【涼宮ハルヒ】谷川流 the 19章【学校を出よう!】
「すまない、長門。これは返すよ」
ちゃっかりと記入済みの入部届を差し出す。
元の世界に戻れない場合の保険として、居場所をキープしようとしていた魂胆が自分事ながら浅ましい。
そんな後ろめたさのせいか、俯く長門に何も声を掛けられない。
入力待ちのカーソルが点滅を続けている。
無機質な表示がそのまま長門の平坦声で再生される。
選択は一度切り。長門がそう言うのなら、本当にやり直しはきかないのだろう。
Ready? _
……O.K.さ、もちろん。
指を伸ばし、エンターキーを押し込んだ。
『 長門有紀の否決 』
かちり、とキータイプの音がした。
同時に立ち眩みと吐き気が襲い、耳鳴りと浮遊感の中、虹色にブラックアウトする視界の端に何かを見た。
ぐるんぐるんとシェイクされて、上下感覚も時間感覚も失い、はっと気が付くと、俺は元の世界に戻っていた。
……なんていうSF的な異常現象は、ミジンコの目玉を繋ぐ視神経ほどにも襲ってこない。
身構えていた俺を嘲笑うかのように、何も変わらない『文芸部』の部室。
「えーと」
はてさて、これはいったいどうしたことだい、長門さん。
消えてしまったディスプレイの向こう側に問い掛ける。もちろん返事など無い。
状況を整理するよりも先に、猛烈な気恥ずかしさが込み上げる。
目の前にミサイル発射口があったら、喜んでダイブする。誰か俺を埋めてくれ。
朝比奈さんは、どうしていいか分からないというように、狼狽えている。
古泉を見ると、困りました、というように笑っている。
お決まりの肩をすくめるポーズは、こちらの世界でも健在だ。
振り返ると髪の長いポニーテールのハルヒが、怒りを込めた瞳で睨んでいる。
……ただし、その哀れな対象は俺ではない。
「ちょっとあなた、何してるのよ!」
ハルヒの視線を追い、それまで意図的に目を逸らしていた方を向いた。
「……そっか。こっちのお前は、自分の意志で行動が出来るんだな」
不思議と心は落ち着いていた。ただし、どこか嬉しく、どこか寂しい。
子供が自分の手を離れてしまった親鳥の心境なのかも知れない。
そこには怯えて今にも泣き出しそうな長門の姿があった。
こんな表情の長門は初めて見るはずなのに、何故か見慣れている気がする。
もしかして、あの無表情の裏で、長門はいつでも泣いていたんじゃないか?
「……ごめん、なさい」
震える声で謝罪をする長門。
胸の前で握り合わせた両手には、引き抜かれたパソコンの電源ケーブルが握られていた。
状況が飲み込めていない朝比奈さんに頭を下げ、帰っていただく。
心配したハルヒだったが、意外にもすんなりと引き下がった。ただし、明日もまた来ると言う。
古泉もハルヒの従者のごとく部室を後にした。
そしてガランとした文芸部の部室に、俺と長門だけが残った。
今までにも何度かあったシチュエーションだが、本を読んでいない長門というのは扱いに困る。
何を喋れば良いか分からないが、待っていても長門から喋ってくれるようには思えない。
こういう時、『あちら』の長門は無表情にじっと俺を見つめてくるのだが、『こちら』はそうではない。
視線を合わせないまま、時間だけが過ぎていく。
「ごめんなさい」
ようやく顔を上げた長門も、すぐにまた俯いてしまった。
しかし、その一瞬の表情は見過ごさなかった。
こちらの長門も基本的に無表情だが、比較的振れ幅は広い。
だからはっきりと捕らえることが出来た。
長門の表情、それは怯えだ。
「あー、謝るのは俺の方だ。悪かった」
そりゃ突然、部外者を引き連れて押し掛けたりしたら、警戒するのも当然だ。
挙げ句、パソコンが自分の名を語って謎の動作を始めたら、無理矢理にでも停めたくなる気持ちも分かる。
いわば被害者だ。長門を責めたりするのは間違っている。
「違う」
長門が視線を向けてくる。
その表情が理解できない物に対する怯えではなく、怒られることに対する怯えであることに気付く。
「全部は分からない。けど、あなたがこの世界の人じゃないことは分かってた」
「さっきのが、あなたにとって元の世界に戻る唯一の手段だということも分かっていた」
……じゃあ、何で邪魔をしたんだ?
「そうしないと、あなたが消えてしまうから」
そう言う長門こそ、今にも消えてしまいそうだった。
「ここに居て欲しかった……あなたが、好きだから」
聞き返しそうになった。
もちろん聞き取れていたし、全ての単語の意味も理解していた。
それに言われる前から薄々とは言わずに気が付いていた。
しかし、理解しないように自分に言い聞かせていた。
戸惑う俺に、長門は容赦なく追い打ちを掛けてきた。
「あなたが好き」
くらり、と来たね。
ど真ん中の直球を見逃すバッターの気持ちが初めて理解できた。打ち返すなんて無理だ。
思わず抱きしめようかと思った。
それ程に目の前の長門のことを可愛いと思った。
「……ん、」
胸元から聞こえる、長門の甘えたような声。
じんわりと体温が伝わってきて、実際に長門を抱きしめていることに気が付いた。
驚いた。
長門の華奢な身体が、すっぽりと俺の腕に収まっている。
それがなぜか、とんでもない奇跡のように思えた。
「って、や、悪い!」
慌てて飛び退こうとするが、シ胸元に伸ばされた指に気が付き留まった。
シャツを掴む指は弱々しい物で、簡単に振り解けてしまう。
しかし、これを振り払える人間がいたら是非ともお目に掛かりたい。問答無用で殴ってやる。
何でこいつは昨日の夕飯の時と言い、こんな不安そうな顔をして人を繋ぎ止めるのだろう。
まるでこの世界に突然放り出されて戸惑う迷子のようだ。
俺の知る長門は、間違ってもこんな表情をしない。
あいつはある意味完璧で、他人に頼るような奴じゃない。
……本当にそうだろうか?
長門だって、誰かに頼りたいと思うことがあったんじゃないか?
俺が勝手にそうだと決めつけていたせいで、長門は独りで悩むこともあったんじゃないか?
突然、意味も理由もなく、すとん、と全てが腑に落ちた。
この世界を創り出したのは長門で、その原因は俺にある。
科学者が聞いたら怒り出しそうな根拠無き確信は、俺の中で絶対の真理となって根を下ろした。
すぐ目の前に立つ弱々しい少女は、俺に見せなかった長門の内面のひとつだ。
何も分からないが、すべてが納得できた気がした。
もしかしたら俺の思考も、この不思議な世界の改変に巻き込まれてしまったのかもしれない。
そんな漠然とした不安から逃れるために長門を抱きしめた。
長門も素直に俺の胸に頭を預けてきた。
服越しに長門の体温が伝わってくる。
そうすることで、この世界も紛れもない現実であると安心できた。
俺はこっちの長門……つまりお前との記憶を共有していない。
お前にとって大切な図書館の出来事とやらも、まったく覚えがない。
「いい」
俺は別の世界から来た人間で、この世界のことを知らない。
俺はSOS団の団員で、俺の知る長門は情報思念体に作られたヒューマノイド・インターフェースだ。
お前の友達の朝倉もお前と同じアンドロイドで、俺を殺そうとしたところを、お前によって返り討ちにあった。
朝倉に話したら頭を疑われたね。この世界じゃ俺は電波を受信している可哀想な人間だ。
「いい」
俺は単に、俺の知る長門とのギャップに萌えているだけかもしれない。
無表情なお前が色々と感情を出すから、そのギャップにやられているだけだ。
熱病みたいな物で、こんなもの慣れてしまえばすぐに冷めるだろうよ。
「……わたしはあなたが知ってる長門有紀を知らない」
長門の細い両手の指が、俺の頬を挟んで下に向ける。
「あなたがその長門有紀を通してわたしを見るのも仕方がない」
長門の瞳を至近距離の正面から見つめる。
「今はそれでいい。でも、これからはわたしを見て」
黒く濡れた瞳が、力強く輝く。
「わたしはあなたが好き」
表情をあまり出していない。
それでも、こちらの長門の顔は分かりやすい。
「わたしはあなたが好き」
力強く真っ直ぐに告げられる愛。
「わたしは、あなたが好き」
三度だ。いや、前のを含めて五回。
これだけ熱烈に「好き」と言われて何も返せない男はチキンもいいところだ。
そういう意味で、俺はチキンにも満たないヒヨコちゃんだったね。
返そうとしたさ。持てる限りの語彙を駆使して気持ちを返そうとしたね。
しかし俺の口は言葉を発する前に、しっかりと塞がれてしまった。
何にって、野暮なことを訊くな。
以前に夢の中で経験した妄想なんかと比較した自分が嫌になる。
ただ、それに比べると長門の唇は若干薄く、体温も低いように感じた。
しかし、そんなことは大した問題ではない。
控えめで大人しそうな外見からは想像も出来ない、積極的なキス。
押し付けられた唇は、味蕾を介さずに甘さを感じた。
単に身体の一部を接触させているだけとは思えない快感。
五秒、十秒、と交わりが続く。
心臓が馬鹿になったみたいに警鐘を鳴らして、脳みそはヒューズどころか基盤から吹っ飛んだ。
唇に感じる圧力が、ふと弱まった。
終わる、と思うよりも早く長門の後頭部を押さえ、自分から唇を押し付けていた。
長門の目が見開かれる。
それまでの自分が、作法を破り目を開けたままだったことに気が付いた。
気が付かなかったのも仕方がない。
全神経は唇にだけ回していて、視覚情報は疎かになっていた。
なんて勿体ないんだ、俺。
真っ赤になった長門の顔は、それだけで完全に致死量オーバーだ。
長門の腕が背中に回された。
眼鏡のフレームが顔に当たる。
やっぱり眼鏡はない方がいい、などと畜生なことを考える。
「……ん、……ぅ、ん、」
長門が苦しそうに呻く。
実際、苦しいんだろう。しかし構う余裕など無い。
むしろ逆効果だ。長門よ、その可愛さは反則だ。
ぐっと一層強く押し付けてから、唇を離す。
長門の口が、酸素を求めて喘ぐ。
「……長門、」
呼びかけると、長門はとろんとした瞳で俺を見上げてきた。
「長門、好きだ」
長門が息を吸い込んだのが分かる。
大きく見開いた瞳から、つうと涙が一筋こぼれ落ちた。
ようやく告白が出来た。
想いを伝えた途端に、長門に対する愛おしさが怒濤となり押し掛ける。
再び唇を押し付けた。
「──んぅ、」
長門が驚きにくぐもった声を上げるが無視する。
唇の間を舌でなぞると、悩ましい声を上げた。
二度、三度と舌を押し付けると、薄く唇が開いた。
割れ目に無理矢理に舌をねじ込む。
すっと抵抗が弱まり、逆に舌が絡められた。
もう二人とも完全に馬鹿になって求め合った。
「……は、……あ、んむ、……ふ、……、」
酸素が足りていないというのに、求め合うことに必死で呼吸が後回し。
回した腕は一層強くなり、このまま一つになってしまうのではないかと錯覚させられる。
その錯覚に縋りたかった。
お互いに、その場の勢いや雰囲気に流されたことを理解している。
だけどこの快感は、手放すには魅力的すぎて、覚めて欲しくない。
「……好き、」
荒い呼吸の合間の、もはや何度目か分からない告白。
気が付けば、お互い泣き顔だった。
長門が入部届に書いた俺の名前を呼ぶ。
「……好き」
「俺もだ長門。好きだ。……大好きだ」
つい数日前までのSOS団で過ごした日々を思い出す。
はちゃめちゃで混沌とした、右へ左へ振り回される日々。
それに比べて、この世界は素晴らしいじゃないか。
宇宙人も未来人も超能力者もいなければ、その原因となる謎の人物もいない。
そして誰も失ってはいない。
ハルヒは別の高校になってしまったが、あの様子ならばちょくちょく顔を出すだろう。
その横には、むかつく笑顔の顔の古泉が、常に付き添っているはずだ。
朝比奈さんだって、今後の対応次第では友達になれるかもしれない。
いや、ハルヒが放っておかないはずだ。
再びメイド服姿を見る日も、そう遠くないだろう。
そして長門がいる。
わけの分からない宇宙意志か何かとはまったく関係がない、ただの高校生。
表情に乏しいが、表現が苦手なだけで、常識的な感情を持ち合わせている。
一人暮らしで、友達も少なそうだが、同じ建物には彼女を心配してくれる級友もいる。
本を読むのが好きで、自分でも部室のパソコンで話を書いたりする。
何の特殊な能力もない。
俺のことを好きだと言ってくれる、長門有紀という少女。
「……ごめんなさい」
なぜ謝るのか分からない。だから俺は笑った。
「……ごめん」
なぜ謝るのか分からない。
誰に謝ったのか分からない。
だから俺は笑った。
涙で濡れた頬を擦り合わせるように、最後にもう一度、優しいキスをした。
以上です。
そして投稿直後に、有希をことごとく誤変換していることに気が付く俺。orz
お目汚し失礼しました。
誤字は、谷川先生でもやるからあまり凹まない。
>521
すっかり騙されたw
GJ!
SOS団を文芸部に集めることが元の世界へ戻るフラグだとしたら、
文芸部の入部届けを偽長門に渡すのが消失世界に残るフラグだよな
消失世界に残る、か
意外と有りそうでなかったネタだな。GJ!
>528です。
>>535さん解説ありがとうございます。そんな感じです。
分かりにくく書いたつもりですが、理解できない物のなってたみたいですね。
>>555という訳で破棄します。失礼しました。
>>521 文章表現において単語ひとつを省略する事で発生する齟齬を巧みに利用し、
上手くまとめられた秀作。途中まで騙されて萌え死に掛けた人は手を上げて!w
>>528 はっきり言って、何が書きたかったのか不明。第三者の説明が無ければ不明のまま。
正直言って、作品としては失敗の部類にはいるかと・・・。(偉そうで申し訳ないが本心)
作品として投下するかどうかは、その人の判断だと思いますが、あまりにも長い作品は、
最初に数レス分投下してみて、反応を見てからにしては如何かと。
読みたくない人はNG指定すると思いますしね。
>進級の人
作を重ねるごとに読みやすくなっているように思えます。
パロ作品にありがちなデジャヴを感じる部分もありますが、
今後の展開に期待します。
>>566 こういう扱いは、消失長門を扱ったSSでは、見た事がない気がします。
最初から最後までスッキリとまとまっていて、読みやすい。
ひとつ個人的な注文を言わせて貰えば、途中のハルヒ達の反応や描写を
もう少し書いてくれていたら、この続きが読みたくなったかもしれません。
作品としては完結していて、続きを書く気はないのかもしれませんが(笑)
批評家気取りほど萎えるもんなないなオイ
>>571 投下は自分の判断で
住民に判断を仰ぐ必要はないよ
>>573 萎えてしまった貴方に…
つ【ハルヒのエロ同人誌】
www
『長門有希の否決』の続編を期待している俺ガイル
同じく長髪ハルヒと消失長門との修羅場キボン
>>573 萎える気持ちはわからんでもないけどさ、わざわざ書き込む必要もないんじゃない?
単なる悪口ならともかく、建設的な批評は書き手にとっても有益だと思うんだけど。どうだろう。
>>528 やっとみくるSSキター!!!
gjです!
>>571 どうかみくるスキーな俺の為にうpを…
建設的ねえ…
一貫して真面目な批評は良いと思うが
>途中まで騙されて萌え死に掛けた人は手を上げて!w
こんなこと書いてるからねw
まぁ書いた本人もだます気満々だったろうし。
こういう感想は有り難いと思うのは俺だけ?
>>584 いやあ、そういう感想自体は非常に良いの思うのよ。
けど最初に萌え死ぬって書いた後真面目な批評されると…
場合によりけりだろうね
TPOだよ
>>572はレスを分けた方が良かった。感想は歓迎。
つまり空気嫁に集約される訳だが
野球の話や孤島の話で書いたSSってある?
