ロミオの青い空でエロパロ

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16名無しさん@ピンキー:2006/07/18(火) 21:30:38 ID:Gi1paeM5
他作品が絡むネタは総合スレの方がいいんじゃ…
17名無しさん@ピンキー:2006/07/18(火) 21:48:19 ID:WffBbFnt
ロッシ家に買われたのが、ロミオでなくアルフレドだったら…
という、アナザーストーリーを希望。
そして、アルフレド×アンジェレッタで。
18名無しさん@ピンキー:2006/07/18(火) 23:09:34 ID:m6sHSSMV
>アルフレド×アンジェ
了解。
期待せず待ってください
19即興でイントロ:2006/07/18(火) 23:32:32 ID:m6sHSSMV
とりあえず最初の部分だけ作ってみました
気が向いたら、二つ三つ動かしながら
の長編書けたらな
と言うことで…
20『アザーサイド〜一つのかけ違い〜』:2006/07/18(火) 23:34:57 ID:m6sHSSMV
「シトロンの奴…捕まったみたいだぞ」
「今度は何やらかしたんだ?」
煙突掃除夫たちが話す。
今日は新たな少年達が来る日。いつも会わない掃除夫達も集まる。
「おい…たったの二人か?」
「よし、俺はこいつを…」
ロッシが手にとったのはロミオ…のはずだった。
「俺はこいつを買ってくぞ」
ロッシが一言言おうとした隙に声がかかる
タイミングを外し輪に入れないロッシ。
ロミオは他の親方へわたった。
「じゃあ金髪の坊主、お前だ」
アルフレド…値段は85リラ…
ボタンの少しのかけ違いが、運命を変えていく。
21名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 23:04:58 ID:llwrQ+MY
期待AGE
22名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 23:10:17 ID:e9rJw/15
期待。

>>15-16
それ可にすると意味不明なものを投下する馬鹿が寄ってくるから(総合スレ参照)
やめたほうがいいと思う。
23『アザーサイド〜月下の導き〜』:2006/07/20(木) 02:44:11 ID:wCt+7Gg1
狭い部屋…格子のついた牢屋のような部屋で一夜を過ごすことになろうとは…
「だけど…」
カバンから取り出したマルディーニ家の紋章…
「ビアンカ…君を迎えに行くまで、僕はどんな辛い生活だって耐える!どんな辛くたって…」
その時…
「何か聞こえる…」
さっ、と寝たフリをするアルフレド。
しかし、誰も来ない。
「気のせい…いや…」
アルフレドは気付いた。
あの部屋…親方が必要以上に隠したがったあの部屋から聞こえてくるオルゴールの音に。
「何か…あるのか…?」
しかしアルフレドの今に自由はない。格子に鍵がかけられて出ることもできないのだ
格子の鍵は…ない。
「何か手は…」
ふと、あたりを見渡し、暗闇の床を探る。
「!?」
ほこりまみれの部屋に針金のようなものがが一つ…
「こんな時に…できるかな?」
針金で鍵を開けたことは子供の頃いたずらしてた時にやったことがある。
もっとも執事に怒られたんだけど…
“ガチャ”
開いた…喜びの言葉と物音を最大限に落とし、あの部屋へ向かう…
「一体…何があるんだ?」
アルフレドは恐る恐る光の漏れる部屋の扉を開けた…
24名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 22:31:05 ID:yVn+7U5l
>>23
なんか、良い雰囲気!
楽しみにしてるよ!
25アザーサイド〜天使との出会い〜:2006/07/21(金) 07:52:51 ID:+iynyhYr
何かに導かれるように。
扉は開かれていた。
部屋のオルゴールがアルフレドを迎える。
「誰か…いるのかい?」
一瞬の静寂。
「…あなたの名前は?」
ベッドの方から小さな声がする。
「君の方こそ誰か教えてくれるかな?」
「アンジェレッタ…」
「アンジェレッタか…」
一つの違いがアンジェレッタとアルフレドを引き寄せた。
アルフレドとアンジェレッタの初対面。
「そっちに行っていいかい?」
少し心を閉ざしていたアルフレドだったが、ロミオとの出会いはほんの少し社交性を取り戻していた。
近くに寄ってアンジェレッタを見た時、貴賓と既視感を感じる。
「君とは昔に会わなかったっけ?」
「ふふ、アルフレドって面白いこと言うのね」
父さん達と行ったパーティーでもこれほど雰囲気のある娘はいなかった。
いや…もしいたなら、確実に覚えているはず。
やはり…気のせい…
確かに服はそれほどいい物を着ているわけでもないし…
「それに…私、ここから出たことがないから…」
アンジェレッタの少し見せた悲しい顔…それすら美しい。
「煙突掃除夫の子たち、誰も来てくれなかったけど、あなたが初めての友達ね!」
ニコッと微笑む姿はやはり普通の少女の笑顔。
「ねぇ、アルフレドの話も聞かせて!」

