孕ませ/種付/受精/妊娠/妊婦/出産/HRネタ総合【3】
子宮口から子種を注ぎ込んで孕ませ、出産させる等、
種付け、妊娠、出産、HR(孕ませ)ネタを総合で扱うスレッドです。
和姦・強姦、人間・異種姦など、内容は自由です。
作品投稿前に、属性の説明があると幸せです。
例)【和姦/強姦】【人間/異種姦】【出産ネタ】等
職人さんには敬意を。
自分の好みに合わない作品を見ても怒らない。
スレサイズの限界は500KBです。
>>1
スレ立て乙です!
GJ超GJ
6 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 23:41:31 ID:Du17ZPeE
乙
スレ的に言うなれば、前スレは母であり、このスレは前スレ母が住人孕まされた子という感じか。
そして、このスレが徐々に育って孕まされ更に次スレが経つと。
というわけで
>>1番槍乙
いい子に育ちますように
>>8 つまり数々の作品群がどう見てもs(ry
神々の作品を貶めるつもりは毛頭なかった。今は反省している。
>>1乙!
新スレ用に安産祈願のお守り置いときますね
つ【安産祈願護】
12 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 09:11:24 ID:fHIUXtlN
>8
なかなかうまいことをいうな
新スレ乙です!
このスレにも良い子が授かりますように……。
<僕の夏休み>星華編 中篇1投下します。
ごめんなさい、ごめんなさい、まだエッチまで行きません。
<僕の夏休み> 次女:星華 中編1
夕飯が終わり、お風呂に入る。
その間の二、三時間のことは、まるで幻の中にいるようだった。
街から帰ってきた美月ねえ──三姉妹の長女、や、
学校から戻ってきた陽子――三姉妹の末っ子、との再会の挨拶も、どんなものだったか覚えてない。
(これから、星華ねえとセックスする)
僕の頭の中は、それだけがぐるぐると渦巻いていた。
夕飯の最中、たぶん、僕は何度も星華ねえのほうを見たと思う。
あるいは、逆に、顔も上げられなかったのかも。
見ていたとしたら、そこにはきっと、いつもと変わらない静かな星華ねえがいたと思う。
どんなときでも冷静で我を忘れない、志津留のヒメ。僕の尊敬する心の師。
その人と交わる。
──渡り廊下を通って、星華ねえの離れに来た時、僕の心は期待よりも不安でいっぱいだった。
震える手で、ドアをノックする。
「入って」
間髪いれずに返事がかえってくる。
僕はドアを開けた。
星華ねえの部屋は、もとは「ばっちゃの機織(はたおり)小屋」だった。
「ばっちゃ」とは、つまり僕らのお祖母さんのこと。
──意外にお祖母ちゃんっ子だった星華ねえは、その人をそう呼んでいた。
お祖母さんが亡くなられたときの形見分けで、星華ねえは裁縫道具とかを全部譲り受けた。
小さい頃から、星華ねえは、お祖母さんが機織部屋で機を織ったり、繕い物をしているのを
傍でみているのが大好きな女(ひと)だったから、当初、壊すことになっていた小屋は、
星華ねえの部屋に改造され、母屋と渡り廊下でつなげてもらうことになった。
機織の機械は、お祖母さんの晩年のころから壊れて使われなくなっていたのでさすがに処分したけど、
丈夫な小屋は、当時のままの雰囲気をずっと残している。
その中に、その雰囲気の部屋の中央に、黒い大きなテーブルが置いてある。
そこには、理科室においてあるようないろいろな実験器具や薬品やらが置いてあって、
──その向こうに、白衣姿の星華ねえがいた。
「……二階に行こう」
なにかの薬品を試験管から、小皿の上の脱脂綿がしみこませている作業をしていた星華ねえは、
それが終わると、椅子から立ち上がって声をかけた。
器用な指先が、薄緑色の液体を操る様に見入っていた僕は、びっくりして、それからうなずいた。
星華ねえは、部屋の奥にある階段を上り始めた。
途中でちょっと立ち止まって、こちらを見る。
「ドア、閉めといて」
僕は、星華ねえを見つめるのに心を奪われ、後ろのドアを閉めることも忘れていたことに気がついた。
あわてて閉めて、星華ねえを追う。
機織小屋は、小屋と言っても、二階――というか屋根裏部屋──のあるかなり大きな建物だ。
星華ねえは、階下を丸々実験室に使い上の階を私室にしている。
ベッドと、本棚と、ソファ。
それに自作のパソコンが何台も置いてある机。
──女の人の部屋にしては殺風景だけど、不思議に優しい感じがするのは、
それらにまじって、古風な桐の箪笥が置いてあるからかもしれない。
お祖母さんの嫁入り道具だったそれは、形見分けの時、真っ先に星華ねえに譲られたものだ。
「……」
何度も来たことのある部屋だけど、僕は思わずあたりを見渡してしまった。
「……座って。……ベッドのほう」
声を掛けられて、思わず普段のようにソファのほうに行こうとした僕は、あわててその声に従う。
ぽふっ。
座ってから、それが、星華ねえが毎日寝ているベッドだということに思い至ってどぎまぎする。
「……」
何か言おうとして、――何も言えなかった。
星華ねえは、折りたたみ式の小さなテーブルを引っぱり出してきて、
その上にさきほどの小皿を置いた。
白衣のポケットから、アルコールランプに火をつける道具を取り出して、火をつける。
ふわ……。
優しい香りが当たりに漂った。
「これは……?」
「香油。気分が楽になって、あそこが元気になる」
星華ねえは大真面目な顔で答え、僕は思わず咳き込んでしまった。
星華ねえの言ったとおり、火がついた香油の出す甘い匂いは、
なんだか気持ちを楽にしてくれるような気がした。
「裸になって」
「えっ……えっ?」
小皿の上でちろちろ燃える火から視線を戻すと、
星華ねえは、脱いだ白衣を壁のハンガーにかけるところだった。
白い手は、一瞬の遅滞もなくブラウスのボタンを外して行く。
タイトなジーンズがするりと脱ぎ落とされたとき、思わず僕は目をそらした。
薄い水色の、下着姿の星華ねえから。
それは、神聖なものをまじまじと見る不信心を、精神がとがめたのかもしれない。
震える手で、僕は自分の服を脱ぎ始めた。
シャツとパンツだけの姿になったとき、さすがに手は止まった。
思わず星華ねえのほうを伺って、――息を飲んだ。
星華ねえの白い裸体が、目の中に飛び込んできたからだ。
「どうしたの? 全部脱いで」
僕を真っ直ぐに見つめながら、星華ねえはそう言った。
「あ、ああ、う、うん」
言われるままに、脱ぐ。
最後の一枚は抵抗があったけど、目をつぶって、脱ぐ。
「そこに腰掛けて」
目をつぶったまま、僕はうなずいた。
尻餅をつくようにして、ベッドに腰掛ける。
素肌のお尻に、星華ねえの使っているシーツのすべすべした感触がくすぐったい。
「……」
その時、僕は、不思議と目を開こうと思わなかった。
星華ねえが、今、目の前で裸になっているというのに……。
そのことの意味を考える前に、すうっと、気配がした。
誰かが、僕の前でしゃがみこんだ気配。
──誰かということはない。それは、星華ねえだ。
僕が目を開けた時、星華ねえは、ベッドに腰掛けた僕の腿のあいだに顔を近づけていた。
「……彰、元気ない」
うなだれたままの僕の股間を見つめ、星華ねえは、さらに顔を近づけた。
「――私が元気にしてあげる」
星華ねえが、僕のあそこに唇を寄せる。
呆然とそれを眺めていた僕は、おち×ちんに、星華ねえの温かな息がかかって我にかえった。
「せ、星華ねえ、だめ……そんなこと」
僕だって、星華ねえがしようとしている「それ」が何かくらいは知っていた。
フェラチオ。
女の人が、男のあそこを口や唇で愛撫する性戯。
年頃の男子のたしなみとして、アダルトビデオや、小説から、そうした知識は得ている。
でも、それを自分がされる──星華ねえにされるとは、夢にも思わなかった。
遠い昔から、ずっと尊敬し、信奉してきた相手から。
そう。
僕にとって、星華ねえは、女神様だった。
「……彰も、見えるの?」
僕が覚えている、星華ねえとのはじめての会話はそれだった。
二歳の頃から、「本家」にいられる時間はできるだけ「本家」で過ごす。
それが、家に決められた相手ではなく、僕の父さんと結婚するために家を出てしまった母さんが、
交換条件に定められた僕の育成方針だった。
産まれたばかりの子供。夫との愛の結晶を、半分よこせ、と言うような無茶な要求に、
母さんが従ったのは、志津留と言う血族の掟だからではなく、僕の身にかかる危険を察知したからだ。
僕は、見えないものが見える。見えてはいけないものが見える。
人間には、見えないはずのものが。
人間には、見えてはいけないはずのものが。
それが鬼と呼ぶのか、妖しと呼ぶのか、陰陽の気と呼ぶのか、
あるいはもっと根本的な力の流れと言うべきものなのか。
とにかく、僕はそれが見えた。
庭の隅にわだかまる黒い影や、夜の虚空から、じいっとこちらを見下ろす巨大な髑髏や、
僕をあやす人々の肩に止まるどろどろとした塊が。
それは、そうしたものも含めて「力」の流れを見切り、操ることができる志津留の「血」が濃いことの証だった。
生まれた時から見ていれば、触れていれば、慣れるというものではない。
それは人間ならば、本能的な嫌悪感と恐怖心を持つ対象だ。
僕がはじめてしゃべったことばは、――周りに見えるものへの恐れだった。
「恐い──恐い──」
幼い舌を懸命に動かして話しはじめた僕に、母さんや他の人たちは真っ青になった。
志津留の血を引くものなら、そうした物が「見る」ことができる。
家伝の修行によって、その力をコントロールし、「見えなく」することも、
それを操るようになることもできる。
しかし、僕の力は誰よりも強力で、敏感すぎた。
僕が見える物は、<志津留のヒメ>、すなわち「次代の当主か、当主となる子を産める女」とされた母さんにも、見えなかった。
それは、現在の当主であるお祖父さんも、全盛期ならば見えただろうが、
年老いて弱まった今では見えないレベルのものだった。
僕が悲鳴を上げて這いずって逃げようとする対象を、まわりの人間は誰一人として感知することができなかった。
──感知しなければ、守れない。
僕は、世界に満ちた正負の力、そのもっとも濃い影の中でひとりきりだった。
背中にのしかかり、肩口から顔を覗きこむどろどろとした「存在」に金切り声をあげても、
それが見えない周りの人たちは手の施しようがなかった。
恐怖に狂気が混じる寸前──それが白い小さな手で振り払われた。
「……彰も、見えるの?」
それは、僕より少し──三つ──年上の女の子だった。
振り払った先で、どろどろの闇が消滅したのを見届け、僕のほうを向く。
「――私も、見える。だから、安心して。
……すぐにこれから身を守る力も、備わる。――私がそうだった」
五歳の女の子とは思えぬ静かな声と瞳は、その時、僕にとって世界の中心だった。
僕と同じものが──いや、僕よりも強くそれが「見える」星華ねえは、
僕がそれに対する「免疫」を備えるまでのあいだ、ずっと僕を守っていてくれた。
「見える」星華ねえは、僕とまわりの大人たちに、「何がどうなっているのか」をことばで教え、
僕は、はじめて自分を取り巻く状況を母さんたちに伝えることが出来た。
「世界で一人きり」ではなくなった僕は、もっとも弱い時期を、それに飲み込まれることなく過ごし、
成長と同時に自然と「免疫」をつけることに成功した。
「見たくなければ見ないようにする方法」を覚えた僕は、幼稚園に上がる頃には、
美月ねえや、陽子、あるいは一族のほかの人間と同じくらいのレベルで
それを感じられるくらいに、自分をコントロールすることが出来るようになっていた。
──それは、星華ねえ以外の人間とも「世界」を共有することが出来るようになったことでもある。
幼児期を脱した後も、星華ねえは、僕の女神様だった。
成長と同時に、今度は「力」自体も強くなりはじめた僕は、
まわりの大人たちに指導されて、その「力」を支配していく術を覚えた。
──160キロのスピードボールを投げられる素質のある選手に指導できるのは、
それ以上の速い球を投げられるピッチャー、とは限らない。
そんな速球は投げられなくても、さまざまな配球を駆使して、
長年マウンドで戦ってきた経歴を持つコーチの投球術は、
ストライク一つ定められない若者の力を引き出すのには、最適の教科書だ。
僕は、母さんや歩かの志津留の一族からいろいろなことを学んだけど、
心の中にある、一番の師は──常に星華ねえだった。
音何位鳴るに連れ、星華ねえは、<志津留のヒメ>として「本家」の本職にかかわるようになり、
僕に直接何かを教えてくれることは少なくなったけど、
僕の中には、いつでも星華ねえがいた。
あの日、僕にまとわりついた闇を振り払ってくれた、美しい女神が。
──その星華ねえが、僕の前にひざまずき、僕の性器に舌を這わす。
神聖なものを穢す感覚に、僕は恐怖を抱いた。
「だ、だめだよ、星華ねえ……そんなことをしたら……」
「なぜ?」
「な、なぜって……」
「男の子が元気なかったら、相手の女がこうしてあげるもの。
彰の子作りの相手は私だから、私がこうする。――どこもおかしくない」
星華ねえのことばに僕が絶句しているあいだに、僕の女神様は、それを始めてしまった。
薄桃色の唇が、わずかに開き、僕の生殖器を含む。
同じ色の舌が、なまめかしく動いて、僕の男性器を這う。
ぴちゃぴちゃという、小さな音が耳に入っても、僕はそれを現実のものとは捉えなかった。
僕の分身も。
星華ねえの奉仕を受けても、僕のそれは、まったく反応しなかった。
しばらくして、星華ねえはフェラチオを中断した。
「……」
大きくも堅くもならないでいる僕のおち×ちんを眺め、つ、と立ち上がる。
立ち上がった星華ねえは、棚に並ぶ薬瓶のひとつを手に持って戻ってきた。
瓶の蓋を開け、中の液体──というより粘液──を手のひらにこぼす。
「……それ、何……?」
「ローション。柳町の人たちが使っている」
柳町とは、街の駅裏にある繁華街……いや風俗街のことだ。
普通の飲み屋さんや、巫女さんバーみたいな怪しい飲み屋などもあるけど、
代名詞になっているのは、いわゆる「風俗のお店」が立ち並ぶ一角。
巫女流鏑馬のおかげで「下の神社」が有名になるまでは、
街の有名どころといったら、県下一の店ぞろいといわれる柳町のことだった。
「え……」
「もらったのを見本に、階下(した)で自分で作ってみた。うまく出来たと思う」
手のひらに載せた粘液を僕の股間に塗りつけながら星華ねえが答えた。
「……」
予想もつかない返事の連続に、僕はまた絶句してしまった。
ひんやりとしたジェル状のそれは、つまり、エッチな事をするお店で使うもので、
それを星華ねえは、どこからか貰ってきて、自分で作ってみたらしい。
……どこからって、どこで?
ぬるぬるとした感触は、――僕は経験がないけど、お店で使う本物と同じなのだろう。
「……」
にちゅ、にちゅ。
ちゅく、ちゅく。
ローションの付いた手で、星華ねえは僕のおち×ちんをしごき始めた。
僕が自分でオナニーする時と同じような手つきで、男性器を扱う。
ぬるぬるが僕の生殖器を包み込み、すべすべとした手が愛撫する。
──生理的な興奮を誘うはずの触覚に、僕は身をゆだねることができないでいた。
先ほどのためらいもないフェラチオといい、このローションといい、
まるで何でもないことのように振舞う星華ねえに、僕はうろたえきっていたからだ。
ほかの誰かにしたことがあるような、手馴れた動きは、
女性とはじめて交わる僕を困惑させた。
主人の動揺に連動した股間の分身は、大きくなるどころか、さらに縮こまってしまった。
やがて──。
「今は、だめみたいね……。また、明日にしよう」
星華ねえは手を止めた。
「……ごめんなさい」
「謝ることはない。できるようになったら、すればいいから」
タオルで僕の股間と自分の手を丁寧に拭きながら星華ねえが答えた。
愛撫してもらいながら、男として全然役に立たなかった自分に嫌悪感を抱いて服を着る。
星華ねえが、せっかく「お定め」をしようと協力してくれたのに──。
……「お定め」。
僕は、不意に息苦しくなった。
星華ねえは、それを喜んでやっているのだろうか。
階段を下りながら、僕は先を行く星華ねえに思わず声を掛けた。
「……星華ねえ……」
「何?」
星華ねえが振り向く。
「な、なんでもない……」
「そう……」
表情を変えることない星華ねえが、今、何を考えているのか、
──いつもは読み取れるのに、それができないことに気が付いて、僕は狼狽した。
「……」
ドアの前に行きかけて、星華ねえはフラスコ瓶がずらりと並んだ棚の前で、足を止めた。
「──これは強すぎるか……」
一度手に取った瓶を棚に戻す。
<KURARA>
とラベルが付いた薄青色の瓶には見覚えがあった。
クロロホルムを何倍も強くしたような麻酔作用のあるその薬は、志津留の家伝にある同名の薬を
化学が得意な星華ねえが、お祖父さんと一緒に合成化したものだ。
副作用もなく、眠るように一定時間意識を失うそれは、
小学生の頃も時々闇におびえて眠れなくなることがあった僕の
「最終手段」として使われていたから、僕にはなじみが深い。
それを使わなくなってから、だいぶ経つが、見忘れるはずはなかった。
<KURARA>の瓶を戻した星華ねえは、別のフラスコ瓶を手に取った。
「これ──さっきの香油。火をつけなくても、蓋をあけて部屋に置いとくだけでいい。
気持ちが落ち着いて、よく眠れるから──」
フラスコを手渡された僕は、ふらふらしながら星華ねえの離れから立ち去った。
「……」
電灯の下で、僕は天井を睨んでいた。
気力の萎え切った中では、布団を敷くのが精一杯で、
敷き終わるや否や、僕は布団に身を横たえ、でも眠れないでいた。
「星華ねえ……」
声に出して、呟く。
星華ねえは、志津留のお定め──僕と交わって子を為すことを、どう考えているのだろう?
<志津留のヒメ>、すなわち「次代の当主か、当主となる子を産める女」である星華ねえにとって、
それは──義務だ。
千年続いた血を絶やさぬための義務。
そこには、好きとか嫌いとかいう感情の入る隙間はなくて──。
「……」
当たり前のことをこなすように口と手の行為で、僕を愛撫した星華ねえを思い出して、
僕はごろごろと布団の上を転がった。
星華ねえは、もうセックスをしたことがあるんだろうか。
──他の男の人と。
もしかしたら、母さんが父さん以外の人と子作りさせられる予定だったように、
星華ねえは星華ねえで、誰か好きな男の人がいて、もうそうしたことは経験があるのではないか。
母さんの時は、まだお祖父さんの力が全盛期で、
次の当主を作るタイムリミットが迫っていなかったから
志津留のための子作りを拒否することが出来たけど、今は、もうそんな余裕がない。
だから、ひょっとしたら、星華ねえは義務のために自分を犠牲にしているのかもしれない。
「……!!」
僕は、そうした想像に思い至って、息が詰まるくらいに動揺した。
──だとしたら。
だとしたら、僕はどうすればいいんだろう……。
「あーきらっ、起きてる?」
ふすまの向こうから、陽子の声がした。
「お、起きてるよ……」
「ちょっと入っていいかな?」
「あ、ああ」
僕は動揺しながら返事をした。
返事が終わるや否や、ふすまが、すぱーんっ、と音を立てて勢いよく開けられる。
「――あっはっはっ〜! <魔法の美少女ソルジャー・陽子マン>、
なやめる男子高校生のために、ただいま参上〜〜っ!!」
「……な、なんだ、そりゃ……」
飛び込んできた陽子を見て、僕は間抜けな声を上げた。
寝巻き姿の陽子は、アニメチックな女の子の顔を描いたプラスチックのお面をかぶってポーズを決めていた。
お面は、夜店で売っているような子供向けのやつで、ちょっと前まで放映していた作品のものだ。
たしか、お手伝いの千穂さんの息子のケン坊とよく遊んでいる女の子が大ファンで、
一時期ケン坊は、敵役の怪人に見立てられて追い掛け回されていたっけ。
「……あ、あれっ? ノリ悪いなあ……」
呆れて固まっている僕を見て、お面を上にずらし上げた陽子が文句を言う。
「……古いぞ、陽子。だいたい女のくせに、陽子マンってなんだ、陽子マンって」
「あ、それは適当に言ったから……。そっか、あたし女だから……陽子ウーマン?」
「名前の後に付けてどうする」
「うーん……」
「だいたい美少女っていうところからして間違いだ」
どげし。
みごとなキックが決まって、僕は悶絶した。
「源龍天一郎直伝、試練の顔面サッカーボールキック!」
僕と同い年の従姉妹は、女子高生のくせにプロレスの大ファンだ。
「いてっえぇ〜。なんなんだよ、そのお面は……」
「あ、これ? 明日、「下の神社」の夜店で、部活のみんなで売るの。
お面を色々集めたんだけど、古くて売れそうにないやつ、二つ三つもらってきちゃった。
ケン坊の彼女にあげようと思って」
「なんつーか、その……」
「今となってはある意味レアもんなんだぞ。冥王星、今年から惑星から格下げになっちゃったし」
「……なんじゃ、そりゃ」
ケラケラ笑う陽子に、つられて僕は笑い声を上げた。
「……ありがと、な」
「え……」
「元気付けにきてくれたんだろ……?」
何も言わないけど、僕には、陽子がなぜここにきたのかが分かった。
「あ……やっぱりわかった? さっき、渡り廊下を暗ぁーい顔して歩いてたから、さ……。
こりゃ、「お定め」に失敗したかなーって思って……」
「なんでもお見通しってやつか」
「そりゃ、そうだよ。あたしは、星華ねえの妹で、彰とは五分の「兄弟」だもん」
陽子は屈託なく笑ってそういうと、勉強机――こんなものまで用意してもらっているけど、正直ほとんど使ってない──
の前にある椅子にぽんっ、と座った。
普通に座らないで、背もたれを前にしてそこに頬杖を突くのがいかにも陽子らしい。
「まあ、あれだ。最初はみんなうまくいかないものよ、気にしない、気にしない。にしし……」
おかしそうに笑う男女は、実体験どころか、彼氏もいないことを断言できる。
この耳年増め。
どかっ。
布団の上に座ったままの僕の脳天に、踵落としが振ってきた。
「いってえっ……なんで僕が考えていることが分かるんだよ、お前は?」
「だって家族だもん。わかるよ」
陽子は当然、と言うように答えた。
「……家族か……」
僕は、さっきの星華ねえの離れでのことを思い出した。
星華ねえの無表情から、僕は星華ねえの考えていることを感じ取ることができず、ただただ戸惑っていた。
……僕は、星華ねえの家族ではないのかも知れない。
いつのまにか、親しい人ではなくなっていたのかもしれない。
「……なあ、陽子……」
「何さ?」
僕は、思わず、同い年の従姉妹に心の中に澱(おり)のように沈んでいる問いをぶつけてしまった。
「星華ねえって、――好きな人いるのかな?」
「はあ? いるに決まってるじゃない」
これも当然のように答えた陽子に、僕は息を飲んだ。
「そ、そうか……」
「そんなこともわからないなんて、彰はほんと、鈍感ね……」
「――そう、だよな……」
星華ねえには、恋人がいたんだ。
その事実は、僕に猛烈な痛手を与えた。
ショックと、星華ねえへの罪悪感で、僕は頭がぐらついた。
「……どんな人、なんだろ、その人……?」
気がつけば、そんな馬鹿なことを僕は呟いていた。
「え……。馬鹿だよ、すごい馬鹿。あたしと同じくらい。ううん、もっと馬鹿」
「……そ、そうなんだ」
「すけべで、食いしんぼうで、甘えん坊で、まあ、イケメンではないなあ」
「……星華ねえ、そんな奴が好きなんだ……」
「ん。――でも、色々かっこいいよ。やればできる奴だし。まあ、星華ねえのお婿に認めてやってもいいわね」
その人から、僕は、星華ねえを引き離してしまうんだ。
「……陽子」
「何?」
「なんとか、僕と星華ねえが「お定め」をしないで、その人と星華ねえがいっしょになる方法ないかな……?」
「……」
陽子は、唖然とした表情になった。
「彰って、ひょっとして、本当に馬鹿?」
「……馬鹿なのは分かってるさ。でも何か方法が──」
どげし。
脳天にすごい衝撃を受けた。
ギガント木場直伝の脳天唐竹割りチョップ──いや、陽子は素手ではなく、何か堅いものを振り下ろした。
「痛ってぇ〜、陽子、お前、何しやがる!」
さっきのサッカーボールキックや踵落としのように冗談ではすまない痛みに僕は立ち上がりかけ、止まった。
陽子が、僕の脳天に振り下ろして、今は目の前に突きつけているものを見て。
「ほれ、見てみ。――この中に星華ねえが好きな人がいるから」
突きつけられているのは、机の上にあった小さな置き鏡――映っているのは……。
「――志津留彰。こいつが星華ねえが世界で一番、と言うより、たった一人好きな相手だよ」
陽子は、あきれ返った声でそう言った。
「え……だって……その……」
僕は、混乱して、何を言えばいいか全然分からなかった。
鏡を戻した陽子が、くすくすと笑う。
「まあ、星華ねえってば、完璧超人に見えて、色々ズレてるからねえ。
キスとかすっとばして、いきなり真っ裸で相手にせまりかねない勢いがあるよ。
一生懸命考えたあげく、「好きです」って言う前に「子作りする」とか口走っちゃうタイプだね」
「……そうなの……?」
全くその通りだった流れを思いだして、僕は呟いた。
「ん。お祖母ちゃんとか、美月ねえとか、星華ねえのまわりで年上な女の人も、かなりズレてるしね」
「……そうなんだ……」
「特にお祖母ちゃんって、美月ねえをもっとすごくしたような人だったらしいから」
「……そうなんだ……」
拍子抜けしたような声で、僕は繰り返した。
「……でも、さ。僕は、星華ねえが何を考えてるか、分からなくなっちゃったんだ……」
「え?」
そう。だから、僕は星華ねえに、誰か他に好きな人がいるのか一瞬でも疑ってしまった。
「家族なら、何を考えてるかわかるはず、だろ。お前が、僕の心をなんとなく読めるように」
でも、僕は、離れでの愛撫の間中、星華ねえが何を考えているか、全然分からなかった。
そのことは、僕にとってショックだったけど……、
「んんー。ま、それが<男と女の仲になった>って奴じゃないの?」
──陽子は、屈託なく答えた。
「え……?」
「あたしらの父さんと母さんも、子供の頃からいっしょに育ったんだって。
だから相手が何を考えてるか、いつでも分かったけど、ある日突然わからなくなったんだって」
「……」
「後から気が付くと、それがお互い異性として好きになった瞬間なんだろうって、母さんは笑ってた。
まあ、そういうのから始まって、結婚して子作りしたあとは、そりゃもう以心伝心で、
子供の頃以上に相手のことが分かるんだって、のろけてたけどね」
陽子は、くすくす笑いを抑えきれない、といった感じで口元を押さえた。
「……」
呆然とする僕の背中を、陽子がばしぃんっ、と叩いた。
「だから、彰、明日がんばってみ! あ、別に今晩再チャレンジしてもいいんだけどね、にしし……」
──陽子の笑い声に満ちた部屋に、美月ねえが血相を変えて飛び込んできたのはその時だった。
ごめんなさい、今回はここまでです。
最後の話なので、今まで後回しにしていた志津留家のお話がいろいろと出てきて長くなりそうです。
しかし、おかげで色々と定まってきました。
個人的には、クール/清潔系な女性と、積極的なローションプレイは、よく合う組み合わせだと思いますw
毎度のことだけど一文一文に悶える。超GJ!
続き待つには正座するしかない
GJ
続きが待ち遠しい
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
続きがメチャwktk
GJ!!
GJ!!星華姉さんの落ちこみがちょっと心配ですが、きっとそれ以上の甘ったるい描写があってくれると期待
キングッジョー!
ゲーパロ氏GJです!!
続きも楽しみにしてます。
超GJなんだけど、ちょっと気になったことが。
もとは
「志津留の血が薄まりすぎたから同族で子を生さなければならない」
という話だったと思うのだけど、
その(血が薄いはずの)彰と星華ねえが祖父や母より志津留の力を持ってる
というのは矛盾してない?
野暮なツッコミを入れてスマソ
>>36 薄まったって言うのも家系全体でのことで、分家とかもかなり有るんじゃない?
彰の母親が出て行ったのも拍車をかけたんだから。
まぁ、俺は孕ませれが有ればどうでも良いんだが
>36
突然変異とか先祖がえりとかのイレギュラーなんじゃないの?
まれに突出したのが生まれるけど一族全体としての平均値がどんどん下がってると。
消えろ! イレギュラー!
>39
ナインボールキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
玉が九つもあれば、孕ませ放題ですなあ。
43 :
920:2006/09/04(月) 18:11:14 ID:4MGtNepZ
天狗も嫁探し
とある民俗学者のメモ
昔からこの山には天狗の伝承がある。
私は、興味本位に山奥に入った、そこには、地図にない集落があった。
幼馴染のグラシが読んでいる。
「お〜い、イブキ、長老が呼んでるぞ〜」
長老邸
「おまえはもう21だ、そろそろ・・・・」
「つがいになる相手を探せですか」
「そうだ・・・われわれ一族の地を絶やすわけには行かない、
たとえ相手をさらう事になっても子供をつくれ
相手を連れてくるまで、里に帰ることを許さん」
「分かりました」
(そうだな、どうせなら)
A子供の面倒見の良いやつを・・・
Bさらいやすい、小柄なやつを・・・・
C行為になれてるヤツを・・・・
Dおなじせかいのやつを・・・・
B!
どうみてもロリコンです
45 :
920(設定):2006/09/04(月) 18:30:34 ID:4MGtNepZ
主人公 イブキ 20歳
天狗のモデルになった、一族の青年、裏の世界の結構な実力者
彼の一族は人間の突然変異で、天狗のモデルになってるが、見た目は人間である。
身体能力は常人を遥かに超え、化け物身見られてもおかしくない。
なぜか、男しか生まれないため女をさらってくるしか、存続できない存在である。
昔から国と裏の関係があり、国がある程度の事を黙認してくれるようだ。
各ルートのヒロイン
A 雪代 恵 18歳 家事手伝い 貧乏
忙しい親の代わりに弟2人の面倒を見ている、胸が大きめ。
B霧沢 麻子 14歳
○学二年生だが、小学に間違われるくらい、幼く見える、普段は明るいが・・・
C柳田 美春 17歳
アイドル級にルックスが良いが、売春をよくやっていて、世間にけむたがらっている、
何かを間際らそうとしているらしい?
D bP40 20歳前後
幼い頃から、暗殺者として訓練されてる、殺しにうんざりしはじめてる。
こんなのをよろしければ書こうと思ってます。
天狗は雄しか存在しないと言われるからDは無理でねか?
好色と言う伝説もあるからBかCに一票
御託はいらねぇ、書けってばっちゃがいってた
49 :
920:2006/09/04(月) 18:37:37 ID:4MGtNepZ
すません、Dは女暗殺者設定で・・・・
男だったら、板違いますから・・・
50 :
920:2006/09/04(月) 18:46:53 ID:4MGtNepZ
それと、Dは主人公の一族ではないということにしてください。
51 :
46:2006/09/04(月) 18:50:41 ID:wFqzbzoS
>>45おう!リロードしてなかたよ。
モデルという設定だたか。スマソスマソ
とりあえず、メール欄に「半角でsage」を。
Dをリクエスト ノ
Bを是非おながいします
Dで。
寿退社みたいな感じが読みたいな…
B!B!B!
BBBBBBBBBBBBBBBB
全部!全部!
Dしかも同意の上で
59 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/04(月) 23:30:46 ID:rMd5CABh
こっちもDで
しかも、産んでる最中に主人公が殺されそうになるシチュキボンヌ
(息んでるときに主人公をさば折してしまったり、へその緒で首締めてしまったり...)
取り敢えず誤字脱字誤変換に気をつけてくれたらどのルートでもいいや。
61 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/05(火) 00:09:49 ID:zQVmY/1v
はあれむ
ゲーパロ氏サイト持ってねぇのかなあ…
サイトあったら行きてぇ
追記
E(全員)で
どーでもいいけど天狗のイブキとグラシって「うしおととら」が元ネタ?
ついでだからまだ誰も挙げてないAを挙げといてあげようw
そんなこというから麻子のイメージがそれになっちゃっただろw
あえてそっちはつっこまなかったのにw>麻子
そういやうしとらの方も○学2年生だったな
見た目は幼いじゃなくてボーイッシュ系だけど
おお遠野物語を思い出す
とりあえずC以外ならいいや
>>63 サンクス!
ないのか…orz
俺屍の話好きなんだよなー
Bにイピョウ
Dで。ツンデレ熱望。
72 :
920:2006/09/05(火) 17:13:30 ID:psxkunrM
今構成中で、週末か来週の始めぐらいから書き始めます。
できるだけ、頑張ってみます。
名前の元ネタは、
イブキとグラシは、「うしおととら」の鴉天狗
麻子は同じ作品の主人公の幼馴染
雪代 恵は、「るろうにけんしん」の恵と縁の名前を借りました。
あくまで借りただけで、元ネタとの関係は、特にありません。
ならぜんぜん違う名前にしたほうがいいんじゃないのか?
だんだん流れがイタくなってきてるしさ。
74 :
暗行御史ネタ:2006/09/05(火) 18:36:55 ID:zA8rN6+q
朝鮮人メス山道をレイプしてやる!
優秀な大和民族である我輩は暗行御史文秀の山道、春香を強姦しようと襲い掛かった!
哀れな山道は必死に抵抗したが、遂に衣服を脱がされ全裸にされてしまう。
『チョン雌に種付けしてやるぜ!』
特製の妊娠剤を無理やり山道に飲ませると、我輩はいきり立った男根を山道の前に見せ付けた。
『文秀の九センチ砲なんか目じゃないぜ!ヒイヒイ言わせてやる。』
山道は我輩の立派な男根におじけづいたのか震えている。
チョンの粗末なものと違い、大和民族の立派な男根である。無理もない。
我輩は舌をかまないよう剥ぎ取った下着を山道の口に突っ込むと、
前戯なしで一気に男根を山道の膣にねじ込んだ。
『ウウウウッ・・・・・』
涙を流す山道、膣からは血が流れている。どうやら処女であったようだ。
我輩はピストンを繰り返す、そして数分間それを続けた後、
『大和民族の優秀な遺伝子を汚いチョン雌に注いでやるんだ、ありがてえと
思え!ウッ!!』
そういって我輩は大量の精液を彼女の膣内に放った。
『妊娠剤を飲ませといたからな、まあ間違いなくはらむだろうよ・・・・』
こうして我輩は山道を放置し、去った。十ヵ月後には我輩の子供が生まれるだろう。
優秀な大和民族の遺伝子をジュシン中に広め、
汚らわしい朝鮮人の遺伝子をほうむるまで我輩の戦いは終わらない。
次の標的は平岡女王、そしてアジテの部下麻古である。
突発小ネタ
携帯からごめんなさい。
「ねぇパパぁー」
「んー?」
「ミルク飲みたいよー…」
「!! どれどれ、ほらお口あーんしなさい。あーん……」
「何してるの? パパ。ミルク飲みたいって言っただけなのに」
「…あっあぁ…そうだな、おやつがケーキのときはミルクだよな。あは…あはは……はぁ……」
夜はベッドがギシアンです。
ネ申の降臨を裸でお待ちしています。では。
今の技術だと多数の男に犯されて出産前に誰が父親なのか分かる手段ってある??
>>78 出産前にDNA鑑定すればいいじゃん。
胎児の遺伝子診断(遺伝病のチェック)ができるくらいなんだから、父親の鑑定くらい楽なもんだろう
堕ろす前でも出来る?
>>80 よく読め。
「胎児の」遺伝子がわかるんだから、生まれる前にできるって事だろ。
世の中には母胎維持法というものがあってな
「出生前検査」というのがあり、妊娠中に遺伝病などを調べるものがある。
ダウン症などはこれで判るのだが、それは障害者差別に繋がるなどの意見もあり賛否が分かれている。
では、DNA鑑定出来るのといえば出来ない。
これらの検査は、いずれも「胎児そのものから細胞を摂っているわけではない」から
検査をしたところで正確性を期するのは困難。
出生前検査は、羊水や母胎の血液などによる判定であり
判定結果と実際とが違うとこともあるという誤差も存在する。
また、検査に伴い流産する可能性もある。
>>82 「母体保護法」
皆落ち着け。このスレで堕胎は語るのはよそうや
父親が判らないのなら、孕ませてから輪姦すればいいじゃ無い
BYマリー・アントワネット
いや、例えば脅迫1みたいに好きな男とセックスしたあとに複数の男に輪姦された場合、
お目当ての男の子供だった場合だけ生んだり出来るのかなと。
その状況で例え好きな相手のものでも子供産みたいと思えるかどうか。
まぁ脅迫1では生んで好きな男の子供だと信じて育ててるけどな。
>>88 その後DNA調べて別の男の種だということがわかって……
てな内容だったらサイコーなんだが
鬼才っていうか鬼畜?
92 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/07(木) 22:38:16 ID:3XaK7Mxk
複数の男の精子で体外受精させて、それを母体に戻して父親の違う双子(もしくはそれ以上)を孕ませる、ってのは?
んなイカレタ科学者が趣味でやる実験みたいな…
>>92 レアケースだが、異父二卵性双生児の体外受精版か。
しかし、体外受精させる意味あるのか?
ゲームストーリーなら過受胎・過妊娠させればいいだけかと。
おっと。
「脅迫1」を念頭に置いてたのでゲームストーリーとしちゃったけど、
「小説などのストーリーなら」に置換してくれ。
それなんてツインズ?(あん時はシュワ公も若かった)
97 :
96:2006/09/07(木) 23:56:55 ID:BQccj3Ws
98 :
920:2006/09/08(金) 19:22:10 ID:1Q8twu27
(集中しろ、相手のかすかな敵意だけに)
昔、イブキが師に教わった言葉だ。
・・・・・・・・・・そこか!
そこら辺に落ちている石を茂みの方へ投げつける。
その石に相手がひるんでいるうちに接近し、押し倒しナイフを首元に突きつける。
(女か・・・・まあ、そんな事は関係ない、しかし・・・)
何かを思い出しそうになる・・・・・
「誰だ、おまえは?そして何が目的だ?」
当然のことを聞く。
「目的は、おまえの命と自由だ」
「自由?」
「そう、おまえを殺せば組織を抜けてもいいって言われた」
(俺も色々恨みを買ってるからな・・・・・)
「ぬけたら、おまえはどうするつもりだ?」
「・・・・・・・・」
「考えていないのか」
「・・・・・・・・・・・・」
「じゃあ、どうして組織を抜ける?」
「・・・もう、人を殺したくないからな・・・・」
(・・・殺しに向かない人間か、馬鹿かそれとも・・・)
しかし、裏とはいえ、一応国の仕事をしてるので、
むやみに人を殺してはいけない、たとえ正当防衛でも。
「しばらく、寝てもらおうとしよう」
そう言って、イブキはふもとからだした薬をかがせる。
「うぅ・・・・」
そういって、彼女は気を失った。
99 :
920:2006/09/08(金) 19:23:51 ID:1Q8twu27
いつも悪夢は、過去に聴いた声・・・・絶望の・・・
「人殺し」「助けてくれ・・・・」「鬼め」
悪夢を見て、気分最悪で目を覚ますと、見慣れない天井があった。
「ここは、どこだ?」
枕もとに、殺し合いを演じた、男が立っていた
「俺の仮の住処だ、四日も寝ていた、ネボスケサン」
「どうして、こんなところに?なぜ殺さなかった?」
目の前の男に尋ねる。
「俺も似たような人間だが、むやみに殺しは出来なくてな」
「お前が殺さなくても、私が殺す事になるぞ」
そう言いながら、近くに得物になりそうなものを探す。
100 :
920:2006/09/08(金) 19:27:56 ID:1Q8twu27
「その必要は無い、すでにお前が属している組織は、壊滅した」
「なぜだ?」
「俺の仕事だからな、それに気に食わなかったからだ
ところでお前は、これからどうする?」
「・・・・・・・・」
彼女は、顔をうつむけた。
「死のうとか思ってないか?」
「・・・・・・・」
「図星か」
「それなら俺がもらおうか?恋人とかとして?」
さすがに驚いたのか
「私みたいなやつをか」
上を向きながら、イブキは答える。
「昔、愛した女がいてな、結婚まで考えたほどだ、でもおきてによって
引き離された、子供を産めない体だから・・・・そしてあいつは絶望して・・・」
とてもつらそうだった.
「そうだな、それもいいな」
そう言ったら、ある音がした。
『ぐぅ〜〜〜』
顔を真っ赤にしながら
「仕方ないだろ、四日も食ってないから」
「はいはい」
こうして、奇妙な二人の生活が始まった。
101 :
920:2006/09/08(金) 19:28:55 ID:1Q8twu27
初心者の駄文ですいません。
一番票の入った、Dルートからはじめます。
これからすこしづつすすめますので、
よろしくお願いします
・殺しが嫌で、殺人組織から抜け出したい奴が、殺しの任務を抜け出したいからって遂行する不思議
・ふもとって何
・捉えた刺客の女を4日も自分の部屋に置いておいてその間に部屋を開けて組織を壊滅させる不思議(しかも4日で)
・結婚破綻したんだよと他人にどうでもよい昔語りする不思議(ヤるための前座w)
・自由を手に入れるために死ぬほど嫌な殺しをやろうとし、いざ自由になると死のうとする不思議
・というか文章が作文な不思議
以上の不思議を踏まえると・・・
>>101はガチでリア厨
よって子供は21禁板にいないで早く帰ろうネ☆
>>920氏
すまんがお家でしっかり勉学に励むことをお勧めする。
ネタの投下は歓迎するが、その書き方では濡れ場が想像できん。
ネタを書く意気込みは イイ! と思うんだ。
だが、文章を書き始めたばかりの初心者ならネタ投下よりも文章力をあげることに傾注したほうがいいと思う。
バカにするわけではなく、読んだときすぐ思ったことがあるんだ。
この主人公ってナリは20歳な小学生?
なんだかなあ。プロットだけを書き出してる感じ。
話が性急すぎるし見えない。
エロいSSとか官能小説を読んでまずは模倣から始めるといいよ。
そんな自分語りで身の上を説明して性急に話を進めたりはしない。
>>102の他に
・訓練を受け、多くの経験があるであろう暗殺者が
石ころ一つで怯み、あまつさえ反撃も出来ずに
無力化されるのか?
・訓練された暗殺者がべらべら目的を話すのか?
・厳しい掟があり、過去に思い出すのも辛い経験が
あるにも関わらず、簡単に恋人を決めてもいいのか?
等々不思議がイパーイ
十字砲火の様で済まぬが、
せめて句読点をまともにしてくれ。
つーか
>>43と
>>45の厨設定でこうなること読めてたじゃん
なのにリク祭になってたから、みんなで邪神降臨の儀式やってんだと思ってた
何でみんな掌返したように叩いてるわけ?
邪神様をもっと崇めてやれよwww
純愛だ!
純愛が全てなんだ!!
愛がなければ不幸だ!!!
愛があってこその子宝なのだ!!!!
みんな随分辛口だな。
まあアレだ。ここで言われてる事を参考にして、文章力やらなんやらを身に付けて、腕を上げて帰って来てくれ。
明日のネ申職人になる為に頑張ってくれ。
112 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 23:33:03 ID:otcQNJ+y
なにこの手を返したような罵倒レス
手→掌
なんていうか台詞がどこかおかしいんだよな。
読み物としての言葉使いじゃない気がする。
いや、セリフと説明文の繋ぎ方が悪いんだと思う。中途半端に実況している感がある
以前、俺も書いてみたことあるけど・・・その部分が(特に)ダメだった
101は俺みたいに挫折しないで頑張ってくれ。次に期待。
・冒頭、唐突過ぎ。読者の存在無視か?
・3行目、今拾って投げたのか? なんつーその場凌ぎだよ。
・石に怯む刺客ですかそうですか。石も立派な武器になることをソイツは知らんのか?
油断して当たったならともかく、「怯む」って何だ。
・「接近し、押し倒し」。作文を書いてるのか?
それにナイフ持ってるなら最初からナイフ投げろ。もしナイフを今出したならその動作も書け。
・「女か」。女の説明をしろ。必須だろここは。
・「誰だ〜」。主人公はガキか。尋ねないとわかんね? それに全然「当然」じゃない。
当然と出すなら「誰だ?」ではなく「どこだ?(どの組織だ?)」だろ。
・「目的は〜」。随分と素直で物分りのいい刺客もいるもんだ。
・「そう〜」。口調がおこちゃまなんですが……。いくつでちゅかこの子は?
・「俺も恨みを〜」。何この便利屋主人公。
・なんで主人公は敵と会話すんの? 女に飢えてるから? 普通はもっと探りを入れるだろ。
・「しかし〜」。「ので」は丁寧表現な。作文じゃないんだから。
「国の仕事をしていること」と「正当防衛でも、むやみに人を殺してはいけないこと」は無関係。
・「しばらく〜」。主人公は必殺技を繰り出すとき技の名前を出すタイプで間違いない。
実はロボットアニメなんじゃないかこの話?
・「ふもとから出した」。意味不明。急に麓と言われても困る。まあ懐のことだろうが。
・「うぅ」。そんなあやしい薬を嗅ぐなw 素直すぎw
・「そういって」。不要だろ、この文。
しかも何で「彼女」なんだ。ここは「女」だろ。彼女、と特定する必要性が無い。
句読点の正しい使用と漢字の適正な変換をまずは心がけような。
批判してるようで実はおまいら優しいなw
やっぱみんな優しいよ
SSスレじゃ、この程度の批判は建設的な部類だぜ
俺もガンバろ
このスレに厳しい優しさを見た
正直Dのネタ設定といい、女が硬派なとこといい
キャラ、背景設定自体は萌えなんだ。白蛇伝とかシノビみたいで。
でも三点リーダの出し方も知らないような状態なのに
いきなり小説はハードル高すぎ。日本語もおかしい。
成人としては語彙がなさすぎ。
設定だけ使って別の方に書いていただきたい…。
>>121 >物書きとして一番きついのが完全スルー
>指摘されるなら次に繋げられるが、スルーされちゃどうしようもない
お姫様スレがそんな状態になってたwww
住民にgjと言いたい
「ふもと」は「たもと」のことだろうね。まあ、着物の袖のあたりのこと。
というか、まずはメール欄に「sage」っていれよう。
いや、強制ではないんだけど、ageると目立つから。
目立って、しかも面白い作品はいいけど、つまんないと「んなクソ目立つトコに置くんじゃねえ」ってなるから。
あと、せめてエロまで書いてからにしようよ、うpるのは。「エロパロ」板だぜココは。
期待されてるのは初心者の自分語りじゃない。エ ロ ス(とあと何か。たとえば萌えとか笑いとかえっちとか性的興奮とか)なんだよ。
「オレはエロスが無くても十分萌えさせられる、読み手を楽しませる自身があるッ」
って言う自信と根拠でも無い限り、こゆことやっちゃダメダメ。
ほんとダメダメ。
まああれだ、書いたという気概だけは認めようや。
後はこれだけ叩かれて尚書き続けられるのなら、多分将来有望だな。
まぁこの手の話は読みなれているから足りない部分は勝手に補完しつつ
おかしな点は修正しつつ読めば、好きなシチューエーションだし読めると思う。
いっそのこと、目が覚めたシーンから始めて、まず中だしw
前提部分は小出しの独白形式で埋める形式にすれば
散々指摘されている小道具レベルの欠陥には目をつぶってもらえるかもしれないとか思ったり。
とりあえず先にエロを入れるのだ。そうすれば欠点が目に付いても無視される。かもしれない。
128 :
125:2006/09/09(土) 05:57:50 ID:tNI/tT5k
129 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 06:08:45 ID:6Rkrd6dJ
>>125 毒にも薬にもならないと思う
言ってしまえば、笑える分元の文の方がマシ
>>129 おおー!
さすが、途端に読みやすく…てか続けてくれ、これ。このまま。
あと主人公の名前がにゃむなのか。あんまりだ。
ごめん
>>128だった
>>129 添削しただけだからこんなもんだよ。
言い替えれば元の文の下手な部分を無くせば個性が無くなる。
132 :
125:2006/09/09(土) 06:57:16 ID:tNI/tT5k
>>130-131 師匠の爺いの「にゃむ」は「バガボンド」が元ネタ。
爺いの口癖で主人公の名前じゃないんだが、その辺を誤解させるようじゃダメだなぁ。
ちなみに主人公には「イブキ」って名前がある。
いくらリライトとはいえその辺の基本設定は弄らんよ。
しかし自分の妄想を物語として文章化するのってホントに難しいよな。
俺も妄想のままに書き連ねると設定だけで全然本編がかけない。
ほんとに神の人たちすごいやと改めて思う。
シチュエーションが欲しいのであって物語が欲しいわけじゃないからだろうな。
135 :
920:2006/09/09(土) 14:43:42 ID:ryCAW/8Y
自分では実力不足なので投稿を止めます。
すいません。
(────たいした使い手じゃないな)
突然の襲撃。
相手は一人。
恐らくは、暗殺者。
不意打ちの初撃で仕留められなかったのは、それだけで致命的なはずだ。
腕だけ見るならかなりのものだが、迷いがある上に、相手は事を急いている。
存在を気付かれているのに引かずにちょくちょく牽制してくるのが、いい証拠だ。
手持ちの武器が小振りな短剣一本のみというのは少々心許ないが、まず殺られはしないだろう。
眼を閉じ、その禍々しい殺気を探る。
見るな────と言うのは、師の口癖だ。
隠れ鬼が好きな相手は目ではなく、心(シン)で追う。
(────反撃、開始だ)
路傍の石を拾うや否や、思い切り敵が潜む叢に投げつけた。
同時に、一息で間合を詰める。
当然、石は弾かれた。
狙うのはその一瞬の隙だ。
草がざわめく。
躊躇はしない。
葉と葉の間に見えた白い肌を、殺すつもりで一薙した。
「────ッ!」
耳をつんざく金属音。
弾かれそうになる短剣を握り締めながら、敵と対峙する。
「女、か────」
珍しい話じゃない。
むしろ、俺の、殺すつもりの一撃を凌ぐ奴のほうが珍しいかった。
「くっ!」
「やめとけ、暗殺者が正々堂々戦って、勝てるわけないだろ?」
便乗してリライト。
ちょっとバトルっぽいの書いてみたかっただけで、他意はない。
中途半場なのは、携帯の文字数ギリギリだからダヨ!
面白そうな設定だったんだけどなー。
>>125氏がよければ、書いてもらうとかはどうなんでしょうか。
>>135 SS書きに必要な才能のうち、一番むずかしいレアな能力が「書き出すことができる能力」で、
それはまちがいなく
>>920さんにはあります。
次回作が練り直した今作になるのか、新作になるかわかりませんが、頑張ってください。
次回はエロもぜひ期待!
何回か自分でやってみた末、事前アンケートで作り始めるのは、
かなりむずかしいものだと、今更にして思います。
今見直すと、神殿シリーズなんかよくやれたもんだな、と。
特に夜明けの突発ウソ企画なんて、まかりまちがってもやるもんじゃあないッスwww
ということで、星華編の続きです。
<僕の夏休み> 次女:星華 中編2
「彰ちゃんっ! 陽子っ! ……よかった。無事なのね……」
部屋に走りこんできた美月ねえは、手に短弓を持っていた。
志津留の家伝の武器。
でもそれは、妖し、すなわちこの世ならざるものと戦うためのもので──。
「美月ねえ?!」
僕は、美月ねえが、和服の上に襷(たすき)掛けをしているのに気がついて驚いた。
陽子も顔色を変えて立ち上がる。
――以前にもこんなことがあった。
この世ならぬ「敵」が、お屋敷を襲った記憶。
「とにかく、二人とも本館のほうへ。――お祖父さまと婆(ばば)さまが来ているわ」
めったにこの屋敷に戻らない「本家」の当主と、その姉の名に、僕らは息を飲んだ。
正真正銘の、緊急事態だ。
「……馬場で、梅久が襲われました。病院に運びましたが、意識不明の重態です」
本館の一室に集まっていた一堂に、事態を説明しているのは、お祖父さんの秘書をつとめる吉岡さんだった。
いつもと変わらぬスーツ姿のこの人は、僕や陽子と親しい小学生・ケン坊のお父さんだけど、
志津留の「郎党」を束ねる頭の一人でもある。
志津留は、直系の人間、つまり「一族」のみの集団ではない。
遠い昔に分かれた傍流や、代々使えてきてくれた人々からなる「郎党」によって支えられている。
吉岡さんに「梅久」と呼ばれた、馬場の管理をしている宍戸さん──宍戸梅久(ししど・うめひさ)という──も、郎党頭の一人だ。
日に焼けたスポーツ万能なお兄さんで、僕や陽子は、この人から乗馬を教わった。
吉岡さんと同じく、志津留の本職──妖しを相手にする仕事にも加わっている人だ。
それが──。
「心の臓の脇を、矢で貫かれていました。あと一センチでも寄せられていたら、即死でした」
吉岡さんは、眼鏡をくっと、上げながら言った。
ずれているわけでもないのに、何度もその仕草を繰り返すのは、――苛立っているから。
緊急事態に、表情も声も判断力も変わらない冷静な郎党頭は、後輩が襲われたことへの激怒を押し殺している。
「だ、誰がそんなことを──」
「……<挑戦者>、だ」
僕の問いは、上座から答えが返ってきた。
和服を着た背の高い老人は、僕が久しぶりに見るお祖父さんだった。
「<挑戦者>……?」
「この御山を自分の棲家に狙う、妖しのいずれか、じゃよ。今、志津留には力のある当主が不在で、
御山にためこんだ力が支配しきれずに放置されているからの。――連中にとっては宝の山、食い物の山。
ここの主になることに挑戦しようとするから、<挑戦者>、じゃ。
何度かちょっかいを出してきていたが、本腰を入れてきた、の」
お祖父さんの隣にちょこんと座る小さなお婆さんは、婆さま、と呼ばれている一族の最長老。
僕らにとっては大伯母さん、つまりお祖父さんのお姉さん、だ。
「……それと、もう一つ。馬場からアオがいなくなっています」
「え……」
「現在、小夜(さや)以下数人を街に放っております。何かつかめたら、すぐに連絡を――」
語尾を言い終わる前に、吉岡さんの携帯が鳴った。
お祖父さんに目礼した吉岡さんが、それに出る。
「小夜か。――正木真紀は家に帰っていない、流鏑馬用の巫女装束がなくなっている?