あったとは思うが、覚えてない。
そんだけ数が少ないのかも。
591 :
みにえろ:2006/07/13(木) 20:23:18 ID:LPaHFDMn
夜。俺はハルヒと抱き合っていた。
後ろからハルヒを貫いたまま、首を傾けて柔らかな唇をむさぼる。
先ほどから絡ませ続けている舌は、もはやどちらが自分の物なのかわからないほど溶け合っていた。
「んっ……」
たまに混じる鼻にかかった声は、どこまでも淫らだ。
閉じていた目を開けると、どこかぼんやりとした視界の中に、鼻で荒い呼吸を繰り返すハルヒの顔。
肩にかかる髪の毛は汗で張り付き、頬にも幾筋もの黒い線を走らせている。たまに開く目は、俺と同じように濡れていた。
普段は決して見せないような、どこか呆としたハルヒの表情を見ていると、何もかもが裏返っていくのを感じる。
内が外に、神経が皮膚を貫き、本音が建前に取って代わり、本能が理性を駆逐する。思考すらままならなかった。
この態勢だってそうだ。俺がハルヒを組み敷き、ハルヒはどこか媚びる様な目でそんな俺を見る。普段とはまるで逆の構図。
倒錯だ。しかしそれ自体が快感でもあった。
「んぅっ…はぁっ、はっ、んっ」
俺が腰を動かすと、ようやくハルヒが唇を離した。代わりに浅く喘ぐような声を聞かせてくれる。
腰の動きもどこまでも浅く、緩やかに。終わらせてしまうのはもったいないからな。
「キョンっ……キョンっ……」
しかし、俺の動きに合わせてうわ言のように俺の名前を呼ぶハルヒを見ていると、唯でさえ緩んでいる頭のねじが取り返しのつかないことになりそうだ。というか既になっていた。
「ハルヒ……かわいいぞ」
俺は普通なら死んでも言わないような事を呟きながら、ハルヒの形のいい耳に舌を這わせる。
「ちょっ、キョン! 耳はダメだって……ひぅっ」
こいつは意外と耳が弱い。ハルヒの背筋が落ち着かなく揺さぶられる。膣の中も僅かに律動し、俺を刺激してきた。
「んっ、ちょっと、はぁ……くぅっ」
いよいよ理性がはじけたのか、腰が無意識に動き出した。今のままでは足りない。喉が粘ついている。
俺は一度ハルヒから身体を離し、挿入していた自身を引き抜くと、ハルヒの身体を仰向けにして再び貫く。
「ぁん! あんたいきなり、ぃんっ」
今度は強く激しく、動き、弄り、捻りまわす。唇は反射的に、動きに合わせて踊る乳房にむしゃぶりついていた。
尖った先端を巧妙に避けながら、なるべく焦らす様に周辺を嘗め回す。右手も同様に乳房を弄ぶ。
「ちょ、ちょっとキョン、もうちょっとゆっくり……」
俺は遊ばせていた左手を、何か言おうとするハルヒの口の中にねじ込んだ。生温い舌を指に絡ませる。
荒い呼吸の音と、腰がぶつかり合う音だけが狭い部屋に響く。
やがて限界が訪れた。唯でさえ極限まで薄くなっていた理性が、いよいよ崩壊の一途を辿りだす。
俺は左手を引き抜くと、代わりに自分の舌をハルヒの口に侵入させる。
舌を動かす間も、くぐもった声で俺の名前を呼ぼうとするハルヒがたまらなく愛しい。
「好きだ、ハルヒ」
俺が正直にそう言って空いた手で淫核をぎこちなく擦ってやると、ハルヒは俺の首に手を回してきた。
一層激しく律動する膣内。互いの背筋が弓のように張り詰め、視界が白く染まる。
「ハルヒ、もう……」
「いいわよ、キョン、そのままで……」
出して、と甘く囁く声に脳をやられ、俺はハルヒの中に散々貯め込んだものを注ぎ込んだ。
「……夢、か」
そうだよな。どうして俺があんな暴走特急娘とあんな事やこんな事をしなくてはならないんだ。
大体俺は別にあんな奴の事どうも思っていないというか迷惑にしか思ってないもんな。
夢の中で好きだの何だの言ってたのもなんというか青少年の健全な妄想がレール外れの暴走を起こしただけの性質の悪い事故……
「……何よキョン、もう朝なの?」
首を括るためのロープを探さなくてはならないな、と思った。
こういうエロは堪らないな。
夢オチに見せかけて振り戻すのもまたいいw
やっときたよ…
小ネタでもエロなら許す
エロしか認めないってどっちが未成年なんだか
お子様に用はない
エロはあった方がいい。
しかし必ずあるべきという訳ではない。
これでいいだろ。
枯れ気味のオサーンを未成年扱いするスレはここですか?
笑った、泣いた、おっきした。
エロかろうがエロくなかろうが
面白ければいいキガス・・・
>>591 GJにゃ!
攻めに回れば強く、受けに回ればベタ弱。萌え。
保険で2〜3行行為をしたって書いとけば大丈夫
602 :
557:2006/07/13(木) 22:17:12 ID:L2HT2ANO
読んでくださった方々、ありがとうございます。
感想を下さった方々、大変嬉しかったです。ありがとうございます。
失礼して、
>>558-565の続きを投下させていただきます。
エロ議論の空気を読まず、本番並びにそれに類する物一切なし。
前作から数ヶ月後の話。9レス予定。
「つい先程、あなたは死にました」
さて、あなたというのは二人称で、基本的に目の前にいる人間を指す。
と言うことは、この場合、あなたというのは俺のことである。
ここで『俺とは誰か』というアイデンティティー問題について論じるつもりはない。
とにかく、あなたと呼ばれているのは俺で、その俺は死んでしまったらしい。
何を馬鹿な、と笑い飛ばすことは出来ない。
目の前の男が手品師ならば良かったが、あいにく俺が知る限りそんな器用な真似は出来ない。
何の前触れもなく、突然俺たちの目の前に現れた手際は、瞬間移動としか言い表せない。
男の名前を古泉という。
『こちら』の世界にいるハルヒにベタ惚れな古泉ではなく、『あちら』の機関に所属する古泉だ。
ということは、こいつの言葉に嘘はない。
久々に会う古泉は、キャラに合わない至って真面目な顔だった。
『 長門有希の憧憬 』
「『こちら』のあなたが死にました。同時に、今までにない規模の閉鎖空間が出現しました」
なるほど。そっちにも俺はいたんだな。で、死んでしまったと。
「そうです。今までいわゆる脳死状態が続いていましたが、先程、心停止を起こし息を引き取りました」
意外と冷静ですね、などと言うが当然だ。
実感なんてまるで無い。
死んだと言われても、そうですか、と納得するしかないだろう。
脇にいた有希が近付いてきて、俺の袖をそっと握った。
腕が震えている。
怖がる必要は無い、と言おうとして止めた。
何てことはない。震えているのは有希ではなく俺の腕だった。
自覚はなかったが俺は動揺していたらしい。
俺たちの様子を見て、古泉が現れてから初めての笑みを浮かべた。
ああ、何とでも言え。
俺からも言わせてもらうが、お前もそんな顔をしている方がお似合いだ。
「それはどうも」
悠々と演技たっぷりに頭を下げる。変わってない。
>>566 遅レスだが、かなりよかった。
なんだかホロリとしてしまったじゃないか。
とにかく、このまま消失長門との純愛続き希望。
「それで俺はどうなる? 死ぬのか?」
俺を掴む有希の手が、ぎゅっと強くなる。
「いえ、こちらの世界のあなたと、今ここに居るあなたは、同一ですが別の存在です。影響はありませんよ」
双子みたいな物ですよ、と付け加えるが、その喩えには疑問符が付く。
「先程申し上げたとおり、閉鎖空間が発生しました。それも急激に勢いで拡大中です」
「ハルヒの仕業か?」
「もちろんです」
閉鎖空間は、ハルヒの心理状態により発生する。
俺の死とハルヒの心理状態など関係ない……などとは言えない。
有希と付き合うようになって、『あちら』にいたころのハルヒの行動が、色々と分かるようになっていた。
口には出さず、心の中でハルヒに謝る。
「機関はまったくの無力です。世界が改変されるのは確実です……あるいは、世界は滅びるかもしれません」
記憶にある灰色の世界と、青く光る巨人を思い出す。
「あなたが死んだ世界に涼宮さんは絶望し、価値を見失った。だから世界は捨てられようとしています」
灰色に塗りつぶされていく世界を幻視する。
「われわれに、それを止める手立てはありません」
やれやれ、とお決まりのジェスチャーを行う。
僅かに口元が引きつっている気がするのは、俺の気のせいだろう。
「……それで、お前はその忙しいときに、わざわざ何しに来たんだ?」
まさかこの世界に逃げてきたわけではないだろう。
「ええ、大事な用がありまして」
そう言うと古泉は、それまで以上に、にっこりと笑った。
「一発殴らせてください」
答える間もなくストレートが左の頬を襲った。見かけによらず力がある。思わずよろめく。
「すいません、僕も人の子なので、理性と感情の折り合い付けが難しいのです」
古泉は悪びれもせず、笑顔のままで、しれっと言い放った。
何か言おうとする有希を片手で制して、古泉に向き合う。
「ひとつだけ訊かせてくれ」
痛む頬を押さえたくなるのをプライド頼りに必死に我慢して、自称『限定的』超能力者に問い掛ける。
「どうやってお前は、こっちに来れたんだ?」
「長門さんのお陰ですよ」
その質問を予測していたように、素早い回答。
無意識に確信していた答えが返ってきた。
古泉は、ちらりと有希を見る。
びく、と有希が警戒するのが伝わる。
怖くない、と伝えるために、頭を軽くぽんぽんと叩いてやった。
何となく、終わりが近いことを感じた。
「僕は個人的に、あなたのことが大好きでした。もちろん、友人としてですよ?」
別の意味だったら問答無用で殴り飛ばしている。
まあ、友情という意味では……言われて悪い気はしない。
「ありがとうございます」
「もっと色々と言いたいこともあったのですが……すいません、忘れてしまいました」
嘘吐け。お前がそんなタマか。
「長門さん、僕の友人をよろしくお願いいたします。彼は、とても良い人です」
「……知ってる」
やや怯えながらも、芯のある強い声。
古泉は一瞬、驚きに目を見開いた後、これはこれはと肩をすくめた。
その姿を見ていたら、なぜか目頭が熱くなった。
「それではさようなら、キョン君。最期に話ができて良かったです」
こちらの僕によろしく。
そう言うと唐突に電波障害にあった映像のように、乱れて消えた。
最後まで笑顔のまま。
こんな状態に至っても、こいつの真意だけは分からないままであった。
自分の死を告げられるという貴重な体験に対する感動は冷め切っていない。
だが妙な確信の元、俺は旧式のパソコンへと向かった。
席に着くと同時に、ピコンと間抜けな音を立てパソコンが起動した。
OSは起動せず黒画面のまま、入力待ちカーソルだけが点滅をしている。
いつまで経っても、それ以上の変化は現れない。
埒があかなかったので、こちらから話し掛ける。
『久しぶり』
やや間があって、
YUKI.N> ごめんなさい。 _
何が、と返そうと思ったが、あえて流すことにした。
おそらくだが、あまり時間は無いだろう。
貴重な時間を不毛なやりとりで消費したくはない。
『もう会えないと思っていたから、驚いた』
間、
YUKI.N> そちらの世界には、もはや私を阻む力の持ち主はいない。 _
YUKI.N> だから、手間と時間さえ掛ければ対処プログラムの作成は十分可能。 _
『じゃあ、今まで何で放置していた?』
再び間、
YUKI.N> あなたが望んだ結果を優先した。 _
無意識に有希に目をやる。
有希は少し離れた位置から、哀しそうな顔でこちらを見ていた。
なんでそんな顔をするんだ。お前は笑っていてくれ。
『そうだな。これは俺が望んだ結果だ。すまない、迷惑を掛けた』
間が開く。
YUKI.N> いい。それに迷惑じゃない。 _
カーソルの点滅がスライドする。
YUKI.N> それに、これはわたしが望んだ結果でもある。 _
『お前が?』
長い間があって、
YUKI.N> わたしは”長門有希”とは同期不能。彼女と記憶や感情を共有することはできない。 _
間、
YUKI.N> でも、あなたと一緒になれて、わたしは嬉しいと感じている。 _
また間があった。
最初は伝えるのを躊躇っているのかと思っていたが、言い知れぬ不安が襲ってきた。
『大丈夫なのか、長門』
YUKI.N> 大丈夫、あなたには迷惑を掛けない。わたしに任せて。 _
不安は確信に変わり、怒りに変わった。
そうじゃない、俺が心配しているのは……
お前のことだ、と打つよりも先に、、
YUKI.N> 長門有希を好きになってくれて、ありがとう。 _
涙が溢れた。
すとん、と胸から何かが落ちた。
ディスプレイの向こう側で、無表情の長門の顔が、ほんのわずかだけ緩んだ気がした。
また間が開いた後、誰もが知る有名SFタイトルのパロディが表示された。
YUKI.N> may android dream of electric sheep? _
ぶつん、と唐突にディスプレイが真っ暗になった。
同時に本体から煙と異臭が漏れ出す。
どうやら骨董品のパソコンに、とうとう寿命が来たらしい。
その壊れたパソコンが、『長門』に重なって見えて、俺は泣いた。
正直な話、俺は『長門』には恋愛感情を抱いていない。
でも、あいつは俺の大切な『仲間』だった。
長門だけじゃない。古泉も、朝比奈さんも、ハルヒも……
みんな、俺の大切なSOS団の仲間だった。
涙は乾いていなかったが、気持ちは徐々に落ち着いてきていた。
我ながら薄情だと思う。
哀しかったが……いや、哀しかったから、彼女に触れたかった。
有希はディスプレイが見えない所に立っていた。
「……わたしが見てはいけない」
声は小さいが、強い口調で言う。
「わたしは彼女を知らないけど、わたしは彼女の邪魔してはいけない」
そう言って、煙を上げるパソコンを向く。
細く上がっていた煙は、対処をする必要もなく、自然に消えていった。
そしてプラスチックの燃える嫌な臭いだけが残った。
「有希……何でお前も泣いてるんだ?」
「……ごめんなさい」
有希は泣いていた。
相変わらず表情の動きは小さいが、それは号泣だった。
「わたしには泣く権利なんて無いのに……でも、何故だか分からないけど、すごく哀しいの」
ごめんなさい、と謝る。
ごめんなさい、ごめんなさい、と泣きながら誰かに向かって謝り続ける。
そんな有希を、俺はそっと抱き締めた。
「ごめんなさい……ごめんなさい、長門さん。……ごめんなさい、ごめんなさい、」
腕の中でも、有希はもう一人の自分に向かって謝り続けた。
有希の体温を感じたら、なぜか再び哀しみが湧いてきた。
俺も再び泣いた。
泣きながら、みんなに謝った。
謝っていたのに、いつの間にか別の言葉に変わっていた。
その言葉こそ、SOS団には相応しい気がした。
……ありがとう、ありがとう、ありがとう、
あれから数週間が経った。
我ながら本当に薄情だと思う。
俺は何事もなかったかのように日常に戻っていた。
教室で国木田や谷口と馬鹿をして、度が過ぎると朝倉さんに怒られて。
ちゃっかりテスト勉強などもしたし、合間には当然、有希と遊んだりもした。
そんなこんなで試験週間も終わり、久々に部室に顔を出すことになった。
今日はハルヒと古泉が部室に遊びに来る。
朝比奈さんも鶴屋さんと一緒に顔を出してくれると言う。
残念ながら、いまだにメイド服にはなっていない。今度こっそりハルヒに進言しよう。
有希は掃除で遅くなると言うので、独りで先に行くことにした。
鍵を開け中に入ると、一瞬だけ……懐かしい風景が見えた気がした。
もちろんそんなのは幻でしかなく、瞬きをすると、もはや見慣れた文芸部の部室が戻ってきた。
そう、ここはSOS団の部屋ではなく、文芸部の部室だ。
あれから、だいぶ物も増えた。
あまり顔を出さないが、部員も数人増えた。
今月末には機関誌の締め切りも控えている。
外部への委託原稿の回収、編集作業、そして何より自分自身の原稿の推敲が残っている。
あとハルヒの無茶のせいで、今更になって数ページの不足が発覚している。
どう対処するかが、目下の悩みの種だ。
忙しくて、過去にしがみついては居られない。
少し寂しいが、それが現実である。
鞄を置こうとして、机の上の見覚えのないフロッピーに気が付いた。
ラベルも何も無い真っ黒な外観。妙に無機質な印象を与える。
有希の席だが、あいつの忘れ物だろうか。
好奇心に負けた。
部費で新たに購入した激安パソコンに電源を入れ、OSの起動後にディスクを差し込む。
フォルダを開くと、中にはテキスト形式のファイルが四つ入っていた。
『無題1.txt』『無題2.txt』『無題3.txt』『無題4.txt』
首をひねりつつ番号に従い順に開いていく。中身はどれも短編の小説だった。
幻想的な語り口の、幽霊を自称する『私』の話。
何かを暗喩させる表現が多く、ひどく難解である。
ただし、この世界で俺にだけは、何となくではあるが理解ができた。
当たり前の自然現象を奇跡と呼び、それを自分の名前にした不思議な少女。
四番目のテキストは、それまでと比べ分かりやすい内容だった。
『私』は自らの意志で、二人の『私』に分離する。
初め二人は同一に語られるが、徐々に別の人物として描かれるようになる。
物語の最後。
降りしきる雪の中、『私』は棺桶の中へと入って行き、長い眠りにつく。
そこで『私』は、もう一人の『私』の夢を見て、そっと笑う。
テキストはそこで終わる。
フォルダの名前は『原稿』となっていた。
作者の名前は書かれていない。
まあ、書く必要など無い。誰の作品なのかはすぐに分かった。
いつも部室で本を読んでいたあいつは、正真正銘、文芸部の部員だ。
困ったときはいつだって、黙って助けてくれる、そんな奴だった。
涙は出なかった。
これで本当に最後だと分かったが、なぜか笑いたい気分だった。
腹の底から、何かムズムズした物が込み上げてきた。
「ありがとう!」
叫んだ。
手加減なしの音量が、部屋の中で反響する。
外の連中は驚いただろうが知ったことじゃない。
果たして俺の声は、あいつに届いただろうか。
──さて、取り敢えず話はこれで終わる。
この不思議で恥ずかしく独りよがりで意味不明な出来事は、もちろんフィクションである。
もし事実だと信じたあなたには、『サンタクロースはいない』ということを教えたいと思う。
サンタだけではない。驚くべきことに、宇宙人も未来人も超能力者もいないのだ。
何てつまらない世の中なのだろう、と絶望するのはまだ早い。
世の中には、そんな不思議に頼らなくても、ユカイなことが山のように溢れている。
学園生活でユカイを見つけられないという方がいたら、是非とも文芸部のドアを叩いて欲しい。
部員その他含め一堂、心から歓迎すると共に、ユカイな日々を約束しよう。
※編集長注
再三注意したとおり、機関誌を勧誘ポスターと混同しないように。
読者の皆様、文芸部をよろしくお願いします。興味のある方は、是非とも部室までお越し下さい。
(文芸部 XX年度 新入生歓迎臨時特別号より 名称等に一部生原稿を使用)
>>612 とりあえず乙。
夢オチなみのすごいオチだww
けどよかったです。またかいてくださいね
>>612 割り込んですまなかったorz
今回のもなかなかよかった。
難解な無題1〜3から続きを作ってしまうあたり、すごい。
うーん、何だろう、このモヤッとした気持ちは。
とっても不思議、摩訶不思議。
ともかく乙。
>>612 よんでて、ハルヒスキーな自分はorz
って感じだったが、最後のオチGJ
あれ?長門がハルヒ変態パワーごっそり使ったんじゃ(ry
とか考えてた時期がありました
>>612 何か読んでてめがっさめた。 そして今書いてるSSを見てその出来の差に愕然とする。
スマン、言ってみたかっただけなんだ。
620 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:18:02 ID:S39BUgiM
パソコンじゃんって(以下略)
「まず言っておくとあなたの担当する『重剣士』がこの物語の主人公です。」
流石に驚いた。
大抵主人公あたりはハルヒか俺以外の団員がかっさらっていくと思っていたのに。
ましてやこの世界の作り主はハルヒだ。
まさか俺が主人公だとは思わなかったね。
ハルヒが主人公じゃないのか?
