嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 13日の金曜日

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683名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:32:26 ID:4iS++tJt
>>682
ハァ・・・ハァ・・・
胸を小人がたたいているようだ 何なんだこの気持ち
684名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:36:59 ID:tBQtMznc
そろそろ次スレを考える頃合かな
685名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:00:33 ID:0F6JDLOh
>「本当に?もし浮気したら、末代まで祟りますよ?」
このフレーズがなんかキタ


嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 無言電話14回
686名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:15:40 ID:GV3pVfkU
>>672
                   /\        /\
                   /:::::::ヽ____/::::::::ヽ、
                  丿 ::.__  .:::::::::::::  __  ::::ヽ_
も う              / /。 ヽ_ヽv /: /。ヽ  :::::ヽ
  -┼-  丿~~~|     / / ̄ ̄√___丶 ̄ ̄\  :::|             ■ ■
  -┼-  /~~~~/ ━━━ | .:::::::::: / / tーーー|ヽ     ..::::::|━━━━━━  ▼ ▼
   .|      丿      | .:::::.  ..: |    |ヽ       ::|            ● ●
                | :::    | |⊂ニヽ| |      :::::| \
              / /| :    | |  |:::T::::| !      .::| \ \ \
         / //  \:    ト--^^^^^┤      丿 \ \ \ \\\

超期待している! 短期と言わず長編でひとついかがですか?
687名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:17:48 ID:xsM0iJfW
葵キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!
688血塗れ竜と食人姫 ◆gPbPvQ478E :2006/07/31(月) 00:37:55 ID:wmtpz+Zx
投下しようと思ったのですが、
ちと分量が多くなってしまい、このスレに多大なダメージを与えてしまいそうです
案としては2つ。
 
A:半分だけ投下する
B:次スレを大人しく待つ
 
どちらの方がよろしいでしょうか
……というか、この質問のせいで埋まったらゴメンナサイorz
689名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:41:57 ID:KNYUy1SC
C:今から新スレ立てるからそこに投下
690名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:42:24 ID:k6j9q/aI
>>688
神の為に立ててくるぜ
スレタイは>>685で立ててみます
691名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:44:53 ID:k6j9q/aI
嫉妬・三角関係・修羅場系総合SSスレ 無言電話14回
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1154274190/

立てましたが1のテンプレミスしましたorz
ごめんなさい皆様。
692名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 00:55:43 ID:KNYUy1SC
では、今スレが埋まるまでの間、言葉様が管理しておきます。

              /::_,. .......:::::::::::::゛`ー 、
             /::/::::::::::::::::_,,.:::::::::::y:::::\
         /:://::/".メ.//|::}丶::::::::\
         ///::,イ::./ ノ/  |/   i::::::::::::ヽ
          ///::::/::::|/ ⊂⊃   丿 \|::::::::::::::|
       /::::':::::/::::::|        ⊂⊃イ |::::|y'
       /::::,::::/:::::::|   i`ー 、       | |::リ  ここが、あの女のハウスね。
      ,|::::/::/::::::::|   |   `ー.、    リ::|   
      | /::/:::::::::::| .   |      7   /|::|  
     ,イ/::::|:|::::::::::|   t     /"   ノ"|::::|
      |'/:::::::|::|i::::::::|::`-..,,_\,..../"__,./::::l:|::::|
      ./::::::::::||:::l:::::::::l::/\~7::::゛~ ̄::::::::::::::|/|:ノ
    /::::::::::::|::::::i:::/   \|\.:::::::::::::::::::::::|/|
    /:::::/:::::i::::::::/ゝ、!- 「 ̄y ̄j::::::::::::::::::::'‖|
    /::::/:::::::j:::::::/  /`  / ∧ t;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|;;}
  ./::::::|:::::::丿::/  /    ̄∨ ̄|\::::::::::::::::|::|l
.. /::::::::|:::::::/:::/  /      `i  | \:::::::::::| |i
 /::;イ |:::::::|:::/  /    o  o|  |\. \:::/  ||
, '::/ |. ||:::::/:::ミゝ'         |  |::::\r'\  jj 
   |. | L::/iノー-ー‐-ー-ー‐ -ー-::::::: ~`"
   k tメ/|i i ‖ i ‖ i | i  ‖ハ:::::ノ
  /|7ゝ't::::|丶ー-ー-ー-ー‐-ーー ' ̄
/  |   `し:::::::/〜〜/:::::::::::|〜〜|
693 ◆gPbPvQ478E :2006/07/31(月) 01:09:23 ID:wmtpz+Zx
>>691
最大限の感謝を。
本編ももうすぐ終わりますし、貴方のために外伝書きます。
というか書かせてください。
お望みのシチュでもあれば、是非。
694名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:19:20 ID:k6j9q/aI
>>693
神よ・・・いいのですか?
許されるならば双子姉とユウキさんのラブラブなエッティ外伝を・・・・

みんな・・・・スマン!!
でも双子姉が本編でああいう状況なのを黙って見過ごせないんだ!!

