だが、それを見抜いた90式は砲口からHEAT弾を撃ちだすと、エイブラムスに詰め寄った。
「ふざけるなッ! 私をおちょくるのもいい加減にしろ!」
「そんな気は毛頭もないんだが・・・」
「うるさい! あの腰抜け戦車もそうだが、お前もお前だ!」
論点がすり変わったことを指摘する間もなく、一気にまくしたてられた。
内容は割愛するが、それはそれは一方的な言葉の集中砲火。
その華奢な車体からは想像できないような重圧的な口調。
さすがのエイブラムスもただ怒りの着弾地点が遠ざかるのを待つしかなかった。
「だいたい三日に一度は子猫にさらわれる戦車なんて、私は戦車と認めない!」
確かに、柔らか戦車は戦車とは思えぬ弱さであるが、それは本人が望んで得た能力ではない。
しかし、90式が育った複雑な環境で培われた精神は、そんな力なき弱者を許すことができなかったのだろう。
彼女が生まれた極東は平和を愛しながらも、常に戦火の危機に苛まれてる国だと聞いた。
そんな場所で育った彼女にとって、戦車とは何よりも前進し、誰かのために身を挺して戦うということはごく当たり前のことなのだ。
(なるほどな・・・)
16歳という若さからは想像もできない堅固な意志。
さらに自動装填装置と120mm滑腔砲などの強い力が、彼女の折れることない自信を維持させている。
それは一種の自惚れであることをエイブラムスは知っていた。
ひとたび戦場にでれば、いくら強かろうが優れていようが、のしかかる理不尽な力の前に簡単にねじ伏せられてしまう。
多くの戦いを経験してきエイブラムスだからこそ理解できたことだった。
「・・・さっきから何を黙り込んでいるんだ?」
はっと我に返ると、眼前には怪訝そうに砲塔を傾ける90式がいた。
「いや、何でもないさ」
答えた間もなく、彼女の砲口が覗き込む。
改めて間近でみた前面装甲は、不覚にも、とても可愛らしかった。
「どうも怪しいな。 素直に答えろ!」
さらに車体を乗り上げて近寄ってきた90式に、エイブラムスは思わず口から弾薬を零れ落としそうになる。
「ん? どうした? エンジン音がおかしいぞ?」
「な、なんでもない!」
「本当か? 声が上ずってるぞ」
「だ、だ、大丈夫だ!」
嘘だ。
彼は自分でも驚くぐらい取り乱している。
決してロリコンの気があるわけではないが、何故こんなにもエンジンの高鳴りを感じるのだろうか。
90式が彼女の姉の面影を見せ始め、美しくなっていくせいなのか、エイブラムスは嬉しくもあり悲しくもあった。
「・・・? おかしな奴だな」
彼のそんな複雑な心情を知ってか知らずか、相変わらず乗り上げたままの90式は不安そうに尋ねる。
「もしかして、本当に調子が悪いのか?」
「いや、心配するな・・・ちょっとした雑念というか気の迷いというか・・・」
慌てて地面に降りた90式は、上目づかいでエイブラムスを見上げる。
「嘘をつけ! そ、そんなこと言ってこの前も増加装甲が吹っ飛んだじゃないか!」
悲鳴にも似た声をあげながら、彼女は身を震わせた。
その姿は子供とは思えない、ひどい艶めかしさ感じさせ、エイブラムスの理性を直撃する。
このままでは、不味い。
電子機器が警鈴を慣らす。
まだまだ子供だからと鷹をくくっていたが、すでに彼女の色香は充分なもので、自分がすっかり魅せられてしまっていることに嫌気がした。
はやく彼女の傍から離れなければ取り返しのつかないことになる。
キャタピラを逆回転させると、エイブラムスは少しずつ後退を始めた。
「大丈夫だっ――」
「私はお前が心配なんだ・・・」
泣きそうな声がエイブラムスの言葉をさえぎる。
もはや、限界だった。
13 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 12:03:09 ID:Pxyb0LrC
試しに書いてみた。
なんか戦車でエロパロになってしまった。
今は後悔している。
続き書くかはワカンネ
ktkr
面白すぎる!
やわらか戦車自体はそっちのけwwでも面白いコレ!!
16 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 23:20:40 ID:atS8fZHu
90式先輩萌え。…てか、女だったんだ、あの人(?)
17 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 23:34:34 ID:8WTHhRiY
とりあえず問題はエチィシーン。
書こうと思っても人の理解を超越した奇妙な絡みになってしまうorz
それ投下キボン
19 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 14:49:26 ID:qKtYwfNa
あげ
兵器少女同士のカラミでいいんじゃね?
それは擬人化ってことかい?
