813 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/07(木) 02:04:25 ID:7x47J/y3
↑わがまま言うなよ。
作家さん、好きなように書いてくださいね!
814 :
551:2007/06/07(木) 07:33:06 ID:eHiUQfan
>>812 いえ、感想や意見は大歓迎ですよ。
とりわけ今回は(申し訳ない事に)ライブ感丸出しの作品っぽいので、意見があるという
のはありがたいです。
むしろこんなエロ薄味な作品受け入れてくれるのかと戦々恐々でした orzゴメンネ…
今後も、じゃんじゃん言って下さって結構です。
他の職人さんはどうか分かりませんが、反応見てニヤニヤするのもSS書きの楽しみの一種
だと思います。
ただ、自分の思い通りにならなかった時に怒りさえしなければ、言っても良いと思いますよ。
>>810 そうですかね…?それではとりあえず翔一×真魚キボンと言っておきますw
自分でも書ければいいのですが、なかなか難しくて。職人さまは偉大ですね。
816 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 23:27:53 ID:slPdBfbV
誰か侑斗ください
じゃあ自分はデネブを貰っていきます
ゼロライナー関連で。
失った時間の事について知る為に侑斗に詰め寄ったハナが、交換条件として体を要求される、とか。
侑斗は侑斗で、オニャノコが常時一緒な良太郎に嫉妬するとか。
目隠しプレイとか想像して萌えた。
ハナはいろいろできてしまって困る。
カウンターで仲良く踊るリュウとナオミがかわいすぎる。
無邪気にお医者さんゴッコやらせたくなるなw
胸を触診しますよ〜?答えは聞いてないけど!(モミモミモミ)
オシリーナブログにて、「ナオミちゃんは侑斗くんに一目惚れ(笑)」とあったけど…ただの冗談かな?
もしも二人が仲良くなったら、ボウケンの黒黄のような感じになる気がする(子供っぽい保護者と本当の子供みたいな)
ゼロライナーには、ナオミとはタイプの違う、清楚な萌えメイドがいても
良かったのにな、と思った。
侑人君のわがままに、いつも泣かされるとか(でも本当は惚れてるから
いじめてる)なんて、妄想してしまったよ・・
>>822 一歩間違えるとデネブとキャラ被りそうだなw
この流れなら言える
イマジン女体化のエロゲを一度でも考えたのは俺だけじゃないはずだ
連載の合間の息抜きに書いてたら、すっかり本腰入っちゃってやばす。
モモハナ前提。二回目設定。…細かいとか言うない!
・ハナさんがとてもデレデレしている
・モモタロスが惚気まくる
それでもよろしければ是非召し上がって下さい。
今日も今日とて退屈な一日だった。いや、そうなる筈だった。
何時も通り、ウラタロスにちょっかいをかけられ、気が向いたから勝負事に付き合ってや
ったりだとか。
何時も通り、リュウタロスのスキンシップのラリアットを生意気にも叩き込まれ、お返し
に腕を固めてやったりだとか。
キンタロスも、これまた何時も通り、冬眠と洒落込んでいる。
――…今度『狂熊注意』の貼紙でもしておいてやるか
ありとあらゆる暇つぶしは体験しており、そろそろ本気でする事が無くなってきた。(将
棋、オセロの類いはすぐ負けてつまらないので却下だ)
この妙に宙ぶらりんになった様な心持ちは、毎日慌ただしい事限りない2007年の連中には
分かるまい。
「あーあ、つまんね」
呟いたところで、つまらない物がつまる筈もなく、飲みかけのコーヒーのもとへ舞い戻った。
手に取ると、前には無かった異変に気付いた。
カップとソーサーの間に、小さな紙が挟まっている。
――…何だ? こりゃ
コーヒーを一口含んで、四つ折の紙切れを広げた。
『3号車06号室』
走り書いた筆跡。崩れてはいるものの、この几帳面そうな字面は、明らかにここの野郎共
の物ではない。ナオミの字も見た事があるが、もっと丸みを帯びた感じだった。後に残る
女はただ一人――…
頭の後ろで、鋭い痛みがパンッと弾けた。
喉がコーヒーを嚥下しようとしていたが、失敗して盛大に噎せた。
振り向くと、手の平サイズの竹弓を構えたリュウタロスがいた。テーブルには、大豆の袋
がひっくり返っている。
「やったぁ! 後頭部50点!」
「痛ェだろ、馬鹿野郎! そんなん人に向けるんじゃねえ!!」
言いながら、左手をぐしゃりと握り、証拠を隠した。
その女はハナという。二人はライバル関係であり――…恋人関係である。
それに至るまでには紆余曲折あった訳だが、面倒なので要約すると、『向こうが』好きだ
というので『仕方なく』付き合ってやっている、とだけ言っておこう。
――…こりゃあ、来い…って事かよ
呼び出しは呼び出しでも不良の喧嘩でなく、恋人から。して、その真意は。
妄想が先走り、顔が赤くなる。
――…駄目だ。お子様にはちょいと刺激がキツ過ぎるんじゃねえか?