……わかった。瀬戸と辻を残して、有馬とともに引き上げて来い」
吉岡さんは、携帯を切るとそれをポケットに戻した。
「マサキが……行方不明……?」
それまで無言でいた、星華ねえが顔を上げて質問をした。
「――はい。おそらくは、アオとともに――<挑戦者>に関わることかと……」
「マサキマキが……」
今日の午前中に会った、あの生意気な――と言っても僕より年上だけど――娘の顔を思い出して、僕は呆然と呟いた。
「妖しの中には、人を操ることができるものもおる。御山を狙うような力の持ち主なら、なおさらな」
「……」
星華ねえが眉根を寄せた。
どんな感情も、瞳や唇のごくわずかな反応でしか表さない星華ねえの、はっきりとした感情表現。
つ、と立ち上がった星華ねえは、座敷を出て行こうとした。
「待て、星華――どこへ行く?」
お祖父さんが呼び止める。
「マサキを、探しに行く」
「ならぬ。その娘、おそらくは――<挑戦者>の手に落ちている」
「だったら、なおさら」
星華ねえは、ちらりと振り返って答えた。
その美貌が、もう一度前を振り向いたのは、次の瞬間だったけど、僕は最後までそれを見られなかった。
僕も同時に、同じ方向――中庭に視線が釘付けになっていたからだ。
(……ほ、ほ、ほ)
それは、女の人の笑い声――に「聞こえ」た。
闇の中で。
(……さすがは、志津留のヒメ――とヒコ。当主よりも、早く、気が付いたわ)
「何者っ!?」
吉岡さんが振り返って叫んだ。
「……おぬしらが今言った、<挑戦者>様よ……」
するすると、白いものが闇の中から浮かび上がってきた。
巫女服を着た女の人。
それが庭から見てずいぶんと高い位置にあるのは、馬に騎乗しているからだ。
マサキマキと、アオ。
どちらも、今日の昼前に見た姿と同じで――中身は別物だ。
「憑いたか――」
お祖父さんが、ぐっと睨みつける。
(ほ、ほ、ほ。強い情念を持つ人間は使いやすい。女の身体なら、なおさらわらわに好都合……)
「離れろ」
星華ねえの、短い声。
(ほ、ほ、ほ。――誰が離れるか。この女、実になじむ。この姿で、わらわはこの山の主になるわえ……)
「――悪霊、退散っ!」
美月ねえが、鋭い掛け声とともに矢を放った。
いや。
短弓からはなったそれは、鏃(やじり)を抜いた神矢だ。
小さな弓から放たれた先のない竹の棒は、妖し相手には、射手の「力」に応じた破壊をもたらす。
それが、空中で止められた。
マサキマキ――を操る妖しが、手をかざしただけで。
(……ほ、ほ、ほ。その程度の力で、当主の直系かえ。――この山の主にはふさわしからぬ一族よ)
「……」
二の矢を番えようとする美月ねえの袖を、星華ねえが無言で押さえる。
マサキマキに憑いた<挑戦者>は、狂女のように哄笑した。
(……ほ、ほ、ほ。――一人を、選べ、無力な一族)
(……ほ、ほ、ほ。――明日の夜、この山の、頂で)
(……ほ、ほ、ほ。――主を、決めようぞ……)
こだまする笑い声が消えたとき、すでにマサキマキもアオも闇の中から消えていた。
「……一騎打ちの誘いか。古風なことをする」
お祖父さんが渋い顔で立ち上がった。
「祭りの夜にかえ。――念の入ったことじゃの」
婆さまのことばの意味は、わかった。
御山――このお屋敷がある、志津留一族の<根拠>地は、いわゆる地脈の焦点だ。
志津留はその力を使ってこのあたりに君臨しているけど、その力は、常に一定ではない。
それは自然にこのあたり一帯を潤し、影響を与えているが、
そうしたエネルギーは、周期的に強くなったり弱くなったりする。
そして、四季折々の祭りは、そうした力がもっとも強まる時期だった。
昔の人が、祭り――祭典をその時期に選んだのは偶然ではない。
あたりに満ちた「力」があふれる夜、人々は何かをせずにはいられない。
そして人々が祭りに瞳を輝かせる夜は、地脈もそれに呼応してより一層の力を噴き上げる。
力が音叉のように共鳴しあう時に、その支配者の戦いが行なわれれば、
その「勝者」の御山への支配力、影響力は、より強力なものになる。
簡単に言えば、地脈へのはたらきかけが楽になるのだ。
<挑戦者>は、それを狙っているにちがいない。
「……一騎打ち……」
星華ねえがつぶやいた。
「手ごわい相手だな」
マサキマキが消えた庭の闇を睨みながら、お祖父さんが言った。
「……子は、まだできぬか……」
――唐突に婆さまがそう言い、星華ねえは、傍からみても分かるくらいに動揺した。
「……まだ……」
「はやく、作っておけ。これから――明日、事がどうなるかはわからぬが、
――後悔せぬように、な」
婆さまのことばに、星華ねえは返事をしなかった。
その夜、僕たちは、本館の大部屋で固まって眠った。
婆さまは、「明日の夜まで、<挑戦者>は、手出しはしてこないだろう」と言っていたけど、
万が一を考えて、お屋敷にいる志津留の一族、
つまり、お祖父さんと婆さま、美月ねえ、陽子、そして僕と星華ねえの六人が、
布団を並べて眠ることにしたのだ。
婆さまは、意味ありげに僕と星華ねえを見たけど、僕らは何も言わず、
みんなといっしょに眠ることにした。
隣で、お手伝いさん――の中でも妖しとの戦闘訓練をつんでいる「郎党」が交代で寝ずの番をしてくれている。
もちろん、何かあったら、いっせいに起きだして対応するのだけど、
それ以前に、僕は全然眠れなかった。
いきなりのことに、頭が整理できていない。
――<挑戦者>が、いつか現れるだろうことは、「お定め」の説明の中にあった。
そうしたことを防ぐためにも、星華ねえと交わって、力のある当主を作る必要があるとも。
明日の「一騎打ち」は、どうなるのだろう。
誰が<挑戦者>と戦うことになるのか。
お祖父さんは、あのあと、自分の――当主専用の大弓を持ってきて、それを抱くようにして眠っている。
たぶん、当主として自分が「代表」に出るつもりだろう。
だけど、力が弱まったお祖父さんで、美月ねえの一撃を簡単に防いだ妖しに勝てるのだろうか。
何でも知っている婆さまも、戦いのための力は、弱い。
じゃ、誰が――。
不意に、ぼくは、「その人」が誰か思い至ってどきりとした。
――さっき、<挑戦者>の出現を真っ先に感知したのは、僕と、星華ねえ。
当主に必要な様々な力のうち、たぶん、そうした方面での力は、今、一族の中で僕たち二人が最も強い。
一族を代表すべきは、僕らのうち、どちらかだろう。
「……」
闇の中で、自分の体の毛が逆立って行くのがわかる。
久しぶりのこの感覚は――恐怖。
幼い頃、何もできない僕の上にのしかかってきた、この世ならざるものたちへの、恐怖。
「……」
ごくりとツバを飲み込んだとき、隣の布団から、静かな声がかかった。
「……大丈夫」
「せ、星華ねえ……」
僕が思わず横を向くと、同じように横向きの星華ねえが僕をじっと見つめていた。
「大丈夫。明日は、私が行く。彰を守る」
星華ねえは僕をみつめたまま、そう言った。
何の昂ぶりもない静かな声。
でも、そこには、さまざまな感情がこめられているはずで、
そして僕は、それを読み取ることが出来ないでいた。
――昨日までなら、きっと分かったのに。
陽子は、それが、家族の間柄から男と女の仲になった第一歩だ、と言ったけど、僕は――。
何を言えばいいのかわからなくて、あえぐように呼吸をする僕を見て、
星華ねえはすっと起き上がった。
枕もとの小さな袋を開ける。
「これ、嗅いで……」
中から取り出した小瓶からこぼした液体をハンカチにしみこませ、僕に手渡す。
この懐かしい香りは――<KURARA(くらら)>。
闇におびえる小さな僕を寝付かせた、優しい薬。
渡されたそれをどうしようかと迷う僕に、星華ねえは、
「嗅いで――ゆっくり眠って……」
そのことばに、反射的に僕の手が動いて、従ってしまった。
あっ、と思ったとき、僕はその薬を吸い込み、たちまち眠りに陥ってしまった。
子供の時のような、安らかな眠りに。
――翌朝。
目が覚めると、僕は星華ねえの姿を探した。
僕が眠っているあいだに、星華ねえがいなくなってしまっているのではないか、という思いに駆られたからだ。
――星華ねえは、僕の隣にいた。いてくれた。
「星華ねえ……」
旧家特有の古びた高い天井を見つめるように布団の中でみじろぎもせずにいる星華ねえに、
僕は思わず声を掛けた。
「何?」
すっと、星華ねえが横向きになって僕を見つめる。
「……い、いや。おはよう」
「おはよう」
星華ねえは、そのまま起き上がった。
衣擦れの音に、僕はなぜかどぎまぎとした。
「――山頂が、<封鎖>されています。おそらくはあやつか、と」
「夜明けを待って登ってみましたが、――霧で道に迷わされました。結界を張られています」
「……夜の闇の中ならともかく、朝になっても衰えぬとは予想外でした」
起きるとすぐに、吉岡さんたちが戻ってきて報告にきた。
吉岡さんの右隣に座る、長巻(ながまき)を持ったきりりとした感じの女性が小夜――双奈木小夜(ふたなぎ・さや)さんで、
左隣に座っている木刀を抱えた男の人が、有馬――有馬法胤(ありま・のりたね)さんだ。
どちらも、志津留の「郎党」の人たちだ。
三人は、昨晩から<挑戦者>の動向を探っていたらしい。
「今夜の一騎打ちに余人は入れぬつもりじゃな。それくらいは用意してきておるじゃろ」
位置は確かめられたのだがその場所にはいけない、という報告に、
婆さまが、さもありなん、といった表情になる。
「一族郎党でいっせいにかかれば、あるいは、と思いましたが……」
「無駄じゃ。死人が増えるだけよ」
あっさりと言い切った婆さまに、小夜さんと有馬さんが絶句し、ついで唇をかんだ。
郎党頭に迫る腕前で、強気なことで知られる二人が反論しないのは、
――山頂へのアタックの中で、<挑戦者>の実力を垣間見ただろうから。
「どうにも、向こうの思うようにしか動けんな。
もっとも、御山の主決めはつまるところ、そんな形の争いで当たり前なのだが。
――ご苦労。三人とも下がって休め」
お祖父さんはそう言った後、吉岡さんたちをねぎらった。
「いえ、我々は――」
「休んでおけ。どの道、夜まで何も出来ぬ。――わしらも、朝餉じゃ」
婆さまがそう言って手を振ると、三人は座敷を退出した。
入れ替わりに、お手伝いさんたちが朝ごはんを運んでくる。家族だけの、食事が始まった。
……こんな時なのに、僕はなんだかすごくお腹が空いていて、運ばれてきた御飯をぱくぱくと平らげた。
「よく入るね、二人とも……」
いつもはそこらの男子よりもよっぽど大食いな陽子は、緊張とショックであまり食べられない様子だ。
お祖父さんや、婆さまでさえも。
「そういや、そうだな……」
僕は首をかしげた。
お手伝いさんの作ってくれる料理は、たしかに美味しい。――旅館並みだ。
でも、普段、美月ねえが家族用に作ってくれるごはんは、もっと美味しい。
それなのに、いつもよりずっと食が進む。
というより、味うんぬんの前に、一族の大事を前に、
みな目の前のものを飲み込むのがやっと、と言う感じなのに、
僕だけは、何かに取り憑かれたかのような勢いでそれを片付けていった。
いや、僕のほかにもう一人。
「……ごちそうさま」
僕よりずっと上品にだけど、僕と同じか、それ以上の健啖ぶりを見せた星華ねえが箸を置く。
僕は、あわててお椀に残った御飯をかきこんだ。
陽子が、あきれたような表情で僕と星華ねえを交互に眺める。
当然かもしれない。
六人がそれぞれお代わりしても十分な量の御飯が入っているおひつは、
ほとんど僕と星華ねえだけで空になっていた。
「ご、ごちそうさま」
別に星華ねえにあわせる必要はないはずだけど、
なんとなく、そうするべきだという意識が働いて、僕は食事を終了した。
それは、正解だったようだ。
僕が箸を置くとすぐに、星華ねえは立ち上がった。
「……彰、病院に行こう」
「宍戸さんの、お見舞い?」
「うん」
「――行く」
立ち上がった僕らに、「危険だから外には出るな」という声がかかるか、と思ったけど、
お祖父さんも、婆さまも何も言わなかった。
僕たちは歯磨きや身支度をすばやく済ませて、僕らは車に乗り込んだ。
星華ねえは自分で運転しようとしたけど、郎党の小夜さんが運転手に入った。
「大丈夫なの? 疲れてない?」
御山を夜通し探索していて明け方戻ったばかりの小夜さんに、心配になった僕は聞いた。
「心配無用です。さっき、一時間ほど横になりました。……それに」
「それに?」
「……梅久の様子を見に行きたいのです」
「……」
「……」
車内に沈黙が落ちる。
小夜さんは、もとからの志津留の「郎党」ではない。
双奈木(ふたなぎ)という姓は、七篠の支族のひとつで、僕らのお祖母さんの実家の人だ。
七つの支族のうち、志津留が「四ノ弦(弓)」を現すのなら、双奈木は「二ノ薙刀」を現す支族。
小夜さんは、その直系の人間だった。
だから、本来、他の支族の元に出てくることはないのだけど、
向こうの家で何かがあったようで、双奈木から嫁いで来たお祖母さんのもとに身を寄せた。
はじめは客分ということだったけど、「修行のため」と自分から言い出して、今では志津留の郎党に加わっている。
最初にこっちに来た時は、ものすごくぴりぴりしていて、今もかなり恐い感じの女(ひと)だけど、
今日はいつもにまして、その雰囲気が強い。
もし触れたのならば、こちらの手が切れてしまいそうなくらいに。
宍戸さんは、心臓の脇を射抜かれて、今も意識が戻らない。
病院に話を通して――もともとが志津留家が自分たちや「郎党」の人たちのために資金を出して作った病院だ――、
治療室をガラス越しに覗ける部屋――そんなものまで用意されている――に通された。
「傷は深いですが、そちらのほうの施術は成功しております。ただ――霊障が……」
「<挑戦者>の力ですか?」
「いえ、……おそらくは、御山の力が悪い方向で流れ込んだかと」
「……治りますか?」
「今の段階では、なんとも……。七篠の<再生病院>にも連絡を取っております」
「……そこまでひどいのですか……」
きりきりと唇をかむ小夜さんと、院長先生との会話を、僕らは遠い音のように聞いた。
覚悟はしていたつもりだけど、あらためて目の前にすると、その現実はショックだった。
「……行こう」
身じろぎもしない宍戸さんと、院長先生を質問攻めにする小夜さんを黙って見つめていた星華ねえが、僕を促した。
僕らは、そこに小夜さんを残して、病院を退出した。
小夜さんは、僕らの運転手兼護衛のつもりで付いてきたのだけど、星華ねえが一言、
「宍戸さんの側にいてあげて……」
と言うだけで、びっくりするくらい大人しくそれに従った。
たぶん、他の人の説得だったら、小夜さんは頑として譲らずに「郎党」としての働きを優先させただろう。
――星華ねえのことばは、ときどきこんな魔法のような効果をあらわす。
「……小夜さん、宍戸さんのことが好きなんだね」
「そう」
「意外……でもないや」
刃のように鋭い美女と、能天気なスケベ魔人(お手伝いさんの女性陣から付けられたあだ名だ)は、
対照的で、でも、とてもいいコンビだった。
いっしょにお酒を飲みに行ったりすることもあるらしい。
――もっともたいていは、二軒目あたりで、宍戸さんが巫女さんバーとか、もっと「あやしい店」に入ろうとして、
小夜さんに往復ビンタもらって解散、ということが多いらしいけど。
「……」
「……」
そんなことと、意識不明の宍戸さんを交互に思い出して、僕らは無口になった。
駅前からバスに乗る。
病院には夜が明けてすぐ、まだ開院前に行ったから、バス停に下りたときでも辺りはまだ朝露でぬれていた。
僕らの足は、自然と牧場に向かった。
「……アオも<挑戦者>が連れて行っちゃったんだね」
牧場をさびしく歩きまわるシロを見て、僕は思わずそうつぶやいた。
「……」
星華ねえは、朝風に髪をなぶらせながら、じっとその様子を見つめていたけど、やがて口を開いた。
「……マサキが<挑戦者>に憑かれたのは、私のせいだ」
「そんな……そんなことはないよ」
「あの子は、私に憧れていた」
――そしてたぶん、嫉妬も、ということばを、僕は飲み込んだ。
憧れ、好意、感謝、尊敬、愛情。自分の無力感、嫉妬、そして、そこから生まれる――憎しみ。
マサキマキは、星華ねえに愛憎と言ってもいい感情を抱いているのは、一回会っただけでわかった。
<挑戦者>が、それを利用して彼女を寄代(よりしろ)にしたことも。
僕は、星華ねえにかけることばを失った。
無言のまま、馬場を離れる。
舗装されていない道を、踏み固められた土の感触を足の裏に感じながら歩く。
一歩、また一歩。
――星華ねえが、足を止めた。
――いつの間にか、僕らは麦畑に戻ってきていた。
「彰……。ここでキスしたこと、覚えてる?」
立ち止まった星華ねえが、つぶやいた。
どきん。
唐突な問いに、僕は心臓が飛び出すかと思った。
「お、覚えてるよ……」
忘れられるものではない。
「……よかった」
その横顔を、僕は呆然と眺めた。
「星華ねえ……」
「私、ずっと一人だった。――姉さんや、陽子はいるけど、世界の影の中では、私一人。
じっちゃでさえも、ばっちゃを亡くしてからは、私の世界を「見る」ことができなくなった。
だから、私は一人だった……」
そのことば――僕には、痛いほど分かる。
「血」が薄まり、「力」も弱まった一族の中にあって、僕らは「鬼っ子」だった。
この世ならざるものを「見る」能力が高くても、
本来ならば、当主やそれに次ぐ力を持った大人たちの中で育てば、その負担は軽い。
でも志津留には、最高のパートナーを失い急速に衰えたお祖父さんが、
なんとか当主の役割を果たしている以外、「力」を持った人間はいなかった。
僕の母さんでさえ、「血」は濃かったけど、「力」は弱かった。
だから――僕は、闇に、自分自身の力におびえた。
――そして、星華ねえも。
「彰に会ったとき、はじめて私は一人でなくなった」
「……星華ねえ……」
「だから、私は――」
星華ねえは、ことばにつまった。
それは、僕が知る限り、はじめてのことだった。
「だから……?」
僕は星華ねえを見つめた。
「……」
星華ねえは、僕から視線をそらした。
――それも、はじめてのことだった。
どんなときも冷静で、まっすぐ最短距離だけを進む女(ひと)が。
麦畑の真ん中の道で、はじめて見る弱々しい表情と、声。
「……今、とても、こわい」
「こわいって……」
「……今夜、御山で戦うことが――。
……志津留のヒメとして戦うことが――。
……マサキの姿をした、あの妖しと戦うことが――。
さっきの宍戸さんを見て、こわくなった……」
僕は、息を飲んだ。
目を伏せた星華ねえの身体は、小さく震えていた。
「――僕が行くよ! あいつは、僕に任せて」
それは、僕が今朝から考えていたことだった。
星華ねえは僕のことを守ると言ったけど、僕は、もう子供じゃない。
十分大人になった男で、そして、そういう男は、女を守るべきだ――好きな女(ひと)を。
雄としての原初の衝動が僕を突き動かす。
だけど、――星華ねえは、いやいやするように首を振った。
「だめ……それは、もっとだめ!」
「何でっ!? 僕は十分、あいつが見えていた!」
「でも、私ほどではない。――それに、私は<挑戦者>がこわいのじゃない」
「……え?」
「……今夜、宍戸さんよりももっとひどい怪我をしたら、彰のことが分からないまま死ぬ。
戦うことも死ぬことも、それ自体は何も恐くない。でも、私は、そのことがこわい……」
「……え……」
僕は、星華ねえの意外なことばに、僕は詰め寄りかけた身体を硬直させた。
「私は、彰の心が読めなくなってしまった。――ついこの間まで何でもわかったのに……」
僕を見つめる瞳の中の、おびえたような光。
それは、昨晩の僕の瞳にあったものと同じものにちがいなかった。
――僕は、ぎゅっと星華ねえを抱きしめた。
星華ねえが息を飲む。
「……彰……?」
「大好きだよ、星華ねえ……、大好きだよ、誰よりも、何よりも……」
突然のことに、時が止まったように動かずにいた星華ねえは、
――やがて、大きく深呼吸しはじめた。
ひとつ、ふたつ、みっつ。そして――。
「私も。――彰のことを、愛してる……」と、そう言った。
それが、星華ねえと僕が「恋人同士」になった瞬間だった。
僕は、その唇に、僕の唇を重ねた。
星華ねえは、目を閉じ、ちいさくうなずいてそれを受け入れた。
最初のときと同じ、誰もいない麦畑の真ん中で、僕らは生涯二度目のキスをした。
「ん……んっ……」
最初のキスとちがうのは、僕も星華ねえも大人になっていて、
キスも大人のものになっていたということだ。
僕は、星華ねえとしかキスしたことがなかったし、星華ねえも、そうだということも分かっていた。
それでも、成熟しつつある身体を持つ若者が唇を重ねれば、
今まで見聞きしたものや、雌雄の本能が十年前とちがうキスを選ばせる。
星華ねえの唇を割って、僕の舌が差し込まれた。
「んっ……ん…ふぅっ……」
星華ねえは、びっくりしたように目を見開いたけど、すぐに目を閉じ、
同じように、いや僕よりも情熱的にそれに応えた。
「ふわ……」
長い長い時間をかけたキスが終わり、唇を離すと、
溶け合った二人の唾液が、朝日の中できらきらとした糸になって二人の間をつないだ。
その光景に、どきりとする。
「僕もね、僕もこわかったんだ。突然、星華ねえが何を考えているのか、何を想っているのか、分からなくなって」
「彰……」
「――だって、今まで、家族として何でも分かりあえてた間柄だったんだもん。
びっくりしたり、不安になったりするよね……」
「彰……」
「でもそれは、星華ねえと僕が、ただの家族じゃなくなった証拠なんだって。
――星華ねえと僕が、きっと<男と女の仲>になったからだって……。
恋人同士になると、最初は、相手のことが分からなくなっちゃうんだって……」
僕は、昨日、陽子に教えてもらったことを自分なりにかみ砕いて話した。
それを聞いた星華ねえは――ほぅ、っと吐息をついた。
「それ……母さんから聞いたことがある……今までずっと忘れてた」
「うん」
話の出所は、同じだ。
「母さんが、父さんに恋をしたとき、父さんを男として愛し始めたとき、
やっぱり、父さんのことがわからなくなって、いつもどきどきしていたって――」
「星華ねえ……」
「私は、今、すごく、どきどきしている」
星華ねえは、一言一言を自分で確かめるように胸に手を当てながら言った。
「――私は,それを不安や恐怖だと思っていたけど、ちがうんだ……」
「星華ねえ……」
「もう一つ、思い出した。
――恋人は家族じゃないから、いつも相手に分かるように想いを伝えていかなきゃだめだって。
そうすれば、家族の中でずっと深い絆で結ばれる間柄になれるって……。
でも、私は、そういうことが苦手で……」
――そう。
家族の中で、夫と妻は、血縁以外の間柄で結ばれる。
その特別な関係は、やがて二人の間に子を為し、命をつないで行くもの――家族の一番の核。
だから、その二人の間には、他の家族とちがうものがある。
それは雄と雌の本能――今、僕たちが感じているもの。
僕らは、その絆をもっと深くしたくて……。
「お屋敷に戻ろう。――私は、彰と今すぐ夫婦になりたい」
「うん。僕も、星華ねえと夫婦になりたい」
二人は、自然と手をつないだ。
指を絡ませ、ぎゅっと握る。
お互いの温かさを感じると、もっともっとそれが欲しくなる。
とっ、とっ、とっ、とっ……
僕らは、どんどん握る手に力を込め、歩くスピードを速めた。
お屋敷に飛び込んだとき、僕らはほとんど全速力で走っていたといっていい。
「あっ、彰ちゃん……」
「星華ねえ……」
廊下で美月ねえと陽子にすれ違ったけど、顔を真っ赤にした僕らは、
ただいまの代わりに会釈するのもそこそこに、猛スピードで通過した。
――二人のびっくりしたような表情が、微笑に変わったのをちらっと見たような気がする。
突進した先は――「ばっちゃの機織小屋」、星華ねえの部屋だった。
ベッドに並んで腰掛けると、後は、もう流れるままだった。
抑えきれないような感情が、衝動のように後から後から湧き出して、僕らを突き動かす。
それは、死を身近に感じた人間が、種の保存の本能を刺激された結果かもしれない。
僕らは、<挑戦者>の警告と恣意のためだけに、あれだけの大怪我を負わされた宍戸さんの姿を見て、
「本当の標的である自分たちは、殺されるかもしれない」と確かに感じた。
だから、――明日がないのかもしれないのなら、お互いに好きな相手ともっと仲良くなってしまおう、と思った。
子供も、作れるのなら作ってしまおうと思った。
――そうとも言える。
でも、――それだけじゃない。
それがきっかけになって気づいた、お互いへの想いのほうがずっと大きかった。
そうだ。
僕は、星華ねえが好きだった。
星華ねえは、僕が好きだった。
それにたどりつくまで、昨日は、いや、今まで随分まわり道をしてしまったような気がする。
僕は、星華ねえの気持ちが分からなくて、
星華ねえは、僕の気持ちがわからなくて、
お互いがとまどっていたけど、――僕らは、結局あの麦畑の中で、お互い変わらずにいたんだ。
十年間も。
(誰かさんと誰かさんが麦畑……)
ふいに僕は、どこからか、声が聞こえてきたような錯覚を覚えた。
(こっそりキスした、いいじゃないか)
(私にゃいい人いないけど、いつかは誰かさんと、麦畑……)
その歌声は、僕の耳元で聞こえ――すうっと溶けていった。
――多分、「誰かさん」に、「いい人」が見つかったから。
自分の「いい人」が誰だか思い出した「誰かさん」は、その人と恋人になり、そして一気に「それ以上」になることを望んだ。
「んっ……ふあ……んくっ……」
三回目のキスは、今までで一番激しいものになった。
星華ねえの服に手をかけたとき、星華ねえは、あ、と小さく声を上げた。
その白磁の美貌には、わずかに朱がさしている。
昨日の晩、自分から脱いだときは――僕の気持ちが読めない焦燥感でそんな余裕がなかったけど、
今は羞恥を感じるだけの余裕がある――僕の想いがきちんと伝わっているから。
だから、それに呼応して、僕の下半身も昨日のような醜態を見せず、雄雄しくそそり立っていた。
目の前の愛しい女(ひと)の望むまま、抱き合いたいから。
痛いくらいに張り詰めた僕の男性器を見て、星華ねえの眼が見開かれる。
「……こんなになるものなの……?」
「星華ねえの前なら……」
「そう……うれしい」
星華ねえはささやいて、僕のそれに手を伸ばした。
ベッドに横向きになって添い寝しながら、星華ねえは、僕のおち×ちんをやさしく嬲った。
すべすべした手がなめらかに動く。
昨日は感じることができなかった快感に思わずうめく。
「気持ちいい、彰?」
「うん、すごく……」
「そう。男の子は、性器をこうするといいって聞いた」
「……そ、それって誰に教えてもらうの?」
僕は昨日から疑問に思っていたことを聞いてみた。
「ばっちゃと、母さん。あと美月ねえ」
……三人とも、たしかにそういう事を言いそうな女性だ。
「あと、ばっちゃの古い友達で、柳町でお店を何軒も持っている女の人がいて、その人からも聞いた」
……お祖母さん。あなた、どんなお友達を孫娘に紹介したのですか?
僕が複雑な表情をしていると、星華ねえは小首をかしげてことばを継ぎ足した。
「ばっちゃは、じっちゃが大好きだったから、男の人を悦ばせる方法をその人に教わったんだって」
「……」
「私も、彰を悦ばせたいから、色々聞いたんだけど……うまくいかなかった」
ああ、――なんだか、とても星華ねえらしいや。
僕はくすっと笑った。
「ありがとう。でも、そんなことしなくたって、星華ねえはキスしてくれるだけで、僕をこんなにできたよ」
「……そうなの?」
「そう!」
「……」
星華ねえは表情を崩していないけども、その耳は真っ赤になった。
めったに見れない、恥ずかしがっている星華ねえ。
その姿に、僕のおち×ちんはさらに大きく、堅くなった。
「あ……」
「星華ねえ、僕も、星華ねえの、さわってもいい?」
こくり、とうなずいた星華ねえの下半身に、僕は、どきどきしながら手を伸ばした。
「……」
「……あ……」
水っぽい小さな音が聞こえると同時に、僕の指先は、潤んだ粘膜に包まれた。
僕の想像よりもずっと柔らかい星華ねえのあそこは、びっくりするほどにしっとりと濡れていた。
「せ、星華ねえ……」
「……彰のことを考えると、いつも、こうなる」
星華ねえは、僕を見つめてそう言った。
「……」
絶句して見つめ返すと、頬を染めて視線を反らした。
「……今日は、さっき、麦畑でキスしてからずっと、こう……」
ささやくような声に、僕は心臓がさらにどきどきを増すのを感じた。
「あと、その……」
「何?」
口ごもった星華ねえに、僕は思わず聞きかえした。――星華ねえのことなら、なんでも知りたい。
「……彰のこと考えながら、――オナニーしたことも、ある」
「!!」
何事も隠さない星華ねえの告白に、僕は興奮の極みになった。
「せ、星華ねえっ……」
もう一度、キスしてから、僕は、身体をずらした。
首筋や、鎖骨。
なめらかな肌の上に、頬をこすり付けるようにして動いていって、胸のふくらみにたどり着く。
「……」
午前中の柔らかな光の中で、それは、大理石を切り出して作られた女神の彫像のように思えた。
その美を、僕は、僕のものにした。
星華ねえの胸元に、顔をうずめる。
透明な硬質感をもって見えたそれは、実際は弾力と柔らかさに満ちたものだった。
胸の谷間に顔を押し付けると、ミントのような匂いが僕の鼻腔をくすぐった。
――星華ねえの匂い。
星華ねえは、僕の頭をぎゅっと抱きかかえた。
乳房の感触と、香りを十分に楽しんだ僕は、星華ねえからゆっくり離れて起き上がった。
ごくりと唾を飲み込む僕が、次に何をしようかわかったのだろう。
星華ねえは、もっと身体をずらして星華ねえの下半身に近づこうとした僕をそっと制した。
「身体の向き、逆にして。――私も、彰のを見たい……」
一方的なクンニリングスではなく、お互いを愛撫するシックスナインのほうを星華ねえは選んだ。
僕は、さっきの倍くらい唾を飲み込んでうなずいた。
二人は、お互いに体重をかけなくて済むように、横向きのまま互いちがいの体勢で寝そべった。
間近で見る、星華ねえの性器。
それは、白い肌の中央で、薄桃色に染まっていた。
溶けそうなくらいに淡い翳りとなっている飾り毛とともに、
僕の心臓と脳みそを爆発させるほどに興奮に追い込む。
そおっと指をなぞらせると、くちゅ、とも、ぴちゅ、とも聞こえる小さな音を立てて、
それは中にたまった蜜をこぼした。
僕は、本能に駆られるようにしてそこに唇を寄せた。
「あっ……」
中の液体をすするように口付けした僕の行為に、星華ねえが思わず身じろぎする。
僕はかまわずに星華ねえのあそこを舐めはじめた。
女の子のあそこなんて、見るのも、舐めるのももちろん初めてだったけど、
僕は、僕の物になるように差し出されたそれを思い切りむさぼった。
そして、星華ねえも。
僕が星華ねえの女性器を愛撫し始めると同時に、星華ねえのほうも僕の性器を愛撫し始めていた。
口をあけて、僕のこわばりの先端を口に含む。
「んんっ……んくっ……」
緊張にと不安に萎えきっていた昨日と違って、今日の僕のは限界まで膨れ上がっている。
咥える星華ねえは苦しそうだったけど、やがてコツを覚えたのだろう、
愛撫はどんどんと滑らかなものになった
「んふっ、んぷっ……じゅっ、ちゅるっ……」
甘い鼻息と、唾液を使う音。
そして何より、星華ねえの舌と唇の感触。
しびれるような興奮が、僕の性器から始まって、心臓を通り、脳天に駆け上がっていく。
「せ、星華ねえ……ぼ、僕もう……」
「いくの……?」
「うん……」
「……どこに出したい?」
「え……?」
「どこでもいい。彰の出したいところを言って」
星華ねえの、静かな、でもこちらも興奮しきった声に、僕はそれだけで爆発しそうになる自分を必死に抑えた。
大きく深呼吸をして、答える。
「せ、星華ねえの、ここで、していい?」
僕の両手の指先で軽く触れているのは、星華ねえの性器。
僕は、ここに自分のおち×ちんを入れたいということで、つまりそれは――。
「いいわ。――私も最初は、彰とちゃんとしたセックスがしたかった。
彰の最初の精液を、私のここに欲しい」
……星華ねえは、僕以上にはっきりとことばにする。
星華ねえは、くるっと身体を入れ替えて、僕と向かい合った。
目の前に星華ねえの顔が戻ってきて、僕はどきりとした。
「私の腿の間に身体を入れて――そう。手はここに突いたほうがいい……はず」
僕の下で、星華ねえは体勢をいろいろと教えてくれた。
語尾がちょっと懐疑的なのは、星華ねえに教えてくれた人は経験豊富でも、星華ねえ自身には経験がないからだろう。
でも、僕も星華ねえも興奮しきっていたから、そんなことはどうでもよかった。
つぷ。
星華ねえの導くまま、僕のおち×ちんの先っぽは、星華ねえの中心の入り口に当たった。
「そう。……ゆっくり腰を沈めて……」
つる。
ちゅる。
ちゅくく……。
透明な蜜の海に僕の分身が沈み込んで行く。
「んくっ……」
星華ねえがわずかに眉をしかめてあえいだ。
「い、痛いの? 星華ねえっ?!」
今更ながら、星華ねえが処女だということを思い出した僕は、あわてて行為を中止しようとする。
「だ、大丈夫……だから、そのままでいてっ……」
語尾がかすれている。
星華ねえは、僕の想像以上の痛みを感じているようだった。
僕はおろおろとなりかけたけど、目を閉じて体内から感じる衝撃に耐えている星華ねえの顔を見て
――それはぴたりと止んだ。
今、星華ねえの耐えていることに対して何かできる人間は、僕一人だ。
僕に何かできることは――。
ぎゅっ。
僕は、星華ねえの手を、自分の手で握った。
全部の指を絡ませるようにして、星華ねえの手を、指を握り締める。
星華ねえが、驚いたように目を開けた。
「……」
「……」
そのまま、星華ねえは目を閉じた。
こくり。
目を閉じたままで小さくうなずく。
――それは、星華ねえの、機嫌がいい時のくせ。
星華ねえは、ぎゅうっと僕の手を握りしめた。
右手で。左手で。
「入ってきて、彰」
星華ねえは、僕に行為を続けるように促した。
僕は、愛しい女(ひと)の中に入り込む動きを再開した。
ぐぐっと潤んだ肉を押しのけて奥に入り込んでいくと、
星華ねえが僕の手を握り締める力が強くなる。
ぎゅううっ。
星華ねえは、指先が器用で、指の力も、とても強い。
指先が手の甲に食い込むように握り締められると、とても痛かったけど、
星華ねえは、それ以上の痛みに耐えていると思うと、我慢できた。
かわりにこちらは優しく握り返す。
やがて、星華ねえの指先から、すうっと力が抜けて、――僕は、星華ねえの一番深いところに達した。
とくん、とくん。
心臓から直接聞こえてくるような律動が僕の体全体に伝わる。
やわらかくて、すべすべしていて、あたたかくて、――僕は星華ねえの中心に入り込んでいた。
「……うわぁ……」
僕は思わずため息を漏らした。星華ねえも同じように吐息をつく。
愛しい人と一つになった実感を、僕らはしばらく微動だにせずに味わっていた。
やがて……
僕は、びくっと震えた。
「……」
「……どうしたの?」
情けないことに、僕は、――もう、いきそうだった。
星華ねえの柔らかな肉に包まれ、心臓の音とともにゆるやかにうねる律動に触れているだけで、
僕のおち×ちんは、限界寸前まできてしまった。
「……」
唇をかんで耐える僕の表情を見て、星華ねえが手を握っていたのを離す。
そして、その両手を僕の頭の後ろに回して抱き寄せた。
「いきそうなのね。――いいよ。いって」
「でも、星華ねえが……」
まだ絶頂に達してないのに、僕だけがいくことが、僕はすごく恥ずかしかった。
足に力を入れてぷるぷると震えながらそう答えると、星華ねえは下から僕の瞳を覗き込んだ。
「……男の子って、<射精を長く我慢すればそれがいいこと>って思うらしいけど、それ、ちがう」
「え……?」
「女は、相手に愛されてるというのが分かれば、それだけで一番気持ちいい。
――そして、私は彰に愛されてるって、十分感じてる。だから、今、私はすごく気持ちいいよ」
そういいながら、星華ねえは布団につっぱっている、僕の手を撫でた。
星華ねえが強く爪を立てたので、血がにじんでいる僕の手の甲を。
「――だから、今、彰が私の中に彰をくれるのが、一番嬉しい」
「……」
「今、彰の先端が、触れているところ……」
「え……」
「そこ、「精液溜め」。子宮に入れる精液を溜めておくところ。ここに、彰のを、欲しい。
私の子宮に、彰の精子を迎え入れるために……」
甘肉と粘膜の奥にある、生物学的な空間の名称が、限りなく卑猥で神聖なもののように聞こえた。
「せ、いか…ねえっ……!!」
「彰、キスして――」
唇を合わせると、僕は限界に達した。
どくどくと、びゅくびゅくと、ものすごい勢いで射精がはじまる。
星華ねえの一番奥に。
「うくっ……んぐうっ……!」
あまりの快感に、何か叫ぼうとした僕の唇は、星華ねえの唇で塞がれていたから、
僕の声は、星華ねえに吸い取られた。
「ふ、ふああっ……」
唇を離し、荒い息をつく。
はぁはぁと、何度も深呼吸すると、星華ねえも同じように深い息を何度もついていた。
目を閉じた星華ねえの頬は紅潮していて、――体は、ぷるぷると震えていた。さっきの僕のように。
「せ、星華ねえ……?」
「んく……ふう……ふううっ……」
何度も大きく深呼吸をした星華ねえが、ゆっくり目を開く。
その潤んだ瞳のあまりの美しさに、僕はどきっとした。
「……私、今、いった。体の奥に、彰の精子、もらって……」
星華ねえは、とろりとした目で僕を見つめた。
見たこともない星華ねえ――。でも僕はそれを昔から知っていたような気がする。
「……彰」
「え……?」
「ごめん。――もう、私、止まらないかも」
ゆっくりと身を起こした星華ねえは、まるで昨晩の<挑戦者>のよう、
――いや、その何倍も何十倍も妖しくて、美しかった。
雌として目覚めた、志津留のヒメ。
僕は、その姿に魅入られた。
星華ねえが、がばっと僕の上に覆いかぶさって押し倒れるまで呆けたようにそれを見続けた。
「彰、アキラ、あきら、あきらあきらあきら……」
星華ねえは、唇といい、頬といい、額といい、所かまわず僕にキスをしはじめた。
もどかしげにさまよう手が、僕の全身を愛撫する。
太ももがうねり、足がようにシーツの上を掻き、僕の足を探り当てると絡みつく。
星華ねえの、突然の変貌は、しかし、僕にとって不快なものではなかった。
それを待っていたかのように、僕の性器が前にもまして硬くそそり立つ。
「うああ……」
僕は上からのしかかる星華ねえに抱きつくと、同じように星華ねえをむさぼり始めた。
僕たちは、唇を、乳房を、太ももを、お尻を嘗め回し、かじりつき、性器をこすりつけた。
(これは、私の雄)
(これは、僕の雌)
互いに互いの所有印をつけながら、僕らは何度も交わった。後から後から欲望がわいて出てくる。
朝ものすごく食べた御飯がそのまま精力と体力に変わっているようだった。
いや、ようだった、ではなくてそのための本能的な準備だったのかもしれない。
最後は常に、星華ねえの胎内に射精する交わりは、それから半日もかけて何度も行なわれた。
「……子供、できたよ……」
目を閉じ、うなずいた星華ねえが、ベッドの上でつぶやいた。
あたりはもう夕日が差し込む時間になっていた。
獣のように激しく交わったベッドは乱れてしわくちゃになっていたけど、
その上に横たわり、下腹の上にそっと手を当てている星華ねえは、女神のように神聖で美しかった。
「……わ、わかるの?」
「わかる。――御山が、反応しているから」
それは、僕もさっきから感じていることだった。
まだ精子が卵子にもであっていないはずなのに、この交わりが生み出す子の存在を
お屋敷を下をはしる地脈は敏感に感じ取っていた。
「……この子のためにも、彰のためにも、負けない……」
目を開いた星華ねえは、自分に言い聞かせるように、大きくうなずいた。
「……」
僕は、決戦が今夜行なわれることを思い出した。
星華ねえは、麦畑のときとはまるで別人のような自信に満ち溢れた顔で起き上がった。
「星華ねえ……」
「大丈夫……」
星華ねえは、服を着ようと桐箪笥の前に行きかけ、立ち止まった。
そのまま引き返して、僕の前に来る。
「……やっぱり、少しだけ、不安。彰、ひとつ、おまじないをして」
「おまじない?」
「そう……」
「な、何を……」
「私が彰のものだって、彰が私のものだって、もう一回、印をつけて」
星華ねえは、ベッドに座っている僕の股間に顔を寄せた。
昨晩のように、口で僕のおち×ちんを愛撫する。
ちゅる、ちゅる、ちゅぱ……。
舌と唇で、自分のものである雄を奮い立たせる。
星華ねえのフェラチオに、今日、何度も精液を噴出したはずの僕の性器は、たちまち堅くなった。
「せ、星華ねえっ……!」
「いいよ、出して、彰。――私の顔にかけて……」
射精の寸前、軽く鈴口を吸った星華ねえの舌戯に、僕のおち×ちんは、激しく精液を噴き上げた。
びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ!
体のどこにそんな精液が残っていたのだろうか、
陰嚢の奥を空にする勢いで、僕は射精した。
すばやく唇を離した星華ねえは、それを自分の顔で受け止めた。
星華ねえの、綺麗な顔が、僕の精液で汚されていく。
女の人が、一番美しく装う、大切な顔が……。
「ああ……」
神聖なものを穢す背徳感――でも、それよりも、その神聖を僕だけのものにしている満足感に僕は震えた。
目を閉じ、僕の精液を受け入れる星華ねえも。
とろり、と白濁の粘液が星華ねえの頬を、額を、髪の毛さえも伝わって流れて行く。
「んん……」
唇の端を流れ落ちようとする精液を、星華ねえの舌が、舐め取った。
「……」
こくん、とそれを飲み込んだ星華ねえが、目を開く。
「……これで、私は、彰のもの。彰だけのもの。彰が印をつけたから」
「……」
「……だから、私は、負けない。絶対に、ここに、帰ってくる。――私は彰のものだから」
それは、僕のもとに戻ってくるという、星華ねえの固い誓いだった。
「星華ねえ……」
僕は立ち上がって着替えはじめた星華ねえの後姿をじっと見つめた。
脱ぎ捨てたズボンのポケットを探る。指先が小瓶と布を探り当てた。
朝、枕元にあったそれを、そこに突っ込んだときから、考えていたことがある。
星華ねえが後ろを向いている間に、その準備を整える時間もあった。
「……星華ねえ……」
「何……?」
「ごめん……」
振り向いた星華ねえの口元に、ハンカチを当てる。
昨日、僕を眠らせた<KURARA>を染みこませたハンカチを。
「――!?」
驚愕に見開いた星華ねえの瞳が、意識の光を失い、とじられていく。
崩れ落ちる身体をささえ、ベッドに横たわらせた僕は、急いで自分の身支度を整わせた。
――外敵と戦うのは、男の仕事だ。
愛しい女とわが子がいる男なら、なおさらのこと。
階段を下りて渡り廊下を進むと、母屋との境のところに陽子がいた。
「星華ねえを、頼めるかな?」
「まかせとけってっ! あたしがばっちり守っちゃりますよ、ダンナ!」
「どこの方言だ、それは?」
五分の<兄弟分>は、星華ねえを眠らせたことさえ、言わずに通じる間柄だ。
「ま、後のことは、この陽子マンが引き受けたから彰はどーんと行って来いってばっ!
あ、これ、<当主の大弓>。祖父ちゃんから無理やり分捕ってきた」
「……な、なかなかやるな」
「まーね。さっき廊下ですれ違ったときから、どー考えてもこうなるとしか思えなかったから」
くすくす笑う陽子に苦笑した僕は、大弓を受け取った。
今まで持ったことがない、志津留の力と権威の象徴は、しかし、今の僕には
気負いなく手にするものが出来るものだった。
――今の僕は、当主代行。次代の当主の父親だから。
靴を履いて、外に出る。
そこには、夜の帳が落ちかける空の下、白馬を引いた和服の女の人が立っていた。
「美月ねえ……」
「……シロがね、お手伝いしたいんだって……」
「……アオも取り戻さなきゃいけないもんね」
ぶるる、と顔を寄せたシロの頬をなでながら、僕はぎゅっと弓を握り締めた。
「……行ってきます」
「はい。……ご武運、お祈りします。星華も、今日さずかった赤ちゃんも、いっしょに祈ってくれるわ」
「うん!」
シロの上でうなずいた僕は、闇が落ちかけている山頂へと走り出した。
もう九月だけど、もうちょっとだけ続きますw
最後はちょっとかっこいい彰と、星華ねえのセックルシーンをもう一回書きたいからw
しかし、最後になったので一番長くなって出番も多い星華ねえですが、
最終的に産しマイの中で誰が一番人気なんだろう……?
それこそ無料掲示板でも借りてアンケートしてみたいw
産しマイってなんだよ、三姉妹だよ。
辞書機能が孕ませ系変換でおかしくなってるorz
こないだは「焼肉で孕みは注文しましたか?」という誤変換やっちゃったしw
うおおお彰かっけえ、そして星華ねえさんもかっこいいですw
一発ネタをくれたゲーパロさんに答えて
∩
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∧_∧ | | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ´Д`)// < すんません。孕み1つお願いします。
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__| | .| | __ アイヨー>
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>>166 神だ!しかもまだ続く!
毎回出てくる女性に転んでしまう。その例に漏れず次女が大外から一気にまくってきたぜw
>産しマイ
何の疑問もなく、わかっててやっているものだと納得してしまった。
PCが持ち主の嗜好を読んでいい感じにカスタマイズされてますなw
169 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/09(土) 20:39:14 ID:cXUsGsgM
>>166 GJ
>>産しマイ
「あね」と打って「義姉」と変換したり「はは」と打って「義母」と変換したり
「おとうと」と打って「ブラザー」と変換するIMEと同じようなモンか?
「焼肉で孕み」というもの(作品)を注文できるなら漏れもしたいw
>>166 ということで、GJ!なのですよ〜
>>169 一つだけ、登録しない限り有り得ない変換がありはしないか?
激GJ!
産しマイに全く違和感を覚えなかった香具師、挙手。
ノシシシ
素晴らしい誤変換ですな。俺は「六文銭」と打とうとしたら、「炉苦悶せん」と出た事があります。
炉モノはそんなに好きじゃないんだけどなぁ……
ともかく途轍もなくGJ!!です。
命懸けの戦いに赴く漢の背中ってカッコイイですよね。
抱かれても良い。
どうでも良いこだわりですが、俺は日本刀が大好きです。
剣と剣での斬り合いにどうしようもなく浪漫を感じるのです。
あのすらりとした、それでいて禍々しい刀身を見ると背筋がゾクゾクしてきてしまうのです。
あまつさえそれで一対一の斬り合いなんかされると勃ってきます。
だから! 次は! 日本刀を! 日本刀での! 戦いを! 描いて! ください!
よろしくお願いします。
>>172 ノ
おまいは和○伸宏か。
いや俺も日本刀大好きだが。本物欲しいなー。模擬刀じゃ満足でk
そんなおまいに、
俺の股間のマサムネをお見舞いしてヤルぜ
175 :
172:2006/09/09(土) 23:41:47 ID:Tkwl/1CJ
>>173 いや、俺は和月じゃないが、和月の漫画は大好きだよ。GBWも割と好き。
和月本人も言ってたけど、好きだという事は感性的に合うってコトだから、好きなモノや考えが似通うのは仕方ないんだそうだ。
だから、俺が好きな漫画家、例えば和月伸宏や水上悟志、内藤泰弘、広江礼威、久保ミツロウ、荒川弘、森山大輔といった方々と話をしたら、多分話が合う。
多分まだ読んだ事が無い作家の漫画で、ハマる漫画もあるだろう。そういった漫画家とも話が合うはずだ。
このエロパロ板のコテ職人さんたちの中にも、「この人の作品は全部好きだ。」と言える人も何人かいる。
そうした方々とも、必ずどこか似通った感性があるはずだ。
言ってみれば、この手のシチュスレも似通った感性の持ち主が集ってできた結果なワケだし、二次創作スレも「この元ネタになった作品が好き。」だという似通った感性の持ち主が集った結果だ。
だから、俺と
>>173が会って話をしたら、けっこう盛り上がるんじゃないかな。
>>172 まずゆっくり息を吸って吐いて、熱い風呂にでも入れ。
その後、湯冷めしないうちに布団に入って眠れ。
酔っぱらってるんだかなんだか知らんが、頭がはっきりしていないときに書き込みはするなよ、な?
>>172 ノシ
私も日本刀は好きだが、俺は一瞬でケリがつく
居 合 い 戦 がスキだなぁ。
なんつーか、斬り合うまでの思考の読みあいとか
をいっさい捨てて「この一撃にかける」っていう雰囲気が
スキだ
まぁつまり一撃で孕ませろ。っと
>>177 ゲーパロ氏はすべての相手を一晩でハラマセておりますが。
……一晩に何回もしてるから、あえて『一撃』とは言ワネ。
それにしても、相変わらず愛に溢れた子造りですな… 自分もこんなラブい子造りしてeeEeee!!!!
ゲーパロ専門氏毎回の事ながら乙です。
星華ねえかわいい!素直クールでしかも奉仕系淫乱属性もち。
最高です。もう一度場面があるのなら、また種付けにして欲しいところです。
>>172 ノシ
ゲーパロさんGJ!!!1!!
しかも、星華ねえ編がまだ続くなんて…
最高としか言いようがない…
アンケート
産しまい全員、好きです。
もうこうなったらハーレムルートしか…
氏の作品を読んで、俺屍を買ってきて始めてしまいました。
ソレぐらいファンです。影響されてます。
にしても星華ねえ、えろえろモードの星華ねえ、ハアハア・・・
二回目は最初から乱れ狂うのでしょうか。
楽しみです。
ゲーパロ氏SSで枯れ果てたぜ・・・
ゲーパロ氏GJ!
しかし再生病院の名前が出てくるとはw
さて次の投下はいつだろ
全裸でまってるからな
>>184 そうか、再生病院って以前投下されたアレか。すげぇ!
昔、テレビで28歳の姉をレイプして孕ませた20の弟の実話PVがあったな
あれとおなじ感じの話ない?
ゲーパロ氏GJ!
結局再生病院のお世話になることになった宍戸さんと治療のためとはいえ別の女性と交わった事に腹を立ててる小夜さんのドロドロとしたエッチシーンとか無いだろうか
え?句読点や改行が無くて読みづらいって?
まぁ、なんだ。1行で言うと、
ノ 俺にも孕み1つお願いします。
え? 焼肉のハラミって漢字で書くと孕みなんじゃねーの?
あれってもともと妊娠中の和牛の腹の肉が脂がのって美味いから
そういう名前がついたって聞いたんだけど…
と、ハラミは横隔膜のことだと知らない香具師がもしかしたら釣られるかもなー
とか期待しつつ見え透いたうそを書き込んでみるテスト
決戦に向かおうとする女性を無理やりレイプ→孕ませて、戦えなくしてから自分が代わりに決戦に向かう
なんて感じも良かったかなぁ、と思う俺はたぶん鬼畜
腹身
孕身
原美
195 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 21:54:45 ID:uR+f2+gu
>191
逆に臨月にも拘らず祖国の危機を救うべく、陣痛促進剤を打って強引に産んだ子供を恋人に託して死地に赴く女将軍とかも
陣痛促進剤って疾病新生児出産の元といわれてるな
母体も重篤になる可能性ありだし
いちかばちか、かよ
「ん、うーん、ここは・・・・」
私が目を覚ますとそこはベッドだった。体を起そうとするが、股から鈍い痛みが走って起せなかった。
ちょっと考えてみる。確か私は母様と一緒にバルツに呼ばれて・・・・
「!!」
そうだ、私達親娘はあの親子にいいように弄ばれたのだ。これは夢なんだと思いたいが股からの鈍痛からこれが現実なのだと痛感させられる。
「お気づきになられたようですね、姫」
不意にカイツの声がした。ぎしりとベットが軋む音がして彼が近づいてくる。
「嫌、やめて」
ささやかな抵抗はするが、体に力がはいらずあっけなく組み伏せられてしまう。
「あまり暴れない方がいい、力を抜け。」
そう言いつつ彼の顔が迫ってくる
「ん」
唇が奪われ、無遠慮に彼の舌が私の口内に入ってくる。このまま噛み千切ってやりたがったが、口にも思うように力がはいらずそのまま蹂躙される。
歯茎を優しく舌でなぞると、そのまま奥に舌を侵入させ私の舌に絡めてくる。
優しく舌の周りをなぞり、舌の先と先を絡める。ぽーとなる意識をなんとかとどめ私はぎゅっと目をつぶり腕に力をこめる事でそれを我慢した。
つつっと口角からあふれた涎がもれ、また溜まった唾液を静かに飲んでいく。
そんな口付けが終わると彼は私を押さえつけていた手を背に回し優しくきゅっと抱きしめた。
にっくき敵に抱きしめられているというのに、この時はなぜか悪い気はしなかった。
「起きてすぐとはがっつきすぎとは思うが、まぁいいか。クリス、悪いが二回戦目だ。」
そしてカイツは上体を起し、私がカイツに抱きついているかのような姿勢になる。
そのままもぞもぞと腰を動かし、熱い杭をまた私ところに突っ込んでくる。
「嫌っ、痛っ、やめてぇ」
「少しは濡れているんだ、ちょっとは我慢しろ。しかし、やはりまだきついな。」
「あ、かはぁ」
ずんと私を下に押し付けるかのような力が入る、一瞬鋭い痛みが走った後はじんじんとした熱い鈍痛と腹部の圧迫感が残った。
「大丈夫だ、力任せには動かん」
はぁはぁと肩で息をする私をなだめる様に背中を優しくぽんぽんと叩き、さする。
私は彼の肩に頭を預け、声を殺して静かに泣いた。
「泣くな」
体をゆっくりと優しくベッドに倒し、私の顔に優しいキスを何度も落とす。
「ぁぁ・・・」
首筋や耳たぶを少し強く吸い、その痕に優しく舌を這わせる。その感触が体に伝わる度背筋からぞくぞくした快感が走る。
「ん・・・・ちゅっ、ぷっ、はぁ・・・ん」
彼の舌が私の口腔内をなぞり、私の舌に絡め、彼の唾液と私の唾液が混ざる。
彼と私の混ざったのが溢れてきたのでこくんと飲み込む。気が付けば私も彼の舌に自分のを積極的に絡め、味わっていた。
ぷはぁと息苦しくなってお互いの唇を離すとツーッと銀色の糸が伸び、プツッと切れた。
「もう好きにしてぇ・・・」
「なぁクリス」
もう抵抗するのは止め様と、このまま流されてしまおうと完全に彼に身を預けると彼から話しかけてきた。
「俺の子を・・・いや、どっちにしろ俺の子は孕んでもらうのだが、産まれた時きちんとその子を愛してやってくれないか?」
何を言っているか一瞬わからなくなったが、カイツがまた強く私を貫き強い快感が頭までびりびりときた為、逆に思考がクリアになった。
「ふわ、何の事ですか。」
「俺にはもう死んでしまったが異母妹がいてね、その母が君の母上の様に無理やり親父にやられちまって。
どうやらそれで自分の子どもに愛情を注げなかったみたいで妹は大分寂しい思いをしていたさ、傍目からみて不憫だった。」
「だからって、そんな、勝手な事を」
「産まれてくる子どもは親の事情は知らないだろう、子どもに罪はないさ。勝手な事を言っているとは思うが、納得してくれ。」
カイツはゆっくりと私のお腹を掻き回す様に腰を動かす。じわりじわりと気持ちの良い波が体を昇っていく。
「大丈夫、その分不自由はさせない。大事にするよ。」
チュッチュッと小鳥の様なキスが何度も降ってくる、私はぎゅうっと彼を抱きしめる。
ずんずんと、もっと奥に奥にと突かれる。あぁまた意識が真っ白に。
「ん、出るぞ」
「ぁああぁ、ん!!」
今度ははっきりと感じた、ドピュッと熱くて勢いのあるあの粘っこいのが中に出されたのを。
「・・・・あなただけの物になれ、ということですか。」
「言えた義理じゃないけどな、でも幸せにする様に努力はするし、それに」
「何ですか?」
「俺もお前だけの物になるさ」
そう言って私達はまた、深いキスをしまた絡み合う。
すいません、お母様。私はもう堕ちていきます、許して下さい。
でも出来るなら、お母様。一緒に親娘仲良くお腹の子ども達について語らいたいものですね。
産まれてくるのは男の子かな、女の子かな・・・。
一月ぶりで申し訳ないのですが、なんとか書き終えたのでUPします。
ああ、もうちょっと文章力あげたいなぁ。
GJ
お母様のその後が気になる
>199
ずっと続き待ってたよ、GJ!
俺もお母様とアリシアとレア将軍のその後が気になるんで続編プリーズ
ゲーパロさんのお話も良いし亡国の…人のもイイ。
なんだろう、この寿司と焼肉を同時に食べるような幸福感は。
星華編の続きwkwkしながらお待ち申し上げております。
亡国の…人も書き終わりなどとおっしゃらず、どうか続きを…
(堕ちるだとか言っといて、紆余曲折しつつ若い二人が打ち解けるとなお幸せ。
今回のも何気に王子様、自軍が城を占領した日から姫に惚れてて、親のがきっかけで勢いでやっちゃった、なんて話だったとしたらなお萌え)
そして、保管庫の人も毎度GJ
亡国続きを待ってました!俺も将軍がどうなったか気になる
>189
釣られてしまったので私にも孕み一つください
>205
ゲーパロ氏を孕ませたいです
ゲーパロさんを孕ませるとSSが生まれるんですね?
204 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/11(月) 14:18:45 ID:ClaZBjjY
>189
釣られてしまったので私にも孕み一つください
205 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/09/11(月) 15:23:42 ID:KT0tQGPQ
>>204よしじゃあ誰のが良いか指名しなさい
残念ながら孕むのは
>>204 あ な た だ ! !
しょうがない、今回だけゲーパロ氏を孕ませてきなさい ゲーパロ氏ハァハァ
ゲーパロ先生…
文才を分けてくだちい…
205「わかりました。ではすぐに準備しましょう」
205はそう言うと指を高く鳴らした。
コツ・・コツ・・と聞こえるハイヒールのような足音。おぼろげだった人の影がはっきりとしてきた。
ただ「美しい」と思った。女神も言葉を失うであろう艶姿。真っ赤な服がよく似合っている。
どこか悲しそうな表情も高ぶる感情のために淫惚に見える。自分は今から氏を孕ませるのだ。
205「リクエストのとおり氏です。排卵誘発剤を飲ませてありますのでたっぷりと注ぎ込んでください。
それでは孕み一つ。ごゆっくりと堪能くださいませ」
204は驚愕した。まさかこんなことが本当に。驚きながらもその股間には熱くたぎる肉b
ごめんムリ
僕は逃げていた。怖くて怖くて、懸命に走っていた。
でも、決して逃げられないんだってなんとなくわかってた。
周りのものすべてが怖かった。
草も木も虫も動物も、人も地面も星も月も太陽もとても、脆くて壊れやすいものだって知ってしまったから。
だからすべてが怖かった。
そんな時、僕は彼女に出会った。
彼女が大丈夫だよって言って僕の手を握ってくれた。
その暖かさは今でも決して薄れることなく残ってる。
「ご主人?大丈夫ですか?」
目を開けると、可愛らしい顔立ちの女の子が見えた。心配そうに僕の顔を見ている。
「うん、大丈夫だよ」
僕はそんなに大丈夫じゃなさそうなのだろうか?まあ、今更あの頃の夢を見るくらいだから大丈夫ではないか。
「そうですか、ならいいんですが・・・もうご飯できてますから急いでくださいね」
そう言って彼女は黒髪のショートカットをなびかせながら部屋から出て行く。彼女を拾ってから一年半か、今じゃすっかり保
護者だ。本来なら僕が親代わりなのだが、我ながら情けない。
「ご主人、何かあったんですか?」
朝食の席でもそんなことを聞かれた。やっぱり僕は相当沈んだ顔をしているらしい。
「ん、ちょっと昔の夢を見てね」
「昔、ですか?」
彼女、真央という名前は僕が付けた、は本来耳があるべき場所の上にある猫耳をぴこぴこと動かしながら聞いてくる。
彼女は猫の妖怪(正式な種類は忘れた)なのでそれがあること自体はおかしくないのだが、隠せるのに隠さないところはおか
しいと思う。
彼女曰く、こっちのが楽らしいが耳と尻尾以外は人間というのがどうも不自然な感じがするのだ。まあもういい加減慣れたけど。
「うん、真央に会う前っていうよりはずっと前の夢。わかりやすくいうと、僕がまだ『呪いの児』だったとき」
「はあ、あんなにうなされるほど酷かったんですか?」
「いや、周りはそんなあからさまな迫害はしなかったけどね、関わりたくなかったんだろ、僕が怖かったのはみんな壊れてしま
うんじゃないかってことだったな」
言いながら僕は自分の左手を見る。意味不明な記号がびっしりと書かれたフィンガーレスグローブをはめた手は見た目には普
通の手と何ら変わらない、その危険性を押し隠すように。
「実は、私も今朝は昔の夢を見たんですよ」
「へえ、そうなの?」
「ええ、楽しい夢ではなかったのが残念でしたけどね」
彼女の口調は明るいが、その目は悲しそうだった。
「朝から湿っぽい話して悪いね、ごちそうさま、行ってくるよ」
僕は学生鞄を手にとって玄関へ向かった。
真央の元気な声を聞きながら靴を履いていると、いつもより少し広く見える土間が寂しかった。
「よう、死にそうな顔だな北見」
クラスメイトの鈴原良平君18歳にまで言われるあたりよほど重症らしい。
「そう見えるなら労ってくれよ」
「おお?天下の北見清孝ともあろうお方がずいぶん弱気だな」
良平はそこで言葉を区切ると、トーンを落として
「姐さんのことか?」
直球勝負に出やがった。
「まあな、今日で四日だから心配にもなるさ」
僕も直球で返すことにした。それにしても、アネサンはよせっていってるのに。
「なるほどね、でもまあ姐さんがお前連れて行かなかったんだからそうやばい仕事じゃないんだろ」
「よくわかるな、そんなこと」
「姐さんはその辺の判断はできるしお前のこと信頼しきってるからな、やばいと思ったらお前連れてくさ。心配しすぎだ」
確かに四日くらい会えないだけであんな夢見るほど精神が不安定になるのは心配性か。
「ん、そうだな」
帰ってこないわけじゃないんだから、気長に待てばいいよな。
気長に、と思った矢先に彼女は帰ってきた。というより僕が学校から帰るとすでに家にいた。
「ようおかえり、それとただいま、清孝」
その人は居間で横になっていた。まるで四日ぶりということを意識していないように。いや事実意識していないのだろう。
数年間一緒にいても、彼女のこういうところにはいつも驚いてしまう。
「どうした?まるで白痴だぞ」
切れ長の目は訝しげに細められているが、それでもその顔は客観的に見ても整っていると思う。いつもはひっつめている髪
を下ろしているのが浅葱色の着物と不気味なほど合っているせいで、完成された人形を見ているような気分だった。
彼女は立ち上がり歩いてきて僕の前に立った。女性にしては背が高いので目線は僕と変わらない。彼女は右手を上げると、
いきなり僕の横っ面を引っ叩いた。
「いっっっ!な?」
あまりのことに僕が狼狽していると彼女は僕を睨んで
「私がただいまと言ってるんだ、何か言うことがあるだろう?」
低い声でそんなことを言ってきた。姐さんの呼び名がよく似合うよ、全く。
「おかえり、泪(るい)さん」
自分でも驚く程優しい声が出た。泪さんはそれを聞くと、とても綺麗な笑顔になってその顔を僕の顔に近づけて
「んっ・・・」
優しく、でも熱いキスをした。ぼくはその柔らかい唇を味わいながら無駄な肉の無い、それでいて柔らかい体を抱きしめた。
「んむっふぅ・・・はぁふっ」
いつしかそれは甘いキスからお互いを貪るだけのものになっていた。
「ぷはっ」
長い間息ができなかったせいで呼吸を乱している泪さんがいつもより三割り増しで色っぽく見えた。
「ふふっ若いな」
多分泪さんは彼女のお腹に当たっている物体のことを言っているのだろう。こう密着していると彼女の豊かな乳房が僕の胸
に当たって、しかもあんなキスをした後ということもあって僕のモノはもうすっかり戦闘体勢だった。
いっそこのまま押し倒してしまおうかと思ったけど彼女の言葉でそれは抑えられた。
「それは夜までとっておいてくれ。腹が空いていてね、久々にキミや真央と食事できるものだから、正直夕飯が楽しみなんだ」
確かに仕事を終えた直後の泪さんは凄いからな、僕も栄養をつけとこう。
「に、しても」
「ん?」
「いきなりビンタはないですよ、結構マジだったでしょ?」
「ああ、すまない。手加減したんだがな、私が本気だったらキミがたってられるはず無いだろう?」
こんな人が保護者かと思うと僕の人生は波乱に満ち溢れているものだと実感させられる。
夕食は当然賑やかなものになった。ほとんど喋っているのは泪さんで僕と真央はもっぱら聞き役に回っているが。
「いや、余計なやつが来たもんで無駄に疲れたよ」
「新米さんでもいらしたんですか?」
「いや天原の若造はいたがさすがに天原だな、大したものだった。問題はうちの時期頭首だ、何故あいつを呼んだんだか」
「若造って、泪様も人のこと言えないじゃないですか。まだ22でしょ?」
天原というのは闇払いの家系のことで、碇、架神、天原、九浄の四家は四大退魔と呼ばれる名家だ。
ちなみにうちとは九浄の家のことで、泪さんはそこの前頭首の姪の娘らしい。そんなわけで彼女の仕事とは化物退治だ。僕も
たまに手伝うが、中々危険なこともある。特に僕は左手以外は普通の人間なので死に掛けることもあったりする。正直しんどい。
まあ、その仕事が無ければ泪さんが僕を引き取ることは無かっただろうことを考えればそう恨んじゃいないが。
「いや、かなりストレスが溜まっていたんだろうな、おかげでせっかくの昼寝だというのに妙な夢を見た」
仕事自体は楽なものだったらしいが、泪さんは九浄の次期頭首という人が余程嫌いなのだろう。仕事そのものより人間関係
のほうが疲れるものなのか、と僕は一つ学んだ。
「ふうっ、やはり我が家はいいものだな」
泪さんは自室の布団に倒れこんで幸せそうに呟いた。この家は純和風の造りなのでベッドはない、皆布団で寝てる。
風呂上りに着物なんて、暑くないのだろうか。僕としては色っぽいので大歓迎だが。
「畳の上じゃ足が痛いだろう、はやくこっちに来たらどうだ?」
彼女が自分の布団に寝ころがっているのを見ているわけだから、当然僕も彼女の部屋にいる。今更照れるような仲ではないの
だが、なんとなく畳の上に座っていたが、そう言うのなら据え膳なんちゃらというやつだ。遠慮なく。
「わっちょ・・・っと待てって」
僕がいきなり抱きついて押し倒したものだから慌ててる。これは儲けものだ。こんな泪さんは滅多に見れない。
「やれやれ、しょうがないな。少し落ち着いてくれ」
もう持ち直したか、残念。
「いい匂いがするね」
「風呂上りだからな」
「そういう意味じゃないって」
会話はもう十分だ。僕は泪さんの首筋に舌を這わせた。
「んっ・・・んん」
久しぶりだからか、元から感じやすい泪さんはそれだけで声を上げていた。僕は彼女の着物前を開いて首筋に這わせていた舌を
露になった豊かな胸に移動させていった。
「あぁっ!」
乳首を舐めてあげると泪さんは声を上げて体を震わせた。そのまま丹念に乳首の愛撫を続けた。
「ふうっふぅぅ、ゃっあぁん」
乗ってきた所で乳首を甘噛みすると泪さんの体が跳ねた。
「くふぅうぅぅっ!!」
「もうイっちゃったんだ、最短記録じゃない?」
「ばっ!馬鹿!何を言ってるんだ」
顔を真っ赤にして起こる泪さんが可愛くてしょうがない。
彼女ははだけた着物を完全に脱ぎ去るとショーツだけになった。
「さて、次は私の番だな」
小悪魔的な笑みを浮かべて僕のズボンに手をかけると、チャックを下ろして夕方のキスの時より怒張したペニスを引き出して口
に含んだ。
「うっ・・・」
この快感には何度やっても慣れることが無い。泪さんはそれを口に含んだまま殺人的な胸で挟み込んだ。俗に言うパイズリとい
うやつか。
先端を舐めながら棒を胸でしごき上げる快感に僕はもう達してしまいそうだった。
「るっ、泪さん、もう、いっ」
「もうイっちゃうのか?」
さっきの仕返しか、大人気ない。
「うん、もう・・・やばい」
「ん、しょうがないな。中で出す分は残しておけよ」
「え?なか?」
その先を考える意志は快感に流されてしまった。
「うぅっ!」
あっけなく僕は彼女の口の中で達してしまった。
「んぐっ・・・ぇっ」
予想以上の勢いだったのか、泪さんはケホケホと咳き込んでしまった。
「ごめんっ、大丈夫?」
「キミも、ご無沙汰だったのか・・・」
「は?」
「いや、てっきり真央を美味しく頂いてるものかと」
この人は僕をどんな目で見てるんだ。しかし反論しようとした口は泪さんの唇に塞がれてしまった。
泪さんはそのまま僕を押し倒して馬乗りになってきた。唇を離して下着を取り去るとすでに濡れて光った陰部が見えた。
「ふふふ、本番開始だ」
そう呟いたとき彼女が天使か女神か、まあとにかく神々しさを纏ったものに見えた。
でも、彼女が腰を下ろして僕と繋がったときには彼女はそんな遠い存在じゃなくて、今確かにここにいる僕の大好きな泪さんだって
思い直した。
「くふぅっ・・・凄いな、一度出した後とは思えん」
「若いですから」
多分若さうんぬんより目の前の女性が硬くなってる原因なんだが、そんなことは教えてあげない。
「う、動くよ。清孝」
そう言って泪さんはゆっくりと腰を上下に動かし始めた。
鍛えているせいか、あいかわらずきつくて熱い。だんだんと加速していく彼女に併せて僕も腰を突き上げる。
「ぅあぁっ!あぅっあうぅ!」
きゅうきゅうと締め上げてくる快感に耐え切れずにまたイってしまいそうになった。
「るイさ、んっ・・・もう」
僕がそのことを告げると、彼女は動きを止めて僕の耳元で囁いた。
「いいよ、中で出して」
「えっ?中って?」
そういえばさっきもそんなことを言ってたような。でも中ってことはつまり・・・
「私は、清孝の児を産みたい」
「そんな、いきなり・・・」
「いきなりじゃないさ、私はずっとそう思っていた。キミが私を愛していると言ってくれたときから、ずっとだ。」
「泪さん・・・」
「それに今なら、妊娠、卒業、結婚、出産と順序がいいぞ」
最後のは照れ隠しだろう。でも、そういうことなら僕だって・・・
「そう、だね。どうせ一生一緒にいるんだ。少しくらい早く子供ができたって大した問題じゃない」
そう言って僕はぴったり重なった泪さんの体抱きしめた。
「ありがとう、清孝」
彼女の目から零れた涙がどんな感情からきたものかなんて聞くまでも無かった。だって、きっと僕と同じ気持ちだろうから。
それからの僕らの行為はセックスというよりはもっと純粋な生殖だった。
「んぁっあぁっふっふぁ」
泪さんは僕の上で懸命に腰を振っている。僕もその動くにあわせて腰を突き上げる。
「イ、イクよ!泪さん!」
「き・・・てぇっきょぅた、かぁっ」
その言葉が引き金だった。僕は彼女の一番奥に熱い精を放った。
「あぅううぅううぅぅぅぅうぅぅぅっっっっ!!!」
悲鳴に近い声を上げて泪さんは僕に倒れこんできた。僕のペニスはきゅうきゅうと締めてくる彼女の膣の動きに併せてまだどくど
くと彼女の中に精液を出し続けている。
「凄いよ、清孝」
荒い息遣いで彼女は満足そうにそう言った。だけど、まだまだ終わりじゃない。僕はくるりと体を回して彼女を下にした。
予想していたのか、泪さんは驚くこともなく微笑んでいた。僕はその笑顔に吸い込まれるように顔を近づけて、今までで一番
優しいキスをした。
勢いだけでやっちまった・・・
起こられなければ続きもやらせていただきます
世界の皆さん、ごめんなさい
続きがないと怒ります。
謝れ。地球に謝れっ!