だったら先生は反対だな
22 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/27(日) 00:49:54 ID:0Urz74up
あげ
ツンデレきゅーまる、マジカワユスwwww
タイムガイコッツかとオモタw
「は、はなせバカぁ!」
人気のない格納庫に一際大きな悲鳴が響いた。
積み上げられた補給物資の陰、声の主は屈強な戦車に組み敷かれ、身動きできないでいる。
彼女の名前は90式戦車。
山岳地帯が多い極東の国土に合った小さな車体を持った戦車である。
故に、華奢な彼女には覆いかぶさる戦車を押しのけることができなかった。
「ふざけるのもいい加減にしろ、エイブラムス!」
エイムブラスと呼ばれた戦車は砲口から煙を吐くと、さも呆れかえった様に砲塔を横に振った。
「そいつはできない相談だな、ブリキ缶」
外見は車体、砲塔ともに平面板の組み合わせ。それが彼を無骨にみせていたが、上面装甲から覗かせるペリスコープは優しげで、どことなく好感がもてるものだ。
90式はそんな彼のペリスコープが好きだった。
どんな戦場においても決して迷うことのない、決意に満ちたそのペリスコープが。
しかし今の状況では、自らを冷たく見下ろすそれが恐ろしくて堪らなかった。
「気でも違ったのか!」
「いつもお前の隣にいたら誰だってそうなるさ」
言葉を切ると、エイブラムスは抵抗を続ける90式のこぶりな機関銃に強引に触れる。
「ふわぁ!?」
突然の刺激に飛び跳ねる車体。
押さえつけられているので、実際はキャタピラ一つ動かすことはできなかったが。
「へぇ、極東のお嬢さんは機関銃が性感帯なのか。 こいつは勉強になったな」
「な、な、な、なにをするッ!?」
「何をしようかね。 まぁ、いくら鈍いお前でも想像がつくだろ?」
まさか、知らないわけないよな。そう付け加えたエイブラムスに、90式は苦汁を飲まされたようにエンジンを震わせた。
(そんなこと想像がつくわけないだろ……!)
もちろんエイブラムスの言うとおり、まったくそういう知識がないというわけではない。
軽油を飲みすぎて酔っ払ったレオパルドに、無理矢理そういった話を聞かされたおかげもあって、男女の営みというものを断片的であるが理解したつもりである。
そう、理解はしたのだ。理解は。
「ぅンッ!?」
唐突に鋭い刺激が車体に流れた。
思考の渦に呑まれかけていた彼女を、現実に引き戻すには十分な快感。
認めたくない。オーバーヒートしそうな自分に嫌気がさしつつも、不意打ちをかけてきた卑怯者を睨みつけた。
そして、驚愕。
思わず声を漏らしてしまったのも当然だろう。
機関銃を触っていると思いきや、なんとエイブラムスは90式のハッチを開けていたのだ。
「へ……?」
呆ける間もなく、硬直している90式にエイブラムスが一言。
「綺麗な操縦室が丸見えだな」
未だ誰にも見せたことのない恥部が露わになっていることに、遅れながら気づく。
気づいたところで動きを封じられた90式にはどうすることもできない。
ただ、この耐え難い恥辱に、前面装甲をこれでもかと赤く上気させるだけである。
「いつまでも子供かと思っていたら……なんとまぁ」
「み、見るなぁ! はなせ! はなせ! はなせ、バカぁぁぁぁ!!」
「褒めてるんだぞ? ちょっとは喜んだらどうだ」
喜べるはずがない。今でも恥ずかしすぎて電子機器が火花を散らしそうなほどだ。
そもそもこの格納庫に呼び出したのは、大事な話があるからではなかったのか。
少しでも情緒的なことを期待した自分が愚かだった。
騙された怒りよりも、何かを心待ちしていた自分自身が惨めで堪らなかった。
「なんで……こんなことするんだ……!」
正面からエイブラムスを睨みつける。
それは出会ったときとは何ら変わりない間抜け面。
強い意思が宿った優しげなペリスコープもいつも通りだ。
でも、何かが違う。いつもなら心地よいはずの彼の視線も、今は恐怖しか感じない。
「なんでかって?」
溜息まじりに砲身を垂らし、エイブラムスは言った。
「お前、俺にこうされたかったんだろ?」
「そ、そんなわけあるか! 誰がお前なんかに――」
「なら、ブリキ缶。 お前は俺にどうされたいんだ? 二台そろって仲良くお散歩か? それとも一緒に軽油でも飲むのか?」
エイブラムスは砲塔を横に振り、呆れ返る。
「ふざけるなよ」
冷めた口調で、あまりに静かな声だった。
普段のエイブラムスからは考えもつかない発言に対して、90式は思わず身を竦ませる。
いくら平静を装うにも彼が恐ろしくてたまらない。
隠し切れない動揺を悟られたのか、エイブラムスの車体が震えていた。それが笑いによる震えだということに、90式はしばらく気がつかなかった。
「俺だって男だ、人畜無害なはずがないだろ。 これでもよく我慢した方だ。 お前の隣にいるだけで気が狂いそうだったのにさ」
「私のせいだっていうのか!?」
「ああ、そうだな。 間違いなくお前のせいだ」
押さえつける力を強まるのを感じ、90式の混乱は最高に達した。