パコンッ パコンッ
執拗に豆鉄砲の攻撃が繰り返されている。鎧を狙っているらしいので痛くはないが、うざ
い事限りない。いや、発砲のほとんどが腕やら背中やらにぶち当たっている。痛い。命中
率は最悪だ。
おもむろに立ち上がり、リュウタロスの前まで歩き、輪ゴム製の檄鉄を押さえて竹弓を取
り上げた。
「あぁーっ! 返せよー!」
「五月蝿ェ! 鉄砲は禁止だ!!」
「むぅー!」
リュウタロスはむくれていたが、暫くしてナオミが使っているマドラーに興味を示すと、
そちらに行ってしまった。
モモタロスは、所在なげな竹弓を机にことりと置いた。
ハナは、関係をやたら秘密にしたがる。内緒にしないと、彼女いわく『酷い事になる』ら
しい。もちろん、命は惜しいに決まってる。生き急ぐ真似だけは御免だ。全く、面倒なこ
と甚だしいが、こちらだって他の連中に知られたら困る訳で。
だから、あたかも今からコーヒーの飲み過ぎで雪隠に行くのだ、という振りをして出て行
かなければいけない。
いかにも立ったついでに行こうか、という演技は我ながら完璧だ。流石俺。
コツ、コツ、自分の足音だけが、広くて狭い通路に響く。
手の中の紙が、かさかさ音をたてた。自分が握り潰したせいで皺くちゃである。
――…それにしても、なんつー色気のねえラブレターだ。
書いてある物と言やあ、場所だけじゃねーか。好きのすの字もありゃしねえ。
つーか、これだけの単語で理解した自分に拍手を送りてえよ。
セックスは告白した時の一度きり。あれからご無沙汰だったが、まさか呼び出されるとは
思ってなかった。そうならそうと口で言えば良いのに、面倒な奴だ。
そうこう考えている間に、三号車に到着した。端から数えて、六つめの扉。
「おい、ハナク――…」
扉の先には、見知らぬ女性がベットに腰掛けていた。細身の黄味がかった緑色のドレス。
髪は高く結い上げられている。
驚いて、急ぎドアを閉める。
「ごっ、ごめんなさいっ! 間違えましたぁっ!!」
――…何だ何だ? 何が起こってるんだ?
もう一度確認する。『306』……場所は会ってる。
だとしたら、間違えているのは中の女性だ。安堵と共に、再びドアノブをひねった。
「ちょっと失礼! あんたまち――…ッうがっ!」
ご丁寧にも鉄拳が迎えてくれた。額を強かに殴打する。
腕を掴まれ、中に引っ張り込まれた。
「馬鹿モモ! 私よ」
ぱたりと後ろ手にドアを閉めると、萌黄色のイブニングドレスがふわりと翻った。こちら
を睨みつけているのは、確かにハナだ。
「〜〜ッ、何すんだてめ――…」
言い終わるまでに、また殴られた。ったく、何だってんだ。
「あんたって……どこまでも失礼な男ね」
「分かるかっ! 紛らわしい恰好してんじゃねえ!!」
「私だって、何時もあの服って訳じゃないわよ!」
「じゃあ何で今日に限って服が違って、俺が殴られるんだよ!」
「そ、れは」
ハナが急に威勢を失い、言の歯切れが悪くなった。目を逸らした彼女を見て、直ぐにピン
と来た。
「ははァん、『俺が』来るからか?」
「違…! ば、馬鹿モモッ! 自惚れないでよッ!」
「そんなら、まあまあ可愛いげがあるな」
「黙、んっ――…」
口を塞いで、言葉を遮った。五月蝿いハナは黙らせてしまうに限る。
舌を差し入れ、口内を遠慮なく蹂躙する。より密着しようと、腰に手を回して抱き寄せた。
「ん……む、はぁっ…はぁっ」
もう吐息が艶めいてきた。
「…よっぽど、溜まってんだな」
「あ、あんたもね」
――……分かってんじゃねーか
キスだけで反応してるのは奴だけじゃない。
人差し指で、鎖骨をなぞった。
「ボタンは」
「背中」
胸にぱたりと倒れ込んできた。ハナの右の手の平が肩に掛かる。
俯いた彼女の後れ毛が妙になまめかしい。
両手を首の後ろに回して、ひとつひとつボタンを外していった。
その間、ハナは胸の中で小さく縮こまり、大人しくしていた。
抱き寄せた時に感じた良い匂いが強くなり、絶えず本能を刺激してやまない。早く食いた
くて堪らなくなる。
全部のボタンを外し終わり、ハナの肩を絹が滑った。
豊満な膨らみが露わになる。下着は何も着けていなかった。
「ヤる気満々じゃねえか」
