【バタコも】●アンパンマン●【ドキンも】2食目

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1名無しさん@ピンキー
アンパンマンでハァハァできますか?
擬人化もOK!!

バタコ×おにぎり希ボンヌ。


前スレ:【アンパーンチ】●アンパンマン●【バイバイキーン】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1076472184/
2名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 00:53:12 ID:0kRibxqY
2パン
3名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 06:52:59 ID:YETdWO2/
やっべ落ちる落ちるほしゅ
4名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 14:56:33 ID:2gKq8+je
保守
5名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 15:30:31 ID:APsQYrW/
即死回避。
6名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 03:49:16 ID:AGyjrTr5
こっちにかきこむつもりで まえすれにごばくしたよ!
7名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 14:41:42 ID:Blle+8D/
まさか次スレ立つとは…
保守

イメージ、アンは鬼畜でバイキンは純情だなぁ
ショクはさわやかドSって感じ
8名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 22:30:01 ID:FFdv8Qbw
さわやかドS(w
かっけぇ。
9名無しさん@ピンキー:2006/08/14(月) 22:38:13 ID:mnxTmcUU
そんでもってカレーは童貞、据え膳もドギマギして喰えない
ジャムは口調は優しいけど変態
10名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 01:02:52 ID:BnrtQbLu
どうも女キャラ少ないせいか、女体化が多くなるね
11名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 04:28:33 ID:oAeBmYjT
ていうかドキンちゃん

バイキンだろうが誰相手だろうが構わん!!
前スレのパンナ×ドキンは萌えた
12名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 22:11:52 ID:+R4iyDqm
保守
13名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 15:24:55 ID:XLSDxogM
カレーって童貞で、年上好きになりそうだよな
14名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 05:15:21 ID:tCTAUaRq
ショクパンマン、その爽やかな笑顔とドSなプレイで世界中の女を虜にしてほしい。
ミミコ先生とか
15名無しさん@ピンキー:2006/08/19(土) 12:56:34 ID:fcc4gvPm
ミミコ先生はもう雌奴隷じゃん
パンの配達と引き換えにあんな事やこんな事を…
16名無しさん@ピンキー:2006/08/25(金) 08:01:55 ID:kxTLQPnE
age
17名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 00:18:30 ID:62PebAg9
ミミ先生な。
18名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 10:45:45 ID:5libmdnb
ちょっとごめん。
長すぎたかもしれないけど、食パン×ドキンいきます。
19ショクドキ1:2006/09/01(金) 10:47:40 ID:5libmdnb
「バイキンマンのバカァ――ッ!」
バイキン城に怒りの声がこだました。
「もう許さないんだから、バイキンマンなんて大っ嫌い。二度と顔も見たくないわ!」
そういい残して、荒々しく開けたドアから飛び出してきたのは、この家の居候の少女だった。
赤みがかった頭髪と澄んだ緑の瞳が印象的な、幼さの残る顔立ち――。名前をドキンという。
「もうっ!頭にくるんだから。せっかくショクパンマン様のために作ったのにっ」
ドキンは両拳を振り回しながら、粗暴な足どりでバイキン城を後にした。
宙を睨みつけ、未舗装の一本道をひたすら歩いていく。
ドキンが意中の彼にと作ったクッキーを、宿主の男性が無断でたいらげてしまったのだ。
怒りにまかせて歩くうち、野草の生い茂るなだらかな丘にいつしか来ていた。
色とりどりの野の花が、足元で風に揺れている。
ドキンは丘の中腹でしゃがみこみ、白く小さな花のつぼみを指でつついた。
「あーあ、早起きしたのに。ショクパンマン様の喜ぶ顔、見損なっちゃったな……」
うつむいた首筋に、ポツンと冷たい感触が走る。
空を見上げると、暗く厚い雲が空を覆い、天に低く垂れ込めている。
「雨かな。んもう、辛気くさいったら」
そういう間にも、一つ二つと雨だれが頬を濡らした。
ドキンは立ち上がって辺りを見回し、ひとます雨宿りをしようと、丘の向こうの木立ち目指して駆け出した。
見る間に雨足が強まる中、後方でクラクションの鳴る音がした。
振り向いた視線の先に、見間違えようのない白いワゴン車が路上に停車している。
ドキンの顔が明るく輝き、再び鳴らされたクラクションの音に導かれるように、彼女はきびすを返した。
20ショクドキ2:2006/09/01(金) 10:48:39 ID:5libmdnb
近づくと、車体に描かれた「S」の文字がはっきり見えた。
ドキンは息をあげて丘を駆け抜け、開かれた車内に体を滑り込ませた。
「ショクパンマン様!」
ドキンはまっすぐに彼を見つめた。
車内にはパン特有のふくよかな香りが満ちている。
このショクパンマン号は、ドキンが恋焦がれるショクパンマンの食パンの宅配車だ。
ドキンを迎え入れたショクパンマンは、ドアを閉めると、タオルでドキンの頭をぬぐってやった。
「大丈夫ですか?急に降ってきましたもんね」
「ショクパンマン様……」
なんてツイてるんだろう!
ドキンはひとりごちた。
雨に降られたときは周囲の全てを呪ってやりたい気持ちにかられたものだが、
こうしてショクパンマンと二人きりになれるなんて、こんなチャンス滅多になかった。
「すっかり濡れてしまいましたね。一人でどうしたんですか、どこかにお出かけでも?」
「いえ、その……ただの散歩です」
「そうですか。では、バイキン城までお送りしましょう」
「えっ、待って!」
ドキンは慌てた。
「あそこには戻りたくないの」
「どうして?バイキンマンとケンカでもしましたか?」
「ケンカじゃないわ。バイキンマンが一方的に悪いのよ」
21ショクドキ3:2006/09/01(金) 10:49:36 ID:5libmdnb
唇をとがらせるドキンに、ショクパンマンは穏やかな笑みを向けた。
「しかし濡れたままだと風邪をひきますよ。――ではうちにいらっしゃい。
ちょうど配達も終わったところですし、私でよければドキンちゃんの気持ちが落ち着くまで
お付き合いしますよ」
「本当?ショクパンマン様」
ショクパンマンはドキンの首にタオルをかけて言った。
「それで構いませんか?」
「はい!」
ドキンは喜びのあまり叫びだしたくなる気持ちを、ぐっとこらえた。
ショクパンマンの家に招待されるなんて、夢のようだ。
ドキンは運転席に座るショクパンマンの横顔をうっりと眺めた。
先ほどまで胸を占めていたバイキンマンへの怒りなど、とうの昔に消えている。
今はただ、この降って湧いた幸運に酔いしれていたかった。
22ショクドキ4:2006/09/01(金) 10:50:29 ID:5libmdnb
「寒くはないですか?」
ショクパンマンの家に招き入れられたドキンは、手渡された衣類に着替え、ダイニングに腰かけていた。
家の中は白を基調とした家具が並び、居心地よく整頓されていた。
床に埃一つ落ちていないのが、ショクパンマンらしい気がする。
頷くドキンの前に、ショクパンマンは紅茶と砂糖菓子を並べ、テーブルの向かい側に腰かけた。
「どうぞ、温まりますよ」
「ありがとう。いただきます」
そこはかとない気恥ずかしさを感じはしたが、ショクパンマンをいつになく身近に感じ、
ドキンは喜びをかみしめた。
「……おいしい」
熱い液体が喉を流れ、ようやく自分の体が思った以上に冷えきっていたことに気がついた。
「ショクパンマン様はどうしてあそこにいたの?すごい偶然」
「私はリンゴちゃんの家にパンを配達に行った帰りだったんです。そうしたら、
雨の中あなたが一人でいるのを見かけたものだから」
「そう。おかげで助かっちゃった。あの辺何もないんだもの。徒歩で出てきちゃったし、困ってたの」
「どうぞゆっくりしていって下さい。後でちゃんと送り届けますから」
いっそずっとここに二人でいられたらいいのに。
紅茶を飲み干しながら、ドキンは思った。
「ありがとう、ショクパンマン様。おかわり下さい」
23ショクドキ5:2006/09/01(金) 10:51:17 ID:5libmdnb
他愛のない話をするうちに、雨が止み、夕日が空を照らしだした。
窓辺に佇んだショクパンマンは、陽に紅く染まる雲を見上げて言った。
「すっかりあがりましたね。どうしましょう、暗くなる前に戻りますか?
あまり遅くなるとバイキンマンも心配するでしょう」
「でもあたし……」
「まだ気持ちが治まりませんか?」
ドキンは小さく頷いた。
「きっと今頃、バイキンマンも反省していると思いますよ。あまり時間があいてしまうと
仲直りしづらくなるでしょう」
「べつに……仲直りなんてしなくてもいいもの」
「そんな憎まれ口をたたいて。困った人ですね」
ドキンは席を立ち、ショクパンマンの隣に並んで窓枠にもたれかかった。
「まだ、陽が沈んでないわ。空がきれい。せっかく夕日が美しいのに、
ショクパンマン様ったらバイキンマンの話ばっかり。嫌になっちゃう」
24ショクドキ6:2006/09/01(金) 10:52:09 ID:5libmdnb
上目づかいに睨みつけたドキンの瞳と、からかうような色を浮かべたショクパンマンの瞳が、ひたと合った。
「……本当に困ったコだね。帰らないつもり?」
ふいにショクパンマンの口調が変わった。
雰囲気までもがいつもと違う。
「いけない?」
「いけなくないよ。君がいたいだけいればいい」
ショクパンマンの右手が伸びて、ドキンの顎を持ち上げた。
「もちろん……タダってわけにはいかないけど」
ショクパンマンの顔が近づき、ドキンは息をのんだ。
こわばるドキンの少し手前でショクパンマンは動きを止め、指の背でドキンの首筋をそっとなでた。
形のいい唇が笑みを浮かべ、ドキンの耳元にささやいた。
「冗談」
「……え?」
「いいコはおうちに帰りなさい。帰りづらいというんだったら、お土産を持たせてあげる」
体を離し、キッチンへ向かうショクパンマンの背中を目で追いながら、ドキンは口元を押さえた。
顔がほてって、動機が鳴り止まない。
触れることのなかった唇に、かすかな熱を感じた。
25ショクドキ7:2006/09/01(金) 10:52:54 ID:5libmdnb
窓辺で立ちすくむドキンの元に、ショクパンマンがいつもと変わらぬあたりさわりのない笑顔で戻ってきた。
「先ほどリンゴちゃんの家でクッキーをいただいたんですが、食べきれないのでおすそわけです」
「クッキー?」
持っていた包み紙をテーブルに置いて、一つつまんだクッキーを、ショクパンマンはドキンの口の中に放り込んだ。
「はい、味見。よく出来てますよ」
指先が唇をかすめ、普段ならときめきに身を焦がすところだが、このときドキンはそれどころではなかった。
難しい顔で咀嚼し、つぶやいた。
「……おいしい」
「でしょう?リンゴちゃんのお手製なんだそうです。――ドキンちゃん?どうかしましたか」
拳を握りしめたドキンの瞳に、涙があふれた。
「くやしい」
「どうしたんです」
涙を拭おうと伸ばしたショクパンマンの手を、ドキンは払った。
26ショクドキ8:2006/09/01(金) 10:53:41 ID:5libmdnb
「優しくしないで!誰にだって親切にするくせに、他の人にするのと同じように
心配するフリなんてされても、あたしちっとも嬉しくない」
「ドキンちゃん……」
「あたしが作らなくても、ショクパンマン様にはクッキーを焼いてくれる女の子がたくさんいるのよね。
あたしの焼いたクッキーは、ショクパンマン様には食べてもらえなかったのに……
他のコのクッキー食べて、あたしの前で褒めたりしないでよ!」
癇癪をおこすドキンに、ショクパンマンはいたわるように、穏やかな声音で語りかけた。
「ドキンちゃんも私にクッキーを焼いてくださったんですか?」
「バイキンマンが全部食べちゃったわよ」
「それでケンカを?」
「そうよ。だって勝手に食べるんだもの」
「それは私はもったいないことをしましたね。私が食べたいと言ったら、もう一度焼いてくれますか」
「あたしの機嫌なんかとらないでよ。作れないわ。だって、あたしのクッキーより
リンゴちゃんの作ったやつの方がおいしいんだもの」
声をあげて泣き出したドキンの頭を、ショクパンマンはそっと抱き寄せた。
27ショクドキ9:2006/09/01(金) 10:54:40 ID:5libmdnb
「優しくしないでったら!」
「そうはいきませんよ。私のための涙を見過ごすわけにはいきません」
「誰にでもいい顔するくせに」
「いけませんか?」
「よくないわよ。あたしは、だって、他の皆と同じなんてヤなんだから。
優しくしてもらうだけなんて嫌なんだから。なぐさめたりしないで――」
「ねえ、もうそんなふうに泣かないで。どうしていいのかわからなくなります」
「……放っとけばいいじゃない。邪魔な女なら、外に放り出せばいいじゃないの」
「ドキンちゃん、困らせないで……ね?」
ドキンはショクパンマンの服を両手でつかんで、胸に顔をうずめた。
暖かな手が背中をなで、少しずつドキンの感情をなだめてくれた。
やつあたりなのもワガママなのも承知していたが、涙が乾いても怒りに似た衝動は治まらず、
手が届くところにあるこの体を離したくないと感じた。
28ショクドキ10:2006/09/01(金) 10:55:40 ID:5libmdnb
「少しは落ち着きましたか?」
面を上げると、至近距離にショクパンマンの端正な顔だちがあった。
見慣れた顔。
いつも憧れと共に見つめつづけた顔。
それに比べて、自分の泣きはらした顔はきっと見苦しい。
自分の心と同じように。
ドキンはそう思ったが、気持ちの突き上げるままに、かすれた声で訴えた。
「ねえ、あたしこのままここにいたい。ショクパンマン様と一緒にいたいの。
タダじゃなくてもいいから。お願い――」
ショクパンマンは困惑したような表情でドキンを見つめたが、やがて薄い笑みを浮かべて聞いた。
「本当に?」
ドキンは頷いた。
「そう?いいよ、じゃあ今日は泊まってく?」
「……いいの?」
「もちろん。――おいで、客間に案内するよ」
ショクパンマンに手を引かれて、ドキンは奥の一室の扉をくぐった。
29ショクドキ11:2006/09/01(金) 10:57:53 ID:5libmdnb
窓の外は薄暗く、ベッドとテーブルしかない部屋。
扉を閉めるなり、ショクパンマンはドキンの体を壁に押しつけ、ドキンがはおっていた
ジップアップのパーカーのファスナーを一気に下ろした。
「わっ」
慌てるドキンの動きを左手で押さえこみ、反対の手で器用に脱がせる。
「ちょっとあの、ショクパンマン様……」
「黙って」
ショクパンマンは低くささやき、ドキンの肩に口づけた。
体が震え、ドキンは思わず目を閉じた。
初めて感じる唇の感触に、全身がカッと燃え上がり、四肢がこわばる。
動きを止めたドキンの背を、ショクパンマンの指が伝った。
同時にするりと、裾をたくし上げてはいていた薄手のパンツも下まで下ろされ、
下着姿になったドキンは、ショクパンマンの腕の中に抱きすくめられた。
ショクパンマンの指先が、背中から胸の中心に移動した。
「これもはずしていい?」
フロントホックブラの留め具をもてあそびながら、ショクパンマンはにっこり笑ってドキンに訊いた。
「あっ、待って」
「何を待つの?」
ドキンが手でさえぎろうとするより速く、ショクパンマンは留め具を上下にスライドさせてはずした。
30ショクドキ12:2006/09/01(金) 10:58:32 ID:5libmdnb
「ひゃっ」
ドキンの制止もむなしくあらわになった胸元に、ショクパンマンの舌が這った。
「や。あの、ショクパンマン様、お願い待って」
ショクパンマンはドキンの訴えを無視して、腰から上を手のひらで包み込むようになでまわした。
肌の触れた跡が内側からほてり、さらなるぬくもりを欲しているのがわかった。
ショクパンマンの指が唯一残されたショーツにかかり、ドキンは悲鳴をあげた。
「だめっ」
ショクパンマンは動きを止めると、ドキンの額にそっと唇で触れ、その体を横合いから抱き上げた。
「場所を変えよう」
ショクパンマンはベッドにドキンの体を横たえ、窓のカーテンを閉めた。
にわかに暗くなった室内で、ドキンの最後の砦も剥ぎ取られた。
ガチガチに緊張しているドキンの上に、ショクパンマンはのしかかった。
「嫌がらないで。リラックスさせてあげるから」
すっかり追いつめられたドキンは、泣き出しそうになった。
そんなつもりじゃなかったなんて言うつもりはない。
でもまさか、現実にこんなことが起こりうるとは想像もしてなかったのだ。
逃げ出したい気持ちと、このまま流されてしまいたい欲望との狭間で身動きがとれなかった。
そんなドキンの心情などまるで意に介さない様子で、ショクパンマンはドキンの素肌の手触りを
楽しむようになでさすり、全身に軽やかなキスを降らせた。
31ショクドキ13:2006/09/01(金) 10:59:35 ID:5libmdnb
ふりそそぐ髪の毛がくすぐったくて、ドキンは思わず笑みをこぼした。
「やっと笑ったね」
ショクパンマンがドキンの髪をなで、その首筋に吸いついた。
「きゃ」
飛び上がるドキンの太腿に、ショクパンマンの手が回る。
体を探っていくショクパンマンの手が触れる先々で、抗いがたい快感がわきあがり、
警戒心が徐々に解きほぐされていく。
体の内側がぐちゃぐちゃに溶け出し、固く結んだ唇から、かすかな吐息がもれだした。
脇腹を舌でなぞっていたショクパンマンが面を上げて、ドキンの口内に指を割り入れた。
反射的に指を舐めあげて、ドキンは声をあげた。
「んあっ」
ドキンの舌をこねくりまわして、ショクパンマンは言った。
「そう。声出した方が楽だよ。せっかくだから聞かせて」
濡れた指が唇を離れ、ほっと息をつくドキンの下腹をえぐった。
「やあんっっ」
思いのほか甘い声が出て、ドキンは頬を染めた。
体内に沈められた指が、ドキンの感覚を掘り起こしていく。
まともにものが考えられなくなり、ドキンは突き上げられるがままに、底知れぬ波に身を任せた。
32ショクドキ14:2006/09/01(金) 11:00:24 ID:5libmdnb
「ショクパンマン様……」
ドキンに名を呼ばれ、ショクパンマンが微笑んだ。
「『様』づけで呼ばれるのって普段は重たいけど、ベッドの上だと少しいいね」
「熱い……」
浅く速い呼吸を繰り返し、ドキンがつぶやいた。
「そうだね、この中もだいぶ熱いよ。ね、後ろ向いて」
ショクパンマンが指を引き抜き、ドキンの体をうつぶせに返した。
かすかな衣擦れの音がして、腰を持ち上げられたドキンを、熱を帯びた塊が後ろから貫いた。
「ああっ――!」
背筋を駆け巡ったうずきに、ドキンはたまらず声をあげた。
背中に重くのしかかるぬくもりを感じて、潤んだ瞳から涙が一滴こぼれ落ちた。
体が揺さぶられ、首筋にこぼれる吐息を感じた。
奥深くえぐられる度、内壁が甘くとろける。
荒く乱れた呼吸にのせて、ドキンは思考を手放した。
33ショクドキ15:2006/09/01(金) 11:00:59 ID:5libmdnb
目を覚ましたとき、辺りはまだ暗く、静かだった。
かけた覚えのない薄手の毛布を跳ねのけて上体を起こすと、テーブルの上に乾かしていたはずの
ドキンの衣類がきちんとたたんで置いてあるのが目についた。
ドキンはベッドを手でなぞり、しばらくうつむいていたが、やがてため息をひとつつくと
ベッドを抜け出し、服を身に着けた。
部屋のカーテンを開けると、空にはまだ月の姿がある。
窓を開けるとサッと外気が流れ込んできた。
やや肌寒い空気に混じって、かすかな朝の気配が感じとれる。
ドキンは室内を見回して、ベッドを軽く整えると、窓枠を乗り越えて外に出た。
地面に生い茂る背の低い草の表面に夜露がたまり、湿った香りを運んでくる。
大気は霧がかり、どこか現実離れした光景が広がっていた。
ドキンは複雑な思いを胸に、ショクパンマンの家を振り返った。
きっと今頃はよく眠っているのだろう。家の中は静まりかえり、人の気配は感じられない。
34ショクドキ16:2006/09/01(金) 11:01:58 ID:5libmdnb
これで今までと何かが変わったとは思っていない。
朝まで隣で眠ってくれるような、優しい男でないことはわかっていた。
きっと次また会うときは、いつもの人当たりのいい笑顔で何もなかったかのように接してくるのだろう。
それでも、今日このまま朝を迎えて顔を会わせ、全てをなかったことにされてしまうのは嫌だった。
「おやすみなさい、ショクパンマン様」
今から帰れば、バイキンマンが起き出してくる前にバイキン城について、
自分の部屋にこもることができるだろう。
朝の散歩も、頭を冷やして気持ちを現実に引き戻すにはちょうどいい。
ドキンはショクパンマンの家に背を向け、歩き出した。
呼気が白くにごり、朝もやに溶けて散る。
自分の迷いも、不毛な恋情も、同じように消えてなくなればいい。
そう願いつつも、ドキンはこの後自分がどんな行動をとるかわかっていた。
しばらくはクッキー作りの猛練習だ。
ドキンはつぶやいた。
「リンゴちゃんには負けてられないもんね」

END
35名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 17:55:25 ID:ncqkrPrT
メロンパンナちゃん誕生の回のビデオ借りて見た。
アンパンたち三人のことを「おにいちゃん」って呼んでた。
カレーパンマンが萌えてた。
3兄×妹いいかも・・・書こうかな。
36名無しさん@ピンキー:2006/09/01(金) 23:20:02 ID:XIfMsvaO
ID:5libmdnbさんGJ!
ショクパンマンの実は冷たい奴な感じがいいなー
37名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 09:51:56 ID:RjwPtkbN
ショクドキGJ!
体はつながっても変わらない関係とか、
ドキンちゃんの心情切ないな。
38名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 22:56:43 ID:yq6mW8Xh
ショクドキ書いた者です。
ウザイほど長いのに読んでくれてありがと。
ドキンちゃん→一途でワガママ。
食パン→同情心に欠ける身勝手さん。
ってイメージです。

それでは。このスレが2食目もさくさく進みますように。
39名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 08:47:00 ID:BmUrbFVI
40名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 14:59:52 ID:zNGZK6JZ
食パンとドキンちゃんの微妙な距離に萌え。
ベッドでの「様」付けがイイなんて、やっぱりさわやかSだな……w
41名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 09:21:32 ID:QujRpiWy
すいません。
ここで、ロールパンナの禿しい情事の物語を、お願いします。
孤独で神秘的な少女ロールパンナが
優等生アンパンマンとの
屈折した性生活を語ってほすい。
ロールリボンを駆使して
アンパンマンをいたぶり続ける。
普段、目立たず寡黙で影のある少女が
徹底的に優等生をいたぶり続ける。
プライドも誇りも正義感もズタズタにされた優等生のアンパンマン。
そんな彼のもとに再びロールパンナが近寄る。
傷つき泣きじゃくる優等生に
孤独な少女は彼の手を優しく手繰り寄せ
彼女の胸の中に彼をきつく抱き寄せる。
彼女は屈託のない爽やかな笑顔と
やさしい慈悲の気持ちがにじみでる眼差しで彼の顔を覗き込む。
すっかり甘えん坊になった優等生を彼女はもう一度強く抱きしめた・・・
彼女の胸のハートマークはすでに青から赤へと変わっていた・・・

