カツキラで純愛もの書きました。
3回に分けて投下します。
着物に関しては公式サイト見てもいまいち分からなかったので、
ちょっと見逃していただけると幸いです。
1回目8レスお借りします。
都との戦が終わった後もカツシロウはひたすら刀を振り続けていた。
ここにはもう戦はないと分かっていたけれど、それでも刀を振らずにはいられなかった。
鍛錬のためではなく、己が侍であることを、侍となってしまったことをその身に刻み込むためだけに
カツシロウは刀を振り続けていた。
身を切り刻むように吹きつけていた風が身体の火照りを癒す心地よい冷たさに変わってきたある日、
明日は田植えが行われるという話が、戦以降も神無村に滞在していたカツシロウたちの元に届けられた。
「これがらはもう野伏せりのために米つぐるんじゃね。
オラたち自身のための米がつぐれる。
みぃんなおさむれぇ様たちのおがげだ。
ほんっとにありがとうごぜぇましただ」
田植えの知らせを届けに来たリキチは、もう何度目になるか分からない礼を言って深々と頭を下げた。
礼を返すカンベエに倣って頭を下げながら、カツシロウはこの村と別れを告げる時が来たのだと感じていた。
この村を離れるとは言っても、持って行くものはこの身と刀だけだ。
準備の必要など何もない。
だから、この日の夜もカツシロウはいつもと同じように月の下で刀を振っていた。
いつもであれば、誰の邪魔が入ることもなく自分が納得するまで刀を振って
――もっとも、納得することなどないのだが――床につくのだが、この夜は刀を振っていると、
「カツシロウ様」
と声をかけられた。
月明かりで声の主を確かめるまでもない。
カツシロウは刀を下ろすと、
「キララ殿、いかがした」
と声のした方を向いた。
「カツシロウ様に……お願いがあってまいりました」
いつも人の目をまっすぐに見てものを言う彼女にしては珍しく、キララはやや視線を落としてそう告げた。
「お願い?……私に出来ることであれば」
カツシロウはそう答えたが、キララはすぐには返事をせず、ためらいを見せてからようやくカツシロウの目を見て、
「カツシロウ様も明日、この神無村を出られるのですか?」
と尋ねてきた。
「そうするつもりだ。
田植えを見届ければ、この村がもう私たち侍の力を必要としていないことを確信できるだろう。
それが出来たら、私はもうこの村に居るつもりはない」
野伏せりたちとの戦いが終わった後、カンベエは自分たちをこの村に残し、一人で都に向かってしまった。
その時はなぜ自分を置いていくのか、自分はそれほどまでに未熟で信頼すらされていないのかとカンベエを責めた。
だが、都との戦を経て、その時のカンベエの行動が少しだが分かった気がしてきた。
分かってきたからこそ、戦の後は武器を捨て、冬を越し、無事に田植えの時期を迎えたこの村に
これ以上居る必要はないと思ったのだ。
キララは『カツシロウ様も』と言った。
おそらくカンベエやシチロージからこの村を去ると告げられたからだろう。
申し合わせた訳でもないのにカンベエ達と同じ時に村を出発しようと思えたことを、
カツシロウは少しだけ嬉しく思えた。
そんなことを思いながらキララの言葉を待ってみたが、彼女は落ち着きなく目を泳がせるだけで一向に口を開かない。
痺れを切らして、
「キララ殿?いかがした」
と尋ねると、キララはぎゅっと目を瞑り両手を握りしめて、
「わ、私を抱いて下さいっ」
と今にも消えてしまいそうな声でそう告げた。
「っ!?……キ、キララ殿っ?」
以前のように些細なことで動揺するようなことはなくなってきていたカツシロウであったが、
キララのこの言葉にはさすがに慌てた。
「……っ、私のような農民が、お侍様であるカツシロウ様にこのようなことを言うのは
間違っていると分かっております。
ですが、それでも……カツシロウ様に」
「キララ殿」
カツシロウは手のひらを大きく広げて前に突き出し、彼女の言葉を遮った。
「キララ殿……。そなた、相手を間違えてはおらぬか」
そうだ。
キララの想い人は自分ではない。
カンベエだ。
キララに想いを寄せていた頃、彼女に汚れを落とすと手に口づけられ、
彼女の想いは自分と同じかと浅はかな勘違いをしていたこともあった。
しかし、彼女を見続けるうちに、その視線の先に居るのは自分ではなく、
自分が師とあがめたあの人であることに気がついた。
それがカンベエへの反感にも繋がったことは否めない。
幼稚過ぎた自分を思い出してため息をつきながら、足元に置いておいた鞘を拾い上げるカツシロウに、
キララは小声ながらもはっきりとした口調で、
「いいえ、間違ってはおりません」
と言った。
「私は先生では……カンベエ様ではない」
「そんなことは分かっております!
ご迷惑であることも十分承知した上での」
「キララ殿。
私をこれ以上みじめにさせないでくれ」
カツシロウは久しぶりに目頭が熱くなっているのを感じながら刀を鞘に納め、キララの方を向いて力なく笑った。
「みじめ……農民を抱くのはやはりみじめなことでしょうか?」
キララが唇を噛む。
「そうではない。
だが、この戦で生き残ってしまった上に先生の代わりにそなたを抱くなど」
「ですから!
