ときメモGSシリーズでエロパロ 2

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無しさん@ピンキー
素敵なエロ話でスカーッとしましょう♪
エロエロハッピーエロハッピー!!
○SSの神のご光臨お待ちしております。
○sage進行でおねがいします
○雑談OK!
SS貼り付け前や感想を言う前の“気配り”を忘れずに。
過去ログ及びローカルルールや
ローカルルールにするまでもない注意書きは>>2-10辺り
2名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 19:28:26 ID:LgbRJtTA
●気配り例(ローカルルール)●
1.鏝半は連作以外は避ける
2.エロナシはスレ違いなので避難所なり各サイトへ投稿
直接行為がなくてもエロい雰囲気のものは投稿可
3.特殊な設定が出てくる場合は最初に宣言をして嫌な人がスルー出来るようにする
※特殊設定の例:鬼畜・3P・百合・当て馬・ライバル
その他主人公×男キャラ以外で波紋を呼びそうな場合や
設定上名前だけの登場の場合も各々考えて随時宣言して下さい
4.「こんなの@@(キャラ名)じゃない」等の意見は避ける
5.470KB辺りorレス数970で新スレを立てる
※新スレ即死防止に、職人さんがSSを準備してある状態で立てるのが望ましい

●ローカルルールにするまでもない注意書き●
1.名前欄は 「タイトル」 にしていただくと、倉庫管理の人が助かるかもしれません。
2.1話完結の場合は 何分の何 と名前欄に書いていただくと、割り込みが防げます。
3.続きものの場合は、「今日はここまでです」と言っていただけたら、
続きがあるのかどうか分からなくて書き込みタイミングを迷っている
私達が書きこみしやすいです。
4.リクキボン・進行状況報告・需要ある?等の誘い受は嫌われます。
3名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 19:28:49 ID:LgbRJtTA
前スレ
【葉月】ときメモGSシリーズでエロパロ【佐伯】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1154153236/
ガールズサイドでエロ萌え 8
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118170251/
ガールズサイドでエロ萌え 7
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1082134029/
ガールズサイドでエロ萌え 6
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1059833496/
ガールズサイドでエロ萌え 5.5
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1045920058
ガールズサイドでエロ萌え 5
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1045/10456/1045617301.html
ガールズサイドでエロ萌え 4
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1035647717
ガールズサイドでエロ萌え 3
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1026/10269/1026922511.html
ガールズサイドでエロ萌え 2
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1026/10261/1026148760.html
ガールズサイドでエロ萌え
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1025/10254/1025465341.html
【有志ページ】
●SS保管庫●
http://gs-ss.s7.x-beat.com/
4名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 19:42:03 ID:Xxh0KttP
>>1乙カレー。

今スレも繁盛祈願!
5名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 19:51:59 ID:YtpNq5pF
>>1、後で乙乙er乙estの刑、略して三倍返しの刑な。

スレ立て待ってる間、即死回避用になんか妄想でもと思ったんだけど
こんなときに限って役に立たない自分の脳(ノ∀`)
6名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 20:07:39 ID:B9G1UXu+
なすが乙。されるが乙。
自分も妄想してみたけど形にならないや。
職人さんたちほんとスゴス!いつもありがと!
7名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 20:19:28 ID:xpGi3Bqd
>1 乙です!

>5 それはオツ・オッツァー・オッツェストと読む…のか?
私も即死回避に二つ目の妄想投下…できるほど筆が速くなかった。アチャー

そういやGS1の時もはばたきウォッチャーとか読んだことないんだけど、
隠しの各種設定って公開されたりとかする? ゲームには一切関係ないんだけど。
公開になってない限りは捏造しちゃっていいんだよね?
82:2006/09/06(水) 20:25:36 ID:YtpNq5pF
>>7
そんな感じで。

妄想できたけどSS書くのもエロも投下も初めてなので優しくしてね(*ノノ)

<内容・諸注意>
・デイジーソロプレイ
・好きな人からのレイプ願望ちょっとあり
・相手は好きに想像してください。
・即死回避用のはずが超短文で限界
9デイジーソロ:2006/09/06(水) 20:27:04 ID:YtpNq5pF
それは密やかな睡眠儀式。

深夜0時。
灯りを落とした室内に、押し殺した息遣いと微かな水音だけが聞こえていた。

「…んっ……は…っ」

硬く尖った胸の頂を指先で転がし、もう一方の手は自らの茂みを掻き分け
たっぷりと濡れそぼった蜜壺へと沈ませていく。
ああ、これがあの人の指だったら、舌だったら、自分はどうなってしまうのだろう。
あられもない姿で誘って、まるで発情期の猫のように啼いて
そんな自分を見てあの人はどう思うのだろうか。
どうしようもない自分の欲を分かって抱いてくれる?
いやらしい女だと軽蔑する?
…それとも、軽蔑し罵った上で自分を壊してくれるだろうか。

「……っ、やめ……いやぁ…っ…!」

あの人に圧し掛かられ、玩具のように犯される自分。
その光景を想像した途端、背中をぞくぞくと何かが駆け上がっていく。
中に埋め込んだ指はさらに激しく奥を求め、親指で乱暴に芯を押しつぶす。

「…や……イっちゃ…っ……も……ぁあっ!!」

迎えた絶頂に震えながらも、余韻を味わうかのようにゆっくりと愛撫を続け
やがて吸い込まれるように眠りに落ちた。
10名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 20:28:29 ID:YtpNq5pF
超短文ですが以上です。
妄想を形にして文章書くってすげー難しいね。
11名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 22:11:28 ID:2qyNFwUb
んじゃ漏れも即死回避の為に妄想うp。
なんちゃってエロパロなんでエロなし。
マッドサイエンティスト若×デイジーでつ
12若×デイジー1/1:2006/09/06(水) 22:12:56 ID:2qyNFwUb
今日、科学室に呼び出された小波美奈子は若王子先生に妙な液体を飲まされていた。
「君、以前学校の帰りに『一流企業に入社する為に魅力をアップするクスリがあるなら飲みたい』っ
て言っていましたよね。 実は、出来たんですよ。魅力をアップするクスリ」
てことで、その不思議な甘い液体を飲んでいた美奈子だが……。

「……最近キミは課外授業、来てくれなくなりましたね」
「はい?」
急に先生のあのいつもの和やかな空気が冷たいものになった事を感じる。
「小波さん。 誰か好きな人ができたのかな。 『魅力』をアップしないと落とせないような相手が現れた?」
「へ?」
何を言われているのか解らない。
「そういえばよくキミが下校時に特定の男子生徒と帰っているのをみかけました。 カレですか?」
「先生! 違うんです」
「どう違うんですか?」
「一番スキなのは若王子先生です。 でも、私、どうしても先生のED3が観たくて。 それでワザと先生に
冷たくしてました」
「やや、そうだったんですか。 ナルホド。 しかし、それならちょっとマズイ事になりました」
「先生?」
「今、飲ませた液体ですが、それ『媚薬』です」
「エエェェ(´Д`)ェェエエ」
ゆっくりと何かが体中を染み渡る。血管になにかがジワジワと広がっていく。
それと同時に、心臓がドキドキし始めていることに気が付く。 息が荒くなっていく。

「先生……あつい……。身体が熱いよ……」
「困りましたね〜」
「せ、せんせぃ……。私、私……もう帰ります」
「ダメ」
「え?」
「そんなエロかわいい顔で帰ったら、思春期のオオカミ共の餌食にされちゃいます」
「それじゃあ、どうしたらいいんですか……ハァハァ」
「大丈夫。 薬の効果が切れるまで先生が相手をしますから。 最近キミと運動して身体鍛えてますから
明日の朝まだだって大丈夫ですよー。 よーし、先生がんばっちゃうぞー!!」

美奈子はED3の告白を見るのはもう諦めた。 でもリセットするのはもうちょっと後にしようと思った。

糸冬
13名無しさん@ピンキー:2006/09/06(水) 22:41:08 ID:Xxh0KttP
>>12
ワロタwwwwwwつうかそういう手があったか!GJ!

こっちも即死回避。ってもうもしかしたら大丈夫?
若×デイジーの小品落としておきますね。って若デイジー連荘…
14若×デイジー:2006/09/06(水) 22:41:59 ID:Xxh0KttP
「…おいで」
寝転んでわらう先生の瞳がまるで三日月みたいに細められる。
それはわたしのとても好きな表情で、見てしまった瞬間逆らえなくなる。
いつだってそう。

先生の上にゆっくりと覆いかぶさって、唇を合わせる。
いつまでたっても慣れない姿勢。でも、これがはじまりの合図。
恥ずかしいから嫌だと何度訴えても聞く耳持たずのその態度に
ため息をついて諦めたのはいつのことだったか。もうそれからずっとこうだ。
何度理由を問いただしても、教えてはくれない。

待ち焦がれていたと言わんばかりに両手がわたしのからだを溶かしていく。
唇はずっと触れ合ったままだ。
少し荒れた指先がブラウスを潜り、肌を滑ってゆく。
確かめられるように触れられるのは嫌いじゃない、でももどかしい。
…でも、自分からは言えない。
ゆっくりとした愛撫に、興奮よりも先に愛されている実感を得る。
もしかしたら、これはものすごく贅沢なことなのかもしれない。

性急にことを進めるような相手じゃない。確かめるように触れ、愛してくれる。
同世代の男の子じゃ、きっとこうはならない。
どちらのペースに合わせるでもない、ふたりのペースで進む時間。
それは、とてもしあわせな時間。

そして、気づかないほどゆっくりと行為は加速する。
わたしのからだをくまなく調べて何がわたしの望みかを言わずとも察して、
そして、わたしをどこか高みへ連れて行ってしまう。
吐く息があつい。からだがあつい。

そして、それは私だけじゃない。


汗だくのまま抱き合うじっとりとした感触。
決して気持ちのいいものではないはずなのに、なぜか悪くないと思える。

きっと、お互いが心ごと通わせることが出来たから。

「や…何を笑ってるんですか?」
「なんでもありませんよ」

きょとんとした顔がおかしくて、いとおしくて、
首根っこに抱きついて頬ずりをした。
155=8:2006/09/07(木) 00:37:04 ID:v9nPMWvK
ごめん、自分2じゃなかった(´Д`;)

>>11-13
二人ともGJGJ!
特に>>12バロスwww
16名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 01:42:05 ID:GRlW+RoX
>>1
乙です
そういえば保管庫の方はどうなってるんだろうか
17名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 01:52:06 ID:4IaxUKEH
保管庫は今年に入ってから更新ないようだけど、
GS2は別に保管庫あった方がいいんだろうか。
18名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 01:54:02 ID:0YzmGa8R
>>1
乙です

水着エプロンを書くに当たってちょっと聞きたいんだが、
キテルがデイジーに手伝わせたあの海の家・珊瑚礁は、浜にあるんだよな?
あの喫茶店を海の家として営業してる、わけじゃないよな?
19名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 02:49:02 ID:rocMA0Xn
>>1
イチモツ!

GS2保管庫欲しいな〜。
ここんとこ神の降臨が続いてるし絶対必要になると思う!
前スレ809神(寸止め姐さん)の話がスレをまたがってしまったことだしw
このスレで後編だけ読んだご新規さんがDAT落ちで前編読めなかったら
可哀想だ(ノД`)
20名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 03:52:19 ID:I7fymuUL
>>1乙!

保管室の方見てきたけど、2ヶ月前に保管人の人がいた形跡がある
気付いてないだけで、言えばやってくれるんじゃないかなーと思うんだが
お願いしてみてもいいだろうか?
今のところ2のSSしかないが、スレ自体はGSシリーズのものだし
2専用保管庫を新たに作るより、部屋を別にしてもらえばいいかなと
21名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 03:56:11 ID:nH6MxxmL
>>1
乙です

>>18
スチルの背景じゃよくわからないけど、
キテルの台詞「着替えてエプロンつけたらフロアな」ってのと
待ち合わせが(喫茶)珊瑚礁だったことを考えると
あの喫茶店が臨時海の家…? と思えなくもない。
でも正解がゲーム中にハッキリ出てるわけじゃないし、
妄想の都合のいいように解釈してもいいんジャマイカ?
22名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 05:26:26 ID:iCWZPKb1
スレ立て乙。
実質11スレ目なのをどこかに書いてほしかったが。
次スレは12と入れてやってちょーよ
23名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 08:03:00 ID:JXPADUdB
>>22
おまいの口調に萌えた(*´д`)ハアハア

海の家は一角借りてる印象があるな。テキ屋みたく。
集合場所が珊瑚礁だし(私物スペースとかなさげ)

まあその辺は書き手さんに任せるのがいいわさ。
24名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 12:13:38 ID:kDnuC4mt
>>1

確かに保管庫は現行スレの書き換えされてるね。
SSの更新がないのは忙しいからかもしれないし、
もうちょっと様子見てから、引き継ぐなり、未更新部分以降を
別にまとめるなりすればいいんじゃないかと思う。

と、言い出した責任を取ってもし↑のようなことになったら
まとめサイト作成は請け負うよ。
25天地×デイジー0:2006/09/07(木) 18:06:16 ID:CC2fEF5B
今なら投下出来るかな…
初めてのSSで、天地×デイジーです。

●デイジーの事故チューの相手は志波
●一筋プレイデイジーの為、天地以外とは爆弾解消の電話、一緒に下校&お茶しかしていない
●事故チュー効果とパラ萌えで志波は友好。デイジーの運動と気配りパラは物凄く高い訳では
無い為、これから先も友好のまま
●天地はときめき。そして嫉妬深い
●始めは無理矢理っぽいけど結局ラブラブ
●長い割にエロが温い

以上が注意点になります。神の降臨を待たれる方々の暇つぶしにでもなれば幸いです。
携帯からの為、投下に時間がかかると思いますが、お時間を戴けると嬉しいです
26天地×デイジー1:2006/09/07(木) 18:08:19 ID:CC2fEF5B
今日は何てつまらない一日だったんだろう。部活中も、気合いの入らない練習をしてしまって、
部長に何度も叱られた。そんな一日もようやく終わりを迎えてくれたので、僕はさっさと帰路に
つこうとする。その時、チアリーディング部の三年生達に
「ねぇ、天地くん。奢ってあげるから、ケーキ食べにいこうよ」
と誘われた。彼女達の話に適当に相槌を打ちながらニッコリ笑ってみせるだけで、タダで好物が
食べられるんだから、まぁ悪い条件じゃない。そこまで考えた上で
「ええ、もちろん良いですよ」
と答えると、みんな黄色い声を上げて喜ぶ。
女の人なんて単純で簡単。どうせ上辺だけの僕しか見ていないんだから。

喫茶店に入り、彼女達に薦められるケーキを口に運ぶ。そういえばこの前もこのケーキ
食べたっけ。凄く美味しかった事を、よく覚えてる。
なのに、何でだろう。今食べているケーキは、全然美味しくない。まるで砂を噛んでいる様だ。
何だか、それ以上食べる気が起きなくて、トイレに行くと言って席を立った。

鏡の前で自分の顔を見てみる。そこに映っている僕はひどく不機嫌な顔をしている。
「あははっ、ひどい顔だな、我ながら」
その顔の理由は明らかで。
27天地×デイジー2:2006/09/07(木) 18:11:06 ID:CC2fEF5B
…そう、今日は一度も先輩と会っていないせいだ。


先輩といる時だけ、僕は作られた笑顔じゃなく、本当の笑顔になれる。
あの人だけは、本当の僕を知ってくれている。
僕は、人の前では「良い子」という名の仮面を被っていた。でも先輩は、仮面を外した僕を
知ってもニコニコ笑って今までと変わらず接してくれた。僕はそれがとても嬉しかった。

「あー…嫌んなるなぁ、もう」
…たった一日会えないだけで、こんなになるなんて。
先輩が卒業した後、僕はどうなってしまうんだろう?

その時、頭に一瞬だけ浮かんだ嫌な考えを振り払おうとして、自分の頬をピシャリ、と叩く。

自分に気合いを入れ直し、扉を開いた瞬間、僕の目は店内の一ヶ所に釘づけになった。
「あっ…」
思わず声が出て、慌てて口を塞ぐ。僕の目線の先には、先輩がいた。
まさか今、会えるなんて。嬉しい偶然に顔が綻びそうになる。
声をかけようと、先輩のいる席に向かおうとした時。
先輩と同じ席で談笑する相手を見つけてしまった。

その相手は、志波先輩。
野球部のエースで、僕の憧れの人でもある。
何だ…先輩、一人じゃないんだ。そりゃそうだよね。

痛む胸に気付かないフリをし、僕は元の席に向かう。先輩が座っている席と、僕が戻った席は
間に置かれた大きな観用植物の植木鉢が邪魔をしてお互いの姿は見えなかったけど、かろうじて声は
聞こえる距離だった。楽しそうな先輩の声がする。僕の好きな笑い声。話している内容は、
若王子先生の授業の事かな?まだ習っていない僕にはさっぱりわからない化学式が聞こえる。
こういう所でも、先輩との年の差を感じてしまうから、少し切なくなってしまうけど。

僕は同席の彼女達の話をろくに聞かず、先輩の声に夢中になる。
今日一日話せなかったけど、先輩の声が聞けるだけマシ。そうだ、明日は先輩と一緒に帰ろうかな。
校門で待ち合わせして、寄り道してお茶をして。今日話せなかったぶん、明日の放課後は
僕が先輩を一人占めするんだ。
28天地×デイジー3:2006/09/07(木) 18:14:16 ID:CC2fEF5B
そんな事を考えていた瞬間。信じられない言葉が、耳に入った。

「志波くんは、キスってどういうイメージ?」
思わず、先輩のいる方を目を向ける。観用植物のせいで姿は全然見えない。

「痛かったな。いきなりで避け切れなかったし。
…でも、悪いイメージはない。むしろ…」

(…ちょっと…何の話だよ?)
耳を疑う会話。普通、こんな話をただの同級生とする?

「えっと、あの…それってひょっとして…」
「なんだ?イメージ、悪いんだったらやり直すか?」
(…やり直す…?)
やり直すって事は。
―あの二人は、キスをした事がある?

「ええっ!?」
「冗談だって。ククッ」

その後も耳に入ってくる二人の楽しそうな声は、まるで別の世界の事のようだった。

「天地くん、どうしたの?気分悪い?」
女の子の声で、ハッと我にかえった。無意識のうちに、僕の視線は膝の上で固く結んだ
拳に注がれていて。少しだけ顔を上げて、僕に声をかけた三年生に向かって、出来る限りの笑顔を作る。
「ごめんなさい。今日は練習が厳しかったから、さすがに疲れちゃって。僕、もう帰ります」

多分引きつってたと思うけど、彼女達をごまかす位の笑顔は作れてたらしい。
ホラ、女の人なんて、単純で簡単。僕の思い通りに動いてくれる。

僕の思い通りに動いてくれないのは、先輩。あなただけ。
そんな先輩が、僕は凄く好きなんだ。
でも今は、苦しいよ。
強く握りすぎた手のひらには爪が食い込んでいて、その跡が少し痛む。
それ以上に、心はもっと痛かった。この痛みから、早く逃れたかった。
29天地×デイジー4:2006/09/07(木) 18:18:14 ID:CC2fEF5B
「先輩」
「あれ、翔太くん。どうしたの?」
翌日の放課後、僕は予定通り先輩の事を待っていた。SHRが終わるのと同時に教室を飛び出して
校門には一番乗りで着いたから、先輩を見逃す筈なんかない。
「ねぇ先輩、一緒に帰ろう」
「うん、いいよ」

僕の大好きな笑顔で、先輩は同意してくれた。もっとも、断られても無理矢理連れていく
つもりだったけど。じゃあ行こうか、と校門を出ようとする先輩の手首を、僕は少し力を
入れて掴んだ。逃げられないように。
「ん、どうしたの?」
「ごめん、先輩。宿題で使う辞書忘れてきちゃってさ。ちょっと、付き合ってもらってもいい?」


「へー、応援部の部室ってこうなってるんだね」
先輩は珍しそうにキョロキョロと部室の中を見渡している。僕はバレない様に、こっそりと
入り口の鍵をかけた。
「あ、横断幕だ。この前のインターハイの時に使った奴かな?陸上部の活躍、凄かったよね」
初めて入る部室にすっかり興味を奪われている先輩に、僕は後ろから歩み寄る。猫の様な足取りで、
そっと。そのおかげか、先輩はすぐ後ろに僕が立っている事に全然気が付かない。
こんなに近くで先輩の事を見るの、初めてだ。
綺麗に揃えられた髪はサラサラと揺れていて、シャンプーの良い香りがする。僕は息を吸い込んで、
その香りを少し楽しんだ。甘い匂い。先輩の匂いだ。(あぁ、この人が凄く好きだな)そう思った。

ねぇ、先輩。あっさり僕の心に入り込んできた癖に、僕の気持ちを置き去りにしないで。
こんな気持ちにさせておいて、僕以外の他の人とキスなんかしないでよ。

そんな醜い嫉妬が、僕の衝動を突き動かす。

「あ、そうだ。忘れ物ってどこにあるの?ロッカーの中?」
先輩が言葉を発した瞬間、僕は謝罪の言葉を囁いた。。
「ごめん、忘れ物したっていうの、嘘」
「えっ?」
先輩が振り向くより早く、僕は先輩の身体に腕を回していた。僕とほとんど変わらない身長だけれど、
その身体は華奢で、なのにひどく柔らかい。後ろから抱き締める形になったから、先輩の顔が
見れないのだけは、ちょっと残念。きっと今は、可愛い顔を真っ赤にしてるのに。

「しょ、翔太くん!?どうしたの?」
「ね、先輩。正直に答えてよね」
「な、何を?何を正直に答えるの?」
30天地×デイジー5:2006/09/07(木) 18:20:46 ID:CC2fEF5B
一旦息をつき、耳元で小さく囁く。小さく、けれど確実に聞こえる様に。

「志波先輩と…したんでしょ?キス」
背後からでもわかる位、先輩の身体がピクン、と跳ねる。
「ふーん…したんだ」
「ち、違うの」
頭をブンブンと振って、僕の言葉を否定する。そういうリアクションを取るトコを見てると、
ホント年上には見えないなぁ。そんな呑気な事を考えながらも、僕の口から出る言葉は止まらない。
「違わないよね。昨日、喫茶店で志波先輩と話してたよね?キスした時の事」
一瞬、息を飲む音が聞こえた。
「き、聞いてたの!?」
「うん。先輩が楽しそうに話してたの、ずっと聞いてた」
「……で、でも、アレは事故で…」
「ホラ、やっぱしたんだ」

ちょっとだけ期待してた。『あの話は冗談なんだよ』って笑いながら否定してくれるんじゃないかなって。
でも、僕の腕の中の先輩は、言葉は出さなくても僕の質問に答えていた。

「そっか…先輩のファーストキス、狙ってたんだけどな、僕」
「えっ…?」
「仕方ないから、ファーストキスは諦めるよ。その代わりさ、別のをちょうだい?」
「べ…別のって…?」

「先輩の、身体」

「なっ……んっ」
振り向いた先輩の唇を塞いだ。初めて触れたそこは、想像以上に柔らかくて、僕はその感触に
夢中になる。舌でペロリと舐めあげると、先輩の唇が少しだけ開いた。その隙間から、口内に入る。
「ふぁ…っ」
先輩の舌と僕の舌が触れた。とても熱い。絡み合わせた舌からは、ぴちゃ、と水音がする。
初めて味わう、先輩の味。。少し目を開けて、先輩の顔を見た。キスしてる時、こういう顔
するんだね。本当に可愛い。きつく閉じられた瞳からは、息苦しさからか涙が零れて長い睫毛を
濡らしてる。いつも子供っぽいのに、こんなに色気のある表情もするんだ。
「…んうっ……うたくんっ…苦しっ…」
唇を離すと、涙まじりの大きな瞳が、僕を捕らえる。僕は微笑みながら次の質問をした。

「志波先輩とも、こうやってしたの?」
「…してない、よ…唇が触れただけ…」
「じゃ、大人のキスは、僕が初めてなんだね。嬉しいな」
少しだけ優越感に浸りながら僕はにっこり笑った。じゃあ、あんな表情を見たのも、僕が初めてだね。
「ホラ先輩。これで終わりじゃないよ。続きしなきゃ」
31天地×デイジー6:2006/09/07(木) 18:32:04 ID:CC2fEF5B
「続きって…ゃあっ…んっ」
制服の上から先輩の胸に触れると、甘い声が漏れた。
「柔らかい…」
「やっ…」
本当は両手を使いたい所だけど、逃げられない様に片手で先輩の事を抱えているから仕方ない。
右手だけで、その感触をゆっくりと楽しんだ。
「ひぁっ…あっ…やぁっ」
手に伝わってくる感触と、先輩の口から漏れる声に僕の息も荒くなる。
―もう我慢なんか出来なった。
「あっ…翔太くっ…ダメっ」
ケープのリボンを解くと床にはらり、と落ちた。更に制服のファスナーを下ろすと、隠れていた肌が
視界に広がる。とても綺麗。
背中に口付けてみると、ビクン、と身体が跳ねる。こんな所も感じるんだね。いやらしい身体。
「あっ…ダメ…だってば……」
「ダメじゃないよ、先輩。邪魔なもの取って、僕に全部見せて。触らせて」

肌の色によく似合う白いブラを外して、制服と一緒に一気に脱がすと、先輩の上半身が露になる。
「やぁっ!」
暴れる先輩を押さえる様に床に倒れ込み、手首を掴んで無理矢理仰向けにさせた。


「っ…恥ずかしい…よ…」
涙でぐしゃぐしゃになった顔、そして眩しい位の白い肌。双丘の先端はピンク色で小刻みに
震えてた。思わず、唾を飲み込む。
「ホントに綺麗だね…」
直接、胸に触れてみた。服の上からはわからなかった温かさが僕の欲望に火を付ける。
思わず指先に力が入った。
「痛っ…」
「ごめん、強くしすぎたよね。優しくしてあげるから…」
その膨らみは僕の思い通りに形を変えて、僕の手にぴったりと吸い付く。何て心地良いんだろう。
「ひあっ…ん…」
両手で包み込み、指で先端を摘んで、口に含み舌で転がす。甘い香りが口に広がり、僕は夢中で
嘗め回した。強く吸い上げれば、その度に先輩の顔は紅潮して、可愛い喘ぎ声をあげて。
「可愛い、先輩。感じてくれてる」
「んっ…翔太くっ……ぁっ…な…んで…こんな……事…」
息を乱しながら先輩はそんな事を言う。

「こんな事…?…わかんないの?…ははっ、本当にボケボケさんだね、先輩。」
「えっ…?」
「先輩の事が、好きだからだよ」
先輩の瞳が、大きく見開かれて、僕の目と合った。その瞳は、本当に?と問い掛けてる。
「好きなんだよ…ずっと。毎日先輩の事ばかり考えてる位…」
32天地×デイジー7:2006/09/07(木) 18:37:27 ID:CC2fEF5B
入学式の日に、傘を差し出してくれた先輩に、僕の心は奪われていった。あの日から、僕は
先輩を思い続けている。先輩から遊びに行こう、という誘いの電話がかかってきた時なんか、
嬉しくて前日は殆ど眠れなかった位。

でも、僕は先輩より一つ年下で、出会ってから過ごせた時間も、まだ短くて。いつも不安だった。
身長だって低くて、先輩と殆ど変わらない。「可愛い」と言われる事はあっても、「格好良い」なんて
言われた事は一度もなくて、そんな自分の外見が嫌だった。

だから、悔しくて仕方なかった。僕より先に先輩と出会って、僕より先に先輩の唇を奪ったあの人。
僕に無い要素を全て持つあの人が先輩の心に住み着いてしまったら、僕なんか到底叶わないじゃ
ないか。
だから。取られる前に先輩を自分の物にしてしまいたかった。そうしたら、この胸の痛みも
消える様な気がして。
―そんな事したって意味がない事、わかっているのに。
そんな事したって、ただ自分の気持ちを押しつけているだけにすぎないのに。
「翔太くん…泣かないで」
気付いたら、僕は泣いていた。涙が零れて、先輩の肌に落ちていく。
「…ごめん、先輩。こんな、事して…」
情けない。こんな姿、見せたくなかったのに。
「ううん…ねえ、翔太くん。私の話、聞いて?」
僕の下で、先輩が微笑む。

「志波くんとのキスはね、ホントにただの事故なの」
「…うん」
「私が体育の後片付けをしてた時に、手伝ってくれた志波くんと偶然唇が触れただけ。
昨日はたまたま、その話題を出しちゃったんだけど…お互いに忘れよう、って事になってる」
「本当…に?」
「うん。私と志波くんは、一緒にお茶を飲みに行ったり、冗談を言い合ったりする友達」

先輩の手が、僕の頬に添えられて、引き寄せられた。先輩の唇が、軽く触れる。先輩からのキス。
…僕は夢を見てるのかな?
「せんぱ…」
「ふふっ。さっきのお返しだよ」
そう言う先輩の顔は、悪戯っぽく笑っていた。更に、僕の涙を舐め取って、顔中に口付けてくれる。
「…くすぐったい」
「ん、ごめん。…翔太くんは、私の事が好きだから、こういう事、したかったんだよね?」
「当たり前だよ…好きじゃない女の子の裸なんて見たって、嬉しくない。見たいとも、
触りたいとも思わないよ」
「ふふっ。何か、いつもの翔太くんになってきたね。さっきは、ちょっと怖かったけど」
「ご、ごめん」
33天地×デイジー8:2006/09/07(木) 18:39:58 ID:CC2fEF5B
反射的に先輩の身体から離れた。先輩はゆっくりと身体を起こして、僕と向き合って座る。
肌に付いた紅い跡が申し訳なくて、目を背けた。耳に衣が擦れる音が入る。きっと、服を
着直しているんだろう。その音が止むまで、僕は目を閉じた。
「翔太くん、目開けて、こっちを見て」
(着替え終わったのかな)
でも、目に映ったのは全く違う光景。制服とタイツを全部脱ぎ、下着一枚だけを纏った先輩の姿。
顔を赤くしながら、恥ずかしそうに僕を見てる。
「先輩…な、何で…」
「良いの…私も、翔太くんとしたいから」
「え…?」

頭が混乱する。今、先輩は何て言った?

「私もね、翔太くんが好きだよ。…先に告白してくれてたら良かったのにな。いきなりあんな事
されたら、好きな人相手だって怖いもん」
先輩の優しい声に、だんだん頭が覚めてくる。…両想いだって、信じてもいいの?
先輩の身体を遠慮がちに抱き締めた。先輩も、僕をぎゅうっと抱き返してくれる。
「…ホントにごめん。…ちゃんと、言うから。
……僕は先輩が、好きです。僕の彼女になって下さい」
「…うん。私でよければ、喜んで」
「何言ってんの。……僕は、先輩じゃなきゃ嫌だよ」


その後は、無我夢中で先輩の肌に触れた。どこを触っても滑らかで、気持ちの良い肌。
そして下着越しに入り口に触れると、先輩の顔は気持ち良さそうに歪む。
「ぁあ…っん……」
「濡れてるね…ここ」
下着を脱がすと、透明な糸が線を引く。先輩のそこは、蜜で溢れていた。足を広げて間近で見る。
激しい呼吸に合わせて収縮しているそこも、とても綺麗だ。指を一本入れると、クチュッと
いやらしい音を立てて、震える先輩の身体。上のしこりを擦れば更に反応は激しくなる。
「んっ…ぁうっ……掻き回さな…でっ…あぁんっ」
挿入する指を増やして先輩の中を探る。もう怖い想いと、痛みを与えたくなかったから。
34天地×デイジー9:2006/09/07(木) 18:43:01 ID:CC2fEF5B
「あっ……そこ…やぁっ……ふぁッ……気持ちい…っ…」
反応が一番良かった部分を集中して責める。身体が揺れて、大きな乳房も上下に動く。
こんなにやらしい先輩を見られるなんて。
ズボンを脱ぎ捨て、欲望を解放する。今までに無いくらい、そこは張り詰めていた。
脱ぎ捨てたズボンのポケットから避妊具を取り出して装着し、先輩にキスをする。
「先輩…ここに…入れて良い?」
「うん…入れて…私も翔太くんと……一つになりたい…」
堅くなったペニスを、先輩の入り口に当てる。ゆっくりと腰を進めると、先輩は、少しずつ僕を
受け入れていった。
「っ…んうっ…!翔太くんの……熱い…」
愛液でしっとりと濡れたそこはとても温かくて、狭い。慣らしたのに、こんなにきついなんて。
「ね…先輩。大丈夫?苦しくない?」
「ん…少し…」
「動かない方が良いね。ちょっと、このままでいよう」
「ありがと…優しいね、翔太くん」
激しい呼吸を繰り返しながら、僕を見上げる先輩は本当に苦しそうだ。
「優しいなんて…そんな事ないよ。優しかったら、あんな事…しない」
「ううん、優しいよ。ちょっぴり口が悪くて…たまに意地悪な事も言うけど、優しいよね」
「…何か誉められてる気がしないよ、先輩」
「ふふ…可愛い。でも、格好良い」
「え?」
「ん……ねぇ…動いて良いよ。多分、もう大丈夫だから」
「あ…うん。…っ」
「ぁっ…」
腰を引くと、きゅうっと締めつけてくる。こんな感覚、初めてだ。
「ん…はっ…ァ……ああんっ」
「っ…凄く…気持ち良いや…先輩の中……っ」
始めは少し揺するだけだったけど、段々早さを増していった。先輩の腰を掴み、欲望のままに
ピストン運動を繰り返した。肉をぶつける音と繋がっている所から漏れる卑猥な水音が響く。
「ん…ああぁっ…しょ…ぅたくっ……変になっちゃう…」
「良い…よっ…なっても…」
快感でやらしい顔を見せる先輩。この顔を見れたのも、僕が初めて。唇を奪いながら先輩の
胸を強く揉みしだいて更に輸送を繰り返す。
「ぅ…んあっ……!い…っ…」
「――っ!」

一番きつい締め付けに、僕はたまらず精を吐き出した。荒い息をしつつ、汗で湿った身体で
抱き合い、僕達はぐちゃぐちゃになっていた。溶け合う様な感覚に、しばし酔いしれる。
「先輩…大丈夫だった?」
「うん…平気…翔太くんとの初めてのエッチ、気持ち良かったよ?」
「うん…僕も」
顔を見合わせて、どちらからともなく笑いあった。
何て幸せな瞬間なんだろう。
35天地×デイジー10(終):2006/09/07(木) 18:45:59 ID:CC2fEF5B
「私ね…」
「ん?どうしたの?」
辺りもすっかり暗くなった帰り道。僕達は一緒に帰り道を歩いた。手を繋いで、なるべく
ゆっくりと。夜風に髪を揺らす姿に少し見とれていたら、先輩が口を開いた。

「私…応援部の練習をしてた翔太くんを見て、あぁ、こんな一面もあるんだな、って思ったの」
「応援部の?…ああ、あの時…」
僕が先輩の前でまだ猫を被ってた時の事か。思い出すと、ちょっとだけ照れくさい。
「本当の事言うとね、ケーキの話したりしてる翔太くんの事、始めは、可愛い子だな、って
思ってた。」
「んー…複雑だけど、仕方ないなぁ…」
口ではそう言いつつも、僕の不満そうな顔に先輩はごめんね、と謝った。
「でも、こんなに格好良いんだな、男の子らしいとこもあるんだなっ、て思ったら…
ドキドキしちゃった」
僕の顔を覗き込む様にして先輩が笑う。
「その後、本当の翔太くんを知る度に…どんどん好きになっていって。遊びに行くのだって…
翔太くんとだけ」
「え…そう、なの?」
意外な言葉に、思わず立ち止まる。上辺じゃない、本当の僕を知って、
それで好きになっただなんて。
「そうだよ。…デートするのは、翔太くんが好きだからだもん」
―多分、今の僕の顔は真っ赤だろう。
「ヤバッ…嬉しい…」
「あ、その顔は可愛いね」
いつもからかわれているお返し、と言わんばかりの先輩に、返す言葉も無くて。
言葉が出ない代わりに、繋いだ手を更に強く握った。
「先輩」
「ん?」
「大好きだよ」
先輩は頷いて、一番好きな笑顔を見せてくれた。

そして別れ際にキスをして。
とりあえず、次の日曜日に、一緒に遊びに行く約束をした。

こんなに、全身で僕に好きだと伝えてくれる先輩が、大好きだ。

僕らの年の差は埋まらないし、僕の方が子供な分、不安になったり、嫉妬してしまう事も
あると思うけど。
きっと先輩が傍にいてくれれば、どんな障害も乗り越えていけるはずだから。

糸冬
36名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 18:53:09 ID:CC2fEF5B
以上です。投下にアホな程時間がかかってしまって申し訳ありませんorz
更に、前スレの279さんとシチュエーションが被ってしまってて申し訳無いです…
何度目かの天地をクリアしたばかりなので、妄想が止まらず書いてしまいました。
お目汚し失礼しました。ではっ
37名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 20:22:15 ID:b/P3bp0n
天地キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
乙カレ!! ありがとう!

ものすごくナチュラル?な感じだねー。感動したよ。
天地に感情移入して読みふけってしまった。天地らしい!
天地はこうでなくてはって気がしてしまうな……何でだろうw
38名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 22:05:18 ID:pYUDnWzT
天地キテタ━━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━━!!!
うぁぁぁ超GJ!すっごい萌えた!
やっぱ何だかんだ言って優しい天地が好き。
オツカレ!良いモノ読ませてもらった!
39名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 22:50:04 ID:JHc4Kbds
ネ申 降 臨

ありがとうございます!!
ありがとうございます!!
40名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 00:01:29 ID:+ol+o0Th
こういう天地(・∀・)イイ!!
GJです
グイグイ引き込んでいく文章でとても読みやすかったよ
41名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 00:27:42 ID:pGikKXX2
GJ☆
天地攻略してみるかなー。
志波にも少し萌えたのは内緒だ。
42名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 02:17:55 ID:SFDCqC0S
前スレ931の真相が知りたい
43名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 03:18:21 ID:RsEZgy8o
ネ申キタワァ〜!
自分も天地萌えで今ちょうどED1見ようとしてるから(事故チュー相手志波も同じw)
すんげー萌えた!
ありがとうございます!
ありがとうございます!

>>42
何でこっちに書くんだw
確かに気になるね、私はあんまり小説サイト足運ばないから詳しくなくて
全然気付かなかったけど
でも似てる表現とか結構ある事なんじゃないの?無知でスマネ
44名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 03:26:57 ID:xRZdV+4y
>42
真相を知りたい気持ちもわからないでもないけど…。
極端な話、じゃあ世の中に数多ある全ての作品を読んで、どれとも重ならない作品をって事になりかねないし。
あくまでも書き手のモラルだからな〜。

私も小説サイトはほとんど足を運んでないので気付かなかったけど。
45名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 04:55:11 ID:YfJ+3VWk
過去最高に空気を読まずに投下。前スレ809です
今しがたキテル×デイジーの後編が書きあがりました
が、ここで残念なお知らせです
後 編 で は 本 番 ま で 辿 り つ け ま せ ん で し た 。

_| ̄|●


これはもう純粋に自分の技術の問題ですので言い訳せず謝ります
ごめんなさい
大ボラ吹いてごめんなさい
話の展開的には今回うp分で別に完結としても構わないんですが、
それしちゃうとエロパロとして完全に成立しなくなってしまうのと
後編はエロだという予告を信じてwktkしてくれていた姐さん方に申し訳ないので、
希望と致しましては、近々この続きのエロシーンだけをこしらえて
<交編(仮)>として投下させてもらいたいと考えています
まあそれも許されるのであれば、の話なんですが…っておっとこれも誘い受臭いです。反省。

ぐちぐち言っててもあれなので、ひとまず後編だけ投下させてもらいます
以下毎度のことですが、簡単に
<諸注意>
・デイジーの名前は「小波美奈子」
・この話は前スレ810-816のキテル×デイジーの後編です
・後編なのに何故かまたもや完結していません
・多少のエロ行為が話の展開上行われるものの、描写からあえてエロ臭を
 削ぎ落としてあるので萌えを期待して読むと失望します
・その分<交編(仮)>は自分に持てる限りのエロ力を総動員した上で
 お届けしたい※希望
・前編を読んで、文章が肌に合わなかった方は華麗にスルー願います

長々とウザーな前置きを失礼しました。
相変わらず無駄に長いですが、少しでもお楽しみ頂ければ幸いです。
46キテル×デイジー後 1/8:2006/09/08(金) 04:57:22 ID:YfJ+3VWk

<後編>

彼女が彼の部屋を訪れるのは、これが初めてではない。
あれはよく晴れた夏休みの一日。ちょっとしたいたずら心に駆られ、予告無く午前中の
珊瑚礁へ遊びにきたことがある。開店前のフロアでは、マスターが一人カウンターに腰かけ、
静かにクラシックギターを弾いていた。とても美しい曲だった。曲名を訊いた彼女に、
マスターは彼の孫がまだ二階から降りてきていないことを告げ、少しだけ目元の皺を
濃くして微笑した。「曲名などありませんよ。僕が昔、亡くなった妻のために
作曲したものですから」

今、彼女は彼の部屋の前に立ち、再びそのあえかなセレナーデを聴いている。
扉の向こうから漏れ聞こえるのは、まごうかたなき彼の歌声。
囁くような、潮騒にかき消されそうな程抑えられた、かすれ気味のアカペラ。
「……佐伯くん」
真鍮の取っ手にふるえる指を絡め、意を決して名前を呼ぶ。
唐突に途切れる旋律。
「小波です。…入ってもいい?」
答える声はなく、澄ました耳にただ波の音だけが届く。
「…入るね」
この部屋に鍵がついていないのは前回の訪問で知っている。彼女は取っ手を握りしめ、
慎重な仕草で扉を押した。木製の扉がきしんだ音を立て、内側へと開く。
佐伯の部屋の中は、じっとりと湿った暗闇によって支配されていた。
以前来た時とはまるで違うその空気に、彼女は思わず足をすくめる。
(この間は、海の中にいるみたいだったのに)
天窓から差し込む空の青と、窓の外に広がっていた海の青。
それらの色彩を、鮮やかな光へと凝縮して散りばめたかのように、以前訪れた彼の
部屋は、瑞々しい真夏の開放感で満ち溢れていた。
そしてその中心に、すこやかに眠る彼の寝顔があって。

「なんでいるの」
闇の奥から、低音で問いかける声があり彼女を回想から呼び戻す。
後ろ手で扉を閉め、そこから動かずに壁際にある寝台へと目を向ける。
彼が、先程別れた勤務時の格好のまま、長身を持て余すように仰向けに寝そべっていた。
否、正確には少し違う。腰に巻かれていたエプロンだけが取り外され、煩わしげに
打ち捨てられるような形でその足元に放置されていた。
「帰れって言ったよな。俺」
「…………」
壁に並んだ出窓のうち、最も枕側に近いもののみがブラインドを上げられていて、
そこからかすかな燐光が室内に挿していた。しかしいずれにせよ、窓際に向けられたまま
彼女の方を振り向こうともしない彼の表情は、この位置からは窺えない。
闇の向こうで、溜息をつく気配。
「なんか言われたの?じいさんに」
「…え?」
「俺のこと、慰めてやってほしいとか」
「違うよ…!」
咄嗟にやや上ずった声が漏れてしまい彼女はいったん言葉を切る。…落ち着け。この
緊張を、彼に悟られてはならない。
「違うの。わたしが勝手に、佐伯くんの側にいたかっただけ」
「…………」
47キテル×デイジー後 2/8:2006/09/08(金) 04:58:03 ID:YfJ+3VWk
佐伯の胸が、大きく深呼吸でもするように闇の中でゆるやかに上下した。
「じゃあ、来いよ」
「……え?」
「こっちでお月様見よう。一緒に」
思いがけない提案をする彼の声は、幾分普段の調子を取り戻しているように聞こえる。
それでもその顔は、相変わらず彼女の方を見ようともしない。
「ここに寝転がってるとさあ、天窓から直接空に浮かんだ月の形と、横の窓から波間に
反射してゆらゆら歪んだ月の、両方がいっぺんに見えるんだ。なんか綺麗だし、おもしろい」
「……でも、」
「なんもしないから」
「…………」
「約束する」
その口調は静かで、凪いだ海のように際限なく穏やかだ。
なのに彼女は踏み切れずにいた。足が、白石灰の床に縫いとめられたように動かない。
規則的に繰り返す潮騒とは裏腹に、体内で急激に心臓の音が加速していく。
「ヤなら帰ればいい」
一転突き放すような語調で言われ身がすくんだ。
「頼むよ。…一人になりたいんだ」
「…………」
彼女はそこで、もう一度彼がいる方角をすがめ見た。
(…エプロンが)
半ば引き寄せられるように寝台へ足が向く。皺くちゃに脱ぎ捨てられたままの彼の商売道具。
その無残な有様をどうしても捨て置くことができなくて。身を屈めて拾い上げると、丁寧に
折りたたんだ上でそっと足元の床に置き直した。そしてその隣に、湿気を吸ってやや
重たくなった自分の上着を脱ぎ、同じようにたたんで並べた。
(大丈夫)
二つの布の塊に両手を載せ、息を吐く。…大丈夫。約束する、と彼は言った。
(佐伯くんはわたしに嘘だけはつかないもの)
いつだって彼は飾らない、ありのままの姿を自分の前にさらけ出してくれる。基本的に
素直ではないけれど、じっと瞳を見つめれば最後にはちゃんと本音で応えてくれる。子供
みたいに赤裸々で、誠実な人。
だから、怖がる必要なんてないのだ。
幾分か落ち着きを取り戻した胸の鼓動を感じつつ、彼女はごく浅く、彼に背を向ける形で
寝台に腰を下ろした。
48キテル×デイジー後 3/8:2006/09/08(金) 04:58:52 ID:YfJ+3VWk

決して大きいとは言えないシングルベッド。余分なスペースなど無いに等しいその上で、
寝そべった彼の体に極力触れないよう居場所を確保するのはまさしく至難の業だった。
「もう、ちょっとそっちつめてよ。いくらわたしがスマートでも、こんな狭いところには
寝転がれません」
わざと生意気な口調を用意してクレームをつけると。背後でようやく笑い声のような
ものがもれた。
「おまえなあ。…ゲストのくせに、注文多すぎ。料理店?」
「失礼ね。食べないもん、佐伯くんのことなんか」
「……ふうん」
その吐息は闇にのみこまれた。彼女は気づくことなく、目を正面にある勉強机へと泳がせる。
「…あ。ガラス時計」
数冊の辞書や教科書が整然と並べられた木製の机。その斜め左上の棚に、シンプルな
デザインをした小ぶりのガラス時計が載っている。
本来は透き通った紺碧の輝きを放つのだろうその骨董品も、光源の乏しい今の
状況では、くすんだ青灰色の光をまとい、ひっそりとそこに在るだけ。
(…懐かしいな。修学旅行)
知らず思い出に浸りかけていた背中に、前触れなく佐伯の手が触れた。

「服。着替えなかったんだ」
給仕服でもあるブラウスの上から、肌をゆっくりと撫でさすられる。襟元からウエストへと、
背骨をなぞるような形で何度も。上下に体温が往復する。
途端に自律を失って狂い出す脈拍。あれ程落ち着こうと自分に言い聞かせたのに、布地越しに
彼のぬくもりを感じただけでたやすく体内で秩序が崩壊する。心臓が背中側になくて
よかったと、内心でおかしな安堵を噛み締めつつ、彼女はゆっくりと肩越しに彼をかえりみた。
寝台に横臥したまま、ようやく顔をこちらへと向け、彼もまた、じっと彼女の方を見つめていた。
きっちりと視線が絡み合う前に、本能的に彼女の側が顔を背けていた。
「ほ、ほら!制服って、濡れると皺になっちゃうでしょ?明日の朝また着なくちゃいけないから、
あんまり濡らさないようにしようと思って。それに、そういう佐伯くんだって、まだちゃんと
着替えてないし、」
「美奈子」
背中に添えられた手が、脇の下を通って体の前方へと回される。ちょうど数時間前、後ろから
抱きかかえられた時のように。
「寝よう」
耳元で低く声がした。咄嗟に反応を返す間もなく、後ろへ引き倒されるようにしてシーツに
横たえられる。自然仰向いた視界に天窓が滑り込んできた。のっぺりと、隅々まで
分厚い雲に覆われた漆黒の夜空。そこには月どころか、星の瞬きひとつ見出すことは
できない。
「……佐伯くん」
彼女はおそるおそる名前を呼んだ。
「お月様、どこにあるの?」
問われた彼もまた、呆然とする彼女と肩を並べて天窓を見上げている。少しの沈黙を
挟んでから、彼はそこで明らかに“失笑”した。
その酷薄すぎる告白。
「見えるわけないだろ、月なんて。こんな天気の悪い晩に」
「……騙したの?」
ふるえる彼女の声を聞いてから、彼は緩慢に上体を起こす。怖いまでにゆるやかな動作で、
衣擦れの音ひとつ立てないよう、そっと彼女の上に覆いかぶさった。
49キテル×デイジー後 4/8:2006/09/08(金) 04:59:59 ID:YfJ+3VWk

至近距離で、瞬きすら忘れて絶句する彼女の瞳を覗き込む。
空いている方の右手で、こめかみから顎にかけて輪郭をゆっくりとなぞる。
「やっぱり雇わなきゃよかった。おまえなんか」
「…………」
「そうすれば、今日みたいなことだって、起こらなかったかもしれないし。じいさんにも、
迷惑かけないで済んだ」
「…佐伯くん」
「みんなおまえのせいだよ」
そうして残酷な言葉をつむぎながらも、無心に彼は彼女の頬を撫で続ける。その手つきは
呆れるほど優しくて。彼女は相反する彼の言動に翻弄され、ろくに動くことさえできないまま
ひたすらその双眸を見つめ返した。
(……曇ってる)
その色は、天窓の向こうの雨雲を映し込んだようにつめたく濁りきっている。
まるで彼の真意が伝わってこない。こんなことは初めてだった。沸き起こる不安と
哀しみが知らず唇から溢れ出た。
「…わたし、辞めた方がいいの?」
「……、」
頬にあった手が、にわかに滑り落ちるようにして胸元へと移動した。
服の上から、半ばわし掴まれるような強さで左のふくらみを押さえられる。
「ッ!イタ…、」
悲鳴の迸りかけた口元に、体の下から抜き取られた左手が被せられた。
「ゴメン」
謝罪を口にしながらも、彼の右手はなおも執拗に胸元をまさぐってやまない。
彼女の敬愛する、コーヒーの香りが染みついた褐色の手。
そのしなやかな手で触れられて、痛みに似たショックを感じている自身が自分で
信じられなかった。

「違う。ゴメンな、美奈子のせいじゃないよ。…きっとこの服が悪いんだ」
「……え?」
口元から手が外され、声と吐息が楽に出るようになった。
怪訝に佐伯を見上げる彼女から、彼はおもむろに上体を離す。自由になった両手を使い、
ブラウスの襟首から胸の下まで、ボタンを一気に引きちぎった。
「!」
まるで自分の体の一部を毟り取られたような衝撃で反射的に瞼を閉ざす。意外にも
悲鳴は出なかった。人間本当に恐怖を感じた時はただ息を飲むしかないのだと、
どこか冷静に自分のおかれた状況を噛み締めつつ、彼女は薄目を開けて佐伯を見た。
彼はじっと、ブラウスの下から現れた彼女の素肌を凝視している。下着の上から
ふくらみの形を確かめるように二つの掌を載せた。軽く握ってその弾力を確認し、
「やわらかい……」
どこか感心するような調子で呟くと、真新しい玩具を与えられた幼児みたいに目を
細め、囁いた。
「なんか、壊れちゃいそうだな」
「……佐伯くん?」
「俺がちょっと力を込めただけで。…簡単に」
50キテル×デイジー後 5/8:2006/09/08(金) 05:00:40 ID:YfJ+3VWk
言いながら彼は左手で己のシャツのボタンを外してゆく。それから彼女の手を取り、
はだけた布地の隙間から招き入れ、そっと自分の胸板にあてがった。
「不思議だろ?同い年なのに、こんなに違うんだぜ。俺たち」
掌に触れる、かたい素肌の感触。そこに在るものは頑丈な胸郭と、過不足なく定着した
筋肉の鋭さだけ。まるでよく研磨されたナイフのようだと思った。柔和さや脆弱さといった、
余分な要素が綺麗に削ぎ落とされたストイックな肢体。多少の圧力を加えられただけで、
いとも容易に形を変える自分の肉体とは、確かに別物とも思える得体の知れなさが、
彼女には少しだけ恐ろしかった。
彼がふと瞳を曇らせる。彼女の動揺を見透かしたように。それから「ゴメン」ともう一度。
「ここでもし、美奈子が全力で暴れても、俺はきっとビクともしない。でもたぶん、俺が少し
でも本気を出せば、美奈子を簡単にメチャクチャにできると思う。…不公平だよな。男と女って」
だからゴメン、とまた彼は言った。端整な容貌を痛々しく歪めて。
「今夜もう、おまえは俺に抱かれるしかないよ」

それはおそらく真理だった。太古の昔から、連綿と受け継がれてきた因果関係。種族保存
の法則に伴う足枷。仕組まれたアンバランス。今彼があからさまな脅威として彼女の
上に君臨しているのも、彼がその絶対的な原則にのっとっているから。それに抗えるなんて
大それたことは思わない。
それでも、彼女はどうしてかそこでかなしくなった。知らず涙が零れそうになり、慌てて
瞼をきつく閉ざした。佐伯から顔を背け、シーツにこめかみを押しつける。自然無防備になった
首筋に彼の唇が吸いついてくる。絶えず胸のふくらみにあった手がブラジャーを肩紐ごと
引き下ろし、締め付けから解放された乳房が彼の前にその全貌をさらけ出した。
彼は夢中でそこに舌を這わせる。それは愛撫というよりも、腹を空かせた肉食獣が、
ようやく得た獲物を捕食するような本能的な行動に酷似していた。
(……佐伯くん)
このまま自分は彼のものになるのだろうか。彼女は別段そのことに異存があるわけでは
ない。まるで抵抗する気が起こらないのがそのなによりの証拠。…ただ、何かがずっと
引っかかっている。その正体不明の違和感が、快楽を司る神経の上にまたがり、
邪魔をして、彼と抱き合って得られる筈のあらゆる幸福から残酷に彼女を遠ざけている。
それが彼女にはひたすら歯がゆくて、かなしいのだ。
(なんでこんな風になっちゃうんだろう)
(こんなに好きなのに)
彼女は無言のまま、せわしなく己の上を行き来する彼の頭部を眺める。そして気がついた。
汗の滲んだ生え際の辺り、そのサイドの髪の一部が、挿し込んだマリンブルーの光に
照らされて、不思議な色合いに染まっていることに。
「……?」
無意識のうちに光の出所を目で探っていた。半ば導かれるように視線が壁際の勉強机
へと到達する。棚に飾られたガラス時計。先刻見た時には、それは暗闇に同化しそうな
程に沈んだ、不透明な鈍色の物体でしかなかった。が、今は違う。
時計は淡い翡翠色に光り輝いていた。暗闇に慣れすぎた目には痛いくらい、
透き通った青碧色の光を放出している。彼女は天井を見上げ、そのからくりを理解した。
(……月)
天窓の向こう側から、いつのまにか丸い月が覗いている。降り注ぐ月光が繊細なガラス細工に
ぶつかり、反射して、まるでミラーボールのように部屋中に光を拡散させているのだ。
51キテル×デイジー後 6/8:2006/09/08(金) 05:01:16 ID:YfJ+3VWk

彼女の中で、“それ”が唐突に焦点を結んでクリアに見え出した。
「見て、佐伯くん」
思わず彼に声をかけていた。が、彼女の体を貪ることに熱中している彼からの反応はない。
しかたなく、ちょうど目の前にある前髪を引っ張ってみた。それもわりと強く。容赦のない力で。
「佐伯くん」
「イテテ、イテ、よせよバカ禿げる!……なんなんだよ?」
あからさまに不機嫌な様子で顔を上げた彼に、嬉々としてガラス時計を指し示す。
ちょうどその指先に、碧色の粒子が宝石のように散らばった。
「ね。すごく綺麗」
「…………。そうだな。よかったな」
「うん。わたしわかった。佐伯くんはガラスに似てるんだよ」
時計を見つめたまま突拍子もないことを言い出す彼女に、彼はさっさと行為を再開しようと
伏せかけていた頭部を中途半端な位置で止める。大げさに溜息をひとつ。
「すぐ割れるし傷つきやすいって?…月並み。2点」
「佐伯くんも、当てる光と角度によって色々な形に見えるから。だから難しいの。まるで光を
乱反射する、荒削りの多面体みたいに」
「…………」
ふと、彼は瞳を上げ、なにか奇妙なものでも見つめるように彼女のことを眺めた。
「…要するに、屈折してるって言いたい?」
「うん…そうだね。むしろ歪んでるっていうか。ねじまがってるっていうか」
そこで彼女はようやく時計から彼の方へ目を戻す。憮然として自分を睨んでいる彼の頬を、
両手で優しく包み込んだ。
「だから佐伯くんはわかりにくいの。他のひとよりも、ちょっと複雑な形をしてる上に
自分でいくつもの側面を用意してそれを使い分けてるから尚更。…なのにわたし、
勝手に佐伯くんの全部の面を知ったような気になって、一人で浮かれてたみたい。
佐伯くんがわたしにだけ見せてくれる顔があるからって、ちょっと調子に乗っちゃってた。
…今日だって、だからここに来たの」
「……え?」
「マスターに、側に行ってやってほしいって言われて…佐伯くんのこと、わたしが
側にいてあげなきゃとか、わたしだけが佐伯くんをわかってあげられるとか、
きっとそんなこと、頭のどこかで考えた。…図々しいよね。ものすごい思い上がり。
それで勝手に押しかけておいて、結局…土壇場で怖がった」
「…………」
「ここにいる佐伯くんが、わたしの知らない佐伯くんだったから。学校のファンの子や、
お店に来るお客さんたちを笑う資格なんてどこにもない。だってわたしも佐伯くんの
一部しか見てなかった。それなのに、勝手にそれが佐伯くんの全てだと思い込んでた。
だからさっき、どうしようもなく、裏切られたような気持ちになって…」
『騙したの?』
あの時、そう訊いてしまった彼女の怯懦こそが、彼のささやかな暴走を招いたのだと、
今になってわかる。彼女は闇を背負う見知らぬ彼に傷つき、彼は彼の闇におびえる
彼女に傷ついていた。…全てはお互いが闇の中、手探りで抱き合おうとした結果に起きた
茶番劇。
ごめんね。今度は彼女がそう繰り返す番だった。今目の前で、じっと彼女の懺悔に
耳を傾ける彼もまた、これまでに見たことのないまっさらな彼の一面。彼女は
その未知なる瞳を胸に焼き付けようと、懸命に覗き込んだ。
そこには分厚い雲ではなく、星空を模した無数の光が散らばっている。
52キテル×デイジー後 7/8:2006/09/08(金) 05:01:59 ID:YfJ+3VWk

「でもわたしは、どうしたって佐伯くんのことが、好きだから。やっぱり佐伯くんの
いろんな姿を知りたいよ。どんな佐伯くんだって、隠さずにちゃんと見せてほしいの。
…だから、」
前触れなく抱き寄せられ、そこで彼女の独白が途絶えた。背中にきつく回された両腕と、
首筋に擦りつけられる頬の熱さ。もういいよ、と彼が言った。
「もういい、わかったから。…泣くなよ」
「…だって」
「泣きたいのはこっちだよ。バカ」
「バカとはなによ。バカバカ」
軽口で応酬しようとしたがうまく言葉にならなかった。かわりに堰を切ったように嗚咽が
漏れ、目尻から零れる涙の感触に彼女は今更自分が泣いていることを自覚した。
伝い落ちるその雫を、こめかみに辿りつく直前で彼の唇が吸い上げる。
そしてそのまま頬の曲線を滑り、額と鼻先を通過した末、彼女の唇の真上に到達した。
触れるか否かの距離で彼は囁く。吐息で口付けるように。
「美奈子」
うん、と彼女は小さく返事をした。鼻を啜りつつ開けた目に、どこまでも優しい微笑が映った。
「今から、おまえを抱くよ」
「うん」
「怖くない?」
「…うん」
「そっか。…俺は、ちょっとだけ怖い」
「どうして?」
尋ねる彼女の瞼に、彼は幾度もキスを降らせる。顔を見られたくないのかもしれない。
「ここから先、俺も会ったことのない俺がいるんだ。そいつがおまえに何をするか、
俺の中に、どんなケダモノが棲んでいるか、全然わからないから。…それが今、
ものすごく……怖いよ」
「…佐伯くん」
「約束して。美奈子」
ふと、彼の唇が離れた。彼女は再び瞼を開ける。先程見た微笑は消え、悲痛とすら
形容できる苦しげな表情がそこにあった。
「もしもこの先、おまえが本当に無理だって思うことを俺がしたら、俺のこと、殴ってでも
いいから止めて欲しい」
「…そんなこと、」
「頼むよ。自信が無いんだ。……今だって、こんなにおかしくなりそうなのに」
「…………」
53キテル×デイジー後 8/8:2006/09/08(金) 05:02:44 ID:YfJ+3VWk
それは彼らしくもない弱音だった。内容も、率直すぎる表現ですらも。…本当に余裕が
ないのだと彼の“本調子”を知る彼女は思う。だがそれもまた彼の一側面に過ぎないと、
彼女はようやく理解したばかりだった。
おそらく彼はいつも迷っている。
大人と子供のはざまで。本能と理性の境界上で。悪逆にも染まれず、かといって
清廉でもいられずに、根源的な矛盾と未熟さゆえのエネルギーを持て余しながら、
無様に足掻き続けている。
それをこそ、あの時マスターは“若さ”と呼んだのかもしれない。
だとしたらそれを、無条件に抱きしめてあげることが彼女の今できる全てだから。
彼女は両腕を伸ばし、おもむろに彼の頭部をかき抱いた。大丈夫だよ、と耳元に
繰り返し語りかける。
「イヤなことされたら、ちゃんとチョップで抵抗するから」
「……誰もチョップとまでは言ってないだろ」
「それでも止まらなかったらまた髪を引っ張ります。禿げても知らない」
「禿げるのはヤダ。禿げるのだけはヤダ俺は!」
「佐伯くん」
駄々をこねる彼の顔を持ち上げて目を見つめる。
「キスして」
「…いいの?」
「うん」
きっと彼は、ひたすらこの許しを待っていたのだろう。

どちらも同じようにやや震えを伴った唇が、そこで初めて重なり合う。
それはあらゆる意味において、互いにとって平等に、遅すぎるキスだった。


<後編おわり>
54名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 05:05:33 ID:YfJ+3VWk
おそまつさまでした。
おつかれさまでした。
己の不甲斐なさに挨拶運動する気力もない次第でございます。ボスケテメッティorz

今から>>25姐さんの神臭プンプンな天地デイジーを読んで眠ります
神様こんな私にプレゼントをありがとうありがとう
55名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 05:32:43 ID:GV4tIRtq
やんっ
やぁんっ

ってワロスw
56名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 07:06:58 ID:X3Zbzhzo
キテルが来てるー!!
 
GJです
ごちそうさまでした
ありがとうございました
57名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 07:15:59 ID:HXecb+Gx
……あれ……なんか……目から水が……

ありがとうございました。続きお待ち申し上げております。
58名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 07:28:40 ID:gEswrm7t
>>45

すごいよ。
今まで上手いと感心するssはたくさん読んできたけど
初めて神級だと感じさせられました。ありがとうございます。
続きを楽しみに待ってます。
59名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 07:59:47 ID:3O2/DXWh
うわあ…
エロなしでも良いとさえ思っちゃった
GJすぎです
でもエロもwktkして待ってます!

そして>>56w
60名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 08:24:43 ID:ZmT9gWht
すご…
なんか生ナマしいくらいにキテルがキテルらしいっていうか…

最強のssでした!ありがとう!!
61名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 08:52:04 ID:RsEZgy8o
神に引き寄せられて、朝から人が沢山いるw

足しげく通って待ってました、何ていうか>>45の姐さんは
SSのみならず人生観もしっかりした物持ってそうだと思わされてしまったよ
ありがとうございました!
ありがとうございました!
勿論、続きも楽しみにしてます!!
62名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 09:22:57 ID:PRPUkQO3
もうエロのありなしなんて関係ないよ!
GJです!

…おかしいな、目から水が……
63名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 09:37:05 ID:5EfWU5QJ
キテル切ないよキテル
>>45さんすげーよ
禿萌です

そして>>56
64名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 09:39:04 ID:jWaB220L
GJでした!! キテル×デイジーすごすぎる。キテルらしすぎ。
多分、そぎ落とした判断はものすごく正しかった。
何より雰囲気がいい。美しい。
硝子みたいな物語ですね。これはあからさまな表現で壊してはいけないかも。
それに十分、何というか、エロの有る無し関係のない満足感があったよ。

堪能させていただきました。ありがとうありがとう。
乙カレと何度言っても言い足りない……。
65名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 10:08:54 ID:VvQtvCkz
天地SSと挨拶運動さんキテル━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!

どっちもGJ!!
(*´д`)ハフハフ
66名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 10:46:24 ID:kjW5gsdO
>>45神すげーよ
エロパロてかもうひとつの物語として引き込まれたし感動した
キテルが本物のキテルだし神にも程がある
67名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 11:37:19 ID:yIdt/9w3
>>45
前スレから貴方の作品のファンでした。すごいよ姐さんやっぱり最高だ!!
他の人も言ってるけど、キテルがとってもキテル。禿げるとかマジで言いそうだもんw
ガラスの表現とか、描写も引き込まれる。美奈子に泣いた。
私の下手な文章力じゃ感動を伝えきれないほど感動した!!
姐さんのおかげでキテルがますます好きになったよ…本当にありがとう。

続きも是非是非お待ちしておりますとも。
68名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 12:52:00 ID:gDxkR6Qf
>>45
神様今日も私に生きる糧をありがとうございます!ありがとうございます!
何だろう、美奈子すげーよ。キテル美奈子に出会えてよかったよ
他の誰でも、GS2は主人公と出会って成長するとこがいいと思うんだけど
本当にキテルには美奈子がいてくれて良かったと思った
この話が純粋に、胸にしみた
これを何て伝えればいいのかわからないけど、続きも楽しみに待ってます
69名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 13:17:45 ID:m5o+6R5F
寸止め姐さんキテタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
70名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 14:51:07 ID:cQTjP5OP
ワロスwwwwwwww
71名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 16:10:16 ID:BpS4Dxv7
>>45
GJと書いてGreat Job。むしろGod Job。
キテルは幸せ者だなあ〜美奈子にも>>45姐さんにもこんなに愛されて。
自分も負けないように志波を愛そうと思いますた。
とにかく乙! 続き待ってます。
72名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 18:01:44 ID:tiqdIgVD
キテル×デイジー後半が来てたー!(゚Д゚)
姐さんのバレンタインの話で細かい描写、原作そのままなリアルキテルに惚れ、
そして前スレで投下された前編を読んでからずっとずっと後編を待っておりました。
描写が素晴らしく綺麗で、頭にその光景がスッと浮かびます。ティッシュを何枚消費したのか、
もうわかりません。交編もワクワクテカテカしながら待っております!

また、遅れましたが天地×デイジーを投下しました>>25です。誤字脱字の多い初めてのSSに
GJコールを下さった皆様、
ありがとうございます!
ありがとうございます!

拙い作品ですが、出来たらまた投下したいと思っております。
その時はよろしかったらお付き合い下さい。本当にありがとうございました!
73名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 20:29:45 ID:xRZdV+4y
>45
ふおおー! GJ! GJすぎる!
むしろエロシーンなくてもいいよ…?

