武装神姫でエロ妄想をしてみるスレ

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1名無しさん@ピンキー
白子と黒子でレズらせたりエロい事に装備を使ってみたり…

公式
http://www.busou.konami.jp/

2名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 20:00:20 ID:v7Hq3wH3
おらおら、WWF(World Wide Fund for Nature:世界自然保護基金)の
愛くるしいパンダ様が>>2ゲットだぜ! 頭が高いんだよ、ボケ!

.         ,:::-、       __     >1 クソスレ建ててんじゃねーよ。ビンスみてーに裁判で潰しちまうぞ。
    ,,r   〈:::::::::)    ィ::::::ヽ    >3 >>2ゲットも満足にできねーお前は、俺の着ぐるみ着てプラカード持ってろ(プ
  〃   ,::::;r‐'´       ヽ::ノ     >4 お前はカキフライのAAでも貼ってりゃいいんだよ、リア厨ヒッキー(プ
  ,'::;'   /::/  __            >5 汗臭いキモヲタデブは2ちゃんと一緒に人生終了させろ、バーカ。
.  l:::l   l::::l /:::::)   ,:::::、  ji     >6 いまさら>>2ゲット狙ってんじゃねーよ、タコ。すっトロいんだよ。
  |::::ヽ j::::l、ゝ‐′  ゙:;;:ノ ,j:l     >7 ラッキーセブンついでに教えてやるが、俺はストーンコールドが好きだぜ。
  }:::::::ヽ!::::::::ゝ、 <:::.ァ __ノ::;!     >8 知性のねーカキコだが、お前の人生の中で精一杯の自己表現かもな(プ
.  {::::::::::::::::::::::::::::`='=‐'´:::::::::/      >9 つーか、自作自演でこのスレ盛り上げて何が楽しいんだ?
  ';::::::::::::ト、::::::::::::::i^i::::::::::::/      >10-999 WWEなんか見てるヒマがあったら、俺に募金しろカスども。
.   `ー--' ヽ:::::::::::l l;;;;::::ノ       >1000 1000ゲットしたって、WWF時代の映像物に販売許可は出さねーよ。
        `ー-"
3名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 03:50:45 ID:zvTk8uRU
あまりにもキレイなラインだったので白のオナカを擦りながらいたしたのは俺だけでいい・・・・
4名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 12:31:12 ID:ctrB5/RC
神姫ってやわらかくていいにおいするんだよね・・・?
5名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 21:17:37 ID:t7a3amCM
あぁ…俺の神姫はやーらかいぜ…
6名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 23:13:48 ID:mkQdKPS5
でもアソコはコリコリしてるからいいよね…
7名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 07:51:36 ID:gtz9r/d2
抱き合う
キス
足舐め


…他にないか?
8名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 03:22:06 ID:Sh+JtJ32
保守
9名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 19:33:03 ID:CRQIRBB/
8レス目で保守なんて始めて見たな
…>8がやりたかったのは保守プレイか?

>7
貝あわせ
10名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 20:39:57 ID:QJY6Y5tF
だめ…そんなに激しくしたら…
白化しちゃうぅぅー!
11名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 10:01:05 ID:VmOl8HTi
神姫素体にぴったりのサイズで、
なおかつ入手しやすい首輪や拘束具って何かないかなあ?
12名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 20:56:32 ID:gF6nmbWY
ひぐらしの服が緑の子についてた首輪はちと大きかった
百均で革紐と針金買ってきて自作、が一番早くて確実な気がする

白子さんの眉リペったらえらく嗜虐心をそそる表情になった↓ので
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20060915194549.jpg
俺も何か使えないか考えてみよう
13名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 21:17:25 ID:K8DwWhO3
>>12
(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ
14名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 05:40:17 ID:QdzEOfFO
白子とセックスしたくてどうしようもなくなってきた
15名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 10:28:23 ID:YXkNcVGS
流用できなきゃ自作という手もあるんだったな
夢広がりまくり

>>14
白い液体でもかけるか?
16名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 03:16:29 ID:wvnRd1EG
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20060917031454.jpg

写真撮影のためにジオラマビューワーへとやってきた白子。
だが、それは忍者素体の巧妙な罠だった。

「フル装備していれば…こんな旧世代機なんかに…!」
「よかったじゃない、装備のせいにできて」
(いけない…!関節が白化しているのをを悟られたら…!)
「素体自体の機能性はこちらの方が上なのよ」 
「こんな奴に…くやしい…! でも…感じちゃう!」(ビクッビクッ 

俺のへぼPCじゃテカテカにならないのでイマイチ。
ポーズ付けはそれほど難しくないのでやってみるといいよ。
にしてもこのモデルをイリュあたりのモーションで動かせないもんか。
17名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 06:01:15 ID:PiemlkSE
>>16
GJ!
これはロング忍者に生えてると脳内補完した方がいいんだな?

うちのPCは起動すら困難だからなぁ・・・
18名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 13:53:50 ID:7b7ybN9p
>ロング忍者に生えてる
アングラ流通のオプションパーツに違いない
地下バトルで負けた神姫はそんなパーツを使われて(使わされて)それはもう大変なことになるに違いない

>>16はテカテカさせなくても
股間にモザイク入れるだけで飛躍的にエロ度がアップすると思
19名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 17:19:42 ID:PQCGZew1
魔改造!魔改造!
20名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 21:10:35 ID:em+tsgdF
ここでSS書く場合は近未来のフィギュアバトルっていう元の世界観は厳守ですか?
少女型機動兵器・MMS(俗称・武装神姫)って感じで妄想してるんですけど。
21名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 21:49:15 ID:Pssa0tLs
厳守ッつーかその世界観でエロ妄想するためのスレなんじゃねーの?
キツい物言いかもしれんが、14センチ前後のロボ少女がバトりますよーな世界を
わざわざスケールアップする(機動兵器というからには等身大以上?)理由が思いつかん
まぁ「妄想ですから」言われてしまったらそれまでなんだがな

…個人的には少女型機動兵器でどんなエロが飛び出してくるかには非常に興味あるんだけどね
でもたぶん、“武装神姫”でやるのは筋違いだと思う。残念ながら
22名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 04:21:26 ID:U41VUeml
さっきネット上で存在を認知、明日フィギュアを買ってくることをケツイしつつびゅわー弄ってみた。
エロいSSとってみたよー
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20060919041850.jpg
モノがないので一人プレイ。
カメラの使い勝手が最低だね。
23名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 01:10:08 ID:7Q0G3LTI
>>20
ゴーストタウンで配置したりすると普通のスケールに見えたりするし、それでもいいんじゃないかと思う

>>22
いろいろかゆいところに手がとどかない感じ。verうpに期待したいが望み薄かな…
24名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 09:20:54 ID:JcbP4Hvx
俺の白子が慰み者にされているときいて飛んできますた
25名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 10:30:03 ID:iXSZnMjh
26名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 15:59:42 ID:TwZWjWrI
暫くは神姫の設定が、15cm前後のロボだと知らなかった漏れ。
てっきり、普通の人間位の大きさかと半ば決め付けた挙句
当然、妄想の中では神姫にアレやコレやとお世話になりましたよ。
27名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 16:04:03 ID:/4enPTN3
15センチって知ってるけどお世話になってるぜ
28名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 17:36:24 ID:DVaDHnAm
網市ね
29名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 17:50:41 ID:c0NGUQ2L
前スレ>>989
悪魔子を買って家に連れて帰る途中でもう名前をつけていた俺は
ダメな人ですかそうですか
30名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 18:13:24 ID:xKb9pgFF
15センチサイズでお世話させるのもいいし、
不思議の力で10倍の人間サイズになってお世話させてもいいじゃないか。

もちろん素体も唇も柔らかいし、股間パーツは換装であらゆる局面に対応可能だ。
31名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 18:54:05 ID:F6vfcnc3
えーとつまりプラレス?
髪を塗り変えたら白が桜姫に見えてしょうがない
32名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 19:04:07 ID:/4enPTN3
>>29
前スレ>>989だけどここは次スレじゃないぞ
33名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 19:16:52 ID:GoWxC5Vx
>>29
ここは次スレじゃないが安心しろ、俺なんか、通販で購入を決定したときから名前を考えていたから
今でもまだ名前を決められない優柔不断野郎だけど
34名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 19:24:53 ID:/4enPTN3
白:アリョーナ
黒:ドロレス
犬:ミネア
猫:ステファニー
兎:ボンコット
騎士:アリス
侍:夕子
サンタ:MARIA(本名 今日子)
35名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 20:16:14 ID:XvlS4kJa
白子:アン
黒子:ストラ
犬子:リン
猫子:マオ
兎子:

……漏れの頭じゃ何の捻りも無い名前で充分だと思ってしまう
兎は買う予定だけど、素体の余りは無いし名前は考えない方向で
36名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 21:46:29 ID:QDFkBIPi
20時ごろ秋ヨドで白20ぐらい黒10ぐらいあった。
人気商品に付き、お1人様1つまでと書いてあった。
ヨドはおもちゃが高いからあんまり買うきしない。
37名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:12:53 ID:jKan80VC
白子:グリーヴァス
黒子:ヴェイダー

何このスターウォーズ
38名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:55:39 ID:T/gdC6/s
横ヨドも今日売ってたにゃー
39名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:59:28 ID:xKb9pgFF
アニメイト池袋本店にて確認
40名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:30:39 ID:JcbP4Hvx
順にドービー、フランビー、スニージー・・・
41名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:31:14 ID:JcbP4Hvx
あ、上での名前の話で・・・
42サウンドウェーブ ◆daFVkGT71A :2006/09/22(金) 23:34:12 ID:/4enPTN3 BE:329362496-BRZ(1000)
ルイズよりシエスタの方が200万倍は可愛い
43名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:46:08 ID:VuXMv0Q2
猫子買ったら、ジオラマでさっそくドリルを股間に突き立てるだろうな
44名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 18:33:57 ID:U5RfoFG0
こういうスレが何時かは出ると思ってたがな・・・
待ってた。


http://www.uploda.org/uporg524904.jpg
http://www.uploda.org/uporg524906.jpg
45名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 18:35:06 ID:U5RfoFG0
46名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 19:45:09 ID:ShA1EjX/
>>44-45
お前さんのその発想力に脱帽するとともにおっきした
47名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:34:44 ID:b/aXUKb+
一応張りなおしておく

白子:アリョーナ
江戸っ子、大好きな俺と大好きな黒子が毎日の様にイチャイチャしてるので毎日の様に(俺だけに)ブチ切れる

黒子:ドロレス
俺の事が大好き、俺も大好き、ラブラブイチャイチャ。甘い物も大好きだけど蜂蜜だけはダメ

犬子:ミネア
家の中に入れてもらえない、夕飯が始まる頃にはもう誰も覚えていない

猫子:ステファニー
天然を装っている腹黒自称アイドル、トラブルメーカーでもある

兎さん:ボンコット
ニワカ軍事おたく、大佐と大尉と隊長の区別がついていない

騎士さん:アリス
みんなのまとめ役、非常に大人な女性だが時たま大ポカをやらかす事も

侍さん:夕子
ギャンブル大好きなダメ人間、よく俺の生活費をつぎ込む。でもたまに大勝して来る事もあるので何も言えない

サンタ:MARIA(本名 今日子)
要約すれば一言、二言で済む様な内容の話を凄まじいマシンガントークで一日中しゃべり続けてる。よく兎さんに撃ち殺される
48名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:33:53 ID:ta13zRgo

 過疎ってるので、燃料投下。
 ストラーフvs量産型MMS
 素体同士より、ガチガチに固めたメカ娘同士の絡みが好きなんだが。
49名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:34:36 ID:ta13zRgo
50名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:36:26 ID:ta13zRgo
51名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 03:05:37 ID:3S7fEK25
白子のお腹は手触りつるつる
黒子のお腹は手触りすべすべ
両手でそれぞれぷっくり部分を摩り比べると、至福の表情になってくるから困る。

ttp://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi53892.jpg.html
52名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 07:15:15 ID:rb4FxnYl
>>51
草加wwwwww
53名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 14:39:42 ID:g89N42xH
>>51
またあんたかwwこの変態wwww
54名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 15:06:17 ID:Q8CCZCa2
俺「最近、うちの神姫が私を嫌いになったらしい。どういうことかね?」
コ「おかしいですね、神姫はマスターを強制的に好きになるプログラムが
  インストールされているはずが…。」
俺「この前も、朝目覚めたらベッドの中に神姫のパーツが落ちていたんだ
  それを尋ねたら顔を真っ赤にして押入れに閉じこもってしまう始末だ。」
コ「どうやらその神姫は欠陥品のようです。分解廃棄処理して新品をお渡ししますので
  お手数ですがお客様の神姫を御郵送願えますでしょうか?」
俺「よろしく頼むよ。まったくあの欠陥品には困ったものだ…。」
55名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 15:40:20 ID:TMwQk6xF
>>54
(´;ω;`)ブワッ
56名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 17:16:08 ID:7whSu3Me
>>54
全※が泣いた
57名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 17:17:33 ID:YzIiBGZn
>>50
ちゅうしてるー!
58名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 19:50:58 ID:NCBwBppf
騙しリンクや広告の少ない優良アダルトサイトリンク集
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/frontire1017
59名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 23:36:13 ID:zqzp96yN
>>54
そこでご主人が交換拒否してそのまま育て上げ
十数年後に旅に出て
旅先で出会った科学者に人間サイズにしてもらって
ご主人の孫の孫と添い遂げて
生態パーツを自ら望んで組み込み
いつしか彼女は人間として認められ「200年生きた女」と呼ばれるように・・・
60名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 23:49:59 ID:YiinL+fJ
>>54
郵送されるときの神姫の絶望を考えると胃が痛く・・・
なんてつらいんだよ
61名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 01:22:28 ID:x8G9UV6I
>>59
それなんてアンドリュー?
62名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 04:06:13 ID:VPJXBoFL
>>60
いやいや、郵送した後で彼女が最後に自分に残した手紙を読んで、
それで始めて彼女の真意に気がつき、
あわてて処理工場まで飛んでいって、
分解処理寸前の彼女を救い出して大団円。

これが、宇宙が授けた光の答えですよ。
63名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 07:10:02 ID:1YHWALTd
エロ妄想スレなのになんと感動的な流れか
64名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 07:28:23 ID:7jczkMdc
流れを断ち切ってみる

http://kasamatusan.sakura.ne.jp/cgi-bin2/src/ichi54069.jpg.html
写真しょぼくてごめんね
65名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 08:06:13 ID:y19gFypI
断ち切り方に惚れた
66名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 19:31:05 ID:Ow0NP8U+
67名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 19:51:38 ID:+OQdO/8A
○月×日

武装神姫を購入。
箱から出した神姫は見るもの全てが珍しいのか、辺りをキョロキョロト見回している。
おっかなびっくりと言った風に部屋を歩く姿はなかなか…。
白いの(以下:白子)は見た目よりも好奇心旺盛で、色々な物に興味を持った模様。
逆に黒いの(以下:黒子)は怖がりなのか、腰が引けている。

暫くするとテーブルの上に置いてあったGFFのX3にターゲットを絞ったらしく、豪快にいじり始めた。
白子はムラマサ・ブラスターが気に入ったようでグルグルと振り回すし、
黒子はピーコック・スマッシャーを抱き締めて放そうとしない。
流石にこれ以上放って置くと壊されそうなのでやんわりと取り上げると、
二人揃って悲しそうな顔をされてしまった。

今はたっぷり遊んで疲れたのか、二人とも静かに寝息を立てている。
だが問題は、そこが俺の愛用のクッションの上だということ。
流石に起こしてまで退けることも出来ないので、フローリングに直接腰を下ろす俺。
ふと見ると、夢でも見ているのか(見れるのか?)、笑っているみたいだ。

今日は出来なかったが、明日は武装させてみようと思う。
68名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 20:12:32 ID:kZ3rVSCC
>>67
たまらなく萌えたぞ
69名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 20:28:28 ID:oIPtM4Ya
思わず添い寝して朝起きると二人とも窒息してた
70名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 20:30:26 ID:iUv3O1Mv
>>67
萌えるー!!!イヒヒひいひいヒヒひいひい日ひひひいひいいーーーーーー!!!!!!111!111
71名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 21:32:18 ID:y19gFypI
>>69
まあ、窒息してもアンドロイドだから問題ないんだけどね
72名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 21:59:29 ID:OkXo08Ye
猫拾ってきたとき思い出した
73名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 22:22:52 ID:oIPtM4Ya
アンドロイドも呼吸で排熱してるから
窒息するとフリーズしやす
74名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 22:32:49 ID:wqPp+Cw5
>>73
再起動のボタンはどこですか?
75名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 22:34:03 ID:iUv3O1Mv
(i) <どうぞ
76名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 22:42:08 ID:uLjN+e41
>>72
明後日犬猫拾っ…お迎えするよ
77名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 22:52:04 ID:COTNXIIO
あんた誰アンドロイドなんでいるの
78名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 23:01:33 ID:iUv3O1Mv
あ、あいさつしましょ
79名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 23:03:05 ID:COTNXIIO
やは
80名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 23:28:56 ID:uaM0SBAj
>>75
股間の辺りでいいですか?
81名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 00:56:49 ID:fJXp+QkF
ところで
猫なんだから当然語尾に
にゃ とか にょ とかつけてしゃべるよね?
82名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 01:29:14 ID:y0aEsQEp
>>81
目からビームが出そうなマオチャオだな
個人的にはファイナル・スパイラルでも使って欲しいところだ
83名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 03:13:19 ID:3+PcjmyS
>>78
ふぉ〜いぐざんぶる



・・・・おまいらいい歳してお人形さん遊びかよ!
84名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 05:53:45 ID:ceqzQQwW
>>67みたいなのをもっとくれ!
もっとくれ!
85名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 09:59:30 ID:1vF9zKS0
>>83みたいな罵倒をもっとくれ!
もっとくれ!
86名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 13:52:13 ID:TNgPWtBp
なぁ、ここは、エロシーンが多少フェチっぽくても、赦してもらえるスレなんだよね?
神姫がオーナーの自慰を手伝ってくれる、みたいな。
87名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 15:25:58 ID:9Hm86Cn5
それは腕コキとか腿コキとかになるんではなかろうか
Gじゃないない
88名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 15:28:10 ID:KhIedZZe
黒子に罵られながら白子とGの見せ合いっこならおk
89名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 23:19:24 ID:a0nEwxnL
もっと簡潔な内容にしようと試行錯誤を繰り返すも、これが限界orz


○月△日

今日は昨日出来なかった、神姫を武装させてみようと思う。
武装させようと白子と黒子を呼ぶと、二人ともとても嬉しそうに寄って来た。
まだ走ることに慣れてないのか、どちらも危なっかしい走り方が微笑ましい。

まずは白子から武装させることにする。
装備を取り付け、最後に武器を持たせて完了。
しかし、どうにも白子の様子が落ち着かない。何やら後ろを気にしているようだ。
良く見ると長い髪が後ろのパーツに干渉してしまい、それが嫌みたいだった。
ショートカットにパーツを換装すると、スッキリしたらしくニッコリと笑う白子。
早速、狭い俺の部屋で飛行を開始するが、壁や天井にぶつかってしまいそうでヒヤヒヤさせられる。
これではいつか本当にぶつかりかねないので、次からはもっと広い所で飛行させるようにしよう。

次に黒子。
白子と違い、背部と脚部の武装が大きいので随分とシルエットが変わる。
黒子自身まだ見慣れていない自分の姿に違和感を感じるのか、鏡の前で自分をジッと見つめている。
少しすると、自分の意志で動く背部のマニピュレーターが面白いのか、色々と動かし始めた。
時たまマニピュレーターを動かしながら、何が嬉しいのか、はにかんだように笑う黒子。
因みにマニピュレーターは案外力があるらしく、厚めの単行本も軽々と持ち上げられるのには少し驚かされる。
お陰で、神姫たちに見つからないようにと隠しておいたエロ本を掘り出されてしまって、酷く困らされた。
明日からはもっと厳重に隠しておかなければ。

一通り動き回ると、武装状態での行動は意外と体力を使うのか、二人とも眠たそうにし始めた。
黒子なんかはしゃがみ込んで、欠伸をする始末。
実はまだ寝床を用意していないので、今日も俺のクッションを提供する事にする。
厚手のハンカチを毛布代わりに眠る神姫。
どうやら、白子よりも黒子の方が寝相が悪いらしい。

次の休みにでも二人にベッドか、ベッドの代わりになりそうな物を用意してあげよう。
90名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 00:07:24 ID:REpgnC0f
>>89
くそう、萌えるじゃねえか!
91名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 00:16:42 ID:rnm1/7x9
>>89
(;´Д`)ハァハァ
92名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 03:15:01 ID:j9xskW8O
>>89
もう、なんつーか、愛だな。
93名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 11:59:24 ID:xO7Y+173
>>89
アニメ化するしかない。
94名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 13:00:29 ID:Y2OQMDoc
>>89
これはイカン、これはイカンぞぉぉおおお!!(;´Д`)ハァハァ
95名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 19:00:06 ID:iuky6JH+
>>89
もうエロがなくてもよくね?
96名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 20:35:30 ID:EBvfq4Ok
俺まで嬉しくなってきたぜ
97名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 20:37:17 ID:dOWU+aki
>>89
かぁいいな、かぁいい。イイッ(・∀・)
98名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:27:08 ID:rnm1/7x9
99名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:34:02 ID:Q4FVDyrI
>89
>98
貴様らぁッ!!
俺を萌え死なさすつもりかぁッ!!!



大変GJなのでもっとやれ、いや、やってください
100名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:37:21 ID:h3570Z4l
あー、何か書きたいけど糞キモイ妄想しかできない俺orz
101名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:43:25 ID:Y2OQMDoc
>>100
書いてみたまえ
102名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:49:40 ID:rnm1/7x9
>>100
書いちゃえ書いちゃえ
103名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 22:54:48 ID:tU7auXnO
俺も、ゲスな想像しか出来ない。こまったな。
104名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 23:48:34 ID:IDUPqDLy
まずは>>98さんありがとう。それからGJ。書いた本人も萌えました。

○月□日

最近は神姫も俺に懐いてくれたようで、帰ってくるとトタトタと走って来てくれる。
今日も部屋の扉を開けると、黒子が一度転んでから走り寄って、俺の脚にしがみ付いてきた。
正直恥ずかしいが、そんな俺よりも恥ずかしそうな笑顔で俺を見上げる黒子。
その後ろでは出遅れたらしい白子が悔しさ半分、羨ましさ半分と行った複雑な表情を浮かべている。
このままでは白子が可哀想なので、手招きをして近くに呼ぶ。
情けない顔をしたままの白子を手の平に乗せて、俺の顔の近くまで上げてから人差し指で優しく頭を撫でてあげる。
そうすると、撫でられたのが嬉しかったのか、それともくすぐったかったのか、ようやく笑ってくれた白子。
これで一安心かと思ったら、今度は未だ足にしがみ付いていた黒子が泣きそうな顔になっていた。

慌てた俺は、(夜も遅いが特別に)オヤツとして持ってきたクッキーを取り出す。
初めて見るクッキーに、二人とも視線が釘付けになる。この時点で、二人とも機嫌が直ったみたいだ。
クッキーがどう言う物か説明して二人に一枚ずつ与えると、面白い事に二人揃って匂いを嗅いだ後、恐る恐る口にした。
次の瞬間、白子はビックリした顔を、黒子は大きく目を見開いた。
不味かったのかと心配したが、どうやら杞憂だったようだ。
白子も黒子も、それこそ数分もしないで一抱えもあるクッキーを完食してしまった。
一心不乱にクッキーを口にする二人は、例えるならリスみたいだ。

濡れティッシュで二人の口の周りを軽く拭いてあげると、もう少し食べたいのか、ねだるようにこちらを見上げる二人。
一瞬あげようかとも考えてしまうが、もう好い加減夜も遅い。
明日のオヤツにまた出すのを約束すると、二人は暫く喜んだ後、胡坐をかいた俺の足の上で眠ってしまった。
どうしよう……。俺、朝までこのまま?
誰にも答えようの無い疑問が頭によぎる。
が、神姫の相変わらず幸せそうな寝顔を見てると、それも良いかなと思ってしまう自分がいた。
105100:2006/09/28(木) 00:14:35 ID:eAiZBGCT
神姫スレにどこからアホが迷い込んできて、住人と衝突、白熱する両者。そんな中、革命的な発言が飛び出した
「黒子のマタを閉じたり開いたりして落ち着くんだ」
なるほど、これは良いことを聞いた。さっそく俺は黒子を呼びに行くべく部屋へと足を運んだ
扉を開けて部屋に入ると黒子は白子とおままごとをしていた。ほほえましいなぁ
「なあ黒子、ちょっと来てくれないか?」「はーい、マスター。今行くよ」
こちらへ近づいてきた黒子を抱えあげ、パソコンの前に戻る
「マスター、今日は何をするの?」「ん〜、ちょっとこう、仰向けに寝転がって」
「えっと、こう?」「それはうつ伏せ。逆だよ」
「こう?」「うん、ちょっと足をこっちに向けてね」
頭に?マークを浮かべる黒子。俺はそっと脚を掴み、クイックイックイッと閉じたり開いたりする
「きゃっ、ちょ、ちょっとマスターやめてよ!」
かわいらしい悲鳴を上げて抵抗しようとする黒子。しかし14cmしかない神姫の力では人間に逆らうことは出来ない
「いやっ、ちょっと、なにしてるの! やめてよぅ!」
うーん、ささやかな征服感。開いて〜閉じて、開いて〜閉じて…
「もう…いや、マスターお願い…やめて…。ごめんなさい…ボク、もうわがまま言わないから許して…ヒック…お願いします…もうやめて…ください…。うぅぅっくぅ…」
ついには泣き出す黒子。しまった、やりすぎた。
「ごめんなさい…ごめ…ん…うっくぅぅぅ…」
「あああああ、ごめんよ黒子、俺はちょっと、お前があんまりにも可愛いから、
ちょっとイヂワルしたくなっただけで、そんな怒っているとかそういう意図は全くなくって…」
顔を両手で覆って泣きじゃくる黒子を必死でなだめる俺。その甲斐あって何とか10分後には泣き止ませることに成功した。ごめんよ、本当に…
「…ヒック…マスターひどいよぅ…女の子に…あんなこと…イック…」
時折しゃくりあげながらも、俺を恨めしそうににらむ黒子。ああ、俺が悪かった。何でもしてやるから、な?
「…アイス…食べたい…」「あー、分かった。ハーゲンダッツあげるから、な?」
それから、黒子が俺の顔を見るたびに顔を赤くするようになったりして白子が「なにしたの?」とでも言いたげな視線をむけたりするが、まあ、何とかうまくやっている

…そして再び飛び出す革命的発言
「白子のマタを閉じたり開いたりして(略
106名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 00:20:20 ID:BgXNU+RE
>>104-105
すばらしいコンビネーションアタックだ!
萌えるぞ!
107名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 00:30:03 ID:ekeEyiXY
いいぞもっとやれ!
108名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 00:31:23 ID:StoZDQw5
萌ぉーえぇーるぅーぞぉーっ!!
109名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 00:47:06 ID:bqjAmc4N
>>104-105
アンタら俺を萌え死にさせるつもりか!?
110名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 01:41:49 ID:JDQL26bc
>>104-105
この世にはまたとんでもねえコンボがあったもんだぜェ…。
いいコンボだ、少し萌えるぞ…
111名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 01:59:46 ID:bqjAmc4N
すまん、ここの空気には合わんと思うが、つい書いちまったから投下させてくれー。
書いてるうちに妙に重くなっちまったけど。


深夜、皆が寝静まった頃に動き出す小さな影があった。
「ねえ、アン。起きてる?」
「うん?なに、ストラちゃん。あたし眠いよぉ…」
主人である青年が寝ているベッドを見下ろせる、机の上に設えられたドールサイズベッド。
それが彼女たち神姫の寝床だった。
傍らで寝惚け、むにゅむにゅと繰言を紡ぐアーンヴァルを相手にストラーフは
半ば独り言のように呟く。
「あんた…マスターのこと、どう思ってる?」
「…どうってぇ?」
「だから、その、好きだとか、嫌いだとか…」
「んー、好きだよぉ。お菓子とかくれるしぃ」
「はー、そうよね。あんたに聞いたアタシが馬鹿だったわ」
かくん、と肩を落とす。
この子はいつもそうだ。肝心な話を天然ボケでかわしてしまう。
まだ他の神姫と話したこともなく、他の子がどんな思いでマスターと接しているのかさえ分からない。
ひょっとしたら自分のこの気持ちの方がおかしいのではないかと、そんな事さえも考えてしまう。
ストラーフからの質問が終わったと見るやいなや、アーンヴァルはすぐに毛布を手繰って包まってしまった。
ふにゅふにゅ、と寝言とも寝息とも付かない小さな声を残してそれきり静かになる。
後に残るのはマスターとアーンヴァルの小さな寝息だけ。
二人の寝顔を順に見やる。
「まったく、悩みなんてありませんよーみたいな顔しちゃってさ」
幸せそうな寝顔。二人の顔はどことなく似ているように見えた。
「飼い主とペットは似るっていうけど、これもそう言うことなのかしら」
ペット、と口に出して少しだけ沈んだ。
この子がペットだとすれば、自分も立場は同じはずである。
それはイコール自分の気持ちが成就しないことと同じだ。
明日――いや、もう今日になってしまったが、新しい神姫が発売する。
マスターは勿論彼女たちを買い取ってくるだろう。
それがアーンヴァルに本当に聞きたかったこと。
私たち以外に神姫が増えたら、どうなるのだろう。
彼女たちはマスターをどう想うのだろう。マスターは彼女たちにどう接するのだろう。
その時私は彼女たちに、そしてマスターにどう接すればいいのだろう。
そして…そうなってもマスターは変わらず私を見てくれるだろうか?
そんな事を考えたところで仕様がないのに、ぐるぐると頭の中を回る。
今夜は眠れないかも知れない。
それでも目を閉じる。
(アタシだけマスターの傍で眠れたらいいのに…)
それは我儘なのだろうか。
112名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 02:01:25 ID:LXtmmTtu
ヘコんだ‥
113名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 02:26:50 ID:hmpklTKI
>>111gj! 重い話も大好物だぜっ
どう接するかだって? もちろん全員可愛がるにきまってるじゃないか



けど、うさぎ頭だけはカンベンな!
114名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 08:11:01 ID:yYGqy2pW
>>111
うぉぉ〜ぅ、111GJ!
これはこれで、萌w
115名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 10:20:41 ID:52p3J4jR
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 ヽ   .\\_____/  / ̄ ̄\  \_____//   /
  \_/ \______// ̄ ̄\\______/\_/
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       γ             ヽ
               >>113     ヽ
       l       ∧__∧      l
       l ------<`Д´# >-------l
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        .ゝ.    ┫┗     /
         .\..   ┃     /
           ゙ ‐- __ --‐ ''


                             ,  ,
                _           / /  、′     、 ’、  ′     ’      ;  、
                ,′    ̄V、     〃〃 . ’      ’、   ′ ’   . ・
             /| |     //\   ,=テ、   、′・. ’   ;   ’、 ’、′‘ .・”
            / ||_ _ / /   ヽ /川//’          ’、′・  ’、.・”;  ”  ’、
    _      ,-,ー ((())ヽ _`―- 、/^ヽ/     ’、′  ’、  (;;ノ;; (′‘ ・. ’、′”;
   / ,堰[- 、 |[: === テ- '(( ))== l : .())    、 ′・  ( (´;^`⌒)∴⌒`.・   ∧_∧   ” ;  ’、′・
   ハ///    ヽ、――(O))⌒――― '_ー ―   、 ’、 ’・ 、´⌒,;y'⌒((´;;;;;ノ、"'∩#`Д´>'')人
  ー'       |c| ̄ヽ――――――' \)。   \′   、(⌒ ;;;:;´'从 ;'   ;:;;) ;⌒ ;; :) )、   ヽ
 /          | .|__ \lニコ       \。     |   ( ´;`ヾ,;⌒)´  从⌒ ;) `⌒ )⌒:`.・ ヽ    ,[]
 |o⌒o      /c/Eヨ| |  / 二二ニニ―――、。 。 /‘: ;゜+° ′、:::::. ::: ´⌒(,ゞ、⌒) ;;:::)::ノ    ヽ/´
 ヽ⌒|\\_// |Eヨ| | / /   // ̄ ̄ l | | _(        `:::、 ノ  ...;:;_)  ...::ノ  ソ ...::ノ
    | /^ 二_ノ   ===' / /,へ\二____二\  /      γ´`ヽ
    /    ./|| ト___// へ // ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  |
 /⌒ヽ\ .|=U=| |    || _ //⊂ニニニニニ⊃|  |
 |   | |/ |》‖《|_|    |   /           |  |
 ヽ//⌒|-廿-'||コ     |  / ⊂ニニニニニニ⊃/―ヽ
116名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 17:28:58 ID:Z+4ksH5U
兎なかなか悪くないぞ
どんぐり眼がカワイイ
髪型は変だけど
117名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 20:01:23 ID:BgXNU+RE
118名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 20:36:21 ID:OD+ti6rW
エロパロなのにエロくない・・・でも・・・・
119名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 20:43:50 ID:eAiZBGCT
>>117
ぐはぁ、心が折れ曲がるほど萌えました
ありがたいことです
泣いてる女の子とかマジで大好物なおれ鬼畜?
120名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 23:33:22 ID:JDQL26bc
>>104-105

>>117
いいコラボレーション…だな!!

>>111
まったくここは八百万の神様の集まるスレですね。
で、犬子猫子兎子をお迎えした後のお話も…期待していいんでしょうか。


>>118
エロよりももっと萌えるものを…俺たちは掴んだ!!
121名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 00:10:56 ID:AoJY661h
>>115
ケルベロスといいスコープドッグといい
兎子は兎の割に犬と縁が深いな
122名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 03:12:00 ID:3qMEtnZU
向こうでこちらに呼ばれたので記念に一枚ペタリ。
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20060929030953.jpg
123名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 03:17:03 ID:ua+dTZxH
>>122
アンタを待ってたよ
萌えも大事だけどやっぱりエロは必要だからな!
124名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 05:12:04 ID:2vBMcYqK
性格については捏造ですが、太腿のジョイントに不具合があったのは事実ですorz
それと今回は長くなり過ぎました。スイマセン。次回からは気を付けます。

○月☆日

今日は朝も早くからアチコチ彷徨って、なんとか犬と猫と兎を購入してきた。
家に帰ると白子と黒子は机の陰に隠れてしまい、不安げにこちらを伺っている。
どうも、犬と猫が怖いようだ。
一旦箱を開ける手を止めて、二人を抱き上げる。
犬と猫が二人と同じ神姫であると説明すると、少しだけ安心したような顔をする二人。
それでもまだ怖いらしく、開封作業を再開した俺のシャツの裾を二人とも握り締めている。

で、犬と猫だが、正直困った。
凄まじく元気が良過ぎる…否、凶暴過ぎると言って良い。
しかも俺にだけやたら反抗してくるときた。一体どうしろってんだ?
犬に右手を噛まれ、追い討ちで同じ箇所を猫に引っ掻かれる。
情けないが、少し泣きたくなった。
白子と黒子にはそう言ったことはしないようだが、そうであっても俺自身の身に危険を感じずにはいられない。
その後さらに生傷を増やしながら調べると、二人とも太腿のジョイントパーツに不具合を発見。
性格の件もあるし、可哀想だがメーカーに送り返す事にした。
パーツ不具合くらいなら余り深刻でも無いが、この性格は流石にキツイ。
俺自身はどうなってもいいが、もしも白子と黒子に何かあったら大変だ。
両手に貰った傷の幾つかは少し深くまで届いたらしく、まだ血が止まってないのもある。
暴れる犬と猫を無理矢理箱に押し込み、厳重に封印する。そこでまた傷を貰ってしまった。
傷の手当てをしていると、心配した白子と黒子が傷口にフーフーと息をかけてくれた。
少しくすぐったかったが、それ以上に嬉しいやら恥ずかしいやら…。

箱に入れ忘れたパーツが無いかの確認が一段落してから、メーカーに電話をかける。
メーカーに事情を説明すると、相手が納得行かないような態度を取ったので、箱の中で暴れ続ける犬と猫の音を聞かせた。
そこまでしてようやく俺の言ったことが本当だと判ったのか、平謝りに謝る相手。
どうも初期に性格が凶暴になる不具合があったらしく、俺が買ったのはその修正がなされていないものだったとか。
すぐに新しい物と交換すると提案されたが、それは拒否した。
最初はそうしてもらうつもりだったが、そうは出来ない事情があったのだ。

メーカーに電話する前に、白子と黒子にどうして犬と猫が凶暴か聞かれた俺は、それを病気だと答えた。
するとホッとした表情を浮かべた二人は、病気が治ればまた一緒に遊べると喜ぶのだ。
本当に僅かな時間だったが、白子と黒子は犬と猫と仲良くなったらしい。
そうなると、(そうした所で二人が分かる筈も無いが)交換して全くの別人が来てしまうのが二人にとって可哀想だと思う。
白子と黒子にとってこの犬と猫が、二人にとっての『初めての友達』で、俺にとってこの犬と猫は俺が買った、俺の犬と猫だからだ。
最後まで俺のものにしたいと言う気も、少なからずある。
そう言ったわけで、出来ることなら不具合の修理だけしてもらい、それをまたこちらに返してもらうことをメーカーに頼む。
最初はユーザーを傷付けた商品を返すのを渋っていた相手だったが、『これ以降に受けるいかなる傷もこちら側の自己責任』にすることでようやく了解を得た。

ダンボールに入れる直前、二人は何事かを犬と猫に語りかける。
どうやら少しの別れを惜しんでいるみたいだ。
二人の頭を人差し指で優しく撫でて、すぐに戻ってこれることを教える。
どことなく寂しそうだった白子と黒子の顔に、うれしそうな笑顔が浮かんだ。
二人と同じ様に、俺としても早く戻ってきてほしいと思う。
125名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 08:38:10 ID:5JKhRSi7
>>124
萌だけじゃなく切なさまで炸裂してます、GJ!
126名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 10:30:56 ID:lqPxGFG1
>>124
不具合を昇華するあんたに惚れた!
127名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 11:17:29 ID:wpfrLC8D
なんか活気が出てきたなー
128名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 12:36:21 ID:h0RVsQC6
>>122
122氏もさることながら、ジオラマに金網設置した社員にGJ
129名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:27:49 ID:fBVIUuNJ
130名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:38:16 ID:wUydLc9i
>>129
ぎゃー、なんてことを!
なんか、いなくなった主人を探しに行って車にはねられたとか妄想
131名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:35:08 ID:4xQnXoUo
>>130
それなんてフィーたn
132名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:17:38 ID:TiWDNzwk
エロも萌えも無いけど>>130を形にしてみた

「あ〜、ご主人様遅いなぁ」
 出窓から小雨の降る外を眺めながら、溜息をつく。
「ね〜白ちゃん、ご主人様どうしたのかなぁ?」
 クッションの上に寝そべりながらテレビを見ていた白ちゃんに声をかける。白ちゃんは
「ご主人様も仕事で遅くなることはあるって言っていたでしょ? 人間には色々面倒なことがあるの、あなたも分かってるでしょ?」
 なんて、クールな事をいってたしなめてくる。でも白ちゃんもさっきから、車の音がするたびに玄関のほうをばっと向いて、玄関が開く音がしないかじっと耳をすませている。
 やっぱり白ちゃんも心配なんだ。ご主人様が何で帰ってこないのか、様子だけでも見に行きたい…
 この部屋はボクたちが暮しやすいように大部分のものがボクたちのサイズで作られている。
 この出窓へ上がるのも、ご主人様が日曜大工で作ってくれた階段を使っている。
 でも、元が人間用だった部屋だから備え付けられたものの殆どは人間が使うための大きさだ。
 ドアをあけるドアノブも、ボクらの手が届かないはるかな高みに存在している。
 普段は「火事か地震の時以外は部屋から出てはいけない」と言われているから、それで問題ないんだけど、外の様子が見たい今は大きな壁となって立ちふさがる。
「どうやって開けるか、それが問題だ」
 腕を組んで頭をひねるボクに、白ちゃんが訝しげな顔で
「ねえ黒ちゃん、何かろくでもないこと考えてない?」
 なんて聞いてくる。そうだ!
「ねえ白ちゃん、白ちゃんの武装ユニットを貸して欲しいんだけど!」
「え? う、うん」
「じゃ、借りるね!」
「え? ど、どうする気なの?」
 暇つぶし! と言い捨てて武装がしまわれている棚へ走る。白ちゃんの武装なら飛べるからノブにも手が届くはず。
 てきぱきと武装を身につけ、身体を宙へ浮かべる。
「ねー、何するの?」
 白ちゃんがボクを見上げながら問いかけてくる。
「ご主人様を迎えに行くの!」
 笑顔でそう応えたとたん、白ちゃんの顔色が変わって、必死でボクに降りるよう言ってきたけど、ボクはやるって決めたら絶対やるもん!
 ドアノブに抱きつき、捻る、ガチャ…。捻る、ガチャ…。捻る、ガチャ…。捻るには捻れるけど、ドアを開けることが出来ない。
 ご主人様は軽々やれることなのに。武装神姫なんて、大仰な名前が付いているのに、何でこんなに非力なんだろう。
 でも挫けていられない。別の方法を考えないと…
133名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:18:30 ID:TiWDNzwk
 この部屋から外に通じているのは、…そうだ、出窓がある。出窓の鍵も普段は手の届かないところにあるけど、飛んでいれば届く。
 ボクは方向転換し、窓の鍵に飛びつき、推力を落として体重をかけた。
 ググッ、カシャン! やった! バランスを崩して落ちそうになったけど、この窓はボクらの力でも何とか開けられることは知っている。
 武装の力を借りれば一人でも空けられるはずだ。
 ボクが窓に悪戦苦闘している間に、白ちゃんが出窓へと駆け上がってきた。
「黒ちゃん! だめ! 外は危ないって言われてるでしょ! しかももう夜なのに!」
 でも一足遅い、ボクはもう出るに十分に窓を開け、外へと身を躍らせた。
 後ろから聞こえてくる、白ちゃんの絶叫に罪悪感を感じながら…

 しとしとと降り注ぐ雨が関節に染み込んで気持ち悪い。神姫はお風呂には入れるくらいの耐水性能があるけど、同じ水なのに、お風呂と雨では全く受ける感覚が違っている…
 ブルッと身震いして、玄関のほうへ翼を向ける。
 真っ暗で、外から見る家は、いつも住んでいる家のはずなのに、不気味で冷たくよそよそしいお城みたいだとなんとなく感じた。
 出窓からも見える駐車場には、寒々しい空白が広がっている。こんなところでも、ご主人様の不在を重く認識させられる。
「ご主人様…」
 愛しいご主人様を呼んでも、口に出すと、寂寥感が胸の奥からこみ上げてくるだけだった。
「何で帰ってこないの…?」
 ふらふらと、家の前の道路にまで漂い出る。さっと影が払われ、まばゆい光が
「え?」
 ヘッドライト! 車が来たんだ! 身をかわさないと!
 キキーッ! バチン!
「キャーーーーッ!」
 物凄い衝撃。翼が砕かれ、きりもみ回転しながら地面に叩きつけられる。身体がバラバラになるような、ショックで悲鳴まで飲み込んでしまう。
 何度かバウンドし、それが収まったときには、本当にボクの身体はバラバラになっていた。両手は肘から吹っ飛び、腰が砕け、下半身がどこかへ行ってしまった。
 車から誰かが慌てて降りてくるのを知覚したけどボクは
「人間だったら絶対助からないよね…」
 なんて呟いて、そのまま意識を失ってしまった。
134名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:19:30 ID:TiWDNzwk
 う〜ん、なんだろう。身体が動かないや。バッテリー切れかな?
 でもそれなら視界の隅に電池切れ! ってでるはずなんだけどなぁ?
 何か聞こえる…ボクを呼んでる?
「…黒子…しっかりしろ…」
「…起きて…黒ちゃん…お願い…」
 ご主人様と白ちゃん。どうしたんだろう…?
「な〜に〜?」
 声を出した瞬間、一気に全てがはっきりした。そうだ、ボクは車に…
「黒ちゃん!!」
「黒子! よかった、生きていたか…」
 白ちゃんがガバッと抱きついてくる。目を開けると、ご主人様が目をこすりながら「よかった…」を連呼している
「黒ちゃん! あなたなんて馬鹿なことしたの! ぶつかった車がご主人様のだったからすぐに手当てして上げられたけど、両手も両足もなくなっちゃって、体中傷だらけで…うぅ、うわーーん!」
「俺も、あんなにスピード出していなければ、ぶつかる前に止まれたのに…うぅっ」
 ああ、ボクはなんて馬鹿だったんだ。ご主人様が帰ってこないはず無いのに…余計な心配をさせてしまって…涙まで流させてしまって…
 その後、火事や地震でもないときに部屋どころか、家から出てしまった事を一杯怒られた。それだけでなく、
「身体だけなら交換で何とかなるけど、頭部にもダメージがあるから、メーカーに送らないと修理できない」
 って、言われて、メーカーに修理に出されることになっちゃった。
 でも、ご主人様がボクを箱に詰めるときに、ぎゅっと抱きしめてくれて
「早く元気になって、帰って来いよ…」
 って、優しく囁いてくれた。しばらくご主人様にあえなくなるのは寂しいけど、ちょっとだけ幸せ。…ちょっと現金すぎるかな? ボク…
135名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:20:00 ID:TiWDNzwk
今は反省している…
136名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:24:46 ID:o4jZ5Uwa
轢いたの主人かよ!!
137名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:26:48 ID:drz0ub8I
猫買ってきた
今モニタの隣で体育座りしてこっち見てる
やばい、可愛い
138名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 02:52:41 ID:9U/WHJ8X
どうにかして122を文章化できないかな…
139名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 07:07:42 ID:QVN3FL0E
愛されてる神姫がいるように
虐待されてる神姫もどこかにいるんじゃないだろうか・・・?
140名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 11:34:45 ID:9U/WHJ8X
うさ子の生首の事かー!
141名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 12:37:47 ID:kj+Hodq4
個人的には捨てられた神姫をイメージして>>129をかいたんだが
>>132はそれをこんなにもいい話に……(*´Д`)ハァハァ
142名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 21:29:45 ID:6TZjicht
ちょっとぇちめのものを書いてみるテスト。初めてなのでお手柔らかに。

 EXセットのヴァッフェバニーを買ってきてみた。早速黒子に取り付けてみる。
 本来のパワードスーツではなく直接着込むタイプに黒子は新鮮な反応を示し、白子ほど自由ではないが空を飛べることに「わー、きゃー、すごーいっ!」と素直に嬉しがっていた。
 しばらくして興奮収まると胸部パーツが気になってきたらしい。彼女にとっては胸が突然大きくなったようなものだから、あらためて目をぱちくりさせていた。
「……ねえ黒子ちゃん。さ、触ってもいい?」
 うらやましそうに見ていた白子がおもむろに言い出した。
「へっ?」
 胸の感触を恐る恐る確かめていた黒子は、ぽかんと口を開けた。まさか白子がそんなことを言うとは思わなかったからだ。実を言うとオーナーの俺も驚いた。
 黒子は自分の胸と白子を交互に見つめていたが、ややあって「……うん、ちょっとだけだよ」と答えた。心なしか頬が赤くなっている。
 白子は「わぁ」「すごい……」「いいなあ……」などと呟きながら、黒子の胸をそっとつついたりなでたりした。ふだん落ち着きのない黒子は意外にもされるがままになっている。少し震えているように見えるのは気のせいだろうか?
 あれ? なんだか小さく「ふっ」とか「くぅん……」とかいう甘ったるい空耳も聞こえてきたぞ?
 白子の、胸を触る手がだんだん調子に乗ってきた。ほんのり赤みを増した顔で「いいなあ、いいなあ」などと言いながら(もう呟いているレベルじゃなかった)、黒子のむねをふにふに揉んだりさすったりしている。
 さすがに黒子も白子の異常に気付いたのか、
「しぃっ、白子ちゃ、ぁん……。ちょっと、強す、ぎぃ……」
 と顔を真っ赤にして抗議するが、羞恥心から声も荒げることができず白子には聞こえていない。
 ついに黒子は膝を崩して倒れこんだ。いや、白子が押し倒したように俺には見えた。
「黒子ちゃん、黒子ちゃん」
「いやっ、白子ちゃ、あうぅ。だっ、め。だめぇ。やめ、はんんっ」
 俺が見ている前だというのに、白子は遠慮なく黒子の胸を揉みしだいている。目がいつもの白子じゃなくなっている。黒子はさしたる抵抗もせずただあられもなく喘ぎながら震えているだけだ。
 俺はただ呆然として二人の行為を眺めていたが、さすがにハッと我に返って立ち上がった。止めるためだった。
 はずなのだが、
「おっ、俺も入れてくれぇ!!」
 そう叫んだ俺は二人のもとへ飛び込もうとしていた。
「「きゃああ!?」」
 どんがらがったんこ。

 俺は勢い余って二人の奥にあった金属製の棚へ頭から突撃し、大出血。額を5針も縫うはめになった。
143名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 21:42:27 ID:RsNIM+HC
気持ちはわからないでもないが、そこは止めるべきだろw
144名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:17:09 ID:5vtJIgWF
それを胸の持ち主である兎子ヘッドはどんな心境で眺めていたのかw
ともあれGJ!
145名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 23:22:15 ID:DIEY1GCl
○月☆日

「ご主人様」
白子のその一言に驚く。
確か白子はまだ上手く『ご主人様』の発音が出来なくて、どうしても『ごしじんさま』となってしまう筈だった。
(頭でも打ったか?それとも一気に進化したのかな?)
我ながらどうしようもない思考が頭を過ぎる。
さて、簡単に調べてみるかと思い白子に近付くと、不思議な事に白子の俺を見る視線が熱っぽい事に気付く。
(熱でも出したかな?いや、手洗いうがいはさせてるし、何よりロボって風邪ひくのか?)
またしても我ながら微妙に的外れなことを思う。
額に人差し指を当てようと差し出すと、白子はとんでもない行動に出た。

ペロ

「ッ!?」
白子が俺の人差し指を一舐め。
不意の感覚に、目を見開いて驚く俺。そんな俺を、白子は楽しそうに眺めている。
「ご主人様、気持ち良かったんですか?」
クスクスと笑いながら、どこかからかうように訊ねる白子。何か変だ。
視線だけじゃない、他の挙動も何て言うか……その、エロいって言うか…。
さっきからワザとらしく足を組みなおしたり、その控えめな胸に自分の手を這わせたりして、まったくけしからん事この上ない。
(!?一体何考えてんだ、俺は)
心の中で激しく自己嫌悪を始めた俺。白子は何が面白いのか、クスクスと笑っている。
「ねぇ、ご主人様。他の所も…ペロペロして欲しいんじゃありませんか?」
気絶出来るもんなら気絶したくなるような白子の台詞。
アレ?家の白子ってこんなんだったか?と、現実逃避に入ろうとした俺に更に追い討ちが襲った。
「違うよ、アン。マスターは、直接ゴシゴシして欲しいんだよ」
何時の間にか現れた黒子が、白子に負けず劣らずの爆弾発言を叩きつけてくる。
ん?確か黒子は『マスター』を何故か『ますた』って言ってなかったっけ?
既に俺の頭は混乱の極みだ。頭の周りには大量の『?』が浮かんでいた。
そんな俺を無視して、白子と黒子は勝手な事を話し続ける。
「ゴシゴシ?あぁ、そう言うこと。でも、私達じゃサイズ的に無理よ」
「二人ですれば良いじゃない。私は手で。アンは股で。これでOKでしょ」
ゴシゴシ?手?股?
何するつもりだ?……って、股?!
「フフ。ストラ、エッチね」
「アンも充分エロエロよ」
ヤヴァイ。
「一寸待て!」
慌てて二人を止めようとする。
少しだけ混乱が収まった俺は、ここに至って二人が何を企んでいるのか見当が付いた。
白子と黒子は、二人掛かりで俺のビックマグナム……いや、いいトコデリンジャーか…。まぁ、詰まる所俺のナニをどうこうしようと言っているのだ。
やっぱり変だ。二人とも致命的に。
「じゃあ、ご主人様…」
「怖がらないで下さい、マスター。優しくしますから…」
最早問答無用状態で俺に迫り来る神姫。
二人とも顔を真っ赤にして、その上その瞳は劣情で潤みに潤みきっていた。
トドメとばかりに黒子は完全武装状態で、俺のズボンをパンツ毎切り裂く気マンマンである。
追い詰められた俺は情けない叫び声を挙げるしか道が無かった。
146名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 23:25:59 ID:DIEY1GCl
>>145続き

時刻は朝の7時。
俺は自分の叫び声で目が覚めた。
そう、全て俺の夢だったのだ。
それにしてもなんつー夢をみやがるか、俺。
純粋無垢で、穢れを知らない白子と黒子があんな事をするわけないじゃないか。
……ちょっと言い過ぎか?どうもまだ頭が寝ぼけているらしいな。
そう考えて、眠気と夢を振り払おうと軽く頭を振るう。
ふと視線を横にズラすと、どうやら俺の叫び声で目が覚めたであろう神姫と目が合ってしまった。
瞬間、自分でも判る位に顔が真っ赤になる。
急いで顔を逸らすと、その態度が二人の不安を煽ってしまったらしい。
俺の元に寄って来ると、二人揃って心配そうな目で俺を見上げてきた。
神姫の澄んだ視線が痛い。ただ夢を見ただけなのに、どうしようもない罪悪感まで湧いてくる。
白子も黒子に無用な心配をかけさせた自分が情けない。

その日一日は罪悪感と後ろめたさとで、ロクに二人の顔を見れない俺だったとさ。
147名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 23:35:10 ID:+3G2ak8l
>>145-146
ここはあくまで妄想スレであって俺の体験談を語るスレではないっていうか
どうしてお前さんが俺の生活をしってるんだ

まあ分かりやすく言うとGJって事だ
148名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 23:37:52 ID:2tWXbOmB
勃ってしまった
責任を取ってくれ


いや、
責任を取って続きを書いてくれ(焦)
149名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 23:47:38 ID:jKgwW2D8
>>145
エロい神姫も悪くない、悪くないな!GJだ!とてもGJだとも!

しかし神姫でエロを書こうとすると何故か

6インチまいだ〜りん

という謎の電波を受信してしまうんだ!誰か助けてくr
150名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 00:43:00 ID:MTyQfEVM
>>149
ハンドメイドMAIでない辺りにあんたの闇の深さを感じるぜ…
151名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 00:58:25 ID:kSnBeojG
6インチまいだーりんてスゲー聞き覚えがあるような…なんだっけ
青山の短編漫画?
152名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:07:26 ID:3Im1dKFQ
エロゲー。<6インチ
っていうかコンシューマーが先で18禁移植されたんだっけか

瓶詰妖精も同じくらいだっけ?
153名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:14:16 ID:ho9z7B7s
6インチまいダーリンとか懐かしすぎるぞ!
98年くらいのエロゲーだった希ガス

それはそうとたまには神姫に可愛い格好させてあげたいんだが家にそんな衣装は無いんだ
154名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:21:55 ID:ur/JHo1N
某楠行ってみるといいんじゃないかな
155名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:25:56 ID:LCHP8wxV
>>151
正確には98年に出たサターンのギャルゲー。
後にエロゲーでリメイクされた。

平凡な主人公がピグマリオと呼ばれる人の心を持った人形を拾う。
愛情を持って接すればやがて人に生まれ変われる…
って内容でな。

その出来はと言うと…
orz
156名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:53:49 ID:sDtmXiI/
神姫サイズの服は難しいよ。プライズの北へとか、タカラが以前出していた
コンパクトドールの服くらいしか合うのが存在しない。
157名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 03:47:32 ID:haiolDOR
ぷちぱーティならちょっと無理すれば入る気がする
158名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 04:21:00 ID:q3Hcn29Z
http://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061001042033.jpg

 プレイヤーの留守中に、マオチャオがふらっと姿を消してしまった。
 それなりに時間が過ぎても、一向に彼女は姿を現さない。
 何処かに隠れてしまっているようだった。
 残されたプチマスィーンズ達は顔を見合わせて頷く。
 彼らはひゅるひゅるとその身を転がし、空中を泳いで探し始めた。
 マオチャオが自分等に断りもなくかくれんぼを始めたのだと思い込んだのだ。
 自律兵器であるプチマスィーンズは、一様に主人よりも頭が悪かった。

 「ご主人、見つけたでやんすよ」
 程なくして、マスィーンズの一人シロにゃんが物陰でごそごそと動くものを発見した。
 
 「ひゃっ、・・・し、シロにゃん!?」
 それはやはりマオチャオで、慌てた顔でシロにゃんを見つめ返してくる。
 声を聞きつけて、他のプチマスィーンズがわらわらと集まってきた。
 
 「ご主人、プレイヤーが帰ってきてしまいやすよ?そろそろ戻りやしょう」
 「そうですぜーお頭ぁ、ちんたらやってないで戻りましょうや」
 シロにゃんとクロにゃんは溜息混じりに急かしますが、マオチャオの様子が違うことに直ぐ気が付いた。
 
 「シロにゃん、、クロにゃん・・・見ないで、ぇ・・・」
 マオチャオの声が、どこか具合が悪いように聞こえたからだ。
 開かれた足の間には、見たこともないような液体が滲んでいる。
 オイル漏れか――!?プチマスィーンズは、心配そうにマイチャオを覗き込んだ。

 「大丈夫マオちゃん、具合が悪いの?」
 「股関節がやられて動けないのでしょうか。見たところ故障というわけでも――」
 四匹のマスィーンズは、主人の股関節をじぃーっと見つめていた。
 指が添えられたそこはたっぷりと濡れていて、後から後から溢れてくるようだった。

 「あ、ぁ――駄目、ぇ・・・見ないでったら・・・んん・・・」
 マオチャオは視線に身をよじり、恥ずかしそうに顔を隠した。
 添えられた指は、意に反して動いてしまう。
 湿った水音がジオラマの壁に反響するようだった。

 「マスター、気を確かに・・・どれ、患部をもっとよく見せていただきますよ」
 四匹の中では比較的頭のいいポクにゃんが、ずいっと内股に近付いた。
 マオチャオの身体がびくんっと引き攣り、苦しそうな声がいっそううわずったものに変わる。

 
 恥ずかしそうに俯くマオチャオの痴態を、彼らは何時までも見つめていた。
159名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 06:59:54 ID:kgEvNc73
「……買ってしまった」
俺はそう呟きながら、丁寧に包装された箱を小脇に抱えたまま自室に入る。
机に箱を置き、椅子に座ると包装紙を剥がしにかかった。
箱を開け、ごそごそと付属品を取り出し、最後に本体の品物を取り出す。
15cmほどの人型ロボット、武装神姫。
ペットショップで犬猫に見つめられて、そのまま買ってしまうという心境に似ていた。
偶然に手を取ったのだが、棚に戻そうとした時、確かに寂しいような悲しい表情をした、ように見えた。
梱包されて、メイン電源の入っていない神姫が、そういう顔をしないことは分かってる。しかし、現実はここにある。
「はぁ」
ため息を一つついて、神姫本体を持ってみる。
「重さはさほどでもないか」
この中にバッテリー、モーター、コンピューター、などが詰まっているのだから技術の進歩は恐ろしい。
ぷにっとお腹を押してみた。シリコンラバーが指の圧力でへこむ。本体の保護と見た目のためだろう。
そして、お腹の上に位置する二つの膨らみ、そこへ指を持っていき摘んでみた。
「ほほう、よくできてるな」
女性を意識して作られている神姫は、胸の膨らみの中はシリコンラバーで作られていた。
胸の中にまでも機械でみっちりしているとおもったからだ。
ぷにぷにと身体中を触っていると声がした。
「あ、あの……マスター? 恥ずかしいのですが……」
「うわ!」
俺は驚いて神姫を放り投げると、トンっと手をつき、腕の伸縮の反動でくるっとまわって綺麗に正座した状態でこっちを見ている。
いつのまに電源が入っていたのだろう。
「はじめまして、マスター。これからよろしくお願いします」
三つ指をついて挨拶をしてきた。
「ああ……」
そう答えるのがやっとだ。
「あ、のさ…ロボットでも感じるのか?」
何とも変な質問だが聞いてみた。
すると、少し顔を赤らめて俯きながら答えてくれた。
「痛み、快感というのはありません。ですが、羞恥心は……あります……」
「そっか」
「すみません」
さらに顔を赤くして顔を背けてしまった。
「いや、こっちこそ悪かった。興味本位とはいえあんなことして」
「はい……」
「で、お前の名前は?」
「はい。武装神姫、TYPE ANGEL アーンヴァルです」
そう即答したが、俺は首を横に振りやさしく言った。
「それは商品名だ。そうじゃなくて、お前自身のお前だけの名前だよ」
びっくりした表情をしてこっちを見つめてきた。
「いつまでも、お前っていいたくないからな」
そう言うと、考え込んでしまったようだ。
「アー…ル、アール! 私の名前はアールです!」
満面の笑顔で自分の名前を言ったアールに、俺も笑顔で答える。
「そっか、アールか。よろしくな!」
「はい!」
そっと出した俺の手に思い切り飛びついて、指の先を両手で掴んだ。
こうして、俺とアールの生活が始まった。

書いていたら、エロも萌えもないものになってしまったorz
160名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 07:10:39 ID:MTyQfEVM
>>155
夏色の砂時計より前に逆移植あったんだな…
>>158
羞恥プレイとはまた…
>>159
いやいや
もっとやろうぜ兄弟
161名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 07:12:43 ID:tWfSrgoJ
なにこの盛り上がり、イイヨイイヨー
162名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 08:41:48 ID:Pdyz/TpK
なんかこのスレを読むと心が安らぐ毎日だな。
163名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 13:32:10 ID:uEWUp76Y
くだらないSSをば・・・

オレは念願だった神姫初期シリーズのストラーフを購入してもう5日がたった。
「なぁクロ、追加武器とか欲しい?」おれはパートナーのクロに問いかける。
「マスター、私には決定権がありません。」彼女は悪魔型という割には慎ましい娘のようで、
自らオレに要求しないのは分かっていた。「そうか、んじゃバイト行って来るよ。」
「いってらっしゃいませ、マスター。お気をつけて。」彼女に見送られ、俺は家を出た。

バイトから帰ると彼女はPCの置いてある机に体育座りでオレの帰りを待っていた。
殺風景な安アパートの自室に彼女は彩りを与えてくれた。「お帰りなさいマスター。お疲れ様です。」
彼女は座りなおし、俺に頭を下げ挨拶してくれる。「ただいま。」オレも挨拶を返す。
「今日はお土産があるぞ。」土産、その言葉にわずかだが彼女は反応してくれた。
彼女は少し申し訳無さそうな、でも嬉しそうな顔をしている。
「追加武装セットだ。ホラ、お前重火器好きなんだろ?」うちのクロは武器マニアらしい。
「マ、マスター申しわ・・・」「何で謝るんだ?素直に喜んでくれる方がオレは嬉しいぞ。」
彼女は少し躊躇って「あ、ありがとうございます・・。」「うん。」それでいいんだ。
感情表現が苦手なオレのクロはあまり笑わないが、今回ばかりは自然に笑ってくれている。
追加装備ヴァッフェバニー。白兵戦的な武器が揃ったパーツセット。
武器好きなクロは早速自分で箱を空け、パーツを眺めている。「着けないのか?」
着けていいのですかなんて聞いてきたので、無言で頷く。彼女は礼を述べ、武装を着け始める。

5分もしないうちに装備を済ませたクロはオレの方を向き頭を下げ礼を述べた。
微笑んだ彼女は素直に可愛いと思った。中々似合ってるじゃないか。「また金がたまったら新しいパーツ買ってやるからな。」
「ありがとうございますマスター。マスターはお優しいのですね・・・。」
女の子に優しいなんて言われたことの無いオレは照れ隠しに頭を掻く。
「ま、まぁな・・・ん、まだパーツ残ってるんじゃないか?」オレは追加武装の箱を手に取った。


                  ごろり


何かがオレの足元に落ちる。「!?」箱の中のパーツが落ちたみたいだ。拾ってみるとそれは
       

                生首だった・・・・。


クロのオレを呼ぶ悲鳴が聞こえ、そこで俺の意識は途切れた。手から落ちた生首が嗤ったように見えた・・・。
164名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 13:33:33 ID:uEWUp76Y
エロく無くてすまぬ。ちなみにオレは今日黒子を買ってきたw
165名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 13:35:38 ID:LCHP8wxV
>>158
スクショとSSを組み合わせるとは神姫ならではだな。
エロらしいエロの少ないこのスレでよくやった!GJ!

>>159
エロも萌えも読み手が見出すものだぜ!
十分に萌えた!GJ!
166名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 13:40:28 ID:LCHP8wxV
>>163
萌えと見せかけてホラーワラタw
武装シリーズは買うほど必然的に生首が余るシステムだからなあ。
自我と感情がある設定だと結構グロいよなw
167名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 18:17:20 ID:dtz4sRLZ
はじめましてだぜ
俺もオーナーになった初心者だ
同人誌とか作るぜー
168名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 18:55:56 ID:ur/JHo1N
 たまたま寄ったコンビニでケーキが安売りしていた。
 物自体は安っぽいプラスチックケースに入ったものだったが、何故だか
ものすごくケーキが食べたくなった俺はそれを買って帰った。
 PCをいじりながらぱくついていると、犬子が不思議そうな目でケーキを
見つめていたので、「食べるか?」と聞いてみた。
 無言でコクコクとうなずく犬子にケーキを食べさせてやった。
http://a-draw.com/uploader/src/up0816.jpg
 一心不乱に食べ続けているさまをとてもかわいらしいものだった。
 二人で全部食べ終わると、犬子は物悲しそうな顔をしていたので、
「また買ってくるよ」と言うと、とてもうれしそうにしっぽをふってくれた。

その後、寝ていた黒子が起きてきて、自分だけケーキを食べられな
かったからすねてしまったのはまた別の話。
169名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 18:59:15 ID:LCHP8wxV
>>168
やっぱ絵があると説得力が違うな。
絵描ける人裏山死す。
なぜ指にモザイクがかかっているのかはあえて不問に付しておくw
170名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 20:05:31 ID:ur/JHo1N
>>167
買います!

>>169
YOUも描いちゃいなYO
いつも一人でうpしてるからさみしいのさぁ
171名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 20:50:01 ID:Aisss2OV
このスレは俺に安らぎを与えてくれる・・・
172名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 20:58:07 ID:DYRlbhOH
絵が描けなければスクショを!
ジオラマスタジオ立ち上がらないスペックのPCな漏れ…
173名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:27:38 ID:2g/TKQx5
ずいぶん前に作ったジオラマで・・・・・・

 いや、分かってる。全部俺のせいなんだ。
 俺がエロ本を出しっぱなしにして置いておくのが悪かったんだ。
 あまつさえその内容が「おんなのこのオ○ニー大図解」などという
いまどき普通の女性誌でもやっているようなネタだったのがよろしくなかった。
 羞恥の「しゅ」の字も知らない純真無垢な神姫には見せちゃいけない代物だったんだ。あれは。
「ふ……、ふな、なぁう……」
 うちのねここは案の定一人遊びを覚えてしまったわけだ。それも、「恥ずかしいこと」「隠れ
てやる」という要素をすっぽり抜かして。

ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20060928222210.jpg

「にゃうぅ、ご主人さまぁ、気持ちいいよぅ……」
 俺の目の前でやられても、正直困る。特に下腹部のあたりがピンポイント的に。「それは恥ず
かしいことなんだよ」「隠れてやらないとだめなんだよ」と一応教えたことは教えたのだが、ど
うもうまく理解していないらしかった。
 快楽をただただ純粋に享受している、まるで子供のようだ。いや。
 購入して間もない神姫の頭脳は子供同然なのだろう。タイプによってデフォルトの学習度合い
は違うが、実際工場出荷状態の頭脳にはかなりの冗長性がある。一番しっかりしている白子でさ
え、知らないものはまるっきり知らない。
 で、ねここなのだが、これが四人の中で一番イノセントだったのだ。だから一人遊びもそのと
おり「遊び」として認識してしまい……。
「ふにゃあぅぅっ!?」
 ねここの嬌声がひときわ高くなった。腹部を持ち上げ、両の脚をぴぃん、と伸ばす。ぴく、ぴ
くと数秒間痙攣した後、ねここはくたりと脱力して、はぁ、はぁ、と満足げな呼吸をした。彼女
の股間部からとろり、と、粘性のある冷却液が滴りテーブルを濡らした。
 俺は快苦様々の感情が混じったため息をついた。彼女らのオーナーとしてちゃんとしたことを
教えるのは義務だが、今回はちょっとばかり骨が折れそうだ。
 娘を持つ父親、ってのもこんな気持ちなのだろうか。
174名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 22:58:53 ID:qo/k77+Z
そうだ。パテか何かで神姫にお○んち○付けよう
175名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:00:50 ID:LCHP8wxV
>>173
そのスクショは見たことがあったが、SSのおかげで萌え&エロばっちりですた。GJ!