辛い煙突掃除の日々。
初め辛いことばかりだったけど、アンジェレッタのおかげで少しは楽になれた…
でも…毎日鍵を勝手に開けるのは…
「親方…格子を外していただけますか?」
ある日の帰り道だった。
26訂正:2006/07/21(金) 07:56:22 ID:+iynyhYr
>少し心を閉ざしていたアルフレドだったが、ロミオとの出会いはほんの少し「の」社交性を取り戻「させて」いた。
「」部分が訂正箇所です
失礼しました
27アザーサイド〜プリズンブレイク〜:2006/07/22(土) 01:47:09 ID:qpBCv5NI
「アルフレド、お前はよく働くし、俺は信頼してるが、それは無理な話だな…」
ロッシの解答はほぼ予想できたものだった
「前の坊主はろくに働けず、しょっちゅう倒れたり、逃げようとしたり…
エッダに言ってやりたいが俺からはムリだ」
「それなら僕が…僕が奥さんに!」
「やめとけ、相手にされんだけだ」
「でも…どうすれば…」
途方に暮れるアルフレド。
ある程度の自由を得るためには突破しなければならない壁があった。

「た〜だいま〜」
「あんた!遅かったね…また、飲んでたでしょ!」
「私は全然飲んでましぇーん!」
結局何も進まないままこうして毎日が進んでいく。
いつまでもこの状況は…

相手にされない、それならまた別のことを考えるだけ…
「奥さん、話があります」
アルフレドがここに来て二週間が経った朝だった。
28名無しさん@ピンキー:2006/07/23(日) 10:14:29 ID:e6yGBGZc
保守
29名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 11:49:14 ID:oy+79iBx
期待AGE
30名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 23:12:51 ID:/1zr4eW1
喪主
31名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 13:54:52 ID:qaeeg/Hj
age
32名無しさん@ピンキー:2006/07/26(水) 17:20:13 ID:OfgBpvoN
前スレで、「夕暮れ」「白い花」「夢」というSSを投下させていただいた者です。
また新スレがたっていたので、新たなSSを書いて見ました。
よろしかったら読んでいただきたく思います。
(一応「夢」の続きになっております)
33ありんこ ◆kgmOg.8aVs :2006/07/26(水) 17:51:32 ID:OfgBpvoN
「かの人は・前編(ショバンニ×ニキータ)」

