【108号室 坂下 沙由理(さかした さゆり)】
「あはははは、もう、あのパパの落ち込みようったら!!」
その病室の、一時の主となった少女、沙由理は、見舞客である三郎相手に楽しげに話し、盛大に
笑った。
話題は、おのずと昨日の収録に関わることなのだが。
「パパったらね、あたしとセックスしてるときなんて、『どうだ、パパのは大きいだろ〜』とか自信マン
マンだったんだよ?」
小学校6年生の彼女は、4年生の頃から実の父親と性関係を持っていた。どうやらその父親が昨
日の収録を見に来ていたらしく、実の娘にして愛人である沙由理の、『パパのよりおっきい』発言に、
男性としての自信をうち砕かれてしまったようなのだ。
三郎にしても、収録前にハタチと聞かされていたどう見ても小学生の女の子の口から、近親相姦を
暴露するいまわの声を聞いてしまい面食らったものだ。
しかしこうして今彼女から話を聞いていると、父娘相姦の背徳的な雰囲気など感じさせない明るさ
がある。
「でもま、ウン、ちょうど良かった!」
不意に、話題が切り替わったのか、彼女はそういって、吹っ切れたような笑顔を見せた。
「実はね、このままパパとああいう関係を続けるの、よくないって思ってたから、ちょうど良いきっかけ
になったよ!!」
彼女は、これを機会に実の父親との関係を止める、と宣言した。
彼女の母親も薄々二人の関係に気付き始めていたらしく、沙由理は潮時なのだろう事は感じていた
のだ。父親のことは好きだが、母親のことも好きだ。そういう家庭を壊してまで続けたい肉体関係で
はない、というわけだ。
「これも、お兄さんのおかげかな?」
そういって沙由理は、ちゅ、と三郎の頬に小さなキスをした。
【沙由理エピローグフラグ】