>>174
待て!早まんなwwwww
176名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:06:23 ID:ur/JHo1N
>>174
いいぞ、もっとやれ!
1771/2:2006/10/01(日) 23:17:03 ID:eGZEc7p/
159ですが、今度はこんなのになりました

それまで武装神姫というものを知らなかった俺は、あちこち調べてみた。
神姫の性格は、一体一体微妙に違うこと。自分好みの性格に出来るようにオプションディスクで上書き出来ること。
俺は、アールの性格を弄ろうなんて思っちゃいないが。
神姫にも好き嫌いがあり、バトルしたがるのとか、服で着飾りたいのとかが居ること。
そして、しばらくたったある日のこと。

その日、俺は予定よりも早く帰ってこれた。
自室の前に立つと、中から音楽が流れているのが聞こえる。
アールが音楽が好きなことが分かり、プレイヤー類は自由に使っていいと言ってあった。
せっかく楽しんでいるアールを邪魔しないように、ドアをそっと開けて中に入る。
俺の机の方に目をやると、そこで釘付けになった。
歌を聴いていると思っていたのだが、現実は予想のはるか上だった。
「ん〜、んん〜、んん、んんん〜♪」
歌に合わせてハミングを口ずさみ、器用に踊るアールの姿がそこにあった。
金色の髪をなびかせ、腰をぷりぷり振って手足でポーズを取って踊るアールに俺は見入ってしまった。
(可愛いもんだな)
そう思っていると、アールがターンをしてこちら側を向く。
「あ」
「あ」
アールと俺の目が合った。
すると、アールの顔がみるみる赤くなり、小刻みに震え出した。
「み、みてたんですか?……」
「あ〜……うん、可愛かったよ」
にっこりと微笑んでやると、アールの目に涙がたまりだす。
俺は涙を流す技術に感心すると、アールは側に置いてあったレーザーキャノンを持ちこっちを涙目で睨む。
「マスターのばかぁぁぁぁ!!」
そう叫ぶと、レーザーキャノンを乱射してきた。
神姫用に作られた武器類は、人間に致命傷を与えることは無いといっても、結構痛い。
「おい、こら。やめろ」
レーザーキャノンを取り上げ、アールを握って暴れないようにする。
「ふぇぇぇぇん」
俺の手の中で顔を両手で覆って泣いている。
「落ち着けって、泣くなよ」
反対の手でよしよしと頭を撫でてやると、ゆっくり泣き止んできた。
「落ち着いたようだな」
1782/2:2006/10/01(日) 23:17:55 ID:eGZEc7p/
撫でるのをやめて、机に座らせてもアールは顔を覆ったままだった。
「いつも踊ってるのか?」
アールに問い掛けると、ビクンとなった。
「ああ〜、無理に言わなくてもいいよ」
「……マスターに」
「うん?」
手で覆いながらもアールはゆっくりと話し始めた。
「マスターに見られないように、見られたくなかったから……帰ってくる時間には終わらせてました」
「どうして? アールの踊り、可愛かったよ。俺は見てみたいな」
「恥ずかしいんです!」
アールは覆っていた手をどけてこっちを見たが、顔は真っ赤のままだ。
「だって……こんなのが好きだなんて」
「いいんじゃないか? それは、アールがアールだっていう証拠なんだし」
「え?」
「神姫にもいろいろ好みがあるってことさ。だから見せて欲しいな」
「マスターは、わたしを嫌いになりませんか?」
少しおびえた表情で見つめているアールの頭をなでた。
「どうしてそう思う?」
「だって……」
「むしろ、もっと好きになったよ」
「マスター」
今度は別の意味で顔を赤くするアール。
「しょ、しょうがないですね。マスターがそう言うならみせてあげます」
顔を真っ赤にしてそういうアールをにっこり笑って答えた。
俺はその日、存分にアールの踊りを堪能した。
179名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:25:05 ID:ur/JHo1N
>>177-178
(*´Д`)ハァハァ
スバラシイ!!
180名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:29:16 ID:+ZrX9heT
>>177-178

白子が可愛すぎてこまる。
俺もSS書いてみるかな。
181名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:31:06 ID:LCHP8wxV
>>177
 萌 え 死 ぬ ! ! !
182名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:48:23 ID:v0BdhlT5
>>177
アールにslipknotとか聖飢魔Uとか聞かせてみたい
183名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:53:55 ID:yTg9QIUn
>>182
人間(マスター)は糞って自ら教育するおつもりか
184名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:58:20 ID:v0BdhlT5
>>183
どう踊るか気になって
185名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:59:20 ID:+ZrX9heT
このスレみてたら無性にSS書きたくなってきたので投下。
出来は期待しないで。


今日は久々の休みだった。ということで某家電量販店へ出掛た。
目当ては今話題の「武装神姫」。
最初は購入を考えていなかったが、ネットでの評判や友人に勧められたこともあったので購入することにした。

結構な人ごみの中、なんとか最後の1箱を入手して帰宅した。
購入したのは「TYPE DEVIL STRARF」一番気に入っていたモデルだった。
早速起動させてみる。
瞳をゆっくりと開くと彼女は俺に挨拶をした。
「おはようございます。」
どうやら正常に起動したようだ。
マニュアルを片手に初期設定(とは言っても彼女に名前を与えるだけなのだが)を開始する。
「まず最初に私の個体識別のための呼び名をいただけますか?」
名前については購入前から決めていた。
「リン・・・リンですね。認識しました。」

それから彼女は部屋の中を走り回っては目に付くものがあると俺に質問してきた。
なんだか、歳の離れたいとこが家にやってきたような感覚を覚えた。
しかしリンばかりに気をとられているわけにはいかない。
リンの寝床の確保がまだだった。
186名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:09:08 ID:FwD/REC0
おれは昔貰ったキャラクター物のタオルハンカチ2枚と100均で買ったバスケットを使って寝床を作る。
早速リンを呼んで寝かせてみると気に入ってくれたらしい。
そして少し頬を赤くさせたか?と思うと質問してきた。
「マスター、このキャラクターの名前は?」
これは少し予想外だったがちゃんと答えてあげる。
「…ピ○チュー。かわいい名前ですね。 マスター、こんなにいいものをありがとうございます。」
リンはそのピ○チューの描かれたタオルハンカチをうれしそうに抱きしめ、にこやかに微笑んでお礼を言ってくれた。
自分でも少し恥ずかしかったが「どういたしまして。」と返事をする。
その後、レンはじっとタオルハンカチを見つめていた。

俺が夕食を作っていると、レンがなにやらし始めた。
のぞいて見るとレンは鉛筆(ロケット鉛筆のヘッドの部分を与えてあった。)
とメモ用紙を使って何か描き始めた。

だんだんと輪郭がはっきりしてきた。ジグザグのなにかと丸っこいからだ・・・・・
まあジグザグの何かの時点でだいたい検討はついていたのだが。
そうしてレンが描いたのは紛れも無い、ピ○チューだった。
「絵が上手いんだな」と声をかけるとレンはあわてて身体で自分の描いたピ○チューの絵を隠して、
「見ないでください・・・」と恥ずかしげに返事をした。
もちろんそのレンの顔が忘れられないほど可愛かったのは言うまでも無い。

その後もレンはお絵かきを続けていたが、俺が風呂に入っている間に寝てしまった様だ。
寝顔は穏やかでこれが人工のモノだとは思えない。
ふと表情が変化する。とても幸せそうな笑顔だった。

そのとき、おれはレンを大切にしようと誓った。
187名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:24:35 ID:Eg8UECvw
>>185
気にするな。SSなんて皆好きで書いてるんだから一緒さ!
愛情は十二分に伝わった!
これで終わらせないでさらに描いて欲しいんだぜ!
188名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:25:00 ID:Ii/QvAZ3
>>182
       _ , -――-  、
    /  ハ        \
   /    |  |          ヽ
  |    | ⌒ |         |
  |    |, - 、 |.        |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  |   /___.V          | < よござんしょう 聞かせて御覧なさい
   | _∧ ・ /|         レ   \____________
    (_| `- ' ハ       /
      |     ` \,ヘ,ヘヘレ
     \  ⊂⊃  /
      -|\_ _/|-
       \_Τ_/
           ○
189名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:26:48 ID:g7fYs9Iq
>>182で思いついたネタ

今日はインディーズで大人気のとあるバンドのCDを買って来た。
初回特典でプロモビデオのDVDももらった。いい気分だ。
早速見ようとするが、そこに友人から電話がかかり、急に飲みに誘われる。
仕方なくストラーフに留守番を任せ、出かける事に。
数時間後、へべれけで帰ってきた俺は信じられないものを見て一気に酔いが醒めた。

SATSUGAIせよ SATSUGAIせよ
SATSUGAIせよ SATSUGAIせよ

装着変身斬鬼さんの音撃弦を歯ギターでかき鳴らすその黒いお人形さんは
どう見てもデスメタルの神様です。本当にゴートゥDMC。
190名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:30:34 ID:1mpFtI/X
>>189
出た〜
ストラーフさんの『歯ギター』だー!

地獄の人文字パート2だれかやってくれw
191名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:45:22 ID:FbJNcQRu
ハザポーハザポーハザポーハザポーハザポーハザポーハギティリファキデッ♪

…わかる奴いるかな
192名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:56:03 ID:mWXInvyy
自分はSS書けないからスクショだけで。
うーん今回は今一。
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061002005439.jpg

ちなみに前回は向こうの103です。
193名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 01:30:08 ID:xYKme2Yo
コレ絶対入ってるよ!
194名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 01:35:34 ID:Eg8UECvw
>>192
すまん、モノがドリルなせいで
「痛そう」って言う感想しか浮かばんw
195『不良品-1』:2006/10/02(月) 03:47:25 ID:bBTKtrjh
ここのSSSS(ショートストーリー&スクリーンショット)は質が良くてステキだ。
どれ、おじさんにも1つ遊ばせておくれ。


俺が望んだのは天使だったはずなのに、現れたのは悪魔だった。

…事の起こりは約3ヶ月前、念願の家を購入したお祝いにと家族で旅行に行った帰り道。
飲酒運転のダンプが突っ込んできて、両親と妹、弟…あっという間に家族全員あの世行き。
かろうじて俺だけ命が助かったものの、病院で目が覚めたら左足が無くなってた。
家族全員+足1本と引き換えに、4人分の生命保険と慰謝料、それからでっかい一軒家…20代
も半ばを過ぎて、一生遊んで暮らせるだけの大金が手に入ったのは…さて、幸運なんだか
不運なんだか。
仕事も辞めて、日がな一日マンガだのTVだのゲームだの…何をするにも気力が沸かずに
ボーっとしていた俺の目に留まったのは、TVから流れる映像だった。
CGで描かれた白い天使が空を舞い、黒い悪魔が地を疾る。 パステルカラーのビームを
鈍い銀色のナイフが斬り裂いて、直後に白と黒がぶつかり合う。
アニメの番宣かと思ったが、どうやらオモチャのCMだったらしい。 15センチ足らずの
中に最新のAIだのなんだのが押し込んであって、人間みたいな反応を示すんだとか。
196『不良品-2』:2006/10/02(月) 03:49:10 ID:bBTKtrjh
俺がガキの頃に作ったり壊したりして遊んだプラモや超合金なんかとは時代が変わった
もんだと眺めていたが、ふと思い浮かんだ。
この先俺が何年生きるか知れないが、義足を引きずるこのザマでは家族を作るどころか
女との出会いも難しい(というか、よくあるお約束の「遺産目当てのゴタゴタ」で、俺は
しばらく人間不信だ)。
かと言ってペットを飼うにも俺はアレルギー持ちだし、例によってこの足じゃ満足に世話
ができるか分かりゃしない。
…それがロボットだったらどうだ?
メシはせいぜい充電してやりゃ済むだろうし、散歩だのトイレだの世話も焼かなくていい。
何よりペットや人間と違って飽きたら簡単に捨てられる。

「遺産目当てのゴタゴタ」で色々と思考が麻痺していた俺は、さっそくCMで見た白い天使
を注文していた。
なんだかこのオモチャは値段もそれなりながら爆発的な人気があるらしく、しばらくは
入荷待ちという事だった。
…まぁ何しろ金とスペースとヒマだけは心が腐りそうなくらいある。 じっくり待つさ。
197『不良品-3』:2006/10/02(月) 03:50:29 ID:bBTKtrjh
…そうして3ヵ月後の今。 俺の目の前には青い髪で黒い悪魔がちょこんと座っていた。
俺が注文したのは確か金髪で白い天使だったはずなのに…俺はつくづくツイてない。
いや、俺のところに悪魔が来るってのは、案外当たり前なのかも知れない。
なにしろツイてないんだからな。

「…どーすっかね」
カラッポになった箱を眺めながら俺が呟くと、チビ悪魔はこっちを見上げた。
本来なら苦情の電話を入れて送り返すのが当たり前なんだが、ついつい開封しちまった
しな…いや、3ヶ月も待たされたおかげで注文していた事実はおろか「ブソーシンキ」
とやらが何なのかも忘れていたのだ。
よく分からないまま届いた箱を開けたら、いきなり勝手に起動しちまった…というワケで。
確認もしないで開けたというのがちょっとな…そーいや昔、隣の家宛てに来たお菓子を
食っちまって妹にガンガン怒られたっけ…あ、ちょっと切ない。 鼻の奥がつーんと。
198『不良品-4』:2006/10/02(月) 03:51:58 ID:bBTKtrjh
「お前、名前とかあんの?」
気分を変えるために尋ねると、チビ悪魔はにっこり笑って答えを返してきた。
「はい、『ストラーフ』です。正確には『武装神姫シリーズMMS TYPE-DEVIL STRARF』
 と申します」
ふーん、と聞き流しながらコイツが入ってた箱を眺めると、確かにそんなような事が
書いてある。
「…ってーかさ、俺が頼んだのってお前じゃないんだ」
何でもない事のように言ったつもりだったが、小さく息を飲むような感じで身を硬く
した…ような気がする。
「白い天使いるだろ。ほら、お前とTVで戦ってたヤツ。アレを頼んだハズだったんだけどさ」
「『アーンヴァル』ですね。私と対になるデザイン・コンセプトで造られた天使型MMSです」
「そーなん?いやよく分かんないけど」
自慢じゃないが、このオモチャの事なんかロクに調べてなんかいない。詳しい事説明された
って分かんないし、別に知らなくてもいい。
「アーンヴァルは、そのヴィジュアルにユーザー様をリラックスさせる効果があるため、現在
 でも品薄の状態が続いているんです」
「癒し系とかヒーリングとか、そーゆー感じ?」
端的な俺の言葉に、悪魔はくすっと小さく笑って「そういう言い方もありますね」と答えた。
199『不良品-5』:2006/10/02(月) 03:53:05 ID:bBTKtrjh
「あー…えっと、そういうワケなんで」
既に俺の言いたい事を理解していたのだろう、悪魔は「ご心配なく」と言ってまた微笑んだ。
「今回の件はこちらの不手際です。メーカーにご連絡して頂ければ、係の者が私を引き取りに参ります」
「あー…なんか、ゴメンな?」
「いいえ、謝罪をしなければならないのはこちらの方ですから、お気になさらないで下さい」
「ん、そう言ってくれると助かる」
「今回は大変ご迷惑をおかけしました。それでは、私は再び箱の中に入りますので…」
そう言って俺が持っていた箱に済まなさそうな視線をよこすので、慌てて箱を置いてやる。
「ありがとうございます…良いご主人様で、アーンヴァルもきっと喜びます。大事にして
 あげて下さいね」
何度目か…まるで自分の事のようにふわりと微笑んだ悪魔は、箱の縁に足をかけて登り始めた。

…? 何だろう、ちょっと違和感が… …あ。
200『不良品-6』:2006/10/02(月) 03:54:10 ID:bBTKtrjh
「お前、足ちょっとヘンか?」
足を庇うような仕草をするのに気づいて聞いてみると、悪魔はちょっと困ったような顔をした。
「はい、左股関節の辺りが少々緩いようです」
そう言って足の付け根をさする姿に、ちょっと焦る。15センチそこらの小さいロボットとはいえ、
女の子がそういう仕草をするというのは…ほれ、何かその。アレだ。
「あー、初期不良とかそういうヤツか。工場に帰ったらちゃんと直してもらえよ?」
頬が緩んでるのをゴマかそうと早口で言ってみたが、チビ悪魔の答えは冷静だった。
「いえ、初期不良のある素体は全て処分されますから」
「は?」
「私たちは一応精密機械ですので、こういった初期不良の起こった素体は再利用される事
 なく破砕処分されるんです」
…俺が何かを勘違いしてるのか?
「え、じゃあお前は?」
「係員に回収された後、運送先の工場で破砕されます」
笑顔で答える悪魔には、悲しみだとか心配だとか、そういう感情は浮かんでいない。
201『不良品-7』:2006/10/02(月) 03:55:17 ID:bBTKtrjh
コイツはバカなんじゃないのか? 
コイツは何のために造られたんだ?
コイツを望んだ誰かの所に行くためじゃないのか?
手違いで配送されて「お前じゃない」って断られて、挙句に「初期不良だから」で
ブッ壊されるってのに何で笑ってる?
そんなしみったれたチンケな一生のためにお前は造られて、それで壊されるのか?
一瞬でそこまで考えて、無性に腹が立った。
この何にも考えてないチビ悪魔に。
オモチャ相手に色々考えてる自分に。
親も妹弟も亡くして大金持ちのひとりぼっちになって、初めて感じた強い感情がこれか?
くそったれ。
202『不良品-8』:2006/10/02(月) 03:56:14 ID:bBTKtrjh
「それでは、お手数ですがメーカーへのご連絡をお願いいたします」
見れば、このバカチビ悪魔はすっかり帰る準備を整えてやがる。
「やめた」
「はい?」
あんまり頭にキてるせいで低くなった声は、バカ悪魔に聞こえなかったらしい。
だから改めて言う。
「お前は帰らなくていい。今日から俺のだ」
「…あの、それは私を所有する、という事でしょうか?」
「文句あるか」
「ですが、先ほど申しましたように私は不良品で」
「見ろ」
慌てたように言うのを無視してズボンをめくり上げる。 露わになった俺の左足…
義足を見て、チビ悪魔は言葉を失った。
203『不良品-9』:2006/10/02(月) 03:57:19 ID:bBTKtrjh
「俺も不良品だ」
「そんなっ!そんな事を仰らないで下さい!」
今までとは違った顔、違った声を上げるチビ悪魔に、俺の怒りはちょっとだけ和らいだ。
「不良品の俺のところに、不良品のお前が来た…いいんじゃないか?それでさ」
オロオロしてる頭をぽんぽんと指先で軽く叩いてやり、カーペットに座ってテーブルの
上にいる悪魔に視線を合わせる。
「俺がお前に教えてやる。笑える事も面白い事もくだらない事もバカバカしい事も全部、
 俺とお前で楽しもうぜ」
潤んだ眼に、笑った俺の顔が映っている。

…よう俺。しばらく見なかった顔だな。元気か?

俺が俺と話してる間に、チビ悪魔は俺の指を抱き締めて「今後ともよろしくお願いします」
とか言ってた。 …こちらこそ。

                                      Fin
204名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 04:01:03 ID:aIi3Qqh7
パソコンつけるの面倒でケータイから見たんだが、なんかぐっとくる話だなオイ
数奇な運命って感じかな。
できれば連載してほしい。
205名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 04:46:10 ID:Fi34vpJ1
少し上に戻ってあ〜る君の顔を見たら塩沢さんのことを思い出して余計に泣けてきた。
206名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 07:51:25 ID:VDK2ycWU
朝おきて俺の涙腺を直撃した貴様がにくい
207名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 08:09:44 ID:40Ee7/km
>>195-203
不覚にも涙が…
それにしても萌えや笑いやエロや感動で本当に盛り上がってきたなぁ。
あまりの過疎ぶりに67を書いた時が嘘みたいだ
208強敵・一:2006/10/02(月) 09:42:42 ID:/ZJnUQ7a
来るバトルサービスの妄想SSを一つ。
『不良品』の著者様に敬意を込めて。


 なんてこった。強すぎる。
『きゃあああ!?』
 タイプ<ゴーストタウン>バトルフィールド内において、おれの天使型MMSアーンヴァル「マイティ」は、
空中にいたところを相手神姫に攻撃された。アウトレンジから一方的に射撃することで安心しきっていた
マイティは、ビルの外壁を蹴たぐって「跳んで」きた敵と避ける間もなく激突。そのまま失速し地面へ真
っ逆さまに落下した。
「体勢を正せ!」
 おれはすかさず命令する。ダメージからではなく驚愕に前後不覚に陥っていたマイティはおれの声で平
静を取り戻した。神姫スケール換算地上三メートルでマイティはウイングブースターを反転させ、下方へ
の運動エネルギーを強制排除、墜落寸前でホヴァリングした。
 頭上から脳天割らんと落ちてきた敵。巨大なアームに握られた「フロストゥ・グフロートゥ」が道路を
粉砕。まるで砲弾がぶち当たったようにアスファルトの破片が炸裂する。
 マイティはすんでのところで避けていた。十二分に間合いを取る。若干組み替えているとはいえアーン
ヴァルそのものの優秀な中遠距離戦闘性能は殺していない。離れれば離れるほどこちらにとっては有利に
なれる。
 相手神姫は悪魔型MMSストラーフだった。武装はほぼノン、カスタムに見えるが、一目で分かる最大の
特徴――今やあれは特長と呼んだほうが良いかもしれない――があった。
 一本足なのだ。性格には右足のみ、悪魔型のレッグパーツを取り付けてある。左足は素体のままで右
レッグパーツに添えるだけ。右のレッグパーツはバッタの足みたいな補助シリンダーが装備され、片足
以上の跳躍性能を秘めていた。ビルの壁面を蹴り登りマイティのところまでやってこれた正体だ。
 決して不恰好ではない。正面から対峙すれば、本当に脚が一本しかないように見えてしまう。もとも
とが人型であるから、どうも対戦した神姫は生理的な恐怖か嫌悪感のようなものを感じてしまうらしい。
おれのマイティも例外ではなかった。
209強敵・二:2006/10/02(月) 09:45:24 ID:/ZJnUQ7a
「片輪の悪魔、か……」
 おれは相手神姫とそのオーナーに付けられた通り名を思い出していた。考えてみれば通り名がつく
ほどなのだから、そいつはめっぽう強いか笑えるほど弱いかのどちらかでしかないのだ。あいつはまず
間違いなく前者だった。
 まるで神姫と会う前から示し合わせていたように、オーナーの男は左足が、無かった。
『マスター!』
 懇願するようにマイティが叫ぶ。命令をしてくれというのだ。しかし、おれは有効な戦術が思いつか
ない。
「今ので空中も危ないと分かったはずだ。動き回って間合いを取り続けろ」
『は……、はいっ』
 有効な安心が得られなかったからか、やや不本意そうにマイティは応えた。
 その後もこちらの不利が続いた。動き回れば追ってくるのは近接型のセオリーだが、悪魔のそれは
つかみ所の無いトリッキーな動きだった。ビルの壁を利用し、三次元的に追ってくるのだ。そのくせ
こちらが予測して撃ったはずの弾は例外なくかわす。避けるのではない。弾丸をはじき飛ばしたり隙
間を抜けさせたり、並大抵の神姫ではできない戦術を呼吸するようにやってのける。
 マイティのコンディションに焦りが見え始めた。先頭の切れ目だ。おれは彼女にアウトレンジ戦法
ばかり教えてきたから、突発的な対処にはめっぽう弱い。
 悪魔が隠し持っていた拳銃を二、三連射する。マイティのちょうど後ろにあるビルの外壁に当たり、
マイティはおののいて急制動をかけてしまった。拳銃は命中させるための攻撃ではなかったのだ。
 すかさず悪魔の右アームが背中にまわり、目にも留まらぬ速さで前方に振られた。
「いけない。マイティ避けろ!」
210強敵・三:2006/10/02(月) 09:47:17 ID:/ZJnUQ7a
『えっ』
 ずがっ
 マイティの右ウイングが叩き切られた。外壁に刺さっていたのは忍者型の手裏剣。マイティは揚力を
失い、墜落した。
『あ、あ……?』
 衝撃で動けなくなり、地面に転がるマイティ。
 どすん。目の前に悪魔が着地する。とどめを差す気だ。逆手に握られたフロストゥ・クレインを天高
く持ち上げる。
『いやぁー!』
マイティの悲鳴。
『そこまでっ。試合終了』
審判側から試合終了の合図。
もちろんおれ達は負けた。マイティはなんとかぶち壊されずに済んだ。
「マスター!」
 破損した部品を修理ブースへ預け戻ってくるなり、マイティはおれにしがみついた。体が小刻みに
震えている。尋常でない恐怖だったのだろう。
 おれは「大丈夫だ、もう大丈夫だよ」マイティの頭をなでた。
「よう、こっぴどく負けたな」
 観戦していたらしい神姫仲間の一人が寄ってくる。胸ポケットには彼のハウリンが心配そうにマイティを見つめている。
「惨めなもんさ。見てたのか」
 おれは頭を掻きながら、嘆息した。
                                了
211名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 09:51:50 ID:/ZJnUQ7a
すみません、誤字です。
強敵・二の「先頭の切れ目だ」は正しくは「戦闘の切れ目だ」です。
失礼しました。
212名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 09:54:58 ID:mx//zarc
>>211
すみません、誤字です。
強敵・二の「戦闘の切れ目だ」は正しくは「先端と割れ目だ」です。
失礼しました。
213名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 10:15:03 ID:VDK2ycWU
不良品コンビがこんなに強くなって…ウウッ
214名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 11:30:04 ID:ADRpBPEt
みんなこれみたことあるかもしれないけど、このレビューのがうまい組み合わせに思えた
ttp://www7.ocn.ne.jp/~moekyu/arnval.htm
215名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 11:55:13 ID:VDK2ycWU
>>214
ちょっと1/144ゼロカスタム買って来る
216名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 12:00:43 ID:Eg8UECvw
>>195
ここまで来るともう読み物としても十分なクオリティだな。
これが始まりなんだし、是非Finにしないで書きに来て欲しい。
ともあれGJ!
しかしこのスレのSSの「ご主人さま」はみんな人間が出来過ぎてて困るw

>>208
バトルものながら、まだサービスが始まってないからかそれ自体の内容のSSは初めてになるな。
スピード感があって読んでて楽しかった。GJ!

しかしこのエロパロ板とは思えない充実ぶりはある意味凄いw
217『不良品』書き手:2006/10/02(月) 13:08:11 ID:bBTKtrjh
オハヨウゴザイマスというかコンニチワ、不良品の作者です。押忍。
寝つけない秋の夜長に書き散らしたネタをこねあげた拙作でしたが、好評のようで
嬉しい限り。
ホントは順番にお礼言いたいのですが、長くなりそうなので「皆さんありがとう
ございます」で感謝の意を。
…そして中でも「強敵」を書いてくれた208氏ありがとー。つかカッコいいな片足
コンビ。マイティちゃんゴメンな、マスターに似たのかウチの子って興奮すると
後先考えなくなるねん。ホンマはえー子やから怖がらんといてあげてー。

突発的なネタになるかもですが、また続き書きます。その時は名前も付けてあげよう。
218超不良品:2006/10/02(月) 14:01:30 ID:VDK2ycWU
俺が望んだのは天使だったはずなのに、現れたのはおっさんだった。

ボーっとしていた俺の目に留まったのは、TVから流れる映像だった。
CGで描かれた白い天使が空を舞い、黒い悪魔が地を疾る。 パステルカラーのビームを
鈍い銀色のナイフが斬り裂いて、直後に白と黒がぶつかり合う。
アニメの番宣かと思ったが、どうやらオモチャのCMだったらしい。 15センチ足らずの
中に最新のAIだのなんだのが押し込んであって、人間みたいな反応を示すんだとか。
まあそんなわけで中略、購入決定。
…そうして3ヵ月後の今。
俺の目の前には髪型だけは金髪、服のデザインだけは白いボディスーツだが、
ゴツくてヒゲヅラで顎が割れてて眉毛がつながっててほくろ毛のあるおっさんが座っていた。
タバコをふかしながら。

「…不良品?」

「なんやとコラ」

おっさんが俺の言葉に反応した。
「誰がおっさんや誰が。ちょっとそこすわれや」
「は、はあ…」
「ヲイ。ワシゃあ座れゆーたんやぞ。なのになんで見下ろしとんのや。頭が高いっちゅーねん」
「いやでも、あんた15CMサイズだし…」
「なんやと!?」
 おっさんがタバコを地面にたたきつける。
「こっちかて好きでチビやないんや、お前はいま言う手はならんこと言うたで!?
 何か、お前の親父は他人の体を笑いものにしていーんと教えたんか!? ええ!?」
219超不良品:2006/10/02(月) 14:02:21 ID:VDK2ycWU
「いや、笑ったわけじゃないし。そもそもあんた人じゃ…」
「カーッ、ペッ!
 最近のガキゃぁなんや、あーいえばこういう!何様やてめぇ、お子様か!?
 大体な、ワシを買って何しようとしたんや、ああ!? エロいことか!? このエロスが!」
「違いますよ、バトルを…」
「ワシら闘犬か!? 剣奴か!? ロボットに人権はないんか!? ええ!?
 お前らだって買われてその先で手足バラバラに組み替えられたりしたらどないな気分や!?
 あまつさえいきなり殺し合いやで!? そんなん知れたら人権擁護団体がだまっとらんで!?
 出るトコでますよこっちゃあ!? わかっとんのかいガキャア!!」

……。
むっちゃ殺したい。
叫んでるこのクソ不良品を粉々に金槌でたたき壊したい衝動を必死で抑えながら、俺はお客様コールセンターに電話した。
「もしもし、すげぇ不良品なので交換してください」
「なんやこら!? 喧嘩で負けて親父にチクる小学生か!? 最近の若者は根性ゆがんどると聞いたがここまでか!?」

 30分後、わめきながら引き取られていくおっさんを眺めながら、俺は思っ
220超不良品:2006/10/02(月) 14:02:51 ID:VDK2ycWU
 30分後、わめきながら引き取られていくおっさんを眺めながら、俺は思った。
 次こそはかわいい天使が着ますように。
221名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 14:24:09 ID:1mpFtI/X
知ってるか?
武装神姫のマスターは3つに分けられる
格好良さを求める奴
エロに生きる奴

ネタに走る奴

この3つだ


>>218-220はー
222おっさん:2006/10/02(月) 14:28:18 ID:VDK2ycWU
>>221
なんやコラ。
何万人いるかわからんオーナーを三つにわけるなんて何様や!?
そんなゴーマンな人間がおるからワシラみたいな神姫が不良在庫として捨てられて野良神姫になるんやぞ!?
ワシら増えすぎた犬猫か!? 保健所行きかコラ!?
エエ身分やのぉコラ!? さしずめお前は何番や!? 0番目の神様だとでも言うんか!?
勝手におっさんとか不良品とかレッテル貼られるワシらの身になってみぃ?!
傷ついた! 責任とってワシらを引き取れ! VIP待遇やで!? メシは松坂牛や! わかったか!?
223名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 14:41:52 ID:MwNccp8d
「もしもし、すげぇ不良品なので引き取ってください。あいや、交換はいいんで」
224おっさん:2006/10/02(月) 14:44:07 ID:VDK2ycWU
>>223
コールセンターの姉ちゃんでっか!? ひどいんでっせこのオーナー!
あんたのことを「エエケツしてるしチチもなかなか、口実つけて電話してそれでハッキングしていろいろしてやるぜー」
とか言うてたでー!! 早くこの電話切ったほうがいいでっせー!!
ああ、今もパンツぬいて腰振っとる!! 近所のみなさーんたすけておーかーさーれーるー!!!!!!
225名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 14:45:10 ID:DWnivUkc
ここは良スレだな、いや俺的には神スレだ!!
226名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 14:47:35 ID:Eg8UECvw
外見はそのままで性格だけおっさん神姫なら許さんでもない
…と思っている俺はだいぶ毒されているようだ。

だが外見もおっさんなら迷わず簀巻きにして燃えないゴミに出す
227名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 14:52:35 ID:i6haiOlH
>>192
ドリルのかわりにねこのしっぽでなんとかならないかなw
228おっさん:2006/10/02(月) 15:05:33 ID:VDK2ycWU
>>226
カーッペッ!
外見だけで判断か!? これだからエロス人は!
ええか、おっちゃん今からエエこと言うから聞いとけよ!?
人間はハートや! 心や! 外見よりも性格や!
ワシがあまりにもも魅力的やんらそんなこと言うんやろ!? 最近流行のツンデレか!?
http://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061002150431.jpg
229名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 15:14:24 ID:ny4gZc4o
ID:VDK2ycWUよ、今おまえはこのスレの住人全てを敵に廻したと思うぞw
230おっさん:2006/10/02(月) 15:44:03 ID:VDK2ycWU
みんなでワシを襲う気か! 強姦して輪姦か!? マワしてビデオに撮って売る気やな!?
好きにしたらええ、体はくやしいでも感じちゃうなコトになったって
ワシの高潔な魂は快楽には屈せんで! ゼニになら屈するが!!!!
231名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 15:56:01 ID:xRjZqn7o
スレ違いだし、なりきりとか要らないんで消えてください
232名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 16:03:28 ID:J2Uu1oHt
>>231
そういってやるな本人は面白いつもりなんじゃない?
233名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 18:10:15 ID:3w/1mRB+
無性に絵を描きたくなってしまった
234名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 18:14:57 ID:Eg8UECvw
>>233
遠慮するこたぁないぜ。YOU描いちゃいなYO!
で、出来れば完成したら見せてくれるとなおいいんだぜ
235名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 18:23:02 ID:LrtDElpE
ドリルより尻尾の方がいいという意見があったので。

ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061002182132.jpg
236名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 18:59:10 ID:rpIoW98n
>>235
双頭ディルドーっぽくてエロス!!111!!
237208:2006/10/02(月) 19:37:08 ID:/ZJnUQ7a
お返事が遅れまして申し訳ありません。強敵の作者です。
実は書いてしまった後に「しまった、ここはエロパロ板だった。板違い、スレ
違いと言われないだろうか」とビクビクしておりました。
また片足コンビの描写に失礼が無かったかもう心配で心配で。
「不良品」の著者様をはじめとして、読んでくださった方々に心からお礼申し
上げます。本当にありがとうございました。
238159=177:2006/10/02(月) 22:21:09 ID:eKlH6T4i
日曜だというのに、俺は昼間からベッドに横になってマンガを読んでいた。
アールはというと、床に置いてやったラジカセの前に座って、音楽を聴いている。
マンガを読み終わった俺は、新巻が出ていることに気が付いて、ピンと閃いた。
「アール、武装するから机に乗って」
「はい」
アールは返事をすると立ち上がり、机に向かって走る。
そして、ジャンプして椅子に手をかけ、身体を捻り椅子の上へ、さらにジャンプして机の上に行く。
相変わらず見事な動きだ。
俺は、武装パーツの入った箱を持って椅子に座った。
「……マスター…」
アールの声に、ん?と振り向く。
「……マスター……やさしく……して……ください…ね……」
潤んだ目を上目づかいで、か細く言ってきた。
俺は、顔が一気に熱くなるのを感じた。
「ば! おま!! な!」
バカッ お前何いってんだ! と言いたかったが、口からはそれしか出ない。
俺が焦っているのを見ていたアールの顔が、にやぁっと笑い顔に変わっていった。
「ぷっ! うふっ ふふふふっ」
アールが笑い出したので、俺はしまったと思った。
「いつも、からかわれているから、おかえしです」
してやったりと笑顔のアール。
「む〜、んなことしてると武装してやらんぞ」
「うふふ、はい、ごめんなさい」
謝るアールだが、まだ笑っていた。
「ったく」
俺は恥ずかしさを隠しながら、アールの武装を始めた。
普段は体内にしまわれている接続部を、手首、二の腕、太ももから引き出す。
そこにパーツをくっつけていく。
アールを持ち上げ、長い髪を掻き分け、背中から接続部を取り出すと翼をつけた。
この長い髪も、特殊金属で設定によって長さを変えれるらしい。
足にブースターを履かせて、胸アーマー、ヘッドギアを取り付けて武装完了。
手を広げると、アールは浮かび上がり、俺の頭上で旋回する。
「よし、出かけるぞ」
アールに言うと、ビックリした様子で目の高さまで降りてくる。
「え? 外ですか?」
「いやか?」
「いいえ!」
ぶんぶんと首を横に振るアール。
239159=177:2006/10/02(月) 22:21:56 ID:eKlH6T4i
そして、俺はアールを連れて出かけた。
あまり外へ出したことが無いので、アールはあっちこっちへと飛び回って楽しんでるようだ。
大型家電店の前に来た時、店頭モニターに神姫同士が戦う映像が流れていた。
どうやらどこかの大会の映像らしい。
俺はその映像に見入っていると、アールが俺の頭にしがみついてきた。
「こういうの、嫌いか?」
頭の上のアールに聞いた。
「はい。あまりこういうのは……」
すこし震えているようだ。神姫同士がぶつかり、傷つけあい、オイルという血を流し合う。
そんな映像を見たのだから無理もないだろう。
「ダンス大会なら、アールが優勝なのにな」
「もう! マスターはまたそうやって!」
頭の上で赤い顔で怒っているであろうアールを想像して可笑しくなったが、アールの震えは止まったようだ。
「よし! 次いこう」
アールを頭に乗せたままその場を去る。

目的のマンガやアールが欲しいと言ったアクセサリーを買った帰りに、ふとアールに聞いてみた。
「アール、妹欲しくないか?」
「妹……ですか?」
「ああ、もう一体神姫買おうかと思うんだけどな」
「そうですねぇ、お友達とか妹が増えるのは嬉しいですけど、ちょっと寂しいです」
「なにがだ?」
「……マスターを……独り占め出来なくなりますから」
「ったく、言ってろ」
「うふふふ」
この日、二度目の顔が熱くなるのを感じた俺だった。
240名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:28:17 ID:Eg8UECvw
>>238
今日も良い萌えでした。
ご馳走様です!
24110月1日 日曜日 雨:2006/10/02(月) 22:31:17 ID:Fi34vpJ1
6時30分少し前、マオチャオの声で目が覚める。
「ご主人さま、ガイキングの時間なのだ、起きるのだ」
おおそうだった、と飛び起きてはみたものの、はて、ガイキングは先週で最終回ではなかっただろうか。
大空魔竜の雄姿がもう見られないことに残念がる彼女だったが、今夜から始まる新番組「ライオン丸G」のことを教えてやったら、
少しは機嫌を取り戻したようだ。

7時前になると、ストラーフがいそいそとテレビの前に駆けてきた。
「魔弾戦記リュウケンドー」の時間だ。
勧善懲悪ものはあまり好きではない彼女だが、この番組については少々事情が異なるらしく、
世界全体ではなく一つの町を守るために戦うというローカルなヒーローの姿に、
主人のためだけに戦う存在である自分の姿をダブらせているのだという。
そういえば、タカラから出ているソフビフィギュアの武器が確か神姫に丁度良いサイズのはずだ。
今日の午後にでも買ってきてやろうと思う。

7時30分、「轟轟戦隊ボウケンジャー」が始まると、アーンヴァルとヴァッフェバニーがそれぞれTVの前に正座する。
アーンヴァルはボウケンピンク、ヴァッフェはボウケンシルバーがお気に入りだという。
今日の物語は丁度この二人がメインなだけあって、いつも以上に熱中している。
特に、シルバーが敵に倒され、ピンクが怒りの声を上げるシーンでは、同時に立ち上がって応援の声を上げるほどだった。
普段冷静な彼女たちだが、今日は意外な一面が見られたように思う。

8時、「仮面ライダーカブト」、ここからはハウリンの時間である。
自分の目的のためだけに戦うストイックなヒーロー像と複雑な人間ドラマは、彼女の好みを直撃したようだ。
一方で影山のヘタレっぷりには心底苛立っていたが、彼が追い詰められ逃げ場を失った姿には、流石に顔色を失っていた。
そしてラストシーン、矢車とのホッパー兄弟結成に思わずニヤリとする彼女を見て、俺もまたニヤリとするのであった。


以上、萌えもエロも無くてすんません。
242名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:31:54 ID:R1Zbe2kl
>>238
あーもう2036年までハイパークロックアップしてぇ!
243名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:37:06 ID:Eg8UECvw
>>241
全員特撮アニメ好きかいなw
楽しそうな日曜日だなw
244名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:41:22 ID:U0dENo53
>>241
ちょwwwマスターの影響受け過ぎwwww
245名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:04:29 ID:SwibcShu
曜日はずれるが、同じ会社の赤ずきんに関してはどうなんだろうかw
246241:2006/10/02(月) 23:09:02 ID:Fi34vpJ1
ごめん、土曜の朝は仕事なのでパワパフZともどもビデオ録画だw
247名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:25:28 ID:rpIoW98n
>>241
プリキュアとかマイメロとかデジモンとかどうなんですかね?
248名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:27:51 ID:yxXukAya
なんで俺、エロパロで泣いたり和んだりしてるんだ?
249名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:58:07 ID:QOdouEiR
>>241
何その俺ん家の日曜日w
250名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:05:00 ID:QULij8pc
何この良スレ
てか何でこんなに逸材が集ってるの?w
251名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:29:46 ID:Rm4/IYYf
ついエロ絵描いてしまった
白黒ラフなので武装神姫といわないとわからないかもしれないが
252名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:33:43 ID:Oog0lzNH
>>251
もちろんうpるよな?
253名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:39:21 ID:Rm4/IYYf
しまった、アドレス張り忘れた
http://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061003002857.jpg
254名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 01:21:24 ID:Q5NqgE1h
>>253
エ・ロース!GJ!
255名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 02:17:22 ID:6oh0G44R
しっぽ回転させればふたなりになること思ったが微妙
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061003021257.jpg

角度によっては双頭ディルドー状態。
256『不良品』第2話の1:2006/10/03(火) 02:46:01 ID:DHN+SgOi
胸〜を〜張ぁて『ちょいとハッスル♪』
…神姫片手にプリキュアのEDをエンドレスで見ているといい感じでトリップ出来ますね(挨拶)
このスレがあんまり居心地いい&ネタが結構沸いてくる&ご好評だったので、つい調子に乗って
続編など書いております。 お目汚しかとは思いますがどぞお楽しみくだされ。
…例によってあんまり萌えとかないですごめんなさいゴメンナサイ。

チビ悪魔と暮らす事を決めた次の日。
まずはブソーシンキ…「武装神姫」について無知極まる俺に対するお勉強から始まった。
色々発売されている専用拡張パーツは元より、別メーカーのオモチャさえ流用する事も
可能という拡張性の高いカスタマイズ(チビ悪魔によると、これは公式アナウンスは
出来ないけれど暗黙の了解なのだとか)。
更にインターネット上での登録によるイメージカスタマイズやドレスアップコンテスト、
果ては神姫同士を戦わせるバトルサービス…なんてのもあるそうだ。
ハイテクな話にはあまり興味もなく、アレコレと関係ない話で混ぜっ返しながら聞く俺に、
根気よく話してくれたチビ悪魔の根性はたいしたモンだった。
話が一段落したあたりで、オレンジジュースを一口。
俺は百均で買った紙コップ(後で洗うのがめんどくさいから)だが、コイツには手ごろな
サイズのコップなんか無いんで、ペットボトルのキャップだ。
257『不良品』第2話の2:2006/10/03(火) 02:47:46 ID:DHN+SgOi
んくんく、と器用にジュースを飲んでいる悪魔を見て…ふと思いついた事を口にしてみる。
「それにしても、お前って悪魔タイプなのに礼儀正しい喋り方だよな。神姫ってみんなそうなの?」
「いえ、出荷時にランダム設定されますので、性格は個体ごとに違います。無邪気な子、大人しい子、
 元気な子、悪戯が好きな子、オシャレが好きな子、バトルが好きな子、逆に嫌いな子…様々です」
「ふーん…で、お前はどんな性格なワケ?」
えっ、と一瞬口篭もったあと、おずおずとこっちを見上げてきた。
「…あの、笑いませんか?」
「んにゃ、別に」
「…その…バトルに興味が…」
「へー意外」
「笑わないって約束したじゃないですかぁっ!」
「笑ってない笑ってない。なんか掃除とか洗濯とかのお世話関係が好きそうかなーって思ってただけで」
「そういうのも嫌いじゃないです…というか好きですけど、「特訓」とか「パワーアップ」という言葉
 には憧れがあります」
…つくづく意外だ。いや、好戦的な所は悪魔っぽいというべきか?
258『不良品』第2話あとがき:2006/10/03(火) 02:50:38 ID:DHN+SgOi
短くてスマン!(土下座)
ネタはやたらと膨らんでいるのですが、まだ文章に起こせてなくて…PC使ってキーボード
で話を作る時も「遅筆」って言うんでしょうかね?
今日のところはこんくらいで…また次回。
259名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 03:06:29 ID:Rm4/IYYf
いやいや楽しみにしてますよ
もうむしろマンガにしてみたいぐらいに。
260名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 03:26:22 ID:xca1LOxX
◇月○日


家に段ボール箱が山ほど送られて来る。
何かと思えば、海外旅行に行っている叔父からで調子に乗って色々買いすぎたらしい。
さすがにこれだけあると、箱が崩れてきて神姫達が下敷きになるので片付ける事にした。
ハウリン「マスター、このお面はこっちでいいか?。」
ストラーフ「本や雑誌は本棚にしまっといたよ。」
アーンヴァル「衣装は、こちらにまとめておきますね。」
マオチャオ「こっちは、終わったのだ、次は何をするのだ?。」
「ありがとう、そいつは倉庫に置いとくからそのままで良いよ、そしたらそこの箱開けてくれる?。」
ハウリン「分かった」
ストラーフ「OK」
アーンヴァル「はい」
マオチャオ「分かったのだ。」
神姫達も手伝ってくれたおかげで、昼前には終わりちょっと早いが、昼食を取る事にした。
「確か缶詰やレトルトもあったから食べてみるか、皆食べたいのあったら持ってきて良いよ〜」
皆「は〜い」
そして、缶詰などを持ってくる神姫達。
「皆それで良いねじゃあ開けて食べようか」
ってちょっと待て、マオチャオの持ってるその丸く膨らんだ缶詰
それは世界一臭い缶詰シュールストレミングじゃないか、一体どこにあったんだ!?
「マオ!!!、そいつを開けちゃだm――――」
カシュッ・・・・・
「くぁwせdrfgtyふじこlp;@::!111!!!」
時既に遅く、毒ガスレベルにまで発達した匂いが充満し
空を飛んでいたアーンヴァルは、錐揉み回転しながらまとめてあった衣装に突っ込み
ハウリンは倒れてピクピクと痙攣し
ストラーフは気絶しそのままナタデココの缶に入ってしまい
缶を開けたマオチャオは、立ったまま気絶し、何故か真っ白になっていた。
俺は、開けた缶を窓の外に放り出したところで力尽きてしまった。
気が付くともう夜になっていて、神姫たちも失神したままで居たので体を拭き寝床に運んで置いた
こちらも何度も体を洗い寝ることにした。
そして、数日後
叔父「おーい、缶詰のお土産もってきたぞ」
皆「もう缶詰はいやー!!!」

以上、下手な文章でゴメンナサイorz          
261名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 10:11:02 ID:w1f28h1n
>>260
ありがち展開ながらモエスw

もうここの面子で同人誌作ればいんじゃね?
262名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 10:47:18 ID:PqDRDovw
>>260
ガスマスクのあるヴァッフェなら耐えられただろうか?
263名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 11:17:59 ID:tmT1Vxes
「ハイパーテクノロジーの急速な発展とともに、
あらゆる分野に進出した汎用人型機械用自立思考回路『超AI』。
医療や介護、宇宙空間のような危険な箇所での精密な作業などに用いられ、
あるコンピューターメーカーはこの超AIを玩具部門に流用することに着目した。
常に主人と行動を共にし、電脳空間でのバトルからドレスアップコンテストまで行える
新時代のカスタマイズ・アクションドール。通称『武装神姫』の誕生である」

パトレイバーのアバンタイトルか、この宣伝文句。
今日もおもちゃ屋には武装神姫のマスターたちがひしめき合っている。
俺のようないわゆる「おおきなおともだち」から、
ぽぽちゃんやラブ&ベリーの延長線上の感覚で幼稚園〜小学生くらいの女の子とその母親も
神姫のドレスアップに余念がない。
大げさな話小中学生男子以外の顧客層には社会現象とも人気を博しているのである。
だってそのくらいの年齢の男の子って女の子の人形には抵抗あるじゃないですか?

特にこの店の様な「神姫ステーション」に認定されている店では
3Dスキャンシステムを搭載した筐体が納入されており、
自宅やネットカフェからアクセスする場合と違って
公式オプション以外の他社製品や自作パーツなどの規格外の部品も使用できるのだ。
一言で言うなら「プラモ狂四郎」の世界である。
今日は臨時収入が入ったので相棒のストラーフのために強化パーツでも見繕うかと
彼女を連れてやって来たのだ。かつてのミニ四レーサーの血が騒ぐ。
公式オプション以外にも昔のガンプラの武器セット、ゾイドのカスタマイズパーツ。
他のアクションフィギュアのためのバイクや車といった乗り物関係。
どれもこれも魅力的な素材だ。

俺の所のストラーフは多少好戦的な性格がインプットされていたのだが、
バトルをしたがる一方で物欲しそうな目で女の子達が飾り立てている神姫達を見つめている。
……好戦的というより多趣味と言うだけか、こりゃ
264名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 11:18:43 ID:tmT1Vxes
そんな中、ストラーフがくいくいと俺の腕を引っ張る。
何か欲しい物でもあるのかとその視線を追うと、ものすごい人だかり……
いや、人形だかりができていた。
その中心にあった展示スペースの中の金属パーツの質感も美しいあの懐かしい連中。
俺は今80年代にタイムスリップしていた。

「キャー! 紫龍様ー!」
「アイオリアー!」
「一輝兄さーん!!」
「ム、ム、ムゥー! ムァーッ、ムァーッ!!」

そこにものすごいタイミングで店内に流れている有線放送が「ソルジャー・ドリーム」を流し始めた。
誰だリクエストした奴。
当然神姫達のテンションは最高潮に達し、加熱しすぎでオーバーヒートし、倒れるものも出てきた。
この店はいつからアイドルグループのコンサート会場になったんだ?
さすがに店員や彼女らのマスターも困った目でそちらを見つめている。つか止めろ。
はいそこのお母さん、子供置いてきぼりで懐かしい目で見つめない!
それよりミーハーな思考の神姫のリビドーの対象は同じ人形に向かうのか。興味深い。
だが俺のストラーフもその場でじっと立ったまま足で小刻みにリズムを取っていた。
ストラーフ、お前もか。
そんな中、彼女らに見向きもされないデスマスクに涙する俺の星座は蟹座。
おい……しっかりしろよ、ヘッドギア取れてるぞ、お前……?
思わぬ所で実にマンモス哀れなトラウマを刺激されてしまった。

結局火力強化のためにゾイドとガンプラを購入、家路に着く。
わずかな時間店に居ただけなのにすごく疲れた気がする。

「マスター?」
「ん?」
「今日は……ありがとうございました。とても楽しかったです!」

その一言で疲れが見る見る吹き飛んで行った。
待ってろよ、いつかお前を地域最強の武装神姫に鍛え上げてやるからな。
265名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 11:19:29 ID:tmT1Vxes
追伸。
彼女を強化しようと武器を組み立てたまでは良かったのだが、
ランナーに残されたパーツ達が「僕達いらない子なの?」と問いかけてくる幻が見えた。
少年の日の手首を取られたジェガンの思い出がフラッシュバックする。
結局パーツ取りをあきらめ、ちゃんと組み立ててやる事にしたので強化はできなかった。
まぁストラーフも毎日ゾイドの背に乗って乗り物遊びして、友達ができたと喜んでいるし、
これでよかったのだと言う事にしておく。
地域最強になれるのはいつの日だろうなぁ……
266名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 11:46:10 ID:Rm4/IYYf
あえて突っ込ませてもらおう。

ちょっとまてこの世界設定は2036年だ! お母さんどもあんたら何歳!
アレか、20年ぐらいに再ブームでもきて
やはり蟹座は常に不遇で
小学生のヒエラルキー最下層だったりしたのかちくしょおおおおお!!!!!!!
蟹がそんなに悪いか! 俺は泣く! むしろ哭く!!
蟹型神姫出してくれ!!
267名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 12:13:07 ID:+Dy0jD38
>>266
今やってる『冥王編』の再ブームと見たがどうか?

でも蟹と魚の不遇は…orz
268名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 12:17:54 ID:oPUMcdgS
>>256
短いながらも萌えの予感がビンビンしますよー
焦らずにゆっくりやってくださいな

>>260
キャラの名前をセリフの前に出さないように工夫すればもっと良くなるかも
ちなみに例の臭缶は開ける前から既に相当臭うらしいぜw

>263
未来の話なのに例えの作品が異常に古くてワラタw
蟹は永遠普遍に不遇なのかw
269名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 15:01:44 ID:8aiX9FM9
>>266
>>267
>>268
いやいや、神姫たちが熱を上げているんだからおかしくはないぜw
彼女たちにとって聖闘士星矢シリーズは偉大にして憧れの先輩たちだからな。特に大系シリーズなんか伝説級の大先輩だ。

>>263氏、グッジョブ!しかしなんだ、同じ蟹の星の元に生まれた一人として、何故だかモニタが滲んでよく見えないよ、ハハハ…
しかしこうなると、GFFやガロのE&P等の同じ時代に生まれた似たようなコンセプトの物にはどう反応するかが非常に楽しみだな。
270名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 15:56:51 ID:Rm4/IYYf
・・・・・!!!
そうか、ああ、そういうことか!
同じアーマー装着型玩具の大先輩か!!


あ、ちょっと彼らに嫉妬しちゃった。
271名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 16:13:27 ID:UMrSJGLD
フィギュメイトがないのでシャッフルの小さなフィギュアから髪を拝借。
けっこうやっつけ仕事なんだがけっこう似合うな。
ただ多少隙間があるのでパテで生めて塗装するか。
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061003161030.jpg
272名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 16:16:50 ID:UMrSJGLD
誤爆した・・・・
すまん。
273名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 16:21:39 ID:BaEe+T8g
マルチかと思ったら誤爆かよw
274名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 19:39:05 ID:BGBOvHN9
装着変身ファンの神姫はいませんか、そうですか
275『不良品』第3話の1:2006/10/03(火) 19:54:27 ID:DHN+SgOi
背景が極彩色で出演者がケバくて全体的にドギツい印象の「トッピー」のCMを神姫たちが
やってくれたら毎日3食欠かさず食べるのになぁと思う同士はおらんかえー(挨拶)
例によって萌えもエロもないですが、ちょっとだけギャグ分入れてみたり。それではどぞー。

「じゃ、その専用パーツとかいうのもさっそく買ってみるか?」
何気なく提案してみた俺だったが、
「最初から色々と揃えてつまみ食い状態になるより、少しずつ理解して必要なものを
 買い足した方がよろしいかと思いますよ」
と控えめな答えが返ってきた。
「それにオーナーはわりと飽きっぽい性格のようですし、最初から熱を込めるとお金の
 無駄になりかねません」
…お見事。昨日の今日ですっかり俺を把握したらしい。
「つっても、何年もオモチャとか触ってないからなぁ…流用出来るようなの持ってないぜ?」
「一応私たちのパッケージには基本的な武装が入ってますから、まずはそこから慣れましょう」
「あれ?でもそんなの入ってたっけ?」
「私が入っていた箱の2段目に」
…単に俺がチェックしてなかっただけかい。
しかし2重構造とは、今時のオモチャってのはホントに至れり尽せりだ。つくづく俺が
ガキの頃とは(以下略)
ちなみにチビ曰く「ユーザー登録をすると、最初の1体限定でボーナスアイテムが送られ
てくる」らしい。
どんなアイテムがもらえるかはランダムだそうだが、ちょっとしたお楽しみ要素って感じかな。
んじゃ忘れないうちにさっさとネットからユーザー登録を…
276『不良品』第3話の2:2006/10/03(火) 19:56:28 ID:DHN+SgOi
「なぁ、このニックネームって欄には何を書くんだ?」
「オーナーによっては自分の神姫に名前をつける方がいらっしゃるんですよ」
「ふーん…例えばどんな?」
「一概にこう、とは言えませんが…単純に正式名称を縮めて呼ぶなら、天使型のアーン
 ヴァルは『アン』、私の場合なら『ストラ』…といった感じでしょうか。 オーナー
 様によってはもっと凝った名前を付ける方もいらっしゃるようですが」
何だかよく分からない世界だ。掃除機や冷蔵庫や車やPCに名前をつけてるヤツを見たよう
な違和感というか。 …いや、コイツは家電製品じゃなくてオモチャなんだから、改造した
プラモを「パーフェクトなんちゃら」とか「武者なんたら」みたいに呼ぶのと同じか。
…そーいや昔、UFOキャッチャーで取ってやったクマのぬいぐるみに、弟がファンシーな名前
つけて喜んでたっけ。
「お前もそういう名前欲しい?」
「あ…えぇと、『お前』で呼び続けられるよりはその方が…」
そういえば昨日今日と、コイツに話し掛ける時は「なぁ」「おい」「お前」のどれかだった。
「んー…女の子なんだし…デビ子とかどう?」
「そ…れは、ちょっと…単純というか簡単すぎるというか…」
「じゃあスクアルチャルーピあ痛てッ」
「舌噛みますよ、っていうか噛んでます…」
「ビルカバンバ」
「焼肉屋のチラシ参考にしないで下さい。なんですか『カルビ+ビビンバセット1人前¥380』って」
「ゴンザえもん」
「私が女って忘れてるでしょう」
「ディスカヴィリーア」
「そろそろ濁音から離れませんか」
「素直クール」
「それ名前じゃなくて属性です」
「…結構ワガママだなお前」
「…私、高望みしてますか?」
何故かチビが泣きそうな顔してきたんで、仕方なく作戦タイム。
妹が持っていた「古今東西悪魔妖怪魑魅魍魎ゴッタMIX百科辞典」を参考に思案をば…

この俺が真剣に考えてるのに、このチビはなんでまた今にも死にそうな顔でこんなん↓
il||li _| ̄|○ il||li
なってんだか。
277『不良品』第3話の3:2006/10/03(火) 19:57:26 ID:DHN+SgOi
「ルーシーってどうよ」
「…」
「まだ不満?」
「いえ…あの、さっきまでと比べてずいぶん普通だなぁ、と」
「んじゃもっと凝った名前で」
「いえっ!ルーシーでお願いします!気に入りました大好きですその名前!」
なんだか妙に力のこもった感じで言われたので、休眠状態になってたPCを起こして登録完了…っと。
…しかしPCのユーザー登録だってロクにしない横着者の俺がねぇ…と自分でちょっと感心しちまった。
ま、これで正式にこのチビ悪魔…ルーシーと俺はパートナーになれたってワケ。
なんかちょっとくすぐったい気もするが、まぁこういうのは気分の問題だ。コイツも喜んでるしな。
「…ヤケに嬉しそうじゃん」
「ハイ、やっぱり『自分だけの名前』をもらえると嬉しいですよ…ありがとうございます。そして改めて…よろしくお願いします」
「改めて、こちらこそ」

「…ところで、その名前の由来は何だったんですか?」
「あー、『元々一番エラかったのに色々あって魔王になった天使』の名前をちょっと伸ばして
 みただけ。別名から取って『サっちゃん』とかの方が良かったか?」
「本当にルーシーでいいですありがとうございました」
278名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 20:06:07 ID:OZhYVsdo
279名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 20:15:53 ID:Rm4/IYYf
>>275
ニヤニヤして読んでる俺キモい
280名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 20:45:49 ID:mGo+xzGJ
『強敵』を読んで「あー、これが少年漫画だったら金持ちでイヤミな性格で武装神姫を大切にしないデブが登場して
ルーシ−と対戦することになってバケモノみたいな悪趣味なカスタムを施した神姫を使ってルーシーをイジメるんだろうなあ」とか妄想。

「げひひひっ!いいぞ16号!そいつの足をご主人様とお揃いにしてやれ!」とかいってもぎにくるの。

で、結局ルーシーに逆転勝ちされると「弱いヤツなんかいらねえんだよ!」つって自分の神姫を床に叩き付けて踏みつけたあと置き去りにして帰るの。そんなキャラ。

で、『不良品』のダンナに殴られるの。どう?
281名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 20:46:34 ID:ZNRbPnae
>>280
それ何てメダロットR?
282名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 20:55:04 ID:kyCOKcGw
日時: 2006/08/08 12:18
名前: アバあき◆nsy0DcmY


膨大なログをざっと目を通しました。
前回は近場のログだけ目を通していただけなので全貌をつかめ切れていませんでしたが、私の言動がここまで皆さんを怒らせていたとは思いませんでした。
あまりにも浅慮にて軽率な行い、深く謝罪を申し上げます。
今回のことを省みて、今後は本スレには一切顔を出さず、画像の投下はwikiだけに自粛しようと思います。
私もやはり厨設定スレが大好きなので、私のせいで荒れてしまうのは心苦しいので、それには本スレに顔を出さないのが一番だと思いました。
謝って許されるようなことではないとは思いますが、申し訳ありませんでした。
それでは失礼いたします。



テメェのせいでSS大会もスレも大荒れした。使いまわしの絵で媚売ってないでどうにかしろ
283名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:17:15 ID:IZzJ4NkK
誤爆?
284名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:23:23 ID:oFs62Fyz
>>275-277
事務的だったルーシーがたった1日でこんなにも感情豊かにw

>>279
大丈夫、俺もだ!
285名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:25:53 ID:cibo8E9n
漫画を見たことのある人は笑ってください。
昨日Ver.Kaを買った勢いで、つい調子に乗ってしまいましたorz

○月○日

「ばかやろぉぉぉぉッ!!」
白子の有り得ない絶叫に我が耳を疑う。
何があったんだ?
後ろを振り向くと、何処かで見たことがある小さなナイフを片手に完全武装状態の黒子に突撃する完全武装状態の白子の姿。
それにしても、何だっけなぁ?あのナイフ。
黒子と切り結ぶ白子は、先程の続きであろう台詞を紡ぎ始める。
「自分の命すら大事だと思えないから人の命を奪う!」
ん?この台詞……
「何故部下の命すら容易く切り捨てられる男が、人類全てのことを考えられると思う!」
………
「死を強いる指導者の何処に真実があるっ!?ねごとを言うなぁぁぁぁぁ!!」
クロボンかよっ!
心の中で全力で突っ込む。
そう言えば三巻の最初の方に、そんなシーンがあったなぁ。とすると、黒子は敵役か。
あぁ、思い出した。白子の持っているナイフは、GFFに付属していたものだ。
どうやら余剰パーツ入れの中から持ってきたらしい。

家の神姫は最初に俺のところに来た時点でGFFのX3に興味を持っただけでなく、その後漫画まで読破してしまい、今では立派なクロボンファンだ。
今でも時たま俺の目を盗んではムラマサ・ブラスターを振り回したり、ピーコックスマッシャーを抱き締めて悦に浸っているようで、たまにパーツの位置がズレている時がある。
ちなみに白子はカラス先生派で、黒子はウモンじーさん派と言う窮極の好みを開拓してしまった。
尚、二人が他に知っている機動戦士系は『センチネル』と『Gの影忍』と言う、ドマイナーな作品(=俺が好き)しかない。
……スマナイな、二人とも。

さて、改めて二人の様子を見直すと、何やらシーンが飛んだみたいだ。
先程はヤラレ役の演技をしていた黒子が、一方的に白子に斬り込んでいる。
「どうした?キンケドゥ?押されているぞ」
…ザビーネかい?黒子。そう言えば、色が同じだな。
「ベラ様が!貴様などに心惹かれたりしなければ、こんな事にはならなかったのだ!」
…ノリノリだなぁ、黒子。いつもはとても物静かなのに。
あ、黒子のビームサーベルが、白子の胸を貫いた(ように見せている)。
「アハハハハ、さようなら!キンケドゥ!」
…気分は貴族主義者だな、黒子。でも、実際に貴族主義者になっちゃダメだぞ。
その後も暫く“クロスボーンガンダムごっこ”は続き、一段落したのは夕飯の準備が終わった頃だった。

神姫と言うのは個体によって様々な趣味や好みが身に付いて育つが、家のはかなり特殊な方向に育ったようだ。
俺の持つ漫画や小説、果ては(何時の間にやら)エロ本やエロ同人をほぼ読みきってしまい、偏った知識ばかりが蓄積されてしまっている。
その為、今回のような“ごっこ遊び”はクロボンだけでなく、他にもかなりのレパートリーをもっているのだ。
その証拠に、食後の後片付けをしている俺の後ろから、またしても普段の二人からは有り得ない台詞が聞こえてきた。

「弾頭は?炸薬式か?水銀か?」
「法儀式済み水銀弾頭で御座います」
…………
「パーフェクトだ、ウォルター」
「感謝の極み」
そう来たか。
286犬達の出会い・一:2006/10/03(火) 21:28:46 ID:10jz8mFV
また、お会いしましたね(ぉ。208です。
「不良品」、毎回楽しみに読ませていただいております。
今回は「強敵」の最後に登場したハウリンとそのオーナーのお話。とあるロボット玩具とハウリンとの出会いが、彼らを新たな
戦いへいざないます……(何)。


「……でよぉ? そしたらそのバカの神姫が勢い余って壁にぶつかってやんの。で、目ぇまわして、相手不戦勝」
「はぁ」
「しっかし昨日の、なんだっけ。『片輪の悪魔』は強かったよなぁ。あいつのマイティがこっぴどく負けるほど強いんだぜ? 
戦ってみたいよな」
「はぁ」
「……おいシエン、聞いてんのか?」
「へっ?」
 やっぱ聞いてなかったか。
 オレの神姫、犬型MMSハウリン「シエン」は、あわてて直立。
「も、申し訳ありません、ご主人様。聞いておりませんでした」
「いや、別にいいんだけどよ。なに見てたんだ?」
 シエンの後ろには先ほどまでこいつが操作していたパソコン。画面にはおもちゃ屋のページが開いている。なになに……?
「ごっ、ご主人様!?」
 すかさずシエンがマウスを操作し、ウインドウを消す。
「おいおい、何だよ?」
「いえ、あの」
「お前にしちゃずいぶん熱心に見入ってたじゃねえか」
「そ、それは」
「いいから。見せてみろよ」
 オレはブラウザの履歴を開く。
「でも」
「見せろ。命令だぞ」
 その言葉には逆らえず、シエンはその場でうなだれた。うーん、ちょっと卑怯くさかったな。
287犬達の出会い・二:2006/10/03(火) 21:30:42 ID:10jz8mFV
最新の履歴には「ホビーショップNOVAYA……」とあった。
 開いてみると、そこには、
「1/12スコープドッグ復刻版、フルモータライズエディション?」
「あう……」
 三十年も前に発売されたロボットのおもちゃを、間接の一つ一つに小型動力を仕込んだ、ラジコン操作が可能なやつだった。
 このおもちゃのすごいところは、完全再現されたコクピットの計器・レバーがすべてアクティブだってことだ。武装神姫との
コラボレートを見込んだ機能らしい。
「お前ぇ、こいつが欲しいのか?」
「いや、その……」
「欲しいんだろ?」
「…………はい」
 シエンは顔を真っ赤にして、蚊の鳴くような声で答えた。
「なんだよ。だったら言えばいいだろ。これくらい買ってやらんこともねえぞ」
 まあ、ン万ぐらいだったらこいつに出しても良いだろうな、という覚悟は決めた。今。
「でも」
「あ?」
「お値段が……」
「値段?」
 オレはページを下に少しスクロールした。
「いちじゅうひゃくせんまん……」
 うぐ。オレはのどを詰まらせた。そこにはオレの予想を一桁超えた額が、メタリックフォントで燦然と輝いていたのだ。
まぶしいぜ。
「いえ、いいんです。自分は別に」
 オレはシエンの顔を見た。申し訳なさそうに見上げるそいつの目。
 そのとき、オレの中で何かが切れた。
「買うぞ」
 オレは間髪いれずに言ってしまった。なんだか知らないが、買わなきゃいけない気がしたからだ。こいつのために。
「でも」
「いや、買う。これはご主人様めーれーだ」
 言葉が間違っている気がする。
「ご主人様……」
「いいんだよ。金もあるし。お前が喜ぶなら、こんくらい」
「あ、あ。……ありがとうございます、ご主人様!」
 シエンは満面の笑みでオレに抱きついた。尻尾を千切れんばかりに振っている。おいおい、そんな表情初めて見たぜ?
288犬達の出会い・三:2006/10/03(火) 21:32:43 ID:10jz8mFV
 数日後。神姫の箱を四つ合わせたくらいどデカいパッケージが部屋の真ん中に鎮座していた。
 オレとシエンはパッケージの前に正座する。ごくり。おもちゃに対して固唾を呑むのはさすがに初めてだぞ。
 いよいよ開封。鉄片から発泡スチロールの梱包材ごと取り出す。とてつもなく重い。きっとおもちゃのガワの中身は動力が
ぎっしり詰まっているのだ。下手な持ち上げ方をすればぎっくり腰になるぞこりゃ。背筋をまっすぐにして「ふんぬっ」と
中身を持ち上げ、シエンが箱をおろす。適当にスチロールを外すと、出てきたのはシエンの二、三倍はあろうかという緑色の
ロボットだった。
 オレは触ってみて重さの正体を知った。重いのは動力のせいだけではなかったのだ。
「全身金属かよ……。これホントにおもちゃか?」
 シエンは尻尾をぶんぶん振り回しながら、ほあー、という顔をしてロボット、スコープドッグを見上げていた。こいつに
とっては神姫スケール換算四メートル弱の巨大ロボットなのだ(作者注:倉田光吾郎氏製作、一分の一ボトムズを見上げた
ことのある方はそのときの感情を思い出してください)。
「あの、ご主人様」
「ああ、良いぜ。乗ってみな」
 オレは説明書片手にスコープドッグのハッチを開ける。シエンを持ち上げて乗せようとしたが、
「自分で乗ります」
 と言って歩み出た。なるほど、昇降用の手すりや出っ張りがちゃんとあるのか。三十年前のおもちゃにしてはよくできた
デザインだと感心する。シエンは乗り込む楽しみも味わいたいようだった。その気持ちはオレも良っく分かる。
 シエンが自分でハッチを閉める。中でなにやらカチャカチャしていると思ったら、突然ロボットのカメラアイが
「ヴゥーン」という電気音を立てて光りだした。
289犬達の出会い・四:2006/10/03(火) 21:34:14 ID:10jz8mFV
「うわっ!?」
 オレはびっくりして引いてしまう。
 主動力らしいエンジン音のようなグングンという音が鳴り始める。
 ガシャン。スコープドッグが最初の一歩を踏み出した。
「シエン、大丈夫か!?」
 スコープドッグのバイザーが上に競りあがる。頭の穴からシエンの顔が見えた。
「問題ありません。動きます。すごいです、ご主人様」
「そ、そいつは良かった……」
 シエンを載せたスコープドッグが部屋の中を歩き回る。時折腕を回したり、いらない段ボールに向けてアームパンチを
繰り出したり。うわ、ダンボールが破れた。どんだけ強力なんだ? ローラーダッシュのスピードは俺の狭い部屋じゃ
速すぎる。やめろピックを打ち込むな、ターン禁止!! あーあ、床がへこんだ。こりゃあただのおもちゃじゃないぞ?
 いやしかし。オレも乗ってみてぇ……。
「ん?」
 説明書のほかに妙なチラシが入っている。店側が入れたやつだろうか?
 チラシにはこう書かれていた。
『武装神姫in装甲騎兵ボトムズ・バトリングリーグ&トーナメント 近日開催!!』
 オレはもう一度、シエンの動かすスコープドッグの方を見やった。

290名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 21:36:34 ID:kyCOKcGw
ID:Rm4/IYYf
291名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:11:19 ID:oPUMcdgS
>>275
(;´Д`)スバラスィ ...ハァハァ
この雰囲気はなかなか真似出来ない。
柔らかい作風で相変わらずいい萌えでした。GJです!