 さっきからずっと、ぼーっとしている。
いやさっき、に始まったことではない。昨日も、その前も、もうずっと頭が回っていなかった。
ジョバンニにキスされた―
 思い出すと、かっと体が熱くなる、そして次の瞬間、さっと体が冷えていく。
そんなことジョバンニにされたのは初めてだった。いや、他の誰にも唇に触れさせたことなどなかった。
 風が心地良い。ミラノの路地を吹く風が、酒場の窓をくぐって、ニキータのその赤い髪をなびかせた。
「よぉ…ニキータ」
突然名を呼ぶその声は、ニキータをうんざりさせる。
昼間から酒を仰いでいるその男は、このところずっと店に入り浸っていた。
「近頃おめぇも“オトナ”になってきたなぁ…、え、色ってぽい顔しやがってぇ…」
 酒臭い息を吐きながら、その腕をニキータの肩に回してくる。
主人からは「適当につかんでおけ」と言われていた。酒癖は悪いが金払いは良い。
「また昼間っから飲んでるのかよ」
 するり、と腕から抜けた。
「その口の悪さは変わらねぇなぁ…まぁ俺はそうゆうのは好きだ。
子供(ガキ)くせぇその憎たらしい口調を、いつか喘ぎに変えてやらぁ…ヒィヒィってなぁニキータ…うわっはっは」
 下卑た話より、この男に名前を呼ばれることに寒気がした。
無視して立ち去ろうとすると、男は突然ニキータの腕を掴んだ。
「っ…離せっ。気持ち悪い!」
「俺は本気だぜぇ…待ってろよぉ」
舌なめずりをする男の目は濁っていた。―虫唾が走る。
ニキータが振り放す前に、男は掴んでいた手を放した。ニキータは思わず店を飛び出した。
主人の怒鳴り声が聞こえたが、それもやがて風の音にまじって消えた。
34ありんこ ◆kgmOg.8aVs :2006/07/26(水) 17:53:09 ID:OfgBpvoN
 ニキータは路地を当てもなく歩いた。アジトに行く気も起こらない。
ジョバンニにも、他のメンバーにも、今は会いたくなかった。
 そういえば、あの雨の日からジョバンニに会っていない。
あんな静かな怒りを見たのは、久しぶりだった。
奴はもう、いない―
 そう吐き捨てたジョバンニ。怒りに身を任せることはあったが、
それでも黒い兄弟との和解以来彼はずいぶんと穏やかになった、はずだった。
 あの瞳―。ふとそれが全部自分のせいのような気がしてきて、ニキータはふるふると首を振った。
 落ち込んだ自分の横を、自分と同じ位の年齢の少女が歩いて行った。
女らしいスカートに、甘ったるい匂い。自分がずっと昔に捨てたものを、
彼女は臆することなく身にまとっている。自分はやはりおかしいのかもしれない。
 弱気になったニキータはふと、彼のことを思い出した。
アルフレド―
その名を口に出しかけて、やめた。こうゆう時はいつも、小さな彼の墓に行っている。
どうぜ酒場には今日は戻らないのだ、ニキータは共同墓地に向かった。
 墓には先客がいた。
「ビアンカ」
振り向いた少女は、かの人の面影を残している。
「あら、ニキータ。お兄ちゃんに会いに来てくれたの?」
 色白の肌と金色の髪が、すっと陽に透けた。
「元気そうだな」
「ニキータもね。あ…そうだわ、いつもありがとう」
ビアンカはふわりと笑う。
「何が?」
「お花…いつもニキータが持ってきてくれてるでしょ?このあいだも白いお花を」
「あ、ああ」
「…お兄ちゃんきっと、天国で喜んでるわ、ありがとう」
 ビアンカの笑顔に、ニキータは安心する。その自然な可愛らしさから、彼女が今幸せであることは明らかだった。
「ここに来ると、あたしはなんだか落ち着くんだよ」
墓石に目をやると、少しだけきゅっと悲しみが漏れてくる。
「私もよ、ニキータ。なんだかお兄ちゃんと一緒にいるみたいで」
「そうだな…あいつもきっと、ビアンカが元気で安心してるさ。もう泣いてないんだなって」
ニキータが笑うと、
「ニキータの意地悪!私もう簡単に泣いたりなんかしないんだから!」
ビアンカは軽くニキータをにらんだ。その瞳にまだ幼さが残るビアンカだが、確実に強くなっている。
それに愛らしさも、少しずつ増している気がした。多分それは、故郷に帰ったロミオのせいだろう。
「手紙は送ってるのか、ロミオに」
「え?ええ、送りあってるわ。ソノーニョ村のことばっかり、いっぱい書いてくれるの」
ロミオらしい話だった。
「そうか、あいつも元気なんだな」
 ふと寂しげな瞳を浮かべるニキータに、ビアンカは言った。
「何かあったの?ニキータ」
「…いや、別に!」
こうゆう時、素直に色々言える人間が羨ましい。
「じゃあ、あたしはそろそろ帰るよ。またな、ビアンカ」
「え?今来たばっかりなのに」
「酒場に行かなきゃ行けないから。今度またカセラ先生のとこに行くよ。じゃあな」
「わかったわ。しゃあまた…」
 陽光の似合うビアンカと、長くいられなかった。いや、いてはいけないような、そんな気がしたのだ。
君が髪に花を飾ったら―
 彼の言葉が浮かぶ。けれどすぐに消してしまった。自分のいる場所はここではなかった。
「戻るか…」
ニキータは心のこもっていない謝罪の言葉を浮かべながら、酒場への道を急いだのだった。
35名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 00:04:39 ID:77YEphMP
GJ!!後編も楽しみにしてます。
36名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 02:07:37 ID:EJKtltIf
おっ盛り上がってキター
てか続きキター
支援できたらします
37ありんこ ◆kgmOg.8aVs :2006/07/27(木) 06:16:46 ID:rlL0yVPy
慌てて書いたので誤字脱字ありましたね、スミマセン…。
後半もできましたので、投下させていただきます。

※注意 エロシーンあります、お気をつけください!!


