>>17です。それでは、投下させて頂きます。
「・・・っくしゅん!」
「あ、寒いですか?お鼻かみます?」
「すまないね。光莉」
「それは言わない約束です。天音先輩。」
ある土曜日、天音は部屋で伏せっていた。
傍らでは光莉がかいがいしく世話を焼いている。
昨日、性懲りも無く光莉に襲い掛かっていた要と桃実を簀巻きにして
乙女苑の泉に沈めた際、バランスを崩して一緒に落ちたのがいけなかったようだ。
朝から悪寒と微熱を繰り返し、遂にダウンしてしまった。
「天音先輩。」
「ん?」
「ごめんなさい・・・わたしのせいで・・・」
「違う。光莉のせいじゃないよ」
なんて優しい子だろう。たまらなく愛しい。
ありったけの愛情で、その小さな手を優しく包み込む天音。
「怖かっただろう?」
「はい・・でも天音先輩が助けてくれたから、もう大丈夫です」
「私も光莉が来てくれたから、もう大丈夫だよ」
「う、嬉しいです!わたし、頑張って天音先輩を看ますから!」
「ふふふ。それじゃあ、今日はたっぷり甘えさせてもらおうかな?」
――――――――
「はい、『あ〜ん』です♪天音先輩♪」
「う〜ん、ちょっと熱いな・・・冷ましてよ、光莉」
「じゃあ『フーフー』してあげます♪」
これ以上ない程の定番を繰り広げつつ、天音と光莉は幸福の時を刻んでいた。
「うん、美味しかった。ごちそうさま、光莉」
「お粗末さまでした。あ、お口拭きますね」
――――――――思えば、熱で理性が緩んでいたのだろう。
・・・・いや、そんなのは言い訳だ。
私はあの状況を使い、「やりたい」と思っていたことをやったのだ。
がしっ。
布巾で口を拭おうとする光莉の手を掴む。
「え?」
「口で・・・拭いて・・・光莉・・・」
天音らしからぬ行動だった。
こういったのは、むしろ泉に沈めてきたほうの専売特許である。
「・・・はい、天音先輩」
しかし、光莉は熱っぽい視線を向けて、嫌がる素振りも無く顔を近づける。
むしろ期待の表情がそこには読み取れた。
「んっ・・チュッ・・チュッ・・・」
「ここも・・・ペロペロ・・・拭きます・・ね・・ペロペロ」
控えめにチロチロと小さな舌を出しながら天音の口元を拭きとって
いた光莉だったが、次第に大胆になってゆく。
「ハアァ・・光莉ぃ・・・」
光莉が自分を舐めている。私は天使に舐めさせている――――――――
その背徳に天音は酔いしれていた。だが、まだ足りない。
「口の中も・・・お願い・・・」
「光莉の舌、おいしい・・・」
「天音先輩のお口の中・・・あったかくて・・気持ちいいです」
天音の舌が光莉の舌を味わえば、光莉の舌が天音の口内を這い回る。
濃密なディープキス。
互いの口の端からこぼれ出た唾液が顎を伝えば、衣服を汚す前に
どちらかが掬い取る。
チュッ・・・チュッ・・・クチュ・・クチュ・・・
「ハァハァ・・・ハァ・・天音・・先輩・・・」
「くぅううん!そ・・そこは・・・ヒャ・・・ん」
光莉の熱い吐息が天音の耳を嬲り、追い討ちを掛けるように舌が
耳内に侵入する。
初めて音以外のモノを受け入れた天音の耳は、かつてない感覚に戸惑ったものの
すぐに快感と受け取り、神経を昂ぶらせた。
「光莉にも・・・お返し」
ヌルりとした天音の舌は光莉の耳ばかりか、首筋や頬も蹂躙する。
「あん・・くすぐったいけど・・・き、気持ちいいです」
白い肌は徐々に薄桃色を帯び、その快感の度合いを深めるごとに艶を深めてゆく。
幼さの残る光莉の身体は、ついに王子様のキスで性への扉を開け放ったのだった。
「チュウ・・・チュウ・・・んむぅ・・・チュ・・」
「ああ、もっと吸って・・・光莉」
「はい・・こうですか?」
「んん!・・いいよ・・もっと・・」
ボーイッシュな顔立ちと反比例するかのような豊かな膨らみを持つ天音の乳房に
光莉の唇が吸い付く。先端の乳首は強く弱く吸われる度に尖りを増してゆく。
「天音先輩、感じてるんですね。素敵です」
愛する天音先輩を悦ばせている。光莉の胸に歓喜の波が押し寄せる。
「光莉・・・光莉・・・!」
幼子のように光莉の乳房にむしゃぶりつく天音を優しくかき抱く光莉。
「あん、天音先輩・・・美味しい・・んん・・ですか?」
「おいしい・・・ずっとこうしていたいよ・・・」
やはり風邪が気弱を招いているのだろう。
凛々しさは鳴りを潜め、光莉の温もりと抱擁を求める天音に光莉は
母性本能を刺激される。
「いいですよ・・はぁぁ・あ・・好きなだけ・・・」
肩、首筋、背中、太股・・・
思い思いの場所を撫で合い、抱き合い、キスし合う。
乗馬で鍛えられた引き締まった天音の身体と、柔らかい光莉の身体はお互い
持ち合わせていない感触を求めて貪り合っていた。
「光莉のここ・・・綺麗だ・・・」
「ああん!や・・んん・・・天音・・・せんぱ・・い・」
ついに天音の舌先が光莉の秘裂を捉え、味わいだす。
「はぁ・・はぁぁん・・き・・気持ちイイです・・あん・・」
「光莉・・・いい声だよ・・私だけの声・・・」
聖歌を紡ぎ出す光莉の口から、はしたない嬌声を引き出した天音は
神から天使を奪ったような勝利感と興奮に身体を熱くする。
「いくよ・・・」
「はい、天音先輩・・・」
手を握り合い、キスをしながら互いの秘唇を合わせる。
ひとつに繋がった二人の身体は快感を共有し、増幅させてゆく。
「あ・・・ああ!!・・・あま・・ね・・先輩・・!」
「光莉ぃ・・・あん・・・感じて・・声・・聞かせて・・・あぁん!」
「すごい・・気持ち・・いぃ・・・天音先輩・・天音先輩・・」
脳髄から沸きあがる興奮と刺激に命じられるまま身体を味わう二人。
王子様と天使の淫らで美しい交歓は果てることなく続いた――――――――
――――――――
「・・・っくしゅん!」
数日後、今度は光莉が風邪を引いた。
天音が泉に沈めた二人が(ほんの少し)心配になったので見に行った際、雨に打たれたのがいけなかったようだ。朝から熱が出て、ついにダウンしてしまった。
夜々は用があって外出中。本当なら一人寂しく療養の身だが、今日は違う。
天音が傍らでがかいがいしく世話を焼いてくれている。
さて、思いっきり甘えちゃおう♪――――――――
終
以上です、基本カップリングとも言うべきこの二人のは無かったので
書いてみました。
なお夜々の扱いがご都合主義的なのは、決して邪険にしてるわけではないので
ご勘弁をw