ですから代わりではありません!」
震えた声ではあったけれど、キララはきっぱりとそう言った。
そうは言われても、簡単に信じられるものではない。
仮に彼女がそう思っているのだとしても、自分が納得できない。
どう言ったら彼女に分かってもらえるかを思案しながら手拭いで汗を拭い、着物を正していると、
彼女が再び口を開いた。
「確かに、私は水分りの巫女であることを捨ててもいいと思えるほど、カンベエ様をお慕いしていました」
嫌だ、聞きたくない。
しかし、聞きたくないと思ってしまうということは、まだ自分がキララに惹かれているということだ。
カツシロウは黙ったまま手拭いを懐にしまった。
「今でもカンベエ様はお侍様というだけでなく、一人の人として尊敬しています。
ですが、そのお慕いしているという気持ちは憧れだったと感じるようになったのです。
手の届かない、触れることが出来ないと分かっていながら月に触れたいと思ってしまう……
そのような気持ちに似ているのではないかと」
「それで触れられそうな距離にいた私に、ということか」
どうしても言い方が卑屈になってしまう。
これでは幼稚な自分に逆戻りだ。
今でも十分に子供だと思うのに、本当にみじめな気持ちになってくる。
「そうかもしれません。
ですが、触れられる距離にあったとしても、触れたいと思わなければ私は手を……伸ばしません」
カツシロウはようやく顔をキララに向けた。
「あの時……カツシロウ様に口づけられた時、私はカンベエ様に思いを寄せていながら、
カツシロウ様にも心を奪われました。
私はそういう女です」
あの時は頭に血が上っていて、何が何だか分からなかった。
ただ、キララの唇に触れた瞬間、自分の中で荒れ狂っていた波が静かに引いて行き、
自分のしたことを激しく後悔したことだけは覚えている。
今は自分の中にある情熱を傾ける先を見つけ、激しく揺らぐ思いがあっても少しは押し殺す術を身につけた。
キララを抱いても感情を彼女にぶつけてしまうようなことはないだろうか?
カツシロウはキララに顔を向けた。
「……本当に私でいいのか?」
「はい」
「私は……人を殺め、武士でありながら銃を手にし……敵ばかりでなく、味方であるキュウゾウ殿まで殺めた
これ以上堕ちる先がないほど堕ちた人間だ。
……それでもいいのか?」
出てくる言葉を押し戻そうとしているかのように、喉の奥を何かが閉ざして酷く息苦しい。
カツシロウがどうにか息を吸い込むと、キララが歩み寄ってきた。
「キララ殿……」
「カツシロウ様……」
キララはカツシロウの右手を両手でそっと包み込み、小さな口元へと引き寄せた。
「あなたが堕ちる時は私も共に、と以前申しました。
巫女の立場はコマチに譲ります。
清めることはもうできません。
ですから、共に堕ちることをお許しください」
カツシロウの指にそっと唇を落としてから、カツシロウへと視線を上げたキララの表情は儚げだったけれど、
瞳には彼女らしい意志の強さが現れていた。
キララの手をそっと握り返してカツシロウは彼女の細い指に口づけを返した。
「もう一度だけ聞く。
本当に私でよいのだな?」
「カツシロウ様が、良いのです」
カツシロウは右手を彼女の肩に置き、ゆっくりと顔を近づけていった。
ゆっくりとキララの瞼が下りていく。
あの時、彼女の同意を得ずに唇を奪った時とは違い、彼女も触れ合う事を望んでくれている。
キララの唇と自分の唇が重なると、胸の中にあった彼女への疑念がようやく薄れ、
カツシロウもゆっくりと目を閉じた。
軽くめまいを感じる。
不快なものではないが、ふわふわとして少し落ち着かず、カツシロウは僅かに顎を引いた。
薄く目を開くと、月明かりに照らされたキララの顔が間近に見えた。
彼女に対する恋情など捨てたつもりになっていたのに、その整った顔立ちにはやはり見惚れてしまう。
「は……」
小さな吐息がカツシロウに唇に触れ、耳に届いた。
それに引き寄せられるように再び目を閉じ、唇を重ねる。
今度は彼女の唇の柔らかさを感じられた。
鼓動が早くなる。
唇から顎を伝わり、顎から首へ、首から背筋へ全身へと、今まで感じたことのない刺激が身体を巡っていく。
「んっ……ふ…んんっ」
時折息を継ぎはするものの、この危うい快感を逃したくなくてカツシロウは口づけを繰り返した。
キララも拒絶するような素振りは見せず、カツシロウの手と着物の襟を握り締め、
カツシロウが僅かに唇を離すと自分から顔を寄せてくる。
二人は触れるだけの、けれど互いの唇を求め合う口づけをしばらくの間繰り返した。
だが、唇から伝わる刺激が身体中に伝われば口づけだけでは物足りなくなってくる。
彼女を強く抱き寄せたいという衝動をどうにか抑えてカツシロウがゆっくりと顔を離すと、
キララもゆっくりと顎を引いた。
「カツシロウ様……」
そう言ったキララの顔は月明かりの下でもほんのりと赤く染まっていることが見て取れた。
それまでは優しさとか意志の強さとかいったものしか見せなかった彼女の顔に艶が現れ、
カツシロウの身の内に湧き上がってきていた熱を煽った。
「…………」
カツシロウは手を握ったまま、くるりと向きを変え無言で歩き出した。
キララも黙ってついてくる。
初めて敵と対峙して刀を握った時のように、手のひらがじっとりと汗ばんでいる。
そう言えばあの時、手を離すなと言っておきながら自分は彼女の手を離した。
その後も二度と離さないと誓いながら、幾度この手を離したことだろう。
本当に情けない。
自分は侍だ、と言い張っていた頃の自分を思い出し、カツシロウは自嘲の笑みを漏らした。
明日になればまたこの手を離すことになるだろう。
せめて今夜だけは離さずにいよう。
そんな事を思いながらキララの手を強く握り直して、カツシロウは大きな木の下で足を止めた。
木の足元にはまだ若く背の低い草が茂っている。
「ここで……よいか?」
村の中になら空いた小屋はあるけれど、周囲が気にならないと言ったら嘘になる。
この時分、この場所になら誰も来ないだろうというカツシロウなりの配慮だった。
「……はい」
キララは顔を隠すように小さく頷いた。
カツシロウが着物の上を脱ぎ、地面に広げると、キララが慌てた声を出した。
「カツシロウ様!いけません!