「……五月蝿いわね」
自分で髪留めを外すと、髪が肩に零れ落ちる。ハナは自嘲気味に笑った。
「どうせ…脱いじゃうのよね。本当、馬鹿みた――…きゃ」
脚と背中を掬い上げ、乱暴にベットの上に落とした。
ベットに膝を立てて乗り掛かると、ぎしりと軋んだ。ハナの顔に影が落ちる。瞳に映って
いるのは自分だけだ。
目をあわせたのは一瞬だけで、すぐに喉笛に噛り付いた。
「や……速いよ」
「着たままがいいんだろ…」
「そんなんじゃ……ん…、ぁ…」
白無垢の肌と香りを楽しみながら、一方で柔かい胸の感触を味わう。
「く、ん…んっ、はあっ……」
「我慢すんなよ、声」
「嫌よ……ひゃっ」
勃った中心の頂を舌の上に乗せた。つまびく。転がす。その度に微かな喘ぎ声が漏れた。
布の中に手を入れると、くちゅり、と音がした。下も何も穿いていない。
「ああっ……」
ハナは額に手を当て、嘆息した。
「濡れてんな……お前マジでいやらしいな」
「んっ、…変態に…言われたく……あっく、あんっ」
出し入れする度に蜜腔から液が溢れ、ひくひくと物欲しげに収縮する。
本音はこんな物だ。素直じゃない上、口が悪いったらない。何時もの事だが。
ふと、ハナの手の平が頬を包んだ。囁かれる声。
「ん、モモ……足りない…」
掻き混ぜる手を止め、ハナを抱き起こした。胡座をかき、その上にハナを乗せる。
言われずとも、猛った自身はとうに我慢が効かないところまで来ていた。
腰のベルトに手をかけた。取り出したそれは、ぐいと天に向かってそそり立っていた。
「いいか?」
形式的な確認する。ハナはそっと口づけて、返事の代わりにした。
モモタロスは自分の欲望を、熟れた花唇に宛がった。そのままズブズブと分け入って行く。
接合部はドレスに隠れて見えないが、それがいっそう性感を煽った。
「やぁ……あぁっ……!」
「く……すげ」
腕をぎゅうっと握られる。
ハナの中は淫らにうごめいていて、捕らえて離さない。気を抜けば達してしまいそうだ。
二人は息荒く、視線を絡ませた。
それを合図に、震える腰を支え、抽送を開始する。小さな体が跳ねた。
「ん……あっ、あぁん」
肩に半分外れた袖がかかり、乳輪が見え隠れする。ドレスはまだ腰に巻かれたままで、そ
れがまた酷く淫猥に見えた。
「ひぁん……んんっ、脱がせてよ…染みに……んっ、なっちゃ…あっ」
ハナの方だって、微かに腰が動いている。止めるのは無理だ。
「あんっ、モモっ…あぁ、ん、ひぁん…モモ……ぉッ」
鼻にかかった甘い声が、自分の名を呼ぶ。かつては厭わしかったそれが、今は嬉しい
――…人の事言えねーな…俺
もう、少女にどっぷり溺れている。好きだ。愛してる。もっと欲しい。もっと、もっと。
心の髄まで惚れ込んだ女だ。誰にも渡すものか。
言葉にできない衝動を、体にぶつけた。ハナが奥を突く度、切なく締め付ける。
甘い声、響く水音。ぐじゅり、ぐじゅり。
モモタロスはそれすら聞こえず、快楽に任せて、ひたすら体を貪った。
「ああッ、モモぉ!」
「く…ハナ…!」
ハナの体がわななき、一際大きく収縮する。モモタロスも煮えたぎった液を吐き出した。
長い長い絶頂が二人を包んだ。
「……っは」
白濁にまみれた自身を抜き、ハナを横たえさせた。自分も横になる。暑い。
口の端に笑みが浮かぶ。彼女を征服した満足感でいっぱいだった。
――…俺、愛の為に死ねるかもしれねー
『お医者様でも草津の湯でも』と言うが、馬鹿は死なないと治らないんだから、いっそう
性質が悪い。
ハナの方を見ると、苦しそうに胸が上下している。流石に心配になり、手を差し延べた。
「ハナ、大丈夫か――…」
彼女の腕が円弧を描き、もの凄いスピードで首に直撃した。
「ぐふっ!!」
完全に不意を突かれた。伸ばした手は宙を掴み、体ごとベットに沈んだ。
「くぅッ…痛ェぞコラ!」
「馬鹿モモッ! ちょっとは加減を知りなさい!!」
ハナはむくりと起き上がり、服を脱ぎ捨て――…モモタロスを押し倒した。
肩に体重をぐい、とかけられて、無理矢理押さえ付けられる。直後の力の抜けた体には容
易な事だった。頭の回らぬまま、ぼんやり考える。
――…なんで、コイツはこんな元気なんだ?