「かの人は・後編(ジョバンニ×ニキータ)」

 酒場に戻るとすぐ、酒場の裏部屋で主人に平手打ちで何発か殴られた。
「ニキータどこ行きやがってたんだ!仕事をさぼりやがって!」
主人は悪い人間ではなかったが、酒が入るといつもこんな感じだった。
ニキータ自身、もう殴られ慣れている。
ニキータは適当に謝ると、
「もういい、さっさと行け。マリオが待ってるぞ」
と主人は言った。
まだいたのか―、主人に聞こえないように軽く舌打ちをする。
「ほら、さっさと行くんだ」
ニキータはノロノロとマリオの元へ向かった。
…そしてニキータがホールに戻るのを確認すると、主人は裏部屋の鍵を静かにかけた。
「おめぇどこ行ってたんだよ…え?俺は待ってたんだぜ…」
店内は薄暗い。窓にはカーテンもかかっている。まるで閉店状態だ。
「おい、こっちにこい」
ニキータは黙ってマリオに近づくと、空のグラスに酒を注いだ。
琥珀色の酒は、男にはもったいないほどの高級酒だった。
「おめぇのためにこんな高い酒を買ったんだ…損させてくれるなよ」
そのいやらしい手が、またニキータの手を掴む。今度は拒めなかった。
「分かったよ…相手してやるよ」
観念して横に座ると、待ってましたとばかりに男はニキータの細い腰に手を回す。
「よおく見ると可愛い顔してるなぁ、おまえ…。そのきつい目なんかたまんねぇなぁ」
顔が近づく。酒と煙草の混じった、気色の悪い匂い。
ニキータは、体にぐっと力を入れるだけで精一杯だった。
「おい、こっちむけよ…」
そして次の瞬間、その汚れた唇が、ニキータの白いうなじを軽く這った。
「っ…」
声にならない声。
ニキータは咄嗟に、右手でマリオを殴ろうとした、が逆に腕を掴まれてしまった。
「触るな!あたしは相手はするって言ったが、酒の相手だけだ!
この店はそうゆう店じゃないんだ!女が欲しけりゃ娼婦でも買いな!」
怒鳴るニキータをなぜか男はニヤニヤしながら眺めている。
その表情はニキータの気分を最悪にさせた。
38ありんこ ◆kgmOg.8aVs :2006/07/27(木) 06:19:05 ID:rlL0yVPy
「うひゃひゃ…もっと鳴けよ。どうせ夜まで他の客はいねぇんだ。」
そういえばもうにぎわいだす時間なのに、店内には他の客がいない。主人もいない。
「なんで…っ」
「俺が貸しきったんだよ…この店も、おめぇもよう…」
体に、寒気が走った。まさか、そんなこと―、そんなこと―。
 咄嗟に逃げようとするも、体が動かない。
男が、いつのまにかニキータの体に蛇のように巻きついているからだ。
「この店は今日は閉店だ…楽しもうぜぇ…」
服の中に右手を入れられる。左手は、ニキータの細腕を掴んでた。
「やめろっ…!離せじじいっ…!」
「うへへ…暴れたいだけ暴れろ。俺はいきのいい女が大好物なんだ」
右手は無遠慮にニキータの体をまさぐり始めていた。
「やっ…やだっ…やめっ…」
足をバタつかせるも、大人の男の腕力にかなうわけがなかった。
「ほらほら、女らしい声が出せるんじゃねぇか、
うん?気持ちいいのかニキータ。なぁ…、ほれ…」
 男のぬめっとしたその手が、ニキータの未熟な胸の膨らみに達する。
「やだぁっ…やめっ…頼むからやめてくれっ…あっいやぁぁっ」
ここ数ヶ月、胸はずっと張っていた。
心はともかく、体は女へと確実に成長していたのだ。
それを無遠慮に、この酔った男にまさぐられている。
痛みと怒りと悲しみが、怒涛の如くニキータに襲い掛かった。
「へっ…小せぇけど悪くねぇ…。うん、男を知りすぎた女より、よっぽどいいぜぇ」
男の指が、胸の飾りを摘む。
「あっ…いっ痛いっ…やだっ、そこはやだっ、やめろっ」
そこに優しさなどあるわけもなく、
欲望むき出しのその行為にニキータは涙を流して必死に叫んだ。
「やだっ、やだぁっ…離せっ…やだぁっ」
「騒ぐなっ…おらっ」
ニキータの体は、床に投げ出された。衝撃で息が詰まる。
男はどっかりと体に乗りかかった。
「んったくてこずらせやがって…へっ…もう叫ぶなよ」
その手が、ニキータの衣服にかかった。
もうダメだ―
絶望感がニキータを包む。