こんな感じでお願いします。
42名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 10:20:16 ID:VQeFLMNX
それだけ出来上がってるなら、君が書いた方がいいんじゃないか?
43名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 17:31:05 ID:AywoAE/L
先週のTVを見てたら続きが書きたくなったので投下します。
まだ書き途中なんだけど、また長い……。申し訳ない。
他の人もガンガン書いて、密度を薄めてくれると嬉しいナ。
44続・ショクドキ1:2006/09/19(火) 17:33:51 ID:AywoAE/L
 沼のほとりが騒がしく、ショクパンマンは様子を見に行った。
「皆そろって何をなさってるんですか?」
 パン工場の面々に声をかけると、アンパンマンが振り向いて笑顔で答えた。
「やあ、ショクパンマン。ホラーマンがドキンちゃんと仲直りがしたいっていうから、
皆でそのお手伝いをしてるんだ」
 見ると、沼のほとりでホラーマンが沼に住むヌマッチとなにやら真剣な面持ちで相談をしている。
 パン工場のメンバーも忙しそうに立ち回りながら、次々と事のあらましをショクパンマンに説明してくれた。
 ホラーマンとドキンの仲直りをロマンチックに演出しようと、総出で辺り一面を電飾で
飾りつけようというのだ。
(なんとまあ、ごくろうなことだな)
 感心した風を装って頷きながら、ショクパンマンはひとりごちた。
(やれやれ。当人は別としても、この人たちは本気でこんなくだらない企画を応援しているのかな)
 いちいち首を突っ込むまでもないことだろう、というのがショクパンマンの正直な感想である。
(まあ、暇なんだろうけど)
 思わず肩をすくめそうになるのを押しとどめて、ショクパンマンは皆を励ました。
「ステキですね、頑張ってください。お手伝いしたいところですが、私はまだ配達が残って
いるのでこれで失礼します。上手くいくよう祈ってますよ」
 実際仕事を抜けて来ていたので、ショクパンマンは車に戻り、その場を離れた。
45続・ショクドキ2:2006/09/19(火) 17:34:42 ID:AywoAE/L
 日が沈み、空中を散歩していたショクパンマンは、丘の向こうの人工的な灯りに目を止めた。
「おや、あれは――」
 やや考えを巡らせて、膝を打つ。
 件の沼の方向だ。
「すっかり忘れてた。どれ、見に行くことにしようか」
 ショクパンマンは方向を転じ、心地よい夜風にマントをなびかせ、鼻歌まじりに沼地へ向かった。
「やあ、これはキレイだ」
 上空に制止して、ショクパンマンは足元を見下ろした。
 沼を取り囲むように巡らされたイルミネーションが点滅して、水面が幻想的な灯りに満ちている。
 ぼうっとした色とりどりの光が闇を駆逐し、一帯を優しく包み込んでいた。
「誰のアイディアだか知らないけど、確かにああいう夢見がちなコにはこういう演出が効果的かもしれないね」
 腕組みするショクパンマンの視線の先で、それなりに彼らの努力は報われていたらしく、
水面に浮かんだ小舟に見覚えのある2つのシルエットが並んであった。
46続・ショクドキ3:2006/09/19(火) 17:35:33 ID:AywoAE/L
 沼のほとりで見守るパン工場の面々に見つからないように、少し距離をおいて、
ショクパンマンは沼地の木陰に着地した。
 木の幹に背を預けて眺めていると、舟はホラーマンとドキンを乗せたまま次々と形を変え、
見る者の目を楽しませた。
(あの舟はヌマッチの仕業だな)
 沼に住むヌマッチは、水を操って様々な物の形をとることができる。
 確かな質感があるように見えるあの舟も、元を正せば沼の水でしかないのだろう。
 舟はひときわ豪華な客船に姿を転じ、風にのってドキンの歓声が耳に届いた。
「わあ、ステキ!なんてキレイなの、それにロマンチック!見直したわ、ホラーマンやるじゃない。
もう、大好き!」
 それまで悠然と自体を静観していたショクパンマンの眉間に、シワが寄った。
「ホラホラホラー、嬉しいですねー。でもドキンちゃんはもーっとキレイです、ホラー」
「やだぁ、ホラーマンったら」
 木立ちの向こうから、アンパンマンたちの笑いさざめく声が響く。
 ショクパンマンは顔をしかめたまま、ボソッとつぶやいた。
「単純……」
 馬鹿馬鹿しくなって身を起こし、立ち去ろうとしたショクパンマンの目に、波に揺られて
楽しそうに光り輝くドキンの笑顔が飛び込んできた。
 照らし出すイルミネーションのせいではなく、身の内からにじみ出るような、幸福に酔いしれる笑みだった。
47続・ショクドキ4:2006/09/19(火) 17:36:24 ID:AywoAE/L
 ショクパンマンは厳しい面持ちで唇を引き結び、遠くドキンを見据えた。
 今はその笑顔が、水上のホラーマンに向けられている。
 脳裏を、数週間前にこの手で触れた彼女の姿態がよぎる。
 あれからも彼女とは適正な距離を保っている。
 ほんの気まぐれで手を出してはみたものの、思った以上にその後うるさくつきまとわれることもなく、
胸をなでおろしていたところだ。
 あの時、確かにこの手の中にあった。
 ショクパンマンは舌打ちをした。
「面白くないな」
 こんなことで自分が気分を害するなんて意外だった。
 軽々しく他の男に愛想をふりまくドキンに苛立ちを覚えるのだろうか。
 ――自分のものでもないというのに。
 逡巡の後、ショクパンマンは腹を決めた。
「やつあたりだとは思うけど、でもこのままじゃ収まりがつきそうにないから」
 ショクパンマンは息をつき、下生えに腰をおろした。
 もう船上の嬌声に興味はない。
 くだらないイベントが終わって、皆が解散するのを待つ。
(かわいそうだけど、こんな気持ちにさせたのはあのコだものね)
 胸に宿る嗜虐心を弄びながら、ショクパンマンは思い直した。
(待てよ、本当にかわいそうなのかな――。後で訊いてみよう)
 ショクパンマンは遠いさざめきを断ち切るように、瞳を閉じた。
48名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 04:07:27 ID:3Rvv1dZZ
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
黒い、黒いよショクパンマン・・・!
この後どうなるんだろう
楽しみに待ってます
49続・ショクドキ5:2006/09/20(水) 12:54:33 ID:b6YFCQxV
 その時が来た。
 ドキンUFOは場所を移動させ、草むらに隠しておいた。
 帰り支度で慌しい気配の中、ドキンがあくびを噛み殺しながら、一人UFOを探しに歩いてきた。
 木陰に潜んでいたショクパンマンはドキンの背後に忍び寄り、彼女の体を羽交い絞めにすると同時に、
口を手でふさぐ。
 体を硬直させるドキンの耳元に、そっとささやいた。
「こんばんは」
 ドキンの口がモゴモゴと動くのが手のひらに伝わった。
 ドキンの瞳がショクパンマンの姿を認め、体から力が抜ける。
 口をふさいだ手は離さず、ショクパンマンは可能な限り甘い声で告げた。
「今夜はあなたをさらいに来ました。……しっかりつかまっていて」
 ショクパンマンは無抵抗なドキンの体を抱き上げ、人目を避けて低空飛行で沼地を飛び立った。
 ショクパンマンの首に両腕を回したドキンが、驚きに目を見張って訊ねた。
「ショクパンマン様……どこに行くの?」
 ショクパンマンはその質問には答えず、徐々に高度とスピードを上げ、やがて人里離れた
切り立った崖の上にさしかかると、断崖の壁面に沿って下降を始めた。
 月の光が差し込むばかりの谷底に、ドキンを降ろす。
「ここはどこ?」
「西の斜面を下った所。静かでしょう?」
 先ほどの沼地から見繕ってきた植物のツタを懐から取り出して、ショクパンマンはドキンの
両手首を後ろ手に縛り上げた。
50続・ショクドキ6:2006/09/20(水) 12:55:37 ID:b6YFCQxV
「え?ショクパンマン様……?」
「じっとして。よし、できた」
「どうして縛るの?何をするの」
「さあ、どうしようか。僕の好きにさせてもらおうかな。痛かったらごめんね。
抵抗してもいいけど、途中で止めるつもりはないから、観念して僕の気が済むまで付き合ってよ」
 ショクパンマンの剣呑な雰囲気を察したらしいドキンが、身をすくませた。
「ショクパンマン様、何だか変。怒ってるの?どうして――?」
「そんなことどうだっていいよ」
 ショクパンマンはドキンが身に着けている白いブラウスの襟元に手をかけ、力任せに左右へ
ボタンを引きちぎった。
「きゃ」
 後ずさるドキンの腰に手を回して、引き寄せる。
「残念。今日は後ろか。ちょっとヒジ上げて」
「あ、あの……」
 ショクパンマンはブラウスをめくってドキンの背中に手を伸ばし、片手で器用にブラのホックをはずした。
「待って。ショクパンマン様!」
 慌てるドキンの顔を覗き込んで、ショクパンマンはあまりタチの良くない笑みを浮かべた。
「怖い?でも間違えないで。キミの意思は関係ないんだ」
「あっ」
 ブラウスをはだけて後ろに追いやり、淡いオレンジのブラをたくし上げると、月光の下に
小ぶりで丸い乳房があらわになった。
 ドキンは赤くなり、顔を背けた。
51続・ショクドキ7:2006/09/20(水) 12:56:32 ID:b6YFCQxV
「ふうん、嫌がらないんだね。もしかしてずっとこうなることを期待してた?」
 ドキンがきゅっと唇を噛みしめた。
(なんだか拍子抜けしちゃうな。それならそれでいいけど)
 ドキンの顔から目をそらさずに、ショクパンマンはまだ熟しきってはいない乳房の感触を楽しんだ。
 なめらかな肌と若々しい弾力が、手の平の中で形を変える。
 肌が上気してきた頃合いを見計らって先端を指で潰すと、ドキンは小さく息をもらした。
 追い討ちをかけるように、指先でなぶる。
 固く口を閉ざしていたドキンが、潤んだ瞳でショクパンマンを見上げた。
 その仕草があまりに初々しく、劣情を刺激する。
 ショクパンマンはドキンのアゴを持ち上げ、喉に舌をはわせた。
「んっ」
 片手でつかめそうな細い首筋を、下から上へ舐め上げる度、鼻から抜けるような甘い吐息をもらす。
 ショクパンマンはそのまま幾つも紅く残る印を散らした。
 当分の間は消えないだろう、所有の証だ。
 肩から胸元まで、繰り返し吸いつく度に、ドキンが身体を震わせる。
 背中をなでさすり、上を向いた乳首をしつこく舌先で責めあげるうち、ドキンはその快感を
隠そうとはしなくなった。
52続・ショクドキ8:2006/09/20(水) 12:57:27 ID:b6YFCQxV
「さて、と。じゃあ舐めてもらおうかな」
「え?」
「ヒザついて」
 ショクパンマンはドキンを草地に膝まづかせると、ボトムスのファスナーを開けて、
熱く猛る彼自身を引っぱり出した。
「縛ったままでいいよね。くわえて」
「でも……」
「早く」
 ショクパンマンに促され、ドキンはためらいがちに口を開き、舌を伸ばした。
「いい眺めだよ。丁寧にね」
 ドキンはしばらく遠慮がちに、根元から順に舐めまわしていたが、やがて先端に到達すると、
目を閉じて大きくソレを飲み込んだ。
 生暖かい口腔内に収められ、湿った悦楽の波がショクパンマンを襲う。
 ドキンはぎこちなく頭を動かし、ゆっくりとねぶりだす。
 ショクパンマンは何か言おうと口を開きかけたが、苦笑いをもらしてドキンの頭に手を置いた。
(うわぁ……、へたくそ)
 首を傾げて覗いてみると、けなげに貪るドキンの顔が、たまに苦しそうに歪められる。
 それでも彼女は文句一つ言わずにショクパンマンの要望に応えようとしているのだが――。
(イテテ……)
 ショクパンマンはたまらず、くすりと笑いをこぼした。
 ドキンが目線を上げ、問いかけるよう彼を見つめる。
(それにしても、えらく従順だな)
 ショクパンマンはドキンの柔らかな赤い髪をいたわるようになでた。
(もっと、必死で抗うのを無理矢理押さえつけ――みたいのを想像してたんだけど)
 とまどうことはあっても、嫌がるそぶりひとつ見せないドキンに、ショクパンマンは物足りなさを感じた。
 このままではただの逢瀬だ。鬱憤が晴らせない。
 ――泣き顔が見たかった。
53名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 14:35:56 ID:ajNFnYg5
続きキタコレ!
ショクパンマンの自分勝手っぷり、酷い男だなーw
健気なドキンちゃんが可哀想になりつつも、萌えてしまった。
54名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 21:02:11 ID:jwhZ4o9w
ロールパンナフェチ喪が来ますたよー。
みなさんの凄いパワーに圧倒されてますー。
55名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 22:46:50 ID:WUb40r++
>>54
sageは半角ですよー。
56名無しさん@ピンキー:2006/09/20(水) 23:28:03 ID:zpOmbSGm
誰かー、鉄火のまきちゃんでエロSS書いてくれませんか!
あの姉御なところがツボなんで一つお願いします!
57続・ショクドキ9:2006/09/21(木) 01:01:55 ID:F7lRPeJb
「歯をたてちゃダメだよ、痛いから。もっと舌を使って」
「んん……」
「ねえ、慣れてないでしょ。もしかして初めてだった?」
「ん」
「そっか。あんまり上手くないもんね。ねえ、今度よそで練習してきなよ」
 ショクパンマンはわざと冷たく言い放った。
 ドキンが動きを止め、呆然とショクパンマンを見上げた。
 ドキンの瞳が、深い悲しみの色に染まる。
 悲壮感漂う彼女の眼差しに、ショクパンマンは舌なめずりしそうになる。
 ドキンの口の中で彼は一気にたかぶり、ショクパンマンは彼女の頭髪をわしづかみにして揺さぶった。
「噛んじゃだめだよ」
 思いのまま乱暴に動かすと、両膝だけで体を支えるドキンはたまらず抗議の声を上げた。
 苦しんでるのはわかったがショクパンマンは手を止めず、波がたかぶるのに任せた。
「飲める?飲んでね」
 かすれた声でささやき、強い刺激が頂点に達すると同時に、彼女の喉いっぱいに精を放つ。
 とっさに拒絶しようとする彼女の頭を押さえ、吐き出さないように深く挿入すると、
しばらくはうめいていたドキンもやがて諦めたのか、何度も喉を鳴らして嚥下した。
58続・ショクドキ10:2006/09/21(木) 01:02:48 ID:F7lRPeJb
 乱れた息を整えて身を離すと、彼女は力なく地べたに座り、うなだれた。
 衣類の乱れを直したショクパンマンは、ドキンの背後に回って同じように腰を下ろし、
彼女の裸の肩に手を添えた。
「辛そうだね。逃げようと思えばできたんじゃない?どうして抵抗しないの」
 頼りなげな背中を唇でついばむ。
 ちゅっと音をたて、軽く歯をたてた。
 面白いほど素直に、ドキンが荒い息をもらす。
 しばらく舌先で刺激を与えると、ドキンの気持ちが再び高まってくるのが感じられた。
「背中弱いんだね。きれいな肌だ」
 ショクパンマンはドキンの脇に手を添えて、立ち上がらせた。
「ちょっと立ってて。邪魔でしょ?」
 赤いスカートの裾から手を差し込み、下着を下ろした。
 ドキンは自ら足を上げてショーツを脱ぎ去り、ショクパンマンに後ろから抱えられて、
あぐらをかいた彼の足の上に腰かけた。
 縛り上げた両腕が邪魔だったので、少し斜めを向いて座る形になる。
 肩にくちづけしてアゴを乗せると、ショクパンマンは右手をドキンの下腹へと伸ばした。
「足もっと広げて。恥ずかしがらないで――そう」
 膝を大きく割り、あらわになった茂みの中を指でなぞる。
 ふっとドキンが吐息をもらす。
「いいコだ」
59名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 14:35:09 ID:EEf2GMSg
(*´д`*)ハァハァハァアハァ
60続・ショクドキ11:2006/09/21(木) 18:48:10 ID:FnfyQjUi
 ショクパンマンは時間をかけてドキンのそこを指でなぶった。
 執拗に繰り返される攻めに、ドキンは身をよじり、上ずった声で哀願した。
「あ……ん、んっ。ショクパンマン様ぁ……あたし、もう」
「もう、何?」
「もう……」
 敏感な部分を指の腹でこすられ、ドキンはうめいた。
 こうしてショクパンマンの上に体を預けて、ゆうに三十分以上ももてあそばれている。
 ドキンは息も絶えだえな様子で、ショクパンマンにもたれかかっていた。
「お願い、もうダメ」
 何度も責め上げられては、直前で愛撫を止めて決してイかせてもらえないのだ。
 せつない表情で訴えかける彼女を存分に楽しんだショクパンマンは、熱くとろける彼女の内側から手を離し、
自分のマントをはずして地面に広げると、ドキンの体を持ち上げてその上に横たえた。
「手首、痛いんじゃない?今ほどくからね」
 手首の戒めをほどき、ブラウスも脱がせる。
 ドキンはようやく自由を取り戻した手首をさすって、仰向けになった。
 その腰がくねる。
 ショクパンマンはドキンのすぐ隣に腰かけて、汗でへばりつく彼女の前髪を優しくかきあげた。
「我慢できないんだよね」
 ドキンが頷く。
「じゃあ、自分でしてごらん」
「やだ……」
「我慢できないんでしょ?」
「ショクパンマン様!」
「僕は少し休憩。してほしいんだったら、その気にさせてよ。ここで見てるから」
「そんな、意地悪言わないで」
「意地悪?どこが?強制はしてないよ、嫌ならしなきゃいい。ドキンちゃんの好きなようにしていいんだよ」
「そんな、お願い……」
「ね」
61続・ショクドキ12:2006/09/21(木) 18:48:57 ID:FnfyQjUi
 ドキンは訴えかけるような眼差しでショクパンマンを見た。
 しかし彼にその気がないことを悟ると、説得するだけのゆとりがないのか、
目を伏せてそっぽを向き、自分の指をそっと這わせた。
 行為自体に抵抗があったとしても、熟した身体は彼女を取り込み、次第に熱心に彼女は自分を慰めた。
「ん、ふっ……」
 濡れた音に彼女の熱っぽい息づかいが混じり、夜のしじまにこだまする。
「あ、ん、ん。やっ、あ……あんっ」
 内腿がピンと張り、眉がしかめられた。
 目の前で繰り広げられる痴態を堪能したショクパンマンは、彼女の意識が高まっていくのを察し、
隠しからあるものを取り出した。
(このままだと一人で終わりにされちゃうからね)
 ショクパンマンが手にしたのは、細長い金属の棒だった。先端に赤いグリップがついている。
 ドキンUFOを隠す際、拝借してきた彼女の操縦レバーだ。
「ドキンちゃん」
 ショクパンマンは彼女の足元に移動して、手首をつかんで動きを阻む。
 朦朧とした彼女の視線が問いかけた。
 ショクパンマンがかざしたレバーを不思議そうに見つめる。
「これ、何だかわかるよね」
「……うん」
「これを挿れよう」
「え?」
「挿れようって言ったの」
 ドキンは目を見開き、首を左右に振った。
「嫌。うそ……」
「うそじゃないよ。足、上げて」
「いや、やめて。やだぁっ」
62続・ショクドキ13:2006/09/21(木) 18:49:42 ID:FnfyQjUi
 腰が引けるドキンの足を力づくで押さえつけ、ショクパンマンはドキンの身体の中心に
レバーのグリップを深々と刺し込んだ。
「や、あ――あぁん!」
 なおも逃れようとするドキンの上にのしかかって、ショクパンマンはレバーで内壁をえぐる。
「やだ。やだ。お願いやめて、ショクパンマン様」
 涙ながらにすがりつくドキンに、ショクパンマンは深い満足感を覚えた。
「どうして?かわいいよ、よく似合ってる。力を抜いてごらん、いつも使ってるんだもの、
身体に馴染むはずだよ」
「はっ、あぁ、こんなのいや……。嫌だよ。もう許して」
「許すことなんてないだろう。誰と一緒にいようと、それはキミの勝手だし」
「……え?」
 ショクパンマンは自嘲気味にかぶりを振った。
「使い終わったら、これは元に戻しておこうね。そうしたら、次からUFOに乗るたび、
このことを思い出すでしょう」
「ああ、もう、あたし……」
 自分の意思とはうらはらに、ショクパンマンの手の中で翻弄され、息をあげる。
「好きでしょ、この感覚。忘れちゃダメだよ、ずっと覚えていて。奥深く刻み込んであげるから」
「ん、うんっ、あ――ああっ!」
 大きく声をはりあげて、ドキンは身体をのけぞらせた。
 内部が脈打ち、彼女は果てた。
 腕の中でくず折れる肢体をかき抱き、ショクパンマンはその胸に顔をうずめた。
(誰にも渡しはしないさ。この身体は僕のものだ)
 力尽きた横顔に、ショクパンマンはそっとくちづけた。
63名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 18:55:18 ID:FnfyQjUi
あともうちょっと。たぶん15で終わりです。
明日になる、かな。
64名無しさん@ピンキー:2006/09/21(木) 21:19:39 ID:AftP7mX/
すっごい萌え!!ショクドキ好きすぎて死にそう…
65続・ショクドキ14:2006/09/22(金) 00:16:40 ID:eQaa5lFe
 体が凍えて、目が覚めた。
(あいたた……)
 その後何度も蹂躙した挙句、崖の窪地にマントを敷いてザコ寝したもんだから、体中がギシギシ痛んだ。
(こんな所で寝るもんじゃないな)
 せめて火をおこしておけば良かったと、髪をかき上げ、上体を起こす。
「う、ん……」
 体を丸め、寄り添って眠っていたドキンが、目を開いた。
「起こしちゃったね」
「……ショクパンマン様」
「おはよう」
 ドキンが顔をほころばせた。
「おはようございます」
 はっとさせられる澄んだ笑顔で、ドキンはまっすぐにショクパンマンを見つめた。
 慈愛に満ちた暖かな眼差しを向けられ、ショクパンマンは息をのんだ。
 なぜ彼女がこんな慈しみにも似た表情で自分を見るのかわからない。
 ――きれいだと思った。
 そして、唐突に気がついた。
 ショクパンマンはこの笑顔を欲していたのだ。
 ドキンがショクパンマンに向ける笑顔はいつもどこか他人行儀で、昨夜彼女がホラーマンに
対して浮かべた心の底からの笑顔が許せなかった。
 彼女の顔をこちらに向け、自分のものにしてしまいたかったのか。
(そんなつまらないことでこんな目にあうなんて、このコも災難だなぁ)
 しかし目の前のドキンに、ショクパンマンを非難している素振りは見受けられない。
(根に持ってはいないようだけど。ってことは、謝らなくてもいいのかな。やっぱりどうも、
さしてかわいそうなようには見えないし。でもこんなに簡単に男を許してしまうようじゃ、
この先ろくな男に引っかからないぞ)
 そんな感想を抱くショクパンマンの名を、ドキンが呼んだ。
66続・ショクドキ15:2006/09/22(金) 00:17:55 ID:eQaa5lFe
「ショクパンマン様」
 自分の名前をつむぐ唇。
 そういえば、一度も彼女にキスをしたことがない。
(この先もそんな機会はないかもしれないけど。別にいいか)
 ショクパンマンはいたわるようにドキンの肩を抱いた。
 多少空が白んできてはいるものの、辺りはまだ暗い。
 おそらく眠っていたといっても、たいした時間じゃないのだろう。
「立てる?」
 ショクパンマンがドキンを支えながら立ち上がると、彼女はバランスを崩して
ショクパンマンの胸に倒れこんだ。
「あ、ごめんなさい」
「いいよ、つかまってて」
 ショクパンマンはマントを拾い上げて身にまとうと、ドキンを抱き上げた。
「冷えたよね。これじゃ風邪ひいちゃうよ。そんな格好のまま帰すわけにもいかないし、
ひとまずうちにおいで。熱いシャワーをあびよう」
「はい」
 ショクパンマンの肩に額を寄せる。そんな仕草にそそられる。
(何だってこのコは僕のことが好きなんだろう?)
 ショクパンマンは首をひねった。
(こうまで慕われると、どこまで許されるのか試したくなっちゃうな)
 湧き上がるイタズラ心を胸に秘め、ショクパンマンが問いかける。
「お腹すいた?ごはんを食べようね。それから――その後どうしようか」
 目が合うと、ドキンは穏やかな笑みを返す。
「まあいいか。ゆっくり考えよう」
 今だけは腕の中にあるぬくもりを抱きしめ、ショクパンマンは空を舞った。

END
67名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:01:18 ID:ad0Ss9lo
誰かバタコさん受難でおながいします(*´д`*)
鬼畜展開もイイヽ(°▽、°)ノ
68名無しさん@ピンキー:2006/09/22(金) 23:21:36 ID:e5aZ2FUt
ショクドキ超GJ!
脳内のぞき見されたのか?というくらい自分のイメージぴったりな二人ですた
やっぱ食パンは紳士だけど鬼畜だよな
69名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 01:38:30 ID:ddytlBvz
びっくりするくらいショクドキ萌え!!!!ホントにいい!!!!是非また書いてください!
70名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 05:37:56 ID:faGEvVNR
萌える。
71名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 16:32:02 ID:E2HJGzON
コメントどうもありがとう。嬉しいよ。
ドキンUFOの操縦桿は黄色でした!ヤベ、間違えた。
次は、、、マンネリになりそうで考えてないんだけど。機会があれば。
オマケにバイキンマンのSSを落っことしていきます。
そんじゃ、私も応援する側に戻りますね〜。ノシ
72バイキン×? 1:2006/09/23(土) 16:33:09 ID:E2HJGzON
「ねえ、バイキンマン。あたしオクラちゃんの所のトマトジュースが飲みたいな」
 オレサマに対する、本日のドキンちゃんのリクエストだ。
 オクラちゃんが野菜を栽培している畑といえば、先日さんざん畑仕事にこき使われたばっかりで、
できれば足を向けたくはない場所なんだけど――
でも実をいうと、ドキンちゃんはこのところ様子がおかしい。
 ふいに行方をくらますことがあるし、感情の起伏が激しくていつもの元気がないみたいだ。
 だったらせめて好きな飲み物でも飲んで元気を取り戻せればいいと、
オレサマはオクラちゃんの畑にトマトをくすねにやってきた。
「トマト、トマトは……っと」
 こっそり忍び込んだオレサマの背後に、ふいに人の気配がした。
「あら?まあ、バイキンマンさんじゃないの。今日は一体どうしたの?」
 ギクッと振り向くと、案の定、そこにはくったくのない笑みを浮かべるオクラちゃんが、
作業着姿で立っている。
「あ、あはは、どうもこんにちは。いやオイラ、ええと……そう、そういやトマトは無事に
育っているかなーって思って見に来たのだ」
 オクラちゃんの顔が明るく輝く。
「まあ!うちのトマトのことを気にかけてくれて嬉しいわ。この間バイキンマンさんが
手伝ってくれたおかげで、トマトは無事に全て出荷できたのよ」
「へ?もうないの?」
「ええ、皆さんにおいしく食べていただくことができたの」
 オレサマは頭を抱えた。ドキンちゃんに何て言おう。
「あら、リンゴちゃんだわ」
 顔を上げると、手を振りながらリンゴちゃんがやってくる。
 オレサマ、思わず背筋が伸びる。
73バイキン×? 2:2006/09/23(土) 16:33:58 ID:E2HJGzON
「こんにちは、オクラちゃん。それにバイキンマンも。どうしてここに?」
 軽やかなリンゴちゃんの声。オレサマこの声に弱いのだ。
「いらっしゃい、リンゴちゃん。バイキンマンさんはよく畑仕事を手伝ってくださるの。
今日もうちの野菜を気にかけて来てくださったのよ」
 リンゴちゃんが目を丸くする。
「へえ、そうなの。何だか意外」
 そりゃそうでしょうとも。オレサマだって本意ではない。
 オレサマにとってオクラちゃんは鬼門だ。ドキンちゃんとは別の意味で逆らえない。
「野菜を取りに来たんでしょう?リンゴちゃんの家の分は小屋にもう用意してあるのよ。持ってくるわね」
 そう言ってオクラちゃんは鈍くさい足どりで立ち去った。
 オレサマに緊張が走る。
 トマトがないとわかれば、こんな所に用はない。
 しかし目の前にいるのはリンゴちゃん。何か話した方がいいんだろうか。
 オレサマのためらいをよそに、リンゴちゃんがあっけらかんと話しかけてきた。
「ねえ、バイキンマン。バイキンマンはオクラちゃんと付き合ってるの?」
「はあぁ?」
 オレサマは慌てた。
 よりにもよってリンゴちゃんにだけは、そんな誤解をされたくない。
「ちっ、違うよ!オイラ、だってオイラは……!」
 あせって否定しようとするオレサマの声をかき消すように、その時小屋の方から
オクラちゃんの悲鳴が聞こえてきた。
「きゃあっ、やめて!」
 オレサマはとっさにリンゴちゃんをその場に残し、オクラちゃんの元へ駆けつけた。
 見ると、オクラちゃんが野菜を抱えて、エサ目当ての鳥にたかられている。
「このぉ、あっち行け!シッシッ!」
 オレサマが手近にあった箒を振り回すと、鳥はギャアギャア騒ぎたてながら飛び去った。
「ありがとう、バイキンマンさん。助かったわ。本当にバイキンマンさんって優しい方ね」
 オクラちゃんがオレサマの手をとる。
 タイミング悪く、ちょうどそこにリンゴちゃんがやってきた。
74バイキン×? 3:2006/09/23(土) 16:34:42 ID:E2HJGzON
「よろしくね、バイキンマンさん」
 なぜかそう見送られて、オレサマはリンゴちゃんと二人きりで、リンゴちゃんの家まで
野菜を届けることになった。
 家までの道中、チャンスなのはわかっていたが、言葉が見つからずにろくに話もできなかった。
「じゃあ、これ」
 家まで送り届けて野菜を渡すと、リンゴちゃんがオレサマを引きとめた。
「ちょっと待ってて」
 大人しくぼけっと突っ立っていると、リンゴちゃんが家の中から一本のビンを抱えて出てきた。
「これ、リンゴジュースなの。野菜を運んでくれたお礼にあげるわ」
「え、いいの?」
「もちろんよ。今日のバイキンマン、ちょっとカッコ良かったわよ」
「へ?あ、あのそれじゃ、これはありがたくもらっていくのだ」
 リンゴちゃんの指先が、慣れない褒め言葉に動転するオレサマの肩に触れた。
「ねえ……」
「え?」
 リンゴちゃんの唇がそっとオレサマの頬に触れ、離れた。
「今日はありがとう」
 アゴがはずれるかと思った。
「は……、あ、いやえっと。ええええ?えっと……そ、それじゃ、オレサマこれで帰るのだ」
「気をつけてね」
「任せといて。じゃっ、リンゴちゃんも元気で」
 どうにかそれだけ言うと、オレサマは一目散にその場を逃げ出した。
 頭がぼうっとなって、心臓が爆発しそうだ。
 全く、最高の気分だ!
 人気のない小川のほとりまで来ると、オレサマは大声で笑いだした。
 空は青く、心地よい風が澄んだ空気を運んでくる。
 大地は愛と希望に満ちていた。
 オレサマはこの世界が大好きだ。
 ――まあ、そんな日もあるさ!

END
75名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 01:02:50 ID:BEfK4fTL
最高です!!
続きかなり期待してます!!ヽ(;´Д`)ノ
76名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 02:09:47 ID:mn6Ke73C
ショクドキ書いた人すげぇ!!本当にGJ!!
気が向いたらでいいんでまた頼む。
77名無しさん@ピンキー:2006/09/25(月) 11:19:18 ID:5wQXOpI2
食ドキ萌えが止まらない…o(T□T)o
78名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 04:11:03 ID:skDjVRw3
ドSなショクに萌え氏にました。GJGJGJ!!!
79名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 19:50:30 ID:pFHsmdEN
ショクドキ萌えage
80名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 22:51:12 ID:mxp+cGfS
下がってるよ?
81名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 02:50:34 ID:tZEna0q6
食時祭りでワショーイワショーイww
82名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 23:36:18 ID:TOXzbqFY
age
83名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 19:46:39 ID:IgQYb6cm
夕方アンパンマン見たけど
もうショクパンマンが腹黒にしか見えなくなった
84名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 20:13:33 ID:SXiJQXu0
ショクパンマン、真っ黒だね!!イイヨイイヨーーー
85名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 20:33:19 ID:9SE1gcTO
今日のアンパンマンはショクドキだったね。
ドキンちゃんカワユス
86名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 21:43:49 ID:iDwkAGFz
今日の食様は相変わらずの未熟な運転技術がステキでございました。
木を支えるなよ、抱きかかえろよ!と一人エキサイト。
ちっ、ヘタレぶりやがって。
87名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 00:52:38 ID:E/uU8wej
ハーモニカマンとドキンちゃんの練習風景を見て嫉妬するショクパンマンが見たかった。
そして夜ドキンを拐いお仕置き実行。
88名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 03:19:03 ID:dM1j7xmz
ハーモニカマンが何気にカッコいい奴だったね
89名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 11:20:12 ID:Rs9BwCIO
同志がこんなに…!
ネ申お待ちしてまつ…
90名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 23:28:16 ID:WU9MS798
誰か小説書いてくれー!!俺には文才がない…

ということでage
91名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:04:39 ID:xjvpYScx
オムバタとか、三倍モノとかが読みたい。
それか、最近このスレで見かけないアンパンマンのすんごいやつとか。
92名無しさん@ピンキー:2006/10/05(木) 22:04:03 ID:mQa0ZEfD
頭の中にバイドキが降りてきたので書いていたのですが・・・
エロが書けないのでなかなか仕上がりません…orz

ネ申をまつしかない…!
93名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 00:37:31 ID:R4m8YYF0
>92
個人的にはエロくなくてもいい。
もうお腹がすいてたまらない。ぜひ!
94名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 05:24:03 ID:qsNL4WlJ
アゲ
95名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 10:10:45 ID:v2JvooLF
自分文才ないから>>92待ちのおつまみ程度だが投下していい?
96名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 11:16:06 ID:qsNL4WlJ
いいとも〜!
97名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 12:25:57 ID:v2JvooLF
「ふ、ァ……しょくぱんま、さまぁ……」
しんと静まり帰った自室。お気に入りのチェストも、自分が肢体を転がすベッドも、こんなにも可愛らしくて女の子らしいのに、息を殺せば聞こえる、粘液のかきまぜられる、いやらしい音。
はしたないと分かっているのに指が止まらない。肉厚な柔肉の奥の粘膜を刺激する。太股まで濡れて、それが空気で冷やされて。熱っぽくしびれる頭の端で、おしりがつめたい、なんてことも考えていた。
「ひぁ……っ、ぅ、ア……」
言葉にならない声が唇からこぼれる。唇にかかった一房の明るい茜色の長い髪。その髪を噛んで抑えようとする。まだ幼さの残る伸びきっていない手は奥の“気持良い所”に届かない。焦燥に背中をしならせながら、奥に欲しい、と渇望する。
だが入り口付近を擦りあげているだけでも、十分に快感は増幅し、膣口が指をむさぼるようにきゅうっ、と閉まる。
「ぁ、アっあっあ……イッ……」
「ドキンちゃん大丈夫……!?」
イク、と呟き、自然と背中をのけぞらせた瞬間、勢い良くドアが開いた。
「ひゃあぁ、あひ、アぅううァ……えぁ?」
「……おろ?」
98名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 12:26:53 ID:v2JvooLF
暴走する熱をとめられず、ドキンは達してびくびくと痙攣し、一際高い声をあげながらそちらを振りかえる。
そこにはドアを開けた張本人、バイキンマンが石の様にかたまり、「あれ?」といわんばかりの表情を浮かべている。
「やっ、……な、」
「うわわわわわ、ご、ごめんっ」
ようやくイキ終え、荒い呼吸に胸を上下させながら、ドキンは暫くの間口をぱくぱくとさせるばかりで。バイキンマンはぐっしょりと濡れそぼり妖しくひかる彼女の割れ目が目に入ると真っ赤になってわざとらしいほどに顔を横に背け、目をぎゅうっ、ときつく瞑った。
「な、な、何入ってきてんのよ!!」
「苦しそうな声が聞こえた、からっ」
「だからってノックくらいしなさいよ、ばかっ」
その態度に金縛りはとけて口が動くようになり、ドキンはキーキーとわめく声をあげてバイキンマンを罵倒しはじめた。
「わ、悪かったのだ……唯……」
半分衣服が脱げた、はだかよりもある意味いやらしいその姿のドキンから逃げるようにバイキンマンはそそくさと背を向ける
99おつまみ3:2006/10/06(金) 13:38:14 ID:v2JvooLF
「……っ待ちなさいよ!」
一歩踏み出し柔らかそうな黒髪が揺れるのを見た瞬間、思わず引き留めてしまう。
「え?」
バイキンマンが再度こちらを向く。漆黒の瞳がきょとんと不思議そうに揺れた。
「あ、あんたねぇ、こういう場に居合ておいて、手を出さないなんて女の子に失礼じゃない!!」
「え、で、でも……」
「それとも何?アタシじゃ抱く気しない訳!?」
もごもごとどもるバイキンマンに、我ながらいっていることがおかしいと分かりながら強気につめよる。
ふと今更ながらに気が付いた。
バイキンマンだって男の子だ。欲望を満たすこと位なら。

が、ベッドの上で待ってみても、バイキンマンはドアの所に立ちすくんだまま、動こうとしない。据え膳もわからないのか、動揺した表情のまま、――良く見れば震えていた。
「なによ、いくじなしっ!」
しびれをきらしたドキンの方がベッドからおりる。イッたばかりの脚は力がはいらず宙をあるいているようで、時折、かくん、と膝の力が抜けた。
ドキンが近付くとバイキンマンはあからさまに視線を反らしたまま、じり、と後退した。
100名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 14:00:05 ID:v2JvooLF
気が付いてみればバイキンマンは小さく震えていて、(ドキンの剣幕のせいかもしれないが)それがドキンを一層強気にさせてバイキンマンとの距離をつめる。
手を伸ばして股間にするりと手をはわせると、服の下でそれが熱を持ち、膨らんでいることがよく分かった。
「……何震えてんのよ、こんなコーフンしてるくせに」
「あ……ァ、ちがっ……オレサマは……」
手を動かして服の奥の男性器をしごく。幼い外見とは裏腹に、以外と立派な大きさである。刺激してやると上擦った声をあげて息をのんでいた。
「……もしかして初めて?」
そういえばバイキンマンにそういう、女の子に興味のあるそぶりはない。何時も機械の図面を引いたり、楽しそうに研究室に篭ったりすることばかりで、そういったことには疎いのかもしれない。
みるみる内にバイキンマンの目が情けなくも熱っぽく、潤む。言葉にした返答はなかったが分かりやすすぎた。
「ふぅーん、やっぱりねぇ」
ドキンは何だか優位になったような心持で微笑み、耳に息を吹きかけてやりながらしごく手を早めた。
101おつまみ:2006/10/06(金) 14:02:00 ID:v2JvooLF
なんか100ゲトー
仕事なんで今んとこここまで
おつまみなんで状況によるけどあとで続き投下するかも
102名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 18:11:19 ID:+V4OqIhg
>>101
続きwktkして待ってる!
103名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 21:09:48 ID:eKD5FoFz
>>101
唸ってる間にネ申がキテタ!!

ぜんぜんおつまみ違いますて!

同上して待ってます!テカテカ
104名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 21:38:07 ID:a7jTKqPH
+   +
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)
 (0゚∪ ∪ +
 と__)__) +
105名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:27:14 ID:QrSx20nc
ここで、ロールパンナフェチ喪がきますたよー。
いや、みなさまホントに文才があって読みごたえあります。
これからの活躍を祈っています。
漏れも準備ができたら投稿してみようかな。
文才ないけど・・
106名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 23:01:20 ID:v2JvooLF
おつまみの者だがなんか暖かな言葉をもらってる………続き投下OKぽいので投下

>>105俺も文才ないがかくのが楽しければいいかと
107おつまみ:2006/10/06(金) 23:03:24 ID:v2JvooLF
「ひゃあっ、あ、あっ………ドキンちゃっ………やめっ」
バイキンマンは言葉こそ抵抗するものの、実際には抵抗という抵抗をしない。身長差等殆ど無いに等しいが、やろうと思って女一人突き飛ばせないことなど無いだろう。張りつめた衣服の頂点がじわりと濡れ滲んだ。
「い、いて………ンンッ」
窮屈すぎて痛みまで誘ってらしい。
若干情けないその声に苦笑しながら、ドキンはジッパーをおろしてそれを和らげてやり、熱を直接、柔らかな掌で包んだ。
「アハ……スゴ、熱ぅ………」
掌に感じる独特の硬質さ、そして普段は男と意識すらしていないバイキンマンのそれにドキンも欲情した、笑いともいえない、ただ感情の高ぶりを吐き出す声をあげた。
「仕方ないからアタシが乗ってあげる、ほら、転がりなさいよ」
「え、さ、最後までスるのか?それは……その」
女のようにまだ惑う姿に若干いらいらする。
「いいの、どうせっ………バイキンマンなんか食パンマン様の代わりでしかないんだからつべこべいわないでよ!!!」
108おつまみ:2006/10/06(金) 23:14:21 ID:v2JvooLF
「……、」
勢いで随分とひどいことを言ってしまった、と、バイキンマンが息を飲む声でわかったが、今更謝ることもできずに、勢いづいた口と欲望は更に言葉を紡いでゆく。
「いいじゃない、アンタ何時もアタシの欲しいものくれるじゃないっ」
「んぎゃっ」
唯呆然としてしまっていたらしいバイキンマンの脚は脚払いすると簡単にくずれて、アンパンマンにやられた時のようなあまり好印象では無い声をあげ、彼は尻餅をついた。
ぴゅ、と勢いよく先走りがふき、天井を向くバイキンマンのそれを付け根にむかって垂れる。
「アタシは今これが欲しいのっ」
「……っも………ドキンちゃ………」
きゅ、とバイキンマンの根本をつかみ、精液を誘うようゆっくりと上にこすりあげる。
「〇〇が食べたい」「〇〇がしたい」とねだるのと同じような言い方。そして、ドキンはバイキンマンが自分にこうされることに弱いのを知っている。
「いい、でしょ?」
案の定、バイキンマンの表情にあきらめが見え、それをドキンは念を押すような聞き方で確認する。
109おつまみ:2006/10/07(土) 18:15:31 ID:tpxTpQhr
そしてバイキンマンの返事の無いうちに、自らの潤みきって涎を垂らす秘裂に今までしごいていたそれを押しつけた。ちゅくっ、と濡れた音が妙にリアルだった。
「んっ………」
「っア、」
そのままゆっくりと腰を落としてゆく。バイキンマンが僅かな抵抗を見せるように腰を押し返してきたが、強行してしまう。めりめり、と思い切り膣内を広げられ、背筋にぞくぞくぞく、と快感が走った
「ひぁああっ、あ・あひっ………スゴ、子供ちん●の癖にイっ……ぃ…」
「はっ………んん、ドキ・ちゃっ……」
バイキンマンもぶるりとふるえ、熱っぽい吐息を漏らしている。
その勢いで腰をゆらせば、彼もぎこちなくだが本能的に腰を動かしてきた。
たん、たん、と腰がぶつけられるリズミカルな音ばかりが室内に響いた。
「んぁ、っは・はぁあっ」
バイキンマンを気遣う余裕などなく、自分の快楽を追ってしまう。散々じらされたせいか、たかまるのも早かった。
「っァ………ど、どきんちゃっ…」
110名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 18:23:28 ID:tpxTpQhr
「‥――?」
「………可愛い………」
視線を落とすとすっかり快楽におぼれきった表情で。「ささやく」よりかは「呟」かれる言葉に、ドキンの翡翠色の瞳が大きく見開かれた目のなかで揺らめいた。
と、同時に脳裏に火がついたような熱を感じる。自慰では決して感じ得ない快感。
「ひっ?!あ、あっ・ァあっ!!イ………クぅううっ!!!!」
「んなァ?!そ、なっ………締め付け、っぁ………っ」
びくびく、と再度大きく痙攣して、ドキンが達すると、搾り取るような膣壁の動きにバイキンマンもうらがえった声をあげて、どぷ、と精液を放った。

「はぁっ、は………はぁあ………」
うつろな表情で呼吸をととえながら、自分の下でぐったりと同じように荒い息をしているバイキンマンを見る。
「ふ……っ」
涙の痕の見える顔をながめているうちに段々と虚しさに支配され、後悔と自嘲の涙がこぼれた。
111おつまみ:2006/10/07(土) 18:26:02 ID:tpxTpQhr
「わ、うわっ………わわわ、ドキンちゃん?!」
逆レイプしておいて泣き出すドキンに逆にバイキンマンが焦った声をあげ、おろおろと長い髪をなでる。
「うるっさいわね!いいの!」
馬鹿なのか優しいのかわからないそれを何処かうれしく感じてしまう自分のずるさに腹がたってはねつけた。
バイキンマンはう、と詰まってもごもごいいながら、無理無理ドキンの中から萎えたものを抜き取りふきはじめた。


「………バイキンマン!!!」
「は、はいぃ!!」
わざと大きな声を出すと、その背中についている小さな羽根が「ぴっ」と上に上がった。
「あたし、アイスが食べたい」
「で………でも………」
相変わらずの唐突なわがままにバイキンマンはくちごもるが、
「いいから早くいって!!」
とどやすと、しぶしぶ部屋から出てゆき、バイキンUFOをとばしていった。
「…………」
山の向こうにきえてゆく一人乗りUFOを見ながら、涙をふき、ぽつりと反芻する。


『ドキンちゃん、可愛い』


知らず知らず、口元に笑みが浮かんだ。
「ま、いっか。シャワー浴びようっと」
112おつまみ:2006/10/07(土) 18:27:52 ID:tpxTpQhr
時間あいてしまったがおつまみ話終了
バイキンマンショタでゴメ………よんでくれた人ありがとう
またかくかも
113名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 20:12:24 ID:QzDl5X9R
>>112
乙!
初々しくて可愛いな(*´∀`)
次回作も期待してるよ〜ノシ
114名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 20:49:50 ID:exEL+n0G
乙でスタ!
ドキンちゃんは勿論可愛いですが、
バイキンマンがイイ!
そのへたれっぷりがバイキンマンですよね(w
115名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:27:16 ID:exEL+n0G
バイドキのイイ波が来ているところで、筆卸してもいいですか…?