>>285
どうもこのスレの神姫は傾いた趣味のやつが多いなw
かくいう俺のストラーフもGFF黒本のダガー持たせてるけどw

>>286
高性能だな玩具スコープドッグw
ボトムズ原作知らないからアレだけど、バトルの方も書いてくれるのか?w
292185:2006/10/03(火) 23:11:21 ID:UMrSJGLD
185ですが。
なんとなく第2弾投下。


今日はリンがウチにやってきてからちょうど3週間だ。
起動直後はプリセットの礼儀正しい口調、素直な性格であったが、武装神姫の学習機能はかなり優秀らしくこの頃は素直な性格はそのままに、だが時には俺に甘えたり、文句を言ったりもする。こういった変化もほほえましかった。
「マスター、おかえりなさい。」
「ただいま。」
俺は靴箱に上って俺を迎えてくれたリンの頭を指でなでてやる。
リンはうれしそうだ。
「そうだ、お土産だぞ。」
「えっ、何かあったんですか?」

今日は同僚の気まぐれで以前共同購入したロトくじが当選。とは言ってもせいぜい10万なのだが。
4人で1組購入したので1/4の配当だ。
仕事が終わってからは件の同僚3人と飲んでいたがレンのことが気になり早めに抜けることにした。
そうして予想外の収入を手にした俺が帰りに向かったのはレンを手に入れた家電量販店だ。
とりあえずは自分の仕事で必要なセキュリティ機能つきのフラッシュメディアのお得なパックと今まで使ってきたモノとはランクの違うちょっと高めのインナーイヤホンを購入。それでも分け前の半分以上が残っていたの何かリンに買ってやろうと思った。
293185:2006/10/03(火) 23:14:00 ID:UMrSJGLD
最初に向かったのは玩具コーナー、とは言っても武装神姫が置いてあるコーナーではなく8歳〜のこども向けの製品のあるフロアだ。
そこで俺が吟味するのは今でも絶大な人気を誇り、続編も次々開発されているポ○モンのフィギュアだ。
その中でもリンが好むピ○チューは初期の作品のキャラクターの中でも特に人気がある。
海外でもその名を知っている子供はとても多い。
ゆえに人気商品なのではあるが、幸いブラインドボックスの製品ではないので余計な買い物をする心配が無い。
次は本命、武装神姫のコーナーに行く。
最近は需要に供給が追いついたようで以前のような混雑は感じられない。
リンを購入した時は人が多くてじっくり見ることが出来なかったほかのモデルも一応目を通してみる。

確かにほかのモデルも魅力的で購買意欲をそそられるが、いまは我慢する。
まだリンでさえウチに来てから1ヶ月たっていない。そんな状況で2体目を買うのは少し早い気がした。
ということで武器セットの「ヴェッフェバニー」と他社製品なのでもちろんメーカー側は組み換えを推奨してはいないだが、サイズ的に互換性のある武器や雑貨のパックを買ってみた。
294185:2006/10/03(火) 23:16:03 ID:UMrSJGLD
それでもまだまだお金は余るので俺は思い切って路線は少し違うが、各種フィギュア、アニメ・ゲームグッズを扱う店の揃う電気街に行ってみた。
で俺が足を運んだのは本物のドールや可動フィギュアのパーツ、衣装などを販売する専門店だ。
以前友人がここなら武装神姫に会うサイズの服が簡単に手に入ると言っていたのだ。
で店内にはいるが俺は少し身震いしてしまった。
美少女フィギュアぐらいなら量販店でも多少は目にするがここはそういったコーナーよりももっと重い、というか濃い空気が漂っている。
閉店時間が近いためか客の数はまばらだが、俺とは違った雰囲気をかもし出している。
そんな中を俺は急いで衣装コーナーへ。
そこにはありとあらゆる衣装が10〜20cmサイズで並んでいる。セーターやブラウスといった制服系からマニアックなモノまで網羅されていた。
さすがにリンに過激な衣装を着せるわけにはいかないのでおれはブラウスと黒いスカート、そしてソックス。
ここまで着たらトコトンまでといった感じでリボンと靴をカゴに入れる。
まあ武装神姫を着飾るのも流行っているそうなので、この程度ならだいじょうぶだろう。

そうして選んだ製品をレジに持っていくとキャンペーンを行っていたらしく、同スケールのクローゼットとハンガーのセットを半額で提供していると聞いて思わず買ってしまった。少し高価ではあったが新品の服を適当に置いておくことは忍びなかった。
残金はというと、4000円。まあこんなものかと納得して家路についたがその店を出てからというもの電気街のストリートを歩いているとなんとなく視線を感じた。
やはりスーツ姿でああいう見せから出てきたからであろうか、目立つ店名の入った紙袋をもっているからだったのかもしれない。
こんな感じで無事、リンへのプレゼントを持って帰ってきたわけだ。
295185:2006/10/03(火) 23:18:09 ID:UMrSJGLD
自分より二周りも大きい袋にリンは目を丸くする。
「こんなに大きなモノを・・・どうかされたんですか?」
オレはリンに事情を説明する。
「そんなことが…それは良いのですが、いつもの時間に帰ってこないので少し心配しました。」
「ごめんな、次からはメールとかするから。PCでメールの見方は分かってるよな?」
「はい、次からはちゃんと連絡してくださいね。」
「ああ、分かったよ。」
こんな会話をしているとなんだかへんな気分になってくる。
そう、たとえるなら新婚の夫婦なのだ。夫が気を利かせてプレゼントを買って帰ったが、連絡がないままいつもの時間に帰ってこないので心配する嫁。想像したらとても恥ずかしくなった。

恥ずかしくて顔が熱くなるのを感じた俺は話題をそらす。
「なっ、プレゼント見てみろよ。びっくりするぞ〜」
「マスターがそんなに言うなら、見ちゃいますね。」
そうして自分の目の前に置かれた、人間にたとえれば6・7人向けのテントぐらいのスケールであろう紙袋の中の中を覗き込むレン。
次の瞬間にリンの顔が沸騰したかのように赤くなった。
「なっ、マスター!! これは何ですか??! 白いヒラヒラの服・スカート、リボン、、、、、ソックスまでぇ〜〜」
なにやら想像したものとかなり違った物体が入っていたため相当混乱しているようだ。
「……大丈夫か? ただな・・・リンもオシャレとかしてみたら良いんじゃないかな??と思ったから。」
「はぁ、確かに先週テレビでやってたコンテストはすごく綺麗な娘がいましたけど……」
「心配ない、お前は十二分に可愛いよ。絶対に似合う。そうじゃないと万札をはたいてまで買ってこないぞ」
と素直な気持ちを言葉にしてみたが、言った俺の方が恥ずかしくなってくる。
リンもそんなことを唐突に言われたため、普通に戻りかけてた顔がまた真っ赤になる。そうして2人して顔を赤らめたまま数分が過ぎた。
296名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:20:39 ID:YJmRG3ES
神姫が所有者の趣味に多大な影響を受けるのはもはや常識!
297185:2006/10/03(火) 23:22:32 ID:UMrSJGLD
「リン、とにかく一回着てみてくれるか?」
こんなことをしていても仕方がないので俺の方から話を切り出す。
「は、はひ。 分かりました。」
リンはまだ恥ずかしいらしく呂律が回っていなかった。
買ってきた服のパッケージを開けて、サイズを確認する。 「武○神姫にも完全対応」と歌われている製品だけにサイズはぴったりだった
「これの着方は分かるか?いちおう説明書に書いてるんだけど。」
「えっと、大丈夫です。分かります」
「じゃあ自分で着てくれ。俺がやったら着せ替え人形みたいになっちまうから。」
「わかりました。少し待っててくださいね」

てきぱきとプレゼントの服を身にまとうリン。
ブラウスに腕を通し、スカートを身に着け、ニーソックスに足を通す。そこでレンは違和感に気が付いた。
「マスター、あの……下着は??」
!!!!!!!!!!!!!!!
俺は飲みかけていたお茶を一気に噴出しそうになり、それを我慢したのはよいが飲み込んだお茶が気管に少し入ったらしく激しくむせる。
「大丈夫ですか! マスター!!」

なんとか生き地獄から脱出した俺だったが、リンは何もできなかたのが悔しいみたいだ。
「マスター。ご無事でなによりです。」
顔のすぐ横にリンが座って俺を心配してくれる。
「ああ、もう大丈夫。 ごめんな、店の雰囲気に圧されて下着まで頭が回らなかった。」
「いえ、気にしてません、元はといえば私は最初からスーツをきているんですよね。私もうっかりしてました」
俺が起き上がるとリンは最後にお願いをしてきた。
「あの、リボンなんですが自分では結べないので、お願いします。」
快く俺は引き受ける。
モデル「ストラーフ」はツインテールがデフォ状態だが、オーナーの好みでショートカットにすることが可能だがリンは俺の好みでツインテールのままにしている。
その薄い蒼の髪を留めている黒いリボン(とはいえコレは樹脂パーツで髪を通すだけで固定されるようになっている他、ショートカットの状態で使えば武装をマウントするためのサポートパーツにもなる)をはずして、純白の綿100%のリボンを結んでやる。
とても小さなサイズなので少し苦労したが以前からプラモデルを弄ることで細かい作業に慣れていたのでちゃんと結んでやれた。
298185:2006/10/03(火) 23:25:10 ID:UMrSJGLD
「よし、コレで良いぞ。 鏡見てみろ。」
俺はいつも使っている手鏡(コンタクトレンズの洗浄剤についてきたオマケだがレンのサイズにはぴったりだ)をリンの前に置く。
リンは鏡に映る自分のいつもとは違う姿をまじまじと見つめ、急に振り返ったかと思うと俺に聞いてきた。
「あの……似合いますか?」
控えめな表情で、上目遣いでたずねてくる。
白いブラウスに黒いミニスカート、そしてまた白のニーソックスとリボン、そしてアクセントとしての赤い靴。
極力シンプルにと選んだのが、予想した以上に似合っていたので俺は声が出ない。
「あの?マスター?」
「ああ、似合ってるぞ、想像以上だ。」
「ありがとうございます。なんだか私じゃないみたいですよ、コレなら街に着ていきたい位です。」
「気に入ったんだな〜 最初は着てくれないかと思ってヒヤヒヤしたぞ。」
「そんな、マスターに貰ったものを着ないなんて考えられません。でも変なのは嫌ですからね。」
「わかってる、って言うかそんな服を買うような冒険はしたくない。」
「でも…可愛い服があったらまた買ってくださいね。」
「ああ、もちろんだ。」

その晩、リンはずっと俺が買った服を着ていた。
そして寝る前にクローゼットを寝床の横に置いてやった。リンはせっせと服をハンガーにかけて収納していく。
俺の机の上はリンの『お部屋』になっているようだ。
そうしてお片づけがわってすぐに就寝。
夜は更けていった。




翌日、寝坊したので朝食を抜き、急いでスーツに身を通してかばんを持って家を出る(リンへの挨拶は忘れていない)。
そうして何とか会社にいつもより10分遅れ(遅刻ギリギリ)で着いたのだが……
かばんに入っていたのは必要な書類、これはだいじょうぶだ、だが肝心のフラッシュメモリーが見当たらない。
寝る前にデータを古いモノから全て転送し、スーツのポケットに入れておいたのだが……
改めて己の姿を見ると昨夜と違うスーツを着ている。 やってしまった!!と気づいても時すでに遅し。
そうして大切なデータを忘れたため部長に叱られたが、たまにはこんなのもいいと思う俺であった。
299名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:39:56 ID:XzGhh4+3
リンだったりレンだったりするのは仕様?

神姫に服、ってのはいいシチュだよなぁ
300名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:40:12 ID:IZzJ4NkK
神姫ももっと露出の多い素体が出ればなァと思う俺マジ欲望に忠実
301185:2006/10/03(火) 23:45:44 ID:UMrSJGLD
いやいや、お恥ずかしい。
なんかリンって打ってるはずなのに指はレンと打ってることが多い・・・
なるべく確認したんだけど、書き込み時に家族は覗き込んだりするもんでテンパってた。
次からは確認をじっくりするので大丈夫だと思う。
302名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:54:22 ID:Rm4/IYYf
たった今起きた。その起き抜けにいいもの見させてもらいました
誤字はよくあることですぞ気にせずに。
寝ぼけた頭でここの文章見てニヤニヤしてる俺マジキモイ。
そしてなんか夢に神姫が出てた気がする俺、死ぬほどキモい。
>>300
塗ればいいのよ
303名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 23:58:37 ID:kyCOKcGw
日時: 2006/08/08 12:18
名前: アバあき◆nsy0DcmY


膨大なログをざっと目を通しました。
前回は近場のログだけ目を通していただけなので全貌をつかめ切れていませんでしたが、私の言動がここまで皆さんを怒らせていたとは思いませんでした。
あまりにも浅慮にて軽率な行い、深く謝罪を申し上げます。
今回のことを省みて、今後は本スレには一切顔を出さず、画像の投下はwikiだけに自粛しようと思います。
私もやはり厨設定スレが大好きなので、私のせいで荒れてしまうのは心苦しいので、それには本スレに顔を出さないのが一番だと思いました。
謝って許されるようなことではないとは思いますが、申し訳ありませんでした。
それでは失礼いたします。



テメェのせいでSS大会もスレも大荒れした。使いまわしの絵で媚売ってないでどうにかしろ
304名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 00:01:35 ID:wZK1shHX
今日初めてこのスレを見たのですが仲間にいれてください!
>>134氏ではないのですが、萌えすぎてしまって勢いifっぽいのを…。
134氏ごめんなさい。



「早く元気になって、帰って来いよ…」

ボクは修理に出された。
そして目覚めると最初に見えたのは白ちゃんの顔…

「ぎりぎり間に合ったなブラボー。」
ほとんど表情を変えることなく白ちゃんが言う。
え?ぶらぼーって?それにツノをつけた白ちゃんてはじめて…
「メーカーでいぢられまくってきたかよブロー(兄弟)。また会えてうれしいぜ!」
え?え?ぶろー??
ボクと同じストラーフタイプの神姫が抱きついてきた。
ボクの居ない間にご主人様、浮気しちゃったの?
わけがわからなくなってご主人様を探す。
え…
ここどこ??
まったく見覚えの無い場所。
!!
薄暗い殺風景な部屋に武器がいっぱい並んでる。

「ブラボー?…、クソったれメーカーで初期化されたようだな。バックアップデータを上書きしている時間がない。私はマスターへ報告してくる。面倒を見てやれチャーリー。」
「了解アルファ。…ったくブロー。頭ン中まで新品とはご機嫌だな…こっちに来いよ、出撃まで10分ねぇんだ。」
え?あの!ボクは…

間違って配送されちゃった?!

305304:2006/10/04(水) 00:03:07 ID:rcB9kN06


「ガラクタども!お前らはマスターを愛しているかっ?!」

ボクの知ってる白ちゃんじゃないさっきのアーンヴィルタイプ、アルファちゃんが整列したボク達に叫んだ。
ボクは事情を話す間もないまま武装させられて並んでいた。

「「「センバーファイ(生涯忠誠)! ガンホー(闘魂)!!ガンホー(闘魂)!!」」」 

それに続いてボクをブローと呼ぶチャーリーちゃんとヴァッフェバニー装備のハウリンタイプ、デルタちゃんとエコーちゃんが声をあわせて叫ぶ。
ボクはびっくりしてきょろきょろするばかり。

「マスターを硬マラにするものは?」
「「「戦闘! 戦闘! 戦闘!」」」


「神姫の商売は?」
「「「破壊!破壊!破壊!」」」

「兎に身体を取られたいか!大声絞り出せ!」
「「「破壊!!破壊!!破壊!!」」」


「相手のガラクタどもを残らずファックしてやれ!総員出撃!!」

部屋の壁がひらいていく…
ここが違法賭博の地下闘技場だという事をボクはまだ知らなかった。




エロでも癒しでもないので・・・
まともに名前もつけてもらえず戦うだけの神姫も居るよね、と。
エロを望まれる方は敵ネコにドリルでファックされる黒子ちゃんを、
そうでない方は誤発送逆風景をお好みで(汗

306名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 00:09:06 ID:4SOufeHb
>>304
>>134から繋げるとなると不遇すぎて可哀想だw
独立した誤発送ネタとしては面白いけどw
ひょっとしたらいるかもなあ、軍オタの神姫
307名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:39:34 ID:scr7zJnQ
「きょぉはすってきっな、たっんじょぉびぃ〜♪
 み・ん・な・の・す・き・な、私! おめでとー!
 ハッピーハッピーバァスデイ♪ ワックワック……」

今日は私の十一歳の誕生日だ。
お母さんはPTA内のママさん手芸部でもピカイチの腕前を持つお裁縫の達人で、
毎年私に手作りのマフラーや手袋、セーターとかをプレゼントしてくれる。
でも今年はいつもと違ってお母さんは町内会のバザーの準備で忙しい。
バザーで編みぐるみを作って売る事に決まってしまったので、
とてもじゃないけど私の分まで作ることが出来ないのだ。
寂しいけれど、仕方ない。お母さんの職人芸をほめてもらえるなら私だって鼻が高いもの。

家に帰って、おやつを食べようと台所に行くと机の上に綺麗にラッピングされた箱に
バースデーカードが添えられていた。お母さん、ちゃんと用意してくれてたんだ……!
なになに、「お誕生日おめでとう お父さん、お母さんより愛をこめて」
って、書いてあるのこれだけ? 何をあげるかくらい書いてくれてもいいのに。
とりあえず箱の方の中身を調べる事にする……これ、お人形さん?
私もう小五なのに何で今更こんなの……文句を言いたくなる気持ちを抑え、箱を開ける。

「おはようございます。私は天使型MMS、『アーンヴァル』です」

え、あ……はい、おはようございます。

「操作説明を行いますか、マスター?」

あのー、どちらかと言えば使い方よりは私はあなたが一体何なのか聞きたい訳なんだけど。
私はもうお人形さん遊びする年じゃないし、
そもそもなんで人形が勝手に動いてしゃべってるの?
308名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:40:17 ID:scr7zJnQ
「かしこまりました。医療や介護の現場、危険な現場での精密な作業のために開発された
 汎用人型機械用自律思考回路についてはご存知ですか?」

あー、大体。ニュースとかでやってるし。

「私達はその技術を玩具に転用し、皆様の生活のサポートから
 カスタマイズによって同シリーズの機体との戦闘までこなす新世代のアクションドール、
 『武装神姫』です」

へぇ、そうなんだ。そういえばCMやってたかも……って、戦闘!?

「はい。多様なカスタマイズオプションパーツを用いて私達の戦闘力を強化し、
 電脳空間の戦場でお互いの力と技を競い合います。
 現実の世界で行う訳ではないので皆様に危害を与える事はありません」

で、ででででも、そんなことして、痛くないの!?

「もちろん痛いです。ダメージは全て痛覚として伝わります。
 痛みを伴わない戦いに臨場感や緊張感を出すことはできません」

だ、駄目だよそんなの!
大体何、臨場感って!? 見せ物のためだけに戦うの?

「必ずしもそれだけではありません。多かれ少なかれ私達『武装神姫』には
 競争心があらかじめ植えつけられていて、心のどこかで常に戦いを求めているのです」

何だか可哀相……それに戦闘だなんて、ちょっと怖いかも。
お父さんとお母さん、なんでこんな人形を私にプレゼントしてくれたんだろう?
309名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:42:11 ID:scr7zJnQ
「それと、マスターに向けてのメッセージが一件メモリーに記録されています。
 記録者名は景山ゆかり……」

あ、それ私のお母さんだ。読んでくれる?

「かしこまりました。『麻衣子、お誕生日おめでとう。
 今年はプレゼントを作れなくてごめんなさい。でも、私があなたくらいの年には、
 妹の……あなたにしてみれば美咲おばさんね。彼女の人形のために服を作ってあげてたの』」

そういえば、私の持ってたリカちゃん人形の服もお母さんが作ったのがいくつもあったような……

「『それであなたにも……という訳じゃないけど、前に言ってたわよね?
 私みたいにお裁縫が上手になりたいって。もう雑巾やらそういうものは完璧だわ。
 だから、ステップアップのために一緒に上達していける友達を用意してあげた。
 それがその子よ。人間の目ではわからない細かいところまで見れるから、
 きっとあなたの役に立つはずよ。大事にしてあげてね。
 あ、そうそう。ご飯は冷蔵庫の中に入ってるからねー!』……以上です」

戦闘用って言ってたわよ、その人形。
全然方向逆じゃない! 頑張って服作ったって何にも意味無いじゃないの!
そんな事を思うとなぜか涙が出てきた。もうやだ、二人ともなんか勘違いしてる。
私、こんな変な人形なんかいらない。

「泣かないでください、マスター。マスターが悲しまれると……私も悲しいです」

その人形は寂しそうにうつむいてそう言った。
310名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:43:09 ID:scr7zJnQ


まるで……そう、まるで今の私みたい。


そうか、そうなんだ。あんな事言っててもこの子の心は女の子なんだ。
大体競争心だって人間も皆持ってて普通のものじゃない。
誰にだって他の人に負けたくないものがある。
それが彼女にとっては戦闘と言うだけなんじゃないのかな?
私、今までこの子の事「変」とか言っていたのに、そう思ったら急に親近感がわいてきた。

「それにマスター、私達の競争心を満たす方法は何も戦闘に限った事ではありません」

え? どういうこと?

「同梱されているビニールパックの中の使用説明書に添付されているチラシを御覧ください」

どれどれ……「舞」装神姫、ドレスアップコンベンション……?

「はい。電脳空間……私達のもう一つの世界ではバトルサービス以外にも
 多彩なバーチャルジオラマでスナップ写真を撮影するジオラマスタジオ、
 美しさを競い合うコンクールデレガンスが行われています」

……それって、手作りの服も使えるの?

「可能です。家庭のパソコンからと言うわけには行きませんが、
 全国の神姫ステーション認定されている玩具店やアミューズメント施設からアクセスできます」

じゃあ、お母さんはそのためにあなたを?

「今までに得られた情報から推測すると、それが最も可能性の高い回答であると考えられます」
311名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:44:35 ID:scr7zJnQ
……ごめんなさい。

「どうされましたか、マスター?」

勝手に勘違いして、ひどい事を言ってわめき散らして……私、最低だよね。

「泣かないでください、マス……」

麻衣子で良いよ。いっつもそんな調子で言われたら背中がカユくなっちゃう。

「それでは……?」

うん、一緒に頑張ろう! えーと……名前、なんていったっけ?

「天使型MMS、アーンヴァルです」

う、なんか舌噛みそうな名前だね。っていうかそれ商品名じゃない、箱に書いてあるやつ。

「オンラインユーザー登録の際にニックネームを登録する事ができます。
 登録以後はその名称で扱われる事になります」

そっか、じゃあ私があなたの名前を考えてあげないといけないんだね。
どーしよっかなぁ、うーん……天使だから……いやいや、それは安直すぎる。

「マス……いえ、マイコ、どうされましたか?」

でもこの大きさで空飛ばれても天使って言うより妖精だよね。
ん? 妖精……ヨウセイ……フェアリー……そう、フェアリっていうのはどう?

「フェアリ……それが私のニックネームと言う事でよろしいのですか?」

うん、変かな? 気に入らないんだったら別の名前を……

「いえ、とんでもございません。素敵な名前をありがとうございます、マイコ」

気に入ってくれたの? ありがとう!
じゃあ今日があなたの誕生日ね、私と同じ日!

「誕生日……ですか?」

そうよ、今日からあなたも私の家族。お祝いしましょ!
プレゼントは……そうだ、ちょっと待ってて!
312『不良品』作者:2006/10/04(水) 01:44:45 ID:F6Io0e8T
うおぉいっぱいSSキテルー! どれもクオリティ高くてイイですね。
いつも感想もらってばっかりだから、たまには私も。

>285
ごっこ遊びはいつになってもいいものです。スパ■ボとかやらせてみたいw

>286
「ホビーショップNOVAYA」…仙台在住と見たッ!w
ちっさい女の子がでっかい武器や乗り物を使いこなすのはロ・マ〜ンですよね。

>292
実は1/6ドール者でもあるのでドレスアップはしてみたい所であります。
そんな自分でも某クスショールームとかは空気が違ってて入りにくい事この上なしw

>304
軍人タイプにカスタマイズされた神姫か…冷静な指揮のもとに統率の取れた行動を取る
神姫軍団って感じですかね。
>>280氏のイヤミ系とは別な意味で、負けた素体はヒドい目にあいそうな。

…しかしこのスレを見てるとホントにネタが沸いてきますな…ゴチになりヤス。
313名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:46:19 ID:scr7zJnQ
……お待たせー!
いやあ、ビーズ細工なんて久しぶりだからどこに閉まったか忘れてたよー。

「いえ、お気になさらないでください」

はい、指輪……っていうかフェアリにはネックレスくらいの大きさだけどね。
私がしてる腕輪とお揃い!

「マイコ……」

あ、赤くなった! 照れてるの? よくできてるのねー、あなた。

「それほどでも……本当に、本当にありがとうございます!」

いいってことよ! さあ、明日からガンガン美を追求するわよ、フェアリ!

「はい!」

でも今日は私とあなたの誕生日。お父さんとお母さんが帰ってくる前に
二人きりで勝手にお祝いしちゃいましょ?

「きょぉはすってきっな、たっんじょぉびぃ〜♪
 み・ん・な・の・す・き・な、フェアリ! おめでとー!
 ハッピーハッピーバァスデイ♪ ワックワック……」
314名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:47:25 ID:GBmd0SLz
「マスター!」
「おう、どした」
俺が持っている唯一の武装神姫、マオチャオ型のナギが近寄ってくる
バイザーと尻尾だけ付けた俺の趣味丸出しの装備だが、それはともかく

「んで、なんだ?」
「これ!これ欲しい!」
「んー……ふむ。神姫用の銃器セットか。ちと高いな」
「……駄目?」
「いや、おっけー」
「やったぁ!」
ナギは銃が好きだ。俺は特に興味は無いし、その手の本も買っていない。多分デフォルトでこうなっているんだろう

「ふふふー、これでまたコレクションが増えるね!」
「使い予定は?」
「無いっ!」
らしい。銃は好きだが戦いは嫌い。変な奴だと思うが、それに入れ込む俺も相当変な奴か

「あー、一応言っておくが、家に弾をバラ撒かないように」
「撃つのは外で、専用の的に向かって、でしょ。わかってるって」
「そか。なら良い」
「もー、心配性だなぁ」
誰のせいだか、とは言わずに黙っておこう。多分ナギもわかってるから


燃えも萌えもエロもない(挨拶)
駄文書かせて頂きました……が、ホントに駄文だこれじゃorz
もっと精進します……
315名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:48:22 ID:EGENgNT/
マ・イーコを見て
チェンジ!パァンチホッパッ!
な人を連想した俺は
白子を愛でることにおいても頂点に立つ男だ
316名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:51:20 ID:cmkml8tG
>>304
カウンタースクだな!いいぞもっとやれ!
まあ、俺からもカウンター書かせてもらうがな!
何しろ俺は「不幸な神姫を幸せにする会」(たった今設立、総会員数1名)の会員だから!
>>132などそのための尖兵に過ぎん!
ちょっと遅れたけどまあいいや


「ブラボー、なんだ今日の様は?」
 今日の試合は何とか勝てたが、危なかった
 そしてその原因の殆どは、今日復帰したばかりのブラボーのミスだ
「メーカーで初期化されたってのは本当だったようだな。しかし、初期化されていようと、仮にも武装神姫だろう? もっとマシな動きは出来なかったのか?」
 わざとねちっこく嫌味を言ってやる。
「だ、だってボクは!」
「口答えすんじゃねぇ!」
 ビシッ!
 指二本でデコピンしてやる。身体の軽い神姫にはかなりの衝撃で、吹っ飛ばされて転がる。それでもブラボーは立ち上がり、
「な、なによ! ご主人様に言いつけてやる!」
 などと叫びやがった。なんだその舐めた口のききかたは!
「何言ってやがる! テメーの主人は俺だろ! まだ殴られたいのか!」
「こんなの車にぶつかったのと比べればなんでもないもん!」
 車にぶつかった? 何の話だ?
「てめー、本格的に狂っているのか?」
「違うもん! ここには間違って送られてきたんだ! ご主人様のところに帰らせてよ!」
 なんだって? まじか? まさか、誤発送? つーか、じゃあブラボーは?
 思考が混乱を極める、そんな時、電話が鳴った

「よかった、無事で…。もう大丈夫。もう怖い目にはあわせないから…」
 なんて、迷子の子供を見つけた親みたいに話しかけている
 俺みたいな武闘派ユーザーとは究極的にソリが会わない、溺愛系ユーザーのようだ
 メーカーからの電話で、誤発送がマジだったと解り、しかも家が割りと近いとのことで、直接会って交換することになったのだ
 こちらもブラボーがきちんと戻ってきて、やれやれといったところだ
 むこうの再会の儀式がひと段落したらしく、なにやらひそひそ囁きあっている
 あ、何かこっちに来た
「あー、なんというか、1発殴らせてもらってもいいかな?」
「え?」
「入れ替わっていたことに気付かなかったとはいえ、うちの黒子を危ない目にあわせ、手まで上げたそうじゃないか。その落とし前をつけさせてもらおう」
 指をボキボキ鳴らしながら迫ってくる。彼の肩の上ではブラボー、もとい黒子がこっちにむかってあっかんべーをしている。
 ああ、なんてこった。これだから溺愛系ユーザーは嫌いだ。しかも落ち度は俺にある…
 バギッ!
317名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:55:42 ID:4SOufeHb
>>307
なにげにユーザーが女の子のSSは初やね。
それだけでなんか雰囲気が一気に少女漫画みたいになって、
これはこれでベネ(良し)!
続きも期待してます。
後、割り込み防止のためにも文章は何分割したか書いておくといいかも
てか誕生日の歌がディスカビル家のw

>>314
気にすんな!
書きたい事を書く、基本はそこだぜ!
また書きたくなったらいつでもおk!

>>316
これはいいコラボレーション!
無事に元の鞘に収まったようで何より。
しかし返す返すもユーザーカッコいいなw
318名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 02:01:18 ID:cmkml8tG
名前入れ忘れてたorz
316=132です
ちょっと説明足らずっぽいと思いますが、ブラボーの方を書くことで補う予定ですので…
319名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 06:11:25 ID:NkhT9+6q
>>317
実は一人称が「俺」の女性もいたかも知れぬ。
320名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 16:05:45 ID:ZXZqwZUK
>>307-311
ぼっちゃまの歌ワロタw
触発されて俺も書いてみた。

チュン…チュンチュン…
冬に近づくとは言え、暖かい日差しが差し込む日曜日の朝…
目が覚めた、朝の…7時半か。ああ…特撮ヒーローモノが始まるな…
今年で60年目だったっけ…録画してあるからまぁいいか。
今日は休みだ…このまま1日惰眠を貪りた…

??「おっはようなのだ―――――――――――!!!」

めごすっ!!

俺「うがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
突如顔面にセントーン・ケプラドーラをかます黄色い物体。
鼻を強打し、のたうつ俺。
??「おはようなのだマスター!いい天気なのだ?お出かけするのだ〜!」
??「あ〜、ずっる〜い!ボクもする〜!てや!!」

ごわしっ!!

俺「のごぉぉぉぉをぉぉぉぉぉっt!!!」

続けて黒い物体が、俺の鼻に今度はプランチャ・スイシーダをかます。
??「こら!二人ともその起こし方しちゃダメっていったろ!!
   すいませんマスター!ちょっと目を離したスキに…」
平謝りする緑の物体。
俺「ひや…大丈夫。良ひ目覚まひになった…。はりがほう、ヴェル。」
鼻を押さえながら答える俺。
ヴェル「…は、はい。ほ…ほら!!ジャロもノワルも謝って!!」
ノワル「え〜、だって今マスターありがとうって言ってたよ〜?」
ジャロ「そうなのだ!今度から毎日してあげ…」

ヴェル「あ・や・ま・り・な・さ・い ! !」

ノワル・ジャロ「「ご…ごめんなさ〜〜〜〜ぃ…。」」
ヴェルの凄まじい形相に、萎縮し謝る2人。
その姿に苦笑する俺。
321名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 16:08:31 ID:ZXZqwZUK
俺は3体…いや3人のMMSと一緒に暮らしている。3人の名前は、
イタリア語の色の名前からもじって付けた。
まぁ、2名ほどやんちゃなのが居て多少大変ではあるが、我が家の財政の一部は
彼女達に稼いで貰っているから、あまり大きな事は言えない。

2036年、「武装神姫」によるバトルは全国区となり、老若男女が己の
育て上げた武装神姫を持ち寄ってあらゆる所でバトルをしている。
プロリーグともなると、ランカーには賞金も出、1位ともなるとン億ン千万単位の
金が動き、上位ランカーにはでっかいスポンサーも付いているとの事。中には黒い
話もあるそうだが…。
俺は中位〜下位をウロウロしつつ、彼女たちの整備と小遣い程度の賞金を頂いている
程度なので、そんな話は来もしない。いや、来ない方が気楽なのだ。

朝飯を済ませ、朝の番組も見終わったので、3人を連れて外へ出かける事に。
ノワル「おでかけ〜♪おっでかけ〜♪」
ジャロ「高いのだ〜 楽しいのだ〜!!」
俺の頭に乗っかり、はしゃぐ2人。
ヴェル「ほら!あんまり暴れると落っこちちゃうよ!」
2人を注意しつつも、俺の肩の脇という好位置をキープするヴェル。

と、

前方に親子連れが歩いている、女の子の肩には見慣れた白いMMSが。
ジャロ「マイコちゃん!おっはようなのだ〜!!」
ノワル「フェアリ〜、いっつもお仲のよろしい事で〜♪」
フェアリ「あ〜ら、そっちだってご主人様にべったりじゃな〜い。」
ジャロ「いいのだ〜♪ジャロはベッタベタなのだ〜♪」
俺「おはようマイコちゃん、今日はどちらへ?」
マイコ「今日はね、フェアリの新しいお洋服を買いに行くの!」
俺「へ〜、お洋服…ね。」
322名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 16:09:52 ID:ZXZqwZUK
(そういえば、戦う事ばっかりで、今の今まで洋服を買ってやるとか
考えた事もなかったな…。)
ジャロ「へ〜、いいな〜。そうだマスター!ヴェルもお洋服が欲しいのだ!!」
ノワル「え〜!それならボクも欲しいよ〜!」
頭の上で騒ぐ2人。
ヴェル「こーらー!マスターに迷惑をかけちゃダメだろ!!」
2人を叱るヴェル、
俺「いや、買いに行こう…洋服。今までずっとノーマルスーツのまんま
  だったもんな。」
ヴェル「え…マスタ…」
俺「ヴェルは欲しくない?洋服。」
ヴェル「ほ…欲しい…です。」
顔を真っ赤にしながら答えるヴェル。
俺「じゃ、行こう。マイコちゃん、こいつらの服売ってる所って何処?
 一緒に連れてって貰って良いかな?」
マイコ「うん!」
ジャロ「うっわ〜い!お洋服〜!マスター大好き〜!」

ちゅっ☆

俺&ヴェル「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!?」
いきなり前に乗り出し、逆さのままデコちゅーをかますジャロ。驚く俺とヴェル。
ノワル「あ〜!!ずるいするい!ボクもする〜!!」

うっちゅ〜〜〜〜っ☆

負けじとデコちゅーをするノワル。
ヴェル「ああぁあぁぁぁぁアンタたちななな何を…」
フェアリ「ふ…不潔よ!不潔だわ!」
マイコ「いいな〜、そうだフェアリ、あたしにもチューして!」
俺・お母さん「は…はははははは…;」

そんなショートコントもどきが展開されるお昼前であった…。
めでたいやらめでたくないやら。

ちゃんちゃん☆
323名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 21:06:17 ID:cmkml8tG
一気に大量投下されたな
読むのが大変そう・・・
324304th"C":2006/10/04(水) 21:36:15 ID:rcB9kN06
>>318
>バギッ!
はう?!鉄拳制裁をくらった武闘派ユーザーの304です(w
ブラボー編を書いて頂けるそうなので舞い上がっております♪


・・
敵のマオチャオがジグザグに接近してくる。
デフォ装備の接近戦仕様。頭ン中もデフォのままらしい。
ポム!
手にしたSRGL(シュラム・リボルビンググレネードランチャー)を発射する。
案の定、爆風を交わそうとジャンプした。
楽な子猫ちゃんだぜ。
ガガガガガガガ!!!!!
大型アームに構えた大口径マシンガンをフルオートで乱射した。
アーンヴァルでもあるまいし、空中じゃ良い的なんだよクソ猫。
”四本腕(ストラーフ)”を舐めんじゃねぇ。
オイルと緑の毛を撒き散らしてマオチャオの残骸が落下する。
さてと、お次は…
振り返った先に目を見張った。
俺と同じストラーフの”ブラボー”がマオチャオに組みつかれている。
ドリルを腹へぶち込む気だ!
初期化されちまったからってお粗末すぎるぜブラボー…
畜生、あれじゃSRGLも大口径マシンガンもブラボーまでファックしちまう。
回転をあげるドリル。
迷ってる暇はねぇ。


───ヒュン!


敵の全滅で戦闘は終了した。
325304th"C" (その2):2006/10/04(水) 21:36:53 ID:rcB9kN06
「無事かブラボー?」
マオチャオの下でもがいているブラボーを見下ろす。
フルストゥ・クレインを投擲したのは初めてだったが、
マオチャオの頭部を貫通し一撃で機能停止にしていた。
我ながら上出来だ。
これならボディは良い値で売れる、マスターも喜ぶってもんだ。
マオチャオのオイルと涙でグシャグシャになりながらブラボーが声をつまらせて謝っていた。
「礼はいらねぇよ…今のアンタは覚えてねぇだろうが買われてきたばかりでただの”お人形”だった俺を一人前の”神姫”にしてくれたのはアンタだ。ボディが変わろうが、初期化されようが、俺にとってブロー(兄弟)と呼べるのはアンタだけだからな。」
きょとんとした顔でブラボーが俺を見る。
「こんなザマにならずに生き抜いてこれたのもアンタのおかげって感謝してるってこと。」
マオチャオの残骸をどかすとブラボーを立たせてやった。
「アンタのほうはとんだザマだな。泣いてたなんて知れたらアルファになんて言われるか
…ハンカチなんて上品なモンは持ってねぇから、仕方ねぇ…」
両手は武器で塞がってるんだ、ほんと仕方ねぇよな…

ペロ。

少々照れ臭ぇが、どうせバックアップデータを上書きされりゃ今日の事は忘れちまう。
いつものクールなブラボーにゃ、こんなこと・・・



翌日。
「ちょ、おま、待てよ!マジかよアルファ?!!」
「聞こえなかったのか?先日の出撃でブラボーを務めたストラーフは誤配送された別機体だ。我らがブラボーと今ごろ交換…どうかしたのかチャーリー?」
「───!!!!」
声にならない叫びにハウリン型のデルタとエコーがそろって耳をおさえた。

<終>
326「青い犬物語」(嘘:2006/10/04(水) 22:24:21 ID:rcB9kN06
「幸せな神姫を戦場に立たせる会」の304です。
他人様のネタばかりいじって申し訳ありません。
今度は208氏とシオンちゃんネタで・・・・


「青い犬物語」(嘘

バトリングトーナメントへ向け、操縦訓練に余念のないシエンとオーナーの「オレ」。
部屋ではいろいろ問題があるので公園へ出かけると同じようなペアと出合う。
青く塗られたカスタムATに乗るMMSと仲良くなるシエン。
ある夜、仲良く訓練をする2匹の前に現れる謎の黒いAT。
シエンの眼前で惨殺される青いATと友達MMS。
落ち込み、ATも半壊し、すっかりしょげかえるシエン。
元気づけようと散歩に連れだされたショップで目にはいるバトリングトーナントのポスター。
そこにはシード選手としてあの黒いATの姿が!
優勝賞金を狙う武闘派ユーザーが優勝候補の青いATを闇討ちにしたのだった。
今、青いATの残骸からパーツを得てシエンのATが復活する!

復習を果たす為に。


…きっと208氏なら元ネタをわかってくれるはず(^^;

327304:2006/10/04(水) 22:26:27 ID:rcB9kN06

…復習って… OTZ
328名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 23:35:00 ID:ZXZqwZUK
>>326
ベ○ゼ○ガか!○ル○ル○なんだな!!
329忍者子発売を祈って 1/2:2006/10/04(水) 23:52:54 ID:5C7XZkYg
「これより、御身にお仕えする[FUBUKI]と申します。ご命令を、我が君」
「あー、うー、えー、まず顔上げてくれない?」

いきなり兄がやってきて、箱を置いて去っていった。
「念のために応募していたものだが、まさか当たるとは。しかし俺はもうクロしか愛せない。
 かといって良く知りもしない相手に譲るわけにもいかない。お前ならまあ、大丈夫だろう」
兄は悪魔型[STRARF]を5日並んで買って、クロと名付けたその子に入れ込んでいる。
一度だけ会ったことがあるけど、確かにハマるのもわかる愛らしさだった。というか欲しいと思った。
しかし、武装神姫の本体はDSなんて目じゃないほどの異常な品薄である。何処にも売ってないのだ。
諦めかけていたところだったので、嬉しくて、逸る気持ちを抑え、ドキドキしつつ開封した。
・・・・・・・・だから、箱に貼られた『モニター用限定モデル 忍者型[FUBUKI]』というラベルには気付きもしなかった。
330忍者子発売を祈って 2/2:2006/10/04(水) 23:53:38 ID:5C7XZkYg
「モニター用限定モデル・・・」
短めに整えられた銀髪に、幼いながらも精悍で、そして綺麗な顔。
「ご存知ありませんでしたか」
黒を基調とした身体に、鎖帷子を思わせる模様が、確かに忍者のようだ。
「兄貴が応募して、でも俺がもら・・・・いや、預か・・・・・これも違うな。えーと、とにかく主人になることに」
神姫の、個々のパーソナリティは様々で、人間と同様に同じ精神を持つ個体はニ人と居ないと言う。
「いかなる経緯をたどったにせよ、御身が我が君であることには変わりありませぬ。
 この命尽きるまで、お仕えする所存」
この子は、性格までも忍者・・・・・・に侍を足して2で割ったような感じのようだ。
微妙に言葉使いがわけが解らないことになっている気がする。
「うん、よろしく頼むよ。まずはマスター認証と、それと君の名前だね」
「は!よろしくお願いいたします」
「もうちょっと楽にしてくれていいのに・・・・じゃあ、まず俺の名前は―――」
もっとも、ほとんど一目惚れ状態だったから言葉使いなんて気にもならなかった。

こうして、『律』と名付けたこの子との生活が始まった。今や、兄と同じくらいの溺愛ぶりである。
「わ、我が君!このような可憐な装備は私には・・・・・・!」
「いいじゃん可愛いよ。ほら律、回ってみて。クルっと」
「む、むむむむ・・・・・・こ、こう、ですか・・・」
331名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:18:00 ID:YF5pS0ya
正直、頭粉砕とか普通に引く…あと人のキャラ使う時は事前に断り入れてから使わないと荒れる元
332名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:43:50 ID:ZOIpEYqw
日時: 2006/08/08 12:18
名前: アバあき◆nsy0DcmY


膨大なログをざっと目を通しました。
前回は近場のログだけ目を通していただけなので全貌をつかめ切れていませんでしたが、私の言動がここまで皆さんを怒らせていたとは思いませんでした。
あまりにも浅慮にて軽率な行い、深く謝罪を申し上げます。
今回のことを省みて、今後は本スレには一切顔を出さず、画像の投下はwikiだけに自粛しようと思います。
私もやはり厨設定スレが大好きなので、私のせいで荒れてしまうのは心苦しいので、それには本スレに顔を出さないのが一番だと思いました。
謝って許されるようなことではないとは思いますが、申し訳ありませんでした。
それでは失礼いたします。



テメェのせいでSS大会もスレも大荒れした。使いまわしの絵で媚売ってないでどうにかしろ
333名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:44:59 ID:qaAr5reE
>316の続きというか、ブラボーサイド
勿論萌えもエロも無しさ!

 メーカーに「入院」していた黒子が帰ってくる日がようやくやってきた
 今日は有給を取ってあり、朝から俺も白子もオリの中のクマのように落ち着きが無い
 ピンポーン♪
「来たぁ!!」「きたー!」
 玄関まで全力疾走し扉を開ける、外には見知らぬ女性が立っていて
「神はあなたを愛して…」
「帰れ! 俺は愛してねーよ!」「かえれー! 愛してるのはご主人様で十分!」
 一ミリ秒で叩き返した。畜生紛らわしいんだよ
 再びオリの中のクマのほうが落ち着きがあるというような状況に戻る俺達
 そして再びチャイムが鳴る
「ウオォォォ!!」「うおー!」
 再び全力ダッシュ。床にヒビが入ったような音がしたが気にしない
 亜光速で配達人から箱を奪うと、挨拶もそこそこに締め出し、箱を開ける
 そこには新品同然に修理された黒子が眠るように納められていた
 震える手で迅速にメイン電源をONにする
「う、ん…」
 黒子がわずかに身じろぎする。白子は感極まってしまったようで
「うわーん! 黒ちゃーん!」
 と叫んで抱きついた。
334名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:45:39 ID:qaAr5reE
 電源が入れられる。ということは修理が終わって休息の時間は過ぎ、再び戦いの日々が始まったということか
「う、ん…」
 身じろぎする。新品の身体は関節の具合がプログラムと完全にシンクロできていないようで、少し違和感がある
「黒ちゃーん!」
 ガシッと何かが抱きついてくる。驚いて目を開けると、アーンヴァルタイプの神姫が、俺に抱きついてきたようだ
 俺がいない間にマスターが買い足していないければ、うちの部隊にいるアーンヴァルはアルファだけのはず。こいつ、こんな性格だった

か?
「うぅ、黒子…。寂しかったんだぞ…」
 見たことのない男性が目頭を押さえている。周りの風景も全く見覚えが無い。なんだこれは、どういうことだ?
「誰だテメーら? 何でこんなところにいるんだ俺?」
 二人の顔こそ見ものだった

「つまり、誤配送ってこと?」
「たぶんな」
 ようやくこの男性も理解できたようだ。口がうまく回るほうではない俺にはかなりの苦行だった
「たしかに、ナンバーも俺が覚えているうちの子のものとは違うみたいだな…」
 神姫一人一人にはパーソナルナンバーが振り分けられ、二重登録や、違う神姫からのバックアップデータの上書きが出来ないようになっ

ている
 むろん、同じ種類の神姫が複数いる場での固体識別にも重宝するが
「しかも、君は闘技場で戦っているんだって? しかもバーチャルでなく、リアルで…」
「あんたの神姫が危ない目にあってなけりゃいいがな」
「いや、でも、君の主人だってナンバーの確認くらい…」
「うちのマスターはそんな悠長なことしないと思う」
 ドッギャーーーン! と衝撃を受ける二人
「ごごごごごご主人様! どうしよう!」
「おおおおお落ち着け白子!」
 ぐるぐる回りだす。なんだこいつ等?
「なんにしろ、急いだほうがいいぜ、下手したら、いきなり試合に出されてお陀仏なんてなりかねん」
「うおぉー! とにかくメーカーに電話だー!」
335名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:46:35 ID:qaAr5reE
 男性が慌ててメーカーに電話し、なんだかんだと説明して、再び折り返しの電話をかけるとか言われて受話器を置き、
 水族館のマグロのほうがまだじっとている(本物なんて見たことないが)と言えそうなぐらいの勢いでうろうろ家中を歩き回り
 折り返しの電話を受けて、彼の神姫の無事を確認したことで、ようやく落ち着きを取り戻してへたり込んだ
「ああ、神よ感謝します。さっきは愛してないなんて言っちゃってごめんちゃい」
「あーん、私もごめんなさーい。ご主人様と黒ちゃんの次に愛してまーす」
 神なんてどこにもいない。頼れるのは己と仲間だけだ。そんな事をぼんやりと考えてしまう
 しかし、この家は変なところだ。戦場のほうがよっぽど落ち着く
「あー、とりあえず、メシでも食うか。ご馳走用意してあるし…」
「さんせーい。黒ちゃんの退院お祝いだけど、せっかくだからブラボーちゃんの退院お見舞いで食べちゃいましょ」
「え?」
「こうして俺の家に来たのもなんかの縁だ。遠慮すること無いぞ」
 そんな事を言って俺を抱え上げると、なにやら沢山置かれたテーブルのうえの神姫サイズのテーブルに俺を座らせた
「あ、俺は…」
「遠慮することは無いぞ。日持ちしないものばっかりだし」
「そうだよブラボーちゃん、ご主人様は料理お上手なんだよ」
「いや、そうじゃなくって、俺は今まで食事なんてしたことなくて…」
 神姫は食事をする機能もあるが、別に必ず必要なものではない。
 そのため、闘技場に出る神姫は殆ど食事なんてした事が無い。戦いと、訓練だけの日々だ
「あー、そうなのか。でもまあ、気にするな。誰にでも初めてはある」
「そうそう、遠慮しないで!」
 なんて笑顔を向ける二人。やっぱりこの家は苦手だ
336名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:47:14 ID:qaAr5reE
「えっと、黒ちゃんのベッドを勝手に使わせるわけにはいかないから、私のベッドを使って。私はクッションのうえで寝るから」
「そ、そうかすまない…」
 食事を取り、三人でなんだかんだと遊んで、そろそろ寝ようということになった
 俺と「黒子」を交換するのは明日、しかもマスター同士が直接会って交換するらしい
 今日一晩この家で過ごすことになるなんて、なんとも厄介なことだ…
 彼女達の部屋へ案内され、ベッドを宛がわれる
 ベッドで寝るのも初めての経験だ。神姫は風邪なんかひかないし、固い床で寝ても全く平気に出来ているから…
 恐る恐るもぐりこむ。どうもふわふわして落ち着かない
「おやすみ、ブラボーちゃん…」
 白子がこちらににっこりと微笑みかけ、電気を消す
 それにしても、鬼とも悪魔とも言えるアルファと同じアーンヴァルタイプに、こんな明るくしとやかな態度で接せられると物凄い違和感


「ああ、おやすみ」
 しかし、眠りに落る寸前、確かに彼女の「黒ちゃん…」という嗚咽交じりの声を聞いたと思った
 そうだ、彼女はようやく帰ってくると思った友達に会えなかったのだ。辛くないはずが無い
 俺はそんな彼女に居心地の悪さまで感じていたなんて…
 戦場でどんなに上手く戦えても、自分は全く未熟なのだと痛感させられた…
337名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 00:49:41 ID:qaAr5reE
 翌日…
 俺はブラボーを向こうに帰し、黒子を引き取った
 ひとしきり再会の挨拶を終えたところで、黒子が俺に囁く
「ご主人様、あの人、ボクに無理矢理戦わせて、しかもボクのことブッたんだよ!」
「何、ナンバーの確認もせずに?」
「全然! ナンバーなんて聞かれもしなかった!」
 こいつはメチャゆるさんよなあああ!

 ………バギッ

「白子ーー! 帰ったぞーー!」
「白ちゃーん!!」
 玄関を開けたとたん、ブースター全開で飛んでくる白子
 俺の胸ポケットから黒子を持ち上げると、飛行したまま黒子を抱きしめぐるぐると回りだす
「黒ちゃん、ほんとに、お帰りなさい。お帰りなさい…」
「し、白ちゃん…。白ちゃーーん!! うわぁぁん」
「黒ちゃん…う、うわーん」
 二人とも涙を流して喜んでいる。これを邪魔するのは無粋だなと思い、ゆっくりとその場を離れようとしたが
 ミシミシ…
「ん? 床から妙な音が?」
 バキバキバキン!
「ぬおぉー!? 床が抜けたー!?」
「きゃー! ご主人様!?」
「だ、大丈夫ですか!?」
<終>


わがFSS会に強力なライバル、SSS会が出現ですか
ならこっちは、神姫を大いに幸せにする団、SOS団も立ち上げるぜ!
あと、一人称が両方俺な上、視点がコロコロ入れ替わって読みにくいと思うので補足
>>333と337はマスター、>>334〜336はブラボーの視点です
338名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 01:35:10 ID:TEu0bZGV
>>321
神姫との生活だけでなく、バトルも日常になっている中でこそ
服を与える、というイベントが引き立ってますな。
お人形サイズのキスというのもそれはそれでフェチ心が(ry
ともあれGJ!

>>324
露骨な破壊シーンは苦手な人もいるかもしれないけど、
書きたい所は伝わってると思う。
表現をマイルドにして貰えれば萌え推進派も区なく受け入れられるかな。
でもガチ系の神姫の素直じゃない友情は十分イケますぞ。

>>329
いいねー、忍者子。
俺も素体だけでも発売キボンw
お堅い古風系な喋りはなんかもうそれだけで萌えるね
現在オンリーの忍者子SSとして、続きも期待w

>>333
いやいや、十分萌えますって。
氏の作品は表現が豊かで読んでるこっちもニヤニヤして来てしまうw
殴られたユーザーとブラボーのその後の会話が気になるところだけど、
慰めては…貰えないんだろうなw
339名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 02:21:18 ID:AxYNm3UE
ああもう
なんというかね
このスレ見てると創作意欲がものっそい刺激されて
340約束の聖剣 1/14:2006/10/05(木) 02:34:42 ID:arPlWgWI
「鏡さん? あー、やっぱり鏡さんだ!」

その日、私は近所のおもちゃ屋「阿手奈堂」にいた。
理由は簡単、私は武装神姫悪魔型MMS「ストラーフ」のマスターだからだ。
名はシュナイデという。
兄さんがすごくハマっているので私も興味が出てきてつい購入してしまったものだ。
だが、私の兄を一言で説明するなら「オタク」と言う人種に属してしまう。
かく言う私も物心付く前から兄さんの「英才教育」を受け続けたよく訓練されたオタク女だ。
例えばウルトラシリーズの全防衛隊の正式名称を省略せずに言えたりする。
個人的にはTerrible-Monster Attacking Crewの名前を考えた人は天才だと思う。

……少々話が脱線してきたみたいだし話を戻そう。
九月に両親の都合でこちらに転校して来るまでは
私の趣味の事でいわれの無い嫌がらせを受けたり、無視さえされたりした。
今時珍しいことだけれども、とにかく運悪く私はそういう目にあってしまったのだ。
だからこちらの学校ではひたすら自分を隠し、某妖怪人間のように闇に隠れて生きてきた。
誰も知らない知られちゃいけない。私の趣味が何なのか。
でも、ついにクラスメートに見られてしまった。彼女の名前は……えっと……

「あー……まだ転校して来て一ヶ月だから覚えてないかな?
 私、麻衣子。景山麻衣子よ」

そうそう、それそれ。
とにかくこの状況はまずい……どうにかしてごまかさないと。
341約束の聖剣 2/14:2006/10/05(木) 02:35:31 ID:arPlWgWI
「何買いに来たの?」

ほーら、さっそく来た!
「え、えーっと、ちょっとアレを……」
とにかくあさっての方向を指差してみる。とは言ってもここはおもちゃ屋。
一体何を指してしまったものやら……

「武装……神姫?」

いきなりビンゴかよオイィィィィッ!?
どーするの? どーするよ、私!?

「なぁんだ、私と一緒ね!」

「そうそう、一緒一緒……って、へ?」
景山さん、今、何とのたまわれました?
私の耳が詰まっていたのでなければ一緒と聞こえたような……。

「ほらフェアリ、出てきて! 私のクラスメートを紹介するわ」
「わかりました。本日は飛行ユニットを装備していないのでもう少々お待ちください」

そう言うと彼女のトートバッグからカジュアルスタイルで着飾った天使型MMS、
アーンヴァルが姿を見せた。
どうやら彼女はドレスアップ系のユーザーらしい。
最近は戦闘以外のサービスも充実しているし、ユーザーの裾野はどんどん広がっている。
彼女もそうした流行に乗った一人といったところだろうか。
とりあえず一安心だ。彼女に話を合わせればどうにかなるだろう。
一応は私もドレスアップ系ユーザーの範疇に入ると言えなくもないんだし。
けど……。
342約束の聖剣 3/14:2006/10/05(木) 02:36:16 ID:arPlWgWI
「鏡さん、あなたの神姫はどんなの? 見せて見せて!」

まぁ、当然そうなるよね。
「ごめん……今日はちょっと……」
「何を仰います女王(クイーン)、我は常にあなたの御傍におります」
出てこないで……お願いだから……私の平穏無事な小学生ライフのために……!
そういう風に仕込んだ私(半分は兄さん)に責任があるのは承知してるんだけどね。
そしてついに私のリュックの中からシュナイデが姿を見せる。
終わった……何もかも……。

銀髪の三つ編み、赤いマント、各部に装飾の施されたスーツと
なぜか半ズボン。どう見ても「二闘流」の使い手です。本当に以下省略。
そう、私はドレスアップ系ユーザーの中でも特に濃い方面の神姫マスター、
コスプレ系ユーザーなんです。
そもそもあのゲーム15禁なのに小五の私に見せてくるあのアホ兄さんは外道だ。
私の近辺でシュナイデに断たれるべき存在の筆頭はまず間違いなく兄さんだろう。
けれど兄さんはいつも私に最新情報を教えてくれるときは実に誇らしそうにしている。
そこに貫く意地は固く。あそこまで開き直られるともうつける薬も無い。
喜んで見てキャーキャー言ってる私も相当アレだけどね。
シュナイデはそんな私にいつも笑顔で付き合ってくれる私の唯一無二の親友。
けれどもさらばやさしき日々よ。もう平和な教室には戻れないし帰れない。

「へぇー、宝塚のミュージカルっぽい衣装だね。細工も手が込んでるし……
 この髪はどうしたの?」

よっしゃバレてない!
……あ、そうか。30年も前のゲームのキャラクターなんて知らない方が普通か。
こういう閉じた人間関係を続けてるとそういった基本的なことさえ忘れそうになる。
343約束の聖剣 4/14:2006/10/05(木) 02:37:08 ID:arPlWgWI
「頭部の髪の部分をぎりぎりまで削り込み、
 内部にポリキャップのジョイントが埋め込んであるようです。
 それによってカツラのように自在に髪形を変えることができると推測されます。
 頭部の内部には私達神姫のAIがありますので、それを傷つけずに加工するためには
 かなりの技術が必要となりますが、完璧にこなしてあります」
「そうなの!? すごいね、鏡さん!」

「あ、わ、私じゃないの! 私の兄さんが……」
嘘。加工したのはもちろん私。モデラー暦六年は伊達じゃない。
そんな事よりどういう分析能力の高さなのそのアーンヴァル。
神姫には若干個体差があるとはいえこれはすごい。あんたはどこのドラグナー3よ?
「これはお目が高い。私もあなたのような美しい神姫に出会えた今日と言う日の喜びを
 生涯忘れる事はないでしょう」

「……そう、ですか」
「シュナイデちゃん……だっけ? なりきってるね、舞台の役者さんに」

「うん、そうなの……ちょっと入れ込みすぎるくらいに……」
これは本当。キャラについて詳しく知ろうと必死で勉強してくれるのはいいが、
衣装を着替えた途端に完全に性格までキャラクターになりきってしまうのだ。
しかも彼女独自の解釈やアレンジを加えてくるので一層始末が悪い。
その切り替えの早さにはいつも混乱させられてしまう。

「あ、そうだ! 一緒に何か良い素材がないか見に行かない?
 後でギャラリーにつないでフェアリとシュナイデちゃんで記念写真撮ろうよ!」

うまい事話が切り替わった。
今日この店に来た目的も材料探しなので何の問題も無い。
材料くらいで何の服を作るのか一般ピープルには分からないだろう。
そもそも完成したって分かるかどうか。これなら大丈夫、行こう。
「うん、別に良いけど……」

しかし、私達二人と二体を待っていたのは地獄だった。
344約束の聖剣 5/14:2006/10/05(木) 02:37:42 ID:arPlWgWI
「ふにゃぁぁぁぁっ!?」
「あぁぁぁぁっ!!」

大型モニターに映るバトルフィールド上の神姫を次々と葬り去っていく巨大な影。
それは武装神姫と言うにはあまりに大きすぎた。
大きく分厚く重く、そして大雑把すぎた。それはまさに化け蟹だった。
どうやら他のステーションからアクセスしているらしく、マスターの姿は見えない。

「な、何なの……アレ? フェアリ!?」
「該当機種確認、悪魔型MMS「ストラーフ」です」
「ストラーフって、シュナイデちゃんと同じ……アレが!?」
「そうです。規定上動かす事のできる限界まで大型化改造されています。
 しかもそんな物を何の苦もなくあそこまで操れる事から考えると、
 全国ランキングでも最低50位以内に入るSランクマスターであることは間違いありません」

……世の中にあんな化け物で弱者をいたぶるド外道は一人しかいない。
「行こう、シュナイデ」
「はい、女王(クイーン)。騎士の名の誇りにかけて、どこまでもお供します」

「だ、駄目だよ鏡さん! 絶対バトルするななんて言わないけど、
 あんな奴相手にしたらシュナイデちゃんまで怪我しちゃうよ!」

「分かってる。けど私、行かなくちゃ」
……家族の問題だからね。
シュナイデの衣装に合わせた武器をリュックから取り出す。
幸い今のキャラクターは遠近両方に対応した武器を扱えるし、うまくやればもしかすると……。
何かリュックから落としたような気もするけど、今は止めなくちゃ……兄さんを!
345約束の聖剣 6/14:2006/10/05(木) 02:38:52 ID:arPlWgWI
「お前……星座は何だ?」

「蠍座だ! だがそれがどうした! 奴は動き自体は遅い、やれ! マオチャオ!」
「まかせるのらー!」

「蠍座か……活躍の割に人気だけはある野郎だな。やってしまえ、ヴィオラ」
「わかったわぁん……!」

フルカスタム・ストラーフ、「ヴィオラ」はマスターの声に凄絶な笑みを浮かべてそう答えると
空中から挑みかかってくるマオチャオに対空パルスレーザーの集中砲火を浴びせ、
ひるんだ隙に右腕の巨大な鋏で無造作に掴み、手近な壁面に向かって投げ飛ばした。

「のらぁぁぁぁーッ!?」
「あぁっ、俺のマオチャオがーッ!?」

このマオチャオはスピードアップのため軽量化された個体であったので、
それだけで戦闘不能に追い込まれてしまう。
これで、この店の常連強豪マスター達はほぼ総崩れとなってしまった。

「どうした……もういないのか? これでやっと分かっただろう? 『蟹』こそが最強だって」

「悪いけど、勝ち誇るのはそこまでよ!」

「来たわねぇん……『二闘流』……!」
「いつきか……お前はいいよなぁ、山羊座で……」

「今度は一体何があったの、兄さん! またこんな騒ぎを起こして……」

「お前には分からんさ……蟹の星の元に生まれた者の定めはな」
346約束の聖剣 7/14:2006/10/05(木) 02:39:25 ID:arPlWgWI
オッケイ把握した。
多分また蟹座のデスマスクが云々で同人仲間に馬鹿にでもされたんだろう。
でもなんでそれをいつも全然関係ない人にぶつけるの! 性質が悪いったらありゃしない!
兄さんがそんなだから私は前の学校でひどい目にあったのよ!?
敵わないかもしれないけど、兄さんだけは何としても私達で倒さないと……
付き合ってくれるよね、シュナイデ?
「何度も言わせないでください、女王(クイーン)」
よぉし……鏡いつき、行っきまーすッ!!