もはや冷静にこの状況を打破する余裕はない。
「い、いや……こんなの……いつものエイブラムスは、こんなんじゃ……」
「怖がる必要はない。 大丈夫だ、優しくしてやるよ」
エイブラムスの砲身がハッチの中へと、ゆっくり侵入していく――
黄昏に染まる空は、二台を優しく燈色に包み込む。
「こんなところにいたのか……」
葉が生い茂る木の下、無防備な寝顔をさらしている90式を見つけて、エイブラムスは安堵の溜息をこぼした。それには、少しながら疲労も混じっている。
「心配させるよ、まったく」
聞こえてくる小さなエンジン音に、再度胸を撫で下ろしながら、おもむろに彼女の隣で停車する。
いまだ辺りにたちこめる硝煙の匂いが砲口を掠め、先程までの戦いの激しさを人知れず物語っていた。
あちこちに転がる戦車の残骸は黒煙を上げ続けている。
そのほとんどが敵軍の名将、ジミー少将率いる機甲部隊の戦車のものだが、これほどの戦果を普通の戦闘であげるのは到底不可能なことだ。
エイブラムスは数時間ほど前の激戦を思い浮かべる。
あの時、戦場にいた全員がその信じがたい光景に驚き、唖然としていた。
それは、やわらか戦車の前進。
おまけに頭上には雄々しいキャノン砲をつけて。
それはもう、自らの目を疑いたくなるほど貴重な場面だった。
結局は頭のキャノン砲は三文判という陳腐なオチだったが、敵が衝撃を受けている隙を狙って突撃し、一方的に撃破することに成功したのだ。
その時ばかりは、皆が声を揃えてやわらか戦車を褒め称えた。
不機嫌そうにHEAT弾を撃ち出す一両をのぞいて。
「まさか不貞寝してるとはな……成長したとはいえ、まだまだ子供ってことか」
もちろん90式とて、ただ拗ねたわけではない。
普段、後退してばかりのやわらか戦車が活躍したことに戸惑っていただけなのだ。
それを理解しているエイブラムスは、不器用な少女の行動が微笑ましかった。
「普段は大人ぶってるくせに、ほんと可愛いもんだ」
三文判を装着したやわらか戦車が、半壊した敵戦車に繰り返し判を押しているのを横目に、エイブラムスは無線を完全に切って黙り込む。
レオパルドに幼少の90式の面倒を頼まれた時は、厄介としか思わなかった。
いくら好意を寄せる女性からの頼みだとはいえ、自分が装填の仕方さえ知らない子供と暮らすなどと想像がつかなかったからだ。
しかし、今ではどうだろうか。
「う……ぅん……」
突然、隣から小さな呻きが聞こえてきた。
沈黙を破った少女に砲塔を向けると、どうやらうなされているらしく、エンジンは不規則な音をたてている。
いったいどんな悪夢をみているのやら。
興味本位で彼女を覗き込んでしまったエイブラムスは、のちに後悔することになる。
「ぁ、あ……はぁぅ……!」
「いったい何の夢を見てるんだ、コイツは……」
若干、前面装甲が赤く染まっているように見えるが、それは夕日のせいでもなさそうだ。
他人がどんな夢を見ていても勝手だが、90式の夢となると別である。
この唯我独尊な少女が苦悶の表情を浮かべるほどの悪夢。とても好奇心が掻き立てられる。
彼女を見つめたままエイブラムスがさらに接近すると、タイミングよく90式が目を覚ました。
「あっ、なんだ。 起きたのか」
話しかけるが返答はない。
目覚めた直後であってか、90式はぼんやりとしたまま、じっとこちらを見つめて動く気配がない。
居心地の悪さを感じつつも、エイブラムスは近づきすぎた車体を彼女からそっと離した。
同意もなしに女性に近づいてはただの変態だ。それぐらいの思慮は彼にもある。
しかし思慮があっても、彼には運がなかった。
何故なら90式の見ていた夢とは、エイブラムスが大いに関係のある、それはそれは卑猥な夢だったからである。
「この―――」
眼前の少女が憎々しげに呟く。
ふと砲身をあげてみると、90式からガコンッという不吉な音がした。
記憶が正しければ、これは弾薬を装填した音だ。
ピッという変な電子音がする。
間違いない。自動照準装置が目標を捉えた音だ。
ここで二つ疑問が浮上する。
何故、弾薬を装填する必要があるのか。
そして、何を照準に捉えたのか。
エイブラムスがその答えを導き出す前に、彼の視界を眩い閃光が覆った。
頑丈なはずの複合装甲を徹甲弾に貫かれ、吹き飛ぶ意識と衝撃の中。
彼は確かにその言葉を聞いた。
「この、ド変態が」と。
32 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/29(火) 02:30:27 ID:iwioLw4R
前の話とは別物です。
エロ本格突入は挫折した。ってか無理です。
続けるかはワカンネ。
理解できない人のための用語解説。
ペリスコープ→中の人が外を覗く所。いわば目。
機関銃→弾をバラまいて敵をミンチにする。極東戦車の性感帯。
軽油→戦車の原動力。飲み過ぎ注意。
ハッチ→人が中に入る時に開ける場所。パンツ。
操縦室→運転したり命令したりする所。まぁ、アレの場所。
HEAT弾→恥ずかしい時や怒った時に発射される。現実では榴弾。
ヤベェ!面白い!