…エロくないし、ちょっとおつまみさんとかぶるかもで
封印も考えたのですが…
116名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 22:55:37 ID:vpSo3jWg
もちろんドーゾ!
いいね、最近栄えてるね。
117名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:15:57 ID:tpxTpQhr
>>115
貴方をまってたんで!!!!ぜひぜひ
118115:2006/10/07(土) 23:34:21 ID:exEL+n0G
素人ですから、あまり期待しないで下さいね。
ではお言葉に甘えて…

◇ ◇ ◇
 
 イライラしていた。
 部屋にあったお気に入りのクッションを思い切り床にたたきつける。
 床が私に非難の音を立てたが、怒りは全く治まらなかった。
 怒りの原因は承知している。
 バイキンマンだ。
 バイキンマンの顔を見るからイライラするのではない。
 その真逆である。
 彼の姿が見えないから、私はこんなにイライラしていた。
「3ヶ月も、どこほっつき歩いてるのよ」 
 バイキンマンが出て行ってから3ヶ月が経っていた。
 出て行った理由は分かっている。
 彼の、私に対するある行動がそうさせた。
 事件の直後はあんなにも彼を嫌悪し、出て行った事実に清々していたのに…
 私はざわめく心をもてあまし、部屋から出て、気分転換の為に広い廊下を歩

いた。


119115:2006/10/07(土) 23:39:04 ID:exEL+n0G
◇◇◇


 満月が綺麗だった。
 いつもの通りアンパンマンに戦いを挑んで負けた日。バイキンマン住処から程近い森林の奥の断崖から月を見上げていた。
 最近の彼の日課である。
 崖にぶつかった風が容赦なく彼のマントをなびかせ、よりいっそう彼の心の中を乱していくようだ。
 このところ調子がでていなかった。いつもなら彼なりに策を練り、相手を翻弄することを忘れないのに、それすら出来ず真正面から挑んでいっては返り討ちにあっていた。
 ただ、我武者羅だった。何かに急かされるように焦っていた。

 ――この世界をオレサマのものにする。

 そんな彼の口癖が霞んでしまいそうな後姿を、私はただずっと見つめていた。
 一緒に寝食を共にする兄弟のようなバイキンマン。
 普段はバイタリティが羨ましいくらい溢れていて、私の我侭も笑って受け入れてくれるのに。最近は私の顔を見るたびに笑顔が引きつっていく。目も逸らされる。一緒に居る時間も無くなった。
 胸の中がもやもやして気持ち悪かった。
 言いたいことが在るならハッキリ言えばいいのに、こうやってうじうじ一人で考えてしまうのはバイキンマンの悪い癖だ。
 今日こそはハッキリさせてやる。
 私は決意すると、ゆっくりと彼に近づいた。
 そして無防備な背中に声をかける。
120115:2006/10/07(土) 23:42:17 ID:exEL+n0G
「何やってるの、こんなところで」
「ど、ドキンちゃん、な、なんでここに…」
 案の定油断していた彼は、驚いて振り返った。
 私は更に近づき、彼の隣に腰掛けた。私の一連の同左に、彼は逐一反応していた。
 それが更にむかつく。
「単純なバイキンマンの行動なんてお見通しよ。ましてや後ろを簡単に取られるようだから、いつまでたってもアンパンマンに勝てないのよ」
「…………」
 うつむく。目をそらした。
 ――つきん。
 心臓が締め付けられる。
 分かっているのに、目の前で反応されると苦しかった。
 そんなにも私が嫌なの?何かした?
「ねえ、どうしたの?ここのところ変だよ、バイキンマン。私に言いたいことがあるなら、はっきり言いなさいよ」
「………べ、別に、何でもないのだ」
「うそ。最近私の目は見ない、笑わない、食事も別。一日中顔を見ない日だってあるわ。こんなにあからさまに避けられていたら、誰だって何かあるって思う」
 詰め寄りながら、私は俯くバイキンマンの顔を覗き込んだ。
 漆黒の髪の中に隠れた目とあった瞬間。
「―――ッ!」
 彼は過剰なまでにびくつき、背をそらした。
 お互いに相手の反応にビックリしていた。バイキンマン自身過剰すぎる反応に驚いているらしく、月明かりに晒された黒目勝ちの瞳をこぼれんばかりに見開いていた。
 ――つきん。
 痛い。 
 本気で、嫌われちゃったのかも。
 彼の反応に、私は二の句が告げなかった。
 確かに、私はワガママだ。素直じゃないし、思い通りにならないと癇癪をおこしてしまう。いつもいつも、バイキンマンを困らせては楽しんでいた。
 普通なら、嫌われても仕方が無いかもしれない。
 考えれば思い当たることが多すぎる。
121115:2006/10/07(土) 23:45:22 ID:exEL+n0G
「嫌いなら、避けないで、男らしくちゃんと言ってよね!バカ!」
「ち、チガウ!」
「じゃあ、何なのよ、最近の行動は。それ以外に説明が付かないじゃない!毎晩こんなところに来てまで避けるほど嫌いなんでしょ!」
「違うんだ!」
「何が違うのよ!」
「だ、だからっ」
「だから何よ!はっきりいいなさ――――ッ!」
 突然、バイキンマンが目の前に来た。
 初めての状況に私の頭は真っ白になる。
 視界が彼の胸で真っ暗になり、鼻が痛いほど押し付けられていた。
 以外に大きな彼の胸から早い鼓動が聞こえた。 
「ドキンちゃんを嫌うはずない―――せっかく、遠ざけて我慢していたのに―――」
 心臓越しに、彼の声が聞こえる。
 次の瞬間、私の視界が開けた。
 満点の星空に投げ出される。
 いや、体が地面に押し付けられたのだ。
 ビックリしている間にバイキンマンが覆いかぶさってきた。
 反射的に逃げようともがいたが、両手足は彼に押さえつけられ、身動きが取れなかった。
 見上げれば、月明かりに右半分だけ照らされた彼。片方の黒曜石の光は、まっすぐ私を見ていた。陰影が彼を『知らないオトコ』に見せているのに一役勝っていた。
 真剣な瞳だった。
 唇に、生暖かい吐息と、感触。そして、ムスクの香り。
 唇が震えるのが分かったが、とまらなかった。何度も唇に触れては離れを繰り返す。
 初めてそれが何であるか脳が理解した瞬間、口の中に生暖かいものが入ってきた。腰を浮かせ、驚きに逃げる腰をバイキンマンの手が支え、ひざの上にまたがらせられる。右手を私の髪に絡ませ、よりいっそう深く進入してきた。
 苦しい。
 時々聞こえるバイキンマンの荒い息継ぎの音。
 私の苦しい息継ぎ。
 口の中の異物は私の葉や下を絡めとり、撫で回した。
 舌を吸われる度、歯の裏をなでられるたび、痺れる様な感覚が腰を震わせる。
 私は抵抗を忘れて、初めての感覚に怯えた。
 何分そうしていただろうか。
 頭がくらくらした頃、解放された。
「はあ、はあ、はあ…」
 糸をひく唇。ぬれた彼の瞳。
 何もかもが現実感を欠いている。
 唾液でぬれた唇が月明かりに映えて艶かしかった。
 酔ったように何も考えられない。
 ぼおっとしていると、遠くから金属音がした。バイキンマンがベルトをはずしたのだ。そのベルトを、抵抗出来ない私の手首に普段からは考えられない手際の良さで巻いた。
122115:2006/10/07(土) 23:46:55 ID:exEL+n0G
 陶酔感が吹き飛ぶ。
 頭上でクロスさせられて巻かれた腕は、すっかり固定されて動かない。抵抗を見越してか、両足は再び彼の両足に押さえつけられていた。
 運の悪いことにタイトスカートを履いていた私は、足を開くことも適わず簡単に押さえつけられた。
 それでも抵抗を続けようとする私のブラウスのスカーフを乱暴に抜き、今度は視界を奪われる。
 黒曜石が隠れると、漆黒が広がる。
 それと同時に、信じられない言葉が聴覚に届いた。

「俺様を――見てくれ」

 ――なによ、それ。

 今この状況で、見れるわけ無いじゃない。
 体が無意識にびくんと跳ねた。
 バイキンマンがかすかに笑った声が聞こえた。
 自嘲的な笑い声。
 その声を合図にブラウスを引きちぎられる。
 息も付かぬ間に、今度はスカートを引き下げされ、恥ずかしさと驚きに抵抗する間も与えられずにショーツをむしりとられた。
「いやああああ――ッ!」
 一瞬にして、私の下半身はバイキンマンの前に晒された。
 眼には見えない。冷気が私の恥ずかしい部分を撫でていく感覚だけが、今の状況を理解させている。
 誰にも見せたことが無いそれを彼に晒していると想像するだけで、私は恥ずかしさと怒りで涙が溢れた。
 生理後だということが、唯一の救いだった。
123115:2006/10/07(土) 23:48:58 ID:exEL+n0G
◇◇◇


「もう、思い出しちゃったじゃない!」
 脳裏を過ぎった記憶に、私は立ち止まって叫んだ。
 意識を振り払うために顔を左右に振る。
 目頭が熱くなり、心拍が急きたてるように鳴っている。
 こんな私は私らしくないと記憶を拡散させる。
 眼を上げると、バイキンマンの部屋が目の前にあった。
 私は、無意識のうちにバイキンマンの部屋の前に来ていたのだ。
 なんで、こんな奴の部屋なんかに!
 そう思うのに、身体は考えを裏切って部屋の中に入っていた。
 中に入ると、バイキンマンの匂いがした。バイキンの癖に、彼はいつもムスクの香りをまとっていた。
 3ヶ月前と同じ状況の部屋。
 至るところに彼の研究結果が散乱している。
 模型、設計図、工具、作りかけの発明品――一そして、ベッド。
 1番奥にあるベッドは、主を欠いたまま埃をかぶっている。
 私は迷わず彼のベッドに腰をかけた。
 埃がかぶっていると分かっていて、ベッドに横になる。
124115:2006/10/07(土) 23:51:01 ID:exEL+n0G
 バイキンマンの残り香。
 ムスクの香りが私の下半身を振るわせた。 
 あの、月夜の記憶は、私をこんな身体にしてしまった。
 下半身に、彼の太いものが入ってくる感覚がする。
 最初の抵抗、痛かった感覚、その後の優しい振動、激しい振動。
 彼の吐息、ムスクの匂い、皮膚がぶつかる音。
 静かな興奮、最後の荒っぽい腰つき。
 暖かい、体温。
「あ…」
 気が付くと、ショーツに生暖かい感覚。
 ――悔しい。
 私は五感で感じる感覚を振り払うと、目の前にあった枕をガラクタの中に投げつける。
 まだすっきりしない感覚を当り散らせるものを探そうと腕を伸ばすと、枕のあった場所に一冊の本が置いてあった。状況からして、枕の下にあったものだ。
 バイキンマンに文学を嗜むような趣味はないはず…?
 好奇心に負け、私は迷わず手に取った。
 ハードカバーのそれは表紙の何も書いておらず、内容を調べようとページを開けた。
 そこには、男の汚い字が羅列してあった。
「日記だ…バイキンマン、日記なんか付けてたんだ…」
 俺様という一人称を使っているくせに、ピュアな所の多い彼のことだから、妙に納得。
「アンタが帰ってこないのが、悪いんだからね」
 そう誰とも無く言い訳すると、私はバイキンマンの適当なページを開いて日記を読み始めた。
「なによ、これ…」
 最初の一行目を読み始めて、私はその内容に絶句した。
125115:2006/10/07(土) 23:55:02 ID:exEL+n0G
『ドキンちゃんが笑った。彼女はショクパンマンの前だとよく笑う。あんな可愛い顔をして笑うのは奴の前だけだ。
 オレと何処が違うのだろう』

『ドキンちゃんに頼まれて採ってきたキノコでパスタを作った。嬉しそうに食べている。ドキンちゃんが笑うと、嬉しい。
 でも、ショクパンマンの前の笑顔とは違う。どうしたらあの笑顔がみれるのだろう』

『ドキンちゃんのために作った美容マッサージ器がバグった。あと少しでドキンちゃんを傷つけるところだった。彼女はとても怒った。怒った顔も可愛い。
 でも、嬉しそうな顔のほうが好きだ。こんどは失敗しないようにしよう』

『ドキンちゃんが、最近ますます綺麗になったような気がする。ドキンちゃんは、初めて会ったときからあんなに可愛かったか考えていたら朝になってしまった』

『最近、オレはおかしい。ドキンちゃんに会うたびにどきどきが止まらない。でも、苦しい。この気持ちはなんだろう』

『昨日、ドキンちゃんが雨にぬれて帰ってきた。行きはオレがあげた傘を持っていたはずなのに、どこかに忘れてきたという。
 今日アンパンマンを倒しに行くために街への林道を歩いていると、一本の木の陰にドキンちゃんの傘が立てかけてあった。
 近づいてみてみると、傘の下で子猫が鳴いていた。猫を飼うには過酷過ぎるオレの家では飼えないから、傘を立てかけたらしい。
 ドキンちゃんは本当はとっても優しい』

『今日はドキンちゃんに殴られた。むしゃくしゃしていたという理由だ。そんな理由でなぐるなんて酷すぎる。
 でも、彼女が優しいことをしっているから、オレはこういったドキンちゃんも嫌いじゃない』

『風呂上りの彼女がいた。びっくりした。その場は逃げるように立ち去ったが、今もどきどきが止まらない。
 このところドキンちゃんに会うたびに心臓がどきどきする。絶対におかしい』

『昨日、夢を見た。夢の中でオレは彼女を…やっぱりそうなのだろうか…でも、彼女はショクパンマンを好きなのだ。
 オレの前では絶対あんな顔で笑わない』

『今日は1日苦しかった。雨だったから一日中ドキンちゃんと一緒だった。彼女と一緒で嬉しい反面、すごく怖い。
 夢は毎日のように見る。夢のように彼女を壊してしまうかも知れない。彼女から…オレを遠ざけなければ』

『ドキンちゃんがショクパンマンが好きだということを考えるだけで、のたうちまわりたくなる。胸が痛い。俺はアンパンマンにも勝てない。
 どんなに尽くしても、彼女が俺を男としてみてくれる日はこないのかもそれない』 
126115:2006/10/07(土) 23:56:45 ID:exEL+n0G
「バカ…」
 胸がどきどきする。
 最新の日記になればなるほど、彼の字が震えていた。
 この中には、バイキンマンから見た私が居た。
 そして、彼の気持ちがありのままにつづられていた。
 不器用に、純粋に。 
 ――ばか。
 目頭が痺れ、涙がこぼれた。
 こんなにも、バイキンマンは私の見ていた。
 ショクパンマン様に浮かれている私も、ワガママをいって困らせる私も、子猫を見捨てられない私も、そして、醜い私も。
 ――会いたい。
 すごく会いたかった。
 バイキンマンに色々といってやりたい。
 涙が溢れて、心臓が締め付けられて、息が出来なくて… 
 いつの間にか、こんなにも私の中をバイキンマンが侵食していたのだ。少しづつ、少しづつ私の中をバイキンマンは満たしていって、彼なしじゃあ満足できない女になってしまった。
 毎回アンパンマンに負けている情けない男なのに。私を強姦するような最低な男なのに。目の前の現実から簡単に逃げ出すような男なのに。
 ショクパンマン様に感じるのとは、全く別の、この感情をなんて表現したら好いのだろう。

 ―――愛しい。

 ああ、そうか。
 この感情が、本当の好きの気持ちなんだ。
 ショクパンマン様への気持ちは、こんなにも乱れたりしない。どろどろしていない。見ているだけで満たされる。
 殴ってやりたいとか、抱きしめたいとか、寂しいとか…こんな直接的な感情が沸いてくるのは、あいつにだけだ。
 私は涙を拭いて、日記を抱きしめた。
 もう、自主的に帰ってくるのを待っていられない。
 私は走って自分の部屋に戻った。化粧ポーチを出すと、辺りが散乱するのも構わずにひっくり返す。
「あった。…まってなさいよ、バイキンマン。今から行くから」
 ファンデーションコンパクトをポケットにしまうと、私はヘリポートへと駆け出した。
127115:2006/10/07(土) 23:59:05 ID:exEL+n0G

◇◇◇


「やあっとみつけた、この大バカヤロウ!」
「―――ッ!」
 振り返るバイキンマン。
 満月は、彼の驚きを無残なほど照らしていた。
 あの夜もそうだった。
 きっかけはいつも私だ。
 静かな潮騒を私の声が破る断崖絶壁。
 そこに彼は、テントを張ってた。
 隠れ家には、3ヶ月前と似たような場所を彼は選んでいた。
「森の次は海?本当にわかり易い男ね」
「な、なんでここに…」  
「前にもいったでしょ?バイキンマンを見つけるのなんて簡単よ。貴方のUFOに探知機を付けておいたの」
 私はファンデーションのコンパクトを開けてサイドボタンを押した。コンパクトのミラーに簡素化した地上画像が映し出される。衛星をジャックして拾った画像を映し出すので、そこまで綺麗な画像は望めないが、それでもこの場所を画像の中心にハッキリと映し出していた。
「これで分かったでしょ?」
 どこに逃げても、無駄。
 必要なときに直ぐに見つけられるようにと付けた装置だったけれど、今思うと無意識の所有欲が働いたのかもしれない。
 バイキンマンの幼い瞳はゆれていて、眉は情けないほどハの字になっていた。
 今まで必死に私から逃げてきたのが、全くの無駄だったのだから当然だろう。
「そんな顔されたら、ますます我侭を言いたくなるじゃない―――私が素で居られるのは、あんたしか居ないんだからね。これからも私のそばに居てくれなくちゃ困るの」
 理不尽な言い方なのは分かってる。でも、これが私。
 バイキンマンの目がこぼれんばかりに見開かれた。
 雫が彼の瞳から落ちていく。
 男の泣き顔って、思ったより綺麗だ。
 普段から情けないバイキンマンの顔が、更に情けなくなっているのに、今の私にはそれすら可愛く見えてしまう。
128115:2006/10/08(日) 00:06:53 ID:exEL+n0G
 涙を流した顔を上げると、彼の震える唇は無理だといった。
「何が無理なのよ」
「だって、俺は――ドキンちゃんにあんな、酷いことをして――」
「そうね、許せないわ」
 彼の肩が怯えて震える。
「なにが『俺様を見てくれ』よ。あんな目隠しされたらなにも見えないじゃない。アンタがどんな顔して私を抱いたのか、どんな気持ちで抱いたのか、まったくわからないじゃない。…私が許せないのは、正々堂々と抱かなかったあんたの卑怯さよ」
 あの時―――私を抱いたのは、目の前のバイキンマン。
 ショクパンマン様事なんて、一切思い出せないほど、私は彼を感じていた。
 この身体に残る感覚も、匂いも、音も全部、バイキンマンのもの。
 もう、覚えてしまっていて消せやしない。
 何より、バイキンマンに思われている自分が心地いいと思ってしまったではないか。 
「最後に一つだけ聞かせて…私のこと、好き?」
 バイキンマンは息を飲む。
 一瞬の逡巡のあと、彼は私の目を見てはっきりと言った。
「…そうなのだ…好きだ…大好きだから、我慢できなかった…」
「…そっか、…ありがとう」
 私は笑った。
 胸が満足の音を奏でる。
 驚くバイキンマンを無視して手をとる。
「さ、帰るわよ」
「え?」
「何のためにわざわざ迎えに来てやったと思ってるの!おなかすいちゃったの!何か作ってよ、バイキンマン」
「ええ!!……う、うわ!」
 戸惑う彼に構わず、私は走り出した。

 つないだ手は、男の人の大きさ。
 暖かいそれが私にとって必要なものだって知ってしまったからには、簡単に逃がしたりはしないわよ。
 でも――まだ好きだなんて言ってやらないから。 
 私を強姦した罰だ。
 ゆっくり、分からせてやる。
 楽しくなる。
 日常が帰ってくる。
 これからの充実した毎日を想像して、私は彼に見つからないように笑った。


 ――了――
129115:2006/10/08(日) 00:14:10 ID:SPdV5tJQ
投下終わりました。
おそまつサマです。
まとまり感が無いのは許して下さサイ。
所々に入れるはずだったエロは補完頼みます!!<他力本願

ところで、このドキンちゃん、私が片手間に書いている某ボールのブ○マさんに似てしまいました。
声が一緒だからですかね?
130名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:25:29 ID:j4Q+4hUe
GJGJ(*´Д`)ハァハァ
131名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 00:37:08 ID:3yo9nAlW
おっつー。
「我武者羅」と「ムスクの香り」で笑ってしまった。
ドキンちゃん大人気だな。
132名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:13:32 ID:uJdGt6Vq
も え た GJ!!
133名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 01:21:21 ID:xN3lL18U
うわぁあああ萌えた
激しくGJ
134名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 14:44:20 ID:j7e1xNqe
なんだこの良スレはあああああああああ
お気に入りに登録しました(*´Д`)ハァハァ
135115:2006/10/10(火) 20:26:35 ID:i9DrCn3B
読んで下さった方、有難うございました。

またネタが降りてきたら、お世話になります。

へタレバイキンマンを脳内で育てて出直してきます〜
136名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 23:46:34 ID:7h5XVfby
遅ればせながら115超GJ!禿萌えた
ただ一つだけ、書き込む前に一度でいいから誤字を校正してくれたら真の神だ。
細かくてスマソ
137名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 00:19:15 ID:UlsIbhHu
うわああ(*´Д`)
バイキンマンカワユスww
ものすごく良スレですね
138名無しさん@ピンキー:2006/10/11(水) 01:22:12 ID:JZ6XweXr
キュンとしたわー
良作続きで嬉しい
139名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 20:23:22 ID:UW9Jl7n4
みなさんの文才と力作にマジ感動しますた!!
ショクパンマンが清純(純情無知)なメロンパンナちゃんを
口説きに口説き、悪戦苦闘する日々を描いてほすい。
洗練された口説き文句と女性を翻弄する貴公子が
天真爛漫な純情少女に、メロメロパンチ・・みたいな(笑)
最後は平和を祈るアンパンマンにさえ嫉妬してしまう
まるで形無しな貴公子ショクパンマン。
こんな感じでお願いします。
140名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 19:23:03 ID:UXK77xg/
そこまで妄想できてるなら、YOU、書いちゃいなYO!
141115:2006/10/13(金) 21:50:35 ID:PnH5yMGl
>>139

そのネタの妄想もらってしまい、本日一日中へタレ食パンが頭の中に住んでしまったではありませんかw
食がバーのカウンターで酔っ払いながらカレーに愚痴ってるところが見えてしまった…orz
142名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 21:51:23 ID:PnH5yMGl
ぎゃあああっ

名無しに戻るの忘れてた…orz
143名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 22:15:23 ID:PM7wBRcE
来週のアンパンマンはロールパンナちゃんだ!
144名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 09:15:04 ID:02KHvnfk
>>143あ゛ー






寝坊しますた!!

by ロールフェチ喪
145名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 02:25:49 ID:txQfawz1
保守
146名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 01:03:05 ID:8flQKday
ショクドキ待ち
147名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 12:51:46 ID:0+QGeaMx
同じくショクドキ待ち
148名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 07:35:41 ID:Q4ZbZCdt
ドキバイ待ち
149名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 07:48:53 ID:Sk/oyfN7
ほっしゅ
150名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 17:37:39 ID:db9P4Wjq
ドキンちゃん以外のも来ないかなー
151ろおるふぇち喪:2006/10/18(水) 19:29:45 ID:MDeW8iuk
ロールフェチ喪

ろおるふぇち喪
がきますた!
152名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 19:58:03 ID:XDH8Dexu
ネタ(*´∀`*) が降りてきたけど…

文字にする時間が無いよ…

ネ申を待つ…
153名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 11:47:41 ID:5EFmMQrL
ほしゅー
154名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 20:15:31 ID:3Z2ZSLPK
ドキンちゃんじゃなくてもいいならまたおつまみ程度のかこうかなぁ
155名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 23:11:18 ID:YBRpMYs9
食パン×ドキンたん萌え
156名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 23:12:20 ID:YBRpMYs9
>>154
あっ流れ読まなかったorz
是非投下してくだぱい☆
157名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 02:22:18 ID:qqe+wPiw
無料携帯アダルトwebゲーム
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158名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 08:34:52 ID:2ZVCrDUR
>>154
お酒準備して待ってます

     ∧∧シュッ  シュッ
    (`・ω・)シュッ シュッ
    (つ と彡/シュッ
      /// /
    / ▽ /
   /c□  ./
 /c□//./
/c□  ▽./
159名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 22:06:42 ID:vSdL9NWn
渡し杉w
160名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 01:20:48 ID:PPVCnntO
普通のバタ子さんものも読んでみたい
161名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 17:31:23 ID:XUKx6bNi
保守age
162名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 07:30:42 ID:6yogedCw
ろおるふぇち喪
保守点検age
163名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 07:27:27 ID:2RCBDiPl
アンパン×メロンパンの自分は少数派?書こうかと思ってるんですが、できたら持ってきて良いでしょうか?
164名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 08:35:56 ID:886Iek3l
もちろんどうぞ
165名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 11:12:04 ID:ddVAZJuH
っしゃ!!
期待age
166名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 22:50:18 ID:E1QpSR0d
失礼します。
ろおるふぇち喪です。
久々に時間があったので
じっくりと何回も読み返しますた。
かなり良かったです。
今自分も製作中ですが
なかなかみなさまのようにうまくいきませんが・・
皆様の新作期待してます。
167名無しさん@ピンキー:2006/11/06(月) 18:08:01 ID:yLZtT9QJ
お久しぶりです。
ショクドキ第三弾「放置プレイ編」です。
どうもエロくて短いのって書けないみたいで、今回22まであります。
嫌な人は読み飛ばしてください。
とりあえず今日は半分。残りはたぶん明日。
今回結構ラブい……かなぁ。
168ショクドキ3-1:2006/11/06(月) 18:09:16 ID:yLZtT9QJ
 ドキンは枕の端をきつく噛みしめ、低くうめいた。
 頭の中を駆け上がってきた波がはじけ、えもいわれぬ快感が全身を包み込む。
「ん……」
 肩から力が抜け、体がベッドに沈み込んだ。
 部屋に満ちた荒い呼吸に耳を傾け、焼けつく余韻にひたる。
 濃密な空気がまとわりついた。
 足の間に埋めた自分の指を引き抜く。内腿が濡れて気持ち悪かった。
 ふと、さまよっていた視線が、壁にかけられた額の上に止まった。
「ショクパンマン様」
 部屋に飾られたショクパンマンの写真。
見慣れた涼しげな瞳が、熱く乱れた彼女の上に注がれている。
 ドキンは瞳を閉じ、再び右手を自らの体内に沈めた。
「ふっ……んんっ」
 もう幾日こうしているだろう。
 決して満たされない飢えに蝕まれて、こうして自分をごまかしていた。
 ショクパンマンが残した甘い毒が全身を巡る。
 体の欲するがままに指先で刺激を与えるが、頭をよぎるのは背中を這う彼の長い指や
温かい手の平、薄い唇。
「違う、違うんだったら。こんなんじゃないのに」
 自分ではどうしても芯に宿る疼きを押さえられず、ドキンは苛立ちを募らせた。
「もうやだ。どうしたらいいの?」
 折れそうなくらい抱きしめて欲しかった。
 そっと名前をささやいて欲しかった。
 いつかそうしてくれたように――。
「会いたいよ、ショクパンマン様……」
 昏い部屋で一人、ドキンは枕に顔を埋めた。
169ショクドキ3-2:2006/11/06(月) 18:10:03 ID:yLZtT9QJ
 目覚めてすぐにシャワーをあびた。
 欲求を持て余している間に疲れて眠ってしまったらしく、衣服ははだけ、
体がベタついてひどい有様だった。
 身支度を整えると、ドキンは居候先のバイキン城を飛び出した。
「あれ、ドキンちゃんどこに行くの?朝ごはん……」
「いらない!うさばらしに行ってくる」
 バイキンマンにそう言い捨てて、ドキンは自分のUFOに乗り込んだ。
「要は欲求不満なのよ。こういう時はショッピングに限るわ」
 欲しいものをリストアップしながら、ドキンは街中まで全速力で飛んでいく。
「寒くなってきたから、冬物も欲しいし、そうだ白いコート!コートとおそろいの
帽子も欲しいでしょ。あと、ブーツと化粧品と……毛糸も買おうかな。今から編めば
クリスマスに間に合うわよね。ショクパンマン様にセーターとマフラーを編んで、
それからバイキンマンにも靴下くらいあげてもいっか」
 声にも明るさを取り戻し、ドキンは青空の下叫んだ。
「よーっし、いっぱい買うぞぉ」
170ショクドキ3-3:2006/11/06(月) 18:10:56 ID:yLZtT9QJ
 そう意気込んではみたものの、こんな日に限って気に入った商品に巡り会えず、
ドキンは両抱えもある毛糸の山をUFOに詰め込んだ。
 結局自分のために購入したのは、ベージュのカシュクールとファーのついたルームシューズだけだ。
「んもう、余計イライラしちゃう」
 ドキンは腕組みして操縦席に座り込んだ。
「ヤケ食いしかないかなぁ。でも太ったらヤだし……アイスだったら平気かな?ん、よし食べちゃお」
 決めるが早いか、ドキンはレバーを引いて宙に浮かんだ。
「それで、本屋寄って雑誌買って帰ろうっと。お腹すいたもんね」
 のどかな街の上空を横切り、街はずれにUFOを停めると、ドキンはジェラート屋の扉をくぐって
ヨーグルトとストロベリーのアイスをダブルで注文した。一応カロリーを考慮して選んだのだが、
この二つはゆずれない気分だった。
「んんー、おいしい」
 ペロリとたいらげ、店を出たドキンの足が止まった。
 視界の端を、ショクパンマン号が走りすぎたのだ。
 ドキンは駆け出した。
(ショクパンマン様だ!)
 胸がはずんだ。姿だけでも見たかった。
 角を曲がると、レストランの店先に車が停まっているのが目についた。
 パンの配達に来たのだろう。車内にショクパンマンの姿はなく、ドキンは建物の陰に
身を潜ませて、彼が店内から出てくるのを待った。
171ショクドキ3-4:2006/11/06(月) 18:11:32 ID:yLZtT9QJ
(まだかな。ああん、もう待ちきれない)
 ショクパンマンを想うだけで、胸がきゅっと苦しくなる。
 熱い視線をそそぐ店先のドアが開き、店主とショクパンマンが外に出てきた。
「ショクパンマン様……」
 喉が鳴った。
 いつもと変わらぬ柔らかな物腰で挨拶を交わし、車に乗り込む彼から目が離せない。
「やだ、どうしよう」
 ドキンは自分の体を抱きしめて、ささいな動作も見逃すまいとショクパンマンを見つめた。
 うまく息ができない。体が痺れるようにじわりと火照った。
 ショクパンマンの姿を見たからだ。駆け寄れば手の届くところに彼がいる。
それだけでこんなにも体が反応してしまう。
(ああ……)
 走り出した車の後姿を見送って、ドキンは膝をついた。
「どうしようショクパンマン様。あたし、ショクパンマン様じゃないとダメだよ……」
 間違えようのない疼きが全身を支配する。
(苦しい……)
 あの体が欲しかった。
「もういや、助けて」
172ショクドキ3-5:2006/11/06(月) 18:12:10 ID:yLZtT9QJ
「ショクパンマン様ぁ」
 UFOに戻るなり、ドキンは体をシートに預けて、貪るように指を下腹に這わせた。
「あぁ、ああン。ショクパンマン様……っ」
 どうかしてると、自分でも思う。遠目に横顔を見ただけで、手のつけようがないほど
彼が欲しくてたまらないなんて。
(でも、お元気そうだった)
 あの髪に触れたい。声が聞きたい。
 おそらく、次に会ったらもう抑えがきかないだろう。体を投げ出して、もう二度と離れたくない。
 彼を想って自分を慰めながら、ドキンは不思議に思う。
(あたし、どうしちゃったんだろう)
 前はこんなんじゃなかった。
 初めて体を重ねた後も、こんな風に体を持て余すことなんてなかったのに。
姿を見かけただけで、心がふんわり暖かくなったのに。
 ――今はショクパンマンの存在を遠く感じて、手に入れたくてタガが外れてしまっている。
173ショクドキ3-6:2006/11/06(月) 18:12:50 ID:yLZtT9QJ
(あの、谷底で過ごした一夜からだ)
 あの日、彼はそばにいてくれた。触れていられるなら、何をされても平気だった。
 ドキンはため息をついた。
「あたしって欲深いのね……」
 前は見ているだけで満足だったのに、一旦手に入れたなら、もうそれなしではいられないのだ。
(ああ、もうだめ)
 突き上げる衝動に身を焦がすドキンの瞳が、操縦レバーの上に据えられた。
(あれは――)
 ドキンの手が伸び、レバーが本体から取り外される。
 あのときの、ショクパンマンのセリフがよみがえる。
『――ずっと覚えていて。奥深く刻み込んであげるから――』
「はい。はい、ショクパンマン様」
 ドキンは恍惚としてレバーのグリップを舐め上げると、ためらいがちにソレを自分の中に
沈めていった。
「はぁ……っ、うんっ」
 体が震える。
「やだ、やだ……。あっ、ん、もっと」
 手の動きに合わせて、濡れた音が漏れる。
 背後から頭の先へ抜けていく感覚に、ドキンは集中した。
 手の動きと共に、感覚が高まる。
「ショクパンマン様っ、ああ、いやっ!」
 両足が跳ね、ドキンは自らを解き放った。
174ショクドキ3-7:2006/11/06(月) 18:13:29 ID:yLZtT9QJ
 正午までには、まだいくぶんかのゆとりがある時刻。
 ドキンは学校からのびる細道の脇にしゃがみこみ、空を見上げていた。
 最前、操縦レバーを洗って本体に取り付けながら、ドキンは虚しさとやりきれなさに捕らわれた。
これ以上目をそらしてはいられなかった。自分の欲求を煽るのも静めるのも、彼にしか
できないとわかっていた。
 この時間帯は、ショクパンマンは学校に給食のパンを届けた帰りに、いつもこの道を通る。
 ドキンはすがるような思いで待ち伏せをしていた。
 やがて木立ちの合間に白い車体が垣間見え、ドキンは立ち上がった。
(来た。――でも待って、何て言おう。いくらなんでも、あんまり大胆なことは言えないし。
『一緒にいてください』とか?それじゃ意味わかんないわよね。率直に『会いたかったの』とか……
やだ、そんなこと恥ずかしくて言えない。んーと、じゃあ『お時間ください』って言ってみようかなぁ。
迷惑じゃないといいんだけど)
 ドキンが考えをまとめるより先に、ショクパンマン号がドキンの前に現れ、
少し行き過ぎたところで停止した。
 ドアが開き、ショクパンマンの声が耳に届く。
「ドキンちゃん?こんなところでどうしたんですか?」
 ドキンは胸を高鳴らせて、車体の前に駆け寄った。
「ショクパンマン様。こんにち……は。げ」
 ドキンは顔をしかめた。
 ショクパンマン号の助手席に、カレーパンマンが座っているのに気づいたためだ。
175ショクドキ3-8:2006/11/06(月) 18:14:03 ID:yLZtT9QJ
「よー、ドキンちゃん久しぶり。一人で何やってんだ?」
 カレーパンマンが訝しげに問いかけた。
「な……何でカレーパンマンがここにいるのよ」
「いちゃ悪いかよ。俺はただコイツの配達を手伝ってやってるだけだぜ。そっちこそどうしたよ」
 ドキンは一瞬言葉につまった。
(何よ、アンタがいたら話になんないじゃない。今日に限ってお手伝いなんかしてんじゃないわよ。
このお邪魔虫!)
「あ、あたしがどこで何をしてようと、アンタに関係ないじゃない」
「なんだぁ?相変わらずかわいくねぇな」
「んですって、失礼ね」
 いがみあう二人の間に、ショクパンマンの笑いを含んだ声が割って入る。
「ほら、二人とも落ち着いて。ドキンちゃん、お久しぶりです。お元気でしたか?」
「あ、はい。元気です」
「それはよかった」
「あのう……」
「はい?」
「ええと、あの……ごめんなさい、何でもないです。お仕事の途中ですよね。午後の配達も
頑張ってください」
 ドキンは拳をぐっと握りしめた。
(ダメ!ムリだわ。せっかく人目のない場所を選んだのに、これじゃ言えっこないじゃない)
「ありがとう。そうだ、ドキンちゃんお腹すいてますか?お昼まだですよね」
「え?はい」
「ちょっと待ってて」
 そう言うとショクパンマンは席を立ち、荷台に首を突っ込んで、何やら漁りだした。
176ショクドキ3-9:2006/11/06(月) 18:14:40 ID:yLZtT9QJ
「はい、これ」
 バスケットに山盛りになったパンを抱えて車から降りてきたショクパンマンが、
ドキンにパンを差し出した。
「柔らかいうちに召し上がってください」
「わあ、おいしそう!ショクパンマン様ありがとう」
 パンの香ばしい香りに、ドキンは相好を崩した。
 そんなドキンの様子に、カレーパンマンが毒づく。
「けっ、ショクパンマンには愛想がいいんだからな」
 ドキンは唇をとがらせた。
「いちいちうるさいわね。放っといてよ」
「そら、これだもんな」
 ショクパンマンが車に戻り、声をかけた。
「それじゃあまた。お気をつけて」
「はい。パンをありがとうございました」
 走り去るショクパンマン号の後ろ姿を見送って、ドキンはため息をついた。
「んもう、あたしのバカバカ。結局言えずじまいじゃないの」
(二人きりで会って欲しかったのに。おしゃべりをしたり、押し倒したりして欲しかったのに)
 ドキンはパンをひとつ手に取り、かぶりついた。
「ん、おいし」
 空腹だったのを思い出し、次々とパンをほおばる。
「おいしい。けど……」
 パンでお腹は満たせても、心と体までは満たせない。
(また今度出直してこよう)
 パンを残さずたいらげると、ドキンは重い足どりで帰路についた。
177ショクドキ3-10:2006/11/06(月) 18:15:20 ID:yLZtT9QJ
 音楽を聴きながらお風呂でマッサージをして、パックとトリートメントもして、ヒジやカカトも
スクラブで洗って、全身を磨きたてた。
 髪をかわかしてからバスローブ姿で部屋に戻り、保湿用のクリームとスリミングジェルを交互に塗る。
 一人で過ごす夜は長い。それでも、体の奥に巣食う貪欲な欲求から逃れるために、
普段よりもせわしなく動きまわる。
(次は、爪のお手入れでもしちゃおうかな。もう秋だし、ストーンは剥がして、
少し落ち着いたカラーにしよう)
 ドキンが除光液に手を伸ばしたときだった。
 カーテンの向こうから、コツコツと二回硬い音がした。
(あれ?何の音だろう。誰かいる……わけないか。ここ二階だもんね)
 ドキンはカーテンをめくり、外を覗いた。
 その目を見開いて、彼女は息をのんだ。
「ショクパンマン様!」
 窓の向こうに、風にマントをなびかせて、ショクパンマンが夜空に浮かんでいる。
 ドキンは慌てて鍵をはずし、窓を開け放った。
「こんばんは」
 その声を聞くなり、ドキンは窓枠を乗り越えてショクパンマンに抱きついた。
「おっと」
 体を支える腕の力を感じた。
 ドキンはショクパンマンの名を呼び、彼の首にすがりついた。
「ショクパンマン様。――どうしてここにいるの?」
「昼間、ドキンちゃんが何か言いたそうだったから」
「それでわざわざ来てくれたの?」
「ええ」
「嬉しい。あたし、ずっとショクパンマン様に会いたかったの」
「そうなの?」
 ドキンは頷いた。
178ショクドキ3-11:2006/11/06(月) 18:15:58 ID:yLZtT9QJ
「ショクパンマン様の方から会いに来てくれるなんて、夢みたい」
「さっきは何の用だったの?」
「こんな風に二人きりで会いたかったの。そう伝えたくて。迷惑かとも思ったんだけど、
どうしても我慢できなかった。会いたくて会いたくてたまらなかったの」
「そうなんだ。別に迷惑じゃないよ」
「よかった」
 胸をなでおろすドキンの背を、ショクパンマンが抱きしめた。
 その力強さが、ドキンの体に火を灯した。
 ドキンは一層体を押しつけて、彼の首筋に顔をこすりつけた。
「ショクパンマン様ぁ……」
「うん」
 面を上げると、吐息が触れるほどの至近距離で目が合った。
「あたし、ずっと欲しかったの。お願い、もう我慢できない」
 ショクパンマンが笑みをこぼす。
「すごい口説き文句だね。まいったな、自惚れちゃいそうだ」
 ショクパンマンの顔が近づき、ドキンに熱いキスをした。
 歯列を割って、舌がねじこまれる。
「んっ……」
 ドキンは一滴残らず吸い上げようと、無心に舌をからませた。
 口腔内をあまさず侵略してくる感触と一体感に、頭に靄がかかり、体から力が抜けた。
 湿った音を立てて、唇が離れた。
 ドキンは恍惚となって、ショクパンマンの肩に頭を預けた。
179名無しさん@ピンキー:2006/11/06(月) 18:39:26 ID:WHuVWVR2
クオリティ高ええええええええ
続き支援 つ@@@@
180名無しさん@ピンキー:2006/11/06(月) 22:36:09 ID:XrnJAUjk
なぜかPCから書き込めない…