「あァ? 何だ、これは」
「…あんたばっか余裕そうでムカつく」
「はぁ? そりゃまた理不尽な理由だな、オイ。てか答えになってねぇ」
――…俺の何処が余裕そうに見えるんだか
無視して起きようとすると、胸に人差し指を銃口の形にして突き付けられた。たちまちホ
ールドアップ。だから何なんだ、これは。
「次動いたら殴るから」
「おい…」
立場を取られて不満げな声を漏らしたが、ハナはちっとも聞いちゃいない。
萎んだモノは少し弄られるだけで、たちまち回復した。現金なものだ。
ハナは腰を浮かし、そうっと跨がった。亀頭の先端がとろける蜜壷の中に誘い込まれる。
くぷり、飲み込まれると同時に、ハナの喉が反り返る。
「はぁん…」
官能にうち震え、艶やかな瞼を閉じる。荒々しい息や、上気した頬。ハナの赤く染まった
身体はしっとりと汗ばんで、濡れた唇は少し開いている。
他の奴らが、こんな淫らな表情を見る事はない。それだけで、再び燃え上がるには十分だ。
「ん、全部…入った」
とくん、とくん。ハナの鼓動を感じる。少し狭苦しい。きゅ…と緩く攻めたてられる。
「動くよ…」
ハナは体を腹に擦りつける様に動き始めた。単なる上下運動よりも、ずっと複雑な動きを
している。狭い膣の中のいろいろな所にぶつかって、擦れて。緩慢な動きに合わせた快感
がゆるゆるやって来る。
ハナは足の指をぎゅっと丸め、嬌声を上げた。
「んっ…あぁんっ、きもち……んっ」
結合部からは花弁が押し広げられ、白い胸が揺れる。非常に良い眺めだ。ドクンと胸が高
鳴り、何かが込み上げてくるのを感じた。
「あっ……ふ…まだ固くなるの…? あんっ」
ハナの律動が早くなる。しかし、フルスロットルまでにはまだ足りない。堪らず、モモタ
ロスは声を上げた。
「ああ、クソッ! 焦れってえ!!」
「え――…? や、ちょっと…待っ、やあぁあっ」
ガバリと起き上がり、繋がったまま逆にハナを押し倒した。
片足を高く持ち上げ、肩に乗せた。膝立ちになると垂直に刺さり、結合がグッと深くなる。
腰を持ち上げ、傾斜しつつ、何度も敏感な部分を穿った。技巧も何も無い。
「ひゃあん! ああぁん! ああぁッ!!」
互いの陰部を擦り合わせ、奥へ奥へと捻り込んだ。ねだる様に、長い脚が腰に絡んでくる。
二度目は高まるスピードが桁違いに速い。
「あぁっ…も、う駄目……イっちゃ…」
ククッと痙攣したかと思うと、急激な刺激に襲われる。
「ああぁああぁっ!」
ハナの叫び声が遠くで聞こえ、二人は同時に果てた。
「――…最ッ低!!」
拳が腹に当たったが、ちっとも痛くない。
それが相当悔しかった様で、何度も拳を振り上げる。
「ばか馬鹿ばか馬鹿モモタロス!」
なおも攻撃してこようとする腕を掴んだ。引き寄せ、抱きしめる。ふわり、馨しい香りが
包んだ。それだけで、もうどうでもよくなる。
「わーったよ、馬鹿で良い」
「……もうっ」
ハナは行き場の無い怒りを上手く発散できない、複雑な表情をしていた。言った本人も苦
笑する。
「馬鹿モモ……」
呟いて、ハナは目を固く閉じた。ふて寝をしているようだ。
縮こまるハナに毛布を掛けてやる。髪をくしゃくしゃと鳥の巣にしたら、迷惑そうに身を
よじった。
色々と放り出して来ている。ぼちぼち行かないといけない。
部屋を後にしようと、そろそろと起き上がったら、腕を捕まえられた。
「…おい、ハナ」
「……」
「帰れねーだろが」
「……」
――…参ったな…
モモタロスは少し大袈裟に溜め息をついた。
すると、注意してないと気付かない様な大きさで、ぼそりと声がした。
「………帰らなくて、いいよ」
――…な? コイツ『が』惚れてんだぜ、俺に。
最初っから、後手はこっちなんだ。また自惚れだの何だのと叱られるから、言わないが。
この現状だって不可抗力だ。こんな風に頼まれたら、誰だって断れはしない。
「しゃーねーなァ」
憤る振りをしながら、隣の彼女の寝顔と並んだ。すうすうと可愛い寝息が聞こえる。
――…あーあ、幸せそうな面しやがって
第一印象は強烈だった。出会いが既に事故の様な物だ。半紙の上にぼたりと落とされた墨。
しまったと思っても、もう遅い。黒い染みはじわじわ広がり、深く心に跡を残して行く。
ハナの瞼に雫がついている。生理的な物だろうが、放っておくには忍びなく、起こさぬ様
にそうっと拭った。
――…今まで、コイツに何度殴られたんだっけか。
今日だけで三度と…沢山。飲んだコーヒーの数を数えていない様に、余りにも日常的な習
慣になりつつある。
ハナを見て思うのは、女というのは実の所、物凄く強い生き物だという事だ。
強く、美しく、逞しく。たった一人で何処でも生きていける。米粒ひとつで七日生きる鼠
の如き生命力。男には真似出来ない事を平気でやってしまう。
それに、弱者だと舐めてかかると、とてつもなく痛い目に会う。奴らは平時でもお構いな
しに猫に噛み付くからだ。
そんな時、男は殴られても、決して殴り返してはいけない。男は耐えるべきだ。耐えて耐
えて、ひたすら耐えて。それで――…
――…殴られた分だけ、愛してやるのが男ってもんだ。
まあ奴の場合、かなり特殊なケースだが。
当の彼女は何もしらず、夢のなか。モモタロスは一人ほくそ笑み、口の中で呟いた。
「…起きたら覚えとけよ、この野郎」
――…積もり積もった分、いつか耳を揃えて返してやらァ
GJGJ(^^)!!!!
ゴチソウサマデシタw
超GJvvvvv
職人さんgjgj!
そして>838グッジョ!!
GJです!
普段がやられキャラというかいじられキャラなだけに、
モモがオットコマエだと何か目から熱い汁が出そうになったわw
いつの間にか立派になりやがって・・・!!!みたいなwww
デレなハナさんってのも新鮮でカワユス
またの投下お待ちしてます!ご馳走様でした!!!