いや、なんとなく「ごめんなさい」って言葉に反応してしまう自分・・・
ともかくGJ!
>>217 俺のマグナムがビン!ビン!だZE!
年上女性も獣耳娘も俺のツボだ!
むしろ続き書いてくれなきゃ怒るよ?
221 :
217:2006/09/11(月) 23:46:26 ID:pec7Djdf
皆さん感謝!
明日か明後日に再来します。
今夜俺にゲーパロの神様が舞い降りますように・・・
ち、ちんちんが痛いよ。
217もゲーパロ氏を孕ませる気だ!!
>>217氏
内容は素晴らしいんだが、改行にはもう少し気を使ってくれると嬉しい。
一行が長すぎるときがある。
とはいえ、次回もwktkでお待ちしております。
GJです!年上の姐御が子種強請り。最高です。
猫耳もこの調子でハラマシテいただけると嬉しいです。
うはww
超GJ!!これかなりツボだわww
続きないと孕ませちゃうぞ!w
キャラ名から初代スレに投下されてた神SSを思い出した
>>227 でも本人じゃないっぽいな
こっちの人も嫌いじゃないけど
229 :
泪編・中:2006/09/14(木) 00:25:20 ID:T6G+v60x
注:エロなしです、頭の悪い設定が多数含まれています。
世界の理から外れたものがいる。
世界と繋がり、奇跡を起こす『術』とはまた違う概念の能力を持つもの。
彼らは『超越者』と、そう呼ばれた。
古来より彼らは特別視され、中には神や悪魔として崇められた者さえいる。
だが、結局人々彼らに抱く感情は恐怖なのだ。崇拝などというのは恐怖の裏返しに過ぎない。
明らかに自らより強く、自らと違うものを恐れるのは全生物共通のことだ。
だから、彼が恐れられたのも決して周りの人間が悪かったわけではない。むしろ架rをくびり
殺なかっただけまだ人道的だったのかもしれない。ただ、運が悪かっただけなのだ。
もし彼らにもう少し超常現象に対する経験があったなら、もし彼の能力がもう少し直接的な
脅威でなかったなら彼が『呪いの児』と呼ばれ、畏怖され、忌み嫌われることはなかったかも
しれない。
しかし彼の幼少期は最悪ではなかった。両親は彼を愛していたし、彼は早くから感情を抑える
術を身に付けていたため特に問題を起こすことも無く、村民とも折り合いを付けて過ごせていた。
あくまで、客観的に見れば。
愛があれば他には何も要らないという者がいる。
愛があれば年齢も性別も国境も、種族の差さえ障害にはならないというもの。
彼ら自身にとってみればそんものは何の障害にもならない。
事実彼女は彼のことを愛していたし、彼もまた彼女のことを愛していた。
しかし、周りから見ればそれは異常なことだった。自分らに仇なすものを愛するなど彼ら
には許せなかった。彼らにとってみればそれは虎と獅子が愛し合っているようなものだった。
もとから争いあうもの同士だ、それをきっかけ にして彼が殺されてしまったのも致し方ない
ことなのかもしれない。
彼と彼女の子が生かされたのは、偏に彼女の地位の恩恵だろう。ただ、運がよかっただけなのだ。
彼女はそれきり塞ぎこみ、日に日にやつれていったが、それでもその子がなんとか一人でも生きて
いけるようになるまではこの世に踏みとどまっていた。
彼女が彼の許へ逝ってしまっても、その子の幼少期は最低ではなかった。彼女の地位のせいもあっ
て、その子の生活は不自由なかったし、その子は早熟で、自分を殺すことを人より3年は早く学んで
いたため揉め事を起こすこともなく、平穏に暮らしていた。
それも、客観的に見ればだが。
230 :
泪編・中:2006/09/14(木) 00:29:37 ID:T6G+v60x
目を覚ました時はもう日が高く昇っていた。やはり昨夜は張り切りすぎたようだ、学校は、まあ
今日はいいや。
それにしても昨日ならともかく、今日まで昔の夢を見るとは何事か。
―――私を愛しているといってくれたときから、ずっとだ―――
あの台詞のせいということにしよう。彼女と一緒に寝たのだから美しい思い出の夢を見たということ
にしよう。ただ、そこまでのプロセスが長すぎて肝心なところにいく前に目が覚めてしまったのだ。
しかし、そんな楽観的な考えは泪さんの声であっけなく打ち砕かれた。
僕の隣で眠る彼女の声は微笑ましい寝言などではない、苦痛にくぐもった呻き声だ。
「泪さん!?」
冷静に考えれば慌てるほどのことではないのだろうが、泪さんが苦しんでいる時に発揮されるような
冷静さは僕は持ち合わせちゃいない。少々強引に彼女の体を揺すると泪さんは目を覚ました。
「ぁ、清・・・孝?」
「はい、僕ですよ」
まだぼう、としている彼女の質問に律儀に答える。
「ん、すまない。少し夢見が悪くてね」
完全に目覚めた顔が沈んで見えるのは気のせいじゃないだろう。
「もう十時過ぎか、真央はどうしたんだ?」
彼女があくまでいつも通りに振舞うので、僕もそれにあわせる。
「起こしにはきませんでしたけど、僕らの飯は作ってくれてると思いますよ。あいつ勘がいいから。
昨晩も散歩に行ってたみたいだし」
まあ真央が夜中に散歩に出るのは珍しいことじゃないが。その時は完全に猫の姿なのでお巡りさ
んやチンピラを気にせずに散歩できるらしい。
「そうか、じゃあシャワー浴びて食事にしようか。一緒に入るか?」
僕の学校についてはスルーらしい。どうでもいいが。
「遠慮しときます。そんなことしたら体に無理させすぎることになりそうなんで」
「なるほど、そういう趣味もあったわけだ。それなら先に行ってくれ。まだ目が覚めていないんでな」
そういう趣味『も』、って人を変態みたいに言わないでほしい。というか風呂で・・・なんてのは
普通の範囲内だと思うんだが。後でじっくり話し合おう。
風呂から上がってパンツを履いて手袋を手に取る。僕がこの手袋を外すのは風呂に入るときと手を
洗うときだけだ。昨日のHのときでさえはめていたくらいだから、寝る時も外さない。昔の夢を見たせ
いか、しばらく手袋を見つめてしまった。
「何してんだ、僕は?」
独り言を言って手袋をはめた。どんな素材を使ってるのか、子供の頃からフィット感がかわることは
ない。
ダイニングに行くと、予想通り食事が用意されていた。用意されていたのはいいが、何故に赤飯なの
だろう。まあとにかくこれと台所の味噌汁を暖めれば食事の用意は完了だ。普段料理をしないだけに電
子レンジの有難みがわかる。感謝の方向が少し違う気がするがどうでもいいだろう。感謝されるべき本
人もでかけていることだし。
食事の準備をしていると泪さんが風呂から上がってきた。今はいつもどおり色の薄い髪をひっつめに
結んでいる。テーブルの上の赤飯を見ると眉間に皺を寄せていたが、苦手なのだろうか。
231 :
泪編・中:2006/09/14(木) 00:31:04 ID:T6G+v60x
食事の後片付けをしていると買い物袋を両手にぶら下げた真央が帰ってきた。さすがに外に出る時は
猫耳は隠している。
「あ、おはようございます!ご主人」
「おかえり。すごい買い物だね、どうしたの?」
買い物袋を半分持ちながら聞く。二人でも大変だが、泪さんは奥で電話をかけている。昨日までの仕
事の後始末らしい。
「いえいえ、つい機嫌がよくて買いすぎてしまったんですよ。いや〜大変でした」
機嫌がいいと買いすぎるのか、これからは買い物に出る前は機嫌を損ねてもらおう。
彼女の持つ買い物袋を見るとスーパーの物だけではなく本屋のものもあった。真央って本読むんだっ
たか。不思議に思ってよく見ると『ぴよぴよ倶楽部』という文字が見えた気がした。疲れてるな、いか
んいかん。
「よくこんな重いの持ってこれたな、真央って意外と力持ち?」
「ああ、実はですね。門のところまで良平さんに手伝ってもらったんですよ。本屋さんでお会いしたので
その後の買い物も手伝ってもらいました」
なるほど、便利なやつだ。何故学校があるのに奴が本屋なぞにいるのかは僕をみればわかるだろう。
遅めの昼食を終えた夕方、僕は庭で修行をしていた。街に出かけないところが良平との差だ。
精神を集中させて、世界と繋がる。自分と周りの空間が溶け合うイメージ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
集中集中。溶け合うイメージを大切に。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・?」
何故か今日はいつもと違う感じがする。なんというか、世界が乱れているような感覚。
「疲れてるのかな?」
今日は日が悪いようだ。家の中でのんびりすることにしよう。
「ゥ・・・ぅう」
玄関の戸をくぐると何か呻き声のようなものが聞こえた。何かいやな予感がして急いで廊下を駆け抜ける。
声は居間のほうから聞こえる。しかし部屋を見渡しても人影は見えない。その時また声が聞こえた。
「ぅくぅ・・・ぅぐっ」
声のしたほうを見るとこたつがあった。真央が寒がりなためまだ十月だというのに出したものだった。
コタツ布団をめくると、一匹の黒猫が呻いていた。
「真央っ!」
僕はその猫を抱き上げた。とても苦しそうに喘いでいる。こんな時に限って泪さんは出かけている。
「くそっ!真央!真央」
僕にはただ彼女の名前を叫ぶことしかできない。僕が泣きそうなっていると突然に
「あれ?ご主人?」
腕の中の猫が寝ぼけた声を出した。
「真央!?大丈夫なのか?」
真央は状況が掴めていないのかぽかんとしていたがやがて体をくねくねと動かして言った。
「あぅぅ、昼寝してたらうなされちゃったみたいです。申し訳ありません、みっともないとこ見せちゃって」
「ほんとに、平気?」
「ええ、ご心配おかけしました。あっともうこんな時間ですねえ、夕食の準備しなくっちゃ」
そう言うと猫は僕の腕から飛び降りて人の姿に変わり始めた。もちろん猫は裸なので人の姿になっても
裸だ。
「ちょっ!真央、服、服!」
「な〜に言ってるんですか、私の裸なんて見飽きてるじゃないですか」
そういう問題じゃないと思う。真央の体は泪さんにくらべれば未発達もいいとこだが、それはそれで
グッとくるものがある。
「落ち着いてくださいよ、ご主人。それとも今夜は食事じゃなくて私を召し上がります?」
「ナッナに、ににをいっとらんだおまへわっ!!」
これ以上は理性の限界なので腹の底から叫ぶと真央も引き下がった。
「あはは、怒らせちゃいましたか。それでは、着替えてお食事の用意をさせて頂きますね」
部屋を出て行く真央の尻尾の揺れるおしりに目が行ってしまうのは男の哀しい性だ。
と、ここからは冷静にならんと。今日うなされていた泪さんと真央そして僕。そういえば昨日も同じ
夢を見たし真央も悪い夢を見たと言っていた。これを偶然で片付ける気は無い。
232 :
泪編・中:2006/09/14(木) 00:31:38 ID:T6G+v60x
「それで、俺に調査しろと?」
その夜泪さんが連れてきた男の人はあきらかに不機嫌そうだった。僕はあの後泪さんに連絡して―――泪
さんの携帯は先日壊れたのでわざわざ九浄本家に取り次いでもらった。あそこの家、電話越しでも威圧感あ
るから嫌なんだよなあ。―――夢のことを相談した。
僕が事情を説明すると、今日そこで開かれた会議に出席していた中で感知能力に長けた人を連れて来てく
れたのだが、それがよりにもよって架神家の次期頭首候補最右翼の架神健一さんだったのだ。
僕としては顔見知りでよかったのだが、むこうにしてみれば実にふざけた話だろう。
「そういうことならかまわんが、お前ら一体何をした?」
だから二つ返事で了承してくれたのも意外なら、質問の内容も意外だった。
「ええと、ですから皆ゆめでうなされ「そんなことを聞いてるんじゃない」
言いたいことがわからず困惑していると架神さんは溜息をついて説明してくれた。
「いいかい?清孝君と真央君ならとにかく泪に気づかれないように術を施せるような妖魔はそうそういない
んだ。そんな妖魔に狙われるくらいだから、どんな大それたことをしたんだって聞いてるんだ」
もしかして不機嫌なのは僕らが何かしたと思っているからなのだろうか。
「それなら簡単。私がこの前の鬼退治に関わったからでしょう」
「先日の?何かあったのか?」
「仕事自体には何も無かったけど、鬼ってのは噂好きだから。同属を倒した奴に興味が沸いたんでしょう」
「なるほどな、そいつは災難なことだ」
なんかものすごく大変なことになっている気がする。
「やれやれ、こいつは想像以上だ」
一通り屋敷の中を歩き回ると架神さんは重苦しく呟いた。
「そんなに?」
「ああ、術自体は記憶を引き出すだけの簡単なものだ、お前らの夢はその影響だろう。しかし隠匿技術が
半端じゃない。しかも術の痕跡を見るに単純な霊力も馬鹿げてる。おそらく三位から二位、最低でも四位
の妖魔だ」
「少々きついかな。そいつとコンタクトとれるか?」
「術の痕跡を見つけたから可能だが、いいのか?」
「どうせ屋敷の場所はばれてるんだから。かまわないさ」
またも会話に取り残されている僕と真央にもかなり洒落にならない状況なのは伝わった。妖魔の階
位は十段階で真央は一番下の第十位にあたる。六位で知性を持った大型猛獣並だというのだから最低
四位なんて化物の力は僕には想像もできない。二位や一位というともはや神話の世界の生き物だと聞
いたことはあるが。
233 :
泪編・中:2006/09/14(木) 00:33:01 ID:T6G+v60x
僕らは架神さんに促されて庭に出た。そういえばここで夕方に違和感を感じたのを思い出した。
架神さんは庭の松の木に手をつくと何やらよくわからない呪文を唱え始めた。
「相変わらず、すごいですね。架神さん」
なんとなくいたたまれないので隣の泪さんに話しかけた。
「うん、さすが『心眼』の架神ってとこだね。感知能力は私らとは比べ物にならないね」
僕が神経を集中して違和感を感じる程度だった術の痕跡を架神さんは人目見ただけで見つけている。
架神家の眼は特別製とはいえ、たしかに比べるのもおこがましい。
「準備できたぞ」
架神さんにいわれて泪さんは松の木に向かって、いや松の木の向こうにいる誰かに向かって話し始めた。
「聞こえてる?聞こえてたら名前聞かせてもらえる?」
「・・・誰だ、貴様は」
返ってきたのは地鳴りのような声だった。
「私はあんたがねらってる闇払い。あんたの名前は?」
「ほう・・・まさかそっちから繋げてくるとはな。我が名は天破、純血種の鬼神よ」
「テンハ?天破ねえ、偉そうな名前。さて、ここからが本題。いいかい?よく聞きな」
「・・・言ってみろ」
「私と戦いたいってんなら今夜の零時に屋敷から一番近い学校で待ってな。受けて立つよ」
「よかろう。クク、豪爽な女よ」
泪さんはそこで繋がっていた回線(?)を切るとこっちに振り返って、まるで大掃除でも始めるかのよ
うな口調で言った。
「と、いうわけでちょいとしんどいことになるよ」
午後十一時、あと一時間で決戦か。僕らが居間で何をするでもなく座っていると、突然架神さんが立ち
上がって叫んだ。
「使い魔三匹、庭だ!」
驚いて庭のほうを見ると三匹の怪物が地面から生えるようにして現れていた。
急いで真央を屋敷に残して庭に飛び出す。狼の頭をした熊のような怪物はちょうど地面から離れたとこ
ろだった。
「余分なものがいるようなのでな、選別のために使い魔を送らせてもらった。我が興味を持っているのは
そこの女だけなのでな」
怪物の一匹があの声で言った。その声で架神さんと泪さんは戦闘体勢に入った。
「俺にまで興味が無いとはな、心外だよ」
僕も左手の手袋を外した。冷や汗が出る。猛獣の檻の鍵を開けてしまったような気分だ。
三匹の怪物が僕らに飛び掛ってきた。どうやら一対一を三局やろうというつもりらしい。
泪さんは自分の三倍はありそうな巨躯の怪物に対し真っ向から立ち向かって両手の爪で頑丈そうな皮膚
を引き裂いている。
一方架神さんは怪物の爪を危なげなくかわしている。が、攻撃性の高い魔具を持っていないため攻めあ
ぐねているようだ。
ついでに言うと、僕の戦いはもう終わっていた。突き出した怪物の爪を左手で受け止めた。いや、左手
で触れた。それで、終わり。怪物の体は音も無く塵のようになって崩壊していく。
「フハハハハ、まさか本当に超越者であったか小僧!」
どこからかあの地鳴りのような声が響いた。
「貴様の記憶を覗かせてもらったが、この眼で見るまでは信じられんかったぞ!まこと愉快だ!」
何が、愉快なもんか。こんな力、不愉快極まりない。
「ククク、ただ触れるだけであらゆるものを破壊しようとはな、人間が恐れるわけだ、生物が持っていい
力の限界を遥かに超えている!」
うるさい、黙れよ。お前は知らないんだ、この手が、この力がどんなものかなんて。
「ひきゃぁああああああああっっっ!」
僕の怒りはその声で一気に氷点下まで冷えた。振り返ると、屋敷の中であの怪物が生えてきていた。
234 :
泪編・中:2006/09/14(木) 00:33:40 ID:T6G+v60x
冗談じゃない。怪物は今まさに振り上げた腕を真央に向かって叩き付けようとしている所だった。
「やめろぉぉぉっっ!」
走りながら叫ぶが、到底間に合わない。怪物に引き裂かれた体から鮮血が噴き出す。
「ぐあっ!」
真央を突き飛ばした架神さんの脇腹は無残に抉り取られていた。感知能力に長けた架神さんの反応は僕よ
りずっと早かった。
「このぉっ!」
僕はそいつの背中に左手を押し付けて力を解放した。巨大な怪物の体が一瞬で消滅する。
さらに体ごと回転して襲い掛かってきた奴の胸に手をついた。そいつも前の二匹と同じ末路を辿った。
「泪さんっっ!」
怪物を仕留めたからといって呆けている場合じゃない、架神さんの傷はすぐにも治療しなきゃ危険だ。
僕が叫ぶのと、怪物の肩の飛び乗った彼女がその首を引き千切ったのはほぼ同時だった。怪物は血を流す
ことも無く塵になっていった。泪さんはその死骸には目もくれず、架神さんのもとへ走りよった。
「どじったな、架神」
「いいから早く治せよ、意識が朦朧としてきた」
泪さんは手首を自分のかぎ爪で切り裂くと流れる鮮血を架神さんの傷口にかけた。
彼女の血はすぐに赤いぶよぶよした物体になって傷口を埋めた。それと同時に彼女自身の傷口も同じよう
なぶよぶよで埋まった。
「気持ち悪いな、これ」
「しょうがないだろう、私の力じゃすぐには馴染まないんだ。三日も立てば馴染むから大人しくしてろ」
他人の体を自分の血で補える。これが泪さんの『癒水』の九浄としての力だった。しかし彼女がしたのは
傷口を塞いだだけだ。血が体に馴染んで完全に同化するまでは安静にしていなければならない。
何はともあれ、これで架神さんは心配ない。
僕は部屋の隅で倒れている真央の所へ行って、震えている体を抱き上げた。
「大丈夫?」
「はい大丈夫です。でも架神様が・・・」
大丈夫、と言っているけど彼女はまだ震えていた。無理もない。いくら妖魔とはいえ、真央には何の戦闘
力もない。あんな怪物に襲われて平気でいられるほうがどうかしてる。
「架神さんなら大丈夫だよ。泪さんの力はしってる・・・だっ」
話している途中で突然目の前が真っ暗になった。足に力が入らなくて、床に膝をついてしまった。
真央が何か言ってるのが聞こえたけど、何を言ってるかまではわからない。僕はポケットに突っ込んでい
た手袋を取り出して左手にはめた。眩暈は治まったけど、頭痛がひどいし左手の感覚がほとんど無かった。
力の使いすぎだ。一匹目はとにかく後の二匹は怒りに任せて力を解放したせいでもう限界ぎりぎりだ。
本番はこれからだってのにリハーサルで燃え尽きるなよ、北見清孝・・・
235 :
217:2006/09/14(木) 00:38:41 ID:T6G+v60x
>>224 すいません!以後気をつけます
>>227 言われてから気付きました・・・崖があったら飛び降りたいorz
泪の名前は某三姉妹泥棒からつけたものだったりする・・・産しまいだったか
今日でラストまで突っ走ります。
あぁ俺はどこにむかってるのだろう・・・
>>235 GJ!
最後はエチはあるのかな?楽しみだw
237 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:41:54 ID:T6G+v60x
結局、学校に向かうのは僕と泪さんだけになった。
いつもの通学路がひどく不気味に見えるのは体調の悪さのせいではないだろう。
「あいつのおかげで、昔のことを思い出したよ。」
突然に泪がそんなことを言った。僕も夢のせいで思い出したくも無いことを思い出してしまった。
子供の頃の恐怖、両親のこと、それから・・・
「子供の頃の私はな、ずっと独りだった」
いつもと変わらない口調。だけど、前を歩くその背中が、ないているように見えた。
「皆、あえて混ざり物などと関わりたくなかったんだろう。母親が死んだ時には、これからの自分は一生孤独
に生きていくものだと思ったよ」
混ざり物というのは人でないものの血が流れている人のことだ。泪さんは父親が妖魔だったらしくその血が
色濃く表れている。妖魔相手に素手で立ち向かえるのはその血のせいだ。
それにしても泪さんの子供の頃の話なんてはじめて聞く。その話は、なんとなく僕と似てると思った。
「それが間違いだと気付いたのはキミと初めて会ったときだ。覚えてるか?」
もちろん覚えてる。忘れるはずがない。
「私が仕事で、未熟だったんだろうな、ミスを犯して呪いをかけられて死にかけていたとき、キミが現れた」
あの時は驚いた。その頃の僕は人気のない山のふもとの草原に行くのが日課だった。周りに人がいないほう
が安心できたのだ。その日もいつものようにそこで寝転んでいると山から金色の狐が下りてきた。近寄ってみ
ると、ただの狐ではなく、着物を着た人間のような狐だった。村の噂で山に妖魔が出ると聞いていたので、そ
れがそういうものだとはわかったが、不思議と怖くなかった。
「キミは不思議な子供だった。年は、ええと十歳くらいだったか。そのくせ私を見てもどの大人よりも落ち着
いていた。あの時は驚いたよ、自分にかけられたとはいえ私でも解けない呪いをいとも簡単に消してしまうん
だからな」
死にそうな顔だったので(まあ事実死に掛けていたのだが)事情を聞くと呪いをかけられた、ということだっ
たので僕は自分の左手ならなんとかなるかもしれないな、と思ったんだった。その次の日に彼女はお礼だと言
ってこの魔封じの手袋をくれた。
「覚えてる?次の日に手袋を渡してキミの手を握った時にキミは、『ありがとう、お姉ちゃんの手、あったか
いね』って言ったんだぞ。その時に私は自分も決して孤独じゃないことに気付かされた」
ぼくとしては素直な感想を言っただけなのだが。
「うん、その言葉があったから今の私があるんだ。清孝には本当に感謝してる」
それを言ったら僕だって、そのときに泪さんが『君の力は呪われたものかもしれない、とても危険で怖いもの
かも知れない。だけど、キミはこんなに優しいじゃないか。だから大丈夫、キミは大丈夫だよ』そう言ってくれ
たから、今の僕があるんだ。僕だってたくさん、たくさん感謝してる。
それまでずっと前を向いて話していた泪さんがこっちに振り向いた。月の光を浴びる桜色の着物と寂しげな顔
がとても幻想的で、絵画か何かを見ているようだった。彼女はその姿に見とれて動けないでいる僕の顔に手を添
えて、寂しげな顔のまま唇を重ねてきた。
「ありがとう、清孝。私は、きっと負けないから」
離れ際のその言葉を聞いた途端、頭を揺さぶられたような感覚がして強烈な眠気に襲われた。
「る、さ・・・な」
声を出そうとしてもうまくいかない。さっきからずっと僕だけ無言だったことに今更気付く僕はなんて間抜け
なんだろう。
なんて、ふざけたことを。
そのまま、振り返りもせずに遠ざかっていく背中を見ながら、僕の意識は闇に落ちていった。
私が学校に着くと、そいつはすでにグラウンドの中心に立っていた。
「待たせたな」
私が声をかけると、漆黒のロングコートを纏った影はゆっくりとこちらを向いた。
「一人か・・・超越者の小僧はどうした?」
「貴様ごときを祓うのに清孝の手を借りる必要もないだろう?私だけで十分だ」
―――それに、こんな姿を清孝に見せたくはないし、な
「ふん、たかが混血がたわけたことを」
私が混ざり物だと知っていたか・・・大方先日の仕事に関わった三人のうち私に興味を持ったのはその辺が原
因だろう。迷惑なことこの上ない。
「もういい加減お前の声は聞き飽きた、早いとこ始めよう」
そう言って私は自分に流れる血と力を解放した。視界の端の茶色い前髪が金に変わっていくのが見える。
奴もそれに呼応するようにロングコートを脱ぎ捨て、元から大柄だった身体をさらに膨張させていく。
そうして、二匹の獣の戦いが始まった。
238 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:42:29 ID:T6G+v60x
完全に意識が消える。
その、前に。僕は小指の爪を歯で挟み、思い切りひっぱがした。
「〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!」
予想を遥かに上回る痛みに声を上げることすらできない。だけど、そのおかげで意識はほんの少し戻ってきた。
かなり割に合わない程度なのが悲しいが。
しかしこれではいつまた倒れそうになるかわからない。僕は左手の手袋を外し、胸に当てた。意識を集中して、
力を使う。
それで意識は完全に戻った。僕の左手が壊せるのは物体だけじゃない。カタチのないものだって壊せる。
かつて泪さんの呪いを壊して、両親の記憶さえ壊したのだ。このくらい軽いものだ。
ぼくが十歳になった時、泪さんと会う少し前、僕は両親の記憶を消して一人で暮らし始めた。両親に不満が
あったわけじゃない。むしろいい親だったからこそ怖かった。僕の周りにいたら壊してしまいそうだったから。
それで両親から離れた。
僕はそのことを後悔したことはなかったし、その判断は正しかったと思っていた。
だけど、今初めて、それは間違いだったのかもしれないって思った。
―――私は、きっと負けないから
なんで『負けない』なんだよ。なんで『死なない』って言ってくれないんだ。
僕は全力で走っているつもりなのだが、力を使いすぎたせいで足が思うように動かない。おそらく普段歩いて
いるのと変わらない速度だろう。いや、下手するとそれより遅いかもしれない。どちらにせよこんな状態じゃ泪
さんに追いつけるはずがない。
「くそっ!もっと早く動けよ」
怒鳴りつけても役立たずな足はその動きを早めはしない。 肝心なときに言うことをきかない体を引きずって
僕は学校を目指した。
ところで、両親の記憶は父親と母親、どちらを先に壊したのだったか・・・
日が暮れるまでは明るく和やかな活気が溢れていたはずのグラウンドは、鋭い殺気が交差する戦場と化していた。
赤と蒼の炎と銀の爪、そして淡い月光で彩られたその戦いはまるで何かの祭のよう。
参加者は二人、金色の妖狐と赤き鬼神。
蒼炎を身に纏う妖狐は鬼の炎を自らの炎で打ち消し、圧倒的な破壊をもたらすその腕を紙一重でかわし、輝く爪
で鋼の皮膚を引き裂いていた。
すでに血まみれの鬼と無傷の妖狐。しかしそれでもなお、優勢なのは鬼のほうだった。
銀の爪は鬼の皮膚を破るが、致命的な一撃は与えられない。
逆に鬼の豪腕は一度妖狐の身体をとらえれば、いとも簡単に粉砕してしまうだろう。
妖狐がその腕をかわし損ねた時、それが祭りの終わりとなるのだろう。
239 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:43:00 ID:T6G+v60x
学校のすぐ近くまで来ると目に見えない壁があるような威圧感に襲われた。結界がはってあるらしい。一般人なら
これ以上進むことは出来ないだろう。
僕は何もない空間に左手を突き出して結界を破壊した。
直後にやってくる眩暈。僕は右手でブロック塀に手を突いて身体を支える。
―――そうして物に触れることが出来るというのがどれだけの幸せか、今の今まで忘れていた。
こんなところで倒れている場合じゃない。早く泪さんのところへ行かないと。
少し歩いてこじ開けられている校門をくぐると、グラウンドの中心で赤と蒼の光が踊っているのが見えた。
近づきながら目を凝らすと、蒼い光の正体は泪さんだった。血走った目で牙をむく顔は普段の彼女からは想像もでき
ない。
だけど、蒼炎を纏い金の尻尾をなびかせるその姿は本当に綺麗で、一瞬見とれてしまった。
蒼の光が赤の光から離れる。あの赤い炎の中心にいるのが天破か。
泪さんの九本の尻尾が上を向き体を纏っていた蒼の炎がその先端に集まる。
これ以上近づくのはやばい。
本能が警告する。その危険性は天破も直感していたようだ。後ろに飛んで泪さんから離れた。
泪さんの九本の尻尾に灯っていた炎が彼女の頭上で一つになる。そうしてできた巨大な火球はまるで小型の太陽の
ようだった。
蒼い太陽が飛ぶ。それは確実に天破を捉え全てを焼き尽くすべく大爆発を引き起こした。
もう少し近づいていたら僕もよくて丸こげ、悪けりゃ骨も残さず灰になっていた。今のは泪さんの渾身の一撃だった
らしく彼女はその場に膝をついて喘いでいた。
とにかく、僕が出るまでもなく戦いは終わってしまったわけだ。少しばかり悔しいが、泪さんが無事ならそれにこし
たことはない。僕が安堵して、彼女に駆け寄ろうとした時
「ククク、大したものだ」
あの、地の底から響くような声が聞こえた。
蒼の炎の中心。赤い塊があった。
なんて、化物。あの炎でも死に至らないなんて出鱈目にも程がある。皮膚はくまなく焼け焦げて、右腕は肘から先が
無くなっているが、それでもそいつはまだ生きて、動いていた。
「メギドの炎とは。混血風情が使えるとは予想だにしなかったぞ。不滅のわが肉体にこれほどの損傷を与えるとはな」
奴は嬉しそうに言いながら泪さんに近づいていく。力を使い果たした泪さんは逃げることもできない。
急いで駆け寄ろうとしたが、足が動かない。こんな時に、こんな大事な時に言うことを聞かないほど僕の身体は馬
鹿なのか。
奴はすでに泪さんの目の前にいた。
頼む、お願いだから、待ってくれ。
そんな僕の願いも虚しく、奴は無慈悲に泪さんを蹴り飛ばした。まるでダンプに轢かれたように泪さんの身体が宙
を舞う。
「あ・・・」
泪さんは7メートルは飛んで、地面に打ち付けられた。そしてそのまま、ぴくりとも動かない。
240 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:44:07 ID:T6G+v60x
それを見て、僕の中で何かが切れた。
「来たか、小僧」
こっちを歩み寄ってくる醜悪な顔。その顔によくあう醜い声を出している。
「一つ教えてやるから、一つだけ教えろ」
声を出しているのは確かに自分なのに、遠くの誰かの声を聞いているような気分。
「お前、泪さんを狙った理由はなんだ?」
「るい?ああ、あそこの女か」
普段の僕なら、あそこの女などと言いやがるこいつに激昂しているのだろうが・・・何故だろうか、今の僕の感情
は全く動かない。
「旧知の仲の者が闇払いに敗れたと聞いた。その中に混血のものがいると聞いて興味がわいた。それだけだ」
そうか、よく考えたらどうでもいい質問だった。どうで僕はこいつを赦すつもりなどないのだから。
「それじゃあ一つ教えてやるよ。お前さっき不滅とか言ってたけど、そんなもの存在しないんだ」
そう、存在する限りそれはいつか壊れるのだ。ただ、壊れやすいか、壊れにくいかのちがいだけで。
「草も木も森も建物も、虫も獣も人も、山も海も星も月も太陽も、この世界さえ、いつかは壊れるんだ。全部ほんの
少しの差なんだよ、不滅だの永遠だのはないんだ。ましてやお前ごときが不滅なはずがない」
「面白いことをいう。人間とはみな永遠に憧れているものと思っていたが。お前もあの女と永遠を歩みたいと願って
いたのではないのか?」
「僕は永遠なんか信じちゃいない。僕も泪さんもいつかは死ぬし、死んだら愛もへったくれもない。そこで全部終了
だ。だけど、彼女と一緒なら、その最後の瞬間まで幸せでいられるんだ。いや、たとえ彼女に先立たれたとしても、
一緒に過ごした思い出があれば、僕は笑顔でいられると思う」
「なるほどな。まこと面白い人間よ。だが残念だったな、我は不滅にして永遠の破壊者よ。貴様ごときに我を滅ぼすこ
とができると思うな」
喋りすぎた。早いとこ始めよう。
「来いよ、言葉でわからないならこの世から完全に消し去ってやるから身をもって知れ」
その言葉を聞くと奴は深くかがんで一直線に飛んできた。奴が目を見開くと衝撃波が起こり僕の左手は後ろへ弾か
れた。
奴は勝利を確信したのか、とても見れたもんじゃない笑顔を浮かべて残った左腕でミサイルのような勢いで拳を突
き出した。
―――惜しかったな。ほんの少し前の僕が相手なら、お前の勝ちだよ。
241 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:44:46 ID:T6G+v60x
僕はその拳の軌道上に右手を上げる。奴はそんなもの意に介さずそのまま腕を伸ばしてくる。その拳が僕の手に触れ
た瞬間、奴の腕は一気に根元まで消え失せた。
「なっ・・・」
奴は驚愕の声を上げて後ろへ飛んだ。
逃がすものかよ。
僕が地面に右手をつくと、手を突いた場所から奴が着地するであろう場所、距離にして6メートル弱の場所まで扇状
に地面が崩壊した。崩壊した地面は流砂のようになり奴は大きくバランスを崩した。
約6メートル、ぎりぎり射程範囲内。体勢を立て直す前に終わらせてやる。
僕は右手を突き出して、ありったけの力を込めた。
途端、奴の身体は崩壊を始めた。
両親の記憶を消した順番。父親が先でもなく、母親が先でもなく、二人同時にそれは行われた。
呪いが宿っているのは左手だけじゃなかったんだ。ずっと小さい時は、手で触れたものは全て壊れて消え去っていた。
まるで求めるもの全てが消えていくような恐怖。もし呪いが本当に左手だけだったなら、どれだけの救いになったこと
か。
小学校に上がるくらいの年になると、利き腕の力は制御できるようになった。だけど、左手は駄目だった。それでそ
れからも怖がり続けたんだ。手袋がなければ、今でも左手の制御ができるかどうか。
せっかく忘れていたのに、思い出させたのは他ならぬお前だよ。天破。
『破壊』の力は両手に宿ったもの。そしてその力は聞き手のほうが強い。
崩れていく自分の身体を見ながら奴は小さな声で呟いた。
「我は、ここで滅びるのか」
そうだよ、だから早く消えてくれ。いくら右手の力が強いといっても対象に触れずに破壊するなんて滅茶苦茶な使
い方が容易にできるほどじゃないんだ。鈍器で殴り続けられているような頭痛がするし右手はところどころ皮膚が裂
けて血が噴き出している。袖の中がどうなっているかなんて見たくもない。
「最後にもう一つ教えろ・・・お前の名はなんという」
「北見・・清孝だ」
「清孝・・・それが我を滅ぼすものか」
それだけ言うと、奴はかけらも残さずにこの世から完全に消えた。
右手の力を抜くと、重力に逆らえずにだらりと垂れ下がった。指先一つ動かない。もしかしたら一生このままかもしれ
ない。
意識が遠のく・・・ぶっ倒れる前に泪さんの安否を確認したかったけど、もう僕の目は何も映してはくれなかった。
242 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:45:32 ID:T6G+v60x
目を覚ますと、もう日が高く昇っていた。見慣れた天井。どうやら僕の部屋のようだ。あの後どうなったのか・・・
どうやって帰ったか全く覚えていない。
ゆっくり身体を起こすと、腹部やわらかな重みがあるのに気がついた。
目をやると、僕の大好きな泪さんが僕にもたれて安らかな寝息を立てていた。
よかった、無事だったんだ。そう思うと両の目から涙が溢れた。泣きながら、彼女の頭を撫でた。今はいつものとおり
茶色っぽい色をしていた。いつの間にやら着せられた着物の袖をめくると、腕のところどころが赤いのがわかった。そう
いえば僕の右腕はさっきの戦いでズタズタになったのだった。こうして普通に動かせるのも泪さんのおかげか。
それからほとんど間をおかずに、真央がコップ一杯の水を持てやってきた。部屋に入って、僕にコップを渡すとぼろぼ
ろと泣き出してしまった。
「す、すいません。わたっ私、なくつもりなんか、ぐしゅ、なかったんですけど、ひっ、なんだか、なんだか・・・」
そのまま暫く顔を両手で覆った彼女が落ち着くまで、僕はありがとうとごめんを繰り返していた。
「泪様もさっきまで起きてらしたんですが、さすがに限界でしたか」
ようやく泣き止んだ彼女が目じりを拭きながら言った。
「そうか。今2時すぎだから、もう14時間になるもんな。泪さんも疲れてただろうに、悪いな」
「いえ、60時間以上です」
「は?」
真央の言ったことが理解できず間抜けな声を出してしまった。
「ご主人は丸二日お目覚めにならなかったんです。無茶なことをしたそうで、泪様はとても心配していましたよ」
まさか、そんなに眠っていたとは。あれはそんなに身体に負担がかかることだったのか。
「ん?泪さん、さっきまで起きてたって、それいつから?」
「あの日屋敷に帰られてからです。ご主人を背負った泪様が泣きながら帰ってこられたときは心臓が止まるかと思いまし
たよ」
ってことは、泪さんは丸二日寝ていなかったということか。
「泪様は私が何度お休みになられるように申しても清孝が起きるまでここにいる、の一点張りでした。お食事もろくにとら
れないくらい心配していたんですよ」
「そうか。心配かけてごめん。もう大丈夫だから」
「はい。ご主人がよくなられたのなら私は満足です。後で架神様にもお顔を見せて差し上げて下さいね」
「架神さん、まだいるんだ」
「ええ、ご主人が起きられたのも架神様が教えてくださったんですよ。凄いですね、客間にお休みになられていたのですが
突然私の部屋に来て清孝君が目を覚ましたから水でも持っていってやってくれ、と仰られるので来てみましたら本当にご主
人が起きてなさるんですから」
使い魔の真央よりも早く気付くのだから『心眼』の力恐るべし、だな。
「ですがその前に」
真央はそこで言葉を区切って、にっこり微笑むと僕の唇に指を当てて言った。
「泪様をキスで起こして差し上げてください」
そして僕が困惑しているうちにそそくさと部屋を出て行ってしまった。
243 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:47:56 ID:T6G+v60x
さて、どうしよう。とりあえず水でも飲むか。水ってのはこんなに美味いものだったんだな。うん、本当に美味い。
「・・・ん」
ゆっくり水を飲んでる間に泪さんが目を覚ましてしまい眠り姫計画は破綻した。
「あ・・・」
泪さんは僕の顔を見て呆然としていたが僕がおはよう、と言うといきなり僕の襟を掴んで強引に引き寄せた。
濡れた瞳がすぐ間近にある。泣きながら僕を睨んで彼女は言った。
「キミは、なんて馬鹿なことをするんだ・・・一歩間違えば、死んでたんだぞ」
僕が滅茶苦茶な『破壊』をしたことを言ってるのだろう。そんなに危険な行為だったのか。
「ごめん・・・」
「ごめんですむかっっっっ!」
こんなに感情的になった泪さんははじめて見た。
「キミは思い出があればいい、なんて言っていたが、私はそんなの認めない!私は清孝がいなければ嫌だ!キミがい
ない人生なんて考えられない!私にはキミしかいないんだ・・・キミがいなくなったら、私は・・・どうすればいい
・・・お願いだから、もうあんなことは止めてくれ」
聞いてたのか。だけど、それは・・・
「それは、泪さんだってそうだ」
「何?」
「僕が言ったのは生きて、行きぬいた後で結果がそうなった時の話だ。今度また死ぬようなことしたりしたら、僕だっ
て泪さんのこと赦さない」
それから、暫く無言で睨みあった。沈黙が二人を包む。
それを破ったのは泪さんだった。
「それじゃあ、約束だ。もう二度と死ぬような真似はしない。どちらか片方を残して死んだりしない。一生、死ぬまで
ずっと一緒にいる」
そんな約束なら、大歓迎だ。
「うん、約束。絶対に破らない」
そう言って僕らは指きりの代わりにキスをした。
架神さんは僕の顔を見るとすぐに帰っていってしまった。この件の報告は代わりにしておいてくれるらしい。
今回は世話をかけっぱなしだった気がする。
244 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:48:37 ID:T6G+v60x
その晩僕が眠ろうとしていると襖を叩く音がした。何となくそれがだれかわかった。
「泪さん?どうしたの?」
「起きていたか、入るぞ」
部屋に入ってきた彼女は真剣な顔だった。紺の着物をいつもより気を入れて着たらしいことが一目でわかる。
そのまま何も言わずに僕のすぐ横に正座した。
「この前の話なんだが・・・」
この前、と言われても通常の三倍は厳かな泪さんに圧倒されている僕の頭じゃ理解できない。ちなみに三倍と言って
も着物は赤くない。
「今私が孕めば、その後は卒業、結婚とトントン拍子だと言ったが・・・」
ああ、その話か。やっとわかった。
「よく考えると法律上の婚姻は少々ややこしいことになるのでな。それで今日の約束を持って二人は結婚したものと
したいのだが、どうだろう?」
たしかに僕の年で結婚というと少々面倒だ。確か親の許可がいるはずだが、はて、僕の親権は誰にあるのだろう。
故郷の村の村長だったか。どうも記憶が曖昧だが、その辺の話をつけるのは厄介だ。
「ええ、かまわないですよ。法律上正式に結婚するかどうか、なんて些細なことだと思いますし」
「そうか、それでは」
言いながら泪さんは座りなおすと、一つ咳払いをして、
「末永く、よろしくお願いいたします」
畳に指をついて頭をふかぶかと下げながらそう言った。
「あ、こ、こちらこそお願いします」
どうすればいいかわからなかったので、とりあえず真似しておく。幸い洋服でなく、目覚めた時に来ていた着物を着
ていたのでこの場の雰囲気によく馴染んでいた。
自分の家、自分の部屋で行う二人だけの結婚式。ただ二人で約束を交わしただけだが、どんなに綺麗な協会で開く
豪勢な式もこれほどに尊いとは思えないだろう。
245 :
泪編・ラスト:2006/09/14(木) 04:51:16 ID:T6G+v60x
頭を上げると、満足げに微笑む泪さんと目が合った。彼女はその笑顔のまま立ち上がって言った。
「では、結婚初夜といこうか。あなた」
「は?」
僕が上ずった声を出す間にも、泪さんは着物の帯を解いていく。どうせ脱ぐのならそんなにきっちり着なくてもい
いのに。そんな妙な律儀さも可愛らしく感じられた。
僕も服を脱いでいく。手袋はどうしようか少し考えて、やはりつけておくことにした。怖いからではなく、思い出
の品なのでこの記念の日にはつけておきたかったのだ。そういえば、今僕『あなた』って呼ばれたな。うわぁ〜恥ず
かしいやら嬉しいやら。
* * *
「ぅっ・・・くはぁ、あっぁん、んっはうっ」
初めこそ厳かだったものの途中からはいつもどおり本能のままに、だ。
僕はもう4、5回は達していた。その精は全て彼女の中に放出したため、今は動かすたびに彼女の性器からは複数
の体液が混じった不透明な液体が溢れている。
僕らは会話もせずにお互いの身体を貪っていた。技術もなにもなしにただひたすらに愛しい人の温もりを求めた。
その行為の、なんと単純で、なんと原始的で、そしてなんと美しいことか。
「ぁうっあうぅっあっあっぁうあっくっ、ふっくふっひぃんひぃうぁぁぅあ」
喘ぎとも泣き声とも過呼吸ともとれる声を上げて泪さんは一心に僕を受け入れていた。泪さんは両手で僕の高等部を
掴むと僕の顔を下げて端から涎を垂らした唇でキスをしてきた。彼女の口内に舌を突っ込んで舌を貪る。彼女も自分の
舌を僕の口に入れてきて僕の舌に絡めている。
「んむ、むぐ、ちゅっじゅる・・・じゅちゅ」
泪さんの舌を味わっていると幾度目かの絶頂が近づいてきた。彼女もそれを感じたのか、両足で僕の身体を挟み込ん
だ。
動きをさらに早めると泪さんは大きくのけぞって唇が離れた。
そしてひときわ強く僕の男根を締めつけたとき、僕は彼女の子宮に熱い精を叩き付けた。
「あっあっあぁぁぁあぁぁあひっひんひぎっひぃいぃぃいぃぃい!」
疲れ果てて、彼女の上に倒れこむ。まさに精根尽きたというやつだ。
彼女はまだ僕のものを締め上げて最後の一滴まで搾り取ろうとしている。
それも終わった頃、泪さんが口を開いた。
「清孝、何を今更と思うかもしれないが言っておく。私はキミを愛してる」
「うん、わかってる」
「わかってないさ」
僕の言葉をぴしゃりと否定したその顔は、しかし心の底から嬉しそうだった。
「わかった気になられちゃ困る。これからゆっくり、私がどれだけキミを思ってるか教えるんだからな」
それは、なんとまあ。是非とも教えてもらいたい。
「僕も、これから泪さんに同じことを教えるよ」
そして硬く抱き合ったまま僕は眠りについた。
ああ、眠っちまう前に、これから僕は一生この温もりを感じながら生きていくんだと思った。
緑の草原に風が吹く頃。
一人ぼっちの彼と一人ぼっちの彼女は出会った。
一人ぼっちの二人が手を握り合ったとき、
二人は孤独でも不幸でもなくなった。
FIN
246 :
217:2006/09/14(木) 04:55:33 ID:T6G+v60x
100%勢いだけでやった。
反省はケルマデック海溝より深くしているが後悔はしていない。
とにもかくにも泪編・完です。
冷静さを取り戻した頃真央編もやらせてもらおうかと思っています。
皆さん、すみませんでした。
皆さん、本当にありがとうございました。
217氏、GJです。
>>246 悪くない。けど、誤字脱字の多さが気になってしまう。
書き終わった後に一回推敲して、しばらく寝かせてからもう一回推敲した方が良さそう。
次回はそこに注意して頑張ってくれ。
ともかくGJでした。
249 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 20:47:01 ID:QoGxMBHn
GJ!
超GJです。猫耳の夢は破れたが、一人に絞ってもまた味がある。
御免、
泪さんのお腹がおっきくならなかったので物足りなく感じた。
っていったら贅沢、かな?
み〜つめるキャッツアイ
を腹ボテにして
お腹ポンポコレオタード姿に
ぅ、月姫と被ってね?
いや、GJですが
ここで一句
ま た 月 厨 か
ほんと、どこにでも湧くなあ
月厨=月のモノが来ている女の子らぶな人間だろ?
ここの住民はすべてそうだと思うんだが。
まあな(てへっ)
まてまて、月モノが来ないようにする話が好きな香具師こそここの住人だ。
うむ。
月のモノが来ているのをこなくなるようにするのが好きだぞ。
つまり、最初は来ている必要があるわけだ。
>258
来ていない女の子に中出ししまくって一番最初の卵で孕ませるというのも趣があってよいかもしれん。
↑
雅でおじゃるのぅ
ぶっちゃけ
>>253と同じこと感じた僕月厨なんですが。
思っても言わないのが大人の配慮でしょうよ
>>253 案の定
>>254みたいなのが沸くわけだし。
あと、確かに一部の月厨にはどうしようもないやつがいるのもわかるけれど、
>>254みたいなレスも少なからずやな雰囲気になる原因を作ってるんだとわかって欲しい。
と、空気読みませんでしたごめんなさい。
初潮前のょぅι゛ょ孕ませてきます。
>>261 >初潮前のょぅι゛ょ孕ませてきます。
ねっとりじっくり詳しく報告を聞かせてもらおうか
このスレの最終系は。
来ているのを来ないようにするよりも、来ていないまま孕ませるよりも。
孕ませ続けて、一生月の物とは無縁な女子が目標では?
因みにちらっと話に出た1スレの神SSだが、あれにも月厨が付いてどーのこーのあったりもしたんだよなぁ
>>261 俺にも報告してもらえるかな?イヤだと言うなら孕ますぞ
せつない感じで、こういう↓
tp://c100m50.com/text-s/for_adult/ane01.html
ほろ苦い孕ませSS投稿しようと思うんですが、ここでいいんでしょうか?
書いてみようかな、とちょっと考えてみたんだけど。
生々しい話になるんだが、初潮ってどれぐらいにくるの?
○2才くらい?
てーか、現代ものにしようとするとどうやっても鬼畜になります。少なくとも犯罪です。
ちょっとファンタジー混ぜて逃げるしかないかなー
>266
そのくらい。遅くても中学在学中にはってところじゃないか?
偶に遅い人もいるらしいが…
いくつくらいなんだろうね。
>>266 余程の事が無い限り、10歳〜14歳ぐらいだな。
まあ優秀な触手なら初潮が来てなかろうと男だろうと孕ませるんだがな
触手とか正直勘弁してほしい
個人的には同意。でも、人それぞれ属性があるしな。そういうことこういう場に書くのは
だめだろ。
問題は孕ませとどう絡ませるかだろ?
俺は読むときは孕ませる側視点で読んでるだが
触手はイメージ貧困で想像できないなぁ
触手スキーならどういうシチュエーションが好きなのか教えてくれ
と建設的だかしれないことを言ってみる
>>276 ぱたーんA:触手はツールである
触手は精液注入機で、実際出るのは人間の精液。マッドサイエンティストの実験ネタとか、アヤシゲ魔法使いのトンデモマジックとか。
ポイントは強姦ネタだけでなく施行者=被験者、要するにヘンタイ女オナニーネタにも出来ること。
ぱたーんB:触手は異邦人である
触手は遺伝子問題を乗り越えての異種間孕ませが可能なステキ生物。
キモチの悪い肉紐に万物の霊長様がいいように嬲られて「嫌なのに感じてしまう」
んで、自分の胎内で異物が育つのを嫌でも肌で感じつつ、普通ではありえない物体を出産。常識も理性も粉砕されつつ絶頂。とか言うのが好き。
ポイントはとにかく「堕ちる」こと。
なお、ラストの異物出産時にヨロコんでるほうが好きな人と、あくまで嫌がって悲惨な叫びを上げるほうが好きな人で好みが分かれる。
ナマモノにせよ機械にせよ、本能やらプログラムやらに従って淡々と動く物体と、
その物体に派手に喜怒哀楽を引きずり出され、なおかつソレが自分ひとりだけの問題ではすまず、
いけないコドモや生命の冒涜ともいえる物体を眼前に突きつけられて狂っちゃうおにゃのことの対比を
ゾクゾクしながらマゾっぽく見守るのが触手モノの醍醐味。
といち触手スキーの戯言をほざいてみる。
とりあえず淫妖蟲の体験版でもやっとけば?合わなかったら全力回避で。
278 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 14:53:26 ID:ZkwWZnrv
ぱたーんC:我らが触手である
植物型の触手ならどうか。
生命の象徴たる世界樹と聖女の交わりによって神子が生まれるとかなんとか―。
グロいイメージから、神聖なイメージに変えれば軽減できる――かも。
人間が人間を孕ませるからいいんじゃないか…
>>281 気が合うじゃないか、獣人とかはぜんぜん良いのに。
触手って別スレなかったっけ?
まぁ、別に好きだから良いけど。
つまり俺たちの股間に触手があればおKなのだな
触手孕み一丁っ!
285 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 20:35:16 ID:PPXTvYv4
>282
ゴリラやチンパンジーに孕まされるのは?
触手スレで和姦孕ませなSSが投下予告されてるな
レイプスレやデブスレ(女が犯されるほう)にも孕ませ風味のSSが連載されてるな
288 :
287:2006/09/16(土) 20:52:37 ID:TfXNYCSa
訂正。
デブスレは『デブな男に』に犯されるほうのスレだった
『デブな女が』が犯されるほうのスレは無関係だな
拉致られた女が、毎日男の精液を子宮に注射って形で注がれるのなら書いた経験ある。
自分は触手ものは構わないけれど、いやな人もいるだろうから事前に警告してもらえれば
いいんじゃないかと。
触手でもHRの役割を果たしてくれるならば、我らの仲間ではないか。
HRを(それこそタイトルに付けているくらい)前面に出していても、本編ではほとんど
関わってこない某ゲームよりもよっぽど偉いだろうよ、うん。
>>285 せめてケモノ娘・ケモノ男にしてくれまいか…
おぉ、前スレしっかり孕んじゃったぽいよ。
そして前スレの孕んだ子供は次スレに絡むんだな。
草木も眠る丑三つ時、誰もいないはずの草むらで重なり合い絡み合う者達がいた。
「ん、あぁいいよぉ」
「よし。出すぞ!」
上にのしかかっている男の腰が小刻みにかつ素早い動きになり一瞬ビクンとはねた後さらに奥へ奥へ
と進もうと腰を前に押し付ける。
下で男に抱きついている女は男の動きが速くなると足を腰に巻きつけ小刻みに痙攣する。
「ん・・・中でドピュドピュいってるよ・・・・」
「凄い、絡み付いてくる。」
男が満足気な表情をすると女は優しく微笑み返し、しばらく抱き合っていた。
さて、こうしてみるといたって普通の交わりにみえるが彼らの姿は我々の姿とは少し違っていた。
まず男からして普通と違う、耳には小さい獣耳、尻には細長い尻尾、極めつけにはやけに発達した前歯と
ネズミを思わせるかのような姿だ、女の方も羽毛があり、男の背中に回している手も翼になっていたりと
鳥のような外見である。
「今夜は月が綺麗だねぇ・・・」
「へ、お月さんは後ろ側だからお前の顔しか見えないぜ」
「ねぇ、知ってる?もし私があなたの子ども妊娠したらどうなるか」
「知ってるよ、産まれてくる子は卵だけど俺らみたいな格好してるんだろ」
「うん、でもさ、本当なのかな」
「どうだろうな、見たこと無いもんなぁ」
抱き合ったまま、お互いを見つめあう二人、そして・・・・
「本当かどうか確かめてみる?」
「つって、まだ満足してないんだろ?お前」
「あは、でもあなたの。また私の中で大きくなってるよ」
「あたりめーだ、俺もまだ満足してないからっよ」
「あん」
再び交わりあう二人。
「俺のお月さんみてーから、今度はお前が上な」
「はいはい、っとよいっしょ。あぁ、奥まで、深い・・・」
「今度はお前が動けよ」
「うん、あなたももっと一杯精子出して、赤ちゃんつくろ」
恋人達の夜はまだまだ長い・・・・
前スレで孕んだ人はどれぐらい居るのかなぁ?
ノシとりあえずここに1人
ついでに前スレ819へのメッセージ
ふふふ、もぅ…しょうがないんだから……ぃぃょ、あまり激しくしないでね
亡国の・・・の作者です。
>>292のレス見て思いつきで作ってみた、即興で書いたからわかりにくいとは思いますが。
種族は男=ネズミ、女=鴨で子ども=カモノハシです。
でもカモノハシがネズミと鴨の合いの子って俗説みたいですね。
ちょっとびっくり。
>>295 良かったよ。ほのぼのした。
元気な仔が生まれるのを祈る。
腸に触手つっこまれて擬似ボテ腹になるのはこのスレの範疇外?
触手・怪物スレ行き
ゲーパロ氏マダァー?
ういうい
>>299 それを容認したら、脊椎動物は全て大腸に茶色いモノを孕んでいると言えるワケだが。
スレ住人にあれを届けてくれよ、あれは良い物だ!!
つ孕ませた美女
俺にはらまさせろぉぉぉぉぉぉぉ!