つかショクドキネ申が降臨してる!
一言言わせてくれ、アンタすごいよ。
181名無しさん@ピンキー:2006/11/06(月) 22:54:46 ID:9+V2mabN
すごい!まだドキドキが止まらない…!
182ショクドキGJファン:2006/11/07(火) 02:54:12 ID:xVGy6VlY
ショクドキの神キタ――――!!!!!!この日を待ってました!
ショクドキの神よ、私は貴方の書く小説が一番好きです!!(>▽<)
183名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 17:01:04 ID:KRUJQkdM
レスありがトン。
後半でーす。
184ショクドキ3-12:2006/11/07(火) 17:02:07 ID:KRUJQkdM
「ドキンちゃん、そんな格好で外にいると風邪をひくよ。中に入ってもいい?」
「ん、うん」
「靴は?」
「そのまんまで大丈夫」
 物憂げに答えたドキンを抱き上げたまま、ショクパンマンは窓から部屋の中に入り、
窓を閉めてカーテンをひいた。
 そのままショクパンマンがベッドの端に腰かけたので、ドキンはルームシューズを脱ぎ捨てて、
彼の足の上に馬乗りになった。
 確かめるようにショクパンマンの顔の輪郭をなぞり、唇にくちづける。
 愛しい人がキスに応えてくれる。それだけで幸福に目がくらみそうだ。
「ドキンちゃん、今まで何してたの?」
「あたし?お風呂に入って……あちこちお手入れしてたの」
(ショクパンマン様に会えない時間を、ひたすら耐えてたのよ)
「香水変えた?」
「え?――ええそう。そうなの」
 思いもよらないことを指摘されて、ドキンはきょとんとなった。
「気分を変えたくて、今日はいつもと違うのつけてる。ニナリッチのオレンジの香りのやつ。
すごい、ショクパンマン様。そんなことまでよく気がつくのね」
「うん。おいしそうだから」
 そう言ってショクパンマンはドキンの手をとり、指先に歯をたてた。
185ショクドキ3-13:2006/11/07(火) 17:02:49 ID:KRUJQkdM
「あ……」
 ドキンの見守る中、指先が吸われ、指に舌が這った。
 指の間を舐めあげられて、頭に火花が散るような快感が走り抜ける。
 徐々に呼吸が不規則になっていく。
 ショクパンマンの唇が手首をなぶり、ドキンはたまらず腰を彼の足にこすりつけた。
「あん……どうにかなっちゃいそう」
「今日はずいぶん情熱的だね」
「すごく欲しいの。もうずっと。……いっぱい触って」
「わかった、いいよ」
 ショクパンマンはドキンの体をぐいと引き寄せ、首筋にキスをした。
「ああっ」
 ドキンが体を振るわせる。
「この間の跡、だいぶ薄くなってきたね」
「うん。またつけて」
「ドキンちゃん、困らない?」
 ドキンはかぶりを振った。
「困らない。つけてほしいの。忘れないように」
(鏡に映ったキスマークを目にするたび、思い出すから)
 この一瞬が夢ではないと、刻みつけておきたかった。
「いっぱいつけて。ずっと、いつまでも消えないように。繰り返し何度も」
「そうだね」
 ショクパンマンの手がバスローブの帯をほどき、裸の肩があらわになった。
 請われるままに、ショクパンマンは白い肌に赤い印を散らしていった。
 小刻みに震える肩を抱き、ささやく。
「寒い?」
「平気。暑いくらい」
186ショクドキ3-14:2006/11/07(火) 17:03:32 ID:KRUJQkdM
 ショクパンマンの歯が耳を噛む。耳に舌を押し込まれ、ドキンはふるふると頭を振った。
「は……、あぁ。ん、んっ、んっ」
 ショクパンマンの舌先がドキンの理性を剥ぎ取っていく。
(どうしよう、すごく気持ちがいい。もう、今すぐ挿れてほしいくらい)
 それでも、さすがに率直にそう口にするのはためらわれたので、ドキンはショクパンマンの
マントとベルトをはずし、衣服をくつろげはじめた。
「脱いだ方がいい?」
 問いかけに頷くと、ショクパンマンは上着とブーツを脱ぎ捨て、ついでにドキンの
バスローブも奪い取った。
「電気消そうか?」
「ううん、このままでいい。ショクパンマン様を見ていたいから」
「そっか」
「うん」
 小振りな乳房に、ショクパンマンが唇を寄せる。
(長い睫毛……)
 つややかな髪を指に巻きつけ、ドキンはショクパンマンの頭部を胸に抱き寄せた。
 ショクパンマンの左手がドキンの胸をこねくりまわし、ドキンが身をよじる。
「はぁ……っ」
 空いていた右手が肩から背中を伝って、ショーツの縁を指でなぞる。
 ふいにお尻をくすぐられて、ドキンはたまらず笑いだした。
「あはは、やだぁ。ショクパンマン様ったら。くすぐったいよ」
「ごめん、つい触り心地が良かったから」
「本当?」
「本当」
「嬉しい」
 ドキンは笑いながらショクパンマンに抱きついた。
187ショクドキ3-15:2006/11/07(火) 17:04:14 ID:KRUJQkdM
 自分を包み込む素肌の感触を楽しんでいると、唐突に部屋の扉がノックされた。
 ドキンは体をこわばらせて訊ねた。
「……誰?」
『ドキンちゃん?何だか騒がしいようだけど、大丈夫?』
(げげ。バイキンマンだ)
「別に……大丈夫よ」
『さっきも落ち込んでたみたいだし』
「もう元気になったから!」
 あせるドキンの太腿をショクパンマンの指がたどり、指先が下着の合間から中にもぐりこんできた。
「きゃ」
『え?』
「な、何でもないったら。あたし今、映画観てるの。いいところなんだから放っといてよ。
心配してもらうようなことじゃないわ」
『そう?そっか。ならいいのだ』
 自身の内側が既に十分潤っているのはわかっていた。
 ソコを指でなぞられて、ドキンは吐息をもらした。
「んんっ……じ、じゃぁね、おやすみ」
『おやすみなさい』
 そんな言い訳でバイキンマンが納得したかどうかはわからないが、ドキンはこらえきれずに
腰を浮かせて、その指を自分の中に飲み込んだ。
「あっ、ああん」
「大胆だね。彼、まだ外にいるかもよ」
「ん、いいの」
 多少気をつかって声を押し殺しながらも、腰をくねらせてつぶやいた。
「だめ、止まんない」
 二本目をねじこまれて、ドキンはうめいた。
188ショクドキ3-16:2006/11/07(火) 17:04:50 ID:KRUJQkdM
 ショクパンマンが耳元でささやく。
「ねえ、何の映画を観てるの?」
「あ……『愛と青春の旅立ち』?」
「それ、どんな話?」
「わかんない」
「わかんないんだ」
 肩を震わせてショクパンマンが笑う。
 たったそれだけのことが、胸にしみた。
(大好き)
 内壁を探る指先に、体が翻弄される。先ほどのバイキンマンとの一幕が頭から追い払われ、
口から甘い声がもれた。
「あっ、あ……くぅんっ」
 息を上げるドキンを見て、ショクパンマンが訊ねた。
「あれ?もうイきそう?」
「あ、あん。ん、うん。うん、そう……」
「いいよ、何回だってしてあげる」
「ん、あ、はぁんっ」
 髪を乱して、ドキンはショクパンマンの肩にすがりついた。
 巧みに動く指先がドキンを追いつめる。
(やっ、あ、そこ。もうダメ、変になっちゃう……)
「だめ、だめだめよ。あっ、あぁっ――」
 自分を支える肩に爪を立て、ドキンはくずおれた。
 体を優しく抱きとめる腕のぬくもりを感じた。
(ショクパンマン様――)
 唇だけで名前をつむぐ。
 頭の中が真っ白になった。
 自分を抱きしめるこの腕があれば、他には何もいらない。そう思った。
189ショクドキ3-17:2006/11/07(火) 17:05:24 ID:KRUJQkdM
 脱力した体の中で、ショクパンマンの指が泳ぐようにゆるゆるとうごめく。
 新たな愉悦の波にのまれ、ドキンは悦びの声をあげた。
 首筋にすがりついていた腕をゆるめて顔を上げると、ドキンを見つめるショクパンマンの
瞳と目が合った。
(きゃ)
 羞恥心に捕らわれて面を伏せたドキンに、ショクパンマンがからかい混じりの声をかける。
「どうしたの?顔、赤いよ」
「だって、見てると思わなかったんだもの」
「見とれてた。あんまり気持ちよさそうだったから」
「もう」
 ドキンは顔を隠すように、ショクパンマンの肩に顔を埋めた。
「こことか、好きだよね」
 ショクパンマンの指先が、ドキンのことさら敏感な部分をこすりあげる。
「くぅんっ……」
 体が跳ね、ドキンの指がショクパンマンの腕にくいこんだ。
「あん、やだ。ずるい」
「ねえ、ドキンちゃん」
「なぁに?」
「挿れていい?」
 ショクパンマンの肩に顔を押し当てたままで、ドキンは頷いた。
190ショクドキ3-18:2006/11/07(火) 17:06:55 ID:KRUJQkdM
「じゃあちょっと膝立ちしてて」
 大人しく両膝でバランスをとるドキンの体から、指が剥がされ、自らの入り口が不満げに
ヒクつくのをドキンは感じた。
 足の間で、ショクパンマンが残りの衣類を脱ごうと身をよじる。
 脱ぎにくそうに下降していく衣類とは別に、自らを押し上げる硬いモノの存在に気づき、
ドキンは抗いきれない衝動に駆られて、ソレに手を添え、腰を落とした。
「わ、ドキンちゃん?まだ脱いでな――ッ」
 ショクパンマンが大きく後ろに手をつき、体を支える。
 内側から圧迫する負荷とともに、夢にまでみた熱い猛りを飲み込んで、ドキンは快楽にうちふるえた。
「はぁんっ、んん……ん、ごめんなさい。あたし、我慢できないのっ」
「へえ、そうなの?」
「そうなの。欲しくて欲しくてたまらなかったから……んっ」
 ショクパンマンがくすぐったそうな笑みをこぼした。
「本当に困ったコだね。そうやっていつも欲しいものを手に入れてきたの?」
「え?」
 ショクパンマンの手がドキンの頭を引き寄せ、二人はくちづけを交わした。
(溶けちゃいそう――)
 あれだけ遠くに感じた愛しい人の存在を体の中に感じて、ドキンは心までもが
満たされていくのを感じた。
(どうしよう。あたし、本当にショクパンマン様なしではいられないんだ)
 なごりおしそうに唇が離れ、ドキンはつぶやいた。
「幸せ……」
191ショクドキ3-19:2006/11/07(火) 17:07:45 ID:KRUJQkdM
 ドキンの頬を、ショクパンマンの手が包み込む。
「そういう顔されると、弱いんだよね。しょうがないか。どうやら今日は僕の完敗のようだから、
何でも言うことをきいてあげるよ」
「――本当?」
「うん」
 耐えきれずにショクパンマンの上で腰をゆすりだしながら、ドキンは素直な気持ちを吐息に乗せた。
「ああ……あたし、ずっとショクパンマン様と一緒にいたい……」
「いいよ」
 その額にショクパンマンが軽くくちづけた。
「嬉しい、ありがとう。ふっ、あ……」
 突き上げる欲望に無心となって、ドキンは激しく腰を使いだした。
「ん、ちょっとドキンちゃん、待っ――」
 ショクパンマンの声が震える。
 ドキンの背中を汗が伝った。
「だめ。だめ、止まんないの」
 乱れた前髪を払いのけて、ショクパンマンが同意した。
「そっか、僕もだ」
 室内の温度が上昇していた。
 わずかなベッドのきしむ音と共に、高まりあう二つの呼吸が部屋を彩る。
 お互いを貪欲に貪りあいながら、ドキンはこのとき確かに感じた一体感を決して
忘れないようにと、深く心に刻み込んだ。
192ショクドキ3-20:2006/11/07(火) 17:08:28 ID:KRUJQkdM
 かすかな衣擦れの音を耳にして、ドキンは飛び起きた。
「ショクパンマン様?」
 ベッドの脇に立って、ショクパンマンが着衣を整えている。
「起こしちゃった?」
 体に残るけだるい余韻を吹き飛ばそうと頭を振って、ドキンは問いかけた。
「もしかして……もう帰っちゃうの?」
「え?いや、まだいてもいいけど」
 ドキンは毛布を体に巻きつけて、ショクパンマンの服の裾をぎゅっと握った。
「帰っちゃヤだ」
 外はまだ暗い。せめて朝の気配がたちこめてくるまではいてほしいと願った。
 マント以外の衣服を身に着けたショクパンマンはベッドに腰を下ろして、なだめるように
ドキンの肩を抱いた。
「そんなにせつない顔をしなくても帰らないよ」
「本当?」
「もちろん。僕って結構信用ないんだね」
 言葉につまったドキンを胸に引き寄せて、ショクパンマンが続けた。
「一緒にいるって約束したろう?」
「……覚えててくれたんだ」
 あまりに意外で目をぱちくりさせるドキンに、ショクパンマンは笑いだした。
「そりゃあね。さすがにまだ忘れないよ」
(まだ――?)
 言葉の節々にひっかかりを覚えはしたものの、ひとまずそのセリフに安堵して、
ドキンは肩の力を抜いた。
 そばにいてくれるなら、どんな気まぐれでも構わなかった。
193ショクドキ3-21:2006/11/07(火) 17:09:07 ID:KRUJQkdM
「よかった」
 ドキンの横顔を覗き込んでいたショクパンマンが、ふいに真顔に戻った。
「ねえ――」
「え?」
 ショクパンマンは荒々しくドキンの肩をつかむと、立ち上がりざま、その体をベッドに押し倒し、
シーツの上に片膝をついた。
 ドキンは息をのみ、自らを押さえつけるその姿を見上げた。
 彼の真面目な表情に、期待と不安がないまぜになって高まる。
「ショクパンマン様――?」
「ドキンちゃんって、嫌がらないよね。例えば今、怖くはないの?何か、ひどいことを
されるかもしれないのに」
 ドキンは少し考えこんで、思ったままの気持ちを口にした。
「怖くは、ないわ。だってショクパンマン様がいてくれるんだもの。嫌われたりとか、
邪険にされたらとか考えると怖いけど、そうでないならあたし、ショクパンマン様に
会えないこと以外に怖いことなんてないの」
「変わってるね」
 ドキンは首をひねった。
「そうかしら」
 唇に薄い笑みを浮かべて、ショクパンマンが言った。
「そんなに僕といたいなら、一緒に来る?」
 ドキンは瞳を輝かせた。
「行くわ」
 ショクパンマンは困ったように目を細めると、ドキンの額をつついた。
「こら、そこは『どこに?』って訊く場面でしょう」
(……だって、どこだっていいんだもの)
「ま、いいか。じゃあおいで」
 ショクパンマンが立ち上がるのにつられて、ドキンも身を起こした。
「あたし、支度しなくちゃ」
「僕はそのままでも、服なんか着てなくてもいいと思うけど。まあでも外は寒いか。暖かい格好しなよ」
「はぁい」
194ショクドキ3-22:2006/11/07(火) 17:09:50 ID:KRUJQkdM
 ドキンは脱ぎ捨てられていたバスローブに袖を通すと、クローゼットの中から旅行用の
バッグを引っ張り出して身の回りの品を詰め込んでいった。
 化粧品、ボディケア用品、下着と衣類――。
(あ、あとおサイフも。カードがないと困るし)
 手早く荷造りをすませると、ドキンは部屋を見回して頷いた。
「よし、と」
(とりあえずこれで二泊までなら大丈夫。必要なものは買い足せばいいか。あ、あたしも着替えないと)
 ドキンはちらりとテーブルでドキンの差し出した雑誌をめくるショクパンマンの後ろ姿に目をやった。
(気づかれないうちに着替えちゃおうっと)
 さりげなくクローゼットの扉をついたて代わりにして、おろしたての下着と、
デートに備えた服装に身をつつむ。夜間は冷えるので、言われた通り厚手の上着もプラスした。
 鏡でできばえをチェックしようと振り返ったドキンは、動きを止めて顔を赤らめた。
「ショクパンマン様……もしかして見てた?」
 いつの間にか本を閉じてこちらを向いていたショクパンマンと目が合った。
 ショクパンマンは質問には答えずに、逆にドキンに問いかけた。
「準備できた?」
「ああ、はい。いつでも出かけられます」
「そう。行こうか」
 ショクパンマンは立ち上がると、ドキンのバッグを肩にかけた。
「荷物はこれだけ?」
「はい」
 窓を開け放つショクパンマンの元へ、ドキンは駆け寄った。
「どうぞ」
 手を差し延べるショクパンマンの胸に、ドキンは身を投じた。
 灯りもつけたままの部屋に、目を向ける。
(――バイバイ)
 かげりのない夜空に、星がいくつも瞬いている。
 ショクパンマンの腕に力がこめられ、二人の足が床から離れた。
 彼の腕の中、ドキンは窓枠を後ろ足で蹴りつけて、先の見えないフライトに身を任せた――。

END
195名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 17:47:21 ID:5JdQAmw7
あの・・・・、ものすごくいいです

ホラーマンのことを思うと切ないけれど・・・・
196名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 22:46:08 ID:xVGy6VlY
ショクドキGJ!!今回も萌えさせて頂いた!
197名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 00:29:51 ID:w9ynq24G
泣けたっ…何故か知らないが泣けたっ…
GJ!!
198名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 03:35:31 ID:QfqX39dK
バイキンマン・・・
199名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 13:31:50 ID:DppfzMYj
キ…(-_-)キ(_- )キ!(-  )キッ!(   )キタ(.  ゚)キタ!( ゚∀)キタ!!( T∀T )キテタ━━━!!!
キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!
キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)━━━!!!
キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)゚∀゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)−_)゚∋゚)´Д`)゚ー゚)━━━!!!!
キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)´,_ゝ`)・A・)━━━!!!
キテタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)゚∀゚)´-`)━━━!!!!
キテタ━━━(´∀`) ・ω・) ゚∀゚) ;゚Д゚) ・∀・) ゚ー゚)  ̄ー ̄) =゚ω゚)ノ━━━!!!
キテタ━━( ´∀`)・ω・);゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)≧。≦)^◇^)゚з゚)━━!!!!
キテタ━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )ノД`)=゚ω゚)━━!!!
キテタ━━( ´∀`),,゚Д゚)・ω・)゚∀゚)´`ω´) ̄ー ̄)@∀@)´_ゝ`)゚ー゚)・∀・)゚∋゚)━━!!!!
キテタ━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )ノД`)#・ж・)=゚ω゚)-д-)━━
キテタ━( ´∀`)´_ゝ`)`Д´)´Д`) ̄ー ̄)−_−)・∀・)´・ω・)=゚ω゚) ゚Д゚)゚∀゚)━!

待ってたよ〜〜!ショクドキ!!ありがと〜〜!激萌えしました!
やさしく甘いショクパンマンに何か裏があるのかとドキドキしてしまったw
200名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 17:50:04 ID:Dssxeiq4
萌えた(*´Д`)
201名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 18:19:04 ID:ymplWtiq
ショクドキきてたー!ムハー萌え萌え!
あの後ドキンちゃんはどうなるのだろうか
食パンのことだから鬼畜な行動に走りそうと思ってしまいますたw
202ホラーマン:2006/11/09(木) 02:21:21 ID:ZCI5qHIK
ある日、食パンマンさんに家に呼ばれた。見せたい物があるらしい
何だろう?新しいパンでも開発したのだろうか?
「やぁ、よく来たね。さぁ、座って。紅茶でいいかな?
ホラーマンさんに紅茶をお出しして」
「はい、ご主人様」とどこかで聞いた事のある声がした
いや、そもそも食パンマンさんの家にメイドさんなどいなかったはずだ
そんな疑問を抱きつつ、声のした方向を見るとそこにいたのは
あられもない姿のミミ先生だった
「な、何をしているんですかぁ」
「い・・らっしゃいませ、ホラーマン様。紅茶には私の搾りたての
ミルクをお入れしてもよろしいでしょうか?」
「・・・・・」
203ホラーマン:2006/11/09(木) 02:22:30 ID:ZCI5qHIK
「どうだい、ホラーマン?実はねぇ見せたい物ってのは
 これなんだよ。どうだい、引き取ってくれないかな?
いい調教をしてあるのは保証するよ」
(不覚だった・・・・あのさわやかな笑顔の裏にこんな卑劣な姿をもっていたなんて)
「ホラーマン、そんな顔をするなよ。話を続けづらくなるじゃないか
 最近、ドキンと俺が付き合ってるのは知ってるだろう?で、そろそろうちであいつを
 調教したいわけ?分かる?そこにこいつ居たらまずいでしょ?
 で、引き取って欲しいわけよ」
タバコの煙を吐き出しながら、そう言い放った顔に虫唾が走った

「あ、礼ならするよ。飽きたらドキンをやる。ちょっと触っただけでイっちゃう
くらいにはするからさぁ。いいだろ?考えといてくれ」
帰り道、紙袋を渡された。家に着いて開けてみるとビデオが2本題名入りで入っていた
『メロンパ○ナをメロメロに』『バタ○さんがバター犬に(笑)』・・・・・
殺そう・・・・それしか思いつかなかった

あれから数年・・・・私はカボチャの国の王とやらになった
彼女も出来た。サリーという名のつぎはぎだらけの女だ
毎日が幸せで素晴らしい日々だ。しかし、時々思い出す。
あの赤い小悪魔の横顔を

204名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 02:45:27 ID:6uwuMbQR
アンパンマンの保存庫とかってまだないの?
できればショクドキシリーズその他もろもろ残しておきたい!
205名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 04:16:44 ID:QQYHxFZT
>>202->>203
ワロタw w w w w w
206名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 08:59:37 ID:bQGuMDuL
ショクドキ書いた人です。
読んでくれた人ありがとう。多少の暇つぶしにでもなったなら嬉しい。
黒い食の方が需要があるのかな?
あの後ドキンちゃんは、やっぱり食と一緒にいるかぎり
ろくな目にあわないんじゃないかと自分も思う。

>>202
なにこれ、すっごい面白い。
なにげにホラーマンも大出世してるしw
207名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 09:32:16 ID:CsCXTO07
>>202-203
すまん、面白いんだが、オチの元ネタが判らん
208名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 14:24:23 ID:QQYHxFZT
>>206
暇つぶしなんてとんでもないw楽しみにしてますから。
今まで黒かったんで、また黒い事考えてるんじゃないかと
思ってしまっただけですが、黒い食でも白い食でもどっちも萌えますよw
またwktkしながらお待ちしています!

>>207
ティム・バートンかジャック&サリーでググれw
209名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 14:49:54 ID:CsCXTO07
>>208
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」ね、了解した今度観てみるよ
210名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 16:26:44 ID:MLFtYlXv
正直、ホラーマンはずっと書きたかった
でも、昨日ついに自分に負けた
あまりの文才の無さに泣けてくる。
みんな、ジャック知らないのねOTZ

恋する乙女バタコ誰か書いてください
俺がだとバター犬になるし
211名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 16:43:51 ID:QQYHxFZT
>>210
いや、凄い面白かったからまた書いてほしいよw
最近のジャックのグッズは可愛い2頭身キャラが多くてホラーマンみたいだと思ってたw

ビデオの『メロンパ○ナをメロメロに』『バタ○さんがバター犬に(笑)』も書いてくれw
212ジャムの悩み:2006/11/09(木) 18:34:52 ID:DEwZDWbM
「バタコ、いいの?中に入れちゃうよ。入れちゃうんだよ」
「・・・・いいわ、入れて」
「どうだい。もっと中まで入れていいのかい?」
「えぇ、いいのよ。もっと中まで入れてちょうだい」
20分後
「そろそろ出していいかい?」
「えぇ、外に出して」
いっきに出すと部屋にぷーんと広がる栗の匂い

「今日は栗のパンだったから火加減が難しかったね」
「いい出来ね」

最近、目に見えてバタコのパンを焼くレベルが上がった
今では、私が教わることが多くなってしまったくらいだ
どうして、あんなにも人の気持ちをとらえるパンをつくれるのだろう
そういえば、パンを焼く前に儀式だと行ってどこかへチーズを連れて行く
毎回、疲れて帰ってくるし、悲鳴のような声もする
変な宗教とかじゃないといいんだが・・・・
213ジャムの悩み:2006/11/10(金) 02:42:09 ID:NQhgAFH1
きっと私が悪いんだ
パンを作るのが上手くないから
だから儀式にはまるんだ
・・・・そうだ、私も一緒に儀式をやろう
そうすれば、きっと負担も軽くなるだろう
そうすれば、私に本当の意味で心を開いてくれるはずだ
思い立ったが吉日だ。すぐにでも実行しよう

トントン・・・・ガチャ
「バタコや。私も一緒に儀式をやろ・・・・」
その続きを言うことは出来なかった
あろうことか、自分の秘部をチーズに舐めさせて
恍惚の表情を浮かべるバタコ
その下には、ボウルが置かれていた
214ジャムの悩み:2006/11/10(金) 02:42:58 ID:NQhgAFH1
「バ、バタコや。何なんだい、その姿は・・・・」
目の前に起こる光景を直視できず、思わず声をかけてしまった
「ついに見られてしまったわね。
私、ずっと考えていたの。どうして私はバタコという名前なのか」
「・・・・」
「ある時、いつものように自慰をしてたら、チーズに見られたの。
そしたら、チーズは私のアソコの匂いを嗅いだ後、舐めたのよ。
その時のチーズの顔があまりにも美味しそうだったから
興味本位のつもりで私も舐めてみた。その時分かったの」

一瞬間をおいて、そして覚悟を決めたかのように言った
「・・・・私のアソコからは固まる前の上質なバターが出るの」
「何を馬鹿な事を言ってるんだい?そんな事がありえる訳が無い」
「でも、本当なのよ。私が最初に一人で作ったパンあるでしょ。
 ビックリするほどおいしいって言ってくれたやつよ。
 あれは、チャレンジだったの。私のバターが受け入れられるかの」
「バタコ・・・・私は・・・・私は・・・・」
「いいのよ、ジャムおじさん。おじさんには知られたくなかった
 でも、いつかは知られる日が来ると分かってはいたわ」
泣く事しか出来ない自分が無力だった

あれから数日、バタコは変わった。
私に無邪気に話しかける昔のバタコに戻った。何より笑顔が増えた
しかし、私は知っている。やはり私に心を開いていないことを
そして、家を出て行く用意をしていることを。
私に止める権利は無い。私に出来る事はただ、
気づかないフリをすることだけなのだから

215名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 03:57:53 ID:b75+3v5w
ちょw w wジャムおじさんカワイソスw w w
216名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 22:37:33 ID:RpO/Fx+2
今日のドキンちゃんカワユス
しょくぱんまんは抱き心地で気づくよな
217名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 03:01:33 ID:PkKviqO4
>>216今日見てない!どんな話だった!?まさかショクドキ要素があったのか…?
218名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 04:16:35 ID:vX0jZYpW
>>216
最後のとこしか見れなかった・・・orz
詳細よろしく
219名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 08:51:43 ID:T7CBCXre
TVバレ

A「カレーパンマンとミントちゃん」

カレーの中にミントのエキスが入って、キラキラさわやかミントカレーパンマンに。
ミントちゃんと街中で踊りながら、襲ってきたバイキンマンにも
「バイキンマンくん、一緒にダンスを踊らないか」と誘うキラキラっぷり。

B「ドキンちゃんとリンゴの国」

リンゴの国へ行くアンパンマン号としょくぱんまん号。
リンゴ王子に変装したドキンちゃんと大臣に扮するバイキンマンが待ち受ける。
しょくぱんまんを出迎えて、ドキドキしながら握手するドキンちゃん。
リンゴ狩りの最中、バランスを崩したドキンちゃんをしょくぱんまんがお姫様だっこ。
襲ってきたバイキンマンの攻撃からしょくぱんまんを庇うドキンちゃん。
顔が汚れて力がでないアンパンマンの顔を作ろうとするジャムおじさんだったが、
予備の餡にカビが生えたので、代わりにアップルパイを焼く。
アップルパイアンパンマン誕生。でもちょっと弱い。ダブルパンチでやっつける。
帰り道、「楽しかったぁ」と満足そうなドキンちゃん。
「しょくぱんまん様、あたしだって全然気づいてないんだろうなぁ」
220名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 11:07:16 ID:vX0jZYpW
>>乙?クス。
>リンゴ狩りの最中、バランスを崩したドキンちゃんをしょくぱんまんがお姫様だっこ。
>襲ってきたバイキンマンの攻撃からしょくぱんまんを庇うドキンちゃん。

ちょw w w 見たかった・・・(*´Д`)
221名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 13:15:34 ID:PkKviqO4
詳細ありがとう!

あぁ〜家に居たのになんで見なかったんだ〜!!悔やまれる!!(>Д<;)
てかここでショクドキGJの小説呼んでからかなりショクドキはまった。
222名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 20:45:52 ID:8M5hbuwV
あんぱーんちほしゅ
223名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 01:03:03 ID:b0wTeMdb
保守されてないよ?