つーか45姐さんのキテルデイジーが神すぎて
私はキテルSSは書かないと決めたよ…orz
いや、他のにしても…投下しづらいな〜
74名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 20:41:21 ID:HqxFaCe/
神よ萌えをありがとう_ト ̄|〇 ティンコナイノニタッチャッタヨ


で、志波はマダですか(・∀・)/∪⌒☆チンチン
75名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 20:46:36 ID:AbjeJIj7
>>45
激しく禿げしくGJGJ!!!!
私も寸止め姐さんのファンになってしまいますた…(*´Д`*)
いいよ、いい!!ああもうこの気持ちをどう表現していいのか!!!
むしろエロシーン抜きでももうこれで一つの作品として成り立ってるよ。
>>73
本当に投下しずらいなwww
76保管人 ◆Wge85.BvtE :2006/09/08(金) 22:45:26 ID:RFHHQGap
流れを読まずにお久しぶりです。保管庫管理人です。
保管庫どうなってんのよ、とお思いだった皆様申し訳ありませんでしたorz
エロパロスレが復活していたとは知らずにゲームに没頭していましたら
いつの間にやら2スレ目とは!しかも神だらけの様子!ここ何て出雲大社?
今さっきスレの存在を教えていただいたばかりでまだ全く目を通せていないのですが
ご馳走山盛りのようでwktkが止まりません。楽しみすぐる

上の方で少々話題にのぼっていましたが、住人の皆様さえ良ければ
以前までの保管庫で引き続きコチラのSSも保管させていただきたいのですが
いかがでしょうか。
私の方は保管作業が特に出来ないという事情はございません。
77名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 22:58:32 ID:m5o+6R5F
>>73>>75
お前らわかってないな、寸止め姐さんが作中書いているように、
キテルにはいくつもの側面があるんだよ。
寸止め姐さんのSSは確かにすばらしいが、
それは数あるキテル×デイジーの、側面のうちの一つなんだ。
他の職人には他の職人にしか描けない魅力があるはずだ。他のキャラにしたってそうだ。

また、一度SSを投下したからといって、
そのSSは職人の魅力のうちの一つにしか過ぎないんだ。

何が言いたいかって言うともっと色々読みたいんです
職人様おながいします_/|○
78名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 23:14:52 ID:tF5IP9aD
>>45
GJ!
キテルもデイジーもお互いをすごく好きなのが伝わってきたよ
交編wも裸で珊瑚礁ブレンド飲みながらお待ちしております

>>76
お久しぶりです
自分は一緒でいいと思いますよ
79名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 23:30:28 ID:BRqJQiwN
>>77
竜子姐並にカコイイおまいさんに惚れました

色んな職人様お待ち申し上げておりますテカテカ
80氷上×デイジー:2006/09/08(金) 23:52:19 ID:PSkrKOJt
氷上×デイジー投下します。
ネ申作品連発のこの雰囲気の中なので、
投下しようかかなり迷いましたが…

ネ申な姐さん方には到底敵いませんが、
どうぞ最後までお付き合いよろしくお願いいたします。
81氷上×デイジー1:2006/09/08(金) 23:53:14 ID:PSkrKOJt
年の瀬も近づいた12月。氷上はあの海辺の告白以来の途轍もない緊張に襲われていた。
「よ、良かったら、週末にでもス、スキーに行かないか!?」
「うん、いいよ?」
ガチガチの氷上を見て、不思議そうな顔をする彼女。
「ただのスキーではなくて…その…泊りがけで…
と言っても別に疚しい気持ちや、下心がある訳じゃないんだ!
そういうのではなくて…その…何だ、できるだけ長く一緒にいたいと言うか…」
「うん、だからいいよ?」
「…そんな簡単に!親御さんは心配しないのか?!男と2人で一泊旅行なんて…」
あっさりと承諾する彼女に、意表を突かれうろたえる。
「…行きたくないの?行きたいの?」
「行きたいさ!行くに決まってるじゃないか!」
「じゃあ決まり」

彼女が帰った後、氷上は考えていた。
(最近の女子はこうも簡単に男子と2人きりで一夜を共にしてしまうのか?!危機感はないのか?!
いや…待てよ、僕だから危機感を持っていないだけかも知れない…そうだ、きっとそうだ!
だが、もしかしたら何か起こるかもしれない……………………………………)
様々な想像を張り巡らせ、ベッドに横たわりドアに背を向けブリーフに手を差し入れる。
その手で、想像と共に膨れ上がった自分自身を刺激した。

…精が打ち放たれたティッシュをゴミ箱に投げ捨てると、何か空しい感情に苛まれた。
いつもの事なのに…

-----------------------------------------------------------
スキー当日、朝からはばたき市内は快晴である。
氷上の運転する車ではばたき山を目指す。

はばたき山は一面の銀世界。
白い雪の絨毯は、太陽の光を反射してキラキラ輝いていた。
そんな中で日中は、2人でスキーを楽しんだ。

やがて日も暮れ、2人はホテルに戻る。
2人の宿泊するホテルは、今やはばたき市の中でも1,2を争う行楽スポットとなった
はばたき山地区に唯一建てられた高級リゾートホテルである。
「凄いねぇー…こんな所初めて泊まるよ!」
「僕もだよ…何か緊張してしまうな」
微妙に緊張した面持ちで、ホテル内に入りチェックインを済ます。
部屋に到着するや否や、彼女は目を丸くして
「スッゴーイ!見て見て!すごい眺めいいよ!ほら!あれ空中庭園じゃない?!」
氷上の腕をひっぱり子供の様にはしゃぐ彼女。
そんな姿を見て、氷上はとても満足感を感じていた。
82氷上×デイジー2:2006/09/08(金) 23:57:57 ID:PSkrKOJt
(大人びて見えても、やっぱりまだ中身は19歳なんだな…)

一通り部屋を見て回り、やっと落ち着いた面持ちの彼女。
窓際にある小洒落た椅子に腰を落とす。
「何かいいよね…いつもと雰囲気が違って」
「あぁ…」
「……………………」
沈黙の中彼女の瞳は真直ぐに氷上だけを映していた。
(…こう言う時はどうすればいいんだ?!)
「わたし、シャワー浴びてくるね」
「あ、あぁ。どうぞ」

しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…
室内に浴室からの水音が響き渡る。
それと共に、何故かベッドの上に正座をして止まっている
氷上の心音も室内に響き渡りそうな程高鳴っていた。
扉一枚隔てた向こう側には、一糸纏わぬ姿の彼女がいる。
そんな事を考え、一人動揺の色を隠しきれない氷上。
しゃぁぁぁぁ…キュッキュッキュ
水音が止まった。
(ダメだ!こんな動揺している姿を見せるわけには…)
一人オロオロしていると、浴室のドアが静かに開いた。
そこには桃色に火照る肌にバスローブ1枚を纏っただけの彼女の姿があった。
「き、君は…?!」
顔を真っ赤にし、言葉を詰まらせる氷上。
相反し彼女は至って冷静な面持ちである。
彼女はゆっくりと一歩ずつベッドの上の氷上に歩み寄ってくる
両手を後ろにつき、身体を反らす氷上に対し、
ベッドに両手を付き、前かがみに氷上のわずか10p程しかなかろうかという所まで顔を近づける。
「氷上くん…」
「なっ、なんだい?!」
バスローブの胸元の隙間からチラチラ覗く白い谷間に、完全に意識を奪われている。

(非常に良くない!この体勢は…!ダメだ!見てはいけないんだ!)
そう思い、氷上は固く目を閉じた。
そんな氷上に、彼女はゆっくりと唇を重ねた。
「今日は…一緒に眠りたいな、同じベッドで…」
「そ、そんな事…ぼ、僕は男で、君はじょ、女性なんだ。
そんな簡単にひ、一つのベッドで眠るなんて…!
な、何があるかわ、わからないじゃないか!」
必死に欲望を捻じ伏せ、理性を働かせようとする。
「………………」
一瞬黙り込んだ彼女が、ゆっくりと口を開いた。
「…氷上くんとなら…何かあっても構わない…ううん。
寧ろ何かして欲しいよ…もっと氷上くんに触れたいのに!」
そう言って彼女は氷上に飛びついた。
勢い余り氷上は、彼女に覆い被さられる形になった。
83氷上×デイジー3:2006/09/09(土) 00:01:46 ID:GyaSb/gt
彼女はそのまま唇を重ねる。そして氷上の上下の歯列の間から、
舌を滑り込ませ、丁寧にそして妖艶に口内を這いずり回らせる。
成されるがままただベッド横たわる氷上を甚振るかの様に彼女は攻めた。
シャツの上から両手で胸元をゆっくりと擦る。掌に感じる体温、そして突起物。
「あっ…それは…!」
シャツを捲り上げ、胸元を露にする。
もうすぐ一般の同年代の男性の身体より、明らかに白く華奢である。
そんな氷上の胸元の突起を指の腹で優しく捏ねる。
「き…君っ!」
みるみる顔面が紅潮していく氷上。そんな変化を彼女は確かに楽しんでいる。
「氷上くんったら顔が真っ赤…ふふっ」
そう耳元で妖艶に囁くと、更に追い討ちでも掛けるかの様、突起に舌先を近づける。

舌先が触れた瞬間、氷上の口から溜息とは違う艶かしい吐息が漏れる。
触れた舌先で、突起を包み込むかの様に舐め回し、
そして時には唇で挟み込んでみたり、吸い付いてみたり…
氷上の理性は崩壊寸前まで持って行かれていた。
まだ一番敏感な部分に彼女は触れもしていないと言うのに…

まだ触れられていないその部分はズボンの上からも一目で解る程膨れ上がっている。

血の巡りがその部分に集中しているのは明らかだった。
彼女は身に纏っていたバスローブの紐を解き、ゆっくりとそれを脱ぎ捨てる。
雪の様に白い肌、大きすぎず小さすぎず形のいい乳房、くびれたウェスト…
氷上は完全にその麗しき裸体に魅せられていた。
「氷上くんの全部…見せて…」
ベルトに手を掛け、ボタンを外し、ゆっくりとジッパーを下ろす。
「…そ、そんな…!」
白のブリーフの前部は大きな膨らみと共に、先走った欲望の液体が染み付いていた。

彼女は戸惑うこともなく、ズボンとブリーフを下げ、氷上自身を眼下に晒した。
華奢な身体には不釣り合いだが、氷上のその部分は意外にも、人並み以上のサイズを誇っていた。
その部分に手を触れる彼女。
「すごい…熱いよ?」
「そ…それ以上はやめてくれ……………あぁっ!」
氷上の制止も聞かず、彼女は先端に優しく口づける。
先走った透明の液体を舌先で舐め取る。
その卑猥な舌は、まるで生を受けたかの様に、付け根から裏筋…そして先端の割目まで、余す所なく這い回る。
先程までより歴然と硬度と熱を増したそれは、何かを欲するかの様に微かに脈打つ。
84氷上×デイジー4:2006/09/09(土) 00:07:32 ID:GyaSb/gt
彼女は更に、それを口に咥え、根元を優しく上下に扱く。
その大きさに若干苦しげな表情を浮かべながらも口内へと招き入れる。
「あぁ…っんぐっ…!」
必死に感情と欲望の波に耐えようと唇を噛締める氷上に対し、更なる刺激は与えられる。
生を受けた卑猥な舌は、とどまる事を知らずねっとりと氷上のそれに絡みつく。
空いた左手で、付け根に下がる2つの塊をやんわりと手中で揉みしだく。

生暖かい唾液、口内の温度、淫らな水音、包み込む唇の感触、少し冷たい掌の動き、
下半身でそれに口づける白い裸体、時折触れる少し汗ばんだ肌と肌、仄かに漂う石鹸の香り…
味覚以外の感覚全てを刺激されている状態。

(もうダメだ…!)

そう思った瞬間、彼女の動きが激しさを増す。
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ…ちゅる…
部屋中に響き渡る淫らな水音が耳を劈く。

「あぁ…っっっっ!!!!!!」

どくどくと脈を打ち、氷上の精は、紛れも無い彼女の体内で解き放たれた。

ごくっ…

喉元を通り過ぎ、更に体内の奥底へと精は流れ込んだ。

トレードマークの眼鏡はずり下がり、きっちり立ち上がっていた前髪は乱れ、放心状態の氷上。
ベッドに横たわり視点も定まらないまま、空中を見つめていた。
「氷上くん…?」
「……………………」
「…気持ちよかった?」
「……………………ぁぁ」
小声で呟く。
「わたしも氷上くんの見たことない姿見れて嬉しい!」
顔を赤らめた氷上は彼女に問う。
「…君は…ま、満足しているのか…?ぼ、僕だけが…その…達してしまったのに…」

「それはまた今度っ。次はわたしの番。氷上くんにい〜っぱい感じさせてもらわなきゃ!」
「…あ、あぁ!勿論さ!」
「じゃあ今日は…一緒に寝よ?」
「あぁ」
そういうと彼女は氷上の隣に潜り込み、一糸纏わぬ姿で。
触れ合う肌と肌の柔らかくそして温かい感触…

スー…

彼女は最早静かな寝息を立てていた。
そんな彼女の愛らしい寝顔に、氷上は優しく口付けた。
そして、優しく抱きしめ眠りについた。

<糸冬>
-----------------------------------------------------------
85氷上×デイジー終:2006/09/09(土) 00:09:34 ID:GyaSb/gt
おそまつさまです!
投下に時間がかかってしまいスイマセン。

最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました。
メッティーに最後までさせてはイケナイ!と言う強迫観念から、
見事に不自然な幕引きとなってしまいました…orz
「ここまでやったら最後までやるだろう!」的ツッコミに関しては、
ここまでやっても最後までやらない、それがメッティークオリティーって事でw

感想頂けたらうれしゅうございますm(_ _)m
86名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 00:15:48 ID:vLzSdFG1
リアルタイムで読ませていただきました(´Д`*)
デイジーに翻弄されるメッティモエス…!
87名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 00:26:13 ID:8FWa7N3f
ちょ、またメッティは最後までなしなのかwww
しっかりブリーフが出てきたのにもワロタ。
大胆デイジーイイヨー 乙でした!
88名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 00:26:57 ID:+iolO1de
スバラスイ!!ブラボォゥ!!(;゚∀゚)=3ムフー
むしろデイジー×氷上だったか!

>ここまでやっても最後までやらない、それがメッティークオリティー

にとどめをさされますた。
89名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 00:28:49 ID:UAX1CXvy
>80
GJ〜! そして最後までいかない(いけない?)メッティクオリティww
メッティまだ攻略してないけど、やってみようっと。

>76
前スレ800過ぎくらいで花屋話書いたものですが、
私は全然構いません、というかお願いします。
どこかに保管されると思うと書き甲斐ありますし。

つか、職人さんはココ等に投下した後のテキストってどうしてるか気になる。
普段は別ジャンルの絵描きで、GSのSSはこっそりやってるからサイトにも載せられないし
だからと言ってデリートしちゃうのもなぁ…。
90名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 00:47:09 ID:Zlx362E7
>>80
GJ!!
やっぱりメッティは結婚してからだよね。

>>89
自分は乙女総合エロパロに載せた作品はサイトに載せたことあるなぁ。
まぁ、GSの投下したSSは載せるつもり無いけど……。
自分で楽しむ分として残すも良し、あえてもう一つサイト作るも良しじゃまいか。
91若×デイジー:2006/09/09(土) 08:42:14 ID:JjD7TrNW
携帯厨でございます。改行等読みにくいとは思います。申し訳ありません。

「貴文、いつか君だけのマリア様が見つかるから」

そう言われたのは、あの研究所にいた頃だった。その人はまだ子供の僕を不憫に思っていたのだろう。
「あれは聖母マリア」

手を引かれて連れて行かれた教会の祭壇の聖母像。少し俯いて伏せられた目、軽く広げられた腕はすべてを受け入れ癒そうとしているようだ。
でも。
その中には僕は含まれていないように思えてならない。
祈りを捧げる人たちのなかで、僕は例えようのない寂しさと、この世界からの疎外感にあきらめの溜息をついた。
92名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 09:01:27 ID:JjD7TrNW
91です
あああ…
仕事場から呼び出しが…これから休日出勤かよ!すみません!残りは帰宅後に!
93名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 11:46:07 ID:mTpXkfjM
>>76
是非お願いしたいです。
ここのところ作品が多くて大変でしょうけど。
94名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 13:05:15 ID:dCiQee4W
またしても空気読まずに登場…遅ればせながら>>45です
投下が明け方だったにも関わらず、自分にへこんでしばらく寝つけないくらいだったので
皆々様からのレスを読んで反響に少々べっくらこいております。
一晩来れない間に、作品の中でなんか確変でも起きたかとw
なにはともあれこちらこそ
ありがとうございます!
ありがとうございます!
<交編(仮)>につきましても、完全なる蛇足になりそうな予感大ですが
とりあえずがんばってみようと思います。そして今度こそちゃんと一部始終を書く!
誓うよ。もう二度と寸止めはしない。


名無しに戻る前にどうしても外せない個レスを。

>>77
よ く ぞ 言 っ て く れ ま し た 。
てか他の神々からの供給が止まっちまったら
小生はどこから萌えを補給すればよかとですかorz
自分の書いたもんを読んでもらいたいだけだったら自サイト作ってそこでさらすわい!ヽ(`Д´)ノ
読みつ読まれつ!抜きつ抜かれつ(もちろん性的な意味で。)がここの醍醐味じゃろがい!
というわけで職人の皆様、今後も萌えの享受させて下さいオナガイシマスオナガイシマス
そして話は変わるが>>77と、あと>>69>>75辺りもちょっとここ来て座りなさい
 (* ゚д゚)つ[R1ボタン])∀`)
でもみんなだいしてる

>>76 保管庫管理人様
自分もお手数ですがよろしくお願いしたいです。
あと差し支えなければ、投下後に気づいたアチャー(ノ∀`)な誤字脱字だけでも
修正して頂きたいんですが、そういうお願いは受け付けてもらえますでしょうか?
読み返したらあまりに馬鹿なミスが多すぎて…orz
95名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 14:18:01 ID:GyaSb/gt
>>76 保管庫管理人様。

前スレから含め、5作ほど投下させて頂いてる者です。
自分は職人ではなくただの暇人なので、
本を出したり、自サイト開設したりする気はありません。
なので保管庫で保管していただけると嬉しいです。
96名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 14:18:56 ID:UAX1CXvy
>>94
蛇足だと思うなら、更に新品投下の際にその分の萌え成分を盛り込んだらどうか。
あの話はエロなくても十二分にエロいと思うけど…。
エロだけ読みたいならそれこそ別スレ行くので、
前作の蛇足を誘い受けするくらいなら新作が読みたいんですオネガイシマス、と神に祈ってみる。
言葉悪くてごめん…

>76
誤字脱字の修正が可能ならお願いします。
推敲の際に修飾過多な文章を削って、前後がそのままになってる箇所とかあったりして
投下した後で、しもたー!って…orz
こういうのって何で全部終わったあとで気が付くんでしょうね…
97名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 14:40:09 ID:Lt2FL8dQ
いつからこんな馴れ合いスレになったの?
98名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 15:22:41 ID:dPRrUvw6
まあまあ。
いいもんが見れるならそれでいいジャマイカ。
99名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 15:41:37 ID:l3wcH271
うはwwwwwww
殺伐とさせ屋ktkrwwwwwwwww
つーか96はエロパロスレきといて
エロ読みたいなら他行くとか意味ワカラナス
100若×デイジー:2006/09/09(土) 15:49:42 ID:JjD7TrNW
91です。続きです、無駄に長くてお目汚しですが‥

僕は機械だから、いっそ本物の機械になればこの疎外感から逃げられるだろうか。
「君はここにいちゃいけない、貴文、自由にならなければ」
眼鏡に口髭、いつもは笑顔の彼が悲しげに僕の頭をなでた。
「私はここのやりたには反対だ、ここにはもういられない」
彼は田舎で教師でもするさ、と言って、研究所を去っていった。
僕はただ黙々と機械のように計算を続けた。その頃から僕の周りは騒がしくなり始めていた。
利用することしか考えない人々。醜いだけの世界。
耐えきれなくなった僕は研究所を逃げ出した。
101名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 16:05:20 ID:JjD7TrNW
日本に帰っても、僕の居場所はなかった。
宛もなく逃げ回る日々、そんなときに出会った優しげな男を信じてみる気になったのは、眼鏡と口髭の穏やかな笑顔が彼に似ていたせいかもしれない。

僕は教師として、海辺のこの街に居着く事になった。
僕が教師なんておこがましいきがしたが、研究所でただ一人優しかった彼と同じ仕事をしているかもしれないと思うのはイヤではなかった。
春に出会い、春に去っていく生徒たち。
ああ。あのときと同じだ。祈る人々、傍観者の僕。僕はどこにいても、幸福な人々の傍観者に過ぎない。
幸福は手に入らない。
幸福なフリは、フリでしかない。

そんなときだ、君と出会ったのは。
102若×デイジー:2006/09/09(土) 16:18:39 ID:JjD7TrNW
…なんと言うか、偶然にしてしまったキスは、僕の運命を廻し始めた。
気にしないと自分に言い聞かせておきながら、僕は君から目が離せなくなっていた。
授業中の少し眠そうな君に意地悪を言ってみたり、課外授業の先生役をやらせてみたり。
おっとりしているくせになんでも一生懸命。たくさんの友人。
僕の持てなかったものを全部持っている君。
もしも、君を僕のものにできたら。
僕は幸福になれるのかもしれないと、そう、思った。
103若×デイジー:2006/09/09(土) 16:43:01 ID:JjD7TrNW
だけど、君は生徒で。
僕は教師で。
桜の季節には君はここからいなくなる。
イヤだ、イヤだイヤだ。春なんかこなければいい。
毎年楽しみにしていた桜を、僕は初めて憎いと思った。

それでも、そんな僕にはお構いなしに日は巡り、花は咲きはじめて。
卒業式はきてしまった。
君は、泣いていたね。

ねえ、楽しかったね。

体育祭で君がくれた半分このパン。
修学旅行で見せてくれた拗ねたような顔。
文化祭のツバメさんは、とても可愛かったよ。
バレンタインの手作りチョコ、とても美味しかった。
鼻の奥が、つんとしてきた。涙だろうか。
僕はグイッと目をこすった。
君はどこにいる?
僕はバカだから、伝えないまま、終わらせてしまうところだった。
君はどこ?
伝えなければ。僕の気持ちを。

式が終わってもまだ校庭に残る生徒たち、君の姿は見えない。
君と仲良しだった子を捕まえて、君の行き先を尋ねる。
聞けば、卒業コンパには二次会から合流すると言ってどこかに行ったらしい、
「アイツ、どうしても一人で行かなきゃならないトコがあるって」

「大好きな場所で、一人でお別れするんだって」
大好きな場所?
君との会話を思い出そうとした。
104若×デイジー:2006/09/09(土) 17:01:54 ID:JjD7TrNW
「なにぼーっとしてんだか、早く行きな」
え、ああ、そうか。
「はっきり言わない奴も悪いけど、三年間手作りチョコの意味にも気がつかないほうも、どうかと思うよ。アタシは」
…!
走り出していた。早く、早く。
君が消えないように。
君がまだいてくれますように!

息が切れているのを収まるまで待つ余裕もなく、海辺の灯台に駆け込んだ。
「先生?なんで…?」
振り返った君は、泣いていた。
僕は、君に伝えなくては。
「先生、あの、私…」
待って、聞いてください。僕の心の中を全部。
君にだけ、聞いてほしい。
君は、目を伏せている。僕の言葉に時折頷きながら。
ああ、僕は今、上手く話せている?
君に、伝わっている?

信じられないほど長い、でも本当はきっと短い沈黙のあと。君は顔を上げて、まっすぐに僕を見つめた。
105若×デイジー:2006/09/09(土) 17:18:07 ID:JjD7TrNW
「私も、先生のこと好きです。ずうっと、好きだったんですよ」
微かにふるえる指先が、僕の方に伸びてくる。僕はそれを握りしめ、君の体を抱き寄せた。
君は僕の腕の中にいる。なんて暖かくて柔らかいんだろう。
君の顔をじっと見つめた。君は、なんて綺麗なんだろう。
そっと口唇を合わせると、君の腕が僕の背中にまわされて、しがみつくように僕に抱きつく。
何度も、何度も、キスをする。
鼻先をくすぐる甘い匂いと柔らかな口唇。
君の心臓の音、聞こえる。きっと君には僕のが。
夢中で君を抱きしめ、もつれるように床に倒れ込んでいた。
106若×デイジー:2006/09/09(土) 18:00:28 ID:JjD7TrNW
君と一つになりたい。
二人を隔てるもの、君の制服が、とても邪魔だった。
君の肌に触れたい。僕の肌を押しつけたい。
「せんせ…や…っ」
お願いです。
僕を拒まないでください。
僕を、受け入れてください。
祈るような気持ちで君を見た。
君は戸惑った顔で僕を見ていた。
思わず離しかけた手を、君が掴んだ。
困っているような、恥ずかしげな微笑み。僕はそっと頬を撫でた。
「先生」
優しい声。
「…続けてください」
僕は、本当に余裕がなかったと思う。
だって、君は本当に可愛くて。初めて目にした君の素肌は、僕の理性を飛ばしてしまうのに充分すぎるほど魅力的だったから。
何度キスしても足りない。
僕の愛撫で、ほの紅く上気している頬。柔らかい胸。なめらかな足は僕の足に絡みついている。
小さな果実のような乳首を口に含む、掠れた君の声が僕を煽る。
指先は濡れた君の中。
気持ちいいですか?と聞くと、君は子供みたいに首を振った。
答えてもらう必要はなかったから、これは僕の意地悪だ。
107若×デイジー:2006/09/09(土) 18:40:52 ID:JjD7TrNW
僕は、君の中に入りたい。君を僕だけのものにしたい。
指先を止めて一瞬あいた間に、君が体をこわばらせる。
緊張しないで。できるだけ優しくします。
耳元に囁く。
「んっ!…うっ…うぅ」
静かにゆっくりと君の体に進んでいく。
痛い、だろう。
それでも君は両手で顔を覆って、苦痛の表情を僕に見せまいとしている。ごめんね。
手首を掴んで手をどけさせる。
「見…ない…で」
だめです。君の顔が見たい。
君に、キスしたい。
僕は彼女の口唇を舐め、深く口づけた。
彼女の体を強く抱きしめ、激しく動いた。
ああ、もう…
うねるような快感に我を忘れ、華奢な体を折れそうなほど強く抱きしめて、目の前が白くなる感覚に僕は堕ちていった。



君は少しの間、気を失っていたみたいだ。
ぐったりと動かない君に、僕は少し慌ててしまった。
軽く頬を叩くと、うっすらと目が開いた。
でも、まだ焦点が合っていない。
僕は君の胸に顔を埋めて、大きく息をついた。
「せんせ…」
呟く君の声。同時にその腕が僕の頭を抱きしめた。胸に顔が押しつけられる。
「愛して、ます」
聞き取れるか取れないかの微かな声。
108若×デイジー:2006/09/09(土) 19:00:02 ID:JjD7TrNW
その声は、ゆっくりと僕の気持ちに染み込んでいった。
嬉しくて、なのに切なくて、泣きたくなるような不思議な感情。
穏やかな、暖かい春の陽射しみたいな君は、知らないうちに僕を変えていった。
僕の幸福。僕を包む優しい日溜まり。

僕はすべてを君にさらけだして、君を求め、そして君は僕を受け入れてくれた。僕を癒し、救ってくれた。

君の腕の中で、僕は僕だけのマリア様を見つけたことを、世界に感謝していた。


109名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 19:06:31 ID:JjD7TrNW
身の程知らずで申し訳ありませんでした。
携帯からで読みにくかったことと思います。心からお詫び申し上げます。またROM専にもどります。失礼いたしました。
110名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 19:41:34 ID:0INdofTB
エロは少なめだが楽しめたよ。グッジョブ
111名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 20:45:19 ID:dbXG+TlL
若×デイジーハァハァハァハァ(*´д`)
超GJ!!!1!
若は未攻略だが急激にプレイしたくなった
112名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 20:49:24 ID:JGw4mdiY
素で涙ぐんだ。

なにこの終始漂うやわらかい雰囲気
好きすぎる…
神マジGJ。
113志波×デイジー0:2006/09/09(土) 21:04:06 ID:vZh+HxRv
志波×デイジー投下させて頂きます

●デイジーの名前は 小波美奈子
●事故チューの相手は志波
●デイジーは野球部マネージャー
●まだ付き合ってはいないけれど、傍から見たらすぐわかる位の両想いっぷり
●気付いてないのは本人達だけ
●デイジーママと野球部キャプテンを捏造してしまいました

→デイジーママイメージ…デイジーがそのまま年を取った様な、おっとりした人

→キャプテンイメージ…OPで砂浜を走る、太めで足の遅い彼
●花屋が出ていますが、当て馬ではありません。デイジーの事は知らないけれど、志波に好きな人が
出来た事は知っている、志波の良いお兄ちゃんというポジションです
●GSなのに、デイジーからの告白です
●デイジーは志波にベタ惚れです
●物凄く長いのに、エロが温すぎです


まだまだ書き慣れない為、読みにくい所も多いと思いますが、よろしければお付き合い下さい。
志波のお見舞いと三回目会話を色々聞き、床ローリングしまくってその勢いで書きました。
携帯からなので時間がかかると思いますが、お時間戴けると嬉しいです。
114志波×デイジー1:2006/09/09(土) 21:06:11 ID:vZh+HxRv
「なぁ志波、マネージャーは大丈夫なのか?」
夏休みも終わりに近くなってきた土曜日。只でさえうだる様な暑さの部室は、練習後に一斉に着替えを始めた部員達の
熱気で更に湿度を増していた。その隅で手早く制服に着替えた志波は、自分に疑問を投げ掛けて
きたキャプテンに怪訝な顔を向ける。
「…何でオレに聞く?」
突き放す様な言い方はいつもの事なので、キャプテンはお構いなしに言葉を続けた。
「そりゃあ、お前に聞くのが一番手っ取り早いだろ。仲良いんだから」
「…そうか」
「今日でもう一週間だろ?甲士園の疲れが一気に出ちまったんだろうなぁ」
「…そう、だな」

羽ケ崎学園野球部は、先週甲士園出場を果たしたばかりだ。地区予選を順当に勝ち進み、夢だった
甲士園の土を踏んだ彼らは、大点差を付けつつ決勝まで進み、遂に全国制覇を成し遂げた。
優勝が決まった時に、志波の隣で共に喜びを分かち合った、マネージャーである小波美奈子。
彼女のサポートがあったから野球部員達は思う存分闘う事が出来たと言える。

そして優勝後の一週間は、高校野球雑誌社のインタビュー、三年生が部活を引退する為の引継ぎの
準備など、慌ただしい時間が過ぎていたが、その間美奈子が部活に来る事は、一度も無かった。
顧問教員に「具合が悪いので休ませて下さい」という彼女の母親からの電話は毎日かかって
きていたけれど、本人からの電話では無い分、部員達の不安も募っていくばかりだ。

皆が、練習の合間に心配の声をあげる中、普段から必要な事以外を滅多に口にしない志波は、
更に口を紡ぐ様になっていた。

美奈子と特に交遊のある志波は、その心の内で自分の腑甲斐なさに腹を立てている。
彼女は、人の為だったら自分の身を省みずに頑張りすぎてしまう事がある。それを知っていた。
知っていたのに、目先の勝利に酔い痴れて彼女の体調を気遣ってやれなかった自分が、情けなくて
仕方がない。無意識の内に志波は長い溜息をつく。
「…心配で仕方ない、って顔してんな」
溜息に気が付いたキャプテンが、志波の心内を当てる。
「そんなに心配なら、帰りにでも直接会ってきたらどうよ?」
「言われなくても…そうするつもりだ」
「へへっ、余計なお世話だったな。まぁ見舞いに行く時は、ちゃんと花でも持ってけよー」
豪快な笑い声をあげながら大きな体を揺すり、キャプテンは自分のロッカーへと向かう。
彼が部員達から慕われる理由は、きっとこれなのだろう。簡単に人の内面を見抜いてしまうから、
悩みを持つチームメイトの相談にも乗って、その気さくな人柄で背中を押してくれる。
(良い奴に恵まれたもんだ)
志波は笑みを漏らした。
115志波×デイジー2:2006/09/09(土) 21:09:55 ID:vZh+HxRv
「いらっしゃ…何だ、勝己か」
ガラス張りの扉をくぐると、花の薫りが鼻をくすぐる。女性客で溢れる店内は、いつも慌ただしい。
その中に見慣れた顔があった。志波の幼なじみである真咲は、志波を見つけた瞬間に得意の
営業スマイルを引っ込めて悪態をつく。

「よー、久しぶりじゃねーか。この前は大活躍だったみたいだな。おかげで、ファンもたくさん
出来たんじゃねーの?」
「…別に活躍なんかしてない」
「おーおー、謙遜しちまって。んで、今日はどーした?花買いに来たのか?」
「そうでなきゃ花屋なんか来ないだろう」
「アハハッ、そりゃそうか」

無口な志波と、口数の多い真咲。一見、反りが合わない二人ではあるが、仲は良い。
余計な事を言わずにいても、幼い頃からの付き合いの為、通じる部分が多々ある。
そんな真咲相手だから、花を買いに来た理由もバレバレだった様だ。
「さて、どんな花に致しますか、オキャクサマ?噂の可愛い彼女のイメージぴったりの花束を
お作り致しますよ」
営業スマイルとは違う、口元に作った笑み。どうやら全てお見通しらしい。否定するのも
面倒だったので、志波は正直に答える。
「見舞いに良い花は、何か無いか?」
「見舞い?何だ、彼女病気になっちまったのか?」
「ああ」
「そりゃ大変。じゃ、勝己くんの為に一肌脱いでやりますか」
「…勝己くんは止せ」
そのまま黙り込んでしまった志波に、からかいすぎたなぁと笑いながら、真咲は手早く花の包装を
していく。程なく完成した花束は、葉っぱの様な赤い花を中心に、色とりどりに作られていた。
「上手いもんだな」
「お、それって誉め言葉か?」
「…取り消す」
これ以上ここにいたら、また何を言われるかたまったもんじゃない、と言わんばかりの表情で、
志波は代金の支払いを済ませて美奈子の家に向かった。
(あの花の花言葉を知っていたら、アイツ絶対別の花を買っていただろうなぁ)

店先に出て、幼なじみの後ろ姿を見送りながら真咲はまた笑みを浮かべた。


呼び鈴を押すと、インターフォンから応対の声が流れる。自分が野球部の部員であり、見舞いに
来たのだと言う事を伝えると、玄関のドアが開き、中から女性が姿を現す。美奈子の母親だ。
目元が美奈子によく似ている。今まで、玄関先に来た事はあったけれど、母親は出かけていたり
仕事に行っていたりで、会った事はなく、これが初めての顔合わせになる。その為、志波も
緊張の色が隠せない。少し固い声で挨拶をした。

「こんにちは。志波といいます。すみません、突然」
「いえ、気にしないでね。ありがとうございます。わざわざあの子のお見舞いに来て下さって」
おっとりとした喋り方も、美奈子によく似ている。先程、真咲に頼んで作ってもらった
花束を渡すと、更に感謝の言葉を述べられた。
「気を使わせちゃってごめんなさいね。綺麗な花をありがとう。あら、このお花…」
「?」
赤い花を見つめて言葉を止めた母親は、すぐに笑顔になり、
「あ、美奈子の部屋は、階段を上って突き当たりの部屋だから。私はこれから買い物に行かなくちゃ
いけないんだけど、良かったらゆっくりしていって下さいね。すぐにお茶持って行きますから」
と言葉を続けた。治りかけの体にさわるからすぐ帰るのでお構いなく、と伝えて、会釈する。
買い物に出かける母親を見送ってから、志波は美奈子の部屋へ向かった。
116名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 21:12:07 ID:clItLqTY
>>91
GJ!ちょうど若ED見たばかりだったから萌えたよ。
若も主人公もテラカワイス(´Д`*)
117志波×デイジー3:2006/09/09(土) 21:12:44 ID:vZh+HxRv
教えられた場所に、美奈子の部屋はあった。そういえば、初めて部屋に入る。
気持ちを落ち着ける為にも一呼吸をついて、扉を叩く。もしも美奈子が眠っていたら、起こさずに
帰ろうと思っていたので、小さく響かない様に。程なく、中から「はーい」という返事が聞こえた。
一週間ぶりに耳にする、美奈子の声は普段よりも気が抜けている様に聞こえて、つい笑って
しまいそうになる。軽く咳払いをしてから、声をかけた。

「志波だ。入っていいか?」
中でベッドが軋む音がした。予想外の返事と、突然の訪問に、びっくりしたに違いない。
「え!?志波くん!?ど、どうぞ!」
慌てた様な返事で入室の許可を得たので、扉を開けて美奈子の部屋に足を踏み入れる。
入った瞬間、美奈子がいつも使っているコロンの薫りがした。年頃の女の子らしく、きちんと
片付けられた部屋。その角に置かれた寝台の上に、美奈子はいた。扉をくぐってきた
志波の姿を見て、上半身を起こした状態で美奈子は驚きながらも微笑む。

「具合……大丈夫か?」
「うん、もうだいぶいいんだ。今日は、大事を取って休んじゃったけど。季節外れの風邪だから、
長引いちゃったみたい。ごめんね、迷惑かけちゃって」
「そうか。………」
薄いピンクのパジャマに身を包んだ美奈子の顔は、まだほんのりと紅く、熱が普段よりも高い事を
示している。それでも、心配をかけまいとする美奈子の姿。志波の口から、思わず言葉が零れた。

「……うつせ」
「えっ?」
彼の突然の申し出に、美奈子は驚愕する。

「うつせば完璧に治るだろ。早くしろ」

(そ、そんな風に目を閉じて、うつせ、と言われても…)

ベッドの隅に腰掛けて美奈子に顔を向け、「うつせ」と促す志波の姿。更に目を閉じている志波を
見て、美奈子の脳裏に、風邪をうつす方法が一つ浮かんだ。
(…うわっ…何考えてるの?私…)
必死にその方法を忘れようとするが、なかなか消えてはくれなかった。
(やだ、恥ずかしい…)
下を向いて、顔を赤らめる美奈子の姿を、志波は小さく瞳を開いてしっかりと見ていた。
「おい」
耳元で聞こえたその低音に、美奈子の鼓動は更に早くなる。
「はっ…はいっ!?」
「うつさないのか?」

頭をあげた至近距離には、志波の整った顔があって。思わず、じっと見てしまう。
美奈子は一年生の頃を思い出していた。

(この唇が…触れたんだ…)
入学してすぐに野球部のマネージャーとなった美奈子の目に飛び込んできた長身の少年が志波だった。
当時から背は高かったけれど、思い返してみれば、今よりも幼い顔をしていた気がする。
彼の瞳は、グラウンドで練習に打ち込む部員達に注がれていた。その姿が、何だか淋しそうに見えて。
それが二人の出会いだった。出会った頃から、志波は美奈子の心を捕えて離さない。

更に数週間が経ち、それはハードルの片付けをしていた時に起こった。事故だったと彼は
言ったけれど、その感触は今も忘れられない。その後は、訝しげな顔をする彼を誘って
色々な所へ遊びに行った。少しでも彼が笑ってくれれば良い。そんな事を思いながら。
118志波×デイジー4:2006/09/09(土) 21:15:58 ID:vZh+HxRv
「…大丈夫なのか?」
「えっ!?」
急に意識を引き戻される。視線の先には、さっきと変わらない志波の顔。その深い色の瞳とぶつかる。
「だ、大丈夫だけど…っていうか…そんな簡単に、うつせないよ!」
自分の気持ちを悟られない様に、わざと大きめな声で志波の申し出を拒否する。
志波は「そうか」と呟き、美奈子の頭をくしゃっと撫でた。20センチ以上美奈子よりも背が高い
志波は、よくこうやって美奈子の頭を撫でてくる。初めは
(子供を撫でるお父さんみたい)
と思っていた美奈子だけど、その大きな掌で優しく撫でられるのは決して嫌いじゃない。
「何か…久しぶり。こうされるの」
クス、と笑うと、志波も微笑んで、柔らかな空気が部屋を流れる。
「あ、でも私、風邪のせいでずっと髪も洗えてないから…汚れてるよ」
「ああ、大丈夫だ」
何が大丈夫なのだろう、と思いつつも、この心地良い空間に浸れる事が幸せだったので、美奈子も
それ以上は口にせず、瞳を閉じる。少しの間の後、志波が言葉を続けた。

「悪かったな」
「えっ?」
意外な言葉だった。
「何で志波くんが謝るの?」
「…気付いてやれなかった。お前の体調が悪いのを…」
申し訳なさそうな顔で、目を伏せる志波に、美奈子は笑う。
「志波くんが謝る事、ないんだよ。自分で体調管理が出来なかった私が悪いんだから」
「でも」
「ストップ。もうおしまい。ね?」
半ば強引にその話題を終わらせられて、志波はまだ言葉を続けようとしたが、美奈子の笑顔を見て
出かけていた言葉を飲み込む。美奈子の言葉は、自分自身への苛立ちを、ゆるゆると溶かしていった。
「…ああ。わかった」
いつだって、そうだ。美奈子は自分を受け入れて許してくれる。再び瞼を閉じた美奈子を、
いつもより愛おしく感じた。息を感じられる位の距離まで顔を近付ける。そして勝手に口が動いていた。
「なぁ。簡単に風邪をうつす方法…知ってるか?」
「えっ…?」

「こうすれば、良い」
目を開けばすぐ近くに志波の顔。それは唇が触れるか触れないかの距離で、落ち着きかけていた
美奈子の心臓は、更に鼓動を早める。
「し、志波く…」
それは、さっき美奈子の頭を霞めた『うつす方法』と同じ動作。美奈子は、反射的に開いた
ばかりの瞳を堅く閉じた。これから起こるかもしれない事に、ほんの少しだけ期待しながら。
「…………っ」

しかし、予想していた感触は無くて。
そっと目を開けてみると、おかしくてたまらない、といった様子で志波が笑いを堪えている。

「あっ…ひ、ひどーい!」
「くくっ。……冗談」
期待してしまった自分が恥ずかしくて、美奈子はかあっと顔を染める。

「志波くん!もう…一瞬、本気で悩んじゃったよ……」
頬を膨らませて怒りを顕わにする美奈子の頭をまた撫でて、志波は謝った。
「悪い。……怒る元気があるくらいなら大丈夫だな。これ以上怒らせて、逆に熱が上がったら
よくないから、そろそろ帰る」
目を細めて笑みを浮かべながら謝る志波。
(そんな顔で謝られたら、許さない訳にいかないよね…)
そう言ってしまいそうだった。代わりに、コクン、と頷く。
「うん…多分部活にも、もう行けると思うから。明日は引継ぎ式があるんだし、必ず行くよ」
「馬鹿、また無理して、倒れたりされたら困る。くれぐれも、無理はするなよ?」
その気遣いが嬉しかった。志波は、いつも自分の事を気に掛けてくれていて。その優しさを、
『好意』なのではないか、と誤解してしまいそうになる。そう、この人はとても優しい人だから。
119志波×デイジー5:2006/09/09(土) 21:22:29 ID:vZh+HxRv
「うん…今日は来てくれてありがとう」
「あ、それと―」
「えっ?」
扉に向かいかけていた志波が振り返り、美奈子の元へ戻ってきた。
「どうしたの?忘れ物?」
「ああ。もらい忘れた」
タオルケットをかけた膝の上で組まれた美奈子の細い手首を取り、志波は手の甲に口付けた。
それは余りにも自然な動作。美奈子には何が起きたのか、一瞬気が付かない程の。
「……っ!?」
気が付くまでに、随分と長い時間がかかった様な気がする。志波と目が合い、心臓が止まりそうになる。

「…よし。これで風邪のウイルスも少しはオレにうつっただろ」
「えっ…あ……」
「じゃあな」
平然として、志波は美奈子の部屋を後にした。それからしばらくの間、美奈子は微動だにしなかった。
いや、出来なかった。少しずつ落ち着きを取り戻した頭は、先程起きた事を思い出していて。
「うわっ…どうしよう……!」
枕に押しつけて顔を冷やそうとしても、それは無理な話。志波が口付けた手を見る度に、鼓動は
早さを増す。そっと、自分の唇で手の甲に触れてみた。そこは、ひどく熱い。
「もう…何だかよくわからないよ、志波くん…」
これは、いつもの様に冗談なのか、それとも、自分が持つ気持ちと同じものなのか。
彼には、いつも翻弄されてしまう。ぐるぐると考えが巡り、気持ちは掻き回されていく。

浮かんでは消える、自分に都合の良い考えを振り払う様に、美奈子は頭からタオルケットを被った。



「ほら、起きなさい美奈子。もう朝よ」
「んー…」
母親の声で目覚めると、外はすっかり明るかった。
「よく寝てたわね。昨夜も何回も起こしたのよ。今日はもう大丈夫そう?」
まだ夢心地の美奈子の顔からは、怠さは感じられない。すっかり熱は下がったらしい。

「うん、顔もしっかりしてるし平気そうね。今日は部活最後の日でしょ?準備は」
「あっ、そうだ!行かなきゃ!」
「昨夜何も食べてないんだし、ちゃんとご飯食べなさいよ。あと、シャワーも浴びていきなさい」
頭が一気に覚醒する。ベッドから飛び降り、あたふたと準備を始めた美奈子は、部屋の中に
いつもとは違う物がある事に気が付いた。
「?…お母さん、この花どうしたの?」
机の横のサイドボードの上には小物や、彼女の宝物である木彫りのうさぎの置物が並べられている。
そこに見慣れない真っ赤な花が生けられている花瓶が置かれていた。
その花弁は、花というより葉に似ている。初めて見る花を気にしながらも、美奈子は準備を続けた。
「ああ、その花ね。昨日、お見舞いに来てくれた…志波くん、だったわよね?あの子が、
持ってきてくれたのよ」

鞄に荷物を詰め込んでいた美奈子の手がぴたりと止まる。
「ちゃんと挨拶も出来て、気持ちの良い子ね。それに…格好良いし」
茶化す様な母の言葉に答えようとせず、美奈子はただ花に見入っていた。そんな美奈子の心情を
知らない母は、更に言葉を続ける。
「それにしても、凄い花貰っちゃって、美奈子」
「え…?凄い花って?」
趣味でフラワーアレジメントの講習に通う母は、美奈子の疑問に答えてくれた。
「その花の名前は、アンスリウムって言うの。花言葉は―」

「小波。熱は…もう大丈夫そうだな」
9時からの引継ぎ式に間に合う様、美奈子は早めに部室への扉を開く。
ぼんやりとしていた為か、中にいた先客が誰なのか声を聞くまで気付かずにいて。
耳に入る、心地いい声の持ち主を確認する為に顔をあげる。
120志波×デイジー6:2006/09/09(土) 21:25:35 ID:vZh+HxRv
「あっ…志波くん……お、おはよ」
中で美奈子を迎えたのは、やはり志波だった。途端に昨日の事がフラッシュバックされ、
美奈子は思わず目を背ける。そんな、いつもと違う美奈子の様子に志波が声をかけようとしたとき。
「チーッス。…おー、マネージャー!もう大丈夫なのかよ?心配してたんだぜー?」
部室の扉が開かれ、部員が中に入ってきた。久しぶりに見る美奈子の姿に、部員達は一斉に
声をかける。声をかけるタイミングを失った志波は、誰にも気付かれぬ様にそっと表へと出ていった。

「先輩!今までありがとうございました!」
その日、無事に下級生への引継ぎが行われた。新しいキャプテンには、甲士園で大健闘を
見せたピッチャーの二年生が選ばれた。それぞれのポジションが旧キャプテンより発表され、
グラウンドはしばしざわめく。新キャプテンを筆頭に、後輩達の感謝の言葉が発せられた。
そして盛大な拍手で送られて、三年生達は照れた様な顔で校門をくぐった。
これで、彼らの高校野球生活は終幕した。

「小波」
「あっ…志波くん」
息を切らして追い掛けてきた後輩マネージャーから花束を受け取って涙ぐんでいた美奈子に
声をかけたのは志波だった。美奈子は目元の涙を拭い、ぎこちなく微笑む。


「一緒に帰らないか?送ってく」
「う、うん、帰ろ。…あーあ、遂に終わっちゃったね…早かったなぁ」
「ああ。合宿で、お前の手料理がもう食えなくなるのが一番辛いかもしれねぇ」
「そ、そうなの?」
今までの思い出を語りながら歩く二人の間には不自然な距離があった。肩が触れそうになると、
一瞬だけ体を強ばらせて美奈子から離れていってしまう。志波はそれに違和感を感じつつも、
適度な距離を保って歩き続けた。

途中で、近道である森林公園の並木道を通る。熱さで火照った肌を冷やす気持ちの良い、爽やかな
風が吹いた。いつもなら、噴水広場で遊んだ帰りの子供達でいっぱいのこの道も、もうすぐ
夏休みが終わりを迎える今の時期は人通りもまばらだ。宿題に追い込まれている小学生が、
それ程多いのだろう。

そういえば。と志波は思い出す。夏休みに入る前、美奈子と二人でこの道を歩いた。その時に
はにかみつつも手を繋いで歩いた。―その時と今は、明らかに違くて。
ぴたり、と足を止め、志波は美奈子に問い掛けた。

「小波……オレと帰るの、嫌なのか?」
志波より三歩程早く歩いていた美奈子は、驚いて振り向いた。
「い…嫌じゃ、ないよ」
そして言葉に詰まる美奈子に、志波はまた違和感を感じる。
「朝も、様子がおかしかっただろう」
美奈子の視線は志波には向けられず、手元のブーケに注がれていた。二人の間に、沈黙が流れる。
さわさわという風の音と、木にとまって鳴く蝉の声、遠くで鳴る車のクラクションの音しか聞こえない。
121志波×デイジー7:2006/09/09(土) 21:27:49 ID:vZh+HxRv
―どれ位の時間が流れただろう。
不意に、美奈子の持つブーケに、ぽつり、と落ちる雫。…雨では無い。
志波は美奈子に歩みより、顔を上げさせた。その瞳からは、大粒の涙が零れる。
志波は、こんなに涙を流す美奈子を見るのは初めてだった。
「…泣いてるのは…オレのせいか?」
しゃくり上げながら美奈子は視線を志波へ向ける。お互いの視線がぶつかった。
今日、美奈子と目が合ったのは、これが初めてだった。志波はそっと指先で美奈子の涙を拭う。
「…優しいね、志波くんは」
ずっと黙っていた美奈子が、固く結んでいた小さな唇を開く。
「優しすぎるから…わからなくなるの。冗談なのか、本当なのか…」

「………」
志波は黙ったまま美奈子の次の言葉を待つ。瞳からは、また涙が溢れた。
「ぅ…っく…わた…し……私…ね…」
「…ゆっくりで、良いんだぞ」

その後、美奈子が、紡いだ言葉は意外なもので。

「……っく……私…志波くんが…好き…大…っ好き」

志波は、目を丸くした。

「…なッ…」

「色々…ずっと…考えちゃって…頭の中、ぐちゃぐちゃなの……ごめんね、いきなり…」

美奈子は再び俯いてしまう。頭を志波の胸元に押しつけて、小さな肩を震わせた。
「ずっと、好き…だったの。…事故の事、だって……凄く嬉しかった…っ」

事故。志波の脳裏に、その時の事が甦る。ハードルの片付けをする美奈子の姿が危なっかしくて、
手伝おうとした時の事。美奈子がハードルから手を離す前に、いきなり引っ張ってしまったせいで
してしまった、事故のキス。
その頃からだ、自分の気持ちに変化が現れ始めたのは。
美奈子と出会ってから、数えきれない日々を過ごしてきた。
過去を悔やみ、本心を抑えつけ、人と関わりを持たない様にしていたのに。
気が付けば、その凍った心は緩やかに溶けて、自然と笑顔になる自分がいる。

再び野球が出来たのも、チームメイトと笑いながら話が出来るのも、
そして悔やんだ過去と向き合えたのも…

全ては、美奈子のおかげ。


美奈子が本当に大事だった。愛しいからこそ、想いを伝える事が出来ずに今日まで来てしまった。

気持ちを伝えられない程臆病なのに、抑制が出来ずに触れてしまう事が何度もあった。
そしてその度に「冗談」だと言って逃げてきた。

そんな自分の曖昧な態度に、美奈子はどれ程苦しんだのだろう?
『冗談』なのか、『本気』なのか、随分悩んだに違いない。

「…すまない。オレは…お前の事、傷付けちまったな」
122志波×デイジー8:2006/09/09(土) 21:32:05 ID:vZh+HxRv
自分の胸で今も泣く美奈子の小さな身体を、強く抱き締める。
「冗談、なんかじゃない。オレは…お前の事が好きなんだ」

もう一度、美奈子の顔を上げさせる。泣きすぎたせいで鼻の頭は真っ赤になり、目元もピンク色に
腫れていた。志波は、昨日と同じ様に、顔を美奈子に近付ける。違っていたのは、柔らかい唇に
触れた感触があった事。

「んぅっ…」

一瞬、美奈子は息をつくのを忘れる。ぴくん、と身体が跳ねた拍子にブーケが指から滑る様に
足元に落ちていって、ほんの少しだけ転がり、止まった。
志波とキスする事が、夢だった。自分の気持ちを受け入れてもらう事も、夢にまで見た。
まだ触れている事が信じられなくて、志波の胸元のシャツを思わずぎゅうっと握り締める。
体温と、早鐘の様な鼓動が手に伝わる。志波の心臓もまた、美奈子と同じ様にどくどくと大きな
音をたてていた。

言葉少ない彼だったけど、それで彼の気持ちが本当なのだとわかり、美奈子は瞳を閉じて口付けを
受け入れる。長い様な、短い様な時間が経った。楽しそうな子供の声が聞こえた瞬間、
どちらからともなく顔を離す。遠くから、散歩をする家族が歩いてくるのが見えた。

顔を見るのが妙に気恥ずかしくて、美奈子は口元を手で押さえつつ、けれど志波から握られた手を
拒否する事はなく、家族連れが道を通りすぎるのを待った。
「あ、お花だー」
母親に甘える様にまとわり付いていた子供が、美奈子の落としたブーケに気が付いて拾う。そして
「これ、おにいちゃんとおねえちゃんのおとしもの?はい、どうぞ!」
と手渡された。
「ああ、ありがとう」
志波が礼を言って受け取ると、子供はニコッと笑ってバイバーイと手を振りながら両親と共に
また道を歩いていった。両親の会釈に、美奈子と志波も頭をさげる。
「…これ」
美奈子にブーケを渡そうとした志波は、その花を見つめる。昨日、自分が見舞いに持っていった
ものと同じ、赤い花だった。美奈子はそれに気が付き、顔を赤らめた。今朝、母親に教えられた
花言葉が、頭をめぐる。

『その花の名前は、アンスリウムって言うの。花言葉は―』

「志波くん…その花の、花言葉って知ってる?」
「花言葉…」
「あのね」
そこで美奈子は、背伸びをして志波の耳元で小さく囁く。

「もだえる恋心―…って言うんだって」

たっぷりの間の後

「……………っ!」
耳まで赤らめる志波を、美奈子は見る事になる。

「そろそろ行くか…」

志波が落ち着きを取り戻したのは、大分時間が過ぎてから。
並木道に設置されていたベンチに、二人は手を繋いだまま座っていた。ずっと言葉は交さなかったけど、
心地良い空間。その沈黙は、志波の言葉でとかれる。夕方から後輩達による送別会が予定されて
いた為、一回家に帰らなければならない。それでも、美奈子が立ち上がる事はなかった。
もっと志波と一緒にいたかったから。

「準備とかあるんじゃないのか?」
「志波くん。私―…」
123志波×デイジー9:2006/09/09(土) 21:34:30 ID:vZh+HxRv
その後、二人は並木道からさほど離れていないホテルにいた。比較的新しいそのホテルは、恋人達が
利用する為の場所。学校指定のシャツを脱ぎ、Tシャツ姿になった志波と、ケープを取って鞄で
制服を隠す様にしていた美奈子は、どうやら高校生には見えなかったらしく、何の問題もなく
中に入れた。

「志波くん。私を志波くんのものにして下さい」

―今思うと、何て大胆な事を言ってしまったのだろう。部屋に入り、ダブルベッドを目にした美奈子は
これから起こる事を考えて、一気に現実へと引き戻される。
(志波くんに、いやらしい奴とか思われてないかな…何で、あんな事言っちゃったんだろう…)

「おい」
「えっ!?な、な、何!?」
部屋の入り口で固まっていた美奈子は、声をかけられて返事をした。なるべく平静に、と思って
いたのに、上手く呂律が回らない。
「え…っと…シャワー、どうする?」
「あっ…えっ…うん、志波くんからどうぞ!!」
オーバーな動作であたふたとしている美奈子を見て、志波は喉をならして笑った。じゃ、お先、と
バスルームへと消えていく。しばらくして、中から水音が聞こえてきた。
「…どうしよう」
こんな時、どうやって待っていれば良いのだろう。初めての経験である美奈子には、さっぱり
わからなくて、仕方なく広いベッドの隅に腰を掛けた。
「…怖くなんてないよ…志波くんの事が好きなんだから」
自分の肩を抱き締め、呟く。さっき思わず出てしまった言葉だって、美奈子の本心。志波の熱を、
身体で感じたかった。
しばらくしてシャワーの音が止み、バスルームから志波が出てくる。上半身のみ裸で、
濡れた髪の毛をタオルで拭きながら出てくる志波の姿に、美奈子の身体は熱くなる。
「あっ…じゃあ、私も使わせてもらうね」
「ああ」
紅潮した顔には気付かれない様に、小走りで志波が使っていたバスルームに入った。

「あ…そうだ」
中にあった桶に水を溜めて、ブーケの切り口を浸した。これで、家に帰るまでは保ってくれるだろう。
そして身に付けていたものを全て取り、シャワーの栓をひねる。少し温めのお湯が、美奈子の熱を
冷ましていった。鏡に写った自分の身体を見る。
(これから、この身体全部が志波くんに見られちゃうんだ。志波くん、どう思うんだろう…)
そんな事を考えて美奈子は全身を綺麗に洗う。少しでも、彼の目に綺麗に写ると良い、と思いながら。
124志波×デイジー10:2006/09/09(土) 21:39:42 ID:vZh+HxRv
「えっと…お待たせしました」
バスルームから出てきた美奈子は、大きなバスタオル一枚のみを羽織っただけ、という予想外の
姿で、志波は思わず「お前…」と呟く。
「あ、…制服着てきた方が…良かったかな?だったら今着てくるよ」
色気のある格好をしている癖にムードもへったくれもない美奈子に、志波の力は抜ける。
やはり志波も美奈子と同じ様に緊張していたけれど、それも程よくとけた。

「良い。そのままで」
本当に制服を着てきそうな美奈子を引き寄せた。そして、布地で隠れていない肌に目をやる。
去年海に行った時に水着姿を見た事はあったけど、こんなに白い肌だっただろうか。
思わず、剥き出しの肩に口付ける。
「……ん…」
吸い上げながらそのまま上に移動させていく。首筋、耳、目元。そして柔らかな唇。三回目の
キスは、今までと違っていた。先程の優しく触れる様なキスとは違い、志波の舌が美奈子の
形の良い唇を舐める。キスの角度を変えて、歯列を割り、舌が侵入してくる。その貪る様なキスに、
美奈子は立っていられなくなった。
「…ぁ……ふっ…」
唇を離すと、美奈子は志波に縋り付く様に倒れこむ。
「ベッド…行こう」
「うん…」
激しい、けれど優しいとろける様な口付けの余韻を楽しみながら、美奈子はベッドにおろされた。
ぼんやりと天井を見つめていると、志波の顔が現われて、また激しい口付けを交される。
自然と志波の肩に目を回した。美奈子の頬に添えられていた大きな右手がツッと滑り落ちていって、
美奈子の柔らかな膨らみに触れた。
「あっ…」
「…嫌か?」
「……ううん」
邪魔な布地を取ると、透き通る様な白い肌。二つの大きな膨らみは、志波が想像していた物よりも
ずっと美しく、綺麗だった。直接触れると、美奈子の甘い吐息が耳に入る。もっとその声が
聞きたくて、そして綺麗な肌に触れたくて、志波は両手を使ってそこに触れた。双丘は志波の
掌に吸い付く様に、動きと共に形を変えていく。
「あ…んぅっ……」
先端を指で摘むと、そこは固さを増す。たまらず、志波は口に含んだ。
「はっ…あぁ…っん」
背筋に、ビリビリと電流が流れた様な気がした。初めて感じるその刺激から逃れようと、美奈子は
身体を捩らせる。けれど、志波はそれを許さない。きつく吸い上げ、片手で空いている頂きに
刺激を与えていく。美奈子の息は荒くなって、口元を手で覆った。
「何で押さえるんだ?口」
「だ、だって…恥ずかしい声ばかり出ちゃうから…っ」
自分も初めて聞くいやらしい声。口から漏れる度に、その羞恥心で壊れてしまいそうだ。
志波は、昨日と同じ動作で覆う手に口付ける。
125志波×デイジー11:2006/09/09(土) 21:44:02 ID:vZh+HxRv
「聞かせろよ…もっと、お前の声が聞きたい」
志波の優しい声と愛撫に、冷ました筈の美奈子の身体は熱くなる。

志波の唇は美奈子の身体中をまさぐり、そして愛撫によって潤い始めていた部分に辿り着く。
しかし、性器には触れず、太股の付け根に舌を這わすだけ。そのもどかしさに、美奈子の腰が浮く。
恥ずかしいけど、触れてほしい。そう思っても、なかなか口には出せずに、目元を紅く染めて
いくばかり。でも、我慢なんて出来る筈もなくて。

「…ぁっ…志波く…っ」
「ん…?なんだ?」
その顔は、からかう時と同じ表情。きっと、美奈子が何処を触ってほしいのかわかっていて
やっているに違いない。いつもなら怒っている所だが、そんな余裕は既に無かった。
「あの…そこじゃなくて……」
「何だ?ちゃんと言ってみろよ」
「―意地悪ッ!」
「ククッ…わかってる。ここ、だろ?」
「ひぁっ!…あ……ぅっ…」
前触れもなく指で入り口を刺激され、美奈子の身体は大きく跳ねた。そのまま、舌で蜜を
舐められ、その快感で、美奈子の頭から羞恥心は既に無くなっていた。
「ぁんっ…志…波くっ……あぁっ…」
志波の舌の感触で、腰から下が自分の物ではない様に敏感になっている。更に指を挿入されて、
美奈子の身体は志波を受け入れる準備を始めた。指はだんだんと増やされて、時折敏感な突起も
擦られて、美奈子の頭は真っ白になりそうだった。
「…んっ…ぁっ…やっ…」
歓喜の声をあげる美奈子の口に、今度は触れるだけのキスをして、志波は付けていた衣服を
もどかしげに剥ぎ取る。美奈子の足にあたる、熱い昂ぶり。
「凄い…大きい…志波くんの…」
「…お前って…本当大胆」
志波は、シャワーを浴びる美奈子を待っていた間に棚から拝借したスキンを取り出した。包装を
破り、中から取り出したゴムを取り付ける。
(あんなに大きいのが…私の中に入るんだ…)

少し怖くなったけれど、顔に降ってきた優しいキスに、美奈子の身体もリラックスする。
「力、抜けよ…」
「うん……あっ…!」
入り口にあてがわれた志波自身は、美奈子の中へと少しずつ入っていく。初めて男を受け入れた
そこは、ひどく狭くて、熱い。時間をかけて慣らしたおかげで、美奈子のそこは根元まで志波を
飲み込んだ。

「入っ…ちゃった……勝己くんの…熱い…」
「…!」
初めて呼ばれた、名字ではない、自分の名前。
「お前…こんな時に、それはずるいだろ…」
「えっ?」
全く…無意識でしているのだから困ってしまう。
「…まぁ、悪い気はしない…な」
「勝己く……ん…あぁっ」
126志波×デイジー12:2006/09/09(土) 21:48:54 ID:vZh+HxRv
ゆっくりと引き、そして深く押し込まれ、美奈子は身体を震わせた。愛液で溢れたそこは、
多少痛みを感じたものの、すぐにそれを上回る快感で志波をきつく締め付ける。

激しさを増していく動きに合わせて、美奈子の腰は勝手に動いた。
「んっ…かつ…み…くっ……好き…っ」
志波の顔に手を伸ばし、美奈子から口付けをした。志波もそれに答え、狭い部屋は
繋がっている部分から漏れる水音とベッドの軋む音でいっぱいになる。豊かな乳房を掴んで先端に
舌を這わせると、美奈子の身体はビクンッとしなる。
「どうしよ…あっ…ん…気持ち…良い…よっ…」
涙を滲ませる美奈子が可愛くて、愛おしくて、志波はいつもするように頭を撫でた。欲望のままに、
更に激しく動く。そして
「あっ…く…ぅっ…ぁあっ…ん!」
「……美奈…子っ…」

同時に、二人は果てた。



「うん……?」
携帯電話から流れる着信音に、美奈子はまどろみから目を覚ます。目をこすりながら電話に出た。
「もしもし…?」
『なーにが、もしもし?だ!』
耳に響く声に、つい肩を竦めた。
「きゃ…キャプテン!?」
『キャプテン、じゃない。元キャプテン、だ。お前、寝てたのか?送別会来ないのか?』
送別会。顔がさぁっと青ざめた。時計を見ると、既に5時を回っていて。とっくに送別会は
始まっている時間だ。
「あ、あのすみません!えっと…すぐ!すぐ行…」
キョロキョロと周りを見て、美奈子は自分が置かれていた状況を思い出す。隣には、寝息をたてる
志波の姿。そして、一糸纏わぬ自分。顔を赤らめて言葉に詰まってしまった。

『ん?何だ、やっぱり来ないのか?』
「いえっ!すぐに行きたいんですけど…準備が出来てないっていうか…」
そこまで言った所で、携帯が手から消えた。正確には、志波に取られてしまった訳だけど。
「もしもし。…あぁ、オレだ。…そうだ、一緒にいる。すまないが、まだ暫らく行けそうもない。
……歌わない。じゃあ、後でな」
手短に用件を言うと、電話を切ってしまう。そして、美奈子の肩を抱き寄せて
「おはよう」
と囁いた。美奈子はパニックを起こしかけながらも、頷く事で答える。
127志波×デイジー13(終):2006/09/09(土) 21:58:58 ID:vZh+HxRv
「送別会、始まってたな」
「う、うん。早く行かなくちゃね」
「大丈夫だ。後から行くって言っておいたから。…二次会はカラオケだから、本当は行きたく
ねぇけど。もう少し、こうしていたいしな…まだ、足りない」
美奈子の髪を梳く様に指を絡ませながら、志波は我儘を言う。それは美奈子も一緒だったけれど。
「ダーメ!早くいこ?」
子供を叱りつける母親の様な口調で急かされて、志波は渋々と寝台から降りる。そして、二人で
一緒にシャワーを浴び、急いで会場であるレストランへと向かった。

一方、元キャプテンは電話で眠そうだった美奈子と志波の様子から、二人に何があったのか、を
予測していた。遅れて会場に来た二人は、解散した時と同じ制服のままで、美奈子はブーケを
持ったまま。更に漂う石鹸の薫りは、二人共同じもので、その予測は当たったのだと確信した。

その後志波は、元キャプテンと、結果的にキューピッドとなってくれた真咲に、暫らくの間
からかわれながら過ごす事となった。

もちろん、花言葉の『意味』も、からかいの対象になった事は、言うまでもない。

また美奈子も、夏休み明け早々に親友の密に「志波くんと何かあったんでしょ〜?」
と、聞かれる事になる。

そんな風に、みんなに冷やかされても、やっぱり志波と二人、過ごす時間が大好きで。

偶然のキスから始まった二人だけれど、きっとこの恋は運命だったのだと思う。
だから、これからも手を取り合って、過ごしていきたい。それが、二人の細やかな願いだから。


糸冬

*********************

無駄に長い上、薄いエロで申し訳ありませんでしたorz 投下ニ時間カカリスギダヨ

もっとネチネチとしたエロが書きたいのに!orz

連日のGSプレイで頭が回ります。キテル神のキテル×デイジー、ブリーフが素敵な氷上×デイジー、
幸せでほんわかな若×デイジーをオカズに眠ります。
おやすみなさい!
おやすみなさい!
128名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 22:03:14 ID:pIMsN3QC
おつかれさまです!
おやすみなさい!
リアルタイムは初めてだー、がしがし更新してましたw
私はこの志波×デイジーを胸に抱いて眠ります…
129名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 00:55:35 ID:3N9BiZ8Z
>>113
じじじじじじGJ!!!GJの嵐!!!
描写はもちろんのこと、エロに至る経緯みたいな部分が
丁寧に書き込まれてて、すっと感情移入できた!
>>45姐さんのキテルとかもそうだけど、
書き手さん側が持ってるキャラに対する愛が
うまいことデイジーにシンクロして
こんなに素敵なおはなしが出来上がるんだな〜と思う。
乙彼!!!
130名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 01:27:42 ID:KlfS5xpu
ネ申々GJ!

氷上また寸止めwwwだがそれがいい
ブリーフで噴いた

若は何かもうデイジーに逢えてよかったねと…切なすぎ

志波に対するデイジーの健気さが良かった
志波がホント志波でした

毎日色んな話を読めて幸せだー
131名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 01:34:34 ID:w8nrEng6
志波キタ━━(゚∀゚)━━!!
ノ\ア/\アノヽアノヽアノヽアハァハァ(*´д`)ハァハァ……すばらしいの一言に尽きる。
でもかっちゃん、ホテルのスキンは使わない方がいいお( ^ω^)
132名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 01:43:57 ID:vIV4v1eF
GJ!!!!!!!