「あなたの担当する『重剣士』をヒーローとすると、涼宮さんが担当する『格闘家』はヒロインとなります。」
ハルヒがヒロイン?
凄まじいミスキャストに俺はさらに驚く、ここは朝比奈さんがヒロインだろう。
朝比奈さんのためならたとえ火の中水の中でさらに未来にだっていけるね。
そう、君のためなら死ねる。
「涼宮さんが願ったからあなたが主人公なんです。」
またそれかよ。
「あなたは選ばれたんです。」
悪徳商法みたいだな。
「涼宮さんがどこまでゲームを進めたのか僕には分かりませんが、この宿屋でパーティー全員で泊まるとイベントが発生します。
イベント内容は魔王との戦い前になかなか寝付けない『重剣士』が仲間一人の元を訪ねる。
と言うもなのですが、ここで大きくストーリーが分岐します。
エンディングにも関わる重要な部分ですよ。」
よし、じゃあ朝比奈さんとのラブエンドを作り上げてやるぜ。
「それは無理です。」
ホワイ?なぜ?誰かの陰謀か?
「陰謀かはおいといて朝比奈さんと長門さんが担当する職業はそれぞれ男性のものですから友情はあっても恋いは無いでしょう。」
朝比奈さんと長門が男役でまさかお前の担当する『ハンター』は女だって言うんじゃないだろうな。
「残念ながらそうなんです。ですので可能なら夜中目が覚めても僕の元へは来ないでください。僕にそういう趣味はありません。」
俺にもねーよ。
安心しろ死んでもいかねえ。
「あ、『格闘家』は女性ですよ。」
へーそいつは明日使えない無駄知識だな。
621 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:18:32 ID:S39BUgiM
「そしてこれは推測なのですが、この物語を涼宮さんは『自分の夢』と考えています。」
だから魔法やらを気にせず使えるし気にする必要もない。
これはハルヒの夢だから。
俺的には楽で良いんだが?
「涼宮さんの夢ですから僕たちが知っているのは変でしょう?」
つまりハルヒは夢としてこのことを覚えていて、俺達はこのことを忘れちまうのか?
「ええ恐らく。」
何にせよ楽で良いな。
すると古泉は急に深刻ぶった顔になって。
「この世界はゲームが主体になっているとはいえ涼宮さんの作った世界です。彼女が納得するまで出られませんからそのつもりでお願いします。」
んなことは分かっている。
どういう意味だ?
「神人が暴れなければ僕としてはどのエンディングでも良いのですが」
だからどういう意味だ?
「では、お話はこれで終わりです。
ほかに何かありましたら今のうちにお願いします。」
急に終わりやがった。
俺の質問はスルーか?
「それに関しての答えは自分で出してください。僕が答えを提示するのはフェアじゃありませんから。」
じゃあそうするよ。
こいつに聞くのも何かむかつくしな。
622 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:20:08 ID:S39BUgiM
「でしたらここからは自由行動にしましょう。」
そうするか。
異空間の物だが外の空気が恋しくなってきた。
さらに言うと疲れた。
「あ、最後に一つ。」
何だ?
「このゲームには宿屋の時点で十八禁のストーリー分岐もありますので、、、」
じゃあな。
俺はそういって去った。
とりあえず健全にゲームを終わらせたいもんだね。
さーて、どうしたもんかな。
さて、考え事をしていると時間ってやつはダッシュで駆け抜けていく。
もう夕方だ。
宿屋に入る。
ここでも歓迎されたのは言うまでもないか。
「さあ明日は決戦の時よ。明日に備えてしっかり休みなさい。」
「ああそろそろ休ませてもらうよ。じゃあまた明日ここで。」
朝比奈さんが爽やかにかつクールにあり得ない発言をする。
そういえば朝比奈さんの担当キャラは『男』なんだよな。
「僕もつかれたから休もうかな。キョン、びびって逃げんなよ?」
長門も『男』なんだな、、、
なんだそのやんちゃ少年な台詞は、、、
イベントってのは恐ろしい物だな。
朝比奈さんをクールにして長門をやんちゃに出来るんだからさ。
ある意味魔王よりタチが悪い。
せっかくなら朝比奈さんが戦闘中呪文を噛んで唱えられなくなるのを何とかして欲しかったが。
なんて考えてると長門がすれ違い際に
「花瓶に気をつけて。」
と言ったのが気になるが気にしていても始まらない。
今はわかんねーけどそのうち分かるんだろうよ。
じゃあ俺も抜けるぞハルヒ。
「ちゃんと休みなさいよ?あんた最近無理してるっぽいから。」
どきっとしたなんて死んでもいわねえからな。
こんなハルヒも悪くないかな?とは思ったが、、、
ハルヒは顔を真っ赤にして続ける。
「勘違いしないでよ?あんたがいないとあたっ、、、みんなが困るんだから。」
「ああ、ちゃんと休ませてもらうよ。」
これはイベントの物なんだろうか?
それとも、、、ハハハっまさかね。
>>612 オチの上手さに唸った。
正直冒頭の方流し読みしてたんでもっかい読み直す。許して。
624 :
ケータイから失礼:2006/07/13(木) 23:22:40 ID:S39BUgiM
ベットに潜り込んで考える。
さて、そろそろ決めねばならない。
『どのエンディングを望むか』を、、、
長門や朝比奈さんとの友情物語も悪くはない。
しかしそういうわけにもいかない。
古泉は無条件で却下。
となるとハルヒが消去法で残るわけで、、、
「本当にそうか?」
俺は俺に問いかける。
「別に友情エンドでも良いじゃないか?」
まぁそうなんだがハルヒが許してくれるかが、、、えーと、、、そのー、、、
「いい加減にしろよ俺?お前は気づいてるんだろ?怖がって逃げてるだけじゃねえか!」
聞かれた俺は無言のままだ。
何も言い返せないね。
そうさ、俺は逃げてきた。
この日々を俺は失いたくなかった。
「そろそろ覚悟を決めたらどうだ?消去法じゃねえだろ。お前は、、、」
目が覚めた。
ゲームの中から出られた訳じゃないが。
どうやら俺の一人尋問会は夢の産物だったようだ。
さて、この話を終わらせるには俺が何らかのアクションを起こさなければならないわけで、俺は何をするかもう決めている。
俺の眠り姫を叩き起こしに逝くんだよ。
逝くは変換ミスじゃないぜ。
覚悟を決めた今の『俺』は目が覚めると消えちまうんだからな。
でも俺はハルヒを起こす。
迷いなんか無い。
ようやく見つけた本当の気持ちに嘘をつくことの方が俺には耐えられないんでね。
俺は今の俺の気持ちをぶつけるだけだ。
続く
>>624 GJ!と言いたいところだが、まずはsageよう。話はそれからだ。
ちょっとキョンが痛いコになっちゃってる
>>612 のオチの何が凄いかがいまいちわからん
落とし方は上手だと思うけど…
改編後の世界の文芸部会誌を書いてるんでしょ?実体験をもとに
>>628 受け取り方によっては公式の小説は
全部文芸部員が想像で書いたものなんですよ
とも取れるオチなんじゃない?
631 :
1:2006/07/14(金) 00:22:06 ID:KI/gS8pQ
お邪魔します。艶っぽいシーンはありませんが、
寝る前の暇つぶしにでもなれば幸いです。
人間は本能よりも思考を優先させて行動する動物だと、オレは思う。
例えば、こう……なんだ、性欲でムラムラしているときに目の前に好みの女がいたとしても、
普通の思考回路を持ってるヤツなら襲いかかったりはしないだろ? そんなことができるのは外道な畜生野郎くらいだ。
逆を言えば、だ。そう思うのは、人間っていうのはそれだけ理性というもんを優先させ、考えて行動する生き物なんじゃなかろうか。
無論、オレもそうだ。可能な限り考えて常日頃から行動している。SOS団に所属している以上、少なくともオレくらいは、知性ある常識人としてそうしなきゃならない。
だがな、魔が差すときが誰にでもあるんだ。そうじゃなくても、ついつい何も考えずに行動することってのは、誰にだってあるはずだ。
そのときのオレがそうだったんだろうな。だから今、オレは自分の行動範囲にはない図書館でボーッとしているんだろう。
そうだな、順を追って説明しようか。事の起こりは、ちょっとした偶然だったわけだ。
その日は何の予定もなく、ぽっかり時間が空いた休日だった。
毎度のように起こるハルヒの呼び出しも、谷口や国木田と遊ぶ予定も、家の言いつけとかも何もない、ただただ暇をもてあます一日。
ハルヒ的に言えば「平凡すぎてつまらない」一日だったわけだ。オレにとってはかけがえのない平穏な一日なんだが、
この日ばかりはハルヒに同意しちまってもいいか、と思えるくらい暇だった。
それで家の中でゴロゴロしていれば飽きも来るってもんさ。
コンビニで雑誌の立ち読みとか、どうせだったらビデオでも借りてこようかと家を出たオレは、そこで珍しい相手と遭遇した。
「よう、長門」
相も変わらず制服のまま、傍目に見れば夢遊病のような足取りで歩く長門と遭遇した。オレの声に気づいたのか、立ち止まってこちらに目を向ける。
睨むだけでその場にブラックホールでも作り出しそうな視線や、注意深く観察していなければ気づかないようなミクロン単位の会釈も相変わらずだ。
苦笑しか浮かばないね。
「何やってんだ?」
感情の機微がまったくない対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド(さすがに覚えた)は、オレの問いかけに言葉ではなく、指さしで答えた。
その方向には市立図書館がある。
そういえば、ずいぶん昔のことのように感じられるが、いつぞやハルヒと一緒に閉じこめられた閉鎖空間で「また図書館に」とかなんとか言われたことがあったな。
「一緒に行ってもいいか?」
そんなことを思い出したせいだろうか、オレは気がついたらそんなことを言っていた。
目の前にボールが飛んできたら目をつぶる、ってくらい無条件反射並に口から出たセリフだったわけだ。
632 :
2:2006/07/14(金) 00:22:36 ID:KI/gS8pQ
そんなわけで、オレは今、図書館に長門と一緒にいる。実は申し出たあとに「やっぱ邪魔になるから遠慮するわ」と言ったにもかかわらず、長門の無感情な瞳はオレを貫き通し、
自分から言い出したことだから断りの言葉を重ねることもできず、今に至るというわけだ。
空いているソファを見つけて腰を落ち着けたオレは、これからどうするべきか脳内シミュレーションを繰り返した。
時計を見ると、15時を過ぎたころ。今日は祝日で図書館は17時まで開いている。長門のことだから、時間ぎりぎりまでここで粘るつもりだろう。
おまけに今日はSOS団の不思議探索パトロールの暇つぶし出来ているわけでもなく、家から呼び出される用事も思い浮かばず、途中で抜け出せる可能性はゼロに等しい。
「どーすっか……ぅおっ!」
あれこれ考えていたら、目の前に無言のまま長門が立っていた。つーか長門さん、あなた足音どころか気配もないんだから、黙って立つのはいい加減やめてもらえませんかね……。
「な、なんだ?」
「こっち」
長門にとっては宝の山に等しい図書館の中で本を持たずに佇んでいるなんて、天変地異の前触れかと思うのは正常な反応だろう。
いったいどんな亜空間へと引き込まれるのかと戦々恐々していると、数歩進んで足を止めた長門は、オレに目を向けて「きて」と再び口を開いた。
ただ、呼びに来ただけらしい。
前々から思っていたんだがな、長門はあれだ、情報統合思念体とかってのに作られた、人間とコミュニケーションを取るためのアンドロイドなんだろ?