「ヴィオラ……我と同じストラーフ型でありながら、何だその醜い姿は!
 それに一方的に神姫をいたぶり、滅するなど騎士道の風上にも置けん!
 女王(クイーン)の名誉のために、ここで決着をつける!」

「独善的ねぇん……嫌いよ、シュナイデ」

どこかで聞いたようなやり取りだ。ヴィオラも私やシュナイデ同様
兄さんから「英才教育」を受けていて、二体が揃うと名シーンを再現したがる癖がある。
しかも今回はなんか水銀の人まで混じってるし。
とにかく今は集中しないと。ふざけてはいるけど兄さん達は確かにメチャクチャ強い。

「接近戦は不利か、ならば銃撃戦で!」

「相変わらず甘ちゃんねぇん、シュナイデ……何の対策もしてないとでも思ったのかしらぁ?」
「ヴィオラ、シールドだ」

そう言うとヴィオラは自分の本体を蓋っていた甲羅を左腕で持ち上げ、盾にする。
バウンドドックのような体勢だったと言えば分かっていただけるだろうか。

「ガイロス帝国軍の蟹型ゾイド、キラードームの甲羅を流用したシールドだ……
 生半可な攻撃では貫く事はできないぞ、いつき。そして……」

今度はそのご自慢のシールドを頭上に掲げる。兄さん、今度は何を!?

「キラードームが本来持ち合わせているパルスレーザーは生きている……逃げられるかな?」

そう言うとヴィオラはシールドを高速で回転させ、シールド側面に搭載されている
対空パルスレーザーを一斉射する。一発一発は大した事ないが、
断続的に訪れるレーザービームの奔流に少しずつシュナイデはその体力を削られていく。
どうする……どうすればいいの、私……!
347約束の聖剣 8/14:2006/10/05(木) 02:40:07 ID:arPlWgWI
「大変、鏡さんとシュナイデちゃんが!」
「マイコ……」
「お願い……やめて、もうやめてー!!」
「……あの大蟹の神姫には重大な欠陥があります」
「……え?」
「ですが、それには直接あそこに行って伝えるしかありません。
 今の攻撃でシュナイデの武装も破壊されてしまった様子です。
 加えて他のマスター達の神姫は全てあの大蟹に戦闘不能にされています。ですから……」
「……行くのね、フェアリ」
「申し訳ありません。マイコの主義に反してしまいますが……」
「ううん。いいよ、フェアリ。私、確かに戦いは嫌い。だけど、
 友達を傷つけるようなアイツはもっと大嫌い! 急ごう、フェアリ!家に帰って武器取ってくる!」
「そんな時間はありません。それに空からの攻撃が通用しないのは先ほど御覧になったとおりです。
 さらに飛行ユニットの装備は当たり判定も大きくなり、挙動にも影響が出ます。
 このまま行くしか……」

「よく言ったぞ、お嬢ちゃんたち!」
「俺たちのカタキを取ってくれ!」
「これ……君の友達が落としたものじゃないかな?
 この衣装セットに着替えれば少しは戦えると思うんだけど……」

「青いドレスに……銀色の鎧? フェアリ、これ着れる?」
「シュナイデはプロポーションの改造はされていません。従って私でも装備できます」
「うん、わかった! ゴメン、鏡さん……これ、ちょっと借りるね」
「大変です、マイコ!」
「どうしたの?」
「一緒に入っていた剣が……」
「折れちゃってる……これじゃあ向こうに行っても……」
348約束の聖剣 9/14:2006/10/05(木) 02:40:59 ID:arPlWgWI
「『約束された勝利の剣』か……」
「アレがないとあの衣装がしまらないよなぁ……」
「だったら君、これを使ってやってくれないか?」

「これは?」

「俺のストラーフの『友達』の武器さ。
 俺も蟹座でさぁ、あんな奴が同じ星座で蟹座の立場を汚しているかと思うと……
 それで勝負したんだけど返り討ちにあっちゃってさ。だからこれを持ってってくれ。
 俺たちの分まで、君に任せたよ」
「なるほどなぁ、確かにそれも『約束された勝利の剣』だ!」
「しかも強そうだし」
「こいつも使ってくれ! 瞬発力が上がるレッグユニットだ!
 俺のマオチャオをあんな目に遭わせやがって……許せねぇ!」

「マイコ……着替え、終わりました」
「ん! よく似合ってる。なんかカッコイイよ、フェアリ!」
「ありがとうございます。時間がありません、急ぎましょう」
「OK!」

「あ、そうそう! 助けに入る前にこの台詞を言ってくれないかな?
 高い位置から、逆光で。効果は抜群のはずだよ」

「は、はい……なんか恥ずかしいなぁ、これ読むの」
「さあ、マイコ!」
「わ、わかってるわよ、フェアリ!」
「はい! マスターの皆さん、神姫たち……必ず、勝って帰ってきます」
349約束の聖剣 10/14:2006/10/05(木) 02:41:35 ID:arPlWgWI
「ハァッ、ハァッ、ハァッ……!」

「どうしたのぉん……もう終わり? シュナイデ……」

「まだだ……まだ!」

「同じストラーフとして見てられないわぁん……さぁ、ジャンクにしてあげる」

そう言うとヴィオラはさっきの大鋏を振り上げ、シュナイデを叩き潰そうとする。
やっぱり、駄目か……私達、このままずっと兄さんに踊らされっぱなしなのかなぁ……。

「ま、待てぃッ!!」

「あぁ……?」
「何……?」

崖の上から、太陽を背に一体の神姫が姿を見せる。
でも、この店の神姫は皆兄さんにやられたのに……まさか!

「む、無法の嵐が吹き荒れようと、挫けぬ心あるならば、いつか嵐は波となり、
 静けさは戻る。災いは去るもの。人、それを「禍福」と言う……あってたかな?」
「完璧です、マイコ」

「何なの……せっかく楽しいところだったのに……誰よ、アンタァッ!!」

「「貴様等に名乗る名前は無い!」」

景山さんのフェアリ……しかも、あの服は私の……?
ダメよ、今あの服は肝心の「剣」が壊れて……!

「あらぁ……ようこそ、剣士のサーヴァントさん? でもねぇ……邪魔しないで、潰すわ」

「フェ、フェアリ……?」
「大丈夫です。私を信じてください、マイコ。それに……」
「それに?」
「私には『皆に勝利を約束した剣』が託されています。これが初めての戦闘になりますが、
 負けないと約束しましたから。倒れた神姫達の力を貸してもらいます」
350約束の聖剣 11/14:2006/10/05(木) 02:42:14 ID:arPlWgWI
「お前……星座は何座だ?」

「射手座よ! ね、フェアリ!」
「私もそうです。マイコとは同じ誕生日ですから」

「射手座か……黄金聖闘士の中の黄金聖闘士……無性に腹が立つ」

「……あの、せいんと、って何?」
「マイコ、その話は後です。ちなみに私はアルデバラン閣下が好きですが」
「……あるでばらん?」

ちょ、それ渋すぎよフェアリ!
そんな事より景山さん達戦ったことが無いって言ってた様な……
まずい、彼女達は何があっても守らないと!
「シュナイデ、動ける?」
「……何とか」
……武器もやられたし、まともに戦えそうも無い、か。
せめて囮くらいでもやって見せないと、バトルに関しては私達が先輩なんだし。

「鏡さん! フェアリがどうしても伝えたい事があるって! 今からそっちに行くね!」

「ちょっと、景山さん!? あぁ、なんて無茶を……シュナイデ!」
「お任せを!」

ヴィオラがまたパルスレーザーを撃ち始める。
私達は壊された壁面を盾代わりにしてゆっくり着実に接近するが、
フェアリのほうは慣れていないのか、機動性に翻弄されているのか、メチャクチャな動きだ。
正直危なっかしくて見てられない。それでも喰らうビームを最小限に抑えているのは
フェアリの優れた「目」のためだろう。それに彼女が両手に持っているアレは……
あははっ、納得納得。こりゃ立派な「勝利を約束された剣(エクスカリバー)」ね。
351約束の聖剣 12/14:2006/10/05(木) 02:42:48 ID:arPlWgWI
「シュナイデちゃん!」
「大丈夫ですか?」

何とか彼女達と合流できた。あーヒヤヒヤした……でもここもあまり長くもちそうに無い。
「景山さん、さっき服の材料を見てた時、バトルは嫌いって言ってたのに……
 何でこんな無茶を?」

「友達だもん、当たり前でしょ?」

彼女は平然とそう答えた。
友達……長いこと私には関係ないと思っていた言葉だ。
今日初めてまともに話したくらいの私を、友達だなんて……
どうして、こんなに嬉しいんだろう。どうして、私泣いてるんだろう。
どうして、こんなに力が涌いてくるんだろう。
今度こそ、今度こそあの兄さん達に勝てる気がする。

「これを預かってきました。一本は……あなたが使ってください」

「……かたじけない」
フェアリが差し出したそれはMMI-710レーザー対艦刀「エクスカリバー」……
昔のガンダムアニメのMS、ソードインパルスガンダムが持つ二本一組の強力な斬撃武器だ。
具体的に言うと自分の倍近くの大きさの敵をも一刀両断にできる程の威力。
山羊座の私とあの服を来たフェアリに一番相応しい名前の剣。
涙ににじむ目でエクスカリバーを見つめていると、爆音が近づいてくる。
まずい、気付かれた。
そう思っていると、フェアリが話を切り出してきた。
352約束の聖剣 13/14:2006/10/05(木) 02:43:32 ID:arPlWgWI
「あの大蟹には致命的な欠点があります。一つは、殻を閉じた状態では対空砲しか射撃装備が無い事。
 もう一つは、本体上半身には盾以外の装備がなされていない事です。
 つまり、殻を閉じているうちに地上から接近し、私達が鋏をかいくぐったところに
 迎撃のためにレーザーを使おうとする瞬間、私達のうちたどり着いたどちらかが
 『剣』で止めを刺します。万が一殻を閉じたままの場合でも、この剣なら貫けるでしょうし
 恐らくそれは相手も承知の上です。68%の確率で盾を使ってくるでしょう。
 危険な作戦です。まかり間違えば二人とも倒されてしまいます」
「そ、そうなの? でも……ここまできたんだし、やりましょう、フェアリ!」

「大丈夫よ、景山さん。もう負けない。あんな奴にやられるもんか!
 そうでしょ、シュナイデ!」
「当然です。騎士の名にかけて、必ず……!」
「もう! こんな時までなりきらなくてもいいよ、シュナイデ?」
「これが私ですから」
時ならぬ笑い声がこだまする。こんなに楽しいと思ったのは本当に久しぶりだ。
「よぉし、皆、SALLY GO!」
「GIG!」

「ねぇフェアリ、今のどういう意味?」
「詳細不明。私のメモリーには記録されていません」

しまった、ついうっかり。サコミズ隊長を愛し過ぎるが故の過ちを……。
「後悔は後でゆっくりと。……来ます!」

「見つけたわぁん……今度こそ真っ二つにしてあげる」

「さぁ、それはどうだろ?」
「真っ二つにされるのはお前のほうだ、ヴィオラ! いざ……仕る!」

「私達も行こう、フェアリ! でも……もう怪我はしないでね」
「約束はしませんが、努力はします」
353約束の聖剣 14/14:2006/10/05(木) 02:44:18 ID:arPlWgWI
シュナイデとフェアリはかく乱の意味も込めて別方向から一気に接近する。
大鋏は一本しかない。これで少なくとも一人の安全は確保される。
そして、ヴィオラが狙いを定めたのはシュナイデだった。
正直妥当なところだろう。因縁もあるしフェアリはほとんど素人の動き。
あとはお願い、景山さん……!

「ウフフ、そんな簡単に物事が運ぶかしらぁ?」
「なぎ払え、ヴィオラ」

な……脚!?
ヴィオラは左側の脚に体重を預け、空いた右足でシュナイデを滅多打ちにし、仕上げに
鋏で振り払い、先程のマオチャオのように壁面へ向け吹き飛ばす。
そして私達はガレキの中にうずもれてしまった。

「鏡さん!? シュナイデ!? 返事を…返事をしてーッ!!」
「マイコ、足を止めないで……うっ!?」

「つかまえたわよ、妖精さん……さぁ、真っ二つにしてあげる!」

「う、うぅっ……!」
「ごめん、ごめんね、フェアリ……!」

「これで終わりだ……蟹の力、思い知ったか」

「さぁ、そんなうまいこといくかな? ねぇ、シュナイデ」
「我々は、まだ生きているぞ……!」
さっきまで派手にパルスレーザーを撃ちまくっていたせいで、建物自体が相当脆くなっていた。
従って衝撃によるダメージも緩和されていたのだ。
さらに兄さん達の意識は完全にフェアリに集中していたために、
難なくヴィオラの死角にたどり着けた。

「いつき……いつの間に?」
「シュ、シュナイデェェェェッ!!」
354約束の聖剣 15/14:2006/10/05(木) 02:45:21 ID:arPlWgWI
「聞こえてる、兄さん? ……兄さんなら山羊座の黄金聖闘士の必殺技、わかるわよね?」

「ま、まさか……」

「そのまさかよ! シュナイデ!」
「オォォォォッ! 『聖剣(エクスカリバー)』ッ!!」

その叫びとともに、シュナイデはエクスカリバーをヴィオラの胴体に向けて突き立てる。
ついに、店を荒らしまわった化け蟹は退治された。
店中に歓喜の声が響き渡る。私達は勝ったのだ。
でもそこに、景山さんがバツの悪そうな顔をして近づいてくる。

「鏡さん、ごめんなさい……勝手にドレスを借りて、こんなにボロボロにしちゃって……」

「別にいいよ、そんな事よりフェアリは大丈夫なの!?」

「問題はありません。体中が痛いですが、深刻なダメージはありません」
「やっぱり、私バトルはもうこりごり!
 毎回毎回こんな目にあったんじゃ命がいくつあっても足りないわ」

いや、今回みたいなのは特例中の特例。しかもSランカー相手の大金星。
めったにあんな化け物出てこないから。
ともかくこれでしばらく兄さんもおとなしくなってくれる……といいんだけど。
「あなたもご苦労様、シュナイデ」
「たいしたことはありません、女王(クイーン)。騎士として当然の勤めを果たしたまでです」
そっか……じゃ、帰ろっか、シュナイデ。兄さんをパパやママにこっぴどく叱って貰わないと。

「鏡さん、シュナイデ!」

「何?」

「今度は、一緒にスタジオでスナップ写真撮ろうね!」

「……もちろん!」
「喜んで、受けさせてもらおう!」
355名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:08:16 ID:TEu0bZGV
>>340
長文作品、乙彼w
小ネタ満載で往年のプラモ狂四郎を髣髴とさせるようなSSですなw
デモンベイン、FateにガンダムSEED、ゾイドや聖闘士星矢と全部は把握し切れなかったけども、
元ネタが分かっているとニヤリとさせられるような熱い展開で本当にここはエロパロ板なのかとw
楽しませてもらいました。神姫の本分だけにバトルものもいいね。
シュナイデは独語の「刃」でおk?
356名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:12:23 ID:ljexwzug

昨日会社で起きた事を神姫風にアレンジ。

会社のPCが壊れて、バックアップもミスっていたよ…。
心が折れそうだったので、妄想を吐き出しておく。

----
 一日の仕事は13時間オーバー。
決して短くはないが、もう慣れた。
帰る自宅は一人暮らしの1LDKのマンションだが最近は暖かい。
神姫がいるからだ。

 ソイツを買った理由は、立ち寄ったホテルのエントランスで行われていたエキシビジョンマッチが酷く気に入ったためだ。
黒い神姫の身につけた強化外骨格には彼方此方に突起が装着され、もう一方の白い神姫の小さな羽根をもがんと腕を振り回していた。
白い神姫は必死に二本のビームサーベルで防戦していた。
どちらも小さいのに良く動く。
確か、極微磁界を利用した電磁浮遊推進器の論文が出たのはまだ2032年なのに、もう玩具でこれとは凄いものだ。

 そんな感心半分、興味半分の気持ちで思わず一体買ってしまった。
少し前に神姫を使った犯罪が多発したため、面倒くさい登録や、住所証明などの提示を求められたが、こんな時に愚直で生きている者は強いものだ。
ともあれ、飛行システムを堪能するために買った白い神姫だったが、自宅で簡易磁場発生器を利用してフラフラと飛行する姿を肴にワインを傾ける事、数日。
始めはただ飛ぶのも危なっかしい状態だったが、数日でとんぼ返りなどの技を小粋に決めるようになった。
リクエストで様々な飛行をする度に、少し得意そうに(失敗したときは気まずそうに)そして少し恥ずかしそうにリクエスト元に感想を求めるソイツの姿を見ているうちに、まるで人間にするように、真剣に感想を述べてしまう自分にふと気づき、思わず苦笑する。
その苦笑を不思議そうに眺める白い神姫。
正直に言おう、俺はすっかりソイツに情が移ってしまった。
357356:2006/10/05(木) 03:14:09 ID:ljexwzug

 そんなある日、ソイツの挙動に急に遅れが出始めた。
バランスを崩し、上手く歩けないようだ。
軽い気持ちでクレードルで休ませる。
クレードルはデフラグやバックアップなどのメンテナンスを一通りしてくれる付属品だ。
物の本を読むと、もっと高機能な物もあるが、余り気にせず使っていた。
この時点ではあんなことになるとは思っていなかったからだ。

 クレードルで休んだ後、メンテナンス終了のアイコンが表示されても、ソイツは目を覚まさなかった。

一瞬、背筋が凍った。

 長年、ソフトウエアを扱ってきた人間の直感が不吉なものを感じたからだ。
次の日、仕事を休んでソイツをサービスセンターに連れて行き、専用機材で調べてもらう。
高々、玩具一つに真剣になっている自分に、自分の冷静な部分が嘲笑を浴びせる。

玩具がちょっと調子悪くなったくらいで、なんだい?
ちょっとスイッチを弄れば直るに決まってるさ…。

 調査の結果はすぐに出た。彼女の不揮発メモリ装置の一部が故障し、それが中枢データを納める部分であったため、起きられなくなったのだ。
クレードルに入る前は、揮発メモリに「壊れる前のデータ」の一部が残っていた。
それで何とか動いていたが、クレードルで休ませたことで揮発メモリがクリアされ、動けなくなったのだ。

 しかも、その部分はそれ以外にも主要なデータが集中している箇所だった。
不揮発メモリ装置の入れ替えで再起動はできる。しかし、それは「以前の彼女」ではない。

 嫌な予感がしてメンテナンスベッドを調べる。案の定、「壊れたデータ」をバックアップしていた。そして、バックアップは1世代分しかとっていない。

だから、「壊れる前のデータ」は、この世の何処にも、…。

 ・
 ・
 ・

358名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:15:33 ID:AxYNm3UE
えーと・・・・

アンタ超ド級のアホだろう!?(すごいほめ言葉)
359356:2006/10/05(木) 03:16:02 ID:ljexwzug
 ・
 ・
 ・

 新しく目覚めた彼女は、此方を見て、心配げに微笑む。

笑わなきゃ。

目の前の彼女は、「ソイツ」で無かったとしても、罪なんてない。
彼女は何も聞かない。ただ心配げに微笑んでくれている。
こちらの気を引こうとする彼女に、俺は笑う義務がある。

 ・
 ・
 ・

無理だ。少なくとも今日は。

あさってから、また笑う。
だからせめて一日だけは、この泣き笑いで許して欲しい…。

----
PCがトンで、データが逝った動揺を抑えるために、白子をPCの横に座らせてこんなものを描いている自分に激しく動揺中。
自分はこんなキャラではなかったはずだ。

白子の足を開いたり閉じたりして気を静めてくる。
360名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:17:16 ID:AxYNm3UE
ぐあああ
なんてタイミングで割り込むんだ俺。
ご愁傷様です…消えたデータは…大変ですよね…ウウッ
361名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 03:28:40 ID:TEu0bZGV
>>356
( ´・ω・)カワイソス
自分も仕事用というほど重要なものじゃないものの、
二度ほどバックアップ取らずにHDD様にお亡くなりになられたので、気持ちは分かります。
これはヤバイ!と気付いた瞬間の焦燥なんかもう。

とまれ作品、ちょっと切ないながらも面白く読ませてもらいました。
神姫も機械である以上いつかは「死」ぬんだろうなあ。
感情も自我もある人形って罪やね。
362『不良品』第4話の1:2006/10/05(木) 04:02:02 ID:vC8DQhge
なんかすっごいSSラッシュで気圧され気味ですわー…そんだけみんな武装神姫に愛を
注いでるって事ですな。 良き哉良き哉。
それではちまちま続けております不良品シリーズ第4話です。

…かくして激動のユーザー登録も終わったんで、ようやく付属していた基本武装ってヤツを開き、
ひとつずつ装着してみたんだが…
「またエラくトゲトゲしいフォルムだな」
「一応『悪魔』をモチーフにしてますから…」
呆れる俺と苦笑するルーシー。
背中に飛行機の翼っぽいモノ(曰く「アームデバイス」)からにょっきり生えた太い腕にデカい爪。
足にはゴツいブーツ(曰く「レッグアタッチメント」)が付いて、ルーシーの身長が一気に1.5倍
くらいになった。
それだけでもうシルエットはすっかり別物になったが、他の装備ってのもまたアレだ。
アームデバイスに装着されてた悪魔の羽は分離して大小4本のナイフになり、レッグパーツの爪先
には短めのナイフ。トドメとばかりに、ルーシーの髪…ツインテール部分にまでデカい触角みたい
なナイフ…というか剣が2本くっつくという始末。

…TVのCMじゃ白い天使に目が行ってたんであんまり分からなかったが、コレでもかというほど凶悪
なビジュアルだ。
…もっとも、装備してる本人がなんだか申し訳なさそうな顔してるのがアンバランス。
363『不良品』第4話の2:2006/10/05(木) 04:03:11 ID:vC8DQhge
「や、別にお前のせいじゃないし」
「スミマセン…」
ますます顔を赤くして縮こまる…というか鋭い爪のついたアームデバイスがジタバタしてる。
自分の身体を隠そうとしてるのか?
「思いっきり近距離戦闘用って感じだな」
「ですが、一応飛び道具もありますよ? これです」
「…何そのそのドラム缶がくっついたようなの?」
「正式名称は『シュラム・リボルビング・グレネード・ランチャー』といいます。状況に
 よって弾の種類を替えられるスグレモノなんですよ」
…コイツ、実は結構マニアか?
ナイフの時も「クールなトットリのナイフだ」とか言ってたし(『ククリナイフ』の間違い)、
もう1つ付いてた拳銃には「リボルバーは扱いやすいですが弾数が少ないのが難点です」と微妙
に不満げだった…マニアの話は濃ゆいんで流したけどな。

…実のところ、俺たちにはもっと大事な問題があるんだから。
364『不良品』第4話のあとがき:2006/10/05(木) 04:05:37 ID:vC8DQhge
今宵はこのくらいでお許しを。 活気のあるスレに祝福あれ♪

ちなみにグルカククリナイフを知らない方はコチラ参照(↓)
ttp://www.munemasa.co.jp/cgis/goodslist.cgi?mode=view_detail&this_num_genre=&this_num_goods=7&genre_id=00000002&goods_id=00000171&sort=
365名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 04:12:48 ID:dzi2/haM
今更ですが自分の話は
>>67>>89>>104>>124>>145-146>>285
で、一応繋がっています。スイマセン、今の今まで書き忘れてましたorz
それと最近は、来年開始予定のバトルサービスを題材にしているのが流行っているようなので、自分も流れに乗ってみようかと…。

バトルサービス@

武装神姫。
その小さな身体に意志と知識を秘めた、鋼の乙女。
ユーザーの意志で千差万別に姿を変える、無限の可能性を持つ乙女。


たまの休日。折角だし、家でくつろぐ事にする。
早速リビングのソファーでダラける俺に、白子と黒子が今日の新聞の折り込みチラシと思しき紙切れを持ってきた。
何か欲しい物でもあるのかな?
「え〜と、“サンデー武装神姫トーナメン……と”?」
何なんだ、この名は体を現すというか、読んだままの催し物は…。あ、近くのゲームセンターでやってるのね。
と言うかこの際の問題は、白子と黒子が戦いに興味を持った事の方だ。
二人とも、バトルサービスにはとんと関心が無かったと思ったんだけどな。
「なぁ、二人とも。闘いたい…のか?」
俺の問いかけに、二人は揃って首を横に振る。
なら、何故?
痛いのは、嫌だろう?
実際に痛さを感じる訳ではないらしいが、負けて嫌な思いはしたくないだろう?
俺の表情から疑問を察したらしい。白子が点けっ放しだったテレビを指差す。
丁度、件のサンデートーナメントを地元のテレビ局が生中継しているところだった。
が、どうにも様子がおかしい。何と言うか、レポーターの歯切れが途轍もなく悪い。
理由は、その直後に解った。
「ヲイ…、一体…どうなってんだ、こりゃ…」
死屍累々。
一言で表すとそうなった。
恐らく神姫たちだったであろう部品の数々が、バトルジオラマに散乱している。
そんな凄絶な舞台に独り佇むストラーフタイプの神姫が一体。
その手には、力任せに引き千切ったと思われる腕が握られていた。
これは幾らバトルサービスを殆ど利用していない俺でも、異常だと解る。
確か実際のバトルは格闘ゲームと同じ要領で、各攻撃行動が数値化され、それが一定値に達すると勝敗が決する方式だった筈。
それによって機能に深刻な影響を与えない安全なサービスだと言うのが、企業側がしつこく言い続けている宣伝文句だ。
つまり、パーツが散乱する必要も無いし、腕が引き千切られる必要も無い。
なのに、この神姫はそれをしている。否、違う。続けている。
今この瞬間にテレビの中の神姫は、相手の首を刎ね飛ばしていた。
こんなのと戦ったら、白子も黒子もボロボロにされるに決まってる。
一度バトルに入ったら、原則的に終わるまでは外から干渉出来ないし、そうなったら俺が助ける事は不可能だ。
白子、黒子、闘い始めたら、“誰にも護ってもらえない”んだぞ?

「…あ…!」

そうまで考えて、俺は二人の考えが理解出来た。
嗚呼、そうか。家の神姫たちは、本当に闘いたくないんだな。
白子も黒子も、あの神姫を止めたいんだ。他の神姫を助けたいだけなんだ。
二人にとって、それは戦いじゃない。護る事なんだ。
俺はようやく、その結論に到達する。
それが分かったのなら話は早い。
必要なパーツを鞄に詰め込み、家を飛び出す。
トーナメントが行われているゲームセンターは、俺の家から直ぐ近く。
果たして家の白子と黒子が相手を止められるかは分からないが、今はただ急ぐだけ。
俺は出来得る限りを尽くして店へと急いだ。


―続く
366名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 04:13:30 ID:Vs9pC7MP
>>340
ところどころにあるネタに深夜にもかかわらず爆笑。
マスターをクイーンと呼ぶのに違和感を感じてたので、二闘流ネタがツボでした。

また読みたいです。

>>356
お気の毒に、自分はこの夏に一度フリーズしたと思ったら2時間ほど起動しなくてヒヤヒヤしたのでそれからは外付けHDDにバックアップ取ってます。

でこの話から未来世界には神姫専用の墓地もあるんじゃないかと想像。
367304:2006/10/05(木) 06:49:08 ID:uCTSX1RD
>>328
正解!(w

>>331
すみませんでした。以後注意します。
反省してます。 OTZ

>>338
ありがとうございます。
マイルドに心がけますのでよろしく。

>>333
SOS団というとアレですか!(w
ブラボー編、ありがとうございました。
いかん!不覚にもニヤけてしまった!

>>338
B「マスター…」
主「1晩逆さづりの刑な」

368名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 08:34:49 ID:FtxAVKdx
騙しリンクや広告の少ない優良アダルトサイトリンク集
http://1st.geocities.jp/ryooyu1015
369名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 11:34:05 ID:XnkWnuBl
ログ読んでる時間がないが、みんな妄想しているということは伝わった
370名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 12:29:29 ID:AxYNm3UE
>>369
妄想? バカを言っちゃぁいけない
自分が信じた真実は
妄想以上の現実だ!
371名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 15:47:02 ID:bKAlX9U7
すごい数のSSで読むのに時間かかりそうだ、みんなすごいよ。

さっき犬子の腰の近くに小さいヒビが入ってるのを見付けて気になってるんだが、
交換無理そうっつーか、何より愛着がわいて例え同じ犬子だろうと今手元にいるのを手放すのは心苦しい。
で、一緒に買った猫子もチェックしたら同じ所にヒビが入ってたんだよ。
もうこれは何かの運命的なものと考えて萌えに昇華するしかないと思うんだ。
372名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 15:50:00 ID:AxYNm3UE
>同じ犬子だろうと今手元にいるのを手放すのは心苦しい。
全くだ
「壊れたら部品を変えていって、最後のパーツまで変えたらそこにいるのは本当に今までの彼女なのだろうか」
というネタがどこかにあったな、ロボ娘もので。それ思い出した。
373昼下がりの情事ヤマモト(1/3):2006/10/05(木) 17:25:45 ID:Kdw7aA5o
ある休日の朝、俺は部屋で好きな音楽を聴きながら
新聞を読んでいた。すると、こんな記事が目に飛び込んだ。

「武装神姫違法改造グループ逮捕」
○月○日、警視庁は東京都ネオ歌舞伎町の雑居ビル内で、
武装神姫の素体を違法改造していたグループを検挙、グループの
リーダーである○田×彦(35)他6名を逮捕した。
○田らは、武装神姫のボディ、AIなどに不正な改造を施し、
通常では育成不可能な『愛玩用素体』としてネット上で販売、
数千万円の利益を得ていた疑い。
警視庁では、こういった不正改造に対し、徹底的に取り締まる方針を
発表した。

俺「ふーん…"愛玩用"…ね。」
ふと目をやると、俺と一緒に住んでいる3人のMMS、イヌ型のヴェル、
ネコ型のジャロ、悪魔型のノワルが、先日買ったMMSハウスで遊んでいる。
無邪気なものだ。
(愛玩用………………どんななんだろう……………)
―――――――――――――――――――――――――――――――――
374昼下がりの情事ヤマモト(2/3):2006/10/05(木) 17:26:40 ID:Kdw7aA5o
ぺちゃ…

ぺちゃ…

??「はぁ…はぁ…」

総ピンク色の部屋の中、何故か俺は全裸でベッドに座っている。
ノワル「ん…んむ…くちゅ…」
ヴェル「はぁ…んくっ…ま…マスター…気持ちいいですか…?」
ジャロ「んぅ…マスターの…すっごく熱いのだ…はぅ…」
3人は俺の一物にすがりながら、愛おしそうに舐め続ける。
俺「どうした…そんなじゃ俺は満足させられないぞ…?」
ヴェル「はぃ…では…これでいかかでしょう…みんな…?」
ヴェルがそう言うと、各々裏スジ、亀頭、竿を同時に舐め始める。
普通では体験できない「3点責め」である。
時々その小さな口で甘噛みまでしてくるのだからたまらない。
俺「よし…イイぞ…お前等のアソコはどうなってる…」
ヴェル「ひゃぁぅっ!!だ…ダメです…そこは…感じちゃ…やぁっ…!!」
ジャロ「はうぅ…熱いよ…アソコが熱いよぉ…!!」
俺「よし…4人同時にイクぞ…ぐぅぅぅっ!!!」
俺は己の剛直から、ありったけの精を吐き出す。
3人「「「はぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ…………ぁ」」」
火山の様に吹き出る白濁液にまみれ、恍惚の表情で倒れる3人。
俺「はぁ…はぁ…よく出来たぞ3人とも…。次は本番だ…!!!」
3人「「「はぃ……マスタぁ………」」」
375昼下がりの情事ヤマモト(3/3):2006/10/05(木) 17:28:01 ID:Kdw7aA5o
っ  て  !!!


俺「うっがぁぁぁぁああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ!!」
3人「「「!!!???」」」
その場で頭を抱えながらのたうち転がる俺。
ヴェル「ど…どーしたんですかマスター!?」
そう言って駆け寄るヴェル。
俺「来るな!来ないでくれぇぇぇぇぇ!!」
脳内を縦横無尽に駆けめぐる妄想と戦いながら精子…いや制止する俺。
ジャロ「どうしたのだ?マスター変なのだ!!」
ノワル「ねぇマスター、本当に大丈ぶ…」
俺「だいじょ――――――――――ぶだから!!
  ぁ全然だいじょ――――ぶだから!!今は近づかないでくれ!頼む!!」
いかん…非常にいかん…彼女たちの心配する声だけでもおかしくなって
しまいそうだ…!!ならば!!

俺「じゃ…ジャロぉぉぉぉぉ!!!」
ジャロ「…は、はいなのだ!!」
俺「両手に『ファンピー』を装備!!…それで俺を…思いっきりぶん殴れ!!」
ジャロ「そ…そんなことできないの…」
俺「い い か ら な ぐ れ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !!」
ジャロ「わ…わかったのだ―――――――――――――!!!」

ご が わ し っ !

俺「のごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉを!!」

壁まで吹っ飛ぶ俺。
ヴェル「ま…マスター!!」
ノワル「ちょ…大丈夫マスター!!生きてる?生きてる!?」
ジャロ「びぇ〜ん!!マスターなぐっちゃったよぉ〜!!」
心配する2人、大泣きするジャロ。
俺「ジャロ…GJ…。」
薄れゆく意識の中、親指を立て、爽やかな笑顔で、俺はしばしの眠りについた…。

めでたしめでたし。
376名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:08:05 ID:TEu0bZGV
>>737
妄想とはいえようやくエロパロらしい話が来た!…のか?w
主人公のテンションの異常な高さにワラタw
377名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:09:54 ID:TEu0bZGV
すまねー!安価が謎のクロックアップをしてしまった様子。
正しくは>>373で。
378名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:12:16 ID:TheQoSxM
このスレは737までエロパロ禁止で
379名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:12:16 ID:Mx/B5g0Z
超ロングパスだなw
>>737期待w

>>373
エロパロスレなのにエロ分少なすぎだからなぁw
GJ
380名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:16:57 ID:AxYNm3UE
・・・・・・・・・
本スレや武装神姫リンク集から飛んできた連中(俺含む)は
エロパロ板ということに気づかない人が多そうだ
俺は気づかなかったし
今まで忘れていた
381名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:23:25 ID:TEu0bZGV
畜生w
感想は投下されないのにこう言う時に途端に人が来るんだw
こうなったら萌えでも燃えでもないエロパロに相応しくないSS投下してやるw
382名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:25:43 ID:AxYNm3UE
とりあえず、だ
やはり妄想時には神姫たちは人間サイズになってたのかそこらへんが気になった。
15cmサイズの神姫に殴られて吹っ飛んで壁に激突して気絶…猫よ、すごいパワーだ
383名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:37:09 ID:BWiT0Q2J
そうか・・・健全ssスレが立ったら、このお祭り騒ぎも終わりなのか

ちょっと寂しい気がするが、これも自然の流れか
384名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:48:18 ID:TEu0bZGV
>>383
どう転ぶかも分からないんだし、そう寂しくなる事言うなよBOY
俺だってこの空気は好きなんだぜ?
385名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 20:50:02 ID:AxYNm3UE
そもそもこれだけ色々ドテルのに健全ssスレたてようぜと誰も言い出さないあたり
みんなこのカオスかつすばらしい流れのスレに満足しているからな
だからこれでいいと思うよ
386名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 21:07:44 ID:59UoItu6
エロパロでやるからこそ健全なものが引き立ち
健全なものがあるからこそエロが嬉しい

そんな今のこのスレが好き
387373:2006/10/05(木) 21:20:10 ID:Kdw7aA5o
>>382
その疑問にお答えしよう。

1 5 p の 状 態 に 決 ま っ て る じ ゃ ん


388名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 21:24:27 ID:WfPNKZqH
>>387
こ  の  へ  ん  た  い  め
389名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 21:25:24 ID:AxYNm3UE
>>387
た  い  へ  ん  に  へ  ん  た  い  だ
390185:2006/10/05(木) 21:26:04 ID:fPmqknZy
自分も同意です。
この板にあるからこそ面白いんだと思います。
健全SSスレは誰も立てようとしませんし、自分も時にはきわどいネタを考えたりするので、このままが良いですね。

とうこと第3弾。 遂に武装神姫の本領である戦闘ネタです。
今回は話が長く、後半部分が文章になってないので前後編に分割してます。
では前編をどうぞ。


最近はリンは俺の買ってきた服(あの日以来、月に1度ほど新しい服を買ってやることにしている)
を着て、休日は出かけたりする。

で、今日も目的地へ向かう電車に俺は乗っているわけだが、今回は少し事情が違う。
今までは普通の繁華街へ行くぐらいだったのだが、今日は武装神姫のプロモーションも兼ねた大々的なイベントが開催されるということで一度行ってみようということになった。
イベントは基本的に新モデルの発表があったり、『舞装神姫』コンテストの成績優秀者の神姫によるファションショーやら、バトル方面ではS、Aランカーによるエキシビジョンマッチ等がある。
そんな中でも今回のイベントは格が違うらしく、イベントの会場が某オタクの祭典と同じらしい。
もちろんエキシビジョンもあるのだが、今回はメーカーからの販売基準をクリアした『同人』武装パーツや衣装(こちらは主にゲームやアニメの会社が自社の版権作品のキャラの衣装を販売するそうだ)の即売会も会場の1/3ほどのスペースを使って行われる。
マニアの間ではこちらの方がメインらしく、有名企業のゲームキャラの衣装等は一般販売があと半年は無い予定でプレミアが付くという情報が飛び交ったりしたそうで徹夜で並ぶ者もいたらしい。

と、なんで俺がこんな情報を知っているかというと……
俺をこの世界に引き込んだ友人は一般的にオタクと呼ばれる人であり、彼はこういったイベントの情報はどこからかは知らないが最速レベルで手に入れてくる。
そんな彼は昨夜から有給を取り、徹夜で即売会入り口に並んでいる。
なんでも、リンの分も服を買ってくれるそうなので俺はそのための軍資金と判断基準(1着の値段や、特殊な趣味のモノは避けるなど)を書いたメモを渡しておいた。
今日が一般の給料日の週の日曜という条件がなければ軍資金を渡すことなどできなかっただろう。
企業も考えているということだけは分かった。
391185:2006/10/05(木) 21:30:39 ID:fPmqknZy

で俺はリンと一緒にイベント会場の入り口にいるわけだが、こちらも結構人が多い。
子供連れの親子や、結構年配な夫婦などが見られる。
だいたいそういった客は「舞装神姫」のファッションショーが目当てのようで既に第1回ショーの開催時間が近づいているためか、皆足早にステージへ足を運んでいる。
で180度反対方向はエキシビジョンマッチのステージであり、コチラは大体俺と同じような10代から20代半ばの男性ユーザーが多い。
女性のグループもしばしば見られる、ファッションショーよりこっちが好きという女性も多いようだ。

取り合えずエキシビジョンマッチの方が人が少なく、ステージが良く見えるのでまずはコチラを優先した。
さすがにこちらのステージにいるユーザーの神姫は服を着ていることが少ない。
「マスター、アレを。」
リンに促されてステージのバックにある大型スクリーンに目を移す。
エキシビジョンマッチの第1戦が始まるようだ。

対峙するのはストラーフモデルとマオチャオモデル。ストラーフモデルは基本セットのアームやレッグに多様改良が加えられ、スラスターも追加されている。
武器はハンドメイドらしい刃物を各部にマウントしている。中、近戦専門でロングレンジでの戦闘は全く考えていないセッティングだ。
一方マオチャオモデルも同じく両腕にドリルということで接近戦主体らしいが、アーンヴァルのパーツを身につけていて、相手のストラーフモデルに比べ、飛行もしくは滑空が可能のようだ。
392185:2006/10/05(木) 21:33:54 ID:fPmqknZy
戦闘が開始される。
先に仕掛けたのはストラーフ。
スラスターの出力全開で一気に距離をつめ、セカンドアームのナイフで切りつける。
が相手のマオチャオは冷静に右手のドリルで迎撃、開始数秒でいきなり2体の間で火花が散る。

密着した状態からストラーフはメインユニットが腰にマウントされたリボルバーを抜き取った、と次の瞬間銃声。
がだマオチャオは宙返りの容量でそれをかわすと共にストラーフの後ろを取り、強烈なキックをお見舞いしていた。
体勢の崩れたストラーフにマオチャオが追撃のドリルを放つ。
がストラーフもソレを紙一重で避けセカンドアームで反撃。 マオチャオはスラスターの逆噴射でそれをギリギリで回避し距離をとる。
気が付くと周りの観客は歓声を上げている。
それほどに見入っている自分が不思議に思えたがそれはリンも同じようだった。
「……彼女達はすごいですねマスター、私が思っていた『バトル』とは次元が違います」
「まああいつらのマスターは全国大会で入賞が当たり前のレベルのランカーだからな。
あんなふうになるには相当は時間が掛かってるはずだ、訓練とか入念なパーツのメンテナンスがあってこそだろうな。」
「私も、あんなふうに闘えたら……」
「おい、お前バトルに興味あったのか??」
「…はい。最近TVでもバトルの中継が増えてますし、『武装』神姫は基本的に戦闘が主の目的で作られていますので」
「オシャレだけじゃ物足りないか…」
「いえ、決してそういうわけではありませんがこういうのも見るとなんだか身体を動かしたくなってくるんです」
なんというか、コレは血が騒ぐという現象なのだろうか?
やはり武装神姫という名前が付いているだけあってやはり闘争本能(?)は抑えられないということなのだろう。
393185:2006/10/05(木) 21:36:02 ID:fPmqknZy
「そうか、ま今日は無理だろうけど今度、な」
「でも、マスターが争いを嫌うということであれば無理をしていただかなくても…」
「いや、俺は最初はバトルメインで神姫を扱おうとおもってたけどお前がピ○チュー好きだとか言うもんだからてっきりそういうのは苦手だと思ってた。」
「じゃあ、マスターも?」
「そりゃそうだ。仮に着飾ったりするだけならおまえを買ってきたときに一緒に買えばいいんだし。 ということで今度から大会も視野に入れてがんばってみるか?」
「はい、マスター」
そんなこんなで俺とリンは新たな決意をしたわけだ。せっかくのバトルのお手本が目の前にいるのでそちらに視線を戻す。

さすがにガチの接近戦だとセカンドアームのパワーの分不利と踏んだのか、マオチャオが戦闘スタイルを変えた。
アーンヴァルのパーツの飛行能力を駆使して縦横無尽に戦闘フィールド内を翔ける。
そしてマオチャオの特殊武装。 プチマスィーンが姿を現した。こいつで牽制をして決め手のドリルをお見舞いするようだ。
一方ストラーフはこのスピードに対抗することが出来ないので構えを正し、ドコからの攻撃にも反応できるように神経を集中している様だ。
いつの間にかストラーフの右のセカンドアームに黒い刀身の大剣が握られている。
見たところ装備されていたサーベル等を組み合わせると一振りの大剣になるらしい。
コイツのオーナーはFF7ACに感化されていると見た。
しかしほかに装備は無い。コイツだけで勝負を決めるつもりだ。

マオチャオが急旋回して突っ込んでくる。そして反対からはプチマスィーンが砲撃をしてくる。
プチマスィーンの砲撃は1発当たりのダメージこそ少ないものの、確実に集中力を奪い、かつダメージも塵も積もれば山となるといった感じで馬鹿に出来ない。

ストラーフは後方から来るプチマスィーンには目もくれずマオチャオに向かって跳ぶ。
が右手にはあの大剣は見当たらない。と思った瞬間に爆発音。 後方でプチマスィーンが爆発していた。残骸に突き刺さっていたのは無数の刃。
あの大剣は瞬時に分解可能らしく、分解途中の状態で投げればバラバラになりながら刃の壁ができるというわけだ。
しかしストラーフ本体にはあのドリルに対抗しうる武装が無い。しかし2体の距離はゼロに近づく。
ストラーフはセカンドアームを。マオチャオは両腕のドリルをお互いに叩きつけようとする。
394185:2006/10/05(木) 21:39:24 ID:fPmqknZy
そのまま2体が正面からぶつかり、お互いにフッ飛ばされて着地した。
が立ち上がったのはストラーフの方だけだ。 セカンドアームは完全に砕け、ヒジから先がなくなっていた。
マオチャオモデルはドリルこそ無事だがメインユニットの胸部に小さなナイフが刺さっている。
同時に今までで一番大きな歓声と拍手が起こる。

決着のシーンのスロー映像が再生される。
2体が激突する前。ストラーフの左のレッグパーツから例のナイフが飛び出した。それはマオチャオの胸に向かっていく。
マオチャオの右腕のドリルもまっすぐにストラーフのメインユニットの腹部を狙っていた。
がストラーフのセカンドアームが右腕のドリルに生拳突きを食らわす。もちろんセカンドアームは破壊されたがドリルの軸がずれた。
マオチャオの左腕のドリルも反対側のセカンドアームで空手の受けの形で何とかそらす。が左腕のドリルはストラーフのリボン、武装マウントを完全に破壊、そのままセカンドアームの基部も綺麗に抉っていた。
普通ナイフがぶつかる程度ではマオチャオの胸部装甲は貫けないが2体のスピードが余りに速かっためか、ナイフはストラーフのメインユニットがその腕で少し力をかけるだけで簡単にソレを貫通していた。

今回の勝敗の分かれ目はセカンドアームを犠牲に、しかも運に結果が左右される戦法を迷うことなく選択したストラーフの度胸、
そして賭けに勝ったのが今回はストラーフだったということだけだ。運が悪ければ負けていたのはストラーフの方だ。

やはりS級同士の勝負となると迫力が違う。
こんな感じで『舞装神姫』は最後のステージを見ると決め。
残りのエキシビジョンマッチも食い入るように見ていた俺とリンだったが、全てのエキシビジョンマッチが終わったところでステージにコンパニオンと思われる女性が立ち、こう言った。

「エキシビジョンマッチはいかがでしたでしょうか? コレを見てバトルに興味を持たれた方もいらっしゃると思います。
今回はエキシビジョンマッチの展開が速く、予定時間より1時間も早く終了してしまいましたので急遽ビギナーユーザー様限定の新人戦トーナメントを行いたいと思います。
参加は6名まで。 まだバトルユーザー登録されていない方、もしくは登録したがまだ大会には出たことが無いというユーザー様限定になります。
今回はデータを使用してのバーチャルマッチになりますのでお客様の神姫やパーツに傷が付くことはありませんのでお気軽にご参加ください。」
これを聞いたリンが俺に顔を向けてくる。
「マスター!!」
「ヤル気だな。いっちょ参加してみるか。」
こうして俺とリンのバトルユーザーとしての第1歩が踏み出されることとなった。

〜つづく〜
395名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 21:42:05 ID:AxYNm3UE
>>390
>自分も同意です。

>こ  の  へ  ん  た  い  め
>た  い  へ  ん  に  へ  ん  た  い  だ
に同意したと思ってしまった俺を思う存分ののしってください

それはそうと
やっぱりいいなあ、こういうバトルを街中のモニターで見るとかいう雰囲気
396初SS投下 下手糞でスンマセンorz:2006/10/05(木) 21:47:53 ID:pb5tvAd2
突然だが、我が家で姫達のカラオケ大会を開催することになった…。
ふと出してみた懸賞で専用のカラオケセットを当てたからだ。
その送られてきたカラオケセットを見た姫達の提案により、リビングでカラオケ大会を行うことになった。

1番手、優等生な白子
白子「春高楼の花の宴〜♪」
何故に荒城の月。初っ端から沈みそうな雰囲気になってるぞ…。
しかし何だ、この心に染みる歌声は。

気を取り直して2番手、常にハイテンション全開なネコ子
ネコ子「迷子の迷子の子猫さん〜♪ あなたのお家はどこですかぁ? 
    マスターの所に決まってるニャー!!」
音程外しすぎだが嬉しいこと言ってくれるじゃないか。

3番手、熱い心に不可能は無いらしいイヌ子
イヌ子「正義、正義、正義の鍵で〜♪ 熱く、熱く、たぎーらせろ! 炎の〜情熱ぅ♪」
リュウケンドーと来たか。そういや、不動のおっさん萌えだったなコイツ。
今度、リュウガンオーアーマーでも作ってあげるかな…。

4番手、常に疲れてそうなウサギさん
ウサギさん「地獄を見ればー心が乾く〜♪ 戦いは飽きたのさ〜♪」
今度はボトムズね…。戦争に疲れ切ったキリコに自分の姿を重ねてるのか。
彼女もまた戦場でしか生きられない存在なのか、んな訳は無いな。

そして、5番手は物静かな黒子
黒子「恨みます…恨みます… あたし優しくなんかないもの」
これは、中島みゆきだよな…。なんだってこんな歌をチョイスするんだ、黒子。
そういや最近、お袋と一緒に居る時間が多かったな。いや、まさかな。
と、思ってキッチンに居るお袋に振り向いてみると

( ̄ー ̄)ニヤリッ 

って、貴方の仕業ですか。こんな歌ばっか聞かせてた訳だなコンチクショー。
黒子「恨みます…恨みます… あんたのこと死ぬまで〜っ!」
遂に白子とネコ子が泣き出した。イヌ子とウサギさんは震えてしまっている。
そして、お袋だけでなく親父まで笑いながらコッチを眺めていた。

結局、カラオケ大会は黒子の中島みゆきソング祭りと化して幕を閉じたのであった…。
※何を歌ってかは皆さんの想像にお任せします(´・ω・`)
397名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 21:53:53 ID:AxYNm3UE
黒子が歌うべきなのは
あなたの一番になりたい
だとおもう
398名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 22:04:54 ID:QW8Ygmog
エロパロ板だけど、画像ネタもたまにはね。
http://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061005220122.jpg
399名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 22:05:24 ID:Kdw7aA5o
>>398
なにこの放課後電磁波倶楽部
400名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 22:41:15 ID:Z+qSU27h
黒子ってへヴィメタル歌ってそう
401名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 22:56:51 ID:0hduJgLI
ウチの黒子は筋肉少女帯がお気に入りですよ?
俺にカレーを食わせろとか連呼しまくりですだよ
402名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 23:32:32 ID:qaAr5reE
ずいぶん遅れたが、>>100の続き

『白子のマタを閉じたり開いたりして落ち着くんだ』
 なるほど、これは良いことを聞いた。さっそく俺は白子を呼びに行くべく部屋へと足を運んだ
 扉を開けて部屋に入ると白子は黒子とダンスをして遊んでいた。ほほえましいなぁ
「なあ白子、ちょっと来てくれないか?」「はい、マスター。今行きます。ちょっと行って来るね、黒ちゃん」
 黒子に一声かけてからこちらへ近づいてくる白子を抱えあげ、パソコンの前に戻る
「マスター、今日は何をするんですか?」
 白子がにっこりと微笑みながらこちらに問いかけてくる。
 前回の黒子の様子を思い出すと、このあどけない態度に罪悪感を感じてしまう
「あー、うん。なんていうかな…」
 視線をさまよわせ、何気なくブラウザの更新ボタンを押す。すると更なる革命的発言を発見
『自分の好きな神姫のお腹をナデナデして落ち着くんだ』
 うむ、これならいける! ……たぶん
「白子、ちょっとこの上に座って」
 あぐらの上をぽんぽん叩く。ちなみに俺のパソコンはちゃぶ台の上においてある
「はい、こうですか」
「うん」
 そしておもむろに、白子のお腹をやさしく指で撫で上げる
「ひゃっ、ま、マスター?」
 驚きの声を上げる白子を無視し、ゆっくり優しく撫で続ける
「あ、うん…。マスター…」
 最初は身をこわばらせた白子も、すぐに力を抜き、されるがままに身を預ける
 調子に乗った俺は、そっと太ももの内側に指を這わせる。白子は一瞬ビクッと震えたが、目を閉じされるがままだ
「はぁ、はぁ…あっ…、ますたぁ…」
 白子の息が少しずつ早くなり、熱いものを帯び始める
「白子…」
 白子の手が何かを求めるように宙をさまよう
 俺はお腹を撫でていた手を放し、その小さな手を握り締め、太ももを撫でていた指を股間に…
「ふああぁぁぁ……ッ!!」
 途端に白子がぐぐっと身体を仰け反らせ、気の抜けた悲鳴のような声を上げ
「ああぁ……。はぁ、はぁ…」
 ぱったりと身体から力が抜けた。それでも俺の手を離すまいと手を持ち上げ続けるのは何とも健気に感じる
「あの…マスター…」
 しばらくして余韻が抜け、人心地戻ってきた様子の白子が上目使いに俺を見つめる
「これ…黒ちゃんにもしたんですか…?」
「あ、えーと、いやその…」
「恥ずかしいです…」
「あ、うん…
「……でも、もっとして欲しい…」
 最後のはかなり小さい声だったが、確かに聞いたと思う。うーん、白子ったら意外に…
403名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 23:33:09 ID:qaAr5reE
まちがえた、>>105の続きです
404名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 00:05:46 ID:CqGpsQho
>>390
お、萌え路線からバトル路線への転進ですかな。
主人公たちの出番は少ないながら、バトルの駆け引きはいい感じ。
ただちょいと誤字が多いっぽいんで、せっかくだから投稿前に確認すると良いかも。

>>396
ウチの黒子はB'zの90年代中盤あたりのしっとりしたバラードが…
ってそら俺の趣味かw
下手だってことないよ。ここは妄想スレだしね!
またいいシチュがあったら投下しておくれ

>>402
なんだなんだ、とうとう時代はエロスの流れかw
神姫のぽっこりお腹のフェチ度は異常。
エロパロらしくて非常によいよー。GJ!
405名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 00:14:19 ID:flxcTODt
壁|・(ェ)・)っ[チラシの裏]

神姫の世界ってさー、自立行動するロボがふつ―――――にいるんだよね?
と言う事はですよ、カスタムを前提にしていない旧式さんとか
車ほどの値段の1/1サイズなのがいてもおかしく無いですな。
神姫はパーツ交換を前提にした初の規格だという事なのかもしれない。

プルートゥな世界でまだロボに人権が無いあたり…みたいな?

主人と神姫が惹かれあう余り、繋がりたいと思ったとしても、
ソレを叶える商品を出すメーカーがあっても不思議じゃあるめぇ。

小さいからイインジャン! とも思えるがの。
406304:2006/10/06(金) 00:18:03 ID:faP+abaJ
エロくない画像ですみません
http://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061005235038.jpg


>>397
こっそり同意。
407名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 00:20:51 ID:CqGpsQho
うーん、感情人格のあるロボット自体がファンタジー過ぎてアレだが、
そもこのスレ自体が妄想スレだからなあ。世界観含め何でもアリですよ何でもアリ。
SSの中には今現在の世界で買ってきた神姫が動いたら…みたいなネタもあるし。
気にせずフィーリング!

…で良くね?
408名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 00:29:06 ID:CqGpsQho
あ、別に世界観とかの話じゃなくて、そういうのもアリじゃね?っていう話題か!
すまん、トチった!流してくれー!
o-----Σrz

…どうやら疲れているらしい。黒子でもいじって来るお。
409名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 00:41:35 ID:X2IvkK+8
頭を発射する神姫か。新しいな。

そのAAで某ゲームのメガトン先生が真っ先に思い浮かんだ俺は
2003年くらいには武装神姫のような商品は売れると確信していたGFコマンダー。
410名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 01:16:47 ID:WbVKQxVG
バトル物SSの大量投下に触発され新展開を書いてみました



比較的早い時間に夕食を取ったので、小腹が空いた俺は買い物へと出かけた。
最近、俺が買い物とかで出かけると、アールがついてきたがるようになった。
今日も、アールが一緒だ。
丁度、俺の半歩くらい前の目の高さぐらいを、歩く速度に合わせて飛んでいる。
「なぁ、何がそんなに楽しいんだ?」
「マスターと出かけるのが楽しいんですよぉ〜」
「食い物買いに行くだけだぞ?」
「それでもいいんです」
「そんなもんかねぇ」
「そんなもんです」
そんなやり取りをしていると、アールが空中で停止した。
「マスター! あれ!」
「ん?」
アールの指差す方を見ると黒い物体が落ちている。
「おい! あれって」
はっきりとは見えなかったが、その物体が何か直感的に分かった。
そして、その答えが間違いであってほしいと思いながら走る。
その場所に到着したが、残念なことに間違いではなかった。
「マスター……」
アールが泣きそうな顔で俺とその物を交互に見ている。
そこに落ちていたものとは、両腕、右足首、左膝から下の無い黒い人形。
特徴である長い髪も右側が引きちぎられ、身体中傷だらけになっていた。
間違いなく、ストラーフという武装神姫だった。
「……ん……あ」
ストラーフが呻き声を出した。
バッテリーがまだあり、AIが動作している。つまり、この子はまだ生きている。
俺はストラーフをやさしく手に持ち、アールのほうを向いた。
「今、何時だ!」
「9時43分です」
アールが即答する。あと17分。
「間に合ってくれよ!」
俺はアールを買ったおもちゃ屋へ走り出した。
411名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 03:06:39 ID:kFBJFFQz
ロボット技術の発達する三大要素は
・軍事用途
・医療用・義肢
・子供の頃に見た夢
という。ここにエロも含まれることも多いが。
15cmサイズがここまで精密に動く世界なら、完全に人間サイズで生身同然に動く義手・義足、人工臓器やその他が開発されているとおもう。
そしてそれは転じて言えば人間サイズのロボットだって当然ありうるというわけで。
めちゃくちゃ高そうだけど、神姫のAIをそれこそ神姫ごと搭載する人間大ユニットとかありそう。
性機能不全の障害者のために作られた人工性器とかの技術も流用してですね
目が飛び出そうなほど高いモノになりそうだけど。下手すりゃ家買うぐらいに。
412名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 06:06:46 ID:TgjZ0+4p
>>411
それなんて攻殻機動隊?
というのはおいといて
今現在、人工器官の方は結構研究開発が進んでいて、
あと少しで実用化される物も多いらしいけど、
AIの方が脳の解析が進んでいないこともあってまだまだらしい。
量子コンピューターが実用化されたらまた変わってくるんですかね。
413373:2006/10/06(金) 10:46:40 ID:OqiEuEUR
〜外伝「ウサギって寂しいと死んじゃうんだよ!」〜

『疑似訓練(バーチャルトレーニング)…シュウリョウ…。』

プッシュゥ〜………

疑似訓練用カプセルから出てくる我が家の姫、ヴェル、ジャロ、ノワル。
俺「お疲れさん、良い動きだったぞ、ヴェル。」
ヴェル「はい!!ありがとうございます!!」
俺「ジャロは相変わらず前に出過ぎ!!ちゃんと指示をよく聞く事!!」
ジャロ「ふみ〜、ごめんなさいなのだ〜。」
俺「ノワルは逆にもうちょっと積極的で良いかな。セカンドアームの機動力を
  上手く活用できるようにしよう!!」
ノワル「うん!ボク頑張る!!」
俺「よし、それじゃぁ今日はこの辺で寝ましょ…」

と、

???「マ〜〜ス〜〜タ〜〜………………」
俺(………ぞくっ!!)
シュコ〜…
 シュコ〜…
シュコ〜


背後に立ちこめる怨念じみた負のオーラと、機械的に流れるくぐもった呼吸音。
俺「な…何かなコニー君…?」
『コニー』とは、最近買った武装セットの中に付いてきたウサギ型素体の『頭部』に
付けてあげた名前なのだが、しばらく放ったらかしにしてしまったためか、かなり
やさぐれてしまっているのだ。今もゴーグルとガスマスクを付け、表情を隠したまま
話している。その姿は、持ち主の俺が言うのもナンだが、あまりにも不気味である。
コニー「私は何時になったらみんなと一緒に訓練できるのでしょう…?
    それ以前に、私の体は…シュコ〜…」
俺「わ…わかったいるさ!うん、解っているとも!!でも今はお金が…」
コニー「ふっ…いいんですよ私なんか、…元々武器とパーツ取りの為にしか 
    買われないセットだって自分でも解ってますから…シュコ〜…
    現に今、私の武器とかパーツをヴェルお姉さま達が活用されていますしね…
    あ、そうだ、頭だけ活動してても電気代のムダでしょうからこのまま機能停止…
    シュコ〜…」
俺「わ…わかったから!君の気持ちは良く解ったから!今度ボディを買いに行こう!な!」
(あ〜、今度の全国ランキングバトル、頑張って中の上ぐらいにならないとな〜…。)

そう思う週末の夜であった。


めでたくもあり めでたくもなし。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
みなさん、もう少し兎子メインのストーリーを書いてあげましょう。
ほら…貴方の後ろで恨めしそうに兎子が見てますよ…………。


414名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 10:58:05 ID:kFBJFFQz
だけどボデイを買うとそのボデイに頭が付属しているんだ
それはどうするんだ
どうしよう

死のう。
415名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 12:59:55 ID:fMmGrE1z
いやいや君たち機械獣ダブラスM2ってご存知か
416名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 13:16:46 ID:OqiEuEUR
>>415
いや、ふたなりは俺趣味じゃないし…。
417名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 19:13:55 ID:ikzucAxh
>>414
設定世界の方では、もっと細かい売り方してると思う
でも頭部だけ売ってるってのも怖いな
418名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 19:41:41 ID:RRisbih8
>>417
設定では、頭部がコアユニット。
つまり、頭部だけ新しく買い足す、ということは、新規の機体を組む用途以外にはありえないはず。
既存の頭部がなにがしかの理由でお亡くなりになったとき、など。
419名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 19:44:54 ID:eYyWoMXS
日時: 2006/08/08 12:18
名前: アバあき◆nsy0DcmY


膨大なログをざっと目を通しました。
前回は近場のログだけ目を通していただけなので全貌をつかめ切れていませんでしたが、私の言動がここまで皆さんを怒らせていたとは思いませんでした。
あまりにも浅慮にて軽率な行い、深く謝罪を申し上げます。
今回のことを省みて、今後は本スレには一切顔を出さず、画像の投下はwikiだけに自粛しようと思います。
私もやはり厨設定スレが大好きなので、私のせいで荒れてしまうのは心苦しいので、それには本スレに顔を出さないのが一番だと思いました。
謝って許されるようなことではないとは思いますが、申し訳ありませんでした。
それでは失礼いたします。



テメェのせいでSS大会もスレも大荒れした。使いまわしの絵で媚売ってないでどうにかしろ
420名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:08:49 ID:kFBJFFQz
>>417
いや、ケルベロスなカンジの神姫を作ろうとした場合とか
421名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 23:12:42 ID:dV7El860
おもちゃ板の方に置いて来た物ですが、こちら向きのような気もしますので
よろしかったらどうぞ。
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061006050240.jpg
ttp://shinkiup.daa.jp/upl/imgs-box/img20061006224050.jpg
422名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 23:26:34 ID:Ws+GFQEV
>>421
どう転んでもウサギは不幸なポジションなのかwww
423名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 23:27:21 ID:Ws+GFQEV
スマンageてしまった・・・OTL
424『不良品』第5話の1:2006/10/06(金) 23:41:47 ID:moVSaZDa
武装錬金アニメ化の次は武装神姫アニメ化が来ると信じて疑わない台風の夜。
ここ最近のSSラッシュにちょっと様子を見ようと昨夜は投下を控えてましたが、やっぱり
膨れ上がる妄想は留まる事を知らぬのでブチマケさせていただきたくー。

…コイツが俺と同じで、左足がちょいと不自由だってのは今更な話だ。
つってもフツーに歩く分には「違和感がある」程度らしいから、いいっちゃいいんだが…
問題は例のレッグアタッチメント。
何度も言うようだが、コイツはやたらとデカくてゴツい。こんなモノくっつけたまま移動
するってのは、ルーシーの足にかなりの負担が掛かるだろう。 …かと言って外しちまう
と、今度は背中のアームデバイスが重過ぎてロクすっぽ歩けやしない。
さてどうしようかとアレコレ考えていたが、ルーシーの「じゃあ右足にだけ装着しましょう」
というヒトコトで解決した。
…つっても、そう簡単に行くわけじゃない。
本来2本の足で支えるアームデバイス+素体+装備各種の重量を1本足で支えなきゃいけない
ってんで、オートバランサーの調整と一緒に補助シリンダーを装着しようって話になった。
まぁ細かい調整はコイツ自身が担当するらしいし、俺がやったのはシリンダーの注文くらい
のもの。
ここでも俺に気を使っていたが、今や俺とコイツはパートナー。気にすんなよと頭を撫でて
やったら赤くなって俯いてた。愛いヤツ。
ま、部品の到着だ何だでしばらく先になりそうなんだけどな。それまではまったりしよう。
425『不良品』第5話の2:2006/10/06(金) 23:44:12 ID:moVSaZDa
数日の間に改めて世間を見渡せば、武装神姫の話題はそこかしこに転がっていた。
TVで流れるCMに始まり、ネットには1日2日じゃ回りきれないほど大量の専門サイトが乱立し、
新聞には毎日のように取り扱いショップの折り込みチラシが混ざってる。
外に出てみれば駅前に貼られたポスターに電車内の吊り広告。 トドメにゃ街頭でコスプレ
したお嬢さんらが笑顔でビラを配り、「武装神姫」のロゴやらイラストがプリントされた
Tシャツだのジャケットだのハチマキだのをした連中が群がってるときた。

「いやはや猫も杓子もナンとやら…こんなんで大丈夫なのかね、世ン中ってのは」
「現在、『武装神姫』は株価市場に影響を与えるほどの大ヒット商品になっているんですよ」
どこか誇らしげなルーシーの言葉に、俺は学生時代に受けた歴史授業の事を思い浮かべた。
「1990年代後半から2000年初頭にかけて爆発的に肥大化した『オタク産業』…その再燃ってヤツか」
426『不良品』第5話の3:2006/10/06(金) 23:46:34 ID:moVSaZDa
元々海外でも評判の高かったアニメ・マンガ・ゲームの3つが基本になってる『2次元産業』に、
「食玩」ってのを中心に広がった『3次元産業』…そいつらをまとめて『オタク産業』と呼ぶ。
「バブル経済の崩壊」から延々と停滞・下降を繰り返してた経済社会だったが、唯一と言って
いいほど上昇を続けていたコレのおかげでなんとか持ち直したらしい。
当時はヨソの国から「かつての『黄金の国』は現代になって『夢物語』に救われた。まさに夢
のような国だ」なんて陰口を叩かれた事もあったらしいが、何しろ今から40年近く前の話だ。
俺たちの知った事じゃない。

…ちなみに俺はテストの「当時最もオタク産業の盛んだった場所の名前を答えよ」って問題に
「アキバハラ」と答え、めでたくでっかいバツをもらった。
いいじゃんか、どーせ口に出したら「アキバ」で意味は通じるんだから。
まぁそれはともかく。
たかだかオモチャが世界を動かす…武装神姫は、またそういう時代を運んできたのかも知れない。
427『不良品』第5話のあとがき:2006/10/06(金) 23:48:47 ID:moVSaZDa
むー…ほとんどルーシー出てこなくて自分でもちょっと不満w
早くバトルシーンとかも書きたいんですが、ムダに設定とか凝っちゃうタイプなんで
ちまちま行きますです。
んでは今夜はこのへんで〜。
428名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 00:47:25 ID:nvyAjVs1
>>424-427

ついに「片足の悪魔」の誕生秘話ですか
彼女がマスターと共にハンデを乗り越え、
勝利を掴むのかが語られるわけですな


作中では白子が大人気だったけど、
現実では品薄状態なのは黒子の方・・・というのがなんとも皮肉だな
429208:2006/10/07(土) 11:08:33 ID:xZHS8CFn
どうも、208です。
326氏の青い犬物語にヒントを頂き1/12ボトムズに神姫が乗るバトリングものを書こうと思うのですが、
バトルシーンではどうしてもボトムズのほうに焦点が移ってしまうためさすがにスレ違いでは無いかと
心配しております。

特にご意見が無ければ書きますが、いかがでしょう?
430名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 11:59:47 ID:nfr3htfT
無いよ
だから
好きなだけ
やれ!!!!!