>>131
同感だが、付き合う前から常備している志波も萎えるし難しいとこだw
133名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 15:20:22 ID:yxe6tzVt
独断と偏見による組分け
 
付き合う前から常備派
・キテル
・若王子(大人のたしなみ)
・花屋
・クリス
・隠し
・ハリー(財布にいれてそうw)
 
NOT常備派
・氷上
・しば
 
他のキャラはイメージわかない
134名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 16:11:39 ID:+Lr0eBI3
常備派・天地

これだけは譲れん。
135名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 16:25:48 ID:58RH1hkW
たしかにハリーは財布に入れてそうwww
でも女はよくおまじない?でいれたりしてるけど
男も財布に入れてたりするの?
136名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 16:39:45 ID:w8nrEng6
キテルはときめくと薬局で30%OFFとかの日に不必要なまでに買い込むタイプと思う。
137名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 16:52:57 ID:gOTm48m+
>>135
財布に常備はしない。
持ち歩いてるうちに袋がヘタって中身が破れたりするんで。


ドウセツカウキカイアンマリネーヨorz
138名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 18:18:14 ID:yxe6tzVt
今まで使う機会が無くていれっぱなしだったゴムを財布から取り出して、いざ装着!というところで穴が空いていることに気付き、orzなハリーwww
139名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 20:29:01 ID:+vkA6olX
>>136
但しはばたき市内は危険なので、きらめき市まで出張
140名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 20:46:06 ID:hwrfb8dF
みんな地元のホテルなんかよく使うなw
141名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 21:11:46 ID:w8nrEng6
>>139
しかも変装までしてなww
帰って来てから買い過ぎたことに気付いて_| ̄|〇する
142名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 21:55:42 ID:4rOAA9qO
ハリーは中学の内から親父のをこっそりくすねてるかもしれんぞ?
うすうすとか(笑)
143名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 23:40:44 ID:hwrfb8dF
商品名ヤメレ。吹いたじゃないかw
144保管人 ◆Wge85.BvtE :2006/09/11(月) 00:08:43 ID:tAqDjhiZ
保管庫管理人です。
レスくださった皆様どうもありがとうございます。
引き続き保管させていただく方向で参りたいと思います。

誤字脱字の件ですが、キャラの名前変換ミスといった確実な間違い以外の
修正は出来るだけ作者様の具体的なご指示をいただいてからにしたいです。
やはり人様の作品に手を加えるような気がしてしまうので……すみません。
保管庫の方のBBSででもご指示いただければ
速やかに修正いたしますので、よろしくお願い申し上げます。
145名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 00:15:30 ID:p9Z8WotT
>>137
実家住まいのリア彼歴代皆財布に常備してたんだけど、ヘタってないっつー事は
浮気を疑うべきだなww
こんなところで凹む事実が書いてあるとはチクショウw

>>144
お疲れ様です、今でも週末の楽しみにちまちま覗かせてもらってます
保管作業、どうぞ宜しくお願いします
146名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 00:18:51 ID:3tb4KVpw
あたりまえじゃね?
これだけ沢山のSSを一つにして保管するだけでも大変なのに、いちいち誤字脱字
見つけて修正しろなんて、何様のつもり? とオモタ。

せめてレス番と何行目のどの部分くらいかけ。
147名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 00:25:12 ID:qJ6LVQB/
>146
しろとは言ってないと思うけど。
146の書き方もどうかと思うぞ。
148名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 00:34:34 ID:s/ob0hGB
前スレ369と654で投下したものですが
保管話が出ているようなので自分も
是非管理人様にお願いいたします。

ただ377の3行目でどう見ても改行ミスです(ry
の箇所がありますので3行目だけ詰めて頂ければ
幸いです。
あの改行ミスだけは…アレだけは… orz
149名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 07:47:02 ID:FJeFhu1p
>>146
おまえが何様だよ
職人さんもレス番行数指定くらいお前に言われんでもわかっとるわ
150名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 08:37:28 ID:nNbn2WYG
うん。常識だなほんとに。
常識すぎていちいち書くまでもなかっただけだろ。
151名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 10:06:50 ID:3tb4KVpw
解ってないヤシがいるから書いただけ。
上に居るだろ? 修正お願いしますーって書いて行数指定してないヤシが。

SS書くの初めてとかエロパロに投下するの初めてとかいう人が多いから
ここの住民では常識でも、知らない人がいるんだろ。
152名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 10:48:10 ID:wWzCtUKI
今までのは修正させて欲しいっていう意思表示だけで
いざ保管庫に移動になったらみんな行数指定くらいすると思う。
153名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 12:10:29 ID:nNbn2WYG
修正してもらえるかどうかも不明な段階で
細かに箇所指定する方が非常識だと思うが。
154名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 12:25:08 ID:yweyYw7P
>>151
空気読んで半年ROMって来い。
155名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 12:42:53 ID:D3a5cqOB
殺伐としたこのスレにサンバマン登場!
*ヽ〇ノ*<まぁまぁみんな、
((   とりあえず踊ろうじゃないか
ノゝ
156名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 12:44:21 ID:D3a5cqOB
ズレた…orz

*ヽ〇ノ*
((
ノゝ
157名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 12:51:12 ID:wyNfW9NV
>>156
まだずれとるぞw
158名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 13:00:45 ID:7ERj55+P
サンバマン乙www
とりあえず3tb4KVpwは本をたくさん読んで
文章読解パラ上げてから出直して来い。
159名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 13:13:59 ID:p9Z8WotT
>>155-157
腹いてぇwww
160名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 14:14:36 ID:ODuu4oai
>>45寸止め姉さんがきてたー
イイヨイイヨむしろエロパロなのに微エロがイイ!!!
前編のあの重なり合って手を洗うがエロイ。
交編←こうへん?まじわりへん?wktkしてまってます。
161名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 21:05:08 ID:v96U4hXc
おまいらところで、志波もしくはキテルはマダですか( ・∀・)/∪⌒☆チンチン
162名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 21:37:38 ID:7489HecP
>>161デイジーの贅沢者!
その二人はつい最近超絶神が御光臨あそばされたばかりじゃないの!

ハリーまだですかハリー…( TДT)/∪⌒☆チンチン
163名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 21:43:25 ID:6HGDJ/4M
ハリー読みたい…

自分で投下したの以外ナイヨ…orz
164名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 22:16:28 ID:arJXsif1
私もハリーが読みたい…ハリーに餓えてる
>>163
新作を是非!!ww
165名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 22:18:13 ID:qJ6LVQB/
>160
こういうの見ると、やっぱり「後編に続く」とか「○○編書いてもいいですか」てのは
ある意味壮大な誘い受けだよね

時間的な都合もあるだろうからあまりつつきたくはないけど
このスレのやたら厳しいローカルルールに従うなら
遅くなっても全編書き終えるまで投下は控えた方がいいかもしれんな
166名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 22:20:03 ID:FJeFhu1p
>>165
ものすごく途中でブツ切れとかだと控えてもらってもいいが
そうでないのまで書き終わるまでは…なんて言ってたら
投下できなくなっちゃうでしょ
167名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 22:29:02 ID:7489HecP
●ローカルルールにするまでもない注意書き●
3.続きものの場合は、「今日はここまでです」と言っていただけたら、
続きがあるのかどうか分からなくて書き込みタイミングを迷っている
私達が書きこみしやすいです。


続きもの禁止なんてどこにも書いてませんが?
それとも今後禁止にするつもりですかお前一人の権限で。
なんかここ最近やたらと職人さんに絡みたがるヤシがわくなー。
職人の皆様気にせずどんどん投下願います。
168名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 22:57:15 ID:7m3ZUHG4
続きを待ってる間の時間も楽しみの一つなんだけどな
169名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 23:10:37 ID:qJ6LVQB/
>167
誰も今後禁止とか言ってないでしょ
ただ誘い受けと儲的発言がウザーなだけ
170名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 23:12:42 ID:p9Z8WotT
       ☆ チン        only〜
                     you〜
 ☆ チン  〃 ∧_∧   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ヽ ___\(\・∀・)< 書き手様光臨お待ちしてますよー
      \_/⊂ ⊂_)_ \____________
    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
   |  ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄:|  |
   | 淡路たまねぎ   .|/
171名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 23:22:22 ID:uKYmj7vH
ちょ、only youwww
CDでイントロ流れたらしいが、まだ聞けてねー

Sっ気もいいけど、普通にうろたえる隠しも読みたいな
どいつもこいつもデイジーのこと好きすぎだと思うが
隠しの告白オッケー貰った時のハイテンションは群を抜いてると思うんだ
172志波×デイジー:2006/09/11(月) 23:23:27 ID:rKEWBP0q
空気読まずに投下シマス真の神光臨までの暇つぶしになれば幸いです。

携帯からです、ご容赦のほどお願いします。

デイジー…小波美奈子で、かなり天然になってしまったかもしれません。
長いです。おまけにアホっぽいです。しかもヌルエロで…
いいわけ見苦しいですね、では、次から始めます。
173志波×デイジー:2006/09/11(月) 23:50:42 ID:rKEWBP0q
「何だアレは…」
志波は目の前の光景に目を擦った。

ぴょこ、ぴょこ。

目の前に近づいてくるのは確かに美奈子だ。
肩より少し上で切りそろえた髪と大きな目。よく笑う口元。
「あ!志波くん!」
美奈子は志波に気づくと手を振りながら駆け寄ってくる。
ぴょこぴょこ。
彼女の頭上で揺れているのは、白いウサギの耳。「あー…小波?」
ん?と小首を傾げて志波を見上げる美奈子。
ウサギの耳が、またゆれる。
「どこいくの?また模擬店のはしご?」
白いワンピースに白いエプロン。文化祭で人が溢れた廊下でも、かなり、目立つ。
「どしたの?」
美奈子は不思議そうに問いかける。
「どしたの、じゃねえ。なんだそりゃ」
つま先から頭までまじまじと見つめる志波に美奈子はにっこり笑ってチラシを差し出す。
"メイド喫茶"
「うちのクラスでやってるの、で、チラシ配りしてるんだよ」
「メイド…喫茶」
「志波くんも後できてね」美奈子はチラシを押しつけると、耳を揺らしながら跳ねるように歩いて行った。

可愛らしいウサギ姿。
マズい。これはマズい、志波は焦った。
元々表情がわかりにくいせいで、ムスッとしているようにしか見えないが、彼は心の中で叫んでいた。
なに考えてやがる!
174志波×デイジー:2006/09/12(火) 00:16:50 ID:yuxGirq/
可愛いウサギは悪い狼に食われるのが相場と決まっている。
現に彼女は周囲の注目を集めているではないか。
あぶねーだろうが!

「待て、小波!」
志波は美奈子を追いかけた。
「わあ、びっくり。志波くん、脅かさないで」
「一緒に行く、チラシも手伝ってやる」
側にいて、怪しい奴に睨みをきかせておかなければ。
こんなぼんやりウサギはすぐに食われてしまう。
にこやかな白ウサギと、どこまでも無愛想な狼の組み合わせは、周囲に笑いと一部に恐怖をまき散らしながら、文化祭に浮かれる校内をちらし配りに歩き回ったのだった。

人のいない教室。
後かたづけも終わり、級友たちが打ち上げと称して校庭で騒いでいるのを窓から眺めながら、志波はとりあえず文化祭の間、美奈子を守りきったことに安堵の溜息をついた。
「あれ?志波くん、まだここにいたの?」
かけられた声に振り向いた志波の顔が凶悪にしかめらる。
「なんでだ」
低く唸るような呟きに美奈子はきょとんと首を傾げる。
「なんで、着替えてねぇんだ」
「あー、あのね、後片づけに手間取っちゃって。ほら、私のろいから、急いだんだけど…」
さすがに耳は取ったよ、と、美奈子はすまなそうに俯いた。
175志波×デイジー:2006/09/12(火) 00:43:04 ID:yuxGirq/
お人好しの美奈子は、きっと後片づけも押しつけられたのだろう。
それが無性に腹立たしい。
「もしかして、怒ってる?」
声が小さくなっている。さっきまで俯いていた顔は、探るような目で志波を見上げていた。
「怒ってねえ」
いや、端から見ると充分怒っている。
もちろん本人にそのつもりはないのだが。
「私、変?後は帰るだけだし、着替えるの面倒で…そんなに変?」
変なわけはない。可愛いからこそ、困るのだ。
「やっぱり志波くん怒ってる、怖い顔してるもん」
「怒ってねぇって、言ってるだろ」
「じゃあなんで怖い顔してるの?私がきたから?私が嫌いだから?」

だからどうしてそうなる。
理論の飛躍と、嫌い、という言葉に内心おろおろしている志波に構わず、美奈子は言葉を続ける。「嫌いだから、怒ってばっかいるの?」
ぽろっと美奈子の目から涙がこぼれた。
同時にくるりと背を向け、走り出す。
「おい!まて!」
待たないだろう。普通。
案の定、美奈子が止まるわけはなく、志波は後を追った。
自慢ではないが、足は速いのだ。
程なく美奈子に追いつき、その肩を掴む。
「やだ!放して!」
振り返った顔は、泣き顔で。志波は美奈子の体を引き寄せた。
「放さない」
176志波×デイジー:2006/09/12(火) 01:24:12 ID:yuxGirq/
その体を軽々と持ち上げ、肩に担いだ。
「志波くん!おろして!」
「うるさい!お前が悪いんだからな!」
校門を抜けるまでの、人目に付かない最短ルートを志波は走った。
…大丈夫。かーちゃんは単身赴任の親父のとこに行ってるし、家には誰もいねえ。
肩にばたつく女子を担ぐという状況の中。意外なところで冷静な男である。


家が近くて良かった…

軽いとはいえ、人を一人担いで走ったのだ。
志波はぜいぜいと荒い息をついた。
雑然とした部屋。朝、起き抜けのまま乱れているベッドに美奈子をおろす。
「ここ…志波くんの?」
白ウサギの声は、怯えて震えている。
その問いに答えず、志波はいきなり美奈子の上にのしかかる。
「きゃっ!いやあ!」
美奈子は有無をいわさず服をはぎ取ろうとする志波の手を止めようともがくが、強い力になす術があるわけはなく。抗議の言葉と悲鳴は志波の口唇に封じられ、体は支配されていく。
「お前が悪い」
捕まれた手首の痛みに顔が歪み、この後続くであろう行為への恐怖に涙がこぼれた。
私のなにが悪かったの?なにが志波くんを怒らせたの?
疑問は口にすることさえ許されない。
志波は片手で美奈子を押さえながら服を脱いでいく。
177志波×デイジー:2006/09/12(火) 02:04:07 ID:yuxGirq/
こんなときの男というものは、信じられないほどの器用さを発揮するもので。
むき出された両の乳房を強く揉まれ、美奈子は体を捩った。
「やだ…こんなこと…」
志波の舌は美奈子の乳輪をなぞるように舐め、指先で乳首を摘み、擦りあげる。意に反して、固く敏感になっていくピンク色のそれを口に含んだ。「あんっ!」
軽く歯を立てられ、思わず喘ぐ美奈子の声。
その声が志波を一層嗜虐的にする。
愛しい、優しくしたい。それと同じ強さで、壊したい、滅茶苦茶にその身体を犯したいと思う。
どこがで後悔していながら、身体は止まらない。「好きなんだ、お前が」
美奈子の身体に紅い痕を残しながら、呟く。
「皆、お前を見てた。あの服の下のこんな姿を奴らは想像していたはずだ…俺がそうだったんだから」
志波の手が、美奈子の閉じた足をこじ開ける。
抵抗など、なんの意味もない。
両足は大きく広げられ、その指が美奈子の秘所をまさぐる。
「ああ…やめて…やめ」
「こんな風にお前を犯すことを考えてる奴もいたはずなのに、お前はそいつらに笑いかけてた」
「あ…うっ!…だめぇ」
挿入された指が、美奈子の中をかき回す。
やめてと哀願する美奈子に構わず、志波はそこに顔を近づける。
178志波×デイジー:2006/09/12(火) 02:30:48 ID:yuxGirq/
「見ないで…お願い…」
舌先で一番敏感な部分をつつく。悲鳴のような喘ぎと、溢れる愛液。
ちゅうちゅうと音を立ててそれを吸うと、美奈子は甘い声を上げひくひくと身体をわななかせた。荒い呼吸に胸が上下して、身体からは力が抜けてぐったりしている。

志波は美奈子の入り口に固く張りつめたものをあてがった。
美奈子が首を振る。口が動いてなにか呟いているが、声はきこえない。
「挿れるぞ」
そう言って、強く腰を進めた。
「……!!」
美奈子の身体が強ばり、背中が弓なりに反る。
声にならない悲鳴。
助けを求めるように伸ばされる手。
その手が志波の背中にしがみついた。
「いた…い…いたいよ…」激しい痛みに青ざめる顔「志波…く…い…た…い」「美奈子…好きだ」
美奈子を掻き抱き、志波は激しくその身体を突き上げる。
「お前は、俺んだ…誰にもやらない…俺のもの…なんだからな……」
179志波×デイジー:2006/09/12(火) 02:55:12 ID:yuxGirq/
「えっと、じゃあ志波くんは、私を守ろうとしてくれたんだ…よね?」
「その、つもりだった」
行為が終わった後の、これは風呂場での会話。
志波家の風呂は平均的な日本の住宅サイズ。
つまりせまい。

バスタブの中で胡座をかいた志波の膝の上に美奈子が座っている。
裸でなければ父と娘といった感じでもある。
「私、気が付かなかったよー。勘は鋭いと思うんだけどなー」
志波は美奈子の言葉に吹き出した。
「どこがだ、お前は日本一鈍感だぞ」
「あっ、ひどい」笑い声にあわせて、美奈子の髪が揺れる。
「でも、私初えっちには少し夢があったんだ。一番好きな人に優しくしてもらうって」
志波は消え入りそうな声で、すまん、と詫びる。「半分、叶った」
「ん?」
「一番好きな人、のとこ」美奈子は志波の手を取り、その手を自分の頬にあてた。
「志波くんのおっきい手…好き」
「美奈子」

「美奈子って呼ばれるのも、好き」

志波は美奈子を抱きしめた。言葉にできない、愛しすぎて。
「だから、やり直してもらいたいな。優しくしてもらいたいな」
「ああ」
美奈子の濡れた髪に顔を埋めて、志波は頷いた。うんと優しくしてやろう。美奈子の夢のもう半分を、ちゃんと叶えてやるために。
180志波×デイジー:2006/09/12(火) 03:03:26 ID:yuxGirq/
狼は守ろうとしたはずのウサギを、我慢できずに食べてしまいました。
でも大丈夫。
ウサギは狼の腕の中にいます。
ウサギは、狼が本当は優しいって知っていたから。
ウサギは狼に守られて、狼はウサギに愛されて、二人は幸せになりました。

終幕


長々すみませんでした。では書き逃げ御免
おやすみなさい!
181名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 03:27:47 ID:oxficD3H
ごち乙さまでしたwww
182名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 03:41:25 ID:m2/+mBTo
ゴチでした。


でも、強姦された後でシレっとしているデイジーが多いな・・・
風呂なんて明るいし、お尻洗うところなんか見られるのが嫌で
何度かエチーした相手とでもすぐには入りにくいものだが
自分だけですかね_| ̄|○
183名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 05:19:05 ID:taV3BAjP
はじらいは忘れずに、デイジー
ってところですか。

でも志波×主 ありがたく読みました
184名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 06:39:10 ID:Fie0EBdi
確かにゴーカーンの割にはあっけらかんとしてるな。まあ両想い…だからなのか?
いや、それでもゴーカンはヤバいんだが。

風呂場よりもピロートークにした方がよかったかも知れない。風呂場はこなれてきたらのが自然だし。
なんにせよ萌えたよ、乙。
185名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 09:36:05 ID:oTHTe7Ru
うーん、想い合っていれば強姦じゃない…とでも思ってる? わけじゃないよね。
考えようによれば、好き合っていてもショックがあるはずだよな。
まあ、少女漫画と同じく、エロパロだし……という言葉に尽きるわけだが、
とりあえず、「強姦まがい」の注意書きは必要だったかもしれん。

GJ。
「わあ、びっくり」のデイジー可愛かったw
186名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 10:30:20 ID:M7AXFbPS
力技で文字通り持ってちゃった志波に萌えました。
ゴカーンは注意書きあるといいね。

今回に限らずなんだけど、携帯の機種によっては難しいのかもしれんが
できればメール画面等で全部書き上げてからコピペで投下した方が親切かと。
それか目安でいいので何レス分になる、と告知しておくとか。
SSの間にレスつけちゃうと気まずいし、かといって
どこまで続くのか不明だと他の人が長いことスレに参加できなくなるので。
携帯職人様、ご一考願います。
187テンプレ2に加えてはいかが?:2006/09/12(火) 16:29:22 ID:gPGCnWad
●気配り例(ローカルルール)●
1.鏝半は連作以外は避ける
2.エロナシはスレ違いなので避難所なり各サイトへ投稿
直接行為がなくてもエロい雰囲気のものは投稿可
3.特殊な設定が出てくる場合は最初に宣言をして嫌な人がスルー出来るようにする
※特殊設定の例:
 鬼畜・3P・強姦(じつは好き同士のオチでも)・百合・当て馬・ライバル
その他主人公×男キャラ以外で波紋を呼びそうな場合や
設定上名前だけの登場の場合も各々考えて随時宣言して下さい
4.「こんなの@@(キャラ名)じゃない」等の意見は避ける
5.470KB辺りorレス数970で新スレを立てる
※新スレ即死防止に、職人さんがSSを準備してある状態で立てるのが望ましい

●ローカルルールにするまでもない注意書き●
1.名前欄は 「タイトル」 にしていただくと、倉庫管理の人が助かるかもしれません。
2.1話完結の場合は 何分の何 と名前欄に書いていただくと、割り込みが防げます。
3.続きものの場合は、「今日はここまでです」と言っていただけたら、
続きがあるのかどうか分からなくて書き込みタイミングを迷っている
私達が書きこみしやすいです。
4.長い文章を連投するときは、携帯でもPCでも、いったん書き上げたものを
コピペで貼るのを推奨。書きながらゆっくり投稿されるとその間スレを独占することになり
他の人が困ります。
5.リクキボン・進行状況報告・需要ある?等の誘い受は嫌われます。
188氷上×デイジー 0:2006/09/12(火) 16:41:50 ID:968AxYl3
たくさんの神様ご光臨の中、駄文ですが氷上×デイジーを投下します。
特に注意点はありませんが、ヌルいです。
189氷上×デイジー 1:2006/09/12(火) 16:43:07 ID:968AxYl3
○月△日(快晴)

今日は彼女が僕の部屋に遊びに来た。
まさか「にらめっこをしおう」だなんて彼女が言い出すとは思っていなかったから驚いた。
僕の正面に顔を寄せた彼女が瞳を閉じたから、更に僕は動揺してしまった。
「な、なんで目を閉じているんだい?これじゃにらめっこにならないよ」
そう言っても彼女は何も言わずに瞳を閉じたまま。
やや頤を仰向けて、その姿はまるで、僕を誘っているかのような。
長い睫が伏せられて、透き通る肌は桜色に染まっていて。
その頬にそっと片手を寄せると、彼女はぴくんと身じろぎした。
僕は彼女の頬から、指先を彼女の唇に滑らせた。
そしてそのまま顔を近づけて、僕は彼女にキスをした。

初めて意思を持って触れる彼女の唇は柔らかかった。
啄ばむようにキスを繰り返すと、彼女が僕の背に腕を回す。
彼女の柔らかい髪を撫でながら何度もキスを繰り返すと、彼女の身体から力が抜けていった。
その身体を強く抱きしめてベッドに横たえると、彼女は恥ずかしそうに目を逸らす。
僕は彼女に身体を重ねて、更に強く抱きしめた。
キスを重ねながらそっと彼女の胸に手を置くと、彼女が震える声で呟く。
「ひ、氷上君…」
その隙に、僕は更に深く唇を重ねていく。
彼女の舌を絡め取りながら、深く、深く。
そして、服の上から優しく彼女の胸に触れる。
撫でるように揉み込むと、彼女の胸の柔らかさが手のひら全体で感じられる。
もっとたくさん彼女の事を知りたくて、僕はサマーニットを捲り上げた。
清楚なデザインのブラジャーをずらすと、桜色に尖る彼女の胸の頂が見えた。
それを包み込むようにして手のひらを動かすと、彼女が小さな声をあげた。
「…んっ」
今度は、その胸の先を摘まむようにして捏ねてみる。
190氷上×デイジー 2:2006/09/12(火) 16:44:50 ID:968AxYl3
「あ、んっ!」
やはり彼女はとても敏感らしい。
僕は指を外すと、今度はその部分へと唇を近づけていった。
舌先で舐め上げると、そこはぷるんと震えた。
両手で彼女の胸を寄せるようにしながら、僕は両の頂へと口づけを繰り返す。
彼女は息を荒くしながら、両手で自分の顔を覆ってしまった。
「どうした?恥ずかしいのかい?」
「は、恥ずかしいよ…こんなの…。…あんっ!」
「そうか、困ったな…。僕はもっと恥ずかしい事を君にするつもりなんだから」
そして、彼女の胸の先端を軽く歯で挟み、吸い上げるようにしながら舌先を動かす。
両の胸に平等に愛撫を繰り返すと、彼女は激しい反応を見せた。
「あ、や…っ!駄目、氷上、く……っ!…あ、はぁん…っ…!」
駄目、と言いつつ彼女は僕の髪に指を絡ませ、まるで強請るかのように背を反らせ、僕に胸を突き出している。
ちゅくちゅくと音を立てながら舌を使うと、彼女は甲高い声で喘いだ。
「君は敏感だな…。今日は僕の両親が不在だから、いくら声を出しても構わないけどね」
そう言いながら僕は、彼女のスカートの中へと手を差し込んだ。
そのまま僕の指先は、彼女の下着の中へと一気に進入を果たす。
すでに潤いを帯びた彼女のそこは、とても熱い。
「小波君。もっと感じさせてあげるよ」
そして僕は、



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


191氷上×デイジー 3:2006/09/12(火) 16:45:29 ID:968AxYl3
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


そこまで読んで、美奈子はパタンと氷上の日記を閉じた。
(○月△日って……。ちょうど一ヶ月前だよね……)
そう、その日は今日と同じように、美奈子が氷上の家へと招かれた日だった。
(美奈子ってあたしだよね……?けど、あの日はこんな事、してないし……)
あの日、にらめっこをしたのは本当の話。
だがその続きはまったく美奈子との記憶とは違う。
(あの時は、氷上君が照れちゃって「やめよう」って言ったんだっけ……)
氷上と美奈子は同じ高校に通う友人同士。
時折下校で一緒に帰ったり、時々デートもしたが、恋人同士ではない。
なのに、何故氷上の日記にこんな事が書かれているのか…?
(そういえば氷上君、前に日記を書いてるって言ってたな……)
あの時「絶対見せない」と氷上は言っていたがこういう事なのか、と美奈子は納得した。
(だってこれって官能小説?っていうか妄想日記?)
普通ならちょっとヒクよねー、と美奈子は思う。
が、彼が隠していた日記を勝手に読んでしまったという罪悪感と、
また少なからず好意を抱いていた氷上の気持ちを知る事が出来たと言う事で、
その感情は相殺された。
(氷上君、こんな事を考えてたんだ……。なんだかドキドキしてきちゃった……)
すると突然、ドアの向こうから氷上の声がした。
「すまない、小波君。ちょっとドアを開けてくれないか?」
「あ、はい!」
慌てて日記を元通りの場所に隠しドアを開けると、お盆に二人分のカップを乗せた氷上がいた。
「ありがとう。紅茶でよかったかい?」
「あ、うん」
氷上からカップを受け取りながら、美奈子は思わず氷上の顔をじっと見つめてしまう。
「なんだい?僕の顔になにかついてるかい?」
「う、ううん。違うの。あのね、氷上君……」
「なんだい?」
「今日、氷上君のご両親って……?」
「あぁ、外出しているよ。それがどうかしたかい?」
「ううん。なんでもない……」
氷上の妄想日記を読んでしまった美奈子は、なんだか落ち着かなくなってしまった。
(どうしよう……。なんだかドキドキしてきちゃった……)
そして美奈子は、言ってしまう。
「ねぇ、氷上君?にらめっこしない?」
「あぁ、構わないよ。やってみようか」
美奈子は氷上と向かい合う。
そして、目を閉じた。
192氷上×デイジー 0:2006/09/12(火) 16:49:26 ID:968AxYl3
終了です。
すいません。最初、下げ忘れてしまいました。ごめんなさい。
また「注意点はない」といいつつ、主人公が「小波美奈子」でした。
駄文なのにたくさんの不手際、申し訳ありませんでした。

紅葉かなにかの特別会話での氷上の日記の話題からの話です。
あんなに氷上が顔を赤くして見せたがらない日記というのは
やはりこういう妄想日記なのではないか、と。
なので、このお話にタイトルをつけるとしたら「妄想日記」ですね。

では、名無しに戻ります。
読んでいただいた方、ありがとうございました。
193名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 16:55:55 ID:gPGCnWad
おうっ、小悪魔デイジー!
氷上の妄想が現実になることを祈ってる!(*´Д`)
でも最後まで順調にいくかどうかは神のみぞ知る

後になって「それにしても、彼女はなぜ急にあんなことを言い出したんだ…?
……まさか!!」と日記を見られたかもしれない疑惑にドキドキの氷上。
194名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 17:52:54 ID:gPGCnWad
連投スマソ。
今後はやってみたいエチーシチュを妄想日記に書いて
デイジーが見てくれるのを期待する氷上。
195名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 20:13:07 ID:nN7rMsOk
>189
神キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
13行目からもうすでに萌えでした!
196名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 23:46:19 ID:wPhBwJH6
>>172の志波×デイジーに何の違和感も持たなかった私は少数派だったのか
確かに強姦は嫌な人も居るかもね、まして初めてという設定では
私的には、逆にあっけらかんなデイジーカワユスで萌えさせて頂きました!

>>188
氷上キタワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n’∀’)n゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!
妄想の激しさに感服w
萌えさせて頂きました。ありがとうございます!ありがとうございます!
197名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 00:19:16 ID:i7SP6pif
>>188
日記ネタキターーーー!!
GJです!
自分も「汚れた日記ってもしかしてそういう意味!?」って思ってたw
198名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 02:15:40 ID:hpfjNsIA
以前、志波×デイジーを投下させて頂きました>>113です。
GJコールを下さった皆様、
ありがとうございます!
ありがとうございます!
長い上にエロも少なめだったので投下するのにかなり勇気がいりましたが、暖かい言葉を戴けて
嬉しかったです。

スキンを持ち合わせていなくて慌てた志波が、中学生の時に友人に読まされた本の知識を思い出し、
棚から拝借、という図が浮かんで書いたのですが、ホテルのスキンは確かに危険だ。

携帯からなので妄想が滲み出るスピードと、打つスピードが比例しないのが悩みですがorz 
また合間にポチポチ打ち溜めていきたいと思っていますので、出来上がったら投下させて下さい。

氷上×デイジーを読んで物凄く萌えました(゚∀゚)=3
これからメッティと紅葉狩りに行き、家でにらめっこして参ります。

また、遅レスですが保管庫管理人様お疲れ様です。私もサイト等でGSのSSを発表する予定がないので、
是非お願いしたいです。大変だと思いますが、よろしくお願い致します。長文失礼しました。
199名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 16:08:08 ID:cCbwN5v1
……。
200名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 18:38:58 ID:LTf0BqGl
ふと思ったのだが…ここ、何人いるんだろう。
201名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 19:38:31 ID:8Dau3Mta
書き込み人数は10人程度が年々入れ替わるとしても
ROMは3ケタ4ケタいるだろ
202名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 21:21:51 ID:El87obgF
そんなことよりおまいら、志波×デイジーはまだですか?( ・∀・)ノシ∪⌒☆
203名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 21:23:11 ID:4i06Sxtt
>>202
そのカプに萌えてる人も結構多そうなので、気長に待とう
204名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 21:50:48 ID:8Dau3Mta
気長にって・・・投下があったばかりじゃない
205名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 23:25:07 ID:XbJ14egP
>201
ROMは4桁いくかなぁ。3桁はありそうだけど。
でもエロパロ板って板内での通りすがりさんも多いだろうから、その位いるのかも?

職人さんの数はわからないなぁ、どれが誰とかわからないし、知りたいとも思わないけど。
点呼とってみたら案外数人しかいなかったりして…
206名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 00:00:15 ID:kMNbhjED
点呼はちょっと……気にはなるけど、
そっとしといたことがいいこともある、よな?
207名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 00:44:14 ID:L8oP9DAF
天地投下します。

・ひたすらエロを目指した割にはクダクダです。
・直接的表現が含まれていますので苦手な方はスルーを。
・最初から最後まで裸です。着衣えちは一切無し。
・すでに一発やった後。家人は全員留守中。デイジーは天然。付き合いはじめて二ヶ月ほど経過…と前置きてんこもりです。
・天地っぽくないと思っても決して口外しないでください。裸族の呪いを受けます。
・長いです。

日本語でOK?の文章ですが、よろしくお願いします。
208天地Xデイジー1:2006/09/14(木) 00:47:52 ID:L8oP9DAF
「ねぇ、先輩。僕にまだ言ってないことがあるよね?」
覆いかぶさるようにして、僕は先輩をジッと覗き込んだ。
突然の問い詰めに、先輩はシーツを握り締めたまま目を丸くしている。
「え? 隠し事ってこと?」
「違うよ。そんな、大袈裟でもないけどさ。全然、分かんない?」
先輩の細い首筋に指を這わせながら尋ねる。僕のベッドじゃ、二人で寝るには少し窮屈だ。
「もしかして、天地君にあげるはずだったケーキを全部食べちゃったことかな」
僕は首をがっくりと落として「ちがうって」と頭を振る。
「学ランのソデとスソを縫い付けたこと? 破れたところを縫うつもりで失敗して、直そうとしてらもっとスゴイ事になって……。
怖くなって逃げ出しちゃったの。謝ろうって思ってたんだけど、ごめんね」
そう言って、恥ずかしそうに先輩は手で顔を覆ってしまった。
「こ、これって嫌がらせじゃなくて……先輩の仕業だったのか……」
僕は部屋の壁にかかっている学ランだった物を見ながら、さらに首をがっくりと落とした。
応援部で使っている学ランのソデが、胴にガッチリ固定されていた時には、さすがに自分の目を疑った。
どんなイタズラだよって呆れていたけれど、まさか先輩のせいだったなんて、やっぱりというか、がっかりというか。
「ホントに、ごめんね」
念を押すように、先輩は同じ言葉をもう一度言った。覆った指の隙間から、僕の様子を伺っている。
「僕のためにしてくれた事だし、しょうがないから許してあげるよ。というか……ぼけぼけの先輩だから、もう諦めてるし」
僕は、先輩の手を顔から無理やりひき剥がす。
「顔が見たいのに、隠してちゃダメだよ」
「天地君……」
先輩をジッと見つめる。先輩も僕を見つめている。大きな先輩の瞳に僕が映りこんでいた。
「なーんてね、照れるじゃん」
そう言って鼻をつまみ、キスで唇を塞ぐ。先輩は息苦しそうに、眉間に皺を寄せている。
僕の体にすがりつくようにして我慢していた先輩も、とうとう耐えられなくなったのか僕から逃げようと、僕の肩を押している。
だけど、先輩の力で僕を引き剥がすことはできない。もがく先輩の耳元にそっと耳打ちする。
「それじゃ……伝わらないよ」
僕はようやく鼻から手を離し、舌を先輩の口内に滑り込ませる。先輩は苦しそうに薄く口開けたまま、それ受け入れる。
先輩の胸は息をするたびに、大きく上下に波打っていた。
209名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 00:49:23 ID:BYtwxRhC
空気を読まずに言ってみる。デイジー×音成マダー????
210天地Xデイジー2:2006/09/14(木) 00:50:50 ID:L8oP9DAF
ねじこんだ舌を先輩の舌に絡みつけながら、先輩の歯列をなぞって、上顎をこすり上げる。先輩の顔は苦しそうな顔から、恍惚の表情に変わっていく。
「ん……むはぁ……」
舌を何度も絡めあって、唇に強く吸い付く。唾液が先輩の口の端から零れ落ちた。
いまさっき精を放ったばかりなのに、また下半身に熱が集まるのが分かった。
「先輩、もう一回しようよ。今度は先輩が気持ちいい事だけやってあげるからさ」
乳房と再び硬くなり始めた先端をいじりながら、僕は尋ねた。
先輩は「ん…ぁうん……」と言葉にならない声をあげている。
手の平で強く揉むと、先輩はまた苦しそうな顔をした。僕は優しく包み込むように揉んで、硬くなった先端を口に含み、舌で転がす。
先輩は細い腰をしならせてそれに応えた。
形のいい乳房が僕の力加減によって、ふにふにと形を変えていく。
片手で胸をいじりながら、もう片方の手を先輩の下半身に滑らせた。
先輩の秘所はさっきの行為以降に溢れ出た、熱い潤いで満たされていた。
「さっきより、もっと濡れてるよ。どうしてこんな風になったの?」
先輩はいやいやするようにして、その問いに答えようとはしない。
「恥ずかしがることないじゃん。先輩が気持ちいい所をたくさん触ってあげるから」
そう言って指先で秘所を指でこすり上げた。
「ふぁんっ!」
先輩の体が大きく仰け反る。熱い愛液がとめどなく溢れ出す。淡い茂みもすっかり濡れそぼっている。
「ここ? それとも、こっち?」
焦らすように性器の周囲をゆるく触れてみる。中心には触れず、周りだけに優しく撫でる。
「んん……あ、天地君……」
先輩は物足りないのか僕の名前を呼んだ。先輩はどこを触って欲しいとか、どうして欲しいとなかなか言ってくれない。
「先輩の欲しいところって、ここ?」
性器から溢れ出る愛液をすくい取るように指に絡め、陰核をなぞり上げた。
「ひゃん……」
先輩は大きく腰を浮かせた。
「それとも、こっち?」
入り口付近を指の腹でかき回してみる。くちゅくちゅと卑猥な水音が響く。
わざと先輩に聞こえるように音を出す。
211天地Xデイジー3:2006/09/14(木) 00:54:46 ID:L8oP9DAF
「言ってくれなきゃ分からないよ」
「ふぅ…んんっ」
「何?」
動きを止め、先輩を伺う。
「……が……気持ちいい…」
「聞こえないよ」
先輩の柔らかそうな口元に耳を寄せてそっと囁く。
「さっき…の……」
「さっきのって、これ?」
そう言って、強めに陰核を潰すように擦りつける。
先輩は『うん』の変わりに、僕の体に思い切り抱きついた。
何度も執拗に擦り上げているうちに、陰核は硬さを増し、自己主張を始めている。
さらに皮をめくり上げるように強く撫で上げる。
愛液を潤滑油にして何度も上下させながら、執拗に一部分を責め立てる。
「いやぁ……いや……」
先輩はうわ言のように同じ言葉を何度も繰り返している。とろとろの先輩の中に指を入れ犯す。
「そんなに気持ちよさそうなのに嫌なの? じゃあ、止めるよ」
「いや……、じゃない…よ…」
先輩は首を振りながら、もっとして欲しいと僕を促す。僕は再び、指の腹で先輩のを責め続けた。
僕の腕に先輩の爪が食い込む。指を増やして、柔らかい肉壁を蹂躙する。
「いや……だ…め……」
先輩の様子が変わってくる。もう限界が近いのかもしれない。僕は裸の陰核の擦り付けるように強くねじ上げた。
「くぅぁんっ!」
嬌声を上げ、先輩は体を小さく痙攣させてぐったりとしてしまった。僕の体に回された腕もはらりと解けた。
「先輩、もしかしてイッた?」
先輩は僕の言葉で我に返ったのか、髪を手で整えながらゆっくりと口を開いた。
「わ、わからないけど……多分」
もう両手では収まりきらないくらいはしていたけど、先輩がイッたのは、これが初めてだ。
何度か体を重ねる回数が増えて、先輩の気持ちいいところがやっと分かってきた。
212天地Xデイジー4:2006/09/14(木) 00:56:43 ID:L8oP9DAF
「いつも僕ばっかり腰動かしてへとへとになってるのに、先輩は平気そうな顔しているから、すごく悔しかったんだよね。
イッた時の顔をケータイで撮っておけばよかったかな」
先輩は「絶対にダメだよー」といって、頬を膨らませた。
僕はその頬を両手で挟みこんで、先輩を真っ直ぐ見つめた。
「もっと素直になってよ」
「うん……」
「それに、さっきよりももっと先輩のエッチな声が聞きたいしね」
「天地君は、恥ずかしいことばっかり言う……」
先輩はそう言って、下を向いてしまった。そして、少し困ったように顔を上げた。先輩は何故かもじもじとしている。
「どうしたの?」
「あの……。あのね」
「先輩?」
「天地君のが……」
僕のものは中途半端な角度を保ったままだった。
「こんなときに限って困ったヤツだよね……ホントにさ」
先輩は意を決したように顔をあげると、僕の性器を両手でそっと包み込んだ。
「今度は私が喜ばせてあげる。天地君は横になってみて。私……やってみるから」
先輩に言われたとおり、僕はベッドに仰向けになる。
すると、先輩は上半身を屈め僕の性器にゆっくり唇を寄せていった。先輩の口の中は柔らかくて、それだけで溶けてしまいそうだ。
先輩はそのまま飲み込むくらいに無理に奥までくわえ込み、激しく咳き込んだ。先輩の唾液なのか性器から雫が滴り落ちる。
「ゴホッ。む、難しいね」
そう言って、また目に涙を溜めて咥えた。そんなにいきなり奥までなんて無茶だ。
「先輩、無理しなくっていいって」
「お願い、やらせて。私の方が年上なのに天地君に甘えてばかりだし、私ばっかり気持ちよくなって天地君はいつも我慢してるから」
また先輩は懲りずに、僕のものを咥えた。やり方が分からないのか、根元まで咥え込もうと先輩は必死に格闘している。
このままじゃ、先輩が辛いだけだ。
「じゃあ、さ。僕の言うとおりにしてみてよ。そんなに深く入れなくてもいいから、根元を持ってアイス舐めるみたいにしてみて」
先輩は僕の言ったとおり、最初はおどおどと慣れない手つきで根元を持つと、ちろちろと舐め始めた。
かなり弱い動きだけど、アイスを舐めるみたいに先端をしゃぶったり、幹を舌で舐め上げたりする。
それだけでも、先輩が僕のをしゃぶっていると考えるだけで、ぞくぞくと下半身が熱くなる。
先輩は集中しているのか、瞳を閉じてその行為に没頭している。
213天地Xデイジー5:2006/09/14(木) 01:10:16 ID:L8oP9DAF
「もう少し、強くしてみて。歯を立てず、唇をすぼめてするといいから」
少しは慣れてきたのか、言われたとおりに先輩は上半身を使いながら、規則的な上下の運動をしている。
時折、僕の様子が気になるのか薄く目を開け、また瞳を閉じた。
「……さっき出たばかりだから…時間が……かかるかも」
決定的な強い刺激が得られず、ゆるゆるとした甘い疼きだけが腰に溜まって、まるで生殺しだ。
慣れないことに、さすがに先輩も辛そうにしている。僕は先輩の顎を持って、自分のものを先輩の口から外した。
「どうして? 私は全然平気だよ」
「先輩の中がいい」
僕は上半身を起こしながら、先輩の手を取る。
「天地君……」
「先輩の顔を見ながら、先輩と一緒にイキたい」
指を絡め合い、先輩の手の甲にキスをする。
「先輩? 僕の事……好き?」
先輩はコクリと頷く。
「だめだって。ちゃんと言葉にしてみて」
「うん、すき」
「もう一回」
力強く先輩を抱きしめて、次の言葉を促す。
「天地君のことが大好きだよ」
告白の時も聞けなかった言葉が、付き合って二ヶ月目にようやく聞けた。
一番先輩に言わせたかった言葉だったことも、やっぱり全然気付いていないみたいだ。
何度も何度も飽きる事無く、僕だけに囁いて欲しい。
先輩の潤んだ中心に己をあてがい、先輩を突き立てる。
僕が動くたびに、先輩の胸も大きく揺れる。少し苦しそうな顔で僕を受け入れている。
腰の辺りにじんじんと快感がせりあがってくる。
僕は甘い疼きに身も心も浸しながら、この幸せが永遠につづけばいいと、そう願った。
214名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 01:16:58 ID:L8oP9DAF
以上です。
お目汚し失礼しました。

エロって思ったよりも難しいですね。
精進の旅に行ってきます。
215名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 01:22:10 ID:XYf2oMGK
ほぼリアルタイムキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

天地テラモエス天地(*´p`)
216名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 01:23:31 ID:tZbeV4Hf
乙でしたー!ラブラブ天地×主GJです!

>>209 空気読まないにもほどがあるゾ。( ゚д゚)メッ
217名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 02:36:40 ID:JzvsnxZb
天地キタアアアアアアアアアァァァ
後輩のくせにこのリードっぷり!天地大好きだ!
エロも申し分なくて神グッジョォォブ
218名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 08:24:16 ID:JltsyaLm
今日も今日とて朝日が眩しい>>45です
キテル×デイジー\(^_^)/オワタ!ので早速投下させてもらいます
おかげさまで、最後まで楽しんで書くことができました
ありがとうございます!
ありがとうございます!
読んでくれる姐さん方にも、少しでも楽しんでもらえれば光栄です

<諸注意>
・デイジーの名前は「小波美奈子」
・この話は前スレ810-816、現行スレ46-53からなる連作の完結編です
・今度こそ全編エロですが、何分二人とも初めてなのでプレイとしては面白みのない、
 至極スタンダードな内容です。なまあたたかく見守ってやって下さい
・入れるまでが長いです。逆に入れてからは早いです。なまあたたかくみま(ry
・読む読まないは姐さん次第。基本的に自己責任でお願いします
219キテル×デイジー交 1/10:2006/09/14(木) 08:25:48 ID:JltsyaLm

それから彼女たちがまずしたことといえば、非常に中途半端な状態をさらしている
各々の服を、互いに脱がせ合うことだった。
「まさか破かれるとは思わなかったよ…」
寝台の上に身を起こし、ほのかな月光だけを頼りに向かい合った相手の衣服に手をかける。
苦笑まじりの彼女の言葉に、佐伯は残ったブラウスのボタンを今度はひとつひとつ、
丁寧に外してゆきつつ、唇を尖らせてうなだれた。
「……ゴメン」
ほとんどいたずらを咎められた幼児に近い口調。
珍しく憎まれ口を叩かない辺り、本当に反省しているようだ。
彼女はこみ上げる笑いを気取られないようにうつむくと、額を彼の胸に押しつけた。
若干前のめりになった両腕から、ブラウスの袖が抜き取られる。二度と着用されることのない
それを静かに足元の床へと落とし、彼の指はそのまま背筋を辿り、下着のホックへと伸びる。
「服の予備、あるっけ」
「…え?」
「だから、その。…明日バイトする時に、さ」
「あ、うん大丈夫。ちゃんと入った時、夏服と冬服、二着ずつ渡してくれたでしょ?
確か佐伯くんがくれたんだよ?すんごい不本意ですって顔しながら。…いや、
あれは渡されたっていうよりも、放り投げられた…」
「ウルサイな、余計なことまで思い出さなくていいんだよ。……今日、俺がダメにした分も、
ちゃんと新しいの発注しとくから」
「ん…ありがと」
「ああ。……」
ふと、唐突に黙り込んだ彼の顔を、彼女は目線だけを動かして下からこっそりと盗み見た。
と、ちょうど彼の方でも彼女の表情を窺おうとしていた所らしく、見事に視線が衝突した。
二人同時に目を逸らし、一呼吸置いてから、また戻す。
先に彼の方が負けを認めて吹き出した。
「なんか。色気のない会話してんな、俺たち」
「…だね。業務連絡だもんね、この期に及んで」
「ん…」
しばしホック付近にて奮闘していた指先が、ようやく金具の解除に成功したらしい。途端に
束縛を失ってずり落ちてくる下着を反射的に片手で押さえつつ、彼女はいっそう強く彼の胸に
額を擦りつけた。
思えば自分は彼のシャツに手をかけたまま、結局少しも脱がせることができていない。
むしろすがりつくようにぎゅっと裾を握り締めるだけの指先は、心のどこかで彼に対し、
これ以上素肌をさらして欲しくはないと、そう願っているような気がして彼女の心を
さざめかせた。
220キテル×デイジー交 2/10:2006/09/14(木) 08:26:28 ID:JltsyaLm
そっと彼の手がこわばった指をほどきシャツの布地を取り上げる。
そのついでとでも言わんばかりの自然さで上半身からブラジャーを抜き去り、
やはり静かに床の上へと落下させる。
それから自らシャツを脱いだ。肩に手を置き、ややずらして首筋を慰撫するように
撫でさすりつつ、ゆっくりと彼女の体を寝台へと横たえた。
上体を、ぴったりと摺り寄せる形でその上に彼が体重をのせる。先刻導かれるままに
触れた…いや、触れさせられた胸板の硬さを、今度はじかに二つのふくらみで受け止める
ことになり、彼女の中枢を羞恥に起因した熱が駆け抜けた。
おそらく似たような感覚に苛まれているのだろう、見上げる彼の顔にもどこか、微妙に
動揺の色が見え隠れしている。それでも彼は押し付けた上体を決して離すことはせず、
彼女のこめかみから髪の隙間に指を差し入れ、毛先に向かって何度も、丁寧に梳いた。
ふと、中途でその指が毛束にからまって止まる。彼女が小さく痛みを訴え、彼がまた
謝罪の言葉を口にした。
「ゴメン」
「…ううん、平気。今日、雨だったから。湿気で朝から指通りが悪いの」
「猫っ毛?」
「うん血筋。佐伯くんは、けっこう髪にコシがある方だよね」
言いながら鎖骨付近で揺れる襟足に伸ばした指を、彼の手が捕らえた。そのまま手首の
内側に軽く口元を触れさせる。
少し乾いた唇の質感より、戸惑ったような息遣いが彼女の心臓を締め付けた。
「悪い。…髪なんか、どうでもいいんだ。ホントは」
「…………」
「どこから触っていいのか、わかんなくて…」
とても先刻自分を思い通りにしようとしていた人間の言葉とも思えない。が、彼女は
むしろそこで安心した。そのギャップが逆に彼らしいと思えて。…末期症状かな、
と自分でも少しおかしかった。
「佐伯くんの好きなところからでいいよ」
頬にあてがわれた手で彼の顔を撫でながら言う。
「わたしのこと、好きにしてくれていい」
「……うん」
彼が素直に頷く。眩しげに目を細める独特の笑い方。その笑顔の残像が瞼の裏側から
消えないうちに、唇に再び彼のそれが折り重なった。

軽くついばむように、幾度も角度を変えて唇が落とされる。はじめは時折かすかな音を
たてるだけだったそのキスに、いつしか粘着質な、湿度の高い吐息が混ざり始める。
他人の口内に“味”が存在するということを、その時初めて彼女は学んだ。
潤沢な唾液と共に、注ぎ込まれる佐伯の舌を受け止める。佐伯の味は…無論そこで
比較対象となりうる他人のサンプルが無いのでなんとも言えないが、少なくとも彼女が
実際に得た印象でいうと、『真夏の匂い』を連想させるものだった。
動植物が爆発的に生命活動を活性化させるあの熱気。風に含まれる青葉の瑞々しさ。
それは即ちあらゆる有機物の、真摯な息遣いの象徴だ。
(佐伯くん、生きてるんだな…)
そんなことを思った。頃合を見計らったように離れていこうとするその舌に、もっともっとと
自ら吸いついた。まるで親鳥のくちばしから餌をもらおうとする雛のように。
221キテル×デイジー交 3/10:2006/09/14(木) 08:27:11 ID:JltsyaLm
「……光合成」
「…はい?」
ようやく接触を絶った唇で、浅く呼吸しながら彼女は呟く。
「佐伯くんとキスしてると、わたし、光合成してるみたいな気分になる」
「…………」
どうやらそれは彼にとって、正しく殺し文句であったらしい。
「おまえは…」
妙に間延びした口調と共に、胸に彼の頭部が降りてくる。苦笑とクレームの入り混じった
ものが胸の谷間をくすぐった。
「ひとのこと、ガラスだって言ってみたりお日様だって言ってみたり。…ほんとワケわかんない」
「……。あ…」
言われて初めて自覚した。『光合成』。それを行うに不可欠な要素。即ち降り注ぐ太陽
からの恩恵。
(もしかしてわたし、ものすごく恥ずかしいことを言った…?)
咄嗟に言い訳しようと開きかけた唇に、彼の人差し指が押し当てられる。
「ちょっと黙っててくれる?葉緑体」
いたずらっぽい笑みを残して彼の顔面がふくらみの向こうに沈む。両脇のそばから、
柔和な肉をかき集めるようにして寄せ合う両手が、更に彼女の視界から彼の表情
を覆い隠した。
「……んっ、…」
しかたなく、彼女は目を閉じ、唇をかたく引き結んで彼の愛撫に身を任せた。
十本の指が波のように緩急をつけて柔肌を揉み解す。時折先端に親指の腹が触れ、
爪弾くような、擦り上げるような動きで徐々に刺激を与えてゆく。自然浮いた突起を
指の付け根で挟み込み、転がすように弄びながらも彼の唇は決してそこに触れようとはせず、
ただたゆたう肉のやわらかさが自分の鼻先に衝突する感触を愉しんでいるようだった。
「…ぁ、……ん」
彼女の体内に、じわじわとこみ上げてくる出来損ないの悦楽。先刻無理やり触れられた
際には微塵も得ることのできなかった快感に、唇から耐え切れず声が溢れた。そこに
含まれる甘やかな熱に驚き、自ら声を抑え込もうとした手を佐伯が難なく捕まえた。
「ダメ。ちゃんと聞かせて」
うううと彼女はうなり声を上げた。
「さっきと言ってること、全然違う…」
「だからガラスに似てるんだろ?」
「……佐伯くん、ズルすぎる」
だがその悪辣さをこそ彼女は心の底から愛している。「お互い様」、と彼が呟いた。
それからようやく胸の突起を口に含んだ。
「んっ……や…」
まとわりつく舌のなまぬるさと、時折ぶつかる歯の硬質さ。やや強めに吸引するのに
乗じて、そこから卑猥な音がもれる。…彼はたぶん、わざとやっている。
じかに刺激を送り込まれる箇所とは別に、なにやら下腹部の奥深くで、締め付けられる
ような疼きを感じる場所がある。とても奇妙な感覚だった。同じ体内とはいえ、
彼のもたらす快感から遠隔的に、別の器官までもが漠然とながらも反応を示すなんて。
まだ彼女には、そのメカニズムが理解できない。ただ、彼の指と舌が露骨に動くたび、
徐々に自らの末端と中枢を繋いでいる回路が、ひとつひとつオープンになってゆくような、
おぼつかない解放感を感じていた。
222キテル×デイジー交 4/10:2006/09/14(木) 08:28:00 ID:JltsyaLm

彼の手が脇腹を滑り、スカートのサイドチャックへと伸びる。彼は彼女の胸元に顔を
埋めたまま、手探りでその金具を引き下ろした。生地に皺が寄るのにも構わず、性急に
その布をたくし上げ、彼女の下半身を通過させた。やおら上体を起こし、身にまとう布地は
ついにショーツのみとなった彼女の姿態を、月光の中で改めて見下ろした。
「…………、」
かすれた声で何事かを口にする。しかしその囁きは潮騒にかき消され、彼女の耳に
届くことはなかった。
つ、と彼の指がショーツの中央に触れる。布地の上から、その形状と温度を確かめるように
さすられ、彼女は思わず右手を持ち上げると、体重を支えるべくシーツに片肘をついた彼の
肩を掴んだ。
「佐伯くん……、」
「大丈夫」
逆にこわばる彼女の手を捕らえ、そこに己の指を滑り込ませる。
「ゆっくり、するから」
「……うん」
「でも、痛かったらゴメン」
「……ん」
ぎゅっと彼の手を握りしめ、彼女がたしかに首肯するのを見届けてから、彼はゆっくりと
彼女の体からショーツを抜き取った。
かたく閉じられたままの両脚を愛撫でゆるめ、その中心にじかに指を触れる。
すぐに割って入ろうとするのではなく、やはり念入りに、その全体像を把握しようと
するかのごとく這い回る指先が、逆に彼女の羞恥心を煽った。
「あ、あんまり触らないで…」
「え…?」
「そういう風にされるの、いちばん恥ずかしいの…」
「…そんなこと言われたって」
むくれたように目を逸らす彼もまた、いつしか音を伴った呼吸をするようになっている。
どうにも噛み合わない互いのテンポに、ふと彼女は笑いをもらしそうになり、直後に
それを飲み込んだ。
不意に額の汗を拭い、前髪をかきあげた彼が、じっと彼女の目を見つめたまま素早く
己の中指を舐める。
そしてその指先を再び彼女の秘部へと押し当てた。
「…あっ、ヤ……!」
唾液を纏った指先が、そこを覆い隠す襞をかき分け、内部をやや強引に突き進む。
間もなく入り口を探り当てられ、無理やり押し入られる苦痛が唐突に彼女を襲った。
「痛ッ…!痛い、よ、佐伯くん…」
「……指でも?」
「ん……ッ」
彼の指が、しつこく中のコンディションを確認するようにぐるぐると動く。その度に彼女は
小刻みに肩を震わせ、握った彼の手にすがりついた。
「…………」
おもむろに体勢を起こし、そっと指を引き抜いてから彼は再び髪をかきあげて息を吐く。
涙目で喘ぐ彼女を眺めてしばし思案に暮れる。それから寝台の片隅に目を移し、
所在投げに放置されていた水色の枕を引き寄せて、彼女の胸元に押し付けた。
「…わ。……なに?」
「イケニエ」
「え?」
「恥ずかしかったら、そいつを叩くなり齧るなり好きにしていいから。だから、ちょっとの間
がんばれ」
「…佐伯くん?」
「俺もがんばる」
(???)
いまいち状況を把握できないながらも、彼女は与えられた佐伯の枕を両腕で抱きしめた。
そこには彼の匂いが染み付いている。鼻先を埋め、深く息を吸い込むと、肺いっぱいに
彼の息遣いが染み渡り、思いがけない安心と幸福感が得られた。
223キテル×デイジー交 5/10:2006/09/14(木) 08:28:47 ID:JltsyaLm
が、それも長続きはしなかった。
束の間の安らぎに酔いしれる彼女をよそに、彼はおごそかに蠢動を開始する。両腕を
動員して彼女の両脚を押し広げ、その隙間に跪く。身を屈め、どこか神の像の前に拝跪する
信者に似た敬虔さで、そっとその中心に唇を寄せた。
「……っ!」
そこで彼女を襲った衝撃をなんと表現したらいいのだろう。
それは面妖としかいいようのない感覚だった。いきなりダイレクトに快感に結びつく類の
ものでもなく。ただそこから、痺れるような熱が奔流となって全身へと波及してゆく。逆にその
場所から程近い、快感の巣ともいえる部分のみが疼痛に似た圧迫感に慄えていた。
そこにからみつく触手のようなジレンマ。彼女は感覚の洪水から逃れようと、必死で身を
よじらせた。
「…ちょ、バカ暴れんなって、」
「イヤ…!あついっ……」
「…わかったよ。イケニエ増やすから」
知らず枕に爪を立てていた手を掬い上げ、彼はそこに自らの左手を絡ませる。精巧な
歯車のように、十本の指がしっかりと交差し、噛み合った。
「……よし」
若干彼女の抵抗が弱まった隙に、彼は再び奥に向かって尖らせた舌を挿し入れた。
何度か出し入れした後、その上方で光る未開発の芽をついばむ。舌先でつつき、強めに
吸う。改めて入り口に右手の指を押し当てると、それは唾液の助けを借りて、先程より
遥かにスムーズに内部へと埋まり込んでいった。
「んふ、ん……ぅん、」
抱えた枕に口元を埋め、彼女はくぐもった声を出す。その傍らに佐伯の顔が戻ってきた。
彼は濡れて光る唇を乱暴に手の甲で拭うと、見上げる彼女の胸からそっと、皺くちゃに
なった枕を取り上げた。
「あ……」
名残惜しそうに追いすがる彼女の上に、久方ぶりに彼の体重がのしかかる。どこか懐かしさ
すら感じる彼の重みに、彼女は深く息を吐いた。彼は優しい仕草で、額にこびりついた
彼女の前髪をかきわけながら、間近で目を細める。
「ハハ。汗びっしょりだぜ?」
「…佐伯くんだって」
「うん。……でも、悪いけど、ここからが本番」
「……うん」
「美奈子」
「うん」
「愛してる」
「うん」
いちいち頷くのに合わせ、何度も彼の唇が彼女の上に落とされる。彼が彼女の上で
かすかに身じろぎをした。体の中心に、擦りつけるようにして押し当てられる熱源の存在。
彼女はもう一度だけ息を吐くと、両手を彼の背中に回し、半ばすがりつく形で
隆起した肩甲骨に指をかけた。
224キテル×デイジー交 6/10:2006/09/14(木) 08:30:07 ID:JltsyaLm

 * * *

生涯に一度しか訪れない破瓜の痛み。
それを彼女は漠然と、鋭刃な凶器で切り裂かれるようなものを想像していたのだが、実際は
大きく違っていた。
それは飽くまでこじ開けられる痛みだった。強大な異物感に我が身を押し広げられる
痛みであり、未知の自分を開拓される痛みでもある。
彼は一気に最奥まで貫こうとするのではなく、肩で息をしながらも、下半身を前後に
揺すりつつ徐々に深く彼女の内部へと侵入していった。
お陰で泣くほどの激痛は免れたが、完全に繋がり合うまでに多少の時間を必要とした。
その間にもう、彼は全身に大量の汗をかいていて、その雫がシーツに突き立てられた
腕の表面を、浮いた血管に添って次々に伝い落ちてゆく。彼女は苦痛の中目にした
そのビジョンを、たぶん一生忘れないだろうと思った。

「……美奈子」
彼が、かすれた声で名前を呼び、下半身にゆるやかな動きを加えた。
「あっ、…あ、あ、あ、」
彼の作る律動に合わせ、自分の乳房が小刻みに揺れるのが彼女には恥ずかしくて
たまらなかった。喘ぎつつ、手探りで枕を求めたがそれはどこにも見当たらなかった。
しかたなく、めいっぱいに両腕を伸ばし、汗ばんだ彼の体を引き寄せる。鎖骨に唇を埋め、
胸のふくらみを胸板に押し付けた。自然増加した安定感と安心感に、彼女は満ち足りて
息を吐いた。
「やっぱり、枕よりも、本物がいい」
「……え?」
「好き。佐伯くん…」
「…………」
「好き。大好き」
囁くように、彼女はその耳元に繰り返した。首筋に吹き付ける彼の吐息に、苦痛を
訴えるような呻きが混ざる。急速に下半身の動きが激しさを増し、打ち付けられる
熱のかたまりが容赦なく彼女の内部をかき乱した。撹拌され、混濁してゆく意識の片隅が
初めて快楽の片鱗を捕らえかけた。それはまさしく熾烈な恒星によく似ていた。手を
伸ばせば届きそうな位置で燦然と輝きながら、その眩しさは触れれば我が身を灼き
尽くされそうな程、底知れぬ恐怖を孕んでいる。彼女にはまだその灼熱を手にする勇気が
ない。せめてそれのある方角に掌を掲げ、やわらかな陽射しを受け止めて心地よさを
享受する程度。でも今はそれでいいと思った。
彼女は五感を研ぎ澄ませ、彼を感じることに専念した。まだおぼろげな快感ではなく、
直接肌を重ねている彼の存在に、全ての焦点を合わせた。目はリズミカルに揺れる
色素の抜けた襟足を捉え、耳は苦しげに喘ぐ荒っぽい呼吸の音を聞いた。鼻は枕に
染み付いていた匂いをより濃厚に凝縮したものを嗅ぎ、口は鎖骨に浮いた汗に
含まれる海水に似たものを味わった。そして体全部を使って、必死に自分を求める
彼の体温を感じ取った。
225キテル×デイジー交 7/10:2006/09/14(木) 08:30:54 ID:JltsyaLm

と、唐突に彼の動きが止まり、抱きしめた両腕の中で筋肉がしなった。
次いで前触れなく全体重がのしかかり、華奢な彼女の体を押しつぶした。
自ずと上がる非難には色気の欠片すら含まれてはいない。
「…イッ、タイよもう佐伯くん!やだ重い、痛い、苦しい…!」
「…………料理店」
かすれた呟きと共に、彼が大儀そうに上体を起こす。動作のついでに彼自身を彼女の中から
さりげなく引き抜いた。が、その際に味わった奇妙すぎる感触に、彼女の口からは耐え難く
悲鳴(やはり致命的に色気に乏しい種類の)が迸った。
「…ひゃあ!」
「うわっ、バ、おま…!なんて声出してんだ!」
「だだだだだだって」
「ほらこれ。イケニエやるから、落ち着きなさいちょっと」
「むぐ、」
どこからか出現した枕がまた彼女の顔面に押し付けられる。その横暴な態度には
若干反感を覚えたが、久しぶりに顔を埋めたクッションの心地よさに、彼女はしばし、
大人しく身を委ねた。
(……終わった?)
(の、かな…?)
ぼんやりと、熱にうかされたように朦朧とする頭で考える。事前に予想していたものよりも、
意外にスムーズな幕引きだった。いや、むしろ呆気ないといった方が的確か。彼女には
その境目がよくわからない。スタートは確かに押し入られる痛みから始まった。しかしその
ゴールは? 劇的な快楽に意識が飛んだわけでもなく、痛みは緩和こそすれ最後まで
すぐそこにあった。それをひたすらやり過ごしているうちにいつのまにか終わっていた、
というのが正直な印象だ。…セックスとは、こういうものなのだろうか。だとしたら、あまり
夢中になれそうもないなと、彼女は枕のメッシュ地に溜息を吸い込ませる。ただ、未だ違和感の
残る下腹部の空洞と、最中に感じた彼の荒い息遣いに思いを馳せた途端、たちまち体の
奥深くがじっとりと熱を帯びるのを感じた。彼女は寝返りを打ち、慌ててその未練を打ち消した。
…未練。それは確かに未練によく似ている。自分でも、なんだかよくわからなくなってきた。
彼女が不可解なジレンマを枕に対しぶつけている隙に、足元の方でなにやら活動を開始する
彼。そのひそかな蠢動に興味をひかれ、彼女はそっと枕をずらし、彼がいる方向を盗み見る。
そこには、既に一人だけボクサーパンツを身につけ終え、長らく床に放置されていた
彼女のブラジャーを拾い上げて黙々と観察する彼の姿があった。
「……!!」
慌てて起き上がって彼の手からブラジャーを奪い取る。
「あ。なにすんだよ」
「こっちのセリフなんですけど!」
「あんまり握り締めるなって。カップの形崩れる」
「…なんでそんなこと知ってるの?それより、なんでもうパンツはいてるの?自分だけ…」
わなわなと、理不尽さに唇を震わせる彼女に向かって、彼は少しだけ頬を赤く染めて
言い放つ。
「だって。…恥ずかしいじゃん」
「……わたしはまだ全裸なんですけど」
「おまえはいいんだよ。綺麗だから」
「…………」
226キテル×デイジー交 8/10:2006/09/14(木) 08:31:40 ID:JltsyaLm
咄嗟に彼女は唖然としてしまう。それからじわじわとこみ上げる羞恥心に駆られ、枕を
斜めに抱きしめ直し、胸元から下腹部にかけてを覆い隠した。
その今更な仕草すら、愛しくてしょうがないといった目で彼が微笑まじりに眺める。
完敗だ。
(ううううう…)
うつむいて、枕の角に額を打ち付けたところでハタと気づく。
「さ、佐伯くん」
「ん?」
「わたし、そういえば今日一度も佐伯くんのアレ、見せてもらってない」
「……え?」
「ズルいよ!」
身を乗り出す彼女から慌てて身を退けつつ、待て待て待てと彼は大げさに両手を振る。
「だ、だってもう、パンツ穿いちゃったし、」
「脱げばいいじゃない。そしてまた穿けばいいじゃない!」
「面倒だろ?それに見たって、ひとつも面白いもんじゃないから!おまえ引くから!絶対!」
「佐伯くんがわたしの見て引かなかったんだから、わたしだって引かないもん!」
「…そういう問題かよ」
「……あっ」
「あ?」
唐突にまた何かを思い出した様子の彼女に、彼はあからさまに全身を警戒させる。
「今度はなに?」
彼女は少しだけ体から枕を離し、そっと己の下腹部を見下ろした。そこは確かに透明度の
高い液体でぬるついてはいたが、想像していた量の白濁した洪水にまみれ、しとどに
濡れているということはなかった。
「……佐伯くん、イったよね?」
「…………」
彼女のその確認に、彼は対応に困り果てひそかに頭を抱えた。溜息に乗じて答える。
「……当たり前だろ。でなきゃ離さないよ」
「…そ、そうですか。そのわりになんか、わたしのここあんまり…」
「バ、バカ。着けてからやったに決まってんだろうバカ」
先回りして彼が真相を突きつける。驚いて顔を上げる彼女。
「えええええ!い、いつのまに!?」
「内緒」
「だって、でも、どこから出したの!?」
「内緒」
「…まだ着けてるの?」
「捨てました。もうとっくの昔に捨てました!」
「ええっ。どどどどこに?」
「内緒」
「……。み、見たい」
「ダメ」
「見たいな♡」
「可愛く言ってもダメ」
「佐伯くんズルいよ!」
まるで堂々巡りである。彼女は分からず屋の彼に背を向けると、枕を抱いたまま寝台の
一番隅っこに逃げ込んだ。壁際で丸くなって拒絶の意を示す。
その背筋を、彼の指先がくすぐるようにつついた。
「小波さん」
227キテル×デイジー交 9/10:2006/09/14(木) 08:32:42 ID:JltsyaLm
俗にいう猫なで声、というやつである。彼女はかたくなに沈黙を貫いた。頑迷なその態度に、
彼が背後であからさまに吹き出すのがわかった。…完全に馬鹿にされている。
(隠さず見せてほしいって、言ったのに)
彼女が不満を感じる根本はそこにある。どうしたって自分は、彼にとって全てを
さらけ出せる存在にはなりえないのだろうか。彼女にはそれがどうしようもなくさみしい。
…が、若すぎる彼女にはどうしても理解できない領域。それは彼女が少女であり、
彼が少年である以上決して重なることのない精神の、その構造の差分による
齟齬だった。
好きだからこそ全てをさらけ出せるポジティブな女性性と、
好きだからこそ隠さずにいられないネガティブな男性性。
そのベクトルは容易に交わることはない。そして彼女はもうひとつ、大きな勘違いをしていた。
不意に背中から抱きしめられ、耳元に囁く声を聞いてようやくその間違いに思い至る。
「わかったよ。じゃあ今度は、俺もちゃんと見せるから」
「……今度?」
肩越しに振り向いた彼女の頬に、彼は音を立ててキスを降らす。
「別にこれで終わりってわけじゃないんだからさ。さっきからおまえ、一仕事終えましたー
みたいな顔してるけど。…なんなら今から、二回戦やったって、」
「あ…そ、そっか……。えっ!?あっあの、二回戦はちょっと」
「ウソだよ。なんかおまえフニャフニャしてるし。疲れてんだろ、今日はもうやめとこう」
言って彼は彼女の首筋に顔を埋めて瞼を閉じる。長く、湿った息を吐き出した。
(佐伯くんの方が、疲れてるんじゃないのかな…)
彼女は行為の最中に感じた、彼の尋常ではありえない過呼吸を思い出す。同時に
全身に散っていた汗の雫と、苦しげに歪められた表情を。あの様子で、果たして彼が
きちんと快楽を得ることができたのか、甚だ疑わしくはあったがこれ以上呆れられるのも
癪なので、彼女はその疑問を自らの胸のうちにしまいこんだ。
「……体。なんともない?」
かわりに彼の方が低く、彼女に向かって問いかけた。急激に頼りなさを帯びるその声音に、
彼女はゆっくりとかぶりを振る。
「大丈夫。ちょっとまだ、佐伯くんのが入ってるみたいな、変なカンジするけど…」
「……!」
ガバ、と音すらしそうな勢いで彼が彼女の背中から飛びのいた。
びっくりして顧みた先には、片手で口元を覆い絶句する彼の姿。
おそらくこれから先、ここまで露骨に赤面する佐伯瑛の姿というものを、彼女は二度と
目にすることはないだろう。
228キテル×デイジー交 10/10:2006/09/14(木) 08:33:34 ID:JltsyaLm

