」
突然のことに動揺を隠せないシンジ。
その目はまともにカオルを見ることが出来ないでいた。
確かにそのカオルのサンタ姿は似合っているし、
正にシンジのストライクゾーンなのだが…
よりによってカナミがカオルに着せたのは、
それを見た誰もが「風邪引くぞ」と言わんばかりの
露出度がかなり高めの衣装であり、スカートの部分がかなり短い。
…が、当の本人はそれを全く気にする様子も無く、
(「これが正式な衣装ですよ」とでもマナカにでも言いくるめられたのか)
彼女が嬉しそうにくるりくるりと身体を回すたびに
パンツがそのミニスカの下から、“ふわーり”と顔を覗かせるものだから…
おかげでシンジは三人が戻ってきてから、ずっと前かがみ気味で耐えるハメになっていた。
(いや…全く…目のやり場に困る…
…ああ、カオルちゃんは縞々パンツか…っておいぃっ!!)
内心では少し嬉しがっている自分を反省しながらも、
それでも男の本能なのか、シンジの目はカオルの方をチラ見してしまうのだった。
さて、自らのミニスカサンタ姿にすっかり気を良くしたカオルではあったが。
「でもさ…やっぱサンタさんには
ちゃんとしたプレゼントも渡したいんだ…何がいいと思う?」
再び知恵を借りようと、彼女はマナカに相談を持ちかける。
「うーん、そうですね…じゃあこんなのはどうです?」
そう言うとマナカは先ほどカナミの部屋から持ってきた、
ある“ブツ”をカオルに手渡した。
「え、これって『鞭』…だよね?こんなのでサンタさんが喜んでくれるの?」
「ええ、言うことを聞かないトナカイを調教するのにいつも使ってますからね。
きっと今使ってるのはボロボロになっているでしょうし、
新しい鞭をプレゼントしてあげたら、サンタさんも喜ぶでしょう」
「あ、そっか。なるほどなるほど…」
悪ノリしたマナカの適当ぶっこいた説明に、疑いもせず納得してしまうカオル。
…だが彼女に手渡されたその鞭は、どう見ても女王様仕様の“アレ”である。
「あ、せっかくですから暗い夜道用にこのロウソクも一緒にプレゼントしてみては?
太くて大きいですから、長時間使える優秀なタイプですよ」
「へー、赤いロウソクか…いいね、コレ。サンタさんも喜ぶかな?」
「ええ、きっとサンタさんも涙を流して喜びますよ。
あと吹雪の時用に、ゴーグル代わりとしてこのメガネも一緒に…」
…と、調子に乗ったマナカは何かと理由を付けて、
ありったけの女王様グッズをカオルに渡すのであった。
「プレゼントも用意できたし―よーし、これで準備はバッチリだね♪」
「あ、そうだ…一つ忘れてました。
明日の夜にサンタさんに会ったら、
まずは『お帰りなさいませ、ご主人様♪』の挨拶を忘れないで下さいね」
「…え?なにそれ?」
「知らないんですか?これも由緒正しきサンタさんを出迎える時のセリフですよ。
貧しい人々にも王侯貴族の気分を少しでも味わって貰おうと考案されたもので…」
(おいおい…いくらなんでもそれは…)
「流石にそれは無いだろう?」…と思うシンジら周囲をよそに、
「へー、そうなんだ…分かった、明日の夜にやってみるね!」
…と、最後までマナカにすっかり騙されるカオルであった。
さて…次の日の夜―金城家の“サンタクロース”が散々な思いをしたのは、言うまでもない。
(おしまい)
以上です。お目汚し失礼しました。
ちなみにSSの時間設定としては24日の夜、つまり今の時間帯を想定して書いています。
まあどうでもいいですね。
あと、なんかカオルがピュア娘というよりア○の子気味になっちゃったような…
カオルファンの方、どうもすみません。
それではまた。
職人の皆さん、古田氏、お疲れ様です。
濱中ネタです。
スルー対象ワードは「ミサキ告白もの」「直接本番なし」です。
題は「聖夜の告白」でお願いします。
すいません、投下しようと思いましたがスレの残り容量内で収まりきらないかもしれないので、
次スレで投下します。
ごめんなさい。
久々のいもしゅん乙
72氏乙&GJ!
次ぎスレ立て失敗
誰か頼む
誰か次スレを…
古田氏が保管庫更新されてから恒例のしりとりにいこうか
はやくはじめいたいようホエールズ!早漏ご免蒙りつかまつり早漏。
焦らない焦らない
ひとやすみひとやすみ
とか言ってたら更新キタワァ
いつもありがとうございます!
ご苦労様です古田氏!
ここまで保管庫にいれました
541氏の
>>668-672は置き場所と名前に困ったので
とりあえずみかん箱を復活させました。
入り口から入れます
追記:
名前も仮で541(2)氏としています
古田氏乙です!
古田氏乙であります
それではしりとりいきますか?
ではお気に入りのSSタイトルで尻鳥なぞ如何?『欠けた月が出ていた』
それ難しいよ
普通に淫語しりとりでいいと思う
ではスタート!