お着物が」
「温かくなってきたとはいえ、まだ地面は冷たい。
それに汚れは洗えば落ちる」
「ですが」
「キララ殿」
地面に置いた着物が出来るだけ広がるように、裾の折れ目を直してからカツシロウは顔を上げた。
「は、はい」
「少しは私に格好をつけさせてもらえるとありがたい」
カツシロウは緊張に強張る頬で無理矢理笑顔を作って見せた。
硬い笑顔ではあったかもしれないけれど、キララは少し驚いたような表情になってから、
はい、と笑顔になってくれた。
手を差し伸べると、キララはその手に自分の手を重ねてきた。
招くようにその手を引く。
キララは一瞬ためらってから着物の上に腰を下ろした。
彼女の手が微かに震えている。
自分から抱いてくれと言い出しはしたけれど、男は初めての筈だ。
やはり怖いのだろう。
自分がしっかりと彼女を導かなくてはと思うものの、カツシロウ自身、女を抱くのが初めてである。
緊張に指が震えているのが分かるが、どうやっても止まってくれない。
格好をつけさせてくれといいはしたが、これでは格好がつかないどころかキララを不安にさせてしまう。
カツシロウは一度手を離そうとした。
けれど、それでは今までと何も変わらない。
今宵はこの手を離さないと決めたばかりではないか。
カツシロウは心の内で自分を叱咤し、キララの手を強く握り締めて隣に腰を下ろした。
(続)
GGGGGGGGGJ!!早く続きを(*´д`)
カツキラ続きです。
9レスお借りします。
恋人同士であればこのまま星を見上げ、他愛のないことを語り合い、
共に時を過ごせることに喜びを感じるのだろう。
けれど、今の自分たちの関係はそんな甘い時を共有するようなものではない。
共に幼い魂が戦の中に立ち、戦の匂いを己に染み付かせた結果生まれた形容しがたい関係である。
甘い言葉など不要だ。
カツシロウは手を握ったまま、もう片方の腕でキララを抱き寄せ、再び唇を重ねた。
先ほどより深く強く口付ける。
柔らかい唇を食み、彼女が漏らす息を呑み込む。
「っ…うっ……んッ……」
寄せられた柔らかい身体と、耳に届く今まで聞いたことのないキララの声に、劣情が首をもたげてくる。
握り締めていた手をゆっくりと離し、カツシロウはキララの腹に触れた。
びくりと身体が強張ったが、抵抗する訳ではなく、むしろキララはカツシロウの首に腕を絡めてきた。
カツシロウは手を登らせ、着物の裾から手を滑り込ませた。
柔らかい肌が指先に触れる。
ふっくらとした丸みを帯びたそれを指で辿ると、キララは僅かに身を捩った。
「カツ……シロウ、さまっ」
謝りそうになったけれど、謝るような事をしているつもりはない。
すまぬ、という言葉をぐっと飲み込み、カツシロウはキララを見下ろした。
「やめるか?」
キララは二、三度首を強く横に振ってから、
「その……少しくすぐったかったのです」
と口を尖らせた。
「そ、そうか。
ならばどうしたらいいか教えてくれ。
……言いにくい事だが、私は女人に触れるのはこれが初めてで勝手が分からない」
キララが見せた表情に動揺したことを悟られないように、カツシロウは平静を装ってそう告げた。
その甲斐あってか、キララはカツシロウの動揺には気づかなかったようで、
「ど、どうしたらいいか……って」
と酷く顔を赤らめた。
なんと可愛らしい顔をするのだ、とカツシロウは思った。
以前から可愛い顔立ちの人だとは思っていたけれど、こんな恥ずかしそうでいながら、
どこか拗ねた表情は見たことがない。
「キララ殿がしてほしいと思う事を教えてくれればよい」
カツシロウは言葉を変えてみたが、彼女はますます困ったような表情になるばかりで、
一向に教えてくれる様子がない。
それならそれでいい、とカツシロウは胸に触れていた指を動かし始め、額に口づけた。
「あっ……」
「教えてもらえぬのなら仕方がない。
……が、嫌なことがあれば言ってくれ。
しばらくは口を塞がずにおく」
「え……」
キララがこちらを向いたようだったけれど、カツシロウはそれを無視して、乳房をまさぐり始めた。
少し力を強めればくすぐったくはないだろう。
始めはそう思っていたけれど、触れているうちに指先だけでは物足りなくなり、
手のひら全体で肌を味わい始めた。
「んッ……あ、うっ!」
指に触れた質感の異なる突起を指先で弄ぶたびにキララが小さく声を上げる。
けれど、嫌だとは言わないし、腕から逃げるようなこともない。
「……っ!…あっ………ふ、ぅ…んッ!」
カツシロウはその声に促されるまま、瞼や鼻梁、頬や眉、とキララの顔中に口づけを繰り返し、
手の中で形を変える柔らかい乳房と、指で嬲るたびに硬さを増していく乳首を堪能した。
「かっ、カツシロウ様っ!」
不意に名前を呼ばれ、はっと彼女を見ると、彼女は少し潤んだ瞳でこちらを見上げて、
「少し……痛いです」
と言った。
言われて気がついたが、ずいぶんときつく彼女を抱き寄せていた。
「うぁっ!す、すまぬ……」
慌てて、手の力を抜く。
指が食い込みそうになるほど強く抱いていた腕を撫でると、キララは首を横に振ってそっと頬を胸に寄せてきた。
そうされてから、自分がすでにかなり昂ぶっている事に気がついた。
それすらも忘れるほど、キララに触れる事に夢中になっていた自分が情けない。
情けないし、乳房に触れただけでこれほどに我を忘れてしまうのだ。
この先へ進んだら、キララを壊してしまうのではないかとカツシロウは不安になってきた。
だからと言って、ここで止めるのは最低の行動である。
彼女も不安な筈だ。
男を受け入れる分、彼女の方が決意を必要としただろう。
それでも気持ちを固めて自分のところに来てくれたのだ。
カツシロウは出来るだけ大きく息を吸い込んでゆっくりと吐き出すと、彼女の着物に手をかけた。
「あっ……」
キララがとっさにその手を抑えた。