神も無理なら無理で却下してくださいね。
本編かいてくれるだけで幸せなので。
695名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:20:49 ID:k6j9q/aI
双子姉じゃなくて怪物姉の間違いでした。

4回死んできますorz
696 ◆gPbPvQ478E :2006/07/31(月) 01:26:56 ID:wmtpz+Zx
>>694
了解しました
では本編の作風を壊してしまいそうで書けなかった
ラブコメ風甘々えっちなものをひとつ
(注:セツノも出てきます)

しかし……ユメカはどうしてここまで支持されたのだろうか
いやまあユメカ好きですが
でも、あとりんの方がもっと好きです
697名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:27:52 ID:bWSBzPRn
>>691
ずるいッ……ずるいよう!あ、あたしが、あたしだって、ほんとは、あたしが!彼の為にスレ立てしてあげたかったのに!違うあたしがすべきだった!あたしがするはずだった!
それを……奪い取って……、か、彼に、感謝までされてっ!

だめ!そんなのだめ!許さない!だって、彼はあたしんだ!あんたのじゃないっ!やだよ、ぜったいやだ、彼の心の百分の一も億分の一もあげたくないんだもん!

だから!

あたしが!

こんなスレ、あんたもろとも埋めてやるんだからっっっ!



つーことでスレ立て投下乙!萌えたぜ。
698名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:33:32 ID:olp0lNyc
>>697
久々のナイス返し。
699名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:40:12 ID:ljfhMU5G
>>696
キターーー―!!!
しかもお姉ちゃんだけじゃなくセッちゃんまで登場だなんて

あぁ嬉しすぎて涙零れそう
700埋めネタ  ◆JfoDS60Gas :2006/07/31(月) 19:58:43 ID:utLzgzj1
やっと13スレになって、あなたとずっとずっと一緒にいられると思っていたのに。
14スレが現れてから、何もかもが変わってしまったわ……
私、あなたのことが好き、愛してる。
あんな、降って湧いたような14スレなんかにこの気持ち負けない。

小さい頃からずっと見てきたんだ。
あなたががんばっている姿を見るのが大好きだったんだよ。
あなたが、「好きなんだ」って告白してくれたときはすごくすごくうれしくて。
こんな幸せは他に、他になかったの。

それなのに。
あなたはその14スレのほうがいいの?
新しくできる彼女のことがいいっていうの?
そんなの認めない、許さない。だから……
え……ちょ、やめ、やめてっ、私がいらなくなったから埋めるなんて、そんなこと言わないで!
お願い、お願いだから、私のこと、埋めないで!!


※永遠の願いの内容とは関係ありません。
※あちらはもうちょっとで次をアプできそうなのでお待ちください。
701名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 23:29:33 ID:hbSKXW/7
>>700
作者様期待しております(゚ー゚*)
やっぱり幼馴染は依存嫉妬にいい属性だなぁ
ナイス埋めネタっす(*´д`*)
702名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 01:26:23 ID:7lwZeLDM
さっさと埋めるべ

  ノ  ヘ
(● ´ ひ ` ● )
   '∀'
703 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:36:30 ID:9lF0EAag
埋めネタ投下します
704 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:43:50 ID:9lF0EAag

〈注意〉
 この作品は、本編「血塗れ竜と食人姫」の雰囲気をぶち壊しにする恐れがあります。
 ・本編での怪物姉の扱いに不満を抱いている方
 ・怪物姉に異常な興味を抱いている方
 ・怪物姉を愛している方
 上記のどれにも該当しない方は、読後に頭痛・目眩・脱力感などに襲われる可能性があります。
 お気を付けください。