にもかかわらず、コミュニケーションを取るのに苦労するのはどういうわけなんだろうね。
それはともかく。
無言で本の渓谷を突き進む長門のあとを、カルガモの雛みたいに後ろをついて行くと、不意に立ち止まって本棚の一番上を指さした。
長門が指さす先を注意深く見てみると、ロシア語らしき文字でタイトルが書かれた本を指さしているようだ。
ああ、なるほど。確かに長門の身長じゃ届かないよな。
「これでいいのか?」
指定された本を手に取ると、長門は油が切れてうまく動かないゼンマイ人形のように微かに頷いた。
本を手渡せば、どうせ長門のことだ。まるで世界樹のように地に根を生やし、荒行に挑む修行僧のように飲まず食わずで動かなくなるのは必然だ。
渡した本の分厚さから考えて、閉館までは放置しておいて問題ないだろう。
ソファに戻って再び腰を下ろす。最近の図書館には週刊誌の類もあるようで、それを一冊手にとって戻ったが、あまり興味をそそられる内容でもなかった。
暇だ。
暇すぎる。
こうも暇だと、もう寝るしかない。
さんざん寝倒したオレだが、図書館の空気には催眠ガスでも混入されているんじゃないかって思うくらい、不意に眠気がやってきた。
いったいどこで意識が途切れたんだろうね。
気がつけば、オレは肘掛けにもたれるようにして眠っていた。
633 :
3:2006/07/14(金) 00:23:28 ID:KI/gS8pQ
いつぞや過去に出向いた時に朝比奈さんをおんぶした重さ……真綿が触れてるような重さと言うべきか、そんな圧力を感じてオレは目を覚ました。
覚醒したての脳味噌は現状を正確に認識してないが、右半身にかかる圧力は夢か現実かわからない気分だった。
「……んが?」
どうやらその圧力は夢じゃないらしい。もっとも、この状況が現実だという保障もない。下手をすれば、オレはまだ眠り続けているのかもしれない。
だが、規則正しくページをめくる音は現実に耳に届くものと思って間違いないだろう。
「……何をやってるんだ、長門」
「読書」
ああ、そうだな。確かに本を読む行為は読書と言うな。だがこれはまた、どういうことなんだ。これまでの長門の態度から考えれば、まったくもってありえん。
またエラーが発生して時空改変でも行ったかと思うほどだ。
「なんでオレに寄りかかって本を読んでいるんだ?」
「まくら」
「…………」
いかんいかん。オレのほうが長門化しそうだ。
そんな考えが顔に表れていたのか、気がつけば長門は陶器で作ったような瞳でじーっとオレを睨み付けていた。
ああ、そこにいるのは昨日部室で会った長門本人に間違いはなさそうだ。時空改変は行われていないだろう。
根拠はない。根拠はないが、オレを睨む長門の視線がどこかしら責めてるように見えるのも、まったく根拠のないオレの思いこみだろう。
……そういうことにしといてくれ。
そうこうしていると、いや実際は身動き一つ取れなかったんだが、長門はゆるゆると本に視線を戻して体を起こし、パタンと閉じた。
それと同時に、館内に閉館時間を告げるアナウンスが流れた。
634 :
4:2006/07/14(金) 00:24:27 ID:KI/gS8pQ
やれやれ、これで約束は果たしたか……と思えば、外で長門がどこを見るわけでもなく突っ立っていた。
いつもは用事が済めばさっさと帰るもんなんだが、これはオレを待っていた……と解釈していいんだよな?
「……今日は楽しかったか?」
コクリと頷く。
そうか、それはよかった。本当に楽しんでいたのかどうかはオレにはさっぱりだがな。
しかしまぁ……楽しんだなら、もうちょいこう、分かりやすい反応が欲しいところだ。
どうせこいつのことだ、何を言っても「そう」とか単語ひとつ口にして、合気道の達人に殴りかかる幼稚園児のごとくオレの言葉をもスルーするんだろ。
分かってる。分かっているんだよ、そんなこと。
それでも人間、無駄な努力をしてみたくなる生き物なんだよ。理性よりも欲望が勝ることだってある。
冒頭での発言と食い違ってるだろ、ってツッコミはなしだ。人道に反しないレベルでの暴走なら問題ないだろ?
だから、ものは試しに言ってみただけなんだ。
「楽しかったなら、もうちょい笑ってみたりしてもいいんじゃないか?」
「……」
……口にして、すぐに後悔した。後悔っていうか、敗北感かな。
ストレートフラッシュが確定している相手に、自分の手札も見ずに自棄で「レートを引き上げようぜ!」って言ってる気分だ。
「…………」
あ〜……その、なんだ。ええっと、そりゃ、まぁ……あまりにもあんまりじゃないか。
オレにもいろいろ心の準備ってのがあるんだ。
すたすたと歩き去る長門の後ろ姿を見つめながら、オレは深く息を吐き出した。呼吸するのも忘れるっつー話だ。
そりゃ確かに、ポーカーにはストレートフラッシュに勝てる役が、649,740分の1の確立で作り出せるわけだが──
ええい、そんなことはどうでもいいんだ。オレがするべきことは、今のシーンを脳内で鮮明に永久保存しておくことだ。
あんな長門の顔を見れば、誰だってそう思うはずさ。
〆
>>634 乙。これのおかげでぐっすり眠れそうだ。
636 :
6-101:2006/07/14(金) 01:54:53 ID:y6GH8i/x
番外・冬 【winter alone】
日本は島ごと凍り付いててしまったのではないかというくらいに冷えきった朝だった。
こんなに寒いのも通学路の地獄坂を芝刈機のように震えながら上っているのも、それは今が冬だからである。
一ヶ月ちょい前にあった入学して二回目になる文化祭がやたら暑かったと思えば、十二月になった途端に急激な寒波が到来し、今までの温暖は一体どこへやら、ど忘れを思い出したかのような冷え込みだ。
秋はもう、滑稽な掛け声と共に両手の人指し指を突き出す某お笑い芸人の如く消え失せてしまったのか、母なる大地よ。
いつぞやに起った地球の歳差運動の微妙なズレが、この事態に繋がったのではないか、そもそも歳差運動とは何だっけと思案していると、
「よっ、キョン」
誰にとってとは言わないが二酸化炭素並の存在でしかない、軽薄な男が俺の肩を叩いた。
立ち止まるのもおっくうなので歩を進めながら振り返る。
「よう、たにぐ……」
谷口の顔を見て多少なり驚いた。いつもの自分では二枚目だと思っているであろう、下品なニヤケ面ではない。
「もうすぐ冬休みだな」
いきなり何だ。
というかその狙っていたクラスメイトの可愛い子が野郎と腕を組んで歩いているのを、街を歩いていて遠巻きに偶然見つけてしまったような遠い目はやめろ。
真っ直ぐ俺を見ろ。いや、やっぱりやめろ。
「もう二年も終りだろ。次は三年だぜ」
まあそうなるな。これ以上単位を落とさないことが必須条件だが。
「やっぱ受験生だろ。そうなると遊ぶに遊べないな」
てっきり谷口は就職かと思っていたが、やはりいくらアホの谷口でも日本の経済状況は把握しているらしい。
「今の内に思いきり遊んでおくべきだぜ。遊べる内に、な」
そんな何処かのハイカラ女…フランクだったか?…が言い出しそうなことを真顔で言うな。
というかお前はいつも心から遊んでいるだろう。国木田の腕を引いて街に繰り出していた昨日のお前は影武者か。
とはいえ、俺も真剣に進路を考えねばなるまい。漠然と進学はしたいと考えてはいるのだが。
まあ、なんとかなるだろう。
俺は根拠もなく確信し、意味もなく顔を上げてみる。
今にも白い結晶が舞い降りてきそうな、それでも澄んでいる冬の空が広がっていた。
あらかじめ言っておく。
この時の俺はこのまま月日が流れ、何食わぬ顔で三年間の高校生活を終えると思っていた。
だがまさかその締め括りになる、卒業式の後で、衝撃の事実を知ろうとはな。
俺の知らないうちに、膨大で、絶大な物語はもう始まっていたのだ。
637 :
6-101:2006/07/14(金) 01:55:37 ID:y6GH8i/x
その日は何事もなく、普段通り順調に終わった。
授業はやたらファンシーな夢を見ている間に終わり、放課後のSOS団の活動も、相変わらず何がしたいのか分からない。
「もう今年も終わりですねえ」
右手で白のポーンをもてあそびつつ、オブラードよりも薄い笑みを浮かべた古泉が言った。
「気が早いだろ」
俺は肩をすくめながら自陣のルークを前進させ、敵陣最後尾にある同じものを奪う。
三年になるのは随分先の話だし、今年もまだ後半月以上ある。何処かのアホみたいなことを言うな。
「いえ、間もなく涼宮さんが焦り始める頃合かと思いまして」
何か不手際が起こる前に、心の準備をしていて損はありませんよ、と続けながら白のキングを逃がした。
まあな。だがあいつの行動は、たとえ明日エイリアンが攻めてきても大丈夫なような万全な準備をしていても、結局無駄になるのは分かりきっているだろう。
やれやれ、今度は何をしてがすつもりなんだ。
逃げた王様を追い掛けクイーンでチェックをかける。王様はさらに逃げた。
「あいつも、もう大人だ」
ここで伏兵のナイトを進撃。チェックメイトだ。
「時に身を任すことくらい分かってもいい頃だ」
詰みを宣言した古泉が優雅に肩をすくめ、勝敗表の俺の名前が書かれている欄に○を書き込んだ。また増えたな。
どんなに暴れようが今年は終わり、新たな年がやって来る。そして来年度には俺たちは晴れて最高学年となるわけだ。
朝比奈さんはもはや普段着になりつつあるメイド衣装で電気ストーブに手をかざしている。このお方はどうするのだろうか。
まさか卒業と同時に未来へ帰る、なんてシュールなオチはないよな。そんなの絶対認めんぞ。
文化祭も終わって三年生は完全な受験モード、そろそろ学校に来る生徒もまばらになるだろう。
そんな中、律儀にも毎日部室に来られるこのお方は、一体いつ勉学にいそしんでおられるのだろう。
長テーブルの片隅で、ダンベルがわりになりそうな本を読んでいる長門に、チラリと目をやる。
こいつも、どうするのだろうか。こいつに行けない大学などこの世に存在しないことは間違いない。ただそれは学力的な問題であり、
北高を卒業してもハルヒの観測は、長門の言う自律行動が続くのか、ってことだ。
チェスでは敵わないと踏んだのか、ニヤけつつ魚雷戦ゲームの箱を開けている不定期エスパーも、いつか力がなくなる日がくるのだろうか。
そして俺も、いつかはこのオモシロ集団と別れなければならない日が、くるのだろうか。
638 :
6-101:2006/07/14(金) 01:56:19 ID:y6GH8i/x
やがて長門が本を閉じ、それを合図に俺たちは帰りの支度を始めた。
何故か団長様は現れず、古泉の思案も杞憂に終わり、古泉はそろそろ何か新しいゲームを持って来ましょうか、と嬉しそうに部室を後にし、
キュートでメイドな朝比奈さんとの別れを惜しみつつ、俺も後に続いた。
俺の腕に羽毛のようなやんわりとした力が加わったのは、下駄箱まで来たところだ。
「………」
長門が、俺の袖を指で掴んでいる。相変わらずの無表情で。少し怖い。
あー…ええと、長門さん。あなたは何をしていらっしゃるのでしょうか。
「きて」
はい?
「一緒に」
それだけ言うと、音もなく玄関から出ていってしまう。
俺は来てと言えばついてくもんだと確信を持っているようだ。まあ、行くに決まってるが。
追い掛けてって隣に並ぶのもおっくうなので、俺は長門の小柄な背中を見て歩くことにした。
さて、今度はどんな厄介ごとに巻き込まれるんだろうね。
朝の晴天は何処へやら、頭上には灰色雲が広がり、太陽を覆っている。
坂道を下りながら、俺はなんとなく今までのことを振り返っていた。
この二年間を通し、俺の高校生活から普通という言葉は完全に消え去っていた。
物理的法則も、世界の一般常識も、ことごとく無下にしてしまう暴走女。それを取り巻く、やや個性的すぎる面々。
そこに一般人であり、凡人である俺が参加したところで、普通の高校生活が送れるだろうか。無理に決まっている。
だが、俺は選んだんだ。途中何度も選択肢はあった。俺はこっち側の人間に、自ら望んでなったのだ。
どうしてなんて聞くなよ。二年間もSOS団にいてみろ。訳の分からない団体だろうが愛着が沸く。そして、その面子にもな。
それにしても、長門は俺を何処へ連れていこうというんだろう。
半端なシャギーの入った後頭部を眺めながら、俺もまた事務的に足を淡々と動かしていた。
語りかける言葉はあまりないし、俺を誘った理由は訊かないほうがいいような気がした。
延々歩き続けてようやく長門が立ち止まったのは、例のマンションだ。もう何十回と訪れた、高級マンション。
予想はついていたが、今度は俺にどうしろというんだ。
639 :
6-101:2006/07/14(金) 01:56:58 ID:y6GH8i/x
長門は玄関のキーロックに暗証番号を打ち込んで施錠を解除し、そのまま後ろを振り返ることなくロビーに脚を進めた。
エレベーター内でも無言で、七階の八号室のドアに鍵を差し込み、開けて俺を招き入れるのも素振りだけで通した。
何かがおかしい。
殺風景な部屋は相変わらずだが、言いようのない違和感を感じる。
俺があぐらをかいて座ったところで、急須と湯飲みを持った長門がキッチンから出てきた。
そういや最初に来たときもこうだったな。長門の入れるお茶を無意味に何杯も飲んで、それから宇宙的一人語りを聞いたのだ。
長門はコタツを挟んで正面に正座し、無言のままお茶を入れる。
差し向かいで黙々と茶を飲み、俺が一杯飲み終えて湯飲みを置いたところで、ようやく長門が切り出した。
「消失した」
何がだ?
「涼宮ハルヒの情報操作能力」
やはりあいつがらみで俺をよんだんだな…それよりも、ハルヒの力が消えた?それは一体どういうことだ。
「涼宮ハルヒには周りを自分の都合のいいように操作する力がある」
それは知っている。ハルヒが電波なことを考えちまったから、宇宙人だの未来人だのとお知り合いになるハメになったんだからな。
「本日午前四時三十二分、涼宮ハルヒの完全な力の消失を確認」
それに伴って古泉一樹の能力も弱まりつつあり、朝比奈みくるの任務もなくなったらしい。
「原因は不明。だがこれで自律進化の糸口は消えた。この結果に情報統合思想体は失望している」
そんなお前の親玉のことなんかはどうだっていい。問題は、少なくとも俺にとって、そこじゃない。
「SOS団はどうなるんだ」
ハルヒが望んだから長門や朝比奈さん、古泉というトンデモ連中が集まったのだ。
今の話を聞いたかぎり、もうハルヒのそばにいる必要は失われたかのように聞こえた。
ハルヒによって集められた団体は、ハルヒの力の喪失と同時に消滅しちまうんじゃないだろうな。
どうなんだ、長門。
「あなたの考えは、正しい」
間一髪入れずに答えられた。今のはもう少し間を入れるべきところだぜ。某クイズ番組の司会者を見習ってくれ。
640 :
6-101:2006/07/14(金) 01:58:14 ID:y6GH8i/x
「それで、お前は」
「情報統合思想体は涼宮ハルヒにはもう観察対象としての価値がないと判断した」
それは…ということは、まさか……
「よって、」
聞きたくない。長門、やめろ。やめてくれ。
俺はとっさに身を乗り出し、右手を伸ばしていた。
「情報連結をか…ぅ」
何かを言おうとしていた長門の口が、動きを止める。何故なら俺の手によって塞がれているからだ。
掌にかすかな吐息を感じた。暖かい。
「言わなくていい」
俺はそう言って手を離した。長門の温もりが遠ざかる。
お前の言いたいことは俺には全部、分かっちまうんだ。
見ると、長門は律儀にも沈黙を守っている。何故こいつは俺の言うことは聞くんだろうな。
「……もう、喋っていいぞ」
「そう」
長門は気を取り直したかのように口を開いた。
「わたしには、また任務が残されている」
何だそれは。観察だけが任務じゃなかったのか。
俺は思い出す。今よりも何もない長門の部屋。敷かれた布団。三年間もの、空白の時間。そして、一枚の栞―――
わたしは、ここにいる。
「わたしの自律行動が続くうちの、最後の任務。わたしは―――」
次の長門の一言で、
全世界が停止したかと思われた。
「わたしは、あなたの記憶を消す」
641 :
6-101:2006/07/14(金) 02:00:17 ID:y6GH8i/x
「それは…どういう……」
何故だ。ハルヒの力が消えた。奴はもう普通の女子高生だ。ただちょっと頭が、なんだ、ちょっとだけ人とは違うだけで。
朝比奈さんもあの人は未来から来たことを除けば、何の力もない、普通の人間だ。ハルヒが原因とされる時間の歪みがなくなれば、未来へ帰るのだろうか。
古泉。あいつも普通の人間になるんだよな。機関とやらも解散するしかないだろう。さぞ面食らうだろうぜ、神が突如消え失せるんだからな。
とにかく、特殊能力は抜きにしても、みんな大事な仲間だ。普段はこっぱずかしくて言えないが、今なら言えるさ。
俺は、好きだ。SOS団のみんなが、たまらなく好きなんだ。
何故、俺が記憶を失わなければならないんだ。
「あなたは、多くを知りすぎた」
まるで文章を読むかのように、長門は淡々と言葉を紡ぐ。
「時空改変を試行する。あなたは涼宮ハルヒも、朝比奈みくるも、古泉一樹とも何の接触もなく、高校卒業を果たす」
「…………」
俺は、発するべき言葉を探し得ることができずにいた。
それはつまり、もう会えないということか?ハルヒや、朝比奈さんや、古泉に?