「駄目か?」
「いえ、その……」
「キララ殿の……全てを見たい」
キララに焦がれていた頃の気持ちをカツシロウは思い出していた。
あの頃は彼女に近づきたくて仕方がなかった。
話をしていても、手を握っていても、カツシロウはいつも彼女をどこか遠くに感じていて、
その距離を簡単に縮めてしまう他の侍たちをうらやみ、距離を縮められない自分に苛立っていた。
けれど、今は違う。
やっと彼女と同じ高さの場所に立てているように思える。
それでも、もっと近づきたい。
彼女の全てを見て、知りたい。
男の本能というよりは、そんな気持ちから出た言葉だった。
身体を見たところで、彼女の全てが分かる訳ではないだろう。
だが、彼女を隠すものは一つでも多く取り除きたかった。
カツシロウがキララの着物を引っ張ると、彼女は、
「あまりじっとは見ないでください」
とまるで独り言のように呟いて、着物から腕を抜いた。
乳房があらわになると、キララはすぐに両腕で胸を隠してしまった。
カツシロウはまた彼女の額に口づけると、そのまま彼女をゆっくりと横たわらせた。
「背は、痛くないか?」
そう問うと、俯いたままだった彼女は顔を上げ、ふわりと柔らかく微笑んで、
「はい」
と頷いた。
釣られて僅かに笑みを見せてから、今度は下半身を覆う着物に手をかけた。
一瞬、脚が強張ったようだったけれど、腰に手をかけるとキララはまた少し俯いて、
自分から腰を上げてくれた。
着物を一気に取り去ると、彼女の白い腹と秘部、そしてそこを覆う薄い茂みがあらわになった。
しかし、彼女は脚が着物から抜けると膝を折り、身体を捩ってそこを隠してしまった。
彼女の身体はカツシロウを欲情させた。
思わずじっとそんな彼女を見つめていると、
キララは困ったように眉根を寄せて、
「カツシロウ様……、あまり、見ないで下さい……恥ずかしい……」
と消え入りそうな声で告げた。
その表情とか細いくせに艶めいた吐息の混ざる声がまたカツシロウの情欲を煽る。
腕も脚も押さえつけて全て見たいと思う反面、胸や秘部を隠すために捩られた身体のなまめかしさが
触れてもいないのに、カツシロウの身体中に言い知れぬ高揚感をもたらした。
「すまぬ。キララ殿があまりに美しいゆえ、見惚れていた」
慣れぬ口説き文句が本心と混ざり合い、勝手に口をついて出る。
キララはカツシロウの顔を伺うように目を上げると、もう、とふくれっ面を作った。
カツシロウは片肘を突いて彼女の隣に横になると、その頬に口づけて、
「触れるぞ」
と低く言った。
キララがぎゅっと目を瞑って頷いたのを確認してから腰に手を伸ばす。
早く触れたい、早く繋がりたい。
繋がって、この身体の内に渦巻く猛りをキララの身体にぶつけたい。
思うままに彼女を蹂躪したいと叫ぶ身体中の熱を、理性が弾け飛ぶ寸前のところで押し留めながら、
カツシロウはキララの肌に触れた。
キララが身を硬くして、胸に額を押し付けてくる。
乳房とはまた違う滑らかな尻の感触にごくりと生唾を飲み込んで、カツシロウは手を滑らせた。
張りがあるのに柔らかいそこを撫でたり、揉みしだいたりしながら、手を脚の間へと下ろしていく。
考えてそうしているというよりは、半ば本能で手を動かしながら、カツシロウの指は卑裂にたどり着いた。
薄い茂みは僅かに湿り気を帯びている。
柔らかい肉に指先が触れると、キララの身体がまたびくりと強張った。
落ち着け、落ち着け、と自分に言い聞かせるが、鼓動は早くなるばかりだ。
身体の芯は心とは裏腹に、急げ急げとカツシロウの理性を剥ぎ取ろうとする。
「はあっ、はあっ……っ」
走った訳でもないのに息が切れ、喉がカラカラに干上がっている。
理性と本能の間を行き来しながら、カツシロウは指を進めて行くと指がぬるい粘液に触れた。
「あっ、……っ!……ん、んぅっ」
その粘液の間を縫うように指を動かすたびにキララが小さく甘い声を上げ、その声を聞くたびに
身体の芯がキリキリと張り裂けそうに痛む。
以前、ゴロベエに指南された女体の扱い方を必死で思い出そうとすることで、
かろうじて理性を保ちながら、カツシロウは指をキララの身体の中に侵入させた。
「んうっ!」
中はぬるぬるとした粘液で満たされ、指を動かすとくちゅりぷちゅりと音がして、
熱い肉が指に絡みついてくる。
「ふ……ん、くっ……カツシロウ、さま……」
キララに目を向けると、彼女の潤んだ瞳と目が合った。
のぼせた顔で乞うような眼差しを向けられ、カツシロウは彼女から手を離すと肩を押さえつけた。
「カツシロウ様……」
キララが不安げにこちらを見上げてくる。
それは理解できるが、それに対応する術を見つけられない。
いや、見つけようとすらせず、カツシロウは彼女の唇に食らいついた。
「んう!」
抗議の声のようにも聞こえたけれど、それに耳を貸すこともせず、
カツシロウは袴の帯を解きながら、口づけと呼ぶにはあまりに荒い愛撫をキララの唇に繰り返した。
唇を舐め、味わい、時折歯を立てる。
「カツ…シロっ……さま……っ!」
互いの荒い呼吸の間々にキララの声が自分を呼ぶが、それに応じる余裕などない。
袴が腰から滑り落ちると、カツシロウは片手を突いたまま、今度はキララの膝に手を伸ばした。
彼女はしっかりと脚を閉じていたが、それに構わず膝を割る。
「ふ……ッ!」
キララが唇を噛み締めた。
それでも構わず、顔中に口づけを繰り返していると、彼女の身体から僅かに力が抜けた。
カツシロウはキララの脚の間に己の身体を割り込ませると、猛った屹立を彼女の腹に押し付けた。
また、キララの身体に力が入る。
「キララ殿、キララ殿……」
肌の上に置くだけでたまらない快感が走り、うわごとのように彼女の名前を呼びながら、
カツシロウは身体を揺らした。
彼女は一瞬だけカツシロウを見たが、すぐに目を伏せ、ためらいがちに両腕を差し出して