そもそもスレ違いだのなんだのと細かく神経質に言うならエロ以外はだめなはず
だがそこに文句を言うオーナーは誰もいない
わかるだろう?
ここに求めるのはあらゆる種類の神姫SSだ
だから
お願いしますだぜ
431名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 12:58:11 ID:mV0QBvje
せっかく書く気になってるんだから>>429は書いてみればいいと思う。
けどスコタコとバトリングはスレがどうこう言う前に、全然違うお話になっちゃう危険性はあるんだがや。
そこまでして神姫にスコタコ使わせる意味あんのかとか。
逆にそういったありえないコラボ的な遊び方は、2chのような(2chじゃないけど)場所で
同人活動とまでも言えないようなルーズなニッチでこそアリじゃないかとも。

出来たならお試しで書き込んでみれば?俺は読んでみたいし。
もっともタコそのものに思い入れがないなら神姫用の(ATぽい)外装オプション的なシステムを
設定して書く方法もあると思うけど。
つまりは強化外骨格、パワードスーツ、リアル系ヒトガタ装甲マシン、機動装甲、そういうもんでしょ。
432名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 13:03:29 ID:UNEoz0K5
神姫ならでは……
白子のレーザーライフル持たせたりドリル付けたりとか?
433名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 13:28:15 ID:NYeW6wHH
どりどり〜♪ どりどり〜♪
434バトリングクラブ上・一:2006/10/07(土) 13:52:57 ID:xZHS8CFn
皆さんありがとうございます。
今回はかなり長くなってしまいましたので、上下セットに分けて掲載いたします。
下は今夜もしくは明日になります。どうか気長にお読みください。
それでははじまりはじまり……。

「ここか」
「……みたいですね?」
 おれとマイティ――天使型MMSアーンヴァル――は、すえた臭いの立ちこめる場末
の会員制クラブの入り口にいた。
 なぜおれがこんなところにいるかというと、彼から招待状が届いたからだ。
 彼――犬型MMSハウリン「シエン」のオーナー――は、
「いいから来い。面白いモンを見せてやんよ。来なかったら私刑」
 と言って、半ば無理やりおれを呼び出した。私刑は誤字ではない。
 おれは正直怖気づいていた。いや、私刑にではない。
そもそもおれはこんないかにも治安の悪そうな場所に自分から赴くような人間ではない。
なにより今はマイティを連れている事がおれをためらわせた。が、彼の「大丈夫だから」
という言葉を信じてやってきた。
 とりあえずからまれることもなく無事に現地へ着いたわけだ。玄関先の巨漢の黒人に
招待状を見せる。
「ドウゾ、オハイリクダサイ」
片言の日本語だが、やはり威圧的な空気は篭っている。目の前にいるのはまったく
場違いな人間なのだ。無表情な中から怪訝そうな感情がにじみ出ていた。
 ウェイターに案内され、控え室の一つに通される。クラブであるはずなのにホール
では誰も踊っていなかった。何かを待っているようだった。そういえば真ん中のお立ち
台には頑丈な金網が回されてあったが……。
「よお、来たな!」
 出されたキツイ酒を飲んでいると彼が現れた。
「お前はこんなところにいても違和感ないよな」
 おれは彼の茶髪やヒゲやピアスを見ながら言った。
「なんだそりゃ。まあいいや。ようこそ。バトリングクラブへ」
「バトリングクラブ?」
「シエン、入って来い」
435バトリングクラブ上・一:2006/10/07(土) 13:54:07 ID:xZHS8CFn
『了解です、ご主人様』
 妙にくぐもった声だなと思う間もなく、スコープドッグが入ってきた。
 あのスコープドッグだ。ボトムズの。なぜか頭部が真っ赤に塗られている。
「シエンちゃん!?」
 マイティが俺の懐から飛び出した。シエンが無骨な戦闘ロボットになってしまったと
思ったのだ。
「久しぶり、マイティ」
 ハッチを上げて、中からシエンが出てきた。素体のままではなく、専用の対Gスーツを
着ている。頭には同梱の頭甲・咆皇にモニターゴーグルを取り付けていた。
「どうしたの、このロボット?」
「ご主人様に買ってもらったんだ」
 なんだって?
「お前買ったのか、このバイクが買えるくらいのやつを?」
「買った。シエンの為だからな」
 ある意味、こいつはおれ以上の神姫ラヴァーかもしれない。
「バトリングってのは、やっぱりボトムズのだったんだな」
「そうだ。オレはここで、パートナーをやらせてもらってる」
「誰と?」
「ここのチャンピオンとさ。もうすぐ試合があるんでそろそろ、……来たな」
 ドアが開く。
 そこには気さくそうな眼鏡の青年が立っていた。チェックのワイシャツにチノパン。おれよりも
場違いな人間だった。
「やあ、君が『屍ケン』のご友人だね」
「屍ケン?」
「オレのリングネームさ」
「僕は舎幕(しゃばく)。リングネームは『青の騎士』だ。よろしく」
「あ、ああ。よろしく」
 俺はごく自然に舎幕と握手していた。細い手だった。
「僕の神姫とATを紹介しよう。ライラ、入っておいで」
 入ってきたのはスコープドッグよりもひとまわり大きな、青いロボット。
「僕のAT、ベルゼルガだ。パイロットは兎型MMS『ヴァッフェバニー』のライラ」
 ハッチが開いて、中から完全武装の――とおれが思ったのは、その神姫がガスマスクと
ゴーグルを付けていたからだ――神姫が出てきた。
『コーホー、コーホー……』
「ライラ、控え室にいるときぐらいはマスクを取りなさい」
『……ラジャー、オーナー』
 渋々その神姫が素顔を見せた。
「……ライラです」
 それだけか。愛想の無い神姫だ。
しかし人懐っこいマイティはすぐに寄っていって挨拶をしている。
436バトリングクラブ上・三:2006/10/07(土) 13:55:05 ID:xZHS8CFn
「舎幕、時間だぜ」
 彼――屍ケンが呼ぶ。
「ああ、そうだね。挨拶だけですまない。これから試合なんだ」
「いや、いいんだ」
「オマエには特等席を用意してあるぜ。楽しみにしてな」
 そうして俺たち一人と一体は、その特等席とやらに通された。
 思ったとおりあのお立ち台はバトルリングであり、特等席とはそのまん前、最前列であった。
「レィディースえ〜んどジェントルメェン! ようこそ、クラブサンセット、武装神姫in装甲騎兵
ボトムズ・バトリングマッチへ! 今宵もクラブチャンピオンの座を賭けたアツいバトルの
始まりだ!」
 司会のスタートコールにホールに集まった観客が歓声を上げる。
「まずは我らがチャンピオンタッグの紹介だ。」
 リングの東方、おれのいた控え室の方向へ司会が手をかざす。
「チャンピオンの愛弟子! 幾度と無く敗れてなお、立ち上がってきたアンデッドマン。屍ケン&
「ハウリン」シエン!」
 フードを被った彼が、プッシング・ザ・スカイのBGMとともに登場。肩に立ったシエンが観客に
手を振る。彼女のファンらしいグループが「シエンちゃーん!」と黄色い声。
「シエン‘sAT、ムダな装甲を限りなくそぎ落としたライト・スコープドッグ、『クリムゾンヘッド』!」
 彼の後ろからハッチを開けた無人のスコープドッグがローラーダッシュで入場。彼の肩にいた
シエンは跳躍、コックピットに見事着地し、ハッチを閉め、そのままリングへ登壇した。
「そして我らがクラブチャンピオン。並み居る挑戦者を華麗に撃破し続けるハンサムボーイ。
青の騎士・舎幕&「ヴァッフェバニー」ライラー!」
 青年舎幕が控え室そのままの姿で登場する。やっぱりどこかの理系の大学生にしか見えない。
 ライラはどこだ?
「ライラ‘sAT。どんなATもその巨体にはかなわない。ヘヴィ級アーマードトルーパー、『ベルゼルガ』!」
 ブルーの巨体が舎幕の後方からローラーダッシュしてくる。もうライラは乗り込んでいるようだ。
どうやら彼女は人前で素顔を見せたくないらしい。
挑戦者の紹介が始まった。
「今宵のチャレンジャー。都内各地のバトリングクラブを潰しまわって十二件。息のぴったり合った
ユニゾン攻撃は相手を混乱の渦へと叩き込む。バックス兄弟、そして「ストラーフ」マリア&ミソラ!」
 バックス兄弟? どう見ても日本人じゃないか。屍ケンより格段にガラの悪そうな連中だった。
たとえるなら、徒党を組んでカツアゲでもしていそうな連中だ。おれなら絶対に関わらない。
 連中の神姫はそろってストラーフだったが、おれは妙な違和感を覚えた。
 目に神姫特有の生気が宿っていないのだ。
「あのストラーフたち、感情回路を外されてます」
 マイティが寒そうに胸をかき抱きながら言った。
「どうなるんだ?」
「ただのロボットになってしまうんです。マスター、あの、少し抱いていてください」
「ああ……」
 おれはマイティを両手で包んだ。
 無理も無い。あのストラーフたちの姿は、彼女らにとっては脳みそをいじくられているも同義。
痛々しい姿をマイティは見ていられないのだ。おそらくシエンとライラも同じ気持ちだろう。
「おい、舎幕」
「ああ。分かってる。倒すさ」
 二人はそう打ち合わせた。
 挑戦者のATは、黒いストロングバックスの背中にストラーフのアームユニットを二対も取り付け
ていて、さながら阿修羅のような格好だった。カメラは人間の目のようなステレオスコープ。
 ルールは白兵戦武器も使わない肉弾戦のみの限定ブロウバトル。
 ゴングが鳴った。

つづく
437208:2006/10/07(土) 14:02:31 ID:xZHS8CFn
実は下はこれから書きます。
神姫ならではの要素を盛り込めばなんとかなるかも。
お楽しみに。
438名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 16:01:44 ID:HwzQFQ7d
メロウリンクもいいかもな
439名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 16:26:09 ID:u8XqnJoj
>434
>436
>435
>437
神姫でバトリングって何事かと思ったけどなるほどこういうことか
30年後ならたしかにフルモータライズで動かせるATあってもおかしくないよなぁ
あと舎幕ってw

続き待ってるぜ〜!
440304:2006/10/07(土) 16:27:28 ID:uq6dkB31
>>208
青犬ネタにして頂いて感謝!
楽しく読ませていただきました。
下編も楽しみにしてます。

ボトムズ好きだけに妄想を刺激されますなぁ〜
441名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 16:31:49 ID:Okes7Gd4
無い文才を振り絞って書いてみました

も、もって帰ってきてしまった。
捨て犬ならぬ捨て神姫を。
しかも右腕無し、左目損壊、右足首欠損、左足腿より下は無し。
モデルはストラーフとかいうやつっぽい。
最初は拾う気は無かった。
そう、たまたま夜にごみを捨てに行ったらそこにいたのだ。
ボロボロの状態で無残に捨てられていたそいつが。
かわいそうなもんだ…と玩具にいらん感情を抱きながらも無視して一旦は帰った。
しかしどうもあの姿が脳裏にい焼きついてはなれない。まるで泣いているようなあの悲しそうな表情を。
いや待て、まったくおもちゃなどにこんな感情を抱くなんてどうかしている。しっかりしろ自分…と言い聞かしたのだが…。
何故か目の前にいるんだよなぁ…。
その捨て神姫は今俺の机の上に置いてある。
さてどうしたものか。
てかこいつまだ動くのか?機能停止で捨てられていたのなら拾っても意味がない。
ただの壊れた人形だ。
「…こいつ…スイッチどこだ?」
まず動くのか動かないのかがわからないと拾った意味がない。そこで俺は友人に連絡をとることにした。
そいつはかなりの武装神姫マニアだ。スイッチの一つや二つどこにあるのか分かるだろ。
「ないぞ」
友人の返答はこうだった。
「は?ない???」
「あぁ、箱を開けたら勝手に起動するからな」
「じ、じゃあ動かなくなった神姫はどうしたら動くんだ?」
「う?う〜ん??動かない?そりゃ完全に機能停止してない限りは…」
「なんだ」
「バッテリー切れじゃないか?」
「へ?」
「バッテリーだよ。内臓バッテリーの電池切れ、もしくはバッテリー自体がお陀仏か」
「どうしたらいいんだ!」
「な、なんだ急に?」
「いいから教えろ!」
「バッテリーも充電スタンドも取扱店…ま、平たくいえばおもちゃ屋に行けばあるぞ。あとは充電するなりバッテリー交換するなりしろ。後は知らんなぁ…」
「そうか!分かった!ありがとな!」
「え、お、おい!いった…」
442441:2006/10/07(土) 16:36:17 ID:Okes7Gd4



そうして買ってきた充電スタンドとバッテリー、そして
「【誰にでも分かる武装神姫】…ね」
とりあえずその参考書を元にバッテリーを交換し、充電スタンドに接続した。なれない作業であったが、さすがは【誰にでも分かる武装神姫】だ。
こんな俺でも順調に作業することが出来た。
「あとは…こいつ次第か」
充電スタンドにもたれかかるようにして接続されているボロボロの神姫。
「お前、一体どうしたらここまでなるんだ?」
そいつは何も答えない。相変わらず悲しそうな表情。
このまま待っていても仕方ないか。
「とりあえず…寝よう」
とベッドに体を滑らせた。
そのときだ
「−充電完了−」
って…早いな!!
で、どうなんだ!動くのか!動かないのか!
「あ、目が」
ゆっくりと開いてゆく。左目は既につぶれているので右目だけだが。
「お、お〜い。い、生きてるか〜?」
恐る恐るたずねる。
右目の淡い光がこちらを捕らえる。
そして
「い、いや…いやぁぁgぼrkjらおjぁ!!!!!」
いきなりそいつが叫びだした。
「うぉぁ!!」
真直で見ていた俺はその声に驚き思わずしりもちをついてしまった。
「いや、いやぁぁぁxぎgkhこそrほks!」
どうやら発声部分にも異常があるらしい。所々何を言っているのか分からない。
ぎぎぎ…といやな音。
なんとそいつは充電スタンドから自分の体を無理やり外そうとしていた。
「ば、ばか!何してんだお前!」
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
バキィ!!という音とともに充電スタンドから開放される神姫。しかしそれは外したというよりは剥がしたという感じだ。
その証拠に充電スタンドには神姫の背中の一部が残されていた。
「おい!お前何考えてるんだ!!死ぬぞ!!」
われながら傑作。玩具に死ぬぞ!とか言ってるよ。友人よ、どうやら俺もそっち側に来ちまったみたいだ。
とにかくいまはあいつの暴走を止めなければ。
といっても捕まえるのは簡単だった。
そりゃそうだ、こいつの両足は損傷、損壊してる。歩くどころか立つのも困難だ。
「おい!一体何なんだお前!」
「いやx!離して!もういやkぁ」
「落ち着け馬鹿!!とにかく落ち着きやがれぇぇぇぇぇぇ!!!」
はて、俺ってこんなに声でかかったか?
この超特大の魂の叫びに圧倒されたのか、神姫の動きはカチンと固まった。
あれ?もしかしてやらかしたか?
443441:2006/10/07(土) 16:37:00 ID:Okes7Gd4
「お、おい?い、生きてるか?すまん、つい大声だして」
しばしの沈黙。
「…ここはdこ…」
「え?」
「ここは…どこなんですか?」
よかった、話がやっと通じた。
「ここは俺の家だよ」
「そう…なんでなんですか…」
「?」
「私はもういやなんです」
「へ?」
「毎日毎日戦って戦って勝っても負けても虐げられてずっとずっと暗いところで戦って…他の皆は明るい所で楽しそうなのに!なんで私だけ…もういやなんです…」
「お、おい…」
なんなんだ?話が読めないぞ…。
「壊してください…」
「は?」
「ここで会ったのも何かの縁です…私を壊してください」
ちょ、待て…何だこいつ…。自殺願望のある玩具なんて初めて聞いたぞ。
てか答えは決まってる。
「いやだ」
「な、なんでですか!わたしはもうこんな場所に居たくないんです!!!」
悲痛な叫びが部屋中に響く。
「いやだ」
「そ、そんな…」
「絶対いやだ」
神姫の表情が一気に曇る
「…戻れというんですか…またあの暗い場所に…」
そういうと神姫は俯いてしまった。
「あんなところに戻るなら壊されたほうがいい…ひっく…あんな…うぅ…地獄のような場所に行くくらいなら…ぐずっ」
今度は泣き出してしまった。
「な、なぁ」
「なんですか…ひぐ」
「俺、一言も戻れとか言ってないんだけど」
「…」
「つか戻んなきゃいいじゃん」
「…そんなの無理に決まってます」
「なんで?」
「だって私達神姫にはマスターがいるんですよ!?そのマスターの命令には逆らえないんです」
「今は?」
「たぶん…まだ私が逃げた事には気付いてなんです…でも気付かれて戻れといわれたら…」
「なぁ?」
「今度はなんですか…」
「そのマスターって変えられないの?」
「無理です。今のマスターが管理権を放棄しないかぎりは…だから私は壊されていなくなりたいんです!」
「ふぅん…じゃあ」
「はい…」
「壊してやるよ」
「…ほ、本当ですか!」
「あぁ、かわいそうだし」
「…有難うございます」
「じゃあ…寝ろ」
「はい…よろしくお願いします」
そして神姫は右目を瞑り、スタンバイモードに入った。
444441:2006/10/07(土) 16:41:56 ID:Okes7Gd4



「まったくいきなり来たと思えば無理難題を押し付けるなんて。これは飯驕り一回じゃすまないよ?」
「わりぃ、本当に助かったよ」
「でもこれでよかったのかい?」
「ああ、上出来だ」
「別にこの子にこだわらなければ起動してないコアユニットをあげてもよかったのに」
「いや、こいつじゃなきゃ駄目なんだ」
なんだろう…声が聞こえる…。
光?なんで?
「お、お目覚めだよ?」
「よ、おはよう」
…え?なんで?なんで壊されてないの?
壊してくれるといったのに。
「な、何なんですか一体」
「へ?何が?」
「しらばっくれないで下さい!あの時あなたは確かに言いました!壊してやるって!なのに、なのに」
「コードナンバーg0g1gagen419タイプ【ストラーフ】は昨日の午後23時に完全に機能停止、よって登録抹消。昨日のあいつは確かに壊したぜ?」
そんな、じ、じゃあ私は一体…。
「お前は確かにストラーフだが、ナンバーが違うだろ。しかもお前にマスターいないし」
「ど、どういうことですか!」
「こいつ、いきなりやってきてね、君を壊れたことにして自由にしてやってくれって言ったのさ」
「ば、ばか!余計なことを言うな」
「でもそれだけじゃつまらないから、ボクが持っていた不良品コアから登録コードだけを抜き出して君に移植したんだよ」
そ、そんなことって…。
「だからお前は、昨日のお前であってそうじゃない。今日からお前は自由だ」
う、うそ…。
「な、なんで…」
「さっきからなんでばっかだなお前」
「え」
「とにかくお前は生まれ変わったんだ。ま、まぁ体は前のままだが…」
「これも大変だったんだよ?僕が破損部分を総とっかえして左目は高性能カメラアイに換装。多少見た目がアレなんだけど神姫用のカメラアイを仕込むにはあまりにもひどい破損状況だったから。もちろん発声部分も交換済み」
「ほんと、ありがとな…しかしまるで柳生十兵衛だな」
「どういたしまして。…それにしても…はは!そいつはいい!眼帯の悪魔ってね!でも十兵衛って左が眼帯だったかなぁ?」
「う、知らん…なんとなくそんな感じがしただけだ!」
「ま、良いけどね」
445441:2006/10/07(土) 16:47:42 ID:Okes7Gd4
ど、どうしてこの人は私にここまでしてくれるのだろう。ご友人に頼んでまで…。
「な、なんでこんな…」
「あ、あ〜…ごめん…余計なお世話だよな…勝手に…」
「あ、いえ…そ、その!う、うれしい…です」
「え…」
「でも…何でこんなにまでしてくれるんですか?」
「え、う〜ん…なんでかな…明るい世界を生きて欲しいから…とか?」
「…」
「それに」
「それに…?」
「君と一緒にいたいって思ったからかな」
「…」
「君がよければ、俺をマスターにしてくれないか?」
う、何だろう…目頭が熱いよ。
「うえっ…ひっく…」
「うお!どうした!」
う、うれしいのに何で…。
「うあぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
「なんだ!?何で泣いてるんだ!?」
何で泣いちゃうんだろう。涙が止まらないよお。
「ず、ずびばぜん…ぐすっ…うえぇぇぇぇん」
「え、お、落ち着け!どうしたんだ!とりあえずこれで涙拭け!」
「うえぇぇぇぇぇぇぇん!…」
446441:2006/10/07(土) 16:48:43 ID:Okes7Gd4



「先ほどは取り乱してすいませんでした」
「いや、良いよ。落ち着いたなら何より」
あ〜びっくりした…なんて感情豊かなんだこいつは。思わず焦っちゃったぜ。
ん、こいつ?こいつか…。
「ねぇ、君の名前って何?」
「名前…ですか?」
「そ」
「ストラーフですが」
「そりゃ商品名だろ?俺が訊いてるのは君自身の名前」
「…すいません、無いんです」
「え、あ…ごめん…」
「いえ、じゃあマスターがお決めになってください」
「え、じゃあ…」
う、う〜んさっきからこれしか浮かばない…
「怒らないか?」
「え、えと…どうでしょう?」
「十兵衛」
「え」
「だから…ジュウベエ」
「…」
「あ、ご、ごめん!そうだよな!仮にも女の子型なんだから十兵衛はなぃ」
「良いですよっ」
「よなぁ…って、え!?」
「十兵衛で良いですよ。マスター」
「ほんとに?」
「マスターが私のためにつけてくださった名前ですから」
「そ、そうか…」
う、うれしいものだな…なかなか。
「じ、じゃあ…十兵衛」
「はい、マスター」
「これからよろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします!マスター!」
こうして、俺と十兵衛の生活が幕を開けた。

ちなみに後で調べてみたら十兵衛の眼帯は左で合っていた。
めでたしめでたしである。
447441:2006/10/07(土) 16:50:52 ID:Okes7Gd4
と、まとまりの無い文章でスイマセンorz
こんなに長く書き込んだのは初めてだっ!
448名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 17:46:13 ID:nfr3htfT
GJ。
オーナーごとに色々なドラマがあるんだなあ・・・
449名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 19:02:35 ID:x3Uspcs/
今までのSS作品をまとめてみた
()のなかは適当な概要

単発作品
>16
>54
>111
>142
>158
>163
>168
>173
>189
>218-230あたりまで
>241
>263-265
>314
>329-330
>356-359
>396
連載作品
67氏(日記風)
>67、>89、>104、>124、>145-146、>260、>285、>365
105氏(マタを閉じたり開いたり)
>105、>402
132氏(不幸な神姫を幸せにする会)
>132-134、>316、>333-337
159氏(俺とアールの生活)
>159、>177-178、>238-239、>410
185氏(ピ○カチュー大好きリンちゃん)
>185-186、>282-298、>390-394
195氏(不良品)
>195-203、>256-257、>275-277、>362-363、>424-427
208氏(強敵(195氏と連動))
>208-210、>286-289、>434-436
304氏(幸せな神姫を戦場に立たせる会(132氏、208氏と連動))
>304-205、>324-326
307氏(フェアリ−舞装神姫−)
>307-313、>340-354
320氏(デコちゅー(307氏と連動))
>320-322、>373-375、>413
441氏(十兵衛)
>441-446

疲れたから白子のお腹をナデナデして癒されてくる
450185:2006/10/07(土) 19:25:17 ID:6Zk4Brhj
まとめ乙です。

そろそろログを保管しておきたいところでしたのでとても助かります。

ちなみに今夜中に後編投下予定です。
451320:2006/10/07(土) 19:27:42 ID:dhaOPbbp
>>449
まとめ乙。

こうしてまとめていただけると、執筆意欲が涌くってもんだ。
452441:2006/10/07(土) 19:30:22 ID:Okes7Gd4
まとめ乙でございます。

じつは十兵衛描いてみようかと。
453名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 20:00:28 ID:1aKGov0t
>>452
ここでトリビア。
実は柳生十兵衛ってどっちが隻眼だったかよくわかっていないらしいんだ。
(元が尾張柳生の伝承だから。隻眼自体がフィクションの可能性もある)
だから右目無しの十兵衛も存在する(魔界転生・隆慶の小説等)
454441:2006/10/07(土) 20:17:32 ID:Okes7Gd4
>453氏
情報サンクです。
なるほど…これは当方の勉強不足で申し訳ないorz
所詮自分の知識は十兵衛ちゃんとかNHKの位しか。
とりあえずうちのストラ、十兵衛は左眼帯で逝っときます。
は!…ライバルで右眼帯出せば良いのか!?
あ、そういうわけではないですねスイマセン。
ありがたくトリビア頂戴いたします。
455名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 20:38:18 ID:UNEoz0K5
>>449
まとめ激しく乙。

ところでみんなSSのバトルサービスってどういう風にとらえてる?
俺はプラモ狂四郎+ブレイクエイジみたいな感じで書いてるんだけど
456320こと「でこちゅー」 ◆CtUOuuxRW. :2006/10/07(土) 21:15:48 ID:dhaOPbbp
>>455
オレはエンジェリックレイヤ…げふんげふん
プラレス三四郎(古っ!!)な感じで書いてる。


で、新作。
――――――――――――――――――――――――――――――――
「だれも いないひ」(1/4)


『た〜けや〜 さおだけ〜♪』

…さおだけやさんのこえがするのだ。
ふぁ〜、おはようなのだ、まだねむねむなのだ…。
のび〜〜をするのだ。
ふ〜、すっきりなのだ!!

「マスター、おはようなの…………」

あれ?
いないのだ。
マスターがいないのだ。

きょうはどようびなのだ、
マスターは、おしごとおやすみのひなのだ。
カレンダーもみたのだ。
まちがいないのだ。

あれ?
ヴェルちゃんもノワルちゃんもいないのだ。
コニーちゃんは…いるのだ。
またかおをかくしているのだ、しゅこしゅこいってるのだ。
「やさぐれ」てるのだ。マスターがそういってたのだ。

コニーちゃんにきいてみるのだ。
「コニーち〜ゃん、マスターはどこいったのだ〜?」
「……知らないわよ…シュコ〜。」
やっぱり「やさぐれ」てるのだ。

マスター、ヴェルちゃん、ノワルちゃん、どこいったのだ…?
457でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/07(土) 21:17:00 ID:dhaOPbbp
「だれも いないひ」(2/4)


たいくつなのだ。
つまんないのだ。
こういう時は、ぷちちゃんたちをよぶのだ!!

「お〜い!!ぷちちゃ〜ん!!」
シロ「はいな〜、アネさん!!どないしはったんでっか〜?」
クロ「何事だ!!任務か!?」
ボク「はい!只今参りま〜す!!」
オレ「何だ何だ!?ジャロ公!また何かやらかしたのか!?」
ヒメ「は〜い〜、お〜よ〜び〜ですか〜?」

「マスターがいないのだ!!なにかしらない?なのだ。」

シロ「さ〜…?ワテらもアネさんに呼ばれて起動したばっかりやさかい、
  どっかお出かけなんとちゃいますか?」
「でも、ヴェルちゃんもノワルちゃんもいないのだ!おかしいのだ!」
クロ「ほう…3人とも消えた…それは異常だな。」
オレ「異常なもんかよ!大方便所でも行ってんじゃねぇのか?」
ヒメ「あの〜、わたくしの推理から〜察しますと〜…」
オレ「で?オレ達にどうしろってんだ?ジャロ公!?」
「たいくつなのだ。つまんないのだ。あそんでほしいのだ!」
オレ「小隊長…そんな下らん事で我々を呼んだというのか……!!」
ボク「まぁまぁミスター…;ジャロさんも今一人なんですし…」

コニー「一 人 じ ゃ な い わ よ ! !
    悪かったわね!ボディ無しで!!ふん!!シュコ〜…。」

シロ「お〜お〜、女のヒスはおっそろしいでんな〜、くわばらくわばら…。」
オレ「所詮はパーツ取りのタメに買われた奴の宿命ってか?ケケケ!!」
ヒメ「み〜ぐ〜る〜し〜いです〜。」
クロ「ふっ…哀れな…」

コニー「あ…アンタ達…アタシが動けるようになった後、
    どうなるか解って言ってるんでしょうね…………!!フンガー!!」

ボク「ま…まぁまぁ…;それじゃあ、何をして遊びましょうか?」
「え〜っと…それじゃぁね…かくれんぼなのだ!」
458でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/07(土) 21:17:39 ID:dhaOPbbp
「だれも いないひ」(2/4)


ゆうがたなのだ。
おそらがまっかっかなのだ。
カラスさんもないているのだ。
ぷちちゃんたちも、おなかがへってかえっちゃったのだ。
…つまんないのだ。

マスター、かえってこないのだ。
ヴェルちゃんもノワルちゃんもかえってこないのだ。
…さびしいのだ。

「ねぇ…教えてあげようか?」

コニーちゃんがマスクをはずしたのだ!ひさしぶりなのだ!
「なにをおしえてくれるのだ?マスターがどこいったのか
おしえてくれるの?なのだ!」
「アタシ達はね…捨てられたのよ…!!」

え…?

「アンタも心当たりあるでしょう…?いっつもバトルで失敗ばかり…
おかげでマスターはランキングの真ん中当たりを行ったり来たり…
そんな子を何時までも残しておくと思う…?思わないわよねぇ…!?
マスターはね…そんな使えないアタシ達を捨てて、どこかに行っちゃったのよ!!
ふふふ…アハハハハハハハハハハ…!!!!」

うそ…ウソなのだ…しんじないのだ!!

「もうすぐ迎えが来るハズよ…神姫リサイクル業者がね。アタシ達はもうすぐ捨てられるの。
でも…一度体をバラバラにされてもう一度新しい心と体になって、新しいマスターの元で
使って貰った方がいいかもね!!クックック…。」

いや…なのだ。マスターとおわかれするのはいやなのだ…。

やだ…やだよ…いやだよぉ…。
459名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 21:18:47 ID:dIO0EuIw
個人的な考えではブレイクエイジだな
実際のバトルサービスで神姫壊れたら非難どころの話じゃないだろうしw
違法なバトリングがアングラで行われているとかそんな感じじゃないのかな?
まそこらへんは受け取り側の自由でしょ
460名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 21:18:50 ID:dhaOPbbp
「だれも いないひ」(4/4)


ガ  チ  ャ
「ただいま〜!ジャロ、良い子にしてたかー?」
ま…ます…ター…?
「ん?どうしたジャロ…?」
「う…ぐす…うぇ…

うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!

マズタぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!

ヴェルちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!

ノワルちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

「お…おいおい…確かに何も言わずに出かけちゃったけど…」
「だって…だって…ジャロのことすてちゃうって!ジャロはつかえないこだから、
 こわされてマスターのことわすれちゃうんだって!!」
ノワル「やっだなぁ…ボクたちはオーバーホールに行ったんだってばさ…。」
「おーばー、ほーる?」
ヴェル「そうそう…、マスター達で言う所の『定期検診』ね。一度体の隅々まで
    検査して貰って、おかしい所が無いか調べて貰って来たのよ。
    ジャロは私たちより後にマスターの所に来たからまだまだ先だけどね。
「ジャロが気持ちよさそうに寝てたから、起こすの悪いと思ってね。
 …でも、確かコニーには伝えてあったハズだけど…。」
え?
コニーちゃんはしってたの?
「コニーちゃん…」
コニー「ク…くくく…けっさ…くホホホホホ…ブヒュヒュヒュヒュ…。」
またかおをかくしてるのだ。
でもわかるのだ、わらってるのだ!!
ジャロのことを「たばかった」のだ!!
「おい…ジャロ…、どうしたんだ?泣いたり怒ったり…。」
「な、なんでもないのだ!でもマスターひどいのだ!ジャロさびしかったのだ!」
「ゴメンゴメン…でもほら、おみやげ。ジャロの好きな万引屋のシュークリーム。」
「うっわ〜い!!うれしいのだ〜!!うれしい…のだ…うぇ…グシュ…。
 うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」
ノワル「あ〜、また泣き出した〜、ジャロってばホント泣き虫だね〜。」
ヴェル「ジャロ…寂しかったのよね。でもマスターは捨てたりしないわ…ジャロは大切な
    パートナーなんですもの、ね?マスター。」
「ああ…そうだぞ。お詫びに今日は一緒に寝ような。」
「うん…。」
そのあとみんなでシュークリームをたべたのだ。
おいしかったのだ。
よるは、マスターのそばでねたのだ。マスターといっしょのおふとん、あったかかったのだ。
でも…コニーちゃんはゆるさないのだ!
だから、よなかにこっそりおきて、おでこに『肉』ってかいてやったのだ!
つぎのあさ、コニーちゃんびっくりしてたのだ!
マスターも、ヴェルちゃんもノワルちゃんもわらってたのだ!
ぷちちゃんたちもわらってたのだ!


めでたしめでたし なのだ!!


コニー「めでたくないわよ…この馬鹿ネコぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
461441こと十兵衛:2006/10/07(土) 21:29:53 ID:Okes7Gd4
459氏と同意見です。
462でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/07(土) 21:49:20 ID:dhaOPbbp
誤植訂正。
>>457
オレ「小隊長…〜」→クロ「小隊長…〜」

>>458
「だれも いないひ」(2/4)→「だれも いないひ」(3/4)

スマソ(´・ω・`)
463名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 21:50:05 ID:NVaVpfKu
しかし2036年には物理的にバトルってる設定だろ?
その設定からだとけっこうガチに壊れたり修理したり壊れないために必死になったり
そんな匂いがするがなあ。
神姫の魂の坐(wが頭部なら、頭部を破壊することだけはご法度でその一線を越えるキチガイは
フォースの暗黒面だからジェダイがやっつけるの(w
今オフィシャルにされてる資料やテクストにはもちろんそんなことは書いてないが。

>>456
乙。
ちびーずにも人格(?が設定されるんか。
犬猫でSSで扱うと大変なことになりそやなぁ。
464名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:06:36 ID:56g8poxC
神姫が発売されてから数年。


記憶とAIのバックアップをとってあればリアルバトルも危険ではない。

筈だった。


神姫同士の試合はオンラインや玩具店での[バーチャルな]ものがメインではあったが、
バックアップデータと予備のコアユニットがあれば再生可能な事もあって
機器を介在しない試合も少なからず存在していた。

しかしリアルバトルに興じるオーナー達や他の神姫の間から
『あの子は何かが違う。 同じ姿、同じ記憶、同じ考え方。 なのに、確実に[何か]が変わってしまった』
と言われ始めた。


同時期、一人の科学者がこんな説を唱えていた。
____________________________

命とは河のようなもの、風のようなもの。
流れぬ水は河ではなく、動かぬ空気は風ではない。
切り取られ、小瓶に詰められた水も空気も。
河ではなく、風ではなく。

では、切り取られ、培養される肉片に命はあるのか?
誰もが肉片に命などないと言うだろう。

同じではないだろうか。
大地という器で行なわれる循環こそが[河]であり[風]
同様に、肉体という器を駆け巡る電気信号と化学反応の[流れ]こそが[命]と呼ばれるものではないのか。

ならば、命の有無に肉体の材質など関係ないのかもしれない。
______________________________


オーナー達と神姫が感じた違和感。
一人の科学者の世迷いごととも取れる仮説。
小さな点に過ぎない2つの事象が、やがて世界を巻き込む濁流へとなっていく。

武装神姫が発売されてからxx年後。
AIに人権が認められた。




さて。
当然のごとく婚姻も認められた訳ですが、ヒトと機械では子を成せません。
そこでです。
ついに機械でも精子・卵子を作り出せる技術が確立されますた!
いやもう、おまいらどんだけラブラブなのかと小一時間(ry
神姫でも対応ボディユニットがあれば、愛しのご主人様の子を妊娠・出産できますよ♪





という夢をみた。                           ごめんうそ。 
465名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:47:53 ID:x3Uspcs/
>>464
絢爛舞踏祭の世界みたいだな

自分的には
草リーグ(雑多)
サードリーグ(電脳)
セカンドリーグ(電脳)
ファーストリーグ(リアル)
見たいな感じ
公式リーグでない草リーグでは、その場の設備しだいで、電脳でやったり、リアルで戦わせたり
サード、セカンドでは世界中のランカーがしのぎを削り、それゆえにあらゆる地域から参加可能なネット対戦で行う
ファーストは専用のアリーナみたいな場所で、世界各所に中継されながら試合
466名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:52:45 ID:nfr3htfT
仮想電脳空間がありなら
オーナーと神姫が仮想空間でエロエロなことできたりしねぇ!?
467名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:55:10 ID:6Zk4Brhj
>>466
それなんてバルドフォース?
てか、さっきまで久々にやってたからタイムリーで吹いたw
468名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:55:40 ID:rm+PWVdH
もうロボトルでいいんじゃねぇ?


『合意と見てよろしいですね!?』
469名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:29:00 ID:nvyAjVs1
負けた相手を剥いて武器や装備を奪うのかw



470名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:40:09 ID:56g8poxC
リアル対戦だと、奪うパーツはコアでもいいんですよね!  うはヒドス
471名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:50:20 ID:XQvohuuR
>>470
そこで我ら寝取られ団が(ry
472名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:55:11 ID:rSghryfy
>>410の続きです

俺は走った。当初の目的地のコンビニを通過し、なおも全速力で。
「マスター! あと13分」
横を俺と同じ速さで飛ぶアールが叫ぶ。
大通りの交差点で運悪く信号につかまった。
「はぁはぁはぁ、間に合いそうだな」
ここまで休みなしに走ってきた俺は電柱にもたれかかった。
「マスター、大丈夫ですか?」
「ああ…平気平気…」
そうアールに言ったが、正直バテバテだ。
(日頃の運動不足がひびいてるよなぁ。)
そんなことを思っていると信号が変わりまた走り出す。
そして、目的地のおもちゃ屋が見えてきたが、手前の踏み切りが鳴り出した。
「くそぉ!」
俺は速度を上げ、降りてくる遮断機を睨む。
到着したとき、遮断機が完全に降りてしまった。
遮断機を掴み、くぐろうと屈む。
「マスター!! だめぇぇ!!!」
アールの悲鳴に似た絶叫が響き、俺は手を離した。
「マスター、無茶しないで……お願い」
飛んできてそのまま抱きついたアール。俺の服に顔をうずめて見せないようにしていたが確かに泣いていた。
「わかったよ…」
遮断機が上がるまで俺はアールの頭を撫で続けた。
それからはアールを落ち着かせながら、歩いて向かっていった。
店に到着したのは、9時55分。間に合った。
俺はカウンターの方へ行き、ストラーフを置いた。
昔の町工場の頑固職人のような店主がそこに居た。
「こいつを助けてやってくれ」
店主はストラーフの姿を見て驚いた様子だ。
「いったい何をした」
「何って? 俺のじゃない、拾ったんだ」
「拾った?」
「ああ。とにかく、こいつのAIは生きてるんだ。なんとかしてくれ」
「ん〜、そういってもなぁ」
店主はストラーフを調べるように見ている。
それから店主はしばらく考えて俺のほうを見た。
「まあ、やるだけのことはやってやる。連絡先をここに」
そういって書類を差し出す。俺は記入を済ませてもう一度たのむと頭を下げた。

帰り道でいろいろと考えていた。
「俺は正しいことをしたんだろうか……」
「……正しいですよ」
俺の独り言がきこえたのだろう。アールが俺の頭の後ろからやさしく抱きしめてきた。
「………やさしいですもん……そんなマスターが………大好きです……」
「ん? 何か言ったか?」
しっかりと聞こえていたが、何か恥ずかしくなってそう言ってみた。
「い、いえ! べつに何も」
アールは慌てて俺の頭から離れた。
473441こと十兵衛:2006/10/08(日) 00:05:20 ID:Okes7Gd4
と、絵を描く前にリアルに十兵衛を制作してしまった。
ただストラに眼帯つけただけですが…。
あ、でもイメージしやすい…
474名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:12:44 ID:z0RgDoyd
眼帯ってイメージ的にはゾイドのアーヴァインみたいなやつなんだろうか
カメラついてるって言ってたし
475バトリングクラブ下・一:2006/10/08(日) 00:34:04 ID:hBvyjhTf
お待たせしました。
バトリングクラブ、下巻を投下します。

 *viewpoint change… “おれ”→”3rd person”
 リングは正八角形の平面で、直径は10メートル前後。1/12のATが悠々と走り回れる広さになって
いる。
「どちらかのATがすべて行動不能になった時、試合終了とします。それでは、レディー……ファイッ!!」
ゴングが鳴らされた途端、四体二組のATはそれぞれローラーダッシュを全力でかけ突進した。
 いち早く飛び出たのは屍ケン、シエンのクリムゾンヘッド。頭部が真っ赤に塗りたくられたライトスコープドッグは、異常なまでに良好な出力重量比をもって機動する。
コックピット周辺を中心に可能な限り殺ぎ落とされた装甲は、駆動限界ギリギリまで迫る。重量軽減のために左腕のアームパンチさえオミットしているのだ。
「そんなにガリガリで、俺様のマリアに真正面から挑むのか、死にたがりめ」
 ほくそ笑む、バックス兄弟の兄。
「ぶっ潰しちまえ、マリア!!」
『了解』
 ひどく無機質な応答があり、「ストラーフ」マリアの阿修羅ストロングバックスがステレオスコープの両目を真っ赤に光らせ相対する。本体のと合わせ計六対のアームユニットが開かれ、迫るクリムゾンヘッドを殴り潰さんとランダムに飛来した。
 さながら他弾頭ロケットの着弾である。掛け声を付けるなら「オラオラオラオラ」あるいは「無駄無駄無駄無駄」だが、あいにくパイロットの神姫は感情回路が無いためそんな気の利いた気合は出さない。
 しかし、クリムゾンヘッドは当たらない。超軽量のボディはATらしからぬアクロバットな回避を簡単にこなすことができる。スウェー、ステップ、側転を織り交ぜ、機関銃のように繰り出されるパンチの雨を避け続ける。避けられたパンチはリングの床をえぐった。
「こりゃ負けたほうが弁償だぞ」
 カウンターのバーテンダーがぼそりと呟いた。
『遅い!』
 クリムゾンヘッドはついにマリア阿修羅STBの懐へ到達。唯一の武装である右手のアームパンチに気爆薬を装填、相手の胸部装甲へまっすぐに叩き込んだ。
 マリア阿修羅STBが吹っ飛ぶ。が、すぐに体勢を整え着地。ストロングバックスは通常のスコープドッグよりも前面装甲が分厚い。1/12といえどその特性は変わらない。ダメージが思ったほど通っていない。
『ちっ』
 シエンはコックピットの中で舌打ちした。
476バトリングクラブ下・二:2006/10/08(日) 00:35:44 ID:hBvyjhTf
「ドン亀が! やっちまえミソラ!」
『了解』
 ミソラ阿修羅STBはベルゼルガにターゲットを合わせた。ローラーダッシュでもさほどのスピードしか出ないへヴィ級ATベルゼルガを捉えるのは容易い。
あっという間に間合いを詰め、二対のアームでがっしりと青い巨体をホールド。両のアームパンチを連打する。
「はぁっはっはっは! さすがの青の騎士もこいつはキくだろう!」
「ベルゼルガを甘く見ないで欲しいね」
 舎幕はふふと笑うと、自身の神姫に命令を下した。
「ライラ、思いっきり痛めつけてやりなさい」
『ラジャー、オーナー』
 ベルゼルガの図太い腕がミソラ阿修羅STBを挟み込んだ。
「何ィ!?」
 そのまま、なんとベルゼルガはストロングバックスを軽々と持ち上げたのだ。
『ふんっ』
 気張って一発。投げ飛ばした。マリア阿修羅STBの方向へ。
 二体の阿修羅は激突し、リングのすみへ転がった。
 ベルゼルガの装甲は擦り傷さえあれ、少しのへこみも見当たらなかった。
ウォォォォォォォォ
ギャラリーの吼えるような歓声。スタンディングオベーション。
「すごいな」
「はい……」
 マイティたちは唖然としてリングの攻防を見つめていた。
「もう君たちの負けだ。僕らには勝てないよ」
 冷静な顔で舎幕が言った。こんな台詞なのに、決して気取らない、チャンピオンの風格。
「こンの小僧があぁ……」
「兄貴、やっちまおうぜ」
 バックス兄弟はリングの中へ何かを次々に投げ込んだ。
 阿修羅たちがそれをキャッチ、六本のうでに装備する。
 スコープドッグの標準装備、ヘビーマシンガンだった。それぞれ六丁ずつ。大型のマガジンを搭載してある。
「リアルバトルに変更かい」
「そうくると思ったぜ」
 舎幕、屍ケンも投げ込んだ。ただしそれぞれ一つずつ。
 クリムゾンヘッドが肩に背負ったのは、見覚えのあるキャノン砲。
 ハウリンの同梱武装、吠莱壱式だ。
 ベルゼルガのもとには、胴体部分をくまなく覆えるような大盾が落ちてきた。中心部分には針のようなものが通っている。
「出たぞ! ベルゼルガの必殺武器、パイルバンカーだ!」
 司会が待ってましたとばかりに叫ぶ。
477バトリングクラブ下・三:2006/10/08(日) 00:38:04 ID:hBvyjhTf
 リングをリアルバトル用の強化透明プラスチック壁が覆う。ルールはリアルバトルに変更された。
 銃火器使用可能、実戦さながらの無制限バトルである。銃火器と言ってももともとはマーキング弾が
飛ぶおもちゃだが、リアルバトル用の銃器はだいたいATの装甲を貫けるように改造されている。小口径
と言えど銃弾が飛んでくるようなものだから、リアルバトル時にはこのような専用の防護壁がリング
もしくはバトルエリアを覆うのだ。
「シエンちゃんたち、大丈夫かな……」
 マイティが心配そうにマスターに聞く。
「まあ、問題は無いと思うが。あの二人の表情を見てみろ」
 マスターは屍ケンたちを指差した。
「楽しそうじゃないか」
 バックス兄弟は声をそろえて自らの神姫に命令した。
「蜂の巣にしてやれァ!」
『了解』
 合計十二丁の銃口が向けられた。
 爆音。
 目がくらむほどのマズルフラッシュがリングの一角を支配した。
 ベルゼルガは大盾を構えて防御の体勢をとる。クリムゾンヘッドはローラーダッシュを最大出力に
し、真横に避けた。
 クリムゾンヘッドの通った壁にペレットの雨あられが着弾する。壁は二重構造で絶対に貫通する
ことは無いが、その後ろにいる観客は恐怖にかられてのけぞった。
 吠莱壱式が文字通り吠える。大口径の砲弾は連射能力こそないが、移動間射撃にもかかわらず相手の
マシンガンを一丁ずつ、的確に撃ち落してゆく。
 最後の一丁になったとき、弾丸が切れた。吠莱壱式の方だった。このときの間合いはAT二体分しかなかった。
「ぶっ殺せ!」
 容赦なく、マリア阿修羅STBは撃った。照準はコックピット。
「シエンちゃん!!」
 マイティが乗り出して悲鳴を上げる。
 撃たれたとほぼ同時にコックピットハッチが開放された。マシンガンの弾は誰もいないシートに穴を開けた。
 ほとんど素体のままのシエンが飛び出していた。右手には同梱武装の十手が逆手に握られている。
「うおおっ!」
 シエンはマリア阿修羅STBの頭頂部めがけて、十手を突き刺した。落下の勢いが加算され、刃物でないはずの
十手が頭部装甲を貫通した。シエンはマリアのコアユニットをつぶす手ごたえを感じた。シエンは哀れむべき
同族を楽にしてやった。
478バトリングクラブ下・四:2006/10/08(日) 00:38:41 ID:hBvyjhTf
 ミソラ阿修羅STBの一斉射は、ベルゼルガの大盾に勝てなかった。
「くそう、くるな、くるなよお!」
 バックス弟は涙目でがなりちらす。
 ゆっくり、ゆっくりと、大盾を構えたベルゼルガは近づいてゆく。
 ついに六丁のマシンガンが沈黙した。
 ベルゼルガは緩慢な動作で大盾を引く。中心のパイルが後退してゆく。
『許せ』
 一撃。
 ストロングバックスの胸部装甲を、ベルゼルガのパイルバンカーが貫いた。斜め下方から侵入したパイルは、ミソラのコアユニットを破壊しながら、ATの後頭部まで到達した。
「試合終了! 勝者は屍ケン&青の騎士、チャンピオンチーム!!」
 今迄で一番大きな歓声が上がった。マスターとマイティは耳を押さえた。
 試合終了後にブチ切れた兄弟がナイフを振り回して舎幕らを襲おうとしたが、門番の巨漢の黒人、ボビーに「きゅっ」と締め落とされ、放り出された。
「ありがとう、ボビー」
「オ仕事デスカラ」
 ボビーは門番に戻っていった。

*      *      *

「やっぱり、こっちには来ないのか?」
 屍ケンが寂しそうに言った。
「悪いがあんな危険な試合はできない。マイティを戦わせるのは神姫だけで十分だ」
 マスターは答えた。
「そうか……。まっ、そう言うとは思ってたけどな」
「だがいい試合だった。あのストラーフの二人も浮かばれるだろうな」
「へっ……」
「じゃあな。おれはこれで」
「なあ」
「ん?」
「お前ぇ、リベンジするんだろうな。あの片足の悪魔に」
「……」
 マスターはあごに手を当てて空を見ていたが、ややあってこう言った。
「考えておくよ。マイティ、帰るぞ」
「は、はい。……じゃあね、シエンちゃん」
「ああ。またな」
 こうして二組のオーナーはそれぞれの戦いへと身を投じることになる。
 それはまた、別のお話。


479441こと十兵衛:2006/10/08(日) 01:01:48 ID:XqmudXLo
474氏>
それに近い感じです。でもレンズは一つしか付いてません…。
480185:2006/10/08(日) 01:08:18 ID:GGMw77oH
どうも、185です。昨夜は風邪引いて寝てました。
こういう時、本当に神姫がいれば多少は手助けしてくれるかな〜と想像してみたり。
戦闘編の開始です。

本来はイベントを見に来ただけだったはずだが、今、俺ははじめて見るバトル用のインターフェイスをまじまじと見つめていた。
データを使用するバーチャルバトルなのでリンはまるでロボットのコックピットのようなインターフェイスに腰掛け、首の下部にある普段は隠れた端子に専用ケーブルを繋がれる。

「なんにもそういう訓練みたいなのしてないけど、大丈夫か?」
俺が尋ねるがリンはキリっとした目を向けて。
「基本的な動きはプリセットされていますし、基本武装ならある程度は扱えるはずです。」
「そうか、俺が指示とか出したほうがいいのかと思ったけどどうする?」
「私が判断するよりもマスターの判断の方が信頼できます。お願いします。」
「わかった。で装備はどうする?」
「レッグパーツとセカンドアーム、アングルブレードをレッグパーツに。セカンドアーム基部にフルストゥ・グフロートゥをお願いします。」
「OK。セットしたぞ。 おっと登録名忘れてた、『リン』っと・・・って他ユーザーと重複するから登録不可だってよ、どうする?」
「マスターのお好きにしてください。」
「そうだな・・・じゃあ漢字で『燐』これでいいだろう?」
「もちろんです、マスターが下さった名前ですから。」
「……この漢字は使われて無いみたいだな。よし、コレで登録っと」

481185:2006/10/08(日) 01:10:24 ID:GGMw77oH
俺はそばにあるバトルユーザー登録用の端末に全ての情報を入力、登録ボタンを押す。
そうするとすぐに係員がIDカードを持って来てくれた。非接触ICカードだ。
コレに俺の住所やら、リンのシリアルナンバーなど神姫に関する全ての情報が入っている。
今後はこのカードを端末にかざせば、大会に出る際の書類の書き込みが要らなくなるらしい。
便利なのは分かっているが、やはりクレジットカードと同じで紛失すれば危険な代物だ。
規約には「紛失された際はお近くのカスタマーショップに行くか、こちらの電話番号にお電話ください。」とまで書かれている。

とりあえずカードから目を離して、リンを見る。
このトーナメントは6名のエントリーで1回戦は2試合、ということで6人の内2人はシードになるのだが、運がいいのか悪いのか俺は見事にシード権を得た。
ということで空き時間を利用してリンはトレーニングをしている。
プリセットされた動きがどういうモノなのかは分からないが、一見すると結構洗練された動きをしている様に見える。

そうしてリンの動きに関心してるうちに俺たちの番が回って来たようだ。

俺は観客の視線が集中するステージに立つ。まさかこれほど人が残っているとは思っていなかった。
肩にはリンが座っている。
リンの服はインターフェイスに接続するために脱がしてあるがソレが原因なのか、観客が多いからなのか、リンは少し恥ずかしそうだった。
相手に目を向ける、相手は俺と同年代の男だ。
メガネをかけ、いかにも『数学が得意です』といった感じ。
そいつの神姫はハウリン、大きな目を鋭くさせてリンをにらむ。
「マスター、お願いします。」
その目線を感じてか、いつもより凛々しい声でリンが言った。
「よし、初戦を勝利で飾ってやろうぜ」
「ハイ!!」
482185:2006/10/08(日) 01:12:43 ID:GGMw77oH
スクリーンにリンの姿が現れる。ソレとほぼ同時で相手のハウリンも現れた。
ただ戦闘が開始されると選手側(もちろんマスターも含めて)からはスクリーンが見えなくなる。
敵の最初の位置を確認できる極めて貴重な時間だ。
相手は基本装備に加えて大型のキャノン砲「吼莱壱式」をもう1門左腕に装備している。
リン…いや燐を近づける気は全く無いらしい。
一方、燐は完全に基本武装のまま。セカンドアームにレッグユニットを装備し。
左手にフルストゥ・クレインを、右手にはSRGR(シュラム・リボルビング・グレネード・ランチャー)を持っている。
アングルブレードなどは先ほど装備指定した箇所にマウントしたままだ。


「それでは、新人戦の準決勝第2試合。 TYPE DEVILの燐 対 TYPE DOGのレオナ 開始!!!!」
司会の女性が大きな声で試合開始を告げる。

先制したのは敵。いきなり最大出力で吼莱壱式を撃ってきた。
「燐!! 避けろ!!」
燐はレッグユニットの脚力を最大限に発揮させ、跳ぶ。
そこに敵のプチマスィーンが飛んできて周りを囲む様に展開して動き回る。
「蹴散らせ!」
燐はリーチを生かした回し蹴りを放つ。マスィーンズが回避行動を取った間に身体をひねって着地。
がそこにまたしても吼莱壱式の砲撃、しかも今回は二門両方の一斉掃射だ。
「!!」
俺が指示を出す間も無かったが、燐は着地と同時にサイドステップをして2本のビームをギリギリで回避。
正にレッグパーツの脚力の賜物だった。
483185:2006/10/08(日) 01:14:59 ID:GGMw77oH
この攻撃で勝負を決めるつもりだったのだろう。
さすがに最大出力での2連射で右腕の吼莱壱式はもう使い物にならないらしく、敵はソレを捨て置きビルの影に姿を消した。
即座に俺は指示を出す。
「燐、敵は奇襲を仕掛けてくるつもりだ。 なるべくビルに身を預けて敵の射線上に出ないように。」
「はい、気をつけます。」
燐は大きめのビルに背をつけるように敵を探す。


敵が姿を消してからはや4分。なかなか敵は見つからない。
そうして燐が焦りと苛立ちを募らせたころ影がビルから飛び出した。

燐は即座に反応してフルストゥ・クレインを投擲、ソレは確かに影を仕留めたが、燐の後方からビームが飛んできた。
セカンドアームを1本犠牲になんとか直撃を免れた燐だったが、すでに敵は燐の背後にいた。
そして影の正体が判明する。ソレはひとつに集まり、胸部を覆うアーマーを乗せて跳ぶプチマスィーンだった。
胸部アーマーの中央にフルストゥ・クレインが見事に突き刺さっている。
がソレが意味をなさないことは燐自身が一番良く分かっているだろう。

俺たちは敵の作戦に見事にハマってしまったのだ。
敵は冷徹な声でこう言った。
「アンタの、負け。」
燐はスッと顔を俯かせた。

燐は体勢を崩し、しりもちをつく形で背に吼莱壱式の砲口を当てられている。
「こんな作戦に引っかかるなんて、キミのマスターっておつむが弱いんじゃないの?
ボクのマスターとは違って…さ」
「…………な…」
燐が何か言っているようだが、良く聞こえない。
484185:2006/10/08(日) 01:17:04 ID:GGMw77oH
「なにか言った?」
敵が燐に聞いてみるが燐は俯いたままのようだ。
「…ス………す…な…」
「だから、なんなんだよ?」
そして俺は気付いた。燐の肩が震え。そして拳が強く握られていた。
「マスターを、侮辱するなぁ!!!!」
燐は叫びと共に無理やりに地面を蹴り、逆立ちのような体勢に、そして片方だけ残ったセカンドアームで地面を強く押す。そうしてバク転のような形で敵の背後を取る。
このとき俺は驚いた。
それはエキシビジョンマッチの第1戦でマオチャオがストラーフの攻撃をかわしたときの動きの応用だったのだ。

敵はあまりの予想外の動きに混乱し、慌てて吼莱壱式を構えようとするがそれは叶わなかった。
燐がフルストゥ・グフロートゥを投擲し砲身を貫いていたからだ。
そのまま燐は近場のビルの壁を蹴って1直線に敵へ跳ぶ。
敵がプチマスィーンを呼ぼうにも、距離が遠すぎた。
怒りに燃える燐のSRGRがゼロ距離で発射され、敵を1瞬で炎が包み込んだ。



そうして俺とリン……燐との初戦は幕を閉じた。
インターフェイスから接続をはずしたリンは上目使いで俺に言ってくる。
「あの、すみません……取り乱してしまいました」
俺は手を差し出してリンを乗せる。
「いや、俺のことで怒ってくれたのはうれしいんだがな……」
と目配せをしてリンが左を向くと
「ヒューヒュー、お暑いねェお二人さんw」
「コンチクショー、俺の神姫もあれぐらい慕ってくれば……orz」
「神姫とのあんな関係…羨ましいぞ!!!!!」
「燐ちゃんを俺に譲れ〜〜〜(泣)」
「燐ちゃん、こっち向いて〜〜」
こんなかんじでヤジが飛んでくる。
燐は顔を真っ赤に染めてそのまま俺のジャケットの胸ポケットに隠れてしまった。
485185:2006/10/08(日) 01:19:11 ID:GGMw77oH
係員が決勝をどうするか?と聞いてきたがリンはもう恥ずかしくて出られないと拒否。
ということで決勝戦は不戦勝でエントリーナンバー2番の神姫が優勝。
そしてリンが絶対に出ないと言ったため、表彰式も辞退した。
しかし係員の人が気を利かせてリンは2位の賞品を貰うことができた。
賞品はバーチャル訓練用の端末だ。基本的にバーチャルバトル用のインターフェイスと同じシートにノートほどの大きさの基盤に繋がっており、そのままでも神姫の訓練やUPU戦が出来るが、
外部出力からケーブルをTV(もしくはPCのモニター)につなぐと、
神姫に見えている(バーチャルバトル中は神姫のカメラアイからの映像情報はカットされ、端末からのデータが目に映るしくみになっている。)のと同じ視点や、戦闘フィールドをイロイロな角度から見ることが出来る。
そうしてマスターもバトルの練習が出来るようになったスグレモノである。
何でもエキシビジョンマッチのお礼としてランカー達に贈呈されるはずだったが、彼らほどになるとソレより高性能な訓練機を持っていたそうで受け取りを断られたそうだ。
なんとも幸運なことだ。

購入しようと思えばソレこそショップで扱われる安価なPCと同額のお金が必要になる。
大き目の箱の横に書かれているスペックを見ると搭載されているCPUおよびGPUは俺のPCに搭載されているモノより高性能なモノだった。
それに驚きつつも、俺はまだ表彰が行われてまだ歓声の沸くバトル会場を後にした。
486185:2006/10/08(日) 01:21:31 ID:GGMw77oH
そうして先日から並んで同人パーツを買い漁っていた友人と合流。
がそこで俺を待っていたのは豪華な衣装ではなく、ゲームのキャラクターの武装のパックだった。
赤と銀の2丁拳銃や独特の形をした剣、先に刃が出る金の十字架。メーカーが一発で分かってしまうラインナップだ。
なんでも列に並んでいるうちに俺とリンの戦いを『同士』から聞いて標的を変えたらしい。
だがそのチョイスは俺の好みを見事に当てている。
ほかにも大き目のマントに死神の鎌を思わせる可変式の武器、手足のプロテクターといったものを買っていた。
これでも値切って、出費は予算の70%に抑えたらしい。
これでは文句を言うわけにはいかない。
しかも最後に友人が取り出したのは・・・某創作アダルト小説キャラの衣装。
ちょ、なんで俺がリンにさえ隠している小説シリーズのキャラ知ってるんだよw
黒いゴスロリのドレスに、3つ又の鞭。挙句の果てにきわどいカットの衣装までもが付属していた。
これほどにコアなアイテムを持ってくるとは思ってもいなかった。
しかしドレスはとても綺麗なのでもらっておくことにする。

そしてそのドレスや鞭の由来をなんとかリンにごまかして説明つつ、俺は満足して家に帰っていった。


しかし由来の小説を3日後に発見されリンに縁を切るとまで言われてしまい、慌ててなだめたのはまた別の話。




どうでもいけど、この板の連投規制が120秒と長めなので長文だと載せるのに10分以上掛かる・・・・・
もうちょっと規制が短かければラクなんですけどねw
487名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:37:54 ID:nHXjQRt+
4881/6:2006/10/08(日) 01:42:12 ID:nHXjQRt+
 書き込みミスですorz

>>480
 リアルタイムで楽しませていただきました!
 それにしても、神姫ってマスターのエロスな所についてどう思ってるの
かなぁ……。

 このスレ見てたら色々と妄想が暴走してしまったので、投げ込ませて
いただきます。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 ヒュゥン……。
 軽やかな作動音と共に、私の意識は覚醒した。
 機体各所の動作チェックの終了を受けて、ゆっくりと視覚素子を起動させる。
 目の前にあるのは、人間の顔。
 性別は女性。まだ少女と呼んだ方がいいのか、幼さの抜け切らないあどけない
表情で、こちらをにこにこと見つめている。
「おはよう。気分はいかが?」
「あなたは……マスターですか?」
 いきなりの問いに少女は面食らったのか、軽く目を見開いた。
「あの……」
 けれど、マスターの認証は私達神姫にとって一番大事なこと。マスターを
定めなければ、私はどう振る舞えばいいのかさえ分からないのだから。
「ふふ、せっかちなコね?」
 艶やかな長い黒髪を揺らし、少女はくすりと笑う。
「……申し訳ありません。慣れていないもので」
「いいわ。考えたら、あたしも初めてだもの」
 少女の手が私の方へ伸びてくる。色白の細い指が、私の頭をそっと撫でてくれた。
「あ……」
 そのまま背中に手を回され、ひょいとお尻からすくい上げられてしまう。
 バランスを取り戻すよりも早く、少女の細い指が私の足とお尻を包み込み、
私を支える椅子となってくれた。
「私は戸田静香。あなたのマスターよ」
「戸田静香様……マスターと認証しました」
 登録完了。
 これで、最初にすべきことは終わった。
「マスターっていうのも堅苦しいわね。静香でいいわ、ココ」
「……ココ?」
「あなたの名前。孤高に哮るモノと書いて孤哮。……気に入らない?」
「いえ、いきなりだったもので……」
 そういえば、私自身の名前のことなど思いつきもしなかった。
「だって、そう呼びたくてたまらなかったんだもの」
 ずっと考えてたのよ、と、静香はぷうと頬を膨らませて拗ねてみせる。
 話し方こそ大人びているが、仕草はどちらかといえば子供っぽい人だ。
「マスタ……静香も相当せっかちですね」
「似たもの同士、ってこと?」
「……はい」
「じゃ、さっきのあたしはココみたいな顔してたわけ……?」
「え? 私、そんな変な顔してましたか?」
「してたわよ。すごく」
 私と静香。
 顔を見合わせ、くすくすと笑う。
「ま、いいわ。似たもの同士なら、仲良くやれるはずよね。きっと」
「はい!」
 笑顔の静香は私を手に乗せたまま立ち上がり……。
「それじゃ……」

 そして。
 私にとって、地獄の日々が始まった。
4892/6:2006/10/08(日) 01:44:24 ID:nHXjQRt+
 廃墟を貫いたのは、一条の閃光だった。
 直線軌道の粒子砲だ。左から放たれた光条の源には、相手であるアーンヴァル
が……。
「ココ、右に突撃っ!」
「え!?」
 けれど、静香の出した指示は正反対。
「いいから!」
「は、はいっ!」
 黒いコートの裾を翻し、言われるがままに突撃する。

 果たして、そこにいた。

「くっ!」
 正面には、砲撃戦どころか近接装備に身を包んだ純白の神姫の姿。
 なら、後ろには……?
「……ぷちマスィーンズ!」
 本来ならマオチャオのオプションであるはずの、子猫型のメカニック。使い方に
クセが有りすぎて、他の神姫は滅多に使わないのだが……。
 そこまで見据えて、フェイントに使っていたらしい。
「だがっ!」
 叫ぶより迅く短刀を放ち、粒子砲の次弾を放とうとしていたぷちマスィーンズを
叩き落とす。
 走りながらコートの裾に仕込まれた替えの短刀を引き抜き、一気に間合を
詰める。空から砲撃を仕掛けられてはこちらに勝ち目はないが、同じ近接戦装備
なら互角の勝負に持ち込めるはず。
「甘いですわ!」
 振り抜かれたのはアーンヴァル標準装備のビームサーベルではなかった。両手
持ちの大剣が鋭く閃き、私の構えていた短刀を力任せに弾き飛ばす。
「ちっ!」
 拾いに行く暇などない。コートの裾から次の短刀を引き抜き、バックステップ。
 相手が構え直すと同時、こちらも構えを取り直す。
「ココ、突撃よ!」
「ですが静香!」
 大剣の間合は広く、打撃は重い。私の戦闘コートには装甲が仕込まれているとは
いえ、一撃食らえば大ダメージは免れない。
「アレを使えば、あなたのスピードなら大丈夫でしょ?」
 静香の言葉に、私の反応が一瞬遅れた。
「覚悟なさい!」
 ……迅いっ!
 相手の斬撃を避けきれず、振り下ろされた鋼の刃にコートの裾が引きちぎられる。
 バラバラと散らばる短刀からとっさに二本を拾い上げ。駆け抜けた相手の背を見れ
ば、翼を外した飛行ユニットの姿があった。どうやらあれが超加速の秘密らしい。
「あ……アレ、ですか」
 小さなターンで切り返し、超低空飛行で迫り来るアーンヴァルを見据えたまま、私は
呟く。
「それとも、いきなり全開で行きたい?」
 それだけは、嫌だった。
「う……」
 背に腹は代えられない。
「これで最後!」
 大剣を正面に構え、アーンヴァルは全速の突撃。ランスの突撃に等しいそれは、
避けられなければ私の体を容易に貫くだろう。
「そうは……」
 だが。
 迫り来る戦乙女の視界を、闇が覆い尽くした。
「なっ!?」 
 突然の視界の暗転に、アーンヴァルの悲鳴が響き渡る。
「いかないっ!」
 脱ぎ捨てたコートに視界を奪われた白き戦乙女に、私は両手の短刀を叩き込んだ。
4903/6:2006/10/08(日) 01:46:21 ID:nHXjQRt+
「よくやったわ、ココ」
「……光栄です」
 消えていく近接戦アーンヴァルの姿を見下ろしながら、私はぼんやりと呟いた。
「稼働中の神姫は貴女を入れてあと三体よ。もう一息、頑張って」
「……はい」
 それは視界の隅に呼び出した戦況表示で分かっている。交戦中であろう二体の
うち、勝ち残った一体がこちらにやって来るはずだ。
「どうしたの? 元気ないわね」
「いえ……」
 アーンヴァルが消えた後には、裾を引き裂かれ、背中を貫かれた黒いコートだけが
残っている。
 散らばった短刀を二本拾い、腿の追加ホルスターに放り込んでおく。
「コートなら気にしないで。バーチャル戦闘なのだから、本当に破れたわけではないし」
「それは分かっているのですが……」
 腰の後ろに付けていた予備装備を外し、とりあえずの戦闘準備は完了する。
「ああもう、可愛いわね……」
 どうやら、静香は私が破れたコートを気にしていると思っているらしい。
 別に、そういうわけではないのだけれど……。
「あ、あと二体になった。来るわよ、ココ」
「……はい」
 それを今言っても仕方がない。
 私は武器を提げ、相手の到着を待つ。