いやそれよりも、改変後の世界ではみんな赤の他人か。そして互いにSOS団であるときの記憶はない。
「そんな……」
俺はどうすることもできずにうなだれた。何か、何かいい方法はないのか。
「改変後の世界であなただけが記憶を継承するのは、あなたに相当の負担を掛ける」
精神的にも、肉体的にも有機体が耐えうる保証はないと情報ナントカ体は示唆していて、それは長門自身の願いでもあるそうだ。
長門自身の手で、俺の記憶を消したいと。言わば俺の記憶を消すという任務は、長門の最後の願望だったのだ。
「分かったよ、長門」
何処ぞの知らないオッサンよりも、お前に記憶を消されるのが一番いい。
情報ナンタラ体に実体は存在しないらしいが、なんとなく分かる。尊大な態度のオッサンに決まってる。
それにやるなら、スパッとやってくれよな。おっと、スパッといってもナイフはもう勘弁してくれ。
「最後に」
ん?
「一つ、お願いがある」
おお、いいぜ。
お前には足を向けて寝られないほど世話になったからな。何でも、言ってくれ。
「わたしを、抱いてほしい」
642 :
6-101:2006/07/14(金) 02:01:00 ID:y6GH8i/x
しばらくの間、沈黙の妖精が殺風景な部屋をひらひらと飛び回った。
さて、先週に返された期末考査の結果だが、あれはどうしたものかなあ。
って、逃避したい過去を持ち出さねばならないほど、今の俺は混乱しているのか。
長門よ、何と言った。
「わたしを、抱いてほしい」
いや、そっくり二度言わなくてもいいし、何ならもう一回…って、俺は何を考えているんだろうね。
「………いや?」
いや、そういう問題じゃなくてだな。
「わたしという個体は、あなたを望んでいる。…最後に、わたしと……」
長門が言い終わることはなかった。
今度は手じゃないぜ。
俺は長門との間合いを瞬時に詰め、長門の口を唇で塞いだ。目には目を。
「長門……」
長門は何も言わない。また沈黙を守ろうとしているのだろうか。
俺はさらに唇を強く押し付ける。こうすることで、納得のいかない内心を抑えるかのように。
「…いいんだな」
俺も男だ。しがない雑用係をやらされ、こき使われてはいるが、ちゃんとした男なのだ。
もう、止まれる保証は、何処にもない。
長門は微かに、だが、はっきりと頷いた。
俺たちは互いの唇をむさぼるように求め合い、唾液を交じり合わせながら床に身を任せた。
長門の動きはやはりというか、ぎこちない。俺も舌なんか使ったことないから、ただ一心に、長門を求めて動かせるだけだ。
やや乱暴になってしまうのを抑えつつ、セーラー服を脱がせてゆく。
当然のことながら、長門は抵抗しない。その瞳は、真っ直ぐ俺に向けられている。
……やりにくい。
「あの…なんだ、長門。そうじっと見られても困るんだが」
643 :
6-101:2006/07/14(金) 02:02:43 ID:y6GH8i/x
「わかった」
長門はそう言うと、頭を百八十度ぐるん…なんてことはないが、かくん、と人形のように横に倒した。
その動作がたまらなく愛おしく、俺は長門の膨らみに手をやる。
双丘を包むように撫でると、長門がびくっと震えた…気がした。
大きくはなく、俺の手にすっぽりと収まってしまうほどだが、その柔らかな弾力が何とも言えない。
長門の唇がわずかに動く。耳をすまさないと分からないほどの、わずかな吐息。
セーラー服の下は予想通りというか、長門によく似合う、白いシンプルなデザインのブラだった。
空いた手でホックを外そうとするが悲しきかな童貞よ。うまくいかず、両手を回してなんとか外す。
微かな二つの膨らみ。長門の雪のような白い肌に、桜色の頂点。どんな裸体の名画も敵わないような、そんな美しさだった。
俺は突起に、そっと口を付ける。心の中で、長門の名前を何度も読んだ。
スカートを外し、ショーツをずらして指を差し込んでゆく。そこは、確かに濡れていた。
長門は、女の子なんだ。人間の、女の子なのに。
行き場のない俺の悲しみや苦しみは小さな嗚咽となって俺の口から漏れた。
長門は、子供を作ることだってちゃんとできる。機械じゃない。幽霊でもない。人間なんだ。
無邪気に笑う長門の子供と、今より少し大人になった長門が、手を繋いでいる光景が俺の頭の中で浮かんで……消えた。
「長門」
呼び掛けると、長門がこちらに向き直った。わずか頬が朱に染まっている。
入れるぞ。
長門が頷くのを見て、俺は、シャツを脱ぎ捨て、ズボンのベルトに手をやった。
もう俺のものは臨戦態勢に入っている。対し、長門のも、俺を受け入れる準備は滞っている。
「長門………」
俺は長門のか細い足の間に腰を進めていく。
ちゅくっという音と共に、俺の先端が、長門の入り口に触れた。
割れ目にそって動かす。液が交じり合い、ぬるぬるとした感触が伝わってくる。これだけで気持いい。
俺は意味もなく深呼吸。下の長門に目をやると、虚ろな目をしている。
「…長門」
何度目だが分からないが、俺はまたもや名前を読んだ。長門が瞬きをする。
「いくぞ」
俺は挿入した。長門の中へと。
644 :
6-101:2006/07/14(金) 02:03:24 ID:y6GH8i/x
先端がようやく入ったところで、激しい抵抗を感じる。
長門の狭い入り口を押し広げながら、俺は奥へと進んでいく。
「長門……」
痛みはあるのか分からないが、処女のようだった。一応、念入りに腰を進めてゆく。
と、突然全ての抵抗が解かれたかのように、俺のは長門の最奥に達した。
俺と長門は、一つになったのだ。
俺は身体を倒して、長門を抱き締めた。肌と肌が直接触れ合うことで、俺の感度はさらに高まる。
「動いてもいいか?」
俺の問掛けに、長門は何のことだか分からないようだった。だが何かを思い立ったのか、小さく頷いた。
腰を長門に打ち付ける。激しすぎるくらいに。接合部から溶けてしまうような快感が全身を駆け巡る。
長門の息遣いがはっきりと聞こえる。
俺は長門を強く抱き締めながら、名前を呼び続けた。
「長門…長門…ながとっ」
長門は何も言わず、ただ真っ直ぐな瞳で、俺の激しさに耐えている。
「ながとっ…俺、もう……」
早すぎるような気もするが、長門の中から伝わってくる快感を直にして、今にも果ててしまいそうだ。
俺は動きを一層早めながら、長門を見る。長門は……それでもやっぱり、俺を見てくれていた。
長門は、受け入れてくれる。俺を、真っ直ぐな気持ちで受け止めてくれる。
気持ちいいはずなのに、嬉しいはずなのに、何故か、俺の頬を涙が伝った。
そして俺は、
長門の中の空白に、長く長く生を放った。
決してやどることのない、俺と長門の「未来」。
決して生を得ることはない、二人の迷い子。
俺と長門が世界の終りにした、最後のセックス―――
それは、冬の孤独だった。
645 :
6-101:2006/07/14(金) 02:04:33 ID:y6GH8i/x
「もうすぐ消えるんだな」
行為の後も、俺たちは衣服を身に付けず、冷たいフローリングに背を預けて抱き合っていた。
無器用な二人の慰めあいのような行為――それは恋の一部であり、全てであり、そして最後のようだった。
明日からは全く別の高校生活が始まる。宇宙人も未来人も超能力者もいなければ、あいつもいない生活。
俺は普通の、日本全国何処にでもいる、ありふれた存在になっちまう。
――なんで俺は今、たまらなく寂しいんだろう。俺は普通を望んでいたんじゃないのか?
「SOS団はどうなるんだ」
の太い、俺の声。
「あるべき形になる」
か細い、長門の声。
どういうことか、俺にはまだ分からない。だが、長門が言うんならそうなるだろう。間違いない。
新しい世界で、俺は上手くやっていけるだろうか。SOS団の喪失は、俺にとってどれくらいデカいんだろう。
まあいいさ。そんなの、行けば分かることだ。居場所がないなら、自分で作ればいいしな。
「そろそろか?」
長門は、黙って頷いた。そして、顔を伏せてしまう。出発の時が来た。
「じゃあな、長門」
もし、向こうの世界で、長門の自律行動がまだ続いていたら。
長門の小さな口が高速で動き、何やらぶつぶつ聞こえるが、俺は構わずに顔を近付ける。
「また会おう、長門」
………卒業式の後で。
長門と俺の唇が触れ合ったとたん――
世界は、光に包まれていった。
薄れゆく意識の中、ああ、長門は長門だった、と何故か俺は安堵した。
646 :
6-101:2006/07/14(金) 02:06:21 ID:y6GH8i/x
俺はいつもの地獄の坂道を上っている。地球をアイスピックでつついたら、ちょうど良い感じにカチ割れそうな朝だ。むしろ率先してカチ割りたいほどである。
遥か高みにある坂のてっぺんがひたすら恨めしい。
我が学び屋を山の上に建てた奴の気がしれないね。何を考えてるんだ。いじめか。
そんなことを考えながら上を見上げていると、白い結晶がハラリと落ちてきた。
俺は思わず掌を差し出し、それを受ける。
「あ」。まるで陳腐なドラマの最終回だ。
「雪か」
その小さな冬の奇蹟は舞い降りた俺の掌で俺の暖かさを知り――
消えた。
そして容赦なく山風が吹きつける中、
俺は微かに、だがはっきりと誰かの声を聞いた。
――また図書館に
(終)
647 :
6-101:2006/07/14(金) 02:08:30 ID:y6GH8i/x
長々と申し訳ありません。
保管庫【卒業式の後で】の番外編みたいな感じです。
読んでくださった方、ありがとうございました。
どうもキョンが長門を有希と呼ぶのは想像に難い
>長門の中の空白に、長く長く生を放った。
>決してやどることのない、俺と長門の「未来」。
>決して生を得ることはない、二人の迷い子。
最終兵器な彼女の漫画を思い出した。良かったです。
>>647 畜生!
なんでこんな夜中に俺を泣かせるんだよ!
どいつもこいつも!
GJだったぜチクショウ!
次はハピーエンドなヤツを頼むぜチクショウ!!
泣ける
651 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 02:49:42 ID:yJCXCy18
死ね
652 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 02:50:34 ID:yJCXCy18
死ね
>647のようなシチュエーションに遭っても、
長門がキョンの存在と築き上げた記憶を守るために
造物主たる情報統合思念体に反旗を翻す
…という展開もまたありじゃないかなと思ってみたり。
>>654 ソレダ!!!!
てゆーか654さんソレで書いてー
とまあそんな感動的なSSを前にしていささかアレな文で恐縮なわけだが。
-----------------------------------------------------------------
『長門有希との入浴』
なんで俺はこうしているのだろう?
「入浴は健康維持のために不可欠」
いやそれは確かにそうなんだが。
「正しい入浴法でないと健康維持に支障を来たす恐れがある」
それも一理ある。
「身体を清潔に保つ事で疾病を防ぐという効果がある」
まあ、そりゃそうだな。
「しかし一人では洗えない部分もある」
あるか?
「ある」
長門がそう言うんならあるんだろ。
そんなわけで、俺は全裸で長門のマンションの広いバスルームにいるわけだ。
隣にはバスタオルを身体に巻いただけの長門。
おっきしそう。てゆーか、もうしてる。
俺だって棒ッきれでもなんでもないわけで。若くて健康な男子なら、
長門みたいな可愛い女の子と一緒に浴室で全裸でいたらこうなるさ!
まあ自己弁護はさておき。
長門の指が俺の頭皮をこしゅこしゅと擦り上げていく。
ていうか、理髪店のおっちゃんより上手いぞ長門。
どこでこんなテクを覚えた?
「最適な方法をトライ&エラーで導き出しただけ」
そうか。
「そう」
「ところで長門」
「なに」
「さっきから、お前のバスタオルが落ちてるような気がするのだが」
「みえるの?」
「いや、泡で見えないけど、お前の身体の感触からなんとなくそんな気がするのだ」
「……気のせい」
いや、これはどう考えてもおっぱいだろ。お前の。
だって乳首の感触がするから。
「気のせい」
そうか。
「てゆーか、シャンプーの泡は流してくれんのか?」
「頭皮の油脂分を剥離するのにはしばらく泡があったほうが適切」
「そうなのか」
「そう」
「お前が裸を見られたくないからじゃないわけだな」
「……」
「……」
「私はあなたに全裸を見られるのはイヤではない」
う。鼻血ちょっとでそう。
突然、長門の感触が身体の前でした。
てゆーか、ボ、ボディ洗い?
なんでそんな単語を知っているのだ俺。
いやともかく、長門の身体、とくに薄いながらもしっかりと女の子している胸が
俺の身体の前の部分、胸とか腹に押し当てられてる、ってゆーかボディシャンプーの
泡が泡が泡が。
ぬるっと。
ぬるっ、て!
いかんいかんいかん、立つな、激しく立つんじゃない俺! 息子よ、落ち着くのだ!
ダメだよ父ちゃん!長門のうっすらとBカップあるかないかのおっぱいが泡泡で
滑りながら父ちゃんの身体を擦ってなぞって押し当ててるんだヨ!
立たないほうがおかしいって! 問題あるって!
そうか、息子よ。じゃあしょうがないな。
なんて一人芝居をしているうちに、長門の身体の感触がだんだん下腹部に……
てゆーかチンコ。パっと立ちまくったチンコに……
あっ
だ、だめ、ダメだっ、な、ながとっ!!?!?!!?
------------------------------
果てたまま終わる。落ちてない。
長門のボディ洗いを書きたくて書いた
長門と一緒に風呂に入れればそれでよかった。
今は反省している。
長門にはシャンプーハットをかぶらせて欲しかった
ちょっと遅いけど
>>612 凄く味のあるオチだね。
フィクションですよと強調はしているけど実は…ってやつね。
読んで良かった。
>>634 これは いい とても
キョンの独白がメガオモシロスw
ブラックホールを作り出しそうな視線とかどんなんだよと
なんか原作の最終回は情報統合思念体は長門に自立進化の可能性を見出だしそうじゃない?
感情がない長門が感情をもった事は進化に違いないんだし
それで地球に残るか宇宙に帰るかは分からんけど
けどキョンが進化の鍵になってるような気もするから地球に残るよと思う
まぁ消される事はないと思う
ハルヒの口癖って「全然」なのか?
結構使ってるね
「キョン」だと思うな
死刑じゃないの?
死刑とマッガーレ
キョン限定で罰金も
みくるいじめ
はるひ「みくるちゃん今日はチャイナ服よ!」
みくる「ふえ〜んいやですぅ」
かづき「やれやれまた始まりましたか」
ながと「・・・ぶりっ子」
きょん「いい加減すきこのんでやってるって俺でも分かるわけだが・・・」
はるひ「みくるちゃん、そういうの別に可愛くないわよ。」
みくる「きゃあ!」
かづき「またお茶をこぼしたんですか・・迷惑な人だ」
みくる「すいません、私ドジで・・」
ながと「・・・故意にやってる」
きょん「何を参考にしてるか知らないが、ちょっとドジっ子の演技ベタすぎじゃないか?」
はるひ「たりらりら〜ん見てんじゃない?」
かづき??