カツシロウの首に抱きついた。
カツシロウは彼女の甘い香りに吸い寄せられるまま首筋に鼻先をすり寄せると、
先ほどのようにそこに口づけを繰り返しながら、自分自身を掴みその先で自分が求める場所を探った。
「あっ…うぅっ……」
押し殺すような掠れ声も今のカツシロウには自分を誘う甘美な声でしかない。
探るうちに先ほど指に感じたのと同じ感触が己の先端に吸い付いてきた。
首に巻かれた腕に力が入る。
それを了承の合図と断じて、カツシロウはキララを貫いた。
「ああッッ!」
カツシロウの身体の下でキララが大きく跳ねた。
しかし、それに構うことなく、カツシロウは身を覆う今までに得たことのない快感に身を任せ、
腰を引くと再び彼女の身体に自分を打ち込んだ。
「つ…あっ!……くッ!」
「キララ殿!キララ殿ッ!キララ殿ッッ!!」
カツシロウはひたすら彼女の名前を繰り返しながら、本能に身を任せた。
が、それもほんの少しの間で、カツシロウは迎えた絶頂に抗えないまま、キララの中に精を放った。
「くっ……ぅうっ……」
強い脱力感に身を任せ、キララの上に崩れ落ち、カツシロウが荒く喘いでいると、下から胸を押された。
「カツシロウ様……お、おもい……潰れてしまいます……」
その声でカツシロウはようやく我に帰り、飛び起きると、袴を腰まで引っ張り上げた。
彼女の肩に手をかけ、彼女を起こすと、カツシロウは思い切り頭を下げた。
「す、すまぬっ!すまぬ、キララ殿っ!」
先ほどまでのことがぐるぐると頭の中を駆け巡る。
我を忘れ、キララのことなど考えもせず彼女を蹂躪した。
彼女のこぼしていた声が苦痛を堪えるものだったことに今更気づく。
悔恨と羞恥に顔が熱くなる。
相手を見ず、行為に溺れて、思うままに身体を動かす。
これでは人を斬った時と変わらない。
「すまぬことをした……」
せめてこの後は少しでも思いやりを持ちたいと、彼女の着物に手を伸ばすと、
その手に彼女の手が伸びてきた。
「カツシロウ様。謝らないで下さい」
手を止めて彼女の顔を伺うと、彼女は微笑んでいた。
「だが、あれでは無理矢理に犯したのと変わらぬではないか。
キララ殿のことなど見えていなかった。
私はただ……」
「そんな事は……ないと思います。
カツシロウ様は何度も口づけを下さり、私の名前を呼び続けて下さいました。
だから、私は……犯されたなどというふうには思っていません」
「キララ殿……」
この人にどれだけ失態を晒したら自分は気が済むのだろう?
カツシロウは情けなさのあまりに目頭が熱くなるのを感じ、唇を噛み締めた。
彼女と目を合わせられずに膝の上で拳を震わせていると、両手が頬に伸びてきた。
思わず身体を引いたが、頬はしっかりとキララに捉えられ、視線を彼女の顔に向けた瞬間、唇を奪われた。
「んむっ!?」
彼女からの突然の口づけに困惑し、カツシロウはしばらく身動き一つ出来ずにいた。
それなりの時間が経ったけれど、キララも動く様子はない。
ようやくカツシロウが拳を解いて彼女の腕に触れると、キララはゆっくりと顔を離した。
「カツシロウ様……。
本当に嫌だと思えば、私はちゃんと抵抗することが出来ました。
力でカツシロウ様に敵わなかったとしても、それでも抗うことはした筈です。
でも、私はそうはしませんでした。
それを分かって下さいませんか?」
「キララ殿……」
カツシロウがためらいながら彼女に腕を伸ばし、肩に触れると、キララの肩は冷たくなっていた。
落ち込んでいた気持ちをどうにか封じ込めて、カツシロウは口を開いた。
「すまぬ」
「ですから」
「いや、夜風に晒してしまった。
……私でキララ殿を暖められるだろうか?」
掴んだ肩を自分の方に引き寄せると、キララは、
「お願いいたします」
と、はにかんでカツシロウに身体を寄せてきた。
膝の上にキララを乗せ、出来るだけ風が彼女に触れないように両腕で包み込み、
カツシロウは心の中でもう一度だけ、すまなかった、と詫びてから額に口づけた。
「暖かい……」
彼女の額に頬を寄せ、冷たくなった肩を撫でてやる。
キララから漂う甘く優しい香りと、柔らかい身体の感触がカツシロウの意志とは無関係に彼の身体を熱くしていく。
それでも先ほどまでとは違って、頭の中は随分と冷静でいられる。
先ほどの感情が荒れ狂う波であるとすれば、今は静まり返った湖畔のようだ。
もう一度キララを抱きたいと思った。
今なら先ほどのようなことにはならないだろう。
だが、それは許されることなのだろうか。
彼女は酷い事をされたとは思っていないと言ったが、苦痛を感じていたのは間違いない。
破瓜の痛みは男には想像できないものだと聞いたことがある。
そんな苦痛をもう一度与えることになりはしないか。
抱きたいと思っているのはおそらく自分だけだろう。
ならばもう、こうして身を寄せている必要もないのではないだろうか。
これ以上こうしていると堪えきれなくなりそうで、カツシロウはもう村に戻ろうと思い、
キララからゆっくりと顔を離した。
彼女がこちらを見上げる。
「もう戻ろう」
そう告げるつもりで彼女に目を向けたのに、目が合った瞬間、その言葉はどこかに消え、
二人は無言のまま見つめあった。
ここで離れ、明日別れを告げたら、もう肌を重ねることは二度とない。
それどころか、会う事ももうないだろう。
だからと言って、今夜一晩、彼女を求め、自分の要求に答えてもらったところで満たされる筈もない。
彼女を満たすことなど到底出来る筈がない。
頭ではそれを理解できた。
けれど、その理解を拒絶する心に逆らえず、カツシロウは再びキララに顔を寄せていった。
救いは彼女も自ら唇を寄せてくれたことだった。
(続)
954 :
名無しさん@ピンキー:2008/11/30(日) 15:17:57 ID:GJFkOTY6
ご馳走様でした。乙!!