SS投下します。
激しく片想い気味のウラ×ナオミ、というか、ウラ+ナオミ。
エロなしです。お気が向かれたらどうぞ。
りん、ちりん、しゃん……。
ナオミが歩く度に、澄んだやさしい音がする。
「ナオミちゃん、いい音させてるね」
ウラタロスが声を掛けると、ナオミは嬉しそうに振り返った。
「えへへー、気づいてくれました?」
ちりんと涼しげな音を立てながら、いそいそとウラタロスの座席へ寄って来る。
ナオミはウラタロスの前に立つと、腰に結わえ付けた組紐をひょいと持ち上げた。
「じゃーん。鈴でーす」
お披露目された音の正体は二つの鈴。
薄桃色と淡い橙色をした鈴が、それぞれ同じ色の紐に連なり仲良く揺れる。
よく見れば、鈴には桜と紅葉の絵が描かれていた。
「へぇ、可愛いね。どうしたの?」
「良太郎ちゃんに貰ったんです」
「……良太郎に?」
ウラタロスは顔を上げてナオミを見つめた。
胸のどこかがかすかにざわつく。
真面目と言うよりは融通の利かない堅物タイプの良太郎が、意味もなく女性に贈り物をするとは考え難い。
だとしたらこの鈴の持つ意味は。
ああ、マズイ。
胸の内にどす黒いもやもやが広がって、口の中がなんだか妙に苦くなる。
「どうしたの? ウラちゃん、変なカオ」
ナオミが心配そうにウラタロスの顔を覗き込んだ。
りん、とまた鈴が鳴る。
「え、……あ」
はっと我に返ったウラタロスは、乱れ掛けた自分の感情をポーカーフェイスの下に素早く隠した。
「いや、ちょっと驚いちゃってさ。あの良太郎が自分から女性にプレゼントを贈るなんてね。
奥手だとばかり思ってたけど、これじゃ僕のレクチャーも必要ないな」
「やぁだ、ウラちゃんってば!」
ナオミが噴き出す。
「そんなんじゃ全然ないですよぅ」
「え?」
ころころと笑いながらナオミが語った事の真相はこうだ。
デンライナーに乗り込んできた良太郎が下げていたコンビニの袋の中に、オマケのついたペットボトルが入っていた。
それを目ざとく見つけたナオミが可愛いと騒いだら、じゃああげる、と気前よく分けてくれたのだという。
「……なんだ」
拍子抜けしたウラタロスは座席の背もたれにどっかりと背中を預けた。
確かに、可愛らしい鈴など男が持っていても扱いに困るだけだし、欲しがる相手がいれば渡してしまうというのは、
お人好しの良太郎の行動として充分に理解できるものだ。
冷静に考えればすぐに見当がつく話なのに、早とちりしてしまった自分が恥ずかしい。
照れ隠しにいつもの癖で爪をいじってみたりするが、当のナオミはウラタロスの動揺など気づきもしないだろう。
「……ナオミちゃんはさ」
「はい?」
「良太郎にそれ貰ったのがそんなに嬉しい?」
そうやって身につけたり、はしゃいでみせびらかしたりするぐらい、ナオミには嬉しい出来事だったのだろうか。
そして、その心の意味するところは。
「それはもう、すっご〜〜く!」
ナオミが満面の笑みで頷いた。
無邪気な笑顔に、心が軋んで悲鳴を上げそうになる。
けれど、続く言葉はウラタロスの予想からかけ離れたものだった。
「だって、いいなーって言ったら、良太郎ちゃん、すぐにくれたの。私、欲しいって言わなかったのに。
そういう、やさしい気持ちが嬉しかったんです」
「……気持ち」
ウラタロスは呟く。
「良太郎ちゃんがいらなかっただけかもしれないけど、誰かにやさしくして貰うのは嬉しいでしょ?