えっ古泉一樹でいんでしょ?
「かづき〜!かづき〜!」
真っ先に死に掛けの爺が浮かんだ
/| _冖_ / // :::. ..:::::::::;;;;;:'',,::-,‐,::,,_''::::::;;;;:::',.:i;;;;'::';::゙
/ イ └ァ, -, / 〔/ / :, _ ':::. ,,.:-‐','.::;,::::::::::::::::::;;::::;;;;:.i.;'゙.;;;..;.゙; .゙/.;;;;;;::::::',;':,:;;;;::;:l
l,イ_| // // / ::',':', ':: ,:‐,゙-''"゙゙::;;;;;;:::::::::::::::::::;;::;;;:::.!..',;_._.ノ〆.::::::::::::::::;:.,;゙;;;::.i
___[| [| / ::::',::'゙, ':. ,.;゙‐゙::::::::''._,.....,.';;;;;:::::::.'"'ヽ.:::''';;;;;;;:::,,,,,::::::::::::::::::::::;;:.i;;:::::.l
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o o o l,イ_| ト :゙゙"゙.;;,::';;;.゙:,.;;;.',.;;;;;;;;.゙':,::::::';;,:::. :'':;,...:::::::::`'':::::''''".:::::::::::::...,'
へ l :::::.゙'-.,.;;:;;;.':,.;;;.',..;;;;;;;;..゙':,...:::::::::::::::':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...,'
/ ヽl ::::::::::::..':.,.;;;;.゙',.;;.':,..;;;;;;;;;..゙.'ー:.,,,,,,,,,,,,____.....::::::::::::::::::..._,.:
かづきって???
誰なん?
一樹(いつき)w
,r'"´ `ヽ
/ `、
/^丶、 ゙、
,イ, `''ー- 、 /ヽ
/::::イ , -ー-、`丶、 ,ィニニ'ー-、 /.:.:::l
.i::::::::i ,r'"´ ̄`` ,. Y.:.:,ィ⌒ ヽ,ィ i:::::::|
|:::::::| '゙ ,ィ( Oソノ! (.:.:Y(人)Y/j |::::::|
j:::::::| -‐'"´ ヽにUソイ::ノ<l /ヽ
/,r 、jト、 ,イ, 、__,、ヽ  ̄`) `>个 !
i ⌒ヽ、 /.:.:::::::.:.:.: ヽ ,イ ) /
゙、 J! `, ,/ `、 /:::レ'/
\j! i / 、_ .:.::::::::.:..: _ ) i l /
`i ! | , -─- 、 | i
ヽ l l ,/
`ト、 , ィ´
|:::.ヽ、 , ィ´::::|
|:::::::.:.:.``ー─ ''゙:::::::::::::|
あと60KBしかないんだからAAで無駄に容量使わないほうがいいぞ。
もう埋めちゃおうぜ!
, ' ´ ̄´ `丶、 / rヘ=,,≠==、、 ` 、
〃l ハl`ヽ ) ヽ
リ l l ゝ ,,,,从 l l
(l∨ ⌒ヽ ´ 〃 } l
l | r ‐ - 、⌒ヽ/ l) │ かづき〜www
,'| | l / / / |
,'.| | \` ー ' _ / / !
_ , -| | - l ` ー < / / |
r―――-、-''、 ` ー--‐'' ̄`ー''´ |.│∠ / / / ヽ !
 ̄ { ` ヾ } { | /≠ミ/ ,' ,' l |
ヾ____ノ ノ ` ー-____.l | l / / / │ │
` ー----‐‐ ̄ / / | l / ./ / │ .l
/ / ! l , ' / / { | ヽ
/ / | l_ . // ! /| | ヽ
/ / / ̄ ` ーl !ー− ヽ | ヽ
/ / /三 i ! } } ヽ ヽ
/ , ' /ーrォrォ - | |/ l ヽ ヽ
/ l / | |│| │ !ー┬〜' ´ ヽ ヽ ヽ
/ │ / | .│| .| ! ! l | ヽ ヽ ヽ \
/ | ,' l | | | | | l│ ヽ ヽ ヽ. \
/ !/ !. | | │| l ! ! ヽ ヽ ヽ \
/ / / `' `' ! .l ゝ ヽ ヽ \ \
古泉く、カヅキ君を
あなたのおもりじょうりにはさまさせせんっ!
あたしが守ってみせまーしゅ!
あまりにもハルヒとキョンのイチャイチャを見せ付けられるので
長門の切なさが炸裂してキョンに無言電話がかかってくる展開キボン
●「かづきじゃありません、いつきです。どうかお忘れなく。」
__,, -‐'" \_
____________ ~"'ー、_
::::::::::::::::::::::::::::::::/ l | | ∧ヽ、_ ~"'ー、_
:::::::::::::::::::::::::::::::|./l ∧ ヘ ̄|~"T.ト、\__ ~
"'‐、::::::::::::::::::::::|.lヽ | l\ l/i ̄ヘ l ヽ lヽ`イ ̄lヘ,Tト-、_
~''-、:::::::::::::::` ヘl ` |ヽpノl ` `` pノl /ヘ! ∧ T-、_ _,,,, -―‐'"
~''ー―''"~'| | l __ ̄ ,  ̄〃l /| ヽl  ̄
ヽlヽ_>'::::ヽ __ ‐'!:::''<レ
く"~:::::::::::::|、_ ' _//:::::::::::::::~>
ヽ:::::::::::::::ヽ!、T'ー-‐"|/l'/:::::::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::∀ ト/::::::::::::::/ …かづき…。
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/ / `ト 、', ヽ
\ / / -ト y i l\
l ハ l / ● l }-、 ! \
l/i yi ● , ⊂⊃ l ,!/. \ かずきーーー!
― レvl⊃ r´`´ヽ l }´/ ヽ \
i 、 ヽ、_,ノ j ト ~、 ヽ
. r- ,_ 」 ヽ , ____,. イll lヽ=_____
. l、 ~'''TTト、 ハ,ヽ l===l l l //- .,
ヽ、 .l l l ', ', \ヽ l ̄l l l //
`ー.l_l_l__', ',__ \yV/レ 〈ー'ヽ
まだあわてるじかんじゃない
AA埋めは勘弁してくれ、埋めるならSSで頼む。
というか、スレ容量の1/10を埋めようとするなよ。
「ず」じゃなくて「づ」なのがポイントだなw
__,,/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :. な…
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{ なんなんですか?
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. ここ、どこですか?
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんでかづき?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:.
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
:. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
/ / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄ ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.V : : ヘ : : {: : :/:.::∧|
ヽ! )人 : : :人 : : : / \! :.
" ヽ : : : : :/イ{ :.ノ: : : :.\ :.
:. \__///: :\______/: : : : : : : ヽ
/ //: : :|;|: : : : : : i: : : __: : : : ',
:. / 、 {;{ |;| . : i/. : : : : : :|
/ `Y;{. . . .|;|. : : : /i: : : : : : : : :l
690 :
685:2006/07/14(金) 13:04:42 ID:4ctgPKRp
素で間違えた…。お詫びになにかSS考えてくる。
今考えているのは、ハルヒ以外のSOS団員が消失するという話だ。
ハルヒだけがいなくて、他の4人は文芸部員という話。
そんなのいらないです。
是非とも読みたいです
あのおじいちゃんはだれなの?
>>690 ハルヒ以外が消失して、ハルヒだけがいない。
じゃあ誰が居るんだ?
AAで埋めてる奴死ねよ
697 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 13:59:12 ID:DHV5866L
:::. ..:::::::::;;;;;:'',,::-,‐,::,,_''::::::;;;;:::',.:i;;;;'::';::゙
:, _ ':::. ,,.:-‐','.::;,::::::::::::::::::;;::::;;;;:.i.;'゙.;;;..;.゙; .゙/.;;;;;;::::::',;':,:;;;;::;:l
:',':', ':: ,:‐,゙-''"゙゙::;;;;;;:::::::::::::::::::;;::;;;:::.!..',;_._.ノ〆.::::::::::::::::;:.,;゙;;;::.i
:::',::'゙, ':. ,.;゙‐゙::::::::''._,.....,.';;;;;:::::::.'"'ヽ.:::''';;;;;;;:::,,,,,::::::::::::::::::::::;;:.i;;:::::.l かづき〜
::: ',.:::', ,.゙'゙:::::::;::.,,‐:;;;''::.,゙'::、.::;;::.l . ヽ':::::::..'' :::' ::::::::::::::::::::;;;;:.!.::::::!
: : ::',:::', ::::::::::::.,;゙.!,'::;;;:.,.!/゙:;':''::.', ゙':,, :::::::::.... ::::::::::;;;;::.';;〆
: ,:''‐::;;', ::::::::::::..!‐-゙'=''゙''゙.:::;;:::::::.'i .. . ゙.゙'':;-;,.::::::::::... ::::::;;;::::゙i
::','、-:,_゙' . ''〆:::::::::::::::::::';;'':::::::..,.l ': :,:'゙::::゙'‐.,,_.:::;::::...::;;:::::..',
::,゙,:゙:;.;;:::;;..;.,´ '''' ,; .::::::..;.'ー-::.....,.:'.;:::::::::::::::::゙_:.,..;::::::;;::::..',.
: : ':,.:':,_::;;;',゙':.,_::... ., ::::.., ,;..::::::::::::::::::::::::..,....:‐,゙'.::::';;::::::::::::..,'
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_ : :.,:'゙"'':,':;;.':,`ー-':,..::':;;;,:::..':.':;;;,''"゙゙゙""゙.::::::::::::;;;;;;;:'':::::::::::::,:'
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:::::.゙'-.,.;;:;;;.':,.;;;.',..;;;;;;;;..゙':,...:::::::::::::::':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::...,'
::::::::::::..':.,.;;;;.゙',.;;.':,..;;;;;;;;;..゙.'ー:.,,,,,,,,,,,,____.....::::::::::::::::::..._,.:
698 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:00:00 ID:DHV5866L
rー- .._ __
| `丶、‐┐ ,. ‐''"´ !
,ノ `ヽ.「`Y / ',
/ ,. ‐''ニニ''‐、_} } | _,.. -──-、_」
ヽ 〈  ̄ /l ̄`ヽ、 /
ハ 〉 _/、__八フ ヘフヽ {
` V_,. ‐''/  ̄、 ⌒ \__ノ
/:.:! j i.::::゙,
i:.:.:| _,, ,、--、 !:;;;;|
|;;;;j ,r''"二ヽ r'⌒ヽ !;;;!
かづうぅぅぅぅぅぅぅ ,ヘ;;i! ,,_r ・,ン.:! {〈・_,>、,, jヘi!ぅきぃぃぃぃぃぃぃぃ
〈 j>j、 "´, イ `ヽ ,':::〉!
`ゝ.`, ノ、__,入 j::rソ
`゙i / ,r===ュ, `, '.:〔_
}! ! i.:::::::::::.:! ;! .!::::j::`` ー----─r- 、
, イ.:ト、 ゙===='′ ,イ!:::::!::.:.:.:. ゙, `ヽ
_ノ /j.:::!:トヽ、 ´ ̄` ,ノ´ ,リ::::.:!:::.:.. i. \
,.r'´ /.::!:::::::| `ヽ`"""´ /ノ.:.:.:.:.::!:.:. | !
/ .:|.:.:.:::ト、 リ / !:. ! |
/ l , へ\! /'7ヽ |: j |
/ l/^ヾ:::ト、! j! l 〉、 | | . |
,/ i .::| i| j! | / `ー'′ ! j! !
j! .:.:.:i:.:.:| ヽ| /,ノイ / ljレイ |
/ト、 .:.:.::::::l:.::| `y'/ r─---イ=='゙ リr゙'/ ,j!
699 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:00:50 ID:DHV5866L
,.- ‐── ‐- 、
,r'´ `ヽ
,イ 〔∵〕 jト、
/:.:! j i.::::゙,
i:.:.:| _,, ,、--、 !:;;;;|
|;;;;j ,r''"二ヽ r'⌒ヽ !;;;! キョンめ!ワシからかづきを奪いに来たかあああああああ!!!!!!!
,ヘ;;i! ,,_r ○,ン.:! {〈●,>、,, jヘi!
〈 j>j、 "´, イ `ヽ ,':::〉!
`ゝ.`, ノ、__,入 j::rソ
`゙\ / ,r===ュ, `: / \
_,、 __/ー-+-+、ヽ__\ノ|i K、
./λノ\,人-,、/^ヾ,,ヽ,ヽ,.,---`' ヾ,/`,
/ / ̄\フ、> 'i |\/ヾ,)) |===i ("iソ
<`レ’ i'V ノ | ,,|>-"' ヽーソ | il`i
i",|-, ヽニヽ_.|/^il"~`》_,-" <`ー"ヽ、
`i"-P _/ ̄,]|`=,)ー+ー' `-, ,Y )
ヾイゝ_ '"┴-<|iヾソ レレ'
∠ニO)ー` />i |L
<)_ヘ_(^ヽ
ヽ| ~`
700 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:01:54 ID:DHV5866L
,,,./ ,./ `''-,,
: ,/:;: ! ./ \
/;::::::./ : _, ,,,,,,、 ヽ
,,,,l゙::::,ノ゛.r'゙二;;___: ::`‐ }
,i'゙ン'' |l/゛-‐ <,/゙.lぞ、 .__、 / │
! .`::::.i〔 : --`-`-: ...- :゙ヽ. ../ │
}..l;: ! .ヽ / ,.ィ;;ニi、 :、'、 / ,,ix'|
ヽ.l" : ./ _..-'''Z_, .′ : .l\.ll'゙li〕 ! ,i'";:;::/
i′./ ,i‐″ ::::ゝ-┐,i ヽ `'''゙,,、,/;::: /
l゙ .′./ ヽii- 、 ´.i _i二./
l、 .′ .,゙'-ミヽ、 } ,..、/''゙゙゙L|
/ ヽ, `';:゙'''.li,,,,./ ././:::::::::У
,r'"'''ー l,゙,;::::::ヽ . / / .,i'゙'二ニー'゛
__x─ ̄ / ' ´ ll :.:.:.ヽ ´ / `
\ j __i \ :.:.:.` ―― ̄ー )―'´
かぁづぅきぃぃぃぃぃぃぃぃー
AAで埋めてるやつ死ねよ
と俺も煽ってみるww
このおじいちゃんはマジで誰なの!?
705 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:12:53 ID:RJbEGedh
どうやって?手がかりないし
やっべ嵐に反応した?
ごめん、煽っちゃったw
こりゃ職人呆れるわ
とりあえず次スレの用意を早急に
俺は建てられん
/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. かづきって誰ですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんであたし
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 裸になってるんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
じゃあ立てるよ
/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. かづきって誰ですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんでおじいちゃん
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. になってるんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
__,, -‐'" \_
____________ ~"'ー、_
::::::::::::::::::::::::::::::::/ l | | ∧ヽ、_ ~"'ー、_
:::::::::::::::::::::::::::::::|./l ∧ ヘ ̄|~"T.ト、\__ ~
"'‐、::::::::::::::::::::::|.lヽ | l\ l/i ̄ヘ l ヽ lヽ`イ ̄lヘ,Tト-、_
~''-、:::::::::::::::` ヘl ` |ヽpノl ` `` pノl /ヘ! ∧ T-、_ _,,,, -―‐'"
~''ー―''"~'| | l __ ̄ ,  ̄〃l /| ヽl  ̄
ヽlヽ_>'::::ヽ __ ‐'!:::''<レ
く"~:::::::::::::|、_ ' _//:::::::::::::::~>
ヽ:::::::::::::::ヽ!、T'ー-‐"|/l'/:::::::::::::::::/
ヽ:::::::::::::::∀ ト/::::::::::::::/ …梅…。
__> -、_\ /_/::::::::ヒ'_
/::::::::::::~"::::|:::::::::`l-‐r'":::::|:::-':::::::::::::'-、
/ :::::::::::::::::::~"フ"/Tヘヘ''"~:::::::::::::::::: ヽ
715 :
名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 14:39:34 ID:UcYv6dVa
/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. 19ってなんなんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんで次スレ
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 19になってるんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
なんか重複スレが立ってる
/ _, ----`ヽ :.