なので代わりにあんぱーんち保守☆
224名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 19:11:54 ID:we3NQmZM
保守はsageでも出来るんだよアホ
225名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 23:03:03 ID:LiqhQTu0
>>224
ちょっとアホは言い過ぎだろう。

>>223
すまんな、変わりに保守してくれたのに。
226名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 02:06:47 ID:RcvoOx+P
おむバタってエロに持ち込みづらいですよね
今書いてるんですがどうにも…
227名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 02:28:45 ID:1w8w0vAS
>>225 紳士だ!
228名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 14:07:15 ID:UzQP8IKv
>>226
同意。オムバタは難しい。
このスレ的に、どのくらいからがエロと認められるんだろうね。
といいつつ、すんげーやつよろしく。
229名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 11:04:56 ID:HBgPxmxM
あ〜私もショクパンマン様のファンになっちゃいそう。
しかし、バイキンマンも捨て難い。
正反対だよね。
230名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 14:06:53 ID:SvPbxArr
>>229
おにゃのこか!
男率が高いと思ってたから新鮮
231名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:07:38 ID:qWWbfatE
>>230
前スレからのファンですw
232名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 01:20:18 ID:5Lg6w3L3
233名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 02:32:58 ID:JIBHMcqM
神降臨しないね
もう2週間以上無し寂しいなぁ

234名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 03:17:19 ID:KkSAIuVA
だれか女バイキンでドキバイ百合とかやってくれないかな…
それかへたれ攻めショクパン
235名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 11:40:33 ID:nYj2Pqw6
へたれ攻めショクパンマンも萌えだな〜・・・職人さん降臨してくれ・・・
236名無しさん@ピンキー:2006/11/29(水) 22:09:27 ID:rf67yEtj
               _
              /  \―。
            (    /  \_
             /       /  ヽ   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         ...―/          _)  < ちんちん シュッ! シュッ! シュッ!
        ノ:::へ_ __    /      \_____
        |/-=o=-     \/_
       /::::::ヽ―ヽ -=o=-_(::::::::.ヽ
      |○/ 。  /:::::::::  (:::::::::::::)
      |::::人__人:::::○    ヽ/
      ヽ   __ \      /
       \  | .::::/.|       /
        \lヽ::::ノ丿      /
          しw/ノ___-イ
           ∪
237名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 22:29:14 ID:iBN75w0i
ひたすら待つ。
238名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 01:06:10 ID:6X8y2D/9
みんな書いてみればいいのに・・・・とホラーマンで
欲望を果たした俺が言ってみる
239名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 00:51:20 ID:ZfxGuSKe
>>226の職人さんとは別人ですが、オムバタです。
今書いてる人も、これから書く人も、出来上がりを心待ちにしています。
お暇ならどうぞ↓
240クリスマスの星1:2006/12/04(月) 00:53:01 ID:ZfxGuSKe
「クリスマスの星に祈ると、どんな願いも叶うんだよ」
 そう言われて、あたしは夜空を見上げた。
 いつも心にくすぶっていた想いがある。
 ――あの人に会いたかった。
 たとえ夢でもいい。この願いが叶うなら――。

 そうしてあたしは夢の中、誰もいない草原にいつしか一人佇んでいた。
 もう年の瀬だというのに、陽射しは強く、足元に濃い影をおとしている。
 ふと、背後に人の気配を感じた。
「――バタコさん?」
 喉が鳴った。それでは、これは本当に夢なのだ。
 振り向くと、先ほどまでは誰もいなかったはずの空間に、旅装束姿の若い男が立っていた。
(ああ)
 胸が苦しい。
「オムスビマン……」
 震える声で名を呼ぶと、男は破顔してあたしに言った。
「小屋で眠ったところまでは覚えているでやんすが、まさか夢の中でバタコさんに会えるとは、
嬉しい驚きでござんす。元気でやしたか?」
「もちろんよ。今、元気になったわ」
 あたしは駆け寄り、その広い胸に抱きついた。
241クリスマスの星2:2006/12/04(月) 00:53:37 ID:ZfxGuSKe
 草むらに腰を下ろし、寄り添って空を見上げた。
 風はほとんどなく、夏の雲がゆっくりとその形を変えていく。
 とても静かだった。鳥の鳴き声も聞こえず、昆虫の姿も見かけなかった。
 ただ、互いの声や、心臓の音だけが耳についた。
「今はどのあたりを旅しているの?」
「はるか南の海の方を。砂浜にきれいな貝殻が落ちているのを、バタコさんにも
見せてあげたいと思っていやした」
「ありがとう。そうね、そうできたらどんなにいいかしら」
「旅先で珍しい物や美しい物を見るたび、実はバタコさんを思い出すのでやんす。
あっしはこんな旅から旅への定まるところを知らない暮らしをしているでやんすが、
バタコさんがそうする間も日々パン工場で懸命に働いているのだと思うと、
不思議とあっしにも帰るべき場所があるような気がして、地に足が着くのでござんすよ」
「あたしも、雨が降ったり星が瞬いたりするたびに、オムスビマンのことを思い出すわ。
どうか無事でありますようにと」
(そうして、どうして会いに来てくれないのかと)
 あたしは唇を噛みしめた。
 これは夢だ。わかってる。この男だって、所詮幻でしかない。
 それでも、口にしてはいけないことだってある。
 もしここで、「ずっとそばにいてほしい」と告げてしまったら、今度本物のオムスビマンに
会ったときにこの気持ちを抑えられなくなる。
242クリスマスの星3:2006/12/04(月) 00:54:16 ID:ZfxGuSKe
「バタコさん?どうかしやしたか」
 あたしは男の顔を見た。
 ともすれば、本物だと信じてしまいそうな、確かな質感がそこにあった。
「あたし、あなたが好きだわ」
 夢だと思えば、何でも言えた。
 オムスビマンが頬を染めて下を向いた。
(こんな素振りまで本物らしくしなくてもいいのに)
「あ、あっしは……」
「ねえ、今日はクリスマスね。プレゼントが欲しいわ。何がいいかしら」
 言いながらあたしは腰を浮かせて、オムスビマンの唇を奪おうと、顔を近づけた。
「わっ……!」
 真っ赤になったオムスビマンは飛び跳ねるように後ずさった。
「どうして逃げるの?」
 ――夢なのに。
 オムスビマンがうわずった声で言い返した。
「こんな夢を認めるわけにはいかないのでござんす。あ、あっしの方こそバタコさんを
大事に思ってるはずなのに、こんな自分に都合のいい夢を見てしまったら、申し訳なくて
バタコさんに顔向けできなくなるでやんすから」
「――バカね。夢を見ているのはあたしなのよ。あなたはあたしの生み出した幻なのだわ。
混乱しているの?難しいことは考えなくていいのよ。あなたはあたしに望まれてここにいる
のだから、そして今日はクリスマスなのだから、あたしに素敵な贈り物をちょうだい。
あたしは、あなたが欲しいのよ」
243クリスマスの星4:2006/12/04(月) 00:55:00 ID:ZfxGuSKe
「しかし――」
 逃げようとするオムスビマンの手首を押さえつけ、あたしはオムスビマンに口づけた。
 泣きそうになった。
 おそらく、現実には起こり得ないこの男とのファーストキスが、嘘にまみれて摘みとられた。
 こんな形で汚したくはなかった。
 それでも、胸を締めつけるこの気持ちには他に行き場がなくて、オムスビマンの瞳を
見つめたまま、突き動かされるようにあたしは叫んだ。
「わからないの?一人じゃいられないって言ってるのよ!そばにいてくれないなら、
夢の中でくらい抱きしめてくれてもいいじゃない」
「バタコさん……」
 オムスビマンの表情が苦しそうに歪められ――ぐいときつくあたしの体が抱きすくめられた。
 あたしの唇から笑いがもれた。
 素直に嬉しかったのかもしれないし、自らを嘲っているのかもしれなかった。
 あたしは両腕を彼の引き締まった胴に回し、着物の襟に顔を埋めた。
「あっしはいつだってバタコさんのものでやんす。そしてあっしは、馬鹿で心の弱い男と
罵られようとも……こんな衝動を抑えることもできない愚かな人間なんでござんすね」
 次の瞬間、あたしの体は草むらの中にあった。
 あたしの体を組み敷くオムスビマンの真剣な眼差しが降り注ぐ。
244クリスマスの星5:2006/12/04(月) 00:55:46 ID:ZfxGuSKe
 体を這う手の平の力強さに、目がくらんだ。
 荒々しいまでの腕の力とは対照的に、頬をなぞる指先は丁寧で思いやりに満ちていた。
 オムスビマンの唇が、あたしの唇を塞ぐ。
 深く、吐息が絡みあう。
 あたしは、これが夢だということを忘れることにした。
 今だけ、夢見ていたかった。
「オムスビマン」
 名を呼ぶと、照れくさそうに彼が笑い返す。
 着物ごしに胸に触れた。
「鼓動が速いわ」
「緊張しているんでやんす。あっしのせいで、バタコさんが傷つくことがないようにと、
そう願っていやすから」
「優しいのね。あたしも、オムスビマンに優しくしてあげたいわ」
 腕を伸ばし、彼の首を抱き寄せた。
 どこか懐かしい海苔の香りが鼻腔をくすぐる。
 あたしの気持ちが少しでも届くようにと、コシのある黒髪をそっとなでた。
 オムスビマンがあたしの衣服を一枚ずつ剥いでいく。
 あたしも、彼の帯をほどき、着物を脱がせた。
 覆いかぶさる彼の素肌は、陽の光よりも熱かった。
245クリスマスの星6:2006/12/04(月) 00:56:23 ID:ZfxGuSKe
 優しく胸をまさぐる指につられ、声がもれた。
「吸いつくような肌でござんす」
 いたわるような愛撫が、徐々に情熱的で迷いのない動きに変化していく。
「あ、あっ……」
 先端を舌先でなぶられるたび、あたしはうめいた。
 急激に思考力が奪われていく。
 彼に身を任せることのできる喜びにうち震えていた。
「バタコさん……」
 オムスビマンの声が、耳に心地よく響く。
「ああ、あたし、オムスビマンのことが好きよ」
「あっしも、バタコさんを心から愛しく思っているでござんす」
「嬉しい」
 オムスビマンの指が体をなぞる。あたしの息があがっていく。
 下腹に到達した指先が、そっと体を押し開いて滑り込んだ。
「く、んっ」
 強い刺激に、指を噛んだ。
「痛いでやんすか?」
「ううん。痛くないわ」
 オムスビマンが、じっくりとあたしのそこをほぐしていく。
 浅く入口をこねる中、時折たまりかねたように深く突き刺す。
 じれったさに、余計気持ちが煽られた。
「嫌じゃないでござんすか」
 愛しい人の瞳に、あたしが映る。あたしは無言で頷いた。
246クリスマスの星7:2006/12/04(月) 00:56:55 ID:ZfxGuSKe
 押し広げられた体の中心に、彼が捻じ込んでくる。
 あたしは深く息を吐き出し、奥深く彼を受け入れた。
 日に焼けた腕があたしを抱きしめた。
 あたしも、彼の肩に頬を寄せた。
 オムスビマンはあたしの頭に軽く口づけ、あたしの両足を抱えあげると、腰を揺すって
幾度となくあたしをえぐった。
 あたしは彼の手を探りあて、指を絡めた。
 陽光の白と、体を縁取る丈の低い草の緑の鮮やかなコントラストが脳裏に焼きつく。
 あたしの中を行き来する。その手ごたえに、心までもが満たされた。
「ああ、オムスビマン。あっ、ああ……」
 あたしは彼を締めつけた。
 オムスビマンは低くうめいて、体をあたしにぶつけてきた。
 愛しさがこみあげた。
 彼の全てを受けとめて、あたしたちは緑のベッドに崩れ落ちた。
247クリスマスの星8:2006/12/04(月) 00:57:27 ID:ZfxGuSKe
 息が整ってくるのと同時に、あたしは現実を突きつけられる思いがした。
 不安に震え、オムスビマンの腕にすがりつく。
 あたしの上にのしかかる体の重みが、未練を誘う。
 夢でもいいと思った。体中で彼の存在を感じることができた。
(それなのに、今度はそれを失うのが怖いだなんて)
 不甲斐ない自分が情けなくなる。
 本当なら、願いをききとどけてくれたあの星に感謝してしかるべきところだというのに。
 あたしの不安を察したらしく、オムスビマンが耳元でささやいた。
「大丈夫でやんすか」
「……自分の欲深さに呆れていたのよ。夢の中とはいえ、一度は手に入れたあなたを
失うことが怖いのね」
「あっしはいつだってバタコさんのことを想っているでござんす。それは、夢が覚めた
ところで何一つ変わるものではありやせん。今日のことが夢だとしても、あっしにとっては
現実と等しい意味を持っているのでやんす」
 逡巡の後、あたしは訊いた。
「今夜のこと、目が覚めてからも覚えていてくれる?」
 オムスビマンが頷いた。
「忘れることなどできやしやせん。あっしにとっては、宝物のような思い出でござんすから。
――例え、夢であっても」
「夢であっても――」
248クリスマスの星9:2006/12/04(月) 00:57:58 ID:ZfxGuSKe
 馬鹿げた質問をした自覚はあった。
 手放したくないあまり、あたしは彼を本物のオムスビマンなのだと思いたがっている。
 あたしも彼も、実体を離れて一つの夢を共有しているのならどんなに素敵だろうと、
そんな幻想で自分を慰めようとしているのだ。
 それでも、夢の中のオムスビマンがあたしに応えてくれた言葉は心に染みた。
「あたしも、今日の思い出を大切にするわ」
 あたしたちは見つめあい、約束を交わすように、願いを込めて口づけを交わした。
(ありがとう……)
 心の中で、つぶやいた。

 目を覚ますと、そこはいつも通りの自室のベッドの中だった。
 まだ夜は深く、カーテンを開けると天高くクリスマスの星が瞬いている。
 あたしはカーディガンをはおると、窓を開けて夜空を見上げた。
「ありがとう」
 あたしは星に祈った。
「オムスビマンが素敵なクリスマスを迎えられますように」

END
249名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 01:42:34 ID:XNkuYRv+
ヤベェよ。切ないよ
すいません。ホント変なホラーマンでスレ汚してすいません
そして、こんな素晴らしい文を書ける神が羨ましいよ
250名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 02:26:03 ID:awMvqbUe
オムバタGJ!
そしてアンパンスレの住民たちにも少し早いクリスマスプレゼントが届いたのであった。
251名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 04:14:22 ID:9XBEoHgD
画面の前で悶えた。
GJGJGJ! ずっと待ってたんだよオムバタ!
252名無しさん@ピンキー:2006/12/04(月) 09:56:39 ID:5ZNr5aMK
これはいい・・・かなりキュンときました
GJ!
253名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 09:21:53 ID:3PngCC9M
レスありがと。
他の人のオムバタも読みたいな。
「クリスマスの星」は、04年のクリスマススペシャルです。
おむすびまんは出てこないけど。
254名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 17:06:10 ID:iV1lYkNS
今日のドキンちゃん、ショクパンマンにきりたんぽ鍋作ってあげて可愛かったw
255名無しさん@ピンキー:2006/12/08(金) 18:49:44 ID:axwYhCct
しょくぱんまんが「とても楽しかったからまた会いたい」って
言ってるのが新鮮だった。
ドキンちゃん良かったね。
256名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 03:37:54 ID:njDPpVPj
そろそろカレーパンマンが見たいなぁ…
257名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 21:40:57 ID:d3SddCg6
誰相手?メロン相手でケンカップルみたいな感じで妄想してみたことはあるが
258名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 02:32:09 ID:AeghGamS
この前の話見てカレーパンマン×サラダ姫が見たくなった
259名無しさん@ピンキー:2006/12/13(水) 04:33:12 ID:y4in2jcI
どんな娘?前に出た事ある?
260名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 20:11:18 ID:v/DmkaZm
焼きそばパンマンかっこいいな
261ろおるふぇち喪:2006/12/16(土) 20:46:21 ID:591h+CDt
久しぶりにやって来ました。
皆様の力作、大変興味深く読ませていただいております。
そして一人悶々とした生活を送っています。

さて、大変遅れましたが、わたくしも乱筆乱文ではありますが、一つ作品を製作中であります。
なかなかはかどらず未だ完成には至っておりませんが今回製作途上にありながら放出を決意しました。
また、エロパロ風になっていないのですが
わたくしの自慰行為だと思って軽く流していただけたら、と思っております。
題名は『シリウスの涙』ということで・・

なお製作にあたっては、皆様の内容を大いに参考にさせていただきまして、
誠に勝手ながら内容を引用させていただいた部分もありますので(引用部分は表記)
ご了解の程、お願いしますm(__)m
262シリウスの涙-1:2006/12/16(土) 20:50:18 ID:591h+CDt
シューゥ・・
くらやみ谷に立ちのぼっていたほそい煙が
その力を失い、夜風に翻弄されていた。
最後まで橙色の光を発していた薪を
ロールパンナは、ゆっくりと、ひのきの棒でかきまわした。
辺りが静かに闇に包まれ、少し間をおいて深くため息をついた。
「さて、行くとするか・・」
別段行くあてもない。
涼しくなった夜風にあたりたくなっただけだ。
闇の中のくらやみ谷にも、十六夜の月あかりが深く差し込もうとしていた。
グラスの中に僅かに残る冷めた珈琲を一気に飲み干すと
マントをもう一度きちんと結び直し、強く地面を蹴りあげた。
月明かりに照らされたくらやみ谷を一瞥し
ロールパンナはゆっくりと上空を徘徊した。

「おっ、ロールパンナだ!」
後方からどこかで聞いたダミ声が聞こえた。
「おーい!ロールパンナー」
(また、あいつかっ・・)
ロールパンナが唯一この夜の徘徊で不愉快なのは
コイツと鉢合わせになってしまう事だった。
「ったく!」
吐き捨てるように言って
後方を厳しく睨めつけた。
263シリウスの涙-2:2006/12/16(土) 20:57:22 ID:591h+CDt
「おーい!いつものお散歩かい?」
「ああ・・それがどうした」
「たまには一緒に徘徊しないかい?」
「・・・」
(無視無視。)
「なんとか答えたらどうだ?」
バイキンマンが怒った口調で言った。
「な、に・っ・?」
さっきまで騒がしかった取り巻きのカビルンルンが様子を察したのか目を丸くして凍りついた。
「あっ、いや・・・」
ロールパンナはリボンでバイキンマンを一瞬でたぐりよせて
「あっ?もう一度言って見ろ」
「あっ、いや・・あの」
リボンがさらにきつく体を縛りつける。
「言ってみろ・・」
ロールパンナは静かな声で穏やかに威圧した。
バイキンマンの顔面から、みるみるうちに滝のような汗が流れ落ちる。
264シリウスの涙-3:2006/12/16(土) 21:00:19 ID:591h+CDt
「そっ、そうだ。いいものを見せてやるよ、やるから許してくれよ・・」
「いいもの?」
体を縛りつけていたリボンが少し緩んだ。
「あっ、だからさ、い・い・も・の!」
「はあ?だからなんだよ!」
少し緩んだリボンが再びバイキンマンをきつく縛りつける。
「痛たたっ、ち、ちょっと離してくれよ」
「言え!言ったら離してやる」
「あたたたっ、わ、わかったよ」
ロールパンナはリボンをほどけると、バイキンマンは
白い歯をむきだしにして、いつもの不敵な微笑で言い放った。
「とりあえず、あっちに行こう!信じられない光景を目にする事になるぜ!」
(またいつものこれが始まったかっ。コイツと関わるといつもロクな事になりゃしない!)
ロールパンナは小さくため息をつき、バイキンマンを軽く睨んだ。
「まぁいいか・・。行こう。」
265シリウスの涙-4:2006/12/16(土) 21:08:56 ID:591h+CDt
「おい!おまえ達は先に家に帰って掃除でもしてろ!」
さっきまでのバイキンマンとは、まるで別人のように
(まぁある意味本来の姿のように)カビルンルンに凄んでみせた。
「はぃ・・!ご主人様。カビカビカビ・・・」
「俺様、今日はロールパンナと二人になりたい気分なのだー!早よ失せろ!!」
「カビカビカビ・・・」
カビルンルンは夜空の闇へと消えていった。
「ヘッヘー!」
バイキンマンは腰に手を当てお腹を突き出して短く笑った。
すっかり昼間の顔に戻っていた。
「なんだよ、イキナリ。何か企みでもあるのか?」
ロールパンナは穏やかに問いただした。
「あっ、いや。ちょっとな・・」
少し意味ありげな表情で東の空に目を遣った。
「まぁ、いいか・・行こう。」
266シリウスの涙-5:2006/12/16(土) 21:11:49 ID:591h+CDt
ロールパンナはこの時、この男の異変を見逃さなかった。
(いつものコイツとは違うな・・)
(いや、気のせいだ。あのやり取りを見てしまったからなのか・・?)
自問自答してみた。

あのやり取り。
そう。
あれは、
数日前。
くらやみ谷から、ほど近い雑木林で水仕事をしていると
どこからか男達の言い争う声が聞こえてきた。
「ダメだダメだ!絶対にダメだー!」
「そんな事言わずにお願いしますホラー」
「だから、ダメなもんはダメなのだ!」
「普通に考えて見ろ!無理だろ?」
「そんなぁー、・・でもホラー・・」
「だいたい虫が良すぎるだよ!おまえは!」
「そんな事言われてもホラー」
「とにかく無理だ!気持ちはわかるがやっても無駄だろ!」
「・・・ホラー」
「まあいい」
暫く下を向いていたが
「俺様に任せておけ」
「ホラー!本当ですか!ありがとうございます!ホラー」
「ったく、こんな事くらいは自分でやれよ!」
「・・ホラー」
「んじゃ、その変装眼鏡と帽子、あと柄つきマントを持ってきてくれ」
「ホラー!」
「よし、これで準備万端!行ってくるぞ!」
「言っとくけど、あいつらに言うだけだぞ!」
「ホラホラホラー」
「ん。わかった。じゃ、今から行ってきてやる」
「ありがとう。いってらっしゃいー!バイキンマン」
267シリウスの涙-6:2006/12/16(土) 21:14:18 ID:591h+CDt
別に聞き耳を立てていたわけではないが、ロールパンナは少し怪訝そうな面持ちで男達のやり取りを伺っていた。
(バイキンマン・・あいつは確か・・)
ロールパンナはこの時すでに感づいていたのだ。
ここ2〜3ヶ月、バイキンマンが、ほとんど基地へ帰っていない事を。
いつも夜になると彼は、くらやみ谷から迫り出った岩壁の上で一人佇んでいた。
時折、夜空を見上げては、何か物思いに耽っているようだった。
最初は気にも留めていなかったが、何日もそんな状態が続いていたので
さすがのロールパンナも少し気掛かりになっていた。
268シリウスの涙-7:2006/12/16(土) 21:19:39 ID:591h+CDt
(そういえば最近アイツ、ドキンちゃんと一緒じゃないな・・)
ふとした疑問をロールパンナは持つようになっていた。
他人の事に足を踏み入れるのは自分の美学に反するが、
ある夜の徘徊の時に暇だったので、一度基地の周辺まで行ってみた事があった。
基地の窓には、カーテン越しから薄明かりがもれていた。
(誰かいるのか?)
ロールパンナは外から窓際に近付き、カーテンの隙間から中の様子をうかがう事にした。
(!!・・ドキンちゃん!)
驚くのも無理はなかった。
いつも天真爛漫なドキンちゃんが、何かノートのようなものを見ながら涙を流していたのだ。
(なぜ・・?)
何か見てはいけない光景を目にしてしまったような罪悪感と、
ドキンちゃんの涙を誘ったあのノートに対する興味が交錯した。
>>125参照)
269シリウスの涙-8:2006/12/16(土) 21:21:47 ID:591h+CDt
一度建物に背中を当て夜空を見ながら深呼吸をした。
「バタン!」
部屋の中からドアを強く閉める音がした。
驚いて中を見ると、どうやらドキンちゃんが部屋を飛び出したようだった。
すると、
「カチッ、」
不意に手を掛けていた窓枠が開いてしまった。
(どういうことだ・・)
部屋の中に入るチャンスを急に与えられたロールパンナは、迷う事なく部屋に入りそのノートを手に取った。
(これは・・)
どうやら、バイキンマンが書いた日記のようだった。
(アイツが日記?)
「フッ・・」
悪いとは思ったが、あの男の意外な一面を見たようで笑えてきた。
ムスクの香りもアイツらしい。
ロールパンナは、はやる気持ちを押さえて、ゆっくりとページをめくった。
(ふむふむ・・)
アイツらしい汚い文字をじっくりと読み始めた。
(しかし、なぜ、ドキンちゃんが・・)
ドキンちゃんの涙の謎を探ろうと日記を読み進めたが
(・・・)
「アイツ・・」
程なくしてロールパンナにも理解できたようだった。
「フッ・・」
普段悪事の粋を極めた、あの男のもうひとつの一面を垣間見てしまった。
ロールパンナは吐き捨てるように独り言のような軽いため息をついた。
帰り道ロールパンナは、人の心の中をのぞき見したような罪悪感と
体に染み付いたムスクの香りを引きずりながら低空飛行のまま
物思いに耽っていた。
くらやみ谷に近付くと、岩壁の上でバイキンマンとドキンちゃんが二人寄り添っているのが見えた。
(お幸せに・・)
二人に気付かれないように、ロールパンナはひっそりと一人ぼっちのくらやみ谷にむかった。
270シリウスの涙-9:2006/12/16(土) 21:25:43 ID:591h+CDt
こんな一途な思いがあるのに、何故ホラーマンの頼みをきくのか、ロールパンナには理解できなかった。
さっきのやり取りでは、ホラーマンがどうしてもドキンちゃんと仲直りをしたい。
だからバイキンマンが変装をして、事もあろうに敵地のアンパンマンの所に頼みに行くのである。
バイキンマンもホラーマンが自分の事なのに大事な事は全て人任せな卑怯さと意気地のなさを知っている。
そして、バイキンマンも先日の日記の内容とドキンちゃんとの様子では
ドキンちゃんに直談判など出来る訳もない。
不思議なのは、何故アイツの気持ちがドキンちゃんにあるのに
危険を冒してまでもホラーマンの頼みを聞いてしまうのか?
(バカな男!)
(きっとくだらない男の友情とかなんだろ?)
日記の内容もそうだったが、この男、とことん不器用なんだな。
「くっだらない!」
そう思ってある種のもどかしさを込めて吐き捨てた。


「いっくぞーぉ!バイバイキ〜ン!ヤッホーィ!」
背後の雑木林からバイキンUFOが空高く飛び出していった。
(もう、トコトンバカッ!)
ロールパンナは失望感にも似た怒りの感情を抱いた。
271シリウスの涙-10:2006/12/16(土) 21:28:42 ID:591h+CDt
水仕事を手早く切り上げると、バイキンマンが飛び出していった東の空を見上げた。
「さぁて、行ってみるか・・」
あの男が気になるなんて思いたくもなかったが
気晴らしに散歩ついでと自分に言いきかせるように空を見上げて呟いた。
「いい天気!絶好の散歩日和だわ!」
正直、昼間の徘徊は気が進まない。
人の目につく事をロールパンナは極端に嫌っているからだ。
時折、木陰に降り立ちながら低空飛行でバイキンUFOを追いかけた。
しばらく行くと、雑木林の草むらに無造作に置かれたバイキンUFOを見つけた。
バイキンマンはいない。
前方に目を遣ると、木陰から広い草原が広がり、色とりどりのコスモスが咲き乱れていた。
(あっ、ヌマッチだ)
草原の片隅に大きな沼があり、森に近い隅の方に幾人かの塊が見えた。
ロールパンナは気付かれないように大きく林を回り込み、人の塊に近づいた。
(あっ、やばい!メロンパンナもいる)
反射的に首をすくめ、一番太いけやきの木の陰に隠れた。
恐る恐る人の塊をのぞき見ると、アンパンマン達と変装したバイキンマンが話しをしていた。
(ププッ!)
あまりにもバレバレな変装に思わず吹出しそうになったが、どうにかこらえた。
272シリウスの涙-11:2006/12/16(土) 21:31:18 ID:591h+CDt
「やぁー君!こんな所でどうしたんだい?」
アンパンマンが脳天気に尋ねた。
他のみんなは明らかに不審な少年を、シラ〜と横目で見ている。
「あのね、ボクね、ホラーマンの友達なんだけどー、最近ちっとも遊んでくれないんだ。
どうやらドキンちゃんと仲直り出来ないからふさぎ込んでいるらしいんだ」
バイキンマンふんする少年がダミ声で答えた。
(プハハハ・・ダメだこりゃ!バレバレ!)
普段表情を変えないロールパンナが声を殺して腹を抱えた。
他のみんなは尚も目を細めしげしげと横目で少年を見遣った。
「そおか。それは気の毒だね。何か僕らに出来る事はないかいー?」
アンパンマンは目をまんまるくして真顔で尋ねた。
(こ、この正義バカ、わかってねぇ・・)
ロールパンナは息を殺し抱腹絶倒した。
周りのみんなは、今まで少年に向けていた疑いの目付きを一斉にアンパンマンに向けた。
「うん。ここのヌマッチと協力してみんなで盛り上げて欲しいんだ。」
273シリウスの涙-12:2006/12/16(土) 21:34:17 ID:591h+CDt
「よおし、わかった。君、もう心配しなくていいよ。このアンパンマンに任せておいて!なあ、みんな」
振り返ると、バタコとカレーパンマンが眉間にシワを寄せてヒソヒソ話をしていた。
メロンパンナは両手を胸の前で握りしめ何かを訴えるような視線を送っていた。
「俺様、あっ、いや、僕は本当にホラーマンの事が心配なんだ。」
相変わらずのダミ声。
「大丈夫!僕らが協力すれば出来ない事なんて何もないさ!ははっ!」
その時、今までうたた寝をしていたヌマッチが、そよ風の心地よさが鼻をくすぐったのか、
大きく息を吸い込みこちらに向かってくしゃみをした。
「ハックショーン!」
ヌマッチのくしゃみをまともに受けたバイキンマンは
その突風で身につけていた変装道具を吹き飛ばされてしまった。
「ああっ!!」
少年に変装していたバイキンマンの本性が晒されてしまった。
「あっ君。バイキンマンの変装が上手いねぇ。ははっ」
もう周りはお手上げの表情で下を向いている。
「イヒヒ、バレちゃ仕方ない。俺様の攻撃を受けて・・」
あれっ?
バイキンUFOがない!
それもそのはず、雑木林の草むらに乗り捨てて来てしまったのだ。
バイキンUFOに装備されているマジックハンドでアンパンマンの顔をボコるつもりが失敗だ。
バイキンマンはアンパンチを浴び、一撃で西の空へと飛ばされていった。
「バイバイキーン!」
ロールパンナは、けやきの木の陰から身を乗り出して見ていた。
「お姉ちゃん・・」
(!!・・しまった!)
身を乗り出し過ぎてしまった。
「あっ、ロールパンナちゃんだ!」
アンパンマンが声を張り上げた。
(うわっ、うざい)
「お姉ちゃん!」
(メロンパンナ・・)
ロールパンナは、そっと目をつぶり、地面を蹴りあげ、ゆっくりと西の空へと消えていった。
「お姉ちゃん・・」
「いやぁ、みんなよかったねー!僕がすぐに見抜いてアンパンチ。いやぁーよかったよかった」
「ははは・・」
みんなはもう力のない笑いだった。
「でも、なぜ?バイキンマンが?」
「お姉ちゃんも一緒だったのかなぁ?気になる」
「仲直り、か。いいじゃないか」
みんな口々に意見を言い始めた。
「よおし!いい事は、この僕に任せておいて!」
アンパンマンは拳をあげた。
「ははは・・」
みんな、仕方ないなぁといった具合に軽く頷いた。