「ちょっマジゴメン…!俺トイレ!」
短く宣言して部屋から飛び出していく後姿を唖然として眺めやる。
扉の閉まる音に、どたどたと階段を駆け下りる足音が重なった。途中鈍い衝突音も
混じったので、おそらくどこかで向こう脛を強打したのだろう。
(…なにが起こったの)
考えたところで、彼女には到底理解できない。自分の発言の何が、彼に平静さを
失わせたのか。実際、あそこまで赤裸々な行為をした直後なのに、どうしてあんな、
初心な少年みたいな反応を。
(男の子って、ほんとわかんない…)
彼女は考えるのをやめ、くたびれたように寝台に横になった。
自然投げ出された視線が正面の壁を滑り、棚のガラス時計の上で止まる。不意に浮かんだ
マスターの、やわらかい微笑と言葉が目頭の奥を熱くさせた。
彼がかけがえのない宝物だと言っていた、愛すべき彼の孫の少年性。
その一部が、今夜自分との行為によってあえなく消滅してしまったかのような、言い知れぬ
切なさが彼女の胸を襲った。明日、会ってマスターに謝らなきゃ。半ば強迫観念のように
こみ上げるその思いを、彼女は抱きしめた枕にすがりついてかき消した。
(違う)
(後悔してしまうことの方が、もっと不誠実だから)
彼女はじっとガラス時計を見つめ、涙でかすむその輝きに目をこらした。
きっと今夜の出来事だって、彼の複雑な多面体に新たな瑕を穿ったに過ぎないのだ。
そしてそれは厭われるべきことではなくて。その瑕を朝日が照らし出せば、きっとまた
真新しい光が生じ、見る者の目を細めるだろう。
そうして彼は大人になっていく。磨耗されるのではなく、研ぎ澄まされ、その輝きの多様性を
増しながら。魅力的な大人の男性へと、着実に進化を遂げる。
そんな明日が訪れることを祈りながら、彼女はそっと瞼を閉じる。望んだままの未来が、
僅か数時間後に待ち受けていることを信じて。

<おわり>



おそまつさまでした!
おつかれさまでした!
最後まで懲りずにお付き合い下さった皆様、本当にありがとうございました
よっしゃこれから>>207姐さんの天地読むぞ天地待ってろ天地(*゚∀゚)=3ハァハァ
229名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 09:24:45 ID:PkLeqDvd
おはようございます!おはようございます!
乙です! 超乙です、超GJです!
朝から素晴らしい萌えをありがとうございます!
キテル好きでよかった、このスレにいてよかった、
何より姐さんの作品に出会えてよかった!感動で前が見えないよ・゚・(ノД`)・゚・
キテル&美奈子もよかったね、お互いに出会えてよかったよね。
優しさいっぱいのふたりが好きだーーー!でも、コミカルなやり取りも大好きだw
深い感動の前には、言葉を失ってしまいます。
上手く言えなくてゴメンなさい、でも本当にGJでした!
230名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 10:12:56 ID:wVpSxBCM
ハァハァ…朝からいいもの読ませていただきました。
キテルと美奈子のやりとりが愛しい(*´Д`)
姐さんの美奈子は本当にかっこよくて可愛い。キテルは純粋で可愛い。
3段階に渡る長編、超乙でした!またお会いできるのを楽しみに待ってます。
231名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 12:23:16 ID:NHEu6HGp
とても高校生らしい初エッチに超モエますた。
本番wもさることながら、二人の掛け合いがすばらしい。
GJ!
でも姐さんの真骨頂である寸止め話もまた読みたいですw
232名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 12:57:54 ID:kDYEwYS4
GJ!!
キテルのミリキが上手く活かされてると思いました。
リアリティあるエチーで素敵。
次回作も勝手に期待(*´Д`)
233名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 13:51:43 ID:gQMRqBzW
姐さんのss読んでから攻略本買ってきてニューゲームでやり始めたら、
最初のキテルとの出会いのシーンで
ありえないくらいときめいてしまった自分ガイルw
うはwwキモスwwでも幸せだ〜
次回作もまじで待ってますから!! 超絶乙でした!!
234名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 13:59:23 ID:57IUSLZk
キテルが来て(ry
GJでした!
ごちそうさまでした!!
235名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 14:05:52 ID:lLRdCJpD
「脱げばいいじゃない。そしてまた穿けばいいじゃない!」

ギガワロタwwwwwwww
236名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 14:36:18 ID:77n/KWpo
本スレにはられてたんで初めてエロパロスレきたんだけど
キテル×デイジーすっげーよかった。
今までGSでエロだなんて…と敬遠してたのに高校生の初々しい初H、愛しいね。
キテルがまんまキテルなのは勿論、エロ描写にありがちな女がただの
淫乱な受身ってわけじゃないのがとても好感が持てました。
キテルがイッたことすらわからないって描写に姐さんの初モノへのこだわりとキャラへの愛を感じました。
前スレの初回、まだ読んでないのでこれから読みに行ってきます。
自分の偏見を覆してくれた作品に感謝。
237名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 14:59:19 ID:O/O3NWro
イイ!(・∀・)イイ!(・∀・)イイ!(・∀・)リアルでイイ!(・∀・)
テルったらトイレで何を…(*´д`*)ハァハァハァアハァ
美奈子も何回かすれば夢中になれることだろう…
若い男の子の、余裕と余裕のなさが同居した不安定な感じがGJでした。
また書いてください!
238名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 15:15:48 ID:vGngh1e+
今更だが>>45に本気で感動した。やばいな。
239名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 15:56:00 ID:2SGGs0VV
本スレに貼られてたって((( ;゚Д゚)))ガクブル
240若×デイジー:2006/09/14(木) 16:28:19 ID:UI3ws/JB
初の若×デイジーです。


期末試験初日の朝
若王子先生に腕を掴まれた私は科学室へと連れ込まれ、机に押し倒された。
何がなんだか分からない私は両手を抑えられ、スカートを捲くられるのを黙ってみていた。
「え?何?せ、先せ…っ…やぁ…ん…」
ショーツの上から愛撫されてようやく事態が把握出来た。まっ…待って!ダメだってば!
「ちょっと…動かないで下さい」
先生は濡れ始めた私のアソコへ卵の形をした桜色のモノを埋め込んでいた。
やっ…なんで…なんでこんなことするの?!先生!
「先生、君の中が収縮した時この”ろーたー”というものが止まるよう頑張って改造してみました。凄いでしょ?」
凄いけど…いや、頑張り方が間違ってます!先生!外してください!!
「君の中の収縮度をXとして〜(中略)〜という具合で…ちゃんと達する前に止まるか実験したいんです」
ちょっ…計算式はいいから!話を聞いてください!これを外し…
「そういえばー…昨日、他のクラスの男子生徒と一緒に帰りましたね?先生ちょっぴり嫉妬しちゃいました」
…あの場面見てたんですか…それじゃこれって実験っていうか…
「という事で、実験という名のお仕置きですから今日1日外しちゃだめですよ?」

「……ぁ…んっ…ッ」テスト中、時々強弱を付けられその度に唇を噛んで声を押し殺す。
1回だけでもイきたい…もう我慢の限界だよ…体が疼いてテストに集中出来ないし
あと10分でテスト終了だっていうのにまだ名前と問1しか書けてないよ!
その時シャーペンが私の手から滑り落ち、音を立てて床に転がった。もーサイアク…
「やや、その顔イく寸前ですね。ピンポンですか?…でも今日の先生は意地悪なのでイかせてあげません」
何時の間にか後ろへ立っていた先生はシャーペンを拾うと私の手に戻し、さっさと行ってしまった。

10分後、テストの終わりを告げるチャイムが学園内に鳴り響く。
…今回のテストは補習確定かもしれない…
241名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 16:29:34 ID:77n/KWpo
今更ですみませんがID:JltsyaLm神の前スレキテル×デイジー読んできた。
マスターの台詞にちょっと泣けてしまった…全部あのキートン風声で脳内変換してしまいました。
あとデイジーが気持ちを自覚していくくだり。すごくよかったです。
子供でいるのを罪と思ってるようなキテル…姐さん理解度高すぎます。
キテル好きとしてはこんな良質の虹読めて幸せだ。

エロパロスレ敬遠してたの勿体無かったな。
これから他の神々の作品も拝見させていただくことにします。
242名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 16:33:44 ID:kOKU7/1R
本当に乙
こんなに品のあるエロは初めて読んだ
マジで神を見たよ(*´д`)
文才ありすぎです
243名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 16:34:18 ID:kOKU7/1R
242はID:JltsyaLmさんへの感想ね。
244名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 18:49:27 ID:nf6OqFt5
若すきだー
いいよいいよー
245名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 18:57:04 ID:OwsQxRed
>ID:JltsyaLm

お疲れです。いいもの読ませてもらいました。
もうすっかりファンになってしまいましたよww
キテルが本当リアルでいい。
246名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 20:26:40 ID:adjQt28K
エチーシーンよりピロートークがおもしろい
またこういうのを書いてください

若×デイジーも(・∀・)イイ!!
247名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 21:21:13 ID:vwr9m3ld
>>218
乙です!
台詞回しがものすごく秀逸で、読み手を引き込む
魅力があって、キテルがものすごくキテルで…
思わずPC前でじたばたしました。
wktkしてた甲斐があったというものです。
エロパロスレにあるまじきことかもしれないけど
エロがなくても(・∀・)イイ!!
でもエロがあると更に(・∀・)イイ!!

>>240
収縮度の計算式を算出する若ワロスw
実地検証したいんだなw
248名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 21:47:28 ID:Qef2xXmE
>>218

今回も激しく萌えさせて頂きました_| ̄|○ノシノシノシ
もういっそサイトでも作って欲しいくらいだ
キテルますます好きになったよ
249名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 22:11:54 ID:YWYFB0Z6
ふと思ったんだが志波の身長でデイジーがキャミ着たら
谷間が気になって気になって仕方ないだろうなw
更に髪アップになんかしてたらうなじ&谷間のダブルパンチですな
250名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 23:51:29 ID:7AJCkHIX
>>218
今回も凄まじくGJでした
どうしてこんな素敵な文章書けるんだ…真面目に尊敬します
ただのエロじゃなくてさ、二人の心の交わりに心を打たれた

ホント姐さんの書くキテル×デイジーが好きだ。キテルもデイジーもマスターも好きだ
二人の会話もときめく&萌え&ワロタw美奈子の殺し文句にもヤラレタw
二人には心からおめでとうと言いたい。
姐さんには心からありがとうと言いたい。
251名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 00:27:26 ID:ZfW1GRKQ
>>218
中指を舐めるキテル
露骨に赤面するキテル
トイレで一人二回戦のキテル

の、スチルが手に入る方法を教えて下さい神様orz
つーかもう姐さんはコンマイに就職してシナリオ書けばいいよ。
どう見ても公式テルです。本当にry
252名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 01:38:56 ID:Kodh/UOh
空気?なにそれおいしいの?
てな感じでキテル×デイジー投下します。

注意
時間的には珊瑚礁でのクリスマス
デイジーの名前を出さないようにしたので代名詞が異常に多いです
とても厳密に言うと和姦じゃないですつーかデイジー寝てます
だから最後までやってませんスンマセンスンマセン
253キテル×デイジー1:2006/09/15(金) 01:39:47 ID:Kodh/UOh
二人きりのクリスマス、パーティーを抜け出してまで自分に会いに来てくれた彼女。
プレゼントもツリーも何も無かったけれど本当に幸せだった。
…さっきまでは。
「なんでこの状況で寝られるんだコイツは…」
目の前には初恋の相手でもあり、初キスの相手でもあり、今も恋焦がれている少女が
子供のように寝息を立てている。
その姿を前に佐伯は一人、うなだれていた。
いくら名前で呼び合うほど親しい間柄でも互いに(少なくとも佐伯は)健全な高校生であり
密室で二人きりにでもなれば多少なりとも緊張する。
しかもさっきまで膝枕して貰っていたので余計に意識してしまう。
「自分が女で、俺が男って事忘れてるな。絶対。
 …というか俺、男として意識されてない?」
自分で言った台詞に若干ダメージ受けつつベッドに目をやる。
どこで着替えたのか珊瑚礁の制服を着てるせいで身体のラインがはっきりと判り
長くは無いスカートから白くて柔らかそうな足が伸びている。
「コイツ、真っ白だなぁ。なにげに成長してるし…」
まじまじと観察して変な気分になりまた頭を抱える。
もう部屋を出よう、自分は毛布でも持って廊下で寝ればいい。
そう決心して毛布を手に取る。ベッドから極力目を逸らしながら。
254キテル×デイジー2:2006/09/15(金) 01:40:55 ID:Kodh/UOh
「あ、コイツにも何か掛けておかなきゃまずいか」
彼女に向き直り手にある毛布を掛けようとした時
「…う、ん…」
突然彼女が寝返りをうつ。横向きに寝ていた彼女が仰向けになった。
少しだけ開いた形の良い唇からは規則的に吐息が漏れ、膨らんだ胸元は緩く上下している。
思わず見つめてしまった。
「…少しだけ、なら触ってもいいか、な」
そうだ、俺は悪くない。俺の部屋で寝てるコイツが悪い。ここ俺の部屋だし。
必死に自己弁護をして彼女にのしかかる、起こさないように静かに。
頬に触れる。自分が想像していたよりずっと柔らかくて滑らかだった。
「何食ったらこんなんになるんだろ」
自分の硬い肌を思い出しながら手を下に下ろしていく。
「ん、はぁ…」
襟に手が触れた時息苦しそうな声を出した。
シャツのボタンがきっちりと閉めてあるので当たり前かもしれない。
「開けてやった方がいいかも、な」
コイツの為だから仕方ない、再び自己弁護して少し空しくなった。
プツン、プツンと小さな音を立てながらボタンを外す
「ふ…」
楽になったのか彼女が大きく息を吐く。
指を鎖骨に這わせて素肌の感触を楽しんだ後、下にある膨らみに手を乗せる。
「う、わ…」
初めて触れた、女性の象徴ともいえる場所。
力を入れたらすぐに壊れてしまいそうな儚さとこんなにも自分を惹きつける程の力強さが同居した
ひどく矛盾しているモノ。
もっと触れたい。直に触れたい。自分のものにしたい。
255キテル×デイジー3:2006/09/15(金) 01:42:08 ID:Kodh/UOh
「ん、いた…」
知らず手に力が入っていたのか抗議の声が聞こえた。
その声で気付く。
自分がやってる事は強姦じゃないか。
「コイツが好きだから」なんて言い訳にすらならない。
「…ッ!」
そう考えた瞬間自分がとても汚い生き物に感じた。
彼女の前でだけは綺麗な人間で居たかったのに。
慌しく身体を離す、彼女が起きてしまうとかそんな事考える余裕なんて無かった。
毛布だけ掛けてやって部屋を出た。
閉じたドアの前で糸が切れたマリオネットの様に座り込んだ。
すっとずっと心の中で思っていた事。

「あいつを自分のものにしたい」

今の不安定な関係じゃあいつが他の男の所に行く可能性もあったから
事実だけでも作って縛り付けてやりたかった。
子供の頃の思い出を盾にそんな汚いものには気付かないフリしてた。
「だからいらいらする、お前と一緒に居ると」
真っ直ぐに自分を慕ってくれる彼女と違って自分がどれだけ醜いか思い知らされる。
でもずっと一緒に居たい、そんな矛盾が更に佐伯を苛立たせる。
「好きだよ、お前の事。大好きだ」
小さな呟きは誰にも拾われないまま冷たい闇の中に溶けていった。

どうか、あいつがこの汚い部分に気付きませんように。
どうか、この気持ちが泡になった人魚の様に溶けてしまいますように。

そう祈って佐伯はゆっくり目を閉じた。
256名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 01:45:02 ID:Kodh/UOh
はい、おつかれさまでした。
あのクリスマスイベの次の日の「言っとくけど俺、何も変な事してないから!」は
「ちょっと悪戯したような気もするけどしてないって事にしといて!」と解釈しますた。
257名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 03:43:32 ID:VDawT/vv
>256
なにそのステキ解釈www

GJGJ!!
成長を観察するキテルに笑って最後で泣いた。
すごく切なくなりました。
良いもの書いてくれてありがとう!
258名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 03:44:25 ID:lpZbTYkh
GJ!! 萌えました!!(´∀`*)
ドロドロ汚いところが出てくるから恋愛なんだけどね
思春期ってそのへんジレンマですよね。ウブなキテルが愛しいです。

>どこで着替えたのか珊瑚礁の制服を着てるせいで身体のラインがはっきりと判り

スイマセンここで吹き出してしまってw
本スレでも言われていたけどどう考えても変、あれ。
259名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 08:58:21 ID:eka/vjYo
保管庫更新age
260名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 10:16:04 ID:zadg4zBR
キテル×デイジーGJ!!!!!!!
エロ切ない雰囲気に激しく萌えた(*´Д`)
今なら言える、

寝てる人に触りたくて悶々とするシチュ・・・イイw
261名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 10:24:18 ID:+rWNf788
神の皆さん!
いつも美味しいお話で萌えさせてもらってます。
いつもROMってばかりだから、まずはこの場を借りて感謝。
ありがとう。

ところで……
舞い上がってばかりで、前スレの存在を忘れてない?
みんなで埋めようゼー!
262名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 11:31:59 ID:UO3B96+7
480KB超えとるで、あとは無理やり埋めんでもDAT落ちするよ
263密×デイジー+ハリー0:2006/09/15(金) 18:37:57 ID:oYXn8AdU
特殊設定。百合片思いで投下します。前スレ418〜426 さんの若×デイジー+メッティ
の影響を受けてます。(覗きネタ)ゴメンナサイorz
苦手な人はスルーをお願いします。
<諸注意>
○密×デイジー→ED2ルート
○ハリー→デイジー片思い。
○視点はハリー
○クリスは名前だけ登場。
でもデイジーに非難されるので嫌な人は回避お願いします。
○事故チューは、ハリー、デイジーはハリーのことを様づけで呼んでます
 デイジーはハリーのことを友好モードでみてます
○グダグダなわりにエロは薄めです。1レス目にエロはありません

それでは駄文失礼します
264密×デイジー+ハリー1/5:2006/09/15(金) 18:39:35 ID:oYXn8AdU
「オッス!」
文化祭で賑わうはね学校内オレはアイツの姿を見つけて声をかける。
「あ、ハリー様。オッス。今年もライブやるの?後で見にいっていい?」
「おう、来い!」
拒否る理由はない。オレが一番みてほしいのはこいつだからだ。
「ハリー様忙しいだろうけど、吹奏楽部も時間があったら見に来てね。
わたしの三年間の集大成なんだから。あっ、ひーちゃんだ。それじゃ、ハリー様。またね。」
「…おう、またな。」
フルートケースを持ってぴょこぴょこと水島の方に駆け寄るアイツをみて、オレは複雑な気分になる。
オレより、女友達優先かよ…。いや、いーけどな。べつに。
アイツは水島と仲がいいのはよく知ってるし、一年の時はWデートにも駆り出された。
一時期、なんか不安定に見えるときがあったけど、今はそんなことまるでなかったかのようにいつも一緒にいる。
だから、はね学美人コンビとかって男子にも人気が高…
ってコラ、一年、写真撮るな。オレも欲し、…じゃなくて、しょーぞー権の侵害だろ。

(はあ〜やっぱライブって最高。)
文化祭が終わり、片付けの生徒達も帰った後の音楽室、オレは一人でライブの余韻に浸って、じゃなくて一人反省会をしていた。
「あの曲、コードを換えたらもっと、テンポよくなるかな。吹奏楽部が演奏したヤツみたいな感じで」
アイツの所属する吹奏楽部の演奏は見事成功。にしてもちょっと面白かったな。あいつ必死で眉毛ハの字にして
指揮者睨んでて。…って今はアイツのことはどうでもいいだろう。なんかビョーキだよな。はあ。
カツカツカツ
誰か来た!?べつに隠れる理由もないだろうがなんとなく人にみつかるのが嫌でオレは楽器庫にひっこんだ。
ガラッ、
「終わっちゃったねぇー文化祭。」
「…うん。なんだかちょっとさみしいかも。」
楽器庫の薄い板張りの扉から声が漏れる。あの独特のテンポは水島で、ぽけっとした口調はアイツだ。
忘れ物でも取りに来たのか?つか隠れる必要なかったな。
「でも、いい思い出になったわ。あなたと過ごせて…うふふ。さびしいよりうれしい気持ちのほうが大きいかも。」
「そうだね。わたしも。演奏もうまくいったし、ひーちゃんと喜びをわかちあえてよかった。最高の文化祭だったよ!」
女二人で思い出語りですかー?まー、邪魔すんのもあれだし。しばらくここにいてやるか。できるだけ手短にしろよ。
265密×デイジー+ハリー2/5:2006/09/15(金) 18:41:10 ID:oYXn8AdU
「やだなー。最高の思い出には、こ・れ・か・らするの。もう、せっかちさんなんだからー。」
ガタンっ
「へっ、ひあ。あっ、ひーちゃん?」
(ドクン)妙に、色っぽいアイツの声に一瞬心臓が高鳴ったが、てかこれはどういう状況なんだ。
這いつくばって、床上の通気口の扉を音を立てないように注意して、開ける。だがどうしても木がこすれる音が微妙に漏れる。
気づくなー、気づくなよー。心の中で何度も祈る。てかオレって情けねー。だが幸いなのか二人は行為に夢中なのか、その音に
は気づかない。少し遠目だが制服のワンピースをちょうど半分剥かれた
アイツに水島が赤いブラの上から口づけるのが目に入った。遠くてもはっきりわかる肌の白さはオレの想像してたもの以上だ。
夕暮れの逆光に照らされてるアイツの体は臭い表現だが芸術品のようだ。つか何やってるんだよ。あいつら。
「いきなりこんなにして、どっちがせっかちなんだかわからないよ。」
口を尖らせて抗議するアイツ
「うふふ。かわいい。」
水島は口で塞いだ。たぶん1分もしてないだろうがオレには何時間にも感じられた。自分の頬をおさえた。事故にすぎないオレの
キスとは比べ物にならない濃厚さだ。
「ひゃっ、ぷはあっ。」
「これくらいで、ばてるなんて肺活量が足りないぞー。」
水島はからかうように、くすくす笑う。
「べ、べつにばててないもんっ。ひーちゃんばっか余裕でずるい。」
むっとしてアイツは水島のケープの紐を解き、首筋に吸い付いた。
「え?、ああっ…。」
この行動は予想外だったのか水島も一瞬バランスを崩し、アイツに押し倒される姿勢になる。
「どう、キスマークだってつけれるんだからね。」
行為が終わったことをアイツは自慢げに報告する。
「えらい、えらい。よくでました。」
そして頭をなでられて、またムッとする。
「ごめん、ごめんてば。ふふ。その格好じゃ少し寒いよね。」
水島はそういって、立ち上がり自分の制服の背中のチャックに手をかけ、一気に下着姿になる。スレンダーな体によくあった純白の下着
はね学お嫁さんにしたいランキング一位もうなずける。
そしてあいつの首筋を愛撫するように撫でる。
266密×デイジー+ハリー3/5:2006/09/15(金) 18:43:41 ID:oYXn8AdU
そしてあいつの首筋を愛撫するように撫でる。
「うふふ、鳥肌〜。かわいそうに。」
「寒いのに、脱ぐの?」
「ふふ、こうすればあったかいでしょ。」
そう言って、水島は覆いかぶさるようにアイツに抱きつく。ついでに中途半端な
状態で腰にかかってたあいつのワンピースチャックをはずした。
ストンとあいつのスカートが落ちる。二人はしばらくそのまま抱き合ってた。
「あったかいけど、なんだか火照って来ちゃったよ。」
アイツが気だるそうに発言する。
「それは、こ、の、へ、ん。かな?」
水島が意地悪そうにアイツのショーツに手を入れる。
「ひあうっ。」
まるで電流を受けたように、あいつは文字通り飛び上がった。びっくりしたように目をまるくする。
「ふふ、敏感なんだ。だいじょーぶ。お姉さんにまかせなさい。」
「ど、同学年だよ!」
「そうよね…、体はこんなに大人だもんね。これじゃあ男の子たちほっとかないぞ。」
まさかこっちは見えてないだろうが、水島はまるでアイツの裸体をこっちにみせつけるかのように下着を
はずし、あいつの胸をもみしだいた。形のいい乳房上下する。そのたびに、あいつがかすれた声で喘ぐ。
…なんだかオレ、いろいろあきらめました。きっとズボンまでグッショリだ。…帰りどうすっかな。はあ
「ううっ。ひどいよ。」
「じゃあ、やめようか?」
「…意地悪。」
「ふふっ。素直でよろしい。」
そのままひとしきり、じゃれあった後、水島が空気を凍りつかせる発言をした。
267密×デイジー+ハリー4/5:2006/09/15(金) 18:45:09 ID:oYXn8AdU
「ねえ、こんなところクリス君が見たらどう思うかな?」
…クリス?なんでクリスの名前がここで出てくるんだ?
トロンとしたアイツの目が、寝起きから冷めたように一気に開かれた。
「クリス君はね…。きっとずっと天使みたいな人。だからね。私は地上でみてるしかないの。でも、あなたは
クリス君と一緒に自由な羽を持って、歩いていける人だと思ったわ。それが悔しくて意地悪した時期もあった。」
ポツリと水島が語る。オレは内容をよく理解できずにポカンとする。
「…ねえ、今でもクリス君のこと好き?」
!?…えっ?ってのはアイツの得意技だっけか
つかなんだよ。それ。意味わからねえ!アイツはクリスが好き…?
「好き…だったよ。あの時はクリス君がひーちゃんにとられるのがつらかったな。
今は違うよ。ひーちゃんに嫌われるほうが辛いよ。クリス君がここにいたら参加したがるかもね。
でも、入れてあげない。ひーちゃんはわたしのなんだから。」
268密×デイジー+ハリー5/5:2006/09/15(金) 18:45:57 ID:oYXn8AdU
わざとらしいくらい明るく答えて、アイツは水島に抱きついた。Wデートの時すべての乗り物にオレと乗っていたアイツを思い出した。5
オレには理解できないが大好きなメリーゴーランドでもときどき曇り顔をしたアイツ。その理由がわかるのに二年もかかるなんてな。
ハハ…。情けねぇ。
「天使を地上に縛り付けちゃったかしら…。私を変える運命の…ひと」
「…えっ?」
出たよ。本家本元。盗み聞きしてるオレでも聞こえるのにその距離で聞き逃すな。
ま、お前に言ってるつもりが本人にもないだろうからいいけどな。
「なんでもないわ。暗くなったし。いつもの喫茶店によって話しましょうか。」
「うん。ケーキもつけてね。」
ここだけみれば、下校前のいつものやりとり。同い年なのに姉妹のような二人は散乱した服を身につけ、音楽室から消えていく。
オレは楽器庫で一人呆然として、頬を押さえた。
また秘密が増えちまったな…。切ない恋のバラード、メロディラインが浮かんだが、曲にすることはとてもできそうもない。
269名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 20:00:28 ID:wYGffmMZ
ここまで宣言ないけど書き込んじゃって平気?
GJ!GJ!GJ!
密なら百合でも違和感ないなー綺麗だ。
なんだかオレ、いろいろあきらめました。で笑ったw
270名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 20:57:48 ID:qf1rZ1CA
>>263-268
イイヨイイヨー
密姉さん大好きなので個人的にすごく嬉しかった。
そしてハリーがかわいいなw
271263:2006/09/15(金) 21:51:03 ID:oYXn8AdU
投下後は宣言がいるのか。
おつかれさまでした。
>>266の一行目はコピペに失敗して重複、>>268の1行目最後の5はミスなので
消してください。お目汚し失礼しました。orz
272名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 21:57:24 ID:3OXkUnfw
ハリーの反応がちょっとなー
本当にデイジーの事好きなのか?という感じ
273名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 22:00:13 ID:zadg4zBR
密姉さんは百合っぽいと思ってたんだよ!GJ!!!!
お触り以上の事やるんじゃないかとドキドキテカテカしてましたw

あとハリー様で噴いたw
274名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 23:06:44 ID:otyPWHgU
>>271
宣言がいるんじゃなくて終了マークがどこにもないからかと。乙。
275名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 23:07:56 ID:otyPWHgU
ところで細かいことだが2の吹奏楽部、デイジーはフルートだった?
276名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 23:27:44 ID:NLOQbu/E
>275
いま確認した。フルートだったよ。
書いてると細かい事が気になるよね。隠しの好きな服は何だろう…。
277名無しさん@ピンキー:2006/09/15(金) 23:44:14 ID:ihsCm5Jb
呪いと見た
278名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 13:43:42 ID:yQVoot2R
>>277
ちょwww
 
真面目に考えたら、無難にピュアかスポーティだろうな
279名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 13:50:24 ID:0uTgyX7m
呪いだとしたら、海とプールデートでの服装評価は……
280名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 14:05:20 ID:CxdQYKdV
隠しは自称「変」だからな。
1人ぐらいスク水で頬を赤らめるキャラがいても良かったなぁw
281名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 14:46:25 ID:gb30NeDX
ヘルメットを着けて自転車に乗っている人の方が 事故に遭いやすい可能性
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1158367472/
282名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 16:41:20 ID:P44sB1mg
隠しは全パラメータ0でも攻略できるくらいだから容姿は気にしないタイプかもしれない
デイジーなら呪いでもスク水でも構わないって勢いで
283名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 19:02:37 ID:VberspS+
隠しも男だ
好きになった女の子はどんな格好してようと構わない、
脱がしやすければそれでいい、っと
284名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 19:23:28 ID:UL5RDPwM
つまりは脱がしやすく、かつ傍目には変な格好…浴衣?
キテルはコスプレ好きみたいだが、隠しも好きそうな気がする
285名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 19:52:47 ID:uXHkxVLw
「僕は変なんだ」と、サラリと言ってしまうような奴のことだ
スク水好きでもコスプレ好きでも驚かないな
286名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 21:46:23 ID:0uTgyX7m
それどころか、SMプレイがノーマルだと思い込んでる位の勢いで
287名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 23:17:19 ID:KNqcwARv
初回から違うところに挿れてきそうだな
288名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 03:07:42 ID:VQXqyDUN
みんな赤城をバカにしすぎだ!
289名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 04:43:26 ID:W64C+1lR
そうだ。バカにしすぎだ。
赤城は普通の男子高生だぞ?





アナルが好きな事以外は。
290名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 05:03:20 ID:+1WuLxmP
「…っ、入れるよっ」
「う、うん」






アッー
って想像したorz
291名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 06:13:54 ID:Shw2/J+9
好きな服をきいただけなのに、何故こんなことにw
292名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 15:52:10 ID:WGLWomg6
この流れにワロタw
まだ隠し未攻略なわけですが、おとした後なら
ヤメテ−、と騒いでいたかもw

>>218
ホントに乙です。
神と呼ばせて下さい。
今回のは特にデイジーが可愛くて可愛くて。
もうホントに二人幸せに。
貴方の作品のおかげでキテルがもっと好きになりました。ありがとう。
293名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 23:50:24 ID:/pa5LWK3
むしろ
「縛ってなじって…」かもしれん
294名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 00:34:56 ID:9CjlUXUS
じゃあデイジーにいちいちつっかかるのも
なじってもらうためなのか
295名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 04:42:08 ID:DfnN5SyE
隠し相手のデイジーならSMプレイだってやっちゃうかも…?
付き合いだしたら大変だなぁこの二人!

個人的な印象だけど、最終的にデイジーと結婚したとして
キテルは喫茶店経営がコケでもしたらどうする気だって不安が。
若はデイジーに頭が上がらなそうだし、
ハリーやメッティは悪い女に捕まりそうだし。
隠しは案外手堅いところかも。フツーのサラリーマンしてそうだ。
旦那っていうより、一番いいパパっぽいのは花屋。
天地とクリスは未攻略だからわかんない。
296名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 16:59:24 ID:g38dIl5q
マジレスするとキテルの喫茶店経営はなんとかするでしょう。
天才肌ではないがヤツは堅実だ。

隠しは普通っぽくて生徒会にもいる優等生だから
そっちが変態かもしれない妄想がわくなw
297名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 17:27:55 ID:aA0bYF33
隠しは意外とセックスレス夫婦になりそうだ・・・
298名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 18:02:41 ID:O3IVgPK4
>>296
同意。
無理な事業展開とかしないで、そこそこの稼ぎのまま伸び伸びと喫茶店経営して過ごしそうだ。
299名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 20:00:29 ID:9CjlUXUS
あーわかる、わかる
流行りの店、とかガイドブッケに載るような感じじゃなくて
客の8割が常連で趣味としてやってる、みたいな感じで
300名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 21:40:07 ID:d5upDdoV
のちに二人で珊瑚礁やってる時、片想いしてたキャラは複雑な思いながらも、やっぱり通ってくるのかな?
301295:2006/09/18(月) 21:43:21 ID:DfnN5SyE
そういえば閉店するまでの珊瑚礁も、へんぴな場所にあるわりに
キテルの他にバイトを雇わなきゃならない程には繁盛してたって事だよね。
不思議シティだな、はばたき市って。

そういえば志波忘れてるw
302名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 22:00:25 ID:+CWPTQfW
なんかキテルとデイジーが珊瑚礁やってるとこ想像するとほのぼのするな
303名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 22:02:51 ID:X6ethCWW
サーファーとかなら、泳いだ後にコーヒー啜るのもありだと思うけど
一般客はどうだろね
海にあんな近いんじゃかなり潮臭いだろうし、髪や肌もパサパサになる
やっぱ常連さんと自分の趣味で経営のそこそこ稼ぎか
304名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 00:06:10 ID:C1y5kq8f
密デイジーGJ!
なんか・・・新天地を開拓してしまった気分だw
305名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 01:21:59 ID:jCXNAuyF
>>300
なんかそのシチュが目に浮かぶようだ(´;ω;`)ウッ…

>>301
あんな狭い地域の中で海水浴とスキーが同時にできるなんて不思議以外の何者でも(ry
306名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 01:34:05 ID:rrz68eRS
〉あんな狭い地域の中で海水浴とスキーが同時にできるなんて不思議以外の何者でも

そう思うでしょう。
でも、そうでもないところもあるんですよ。

広島とか。

ド田舎スマソ。
307名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 02:01:51 ID:3Sy8XBDG
なんとなく、神戸はそんなイメージ。
308名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 02:03:23 ID:YJ5+Rvmh
北陸あたりの日本海側もスキー場と海水浴場が共存するよ
309名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 02:14:22 ID:jCXNAuyF
Σ(゚д゚lll)ガーン そうなのか、結構あるんだね…スマソ
横浜育ちの自分としては、日帰りでスキーなんて
全くもってありえなかったのでこんな街ねぇよwと思ってプレイしてた。
310名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 02:19:14 ID:ik4Aabqh
>>302
昔の常連が十年ぶりに店のドアを開けると、
そこにマスターの姿はなく、代わりに店を切り盛りする若夫婦……
ってのを想像したら泣けてきた

エロパロ板なのにwwwwww
311名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 03:01:16 ID:uUQYkndT
北陸の海沿い育ちの自分には全然違和感なかったけど、太平洋側ではそうなんだ。へー。
はばたき市の場所を考えたら確かに変だw

収入源が喫茶店だけだといろいろ苦労しそうだけど、あの二人はそれでいいんだろうな。
十年後、若夫婦が切り盛りする喫茶店に、変わらぬ姿でやってくる姫子とか想像した…。
志波がプロ野球選手にでもなったら…妻デイジーってイマイチよくわかんない。
花屋のいいパパっぷりは想像できるんだけど。
312名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 06:44:34 ID:aVxQwd6p
>>309
「街」じゃなくて「市」の規模だったら結構あると思う。
313名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 07:11:55 ID:cHQhgTTv
氷上も良いパパっぽいよな。庭付き一戸建てマジ頑張れ。
314名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 07:25:10 ID:Ola3boF2
プロ野球選手ってどんな生活してるのか良くわかんないからなー…
志波は独占欲は強そうだけどデイジーのことしっかり守ってくれそう
どのキャラ相手のデイジーも良妻賢母になりそうだし
315名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 07:37:03 ID:UUBvaRhT
野球選手の奥さん、前にTVで新婚の人が出てたけど
毎日30分くらい電話してるとか言ってたような
栄養管理とか大変らしいが、まあ野球部マネ極めてれば完璧にやれそうだな

そして自分も喫茶店の若夫婦泣ける
寸止め姐さんの話でガラ悪い連中が出てきてたが
その頃にはきっと、若いっていいね、とか微笑ましく見てるんだろうな
316キテル×デイジー:2006/09/19(火) 19:59:58 ID:I0JwLEn1
初のSS・投稿です。
初めてづくしで至らないばかりですが読んでいただけると嬉しいです。
エロ甘めです。



初めて君と触れ合ったのはいつだっただろう。
蒸せかえるような暑さの中で、ただ必死に互いを求めたあの日。
覚えているのは体の中に入ってきたときの引き裂くような痛みと、それに耐える
自分を心配そうに見つめる彼の瞳―…

「…ゴメン、大丈夫か?
痛くなくなるまでしばらく動かないから」
痛みを少しでも和らげようと深く息を吐き出した時に、彼は申し訳なさそうにそう言った。
彼自身、中途半端なままでは辛いはずなのに、こんな時でも自分の方を気遣っている。
『大丈夫だよ』と抱きしめてあげたかったけれど痛みが伴ってしまうために出来そうもない。
返事を返すより先に彼が言葉を続けた。
「…俺の、勝手な気持ちでお前に痛い思いさせてほんと、ゴメン。
でも俺、嬉しいんだ。
ずっと忘れられなかったお前が今、こうして俺の腕の中にいる。
俺だけしかお前のこんな姿見てない。
それが、すっげえ嬉しいんだ。
お前がこんなに痛がってるのに、嫌なヤツだよな、俺…
でも、離したくない。
お前のことが、…好きだから。
もう二度と、離れたくないんだ。」
そう言った彼の顔をおもわず見上げた。
語尾が微かに震えていたからだ。
涙をこらえる彼の顔は、とても美しかった。
愛しかった。
素直じゃないのにまっすぐで、ぶっきらぼうだけど誰よりも優しい彼のことが。
―…佐伯君の方が人魚みたいだよ。
繊細で、触れたら泡みたいに消えちゃいそう。
そんなことを思いながら彼の頬に両手を伸ばして微笑んだ。
「私、佐伯君とこうしてることがとても幸せなの。
まだ少し痛いけど、私の体全部で佐伯君を受け止めてる感じがするから。
私のことを好きになってくれてありがとう。
大好き。
これからも、ずっと一緒にいようね?」
自分を見つめる彼の顔がぼやけた。
いつの間にか自分も涙を流していたようだ。

「……お前って、ほんと……意識して言ってないんだろうけど……」
愛しくて仕方ない、という風に抱きしめられた。
ふんわりと彼の体から汗の匂いに混じってフレグランスが香る。
清潔感のある彼らしい香りだ。
「……えっ、なに?」
いきなりのことで戸惑いながら答えると、返事の代わりに口づけられた。
小鳥がついばむようなキス。
「……っん……」
触れたくちびるとくちびるが心地よくて、自分から何度も求める。
はぐらさかれたような気もするけれど、もともと彼は素直に言うタイプではない。
『……いつか、今日の返事を聞かせてくれるといいな。』
そう思って彼に身を任せ、そっと背中に腕をまわした。



以上ですー
お疲れ様でした
317316:2006/09/19(火) 20:01:29 ID:I0JwLEn1
す、すいません…
ageてしまいました
逝ってきます
318名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 06:22:19 ID:irCZEmUY
319名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 07:27:47 ID:YpNgbabk
面白いくらいぴたっと止まったな…
320名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 08:13:12 ID:sRhBJeib
誰もいないのか…
(´・ω・`)
321名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 12:30:14 ID:RoGfLmOH
まあそんな時もあるさ
322名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 01:57:56 ID:qNgYl0qh
ネオロマの厭離があるし、ハラシマってる人多いんじゃね?
323名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 02:16:10 ID:qMicW0xx
遙かの舞一夜の発売日だからってことは?
324名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 02:29:26 ID:SosCV3yj
やっぱりGSのSS職人さん(いや読み手さんも)って
他の乙女ゲでも書いてたり(読んでたり)するの?
私はGSだけなんだけど…。

>316
乙! つーか初めて来て早々に逝かなくていいのにw
325名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 02:49:01 ID:qMicW0xx
SSサイトをみるとどっちもっていうか
GSは扱う乙女ゲの中のひとつってう人が多そうだけど
326名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 10:12:25 ID:YoUCRrH7
真昼間から失礼、読み手GSのみがここにノシ
というか、乙女ゲーこれしかしらない中途半端なヤシなんだ

つー訳で
真昼間から投下マダァー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
327名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 17:53:44 ID:Wy4sgllV
>>316
乙です!
キテルかわいいよキテル(*゚∀゚)=3
328若×デイジー0/10:2006/09/21(木) 18:57:53 ID:fGZ/Knhv
ネ申降臨までのつなぎでSS投下します。
特殊設定はありませんが、視点がコロコロ変わるので
読みづらいかも知れません。
若×デイジーです。ナエーな方はスルーお願いします。
329若×デイジー1/10:2006/09/21(木) 19:00:30 ID:fGZ/Knhv
先生は今日、テストの採点で会えないって言ってた。
化学室にこもりますって。
言ってることはわかるけど、もう1週間もまともに話せてないからちょっと寂しい。

テスト期間中だから、みんな帰ってしまって誰もいない。
これってチャンスだよね。

こっそりと、化学室のドアを開けて中を覗いて……いた。
でも、早く帰りなさいって言われたのに、こんな事して、
怒られないかな……。
いや、女は度胸!

それに…先生に会いたい。
330若×デイジー2/10:2006/09/21(木) 19:02:45 ID:fGZ/Knhv
「先生。」
聞こえるはずのない、甘やかな声が響いてきた。そんなに忙しいわけでもないのに
もう疲れたんだろうか?
それとも昨日みた彼女の夢のせいか。

「先生!」
「え? あれ? 君何してるんですか、こんな所で?」
本物だった…まずい、夢のことなんて思い出したから、ドキドキしている。
本人を目の前にしたら、ますます鮮明に蘇ってきた。
なまめかしい肢体…甘い香り、艶めいた唇…
それら全てが今、目の前に……

331若×デイジー3/10:2006/09/21(木) 19:04:37 ID:fGZ/Knhv
「先生? 怒ってますか?」
なんだか難しい顔してる……やっぱりダメだったかな。
そうだよね、私はテストも終わって自由な時間だけど、先生は仕事中だし
みんなの答案があるところに来ちゃっていいワケない。

「……ごめんなさい!お仕事のジャマしちゃって、帰ります。さような―」
「誰がジャマしたなんて言いましたか?」
そう鋭く言い放つなり、腰に先生の手がまわされた。
その手は腰をなぞり、ゆっくり、ゆっくりと上へ上がってくる。
体が熱い。この熱は、私?先生?
332若×デイジー3/10:2006/09/21(木) 19:07:13 ID:fGZ/Knhv
体が熱い。もう、この熱は治まりそうにない。
「……帰りなさいと言ったでしょう?」

手は既に、彼女の豊かな胸に到達している。
片手を彼女の背中に回し、ゆっくりとファスナーを下げるチリチリという音が、
静かな室内に響き渡っているように感じた。

「……先、生。……ごめんなさい……」
「言いつけを聞かない悪い生徒にはお仕置きが必要ですね。」
そう耳元で囁くと、彼女の体は小さく震えた。
首筋に舌を這わせると、小さなあえぎが耳に届く。

333若×デイジー5/10:2006/09/21(木) 19:11:27 ID:fGZ/Knhv
さっきのは4でした…
orz
---
先生に触れられるとどうしてこんなになにも考えられなくなるの?
唇は勝手に意味ない言葉を紡いでいる。

「せ…先生、せんせい…私、熱い…すごく…」
熱い、熱い……でも、本当に熱いのは、うずきを感じているのは……

いつの間にか、制服は下ろされ、腰にスカートが引っかかっているだけになっていた。

そして私は大きな机に、はしたなくも股をひらき、寝転がっていた。
スカートはもう腰にまとわりつくのみで、何の役にも立ちはしない。ただ、いやらしさが増しただけ……
334若×デイジー6/10:2006/09/21(木) 19:13:51 ID:fGZ/Knhv
まくり上げたスカートから覗く、彼女の太ももの白さにめまいを感じる。
「さあ、僕にどうして欲しいのかをちゃんと言って下さい」

かわいらしいその唇から、淫らな言葉がこぼれることを期待しながらも、
僕の手は勝手に白い太ももに這わされ、探求を始めている。
「あぁ…ん、ハァ…、恥ず、か、しぃ……」
目を潤ませ、頬を染めた彼女はなんて……そそるんだ。
僕の手は遂に彼女の茂みへ到達した。
「あっ!ぁぁ…」
「さあ、どうして欲しいの? ちゃんと言ってごらん。」
促しつつ、しかしその唇を僕の口で塞いだ。

335若×デイジー7/10:2006/09/21(木) 19:16:09 ID:fGZ/Knhv
先生の、いつも生徒みんなに向けられる優しい目も手も声も、今は私だけのもの。
普段聞かない、低く響く声で、私だけに。
「あ、ぁあん……せ、せん…せ…、もぅダメ……です―」
「君はまだ何も僕にお願いしていないよ? さ、どうして欲しいの?」

意地悪な言葉なのに、体は更に熱る。

先生が欲しい先生が欲しい先生が欲しい。

意味のないあえぎだけをもらし続けていた唇は、ようやく言葉をつむいだ。

「―せ、先生と……ひとつに……な、なり、たぃ……です―」

336若×デイジー8/10:2006/09/21(木) 19:18:47 ID:fGZ/Knhv
―ひとつに。

その彼女らしいストレートな言葉に、僕の理性はとんだ。
ズボンをはだけるのももどかしく、既に高ぶっている僕自身を取り出す。
彼女も滴り落ちるほど潤っていて、僕を熱く包み込む。
それはまるで、欠けていた部品が嵌りこむように、ぴったりと、隙間なく埋めつくされ、全く完成された結合だった。

僕たちは、欠けたお互いに出会うことができたのだ。こんなに幸せなことはない。
僕は君を愛している、そう、君の倍はね。

337若×デイジー9/10:2006/09/21(木) 19:21:13 ID:fGZ/Knhv
先生はなめらかに、私の中に入ってきた。
それはとても熱く脈打っていて、私の鼓動と重なる。今ドキドキしているのが
私のものなのか先生のものなのか、わからないけどどうでもいい。

体はぴったりとくっついて、私たちの間を遮るものはわずかな衣類だけ。

あぁ、何よりも近くに先生を感じる。熱くて、優しくて頼れる先生。

愛してます。

もっと私を貫いて。私の隙間を埋めつくすことができるのは先生だけだから。

そうして、私の意識は、はじけた。
338若×デイジー10/10:2006/09/21(木) 19:23:38 ID:fGZ/Knhv
彼女の呼吸がせわしくなり、微かに一声ないた後、蜜を更に溢れさせた。
それに合わせるように、僕も達した。

頬を赤らめ、潤んだ目で僕を見上げる君がとてもいとおしい。
「大丈夫ですか?」


満ち足りた表情で、私を見下ろす先生をみつめるこの幸せな時間。
「……ハイ。もう3度目ですし。」
きっとこの先、何度みても飽きることはない。
「回数憶えてるんですね。」
「―!……あ、あの、その……憶えてるって言うか、何て言うか……」
「いいんですよ、僕だってちゃんと憶えてる。きっとこの先もずっと。何度回数を重ねてもね。」
そう言って微笑んだ。

私もずっとずっと憶えてる。

だってこんなにも愛しく思ったあなただから。

ずっと一緒にいよう。

糸冬
339名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 21:22:45 ID:FNiYfET2
GJ!
340ハリー×チョビ:2006/09/21(木) 22:49:30 ID:agvkCfl5
誰モイナイ……投下スルナラ今ノウチ……
>>328氏のほんわか若デイジーの後に投下するのは心苦しいですが投下します。

※注意※
・ハリー×チョビです。デイジーは描写っぽいのでしか出てきません。
・ラブラブな感じではありません。
・一応氷上×デイジーっぽい雰囲気で書きました。
・デイジー受け以外嫌な方、チョビ嫌い、ハリーとチョビが絡むのは嫌な方はご注意を
341ハリー×チョビ 1/2:2006/09/21(木) 22:50:04 ID:agvkCfl5
 放課後の音楽準備室。その床に組み敷かれて私達はキスをする。
 お互いの舌が絡み合い、飲みきれなかった分はそのまま床に落ちる。

 彼の表情は極めて落ち着いている。手馴れた手つきでケープを外し、背中のチャックを下ろしていく。
 季節は秋なのに、暖房をつける配慮なんて一切無い。冷たい床に、身体が震えた。

 普段ギターの弦を弾く指は、今は私の肌の上にある。
 控えめで、少々コンプレックスを抱いていた私の胸を軽く撫でる。途端に私の声は軽く鳴る。
 それに気を良くしたのか、彼はニヤリと笑ってから同じことを何度もした。


 私と彼とは性格的には全く正反対の人間で、趣味や利害や立場が一部が合ったりして。
 校則違反者の彼、生徒会執行部の私。
 掃除が好きな彼、良い掃除用具を探していた私。
 不思議と、お互いに気があって買出し以外でも出かけたりもした。

 そして、私達はお互いに叶わない恋をしていた。


 ショーツを下ろされると、私の身体を覆うものはなくなってしまう。
 床の冷たさはもう気にならなくなり、私の身体は彼によって作られる愛撫に震える。
 下に手が伸びる。既に慣れさせられたソコは抵抗なんてしない。
 嬌声が漏れないように、彼は再度私にキスをする。呼吸が苦しい。でも、何故か快楽が身体を満たしていった。


 きっかけなんて、あってないようなものだった。
 ただ、あの二人の下校風景を音楽室から見ていた彼の表情が、あまりに儚くて。
 見回りをしていた私は思わずそんな彼の背中を抱きしめてしまった。おそらく、それが始まり。

342名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 22:50:41 ID:fGZ/Knhv
先ほど若×デイジー投下した者です。書き込んだ後寝ちゃってました…

人生初SSでお見苦しいところが多々あったことをお詫びするとともに、
どなたかの萌えの一助にでもなれば幸甚です。

おじゃましました!
343ハリー×チョビ 2/2:2006/09/21(木) 22:51:53 ID:agvkCfl5
 不意に身体が持ち上げられる。彼の首から下げられている指輪が私の身体に当たる。
 その金属の冷たさに身体が震える。そこまで、熱を持った身体。

 もう、限界が近い。私も、彼も、お互いに。


 眼鏡が外されて彼の顔がぼやける。取り替えそうとすると、いつも届かぬ所に置かれてしまう。
 腰をしっかり支えられ、熱い彼自身が私を貫いていく。
 初めは痛いくらいだったソレ。でも、今ではそこからエクスタシーを導き出していってしまう。


 彼も私も、虚しいことをしているのは分かっている。
 お互いにこんな関係を持っているのに、未だ叶わぬ恋に身を焦がしているのだから。

 それでもこの惰性の関係を辞められないのはおそらく……


 往復が激しくなっていく。声を我慢することを忘れてただお互いに他の人を思う。
 頭が真っ白になった瞬間に、私が思い浮かべたのは目の前の彼では無かった。



 この関係を、終わりに出来ないのはお互いにお互いが嫌いでは無いからだ。そして、この快楽からは逃れられないから。
 私達はこの背徳的な感情を抱き、きっとこれ以上の関係にはならないまま、風化させていくのだろう。
 そんなこともあったね、と笑いあう日が来ることも無く。


 肩で息をしたまま、私達はお互いの酸素を奪いあう。 彼の唇の味は、少し甘く、そして塩辛く感じた。
344ハリー×チョビ:2006/09/21(木) 22:52:33 ID:agvkCfl5
以上です。スレ汚し失礼致しました。
345ハリー×チョビ:2006/09/21(木) 23:04:06 ID:agvkCfl5
>>340
文章が変だったので訂正
×氷上×デイジーっぽい雰囲気→○氷上×デイジーっぽい前提
346名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 00:32:26 ID:i79VPGIf
ハリー×チョビに新たな萌えを見出しつつ投下
書き始めた辺りでスレ覗いたら>>263姐さんが降臨されてて、
あまりのカブリっぷりにかなり_| ̄|○でしたが、
最後まで書き上げることができてよかったです
経緯はどうあれ、二番煎じのようになってしまい>>263姐さん申し訳ナス
でも百合じゃないので許してくださいw

<諸注意>
・デイジーの名前は「小波美奈子」
・三人称ですが視点はハリー。実際にエロるのはキテル×デイジー(ただし寸止め)。
 要するに針谷デバガメシチュ。なるべくハリーが不憫にならないよう気をつけた
 つもりですが、力不足でそうなっちゃってたらごめんなさい
・書いてるうちに楽しくなっちゃってなんか色々出してみました。名前が出る人も
 出ない人もいますが、たぶんほぼ全員がどこかに存在します
・みんなのおねえちゃんに対する評価は、キテル=ときめき、ハリー=友好しか
 自分も知らないので、あとは各自お隣の窓を叩いて確認してみて下さい
・ときメモの世界にドラえもんってあるのかな?…あるってことにしといて下さい
・一部登録商標に伏字を使用しています
・前スレ742にて、苦肉の策ででっちあげた「楽器庫の鍵」設定が意外に使い勝手
 良かったんでリサイクルさせてもらいました。バカの一つ覚えですんまそん
・長いです。気力と時間と体力のある方だけどうぞ。基本的に自己責任でお願いします
347開花宣言 1/15:2006/09/22(金) 00:35:08 ID:i79VPGIf
「なんか〜。お花ちゃんになってもうた〜」
盛大な溜息と共にそう言ってクリストファー・ウェザーフィールドは大げさに肩を落とした。
時は平日のお昼休み。所はB組の教室内、最も黒板寄りに位置する窓際の一角である。
「はあ〜?」
一切の脈絡を無視したその独白に、右手でポケットサイズの英和辞典を広げつつ、
左手に持った超熟カレーパンにかぶりついていた針谷幸之進はまなじりを上げた。
「ワケわかんねぇこと言ってねぇで、早いとこさっきの質問に答えてくれよ」
「質問?なんやったっけ?」
「だぁから!フォーエバーとエタニティーとエバーラスティングとイン…インモータル?
モータリティ?だかとパーマネントの違い!『永遠』で辞書引いたらこんだけ単語
載ってんだけど。違いが全っ然理解できねぇ!」
「ああそれな〜。んっとな〜?foreverはぁ、ずぅ〜っと続いてくって意味やねん」
「なるほど。要するに永遠だな?んじゃ、エタニティーは?」
「eternityはぁ、ずぅ〜っと終われへんって意味やねん」
「つまり永遠だな?次。エバーラスティング」
「everlastingはぁ、ずぅ〜っと変わらへん、みたいな」
「…永遠だな。んじゃあイン…イン…これ読めねぇからいいやパス、最後、パーマネント」
「permanent?permanentは、簡単やで。ずぅ〜っと壊れへんて意味」
「……。それってもしかして永遠?」
「そ、永遠。ボクとハリークンの友情みたいなもんやね♡」
「だーーーーーもうわっかんねぇ!!」
匙を投げると共に実際に床へ辞典を投げつけて針谷は地団駄を踏む。猛烈に
頭をかきむしりたい衝動に駆られたがそれはしない。何故ならセットが崩れるから。
「もういい。そもそもオマエに訊いちまったオレ様がバカだった」
「え〜なんで?こう見えてもボク、ネイティブスピーカーやねんで?なんでも訊いてくれて
ええて〜」
「…いや、心配しなくてもオマエは外見は外人だから100パー」
「あは、そやな。でも、なんで急に英語のおべんきょする気になったん?」
「……ウ」
よもや今作成中のラブソングのテーマが『永遠の愛』だなんて告白できる筈もない。
ましてやサビの歌詞に英語を盛り込みたいなどと。そんな粋がったバンド小僧みたいな
真似…将来オリコン一位間違いナシの本格派ボーカリストであるハリー様がせこせこ
画策中だなんて世間に知られてはマズイのである。どうせやるなら新曲発表の
ライブにて鮮烈に、堂々と、珠玉の完成品をお披露目するべきなのである。
針谷は話題を変えることにした。
「…で?なにがお花ちゃんだって?」
ちょうどいいので先刻の謎すぎる発言に矛先を向けてみる。クリスは今の今まで
お内裏様のように朗らかだった柳眉を切なげにひそめると、
「あれやあれ〜。みなこちゃん〜」
と、窓の下に広がる中庭にてお弁当を広げている少女たちの輪を指差した。
348開花宣言 2/15:2006/09/22(金) 00:36:05 ID:i79VPGIf
指されるまま針谷は窓越しに中庭へ目を落とす。
大きな広葉樹の作る日陰に集まり、仲良く昼食タイムを満喫しているのは例によって
藤堂、小野田、西本、水島、小波からなる個性派女子五人組である。
傍から見る分には、果たして共通の話題が生まれるのだろうかと心配になってしまう程
属性もジャンルも方向性すらも違う彼女たちだが、どうやら本当に気は合っているようだ。
話題に上っている小波美奈子はちょうど、B組の教室に左の横顔を向ける形で
芝生に腰を下ろしている。隣にいる小野田のようなきちんとした正座ではなく、やや
両脚を崩した格好で体の左側に揃えてある体勢ながら、飽くまで猫背にはならず、
すらりと伸びた背筋のラインが、“家庭の事情”で姿勢に一家言を持つ針谷の目から見ても
凛として美しかった。
「…美奈子がどうかしたのかよ」
知らずその肩の辺りで揺れる毛先の動きに目を奪われてしまってから、無理やり室内にいる
クリスへと視線を戻した。
クリスは窓ガラスにへばりついたまま再び溜息をこぼす。
「だから〜。お花ちゃんになってもうてん〜…完全に…」
「ああ?…かわいくなった、とかって意味?お、オレはそんなん感じねぇけど!」
「そんな見た目だけの話とちゃうねん〜。あんな、前はな…むっちゃキレイな花を咲かせそうな
匂いをぷんぷん放ってるち〜ちゃいツボミちゃんやってん。でも今はな……もうむっちゃ
キレイなお花が咲いてもうてんねん。満開やねん。十分咲きやねん」
「……あ、そ…。なんかよくわかんねぇけど、キレイなんならいんじゃねぇの、別に?」
「よくないよ〜!ボクの手ぇで咲かせたかってん、むっちゃキレイなお花〜!それなのに〜」
立ち上がってまでイヤイヤをするクリスを、とりあえず針谷は呆れ果てた目で見上げる。
…飽くまで“見上げ”ねばならないのが癪だったので、オプションとして鼻で笑う、のアクション
も付け足しておいた。外人は無駄に身長が高いので嫌いだ。
コンプレックスからの逃避も兼ね、再び中庭へと目を泳がせる。クリス曰く、いつからか何かが
『満開』らしい小波美奈子は、既にお弁当を食べ終えて、西本らと談笑しつつ菓子袋を
開けている。…女という生き物は、どうして食事のすぐ後にまた甘い物を欲しがるのだろうか。
針谷家では母親も祖母もたまに来る親戚の叔母たちも、皆一様に食事の後、甘い和菓子を
口にする習慣がある。針谷は昔からそれが気味悪くて仕方なかったのだが、世の女性
全般がそうなのであれば…否、他でもない、小波までもが同じなのであれば、まあそれも
悪くはないのかもしれないと、何故か許容できそうな気分になる自分が少し不思議だった。
「…別に、そんな変わった風には見えねぇけどな。アイツは前からそれなりにかわ」
(!!)
「皮?レザーがどないしたんハリークン?」
「ななななななんでもないです!じゃなくて、なん、なんでもねぇよ!」
己の口からもれかけた形容詞に針谷は自分で愕然となった。慌てて否定して首を振る。
横にいるクリスからも中庭にいる小波たちからも目を背け、おろおろとB組の教室内を
一瞥した。
(……あん?)
視線がふと、窓際に陣取った男子生徒の一団の上で止まる。ちょうど針谷たちがいる
場所とは対照的に、黒板から一番離れた位置からなにやら真剣なまなざしを中庭に注いで
いる二、三人の生徒たち。その手にはあろうことか、折りたたみ式のオペラグラスが
握られている。
349開花宣言 3/15:2006/09/22(金) 00:36:51 ID:i79VPGIf
彼らの視線が向かう先を目で追ってみる。と、やはりそれは木陰で間食を楽しむ小波たち
の辺りで終着しているようだった。針谷はそのまま中庭を取り囲む形で佇立する、
別の校舎の窓際へも視線を走らせた。…案の定、西棟の窓辺にも東棟の窓辺にも特別棟の
窓辺にも、似たように情熱的な視線を中庭へと向けている男子生徒のグループがあちこちに
張り付いている。中にはやはり、双眼鏡らしきものを携えた猛者までいる。
(…い、いつのまに?)
針谷は初めて直面した衝撃の事実を前に戦慄した。…もちろん、中庭を見守っている
男子全員の目的が小波美奈子であるという確証はどこにもない。水島は言うまでもなく
『はね学内お嫁さん候補ナンバーワン』の有名な美少女だし、藤堂は抜群のスタイルと
クールな立ち居振る舞いから隷属志願者が後を絶たず、小野田は小野田でメガネっ娘
属性及びミニマム属性を持つ一部の男子間にコアな人気を誇っており、西本はあの通り
社交的な性格の上、まあ認めたくはないが、意外に面倒見がよかったりするところも
あるので『高嶺のバラより身近なタンポポ』的な嗜好を持つ同級生たちの間でそれなりに
引く手数多なのである。…なので、みんながみんなライバルだと決定したわけではない。
針谷はそう己に言い聞かせた。
(……ん?)
(『ライバル』?)
咄嗟に脳内をよぎった単語に自ら疑問符を差し挟む。が、ろくに検証する間もなくその疑問
は彼の中で忘却の彼方へと追いやられた。
不意にまばゆい反射光が右の目を刺し、針谷はかすかに顔をしかめた。
光の出所はどうやら特別棟の四階にある窓辺で間違いない。あの近辺には、確か生徒会室
があった筈…針谷は半ば睨みつけるようにしてそこに目をこらした。
薄く開けられた窓ガラスの隙間から、なにやら細長い筒状の物体が覗いている。
「……ゲッ」
(天体望遠鏡!?)
と、針谷は反射的に恐れおののいたのだが、真相は『天体』のつかない普通の望遠鏡
なのだった。(この距離で天体望遠鏡を駆使しても人物の毛穴しか見えない為)
おそるおそるその望遠鏡を操っている人物にピントを合わせてみる。…どこぞの堅物な
生徒会長によく似た眼鏡男子の顔が見えた気もしたが、針谷は見なかったことにした。
(…もしかしてアイツも?)
(怖ぇ…)

「…で、結局美奈子の何が変わっちまったって?見た目の話じゃねぇんだろ?」
最早あらゆる視線のるつぼと化している中庭からクリスに目を戻す。
クリスはにこにことお雛様のような笑顔を浮かべ、
「えっとな?ハリークンはぁ、『花ビラ回転』って言葉、知ってる?」
「ハナビ……お、おぅ!知ってるぜ!それはその、アレだ…花屋が開店した時に配る
ビラのことだ!」
「…………」
「……なんだよ、そのなまあたたかいまなざしはよ…。……違ったのか」
しょんぼりと肩を落とす針谷の頭を、クリスの手が子供をあやす要領で撫でた。
「ううん、めっちゃ惜しい〜。でもハリークンはぁ、ずぅっとそのまんまでおってや〜?
ハリークンforever〜♡」
「どういう意味だよ?ってか、おい頭触んな!セット崩れる!」
「それやったらpermanentでもかけたら?……あ、ちょうどええところに。志波クゥ〜ン!」
350開花宣言 4/15:2006/09/22(金) 00:37:23 ID:i79VPGIf
ようやく針谷の頭頂部から手を退け、廊下に向かって大声で呼びかけるクリス。
ちょうどB組前の廊下を通過しかけていた志波勝己が、居心地の悪そうな顔を隠そうとも
せず、ゆっくりとこちらへ向かってくる。(教室の扉をくぐる際、頭が上にぶつからないよう
自然と背中をかがめる仕草に、付近にいた女子から小さく嬌声が上がった)
「あまりでかい声で呼ぶな。…用事は」
「うん。あんな?ハリークンが、どうしても志波クンに教えて欲しいことがあんねんて」
「…針谷が?」
「……あからさまに目線を下げてんなよそこで」
クリスから針谷へと、視線をシフトさせるのに従って如実に顔の角度まで変える志波に
噛み付かずにはいられない。が、志波にはその意味すら通じていないようである。…これ
だから、日本人の癖に無駄に身長が高いやつは嫌いだ。
「ほんならな〜。ボク美術室寄らなあかんし、そろそろ行くわ〜」
志波と入れ替わるようにして教室を出て行こうとするクリスを慌てて引き止める。
「おい!まだ話終わってねぇじゃん!」
「大丈夫やって。あとは志波クンが、ちゃ〜んと教えてくれる筈やから。ほな志波クン、
あとよろしゅう♡」
どこまでも食えない笑顔と無責任すぎる言葉を残してクリスが去る。スライド扉の向こうへと
消えるブロンドの軌跡を見届けてから、針谷はひとつ息をついて、志波に目を戻した。
「……志波?」
てっきり自分同様、無言でクリスを見送っていたものと思われていた志波の視線は、
いつのまにか窓ガラスの向こうへと注がれている。
その寡黙な双眸に宿る、したたかな情熱。
ベクトルの向かう先が、果たして中庭のどの部分に当たるのか…針谷はあえて確認しよう
とは思わなかった。ただ、ああそうなのかと。静かに納得する気分になった。
「……。ああ、なんだ?」
ようやく呼びかけに応じた志波の顔を、しばしじっと見上げ、もとい、見つめてみる。
(…コイツもなのかな)
やや複雑な気分が体内に広がるのは否めなかったが、とりあえずその感触を無視して、
針谷は直面する問題の解決に踏み出した。
「なあオマエ、『花ビラ回転』って知ってるか?」
「……!!」
351開花宣言 5/15:2006/09/22(金) 00:38:01 ID:i79VPGIf

 * * *

「ちっくしょう、あのアダルト外人…!」
乱暴に楽器庫の扉を閉めながら、忌々しく針谷は毒づいた。全く大変な目に会わされた。
あの後、結局B組の窓際で志波の口から真相を引き出すことはできなかった。針谷がその
単語を口にした途端、志波は元々浅黒い顔面を、仏壇に供えられて三日程経過した
かりんとうのような色に染めつつ『お、オレは、かえって回らない方が好きだ…!』という
謎が謎を呼ぶ一言を残して教室を飛び出して行ってしまったのだ。針谷はもちろん追いかけた
が、羽ヶ崎学園硬式野球部が誇る名スラッガーの俊足に敵うわけもない。三階のホールに
出たところで、その姿を完全に見失ってしまった。
(志波は回らない方が好き…。ひょっとして、寿司屋の名前かなんかか?)
ぜいぜいと、全身で息をしつつ階段の手すりにもたれかかって推理を重ねる。そんな
針谷の目に、期せずして救世主(その時はそうだと信じて疑わなかった)の姿が飛び込んで
きたのはまさしくその時である。
「わ、若王子…ッ!」
ホールの片隅で、下級生と立ち話をしている化学教師の白衣を掴んで揺さぶった。
勤勉な生徒からの疑問符に対し、可及的速やかに正解を与えるのが聖職に就く者の
義務なのであるからして。
「なあなあ、『花ビラ回転』って、どういう意味!?」
口早に浴びせられたその質問にも、若王子はいつもの笑みを絶やすことなく端的に
解答してみせた。(その傍らで、虫も殺せないような顔をした後輩の男子があからさまに
顔をひきつらせた)
「ああ、それはですね。日本の風俗店が行っているサービスのひとつです。つまりね?
女性の性器を花ビラに見立てて制限時間内に複数の女性が入れ替わり立ち代わり(略)」