乙!!チェリーカップル萌えす
カツキラ最後です。
読んで下さった方ありがとうございました。
10レスお借りします。
二人はまた求め合う口づけを繰り返し交わした。
互いに相手の髪に指を絡め、唇を吸う。
甘い吐息とその音が、重なった唇の間から漏れ聞こえる。
「はふっ……」
少し唇を離した瞬間、二人は同時に同じため息をついた。
「…………」
「…………」
思わず顔を見合わせ、二人は笑った。
カツシロウは笑いながらキララを抱き上げ、再び彼女を着物の上に横たえた。
よいか、とは聞かず、カツシロウはキララの手を握って額に口づけながら、
「先ほどの雪辱戦だ」
と言った。
「そんな、雪辱だなんて……」
キララが口づけを受けながらくすぐったそうに首を竦める。
「キララ殿が気にすることではない。男の見栄だ」
少しでも彼女の緊張を解きほぐそうと、カツシロウは顔への口づけを繰り返した。
夢中になって口づけを繰り返した先ほどとは違い、触れるたびに彼女の反応を感じられる。
頬に口づければ嬉しそうに笑い、瞼に口づければ驚いたように肩を竦める。
そして、唇を吸うとほう、と甘いため息をつく。
そのどの仕草に対しても、カツシロウは愛おしさを感じていた。
明日になれば離れてしまう。
だからこそ、自分が見ることの出来る全ての彼女を感じたいと思った。
先ほどは触れることをしなかった耳を噛むと、きゃ、と声が上がった。
耳を押さえて、月明かりの下でも分かる真っ赤な顔で、キララがこちらを睨んできた。
「カツシロウ様!そんな、いきなり噛むなんてびっくりします」
本人は少し怒って抗議しているようなのだが、そんなふうには全く見えない。
「……すまぬ。……では、耳に触れるぞ」
「え……?……あ…ふああっ!」
カツシロウが耳を咥え輪郭に沿って舌を這わすと、キララはこれまで聞かせてくれなかった嬌声を上げた。
もう一度、先ほどより強く、耳を形作る渦に沿って舐めてみる。
「ん――ッ!……くっ…や、アッ!」
堪えようとして、堪えきれずに上がった高い声に、カツシロウは身体に熱が舞い戻ってくるのを感じた。
「か、カツシロウ…さま……」
その声を求めて舌先を耳朶に触れさせたところで、キララのか細い声がカツシロウを制止した。
顔を上げると、真っ赤になった泣きそうな顔でふるふると首を横に振る。
本当はもう少し堪能したかったけれど了解して、また頬に口付け、彼女が安心したように微笑んだところで、
今度は顎に口づけ、首筋へと唇を下ろしていった。
「…ふっ……」
耳に触れた時のような声は上がらないが、熱いため息が耳に届く。
そのまま胸元へと進んでいき、白い乳房を緩く吸うと淡い痕が残った。
左手はキララの右手を握ったまま、右手と唇で彼女の乳房を味わい、
カツシロウは、今はおまえは自分のものだと主張するかのように、彼女の柔肌にいくつもの痕を残した。
「あ……カツシロウ様……カツシロウ様…っ……」
キララもそれに応じるようにカツシロウが微かな痛みを与えるたびに、うっとりと彼の名前を呼ぶ。
その行為にようやく満足したところで、カツシロウは今度は胸の頂を摘み上げた。
「ひ、ぅんっ!」
痛みを与えたかと顔を上げると、キララは左手で口を押さえ、こちらに目を向けていた。
「痛かったか?」
顔が横に振られる。
「続けても……?」
繋いだ手を握り直し、胸の先端に軽く口づけながら問うと、彼女は少しためらってから僅かに頷いた。
「キララ殿……」
彼女の胸元に再度目を落とすと、カツシロウは吸い寄せられるようにキララの乳房を口に含んだ。
カツシロウは赤子のするように唇で右の乳首をはさみ吸いながら、
右手では左の乳房を柔らかく揉みしだいてその先を指で捏ねた。
「うっ……くっ………ン、ふぅ」
キララのため息と柔らかく甘い香りを漂わせる彼女の身体がカツシロウの熱を誘い、
下腹部に血液が集まってくるのをカツシロウは感じていた。
カツシロウは今度こそゴロベエの言葉を思い出していた。
『女人は愛してしかるべし。
どんな女を抱く時であっても手を抜いてはいかん』
はあ、と顔を熱くしながら応じたカツシロウの肩を組んで、ゴロベエは真顔で人差し指をピンと立て、
講釈を続けた。
『よいか?おなごは男と違い、快楽を得にくいように出来ておる』
その手の話しに疎かったせいで、耳が熱くてたまらなかったのを良く覚えている。
『しかし、だ!おなごというのは、男と違い身体全てで感じるように出来ておる。
快楽を得にくい分、快楽を得る面積が広いということだ』
俯いてしまった自分に構うことなくゴロベエは続けた。
『だから、身体全てを撫でてやればよい。口づけでもよい。
いや、むしろ口づけの方が効果的だ』
逃げようとするカツシロウの唇をつついて、彼は更に続けた。
『優しく、優しく吸ってやるのだ』
ゴロベエの突き出た唇が頬に寄せられて顔を背けるカツシロウを見て、シチロージとヘイハチは
ゴロベエ殿はためになることを言っているから聞いておくといい、と笑っていた。
『よいな。愛しみながら、だぞ?