以外や以外、NHKのSAMURAI7に孕ませがあったぜ
主人公がさらわれた娘を助けに行くと、その娘は貴族に囲われていて
しかも腹ぼて。
さらに逃げようという主人公に、
「わたしは、わたしを孕ませたあの御方を・・・愛しています!」
と拒絶するぎゃーーーー
・・・・・・寝取られまで噛ませるたぁ、やるなNHKw
ハガレンでもあったな。
ヒューズの妻と原作よりかなり活躍したロゼ。
ヒューズ妻は出産シーン。
特にロゼは兵士にレイプされて孕まされるというよくあの時間に流せたなという展開。
ひょっとして、
これからのアニメでヒロイン妊娠はデフォになるやも知れぬわ
今から覚悟しておくべきぢゃ
純愛ルートならば認めてもいい>妊娠デフォ
いつまでも推敲しててもラチが開かないので自身にハッパをかけるため、ちょっと投下します。
前編なのでエロは皆無ですがどうかご容赦いただきたい。
じいちゃんは、味噌汁を一口すすっただけで、驚いたような顔をして言った。
「おお、おお。オクラとナスの味噌汁なんてな、なかなかにくいじゃないか。旬の夏野
菜だの。重雄、知っておるか? オクラはな、アフリカ原産で世界共通でオクラと呼ぶ
のだよ。なんともまぁ和風な名前じゃがのう」
「へぇぇ、さすがおじいちゃんは物知りですねっ」
食卓、僕の向かいに座るリズが、金色のポニーテールを弾ませて感嘆の声をあげる。な
んていうかわざとらしい感じがするがリズは大抵オーバーアクションなので別に他意は
無いと思う。
「知ってる。そのネタ三回目だから」と、僕は冷や水をかけるように言った。
「くくく、このひじきの炒めものもな、な、重雄、ワシがお前くらいの頃によく給食で
出たのだ。懐かしい上にこれは油揚げでなくちゃんと肉を」
「細切りにした牛肉ですよ〜」
箸につまんだひじきの炒めものを、まるで学術的な大発見をした科学者のような目で見
つめてから、じいちゃんは誰にも取られるまい、というようなスピードで口に運ぶ。
「うン、まぃ……」
死にかけの昆虫みたくぷるぷるしたじいちゃんは、左に座る僕にいきなり向き直り、ひ
じきを少々飛ばして力説した。
「ほれ、重雄も食べんか。うまいぞぅ。ああもう、重雄、リズちゃんと結婚するが良い
のぅ。今時こんな、本格的な和食を作れる子はそう居らんだろ」
「っやぁぁだぁもうっ♪ おじいちゃんたら〜♪」
「……最悪のジョークだね。認知症?」
まんざらでないリズの様子がまた超ムカツク。にやにやして僕のこと見んなっつーの。
「いやいやいや。旨味成分であるグルタミン酸ナトリウムを発見したのは日本人じゃ。
すなわち人類史上最高の舌を日本人はもっちょる。その日本人であるワシが言うのだか
ら間違いないというわけだっ。リズちゃんの料理の腕は時雄の嫁を超えとる! あーも
う一杯おかわり」
「はーい♪」
リズが嬉しそうにじいちゃんの空になったコップにビールをそそいだ。じいちゃんはい
つもより多めにビールを飲んでいる。ハゲた頭も、ランニングシャツから覗けるしわだ
らけの肌も真っ赤になっているくらいだから。
んでこのハイテンションだよ。ロウソクが消える前の一瞬きでなければいいけど。
隣に住んでる同い年の、幼馴染のリズが僕の家に夕飯を作りに来たんで、じいちゃん、
えらく上機嫌だ。見た目は田舎の爺さんだけど、僕のじいちゃん、日比野速雄は世界的
にエライ科学者で量子力学がなんちゃらとかのある程度の権威だと僕は父さんから聞い
ている。
僕の街には大きな粒子加速器があって、じいちゃんをはじめとして難しい研究をするた
めの人が世界から集まってたりしていて、リズの家族もヨーロッパから来た。父親がじ
いちゃんの弟子にあたるらしい。
ただ、リズは日本で生まれたから、金髪で青い瞳のクセに日本語ペラペラだしおまけに
納豆まで食べる。
「ねぇねぇしげちゃん、サバの味噌煮どう?」
「普通」
「何を言うか。この味を出すのは重雄、そう簡単ではないぞ?」
僕はリズと視線を合わせないで素っ気無く答えた。
重雄という僕の名前はじいちゃんがつけた。父さんの名前が時雄で僕が重雄。なんか時
代に逆行して古臭くなっているような気がする。じいちゃんは相対性理論からヒントを
得たというけど、なによりリズが僕の事を『しげちゃん』と呼ぶのが気恥ずかしかった。
学校でもお構いなしでね。幼稚園の頃から変わってない呼び方。
クラスでも僕にリズがなついてる事を冷やかされるので、極力、僕離れをするようにリ
ズを冷たくあしらうのが僕のトレンドだ。
「まぁ、あれだよ。料理が得意ってのはさァ、食べる事が好きだからなんだよ。だから
リズはデブなんだよな。頬袋、ついてるんじゃないの?」
リズのポニーテールは、ちょっとウェーブがかかってリスの尻尾みたいなので、女友達
からリスっち、と呼ばれてたりした。
「そんなに太ってないよう! しげちゃんが痩せてるんだよ」
「いーや、デブだね。もうちょっとで二重あごに痛っ?!」
殴るといわずにじいちゃんが僕にゲンコツを落とした。僕の頭脳はそのうち人類の至宝
になるかもしれないってのにっ。じいちゃんは学者の癖にスパルタだ。
「こらっ! 男子たるものなァ、女の子にそういう事をいうものではない」
「本当の事を言っただ──」
二発目をじいちゃんが準備したので、僕は黙った。リズがいい気味って顔をしてるのが
シャクだ。僕は思わず、リズの作ってくれたサバの味噌煮とひじきの炒め物と自家製古
漬けとオクラとナスの味噌汁と、まだ暖かく湯気の立つ炊き立てのご飯をそれぞれちょ
っと食べただけの食卓を立った。
「冬眠前のリスみたくデブりたくないもんねー。もういらない」
「重雄っ!」
右手をひらひらさせて、自分の部屋に向かおうとした瞬間にちらっと見えたのは、さら
に真っ赤なじいちゃん。それと寂しい顔をしたリズだった。ざまみー♪
じいちゃんとリズと僕は留守番だ。僕とリズ、お互いの両親が研究員なので、カナダで
完成した世界最大の粒子加速器の視察に行ってるから。帰って来るのは明後日なので、
その間はリズが家に晩御飯を作りに来てくれる事になってる。
リズが機嫌を悪くして、明日は来ないとか言い出したらちょっと困るなと思ったけど、
じいちゃんがワケ判んないこと言うから悪いんだよ。
あんな言い方されたら引けないよ。
だれだってそうだと思う。でしょ?
>>312 それぢゃあどんなキャラがどんなシチュで
HR喰らうか、
ちょいとあンたの妄想開陳しておくれよ
このままぢゃあ、民放はNHKに倣うぜ?w
『世界の終わりとか僕なりに考えてみる。比較的マジで』
その後、僕は自分の部屋でテレビを見たりしてしばらく時間を過ごした。ただ、晩ご飯
をろくすっぽ食べてないので、腹の虫が抗議の声を盛大にあげていた。
僕は悪びれずもしないで、リズが帰ったのを見計らって、リビングに食べモノを漁りに
行った。
「重雄や。ちょっと座んなさい」
しまった。待ち伏せだ。リビングにはじいちゃんが一人で、難しい顔をして晩飯と同じ
椅子に座ってる。自分の部屋のドアを開けた時にはじいちゃんの姿が見えたのだけど、
引き返すとカッコ悪いので、さりげなくトイレに入るふりをしたら即呼び止められた。
じいちゃんの説教は長い。僕は、ちょっと覚悟した。
「お前、アレはいかん。ご飯残すのはじいちゃん好かんな。ワシがまだ子供の頃、やっ
ぱり重雄みたくご飯残した事があってな。ニンジン、ピーマン、好き嫌い多かったから
のう。ある日、じいちゃんのじいちゃんがじいちゃんを食卓でぶん殴ってな。歯が三本
折れたわ。乳歯だったからよかったがの」
こういう時はあいづちすら打たず黙ってるほうがいいというのを、僕は経験で知ってい
る。
「リズちゃんなぁ、あんな殊勝な娘なぞ近頃おらんぞ? 明るく、素直で。それに比べ
て、お前は最近ヒネてる。反抗期か? まず、リズちゃんに感謝の気持ちがな、無いの
は良くないのう。メシが食えるだけでもはホントに有り難い事だとなァ、じいちゃんの
じいちゃんにじいちゃんは教わったなァ……」
目をつむりながら腕組みして説教をしていたじいちゃんは、ふうとため息をつくと僕に
こういった。それは、説教の続きではなかった。
「重雄。ちょっと来なさい」
「え?」
「お前に見せたい物、いや事象か。それがあるのだ」
じいちゃんは立ち上がり、枯れ木のような体を重そうにしながら書斎へと向かった。
困惑してる僕を見やると、じいちゃんはドアの隙間から、僕を手招きする。僕はそれに
従う。しかないよね。
じいちゃんの書斎に入るのは何年ぶりだろうか。自分の家の一室なのに、僕はなんとな
く入ってはいけないような印象をいつももっていた。じいちゃんの書斎とは、事実上じ
いちゃんの仕事場、研究室のようなものだった。
書斎というのは名ばかりかも知れない。四畳半くらいの部屋は綺麗に片付いていて、座
卓型PCデスクと座椅子、それと背の高いわりにスリムな本棚があるだけの小さな部屋だ。
「これは、誰にも言ってはならない事だがの。重雄だけには教えよう。とりあえず、ま
ずは喋らず黙ってなさい」
パソコンデスクにおさまるじいちゃんは、そんなわけの判らないことを言ってキーボー
ドをどかどかと叩きだす。
ディスプレイに小窓が開いて、眼鏡をかけた白衣のおっさんが証明写真のように現れた。
「おお。誰も居なかったらと思ったが、小山君は残っておったのだな。状況はどうだ
ね」
「あっ、教授。お疲れ様です。ええと、例の件ですね? 依然としてポテンシャルは増
加中です。ニュートリノ震動による位相変異も、これまでと比べるとかなり少なくなっ
てますよ。凄いですね。本当に」
「科学者が『かなり』とかファジーな言葉を使うもんではないぞ小山君。とりあえずデ
ータを全部送って欲しい。南極のアイスキューブのもだ」
「あああっすいません分かりました至急、そちらに転そ──」
じいちゃんは一方通行のビデオチャットを無愛想に切断した。こっちはカメラが無いか
ら、僕が居たことは小山さんだかには分からなかったろう。黙ってろってのはそう言う
ことか。
二人の会話は難しくてよく分からなかったけど、とりあえずニュートリノとかはじいち
ゃんの専門っぽいのは知っていた。
「誰にも言ってはいけないって? いったいなんなのさ」
「人類の存亡に関わる話だ」
「はぁ?」
じいちゃんはディスプレイに現れた小さなフォルダを解凍して、又なにやらソフトを起
動させている。人類の存亡だとか言われてもピンとこない。これはおそらく本当に認知
症になってしまったのではないんじゃないの? そんな事を思った頃合で、ディスプレ
イには、綺麗に色分けされたグラフが映し出されている。
「じいちゃん、これって」
「飛騨のスーパーカミオカンデの観測状況だな。見れば判るだろうが、たくさんのニュ
ートリノが地球に降りそそいでる。まぁ、『通過』しているといったほうが正しいンだ
がの。こんな事は滅多にない」
「へぇぇ。すごいね。どうしてなの?」
リアルタイムの観測結果らしく、僕がそういった瞬間にグラフはまた伸びた。きっとじ
いちゃんは説教よりも、こっちのほうを見せたかったのだなと僕は理解して、さも驚い
たように声をあげる。そうしていたらじいちゃんの機嫌を取れるからね。
「超新星爆発の前触れだの。まぁ、そのへんはワシの専門外になるのだが、友達の天文
学者がメールで教えてくれた。明日の夜八時二分十六秒、こと座にあるベガって星が昼
間の太陽以上に輝くんじゃと」
それを聞いて、僕はオーバーアクションで驚いたふりをしてみせた。科学の事に感心を
持つようにすると、じいちゃんはとても気分が良くなるからだ。
「いいね! 明日の晩みんなで見ようよ、花火なんかよりずっと面白そうだね!」
「ふむ……」
じいちゃんはゆっくり僕に向き直った。
「重雄。このベガという星は地球に近いんじゃそうだ。そんな星がの、超新星爆発を起
こしたら地球はどうなると思う?」
「え?」
「ベガは二十六光年先にある。光の速度で二十六年かかって、やっと到達できる距離だ
の。しかし、そんな距離は宇宙規模で考えたら、ワシの家から二十六歩先の近さと言い
換える事ができるのう。リズ君の家くらいの距離だ。そんな近くで、広島形原子爆弾が
炸裂したら、重雄、お前は生きていると思うか?」
「まー死ぬんじゃない?」
「実感のこもっとらん返事じゃの」
「だって、二十六光年先の超新星爆発なんでしょ? 超遠いじゃん」
「じゃから、宇宙規模だと、そんなのは目と鼻の先なのだ……」
じいちゃんの声のトーンが、一段低くなって僕はちょっとどきりとした。
「いいかい重雄。じいちゃんが生まれる前、チリ沖地震というのがあった。南米のチリ
で起きた地震だ。その地震で起きた津波はな、太平洋をずっと、ずうっと、渡ってきて、
日本の三陸海岸を直撃したんじゃよ。地球の裏側から渡ってきた津波で、日本人が14
2人死んだ。今回の事象はそれに近い」
「……ふ、ふーん。でも、アレじゃん? なんていうかこう、大丈夫だったりするんじ
ゃないの? 簡単に人類がさぁ、全滅ーって、実感湧かないっていうか……」
「恐竜は長い間栄華を誇っておったが、簡単に地球上から姿を消したのう。まぁ、地球
では、およそ三回くらいは大規模なカタストロフィがあったという説もあるが」
「いずれにしたって、光の速さで二十六年かかるわけだから、それまで猶予があって、
その時には科学力でちゃちゃっとなんとか……」
「じゃから、もう二十六年前にベガは超新星爆発を起こしており、それがやっと地球で
確認できるという話じゃ。明日の八時に目視できるという話なだけじゃ」
じいちゃんはキーボードのいくつかのキーを押した。それから、シリアスな顔で僕を見
つめたんだ。
「明日の夜八時二分十六秒、煌々と輝きだしたベガの光度は九秒後に最大に達する。そ
の瞬間、ガンマ線バーストが地球に到達し、一瞬で直撃半球面の生きとし生けるものの
命を奪うのだ。続いて重力震が、さらに大宇宙の津波と化した星間物質が、猛烈な勢い
で地球の大気のそのすべてをごッそり攫っていってしまうのだ。そして地球は、火星の
ような荒涼とした星になってしまうんじゃな……」
──うそだ、と言ったつもりだったのに、僕の口はぱくぱくと動いただけだった。
「信じられんのも無理はないが、宇宙とは常に変動を繰り返しておる。ワシの恩師は、
カミオカンデによるニュートリノ観測でノーベル賞を取った。その時の超新星爆発が地
球からはるか遠くの出来事だったからの。今度はそうは行かん。ワシらの運命は、無慈
悲な確率によって定められてしまったんだの」
「……だ、だって、さっきのニュースじゃ、そんな事は全然言ってなかったし、ニュー
ス速報とかも……」
「避けられない宇宙の天災をいちいち万民に教えてどうする。『皆さんは明日死ぬんで
す』などと報道したところで、起こるのはパニックだけだろう……。すでにこの事実は、
国連などを通じて全世界的に知れ渡っておる。それ以外ではワシ等のような科学者にも
伝えられたが、どうにも防げるものではない、という結論しか出せんかった」
じいちゃんはさっきの操作で、メールの文章をディスプレイに表示していた。そこには、
この超新星爆発によって起こる人的被害のなんちゃらとか難しい文章が書かれていた。
直視する勇気も無かったけれど、ぼんやりと確認できるのは『滅亡』とか、『避けられ
ないカタストロフィー』とかそんな泣けてくるような文字。
「どうにか、助かる方法は、ないの……?」
「核シェルターの類に篭もればしのげなくもない。しかし、直撃半球ではそれでも無意
味じゃな。なにより、大気もなく、クマムシと深海魚だけが生き残った地球で、シェル
ターに篭もって一生を終えるというのは、重雄、生きているといえるのかい?」
空調も効いてない小さな書斎の中、僕は凍えるようにかすかに震えていた。
すこしツバを飲み込むと、僕は必死の思いで大きく声を出した。
「じゃぁ、どうしてそんな事を僕に教えるんだよ! 知らなかった方が、ずっと、ずっ
と……」
ずっと良かったと言おうと思ったけれど、どの道死んでしまうんだ。
「そこでさっきの話に立ち返る。重雄、お前は『善く生きて』いるか? ヒネたままで
人生を終えてみるのか? よおく考えてごらん。お前の心の持ちようで、世界はいくら
でも変わる。ちょうど明日は日曜日だしの、良く噛みしめてみぃ。謙虚で穏やかな心が、
一生に勝る一日を与えてくれる、かもしれん。重雄は頭がいいから、判るはずだな。ま
ずは明日、リズちゃんに謝るんだぞ? 分かったかい重雄や。でもリズちゃんにはこの
話は言っちゃダメじゃが」
「……うん……」
「ワシは明日、牛久のばあさんの墓参りに行くからの」
「……うん……」
じいちゃんがパソコンを終了させた。ディスプレイが真っ黒になる。
現実味の無い話だけど、さっきまでのじいちゃんの話は、僕にとってあまりにも重かっ
た。
それだけじゃない。ディスプレイに映し出されていたデータのグラフ、焦点のぼんやり
した目で見たメールの内容──。
僕はよほどショックだったらしく、じいちゃんの書斎から何時の間に自分の部屋にきた
のか、よく判らなかった。
電気を消してベッドに横になると、僕は泣き出していた。悲しいからとか、怖さとか、
どういった感情で出た涙なのか、僕には判断がつかなかった。
「しげちゃん、起きなよ。もうお昼になっちゃうよ」
「……ううう……ん?」
肩を掴まれ、頭をくらんくらんと揺らされて僕はくっついた両目蓋を引っぺがした。
目の前には、いつも見慣れてるリズの顔があった。僕は少しぽかんとしてから、身体を
起こした。
「あ、あれ? なんでリズがいるんだ?」
「おじいちゃんがね、出かけるからしげちゃんの面倒を見てやれってさっき来たんだ
よ」
置いてかれた!! 僕はひそかに、じいちゃんについていこうと思っていたのだ。
一人では心細いもの。じいちゃんと何かしら会話をしてるだけでも、きっと僕の不安は
少しは紛れたろうに……。
「しげちゃん、すごい寝汗だね。シャワーあびてきなよ。その間に、リズがお昼を作っ
たげるよ」
「ん……? ああ、そうする……」
寝汗もかくはずだよ、と僕は心の中で愚痴る。リズは呑気なもんだよ、僕らが、滅亡す
るってのに……。
『しげちゃん勉強できるのに部屋は散らかってるよね〜』とかいいながら、漫画とか参
考書とかをてきぱき片付けてるリズの後姿を見てたとき、ほんの少しだけ、僕の心に意
地悪な心が芽生えた。
もし、昨日のじいちゃんの話をリズにしたらどうなるだろうか。
いや、きっと信じないだろうな。リズは科学とか成績悪いから、(僕にちょくちょく教
わりに来る)ニュートリノの何たるかを説明してたらきっとタイムアウトになるだろう。
「どしたの? しげちゃん」
「いや、なんでもない……」
僕は不思議そうな顔をするリズを後にして、風呂場へと向かった。
人生最後なので、普段はカラスの行水だとじいちゃんに叱られるのだけど、今日は念入
りに身体を綺麗にした。以前本で読んだけど、切腹前のサムライもそうしたらしい。
シャワーを浴びているとき、なんとは無しに僕は独り言を呟いていた。
『僕の体、ありがとう』と。
じいちゃんの言った『善い人生』とかってのはよく判らないけれど、僕は死んでしまう
瞬間を知ってしまっているだけに、何かしら自分を落ち着ける方法を模索していての事
かもしれない。
50m走はクラスでトップクラスに遅いけど、足がなかったら歩けもしないよね。
腕がなければ本を読めない。一人でご飯も食べられない。
改めて自分が健康だったことを、自分自身に感謝してみた。
すると、なんか、優しい気分になれた。
シャワーの飛沫が当たる体に神経を集中して、僕は居る事を再確認したんだ。
僕は今、確かに生きてる。
今日中に死ぬけど。
覚悟を決めるってのはこういう事なのかな。
「お風呂長かったね〜」と、リズが無駄に明るい笑顔でリビングダイニングで待ち構え
てる。思わずつられて、僕も笑って「そうかな」と答えたのが我ながら意外だ。
テーブルの上には、スパゲッティと餃子と昨日の晩の残りのサバの味噌煮。僕がちょっ
とだけついばんだ跡がある。
「おじいちゃん、サバの味噌煮だけは残して、後は全部食べちゃったみたい。スパゲテ
ィは勝手に使わせてもらっちゃった。あと、餃子はね〜、リズの作り置きなんだよ〜。
しげちゃん、これでいい? ご飯よそる?」
「いや、これで十分だよ。リズ、ありがとう」
「え?」
昨日の晩、ろくすっぽ食べてなかったから、餃子のニンニクの香りとかもうたまらなか
った。テーブルにつくと、僕はいつもの倍の勢いでお昼を堪能する。なにせ人生最後の
昼ご飯だものな。
「どうしたの? 僕が食べるところを見ててもお腹は一杯にならないよ。リズも食べな
よ」
「そ、そうするねっ」
リズが僕を見つめながらゆっくり、テーブルについた。すると囁くように言った。
「ねぇしげちゃん。おいしい?」
「うん。スパゲティがちょっとピリ辛なの、いいよね。シンプルだけど、ええと、こう
いうのなんていうんだっけ」
「ペペロンチーノ」
「そうそう。で、餃子も僕の好物だからさ、よかった。今日食べられて」
「餃子もおいしいの?」
「うん」
「っやった〜っっっ♪」
リズがガッツポーズをして勢いよく立ち上がったんだ。いきなり。
「しげちゃんがリズのお料理おいしいって初めて言った〜! いえ〜♪」
「初めて……?」
Vサインを僕に突きつけてはしゃぐリズに僕はきょとんとなる。
おいしいとは思ってたけど、口に出して言った事、なかった、のか──?
「そうだよ〜。初めて! やりっっ!」
こんなに明るく笑うリズを見るのは久しぶりだな、そう思った時だ。僕の脳裏にじいち
ゃんの言葉が蘇る。
『リズちゃんに謝るんじゃぞじゃぞじゃぞ……』
今だ。このタイミングを逃したらダメだ。
「昨日はマジごめん。ヤな気持ちになったでしょ」
「えへへ。ちょっとね。でも今ので全部帳消し〜。むしろ、リズがしげちゃんにありが
とうっていいたいよ♪」
「そっか、よかった」
僕は胸を撫で下ろす。リズに許してもらったことで、僕の中に温かい感じが満ちる。そ
の感じは、人類滅亡の怖さを和らげる僕の特効薬になる気がした。
可笑しな話だけど、僕はこう思う。
世界中、いがみあっている人や国がある。けど、僕が感じたこの温かい気持ちを抱いて
人類滅亡の瞬間に立ち会う人はある意味、幸せなのかもしれない。
僕はそうありたい。
僕はサバの味噌煮を口に入れる。一晩たってるのに、母さんが作ったそれより柔らかく
てなめらか。辛くすぎず、しょっぱすぎず、きっと、じいちゃんが言ったとおり、この
味を出すのは簡単なことじゃないはずなんだ。
なぜだろう。昨日は全然気がつかなかった。
「これも最高。リズ」
「でしょ〜?! 自信作だったんだ。でもなんかしげちゃん、いつもと違うね、リズ、
今日もダメ出しされるんじゃないかって……」
「いつもはじいちゃんがいるからさ、恥ずかしくて言えないよ」
さりげなくじいちゃんのせいにした。本当は僕がリズをちょっと、疎ましく思っていた
のに。じいちゃんゴメン。
「言ってよもぉ〜。『おいしい』っていわれると、俄然やる気でちゃうんだよ?」
「じゃぁ、これからはそうするよ」
「うんっ!」
それから、二人してクラスの話とか勉強の話とか、そして笑いあいながらお昼を食べた。
スローフードってやつだ。
あの、温かい気持ちに一杯になる。
僕は全人類滅亡の怖さを克服しつつあったんだ。
でも、まだ子供以上成年未満の僕の心は、間違いなくじいちゃんほど強くなかった。
ソファーに二人して座って、ディスカバリーチャンネルのDVDを見てる時だった。
柱にかけてあるアンティーク時計が、(じいちゃんの趣味)わざとらしく三時を告げる
鐘を鳴らす。
僕ははっとした。超新星爆発による人類滅亡まであと、およそ五時間──
予想以上に来た。
温かいダムで堰き止めてた分、決壊した怖さが全身を駆け巡る。
後頭部を何かで殴られたように、全身が痺れてくる。
「どしたの? しげちゃん」
「……あ、いや、なんでも、ないよ」
「震えてる。夏風邪?」
リズがおでこを僕のおでこに当てた。熱はあるはずない。
その瞬間、僕の頭に、いろんな考えがフラッシュバックした。
リズに言おうか。いや言わないべきか。
じいちゃんには止められている。でも、僕は一人で現実に耐えられるほど強くないんだ
よ。
気がついたら、リズの肩を掴んでいた。「えっ?!」って顔をして僕の顔をリズが見る。
「あああ、リズ、リズにその、言いたい、事、あるんだ……」
「な、なにかな?」
リズが困った笑顔して首をかしげた。
「その、僕、リズにその、言いたい事があるんだよ……」
「んー?」
ここまでやっといて、僕は心の中でいっちゃダメだ、と叫んでた。
リズの肩を掴む腕に勝手に力が入り、肘がきゅーっと縮こまり、リズの顔と僕の顔が近
づく。
「……じゃぁ、私が先に言うね」
「え?」
「しげちゃんの事大好きなんだよリズは」
近かったから、それはジャブみたいだった。
驚きのあとに柔らかい感覚が唇に来た。
キス、されていた。
「……僕も、リズの事、好きだと思う……」
「じゃぁ、両想いなんだね。うれしい……」
今度は僕からキスしていた。
僕は状況を把握した。
これだ。これしかない。
「ふぁ……」
リズの顔が少し赤くなってる。
「もっとしていい?」
「いいよぅ……」
怖さを克服するにはこの方向性しかない。
洋画みたいにキスを連打した。
偶然、お互いの舌が触れた。
その感触に痺れる僕。
これもいい。もっと。もっとだ。
科学変化を起こしたように、僕もリズも変わっていたと思う。
幼馴染でありきたりのリズが、信じられないほどかわいいんだよ。
キスするたび、さっき以上の温かい気持ち、いや、熱い感情がこみ上げてくるんだ。
「リズ、舌を出してみて」
「こう? んんん……っ」
そのリズの舌を僕は唇だけを使って食べる。リズの瞳が驚きでちょっと大きくなって閉
じられる。お互い、舌と舌をぐるぐる動かしたりして深いキスをしていた。
僕は、再び恐怖に立ち向かえる強さを得た。
心臓の鼓動とリズムを合わせて、僕のチンチンはペニスへと変身しているのを知った時、
僕は心に決めたんだ。
新しい提案のために、リズを離し、僕は言った。
「結婚しよう」
「いいけど、まだリズたち結婚できる年齢じゃないよ……」
否定されなかったのが堪らなく嬉しい。GOだ!!
「なら、二人の子供を作ろう」
「えっ……。もしかして、今、かな……?」
「今じゃなきゃ、ダメなんだ。責任は、その、僕とじいちゃんがとる。リズの全部を知
って、体験して」死にたいと続けようとしたのを堪え、「リズの事をもっと好きになり
たいんだよっ」
リズは、目を伏せて小さくうなずいた。
とりあえずここまでです。
続きは極力早くあげたいが仕事しだいしだいしだい(残響音含む)
>>326 GJ!!早く続きが読みたい読みたい読みt(ry
リズかわいいよリズ
328 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 01:15:46 ID:pLUZMXpo
>311
と言うかすでに妊娠済みなのがいくらもいますが
329 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 01:28:59 ID:tuGftT8E
GJ!!
ただ地球絶望は避けてクレイ!
初めまして。ラカンと申します
孕ませスレに、ボクっ子が少ない気がしてかきました
では投下いきます
「ふぅ、きょうもつかれたな…」
と、自分の家(と言ってもマンションの一室だが)の前で、独り言を呟く男。
俺こと霧山 剣(きりやま けん)はとある企業に勤める24歳だ。
…あれ?何俺自己紹介してんの?やっぱ飲み過ぎた?
とか考えながら家へと入る。
「ただいま」
家には誰も居ないのに、とか思いつつ言ってしまう。
この家は一人で住むには若干広すぎる。
だけど、爺さんのお陰で、タダで住めるんだから文句は言わないでおこう。
爺さんはうちの会社の会長だ、だが、仕事が仕事だけに、あんまり偉いとは感じない。
なんせ、いわゆる国家機密の裏稼業というやつで…
おっと、この話はまた今度。
「はぁぁ〜」
と、今日一日の疲れの篭もった息を吐く。
時計を見ると九時半、まぁまぁ早いほうだ。
『プルルル…』
…電話だ、仕事か?
「もしもし、」
『おう、剣か?最近お前特級のライセンス取ったよな?』
「爺さんか、まぁ、一応」
『それで、夏姫の教育係りやって欲しいんだわ。』
「夏姫って、炎山 夏姫(ほむらやまなつき)か?」
『ああ、それから、今日からお前ん家に住むから。』
「だれが?」
分かりきったことを、話の突飛さに聞いてしまう。
『夏姫が』
「はぁ?マジで言ってんのか?爺さん」
『本当だ、まぁ詳しい話は夏姫から聞け』
と言い捨て、電話を切られた
「ちょっ!まてジジイ!……ふぅ、夏姫かぁ…」
夏姫━━━━━
小、中、高校と一緒だった夏姫
夏姫は2つ下の可愛い妹みたいな存在で、
いつも俺の後ろを「ケンにぃ!」とか言いながら付いてきていた女の子━━━━━
だったはずだが、なんで今更夏姫が?夏姫に《適性》が無くて、
高校卒業以来、すぐに修行へと入った俺とは疎遠になってしまって居たが、まさか、こんな形で再会するとは━━━━━
「やばっ!掃除しなきゃ」
なにせ男の一人暮らし、女性に見られてはイケないものが多数在るわけで、それを何とかしなくては、
「ふぅ…これでよし!」
と、とりあえず最重要機密のブツは隠した。
『ピンポーン』
おっ!ナイスタイミング!
と、丁度いいタイミングで来た夏姫を迎えに行く…
て言うか、夏姫をなんて時間に寄越すんだ!あぶねーじゃねーか!ジジイ!と心の中で文句を言う
「ハーイ!」
と、元気よく戸を開けた所でいきなり抱きついてきた人物は━━━━━
頭頂部の左右に猫の耳。
よく正月にみる巫女さんの格好をした。
「ケンにぃ久し振り!会いたかった!」
ネコミミ巫女さんだった━━━━━
「お、おう、てーか、取りあえず離れろ」
「あ、……ゴメンナサイ…」
途端にシュンと、落ち込む夏姫
「い、いや、怒ってねーけども、とりあえずウチ入れ」
「ありがと!ケンにぃ!」
と、フォローを入れた途端に、今度は満面の笑みを浮かべる夏姫
その、相変わらず、感情の起伏が激しい所が、剣を少し安堵させた。
「お茶でも入れるから、適当に座っとけ」
「わかった!」
と元気に返事をして、リビングて座ったのはいいのだが、どこか落ち着かないようで、キョロキョロしていた。
改めて夏姫を見ると、最後にみた五年前の時には、可愛い。だった夏姫が、綺麗。になっていた。
相変わらずの、肩に掛からない程度のショート、
背は少し高くなって、160位だろうか、
胸は貧乳から普通にランクアップしている。
全体的にスレンダーな感じだ。
ひょっとすると、テレビに出てくるんじゃないかと思うくらいの美人だ。
そんな夏姫でも、中身は変わって居なかった。
「━━であの時お前が━━━」
「ケンにぃやめてよぅ!」
と言った具合に昔と同じように接した。
「で、本題に入ろうと思う」
「うん!」
「まず、なんでネコミミ巫女さんなんだ?」
「だって、ケンにぃのじいちゃんが付けてけって言ったから…似合わなかった?」
「いや似合ってたけどよ…」
「えへへ…ボクうれしい!」
と喜ぶ夏姫の可愛いさに、ドキッとしながらも話続ける
「で、夏姫は、退魔師になる修行に俺んとこにきた。と」
そう、俺の勤める爺さんの会社は、日本の裏で、悪霊やら妖怪やらをブッ倒している退魔師と呼ばれちゃったりするものなんだ。
「うん!でも、それだけじゃないよ?」
「?なんだ?」
「その………」
「なんだ?はやく言えよ?」
「そのっ!ケンにぃのお嫁さんになりにきたんだ!」
「えぇぇ〜?マジで?」
驚きを隠せない俺
「うん…」
顔を赤らめて俯く夏姫
あのジジイ…こんなこと…うれしーじゃねーか!
俺がずっと夏姫を好きなの知ってたのかな…
でも…
「で、お前は納得してるわけ?」
「何に?」
「俺と結婚すること!」
「…?」
「お前は嫌じゃないのか?他に好きな奴でもいるんじゃねーの?」
「そんな……そんなわけないじゃん……ボクはずっとケンにぃしか見てないよ!…ぐすっ…」
泣き出す夏姫
あ、泣かした…ダメだな、俺、昔からいっつも夏姫のこと泣かしてばっかだ
「ゴメン。俺いっつも夏姫のこと泣かしてばっかだな…」
「ううん…ケンにぃはそれよりも〜っとボクのこと笑わせてくれたもん…」
ぐずりながらも、可愛い事を言う夏姫
「じゃ、言わなきゃなんねーな!」
「?」
「…俺は、夏姫のことが、大好きです!……夏姫は?」
「もちろん、大好き!だよ?」
ギュッと夏姫を抱きしめる
幸せってこのことなんだなぁ…
「あ、そういえば」
「なに?夏姫」
「……じいちゃんが早く孫の顔がみたい。だって」
「……ふーん(可愛いだろな…子供)」
「え?なんかいった?ケンにぃ」
「い、いや、なにも、」
次回!子作り編
>>326 >>336 こ、これはっ……続きが気になるGJ二作!!
休みなしの連休明けでも、今週を生き抜く気力をもらいました。
リズ可愛いな〜。のんきな口調もツボだ。
ビジュアルがなんとなくTo Heartのレミィだ。
金髪萌え。
>>337 ゲーパロ・・・・・俺はもうダメだ・・・・・
頼む!俺の分も生きて、元気な子を産んでくれ・・・・・・・
決戦期待して待ってます
素晴らしい作品に刺激されて投下〜
341 :
架神家の事情:2006/09/19(火) 22:55:06 ID:25hdMPCb
男は重い溜息をついて歩いていた。
最近では珍しい着物姿だが、彼の家柄を知るものであればそれを疑問には思わない
だろう。
彼の家は古き歴史を持つ闇払いの中でも四大退魔と称される名家の一つだった。そ
の名を架神という。
彼が愛しい人の許へ向かっているというのに陰鬱そうなのもそこに原因があった。
架神の家は近年衰退していた。彼の祖父の代から強力な使い手が生まれなかった
のだ。もとより架神は直接の戦闘力は高くない。彼らの力は力の流れや人の思念が見
える、という戦闘に関しては補助的なものでしかなかったし、混血でもなければ強力
な秘術が伝えられているわけでもない。結果、彼らの得意とする護衛の仕事も碇や天
原といった戦闘専門の連中に回っていってしまっていた。
架神の長老たちはこの状況を打開するためにより強い子を求めた。しかし超越者で
ある架神家の力『心眼』は継承率のずばぬけて高い九浄家と違い、力を持たずに生ま
れる子も珍しくない。その状況下で強力な使い手が生まれる確率など一体どれくらい
なのか、考えるのも虚しくなる。
継承率を高める術がない以上、架神家のとる手段は一つ。とにもかくにも数を産む
ことだった。代々に受け継がれてきたその考えだが、彼の父の代からそれは病的なま
でになっていた。
実際彼のたくさんいる兄弟たちは皆その考えを実践していた。兄や姉たちは例外な
く子持ちであるし、一つ下の弟も十五になるからそろそろ小作りを始める時期だ。十
三の妹はすでにこの冬、子を授かった。
だがしかし、次期頭首という身分でありながら彼には跡継ぎ問題に関しての興味は
皆無だった。たまたま彼の父が頭首をしていて、彼の力が他の兄弟の誰よりも強かっ
たという理由で授かった身分だ。思い入れなどあろうはずがない。
男子は十五、女子は十三、という定められた子作りを始める時期を過ぎて一年にな
ろうとしているが、彼はまだ子を作るつもりはなかった。
理由は単純明快。十四という幼い年齢の少女に出産は大きな負担となると思ったか
らである。偏に愛する許婚を思ってのことだった。
342 :
架神家の事情:2006/09/19(火) 22:55:48 ID:25hdMPCb
いつもの池のほとりに彼女はいた。こっちに気付かずに一心に池の中を覗いている。
薄桃色の着物をきた姿は日本人形のようだ。
「ゆな」
声をかけると顔を上げてこちらを向き、顔を輝かせて走り寄ってくると勢いそのまま
に飛びついてきた。
「コウちゃんおそいーーーーーっ!」
不意のこととはいえ、小柄な彼女に飛びつかれた所でそう大きくバランスを崩すもの
ではない。首にしがみついてくる小さな身体をそっと抱きしめた。
「悪い悪い。また爺様方に捕まってな」
今は従妹の彼女だが、相応の年になれば俺の妻になる。俺の身分を考えれば架神家の
姫様になるはずなのだが、落ち着きのかけらもない。
「もうっ!最近のコウちゃんそればっかり。ちっとも私にかまってくれない」
彼女は俺のことをコウちゃんと呼ぶ。耕太だからコウちゃん。子供の頃から変わらな
い呼び名だ。恥ずかしいので止めて欲しいのだが、優菜のことを縮めてゆなと呼んでい
る俺には何も言えない。
「いやだから何度も謝ってるじゃないか、わかってくれよ」
次期頭首などというしち面倒くさい身分のせいでここ数日ゆなにかまっている暇がな
かった。しょうがないことなのだが、ゆなはいかにも不満そうに頬を膨らましている。
「ごめんごめん、今日は一日中付き合うから機嫌直してくれよ」
「ほんとうっ!?ほんとにずっといてくれる!?」
「もちろん本当さ。俺がゆなに嘘ついたことあるか?」
「ううん、ない」
声を弾ませて息が止まるほどきつく抱きしめてくるゆなは十四という実年齢よりも幼
くみえる。小柄な身体や大きな眼、両耳の上で結んだ髪などの外見に合わせるように精
神面もまた幼いようだ。
かといってそれが厭であるか、と問われれば俺は全力で否定するだろう。彼女の元気
な姿を見るだけで、いや声を思い出すだけで煩わしいことを全て忘れることができた。
「さて、じゃあ今日は何をしようか?ゆなは何がしたい?」
俺の身体を離したゆなは少し考えて言った。
「んとねえ・・・そうだ!私新しい曲弾けるようになったんだよ。聞いてくれる?」
ゆなは昔から琴が好きだった。架神の家に生まれた以上嗜みとして習わされるが、彼
女はそれを心の底から楽しみ、今ではこの家に琴でゆなの右に出るものはいない。
「そうか、それは楽しみだ。是非聞きたいよ」
俺がそういうとゆなは贈り物でも貰ったかのように喜んだ。
343 :
架神家の事情:2006/09/19(火) 22:57:04 ID:25hdMPCb
梅の香る庭に柔らかな琴の音が響く。
曲名なぞ知らないがそのやさしい音色を聞いていると心が洗われていくようだった。
まるでこの世からただ二人だけがどこか暖かなところへ切り離されたような気がした。
いや、もしかしたら本当にそうなのかもしれない。ここは重苦しい身分もありがた迷惑な
お小言とも無縁の場所だ。とても、安らかになれる。
やがて演奏が終わり、草の上に寝転がっていた俺の顔をゆなが覗いてきた。
「どうだった?ちょっと緊張しちゃって音が乱れちゃったけど、そんなにひどくなかった
はずだけど」
期待半分、不安半分といった顔で尋ねてくるゆなに俺は彼女の琴に負けないくらい優し
い声で答えた。
「相変わらずの凄腕だな。この世に勝るものなしって感じだよ」
「ちょっと、剣じゃないんだから。もうちょっと芸術的な表現してよぅ」
「やれやれ、琴を弾いているときのお前はおしとやかに見えるんだがな。その半分でいい
から普段も落ち着いてられないか」
俺の軽口にゆなはむーっ、と唸って怒った。
その顔がとても可愛かったので寝たままその顔を抱き寄せた。
「やっ、ちょっと!」
突然のことに少し驚いた声を出したが、さして抵抗することもなくゆなは俺に抱きしめ
られていた。
俺はこの温もりさえあればいいのだ。跡取りがどうとかいうのは兄弟に任せておけばい
い。俺はずっと彼女を抱いていられれば、それでいい。
344 :
架神家の事情:2006/09/19(火) 22:57:54 ID:25hdMPCb
数日がたち、俺は十六になった。誕生会は一族総出の豪勢なものだったが、そんなもの
よりもゆなの笑顔のほうがずっと俺は嬉しかった。
宴会もお開きになり、俺が自分の部屋に戻ろうとするとゆながついてきた。
「どうした?眠れないのか?」
「うん・・・ちょっとね」
ゆなはたまに眠れなくなると話をしに俺の部屋に来る。今夜もそうなのだろうと思った
が、ゆなの顔を見ているとなにかいつもと違う感じがした。
「何かあったのか?」
頭一つ分下にあるゆなの顔を見て尋ねる。ゆなは煮え切らない態度で言いよどみ、結局
部屋に入るまで何も聞き出せなかった。
「布団、敷こ」
話がしたいのなら布団を敷く必要はないだろう。まさかこの年で一人で寝れないという
訳でもあるまい。俺はゆなが何をしたいのかわからなかった。困惑する俺を置いてゆなは
押入れから布団を引っ張り出して綺麗に敷いた。
「ゆな、何を?」
改めて聞くとゆなは敷いたばかりの布団の上にちょこんと座って言った。
「ええとね、私ももう十四で、コウちゃんも今日で十六でしょ?だから、だからね。今夜
は・・・て欲しいなって」
最後のほうはごにょごにょと口ごもっていて聞き取れなかった。俺が怪訝な顔をしてい
るとゆなは一度大きく息を吸って言った。
「だから今夜は私を抱いて欲しいなって!そう言ったの!」
いや、顔を真っ赤にして叫んだ。おそらく家中に聞こえたことだろう。
「抱く、ってお前。それは・・・」
俺の呟きなど聞こえないように、ゆなは続けた。
「それでそれで、コウちゃんと私の子供が欲しいなってそう思って、家のみんななんか関
係なくて、私自身がそう思ったから!それで、それで・・・」
ゆなはもはや半泣きだった。嗚咽を漏らす小さい身体を強く抱きしめる。
「ゆな・・・ごめんな」
「コウちゃん。コウちゃぁん」
「ゆながそう言うなら。そう言ってくれるなら、何も悩むことなんかない」
抱きしめていた身体を離して、濡れた瞳を見ながら一言一句力を込めていった。
「ゆな、俺の子を産んでくれ」
その言葉を聞くとゆなは俺に抱きついて何度も何度もありがとう、と言った。
345 :
架神家の事情:2006/09/19(火) 22:58:55 ID:25hdMPCb
「なんだか、恥ずかしいね」
着物の帯を外しながらゆなが言った。確かにそうだ。別に裸を見せるのが初めて、とい
うわけじゃないがこれからの行為に繋がると思うと裸でいるのが急に気恥ずかしくなる。
「こっちむいていいよ、コウちゃん」
言われてゆなのほうを向くと、彼女はすでに一糸纏わぬ姿になっていた。片手で薄い胸
を隠し、もう片方の手は恥部を隠している。
電気を消した部屋に入り込む、薄い月明かりを浴びて未発達の裸身が妖しく光る。
「綺麗だよ、ゆな」
俺が本心からそういうとゆなは顔を赤くして俯いてしまった。
「もっとよく見せて」
俺がそう言って乳房を隠す手を退けるとゆなは小さく声を漏らしたが、あえて抵抗しよう
ともしなかった。
新雪のような肌。控えめに膨らんだ乳房を優しく揉みしだく。
「あ・・・」
ゆなが甘い吐息を漏らす。たまらなく興奮して胸の蕾に吸い付いた。
「あっ、んぁ」
ぴちゃぴちゃと水っぽい音とゆなの熱い吐息。もうすでに俺はブレーキが利かなくなって
いた。
未だに股間を隠す彼女の手を退ける。
「あ・・・」
今度の声は快感でなく羞恥によるものだろう。しかしその声も俺を興奮させた。
「恥ずかしいよ、そんなに見ないでよぉ」
ゆなの綺麗な桃色のそこを見つめていた俺にゆなは耳まで真っ赤にしてそう言った。
「どうせする時は見るんだぞ。それに、恥ずかしがることなんかない。すごく綺麗だよ」
そう言って俺は誰も、おそらくは本人さえも触れたことのないであろうゆなの女性の部分
に舌を這わせる。
「ひゃっ?」
未経験の感覚にゆなは驚きの声を上げる。俺はかまわずに丁寧な愛撫を続ける。
「あっ・・・ぁふ、はぁ・・・」
ゆなの声はだんだんと甘く湿ったものになっていく。しばらくの間それを続けていると小さ
い突起物が目に止まった。クリトリスというやつだろう。俺がそれを指で摘むとゆなの身体が
跳ねた。
「ひぁああああああぅっ!」
人生初の絶頂だろう。ゆなは身体をのけぞらせて叫んだ。
346 :
架神家の事情:2006/09/19(火) 22:59:59 ID:25hdMPCb
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」
まだ痙攣を続けるゆなの体を抱いて耳元で囁く。
「ゆな・・・とっても綺麗だよ」
「ぁふ・・・コウ、ちゃ」
ゆなはまだ陶酔しているのだろう。呂律が怪しい。そんなゆながたまらなく愛しかった。
荒い息遣いのゆなにそっと囁く。
「入れるよ、ゆな」
言ってゆなの体をそっと横たえる。
「来て・・・コウちゃん」
俺の背中に両手を回してゆなが言った。
俺はそそり立った自分自身を彼女の濡れそぼった秘所にあてがい、一気に奥まで貫いた。
「ーーーーーぅくっ!」
破瓜の痛みは身を裂かれるようだと聞く。俺は少しでもゆなの痛みが和らぐように小さい手
を握った。
「こっ、コウちゃん、コウちゃぁん!」
ゆなは目に涙を溜めて俺の名前を呼ぶ。俺はその声に答えてゆなの薄紅色の唇に自らの唇を
重ねる。
「んっ、んん・・・」
糸を引いて二人の唇が離れる。もう痛みは大丈夫だろうか。俺が心配そうな顔をしたからか
ゆなは優しく微笑んで言った。
「動いて、コウちゃん」
「うん」
あるいはここで止めようかと思ったが、ゆなはそんなこと望んでいない。彼女は本当に俺と
の子供を欲しがっているのだ。ならこんな半端で止めるわけにはいかない。
俺はゆっくりと腰を動かし始めた。ゆなの中はきつくて痛いくらいに俺のものを締め上げて
くる。
「ぁ・・・ぐぅ・・・ぅ」
まだ痛むのか、ゆなは苦しげに呻いている。だが今の俺にはもう彼女を気遣う余裕はない。
意識せずに腰が動きを早める。
「ぁ・・・く、はぁ・・・んぁっ!」
ゆなも痛みより快感のほうが勝り始めているらしい。だんだんと声に甘いものが混ざってき
た。
「ひぁっ、あぁん!ぁうっあっ、はぁぁっ!」
もはやゆなの声は悲鳴に近かった。その声を聞きながらさらに動きを早める。
「あっあぁぁっ・・・やっ、やんっ!わ、私もう、だ・・・め、ダメェッ!」
俺ももう限界が近い。腰の動きを小刻みなものに変える。
「ゆな、一緒に・・・」
「あぁぁっ、コウちゃん、コウちゃんコウちゃんコウちゃんっ!」
そして一際深く突いた時、ゆなが二度目の絶頂を迎えた。
「こっ、こうちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
ゆなの叫び声を聞きながら俺はゆなの中にありったけの子種を放った。
「あぁ・・・熱いよぉ・・・」
ゆなの膣の痙攣にあわせて俺は彼女の中に精を放ち続ける。小さい体に収まりきらなかった
白濁とした液が溢れ出てきた。
「ねえ、コウちゃん」
「ん?」
「ぎゅー」
「なに?」
狼狽する俺にゆなは琴の音色のような声で言った。
「だから、お願い。ぎゅーってして。力いっぱい」
「そんなお願い、いくらでも聞いてやるさ」
俺はゆなの小さくて、白くて、柔らかい体を言われたとおりに力いっぱい、この心が伝わる
くらい力いっぱい抱きしめた。
347 :
架神家の事情:2006/09/19(火) 23:01:36 ID:25hdMPCb
「だから名前にはさ、願いが込められてるんだよ」
「願い?」
夏が過ぎ、赤い落ち葉が舞う頃。俺の隣に座るゆなはすっかり大きくなったお腹をさすりな
がら言う。
「うん。こうなって欲しいとか、こんな風に育って欲しいとか、そういう願い」
「ああ、なるほど」
ゆなは要するに俺に子供の名前を決めろと言っているらしい。
「うぅん、そうだな。俺は架神の家のことは興味ないからな。ただ健康に育ってくれればいい。
それが願いかな」
「あはは、コウちゃんらしい〜。でも、私も同じかな。この子には健康に育って欲しい。それ
だけで十分」
愛しげに自分の中の子供を見るゆな。俺は二人の愛しい人を同時に抱いた。
彼女の優しい琴の音を聞いて育つのだ。健やかで優しい子になるに違いない。
・・・あ、思いついた。二人の願いにふさわしい名前。
『健一』と名付けられたその子供が、当代一の使い手になるのはもう少し先の話。
>>340いつかの207氏
元ネタが何かはさっぱりわからんが楽しませて貰った。
やっぱり自分は、ハラマセ要素がある場合は和姦が好きなようだ。
無理矢理も嫌いじゃないがな( ゜∀ ゜)!!
>>326 じいちゃんがえらいキャラ立っててこの爺さんに孕まされるのかと思った
>>349 おれもおれも。
爺ちゃんNTRを期待してた。
実を言うとこの展開になってもまだ期待してる。
いやだリズたんが爺にやられるのなんて!
リズが主人公好きだっつってんのに鬼畜ルートを作るでない。
個人的に「今かな?」のセリフに萌えた。
爺さんと和姦したっていいじゃないか。
いやだリズは俺が守る。
駄目だ、リズはおいらのモンだ。
NTRスレにカエレ
じゃぁここは間をとって小山君にリズが孕ませられればいいんじゃね?
いや、もっと間を取って俺がリズを孕ませれば万事解決。
このスレの住人が全員孕めば争いもなくなるよ
じゃあ俺がお前ら皆孕ませるよ。
>359
あの・・・私の新品子宮をあなたの種で中古品にしてください!
なんと言うか毎度のことだが、このスレの住民は
あまりの神の多さにいろんなものに超進化する傾向にあるな
>>360 中古どころか閉経までずっと使用中にしてやる!
>362
じゃぁ・・・その・・・よろしくお願いしますね?
(M字開脚でくぱぁと自分の秘裂を割り開く)
ところでNTRって何の略?
HRの意味も前スレで知ったけど。
寝取られ
なるほど。なるほど。
って、やっぱり爺ちゃんなんかにリズ寝取られてたまるか━━!!
ntr ktkr wktk
vip語多用はウザス
ネトラレ キタコレ ワクテカ
NTRがVIP発祥とかいってる馬鹿がいるなんて
>>366 わかった。じゃあ何だか制約の多い宇宙船に乗って脱出できることになった二人。
でも持ち物制限があるため、爺さんのDNAの塊を子宮の中にそっと隠しておくことにしたリズたん。
っていう話でいいや。
(・∀・)巣にカエレ!
年寄りと少女なんて、想像しただけで気分悪い。
>>374 でもそれが普通だった時代も存在するワケで。
ちなみに織田信長の正妻、濃姫は8歳だか9歳だかで嫁いだって説もあるらしい(戦国時代の女性は生年月日があやふやな場合が多い為、通説の1535年生とは限らないらしい)。この時信長は25歳。
マヂレスするとヴェガって誕生してからまだ20億年ちょいしか経っていない主系列星
だから超新星爆発は起こせない(起きない)はずなんだよナ。
太陽が誕生して50億年経っていて人間で言うとちょっと中年に入った美女な感じ
だから今のヴェガだとまだ女子高校生になったばかりだ(多分)。
超新星爆発を起こすにはさそり座のアンタレスやベテルギウスなんかの棺桶に片足
突っ込んでいる婆さんにならんといかんのよネ。
星の内部が重力崩壊を起こした〜とかでもない限りは爆発しそうにない。
>>372 太陽風辺りなら宇宙船でもシールドできるが地球がカリカリに焼けるほど強力
な放射線をモロ喰いしたら今の人類の作れる宇宙船では防ぎきれないヨ。
ごめん、俺はまだ未熟だから星の誕生からはエロを感じ取れない。
神が宇宙を犯し孕ませまくって銀河を充実させる物語
神と言うより、何だかクラウザーさんみたいだなw>宇宙をレイプ
>>376 天体知識ゼロの俺が解釈するに、超新星爆発というのはある種蝋燭の最後の灯火と言うことで相違ないか?
知識ゼロなのに理解できるような現象ではない気がする。
ろうそくの最後の灯火とはなんか違う気もするし。なんと言っても次ぎの星の子の材料になったりするからね
このスレではある意味では死を賭しての出産に近いイメージも持てるツワモノもいるかもな
383 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 11:56:45 ID:ySfMFRu4
台無しだぜ、だがシャケか・・・
つぶつぶの卵という所に何かを感じるぞ!JOJO−−−−−−−!!!
……イクラのホワイトソースあえ
ごめん:;y=_| ̄|○・∵. ターン
震えるぞ肉棒! 燃え尽きるほど中田氏!!
刻むぞ射精のビート!!!
おおおおおおっ、山吹色の膣内射精っ!!!!
>>386 子持ちのベガに萌えるって……電童ですか、電童ですか!?
でも個人的には人妻・妹・ヒロインの三大属性を持つベガよりも
銀河の母ちゃんのほうにハァハァした思い出があります。
若い恒星が超新星爆発してもよいジャマイカ。
きっとデスラー総統ンとこの流れミサイルが当たったんだよ。
>>387 銀河の母ちゃんにって・・・
おまえもののふだな。
ベガってスト2だったっけか
>>374 生殖能力のなくなりかけた爺さんだからこそ孕ませに賭ける執念が期待できるんじゃないか
>城戸光政
百人近い女を老齢になってから孕ませてるから当てはまらないかと
394 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 00:10:48 ID:yfkfGRVK
>393
しかし跡継ぎは何の関係も無いメスガキ(の姿を借りた女神)
>>376 > だから今のヴェガだとまだ女子高校生になったばかりだ(多分)。
スレ違いだが、たしか大質量の星ほど寿命が短いんじゃなかったっけ?(e.x.太陽の3倍の重さの星は、5億年とか)
確か、ウェガは太陽の質量の2.4倍ぐらいだったから太陽より、はるかに早く寿命がつきると思うんだが…
以下、適当に”天文用語の基礎知識 3.宇宙に関する基礎知識”(
ttp://www2.odn.ne.jp/celestial/adic/a-dic3.html)より引用
星の年齢
星の年齢は、その星の質量で決まる。重い星ほど寿命は短く、軽い星ほど長寿である。数値的には、星の寿命は質量の約2.5乗に逆比例する.たとえば、太陽より10倍重い星は太陽の1000分の3の寿命しか持たない。逆に太陽の10分の1の質量の星は、太陽の300倍の寿命がある。
太陽の年齢は約50億年、寿命は100億年と見積もられている。
ただ、ざっと計算したら、ヴェガの寿命そのものが”11億年”ぐらいになってしまうんだが…どっかまちがえてるのかなぁ(w
>スレ違いだが、
んー。100億年寿命の太陽が現在50億歳で、人間で言うなら中年期。このスレ的には年上のお姐さんから奥さま?
11億年寿命のベガが現在20億歳つーと…即身成仏(ミイラ)か?
星の寿命なんて一億年ありゃ良いと思う。
きっと人類は一億年ももたないと思う。これから一万年もつかも怪しいのに
一 万 年 と 二 千 年 前 か ら 愛 し て る
八 千 年 過 ぎ た 頃 か ら も っ と 恋 し く な っ た
一 億 と 二 千 年 後 も 愛 し て る
君 を 知 っ た そ の 日 か ら 僕 の 地 獄 に 音 楽 は 絶 え な い
つまり、嘘?
ここは惑星擬人化スレ?
>>400 よかったのかホイホイこんな所に来て。
俺等は惑星だって構わず孕ませちまう変態なんだぜ
>>399
か
ず
や
って誰?
横山やすしの子
404 :
前スレ996:2006/09/24(日) 15:31:23 ID:wvbR7v6j
>>398 最初の生命が誕生してから人類に行き着くまで40億年架かっているんで1億では足り無すぎ
前スレ996は間違い・・・orz
>>400 惑星をすっ飛ばして、恒星なんだが…しかし、およそスレタイトルにそぐわん対象だな(w
たしか量子コンピュータ関連の研究の中には、恒星をまるごとコンピュータとして扱える可能性を示唆しているものがあるはずだから、
恒星に人間可能な人格を持たせることは可能かもしれない。
ただ、恒星って、基本的にまるごと吹き飛んだ後の「死んだ星」の残骸が宇宙を漂った後、別の場所で集まって新たな星(系)が誕生するわけだから…
およそ妊娠・妊婦・出産にあたる期間が存在しない
普通、恒星の「子供」にみられる惑星も、むしろ「兄弟」あたるわけだし…
中心核で安定的な核融合反応が継続中の恒星から、重力・反重力やらなんやらの技術を利用して、むりやり、惑星クラスの質量を取り出したら、ソレっぽくなるんだろうか(w
407 :
406:2006/09/24(日) 17:18:42 ID:Y0laQgVF
>>406 ×人間可能な人格を
○人間に理解可能な人格を
スマソ
408 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 20:00:50 ID:NCBwBppf
宇宙「う、出る」
地球「あぁぁぁ、またビュクビュクいってるよぉぉぉぉ」
すでに何度目だろうか宇宙は地球の中に子種(隕石)を放出する。
地球「ううう、こんなに出され(落とされ)ちゃうと赤ちゃん(アミノ酸)出来ちゃうよぉ」
宇宙「いいだろ、、土星も木星もお前に一番似ている火星だって赤ちゃんできない身体(天体)なんだ、立派に孕ませてやるよ」
地球「あ、まだ動いちゃ、らめぇまたいっちゃうのぉぉぉ」
宇宙「く、何度出して(落として)もきつきつに締めてきやがる」
地球「あぁぁぁ、本当に私、妊娠(バクテリア誕生)しちゃうよぉ」
ごめ、俺の妄想力じゃここまでが限界。
ちょ!変態乙!
お前の想像力に感服した。
411 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 00:13:21 ID:FWJstkVL
鬼才あらわる
そこは孕まないじゃないか
端的な言葉に無限の愛を捧げる
人間の想像・妄想力ってホントすごいって思うよ。このごろは特に…。
前回までのあらすじ
こまっしゃくれた生意気なガキ、日比野重雄は、量子力学の権威である祖父、日比野速
雄から衝撃の事実を告げられる。夏星ベガが超新星爆発を起こし、そのガンマ線バース
トや重力震により地球は滅亡するのだという。
死の恐怖に怯える重雄。そして彼は、幼馴染のリズにあたかも助けを請うように、人生
最後のエッチを申し込むのであった。
迫り来る人類滅亡の危機を前に、二人の恋の行方は、そしてその運命やいかに!
主な登場人物。
日比野重雄
勉強はできるが頭でっかちの感あり。祖父から伝えられた人類滅亡のプレッシャーの前
に、怯えるものの、しだいに人としての素直さを取り戻してゆく──?