274シリウスの涙-13:2006/12/16(土) 21:37:12 ID:591h+CDt
みんなの笑い声を背に、ロールパンナはバイキンマンの消えていった西の空へ急いだ。
(きっとアイツの事だから大丈夫だろう)
心配するつもりもなかったが、何故か気掛かりだった。
(結局アイツがバカなだけじゃん!)
そう言い聞かせた。
岩壁に近づいた時、偶然にもロールパンナが水仕事をしていた小川のほとりにバイキンマンが気絶して横たわっているのを見つけた。
傍までいって覗き込むと、いつものようにかすり傷があった。
ロールパンナは洗いたての純白のハンカチを小川の水に濡らし、バイキンマンの傷口にあてがった。
「ん、ん・・」
(はっ!)
危うく気付かれそうになったが、まだ意識を取り戻していないようだった。
(こんなトコ見られたら堪ったモンじゃない!)
ロールパンナは自分の親切心を否定するように、手早くバイキンマンを手当した。
「うむ・・」
(ヤバイ!)
ロールパンナは、慌ててその場を離れた。
275シリウスの涙-14:2006/12/16(土) 21:39:25 ID:591h+CDt
どれだけの時間が経っただろう、遠くの方から誰かの叫び声が聞こえた。
「バイキンマーン!」
あの男の名前を呼んでいるのがホラーマンだとわかるまでさほど時間はかからなかった。
「バイキンマーン!」
「バイキンマーン!ホラ」
「バイキンマーン!ホラホラ」
ホラーマンの呼び掛けが力を失った頃、反対側から大きな怒鳴り声が聞こえてきた。
「やかましい!何の用だ!」
「あっ!バイキンマーン」熱い抱擁をしようとバイキンマンに近付くと
「バギャーィン!!」
とすかさず大ハンマーでホラーマンを叩きのめした。
ホラーマンは粉々に砕けたが、またすぐ元の形に戻った。
「やかましいんだよ、貴様は!」
「いやホラー、バイキンマン、本当にありがとう!」
「な、なんの事だ?」
「ホラー、とぼけないでくださいよホラー」
「だからなんの事だよ!」
バイキンマンは再び大ハンマーで彼の頭を叩いた。
「痛いっすホラー、だからあの事。ドキンちゃんとの仲直りの事!ホラー」
「はぁ?」
「いや、だからぁ、バイキンマンが頼んでくれたんでしょ?」
「はぁ??」
どうやらアンパンチのショックで記憶が飛んだらしい。
「いや本当に助かりました。おかげさまでさっきヌマッチのほうからOKの報告がきたんですホラー」
「はぁ?何がなんだか解らないが、まあいいだろう。俺様の凄さがわかればそれでいいのだ!はっひふっへほーぃ!!」
276シリウスの涙-15:2006/12/16(土) 21:41:31 ID:591h+CDt
バイキンマンは満足そうな顔をしてホラーマンを見下した。
「ホラーホラーホラー」
ホラーマンは喚起の声をあげて森の中を闊歩して消えていった。
(なんだか、気の毒なヤツ!)
一部始終を見守っていたロールパンナは、少しだけバイキンマンに同情した。
(アイツ本当にあれでいいのか?)
アイツのみすぼらしい男気に付き合うつもりはない。
なんだかとっても悲しい男に見えてきたのだった。
277シリウスの涙-16:2006/12/16(土) 21:44:00 ID:591h+CDt
このような出来事がつい数日前にあった事もあってロールパンナは、
いつものバイキンマンの口車に敢えて乗ってみようと思ったのだ。
前方をゆらりとバイキンUFOが飛んでいる。
夜風になびきながらロールパンナは追随した。
方角的にいったら先程まで行われていたホラーマンとドキンちゃんの仲直り会の会場である。
(コイツ、またロクな事考えてねぇや!)
ロールパンナは今までの経験からそう思った。
そしてバイキンマンから少し遅れをとり、辺りを見回しながら逃げ口実を考えていた。
すると、その時
「あれ?ドキン・・ちゃん!?」
ロールパンナが崖の下の僅かな隙間に、その姿を見つけた。
と、同時に
(!!!)
ロールパンナはあまりの光景に言葉を失った。
(なんという事だ!!!)
>>49-62参照)
278シリウスの涙-17:2006/12/17(日) 08:48:48 ID:rivFaSry
「おーい!ロールパンナ。遅いぞー」
(やばい!)
バイキンマンが振り向きざまに、こちらに戻ろうとした。
「えいー!」
ロールパンナは、とっさにリボンでバイキンマンを縛りつけ
遠くに投げやろうとした。
(アイツに見せてはいけない!!)
「はっひふっへほーい!」
(しまった!!)
滅多な事では動揺しないロールパンナだったが
平常心を失い、バイキンマンのマジックハンドのほうが
僅かに早くロールパンナの身体を掴んだ。
「今、オレ様に何をしようとした?」
ロールパンナは肩をマジックハンドで掴まれた。
バイキンマンがすぐさま身体を近づけた。
ロールパンナはヤツの迫った顔から目をそらした。
「オレ様、今日はごきげんなんだ。つまらない事すると、どうなるかわかってんのか?」
出発前とは全く立場が逆転してしまった。
ロールパンナは、なおも顔をそむけた。
「おい!もう帰りたくなったのか?オレ様に付き合えねぇーていうのか?」
語気を強め、ロールパンナの肩をさらに強く掴んだ。
(クソー!コイツ調子にのりやがって!)
「いたたた・・」
「痛いだと?オレ様の力は、こんなもんじゃないぜ!」
「痛っ・・」
ロールパンナが放ったリボンは、完全にバイキンマンの身体から離れ夜風になびいている。
リボンのバチを持つ手の握力が失せていく・・
「いいか、よく聞け。」
「オレ様が今から行く所はなぁ、ちょっとしたラブスポットなのだー!わっはっは!」
「オレ様、気分がいいと人の恋路を邪魔したり、悪戯するのが大好きなのだー!わっはっは!」
「いいか?あの正義バカ。アイツがなぁ・・うっしっし!」
バイキンマンが気色悪そうに歯をむきだしにして笑った。
「あの正義バカ・・うっしっし、うっしっし!」
バイキンマンのマジックハンドの力が抜けた。
ロールパンナは肩を揺すってマジックハンドを振り払った。
「うっしっしぃー!」
(コイツ、最低!)
ロールパンナは、激しくバイキンマンを睨めつけた。
一瞬驚いた表情をしたバイキンマンにアゴである方向を誘導した。
崖の下の光景だった。
279シリウスの涙-18:2006/12/17(日) 10:48:34 ID:rivFaSry
「・・・」
「・・・」
どれくらい沈黙の時間があっただろう。
ロールパンナは、ドキンちゃんとショクパンマンとの
信じられない光景が直視出来ない。
と同時に、
きっとその信じられない光景を目にしたであろうバイキンマンからも
目をそらさなければならなかった。
まるで奴隷のように扱われているドキンちゃん。
昼間の爽やか青年のショクパンマンのもう一つの顔。
隣りのこの男は、どのような気持ちで見つめているのだろうか?
(痛っ!)
さっきまで力任せに掴まれていた肩が疼く。
あまりの光景にすっかり忘れていたが、この男、最低である。
ロールパンナは少しからかってみようと思った。
「おい?」
「・・・」
返事がない。
「おい、バイキンマン!」
「・・・」
返事がないので、ロールパンナはバイキンマンの顔を覗き込んでみた。
さっきまでの悪事に満ちた顔付きとは程遠い、今にも泣き出しそうな顔だった。
280シリウスの涙-19:2006/12/17(日) 10:52:28 ID:rivFaSry
(ププっ!)
ロールパンナは、その情けない顔を見て思わず吹き出しそうになったが
肩の痛みが彼女をもう一度怒りの気持ちに切り替えた。
「なあ?バイキンマン。さっき何て言った?」
「何てって?」
「とぼけるな!何て言った?」
「何て・・」
「あっ!?」
「・・・」
「なぁ?オマエ気分がいいと何だっけ?」
「・・・」
「あっ?」
「・・・」
「おらぁ!黙ってないで何とか言ってみろぉ!」
ロールパンナは激しくバイキンマンの胸倉を掴んだ。
「うっ・・」
「うっ、じゃわかんねぇんだよ!」
「・・・」
「気分がいいと何をしたくなるのですか?」
バイキンマンを鋭く睨みながら、今度は優しい口調で言ってみた。
「はい・・」
「はい、じゃねーだろうが!あっ?」
「うっう・・」
「なぁ?聞いてんだよ!」
「・・・」
(フッ!)
「行ってこい」
「はぃ?」
「行ってこい!」
「はぁ・・」
「はぁ・・じゃねぇだろ。行ってこい!」
ロールパンナはアゴで例の方向を指した。
「いぇ・・あの」
「行ってこい!」
「・・・」
「オマエ、さっき言ったよな?」
「はぁ・・」
「気分がいいと人の恋路をどうしたいんだっけ?」
「・・・」
「どんな悪戯してくれるのかなぁー」
「・・・」
勿論バイキンマンがドキンちゃんに淡い恋心を抱いているのは知っている。
あの日記帳を盗み見して、その思いが悶々としているのも知っている。
その相手が今まさに全裸でヤサ男に弄ばれているのだ。
「早く、行ってこい。」
今度は力強く、バイキンマンの目をしっかり見つめ諭した。
「う・・ん」
ロールパンナから後ずさりするように、バイキンマンはゆっくりと例の方向へ向かった。
少しずつロールパンナから彼が離れていき、彼が完全に目を離し背を向けて移動した瞬間、
ロールパンナは素早くリボンで彼の身体をたぐり寄せ、彼をきつく抱きしめた。
わかっていた。
今、彼が向かっても結果がどうなるのかはロールパンナにもわかっていた。
ただ彼が邪心を捨て自分の素直な気持ちで向かっていった・・
その気持ちを一瞬でも見せてくれた・・
それでいいのだ。
バイキンマンの頬を涙が伝う。
(バカな男!)
ロールパンナは、もう一度やさしく抱きしめた。
281ろおるふぇち喪:2006/12/17(日) 16:50:48 ID:rivFaSry
取り敢えず、つらつらとカキコミしてしまいました。
時間空間が前後してしまいわかりにくくなってしまいました。
このあと、徹底的にアンパンマンをやり込むつもりですが
まだあらすじさえも出来ていない状態です。
次回カキコミできるのはいつになるやら・・
ショクドキさん。
おつまみさん。
勝手に引用してすいませんでした。m(__)m
282シリウスの涙-20:2006/12/18(月) 10:49:54 ID:ISTGInfw
(さて、行くか・・)
いつまでもここにいるわけにはいかない。
いつ何時あの二人に見つかるかもしれない。
ロールパンナは彼の身体をそっと引き離し、
「行くぞ!」
と呟いた。
バイキンマンはゆっくりと顔をあげ
くるりと背を向け
「よぉーし!オレ様、徹底的に行くぞー!」
と言って拳を振り上げた。
(回復力の早いヤツ・・)
ロールパンナは、クスッと笑い、再び東の空へ飛び立った。
283ろおるふぇち喪:2006/12/18(月) 10:52:33 ID:ISTGInfw

貼り忘れ。
これでストック分は全てです。
284名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 15:04:51 ID:VeU9jcf2
ロールカワユス
285名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 11:11:58 ID:I7SW7h6Z
そういや、>>204のSS保管庫の話はスルー?
286名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 15:51:20 ID:WWcdQPKH
ココは本当素晴らしい!!
287名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 23:01:14 ID:uGdEp/HY
焼きそばパンマンと焼きソバカスちゃんの兄妹ものとか見たいな
絵的には最悪だけど
288名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 00:24:40 ID:SISmmSuo
眉毛がねー
289名無しさん@ピンキー:2006/12/24(日) 21:23:00 ID:r2PwzMtH
シラタマ様〜〜
290名無しさん@ピンキー:2006/12/26(火) 04:32:25 ID:DHj99PXA
シラタマって女?
291名無しさん@ピンキー:2006/12/27(水) 11:41:21 ID:O08j4iCB
男。歌劇団キャラ。
クリスマススペシャルで主役だった。
292名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 00:42:36 ID:wGbNioWP
宝塚的男役だと思ってた
293名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 13:21:47 ID:nmeSnP1S
>>1から読ませて貰ったが…。
何 だ あ の ショクドキ は !!
此処にこんなネ申職人がいたなんて…(*´Д`*)ハァハァ。
ショクドキ3のショクパンマン視点も読みたいぜ!!
294名無しさん@ピンキー:2006/12/28(木) 18:07:05 ID:V0uyfoX8
>293
ほんとにそう思う。
ショクドキネ申崇拝!
295名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 07:31:36 ID:ben7RYtT
>>291
女じゃないの???


今年もショクドキ期待待ち
296名無しさん@ピンキー:2007/01/01(月) 14:05:56 ID:kYUdEW+W
おめっとさん。
>>291だけど、素で男だと思ってた。
女なの???
297名無しさん@ピンキー:2007/01/02(火) 01:17:18 ID:qsglxaJV
オイ!ここで話題のネ申サイト発見した
つ「アンパンマンサーチ」
298名無しさん@ピンキー:2007/01/03(水) 18:10:00 ID:/lIjru3/
ほっす
299名無しさん@ピンキー:2007/01/03(水) 18:10:35 ID:E/EKM5qR
で、結局しらたまさんは女でFA?
300名無しさん@ピンキー:2007/01/04(木) 17:00:13 ID:AjnHLLJf
カレー×ドキンが読みたいと言ってみる
無人島から二人で脱出する回あったよね?
301名無しさん@ピンキー:2007/01/10(水) 00:47:25 ID:NkFYHY6r
>>297
2ちゃんでサイトのことに触れちゃだめだお
面白半分に荒らされる場合があるから。
でもおかげで発見できたから感謝してるけど^^;
メルフォやweb拍手なかったから
ここで「大好きです!応援してます!」と言っておこう・・・
302名無しさん@ピンキー:2007/01/15(月) 21:53:59 ID:r2kwNHcc
ほっしゅーん
職人さん待ち待ち
303名無しさん@ピンキー:2007/01/21(日) 20:17:59 ID:jQfstAWQ
あげとく
304名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 05:18:58 ID:YWe9Wmzy
長ネギマンすき
305名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 09:08:59 ID:ATv7j4pc
キララ姫がすき
306名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 16:46:41 ID:06P0POwG
自分もキララ姫すき!
307名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 19:30:46 ID:tXFNLPJm
ロールパンナ萌え
308名無しさん@ピンキー:2007/01/22(月) 20:10:21 ID:eURVxQR/
こないだはオムスビマンにちょっとロマンスがあったけど
相手があれじゃあエロには持っていけないな
309名無しさん@ピンキー:2007/01/27(土) 23:13:02 ID:icVWZvXF
もう一ヶ月以上職人さんが来てないな保守
310名無しさん@ピンキー:2007/01/28(日) 01:17:47 ID:EEhHibfr
>>304長ネギマン=ネギーおじさんだっけ?
長ネギマンが最初は凛々しく登場するも、
いざ本番になると、超〜早漏だったりしてww
311名無しさん@ピンキー:2007/01/31(水) 07:02:43 ID:Bb2WOm09
爺「アンパンマン!新しい顔だよ!」


ビューーン


アンパン「ひぎぃ!」
312名無しさん@ピンキー:2007/02/02(金) 16:37:58 ID:TTxZinnV
ショクドキ神職人待ち体(*´∀`*)アゲ
313名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 12:57:35 ID:BA/f0qkc
来週の放送はバレンタインものだから、しょくぱんまん×ドキンちゃんに
何らかの進展があってほしいな…。
314名無しさん@ピンキー:2007/02/03(土) 20:57:54 ID:rMzzff1J
恋愛イベントと言えばショクドキだよなぁ。
頑張れドキンちゃん。
315名無しさん@ピンキー:2007/02/07(水) 15:19:13 ID:HiuWWYG+
進展しないとわかってても期待しちゃうんだよな
316名無しさん@ピンキー:2007/02/10(土) 13:29:12 ID:B2z9IHRc
ショクパンマン、ドキンの頭の中の映像だけで終ったね。せっかくのバレンタイン話が…。

でも最後にドキンがショクパンマンの所にチョコ渡しに行く所で終わってるのが逆にいろいろ想像できる。
317名無しさん@ピンキー:2007/02/11(日) 14:47:54 ID:BMkKPe/4
318名無しさん@ピンキー:2007/02/17(土) 20:47:35 ID:u1CbAxq4
ほしゅ
319名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 15:26:24 ID:OGnKgDJh
ドキンちゃんは無事にチョコ渡せたのだろうか(;´Д`)ハァハァ
320名無しさん@ピンキー:2007/02/19(月) 17:54:13 ID:roV5XvTs
>>319
気になるね。ちゃんと見せてほしかった。

それと、しょくぱんまん!バレンタインデーくらい、
ドキンちゃんを抱いてやってよ。
321名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 19:12:30 ID:x+ZAl9IS
>>320
幼児アニメなのにそんな事したらエライ事にwww


322名無しさん@ピンキー:2007/02/20(火) 22:03:26 ID:BQCprSLr
>>320
率直な意見に感動したw
323名無しさん@ピンキー:2007/02/21(水) 21:56:20 ID:r+hZmjQR
職人さんが来ない!!!何故!
324名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 16:59:48 ID:ZS+u5zDJ
来週のアンパンは雛祭りの話でしょくぱんとドキン登場だが期待しともよいだろうか…
325名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 18:44:35 ID:MIz/Hm43
>>324
ドキンちゃんが抱かれるかはわからないが、一応期待してみる。
326名無しさん@ピンキー:2007/02/23(金) 20:25:20 ID:V9s/o+6w
>>324
ドキドキ雛祭りっていうくらいだから、ドキドキしないわけないと思う。
中田氏しちゃってドキドキなんだと思う。
327名無しさん@ピンキー:2007/02/24(土) 15:33:06 ID:CJEpH7d0
>>326
わおwそれ見たいな。相手がしょくぱんまんならいいじゃない。

幼児アニメに走る衝撃は計り知れないけれども。
328名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 22:18:54 ID:8/95MFkb
今日見れなかった…

どうだった?ショクドキは。
329名無しさん@ピンキー:2007/03/02(金) 23:37:47 ID:q16HPvuY
>>328
いちゃいちゃしてたよ
330名無しさん@ピンキー:2007/03/03(土) 21:46:19 ID:MaVRjB5I
あれはいちゃいちゃなの?w
まぁね、しょくぱんまんなかなかドキンちゃんに優しくて良かった。
でも変装のドキンちゃんなのよね。
331名無しさん@ピンキー:2007/03/04(日) 18:59:33 ID:c2N0BwF1
>>323ごめんなさい。なかなかヒマがなくて・・・
332名無しさん@ピンキー:2007/03/05(月) 09:37:33 ID:BQ0wUPHW
>331
職人さん発見!時間があったらでいいので、wktkして待ってる!
333名無しさん@ピンキー:2007/03/09(金) 18:39:41 ID:EpJzAyk4
来週ドキンちゃんがんばれ
334名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 08:26:15 ID:HIIG06tP
ほしゅ!
335名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 23:14:39 ID:zUXtxPOQ
こないだの放送見て
タヌキ鬼×バタコ って意外といいかもとおもったw
336名無しさん@ピンキー:2007/03/17(土) 23:22:29 ID:YZEiO3Ah
それ、絵的にはどうなんだろw
337名無しさん@ピンキー:2007/03/24(土) 08:37:45 ID:nfJFkN8B
職人さんこないかなー
338名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 02:33:59 ID:wcOUytMr
ほしゅ
339名無しさん@ピンキー:2007/03/28(水) 21:56:23 ID:By3qSx3E
保守!
340名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 09:03:07 ID:9UwkyNBo
本当にすばらしい作品の数々なので作者さまさえ宜しければ
近いうちにまとめサイトを作らせていただきたいのですが…
341名無しさん@ピンキー:2007/03/30(金) 09:34:07 ID:/cN2m5YP
いいんじゃね?
前スレのが読めるんだったら、>>340に感謝
342名無しさん@ピンキー:2007/04/01(日) 11:09:52 ID:0W5eMgef
>>341
気長に待っていてください。
そこで前スレのアドレスはこれです。
にくちゃんねるから拾ってきたのでそのまま読めるはずですよ。
http://mimizun.com/search/perl/dattohtml.pl?http://mimizun.com:81/log/2ch/eroparo/sakura03.bbspink.com/eroparo/kako/1076/10764/1076472184.dat
343コピペ:2007/04/01(日) 20:28:37 ID:9BtBOVuP
バイキンマンは本当はバイキンマンではないんだよ。
ジャムおじさんが初めてパンの擬人化に成功した初号機・ジャムパンマンだったのだ。
しかし彼には致命的な欠陥があった。全身がパンで出来ていたのであった!
そのことに気づいたのは、雨の続くある日のこと。彼の体は少しずつカビに侵されていた!
新しいモノを造ればいいのだが、それは全く別のモノ。記憶や思いまでは受け継ぐことは出来ない。
このまま朽ちていくしかない・・・そう告げられたジャムパンマンは降りしきる雨の中、工場を飛び出して行った。
ジャムおじさんは今回のことを教訓に、体に脳となる部分を内臓し、パンのエネルギーで動くパン用人型決戦兵器を造り上げた。
後のアンパンマンである。
その頃、ジャムパンマンは全身がカビに覆われ、もはやパンであることすらわからなくなっていた。
彼の心は怒り・憎しみが増大していくが、まだ良心が少し残っていた。
そう、ジャムである。保存が効くのが幸いしたのである。
しかし、彼の心の暗黒面は増大し続けジャムを取り出してしまう。
そうして彼の心は暗黒に満ち、バイキンマンは誕生した。
余談ではあるが、その時取り出されたジャムはバイキンマンによって錬成され、ドキンちゃんになった

暗黒面に支配されたとはいえ、愛に飢えていたのだろう。しかし、彼の思いとは裏腹に、彼女は食パン
マンを愛してしまった。
やはり元はジャムということか、味の無いパンを求めてしまう。悲しい性である。
344名無しさん@ピンキー:2007/04/02(月) 09:51:33 ID:HcOVC1vQ
>>342
トン!
345名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 00:48:21 ID:jAUjKnVR
先日放送していた「しょくぱんまんとオカリナひめ」の
その後の話を書きました。
前半はドキンちゃん視点、後半はしょくぱんまん視点。
まだ放送してない地域の人がいたらごめん。
あと、前半はえっちくないです。
346放送後・A 1:2007/04/06(金) 00:49:20 ID:jAUjKnVR
町にオカリナ姫が春の訪れを知らせにやって来たその日の午後、
ドキンはバイキン城内の自室にこもって、一人きりの反省会を開いていた。
なにやらぶつぶつとつぶやくドキンの頬が、赤く染まる。
ドキンは手にしたショクパンマンの人形を抱きしめ、身もだえた。
「やーん、思い出しちゃった。恥ずかしいー」
ほんの数刻前、オカリナ姫に変装してショクパンマンに近づいた際に、
彼に抱きかかえられて空中を散歩した思い出がよみがえる。
髪の先が触れるほどの至近距離にあった顔や、自分の体を支える腕の感触を思い出して、
ドキンの表情がゆるんだ。
「――って、ちょっと待ってよ」
そのドキンが、人形をまじまじと見つめ、つぶやいた。
ゆるやかに眉間にシワがよっていき、口元がひきしまる。
「あたしと同じおもいを、あのコだってしてるんじゃないの!」
ドキンよりも先に、本物のオカリナ姫がショクパンマンの腕に抱かれて空を飛んでいた光景を
まざまざと思いおこし、ドキンは叫んだ。
「もう、くやしいったら。許せなーい!」
ドキンは肩をおとし、ベッドに倒れこんだ。
部屋に戻ってきてから、幾度となく繰り返したセリフだった。
ショクパンマンが他の女の子と親しげに過ごしているのを見るたび、いつも心は乱れた。
ドキンの瞳に涙が浮かぶ。
347放送後・A 2:2007/04/06(金) 00:49:55 ID:jAUjKnVR
「……どうしてあたしだけのショクパンマン様でいてくれないの?」
無理な注文なのはわかってる。
これは完全な自分の片想いなのだ。
彼にとっては自分など、単なる顔見知りの一人にすぎないのだろう。
そうであっても、ドキンは彼に惹かれる自分の気持ちを押さえることはできなかったし、
今もこうして湧き上がってくる怒りをどこにぶつけていいのかもわからずにいた。
「どうしたらあたしを見てくれるんだろう」
ドキンは愛しい人をかたどった人形に顔をうずめ、くぐもった声でもらした。
「――あたしのものに、なればいいのに」
(そうだ)
思いつめた目つきで身を起こしたドキンは、じっと人形を見つめ、考えを巡らせた。
(ショクパンマン様があたしを見ようとしないなら、無理矢理にでもあたしのものにしちゃえばいいのよ)
「待ってるのは性に合わないもの」
ドキンは部屋を抜け出して、人形を小脇に抱えたまま、バイキンマンの研究室にやってきた。
バイキンマンはまだ戻ってきてはいない。
主が不在の研究室に入ったドキンは、劇物の並ぶ薬品棚から目当ての小ビンを取り出し、
ラベルを凝視した。
「痺れ蔦のエキス――これがあれば、もしかしたら」
このエキスを飲ませ、身動きのとれなくなったショクパンマンなら、自分の自由にできるだろうか。
どこかうつろな笑いをもらし、ドキンは小ビンを懐にしまいこんだ。
「ごめんなさい。でもあたし、他にどうしようもない」
348放送後・A 3:2007/04/06(金) 00:50:29 ID:jAUjKnVR
身支度を整えて、ドキンはバイキン城をあとにした。
操縦席の脇にころがる水筒には、熱いコーヒーが入れてあった。
「ショクパンマン様、まだあのコと一緒にいるのかしら」
眼下の道をショクパンマンの姿を探しながら、ドキンはUFOを操り、空を飛びまわった。
かたわらのコーヒーには、先ほど手に入れた痺れ薬を入れてある。
首尾よくこれを飲ませたら、ショクパンマンは体の自由を失うだろう。
「そうしたら、どうしよう」
UFOに引きずりこんで、自分の部屋に閉じ込めてしまおうか。
それとも、その場で押し倒して、力ずくで体を奪ってしまおうか。
(どんな目であたしを見るんだろう)
胸中にひしめく激しい葛藤に、息がつまりそうだ。
(きっと、嫌われるわ)
ドキンの面が歪んだ。
それでも――
「手に入れたなら、決して手離さないわ、あたし」
349放送後・A 4:2007/04/06(金) 00:51:09 ID:jAUjKnVR
ようやく小道をひた走るショクパンマン号の姿をみとめて、ドキンはUFOを急降下させた。
少し距離をあけた道の行く手にUFOを停め、車が追いつくのを待つ。
UFOの赤い機体は目立つから、ショクパンマンもドキンの存在に気づいたことだろう。
やがて現れたショクパンマン号は、迷いのない動作で、路肩に停まったUFOの手前に停止した。
ドキンは水筒を手に、ハッチを開けて飛び降りた。
「ショクパンマン様、こんにちは」
ショクパンマン号の扉も開き、ショクパンマンが降りてきた。
ドキンの胸が高鳴った。
(不思議……こんな気分のときでも、姿を見ると嬉しいものなのね)
ショクパンマンがやわらかな物腰でドキンを迎えいれた。
「こんにちは、ドキンちゃん。めずらしいですね、このような場所でお会いするとは思いませんでした」
「はい。あの、空から車が見えたので下りてきました。
よかったらこれ――差し入れのコーヒーなんですけど、召し上がってください」
「私にですか?ありがとうございます」
差し出した水筒に手を伸ばすショクパンマンを、ドキンは見上げた。
親しみのこもった、穏やかな微笑みが自分に向けられていた。
350放送後・A 5:2007/04/06(金) 00:51:52 ID:jAUjKnVR
ドキンは息をのんだ。
「あ……」
声を震わせて動きを止めるドキンを、気づかわしげにショクパンマンは覗きこんだ。
「ドキンちゃん?どうかしましたか、顔色がよくないみたいだけれど。
もしかして、具合が悪い?大丈夫ですか?」
胸に迫る想いがあった。
(あたし――この人が好き)
白くこわばる指先に力がこもる。
ドキンは手離す寸前の水筒を奪い返し、叫んだ。
「やっぱりだめ。――ごめんなさい!」
ドキンはきびすを返し、UFOに乗り込もうとした。
機体によじ登るドキンの体をショクパンマンがそっと押しとどめ、ふり向かせた。
「ドキンちゃん――?」
困惑の色をたたえた瞳に見つめられ、ドキンは胸元の水筒をぎゅっと抱えこんだ。
嫌われる覚悟はできていた。
それなのに、実際顔を見てみると、どうしたってこの人に危害を加えることのできない自分に
気づいてしまった。
(あたしには、できないのよ)
目の前の青年が傷つくところなど見たくはなかった。
大切な人なのだ。
――頭の中がぐちゃぐちゃに乱れ、ドキンは堰を切ったように泣き出した。
声をあげて泣きながら、何度も彼に謝った。
351放送後・A 6:2007/04/06(金) 00:52:29 ID:jAUjKnVR
ショクパンマンに導かれてショクパンマン号に乗り込んだドキンは、
時々しゃくりあげながら窓の外を眺めていた。
車はもう長いこと人気のない山道を登り続けていた。
やがて木々に囲まれていた前方がふいに開け、眼下の渓谷に青い空と深い緑が鮮やかな、
雄大な眺めが飛び込んできた。
はるかな地平線に、色とりどりの春の花がぼやけてにじんでいる。
停車した車内で、ドキンは泣くのも忘れてその光景に見入った。
「きれいでしょう。ここの山あいからのぞく景色は、いつも色濃く四季を写しとるんです。
私のおすすめの場所です。少し辺鄙な所だけれど……気に入っていただけましたか」
声もなく、ドキンは頷いた。
「――落ち着きましたか?」
再び頷く。
きつくタオルを握りしめるドキンの手の甲に指を重ねて、ふいにくだけた口調でショクパンマンは訊ねた。
「どうして急に取り乱したの。理由を話してもらえる?」
以前にもこうして、泣きはらした顔を見られたことがあった。
苦い思いをかみしめて、ドキンは瞳を伏せた。
「……はい」
352放送後・A 7:2007/04/06(金) 00:53:06 ID:jAUjKnVR
「あたし、ショクパンマン様をおとしいれようとしてたの」
「おとしいれる?」
ドキンの言葉に、ショクパンマンが首を傾げた。
「さっきのコーヒー、痺れ薬が入ってたんです。飲んだらたぶん、一時間は歩けないかも」
なぜそんなことをしたのかと、理由は訊ねないまま、ショクパンマンは先を促した。
「それで、身動きのとれなくなった僕をどうしようとしたの」
「押し倒すつもりだった」
「――は?」
目を丸くするショクパンマンに、ドキンは赤くなってうつむいた。
「そばにいて欲しかったの。それに、そういうことをしてる間は
ショクパンマン様があたしだけを見てくれる気がして――」
力の抜けた声でショクパンマンが訊ねた。
「本当に?」
「はい。あたし……やきもちやいてたの。バカなことをしたわ、
あんなもので何が手に入るわけでもないのに。――本当にごめんなさい」
沈痛な面持ちのドキンの背中を、ショクパンマンが肩をすくめて軽くたたいた。
「そう何度も謝らなくていいよ。怒ってないから」
「でもあたし、ひどいことをしたわ」
「しようとした、でしょう。ドキンちゃんは何もしてないよ」
ドキンは首を左右に振った。
「同じことよ」
本気で落ち込むドキンの頭を、ショクパンマンがなでた。
「僕は気にしてないから、元気だして。そんなにしょげた顔のキミを見ている方がつらいよ」
353放送後・A 8:2007/04/06(金) 00:54:00 ID:jAUjKnVR
「……どうして」
「ん?」
「どうしてあたしに優しくしてくれるの?」
わずかな間があき、ショクパンマンがこたえた。
「……かわいいと思うから」
(うそつき)
そんなはずはないと、内心即座に否定する。
(あたしに興味なんかないくせに)
ドキンは唇をかみしめた。
ショクパンマンの視線を受けて、頬が上気するのが感じられた。
口先だけの褒め言葉だとわかっているのに、胸の奥が喜びに震える。
彼の視線を正面から受けとめ、ドキンは思う。
(この人を手に入れることはできないかもしれない)
自分の気持ちをこの人に押しつけることはできない。
かといって、あきらめることなんてできやしない。
――残酷で優しい人。
けしてドキンを否定しないショクパンマンの態度が憎らしくもある一方で、
ドキンの心を救ってくれている気もする。
(結局、あたしには好きでいることしかできないんだわ)
彼の瞳に自分の映っている時間が、少しでも長く続けばいい。
そう願って、ドキンは彼の瞳を見つめたまま、ふっと表情をなごませた。
ショクパンマンの腕が伸びる。
なぜか頭を抱き寄せられて、肌に伝わるぬくもりにドキンは目がくらんだ。
この恋の出口は見えないけれど――こうして近くにいられるのなら、今はそれだけでもいい。
(暖かい)
ショクパンマンの胸に顔をうずめ、ドキンは静かに瞳を閉じた。