「ト」
トリクリス!!
「ス」
スマタスマタスマタスマヌスマタスマタ
「タ」
たぷたぷ揺れるアキのおっぱい
い
いい感じに汚れてきたチカ
『か』
カウパー液
「き」
気合いを入れて2007年初オナニー!!
マサのズリネタはミナオ
俺の姫はじめ、相手は右手
テッテー的にコキまくる
「る」
ルール無視でコキまくり
「り」
倫理観? 何ソレ?
「れ」
レイプされたマサヒコ
「こ」
コンドームに穴を開けるミサキ
“き”
期待とおりに『デキ』ました
た
タッチの差でアヤナも妊娠。マサのせいで。「で」
デキちゃった私もー! とリンコも妊娠です
す
すっかり乗り遅れた! 主人公の私がマサヒコ君の子供を妊娠しないでどうするのー
・・・というわけで、アイのお腹の中にもマサの子供が
が
765 :
リョーコ:2007/01/05(金) 02:56:20 ID:J7kPdCkj
がんばったな、あんたたち。
私もセイジの子を宿したよ。
「よ」
よくやったわマサヒコ!!
私も妊娠したけどお父さんの子かアンタの子かわからないのよねぇ…
「え」
767 :
戸川さん:2007/01/05(金) 14:15:42 ID:J7kPdCkj
えーと、小久保くん。私にもしてください。
若田部さんと竿姉妹になりたいの。
「の」
ノー!! みんなオレを何だと思ってるんだよ!
オレは種馬じゃないぞ!
と吼えるマサヒコ
「こ」
こんなエロゲーの主人公みたいなヤツが本当にいるなんでな・・・同じ氏家作品でも、
オレなんかとは天地の差だよ。
と呟く、実はマサヒコと立場的には大差ないシンジであった。
「た」
タンマ、俺はどうなの? と井戸田ヒロキ
『き』
(しかしシリトリの流れそのものがエロSSみたいになってるな)
貴様ら、揃いも揃っていい思いをしやがって! オレだって学校の女子生徒のアイドルだぞ!
よーし、こうなりゃオレも片っ端からやってやる、アヒャヒャ( ゚∀゚)
マサヒコとシンジに対抗心を燃やす豊田セイジ25歳、中学校英語教師
「し」
,,. -‐ '"  ̄ ̄ ` ` ‐ 、
/ ` 、
/ ,, , \
/ / | / l ,、. `、
| /´`| / ,l-ト、 ゙、
. | / l / |.j ヘ l 、l
| | '" .l' ヽ | `
. | |. '" ̄` '"`ヽ l |
| /"` 、 |i、 ノ‐-(´ `` ,|l/
. | l '∫ | || `´ ̄´ ` ‐‐' | ________
| ゙ 、{ .| || ┌― ┐ | /
|. `'| || i / ノ< 死にたいみたいね、この淫行ロリコン教師!
|. | || ` ´ / \ 厨房相手に撒き散らす精液があるなら、私が搾り出してやるわ!
|. | |7 _,,. -7'" |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
. | | |' / /l |
| ,.ィ| |i '、_ / | li
. | ,. '"´ | || `、-く、| |l
| / | | 、 ,. 、,-、-ヽ | |l
「わ」
わわわ、と逃げ出すセイジ
しかしリョーコの投げ縄が首に…
「に」
ニヤリ、と笑うリョーコ
「さあ、お絞りタイムよ!」
よ
よく見たら捕獲したのはたまたまセイジの隣にいた鈴木君だった!
「た」
「た、助けて!!柴原さ〜ん!!」泣き叫ぶ鈴木君
するとリョーコは…
「は」
「は! オトコがそんな情けない声出して、女の助けを呼ぶものじゃないよ」と冷笑。
「助けてください! オレまだ、柴原さんともしたことがないんです! どうか貞操だけは・・・」
情けなくも平身低頭する鈴木君に、さらに追い討ちを掛けるリョーコ。
「男に貞操なんてものは無いんだよチェリー君! ま、捕まったからにはいさぎよく諦めるんだな」
「な」
「舐めなさい私の靴を綺麗に あなたは犬なんだから」
泣きながらリョーコの靴を舐める鈴木
「き」
「キャー! なにしてるのよ鈴木君! それにその女は誰よ!」
「し・・・柴原さん! 違うんだ、これはこの女が無理やり力ずくで・・・」
「自分から進んで靴を舐めていたじゃない! 最低! 変態! あたしの知らないところで年上の
女を作ってこんなこと・・・さよなら、お幸せにね!」
「ま・・・待って柴原ゲフッ!」
追いすがろうと立ち上がった鈴木のわき腹に、容赦なくミドルキックを叩き込むリョーコ。
「コラ、誰が止めていいって言った! まだここんところが汚れているだろうが!」
再び這いつくばり、リョーコの靴を舐める鈴木。
「それにしてもキミ、可哀想にねぇ。異常性癖がバレて彼女に嫌われちゃうとわね。ま、その代わり
