続 志村貴子

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346名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:04:07 ID:fUBh2Pui
――学校やめてどうするの?
心配する母親にあてつけるように千葉さおりは言い放つ。
「どうしようかな……
誰かの愛人にでもなるわ」
中学生とも思えないような体のラインをくねらせる娘の言葉に
母は眉根を寄せてたしなめる
「冗談でもそういうこと言うのやめなさいね」
「私 冗談は言わないもん」
小学生の頃から想いを募らせていた相手の現状を
当面の恋のライバルと思っていた高槻よしのの口から告げられた。
自分ではない。よしのでもない。
二鳥修一は、末広安那が好き……。
二鳥修一は、末広安那と付き合っている……。
死刑宣告ともとれるその報告に、千葉さおりの心はズタズタに引き裂かれていた。
――学校なんてやめたい。
もう何もいらない。
世界は全ての意味を失った……――
347名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:05:47 ID:fUBh2Pui
外は傷心のさおりにお誂え向けの雨が降り出した。
「教会に行ってきます」
傘も持たず駆け出す娘を母親は必死で追おうとする
「さーちゃんママも行くわ」
「来ないで!」
普段から感情が昂ぶると少々エキセントリックな面を見せる娘ではあるが、
かつてない程に荒げた声に気圧され、母は呆然と立ち尽くし、
玄関で膝を屈してしまった。
「さーちゃん……」
その弱弱しい声は当然さおりの耳には届かなかった。

困った時の神頼みとはよく言うことだが、
その教会に行き始めてからもさぼることの多いさおりが
今日ここに来たのは寧ろ逆の目的だった。
――神様なんて……いないんだわ……
薄曇りの空に高く聳え立つ尖塔を仰ぎ見たさおりは
冷たい雨に打たれる頬に己の内からほとばしる涙の熱さに気付きうつむいた。
348名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:06:46 ID:fUBh2Pui
「さおりちゃん?」
こんな時に。こんなタイミングで。現れるのがこんな男だなんて。
まさかこれが思し召しだなんておっしゃいませんよう……
「やっぱり神様なんていないのね……」
「何?どうしたの?傘もささないで」
不安な顔で傘を差し出す二宮文弥に無神経さしか感じられないさおりは
自嘲的な笑みを浮かべた。
「私には……こんなのがお似合いなのかしら……」
「え?な……」
戸惑う文弥の腕をとったさおりは、強引な足取りで教会の裏手へと回った。