ああ…みんな…ごめん…

懐かしい顔が、沢山浮かぶ。涙がつーっと、ニキータの頬を伝った。
ニキータは力を振り絞り、最後の最後に、もう一度だけ叫んだ。
「いやだっ…!!」
39ありんこ ◆kgmOg.8aVs :2006/07/27(木) 06:42:04 ID:rlL0yVPy
その時だった―。
ドカンっ。物凄い衝撃音と共に入り口のドアが破れ、眩しい光がぱっと店内に差し込んだ。
男の手は一瞬止まり、ニキータは必死にドアの方へ目をやった。
「ニキータっ!」
懐かしい声が響く。その声は―。
「ジョバンニっ」
掠れた声で、ニキータは叫んだ。
「何だ、この子供(ガキ)はっ!」
半裸になったニキータを下に、マリオはわけが分からない様子だった。
しかし次の瞬間、ジョバンニはマリオに飛び掛っていた。
酒場の床をマリオの体が石ころのように転がる。
その肉の固まりに、狼のようなジョバンニが襲い掛かった。
店内に男の叫び声が響く。それから鈍い、拳が肉を貫く音。
ニキータがぎゅっと目をつぶっている間に、事は全て終わっていた―。

「大丈夫か…」
毛布に包まるニキータに、ジョバンニが声を掛ける。
アジトは変わらぬ静寂で、二人を包んでいた。
「ん…」
「そうか…」
言いながら、さっきマリオを幾度となく殴ったその手はブルブルと怒りで震えていた。
「ありがとう…助けて、くれて…」
 ニキータが声を絞り出す。
「俺が通りかからなかったら、お前は今頃―」
その言葉を言い終わらぬうちに、ニキータの目から涙が零れた。
「っ…ごめ…ん…本当にっ…ジョバン…」
ジョバンニはその大きな腕で、ニキータを毛布ごと包んだ。
「あ…たし、恐かったんだ…すごくっ…“そうゆう風”になって…いくのがっ…」
 そのまま、腕を彼女の頭に回す。
柔らかな赤い髪がそれに触れ、ジョバンニはいたたまれない気持ちになった。
40ありんこ ◆kgmOg.8aVs :2006/07/27(木) 06:45:55 ID:rlL0yVPy
「俺は…ずっと言わなかった」
 ジョバンニは静かに語り始めた。ニキータは、胸の中でその声を聞いていた。
「だが今日は言う…」
ジョバンニの鼓動が速くなった、気がした―。
「俺はおまえが好きだ」
静寂が、耳にうるさい。
「だから、あんなやつに触れられたことを、俺は許せない。だから殴った。
まぁ殺しはしなかったがな…お前が望んだら、俺は殺していた」
 ジョバンニは続けた。
「おまえが奴を想っていようと、関係ない。俺はあいつを越える。必ず。
だからおまえはおまえのままでいい。そのままで、変わらなくていい」
こんなに喋る男だっただろうか。
その口から、この言葉が溢れることがニキータは信じられなかった。
「ただ一つだけ、頼みがある」
 ジョバンニはその瞳を、ニキータのそれに合わせた。
「もう酒場はやめてくれ。頼む。それだけだ」
「ジョバンニ…」
名を呼ぶだけで、精一杯だった。
瞳に写る、自分。
それから、ずっと昔から知っているジョバンニの顔。
そこには遠い昔に置き去りにされてきた、独特の優しさがあった。
「…ありがとう」
その声は少し震えていた。恐かったのではない、嬉しかったからだ。
 ジョバンニがそれに気づいたかどうかはニキータには分からなかった。
ただジョバンニは少しだけ笑うと、ゆっくりとその唇をニキータの唇に重ねた。
「…ニキータ」
唇をゆっくり離したジョバンニが言う。ニキータは答えない。
けれども、嫌ではなかった。むしろ心地良かった。温かい…そう感じた。
「こんなこと言う俺じゃないが…今は言う」
ニキータは咄嗟に、その胸に顔を埋めた。
「……してる…」
 それは消え入りそうなくらい小さなものだったが、ニキータの耳にだけはしっかり届いた。
―今は上手く答えられない だけど、きっといつか…
そう想うニキータの心を知ってか知らずか、ジョバンニはもう一度小さく笑った。
 もうすっかり夜になったミラノの風、窓から入る。
それは昼間とはまた違った、心地良いものだった。
ニキータはその風を頬で感じながら、もう少しだけこの心地良さに浸っていたいと願ったのだった。