ところで「小ぶりの機関銃」って、つまりオッパイですか?
ちょwww戦車エロktkr
とりあえず90式先輩は俺の嫁
>>34 じゃあ、取りあえず
レオパルドタンと
チャレンジャータンと
T−80タンと
メカルバタンと
74式タンと
チハタンは、
俺の嫁としてつれてきまつね
特に、チハタンだけは何があっても手離さない
>>35 イスラームもびっくりな多重婚だな。
「とくにチハたん」などといってる時点で
平等に愛せていないのだから不許可。
まだまだ世界が自分中心な、乙女な90式たんに萌えた。子宮にキュンとキタ。
>>25-
>>31 作者さん、乙!
面白くて笑いつつ萌えたのは初めてだ。
次はチハで
メルガバ(ATMにやられるなんて、くやしい・・・でも)
41 :
名無しさん@ピンキー:2006/08/30(水) 07:21:34 ID:QlwThU+3
ちくわがポイントだな
ジミヘンおじさんのオナニー道具として使われるやわらか戦車
わりと好評で安心した。
戦車同士のエロという未知の領域だったもので。
>>33 自分でもよく分かりませんな。
そこらへんは各人の妄想のままにお任せします。
次はチハかメルカバかレオパルドのどれかの話を描こうか迷ってるんで、期待せずに待っててくだされ。
期待age
このスレ神
>1以外天才
これはヤバイwwかなりツボに入ったww
続きに期待!
SS読んでからやわらか戦車でぐぐって吹いた。Great Job!
生き延びる為に今日も今日とて退却するやわらか戦車。
だが、それは中学男子の巧妙な罠だった。
「やわらか戦車のプライドは 私に崩される為に築いてきたんですものね」
「まみむめ藻が出せれば…こんな中学男子なんかに…!」
「よかったじゃないですか 詐欺のせいにできて」
「んんんんんんんっ!」
「へへへ おい、マジックを用意しろ。みんなで眉毛を描いてやる」
(耐えなきゃ…!!今は耐えるしかない…!!)
「やわらか戦車の生ちくわゲ〜ット」
(いけない…!指先でつつかれたらそこから腐るのを悟られたら…!)
「生やわらか戦車様の生退却を拝見してもよろしいでしょうか?」
「こんな奴らに…くやしい…! でも…感じちゃう!」(ビクッビクッ
「おっと、指先でつついてしまったか。甘い腐敗がいつまでもとれないだろう?」
>>44 いや、奴がいたからこそかも知れんぞ。
そもそも
>>1の暴挙がなければ
>>8氏もこんな事はしなかったろうしな。
神スレw
子作りキャノン!
51 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 02:10:58 ID:wmutoZSK
微妙に伸びてるなこのスレ。
どこまで逝けるんだ?
52 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 06:42:12 ID:3UyXy3/x
ツマミちゃんですらなくやわらか戦車かよ。
せめてラレコ総合ならスミレちゃんとかもあるというのに
別にラレコ総合にしてもいいんじゃないか?
その方が盛り上がるかもしれないし
むしろ兵器・鉄塊・人外総合にしてほしいわけだが
とりあえず、このスレの問題は職人が
>>8氏以外いないことだな。
よし、お前も書け↓
57 :
名無しさん@ピンキー:2006/09/18(月) 19:30:03 ID:OcSsWg6+
↓
「やわらか戦車さんってやわらかいのね」
保守