荘厳な建物の陰で鬱蒼と茂る林は、幾分か雨足から避けてくれた。
「あ、ここなら濡れなくていいね」
尋常でないさおりの様子に困惑したままの文弥は
努めて明るく振舞おうと、傘を閉じ露を払った。
しかしさおりの体は固く閉じられたまま、
口だけが僅かに動いた。
「あなた……私のこと気にかけてくれてるの?」
その言葉に微かな光を見出した文弥は
年長者の威厳を示すごとく落ち着いて答えた。
349名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:07:34 ID:fUBh2Pui
「もちろん、さおりちゃんのことは前から……」
目を向けたさおりの視線がじっと自分に向いているのに気付いた文弥は
ごくりと唾を飲み込んだ。
「神様に……誓える?」
さおりの言葉は静かな林の中で耳に響いた。
「え……うん……」
暗がりに溶け込みそうな透明感のあるさおりの姿に見とれた文弥は
呆然となって全身の力は抜けていた。
その手から傘を奪い取ったさおりは、その先端で文弥の急所を軽く突いた。
「あっ……!」
驚く文弥を正面から見据え、さおりの詰問は度を強めた。
「私のこと考えて、したことある?」
「え……なに……」
湿気と自らの荒くなった息で眼鏡の曇った文弥の股間に、
先程より強く、鋭い刺激が加えられた。
「つっ……」
思わず尻餅をつきその場にへたり込んだ文弥の顔を覗き込むさおりの姿は
上方から影をまとってよく見えない。
ただ声だけが冷たく降り注ぐ。
「してみなさいよ」
350名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:09:38 ID:fUBh2Pui
「な……」
雨か汗か判別できない雫に濡れた顔を上げた文弥を嘲るように、
今度は己の足で文弥のズボン越しにさおりは責めた。
「やっ……」
緊張で身を固くした文弥のそこを、さおりは足先でぐりぐりと押さえ付けた。
「自分でしたことくらい、あるんでしょう?」
もはや日常とかけ離れた風景に馴染み出した文弥は、
脳の活動が緩やかになるにまかせ、ズボンを下ろし
湿った土の冷たさをパンツの下に感じた。
「見ててあげるから、してみなさいよ」
既に関係性は覆らなかった。
目の前に見えるさおりのロングスカートとソックスの間に僅かに覗く白。
冷徹に光る肌の色が、文弥を興奮へと誘った。
そっと目を閉じ、遠慮がちにパンツの上から自分のものに手を載せる文弥を
更にさおりは加速させる。
「ちゃんと……そんなものじゃないでしょう?」
傘の先で器用に文弥のパンツをずらしたさおりは、
もてあそぶように文弥のそこをまさぐった。
「ふっ……」
冷たい傘の攻撃に痛さより快感を覚えた文弥は思わず声を漏らした。
導かれるまま、両手で隠すようにしながら自慰に耽る文弥を
さおりは上から眺め続けた。
351名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:10:34 ID:fUBh2Pui
森閑とした木々の中、たまに落ちてくる雨の他は
微かに洩れる文弥の息遣いだけが空気を乱し、
異様な時間がその場で経過した。
ちらちらとさおりの脚を窺いながら数分に及んだ文弥の行為は、
小さな吐息とともに結末を迎えた。
「っうっ……」
びゅっと勢いよく文弥の掌中から放たれた精液は低い弾道を描き
さおりの露出した脛部へと命中した。
はっとその瞬間、呆然としていた我を取り戻したさおりは
冷えた地肌をぬるりと滴る温かな液体に全身がそそけだった。
放心しうなだれる文弥の顔面にその放射物を擦り付けるように、
さおりの足はひるがえりヒットした。
「痛っ……!」
擦れた頬をおさえうずくまる文弥の指の間に赤い鮮血が滲んだ。
瞬時に緊張の解けた空間で、お互い空っぽの頭で文弥とさおりは向き合った。
眼鏡を落とし視界のぼやけた文弥の眼前にさおりの顔が近付く。
しゃがみこんださおりの開いた口から洩れた息は外気に触れ白い形を浮き上がらせ、
そこから差し出された小さな舌はそっと文弥の傷口に触れた。
じわりと拡がる血の赤を、さおりの舌の赤が覆った。
ゆっくり撫でるようにさおりの舌に舐め上げられる文弥の頬は
血と混じる唾液とで薄い膜を作って細かく揺れていた。
352名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:12:19 ID:fUBh2Pui
無言で奉仕するさおりの体は文弥の上からかぶさり、
密着する肌と肌は互いの熱を感じてますます温度を上げた。
露出したままうなだれていた文弥の下半身は
一旦の放熱で萎えていた状態から再び訪れた血流により復活しつつあった。
スカートの中、さおりの腰の下にうずくまっていた文弥のそこは
上から押さえ付けるさおりの下着をものともせずむくむくと膨張を始める。
その抵抗に気付いたさおりは薄く口元を歪ませて笑ったように見えた。
「いやらしい男……」
それだけ言うと自らするすると下着を下ろし、
文弥の既に猛った、さっきよりも尚強く勃起したそこに腰を落とした。
吸い付くように、引き付け合うように、その部分はぴったりとくっつき、
融け合うように内部への浸入を開始した。
ぬるりとぬめる分泌物がその侵攻を助け、
さおりの内部へと文弥の尖端が突き進んだ。
「ぁ……」と小さく声を漏らしたさおりは眉間に皺を寄せ、
苦しげに閉じた目からはうっすらと光る筋が走った。
確かな視力を失った文弥も最早その目に頼ることをあきらめ、
手探りでさおりの体を求め、
ようやく服の中に微かな膨らみをもつ胸を探し当てた。
353名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:14:19 ID:fUBh2Pui
愛撫というには覚束ない手付きでさおりの乳房をまさぐる文弥の手が
その頂点に触れたとき、さおりは再び
「はぁ……」と息を吐いた。
馬乗りになったさおりの腰はゆらゆらと動き、
窮屈な内部はぬちぬちと粘膜をまとって脈動した。
その激しい快感に耐えるようにさおりの尻を手でおさえた文弥はしかし
そのままの流れに任せ、より強く自らも下から腰を突き上げ、
二人の体は小刻みに動き続けた。
実際にはほんの数分間だったかもしれない、
けれど果てしなく長くも感じられたようなその時間、
文弥とさおり、二人ともに初めてのセックスは、
ほぼ同時に上げた快楽の声を伴って絶頂の瞬間を迎えた。
ぶるっ……と最後に大きな震えを起こして射精した文弥の精液は
さおりの体内に沁み込んでいく端からどくどくととめどなく溢れ出た。
どろり、と粘度の高い液がさおりの秘肉からこぼれる。
まとわりつく液と液、汁と汁、汗にまみれた肌。
乱れる呼吸の落ち着くのを待って、さおりはゆっくりと腰を持ち上げた。
354名無しさん@ピンキー:2007/07/21(土) 10:16:18 ID:fUBh2Pui
二人の中心は糸を引いて徐々に距離を広げた。
とくとくと搾り出される最後に残った液を震わせながら、
文弥のそこはひくひくと揺れていた。
膝立ちになったさおりの股はじんじんと痛み、
そっと自らの手で触れると粘ついた。
目の前で確かめたその手に林の間隙を縫って上空から舞い落ちた雨滴が届く。
強風で煽られた木々を抜け、今度は多目の雨が襲う。
穢れた二人の体を洗い流すように。
さおりの頬を伝う熱い涙さえそれは濯ぎ落とした。
顔を上げたさおりは教会の頂点、十字の印を目の前にした。
――神様……
膝をついたまま胸の前で組んださおりの手はすっかり雨に濡れ、
閉じた脚の隙間を伝った文弥との証は地面に達した。
さおりはもう一度目を閉じ祈った。
その目から溢れる涙が自らの罪を浄めるかのように――