:. / _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. 19ってなんなんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんで次スレ
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 20じゃないんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
そろそろAAやめような
高校生が期末試験終わった?
誘導ヨロ
/ _ ___ 、\
/ / i \ \\ :.
:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :.
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. な…
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ おじいちゃんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. かづきてなんなんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんで次スレ
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 20じゃないんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
ヽ! )人 | ! / \! :.
" ヽ / { / \ :.
:. \__/ \______/ ヽ
/ 、 b ',
:. / ヽ / ;
/ \ / !
/ \!/ !
死ねよ
AAで埋めるな
726 :
◆UwBaspGdJ6 :2006/07/14(金) 15:11:42 ID:Et84BNtD
てす
次スレ立てた人も誘導つけた人も埋めてるし
あとどんくらい?
埋まったの?
多分、後34KB
AAで埋めるとまたあぼーんされて面倒なことになるぞ。
なんか次スレのスレ番号がオカシイ
混乱しそうなので次スレ立て直しておいた
立て直さんでもいいのに
20章って名前のスレが二つあるけど誘導してあるほう以外は放置して
そういう混乱するこというな。
>>738 お前が宣言せずに立て直すからこうなるんだ、ぼけ
743 :
誘導:2006/07/14(金) 16:32:01 ID:2FD/fykT
744 :
誘導:2006/07/14(金) 16:35:24 ID:JDLw8uM/
19にはすでに誘導レスがはられています。20−2が本スレになります
注意:重複荒らしに反応しないでください
消費の早いスレなので時間順に使っても問題なく使えます
消費順は
>>741,743を参照してください
>>747 他重複スレでも誘導補助ありがとう
2行目にはあまり突っ込みたくないんだけど
君が根っからの悪い奴じゃないみたいだから言うね
>>712のスレ立て宣言が最初、立った順番でも712が立てたのが最初
2番目にたったのが宣言なしに立てられた重複スレッド
君が立てたのが3番目だけど、混乱を避けようとしてやってくれたのはわかる
ただレス番号違いくらいは次で修正すればいい話だから
次からは今みたいになっても乱立せずに冷静に誘導してやってくれ
>>749 >マナーとして俺はなっていない
それが全てだよw
混乱してしまうけど立った順番通り使うのがルールだろ
便宜的に取り計らってやったのに歯向かうなよ。
あの段階でそのままにしておけばすんなり一本化できたのに。
あとから順番どおり使うのがルールとか言い始めたから混乱しちゃう子が20にでてきたんよ
つーかこの程度で混乱すんなよ
頭弱すぎwww
まあでも20スレも落ち着いてるようだし順番どうりでいいかもね。
俺が20スレにもう一回警告かいてそれで終いにすればいいね
とりあえず、ころころID変わってるからまとめとくよ
ID:Rp40nkna=ID:JDLw8uM/=ID:U6g1DYJ/=ID:MTAQXanP
が今のところレスから確定ね
で、ヒントにこれも置いとく
8 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/07/14(金) 16:08:11 ID:Rp40nkna
かづきって書いただけでこんなになるとは思わなかった
もうわかるな?
合言葉はスルー みんなよろしく
>>751 君誰?
議論したいならID変えないで下さい。
>>752 ハゲドウ
単純に時間順に使えばいいだけなのにね。
まあスレ番号で違和感があって気持ち悪いのは分かるけど、大したことでもない。
756 :
755:2006/07/14(金) 18:19:13 ID:H0Nhv6ma
>>754 おkd
ここ以外ではスルーしとく。
もしここに埋めネタが投下されるならここでも完全に黙る。
スレ番を間違っただけで放置するとか別スレ立てるとか
サーバーに負担かけるだけだっつーの
放置したところでどうなるわけでもないし
かづきって書いただけでってコネタの作者って意味なんだけど?!
確かにそんなトコしか見所のないコネタでしたよ〜だ。
だからって変なトコで盛り上がりすぎだっつーの
一応俺が悪いのかなっていろいろやってあげたのに何?
なんか変な流れだけど投下します
ある漫画のパロというかパクリというかなんというかを思いついたので書いた
たぶんコメディ
タイトルは『キョンとドッキリ大作戦』
「急に進路指導中止なんてなー」
放課後、俺はSOS団の部室に向かいながら誰ともなしにつぶやく。周りから見たら怪しいやつに見えるかもしれないな。
実は今日、進路指導なんていう正直くだらんミニイベントがあるはずだったのだが、先生の方になにやら急用ができたらしく中止になったのだ。
一応ハルヒには今日は遅れると言ったのだが、ハルヒのことだ、「そんなの知ったこっちゃないわ!」とか言って何か罰を俺に与えるに違いない。
ホント、理不尽な団長さんだよな……
そんなことを考えている間に部室前に到着した。古泉が廊下にいないということは、中で朝比奈さんが着替えをしていることはおそらくないのだろう。
まあ念には念をだ、ノックはしておこう。
そう思い、ノックをしようとした瞬間、
「会議よ」
といういつになく真剣なハルヒの声が部室から聞こえた。
不意をつかれてあげた手が止まってしまった。
……なんだ? 会議? 今日そんなものがあるなんて俺は聞いてないぞ。まぁ今までに前もって聞いていたことがあったかどうか怪しいもんだが。
なんか入るタイミングを逸してしまったような気がする。しかしどんな会議をするのかも正直少し気になる。
……よし、ここは気づかれないようにドアを少しだけ開けて様子を伺おう。そこ、変態とか言うな。
中にはハルヒ、長門、朝比奈さん、ついでに古泉がテーブルを囲んで座っていた。
「これは綿密なる計算と繰り返しの実験が必要よ。キョンが進路指導から帰ってくるまでにすべてを完璧にしなくちゃならない」
「そうですね、急ぎましょう」
ん? なんだ? 実験? 俺が帰ってくるまでに? どういうことだ?
次々と浮かんでくる疑問をよそにハルヒは続ける。
「それじゃあまず、キョンが部屋に入ったら頭上に鉄球を落とすわ」
……………………はい?
「これを入り口に吊るしておくわ」
今気づいたが、ハルヒの足元には鎖付きの鉄球が置かれてあった。直径50pくらい。うん、こんなん喰らったら軽く死ねるね。
「タイミングが命ですね」
古泉、殴るぞ。
「でもキョンはこのくらいはよけるわね」
「そうでしょうね」
無茶言うな。
「この作戦はキョンがよけてからが本番よ! キョンが鉄球をかわして前方に飛んだその位置に落とし穴を掘ってあるわ!」
……………………
「しかし大丈夫ですか? 後ろか横に飛んだりしませんでしょうか?」
「鉄球をいつ、どういう角度で落とすかよね。よし、キョンが戸を閉めてから落としましょう!」
「……横から振り子のように落とせば逃げ場は前しかなくなる」
長門……
「なるほどね、さっすが有希! よし、さっそくワイヤーの調節ね。みくるちゃん、そっちもって」
「あ、は、はい!」
朝比奈さんまで……
「そしてキョンが落とし穴に落ちたら、爆竹と電流を同時にぶちかますわ」
「す、すごい仕掛けですね〜」
「ふふ〜ん、密かに一カ月がかりで作ったのよ!」
「さすが、涼宮さんですね」
……………………
「そしてびっくりしているキョンの上にはなにかの紐があって、引っ張ると大量のみくるちゃんコスプレ写真がくす玉から出てくるの!
これが『びっくりさせられたけどみくるちゃんコスプレ写真いっぱいで±0のドッキリ作戦』よ!」
…………………………………………
「そそそそんな写真いつのまに撮ったんですかぁ!」
「そんなこと気にしないの! じゃあ早速リハいくわよ!」
「わかりました」
「ぅぅぅ……は、はぁい……」
「…………(コク)」
……とりあえずここから離れるとするか……
ズドン!! バリバリバリバリ!!!!!!
パンパンパンパンパーン!!!!!! ドン!!!!
バキバキッ!!!! ドゴッ!! バリバリバリ!!!!
「きゃあ!」
「うわっ!」
「大丈夫!? 古泉くん、みくるちゃん!」
「はいっ」
「な、なんとかぁ〜」
「……」
「みんな、頑張るのよ、頑張りましょう……そうすればもうすぐキョンの驚く顔が見られるのよ……」
最後にそんなやり取りが聞こえた。やばい、こいつら、マジでマジだ――
それなんて清村くんと杉小路くんと?
一時間後――
ああ……結局戻ってきてしまった……
俺は再び部室前に立っていた。本当はあのまま家に帰ろうとも思ったのだが、そうしたらそうしたで後で更なる地獄が待っているかもしれないと考えたからだ。
覚悟を決めるんだ俺! ただし死ぬ覚悟じゃない! 生き抜く覚悟をだ!
深呼吸をして俺はドアをノックした。
「はぁい」
甘ったるいエンジェルヴォイスが聞こえる。しかし俺は知っている。そこは天国ではなく、地獄であるということを――
最後にもう一度深呼吸をしてドアを開けた。
そこにはわざとらしいほどの笑顔をした(実際わざとなのだろう)ハルヒ、いつもの嫌な微笑を携えた古泉、顔の引きつった笑いをしている朝比奈さん、そして無表情の長門がいた。
全員どことなくぼろぼろのように見えるのは見間違いではないはずだ。
「ずいぶん遅かったわね」
平然とそんなことを言うハルヒ。
「ああ、悪い……」
そう返事をし
俺は
ドアを
閉めた
刹那、かつて感じたこともないようなプレッシャーが俺の右から迫ってきた!
いや、俺はこの感覚を知っている。これは朝倉に殺されかけたときと似――なんて回想してる場合じゃねえ!
「ぅぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
今まで出したことのないような雄叫びをあげながら、俺はとにかく前にジャンプした。
それこそ立ち幅跳びの世界選手権があったら六位入賞はできるくらいの勢いで。
『ブゥーン』と重い風が、俺が一瞬前までいた場所を通ったのが感じられた。マジ危ねぇ……
そして無事に俺は着地をした。何の変哲もない床へ。
……あ、あれ?
どうやら落とし穴が掘られた床を跳び越したらしい。
そぉっと目の前に座っている四人の顔を見る。
ハルヒ、古泉、朝比奈さんは口をあんぐりと開けていた。信じられないようなものを見る目で……古泉のこんな顔はレアだな。ちなみに長門はやっぱり無表情。
いや! そんなことよりもどうする! この空気! 俺にはどうすることも……
否! 答えなんぞ最初からわかっている! やるしかないんだ!
「う、う、うわあすべったァアア!!!!」
言うが早いか、俺は後ろに向かって飛んでいた。そう、落とし穴に向かって!
ズドォン!!!!
今度こそ俺は落とし穴にはまっていた。さらば、我が人生!
「うわあーーしびれるーー!!!! 爆…ばく…ば…あ、あれ?」
電流が走り、骨が透けて見える体になるかと思いきや、何も起こらなかった。
しかし俺の足元にはちゃんとそれっぽい装置が置かれている。
つまり、これは
不発――――――
「…………あ……こ、これなんだ?」
完全に固まっている三人(+一人)を一瞥して、目の前に垂れていた紐を引っ張る。すると上にあったくす玉が割れ、中から二十枚はある朝比奈さんのコスプレ写真が出てきた。
「うわー! 朝比奈さんの写真がいっぱいだー! こりゃびっくりしたけど嬉しいから±0だー! うわはははは、は、は……は…………」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「……………………ユニーク」
ど完
元ネタ知らないとなんだこりゃって感じかもしれない……
まあいいや
増えたな
ID:Rp40nkna=ID:JDLw8uM/=ID:U6g1DYJ/=ID:MTAQXanP=ID:TDO6aaUC
か
あのノリは小説じゃ伝わらんて。
まぁ、埋めネタ乙。
スレが終末じゃなければきっと叩いてた。
>>767 うんごめん。元ネタしらないからなんだこりゃ状態
けど、流れを変えようとしたあなたは勇者
乙です
スレ埋めにきました。3レスいただきます
[2章]
暑い。全身の汗腺がフル稼働を始める。
何故なら今は初夏で俺は冬服を着ているから、当たり前だと言われれば何も言い返すことが出来ずに
ただ黙ることしか出来ない。
ブレザーは脱ぐことができるが、冬ズボンだけは当然のことながら脱ぐことが出来ず、汗で裏地が
ぴったりと密着する。毎度の事ながらこればっかりは慣れないね。
余談だが、この時間に来る際古泉は目隠しをしていた。本人いわく「そこまでしなくても決して目を
開けませんよ」と抵抗したのだが、すったもんだの末朝比奈さんの「ごめんなさい。強制コード
なんです」というお言葉に肩を落としつつも従った。やはり薄目で見るつもりだったのか。
さて、俺たちが今どこに居るのかというと……東中学校、ハルヒと谷口の母校の屋上に居る。下を
見下ろせばもちろんハルヒの地上絵(といっても描いたのは俺だが)が、あるわけで……しみじみ
思うね。
ああ、またこの時間に来ちまったんだなぁと。
「これ」
長門が銀色の小さな塊を差し出してきた。手の平に隠れるサイズの拳銃みたいなものだ。俺にこれを
使えってことか?
「情報統合思念体とのリンクを切断するプログラム」
それだけを告げ、朝比奈さんの手を引いて屋上出口へと歩き出した。「ひゃぁっ!?」と可愛い疑問形の
悲鳴を上げつつ引きずられていく。
ああ、可愛らしいなぁと和みながらそのお姿を見送っていたわけだが、眼福に浸っている場合ではない。
我に返り慌てて呼び止めた。
「おい待てって長門。どこ行くんだ?」
ぴたりと静止し、振り返った。
「あななたちはここでジョン・スミスを阻止する。私たちはあなたの保全に向かう」
「俺の保全?」
「ジョン・スミスがあなたに取って代わる場合、あなたが北高に入られては不都合。過激派はあなたに
対する情報操作を行うと思われる」
なるほど。俺が北高に来られたら困るのはわかる。兄弟でもないのに同じ顔が二つあったら誰だって
疑問に思うだろうしな。でもどんな情報操作を受けるんだ?整形か?
「学力レベルを下方修正すると思われる。程度としては北高に入学出来ないレベル」
すまん。現状ですら遠まわしに予備校を薦められるくらいのきわどい学力なんだ。それをさらに
引き下げられると……そうなった時の母親の態度を想像するだけで血の気が引く。おまけにあの谷口よりも
下のレベルになる現実を想像するだけで……すまん、首吊りたくなってきた。テルテル坊主になって何もかも忘れ去りたい。
「えぇと、キョン君の頭を悪くするってことですね?」
ごめんなさい朝比奈さん。長門とともに是非とも俺のなけなしの学力を守ってやってくださいませんか。
その後、長門は思い出したかの様にこれから現れるジョン・スミスのことを俺と古泉に伝え、朝比奈さ
んと連れ立って屋上を後にした。
長門の説明によると、ジョン・スミスは過激派が神人を解析して作った、長門とは異なるタイプの端末
だとか、その都合上閉鎖空間を発生させてその中から出現するとか、長門にしては珍しく饒舌だったが
……まあ、俺が理解できるはずもない。
なんたって俺は一発っきりの弾丸を必中させなければいけないという、背後に人を立たせてはいけない
人もしくは赤いコートの平和主義者みたいな芸当をしなくてはならない訳だ。
古泉が理解しているならそれでいい。今は狙撃のことだけを考えさせてくれ。
忌々しい閉鎖空間が発生するまでの待機時間。俺は銀色の銃を睨みつつ狙撃のシミュレートをしてみた
わけだが、当然のことながら俺に狙撃の経験などない。強いて言うなら縁日の射的を数回経験したこと
くらいだが、それで何か景品を獲得した記憶など何処を探しても見つかりはしなかった。動かない標的
にすら当てられないこの腕前で一体、動く敵をどう狙えばいいというのか。
具体的なイメージが湧かないまま時間だけが過ぎて行き、まあ、なるようにしかならないさとポケット
に銃を押し込んだ。
手持ち無沙汰になりふと古泉の方に目を向ると、奴もそれに気付いたらしく微笑を投げかけてくる。
……やめろ気持ち悪い。この状況の何が楽しいんだ?