「…………」
針谷は頭を振って、不毛な回想を脳内から駆逐した。内側から扉に鍵を閉め、その鍵を
スラックスのポケットへと滑らせる。
楽器庫は縦長の密室である。扉から見て正面に小さな窓があり、両脇の壁に密着する
形でそれぞれ木製の大きな棚が打ち付けられている。左の棚は細かく四段に分かれていて、
一番上の段には大量のスコアが、それ以下の段にはフルートやクラリネット等の比較的
軽少な楽器や備品類が保管されている。一方右の棚はざっくり二段にしか分断されて
おらず、上の段にサキソフォンやトロンボーンなどの中低音楽器が、そして下の段には
テューバやパーカッションといったサイズも重量も大きい楽器郡が、半ば立体的なパズルの
ピースといった風情で綿密に押し込まれていた。
蛍光灯はあるが今は点す必要がない。針谷は向かって右の棚の前にしゃがみこむと、
仲良く並んだテューバとコントラバスのケースをずらし、幅50cm程の隙間を作成した。
慣れた動作でそのスペースに寝転がり、湿気を防ぐべくケースにかけられていた
毛布をかぶってようやく落ち着いて息を吐いた。
誰も知らない、秘密のお昼寝空間の完成である。
元々校内の楽器庫といえば、吹奏楽部の縄張りには違いないのだが、教室のロッカーには
入りきらないサイズのギターを置かせてもらうという名目で、針谷は特別に出入りを許可
されているのだ。(その背景には、彼のひそかなファンでもあるブラバン部部長による
顧問への口利きがあったことはあまり知られていない) といっても、本来は吹奏楽部の
朝練に乗じてギターを預け、放課後の練習の際にまたそれを取りに来る、という定期的な
ものに限られた特権ではある。その制限を解除するべく、彼が無断で実行したのが
楽器庫の合鍵を作成し内緒で所持するという作戦だった。そしてそれは見事に功を奏し、
こうして彼は誰にも見つかることなく、好きな時に楽器庫に忍び込んで思う存分一人の
時間を満喫できているというわけである。
「ぁあ〜……つっかれた…」
352開花宣言 6/15:2006/09/22(金) 00:40:01 ID:i79VPGIf
窓から挿し込む陽光さえ届かない、薄暗い空間。妙に安心すると思ったら、昔よく家族から
身を隠した自宅の押入れの内部に雰囲気が似ているのだ。仰向くと視界に移る中板の、
素朴な木目にすら深い既視感を感じる。針谷は弛緩して瞼を閉ざした。5時間目の授業開始
まであと約15分。無駄に走って無駄に焦った分消費した体力と、そして気力を回復させる
時間が欲しかった。…あと、他ならぬクリスの発言について、じっくり考えるための時間も。
(……アイツの“花”が)
クリスは小波美奈子の“花”が開花済みであるといって嘆いていた。“開花”というのは
『花ビラ回転』という言葉の真相から推し進めるに、つまり…性的な行為を体験したことを
指す隠喩であろうことは今更疑うべくもない。
(でも)
(そんなの本当に?)
大体、処女であるか否かなど外見を見ただけで判別できるものだろうか? それとも、
クリスにはわかるのだろうか?(かのロックンロールという名の至高芸術を生み出した
欧米人ならば、そういった特殊技能を備えていても何ら不思議ではないと針谷の偏向した
脳は考える) …ここ最近の期間で、小波が劇的な変化を遂げたようにはとても見えない。
確かに若干綺麗にはなった、と思う。でもそれが、直截的に性交渉を経た結果であるとは
針谷にはどうしても思えないのだ。…いや、思いたくない、のかもしれないが。
(だって)
(だとしたら一体)
(“誰”が?)
そう、クリスの落胆も結局はそこに終始していたような気がする。身に覚えがない以上、
彼女を花開かせた相手が自分でないことは明らかなのだ。だとすれば相手が別に存在する
ことになる。…つまり、彼女のかたく閉じられていた蕾をほころばせ、大輪の花を咲かせる
ことに成功した、自分以外の“男”が。
(…………)
「ばっかばかしい…」
針谷は唐突にむなしさを覚えて考察するのをやめた。寝返りを打ち、毛布を頭までひっ被る。
こんなこと、自分が真剣に思い悩むようなことではない。小波が処女であろうとなかろうと、
その処女をどこの誰に奪われようと、自分には大して関わりのない話ではないか。
何故なら彼女は『友達』だから。『恋人』として針谷のカテゴリに所属する、針谷の所有物
ではない。どこで誰に抱かれようと、友人の針谷に口を出す権利などない。……ただ。
(…いい歌だねって、言ってくれたから)
自分の作った曲を、詞を、そして声を。彼女は好きだと微笑ってくれた。
その笑顔が、無性に頭から離れなくてたまに眠れない夜がある。たったそれだけのこと。
それが特別なことであると針谷は思わない。思わないように、している。
(だってきっと、オレだけじゃないんだ)
クリスも、志波も、オペラグラスを握ったヤツらも、そしてもしかしたらあの生徒会長ですらも。
みんな似たような贈り物を彼女からもらってしまい、未だ捨てられずにいるのかもしれない。
当人である彼女の側にそういった意識はなくとも。受け取った側が、勝手にそれを宝物だと
感じて大切に抱え込んでしまうだけだ。……この自分みたいに。
「ダセー話……」
口に出して自嘲したら、少しだけ気分が楽になった。予鈴が鳴るまで仮眠しようと
毛布の中で身を縮めた。
その直後である。
353開花宣言 7/15:2006/09/22(金) 00:41:12 ID:i79VPGIf

「やっぱりエルサルバドルだと思う!」
「却下。断固としてオーストリア!」
大声で議論を交わしながら楽器庫の沈黙を切り裂いた者たちがいた。
咄嗟に息を潜める針谷の足元を、遠慮のない歩幅で通過していく四本の足。
黒のスラックスと紺色のハイソックス。制服の男女だ。
(っつか鍵は!?オレ絶対かけた、さっき!)
吹奏楽部の部員だろうか? 他にこの部屋の鍵を解錠できそうな人間は思い当たらない。
「だって精製される前のコーヒーチェリーが見たいってそっちが言ってたんじゃない。
わたしだって白いお花が咲くとこ見てみたい!」
「言ったけど。言ったけど、やっぱしょっぱなから南米は無いと思うんだ。ウィーンにしよう?
本場のアインシュペンナー飲みたい。あと、アウガルテンの磁器工房」
「でも欧州の2月は寒いよ?最高で5℃とかだよ?耐えられるの?」
「ウッ……。でも、そっちだってスコールとかある」
「2月は乾期なのでスコールは降りません。遺跡も見たい遺跡。ホヤ・デ・セレン!
世界遺産!」
「おまえはどこまで冒険野郎なんだ…。女なら遺跡より宮殿だろフツー?つーわけで
シェーンブルンがいい俺は。エリザベート皇妃好きなんだ」
「このロマンチック野郎」
「なんだと!?」
依然続いている議論の主たちが針谷の存在に気づいた様子はない。おそらく巨大な
楽器ケースの間隙に横たわり、頭からつま先まですっぽり毛布にくるまっていたおかげ
だろう。ついでに上方には蓋をするような形で棚の中板がある。よほど注意して棚の
下段を覗き込まない限り、確かに人間が寝そべっているだなんて思いも寄らないに
違いないと、針谷はひそかに安堵の笑いをもらした。
(あんま背デカくなくてよかった…。いやよくねぇし!)
そうして針谷が空しいセルフツッコミを入れている間にも、闖入者たちはよくわからない
カタカナの議論を戦わせている。その声が窓際に辿りついた辺りで移動するのをやめた。
「どっこらせ」という掛け声と共に衣擦れの音がする。どうやら腰を下ろしたらしい。
直後、「もう、佐伯くんジジくさい」とたしなめる声がし、その聞き覚えのあるソプラノに
針谷は愕然と息を飲んだ。
(……美奈子?)
「ウルサイ。おまえがなんと言おうと俺は未来永劫禿げない。何故なら禿げは隔世遺伝
だからだ、うちのじいさんを見てみろ」
「誰もハゲだなんて言ってないじゃないの。若々しさが足りないって、言っただけです」
「そういうおまえは猫っ毛だから将来絶対に薄くなる。…よし、金婚式のお祝いはイブ
ク○ーンに決まりな。もう決めたから、俺」
「早すぎる!いろんな意味で早すぎるよ、それ!」
「アハハ」
小波の抵抗に対し、相手の男子が上げた特徴的な笑い声にも、針谷は心当たりがあった。
実際先刻小波がその名前を口にしたばかりでもある。
(…佐伯か)
佐伯瑛。友人のうちの一人だ。その正体が判明した途端、同時に楽器庫侵入のトリック
も解明された。
思わず舌打ちをもらしそうになり針谷は慌ててそれを飲み下す。
(あんの野郎…。こないだ貸した合鍵から、またさらに合鍵を作ってやがったな、
このオレ様に内緒で!)
恩を仇で返すとはまさにこの事である。店の手伝いが忙しく、あまり眠れていない
という佐伯に乞われ、束の間の午睡場所を提供すべく楽器庫の合鍵を一時的に
貸与したのは今を遡ること二週間程前の話。まさかその寸借に乗じて、佐伯までもが
合鍵から合鍵を作製していただなんて…。針谷は毛布の中で歯軋りをした(ただし
音は立てないように)。
354開花宣言 8/15:2006/09/22(金) 00:42:13 ID:i79VPGIf
(でも、なんで佐伯と美奈子が一緒に)
状況のみを鑑みるならば、“逢引”とみるのが妥当なのだろうが。しかし二人の間に流れる
空気には、そういった甘いムードのようなものが、決定的に欠乏しているように針谷には
思える(そこで針谷が『金婚式』という単語を知っていたら、自ずと印象は違っていたの
かもしれないが)。
そもそも、この二人が付き合っているなどという噂は一度も耳にしたことがなかった。校内で
会話を交わしている現場を見たことも数える程しかない。実際先程のあの、カタカナ
の飛び交う熾烈な議論。およそ恋人同士の交わす睦言とも思えない。
(つーかありゃケンカだよな。ほとんど)
逢瀬でないのならば気を利かせて潜んでいる必要もない。なんだかもう、面倒くさいし
二人の前に顔を出そうかと針谷が考えた瞬間、
「……ん…っ」
妙に艶めかしい小波の吐息と、水滴が跳ねるのに似た音を聴覚が捉えた。
(え?)
咄嗟に針谷は身を硬くする。ほとんど反射に近いスピードで。
その音の正体が、二人が口付けを交わす際に発生したものであると、頭で理解するより
先に心臓が暴れ始めた。その激しさと来たら、今にも振動と化して窓際まで床を伝わって
いきそうな程尋常ではない。その時それを押さえ込むのに苦心を強いられた針谷は、
おかげでショックを感じる余裕すら無かったことを、後日ラッキーだったと佐伯に笑って
話すことになる。

「ちょっと…、佐伯くん、待って、」
「ヤダ」
激しく唇が交わる音の合間に、短いやり取りが挿入された。続けてガサゴソと布の擦れ合う
気配。
針谷は細心の注意を払いつつ僅かに上体を起こす。コントラバスケースのくびれた部分と、
棚の中板の間に存在する隙間から、そっと目だけを覗かせて窓際の光景を盗み見た。
(ウワ、)
実際に二人がキスをしている現場を目撃してしまっても、やはり傷心よりもある種の興奮
のようなものが針谷の体内を先行した。…要するに、出歯亀精神というやつだ。なかなか
この至近距離で他人がキスしている瞬間などお目にかかることはできない。しかも、相手は
二人とも近しい友人ときている。人間の心理として、罪悪感と共に後ろ暗い興奮を覚えて
しまうのは致し方ないことのような気がした。
が、そんな針谷とても、おもむろに佐伯の手が小波の制服のボレロを脱がし始めた時には
さすがに驚いて焦心した。しかもその鮮やかな手並みときたら。唇を塞がれた小波が
きちんと抵抗しているにも関わらず、見る間にノースリーブのワンピースがあらわになって
ゆく。針谷はその器用さに感動すら覚えた。
「きょ、今日はダメ。ほんとにダメなの」
「なんで」
こじんまりと四肢を折り曲げた体勢で胸元をガードする小波。両手であっという間に首の
後ろにあるホックを外しながら、顔のすぐ側で佐伯が問いかけた。囁きにも似た低音で。
「えっと…あのね、だから、」
「…あ、そっか」
佐伯の手が素早くワンピースの裾から内部へと潜り込んだ。続いて小波が素っ頓狂な
声を上げ、佐伯の前髪をわし掴んだ。
「佐伯くんのバカ!そうじゃなくて!」
「イッテ、なにすんだよこのバカ!」
「いきなり触るバカに言われたくありません!」
「…だって、一番手っ取り早い方法だし」
言って佐伯が中で指先を蠢かすような動作をした。そして小波の耳元に何事かを囁いた。
その内容を針谷は聞き取ることができなかったが、見つめる小波の顔面がみるみる
羞恥に紅潮していったことから凡その見当だけはついた。
355開花宣言 9/15:2006/09/22(金) 00:42:55 ID:i79VPGIf
(……花)
浅黄色のワンピースに隠されて見えないが、その奥にはクリスの言っていた“花”が
存在している筈だ。そこを目掛けてまっすぐに伸びてゆく佐伯の腕。遠慮も衒いも、
迷いすらなく。針谷は客観的にその事実のみを確信した。…彼こそが、初めて小波の“花”に
手を触れることを許された、唯一の人物だと。
日に焼けた肘の辺りがおごそかに動く度、小波の唇からは湿った溜息が切れ切れに
放出される。その吐息ごと味わおうとするかのように佐伯が静かに唇を合わせる。飽きる
ことなく何度も。
(うわ)
(すっげえヤラシイ…)
針谷は今更のようにそう思った。ようやく理解したと言ってもいい。今窓際で行われている
営みが、他でもない性行為だということを。
(ついさっきまでケンカしてたのに。…いつのまに)
恋人同士のそういった機微など、傍観者の自分に分かち合えるものではないのかも
しれないが。それにしたってこのむずがゆい、疎外感はなんだろう。針谷はだんだん
腹立たしくなってきた。
(つーか早く終われ!そして出ていけ!オレ様は眠い!)

祈りもむなしく、佐伯の左手が、今度はワンピースの襟元から滑り込み、制服と小波の
素肌を分断し始めた。小波は慌てて胸の前で両腕を交差させ、
「ダメだってば。イヤなの!」
「往生際の悪いやつめ。反抗期か?」
「い、今はまだおなか出てるからダメ…!」
と、思わず佐伯も手を止める程突拍子のない言い訳をした。
聞いていた針谷も思わず唖然として耳を疑ってしまう。
「…はい?」
「だ、だからね、さっきお弁当食べたばっかりでしょ?まだ全部消化されてないから、
あの、ウエストが…」
「……。別にそんなの俺、気にしないけど」
「その後お菓子も一袋食べたの。はるひちゃんオススメの新作。ほんとにシャレにならない
くらいひどいの…すっごいたぷたぷしてるの…」
「…………バカ」
(バカじゃねぇの?)
咄嗟に佐伯とシンクロしてしまい針谷は屈辱に身悶えた。針谷は本気で呆れた(極論して
しまうと萎えた)のだが、一方佐伯がそこで得た感慨にはまた別のニュアンスが
混入してしまったらしい。
妙に湿気を含んだ息を吐いて小波の額に口付ける。
「わかったよ。じゃあおなか触んないから。…その少し上までは許して?」
格段に甘さを増したその声音に針谷は身震いする。…アイツ、逆に萌えあがってやがる。
「だ、ダメ。胸もダメ」
「はあ!?」
佐伯が一転して焦れた叫びを上げた。その切実さはどこから来るのだろう。
「なんってワガママな!ジャイアンかおまえは!おまえの胸は俺のもの!」
「どっちがジャイアンよ!…もう、佐伯くんがそんなだから最近、ブラがきつくてしょうがない!」
「え?」
「だから!佐伯くんがたくさん、暇さえあれば触ってくるから!サイズが変わったみたいで
今までのブラがきついの!困ってるの!」
「……。喜ばしいことじゃないか。培養してやってんだぜ?ありがたく思いなさい」
「ちっともありがたくない。これ以上カップ数上がったら、可愛いやつなくなっちゃうし。それに、
値段も大幅にアップするの。ほら、いいことなしだもん!だからしばらく触らないで下さい」
「ゴメン。無理」
356開花宣言 10/15:2006/09/22(金) 00:44:04 ID:i79VPGIf
言って佐伯は両脇から小波の腰の辺りを素早く揉んだ。小波が悲鳴を上げて制止しようと
両腕のバリケードをほどく。その隙をついてワンピースを胸元まで引き摺り下ろす佐伯。
…やはり手際としては見事としか言いようがない。
下から現れたパステルグリーンのストラップに指先を絡めながら、小波の眉間に刻まれた
皺をキスで均す。
「今度新しいの買ってやるって。次の休みの日、一緒に見に行こう」
「イヤ。だって佐伯くん、絶対試着室の中覗くもん」
「覗くもんか。一緒に入るから、俺も」
「……変態だよ?」
「ああ、変態だよ?何を言ってるの小波さん?」
「…………」
(…………)
悪質すぎる佐伯の開き直りに、今度は小波側の反応とシンクロしてしまう針谷である。いよいよ
全身に鳥肌が立ってきた。
(つーかこれ、なんていう罰ゲーム?)
これ程厳しい拷問を受けるような悪行を自分は働いたのだろうか。もう許してくれと針谷
は両耳を押さえた。しかし目では情事の観察を怠らない。
佐伯の指が、ゆっくりとハーフカップの隙間から中へと忍び込んだ。
その瞬間にチャイムが鳴った。

「はい、時間切れ!」
呆気なく佐伯を突き飛ばして小波が壁際から半身を起こした。テキパキと流れるような
動作で身支度を整える。
対照的に佐伯は壁にうなだれたままである。針谷にはその理由がよくわかった。…立ち上がれないのだ。おもに下半身の抱える事情により。
「なあ。マジで行っちゃうの?ホントに?今のまだ予鈴だぜ?」
「当たり前でしょ。うちのクラス次体育なの。着替える時間なくなっちゃう。佐伯くんもほら、
急がないと」
「いや……俺しばらく無理。もうちょい冷めてから教室戻る」
「? なら先に行くね。佐伯くん、背中やって」
「…………ヤダ」
「やって!」
足を組み、やや前のめりになるような形で上体を起こしてワンピースのチャックを上げてやる
佐伯。
彼の指先がきちんとホックまで留め終えるのを確認してから、小波が威勢よく床を立った。
手にしていたボレロを羽織ってセミロングの髪を払う。
うずくまったまま睨んでいる佐伯に、
「ね。ヘンなとこない?スカートに皺とか、寄ってないかな?」
「……知らない」
「知って!」
「あーもう可愛いよ!」
「ありがとう!」
素早く身を屈め、額に音を立ててキスをした。
「じゃあね。サボらないでちゃんと授業出るんだよ?」
脳天気に笑いかけて楽器庫のドアノブに手をかける。
357開花宣言 11/15:2006/09/22(金) 00:45:04 ID:i79VPGIf
「美奈子!」
その背中を佐伯が呼び止めた。針谷は意表を突かれて目をしばたく。彼が下の名前で
誰かのことを呼ぶのを、初めて耳にしてしまった。
続く問いかけに含まれる、子供のようなあどけなさ。
「今日、一緒に帰れるかな?」
「…うん。たぶん平気」
「よし。じゃあいつものところで」
「うん。佐伯くんも急いでね?」
「ハイハイ」
扉を開閉する音と共に、小波が楽器庫から姿を消す。遠ざかる、軽快なラバーソール
の足音。
「ったく…。女はいいよな、身軽で」
ぼそりと佐伯が一人ごちた。先程小波が口付けた額に手を当てる。長々と溜息。
「どうしろって言うんだ。…こんな状況で」
「道でもらったティッシュでよければ貸すぜ?」
気がついた時には、針谷はそう言ってケースの隙間から身を乗り出していた。

 * * *

その瞬間の佐伯の形相をなんと形容すべきだろう。
たとえ数千人の花椿姫子に囲まれても、誰もここまで動揺はしないだろうというくらい、彼の
顔面からは急速に血色が失われていった。
「……なんで?」
惚けたようにそれだけ呟く。学年上位の頭脳を持ってしても、そう簡単には状況を
把握できないでいるらしい。
針谷はにんまりと笑って、制服のポケットから楽器庫の合鍵を取り出して彼の前でスイング
させた。
「じゃーん♪」
「……………………サイアク」
全てを理解したらしい佐伯が、蚕のように全身を縮めて膝を抱いた(暴れる息子を宥める
のにも有効な体勢である)。両肩から、この世の終わりを目撃したかのごとき絶望が
漂っている。
「もうダメだ…。俺は今ほどタイムマシンが欲しいと思ったことはない…」
「わっはっは。オマエにしては注意力三万だったな。今後はつねに四万台をキープしとく
よう心掛けろ」
「散漫な。…ていうかさ。黙って見てるか?フツー。針谷ってそんな子だった?」
「うっせ。子供扱いすんな。大体、勝手に後から来て勝手におっぱじめやがったのは
どこのどのバカップルですか。ここは校内ラブホじゃねぇぞ!使うんなら“ご休憩代”払え!」
「おまえだって、無断で間借りしてるテナントの分際でよく言うよ」
「ペナント?誰が土産モンの旗だって?」
「……。ああ〜〜〜〜〜タイムマシンどこだろう…」
抱えた膝に顔面を沈めてしつこく嘆息する。そんな彼の隣に、肩を並べるような形で針谷は
腰を落ち着けた。壁にもたれかかって伸びをする。
「でもさ。出るタイミングとしては、これがベストだったと思わねぇ?」
長時間無理な体勢でいたおかげで凝り固まってしまった筋肉をほぐす。どこか晴れ晴れと
した気分で訊いてみた。一方の佐伯はまだどん底に身を浸している。
「…どこがだよ。どうせなら最後まで顔出さないでほしかったよ…」
「ははーん、そんなこと言っちゃうワケ?てことはだ。オマエがあれから興奮冷めやらぬ息子を
美奈子を思いつつ一人寝かしつける作業に熱中している一部始終を、オレは黙って眺めて
ればよかったと。そっちの方がよかったって、オマエは言いてぇんだな?」
「……それは、ない。想像しただけでも死にたい…」
「だろ?それとも、美奈子がいる間に顔見せた方がよかった?」
「それもダメ。あいつが可哀想」
「うん。じゃあやっぱオレの判断に間違いはねぇってことじゃん!なんだよオレ様超天才。
オマエも少しは敬え、佐伯!」
358開花宣言 12/15:2006/09/22(金) 00:46:10 ID:i79VPGIf
強引かつ明快な論理展開に、呆れたように佐伯が首をかしげて針谷を見た。瞳の端に
少しだけ笑みをひらめかせる。溜息と一緒に吐き出した。
「…なんか。そういうとこ、おまえらすごい似てる」
「あん?」
「ホント。尊敬するよ、ある意味」
「……うわ、出た」
「?」
無防備すぎる笑顔を向けられ、針谷は反射的に幽霊でも見たかのように顔をしかめる。
普段作為的な防御壁を張り巡らせている彼が、ごくたまにガードを解いて無意識に
覗かせる素顔の片鱗。それを見せるのは、彼が気を許している極一部の人間の前だけ
だから。…ここまで率直な親愛の表情を向けられて、男の自分でも妙にこそばゆい気分を
覚えるのに、女だったらひとたまりもないだろうなと、針谷は改めてその凶悪な吸引力を
痛感した。
(きっと美奈子も、佐伯のこういうところが、たまらなく…)
自然と得た実感には、思いのほかマイナスの粒子が含まれてはいない。同性としての
反感や、妬ましいといった感情がどうしてかそこに付随して来ないのだ。たぶん、針谷が
ことのほか佐伯瑛という人間を、友人として気に入っているせいもあるのだろう。
「…なんだよ?ジロジロ見てんなよな」
不服そうに眉をひそめる佐伯の顔を、おかまいなしにじっと観察する。学園が誇るプリンス
の美貌を、この近さで拝める機会など滅多にない。
(やっぱコイツ、何人なのかよくわかんねぇカオしてんな)
いっそ無国籍とでも呼べばいいのだろうか。その造形は不思議としか言いようがない均整の上
に成り立っている。目元の彫りは深いのに、唇はさほど厚くない。瞳の色は明らかに日本人
離れして赤みがかっているのに対し、睫毛の色は濃く、まっすぐ下向きに生え揃っている。
まるで白人の高貴さも、中東系の艶っぽさも、オリエンタルな神秘性も…全てを兼ね備えて
いるかのような、多重的な色彩を宿した佐伯の相貌に、針谷は改めて見惚れずには
いられなかった。
「いや。いい顔だなと思って」
「…………ゴメンナサイ」
「は?なに謝ってんだよ?キモチワルー」
「それホント俺の台詞だから。ゴメン針谷、ものすごく気持ち悪い」
「あ〜あ〜あ。なんでオマエみたいのがモテんだろうな」
「そりゃカオだろ」
てらいもなく断言するプリンスを、今度は軽蔑のまなざしで眺めやる。
「自分で言うかぁ?そういうこと」
「だって事実じゃん。他になにがあるんだよ?」
それこそ自分で口にしておいて空しくならないかと、思わず心配になるような台詞を
佐伯は吐く。フォローするのも違う気がしたので何も言わずにおいたが。
それよりも、差し挟むべき別の言葉が針谷にはあった。
「…美奈子もか?」
「あいつは違うよ」
短くはない沈黙ののちに佐伯が呟いた。
平然と。
「あいつは俺の人魚だから」
「…………ゴメンナサイ」
とりあえず針谷は謝っておくことにした。呆れすぎて他に言葉が浮かばなかった。
359開花宣言 13/15:2006/09/22(金) 00:47:14 ID:i79VPGIf

唐突にチャイムが鳴り響く。五時間目の始業を告げる本鈴の鐘。
針谷はそれとなく佐伯の(下半身の)様子を窺ってみた。未だ立てたままの膝上で
腕を組み合わせた姿勢のまま、学園の王子様が動こうとする気配はなかった。
どうやらこのまま、王子と二人でサボタージュすることになりそうだ。それもまた新鮮というか、
どことなくシュールでネタとしては悪くない。
「……しっかし、オマエと美奈子がねえ…」
先刻見た恋人同士の営みが不意に脳裏に蘇った。ちょうど今、自分が手を触れている
辺りの床だろうか。他でもない、小波の“花ビラ”が存在した箇所は。
(…ウ)
(やべ)
佐伯のみならず、針谷までもが下半身に独特の疼きを感じ始める。針谷は両手をスラックスの
ポケットへと突っ込み、佐伯に気づかれないようにそっとソレの角度を転換させた。なんとか
下着と擦れ合わないよう、折り合いのつくポジションを探し当て息をつく。
(全く。メンドくせぇ体…)
「なんだよ?悪いかよ?」
知らず口からもれていた独白に、佐伯が不機嫌そうに食いついてきた。
針谷はわざと露悪的な笑みを作成してそれに応じる。
「別に?ただ、この事実を公表したらどうなるかなーって。学園の王子様と、赤丸人気
急上昇中の清純派が白昼堂々楽器庫で濡れ場。…きっと校内中大パニックに
なるんだろうなー」
「…言いたかったら言えば」
「言わねぇよ」
馬鹿にするなと言わんばかりの語調で針谷は続けた。
「んなことしてオレ様になんの徳があるってんだ。大体、楽器庫の鍵をオマエに貸し出した
のはオレ様じゃん?てことはだ、オマエと美奈子の密会がバレると、オレの合鍵大作戦も
バレちまうんだなー自動的に。だから黙っといてやる。要するにオレとオマエは、日蓮百姓
の関係ってワケだ!」
「一蓮托生な?ついでに日蓮は百姓じゃなくて、偉いお坊さん。もうちょっと勉強しよう」
「……オマエマジで友達いねぇだろオレ以外」
「うん。針谷がいてくれてよかったよ」
脱力した針谷の隙を、的確につくタイミングで再び笑顔の奇襲が繰り出される。…コイツ
もしかしてわざとやってんじゃないかと、針谷は内心で天を仰いだ。
(ダーメだ)
(なんか全然敵う気がしねー…)

耐え切れず溜息をこぼす針谷に、ぼそりと佐伯が独り言のように問いかけた。
「なあ、俺はともかくとしてさ。……そんなにモテるわけ?美奈子って」
「ああ?今更何言ってんだ?…つーかそのともかくってのやめろ。かなりムカつく」
「だから俺、友達いないから。そういうのよくわかんないんだよ。学園の男どもの間で、
今誰が人気あるかとか、そういう話」
「……。学園内に限った話じゃないかもしれないぜ?」
ふと、針谷が意地の悪いひらめきと共に口にした発言に、佐伯が期待通りの過剰反応
を見せた。
「それ、どういう意味だよ?」
「こないだの放課後な。校門前で美奈子を見かけたから、バイバイぐらいしてやっかと
後ろから近づいたんだ。したら、オレ様より先に、校門の外から顔出した野郎が、いかにも
待ち伏せてましたってな具合でアイツに声をかけたんだよ。でもって聞いて驚くな?
ソイツはなんと、はば学の制服を着てました」
360開花宣言 14/15:2006/09/22(金) 00:48:13 ID:i79VPGIf
「……マジで?」
「もち。オレ様がこの目で目撃した。結構仲良さそうにしゃべってたぜ?つーか相手の
男は明らかにアイツのこと狙ってる目つきだった」
「容姿は?そのはば学の」
「オマエ、口調がなんか、刑事みたい。…そうだな、わりに明るい色したサラサラヘアー
で、品のいい優等生ってカンジか。ああ、うちのあの生徒会長みたいなメカ系と違くて」
「違う。特徴じゃなくて、外見のレベル!」
「…心配しなくてもオマエよりゃ下だったから安心しろ。もちろん、オレ様よりも格下だけどな!」
「……どうしよう。全然安心できない」
「どういう意味だ!」
鼻白む針谷を無視して、「はば学か〜…クッソ偏差値高い」とひそかに闘志を燃やす
負けず嫌いの佐伯。組んだ両腕に額を押し付けて、しばらく唸いた後に勢いよく顔を上げた。
なにか恐ろしい可能性に気がついたようである。
「もしかして、あれもそう?」
「…あれってのは?」
多少面倒くさくはあったが針谷は律儀に訊いてやることにした。うっとうしいが致し方ない。
彼が弱音を吐露することのできる、同性の友人は世界で自分だけなのだ。
「店に飾る用のさ、切花の買出しを最近あいつに頼んでんだけど。あいつ必ず、注文したのより
多く花を抱えて帰ってくるんだ。毎回花屋の店員がオマケだとか言って、大量に押し付けて
くるらしくて。…まさかその店員も?」
「おお。ソイツは間違いないな。(棒読み)」
「ダメだ!次からもう俺が行く!」
「そうした方がいいな。(棒読み)」
決意を新たにする佐伯をなまぬるい目で見守る。…そうそう、少しは危機感を覚えるといい。
自分がどれだけの幸運を手中に収めているか、全然知らずにいるような大馬鹿者は。

…ふと、針谷の脳内を酷薄な気分がかすめた。
「なあ。オレもそうだって言ったら?」
「……え?」
密度の濃い睫毛をしばたかせ、静かにまばたきする佐伯の目を、まっすぐに見返した。
なるべく感情の含まれない声音で。
「オレも、美奈子のことが好きだって言ったら。…佐伯。オマエどうする?」
「…………」
恨み言のようなものをぶつけたい気持ちも、もちろん針谷の中にはあった。
ただ、それ以前に純粋に興味があった。
彼がそこで返してくる反応というものに。
「……おまえが?」
低い声で反復し、佐伯が探るように針谷の表情を窺った。単なる例え話として笑殺していい
ものなのか、それとも本心の発露として受け止めねばならないのか、彼自身の中で、
今まさに厳格なジャッジが行われているようだった。
たぶん、彼は笑わないだろうと針谷は確信している。何故なら佐伯は聡明だから。愚かに
見出だしてしまうだろう。
自分の瞳の中に、消されずに浮かびあがってしまう筈の、小波へ向かう想いの因子を。
「……うーん…」
実際彼は少しも笑うことなく、ただ小さく唸り声を上げて針谷から目を逸らした。疲れた
ように、首の裏側に掌を添える。実はやや緊張している時に見せる彼の癖なのだが、それを
見抜ける程、針谷はまだ佐伯のことを知らない。
361開花宣言 15/15:2006/09/22(金) 00:49:15 ID:i79VPGIf
「うーーーーーーーーん……」
「言っとくけど。謝ったりしたらこの場で殴る」
「……うん」
長い逡巡の唸りを断ち切るように針谷が言葉を挟む。明確な本心を。佐伯はそれに、
小さく首肯してみせただけだった。
噛み締めるようにもう一度。
「うん」
と頷いた後に、針谷に目を戻して回答した。
「困る」
「……あ?」
「それは、やっぱり困ると思う。どうするかって訊かれたら…やっぱ困るよ。うん」
「……。実際もう既に困り果ててるもんな。今」
「アハハ、だろ?だから、この答えもウソではない」
『だからこの回答で許して』。佐伯は暗にそう懇願しているようだった。
そう、彼はこういった局面で嘘だけはつけない。少なくとも、『友人』であると捉えている
対象なら尚更。絶対に。
それが佐伯なりの誠意だから。
「はいはい。…でも、オレが言った方はウソだぜ?いいヤツだけど、ただのダチだかんな、
美奈子は」
対する針谷は大げさに肩をすくめて嘘をついた。方法は真逆でも、これもまた彼なりの
誠意の示し方。あからさまな嘘をつくことで、時として救われるものだって、男同士の友情
には厳然として存在するから。
「確かにさ、一時期オレと美奈子、二人でよく出かけたりしてたけど。アレはでも要するに、
アレだよ、アイツのおせっかいだ、単なる。一年の時の文化祭でさ、オレ落ち込んでる
とこアイツに見られちまって。そっからなんか、よく電話とかかかってくるようになったから。
今思うと、アイツなりに元気づけようとしてくれてたんじゃねぇのかなーオレのこと。だから、
ええとなんつうか、とにかくオレ様に嫉妬するのだけはやめてくれ、迷惑だぁ……って、
おい佐伯、聞いてんのか?」
過剰にメロドラマ的な独白を針谷が続けているその傍ら、いつのまにやら佐伯は棚の
下段に首を突っ込み、ガタガタと楽器ケースをかき分けている。
「いや、ゴメン聞いてない。タイムマシン探すのに忙しくて…」
「ねぇよそんなの!いい加減諦めろってだらしのねぇヤツ!男ならポジティブシンキングで
行け!」
「ポジティブシンキングな?…合ってるのか。なあ氷上辺りさ、頼めば将来、ドラえもんとか
開発してくれそうじゃない?」
「どうだろうな。若王子に泣きついた方が早い気もするけどな」
「はあ?なんでそこで若王子先生?」
「なんでって。…アイツIQ200じゃん」
「ウッソマジで!?あの若王子先生が!?」
「……佐伯…」
針谷は思わず涙ぐんでしまう。男友達のいない彼には、この手のくだらない七不思議について
教えてくれる悪友も存在しないのだ。
(カワイソウな子…!)
しかしそれならそれで、他でもない自分が佐伯にたくさんの情報を流し込めばいいと
針谷は考えを改める。汚れなき学園の王子様に不埒な知識を植えつける存在。なかなかに
魅力的な役どころだった。
手始めに、最近得たとっておきの新ネタを仕込むとしよう。針谷の想定する彼ならば、
きっとまだその単語を知らないに違いない。そして期待通りの答えが返った暁には、
『同志!』と叫んで抱擁を交わすのだ。
「オマエさあ、『花ビラ回転』って言葉、知ってるか?」

<おわり>
362名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 00:51:01 ID:O2+MuqZD
神キタコレ(*´д`)ムッハー
乙です乙です
あいかわらずキテルがキテルらしくて素敵です
363名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 00:51:08 ID:i79VPGIf
おそまつさまでした!
おつかれさまでした!
途中改行ミスってる部分ありましたorz 次回から気をつけます
ちなみにこの後、針谷と志波が二人で『美奈子への未練を克服する会』略して『ミナコク』を
立ち上げたりするわけですが、それはまた別の物語ということで
長々とお付き合い下さいまして本当にありがとうございました
364名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 00:56:15 ID:4vYLD5QZ
いいなぁハリーもキテルもギザカワユス
ハリーまだ未攻略なんだがさりげなく漢前で攻略してみたくなった
ミナコクの話も待ってる
GJでした
365名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 01:16:56 ID:JafQXwOk
ハリーとキテルが仲良くてイイ!流石姐さん、楽しかったです
今夜はいい夢見られそうだ…
美奈子とキテルが相談してたのは卒業旅行か何かでしょうか
こっそりそっち関連の話も期待
366名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 01:40:17 ID:Lwe+WAzb
GJGJ超GJ! 
毎回キテルの描写の上手さには驚かされます
ハリーとのやり取りも可愛いなー
あと氷上で笑ってしまったよ
是非ミナコクに入れてやって欲しいw
367名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 01:47:46 ID:CwDQezll
なんだこの佐伯の針谷キラーっぷりはwwwww
いいもん読ませてもらいました、乙です!!
368名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 01:59:34 ID:n5We4MHd
神キターー!!GJ!!!
どのキャラも「らしく」て、いっぱい笑わせてもらいました。
個人的には、生徒会長の望遠鏡がツボでしたw
次回作も楽しみにしております!
369名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 03:02:12 ID:dDeHnKNu
数千人の花椿姫子てwwwww
370名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 03:23:46 ID:l9X+6Sla
寸止め姐さんキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!
針谷とキテルの友情イイ!!

望遠鏡氷上が余りに折羽詰まってて、既に爆発寸前ぽくてコワスw
371名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 04:49:27 ID:sOmqfJBg
寸止め姐さん!待ってましたー!
すっげぇすっげぇ面白かったです。濡れ場なくてもいいくらいだ。
ハリーがイイヤツできゅんとしました。懐が広いよ……。
キテルとデイジーのバカップルぶりが板に付いてきててすごく良かったです。
ミナコクも卒業旅行の話しも読みたい〜!

そして余裕があれば、若が出て来てくれると幸せ……。
姐さんの若が×デイジーでなくてもいいから激しく読みたいっす!
若スキーの戯言、頭の片隅にでも置いておいてください!
372名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 09:00:10 ID:c80qxlx5
催促ウザス
373名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 10:05:25 ID:O+N4oSvw
志波の顔色が変わってく表現を読んだ瞬間に自分内伝説認定。
かりんとうて!!!!wwwww
色々遊び心の詰まった娯楽策だと思うんだが
流れが自然でスムーズに世界に入っていけるなー。臨場感がすごい。
374名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 10:20:12 ID:yGcvBYdJ
本当に寸止め姐さんは読ませ方がうまい。GJ!
375名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 10:54:22 ID:06B4Lfz+
さすが姐さんGJ!たまらんです!

タイムマシンを探すキテルにピンと来ました。個人的にツボですww
落ち着けェェェ!!と突っ込みたいですどっかのメガネのように。
376名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 11:05:10 ID:jUdjRV9H
>ID:i79VPGIf
お疲れです!
あいかわらずうまいっすね。
377名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 12:53:05 ID:nzSadIYg
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
ハリー最萌えだから姐さんのハリーが見れてこれ以上嬉しい事はないよ…
キテルとの悪友コンビ大好きです。読後がすっごく満たされた気分だ。
たくさんキャラが出てきたのも楽しかった!ワラタ!
いつもいいものをありがとうございます!
378名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 12:54:07 ID:nzSadIYg
ageてしまったごめんなさいorz
タイムマシンをくれ…
379名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 13:30:29 ID:AC5aR5uv
姐さん最高です!!!
姉さんのキテルは本当に描写が素敵だ!
ハリーもイイ感じだよ
ハリーの無知っぷりがカワイイ
メッティ会長ってことは少なくとも一時期デイジーラブだったのか?
それとも既にデート帰りに鉢合わせか?
志波とのミナコクも面白そうだ〜

丁度サントラCD発売になったけど
その内容のキテルとハリーに遜色なし

なんでこんなに素晴らしい文章が書けるのか・・・
自分も姐さんの1%でもイイから文才が欲しいっす

しかし・・・無知な自分は読めない漢字がわりとあって
goo辞書別窓に読めない文字は片っ端からコピペ&検索・・・
おかげで勉強になります!!
380名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 15:24:41 ID:zU2GgUA9
>>379
21歳以上だよね、念の為…
381名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 15:59:09 ID:oWaaOBjK
寸止め姐さん超GJ!
ハリーや他キャラもみんなイキイキしててイイ!
読んでるだけで、まるでゲームやってるような気持ちになったよ。
本当にありがとう。


>380
確か今は18歳以上に制限引き下げられてたような気がする。
382名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 16:09:04 ID:CwDQezll
>>381いや、>>380が言いたいのはそういうことでなはいだろう
383名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 17:32:00 ID:oWaaOBjK
>382
制限引き下げで高校生が見てる可能性もあるんだよ
って言いたかったんだ。
個人的に18と21だと一部の高校生が見れるってだけで、ずいぶん違うと思ってたから。
誤解させたみたいだったらスマソ。

ただ、前スレが本スレに貼られたりしてたから年齢云々は今更な気もする。
384名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 20:20:46 ID:fBqjhzBP
>>383は何を言ってるんですか?と言いたくなる
385名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 20:54:02 ID:T9mRhmUY
板のローカルルールも読めないとは、年齢うんぬん以前の問題
386名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 20:56:28 ID:zU2GgUA9
>>383
一々説明はしないけど、そういう事じゃないんだ…
年齢引き下げは素で気付いてなかった。教えてくれてd

雰囲気悪くしてごめん…
              シーン
         =≡= ∧_∧
          /   (・∀・ ) <チンチンせず静かにしてます
        〆   ┌  |    | .∈≡∋
         ||  γ ⌒ヽヽコノ   ||
         || .|   |:::|∪〓  .||
        ./|\人 _.ノノ _||_. /|\
387名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 21:06:36 ID:yzqsWGB4
ここ暫く、雰囲気はあまり良くないよこのスレ

寸止め姐さんが上手すぎで神降臨にGJの嵐が吹き荒れるのもわかるけど
度が過ぎると、なんだかそれまでの他の職人さんのSSはどうでもいいみたいな雰囲気あるし。
職人さんが投下しにくくなる一方だと思うけどな。
GJは感想だから言う言わないは個人の自由だけど、
せめて投下乙くらいは言おうよ、礼儀として。
388名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 21:31:41 ID:9F3uqTTj
話豚ぎりスマソ
こっちでもりあがっているけど、
前スレ埋めなくて良いのか?
389名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 21:39:27 ID:sEC4FN8k
慌ててうめなくても、容量オーバーしているから次の圧縮でdat落ちする
保管庫さんの作業もあるしうめなくていいと思う
390名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 21:45:22 ID:T7DOGhub
>>387

同感。久々に見にきたら投下されてる職人さんの作品でスルーされてるモノが多くて驚いた。
必ず感想を書かなければいけない訳じゃないが、萌えを与えてくれる職人さん達に感謝の気持ちを
忘れずにいたいな。職人さんあってこそのエロパロだと思うし。

>>388

容量越えてるし、放っといても落ちるはず。


いつも作品に萌えさせて貰ってます。職人さん達、がんがって下さい(・∀・)ノ
投下楽しみにしてます!
391名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 21:47:39 ID:sWGxdg7z
読めない漢字は一カ所だけだったなぁ。

384に1票w
392名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 21:49:18 ID:T7DOGhub
リロ忘れて被った。スマソ逝ってくる orz
393名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:02:25 ID:9F3uqTTj
>>389>>400
すまん、気づいてなかった。
教えてくれてアリガトン。
394名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:02:37 ID:4vYLD5QZ
>>388
もう950も超えてるし、放置ならそのうち落ちる
無理に埋めなくてもいいんじゃない?
前スレのSS読みたい人もいるかもしれないし 保管所あるけど

>>387
かなり前にコテありだったときにも似たような感じになったんだよね
特定の作家待ちみたいなレスを多くつける人が複数いて雰囲気悪くなったんだったか
それで揉めてコテなしにしようってことになったんだと思う
寸止めさんはコテ状態だし、過去の再現にならないかとちょっと不安
あんまり馴れ合い好まない人もいるし あんまり興奮しすぎない方がいいかも

感想に偏りが出るのは仕方ないんだけどね…
気配りパラを高めにしとくといいね
395名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:07:46 ID:AZm43e2S
つうか、自分的には最近の馴れ合いっぷりを見ているに、
どっかの作家と儲たちが匿名で乱入してるとしか思えない。
396名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:09:25 ID:9F3uqTTj
>>394
も教えてくれてアリガトン。

1作1作どの話も職人さんの愛がつめられていると思うと
どの作品も自分は愛しいよ。
397名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:09:46 ID:Cxib2kL2
寸止め職人さんが投下した前後に投下されたSSには、あまり感想が
つかないよね…
寸止めGJコールに紛れて一つ二つ乙コメントが入るくらいで。
これじゃ、投下する気にもならなくなるよ。
398名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:25:18 ID:a2dOZIs3
そうそう、直前に若の話投下されてるのに、
そっちには乙すら言わずに寸止め姐さんに催促してる奴までいるし…
確かに寸止め姐さんはうまいけど、それ以外の人達だって書けない私から見たらすごいと思う。
みんな、要気配りパラ。
399名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:28:53 ID:/rAo4tMZ
まあつまらないものはスルーされるのは仕方ない
400名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:37:02 ID:Fi8lobC0
寸止め姐さんの投下終了宣言が毎回「私ですよ」と言ってるように見える
匿名なのに匿名じゃないw だったらいっそトリ付けてくれたらいいのに

読んでいて非常に上手いしそれは凄いと思うのだが、微妙に萎えるのも確か
和気あいあいというよりかは、馴れ合いに見える

>>399の言うように、作品のレベルで反応に差があるのは仕方ない
401名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:37:13 ID:7vU+CJ+c
この流れ見て寸止め姐さんも投下しにくくなった気がするんだが。
402名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:39:22 ID:5WAUC2XE
気づいた人が言えばいい
403名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 22:40:41 ID:bRRor8YU
>>399
同意。
どんなに亀レスになったって、よき作品にはGJ送る。
乙だけでももらえるだけまし。
反応ないのは技量不足と受け止めるのもエロパロのよきところ。
……と、他スレの書き手が言ってみるテスト。

そして、ここで、寸止め叩きと取れがちなレスの人が、スルーされ気味の職人に対して、乙なりGJなり言ってないのがワロス。
404名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:02:01 ID:Tv7b5nAh
寸止めさんは前置きが長すぎるのですぐわかります^^
405名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:09:28 ID:eikW223w
まだまだいろいろたくさん読みたいなぁ
406名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:21:55 ID:ztk3+X6i
ようするに反応もらえなかった下手糞な職人の妬みですか
407名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:22:45 ID:N2wC5GIt
いいものには沢山の感想が寄せられ、つまらないものは感想が少ないのは当たり前な気がするんだが。
>>403に全面同意かな。
イマイチな出来のSSにも無理して感想ひねり出すのこそ馴れ合いじゃなくて?

>>397
寸止め職人さんのせいで感想つかなかった、みたいに受け取れるおまいのレスもどうかと思う。
だいいち直前の投下から大分時間経ってるから、関係ないんじゃないかね。

自分もだが、>>387が余計に雰囲気悪くしてる気ガス

何が言いたいかっつーと色んな職人様お待ちしております
408名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:26:49 ID:Iqis2qDH
>403
>そして、ここで、寸止め叩きと取れがちなレスの人が、
スルーされ気味の職人に対して、乙なりGJなり言ってないのがワロス。

ほんとだwまず自分から乙コールしろってのなw
自分はいつもスレ流し見して、反響が大きそうなものだけ引き返して読むようにしてるので
スルーされてる文章は見てない
たくさん作品読みたい人はもっと感想マメに書いたほうがいいんじゃないの?
409名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:29:20 ID:zU2GgUA9
自分には文才と呼べる物が全くなくて
いつもいつも、一方的に楽しませて貰ってます

馴れ合いと気配りの線引きが難しいがとりあえず

ジタバタ
   〃〃∩
     ⊂⌒( ゚д゚ )
       `ヽ_つ ⊂ノ
              職人様

     ( ゚д゚ ∩
     ⊂   (
       ヽ∩ つ  お待ちしております
         〃〃
  ジタバタ
410名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:39:12 ID:4vYLD5QZ
この流れデジャヴュ

感想に偏りがあることと馴れ合いで特定の職人マンセーになるのを
ごっちゃにしてはいけないと思う
色々あって>>2に「コテハン避けよう」の文が盛り込まれたのを
ムダにしてはいかんと思うのです
411名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:48:33 ID:t4Yk3EcI
>>409
ちょwwこっち見ながら暴れんなwww
ときどき貼られる愉快なAAも好き……すごく。
412名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:52:01 ID:qDZPEwMO
>>408
自分の書き込みだから乙とかGJいいにくいんじゃw
413名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:55:02 ID:RyvuZMxE
苦手カプだったりすると、どんなに文がうまかったとしても
読めないから感想を言えないって事もある。
414名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:10:05 ID:cVB9z2C6
いつも夜中にしか来られないが……何この流れ。

零細職人として言わせて貰うけど、別にGJコールが欲しくて投下してる訳じゃない。
萌えを表現したいだけ。サイトとか持ってないし。
寸止め姐さんの巧さとか見ちゃうと、自分が下手なのもわかるし、
苦手なカプだと読んで貰えてないかもしれないてのもわかるけど、
投下した事に対して、乙の一言があるととっても嬉しいんだ…。
GJコールが貰えたりすると、書いて良かった!とも思う。

でも、丸っきりスルーされちゃうと、下手な職人は投下もするなって事かと穿ってしまうよ。
感想のGJと、ねぎらいの乙コールは別だと思う。
もうちょっと優しさが欲しい…。
415名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:14:27 ID:5vips6uk
絶対反応ないとヤダヤダっていうなら個人サイトでも開いてください、とエロパロ板については思う。
自分も別スレで投下してるけど、反応なきゃないで「次回はGJって言わせてやるヽ(`Д´)ノ」って気になる。
416名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:14:55 ID:xzLBs7s7
>>387は正直どうかと思う。
だってしょうがないじゃん。
サイトやってたって、上手いとこのカウンタが回るんだよ。
私は他スレの書き手だけど、義理で乙コールしてもらったって嬉しくない。
みんな自分が萌えた作品に乙GJしてるだけなのに
そうでもなかった作品にもなんか言えって、すごい変。
ましてやここは2chだよ?

職人様、これにこりず作品投下おながいします!
お待ちしております!
お待ちしております!
417名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:18:07 ID:plmWpzyI
やっと追いついた

変に「寸止め姐さん」なんてあだ名つけてスレで持ち上げまくらずに
心の中で「あ、寸止めの方ね」と一人思うだけにしレスはクールにつければOK

寸止めの人は自己主張の激しい前書きと後書きをもう少し抑えれ
進捗報告と似たようなもんだ
あと寸止めやめて本番最後まで書けばきっと正体わからないよ!

>>406>>412煽るな 全ての職人が投下しづらくなるぞ

何日ぶりかにスレに来たらこんな話題で伸びててセツナス
今が一番投下もしづらいし感想もいいづらい空気だ
それを打開する神が登場しますように
418名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:18:43 ID:EaS5scFP
頼んで投下してもらってるわけでもない。
ねぎらいが欲しいならサイトを持って発表するか
ねぎらいの貰えるサイトに投稿した方がいい。

反応が貰えるのは嬉しいという気持ちはわかるけど
その反応ってのは己の作品のレベルが反映される場所なんじゃないか? ここは。

下手なものでもいいから読みたい! という人の方が少ない気がするが。
419名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:20:33 ID:EaS5scFP
す、すまん。
420名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:21:10 ID:n3GmwY6q
ていうか反応クレクレ厨ウザイ
絶対に反応ほしいなら自サイトでも作れと
421名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:23:30 ID:sO7K0k4k
>>415>>416に同意だ
反応もらえないの承知で作品投下しろよと思う
クレクレはイクナイ
422名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:24:14 ID:/ORB/mUZ
萌える作品が読みたいだけ


萌えればGJ!
萌えなければ……スルーかもしれない
423名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:25:41 ID:queXkK0E
>>417
随分と偉そうな奴だな。
424名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:26:19 ID:07aLiRX2
そうか?
それよりも、誰が書いてるからあからさまに解る前書き、後書き書いてる半コテハンな
職人こそ、もういっそ自サイトでやってくれと思うよ。 これだけうまいならそっちでも
マンセーされるでしょ? それこそ直接ファンメール出したい人もいるんじゃないの?
てことで、信者もどーぞ連れてってください。
425名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:27:47 ID:LuItgx/A
コテハン職人を自サイトでやれってお前は他のエロパロスレ見た事あるのかとw
426名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:28:27 ID:PAtVsb42
スルーされた厨の妬みみたいな書き込みが鬱陶しいな
427名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:28:55 ID:+aClgBDC
>>424 ここ誰もいなくなるんじゃないw
428名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:29:21 ID:Mv/h/YJl
クレクレ厨に自分なりに応えようとSS投下したら無反応でスルー。
それじゃ職人は離れていくわな。そうやって過疎ったスレがある。

感想じゃなくて乙コールも馴れ合いになるのかな?
お疲れ、投下ありがとう、だけなら礼儀として良いと思うんだけど。
429名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:29:30 ID:tV1LFKkY
>>417
エロパロ板で言うのもなんだが
寸止めだからこそ萌える時もあるのだ…

多分わかっててシャレで言ってるとは思うけどもw
430名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:29:38 ID:PbenuQSP
>>415
2chだからそれが当たり前だよな
431名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:30:06 ID:57djlC8e
まぁ前置きと後書き書かなくても
文体とか言い回しに特徴あるからすぐ分かると思う。
そん時は心の中で寸止めの人だなと思うことにするが。

つか男向けのスレはもっとシビアだぞ。w
432名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:30:52 ID:PbenuQSP
もういっそこのスレはネタ投下だけで
感想は保管庫の掲示板で書かせてもらうとかw
433名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:31:21 ID:plmWpzyI
SS書きの目線からは違うのかもしれんが、
「レスの差あってイクナイ」と「馴れ合いウザス」は違う話だろう
自分は前者は仕方ないんじゃないかと思うが後者はいただけない
それこそてめぇのサイトでやれって話だ

「あんまり特定の人に対するレスが続くと他の職人が投下しづらくなるから
ちょっと控えよう」と書き込みボタンを押す前に一考するのは
職人が投下前に注意書きしたり番号振ったりするのと似たような
「気配り」だと思うんだがどうかね
434名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:33:44 ID:Ts2ivjNH
馴れ合いなんてどこにあったのかわからないけどね
まるで感想書かせたくないような文句だな
435名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:36:59 ID:0dlXrqew
この流れで正直投下する神というよりは
勇者は現れるのか?
436名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:37:14 ID:xnoWiICo
反応くれくれってなんだかなぁ
正直反応し辛い=つまらないってのがあるのだから仕方ない
437名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:37:36 ID:JGCV+lb0
感想が続いたくらいで馴れ合いって…
気配り運動の方がよっぽど馴れ合いだよなぁ
こんだけいいあってれば次からは乙コールする人増えるよ
心配しなくても
438名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:39:13 ID:nWvEgOvp
したくもない乙コールこそ礼儀というより馴れ合いでしかないと思うw
439名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:39:13 ID:plmWpzyI
後な、以前の似たような騒ぎでは
結局コテハンが自サイトでやるって出てったのよ
今回もそういう流れになったら悲しいだろう
だからそうなる前に住人全員が気をつけてみようよ、って話だと思うんだが
440名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:40:14 ID:TN4s6EJz
カップリングや創作の内容、投下された作品を見た人数や書き手のレベルに応じて
乙コールが増減するのは当然だと思うんだけどな。
人気カップリングでも、大半が敬遠するような内容(グロとかその他諸々)の創作だと
苦手な人は感想以前に読むことすらできないし、
万人に受ける流れの創作でも、自分にとって興味ないカップリングなら
これも人によってはスルーの対象になると思う。

自分も何度か投下したけど、全く乙コールがなくスルーされた時があれば
勿体無いと思えるぐらいコメントをもらった時があった。
しょうがないよ、これは。
書き手もそうだけど、読み手も悪くない。
441名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:40:16 ID:gFXHTJzM
悲しくないってかむしろ歓迎だな>自サイト
そうなったらここ確実に過疎ると思うがw
442名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:43:33 ID:tp5DZlkS
じゃあ、流れをあらゆる意味でぶった切って投下しよう。

2はやってないから1の話しですまないが。
443氷室×主 0:2006/09/23(土) 00:46:17 ID:tp5DZlkS
注意書き

*氷室×主
*長い
*本番無し

すまん、ここの読んで感化されたから本番無しなんで(本番無しのエロさに萌えた)
またこの論議を蒸し返すかもしれないが。
444名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:46:21 ID:RXiZSjX5
殺伐としたこのスレにサンバマンは要りますか?
445氷室×主 1/9:2006/09/23(土) 00:47:26 ID:tp5DZlkS
真冬の放課後はがらんとしていた。もう卒業式を終えたような空気だ。
これからひと月。3年がいない時を過ごして、柔らかな陽光が注ぐ4月には初々しい
1年が入学してくる。その頃には、この寒々しさに慣れるのだろうか。
どこを探しても彼女はいない、そんな毎日に。

3年もともに過ごせば、その感情は私にもわかる。
同じように彼女を探してしまう、その視線が何度絡まったことだろう。
教師と生徒。その関係を崩さぬよう、節度ある範囲での交流。だが端々に溢れる、彼女
からの想い。息の詰まるその甘い感情に触れるたびに、応えられないもどかしさに苛立ち、
彼女を惑わすようなことをしては後悔する日々。

最近はもう、車で送ることも怖くなってしまった。
この狂おしい感情を抑えることができないからだ。
私にとってこの想いが特別だとしても、彼女はこの先にある沢山の出会いを通して、
本当の特別な想いを見つけるだろう。思春期特有の、麻疹のようなこの想いは忘れて。
それがわかっているからこそ、私は彼女の手をとることができない。
446氷室×主 2/9:2006/09/23(土) 00:48:04 ID:tp5DZlkS
彼女は今日、一人で課題を忘れたペナルティを受けていた。
そのドアを開けると彼女は机につっぷしている。
「!? …どうしたっ」
思わず出た声は寒々とした教室に響いたが、彼女はぴくりともしない。
転ぶように近づいて跪き、顔を覗き込んで…安堵した。と同時に気まずさが増す。

彼女は泣いていた。ゆっくりと体を起こすと、跪いた私を見つめる。
声もたてず、はらはらと涙を零し潤んだ瞳で私を見据え
「先生。私、何かしたでしょうか」
と囁いた。かすれるような声に、…その想いが滲んでいる。

軽く咳払いをし、その訴えを黙殺した。
「…コホン。 テストを回収しよう。どうも、今日の君はらしくないようだ。受験も近い。
心身ともにコンディションを整えなさい」
すばやく告げて立ち上がるのと、彼女が勢いよく立ち上がったのは同時だった。
「先生! お願いです、私を見て…ちゃんと話してください…」
椅子が音を立てて倒れ、机が乱れた。
447氷室×主 3/9:2006/09/23(土) 00:48:40 ID:tp5DZlkS
そのまま両手で顔を覆い、立ち尽くしてしまった彼女を…嗚咽も飲み込み、全身を震わせ
ただ涙を零す彼女を、強く抱きしめたい欲望にかられ目眩がする。

「…落ち着きなさい。むろん、君が話したいことがあるなら聞こう。だが、とにかく
ここは冷える。ヒーターもつけずに長い間いたのでは、風邪を引く」
倒れた椅子を直し、彼女を座らせようと肩に手を触れた。瞬間、感電したように自分の
体が震える。彼女から溢れている感情が、暗い陽光に煌めいて落ちるのを見た。
その光に誘われるように、自分でも思いもよらない言葉を吐いていた。
「今日は、どこかに寄る予定があるのか?」
彼女の肩に置いた手に力が入る。
「…は?」
突然の質問に驚く彼女の肩から、撫でるように背中へ手を移動させる。その動きに
少し息を飲むのがわかった。ぽんぽん、となだめるように叩いて、
「こんなに冷たくなって。来なさい。家まで送ろう。課題は明日提出する事」
「え、先生…?」
歩き出した私を見つめて立ち尽くす彼女を振り返り、ゆっくりと近づいた。
「君がどこかに寄る予定があるならそこまで送ろう。寄り道はあまり感心しないが。
どうする?」

…その時の彼女の笑顔を、私は生涯忘れないだろう。
448氷室×主 4/9:2006/09/23(土) 00:49:27 ID:tp5DZlkS
数分後。右側に彼女が座るのは何日ぶりか。
「真っすぐ君の家に向かうとする。シートベルトを締めるように」
その言葉に彼女の顔が曇った。なかなかシートベルトを締めようとしない。
「どうした? 帰宅時刻が遅くなる。親御さんも心配するだろう」
「先生、…ちょっとお話したいんです。」
「…。よろしい。少々遠回りをして帰ることにしよう」
「…ワガママを言って申し訳ありません…」
神妙に俯く彼女をみて、私は少し笑った。私が、君を振り回しているのだ。
「…全くだ。今日の君は、少しおかしい。だが、…たまには息抜きも必要だ」

暫く沈黙が続いた車内は、妙な緊張感が漂っていた。
彼女は何かを言いたげにこちらへ視線を向けては、開きかけた口を閉じてしまう。
そうこうしているうちに、海岸沿いの道に出た。冬の海に、日が沈みかけている。
「わあ。先生、見て下さい、凄く綺麗ですね!」
その言葉に苦笑する。
「残念だが、脇見運転はできない。…あそこに留めよう」
そこは、夏の観光客用の広大な駐車場で、今は人気もなく車もまばらだ。
一番海に近い、奥の場所へ車を滑らせる。
449氷室×主 5/9:2006/09/23(土) 00:50:04 ID:tp5DZlkS
彼女はシートベルトを解き、首だけ海側へ向けていた。
その無防備な首筋と、見えそうな鎖骨が艶かしい。
エンジンを止めた車内は静かで、窓も内側が曇ってくる。妙な緊張感が漂う気配がした。
「…コホン。気は済んだか? この時間から道が混む。そろそろ出発しよう」
「…待って下さい。先生、今日は何の日かご存知ですか?」
ゆっくりと窓からこちらへ向き直った彼女は、一人の大人の女性だった。
今まで見たこのない、凛とした強さが瞳に宿る。…綺麗だ。
だがその視線に耐えられず、車を出すために正面を向いて答えた。
「今日は2月14日だ。」
彼女の返事を待たず、ギアに手をかけて左右を確認する。早く彼女と別れなければ。
まだ、理性が残るうちに。
450氷室×主 6/9:2006/09/23(土) 00:50:42 ID:tp5DZlkS
だが、その思いはあっさりと砕かれた。ギアを握る左手に彼女の手が置かれた。
また、感電したように体が震える。そのまま彼女の方を向く事が出来ない。
「先生。本当は私、課題やってありました。ただ、最近あまり先生とお話しする機会が
なくて…。受験前で、きっと先生は私の時間を大切にして下さったんでしょうけど…」
語尾が少し震えている。私の左手を握る力が強くなった。
私はと言えば、これ以上なく緊張してその言葉を聞いている。
彼女の真剣な瞳を見る事が出来ずに、正面の看板を凝視しているだけだ。
その想いは受けられない。君の将来を奪う勇気が、私にはない。

「…手を放しなさい。運転できない。君はもう少し慎みを覚えないとならないようだ。
教師と生徒とはいえ、君と私は男と女である。あまり男を挑発する真似は感心できない」
遮るように早口で告げる。だが、彼女はますます手に力を入れて言い募った。

「聞いて下さい先生! お願いです、こっちを見て下さい。私、私は先生を」
「ダメだ!」
「先生!」

手を振り払った拍子に彼女の頬を掠めた。小さく「あっ」と叫ぶその声にぎょっとして
思わず彼女の顔を覗き込む。…また泣かせてしまったようだった。
もう、無理だった。
451氷室×主 7/9:2006/09/23(土) 00:51:13 ID:tp5DZlkS
振り上がったその手で彼女の頬を包む。いやいやをして俯こうとする彼女の顔を
ゆっくりと撫でた。
「すまなかった。当てるつもりではなかった。こちらを向きなさい。どこに当たった?」
右手でシートベルトを外し、左手はそのまま彼女の顎に手をかけ、上を向かせる。
音もなく涙がこぼれ落ちていく。震えている唇を、親指でなぞった。

「君の気持ちは…わかった。…ずっと、わかっていた」
彼女の大きな目が更に大きくなる。…気づかれていないと思っていたのだろうか。
そんな幼い彼女を愛おしく思う。だからこそ、その手を取れずにいる。

左手で彼女の右腕を掴み乗り出すと、逃げるようにドアへ寄る。
そこで右腕も伸ばして彼女の左腕を掴み、ぐっと引き寄せた。
「君が大人になるまで、待つつもりでいた」
耳元で囁くと、ひぅっと息を飲む音が聞こえた。耳にそのままキスをする。
そして一旦、彼女の目を覗き込む。
「こんな風に君を追いつめるつもりじゃなかった」
目を見開いて硬直する彼女。その目がまた潤む。その雫が溢れるのを、唇で止める。
瞼にキスをして、そのまま額にキスを。そしてもう一度頬にキス。
ゆっくりとその唇へ近づき、口づける寸前で止める。
452氷室×主 8/9:2006/09/23(土) 00:51:44 ID:tp5DZlkS
「いいか? 私と君は教師と生徒だ。それ以上にはならない」
瞳を覗き込んで話す。真っ赤になっていた彼女が、また凍りついた。
「君が大人になるまで」

そして彼女の腕を離し、正面へ向いて座り直す。
「これくらいで真っ赤になるようでは、話しにならない。以上だ」
少しの間のあと、彼女は笑ったようだった。

「先生。私、先生にチョコを作ってきたんです。食べて頂けますか?」
いつもの彼女に戻ったようなその口調に、安心する。
「…コホン。よろしい。本来は職員のお茶受けとなるのだが…特別に私が食べよう」
「…折角作ってきたんで、今食べて欲しいんです。去年だって、本当に先生が食べて
下さったのか私にはわかりませんし」
「なんだと? 私が食べていないとでも言うのか?」
思わず反論しようとすると、彼女は可愛らしくラッピングしたチョコを取り出し、
中身が取り出しやすいように綺麗にラッピングを剥がした。
453氷室×主 9/9:2006/09/23(土) 00:52:20 ID:tp5DZlkS
「はい、先生。甘さ控えめなんで、大丈夫ですよ」
その有無を言わせぬ押しに仕方なく一つ摘んだ。
「ほぅ。トリュフ…だな? いただこう。………うむ。大変結構。素晴らしい」
私の様子を見守る彼女を安心させようと微笑む。
だが、彼女は私の顔ではなく指を見ていた。

「先生、ごめんなさい。私、気が利かなくて…。ココアの粉が、ついちゃいましたね」
そう言うと私の手を取る。振り払おうとして、先ほどの失敗を思い出し固くなった時、
「私、綺麗にします」
と、私の人指し指をゆっくりと口に含んだ。
私の目を見たまま根元まで口に含み、それから瞳を閉じてゆっくりと舐め上げる。

「…っ!」
蠢く舌が指先に辿り着くのを感じて、下腹部に力が入ったとき、
彼女はぱっと手を放して急に目を開けてにっこりと微笑み

「先生、真っ赤ですよ??」

と軽やかに言った。


終了
454名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:53:28 ID:tp5DZlkS
終わりが半端ですいません。

で、サンバマンお願いします。
455名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 00:59:05 ID:Mv/h/YJl
>>445
乙!サンバマンじゃないけど踊りますよ!


グッジョブグッジョブ
  ∧∧  ∧∧
 (*゚ー) (*゚ー)
`と  つと  つ
〜( つ 〜( つ
  (/   (/

 ハニャニャニャ〜ン♪
  ∧∧  ∧∧
  (*゚ー) (*゚ー)
  / つつ / つつ
〜/  ノ〜/  ノ
 しし  しし

みんななかよく
 ∧∧   ∧∧
(゚ー゚/))) (゚ー゚/)))
⊂  ノ  ⊂  ノ
(イ ノ〜  (イ ノ〜
 し′   し′

 ハニャニャニャ〜ン♪
`∧∧  ∧∧
(^ー^*) (^ー^*)
⊂⊂ ヽ ⊂⊂ ヽ
 ヽ  )〜ヽ  )〜
  `J`J  `J`J
456名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 01:02:31 ID:RXiZSjX5
サンバマンいらなかったー!!
氷室GJっす!
前半切かったのに、その後一気に甘くなった雰囲気にとても萌えました…
氷室はキビキビしてていいなぁ…
457名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 01:05:08 ID:0xL28jal
中盤の緊張感がエロせつない感じでグッとくるね。乙。
1のキャラもやっぱりいいな〜。
458名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 01:09:43 ID:xzLBs7s7
乙! 前作氷室最萌えだったのでウレシス。
こっちのてんてーはやっぱり我慢に我慢を重ねて爆発!が萌えだなーw
459名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 01:20:34 ID:K5UHEtaD
同じく氷室先生最萌えだったので鼻息荒くGJGJ!!
大人の余裕がたまらない。萌え
460名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 02:00:29 ID:tp5DZlkS
レスありがとう。2をやったら2を書きたい。
461名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 02:19:58 ID:n3IZiKRH
>>445
超GJ!!
細やかな描写と微エロに(;´Д`)ハァハァ
最後もイイネーイイネー
作品良すぎてヒムロッチたち二人が羨ましくなるww
462名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 02:21:22 ID:Vfu71cMN
なんかとってつけたような乙レスが痛々しい
463名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 02:24:48 ID:YJSlmmj1
ぜひ2やってください。2のてんてーも素敵ですよん。
ヒムロッチ我慢できるのかなw
464名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 02:25:17 ID:n3IZiKRH
>>462
いい加減にしとき
そんなに感想貰えなかったのが悔しかったのか?とか言われちゃうぞ
いい作品には感想を伝えたくなる、それだけだ
465名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 02:27:37 ID:sihsSoO+
GJ!
2全員クリアしたけど氷室がやっぱり最萌えだと
今日から氷室プレイを始めたばかりだったので得した気分
真っ赤になるてんてーいいなあ
466名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 02:58:01 ID:GkEgyW1Q
>>462

あの……落としものですよ?