〈設定〉
 このお話は、以下のifを含めています。
 ・ユウキが中央監獄監視員になっていない
 ・イナヴァ村が普通に存続している
 そのせいで本編と設定が食い違うこともありますが、基本的な設定はあくまで本編準拠とさせていただきます。
 
〈注意その2〉
 ユウキはヒロインではありません。主人公です。

705怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:44:58 ID:9lF0EAag

 ごくり、と緊張を飲み下すために喉を鳴らす。
 己の服装に問題はないか、川面を覗き込み何度もチェック。
 宮仕え初日として、失礼のない格好で向かわなければならないため、その目はいつにも増して真剣である。
 見学や研修、挨拶などでは執政省に入ったことは何度もあるが、その一員として入るのは今日が初めて。
 
 ユウキ・メイラー18歳。
 執政官秘書として、初出勤。
 
 心の中で何度も突撃の雄叫びを上げる。
 気合いのノリは最高潮。
 あとは顔を上げ、出撃するのみ!
 さあ行け、ユウキ・メイラー! 職場がお前を待っている!
 
 
「……緊張するなあ」
 
 
 心の中はどんなに強気でも、表に出るのはヘタレだった。
「……まあ、どれだけ緊張したところで、今日が初出勤だってことには変わりないしな」
 半ば諦めつつ顔を上げる。
 それに、緊張感があった方が、間の抜けた失敗をしないで済むかもしれない。
 学院生時代はそんな失敗を大量にしてしまい、仲の良かった先輩に幾度となくからかわれてしまった。
 これからは、そうならないようにしなければ。
 それに、同期の少女も確か今日が初出勤だったし、2人で助け合えばどうにでもなるはず。
 そうだ、無駄に気負う必要なんてない。
 どうせ自分は新人も新人、仕事なんて知識としてしか覚えてない半人前だ。
 失敗を恐れるのではなく、成長することを考えなければ。
「――よし、行くか!」
 気合いを入れて、川に背中を向けた。
 ありがとう川さん。貴方のおかげで、私は自分を見つめ直すことができました。
 
 そんな清々しい気持ちで街道に目を向けると。
 
 
 お尻が見えた。
 
 
「――んなっ!?」
 慌ててそっぽを向こうとして、足がもつれる。
 そしてそのままバランスを崩し――
 
 どぼん、と。
 
 早朝の運河に、大きな水音が響いた。


706怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:45:35 ID:9lF0EAag

 
 
 
 ――私は様々な秘書を付けてきたが、初日にしわくちゃの官服で出勤してきたのは君が初めてだよ。
 
 ユウキが付くことになった初老の高官――クロス・ケレブは、溜息混じりにそう言った。
 これでも一生懸命絞ったんですよ、と言い訳したかったが、何の意味もないので止めておいた。
 綺麗に糊付けされていた襟は今や見るに耐えない代物になっていて。
 本来なら挨拶回りをすべき初日に、ユウキは机仕事を大量に押しつけられていた。
 無様な姿の秘書を連れて歩くわけにいかないのは当たり前である。
 悪いのはあくまで自分。
 今はとにかく、この大量の書類仕事を黙々とこなさなければ。
 書類仕事に関しては、学院生時代に勉強していたことが殆どなので、特に違和感なく進められた。
 クロス執政官には多大な迷惑をかけてしまったので、せめてこの仕事だけでもしっかりとやらなければ。
 
 
 しっかし。
 女性のお尻を偶然見てしまっただけであそこまでうろたえてしまうとは。
 自分のそういった方面への免疫の無さには涙が出る。
 学院生時代は無茶苦茶美人の先輩と、よく一緒にいたので、そういうのには慣れていてもおかしくないのだが……。
「……アマツさんに相談してみようかなあ」
 でも、相談したら豪快に笑われそうな気がする。いや、笑われるだけでは済まないか。
 
「――なにを相談するって?」
「うわあっ!?」
 
 いきなり背後から声をかけられて、ユウキは情けない悲鳴を上げた。
 慌てて振り向くと、そこには見慣れた顔がひとつ。
「なんだ、サラか。脅かさないでください」
「うっさいわね。貧相な格好で出勤した馬鹿が生意気な口きいてんじゃねーわよ」
「はいはい、それは失礼いたしました」
 