41名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 11:47:44 ID:EJKtltIf
続き来ました−
ジョバンニってなぜか饒舌になるんだよね−こういう場面で書いてると
GJでした
42名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 14:55:46 ID:BBqYC8yI
乙です、ニキータいいなあ。
余談ながら板が板なのでエロシーンの注意書きはなくてもいいかと思いますw
43名無しさん@ピンキー:2006/07/27(木) 22:11:52 ID:GabaCGTD
ジョバンニ×ニキータでエロかと思いきや…w
乙です!
ジョバンニに、惚れぼれしました
44アザーサイド〜花飾りの自由〜:2006/07/29(土) 02:00:50 ID:zpbxMqkB
「なんだい?私は忙しいんだよ。あんたはさっさと部屋で寝てな!」
夕御飯の準備をするエッダ。アルフレドはここに来てからの食事といえば、
ロッシ家の猫、パルモのエサかと見間違うような…いや、それよりも酷く、残飯が貰えればいいようなもの。
昔を…いや昔を今考えるのはよそう…そう考える毎日の食事だった。
待遇のことで言いたいことは山ほどある。しかし、今は何よりも…
「いえ、時間はとらせません。道端で花を見つけたのでどこかに飾れないかな?と思いまして」
虚をつかれ、少し戸惑いながらのエッダ。
「花?そんな、どこで拾ってきたかわからないような…」
「おかみさん…付けてみたら似合うんじゃないんですか?」
アルフレドの目が光る。
「に、似合うって、あんた、私に…」
エッダの“何か”をつかんだアルフレドの待遇が良くなったそれからすぐのこと。
格子は外され、最低限の御飯が出るようになった。

「え?お母さんに花飾り?」
クスクスと笑うアンジェレッタ。
いつも以上に夜の会話が盛り上がったその日はアルフレドにある程度の自由が与えられた日の夜だった。
「おかみさんにも、これ、僕は似合うと思うけどね。」
ウインクしながら花飾りをアンジェレッタに渡すアルフレド…
「僕は自由を得た…ロミオを捜さなきゃ!
そして…ビアンカ待ってて。僕がすぐ行くよ…」
45名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 21:15:50 ID:d3I8F50n
保守
46名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 22:09:14 ID:inl3Ea5H
続き来たー。アルフレド腹黒いなw
アンジェレッタと会うのが楽しみ。
47名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 23:46:38 ID:inl3Ea5H
…って変なレスしてました。
アンジェレッタじゃなくてロミオと会うのが、です
48名無しさん@ピンキー:2006/08/01(火) 00:02:39 ID:90Nctkm3
むぅ…
bbspinkがもしなくなると…困るナァ
続き書くトコ失くなるよ
49アザーサイド〜友を探して〜:2006/08/01(火) 03:23:05 ID:hj5agePg
アルフレドが自由を得た頃、ロミオは広いミラノの街を毎日まわっていた。
ロミオを買った親方は
「慣れたようだから、一人でヤレ」
と、煙突掃除を任せっきり。
そのおかげか、煙突掃除の合間に、アルフレドを探すことができたのだった。
「煙突掃除はいかがですか−!
うーん、今日はもう人通りも少なくなってきたし、仕事はこれくらいでいいかな…」
ロミオはアルフレドをこの一週間、体が空けば探していた。
しかし、煙突掃除の知り合いは何人かできたが、アルフレドのことを知っている者はいなかったし、
アルフレドを見ることなど、もはやないのかとさえ思わされる状況。
「アルフレド…君は…そうだ!」
ロミオが思いついた場所。探し忘れていた場所が一つあった。
アルフレドはそこにはいないだろう。
しかし…手掛かりになる何かなら…
ロミオの向かった先。それはルイニに売られたあの酒場だった。
「あのぉ…」
恐る恐る入ろうとするロミオの後ろに赤い頭が近づく。
「こんなところで何してんだ?このトーヘンボク!」
酒場で働くニキータが店の前にいた。
「こんなところでって…」
「ここはガキの来る所じゃないよ!さぁ帰った帰った!」
店に入ることができないロミオ。
「せめて…話だけでも!」
「話って、ここで話すことなんかないよ」
ロミオを押し返すニキータ。
「アルフレドのことが聞きたいだけなんだ!」
「あの金髪…?」
ニキータは一瞬止まる。
「え?君は知ってるの?」
ロミオは目を輝かせて、思わずニキータの手をとる。
「金髪の…いや、そんな奴知らないよ!もう帰っておくれ」
「何も…知らないの?」
「…ああ。それと、手を離して…離せ!」
少し赤くなりながらニキータはロミオの手をほどいた。
「今度来たらただじゃおかないからな!」
ロミオにとって結局アルフレド探しは振り出しに戻ったようだった。