(「放送後・B」につづく)
354名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 10:35:39 ID:P6W6/UeM
とっても萌えるんです><
355名無しさん@ピンキー:2007/04/06(金) 23:52:30 ID:H4ACHdHz
ドキン可愛い(;´Д`)
356名無しさん@ピンキー:2007/04/08(日) 00:47:56 ID:5rd9lqg9
かわいい!切ない!
実際に放送したお話を発展させる手法も良いですな。
357放送後・B 1:2007/04/10(火) 23:12:01 ID:4AyJp+ua
オカリナ姫を見送った後の道すがらに出会ったドキンが唐突に泣き出して、
ショクパンマンは途方にくれた。
(もしかして、僕が泣かせたのかな)
思い当たるふしはなかった。
嗚咽をもらしながら謝罪の言葉を口走るドキンをなだめようとしてみたものの、
涙の理由がわからないままではどうするすべもない。
ちぢこまった彼女の肩を抱こうとして、ショクパンマンはあたりを見回した。
人気のない細道ではあったものの、見晴らしは良く、
ことに上空からの視線をさえぎるものはないところに二人はいた。
(場所を変えたほうがいいかな)
見られて困ることをしているおぼえはないが、誰がいつ空を横切るか知れないのでは、
こみいった話はしたくない。
「……こちらへ」
ショクパンマンはドキンの背を押して、車のほうへ導いた。
「乗ってください。少しドライブをしましょう」
大人しく助手席に身をおさめたドキンに胸をなでおろし、ショクパンマンはエンジンをふかした。
気づけば、ここにこのコを乗せる機会が増えてきた。
(流されてるなあ)
いつも慕ってくれている少女の存在を、いつの間にか受け入れかけている。
(あまり、こんな状況に慣れたくはないんだけど)
そうひとりごちて、ショクパンマンは車を走らせた。
358放送後・B 2:2007/04/10(火) 23:12:38 ID:4AyJp+ua
山の中腹に車を停めたショクパンマンは、エンジンを切ってドキンの様子をうかがった。
前方の切り立った大地の向こうには広大な眺望がひらく一方で、頭上には障害物が多く、
重なりあって枝を伸ばす木々が空を覆い隠している。
ここなら誰かに見咎められる可能性は極めて低い。
ドキンは多少の落ち着きを取り戻したようで、フロントガラス越しの景色に見入っていた。
「どうして急に取り乱したの。理由を話してもらえる?」
本題を切り出す自分に対してドキンがよこした答えに、ショクパンマンはあっけにとられた。
「本当に?」
そう口走ってしまったのも、無理はないと思う。
すっかりしょげかえった様子のドキンが言うには、このコは薬物を用いて
自分を手篭めにしようとしたというのだから。
冗談みたいな話だが、ドキンの面持ちは嫌になるくらい真剣で、ショクパンマンは目まいをおぼえた。
(ああもう、面倒なコだなあ)
「そう何度も謝らなくていいよ。怒ってないから」
呆れてはいたものの、気分を害してはいなかった。
いつまでも目の前でめそめそされるほうが、よほど負担になる。
どうにかなだめようとするショクパンマンに、ドキンが訊いた。
「……どうして」
「ん?」
「どうしてあたしに優しくしてくれるの?」
359放送後・B 3:2007/04/10(火) 23:13:12 ID:4AyJp+ua
どうしてだろう。
ショクパンマンは胸の内に理由を求めた。
こんな風に思いつめた眼差しをするようなコは、放っておけば面倒なことになるだろう。
最も望ましいのは、なるべく距離をおくことだが――
(もう情が移ってしまったからね)
自分とはまるで異なる彼女の性質を、好ましく思う。
「……かわいいと思うから」
本心だった。
どこか不安げな表情をみせて、ドキンが面を上げた。
激しい感情を秘めた底知れぬ瞳が、ショクパンマンをひたと見すえた。
彼女の内側にたぎる想いが伝わってくるようで、目を離せなかった。
言葉もなく見つめあう中、ふいにドキンが顔をほころばせた。
華やかなようでいて、その実はかなげな印象の微笑みに、胸をつかれた。
とっさにショクパンマンは腕を伸ばし、彼女の頭を抱きよせた。
心臓が鼓動を刻む。
わずかに一瞬――目の前の少女に愛しさをおぼえた。
(困ったな、どうしよう)
腕の中でドキンの体から力が抜けた。
先ほど少女に覚えたのとは別の衝動が体を巡る。
(あまり、入れこみたくはないのだけれど)
これ以上深い関係を築きたくはないと頭の片隅で考えながらも、
ショクパンマンはドキンの肩を強く引き寄せた。
距離をおきたい気持ちはあるが、この体に触れる権利を手離すつもりは、今はない。
そもそも、いつだって無防備に身を投げ出す彼女に、かなうはずもないのだ。
ショクパンマンはいくぶん情けない表情で、ドキンの髪に唇をおとした。
360放送後・B 4:2007/04/10(火) 23:13:49 ID:4AyJp+ua
「さっき、そばにいたいって言ってた?」
ショクパンマンの問いかけに、ドキンが頷いた。
ショクパンマンはドキンの体を胸から離し、微笑みかけた。
「バカだね、最初から素直にそう言えばいいのに」
はにかむドキンのアゴを指でなぞる。
「知らないの?薬なんて使わなくても、僕はキミの言うことには逆らえないんだよ」
ドキンが瞳をうるませて、大きく首を左右に振った。
(全くの嘘ってわけでもないんだけどな)
まるきり信用してないと言わんばかりの彼女の素振りが、笑いを誘う。
(まあいいか)
ショクパンマンは座席の上に身を乗りだすと、助手席のシートを後ろに倒した。
続けて運転席のシートも倒し、座りなおす。
「ショクパンマン様?」
首を傾げるドキンを手招いて、ヒジを引いた。
「あ」
バランスを崩したドキンの肩を押し倒し、すかさず上に覆いかぶさる。
シートの上に乱れて広がる、真紅の髪が目をひいた。
「それなら今日は一緒にいよう。……あと、もう一つの願い事は何だっけ」
「え?」
「嫌だな、覚えてないの?『してる間はあたしを見て』って言ってたよね、たしか」
面白いほど鮮やかに、ドキンの顔が朱に染まる。
「あっ、やだ。違……」
「違うの?」
「ええ、えっと……違わない、かも」
「でしょう」
ショクパンマンは満面の笑みを浮かべて、ドキンの髪をかきあげた。
「せっかくのお誘いなので、ありがたく頂戴するよ。ねえ――だからもう、あんなに泣いちゃだめだよ」
「……はい」
そうしてドキンが見せたのは、再びのあの笑顔だった。
ショクパンマンの胸がかすかにさわいだ。
だがショクパンマンはそんな感傷には目もくれず、ゆっくりとした動作で
ドキンの襟元をくつろげていった。
361放送後・B 5:2007/04/10(火) 23:14:27 ID:4AyJp+ua
「少し狭いけれど我慢して」
ドキンの首に巻きついていたリボンをほどき、スカートから伸びる足の間にヒザを割り入れた。
豊かな太腿に手を置き、なめらかな肌触りを確かめる。
もう片方の手でニットのすそを胸の上までまくり上げ、彼女の背中に手を差し入れて
下着のホックをはずすと、これも一緒に首の方へと押しのけた。
横を向いたドキンの四肢がこわばっていることに気づき、ショクパンマンは訊ねた。
「もしかして緊張してる?」
身じろぎひとつしないまま羞恥の色をたたえて、ドキンはショクパンマンを見上げた。
「はい」
(けっこう何回もやってると思うんだけど)
「ふうん、まだ慣れないんだ」
「慣れることなんてないと思います」
「そうかな」
「そうです」
自分に組み敷かれて恥らう仕草に、欲望に火がともる。
(それならまだ、もうしばらくはこのコで楽しめるのかな)
薄い筋肉に覆われた腹をなで上げ、手の平で小ぶりな乳房を包み込む。
吸いつくような肌が、手の中で形を変える。
やわらかな質感を楽しみながら、ショクパンマンは横を向いた少女の首筋にくちづけた。
362放送後・B 6:2007/04/10(火) 23:15:03 ID:4AyJp+ua
香り豊かなその肌に舌をはわせるたび、ドキンの体が小さく跳ねる。
彼女の緊張をほぐそうと、ショクパンマンはじっくり時間をかけて、
尖った鎖骨からひんやり冷えた耳朶までを舐めつくした。
もみしだく乳房は汗ばみ、彼女の腿の内側に力がこもるのが感じられる。
かたく目を閉じたドキンの呼吸は乱れ、吐息には誘うような熱がこもった。
ショクパンマンは彼女のピンと張った首筋を吸い上げた。
「ううん……っ」
鼻にかかった悲鳴がもれ、ドキンが身をくねらせた。
跡が残らない程度に、場所を変えて繰り返す。
「あ……やだ、あんっ」
しだいに明らかなあえぎ声をもらして、ドキンがショクパンマンの首を抱き寄せた。
「ショクパンマン様」
「うん?」
「あたし、頭がくらくらする」
顔を上げると、眉根をよせたドキンと目があった。
うるんだ瞳に、自分が映る。
ショクパンマンは上気した彼女の頬を唇でついばみ、身を起こした。
ドキンの上から体をどかし、スカートの中に手を入れると、
ブラとおそろいの淡いピンク色をしたショーツをはぎとった。
「まだ緊張してる?」
「……わからない。心臓がばくばく言ってる」
ショクパンマンはドキンのヒザに触れ、弧を描くように腿をさすった。
まっすぐに伸びた足を少し開いて、ドキンの顔を見つめたまま、指でたどって足の付け根を探る。
茂みをかきわけ、うるおいに満ちた部分を指でなぞると、ドキンは息をついて体を震わせた。
363放送後・B 7:2007/04/10(火) 23:15:39 ID:4AyJp+ua
乾いた指先に、水滴がしたたった。
「すごいね」
思わずつぶやくと、ドキンが泣きそうな声をもらした。
「何が」
「ずいぶんとおいしそうに熟してるなと思って」
「ん……」
指の腹で周囲をなぞり、力を入れずにつつきまわすと、息を上げたドキンのあえぎと水音が
車内に響いた。
ショクパンマンはいったん指を離すと、ドキンの両膝を押し広げて身をかがめ、
なじみ深い香りを放つ彼女の秘所に舌を這わせた。
「きゃ、やだ!」
慌ててずり下がるドキンの体を引き寄せて、言葉を添える。
「黙って、もうちょっと足を開いて。楽しめばいいよ」
「でも……」
「いいから」
さらに言いつのろうとするドキンを制し、ショクパンマンは舌をねじ込んだ。
「やっ、ショクパンマン様……!」
甘さを帯びた彼女の声が耳をくすぐる。
突起を舌で転がしながら、指をゆっくり体の中に沈めていく。
ドキンの右手が物言いたげに持ち上がり、力なくシートの上に投げ出された。
彼女の返す素直な反応が面白くて、ショクパンマンはしばらくその体に没頭した。
364放送後・B 8:2007/04/10(火) 23:16:19 ID:4AyJp+ua
「ショクパンマン様ぁ」
せつせつと訴えかける声でドキンが名を呼び、ショクパンマンの髪を引っぱった。
ショクパンマンは袖で口元を拭い、顔を上げた。
「どうかした?」
「あたしもうだめ。お願い、入れて」
すがる眼差しで見つめられ、ショクパンマンの内側にざらつく衝動が湧き上がる。
「そんな顔でおねだりされたら断れないな。いいよ、ちょっと待ってて」
ショクパンマンは体を起こし、ベルトをはずした。
体の中心が熱を持ち、明確な意思を抱いて猛っていた。
荒い息をつき腰をくねらせて待ちわびるドキンを見下ろし、
ショクパンマンは衣類をかき分けると、張りつめた己を表に出した。
「ドキンちゃんが満足するまで付き合うよ」
ショクパンマンはドキンの体をはさみこむ形で手をつき、一気に彼女の体を刺し貫いた。
ドキンが甲高い悲鳴をあげた。
貪欲に締め上げてくる感覚に、ショクパンマンはきつく目を閉じた。
(うわ、きつ……)
押し寄せる波に抗うように、奥深く体をたたきつける。
彼女の官能を探りあてようと角度を変えて動くたび、ドキンの口からあられもない悦びの声があがる。
足をからめてしがみついてくる彼女の体を抱きしめ、ショクパンマンは息をついた。
「そんな、焦らないで。ゆっくりしよう」
焦点の定まらない瞳でショクパンマンを見つめ、ドキンがうめいた。
「だめ、だめ――、あたしこれ以上我慢できない」
ショクパンマンの体の奥で、賛同の声があがる。
ショクパンマンは自嘲の笑みをこぼし、頷いた。
「そっか、わかった。じゃあ後でもう一回ね」
そう言うとショクパンマンはドキンの両足を抱え上げて、容赦なく彼女の体を責めたてた。
自らを飲み込み貪る深い海に、憎しみにも似た焦燥感が突き上げる。
やがてひときわ感極まった声をあげて果てた彼女にしばし遅れて、
ショクパンマンは自分の意思を手離した。
365放送後・B 9:2007/04/10(火) 23:17:09 ID:4AyJp+ua
倒れこんだ体の下で、脈打つ彼女の鼓動を感じた。
共にリズムを刻みながら、ショクパンマンは呼吸を整えた。
彼女のいいところは、この後しつこくつきまとってはこないところ。
ショクパンマンはドキンの髪を指にからめ、もてあそんだ。
「ショクパンマン様、あたし幸せ……。今だけでいいの。そばにいてくれてありがとう」
普段なら重たいと受けとめかねないドキンのセリフも、事後の余韻の中なら、
素直にいじらしく感じられた。
「まだ――陽は高いよ。もうしばらく一緒にいよう」
「いいの?」
「もちろん。まだキミを帰すつもりはないよ」
ショクパンマンは胸の内でつぶやいた。
(本当は帰したくないのかもしれないな)
困ったようなこそばゆいような想いを胸に、ショクパンマンはドキンに笑顔を向けた。
「それにほら、もう一回するって言ったでしょう。ドキンちゃんがあんまり急かすから、
後半駆け足になっちゃった。次はもっとじっくり楽しませてね」
「もう」
恥らうドキンの仕草を好ましく思う。
いつも怒って笑って泣いてばかりいる彼女の、手の届くところにいたい。
いつか自分の方から手をさしのべる日が来るのだろうかと、ショクパンマンは思い巡らせた。
(そんな先のこと、わかるはずもないか)
なにしろ、まだ何かが始まったわけですらないのだ。
暖かな肌に頬をよせて、ショクパンマンはささやいた。
「もっと夢中にさせてみてよ」
(そうしたら――)
そうしたら、何かが変わることもあるのだろうか。
ドキンの緑の瞳が、ショクパンマンをとらえて微笑んだ。

END
366名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 00:39:22 ID:lNuz8Hoz
GJ!なんか読み終わった今、うるうるしてます。感動したよ。
367名無しさん@ピンキー:2007/04/11(水) 01:05:31 ID:pbxB1y5f
GJGJGJGJです!!!!
ヤバい…もうなんか…
わかんないけど泣きそうです(。´Д⊂)
ドキンちゃんの可愛さはもちろんながら食パンマンもなんか良かった!!
368名無しさん@ピンキー:2007/04/12(木) 23:10:51 ID:79EnP/CI
めちゃめちゃ感動しました!
エロがどうとかでなく、もはや芸術ですね。

ドキンちゃん…どこまでも一途なのね。
369名無しさん@ピンキー:2007/04/17(火) 16:58:17 ID:/m291AjZ
良スレにつき保守
370名無しさん@ピンキー:2007/04/24(火) 21:48:24 ID:XbN9HQAJ
ほしゅー
371名無しさん@ピンキー:2007/04/25(水) 19:44:09 ID:iMhNgVK9
ものすごい久しぶりにきたら神きてた
凄い萌えた
372名無しさん@ピンキー:2007/04/28(土) 08:51:15 ID:Q0xP5cWi
373名無しさん@ピンキー:2007/05/03(木) 20:31:20 ID:GHBgCymt
ほ・・・
374名無しさん@ピンキー:2007/05/10(木) 23:08:37 ID:SO0pD5qP
ほちゅ
375名無しさん@ピンキー:2007/05/16(水) 22:03:18 ID:ujC7/k3t
保守(´・ω・`)
376名無しさん@ピンキー:2007/05/17(木) 22:10:58 ID:K2SfvcWj
食ドキ見たいな〜保守
377名無しさん@ピンキー:2007/05/18(金) 20:40:39 ID:uTVRaHXr
ホシュ(*´Д`)=з
378名無しさん@ピンキー:2007/05/19(土) 21:29:15 ID:HSuOmGVZ
ほちゅ
379名無しさん@ピンキー:2007/05/22(火) 09:06:13 ID:h2US3JIN
食ドキいいですね〜 ハアハア

380名無しさん@ピンキー:2007/05/29(火) 22:13:35 ID:bCKViroj
ちゅ
381名無しさん@ピンキー:2007/06/05(火) 23:31:18 ID:9eMUesv3
イ呆
382名無しさん@ピンキー:2007/06/06(水) 18:57:26 ID:DOTOsU4j
で、保管庫マダー?
383名無しさん@ピンキー:2007/06/09(土) 15:45:33 ID:JioMVa/+
言いだしっぺがt(ry
384名無しさん@ピンキー:2007/06/10(日) 11:57:25 ID:vp97OxJP
保守あげ
385名無しさん@ピンキー:2007/06/18(月) 09:03:11 ID:9eiKGaaV
hosyu---
386名無しさん@ピンキー:2007/06/24(日) 12:08:18 ID:CN7t9aZL
保守

ショクドキ万歳
387名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 15:01:21 ID:7VgEpnD3
 (パン!パン!パン!パン!・・・)

パン工場の中に響き渡る、肉と肉とがぶつかり合う音。

少女の吐息交じりの喘声と混ざり合い、淫靡なアンサンブルを奏でている。

 「ああ・・・たまらないよ、バ タ コ」

赤いレンガの壁に両手を突き、お尻を老人の前に突き出している少女。

まん丸なお尻を鷲づかみにしながら仁王立ちしている老人は、

真っ赤な頬をいっそう赤らめながら

自慢の陰茎を少女の蜜壷へうずめ、ゆっくりした動きで腰を動かし続けている。

 「バタコや、わしの子を、産んでおくれ。」

しゃがれた声で一言一言搾り出すように老人は少女に語りかけた。

小気味よいリズムで前後運動を続ける老人。

大きくいきり立った陰茎が、可憐な少女の身体の中を貫く度に、

少女は艶かしい声を上げる。

蜜壷から絶え間なく愛液が溢れ、太ももから足先へと伝っている。

図太い肉棒で、身体の中を押し広げられる度、苦痛が体中を走りぬけていた。

 「お・・おじいさん、 乱暴はやめて。 私・・・私・・・」

 「わしも、もうこんな年じゃ。

 あの子らを養うための跡取りが、必要なんじゃ。

 あぁ・・・若い女の身体はいい・・・

 可愛い可愛いわしのバタコや。立派な子を、わしの子供を、産んでおくれ。

 命の宿ったパンを作ることが出来るのは、わしの子孫だけ・・・。」

少女の尻を鷲づかみにしていた両手にいっそう力が入ったかと思うと、老人は歯を食いしばって

天井に顔を向けたまま動かなくなった。

「ああ!・・・やめておじいさん!お願い・・・」

少女は涙声で叫んだが、熱い液体は容赦なく少女の身体の中へ侵入していく。

ヒクヒクと痙攣した肉棒を咥えたままの蜜壷からやがて、白く濁った粘液がどろどろと溢れ出してきた。

「赤ちゃん・・・できちゃうわ・・・おじいさん・・・ひどい」

「わしらの行いは、全て世の為じゃ。平和な世の中を築き上げるために、これからもパンは必要なんじゃ。わかってくれ。」
388名無しさん@ピンキー:2007/06/29(金) 21:01:22 ID:dXHgPOZV
おお、職人さんひさしぶり
ジャムバタもひさしぶり
続くなら待ってる
389名無しさん@ピンキー:2007/07/06(金) 22:04:51 ID:GwMqVbvE
保守
390名無しさん@ピンキー:2007/07/10(火) 22:50:26 ID:MEtQit7J
前スレのラストにバイドキ書いてた職人さん
また書いてほしいな
もちろん他の人も!
391名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 15:36:40 ID:HvBNhBen
保守しとく
392名無しさん@ピンキー:2007/07/15(日) 18:37:58 ID:G37ulPAB
初めて見つけて、1から全部読みました。
>>115さんのバイドキが物凄く好きです。
切なくて涙が出ました(つД`)
393名無しさん@ピンキー:2007/07/16(月) 12:23:16 ID:wBThUJwW
ショクドキやばい…!!!!
鬼畜な食にどこまでも一途なドキ、それにほだされていく食・・・
たまらんw

ところでニャンダーはおkですか?
394名無しさん@ピンキー:2007/07/23(月) 04:55:11 ID:TYpyatVJ
ほしゅ
395擬人化 陵辱モノ:2007/07/23(月) 15:38:54 ID:Cq7C5YNR
ホシュがわり
バイキンちゃん 三つ編み。貧乳。大きなぐりぐり眼鏡。処女。
ドキン      セミロング。巨乳。色気があるけど処女。
ロール      ショートカット。巨乳。鍛えられた身体にプリンとあがったデカ          尻。もちろん処女。


目が覚めると、椅子に後ろ手に縛られ、両足は広げるように括り付けられていた。
そして何より、彼女は衣服を、何一つ身に着けていない事に、気づいた。
 「あーやっと、目が覚めたね。おねえちゃん。」
 甘えるような口調で、金髪でたれ目の美少女が笑いかける。
 「お前、お前は……」
 「えっ?あたしのこと、分んないの?ひどいよぉ!」
 膨れっ面になっても、少しもその健やかな美しさや、愛らしさは損なわれない。
金色のふわふわの長い巻き毛揺らす彼女を、自分はもちろん良く知っている。
 「メロンパンナ…」
 「んもぅ!心配させないでよぅ。」 
 「何故、こんな格好を私はしてるんだ!?」
 「それはね、おねえちゃんが暴れないようにする為なの。ちょっと我慢してね。」
 「―何が起きたんだ。」
 「バイキンちゃん達とおねえちゃん、最近おいたが過ぎるから、私達お仕置きする事
 にしたの。」
 「あいつらは…」
 「見てみて。」
 部屋にある幾つかのスイッチを、メロンパンナがオンにすると、途端に肌色の多い画像が
見えた。スピーカーからは、甘い声や湿った音が聞こえてくる。
 『……んっ。う、嬉しい……パンさまぁ…すご―…イイっ。』
 『貴方の腰の振り方も、とても上手ですよ。ドキンチャン』
 右のモニターには、白い逞しい体の男の上に跨り、淫らに腰を振りたくるセミロング
の大きな胸の美少女の映像が映った。彼女が自分の大きな胸を揉みしだき、男にクリト
リスを擦り付けている、いやらしい様が大写しになる。
 「何をしてるんだ!」
 「コレだけじゃないよ。左も見て。」
 『もっ…いっ嫌だ…ゆっ、許してくださ…』
 『いつも、そのぐらい、素直になればいいのに。…っ。よく締まるね。きみのここに、
 ぼくのあついアンコをたっぷり注いであげるね。』
 『やっ、…やめ…る、の、だ…ん。あっ!』
 三つ編みに大きな眼鏡をした、可愛らしい幼い少女の身体には、荒縄が巻かれていた。
四つん這いにされた背後から、ぽってりした丸い男が、満面の笑顔でのしかかっている。
 二人の下半身がアップになると、小さな花弁が無理に開かれ、ぬちゅぬちゅと音をたて
巨大なパン棒を出し入れされていた。白い泡だちが男の激しい突き上げを物語っている。
 「すごぉーい!エッチだね、おねえちゃん。ちょっと、感じた?」
 笑顔の妹の目は、欲情に濡れ、飢えたように姉の唇を嘗め回した。 



396名無しさん@ピンキー:2007/07/24(火) 07:23:02 ID:yzLrGbap
>>395
久々の女体化GJ!
ぽってりした丸い男w
397擬人化 陵辱モノ:2007/07/24(火) 16:15:19 ID:uQwqc8YW
ぬるりと、唇を割って滑らかな舌が入り込んできた。
 ロールパンナは、ただ呆然としてされるがままだったが、口の中に生暖かい甘いジュース
が注ぎ込まれ、気持ち悪さに頭を懸命に振って、抵抗しようとした。
 「もう暴れないでよ!気持ちよくなる、あたしのメロメロジュースなんだよう。」
 「わ、私は…いらない!」
 「でも、飲んじゃったでしょ?身体があつ〜ぅくなって、ムラムラしてくるよぅ。
楽しみだね、おねえちゃん。」 
 メロンパンナは、ニッコリと微笑みながら、手にしたロールリボンをロールパンナの割れ目に
這わせて、擦りあげた。

 左右のモニターには、フィニッシュが近いのか、男達が少女を激しく責め立ててい
る映像が映る。
 正常位で白い腰を力強く動かす男の下で、歓喜の涎を口の端から垂れ流し、自らも
腰を振るドキン。性器がぶつかり合うたび激しい濡れた音をたて、淫らな単語を口走る。
 『やぁ、……マ、…コいいよぅ!―オナニーなんて……比べらんない!もっとぉ!』
 『そんな下品な言葉を口にしては、いけませんよ。もうイキそうですか?』
 『すごい、の頂戴……ショク、パンマンサマ、の、白いの…―いっぱい欲しいの!』
 『いきますよぉー!ショクっパァ……』
 『……やぁ…―んっ。あ、溢れるよぉ…』
 繋がりあった二人の部分がアップになると、ドキンのアソコに太く白いパン棒が刺さっ
たまま、滑りのある液体をこぼしていた。微かに紅いものが、混じっていた。

 後背位から、奥まで突き上げるように腰を打ち付けるたびに、三つ編みの小さな頭が、
揺れて、バイキンちゃんの悲鳴と哀願の声が聞こえる。
 小さな胸のピンク色の先を、丸い男の太い指が強く摘み上げ、高い泣き声があがった。
 『ハッ!痛いっ!裂けちゃう!…ヒッッ!アソコ裂けちゃう!ふぅ…ん、やめてよぅ…』
 『大丈夫!女の子はみぃんな、ぼくのアンパンの味を覚えると、病み付きさ!…クッ。
これからも、よろしくね。バイキンちゃん。出すよぉ!』
 『…やめろぅ。お前のアンコは入れんな…お、おれサマ、…勘弁して…へホゥ…っ』
 『アぁン、パぁぁぁぁぁ、ん……っつ!!』
 『……はっ、はっ!…―ばっぃ、ばい、き……』
 噴射し続ける白い体液を出すパン棒を、男が小さな膣内から引き出し、ぐるぐる眼鏡
のずれかけた、顔に擦りつけた。
 ビュクビュクと、眼鏡を汚しながら男の体液にまみれ、目の端に涙をためた美少女は、
白いミルクあん塗れになり、臭いとその量に顔をしかめる。
 ベットのシーツには、血がてんてんと付いている。下半身と顔を大量の精液で汚した
少女を見下ろし、丸顔の男の笑みは一層深くなり、頬はてりてりと紅く輝いた。

398擬人化 陵辱モノ:2007/07/24(火) 16:17:08 ID:uQwqc8YW
(熱い。アソコの奥から、溶岩があふれ出しそうだ。)
 初めての感覚にロールパンナは、身を震わせた。
縛り上げられた濃いピンク色の乳首は、ツンと痛いほど立ち上がり、花弁からは、
メロンのような甘い香りのジュースが垂れ流されている。
ベトベトに椅子の腰の部分を濡らし、体中が汗で濡れ、頬は上気して乾いた唇を潤
そうとピンクの舌がチロチロ嘗め回す。
 身体は貪欲に快楽を貪りたいとのたうつ、彼女は一匹のメスでしかなかった。
 「やったぁ!おねえちゃんが感じ始めたぁ!これで、おねえちゃんの処女はあたし
のだからね。」
 「―はぁ。あ……どうして、お前がっ!」
 「おねえちゃんが、感じてイッたら、あたしがしてもいいことになってるのぉ。」
 「……な、んだ、ソレは。」
 「みんなで、決めたんだよ。アンパンマンは、初めて家を壊され、顔が汚される痛みの
ように、彼女たちに初めての女性の痛みで、教えてあげましょうって、言ってね。」
 「……ぁ、ん。そ、それはヘンじゃないか…」
 「うん。アンパンバンが処女好きだからだと、思うよぉ。」
 「おっ、お前、まさか……!」
 「心配してくれるの?嬉しいなっ!処女をアンパンマンになんて、あげてないよう。」
 「そっ……あぁ、あ…良かった。」
 「ジャムおじさんだよぉ。おねえちゃん作ってもらう時に、代わりに上げたの!」
 「なっ!お前たちは、乱れてる!」
 「イイことに、あたし達は忠実なだけだよ?みんなにイイコト。地球にイイコト。
身体にイイコトもね。」
 「……何か、んっ、…間違ってるだろ。」
 「おねえちゃん。イイコトに素直になろうよ。身体の中にあの花のジュースが、流
れてるおねえちゃんなら、イイコトの良さも、きっと分かるでしょ?」
 ―トントン
控えめに扉が叩かれる。、メロンパンナは声を出せないように、ロールパンナの口を手で押さ
えた。
「……誰?」
「オレだよ。カレーパンマン。カメラ係はツレぇーなぁ。」 
「なぁんだ。ビックリさせないでよ。」
部屋に静かに入り込んだカレーパンマンは、まず挨拶とばかりに、ロールパンナの張りの
ある豊満な胸を撫で回した。
 「んっっ!」 
 「うわっ、コイツ敏感だなぁ。……普段ストイックだから、すげぇソソられんな。」
 「ダメだよ。あたしが感じさせたんだもん。早いもの勝ちなの!」
 濡れたような眼差しで、二人をボンヤリと眺めて、ロールパンナは忙しなく息をする。
胸を撫で回してた指は、乳首の先へと辿り着き、コリコリとしたその感触を楽しむ
ように摘んで、引っ張った。
 「あっ!…はぁっ、いっ……んっ。」
 「手を出しちゃダメ!あたしのなのっ!」
 いつの間にか、扉には二つの影が見えていた。
 「メロンパンナちゃん。やっぱり一人占めはずるいと、思いますよ。」
 「彼女に、僕達は特に苦労をさせられてきたんだ。みんなで、お返ししてあげよう。」
 爽やかに言い放つ二人は、笑顔を浮かべながらも、目は獣の様にロールパンナの裸身を見
つめている。
 「むぅ!二人とも、もうたぁっぷり、出したから勃たないんじゃない?」
 「まだまだ、元気。元気百倍アンパンマンだよ!」
 アンパンマンの手には、在りえない太さと長さのパン棒が握られ、その先は、新たな獲物
を求めて汁を出していた。
 「ぼくだって、まだ大丈夫ですよ!」
 「おいお〜い。いい加減オレにも、やらせろよ。オレはアナルでいいからさぁ。」
 「カレーパンマンは、アナルが大好きなだけじゃない。」
 「言えてる。」
 三人が顔を見合わせて、楽しげに笑った。
カレーパンマンは、ふてくされたように、唇を尖らせるが、確かにその通りだからしょう
がないかと、アナルの魅力に気づかない仲間と共に笑った。 
399名無しさん@ピンキー:2007/07/26(木) 21:02:12 ID:O6c1Jv1b
>>397-398
おもしろい!GJ!
400麗羅:2007/07/29(日) 12:27:17 ID:HXXHV/OP
死百、いただきます。
401名無しさん@ピンキー:2007/07/31(火) 10:36:45 ID:OyZoRvbJ
続きまだかにゃ?
402擬人化 陵辱モノ:2007/08/03(金) 20:04:54 ID:HHPgCu5C
やぁだ!!あたしがおねえちゃんの初めてになるんだもん!」
「ロールリボンをどれだけ巻いても、おちんちんの代わりにならないよ?」
膨れっ面のメロンパンナはなかなか納得できなかった。
 彼女がメロンジュースを飲ませて愛撫して、ここまでロールパンナを快楽に敏感に
反応するようにしたのだ。横から掻っ攫うなんて、理不尽に思えたのだ。
「でも、どうやって満足させてあげられるの?放っておくのは可哀想だよ。」
 腕組みして会話する四人の間で、抵抗する気力も失せたロールパンナは、縄を解かれ
机に寝転がされていた。 
 火照ってた身体を持て余して、さかんに内腿を重ねて刺激を得ようとする。
 汗がじっとりと全身ににじみ、彼女の小麦色の肌を輝かせた。何度も手を股の間
に持ち込もうとして躊躇い、最後のプライドとしてか、触れようとはしなかった。
 黒い切れ長の瞳が、何かを訴えるようにメロンパンナを見つめる。潤んだ目のふちから、
澄んだ涙が零れ落ちそうだった。
「……ごめんね。……いいよ。おねえちゃんを、イかせてあげて。」
「うん。じゃあ、三人合わせて三倍パンチでいくね。」
「心をこめて、イかせてあげましょう。」
「あぁ!おれたち力を合わせれば、アッという間だぜ!」
 話は決まった。
そして、肉の……いやパンの宴が始まった。
403擬人化 陵辱モノ:2007/08/03(金) 20:05:49 ID:HHPgCu5C
 下に寝転がったアンパンマンの上に座らせられて、パン棒を花弁にあてがわれた。
 花弁の下のすぼまりも、愛液で濡らしている為か、抵抗無く先が飲み込まれて
いく。
「んっ!あっ、やっ、やっ、やっ!……入る!」
「すごいね!君のココ。グチョグチョ過ぎて、太いのがあっさり入っちゃいそうだ。」
 焦らされ続けた花弁は滑りがひどくて、ロールパンナの膣内は処女だとは思えないほど
性急に、パン棒を奥に、更に奥へと引き込もうとした。
 太いカリが膣内を押し広げ、じわじわとすすんでくるのが、もどかしくてロールパンナ
が小さな声で哀願する。
「……もっと、早く入れてもらえないか。多少痛くても、かまわない。」
「いいよ。思いっきり突いてあげるね。」
 ニッコリとアンパンマンは笑うと、思い切り奥まで太いパン棒を突きこんだ。
 バイキンチャンとのセックスなど前戯に過ぎなかったような、激しい腰の動きでロールパンナ
を絶頂へと導こうとする。
 奥から入り口手前まで引き出されたパン棒が中を擦り上げると、動きにあわせて
彼女の膣内も、襞がうねうねと締め付けてきた。ぷくりと膨れ上がったクリトリス
がパン棒が打ち付けられると、根元でこすれてたまらない刺激になった。
「あっっ!イイ、―すごくイイっ!もっとだ!」
「これは……ミミズ千匹だね!さすがメロンパンナちゃんのお姉ちゃんだ。」
 ふいに、彼女の盛り上がった丸い大きな尻が、ビシリと強く叩かれた。思わずそ
の衝撃で、膣内のアンパンマンを締め上げる。
 何度かスナップを利かせた平手打ちが、彼女の尻を襲い、ジンジンとした刺激が、
快感に拍車をかけた。
「こんだけ濡れてたら、こっちもすんなりいきそうだぜ。」
 ロールパンナのすぼまりに、固い何かが押しつけらる。指で入り口を少しほぐされて、
違和感に耐えていると、ずぶりと太いものが押し込まれてきた。
404擬人化 陵辱モノ:2007/08/03(金) 20:06:37 ID:HHPgCu5C
「―うっ!いっ、痛い!」
 もともと何かを入れるべきでない所に、入られたため中が酷く痛かった。前と後
ろの穴で男達が動き出し、穴のことしか考えられない。
「ちょっと!女の子を大事にしなさいよぉ!」
「わりぃ!もう我慢できなくてさ。いい尻がプリプリ動いて誘うんだぜ。」
「カレーパンマンは、ダメね。……おねえちゃん。もっと気持ちよくなぁれ!」
 メロンパンナがロールパンナと深いキスをかわし、メロンジュースを口の中へと注ぎ込んだ。
「大体君は、野蛮です。強引にしても、良い事なんてありません。」
 ショクパンマンが眉間にしわを寄せて、カレーパンマンにお説教をする。そりかえるパン棒を
ロールパンナの唇に押し付けると、生臭いパン棒が彼女の唇に吸い込まれていった。
「んっ。…ん、ん!」
 顔を抑えて喉の奥まで、太いパン棒が差し込まれる。頭を前後に揺らすようにす
ると、そのしょっぱい汁の味や、まるでグミのようなカリの感触も、ロールパンナを陶然
とさせた。
「口の中の粘膜も、性感帯の一つなんですよ。」
 正しい知識を教えようと、ショクパンマンが話しても、もう耳には入らない。
 噛まずに自分の膣内でのアンパンマンノのパン棒の動きを真似ようと、懸命に舌で舐め上
げ、ちゅぱちゅぱと音を立てて吸いたてた。
「みんな、すごい!輝いてるよ!一つのことを皆でするって、すごいね!」
 メロンパンナが激しい性行為を、カメラに撮ろうと近づいても、ロールパンナは気にならない。
「やばい!おれ、もう出る!」
「ぼくも、もう出そうです!」
「ぼくもそろそろ…じゃぁ3人で。」
 膣内の、アナルの、口の中での、パン棒の動きが一層激しくなり、ズン!と深く突
き上げた。
「カレェえええ」
「しょぉおおおく」
「あぁあああああああああん」
「3人合わせて、三倍ぱぁぁぁーーんち!」
「いっ、いっちゃう!!」
 そして、彼女の三つの穴にカレーの、ショートニングの、アンコの夥しい精液が吐
き出された。
405擬人化 陵辱モノ:2007/08/04(土) 01:44:30 ID:yA6ehapU
「いやー。思ってたより、ずっと良かったなぁ。」
 カレーパンマンが満足しきった表情で、マントをはためかせ空を飛ぶ。
「あんな風に濃いプレイ、ぼくは初めてでしたよ。」
 スッキリとした様子で、ショクパンマンは笑った。
「みんなすごく感じてくれて、良かったね。ビデオも撮れたし。」
 カメラを手に、アンパンマンがニッコリと笑い、頬をてりてり紅く輝かせた。
「貧乳眼鏡美少女と、お色気美少女と、ボーイッシュな美少女の、処女喪失
ものかぁ。」
「゙ャムおじさんとバタコさんもきっと満足できるはずだよ。」
 メロンパンナが無邪気に微笑んで、間違いないと頷いた。
 そう。もともとあの3人の襲撃作戦は、

「最近どうもバタコともマンネリ気味で、いかんねぇ。」

 という、ジャムの一言で始まったものなのだった。
「スパイスだったら、オレのカレーアナル注入で、刺激一発なのに。」
「君みたいに、マニアなプレイはまだまだ少数派なんですよ。」
 当然のことと言わんばかりに、ショクパンマンがカレーパンマンに説教した。
「そんなことないぞ。最近増えてるらしいぞ。」
「君の周りだけじゃないですか?どうだか分かりませんね。」
「どっちがダメじゃない。みんな気持ちよくなったからいいじゃないか。」
 アンパンマンがとりなすように言ったが、険悪な空気はまだ消えなかった。
「ねぇ?おねえちゃん達とは、この一回で終わり?」
 メロンパンナが何かを期待するように、問いかける。
「…そんな、勿体無いことはしないよ。ぼくたちと争うことが無益だと分かるように、教えてあげなきゃいけない。」
「そうですね。一度では、理解できないと思います。」
「―オレ、一度しかできなかったから、物足りないよ。」
 4人は顔を見合わせると、これからのことを想像して楽しくなった。
「あたし、ジャムおじさんにお願いして、おちんちん型のパン棒つけてもらうの!」
 メロンパンナは、ロールパンナとの甘い情事を夢見て、うっとりと呟いた。


(おしまい)
406名無しさん@ピンキー:2007/08/04(土) 18:24:52 ID:26KmFreB
久々に読みごたえがあった。GJでした!
407名無しさん@ピンキー:2007/08/07(火) 05:32:33 ID:U/2OnjAY
gj!!
カレーにワロタw
408名無しさん@ピンキー:2007/08/11(土) 15:25:14 ID:gaOcPcbR
良スレ(;´Д`)ハァハァ
409名無しさん@ピンキー:2007/08/19(日) 22:49:54 ID:Obcv3mgW
ほしゅ
410クライモリ、白い月:2007/08/23(木) 19:11:12 ID:HQa4UMfK
うさぎのミミ先生の話です。
動物族はみみがついてるくらいで、ほぼアンパンマン含めて擬人化になります。
陵辱モノになるので、お嫌いな方お気をつけ下さい。
411クライモリ、白い月:2007/08/23(木) 19:12:15 ID:HQa4UMfK
 月が白々と輝いていた。
 先程までいた男達は、もう森を抜け家路についたようだった。ミミは身体をゆっくり
と起こすと、湖でべたついた身体を清めようと立ち上がる。
 まだアソコに何かが挟まっているような感覚が残り、ふらつく足取りであちこちに散ら
ばるブラウスやピンクのタイトスカート、下着を拾い集めていった。
 パンティーだけがどうしても見つからなかったので、ため息をつきながらよろよろと、
ミミは湖に向かう。
 森は暗いのに、湖の周辺は月に照らされ明るい。
 散々男達に汚されたミミは、光の中でいたたまれない気持ちになりぼんやりと座り
込んだ。
(もうずぐ彼のパトロールの時間だから、着替えなくちゃ)
 こうしてミミが裸のままでいたら、怪しんで心配するだろう。
 ゆっくりとした動作で、冷たい湖の水をハンカチに浸し、身体を拭うと、気持ちが
少しずつしっかりとしてきた。
 パンティーが無いためスカートの下が不安だが、衣服を身に着けなんとか普通に見
えるようにしていると、月の傍に小さな点ができ、徐々にそれはマントをつけた人型
になった。