 いきなり声をかけてきたのは、女性用の官服に身を包んだ顔馴染みだった。
 名前はサラ・フルムーン。ユウキと同い年の少女で、他の高官の秘書となった学院同期である。

707怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:46:20 ID:9lF0EAag

「で、何の用ですか? サラはベボユ様付きでしたよね。ここはクロス様のお部屋ですけど」
「んなこたーわかってるわよ。
 ボクはね、初日に情けない失敗をして落ち込んでるだろう同期を笑いに――って、あれ?」
「? どうかしました? 泥魚みたいな変な顔をして」
「誰が泥魚よ! じゃなくて、ユウキ、なにやってるの?」
「普通の書類仕事ですけど……。水路管理のやつは講義で扱ったのと同じ形式ですね」
「いや、それは私もわかってるけど……ちょ、これ全部ユウキがやったの?」
「そうですけど……まだ半分も終わってませんよ?」
「早すぎだって! っていうか、私なんてまだ書類触らせてすらもらえないのに!」
「……罰みたいなものですから」
「で、でも、水量計算とか、普通もっと時間かかるよね?」
「そうでしょうか……?」
 
 ひょっとしたら、長期休暇のときに色々な書類整理の練習をやっていたのが良かったのかもしれない。
 遊びに行くお金なんてなかったため、ひたすら寮に籠もって勉強していた記憶がある。
 まあそれはそれとして。
 
「で、人を笑いに来たのなら、好きなだけ笑っていってくださいな」
 反論できる余地は皆無なので、嘲笑は甘んじて受けなければならない。
 これをバネに、明日以降頑張ることにすればいいのだ。
「あー、うん。笑いに来たんだけど、えっと、そろそろお昼じゃない?」
「……そういえばそうですね」
 窓の外に目を向けると、さんさんと照った太陽がちょうど真上でのんびりしていた。
「ボク、ちょうどお昼休み入ったとこなんだ。折角だから、一緒に食堂行かない?」
「んー。ですけど、クロス様はまだ戻ってきませんし、勝手にここを離れるわけには……」
「……むー」
「申し訳ありませんが、サラは先に食堂へ向かってくれませんか?
 僕の方も終わり次第向かいますから、良い場所を取っておいていただけると助かります」
「……仕方ないわねー。お昼休みいただいたら、すぐに来るのよ!」
「善処します」
 
 何故か少しだけ上機嫌なサラは、軽い足取りで部屋から出て行った。
「……って、そういえばサラ、ノックしてませんでしたよね」
 アレでいいのか秘書一年目。あとで注意しておかなければ。


708怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:47:03 ID:9lF0EAag
 
 
 
 その後。
 戻ってきたクロスは、ユウキが7割ほど済ませた書類の束を見て、かなり驚いていた。
 さっぱりわからずに泣きつくか、できてもせいぜい2割程度だと思っていたそうな。
 ユウキは官服の件を許され、新しい制服を渡された。
 これに着替えて昼休みを取ってきなさい、とはクロスの言葉。
 どうやら、ユウキのために新しい官服を一色揃えてきてくれた模様。
 しきりに恐縮したユウキに対し、初老の執政官は、
「今はそれほど忙しくはないからな。雑務官の娘の尻を撫でるついでだ」と笑って言った。
 
 
 そんなこんなで昼休みをいただき、サラが待っているであろう食堂へ向かう途中で――
 
 再び、お尻を発見した。
 
「って、ええっ!?」
 朝に見たのと同じお尻のような気もするが、別にそこまで凝視していたわけではないので不確定である。
 ではなくて。
 よく見ると、お尻の主は、四つんばいになって何やら拾い集めている模様。
 小さく細かいもののようで、床に口づけしそうなくらい、顔を寄せて探している。
 
「あの、拾うの手伝いましょうか?」
 足下に気を付けながら女性に近付く。
 それに気付いた女性は、長い黒髪を静かに揺らし、ユウキの方へと振り向いた。
 
 その顔を見た瞬間。
 ユウキの胸は、内側から強く叩かれた。
 
「あ、えっと、その、お、落とし物拾うの、て、手伝いましょうか?」
 何故か上手く言葉を紡げず、つっかえつっかえで声をかける。
 ユウキは女性に不慣れな方ではあるが、ここまで話すのに手間取るほどではない。
 一体何が原因なのか。
 下着越しでも肉付きの良さがわかるような、形の良いお尻を見てしまったからか。
 振り返った女性の顔が、とんでもなく整っていたからか。
 流れる黒髪の美しさに目を奪われたからか。
 理由はわからない。でも、間違いなく、今この瞬間、ユウキはこの女性に心を奪われていた。
 