 現われたのは、黄色い大型鎧を身に付けたマオチャオだった。
「……キミが最後の一人?」
「そうだ」
 今更ハウリンタイプが珍しいとは思わないが……マオチャオは、静かに立つ私を
驚いたような顔で見つめている。
「……その格好で戦ってたの?」
 う……。
「だってそれ、どう見ても……」
「い……言うなっ!」
「セーラー服……」
「言うなーっ!」
 そう。
 黒いコートの下は、あろうことか……セーラー服だった。もちろん市販の物なんか
じゃない。戦闘に耐えうる強度を持ち、ちゃんと黒コートの下に着られるよう、静香が
作ったものだ。
 ご丁寧に、通学カバンまで付いている。
「へぇ……」
「マスターの趣味なんだ。そんな目で見ないでくれ……」
 ……静香が器用すぎるんだ。いくら学校で手芸部の部長だからって、こんなもの
まで作らなくて良いのに。
「ま、いいや。キミに勝って、ご主人様にほめてもらうんだからっ!」
 それが、開戦の合図となった。
4914/6:2006/10/08(日) 01:48:32 ID:nHXjQRt+
 マオチャオが迫ってくる。
 重厚な鎧に身を包み、爪をはめた両腕を大きく広げ、大地を素早く蹴りつけて
迫り来る。
 上体は揺るがず、こちらの動きに即応できる体勢だ。無理な姿勢で走っている
ため本来ならスピードが幾らか落ちるはずだが、素のスピードが速いからかそんな
気配は全く見られない。
「てええええいっ!」
 スピードに乗せての正拳突きかと思いきや、放たれたのは上から振りかぶる
大振りの一撃だった。
(素人か……?)
 こんなもの、右のステップで大振りをやり過ごして、そのままカウンターを叩き
付ければお終いだ。
「あま……」
 私のシミュレート通り、右のステップで大振りをやり過ごして……。
「ココ、右防御っ!」
「!!」
 静香の声に、考えるより速く体が反応する。
 直後。とっさに構えた学生カバンに来たのは、横殴りの衝撃だった。
 しかも、右から。
 装甲板を仕込んだカバンを挟んですら、その一撃は強く、重かった。
「……何!?」
 マオチャオの攻撃は右手、上からだったはず。なぜ、攻撃の来るはずがない
右側から……。
「ココ、弾幕!」
「はっ!」
 盾代わりの学生カバンで相手の謎の攻撃を押し返し、そのまま取っ手のトリガーを
引き絞った。カバンに仕込まれたマシンガンが火を吹き、私の前を扇状に薙ぎ払う。
 弾幕を避け、後ろに飛んだマオチャオの背中にあるのは……。
「四本腕!?」
 ストラーフの使うサブアームがセットされているではないか。
「ありゃ、バレちゃった」
 くるくると宙返りをして、マオチャオはその場にすいと降りたった。
「……よく考えたものだ」
 サブアームの関節を限界まで後ろ側に回し、こちらの不意を突いて攻撃する。
まとった鎧と大型腕は、攻撃のためでも防御のためでもなく、サブアームを隠すための
覆いだったのだ。
「せっかく上手くいくと思ったのに。ちぇー」
 ぶー、と口をとがらせるマオチャオに、ダメージを受けた様子はない。いくら覆い
代わりの鎧とはいえ、鎧は鎧。私のマシンガンは牽制以上の意味を持たなかった
らしい。
「ま、いいや。キミの武器、全然痛くないし」
4924/6:2006/10/08(日) 01:50:09 ID:nHXjQRt+
 さて困った。
 今の私の武器は、カバンに仕込まれたマシンガンと、足の短刀だけ。短刀で装甲の
隙を狙うことは出来るけれど、それにはサブアームが邪魔だし……かといって距離を
置いてはそもそも戦いにならない。
 どうするか……。
「楽しそうね、ココ」
 攻勢に転じたマオチャオの乱打をバックステップで捌きながら、私はやれやれとぼやく。
「楽しいわけないでしょう」
 そう言いながらも、私は自分の口元に笑みが浮かんでいることを自覚していた。
「静香の作ってくれた服がボロボロだ」
 短刀が腕の重装甲に弾かれ、その隙を突いてサブアームが襲いかかって来る。
「嬉しいこと言ってくれるじゃない」
 わざと体勢を崩して地面を転がり、落ちている予備の短刀を拾い上げ、ひと挙動で
起き上がって再びダッシュ。
「でも、楽しくてたまらないでしょ?」
「……」
 もう否定できなかった。
 私は武装神姫……戦士だ。
 戦うために生まれた私が、戦いを楽しまぬはずがない。
「上に翔んで!」
 そして静香の助言は、私をさらに強くしてくれる。
 最高の主人だと、胸を張って……
「ココ。そろそろ、切り札を切るべきじゃなくて?」
 ………………。
 胸を……張って……。
「ちっ!」
 迷う私に対してマオチャオには寸分の迷いもない。サブアームを支えに、無茶
苦茶な体勢から蹴りを叩き込んでくる。足の装甲が強靱なキック力をさらに倍加させ、
私の体を吹き飛ばした。
「ココ!」
 空中で大地に片手を叩き付け、全身を使って姿勢制御。両足に大地の感触を得た
瞬間、伸びきった足でムリヤリに跳躍する。
 足元を駆け抜けるのは、四本の腕を正面に構えたマオチャオの姿だ。あと一瞬回避が
遅れれば、あの槍ぶすまの餌食になっていたはず。
「……はぁ」
 着地する。
 こちらに向きを変えようとしている四本腕の猛獣を見据え、はぁとため息。
 無理だ。
 勝てない。
 ……今のままでは。
「やります、静香」
「そうこなくっちゃ」
 私が大ピンチだというのに、静香の声は底抜けに明るい。
 たぶん、この大会中で一番楽しい瞬間なんだろう。
「……にゃ?」
 学生カバンを天高く放り投げ、私はヤケクソ気味……いや、全てを捨てて叫んだ。
「変身っ!」
 カバンに仕込まれた閃光弾が炸裂し、世界を真っ白に変えていく。
493名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:52:11 ID:nHXjQRt+
「にゃ……にゃああっ!」
 四本腕のマオチャオは真っ白な世界の中、思わず悲鳴を上げていた。
「……にゃ!?」
 その光の中、容赦なく牙を剥くのは凄まじく重い衝撃だ。
 それこそ、マオチャオのまとう甲冑を打ち砕くほどに。
「にゃああっ!」
 こんな強力な火器、あのハウリンは持っていなかったはず。
 ならば……誰が……?
「にゃぁ……」
 ようやく視界が戻ってきた。
 周囲に誰もいないのを確かめ、ダメージログをチェック。弾着のあった方向を
割り出せば……。
「な……」
 そこにいたのは、先程のハウリンだ。
「うう……」
 唯一違っていたのは。
「近寄られる前に、カタを付けたかったのに……」
 先程のセーラー服など影も形もない。
 ふわふわのスカートに、ひらひらのドレス。戦闘動作を妨げないよう、入念に
位置決めされた大きなフリル。
 そして両手で抱えるのは、妙に愛らしい装飾を施された長銃身砲。
 まさか、こんなものをセーラー服の下に仕込んでいたなどとは……誰も思わない
だろう。
「ほら、ココ! 名乗って名乗って!」
 呆然としているマオチャオを前に、静香はこの上なく楽しそうに指示を送る。
「あ、愛ある限り戦いましょう! ま、ま、ま……」
「ココ! 教えたでしょ!」
「ま、魔女っ子神姫ドキドキハウリン! ここに、はいぱー☆降臨っ!」
 ふりかざした身の丈ほどの長銃身砲は、魔法のステッキを模しているらしい。
これも、背部のアタッチメントに折り畳んで付けてあったものだ。
「……それ、なんてコスプレ?」
「い、言うなーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 ごすっ。
 振り下ろされた魔法のステッキが、マオチャオの頭部を直撃した。
「……魔法じゃないじゃん……」
「…………言うなって」
 倒れ込むマオチャオよりも力なく、ドキドキハウリンは静かに呟くのだった。
4946/6:2006/10/08(日) 01:54:02 ID:nHXjQRt+
 その帰り道。
 静香のトートバックには、バトルロイヤル優勝のトロフィーが無造作に突っ
込まれていた。
「…………静香」
 私はバッグの反対側の肩に座り、呟く。
 我ながら、弱々しい声だけれど……優勝を喜ぶ気分には、とてもなれない。
「なぁに?」
 私とは対照的に、静香の機嫌はすこぶる良好だ。
「あれ、やめませんか?」
「あれって?」
 分かってるクセに……。
「あの魔女っ子です」
 それ以上は口にもしたくない。
「ああ、ドキドキハウリン?」
 だから、言わないでくださいってば。
「どして? 可愛いのにー。他のみんなにも大好評だったじゃない」
「いやもうなんというか、恥ずかしくてたまらないのですが……」
 セーラー服でさえ恥ずかしいのに……あんな格好、恥ずかしすぎてAIがオーバー
ヒートしそうになる。
 今着ている黒いコートだけで、十分なのだけれど。
「えーっ! あたし、あれやらせたくてあなたを買ってきたのよ?」
 いやもう、ホントに勘弁してください。
 美人で優しくて、服や小物も作ってくれて、戦闘指揮は近辺ではトップクラス。
これさえなければ、才色兼備の本当にいいマスターなのに……。
「静香……」
 私はしばらく考え、以前からずっと考えていたことを口にしてみた。
「こういうのは、どちらかといえばアーンヴァルとかマオチャオの方が似合うんじゃない
でしょうか……」
 静香の神姫は私一人で、他の神姫を持っていない。
 彼女のたった一人の神姫というのは誇らしくはあるけれど、あんな格好を毎度毎度
させられてはその誇りもボロボロだ。
 それくらいなら、あの格好を喜ぶ神姫をもう一人買ってきてくれた方がどれだけ
幸せなことか。
 私はバトルランキング専用でいい。静香と共に戦えるだけで、私は十分幸せなの
だから。
 っていうか、戦うだけにしてください。お願い。
「あなただからいいんじゃない」
「……うう」
 それ、卑怯です、静香。
「……静香もあの格好をしてみればわかります」
 思わず口にして、後悔する。
 いくら嫌な主とはいえ、あんな格好をさせるのは……。
「あら、奇遇ね」
 しのびな……。
「もうちょっとであたし用のコスチュームが出来るのよねー。さすがに三段早着替えの
ギミックは入れられなかったけど……完成したら、お揃いよ?」
「ちょ、ちょっと!」
 正気ですか、静香。
「さて。ココもものすごく乗り気だし、頑張って仕上げなくっちゃ!」
「か、勘弁してくださいっ!」

 私の地獄の日々は、まだ当分終わりそうにない。
495名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:57:20 ID:nHXjQRt+
 分量規制まちがえてページ分割おかしかったりしますが、これでおわりです。

 バトリングクラブやシリアスバトルの後にコレとか正直どうかとも思いましたが、
だがわたしは(ry
496185:2006/10/08(日) 02:00:56 ID:GGMw77oH
いえいえ、面白かったですよ。

全開の意味がどんなのかな?思ってましたが魔法少女ネタでしたか。
最初はゲテモノ変化(足を取り外して飛ばすとか)かと思ってました。
もっと続けてほしいですね。
497441こと十兵衛:2006/10/08(日) 02:04:54 ID:XqmudXLo
その文才がうらやましい!GJ!
498304ことSSS:2006/10/08(日) 02:45:36 ID:vSgfQNE9
みなさんすごい量ですね!おつかれさまです。
これから読ませてもらいますよ〜。

>>410
>>441
の両氏に刺激され、私も一気に妄想を炸裂させました!
街中に壊れた神姫が落ちてる理由の1つを我が家のストラーフ「ブラボー」視点で。
今書き上げホヤホヤです(ミスあったらすみません)
499狐狩り 1/3:2006/10/08(日) 02:46:39 ID:vSgfQNE9
”狐狩り”という競技がある。
人間が銃を持って獲物を追うのではなく掛け声で猟犬を操り、いかに早く狐を”仕留めさせる”かを競う競技だ。
イギリス貴族のスポーツとして愛されてきたというこの競技は、21世紀に入って動物保護の見地から禁止法が施行された。
西暦2036年。
狐狩りは形をかえて存在している。

「まったく、夜中の上に雨ときてる。ナンバーテン(最悪)だぜ。」
背中に装備したスラスターユニットをふかしてビルの屋上へ着地したMMS、俺と同じストラーフ型のチャーリーが言う。
だが言葉とは裏腹に表情は生き生きとしていた。久しぶりのアウトドアミッションだから無理もない。
「その割りには嬉しそうじゃないかチャーリー?」
「へへ。今回の狐はストラーフだろ?俺たちと同じで高性能だ、久しぶりに狩り甲斐がある。Cドールやポイポイどもはトロくていけねぇ、張りがねぇよ」
”狐”は当然最後には破壊される。
そのためほとんどの場合は中古市場でも売れなくなった旧型の愛玩用や安価な害虫駆除用の機体が使われる。
高価な武装神姫が使われることは珍しい。

500狐狩り 2/3:2006/10/08(日) 02:48:05 ID:vSgfQNE9
今回肩に装備した高感度センサーで眼下の夜景をサーチしながら、自分(ストラーフ)がもう狐に使われるようなロートルになったのかという思いがわいた。
『油断してヘマをするなよチャーリー。俺に恥をかかせたら電源を入れたままスクラップにしてやるからな。』
マスターの声が無線で届く。
『あと120秒センシングして発見できなければ次のポイントへ向かえブラボー。』
「了解。 質問の許可を頂けますかマスター?」
『いってみろ』
「今回の狐について何か情報をお持ちでしょうか?」
マスターの声に首をすくめていたチャーリーがこちらを見た。おかしなことを聞くと思ったのだろう。
「相手は武装神姫です。AIの成長を予測できる情報があれば戦闘を有利に展開できると推察します。」
まるで指揮官機アルファのような事を付け加えた。
自分でも驚いた。
武装もしてない狐役に遅れをとる気など毛頭ないのに。
きっと…
俺が知りたいのは・・・

どうしてそのストラーフがオーナーに捨てられたのか、だ。

『狐になるという事は使い物にならんという事だ。お前らが危惧するような成長はしていない。安心しろ。』
アルファに聞いたことがある。AIの成長に失敗するケースがあるのだと。
武装神姫でありながら戦闘に怯え、拒むようになるのだと。

501狐狩り 3/3:2006/10/08(日) 02:50:28 ID:vSgfQNE9
マスターの言葉でその話を思い出すと
不安が嘘のように消えていった。
武装神姫である誇りを忘れ、ただの愛玩人形と変わらん臆病者か。
狐になって当然というわけだ。
俺は違う。
「使い物にならない」事などない。

『俺はお前達の成長を信じているからな。失望させないでくれよ、ブラボー。』

マスター・・・

コアのあたりが熱くなったように感じる。
「PiPi!!」
センサーが反応した。チャーリーと視線をあわせる。
「いくぞ、チャーリー!」
人差し指をたてて見せ、反応のあった眼下へスラスターユニット噴かしてダイヴする。
「マジかよ、ブラボー!」
その様に驚きと喜びのまじった声が後に続く。
指1本。
それは60秒で仕留めるという決意。


-mission complete-


502185:2006/10/08(日) 02:58:30 ID:GGMw77oH
こんな時間まで張ってた甲斐がありました。
1つの事象をまた違った視点で見せてくれるのがこのスレの良いとこだと思います。

狩られるストラーフはかわいそうだ・・・・・
でもそれが無ければ後で暖かな心を持つ新しい主人に出会うことが出来ないのですから、これもまた運命ですかね?
503名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 03:22:07 ID:iRMuHN5/
まあ糞憎たらしい悪役がいないとストーリーは盛り上がらない…か?
504304:2006/10/08(日) 03:29:21 ID:vSgfQNE9
一気に読ませて頂きました〜

>>472
>「まあ、やるだけのことはやってやる。連絡先をここに」
そして誤発送ネタへループとか(w

>>475
下編乙です!
まさかリアルバトルまでいってもらえるとは!
これはストラーフ”フレア”ちゃんで1本書こうかな?

>>502
YES! 「その先にある幸せ」がいいんですよう〜
買われてくるより絆が深く…
、リンちゃんに「不潔です!」とか言われてもさらに深くなる、と。
505『不良品』第6話の1:2006/10/08(日) 04:23:18 ID:ISymLDLB
あと数時間でスーパーヒーロータイムですねー。ビデオに録画して寝るか、このまま起きてて
リアルタイムで視聴するか…それが問題だ(挨拶)
今回は第5話で出番少なめだったルーシーにちょっと頑張ってもらいました。

…なーんて小難しく考えたって、実のところはやっぱり「ハイテクオモチャ」なワケ。
後々どういう評価をされようと、今の俺たちには関係ない話だ。
俺が取りとめもなくそんな事を考えていると、ニュース番組からも「武装神姫」って
単語が聞こえてきた。
ホントに際限ないなと苦笑いしながら目をやったが、ソレはあんまり楽しい話題じゃ
なかった。

『違法改造・販売業者を摘発 高額な美少女ロボットに傾倒する若者たちの実像』

…要するに神姫の外見(そとみ)や中身をマニア向けにカスタムして売ってた連中が
とっ捕まったって事らしい。
スタジオに設置された円状テーブルでは、良識派の看板背負ったオトシヨリが低俗な
ワカモノの行動を盛んに批判していた。
506『不良品』第6話の2:2006/10/08(日) 04:25:40 ID:ISymLDLB
頭は寂しいのにヒゲだけもっさり生やしたオッサンが「縄文時代における遮光器型土偶
を筆頭に女性を象った人形は数多く」だのとウンチクをたれ、白衣で白髪のジーサンは
「犯罪心理学的見地から見て女性の人形を所有するのは幼稚な独占欲の現れであり」と
ブツブツ。 さらにパーマ頭でケバい化粧のオバサンが「オモチャとはいえ『女を売る』
こと自体が卑猥で差別的で下品でいやらしくて」とヒステリーを起こしてる。
こういう答えの出ない論争ってのは見てる方が冷めてくるモンで、俺は「なんでココの
連中は皆メガネかけてるんだろう」とか「おじいちゃんそんなエキサイトしたらアタる
んじゃない?」とかをボーっと考えてた。
…が、ルーシーは難しい顔をしてる。
「あんまりマトモに考えない方がいいぞ。こういう連中は自分の信じてる事だけ基本に
 して喋ってるだけなんだから」
そう言ってみたが、小さく首を振った。
「違法に改造販売されたという神姫の事を考えていました」
…あんまり小難しい話って嫌いなんだけどなぁ、俺。
507『不良品』第6話の3:2006/10/08(日) 04:27:51 ID:ISymLDLB
「基本的に私たちはオーナーに対する『拒否』や『意見』という権利を認められていません」
「…そのワリにゃ俺の考えた名前候補を片ッ端から斬り捨ててくれたような気がすんだけど」
「反面、購入者であるオーナーには完全上位者としての権利が発生し、それによりオーナー
 の決定には絶対服従…それが不当な命令や違法な改造であっても、私たちに『No』という
 選択肢はないんです」
俺の呟いたヒトコトを黙殺して自分の話を続ける。…お前ソレ絶対服従とかウソだろ。
「ですが幸か不幸か…私たちに搭載されたAIには、一通りの基本知識はプログラムされています」
「改造だろーが転売だろーが、ソレがどういう意味なのかは判るって事か」
「ハイ。『所詮はオモチャだ』と…そう言われればその通りであり、それ以上でもそれ以下
 でもないのですけれど」
小さく俯いたが、声の調子は変わらない。
「運命に逆らえず、そういう道を辿った神姫の事を考えると…少し、哀しくなります」

…こういう時、俺はどう答えてやればいいんだろう。
あいにく女と付き合った事なんか学生時代にしかない俺の頭にはカッコいいセリフなんか
ちっとも出てこなくて、映画やドラマみたいにキメられない。
508『不良品』第6話の4:2006/10/08(日) 04:29:46 ID:ISymLDLB
…だから。
「俺、運命とかっての嫌いでさ」
しょうがないんで、さっきのTVのコメンテーターみたいに俺の言いたい事だけ言う事にした。
「だからお前も言うな」
よくあるだろ? マンガなんかで『ウンメイがどーのシュクメイがどーの』ってヤツ。
あーゆーの見ると冷めるんだ。 よくあるパターンだなーってさ。
「…オーナーは、強い方なんですね」
俺の言葉をどう脳内変換して受け取ったのか、ルーシーはなんだか嬉しそうに笑ってそんな
事を言った。
…もしやお前、俺のこと『運命なんかに左右されてたまるか!俺の道は俺が切り開くんだ!
それが俺のジャスティス!』とか叫ぶ熱血クンだと思ってる?
ゴメンそれすごい誤解。 別に俺カッコいいこと言ったつもりないよ? あんま美化すると
現実見てから辛くなるぞ?
そう訂正しようと思ったが、コイツはもう「嬉しそう」って言うか「誇らしそう」に見える
くらいイイ笑顔になってたんで、結局その日は言えず終いだった。
…しょーがないじゃん、せっかく笑ってんだもん。
暗い顔させたくねーな、って思ったんだもん。

なんか俺って自分で思ってるよりコイツに入れ込み始めてんのかな、と思った…そんな1日。
509『不良品』第6話のあとがき:2006/10/08(日) 04:31:42 ID:ISymLDLB
「何でもない1日」編、よーやく終わりです(タイトルは今決めた)
ホントはも少しライトな話になるはずだったんですが、予想外にルーシーがディープに
悩み始めてしまったので…主人公はオチ担当。
ではまた〜。
510名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 04:53:51 ID:UM00RtER
>>509
乙!リアルタイムで読ませていただきました。
やっぱ神姫も実用化の際にはロボット工学三原則のような最低限のルールが
根底にセットされるんだろうか、と考えさせられました。
やべ、俺も書きたくなってきたw
511名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 05:16:28 ID:GvTT4sdb
>>472のつづき
夜中に目が覚めて続きを書いていました
今回で新展開第一部完です
第二部からバトル物もちらほらと入る予定です


数日後、連絡がありおもちゃ屋まで出かけた。
「ほれ、これだ」
そう言って店主が取り出したものは、新品のストラーフの箱。
「これって?」
「あのボディな、破損がひどくて修理はむずかしくてな」
わははと笑い、ぽんぽんと箱を叩く店主。
「じゃぁ……」
(助けられなかったのか)
がっくりと肩を落とす。
「勘違いするな、AIから取り出した情報はこっちに移してある」
「え?」
「ボディは新品だが、記憶は受け継いでいる」
「そうか、よかった……」
そうすると、この箱の意味がわからない。
「お前さんの真剣な顔をみて、お前さんなら幸せに出来るだろうと思ってな。ちょっとした餞別じゃよ」
「ありがとう」
俺は深々と頭を下げた。
店主は素体分の料金でいいといったが、俺は武装を含めた正式料金を置いて店を出ようとしたら、店主が呼び止めた。
「忘れものだ、持って帰れ」
そういって何かを投げてよこした。
俺はそれを掴み、見てみると、壊れたあのストラーフだった。


帰り道で、箱の覗き窓になっている部分から見えるストラーフの顔をみながら考えていた。
こいつがあの日、あそこに居た理由を。
一人で出歩いて事故にあった、どこからか盗まれて部品を取られた……
いくつもの仮説を立てたが、もう一人の俺が即座に否定する。
そして、もう一人の俺が囁きかけてくる。
(ひとつだけ納得のいく説があるだろう)
俺は、それだけは考えないようにしていた。しかし、何度考えても最後にはそこへたどり着く。
『愛すべき主人に捨てられた』
そうだとしたら、こいつが起動後最初に感じるのは、捨てられた時の思い出。
その時の記憶が甦り、どうなるのか分からない。そして、それを見たアールはどう思うのだろう。
俺の頭に、笑顔のアール、怒りながらも照れているアール、泣き笑いのアール…
アールの顔が浮かんでは消えていった。しかもほとんどが笑っていた。
「……アール」
俺は、家で、アールの前でこいつの起動は出来ないと思い、近くの公園へと向かった。
512名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 05:17:48 ID:GvTT4sdb
公園のベンチに座り箱を開ける。そして、ストラーフを取り出し、ベンチの上に寝かせる。
「さて、どうなるか」
しばらくすると、ストラーフがゆっくり目をあける。焦点の合っていないぼんやりした顔から序々に覚醒していく。
「いやぁぁぁ!! ごめんなさい! ごめんなさい! ゆるしてください!」
覚醒するとストラーフはうずくまり、絶叫した。
(やはり……)
そう思った俺は、やさしくストラーフを手で包み、持ち上げた。
「ごめんなさい! ごめんなさい!」
それでも、ストラーフは叫び暴れる。
「大丈夫だ! もう心配ない!」
ストラーフの叫び声に負けないくらいの大声でストラーフに言い聞かせた。
「……あ」
俺の声が主人と違うと分かったのだろうか、ストラーフは落ち着いたようだ。
「さて、少し話を聞かせてくれるといいんだが、大丈夫か?」
ストラーフはコクンとうなずいた。
「言いにくいかもしれないが、自分がどうなったか覚えてるか?」
「あたいは……捨てられた」
「そうか……理由は?」
「バトルの成績が良くなくて、性能の悪いのはいらないって」
「そうか……」
しばらくストラーフの話を聞いて分かったことは、前の主人はバトルランキングにこだわっていたこと。
湯水のように金を使い、武器武装を買いあさっていたこと。このストラーフもそういった豊富な武器を持たされバトルしていたこと。
そして、神姫を道具としか見ていないこと。
俺は、無性に腹が立ったがなんとか怒りを静めた。
「いいか、昔の辛いことは忘れろ。今からこの俺がお前の主人だ」
「え?」
ストラーフがびっくりしたようにこっちを見た。
「もうバトルとか、そういうことは考えなくていいってこと」
ストラーフにニッコリと笑う俺。
「家にも、バトルが嫌いでダンス好きなのが居るからさ。紹介するよ」
そういって、ストラーフを持ち上げ家へ向かった。
家に着くまでに、ストラーフには昔のことをアールに話さないでくれと頼んでおいた。


「おかえりなさい」
家に着くとアールが出迎える。
「ただいま。えっと、この子がアール。君のお姉さんだ」
「……お姉さん」
「そう、同じ店で買ったんだ。本当の意味での姉妹ではないが、姉妹といってもいいだろう」
ストラーフを降ろすと、アールが抱きついた。
「よろしくね。マスター、この子の名前はなんですか?」
「ああ、そういやそうだな。名前を教えてくれるか?」
「名前?」
ストラーフはアールと俺を交互に見る。
「前の主人はつけてなかったのか?」
どういう主人か知っていたが聞いてみた。たぶん名前などつけていないだろう。
「はい……」
ストラーフは俯いてしまった。
「マスター」
アールも心配そうに俺を見る。
「んじゃ、せっかくだし、アールの時のように自分でつけてもらおうか」
「そうですね」
二人してストラーフのほうを見る。
「えっと……その……あたいの名前は……」
ん?と身を乗り出すアールと俺。
「アール姉さんの妹だから……アールの対になる文字……エル、あたいの名前はエル」
「そうか、エルか」
「よろしく〜エルちゃん」
こうして、俺の家族が一人増えた。
513名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 08:45:03 ID:fkihrLaY
日時: 2006/08/08 12:18
名前: アバあき◆nsy0DcmY


膨大なログをざっと目を通しました。
前回は近場のログだけ目を通していただけなので全貌をつかめ切れていませんでしたが、私の言動がここまで皆さんを怒らせていたとは思いませんでした。
あまりにも浅慮にて軽率な行い、深く謝罪を申し上げます。
今回のことを省みて、今後は本スレには一切顔を出さず、画像の投下はwikiだけに自粛しようと思います。
私もやはり厨設定スレが大好きなので、私のせいで荒れてしまうのは心苦しいので、それには本スレに顔を出さないのが一番だと思いました。
謝って許されるようなことではないとは思いますが、申し訳ありませんでした。
それでは失礼いたします。



テメェのせいでSS大会もスレも大荒れした。使いまわしの絵で媚売ってないでどうにかしろ
514名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 10:18:34 ID:4YdZQ8ti
ぬこがアホっぽいのは最早常識なのかw

犬ぬこはプチどもの管理にリソース喰われてると予想。
公式のアキラもピシッとしつつ抜けていそーな気配するお。
515でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 10:41:59 ID:U4BmEylk
皆さん大作乙です。

>>472から一気読み〜。
武装神姫達の光と闇が交錯しまくりだなぁ…。

>>472,511-512
エルに幸あらん事を…。

>>475-478
うおぉぉぉぉ!!
(*゚∀゚)彡青騎士!!青騎士!!

>>480-486
バトルの世界へようこそ。
何時かぶつかる時が来るんだろうか…なんつて。

>>488-494
コスプレ美少女コンビ…イカスぜΣ(*゚∀゚)b

>>499
コニー「キツネ狩り怖いキツネがりコワイキツネガリコワイ…
    (((((((( ;゚Д゚)))))))ガクガクブルブルガタガタブルガタガクガクガクガクガク 」
ジャロ「コニーちゃん、なんかあたまがガクガクいってるのだ!
    カゼひいたのだ?」

>>505
俺「違法改造…違法…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!(ゴロゴロゴロ)」
ヴェル「マ…マスター…!?」
ノワル「うわー!!またマスターがもんどり打っちゃってるよ!!
    ジャロ!!いつものアレ!アレ!」
ジャロ「もうアレはいやなのだ〜!!」
516でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 16:38:08 ID:U4BmEylk
今回はちょっとシリアス(?)に、兎子の話をば。
>>185さん、リンちゃん借ります!


「悲しき戦士の咆吼」(1/6)

ふ…
ふふふふふふ…
来たわっ…
来たわよついにっ…!!!
ついにアタシが戦いの舞台にッッッッッ!!
コニー「ふふふふふ…アハハハハハハハハハハぁ!!今日からこのコニーちゃんの
   最強伝説が幕を上げるのよ!カ――ッカカカ―――!!」
ジャロ「すごいのだコニーちゃん、すっごいハイテンションなのだ!」
ヴェル「ええ…でも入れ込み過ぎて、逆効果にならなければ良いんだけど…。」
ノワル「うわ〜!このポップコーン美味ひいよ!ねぇ!
   『ニンニクギョーザ味』らって!ヴェルも食べる?モグモグ…」

今日はコモンリーグ…いわゆる非賞金制リーグの第1回戦、やっとボディを購入できた
コニーの初陣なのである。
とりあえず短いながらも1週間みっちりヴェル達と同様の疑似訓練を積んでの戦いだから、
まず負ける事はない…
と、思うんだが……。
「コニー、初めての実践で気持ちが高ぶってる様だけど、もっとリラックスして…」
コニー「分かってますわ!!相手が再起不能になるまで徹底的に叩きのめす!ですわね!
   うふふふふふふ…腕が鳴りますわ!」
「いや…そうじゃなくて…てか今日の戦いは電脳空間上でのバトルだから、再起不能とか
 そう言うのは無理な訳で…。」
コニー「そこでぼへ〜っと眺めてるノータリン猫娘!見てなさい!今日があんたの
   レギュラー落ち記念日よ!そしてアタシが今まで歩んできたやさぐれロードを
   歩ませてあげるからね!ホーホッホッホッホッホッホ!!」
「自分で言っちゃったよ…やさぐれ…って;まぁ、あんな感じだから頼んだよ、ぷちマスィーンズ。」
オレ「ん――――っだよ〜!なんでオレ等があんな発狂ウサギの面倒見なきゃなんねーんだよ!」
シロ「ホンマですわ〜。ワイは銭にならんことはまっぴらゴメンですがな〜…。」
クロ「司令官(コマンダー)直々の命とは言え…遺憾であります…。」
ボク「ま…まぁまぁ…;兎に角お任せ下さいマスター、サポートはきっちり行います!」
コニー「ケ――――――――ッケッケッケッケッケ―――――!!!」
「…ホントに頼む。イヤマジで…;」

コニー「さぁ!アタシの栄光ある第一歩の礎となる、哀れな相手は…ふぅん…ストラーフタイプね。
   あそこでポップコーンバリバリ喰ってるノーテンキなボクっ子と同じ…。
   潰 し 甲 斐 が あ る っ て も ん で す わ よ !」
ビシィ!
そう言うと相手に向かって指差すコニー。
リン「マスター…あの人何か怖い…。」
マスター「大丈夫大丈夫。今まで訓練してきた事をしっかり行えば良いだけさ。後は落ち着いて
    俺の指示に耳を傾ける事、いいね。」
リン「はい!」
517でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 16:39:08 ID:U4BmEylk
「悲しき戦士の咆吼」(2/6)
試合が始まった。
フィールドは廃ビル群、オーソドックスな試合場だ。
コニーの装備は、彼女が得意とする、中長距離の銃火砲タイプ。一方相手のストラーフタイプ「リン」は、
セカンドアームにレッグパーツと言うストラーフのお手本のような装備であった。
「コニー、相手は近接戦闘を主とした一撃離脱を目的としている。ひとまず広い所に出て『待ち』の戦法を取る!
クロとボクは後方をサポート!シロとオレは索敵を!」
4匹「「「「了解!」」」」

だだっ広い公園に着くコニー達。俺の指示したとおり『待ち』の戦法を取る。

しかし…気配がない。相手も出あぐねいているのか…?
コニー「出てきなさい…蜂の巣にして差し上げてよ…!!」
と、
シロ「センサーに反応や!周囲30メートル!」
コニー「そんな近くに!?何ボサっとしてたのよ馬鹿ネコ!」
シロ「そんな事言うたって…いきなりセンサーに反応し…また消えたで!」
ボク「!!…まずいです…これは…」
クロ「ジャマーと光学迷彩(ステルス)だ!!」

そう言うが早いか、コニーの目前に現れるリン。

ギィン!

振り下ろされたフルストゥ・グフロートゥの一撃に咄嗟に反応し、銃で受け止めるコニー。
しかし、間髪入れずセカンドアームが襲う!
クロ「やらせん!!」
オレ「させるかよ!!」

ガガガガガガガガガ!!

至近距離でガトリングを放つ2匹。たまらず後退し、再び背景に溶けるリン。
シロ「まずい…まずいでぇ…この戦法取られたらワイ等は不利や!」
ボク「コレを繰り返されたら、いつか弾薬切れを起こして、僕たちが…」
コニー「分かってるわよ!それぐらい…分かってる!」
518でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 16:40:11 ID:U4BmEylk
「悲しき戦士の咆吼」(3/6)
背景に消えては現れ、現れては消えるリン。その戦法にコニーは明らかに精細を欠いていた、
コニー「うっ…く…照準が…定まら…ない…っくぅ!!」
「おいお〜い、ウサちゃんよ〜!あんだけ大きな事言ってて、Konozamaか〜!」
「コレで負けちゃったら、リサイクル業者逝きだな〜、ハハハハ!」
コニーにとって、思いがけない苦戦に、周囲から心ないヤジが飛ぶ。
「コニー!気にするな!目標をセンターに入れてロック!落ち着けばでk……」
コニー「リ…サイ…クル……?」

いや…イヤよ…また首だけの生活に…

それ以上!?リサイクル…いえ廃棄処分?

いや…廃棄処分になるのはいや…!

イヤイやイヤいヤイyaイやイヤiyaいやいあIYA…!!

コニー「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

コニーは会場に響き渡らんばかりの悲鳴を上げ、全ての武器を一斉に撃ち放つ。

ずがががががががががっががががががっがぁぁぁぁぁん!!

コニーとリンの周囲が爆炎に包まれる。
リン「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
マスター「マズい!!トリガーハッピーだ!リン、一旦後退を…!!」
コニー「オマエなんか嫌いだ!死ね!死ね!死ね師ね史ね氏ねシネsineしね屍ねぇ―――――――――!!!」
「く…このままじゃこちらも相手も共倒れだ…!ボクにゃん!生きてるか!」
ボク「ハイ!何とか!」
「コニーの後ろに回って、後頭部に一発ぶちかませ!」
ボク「そ…そんなコトしたらコニーさんが…!」
「今は頭を冷やさせるのが先決だ!かまわん!行けぇ!」
ボク「りょ…了解…ッ!」
そう言うやボクにゃんは爆炎の中をかき分け、コニーの後ろへ、そして
ボク「御免なさい!コニーさん!」

ぎゃんっ!

至近距離から右の長距離ライフルをコニーの後頭部に放つ。
コニー「がっ………………ッツ!!」
519でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 16:41:06 ID:U4BmEylk
「悲しき戦士の咆吼」(4/6)

しぃぃぃぃぃん――――――――――――――…………。

コニーの低いうめき声と共に銃声が止んだ。しかしまだ周囲には粉煙が立ちこめ、まともに見る事が出来ない。
そして、粉煙が消え去った後、今までそびえ立っていた廃ビル群の姿はなく、あるのは周囲数百メートルに及ぶ
瓦礫の山だった。
その中央で立ったまま動かないコニー、リンの姿は…見えない。

マスター「リン…リン!何処だ!無事か!」
モニター越しに叫ぶリンのマスター。
リン「ぶ…無事で…す…、でも…。」
崩れた瓦礫に足を挟まれ動けないリン。そして…
コニー「………………………ッツ!!」
本来ならば意識が飛んでもおかしくない一撃にもかかわらず、コニーは目を覚ました、そして、後ろにいる
ボクにゃんに視線を向けた瞬間、
「て…めェェェェェェェェェェ!!何しやがったァァァァァァァ!!!」

ごがっ!

手に持った銃を振り下ろし、ボクにゃんを地面に叩き付けるコニー。

ガガガガガガガガガガガガ!!!

コニー「ご主人様に手ぇ上げるとは、イイ根性してるじゃねぇかこの低脳AIの分際でよォ―――――――!!!」
落ちたボクにゃんに向かって銃を乱射するコニー。ボクにゃんはすでに動かない。
コニー「ケッ!弱っちぃクソ猫の金魚のフンの分際で、アタシに逆らってんじゃねぇよ…。
   さて…まだ試合が終わってねぇってことは…?あのクソ黒子は生きてるって事だよなぁ…。
   止め刺してあげて差し上げなくちゃ…ですわねぇ…ってかぁ?」
そう言うと、コニーは瓦礫の中に足を踏み入れた。
「コニー!コニー!もういい止めるんだ!負けても良い!ギブアップを宣言しろ!」
コニー「だ・め・で・す・よぉ…マスタぁ…?アタシが負けたらリサイクル業者行きなんでしょう…?
   分かってるんですから…♪だ・か・ら・♪殺さなきゃ…アイツを…殺さなきゃぁぁァア亜阿嗚呼あああぁ!!」
マスター「リン!リン!宣言するんだ!ギブアップを!早く!」
リン「い…いや…です!
  私とマスターの初めての公式戦を…こんな形で汚した人は…許さない!!」

と、

コニー「見ぃ・つけ・た♪
   ハロー・ハロー♪クソ黒子ちゃぁん…聞いてたわよぉ…
   『マスターとの初めての公式戦を汚した人は…許さない』…?
   ふぅん…許さないね…許さない…ゆルさナイ…!!??
   ど の 口 が 言 っ て ん だ こ の 甘 ち ゃ ん が ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !!」
520でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 16:41:53 ID:U4BmEylk
「悲しき戦士の咆吼」(5/6)
どがががががががががががががっ!!!

身動きの取れないリンに向かって至近距離からカロッテTMPを乱射するコニー。
コニー「何日も!何週間も!何ヶ月も!首だけの状態でほったらかしにされて!自分より格下のサポートメカ風情に
   パーツ取り野郎とコケにされて!挙げ句にクソ猫野郎に、額に『肉』なんていたずら書きされて、こんな
   賞金も出ねぇクソみてぇな試合で負けりゃぁリサイクル業者行き確定な…オレの気持ちが分かるか!
   …分からねぇよなぁ?『マスター♪』なんて言ってぬくぬくとトレーニングもどきして!1人でマスターを
   独り占めできるテメエになんざよぉぉぉぉ!!」
その時、乱射された銃弾により、リンの足が瓦礫から外れる、そして!
リン「てやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
リンは叫びと共にあの技…かつてエキシビジョンで見せたあの技を放つ。
だが…止めを刺しに行かない。
それどころか、全ての装備を解除し、フルストゥ・グフロートゥを構えたのだ。
マスター「リン!どうし…」
リン「分かる訳…無いでしょう…?いえ…分かるもんですか…あなたの気持ちなんて…私はあなたじゃないもの…でも!
  この試合に賭ける気持ちは…あなたには…負けない!」
そう叫ぶと、フルストゥを逆手に構えた。
コニー「いい度胸じゃねぇか…いいぜ…乗ってやるよ…!!」
そう言うとコニーもハグダンド・アーミーブレードを残し、装備を全解除する。
リン「行きます…!!」
コニー「来やがれ…!!」
そう言うや否や、2人は地を蹴った。

キィン!
ガキィン!
チィン!

音もない瓦礫の山の中、乾いた金属音だけがこだまする。まるでお互いの気持ちをぶつけ合うが如く…。
その姿を、両マスターも、そして観衆も、固唾を飲み見守っていた。
そして、


ズン!


コニーの懐に入ったリンの刃は、彼女の胸を刺し貫いていた。勝負は決した。
521でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 16:42:31 ID:U4BmEylk
「悲しき戦士の咆吼」(6/6)

ワァァァァァァァァァァァァァァ……………!!!

観衆から歓喜の声が涌く。
マスター「よくやったぞ…リン!」
リン「へへへ…頑張りました!」
勝利を喜び合う2人、そしてコニーは…、
コニー「……………………」
「過程はともあれいい試合だったぞ…コニー。」
コニー「私…負けちゃいました…、使えない子ですね…こんな役立たず…何処へでも送って…」

めし

鈍い音と共に上からげゲンコツをかます俺。その拳をグリグリさせながら、
「だ〜れが何時そんな事言ったんだ〜?ああ〜?冗談じゃねぇぞ!お前が欲しがってたその素体にいくらかかって、この後
 いくらかかるか分かってんのか〜?今回の負けは良い経験になったろう!?でも負けたって言ってもまだ1回だ!
 それを踏み台にしてこれからもっと強くならなきゃ、な!」
コニー「ま…まずだぁ……
   うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」
堰を切ったように泣き出すコニー。そこにリンとそのマスターが歩いて来た。
リン「いい試合でした。これからお互い腕を磨きあって、また戦いましょう!その時は…今回みたいな事のない様に、ね。」
コニー「ふ…フン!当たり前でしょう!次は負けませんわよ!」
そう言うと2人は固く握手を交わした。

と、

シロ「いや〜、一時はどうなる事かとおもいましたわ〜。」
オレ「ホントだぜ!まさか味方に墜とされるとはな!良い経験になったぜ!
  しかもまだ『肉』の字にこだわっていたとはな!ケケケ!」
クロ「本来、戦場での味方殺しは銃殺刑ものだがな……。」
ボク「ま…まぁまぁ…;皆さんそんな大声で…。」

コニー「何  だ  っ  て  ! ?」

4匹「「「「ギクゥ!!」」」」
コニー「てめぇら!リアルでガラクタにされてぇのか―――――――――!!!」
シロ「うっひぃ〜!コレがホントの「口は災いの元」やぁ〜!!」

4匹を追いかけるコニー、みんなが笑っている。

こうして、コニーの初陣は幕を閉じたのであった。

ジャロ「めでたしめでたし なのだ!」
ヴェル「ZZZZZZZ………」
ノエル「んう!この『サワラの西京焼き風味』もおいひぃ〜!モグモグ…。」
522でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 17:04:43 ID:U4BmEylk
>>185さん
>>515のレスで沸き上がったSSとは言え…すんません…リンちゃん傷つけちゃいました。
この場は死んでお詫びを…。
523名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 17:25:45 ID:H06Pn7VT
その兎子のキャラどうにかならんか

って見てたら勝手に人のキャラ傷つけてるし
もうちょっと考えてくれよ
524185:2006/10/08(日) 17:39:35 ID:GGMw77oH
どもども、185です。
でこちゅーさん。
リンの使用はもちろんOKですよ〜
というか使用してくださって光栄です。
しかもバトルで勝たせていただいちゃって・・・・・自分としては引き分けかな〜〜と思っていたので。

また友人みたいなかんじでウチのリンを使ってやってください。
525でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 17:44:52 ID:U4BmEylk
>>185さん
あったけぇ…あったけぇズラ…。・゚・(ノД`)・゚・。

>>523
不快にしたらスマソ。
ストーリーの関係上、ここまでやさぐれちゃったら、
とにかくまっすぐで一途な子に性根をたたき直して貰わなければ!
と思ってのリンちゃんお借りだったわけで…。
526名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 17:45:14 ID:z0RgDoyd
まぁこういうキャラは嫌悪感抱かれてもしょうがないかもねぇw
俺も若干引いちゃったしなー
でもお話としては結構面白かったと思うよ
527208:2006/10/08(日) 18:06:39 ID:hBvyjhTf
アクの強いキャラクターはそれだけで大きなパワーを持ち
見ていて楽しいものです。私は好きですね。
528名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:00:18 ID:4YdZQ8ti
てかさー…
クロスオーバーで登場人物たち、皆さん御近所になってますなw

それはそれで(ry
529名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:09:55 ID:iRMuHN5/
>>525
相手が許してくれない場合の事考えてる?
>>527
アクが強いのはいいが読んで引くような狐狩りみたいなのは勘弁して欲しいぞ

最近スレの空気が殺伐してきた気がする…
530名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:41:01 ID:UM00RtER
>>529
この場合相手は許してくれてるし、本人も一度注意されれば今後は自重するでしょ。
しつこくなじったところでスレの雰囲気は悪くなる一方だと思うよ。

狐狩りにしても、書き手によって色々な世界観があって然りなので
それが自分に合わないというだけで否定するのは良くない。
スレを殺伐とさせないためには書き手だけじゃなく読み手の意識も重要になってくると思うんだよね。
531名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:51:18 ID:pV9d/4dd
スルーを知れ
532ドキドキハウリン:2006/10/08(日) 20:53:04 ID:nHXjQRt+
 感想ありがとうございます。続きはぼちぼちと考えていますので、また
書き上げた時はよろしくお願いします。

>>529
 エロからバトルからほのぼのまで存在する混沌としたスレだから、
好みに合わない話が出てくるのはある程度仕方ないかと。
 自分はその混沌さが好きなので、でこちゅー氏の話みたいなのも
平気です。むしろ、これで自粛されてスレが過疎る方が心配。

 アクの強い話は、書き込み冒頭に「機体破壊あり」とか「ダーク風」
みたいな注意書きを付けてもらって、苦手な人にはスルーしてもらうってのが
一番カドが立たないんじゃないかと思うのですが。
533名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:58:41 ID:4YdZQ8ti
引くかどうかは人それぞれ。
各自脳内フィルタでスルーするのが吉。

SSがSSを連鎖的に生み出す事も多々あるわけで、
気に入らないからって排除するんはスレ全体の損失や。

「ぇ〜、俺はこういうの苦手や…」
位にしとけば角も立たん。
むしろ批判レスこそが雰囲気を悪くするしな〜

批判でなく意見で行こうぜ兄弟?
534名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:04:49 ID:eNddxrnn
気に入らなければ読まなけりゃ良い話。
別に書いてあるSS全部読めって話でもなし。
苦手なものは食わなくても生けていけるんだよ!
・・・そんな私は貝が苦手でここ20年は口にしていません。
535名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:06:19 ID:iRMuHN5/
すまない。前にいた所で同じような状況で荒れたからピリピリしてたようだ。しばらく神姫の股を閉じたり開いたりしてくる

できれば>>532の言うとおり「ダーク風」とか書いてくれると助かる。
536名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:27:35 ID:eNddxrnn
でも確かにSSの前に『なに風』とか書いてあれば、良い目安になるね。
5371/2:2006/10/08(日) 21:43:25 ID:hszMrL8m
 OK落ち着こう。
 何があってどうしてこれは何故何ホワイ。
 状況整理。
 俺はいまどこにいますか、はいベッドの上です。
 俺の目の前には何がいますか。
 俺の武装神姫、ストラーフタイプの固有名「ベル」、まではいい。
 全長、いや身長が150cmほど。硬質樹脂の肌ではなく、柔らかい人の肌のような肌触りで、その彼女は俺にしなだれかかっている。
 もう一度言う。落ち着け俺。
 ハイ、回想スタート。


「モニター?」
 オウム返しに、電話口で間抜けに答える俺でした。
『ああ。神姫用の新しい展開をうちの会社でやるんでな、身内にモニター頼んでくれって』
「兄貴がやりゃいいだろ。言っとくが俺はモニターだとしても新しい神姫はいらねぇぞ、すでに一人いるんだから。これ以上増えたらやってけん」
『安心しろ。前みたいに神姫を一体送り込んだりはしないぞ弟よ』
「信用できねぇよクソ兄貴」
『ちゃんとバイト料は払うぞ』
「何でも言ってくれマイブラザー!」
 ……そこ、ジト目で見るな。
 同じオーナーならわかってくれると思うが、神姫ってのは意外と維持費がかかるのだ。改造をおこなうとさらに倍率ドン。
 というわけで、武装神姫関連の会社に勤めている兄貴からのこういうバイトは実は助かったりすることが多い。それ異常にひどい目にもあうことも多いが。
『わかった、じゃあ明日にでも荷物は届くと思うから、よろしくしてやってくれ』
 含み笑いが電話の先で聞こえる。
 それに少しの不安を抱えつつも、やはり高額のバイト代に惹かれた俺でした。そこ、ゲンキン言うな。
「――まあ、いいけどね。私に迷惑さえかけなければ」
 そう言ってジト目で見るのは、俺の相棒のベルである。
5381/2:2006/10/08(日) 21:43:56 ID:hszMrL8m
「なんだよその言い方。だいたいな、それが主人への物言いかよ」
「だったら主人らしい相応の働きをしたらどう? 戦いだも足を引っ張るし」
 うん、コイツは主人への敬愛とか服従とかが足りない。不良品じゃねぇのかしら。
 兄貴のいった新製品とやらがこういう性格を矯正する都合のいい道具であることを祈る。
「祈るだけ無駄な努力よ」
 コイツ、いつ俺の心を読んだ。
「顔に書いてあるもの。わかり易いあなたが悪いわ」
 ……いつか泣かしちゃる。

 翌日。
 ウチに兄貴の会社からドデかい荷物が届いていた。
 それはいい。
「…ん? おーい、ベルー?」
 ベルがどこを見ても見当たらない。どこ行きやがったあのバカ。
「っかしーなー…」
 まああいつはいまはほっておこう。
 それよりも届いている荷物がどういうものなのかを確認…ってデカ! 人間一人入るぞコレ。
 これがどういう神姫関連製品なんだろうか。
「ん?」
 なんか違和感。
 ……宅配便で送られてきたって割には、梱包が…なんというか、これ。一度中開けられてるんじゃねぇか。
 そこで俺はピーンときたね。
 ベルの奴、神姫関係だからって先走りしやがったか。いつもすまして冷静ぶってるけどなかなかかわいらしい所もあるじゃないか。
「まったく、あわてるなんとかはもらいがどーとかっていうぞベル。とにかく…」
 そう言って俺は荷物のふたをあけて……

 魂消た。たまげたと漢字で書くとこうなる。意外と知らない人は多いのだ。と意味のないうんちくを無駄に言ってしまうほどにぶったまげた。
 人一人はいるでっかいダンボールの中には、
 あろうことか、
 人間サイズのよく見知った武装神姫がいた。


 ……OKクソ兄貴。
 これは一体どこのエロゲか何かだ。 


続く
539でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/08(日) 21:44:02 ID:U4BmEylk
うわ〜い、俺の所為でスレが殺伐としてるよ〜…。
バトル物を書くとついついヘビー&バイオレンスになりがちだから、
暫くは元の通りほのぼの系を書くようにしよう…。

>>532
今度から注意書きは必要ですね。注意いたします。
540ある神姫の活動報告〜午前編〜 1/5:2006/10/08(日) 22:01:01 ID:VyXj0vjM

―― Mission 1 ――

システムチェック……
ウイルススキャン、エラーチェック、異常なし
各部ジョイント・アクチュエーター、正常
統合センサーシステム、電磁浮遊推進制御ドライバ、バッテリー残量、オールグリーン

既定の時間になりましたのでMulti Movaile System Type-Angel ARNVAL“フェアリ”の
スリープモードを解除します

……時刻は午前06:30。
私専用ベッドの中でスリープモードを解除……人間で言うところの「起床」。
カーテンの隙間から朝日が差し込んできます。今日は良いお天気になりそうです。
申し遅れました。私は天使型MMS、アーンヴァルのフェアリです。
今日はモニタリングと言う事で私のマスター景山麻衣子とそのご家族の同意の上で、
武装神姫が普段どのような一日を送っているかレポートを作成しなければなりません。

なぜこんなことをしているかと言うと、モニタリングの参加者に支給される限定パーツのためです。
マイコはこのパーツに目を輝かせておいででした。
手持ちの神姫に対応した髪型変更パーツ……私としても少々興味をそそられます。
マイコの友人、鏡いつき様のシュナイデのように
特殊な改造を施さなくとも髪形のパターンを増やせるのですから。

と、余計な記録を作成して時間を無用に消費している余裕はありません。
マイコが用意したエプロンに袖を通し、背部に専用の飛行ユニットを装着して
私の一日はこうして始まります。

―― Mission 1 Result ――

指定時間にスリープモードを解除、次のミッションへの準備を完了
541ある神姫の活動報告〜午前編〜 2/5:2006/10/08(日) 22:01:57 ID:VyXj0vjM

―― Mission 2 ――

スラスターを吹かし、急ぎ台所に直行。
お父様が扉を改造してくださったのでノブをひねらずとも飛行したまま通過できます。

「おはようございます、お母様」
「おはよう、フェアリ。じゃあ、いつも通りにお願いね」

マイコのお母様、景山ゆかり。私をこの家に導いてくださった大恩人です。
裁縫、編み物、刺繍にかけては私の知るところ最高の技術レベルの所有者でもあります。

今回のミッションは、買い物のための安価な商品をリストアップする事。
玄関に届いていた朝刊を回収し、同封されている近隣の商店のチラシから
特売品や不足している日用品をリストアップ、お母様に提出します。
食事のメニューの決定自体はお母様が行いますがリストアップの際栄養計算も同時に行い、
推奨されるメニューをいくつか提案するので実質二人で考えているようなものです。

しばしばマイコやお父様、お母様の希望でこのリストが役に立たない事もありますが、
「人はパンのみによって生きるにあらず。食べたいものを食べたい時に食べるのは
心の栄養だ」……と、お父様が仰っていました。至極名言だと感じます。

―― Mission 2 Result ――

最も割引率の高い商品のリストアップ、完了

「今日はスーパー朝比奈の秋刀魚がお安いようです」
「そうね、大根もあるし今夜はサンマにしよっか。いつもありがとう、フェアリ!」
542ある神姫の活動報告〜午前編〜 3/5:2006/10/08(日) 22:02:37 ID:VyXj0vjM

―― Mission 3 ――

そろそろ七時……次のミッションの開始時間です。
顆粒状の化学物質を目標に向け、指定量を散布。
しかし当ミッションのこの後の工程は私一人では遂行不可能な高難度のミッションです。
そのために、常にパートナーが必要となります。
あ……その心強いパートナーが今現場に到着したようです。

「おはようございます。洗濯行動を開始します」
「動けぇぇぇぇッ!!」

気合を入れ、洗濯機に腰の入った重い一撃を繰り出す今ミッションのパートナー……
景山家の大黒柱、景山雄喜様。
とある広告代理店の企画課に勤務されている会社員です。
この洗濯機はご夫婦の結婚当時からの品物ということで、
耐用年数の限界に達しているためこうした荒療治を毎朝必要とするのです。
もっとも、私も言わば精密機械の一種なのでとても正視に耐えない光景ではありますが。
次のボーナスで買い換えると言う事ですが、果たしてそれまでもつかどうか……

そうして洗濯している間に、次はマイコを起こしに行きます。

―― Mission 3 Result ――

旧型洗濯機の稼動、強力なパートナーの支援により完遂

「お見事です、お父様」
「天才サラリーマンと呼んでくれ」
「天才サラリーマン」
「本当に呼ぶな! ……待て、脱サラした場合はどうなるんだ」
「天才店長と」
「やめい」
543ある神姫の活動報告〜午前編〜 4/5:2006/10/08(日) 22:03:22 ID:VyXj0vjM

―― Mission 4 ――

私の武装神姫としての全戦闘履歴は一戦一勝。それ以上でも以下でもありません。
しかもその時に私自身の武装ユニットは一切使用していません。
最もバーチャルでしたので痛みは感じてもダメージは残りませんが。
(その時、マイコはモニター上の私の姿を見て私の本体もそうだと勘違いなさったようですが)
ちなみにいつき様はこの件について「忘れるな我が痛み、消されるなこの想い」
……などと、奥深いことを仰っていました。

しかし、私の飛行ユニットは歴戦の証とも言うべき細かな傷が無数についています。
その理由は私の最大の親友にして最も信頼の置けるマスター、
マイコこと景山麻衣子と毎朝激しい戦いを繰り広げてきたためです。

マイコは小学五年生なので朝は他の家族の誰より早く家を出なければなりません。
最初にお母様にマイコを起こしに行ってくれと言われた時、軽い気持ちで
そのミッションを受け入れてしまったがために手痛い教訓を学ぶ事となってしまいました。
私の声に反応した寝ぼけ眼のマイコの鉄拳が私に降りかかってきたのです。
そう、彼女は一言で言うなら「異常に寝相が悪い」と表現できます。

今朝も彼女は一言では言い表せない体勢……なぜかキングアラジンという単語が
メモリーをよぎりました。バグでしょうか? しかるべき時に削除していただかないと。
ともかく、私はマイコを覚醒させねばなりません。
すでに目覚まし時計はスヌーズ機能も含め停止させられており、
第一次および第二次防衛線は突破されていました。

ですがこの程度は想定の範囲内です。
慌てず騒がず超小型電磁浮遊推進システムの周波数を調整し、
レフト・ライトウィングユニットを共鳴させ、
特製の目覚まし音波を発生させます。発泡スチロールの塊をこすり合わせた時の音が
大音響でマイコだけに向かって放たれていると解釈してください。
この話をするとお母様はまるでコウモリねと仰っていました。
その表現はあまり私のイメージに相応しくないような気もしますが。

さすがにこれをするとたまらずマイコは飛び起きます。
この方法を考案して以来、直接的なダメージを受ける事は減りました。
ステーションのスタッフは飛行ユニットのメンテナンスが大変だとこぼしておられましたが、
そういう仕事だと言う事で気にしない方向に割り切る事にしました。
ともかく、これにて今ミッションは達成です。

―― Mission 4 Result ――

キングアラジンの掃討、完了

「……あと十分寝かせて……」
「非合理的です。試験的に休日にその命令を実行したところ、
 たっぷり二時間はそのままお休みになりました。従って一刻も早く
 登校のための準備を整える事を推奨します」
「オニ……悪魔……」
「その台詞は今朝で通算16回目です。ボキャブラリの充実を切に望みます」
544ある神姫の活動報告〜午前編〜 5/5:2006/10/08(日) 22:04:17 ID:VyXj0vjM

―― Mission 5 ――

マイコやお父様が出発して行かれた後も私のミッションは続きます。
まさかマイコの学校についていくわけにもいきませんし、お母様の手伝いが基本となります。
まずは洗濯物を干す活動の支援、と言っても重いものは困難を極めるのでハンカチやタオル、
靴下や下着類などの小さなものに限られますが。
それでもお母様は十分助けになると仰います。もったいないお言葉です。

次はタンスや本棚の上など、高いところにハタキをかける清掃活動。
単に飛行できるからというだけでなく、私の高性能なセンサーが細かな汚れも逃さず、
また小さな体を生かしてかなり奥まで清潔さを保つ事が出来るのです。
代償として私の体は埃まみれになりますが、
そのたびにお母様にシャワーを用いて軽く洗い流していただきます。
生活防水は完璧なのでこの程度では内蔵機器に影響は出ません。
私にとって至福の時です。ついつい笑顔がこぼれてしまいます。
これで午前中のミッションは全て終了。マイコの帰宅までは自由時間となります。

自由時間はマイコの所有する漫画や小説を読んだり、
辞典や図鑑で情報の収集を行います。世の中にはまだまだ未知の事柄で一杯です。
他にはネットで最新情報の検索、他のマスターや神姫たちと情報交換を行ったり、
たまにお母様と一緒にカラオケの練習をしたりもします。
本当に毎日が充実しています。

―― Mission 5 Result ――

お母様の支援行動、完了。午前中のミッションはこれで全て終了です

「フェアリ、ちょっと買い物に行くんだけど付いて来る?」
「分かりました。お供いたします」
「でも本屋で立ち読みはダメよ。他のお客さんビックリするから」
「……それが命令であるなら、不本意ですが従わせていただきます」
「よろしい! 守れたら好きな文庫本一冊買ってあげるわ」
「ありがとうございます」
545名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:05:30 ID:pV9d/4dd
エイダとディンゴワロタ
546304:2006/10/08(日) 22:17:52 ID:vSgfQNE9
「狐狩り」についてのご意見ありがとうございます。
前回ご指摘を頂き、戦闘及び破壊描写を避けたつもりでしたが
結果的に多くの方々に不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。
荒れることはもちろん、読んで頂けても喜んで頂けないのでは
皆様にご迷惑をお掛けするだけで、意味の無い事だと反省しております。
本当にすみませんでした。出直してきます。 OTZ
547名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:31:59 ID:Xf5ghBbz
エロポーズをとらせた黒子で…流石にBUKKAKEはしてないが最低だ、俺って
548名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:51:35 ID:pV9d/4dd
>>547
ここにいる連中はみんな程度の差はあれそうだって
549208:2006/10/08(日) 22:52:09 ID:hBvyjhTf
>>304
私は好きですよ。ダークな面があってこそ神姫世界が深まるというものです。

このスレで登場したキャラクターたちで一つの共通した神姫世界が構築されて
ゆくことに、非常にわくわくしています。
どなたか全オーナー&神姫のイラストを描いてくださらないかしらん。などと
一瞬考えてしまいました。
550アールとエル:2006/10/09(月) 00:39:35 ID:59BbHqp0
「はい、こう、ワン、トゥー、スリー」
「えっと、ととと、あっ」
机の上では、アールがエルにダンスのレッスン中だ。
エルが家に来て、しばらくたった。
家に来たてのころは沈んだ表情をしがちだったエルも、いまでは明るくなりアールと一緒に踊るようになった。
俺は、そんな光景を微笑ましく思いながら、なにげなしにTVのチャンネルを変えた。
その時は、俺もアールもエルもまだ気づいていない。運命のスイッチを押したことを。


なにげない普段のニュースがしばらく流れていたかと思うと話題が変わり、中継現場の映像に切り替わる。
『はい! 私は今、大人気の”武装神姫”そのバトル大会の会場に来ています』
どうやら、神姫の話題らしい。そういえば、大きな大会の予選だか何かがあったような気がする。
俺はそんなことを思いながら、ちらっとアールとエル二人の方をみた。二人とも背中をこちらに向けてダンス中だった。
二人にとって微妙な話題だから、嫌がる素振りをしたら変えるつもりだったがそのまま見続けた。
『さて、参加者にインタビューしてみましょう。こんにちわ! あなたの神姫、強そうですね』
『もちろんですよ。ありとあらゆる研究をしてパーツを組み込んだんですから。ははは』
レポーターに、どこから見ても金持ちのぼっちゃま風の男が答えた。
歳は俺より下っぽいなと、見ているとアールの悲鳴が響く。
「マスター! エルちゃんが!」
あわてて机に駆け寄ると、エルが膝立ちになり、両手で耳を塞ぐようにしてガクガク振るえていた。
「どうした?! エル!」
「あ……ああ……」
俺はエルを抱き上げて優しく撫でてやる。
「マスター…」
「大丈夫か?」
「マスター、ごめんなさい」
エルが俺の手の中で謝る。
TVには以前としてあの男と神姫の映像が映し出されている。俺はその男の神姫に違和感を覚えた。
「おい、あれって確か」
俺はパソコンを操作して検索をかける。すると驚きの情報が出てきた。
「嘘だろ。何であいつは数量限定モデルをあんなに持ってんだよ!」
その神姫には限定モデルに一個しか入っていないパーツが複数個ついている。
予備や交換パーツ用を考えるとその数はかなりの物だ。
「マスター……」
アールが俺を見ている。アールには、エルが落ちてた理由を、俺からなるべくやわらかく伝えてあった。
アールはピンときたんだろう。俺も多分同じ結果を導き出して、エルを降ろす。
「エル……あいつがそうなのか?」
「はい、あたいの前のマスターです……」
そう答えたエルにアールが抱きついてやさしく撫でている。
実際に見て、エルから前の主人の話を聞いたときの感情がふつふつと湧きあがってきた。
「なぁ、エル。お前の力であいつ、ぶっ倒してみないか?」
「え? あたいが?」
「そうだ」
「でも、あたいじゃ…」
俺はエルの頭を撫でる。
「大丈夫。こっちは俺もアールも居る。三人でがんばろうぜ」
「うん! 私はバトルってあんまり好きじゃないけど、エルちゃんの為なら協力するから」
「マスター……姉さん…あたいがんばってみるよ」
「そうだ、その意気だ。あいつに、エルを捨てたこと後悔させてやろうぜ!」
「オー!」
アールが元気よく腕を上げて叫ぶ。
「ほら、エルちゃんも」
「オー」
アールに言われてエルも腕を上げて叫んだ。
551アールとエル:2006/10/09(月) 00:42:08 ID:59BbHqp0
「ただいま〜。お〜い買ってきたぞ〜」
「おかえりなさいマスター」
「おかえり〜マスター」
玄関まで出迎えた二人を抱き上げる。
「これがそう?」
エルが俺の足元に置かれた箱を見る。
「中古品だけどな」
ヴァーチャルバトルのインターフェイスを買いにいったのだが、新品は想像以上に高かったので型落ちの中古を買った。
「よし、それじゃあ早速使ってみるか。アールはサポートたのむ」
「はい」
自室に持ち込んでパソコンに接続した。
「よし。じゃあエルの武装するか」
「お願いします」
武装し終わるとエルの様子が変だ。
呼んでも返事しないし、動かない。
「エル?」
かるくつついてみると、やっと反応があった。
「よぉぉし! バトルだぜぇ!」
「え? エル?」
「おうよ! おもいっきりいくからたのむぜ!」
性格かわってるよなとか思いながらもインターフェイスに接続した。
それからが大変だった。
「突っ込みすぎた! 距離をとって!」
「マスター、右足負傷しました」
「直線でかわすと相手に読まれる」
「射撃は正確に、煙で相手を見失う!」
「右サブアーム可動不能になりました」
アールが現状を分析しながら俺が指示を出しているが、かなり苦戦していた。
ボロボロになりながらも、どうにか相手を倒して接続を切った。
「いやぁ、失敗失敗。ひさしぶりだから熱くなりすぎたぜ。はははっ」
ヴァーチャルバトルから戻ったエルはそう言いながらも、勝てたことに喜びを感じているようだ。
武装をはずすと、エルの性格が戻る。
「マスター、ごめんなさい。あたい、うまく戦えなかった……」
「いや、それはいいけどさ。性格かわってたよな」
「うまく言えないけど、武装をつけると、変なんだ」
「変?」
「うん、なんか戦うぞ〜って感じになってああなるみたい」
「そっか、まぁなれればいいと思うよ」
「うん、あたいがんばるよ」
それから、猛特訓が始まった。俺の居ない昼間はアールとダンス練習、アールが操作するヴァーチャルバトル特訓。
ダンス練習は、アールがいままでも教えていて続けた方がいいといったからだ。
俺が帰ると、俺が指示を出してヴァーチャルバトルという生活を繰り返していた。