日比野速雄
量子力学の世界的権威。ヒッグス粒子発見に最も近い男と呼ばれる。ハゲ。
大規模な素粒子探索プロジェクト『BWH2010』を提唱し、素粒子マップの制作の
ため世界各地から量子学者を日本に招聘した。
(BWHとは、Bohr、Walton、HidekiYukawa、それぞれ量子力学に貢献したノーベル物
理学賞受賞者の頭文字である)
リズ
日本生まれの金髪っ娘。重雄の幼馴染であり家も隣同士である。和食調理が得意。
重雄に気があるらしい。明るく素直ではあるが天然。
小山君
おっさん。
アルタイル星人
地球侵略を企む敵性宇宙人。
(注:出てきませんし居ません)
僕はソファーから、ゆっくり立ち上がった。そしてリズの手を取り、「僕の部屋に、行
こうか」と言った。
リズが僕の目をちらりと見る。
「……うん」
リビングダイニングから数歩で行ける僕の部屋。なのに、そこに至るまでがこんなにも
長く感じるなんて。フローリングを歩く二人分の足音が僕の耳に響き、握るリズの手が
暖かく、そして僕の心臓が歩数のおよそ倍くらいで脈打つ。それらの情報が僕の五感を
刺激して、一秒を何倍にも引き伸ばしていた。
そして、僕の部屋の前。あいた右手で僕の部屋のノブを回すときに、リズが僕の手を強
く握った。
「……リズ、怖い? なんか、僕の我侭を押し付けたみたいでさ。リズが嫌だったら、
やめる……?」
「……やめない。リズ、怖くもないよ。すっごいどきどきしてるだけ。よくわからない
けど、リズも今しかないって気がしてきたよ。しげちゃんが、今したいからかな? 大
丈夫だよ、リズは。しげちゃん、きっとやさしくしてくれると思うもん」
振り向かず、リズとの背中越しの会話をした僕は、心の中で『ありがとう、リズ』と呟
いた。
正直、リズに子供を作ろうだなんて、勢いと僕の深層心理のエロさが言わせた言葉だと
思う。考え抜いて放った言葉ではなかったんだ。
でも今、リズがそれを否定することなく受け止めてくれたことが、嬉しい。
「じゃぁ、部屋に入ったら、あとは、なんていうか、アドリブになるからさ……」
そして、僕はドアを開けて、リズを引き部屋へと足を踏み入れた。
すると、リズが僕の横を通り抜けて、僕のベッドの傍らに立った。
「い、いいよ……」
「あ、えっと、うん。じゃぁ、よろしくお願いします……」
「こ、こちらこそっ」
そうやって、緊張の余り、お互いうわずった挨拶を交わしたら、二人して笑みがこぼれ
た。それで心がほぐれたんだと思う。
リズはいつもの格好── 青いデニムのシャツに白っぽい半ズボン。でも、いつもと違
う。リズがこんなにも可愛く見えるのだから。
きっとリズに対する僕の持っていた疎ましい気持ちがなくなってしまったからそう見え
るんだろうな。もっと前からそれに気づいていたら僕は今日まで、もっと幸せな日々を
送っていただろう、とちょっとだけ後悔した。
だからこそ、その遅れを今、取り戻すよ。
「もっと、綺麗なカッコでしげちゃんちに来ればよかったなぁ……」
「そんな事ないよ。そのままでも全然イイよ。それに、これから、その、脱いじゃうん
だし……」
「……そっか、やっぱりしげちゃんは頭いいね」
数歩離れたリズに歩み寄った僕は、リズのシャツのボタンに震えながらも手を掛けた。
同じクラスの、勉強は最低だけどエロ知識だけはあるクニ(本名は国見義邦と言う)が、
『セックスの時はさァ、男がオンナの服を脱がすのがマナーなんだよナっ!』と威張り
ながら大声で言ってたのを聞いて、僕は『アイツ本当に馬鹿だな』と思っていたが、今
の僕にとってエッチのマニュアルは一部男子から尊敬の眼差しで見られているクニのス
ケベトークしかなかった。
アイツも本当はいい奴だったんだな。とりあえず心で感謝しておく。
上から順番にボタンを外してくと、リズの白い胸元がちょっとづつ見えてくる。日本人
の僕からしたら、すごく真っ白な感じ……。
水泳の時、水着のリズの真っ白な手足を見たことがあったけど、当然、こんな間近で、
こんなシチュエーションで見るのは初めてだったから、僕の心はまた、これでもかとざ
わついたりした。
「じゃ、脱がす、から」
「……うん」
リズの首のあたりに手のひらを置いて、それから、肩へと流してシャツを逃がす。
「っあれ?」
いきなり驚かされる。リズに。
「リズ、ブラジャーとか、しないのっ?」
「家じゃしないの。苦しいから嫌い」
苦しい、うん、そうだろうね……。
「幼稚園の頃、一緒にお風呂に入ったときとは、やっぱり、大違いだ……」
はだけたリズの胸をまじまじと見つめる。発育がいいリズの胸は僕の握りこぶしより、
一回りは大きかった。でも、乳首はたぶん、僕のよりも小さいかも……。
綺麗な桜の花びら色で、たわわな胸とはアンバランスなそれに僕の目は釘付けになる。
「そんなに見つめられると、しげちゃんでも恥ずかしぃよ……」
「ゴメン。でも、もう、もっと見たくなってきた」
さっとリズが胸を自分の手のひらで覆ったので、僕は思わずシャツを脱がした要領で優
しくどけてみた。その時、リズの柔らかい素肌に触れたから、僕はずうずうしくリズの
胸に手を当てた。
「しげちゃん……」
「……スゴ……。結構、重量があるんだなぁ……」
リズの胸を下から、重さを確かめるように手のひらに乗せてみる。左右交互に上下させ
てみながら、左右の重さに違いがあるのかどうか何故か確かめてみた。
たぶんじいちゃんに父さんが学者である血が影響してるのかも知れない。
知的好奇心が興奮に背中を押されてなんかいろいろ確かめてみたくなるんだ。
ある意味、僕らしさ、なのかも。
リズの胸は左右同じくらいの重さだけど、とても柔らかくて、もっと触りたくなること
だけ判った。
「……リズおもちゃじゃないよぅ」
「あああ、ゴメン……。えっと……」
何をやってるんだ僕。困った顔のリズに見つめられて、僕は意識のチャンネルを変える。
えーと、どうする。そうだ、こんな時はアイツだ、クニ──っ。
『オンナの乳首はさぁ、チョー性感帯なワケ!』
僕はうなずいた。リズの可愛らしい両乳首に両人差し指を乗せる。ほとんど、隠れてし
まう。ちょっとづつ左右に揺さぶったり、押してみる。
「ぇぅ……」とリズが小さくうめいた。
「リズ、き、気持ちイイの、かな?」
「くすぐったくて、恥ずかしくて……。でも、リズも自分で触った事があるから、しげ
ちゃんにならもっとされても良い感じ……」
ここだけの話僕もクニの話を聞いた晩、自分の乳首を触ってみたけどくすぐったいだけ
で気持ちよくなかったから半信半疑だった。でも、本当だったんだな。
人間は誰しも一つくらいは取り得があるんだな。
僕は人差し指に他の指をプラスして、今度はつまんだりかすかに捻ったりする。手のひ
らをリズの胸に当てて、持ちきれないけれど揉んだりする。ふいにかかったリズの息が
湿って温かくに、変わった。
「……んん……。ん、ぅ……。しげちゃん……、だめぇ……」
「っあ、ゴ、ゴメン」
「ちがうしげちゃん。リズ、もう立ってられないんだよ……」
ぽふん、ともう上半身が裸のリズがベッドに腰掛ける。おおきい胸、いやもうおっぱい
でいいよね、が、時間差でたゆんと波打った。
「しげちゃん、触り方えっちぃよ。リズびっくりだなぁ。しげちゃん本当は、クニより
スケベさんだったのかな?」腰掛けたリズは、笑いながら上目使いで僕をからかう。リ
ズにそんな事言われるのは初めてだけど、悪い気分じゃなかった。
「う、うーん」僕は開き直るしかない。「少なくとも、スケベなのは、認める、しかな
いよね……」
「しげちゃんのスケベ♪ えへへ」
「はは……。あ、でも、リズも乳首、触ったことあるってさっき言ったじゃないか」
咄嗟に切り替えした。僕もリズの傍らに腰を下ろす。
「知ってるよ、僕。そう言うの、マスターベーションっていうんだよね。もしくは、自
慰行為」
「そんなむつかしい言葉じゃないけど……」
「その、もっとスゴい所も触ったり、する……?」
「……うん……」
「じゃぁ、リズもえっちぃんだよ。いや、人類はみんなそうなんだと、思う……。僕も
当然してるし、男子は時折その話題ではしゃいだりするしね。そもそも、交配しなけれ
ば、たいていの生き物は繁殖できないんだよ。だから……」
リズにまた奇襲なキスをされた。はっとすると、僕はリズのふとももに手のひらを乗せ
ていて、その手にリズの手のひらが被さってきた。
「むつかしい話は、今はいいよぅ。あかちゃん、つくるんだよね?」
「そうだった、よね。うん、じゃ、次、行かせていただきます……」
「ど、どうぞだよ……」
僕はリズのふとももから手を半ズボンのホックに移した。ベルト無しでもみっちりフィ
ットしてる。ちょっと手こずってホックを外すと、ファスナーは少し勝手に下がって、
白いリズのパンツが覗けた。
僕がリズの瞳を見つめて、「いいね」と呟くと、リズは言葉無くうなずいたので、リズ
の肩を掴んで、ベッドにゆっくり上体を倒してあげた。
「リズ、ちょっとお尻上げてもらって、いいかな」
「うん……」
僕がズボンを下ろすのに協力して、腰や足をくねらせるリズにドキっとする。そして真
っ白なパンツだけになったリズを、膝立ちになって改めて見つめた。
真っ白なパンツってところがリズらしいな、とちょっと思う。
僕の視線がリズの顔に行って、目と目が合ったら、リズが「いいよ……」と呟いたので、
僕はそのパンツにすら手を掛ける。
流石に緊張する。
脱がそうとした時手元が狂って、指先にかけたパンツのゴムがぱつんとなり、「っきゃ
ん!」とリズが小さく悲鳴を上げたから、僕はちょっと笑ってしまった。
「もう、しげちゃん?」
「ゴメン。今度は失敗しないから」
「今度そんな事したら帰っちゃおうかなー」
「え……。今、リズが帰ったら、僕は後ろから襲っちゃうかもしれない」
「ウソウソ。えへへ♪ しげちゃん、いつもと違うから。リズをそんな目でずっと見て
るから、リズも帰ったりしないよ」
「そんな目? ひょっとしてスケベな、目してる?」
「ちがうよ。すごいやさしい目だよ。大切なものを見るような目……」
「……だって、リズの事、好きだからさ」
そんな目、そんな顔をしてるなんて僕は全然判らなかったな。
「キスして、しげちゃん」
「うん」
僕は体をリズに倒して、口と口を重ねた。リズが僕の手を自分のパンツにリードしてく
れたから、僕はキスしながら、それをスライドさせる。リズがうねって、パンツが上手
く脱げるようにしてくれて、でも、僕らはキスを止めてなかった。
息継ぎのために一度、顔を離した。
ちらりとリズの下腹部を見る。金色が目に飛び込んだ。
「やっぱり、ここも金髪、なんだ……」
「いわなくていいようぅっ……。修学旅行の時、お風呂で皆からいわれてリズ恥ずかし
くて死ぬかと思ったんだからぁ」
「でも、綺麗だよ。よく見たい……」
「……え?」
リズの膝を折って、中途半端に掛かってたパンツを足先へと取り除くと、僕の目はどう
してもリズのアソコへと目が行ってしまう。リズの膝に手を当てて、足をゆっくり開い
てみると、リズが今日一番、慌てて上体を起こした
「っあぅ しげちゃん、さすがにそんなに見るのはアウトだよ〜っ。だだだ、ダメっぽ
いよっ、あぅっ!」
「湿ってる。クニが言ってたとおりなんだ……」
「指ぃ……」
許可を取るより早く、僕は思わず手を伸ばしていた。リズのアソコ(クニが小学生の
頃からその場所の名前を連呼していたが、僕はどうしてもその言葉を口に出すことが出
来ないし心の中でも言えないからアソコというしかない)
「痛いの?」
「いたくないけど、恥ずかしぃ……。ひゃぅっ! う、動かしたぁ!」
「その、感じる、の?」
「感じるに、きまってるよ〜っ。だって……」
「リズも触った事、あるから、でしょ?」
「……しげちゃんのイジワル。スケベ」
ぽかっ、と頭を一発やられたけど、僕は体をリズの下半身の方にずらして、顔を近づけ
てみる。
「リズ、ホント綺麗だよ。金色の産毛だ。それに……」
リズのアソコは、肌の色とほとんど変わらない金色のヘアに包まれた縦のラインだった。
そのラインに、僕の指先がちょっとだけ埋まっていて。なぞるように動かしたら、リズ
が息を漏らした。目はぎゅっとつむっている。
目撃されてないのを確認して、僕は人差し指を追加して、そっと、割ってみた。
「中も、乳首と同じ色だね。濡れてきらきらしてる。初めて見るけど、こんな風になっ
てたんだな……」
「そんなに観察しないでぇ……」
クニにエロ本を見せてもらった事があるけどアソコは塗りつぶてあったから、見るのは
本当に初めてだった。でも、僕は、人類がなぜ、今日まで子孫を残してこれたのかを理
解した。
だって、大きさ最大だと思ってた僕のは、さらに大きくなろうとしてるんだもの。見た
ことの無いものに反応しているんだもの。学術的にはそれを本能と呼ぶんだと思う。
ソコに、いや、リズとしたくてたまらないって、態度で主張していたんだから。
僕は喉がカラカラの旅人がオアシスの泉を発見したときのように、手早くTシャツとG
パンとトランクスを脱ぎ捨てた。
「リっリっリっ、リズっ」
「しげちゃん痩せてるのに……」僕の言葉で目を開けたリズが、驚いた顔をして続けた
「そんなに大きくなっちゃうのっ?!」
「……リズと、したいから……」
「そういってもらえるとうれしいケド、ちょっと、ちょっと予想よりおっきいよぅ…
…」
「そう言われても……」
「……あ……」
僕は極力あせったそぶりを見せないように、リズに覆い被さった。僕のペニスが、リズ
のアソコに触れると、『くちゅ』という水音がした。
いきなり、気持ちいい。でも、まだ、その、『セックス』という行為じゃない。
お互いの体で、その部分は見えないけど、リズが視線を向けて呟いた。
「こんなに、かたいんだ……」
「クニが言ってた。女の子の初めては凄い痛いらしいって。リズのために、もうチョッ
ト小さくできたらよかったんだけど……。実はいつもよりスゴイ事になってる」
「……それだけしげちゃんが本気って事なんだねっ。そう考えれば、リズうれしい」
リズは、不安そうな顔を笑顔でリセットした。かすかに聞えたのは、リズが自ら足を広
げる、シーツの擦れる音。
「またキスして欲しいの。痛いがね、マヒしちゃうように」
「うん」
リズの腕が僕の背中に回ってきた。僕は腕立て伏せの要領で、体を沈めていく。
リズが目を閉じて、お互いの唇同士がぶつかり、舌と舌を交錯させたとき、僕は膝に力
を込めて体全体をリズにぶつけた。
僕のが、リズのラインを円にする。それまで、手でしてきた自慰なんてもう過去のもの
にしてしまうような気持ちよさが頭を貫く。でも、リズが。
「いぅっ!」
「痛いのっ、リズ?」
「うん……。リズ、バスケ部でしょ? だから、先輩に教わって、あの日はタンポンな
のね。それは痛くないけど、しげちゃんのは、もっと大きくてかたいんだもん……」
「それはたぶんあたりまえだと思う。用途が違うからね……。リズが痛いなら、やめた
ほうがいいかな……」
僕の本能はそんな事を許しはしないだろうけど、僕は本能よりリズを想う気持ちを優先
すべきだと思った。でも、リズは、痛いのにも関わらず、笑顔を作ってまでして、僕に
こう言ったんだ。
「やめたら、子供できないよ? しげちゃん、そんなことも知らないの? えへへ」
「リズ……」
無理して、わざと冗談言って。笑いながらうっすら涙ぐむリズを見て、僕も涙を落とし
そうになった。なんかリズって、強いんだな……。
「えぅぅ……」
「ちょっとだけ、我慢して、欲しい……」
「……うん、んぅぅ……」
僕はリズに痛い思いをさせないようにゆっくり、動いた。もし、自制しなかったら、壊
れた洗濯機のようにメチャクチャに動いて、勝手に射精してたと思う。
でも、ゆっくりでも、リズの中は驚くくらい気持ちイイ。もう、こみ上げてくる。
「リズ、ねぇリズ。まだ痛い?」
「痛いけど、痛いのより苦しいほうがおおきいよ。リズ、だんだんしげちゃんに合って
きたのかも」
「……じゃぁリズ、僕、もうちょっとだけ早く動くよ」
「うん……」
僕の吐息は、犬の喘ぎみたいな音になった。慣れないせいか、思ったよりセックスって
疲れるものだと気づかされた。でも、体の動きとシンクロして快感が背筋を上ってくる
ので、ピッチを早めた事により、僕の限界はあっけなく来た。
「リズっ」と、うめいた瞬間だった。
「ふぁっ?!」
こんな時間に投下するとは!?
どん、と腰をリズの下腹部に打ち付けると、僕は人生で初の膣内への射精を、していた。
気持ちよさが苦しみのレベルにまで行ってしまうような、味わった事のない、射精。
「……しげちゃん……?」
「終わった……。リズに、出したよ」
「……お、おつかれさまって、いうべきかな?」
「ははは……。痛かったよね、ありがとうリ……」
っ! 僕は驚愕する。リズを苛んでた僕のを抜こうと腰を引いた瞬間だったんだ。
「っく、ああ……っ」
二度目っ?! 感覚から明らかだ。驚いたことに、抜こうとして、こう、ぬるってなっ
たら、さらにびゅくって、僕は射精していたんだ。
今度は、気持ちいいが明らかに苦しいのレベルに達した。快感で一瞬、息が出来なくな
ったくらいだから。感電したらこんな感じか? 僕は、逃げるように、リズから体を起
した。
「ど、どうしたの?」
「うん、抜こうとしたら、また、射精したんだ……」
「え……」
リズも上体を起こして、驚いた顔でアソコに目をやる。それから、僕に視線を戻して、
にっこりしてから僕に言った。
「リズ、今日はしげちゃんを喜ばせてばかりだね♪」
まだ痛いだろうに。リズはホント、強いんだ。嬉しくなって、四つんばいのままリズに
近づいて。
「しげちゃ……ん、んん……」
僕はまたリズにキスをした。
僕らは、まだ裸のままだった。
くの字を重ねるように、横に寝たリズを後ろから抱きしめながら、色々と話をした。
「ねぇリズ、ちょっといいかな」
「なぁに? しげちゃん」
「リズ、僕が『子供作ろう』って言ったときに、あっさりOKしたよね。どうして?」
「だって、しげちゃんが結婚しようっていうんだもん。そんなこといわれたら、リズも
うれしくなっちゃうでしょ? それにね、リズ、一人っ子だから、自分に子供できたら、
兄弟たくさん居たほうがいいかなぁ、って思って。将来結婚するなら、今のうちからね、
子供作ってもいいや、って」
「子供できたらリズが学校にいけなくなるかも。あっ。もちろん、僕は嬉しいよ。リズ
との子供が出来たらさ」
「しげちゃんありがと♪ リズも、そんな気持ちだったから。それに勉強なら、しげち
ゃんに教わればいいもん。しげちゃんが唯一苦手な英語は、リズが逆にできるから、問
題ないもんねー……。子供ができたら、男の子かな、女の子かな? しげちゃんなら今
わかったりする?」
「判る訳ないよ……」
「しげちゃんはなんでも知ってるかと思ったよ。そういう方法とかあるのかもって思っ
てた」
「まだ、今の段階で性別がわかるほど、科学は進歩してないよ。それに、僕にはまだ、
全然知らない事が一杯あるよ。でも、リズがすごく可愛くて柔らかいって事は今日、よ
くわかった」
「リズのおケツに当たってるしげちゃんの、また堅くなってきたよ……? しげちゃん
のスケベ」
「しょうがないよ。男だもん」
「そっか。ふふふ♪」
それから、僕とリズは、将来のことを話し合った。僕たちに未来は無いことは明確だっ
たけれど、それはリズと僕のための童話だった。夢に溢れた、想像するだけで嬉しくな
る希望を言い合った。
さっき廊下の方から聞えた柱時計の音は、もう六時を告げていたけれど、僕はもう、ま
ったく怖くなくなっていたんだ。
だってリズがいるもの。
じいちゃんに言われたとおり、リズに昨日のことを謝ってよかったな。
じいちゃんありがとう。もちろん、痛いのに我慢して僕を受け止めてくれたリズにも。
あとついでにクニにもだ。
このまま寝てしまってもよかったんだけれど、じいちゃんが帰ってくるのが七時半くら
いだよ、ってリズが聞いていたらしく、僕らは二人して台所で晩御飯を作ることにした。
クニが言ってた、『裸エプロン』ってのをダメ元で提案したら、リズが本当にやってく
れたので、さらに思い出が出来ちゃったな。クニ大活躍。
僕はことあるごとに、リズのお尻にタッチしたり、おっぱいをつついたりしたら、『ス
ケベ』とか、『しげちゃんのエロ』とか言われたんだけど、リズも笑いながらだったし、
お互いに目が合って、そのまま2秒静止したら、キスをしていたりして。
晩御飯が出来たのはじいちゃんが帰ってくるちょっと前。そりゃ時間も掛かるよね。
二人の合作は、肉じゃがと豆腐とわかめの味噌汁と、豚肉入り大根サラダ。僕はリズに
言われたとおりに動いただけだったけどね。
晩御飯を作ってる時、リズがこんな事を言ってた。
「給食で肉じゃがが出たとき、おいしくてリズ感動しちゃったんだよ。でも、ママは和
食ぜんぜん作れないから、リズがね、自分で覚えるしかなかったんだなぁ」
そうだったのかと、僕は感心した。きっと、リズの事ですら、僕の知らない事がたくさ
んあるだろう。
それを把握できないのはちょっと残念。
でも、今でも心一杯、リズなんだから、これくらいでも全然問題ないんだ。
晩御飯の湯気ごしにリズと話し合ってたら、七時半ジャストにじいちゃんが帰ってきた。
この辺は流石、理系の人だなぁ。
「お〜! 玄関からも良い香りがワシの鼻に届くっ!! 焦がし醤油で香りの隠し味を
料理に込められるのは、ワシゃ一人しか知らぬぞっ?!」
「お帰りなさ〜い、おじいちゃんっ」
「じいちゃんおかえり」
「遅くなって悪かったの。ちょっと、つくばのKEKに寄って、小山君を叱責してたも
のじゃからの!」
じいちゃんは、やたらとテンションが高かった。やはり、じいちゃん位になると、達見
してるんだろうな。迫り来るタイムリミットに、慄く様子は微塵もない。僕は地球滅亡
の恐怖心を、リズのおかげで何とか乗り越えることができたのに。
「聞いておじいちゃん! 今日はね、しげちゃんもお料理手伝ってくれたんだよ♪」
「なんとなっ?」
僕を見つめるじいちゃんがゆっくり笑顔になった。そんな表情は、僕がテストで全校一
をとった時も見せなかったのに。
「仲直りしたんじゃな。流石ワシの孫だの。そうそう、ちょっとしたニュースがあるん
じゃが、まぁそれは」
じいちゃんは視線を食卓に移した。
「腹ごしらえの後じゃの!!」
「はーい♪ いただきまーす」
「いただきます。あ、じいちゃんその大根僕が切ったんだよ? よく味わってよね」
ダヴィンチの『最後の晩餐』にあるのは悲壮感だけど、ぼくらのそれにあるのは楽しい
笑顔だけだ。
昨日は、僕一人浮いた食卓だったけど、今日は、今日くらいはそんなもったいない真似
はできないよ。
リズと二人で作った料理は、今まで食べたどんなものよりもおいしい気がした。
そして、ついに運命の時間がやってきたんだ。
柱時計が八時の鐘を鳴らす。でも、大丈夫。
僕はリズをちょっとだけ見やった。今日の出来事を思い出した。
悔いは、ないや。うん。リズ可愛かったしなぁ……。
いきなり、電話の音がなって僕はビックリする。タイミング、悪いよ。ちょっと、リズ
に笑われた。リアクション大きかったらしい。
じいちゃんが出る。僕はひょっとして、カナダの父さんからの電話かと思ったけど、違
ったみたいだった。小山君とかいうおっさんらしかった。
「肉じゃが、おいしいね」
「リズの切り札だもん。当然かな? ふふふ♪」
「じゃからして、そこのな、その視野の狭さがお主を大成させね一番の要因であるんわ
けなんじゃと何度も……」
「リズ。キスしよっか」
「え? おじいちゃん居
るよう……」
「大丈夫。背中向けてる。だから、ほら……」
僕とリズは食卓越しに半立ちになる。時間は、八時二分を回ったばかり。
「リズ……」
「しげちゃん、大胆になっちゃ、んむ……」
怖くなんかない。
リズと僕のラストシーンは、これでいいよね?
リズ。
ん?
あれ?
「しげちゃんごめん、リズおトイレ」
さっと、僕から逃げるように、リズが離れた。
「まったく、小山君と来たらのう……」
「じいちゃん。ねぇ、時間、なんだけど……」
「は?」
時計はもう、八時二分三十秒を突破している。
「だから、超新星爆発がさ、こう、ドバー、って」
「ああ、ありゃ嘘じゃ。お前を懲らしめようと思って、ちょっと脅かしてみたんじゃ。
ダイナミックな嘘は、頭のいい奴ほど引っかかるというがの、重雄、本気で信じてたの
か?」
「……え? だ、だって、ニュートリノとかさ、あのメールとか、今話してたおっさん
だって!」
「小山君か。彼はちゃんとニュートリノ観測をしてたの。じゃがそれはな」
食事の時はTVをつけないのが家のルールなんだけれども、じいちゃんがTVのリモコ
ンを操作して、画面をつけると、トイレから帰ってきたリズが驚いて声をあげた。
「パパだ〜!!」
「ほほ。時雄もちっちゃく映っとるの。なんじゃ、お前たち、ニュース見とらんかった
のか」
『カナダの世界最大の粒子加速器実働実験が成功しました。現在、日本が主体になり進
められている量子マップ制作に今後いっそうの……』
TVの中では、小さく父さんも笑顔で手を叩いていた。
でもさ、ニュースなんて見てるわけないじゃん。だってリズと……、その……。
「小山君が観測してたのは、お前たちの両親が視察に行った、カナダのPLHC、すな
わち粒子加速器からのニュートリノじゃよ。カナダから飛ばして、岐阜のスーパーカミ
オカンデで観測してたんじゃ。あそこの規模は今だ世界一じゃから。にしても、起動実
験はパーフェクトだったようじゃの。にしても重雄、信じてたわりには、怯えたそぶりも見せんで、泰然としたもんじゃないか」
「リズ、なんかよくわからないけどすごいな〜。だってパパがテレビに出てるもん♪」
「……ちょっと、ちょっとまってじいちゃん。ってことは」
「ちなみに、あのメールは、以前大学で人類が滅亡する事象をシミュレートをレポート
提出させた時に提出されたものだ。やれ核戦争だの、自然破壊だのが多かったんだがの、
科学的ロマンに溢れた推論にじいちゃん、ちょっと膝を叩いたわ」
「なんのお話?」
「リズ、ゴメン、ちょっと難しい話」
「そうなんだ〜。あ、今度はママが映ったよ〜!」
TVを見て歓声を上げるリズを尻目に、僕は震えながらじいちゃんに言った。
「じゃ、じゃあ人類滅亡なんて」
「人類がそう簡単に滅亡するか。それにベガが超新星爆発を起こすかどうかなぞ、じい
ちゃん専門外だから判らんて」
ねー。で・す・よ・ねー。ってふざけんな!!
「じいちゃんっ!!」
「お、また電話だの。ウワサをすればなんとやらかの」
「どうしたの?」
「う、うん、なんでもないよ、リズっ」
「お〜。お疲れ様だったの。どうじゃ。安定してるか?」
今度こそ父さんみたい。僕は、再び椅子に腰をおろして、ふう、とため息をついた。
あああ。じいちゃんめっ。まんまと騙された。父さんが帰ってきたら、言いつけてやる
からな! でもまぁ嘘で良かった。僕の人生、人類の未来は終わりじゃなかったんだぁ
……。ははは。シャクだけど、良かったぁ……。と思った時だった。
「ねぇしげちゃん」
「ん?」
「さっき、リズおトイレいったでしょ? リズのアソコ変な感じしたから見に行ったん
だ。したら、しげちゃんのが、出てきてた」
「は?」
「どうしよう、きっと、妊娠できるね♪」
え、あの、リズ。『どうしよう』のイントネーションが違くない? 『どうしよう、宝
くじが当たっちゃった!』みたいな、弾んだ、嬉しい気持ちのどうしようじゃない?
「ふふ♪ しげちゃんも楽しみ?」
「う、うん……」
そうだった。そうだよ。これ、マズいじゃん……。
微笑むリズと対照的に、心臓が締め付けられるような僕。
『ウチのリズを妊娠させるなんて、たとえプロフェッサー速雄のお孫さんであっても許
しておけまセーン! ヘイ重雄、わかってますネ?!』
リズのパパって二メートル近くあってしかも何故か空手やってるんだよ……
夏休みにやったバーベキューで、あの人酔った勢いでビール瓶の首をチョップでふっ飛
ばしてるし。
首チョンパされる僕のイメージ映像が浮かんでは、消えて。
「リズ……」
「なにかな? しげちゃん……」
童話のはずだった未来が、現実となる可能性を強くしているのに、リズは全然動じてな
い。当然だよね。だって、僕はじいちゃんのホラに背中を押されてリズとしちゃったん
だから。リズは、僕の言葉でしっかりうなずいて、全部ひっくるめてしげちゃんになら
いいよって、僕としたんだ。
あのときの記憶がフラッシュバックする。僕のが思い出し変身しようとしてる。
こら、今はそんな場合じゃない。
「どうしたの?」
リズって、強いな……。無敵だな。僕には、まだパパになる覚悟なんて、ないのに……。
ど、どうしようっ。じいちゃん! マジでリズとの子供ができたら、絶対責任とって
よ?!
僕3のじいちゃん7でだからなっっっ!!
〜世界の終わりとか僕なりに考えてみる。マジで〜 おしまい
20040925
おつかれ〜
ラブくていいじゃないか
じいちゃんの古きよきSFじいちゃんって感じがグッよん
ベガの件でこんなにも突っ込まれるなんて……。く、くやしぃっ、でも感じちゃう……。
ベガは夏の代表的な星だし地球に近いし織姫星だからいいんじゃねー?
くらいの気分で出しますた。他にも突込みどころは満載ですが、言うとばれるので言いません。
いやありません。ツッコミどころなんか。
じいちゃんのキャラが立ってたら素直に嬉しいけどntrは考えてもいなかったのでちょっと想像したら
お前らエロいな。
中田氏スキーなので、懐妊描写まで書く話はおそらくそう書けないと思うけど、これからも精進したいので
なんか書かせてください。
では、また。
>>433 HAHAHA 大丈夫
懐妊描写がなくたって孕ませる意志のあるセックスが大事なんだ!
だからこれでOKさ!
避妊失敗でおこるドタバタ劇とかも好きだけどな!
>>433 セックルシーンに入ってリズがさらに可愛くなった!
超GJです。
>え、あの、リズ。『どうしよう』のイントネーションが違くない? 『どうしよう、宝
>くじが当たっちゃった!』みたいな、弾んだ、嬉しい気持ちのどうしようじゃない?
「うわあ、やられたー」という脳天&ハート直撃表現です。
次回作もぜひ! 期待してます。
ラストは南極にロケットをくっつけてジェットで地球の軌道を変えて
被害を免れるものと思っていたのだが・・・。
まずはGJ!!
>>433 エロくて可愛くて面白い!
最高にGJっす。
素クールスレに良さげなHRktkr
デブスレにも美少女優等生が汚いオサーンに孕まされるってシチュのSSがあったよ
>436
ラストは地球を覆うバリヤーですよ!
νガンダムで押し返すんぢゃないの?
イージス計画?
>>439 >>440 素クールは純愛孕ませ
デブスレは鬼畜孕ませ
どっちでも萌えられる俺は勝ち組ですか?
星華ねえかーんばーっく!
>>443 ラー・カイラムでアクシズを押すんだよ!
599886R…開発コードみたいなIDだな。
それで思ったんだが特殊な施設(戦闘員養成場)みたいな所で育った
幼馴染コンビとゆーネタもいいかも知れん。
仕事の相性も、夜の相性もピッタリみたいなw
誰か書かねぇ?
今読んだ。
リズ、めちゃくちゃ可愛いかった。
ヤバイ。めちゃくちゃタイプだよ金髪天然。萌える。
リズがもっと読みたいので続編希望。
>>452 そいつらで、ガッツンガッツン孕ませ愛の話を書けと?
<僕の夏休み> 次女:星華 後編
夕闇の中を、シロを駆って走る。
お屋敷から山の頂上へ至る道は、舗装されていないけれど、
土の道はシロの蹄(ひずめ)のためには、かえってよかった。
とっ、とっ、とっ。
かなり急な勾配もあるけれど、シロはそれをものとしないで登って行く。
小さな頃から乗馬は習っているので、僕の腕前もそれなりにあるけど、
滑らかな動きの大部分は、シロの協力によるものだ。
この優しい白馬は、人を乗せて走ることに慣れているだけでなく、本当に賢い。
乗り手が未熟でも、どう動けばいいのか自分でちゃんと考えてくれる。
――小さな頃、興奮のあまり手綱をめちゃくちゃに動かす僕や陽子を乗せても、
何事もなかったようにゆっくりと牧場を一周していたシロは、
乗り手に気を使いすぎる性格のせいか、競走馬としては成功しなかった。
だけど、今の僕にとっては、最高の協力者だ。
「――」
林を抜けた瞬間、つぃーん、と耳鳴りがする。
世界が反転する、久々のこの感触。
僕が自分でコントロールできていた<世界>の影を、強制的に「見させる」。
<挑戦者>の力だ。
開けた草原が一瞬で真っ黒に染まる。――うじゃうじゃとはびこった「この世ならぬもの」で。
月が隠れた。――巨大な髑髏の影にさえぎられて。
五感のすべてと第六感が、僕とシロ以外の「存在」をひしひしと伝える。
はぁぁ……。
僕は目を閉じ、息を吐いた。
シロの変わらぬ蹄の音に、心を合わせる。
目を開けた。
そこには、普段と変わらぬ世界があった。
「――お前の術は通用しないよ、今の僕には」
そう。
僕は、もう恐怖におびえる小さな子供ではない。
どこかで見ているに違いない<挑戦者>に対して呟いた僕は、馬上でぐっと背を伸ばした。
霧が出てきた。
シロの歩みを止めた僕は、目の前で濃く渦巻く白い塊を見つめた。
御山の頂上を包み、早朝、吉岡さんたちの探索を拒んだ霧だ。
「行ける?」
僕は、シロの鬣をそっとなでながら聞いた。
ぶるる。
シロは小さく鼻を鳴らした。
その意思を感じ取った僕は、手綱を取った。
ただ持っただけで、何の力も加えないのに、シロは霧の中を走り始めた。
僕が、<挑戦者>を倒したいのと同様に、シロはアオを助けたがっている。
そして、この霧の結界の力は、そうした、想いに強化された霊力に弱い。
はたして、十メートルも進まないうちに、霧は薄れていった。
いや、それは、実際は1キロにも及ぶ分厚い結界だったのかもしれない。
霧を抜けたとき、僕らは山頂にいた。
二十メートル四方くらいの草地と、そこからなだらかに下って行く坂。
――ここが決戦場だということは、向こうに見える影を見るまでもなく分かった。
闇に映える白い巫女装束に身を包み、アオにまたがったマサキマキ――<挑戦者>の影を。
(――ほ、ほ、ほ。よう来た、志津留のヒコよ)
<挑戦者>の声は、お屋敷でのときのように直接僕の頭の中にひびいた。
(ヒメのほうではなく、ヒコのほうが来るとは思わなんだが、これは好都合。
――おぬしのほうが「力」は弱いから、のう……)
「マサキマキとアオから離れろ!」
<挑戦者>の挑発に乗らず、僕は声を出した。
(――ほ、ほ、ほ)
<挑戦者>の笑い声が大きくなった。
(――そうかえ、そうかえ、この娘の名はマサキマキと言うのかえ。
真名を教えてもうろうたぞ。わらわの術が強くなる、礼を言うぞえ……)
「……」
僕は、<挑戦者>のことばを無視した。
――これは、ただの挑発だ。
直感がそう告げていた。
たしかに、対象者の「真の名」を知ることで効果を増加する術式は存在する。
だが、昨晩、<挑戦者>は僕らがマサキマキのことを話していた場に現れたし、
すでに身体をのっとっている<挑戦者>が、マサキマキの所持品から名前を割り出すことは簡単だ。
何より、ここまで自由に身体を使う術式を使う前に、すでに憑依対象の本名くらい知っているほうが普通だ。
つまり――今のは、はったり。
こちらの動揺を誘うための罠だ。
それを見破った僕は、同時に<挑戦者>の戦法を理解した。
どうしてだろうか。
身体はカッと燃え立つように、頭の中は冴え冴えとしている。
高らかに嗤う<挑戦者>を前に、僕は冷静そのものだった。
昨日までの僕には、けっしてできなかった芸当。
――戦いは、能力の高低ではなく、それを使いこなす精神の比べあい。
僕に、そう教えてくれたのは誰だったろうか。
すっ。
僕は、ためらいもなく矢筒に手を伸ばした。
(ほ、ほ、ほ。この娘を射る気かや? ヒメの友人ではない……っ!!)
余裕たっぷりの<挑戦者>の声は、途中で悲鳴じみたものに変わった。
僕が、無造作に取り出した矢を、これも無造作に引いた弓で放ったから。
(……!!!)
アオの馬上で慌てて身をひねって避ける。
(こ、この娘を傷つける気かやっ!?)
「大丈夫。昨日の美月ねえのように鏃(やじり)は抜いてある。
けど、今日の僕の力は強いぞ。お前でも美月ねえの矢のように簡単には防げまい」
(な、何を馬鹿なことを……。ほ、ほ、ほ……)
馬上で<挑戦者>は取繕うように笑い出した。
だが、先ほどの慌てぶりと、僕の放った矢を、とっさに「防ぐ」よりも「避け」た様子に、
僕は、僕の力が<挑戦者>に十分通じることを確信していた。
<挑戦者>は、たしかに強い。
単純な力なら、美月ねえや、今のお祖父さん、あるいは昨日までの僕より上。
でも、星華ねえや、今日の僕ならば、互角に戦える。
そして、<挑戦者>は、この戦いに、星華ねえが出てくることを予想して策を練っていた。
マサキマキに憑依したのは、その最たるものだ。
――両手を広げた<挑戦者>が呼び出した黒い霧がその証拠だった。
二の矢をつがえる暇もなく、黒い霧が僕を襲う。
そいつは――過去の記憶だった。
おそらくは、マサキマキの。
憧れ。
好意。
感謝。
尊敬。
愛情。
僕の周りで高まるそれらの感情が負に転化し、
自分の無力感。
嫉妬。
そして憎悪。
そうしたものが、マサキマキの記憶から引き出されて僕に叩きつけられる。
脳裏に伝わるめまぐるしく変わる風景や声や映像は、それらの記憶を共有したことがある人間ならば
きっと耐えられないくらいの効果を引き出したことだろう。
――もし、これがマサキマキに近い人間ならば、きっと術に囚われ飲み込まれてしまったにちがいない。
クールに見えて、優しすぎる星華ねえだったら、なおさらのことだ。
でも、僕にとっては、それは、十分に冷静さを保つことが出来る「距離感」にあった。
たしかに、僕もマサキマキを助けたい。
だけど、それは、人の心の裏を巧みに突く<挑戦者>が利用できるほどに深い「縁」をまだ持っていないものだった。
僕が頭を振ると、黒い霧はあっさりと飛び散った。
(ちぃぃっ!)
もはや笑うことすら忘れた<挑戦者>が背を向けて駆け出す。
山の頂上から下って行く坂から逃げようと言うのだ。
「待て!」
逃がすかとばかりに僕が追う。
――その頬を、矢がかすめた。
振り向き様に、<挑戦者>が放ったものだ。
「!!」
頬を伝う、生ぬるい感触。
(ほ、ほ、ほ、そちらは鏃を抜いた矢だが、こちらは本物の矢ぞえ。
――術が効かぬのならば、力で殺してしまえばよいこと)
アオをぐるりと駆けさせながら、<挑戦者>が邪悪に笑った。
「――このっ!!」
(――この娘、なかなかの使い手。騎射だけなら、お前にもひけはとらぬぞ)
「……だろうな。感じが悪い子だったけど、流鏑馬(やぶさめ)の努力は本物だよ」
たった一回会ったきりだけど、アオをみごとに駆ってみせた腕前は、天性のものだけで身に付くものではない。
さっき垣間見た記憶を「探る」までもなく、マサキマキの積み重ねた修練はたいしたものだった。
それを見越して<挑戦者>は彼女の身体をのっとったのだ
(ほ、ほ、ほ――この技、わらわが存分に使ってつかわす)
<挑戦者>は余裕を取り戻して走り出した。
僕も、シロを駆って追う。
狭い山頂のポジションを奪い合う争いは、すぐに坂の下へと場所を移った。
草と土を跳ね上げ、二頭の馬が併走する。
互いに弓を射るタイミングをはかりながら坂道を駆け下る。
まさしく、命がけの流鏑馬だ。
がっ!
道の途中で、アオが反転した。
坂を戻って登ろうとする。
「!!」
あわててこちらも馬首を返そうとしたら、そこを射られた。
今度は肩を掠める。
(ほ、ほ、ほ――)
耳障りな笑い声を上げながら<挑戦者>が再度突撃してきた。
「くっ!」
馬上で体勢を立て直すと、シロが猛然と走り出した。
――僕の指示ではない。シロ自身の判断だ。
(――!!)
まさかこちらが突っ込んでくるとは思わなかったのか、<挑戦者>が絶句する。
ぶるるっ……。
すれ違い様、シロが首を振ってアオの横面をはたいた。
(――あっ!)
アオがよろけ、<挑戦者>はずるずるとすべるような感じで馬から落ちた。
足から落ちて尻餅をついたので、マサキマキの身体は怪我もしていない。――少なくとも大きな怪我は。
「ナイス! シロ!!」
乗り手を落としたアオは、慣性の法則にしたがって十メートルくらい先まで進んで立ち止まった。
今のショックで<挑戦者>の呪縛が解けたのだろうか。
アオが戸惑ったように振り向く。
ひ、ひーん!!
シロが怒ったように鳴く。アオは慌てたように坂を下り始めた。
――シロは本当に賢い。
<挑戦者>に再度の騎乗と支配のチャンスを与えず、アオを安全な場所へ逃がした。
「あとはお前一人だ」
僕は尻餅をついたままの<挑戦者>に狙いを定めながら言った。
(ほ、ほ、ほ……)
うつむいた<挑戦者>の口から笑い声が漏れる。
(……わらわ一人じゃと? ――甘いわ、小童っ!!)
巫女服の袖が翻った。
「――!!」
<挑戦者>に矢を放とうとした僕の右手が抑えられたのは次の瞬間だった。
「うわっ!!」
慌てて振り向くと、銀色の光が僕の腕に絡み付いていた。
ひ、ひーん。
シロが悲鳴を上げる。
その首筋に、金色の光が巻きついている。
いや。
銀と金の光は、光そのものではなく、月光をてらてらと反射する毛皮だった。
この世ならぬものが身にまとう毛皮。
(けーん!)
(けーん!)
そいつらが、吠えた。
「狐っ!?」
僕の腕と、シロの首に巻きつき、締め付けているのは、妖しの狐だった。
(――ほ、ほ、ほ。わらわの切り札、わが娘・稲風(いふう)と、わが子・稲空(いくう)よ)
闇の中で、<挑戦者>がにやりと笑った。
「――卑怯だぞ、一騎打ちじゃなかったのか!?」
(なんとでも言え、この娘の「縁」が使えぬとあって慌てたが、伏せておいた甲斐があったわ)
<挑戦者>は立ち上がりながら嗤った。
マサキマキの顔立ちを借りながら、ぞくぞくするほど酷薄で美しいその笑いは、
歳を経た妖狐の表情そのものだ。
「くそっ!」
(ほ、ほ、ほ。解けぬぞえ。隙を突いた霊撃じゃ。おぬしの力を遮断しておる)
<挑戦者>に指摘されるまでもなく、僕は、今まで無意識に汲み取っていた御山からの力が
僕から切り離されてしまったことを悟っていた。
今まで重さすら感じなかった<当主の大弓>がずっしりと手に負担をかける。
取り落としそうになって慌てて握り締めるが、きりきりと巻きつく銀狐に邪魔されて力が入らない。
いや、右手ばかりか、全身が金縛りにあっている。
霊力の戦いは、準備していないところを叩かれると、一瞬にして動きが取れなくなるのだ。
ひ、ひーんっ。
シロも金狐に絡み付けられて苦しそうに鳴いた。
(ほ、ほ、ほ。良いざまじゃ。――さて、とどめを刺してくれる)
歯をむき出して嗤う<挑戦者>。
僕は、ぎりぎりと歯軋りをした。
(ほ、ほ、ほ。睨んでも、なにも起こらぬわえ。無力な自分を呪いながら、死ね)
<挑戦者>が、矢を番え、僕に向かって構える。
狙いは――心臓。
それも宍戸さんの時のように、わずかに外すということはない。
一撃で絶命させられる場所を、ぴったりと狙っている。
「――!!」
「――!?」
僕が、声にならない声を上げたとき、――<挑戦者>も、また愕然とした叫び声を上げた。
ざざざっ!!
ざしゅっ!!
僕の左右で、突然地面が持ち上がった。
そいつらは十メートルもある首を伸ばし、空中で反転すると、下へ向かって一気に突っ込んできた。
――僕とシロを押さえつける銀と金の妖狐にむかって。
「――!?」
(な、なんじゃっ、これはっ!?)
<挑戦者>の慌てたような声を聞くまでもなく、新しく現れた存在
――土で出来た大小二匹の蛇……あるいは龍?――が、僕のほうの味方であることはわかっていた。
厳しく、荒々しく、冷酷な力――だけど、どこかにはっきりと感じる優しさ。
「星華ねえ……」
僕は、御山からその力を引き出している女(ひと)の名を呼んだ。
僕の右手に絡みつく稲風――銀狐を振り払った大きなほうの土蛇に、
僕は、はじめて会ったときに僕の背に乗った妖しを払ってくれた星華ねえを感じた。
これは――星華ねえの力。
大きな土蛇は、銀狐をたたきつけると、一たん地にもぐった。
(ひっ――)
<挑戦者>が悲鳴を上げる。
その声が弱々しくなっているのは、今まで使っていた御山の力を遮断されたからだ。
不意打ちによる一瞬の逆転は、今度はこちらのほうだった。
いや――この逆転は、不意打ちだからではない。
御山は、もう中立を守る事をやめていた。
あきらかに、一方に加担している。――すなわち、僕らの側に。
それは、僕のためでもなく、星華ねえのためでもなく――。
(ひ、卑怯じゃぞっ! 妻子の助太刀を呼ぶなど――!!)
<挑戦者>が、わめいた。
そう。
もう一匹の土蛇、今、金色の狐をシロから引き離した小さなほうは――僕と星華ねえとの間の子供。
身体は小さいけど、御山の力をいっぱいに受けて、それを自在に操っているのは、
星華ねえの子宮の中で、まだ着床さえしていない受精卵。
僕は、星華ねえの土蛇より不器用な動きで地にもぐったそれを、唖然として見送った。
(――は、はなせっ! 馬鹿ものっ!!)
<挑戦者>の耳障りな声に、僕ははっと我に帰った。
再び土中から現れた大きなほうの土蛇が、マサキマキの肢体を捉え、持ち上げているところだった。
じたばたと手足を振ってもがく<挑戦者>は、いっそ哀れみをさそうくらいに無様だ。
御山の力を絶たれた妖狐本体は、悪知恵はともかく、力そのものはそれほど強くなかったのかもしれない。
(一騎打ちじゃぞっ、恥を知れっ、馬鹿ものっ!!)
嘆かわしいというも愚かな言い分に、こんなときなのに、思わず僕は苦笑してしまった。
「……三対三だろ?」
(……一人多いではないか、卑怯者っ!)
「え……?」
泡を飛ばしながら言い立てる<挑戦者>のことばに、僕は首をかしげた。
けーん!
けーん!
銀狐と金狐が鳴いた。
地に伏せた二匹の妖しは、それぞれが再び地上に現れた土蛇に組み敷かれ、泣き声を上げている。
――双頭の蛇に。
「……双子なんだ……」
ほとんど呆然とした僕が、しばらくして我に返ったとき、
<挑戦者>も、その子供たちも、すっかり戦意を喪失しており、僕らに降伏を申し出ていた。
それから、数時間はあっという間の出来事だった。
戦いが終わると同時に駆けつけたお祖父さんや、婆さまや、美月ねえや「郎党」の人たちの力を借りて、
<挑戦者>たちの降伏の<儀式>が行なわれた。
力を失い、観念した三匹の妖狐を<契約>で縛る作業を、僕は最後まで見届けなかった。
シロを駆って、お屋敷に戻る。
飛び込むようにして離れに行く。
――星華ねえは、眠っていた。
留守番の陽子に聞くと、僕が戦っている間に<KURARA>の効果が切れて目覚めた星華ねえは、
事情を知り、また今から山頂に向かっても決戦に間に合わないと悟ると、
機織小屋にこもって御山に「呼びかけ」をはじめたらしい。
それは、どういうものか陽子にもわからなかったのだけれど、僕はそれがもたらした結果を僕は知っている。
星華ねえと、子供たちの力を借りて<挑戦者>を退けることが出来たから。
僕は、戦いが終わって眠っている美しい妻の唇に、自分の唇を重ねた。
深い眠りの中にいる星華ねえは、そのキスで目覚めることはなかったけど、僕は満足していた。
――星華ねえは、眠り姫よりずっとずっと美しいから、眠り姫の物語を踏襲する必要はない。
僕は、怪我の治療のために階下に下りてくるように声を掛けられるまで、
星華ねえの寝顔をずっと眺めて飽きなかった。
「――いてっ、もうちょっと優しくしろよな、このぶきっちょっ!」
「文句言うな!」
頬と肩の傷は浅かった。
冷蔵庫で冷やした黄色い液体が染みる。
子供の頃から、陽子ともどもお世話になっている強力な消毒液だ。
爪にかかると染まっちゃって色が抜けないのが珠にキズなんだけど、効果はバツグン。
陽子のようなガサツな奴が使っても、十分な治療効果をあげられる。
「だ〜れが、ガサツ女だって?」
どげし!
陽子の拳骨が僕の頭をはたく。
前言撤回、陽子じゃ、治療する以上に怪我をおわされてしまうや。
「――やれやれ、ひと段落じゃの……」
山頂から戻った婆さまたちが、腰をたたきながら部屋に顔を出した。
<挑戦者>のことはひとまず片付いたらしい。
一歩間違えれば危なかった<敵>も、いったん御山が主を選んでしまえば、どうということはない。
しばらくは、志津留は安泰じゃな――婆さまのそのことばに、皆の顔が明るくなる。
僕は、生まれてくる子供のことで頭が一杯だった。
星華ねえといっしょに、僕を救ってくれた愛しい子供たちに会えるのが、
まだ十ヶ月も先のことだというのが、本当に残念でしょうがない。
僕は、わくわくする気持ちを懸命に抑えた。
そうでもしないと、喜びと興奮のあまりにどこかへ走りだしかねない。
その様子を、美月ねえや、陽子たちがにこにこして見つめている。
――戦いが終わった後の、家族のなごやかな団欒。
――非常事態の中、一致団結した絆を平和な空気の中で再確認できる幸せ
――それが平穏な日常にゆっくりととけていく、穏やかな時間。
……だけど、そうなるまでの間に、もう一つ、事件が起こってしまったんだ。
――ぱあぁんっ!
突然、ふすまがものすごい勢いで開けられた。
それが、「それ」の始まりだった。
「……せ、星華ねえ……?」
ふすまを開け放った状態で立っているのは、――星華ねえ。
でも、様子がおかしい。
「ふぅっ……ふぅっ……ふぅっ……」
突然のことに、皆が唖然として声もない広間に、星華ねえの荒い息遣いだけが聞こえる。
「ど……どうしたの……星華ねえ……」
僕は、黙ったまま僕を睨んでいる星華ねえに、おろおろとした。
「――ま、まさか、<挑戦者>が憑いた……の?!」
別人のようにおかしい様子に、僕は先ほどまで戦っていた相手の能力を思い出した。
慌てて立ち上がる。
――めきゃ。
星華ねえが、伸ばした腕――開け放したふすまの端をまだ掴んでいる――に力をこめた。
めきゃ、めきゃ、めきゃ。
星華ねえが掴んでいるふすまの端っこが、広告の紙かティッシュかのようにくしゃくしゃになっていく。
お屋敷のつくりは、地味なようでいて、お金をかけるところはちゃんとかけているから、
このふすまも、枠がしっかりした、下手な板戸なんかよりはるかに丈夫な奴だ。
その縁がぐしゃぐしゃになっていく――ものすごい力だ。
「せ、星華ねえっ、しっかりしてっ!」
僕は、星華ねえに駆け寄った。
どうすればいいのか、何をすればいいのか分からなくて、頭の中はぐるぐると回っていた。
「せ、せいかね……」
ばしーんっ!
星華ねえの前に立った瞬間、世界が反転し、ぐらついた。
「!!??」
何が起こったか、一瞬分からなくなる。
びたーんっ!
反対側から、もう一度同じような衝撃。
……僕が、星華ねえに往復びんたをもらった、ということに気がついたのは、
それからたっぷり十秒たってからだった。
「ふぅっ……ふぅっ……ふぅっ……」
「あ、あの……」
「ふぅっ……ふぅっ……」
「せ、星華ねえ……?」
「ふぅ……」
「……」
「ばか……」
「……え?」
「馬鹿……馬鹿……」
「……せ、星華ねえ?」
「……彰の馬鹿っ! 大馬鹿っ!! 死んじゃったらどうするつもりだったのっ!!」
それは、その場の誰もが見たことがない、星華ねえの爆発だった。
いつも冷静沈着な<志津留のヒメ>がはじめて見せる感情の奔流。
星華ねえ自身でさえ、自分でわからないほどの狂おしい想い――それを、僕は理解できた。
もし立場が逆だったら、僕は、星華ねえのことが心配でならなかっただろう。
結果的に、最後は圧倒的な勝利に終わったけど、戦いはどちらに転ぶか分からないものだった。
あるいは――こちら側の死によって終わっていたかもしれない。
僕が死ぬ分にはまだ諦めがつく――でも、もし星華ねえが死んでしまったら――。
そう考えて、僕は気がついた。
それは、星華ねえにとっても同じことだった。
<KURARA>の睡眠効果から目覚め、僕が戦いに赴いたことを知ったとき、
星華ねえはどれだけ困惑し、また不安に思ったことだろう。
「……ごめん」
僕は、僕の胸元に顔をうずめ、嗚咽している星華ねえに謝った。
「……ゆるさない……」
小さな、くぐもった声が聞こえた。
「……え……?」
「……ゆるさないから……」
想像の範疇にない声とことばに、僕は狼狽した。
それは、星華ねえが顔をあげ、涙の溜まった、だけど、強く光る瞳で僕を見つめたときに最高潮に達した。
「――彰が私のものだと思い知るまで、私が彰のものだと思い知るまで、ゆるさない。
――だから、彰がわかってくれるまで、おしおきする」
星華ねえは、そう言って僕の手を掴んで勢いよく走り出した。
「うわわっ――」
ぐいぐいと引っ張る星華ねえに引きずられるようにして、僕は部屋の外へ連れ出された。
ちらりと見た部屋のみんなは――。
お祖父さんと婆さまは目をそらし、美月ねえは真っ赤な顔を伏せ、陽子だけはにやにやと笑っている。
吉岡さんや小夜さんたち「郎党」の人たちは表情の選択に困っていた。
……ただ、部屋の誰もが、星華ねえを止める気はないのだけはわかった。
と言うより、今このお屋敷に、星華ねえを止められる存在は、いない。
僕は引きずられるまま、星華ねえについていった。
――お風呂の中へ。
「……」
「……脱いで」
「は、はいっ」
「……全部」
「は、はいっ……」
僕がおどおどと服を脱ぎおえたとき、星華ねえはもう真っ裸になって「準備」をはじめたところだった。
どこからか持ってきた銀色の大きなマットを、これもどこからか持ってきた空気入れで膨らます。
「これって……」
「柳町の小母さんから貰った。男の子を悦ばせる道具だって」
「……やっぱり」
てらてらと光る新品のマットは、「そういうこと」のための道具だ。
星華ねえは、一番大きな洗面器にお湯を張り、マットといっしょに持ってきたフラスコの中身を混ぜた。
お湯が、とろとろとした透明な粘液にかわった。
「……」
星華ねえは、何度かそれをすくい上げては落とし、すくい上げては落として粘度をはかった。
繊細な薬物を扱う技術者のような真剣な目で確かめ、こくりとうなずく。
――満足がいくものを作れたようだ。
「……そこに、寝て」
ローションがついた指先で、マットの上を示す。
僕は言われるままに従った。
寝転ぶと、星華ねえの裸が目に入る。
「うわ……」
分身が、むくむくと頭を持ち上げ、自己主張してきた。
「彰……すごい……」
「ええと、これはその……」
昨日の交わりから、半日以上が経っている。
徹夜明けで、いわゆる「疲れマラ」の状態になっていたこともある。
さらに言えば、生死を賭けた戦いという異常事態の中で、本能が刺激されたこともある。
……何より、裸の星華ねえが隣にいる。
僕のおち×ちんは、ぱんぱんに張ってしまった。
「……」
星華ねえが、洗面器のローションを僕の身体の上にたらす。
とろとろ、とろぉ。
人肌に温まった粘液は、それだけで皮膚に快感と興奮を与える。
つ、つ、つ。
星華ねえが、それを手のひらで伸ばした。
僕の全身にぬるぬるとしたローションが塗られていく。
「……気持ちいい?」
「うん」
人間は全身が性感帯になりうる、という。
僕は、胸やお腹を撫でられるだけで、ものすごい興奮を感じていた。
星華ねえの、なめらかな手のひらは、肌に触れる、ただそれだけで気持ちいい。
でも、星華ねえは、もっと気持ちいいことをはじめてくれた。
「……」
僕の隣に添い寝するような形で横たわった星華ねえは、
ためらいもなく右手を僕のおち×ちんに伸ばした。
にゅる、にゅむ。
粘液をたっぷりと塗りたてて、柔らかくしごく。
ゆっくり、ゆっくりと。
「あうう……」
僕は太ももをもじもじさせて、星華ねえがもっと強く、もっと早く手を動かしてくれるのを待った。
でも、星華ねえは、僕に「おしおき」しているのだった。
星華ねえは、手の動きをさらにゆっくりとした。
僕はマットの上で身もだえした。
それを見た星華ねえは、別な「おしおき」をはじめた。
ちゅっ。
一瞬、何をされたのか、分からなかった。
星華ねえが、僕のほっぺにキスをしたんだ。
「あ……ひゃっ!?」
僕が声を上げる。
星華ねえはかまわず、その唇を動かした。
いや、正確には、その唇から突き出された舌を。
それが、キスした場所から、僕の唇にむかって頬の上を進む。
ぬるぅり、のろぅり。
世にも美しいかたつむりが、這い、僕の唇に到達した。
「んむ……うぐぅっ?!」
一瞬の躊躇もなく、星華ねえの舌は僕の唇を割った。
「むぐ……うむ……」
星華ねえの舌は、僕の口腔を大胆に犯した。
僕の歯に、歯茎に、舌に――柔らかい肉片が蹂躙していく。
(これは、私のもの)
星華ねえの情熱的な舌の動きは、無言だけど、百万のことばよりも雄弁に宣言していた。
「……」
僕は、それに答えるために、やっぱり無言で舌を絡めた。
「んん……」
僕の至近距離で、星華ねえが目を細めた。
二人の舌の動きが、ゆっくりとなる――お互いを確かめ合うように。
「――ふあっ……」
互いの呼吸(いき)の限界まで舌を絡ませあった僕たちが唇を離すと、
二人の混ざり合った唾液が、ローションよりも長い糸を引いた。
「……」
大きく一呼吸した星華ねえは、そのまま次の「おしおき」に入った。
「きゃっ」
乳首に舌を這わされ、僕は女の子のような声を上げた。
星華ねえはかまわず、僕の乳首を含んで舌先で転がす。
大好きな女性に犯される――。
男女が逆になったような責めに、僕は、頭がくらくらとする陶酔に包まれた。
「ひゃいっ……」
「……」
星華ねえは、僕の両方の乳首をかわるがわるなぶった。
柔らかい舌先が先端を突つき、唇が吸いたてるたびに、僕は甘い悲鳴を上げた。
星華ねえのゆっくりだった右手の動きが、少しずつ力と早さを増す。
僕はマットの上でびくんびくんと、釣り上げられた魚のように跳ねた。
「……彰、気持ちいい?」
「い、いいよう……気持ちいいっ……」
「そう。……じゃ、もっと良くしてあげる」
星華ねえは、枕元に置いた洗面器の中に手を差し入れた。
手のひら一杯にローションをすくう。
すらっとした足が、僕の側面で、器用に折りたたまれた。
「え……?」
星華ねえは、自分の足指と足の裏にローションをたっぷりと塗りつけた。
それって、まさか――。
以前に見たことがある、かなりフェティッシュなビデオでしか知らない行為。
両足にローションを塗り終えた星華ねえは、僕の顔を覗き込んだ。
「……これ、するのは初めてだから、失敗したらごめんね。
でも、男の子はこれがすごく好きだって、柳町のお姉さんたちは言ってた」
そういうと星華ねえは、僕の下半身に足を伸ばした。
下腹の上を、つるつるしたものがすべって行く。
「あ、あ、あ……」
僕が何かをことばにする前に、星華ねえの足は、目的地に達した。
「……」
神経を集中するようにちょっと眉根を寄せた星華ねえの足指は、
親指と人差し指の間に、僕のおち×ちんの茎の部分をはさみこんでいた。
ぬるぬるのローションの感触と、手とは違う、ちょっと力強い圧迫。
星華ねえは、ゆっくりとそれを上下させはじめた。
足指でおち×ちんを愛撫する性技――俗に言う「足コキ」だ。
「うわあっ」
僕は情けない悲鳴を上げた。
星華ねえの足は、白くてすべすべで、綺麗だ。
ジーパンやパンツ系のスーツなどを好んではく星華ねえが
足を露出することはあまりないのだけど、僕は、その魅力を知っている。
川遊びに行った時にだけ見ることが出来る、美しいもの。
小さな頃、石膏雪花(アラバスター)の細工物をはじめてみたとき、
その透き通るような白さとつるつるとした清潔感と美しさに、
僕は星華ねえの足を連想したことを思い出した。
その足が、今、エッチなローションにまみれて、僕の男性器に奉仕している。
「……んくうっ!」
僕は、マットから飛び上がらんばかりの快感を覚えた。
おち×ちんに、血液と、興奮と、精液が限界まで注ぎ込まれる。
「……」
でも、星華ねえは、そのまま最後まで僕をイかせてくれなかった。
爆発の寸前で、足指に力をこめて、ぎゅっとおち×ちんの茎をつかむ。
どくん、どくん。
びくん、びくん。
僕のおち×ちんは、文字通りにはちきれそうなくらいに膨れ上がったまま時を止められた。
「……せ、いか…ねえ……」
「くらくら」を通り越して「ぐらぐら」レベルのめまいの中、
僕は泣きそうになって星華ねえに声を掛けた。
眩んだ視界には捉えきれない至近距離で、星華ねえのささやき声が耳元で聞こえた。
「……彰は、私のもの――わかった?」
「え……?」
「私が、彰をいっぱい悦ばせてあげる。ずっと、ずっと、……一生。
だから、彰は私のところから、どこにも行っちゃ駄目。ずっと、ずっと一緒……」
「……星華ねえ」
「楽しいことも、恐いことも、気持ちいいことも、危険なことも、みんな一緒。
私を、全部丸ごと、彰にあげる。だから、彰の全部を私にちょうだい」
それが、星華ねえの考える「結婚」であり、「夫婦」なのだろう。
星華ねえは、いつも冷静で、ものごとにこだわらない。
――だけど、それは、執着がないわけじゃないんだ。
星華ねえは、たった一つ、一番大事なものだけに執着する。
自分の一生を、本当に全部捧げるくらいに、強く。
さっきの感情の爆発は、星華ねえは、ほんとは誰よりも情熱的な女性であることの現われ。
そのことを、そしてその対象が僕以外の何者でもないことを悟って、僕は絶句した。
――驚きと、喜びに。
「わかった、彰?」
星華ねえが、もう一度足指にぎゅっと力をこめて聞いた。
僕は、身もだえするような快楽に、うわずった声で返事をした。
「――うん、わかった……」
「……もう私に黙って、危ないところに行かない?」
「行かないよ。僕は、星華ねえとずっといっしょだよ……」
身を起こして僕の顔の上に自分の顔を近づけた星華ねえは、
とても嬉しそうな微笑を浮かべながらささやいた。
「そう。……じゃ、許してあげる」
「せ、星華ねえ、……ぼ、僕…もう……」
「……イきたい?」
「うん……このまま、星華ねえの足で……」
倒錯した快感は、絶頂を味わなければ収まりそうになかった。
「……」
こくりとうなずいた星華ねえは、足指の締め付けを緩めた。
同時に、上下にこする動きを再開する。
僕はたちまち上り詰めた。
「ひあああっ!!」
情けないくらいに甘い悲鳴を上げて、僕は射精した。
びゅくっ、ぴゅくっ!