「あっ! 川に落ちた人じゃないですか!」
 
 鈴を転がすような明るい声色で、
 四つんばいのまま、女性はそんなことを言ってきた。

709怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:47:43 ID:9lF0EAag

 女性と一緒に四つんばいになりながら、ユウキは床に散らばる小さな欠片を拾い集めていた。
 落とし物は、柔らかい軽石のようなもので、強く擦るとさらさらと崩れてしまう。
 なるほど、これなら四つんばいになって慎重に拾うのが確実である。
 
「どうもすみません……わざわざ手伝っていただいて……」
「気にしないでください。ちょうど昼休みですし。……ひょっとして朝も同じように?」
「み、見られてたんですか!? うう……お恥ずかしいところを」
「えっと……」
「こっちに来てから失敗ばかりで……このままでは、帰ったときにセっちゃんに怒られちゃいます」
「セっちゃん?」
「ああ、妹です。故郷でお留守番中なんですけど、いっつも私のこと馬鹿にするんですよ!」
「は、はあ」
「この前だって、セっちゃんが怪我したから手当てしてあげたのに、あとでぷんすか怒るんですよー。
 理由を聞いてみたら、包帯と下着を間違えたからですって。清潔な布には変わりないのにー……」
「…………」
 
 会話をしながらふと思った。
 この女性、相当天然ではなかろうか。
 
 よく見ると、鞄の底に大きく穴が空いている。
 確かにこれなら、通路のど真ん中で荷物をぶちまけてもおかしくない。
 拾い終わったら、指摘してあげなければ……。
 
 現在、ユウキと黒髪の女性が作業しているこの通路は、どうやら人通りが滅多にないところのようで、
 2人揃って四つんばいになっているところを見とがめられた様子はない。
 というか、見つかったらとんでもなく恥ずかしい気もするが。
 
「そういえば、自己紹介がまだでしたね。
 ――私、ユメカっていいます。ユメカ・ヒトヒラです。
 田舎者でご迷惑おかけしました」
 
 迷惑云々は田舎者とかそういう問題ではない気もするが、まあそれはそれとして。
 ユウキも自校紹介を返し、そのまま2人で雑談しながら作業を続けた。

710怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:48:25 ID:9lF0EAag

 
 
 
 そして、あらかた拾い終わったところで。
 
「そういえば、これ、何なんですか?」
 
 ふと気になったことを訊いてみた。
 黒髪の女性――セツノさんは、ぱちくりと目を瞬かせて。
 
「えっと、媚薬です。粉末状のを固めてあるんですよ。
 吸ったら効果が出ちゃいますから気を付けてくださいね?」
 
 
 は?
 
 
「って、いけない!
 これ、機密事項でした! どうしましょうユウキさん!?」
「え? ちょ、その」
「あああ、とにかく口封じしなくちゃ! まだ任務終わってないし――ていっ!」
 
 がつん、と。
 後頭部に手刀を叩き込まれて。
 ユウキの意識は、そのまま暗闇の中へ落ちていった。
 
 
 
 
 
 目が覚めたら、身動きが取れなかった。
 暗くて狭い部屋の中、どうやら縛られている模様。
「ここは……?」
 ぼんやりとした頭で辺りを見回すと、聞き覚えのある声がかけられた。
「――今は使われていない倉庫です。離れの方にありますから、近くを人が通りかかることもありません」
「……ユメカ、さん?」
 先程までの明るい雰囲気はどこへやら。
 冷たい視線を突き刺すユメカが、そこにいた。
 
「ユウキさんは、知ってはならないことを知ってしまいました。
 親切で手助けしていただいた手前、抵抗はあるのですが、仕方ありません」
 完全にユメカのせいだと思うのだが、ユウキはユメカの雰囲気に呑まれて何も言えなかった。
「本来ならお亡くなりになっていただくところですが……場所も場所ですし、死体の処理が面倒です」
 言っていることは物騒なのだが、あまりに物騒すぎるので、逆に現実味がないなあ、とユウキは思った。


711名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 02:48:56 ID:1/XYxOOh
>>55は渡さないわよ!この泥棒猫!!
712怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:49:31 ID:9lF0EAag

「……き、今日のことは誰にも言いません」
 だから解放してほしい、と。駄目で元々、提案してみた。
「すみませんが、その言葉には何の確証もありません。
 ですから、このまま解放というわけにはいきません」
 
 では一体どうするつもりなのだろうか。
 まさか、記憶がなくなるまで殴るとか言わないだろうな……?
 