さらに幾日か過ぎた。
エルのヴァーチャルバトルもレベルもどんどん上がっていき、複数の敵とも対等に戦えるようになっていていた。
俺は、夜食を買いにコンビニへと向かっていた。アールも一緒だ。
エルは、昼間の特訓が激しくて、AIを休めるためにスリープモードに入っている。
「アールごめんな、しばらくかまってやれなくて」
「ううん、いいんです。私もエルちゃんにダンス教えるの楽しいですし」
歩きながらそんな話をしていたが、アールの顔はやはり寂しげだった。
「アール」
俺は立ち止まり、アールのほうを向く。
「はい?」
アールもこっちを向く。
「こんなことで埋め合わせっていうのも、何なんだけどさ……」
俺はアールをやさしく掴む。
「じっとしてて」
「はい……」
アールのヘッドギアを外すと、アールと初めてのキスをした。
そして、二人して顔を赤らめて、買い物をして家へ帰っていった。
552名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 01:16:25 ID:l6bZ1kLX
「最近、猫子さんや犬子さんも加わって、マスターの戦力も大分充実してきましたね」
満面の笑顔で話しかけてくる白子。
でも、なんだろう? なんだか微妙にとげとげしいふいんき(何故か変換できない)を感じる・・・
「白子・・・あのー、なんか、その・・・怒ってる?」
「私が、ですか? いえいえ、そんな。一体何を怒ることがあるんですか?
 無理なローテーションを組まないように新しく『可愛い』戦力を増強してくれたり、
 私が怪我しないように、もうかれこれ1週間半も後方支援に回してくれたり、
 私みたいな鈍くさい神姫が戦場に出てへまをやらかさないように、装備を全て猫子さん犬子さんに回してくれたり、
 マスターの惜しみない愛情にはいつも感謝していますよー」

うん、白子は完全にへそを曲げてるよね。

「あー、白子。俺が最近犬子、猫子の改造に忙しいのはだな、来るべき決戦の日に向けて・・・」
「はい。分かっていますから。何もおっしゃらないでください」
「いや、白子。お前は絶対に誤解してるぞ。俺は・・・」
「二度同じことを言わせないでください。もう何も聞きたくありません」
「し、白子さん・・・」
「あーあ、私に残されたのはリボルバー1挺だけか。重装備の神姫相手にどう戦えばいいんでしょうね?
 でもいいんです。私みたいな役立たずにはこのくらいの装備がお似合いなんですよ。
 全国の神姫マスターの間でも、黒子さんや猫子さんに比べて私たちアーンヴァルの人気は低いみたいだし・・・」
いかん、どんどんネガティブになっていく。ええい、ままよ!
と、カバンを開け箱の入った袋を取り出す俺。
「ほら、白子。こっちに来てみろ」
そういって箱の中からドール用のフリフリの洋服(メイド服)を取り出した。
「これは?」
「・・・その、お前用に買ってきた新装備だ」
擬音で表現するなら、まさに『パアァッ』という音が出てきそうな感じで、本当の笑顔を見せてくれる白子。
「わ、私のために、ですか?」
「ああ。他に誰がいる?」
「あ、あ・・・ありがとう、ございます!」
「ほら、せっかくだから着てみてくれないか?」
「は、はいっ!」

白子は早速メイド服を身に付け、服をヒラヒラさせて嬉しそうに微笑んだ。
「マスター、どうです?似合ってますか?」
「ああ、とっても可愛いぞ」
「・・・えへへ」
本当に気に入ってくれたようで、鏡の前で色んな角度から服を眺めては笑顔を浮かべる白子
と、突然こちらに向き直り少し改まった口調で話し出す。
「マスター? みっともなく我がままを言ってごめんなさい。
 ・・・でも、私、本当に寂しかったんですからね?」
少しすねたような口調。
「・・・うん、ゴメンな?」
俺も自然と素直に謝っていた。
「ふふっ、許してあげます」
そう言うと器用にも俺の体によじ登り、なんとか肩まで来ると、
少し背伸びをして俺の頬に軽く口付けをする。
「お、おやすみなさい!」
「・・・ああ、おやすみ」
自分からしておきながら顔を真っ赤にして部屋を出て行く白子。
その愛らしい姿に、ついついこちらも頬がゆるんでしまう。


「だけど、本当は黒子用に買ってきたんだけどなあ」
絶対に口にはできない想いを胸に抱き、俺は布団にもぐり込み目を閉じた・・・。




オチ、いらなかったかな?・・・
553488 (1/2):2006/10/09(月) 01:30:54 ID:+Htqtbnc
>>552
 白子だってかわいいですよ!
 犬とか猫の話しか書いてない自分が言うのも何ですが……。

 というわけで、ドキドキハウリンの関連話と見せかけて、>>124氏の設定の
横取り話を(無断で)書かせていただきました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

「ありがとうございます。EDEN-PLASTICSカスタマーサポートセンターです」
 マニュアルどおりの応対が、どこかのブースから聞こえてくる。
 ここはEDEN-PLASTICSのサポートセンター。武装神姫の素体やコアユニットを
販売管理する、武装神姫の総本山……の対お客様最前線だ。
「マオとハウの不具合って……まだ凶暴なコのロットって残ってたんですか?」
 その戦場の最前線であるスタッフブースの外れの外れ。
 主任の札が出された大きなデスクの前に、あたしは一人呼び出されていた。
「みたい。対応頼んでいいかな? マオチャオの対処方法見つけたの、あかねちゃん
だったしさ」
 何のヘマを怒られるのかと思ってビクビクしていたから……その依頼は、むしろ
拍子抜けするほどだった。
「はぁ。じゃ、私のブースに持ってきといてください」
「ありがとね。後で差し入れ、持っていくからさ」


 ブースに戻れば、荷物は既に届けられていた。
「あー。こりゃ、気合入ってるねぇ」
 中のコのマスターはよっぽどヒドイ目にあったんだろう。箱に幾重にも巻かれた
ガムテープが、その時の惨状を物語っている。
「ますたぁ。ボクの妹がまた悪いコトしたんですかぁ?」
 大変だったんだなぁ……とマスターさんの事を考えていると、ブースで留守番をして
くれていたマオチャオが心配そうな顔を向けてきた。
 フリルの付いた白いエプロンが可愛らしいそのコは、あたしの自前の神姫。いくら
神姫のサポセンといえど、本当は私物の神姫を持ち込んじゃいけないんだけど……
ありがたいことに、みんな見て見ぬふりをしてくれている。
 それに、にゃー子はマオチャオの不具合を解決した最大の功労者だしね。
「んー。別に、にゃー子が悪いことしたわけじゃないから、いいんだけどねぇ」
 さて。その不具合を何とかしてでもこのコと一緒にいようっていうご主人様のためだ。
 この戸田あかね、ウチのにゃー子と一緒にひと肌脱ごうじゃありませんか。
「にゃー子。そのエプロン、外しといた方が良いよ。静香が作ってくれたヤツでしょ?」
「あ、はーい」
 妹(こいつがまた、手先が器用なんだ)お手製のエプロンを引き出しに仕舞い、
にゃー子が代わりに取り出したのは、秘密兵器。
「ますたぁ。おっけーだよ!」
 あたしもそのうちの一本を受け取り、カッターで梱包に切れ目を入れた。
 既ににゃー子は秘密兵器を構え、梱包の動きを窺っている。
「じゃ、開けるよ」
「あい!」
 さっと箱を開けば、中から飛び出してきたのは猫の凶暴性をそのまま映したかのような
マオチャオだ。
「それ、かかれーっ!」
554488 (2/2):2006/10/09(月) 01:33:16 ID:+Htqtbnc
「巧いもんだねぇ……」
 あたしの指先にゴロゴロと頬をすり寄せるマオチャオを見て、差し入れのおやつを
持ってきてくれた主任は感心したように呟いた。
 仔猫のようにあどけない顔でこちらを見上げるマオチャオは、もちろんウチのにゃー子
じゃない。ほんの五分ほど前まではそこらの野良猫よりも凶暴だった、あのマオチャオだ。
「このくらい、誰でも出来ますよー」
 不具合なんていうけど、何のことはない。輸送中にうっかり電源が入ってしまい、
暗闇のストレスでシステムがオーバーフローしてしまっただけのこと。
 どちらかといえば大人しい性格の一期モデルは、同じ現象が起こっても怖がったり
怯えたりするだけだった。

 余談だけど、箱を開けた瞬間にマスターに抱き付いてきたり、甘えっ子な性格の神姫には
この不具合が出てる可能性が非常に多かったりする。
 ただ、
「ウチのストラーフがオレにべったりくっついたまま離れないんです! そのうえ
甘えん坊で、夜も一緒に寝たがって……」
 なーんて苦情が来たことは、わがEDEN-PLASTICSのサポートセンターにも一度として
ないわけで。こちらもその症状を、大きな不具合とは思わなかったんだけど……。

 動物的な性格パターンを入れて発売した二期モデルは、同じ症状が甘えっ子じゃあ
なくて凶暴化っていう形で現われたワケだ。
 もちろん今は電源装置の改善がされていて、どの子もこんな不具合は起きなくなってる
けど……。暗闇の中にずっと閉じこめられてれば、そりゃあ暴れたくもなると、あたしは
思う。
「ほらほらー」
 反対の手には相変わらずの秘密兵器。
 マオチャオの目の前にひょいと突き出してやれば。指先にしがみついていたマオチャオの
大きな瞳は、ゆらゆらと動くそれに吸い寄せられたまま離れない。
 やがて顔が視線に追従し、続いて体が秘密兵器の方へと流れていく。
「はーい」
 ひょい、と右手を突き出せば、秘密兵器はその手を受け流し、右手が触れることを
許さない。
 その動きが面白かったのか、今度は左手を突き出すマオチャオ。
 もちろん、秘密兵器は左手が触れることも許さない。
「にゃーっ!」
 右、左、右、左。ゆらゆらと揺らしてやれば、さらにマオチャオはエキサイト。
 有効打を与えようと必死にそれに追いすがってくる。
「ほーら、こっちにもあるよーっ!」
 今度はにゃー子の秘密兵器を追いかけ始めた。
 ふふ、可愛いなぁ。
「それにしても、猫じゃらしとはね……」
 要は、たまったストレスを解消してやればいいだけの話。
 凶暴化の症状を解消するため、猫じゃらし片手にマオチャオと戦いまくった不具合発覚
直後は……あたしにとってはいい思い出だけど、主任達にとっては悪夢のひとかけららしい。
「もう三十分も遊べば、疲れて寝ちゃうと思いますよ?」
 秘密兵器その2。
 神姫と同じほどの大きさがあるゴムボールを取り出し、マオチャオの方に転がしてやる。
 って、アンタまで遊ぶんじゃないの、にゃー子!
「そっか。じゃ、終わったら修理セクションに回しといて。電源の交換と、太腿の修理
依頼を出してあるから」
「はーい」
 そして、主任は去り際に。
「あと、いくら神姫のサポセンっていったって、私物の神姫を仕事場に持って来ちゃ
ダメだよ。後でもう一回、僕んところに来なさいね?」
「えーっ!?」
 ちょっと、お褒めの言葉じゃなくてお小言決定!?
「ひどいよ、主任……」
 涙目のあたしなんか気にも留めず、二人のマオチャオがゴムボールで一心に遊んでいる
のが……なんだか無性に恨めしかった。
555488:2006/10/09(月) 01:38:00 ID:+Htqtbnc
 案外とメーカーサイドの話がなかったので、サポセンネタで一本書かせていただき
ました。サポセンと修理工場が近い企業もあるみたいなので、そのあたりはまあ適当に。

 神姫関連の企業については、本スレ9の>>633氏の設定を元にしてあります。
 そちらからいえば猫子作ったのはBLADEダイナミクスなんですが、素体ネタってことで
EDEN-PLASTICSを使わせていただいてます。
556リンのマスター:2006/10/09(月) 01:39:32 ID:LV9b1GcS
>>551
オチは意見が分かれますね〜自分ならメイド服を買った店の店員が「あのお客さん、ストラーフ用のメイド服ちゃんと着せられたかな?」
とかやりますね。

>>553
裏方の仕事って感じです。
不具合の解消はAIがある機械だけに相当苦労しそうです。



種デスのスペシャルエディションがあるので今まで起きてました。
ということで第5話投下〜今回から名前を分かりやすくしました。

あと題名も追加
「武装神姫のリン」 そのままですいません・・・・

もうリンと俺の2回目のバトルから2週間が経っている。
あの日からリンはあの時の敵ヴァッフェバニーの「コニー」にかすかなライバル心を持ったのか、賞品の訓練機で日々練習に励み、俺が仕事で家を空けている時間の半分は訓練機に向かっているらしい。
というのも訓練機はUSBケーブルでPCに接続すると訓練のデータをHDDに保存し、リプレイしたり、ゴーストとの戦闘も行える。つまり自分自身との戦いが行え、そうして自分の弱点も見つけることが出来る。
つくづく俺たちにはもったいないほどのモノを貰ってしまったと思う。
それでも、当の本人はそれがとても楽しいみたいなので俺は何も言わないが・・・・・・
問題が1つだけある。最近のウチの電力料金が上がっているのだ。
もちろん原因は言うまでもなく、今まで仕事時は動いていることが無かったPCと訓練機の分だ。

これはいつも昼食に食べる食堂の定食のランクを下げれば対応可能だ。
おかずの数が少なくなるとは言え、量は十分なので心配することは無いだろう。
コレもリンのためだと思えば苦にはならない。涙を呑んで受け入れようと思う。





557リンのマスター:2006/10/09(月) 01:41:53 ID:LV9b1GcS
そうしてゲーム感覚で訓練を続けたリンはあの初戦で見せたエアリエル技をほぼ完璧に習得していた。
なんでもあのようなジャンプ技はTYPE DEVILの特徴らしく、こういったアクロバット技はストラーフの十八番だ。
ということで俺とリンはエアリエル技をメインに闘うことに決めた。
と、そこでリンが言ってきた。
「マスター。あの技なんですが、できればマスターの命令で技を出すようにしたいんですけど」
「で、技の名前を決めろと??」
「はい。」
純粋な瞳で見つめてくる。これは拒否するわけにはいかない。
でリンが今日の分の最後の訓練(多くても1日に5回と決めているらしい)をしているうちに
ネットを使ってソレっぽい単語を検索する。
しかし一向に決まらない。
なぜならソレっぽい名前は思いつくものすべてが今世紀最初のガンダムの名称風になってしまうのだ。
そしてそういう名前をつける輩はどこにでもいるのでどうにもならない・・・・
「くそ…あの名称のセンスをどうにかして欲しかった…」

俺が頭を抱えているとリンが言ってきた。
「そんなに悩むことなんですか?」

俺はすぐさま状況を説明。
するとリンは意外な打開策を勧めてきた。
「じゃあ漢字で表すのはどうですか?」
俺は横文字しか頭になかったことを悔やむ。漢字ならソレっぽくならない。
まだましだ。
558リンのマスター:2006/10/09(月) 01:44:02 ID:LV9b1GcS
そうしてリンのエアリエル技の名前が決定する。
あの観客を沸かせた技は「裂空」、と言ったかんじで決めておけば命令する時も時間が掛からない。
こういった感じで1週間で基本技(技のためにゲームを売って体操やら、格闘技の教則本を買った俺エラい)を含め、13の技を覚えたリンであった。


そして燐の腕試しに週末の大会に出ることにしたのだが・・・・

会場に到着した俺は驚く。
なんとソコには初戦でリンに負けたハウリン「レオナ」とそのマスターがいたのだ。
しかも今回は新人戦じゃないので相手のレベルはさまざまな中で優勝するつもりらしく、上級ランカー達を挑発している。
俺はいそいそとその場を切り抜けようと思ったがすんでのところで見つかってしまった。
「おい、ソコの黒いジャケット」
声がかけられるが俺は無視して足を進める。
がヤツは全力疾走で追いつき。
「今度こそはお前の神姫をぼろぼろにしてやる〜〜〜」と呪うかのように言ってきた。
さすがにこういう人とは深くかかわらない方がいいのは分かっているのだが、相手が手を離してくれない。

ソコに放送が掛かる「IDナンバー188960、登録名、燐のユーザー様は至急本部へお越しください」
とのことだったので俺はソレを理由に逃げた。今度は全速力だ。さすがに体力では俺の方が勝っていたらしい。
559リンのマスター:2006/10/09(月) 01:48:03 ID:LV9b1GcS
人ごみの中に隠れるとそのまま受付を済ませる、とは言え今回の選手ナンバー票を受け取るだけだが。
そうして受付から出たところであの「ヴァッフェバニー」のオーナーを見つける。
すかさず俺は声をかける。
「こんにちは〜〜」
「あっ、この間の」
リンもコニーに挨拶をする。
「リン、こんにちは」
返事を聞く限り、以前のギスギスとした雰囲気はなりを潜め今はとても清々しい雰囲気をかもし出している。
そんな彼女を見て、俺は少し安心する。
だがマオチャオがからかうとやっぱり怒る。
その辺は変わっていなかった。
「やっぱり来ましたね。」
「いや、近所でリンっていう登録名の神姫ユーザーは貴方だけだったと思ったので放送聞いてこの辺で会えるかな?と探していたところでしたよ。ウチのコニーがリン燐ちゃん会いたいってしきりに言ってたので。」
見るとリンはコニーと話している。耳をすませてみると・・・・
「この場合は、敵に突進するよりも横に回避して次の攻撃に備えるほうが良い」
「そうなんだ、ありがとう。コニー」
「いや、じゃあ私のも聞いてくれる? 犬orネコがプチマスィーンを使ってきて・・・・」

女の子のする会話じゃありません。本当に(ry

とりあえず彼とはブロックが違うので昼飯時にでもまた会うことにした。
そうして指定されたブロック(体育館をテープでブロックごとに仕切って40型程度のモニターと端末。そして係員がいるだけだが)に移動する。
別のブロックの前を通りかかった。まだ朝の9時代だというのになにやら人が集まっていると思ったら・・・・視線の中心にはオーナーと思われる女の子とおそろいのセーラー服を纏った神姫がいた。
とても、とても目立っていた。今日は舞装神姫のイベントは一切無い。月に1度行われる地区大会だ。
なにやらこの大会はユーザーの中でも特に入れ込んでる人が集まりやすいらしい。
560リンのマスター:2006/10/09(月) 01:50:10 ID:LV9b1GcS
今日のリンの衣装は白いブラウスにブレザー、タイトなスリット入りスカートと結構目立つ。
いまは向こうの方が目立っているのでかまわないが、あんなふうに注目を集めるのはごめんなので今度からは気をつけることとしよう。

そうして指定されたブロック、Fブロックに付いた。ライバル達はすでに戦闘体勢だ。ナカにはモバイルPCとポータブルタイプの訓練機を使って今もトレーニングをしている神姫もいた。
俺もリンを急いで着替えさせ、係員にナンバー票を見せる。
試合は3試合目だそうだ。
ほかの試合中は俺が敵の特徴を分析し、リンはかばんの中で精神統一する。
これはどこかのアニメの影響らしいが良くわからない。
リン曰く敵の動きが感じ取りやすくなるそうだ。
そうして俺たちの番が回ってきた。
今回は大型の端末では無いのでマスターにも専用ゴーグルが渡される、それで神姫との視点を共有するわけだ。

初戦は訓練の成果が遺憾なく発揮され、40秒でKO。
第2戦は少し被弾したがハンドガンの弾なので気にせずフルストゥ・グフロートゥで武装を全て叩き落としてやった。
しかし第3戦。強敵が姿を現した。
相手のオーナーのランクはC、燐はまだ実戦経験が浅いため俺はDランクの下っ端だ。
いままでは同じDランクまでの相手だったがクラスが違うとなると敵のレベルが予想できない。
コレまでに無い苦戦は必至だ。

俺は燐に告げる。
「今回は裂空もガンガン使っていくぞ、それからアレも使ってやれ、もし敵が燐のデータを持っていたとしてもコレばかりは予想が付かないだろうから。」
「わかりました、ではいつもどおり運動量で相手を圧倒します。」
「よし、やるぞ!!」
561リンのマスター:2006/10/09(月) 01:52:12 ID:LV9b1GcS
戦闘が始まる。 敵はアーンヴァルだが自慢の翼はドコにも見当たらない。
変わりに燐と同じストラーフのパーツが取り付けられ、セカンドアームの右腕はアングルブレードやフルストゥシリーズを組み合わせた、スプラッター映画に出てきそうな禍々しさだ。
逆に左腕はクローが取り外され、ソコにビーム砲が取り付けられている。
バックパックには巨大なエネルギータンクが備えられていた。
そして本体は両腕にマシンガンを構え、肩のホルスターにはオート、リボルバー両方の拳銃、腰にはライトセイバーがちゃっかり装備荒れている。近遠両方こなせるようにバランス調整されていた。
一方燐はエアリエルを重視して、射撃武器はリボルバー(元から持っているものと例のイベントで手に入れたものだ)のみ。
他にもイロイロと装備は追加しているのだが、ここでは割愛しよう。

敵はまずマシンガンで牽制してくる。 燐は最初とは比べ物にならない、華麗とも見えるステップで回避。しかもそのまま身体を回転させ、空中で逆さまになりながら2丁のリボルバーを引き抜いて乱射。
1発が敵の胸に向かうもソレはセカンドアームで防がれた、がそれはコチラも同じだ。
ただ弾の数が違うためこちらの方がアームに負うダメージは多い。

が幸運にも最後の1発が敵のマシンガンの1丁を弾いた。
すかさず燐はフルストゥ・クレインを投擲するが敵も同じくフルストゥ・グフロートゥとフルストゥ・クレインを連結して投げてきた。質量の差でフルストゥ・クレインは弾かれて連結刃が燐に向かう。
燐はセカンドアームのクロー。唯一連結刃の強度に対抗できる爪の部分。それを頼りに手刀の形を作り。刺すようにして突き出した。
独特の金属の衝突音が響き。連結刃は壁に突き刺さる。
しかし燐のクローの爪も2本ばかりが折れてしまった。
562リンのマスター:2006/10/09(月) 01:54:14 ID:LV9b1GcS
そうしているうちに敵は左アームのビーム砲を放つ。
弾速がマシンガンよりも遅いので燐は身体をひねるだけでそれをやり過ごすが、ソコに又しても連結刃が飛んできた。
そのまま受身を取るように前転して回避するが今度の連結刃は違う。ターンしてまたしても燐に向かっていった。
再び飛来する刃が決定打になることは無いが、燐は敵の距離をじりじりと開けられている。
間合いが遠くなるほど燐にとっては不利になる。
俺は燐に決断を促す。
「燐、隼を使え。これ以上距離を開けられると負ける
「分かりました、マスター!」

燐は連結刃に背を向方かと思うとバック転、と共に脚を広げて体を捻る。カポエラの技からヒントを得た隼という技だ。
予測できない角度からの遠心力を思い切りこめた後ろ回し蹴りを放つ。
神姫の運動能力だからこそ実現可能な技だった。
その蹴りが向かうは連結刃。しかし燐は足先の小さなナイフで正確に連結刃の中央、刃が無く、最も弱い部分を切断する。
そして着地と同時にレッグパーツの脚力を100%使ってのジャンプ。一気に相手との距離をつめる。

着地点に敵が砲撃してくるが、アームを格子状に構えて正面の防御を固め突進する。そしてサイドステップを多用して敵をかく乱しつつ距離をじりじりと詰めていく。
敵はエネルギータンクの重量が祟ったか速度が遅い。
燐はステップを踏むごとに、アームユニット背部にマウントされたフルストゥ・クレインのロックを解除していく。
563リンのマスター:2006/10/09(月) 01:56:20 ID:LV9b1GcS
そして距離がほぼアーンヴァルのレーザライフル1本分に相当する瞬間、燐は全力でジャンプすると同時にアームユニットをイジェクト。
さらにロックが外れたフルストゥ・グフロートゥを空中に放り出すとそのまま1回転し、オーバーヘッドキックのように蹴りだす。

フルストゥ・グフロートゥが敵の脚を貫いて敵を止める。
後は残りのフルストゥ・クレインでフィニッシュだ。
だが敵も黙っちゃいない。クローで反撃してくる。
クローはリンのレッグユニットを破壊したがリンの本体には傷ひとつ付けていない。
そうしてリンが敵の胸にフルストゥ・クレインでとどめを刺す。はずだった。

ザン、という音がモニターから出る。
ソレと同時に俺のゴーグルに表示されたのは負けを表す文字列だった。
燐はあと少しところで勝てなかったのでしょんぼりしながら敗因を分析する。
敗因は敵の本体のライトセイバーだった。
腰裏に装備されていたため、バトルが始まってからは俺もリンも存在を忘れていた。
ソレをギリギリで引き抜かれて蒼い刃が燐の腹を貫いたのだ。

「マスターすみません。負けちゃいました……」
「いや、リンが気にすることは無いぞ、ちゃんと相手の装備を把握仕切れなかった俺にこそ落ち度がある。
でも格上相手にによくやったと思うぞ、このペースならCランクに昇格もそんなに遠くない。」
「じゃあ、明日シミュレーションバトルに付き合って下さいね。」
「お、おう、約束だ。」

今回は3回戦で負けたので賞品は参加賞の図書券だったが、コレでリンに大好きなポ○モンの文庫を買ってやれたのは幸いだったかもしれない。


564インターバトル:2006/10/09(月) 02:14:06 ID:ix4eDXfx
毎度どうも、208です。
いつもバトルでしたので、今回は息抜きにアーンヴァル「マイティ」のほのぼの(?)話です。


「うっそだろ。なんでほとんどノーマルなのにそんなに強いんだよォ!?」
 相手神姫のオーナーが悲痛に叫ぶ。
 可能な限り装備を取り付け禍々しい形になっていた相手神姫、忍者型MMSフブキは、レールガン
の直撃でデッド判定を受け、ポリゴンの塵となって消滅した。
『対戦終了。Winner,マイティ』
 ジャッジAIが勝った神姫の名前を挙げ、そうしてバーチャル接続は解除された。
「マスター!!」
 アクセスポッドから出てきて一番、天使型MMSアーンヴァル『マイティ』は、自らのマスターに抱きついた。
「いい戦いだった」
 マスターはマイティの頭を人差し指でこしょこしょとなでる。マイティはこれが好きだった。
「ランクが規定値を越えましたよ。これでセカンドリーグに出られますね」
「そうだな……」
 ふふ、とマスターが微笑む。影の見える微笑。
「どうしたんですか?」
 めざとく見つけるマイティ。もう長い付き合いになるからな、とマスターは思った。
「いや……」
「あの、片足のストラーフのことですか」
 お前はどうしてそう的確に図星を突くのか。マスターは頭を掻いた。銃器類に対する高い命中適正
が売りのアーンヴァルらしいといえばらしいのだが。
「やっぱり、気になるんですね」
「不思議とな。彼らのことは妙に引っかかる」
 マスターはコートを羽織り、バッグを提げた。そろそろ本格的に寒くなる季節である。神姫は温度は
感じても寒いからどうということはないのだが、マスターは相棒を胸のポケットへ潜らせた。
「あったかいです」
「そいつはどうも」
 そのままセンターを出る。今や対戦センターはサードリーグならコンビニ並に建っていた。
「セカンドのバトルをする時は、この辺だと二駅もまたがなければならないな」
「あのストラーフは、やっぱりセカンド以上なんでしょうね」
「サードのネットワークでは見たことが無いからな。あの時はたまたまサードの大会で戦ってみようと
していたのか、あるいはあの後セカンドに上がったのか。……怖いか」
「少し。でも、わくわくしてもいるんです」
 マイティはあの片足の悪魔と、もう一度戦ってみたかった。なぜだかは知らない。彼女のことを思い
出すと、神姫の闘争本能プログラムが変に活性化するのだった。
「今日はセカンド昇格記念だな」
「えっ?」
 突然そう言われて、マイティはきょとんとした。
「好きなものを買ってやるよ」
「本当に!?」
「ああ」
「それじゃあ……」
 ふふ、とマイティは、マスターと同じように笑った。こちらは影は無いが。
「前から欲しかったものがあるんです」

 とあるテストコース。一台の黒いバイク、V-MAXが爆音を上げて賭けてゆく。
 しかし乗っているのは間違いなくマイティだった。フルフェイスのヘルメットを被っている。
 そう、V-MAXは1/12サイズのミニチュアエンジン付モデル。テストコースもラジコン用のミニサイズ
である。が、もともとが広大であるため1/12に縮小されたとしても、人が普通に走れるような広さである。
 倉庫を改装した行きつけのショップのコースでテスト走行をしているのである。
「まさかバイクを欲しがられるとは思わなかった」
 マスターはギャラリー席から、颯爽と駆け抜けるマイティを見ながら言った。
「俺も、バイクを欲しがる神姫は初めて見たよ」
 隣でV-MAXの調整をした店長が苦笑する。
 甲高いミニチュアエンジンの音は、その燃料が切れるまで続いていた。


565441こと十兵衛:2006/10/09(月) 03:57:55 ID:pFMHVRRX
皆さんすごいですわ…ほんと。
では自分も
「十兵衛の眼帯」
特にオチもなく、いうならば眼帯の解説?
では。
566441こと十兵衛:2006/10/09(月) 03:59:45 ID:pFMHVRRX
「あの、マスター」
「ん?どうした十兵衛?」
見ると少し顔が赤い…。
「なんといいますか…その、頭がぼーっとするんですが」
え、風邪か?最近の玩具はすごいな。やはりベッドとか必要なんだろうか。
「だ、大丈夫か?」
「はい、今のところは何とか」
むむ、しかしいつ病状が悪化するとも限らん。これはもうあいつしかいないな。
「よし、じゃああいつに見てもらおう」
「あ、はい…よろしくお願いします」



「ごめん!僕としたことがすまない!」
俺はいきなり謝られた。
「は?何だいきなり」
「うん、それがね…」
な、なんだ?一体俺の十兵衛に何があったというのだ。
せっかく治って自由になれたのにこれでお別れなんて無いよなぁ。
「…リミッターを設け忘れていたんだ」
へ?リミッター??なんだそれは?
「うん、十兵衛ちゃんに取り付けた左目が超高性能カメラアイなのは言ったよね」
「ああ、それがどうしたんだ?」
「このカメラアイはほんとに超高性能で、普通の神姫用カメラアイの十…いや、百倍も言いすぎじゃない。それくらいの性能なんだ。」
「そんなにすごいのか」
「普通のレーダーだけじゃなく、
ヴァッフェみたいに外付けしなくても
ソナーセンサー、サーマルセンサー、赤外線カメラ、衛星カメラ、スナイピングスコープなどなど、
ほぼすべての種類のありとあらゆるカメラアイがひとつに集約されているんだ。でも…たぶんそのせいだろうね」
「???」
もうおにいさん何言ってるか分からないよ。
「簡単に言えば、見えすぎてAIに多大な負荷がかかっているんだ」
「見えすぎ?」
「リミッターを設けていないと、このカメラは常に内臓しているすべてのカメラをフルに稼動させてしまう」
567441こと十兵衛:2006/10/09(月) 04:00:31 ID:pFMHVRRX
はあ、さっぱり分からん。
「本来神姫用に作られた物じゃないから、十兵衛ちゃんに来るその情報量は半端無い。その処理のためにAIがフル活動。そのせいで各部に異常な発熱が起こってしまう。冷却も追いつかないほどにね。で、神姫用に調整する必要があるんだよ。それがリミッター」
「と、とにかくこのままじゃやばいんだろ?」
「うん、じゃあ早速…いいかな、十兵衛ちゃん」
「はい、よろしくお願いします」
「頼んだぜ」
「まかせて」



「お〜い十兵衛〜」
終わったのかな。
「起きて良いよ、十兵衛ちゃん」
終わったみたいだ。
目を開き、私の視野に光が差し込まれる。
「え、うわぁ…」
「ん?どうした!?おい!お前!大丈夫なんだろうな!」
「だ、大丈夫だよ!調整は完璧だよぉ!両目を完全に同期させたし、カメラを切り替えて任意に選択できるようにもしたし、通常状態のカメラ性能にリミッターも設けたし全身の各部に冷却ポイントを設けて最大稼働時のAIに対する負荷を最低限に抑えたし」
「じ、じゃあ一体…」
「あ、あの!」
「「どうした!!」」
マスターとそのご友人がすごい剣幕でこちらに顔を向ける。
「ふぇっ」
私驚きのあまり腰を抜かしてしまった。
「あ、わりぃ…びっくりしたか」
「ごめんよ。どうだい?目の調子は」
「は、はい!すごいです!」
私は感動していた。こんなに世界が綺麗に見えるなんて…。
実は今まで何を見ているのかよく分からないときがあった。人の形なんでけど全身赤かったり青かったり、さっきまで部屋の中にいたのに見えているのは家を上から見た図だったり。結構めちゃくちゃで何度も頭が混乱していた。
「ちゃんと見えます!マスターが!」
568441こと十兵衛:2006/10/09(月) 04:02:12 ID:pFMHVRRX
「お、おぉぉぉ!!」
「ほら、言っただろう?完璧だって」
「あぁ、ありがとうな!」
「うん、よかったよかった…と、そうだ」
「?」
「リミッターについて少し補足」
「あぁ」
「このリミッターは十兵衛ちゃんが望んだときに任意で解除できる。たとえば十倍までしか拡大出来なかった物がが百倍に拡大出来るようになったり…みたいな感じで能力を向上させることが出来るんだ。」
「う、うん」
「でもそれとともにAIの負荷も増大するから注意して。最大稼働で連続五分位かな」
「五分を越えると?」
「ん?まぁ本来は十分はいけるんだけど、あんまり無理させちゃうと駄目だし、一応五分って感じかな。ちなみに連続稼働時間が五分経つと強制冷却が始まるから」
「強制冷却?」
「そ、これは冷却ポイントの位置のせいもあるんだけど、装備していた全装備を強制排除してAIを冷却するんだ。これから君がどうするかは分からないけどバトルの際は注意して」
「わ、分かった」
「ま、十兵衛ちゃんなら結構いいとこまでいけると思うよ?」
「へ、へぇ」
「なんたって全部見えるんだからね。どこに隠れても無駄だろう、だって見えちゃうんだから。どんなに遠距離に相手がいても、十兵衛ちゃんには見えるから先手も取れるしね。少しづつリミッター解除を使っていけば強制冷却も無いし」
「それは強いな…」
「うん。それにね」
なんだかマスターにご友人が耳打ちしている。
一体何を話しているんだろう?
「な、なに!?」
「事実だよ。十兵衛ちゃんの戦闘スキルは最低でもA+だ。今言ったのは最も考えられる理由さ」
「お、お前…すごいな」
「え?私すごいんですか?」
「あぁ、すげぇよ…十兵衛…お前は最高だぁ!!」
「ど、どうしたんですかマスタぁ〜」
569441こと十兵衛:2006/10/09(月) 04:03:01 ID:pFMHVRRX
マスターが私を抱き寄せすりすりしてくる。ちょっと、いや…かなり恥ずかしい。嬉しいですが。
そして頬ずりを止めると
「でも、俺は十兵衛を戦いに出す気は無い」
とまじめな顔をして言った。
「うん、言うと思ったよ」
とご友人。
「こいつは今まで十分すぎるほど戦ってきた。俺はこれ以上戦わせたくは無い」
え、私を心配してくださっているんですか?
「な、十兵衛」
「はい…」
「お前はどう思ってる?戦いたいか…戦いたくないか」
「あ、はい…確かに…もうあそこでの戦いはいやです。二度とあんな所には行きたくないです」
「そうか」
「で!でも!」
「ん?」
「本来の武装神姫の戦いはこの前のテレビで見たやつなんですよね?」
「あ、あぁ…」
「あれになら出てみたいんです」
「え」
「だって楽しそうだったから…その…。すいません、不謹慎ですよね…戦いが楽しそうだなんて」
「いや、そんなことはないさ。確かにあの戦いならはお前が体験してきたようなひどいのじゃないちゃんとした試合だし、確かに楽しそうだった」
「…はい」
「そだな…十兵衛がそういうなら考えようか」
「あ、有難うございます!」
「ふ、じゃあこれは僕からのプレゼントだよ」
「ん?何だこれは」
マスターと私はご友人が差し出したものを覗き見た。あ、これ…。
「ストラーフの初期装備セットだよ。君たちに進呈しよう。うまく使ってよ」
「お、おう、有難う…でもいいのか?」
「うん、余ってるやつだしね。とっておくのももったいないから」
「あ!有難うございます!!うれしいです!」
「ふふ、喜んでもらえて何よりさ。あ、あと…」
「「?」」
570441こと十兵衛:2006/10/09(月) 04:03:45 ID:pFMHVRRX
「紹介しよう。ミーシャ、おいで!」
「あ、そうか。お前ははじめて会うんだもんな」
「え?」
扉が開く。と一体の武装神姫が入ってきた…天使型だ。
「お久しぶりです」
「あぁ、元気だった?」
「はい、この通りです」
「ミーシャ、彼女が新しい君の友達だよ」
「はじめまして、私はミーシャです。よろしくね」
え、あ…。
「ほら、挨拶挨拶」
「あ、はい!は、はじめまして…じ、十兵衛です」
「十兵衛ちゃんね、よろしくっ」
「あ、は、はい!よろしくお願いします!」
「あ、ご主人様」
「ん?なんだい?」
「そろそろ仕事の支度を…」
「あ、これは失礼、遅れちゃうね」
「もうそんな時間か。悪いな」
時刻は朝六時半を回っていた。
「いやいや、良いってもんさ。そうだミーシャ」
「はい」
「彼と十兵衛ちゃんにバトルの登録方法を教えてやってくれないかな。頼んだよ」
「了解しました、ご主人様」
「よ、よろしくお願いします」
「よろしくな、ミーシャ」
「はい、何なりと」
「じ、じゃ行って来るよ!悪いけど鍵は任せるよ!」
「あ、あぁ行って来い」
「いってらっしゃいませご主人様」
「有難うございました!」
そうして長い一日がまた始まりました。
571441こと十兵衛:2006/10/09(月) 04:04:52 ID:pFMHVRRX
と、今回は以上です。
ほんと文才がorz
572リンのマスター:2006/10/09(月) 04:47:37 ID:LV9b1GcS
ども〜〜
投下があると信じておきてましたよ。

>>564
颯爽とバイクでサーキットを駆ける神姫。
絵になりますね。

>>441
十兵衛ちゃんすごいですね。
何でも見抜くその眼力・・・普通にやったら勝てなさそう。
高性能なデコイを使うとか・・・・そんな特殊なバトルありえない・・・・・
573441こと十兵衛:2006/10/09(月) 05:20:24 ID:pFMHVRRX
>リンのマスター氏
コメありがとうございます。
いつも楽しませていただいています。

〜補足です〜
ちなみに強制冷却中はもちろん動けません。レイズナーみたく。
あとリミッター解除時間の五分は素体の状態での話です。
ストラーフ基本装備だと連続2、3分が限度です。
装備の熱量で時間が変動する設定なので極力無駄な動きはしません。
仮面ライダーカブト?みたくコンパクトに攻撃するスタイルにする予定です。
なのでとにかく動く!みたいな戦い方をリミッター解除状態ですると、
すぐにぷしゅう〜っとなります。
さすがにこれくらいの制約が無いと強すぎる(汗)
ただでさえ地下出身で戦闘慣れしてる設定ですし。
574でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 05:29:32 ID:No/vXvS/
前回の経験を踏まえて、今回はほのぼの系で行きます。

「ジャロの身上相談所」(1/4)

朝だ…月曜の朝だ。また公に奉仕する5日間が始まるのだ。
ヴェル達はまだ昨日のバトルの疲れからか、まだ眠っている。
起こすのも悪いので、小さく「言ってきます」を言って出かける。

朝7時半、まだ受付開始をしていない市役所の入り口をくぐる。
「おっはよ〜ございま〜っす…。」
「おはよう、岡島君。」
「おう、岡島君、おはよう!まだ寝ぼけとるのか?もっとシャキッとしろ!
 シャキッと!」
あんたのシャキッとぶりが異常だよ…舘課長。

朝9時、始業のチャイムが鳴る。俺は4.5メートル四方の小さな部屋に、
申し訳程度に置かれたパイプ椅子に座り、会議テーブル2台をつなげた
テーブルにおいてある『予約表』を確認する。それにずらっと書かれている『予約者』。
今の俺の仕事は、厨房工房の子供が居る親の相談員である。
扉を開けて入ってきたマダムの日々溜まっている不安や愚痴を、
適切且つ妥当に聞いて、適切且つ妥当な答えを返してあげる…それを1日平均
10件ほど繰り返す…そんな仕事だ。
つーか、20代半ばでまだ子供も居ない独身男にそんな相談員役を押しつけるんだから、
全くココの市政はどうかしている。
もっと異性、特に若い女性との出会いが多い職場にさっさと異動したいものだ。
575でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 05:30:03 ID:No/vXvS/
「ジャロの身上相談所」(2/4)

そうしている内に、一人目のお客様が入ってきた。いかにも「宅の坊やが云々…」
と言い出しそうなPTAな風貌の『奥様』である。
「おはようございます。さて…今日の相談内容ですが…どのような?」
「聞いてくださいな…宅の政則ちゃんったら、15歳にもなって人形遊びに夢中に
なってますのよ!」
「ほう…人形遊び?(ドールのことか?)」
「そうですの!今テレビでもやってる武装…なんたらっていうお人形ですの?毎日
勉強もせずにそのお人形に話しかけて居ますの…ああ気持ち悪い!
何でも?聞いた話によると、20・30越えたいい大人までそんな物にムダなお金を
つぎ込んでるって言うじゃないですの!?世も末ですわね…!」
「ほう…それは興味深い。(その『いい大人』が目の前に居るんだよ…悪かったな
 ムダな金つぎ込んでて!)」
と、言ったその時である。
「ふぁ〜…よく寝たのだ。あれ?ここはどこなのだ?あ、マスター、おはようなのだ!」
「じゃ…ジャロ…お前…!!」
「な…なんですのこの子…?」
「は…ははは…これが奥様の言っていた『武装神姫』です…。最近、同じような相談が
多い物ですので、後学のために購入を…」
(やばい!非常にヤバイ!ここはどうやって切り抜けるか…)
576でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 05:30:44 ID:No/vXvS/
「ジャロの身上相談所」(3/4)

「あ〜ら〜!可愛いわね〜!お名前、なんて言うの?」
(あれ?)
「ジャロなのだ!イタリアごで、きいろのいみなのだ、マスターがつけてくれたのだ!」
「ジャロちゃんには、姉妹が居るのかしら?」
「おねーちゃんがふたりと、いもうとがひとりいるのだ。おねーちゃんたちはとっても
 やさしいのだ!でも、いもうとはやさぐれてるのだ!わるいこなのだ!」

ヴェル「くしゅん!」
ノワル「へーちょ」
コニー「でぇぇぇぇぇくしょい!…コンチクショウめ!」
ヴェル「だれか噂でもしてるのかしら…?そう言えばジャロの姿が見えないけど、何処
    行ったのかしら…。」
ノワル「ボク知らないよ〜?」
コニー「さ〜ね。大方でっかいウンコでもしてんじゃないの〜?」

それから、ジャロと奥様の歓談が数十分続いた。俺はとりあえず、
「息子さんの神姫とも話して見てあげてください、多分、息子さんの気持ちが理解できると
思いますよ。」
と言う決まり文句で納得して頂き、相談を終わらせた。
577でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 05:31:30 ID:No/vXvS/
「ジャロの身上相談所」(4/4)

それからと言うもの、何の因果か入ってくる奥様の今日の相談内容の全てが武装神姫がらみ。
最初は全く理解していなかった奥様方も、ジャロの姿、仕草に悩殺され、息子との相互理解
を深めるべく、軽やかにお家に帰って行った。

無論、デスクでもジャロの人気は衰える事を知らず、課の男連中は、帰りに買っていこうか
などといい、女性陣はジャロの大好物のシュークリームを上げて、その食べる姿に黄色い
歓声を上げたり…と、大人気であった。
まぁ最後に「今度から間違っても武装神姫を連れて来ちゃダメ」との課長の有り難いお言葉を
頂いた訳だが…。

終業時間となり、俺はジャロと一緒に帰路に着いた。
「きょうはたのしかったのだ!シュークリームもおいしかったのだ!」
「…そうだな、でも今度から背広のポケットで寝ちゃダメだぞ!」
「は〜い、わかったのだぁ…。」
ちょっぴり残念そうなジャロ、でも、彼女は気づいていない。昨日、偶然にも俺のポケットで
寝ていたおかげで、理解のない親に半ば強制的に捨てられる神姫達の命を救った事を…。
「お疲れさま、英雄。」

めでたし めでたし。
578名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 09:29:59 ID:RALerj4i
一週間ぶりにスレ覗いてみれば、なにこの投下ラッシュ!?
579D・D・D:2006/10/09(月) 10:57:57 ID:zG5wojlt
 ゴーストタウンを舞う銀翼と長大な砲身。
 対するは四腕異形を誇る重火器の塊。
 そのコアが少女の形状をしているためか――あくまでも優雅に火花が弾け、硝煙とイオン臭がただよってくる。
 ――そんな情景は、テレビの中だけの話ではない。
 はず。
 なのだけど。
「白子、ミカン取って」
「黄色くなるから嫌です」
「……犬子」
「臭いが移るから嫌です」
「…………猫子」
「(ZZZ)」
「………………黒子」
「了解しました、オーナー」
 『黒子』こと『私』、タイプ・ストラーフはオーナーのためにコタツの上のミカンをひとつ、持っていった。

 ――武装神姫。
 それはリアルとヴァーチャルの交点である。
 私たちの存在を紛い物と蔑するには、オーナーの方々からの思い入れが強すぎる。
 しかし唯一無二と賛するには、あまりにも交換が効きすぎてしまう。
 故にオーナーの数だけ私たちへの接し方があるといえよう。
 とはいえ、大まかには三つだという。
 バトルに参戦させる。日常のパートナーとする。そのどちらも選ぶ。
 程度の差こそあれ、おおよそそんなものらしい。
 けれど私は気づかなかった。
 何も選ばないオーナーも、確かに存在するのだということに。
580D・D・D:2006/10/09(月) 10:59:11 ID:zG5wojlt
 私が起動したのは今朝のことだ。
 長らく品不足が続いていたからなぁ、とオーナーは嬉しそうに語っていた。
 私の顔をのぞき込んでいたのは、オーナーだけではない。アーンヴァルもハウリンもマオチャオも、そのマスィーンズもだ。
 こんなにたくさんの神姫がいるということは、このオーナーは私たちにとても思い入れを持っていてくれるのだろう。
 そう思った、のだけれど。
「それではオーナー。私の名を教えてください」
 ネットワークを介して個体登録するには名前が必要。もちろんストラーフでも構わないのだけれど、このオーナーならきっといい名前を付けてくれ
「よし、黒子にしよう」
「……」
 オーナー、聴力デバイスに致命的なエラーが見受けられます。至急修理に出してくださ
「初めまして、黒子ちゃん」アーンヴァルが笑った。「私、白子」
「よろしく、黒子」ハウリンが会釈した。「私は犬子」
「よろしくなのだ」マオチャオが小さく飛び跳ねた。「猫子なのだ」
「仲良くやれよ〜」
 ひょうひょうとした表情で、オーナーは個体登録を済ませてしまった。
 ……文句はない。文句はないけれど、疑問はある。
 オーナー。貴方は私たちで何をしたいのですか?
581D・D・D:2006/10/09(月) 11:00:08 ID:zG5wojlt
 オーナーは私たちに対し、パートナーというほど愛情を注いではいない。
 寝床は百円均一のルアー・ボックスにハンドタオルを敷いたものだし、私たちのサイズにあった小物や服などひとつもなかった。
 けれど、バトルに参戦させるつもりも無さそうだった。
 武装はまるで初期装備のまま。ハウリン――犬子に至ってはアーマーがパッケージから開封されずじまいだ。
 テレビでバトルの実況を見ているから、興味がないわけではなさそうだけど……あ、チャンネル変えた。
「ゲームでもすっか」
 ゲーム機にコードを繋いでいくオーナー。いつの間にか起き出して2Pコントローラを持っているマオチャ――猫子。
「……ACのつもりはなかったんだが」
「昨日はオーナーが勝ち逃げたのだ! 今日こそ勝つのだ!」
「……りょーかい」
 ゲームが起動する。どうやら自分の好きにアセンブリしたロボットで勝負する格闘ゲームらしい。
 派手な3Dエフェクトと合成された駆動音が画面を踊っている。
 白子と犬子はそれぞれオーナーと猫子のセコンドの様な位置につき、テレビを眺めている。
 三回連続で犬子がコントローラに突っ伏したところで、私はオーナーに問いかけた。
「質問があります」
「んー、なんだ、黒子」
 オーナーはこちらを向かない。猫子の操るロボットを袈裟懸けに切り捨てている。虚構の破砕音が響く。
「バトルに興味があるのでしたら、私を参戦させていただければと思いますが」
 オーナーの手が止まった。
 振り向く。
582D・D・D:2006/10/09(月) 11:00:43 ID:zG5wojlt
「……どういう意味なんだ」
 私の方を向いたオーナーは顔をこれでもかと言わんばかりにしかめて、「嫌だ」と言った。
 それっきり、私の方を向いてはくれなかった。
 ……怒ってしまったのかもしれない。
 けれど、バトルが嫌いで、パートナーとしても見てはいないのだとすれば、オーナーは私たちに何を求めているのだろう。
「黒子ちゃん」
「!! ……アー……白子」
 銀翼で宙を滑ってくる白子は、私の隣――廊下の隅――に座り込んだ。
「……オーナーのこと、悪く思わないでね?」
 開口一番。何を言うかと思えば……。
「そんなつもりはない」
「なら、よかった」
「……ただ」
 ただ、オーナーが求めている物が見えない。
 私たちは、神姫は、オーナーと共に時を過ごすべき存在なのに。
 求める物が分からなければ、私たちの存在意義が……。
「……あぁ、うん、なるほどね」
 白子は頷き、苦笑した。
 それは妙に人間くさい仕草だった。
「私、一番最初の神姫なんだけどね。黒子ちゃんと同じように、何をしたらいいですか、って聞いたことあるんだ。そしたら」
583D・D・D:2006/10/09(月) 11:01:39 ID:zG5wojlt
「何を? 何もしなくて良いよ」
「は? ……あの、バトルに参加するとか、オーナーのヒーリングに努めるとか、色々あると思うのですが」
「何もしなくていい」
 オーナーは少しだけ、寂しそうに笑った。
「俺と一緒に生きてくれ」

 白子は私の顔を見ている。
「昔なにかあったのか、ただ寂しいのか、そんなのは私も知らない。でもオーナーは、私たちが私たちらしく生きていることを求めているの」
「……生きる意味を、存在意義を、自分で見つけろと言うのか」
 難問だ。
 ……だけれど、少しだけ、面白いと思った。
「じゃあ、私行くね。黒子ちゃんも、気が済んだら戻ってきてよ」
 ふわりと浮かび上がる白子。
「オーナー、寂しがってるから」
 いたずらっぽく微笑んで、宙を滑っていった。
「寂し……?」
 ……あ、そっか。
 怒ってしまったのかもしれない、って思ったのは。
 私だけじゃ、ないんだ。

 ――オーナーがコントローラに突っ伏したのと、黒子がゲームの才能があることに気づいたのは、共にそれから一時間後のことである。


 D(どこにでもいるオーナーと)・D(どこにでもいる神姫の)・D(どうってことない日常風景)――END。
584名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 11:23:24 ID:TjP9qBFL
おまいらのおかげで買う決心がついた。ありがとう。
585最低のオーナー(1/2) ダーク注意:2006/10/09(月) 13:09:09 ID:IOrxEOQ4
投下させていただきます。
非常にダークかつ救いようのない話なので、ほのぼのまたはバトルが好きな方には不快感を与えてしまうと思います。

_________________
「武装神姫をお買い上げいただきありがとうございます。」

武装神姫は精密機械である。それの取扱説明書は膨大な量の文章を必要とする。
その中の一文にこのようなものがあった。

・本製品には学習型のAIを搭載しております。本製品は、一般的な家庭用遊具として使用されることを前提に設計、製造しておりますが、万一、AIの感情データが弊社の規定した範囲値を超えた場合、お客様の安全を考え自律機能の停止を設計してあります。

所々記憶があやふやだがこんなんだった気がする。
要は感情経路が暴走した神姫は強制停止させられるということだ。

AIが暴走した神姫はその機体を停止させられる瞬間、とても強い感情を発する。
そしてその強すぎる感情は電波となって伝わり周囲の神姫と共鳴してしまうこともある。


私の神姫、ストラーフ型のレインはどうもそういうのに共鳴しやすい質だった。
たまの休日にバトル会場に遊びに連れて行ったときなんか、違法ドーピングを打った神姫に共鳴してしまい、大変な目にあった。
バトルでは破壊衝動を高めるため違法ドーピングをする輩が時々でるのだ。その副作用で感情の振れ幅が大きくなり規定値を越えて機能が停止させられてしまうのだが、そういった神姫の最期は凄まじく、感情経路を焼き切られる際に断末魔が襲いひどい電波を巻き散らす。
そんなの見てる人間でさえトラウマなのに、レインのような共鳴しやすい子がどんな影響がでるか。パニックを起こして白眼を剥いてしまいその間のメモリが空白になってたりしてた。
レインだけでなく他にも共鳴してしまった子も多く、このときの騒ぎはネットで大きく取りあげられたりもした。

ある夜ふと目が覚めた。
部屋が明るかったので目が覚めてしまったのだ。あたりを見回すと、部屋の壁に光がゆらゆらと揺れていた。
光の発生源をみるとレインだった。レインの瞳はバックライト照らされていて、その光は涙(潤滑油)で波状になっていた。

「レイン、泣いているの?」
「マスタ、起こしてしまいましたか…すみません。共鳴現象のようです。」
「共鳴!?体に異常はない?どこか痛いところは!?」
「大丈夫です、マスタ。特に異常はありません。ただ涙が溢れるのです。体が暖かいのです。」
「暖かい?」
「胸の奥がきゅうっとして心地いいのです。こんな綺麗な共鳴は初めてです。」

「マスタ、何だか嬉しいのです。」
「マスタ、たまらなく涙がでてくるのです。なんて心地のよい苦しみ!」
「マスタ、ああマスタ!」「マスタ、幸せです、ああ幸せです!」
「マスタ、大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好き大好きdai―」

異常だ。共鳴によって感情経路が暴走させられている。私はいそいでレインを強制終了した。感情の振れ幅が大きすぎる、このままだと共鳴元に巻き込まれレインまで壊れてしまうと判断したためだ。
この共鳴元の神姫はどんな壊れ方をしたのだろう。こんな深夜だ、バトル大会なんかどこも行われていないし、なにしろバトル用のドーピングとは思えない感情経路の暴走だ。
原因がわからないためレインを再起動させないままその夜を過ごした。

明けて朝、ショッキングなニュースが神姫コミュニティーを駆け巡った。
感情経路の暴走した神姫がオーナーを攻撃し、重症を負わせたというものだった。残された神姫のブラックボックスを調べたところ、凄まじいまてのオーナーへの執着が見られたという。
ロボット心理学の専門家は神姫の「壊く」といったAIの指示が暴走した結果、オーナーの独占欲につながり、新しい心理用語でいうところの『ヤンデレ』状態になったのだろうという話をしていた。
昨晩のレインの共鳴元も彼女であろう。コミュニティーには同じように共鳴したといった報告もいくつかあった。
586最低のオーナー(2/2) ダーク注意:2006/10/09(月) 13:12:14 ID:IOrxEOQ4
レインはまだ再起動させていない。
私は怖かった。あのときのレインが怖くてたまらなかった。
私に攻撃する可能性があったことにこわかったのではない、レインの剥き出しの感情が怖かった。

私は神姫をパートナー、妹の様な大事な存在と思っていたが、実際ペットいやただのコミュニケーションができるおもちゃとして扱っていたのだ。しかし、レインの剥き出しの感情、あれは人間のそれと変わりなかった。
神姫のAIは人間の感情をトレスしたものである。だったら!あれは小さいけど、機械の体をもっているけど、血は通ってないけど、人間とどこが違うのか!
今まで私はあれにカスタマイズと称して体に奇形とも思える改造を行ってきた。
インストールと称してありもしない能力を詰め込んだ。
さらにバトルと称してあれにあれと同等のものを破壊させていた。

そのことに気付いたとき、私は神姫が、レインが怖くてしかたがなかった。

あれ以来レインを再起動することも処分することも、触れることすら出来ずにいる。
私はレインの使用耐久年数が過ぎ、バッテリーが使いものにならなくなり、強化外装が割れ、オイルが腐る、つまりはレインが自壊、肉体の死亡が来る日を待ち続けるしかないのである。

__________________
以上です。
こんな文章書きましたが、ほのぼのもバトルも大好きです。

非常にビクビクしているので自宅の黒子の股を開けたり閉じたりして慰めてもらってきます。
587名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 14:43:01 ID:4WR1vXm9
すごいダークだなぁw
神姫ってものすごくデリケートなんだよなぁ、本来
588名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 15:32:59 ID:/zNI2u+h
個人的にはかなり面白かったですよー。
ほのぼのとしたオーナーとの面もあれば、こういう暗黒面もあってこそだと思います。
ダークというよりかは、『裏側』『本質』を見たという感じでしょうか?
好き嫌いがあるとは思いますけど^^;
589名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 15:41:08 ID:bKdGB9Vw
ごめん

こういうのすげぇ好き
「光あるところ影がある」って真理だよなぁ…
590名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 16:07:50 ID:8SCazGHr
しかもレインて名前でニヤリとさせられてしまった
関係ないかもしれんが
何にせよGJ!
591リンのマスター:2006/10/09(月) 16:19:55 ID:LV9b1GcS
お二方とも良いですね〜〜
DDD氏の「共生きるって」感じ好きですよ。
黒子ちゃん視点で話が展開されそうで期待しちゃいます。


585氏のは自分の描いてるストーリーの正に裏側。
でもそれはどんな神姫にも起こりえること。
リンのアレもそういった視点で見るとやばいのかな?なんて思ったり。
ともあれGJでした。
592 ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:48:04 ID:7KXoGPeE
ダークもOK?
っしゃ、初参戦。まだ夕方ゆえお子ちゃまには早いがエロもあり。
キライな人はすまんがスルーして。

特殊な設定使用。
少し長い、9レス分連投予定なので、できれば割らないで。スマソ。
593Pale Perfect Plastic Princess 1/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:50:08 ID:7KXoGPeE
<<Pale Perfect Plastic Princess>> 〜抄〜

……『我が神姫、最強なり!』……

 つけっぱなしのモニターに、派手なBGMに乗ってけばけばしいCGの文字が躍る。
それに合わせて、特撮物のTV番組に出ていそうな若者と生意気げな子役が決めポーズを
取った。
 (最強…か。)
 控えめに見てもひと月は掃除をしていない、そんな雑然とした部屋の中。
 くたびれて崩れ落ちそうなソファにくたびれて崩れ落ちていた男は、消し忘れたモニターを
どんよりと力ない目で睨みつけた。
 視線を流した先、荒れた部屋の打ちっぱなしの壁で、古ぼけた時計が午前11時を指す。
埃まみれの、いつ買ったのかも思い出せない時計だが年に1分と狂うことがない。
 大きな、汚れた窓ガラスには、強烈な昼の光が踊っていた。無慈悲な何者かが、その時
刻を男に大声で復唱してでもいるように。
 くたびれた中年の男には強すぎる光が、窓辺の、彫刻のように腰掛けてうつむく純白の
“武装神姫”の肢体を残酷に照り輝かせる。
 寝返りを打ちながら低くうめいていた男の動きは何かに吸い取られるように止まり、音が
絶えた。
 真珠色の武装神姫“アーンヴァル”を、憑かれたように見るその眼差しは、愛しみか、
憎しみか、哀れみか、憧れか、それとも懺悔か、祈りか。

 半身で起き上がった男は、低く通る声で神姫アーンヴァルに呼びかけた。
 「…コード=セラフ、来い、俺のところへ。」
 動かないのではないかと見えたアーンヴァル“コード=セラフ”が、男の声と共に溶けるよう
に優雅にしなやかに動き出す。その動きはあまりにも自然で、一切の無駄がなく、柔らかく
力とフェロモンに満ち、例えようもなく美しく、恐ろしかった。 生気の無い人形の仮面でしか
なかった顔に、朝霧を思わせる淡やかな微笑が浮かぶ。それは見るものを一瞬で虜にする
言い知れないものを含んでいた。
 コード=セラフと呼ばれた神姫は、窓辺からほんの二、三動作で数メートル離れた男の目
の前に降り立った。
594Pale Perfect Plastic Princess 2/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:51:08 ID:7KXoGPeE
 わずか15cmの、電子とプラスティックの妖精。
ゆらゆらと定まらぬように思える硬質のアイ・カメラは、しかし男の目だけを一心不乱に見
つめている。
 男は愛しさに感極まったか、或いは何かを恐れるように、震えがちな手をコード=セラフ
に伸ばす。
 コード=セラフの微笑が、官能の快感をすら得たようにあでやかにほころんだ。
 男は伸ばした手でセラフの小さな頬を一撫でし、続いて傍らのローテーブルにもつれて
いた繊細そうなコードを手繰った。ためらうことなく、男の手がコードをアーンヴァルの背中
側にあるプラグに挿し繋ぐ。コード=セラフは、一瞬ピクリと身を震わせ、ゆったりと動きを
止めた。
 男は、セラフが完全に動かなくなるのを待ち、テーブルの上の別のコードをまさぐる。
手にした中指ほどのコードの一端は、床を長々とのたくり、壁際のなにやら大仰な複合
型サーバのような機器に接続されている。その装置からは先ほど男がセラフに接続した
コードも延びていた。
 男はおもむろにコードの先のジャックを自分の後頭部に持っていき、手探りで髪を掻き
分け、迷うことなく延髄付近に冷たく光るプラグに差し込んだ。
 ぐっ、とくぐもった声がして男の体がのけぞり、眠るようにソファにへたり込んだ。
 男の意識は別のファクタ、別の因果、別の法則に従い、めくるめく次元の扉をくぐった。
 未だ、限られた人々しか踏み入れたことのない世界。ヴァーチャルワールド、サイバネ
ティクス・マトリクスの規定する電脳界、“ネオロディメンション”へ。

 男は、失神に似た意識の断絶に続いて訪れる拡散し落下する感覚の中で、パニック
に飲み込まれそうになるのをかろうじて耐える。
 (大丈夫だ、大丈夫…。いつものことだ、事故なんて起こらない。大丈夫…。)
 あやふやだった身体感覚が急速に戻るのと同時に、不規則な運動のベクトルが消失
し、自身と自分以外の全ての間の新しい原理が固定されていくのを感じる。
 世界は、生まれた。
595Pale Perfect Plastic Princess 3/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:52:27 ID:7KXoGPeE
 しばたいて開いた男の目の前に、今しも歓喜に叫びだすほどに身悶える絶世の美少女
が立っていた。
 透けるほどに白い肌は瑞々しく柔らかな曲線を描き、真珠のように内から輝く。白金を
細く細く糸にして織り紡いだような髪がゆたかに肩から背中へと流れている。
 男より頭一つほど低い、ほっそりとした体。少女特有の青く甘酸っぱい淫らさを、これ以
上はないほど男に見せつける。若い硬さと青い瑞々しさに満ちていながら、男を狂わせて
逃さない女のねっとりとした蜜の匂いをかすかにまとっていた。
 セルリアンブルーの、焼け付いた晩夏の高く冷え切った凍死しそうな空の色をした少女
の目。
男の全てを視線で奪い、縛りつけようとする激しさで、青く蒼い目が男を、男だけを見つ
めていた。
 整った顔立ちは、元の、“神姫”と呼ばれた作り物の面影をそのままに再現している。
人間と言う卑小で醜悪な有機体が得ようと欲し得る能わざりし、完璧な造形、完全な美。
神性の美姫。
 男は我知らず、少女に引き寄せられ一歩踏み出した。少女の腕が大きく広げられ、身
にまとっていた虹色のヴェールがさらさらと脱げ落ちる。
 だが、少女は発作に襲われたようにその姿勢のまま小刻みに身を震わせ、動こうとしな
くなった。否、動けないのだ。少女の整った顔には、かすかに異なった表情が次から次へ
と現れては消え、入れ替わっていく。青く蒼い目の色が秒単位で変化し、少女の目の中で
膨大な時間がループする。
 ほうっと、男の体から力が抜けて、ため息と共に少女の足元にすがりつき跪いた。男は、
着衣もなく、くたびれた、それでいてかつては荒々しく鍛えられた体を、少女の穢れ一つ
無い白い裸体に巻きつけるように重ね、ゆっくりと押し倒す。
 「マス…ター…。」
 大気に溶けてしまいそうな少女の声が、この世の終わりまで残り続けるほどの熱気で
男の耳朶に絡みつく。
 男が返事を返す間もなく、少女は男の耳に口づけし、暖かいマシュマロのような舌が
這い回り嘗め回り耳に甘やかな唾液を流し込んだ。
 無抵抗の少女の華奢な体を、男は締め付け、かかえてのしかかる。張り詰めたすべ
すべの肌を、手でも目でも口でも楽しみ、少女の淫らなあえぎを耳でとらえ、青さと甘さの
混じった女の匂いを存分に吸い尽くす。
596Pale Perfect Plastic Princess 4/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:53:30 ID:7KXoGPeE
 男はもう抑えが効かなくなっていることを呆然としながら理解する。少女の弱々しげで
幼い体を力任せに弄んでいながら、少女こそが自分を支配し奴隷のように操っていること
を認め、受け入れ、男は服従した。
 「マスター…、っあ!マスター!っはぁン!」
 「…あぁっ!はっ、はぁっ!」
 高く、低く、少女の切なげな声が漏れ、性の快感に可愛らしげな息が荒ぐのがわかる。
それでもなお、少女の体はカタレプシスにかかったように硬直して見えた。
 だがそうではなかった。動こうとして少し腕をあげ、そこで急に別の意志が逆の側の足を
反らせようとし、男の頭に伸ばしかけた手を同時に男の胸板に這わそうとしている、そんな
矛盾した無数の動きが、連続し終わりの無い一連の痙攣となって少女の体に現れていた
のだ。
 少女を縛る痙攣と同時に、少女の目の青もまた嵐のような激しさで色合いを変え続けて
いる。
 夢中になって少女の裸体をむさぼり奉仕する男は、少女の様子に一瞬、動きを緩めた。
その顔にはあきらめとも絶望ともとれる呆けた表情が浮かぶ。
 男は何かに突き動かされたように、少女の肌をねぶり舌で少女の硬く尖った乳首への
奉仕を再開した。目尻に一筋の光るものをこぼれさせながら。
 男は少女の体を隅々まで撫で回して、いじくり倒す。少女は甘え興奮しきった嬌声を
あげて応える。
 「マスター愛しています愛しています愛して愛して…ピッガッあああっ!あんっ!あっあん!
あんあんあ…ギギッあっー!アンタいい!いいわアンタ!アンタ好きよ好きよすk…シュッ
んはぅん〜こわ、こわれちゃうぅ〜ん、ん!ん!ん!ぃぃよおぅきもちぃ〜い!…」
 少女のあえぎが、何人もの何十人もの声音で快感の叫びで男の耳を打つ。
 やにわに男が太く猛った陽物を、押し開いた少女の秘割れにあてがう。少女の蜜つぼ
から噴き出す透明なぬめるシロップをまぶしながら膨れ上がった欲望の肉を、ぬぷり、
ずぶりと押し込んだ。
 「っ!!!あっー!!!」
 とろけるほどに柔らかな少女の淫肉の壁が、隙間なく男の陽物を取り包み異常な圧力
で潰しちぎるように締め付ける。
 少女の奥からしとどに溢れつづける女のシロップだけを頼りに、きつくて息が詰まりそう
になりながら、陽物を無理やり少女の狭く小さな秘穴に押し付け押し込み、引きずり出す。
597Pale Perfect Plastic Princess 5/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:55:03 ID:7KXoGPeE
 少女の体は相変わらず痙攣するような動きで自由になっていない。が、糸の切れた人
形のようなその細い体は苦痛とセックスの快感に強くビクッビクッと繰り返しのけぞっていた。
 男は機械のように執拗に淡々と少女を攻め、陽物を無理やりに抽挿し、必死で動き続
ける。
 少女に強制的に与えるセックスの快楽が、少女の狂った動きの中の力が、少女から漏れ
出る声が、男の手からこぼれ去ってしまいそうな何かをかろうじて留めているとでも言うよう
に。どこからか、馬酔木の花の匂いがした。
 やがて、永遠ともいえる快感と苦痛と疲労の果てに、男も少女も汗みどろになって、混濁
した絶頂へと追いやられていった。
 男は、自分の精液が少女の中に音を立てながら放ち溜められるのを感じた。自分の陽物
の、ビュクビュクと打ち続ける脈動に、少女のぬめぬめと光る裸体も反応しているのを、か
すれる視界の中に捉えた。
 意識がブワッと嬲られるように揺らぎ、男は不安な闇に溶かされる苦痛に引き込まれて
いった。
598Pale Perfect Plastic Princess 6/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:56:22 ID:7KXoGPeE