――GOD SAVE THE QUEEN――
355名無しさん@ピンキー:2007/07/25(水) 00:56:49 ID:/ntWq1LL
久しぶりのGJ!

文弥×さおりんは新鮮だ…。
356名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 22:20:34 ID:jrBDrV8O
イイヨイイヨー
357名無しさん@ピンキー:2007/07/28(土) 23:05:17 ID:4s+BzOY8
万城目さん×本厚木さん 見たいな。
358名無しさん@ピンキー:2007/08/09(木) 23:47:34 ID:sso7sQXA
よーし真穂おねえちゃんでオナニーするぞー
359名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 01:24:06 ID:9uRTjedV
よーし安那ちゃんに精液飲んでもらうぞー
360名無しさん@ピンキー:2007/08/15(水) 20:29:18 ID:2pwquTU7
今、旬なのは高槻×千葉なんだけど。誰か考えてくれ。
361名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 15:48:28 ID:3VoZgCGv
よーし千葉さおりを凌辱してネットにバラ撒くぞー
362名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 15:58:36 ID:bijQ+lB9
数日後、私たちがネット上でみたものは傘でメッタ刺しにされた
361の無残な姿であった
363名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 01:54:08 ID:nbcYe/xv
よーし千葉さおりは危険だからちーちゃんをタップリ犯すぞー
364名無しさん@ピンキー:2007/08/22(水) 06:49:16 ID:Fw90we64
ここより本スレがエロエロな件
365名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 21:11:28 ID:5/WO0pSU
だれかイシデ×しむらを頼む。
366名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 04:03:57 ID:mTzWX6sz
いやいや、しむら×イシデを頼む
367名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 11:09:16 ID:5gegQHy7
妄想100%で書いた頃はまさか本人から
こんな豊富にネタ提供されるとは思いもしなかったな
368名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 19:41:21 ID:/5qiCJ0w
>>365-366
それ、並びでどう違うの?
矢追系も有里系もカップリングでも順番で変わるみたいだけど…。
369名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 19:42:53 ID:/5qiCJ0w
×矢追系も有里系もカップリングでも順番で変わるみたいだけど…。
○ヤオイもユリも順番で変わるみたいだけど…。
370名無しさん@ピンキー:2007/09/04(火) 22:15:36 ID:AmVSVRBp
よーし志村せんせでオナニーするぞー
371名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 23:06:24 ID:C/OPSAe7
>>368