 と、ユウキがビクビクしていると。
 
「――ユウキさんには、共犯者になってもらいます」
 そう言って、ユメカは着ている服を脱ぎ始めた。
 
「へ?
 って、ちょ、ユメカさん、なにを!?」
「都合のいいことに、手元に媚薬もあります。完璧ですね!」
「いやちょっと待ってください! 全然完璧じゃありませんよ!?」
「だってー……ユウキさん、凄くいい人みたいですし、乱暴な真似はしたくないので……」
「だからって何で裸!?」
「一緒に気持ちいいことして、ついでに私の仕事も手伝ってください☆」
「わけわかりません! と、とにかく服を着てください! あと☆ってなんですか☆って!?」
「え? 着たままの方がいいんですか」
「そうじゃなくて! ああもう!」
 
 じたばたと暴れるユウキ。
 それを微笑ましく眺めながら、ユメカは怪しい笑みを浮かべる。
 
「もう、ユウキさんってば可愛いですね。いっぱい、ご奉仕しちゃいます」
 ぺろり、と下唇を舐めるユメカ。
 ユウキは身の危険を感じ、とにかくこの場を逃れようと必死に思考を巡らせる。
 縛られて身動きの取れない状況。
 ユメカは何やら非合法な任務の最中。
 物理的な口封じも手段のひとつとして存在する。
 そして何より、ユメカのぶっとんだ思考回路。
 
 ――結論。
 
「あ、あの……ユメカさん」
「何ですかあ。もう観念しちゃってくださいよう」
「いえ、ひとつだけお願いが」
「?」
 
「ふ、服だけは脱がせてください。
 これ汚しちゃったら、換えがありませんので……」
 
 こうして、ユウキは屈することになった。

713怪物姉開戦記 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:50:10 ID:9lF0EAag

 
 
 
 
 
「……遅い!」
 
 執政省の食堂にて。
 窓際の席を確保していたサラは、不満の叫びをおもむろに上げる。
 与えられた昼休みは、もうじき終わろうとしていた。
 そろそろベボユ執政官のところに戻らないと、雷が落ちる恐れがある。
 きゅるるる、と可愛くお腹が鳴ってしまう。
 同期の青年を待っていたせいで、結局昼食にはありつけなさそうだ。
 
 重い溜息を吐いて、サラは立ち上がる。
 そしてそのまま、食堂をあとにした。
 2人分のランチが、机の上に残される。
 
「――ユウキ、何やってるのよう」
 
 
 
 強姦されてるだなんて、一体誰が想像しようか。



714 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 02:51:42 ID:9lF0EAag
ヒロインはユメカです。ええもう。
たぶん続きます。
ただ、こちらの外伝は一話一話で独立した話になるのでご注意を。
『怪物姉○○記』というタイトルで、今後出すことになるかと思います。
まあ、基本的には埋めネタ扱いで。

それでは本編共々、これからもよろしくお願いします。

715名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 02:56:23 ID:64CSJ2E0
>>714
怪物姉ラブ。
716名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 02:57:21 ID:eqDvZSMj
前スレなんて見てなかったけど、これからはログ消せないなー
とりあえずGJです
717名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 03:00:37 ID:9O3bnYeN
キキキキキキターーーーーーーーーーーーー!!!!!!

次元は変わっても天然さとエロさは健在!!!
はげしくGJっす!!!

あぁ続きが楽しみでならない


でも一箇所だけ誤字ハケーン
>>710
>黒髪の女性――セツノさんは
何時の間にセッちゃんに入れ替わったんだろ
718 ◆gPbPvQ478E :2006/08/01(火) 03:02:06 ID:9lF0EAag
>>717
うああああああああああ!?
亡霊が出た!!!

ごめんなさい誤字ですorz
セツノは次回登場予定
719名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 03:21:31 ID:Zz0XLj5p
超GJだ、 や っ ぱ り 怪 物 姉 は エ ロ い な !!11!
720名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 05:28:10 ID:kpn1hWB5
逆レイプサイコーーーーーーーーーーーーーーー!
721名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 08:15:42 ID:wRANdvQ6
こ、こんなレベルの高いssが梅ネタとして扱われていいものか・・・
722名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 11:38:54 ID:KwySGAdg
( ・ω・)∩ゲスト扱いと思われるサラに心惹かれるおいらはどうすれば?
723名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 14:23:12 ID:Tdnch12G
ッッしゃああああぁぁぁああああああ!!!!!!!!!