「あなたは慣れているでしょうけど、僕にとっては初めてのことでしたからね」
「何がだ」
「時間移動ですよ。まさか僕が当事者になれるとは思っていませんでした」
「ああ、お前はタイムトラベラー志願者の気があったな」
「半ば諦めていたんですけどね。しかしあれは衝撃的でした。不謹慎ながら、朝比奈さんとこの状況を
作り出してくれた長門さんの敵には心から感謝したいですね」
そう笑顔で話す古泉は興奮冷めやらぬようだった。まあこんな状況ながら夢が叶ったんだ。こいつの力
が必要になるまではこの余韻に浸らせてやってもいいだろう。
「後は、時間移動する瞬間を目撃できれば思い残すことはないんですけどね……」
心配するな。帰りもきちんと目隠しをするよう、朝比奈さんには申し添えしておくさ。
「さて、僕たちも出番のようです」
今までの幸福そうなニヤケ面から真剣なニヤケ面へと表情をメタモルフォーゼさせ、古泉がこちらへと
近づき手を差し出してきた。
「つかまって、目を閉じてください。すぐに終わりますから」
わかってるよ。お前とちがって他人の秘密を暴こうなんてしないさ。
そう言いつつ古泉の手を握り目をつむる。しかし、朝比奈さんの時も緊張するが、お前の時も緊張する
な。
誓って言うが、朝比奈さんの時は俺の青少年の心がドキドキし、こいつの時は「他人が見たら誤解する
んじゃないだろうか」とビクビクする訳だ。誤解なきようお願いしたい。
「では、行きます」
と、古泉が進むのに従い俺も足を動かす。数歩進んだところでストップ。手を離し目を開けてみると、
何度か踏み入れたことのある灰色世界が迎えてくれた。ずいぶん久しぶりのことなのに、ちっとも懐か
しくないのはどういったことだろうね。
しかし、そんな非常識空間に思いを馳せるよりも先にやらなくてはならないことがある。
「敵は?」
閉鎖空間内に現れるはずのジョン・スミスは屋上には確認できなかった。ということは、ここではない
何処かに奴は居るということだ。
「どうやら、アレがそうらしいですね」
古泉にが校庭へと視線を下ろしているのを見て俺もその方向を向いた。
ハルヒ絵の中央付近に青い光が集まっているのを確認し、俺たちは階段を駆け下り校庭へと躍り出て、
それを目撃した。
「な……」
「おやおや、やはりですか」
わかっていたけど、それを見てやはり驚いた。だってそうだろ?そこには俺と瓜二つ、服装まで全く同
じ奴がいたんだから。
ただ、俺が銃をポケットに入れているように、奴も武器をしっかりと右手に携えていた。
ジョン・スミスは、何処かで見たようなナイフを握り、めんどくさそうな目をして立っていた。またナ
イフか。朝倉といいこいつといい本当にナイフが好きな奴らばっかなんだな、長門の親玉の親戚は。
>>773 GJ 続きを激しく所望する
>>767 俺は元ネタ知らなくても楽しめたよ
住民の中には一部厳しい奴もいるが、感性なんか人それぞれだしな
次の投下をwktkしてる
なにはともあれGJ
GJ!!
778 :
18-352:2006/07/14(金) 19:31:35 ID:7rrRgapN
お粗末な埋めネタを。超即興なのでまとまってないのは正直スマンカッタ。
『重複世界』
真っ赤な布に直進する闘牛も真っ青の勢いで文芸部の部室に飛び込み、ドアを閉めてその場にへたり込む。
まったく、どうなってやがる……。
髪をくしゃくしゃになるまでいじっていると、荒くなっていた息もすっかり落ち着き、
こんなときでも文芸部室で本を読んでいるのが逆に有難い万能宇宙人に事の次第を話すことにした。
だが……困った。何から切り出したらいいかわからない。
「長門、大変だ」
数少ないボキャブラリーから簡潔に今の状況を示す言葉を探す。長門に説明するためというよりは、自分を落ち着かせる行為に近い。
そして一足先にクールダウンした俺の口は台詞を紡ぎだす。
「世界が重複してる」
本当に突然のことだった。何が原因だったのか、今をもってしてもわからない。
しかしそれでも、最終的に「そうか、ここはパラレルワールドなんだ」という結論に達した俺の頭脳に拍手だ。
何より混乱したのは、どこの世界に行っても何も変わっていないということだった。
だってそうだろ? SFにおけるパラレルワールドとは、間違い探しのような微妙な違いがあってこそのはずだ。
そして混乱のタネがもう一つ。同じく全ての世界に共通していることは「まともに進行しない」ことだった。
どの世界においても俺は同じシチュエーションを繰り返し、同じ日付のまま別の世界へと飛ぶ。翌日が来ることは決してなかった。
長門は黙って俺の話を聞いている。いや、聞いているだけだった。
今になっても何かを始めようとする気配はない。
こうして手を拱いているということは、大して慌てなくてもいい問題なんだろうか。
「何か、俺たちにできることはないのか」
「全ての決定権は涼宮ハルヒにある」
またハルヒか。まあ、予想はしていたがな。
「涼宮ハルヒに気に入られた世界のみ、時間の進行が許される」
なら、他の世界はどうなる? 同じ日を延々とループした挙句に消えちまうのか?
初めて体験した「異世界」で出会った、俺の袖を引っ張った儚い文学少女の記憶がフラッシュバックする。
「わからない」
長門の口からだけは、最も聞きたくなかった言葉だった。
「一つの世界が選ばるのと同時に姿を消すか、来るべきときまで存続して新たに主導権を握るか、わたしには判断しかねる」
ハルヒが決定するとは、どういう意味だ。
「涼宮ハルヒの存在が最初に確定した世界が、現行する中での真の世界となる」
お前は……俺たちはどうすればいい。
「わたしは彼女の意思に追従するのみ。恐らく、あなたも、SOS団も。その他の住人も」
……やれやれ。
「心配はいらない。どの世界が選ばれようとも、わたしたちは何も変わらない」
それだけだな、救いと言えるのは。
それに、と長門は続ける。
「どこに行っても、わたしは皆といられればそれでいい」
目眩がしたね。できれば皆ではなく。俺を指名してくれればなお良かったが。
「……してほしい?」
妄言だ。流してくれ。
長門はいつもより長く三点リーダを生成したのち、「そう」と言って読書に戻った。
やれやれ。
正直に言おう。俺も長門と同意見だ。
場所が変わっても、ハルヒやSOS団、アホの谷口や国木田、それにあんたらスレの住人と一緒にいられるならそれに越したことはない。
そのうち、ここの扉を開いてあの迷惑我侭トンデモ女が騒ぎ出すだろう。
それがどの世界なのか、引いては、俺が今いる世界と同じ場所なのか、それは誰にもわからないがな。
まあ、ハズレでも気長に待つさ。
ハルヒが来なくても、いずれあんたらが動かしてくれるんだろう?
荒れに乗じてメタ全開のネタを書くのも、人によっては敬遠されるんじゃね?
埋めネタ。面白くもなんともないんでアレだが、まあ、埋めってことで、3レス。
その日、部室にいたのは俺と長門だけだった。
ハルヒは用事があるとか言って、さっさと帰ってしまったし、朝比奈さんは部室に顔を出した後、
迎えに来た鶴屋さんと一緒に帰宅した。たぶん、一緒に何かの買い物にでも行くんだろう。
もうすぐ夏だしな。古泉はバイトらしい。大方、例の機関とやらの用事に違いない。
ハルヒ絡みでなければ良いのだが。
長門は窓際でパイプ椅子に座り、例によって分厚いハードカバーに視線を落としている。
静かな部室の中に、一定の間隔でページを捲る微かな音が流れる。
俺は、何となくそんな長門の様子を視界の隅に捉えつつ、その向こうに見える窓を眺めていた。
窓を濡らす水滴。土砂降りって程ではないが、結構な勢いで雨が降っている。
気だるい気分で、俺は長テーブルに向い、頬杖をつきながら思わずため息を漏らした。
季節は梅雨だ。雨が降って当たり前の季節だ。梅雨に雨が降らないと、水不足やらで作況指数が
悪化し、その結果、農作物高騰やらで、母親の機嫌はバブル崩壊後の株価のように低迷することは
間違いない。それは、バタフライ効果のごとく俺のサイフの中身に影響を与えるだろう。
母親が、やりくりの最終手段の四つ手前くらいで、俺と妹の小遣いをターゲットにすることは
高確率で予測できるからな。だから、雨が降ることには何ら文句はないし、
よって、雨が降っていること自体に文句を言うつもりもない。
しかし、これだけは言わせてくれ。なぜ今なのかと。
雨粒が窓を叩く音が大きくなったようだ。湿った空気が身体に纏わりつくような気がする。
この鬱陶しさは何とかならないものかね。俺は、湿度が高いと気が滅入ってくるんだ。
いや、気が滅入っている最大の理由は湿度ではない。そんなことは解っているさ。
そう、実際の問題は、傘がないことだ。傘がない。何十年前の曲だ、それは。
歌ってたのは、アンドレ・カンドレだっけ?
さて、どうしたものか。結局、濡れ鼠になるのを覚悟するしかないのか。
できれば、あまり濡れずに家まで辿りつきたい。
びしょ濡れになるのは気持ちが悪いし、風邪引くをかもしれない。
それに、雨の中を走るのは危険だ。雨の中で傘を差さずに踊るのはもっと危険だ。
別に俺は、自由とはどういうことか、なんて崇高なことを考えているわけじゃないんだからな。
校舎内に置き傘がないか探そうとも思ったが、誰のものか解らないものを勝手に借りるのは
まずいだろうと思ってやめた。後々気まずい思いをするのは御免蒙りたい。
国木田や谷口は、もう帰っただろうし、そうなると、俺の知っている、俺が頼れる人間は、
ここにいる長門だけってことになる。いや、長門は人間じゃないんだけどな。
長門に頼んでみるか。そう思いながら、俺は、寡黙な読書少女の横顔に視線を向けた。
黙々と読書に励む文芸部員。その横顔を見ているうちに、こんなことで長門を頼りにするのは
人として間違っているんじゃないだろうか、そんな思いが湧いてくる。
長門は、ネコ型ロボットなんかじゃないんだ。こんなことで長門に頼むなんてどうかしてる。
ここは、天は自ら助けるものを助くの精神で、危険の少ない、できるだけ濡れずにすむ帰宅方法を
考えることにしよう。
どうしたら最小限の被害で家に帰れるかをうだうだと考えていた俺の脳ミソに、ある考えが浮かんだ。
よく考えてみると、雨の中、歩いても走っても、結局、同じ距離を移動するわけだから、
濡れる量は一緒なんじゃなかろうか。なら、危険を冒して走って帰るよりも、
歩いて帰った方がいいのではないだろうか。
そう思った俺は、あまり考えずに、その疑問を口に出していた。
「やっぱり雨の中、傘を差さずに移動する場合、走ったほうが濡れないんだろうか」
何を訊いているんだ俺は。そんなことは当然じゃないか。すまん、長門、聞き流してくれ。
実際、傘持ってない状態で、いきなり雨に降られれば、みんな走るし、俺も走る。
理屈は知らん。でも、当たり前のことだろ?
そうさ、当たり前だ。あたり前田のクラッカー。これも古いな。
現実逃避気味に、どうやったら悪事に手を染めずに数十億の借金を二十年で返済することが可能に
なるのか、という高尚な問題に囚われそうになる思考を、どうやって出来るだけ濡れずに家まで
帰るかと言う当初の問題に引き戻しつつ、何気なく顔を上げた俺の視線は、長門の穏やかなとも
思える視線と絡み合った。
長門の唇がゆっくりと開く。
「水滴が静止しているものと仮定する」
いや、それは、別に答えを期待してたわけじゃないんだが……。
というか、走ったほうが濡れないと思うのは、当たり前だろ?
なぜかと訊かれてもちゃんとは答えられないが、たぶん、早く着くからだ。
「その中を移動する場合、濡れるのは身体の進行方向のみ」
続けるのか、長門よ。まあ、暇だから付き合うさ。そもそも俺が訊いたことだしな。
で、濡れる部分か。たしかに、雨粒が全て空中で静止しているとするとそうなるな。
降ってこないのだから、身体の上は濡れないわけだ。
「その場合、濡れる量は、進行方向に向いている身体の表面積に比例する。時間は関係ない」
そうだな。雨粒が静止しているなかを進んだとき、受ける雨粒の量は、痩せてる人は
少ないだろうし、太った人は多い。うん、それは解る。
なんだか物理の授業を聞いてるような気もするが。
「時間が関係ないのだから、それは、移動速度とは関係しない」
え? そうか。走っても歩いても、同じ距離なら、確かに俺が受ける雨粒の量は同じだ。
同じ表面積なんだから。と言うことは、走っても歩いても濡れる量は一緒ってことか?
「現段階の前提は、水滴が静止していること。実際には、水滴は降り続けている。
降り続ける水滴によって濡れる量は、水滴を受ける部分の表面積と、経過時間に比例する」
そりゃそうだ。雨の中に十秒いるときと、十分いるときでは、濡れる量は明らかに違う。
と言うことは、つまり、走った場合と歩いた場合では、身体の表面に受ける雨粒の量に違いは
ないけど、雨粒の中を移動している時間が長いほど、より頭が濡れるってことだな。
「そう」
じゃあ、やっぱり走ったほうが濡れる量は少ないのか。なるほど。
と言うことは、今までわけも解らず、雨が降ってきたら本能的に走ってたけど、
それは、理に適った行動だったわけだな。ほほぉ、よくしたものじゃないか。
あれか、昔からの言い伝えは、実は、理に適っているとか言うアレだな。少し違う気もするが。
でも、少しばかり感動したぜ。
……で、だから何だというんだ。
理屈が解ったからと言って、目の前の問題は何一つ解決してないわけだ。
さて、どうしたもんか。
走って帰ろうが歩いて帰ろうが、雨に濡れることは規定事項だ。どちらの方法が、より濡れずに
済むかなんてことの理由を知ったところで、濡れて気持ち悪い思いをすることには違いはない。
「はあ……」
俺は、ため息を吐いて、テーブルに突っ伏した。
パタンと言う本を閉じる音がして、長門が動く気配を感じた。
長門は傘持ってきたのかな。そう思いながら、いや、こいつのことだから、傘がなくても
濡れたりしないで家に帰れるだろう、なんてことを考えていると、後ろから肩を突付かれた。
「え?」
そう言いながら振り向くと、そこに長門が立っている。
ぼんやりと立っている長門は、帰らないのか、そう訊いているようだった。
「俺、傘持ってなくてさ。もう少し小降りになるまでここにいるよ」
そう言った俺の目の前に、長門が折り畳み傘を差し出してきた。
意味が解らずに、差し出された傘に見入ってしまう俺。
「貸してくれるのか? お前はどうするんだ?」
「一緒に」
「なんだって?」
「わたしの家まで一緒に来れば、ビニール傘がある」
なるほど。相合傘で長門の家まで行って、後は、長門の家にあるビニール傘を借りて帰れば
いいってことか。そうだな、そうするか。
「助かるよ、長門。ありがとな」
「いい。それに、先程の話で気になることもある」
「なんだ?」
「濡れる量は、時間経過と反復回数に比例し、到達点において最大となる」
「…………」
「濡れることは気持ちの悪いことばかりではない。それを確認したい」
……それは一体、何の話でしょうか?
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/:::::::::::::::ヽ
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/l::::/:::::,'::::::::i:::;;l:;!:ハ 中はだめ
~|::::l:::::/:::::::::l:::;;l;;i:!」
ヽ:{::::{:::::::::/;;;;/;;;:リ 後ろもだめ
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( `'' lヘ
1., ノ ヘ,. //
{ヘ ^~ /;ノ
,-―-ゝヘ : ;{ノ..,___
{ >-入 人-< ヽ
/ ̄ ̄ ̄ヽ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ、
/ \ ` ´ / _,,..i'"':, ヽ、
/ ヽ : ! / |\`、: i'、 ヽ、
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L..,, /~l / / | ゝ ノ
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