先に来る方が攻め。

つまり、
「あーちゃんXふみ」
って書いてあったら、あーちゃんが攻めでふみちゃんが受け。
ちなみに、読むときは真ん中のXは音としては読まない。「あーちゃんふみ」となる。
372名無しさん@ピンキー:2007/09/07(金) 01:28:04 ID:v4oHsPLu
>>371
そうだったのか…。さんくす。

しかし教えてくれたのに失礼だけど、
この知識が役立つ事はこの先、実生活では無いだろうなとか思った。
373名無しさん@ピンキー:2007/09/10(月) 21:40:31 ID:QLl2T6hZ
さーてくるみちゃんをオカズにちんちんイジるぞー
374名無しさん@ピンキー:2007/09/14(金) 14:50:15 ID:EW4uQwEM
しばらくシュウちゃんやタカツキさんの小説がないからがっかりだぜ
375ほしゅ:2007/09/17(月) 11:51:58 ID:XWqvKzKy
ズタズタに引き裂いた文弥の腹から小腸を引き摺り出して
その温もりに何故か落ち着きを取り戻す。
腕に絡み付く粘液を纏った太い臓器は身体の神秘を垣間見せてくれる。
――これが……二鳥くんのものだったら……
外面の表皮を剥ぎ取った内部には共通した美しさが存在する。
それを自らの体内へと取り込む行為に最早なんの躊躇いも感じられない。
――私 好きな人がいるの
……嫌いな人もいるの…………

「さーちゃん……?」
376名無しさん@ピンキー:2007/09/17(月) 15:45:04 ID:srcBUHFC
いいねぇ・・・・・
377名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 00:03:14 ID:POBoLCHr
いくねえよww
378名無しさん@ピンキー:2007/09/22(土) 01:06:48 ID:uDXZgSch
イシデさんが大好きな貴子ちゃんと貴子ちゃんが大好きなイシデさん。

…これはリアル青い花が始まるのか…。
379名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 02:30:19 ID:beBU8I3H
 ――二鳥君が好きなの?
「え?」
 余りに突然だったため、多少詰まった。が、すぐに私は断言できた。
「ええ」
「ふうん、あんなのが」
「あんなの? あんたの100倍マシだわ」
「いじわるだなあ」
 文弥は私に勉強を教えにきている。四ヶ月ほど経っていた。
「あら、是非お願いするわ。ね、さーちゃん、いいじゃない?」
 彼は母のお気に入りである。半ば押し切る形で文弥は私の家庭教師になった。
 意外にも、彼の教え方は上手だった。私は驚いたが、それとこれとは別だ。
「別よ」
「別かあ」
 別なのだ。