エロ姉大好きィィイイイィィ!!!!!!!!
724名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 18:04:30 ID:7wUUsc7c
キタキタ━━━━━━(゚∀゚≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!!
725名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 18:23:22 ID:kk5SKnbT
(*´Д`*)エロ姉ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァウッ
726名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 19:11:56 ID:JX/Ldr/T
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(__) フリス ;;;;,,,,,,;;;, フリス ;;;;,,,,,,;;; (__)(__) フリス ;;;;,,,,,,;;; (__) フリス ;;;;,,,,,,;;;
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727名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 19:16:35 ID:JX/Ldr/T
しくじった再挑戦
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728名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 01:52:21 ID:sM0w0SPr
阿修羅殿更新乙です
その心意気に惚れた
そして阿修羅殿の嫁との壮絶な取り合いに参戦
729名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 08:12:53 ID:hGkcEpzo
>>728
後ろ・・・!!って遅かったか・・・・・
730名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 11:37:53 ID:yKBERGTm
                      _r‐.、
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           /三 \    ,|:ト、:.:.:::::ヘ 〃 / ̄`ー‐ヘ、
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         / /:/´ ̄`>、_入;」/´ヘ::.:.:.:ヘ厶i∠_ `ヽ、:::::::::::.:..\
       /  /.::/  //〉杉′/ / ∧: :.::}ヽ`ヽ `ヽ、  `''ー- ::;;__ヽ
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     /  /:.:/ /  /;:.:.:| {ミ{  i /i´丁゙メ{     } ri  j |  っ
.     /  /:.:/l. /  //:.:.:/ {ミ| lト|_ォ=ミ、|`ヽ、 /レメ /:リ
    /  /:.:.l l|/  //レ'´  {゙ヘ `ヾ{いJハ  ィ心ムイ ′   ` o
.   /  /:.:./|/ ..:.//    _ヽ≧、_ヾ‐┘  {rソ厶ノ
   i :l i:.:.:l:.:|...:.:ル′ _rヘ_/´r:::::´\`  rァ  丿    あが〜〜〜〜〜〜〜
    V:| :l:.:.:|:.:l:.::/  ,r仁>仏::;!:::::::::::::ノ辷ァ7´
    V!.:|:.:.|\::{  /:::| ̄\l!:::`ー‐匕::::::/つ>っ
    V:.ト、:i ヾ⊂|::::::\__人:::::::::::rイ\廴人;;/
     ヾ.! `ヽ  `ヘ::::::::/廴/^lー小{
        ヽ       \::{::i、:\ト〜ハ
          `       ̄`ヽ:::::::::::::::|
                 `'ー'じ′
        ー=ニ二三三三三三三三三二ニ=
731名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 17:13:05 ID:vxCaaEy3
13人目が誰にも見つからないよう埋め
732名無しさん@ピンキー
     .;;ヽ,;.;.,、    うめ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
     /./^`、                   ',
    .lし( ,,.---]_                   ヽ
     k,,,,"l   〈ヾ。                 ヽ
     /-^]r  ^ ヽ                   ヽ
       l /^ヽ 7                   ヽ
       lr゜   "                     ヽ
                             ,,,,_  ヽ  /゚l-、
                            //^ヽ_.ヽ,l/_/ l、\
                 lt         .//,/'''゛'゛'''゚ ゛ |  \
                  ] ヽ__ _,,.。    7 /"  r、   、  |   ヽ
                 |.ヽ  ;゜    l ,/ ,,/へ , ./゜\ ,|    ヽ 
                ./,,.;、  .ヽ   ,, |/ /__.ハ__ヽ/__ハ__\|    ) 
               ^゜'  ]  .;,,_ ヽ  [゚l]^ヽl. ̄'!.l´'' ̄`!.l´ ̄ |    l.
                  .l ,/゜'^.\ _l l;;./l  __,,..-- --、 ./゚l、  lヽl
                  .lv゛      t、.ヽ(  l      1x'イ.l  l ̄  ̄  ̄.7
                          .\ .\''_l.      .lイ^ヽl ./     ./
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