「こんばんは、ミミ先生。」
「こんばんは、アンパンマン。」
 ゆっくりと、アンパンマンが地面に降り立つと、周りにはふわんと焼きたてのパンのいい
香りが、漂ってきた。
「さっき、焼けたばかりなんです。良かったらボクの頭を食べてみますか?」
「ありがとう、頂くわね。」
 アンパンマンは頭頂部を一口大にちぎると、ミミに手渡した。
「あったかいわ。本当に美味しそうね、頂きます。」
 ミミが口に入れると、ふんわりとした香ばしいパンと、どっしりとした重さのある
甘さ控えめのアンコが口の中で、絶妙のハーモニーを奏でた。
 思わず顔がほころぶミミを、隣に座ったアンパンマンは、にっこりと見つめた。
「先生は、美味しそうにボクのアンパンを食べてくれるから、とても嬉しいです。」
「だって、きっとこんなに美味しいアンパンは、世界中を探しても無いわ。」
「でも、初めて先生に逢った時、ボクがパンを渡すと先生が倒れちゃって驚きました。」
「……そうね。そんな事もあったわね。」
 忘れてしまいたいが、とても思い出深い、アンパンマンと初めて遭った日のことを、ミミ
は思い出していた。
412クライモリ、白い月:2007/08/23(木) 19:13:28 ID:HQa4UMfK
 一年前のその日、テストの採点や明日の準備で帰りが遅くなった。
 いつもは通らない道だが、少しでも早く家に帰りたくて、つい暗い森を通り抜けよう
と、入り込んでしまった。
 しばらく歩いていくと、何本か空の酒瓶が転がり落ちていて、ミミは思わず眉をしか
めた。
「いけないわね。こんな所にこんな風に捨てるなんて。」
 このままにしておけないと、瓶を拾いつつ俯きがちに歩いていると、誰かにぶつかっ
た。

「きゃっ!」

 思わず尻餅をついて倒れてしまう。
無防備に倒れたために、両足を広げてタイトスカートの中身もまるみえになる。

「ほぅ、先生は白のレースのパンティーですか…」

 ミミが顔を紅くしてキッと前を睨み付けると、そこには村の見慣れた若者や生徒の父
親たちが三人ほどいた。
 三人の顔は赤く、辺りはひどく酒臭かった。なんだか嫌な感じのする眼差しで、じっ
とりと舐め回すように、ミミの身体のラインを遠慮なく眺める。
 ぽっかりと浮かび出た月が、ライトのようにミミに当たり、眼鏡をかけた色白の優し
い顔立ちや、黒く艶やかに光る長い髪、ブラウスの中にある、豊満な胸に、スカートを
押し上げる形よく丸く上がった尻を、照らし出した
「道に落ちていた、酒瓶は貴方達のものですか?」
「そうだが…私達はたまにここで酒盛りをしていてね。まぁ村でのストレス解消って奴
だよ。」
 呂律のまわらない様子で、ニヤニヤと笑いながら答える。ミミは不快な視線に耐えな
がらも、毅然とした態度を崩さなかった。
「困ります。こんな風にあちこちにゴミを捨てられては、子ども達のいいお手本になれ
ませんよ。」
「先生そんな、真面目じゃストレスも溜まるんじゃないんですか?」
「そうですよ。我々と一緒に飲んでスッキリしましょうよ。」 
「子どもの相手だけじゃなく、大人の相手もして下さいよ。」
 じりじりと近づいた男の一人が、ミミの身体を強く押さえつけると、無理やりに酒瓶
の口を、彼女のピンク色の唇に押し付けて流し込んだ。
413クライモリ、白い月:2007/08/23(木) 19:15:01 ID:HQa4UMfK
「―っ……な、何するんですか!」
 強いアルコールが喉を焼き、カッと全身を燃え立たせる。
酒に弱いミミの白い顔が、ピンクに徐々に染まり、身体の力が抜けてきた。
「リラックスですよ。先生。」
「ほら、お酒ってとても楽しいでしょ。」
「ついでにこちらも、楽にしましょう。」
 下卑た表情でミミを捕まえた男が、ブラウスのボタンを外していく。
「…はぁ。や、いやぁ…―」
 懸命に抵抗しようと、身体を動かそうとしても酒の為に、自由にならない。
(何……まさか、そんな…)
 ボタンが全て外されると、白いレースのブラジャーに包まれた、大きなボールの様な
乳房が現れた。
 酔いの為にピンクに染まったミミの身体は、しっとりと汗をかき、はりついたブラ
ジャーに乳首を映し出す。
「先生おっぱい大きいですねぇ。」
「ほんと、家のとは大違いだ。」
「こんなに大きいと肩がこるでしょう。揉んであげますよ。」
 ゴクリとミミの美乳を前にした男達は唾を飲み込み、三人でその胸や身体を撫で回す。
 一人の男が、ミミの巨乳を下から持ち上げ、鷲?みにして形を変える。
もう一人の男が、スカートのホックを取ると、むっちりとして脂ののった丸い尻に、
白いレースのパンティーが食い込まされ、卑猥にミミの花弁やクリトリスの形をくっき
りとさせる。
 3人目がヒールの靴を履かせたまま、はりつくパンティストッキングをビリビリと破
いていく。
 酔いがまわり、上手く抵抗できないミミは、怯えながらも三人に哀願した。
「や、めて、ください。わ、私、イヤです。」
「こんないい体して、なにもったいないこと言ってるんですか。」
「そうですよ。ウサギ族は、年中発情しやすいので、困ってるんじゃないですか。」
「三人もの男が味わえるんですよ。」
「わ、私まだ、初めてなんです。お願いです。」
 こんな所で、子どもの父兄も含む酔っ払いに、処女を散らされるなんで、あまりに酷
すぎた。
「万年発情期なのに、なんでそんなもったいないことしてたんです。」 
「それは、楽しみだ!」
「先生初めてでも、たっぷりイカせてあげますよ。」
 男達の口からでる言葉に、ミミは青ざめ……ただ絶望するしかなかった。


414名無しさん@ピンキー:2007/08/23(木) 23:59:00 ID:6ahNvCV6
いーねー!
ミミ先生が好きになりそうです。
415名無しさん@ピンキー:2007/08/29(水) 23:25:03 ID:tlUdOrhM
続き待ってます
416クライモリ、白い月:2007/08/30(木) 18:40:44 ID:bipm+WKL
『貴方は、真面目な方だから、頼りになります。』

 荒く息をつきながら、背後から腕を押さえつけ、乳房を執拗に揉みしだく男の一人
が、以前ミミにそう言ったのを、思い出した。

『子供たちも、みんな貴方の事が大好きなんですよ。もちろん私達大人も。』

 蛙のような、みっともなく広げられたミミの足の間に、顔を埋めて嘗め回す男が、
以前ミミに言った。

『困った事があれば、何時でもお手伝いしますよ。』

 ミミの手を掴み、己のペニスを上下に扱かせる男が……

「あぁ…―やぁっ!…ん、……。」
「敏感な身体ですねぇ。舐めなくても、おっぱいを揉んだだけでビショビショだ。」
「弾力があって、いいおっぱいだ。ピンク色の乳首がピンって、なって…」
「これ、先生のグショヌレまんに入れてあげるから、もっと扱いて下さいよ。」
男達の身体の下で、ミミの身体が心を裏切り淫らな反応をみせる。
いつから、この男達は自分をいやらしい目で見つめていたのだろうと、ぼんやりと
ミミは考えた
初々しい新任教師の頃から?それとも酒に酔ったために?
(身体が自由にならないなんて…悔しい。もう、理性の残る頭の中も、消え去ってし
まえばいいのに…)
 ミミはただ、己の不幸を嘆いたが、この状況はまだまだ本当の不幸では無かった。

「さぁ、いっぱい舐めて入口もほぐれてきたから、そろそろ挿入といきますか!」
「じゃあ私が一番に。」
「いやいや、私が……」
「じゃんけんで。」
 会話をしながらも、三人の手は休み無く動く。
 乳房をやわやわと揉みながらも、時折爪先が、ピンとミミの乳首を弾く。その刺激
で、ピンク色の乳輪がきゅんと縮み、乳首の先が色濃く尖っていった。
 股間から顔を上げた男は、ミミの花弁を優しく撫でながら、唾と愛液のぬるむ入口
に、指を一本だけ浅く出し入れする。下の口だけでなく、窄まりまで垂れる液に汚れ、
物欲しげにピンクの花が口を開けて、ピクピクとひくつく。
 長い艶のある黒髪が、汗の為に額や豊満な胸や背中にはりつき、ミミの白からピン
ク色にゆるやかに染まっていく身体に女の色香を漂わせた。
 メガネの奥のいつもの優しい眼差しが、快感に潤みミミの意思とは反対に、早くそ
の太いものを入れて欲しいとねだっているようだった。
「これは、たまらん!早く入れてあげないと!」
 男の一人がやにわに、荒々しくミミの腰を掴み、入口からクリトリスをペニスの先
端で、ぐりんと撫で回した後、ズブリと突き入れてきた。
417クライモリ、白い月:2007/08/30(木) 18:41:55 ID:bipm+WKL
「…―!痛いっ!……やぁぁあ!」
 太いカリ首が少しずつミミの膣中に、進入していく。
 柔らかな入口とは逆に、中の硬い襞たちは、なんとか拒もうとペニスを強く締め付
ける。
「おうぅ、すごい締りだ。ちょっと緩めるように協力して下さいよ。」
「いやっ!やぁ!抜いて!」
 ミミが泣き声をあげて、抵抗しようとしたが、手の空いた男達が容赦なく、ミミの
口に残りの酒を注ぎ込み、体の力を弱めようとした。
 ちゅるんとビンの口が、ミミの唇から離れる。わずかに開いた唇に大きく反り返っ
た生臭いペニスがねじ込まれる。
「―ん!んん!」
「噛んだりしたら、先生でもおしおきですよ。」
 ミミの頭を掴んだ男が、唇から出し入れしながらも、乳首を強く指先で抓った。
「ちょっと、そんな事したら、可哀想じゃないですか。せっかくお酒で下の口も緩ん
できてたのに、キュウキュウ私のペニスを締め付けてきますよ。」
 根元までペニスが入った為、男のもじゃもじゃとした硬い陰毛が、ミミの入口や上
の豆にあたる。
(こんな、奥まで入ってくるなんて……)
 無理にこじあけられた、挿入の強い痛みとは別に、なにか不思議な感覚がミミの体
に芽生え始める。
 ゆっくりと男が腰を動かし始めると、また膣内で襞がこすられ痛みが沸き起こった
が、抜き差しされる毎に、男の体や毛がミミの豆や広げられた入口に当たり、淡い刺
激がむずがゆく起こってきた。
「だいぶ、楽にできますよ。入口からマン汁がホラ、ペニスを伝って降りてきた。」
 見れば、透明な液体が一筋の赤い液体と共にグチョグチョといやらしく音を立てて、
ペニスに絡まっている。
「先生は、いやらしい事を言われると、あそこがピクピクして締め付けてきますね。」
 言葉で貶められるのは、普段は理性的な彼女にとって、ひどく屈辱的なものだった
が、それ故に嬲られるたびに、敏感な身体が喜ぶように反応してしまった。
 男の腰の動きが徐々に、激しさを増し、ミミの膣奥まで突き上げる。
 苦しくて膣内がギュウっと締まった瞬間、太いペニスがブクンと膨れ上がり、熱い
モノが中で吐き出された。
「わ、私もそろそろ…」
 口の中のペニスも、喉の奥でえずくほどに突き上げられ、一瞬の間をおき白い精液
を、ミミの口に溢れさせる。
「ん…―苦い…。」
 いつの間にか自由になった両手で、大量の精液を口から出そうとしたら、強引に顔
を上げさせられ、ずれた眼鏡のかかる白い美しい顔に、ペニスを押し付けられ、精液
で、更に汚されてしまった。
418クライモリ、白い月:2007/08/30(木) 18:42:42 ID:bipm+WKL
「さ、最高ですよ、ミミ先生。」
「まだまだ、こんなものじゃ足りませんから、覚悟して下さいよ。」
「途中からよがってましたねぇ。さすがウサギ族は淫乱だ。」

(違う…。)

 少なくとも、ミミの両親や周りのウサギ族たちは、そんなまことしやかな風聞とは、
違っていたし、彼女自身もいつか自分は愛する人たちと結ばれるのだと思っていた。
 だからミミは、多種族からのいかがわしい誘いも撥ねつけて、いわれない差別に心
痛めながらも穏やかに、子供たちの為に、みんなと共に暮らしていけると思ったのに…
「次は私が入れる番ですよ。」
「口もなかなか、いいものらしいですね。」
「子供たちが、こんないやらしい貴方の姿を見るとなんて言うやら。」
(…もう、やめて。)
 次に挿入しようとする男が、彼女を四つん這いにして、丸い形よい尻を上げて、精
液が溢れる花弁を露にした。

 男達の蹂躙は、なかなか止められなかった。
 後ろから、前から、上の口に下の口、あまつさえ奥の穢れた窄まりさえ使い、彼女
の心も身体も汚しぬいた。
 敏感な身体の、哀れな純白のメスウサギは、男達の欲望によって堕とされた。

「村のみんなには、言っても無駄ですよ。あなたは淫乱なウサギなんだから。」
「自分が誘ったと思われて、追い出されますよ。」
「子供たちが貴方をどんな目で見るか、……」

 男達は、口外されたくなければ、月に一度この森に来るように言って、去った。
 よろよろと、近くにあった筈の湖へと足を向ける。
 一歩進むごとに、アソコや窄まりに痛みが湧き上がり、涙が溢れた。
 静かな鏡のような湖面に、月明かりに照らされたミミの姿が映る。
 白い穢れを知らないような、身体が映し出されるが、きっと今の自分はあの男達が
言ったような万年発情期の淫乱なのだと、絶望的に思った。
 冷たい水でゴシゴシと汚れや汗を落とし、白い身体がほの紅くなるまで洗う。
 衣服を身につけ、ぼんやりと座り込んでいると、輝く夜空に光る小さな点が、徐々
に近づき、やがて人の形になった。
419クライモリ、白い月:2007/08/30(木) 18:43:37 ID:bipm+WKL
 丸い顔をした、優しい笑顔を浮かべた逞しい青年が、赤いマントを翻して、空から
現れる。けしてお世辞にもハンサムとは言いがたいが、ホッと心が安らぐような、そ
んな姿をしていた。
 ミミも普段なら、彼に笑顔で話しかけることができたかもしれない、でも今は…
「あ、貴方は誰なの。」
 苛められたウサギさながらに、ビクビクと彼女が怯えながら問いかける。

「ぼくは、アンパンマンです。」

 ニッコリと微笑んでミミに近づくと、辺りにプンと焼きたてのいいパンの香りが
漂ってきた。
「とても悲しそうな目をしてますね。なんだか疲れてるみたいだ。」
「……。」
 一歩彼が近づくたびに、ミミがいやいやをするように首を振る。
「そうだ!ぼくの頭を食べてみませんか?きっと元気がでますよ!」
「頭を食べるですって?!」
 ミミが不審げに彼を見つめていると、彼はその丸い手で、自分の頭を千切り取り、
彼女に差し出した。
 いい焼き色のパンらしき物体の中に、なにか黒いものが見える。
(まさか、脳……何、このヘンな人!)
「さぁ、食べてください。美味しいですよ。」
 彼がミミの口元にソレを押し付けた、瞬間、ミミは恐怖の余り意識を失った。

420名無しさん@ピンキー:2007/08/31(金) 09:11:33 ID:FxrZnJOM
GJ!大好き!
421クライモリ、白い月:2007/09/03(月) 17:51:57 ID:K1+EVNGY
「急いでパン工場に連れ帰って……」

 気を失ったミミを、アンパンバンはパン工場に連れて行った。
 ミミを着替えさせ、ベッドに寝かしつけたジャムおじさんとバタコさんは、ため息を
つきながら、暗い表情で部屋を後にした。
 あの後、何度アンパンマンがミミがどういった様子だったか尋ねてみても、言葉を濁し
て二人とも答えてはくれなかった事を、ふいにアンパンマンは思い出した。

「驚かせちゃったわよね。ごめんなさい。頭を食べろなんて何事かと思ったのよ。」

 ミミは、アンパンマンにニッコリと微笑みかけながらも、この一年での暗い森での、男
たちとの陰鬱な情事を思った。


 月に一度の陵辱は、飽きることなくミミに繰り返された。
 三人そろっての時もあれば、一人か二人だけの時もあった。人数の多少に係わらず、
ミミに加えられる行為が簡単にすむことは無かった。
 他種族ゆえに孕む事は無いため、常に大量の精液で膣内を汚され、穴という穴で、
身体のあらゆる部分で、男達を喜ばせるようにミミは仕込まれた。
 口腔でペニスを味わう時は、当然歯は立てないように、喉奥までカリで突かれなが
らも内頬を収縮させ、襞で全体を擦り付けて、頭を振り立て射精を受け止める。
 手で扱く時も、強弱をつけリズミカルに先を弄りつつ、ペニスを大事に取り扱う。
 元々大きかった、胸や尻は、特にこの一年で一回りも大きなサイズになった。
 胸の間に挟みこんで、ペニスを上下に圧迫するだけでなく、乳首の先まで使い、
愛撫する。
 心を裏切る肉体は敏感に反応し、男達はミミをさらに貶めようとした。

『淫乱』、『精液好き』、『万年発情期』、『ペニスなら何でもいい』

 言葉でも傷つけられ、徐々にミミの心はこの森のように暗い世界に侵されていく。

 それでも何とかミミが自分を支えてやってこれたのも、アンパンマンとの心安らぐ一時が
あったからだった。
 皮肉なことだったが、陵辱後に一人森に残されるミミの身支度の時間と、アンパンマンの
パトロール時間は重なり、パンを食べながらの湖での逢瀬は、つかの間ミミに安らぎ
を与えた。
422クライモリ、白い月:2007/09/03(月) 17:52:47 ID:K1+EVNGY
『困ったことが、あれば何でも言ってください。』
『ボクは、みんなを助けたいんです。』

アンパンマンは、心からいつもそう言う。

『みんなのため』

ミミもそう思っていた筈だったのに、何故今こうしているのだろう。
(……男達の誘いや脅しなんて、撥ねつけてしまいたい。)
そう思いながらも、子供たちが知れば、皆が知れば自分はどうなってしまうのか不
安で拒絶できない。
 それとも、本当は男達が言うように、自分が淫らなウサギだからだろうかと、再び
ミミは深いため息をついた、
 心配そうにミミを見つめるアンパンマンに、彼女は気付かない。
 アンパンマンは、何度か躊躇いがちに丸い手を開いたり、閉じたりしながらも、意を決し
たように、ミミを真っ直ぐに見つめ話しかけた。

「ミミ先生。さっき森に一緒にいた男達とは、どんな関係なんですか?」

 ミミの顔から血の気が引き、真っ青になって、寒いように両手で体を抱きしめた。

「どんなって、…―何が…」
 ミミの小さな声が、震える。
「…先生やあの人達が裸で…中には結婚してる人もいるから、何か事情があるなら。」
 曇った表情で、アンパンマンが問いかけるのを、遮るようにミミが叫ぶ。
「違います!私は好きであんなこと、してないんです!!」
「じゃあ、あれは先生が好きでしてるんじゃ……ぼ、ボクは先生がイイって言ってた
から、てっきり…」

「違います!!」
423クライモリ、白い月:2007/09/03(月) 17:53:31 ID:K1+EVNGY
 今日は、二人の男が相手だった。ミミの前の穴と後ろの穴をペニスで一杯にして、
彼等が強く腰を振るたびに、ミミは快感を訴えた。
 静かな森の中に、汗と体液で塗れた三人の裸体が絡み合い、ぐちょぐちょと音を響
かせる。
『やぁ、…イイっ。……して、もっとして。』
『ミミ先生のオマンコ襞が、ぎゅうぎゅう締め付けてきますよぉ。』
『ケツマンコも、すごくイイですよ。ちんぽ大好きですね。』
『だめぇぇ…―エッチなこと、言っちゃだめぇ…んっ、あっ、あ…い』
『もぉ、エッチなの大好きなくせに。』
 男の一人が尻の中で一瞬膨らみ、ビクビクと動きながらも、熱い精液が腸の奥に叩
きつけられる。
 その感触にうっとりしてミミの目が潤み、長い黒髪を乱しながら自ら腰をふり、膣
の襞が太いペニスを搾り取るとるような動きをした。

『……すごくイイ。これ、……好きぃ。』

(違う!体の反射で、あんな、あんな……)
「そうですか。…先生は、脅されて、あんな酷い事を言わされて、してたんですね。」
「……。」
「酷い話です。ボクが彼らに言って何とかするから、心配しないでください。」
「あ、でも…―」
「大丈夫。誰にも言いません。先生があんなこと喜んでする訳じゃないって、ボクは、」
 ミミの頭の中が、ぐちゃぐちゃになる。
(望んでなかった。助けて欲しかった。でも体だけが…―)
「―もし、嫌でも喜んでたら、……」
 ミミの唇から、一人でに言葉が走り出す。
「え、何ですか?」
 キョトンと人のいい、どこかホッとした様子のアンパンマンの顔が、罪の無い様子で問い
かける。
 ミミはゆらりと立ち上がると、身に着けた衣服を一枚ずつ脱いでゆく。
 暗い森の中で、月に照らされ、ミミの美しい白い裸身が露わになる。
 少し開かれた足の間から、粘り気のある青臭い液体が太ももを伝い、落ちていった。
「もし、身体があんな事を喜んでたなら、アンパンマン貴方が抱いて鎮めてくれるの?」
(―…貴方にだけは、知られたくなかった…)
「私を助けてくれるの?」
 大きくて美しい乳房が、盛り上がった形のよい尻が、すんなりと伸びた足が、きゅっ
とくびれたラインが、美しくてとてもイヤラシイ。
 だけど、ミミの白い顔は、穢れを知らぬようにあどけなくて……
 アンパンマンが引き込まれるように、彼女を息を呑んで見つめていると、ミミの澄んだ瞳
から、涙が一粒こぼれ落ちた。 
424クライモリ、白い月:2007/09/05(水) 18:27:59 ID:lZvrsGMW
「ボクには、出来ません。」
 俯きがちに答えるアンパンマンを見て、ミミはがっくりと肩を落とし、地面にしゃがみ
こんだ。
 裸の身体にアンパンマンが、そっと赤いマントを掛けて、ミミを包むようにして抱きし
める。
「ボクは、貴方を抱かない。―…貴方を傷つけません。」
 震えがミミの身体に起こり、とめどなく溢れる涙で顔を汚していく。
(自分だけじゃなくて、アンパンマンまで貶めようとするなんて……なんて愚かなの)
「ごめんなさい。」
 懸命にミミの白い細い腕が、アンパンマンにしがみ付いてくる。
(私は、強くて優しくて完璧な彼とは違うから、隣になんて立てない…)
「私がダメね。貴方は完璧な人なのに、こんな変なこと言って。」
 アンパンマンは少し苦しそうに顔を歪めた。
「ボクは、完璧じゃありません。」
「いいえ。だって、貴方は間違えないもの。」
「……間違えようがないんです。」
 泣きじゃくるミミの頭を優しくなでると、アンパンマンは困ったような複雑な顔をした。
「ボクは、…ボクには無いんです。」
「…何が無いの?」
「その……女性と結ばれるための、子供を残すための器官が、身体に無いんです。」
「…え。」
 ミミが顔を上げると、彼は照れくさそうに、恥ずかしそうに顔を赤らめて頷いた。
「本当です。」
 躊躇いがちに、アンパンマンはズボンの股の部分に、ミミの手を当てさせた。
 確かにそこには、在る筈のものの感触は無い。
「どうして?」
「ボクにも分からないけれど、以前ジャムおじさんと話をしていて、たぶんボクが皆を
守るために、必要がないからじゃないかって。」
「必要ないって……」
「誰かを特別に思ったり、自分の家族を持ってしまったら、みんなを平等に守れないん
じゃないかって。だから、みんなの為には、ソレは必要ないから存在しないって。」
425クライモリ、白い月:2007/09/05(水) 18:28:38 ID:lZvrsGMW
「カレーパンマンや、ショクパンマンも?」
 少し寂しそうに、アンパンマンは首を振る。 
「彼らの身体には、どこも欠けたところが在りません。ボクだけです。」
「じゃあ子供は……」
 静かに首を振ると、アンパンマンはミミに笑いかけた。
「持てないけど…―、ボクには誰よりも大きな力が有るから、これで皆を守ります。」
(大きすぎる力の代償?でも…)
 唐突に知らされた、アンパンマンの秘密にミミは戸惑った。
 自分自身の身体や心の傷よりも、彼のことが気になる。
「誰にも言わないで下さいね。ボクも他の人に言ったの、初めてなんです。」
「言わないわ、そんな事。」
「さぁ涙を拭いて。ボクが何とかしますから、もうこの森には来ちゃいけません。」
「ありがとう。でも…」
「大丈夫です。それより、いつまでも暗い森にいると、迷子になっちゃいますよ。」
 赤いマントでミミの涙に濡れた頬をぬぐい、優しい心の底から人をほっとさせるよ
うな笑顔を浮かべ、アンパンマンはミミを促す。
 ミミもつられて微笑を浮かべ、衣服を身に着けていった。
 先ほどまで嵐に巻き込まれていたような、ミミのぐちゃぐちゃな心は、今は静かに
落ち着いていた。
「本当にありがとう。私、貴方がいてくれて、良かったわ。」
 迷いの吹っ切れたような明るい笑顔で、ミミはアンパンマンに感謝した。
「いいんですよ。ボク送っていきましょうか?」
「大丈夫。一人でも平気よ。明日も学校があって、朝が早いから大変。」
「じゃあ、ここで見送りますね。何かあったら、すぐ大声出してください。ボク飛ん
で行きますから。」
「ええ。おやすみなさい、アンパンマン。」
「おやすみなさい、ミミ先生。」
 真っ直ぐに家路へとミミは、足を進める。
後ろを振り返ると、アンパンマンがこちらを見守っていた。湖のほとりに立ち、彼が手を
振る。ミミも笑って手を振り返した。
 月に照らされたアンパンマンの顔が、少し寂しげに見えて、なんだかミミの心がざわつく。
 森を抜け、あと少しで入り口まで来たとき、ふいにミミは誰かに呼ばれた気がして、
足を止めた。
426クライモリ、白い月:2007/09/05(水) 18:29:20 ID:lZvrsGMW
(ミミ先生を守れなかった。)
 あまつさえ、彼女の傷に塩を塗りこむような真似すら、自分はしようとしていたと、
アンパンマンは落ち込んだ。
(この大きな力は、何の役にも立たなかったんだ。)
 アンパンマンは、巨大なロボットを打ち倒し、並み居る怪物たちを倒す、いつもは力強く
感じる、自分の丸い手を見つめた。
(ボクはみんなを守るために、ここにいるのに。)
 自分についてない器官のことなど、普段はあまり気にはしなかった。
 無いものの事を幾ら考えても、どうしようもない。そんなことよりも、世界は常に
たやすく危機に陥り、力強い正義の使者である彼を求めているのだ。
 ただ平和なときに、ふと仲間であるはずのカレーパンマンやショクパンマンに、引け目を感じる
ことはあった。
 彼らにも力はあるが、自分ほど強大なものではない。自分よりもあの二人は、人と
しても、町に溶け込んでいる気がする。
 色恋や雑多な出来事は、正義の体現者であるアンパンマンには、善の心でしか推し量れな
いので正直なところ難しい問題だった。みんなの話を黙って、最後まで聞くことはでき
る。でもその先は…
(一人の人と寄り添えなくても、みんなと繋がることは出来ると思ったんだ)
 だから常に、みんなに平等であろうとした。みんなへの愛と勇気だけが、生涯の自分
の友だと思った。
  
(ボクは、一人だ)

 暗い森でのパトロールは、嫌じゃなかった。
 ここに来れば、たまにミミに会えるのだ。彼女に焼きたてのパンを食べさせて、話を
して、その笑顔を見ていたかった。
 よく考えれば、ミミがこんな夜更けに何故暗い森にいるのか、不審な点にすぐに気付く
べきだった。彼女は笑っていたけれど、時たま黙り込んで、ぼんやりしたり、ため息をつ
いたりしていたのだ。
(彼女に会えると、浮かれている場合じゃなかった)
427クライモリ、白い月:2007/09/05(水) 18:30:05 ID:lZvrsGMW
『楽しそうだねぇ、アンパンマン。ほい、パンが焼けたよ。今日のアンコは、特別に美味し
く出来た気がするよ。』
 釜戸から出したパンの一つをほおばり、ジャムおじさんが出来立てのホカホカのアンパン
を、彼に手渡す。
『ありがとうございます。ミミ先生、喜んでくれるかなぁ。』
 ジャムおじさんの顔が、少しこわばる。気を取り直すように、咳をしてアンパンマンに微笑
みかけた。
『きっと大喜びさ。アンパンマンはミミ先生と会うのが、楽しみかい?』

『……はい。』

 アンパンマンは自分でも分からないが、顔が赤くなりひどく胸がドキドキして、声が小さ
くなった。
『あっ!こんな時間だ。早く行かないと!』
 せわしなくマントを身に着け、きりりとジャムおじさんに挨拶をする。
『じゃあ行ってきます!』 
 慌ただしく工場を後にして、森を目指してアンパンマンは、飛んでいった。
 そんな彼を見送り、ジャムおじさんは目を悲しげに細めながら呟いた。

『お前は、自分の気持ちに気付かないんだね。…気付かないほうが幸せなのか。』


(ボクは誰かと実を結ばない。皆の拳となり、盾となって敵を倒す。)
 ―その皆の中にいるものが、ミミを傷つけた。
 せめて、二度とこんなことが起きないように、あそこにいた男たちに釘をささなく
てはいけない。
 そして、町がバイキンマンに襲われれば彼らも、アンパンマンは守らなければいけないのだ。
「平等にみんなを守る……なんて難しいんだろう。」
 やりきれない思いで、アンパンマンは呟いた。

 パキン。

 背後で小枝を踏む音がする。軽い音なので、それ程体重の無い軽い何かだろう。
 アンパンマンはゆっくりと振り返ると、息を呑んだ。
「ミミ先生。」
428クライモリ、白い月:2007/09/05(水) 18:30:48 ID:lZvrsGMW
 アンパンマンは別れたときと変わらない、寂しげな表情で一人月の下に佇んでいた。
 ミミは胸を、酷く締め付けられるような気がして、彼にその白い手を差し伸べた。
「アンパンマン。私と一緒に帰りましょう。」
(こんな所で、独りなっちゃいけないわ。だって貴方は、誰よりも強く、誰よりも優し
く、誰とも似ていなくて、本当に一人なんですもの。)
「ミミ先生。ボクは…一人でも大丈夫ですよ。」 
 ミミは静かに首を振ると、アンパンマンに向かって笑顔で呼びかけた。
「こんな暗い森にいると、一人ぼっちで迷子になってしまうわ。」
 先ほどアンパンマンのいった言葉を、今度は彼女が口にする。
「ボクは誰とも違う…」
「そうね。でも今の貴方は道に迷いそうで…私は貴方に一人じゃないって、傍にいるっ
て伝えたいの。だって私、貴方に助けられたんだもの。」
「ボクは間に合いませんでした!」
「でも貴方にここで会えなかったら、私はずっと迷子だったかもしれないわ。」
 身も心も傷つけられた人が、強く優しく彼に手を差し伸べる。
 迷った末にアンパンマンが握ったその手は、ひどく華奢で柔らかかった。

(たとえ実は結べなくても、一人でもボクは、みんなの……貴方の盾になりたい)

 しょっぱいものがアンパンマンの目から、零れ落ちる。それが恥ずかしくて、彼は空を仰
いで月を見る。
 ミミのように白く、アンパンマンのように丸い月が、暗い森の中、二人を優しく照らし出
す。
 それがとても切なくて、二人は手をつないだまま、静かに白い月をいつまでも見つめ
続けた。


(おしまい)
429名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 21:14:05 ID:EAICnrS6
GJ!
エロエロなのに最後泣かされるとは思わなかった
430名無しさん@ピンキー:2007/09/05(水) 22:13:00 ID:fv+vtS0e
いいラストだった
マジでGJ!
431名無しさん@ピンキー:2007/09/06(木) 01:19:35 ID:Fq6opHr4
捕手
432名無しさん@ピンキー:2007/09/18(火) 09:06:54 ID:HYoUpAvL
hosyu---!
433名無しさん@ピンキー:2007/09/25(火) 01:02:22 ID:wNyRaflL
全力で保守
434名無しさん@ピンキー:2007/10/01(月) 08:17:20 ID:S8i6hH3m
定期的にくると素晴らしい作品で伸びててすごいわー
435名無しさん@ピンキー:2007/10/02(火) 18:23:58 ID:mxApKCh1
メロンパンナ人気ないなwww
436名無しさん@ピンキー:2007/10/03(水) 07:13:19 ID:qnjbgXD8
【社会】アンパンマンの一部内容が子供に悪影響を与えるとして市民団体が抗議
http://news21.2ch.net/test/read.cgi/news7/1191318097/

1 :試されるだいちっちφ ★:2007/10/02(日) 23:18:37 ID:???0

子供に大人気のアニメ、絵本などを展開する“アンパンマン”に対し、
一部内容が子供に悪影響を与えるとして九月下旬頃から
市民団体が日本テレビなどに抗議している事が明らかになった。

悪影響を与える部分に「アンパンマンの頭をちぎって食べさせる」など、
約五つぐらいが挙げられている状況だという。
上記に挙げた物はアニメが前提だが、絵本ではアンパンマンの顔は
全て食べられてしまい、“首無し”の状態が描かれた事もあるそうだ。

( 記事の一部を省略してあります。全文、ソースは>>2-10辺り。 )
437名無しさん@ピンキー:2007/10/09(火) 09:22:18 ID:q8hjicDi
アンパンマンの中あたたかいなりー
438名無しさん@ピンキー:2007/10/15(月) 23:43:08 ID:6Vy+qqme
ほしゅ
439名無しさん@ピンキー:2007/10/22(月) 09:43:28 ID:K3P/g13E
ホシュ!
440名無しさん@ピンキー:2007/10/29(月) 09:45:26 ID:6l0OcUkI
ほしゅー
441名無しさん@ピンキー:2007/11/04(日) 00:19:27 ID:k6rHJs3M
保守
442名無しさん@ピンキー:2007/11/10(土) 21:24:07 ID:RhMRfINF
ほしゅあげ
443名無しさん@ピンキー:2007/11/16(金) 05:30:20 ID:BWPytPhh
保守
444名無しさん@ピンキー
ほしゅ