 ある秋の日の事。私は再び文弥に女物の服を着せた。
 やはり彼からは微塵の奥ゆかしささえ感じ取り得なかったが、何らかの奇妙な感覚が私に生じていた。
 妖艶……? はっとした。彼の陶器の様な白く透明な肌と、コントラストの赤い唇、私を見下ろす大きな目。
「どうかした? 手が止まってるよ」
「あ……うるさいわよ」
 見とれていた……のか。私は。
「もう脱いでいいかい」
 彼は私のベッドに座り、伏し目がちに私を見た。その顔が軽く紅潮していた。
 私は彼に近付く。そして隣に腰掛けた。彼は怪訝そうに私を見ている。
380名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 02:44:01 ID:beBU8I3H
「どうかした?」
「……綺麗ね」
「は? ああ、サンキュー。さおりちゃんもかわい……」
「黙って」
「え?」
「じっとして」
「はい?」
「……黙って」
 また何か言う前に、私は文弥にキスをした。
 よくよく考えてみると、これは紛れも無きファーストキスなるものであったが、そんなのは貞操観念に縛られた考えだ、いや、そんな事はこの際どうでもいい。
 深く、浅く、無器用に、ただ思慮深く。頬をなで、柔らかく引き寄せ、純粋なキスをした。
 離れてから、文弥は息を浅くしながら囁いた。
「どうして……」
「文弥」
「え……?」
「……綺麗よ」
 彼の薄目が私を捉えている。
「いいの……? 僕で……」
 二鳥君の顔が脳裏をかすめた。かすめた事に気付いたのは、二度目の長い口付けが終わってからだった。
381名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 23:36:36 ID:OYGchWOK
イイヨイイヨー
382名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 02:30:59 ID:EjDiMW7W
文章を書き慣れているな
キスだけなのにエロイ
383名無しさん@ピンキー:2007/09/26(水) 21:37:00 ID:TJjaIS7F
gj!
うまいな〜。
384名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 21:57:58 ID:Qcn3EMrx
ただ思慮深く…
はぁはぁ(*´Д`)グッジョブ!
385名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 00:49:23 ID:CRZ9GmoR
保守る
386名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 00:14:15 ID:96C+liof
貴子ちん誕生日おめアゲ
387名無しさん@ピンキー:2007/10/23(火) 20:42:52 ID:6xDtAsDT
誕生日だと?!おめでとう貴子様…!

ところで、放浪息子の7巻はいつ出るんだろう
388名無しさん@ピンキー:2007/11/08(木) 12:59:12 ID:g1W2jk7K
放浪七巻は12月だよ

青い花の三巻は来年1月
389名無しさん@ピンキー:2007/11/09(金) 02:19:25 ID:Rtpfhl1N
放浪息子7巻は12/25発売に決定。
青い花3巻は1月。
390名無しさん@ピンキー:2007/11/24(土) 13:33:46 ID:Oayjt+1s
391名無しさん@ピンキー:2007/12/09(日) 12:17:21 ID:QsGjwb7C
「あんたそうしてるとホントに女の子みたいだね」
ちょっとからかうような口ぶりで安那ちゃんが言う。
「しぐさとかいちいちかわいいもんね」
「そ、そお……?」
そんなことを言われて嬉しくなってしまうぼくの心を見抜くように
安那ちゃんは指摘する。
「ホラ。カップとか両手で抱えちゃって」

こんな時間は楽しい。
安那ちゃんの部屋で、一緒にお茶を飲んで、おしゃべりをして、
あたたかい空気に包まれる……。
もともと女の子の友達は多かったから、
遊んだり、部屋まで行くことも珍しくなかった。
だけど、ぼくは安那ちゃんが好きで、安那ちゃんもぼくを好き……
ぼくたちは、つきあってるんだ……。

「何ぼーっとしてんの?」
安那ちゃんの声にはっとする。
「う、ううん、別に……」
安那ちゃんの声は凛としてよく通るし、目つきも真っ直ぐで
いろんなものを見透かされるような気がしてしまう。
でも、みんなが言う程きつい性格ではないし、
かわいいところもいっぱいあるって、ぼくは知っている。
みんなの知らない安那ちゃんの……