その日の夜。
「金髪…アンゼルモが言ってた奴のことかな…
いや、何で…煙突掃除のあんな奴の言ってたことを今更…今更…」
ニキータはその日よく眠れなかった。
50名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 02:29:45 ID:4+oV34Cm
ほしゅ
51名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 23:24:13 ID:oAtvTA/+
期待age
52名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 23:49:08 ID:TNq2Eo2i
(´・ω・`)
53名無しさん@ピンキー:2006/08/10(木) 22:46:52 ID:buV175C2
やはり過疎ったか
54名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 03:48:54 ID:GNaSLqMm
ほしゅ
55名無しさん@ピンキー:2006/08/13(日) 01:33:13 ID:aZjgkF5I
コミケに重なってるからかな?
56アザーサイド〜板挟み・すれ違い〜:2006/08/15(火) 04:28:24 ID:amowuA/M
今日も手掛かりはなし…
諦めていたロミオ
「おーい。ロミオ−」
その声の主はダンテ。
「ダンテ?生きてたのかい?」
「ロミオこそ」
再会を喜ぶ二人。
ダンテもアルフレドのことは知らないようだったが、煙突掃除夫の友達を何人か紹介してもらえた。
「アルフレドは…どうしたんだろう?」

その頃アルフレドは、ロミオと別れたあの場所にいた。
「ここに手掛かりが…」
親方に休みをもらってというより仕事の合間に来ただけ…
まわりを探し回る余裕もない。
こんな大都会では見つかりようもない…ならばめぼしいとこを潰す方が…
そこにいたのはニキータ
「やぁ!君か!」
「…っちぃ。また、何かきやがった。ここには何もないよ」
「また?ロミオが来たのかい」
アルフレドの目の輝きが変わった。
「ああ来たさ!でも私はどこに行ったかなんて知らないよ!」
「それじゃあ…今度会ったら毎日夕方に聖バビラ教会にいるって言ってくれないかな?よろしく!」
ニコっと笑って走り去るアルフレド
「ちょ…おい!伝えるなんて私は一つも…
あいつら何であんなに仲良しなんだ…」
ニキータの疑問…
「…ああ!もうあいつらに関わるのはやめておこう…イライラする…ロミオとかのこと考えたら…イライラ…」
ロミオとアルフレド。二人の少年の存在はニキータを変えようとしていた…
57名無しさん@ピンキー:2006/08/25(金) 05:23:19 ID:I2x6kyOv
喪主:ロミオ
58名無しさん@ピンキー:2006/08/26(土) 21:11:55 ID:VqGYLda0
>>56
続き待ってるよー
59名無しさん@ピンキー:2006/08/30(水) 02:54:02 ID:cIjOxK7R
喘ぎ声が聞きたい
60名無しさん@ピンキー:2006/09/04(月) 11:34:51 ID:gdjzcS+b
>>58
すいません
本業が今忙しくなってきて、全然書ける気配がありません
誰か続きを書いてくれるとありがたいのですが…
書くの少なくとも一ヶ月近くはムリポですorz
61名無しさん@ピンキー:2006/09/05(火) 22:22:57 ID:zmgper/8
残念・・・
62名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 07:09:41 ID:Q5YsleWl
たまには
63名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 18:24:16 ID:HIJheCzr
ロミニキは三鷹った
64名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 02:44:52 ID:XeuSMAgz
定期保守しまーす
65名無しさん@ピンキー
ボブ・ホーナー