         .∧__,,∧
        (´・ω・`)
         (つ乙と)
         `u―u´

  あなたのすぐ後ろに落ちていましたよ?
467名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 03:30:21 ID:rq187PaO
確かに乙言えといわれたから無理やり乙連発してるように見えるなw
今の流れだと。
まぁ仕方ない。
468名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 08:18:49 ID:FJUINC+n
そうだね、仕方ない
で、言いたい人が言えばいいんじゃないか?

あの流れで投下した勇気にGJ
469名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 08:57:11 ID:0FMH7G9q
自分も心からGJを送るよ!!やっぱヒムロッチいい!!
2も大体終わったし久々に氷室とき修でも挑戦して自分をいじめてみるかww

いい意味でも悪い意味でも、神は存在感がでかすぎたんだな
そのいい部分がより多く見えるヤシは信者と化し、
悪い部分が多く目についちまったヤシはアンチと化す
実に2chらしい
470名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 12:50:28 ID:XVOdXzt9
悪い部分がというより妬みry
471名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 13:03:17 ID:RAogfqrk
また神とか言い出すから神と崇められる人も職人天使たちも投下しづらくなるわけで
やめてやりなよ
472名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 13:05:10 ID:Pcb9WVI8
半コテハンは嫌われがちっつーのもあるな。
それがあれば読んでたのもあるので自分は助かってたけど。
473名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 13:24:15 ID:0xL28jal
職人天使にちょっと受けたw
474名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 14:56:47 ID:4kfxQ3U9
まぁ文章なんて全く書けないROM専からすれば
みんな等しく神であってありがたさに差はない

という訳でジャンジャン投下お待ちしております
475名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 16:54:02 ID:sBGc6KR0
>みんな等しく神であってありがたさに差はない

これはないな
476名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 17:10:41 ID:RAogfqrk
奇麗事言いたいなら全ての投下に乙コールしなよっつーね
477名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 17:56:42 ID:7dlhUnNo
上手い人でも長い前書きと後書きで自己アピール全開だと萎えるし
そういう半コテへのマンセーばかりが続くくらいなら
上手下手に関係なく投下がたくさんあって、いろんな人の作品が読める方がいい
1の頃にあったバカ子マンセーみたいな雰囲気は嫌だ
478名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 18:33:56 ID:OQKvBYQy
どうしてレベルの高い職人さんが追い出されかねないふいんきry になってるんだ…
確かに多少半コテに近くなってはいたが、萎えるなら読まなきゃいいんじゃないか?
これで寸止めさんの作品読めなくなったらどうしてくれよう!!(゚д゚#
寸止めさんに限らず、いい作品だったら沢山のレスがつくものだろう
ここは2ちゃんだ。
479名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 18:48:36 ID:kjxKaI+I
つか、こんな雰囲気じゃ寸止めさんも他の職人さんも投下できないだろう。
もうそろそろ終わりにしないか。

>>445
乙!悶絶するてんてーが容易に想像できたw
480名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 18:59:52 ID:WAMoTVAr
>>477
下手糞職人の嫉妬乙
481名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 19:26:14 ID:0FMH7G9q
もうこれはあれだな。有り体に言うと
職人さんは複数作投下する際には決して同一人物だとバレないよう
前書きも後書きももちろん内容も文体もガラリと変えて
あたかも別人が書いたように振る舞わねばいかんと。そういうこったな。
その上でレスが欲しけりゃちゃんとレベル高いもん書いて投下しろと。
ショボいもんには感想レスつかなくて当然だろと。

はい、以上の注意点を全てクリアできる自信のある職人様、いらしたらご光臨願います。
482名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 19:36:50 ID:CX7Y1KSD
レス平等派のいう平等って、一体全体何だ?
さっぱりわからん。
483名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 19:39:45 ID:7dlhUnNo
あーあ予想通り下手糞職人の嫉妬扱いされてるよw
何言ってもそう決めつけられるなら仕方ないね
484名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:01:21 ID:MXWjsuHM
>>483
(・∀・)ニヤニヤ
485名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:12:00 ID:pBrl+YC+
寸止め姐さんの作品読めなくなりそうだなもう。馬鹿のせいで。
あーあ。本当にサイトでも作って欲しいですわ。
486名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:14:17 ID:/quCmms/
少し前のネオロマスレのようだな
鳥付だけど必要最低限の前書きと終了宣言せず、細切れ投下してるわけでもない人が叩かれた
当然擁護もついて荒れた

おさまりそうになるとわざわざ煽るところもその口調もそっくりだ

似るもんなんだね
487名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:38:31 ID:QwyHXk+E
>>486
自分も似たようなこと思い出した。
ネオロマスレでもちょっと前に
自分が投下してGJもらうためにそのスレの神職人を貶めるような、荒らしまがいの勘違いが湧いてたよね。

投下には必ず乙つけるのが礼儀とか、優しさがほしいとか
正直、2ちゃんでこの流れは不自然だよ。

穿ちすぎかもしれないけど、
この板の乙女ゲージャンル全体に最近変なのまぎれこんでんじゃないかと思う。

とりあえずスレ住人は落ち着いて、自分が変だと感じる書き込みは各自スルーした方がいいかもね。
嫉妬厨だろうと愉快犯だろうと荒らしまがいの相手はしないが吉だ。
488名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:43:57 ID:QwyHXk+E
連投スマソ。

流れ的に職人さんは投下しづらくなっただろうけど
自分は寸止め姐さんも他の職人さん達の作品もwktkしながら待ってるよ。
489名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:51:51 ID:Jg6GIDN7
同意。
スルーが一番だな。
490名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:18:18 ID:x3t9XTDj
職人さんが投下しやすいように
感想レスが5つくらい続いてたらGJしたくても控えるとか
そういう気配りは必要かもしれないね。

職人天使の降臨お待ちしてます
491名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:19:45 ID:UvQFV8dO
>>490
気配りしたい気持ちは分からないでもないが、
その案はすごく変だろ。
492名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:24:35 ID:RAogfqrk
上にも出てたけどここはSS投下だけにして感想は別の掲示板用意する?
もしくはSSをどっかの掲示板に流して、ここは感想だけにするとか…
自分は面白い作品読みたいだけなのでどっちでもいいんだが
どうも気配りパラ600くらいありそうな人が気を揉んでるかんじなので
せっかく氷室×主投下で流れ変わると思ったけどこのままじゃ
次の神の降臨は無理だろどう考えても
493名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:27:19 ID:7m/XNL7P
>>492
>上にも出てたけどここはSS投下だけにして感想は別の掲示板用意する?

それが出来るのなら、保管庫の感想掲示板が賑わってるはず
494名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:32:16 ID:RAogfqrk
だよなーわざわざ他所行くの面倒だよな
同じスレで済むから読み手は即反応できるし
また職人さんは2ちゃんで投下すると感想貰えるから書くんだろうし…
やはり気配り高い人が全ての投下に感想マメに書くしか解決できないか
495名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:37:53 ID:/BUW2BDN
せっかく勇者が投下したのになぁ、意味ないだろ、この流れ

繰り返しになるが、「言いたい人が言えばいい」じゃだめなのか?
どんなに前の投下でもそれが良い作品だと「遅ればせながら」とか「今更だけど」と
レスがつくもの。投下に対して絶対に「乙」と言うべきだと思う人間がそんなにいるのならば
同じようにすればいい。それならば、いつでも乙コールに包まれてるスレになるでしょ?
そしてそうするべきだと思っている人間にとって、満足いく結果になるのでは?

それで、なんの問題もなくなると思うけど
496名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:40:05 ID:3/seZ4p8
ここでダラダラ実の無い議論してる気配りパラ0の奴らは
良いからさっさとケープ一枚で正座しながら神の光臨をwktkしてろ
497名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:40:33 ID:cVB9z2C6
まだ続いてたのかこの流れw

レス平等派っていうか…
普通の会社とかでも、特に素晴らしい仕事をした人にはGJ言うでしょう。
いやグッジョブとは言わないだろうけど。
でもそれ以外の、普通に働いてた人にも、去り際にお疲れさまって言うのが当然だと思うんだ。
リアルな世界だと、そういう常識的な挨拶はしない人の方が叩かれると思うんだが。
物凄く前に遡ってまで言う必要はないけど、出会い頭の挨拶くらいはしようっつー話だと思ったんだけど。

あれ? 違うの?
498名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:44:17 ID:G8xRnC/O
いい加減にしろ藻前ら
くだらない話に何レス消費したと思ってるんだ
そろそろ投下なしの雑談は控えろよ。せめてエロネタ入りでやれ
499名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:44:52 ID:EOJ4lOQl
>>497
社会では、「素晴らしい仕事」には相応の評価がもらえるけど、
それなりの成果しか出てなかったら「それなりの評価」しかされないよ。
いくら本人が頑張ってて、その努力の跡が見えていてもね。
500名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:45:35 ID:ntTpPTEX
ここはリアル社会ではなく2chだ
501名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:46:37 ID:ntTpPTEX
ごめん、497宛てにね。
評価に値しないと判断されたらスルーされても仕方ない。
無理に感想つける行為こそただの馴れ合いでしかない。
502名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:52:24 ID:CUgH9zgz
>>497
普通の会社だったら全員に挨拶するのに!みたいな訳わかんないこと言うなら
それこそ、投下・感想・雑談・煽り等々全てのレスに乙つけろよ。
お望み通り超平等じゃん。

というわけで、わざわざお前にレスしてやったので乙コールよろwww
503名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:52:39 ID:7bbmMZS3
久々に萌えを求めて来てみれば、
こんなスレで何で気遣いの論議なんかしてるのさw

このスレは>>1のエロ話でスカーッとするためと、
どこにも発散しようのない萌えを投下する場所だろうに。
評価云々をする為の場所ではない…はずだ。

自分は投下されたの一通り読むほうだけど、
職人には上手い下手かかわらず、投下してくれて感謝して読ませて貰ってるけどな。
それを表現しないといけないとか、決めないと駄目か?
テンプレに「投下後5レスは乙、またはGJコールすること」追加する気か?w
504名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 21:57:56 ID:3/seZ4p8
全部に乙コールとか偽善者ワロスお前がやれよwwww
って言いたいだけなら黙れ
いい加減やめろよ議論厨
>>495でFAなのにまだダラダラ議論してる奴らはもう荒らしと変わらん
505名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:03:06 ID:V8KIC2xJ
ああ、もう
>>1-504
506名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:03:21 ID:CX7Y1KSD
何度も言われてるがここは2ちゃんだ。
煽りや荒らしは当然だけど変な馴れ合いも必要ないとオモ。
一個の作品にレスは5個までとか社会では挨拶が当然とか意味ワカンネ。
私も以前投下経験者で、レスは1個しか付かなかったけど
だからってマンセーされてる作品に対して何とも思ったことは無い。
義理でレス付けられるほうが萎える。
507506:2006/09/23(土) 22:08:50 ID:CX7Y1KSD
あー。ちんたら書いてたら…ごめん。

ともかくエロが読みたいんだ!
ジークエロエロハッピーエロハッピー!
508名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:08:51 ID:CUgH9zgz
>>504
495どころか昨夜の>>415,416辺りでとっくにFAだっつーの。
なのにいつまでもこんなgdgdやってりゃ煽りの1つもしたくなる。
509名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:21:06 ID:Bpym42jw
ちんたらかいた が ちんこかいた に見えた。
ただの課長みてたせいかな。
510名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:26:28 ID:0xL28jal
レスの多い少ないは萌えた結果だから差があって当然だけど、
コテハンやめようって1にもあるスレで
半コテ状態を作り出して
「さすが姐さん!○○も書いて〜」
なんてやるのは馴れ合いウザーと言われても仕方ないと思う。
書き方の問題じゃないのかな。
「寸止め姐さん」なんてコテハン状態じゃなかったら
ここまでレス平等派が過敏反応することもなかったと思うよ。

コテつけるのが悪い、とかいう話ではなく、そういう状態を作り出すことで
揉める可能性があるスレだということです。
だからといって礼儀乙コールが必要だとは思わないけどね。
それとこれとは別だから。
511名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:29:58 ID:0xL28jal
乗り遅れスマソ…!
スルーしてください。
改めて氷室SS職人の漢気に敬意を表しつつ、
水着エプロンで冬の海を散歩してきます。
512名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:36:32 ID:sihsSoO+
もういっそ276からの隠し談義に戻ろう

スク水に萌えてプールの中でデイジーを襲う隠しとか
フリマに出かけてお揃いコスプレ買ってコスプレイとか
513名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:41:45 ID:R9fyM/TA
卒業後にはば学&はね学制服で制服デートプレイ
森林公園で青カン
514名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 22:52:58 ID:mf3n/krQ
話の流れ無視して書き込むけど
サントラの黒天地は良かったね
特に最後の一言に、Sな感じが漂ってて
515名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:06:01 ID:fkf9AqQh
隠しはデイジーにはば学の制服着せて教会で押し倒す
制服&神聖な場所を汚すプレイを推したい
516名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:07:50 ID:olgj/Roh
隠し萌えかあ……いいなぁ



はば学から季節外れの転校生。
あまりの美少女っぷりに周囲は騒然!
(氷上君を取られちゃうかも…!)
不安におののくデイジーの腕にからみつく転校生!
「校内を案内して下さる?」
「う、うん…いいよ」
職員室、図書室、そして人気のない屋上。
「ずっと君が好きで転校までしてきたんだ。君に見せたいものがある」
シュバッ
「ああっあなたは三原色!!赤城君はどこっ!?」
「彼は冷たい土の下だよ。ククククク」
「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」
517名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:07:54 ID:GkEgyW1Q
>>512
見た目一番フツーだと思うのに(個人的に)
なんつーマニアックなw

あー、違う学校同士の制服デートってなんか萌えるね>>513
上手く説明出来ないけど…なんか萌える

はば学&はね学制服でフリマにショッピングデート
バッチリお揃いコスプレ服購入後
温水プールに立ち寄ってスク水に萌える
アフターデートは森林公園で青カンな
隠し×デイジーSSマダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
518名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:31:21 ID:4kfxQ3U9
>>517
濃いなぁ隠しwwww
519名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:33:15 ID:RAogfqrk
516の意味がまるでわからない
520516:2006/09/23(土) 23:43:07 ID:olgj/Roh
書いた私にもわからない♪
というわけで
再開♪
↓↓↓↓↓↓
521名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:44:58 ID:+u6ck8f5
…なんか苦しい流れだな
522名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:28:11 ID:2dpPLvIX
まぁ、隠しは未だに出てないな。
自分も隠しを楽しみにしてる。
523名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:38:49 ID:+qlyK8Gu
前スレにあったよ隠し×デイジー
524名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:51:05 ID:9Bu0lLiU
まだ出てないのは櫻井×デイジーくらいか
525名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:54:06 ID:AySYhRq5
ちょw櫻井www
モブの地球儀少年×デイジーも出てないぞ
526名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:56:06 ID:MguaBy1j
井上×デイジーも
527名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 01:03:25 ID:UzSEHCVu
櫻井×デイジーはできないこともなさそげだけどなぁ

地球儀少年×デイジーとかは無理だw
どっちにしろ妄想補完99%な設定になるだろうけど。
528名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 01:31:34 ID:U7eeBMel
斉藤×デイジー
泳キング×デイジーは
書ける人なら書けそうな気がする。
529名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 01:37:22 ID:aw0F0sYF
むかーし、斉藤→デイジーをマンガで読んだ事がある。
530名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 01:41:06 ID:aw0F0sYF
あ、デイジーじゃなく無印ヒロインね。
531名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 01:59:01 ID:mDMWPa1n
櫻井はビジュアル出てないんだっけ?
出てたら1の益田みたいなポジションとして人気が出たかもしれんね
532志波×デイジー 0/9:2006/09/24(日) 02:05:14 ID:aw0F0sYF
志波×デイジー投下します。

★3年目の夏、二人は少し前から付き合っている。キス1回済み
★志波母親ねつ造してます
★全体的にぬるいです

お茶請け程度になれば。
ヨロシクです。
533志波×デイジー 1/9:2006/09/24(日) 02:06:08 ID:aw0F0sYF
8月のある晴れた日。
夏休みの宿題を一緒にやるという名目で、志波は付き合い始めて間もない彼女を家に誘った。
彼女が志波の部屋にはいるのはこれで4回目になる。付き合い始めてからは初めてのことだ。
「適当に座れよ」
いつものようにそう告げると、彼女はこくんと頷いた。
まだ少し緊張が残るぎこちない雰囲気でちんまりと座っている彼女が小動物みたいで、
志波はおかしくなる。
「楽にしろよ。とって食いやしないから」
くっ、と笑いながら言う志波に、彼女はすこしむくれて言い返す。
「べ、別にそんなこと気にしてないもん。ただ……会うの久しぶりだから。」
今年、志波とマネージャーである彼女の所属する羽ヶ崎学園野球部は、甲士園出場を果たし、
更には決勝戦まで駒を進めた。
惜しくもそこで破れ準優勝になりはしたが、それはとても熱く燃えた夏だった。
志波の元にもマスコミや地元の人々、にわかファン達が押し掛け、
騒ぎが落ち着くまでの2週間ほどは彼女と電話するのもままならなかったのだ。
だから、彼女がそう感じるのも仕方のないことかも知れない。
「そっか。そうだよな。ま、久しぶりなのはお互い様だ。今日はゆっくりしよう。」
「……うん。」
彼女がにっこりと笑う。
……この笑顔に、どれだけ癒され励まされてきたか。
夏の間に酷使してすこし痛めてしまった腕を休めるという名目で、
志波はメンバーに選ばれていた日本ジュニア選抜遠征参加を辞退した。
もう大学進学を決めていた志波にとっては、腕のこともそうだがそれ以上に大切なことがあったのだ。
この夏、どうしても彼女との仲を進展させておきたい。
卒業まで後僅か。進路もこの先別れてしまう可能性が高い。
せっかくここまでこぎつけた関係が白紙に戻ってしまうかも知れないという不安が
志波の胸には常にあった。
今は運良く自分が確保している彼女の隣の席。
だが、隙あらば彼女の隣の席に座ろうとしている男達が列をなして後ろにいるのだ。
それはきっと、別々の大学に行ってしまったらより顕著になるに違いない。
彼女との絆を今以上のものにするために、少しでも一緒に過ごす時間を持つ。
それが今志波の中で何よりも先の最重要課題だった。
534志波×デイジー 2/9:2006/09/24(日) 02:07:17 ID:aw0F0sYF
「勝巳、勝巳〜」
突然階下から母親に呼ばれた。志波はドアを開け、少しだけ顔を出して返事をする。
「何だ」
「コーヒー!淹れたから取りに来て〜。」
「ああ、サンキュ。今行く」
彼女に一言告げて階下に下りる。
コーヒーとちょっとした茶菓子を受け取ると、母親がニコニコしながら話しかけてきた。
息子と違って背が低く、陽気で口が回る彼の母親は彼女のことが大のお気に入りらしい。
「いつ見てもかわいいお嬢さんねぇ。モテちゃって大変なんじゃない?アンタ大丈夫なの?」
「……まあな。」
親に自分の彼女のことをどうこういわれるのはむずがゆい。
対応に困るので大抵は無視することにしているのだが、誉められて悪い気はしなかった。
すると母親が、ニコッと言うよりはニヤッとしてとんでもないことを言った。
「そうそ。これからちょっとお父さんと出かけてくるからね。夜遅くまで戻らないけど
 ……襲っちゃダメよ、か・つ・み君♪」
「……なっ!何いってんだ!!! する訳ないだろそんなこと!」
ほほほほーという笑い声を後に、顔を真っ赤にした志波は慌てて台所を飛び出した。
……全く、自分の息子に対して何て事を言うんだ、あのババァ……!
思わず荒くなってしまった呼吸を幾分整えてから部屋に戻る。
「わ、ありがとう。アイスコーヒーだぁ。嬉しい!」
母親に変なことを言われたせいで、彼女の姿を見るのに何となく気が引けてしまう。
ネック付きだが胸元が丸く開いたタンクトップに、赤いチェックの短いプリーツスカート。
志波好みの、スポーティながらも露出度の高い格好が今更ながら目について落ち着かない。
「何か楽しそうな声が聞こえたけど、何話してたの?」
「い、いや何でも。……親父と二人で出かけるからって言われただけだ。」
「ふぅん?」
志波の発言の重要性に気づいたのかそうでないのか、彼女の様子は別段変わらない。
志波くんのご両親って仲いいんだね〜などと言っている。……のんきなヤツだ。
志波はホッとしたような、すこし残念なような複雑な気持ちで溜息を付く。
大体こいつは元から鈍感なんだ。色々気を回しすぎるとこっちの身が持たない。
こうして付き合えるようになったのも奇跡みたいなもんだな。
志波がちょっとの間黙ってしまったせいできょろきょろと目を泳がせていた彼女が、
ふと本棚に目を留めた。
「アレ?これなに? あ、アルバムだぁー」
彼女が嬉しそうに本棚から大きなアルバムを取り出した。
「ね、ね、見ていい?志波くん」
アルバム自体は別段見られて困ることはなかったのだが、先程の彼女の
あまりに無頓着な様子に少し呆れた志波は、意地悪をしてみたくなった。
「ダメ。見せない」
そういって彼女の手からひょい、とアルバムを取り上げる。
志波の方が背が高い分腕が長いので、頭上に高くアルバムを掲げてしまうと
彼女にはどうやっても届かない。
「あ〜、志波くんのケチ! 見せてよー」
本気で見せたくない訳ではないことを解っているのか、彼女が笑いながら膝立ちになり
アルバムめがけて手を伸ばしてきた。
が、勢い良く伸び上がりすぎてバランスを崩し、そのまま志波の方に倒れ込んだ。
535志波×デイジー 3/9:2006/09/24(日) 02:08:03 ID:aw0F0sYF
「きゃっ!」
「……!」
ふにゃ。
…………今の感触………一瞬肩の辺りに当たった、柔らかい弾力のあるもの。
それが何か悟った瞬間、志波は思わず赤くなり、更に口元が己の意志とは無関係ににやけた。
慌てて呼吸を整え、平常心平常心と何回か心の中で呟く。
幸い自分の方に倒れ込んでいた彼女には見られずにすんだようだ。
「いったぁ……。あ、し、志波くんゴメン!……腕!痛めてた腕!大丈夫?」
さすがにマネージャーらしく、自分のことよりまず俺の腕を心配してくれる。
胸のことは……気づいてないのか反応はない。
「ああ、もうほとんど治ってるから大丈夫だ。それよりお前は?どこか打たなかったか」
「うん、平気。……ゴメンね。」
床に手をつき、志波の方に屈んだまま可愛らしく小首を傾げ彼女が申し訳なさそうに微笑む。
(う、む……胸が)
グラビアアイドルが良くするように、屈んだ上に二の腕で寄せられた状態になった胸の谷間が
志波の目に飛び込んでくる。
視線がついついそっちにいってしまうのは、健全な17才の少年なら当たり前のことだろう。
「ほ、ほんとに大丈夫だから。……ほらコレ。好きに見ていい」
慌てて視線を逸らしアルバムを彼女に渡す。
「わぁい、ありがとう!」
こいつはやっぱりこういうことにも鈍感なのか……。
今、俺の頭の中身をのぞき見ることが出来たら、一体彼女はどんな反応をするだろう。
照れる?怒る?呆れる……それとも驚いて裸足で逃げ出すかもな。
そんな志波の気も知らず、彼女は渡したアルバムを楽しげにめくっている。
さっきのハプニングで緊張がほぐれたのか、いつもの調子ではしゃいでいる彼女の質問に
適当に応えながら、志波は悶々と考えていた。
「はぁ〜、面白かった! 少ししゃべりつかれちゃった。」
興奮しているのかいつもより少し上ずった感じの彼女の声。
紅をさしたように赤くなったほおが、ただでさえかわいらしい顔を色っぽく見せている気がする。
……だめだ、やっぱり今の俺の思考回路は……危ない。
「……俺も少し喉が渇いた。コーヒー、おかわり入れてくる。」
「あ、でももうお母さんいないんでしょう?今度は私が」
さっき家の外から聞こえてきた話し声と、車が発進する音に気づいていたのだろう。
鈍感なくせに、変なところに気が回るんだこいつは。
「いい。お前は客だ。そこで待ってろ」
このまま同じ空間にいたら息が詰まって仕方ない。
少しクールダウンする目的もあって、志波はカップを持つと部屋を出た。
「はぁい。早く戻ってきてねv」
……語尾にハートマークがついて聞こえるのは、俺の願望ゆえの気のせいか。
志波はコップを台所に置くと、やかんを火にかけた後とりあえず洗面所で顔を洗った。
鏡に映る自分の顔を恐る恐る見る。
大丈夫、我慢できる。
いくら彼女との仲を進展させたいとは思っていても、さっきの今で何か出来るはずがない。
いつもより少し早くなるけれど、5時になったら送っていく名目で外に出よう。
……それまで、なんとか。
志波は、たっぷり15分ほど時間をかけてコーヒーをいれなおすと、彼女の待つ部屋に戻った。
両手にコーヒーの入ったカップを持っていたので、立ち止まって中に声をかける。
「悪い、開けてくれないか。」
一瞬待ったが返答が無い。
おかしいな、帰ったわけでもないだろうし……トイレか?
志波は仕方なく、いったん床にコップを置いてからドアを開けた。
536志波×デイジー 4/9:2006/09/24(日) 02:09:17 ID:aw0F0sYF
「……………………!!!」
バタン!
部屋の中の光景にびっくりして、志波は思わずドアを閉めてしまった。
今のは一体なんだ?幻か!!?
深呼吸して、もう一度ドアをそっと開けてみる。
……幻ではなかった。
志波が、いつも寝ているベッドの上。
そこに、あろうことか彼女が寝ていた。
座ったままパタンと横に倒れた格好で、静かに寝息を立てて。
「…………」
志波の頭の中はもうパニックだった。
眠れぬ夜、幾度も夢想しては打ち消していた彼女のしどけない寝姿。
スカートから伸びたきれいな足がほんの少しだけでも動けば、すぐにその中まで見えてしまいそうな。
いけない、視線を外さなければ。何か掛けてやるものは……。
しかし夏場だ。唯一ベッドに置いてあるタオルケットは、彼女の下敷きになっていた。
もう一度下行って、バスタオルでも取って……
「う…ん。」
ドキリ。
彼女の口からため息のような寝息がこぼれた。
……起きるのか? どうする、一旦部屋を出た方がいいか?
志波が息を呑んで見守る中、彼女はちょっと手の位置を変えると、また寝てしまった。
規則正しい寝息を立て始めた彼女を、志波はホッとしたような複雑な気持ちで眺める。
そういえば、こうやってまじまじと寝顔を見るのは初めてかも知れない。
野球部の合宿も修学旅行も、当然ながら部屋は別れていたし。
いつも俺を見上げているもの問いたげな大きな瞳。
今はぴったりと閉じられていて、長い睫毛が少し日に焼けた肌に影を落としている。
高くは無いけれど形の良い鼻、ぷっくりと濡れたように赤いつややかなくちびる。
自分の片手で回ってしまいそうな細い首……。
志波の手がゆっくりと動き、その頬にそっと触れた。
こいつのこんな姿を目の前にして、我慢が出来るはずがない。
「危なっかしいヤツ……。」
彼女の頬を人差し指と中指の甲でそっと撫でてみる。……少し冷たくて、とろけるように柔らかい。
そのまま手を首の後ろにそっと差し入れていくと、さらさらとした髪の間から
不意に甘い香が立ち上った。いつも彼女の周りで漂うように香っているコロンの匂いだ。
思わずくらり、とする。
少しだけ。彼女が気づくまでの間ちょっとだけなら。
志波は髪を掻き上げてゆっくりと彼女の首筋に唇を落とした。
537志波×デイジー 5/9:2006/09/24(日) 02:09:50 ID:aw0F0sYF
……甘い。まるでお菓子のようだ。
そのまま首筋から頬に掛けてをついばむように味わっていると、ようやく彼女がぴくりと反応し、
志波の愛撫に呼応してあえぐように呟いた。
「ん………や……志波、く…」
今度こそ本当に志波の頭の中でぷつりと音がした。
「……ダメだ。限界。」
志波はがばっと彼女にのしかかると、右手は彼女の後頭部をしっかりと抱え、
左手で背中を引き寄せて彼女の首筋から耳たぶまでを熱い舌でざらりと舐めあげた。
「きゃ、う! ……あ、志波く……!?」
ようやっと目が覚めた彼女は状況がよく解っていない。
いきなり志波に抱きすくめられていて、軽くパニックになっているようだ。
「な、何?どうしたの? 私……」
「……お前、男の部屋でそこまで無防備に寝るって事は、襲われてもいいって事だよな?
 ……今から襲う。」
「え、志波くん?ちょっとまっ」
抗議の声に答えずに、志波は彼女の唇を塞いだ。
一応ファーストキスは済ませていたが、相手が眠っているときにするのはフェアじゃないと思った。
だから彼女が起きるまで待ったのだ。もう遠慮する気は無い。
「ん……っ」
志波の熱い舌が、彼女のそれを追いかけてからめ取る。
寝ている間の愛撫で知らずにほてっていた彼女の身体が、頭で考えるよりも先に反応し
志波に応える。お互いの口内が融け合ってしまうような、長い長いキス。
「…っはぁ、はぁ……くるしぃ……」
「……。」
志波は彼女の抗議の声には応えずに、その首元に顔を埋めた。
そして右手でキャミソールの下からすくうようにブラジャーを押し上げ、
左手で背中のホックを器用に外す。
あっという間に彼女の白い胸が志波の目の前にさらけ出された。
「や……やだっ。恥ずかしいよ!」
慌てて胸を隠すようにした彼女の腕を、志波が半ば強引に引き剥がす。
そしてそのまま片手でまとめ上げ、彼女の頭の上に固定してしまった。
「ちょ、ちょっと志波くん!恥ずかしいってば」
「恥ずかしくない。……きれいだ。」
ちょうど良い大きさのきれいなお椀型の胸。当然日焼けはしておらず、まぶしいほど白い。
その頂にあるピンク色の突起は、興奮のためかツンと固く勃ち上がっている。
志波は身をよじって恥ずかしがる彼女に構わず、ひとしきりそれを眺めた後
残った方の手でそっと彼女の肌に触れた。
脇腹から少しずつさわさわと、胸の裾野を行き来する。
幾度かじらすようにゆるゆると往復した後、志波の手がようやっと胸のふくらみにたどり着いた。
538志波×デイジー 6/9:2006/09/24(日) 02:10:46 ID:aw0F0sYF
彼女の口から甘さを含んだ呼吸が漏れ出す。
「…………んっ……」
「柔らかい……」
ふくらみをすくい上げ、揉みしだきながら、志波は反対の胸の頂きをそっと口に含んだ。
「ぁ……あっ!」
産まれて初めての甘い刺激に、彼女の口から我慢できずに声がこぼれた。
自分でもビックリしたらしく慌てて志波に懇願する。
「や、いやだ、志波くん。お願い手を離して……声が出ちゃうよ。」
志波は彼女の胸に夢中で吸い付きながら、ちらりと上目遣いで彼女を見ると、
そのまま思いっきり突起を吸い上げた。
「あ、あぁんっ……!」
「出せばいい。もう家には誰もいないし、窓も閉めてる。大丈夫だ。」
志波が平然と言い放つ。彼女は息を切らしながら抗議した。
「そ、そうじゃなくて。……志波くん……志波くんに聞かれるのが恥ずかしいの!」
「……なら尚さらだ。」
志波は彼女の耳元に口を寄せ、荒い息と共に囁いた。
「俺は……もっと聞きたい。」
そう言うと志波は彼女の首筋を伝って唇を胸まで戻し、今度は舌で全体を舐め始めた。
時折乳首を吸い上げながら執拗に、這いずるように。
「ん、ぅっ……んんっ!」
一生懸命我慢しているようだったが、彼女の口からは声が漏れ出てしまう。
そうするうちに、今度は志波の手が彼女の下半身に移動する。
腰からお尻、太股を撫で、スカートをたくし上げるように中に進入した。
「……志波く……だめ!」
「ダメだ。もう止められない。」
「だ、だって、あっ、今日暑くて、私……あんっ、汗かいてるし……」
その間も動きをやめない志波の手に翻弄されながらも、彼女が懸命に訴える。
「平気。俺はもうお前なら何でもいい。」
志波の手が彼女の中心にたどり着いた。
ショーツの上から上下に、円を描きながら探るようにやわやわと動く。
「ふ……ぁ、あっ……」
そこは既にぐっしょりと濡れていた。
「……もうびしょびしょになってる。お前のここ……」
低い声でそう言われ、彼女の顔が赤くなる。
「やっ……、だって…志波くんが……」
「気持ちいいことするから、か?」
「…………!」
志波の指が一番敏感な部分を探り当て、彼女はそれ以上抗議が出来なかった。
ショーツの布地ごと、押し広げるように中をかき回され、彼女の腰がびくんと浮く。
539志波×デイジー 7/9:2006/09/24(日) 02:11:38 ID:aw0F0sYF
「ん、ん、あ……、ああんっ……」
既に拘束は解けていて、彼女の両手は自由になっていた。
だが彼女の手は口元を抑えることもなく、シーツを掴んで与えられる快感に耐えているだけだ。
志波の手がショーツの中に進入してくる。
布越しとは比べものにならないくらいの刺激に、彼女はどうにかなってしまいそうだった。
その指が湧き出るぬるみを助けにするりと彼女の中に進入すると、彼女は圧迫感に息を飲んだ。
だが、志波が彼女のショーツを取り去り、身体で足を割り開らきその部分に顔を埋め
敏感な芽を舐め始めると、それがいいようのない快楽に変わっていく。
「あん、ああ、あっ……。志波く……ん、あっ……」
彼女の声が甘さを増していき、その意志とは関係なくびくん、びくんと腰が跳ね上がる。
志波はざらざらと締め付けてくる彼女の内側をゆっくりとかき回し、
段々と自分も我慢できなくなってきていた。
くちゅくちゅと響く水音が果てしなく卑猥だ。
彼は、人間の体内がこんなにも熱いものだと初めて知った。
「ここに入りたい……いいか?」
一瞬、彼女の顔に不安の色が浮かぶ。
志波はやさしく彼女に口付けながら、彼女の手を取り自分の所へ誘導した。
「お前が欲しくてこんなになってる。」
志波のGパンの前が、見た目でもそれと解るほど固くなっているのが解る。
「……。」
彼女はそれに触れ、そっと撫でてみた。
「ンっ……。」
思わず志波の口から声が出る。
切羽詰まったような、甘い声。
彼女は志波のズボンに手を掛けると、ボタンを外しジッパーを下ろした。
「……触っても、いい?」
志波が目で頷く。
彼女は、志波のボクサータイプのパンツの中から、優しくそれを導き出した。
「すごい……。」
恥ずかしくてあまり直視できなかったが、そっと触れる度にびくびくと脈打つそれは
まるで別の生き物のようだ。
「あんまり、触るな……ッ!」
もう彼女の手の動きだけでも爆発してしまいそうなそれを、彼女はもう一度不安そうに眺めた。
「これ……入れるの?」
「……嫌か。」
少し考えて、彼女は首を振った。
「ううん。嫌……じゃない。でも、あの……あれは、ある?」
志波が枕元の棚から、ゴムを取りだした。
「もうずっと前から用意してる」
身体目当てなどとは絶対に思われたくはなかった。できるだけ大切にしたかった。
だから、どうしても勇気が出なくて今日までかかってしまった。
……そんなことをしなくても絆を深めることは出来るとも思っていた。
だが、やはり初めてキスをしたときからずっと、いや、正確にはもっとずっと前から
自分は彼女を抱きたいと思っていたのだ。
540志波×デイジー 8/9:2006/09/24(日) 02:12:46 ID:aw0F0sYF
もちろん、彼女の方だってそれは意識していた。
志波のことを好きになり、付き合うようになってキスをして……。
セックスについて当然知識はあったから、漠然とそんな日が来るだろう事は想像していた。
ただその時はとても痛いものだと聞いていたし、やっぱり実物を見てしまうと少し恐い。
でも……。彼女は考える。
きっと志波のことなら信じられる。
優しくて強い彼。彼が与えてくれるものなら、その痛みさえもきっと受け止められるはずだ。
彼女は全てを覚悟すると、にっこり笑って志波を見つめた。
「よし。じゃあ行くぞ。辛かったら言ってくれ。頼む。」
「うん。……頑張る。」
志波はもう一度彼女の入り口を丹念に愛撫しはじめた。
舌と指で中をかき回し、突起を舐る。彼女が少しでも自分を受け入れやすいように。
あふれ出た愛液がシーツにシミを作り始めてようやく、彼は自身を彼女の入り口にあてがった。
「声、出していいから。」
それは彼女の想像以上に激しい痛みだった。
まるで自分のそこが裂けていくように熱く、焼けるようだ。
「……あ、あ、やぁっ!あああ!」
自然と上に上にと逃げる彼女の身体を、志波はしっかりと抱きしめた。
固い入り口を少しずつ少しずつ圧し開くように、ゆっくりと自身を埋め込んでいく。
「志、波く……ん、志波くんっ……んんんっ!」
そして最後に、彼女の腰をしっかりと押さえて一気に奥まで打ち込んだ。
「あ、ああああっ!」
志波は仰け反る彼女をぎゅっと抱きしめ、中に入ったまま動きを止める。
目尻から流れ落ちる涙をそっと舐めとり、おでこに口付けると、
ぎゅっと閉じられていた彼女の目が薄く開き志波を見た。
「……志波くん……」
「痛いか?」
「うん、少し……。でもね……嬉しい。」
涙をにじませたまま、彼女はニッコリと微笑んだ。
「お前……」
その笑顔に志波は我慢が出来なくなった。
「……動く。少し我慢してくれ」
そう言うと、志波はゆっくりと彼女の中で動き始めた。
そこはとても熱くて狭く、愛液でぐしゃぐしゃのはずなのに摩擦でキツイ。
「……くっ……」
あまりの刺激にすぐにでも達してしまいそうだ。
志波の動きはすぐに激しく性急なものになった。
「……あ、んっ……う、ああっ……!」
自分の肩にしがみつき、甘いよりも、少し苦しげな声を上げる彼女の背中を抱きしめ、
顔にキスの雨を降らせながら、志波は段々と頭の中が白くなるのを感じていた。
「あ、あ、志波くん……!」
「………っ!」
熱い熱い彼女の中で、志波はようやく自分を解放した。
541志波×デイジー 9/9:2006/09/24(日) 02:13:48 ID:aw0F0sYF
「足の間に何か挟まってるみたい。」
初めてのセックスの後。
シャワーを浴び(もちろん髪の毛は濡らさないように)、着替えて、また二人は
志波の部屋に戻ってきていた。
「すまない。大丈夫か?」
「うん、何とか。でも歩く時ちょっと変。」
「……。」
志波は言葉が無くなってしまう。
男の自分は入れて出すだけだが、女はそう単純にいく訳ではないことを改めて自覚したのだ。
「志波くん?」
彼女が不思議そうに顔をのぞき込んでくる。
その頬を捉え、ゆっくりとキスをする。
「……ん。」
彼女も優しくそれに応えてくれる。
「……大事にするから。お前のこと。」
これからもずっとお前だけを見て、お前のことだけを考えて。
だからずっと俺の側にいて欲しい。
「好きだ。」
そう言いながら彼女を抱きしめ、もう一度キスをした。
「志波くん……。」
にこにこと例の笑顔で笑いながら、彼女が志波の肩に頭を寄せる。
身体をつなげて確実に縮まった二人の距離を感じながら、志波は改めて幸せを噛みしめていた。
「あっ!」
ふと彼女が素っ頓狂な声を上げた。
「宿題……ぜんぜん手つかずだ……。どうしよう」
今までの甘い雰囲気もどこへやら、彼女が本当に困った顔になり志波は思わず笑ってしまう。
「明日一緒にやろう。……ここだと、きっとはかどらないから、図書館でも行くか。」
「……ここだとはかどらないって……。志波くんのエッチ。」
「仕方ないだろ。男は狼なんだよ。」
「志波くん、古い。若王子先生みたい」
「そうか?」
「そうだよ。やーい、おじさん」
きゃっきゃと笑う彼女をベッドに押し倒してキスをする。
「きゃぁ、オオカミ!」
楽しげに笑う彼女の首筋に顔を埋め、その体温と香りを感じながら
志波は来るべき二人の未来に想いを馳せた。




**********
以上です。お粗末様でした。
き、緊張したー。
542名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 02:22:10 ID:UzSEHCVu
>532
リアルで読んでた! こんな時間に乙です!
なんか志波って、一回やると次からは本当に狼になりそうだなw

あの嵐の後にGJな作品を読めて幸せですよ…。
自分も何か書こうと改めて思えた。
543名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 02:30:42 ID:VYmznJGt
>>532
初リアルタイムで読んでもうた。GJ!
志波は性格が適度にエロくて良いね(*゚∀゚)=3
544名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 02:36:13 ID:uUUpBRhN
ムッホー!志波キタコレ!!!11!
塚、卒アル取りのじゃれ合い最高(*´д`*)
最後のじゃれ合い最高おおお(*´д`*)
545名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 02:51:27 ID:ac5VIHVi
>>532
乙&GJ
志波最萌えだから普通に嬉しい
「デイジーなら何でもいい」発言に惚れた
確かに奴はデイジーならどんなデイジーでも良さそう
546名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 09:12:33 ID:Ehh14iSg
>>532
これは良い志波だ。実に良い志波だ。
可愛らしくて萌たよ、殺伐とした中で萌をありがとう
547532:2006/09/24(日) 12:43:21 ID:aw0F0sYF
GJ&乙コール有り難うございます!
……やっぱり投稿してから色々粗が見えるもんですね orz
タイミング的にどうかなとは思ったけれど
ちょうど書き上がったので、えいやと投下させていただきました。
読んでくれた方、どうもありがとう。

他の職人様の降臨もワクテカしてお待ちしております!
548名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 12:53:46 ID:d5wk+jP8
寝ている間に萌え作品がっΣ(゚∀゚)
GJGJ!!強引で優しくて意地悪なかっちゃんで禿萌えた
姐さんの志波イイヨーデイジーもかわいくてほんとにGJです
549名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 13:57:34 ID:p4TI+1cC
>>532
GJGJ!!
狼志波萌え!無防備デイジー禿萌え!
 
デイジーたんの胸が志波の肩にあたった時の
「きゃっ!」
ふにゃ。
っていうシーンで
事故チューした時に流れる例のBGMが脳内再生されたw
550名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 13:59:06 ID:p4TI+1cC
すまんsage忘れたorz
551名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 20:01:17 ID:r2Pu+fPL
天地×デイジー投下します。

・電車の中での痴漢プレイです。無理やりなので苦手な方は回避してください。
・鬼畜になりきれないヘタレ天地です。
・ゆえにあまりエロスを感じられないうえに、中途半端なところで終了します。
・デイジーはとても芯の強い子のようです。もしかしたら天地が好きなのかもしれません。
・テンパりすぎたために、日本語でおk。な文章です。
・これ地理おかしくね?二人はどこ行ってたんだよwwwと思ってもスルーしてくださるとありがたいです。
書いた人間が素で勘違いしてましたすみません。
552天地×デイジー 1/5:2006/09/24(日) 20:02:42 ID:r2Pu+fPL
夕闇と沈みかけた太陽とが交じり合った色。
規則的に揺れる電車の窓からは、同じように揺れる景色が見えた。
「今日はやけに混んでるね…」
車両が振動するたびに息苦しいほどの圧迫感を覚え、天地はつぶやいた。
「仕方ないよ。今日はいい天気だったし」
目の前の彼女は、首だけで天地を振り返り、そう言いながら手で自分の顔を仰ぐような仕種をする。
昼間の強すぎた日差しと、それに焼かれた人々の熱気で空気調節がうまくできていないらしく、
車両の中は不快に感じるほど蒸していた。

海へ出かけた帰り、電車の中には二人と同じように今日の夏日を楽しもうと
海水浴に行っていたであろう人達で溢れていて、無理やりに人が詰め込まれた車両の中は
まともに身動きが取れないほど窮屈だ。天地は彼女と身体が触れてしまわないように
近くの手すりにつかまり、なんとか二人の間隔を保っていた。
彼女は背後にいる彼のそんな苦労など気づかない様子で、窓の外を見ている。

(……早く着かないかな…腕が痺れてきた)
電車が揺れるたび背を押す乗客を、手すりにつかまった右腕一本で支えてきたのは、
目の前の彼女の身体に触れないためだ。深く恋い慕ってきた彼女の、夏場ゆえに露出も多く、
ただでさえ彼にとって悩ましいその身体が、触れるか、触れないかのあやういところにあるという現状だけでも、
彼の精神はひどく磨耗されていて、もしその体温を直に感じてしまうようなことになれば、
彼は感情にまかせてどこに走るともわからない、そんなきわどい場所に立っている。
しかし今、天地の腕は軽く痙攣を起こしそうなほどに疲弊していた。
目の前で彼女の濡れた髪が揺れている。
「ねぇねぇ、天地くん、見て!」
「ん、なに…?」
「ほら、夕焼け。海が太陽を飲み込んでくみたい……キラキラ光って綺麗だね」
抑圧された感情と、それを一本の腕で支えてきた理性との板ばさみで気もそぞろになった天地が
物憂げに顔をあげると、振り返りながらはしゃぐ彼女が窓の外を指差していた。
その瞳の端に、外の海よりもいくらか暗いが、きらめく太陽の光が映っているのを、天地は見た。
「……ほんとだ。綺麗だね、先輩」
「でしょ?……なんだかいつもより夕日が綺麗な気がする」
今日はずっと天地くんと一緒で楽しかったからかな、と嬉しそうに笑うと、小さな日の光の粒は、
薄い涙の膜が張っているようなその瞳の中でにじみ、彼女が表情を変えればそのたびにゆらゆらと漂う。
無邪気に笑う彼女を見ていると、自然と天地の頬も緩んでいた。
(こんなふうに笑ってれば、年の差なんて全然感じないのに……)
腕の痺れを感じながら、天地はぼんやりと思った。
553天地×デイジー 2/5:2006/09/24(日) 20:03:52 ID:r2Pu+fPL
太陽が完全に海の向こうへと隠れ、空は残り火のような橙と宵の藍が混じり、
せめぎ合いながら少しずつ夜の気配を深めようとしている。
そんな中、天地の腕の痺れは限界に近づこうとしていた。
もう片方の手で支えられる所を探したが、二人のすぐ左には立ったまま器用に眠っている男がいて、
その男の背しか見えない。彼女の前のドアに手をついて支えることも考えたが、狭すぎるために
左手を肩より上にあげられるほどの隙間がない。右手は離せばその瞬間に体勢を崩してしまいそうだ。
どうにか腕にかかる負担を紛らわせようとして、ゆっくりと深呼吸をすると彼女が不思議そうな表情で振り向いた。
「…天地くん?どうし………きゃっ!」
その瞬間、ひと際大きく電車が揺れた。急激に背中にかかる力、耐え切れなくなって離れる手。
「うわっ…!!」
目の前の彼女にぶつかりそうになり、天地は思わず手すりから離れた手を伸ばした。
どん、という大きな音と共に、彼女がびくりと身体を強張らせる。
「っ……!」
「だ、大丈夫…!?」
とっさに彼女の前のドアに掌を付こうとした天地だったが、タイミングが遅れ、肘を強打した。
彼女は、自分の肩口に顔を埋めるように俯く天地に声をかける。天地は俯いたまま
大丈夫だと小さく返事をした。体勢が崩れたことによって、あれだけ触れないよう気をつけていた身体は、
今や微塵の隙間もないほどにぴったりと密着していて、腕をぶつけた痛みよりも
その状況の方が天地の頭を支配していた。
天地の目と鼻の先に、彼女の剥き出しの肩がある。
呼吸をすると、その白い肩に息がぶつかり、彼女の香りをつれて天地の頬に返ってくる。
温かな彼女の身体は、彼の意識を懐柔し、彼の押し込められた熱を引きずり出すような柔らかさだった。
天地は自分の股間がわずかに脈打つのを感じていた。

「…先輩は、どこも痛くない?」
「うん、平気……。痛かったよね、ごめんね、…………ありがとう」
そう言うと彼女は、自分の肩口にある天地の頭を軽く撫でた。
「……こんな時まで年下扱いするんだ」
「…えっ?」
小さく呟いた天地の言葉に、彼女が振り返ろうとする。
そして今更ながら、二人の距離があまりにも近いことに気付いたようで、
数センチ先の瞳同士がぶつかると、みるみる顔を赤くし、急いで前を向いた。
そんな彼女の反応が、ますます天地を焦らせる。
赤く染まった彼女の頬から耳、汗をかいてしっとりと濡れた襟足からうなじ、
汗の匂いに混ざったシャンプーの香りが眩暈を誘う。
二人の距離に気恥ずかしさを覚えた彼女が身じろぎするたびに、
天地の股間のものを挟むように、彼女の双丘がゆるゆるとした刺激を与えてくる。
そのたびに彼は自身を律しようとするが、彼女の身体の柔らかさが
少しずつ理性を奪っていくように感じられた。
「………先輩、あんまり…動かないで……」
「あっ、ごめん…」
謝ってはいるものの、動かないでほしいと言った理由をいまひとつ理解できていない様子の彼女は、
言われたそばから身体をくねらせる。まだ股間の膨らみを彼女に悟られてはいないようだが、
いつ気がついてもおかしくないほどに大きくなった彼自身は、天地の理性が欲望へと
変化していることを物語っていて、それは彼が感情の波に抗おうとすればするほど、
より大きな、逃れようのないものになってゆくようだった。
彼女の髪が、天地の鼻先に触れる。
跳ね上がる動悸、襲う眩暈。
何かが崩れた気がした。
554天地×デイジー 3/5:2006/09/24(日) 20:05:14 ID:r2Pu+fPL
「先輩……僕の言った意味、ちゃんとわかってる?」
彼女がなにか言うより先に、天地は彼女の腕の隙間から左手を差し入れ、
その手を腰に回し、大きく膨らみだした股間を彼女の双丘を押し付けた。
「…っ!?」
突然のことで何をされたのかわからないといったふうな彼女だったが、しばらくすると
自分の臀に押し付けられているものに思い当たったようで、さっと顔色が変わった。
何か言おうと唇を動かすものの、声は出ていない。

(なに…してるんだろ、僕……)
天地は天地で、自分が起こした行動であるにもかかわらず、この状況に驚いていた。
そして頭の中で自分に失望した。彼は彼なりに年相応の少年として、初体験に夢を持っていたし、
その時になれば好きな人には出来る限りの優しさをもって接したいと、そう思っていたのに。
しかし現実は、己が欲望を彼女につきつけて怯えさせている。
こんな状況では言い逃れなど出来るはずもなく、この後の展開を考えると、天地は泣きそうだった。
友人だと思っていた人間に痴漢行為をされて、間違いなく彼女は自分を嫌いになるだろう。
もうこれから先、彼女が自分を好きになってくれる可能性はない、ましてや恋人になど
なれるはずもないのだ。彼女の笑顔を見ることも、声を聞くことすらもできなくなるだろう。
そんな考えが瞬く間に天地の脳内を駆け抜けた。
(きっと、こんなふうに出かけるのもおしまい…………最後なんだ)
そう心でつぶやくと、天地の胸のなかにそっと、絶望の影が差した。
そしてそれは彼の胸に大きく広がり、諦め、後悔、未練、などといった感情を落として、
さらに彼にどこか乱暴で、投げやりな思いを抱かせた。
(……そう、最後なんだ…だから、もうどうなったって…………)

まだいくらも働かない頭で自分の行動に困惑しながらも、
彼は彼女の耳に顔を近づけ、大げさに息を含ませて囁いた。
「先輩が悪いんだ……先輩が僕を誘うから」
その吐息にも身を縮ませる彼女。
大切にしてきたはずの恋しい人が、いま自分の腕の中で震えている。
衝動的な己の行いに背徳の念を抱きながらも、逆にそのことが天地の気持ちを大きく高ぶらせていた。
おおぶりのフリルがついたキャミソールの裾から手を差し入れると、彼女の身体が強張る。
初めて触った彼女の腹部は温かく、汗をかいていて、手のひらに吸い付くようだった。
今まで触れられるのは、せいぜい肩や手くらいだったが、
天地はその肌の感触を何度も一人で思い出しては、色々な想像をめぐらせていた。
これまでの想像を裏切らない彼女の肌は、天地を酔わせ、若い欲望をさらに煽る。
腹部を撫でていた手を、ゆっくりと上方に滑らせると、胸元を覆う生地に触れた。
そのままそれに手を沿わせ、細かなディテールを確かめるように撫で上げていくと、
混乱の中で戦慄く彼女の唇が、かすかに言葉を紡いだ。
「あ…あまち、くん………なに…するの……」
「何って、こんな状況でもとぼける気?」
すきなひとにすることだよ、言ってひどい男になりきり口を吊りあげる。
「好きな人に、こんな……こんな、ことするの…?」
「……うん、そう。僕は先輩が好きだよ。すきだからさわりたい」
ありったけの愛しさをこめて囁いた言葉にも、彼女は震えるだけだった。そんな彼女に
どこか理不尽な苛立ちを覚えながら、天地は柔らかなふくらみを覆っていた手を動かした。
555天地×デイジー 4/5:2006/09/24(日) 20:06:50 ID:r2Pu+fPL
布越しでも感じる彼女の乳房の柔らかさは、すぐさま彼を虜にし、その行為に没頭させる。
時折快楽からか嫌悪からかはわからないが、彼女が漏らす声は、天地の脳に甘く響き、
好物で口を満たしたときのような幸福感を与えた。
一方で、歯を食いしばる彼女の横顔が、彼にいいようのない寂寞の念と、大きな絶望とを抱かせている。
天地はその思いを紛らわせるかのように、彼女の固くなりだした胸の突起をつまみあげた。
「ぁっ……」
「先輩、あんまり嬉しい声出すと、誰かに聞かれちゃうよ? ……聞かせたいならいいけど」
「ちが……違う、ちがう…」
思わず漏らした自分の声と天地のささやきを振り払うかのように小さく首を振る彼女。
その目には涙が浮かんでいて、さっきまでその中できらめいていた光は姿をけしている。
今にも零れそうなほどの涙。しかし彼女はそれをひとつぶも零すまいとしてか、
震える身体とは対照的に、力強く目を見開いていて、そこにはなにか、
彼女の揺るぎない意志のようなものが見え隠れしているように見えた。

天地は頭のどこか冷静な部分で、彼女がもっと抵抗するのではないかと考えていたが、
暴れるようなことも、こちらを睨みつけるようなこともなかったし、
きつく目を閉じて肌を這う感触を完全に拒絶している、というふうでもない。
まだ身体は震えていたが、彼女はスカートの裾をきつく握ったままそれらしい抵抗もせずにいる。
無理矢理に身体をまさぐられれば、実際は恐ろしくて抵抗などできないのかもしれない。
天地はそう思うと同時に、自分以外の男にいいように触られても、
今のように彼女は無抵抗でいるのかと想像して、勝手に嫉妬した。

下着の中に手を入れて直に乳房を揉んでみても、彼女は握りしめた指先を白くするだけだった。
「……気持ちよくない?」
「………………」
「ねぇ、なにか言ってよ」
否定も肯定もなかった。
ただ、それまで彼女の目のふちから零れ落ちまいとしていた水滴がひとつぶ、静かに流れた。
それでも彼女は、見開いた目をそのままに、瞬きもせず、空を見つめていた。

どきり、と胸の奥で大きな音がした。
天地は無意識に、彼女の頬をつたう涙を吸っていた。
「先輩……泣かないで」
まだ涙の跡が残る頬に自分の頬をすりつける。
飼い主に甘える猫のように、何度も。
互いの頬が触れるたびに肌は濡れて、天地は彼女の悲しみが溢れているのだと思った。
自分の行為のせいで彼女は泣いているのに、涙を流す姿を見たくなくて、
どうにかしてそのしずくを止めようと、薄いまぶたにくちづけた。
そして気付く。
泣いていたのは自分だった。
天地の瞳から零れ落ちるものが、二人の顔を濡らしていた。
彼女はもう泣いてなどおらず、目許に残っている涙の跡も、始めのひとすじだけ。
556天地×デイジー 5/5:2006/09/24(日) 20:08:12 ID:r2Pu+fPL
「ごめん」
泣いていたのは自分の方なのだと気づいた天地には、もう涙をとめられなかった。
彼女の身体を貪っていた時の自分勝手な感情など嘘だったかのように、
その胸の中は彼女への申し訳ないという思いと、愛しさだけになっていた。
「ごめんなさい」
顎を伝って、大きなしずくがいくつも彼女の肩に落ちる。
「ごめんなさい…」
「……うん」
服の下に忍んでいた片腕で力いっぱい彼女にしがみついた。
彼女の小さな返事は天地の涙腺に作用して、また涙を湧き出させる。
「…ごめ……なさい」
彼女はもう何も言わなかった。
天地も、何も言わなかった、言えなかった。

電車の外はいつのまにか闇深く、空にはぼやけた小さな月と、弱々しく光る星がでている。
俄かに乗客がざわつきはじめて、それからすぐに、終点を告げる車内アナウンスが流れた。
557名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 20:10:18 ID:r2Pu+fPL
以上です。
お付き合いくださった方、ありがとうございました。

558名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 20:16:14 ID:NCBwBppf
騙しリンクや広告の少ない優良アダルトサイトリンク集
http://geocities.yahoo.co.jp/gl/frontire1017
559名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 22:01:21 ID:U6QIHAH5
GJ!GJ!超GJ!!
 
上手く表現出来ませんが、切なく萌える良い天地でした
ごちそうさまでした!
560名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 22:02:31 ID:FjUI+8bI
……乙。
561名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 22:04:58 ID:gRskWvh7
G  J  ……  !!
天地大好きだからハァハァしながら読ませてもらったよ!
天地はヤケになって暴走しがちなイメージが結構ある。
562sage:2006/09/24(日) 22:49:36 ID:ybpv7c0K
GJ!
切なげな天地がすごくよかった。
モウダメダーって思う天地かわいいね。

これは>>551のことを揶揄するわけじゃないが、
電車痴漢モノって「声聞こえちゃうよ」ってよく攻めが言うけど、
その会話も絶対聞こえてるよね…?
いつも不思議でたまらない。
>>551を悪く言ってるわけじゃ本当にないんだ。気分悪くしたらごめん。
笑い話として受け取ってもらいたい。
563名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 22:50:42 ID:ybpv7c0K
sage書く場所間違えた。恥ずかしすぎるので逝ってきます。
564名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 22:50:43 ID:UzSEHCVu
>562、sageてsageて!
565名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 23:22:33 ID:hztWIas/
天地の若さと焦りが凄くでていて切なくなった。
乙&GJです!