そうすれば、こちらには倍になって帰ってくる』
そ、そういうものですか……。
なんと答えてよいか分からず、そう返すと、ゴロベエは更に具体的に話を続け、
カツシロウは未知の世界の色事にくらくらとめまいを感じながらその話を聞いたのだった。
そんな事を思い出しながら、ただ少しでも快楽に近いものを感じてほしくて、
カツシロウはキララの身体に愛撫を繰り返していた。
舌を絡めたせいで乳房に纏わりついた唾液を吸い、胸元から腹へと唇を滑らせ、
右手では柔らかな曲線を描く腰を撫でた。
キララの上げる声が掠れている。
時折様子を伺う限りでは嫌がっている素振りは全く見せない。
ただ、困ったように眉を顰めて、赤く潤んだ瞳がこちらを見つめ返すだけだ。
もっと色々聞いておけば良かったかもしれない。
キララが今どう感じているのかよく分からない。
臍に舌を差し込み、ちろちろと舐めると、
「はぅッ!」
と、呻くような声がして、強く手を握り締められた。
本当に女性というのはありとあらゆるところで感じられるものらしい。
自分がこんなことをされても、くすぐったいと身を捩って笑うだけだろう。
脚の付け根に手を移し、顔を更に下に移そうとすると、キララが慌てて身体を起こし、肩に手をかけてきた。
「カ、カツシロウ様っ!そ、それ以上はもう……」
赤くなった顔は今にも泣き出しそうだ。
やはり二度目をする気にはなってもらえなかったらしい。
カツシロウは、ああ、と呟いて、
「すまぬ、調子に乗った」
と、笑おうとした。
「い、いえっ!そうではないのです……」
そんな笑いを遮るように言ったキララの言葉の意味が全く解せず、どうすればいいのかと彼女の顔を見ていると、
彼女は繋いでいた手を握り締め、反対の手で顔を覆いながら、
「そこから先は……汚い、ので……」
と言葉を濁した。
何を言われるのだろうと思っていたカツシロウはほっとして、キララに笑いかけた。
「汚くなどない。続けさせてくれ」
「でも、そこはっ……」
脚をしっかりと閉じてカツシロウの肩を押し、顔を離させようとするキララに構うことなく、
カツシロウはゆっくりと繋いでいた手を解くと、両手を彼女の膝に置いた。
「もし汚いのだとしたら、私が汚しただけだ。
ならば、拭うのは私の役目だ」
「カツシロウ様っ!」
少し抵抗はあったけれど、カツシロウが力を入れると彼女の脚は簡単に開いた。
「やっ!」
キララが両手で顔を覆う。
一瞬、拒絶されたかとびくりとしたが、キララがそれ以上抗う様子を見せないので、
カツシロウは片手を膝に添えたまま彼女の背に手を廻し、再び彼女を横たわらせた。
膝に一度口づけて、もう一度両手で両足を開く。
膝は震えているけれど、閉じられる気配はまるでない。
初めて目にするその部位にカツシロウはごくりと唾を飲み、顔を寄せていった。
なんともいえない蒸れた香りに、覚えのある臭いが混じっている。
自分が彼女の中に吐き出したものか。
カツシロウは詫びるように腿に口づけながら、更に顔を近づけていった。
柔らかい茂みの中に筋があり、柔らかそうな肌がその奥をかろうじて隠している。
そこを開こうとして、カツシロウは尻の方へと跡を残す幾本かの赤い線に気づいた。
ずきりと胸が痛んだ。
破瓜の時は痛みと共に血を伴うとは聞いていたが、目の前にその跡がある。
自分の乱暴な振る舞いを改めて見せつけられ、カツシロウは再び自分のした事を悔やんだ。
だが、今は言葉で詫びる時ではない。
カツシロウは舌を差し出すと、その血の跡を拭い始めた。
「ふぁうっ!」
跳ねた腰を抑え、舌先に鉄の味を感じながら丁寧にそれを拭っていく。
「ん、あッ!……んっ!」
舌を這わすたびに、キララの声が高くなり、鼻先の蒸れた匂いが強くなり、
カツシロウは耳と鼻と目からの与えられる刺激に、硬さを増す己を無視できなくなってきていた。
血を拭い去ると、カツシロウは両手の指を媚肉に添えた。
両肩に乗せてあるキララの脚に力が入る。
だが、相変わらず拒む様子は一向に見せない。
酷く動悸がしてきた。
先ほど触れはしたが、見るのは初めてだ。
女の身体に対する興味と期待、それに罪悪感が混ざって首を流れる血液がどうどうと音を立て、頭を熱くする。
カツシロウは一度大きく深呼吸すると、壊れ物を扱うかのようにゆっくりとそこを開いた。
「ひぅっ……」
赤く充血し、粘液に塗れて光る肉の襞の間からどろりと白い塊が流れ落ち、つんと鼻をつく異臭を放つ。
また後悔の念を感じたが、それ以上に自分の精を含んだその場所に激しい興奮を覚える。
指を差し入れると、腰が浮いた。
しかし、それに構うことなく指で中を探る。
「ア……んッ!ゃ…ぅんッ!ああッ!」
始めは自分の放ったものを掻き出すつもりの行為だったが、
キララの嬌声を聞くうちにカツシロウはそんな事も忘れ、ただただその中をかき乱した。
白濁と交じり合った愛液がじゅぶじゅぶと音を立てて溢れてくる。
半ば無意識に口を寄せ、カツシロウはその中を指で乱しながら周囲に舌を這わせた。
「きゃ……ふッ!ん、くっ……ぅ、…あッ!ふ、う……んんッ!」
キララの声が高くなり、ぬるぬると滑る肉が指に絡みつく。
その声がもっと聞きたくて、溢れ出す蜜をもっと味わいたくて、
カツシロウは反応の強い場所に指を擦り付け、襞の間にあるまだ鉄の味を僅かに含む雫を丹念に舌で掬った。
もう一度この中に自分を挿れたい。
身体が強くそれを要求してくる。
けれど、それをしたらまたキララをぞんざいに扱うことは目に見えている。
カツシロウが彼女を求めてやまない本能にどうにか歯止めをかけ、
彼女に気づかれないように袴に手を入れようとしたところで、
「カツ、…シロ、………さま……」
とキララに名前を呼ばれた。
自分の行動が見透かされたかと思い顔を上げると、キララは両手をこちらに差し伸べていた。
「キララ殿……?」
「カツシロウさま……っ……切ない、です……」
その腕に誘われるまま彼女の身体の上をよじ登っていくと、彼女は微笑んできゅっと首に抱きついてきた。
柔らかい乳房が胸に触れ、脚が袴越しにこちらの脚に寄り添ってくる。
誤魔化そうとしていた屹立は彼女の腹に触れている。
「キララ…どの……」
暴挙を起こしそうになるのを必死で堪えながら顔を上げて彼女を見ると、キララは、
「カツシロウ様……もう一度、……カツシロウ様を……」
と、泣きそうな顔でそれだけ告げた。
「キララ殿っ……」
カツシロウはキララを強く抱きしめると、そのまま袴を引き摺り下ろした。