ウラちゃんはそういうの、嬉しくない?」
「僕は……」
問われて、ウラタロスは言い淀んだ。
ナオミが喜ぶ気持ちは、ウラタロスが勘ぐるような類のものでは全くなかったようだ。
ほっとした筈なのに、気分は酷く惨めだった。
純粋なナオミの心に対して、自分の心のなんと卑しく、醜いことか。
「……ごめん、よく判らないや」
同意を求めるナオミに対して、こんなそっけないことしか言えない。
嘘ならいくらでも綺麗な言葉が言えるのに、本当のことを言おうとすれば、どうしてそれは冷たく聴こえるのだろう。
「ふーん、そっか。……ね、ウラちゃん」
ナオミがテーブルに両手をつき、顔を突き出してウラタロスを睨んだ。
「なにかな? ナオミちゃん」
怒らせてしまっても仕方がない、とウラタロスは真正面からナオミの視線を受け止める。
「もしかして、私のこと、馬鹿だと思ってるでょう」
「へ?」
「オマケで大喜びして、子供みたいとか」
「思ってないよ! そんなこと、全然考えたこともないって!」
ウラタロスは否定の意味を込めてぶんぶんと手を振る。
「だったらいいでーす」
ナオミはあっさりと、いつもの笑顔に戻った。
そして、
「ありがとうね、ウラちゃん」
今度はいきなりお礼を言われてウラタロスは首を傾げる。
ナオミの思考回路は時々幾つもの停車駅を飛ばしてしまうようで、各駅列車に乗っているつもりでいると
追いかけるのが結構大変だ。
「僕が何かしたっけ?」
「これ、気がついてくれたから。ずっとうろうろしてたのに、誰も何も言ってくれないんだよ」
「はは……」
ウラタロスは苦笑した。
さっきから用事もなさそうなのに、ナオミが通路を行ったり来たりしていたのはその所為か。
「ウラちゃんが気がついてくれて、すごく嬉しい」
へへ、とはにかむナオミに、胸のもやもやがすごすごと退散していく。
――ちょっと、正直過ぎだろ、僕……。
ウラタロスはテーブルの上に突っ伏すると、両腕で頭を抱え込んだ。
「ウラちゃん? 頭でも痛いの?」
「……ナオミちゃん」
ウラタロスは腕の隙間からナオミを見上げる。
「さっきの、訂正するよ。……やっぱり、ちょっと嬉しいかもしれない」
ナオミは一瞬きょとんとして、それから勝ち誇ったように笑った。
「でしょう〜」
子供のようなオーバーアクションでVサインを出す。
「じゃあ、もっと嬉しくしてあげる」
ナオミはそう言って腰の鈴を一つ取ると、両手に乗せてウラタロスに差し出した。
「はい! ウラちゃんにおすそ分け〜」
「え、いいよ。気に入ってるんでしょ?」
「一つあるからいいの。それにね、鈴って、厄除けになるんですって。この音で悪いものを追っ払うの。
だからウラちゃんもお守りに、ね?」
「へぇ……って、でも、どっちかと言うと、僕達は払われる側のような気がするんだけど」
本来の使命をすっかり放棄しているとは言え、時の運行を乱すイマジンは人間にとって充分、
災厄と呼べる存在ではないだろうか。
「もーう、細かいことは気にしないの!」
ぷーっと頬を膨らませ、ナオミは強引に鈴をウラタロスに押し付ける。
ウラタロスは受け取った鈴をまじまじと見つめた。
どうしよう、本当に嬉しい、かもしれない。
良太郎と同様、ナオミにも深い意図はありもしないのに。
それが判るから、ウラタロスもなんでもないことのように、愛想の良い笑みをナオミに返した。
「ありがとう。大事にするよ」
「はーい。どういたしまして」
ナオミは満足げに笑い、残った鈴を鳴らしながら元気にカウンターへ戻っていく。
足取りも軽い後姿を見送り、ウラタロスは紐の輪を摘み上げると、目の高さに掲げた鈴をちりんと鳴らしてみた。
この音色が本当に厄除けになると言うのなら、払って欲しいとぼんやり思う。
自分の中に巣食うみっともない嫉妬だとか、募るばかりの恋情と言うこの厄介な感情を。
――了
久々のウラナオに悶えた!
超GJw
>>845 うは、ほのぼのなのに最後ちょっと泣けた。
超GJ!
847 :
846:2007/06/14(木) 21:56:31 ID:5YcA2rsH
レスアンカー間違えた…orz
>>841 GJ!!萌えたよー!
うちにも同じ鈴があったから
手元に置いてニヤニヤしてる。
>>841 GJGJ!2人とも凄くカワイイ!
ウラの気持ちにナオミが気づく日は来るのかw
がんばれ釣り師w
さりげない日常の中での心の触れ合い、それを描ける素晴らしい職人・・
GJ!感動しました。
>568さんのシチュを拝借して、R良太郎×ハナです。
イマジン体じゃないし、リュウタロスがあまり可愛く書けませんでした。
568さんごめんなさい。
エロなしですが、よかったらどうぞ。
やさしい木目の扉には、『準備中』のプレートが掛かっていた。
愛理のコーヒーが飲みたくてミルクディッパーを訪れたハナは、閉ざされた扉の
前で暫し佇む。
良太郎が手伝っているとは言え、実質的には愛理が一人で切り盛りしている小さな
店だから、店主の都合で店を開けられないことがあるのも無理はない。
――連絡してから来れば良かったな。
ハナはそっとため息をつく。
定休日ではないし、休業の張り紙も見当たらないから営業の予定ではあるのだろう。