おち×ちんの先っぽから激しく噴き上げられた白い粘液は、
信じられないくらい高くまで飛び、僕のお腹や、胸や、顔にまでかかった。
「うああ……」
何度も何度も跳ね上がるように律動を繰り返すおち×ちんを、
星華ねえは丁寧にしごき揚げ、最後の一滴まで残さずに吐き出させた。
「……彰、精子まみれ……」
放心状態の僕を見下ろして、星華ねえがくすりと笑った。
「ふああ……」
あまりの気持ちよさに、僕はことばもなく、呆けたような声を出すだけだった。
「ん……」
星華ねえは、僕に顔を寄せた。
ぺろりと、僕のほっぺたについた精液を舐めあげる。
僕は、慌てた。
「あ……星華ねえ……汚いよ……」
「なんで? 彰の精液。汚くなんか、ない」
星華ねえは、舌ですくい取るようにして白い粘液を舐め上げる。
何度かそれを繰り返した星華ねえが唇をつぐみ、目を閉じる。
僕は、ぞくぞくっとした。
星華ねえが、僕の精液を口に含んでる。
いや、それだけじゃなくて――。
くちゅ、くちゃという音は、舌の上に乗ったものを丁寧に転がしている音。
すぅすぅ、という呼吸音は、口腔内の匂いをかいでいる音。
こくん、という音は、僕の精液を飲み下した音。
「うん。――彰の匂いと、彰の味。美味しい」
ゆっくりと目を開けた星華ねえは、ささやいた。
いつものように、感情のふり幅が少ない声に、僕にしか分からない淫らさと艶やかさがこめられている。
それは、僕に、こう告げていた。
(――これは、全部、私のもの)
僕は、僕のすべてが星華ねえに飲み込まれて一体化して行く感覚を覚えた。
星華ねえの肌や、お腹の中や、子宮の奥に、僕が吸い込まれ、溶け込み、ひとつになっていく。
「――星華ねえっ!」
僕は、猛烈な情欲を覚えて星華ねえに抱きついた。
「ん……っ」
「星華ねえ、セイカネエ、せいかねえ、せいかねえせいかねえせいかねえ……」
昨日、星華ねえが見せたような、声を出すのももどかしいくらいに狂おしい衝動が僕を襲う。
「あ……」
そして、星華ねえは、昨日僕がそうしたように、つがいの欲情をすべて受け入れた。
僕は何度も、星華ねえの中に入った。
ローションと、星華ねえの蜜液と、僕の精液でぬるぬるとなった
二人の性器は、どこまでが自分の肉体で、どこまでが相手の肉体なのか、境界があいまいだった。
――わからなくて当然だった。
星華ねえは全部僕のものだったし、僕は全部星華ねえのものだった。
二人は、二人そろってはじめて完全な存在だった。
だから、いつでも何度でも一つになろうとした。
僕たちは、限界まで交わり続けた。
互いが所有するつがいのすべてを求めて。
「……はぁふ……」
星華ねえが、熱い吐息をついて僕の上に崩れ落ちた。
もう何度交わったのか、覚えていない。
あたり一面が暗くなり、虫の音が遠くに聞こえるのを考えると、
半日以上も交わっていたのかもしれない。
昨日も、同じくらいの時間を過ごしたけど、今日は、もっともっと濃厚で熱烈だった。
僕は、息も絶え絶えになりながら、それでも星華ねえとつないだ手を離さなかった。
「……ふぅ……んむ……」
星華ねえが、僕に優しく頬ずりする。
「彰、……いっぱい、イった?」
「うんっ! ……星華ねえは?」
「私も、たくさん、イった」
「――僕は、星華ねえのものになった?」
「うん。――私は、彰のものになった?」
「うん!!」
星華ねえの唇に、小さな、でも世界で一番幸せそうな微笑が浮かんだ。
僕は、僕のものになった女神さまの美しさに、陶然となった。
――これから一生の間に、何万回もそうするのと同じくらい強く、
妻となる女(ひと)に魅せられて。
「あがろうか?」
「うん」
満ち足りた思いの余韻を楽しみながら、僕らはお風呂を片付けた。
体力はもう限界なので、申し訳ないけど、本式のお掃除はお手伝いさんに任せる。
マットを片付けて、お湯で流して、そこまでが精一杯だ。
いつの間にか脱衣場に用意されていたパジャマを着て、お風呂場を出る。
――途中で美月ねえや陽子に会ったらどうしようか、とどきどきしたけど、
幸い渡り廊下に出て「ばっちゃの機織小屋」に行くまで誰にも合わなかった。
まあ、会ったとしても、二人三脚をするときよりも密着しながらふらふら歩いている僕たちを見たら、
そのまんま黙って見送ってしまいそうだけど。
星華ねえの部屋の二階に上がると、四方から虫の音が聞こえてきた。
「……そう言えば……」
並んでベッドに腰掛けた僕は、星華ねえを見つめた。
「何?」
「……双子……なの?」
戦いの最中、僕に助太刀してくれた我が子のことを思い出して、僕は尋ねた。
「うん。――女の子の、双子」
「そんなことまで、わかるんだ……」
まだ細胞分裂もしているかもわからない時期のはずだけど、
僕は、星華ねえのことばが真実だということを知っていた。
あれだけの力を持つ子供たちだ。
お腹の中にとどめている母親がそれを明確に感じ取っていても不思議ではない。
「ありがとな。――パパを助けてくれて」
僕は、まだ膨らんでいない、星華ねえのきゅっとくびれたウエストの辺りに語り掛けた。
「――ママも」
星華ねえが、自分のお腹をそっとなでながら、言った。
僕が戦いに敗れて死んでいたら、――星華ねえも生きてはいない。
双子は、自分の両親を生まれる前から救ってくれたのだ。
「……親孝行の子供だね」
「うん。――でも、ちょっと、お転婆すぎるかも」
「……え?」
突然、星華ねえが抱きついてきて、僕はベッドの上に押し倒された。
「な、何を……」
身体を擦り付けてきた星華ねえの、積極的な愛撫に、僕は目を白黒させた。
さっき、互いの限界まで、あんなに交わったのに、
今の星華ねえの、この抱きつき具合は――やっぱり、あれのお誘いだ。
「せ、星華ねえ、満足できてなかったの……?」
男として、なんとなくショックを受けて、僕はつぶやいた。
「ううん。私は、すごく満足した。――でもこの子達が……」
星華ねえは、僕の首筋に唇を這わせながらささやいた。
右手は、もう僕のパジャマのズボンの中に差し込まれている。
「……この子達が……?」
「さっきの戦い、納得できていないんだって。
自分たちがもっと強かったら、もっと彰と私を楽にさせられたのに、って、
この子達、自分たちの未熟さに怒ってる」
たしかに、双子の力で作られた双頭の土蛇は、星華ねえのそれよりは動きが不器用だった。
だけど――。
「み、未熟って、まだ生まれてもないのに、当たり前じゃんっ!?」
「本人たちはそう考えてないみたい。――だから、ね」
星華ねえは、目をとじてこくり、とうなずいた。
ものすごく機嫌がいい時の、星華ねえのくせ。
「――パパを、――志津留の血と力を、もっと濃く引き継いで生まれてきたいんだって……」
「そ、それって……」
「――彰。私の子宮の中に、届けてあげて」
星華ねえは、そういって、僕の唇をキスでふさいだ。
それから一分もしないうちに、せっかく着たばかりのパジャマは、星華ねえに脱がされ、
僕らは夜通し、子供たちの「最初のわがまま」に振り回された。
――振り回されてへろへろになったのは、主に僕のほうだけど。
「――彰。その試験管取って」
「あ、これね」
「――データ取りは、これで最後」
「OK。……できた!」
「お疲れ様。あとは、データをまとめるだけ」
「……それが大変なんだけどなあ……」
んーっ、と背伸びをしながら、僕はぼやいた。
星華ねえは、印刷されて出てきた用紙をざざっと見ている。
「紅茶、入れてこようか」
「ありがと……でも、すぐ出れるから大丈夫。
お茶は、一菜(かずは)と一葉(いちは)のところに行ってからにしよう」
「あ、それ、いいねっ」
僕は、事件室のある棟から百メートルくらい離れたところにあるマンションの一室にいるわが子に思いを馳せた。
二人で検査したり、機械を調整したりする重要な時間帯意外は、
星華ねえと交代しながらの作業だから、もうかれこれ十二時間会っていない。
気付いてしまうと、気もそぞろになってしまう。
「ごはんは、食べたかな。お昼寝は、ちゃんとしたかな?」
「今日のお手伝いさんは、志摩さんと、あの二人だから心配いらないと思うけど……」
そういいながら、星華ねえもそわそわとしている。
「……データチェックは後にしない?」
「……そうね」
星華ねえは、机の上に、ぽんと紙束をおくと、さっと立ち上がった。
タイトなGパン姿に羽織った白衣がまぶしいくらいに綺麗だ。
それにうっとりする暇もなく、僕も立ち上がる。
ぼろい研究室のこれまたおんぼろドアを開け閉めするのももどかしく、二人は外に出た。
コンクリ道を、早歩きで急ぐ。
マンションの入り口にかかるころは、もう駆けっこ状態だった。
エレベーターは下に来ていない。
躊躇なく階段を選ぶ。
三階まで、三段抜かしで駆け上がる。
ドアを開ける。
「ただいまー!! ふたりとも、元気でいい子にしてたかいっ!?」
「……とても元気だった。……でも、全然いい子じゃなかった……」
玄関先の床の上から、息も絶え絶えの声がした。
僕はそれを無視して、飛び越した。
「……おいっ……」
廊下に伸びていた男の子――よく日に焼けて、いかにもすばしっこそうな十五、六歳くらいの子が、
起き上がり、歯をむき出して怒った。
「……ちょっ、あたしの尻尾は、おもちゃじゃないってばあっ!」
居間で双子にお尻から伸びている銀色の房を引っ張られて、十七、八歳くらいの女の子がわめく。
「あははっ、いい子にしてたみたいだねっ! 一菜っ、一葉っ!」
「ど、どこをどうみたらそんなセリフが出てくるのさっ!!」
女の子のきいきい声の抗議は、僕も星華ねえも聞いてない。
もちろん、双子の姉妹も。
「ぱぱぁ〜!」
「ままぁ〜!」
ヨチヨチ歩きの娘たちを抱きかかえて、頬ずりする。――至福の時。
星華ねえのクールな横顔も、このときばかりは緩みっぱなしだ。
<挑戦者>との戦いから四年。
僕は二十歳になり、星華ねえは二十三歳になった。
今は、同じ大学の二年生同士だ。
あの後、僕は生まれてくる子供たちに備えて、高校をやめて<本家>に婿入りした。
出産のため、大学を三年間休学した星華ねえといっしょに子育てに追われながら、
大学検定を受けて、星華ねえと同じ大学に入学した。
今は同じゼミで薬学の研究をしながら、双子といっしょに大学のある街でくらしている。
いずれは志津留の家を継ぐ(もっとも僕らは当主の親という立場から後見人なんだけど)ことになるけど、
それまでの間、家業にも役に立つ知識や技術を学ぶいい期間だからだ。
以前から独自であんなに強力な薬を作ることが出来た星華ねえが
大学で目指しているものはとても高くて、学部生なのにもう院生レベルに達している。
僕も頑張っているので、なんとかついて行くことができた。
「星華ねえといつもいっしょ」
それは、僕らの間の一番大切な約束で、それを果たすのに必要ならば、僕は多分空だって飛べるから。
志津留の本家から交代でお手伝いさんに来てもらってるおかげで、
学生結婚、しかも子持ながら、大学生活のほうもまずまずにこなせている。
――ありがたいことだ。
「……おい」
背後で、恨めしそうな声がする。
「なんだい、稲風(いふう)?」
一菜を「高い高い」しながら僕は振り向いた。
人形を取っているときは、その用紙も手伝って、
なんとなくこの姉弟のことを、妹分、弟分に思える。
そうだなあ。自分や陽子と、吉岡さん家のケン坊との間くらいの妹分、弟分。
その「妹」分と「弟」分が、不平を申し立てた。
「……手伝っているのは、使用人だけじゃないだろ……?」
「そうよ、しかも乱暴する相手は、あたしら限定じゃないの?!」
「いや、この子たちも、やっていい相手と悪い相手はわきまえてるから……」
「なによ、それぇっ!?」
「……静かにして」
上機嫌な一葉をあやしながら、星華ねえが睨むと、姉狐の稲空(いくう)が縮こまった。
弟狐の稲風も、しゅんとなる。
――稲空と稲風。<挑戦者>の子供たちだ。
彼らは、母親の<挑戦者>ともども、<契約>に縛られて志津留家に奉仕している。
二匹とも、それ相応な力を持つ妖し狐のはずなんだけど――。
くいくい。
「いたた、いたいわよぅ、お嬢ちゃん……」
ぐいぐい。
「いてっ、耳を引っ張るなって! マジ許してっ!!」
一菜と一葉に髪や耳を引っ張られて泣き声をあげる姿は、とてもそうは見えない。
志津留の新しい当主たちは、生まれる前から稲空たちを抑えるほどの力を持っていたのだから、
当然といえば、当然なんだけど。
「――まあまあ、二人ともおイタはめーですよぉ。おイタしたら、おやつあげませんからねえ」
台所からお手伝いの志摩さんが顔を出す。
おっとりとした人だが、お手伝いさんとしての腕は、千穂さんや小夜さんもかなわない女性だ。
「……いたずら、してない」
「……してないから、おやつちょうだい」
一菜と一葉があわてて「いい子」モードに入る。
この辺の呼吸は、見習わないと。さすが四男六女のお母さん、凄腕だ。
「――志津留先輩っ!!」
ノックと同時に――つまり、返事を聞くつもりもなく――ドアが開けられた。
稲空と稲風があわてて耳や尻尾を隠す。
元気な声で入ってきたのは――マサキマキだ。
「ちょっと、お姉ちゃん! 失礼でしょっ!」
後ろで袖を引っ張るセーラー服の女子中学生は、マサキマキの妹さんで、
ケン坊のガールフレンドの正木紗紀(まさき・さき)ちゃんだ。
中学を地元ではなく、県庁所在地のこの街の私立に選んだので、
星華ねえを追って同じ大学に入ったマサキマキと姉妹で下宿している。
……このマンションの一階下だ。
そんな縁で、毎日押しかけてくる。
「……もう先輩じゃない。同級生」
そう。
学部は違うけれど、休学していた星華ねえと同期生だ。
「そ、そんなことないですよぉ、先輩は先輩です、ずっと! 一生!」
「どこの体育会系だ、そりゃ……」
「うっさいわね! 後輩のくせに、君、ナマイキよっ! ちなみに私は弓道部っ!」
「さいですか……。でも後輩じゃないよ、そっちは浪人しているから、僕とも同級生だろ?」
「だからあっ! 高校の時の先輩後輩は一生ものなのよっ!」
マサキマキは僕を睨みつける。
相変わらず「志津留先輩、激ラブ!」な彼女にとって、
星華ねえの旦那の僕は、不倶戴天の敵だ。
心配していた<挑戦者>の憑依の後遺症も全然ない。
あの後、色々あって、本人も、まわりも、流鏑馬(やぶさめ)出場のプレッシャーで
一晩家出して、外でぼんやりしていた程度の認識でいる。
「君、一菜ちゃんと一葉ちゃん残して、ぱぱーんと交通事故でも起こしてくれないかしら。
そしたら、私が志津留先輩を慰めて、あれやこれやできるんだけど……」
そんなことを公言する性格は、ちっとも変わっていない。
まあ、この子が下の部屋に住んでいるおかげで、
一菜と一葉がどんなに暴れても、文句を言われないから、ありがたいけど。
「すいません、しょーがない姉で……」
ぺこりと頭を下げる紗紀ちゃんのほうが、よっぽど大人だ。
「……ママ、おっぱい……」
「あー、私もっ! 私もっ!」
おやつを食べ終えた双子が、不意に爆弾発言をする。
「なっ……お、おっぱいっ!? 先輩のッ!?」
マサキマキが身を乗り出し、紗紀ちゃんに後頭部をがつんと殴られる。
「おおっ!?」
稲風が立ち上がりかけて、稲空にぎゅううっっと、思いっきりつねりあげられる。
「だめだぞ、二人とも。もう、おっぱいは卒業しただろ?」
三歳児の双子は、とっくに乳離れしている。
だけど、甘えん坊の二人は、今でも時々星華ねえのおっぱいを恋しがる。
無理もない。星華ねえのおっぱいは、そりゃもう魅力的……。
「だって、パパもママのおっぱい、のんでるもん!」
「うん、のんでる、のんでる!」
あわわ。
「な、な、なっ! 志津留先輩は人妻なのよっ!
そのおっぱいを吸うなんて、なんて破廉恥漢っ!! 警察を呼びますわよっ!! 」
「僕が、その星華ねえの旦那だわいっ!!」
収拾がつかなくなりかける部屋の中で、無邪気な双子はさらなる爆弾発言をする。
「パパ、ママ、おっぱいだめなら、おふろであそぼうっ!」
「うんっ、こないだパパとママがつかってた、ヌルヌルのであそびたい!」
「……!」
「……!!」
「……!!!」
もはや収拾つかなくなったマンションの一室。
――ふと見ると、星華ねえは、唇の端でわずかに微笑んでいた。
目を閉じて、小さくうなずく。
僕の奥さんの、とても機嫌のいい時の癖。
季節は、秋。
毎日が何かと大変だけど、僕ら親子はとても幸せだ。
夏に比べて風は涼しいけど、そこには、暖かな恵みが含まれている。
――僕が大好きな女性の微笑のように。
FIN
間あいてすみません。
星華編、後半、完結です。
9月の最終日(もう10月だけど)にしてやっと夏休み完結。
色々とありましたが、突発のウソ企画におつきあいいただき、ありがとうございました。
乙でした!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
乙でーす!!
乙彼さまです!
あとは三姉妹ハーレm(ry
完結GJ!!超GJ!!双子可愛いよ双子
これはとんでもない神の降臨を見た。
もうね、ただただGJです。本当に乙でした。
うわあ。
ラストの後日談で狐姉弟の名前が逆だったorz
姉=稲風(いふう)
弟=稲空(いくう)です。
保管庫管理人様、掲載の際に直していただけるとありがたいです。
乙彼summer
これで僕の夏も終わったorz
>>484 よう、俺。
ゲーパロ氏蝶乙。
孕ませ的に充実した夏だったなぁ
このスレと妻しぼりでお腹いっぱい
GJでした
次 は 冬 休 み とか言ってみる
>>487 「ぬふう」と「いくう」に空耳したのは俺だけでいい
GJ!!
冷静と情熱の間の星華ねぇがみろくてきですた。
お疲れ様でした。休養後次回作に…
事件室?もしかして実験室?
ゲーパロ神、乙!
芸羽芦ノ命にハレムルートキボン
御山の状態が思わしくなく、一族に優秀な能力者が大量に必要となった。
その為には三姉妹それぞれが子を持つ事が求められた(単純計算で三人は確保できる)。
一族中最強の力を持つ姉妹に種を提供できる、一族の若い男子は、僕一人―――
それぞれ双子で、六人の異母兄弟・姉妹が産まれるオチはどう?
494 :
217:2006/10/01(日) 21:02:10 ID:BWbMqUPg
ゲーパロ氏超GJ!
450を読んで即席で作ったものですが投下でつ
495 :
217:2006/10/01(日) 21:02:43 ID:BWbMqUPg
私は多分、今日という日を一生忘れないと思う。
私は魔法使いにあったのだ。
その人は一本の刀を持ってやって来た。白い髪の毛なのでおじ
いさんだと思ったけど、顔をよく見ると若い人だった。魔法使い
のすることはわからない。
その人はドアを蹴破ってい部屋の中に入ってくると、突然消え
た。次に姿を現したときには、お父さんの仲間のおじさんたちは
ばらばらになっていた。
お父さんは驚いていたけど、拳銃でその人を撃った。でもその
人に弾丸は当たらない。魔法使いに銃は効かないらしい。
その人がお父さんの頭を掴むとお父さんの白い髭の生えた顔は
まるで私の嫌いなトマトのように簡単に潰れてしまった。
その人は顔の無くなったお父さんを足で退けると私に向かって
刀を突きつけた。魔法使いの目はとても怖かった。
(きっと、殺されるんだろうな)
そう思うと涙が出てきた。私が泣き出すと、怖かった目がほん
の少しだけ優しくなった気がした。
結局、魔法使いは私を殺さずに帰って行った。最後に舌打ちを
して『くだらねえ』と呟いた声はなんだか哀しそうだった。
いつもの廃ビルに帰って来た。安堵感は欠片も無い。俺はここ
十年近く、一つ例外はあるが、そんなものを感じたことは無い。
風が吹いて、長い白髪が靡く。もとは黒髪だったが、俺の髪の
色素は人間らしい感情と一緒にすっかり抜け落ちてしまった。
階段を上って自分の部屋のドアを叩く。この建物はマンション
だったらしく生活する上ではかなり便利だ。
「フィアナ。俺だ」
暫く待ってもあるはずの返事が無い。疑問には思ったがドアを
開けて中に入った。
496 :
217:2006/10/01(日) 21:03:40 ID:BWbMqUPg
殺風景な部屋の中に人の気配は無い。いつもは必ず待っている
のだが、どこかへ出ているのだろうか。
大きなベッドの傍まで来ると突然背後に気配を感じた。
(・・・!)
反射的に手にした刀を抜き払った。
「な・・・っ!」
あわや首を刎ね飛ばそうというところで刀を止める。綺麗な
金髪が数本切り落とされた。
あと一歩で死んでいたというのにそいつはぺろっと舌を出して
「失敗失敗」
などと言っている。
刀を鞘に収めながら嘆息した。長い金髪が濡れているあたり、
シャワーでも浴びていたのだろう。
「何をするつもりだった?」
俺はまともな答えが返ってくることは期待せずに尋ねた。こい
つはそういう奴なのだ。出会った頃から変わらぬままでいられる
こいつにも、それにどこか安心している自分にも腹が立つ。
「目隠しして『だ〜れだ』ってやつ。やっぱシン相手じゃ無理だ
ったかぁ」
俺は鞘に収めた刀をもう一度抜きたい衝動をすんでのところで
堪えることが出来た。シンというのはあだ名だが、こいつがそう
呼び続けるせいで仲間内ではすっかり広まってしまった。
「二度とこういうくだらないことをするんじゃない」
怒気も露に言うがこいつには暖簾に腕押しだ。
「んん〜一回してみたかったんだけどなあ」
「死ぬとこだったんだぞ・・・」
殺しかけた俺にも非はあるが、こいつのけろりとした態度に腹
が立った。
「シンは私を殺したりしないよ。それになんかの間違いで殺され
ちゃっても、シンに殺されるならいいかなって」
「くだらねえことを言うんじゃねえ」
「ん。それよりさ、今日は何処行ってたの?」
ついさっき死に掛けたとは思えない無邪気な光を放つ瞳で聞い
てくる。フィアナは女性としては平均的な身長だが俺が長身なた
めその視線はかなり見上げる形になる。
「ごみ掃除」
簡潔な答えだがこれで十分伝わる。
「一人で?ハヤテとかダブルエイトとかは?」
「今日は一緒じゃない」
俺たちは目的を共にする仲間だが、俺が行動する時は大抵一人
かその二人のいずれかと二人でだった。今までずっと単独で行動
してきたため今更大人数と組む気にはならない。
もっとも、俺たちが全員集まっても五人だから大人数と言える
かどうかは微妙だが。
「だって明後日でしょ?そろそろ皆で集まって行動しなきゃまず
くない?」
明後日。そうだ、明後日で全て終わる。
「そうだな。ハヤテはどこだ?明日の打ち合わせがしたい」
497 :
217:2006/10/01(日) 21:05:06 ID:BWbMqUPg
五人全員が揃うのは久々だ。リーダー格の東洋人ハヤテ、赤髪
で童顔の女ダブルエイト、大柄な黒人のジェイ、それに俺とフィ
アナ。
俺たちは半年前まである組織で働いていた。仕事内容は至極簡
単。対象及び障害の抹殺。
殺した者たちにどんな事情があるのかは結局わからずじまいだ
った。興味も無いが。
俺は幼い頃マフィア同士の抗争に巻き込まれて死んだ両親と妹、
それに家族同然だったフィアナの両親の仇を討つため、人を殺す
ことだけを磨いていた。十の頃から、五年もそんなことを続けて
いると面白いことができるようになった。
体内の力の流れみたいなものを操作して瞬間的に絶大な速度と
膂力を得ることが出来るのだ。東方では『練気法』と呼ばれてい
るらしい。
『練気法』を身に付けた俺は実行犯を殺し、腹の虫が治まらな
かったのでついでにマフィア自体を潰した。
達成感などはなく、ただ空虚が心を支配した。
目標を失っていた俺は組織からの誘いを二つ返事で受けた。
他の連中が組織にいた経緯は知らないし、知る必要も無い。
俺たちはただ人を殺すことためだけにいたのだから。殺人技術
を高める訓練と身体能力を高める薬物とがそこの全てだった。二
年はいたはずだが、なんの思い出も無い。
だが、組織は俺たちを捨てた。何故かは知らないが俺たちの必
要性がなくなったらしい。俺たちを消そうとした組織から逃げ出
せたのはここにいる五人だけだ。
そして俺たちは復讐を決意した。どうせむこうも俺たちを殺そ
うとしているのだ。やられる前にやる≠ヘセオリーだろう。
明後日には俺たちの直属の上司だったホプキンスという男のア
ジトに殴りこむ。
「俺とジェイが囮で、シンとダブルが突っ込む。作戦は以上!」
ハヤテが作戦とも言えない作戦を非常に簡潔に説明する。
「めったくそだなオイ」
品の無い口調はダブルエイトのものだ。黙っていればそれなりに
可愛らしい姿形なのだが、勿体無い。
「・・・」
ジェイは渋い顔で黙っている。
ダブルエイト(被験者番号が88だったためこの名が付いた)の言う
とおり出鱈目だが、それくらいの作戦しか立てられないだろう。
「あれー?私は?」
隣に座ったフィアナが疑問の声を上げる。
「フィアナは留守番」
「ええっ!なんでなんで?」
「俺がハヤテに頼んだ。フィアナは留守番だ」
フィアナはいかにも不満そうな顔をしたが俺がじっと大きな眼
を見つめると黙って顔を背けた。
フィアナの戦闘力は正直重要だ。長い付き合いのおかげか、俺
とのコンビネーションはかなりのものになる。だがそれでも、フ
ィアナを連れて行くことはできない。
「んじゃ解散!明日はゆっくり休むこと」
498 :
217:2006/10/01(日) 21:06:54 ID:BWbMqUPg
五人全員が揃うのは久々だ。リーダー格の東洋人ハヤテ、赤髪
で童顔の女ダブルエイト、大柄な黒人のジェイ、それに俺とフィ
アナ。
俺たちは半年前まである組織で働いていた。仕事内容は至極簡
単。対象及び障害の抹殺。
殺した者たちにどんな事情があるのかは結局わからずじまいだ
った。興味も無いが。
俺は幼い頃マフィア同士の抗争に巻き込まれて死んだ両親と妹、
それに家族同然だったフィアナの両親の仇を討つため、人を殺す
ことだけを磨いていた。十の頃から、五年もそんなことを続けて
いると面白いことができるようになった。
体内の力の流れみたいなものを操作して瞬間的に絶大な速度と
膂力を得ることが出来るのだ。東方では『練気法』と呼ばれてい
るらしい。
『練気法』を身に付けた俺は実行犯を殺し、腹の虫が治まらな
かったのでついでにマフィア自体を潰した。
達成感などはなく、ただ空虚が心を支配した。
目標を失っていた俺は組織からの誘いを二つ返事で受けた。
他の連中が組織にいた経緯は知らないし、知る必要も無い。
俺たちはただ人を殺すことためだけにいたのだから。殺人技術
を高める訓練と身体能力を高める薬物とがそこの全てだった。二
年はいたはずだが、なんの思い出も無い。
だが、組織は俺たちを捨てた。何故かは知らないが俺たちの必
要性がなくなったらしい。俺たちを消そうとした組織から逃げ出
せたのはここにいる五人だけだ。
そして俺たちは復讐を決意した。どうせむこうも俺たちを殺そ
うとしているのだ。やられる前にやる≠ヘセオリーだろう。
明後日には俺たちの直属の上司だったホプキンスという男のア
ジトに殴りこむ。
「俺とジェイが囮で、シンとダブルが突っ込む。作戦は以上!」
ハヤテが作戦とも言えない作戦を非常に簡潔に説明する。
「めったくそだなオイ」
品の無い口調はダブルエイトのものだ。黙っていればそれなりに
可愛らしい姿形なのだが、勿体無い。
「・・・」
ジェイは渋い顔で黙っている。
ダブルエイト(被験者番号が88だったためこの名が付いた)の言う
とおり出鱈目だが、それくらいの作戦しか立てられないだろう。
「あれー?私は?」
隣に座ったフィアナが疑問の声を上げる。
「フィアナは留守番」
「ええっ!なんでなんで?」
「俺がハヤテに頼んだ。フィアナは留守番だ」
フィアナはいかにも不満そうな顔をしたが俺がじっと大きな眼
を見つめると黙って顔を背けた。
フィアナの戦闘力は正直重要だ。長い付き合いのおかげか、俺
とのコンビネーションはかなりのものになる。だがそれでも、フ
ィアナを連れて行くことはできない。
「んじゃ解散!明日はゆっくり休むこと」
499 :
217:2006/10/01(日) 21:07:46 ID:BWbMqUPg
「ねえシン」
隣で横になっているフィアナが話しかけてきた。まだ起きてい
たのか。
「なんで私を置いていくの?」
「今度の戦いは正直かなり絶望的だ。お前を守る自信は無い」
しばしの沈黙。フィアナは俺に背を向けたままこっちをむかな
い。
「私がいないなら、シンは思う存分戦える?」
「・・・多分な」
「私が大人しくしてたら、シンは死なない?ちゃんと私のところ
に帰って来れる?」
「・・・多分な」
フィアナは初めて俺のほうを向いた。その顔は今にも泣き出し
そうだった。
「絶対、だよ。絶対帰って来るって言ってよ」
「そんな不確かなことは言えない」
「絶対帰って来るって言って。でなきゃ私、言うこと聞かないよ」
俺は深く嘆息した。
「わかった。絶対生きて帰って来る」
「うん!約束だよ!」
フィアナは笑顔でそう言って握り拳を突き出してきた。俺はそ
の小さな拳に自分の拳を合わせる。子供の頃から変わらない、俺
たちの誓いの儀式だった。
「付き合っといてなんだが、くだらねえな」
「そう?私は好きだけどな。これやると安心できるもん」
こんな約束、無意味にも程がある。人間死ぬ時は死ぬのだ。
「約束破ったら、すっごく怒るからね」
しかし、こいつの笑顔が見れただけ無価値では無いか。
「そうか。わかった」
部下の一人が殺された。自宅を襲撃されたらしい。数十いるは
ずの護衛は何をしていたのか。おそらくは何も出来ずに死んだの
だろう。
私はそれができる者を知っている。
あの冬の湖よりなお冷たく暗く、猛獣のように獰猛で、それで
いて人形のように感情の無い瞳。私はそれを銃口のようだと思っ
た。
あの白髪は彼の人生の凄惨さを如実に物語り、銃口の瞳は歪ん
だ精神の具現だった。
あの男が来る。それをどこか心待ちにしている自分は狂ってい
るのだろうか。もっとも他人を研究対象としてしか見ていない人
間がまともなはずはないか。
自らの最高傑作、白い死神の手によって殺される。これ以上幸
福な死があるものか。
人生最期の瞬間を夢想していると、不意に可愛らしいノックの
音がした。
「入れ」
入ってきたのは年端もいかぬ少女だった。寵愛を受けてきたの
が一目でわかる。フランス人形のような顔は緊張と怯えで強張っ
ていた。
あの男と出会っていながら今なお生きている少女。部下の一人
娘だった。
「私の名はホプキンス。君の名はなんというんだい?」
なるべく優しい声を出したつもりだったが、少女はますます怯
えて声も出せないようだった。
まあいい、と思った。どうせこれからは被験者番号でしか彼女
を呼ぶことはないのだから。
500 :
217:2006/10/01(日) 21:08:20 ID:BWbMqUPg
「ねえねえ、外出よっ!」
唐突にフィアナがそんなことを言い出した。
「かまわんが」
元から今日は一日中こいつに付き合うと決めていた。どこへで
も行くつもりだ。
フィアナは飛ぶように階段を駆け下りていった。とてもじゃな
いが俺と同い年とは思えない。まあ俺もかなり一般からは外れた
存在ではあるが。
「シン早くーっ」
フィアナが俺を連れてきたのはビルの裏庭だった。雑草が伸び
放題でとても好き好んで来るような場所じゃないと思うのだが、
何故こんなところに来たのだろう。
「シン、ここ見て。ここ」
フィアナが指差した場所には、小さな花が咲いていた。冬の寒
さに負けずに咲いているその花には見覚えがあった。
「これ見せたかったんだ〜。覚えてる?この花」
「ああ、覚えてるさ」
これはフィアナの家に咲いていた花だった。この花が咲いてい
た庭の中、俺とフィアナと妹のサラ、三人でよく遊んだものだ。
(そういえば、昨日見逃した子供はどうしたか)
あのサラによく似た少女はあのあとどうしたのだろう。組織に
保護されたか、どこぞを彷徨っているか。
(くだらない)
あの子供がどうなろうと俺には関係ない。思えば見逃したのも
くだらないことだったかもしれない。
ただあの泣き顔を見た時、泣き虫でいつも俺に引っ付いていた
サラの顔が脳裏によぎってしまった。
「サラちゃん、この花好きだったよね」
そうだ。あいつはこの花が好きだった。いつもこの花を飽きる
ことなく眺めていた。そして俺がその隣でサラと話していると決
まってフィアナがふてくされるのだ。
「・・・部屋に帰ろう。少し冷えた」
それ以上ここにいると昔を思い出しそうだった。もう戻れるこ
とは無いのに、いやだからこそ、思い出は美しいのか。
(くだらねえ)
いくら最期の日とはいえそんなことを考えるような頭ではない
だろうに。
501 :
217:2006/10/01(日) 21:09:34 ID:BWbMqUPg
最期の日といっても、普段とさして変わらなかった。ただいつ
もより皆と話した気がする。そしていつものようにフィアナとベ
ッドに入る。
「本当に、行っちゃうの?」
フィアナが消えそうな声で言った。昼の快活な声と同じ人間が
出しているとは思えない。
俺はその問いに沈黙で答える。フィアナは身を起こして俺のほ
うを向いた。泣いているのかと思ったが、その顔に浮かんでいた
のは微笑だった。
「ねえシン。お願いしても、いい?」
「何だ?」
どんな願いでも叶えてやるつもりだった。俺にはできることは
少ないが、生きているうちに少しでも多くフィアナの笑顔が見た
かった。
「ええと、ね。なんていうか、抱いて欲しいんだけど」
なんだ、そんなことか。
俺は上体を起こしてフィアナに手を伸ばす、が
「あ!ええと、そうじゃなくてね・・・ええと、その」
何が言いたいのか。
「ええとだから私に、私にシンの子供を産ませて下さいっ!」
「何言ってるんだ?お前」
俺が呆れた声で言うとフィアナは全身を硬直させた。
「本気か?」
「本気に決まってるでしょっっっ!!」
耳元で馬鹿でかい声を出されて耳鳴りがした。
「冗談でこんなこと言うわけない!馬鹿じゃないの!?」
「馬鹿・・・なのかもな」
でも無理も無いだろう。何年も同じ布団で寝ていながら行為は
おろか、そういう雰囲気になったことすらないのだ。それがいき
なり子供とは。
「シンは嫌なの?私は、シンの子供が欲しいよ」
「嫌、とかそういうんじゃないんだ。だって俺は・・・」
「帰って来るんでしょ?」
明日死ぬかもしれない、とは言わせないつもりらしい。俺は一
度深く溜息をついた。
「俺は子供とか考えられない。だって、今まで殺すことしかして
こなかったんだ。そんな俺が、子供なんて。笑い話にもなりゃし
ない」
俺に人を幸せに出来るとは思えない。たった一人の妹も守れな
いのだ。きっとフィアナを幸せにするなんてできやしない。
「できるよ。シンは優しいから」
俺にはこいつの言ってることがわからなかった。俺のどこが優
しいというのか。
「お前も馬鹿だな。そんなわけないだろう」
「ううん、馬鹿なのはシンだよ。
シンは優しいよ。誰も知らない、自分でもわかってないみたい
だけど、私だけは知ってるんだ」
こいつがそういうのなら、そうなのかもしれない俺のことをこ
の世で一番知ってるのは俺じゃなく、目の前にいる大切な女なの
だから。
502 :
217:2006/10/01(日) 21:10:22 ID:BWbMqUPg
「だからシンは大丈夫。ちゃんと私のところに帰って来て、私も
生まれてくる子も、ハヤテもジェイもダブルも皆幸せにしてくれ
る」
言いながらフィアナは俺の顔を抱きしめた。こいつは、俺の自
意識を悉く破壊してくれる。
フィアナの心臓の音が聞こえる。
「フィアナ・・・」
この世で一番大切なものの名前を呼ぶ。
「何?」
呼べば答えてくれる、優しい声。
「服、脱げよ」
こいつこそ、皆を幸せに出来る。
「うんっ!」
たとえ、俺がいなくても。
「まいったな」
「どうしたの?」
裸を見るのはお互い初めてではないが、意識して見るのは初め
てだ。
見慣れたはずの幼さが残る顔立ちさえ眩しく見える。
豊かな乳房といい、綺麗な桜色の淫裂といい、なんでも知って
いると思っていたフィアナがこんな妖しい色気を放つとは。
「お前・・・こんなに綺麗だったんだな」
「え?あぅ・・・そ、そう?」
しかし照れた顔はやはり俺のフィアナのそれだ。
「シン・・・キスして」
「ん・・・」
柔らかい。あの艶やかな唇はこんな感触がするものだったのか。
「やっぱり、順番が大事だからね」
フィアナの顔があまりに嬉しそうだったので思わず笑んでしま
った。
豊かな乳房をゆっくり揉む。
「ぁ・・・」
熱い吐息が顔にかかった。
小さな乳首を指で摘むと「ん・・・っ」と声を出して身を振る
わせた。
「そんなに感じるものなのか?」
フィアナは恥ずかしそうに答えた。
「うん・・・シンが相手だからかな?すごく感じるよ」
愛する女を悦ばせられるのはなかなかに嬉しいものだ。
股間に手を伸ばすとすでに濡れていた。
「なんだ、もう濡れてるのか」
「だ、だって私・・・他の人に触られるの初めてで」
「自分では触ってるのか?」
「ぁ・・・う、うん」
嘘がつけないのか、つくつもりが無いのか。正直に答えるフィ
アナがとても愛しかった。
割れ目をなぞるとフィアナは喘ぎながら身をくねらせた。
優しく愛撫を続ける。
「ぁ・・・ぁふ・・・」
水っぽい音がはっきり耳に届くようになってきた。そろそろか。
「入れるぞ、フィアナ」
503 :
217:2006/10/01(日) 21:10:58 ID:BWbMqUPg
足を開いてその間に自分の体を入れる。
「う、うん」
やや緊張した声。けど緊張してるのは俺も同じだ。初めて人を
殺した時もここまできんちょうしたかどうか。
「えと・・・私初めてだからさ、優しくしてくれるといいな、な
んて・・・」
何を今更。そんなこと知ってるさ。
「俺だって初めてだ」
「え?そうなの?」
「意外か?」
「誰かと一回くらい経験あると思ってた」
俺が外に出るのは誰かを殺しに行ってるんで犯すためじゃない
のだがな。
「じゃあ・・・いくぞ」
入り口に俺の先端が触れて水音が聞こえた。
そこから一気に根元まで押し込んだ。
「はぅぅっっ」
フィアナの中はきつい。それに熱い。動かなくとも達してしま
いそうだ。
「痛むか?」
「だい、じょうぶだょ・・・思ったほどじゃない」
大丈夫ではなさそうだが、だからといってここでやめるわけに
もいかない。
『また今度』は永遠に来ないだろうし、何より俺はもうどうに
も歯止めが利きそうに無い。
「動くぞ」
ゆっくり腰を引いて、ゆっくり押し入れる。
「あふぅ・・・んぁ・・・」
フィアナの口から漏れた吐息が顔にかかる。
情けない話だががもう限界が近い。
「フィアナ、出すよ」
「うん、きて。私に、シンの子供産ませて」
腰の動きを早める。
「ぁっ・・・ぁあっうぁっ」
もう限界だ―――そう感じた時、俺は腰を思い切りフィアナに
打ち付けた。
「ぁっ・・・あぁぁあぁああぁぁ!」
陰嚢の中身を全て出し切るつもりで射精した。
「ぁ・・・ぁうう」
フィアナの切なそうな声を聞きながら俺は未だ彼女の中に精を
出し続けている。
例え安全日でも孕むんじゃなかろうか、というほどの量と濃度。
長い射精が終わって、二人で重なって荒い呼吸を繰り返した。
「ねえ・・・できたかな?」
呼吸が整って、フィアナが耳元で囁いた。
「ああ。きっとできた。幸せにしてやらないとな」
「うん・・・二人で、幸せにしてあげようね」
504 :
217:2006/10/01(日) 21:12:29 ID:BWbMqUPg
月が沈んだ。出発の時間だ。
隣で安らかな寝息を立てているフィアナの金の髪を指で梳いた。
この顔を見るのも、髪を触るのも、これが最後か。
俺はベッドから降りて黒いコートを羽織って刀を手にした。
彼女の『優しいシン』は冷酷な殺人鬼へと姿を変える。
振り返って、もう一度フィアナの顔を見た。
小さい手を握ると、とても暖かかった。
俺とは違う、人を幸せに出来る手だ。
最後にもう一度柔らかい唇にキスをして、一番言いたかった言葉
を言った。
「今までありがとう・・・愛してるよ、フィアナ」
ホプキンスのアジトに着いたのは夜明け前、予定通りだった。
「さて、じゃあ行きますか」
ハヤテがあくまで自然に明るい声を出す。底抜けの明るさで皆を
引っ張ってくれるハヤテ。組織から逃げた俺たちが集まれたのは彼
のおかげだ。
「ぜってー生きて帰るからな!お前らも死ぬなよ!」
子供のように無邪気なダブルエイト。こいつがいれば笑いが絶え
ることはないだろう。もう少しおしとやかになれば言うことは無い。
「・・・」
寡黙だが頼りがいのあるジェイ。こいつらといればフィアナはき
っと幸せでいられる。それに生まれてくる子供も・・・
俺は目の前のダブルエイトの首に手刀を打ち込んだ。ダブルエイ
トは声もなく倒れ伏した。
「シン!?」
驚きの声を上げるハヤテのほうを振り返って言った。
「お前たちは帰れ」
ダブルエイトを片手で持ち上げてジェイに渡した。
「ここで逃げても、ホプキンスは俺たちを狙い続けるぞ」
「ああ、ホプキンスは俺が責任持って殺す。安心しろ」
「馬鹿かてめえっ!」
叫び声を上げて掴みかかろうとしたハヤテをジェイが制した。
「わかってやれ」
俺はそれを見て彼らに背を向けた。それから振り返らずに歩みだ
す。
「もし死にやがったら許さねえからな」
「ああ・・・約束は守らないとな」
505 :
217:2006/10/01(日) 21:13:36 ID:BWbMqUPg
いつものようにドアを蹴破って侵入する。いや、侵略か。
玄関付近にいた護衛がこちらを向く前に居合いの一撃を繰り出す。
人薙ぎで三つの体が両断された光景を他の者はどのような心境で
見たのだろうか。
手の届く範囲の護衛を片っ端から切り伏せながら周りを窺う。
大きな正面階段の上に幾人かの護衛がいる。手にしているのはい
ずれもマシンガンだ。
(ちっ)
内心で舌打ちする。拳銃や散弾銃ならともかくあればかりはかわ
しようがない。
手ごろな死体を引っ張り上げて盾にする。軽快な銃声が響いて手
にした死体が穴だらけになった。
さすがに貫通はしてこないが、長く耐え切れるものではない。
刀を手放す。空いた右手でもう一つ死体を掴んで力を込める。
階段の上に死体を放り投げた。
重量七十キロ程の死体が高速で飛んできたのだ。たまったもので
はないだろう。弾幕が途切れた。
盾にしていた死体を捨てて刀を拾う。一度の跳躍で階段の上にた
どり着き、倒れていた護衛を皆殺しにした。
これで玄関付近は静かになった。
さすがにあの投擲は無茶だったか、右腕が痛んだが動きに支障が
出るほどのことでもない。
(さて、ホプキンスは何処だ?)
(いい加減しつこい)
拳銃などは俺の前では全くの無力だというのがまだわからないの
か。
廊下の向こうから三人がかりで拳銃を乱発しているが俺の体には
傷一つついていない。相手の目線と銃口を見れば弾道はたやすく予
測できる。そうなればたとえ亜音速の弾丸だろうと刀で叩き落すの
は造作も無い。
しかし弾切れを待つのは面倒だ。
まず壁を足がかりにして体を反転させた。次に天井を蹴って相手
の後ろに回りこむ。直線の動きしか想定していなかったのだろう。
予想外の事態に狼狽する三人を一刹那で細切れにした。
506 :
217:2006/10/01(日) 21:14:32 ID:BWbMqUPg
息つく間もなく百九十センチ近くある俺より背が高い熊のような
体格の男が現れた。
マシンガンを持っているがいかんせん二人は近すぎた。距離にし
て約七メートル。俺を相手にするならばこの倍の距離がいる。
大きく踏み込んで反応すら出来ない男の胴を横に薙ぐ。
鈍い音がして根元から折れた刀身が宙を舞う。
(くそったれ!)
服の下に装甲を仕込んでいたらしい。先の疲れか、いつもなら装
甲ごと真っ二つにしてやれるのだが。
男は下卑た笑いを浮かべて巨大なマシンガンで殴りかかってきた。
かわすのはたやすかったが、こちらには武器がない。敗北は明ら
かだ。
普通なら。
俺は男の太い首を掴んで、気を右腕に集中する。
絞め殺す、などと生易しくは無い。そのまま首を握りつぶした。
俺の瞬間の握力は三百を軽く越す。人間の体などカステラに等し
い。こいつは俺に近づいた時点で死んでいたのだ。
声を出すべき器官を潰され大男はひゅーひゅーと音を立ててくず
おれた。
廊下の奥の部屋から場違いな拍手の音がした。
ドアを蹴破ると、ホプキンスがそこにいた。
「さすがだな七十四番。あの中には君らの後輩もいたのだが」
俺は戯言にには付き合わず、老いた男の前に立った。
「最期に握手でもせんか?我が最高傑作の手を握りたい」
俺は黙って手を差し出した。老人は笑顔でその手を握った。
冷たい。俺と同じ手だ。
俺は満足げな老人の顔を掴んで、一息に握りつぶした。
椅子の上には顔の無い死体。
建物内に生き残ったものはいないだろう。
(なんだ、生きてるじゃないか)
思わず笑いそうになる。終わってみればなんてことは無い。
(さあ、帰ろう)
皆が、フィアナが待ってる。怒っているだろうか。帰ったら
思う存分説教を聞いてやろう。
507 :
217:2006/10/01(日) 21:16:09 ID:BWbMqUPg
踵を返そうとした俺の耳に乾いた音が入った。
「・・・あ?」
音のしたほうには拳銃を握った少女。
あの時、逃がしたやつか。目に涙を溜めた顔がサラを思い
起こさせる少女。
なるほどホプキンスの被験者になる予定だったらしい。ま
た彼女を救うことになったようだ。
しかしなぜフランス人形のような外見に不似合いな拳銃な
ど持っているのか。
それまで呆けていた少女が悲鳴を上げて走り去っていった
時、俺は背中に痛みを感じた。
痛む箇所を手で押さえると濡れた感じがした。頭の中の冷
静な部分が撃たれたことを認識する。
下を見るとすでに床は赤く濡れていた。
今度こそ俺は声を上げて笑った。
「ははは、はは」
なんだこれは。笑いが止まらない。
―――やれやれ、全く持って。
「くだらねえ」
508 :
217:2006/10/01(日) 21:17:06 ID:BWbMqUPg
春の花が咲いて、日差しが厳しくなってきても、あいつは
帰って来なかった。
ハヤテが恐れていた刺客も来ず、私たちは平穏な生活を送
っていた。
私たちが普通の生活に戻れるはずはなく、今でも人には言
えないような仕事を続けている。
私はそろそろ動くのが辛くなるくらいに大きくなったお腹
をさすりながらあいつの話を我が子に聞かせて過ごしている。
(早く帰って来ないと、色々恥ずかしいことも教えちゃうぞ)
私はあいつのことを世界で一番知っている。本人よりも。
もちろん子供時代の恥ずかしい思い出もだ。
私は楽観主義者じゃない。あいつが生きてる可能性が絶
望的に低いことだってわかってる。それでも待ってる。
だって、約束したんだから。
あいつは約束を破るようなやつじゃない。
待つのは慣れてる。あいつが帰って来たら、皆でたっぷり
お説教してやろう。ハヤテとジェイとダブルと私、もしかし
たらこの子も一緒かもしれない。
「ふふっ」
今から楽しみでしょうがない。初めて会った子供に説教さ
れたらあいつはどんな顔をするだろう。
「早く帰って来ないかな、あいつ」
窓から外を見る。月明かりだけでは裏庭はほとんど見えな
いけど、私は見えなくてもそれがどこにあるかわかる。
あの花がもう一度咲く頃には、帰って来るだろうか。
一瞬、白い月光の中にあいつの姿が見えた気がした。
FIN
!
510 :
217:2006/10/01(日) 21:20:14 ID:BWbMqUPg
450とは話のベクトルがやや(かなり?)違う気が・・・
本気でゲーパロ氏の文章力を分けて欲しいです。
>>481@ゲーパロ氏
禿しく乙&GJ。
実は私の大学の夏休みも今日で完結ですw
ところで、ハーレム編、書くかどうかだけでもはっきりして頂ければ有難いのですが…
ゲーパロ氏 ゆっくりと休んでくださいませ。
長い長い夏休み本当に堪能させてもらいました。
でも創作意欲が湧いてきたら
番外ハーレム編、熱烈希望ですw
ハーレム…
みてもみたいけど、そんなんしようとしたら星華姐さんがまた
バーサク状態になりそうな希ガス。
いやいや、あの姉妹は上手く行くと思うよ。
彰はマサキマキも孕ま……ゲフンゲフン
217氏スルーされまくりワラタw
217氏、GJ。
次回は是非ハッピーエンドを
取ってつけたようなレスだなw
そこでたった今217氏の作品を読了した俺が書き込みますよ。
>「なんだ、もう濡れてるのか」
>「だ、だって私・・・他の人に触られるの初めてで」
>「自分では触ってるのか?」
>「ぁ・・・う、うん」
ここのやりとりが個人的にツボだったんで
俺も次回はハッピーエンドで萌えエロをリクエストしとくよ、GJ!
ゲーパロ氏、合いも変わらぬ神作品をありがとう。
……しかし今回私は主役二人よりも馬のシロに萌えてしまった。
昨夜、えねっちけーのディープインパクト特集&フランスでの試合を見たせいだとは思うが。
>>217氏
良い作品だとは思うけど………個人的には死にネタは悲しいからイヤンorz
次回は幸終了を希望する。
最後は投影せずにお姉ちゃんに助けてもらうんだ!
521 :
217:2006/10/02(月) 16:53:37 ID:bjQQA4TW
たまには鬱エンドでもやろうかと思いつきでやっちまいました・・・
現在修正・軽量化中の真央編はハッピーエンドにする予定です。
今日風引いて医者に行ったら食生活の悪さを指摘され更に生理不順まで警告されました。
ギャグかと思って
「最近生理来なくて・・・妊娠したんですかね?」
って言ったら冷たい目で見られました・・・何なんだちくしょう
>>521 まさか・・・俺の子か?
でかした!よくやった!( ^ω^)
>521-522
おめでとうw
出産祝いだ ・∀・)つ −=≡I トットケ
ゲーパロ氏gj!
足コキばんじゃーい!
後の世界観を想起させる引きもまた妙。
>217氏
Hは死亡フラグかーッ!
生き残った彼等の日々の未来に幸多からん事を。gj!
明日、妻の出産日なんすよ
この任務が終わったら休暇になるんでそのまま病院にいくんすよ
三姉妹にマサキマキを加えたハーレムだと
ツンデレ分も補給できて俺はウマー(゜д゜)
ゲーパロさんはマズー(゜д゜)
……スミマセンごめんなさい許して下さい
星華や陽子もいいけど美月ねぇが最高に好きだ
>ゲーパロ氏
相も変わらずエロいですな。
稲風、稲空姉弟はやはり放電映像氏か。
特に稲空。
妖狐で稲で空なんてクーちゃん以外いませんよ。
GJでした。
叔父貴と呼ばせてください。
>>217氏
このスレでは基本的にハッピーエンドが好まれるから反応が薄いだけで、とても良い作品に仕上がっているので、気を落とさずに。
本当にラブラブハッピー好きだよな、ここの住人たち。
530 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 03:45:42 ID:xaM6JoBX
自分は女の子の大きなお腹には夢と希望と幸せがつまっていると信じてやまない一人でね
胸くそ悪いこと思いださせんな。
>531
つまり民族の血を浄化するために姉弟でSEXか。
ゲーパロ氏には『ぼくなつ』番外編として、宍戸さんと小夜たんのプレイを希望する
535 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 10:09:32 ID:cyrr13jc
>>531 誰が三次の事を話せといった
実際妊婦とやる気が起こるのかオメェーはよぉー
俺は顔次第
>535
妊婦は大好物です!
二次元しかムリ
妊婦モノのAVを見たが、正直微妙だった。
やっぱ孕ませや種付けは二次元にかぎる。
俺は和姦孕ませマンセー派だけど二次元なら民族浄化ネタもOKだわ
1スレの人妻ソフィアとか亡国の…とかすげー好きだし
でも投下する際は細心の注意を払って投下して欲しいね
>>539 漏れも個人的には民族浄化ネタ好き!
ただ、架空のファンタジーものって事だけどね。
投下については…誰かが噛み付くかもしれないので
荒れる元になるから、できるだけ避けて欲しいとは思う。
個人のホームページで注意書きつけてなら良いと思うけど…。
民族浄化の三次はマジ殺意しか沸かないからな。
血は大切だよな。
ま、エロファンタジーだから許される行為なのかもしれん。
それでもこのスレ向きではなさそうな感じがするわな。
>>542 ここの住民層は基本的に和姦孕ませマンセーだしな。俺含めて
まぁ俺は悪食だから出されたモノは残さず頂くが
544 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 01:10:53 ID:KeYJeYfE
三次のAV見たことはあるが駄目だ
腹が大きいばかりで不細工だったり、ハードなプレイできないし
腹だけ見て抜いたような感じだった、不完全燃焼
それに俺の一番好きなふたなり妊婦がいくら探しても無いし
そういう生臭系は、やっぱ二次だから安心してみれているな。
俺も雑食なんでどっちもいけるけどさ。
546 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 08:34:09 ID:FtxAVKdx
「南アフリカ・グイ族の夫婦は、奥様が妊娠してからも、旦那様がどんどんセックスを続け、
自分の精子で子供を大きく育てる、という考え方を持っている」
というのは、本当ですか?
なんか、異種姦の孕ませネタみたいだな。
呪いみたいな考え方かな。
>>544 数年くらい前までは、ハードな妊婦AVもあったんだよ。SM系なんかもあったからね。
大きな腹の形が少し変わるくらいギチギチに緊縛された妊婦とか、けっこう凄かった。
最近の妊婦AVは、ほんわか系と単なるH系が増えてしまって、確かにつまらんな。
ハーレムスレネ申のやつか
むしろほんわか系を見たことがない俺がいる
彼らに安息は訪れない
「あたしの銃は魔法使いだって殺せるんだ」
美しく幼い死の天使が彼らを追い詰める!
「絶望的な状況ってやつか・・・それでも諦めるわけにゃいかんわな」
「もしも生まれ変われたら、今度はのんびり生きようや」
決断を迫られるハヤテ
「くだらないことなんか、何一つ無いんだがな」
「あの男なら、こんな状況も面倒そうに打開するんだろうな」
その時ジェイは!?
「オレも女だ。お前を愛して何が悪い」
「行くなハヤテ・・・お願いだから行かないで、傍にいて」
ダブルエイトの想いは届くのか?
「大丈夫。お父さんがきっと助けに来てくれる」
「約束、したもんね?帰ってくるよね?」
どれだけ涙を流しても
声を涸らして叫んでも
祈りの声は届かない・・・
絶望と言う名の闇の底
白い死神が再び舞い降りる!
多分書きませんけど!!
軽く目を通したら真央編投下したいと思います。
554 :
217:2006/10/05(木) 23:49:33 ID:s1qyAl/h
珍しく早くに目が覚めた。
時刻は午前五時すぎ。いつもは平日にさえ七時頃に起きることを考えれば休日のこれ
は驚異的な記録だ。この時間なら居間に一番乗りできるだろう。黒い手袋をはめた左手
と素手の右手を組んで背伸びをする。背骨がバキバキ音を立てた。
何となく気分がよくなったので階段を高速で駆け下りて、一人きりの居間でのんびり
する・・・はずだったのだが。
「あれえ?ご主人、今朝は早いんですねえ」
すでに居間でコーヒーを飲んでいた、ショートカットの猫の耳と尻尾を生やした小柄
な少女―――真央の声で僕の一番乗りの夢は瓦解してしまった。
彼女は寝ぼけ眼のまま律儀に立ち上がって頭を下げた。
「おはようございます。今日は何かあるんですか?」
「いや別にそう言う・・・」
わけじゃないんだけど、と言おうとして僕は固まってしまった。
聞きながら近づいてくる真央の格好が下着にワイシャツという寝起きの頭には少々刺激
の強すぎるものだったからだ。
そのワイシャツのサイズが彼女には大きすぎるというのも重要ポイントだったりする。
見えそうで見えないギリギリさがデンジャラスな三角地帯の破壊力と白い生足の魅力を最
大限に引き出し・・・
「何を朝っぱらからわけのわからないことを・・・」
「はい?」
真央が大きな琥珀色の眼で僕の顔をじっと見る。その上目遣いは反則的だ。ってい
い加減にしろよ僕。
「いや何でもない。真央っていつもこんな早いの?」
「ええ、毎日五時には起きてますよ」
それは凄い。今度爪の垢を煎じて貰いたい。ちゃんと味付けすれば飲めないことはな
いだろう。
座布団をしいて真央の隣に座った。僕はコーヒーでなく日本茶を貰った。とりとめの
ない会話も早朝にするといつもより三割り増しで爽やかに感じる。真央もいつもより猫
耳がぴこぴこと動いている。真央は機嫌がいいとこうなる。
「おや、どうかしたのか清孝?」
それから一時間ほどしてやってきた、茶髪をひっ詰めに結んだ着物姿の背が高い女性
―――泪さんは開口一番そんなことを言った。僕にとって早起きって言うのは病気か何
かなのか?