遠慮がちではあったけれど、今度はキララが自ら脚を開いてくれる。
そこに身体を入れると、カツシロウは自分と彼女の身体の中心を合わせ、彼女を見た。
よいか、と問うた訳ではなかったけれど、キララは微かに頷き、カツシロウはそれを見て、
自分の猛った熱を彼女の中に推し進めて入った。
「んッ!んンッ!!」
まだ苦しいのか、彼女の形の良い眉が歪む。
「キララ殿ッ!」
愛おしさに思わず名を呼び、抱きしめると、幾度かの浅い呼吸の後、キララは、
「カツシロウ様……」
と答えて、抱きしめ返してくれた。
身体の隙間はぴったりと埋まったが、カツシロウはすぐには動かずにいた。
いや、動けなかった。
ひとたび動いてしまえば、また先ほどのように我を忘れそうで怖かった。
もっとも、こうしているだけでもカツシロウの理性が消えるには十分な快感がそこにはあったけれど、
カツシロウはそれを堪えてキララの体温を自分の身に刻みつけようとしていた。
「カツシロウ様……」
再び呼ばれて顔を上げると、少し落ち着いた様子のキララの顔がそこにあった。
「キララ殿……」
うっすらと汗を浮かべて微笑む彼女に、笑みを返すと、彼女の小さな手がするりと頬を包み込んだ。
彼女の意図を汲んでカツシロウが彼女に口づけると、彼女も唇を吸い返してくれた。
身体だけでなく、ようやく気持ちもキララと繋がったような気がしていると、不意に唇を舐められた。
「キララ殿っ!?」
「ふふっ……先ほどの、お返しです」
キララは猫のように目を細めると、また唇を舐め始めた。
ただ唇を重ねた時には感じられなかった刺激が背筋を這う。
「きらっ……らっ」
カツシロウに構うことなく、キララは唇を割り、口内に舌を侵入させてきた。
舌と舌が触れ合い、身体全体を強い痺れが走りぬけた。
せっかく押さえ込んでいた本能が、理性を押し退けようとしている。
「キララ殿……っ!」
思わず顔を離すと、キララは、
「あ、あの……お嫌でしたか……?」
と困惑した表情を見せた。
慌てて首を左右に振る。
「嫌だったのではない。ただ、少々驚いて」
目の前の顔がほっと緩む。
「それに……そのような事をされると、また」
「強く……求めて下さいますか?」
カツシロウの言葉を遮ったキララの目は今まで見たことのあるどの表情とも違っていたが、
彼女も自分を求めていることは伝わってきた。
「おそらく、……容赦、できぬが……よいか?」
「はい」
キララが赤い顔でそう頷いたのを確認して、カツシロウはキララの口に唇を重ねた。
先ほどされたように彼女の唇を舌で嬲りながら口内へ侵入していくと、彼女の舌が絡み付いてきた。
今までに感じたどんな感触よりも強く、そして心が満たされていく気がした。
身体は自然と動くに任せる。
やはり、理性が侵食されていく。
理性がほとんど姿を消しても、カツシロウはキララを求めた。
口が塞がっているせいで名を呼ぶことは出来なかったが、代わりに片腕で彼女を強く抱き、
片手をしっかりと握り締め、思うままに口内を乱した。
「んーっ!ふ……う、ふぅうッ!んむぅっ……んっ!ンンぅッ!!」
口の中から彼女の声が脳に響き、細い腕が自分をかき抱き、キララも自分を求めているという事が
強く感じられる。
彼女と溶け合っているような錯覚に陥った瞬間、カツシロウの熱がキララの中で爆ぜた。
再びキララの上に崩れ落ちたカツシロウは身体の下の体温を感じながらけだるさに身を任せていたが、
しばらくすると胸を押された。
「カツシロウ様……お、おもい……潰れてしまいます……」
「うあっ!す、すまぬっ!」
はっとして起き上がろうとすると、身体を浮かせたところで肩を掴まれた。
「離れてしまわないで下さい……」
キララは少し俯き加減だ。
「キララ殿……」
彼女の上からは滑り降りたが、身体を密着させて彼女を抱きしめると、彼女は嬉しそうに
頬を胸に摺り寄せてきた。
「カツシロウ様……」
「キララ殿……」
汗で額に張り付いた髪をよけ、そこに口づけると、キララが顔を上げて何か言いたそうな顔でこちらを見た。
「キララ殿?」
しばらく見つめ返していたが、何も言わずにいるキララにカツシロウが問いかけると、
キララは頬を赤くして、視線を逸らし、
「お願いしてもよろしいでしょうか?」
と聞いてきた。
この期に及んでまだ何かあるのだろうか、とカツシロウは僅かに不安を感じながら、
「私に出来ることなら」
と、答えた。
「……カツシロウ様にしかお願いできません」
「ならば、もちろん」
「もう一度……口づけて、いただけますか?」
思わず顔がほころぶ。
「喜んで」
カツシロウがキララの瞼に唇を落とすと、物欲しげに唇がこちらに寄ってきた。
ちゅ、と音を立ててそれを吸うと、キララは嬉しそうに目を細めてくれた。
その顔が可愛らしくて、今度は頬に口づける。
そんな事を繰り返すうちに二人は抱き合ったまま、また唇を塞ぎ合い、舌を求め合った。
息が詰まるほどの深い口づけを続けた後、ゆっくりと顔を引いて見つめ合う。
空はまだ暗く、月は高い。
口には出さなかったけれど、この夜を二人で明かすことを相互に了承し、二人は再び抱きしめ合い、唇を重ねた。
(了)
GJ!ご馳走さまでした。カツキラいいよな
お疲れ様でした!
保守
キュウキラ投下してくれるお侍様はいねぇべか…
今年中に1000はムリか…
おらは頑張るだ
おら東京さ行くだ
974 :
名無しさん@ピンキー:2008/12/13(土) 11:28:51 ID:GWGhArRH
おらこんな村嫌だ
エロじゃなくてもキュウゾウは話作りにくいからなあ
そもそもあの宇宙人に性欲はあるのか?
もしあったとしてヤりたくなる→適当に目に付いた女をレイープ→バッサリとか普通にやりそうだ。
それでは野伏せり様より悪質な連続強姦殺人鬼ぢゃないかw
性欲はあるだろうけど“メンドクサ”と思いながら、
さっさと排泄行為の一環として自分で処理するか
癒しの里にでも行って適当に済ませている気がする。
年末ほしゅだべ
年始ほしゅだべ
あけおめ
キュウキラ考えたいんだけどさ、この二人をエロにもって行くまでを
早急さが無い様に書こうとするとすごく長くなりそうなのよ
>>981 長くても構わんだで、是非投下してくだされおさむれぇ様!
んだんだ。
でもこのスレも残り少ないだで、状況によっては
新スレ立てて投下した方がええかもしれんなあ。
まずは、お侍さまに書いて貰わねば話になんねえ
がんばって書いてくだせえ、おさむれぇ様!