どこかで時間を潰してもう一度来てみようと、ハナが踵を返したその時。
「あれー。ハナちゃんだ」
人懐っこい声がハナを呼ぶ。
「アンタ……っ」
左手で帽子を押さえ、軽やかにステップを踏みながら現れた良太郎を、ハナはきっと
睨みつけた。
紫の瞳に同じ色のメッシュ、子供っぽいというよりは子供のそのものの笑顔には、
純粋さと共に幼い狂気が見え隠れする。
それは良太郎にリュウタロスが憑依した時に現れる特徴だった。
「リュウタ! また勝手に良太郎の身体使って……。離れなさい! 今すぐ!!」
ハナは眼光も鋭くリュウタロスに詰め寄るが、相手はハナの怒りを全く理解しない。
「やーだよ」
リュウタロスはぺろりと舌を出し、掴みかかるハナの手からするりと身をかわす。
「リュウタロス!」
「ねぇ、ハナちゃん、見て見て」
リュウタロスが、ずっとジャケットの懐に突っ込んだままだった手をぱっと取り出した。
その手のひらの上で白い仔猫がみゃーと鳴く。
「可愛いでしょ? さっき友達になったんだ」
リュウタロスは意外にも繊細な手つきで仔猫を撫でながら、
「この子、飼ってもいいよね? 答えは」
「聞きなさい」
ハナはリュウタロスの口癖をぴしゃりと遮る。
「猫を飼うのは駄目よ。アンタにちゃんと世話が出来るわけないでしょ」
「出来るよ。僕たちオトモダチだもん」
「駄目ったら駄目。ミルクディッパーもデンライナーの食堂車も食べ物を扱う場所だから、
動物は飼えないの」
「ケチー!」
リュウタロスは不満一杯に口唇を尖らせた。
「ハナちゃんのばーか、ぶーす、でべそー。ハナクソ女ー」
最初の三つは語彙に乏しい子供の罵り言葉と聞き流したハナだが、最後の一言に
こめかみがぴくりと引き攣る。
子供は周りの言葉を聞いて覚えるものだ。中でも特に口汚い言葉を好んで使いたがる。
リュウタロスにろくでもない言葉を伝染させたモモタロスには、帰ってから制裁を
加えるとして、今は目の前のリュウタロスを説得するのが先だ。
「リュウタ。猫を飼いたいなんて言ったら、愛理さんだって困るわよ」
「……お姉ちゃん」
愛理の名の威力は大したもので、リュウタロスの顔がにわかに曇った。
みゃー。
仔猫がもぞりと身じろぎする。
「あ、駄目だよ」
リュウタロスが猫を抱き直そうとすると、猫は暴れてリュウタロスの手を思い切り
引っかいた。
「いたっ」
「リュウタ!」
リュウタロスの手から飛び降りた猫は、そのまま勢いよく駆け出して何処かへ
行ってしまう。
「リュウタ、大丈夫?」
「ねこ〜〜。いたいーー」
リュウタロスの右手の甲に、赤い糸が二本引かれていた。
細い爪でつけられた傷は長く、少し深い。
引っ掛き傷の肉体的痛みと、お友達がいなくなってしまった精神的ショックとで、
リュウタロスはぴーぴーと涙ぐんだ。
「男の子でしょ。泣かないの! ……もう、しょうがないわね」
ハナは腰に手を当ててため息をつく。
中身はリュウタロスでも、外見は良太郎だ。
十八の青年が往来で泣く姿は通りすがりの他人に見せたいものではない。
「手当てするからいらっしゃい。お店の鍵、良太郎が持ってるでしょ?」
「……うん」
ぐすぐすと鼻をすすりながら、リュウタロスはポケットを探った。
良太郎が持っていた鍵でミルクディッパーに入ると、ハナはテーブル席の隅に
リュウタロスを座らせた。
良太郎の我が家も同然の場所なのに、自分が主導権を握っているのが妙な気分だ。
ハナはいつも持ち歩いている携帯用の救急セットをテーブルの上に置いた。
元々絆創膏などはバッグに入れていたのだが、良太郎と行動を共にするように
なってからはそれでは追いつかずに一式揃えたものだ。
当然、ハナが自分で使うよりも、良太郎の手当ての為に活躍する機会の方が格段に多い。
「ちょっと染みるけど、我慢しなさいよ」
ハナはリュウタロスの手を取った。
リュウタロスの手首を下から握り、空いた手でスプレータイプの消毒液を拭きつける。
「痛い!」
リュウタロスは反射的に手を引こうとしたが、ハナは掴んだ手首を離さない。
「じっとしてなさい! 自分の所為でしょ。……まったく、後で痛い思いするのは
良太郎なのよ」
「だって、猫、可愛かったんだもん」
「はいはい」
口では冷たくあしらいながらも、その後のハナの手当てはやさしいものだった。
なるべく痛みを与えないよう、慎重に薬を塗り、ガーゼを乗せ、端をテープで留める。
リュウタロスは一連の作業を食い入るようにじっと見ていた。
その口許が嬉しそうにほころぶ。
「これでよし、と。どう? 少しは痛いの、マシになった?」
「ふふーん」
「何よ」
「ハナちゃん、意外とやさしいね」
「意外と、は余計よ。それに良太郎の為なんだから。判ってるの?」
「ねー、ハナちゃん」
リュウタロスが首を傾げてハナの顔を覗き込む。
「キスしてもいい?」
「え……」
後片付けをしていたハナは、息も掛かるほど間近に迫ったリュウタロスの――良太郎の
顔に気づくと、慌てて後ろへ下がろうとした。
リュウタロスがあどけなく笑う。
「答えは聞いてないけど」
「ちょっ」
駄目だと制止する間も避ける余裕もなかった。
思わずぎゅっと目を閉じたハナの口唇に、あたたかい別の口唇が触れて、そしてすぐに
離れる。
――え?