あたしの奴隷2号として飼ってやるから、有難く思いな!」
「な」
「な、何やってるのアンタたち…」
マサヒコママン登場
「私も混ぜなさい!!」
マサヒコママン乱入
「う」
「うわーん、変態メガネの上に、変なオバさんまで来やが・・・ゲフッ!」
「誰がオバさんだって? 皮も剥けてないガキが生意気言うな!」
要らんことを口走り、また蹴られてしまう鈴木。
「リョーコちゃん、若い子ってのもたまには悪くないわね」
「ね」
眠りたい………もう疲れた………
その頃、ミサキ・アヤナ・リンコ・アイに搾り尽くされたマサヒコが天に召されようとしていた
た
「鍛錬が足りないな。この程度の射精で天に召されるとは、情けないぞ同志よ」
薄れゆく意識の中でマサヒコが目にしたのは、自分より2〜3才は年長であろう、なかなかの好青年。
「あなたは・・・もしかしてシンジさん・・・」
「そう、オレの名は城島シンジ。キミと同じ氏家の性戦士だ!!」
「だ」
「大丈夫そうだねマサヒコ君
おれも妹にその友人、エロ教師、中学生、クラスメート…と敵は多い
『女に振り回される』『エロボケに突っ込む』両方やらなくちゃあならないってのが
『氏家の性戦士』のつらいとこだな」
「な」
「嘆くな氏家の性戦士たちよ! おまえたちがいなければ、氏家ワールドは存在し得ないのだ!」
マサヒコとシンジをみやりながら、唯一神氏家は呟いた。
「唯一神氏家。オレは氏家の性戦士の中に入っているのでしょうか?」
20代前半とおぼしき、金髪でなかなかの好青年が、氏家に問いかける。
「・・・・・・」
唯一神氏家は、青年のその問いには答えなかった。
「た」
「助けてください、もう出ません。お願いやめてやめて…」
リョーコとマサヒコママンにかわるがわる攻められ、8回射精させられた鈴木は、
2人に哀願するが、2人とも、聞き入れる気はないようだ。
「本編どころかSSにすら滅多に出られない脇役クンは、せめて埋めのしりとりSSくらいでは
活躍して貰わないとねぇ。さあ、早くおっ勃てな!」
そういって、鈴木の股間をぐりぐり踏みつけるリョーコ。
「まあ、活躍っていっても、ほとんどの人は次スレに行っちゃってて、ここを見ている人は
いないと思うけどね…ああ、リョーコちゃん、はやく勃たせるなら、前立腺を刺激した方が効くわよ」
哀れな鈴木君。はたして、彼に救いの手は差し伸べられるのか?
「か」
皆無だった…助けてくれる人などいなかった…
しぼり尽されたあとはアナルまで犯された…この恨みは誰にぶつければいいんだ?
本人には怖くて復讐できないからあのメガネの知り合いであのオバサンの息子に復讐してやるっ!!!
同じ目にあわせてやるっ!!!
待ってろよマサヒコ
「こ」
「ここ見て、マサちゃん。大きくなったの」
妊娠の兆候で、わずかに膨らんだ胸を誇らしげに見せるミサキ
「き」
「貴様の知り合いのメガネと母親のせいで、オレのケツの穴も大きくなったぞ!
天野の胸の膨張率など比にならねぇ! アナル道を極められるほどにな!
覚悟しろマサヒコ! 今度はてめぇのケツの穴が拡張される番だ!」
怒りと憎しみを込めて、尻を押さえ、ぶつぶつ呟きながら鈴木は歩く。
「く」
「苦しみの果てにアナルに目覚めましたか。でも、あの程度でアナル道を極めたという
物言いには納得できませんね」
黒髪のスレンダー美少女が突如、よろめき歩く鈴木の前に立ちはだかる。
「…誰だ、おまえは。オレに何の用だ」
睨みつける鈴木に臆することなく、少女は涼しい顔でこう答えた。
「黒田マナカと申します。以後、お見知りおきを…カナミちゃん、格好の被験者が見つかりましたよ」
「被験者だと…」
いぶかしむ鈴木をよそに、マナカは後ろの少女 ― 城島カナミに呼びかける。
「通販で超極太アナルバイブを買ったんだけど、お兄ちゃんで試そうとしたら逃げられちゃって…
お兄ちゃん、アナルが好きって言ってたのに、なんであんなに嫌がったのかな?」
「カナミちゃん、シンジさんは挿されるんじゃなくて、挿す方が好きなんですよ」
「おい貴様ら、なに勝手に盛り上がってやがる。だいたいお前らとオレは作品も違うし、何も関係ない…」
「なんら接点のない氏家キャラが、こうして交流することが出来るのが、エロパロ板の醍醐味ですよ。
…さあ、それではめくるめく官能の世界に参りましょう!」
そういって鈴木の腕を掴むマナカ。鈴木は振りほどこうとして、そのあまりの握力に驚愕する。
「なんて力だ…これが女の力かよ…」
「貞操帯を外したマナカちゃんの力は凄いからね。逃げられないよ、さあ、一緒にいこー」
マナカに引っ張られ、カナミに背中を押されながら、鈴木は絶叫する。
「なぜだー! なぜオレばっかりがこんな目にー!」
「に」