>>562
地下鉄なら多分大丈夫なんだけどね。鉄橋の上とかだったらいけるかもw
結構電車の中ってみんな他人のこと見るともなしに見てるから
天地のやってることもバレバレだったんでは。でもそれも萌える。
痴漢シチュって、基本的には同意の上のレイプと同じくファンタジーだと思う。
566名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 23:55:34 ID:c4rp5crT
エロでよくある電車内で胸ポロ出しして本番ファックとかありえねーww
男の見果てぬ夢だろうな
567二つの手 櫻井×デイジー 0/6:2006/09/25(月) 01:44:06 ID:KJ5PDD8p
この流れにのって畳みかけるように投下しとくべきだろう!
…と思って、上に出てたカプを突貫工事で書き殴ってみました。

櫻井×デイジー
*当然基本は花屋×デイジー(小波みなこ)が下敷きなんだけど
*卒業後の進学先にて、ちょっと黒い櫻井による横恋慕強姦未遂寸止め微ヘタレ祭り
*ゲームやっててわからない部分は妄想95%配合
*エロエロハッピーエロハッピー!!…ってハッピーじゃなくて暗い話ですが
*細かいツッコミは突貫工事ゆえに大目に見てください…

こんなネタなので、読みたくない方はスルーでお願いします。
オケな方は、拙い文章ではありますが、暇つぶしにでも読んで貰えたら嬉しい。
では投下します。
568二つの手 櫻井×デイジー 1/6:2006/09/25(月) 01:44:47 ID:KJ5PDD8p
この学校はレベルこそそれほど高くはないが、総合大学らしく多くの学生に溢れ、いつでも活気に満ちている。
それでいてキャンパスは広大ながら、その実そうではない。
幾つもある校舎に学食、購買、カフェテリア、どこに行ってもかなりの確率で誰かに出会えた。
もちろんそれは彼自身の、学内での学部を越えた顔の広さもあるのだが。
櫻井は、サークル棟最上階の片隅にある小さな部屋で、独り昼寝を楽しんでいた。
中天から傾き始めた太陽の光が降り注ぐこの部屋は、一昨年まではUFO研が使用していたのだが、
それが昨年消滅してもなお、廊下の壁にはUFO研の札がかけられたままになっていたのだ。
UFO研が未だに存在していると思っている者も、少なくないかもしれない。
しかし中は当然何もなく、作りつけの棚に古びた漫画雑誌が一冊残されているだけ。
学生自治のサークル棟に、こういった空き部屋が二つ三つ存在する事は殆ど知られていないようで、
他の部屋はどうだか、この部屋を利用するのは櫻井と、その親友くらいなものだった。
いわば隠れ家。と言っても、空いた時間に昼寝をする、とっておきの場所というくらい。
しかし親友も、最近はあまり姿を見せない。
それが少し寂しくもあり、悔しくもあったが、櫻井は決して口にはしない。
どんな軽口も叩ける、心安い友人というにも過ぎた親友が相手であっても、決して明かせない部分がある。
それが自分たちのスタンスだった。

四年生の櫻井は、それほど真面目な生徒でもなかったが、それでもそつなく単位をすっかり揃えてしまっていた。
あとは卒論に関するあれこれがある他は、特に登校してくる必要もないのだが、
それでも彼は毎日のように学校に姿を見せていた。
ここに来れば、真面目に馬鹿をやれる、気のいい仲間がいる。それが心地よかった。
そろそろ行くかと、櫻井が寝そべっていた身を起こして、一つ伸びをする。
その時だった。ドアのノブが回ったのは。
「あ…っれ、…櫻井さん?」
小さな驚きの声と共に、ドアと壁の隙間から中をのぞき込んできたのは、肩口で髪を切りそろえた女性が一人。
「やー、久しぶり。今日も可愛いね」
愛想良く人なつこい笑顔でそう返しながらも、櫻井は心中そっと舌打ちをした。
どうして彼女、小波みなこがここに来るのか。
「櫻井さんて、いつもそう言う」
褒められているのに、みなこの浮かべた笑みは苦い。
部屋の中に体を滑り込ませて、みなこは後ろ手にドアを閉めた。
今度は櫻井が、彼女と同じ笑みを浮かべる番だった。
何もない部屋に、二人きりだという状況を、彼女はわかっているのだろうか。
しかも肩紐の細いキャミソールの二枚重ねに、片サイドにスリットの入ったスカートである。
いかにも彼女の彼氏が好きそうな格好ではあったが、自分に対してのこの無防備さはどうだ。
569二つの手 櫻井×デイジー 2/6:2006/09/25(月) 01:45:51 ID:KJ5PDD8p
(すっかり信用されてるな)
それは、櫻井がみなこの彼氏の親友で。
みなこが櫻井の親友の彼女だから。
みなこがこの二流大学に入学する前から、電話越しとはいえ面識があったせいもあるだろう。
後に初めて顔を合わせた時も、初対面というぎこちなさはまるでなく、
共通の人物を介しての古い知り合いのように、気安い距離感があったからか。
その距離感が、櫻井には不可侵領域に似た最後の砦のようでもあり。
また同時に、少し、気に入らない。
「どうしたんですか、こんな所で?」
「んー、昼寝してた。どうせ今ゼミに顔出しても誰も構ってくれないしさ。
みなこちゃんは、何? あいつ待ってんの?」
あいつ。櫻井はここにはいない親友の顔を思い浮かべた。
「はい。さっきメールで、ここで待ってろって言われたんです」
こんな部屋があったんですね、と彼女は続け、くるりと部屋の中を半周した。
薄く開けられた窓からそよぐ風が、彼女の柔らかな髪をさやとなびかせる。
「あいつ、馬鹿やったっていうから、少し遅れるかもよ。
今日提出のレポート、テーマ間違えて解釈しちゃってたとかで」
彼女は知っているのだろうか、自分が、入学当初から在校生の注目の的だという事を。
櫻井は、仲間の口の端に掛かるその新しい後輩が、入学の前から親友の彼女だと知っていたが、他の者は勿論そうではない。
あんなに可愛いつーか美人つーか、いいよな、あの子。
そんな声を幾度聞いたことか。仲間からも、通りすがりの下級生からも。…自分の内側からも。
確かにお世辞でも何でもなく、真実、彼女は可愛く美人で、スタイルも良い上に、性格もいい。
ふんわりと柔らかい笑みは、きっと、学内の男たちを残らず虜にしてしまうに違いない。
しかし櫻井は知っている。
その笑みを真の意味で受け止められるのは、ただ一人だけ。
「そっか、サークル棟って一番端だから……すごい、構内が一望出来ちゃうんですね」
みなこは無邪気に窓の外を眺めた。眼下には学生の憩いの場となっている、広い中庭。
流石に五階からの眺めでは、芝生に寝そべる学生の姿も小さい。
でもきっと、みなこが見たいものは、そんなありふれた日常風景などではないだろう。
恋人を待ちながら、その姿を求めて窓の外を見下ろす彼女の背中を、こうして見つめている自分の中に渦巻く感情。
それをどう言い表していいのか、櫻井は、それに見合う言葉を持ち合わせていなかった。
ただ、行動で表す他は。
「先輩、早くくればいいのに………えっ」
不意に訪れた状況の変化に、みなこは視線を中空に漂わせた。
「………櫻井さん?」
自分の背後から二本の手が伸びる。
一方の手が小さく音を立てて窓ガラスについたかと思うと、けれど静かに窓を閉めた。
570二つの手 櫻井×デイジー 3/6:2006/09/25(月) 01:46:26 ID:KJ5PDD8p
そしてもう一方の手。
(この、手が)
自分の腰に回された手が、誰のものかは考えなくても答えは二つとないのだけれど、
その答えがどういう意味を持つのかわからない。
みなこの頭の中のラインが、ひどく混線していた。
当たり前の答えも、その意味も、わかっている筈なのに、考えてはいけないような気さえしてくる。
「あの……は、離して…?」
この声も、こんな耳元で聞くなんて。いつかの電話越しでもないのに。
「…なんで真咲は、こんな所に君を呼びだしたの?」
「や…っ」
窓の桟に体重を預けていた体が引き寄せられて、腰を突き出す体勢になる。
まるで、先の行為を求めているように、淫らで。
心臓が跳ねた。
このままでは駄目だと、今更の警鐘が鳴り響く。もう遅い。
「は、ぁ…っ」
振り向こうにも、振り向けない。櫻井も上体をかがめて、みなこを窓際に閉じこめてしまっている。
櫻井の顔を見ることはできない。見えるのは、窓の外。大学のいつもの風景。
本当に櫻井さんなの? これが。 どうして?
「離して…!」
「ここ、普段は使ってない部屋で誰もこないし、あいつもここでこうしたいのかもね」
こう、と言いながら背後の男の大きく開かれた手が、みなこの腹の上をゆっくりと撫で、
重ね着されたキャミソールを同時にめくり上げていく。
「櫻井さん…!」
もう一方の左手も、キャミソールの肩紐を親指にかけたまま、みなこの肩を滑り降りていく。
「肩、細いね」
肩紐は二の腕の途中で止まったが、手はそのまま指先にまで降りて、みなこの手の甲に重ね合わさった。
細い肩、細い指。
親友の彼女だとわかっていながら、幾度も思い描いたその感触。
わかっていながら求めてしまうのは、何故なのか。
真咲と一緒にいる時間が減っている事にいらだち、ホモでもあるまいしと櫻井は自分を戒めたこともある。
しかし、広いようで狭い学内のこと、時折みかける真咲と彼女の姿をみるにつれ、わかった。
いらだっているのは、真咲といる時間が減ったことなどではなくて。
減ったその時間の分だけ、真咲が、かの女の笑顔を独占しているという事。
何とも思わぬ相手であるならば、あらゆる手を尽くしてでも、奪ってやろうと思わないでもなかった。
なのに。
(よりによってあいつのものだなんて)
櫻井の手の下で、桟を握るみなこの手が、震えて止まらない。
既に下半身に対する拘束はない筈なのに、みなこは見えない網に捉えられて、体が動かなかった。
その間にも櫻井の手が、淫らに動いてみなこのブラジャーと肌の隙間から這い上がり、
布地を大きく持ち上げている、柔らかな膨らみに触れた。片手に余る、豊かな乳房。
櫻井の意識が、仄暗い波に飲み込まれた。
こんな事、すべきではないとわかっているのに。
(この柔らかさも、あいつのもの)
571二つの手 櫻井×デイジー 4/6:2006/09/25(月) 01:47:05 ID:KJ5PDD8p
「あ…んっ」
混乱から抜け出せないまま、背後の男の手が生み出す初めてではない感覚に、みなこの口から思わず声が漏れた。
体が震えるのも、声が漏れるのも、男の手にやんわりと形を変える胸の膨らみからの甘い痺れも、身に覚えがある。
素肌に直接触れる、その感触が、体温が。
みなこは内股に秘めた襞の間から、ぬるりとした何かが染み出してくるのを感じた。
そして、気が付いてしまった。
これが櫻井の手だというのと同時に、大切なこと。
(…真咲先輩じゃ、ないのに……!)
みなこは、真咲と初めて体を重ねた時の事を思い出していた。
好きで、大好きで、どうしようもない程の感情を二人で確かめ合った。
初めて恋人を名前で呼んで、ただそれだけでどこかくすぐったくて、愛しくて。
薄いタオルケットに包まれながら、同じぬくもりを全身で共有するのが嬉しかった。
全身で触れ合いながら、繋がって、極まって。
体の一番内側に、一生に一度の痛みを感じもしたし、初めて肉体的な快感を覚えもした。
(真咲先輩…)
彼とだから、感じるのだと思っていた。
しかしそれが、その感覚がいま、ここにある。

櫻井が、窓のカーテンを半分だけ引いた。眼前に広がっていた中庭の風景が見えなくなる。
(そうだ、誰かに見られていたかもしれない)
地上からこの五階の窓は遠いが、誰かが見ていないとも限らない。
ましてや、真正面ではないにしろ、五階以上ある校舎だってあるのだ。
「櫻井さ…っ」
不意に、乳房を探る手がその頂にあるしこりを摘み上げ、みなこの全身に得も言われぬ痺れが走った。
「いや…っ! あ、あ…っ!」
「ふうん、声、出すんだ?」
このサークル棟、結構壁が薄くてね、余り大きな声を出すと、隣に聞こえるかもしれないよ。
それに、背後にある入口は、みなこちゃんもわかるでしょ、
鍵なんてかかってないから、声を聞きつけた誰かがやってくるかもしれない。
「見せつけたいなら、いっそ呼ぼうか」
耳元でそう囁く声も、聞き慣れた声とはいえ真咲のものではないのに、ぞくりと皮膚が震える。
みなこは零れそうになる声を堪えて首を横に振り、いやいやをした。
カーテンを閉めた手が、みなこのスカートのスリットから入り込んだ。
外気よりも明らかに湿度の高い腿の間を、ゆっくり淫らに撫で上げて、辿り着いた先には。
「体は正直ってやつかな」
笑いを含んだ声が、更にみなこを責めた。
ショーツの上からでもわかる濡れた秘裂を、櫻井の骨張った指が撫でる。
(声、だめ…!)
快感と呼ぶべき甘い痺れ。
みなこは漏れそうになる声に、口元を押さえて必死で堪えた。
そのせいだろうか、声にして発散できない分だけ、襲い来る快感が強く感じるのは。
襞の間から、ねばついた液体が止めどなく溢れる。
指先から伝わる熱に櫻井は陶然となった。
熱に浮かされ、指を、ショーツの脇から割り込ませる。
既にたっぷりと蜜を蓄えた襞の奥、ぬるみに誘われるまま、指は温かい隘路に飲み込まれた。
「………っ!」
奥へ奥へと突き進む指先。押し出される粘液。指が動くたびに、淫猥な音が耳をついた。
異物を入れさせまいとするように、また飲み込もうとするように、肉の壁が櫻井の指を押し包む。
そうしながらも、溢れる蜜をたっぷりとまとわりつかせて、二本に増やされた櫻井の指がゆるりと出入りを始めた。
572二つの手 櫻井×デイジー 5/6:2006/09/25(月) 01:47:46 ID:KJ5PDD8p
「あぁ…っ!」
声が、止められない。堪えきれない。
感じてしまっては駄目だと、心の何処かで理性が働いているのだが、そんなものは理屈でどうにかなるものでもない。
ありとあらゆる感情が、自分の中で一杯になる。
半ば恍惚として、みなこは襲い来る快感に飲み込まれた。
先輩でなくても、感じてしまうの? 体から溢れる感情を、私はどうしたらいいの?
(イきたい…!)
持て余し始めた甘い疼きが、粘液と共に流れ出ていく。
極まって、早く、この体の内側に渦巻く快感の奔流から解放されたい。…なのに。
みなこの秘裂を嬲る櫻井の指が、けれどもみなこの一番いい場所に触れてくれない。
足りない。
そう思ってしまったが最後、みなこはひどく喉が渇いた。
あともう少し。もう少しだけ。もう少し奥まで。もう少し太いもので。もう少し熱いものが。
「…櫻井、さん……もう……っ、……あっ」
欲しい。その言葉が口をついて出る直前。
「どうして……っ!?」
櫻井は、蜜に溢れるみなこの泉から指を抜いた。
彼の指が沈み込んでいたその泉に残るのは、未だ溢れる粘液と、表現しがたい喪失感。
あるべきものが無くなって、ぽっかりと穴を空けたようで。
みなこは、熱の冷めやらぬ体をよじって、ようやく、背後に立つ男を見た。
いつもの、人をからかう意地悪そうな表情でもなく、櫻井はただ、自嘲気味に薄く笑みを浮かべていた。
「ごめんね、みなこちゃん。………タイムリミットみたいだ」
視線の先にあるのは、みなこではなかった。
カーテンに遮られていない方の、窓の外。
「もう二度と、こんな事しないから」


UFO研のドアを開けるなり、みなこは大きな影にぶつかった。
「きゃっ」
「うわっ、みなこ」
真咲だった。みなこは慌ててドアを閉める。
この時間にしては珍しく、サークル棟はシンと静まりかえっていた。
「どうしたんだよ、待ってろって言ったろ」
「うん、でも、先輩が中庭を歩いているの、見えたから」
そっか、と合いの手を入れる真咲の声を、櫻井は壁一枚を隔てた部屋の中で聞いていた。
真咲の姿を、窓から覗く中庭に見つけた時。
それまで櫻井を突き動かしていた本能とか衝動といったものが、すっかり消え去ってしまった。
下半身を包むデニムパンツの中では、自分のモノが全身の熱を集めていきり立っている。
このまま、最後まで進んでしまいたい。
コレを彼女の中に入れて、突いて、今にも溢れそうな欲望を、全部吐き出してしまえたら。
けれども、衝動に負けて侵してしまった彼女との不可侵領域の中にあって尚、
もう一つ、越えられない壁があると気付いた。
573二つの手 櫻井×デイジー 6/6:2006/09/25(月) 01:48:21 ID:KJ5PDD8p
「でもみなこ、お前、顔赤くない? 熱でもあるのか?」
真咲。その声が櫻井にとっての理性だった。この壁だけは、越えてはいけない。
「…えっと、そうかな。ううん、大丈夫だよ?」
みなこは頬を両手で隠して、誤魔化した。火照った体が、いまだ冷めずにここにある。
(櫻井さんの、ううん、先輩以外の人の手に、感じてしまった。それはきっといけない事)
(ごめんなさい)
黙って自分をじっと見上げる彼女に気付いて、真咲が視線を向けると。
みなこが真咲のシャツを掴んで精一杯の背伸びをし、彼の唇に自分のそれを重ねた。
身長の高い彼の唇には、ほんの触れる程度だったけれど。
「なっ、なに、どしたのみなこ?」
シャツを掴む彼女の手を、真咲はその上から握り込んだ。
少し前に、別の男にされたと同じようなその仕草に、みなこはどきりとした。
(同じ仕草でも、違う。これは真咲先輩の)
「ごめんね、先輩。……今日、先輩の家に行ってもいいですか…?」
お泊まりで、と続けるみなこに、真咲は驚きを隠せない様子で、目を見開いた。
彼女の方から、こんな事を言いだすなんて、今まであっただろうか。
「駄目ですか?」
「…いいけど、でもお泊まりは駄目だ。明日も朝から授業あるだろ」
一年の時の必須授業はちゃんと出ておかないと、あとで苦労するんだからな。
そう諭す真咲の声に、みなこは素直に頷いた。
「……うん」
(優しい先輩。ずっと、ずっと、好きなのは先輩だけ)
(…でも)
不意に、真咲が一枚のドアを見た。今し方、みなこが出てきたその部屋のドア。
「ところでさ」
真咲が話題を変えた。
「櫻井見なかったか? 午前っから連絡つかないんだけど」
自分の名前が出てきて、息を殺して身を潜めていた櫻井は目を閉じた。それはまるで祈りのように。
もしもここで、彼女が真実を告げて、真咲がそのドアから飛び込んできたら、その時は。
その時は。
ドアの向こう、みなこの声が、櫻井に最後の審判を下す。
「…さっきまでここにいたけど、もう出て行っちゃいましたよ?
いろんなこと聞きました。今日先輩が遅れたのは、レポートで馬鹿をやったからだとか」
「あいつはまた余計な事を!」
執行猶予。みなこの処断に、櫻井はそっと大息をついた。
心の中で、彼女に謝罪し、感謝した。改めて、もう二度とすまいと誓って。
「でも先輩…それって大変な事なんでしょう?」
しかし、櫻井に与えられた罰には続きがあった。

「もっと遅れても、良かったのに」

「そういう訳にもいかないだろ、お前が待ってるんだから」
二つの足音が聞こえ始め、次第に遠ざかっていく。
いつしかそれも聞こえなくなった。
みなこが最後に残した言葉に、思わず揺らぎそうになる自分がいて、怖くなる。
あの時、もっと、真咲が遅れてきていたら…?
もう一度、同じ状況に陥ったならば、自分は堪えきれるだろうか。
櫻井は自問する。答えは探さなくてもすぐに出てきた。堪えなければ。
彼女は、掛け替えのない親友の恋人なのだから。
574二つの手 櫻井×デイジー 終:2006/09/25(月) 01:49:08 ID:KJ5PDD8p
以上でっす。
暗い話でごめんなさい。
読んでくれた方、お疲れさまでした〜。
575名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 01:56:35 ID:pGfOgZOV
乙&GJ!
デイジー悪い子だ小悪魔だ…!だがそれがいい
576名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 02:13:01 ID:FiVFxLZU
>>567
GJ!いけないこだな、デイジーw
先輩最萌えなんだが不覚にも櫻井もありかもしれない、と思った。
577名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 02:24:17 ID:7f6VMJoq
GJ!
同じく花屋最萌えなんで、読むかどうか少しだけ悩んだけど、
櫻井イイヨイイヨー
なんか切なくって良かった
578名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 02:30:30 ID:I0tbJ1w9
GJGJ!やべー葛藤萌える。姐さんの櫻井に惚れたよ!
579名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 02:33:27 ID:I0tbJ1w9
連投すまそ
電車天地の姐さんもGJ!文の感じも好きだし、天地も切なくてよかったと思う
580名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 02:42:54 ID:i7sLaXR+
明日早いのに、夜更かししてて良かった…!天地がキテルー
天地×デイジー、萌えさせて頂きました!
>>579の姐さんと同じく、表現の仕方もすごく好きです、ありがとうございました!

>>562
攻め役は、相手の耳元でぼそっと言うだけじゃないかなぁ、会話というより
大体、攻は動けるけど受は動けない状況が多くない?>痴漢物
そういう表現が無くても、いつも勝手に脳内補完してるw

>>567
私の中で櫻井のお株が急上昇でございます
やばい、思い切り私の中でアリなカプになってしまったw
581名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 08:27:49 ID:zDJoDO9a
櫻井×デイジー、冗談だったのに投下されとるww
すごい切なくて良かった…
ゲーム中じゃ櫻井の人物像なんて大して分からんだろうに、
違和感なく読めました。
とにかくGJ!
582名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 09:41:26 ID:948fKWPq
>>「もっと遅れても、良かったのに」

にヤラレタ━(゚∀゚)━!
禿げしくGJ!!
583名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 17:29:28 ID:m9+vzKFD
582と同じく、あのセリフはヤバイな!
乙、GJ!
584567:2006/09/26(火) 05:25:20 ID:P8LoJ7f0
>581 冗談だったのか…!Σ(・ω・; )
書いてる自分、花屋最萌えながら結構楽しかった。
読んでくれた方ありがとう。

やっぱり職人さんは、自分の最萌えキャラが幸せな話を書く人が多いのかな。
名無しに戻ってwktkしてます。
585名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 12:27:43 ID:i+VXVZGH
自分も花屋萌えだが
桜井株急上昇だ!!!

>567姐さんGJ!
586名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 23:13:23 ID:yeoifTc2
メイン以外にも変わったカプがあって面白いなあ。いつも楽しく読ませてもらってる。
職人さん乙です。
587名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 12:56:41 ID:S9aPd91Y
デイジーったら
小悪魔!
588名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 18:26:53 ID:5l0cZm8H
前スレ落ちたのか
なんだかんだで980超えたな
589名無しさん@ピンキー:2006/09/27(水) 19:16:38 ID:nxFFsagk
最後は次スレ(=ココ)の難民みたいになってたけどw
590名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 05:40:47 ID:K3SpjCIw
地球儀少年×デイジーとか、0123×デイジーとか、
姫子とお付き二人×デイジーの複数プレイとか…姫子EDのホラーな儀式っぽく……

なんて言ってみただけ。ごめん。
いろんなSSが読みたいYO!
591名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 17:59:01 ID:fg8Ndnyc
>>590
ホラー儀式プレイ禿げ萌えた
592名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 18:24:29 ID:WpeoMrhj
花屋×ありりん
593名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 15:40:22 ID:1J0pckLf
花屋×デイジー
だけどヘタレ花屋はデイジーに手が出せず
有沢×花屋・・・・・・・・

ダメだ・・・ありりんそんなキャラじゃない

氷上×竜子
デイジーと志波にお互い失恋して・・・・・・
・・・・・・・ちっとも萌えない

異色の萌えカプないかな?
594名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 15:52:40 ID:+jFK5cmz
花屋×チョビ
天地×水島(またはその逆)

なんていうのはどうだ。
595名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 17:52:57 ID:jRzPgSmB
志波×チョビはどうだろう。
おっきいのとちっさいの
動物に好かれるのと動物好き
596名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 17:57:57 ID:+jFK5cmz
何度かいろいろなところで見かけたけど、

志波×チョビ
氷上×はるひ
ハリー×密
クリス×竜子

だったら面白かったかもって話があったな。
だからこれはけっこう普通に良いと思う。
597名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 18:00:43 ID:+jFK5cmz
でもこういうの苦手な人も多そうだからなあ…
スレの流れ止まっているとはいえ、盛り上がっていいものか、難しいところだ。
598名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 18:13:39 ID:G53mLqMz
メッティはここぞというときに興奮しすぎて鼻血出しそう
599名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 19:19:59 ID:a7/ebkck
チーズケーキのイベントで、天地×はるひ良いな、と思った。
色気ある展開になりにくそうな予感はする。はるひ奥手だしなー。
そんなはるひを年下ながらリードする天地。
600名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 21:42:54 ID:kCn9aNCW
自分は公式以外のカプはちょっと苦手だ
なので、出来ればちゃんとNGワードを入れて欲しいかな

「NGワード入れ忘れちゃいました」とかのうっかりミスは無しで是非…
601名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 21:49:24 ID:h+W6SBOw
公式っていうと
男キャラ×デイジー
男キャラ×それに対応した女の子

までかな?
マイナーキャラはおkかどうか考えると線引きが微妙だな
602名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:04:06 ID:GgwWCFif
最初に注意書きしてワンクッション置いてくれれば、
たいていのものはおkだと思う
603名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:26:09 ID:jOBSUD13
要望ばかりで投下のない日々……
みんなも職人になってくれ
604名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 22:30:00 ID:GgwWCFif
自分にも妄想を萌え文章にできる力があれば
喜んで投下するんだけどな
このスレは雑談OKみたいだから、
エロ談義でもしていればいつかは神が降りてきてくれるんじゃないかと
605名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:30:52 ID:sUWipJyM
脇カプとか勘弁して欲しいな
606名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:34:31 ID:ZlpAxzHs
最初にワンクッション
607名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 01:37:50 ID:ZlpAxzHs
ごめん、途中で送信してしまったorz

最初にワンクッション+名前欄にカプ名orタイトルきっちり仕込んでくれれば
途中でID変わってもあぼんできるから別に投下自体は自由だと思うよ。
どうしてもIEじゃないと見れない!私が嫌なんだからなんとかしる!とかいう人は
まさかここに来るような年齢ではいないよね?(´∀`)
608名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 03:02:58 ID:WY9yJNMK
あぼん機能いいなぁ。専ブラ使ってるけどマカーだから、あぼん機能ないんだよね…。

いくらエロパロでもエロやってればいいってものでもないと思うので
脇カプでもちゃんと話が成り立ってるなら私は構わない派だけど
こればっかりは個人の趣味嗜好だからなー

あの騒動のあと教訓を踏まえつつ折角流れが元に戻り掛けてるんだし、
ようやく書き始めてる職人さんもいると思う。
エロい話でもしてwktkして待ってようよ。そこからネタが生まれる職人さんもいるかもしれないし。
609名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 09:34:33 ID:w98zH2ZB
まぁ明らかに今クレクレ催促してる奴は厨だからなぁ。

例の騒動wの後はなんか乙コールもわざとらしくて
雰囲気がイマイチよくないよね。
610名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 09:36:20 ID:NLBzI/Bz
602=607?
611名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 13:58:42 ID:UDVA2QdB
>>610
いんや、自分は>>602>>604だけど、
>>607は別人だよ
なんで?
612名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 14:30:38 ID:jI99kNgR
>>611
>>610は注意書きありでも脇カプ勘弁派だから
クッションあればおkって言ってる人は皆同一人物と思いたいんだよ
ううん、知らないけどきっとそう
613名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 15:36:41 ID:85GUhad+
そりゃ随分了見の狭いことで。
614名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 16:40:59 ID:8jYY/8Fz
文体も同じだし602と607は同じ奴だろう
615名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 16:42:58 ID:qHWdPnSv
>>611-613
この過剰反応がまた('A`)

ここ本当にちゃんと年齢満たしてる奴が来てるのか?
616名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 16:57:14 ID:UDVA2QdB
過剰反応って・・・
違うから「違う」ってレスしただけなんだけど

てか、>>607を書いた人には悪いけど
下から二行は一言多いんじゃないかなって思ったし
同意しかねるから余計に違うって否定したくなったんだよ
617名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 17:17:07 ID:V4ZgHoCi
またつまらん話でスレの無駄使いすんなよ。言わずにいられないんか?
誰が誰とかどうでもいいんだよ!

--------------こ の 話 糸冬 了 --------------


618名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 17:20:33 ID:c/I3lbEz
みんな、スルースキルを身につけようぜ
619名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 17:30:04 ID:QXAp2NV1
ワンクッション
〜くれれば
620名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 17:48:29 ID:nXMo+QYk
>>619
しつこい
621名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 18:47:47 ID:PmhhqDmg
>>619
あー、気づいてたよ
622名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 20:42:28 ID:6rBAgpO3
>>612はFF11プレイヤー知らないけどきっとそう
623名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 21:37:50 ID:g1x0gwXw
空気読まずに天地×デイジー投下。

初投下です。
神降臨までの姐さん方のお暇つぶしにでもご利用されてください。
ただ、暗い話でかなり好みが分れると思われるので注意書きはしっかりお読みください。
苦手な方はスルーよろ。

【諸注意】
・デイジー(小波)が黒くてドM。若干変態の域。
・一応、強姦。ヘタレSのお馴染み嫉妬天地ががんばってます。
 いろんな姐さんが書かれている中恐縮です。
・キテルが当て馬。(自分もキテル萌ですが今回は天地と必須パラ一緒の為。)
・文体が回りくどくて長い。
・体育倉庫というシチュの割りにエロがぬるい。

以上ですが、読み進めるうちに不快に感じたらどうぞスルーをば。
少しでもお楽しみ頂ければ幸い。
624名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 21:39:47 ID:oG27mdSN
自分は607だけど、602さんとは全くの別人で下二行は当然嫌味で書いたよ
と、言ってもどうせ信じてもらえないんだろうなあ。
625名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 21:40:28 ID:oG27mdSN
>>623さん、リロってなくてごめんなさいorz
626the purple 天地×デイジー 1:2006/09/30(土) 21:41:43 ID:g1x0gwXw
幼い頃。
晴れた空の絵を描いていた時。
太陽を書こうと取り出した赤い絵の具を、空を塗った青い絵の具の中に誤って交ぜてしまった。
しかし。
めちゃくちゃに交ざりあう対極の色が奇しくも私には美しく思えた。
少し、水を含ませた筆でゆっくり掻き回してやれば汚れたパレットの上でより滑らかに彼等は交ざりあう。
全く違うものへと姿を変えてゆき、そして、二つの別々の個は完全に一つとなる。
濁った紫ができあがると、私は、感嘆の溜め息をついた。
戸惑う私を置き去りにして、単純に、その美しさに感動を覚えた。晴れた空なんかどうでも良くなって、あるだけの青い絵の具をパレットに広げ、赤い絵の具を注ぎこみ乱暴に交ぜ合わせ、画用紙に塗り続けた。
楽しくて仕方がなかった。
ひとしきり塗り終わると、その紫は画用紙から飛び出し、床や壁にまで飛び散っていたが、その弾け飛んだ紫があまりにも綺麗で、私は恍惚とした表情でしばらくその弾け飛んだ紫をうっとりと眺めていた。
その後、部屋を汚して親にひどく叱られたことなどどうでもよくなるくらい。

今思えば、最初から私はそういう風にできていたんだと思う。
きっと。


放課後の校門。
ピークを過ぎ、生徒達もまばらになる頃、私は門にもたれて人を待っていた。
「せーんぱいっ!」
声の方を振り向く。
ふわふわの猫毛を踊らせながら駆け寄るひとつ下の後輩。笑うとまるで男だと思えないくらい可愛らしい。
本人に言うとひどく嫌がるのは目に見えているが、その表面上の愛らしさに心を奪われている同級生も少なくない。
・・・今日、私が待っているのは彼ではない。
「あぁ、天地君。」
「今日は一緒に帰れるよねっ?」
弾む声と天使の様な笑顔。
それがかえって残酷さを増すともしらず、にこにこと私の返事を待っている。
「あ…あのね…」
返事に詰まる私を急かすように言葉を続ける。
「アナスタシアが新作出したらしいからさっ、寄り道して食べに行かない?」
私の顔色から状況を察しているのか不自然に声色が明るい。
「あ…ごめんね。今日先約があっ…ったぁ…」
頭に鈍い感覚が走る。
627the purple 天地×デイジー 2:2006/09/30(土) 21:42:59 ID:g1x0gwXw
言葉の続きは、後ろから現れた同級生のチョップに消されたようだ。
頭をさすりながらゆっくりと振り返る。
「探したぞ。なにしてたんだ?」

―佐伯 暎。クラスメイト。

「何って…待ってたんだよ!」
「ここで?」
彼の眉がぴくんと動く。
「…うん」
それに合わせて私の返事も自信のないものへと変わる。
間違いなくここは校門。佐伯君とはバイト先が同じで買い出しに付き合うため、放課後ここで待ち合わせ。のハズだった。が。
「教室で待ってろって言ったろ」
もう一発チョップが降ってくる。
「ぃたっ…。嘘!日直で遅くなるから校門って佐伯君が言ったんだよ!」
「いーや、教室って言った。お前そんなだからいっつもオーダー間違えんだよ」
「うっ…」
彼はわざとらしく大きなため息をつくと、視線をゆっくり私の隣に移す。そして、さも今気づきましたと言うような白々しさを含んで、にっこりと穏やかに笑い、こう言った。
「あれ…天地?なんか小波さんに用事?」
それじゃまるで威嚇だ、と私は心の中で呟く。全身から明らかな敵意が放たれている。
慣れない三人称に違和感を覚えながら、彼に続けて視線を移した。
天地君の顔には一瞬影りがみえたけど、すぐにいつもの天使の笑顔に戻る。
「あ、いえ、なんでもないです。お二人って仲良いんですね!羨ましいくらいです」
予想外の返答に私と佐伯君は思わず顔を見合わせた。が、最初に口を開いたのは佐伯君だった。
「じょ、冗談だろ。…勘弁。」
「なにそれ!?ヒドイよ!!わたしだって…!」
彼は真顔なのか照れ隠しなのか分からないような表情で、うるさい、と返事をしたきりきりムスッとして一言も話さなくなった。
しかしよく見ると顔が赤い。なんだか楽しくて、ひょいと顔を覗きこむ。あ、困ってる。
「あーも。ほら、早く行かないと暗くなるだろバカ。お前のせいだ。」
「あ、待ってよ!」
先に歩き出した彼の背中を私も小走りで追う。
「やだ。待たない。じゃな、天地。」
ひらひらと手を振りながら早足で校門を抜ける。
いつもながら子どものような返事に時々呆れてしまう。が、急いで追いかける。
「もうー…。…あ。」
そして私は、まるで思い出したように振り返り、もうひとりの彼に一言。
「ごめん…天地君。今度埋め合わせするから…。ホントにごめん…」
そう言って私はその場から逃げるように駆けていった。
そのとき最後に見た彼は、とびきりの笑顔で手を降っていただけだった。
でもその笑顔にもはや天使の要素なんか無いことを、私は知ってる。
あの棘だらけの笑顔を、天使の微笑みで切り返した彼の方が、少しだけ大人だったのかも
しれない。その幼さに秘めた冷たい視線は、私しか知らない。

「埋め合わせ…楽しみだなぁ…先輩。」

彼の言葉は風にかき消され、私の耳に届くことはなかった。
でも私の本当の気持ちも、きっと彼に届くことはないんだろう。

628the purple 天地×デイジー 3:2006/09/30(土) 21:44:57 ID:g1x0gwXw
「佐伯君。」
彼は振り向かない。相変わらずマイペースでスタスタ歩いている。
「佐伯君!」
夕暮れの海岸を買い物袋をぶら下げた高校生が二人、なんとも微妙な距離感で歩いてい
る。何度呼んでも振り返らない彼は私を気遣って歩いたりなんかしない。特にこういう時は。
「佐伯君てば!!」
「急がないとマスターに怒られるぞー」
「聞いて!」
やっと足を止め振り返った彼は不機嫌そうに頭を掻いた。
「…何。」
「なんであんな嘘ついたの?」
「は?何言ってんのお前」
苦笑混じりに、吐き捨てると彼はまた振り返り歩きだす。
「待ち合わせ校門だったでしょ」
「……教ー室。」
不自然な間に確信を覚える。
私はたたたっと隣まで駆け寄った。
「だって、わたし、校門はいろいろ大変じゃない?って聞いた覚えある」
「…。」
「そしたら、お前がいれば撒けるから大丈夫って佐伯君言ったよ。」
彼はまた乱暴に頭を掻くと、うっとおしそうに溜め息をつき、眉をひそめて私を睨んだ。
「お前さ、そーゆーのだけ妙に鋭いよな。」
普段はぼんやりの癖に、と付け足すと彼は少しだけ歩みを早めた。
「…へ?」
「どーだっていいじゃん。なんだよ急に。」
「こっちが聞きたいよ。何で嘘なんかついたの?」
砂浜に映る私の長い影が、彼のそれにやっと追いついた。
629the purple 天地×デイジー 4:2006/09/30(土) 21:45:53 ID:g1x0gwXw
理由なんか分かってる。
分かっているから、敢えて聞く。
彼に答えさせることに意味があるから。
「あー…だからいいじゃん」
「よくない!それでチョップされたんだよわたし!」
ぷぅと頬を膨らませてやると、彼は溜め息をついたあと真っ赤になり、“理由”を吐き棄てた。
「…天地がいたから。」
そう、そうでなくちゃ。
いかにも予想外とでもいわんばかりに私はきょとん、としてみせた。
その裏でにやりと笑みを浮かべたことなど、目の前で慌てふためく彼は知る由もないだろう。
「何で天地君がいると嘘つくの?何で?」
困ったように首を傾げれば、彼は更に困った顔で答える。
「あー…やっぱお前ぼんやりだ、決定。」
「もー…ちょっと…!!」
「もう終わり!…この話終わり。」
彼はかなり強引に話を打ち切ると、今度はもっと強引に私の手を掴んだ。
「…荷物。貸せよ。」
「え…?いいよ、こっち軽いし。」
「お前に荷物もたせてんのバレたら爺ちゃんがうるさい。」
そういうと、返事も待たず私のてのひらから器用に買い物袋を奪い、彼はいっきに走りだした。
「ほら!走れ!」
その声に続けて私も駆け出す。
あんなに器用に買い物袋を奪ってのけるのに、なんであんなに不器用なんだろう。
まるで、私みたいだ。
あの嘘は、単純な、それでいて明らかな牽制。
頭のいい彼にしては、驚くくらい下らない幼い方法。
でも、私にはそれが必要なの。
あの濁った紫を作るためには二色の絵の具が必要なの。
パレットは私。キャンバスも私。
貴方は、太陽の赤。
走る彼を見つめながら、濡れた絵筆で二色が掻き回されるのをくっきりと頭に描いた。
耐えきれずに笑みがこぼれ、ぞくりと背筋がうずいた。
ぴったりとついてくる真っ黒な私の影は、キラキラと沈む夕陽に照らされ、よけいにその色を強調されていた。
630the purple 天地×デイジー 5:2006/09/30(土) 21:46:52 ID:g1x0gwXw


その夜。
バイトから帰り、就寝準備を終えて、自室の布団の上に転がっていた。
静か過ぎて自分の呼吸の音が聞こえる。
ふと、携帯の時計をみるとPM11:30。なるほど、隣の遊君はすっかり夢の中だろう。
私はふう、と溜め息をつくとまたゆっくり天井を見上げ、バイトの帰り際に佐伯君に言われた言葉を思い出していた。
「今日はごめん、…子供みたいな事して。これからは…気を付ける」
自覚があったことにまず驚いたが、それに対して、私は「気にしないで」とだけ答えた。
だって、困る。
もっと煽ってくれなきゃ。
もっともっと敵視してくれなきゃ。
貴方は起爆剤。
太陽の赤。
貴方の牽制で、彼は面白いくらい燃え上がる。
貴方が私との距離を証明すればするほど、彼は自分を恨む。
そうすれば彼は嫉妬に身を焦がし、狂ったように私を求める。そこにあるのは本能だけ。
理性の枷など不要な場所へ二人で昇っていって、そしてあの紫の空を見上げるんだ。
だから…

「……!!」
携帯の着信が瞼の裏の闇から私を現実引き戻した。
私は慌てて体を引き起こし携帯を引き寄せる。
“天地君”
来た。
ディスプレイを確認するだけで、私は悦びに震えた。
きた、きた、「彼」が。
「も…もしもし」
「先輩?待ってた?」
受話器を持つ手が震える。あ、うん、と短く返事をしたが、それを無視してかぶさるように彼は続ける。
「ごめんね?佐伯先輩じゃなくて。」
その声に私は息を飲む。
あの学校で聞くような、男の子にしてはハイトーンな声色ではなく
暗く、低く、それでいて囁くような甘い声。
「あ…あの…今日は…ごめんね…」
やっとの思いで紡ぎだした言葉は、震えて声にならなかったのか、相変わらずの無視か。
私の言葉など待たず、あくまでも彼のペースで話は続いていく。
「そうそう、埋め合わせの話なんだけど。どう?明日の放課後。」
急かしたりせず、焦ったりせず、一言づつゆっくりとつむぐ。
時々本当の天地君かどうか分からなくなるほど落ち着いていて、その一言一言が私の体内を駆け巡る。
自分でも分かるほど心臓が高鳴っている。
631the purple 天地×デイジー 6:2006/09/30(土) 21:47:49 ID:g1x0gwXw
「あ…えと…あの…ね、」
「そうだなぁ・・・、空き教室使うのももう飽きちゃったよね?先輩、どこがいい?」
慣れちゃうとスリルないし、と低い笑い声が聞こえる。そのちょっとした言葉の端々から、彼のあの蔑むような目を想像してしまう。
「ねぇ、どこがいい?」
どこでも別に構わない。
その前に息が詰まって死んでしまいそう。体が熱い。
言葉にしようとすると、口が上手く動いてくれない。
「えと…あの、」
「えっととかあのとか。ちゃんと話してよ。」
あ、と続けて聞こえたあと、彼は急に楽しそうに笑い出した。
「もしかして、怖いの?」
「え…」
「もうあんな目にあうのは嫌?」
ドキッと胸が鳴った。瞬間、記憶がフラッシュバックする。
教室の匂い。閉じられた視界。熱をもった体。交ざりあう息。疾走する痛み。
「…ぁ…ぃゃ…」
「だって先輩が悪いんだからね?何度言っても解らない、おとぼけさんだから。」
今日、最後に見た笑顔が一瞬よぎる。私を貶めるときの顔。あの声、指、体、全てが私に触れる。
私の全てが、彼で満たされる。あの激痛ですら私には快楽だというのに。
怖いなんて、そんな。それこそ私の待ち望んだものだ。
「…先輩?返事がないけど…わかったってことだよね?いい?じゃ体育倉庫。放課後だよ。遅れないでね。」
彼は別れの挨拶も無しに、言いたいことを言い終えると勝手に電話をきった。
無機質な終和の発信音だけが耳に響いている。しかし、心臓の音は通話中の早さと変わら
ず、むしろその鼓動はより速くはっきりと私の胸を叩いている。
私は机の奥からボロボロのあの画用紙を取り出すと、私はただ、期待に胸を焦がしきつく
それを抱き締めた。

さあ 明日だ。

赤い絵の具もある。
青い絵の具もある。


明日。
空は驚くほど美しい紫に染まる。

相変わらず静かな部屋は、私の荒い呼吸の音だけ響いていた。

632the purple 天地×デイジー 7:2006/09/30(土) 21:48:41 ID:g1x0gwXw
1日の終了を告げるチャイムが学校中にこだます。
私は昨晩言われた通り体育倉庫を目指していた。指定された時間はとっくにすぎている。
HRが長引いたため、若干駆け足。氷上君か小野田さんに見つかったら間違いなく止められるくらいの速度。
しかし、そのくらいの速さなら1分程度で移動できる距離なのに、果てしなく遠く感じられた。
廊下を渡り、階段を下り、目的地が近づくのに比例して胸が締め付けられ、息が上がっていく。
苦しい。倉庫の扉の前につくころには、大して走ってもないのにすっかり息切れしていた。
呼吸を整えもせずはやる心を制しながら鉄の扉に手をかける。
思ったより重みがあるのと、手が汗で湿っているのとでうまく開かない。
くっと力を込めて引くとそれはようやくギィと鈍い音を立てる。更に力を入れて引く。
開いた隙間から独特の匂いが舞い上がり、暗い内部が夕焼けに照らされ明るみに出る。
ボール、マット、縄跳び、得点表、はちまき…普段何気なく目にする道具が隠欝な雰囲気を纏って所狭しと並んでいる。
そして、その丁度中央。
高く積まれた跳び箱の上に立て膝で座り、悠々と私を見下ろす少年。
「遅いよ、先輩」
複雑なエコーに包まれ、彼の声が響く。表情は実に穏やかだが、その声は威圧感に満ちていた。
「もう、こないかと思ったよ。」
格子の窓から吹き抜ける僅かな風が彼の前髪を撫でると、細めた目と、にやりとつりあがった綺麗な唇の端がくっきりと見える。
「…ごめん、遅れて。」
喉の奥から声を絞り出すと、彼はストッと綺麗に跳び箱から降りツカツカと迫り私の目の
前でぴたりと止まる。そして顔を息がかかりそうなほどぐっと近づけた。
「理由だけ聞いてあげる。」
後ろで扉がガァンと大きな音を立てて閉まった。彼はゆっくりと私の頬を撫で、低く囁く。
その瞬間、背筋がざわめき、思わず生唾を飲み込んだ。
もっと。もっと。もっと。
体のずっと奥から熱いものが溢れだし、私はゆっくりと、赤い絵の具を注ぎ込む。
「……佐伯くんに呼―」
スパーンと気持ちのいい音に言葉が消されたと思うと頬に鈍い痛みが走る。ほどなく腫れ
上がるのを手で触れて確認する。熱い。しかしそれよりも彼の眼が怒りに燃えていた。
「先輩ってホンット鈍いよね!」
彼は急に声を荒げると今度は私の反対の頬を叩いた。両頬がジンジンと痛む。
真っ直ぐ貫くように睨まれたまま、私はまばたきもせずただ立ち尽くしていた。
知らぬ間に瞳から雫が静かに伝う。
すると、彼の声が眼に同じ炎を宿したまま、また穏やかなものへとかわると私の頬を優しく撫でた。
「痛い?…痛かった?」
子供をあやすように私を抱き締めると頬に柔らかいものが触れた。次に雫の筋を生暖かいものがなぞった。
「でもね、先輩が悪いんだからね?」
「…っ」
今にも泣き出しそうな声の後、首筋にチクッと刺すような痛みが走る。
「…先輩に僕の気持ちなんかわかるわけない。」
位置をずらしながら、ゆっくりと確実に私の肌を吸い上げている。
「ぁ…止め…っ…ん!」
抵抗した瞬間。言葉は彼の唇に呑み込まれ、そのままバランスを崩した私の体は腰から強く抱き寄
せられた。
身長はそれほど変わらないのになんて力なんだろう。私は左手で腰を抱かれ、右手で首か
ら頭を固定された状態で、貪るように口腔を蹂躪する彼のなすがままだった。
「…んっ……ぅ…」
微かに首を振って抵抗するが流石に後輩とはいえ男子の力にはかなわない。彼の腕のなか
で成す術なく、ただびくびくと肩を震わせていた。そんな姿が彼のお気に召したのか、軽いキスを最後に私の唇は開放された。
633the purple 天地×デイジー 8:2006/09/30(土) 21:50:06 ID:g1x0gwXw
「完璧息あがっちゃったね」
よしよし、と私の頭を撫でながら彼は意地悪く笑う。私は脱力し、彼の胸に持たれかか
り、話すこともままならずひゅうひゅうと呼吸するのが精一杯だった。
「こんなの準備体操にもはいらないよ?」
耳元で楽しそうに囁くと、私の背中を人差し指でスウッと撫でた。
「んッ…!」
不意打ちに背を弓なりに反らせたのをみて、満足げに微笑む。
「そうそう。かわいいよ、先輩。」
すると、あごを素早く指にかけるとまるで獣のように鋭く細められた目で見つめられたまま、また深く口付けられた。
このままどこまで堕ちていくんだろう。彼の想いも、私の気持ちも、向かう先は同じはずなのに。
体中を渦巻く欲望と甘い熱が、私の理性を奪う。
こんな歪んだ想いなんて誰も望んでいないはずなのに。
――ただ一人、私を除いて。
「……ぁっ…」
深く口付けたまま、彼の指先が胸に触れた。制服の上から手のひらで円を描くように軽く撫でたり、ときに指全体で強く揉んだり、幼い顔に不似合いな慣れた手つきで、確実に私を落としていく。
夢中になっている彼の胸を、かるく腕で押し戻してみる。形ばかりの抵抗。首も思い切り振り、唇の解放を求める。
「ね…やだっ…やだっ…て…ぇ…」
逃げるように体を引き、彼の唇から遁れた瞬間を使って、途切れ途切れに拒否する。
が、そんなもの彼はものともせず相変わらず楽しそうに笑っている。
「ぜんぜん説得力ないんだけど」
そう言うと、彼は私の胸の尖端をキュッと摘み上げた。
「あァっ…!!!」
甘い痺が体を駆け巡り、思わず悦びが声となる。
「ほら。ね、素直になりなよ。」
すると、腰に回していた手も胸へと移動し両胸への愛撫が始まる。
優しく包み込むように撫でるだけかと思えば、焦らすように尖端だけを避け指先でなぞったりする。
「んぁ…っ」
もの足りずに体をよじる。彼のブレザーにしがみつくように強く裾を握っている。が、
「ぃぁッ…!」
両方の親指で、軽く尖端を弾かれると私はそれだけで脆くも膝から崩れ落ち、完全に彼に
もたれ、支えられる形となった。
「先輩?…もっと感じて…」
制服の上からの愛撫はとまらないが、だんだんとその手は穏やかなものへと変わっていく。
634the purple 天地×デイジー 9:2006/09/30(土) 21:51:18 ID:g1x0gwXw
「先輩……」
声も先ほどの様な威圧的なものではなく、甘く優しく、まるで私を包み込むようだ。
…始まった。
心のなかで軽く舌打ちをして、彼の眼をみる。ただの熱に浮かされた発情した男の眼だ。
私の脳が急激に醒めていく。従順な紳士のように彼は私に極めて優しく触れる。先ほどの様な手荒さや乱暴さなど微塵もない。彼は私を愛撫しているうちにこんなふうに急に穏やかになることがある。
でも、私はそんなもの望んでいない。
生温い愛なんか、いらない。真っ青な空なら、私はあの時に手放したんだ。
私は軽く息を吸い込み、きつく目を閉じた。

「…いやぁぁああ!!…佐伯くん…たす…けてぇ……佐…伯く…」

急に愛撫の手がぴたりと止まる。
私はゾクゾクしながら瞼を持ち上げる。

――そう、その眼。

再び炎を取り戻した彼の眼は、口が何を語らずとも全て物語っていた。殺気のような憎悪がビリビリつき刺さる。
「そっか。ごめん、忘れてた」
口の端だけつり上げた形だけの笑顔。
「先輩は…佐伯先輩なんだよね。……ハハッ…わかってるよそんなの」
半ば独り言のようなそれはただ闇に吸い込まれただけだった。
ハハハッと心のない空笑いが虚しく響く。
「ホント馬鹿だよね僕。わかってる…わかってるって…」
私をきつく抱き締めたまま彼はうわ言のようにつぶやき続けた。彼の腕にだんだんと力がこもり始め、制服もそのとおりにゆがみ、体が先ほど以上に密着し息苦しささえ覚える。
すると、次の瞬間。
「分かってるよそんなの!!!!!!」
バッと体を引き離されたかと思うと片手で肩をドンっと強く押された。バランスを崩した私はそのまま後ろに倒れこんだが、マットの山だったおかげで痛みはそれほどない。しかし驚きと高揚感で、私は息もつかずに低く嗤う彼を見上げた。
「…あまち…く…ん…」
「――そんなに佐伯先輩がいいの?」
カチャカチャとプラスチックが擦れあうような音がする。目を凝らすと、いつの間に取ったのか右手の人差し指と中指に縄跳びを引っ掛けてくるくると回している。
「……同い年だから?」
そして、手のひらで回転を止め、その縄跳びをゆっくりと両手で解きながら静かに微笑んでいる。
635the purple 天地×デイジー 10:2006/09/30(土) 21:54:31 ID:g1x0gwXw
「それってさ、悔しいけどどうにもならないんだよね。」
解き終わるとビッと両手で縄跳びを撓らし、驚くほど冷たい眼で私を貫く。
わずかに恐怖を覚え、少し後ずさりをしたがすぐに得点表の足にぶつかってしまった。
にやっと彼は目の奥で何か光らせると、ぐっと身を乗り出し、距離を詰める。
「だからさ、こうやって少しづつ僕なりに気持ちを伝えてるんだけどさ」
「キャッ…!!」
早口で言い終わると私の足の上にまたがった。完全に動きを封じられた私は咄嗟に唯一あいている両手でで思い切り彼を押し戻したがびくともしなかった。
変わりにこっとかわいらしく微笑み、耳を舐め上げられ、思わず短く声を上げた。
「ぜんぜん伝わってないみたいだし。」
「痛っ…!」
押し戻した両手を掴まれたと思うと、いとも簡単に背中の後ろの得点表の足の部分に押さえ込まれた。
声は穏やかだがだんだんと行為が手荒になってきている。息ができない、心臓が壊れそうだ。
乱暴に腕と柱を縄でくくると、一仕事終えたようにふうとため息をつく。
「…もっと最初の頃みたいに抵抗してくれないと楽しくないよ、先輩。」
「お願い…天地君、痛いから…解いて?」
ヤダ、というと背中のファスナーに手をかけいっきにそれを下ろす。
背中に感じる空気量が増したのを感じると一気に体の温度が上昇した。思わず顔を背ける。
「このくらいで顔赤くしちゃあねぇ」
パチン、と背中のほうで音がするとそのまま彼は制服を下着ごと腰のほうへずり下ろした。
瞬間、見事に私の上半身は剥かれ、素肌に制服と下着が乱れあう姿を彼の目に晒すこととなった。
羞恥心できつく目を閉じていると、今度はスカートの方に手をかけられ、思い切り捲り上げられた。思わず足を閉じようとするが、手で太ももを押さえられ阻止されてしまう。
636the purple 天地×デイジー 11:2006/09/30(土) 21:55:30 ID:g1x0gwXw
「……うん、我ながらいい出来かな。すごい眺め。」
そういうと、軽くキスをし、また胸をきつく吸い上げ始めた。何箇所かにあとを残された感覚を覚えると、唇は胸を離れ、太ももを支えていた手もするりと腰を撫でながら上半身に移動する。
その隙に足を閉じようと試みたが、すかさず彼の方膝が代わりに差し込まれた。その刺激でたまらずに声が漏れる。
「んぁあッ…」
「…あれ、先輩…感じちゃってる?こんな状況で?」
彼が耳元で意地悪く囁くと、ゆっくりと膝が上下運動を始める。たまに軽く押すような動きをされると、全身に快楽の波が押し寄せてくる。
「…んっ…あっ…あぁ…」
「…なーんかこのままだと僕の膝汚れちゃいそう。」
ため息混じりに蔑むような声で言い放つと、膝が私の体から離れた。
彼の言うとおり、私の秘部はそれはもう悲惨なくらい潤っていることだろう。すこし身をよじっただけでも、擦れた瞬間の感覚で分かる。私は、重いまぶたをゆっくりと開けると呼吸で肩を揺らしながら彼を見た。
これ。この眼。私を貶めるときの眼。私が最高に彼の想いを感じることができる眼。
くくっとその眼を細めて私を見つめながら、手をベルトにかけている。
「…先輩?気持ちよかったの?」
もう先ほどのような甘い声ではない。私を気遣うような声でもない。
「駄目だよ、お仕置きで感じちゃ。」
先輩らしいけどね、と続けて高笑いをすると取り出された彼自身がゆっくりと秘部に宛がわれる。
くる、くる、待ち望んだ時はもう間近だ。
637the purple 天地×デイジー 12:2006/09/30(土) 21:56:25 ID:g1x0gwXw
「いやぁぁぁぁ・・だぁ・・・ぁぁぁ」
拒否は受諾。悲鳴は嬌声。赤も青も、すべては紫を導くため。
「――先輩、大好き。」
「痛ァっ・・・あぁぁぁ・・・!!!」
その瞬間ものすごい激痛が私の体を駆け巡った。十分に潤っているとはいえ、怒張したものをいきなり挿入された私の体は、やはりそれを拒否している。
しかし、体ではなく、脳がもうその痛みを受け入れてしまっている。何度目か分からないその痛みは甘く、まるで私を分断するかのように体の奥から突き上げてくる。
「…ね、…先輩、ッはぁ…ぁ…呼んで、僕の、名前・・・くっ・・・」
間近で切なげに絞り出している声は、まるで命令のようだった。黙っている私の首筋をなぞるように舌が這う。
「…ぁっ…やぁ…やだ…ん…っ」
ときどき、怖くなる。彼は、私がこうして犯されるのを悦んでいると知ってるのだろうかと。
「――……っ…ッ名前…!!!」
「あぁぁっ…んっ、あっ、はぁッ…!!!」
怒りと無力さを帯びた声とともに、律動が激しさを増す。突き上げられるたびに体を巡る痛みはかなり緩和されたが、
それでも脳で感じる痛みはどんどん増すばかりだった。
表情を見れば、彼の限界が近いことくらいわかる。それでも、それでも、悲しくなるくらい彼は虚勢を張る。
「…はっ…ぁ…今…先輩を…してるのは……んっ…誰なの…ッ!!」
私が、冷たいあなたを求めているのを知ってるからだろうか。
こんなに全身であなたを感じているのに、それを吐き出さないのはあなたを失うのが怖いからだなんて。
もっと、もっと、その濡れた絵筆で、愛と憎しみの混ざり合った、美しい紫に染め上げてほしい。
我がままだ。ただの、わがまま。天地君を利用していることには変わりない。
――あぁ、…そろそろ。
私の脳も体も心も、昇りつめるために感覚がいっきに鋭くなり始めた。声ももう理性の手綱が緩みきってしまい、
とてもではないが拒否の色合いなど含んでいない。所詮、私も熱に浮かされた発情した女なのだ。
「はぁ……アっ……い……イ…く…んぁ…っあああッ」
来るべき時を迎えようと、つよく目を閉じた瞬間。
「――…え?」
律動がとまった。彼の荒い息を髪に感じながら閉じた目を開ける。
638the purple 天地×デイジー 13:2006/09/30(土) 21:58:43 ID:g1x0gwXw
彼の潤んだ目をみて、なぜか胸の奥のほうがキィンと鳴いた。しかし、もう体の疼きは収まらない場所まで来ている。
時々自分で嫌になるくらい、この体は自らの欲望に正直だ。
「…どしたの先輩…、お望みどおり、やめてあげたよ…」
肩で息をしながら、辛そうにそれでも、なんとか優位に立とうとする。それが切なくて、愛しい。
頭では彼にも余裕がないのはわかっていたがそれ以上に私の体も余裕がなかった。
秘部は彼をくわえ込んだまま貪欲に収縮を繰り返す。
「…ぁ…あ…ぁぁ・・・やぁ…」
「…嫌ってなに?ヤじゃないでしょ。…散々拒んどいて…」
彼の指が、つうと私の輪郭を撫で、先ほど残した痕をぺろぺろとなめる。
「やぁ…ぁ…ゃ…いじわる、しない…でぇぇ……」
彼の目がすうっと細められ、口の端がにやりとつりあがる。あぁ、この顔、好き。
「…どうしてほしいの?」
「いやぁぁ…さ…佐伯君…ごめんね…ごめんね…やだぁ…」
またひとつ頬を叩かれる。その刺激と、彼の息遣いだけで達してしまいそうだ。
「――誰に、どうしてほしいの?」
悪魔の色をした、天使のような透き通る声。麻酔のようなその声の前に、もう私はなす術がなかった。
この期に及んで赤い絵の具を注ぎ足す自分と、あまりに早い墜落に我ながら呆れてしまう。
ここで赤色を手放して、彼に堕ちてしまったらいままで私が必死に守ってきたものはなんだったんだろう。
わざわざ相思相愛の自分の心をごまかしてまで、彼の与える痛みを求めたのに。
これじゃ何にもならない。でも、でも、もう駄目だ。
「……くん……っと……ぃて…」
「何?聞こえない。」
「ぁんんッ!…あ…まちく…ん…、もっと、もっとぉ…突いて…ぇ…」
勝ち誇ったようにと笑うと彼はまた律動をはじめた。今までの中で一番激しく、言葉も交わさずに彼は私を突いた。
そして、私は声を荒げてそのまま、内側で彼の熱の破裂を感じながら、ゆっくり脱力した。
深く呼吸をした瞬間、倉庫の埃と彼の空気が同時に侵入してきて、なんだか不思議と心地よくてそのまま目を瞑ってしまった。
639the purple 天地×デイジー 14:2006/09/30(土) 21:59:41 ID:g1x0gwXw
視界が真っ白に染まった。こんなに激しく達したのは久しぶりで、なんだか体が変な感覚。
だけど、意識を手放す前に確かに聞こえた声は、確かに泣いていた。
誰かに必死に謝っているような気がしたが、何故だろう。その相手はこんなにも満たされているのに。
彼の晴れた空のような想いを、踏み躙っているのは、私なのに。
でも、この二色の絵の具をこんなに上手に混ぜ合わせられるのが美術が苦手なはずのあなたしかいなくて。
こんなに美しい紫を見せてくれるのも、あなた以外考えられなくて。
ゴメンナサイ。あなたのこと、私がこんなにもこんなにも愛してるなんて、きっと、届くことは無いと思うけど。
私のために嫉妬と独占欲に狂うあなたの姿があまりに私を捉えて離さないから。
だから、許してくれなくていい。そうして何度でも私に熱をぶつければいい。間違っても私なんかまともに愛してはいけない。
それが、私とっての罰であり、そして何よりも代えがたいあなたを感じる手段。

大丈夫。最初から私はそういうふうにできてるんだ。

きっと。

640名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:01:55 ID:g1x0gwXw
以上です。お目汚しいたしました。
読んでくださった方々、お時間頂いて本当にありがとうございました。

641名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:04:08 ID:g1x0gwXw
>>624 いえいえ。こちらこそ空気豚切スマソ orz
642名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:13:40 ID:kTlX/bBO
空気嫁ないレスが続く中で、ほんとうに投下乙!

小悪魔ってーか悪女のデイジーに翻弄される男二人・゚・(ノД`)・゚・
643名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:14:56 ID:FiK+SrJe
>>623
神 す ぎ GJ!リアルタイムでドキドキしましたw
デイジー悪い子…Mと見せかけてどSだ
文章も上手すぎて惚れた。
絵の具の表現とか狂気が感じられてガクブルしながらハァハァです
乙!!ありがとう!
644名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:27:41 ID:8tOX2nE1
もうだめえ…若王子せんせえのおちんちんゆみこのおまんこにぶちこんでえええ…
645名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 22:39:30 ID:d4noJn6O
>>623、乙! 心の底からGJ!
天地最萌えなんで本当嬉しい。紫色が好きになりそうだw
そして天然装った腹黒デイジーGJ。天地をどんどん翻弄してホスイ。
今日はいい夢見れそう……(*´Д`)
646名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 23:09:37 ID:6a8684cH
>>623 GJ!
天地がますます好きになったYO!
これから紫色見る度思い出しそうだw
647名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 23:13:44 ID:L29iBcdI
>>623
すげえええ…!!!なんつーか乙!ほんとGJ!
暗いけど、すごく話に引き込まれてどんどん深みにはまっていった
歪んだ愛情表現の描き方がすごくリアルに感じられたよ
新しい世界が広がったような気がします。乙でしたドゾ(*´∀`)_且~~
648名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 00:39:36 ID:bHFQiYXH
ふおおおお! 初投稿とかいいつつこれだけのものを書いてくる>623に軽く嫉妬w
乙でしたー!

注意書き読んで思ったんだけど、少し上で話題になってた、公式カプでないとな〜っていう人は
ED3設定で嫉妬強姦エチーもつまり駄目ってことなんだろうか。
649名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 02:38:30 ID:pBKHZm+D
落ち着いたんだから蒸し返さないほうが……
650名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 04:03:19 ID:CBKVRtL8
放っとけ。
公式の意味わかってないし日本語も変だしさ
スルースルーまるっとスルー
651名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 12:23:49 ID:ijj4Z1Zv
うわぁぁぁぁああぁああぁあqwせdrftgyふじこ!!!!!!!!!!!
6 2 3 神 杉
何この上手すぎる文。腹黒デイジーめちゃくちゃイイ!
絵の具2色混ぜて出来る色と天地とキテルの気持ちを混ぜて出来る色を
かけているのが凄いうまいと思った。
なんだろうなんか陳腐な言葉しか出てこないけどとにもかくにもGJ!!
652名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 05:14:46 ID:61AcBjB1
いまこのスレって書き手読み手足してどのくらい住人がいるんだろ?
653名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 07:45:20 ID:FMiOMKgX
点呼を取り出すと不毛なスレになっていくのでやめた方が吉。
654名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 08:28:57 ID:0O4AZxy1
やたらと初投下が多いスレだな〜
見覚えのある文体だな〜




なんてこと思ってはいけません
655名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 09:36:20 ID:2Ho93OVA
総一郎×デイジーマダァー?
656名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 18:40:09 ID:wJm83sl3
じいさんまだ現役ですか!
657名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 19:06:03 ID:XXaLcahr
さて、志波×デイジーマダー( ・∀・)ノシ∪⌒☆
658名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 19:30:17 ID:TOVilSDK
メッティ×デイジー読みたい
659名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 20:48:21 ID:RkLruFKp
萌えシチュを語ってくれるとありがたい
「これだ!」と思った萌えシチュにインスパイアされて1本書けるかもしれないし
660名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 21:31:43 ID:61AcBjB1
総一郎×デイジーはプラトニック片思い(総一郎→デイジー)ならありかもしれない
孫が連れてきた可愛い女の子に、昔のやんちゃ心が再び…とか
珊瑚礁でバイト中、デイジーはマスターの優しい視線に気が付いて…とか

一歩間違えたら変態か…
661名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 22:51:47 ID:c/E3UTPS
私は逆だな
じじい萌えwなデイジーなら可www
んでじいさんにうまくかわされてるといい
結局はキテルと落ち着くとなおいい
662名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 23:20:45 ID:AO1f9vC9
私も逆かな。
落ち着いたマスターに憧れるデイジー…。
マスターは、キテルとデイジーの若者っぷりを微笑ましく見ているといい。
最後はキテルとの将来が明るそうな感じか? いいね。
663ハリー→デイジー:2006/10/03(火) 00:22:48 ID:DJ3BMm7P
ハリー→デイジー投下します。以下注意書き。

・デイジーのお名前は「小波美奈子」です。
・3年2月、キテル失踪時期の設定です。
・ハリーが報われません。
・ヌルエロで短いです。
664ハリー→デイジー:2006/10/03(火) 00:23:48 ID:DJ3BMm7P
 初めて触れた彼女の肌は、想像していたものよりも柔らかく暖かいものだった。
 そしてその上にある彼女の表情は、驚きと怯えの入り混じる表情。
 叶えたかったシチュエーションの真逆の状態で、彼は彼女を組み敷いていた。


「や、やだ。どうしちゃったの? ハリーってば……」
「うるせぇ」
 そう言うが早く、針谷は乱暴に美奈子の着ていた服を脱がせる。
 そろそろ春が近いとはいえまだ肌寒い季節。それなのに今日の彼女の格好はキャミソールにミニスカート。その上に上着を羽織っただけだった。
 おまけに、今居るのは針谷の家。薄く笑いながら針谷は耳元で囁く。
「本当は、こうされたかったんじゃないのか?」
「ち、違っ」
 否定の言葉は針谷に飲み込まれてしまった。絡み合う舌が、美奈子の思考能力を奪う。
 床にはらりと落ちたキャミソールの音が扇情的に聞こてきた。
「うぁっ……」
 ブラジャー越しから針谷の指の感覚が伝わってくる。自然には起こりえないその人為的な行為。
 美奈子はその行為に微かながらも快感を覚え始めてしまっている。
「だ、ダメだよ……止めてっ!」
 欠片に残る理性を使い、美奈子はそう叫びながら腕を押し返す。
 しかしピクリとも動かぬその力強さに彼女は恐怖を覚える。
「い……嫌っ……!」
 針谷は何も言わずに彼女の身体を弄る。普段隠されている肌に触れ、首筋に触れ、耳を甘噛む。
 初め以外はずっと声を抑えている美奈子だったが、次第に嬌声が漏れ出していく。
「……我慢すんなよ」
 ぽつり、と。聞こえるかどうかの瀬戸際の声でそう言う。そこで、美奈子は初めて針谷の顔を見た。
「ど……して」
「……」
「何で……ハリーが泣きそうなの?」
 腕を押さえつけられても、無理矢理に押し倒されても、無茶苦茶にされかけているのに。
 美奈子の真っ直ぐな瞳に、針谷は思わず視線を反らした。
「……泣いてるのは、オマエだろうが」
「えっ?」
 そう言いながら、針谷はショーツの上から秘所に触れる。微かに湿り気を帯びたソコを撫でると、美奈子の身体は震えた。
「……ゃっ!」
 声にならない声。しかし、それは確かに針谷の耳に届いていた。
 彼は何も言わずにショーツに指をかける。その瞬間に、美奈子は搾り出すように言う。
「な……んで?」
 瞬間、瞳から涙がこぼれる。その言葉に、針谷はゆっくりと問いかける。
665ハリー→デイジー:2006/10/03(火) 00:24:36 ID:DJ3BMm7P
「理由があれば、いいのか?」
「……」
「理由があれば、オマエは納得して、俺を受け入れるのか?」
 ゆっくりと、下着は太腿よりさらに下に落ちた。直接触れると、もう潤ってきている。
「……オマエは、それで良いのか?」
 指が進入する。そこは暖かく、でも狭く、しかし愛おしい感覚を得ることが出来た。
「……や……」
「良くないんだろ? なら、言えよ。追いかけろよ!」
「……く……」
 声が漏れる。喘ぎなのか、それとも他の何かなのかは針谷は理解しなかった。
 今は、ただ目の前に居る彼女を見て、精一杯で。彼女を一時でも手に入れられる喜びに溢れていた。



 コイツを笑わせることは出来る。でもそれは、俺の求めている笑顔じゃない。
 コイツを泣かせることは出来ない。それが出来るのは、急に消えた無責任なアイツだけだ。
 コイツは、アイツが消えた後でも動揺しているところなんて見せなかった。
 でも、気づいていた。アイツのことを考えながらコイツは一人で我慢して、泣いて、笑顔なんかじゃいられないはずなのに。

 それが、ただ悲しかった。俺じゃあ、力になれないことを痛感させられたから。
 こんなことをしないと、コイツの視界にすら入れないオレの立ち位置。
 励ましたかった。弱音を吐いて欲しかった。泣いて欲しかった。弱い部分を見せて欲しかった。
 だって、少なくともアイツ以外だったら、コイツに近い場所に居たのは俺だったはずだから。

 そんなのも、今日でサヨナラ。


「……終わりだな、これで何もかも」
 腕の中に居る少女の寝顔を見る。彼女は泣き腫らした瞳に似合わぬ、穏やかな寝顔。
 夢の中だけでも、暖かな気持ちでいて欲しい。身勝手な願いと自覚しながら、針谷はその髪に口付けた。
666ハリー→デイジー:2006/10/03(火) 00:25:24 ID:DJ3BMm7P
以上です。分子分母の付け忘れ申し訳ありませんでした。

きっとデイジーは佐伯一筋プレイで失踪されたとしても気丈な態度だったんだろうなって妄想。
あと、佐伯以外の野郎共はデイジーを不安にさせることは出来ても泣かせるまではいかないだろうなって思いました。


それでは失礼致します。
667名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:47:38 ID:96s5rgra
もはや催促厨ばかり。一気に糞スレと化したな。
668名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 00:50:50 ID:96s5rgra
あ、ID:DJ3BMm7Pさん乙です
よかったよ
669名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 01:02:45 ID:oX2mKawQ
>>663
GJ。何というか胸が痛くなった。
キテルED3のときとか、こういう心境になってしまう男子いたりしてな。
670名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 22:06:49 ID:Ag61Y0q1
>>663
GJGJ〜!
そうだよね、ED3だとギリギリまで引っ張られて、灯台で告白までした挙げ句に振られる男が一人はいるから
ハリーに限らず、こういう男子はきっといるだろうな…。

マドンナデイジーで殆どの男子に好かれてたりすると、順番に告ってきて
本命が来るまで、振られるのが一人や二人じゃないなんて状態にできたらな〜
小悪魔どころじゃないなデイジーw
671名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 22:12:10 ID:C2LkbPvI
嬢王デイジー…
672名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 00:07:47 ID:RjMalCUw
キャバクラ嬢No.1決定戦かよww
673名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 00:11:32 ID:Gst2ED7Q
ところで…
はば学って敷地内に教会があるけどミッション系だっけ?
674名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 01:35:58 ID:ge3TifI7
その手の質問聞き飽きた。わざとか?('A`)
675名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 04:33:35 ID:Gst2ED7Q
1の話を書こうかと思ってネタの確認だったんだけど
それも遠回しな誘い受け扱いされるのかここは?
だとしたらごめん、謝っとく

しかしよく↑この時間帯にネガティブ思考の人いるね
そういうのが雰囲気を悪化させると思うんだけど
それこそもしかしてわざと?
676名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 05:13:50 ID:/AJXGftL
誘い受けっつーかその質問自体が
エロパロスレに限らずGS関連スレで
何度も何度も繰り返されてきてる類のものだからじゃないかね
ゲームプレイしてれば答えわかるしさ
677名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 05:19:08 ID:/AJXGftL
連投だが藻前さんもちょっと深読みしすぎだと思う
せっかくIDがGSな上にED7なんだからピリピリするなや

ED7まであったらコンプが死ぬほど大変だな
678名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 05:28:42 ID:Gst2ED7Q
うん、わかった、本当ごめん、気を遣わせて。

ED7まで集めながらもう寝るわ…7時起きだワッショイ
679名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 15:57:15 ID:BRFHzK2j
Gst2ED7Qに呆れてものもいえない
とりあえず半年ROMれ
680名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 17:08:00 ID:3OFkpcdP
半年と言わず一生ROMっててほしい
681名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 17:43:12 ID:GnN9v9gA
ふいんき(ry
悪いなぁ
682名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 18:18:31 ID:DdDLZRRZ
収まってるのにガタガタ言う679に呆れてものが(ry
683名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 19:10:58 ID:IPWOuCcU
ゲーキャラスレならここまで叩かれなかったかもね>>673
684名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 20:14:26 ID:JP+IPKv9
まあまあみんな、マターリと神をまとうぜ
685名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 21:58:44 ID:yqw7DyEk
143 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします J8Hqk90a0 2006/10/04(水) 19:33:30.57
濾過の実験と称してコーヒーを淹れる理科の先生

「こうして抽出された謎の黒い液体を調べます。まずはにおいです。
直接においを嗅ぐと危険なので、手で仰いで少しずつ嗅ぎます。
ん、良い香りだ。次は味です。ん、コクがあるのにキレもある。」

そしてちゃんとクッキーまで用意してある
686名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 01:29:31 ID:K8buSrqi
これなんて若?
687名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 16:45:00 ID:5TYZ8YYF
やっぱり過疎ってるw
688名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 01:21:21 ID:v8JBgy4h
神の降臨を待ちながら若×デイジーで初投下いたします。

【諸注意】
デイジーの名前は小波美奈子です。が、苗字しか出てません。
強姦未遂の描写があります。苦手な方はスルー願います。
エロはものすごく温いです。つーか、やっぱり私にはエロは無理でした。・゚・(ノД`)・゚・。
ぶっちゃけ本番もありません。
689若×デイジー1/9:2006/10/06(金) 01:22:17 ID:v8JBgy4h
君が走ってくる・・・
頬を赤く染めて、息を弾ませながら。
すらっと伸びたカモシカの様な脚を、音楽を奏でるように一定のリズムで走らせる。
君はそんなに急いでどこへ行くのだろう?

ここへ来るのならいいのに・・・
僕のテリトリーに・・・


「先生!」
ガラっと化学準備室のドアが開く
窓辺で彼女の残像を追いかけていた僕は一瞬ドキッとした。
「やあ、小波君何か用かい?」
ドキドキする。
本当に君が来るとは思わなかった。
僕は昨日君に酷い事をしたから・・・
690若×デイジー2/9:2006/10/06(金) 01:22:58 ID:v8JBgy4h
__________________________________________


「失礼します!プリントを集めてきました」
日直だった彼女に課題プリントを集めるのをお願いしていた。
「おや?わざわざここまで持ってきてくれたのですか?
職員室の机に置いてくれて良かったのに・・・」
「私、先生に聞いて欲しいことがあって・・・」
彼女は頬を赤らめて俯いた。
「どうしました?何か悩み事ですか?」
プリントを受け取り、右手で彼女をソファへ促す。
軽く会釈して腰を下ろした彼女の前に僕も座った。
「・・・・・・・・・」
話し難そうに膝に置いた手をもじもじさせている彼女は
なかなか話を切り出さない。
「小波さん・・・」
「あの・・・わたし・・・」
小刻みに震えて、顔も真っ赤になってきた。
この子は何を僕に聞いて欲しいのだろう?
この様子から授業や進路のことではないのは明らかだ。
(恋の悩み?)
・・・嫌だ!誰に恋をしている?相手に何かされたのか?
そんな邪推に胸がズキンと痛む。
「話し・・・にくいことなのかい?」
「わ・・・わたし・・・」
ひざの上に置いた彼女の手の上にぽとりと水滴が落ちた。
・・・泣いてるのか?
691若×デイジー3/9:2006/10/06(金) 01:23:48 ID:v8JBgy4h
「少し待ってて、先生お茶を入れてくるから」
立ち上がり、すばやく甘い紅茶を淹れて彼女の前に置く。
「ティーバックだから美味しくはないけど・・・」
「あ・・・りがとう・・・ござい・・・ます」
彼女は切れ切れに礼を言う。
・・・・・・・・・
駄目だ・・・胸が苦しい!
彼女に触れたい!抱きしめたい!
何があったか問い詰めたい!

しかし、僕は彼女の恋人じゃない。
ただの担任の教師だ。
だが、彼女に恋をしている!!!