 …宿酔いより悪い。頭蓋の内側を引っ掻き回されたような痛みと掻痒感が吐き気を伴って
襲ってきた。
 男は、思わず開ききらない瞼を無理やりこじ開ける。
 「……。」
 にごり水を流したようにゆがむ視界。見慣れすぎてしまっているため、ぼんやりしているのに
そこが自分の部屋だと無意識に認知する。男は焦点の定まらない目で、正面のローテーブル
の上に二つの形を見つけた。微動だにせずうずくまる神姫コード=セラフと、その白い肢体を
守るように寄り添って抱く黒光りする別の神姫、ストラーフ型の姿を。
 主人が目覚めたのを感じ取り、ストラーフ型の神姫が男を見上げた。見せ掛けではなく、
本心から心配そうに問いかける。
 「マスター…。目が覚めたの?気分は?」
 「………。」
 最悪だ、という慣れっこになったジェスチャーを無理におどけたように返す。窓の外はまだ
明るい。どれくらいあそこに居たのだろう。どれくらい…あれをしていたのか。時計を見る気
にもなれず、ぶり返した軽い吐き気に男はよろめいて立ち上がった。
 「あ…。」
 ストラーフは、抱きかかえていた神姫コード=セラフをそっと離し、体のバネを活かしてビュンッ
と跳びあがった。
 15cmの小さな人造の肢体が、目にも止まらぬ素早さで宙に舞う。雑多な家具の間を抜け、
ふらつてキッチンへ向かう男の前方をまるでサポートするように行き交った。
 キッチンで蛇口をひねり、むかつきを我慢しながらグラスに注いだ水を飲み込む。シンクに
戻そうと手探りするグラスを、いつのまにかそこに居たストラーフが受け止めて片付けた。
 「マスター…、今度も、また?」
 「…しゃべりたくない……。」
 男はうつむいてキッチンにもたれ掛かったまま、くぐもった声でストラーフに応えた。
 「しゃべりたくないんだ…、リリス…。」
 “リリス”と呼ばれたストラーフは、黙って男の肩にそっと跳び乗った。自分の身長よりも
大きな男の頭にそっと身を寄せ、人の指先ほどしかない小さな手でなだめるように男の髪を
なでつけた。
599Pale Perfect Plastic Princess 7/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:57:56 ID:7KXoGPeE

 時計は午後十時を回っていた。
 相変わらず雑然としたままの自分の部屋で、男は中背の若者と対面していた。
 そのどこにでも居そうなダークスーツを着た若者は初対面だったが、代理人(エージェント)
と名乗る同類の人物が男のもとにやってくるのは既に日常となっていた。
 エージェントが仕事を依頼し、男は依頼を受けて報酬を得る。無論、男には依頼を断ること
もできるが、滅多なことでもなければ大概は受けた。相当に危険と思われることも。時には人
には話せないようなことであっても。男には報酬が必要であったから。自身の食い扶持を稼ぐ
こと以上に、室内の大仰な装置の維持費と、神姫たちの糧を稼ぐために。

 エージェントとしてやってきた若者は、年に不相応な尊大な態度で男に対していた。
 はっきりと言う事は禁じられているが、自分が所属している“企業”の名に奢っているのだ
ろう。
 男の部屋の中央付近。ローテーブルを挟んで置かれた一人掛けの椅子に、若者は足を
組んで座っていた。ソファの男を見下すように凝視しながら事務的に依頼の内容を伝えて
いく。
 「…というわけだ、解ったか? 我が社の分析チームの出した情報だから、間違いはない
はずだが、万が一にも失敗されては困る。違法なフレームに“武装神姫”のAIを搭載するの
は、もちろん違法な改造で我が社の権利を侵害する。それを窃盗に用いていることも問題
だが、『武装神姫は犯罪に使用されている』などとマスコミに煽られては煩くてたまらんのだ
よ。…解るだろう、“あんた”なら、な。依頼は以上だ。速やかに、確実に、ターゲットを“排除”
すること。期限は48時間。それ以上は当局が具体的な物証を掴んで動き出す可能性が高い。
いいな?」
 「受けよう。だがその期限をつけるなら、報酬は5割増しだ。」
 「おいおい、条件を付けられるご身分なのかね、あんたが。」
 若者の高飛車な態度にも動じず交渉を口にした男に、若者は無理やりおどけた調子で
応じようとした。交渉するということが理解できていない若造の冒しそうな過ちだ。今の時代
に“企業に属していない/はじき出された”、自分より格下の相手に「依頼の報酬を一銭で
も吊り上げられるのは自分のビジネスの負けくらいにしか考えられない」ことの浅はかさに、
気付いていない態度だった。
600Pale Perfect Plastic Princess 8/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 16:59:18 ID:7KXoGPeE
 「充分な額じゃないか。ここで欲をかいたって仕方ない。これ1件で終わりってわけじゃあ
ないんだ。印象悪くして仕事にあぶれるなんてバカらしいと思わんかね? それに…あんた
にとっちゃ、たいした手間でもないんだろ? …あんたに、というより、その神姫にとっては、
ってところか…」
 一人でべらべらとしゃべりながら、若者はローテーブルの上にうずくまっていた神姫“コード
=セラフ”を見つけると、無造作に手を伸ばす。
男は、伸ばされた若者の腕が千切れ飛ぶほどの勢いで払いのけた。
 「俺の神姫に、触るな小僧!」
 「っ!な、なんだと…」
 カッとなり声を上げて男を睨んだ若者は、男から吹き付ける強烈な怒気を目の当たりに
してたじろいだ。
 正面に座ったまま上目遣いに若者に向けられた男の目は、その場で若者を殺すことも、
その手で文字通りのミンチにしてしまうことも、瞬時にやってのける目つきだった。若者は
遺伝子にかすかに残っているケモノの本能で危険を理解し、怖気立った。
 「………。」
 「!…。」
 男が無言のまま立ち上がると、若者は気圧されたようにつられて立った。
 まだ剣呑な色をした男の目が若者に、話は終わりだ、と冷酷に告げている。
 身の危険を感じた若者は、喉まで出掛かった言葉を飲み込み、ふて腐れた表情で男の
部屋から出て行った。
 苛立たしげに、部屋を横切る男の背に、それまで姿を見せなかった神姫ストラーフが
心配そうに追いすがる。
 「…マスター。」
 「…仕事だ、リリス。また手を借りる。準備しなさい。セラフの装備も一緒に。」
 「はい、マスター。」
 心なし、力を帯びた男の声に、ストラーフ型神姫“リリス”もまたしっかりと応えた。
601Pale Perfect Plastic Princess 9/9  ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 17:00:37 ID:7KXoGPeE

 ガサリとくぐもった音をさせて、男は古びたキャンパス地のダッフルを担ぎ上げた。
 ごつごつと重たげに見える布の中には、武装神姫と呼ばれる自律型万能アンドロイドの
様々な戦闘装備、火器、バックアップ用器具類、センサー、緊急修復用装具類がぎっしり
詰まっているはずだ。
 神姫と言う「人のもっとも身近にいるパートナー、生活に溶け込んだロボット」。
 人はその可憐な容姿に心和ませ、その驚異的な運動能力に喝采し、内に秘めた圧倒的
な戦闘力を讃え、熱狂する。自らの様々な思いをこの15cmの電子とプラスティックの妖精
に託し、伴に生活し、伴にバトルのステージへ挑む。ある者は我が子のようにそれを慈しみ、
ある者は先端の技術の結晶たるその物体を使いこなそうと望む。
 神姫と言う「人のもっとも身近にいるパートナー、生活に溶け込んだロボット」。
だがそれ故に、人は己の欲望をその“小さな奇蹟”の中に見出そうともがく。時にそれは
醜い性癖となり、時にそれはあさましい犯罪ともなり、時にそれは所有者たる人間同士の
争いにすらなった。
 西暦2036年。この時代に神姫と伴に歩むことを選択した、くたびれた男がここにもいた。
男は今また、神姫との歩みを刻もうとしている。日常と化したその歩みを。
 暗い室内に男が掛けた声に応じて、わずか15cmほどの小さな人影が二つ、俊敏に男
の身に跳び移り、外套の深いポケットにもぐり込んだ。
 「いくぞ。」
 男は、自分自身にか伴にあるコード=セラフとリリスに向かってか、一言そうつぶやくと、
部屋を出た。
 深夜の闇に、一条の光をたどって。

Continued?
602 ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 17:08:38 ID:7KXoGPeE
ありがとう、なんとか繋げてうpできた様子。あえて、流行のラノベ風でなく普通の小説風。
ところで、
1.ダークというよりハードな感じのも、アリか?
2.書いた奴が言うのもなんだが、神姫は萌えのほうがふさわし気ガス。それでもエロは、やっぱアリか?
というあたり、正直どうなんでしょね?この神姫エロパロスレとしては?

こんなクソSS読みたくもネーヨ(`Д´)=3 って感想はちょっと置いといてorzイジメンナヨ…
603でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 17:16:39 ID:No/vXvS/
>>593-601
(*゚∀゚)=3<おお…エロス&ハードボイルド…。
少し白髪の交じりだしたオールバックに無精髭を蓄えた
無骨な中年男の姿が見えますよ。
こういうエロカッコイイのも書きてぇなあ…。

などと言いつつ、現在ドキドキハウリンさんのココちゃんと
手合わせしたいなぁ…などと思っている俺ガイル。
つーか…書いちゃったんだけどどうしよう…。
604名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 17:16:49 ID:QtPidl1V
>>602
リアルタイムで読ませてもらいますた。なんつーか「ポリスノーツ」とか「スナッチャー」
みたいなサイバネティクスで退廃的な雰囲気が漏れ的にGJ。(奇しくも同じコナミだ)

神姫からみであるなら、萌えもエロも熱血も泣きもほのぼのもハードボイルドも受け入れ
つつあるのがこのスレって感じがするね。 少なくとも漏れはこの混沌とした空気が好きだw
605名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 17:20:59 ID:RALerj4i
>>602
いや、おもしろかったよ。
「エロパロスレなんだからエロがほしい」という義務的なエロなんじゃなくて、
ちゃんと世界観(の裏)を踏まえたエロが良い。

俺は、神姫にチンコこすってもらうようなSS書いてたけど、そういうのじゃ間が持たんと思った。
606名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 17:39:39 ID:/zNI2u+h
そろそろSSまとめサイトが欲しいと思ったり。
607名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 18:17:49 ID:4WmlUdwj
俺は人物相関図がほしい・・・。
608名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 18:34:39 ID:bKdGB9Vw
いいなぁ…いいなぁ!
含みのある話は大好物ですヨ!
あと正直ちんこたった

犬子いじりながら気分転換に…と思って覗くたんびに力作があがってるので
俺の犬子のパワーうpがちっとも進みません。もまえらどうしてくれる(w

>605
がんばって書くんだ! いやむしろそうゆのも見たいです。書いてください。す願い
609 ◆SSHandMXxU :2006/10/09(月) 18:52:22 ID:7KXoGPeE
レスありがとう。そうか、こういうのもアリなんだ。よ、よかった…。
>603
>無骨な中年男の姿
ああ、それとなく雰囲気伝わりましたか?少し安心したわ。

>604
>サイバネティクスで退廃的な雰囲気
サイバーパンクは男のロマンですよねえ(違う

>605、>608
エロ設定をどう扱うかは、実は迷うところ。伏線や含みも、独りよがりにならないようにビクビクもんですが。
武装神姫でエロ物やろうとした場合、
「15cmの神姫が、小さな体でご奉仕してくれる」妖精さん萌えエロのパターン、
「15cmの神姫がどうにかして大きくなるまたは大きなアタッチメント使用」のセクサロイドエロのパターン、
「15cmとか関係なくて人智を超えた夢で会いましょう」そうすればみんな幸せな夢オチエロのパターン、
「15cmとか関係無くすために理屈で物理障壁取っ払う」のが目的のワイヤード・ヴァーチャルエロのパターン…。
先人たちが積み上げてきたテクニックを振り返ってもスタンダードなところでこういったのを思いつくはず。
俺は一番下の、ヴァーチャルものをしばらく温めてたんで使うことにしましたが
案の定、それに理由を与えるためのヘリクツに振り回される羽目に。
ヴァーチャル・エロの場合、舞台になるストーリー内での位置づけが、
「その世界の住人は誰でも利用できるのか、一種のサービスか、制限があるのか、特殊な例でしかないのか」、
どのポジションを取るかによって、神姫のキャラ性までが大きく左右されますゆえ。
だって、誰でも神姫とヴァーチャル・エロいことできるなら、神姫の所有自体に年齢制限かかるかもしれないし、
神姫の存在自体がパブリックなものからオミットされる危険があるし。
多分、エロいもの読みたい神姫ファンの人たちでも、
「神姫は基本が電動ダッチだという設定に陥りそうな世界観」
には抵抗あるんじゃないかと。どうですかね。

ところで、こんな重ったるしい書き方のSSでも、スレで小分けでちょろちょろ書かれたほうが読みやすい?
それとも(有る無しは置いといて、もし有ったら)同人さんのように冊子でまとまってたりするほうが読みやすい?
610名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 19:18:33 ID:TjP9qBFL
>>609
「15cmの神姫どうしが、小さな身体でくんずほぐれつ」な百合パターンをお忘れで。
611441こと十兵衛:2006/10/09(月) 19:27:23 ID:gKpEjePq
>DDD氏
すごい…ほのぼのなのに少し切ない話ですね。
なんでもない日常ってって書くのむずかしぃorz
>585氏
ダークですね。
でも確かに神姫の本質を垣間見えた気がして世界が広がりましたよ!
>602氏
いいですね!GJですよ!
ハードとエロスが絶妙で続きが気になります。
あぁこのスレのSSが同人で出たら買ってしまいますわ自分。
612名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 19:41:14 ID:RALerj4i
俺が封印したネタだが、人間の脳波コントロールで動く柔王○に精神をダイブさせて、
それで神姫といちゃつく、っつーのもあるかも。
613名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 20:06:26 ID:bKdGB9Vw
>609
>「神姫は基本が電動ダッチだという設定に陥りそうな世界観」
>には抵抗あるんじゃないかと。どうですかね。
極論になるけど、それは神姫に限らずロボっ娘もののエロすべてが内包している問題だと思うんで、
個人的には割り切って考えることにしてるなぁ
っつーか冷静に世界観ひろげていくと、性欲処理みたいな事情は避けて通れない道だと思うので
その辺がいい具合にネタとして昇華されていれば『武装神姫』ものとしては大いにアリだと思う

や、もちろん普通にラブラブとかぬるぬるとか百合百合とかも大好きですがね

>スレ書き込みか冊子形態か
理想としてはスレに投下されたSSが冊子形態でまとまることかなぁ
ただ、冊子形態にするなら挿絵の追加は必須だと思う
読みやすさ、と言う点なら、ここはそもそもSSを投下するスレなんだし
分割の仕方やダーク系は一言入れるとかに気をつければ大丈夫なんじゃない?

あぁ…犬子のブースターを組み立ててやらなくちゃ…
614ドキドキハウリンの中の人:2006/10/09(月) 20:50:23 ID:+Htqtbnc
>>603
 YOUアップしちゃいなyo!
 すいません嘘ですごめんなさい調子に乗りましたむしろ読ませてくださいおねがいします。
 うちの連中に関しては好き勝手使ってもらって全然構いませんのでー。


>>585>>602
 神姫の心の問題まで行っちゃいましたか。某アンドロイドスレあたりと
同じような展開になってきたなぁ……。自分はそっち系のネタが大好物なので
むしろどんとこいですが。

 エロに関しては、>>605氏の意見に同意。そしてチンコこすってもらうエロも
当然読みたいわけで。
615でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:21:12 ID:No/vXvS/
>>614
OK、OK、じゃあお言葉に甘えさせて貰うぜ!
全8nになるので、出来ればしばらくレスはお待ちを。

注)主成分:バトル、ギャグ、パロディ、スラング少々
    少しでも暴力描写に嫌悪を抱かれる方は、読むことを避けて下さい。

「美少女戦士、登場!?」(1/8)

内なるコニー(何…?今アタシが見ているのは夢?幻?だってよ…アタシの目の前にいるのは…
      メ イ ド さ ん じ ゃ ね ぇ か よ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ!?)

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

話は数時間前に遡る。
さて、今日はセカンドリーグの第5戦目。
あれからコニーも冷静に戦いを行う事が出来て、現在通算3勝1敗。最初にリンちゃんと
戦う事が出来たのがいい結果になっている。あれからもリンちゃんとそのマスターとの
交流は続いており、戦闘データなんかもメールで送りあっている。2人はお互い良い
ライバル関係で居るようだ。
コニー「んっふっふ〜♪今日も華麗かつクールに勝利ですわ〜♪ああ…リンちゃんにも
    この勇姿を見せたいくらい…ラララ〜♪」
…連勝が続いて少し調子こいているような気がするが…?
コニー「それでマスター?今回のお相手は誰ですの!?」
「え〜っと…犬型のココと、マスターは…戸田静香さん、女性だね。」
と、
目の前に現れる、長く美しい黒髪を靡かせた…まばゆいばかりの知的な…まさに
『美少女』を絵に描いたような超美人。そしてその肩に乗る犬型の神姫、ココ。
そしてその超美人を前に心を奪われる……俺。

「お…岡島…です。今日は宜しくお願い…します(*゚Д゚)=3」
静香「初めまして、戸田静香です。こっちはココ、孤高に哮る者と書いてココです。
  そちらの神姫の事は聞き及んでております。『トリガーハッピー』のコニーさん
  …でしたよね…?クスwお互い悔いの残らない試合をしましょう。では…。」
そう言って白魚のような手と握手を交わすと、彼女は更衣室へ向かっていった。
616でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:21:58 ID:No/vXvS/
「美少女戦士、登場!?」(2/8)

「は…はぁ〜〜〜〜〜〜ぃ…(*゚∀゚)ノシ」
ジャロ「マスタ〜…どうしたのだ〜?」
ノワル「ありゃりゃ〜、完全にアッチの世界に行っちゃてるよ〜;」
ヴェル「マスターの…馬鹿!」

ぎゅむっ!

惚ける俺のほっぺを思い切りつねるヴェル。
「痛ってぇ〜〜〜〜!!何すんだヴェル!」
ヴェル「…知りません!!いいコニー!今回は絶対に勝つのよ!ギッタンギッタンに
   してあげなさい!」
コニー「フッ…お任せあれ!あっちがビューティーなら、こっちはクールに勝って
   みせますわ!」
内なるコニー(だ・れ・が・『トリガーハッピー』のコニーさん…クスwだ!?あんのアマ〜!
      てめぇの大事なワン公、目の前で穴空きチーズにして血風呂(ブラッドバス)に
      沈めてやるから覚悟しやがれよぉぉぉ……!!)

天の声『お〜い、どこがいい結果になってんだ〜…………?』
617でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:22:29 ID:No/vXvS/
「美少女戦士、登場!?」(3/8)

バトルステージは夜の繁華街。風俗店のけばけばしいネオンがそこかしこに光る。
これが疑似空間だというのだから、今の技術は恐ろしい。
バトル開始直後、漆黒のコートを羽織っていたココ。その軽装と攻撃方法から、
機動力を生かした近接戦闘重視タイプとであろうと俺は見た。
今回、ノワルのサバーカとGA4アームを装備させ、近〜中距離での高機動射撃戦と
一撃必殺の近距離仕様にしたコニーに、中距離を維持しながらの射撃を指示した。
その戦術が功を奏し、ココのコートに確実にダメージを与えていった。
コニー「フフ…どうしましたココさん!顔色が悪いですわよ?」
内なる(ry(ヘッ…!口ほどにもねぇじゃねぇか…!こりゃ楽勝か?)

ココ「……………!」
静香「………………!!」
どうやら2人は何か話し合ってる様子だが、何故かココの顔が…赤い。
何か起こると判断した俺は、
「コニー!右サブアームにフルストゥ・グフロートゥを装備、一気にケリを付ける!」
コニー「了解(アイサー)!」

だっ!

一気に距離を詰め、斬りかかるコニー。
コニー(ジ・エンドだ!!!)
と、

ぶわっ!

コニー「!?くっ!」
突如目の前に舞うコート、それを真一文字に切り裂くコニー。
その切り裂いた先にいたのは…。
618でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:22:59 ID:No/vXvS/
「美少女戦士、登場!?」(4/8)

メ イ ド さ ん で あ っ た。

しかも丸縁の大きな眼鏡に傘と旅行カバン所持。これで2つ分けの三つ編みお下げだったら
パーフェクトである。
ヴェル「は…?」
ジャロ「にゃにゃ!?」
ノワル「うは〜♪」
か…可愛い…いやいやいやいや!そうじゃなくて!コニーは!?
コニー「は…ひぃ?」
鼻水垂らしてぼけ〜っとしてるよ…。

一同呆気にとられる中、真っ赤な顔をして身を竦めるココ。
静香「どうしたのココ!とっても素敵よ!さぁ!行きなさい!」
って…!いつの間にか静香さんもメイド服に着替えてる!!?
ココ「は…はい!」
「こ、コニー!しっかりしろ!これは相手の作戦だ!一旦距離を取って様子を見る!
(ああ…でも静香さんのメイド服姿…超可愛すぎr)」

どごすっ!

鼻の下を伸ばしながら指示を出す俺の水月にヴェルから熱い渇が入る。
「うぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!何なんだょヴェルぅぅぅぅぅぅ!」
ヴェル「…フン!(マスターの…馬鹿!)」
コニー「りょ…了解!」
内なる(ry(…ちっ!ビビらせやがって…。コスプレ趣味の○女子がマスターかよ!
     大変だねぇ、そっちも!だがもうそんなハッタリは効かねぇよ!行くぜ!)

619でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:23:34 ID:No/vXvS/
「美少女戦士、登場!?」(5/8)

「コニー!相手は恐らく傘とカバンの中に銃火器を仕込んでる!こちらも弾幕を張って
距離を取りつつ、再装填(リロード)のタイミングを狙って一気に接近戦に持ち込む!」
コニー「了解!」
俺の予測したとおり、傘にはショットガン、旅行カバンにはヘヴィ・マシンガンが仕込
まれていた。ああ…ありがとう!30年前のピカレスク・ハードコア・アクション漫画!

…あ。

もしかしてコニーのあの性格って、あの漫画のヒロインの影響か?
そういやボディが出来てから、二つ分けから引っ詰め髪にして止めてた前髪下ろしたり、
初めての普段着は何が欲しいと聞いたら、「黒のヘソ出しタンクトップにデニムのホットパンツ!」
と即答したり、トライバル系の刺青を模したデカールを右肩に貼る為に深夜に一人セコセコと作成
したり、二丁拳銃のスタイルに拘り出したり…そうそう、キレた時の口調も何か似てるよなぁ…?

ガガガガガガガガガ!
ズドン!ズドン!

繁華街のネオンを砕く銃弾の雨あられ、2人は距離を取りつつ銃撃戦を続ける。

と、

一瞬銃撃が止んだ。チャンスだ!
「行け!コニー!」
コニー「言われずとも!」
620でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:24:09 ID:No/vXvS/
「美少女戦士、登場!?」(6/8)

だっ!

両サブアームにフルストゥ・グフロートゥを携え、一気に距離を詰める!
(あれ?確かあのメイドって漫画では…!!)
「いかん!離れろコニー…!!」
突如、『ごきげんよう』のポーズを取るココ。そのスカートの下から…
大量の手榴弾が現れた!やった〜!やっぱりそうだった!…って、喜んでる場合じゃない!
コニー「な…にぃぃぃぃぃぃぃ!?」

どっがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!

ココとコニーの間に起こる大爆発。
俺が指示を出すのが一瞬遅ければ、間違いなくアウトだった。
咄嗟にセカンドアームで防御態勢を取り、後方に飛び退いたコニー。
大破は免れたものの、セカンドアームは使い物にならなくなった。

ガコン!ドガン!

大破したセカンドアームを解除するコニー。
コニー「ハァ…ハァ…間一髪…だぜ…。マスターの一言がなけりゃ…やられてた…!!
   …でもあの距離じゃ、相手だってひとたまりも無いはず………ッツ!!??」

少しずつ晴れていく煙の中、人影が見えた。馬鹿な!あの爆炎でまだ立てるのか!?
あの子は半世紀前の映画に出てきた、未来から来た殺人ロボットか…!?
つーか、今がその映画における未来だったりする訳だが…って!そんな事は後々!!
辛うじて残ったカロッテP12カスタムとフルストゥ・クレインを装備し、CQCの体制に
構えるコニー。
コニー「さぁ…鬼が出るか蛇が出るか…!!」
煙が完全に晴れ、その先に現れたのは…。
621でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:24:40 ID:No/vXvS/
「美少女戦士、登場!?」(7/8)

しゃらんら〜ん☆

魔  法  少  女  で  あ  っ  た。

ふわふわのスカートに、ひらひらのドレス。入念に位置決めされたと思われる大きなフリル。
そして両手で抱えるのは、何処に隠していたのやら、妙にラブリーな装飾を施された
ロングレンジキャノン!
ココ「あ…愛ある限り戦いましょう!魔女っ子神姫ドキドキハウリン!
  ここに、はいぱー☆降臨っ!」

きらりぃ〜ん☆

何つー前口上だ…って、ああん…静香さんも当たり前の如く同じデザインの魔法少女ルックに
着替えているじゃないかぁ…☆嗚呼…なんて神々しく、超弩級に可愛い…

かっきぃーん☆

そんな俺のジュニアにケリをかますヴェル。
「うぐぅ…そ、それはキツイっす…ヴェルさん…」
ヴェル「…知らない!!」
そ…そういえば…コニーは…?
コニー「ぷ……………ふふふふふふふふふ…………………
    ぎゃはははははははは!!な…何それ…っ!?ま…魔法少女……?
    ぶふふふふふふふ!!け…ケッサク………くく……!!」
あらら…ダメだ…完全にツボに入っちゃってるよ…。
コニー「に…似合ってるわよ…そのコス…プr」
ココ「言うな―――――――――――――――――――――っ!」

ごっつんこ☆

魔法のステッキの一撃に、前のめりに倒れるコニー。
コニー「魔法…使って…ねぇじゃん…ガク。」
ココ「い…言うな…。」
622でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:25:16 ID:No/vXvS/
「美少女戦士、登場!?」(8/8)

静香「良い試合でした。今回は私もココも満足行く戦いが出来ました!
  ありがとうございます!」
「え…いえへへへへへ、こちらこsひてててててててて…」
鼻の下をのばしながら両手で握手をする俺のほっぺを全力でつねり続けるヴェル。
ヴェル(マ・ス・タ・ァ・の…………………馬鹿っ!!)
コニーはと言うと、
コニー「負けた…あんなコスプレ魔法少女に…負けた…orz」
思いっきりショックを受けているよ…こりゃしばらく尾を引きそうだ。


ジャロ「めでたしめでたし、なのだ!」
コニー「めでたくねぇよ……orz」
                    
        
                                        ギャフン END
623でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 21:41:50 ID:No/vXvS/
一応以上で今回のお話は終了。
んで、ついさっき作った即興後日談。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「美少女戦士、登場!?〜The after〜」

静香さんとココとの対戦から数日後、あれからコニーの趣味に幅が出来た。
と、言うよりも…

ぴろりろりろりろ…

きゅぴ〜〜〜〜〜〜〜ん☆

コニー「ラジカ―――ル☆コニーちゃん 参☆上!
    トカレフ・トカレフ・ケレンコフ♪ヘッケラーコックで――――――――
    見  敵  必  殺  ぅ !
    そ・し・て♪」
ココ「ま…マジカ――――――ル・メイド☆ココちゃん 参…上!」
静香「よかった!コニーちゃんなら喜んでくれると思ったの!」

ヴェル「こ…コニー…?」
ノワル「いいな〜、ボクもやりたいな〜!」

どうやら染められた…らしい。
いいな〜…俺も染められ…って待て!ヴェル!なんだその『100t』って書いてある
馬鹿デカい黄金のハンマーわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?


めしっ


                              ギャフン END
624名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 22:02:20 ID:XPsaGegd
うさ子好きになってきたの俺だけ?
625名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 22:05:45 ID:/zNI2u+h
なにげに私もでこちゅーさんのコニーが好きなんですが(゚∀゚)
626名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 22:22:11 ID:kIO49R/i
ブラックラグーンネタが出てきた時点でオイルとプラスチック片が飛び散る
バイオレンスな展開になるんじゃないかとヒヤヒヤした

コニーの場合は魔法少女じゃなくて魔砲少女になりそうだwww


627名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 23:06:33 ID:Fy4wWUUr
日時: 2006/08/08 12:18
名前: アバあき◆nsy0DcmY


膨大なログをざっと目を通しました。
前回は近場のログだけ目を通していただけなので全貌をつかめ切れていませんでしたが、私の言動がここまで皆さんを怒らせていたとは思いませんでした。
あまりにも浅慮にて軽率な行い、深く謝罪を申し上げます。
今回のことを省みて、今後は本スレには一切顔を出さず、画像の投下はwikiだけに自粛しようと思います。
私もやはり厨設定スレが大好きなので、私のせいで荒れてしまうのは心苦しいので、それには本スレに顔を出さないのが一番だと思いました。
謝って許されるようなことではないとは思いますが、申し訳ありませんでした。
それでは失礼いたします。



テメェのせいでSS大会もスレも大荒れした。使いまわしの絵で媚売ってないでどうにかしろ
628名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 23:07:08 ID:18m90RUh
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
629441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:14:15 ID:gKpEjePq
懲りずにまた書いてしまいました。今回は装備編です。

では
「十兵衛+狙撃=銃兵衛誕生」
です。
いきます。
630441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:15:34 ID:gKpEjePq
朝、今日は専門は休み。だというのに十兵衛は律儀にもいつもの時間に俺を起こす。
「マスター、起きてくださいっ!」
「うぅむにゃ…あと5分、いや5時間…」
「駄目ですマスター!!起きてくださいぃぃぃ!!」
そういって十兵衛は俺のシャツの袖をむき〜!!っとした表情で引っ張る。もちろんそんなことしても俺が動くはずは無いんだが。
しかし、
「いま商店街のスーパーで突発朝市セールしてます!行かないと!
マスターの好きな冷凍食品も最大7割引です!10時までに行かないと終わっちゃいます!
冷蔵庫の海老ピラフ無くなったじゃないですか!今見てみたら7割引だったんですから!買いに行かな…ひゃぁ!」
「よし行こう!すぐ行こう!今すぐ行こう!急いで行こう!」
俺はその海老ピラフという魅力的な単語を聞き、決心してぐわっと起き上がった。その反動で十兵衛が後ろにぐるんと転がって目を回す。
「だ、大丈夫か十兵衛!…ごめん」
するとこちらを見て困ったように笑いながら
「大丈夫ですよ、マスター。さ、早く行きましょう!」
と言った。
「おう!!」
俺は速攻で外に出て。自転車にまたがった。十兵衛は俺の胸ポケットにいる。
「よし、れっつらごぉ〜!」
「ごぉ〜!」
とペダルを踏み込んだ。
「しかし朝市セールなんてどっから情報入手したんだ?」
パソで巨大掲示板サイトの地域板でも見たのだろうか?
「え、言ったじゃないですか。見たって」
と言い、十兵衛の十兵衛たる所以である左目の眼帯…に偽装した超高性能カメラアイを指差した。
「え、うそん…見えたのか!」
「はい、とりあえず拡大モードでセールを確認して、サーモカメラ等のリミッターを解除、そして店内を見てたら発見しました!海老ピラフ!」
「す、すげ…」
「はい、これはお伝えせねばと!」
「おう、有難うございます十兵衛殿」
「いえいえ、礼には及びません」
と可愛らしくにっこりと笑った。
631441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:16:25 ID:gKpEjePq
しかし眼帯システムにこんな使い道があるとはな…。いやはや平和利用万歳。
そんなことやら話しているうちに商店街の真ん中に位置するスーパーに到着。
「すごいな…」
人、人、人、人の嵐だまるで人間の大海原や〜。
「よ、よし!行くぞ!」
「目指すは冷凍食品コーナー!!」
「レディ〜!!」
「ゴォ!!ですマスタァ〜!!」
勢い勇んで店内へ!が、しかし!ぐほあ!何だこれは!
ごふっ!この商店街ってこんなに人が集まる場所だったか?!
ぐぎゃ!店内は想像以上の大戦争…老若男女問わずさまざまな人間でごった返している!
エルボーやら体当たりやらが俺を容赦なく襲う!痛い!痛いぃぃ!
「マスター!大丈夫ですか!」
「お、おうよ…!お前こそ気をつけるんだ!」
「はい!大丈夫です!」
一目散に冷凍食品コーナーへ!あ、あったぁぁぁぁぁぁ!海老ピラフ!!
「海老ピラフゲットだぜぇぇぇ!!」
と2、3袋一気にかごの中へ突っ込ませる。
「よし!十兵衛!」
「はい!」
「今すぐ眼帯のリミッターを解除!他に安いものが無いか検索だ!」
「了解!マスター!」



「買ったなぁ…」
「買いましたねぇ」
「疲れたなぁ…」
「疲れましたねぇ」
と、スーパーからの帰り道、がっつり買い過ぎて漕げなくなってしまった自転車を押しつつ帰路につく。
「あ、マスターあれ…」
「ん」
見ると神姫ステーションがあった。わかった、わかったからそんな上目遣いで俺を見るなって。照れちゃうぜ。
「見てみるか?」
632441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:17:24 ID:gKpEjePq
「は、はい!」
俺はめちゃ重い荷物を手にステーションに入る。なかでは定期的…というか毎日のように試合が行われていて、かなり白熱している。あ、そうだ…欲しいパーツがあったなそれを買うか。
「十兵衛、なんだっけか?この前言った武装は…なっがいレーザー砲」
「えっと、GEモデルLC3レーザーライフルですね」
そうそうそれそれ。
「せっかくだから買っていこう」
「あ、有難うございますマスター!」
「まこれから必要になるしな」
昨日のことだ。



「さて…どう戦うべきか…」
「ですね…」
「動きすぎると眼帯が使えないし、装備が多すぎてもやっぱり眼帯使えないし…ただでさえ熱持ってるのにこれ以上装備追加するのも考え物だ」
「はい…」
「しかしストラーフタイプ自体は動き回って敵をかく乱する戦法が得意らしい」
「はい…私が地下にいたときも…同じでした」
「でもこれからはまったく逆、無駄な動きを軽減して最低限の動作で戦わなきゃいかんのか…」
「難しいですね…」
「ん〜…」
近距離…中距離…遠距離…遠くなればなるほどあまり相手に動かされることは無い。
となると…
「スナイパー…」
「え?」
「こちらから動かずに初期位置から相手を落とすにはスナイピングするしかないかなぁ〜と」
「スナイピングですか…なるほど」
「せっかくの眼帯もあるし、それを使えばいけるんじゃないか?」
「たしかにそうですね。いい案です!でも…」
「でも?」
「それに見合った装備がありません。その…長距離用武装が無いと」
633441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:18:31 ID:gKpEjePq
「そうか…ライフルか…」
「たとえばGEモデルLC3レーザーライフルがそれにあたります」
と十兵衛はパソコンを操作して白い長方形の大型銃を表示した。
「ふむ…」
「他には…吠菜壱式くらいですね」
今度はまるで骨のような形のゴツイ銃を表示する。
「う、うぅむ…」
「マスター?」
「ど」
「ど?」
「どっちがいい?」
「え…」
「いや、俺にはどっちも同じな感じがするんだが…十兵衛なら分かるんじゃないかなって。ほら、一応経験豊富だし」
「なるほどそうですね…スナイピングと考えると…
衝撃力はあるけど弾速に劣る吠菜よりはレーザーで連射は利かないかわりにそれに見合った攻撃力、
何より反動の少なさから言ってもLC3レーザーライフルの方が…向いているかと」
「よし、じゃあストラーフの装備を元として素体に付いてる肩のスパイク装甲は排除だな。
動きが妨げられるし、廃熱に支障が出るのはごめんだ。同様の理由で頭部にも何一つ装備させない。
…遠距離兵装はGEモデルLC3レーザーライフル、
これをジョイントで背中に接続、使用時はサブアームに接続しよう。中〜近距離用には…じゃあとり回しやすいカロッテP12とカロッテTMPに…左目とスコープを同期させれば有効に使えるはずだ。
さて近距離は…まずは左手首にM4ライトセイバー。基本的にはこれだけでいいと思うんだが…まぁ一応フルストゥ・フルートゥとフルストゥ・クレインを両レッグパーツ側面に装備させるかっ…とどうだ?」
俺はパソコン上でアッセンブルし、チェックした。
廃熱系統異常なし、バランス良し。問題の特殊性能、リミッター連続解除時間は3分15秒…。
「…合格だな」
「ですね!」
「よし、今度買いに行こう!」
「はい!」

634441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:19:27 ID:gKpEjePq


以上回想終了。
「マスター、他の武装はどうします?」
えっと…あと足りないのは…カロッテ二種とライトセーバーか…。
俺は財布を見た。あ、いける…。
「よし、買ってしまおう」
「やったぁ!」
そうして俺たちは必要な装備を手に入れた。
時間もあるのでちらほらと見て回る。
「あ、見てください!あれ!」
「ん?」
見ると試合の模様がモニターに映し出されている。
「うわ、すごいな…」
主にその神姫の格好が…。いや、戦い方もすごいが。
「かわいい〜ですね〜」
「あ、あぁ…」
あっけに取られてしまった。そしてその神姫のマスターを見てさらに魂消た…。
「おんなじ格好してるよ…」
「すごいですね…」
会場の熱気でよくは聞こえないがドキドキなんとか〜とか言っている。???なんだろうか。
それにしてもすごい戦いぶりだ…あれならファンもついてて納得だ。かわいくて強いのだから」
「すごいなぁ〜」
十兵衛はモニターに夢中だ。
「なぁ」
俺はふと思ったことを口にしてみた。
「十兵衛もあんな感じのかわいい格好してみたいのか?」
「へ?」
とこちらを向いて〜ぴたっと十兵衛の動きが止まる。そしていきなり顔を赤くさせて俯いてしまった。
「あの、十兵衛さ〜ん?」
「は、はいぃぃ」
「どうした?」
「いえ、想像してみましたら…とんでもなく恥ずかしかったもので…つい…その」
635441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:20:13 ID:gKpEjePq
「ははは、なるほどな。でも似合うかもな?」
「え、えぇぇぇぇぇ!?そそそそんな似合いませんよ!」
「またまたぁ〜」
「…いえ、似合いませんよ。私には…」
いきなりテンションがトーンダウンした。十兵衛は自分の左目を触りながら
「だって、こんな物々しい顔には似合うわけ無いですから…」
と悲しそうに微笑んだ。
「十兵衛…」
そうか。いくら眼帯に偽装して多少見た目を良くしても、やはりその異様な雰囲気だけは拭い去れない。
ステーションに入ってからもその外観から周りの人達にちらちら見られていたのだ。
本人は気付かないふりをしていたが、それでも時折悲しそうな微妙な表情が垣間見えていた。
そういうことだったのか。
「ごめんな、十兵衛…もっと早く気付いてあげればよかったのに」
「そ、そんな、マスター…謝らないで下さい…だって私はこの左目のおかげで私は私のままに生き長らえることが出来ているんですから…」
と一粒の涙。
「十兵衛…」
「こ、こんな私ですが…これからもかまって下さい…」
「な、何言ってるんだ!お前のマスターは俺だけ。俺の神姫はお前だけだよ、十兵衛」
「ま、ますたぁ〜うぇ、ひっく…」
「な、泣くな泣くな〜」
と人差し指で十兵衛の頭を撫でた。と十兵衛は俺にしがみつき
「うあぁぁぁぁぁぁぁん」
と号泣。面食らった俺は
「え、え〜!?泣き止んでくれよぉ〜お〜よしよし」
とアタフタしながらなだめる事しか出来なかった。



そしてステーション内のベンチに腰をかけてなだめること10分ほどでやっとこさ泣き病んでくれた。
「す、すいませんでした…また泣いちゃって…」
「強いのに泣き虫だなぁ〜十兵衛は」
「すいません…」
636441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:20:47 ID:gKpEjePq
と顔を赤くする十兵衛。なんだ、その姿が…あぁもぉ愛おしいねぇまったく!
「かわいいぞ」
とついつい言葉に出てしまった。
「へ?!」
十兵衛は顔をがばっと上げて驚きの表情を見せる。
「だから、かわいいぞ」
もう一度言ってやった。
「う、うぇぇぇぇぇ?!かかかかかかわいいぃぃぃぃ?!」
すごい驚きようだ。あまりの驚きように何故か笑いがこみ上げてくる。
「は、はは、はははははは!」
そんな俺を見てか十兵衛も
「はは、あはははは」
笑い出した。
「「ははははははははははは!」」
と二人の笑い声はステーションに広がっていた。このとき、何事かと周りから見られたそうだ。だが当の俺たちはまったく気付かなかったのである。あぁ恥ずかしい。穴があったら是非入りたい。立候補してもいい。
「さて、帰るか?」
「ふふ、そうですね」
「あ…」
「はい?」
「冷凍食品!!持ったまんまじゃん!!とけてるじゃん!早く帰らないと!」
「え、あ、はい!サーモ作動!大丈夫ですマスター!ピラフはもちろん他の冷凍食品もまだ原型を留めています!」
「よっしゃぁぁぁぁ!いくぜぇぇぇ!」
「はい!マスター!!」
俺は気合を入れ、袋をドサッとかごにのせ、自転車をぐいっと押して家まで突っ走った。
今度ステーションに行くのは試合の日かな…。そのときにでも服の一着や二着買ってやろうか。きっと似合うぞ〜…。
とか思いながら…。


637441こと十兵衛:2006/10/09(月) 23:23:32 ID:gKpEjePq
今回は以上です。
実はアーバインと言うよりは能力はサイトーだったという事実…。

しかし私も兎子がだんだん生き生きしてくる様を見ていると涙が出てきましたよ。
コニー良かったなぁ!
638でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/09(月) 23:31:37 ID:No/vXvS/
>>637
十兵衛ちゃん
>しかし私も兎子がだんだん生き生きしてくる様を見ていると涙が出てきましたよ。
泣くな泣くな…(;´Д`)ノシ

これからドンドンレ○ィ化させていくつもりなんだから…。
無論、首塚時代の話をすると死んだ魚のような目になって、「ハッピートリガー」が
発動しますよ…ぶぅ…ぶぅ…ぶぅ…。
639アルファ (1/5) ※ダーク注意:2006/10/10(火) 00:08:54 ID:QSObJy2i
出直してきました。304です。
私が問題なのは戦闘描写じゃなく愛が無いからではと思い
ちょっと”愛”を入れてみました。
どうでしょうか? (>人<)^

【注】汚いスラング、道具扱いされる神姫に嫌悪を抱かれる方は、読むことを避けて下さい。

↑でこちゅーさん、注意書き流用させてもらいました。こんな感じでいいでしょうか?


-”A”-

私はアーンヴァルタイプのMMS。
愛称はアルファ。
マスターが最初に購入したMMSだから。
”A”を指すコード。


闘技場へはマスターのセカンドカーで行き来する。
マスターが運転し、他の神姫たちは後部シート。
セカンドシートは私の定位置だ。
帰路。
戦績が悪いときは家までの一時、この位置は地獄に感じる。
戦績が良いときは天国だ。
運転中、マスターが私たちに言葉をかけることは無い。
それでも
機嫌の良いマスターの横顔を眺めていられる。
他の神姫たちの目を気にせずに。


640アルファ (2/5) ※ダーク注意:2006/10/10(火) 00:10:07 ID:QSObJy2i
ガレージに車を入れるとマスターはさっさと二階の居住区画へと階段をあがっていく。
他の神姫たちはこのガレージが兵舎となる。
指揮官機である私だけが二階に入ることを許されていた。
「今日はよくやった。
各自装備の手入れがすんだらゆっくり休め。
後はまかせたぞ、ブラボー。」
今日の戦闘データのやりとりを終えると私は二階へと向かう。
人間用の階段も飛行ユニットを装備したアーンヴァルタイプの私には苦にならない。
「失礼します!」
ドアにあけられたMMS用の出入り口
(元はネコ用だと聞いた)の前で声をあげてから5秒後に入室する。
マスターが入室を拒むときは何か返事があるからだ。
返事がないということは入室を許可されたと判断するのが常だった。

マスターはさっそくネットワーク端末に向かい、今日のニュースに目を通されている。
机の角へと飛び上がって、直立不動の姿勢をとる。
「戦闘結果のご報告にあがりました」
「ん。データ送っといてくれ」
ちらりと私を一瞥して視線をモニターへ戻す。
「マスター…」
私の言葉をさえぎるように小さくため息をつくマスター。
「ワイヤレスは情報漏れの危険性が高い。か?
ったく・・・」
ネットワーク端末につないだ接続用ケーブル、
その先を指でつまむマスター。
私はこれ以上ないくらい素早い動きで
自分の端子口をあける。
「接続準備完了!」
641アルファ (3/5) ※ダーク注意:2006/10/10(火) 00:10:53 ID:QSObJy2i
──!!
ズブリと一気に差し込まれる端子。
その衝撃が全身をかける。
カチリと私の奥に端子がおさまる。
声が出そうになる。
マスターはモニターへ視線を戻してネットワーク端末を操作しはじめる。
端子をくわえこんだ私の部分が熱くなる。
んぅぅ・・・
有線接続にどうしようもない昂りを感じる。
マスターの横顔。
マスターがネットワーク端末を操作する動作。
それを見て机の端で身悶えする自分。
…最低だ。
頭の中であらん限りの罵倒を自分に浴びせる。
でも
コアが熱くなるのがとまらない。
マスター!マスター!マスター!
………
……

「…だなぁ。まぁ、こんなもんか…」
ブッ!
モニターを眺めながら片手で乱暴に端子を引き抜くマスター。
「ひぁ」
思わず小さな声が漏れた。

642アルファ (4/5) ※ダーク注意:2006/10/10(火) 00:11:43 ID:QSObJy2i
本棚の隅。
何かの部品を梱包していた気泡緩衝シート
(プチプチのアレ)が私のベッドだ。
ここからだと部屋が見渡せる。
警備には最良のポジション。
そして、マスターの寝顔も。
武装神姫のAIは成長する。
それが武装神姫の魅力であり強さであると言う。
そしてAIの成長に失敗したものは捨てられる。


AM6:45
そっと、マスターの枕元へ降り立つ。
寝息でマスターが熟睡していることを確認する。
「…マスター…」
大きなその頬へそっと自分の頬を寄せる。

温かい。

不自然なその格好のままでも
苦痛を感じないこの身体に感謝する。

AM6:59
そっと身を離して目覚まし時計の鳴るのを待つ。
”piririri!!!!!”
「起床時間です!おはようございます!マスター!」
挨拶が返ってくるかどうかは…

残念ながら確率が悪い。

643アルファ (5/5) ※ダーク注意:2006/10/10(火) 00:15:23 ID:QSObJy2i

「ガラクタども!お前らはマスターを愛しているかっ?!」

配下の神姫を前にして今日も私は闘技場の格納庫で叫ぶ。

「相手のガラクタどもを残らずファックしてやれ!総員出撃!!」

私は戦い続ける。
オイルと硝煙にまみれて。
失敗したと言われぬように。
捨てられぬように。


愛しているから。

-end-



>>549
208氏、ありがとうございます(つД`)

本当はしばらく自粛しようかと思ったのですが
皆さまのSSを読んでいるうちに触発されました。
改めてよろしくお願いします。 OTZ
644441こと十兵衛:2006/10/10(火) 00:22:21 ID:4GYZpSOl
>639氏
おおぉ〜すごいじゃないですか!
ダークなのに愛がアルファ健気ないい子だよぉ。

イラスト…そういやまだ描いてない…
そして目の前にはリアル十兵衛(フル装備)が鎮座……。
分かった分かりましたからその長い銃を向けないで下さい描きます描きますから…。
645 ◆SSHandMXxU :2006/10/10(火) 00:29:12 ID:MnSTN+7p
>610
おっと忘れてたぜぃ。そそられる。でもそっちに走ると>612氏のネタも仕込みたくなるという…

>611
ありがとう、エロいの認められたのかしらん。

>613
>神姫に限らずロボっ娘もののエロすべてが内包している問題
考えさせられる。エロいのもSSも、ある意味じゃもっとライトに楽しんでいいはずだけど。
書くほうも読むほうも、ふっとしたきっかけで思考が深みに向かうときあるから。

>冊子形態にするなら挿絵の追加は必須だと
>分割の仕方やダーク系は一言入れるとかに気をつければ
参考になります。マジで。

>615 GJ!
やっぱ楽しいのがいいっすわ、読むほうに回るとw
はっきりしたキャラ付けされると妄想の幅も加速するし、活き活きしてる。うさぎw

>630 GJ!
いやこちらのストラーフも活き活き…むしろマスター役のほうが活き活き?
キャラ同志の掛け合いって、難しいのに、テンポ感いいっすわ。
それより書くペース、相当に早いんでは?

>639 GJ
ミリタリー調が好きならば、その魅力を生かして書くのも手では?
場面場面の描写は、たぶん書き手が相当に想像力を働かせて書いてるからか
読んでるほうもイメージしやすいし。 あと好き嫌い良し悪しは、相性もあるかと。

さてコチラはいろいろ教えてもらったので充電してきます。いつか、また。
646488:2006/10/10(火) 01:01:29 ID:ad8mEJt+
 >>488です。
 >>607氏が言っておられたので、個人的な整理も兼ねて相関図を作ってみました。

ttp://www.uploda.org/uporg543308.png.html

 一応、>>644まではフォローしてあるつもりですが、相関関係メインで作ってあるため
単発のお話は基本的に載せられませんでした。すみません。
 また、公式戦・裏バトルのランカー分類は文脈からそれらしいものを判断しただけ
ですので、こちらも違っていたらすみません。裏と表両方のバトルに参加している
プレイヤーは、裏バトルを優先で出しています。

 あと、神姫の名前は分かるけれどオーナーの名前が分からない場合は、スレ番で
代用させていただいています。
647名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:05:55 ID:ad8mEJt+
うは……所々、敬称が抜けてる箇所がある……。
先に謝っておきます。申し訳ありません。

ウチのしっかりものの黒子に叱られてきますorz
648名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:07:52 ID:rieZmbVA
>>646
ちょっとまて。こんなに多かったっけw!?

……正直びっくり……。
649名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:08:31 ID:jZfhD6A9
うーんグッジョブ。
650D・D・D (1/4):2006/10/10(火) 01:12:22 ID:96vXaALh
 男の一人暮らしは荒れるものらしい。主に部屋が。
 寝室とリビングはさほどでもないが、オーナーの私室二部屋はまさに魔窟である。
 雑誌、漫画、文庫にハードカバー。ゲーム、映画、卑猥な動画のディスクメディア。旧型のPC、パーツ、無駄にかさばるスピーカー。線の切れた電子レンジと、正しい体重を教えてくれないヘルスメーター。あと大きな水槽と、自転車のタイヤがワンセット。
 臭いのするゴミがないのは救いだけれど、と『私』――タイプ・ストラーフ改め、『黒子』は思った。
「……開かないクローゼットの奥には何が入ってるの?」
 私の三倍も四倍もありそうなスピーカーに開閉を邪魔されているクローゼットを眺めて、私は白子に聞いてみた。
「雑誌のバックナンバーだったと思うよ」
 本雪崩、という単語が思い浮かぶ。
「潰されたら遭難しそう……」
「あんまり無茶しないでね」
 そう言って白子は銀翼を微調整しながら浮かび上がり、本棚の高位置を散策しはじめた。

 猫子のマスィーンズ、その一体が行方不明になったと聞かされたのは、今朝のことだ。
 仕込まれている発信器の反応もなく、捜索隊を編成して救助に向かうことに決めたそうだ。
「うぅ、噛み猫のこと、どうかお願いするのだ」
 猫子が泣きそうな声で言う。噛み猫というのは彼女が名付けたマスィーンズ――行方不明の一体のことだ。
「任せて」私は猫子を安心させるように頷いた。「猫子はちゃんと、発信器の反応を見ておいて」
「分かったのだ……」
「じゃ、こっちおいで」
 オーナーが手早くPCと猫子を接続する。レーダーの感応度を上げるためだそうだ。
 くすぐったそうに身もだえする猫子の頭を指で撫でてから、オーナーは私たちの方を向いた。
「犬子は俺とこの部屋の捜索。白子と黒子は完全武装の上、隣室の捜索。最終的な割り出しはレーダー使うから、とにかく邪魔な物をどけていってくれ」
「任せてください」
「はい、行ってきます」
 私と白子の返事の後、一拍遅れて犬子が問うた。
「……私の装備はいつですか」
 パッケージに取り残された犬子のアーマーが泣いていたとかいないとか。
651D・D・D (2/4):2006/10/10(火) 01:13:04 ID:96vXaALh
 四腕異形の証とも言えるDTリアユニットとGAアーム。
 まさかこんな理由で装備することになるとは思ってもいなかった。
 まさかコネクタが硬くて装備に手間取り、白子に手伝ってもらうことになるとも、思っていなかった。
 ……妙に恥ずかしい。
 上を向けば白子の姿。時折本棚に降りたって中に入り、もぞもぞと噛み猫を探している。
 うん。私も頑張ろう。
 アームでハードカバーを持ち上げ、脇に置く。文庫も同じようにして積み重ねる。
 あのサイズの噛み猫を探すのは相当に苦労しそうだけれど、こうやって邪魔な物をどかして行けば、そのうち発信器の反応をキャッチしてくれるはずだ。
 それまで私たちは物を整理していけばいい。
「……あ」
 ふと思ったけれど、これは捜索というより、掃除というのではないだろうか。
 オーナーの指揮もやたらと手慣れた様子だったし、ひょっとするとマスィーンズが居なくなるのは珍しくないんじゃあ……。
 ……これが終わったら大掃除をしてもらおう。そうしよう。
 拒否するようならこのアームでこめかみをぐりぐりしてやろう。そうしよう。
 あぁ、でも対生物のセーフティ・ロックが解除されてないか……。

 ――武装神姫の装備は見かけだけのものではない。特に白子のLC3レーザーライフルと犬子の吠莱壱式の威力は、お子さまにはふさわしくないくらい、ある。
 もっとも、出荷状態では生物に対してのセーフティ・ロックが有効になっているし、パワーも抑えられてはいるけれど。
652D・D・D (3/4):2006/10/10(火) 01:13:46 ID:96vXaALh
「害虫退治に使うオーナーもいる、って白子が言ってたっけ……」
 白子のライフルはパラライザーとしても使えるらしい。それで動きを止めて、あとはポイ、だそうだ。
 うん。全然嬉しくない。
 たとえ掴み所のない性格だとしても、たとえ無精だとしても、たとえゲームが弱くとも、それでも恵まれているのだろうか。私は。
 私たちは。
「……あれ?」
 半自動化させて除去作業を続けていた私は、いくつかの雑誌とディスクメディアの下に、きらりと光る物を見つけた。
 ガラス――違う、透明度の高いアクリル板だ。二枚が重ねられていて、角がビス止めされている。
「写真立てかな?」
 気になった私はアームを伸ばし、上に乗っている雑誌を掴んだ。
 瞬間。
 飛び出してきた。
「うあっ!?」
 視界が上を向く。転んだ、と認識するより早く、アテンションの文字が視界上部で踊りだす。
 アームに衝撃。リアユニット稼働部に損傷。軽微。
 オートバランスに任せて立ち上がり、熱源感知、視認確認。
 マスィーンズ・噛み猫発見――だがそちらに気を取られている暇はない。
 飛び出してきたのは一体ではないから。
 私のような人工物ではない、意志を持った目がこちらを睨んでいる。
 小さなネズミだ――ただしそれは、オーナーのサイズを基準にしてのこと。
 モードをコンバットに変更。脚部にマウントした二種のフルストゥに手を伸ばし――ここがオーナーの部屋だということを思い出した。
 オーナーの所有物を血で汚すわけにはいかない。
 GAアームを構え、格闘戦を決意。
 再び突進してきたネズミの頭部にアームを

 Warning!! Warning!! Warning!!

 ――コアユニットに仕込まれた対生物ロック、起動。
 安全確保のため、強制休眠状態に移行。
 シャットダウン。
653D・D・D (4/4):2006/10/10(火) 01:14:17 ID:96vXaALh
 お腹がとてもくすぐったくて、私は目覚めた。
 視界に映し出されたのは、細い筆。
「……オーナー?」
「ごめんな」
 私の体にライトが当てられているせいで、オーナーの表情がよく分からない。
 ただどうしてか、話しかけてはいけない気がした。
 ……シャットダウン直前までの記憶は、残っている。
 その事について謝っているのだろう、という推測もできる。
 それが間違いだということも、分かる。
 同じ部屋に白子がいたのだ。ライフルで撃ってもらえば済んだ話だ。
 それを考えて、オーナーは私たち二人に任せたはずなのに。
 あぁ……くすぐったい。
 視線を下に向ける。お腹を見る。
 爪か牙で引っかかれたのだろう。浅く傷ついて塗装が剥がれ落ちている。
 いや……剥がれ落ちていた、かな。
 オーナーの筆先は不器用なまでに震えながら、私のお腹をなぞっていく。
 傷口が見えなくなるように。
 痛々しくなんてないように。
 けれどその筆先は傷口を少しはみ出しているし、色味が少し違ってすらいた。
 掴み所のないオーナー。
 塗装が下手だと初めて知れた。
 ――後で思い切り文句を言おう。
 素直に笑うのは照れくさいから、ゆるんだ頬で文句を言おう。


 ――翌日、黒子が失踪する。その日の内に発見された彼女は不満げにこう言った。
 「修理に出そうとするからよ」と。

 D・D・D――END。
(どこにでもいるオーナーと・どこにでもいる神姫の・どうってことない日常風景)
654名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:16:51 ID:96vXaALh
>>591>>611
感想をいただけて感謝です。物凄く感謝です。
お二方の様に、もっと読みやすくしたいものですが。

>>646
相関まとめお疲れさまです。
図で見ると物凄いことになってますねぇ……。
まだまだ拡大しそうなところが、なお物凄く。
655441こと十兵衛:2006/10/10(火) 01:41:21 ID:4GYZpSOl
>646氏
おぉ…すごい世界が広がっていますね乙+GJです!
試合を見たでFAです。
偶然にもこちらでリアルにココVSコニーが展開されていたのでラッキーといった感じです。
しかし皆さん強いからなぁ…戦うことがあるのだろうか…。
というか不用意にSSで傷つけたくないのでお借りするかしないかびくびくです…。
あ、十兵衛は好きに使っていただいてかまいませんので。
マスターの名前…では凪 千晶(ナギ チアキ)
男、19の専門生で一人暮らしでいきますorz

>DDD氏(654氏)
いえ、読みやすいですよ私のよりも!
情景が目に浮かんできます。
次回も期待期待ですっ。
656リンのマスター:2006/10/10(火) 02:13:49 ID:3Ye5tP9m
>>646
相関図の制作お疲れ様です。
神姫とマスターの関係が一目両全ですよ。
そうしてみると発売初期の過疎り具合がうそのようですね。
マスターの名称があるともっと分かりやすそうなので
私の名前もお教えしておきましょう。
名前は「藤堂 亮輔」でお願いします。



>>D・D・D氏
期待通りでちょとうれしいです。
次回からもぼのぼのした雰囲気を振りまいてください。

当方はというと、リン視点の番外編を打ってる最中です。
今日中には投下できるかと。
今回は多少エロ風味で送りします。

それが終われば相関図を参考にほかのマスターの神姫とのコラボレーションも考えて行きたいです。

あとはまとめサイトですが、ログを名称(作者)順にまとめて、本文はコメント等を除いて全文コピペすればいいんですかね?
どうせこのスレは1日数回は見るので管理人をやらせていただいてもよいのですが・・・

捨てアドも用意しましたのでメールでもご意見待ってます。
「shinki4537」この後にヤフーのドメイン付けてください。
657でこちゅー ◆CtUOuuxRW. :2006/10/10(火) 04:14:15 ID:YLHrywK9
>>646
水飲みに起きたついでに…と思ってみたら、何とも凄い相関図が。
Σ( ゚Д゚)b<GJ!!
うわ〜、なんかおもしれ〜。さ〜て、今度は誰とコラボって見るかな〜w
658神姫ハンター:2006/10/10(火) 05:03:43 ID:jZfhD6A9
 兎型MMSヴァッフェヴァニー、固有名『フォートレス・ブラッドヘッド』。
 ストラーフ型のレッグパーツ四基、アーンヴァル型の飛行ユニット四基を基盤として組み上げられた、超重量・高機動型の高位ランカーMMSである。
 彼女の進む前に敵はなく、彼女の跡にはただ破壊された神姫の亡骸が残されるのみという、非情の破壊姫。
 だが、噂によると……彼女の強さには誰にも知られてはいけない秘密があるとまことしやかに囁かれている。
 すなわち、
『違法改造』。
 武装神姫バトルサービスにおけるレギュレーション違反。
 軍事兵器の技術流用。彼女のオーナーは軍と提携し、武装神姫バトルサービスという舞台を『新兵器の実験場』として使っている。
 ――――あくまでも、噂である。証拠を掴んだ者はいない。
 否。
 証拠を掴み、生きて帰ったものはいない――――そう、噂されている。
 あくまでも、噂に過ぎない。証拠がない以上、それはただの風評にすぎず……
 そして、
 この世界は、力が全てである。 

 ――故に。

 ブラッドバニーを止める者は、未だ存在しない。
 存在するとすれば、まだ対戦していない高位ランカーたち、そしてあるいは――――
 


659神姫ハンター:2006/10/10(火) 05:05:16 ID:jZfhD6A9
「あなた、強いんですよね?」
 天に輝く月が、街頭よりも明るくアスファルトを照らす夜。
 その少女は、闇のように黒いマントを羽織り、彼の前に現れた。
「……なんだ、お前は」
 男は、目の前の少女を注意深く観察する。
 フードのついた黒いマントの下には、小柄な体。だがその顔を隠したフードの下から見える不適な口元は、倣岸不遜な自信の表れだろうか。
 ――――無知にも程がある。
 男は、内心嘲笑する。
「質問を質問で返すように教わったのですか? これだから力だけの低脳は困りますね」
 少女は挑発する。
「…マスター、油断はなさらぬように。MMSの反応を感じます」
 ブラッドバニーの素体が、男に話しかける。
 多脚と首だけという、異質な神姫。その言葉に、男は答える。
「油断する気は毛頭ない。もっとも――どれほど油断しようが、貴様に敗北は」
「ありません、マスター」
 男は、手に持っていたケースを地面に落とす。
 ケースが開かれ、収納されていたパーツが組み合わさり、ブラッドバニーの素体が収納される。
 超重量を支える巨大な足。
 鋭い爪を持つ四本のアーム。それぞれに砲塔が備え付けられている。
 胴体部分にはプロペラントタンクとウイング。
 全身これ武器、と言った姿はまさに巨大な要塞であった。
 それを見て、少女は笑う。
 無敵の神姫要塞を目の当たりにしてなお、彼女の自信は崩れない。
「ゴテゴテすればいいってもんじゃないですけどねー。
 そんなんじゃせっかくの神姫の美しさが台無し。機能美って言葉知ってます?」
 そう笑いながら、マントを翻し、フードを取る。
 そこに現れた顔は、黒髪の15歳ほどの少女だった。瞳だけが青く、そして挑戦的に輝いている。
「用意はいいわね? あんなデカブツ、とっととやっちゃいなさい」
 少女が凛とした声で言う。マントがばさりとおおきくはためき、その中から一体の武装神姫が飛び出した。
 四枚の、鳥のような翼。デフォルトの宇宙船を模した翼とは違う有機的なフォルム。
 ――――それは、まさしく天使。
 天使型MMS、アーンヴァル。固体名称――――
「――マルコ! マルコ・ソロネス!!」
「了解、マイマスター、明日香=ヴァレンシア」
 天使が羽ばたく。
 黒い鉄の要塞へ向かい、飛翔する。
660神姫ハンター

 
 
    非公式試合、開始。
    兎型MMS『フォートレス・ブラッドバニー』
                  VS
                   天使型MMS『マルコ・ソロネス』
    このバトルは非公式試合である。
    そのため、戦闘結果によるポイントの付加・ランキングの変動は行われない。



 そう、非公式バトル。
 公式での華やかな戦いの裏では、様々な非公式バトルが存在する。
 この、マルコとブラッドバニーの戦いもまた、公式には残されない非公式のものである。
 非公式バトルにかけるものは、それぞれだ。
 ブラッドバニーとそのマスターのように、公式戦より強力な力の行使、破壊願望を求めて獲物を探すものもいる。
 ならば、明日香とマルコの目的は何か。
 だがその疑問など、男にとってはどうでもいいことだ。
 もとよりただの獲物、彼にとっては狩られるだけの哀れで無力な存在である。
「行動パターン、予測完了」
 ブラッドバニーのカメラがマルコを捕らえる。
 数発の弾頭による攻撃。その攻撃をことごとくかわすマルコだったが、それは回避パターンを計算するための捨石。
 ブラッドバニーの基本戦術は、まず相手を知る事である。
 動きからデータを逆算しスペックを解析する。 
 そして相手の行動の限界値を導き出し、それを上回る破壊力で砕く。
 それを成すだけのコンピュータを積み、それを成すだけの武装を搭載する。
 そしてそこに油断はない。故に無敗、故に無敵。
「…っ! ええい、なんて弾幕だ」
 マルコが追尾弾を避けながら舌打ちする。
 スピードならこちらのほうが上のはず。だが、それはあくまでも本体同士の話。
 データ取りのための捨石とはいえ、幾重にも射出される追尾弾と砲弾による弾幕は、マルコがブラッドバニー本体へと接敵することを防いでいる。
「防がれるなら――――」
 マルコはビームソードを構え、翼を広げる。
「弾幕ごと貫くのみ!」
 疾速。
 幾重にも広がる弾幕にマルコは頭から突っ込み、両手の剣を振るう。
 追尾してくる爆撃は高速起動により撹乱し同士討ちさせる。
 目前に広がる砲弾は――――
「ボクの剣で切り裂くのみだ!!」 
 一閃、二閃、そして幾閃。
 光の華が咲く。
 爆発、切り裂かれた弾丸が一瞬おいて破砕していく。
「そこですマルコっ!」
「路は――開けたっ!」
 弾幕を抜ける。そこには無防備になった本体が――――