一瞬目の前が真っ暗になった。
ほんの数センチの位置にある顔に気付く。
きれいな……安那ちゃんの顔……
思わず口をついて出る……
「きれい……」
「……あんたこそ」
陰になって見えづらいけれど、
安那ちゃんの頬に赤味が差したのがわかった。
それを隠すように、その影は更に近付いて隙間を無くしていった。
……瞬間ぎゅっと強い圧力。
それからゆっくり押し戻されて、
お互いの口唇が僅かに触れる距離を確かめた。
「あ……」
どちらからともわからない声が微かにこぼれた。
ふ、と小さな息も漏れる。
口の中があたたかく、やわらかく、ぬるぬるしてくる気がする。
それは頭から、体のすみずみに行き渡る。
びりびり、電気走ったみたいな……初めての感覚……
392名無しさん@ピンキー:2007/12/10(月) 11:40:30 ID:ZvqAM5ZV
続き!早く!
393名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 23:32:23 ID:1exrV88M
「ぼくが女の子のかっこしたいのは
男の人が好きだからなのかなぁ」
前まこちゃんはそんなことを言った。
でも、ぼくは女の人が好きだから違うよね、と付け加えて……
(その時はぼくが高槻さんのことを好きだから、と言っていたけれど)。
今でもぼくは女の子の服が着たいし、かわいいかっこがしたいと思う。
でも、ぼくが安那ちゃんに抱いた想いは……

そ、っと二人の顔が離れる。
軽く湿った口唇が糸を引くような錯覚を覚えるほどに
部屋の中の密度は高まって周りの空気も熱を帯びているような気がする。
ぼくと、安那ちゃんの息も、
いや、息というかお互いの体温みたいなものが、
ねっとりと複雑に絡み合っているような感じがする。
熱く、熱くなってくる。
顔は火照り、呼吸は速くなり、体中から汗をかいているようで、
ごくりと唾を飲み込んだ。

もう一度……。
今度はぼくの方から顔を近付けて、
右手でそっと安那ちゃんの顔に手を添えてみた。
ぴくっ、と一瞬ひるんだ様子を見せた安那ちゃんは、
少し背を屈めて低い位置にいた。
ぼくの顔が上にくるのはいつもと違う感じで、
それもまたドキドキを加速させる。
394名無しさん@ピンキー:2007/12/17(月) 23:33:29 ID:1exrV88M
二度目は更に長く、
二つの口唇を擦り合わせるように微妙にずらしながら
それぞれの唾液が溢れてくるのがわかった。
ほしい……。
はっきりとはわからない気持ちのまま、
ただもっと強く、近くで、安那ちゃんを感じたいという欲求のままに、
口唇を吸い、舌を這わせた。
目はきつく閉じているのに安那ちゃんがわかる。
口唇から、舌から、息から、体温から、
安那ちゃんを感じる。

僕の両手は安那ちゃんの肩を両側から支えていた。
じんわり汗を滲ませた両手はそのまま真下に下りて、
安那ちゃんの胸のふくらみに到達したのがわかった。
またびくん、とさっきより大きく緊張していた。
それは二人とも一緒で、相手の意思を確かめるように
お互いゆっくり開いた目で見詰め合った。
言葉はいらなかった。
僕の手は、そっと安那ちゃんの胸のラインをなぞった。
すらりとした細身の身体にひそかに憧れみたいなものすら抱いていたけれど、
それはまさしく女の子の体だった。
ぼくとは違う……女の子の身体……。

「いたっ……」
びくっとして手を離した。
眉をしかめた安那ちゃんは少し不安そうに見える。
「あ、ご、ごめ……!」
知らず知らず力を込めていた僕の手は、
安那ちゃんの体に強い抵抗を与えたようだった。
「や、だいじょぶ、ちょっと、びっくりしただけ」
安那ちゃんが取り繕った笑顔をくれる。
……こんなやりとりも初めてだ。
「あんたも、けっこう力あるんだね」
意外そうな言葉が、僕に不思議な力を湧き上がらせた。
どんどんどんどん熱くなる頭は
どんどんどんどん考えることが出来なくなっていって、
僕は体ごと安那ちゃんの体にぶつかっていった……。
395名無しさん@ピンキー
安那ちゃん至上主義の自分にとって貴方は神だ!!