次に何をされるかと身構えたハナだったが、そのまま何も起きそうにない気配に、恐る恐る
目を開けた。
リュウタロスはにこにことご機嫌で笑っている。
「えへ。しちゃった」
「……しちゃった、って……」
ハナは戸惑い、呆然とリュウタロスを見返した。
悪戯が成功してご満悦といったリュウタロスから、これ以上何かを仕掛けてくる様子は
見受けられない。
キスと聞いて、なんだか物凄く酷いことをされるのではないかと緊張していた躯から、
すとんと力が抜ける。
リュウタロスへの警戒心から、自分の想像が先走ってしまったことを恥ずかしく思い
ながらも、ハナはほっと胸を撫で下ろした。
――リュウタって、本当にまだ子供なんだ。
キスという行為は知っていても、その本当の意味までは理解していない。
ハナは、リュウタロスにその手の知識がないことを心の底から感謝した。
心を伴わず、ただ口唇が触れただけのそれは、ハナにとってキスと呼べるものではなく、
よって精神的ダメージも皆無に等しい。
だからと言ってリュウタロスのしたことを見逃すわけには断じて行かず、ハナは憤然と
立ち上がった。
このまま放置しておけば、いずれ迷惑を被るのは良太郎だ。
「しちゃった、じゃないわよ! 何考えてるの、このませガキ!」
「なんで怒るの? 僕、悪いことなんか何もしてないよ」
罪の意識などまるでなく、きょとんとハナを見上げてくるリュウタロスの鼻先にずいっと
指先を突きつける。
「いい? キスって言うのはね、好きな人とするものなの。いい加減な気持ちで誰とでも
しちゃ駄目なの!」
「なんだ、そんなこと。大丈夫だよ。僕、ちゃんとハナちゃんのこと好きだもん」
「ウラタロスみたいなこと言うんじゃないわよ!」
何かと甘い言葉で誤魔化したがるナンパイマジンへの怒りも混ざって、ハナは
リュウタロスを怒鳴りつけた。
女性関係でトラブルを引き起こすイマジンなど一人で充分だ。
デンライナーに戻ったら、モモタロス共々ウラタロスもみっちり絞ってやると決意する。
とんだとばっちりだが、二人は今頃妙な悪寒に襲われているかもしれない。
「アンタが好きでも、相手はどうか判らないでしょ。相手の気持ちを無視したキスなんて
ただの暴力よ。人の心を踏みにじる最低の行為なの。だからもう二度とこんなこと
しちゃ駄目! 判った!?」
「ん〜」
リュウタロスは面倒臭そうにだらだらと躯を揺すった。
「僕、むずかしい話判んない〜」
駄々っ子を見下ろし、ハナは冷ややかに目を細める。
「そう。判らないの。言って判らないんだったら、力ずくで行くけどいいわね?」
言い終わるやいなや、握り締めた拳を頭の上まで振り上げた。
「え」
「答えは聞いてないけど!」
ぱっと顔を上げたリュウタロスに向かって、ハナの拳が勢いよく空を割く。
「うわっ!」
リュウタロスは頭を抱えて身を伏せた。
ハナの拳は、黒い頭を殴る寸前で止まる。
瞬時にして帽子が消え、紫の髪も元の色に戻っていた。
「……逃げ足だけは早いんだから」
見事に寸止めを決めたハナが、忌々しげに呟く。
とは言え、良太郎の躯を傷つけるつもりは最初からなかったから、リュウタロスが脅しを
真に受けてくれて助かった。
良太郎の奥深くに潜り込んだか、デンライナーへ飛んだか。どちらにせよ、暫くは
大人しくしてくれればいいのだが。
ハナは、テーブルに伏したまま動かない良太郎の肩にそっと手を掛ける。
「良太郎。起きて」
軽く揺すると、良太郎がのろのろと顔を上げた。
「……あれ? ハナさん?」
「気分、どう? さっきまでリュウタロスに乗っ取られてたのよ」
「また……」
良太郎は困ったように眉を下げる。
この様子だと、リュウタロスが憑依していた間、良太郎は完全に意識を失っていたようだ。
――良太郎が何も知らなくて良かった。
ハナは安堵する。
リュウタロスのしたことで、良太郎に余計な気を使わせるのは彼女の本意ではない。
「ハナさん。リュウタロス……何か、ハナさんに迷惑掛けることしなかった……?」
良太郎が不安げに訊ねる。
ハナは良太郎にだけ見せる、包み込むようなやさしい笑顔で答えた。
「大丈夫。良太郎が心配することなんて、何もないから」
そう、何もない。
――あんなの、ちょっと口唇がぶつかっただけだもの。
あれは、気にする必要もない些細な出来事。
リュウタロスもすぐに忘れてしまうだろう。
そうやって二人して忘れてしまえば、それは何もなかったことと同じになる。
それでも、あのほんの一瞬の、自分のものではない口唇の感触は、まだ残っているような
気がした。
キスしてもいい?
そう訊ねた、無邪気な笑顔と共に。
――了
やった!リアルタイム遭遇!リュウタもぬこもかわいいよ( ゚∀゚)GJ!
それにしても、みんなハナやイマジンの性格すげーつかんでるなぁ。
シーンが目に浮かぶようだよ。
「いたい〜〜〜」とベソをかくR良太郎を想像して
激しく萌えてしまったじゃないか!GJ!!
860 :
名無しさん@ピンキー:2007/06/23(土) 18:07:15 ID:HjKvZHYw
あげ
861 :
568:2007/06/23(土) 19:35:34 ID:O8tcbO+g
>>851 遅ればせながら
>>851さま有難うございます!!
萌えに任せてカキコしたひとことをこんなにも素敵なSSしていただけて本当に幸せです
>>851さまには私からありったけのGJ!と感謝をさせて頂きます
リュウ可愛いよリュウ!!