「いや何となく目が覚めたんですけどね。泪さんも早いですね」
「まあキミに比べればな・・・ところで今日は本家に行く用があるんだ。帰るのは夜に
なると思う」
泪さんはよく本家にいくことがある。親族会議だったり報告だったり仕事探しだった
りその用はさまざまだが、電車で三時間以上かかる本家に行くのは大抵一日がかりにな
る。ちなみに僕は直接本家に行ったことはない。
泪さんが苦い顔で話す次期頭首という人に会ってみたいのだが、泪さんにそれを話す
と絶対確実に一生一度たりとも会わない方がいい、と言われてしまった。
「それで、昼にはむこうに着いていないとだからもう出ることにするよ」
「朝ご飯くらい食べて行かれませんか?」
僕が言おうと思ったことは先に真央に言われてしまった。三人の内誰が欠けても食卓
は寂しくなってしまう。でも泪さんは済まなそうに首を横に振った。
「すまないね、今日は遅れるわけに行かないんだ。後三十分早く起きればよかったな」
555 :
217:2006/10/05(木) 23:52:20 ID:s1qyAl/h
「そんなに重要な会議なんですか?」
いつもなら遅れてもかまわない位のことをいうのに。何かまずいことでもあったんだ
ろうか。もしまた鬼退治がどうとかいうのなら泪さんがなんと言おうと付いて行くつも
りで聞いた。
「重要だ。少なくとも私にとっては」
きっぱり言い切るあたり、やはりやばい話らしい。
「何があったんですか?」
僕が真剣な声と顔で聞くと泪さんは柔らかな声と顔で答えた。
「私が結婚したのでね、その報告だ」
「はぁ?」
おっと、間抜けな声を出してしまった。
「そういうことなら僕もいったほうがいいんじゃないですか?」
結婚というのは法律上の正式なものでなく二週間ほど前に二人で決めあったものだが、
結婚の報告という以上二人で行ったほうがいいと思うんだけど。
「ああ、そのうちキミにも来てもらう。しかし今日は年寄り連中の小言だけだからキミ
は留守番していてくれ」
「はあ、そうしろってんならそうしますけど」
「キミには・・・そうだな、私の腹が膨れて来た頃に来て貰おうか」
腹が膨れたって、それもちろん太ったってことじゃないよな。ていうことはええと、
つまりその・・・てことだよな。しかしまだ確実にできたとは聞いてないが。
「何を渋い顔をしてるんだ?」
「あ、いや、医者でもいったんですか?」
「医者?ああ、検査ってことか。いや行ってないが?」
行ってないのか。まあ冷静に考えれば泪さんが普通の医者にかかれるはずはないか。
「でも、今・・・」
「今日本家でそのことも確認してくるよ。それに今できていなくてもいずれは作る
つもりだし。その時に、という意味だ」
それで本家で確認してくる、か。なるほど今夜が楽しみだ。
朝飯を食べた後、僕は真央の部屋に来ていた。自分の部屋にいてもやる事がないのだ。
あれから二週間たって僕の体調は万全のつもりなのだが泪さんから修行、特に『破壊』
を使うことは堅く禁じられている。右手の力は制御できるもののやはり僕には過ぎた力
だ。危険な匂いがびんびんする。泪さんに言われなくとも使う気にはならない。
556 :
217:2006/10/05(木) 23:53:36 ID:s1qyAl/h
それで真央の部屋に来て一緒にビデオ(DVDなどというハイテクなものはうちにはない)
を見ているわけだ。それにしても『猫の恩返し』とは。僕にとってはかなり身近なタイト
ルだ。
真央は映画が見せ場に入ると耳と尻尾をせわしなく動かして画面に見入っている。こう
いうときの彼女は普段より子供っぽく見えて非常に可愛い。朝の色っぽい裸ワイシャツも
いいが着物姿ではしゃいでいる、祭りのときの中学生みたいな彼女のほうが僕としては好
きだ。
「いや〜いい話でした。やっぱり猫はいいですねえ」
映画が終わると真央はにぱ〜、とかほわわ〜、とかの擬音が合いそうな笑顔をして弾ん
だ声を出している。
「それってつまり自分はいい子ですよ〜っていいたいわけ?」
「ええ、私もいい子ですよ。佐竹さんのうちのミウちゃんも丸山さんのゴロ君もいい子で
すよ〜」
(自分で言うなよな・・・)
猫の名前を出されてもさっぱりわからないが、真央の顔があんまりにも楽しそうなので
黙って聞いていた。
「これでも私、猫には結構もてるんですよ。夜に散歩すると近所の猫が集まってくるんで
すから」
「これでもって・・・真央なら普通にもてると思うけど」
お世辞じゃなく素直にそう思う。艶のいいショートの黒髪といい白い肌といい少なくと
も平均的な女性よりはずっと綺麗だと思う。小柄な体格や控えめな胸は好みによるだろう
が、まあ僕はそれはそれで好きだ。耳と尻尾にはあえて突っ込まない。
猫の時の彼女も毛並みがよくて顔も整っているから僕からは可愛く見える。猫の目線か
らはどうだか知らないけど。
「あはは。なんだか照れますねえ」
本当に照れているのだろう。言いながらあたりをいじくり回した結果積み上げていた物
が雪崩を起こしてしまった。
「あらら〜?倒れちゃいました」
「散らかしとくからだろ、掃除しろって」
真央は料理のほか家中の掃除を任されている。というか家事全般か。僕はたまに手伝うが
真央のてきぱきとした動作にはかなわない。料理を教えたのは僕なのだが、弟子に追いつか
れる焦りを感じる間もなく追い越されてしまった。
この家にはあと一人住人がいるが、その人と家事とは二つの洗浄液のような関係だ。
すなわち、『まぜるな!危険』。料理は味がどうこう以前の問題だし、掃除をさせると家
中に圧倒的な破壊をもたらす。
話が逸れた。真央は他の部屋の掃除はきっちりとするのだが何故か自分の部屋は汚い。し
かも用途不明の道具で溢れかえっていたりするため性質が悪い。
「んん・・・そうですね。ではすみませんがご主人はご自分の部屋にいて下さい。少々う
るさくなるかもしれませんけど我慢してくださいね」
「ん、わかった」
やっぱり女の子なんだな、見られたくないものもあるのだろう。僕は言われたとおりに
部屋を出て自分の部屋に・・・
「あらあらあら?きゃっ!ひええっ!」
行こうと思ったのだが、ものすごく心配になったので真央を手伝うことにした。
「なあ、これってなんに使うの?」
僕は動物の骨らしきもの手にとって聞いた。
「さあ・・使い道なんてあるんですかねえ?」
使い道があるかどうかもわからないものを置いとくなよ。この部屋にはその他にも妙な
杯やら束ねた護符やら怪しい壺やら、とにかく不思議グッズがたくさんあるのだ。僕は溜
息をついて蔵行きの箱にそれを入れると四次元空間と噂の押入れを開けた。
557 :
217:2006/10/05(木) 23:54:21 ID:s1qyAl/h
「これは・・・っ!」
そこから出てきたのは、何故あるかはしらないが完全無欠のメイド服だった。
「真央、これどうしたの?」
真央は恥ずかしがる様子もなく話し出した。
「それはですね、九浄の次期頭首様に頂いたんですよ。『猫耳のお手伝いさんならメイド
服は必須アイテムだ』って言ってましたけど、そういうものなんですか?」
やはり彼とは一度会ってじっくり話し合おう。心の友になれそうな気がする。ていうか
真央はその人と会ったことがあるのか。
「次期頭首って・・・何処で会ったの?」
「以前唐突に屋敷にいらっしゃったんですよ。ご主人は学校でしたが。ごゆっくりして頂
きたかったんですが、泪様に追い返されてしまいました。それから数日後にこれらの服を
持っていらっしゃたんですよ。泪様は包みを開く前に燃やして捨てろって仰られましたが
勿体無いですしねえ」
これら、と言いながら真央は押入れの奥からさらにスクール水着やら体操服とブルマのセ
ットやら巫女服やらを取り出した。これ全部プレゼントかよ。
「泪様にも同じものを一式送られたようですが中身を見た瞬間激怒されてしまいまして。変
身して包みごと焼き尽くしてしまいました。
そういえばあの方も逆上した泪様に襲われていましたが・・・もう完治なさったんでしょ
うか?」
変身って、あれだよな。金の妖狐。真央と並ぶと猫と狐の獣人コンビになる・・・じゃな
くて、二位の化物とタメはれる強さの。あんなのに襲われたら普通即死だぞ。
「九浄の次期頭首ってどんな人だったの?」
おそるおそる聞いてみると真央は少し考えて、
「なんというか・・・変わった方でした」
ものすごく曖昧なことを言った。そんなことは今の話だけでも十分わかるよ。
掃除が終わった頃にはもう十一時を回っていた。
「つっかれた〜〜〜〜!」
かれこれ二時間も動いていたので腰と腕が痛い。それは真央も同じようで、ふらふらとう
ずくまってしまった。いや、疲れたにしてもおかしい。
「真央!?大丈夫!?」
近寄ってみるとやっぱりどこかおかしい。息は荒いしうっすらと脂汗をかいているようだ。
「真央?どうしたんだよ!?」
「困りました・・・精が尽きかけてるみたいです」
精が尽きかけている―――使い魔というのは定期的に契約した主から生命力を貰わないと
生きていけないのだ。使い魔の反逆や逃亡を防ぐためのシステムらしいが、そういえば僕は
ここ最近真央に精を与えていなかった。
「なんでこんなに弱るまで言わなかったんだよ!ちょっと待ってろ!」
ズボンにかけた僕の手は、しかし彼女の白い手に止められてしまった。使い魔に与える生
命力は血液なんかでもいいのだが、一番いいのは精液らしい。それなので僕が真央に精を与
えるのは決まって精液を通して、だった。だから僕がズボンに手をかけるのは当然の行為。
僕には真央が何故止めるのかわからなかった。
「なんで・・・?」
「ご主人は、泪様の夫なんですから」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ?このままじゃ死んじゃうんだぞ!」
「泪様の悲しまれる姿を、見たく、ないです・・・血さえ頂ければ、私は大丈夫ですから」
真央はそういうが、彼女の状態はとても血液でどうにかなるものじゃない。もし血液だけで
なんとかするのなら僕の体中の血を全て抜くしかないだろう。
「わかった、それなら口でしてよ。それならいいだろ?」
首を振る真央の顔を両手でつかんで言った。
「悲しませたくないとか言うけど、お前が苦しんでると泪さんも悲しむ。それでも嫌だってん
なら無理やりにでも押し倒す」
真央は僕の勢いに納得してはいないようだが頷いてくれた。
558 :
217:2006/10/05(木) 23:57:06 ID:s1qyAl/h
「んっんむ・・・ふっ、むぅ」
片付けたばかりの部屋に水っぽい音と彼女の声が響いている。
真央はあぐらをかいた僕の股間に顔を埋めてそそり立った性器に下を這わせている。
直接的な快感よりもその懸命な姿に興奮が高まる。
彼女の生命維持という真面目な目的があるのだがこの瞬間にはそれすらも意識の外に追いや
られていた。
「はぁ・・・気持ちいいですか、ご主人?」
ペニスから口を離して真央が聞いてきた。その間も白く小さな手で僕のものに刺激を与え続
けている。
「うん。すごく、いいよ」
本当にいい。一見純粋無垢に見える彼女だが、そのテクニックは卓越したものがある。それ
でいて男は僕しか知らないと言うのだ。信じがたいが、本当だろう。真央は僕に嘘を付いたり
隠し事をしたりということをしないのだから。
「そう、ですか・・・ふふっ嬉しいです」
そう言って彼女は僕のものをくわえこんだ。更に指の動きも早めてくる。
「くっ・・・」
思わず声が漏れてしまった。さっきまでの控えめな愛撫から急に激しい動きをされたため
僕はもう絶頂を迎えそうになっていた。
「真央、もう・・・イクっ」
「ふぁい、どうぞこのまま・・・」
「―――っっ!」
僕は真央の小さい口の中に熱いものをぶちまけた。まるで性器から自分の中身が全部出て行
ってしまうようだ。
「んっ、んんっ」
相当の量が出てしまったので少し苦しそうだったが、その全てを彼女はこくり、こくりと嚥
下した。
「ふふ、一杯出ましたね」
無邪気な、しかし妖艶な声。
最後に唇の端に残った分を舌で舐めとる彼女が偉く優雅に、それこそ一枚の絵画のように見
えた。
「はぁ・・・ありがとうございました」
恍惚とした表情で言う彼女の顔は確かにさっきよりずっと元気そうだった。
「よかった、元気になったんだ」
僕がそう言うと真央は少し照れたような顔をして、いつもみたいに明るく笑った。
彼と出会う前の私は、一体何をしていたのだったか。
家族と呼べる人も無く、仲間と呼べる人もいない私は・・・
時間にすればたった二年足らず前のことだがもうほとんど思い出せない。
ただ、森の夜はひどく怖かったのを覚えている。だから精一杯の幻術を使って人を近づけな
いようにしていた。
本来使い魔である私が主人なしに術を使う。
それが自分の命を削っているのはわかっていた。それでも、やはり怖かった。
それが周りの人間に迷惑をかけているのはわかっていた。それでも、やはり怖かった。
だから、人間たちがその道のプロに頼んで私をどうにかしようとしているのを聞いてもそれ
をやめることはできなかった。
彼と初めて逢ったとき、私はきっと殺されるのだと思った。
私が殺しに来たのか、と尋ねると彼は寂しい顔をして何も言わなかった。私はそれを肯定だ
と受け止めた。
彼が少し話そう、と言った時も私に未練を残さないようにしてくれたのだと思っていた。今
となってはその時を純粋に楽しまなかったことを後悔している。
だから彼が自分を使い魔にすると言った時、私は耳を疑った。
その時の言葉、その時の彼の顔、木々や草の色、雲の数まで覚えている。
懐かしい、私が独りじゃなくなったときの記憶。
559 :
217:2006/10/05(木) 23:59:20 ID:s1qyAl/h
『ラーメン鈴屋』にて、僕はその男と睨み合っていた。
なんだかんだで昼飯の用意ができなかったので近所のラーメン屋に来たのだが、僕は今そこ
の店員と眼と眼で戦っていた。
こいつとは知らぬ間柄じゃない。話すこともよくあるし、個人的に会うこともある。まあ簡
単に言うとそいつは僕のクラスメイトで名は鈴原良平という。
この店を選んだのもここがこいつの実家でたまにサービスしてくれたりするからなんだが。
「何でいるかなお前は・・・」
実家の手伝いをしてるのだから何も不思議なことがないように一般的な人なら思うだろう。
しかし残念ながらこいつには常識とか一般とか普通という類の考えは通用しない。
事実僕がこの店に来るときはいつもどこかに出かけている。なのに何故真央と来た時に限って
いるのだこの馬鹿は。しかもテーブル席が空いてるのにカウンターに座らせるとは、素敵なサー
ビス精神をしてやがる。
「けっ、真央ちゃんとピンク色のひとときを過ごそうとしてたんだろうがそうは問屋がおろさん
ぜ?」
ひがみさえストレートな男だ。どっかの野球漫画の主人公じゃあるまいし、直球だけで渡って
いけるほど世の中甘くないぞ。
「ほい、真央ちゃん。味噌ラーメン。葱は抜いてあるよ。ついでにチャーシューもつけといたぜ〜」
「わあ、ありがとうございます」
僕に話す時とは別人のような声を出しているなこいつ。
「ほれ、お前には実験メニューの秋季限定!ど根性ラーメン〜夏の日の輝き〜だ。ありがたく食え。
そんで感想を聞かせろ」
僕が頼んだのは五目ラーメンだとか何故ラーメンにサブタイトルがついてるんだとか秋季限定なのに
夏の日の輝きとはこれ如何に!とか、そういう突っ込みはするだけ無駄だ。素直に頂くことにしよう。
「ちなみに値段は七百円だ」
「金取るのかよ!?実験だろ!?」
「俺の昼休みの楽しみを奪ったんだから、んのぐれーしろっての」
こいつの楽しみ?購買のソースかけすぎの笹身揚げか?それともカレーの入ってないカレーパンか?
・・・って、サッカーのことだよな。
僕が通っている学校のグラウンドは現在工事中になっている。ところどころにできたクレーター
や焦げ跡は僕のせいじゃないが、一際大きく抉れている地面は他ならぬ僕の仕業です、はい。
学校側は悪質な悪戯ということにしているが、こいつは僕のせいだと見抜いた。
こいつはうちの仕事のことも僕の手のことも知っているのだ。というよりこいつとの仲はそれが
きっかけで始まった。
妖魔に憑かれた男に襲われていたこいつを僕が助けたのだが、僕の力を見ても普通に接してこれ
るあたり、こいつ実はかなりの大人物じゃないかと思う。
こいつは僕の力を爆裂北見フィンガーと呼んでいるが、未だに修行が足りないため真っ赤に燃え
たり轟き叫ぶことはない。
「そういや今日は姐さんどうした?仕事?」
「ああ、今朝出て行ったよ」
「ふうん、そう・・か」
何が言いたいんだろう。僕が考えていると隣で真央がごちそうさまでした、と言って箸を置いた。
「真央ちゃん食べ終わったんならその辺で買い物でもしてなよ。この後こいつと新メニューについ
ての相談するから」
「あ、はい。ではご主人、私は外で待ってますね」
真央は僕のことを人前では清孝さんと呼ぶがこいつの前では家と同じにご主人と呼ぶ。今は尻尾
のない後姿を見送って、一息ついてから目の前の男に聞いた。
「何の話だ?」
まさか本当にラーメンの話をするわけじゃあるまい。そいつは顎を撫でながら言った。顎を撫で
るのはこいつの話しづらい話をする時の癖だ。
560 :
217:2006/10/06(金) 00:02:12 ID:jYYz8Hv/
「んー、いやさ、お前どうすんのかなって思って」
「は?なんだそりゃ?」
「真央ちゃんだよ。お前が姐さんにベタ惚れなのは知ってるし、姐さんがお前一筋なのも知ってる。
だけどそれじゃあ真央ちゃんはどうするんだろうなって思ってさ」
「・・・」
「真央ちゃんはお前から離れられねえだろうし、もちろん使い魔ってことを抜いてもそうだ。だけ
ど姐さんからお前を奪ったりもできねえ。真央ちゃんはお前のことも姐さんのことも好きだからな。
だから、ちと心配になった」
「・・・僕は・・・」
「わりぃ、余計なお世話だったか」
「いや」
間抜けな僕のことだ。言われなきゃいつまでも考えないままだったろう。僕と泪さんが結婚して
子供もできて、でもその時真央はどうするんだろう。僕はどうしたいんだろう。僕は真央とどうな
りたいんだろう。
考えれば考えるほど頭がぐるぐるしていった。
その日の夕方は落ち着かなかった。昼に良平と話したこともさることながら、朝に泪さんが言っ
たことの結果がどうなっているか、とても落ち着いてなんかいられない。
さっきから無意味に居間と自分の部屋を往復している。それでどうにかなるものじゃないとはわ
かっているがそうでもしないと気が狂ってしまいそうだった。
それは真央も同じようで、外で何か物音がする度に猫耳をぴん、と尖らせている。
かれこれ二時間はそうしていただろうか、ふいに玄関の戸を開ける音がして凛とした声が聞こえ
た。
「ただいま」
ダッシュで玄関まで行きそうになるのをギリギリのところで堪える。いかんいかん、こういうと
きは落ち着いて報告を待たなければ。真央も同じ考えに至ったのか、動く気配はない。
「どうでしたっ!?お子様はできてましたか!?」
あれえ・・・いつの間に玄関に行ったんだろう。しかも僕より先に聞かれてしまった。
「ふふ、清孝は居間か?二人一緒に教えるよ」
あ、よかった。こっちに来てから発表してくれるらしい。
いつもの着物姿で入ってくる泪さんの顔が嬉しそうなのは気のせいじゃないよな。その後ろを
同じく着物姿で付いてくる真央は、まるで受験の合格発表を見に来た中学生のような顔だ。
「ど、どうだったんですか?」
もう少し冷静沈着を装いたかったが今の僕はどう贔屓目に見ても落ち着いているとは言えない。
「知りたいか?」
泪さんは悪戯っぽい笑顔でそう聞いてくる。その顔だけで答えは想像できるが彼女の口から直
接聞きたかった。僕は力いっぱい頷く。それを見て泪さんは満足したのかこほん、と咳払いをし
て満面の笑顔で言った。
「妊娠してた。キミと、私の子ができた」
それを聞くと僕は勢いよく立ち上がって歓喜の声を上げながら部屋中を駆け回った。途中で何度
も泪さんを抱きしめたり真央を持ち上げたり、さながら気が狂ったようだった。
「これから大変だぞ、清孝」
「やったやった!おめでとうございますご主人!おめでとうございます泪様!」
「ほん・・・よか、ひぐ・・・ひぃ」
僕は二人の言葉を聞きながら涙を流して言葉にならない言葉を吐き出し続けていた。
「どうした清孝?にやにやしやがって、気味悪いな」
「ん〜?そうかぁ」
どうやら顔に出ていたらしい。あんな話のあった次の日なら月曜の通学路さえ輝いて見える。
「喋り方まで気持ちわりいってーの!ついに壊れたか?」
「失礼な奴だな。普通そこは何かいいことあったか、とか聞くとこだろうが」
「むかつく答えが返ってきそうだから聞かん。お前がそう言う顔するときは姐さんか真央ちゃん
がらみだからな」
勘のいい奴だ。まあいいさ、子供が生まれたら教えてやろう。
561 :
217:2006/10/06(金) 00:02:55 ID:jYYz8Hv/
「北見君、どうしたの?ぼーっとして」
声をかけられて我に返った。いつの間にか授業が終わっていたらしい。しかももう昼休みじゃない
か。都合よく意識を飛ばせる自分に感心しながら返事をする。
「いや、ごめん。あれ?あの馬鹿はどこ行ったの?」
僕と良平と彼女―――浅岡千紗はいつも一緒に昼をとっている。しかし今日は馬鹿の姿が見えない。
「鈴原君なら三時間目の終わりに帰ったよ。覚えてないの?」
良平が帰ったことはおろか、三時間目が終わったことにすら気付かなかった。今日はいつにもまし
てぼけてるな。
「ならしょうがないな。今日は二人で食べよう」
「うんっ」
浅岡さんはいつも楽しそうだ。成績はいいがガリ勉というわけでなく、僕や良平の馬鹿話に付き合え
るくらいの柔軟性もある。さらに陸上部の短距離エースで顔もスタイルもいい。短く切った茶髪がこれ
またよく似合っている。
当然クラス内の人気も高く男女ともに友人が多い。たまに何故僕や良平と一緒にいるかわからなくな
る。同じ中学出身だとしてもここまで仲良くするものだろうか。
(まあ、いいか)
彼女と一緒に居る時間はとても楽しい。ならそれで十分じゃないか。
「北見君、今日はなんだか楽しそうだったね」
「良平にも言われたよ、それ」
「やっぱり。何かいいことあったの?」
浅岡さんはどっかの馬鹿と違って素直な子だ。あいつも素直といえば素直だが可愛らしさには天地以
上の差がある。
「うん、昨日ちょっとね」
浅岡さんは僕の家庭の事情までは知らない。そんな彼女にいきなり子供ができたとは言えない。言い
たくてたまらんが言えない。
「そうなんだ・・・ねえ、北見君は高校出たらどうするの?」
唐突な話だな。でもこの時期普通の高校三年生なら珍しくもない話題か。
「僕は就職かな。浅岡さんは?」
「私は大学言って陸上続けるよ。
ねえ、就職先とかって決まってるの?」
「ん。知り合いの仕事の手伝い」
「知り合いって、闇払いの?」
それを聞く浅岡さんはとても悲しそうだった。
「うん」
「闇払いの仕事って危ないんでしょう?」
確かに危ない。現に僕は今月の初めに死にかけている。
「うん。確かに危ないけどやりがいはあるよ」
「そう・・・なんだ」
浅岡さんはまだ何か言いたげだったけど、それから先は自分の立ち入る領域じゃないと判断したのか
俯いて何も言わなかった。
「また明日ね、北見君」
別れる交差点での浅岡さんの声は、しかしそれでも明るいものだった。
「うん、また明日」
それからの数日、朝に真央と泪さんと朝飯を食べて、学校で良平と浅岡さんと話をして、帰ってから
また楽しくはしゃいで。良平とラーメン屋で話したことを思い出しもしなかった僕は、やっぱり救いよ
うのない馬鹿だと思う。
562 :
217:2006/10/06(金) 00:05:44 ID:jYYz8Hv/
使わなかったネタ
清孝「いっつもよぉ〜不思議に思うんだぜぇ
僕のこの『破壊』の左手よぉ
ぶっ壊したもんは一体どうなっちまうんだろう、ってなぁ〜
まっ、僕頭悪いからあんま考えると頭痛するけどよ』
今日はここまでです。
続きは明日か明後日位に。
GJ! 続きwktk
真っ赤に光って轟き叫ぶようになって頂きたい>左手
その手でガォンッ!!していただきたい
むしろ教職を目指していただきたい。せっかく黒い手袋してるんだし
最近、昔の知り合いと、8年ぶりに再会したんです。
僕が高校の頃、片思いしていた女の子です。
『あッ、○○君、ひっさしぶり〜、元気?』
声を先にかけてくれたのは彼女の方でした。
彼女は益々綺麗になっていました。
でも彼女の傍には、身なりの良い、長身のイケメンが居ました。
僕はおどおどしながら、『ど、ども・・・ひさしぶり・・・』と答えるのが精一杯でした。
そこで僕は気がつきました。彼女の下腹部が、はっきりと膨らんでいることに。
僕の視線を感じたのか、彼女はちょっと恥ずかしそうに、
『あ、実はもうすぐ生まれるんだ。名前も考えてるんだよ?』
と言いました。僕は彼女が結婚したことすら知りませんでした。
でも彼女も、旦那さんも、とても幸せそうでした。
『○○君、触ってみる?動いてるのわかるよ』
と彼女は言いました。旦那さんはちょっと微妙な表情でしたが、
昔からちょっと強気の彼女は、僕の手を取って自分のお腹に押し当ててくれました。
『あ、ほんとだ。動いてるね』
『でしょでしょ?すっごい元気なんだよ。誰に似たんだろ?』
そう言った彼女の目線は、傍に居る旦那さんに向けられています。
そしてとても幸せそうに微笑んでいました。
『・・・あ、じゃあ、これから病院だから。』
『そ、それじゃ。元気な子供が生まれるよう、僕も祈ってるよ』
そう言って、僕は別れました。
『・・・・・・・・つまんねェ事祈ってんじゃねえよ。てめえみたいなキモイ奴に、
お願いされるまでも無いってえの』
別れ際に、旦那さんはそう小声で呟きました。
彼女と親しくしゃべったことはありません。
美少女で明るく、性格も良い彼女はクラスの人気者でした。
文化祭の後片付けの時に、ちょっと話したくらいです。
その時の思い出は、僕のこれまでのつまらない人生でも最高の記憶です。
でも僕は彼女が好きでしたし、だから幸せそうな彼女の今の姿を見て、
きっと僕も幸せな気分になれるはずだ、そう思っていました。
でも、なんだか僕の具合が変なんです。
なぜだか高校のアルバムを取り出して、彼女の写真を眺めたりするんです。
そしたら、どうしてか判らないけれど、涙がぽろぽろこぼれて来るんです。
それに、全然理由がわからないけれど、時々死にたくなります。
いつの間にか、僕は天井からロープをぶら下げていました。
一体どうしたんでしょう。
ああ、追い討ちをかけるように、僕の目も悪くなったみたいです、
いろんなものがにじんで、ぼやけて、見えます。
僕に何が起きたんでしょう。
元気な子供が生まれるといいね。
明らかに板違いなんですけど('A`)
人生相談板か毒男、喪男、雑談の方がいいスよ。
ここ、え ろ ぱ ろ。
自分語り風のSSだってあるから板違いだとは思わん。
だが、スレ違いだ。NTRスレあたりに行ってくれ
それで自殺(未遂)をしてみたら、
何故か彼女のおなかの中の子供になっていた、
という続きがあったら面白いのに、と思った。
一念発起して彼女を拉致監禁、「僕の子になれ」とばかりに腹ボテに中出ししまくり、
廃人彼女と彼女似の美幼女と捕まるまで幸せに暮らしました
こんなルートはどのスレの管轄?
>>572 鬼畜スレ池
まぁここも一応管轄だが、あんまりにもダークな話は受け付けない人も結構いるから
ううむ、投下一発でスレのふいんき(なぜか変換できない)をここまで
悪くするとは・・・NTRネタ恐るべし。
つーかここ、孕ませネタでしこるスレなのに
寝取られ(それ以前の問題で告白してもいない)で
うらみつらみ語りとか、死んじゃおうかなとか、ウザイよ
まあまあ
まあまあ、
ここはひとつ、
>>568のその後を考えて、どうやったら萌え抜ける展開に出来るか、
皆で考えるというのも、乙なもんじゃよ
わしのつたない知恵では、
転生→母子相姦ちゅうところかね
死なないで10年後くらいに親子纏めて犯して孕ませればいいじゃん
ご都合展開は許してください。
死んだ主人公は、クソッタレなイケメンに取り憑いて、乗っ取ってしまう。
イケメンの魂は、身体に残ったままだが、主人公に支配され、手出しできない。
ヒロインは、イケメンの性格の悪さに不満を持っていた。
もちろん、イケメンの中身が入れ替わったことなどに気が付かないヒロインだが、
優しくなってきた旦那の性格に、昔密かに好きだった男(実は主人公)の面影を感じる。
イケメンの魂に見せつけながら、愛のあるラブラブセックル。
そして、主人公が中身に入れ替わったイケメンと、ヒロインの間に新しい子供が出来る。
その子供が産まれたと同時に、イケメンの肉体は死んでしまう。
(ずっとまえにイケメンの肉体が死にかけていて、主人公が乗り移ることで肉体は延命していた)
そして主人公は、ヒロインとの間に作った子供、長男に生まれ変わる。
中学生に成長した主人公は、母親(ヒロイン)と姉(ヒロインとイケメンの最初の子供)をたらし込んで、
ガンガン犯しまくって、ばっちり妊娠させましたとさ。
めでたしめでたし。
>>580 それえええね
ヒロインキャラはTony絵の感じじゃね
いやいい加減萎え
書き込むスレ間違えた欝厨の話題引っ張るなよ居座るから
すまんかった。
リズたん再降臨希望
むしろコピペに反応しまくるおまえらに驚き
じゃあショタ先生が受け持ちのクラスのお姉さん生徒達を
一人残らず孕ませ倒す話でも書こうか
ねぎマスレに池
589 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 02:38:41 ID:wEMVC/Q2
>586
保健体育の実習ですか?
出産実況もキボンヌ
焼肉屋の個室にて
「すいません、ハラミお願いします」
「・・・・・・それはどちらのハラミでしょうか?」
「(どちら・・・?とりあえず)高い方で」
「かしこまりました。」
「ハラミ、好きなんだよなー。高い方だからきっとおいしいんだろうなぁ・・・。」
「お客様、お待たせしました。ハラミでございます。」
異様に馬鹿でかい皿が運ばれる。
「・・・・・・ちょっと大きすぎないか?」
蓋を空けると、体中ハラミを乗せた女の子が
「わ、私を・・・孕ませてくださいっ!」
続かない
しかも月並み
焼肉屋の個室にて
『ハラミひとつお願いします』
女一人で焼肉とはなかなか恥ずかしい
個室が空いていてよかった
『かしこまりました
孕みひとつですね?』
『はい』
なんか今『ハラミ』に妙な感じが・・・?
少しして個室に入ってくるやたらと筋肉質な男たち
『孕みひとつ!』
『『『孕みひとつ!!!』』』
『え?何?ウソやめて、きゃ―――――!』
・・・いやごめん
ハラミふたつで頼むと双子が孕めるんだろうか
>593
子宮内と子宮外を想像した
野郎が頼んだらどうなるのか…ジュニアみたいになるのかな?
急逝した先の国王に替わり、
真面目一途な少年皇太子(10歳)が治める小国。
頭も性格も良いものの、皇太子はまだ幼いので、
幼い頃から彼の面倒を見てきた異母姉(17歳)が摂政として脇を固める。
そんな小国も、近隣の大国に内政干渉を受け、
あわや戦争という緊迫した状況。
大国相手に一歩も引かぬ皇太子に、
大国の女王(23歳)は独立を認めるための条件を出す。
それは、彼が『男』である証拠を1年以内に見せよ、との内容だった。
そしてその証拠とは、
少年皇太子が少なくとも一人の成人女性を『満足』させ、
そして王族の義務である『世継』を孕ませるべし、という内容だった。
・・・さっそく貴族の娘の中からまずはお相手を探そうとする官僚達、
・・・この期に及んで、大事な弟の『初めて』
を他の女に奪われるとはもってのほか、ここは是非私が、という摂政姉殿下、
・・・実は可愛らしいルックスの少年皇太子を是非ともペットにして
自分の美少年ハーレムに囲いたい大国女王
の間で巻き起こるどたばたエロコメディ
ちゅう話を考えたんじゃけど、投下してもええかな?
_
( ゚∀゚)
( ∩ミ お姉さんお姉さん!
| ωつ,゙
し⌒J
国王崩御→その時点で皇太子が即位→即位した皇太子が新国王
な訳で。皇太子が政治を司ることは国王の代理(国王存命)以外、普通しない。
摂政がいる場合でも同様(即位はする)のはずだが。
独立国である以上隣の大国とやらが即位を認めないというのもおかしい。
公国とかで宗主国の意向が強いならともかく。
ファンタジー中世だろうから、そのへんはどうとでもなるんじゃ
16歳の成人の儀を迎えないと王になれないからそれまでは摂政を立てるだとか
大国が王以外と交渉はしない、皇太子を暫定的な王だと認めるには〜とイチャモンつけてきただとか
スレチかもしれんが、即位すれば国王なのに「皇」太子なの?
603 :
217:2006/10/09(月) 11:22:31 ID:UBIs8PXE
>>597 細かいことは言わず期待してまつ
ちと遅くなりましたが真央編・中行きます
エチシーン皆無です・・・ごめんなさい
「起きろ清孝。起きろってほら」
今日の真央は随分乱暴な言葉遣いだな。声もいつもより覇気があるし。
「・・・」
なんだろう、唇に柔らかい感触が・・・って息が出来ないじゃないか!何が起きたんだ?さすがに寝
てる場合じゃない。僕は慌てて重い瞼を気合で開けた。
「・・・」
目の前に泪さんの顔があるんだが、どういう状況でこうなっているんだろう。泪さんは僕が起きたの
に気付いて唇を離した。
「ええと、その・・・なにやってるんですか?」
わけがわからないので聞いてみた。何故泪さん僕を起こしに来るんだろう。真央は何してるんだ。い
やその前に何故ここでキスがでてくる。何から聞いたらいいかわからん。
「何って、一度目覚めのキスってやつをしてみたくてな・・・嫌、だったか?」
「いや全然。ちょっと驚きましたけど」
朝っぱらから不安げな泪さんの顔なんていいもの見た。今日はついてる。
「それで真央の代わりに起こしに来てくれたんですか?」
いやいや、なかなか可愛いことをしますなあ。そう思ったけど泪さんの答えは予想外のものだった。
「いや真央は風邪を引いたらしくてね。まだ寝ているよ」
「風邪ぇっ!?」
珍しいこともあるもんだ。僕も風邪引くことはあるし、やっぱり『馬鹿は風邪引かない』はただの迷
信だったか。
「食事はできてるから早くしろよ、冷めてしまう」
「は〜い」
この会話で疑問に思うべきだったのだ。真央が寝てるのに何故朝飯ができてるのかを。そうすれば朝
食を抜くって選択も出来たものを。
「うん。見てくれはまあアレだ、が味はそう悪くないぞ」
本当ですか?僕にはとてもそう見えませんけど。
「しかしハンバーグとは意外と難しいものだったんだな。もっと簡単にできると思っていたが」
ああ、この黒い塊はハンバーグだったのか。しかしこのヘドロのようなものはなんだ?泪さんは普通
に食べているからとりあえずやばいものじゃなさそうだけど。
「食べないのか?やはり朝からスパゲティとハンバーグはまずったか・・・すまない、はりきりすぎた」
いや朝からってのはかまいませんけど、これスパゲティですか?よく見ると麺らしきものがある。ど
うやら本当にそうらしい。もっともこれをスパゲティなんていったらイタリアと国際問題になりそうだ
が。
604 :
217:2006/10/09(月) 11:24:48 ID:UBIs8PXE
さて、そろそろ覚悟を決めるか。
「いただきます」
くそ、何故箸を持つ手が震えるんだ。奥さんの手料理だぞ。ありがたく頂けよ。しかしハンバーグに
箸が通らないのは僕が悪いんじゃなく単にハンバーグの堅さが原因のようだ。超人硬度なら間違いなく
十だ。悪魔将軍なんか目じゃないぜ。
分割するのはあきらめて丸かじりすることにした。歯が割れそうですよちくしょう。やっとの思いで
噛み切った。
「ぐほっ!!」
突然襲ってくる眩暈。意識を失いそうになるのを歯を食いしばって耐える。
バカな・・・一体どんな魔術を使えば挽肉が油粘土の味を出せるんだ?
「どうした清孝?」
何でこの人はこれを普通に食べられるんだろう。どんな味音痴でもこの堅さには疑問を持つと思うん
だが。そんなに顎が強いのか?
ヘドロゲティは木工用ボンドの味がした。胃が痙攣しそうになる。
できればもう一口だって食べたくないが、そんなことをすれば泪さんはこの世の終わりでも来たよう
に落ち込むだろう。そんな泪さんの姿は見たくない。
ただのお茶がこんなに美味しいと思ったのは生まれて初めてだ。
拷問のような朝食を潜り抜け、僕の胃腸の耐久度(無駄なステータス)は大幅UP!
泪さんは仕事があるらしいので真央の看病は僕がしよう・・・学校?出席日数は足りてますが、何か?
水を持って真央の部屋の前に来た。ノックして返事を待つ。どうぞ、と小さい声が聞こえた。
横になった真央は赤い顔をして笑顔もどこか辛そうだった。
真央のおでこ(猫の額ってやつか)を触ってみる。熱い気もするけどよくわからない。自分のおでこを
くっつけてみる。
「あぅ・・・」
「結構熱あるね、解熱剤飲む?」
真央はさっきより真っ赤になっている。お約束ってやつだ。
「え?あ・・・えと、私に普通のお薬って効くんですかねぇ?」
「ん、そうか。薬は駄目か」
そういえばそうだ。この家って純人間は僕だけなんだよな。泪さんはともかく真央は人間病院か動物
病院どっちに行けばいいかさえわからない。
「そうですねぇ・・・」
「だよね・・・」
う、何だこの沈黙は?
真央は話題が途切れて困っている僕の顔を見てくすり、と笑って
「薬はだめです。ですからご主人、少しだけこうしていてもらえませんか?」
僕の胸板に小さい体を預けてきた。
ふわり、といい匂いがした。
「なんだか落ち着くんです」
僕は柔らかくて小さな体をそっと抱きしめて答えとした。
605 :
217:2006/10/09(月) 11:25:40 ID:UBIs8PXE
黒髪の頭を撫でてやる。真央は耳を寝かせて目を閉じた。静かな時間。する音といえば、時折真央が
喉をくるる、と鳴らすだけ。
いつのまにかそれすらも無くなって、安らかな寝息だけが聞こえる。
僕は真央を起こさないように左手の手袋を外した。
先日会った架神さんは『力の乱れはなくなっているからもう大丈夫』と言っていたけど泪さんからは
極力使わないように言われている。でも、こういうときにこそ僕の手は使われるべきだと思う。
真央の体に触れて意識を集中する。風邪のウイルスくらいなら僕は難なく壊せる。九浄家と組めばた
とえ癌になっても、悪い部分をぶっ壊して九浄の血で埋めれば治るはずだ・・・まあ試したことは無い
けど。
しかしいくら集中しても真央の体からはウイルスとかそういったものが見つからない。僕の手は『破
壊』する対象に関しては自分でも驚くほどの分析力があるのだが。
「・・・?」
風邪じゃないとすれば精神的なものか。疲労の元になりそうなのはここにいるし。そういうことなら
今日一日休めば治るだろう。僕は手袋をはめ直して真央をそっと寝かせて布団をかけた。さて、昼飯作
るか。少なくとも朝よりはまともな食事になるだろう。
「ご主人?」
立ち上がると真央が不安そうな声を出した。起こしてしまったか。
「ご飯作ってくるよ。うどんとお粥どっちがいい?」
僕の質問に真央ははっとした表情で少し慌てて言った。自分の声が恥ずかしかったのだろう。
「あ、うどんでお願いします」
「わかった。あんまり期待しないで待っててよ」
ちゃっちゃと作って持ってきた。こういうときは葱を入れたほうがいいのだろうが残念ながら真央は
葱類が食べられない。漫画のように魚や鰹節ばかり食べているわけじゃないが葱なんかは駄目らしい。
泪さんもあぶらげ大好きってわけじゃないしな。
「ごちそうさま。さすがご主人ですねぇ、とっても美味しいです」
「いやいやもう真央にはかなわないって」
悔しいが僕は家事では真央に追い抜かれてしまっている。さすがに字の読み書きと四則計算はまだ僕
のほうが上だけどその他に真央に勝てそうなものがない。術も僕のほうが先に習い始めたが真央のほう
が一枚上手だ。
「他に何か食べたいものある?」
「いえ・・・何もいりません」
「そう、じゃ、ゆっくり寝てなよ」
真央の症状は疲れからくるものらしいし、寝ていれば治るだろう。
そう言って僕が立ち上がろうとするとズボンの裾を引っ張って真央は気恥ずかしげに言った。
「あのぅ・・・ここに居てもらえませんか?」
「え・・・えと、別にいいけど」
そんな迷子の子供のような顔で頼まれたら断れない。
「ありがとうございます。ご主人がそばにいるとなんだか暖かくなるんです」
・・・う、なんかぞくっとしたぞ。
病気の時は心細くなるもんだ。それに今日は一日真央のために使うって決めたのだし。
「うん、ここにいるよ。安心して」
僕は言葉どおり、真央が眠ってしまってからもずっとそこに、真央のそばに居た。
真央の白い手を握る。
―――どくん。どくん。
真央の鼓動が伝わってくる。
―――どくん。どくん。
暖かくて、なんだか優しい感じがした。
606 :
217:2006/10/09(月) 11:26:43 ID:UBIs8PXE
「あっ、北見君!」
振り向くと声の主は浅岡さんだった。僕は夕食の買い物の帰りだが、そうかもう学校も終わる時間か。
「あらら見つかっちゃったか。学校には内緒にしてよ」
今日の僕は風邪を引いたことになっている。
「うんっ。後で購買のはちみつクリームあんぱんご馳走してね」
良平みたいなこと言うな。いつも一緒に居るから影響されたか?同じことを言っても浅岡さんが言う
と微笑ましいから不思議だ。
「あ、半分持つよ」
さすが浅岡さん。気が利くなあ。
いつもの帰り道を歩く。僕はいつもと違って私服姿だけど。
二人は黙って歩く。この沈黙は嫌いじゃない。
「ねえ、北見君」
いつも別れる交差点を過ぎて、僕の家の前までついて来た浅岡さんが言った。
「何?」
「もうすぐ、卒業だね」
「すぐって・・・まだ十月だよ」
「すぐだよ」
そう言った浅岡さんの顔はひどく悲しげだった。
「これから受験で、受かったの落ちたの言ってたらすぐ卒業になっちゃう」
「・・・」
「私、中学から北見君や鈴原君と一緒で、いつか別れるなんてこと考えてなかったから・・・どうして
いいかわからなくて、でももうすぐ卒業して離れ離れになっちゃうから、今言わなきゃって」
「浅岡さん・・・」
「北見君聞いて・・・私は、北見君のことが好き」
「浅岡さん、僕は・・・」
「北見君は・・・私のこと、どう思ってるの?」
薄々はわかってた。気付かないふりをしていた僕は正しいのか間違ってたのか。わからない。
「僕も浅岡さんのことは好きだよ」
好きだ、と言っても浅岡さんは表情を変えない。その後に続く言葉がわかってるのだろう。
「でも、浅岡さんの気持ちには答えられない」
「そう・・・」
「僕は他に好きな人が居るんだ。だから・・・」
だからきっと、付き合っても浅岡さんを傷つける。
「うん。ありがとう」
彼女が何に対してありがとう、と言ったのか僕にはわからない。結果がわかっていながら告白した
彼女の気持ちもわからない。
「また明日ね、北見君」
そう言う彼女の顔は眼に涙を溜めても、それでもなお明るい笑顔だった。だから僕もいつものよう
に言う。
「うん。また明日」
607 :
217:2006/10/09(月) 11:27:47 ID:UBIs8PXE
彼女の背中が小さくなっていく。夕日を浴びた背中を見送って僕はさっきから感じていた気配に声
をかけた。
「出てきていいですよ、泪さん」
その人は仰々しい門の影から俯いたまま出てきた。
「・・・気付いてたのか」
「修行の成果ってやつです。今日は早いんですね」
僕が冗談めかして言っても泪さんの顔は明るくならない。
「半分持とう」
僕から荷物を受け取って、離れずに僕の顔を覗き込んでくる。
「何です?」
「さっきキミには愛している人が居るから彼女の気持ちに答えられない、と言ったな?」
「ええ、言いました」
何が言いたいんだろうか。何故か申し訳なさそうな顔の泪さんは僕の顔を凝視したまま続けた。
「もし、もし仮にキミが私に気を遣ってそう言ったなら・・・そんな必要はないんだ」
「え・・・それって」
「私はキミを愛してる。キミも私を愛してくれる。私はそれで十分だ。キミが他にどんな女性を愛し
ていても、そんなことは関係ない。だから・・・」
ああそういうことか。でも結構的外れなこと言ってるよ、泪さん。
「泪さんはそうかもしれないけど、多分浅岡さんは違います。僕が彼女と付き合えばきっと彼女を
傷つける。だから断ったんです。それだけですよ」
「ん・・・すまない。出過ぎた事だったな」
「いえ」
それにしても、泪さんは結構嫉妬深いのかなって思ってたけど。女ってのはわからんなぁ。
「なあ良平。本当に愛してる人って、一人だけなのかな?」
「は?何言ってるんだお前?いつにもましておかしいな。ちーちゃんも元気ねえし、ったく」
浅岡さんは傍目にはいつもと変わらないように見える。昨日のことを知ってる僕はともかく微妙な
変化に気付けるこいつには素直に感心する。
「で?あんだって?」
「歌とかドラマとか小説とかでさ、キミだけを愛してる、とかよくあるだろ?あれってほんとなのか
なってさ」
「馬鹿かお前は。んなわけないだろ」
「いやにはっきり言うな」
「だってよ、好きな女なんて時期によって変わるし。もしそうだとしたら初恋以外は全部嘘の恋って
ことになるじゃねえか。しかも初恋は実らないもんらしいから俺らは偽者の恋しか成就できないこと
になる。そんなん虚しいだろ。だから、んなわきゃあない」
「はあ、そうなのかなあ・・・」
「何かあったか?お前」
何かあった、どころじゃない。昨夜とんでもないことがあった。
「お願いがあります」
608 :
217:2006/10/09(月) 11:28:27 ID:UBIs8PXE
「な、何?」
真央がいつになく真剣な声でいうから少し驚いた。でも、本当に驚くのはそれからだった。
「私との契約を破棄して下さい」
「え!?」
契約の破棄、それは主人と使い魔の関係を断ち切ることだ。
「なん、で?」
「私はこれ以上清孝様の御傍にいるべきではないからです」
清孝様、なんて。なんでそんなふうに僕のことを呼ぶんだ。
「なんだよそれ、わけわかんないよ!」
「お願いします。どうか私のことは忘れて下さい」
「そんな・・・」
いきなりそんなこと言われても。何がなんだかわからない。
「わけを聞かせてよ、真央」
「私は、もう駄目なんです」
「だから何がっ!?」
真央はほろほろと涙を零しながら言った。
「私・・・私今までは泪様と清孝様がいるだけでよかった。けど今はもうそれだけじゃ満足でき
ないんです!清孝様と泪様がどれだけ愛し合っているか知っているのに!だから・・・だから私
は二人の傍にいちゃいけないんです!ですから、どうか・・・」
「そんな・・・」
僕の頭にいつかの良平の言葉が蘇る。なんで僕は・・・自分の馬鹿さ加減に嫌気がさす。
結局泪さんに仲立ちしてもらって結論は保留、となったが昨夜は一睡も出来なかった。
今の僕はこいつに相談するくらい弱りきっている。わざわざそのためだけに学校に来るくらい
重症だ。しかしこいつに詳しい事情を説明するのもなんだしなぁ・・・
「はぁぁ・・・」
「何か知らないけど大変そうだな」
良平はひとつ溜息をついた。溜息つきっぱなしの僕と良平の溜息が重なる。
「あのさ、怒ってもいいから聞けよ」
良平は顎を撫でながら言った。
「何?」
「お前さ、少し臆病すぎなんだよ。誰も傷つけないようにするからそんなふうにテンパっちまう。
たまには自分のやりたいようにしてみろよ。それで誰かを傷つけたらそのぶんだけ優しくしてや
りゃあいいじゃねえか」
自分のやりたいように?僕がやりたいように?
僕のやりたいこと・・・
「よし!」
突然立ち上がったのでクラス中から注目されてしまったが、全く気にならない。
「サンキュ、僕帰るわ」
鞄を引っつかんで駆け出す。
僕のやりたいこと・・・そんなの、決まってる。
皆は面食らっていたが、良平だけは歯を見せて笑っていた。
609 :
217:2006/10/09(月) 11:37:55 ID:UBIs8PXE
どうでもいい設定
超越者:世界のルールから外れたもの。
遺伝するタイプ(架神家、九浄家)と突発的に現れるタイプ(清孝)があり、出鱈目度は後者のが上。
四大退魔:碇、架神、天原、九浄の四家。各家の設定は以下のとおり。
碇家:通称『魔腕』の碇。鬼神族との交配により強い肉体を持つ一族。
架神家:通称『心眼』の架神。察知・洞察能力に秀でた超越者の一族。
天原家:通称『死刃』の天原。代々伝わる秘術と卓越した戦闘技術で人間のまま力を得た一族。
九浄家:通称『癒水』の九浄。特殊な治癒能力を持つ超越者の一族。
今回はここまで・・・ラストは近日中に
いやだからこれなんて月姫だと
>>597 姉だけでなく大国女王も孕ませる事を期待します。
10歳で即位はよくあるだろうが17歳で摂政は無茶だなあ。
実際に政治させるなら父親の代の大臣とか、叔父とかいないのだろうかと思ってしまう
まあなんにせよ孕めばOKなんだけどね!
>>602 王太子だと?それだと黒づくめの騎士とか画家とか美人の女神官とか優秀な側近が必要ではないか
>>613 軍師にして宮廷画家だが、絵が引くほど下手とか。
615 :
217:2006/10/09(月) 15:44:05 ID:UBIs8PXE
>>610月姫って吸血鬼が出てくる奴ですよね・・・そんなにかぶってるんですか?
かぶってんなら続きやっちゃまずいですかね?
>>609読んで「厨小説のテンプレ」ってネタスレ思い出した
泪さんとの話はいい話だったのにな
すごい二股夫くんって感じだ
なんでゲーパロ氏のパラレルだから三股でもイラっと来なかったのか
>>217氏
今時は伝奇的だと月姫を連想されやすい。家系と能力とかが。
それにここでは孕ませシチュのエロSSが求められていて、
伝奇小説風の設定が求められている訳じゃないしね。
無論キャラの種付け……じゃなくて肉付けの為にある程度の設定は必要だろうけど、
>>609の様なSS外レスでの設定紹介は2ちゃんではあまり歓迎されない。
何はともあれ、俺は続きは待ってるから、良かったら投下して欲しい。
>>609しか見てないけど四大退魔とかそのものズバリあります。
七夜、巫浄、両儀、浅神だっけ?
碇家なんて完全に遠野家のコピーだし天原は七夜だし架神、九浄あたりは巫浄っぽい。
ちょっと知らないとか言われても嘘クセーと思われちゃうくらい似てる。
620 :
217:2006/10/09(月) 18:09:33 ID:UBIs8PXE
>>618親切にどうも!
>>619えらいことになってるんですね・・・深く反省します。
個人的に未完で終わるのは嫌なんで続きやってもいいでしょうか?
まぁそれなりによくある設定だしいいんじゃない?
>>620 頑張れ
>>622 よくある設定どころか、台詞回しとか
>>609の設定とか
「厨房系オリジナル小説サイトのガイドライン」があれば、
サンプルになりそうな捻りのなさだと思うが…
624 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 20:06:05 ID:AFXT+CMd
そんなことはどうでもいいからとにかくエロい孕ませをくれ
エロいのをたのむ
>>600 >独立国である以上隣の大国とやらが即位を認めないというのもおかしい。
世界史はそんな事例でいっぱいだよ。
あと「公国」というのは宗主国がいることを意味していない
>>612 そこで自称17歳の出番ですよ
HRヒロインの処女か非処女かは別に問題視されんよね?
628 :
217:2006/10/09(月) 21:18:44 ID:UBIs8PXE
マッハで書いてきた・・・投下いきます
「ただいま!」
二人は昼間に突然帰ってきた僕に面食らったようだった。
「どうした清孝?」
「すい、ません・・・はぁっ、帰って来ちゃいました」
急いで走ったから息が苦しい。
「いや・・・帰って来ちゃいましたって・・・」
泪さんは僕の顔を見て帰ってきたわけを察したのか、最後までは言わなかった。
まずは呼吸を整える。それから一つ大きく息を吸った。
「さて、二人とも聞いて!」
僕が大きな声を出したので俯いていた真央もこちらを向いた。
「まずは真央。昨日のことだけど、僕は契約を破棄するつもりは無い」
「そんな・・・どうして・・・」
どうして、か。そんなことは決まってる。
「僕が真央と一緒にいたいから。真央は僕の大切な家族だから」
真央の頬に流れる一筋の涙。
なんだか、前にも同じようなことを言った気がする。
「でも、私は・・・」
「真央」
それまで黙って聞いていた泪さんがそっと真央を抱きしめた。
「真央は、どうして私たちから離れようと思ったんだ?」
優しく、まるで母親が子供と会話するように泪さんが聞く。
真央はほろほろと涙を零しながら言った。
「私は、もう駄目なんです。最初はご主人がいるだけでよかった。
朝起こしに行った私におはようって言ってくれて、私に色々なことを教えてくれて、私の作った
料理を美味しいって言ってくれて。でも、もう・・・私はそれだけじゃ嫌なんです!
私を見て欲しい。私と話して欲しい。触れて欲しい抱きしめて欲しい・・・愛して欲しい・・・」
僕はずっと、真央のことを愛していた。
「私は・・・私は・・・」
「ごめんね・・・私、気付いてやれなかった」
でもそれは、彼女の求める愛とは違うものだった。
「泪さん、謝ることがあります・・・」
泪さんは泣きじゃくる真央の頭を撫でながら僕の顔を見た。その目はまるで女神か何かのようだと
思った。
「真央も聞いて・・・僕は泪さんのことが好きだ」
―――愛する人は、一人だけとは限らない。
僕は間違ってるのかもしれない。
「でも、僕は真央のことも愛してる」
顔は見えないけど、真央が息を呑むのがわかった。
「泪さんごめん。でも、これが僕の正直な気持ちだから」
子供みたいな、わがままな発想。だけどそれでも
「僕は、三人で幸せになりたい」
泪さんは優しい笑みを浮かべて言った。
「前にも言ったが・・・キミが私を愛してくれる、私はそれだけで十分だ。私に謝ることなんか無い。
うん、私は幸せだ。真央も、幸せにしてやってくれ」
泪さんは真央の体を離す。ゆっくりこちらをむいた真央は僕の顔を見ると尚一層激しく泣き出した。
僕は顔を覆っていた彼女の両手を力強く握った。
小さな手。涙で濡れて、とても冷たい。
あの日僕を救ってくれた温もりを、今度は僕が教えてあげる番だ。
「ずっと一緒にいよう。愛してる、真央」
「はい。ずっと一緒にいてください・・・」
真央はそれだけ言うと僕の胸に体を預けて声を上げて泣き出した。
僕はその小さく暖かな体を力いっぱい抱きしめる。
―――僕の手は全てを壊してしまうけど、誰かの手を温めてやることも出来る。
そう教えてくれた人は優しいまなざしで僕らを見ている。
僕の選択は二人を傷つけてしまうかもしれない。
それなら傷つけた分だけ癒してやればいい。そのための時間はたくさんある。だって、ずっと一緒
にいるって決めたのだから。
629 :
217:2006/10/09(月) 21:19:33 ID:UBIs8PXE
・・・それで、両手に華ってわけですか」
良平がラーメンを作りながらあからさまに不機嫌そうな声を出した。
「まあ、そういうわけです」
「馬鹿さとわがままっぷりは・・・ま、らしいっちゃらしいけどよ」
こいつには昨日のことを報告しておこうと思って『鈴屋』にきたのだが、なんだかなぁ。
「この上元気ハツラツスポーツ少女まで喰ったら俺はお前を人類の敵とみなすからな」
それって浅岡さんのことだよな。こいつは勘がいいんだか悪いんだか。
「浅岡さんか・・・幸せになって欲しいね」
彼女には普通の幸せを見つけて欲しい。心の底から思う。
「お、それは何だ?俺にちーちゃんを幸せにしろってことか?いやはや、照れるぜ」
お前じゃ無理だ、と気って捨てたかったが、僕にはそんな資格ないだろう。それに、案外こいつの
ような男が人を幸せに出来るのかもしれない。
「それはそれとしてだ・・・焚き付けといてなんだがよくやるよなあ」
「はは」
これには苦笑するしかない。
「はは、じゃねえよ馬鹿」
「やっぱ、僕って馬鹿?」
「大馬鹿だ。一人の女だけでも面倒だってのに二人同時なんてありえねえ。俺は頼まれたって嫌だね。
しかも一般的には許されることじゃねえ、っておまけつき。何の罰ゲームだ?そりゃ」
たしかに、そうだ。かなり馬鹿なことしてるよな僕。
「たしかにお前の言うとおりだよ。馬鹿なことだと思う。
だけど、僕は三人じゃなきゃ駄目なんだ。誰が欠けても嫌だ」
そう思って出した答えだ。後悔なんかしない。
我が悪友は溜息をついて顎を撫でた。
「まあお前の人生だ。好きにしろや。
けどよ、ここまで馬鹿やっといてバッドエンドじゃ笑い話にもなんねえぞ」
「うん、何が何でもハッピーエンドにしなきゃな」
くさい三文芝居のような会話だが僕らにとってはこの上なく価値のあるものだった。
「あのぅ・・・ご主人?」
おいおいこんないいムードのときに話しかけてくれるなよ真央・・・って真央!?
「おおっっっ!?」
「うにゃっ!?」
大声を出して振り向くと隣の椅子に驚いて声を上げる黒猫が一匹。僕は人語を話す猫なんて一匹しか
知らない。
な、何で真央がここに!?厨房を見ると良平が腹を抱えて笑ってやがる。
―――こ、殺す・・・いつかぶっ『壊して』やる!
「あ、あの。遅いから迎えに行くように泪様に言われてきたんですけど、迷惑でした?」
「ええと、いやそんなことはないけど。あの、さ、聞いてた?」
「はい?」
よかった。さっきのこっぱずかしい話は聞かれてなかったようだ。これ以上ここに居ると危険だ。とっ
とと家に帰ろう。 僕は席を立って真央を肩に乗せた。
「それじゃ帰ろう。じゃあな良平」
「おう、またな」
震える声で言うこいつをぶん殴りたくなったが、今はそれ以上に言いたいことがある。
「良平、ありがとな」
「お礼なんか言うな馬鹿」
―――やれやれ、この男は・・・
630 :
217:2006/10/09(月) 21:20:12 ID:UBIs8PXE
家に帰るといつもは無い靴が玄関にあった。
お客さんだろうか。
居間に戸を開けると
「お帰り、清孝」
いつものように泪さんの声がして
「やあ、お邪魔してるよ」
中性的な顔立ちの男の人、架神健一さんがその後に続いた。
「「あ、こんにちは」」
肩の上の真央と声が重なった。不思議な気恥ずかしさがある。架神さんも笑ってるし。
「ん、それじゃあ行くか架神」
「だな」
泪さんと架神さんはそう言って立ち上がった。
迎えをよこしたのに帰ってくるなり出発することに普通なら怒るかもしれない。
けど僕は、どんなに急いでいても仕事に行く前に一目僕に逢おうとしてくれる泪さんの心遣いを知
ってる。とてもじゃないが怒る気にはならない。
「どこか行くんですか?」
「頭首引継ぎの儀の打ち合わせだ。非常に気は進まないがな」
泪さんに聞くまでも無かった。この二人が一緒に動く時は仕事の時だ。
うちには車がないので仕事の時は大抵架神さんの車が足になる。ひょっとして架神さんてパシリ?