昂ぶる気持ちを抑えて椅子から立ち上がり、彼女の肩に手を置きゆっくりと話しかける。
「大丈夫、先生に話してごらん。何か困ったことでもあったのかい?」
肩に手が触れたとき彼女は一瞬びくっとして、潤んだ瞳で僕を見上げた。

−その時箍が外れた−
692若×デイジー4/9:2006/10/06(金) 01:24:31 ID:v8JBgy4h

僕は両手で彼女の肩をを引き寄せると唇を重ねた。
驚いて目を見開く彼女の頬に両手をやり親指で唇をこじ開ける。
そして深くくちづけて、舌で彼女の歯列をなぞりその奥を味わう。
「・・・っう・・・は・・・ぁ・・・ああっ・・・」
口の端から彼女の吐息が漏れると、その声を聞いただけで
僕自身に血が集まるのを感じられた。
「はっ・・・君が・・・悪い・・んだ・・・そ・・んな目・・で・・・僕っ・・・を・・見るか・・ら」
服の上から胸を掴み乱暴に指を動かす。
「いやっ・・・や・・めて・・・せ・・んせ・・・い」
彼女の口から先生と言う言葉が発せられると僕の身体の中を赤い炎が燃え上がった。
「やめない!」
乱暴にスカートを捲くり上げると、下着を剥ぎ取る。
ソファに力任せに彼女を押し付け、床に跪くとしっとりと汗ばんだ真っ白な腿を
内側から押し割って顔を埋めた。
「いやあぁぁっ」
嗚咽交じりの声で彼女は僕を拒む。
力一杯に閉じようとする脚を押し広げ、敏感な部分に舌を這わせると
彼女は観念したように力を抜いた。
「せ・・・んせ・・・ど・・うして?」
自分でも分からない・・・僕はこの少女に何をしている?
大事な大事な生徒を犯し、傷付け、何故興奮しているのか?
「話・・・を・・聞いてく・・ださい・・・・・・先生!」
693若×デイジー5/9:2006/10/06(金) 01:25:10 ID:v8JBgy4h
(話?)
ハッとして動きを止める。
顔を彼女の秘部から離すとそのまま動けなくなった。
彼女はよろよろと立ち上がり足元に落ちていた下着を拾う。
跪いたままの僕は両手で顔を覆い少し震えていたかも知れない。
「先生、わたし・・・」
身仕度を整えながら彼女が口を開いた。
「す・・・すまない・・・先生は・・・君に・・何て事を・・・」
謝罪の言葉を口にしても、心も身体も激しく燃え滾ったままだった。
この烈火の炎を抑えようとする気持ちと、また彼女に襲いかかろうとする衝動に揺れ動き、
心が掻き乱される。
「出て行って下さい!・・・・・・二度と僕に近づかないで!!」
背中側から肩を押し、彼女を部屋から追い出す。
「待って!先生!わたし先生のこと・・・・・」
バタンとドアを閉めると鍵を閉めてドアを背中で押さえた。
先ほど彼女にした卑劣極まりない行動が頭から離れない。
「くそっ」
僕は悪魔だ!ケダモノだ!
彼女にあんなことをしておきながらゾクゾクと身が震えるのが感じられた。
すかさずベルトを外すと昂ぶる自分自身を引き出し、
片手で擦りあげる。
「はぁっ・・・こ・・なみさんっ・・・・・・み・・・みなっ・・・」
握る手を激しく上下させると、すぐに頂点に達した。
床に飛び散る白い液体・・・自分の激しい吐息だけが感じられる。
「はぁっ・・・はっ・・・」
そのままドアを背に蹲ると、涙が零れた。
「神様・・・僕は・・・何者・・なんですか?」
694若×デイジー6/9:2006/10/06(金) 01:26:28 ID:v8JBgy4h

_____________________________


「やあ、小波君何か用かい?」
なんて間抜けな台詞だ。
ただ、いつもの癖が出てしまっただけだが。
「何を言ってるんだ・・・僕は・・・」
昨日の奇行が蘇って来る。
それだけで涙が零れ落ちた。
「先生に近づいちゃいけない・・・と言った筈です」
彼女に背を向け両手で頭を掻き毟る。
「でも先生、わたし・・・まだ話を聞いてもらってません」
背中越しに彼女の美しい声が聞こえる。
その声を聞くだけで、僕は胸が震えるのを感じた。
「僕は酷い人間です。今すぐ神に裁いてもらって地獄に落ちるべきだ。
昨日君にした事は赦される事ではない・・・」
涙が止まらない。
あんな事をしておきながら、僕は彼女を本当に愛していたのだ。
でも、気持ちを表に表すことは出来ない。
いやそれだけじゃなく、彼女の前から完全に消えた方がいいだろう。
「教師になる前の生活に戻るだけだ・・・」
世捨て人としてただ生き長らえてきただけの生活に・・・。
695若×デイジー7/9:2006/10/06(金) 01:27:13 ID:v8JBgy4h

「先生を辞めるのですか?」
「・・・そうですね・・・君の前から消えます」
「その前に私が昨日言おうと思ってたことを聞いてください」
「・・・・・・」
声が出なかった。
何を聞いても心を掻き乱されることは分かっていた。

「わたし、先生のことが好きです」
・・・・・・え?
呆然として思わず振り返る。
「どうして先生が泣いてるの?」
「今・・・何て?」
「先生はわたしのことどう思っているんですか?
どうしてあんなことを・・・泣きたいのはわたしの方です!」
彼女の目から美しい宝石のような涙が零れる。
僕の腕を両手で掴み激しく揺さぶる。
「あんな事されても・・・先生のこと嫌いになれない!
それどころか余計に先生のことが頭から離れなくて・・・」
いつの間にか僕の胸に顔を埋めた彼女は小さな子供の様に泣き続けた。
696若×デイジー8/9:2006/10/06(金) 01:28:01 ID:v8JBgy4h

「先生を辞めるのですか?」
「・・・そうですね・・・君の前から消えます」
「その前に私が昨日言おうと思ってたことを聞いてください」
「・・・・・・」
声が出なかった。
何を聞いても心を掻き乱されることは分かっていた。

「わたし、先生のことが好きです」
・・・・・・え?
呆然として思わず振り返る。
「どうして先生が泣いてるの?」
「今・・・何て?」
「先生はわたしのことどう思っているんですか?
どうしてあんなことを・・・泣きたいのはわたしの方です!」
彼女の目から美しい宝石のような涙が零れる。
僕の腕を両手で掴み激しく揺さぶる。
「あんな事されても・・・先生のこと嫌いになれない!
それどころか余計に先生のことが頭から離れなくて・・・」
いつの間にか僕の胸に顔を埋めた彼女は小さな子供の様に泣き続けた。
697若×デイジー9/9:2006/10/06(金) 01:28:59 ID:v8JBgy4h

どれくらいの間そこに佇んでいただろう?
僕は彼女を強く抱き締めていた。
胸を掻き毟られるようなあの気持ちはすっかり無くなり、
雲が流れ去った青空のように穏やかになった。
不意に彼女が口を開く。
「もう、わたしの前から消えるとか言っちゃダメです」
「うん・・・」
「ずっと一緒にいて下さい。・・・それでね」
いたずらっ子っぽく彼女は微笑む。
「昨日の続きをして下さい!」
「君が卒業してからにしますよ」
「えー?じゃあ、先生が手を出したくなるように誘惑し続けますね!」
極上のウインク。
・・・・・・・・彼女には敵わない!
「うわぁ、先生マジでヤバイです!」


〜fin〜
698若×デイジー8/9:2006/10/06(金) 01:33:26 ID:v8JBgy4h
ごめんなさい!8/9はこれです↓



「君を抱き締めてもいいですか?」
そう訊かないと、彼女に僕から触れることも出来なかった。
こくりと頷くのを確認して、ゆっくりと抱き締める。
「僕は本当に愚かです。君に恋をしているのに、それを認めないようにしていた。
昨日君の口から恋の悩みが告白されると思い込んで、その見えない相手に嫉妬したんだ」
腕の中の彼女の耳元で低く呟いた。
「わたしが好きなのは先生です」
手で胸を少し押されて、顔を上げた彼女の瞳は強い光を放っていた。
「うん・・・・・・・・・僕は何て弱い人間なんだろう。
もう若くないからとても臆病になっていたんだ」
僕と違って彼女は強い。そして眩しい。
「こんな事言う資格はないかも知れないけど、僕も君が好きです」
699名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 01:35:57 ID:v8JBgy4h
貼り間違えるなんて…最低だー。・゚・(ノД`)・゚・。

お目汚し失礼しました。
700名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 02:03:36 ID:yibiuqb0
>>689
乙です!
ピュアな先生かわええ(*´д`*)
701名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 11:39:45 ID:PQ2BnwTO
キテルとデイジーの初体験話です。
キテル視点で、キテルと音成くんは面識なしで
デイジーは「あいつ」となってます。

誤字脱字は脳内補完でヨロシク。
702キテル×デイジー@:2006/10/06(金) 11:43:09 ID:PQ2BnwTO
あの日、誰よりも愛おしいと感じていた
人魚を置いて俺は去った。
元々は店を守るためにこの場所に来たのだ。

反対を押し切って、この土地に来て
俺なりにやってきて、けど駄目になって。

分かってた、自分が色々と限界だった事に。

日々を過ごすということが、苦痛になっていく。

けど、あいつが俺の目の前に現れて一緒の時間を過ごして
苦痛の中の救いになってたのは気づいてたんだ。

苦痛の日々の中に大切なものができていた事に
気づいて喜びを感じた。
あの土地を去って譲れないもの
胸を焦がすものを知って歩き始める。

あいつも夢も決して譲れないから。

羽ヶ崎学園を卒業して、初めての夏。
俺とあいつは少し遠出をして旅行に行った。

あの海が俺の一番なのは変わりないけど
あいつが他の海を見に行くのもきっと楽しいからといって
勝手にスケジュールを組んだのだ。
703キテル×デイジーA:2006/10/06(金) 11:45:14 ID:PQ2BnwTO
南に位置する島の海は、透明で青く
海面が太陽の光で煌いていた。
場所によって海の香りも変わるのかと感慨深く思ったが
あの海のほうが良いというと
「うん、そう思わせてくれる場所があるのは幸せなことだね」
と柔らかい笑みを浮かべた。
こいつには敵わないと思わせるのが
こういう所なのかも知れない。

ホテルに戻り、食事をとって部屋に戻って
あいつと話しをしていた。
同じ大学だから、共通の話題があるのは良かった。

夜が更け、話題が途切れて気まずい空気になる。

冷房をつけていても、じっとりした汗がでてくる。
キスはしていたけど、まだそういう事はしていなかった。
お互いのペースでいけばいいと思ってたからだ。

けど、こんな夜で二人っきりで
そんな事を考えるなという方がありえない話だと思う。

俺はあいつが好きだから、大切だから、守りたいから
愛したいから、自然な事だ、あいつに欲情するのは。
704キテル×デイジーB:2006/10/06(金) 11:47:32 ID:PQ2BnwTO
あいつにキスをする、舌をいれ絡ませ軽く吸う。
幾度もキスをしたのに、あいつは慣れないらしく
始めは舌を引き、ぎこちなく絡ませ始める。

部屋に絡ませあう音とお互いの吐息がし、
息が触れ合うくらい近い距離で「お前としたい…」
と言ったらあいつは潤んだ瞳で
「…うん」と答えた。

頭の中が熱くなって目眩がする。

俺のペニスも熱を持って堅くなり
ジーンズの上からでも大きくなっているのが分かった。

ベットにいき、服を脱いで仰向けに寝たあいつに覆い被さり
服を脱がす。

こぼれた二つの白く柔らかいものを揉みしだきながら
主張するピンク色の突起を吸って咬んだ。
「ひっ…っぁ」
あいつの声につられるように、手を腹部のもっと下のところにやる。
手を滑らせて、割れ目にそって指を動かした。
「うっ、ん、やぁ、ひぁ…っ」
くちゅくちゅと粘つくものが溢れ、いやらしい音がする。
指を一本入れてみると、そこは熱くて、締め付けてきた。
「……足、閉じんなって。動かしにくい…」
「っ――――!やぁっ!!」
左足の脹脛を持って、胸に押し付けるぐらい広げた。
俺の指が、あいつのアレの中に入っているのがよく分かる。
堪らなくなって指を増やすと、あいつは悲鳴に近い声を上げた。
部屋中、厭らしい音とあいつの艶声で包まれる。
我慢できなくなった俺は、指を抜いた手で
自分のものを掴み押し付けた。
705キテル×デイジーC:2006/10/06(金) 11:50:05 ID:PQ2BnwTO
あいつは小刻みに震えていたが、それさえも愛おしく
止めようという気にはならなかった。

今までこんなに大きくなったことは無く、硬く
先端は液を垂らしていたソレを亀頭のところまで埋めると
あいつは悲鳴を上げる。
「んっやぁぁぁぁぁぁぁっ!」
両手で俺の腹部を押して、ずり上がろうとした。
俺は一気に腰を押し付け、太股をもってそれを止める。
「――――――っ!!」
声にならない悲鳴は、さらに俺の興奮を
助長させるものにしかならない。
最初はゆっくり腰を動かしていたけど
あまりの気持ちよさにしだいに腰を早くする。
「んっあ、あ、あ、っ!ひやぁっ!」

挿入しているものを見ると、それには赤いものが付着していた。
言い知れぬ、優越感と嬉しさが込み上げてくる。
力を緩めることなんてしない、受け止めて欲しい何もかも――。

さらに、腰の動きを早くする。
「んっんっんっ、もうっ、いたいよぉっ!んむっ……!」
あいつの唇にキスをし、身体を密着させ腰を動かす。
悲鳴が口の中に消え、ベットが軋むぐらい動かした
ときには掻き回すような動きもいれて。

限界がくると、身体を抱きしめるようにして
あいつの中に注ぎ込んだ。
「やあっっっ、な、なにっ?あついよっっ!んあっ」
最後まで注ぎ込んだ後、抜かないままあいつにキスをする。
706キテル×デイジーD:2006/10/06(金) 11:51:25 ID:PQ2BnwTO
お互い息が荒れている、けど言いたい言葉がある。

「………好きだ」

そういうとあいつは泣き濡れていた目を、柔らかに滲ませた。
「…………うん」
そう言って、俺の頬を優しく撫でてくれる。
その仕草があいつの気持ちを表しているようで、嬉しかった―――。



後日、道を歩いていると中学生らしきガキに足を踏まれた。
ひと睨みして去っていったけど、あれはなんだったんだろうな…?
707名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 12:09:17 ID:PQ2BnwTO
↑補足、デイジーの様子がおかしいことに気づいた
音成くんが感づいて、そういう行動をとった
ということで。
708名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 18:08:06 ID:nFdq4Z/V
>>688
若がかわゆいw
なんていうか、若にはもっとダークなイメージがあったのだけど
この若愛いなぁ…萌えさせて頂きました!

>>701
キテルがキテルー!
補足無くてもわかりました、丁寧に乙です
男視点、少ない訳じゃないと思うけど、ここまで男視点のは
久しぶりに見たかも。新鮮に楽しませて頂きました!
709名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:21:03 ID:va6hZNhV
中学生音成くんとVSモードキタコレ!
乙です。キテルが優しくて萌えた。
710名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 16:16:32 ID:ED4Q8IWP
そろそろ次スレ?
711名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 16:18:20 ID:ED4Q8IWP
おっ、IDがED4だ♪
712名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 20:28:26 ID:ctZ/Bwt/
>>711
オメ!志波野球部復帰無し事故チュー有りEDか!ウラヤマシス

あと、上の若デイジーとキテルデイジー職人さん、乙でした!
どっちもデイジーへの接し方の描写がたまりませんでした!(*´Д`)
積極的デイジーに戸惑うピュア若といい、率直に「したい」というキテルといい…GJ!
男性視点マジ良いなぁ。デイジー萌えだからすげー萌えたよ。
713名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:04:16 ID:HNepexjo
GS2のキャラって、チェリー認定されてもおかしくないキャラが
無印よりも多いよね
事故チューの時のキャラの反応がみんなカワユス
714名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:23:19 ID:5Ruod3TQ
むしろチェリーじゃないキャラって花屋くらいじゃ…
クリスはどうかな?
715名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:30:26 ID:ED4Q8IWP
クリスは、あちこちで手を出しまくるんだけど、エチしようとすると仕事の電話が入ったり芸術の神が降りてきたりでチェリーの予感。
716名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:34:12 ID:iAnIzzZ7
クリスは意外とキャラの中では1番紳士っぽい。
美を追求する(作品を造る)ためにヌードを連呼してるにすぎないように見えるし・・・。

ほかのキャラはいい意味で思春期してるって感じだけどね。
717名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:35:19 ID:iAnIzzZ7
あ、自分はクリス最萌えです。
↑のレスじゃ誤解されそうだ・・・。
718名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:11:24 ID:8u3VWIXA
クリスはレースやランブル坊主に連れていって以来、いざって時にチキンになりそうなイメージが着いてしまった。
痛いんだろうなーとか考えて萎えたりとか。
719名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:13:47 ID:ceQpZ1lO
クリスのスキンシップも、エッチっていうよりは
じゃれてるとか懐いてるって感じのがしっくり来るよね。
ピュアでオープンな印象なので、エロとはちょっと違うっぽい。

それが全部計算なクリスもそれはそれでアリだけども。
720若Xデイジー1年後の夏 前半(0/9):2006/10/08(日) 01:04:05 ID:fLun4Ecs
ペンネーム、エロマ=エストロと申します。
初投下&2ちゃん初書き込みです。
なので是非ともお手柔らかに・・・。


<前提、注意事項など>
★名前:小波美奈子
★エロにたどり着くまでが長ロング。
 今回、前半だけですが、前半にはエロはありません。
 後半のを、書きたいがための所業です。お許しを。
721若Xデイジー1年後の夏 前半(1/9):2006/10/08(日) 01:05:03 ID:fLun4Ecs
 夏の長期合宿に向かう山道のバスの中。私は何をするでもなく、ぼんやりと窓の外を
眺めている。
 あれから1年が経った。私は一流体育大学で、走り高跳びの選手をしている。インタ
ーハイで優勝して、去年の大阪世界陸上で見事入賞を果たし、今の目標は2012年の
ロンドンオリンピックで、金メダルを勝ち取ることだ。私の体には高校3年間に、最高
のトレーナーに教えられた、角度と筋肉の動きが刻み込まれている。体が覚えたこの動
きを、多分私は一生忘れないだろう。その強度と正確さを増すために、ハードな練習
を繰り返しているのが、今の私だ。
 こういう練習の必要もなく、ただぼんやりと過ごせる日を、私は「空っぽの日」と呼
んでいる。考え事をしていると、時間のたつのはあっという間で、1ヶ月に何日かこう
いう日をもつという習慣が、いつからか身についた。いろいろな事を考えるけれども、
いつも決まって思いを巡らせることがある。

 若王子先生、今どこで何をしているんだろう・・・・・・
722若Xデイジー1年後の夏 前半(2/9):2006/10/08(日) 01:06:19 ID:fLun4Ecs
 若王子貴文、大好きだった先生。ちょっとおとぼけなところがあってだれからも慕わ
れてて、いつもみんなにやさしかった先生。課外授業とか超楽しくて、ほかのクラスの
子にうらやましがられたっけ。そして実は天才科学者であるばかりでなくトレーナーと
しても超優秀で教え方も親切で、入学したとき大したことなかった私をここまでにして
くれた。
 いつも穏やかに笑っていて、一見悩みなんてなさそうに見えるけれど、でも私知って
たんだ。いつも穏やかにああいう複雑な事情があって、誰よりも愛に飢えていたってこ
とを。たまのデートの時とか、先生がどこかに消えていきそうで怖いと感じるのは、先
生が自分を壊したがっているからだってことも。

 それなのに、私は、卒業式の日に振ってしまった。
 次の日から、だれも先生には連絡をとることが出来なくなった。氷上君が親戚筋から
聞いた情報によると、新学期から数日たったある日、若王子先生ははね学を、所在不明
のまま解雇されたという。
723若Xデイジー1年後の夏 前半(3/9):2006/10/08(日) 01:07:12 ID:fLun4Ecs
 志波は、先生は黒服に連れて行かれたのだろうか、と悲しんでいた。2年生の時のク
ラスメイトの一人は、東京の繁華街で客引きをやっている、ディスコの店員が先生に似
ていたようだが、声をかけようとしたらいなくなっていたので、結局分からないと言う。
教頭先生は、若王子先生はアメリカに帰られた、と言ってた。でも、突っ込んで聞いて
みるとウソを言っているのは明らかで、そう言うしかない先生方の困惑が見て取れた。
 でも、私これだけは知ってる。私のせいなんだ。先生の、あんな孤独で重すぎる愛情
を受け止めてさえいればよかったんだ。今でも激しく後悔している。私が今陸上をつづ
けているのは、せめてもの罪滅ぼし。
 「先生の教えてくれたことで、こんなすごいこと出来たんだよ。」
って世界の舞台で言いたい。生きてさえいれば、きっと世界のどこかで見ていてくれる
から・・・・・・

 バスは急カーブに差し掛かり、動きが緩やかになる。バスの窓から見える木々の隙間
から、清流と広がる川原が見え、心が洗われる。しばらく眺めていると、ダーツの矢で
見事に鳥を仕留める、俊敏なハンターの姿が見えた。
 
 あれは・・・。若王子先生!!
724若Xデイジー1年後の夏 前半(4/9):2006/10/08(日) 01:08:16 ID:fLun4Ecs
 これが合宿行きのバスなどでなかったら、迷わず運転手さんに言って止めてもらう
ところだけれど、それは団体行動では無理な話。それにあと小一時間ほどで合宿所に着く
ことも知っていたので、とりあえずは我慢し、夕食後の自由行動の時間に探すこ
とにした。
 閑散とした山の中に、各種宿泊、トレーニング設備等の整った一流体育大学合宿所がある。
高度成長期に経済界で成功したOBの寄付による建物で、ここで陸上部総勢約百名は8月
の1ヶ月間、合宿を行う。夏の暑さを避けて、最高の環境の中で練習を行うのがこの部の
伝統らしい。周りにある住宅はまばらで、お店といえば、この時期の夕方だけ農家の車庫で
営業を行う、小さな雑貨店ぐらい。
 合宿所に着くと午後4時ほどだった。合宿所に着いて、最初に行われたのは説明会。
夕食後のことを考えると、上の空だったが、昨年と同じく、自由行動の時間は午後7時から
10時半、消灯10時半、日曜日は1日自由行動ということだけは聞き逃さなかった。
余計な話だけれど、体育会系の割にこんなに自由時間が長くて飲み会とかの拘束がゆるいの
も、またうちの部の伝統らしい。
 私に与えられた時間は毎日3時間半。あの場所だと私の足で猛ダッシュで走って45分
ぐらい。日曜日は丸1日使える。誰かに手伝いを頼むという手もあるけれど、あそこまで
その時間でいける子が、うちの部に何人いるだろう・・・・・・

 なにはともあれ、1ヶ月の間に、なんとしても先生を見つけださないと!
725若Xデイジー1年後の夏 前半(5/9):2006/10/08(日) 01:09:09 ID:fLun4Ecs
 現在、午後7時。ルームメートに、「トレーニング行ってくる」と言い残し、私はあの川原
へ向かった。その前に、合宿所の管理人さんにお願いして、停電時用の懐中電灯を理由を
つけて借りることや、熊除けのすずをつけることも忘れなかった。夏の日は長い。ポツポツ
とではあるけれど、道沿いに街灯もある。
 途中、本当にトレーニングをしている仲間に「おっ、すげー気合!がんばれ!!」とからか
われる。笑顔で答えて走り去る。川原に続く小道に入るところで、あたりはもう真っ暗だった。
周りにだれもいないことを確認し、懐中電灯をつけ、入っていく。5分ほどで広い川原に抜け
た。
 ゼーゼー息をきらして砂利ので横になった。しばらくすると鈴の音がした。主を失ったかの
ような、頼りなげな小動物の声。「ニャ−。」「ミにャ−。」「ふニャ−。」1匹ではない。2匹
か3匹いる。起き上がって見てみると、首に鈴をつけた、3匹の子猫たちだった。誰かの飼い
猫で、間違ってここに迷い込んできたらしい。帰り道がわからず、おなかもすいていてすっかり
弱っている。かわいそう・・・。今日は先生探すのあきらめて、子猫つれて帰ろう。先生は元気に
生きているのかもしれないけど、この子たちはこのままじゃダメ。近所の人に聞いてみたら
知っているかもしれないし、とりあえず餌あげないと死にそう。そう考えて、子猫を抱えて
引き返すことにした。

 その時、あの懐かしい声がした。
「美奈子ー、ピー、ガットー、サイ。何処だー」
726若Xデイジー1年後の夏 前半(6/9):2006/10/08(日) 01:10:10 ID:fLun4Ecs
高校時代、デートを繰り返し、よい雰囲気になってもても、先生は下の名前で呼んでくれる
ことなんてなかった。「小波さん」としか呼んではくれなかった。それに、ピーとかガットっ
て何かの呪文!?訳わかんない。・・・・・・とそんなことを思いつつも、私はいまその声の主を
探すのに必死だ。耳を澄ますと、上流方面から声が聞こえる。そして、その声はだんだんこち
らに近づいてくる。
「美奈子ー、ピー、ガットー、サイ。何処だー」
「美奈子ー、ピー、ガットー、サイ。何処だー」
声の主の姿が遠くに見えてきたところで、私は大きく声を上げた。
「美奈子はここです、ここに居ます!!」 
「やや、小波さん。なぜここに?」
めったに見ることのなかった、先生の驚いた、目を大きく見開いた顔。
多分相当、動揺している。
「合宿所が近くにあるんです。今日の昼、先生の姿をここで見かけたので、探しにきたんで
 す。」
「僕のことは、見なかったことにしてください。いまここから、なにも言わないで立ち
去ってくれませんか?」
これもめったにみることのなかった、先生の苦しそうにゆがんだ眉。

 しばらく、私たち二人とも立ち止まったまま重い沈黙が流れた。
 子猫たちは、ニャーニャー喜びながら、偶然発見した新鮮な、川原でぴちぴち跳ねてる小魚
を食べている。
「4匹なんでしょう、1匹足りないんですよね?」
「・・・・・・ピンポンです。小柄ですばしっこい、すごく高く飛ぶ小さな白猫がいません。」
「名前、なんていうんですか?名前呼べないと、探せないですよね?
もしかして美奈子・・・・・・、ピンポンですか?」
意地悪に、こんなところで先生の真似をしてみる。
「・・・・・・ピンポンです。」
先生は、観念したかのように言った。
727若Xデイジー1年後の夏 前半(7/9):2006/10/08(日) 01:11:23 ID:fLun4Ecs
 先生と私は下流方向に進んでいく。
「美奈子ー、美奈子何処だー。」
「おいしい小魚あるよー。こっちだよー。おいでー。」
しばらくすると、月の光を受けてきれいな、白猫が木の梢と梢の間を飛び跳ねていくのが見えた。
「先生、あれ。美奈子じゃないですか?ほらっ、いま月が出ているあたりに。」
白猫が、もう一度飛び跳ねた。上流の方向に向かっていくようだ。
「あっ、ほんとだ。あの子も大人になったなあ。あの調子だと、まっすぐおうちまで帰れます。」
えっ、おうち!?もしかして先生の家って・・・・・・
「あの方向に、先生のおうちってあるんですか?」

先生は、一瞬しまった!という顔をしていた。そして、しばらく考えて、穏やかにこういった。
穏やかな話し方は、いつもはば学で話していたのとほとんど変わらないトーン。
「ここで隠したところで、君は見つけてしまうでしょうね。それに、ぼくはこの土地が気に
 入っていてしばらく離れるつもりはない。一番いやだったのは・・・、ぼくがまたこうして世捨て人
 になっている姿。君にショックを与えるのではないかと。でも、もうバレバレですね。」
728若Xデイジー1年後の夏 前半(8/9):2006/10/08(日) 01:13:11 ID:fLun4Ecs
 ショックを与えるのではないかと!?急に激しい怒りが込み上げてきた。
「ショックならもう充分!いままで、みんなどれだけ先生の心配してたと思っているんで
す!?あー、ほんと腹立ってきた。先生今まで誰かに、本気で愛情もって心配されたこととか
あんまりなかったから、心配する側の気持ちとかわかんないんでしょう!
 先生のそういうとこ本当にキライ。大キライ!!」
言うだけ言ったあと、私の目から、途中からとめどなく涙が溢れていることに気がついた。

激しい怒りの後に残ったのは、先生の心の傷は深すぎて、癒すのがむずかしいことに対する半ば
あきらめの気持ち、深い悲しみだった。
「・・・・・・ヒック、ヒック・・・・・・」
頭の中でいろんなことがグルグル回ってて、涙ばかりながれて止まらない。
「ごめんなさい。本当にごめんなさい・・・・・・」と、
先生はまるで猫を抱くかのように、私の肩を抱く。
暖かいし落ち着く。
わかっていたけど、今でも私、こんな先生のことが大好きなんだ。
729若Xデイジー1年後の夏 前半(9/9):2006/10/08(日) 01:14:06 ID:fLun4Ecs
「一度うちに来て、お茶でも飲んで落ち着いてから帰ったほうがいい。軽トラで送ってあげるから
おいで。」
「軽トラ?」
「軽トラは農家の必需品です。僕、先生時代の貯金で買っちゃいました。・・・あ、そうそう。子猫
たちを忘れちゃいけません。こっちへおいで。」
子猫たちはご飯を食べたのと、飼い主を見つけた安堵感から、すっかり元気になっていた。
「ニャ−。」「ミにャ−。」「ふニャ−。」足元にまとわりついてくる。可愛い。
軽トラは、通りに路駐してあった。うっわー、ボロボロ。
「ボロボロだから、驚いた?フフッ。でも、先生の家はもっとボロボロですよ。いきますか?」
山道を登り40分ほどで、先生の家、というか改造した物置らしいあばら家に着いた。
途中で合宿所が見えた。合宿所からここまでだと、車で10分ぐらい。
「女性をお招きするのは、この家では初めてです。どうぞ上がって。」

現在、9時30分。門限まであと1時間。
730若Xデイジー1年後の夏 前半END:2006/10/08(日) 01:17:55 ID:fLun4Ecs
--------------------
多分、予定が入らなければ、後半は明日か明後日投下します。
ふニャー。おやすみなさい。。。
--------------------
731名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:24:23 ID:ceQpZ1lO
>>720
乙!初めてリアルタイム投下でウレシス
ラストの「門限まで〜」が効いてるね。続きが楽しみです

出来れば次回からメル欄にsageって入れてね
あとこのスレではPNとかコテハンは嫌がられる傾向にありますので避けた方が無難
詳しくは>>2-辺りの気配り事項を読むといいかと。
732名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:46:45 ID:GBeUpQZ5
>>720
乙鰈!
世捨て人の表現がうまいなぁ!
笑っちゃいけない所なんだけど、若の状況リアルに想像して笑ってしまった
後半も楽しみにしています!

後は、>>731の姐さんが言うように、sageだけお願いしたい
PNはコテハンと同義になってしまうので>>2にある通り
ローカルルールに則って避けた方が無難かも
733若Xデイジー1年後の夏 中編(0/9):2006/10/08(日) 16:17:46 ID:fLun4Ecs
<謝辞>
前半を読んで下さった方々、ありがとうございます。
特に731さん、732さん。ご指摘ありがとうございます。

<前提、注意事項など>
★名前:小波美奈子
★そこにいたるまでが長いです。
 濃い目のエロスは一気に後編にまとめることにしました。
 用途に応じて、中編は読み飛ばしてください。
 初心者のくせにすいません。。。

<お詫びと訂正など>
「大阪世界陸上」って、2007年なんですね。2009年かとかん違いしてました。
実は陸上のことよく分からないです。
間違ったこと書いてるかもしれません。
その場合、適当に受け流していただければ幸いです。
734若Xデイジー1年後の夏 中編(1/9):2006/10/08(日) 16:20:59 ID:fLun4Ecs
 途中、軽トラの中で先生と色んな話をした。最初は気まずくて、何を話せばいいのか分
からなかったけれど、先生の家に到着するころには、あのころのように他愛もないことを、
次々に話していた。
卒業式のあと、先生は日本各地を転々としていたという。黒服の数が増え、一時軟禁さ
れたがそこから逃げ出したこと、軟禁された様子を偶然志波は旅行先で見ていて助けよう
としたけれど、志波も黒服の攻撃を受けていたのが心配だったこと。逃げ出した後、東京
に出て今までやったことのないお仕事に手を染めてみたものの、女性をだまして何ぼとい
うそれは性に合わず、焼きを入れられる前に逃げ出してきたこと。電車やらバスやら乗り
継いで偶然行き着いた場所がここで、合宿所があるなんてつい最近知ったということ。こ
この人たちは、農村の働き手として先生をとても暖かく迎えてくれている・・・・・・というこ
となどを、先生はさも他愛のないことのように話した。
735若Xデイジー1年後の夏 中編(2/9):2006/10/08(日) 16:23:29 ID:fLun4Ecs
 先生の家の中は、外見からは想像できないほど、清潔で快適だ。車庫ぐらいの大
きさだから、広さは5畳ぐらいかな。扇風機、冷蔵庫などの家電製品は普通にある。このあ
たりの農家の人々は、コシなんとかと言うブランド米の産地でわりと裕福なため、あっとい
う間に中古が集まったという。電気や水は、自家供給的な仕組みで賄っていると先生は言っ
た。先生ならその辺はお手の物だろう。すごい。シャワールームまで完備だ。どうやって
作ったんだろう。
「ビデオのテープ巻き戻してスイッチ入れてくれます?」 
コーヒーメーカーの支度をしながら先生は言った。
 巻き戻しを待っている間、私は部屋の中を見渡してみる。あっ、あれ高校2年の時、先生
の誕生日に贈った「授業中に書いた先生の似顔絵」だ!うれしい、まだ持っていてくれたん
だ。・・・・・・、おやっ?去年の冬、大学を中退して大リーグに行った志波の、ユニフォーム
だ!?そして、2、30個はあろうかという超高級ツナ缶と、カラーボックスにぎゅうぎゅ
うに詰まった先生のノート、学会誌???
 コーヒーの良い香りがする。先生は、ちゃぶ台の2つのコップにそれを注ぎながら言った。
「去年の世界陸上を見ていて気になっていたことがあります。ビデオを見よう。」
736若Xデイジー1年後の夏 中編(3/9):2006/10/08(日) 16:25:04 ID:fLun4Ecs
擦り切れているのか、画像の質はよくない。 
「先生、この画像を見ていて、君のフォームに改良の余地があることに気付きました。」
「どこですか?先生に高校のとき付けてもらったのとまったく変わってないですけど。」
「それじゃ、ちょっとそこに横になってくれる?・・・・・・ああ、男の人の布団とか考えないで、
 マットの上に横になるようなつもりで。」 
 少し躊躇して、先生の万年床の上に横になった。あのころたまにしてたことと同じようなこと
をしているだけなのに、とてもどきどきする。先生は私の背中の下に手をいれて、
「ここの筋肉が背骨から見て63度の方向に動くとき――、放物線は放物線ではなくなり
――つまり君は、より高く飛べるということなんです。」
と結論付けた。
737若Xデイジー1年後の夏 中編(4/9):2006/10/08(日) 16:27:57 ID:fLun4Ecs
先生の指示はいつも難解で、聞いた後私は理解するのに必死だ。5、6分まずは自分の
頭の中で噛み砕いてから、分からないことを聞く、というルールが私たちには出来ていた。
私はすごく物を考えるとき、瞼を閉じる癖がある。やっとどういう体勢か理解して、目を開いて、
「先生、63度ってこれでいいですか?」
と聞いたとき。あれれ?向こうを向いている先生。耳たぶまで赤くなってる。私が、
「こっちを向いて、ちゃんと見てください!」
というと、顔だけこちらを向いて先生は、「合ってます。それです。」
とだけ言った。先生、何考えているんだろう・・・・・・
「小波さん、今10時15分です。小波さんの足で走れば、ちょうど門限に間に合います。
 僕は、今日は君を送れそうにない。」
「でも、先生!まだ終わってません。明日も来て、いいですよね。」
「いいですよ、できれば毎日来てください。まだ教えたいことは沢山ある。改良点だらけです。」
やっぱり、規則とかルールとか、守ったほうが色々と都合いいよね。ダッシュで合宿所に向か
う私に先生は大声をかけた。

「そうそう。カメラ仕掛けときましたからー。安心してくださいー。」
738若Xデイジー1年後の夏 中編(5/9):2006/10/08(日) 16:29:18 ID:fLun4Ecs
カメラ!?今思えば先生は、自分を壊したい願望がある分、すでに壊れてしまったところが
ある人だ。それにしてもカメラって、一体どこに、何のためにつけたんだろう。次の日の練習
中、ずっとそんなことばかり考えていた。考えていて、休憩時間にグラウンドを歩いている
と・・・。あったあった超小型ワイアレス(耐水性)のが!隣で練習をしている棒高跳びのマットレス
の中から、隅の鉄棒の腐食した割れ目から、屋外土俵の土台の隙間からと何台も何台も・・・・・・。
 今まで聞いた話から推測すると、先生がここに私の大学の合宿所があると知ったのは、つい
最近のこと。もちろん先生は、私の進学した大学の名前は知っているし、近所の人と先生は中
が良いから、陸上部が8月に合宿することも知っただろう。でも、先生は私に会いたがってはい
なかった。会ってしまったのは、単なる偶然、ただの事件。

 先生、あなたおかしいよ。面白すぎるよ。安心なんてできないよ。

 ・・・・・・なんて一瞬、毒づいてはみたものの。やっぱり私は、先生のこと、お茶目だなって思う。
多分、私のフォームの修正点とか、研究したかったんだろうな。この感情が愛だなんて、言う
つもりなんて無い。ただ私は、自分まで壊れかけてきたことだけには気付いてる。
739若Xデイジー1年後の夏 中編(6/9):2006/10/08(日) 16:31:42 ID:fLun4Ecs
練習の後、夕方だけ農家の車庫で営業を行う、小さな雑貨店にむかった。先生は、私は先生と
呼んでいるけど、職業的にはもう先生じゃない。なにか教えてもらうというのに、手ぶらは
まずいだろう。何買おうかなー。超高級ツナ缶に対抗して、超高級サバ缶かなー。でもそんなの
ある訳ないよね、ってお店をのぞいてみたら、うわっ、うっそー。超高級サケ缶まであるし。
店のおじさんに聞いてみる。
「これ買ってるのって、1年程前にここに越してきた、ハンターの方ですか?」
口に指を置いて、おじさんは言った。
「しっ。お嬢さん。」
腕をつかまれ、店の裏に連れて行かれた。
「お嬢さん、知っているのか?あの男を!?じゃあ、あの男の飼っている白猫の名前は?」
私の名前だ。
「美奈子です。あと、3匹いて。すごく凝った料理の名前からとったそうです。」
おじさんは、ほっと安心したように、ひそひそ声で話始めた。
「あの男は不憫な男じゃて。旅発つ準備が出来るまで村で、何年か匿うことにしたんじゃ。この
秘密をしっとるのは、この村のものと、今大リーグで活躍している・・・・・・シバとかいうでかい男
しかおらんのじゃ。おまえさん、もしかして美奈子さんじゃないかい?」
うん、と頷く。
「そうか、あなたが美奈子さんか・・・」
感極まったようにおじさんは言った。
「わしのお勧めは、このサケ缶じゃ。お代はいらん。はよう行ってやりなさい。」
740若Xデイジー1年後の夏 中編(7/9):2006/10/08(日) 16:33:32 ID:fLun4Ecs
お風呂に入りながら、今日の練習の話を友達として、その後先生の家に行った。着いたら7時
半だった。少しゆっくりできるかな。先生は、私の練習画像を解析してくれていた。やっぱり、
下らないことで問い詰めるのはやめよう。その解析結果をまたあの調子で説明した後で、先生は
「君のフォームは少しだけ、良くなっています。ここに居るあいだに、改良を完成させよう。」
と言い、私は同意した。その後30分ぐらい時間があったので、先生と私はまた他愛の無いこと、
たとえば君の大学生活はどうなの?といったことを話し始めた。おそらくこれから約1ヶ月、
日常とはそう変化は無いもので、毎日こうしていくんだろう。
 最後の10分ぐらいのところで私から、家庭教師料をどうしよう、という話を切り出し、とり
あえずこれを、ということで、サケ缶を差し出した。先生は要らない、と言った。
「遠慮なさらずに、受け取ってください。」
「・・・・・・いや、そうじゃなくて。先生はキスがいいです。お魚じゃ無いほうの。」
「キスなんて・・・・・・!そんなの無理です!!」
 きゃー、なんて恥ずかしいことをそうあっさりと。
 思えば、あの科学室での出来事のときもそうだった。
 先生のこと好きだけど、そんなの恥ずかしくてできない。
「うーん。毎日ホッペにおやすみのチュ―。いけませんか?
 そのサケ缶、高いんですよ。1個千円するんですよ。先生自分で買ったことないけど。
 それに・・・・・・」
「それに??」
「先生の子供の頃からの夢なんです、そういう西洋の家庭的なの。」
そんなこと言われると、告白を断った後、ずっと尾を引いてきた罪悪感がよみがえってきて。
気がつくと、先生にぎゅっと抱きついて、両方のホッペにキスしてた。
741若Xデイジー1年後の夏 中編(8/9):2006/10/08(日) 16:36:31 ID:fLun4Ecs
 休みの日は休みの日で、先生の家で1日トレーニング。先生の家の周囲は防風林で囲まれてい
て周囲からは見えず、大量に敷いた藁に飛び込むような練習をこっそりしていた。先生と
過ごせる時間は長いけれど、先生から与えられる課題の量が多すぎて、平日とほとんど変わ
らないという、そんな日々を繰り返していた。

 そんな感じで20日ほどすぎて。いつしか私は、先生を「貴文さん」と、先生も私のこと
を「美奈子」と呼ぶようになっていた。きっかけは、些細な冗談だった。こんな長い時間
一緒にいるって、家族でもそんなにはないことだ。だったら、家族ごっこしてみようか、
なんて。でも、いまはこっちの呼び方のほうがしっくりしてきた。

 キスのほうも、あんなキスではもう無くなっていた。一緒に過ごしていると時々、
貴文さんのことを、強烈にいとおしいと思う瞬間がある。
 たとえば、夏祭りのとき。この地域の人のおじさんたちと貴文さんが、とても仲よさそ
うに泥鰌すくいの芸とかやっているとき。高校の時、生徒たちには人気があって心を開い
ていたけど、同僚の先生方には閉ざしがちのようにも見えた、貴文さんの心が、なんてい
うかこう、人を信じられる方に向いているようで、その日の夜は、口にキスをした。

742若Xデイジー1年後の夏 中編(9/9):2006/10/08(日) 16:38:32 ID:fLun4Ecs
もうひとつ、なんでもない日の夜。貴文さんの書いているノートを何の気なしにぱらぱ
らとめくってみた。どのノートも、どのノートも数式ばかり。貴文さんは最近、自分の持っ
ている能力に対し、見方を改めたという。小さい頃、研究所にいるころはその目的も分からず、
利用されるだけ利用されたけれども、それは自分が目的を持たなかったからだ、という結論
に最近達したという。
「たとえばこの能力は、好きな人を目標に導くことができる。トレーナーを職業にしたいとは
いまは思っていない。そして先生という職業にはもう「学生時代を取り戻す」という
目的を果たしたのでもう固執しない。ぼくはこの地で自分がどうしたいのか、もう一度よ
く考えてみたいんだ」
と貴文さんが言ったとき。そうか、やっと乗り越えることが出来たんだね。いとおしくて
いとおしくて、でも口にキスすることぐらいしかできなかった。

 最近では、いつ貴文さんと結ばれようか、遅くてもここを去るまでには、ということを
考えてばかりいる。貴文さん、壊れたところあるから、多分ノーマルじゃないんだろうな、
怖いなと思う。その反面、多分そういうことにはならないのだけど、一生背負っていくよ
うな心と体の傷とか、受けても構わないと思う。

 それが愛なのか、あるいは貴文さんの自己破壊願望が伝染したからなのか、自分でもよく
分からない。

743若Xデイジー1年後の夏 中編END:2006/10/08(日) 17:08:28 ID:fLun4Ecs
--------------------
これから夕飯作ります。
鬼畜系な後編は、予定が入らなければ今日か明日投下します。
でわでわ……
--------------------
744名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 17:52:17 ID:yhOxyWQy
………。
745名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:24:54 ID:dG/E3o34
どう反応していいやら
とりあえず大作乙とは言いたいが
746名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:28:24 ID:pRy4VgE9
自分は最後まで読まないことには反応できないので投下待ち。
747若Xデイジー1年後の夏 作者:2006/10/08(日) 21:31:29 ID:fLun4Ecs
なんだか急に恥ずかしくなってきましたわん。
反応なんて、いいんです。
ただの自己満足、っていうか。
反応にこまったら、読み飛ばしてくださいなー。
今度の後編、注意書きに書いとくんで見逃して〜。お願い。
748名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:44:32 ID:nEUOBS1Z
>>初投下&2ちゃん初書き込みです

……………………………('A`) 勇気あるな〜。
749名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:53:32 ID:0I4gXD2d
自分語りウザス。超ウザス。
キミがいつ夕メシ作ろうが朝メシ食べようが、我々には関係ないんで。

それと、「でわでわ」は止めとけ。
750名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 21:54:26 ID:sGZxnvGf
>>747
感想と乙コールは投下完了後にいうつもりだけど一つだけ
2ちゃんねるの住人の多くは馴れ合いを厭う傾向があるので
あまり作品と注意以外のことは名前を出して書き込まない方がイイですよ
作品が素晴らしい出来でもあまり出しゃばると叩かれます

ってこのスレを遡って読んでれば分かりそうなものですが
お節介スマソ
751若Xデイジー1年後の夏 作者:2006/10/08(日) 21:57:59 ID:fLun4Ecs
うわー、多分どっかですごい反感買っているんだろうなー。
愛と勇気だけが友達です、というのは冗談です。
私のある日の妄想について、世間の反応を見てみたかったという
のが、正直なところで。
後編、ここまで来た以上、どう叩かれようが投下すべきかと思い
ますけど、次の注意事項、こんな感じでいいですか・・・?


<前提、注意事項など>

★なんだかふと我に返り、恥ずかしくもあります。
 書かずには居られなかったので、書いてみて、世間にさらして、反応を見
 ているというか。エロスとはこういうことなんだ、と自分は思っているが
 君はどうなんだ、というか。

 ------見るに耐えなかったら、避けて通ってください。------

 これが今一番の作者の願いです。

★名前:小波美奈子
★若王子先生は変態、という前提です。
 あと、これはもしかしたらある意味、超鬼畜かもしれません。
752若Xデイジー1年後の夏 作者:2006/10/08(日) 22:04:28 ID:fLun4Ecs
750番さん初め、書き込んでくれたすべての皆様。
やっと空気が読めてきました。色々とありがとうございます。
とりあえず、後編書いてUPします。それに専念します。
753名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 22:33:19 ID:41rv4961
とりあえず、751に書いてある全文はいらない。
注意事項も事務的なもの以外はいらない。個人的雑感もいらない。
カプ、読む人を選ぶ特定シチュがあればその記載程度で充分。

後はスレにざっと目を通して雰囲気を見て真似すればいいと思う。
誰でも初めてはあるから徐々に覚えていけばいいと思う。2chなんて雰囲気読んでなんぼだから。
反感を買ってるんじゃなくて場の空気読めてない部分を他でも気をつけた方がいいよっていう
アドバイスをみんなはしてる。
ただ2chなんて言い方はどうしてもきつくなる。
その空気に合わなければ個人でサイト持ったり投稿サイトに投稿した方がいいと思う。

一応アドバイスはしておいた。
それからこの書き込みに対してのレスもいらない。
754名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:41:51 ID:uzSRiDHe
このスレは作品を書く・読むという繋がりで成り立ってるんだから
それ以外のことはわざわざ書く必要ないと思うんだが。
自分のことを誰もかれもが気にしていると思わないほうが良いかと。

作品についての感想としては、とりあえず乙です、とだけ。
申し訳ないけど、私はこれ以上のレスはつけられそうにない。
755名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:48:36 ID:RMB2kgIB
>>754
なんかおまえキモイな
756名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 23:58:42 ID:yTinEhER
ま、自己アピールがウザイのは
現実もネット上も一緒だということで。
757若Xデイジー1年後の夏 後編(0/7):2006/10/09(月) 01:20:21 ID:1Zp+5u4u
いきまーす

<前提、注意事項など>
★名前:小波美奈子
★若王子先生は変態、という前提です。鬼畜系かも。
758若Xデイジー1年後の夏 後編(1/7):2006/10/09(月) 01:22:05 ID:1Zp+5u4u
 2010年8月29日、日曜日、現在午前8時。私は早朝から貴文さんの部屋にいる。
まず、ツナ缶アレンジの取っておきメニューを作ってから、真っ先に一糸まとわぬ姿に
なって、万年床の中に忍び込み、貴文さんの起きるのを待った。今日は、約束の日。
こうされても、貴文さんは文句をいえない日。ネコの美奈子がじっとこちらをにらんだ。
ごめんね、追い払って、特等席取っちゃって。今日だけだから、勘弁してね。
 私は、今まで男性と肌を重ね合わせたことが無い。貴文さんとのフレンチキスしか、
したことが無い。数日前のこと。それを聞いて貴文さんは、君にするときはやさしくし
たい、と言っていた。でも私、そんなことなんて望んでいなかった。
 貴文さんは、こんなことまで話してくれた。昔誰も信じられず、肌の暖かさしか
信じられなかったとき、女性と快楽にばかり耽っていた時のこと。一番多感な時期にそ
ういう刺激物が全くなかったため、性癖がほかの人と外れている自分に気が付いた、と
いう。やさしくしているうちは女性たちは喜んで相手してくれるけれど、貴文さんのし
たいようにすると、離れて行った、だから君にはやさしくしたいんだと。

 私絶対に離れていかないから。
 貴文さんのしたいようにしてほしい。それが私の、今の一番の望み。
759若Xデイジー1年後の夏 後編(2/7):2006/10/09(月) 01:23:18 ID:1Zp+5u4u
貴文さんは、この時期いつも裸で、シーツを全身にかけて寝ている。私と貴文さんは、
今、1枚のシーツに包まれている。肌と肌のふれ合う感覚をもう充分楽しんだから。そ
ろそろ、起こしてもいいかな?チュッ。おはよう、貴文さん。
 貴文さんが目をさました。
「おはよう、美奈子。・・・・・・ああ、そうだった。今日は最後の日曜日だったね。」
貴文さんの、とっておきの優しい笑顔。私はこの人の、この顔が一番好きだ。
ふわーっ、と伸びをする貴文さん。
「ネコたちにごはん。僕たちもごはん。外は・・・晴れてますね。ああ、なんて気持ちのい
い朝。」
ネコ缶を取り出し、盛り付けをする貴文さん。
「そうだ、今日はネコたちに外に出てもらってましょう。」そういうと、貴文さんは腰に
バスタオルを巻いた。ハンター生活と農作業で鍛えられた肉体に、私は見とれていた。貴
文さんは、エサ皿をドアの外に置いて、ネコたちを追い出した。その間に私は大き目のT
シャツを1枚だけ来て、朝食の準備をした。
760若Xデイジー1年後の夏 後編(3/7):2006/10/09(月) 01:24:17 ID:1Zp+5u4u
「やっぱりエッチとかそういうの、今日はやめておかない?」 
食後のコーヒーを飲みながら、貴文さんは意地悪に言う。ヒドイ、貴文さん!
「私、こういうカッコしているだけでも、とってもはずかしいんですから。
 もう。そんなさめてるコーヒー取り上げちゃう!!」
「やめなさい、僕は猫舌だから、さめてるのが好きなんです!」
あっ!コーヒーがTシャツにかかちゃった。
あーもうやだー、ビショビショ。脱がないと、周りまで汚しちゃう。
「もう。貴文さんのせいですから!
 Tシャツに液体かけるなんて、変態のすることですよ、貴文さんの変態!」
貴文さんの変態・・・・・・
貴文さんの変態・・・・・・
貴文さんの変態・・・・・・
 あんなに穏やかだった貴文さんの目つきが、急に険しくなった。
 私何か言っちゃいけないこと、言っちゃったのかしら?
761若Xデイジー1年後の夏 後編(4/7):2006/10/09(月) 01:25:24 ID:1Zp+5u4u
「カチン、美奈子さん。今あなた、言っちゃいけないこと言っちゃいました。
 それ、僕のトラウマワードなんです。まずはそのTシャツ、脱いでください。」
美奈子ではなく美奈子さんという冷たい呼びかけ、滅多につかわない命令形を
使われたこと、そして何よりもにただならぬ剣幕に、私はそうせざるを得ない。
素っ裸だ、恥ずかしい。体中の血が引いていくのが分かる。
「そうです。僕が変態なのは自分でも良く分かっているんです。
 それにあなたがこの前の夜、
  『貴文さんのしたいようにしてほしい。』
 なんていうから、今この瞬間、すっかり思い出しちゃったじゃないですか、全部!!」

全部って、全部って何だろう・・・・・・?
怖い。聞きたくない!!
でも、多分それを聞かないと、今日しようとしていたことは、全然出来ないだろうし、
私たちの関係も、ここから先へは進めない。
「貴文さん、全部って、全部って一体何?」

貴文さんは、遠い目をして答えた。
「過去僕が女性たちにしてきて逃げられてしまった、変態的行為のすべて」
私はそれを、すべて受け止めようと覚悟した。
762若Xデイジー1年後の夏 後編(5/7):2006/10/09(月) 01:26:41 ID:1Zp+5u4u
「じゃあ、それ全部受け止めてあげるから!
 何をされても、あなたから離れたりしないから!!」
私は両足を大きく開いてMの字にし、貴文さんを挑発した。
自分でも何でこんなことが出来るのかわからない、気が付くとやっていた動作。
やってしまった後で、耐えられないほどに恥ずかしくて後悔するけど、引くに
引き返せない。
「本気なんですね、本当に本気なんですね。じゃあ、そのまま90度、右に回
 転してみて。」
うッ…。そこには、扉があって、貴文さんの趣味かどうかはわからないけど、
扉全体が鏡になってる。正直キツイ。でも、恐らくこんなのまだ序の口なんだ。
言われたとおり、回転する。気が付くと、後ろの貴文さんが座って、私を抱え
込むような姿勢をとろうとしていた。こんな状況なのに後ろから抱え込まれる
と、不思議と安心感がある。体勢が安定すると、貴文さんは私のアソコを両手
で開いた。私は、下を向くしか無かった。
「見て。僕のことが好きならまっすぐ前を見て。」
763若Xデイジー1年後の夏 後編(6/7):2006/10/09(月) 01:28:07 ID:1Zp+5u4u
 鏡を見る。上気した私の肉体と、今まで自分でも見ることの無かった恥ずかし
いところと、冷静な貴文さんの姿がみえる。貴文さんのこの表情には見覚えが
ある。高校に入ってすぐの5月、私は貴文さんと偶然にキスをした。今してい
ることは、当時の私がそのキスに感じたのと同じぐらい、恥ずかしいことだ。
あのキスのあと、課外授業で、HRの時間で、貴文さんが時々私にだけみせる
表情だった。この人、観察から入る人なんだ。ゆっくりゆっくり観察して、
考えて、その後に感情とか行動がついてくる人なんだ。だから、みんな待ちき
れなくて居なくなるんだ・・・。なんとなくそんな気がした。
 貴文さんは、私の感じやすいところに、徐徐に手を近づけてくる。見ていら
れなくて、瞼を閉じると、貴文さんは私の頬を軽くつねった。
764若Xデイジー1年後の夏 後編(7/7):2006/10/09(月) 01:29:06 ID:1Zp+5u4u
そのあと「そのモジャモジャは僕はいやなんだ」とか、「我慢しないで、出
していいんだよ。」とか、「もっとお尻を良く見たい」とか、信じられないよ
うな要求を次々とクリアし、やっと夕方ごろ、繋がろうという状況になった。
 そのころには、貴文さんは元の優しい貴文さんに戻っていた。
 「僕は世捨て人だから、まだ子供は作れないんです。ごめんなさい。」
と言いながら、避妊具を装着しようとする貴文さんの手からそれを奪い取り、
口でつけてあげた。
 初めて入るそれは、焼けるように痛かった。しかし、とても心が苦しいとき、
体の痛みは心の痛みを和らげることもある、ということを、私は卒業式の次の
日から、陸上で体を痛めつけることで知っていた。
 その部分は引き裂かれるように痛いし、先生はそんな私を気遣って緩やかな
ペースで事を進めようとする。
「もっと激しく、もっと激しくうごいて!貴文さん!!」
動こうとしない彼の上に重なる体位をとり、私は激しく体を上下しつづけた。


765若Xデイジー1年後の夏 END:2006/10/09(月) 01:31:39 ID:1Zp+5u4u
ロングなものに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

3連休での初書き込み、初投下という突っ走りと
いうこともあり、色々とお目汚しな点がありました。ご容赦のほどを。
いろいろとアドバイスをありがとうございました。

良い感想など頂けたらうれしゅうございますm(_ _)m
766名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 01:34:19 ID:ftBF9U55
………。
767名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 01:35:34 ID:DzQsQTVh

これだけ長かったわりに最後は尻切れっぽいのが気になるけど
とりあえず投下乙
 
あと
>良い感想など頂けたらうれしゅうございますm(_ _)m
これいらない。
768名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 01:54:06 ID:V3MTDKAs
………乙。
769名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 01:55:29 ID:kcAoPwqg
とりあえず乙!

うーん…もうちょっとこのスレの雰囲気とか空気に馴染む為にも、ちょっとROMしてた方がいいかな?
m(_ _)m ←こういう顔文字も2chでは嫌われるしね。
770名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 02:08:00 ID:hzZO3yrE
乙華麗!

とりあえず、このスレと前スレだけでいいから
全部読んできた方が良いと思う(読んでてコレなら更に問題なんだが)
それでも自分が叩かれてる理由がわからないなら
もうしばらくROMった方が良いかも試練

自分は>>766みたいなレスしかしない人のが気になるんだけどね
レスしたい事があったら言え、ないならレスすんな
嫌味表現したいなら、もっとうまくやれ
771名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 02:16:59 ID:j2xyOeid
乙。もう来なくていいよ。
772名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 02:40:05 ID:b+6P8V8/
乙だがこれだけは言わせてくれ

反応が見たかったのならなおのこと、SSで語れ
余計な言い訳とか自分語りとかせずに投下した作品のみで勝負してこそ、
「反応を見たかっただけ」というセリフを言っていいんだと思う
とりあえず自分は最後の良い感想云々を見て心底がっかりした
作品がかわいそうだ
773名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 03:10:38 ID:I5b3vAEY
乙鰈。

投下が少ない中で投下してくれたのはありがたい。
でも皆の意見や注意も聞いた方がいいな。
初投下なら尚のこと、
過去スレと空気読むのは当然だと思うしな。
ここの住人は最近特に
ローカルルールや場の空気に敏感になってる。
だから余計に細心の注意を払わないと
叩きの原因にもなるし、
やっと少し落ち着いたスレが荒れる事にもなる。
スレが荒れると他の職人も投下しにくくなる。

それをマンドクセと思うなら、個人サイトで公開しろ。

ここまで言ってもわからないなら、万年ROMれ。


以上。長々と失礼しました。
774名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 03:11:18 ID:BbaSuk8o
乙。作品はなかなか面白かったと思うよ。
775名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 03:19:54 ID:afg9r4Kt
大作乙です。

自分はこの程度じゃ叩かれてるとは思わないけど
これをキツいと感じたなら個人サイトあるいは
最近じゃブログでって人も多いからそっちにした方がいいかも
776名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 03:56:49 ID:qjbQvz2+
ブログは検索に引っかかりやすい一面もあるから、
二次創作の作品公開は慎重に。
余計なお世話かと思ったけど、横レスごめん
777名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 04:01:58 ID:Ztmx8vye
長編大作の後ではありますが、自分も落とさせていただきます。

○志波×デイジーで、既に付き合ってます
○デイジーの名前は小波美奈子で設定しています
○前編はエロくありませんのであしからず
778名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 04:02:44 ID:oT83oR7j
あっははっはははhhhhh

笑わせてもらいました。いいギャグパロSSでしたよ
え?ちがうの?
779志波×デイジー前編1:2006/10/09(月) 04:05:48 ID:Ztmx8vye
角を曲がれば目的地、という所で志波は立ち止まり軽く息を整えた。
慣れた道なのに何故か緊張する。
それと言うのも今日は送り届ける訳ではなく、小波の家に呼ばれているからだ。
三日前、小波から次のデートをキャンセルしたいと言われた時、表情には出さなかったが心底へこんだ。
しかし、出掛けるのではなく、自分の部屋に来て欲しいとの誘いだとわかると一転し、嬉々として承諾した。
勿論表情には出さずに。
今夏、はば学野球部は甲子園まで勝ち進んだ。
優勝こそ逃したものの、好試合を繰り広げ、志波にとって最高の夏となった。
が、故に、野球漬けの日々でもあり、二人で出掛ける事すら出来なかった。
780志波×デイジー前編2:2006/10/09(月) 04:08:25 ID:Ztmx8vye
焦がれた野球に打ち込めるのは嬉しかったが、付き合いだして数カ月の小波との仲を進展させられず悶々としていたのも事実だった。
そこは青少年らしくスポーツで昇華して乗り切っていたが、夏も終わったある日、志波は行動に移す。
自室に誘い、自分より遥かに小さな体を結び付けた。
初めての行為に羞恥と痛みの涙を零しながら、小波はうわ言のように志波が好きだと甘い声を漏らす。
そんな姿を見せられたら、もう止まることは不可能で。
更に彼女への愛情は深まった

―――それが約三週間前の出来事だった。
781志波×デイジー前編3:2006/10/09(月) 04:12:35 ID:Ztmx8vye
翌日こそ、照れてしまい会話もぎこちなかったが、今はそんなこともなく、
小波は相変わらずの鈍さを発揮し、デートに出掛ければ無邪気に志波の腕にしがみついてきたりする。
小動物に懐かれている気もしなくはないが、ふとした時にその柔らかい体の感触が思い出されるので非常に危険だ。
回避策としてなるべく手を繋いでいるが、そこまで欲望が強い自分が情けなくもあった。

しかし今日、再びチャンスが訪れようとしているのか。

邪な願望を抱いてしまうのは健全な男子ゆえなんだと、志波は自分に言い訳をして、眼前に建つ小波家を仰ぎ見た。
782志波×デイジー前編4:2006/10/09(月) 04:15:24 ID:Ztmx8vye
インターフォンを押すとほぼ同時に扉が開く。あまりにもタイミングの良すぎるその出来事に驚いた。
「いらっしゃい、志波くん」
「あぁ…」
上がってと促されて玄関へ入る。
「お前、玄関で待ってたとかじゃないよな?」
「えへへ、何か待ち切れなくて」
はにかんだ小波に志波の心拍数が上がる。
本日の服装は薄手のニットにチェックのプリーツスカート。
すらりとした脚はニーハイソックスに包まれているが、スカートとの間に除く白い肌がやけに眩しい。
「お邪魔します」
と声を掛け、スリッパを履くと、志波は室内の静けさに気付く。
783志波×デイジー前編5:2006/10/09(月) 04:19:05 ID:Ztmx8vye
「なぁ、家族の人はいるのか?」
「あ、あのね、さっきまでママがいたんだけど、お友達から電話があって出掛けちゃったの」
―――二人きり―――
先程の邪な想像が志波の頭をよぎる。
「せっかく志波くんを紹介しようと思ってたのに」
小波の残念そうな呟きに慌てて意識を戻した。
「次の機会にな」
志波がポンポンと小波の頭を撫でるとすぐに可愛らしい笑顔が広がる。
抱き締めたい衝動を堪えられた自分を誉めてやりたい。
「可愛いな、お前」
「?そう?これね、はるひちゃんと買いに行ったばかりなんだ」
スカートの裾をちょこんと摘み、嬉しそうに話す。微妙に外れた返答がいつもの小波らしくてまた可愛いと思う。
784志波×デイジー前編6:2006/10/09(月) 04:21:23 ID:Ztmx8vye
一体自分は帰るまでに何回こんな思いをするのだろうと、志波はノロケにも似た溜め息をついた。

「ここが私の部屋だよー」
小波に案内され、興味と緊張を入り混ぜながら部屋に入る。
自分の部屋とは違い、色が多く、女の子らしい部屋に志波は視線を巡らせた。
「座って待ってて。今飲み物持ってくるね」
パタパタと足音を鳴らし階下へ降りていく小波の後姿を見て、志波は中央にある簡易テーブルの脇に腰を降ろす。
肌触りの良いクッションをがおいてあり、テーブルにはアルバムが積み上げてある。
これが今日の目的だ。
785志波×デイジー前編7:2006/10/09(月) 04:24:18 ID:Ztmx8vye
部活中の練習試合や合宿などの様子を撮った写真が溜まったので、三年生の引退に伴い整理して正式な形で保存しておこうとなった。
マネージャーである小波が大まかな整理を任され、その手伝いとして志波が呼ばれたのが今回のいきさつだ。
積み上げられた一番上のアルバムを取り、ページをめくる。
昨年の合宿風景が続き、懐かしさに浸っていた志波だったが、急に手が止まった。
そこには笑顔の小波が映っていた。
合宿最終日の前日、唯一の息抜きとして合宿所裏手にあった海に行った時のものだ。
素っ気ない学校指定の水着姿だけども、綺麗な体のラインと眩しい笑顔に惹きつけられる。
786志波×デイジー前編8:2006/10/09(月) 04:26:37 ID:Ztmx8vye
非常に喜ばしい写真だが、自分以外の奴に見せる必要はないと、後でしかるべき処分をすることを固く心に誓った。
勿論、階段を登る足音が近付く頃には件のアルバムを一番下に差し込んでおくにも忘れなかった。
「おまたせー、志波くん、アイスティーでよかった?」
トレイからグラスを置き、小波はテーブルを挟んで志波の正面に座った。
「ああ、サンキュ」
色々な衝撃の連続で図らずも僅かに火照った体に、適度に冷たいアイスティーが心地いい。
雑談を少し交わすと整理にとりかかるが、写真を見進める度に思い出話が膨らむので作業速度は遅い。
787志波×デイジー前編終:2006/10/09(月) 04:31:52 ID:Ztmx8vye
「あ、」小波が小さく声を上げた。
「どうした?」
アルバムを覗き込むが、何てことはない、ユニフォーム姿の志波が写っているだけだった。
しかし今までのスナップとは違う。
これは甲子園出場の際に校内報として写真部が撮ったやつであり、流石に綺麗で臨場感が伝わってくるようだ。
「私ね、ユニフォーム着てる志波くん好きなんだ」
「……!」
「いつもと雰囲気変わるし、真剣な表情がカッコいいし」
「……」
写真に目を落としたまま話す小波。
こちらの気持ちも考えずに、いつもの調子で話してるんだろうが、状況が状況だけに非常にまずい。
「勿論、普段の志波くんもカッコいいよ」
小波が視線をこちらに向けるより早く、志波は自然にテーブル越しに小波の手を掴んでいた。「志波くん?」
788志波×デイジー作者:2006/10/09(月) 04:36:36 ID:Ztmx8vye
前編は以上です。
思ったよりも長くなったので分けさせていただきました。
後編は明日投下します。
何とか頑張ってエロにしたいです。
志波の執拗な攻めとか…
789名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 05:01:16 ID:j2xyOeid
ちょい待ち!
もう次スレ立てないといけないから投下は次スレでおながい
自分立ててもいいけど今人いなさそうだからなぁ
790名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 08:57:51 ID:U0aNuWUc
>>789
むしろ、書き込む人がいないうちに立てたほうがいいんじゃ?
ていうか、おながいします。
791名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 10:31:01 ID:PHIHR2Vw
>>790
即死判定あるから保守する人がいないと危険
>>777の投下とタイミング合わせられればベスト?
792名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 10:33:34 ID:58Z6PhYA
携帯なんでスレ立ては出来ないけど、保守なら協力します。
793名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 16:08:12 ID:gxn8PMDh
空気読めてない人だったなーとは思ったけど、
768や778は失礼で性格の悪さが垣間見える。
794名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 16:14:10 ID:nPj5FfOq
ホシュ手伝いますお
795名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 16:41:56 ID:hzZO3yrE
自分もこれからしばらくなら保守いける
誰か立てに行ってる?いないならチャレンジしてくる
796名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 17:12:48 ID:Y9sES41i
ヨロ!
保守は任せろ!
797名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 17:24:50 ID:hzZO3yrE
すまん!
たてたがsageチェックが外れてて上げてしまったorz

次スレ
ときメモGSシリーズでエロパロ 3
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1160382106/
798名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 17:37:41 ID:qKEC2USY
新スレはsage入れてても一番上になるよ
序盤が「保守」とか「乙」ばかりの薄いレスばかりになるから
投下予告来てから立てて移動した方が良かったんじゃないかと思うが
まぁ無事立ったし乙です
保守手伝えなくてスマソ
799名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 17:39:36 ID:hzZO3yrE
>>798
うん、新スレでもつっこまれた
目欄が空欄になっててパニくった次第です、レスありがd
800名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 21:44:24 ID:GgJDw/KV
ここはほっとけば落ちるんだっけ?
801名無しさん@ピンキー
>>800

容量越えてるし、放っとけば落ちるはずだよ