「引継ぎって・・・架神様ご頭首になられるんですか?」
肩の上の真央が聞く。
架神さん自分は20過ぎても子供がいないから頭首にはなれないだろう、って言ってたけど・・・
まあ能力は文句なしだからな。跡継ぎ問題に無関心でも頭首になれたんだろう。
しかし架神さんは首を横に振っていった。
「九浄の家の話だよ。俺は新頭首と古い付き合いだからね。打ち合わせにも呼ばれたんだ」
あ、そうなのか。・・・しかしなんかますますパシリ疑惑が。
「そういえばあいつが引継ぎの儀には君も一緒に三人で来て欲しいって言ってたよ。
四家全てが集まるイベントだから言い経験にはなると思うよ。下手すりゃトラウマになるかもしれ
ないがね」
こ、怖いことを言うなあ。
それにしても三人って僕と泪さんと・・・架神さん?
「君と泪と真央君だよ」
聞いても無いのに架神さんが言ってきた。心を読んだようなその言葉は『心眼』のせいじゃない。
僕がわかりやすいのと、架神さんの勘のよさのせいだ。
三人一緒に来いって・・・その人、僕らのことわかってるんだなあ。
「それじゃ行って来るよ。頑張ってな」
泪さんは家を出て行く際、そんなことを言った。頑張れって・・・何を?
二人だけの夕食は、やっぱり少し寂しいけれどこれはこれで楽しいものだった。
二人だけ?そういえば昨日あんなこと言って今日二人きりってのは・・・
何考えてるんだ馬鹿!
「風呂でも入るかな〜」
と妙にわざとらしい声を出すと、真央がこそこそと僕の背中に張り付いてきた。
「な、何?」
「えと・・・そのですねぇ」
何か言いづらいことでもあるのか真央はもごもご口ごもっている。
背中にぴったりくっついているのは顔を見られたくないからか。
「あの・・・お願いがあるんですけど・・・」
お願い?こんな奇行をしてしまうくらい頼みづらいこと?
631 :
217:2006/10/09(月) 21:21:21 ID:UBIs8PXE
「何かな?」
大抵のことでは驚かないように覚悟を決めて聞いたが、真央のお願いはそれでも驚きのものだった。
「ご主人の子供が欲しいんです・・・」
「は・・・?」
子供が欲しいって・・・え?それって?
「はぁぁぁっ?」
僕は素っ頓狂な声を出して振り向いた。
真央は顔を真っ赤にして(真央の耳はどれだけ恥ずかしがったところで赤くはならない)俯いていた。
「え?あの・・・それって、つまり、そういうことだよね?」
「そういうことです。私にご主人の子を産ませて下さい」
意味不明の質問だけど、答えはもう何の言い回しも無いインハイまっすぐだった。
「ええと、ね。子供を産むって結構大変・・・らしいよ」
「大丈夫です」
「子供を育てるのも大変だし」
「経済的な事情は問題ないと思います」
「いやお金だけじゃなくてね」
「子育ては責任持って私がします。ご主人に手間は取らせません」
「人生の転機っていうか、あれだし」
「どのみち私の人生はご主人なしにはありえません」
「ええと・・・あとは、ううん」
僕が言葉を出せなくなると真央はさっきまでの恥じらいはどこへやら、満面の笑顔で抱きついてきた。
「お願いします、ご主人」
「・・・わかった」
根負けしてしまった。こんなはじける様な笑顔で頼まれたら断れない。
僕は真央の顔に両手を添えて言った。
「その代わり、約束。もう二度と僕から離れるなんて、言わないこと」
真央は僕が今まで見た中で最高の笑顔で答えた。
「はい。私は二度とご主人から離れません」
僕は誓いの証に、綺麗な笑顔を作った唇に自分の唇を重ねた。
光る糸を引いて唇が離れる。
濡れた琥珀色の瞳を見つめていると心臓が高鳴る。
暫く見詰め合うと真央の顔がだんだん赤くなってきた。
「あ、あのあのあの・・・あ!お風呂入られるんでしたよね?」
そういえばそんなことを言ってた気もするけど、そんなことどうでもいいだろうに。
「い、一緒に入りませんか」
どうでもよくはない。まずは身を清めなければ。
632 :
217:2006/10/09(月) 21:22:09 ID:UBIs8PXE
「ん・・・ちゅ・・・はっ」
真央は湯船の縁に座った僕のペニスに舌を這わせている。
角度と強さを変えてありとあらゆるところを舐める。
根元から先端までを舐め上げたり、時折袋にも舌で愛撫する。
「ちゅぅぅっ」
根元のほうを手でしごいて先端に吸い付いてきた。まるで僕の中身を全て吸い尽くそうとするかのよ
うに。
「真央・・・もうやばい・・・」
「あっ!駄目」
僕が絶頂が近いことを知らせると、真央は小さい手で僕のペニスを握り射精できないようした。
「痛っ!痛いって」
「あ、ご、ごめんなさい・・・」
真央は申し訳なさそうに手を離して
「すいません・・・でも、いかれるのでしたら、私のなかに・・・」
濡れた瞳でそんなことを言ってきた。
か、かわいい・・・さっきのことを洗い流してお釣りが来る。
僕は真央の股間に手を伸ばして、ほとんど毛の生えていないあそこに触れた。
ちゅくっ、と水っぽい音がした。
「え?もうこんなになってるの?」
まだ触ってもいないのに真央の陰部は濡れそぼっていた。
「あ、ご主人のを舐めていたら、その・・・」
こうなっちゃたんですか・・・これなら弄らなくても入れられそうだ。
「真央、こっち来て」
僕は真央の小さい身体を抱き上げて膝の上に乗せた。
火照った真央の身体は熱いくらいだった。
「入れるよ」
真央のお尻をの下に手を入れて持ち上げる。彼女の唾液で濡れたペニスを入り口にあてがった。
水っぽい、淫らな音がした。
「はぁ・・・」
真央の甘い吐息が顔にかかる。
そのまま、ゆっくり奥に入れていく。
「あ・・・あぁ・・・」
真央は僕の背中に両腕を回した。
暖かい肉襞がペニスに絡み付いてくる。ゆっくり、ゆっくり奥に進む。
何かに当たる感触がしてそれ以上進めなくなった。
「真央、奥まで入ったよ」
「はい・・・私の中に、ご主人を感じます」
僕も真央を抱きしめた。とても小さい体。僕のペニスが入ってるのさえ信じられない。
「動くよ」
言って、腰を突き上げる。
「ぁっ・・・」
真央は喉を仰け反らせて小さく喘いだ。
リズミカルに腰を動かす。
「あっ、あっ、あぁっ」
「気持ちいい、真央?」
真央の頭の猫耳に吐息がかかるように聞いた。真央は身を捩らせて甘い声を漏らした。
耳は真央の弱点の一つだ。
633 :
217:2006/10/09(月) 21:23:33 ID:UBIs8PXE
真央の膝の下に手を入れて身体を逆にした。
「あ・・・」
たとえ誰も見ていなくても子供におしっこさせるようなその格好は恥ずかしいのだろう。
真央は手で顔を覆って羞恥の声を出した。
腰を動かしながら足から離した左手で控えめな乳房を揉む。すっぽりと覆えるくらいの大きさ、
だけどたしかな弾力がある。
「あぁっ、あっあっあぁっ」
だいぶよくなってきたみたいだ。
僕は右手も足から離して充血し、勃起したクリトリスをつまんだ。
「ふぁあっ!」
真央の身体がびくん、とはねる。
「ご、ご主人、わた、し・・・もう、もうっ!」
絶頂が近いみたいだ。真央の足ががくがくと震えだした。
それは僕も同じだった。
腰の動きを更に早める。真央もそれにあわせて腰を振る。
「あっ、あぁぁっ、あっあっぁっ!」
僕が渾身の力で腰を突き上げた時
「あっあっ、あぁぁぁぁっ!」
真央が絶頂を迎えた。膣壁がきゅうとしまる。
そして僕も、小さな身体をきつく抱きしめて真央の奥にびゅくびゅくと精液を放出していた。
「あ・・・ぁ・・・出てる・・・」
ひく、ひく、と痙攣を続ける真央の締め付けにあわせて僕は長く、長く射精を続けた。
「すごい、こんなに」
僕の出した大量の精液は真央の小さな身体には収まりきらなかったらしい。結合部分の端から
精液と愛液が混じった液体が漏れている。
「ふふっ、一杯出しましたね」
真央が甘美な声で言う。
その声を聞いて僕の分身は再び大きくなり始めた。
「え?あっ、また・・・」
まだまだ夜は始まったばかりだ。
一度達したくらいでは僕の熱さは治まらない。むしろ一度目はすぐにイってしまったので不完
全燃焼な気分だ。
僕の部屋の布団に真央を四つん這いにして後ろから貫く。
「あっ・・・あぁん、はあっ・・・」
小さな身体が壊れてしまいそうな位激しく腰を打ち付ける。
「あぁ、あっ、イイ、いいですぅ・・・あっ」
僕が真っ白なお尻に容赦なく腰を打ち付ける度に黒い尻尾が動くのが見える。
―――ふと悪戯心が湧いた。
634 :
217:2006/10/09(月) 21:24:25 ID:UBIs8PXE
「あぁっ!?」
突然後ろの穴に自分の尻尾を突っ込まれて真央が驚き、あるいは快感の声を上げる。
真央の尻尾はそう太くないせいかたいした抵抗もなくするすると入っていく。
「ちょっ、何してるんですか!?」
「んん?何って、ねえ」
あいまいに答えながらも腰の動きは止めない。更に今度は尻尾も出し入れを始める。
「あぁっ、ぁが・・・ひっ・・・」
ぱんぱんと音を立てて二人の身体がぶつかりあう。
「ひぃっ、ひあっ、ふぁあっ!」
真央の声はもう喘ぎ声というより悲鳴に近い。
体重を支えていた腕が震えて力が入らなくなったのか、真央の上体がくずれた。
僕はここぞとばかりに動きを早めた。
「あうっ、あうっ、あうぅぅっ、アアァァアっっ!」
真央は獣のように叫びながら絶頂を迎えた。
膣肉が痙攣して僕のペニスを締め上げる。
発射寸前でなんとか堪える事が出来た。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・」
まだ息の荒い真央の身体をペニスが抜けないように仰向けにする。
そのまま前に倒れて、できるだけ二人の身体が密着するようにした。
その状態で今度は純粋に射精の為の動きを始める。
「あっ、ご主人、ご主人ご主人、あっ、あぁご主人ん」
狂ったように僕を呼ぶ口を唇で塞ぐ。
「んっ、んんっ・・・」
躊躇いがちに伸ばされた舌を受け入れて自分の舌を絡める。
僕らは心も身体も絡まりあって、融けて混ざって一つになっていく。
僕らは沈んでいく。
三人一緒に、二度と出られない泥沼へ・・・
甘い甘い泥沼へ・・・
「あの、やっぱり手伝いましょうか?」
「いいよいいよ、真央は座ってて」
真央の気遣いは嬉しいけど、甘えるわけにはいかない。
「しかし清孝・・・」
「いいんですって!『男子厨房に入らず』なんて今時流行りませんし」
今の僕は身重になった二人の代わりに家事と仕事の両方をこなしている。
仕事は一時休業にしてもよかったのだが、できるなら続けたかった。
僕は人の二倍も三倍も苦労するべきなんだ。
「よし、できた!」
栄養面もばっちり、味もなかなか。我ながらいい出来だ。
居間のほうからは
「あ、動いた!真央のほうも大分大きくなったな」
「ええ、少し成長が遅くて心配でしたけど、もう大丈夫です」
僕の大好きな二人の幸せそうな声が聞こえてくる。
僕の苦労はきっと、いや絶対に一生続くと思う。
だって、何が何でもハッピーエンドにしなきゃいけないんだから。
僕は大馬鹿野郎だけど、それだけは成し遂げなくちゃならない。
―――ま、二人の笑顔があればどんな苦労も大歓迎だけどね。
FIN
635 :
217:2006/10/09(月) 21:25:15 ID:UBIs8PXE
とりあえず完結です
今度ばかりはマジで反省してます・・・滝があったら打たれたい
HRが主題で伝奇部分は味付けなんだから別に誰も気にしてないよ。
気にしなくてもいいと思うけど。
>217のひと
これなんて月姫?では芸がないのであえてこう聞く。
これなんて「あらみこっ」?
いや、アレもちからいっぱい月系厨風だけど。
ぐぐれば出るから参考に一遍見てみそ、未見なら。
おぉぉぉぉGJ!!!
さっそくヌケタ!!
639 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 22:28:13 ID:nBuNEAvs
いちゃもんをつけるしか能の無い連中は
場違いだという事に気づいて死ね
このスレは抜けるか否かが問題だ
とりあえず217さん乙&GJ
ふう〜すっきりしたぁ〜w
GJ!
なんかものすごい主人公が嫌いだ
自分勝手のご都合主義だからか
なんか1スレにあった話にむちゃくちゃ似てるなあ、という印象
>>641 世の中そうでないと上手く我を通せないんだよ。
残念な事にね。
644 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 01:06:16 ID:qwKI5WPO
>597
超遅レスだが、超期待
>>645 >二次創作でオリジナルキャラを作ったら、まずこのテストをしてみよう。
二次創作でオリジナルキャラを出す時点でギリギリだろうと思うw
>>646 まあエロパロ板のとあるスレにはオリジナルキャラを絡めた
2次創作小説で大絶賛されている神様みたいな人も
いることはいるけどな。
とりあえず,孕めば正義。それが孕ませスレのはず。
一心不乱のHRを!
結局は書き手次第という話に落ち着くわけで。
651 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 18:48:08 ID:s0Tm+PQa
このスレの雰囲気の悪さは異常
職人も逃げるわけだw
>>651 そんなこと言ってるとツンデレ好きなお兄さんに捕まって孕まされるぞ
>>651 あからっさまに下手小説書いて叩かれた職人の捨てゼリフだな
だれ?刺客話書いて叩かれたやつ?
変な俺設定公開して月姫だって叩かれた泪真央の「・・・」職人?
まあまあ
『うちは厳しい雰囲気だから文章下手で叩かれるやつもいる』
『私じゃないよ』
『変な設定出して叩かれるやつもいる』
『私じゃないよ』
別に月姫だろうが何だろうがHRならオッケー
『孕ませ書いてないから叩かれた』
『OK、尻をこっちに向けろ俺がお前を孕ませる』
パクりとかパクりじゃないとかいちいちウゼーよ
気に入らないなら読まなきゃいいだけだろが
そんなに職人さんを追い出したいのか、お前らは
しばらく前にも余所のスレで見たような流れだ。
スレのURLの数字の羅列の部分を 1135775671 に変えてみろ。
このスレが現状のまま改善されなかった場合の、このスレの未来がある。
>>660 なあ、俺はあのスレの住民でもあるんだが、そういう例で晒すの止めてくれないか。
あそこはただ単にごく少数の嵐がID変えて荒らしてるだけで、別に住民の姿勢が特に悪かったわけでもない。
ここだって一部の人間が騒いでるだけだろ。
651 654 656 みたいなレスはスルーしろよ。
>>660-661 あそこから流れてきた人間多いんだな。
人気のある職人さんには、だんだん要求がエスカレートしてくるんだよね。
そしてその分、新しく入ってきた職人さんにはやたらと厳しい。
いきなり神職人クラスの作品を要求されるからね。
>>660のスレで忘れられないのは、「このスレはレベル高いからキミも頑張らないと」的なレス。
あれは、その新人さん以外の書き手の心まで腐らせる。
>>660は住人は悪くないと言うけど、嵐が来る前から、住人はそんな感じだったよ。
かといって人気の職人さんに優しいか、というと、GJとかはあるけど、
「あれ書いて」「これやって」のリクとセットなわけで。
ベテランも新人も半分くらいがやる気を失うような空気が微妙に流れていた。
今のこのスレもそんな匂いがする。
>>661-662 敵だ味方だ、他スレからの刺客だとか
長文で嫌な雰囲気にしてるおまえの方がよっぽど荒らしっぽい
月姫パクは何度も指摘されたのに、
三点リーダも使えないオナ設定職人がずっと無視してきたのは事実
お前らいい加減にしろ
しまいにゃ俺の子孕ませるぞ むしろ俺が孕むぞ
つか、2ちゃんねるでのSSスレってのは、そんなもんだろ。
途中まで伸びるが、急速にしぼんで荒れて尾張。
毎度毎度の繰り返し。
>>664 お前が孕むのかよWWWWWWW
良い子を孕めよWWWWWWW
大文字でw書く奴って2ch馴れしてない厨なのがわかりやすいな
三点リーダー知らずに小説を書く厨くらい
669 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 10:15:11 ID:jlw3Xg0N
さて・・・そろそろいいだろ・・・
>>668 堕ろそうか
堕ろさないと腹キックだ
>>669 い……いやぁっ、この子を殺さないで!!
あたし、浮気なんてしてないのにっ… この子はあなたの子なのに、どうして堕ろせなんて言うの!?
お願いっ……ここは孕ませスレでしょ…?
672 :
670:2006/10/11(水) 14:15:19 ID:wxhsooF1
>>671 リンク先読んだ。
orz orz orz orz orz orz orz orz orz
同性として許せねぇ….・゜・(ノД`)・!!
トラウマヲピンポイントデウチヌカレタヨ
ツッテクル ∧|∧
>>673 待て、逝くな、逝くなああぁっ!!
生きろ、そなたは美しい…!
>>671 読み物として面白かった。
そう割り切らないと…キツいorz
676 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 14:58:57 ID:KrJuldyY
>674
ならば・・・俺が死ぬ前にお前を孕ませてやる!
677 :
674:2006/10/11(水) 15:02:51 ID:wxhsooF1
>>674 よっしゃ来い、ぼちぼち排卵日だぜベイベ( ゜∀ ゜)!!
………死んだ後も残された私らが困らないように、借金以外の遺産をきっちり残しといてな?
さえた話か。
あれってだいぶ前に話題になった話だよな。
679 :
676:2006/10/11(水) 16:40:43 ID:KrJuldyY
>677
( ´ー`)ノ⌒I
680 :
676:2006/10/11(水) 16:43:57 ID:KrJuldyY
下げ忘れたorz
681 :
674:2006/10/11(水) 17:14:56 ID:wxhsooF1
>>676 やーいやーいw
強くイ` (・∀・)!
682 :
676:2006/10/11(水) 17:25:38 ID:KrJuldyY
>681
大丈夫・・・必ず君のお腹に帰ってくるよ…
孕みの神様が導いてくれるから・・・
∧|∧
683 :
674:2006/10/11(水) 17:33:14 ID:wxhsooF1
>>676=682 だから吊るなって! あんたが死んだら私どうやって生きてけばいいのよバカぁ!!
とにかく生きろよ!? いいな!?
勝手に死んだら殺すぞゴルァ!!
……雑談でスレ消費し過ぎだし、ぼちぼち落ちマッスル。
mustle!?
ちなみに現在441KB。そろそろこのスレも臨月です。
686 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 18:24:58 ID:jlw3Xg0N
孕みたまえー清めたまえー
687 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 19:19:44 ID:8CMEiRhC
このスレはこのまま孕むこともなく終わるのか
次スレマダー?
うーむ。・・・SSを書けるスキルを持ってないからなぁ。
じゃあネタを投下。
主人公は城主かなんかの権力者で、どこぞのお姫様を連れ去ってお持ち帰り、孕ませ。
お姫様を救い出す為に救出隊が来るも撃退。その中で女を生け捕りにして、そいつらも孕ませ。
と連鎖捕獲→孕ませな感じなのはどうだろうか?
>>688俺としては山賊なんかのほうがしっくりくるな
リンカーン要素もあるし
巣作りドラゴンにはそんな感じを期待してたんだけどなぁ
まあ似たようなシチュが無かったわけでもないけど
692 :
688:2006/10/12(木) 00:04:19 ID:8zOTmKB1
山賊でも撃退出来る能力があれば構わないが、林間はニガテな俺がいる。
ハーレムならオッケなんだが、輪姦だと孕ませた感が薄くなる気が・・・誰かの種が当たればイイやっつう感じがなぁ。
やはり自分こそが種を付ける、という意気込みが男には必要。
694 :
688:2006/10/12(木) 00:14:20 ID:8zOTmKB1
>>692 ルクル→フェイなw
あれがルクルを捕獲したまま帰さずに孕ませて、
フェイが助けに行ったときには手遅れ、ボテ腹で絶望してたりしたらサイコーだった。
もしくはルクルを引き合いに出して、フェイに中出しし続け孕ませ。
その裏でルクルも孕ませておいて、再び引き合わせたときには両方ボテでフェイが食って掛かる
な感じのシチュがあれば言う事無かった。
>>692 成る程。それでは、
『ボスが前を占有→後ろは部下たちで使用して二穴責めリンカーン』
というのはいかがかな?
697 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 00:27:02 ID:9tv21VP3
平成粘菌劇場の人妻がツボった
>>696 だから前を独り占めしてるボスが孕ませ担当なんだよ!
「あれ?お頭、その娘ぇなんです?」
部下の問いにアジトに帰ってきた男は下卑た笑みを浮かべた。
「ああ?わからねえのかドリー?よく見ろよ」
ドリーと呼ばれた小柄な下っ端は言われるままにまじまじと男の抱えた女を見る。
幼さを残す可憐な顔立ち、ふわふわとウェーブのかかったプラチナブロンドの髪、
身に付けた服や装飾品から身分の高さが伺える。
「ひょっとしてぇこいつ、ハラ・マスの姫様ですかい?」
大して驚きもせずにドリーが尋ねる。
ハラ・マスというのはある小国の名である。一応このアジトがある森もハル・マ
スの領地だが、支配力が弱く完全に国の管理を離れているのが現状である。
「さすがにまずいんじゃないですかね?」
「何が?」
強がりでも何でもなく本当に何がまずいかわからない、というふうに男が聞き返す。
「軍隊でも来たらどうするんです?」
「返り討ちにすりゃいいだろ?」
僅かな逡巡もなく返ってくる答えに逆にドリーはうろたえた。
男はドリーのぼさぼさの頭に手を載せて凶悪な笑顔で言った。
「てめえ俺一人捕まえらんねえような国と喧嘩して負けると思うか?」
揺るぎない自信に満ち溢れた声にドリーは何も言うことが出来なくなった。
「……ここは?」
見知らぬベッドの上で目を覚ました女に答えたのは尊大な声だった。
「俺の家だよ」
まさか答えが返ってくるとは思わなかった女は驚きとともに声のしたほうを見た。
そこにいたのは見覚えがある男、たしかここらに巣くう盗賊団の頭だった。
―――そうだ。私は攫われたのだ。
「きっ、貴様この私にこのようなことをしてただですむと思っているのか!?」
女の精一杯の虚勢を男は歪んだ笑みで受け止めた。
「私はハラ・マス王女、エリシアだぞ!貴様ごときが触れていい存在ではない!」
掠れた声で叫ぶエリシアに男は喉を鳴らして嘲笑った。
「丁寧たぁ言いがたいが自己紹介ありがとよ。俺はカイってんだ、よろしくな」
小馬鹿にした口調で喋りながら伸ばされた手を払いのけようとしたエリシアの清純
な白い手は、軽々と凶暴な手に掴まれてしまった。
そのまま強引に彼女は握手させられた。
「やめろ!私に触れるな!汚らわしいっ!」
「あーあ。あんなに清楚で無垢と噂だった姫が、
こんな淫乱にチンポをマンコとアナルで咥えてやがるぜ」
「あぅ!…いや…あんっあはぁん!っハァ…」
「…お姫さま、そろそろお城のベッドに帰りたいですか?」
「ハァ…っあ!」
「もう返事もできねーようだな」
「みたいだね……。なら…」
「お前たちが後ろで楽しんでいる間に、私の子を
孕ませてから城に丁寧に帰してあげましょう」
こんな感じ?
途端、それまで笑顔を崩さなかった男の目に凶暴な光が灯った。
両手でエリシアの顔を掴んだカイは噛み付くような勢いで薄紅の唇を貪った。
「んむっ!?ん〜〜っんっ!」
カイの舌が信じられない力でエリシアの顎を開き口腔に侵入してきた。
爪を立てて男の背中を掻き毟ってもその行為が止まることはない。
―――私、舌を吸われてる。
神のごとき不可侵性を持つはずの王族の身体があっさり犯された。
エリシアは自分の中で何かが崩れる音を聞いた。
「ぷはっ」
輝く一本の糸を引いて二人の唇が離れた。
エリシアの身体を押し倒した彼は王族である彼女を上から見下ろして言った。
「いいか?てめえは俺のもんだ。俺のことは全て受け入れろ、拒むんじゃねえ」
受け入れろ?この下賤の者の蛮行を受け入れろというのか?
この状況においてなお、彼女の自尊心はたとえうわべだけでもカイを受け入れるこ
となどできなかった。
「ふざけるな」
恐怖を怒りで塗りつぶしてエリシアは低い声を出した。
その声にカイは笑顔を取り戻す。
「カカッ、まあ最初はそのくれえのほうがいいわな。
それじゃあ、そろそろ始めますか」
言うが早いかカイは一息でエリシアの服を破り去った。穢れを知らぬ身体が露になる。
「なっ!」
「いくら温室育ちだからって、これから何するかくらいわかるよなあ?」
恐怖と驚愕の声を上げるエリシア。そんな彼女にカイは嬉しそうな顔をする。
カイはズボンを脱いでグロテスクにそそり立つ一物を取り出すと力づくでエリシアの
足を開いた。
「やめて……お願い、やめて下さい」
涙が零れた。私の純白はこんな形で奪われるのか。屈辱で頭がどうにかなりそうだっ
た。
「カカッ、いい感じだぜ?その顔」
懇願も悲涙もただ男を喜ばせるだけの意味しか持たない。
誇りや地位などそれ以上に無意味だ。
入り口に男根があてがわれる感触を感じながらエリシアの心から様々なものが剥がれ落
ちていった。
「それじゃ、いくぜ」
彼の声ががらんどうの頭に響く。
―――私は、彼のものになるのか。
昨日まで誇りに溢れていた心を支配するのは諦観。
ズンッ
「いやあああああああああああああっ!」
激痛に悲鳴を上げた。それすら彼を喜ばせるだけなのに。
「カカッ、いいねえ、あんた最高だよ」
ぱんぱんと音を立てて乱暴に腰を打ち付けられる。感じるのは痛みだけ。
快感はない。屈辱ももう感じない。
「痛い痛いいたいいたいイタイ!やめて!やめてえっ!」
いくら泣き叫んでもカイが動きを止めることはない。
むしろ更に興奮して激しくエリシアを責めたてるだけだ。
それがわかっているのに―――わかっているからこそ、エリシアは啼くのを止めない。
乱暴に小ぶりな乳房を揉まれ再び悲痛な声が出た。
「ぁがっ、ひぎぃ、やめ、てぇっもう」
ぱんぱんぱんぱんぱんぱん………
その行為を拒む力は彼女にはない。もしかしたら拒む気さえも。
「あっ、あああっ、嫌っ!いやぁぁ」
ぱんぱん、くちゅ、ぱんぱんぱん……
―――え?
今、肌と肌がぶつかり合う音に混じって水っぽい音が聞こえなかったか?
確かに聞こえた、だが何故?
「カカカッ感じてるのかよ?こいつはいいや、カカカカ」
―――感じてる?私が?悦んでる?この私が?
信じられなかった。だが現に自分の股間はぐちゅぐちゅと音を立てて男の欲望を受け
入れている。
「あっ、あぁ、ああああぁあっ!」
私は悦んでる。乱暴に揉まれる乳房で、彼のペニスを締め上げる膣で、全身で彼を受
け入れ、そのことに快感を感じている。
ずちゅっずちゅっずちゅっずちゅっ………
汗と涙と涎で顔を汚し、自慢だった髪を振り乱し、私は彼に狂っている。
膣肉を擦り上げ、子宮の奥を突いてくるペニスが脈打つのがわかった。
「中に出すからな!受けとめろよ!」
「中は駄目っ!お願いそれだけは!」
エリシアの声を無視して更に動きを早めるカイ、その顔は極上の笑みを作っていた。
「お願い…お願いィィっ!あっ、ああっ」
―――お願い?私は何を願っているの?
そう思った時、彼女の中で決定的な何かが切れた。
「ああああああああああああっ!」
びくん!びくん!
子宮の奥に叩きつけられる精液を感じながらエリシアは絶頂を迎えた。
彼女の誇りは地に堕ちた。
彼女の膣は意思とは裏腹に、あるいは意思に従い、貪欲にカイの精液を搾り取っている。
「てめえはおれのもんだ。俺の子を産んで育てろ。一生俺を愛して生きろ」
「私は……あなたのもの」
二人の顔が近づいていく。
彼を愛して生きる、彼の子を産み育て、一生を彼に捧げる―――それが私の生きる道。
唇を重ねたのは、エリシアからだった。
「お頭ぁ、やっぱ来ましたぜぃ」
「カカカカ、やっと来たか!」
数日後、救出隊が編成されたことを知ったカイは高らかに笑った。
「笑い事じゃねえっすよぅ」
これが笑わずにいられようか。軍隊とはいえ所詮平和ボケした羊同然の野郎どもだ。我
ら餓えた狼にかなうはずもないだろうに。
「てめえ知ってるか?」
「何をです?」
「あそこの軍隊よ、出陣の時は巫女がくっついて来るんだ」
「はあ、一応は」
察しが悪い部下はまだカイの言っている意味がわからないようだった。
「つまりよ、生け捕りにすりゃやりたい放題ってことさ」
「あ!なるほど!」
それを聞いた瞬間ドリーは目を輝かせた。
こんな臆病な男でもカイのことを信頼し、軍隊相手に臆していない。
「俺が気に入った奴は俺のもんだが、残りはてめえらの好きにしろ。全員に伝えとけ!」
「へい!」
駆け足で去っていくドリーの後姿を見ながらカイは笑った。
―――俺は欲しいもんは全部手に入れる。金も力も女もだ。
「カカカ、カカカカカカッ!」
彼の寝室には、もはや助けなど必要としない堕ちた姫君が安らかに眠っている。
689だが酒の勢いでやってしまった
続くかどうかはしらん
705 :
700:2006/10/12(木) 01:51:17 ID:eijHMuLT
>>704 うっかり割り込む形になってしまった。スマソ。
続きwktk
墜ちた姫ktkr
酒の勢いとか抜きながらとかそういうのはむしろ普通
GJ
GJ!
姫さまいいねぇ
しかしハラ・マセってwww
国名ワロス
昨日寝落ちしてしまった・・・。こんなGJ!! な作品を見逃すとはorz
なんかこのスレは女性上位が人気?
>>710 女性上位というか、
女性のキャラがしっかり立ってる作品が人気。
あと和姦も強姦よりは人気高い気がする。
SSではないが沙悟のコト輪を思い出した
あれも山賊の頭オンリーだったらもっと神だったんだが
しっかりした女性はマンセーだけどたまには青年や大人の男主導もいいなー
ゲーパロ神が少年主人公書いてるからそんな気がするんかな。
>>713 ゲーパロ氏のせいにしなさんな。
まぁ、男性の権威が誇示できないご時世だから仕方ない・・・ということにしよう。
>>698 言葉が足りんかった。
2穴刺しにせよ、後ろだけ使い回しにせよ、孕ませからは逸れるじゃないか。
後ろも使う方が、悲愴さや鬼畜っぷりは増すかもしれんが、後ろじゃあ孕まないんだから
後ろを使う分だけ、膣内射精→孕ませの意識は薄れると思うぞ。
このスレは孕ませメインなんだから、輪姦でなく孕ませでヌこうぜ!
そこで二本挿しですよ
鬼畜度も上がり孕ませ度もアップ!
締まりはダウンだけど
まぁせっかくの種付けスレなんだから、女性上位でどこまでもイニシアチブ握られているのも詰まらんという気も判る。
幼なじみで相思相愛なのに、誤解がきっかけですれ違い、
かっさらって一月ほど強制子作りの末にラブラブという都合良すぎる妄想をしてみた。
そうして盛り上がる中
触手孕ませの魔の手は着実に迫っているのであった
そして世界は孕みの炎に包まれた…
>>713 じゃあ、密かに結婚願望が強いけれども、
体面上恋愛なぞ真っ平ゴメンという態度を崩さない、強気で仕事一筋の
女上司の弱みを握った新入社員が、
『課長・・・このままだと高齢出産になっちゃいますよ?』
なんて言いながら種付けする話なぞどうじゃい?
あとな、懐かしの某マンガ読み返して思いついたんじゃが、
度々出没しては華麗に盗みを繰り返す女怪盗と、彼女を追う刑事。
次第に女怪盗に恋にも似た感情を抱き始める刑事だが、
彼には結婚を間近に控えた恋人が。
その恋人が妊娠した後、なぜか女怪盗の活動がぴたりと止む。
そしてしばらくぶりに現れた女怪盗の身のこなしは妙に鈍くて、
しかもそのお腹は・・・
みたいな話も、どうじゃい?
ていうかやっぱり女が年上なのか…なぜだw
このスレの不・思・議!
>>719 妊娠中に暴れてはいけませんwwwwwwww>怪盗
721 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 03:51:29 ID:F7aSAGQZ
>720
怪盗で行くなら、殺し屋も…
虫の息のターゲットを犯して孕み、トロフィー代わりにターゲットの子を産む…ってのは?
>>721 最速でも十月十日に一回しか仕事ができないじゃないかw
そーいうのなら、依頼料=孕ませな探偵とか。
ここで手術料が孕ませな闇医者
127 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 00:21:59 ID:Fj7UUZlO
手術料は5千断面だ
129 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 00:22:44 ID:XjMImOrI
わかりました!一生かかっても孕みます!
130 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2006/10/14(土) 01:00:27 ID:eILUquAm
それが聞きたかった・・・
>>721 どこかのギャグマンガで、似たようなネタ見たな。
ターゲットが無防備な瞬間を狙えるよう、娼婦として近づく。
↓
ベッド上で殺害。でもしっかり中田氏されてる。
↓
任務達成率100%、孕み率も100%
↓
山ほど産んだ子供の養育費のために、今日も彼女は血の海を渡る。
ふふふ・・・、ようこそ子猫ちゃん。
君の借金額はいくらだったかな?あ、ああ一千万だったね。
そうおびえる事はないさ、借金返済の為にはいくらかのリスクはおって貰う事にはなるが
痛めつけたりとか過激な事はしないさ。
しかし、君もまだ若い。今の社会はどこかでつまづくと二度と立ち直れない、そんな風潮がある。
そこで私は救済を出したいと思う、チャンスをあげよう。
何簡単だ、今から私とあるゲームをしてもらう。
それに勝てば借金はチャラ、君の立ち回りによっては借金額の倍もの金を得ることができるぞ。
・・・その目はやる気だな、ふふふ。チャレンジ精神のある子は嫌いじゃないな。
それじゃあ説明に入ろうか、おいあれを持って来い。
これはいたってシンプル、わかりやすいカードゲームだ。私達はHRカードと呼んでいる。
これに使うカードは3種「妊娠」、「出産」、そして「受胎」・・・!
(ざわ・・・、ざわ・・・、ざわ・・・)
とは言えこのHRカード使用するのは3種10枚でうち8枚がこの「妊娠」カード
「出産」、「受胎」は特殊なカードで1枚ずつしかない、当然鍵を握るカードとなる。
ふふ、ここまで聞けばどんなゲームかわかるだろう・・・。
三すくみ・・・「出産」が一番強く「妊娠」に勝つ、「妊娠」は平凡カードだが「受胎」には勝てる。
そして一番弱いかに見える「受胎」・・・だがこれが肝、「受胎」のみ唯一「出産」を穿つ。
さらに詳しい説明をするならばこれらの10枚を5枚にわけてプレイする。
すなわち「出産」側か・・・「受胎」側か・・・それらの陣営を3回ずつ分けて勝負し
種付け数の多い方の勝ち・・・・、簡単だろ。
しかし、このゲーム「受胎」側は圧倒的不利・・・よって特別にこの陣営で勝ったときのみ「出産」時より5倍の賞金をだそう。
何、プレイ前には君に200万ほど無料でプレゼントしてやる。
だが、やる前に一つ言っておこう、これは勝った時、夢みたいな金を手にするだろう。
しかしそれを手に入れるにはそれ相応のリスクが必要だ。君にも賭けてもらうものがある。
つまり・・・「将来」と「子宮」・・・・。
私が勝った時はこの特殊な装置で君の子宮に私の精子を流し込む。
「出産」、「受胎」に関わらず一律500ml注入させていただく。
・・・ふふふ、あははは面白い。それじゃあやろう、きにいったよ。
始めようか、借金がなくなるのか、それとも私の子を孕むか。勝負だ。
突発的にネタがうかんでしまった。話書いてると別なネタが浮かんでくる事ってありません?
信じるべきはっ……孕みの力っ!
>>727 あってもそのすごい読みにくい文章力じゃいらない
>>721 以前葱板に描いたHRネタだけど、
若殿の『命の源を奪って来い』という指示を受けたくのいちが、
暗殺指令を勘違い。
城に女中として忍び込み、若殿様に夜伽しては中田氏をねだって妊娠。
そして故郷の忍の里に戻り、長老に、
「・・・どうじゃ。ヤツの命、貰い受けてきたか?」
「はッ、たしかに、この私めの胎の中に・・・」
なんて話はどうだね?
この後追放されたくのいちは殿様の元に戻ってラブラブになるもよし、
任務失敗を責められて村人に輪姦されるもよし。
女性が年上の姉御肌
→妊娠した時の精神的な安定度高い
→社会的・経済的に恵まれている
とか?
>>733ちょっとした罪悪感からこのスレでは年上女性が多いのかw
しかし大人の男による計画的受精がみたい───────────って言うかそう言うのって需用無いのかw
735 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 22:52:50 ID:GPEZmBSG
擬人化ネタはどうだろう?
カマキリの様に孕ませた相手を殺して、「赤ちゃんの一部になってね…」と言いながら死体を食べていき、
父親だった白骨の前で出産…、てのは?
>>734 >>734 じゃあ、
グラビアアイドルをヌードで売り出そうとする社長が居る。
でもヌードだけは絶対イヤ、と、そのアイドルは社長の言うことを聞かない。
で、社長さんは偶然、
彼女が同居している弟とキスをしている場面を写真に撮ってしまう。
実は近親相姦の関係だったアイドルとその弟を脅迫し、社長は
結局彼女をヌードで売り出すことに成功する。
そして脅迫はエスカレートし、AV出演、そして妊婦ヌードまで曝させる。
(勿論、胎の子種は社長のモノ)
これなら寝取られ要素もあるし、オトナの男の計画種付けになるんであ?
虫はかせが言ってたけど、カマキリって交尾した後雄が逃げようとするから雌が食べちゃうんだってさ
動くものに反応するらしい
だから中出しした後
「私から逃げないでくださいね? しっかり、孕むまでふたをしておいて下さいな。
…でないと、貴方を食べてしまいますわ」
とか言う女の子ならおk
>>737やっぱり弟が出てくるあたりこのスレにはショタ属性があるとミタッ!
>かっさらって一月ほど強制子作り
それよりこれが気になった。毎日強制中だし…ハァハァ
誤解が元ですれ違い、意地の張り合いで違う相手と結婚
式場に男が乗り込み、かっさらっていく
という「卒業」パターンはお約束なわけだが、
その後をねっとり書いた作品は見たことないな
当たり前だけどw
結婚する予定だった別の男に何かされていないか確認のため、
また女が二度と馬鹿なことしないよう、盛り上がった雰囲気も手伝って、
じっくりねっとりたっぷり、孕ませ展開希望
ネタを読んだだけでおっきしたお(´・ω・`)
愛しさと(一旦他の男に寝取られた)憤りが
ない交ぜになって素直になれないままはらませプレイ。
毎日限界まで注ぎ込まれるの萌えるw
同い年のツンデレでおながいします。
やはり寝取られがこのスレに活気を取り戻すのか・・・?
>>730 > 『命の源を奪って来い』
それなんて悪玉トリオ?
女がいいとこのお嬢さんで、見合いで親に勧められて政略結婚をするんだ
当人同士の意思は関係なく、周囲に流されるまま、
勢いと男へのあてつけで、あれよあれよという間に結婚式当日
これなら寝取りなしでも成り立つ!
>>748 んなこと言ったっておめえ、
その見合いの相手ってのがイケメンの御曹司で、
しかもすンごいデカちん&超絶テクの持ち主とかだったら
どうするよ?w
>>749 俺なら式場に乗り込んできた男を無視して、警備員に任せるな
ああ、こういうバッドエンドもありか
そっちの方の純愛でもいいなw
>>748 何かの理由で結婚しなければいけない→自分のことを全身でかたくなに拒み続ける女に強制受精
男の方も本当に惚れているってのが(・∀・)イイ!!
ラストは都合良くラブラブEND。
おまえらってアバンギャルドな音楽とか好きそうだな
ボアダムスとか大好きだろ
どうでもいいが寝取りだけは勘弁してくれ・・・・・・・・・
756 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 21:47:52 ID:iottTmj+
山上たつひこの漫画であったが、気づかない内に体内に精子を入れられて孕む、てのも…
757 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 21:52:05 ID:o0H6Iivv
>>754 同意、うちの妹の場合というエロゲで
寝取られ、孕ませ、自我崩壊の三段重ね食らって
その手のものが嫌いになってしまった
寝とられだけはマジ勘弁、トラウマだ
やるなとは言わないけども、専用スレでやって欲しい。
>>754 ヒロイン寝取られはOKだけど、主人公が寝取るのはダメってことかい?
俺ぁ、主人公が悪女にひっかかって、「今日は大丈夫な日だから」
なんて言われたのを真に受けて中田氏、妊娠させてしまって
責任取らされる、
そんなへたれ主人公の情けない姿を、血の涙を流しながら見守ることしか
できないお姉ちゃん(悪女と同学年とかがイイ)、
なんぞというヒロイン視点の主人公寝取られ孕ませられ? ならいいかなw
760 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 22:03:15 ID:o0H6Iivv
でも孕ませってのがあるからなあ・・・
そういうのが好きな人もいるかもしれないし・・・
ここは自分でスルー汁という事か
761 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 22:07:28 ID:o0H6Iivv
>>759 お姉ちゃんが別の男に孕ませられたりしないのなら
俺はOK、応援する
>>761 でもってだね、
悪女さンはライバルである主人公のお姉ちゃんへのあてつけから、
彼女にとって一番大切である主人公を篭絡して寝取って妊娠という
既成事実でがんじがらめにしようと画策するわけじゃが、
(有る意味自爆テロw)
その過程で本当に主人公を好きになっちまうわけぢゃよ
で、
◆主人公が悪女への純愛を貫くならラブラブEND、
◆お姉ちゃんの元に戻るが、悪女はショックで流産→登校途中で待ち伏せて(ry
◆お姉ちゃんが黒お姉ちゃんに変身して、主人公を(ry
とまあいろいろ展開も考えられるわけだw
だから何で年上なんだ…_| ̄|○
寝取られ、強制、なんでもいいけど、もう女上位はおなか一杯。
まあ、複数ジャンルにまたがるSSは、たいていどのスレでも文句言われるからなあ。
特に鬼畜・スカ・触手・同性愛・寝取り寝取られあたりは文句言われる率が高い。
どの道どのスレ行っても文句言われるのは変わりないから、そのつもりで書くしかないよ。
孕ませ要素のあるSSなら、他にどんな要素が附随してようが自由。
書き手は事前に注意書き。
嫌な奴はスルーとNGワードで回避。
たったこれだけのことなのに、まだ分かってないやつが多いようだな。
>>762 あーそれ、六巻だな。
しかし、ピンポイントな…。
>>763 なんか修羅場スレ向きじゃね?っと思ったが悪女さんは
最初はただのあてつけのつもりなのか。
是非ここで書いてくださいオネガイしますw
それほど感情移入しないタイプだから寝取られでもHappyENDなら気にしないけどね〜
誰か言い出さないかなぁと思っていたけどボク少年とお姉さんはもういい。
>>767 孕ませたいほど愛してる
あの二人が正式に結婚したのは非常に感慨深かった
>>764 大人な女性が少年を誘惑するシチュは萌えるが、
いい年こいたおっさんがガキにうつつを抜かしてるのには萌えない……。
772 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 23:47:23 ID:XUTZ+Dvi
長身で「同性から好かれるほど」の男前な♀と低身長・華奢で「女の子と見分けの付かない程」の女顔な♂の
カップルの孕ませストーリーは?
この流れ・・・
これはおそらく・・・・・・
次に投下する職人にゃシロッコなみの相当なプレッシャーだな
投下しとうかと思って練ってたが
やっぱ女性上位になってしまう
急遽立場変更させてみたら色んなことがぐだぐだになったので破棄
ムズいなぁ
776 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 00:39:39 ID:PnHUtyNB
777 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 00:42:59 ID:PJhptFaF
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>>775 まあ、多分、上位モノで投下したら、出来如何に関らず
叩かれるのは覚悟かもなあ
細分化が進むのはフェチの常だけどなあ
>>795俺としては女性上位でも一向にかまいませぬが………
スレ的には駄目か
×孕ませ以外を含んでいるのは駄目
○孕ませを含んでいれば良し
少なくとも
>>1を読めば女性上位が駄目なんて発言はできないと思う。
そんなことより次スレの季節ですなあ。
>>775 最初に【年上】やら【女性上位】やら書いておけば無問題ではないでしょうか。
まぁ何にせよ、現状に不満がある人はただ愚痴を垂れるだけでなく自分で何か書かれてみてはいかかでしょう。
ネガティブな言葉は職人のやる気を削ぎ、SSが投下されなくなる事に繋がり、ひいてはスレの過疎化や荒れる原因になる訳で。
女性上位が望ましくないのか、年上の女性が望まれてないのかが分からない。
つか、SSスレってこんなもんだろ。
もうここは旬を過ぎたんだな。
これからは徐々に腐り落ちて行くだけだ。
>>784 皮もむけてないガキンチョは要らない
このスレ意外と早く終わったな
787 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:27:45 ID:e3S4GFzJ
グダグダマンネリ\(^0^)/このスレヲワタ
788 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 08:33:17 ID:qcm/VmZI
ここ最近の強い姉さん女房系もさることながら、過度のハーレム化も香ばしいけどなw
>>785 なんのかんのと文句を付ける奴が大量に出るから腐食するんだよね
ってか、まじ孕みさえすればいい。文句言う奴対策には
投下の1レス前に、投下小説のほかの属性:鬱展開とか、ハーレム、とか、女性上位とか、獣っ子とか、男装美少女
だとか、他の属性をとにかく列記しといて合わない奴はそれをスルーでいいだろ。
↑そこに並んでるのは、お前の好きな属性だな?
寝取られ、グロさえなければなんでもいいや
オレも。寝取られは日常生活に支障をきたしそうになるぐらい鬱になる。
小学生孕ませとか良いな
中学生でもいいな(*´д`)
相手は信頼していた近所のお兄さん
796 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 16:51:12 ID:ac+1ieQR
昨日が生理予定日で昨日からおりものに
血がまじっていることが3度ほどあり
生理予定日に判定できるチェックワンで今日試したけど
陰性でした。
先月の生理が21日からで25日周期なのですが
4日から6日まで3日間中だししました。
病院へ行ったほうがいいでしょうか?
リアル相談は2ちゃんねるで聞かずに病院に行って下さい。
マルチやコピペの類でねえの?
>795
担任の先生とのラブラブ和姦の結果妊娠とか良いな。
お赤飯前だからと安心して中出ししまくってたらできちゃったみたいな。
投下する中の人がいないわけだが。
ゲーパロ氏は充電中かな?
気力充実したらハーレム編、おねがいしたいものですね。
ワカンでも「赤ちゃんできちゃうよ〜(涙」があるとなしでは萌えが違うw
女性上位に飽きたって言うから仕方なく寝取られを新しく書き始めたというのに、
それもだめかい。
寝取られラブラブ和姦なんだけど、やっぱり鬱?
とりあえず酉付けておいたので駄目な人はあぼーんでもしておいて。
できあがりは当分後だろうけど。
>>804孕ませがあれば何でもいいよ
wktkして待つ
あと容量が20しかないけど、漏れもwktkして待ってる。
>>804 住人の顔色なんて窺う必要はないから投下きぼん
いつから住人に媚びなければいけなくなったんだろうな
媚びぬ!退かぬ!顧みぬ!
サウザーかよw
寝取られラブラブみたいよー楽しみにしてる
>>804 つか、ハーレム設定や『〜編』とか好きな男って間違いなくエロゲマニアなんだよな…
1:1で思いっきり濃い方のは萌えないのかな。
若い少年×お姉さん傾向も最近のエロゲのはやりなのかな?
エロゲマニアでハーレム大嫌いな俺みたいな人間のことも考慮してください。
いやマイノリティだけどさ。
寝取られなら寝取られスレでやった方がいいんじゃね?
向こうでも妊娠エンド多いし。
ここでやれば変な言いがかりつけられるかもしれないが、向こうでやれば何も角が立たないと思うんだが。
>>716 >>745 みたいな展開なら寝取られでもいいと思うよ
ただ、ヒロインが寝取られたまま終わるっていうんなら
寝取られスレに行ってやった方がいいと思います
>>812 オレも寝取られはちょっとなぁ。
と言うかこのスレで寝取られ書くのって、寝取られスレで純愛物書くぐらい見当違いだろう。
明らかに孕ませと寝取られって属性的に相反してるだろ。
そもそもこのスレの性質上、暗黙の了解として「孕ませ」の前に(主人公が)が入ってると思うんだが。
あながちこのスレ的にも外れていないと思うんだが、オレは孕ませる=その女性を支配する、もしくは
そこまでは行かなくても相手の女性の身も心も自分の色に染め上げること、その証を刻むことだと思うんだ。
で、そのヒロインとの子供=自分と彼女とその子との幸せな未来、だと思うんだ。
つまりオレ的には主人公とヒロイン(たち?)とのハッピーエンドが見たいんだよ。
物語の終わりに本当にめでたしめでたしで終われるようなやつが。
ぶっちゃけ癒されたいわけだが、ほかの住人たちはやっぱ違うの?
ただ孕んでれば、寝取られでも、猟奇でも、主人公やヒロインが不幸になってもOK?
まあそれはしょうがないとしても、寝取られをこのスレが許容するのならほぼ確実にスレの雰囲気変わるだろ。
あんま何でもかんでも属性を受け入れてもスレが空中分解する原因になると思うぞ。
と言うか寝取られと言うジャンルの持つ個性が強すぎるんだが。
2スレ目の保守屋氏の作品でも、肝心の部分が書かれていなくても結構荒れたし。
調教スレもROCO氏が光臨してから寝取られ第二スレと化したし。
描写が調教師と女の子の心の交流とか全くなく、ただしつこくしつこく寝取られ描写ばかりを強調するあの小説を
調教物とは思いたくないんだが。真の支配関係とか読んでみたかったのだがなぁ
818 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 02:09:09 ID:iDn3inBg
>>816 あーもううるさいなあ……子供は来るなよ。
ちゃんと注意書きしてるのに、バカがスルーしないで文句言って
注意書きの意味をなくしたのが、そもそもの始まりじゃないか。
少数嗜好のSSよりも、スルーも出来ない、煽るような書き込みを自粛する理性も無い
自治気取りのお子様の方が迷惑だ。
新スレの季節だと思うんです。
>>713 自分たちの事を棚に上げてゲーパロ氏になすりつけるのはやめよう、な!
>816
異種姦の場合は触手や怪物が主人公なのか?(w
>>816 寝取られは専用スレ行けってのは同意だが、
自分の主義主張長々書き込む前に
>>1読もうな
ぐちぐちねちねち不満を言ったところで、肝心のSSが落とされない事には
どうしようもないだろうが
全く女の腐った連中のすくつだな
>>816 結構純情だな。実は18歳未満か。
逆に聞きたいが、ハッピーエンドで終わらせなければいけないと一体誰が決めたんだ?
自分の思い込みと好き嫌いでスレを停滞させるのはいい加減やめてくれ。
とりあえず
みんな孕めば
それでよし
826 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 06:44:47 ID:1kBT4AoZ
孕めばよし
孕まないなら帰れ
よし、じゃあ誰か、
>>816を孕ませてくれ
中絶など許さん
触手孕ませとかだと触手スレでやったほうがいい、って流れになるのに
寝取られだとエライこじれるなぁ
皆、寝取られとか好きなのかな?
最近さ、思うんだ。
「本スレで文句をつけられた複合シチュSSを投下するスレ」が、
この板には必要なんじゃないかなってさ。
少なくとも自分は大嫌い。
〜は〜スレ行けばっかだな、結局このスレはイラネってことになるんじゃねーの?
831 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 08:14:57 ID:0h93ob0i
現状一番頭に属性書いといて
いやなら飛ばしてね、しかないと思う
それより次スレだ
>>763 余談だがライバルが一瞬ランバラルに見えた俺は末期。
ボテ腹の大きさにこだわりある奴いる?
俺としては現実じゃありえないくらいに膨らんだお腹ってのがそそるんだけど
自分のボテ腹に頬擦りとか良くないか?
あんなかにあかちゃん入ってるんだよ
実際触るとちょっとぞっとする。あれに乱暴できる人は人間じゃないとオモタ(;´Д`)
ところで寝取られスレに行って見たんだけどあれは荒むなw
寝取られる側ではなく愛故に寝取る側の話ならいいかもw
関係ないけどちょー幼妻を宥めすかして毎日種付けとかどーよ。
>>816がもうこのスレを覗かなければ、
それで丸く収まるような気がする。
いやーでも
>>816の気持ちもわかる。
ROCO氏は確かに神だが、同時に望まないものにしてみれば悪魔だ(;´Д`)
実際寝取られって、はらませ以上に忌避されてるからなぁ
裏切られるのが興奮するっていう奇特な人しか受け入れられまい
NTRも孕ませもいけるが、スレが荒れるだろうからNTRスレへ投下するのが望ましいと思える
向こうは孕ませ属性が付随したSSが投下されても、全く荒れなかった実績があるからな
論点は「見なければ済むのに何故騒ぐ」じゃないのか。
騒ぐ理由なんて想像つくだろ
論点だなんておこがましい
問題は騒いだ上でスレが荒れるだろう事じゃないのか
荒らす人が問題なのでは?
スレが荒れるから寝取られは無しとか変だろ
そもそも
>>1に孕ませさえあればなんでもOKになっているのに
寝取られは嫌だとかは変では?
愛のあるセックルだけでなく、レイープでも愛のないセックルでも受精はするんだよ
そういうのが嫌な人は純愛スレや女性上位スレがあるのだから、
そっちだけを見ていればいい
このスレは孕ませさえあればなんでもありなんだよ
テンプレでちゃんと決めろよ。
で、それに合わないヤツの方が出て行くとすればいいんじゃね。
基本はなんでもいけるけど
おねーさんがリードして上げる(はぁと)系がシリーズ化してずっとつづいちゃってるから
もういいよって人が出たんんじゃ?
はらませが第一目的ならなんでもいいんだけどね…
残りはこの話題で消化かな?
>>844の言うとおり孕ませればなんでも良いんじゃないか?
それについて自分の好きなシチュを語るのも別にいいだろ
問題はスルーできない奴と過剰反応で荒らす奴
それにNTRや純愛専用スレじゃあまり孕んでくれないんじゃないか?
ここまで過剰に荒らす奴がいると、今後もガキみたいに荒らしまわる可能性大
これからはNTRとHRが混在する話はNTRで書いたほうが無難かもな
そして○○とHRが混在する奴は○○スレへ、と誘導され続けて何の作品も投下されなくなると。
848 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 12:47:05 ID:Oi6PZYtr
>>847 NTRと同じように孕ませが嫌いな奴だって結構いるんだし、流石にそこまでは
>>848 わざと荒らしてるの?
>849
どんなジャンルだって嫌いな人間はいるもんだよ。「俺は嫌いだから」って追い出していたらキリがない。
俺はハーレムは嫌いだが、だからってハーレムモノを追い出そうとは思わない。
>>850 これ以上荒れないなら俺も追い出す必要はないと思う
ちなみに俺が唯一嫌いなジャンルはスカトロ
オレもスカイヤーズ
孕ませが好きでNTRが嫌いな人の数 > 孕ませが好きでNTRが好きな人の数。
寝取られは嫌いな人が見たらトラウマになりかねない重い地雷ジャンルだからな。
ハーレム嫌いな人でも、ハーレム作品を見てもトラウマにはならんだろう、せいぜい不快に思うだけ。
しかも孕ませとダブルタックを組んだら、みんなが大好き孕ませジャンルに該当しても見る人によっては致死量に達する。
ここで孕ませ寝取られ作品は投下される前に荒れ出して、
寝取られスレでは全く荒れてないどころか賞賛されているんだから、
書き手の人にとっても向こうで投下した方がいいんじゃね?
わがままかもしれないが、もしここで寝取られ作品が大量投下されるようになったら、
個人的には怖くて怖くて、スレを覗くことすらできないようになりそうなんだよ。
頼むよ、孕ませ好き同士諸君。
>854
荒れだして、じゃねぇよ。1人がワガママいって暴れてるだけだろうが。
いい加減、くだらない議論は辞めてSSを出してみなさい臆病者!
いつも口だけで孕ませられない種無し野郎は要らない!
>>855 俺の認識だと、なんにせよ穏やかな状態じゃないことを「荒れてる」と言うんだが。
実際に「ブツ」が来ない限り、
水掛論のままだ、とか言って見る。
一つ疑問。
>>847だが、このスレで拒否者がでるのは、
強いて言っても寝取られ、スカトロ、性転換ぐらいじゃないか?
俺は寝取られ嫌いだが、寝取りは大好きだw
>性転換
誰も一言も嫌とは言ってないが
>>1にあるように最初に属性書いて
嫌ならスルーか専ブラのIDあぼーんでいいんでね?
文章だし自分で読もうとしない限り、ひと目で内容は読めないだろ
とりあえずこのスレはこのまま廃れるんだろうか・・・
最初の勢いはよかったのになあ
>>857 てめーの基準なんかしらねーよ。
お前はもうスレ覗くなよ。そしたら幸せが待ってるぜ。
>>861 まぁ、仕方ないな。ここはまったりと我慢だ。
性転換てwwww
いや嫌いじゃないけどなw
まあ同じジャンルでだらだらシリーズ化されたらそっちの要素が強いスレへ行ってくれとは思うけど、
最初に一応要素を書いておいたらいいんじゃないか?
寝取られでも許せるのあるし。
スカは(((;゚д゚)))ブルブル
>>854はマジで消えてくれ。
もうこのスレと新スレに来ないでくれ。
それで
>>854もこのスレの住人も職人も
みんな幸せになれる。
816の厨っぷりにワロタw
いい家電にしろ
しまいにゃ産後の肥立ちが悪くなるぞ 俺の
荒れてるついでに言わせて貰うと例の3姉妹ものは特殊ジャンルの苦手なエロゲを無理矢理やらされている気になった…
文章がうまいだけについ読んでしまってあ〜あと言う感じに。
主人公が少年とかハーレムとか登場人物(端役までも)とか設定とかオタ向きに凝りすぎて。
ふつーのが読みたいよママソ…
夫婦で正統ものが読みたいと思うのは俺だけでいいと思っていたら
>>869 結婚スレ行けばいいじゃん
こうしてスレの過疎化がすすむのでしたw
別に夫婦じゃなくてもいいや。普通のであれば…。
エロゲみたいなのじゃないヤツ。
そういえばまとめサイト行ったんだけど、ゲーパロ氏は本当に年上女性×年下少年が好きなんだねぇ。
オレがエロゲみたいなの読みすぎなのかもしれんが、868のいうふつーがよく分からん
ちょっと一本書いて見てくれないか
魔法の無い日常じゃないか。
嫁が基礎体温を計るようになった
会社に行く前「今晩よろしくお願いします」と言われた
よろしく頑張った
今は孫に囲まれて暮らしている
ごめん。ちげーや。
868じゃなくて、どっちかっていうと871だな
寝取られ孕ませが書きたくて仕方なくて荒らしてる奴は
なんで寝取られスレに行かないの?
あっち行けばいいだろうに素直に('A`)
ROCOネ申祭りがいやだから?いや私にとってはネ申じゃないが…。
>>876 >>872友人間では書きまくってるけどどうしても孕ませ話なんてのはネタにしづらいからココで楽しんでいる…。
普通の定義っていろいろだろうけど、うちとしては
1:1男も女もハーレムなし(現実じゃありえねー)
愛がある、または理由があって孕ませたい孕まされたい。(恨みにてなどの鬼畜ver有り)
ヘンな超常現象とかがない。もちろん特殊能力もない…。
周りの人のテンションが高くない。
素直クールよりツンデレの方が好きだ…(*´Д`)あと同い年とか。いやこれはあくまでも趣味。。。
ID:VtK13jf6
>エロゲみたいなのじゃないヤツ。
>素直クールよりツンデレの方が好きだ…(*´Д`)
∧∧
( ゚д゚ ) ( ゚д゚ )
_| ⊃/(___ノヽノ |
/ └-(____/ <; <;
879 :
名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 23:21:33 ID:mZY36B1b
素直クールもツンデレも別にエロゲの専売特許じゃなかろうに
それを言い始めたらなんでもありだと思うんだが
そろそろ落ちろ
>>868 >苦手なエロゲを無理矢理やらされている気になった…
>文章がうまいだけについ読んでしまってあ〜あと言う感じに。
苦手な物だと分かりつつ、でも文が上手いからって読んであ〜あって…
どう考えてもおまいが悪いんだが。
スルーしとけよ。
君がッ!孕むまでッ!!種付けをッ!!!やめないッ!!!
まあ次スレも立っていることだし
此処は殺伐とするのもまた一興
さて、オレの膝の上で寝てるぬこをどう孕ませようか・・・
あれ?上限って幾つまでだっけ?
>>884 孕ませるのは人間だけにしておいて下さい。
ここでさんざん荒れたからには次スレからは平穏に事が運ぶことだろうね
スルー耐性も身についたようだ
ゲーパロ神が悪いような書き込みをあちこちで見かけて空しくなった
よーし、話も一段落ついたところだし一緒に孕ませをやりまくらないか?