【涼宮ハルヒ】谷川流 the 18章【学校を出よう!】

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729時の砂、降り注いで:2006/07/09(日) 19:25:11 ID:AWgQjpXZ
いっそ、私は無知でいたかった。知ってしまうことが、体感してしまうことが、交流してしまうことが。

 こんな苦しみと、切なさと、孤独の温床になるなんて。想像もできなかったから。





 ・・・まどろみの中から覚醒。状況把握・・・。まだ誰もいない文芸部室。いろんなモノが増え、生活感が増した文芸部室。増えた椅子。増えた机。パソコン。本。ボードゲーム。衣装。

 増えた思い出、増えた大事なもの、増えたせつなさ、増えた喜び、増えた悲しみ、増えた…感情。

 もうすぐまた、にぎやかな時間が始まる。喧々諤々とした口論をしつつ、SOS団長とSOS団雑用係のあの二人がやってくるまで、あと3分もありはしない。

 無知なるがゆえに苦しみから逃れたくて、私は一度。全部をなかったことにした。

 でも、もうそれはやめようと思う。

 苦しさも、悲しみも、喜びも、涙も、笑いも。すべてが「今」の私を形作るとても大事な構成要素だから。

 もう二度と触れ合えない過去の私に、今の「私」は呼びかける。決して届かないけれど、それでも声を伝えてみる。

 「大丈夫。あなたも、きっと大丈夫」と・・・。
730時の砂、降り注いで:2006/07/09(日) 19:27:47 ID:AWgQjpXZ
しまった・・・ワードパッドって自動改行しないのかっ!?

 改行関係で切腹ものの大失態をしてしまいましたが、衝動的に書いた長門
ものでございます。

 エマージェンシーモードの3年間をモチーフにしてみましたが、どんなもん
でしょうか?

 やっぱりハルヒのSSの方が楽に構文できるなと思いつつ、とりあえずあげておきますね><
731ケータイから失礼:2006/07/09(日) 20:05:51 ID:URsvsvfz
涼宮ハルヒの冒険

「さーぁどっからでもかかって来なさい」
「敵性種族に遭遇[ガーゴイル]lv64さほど驚異ではない」
「さて、いきますよ」
「あのう魔法ってどうやって使うんですかぁ?」
さていきなりで申し訳ないが俺達は恐らくゲームの世界にいる。
普通のゲームはちゃんとストーリーを進めれば終わるのだが、このゲームはハルヒを中心に回っている。
つまりハルヒが納得するまでこのゲームは終わらない。
やれやれ。
では回想編をどうぞ。
732名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:38:03 ID:SwfNOoZq
そろそろ次スレ立ててくれ
733名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:39:25 ID:cQnmN6r6
んじゃ立てる。
734名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:42:24 ID:cQnmN6r6
次スレに張っちまった
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1152445245/
次スレ
735名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 20:50:23 ID:NDIWTNAa
俺も最初読んだ時「おや?」と思ったがあの人もここ読んでるんだな
某所の作者が16-397氏を名指ししていたぞ
736ケータイから失礼:2006/07/09(日) 20:58:50 ID:URsvsvfz
コンピ研に勝ったハルヒはコンピ研から一つのゲームを「有希のレンタル料ね」とか言ってかっぱらってきた。
まあ暇だったんだろう。
ちなみにそのゲームは市販のもので。いわゆるARPGで自由度が高いぶんハルヒには向いているかもな。
システムはハルヒに向いていても難易度が半端なかった。
「ちょっとキョン!手伝いなさい」
「一人プレイのゲームをどう手伝えと?」
「うー。まぁいいわ。続きは明日やればいいし。こういうのは一日経つたら意外とさっくりできるものなのよ。」
「まあいいわ」なんて言っときながら全然良くなかったんだね。
だから俺達はこんな所にいるんだね。
まぁいいさハルヒは夢だと思ってるし明日は学校休みだし予定も特にないまぁ気楽にやるさ。
737625:2006/07/09(日) 21:19:40 ID:D4b7/jWl
次スレ立ったので4レスほど使わせてください。
……昨日「もう書かない」っていったはずなのにorz
738古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:21:40 ID:D4b7/jWl
[1章]
普段に習って取り立ててすることのないSOS団。俺はいつものように朝比奈さん手
ずからのお茶を片手に古泉とのゲームに興じていた。長門が本を閉じる音がして
本日も営業終了。非生産性極まりつつも心休まる活動を終え、家路に着いたわけだ。

SOS団の連中と別れ、寒空の中自転車を飛ばしようやく帰宅。白い息を吐きつつ愛車
に鍵をかけた瞬間、突如携帯が自己主張を始めた。長門からだった。また何かとん
でもない事態に巻き込まれつつあるんじゃないかと嘆息しつつ、電話に出た。
「今すぐ来て欲しい」
何故?とは聞くまい。どうせ厄介事が待っているに決まってる。
「分かった。だがどう急いでも二十分はかかるぞ?」
「心配ない。迎えが来る」
何のことだ?と思ったその時、目の前にもはや慣れ親しんだ黒塗りのタクシーが停ま
っていた。後部座席に張り付いたサワヤカ笑顔を睨みつつ、俺は鉄よりも重たい息を
吐いた。こいつがいるってことはまたカマドウマみたいな事態が起こったに違いない。
今度はなんだ?コメツキムシか?
739古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:22:41 ID:D4b7/jWl
「長門さんが緊急にということでしたので」
相変わらずの笑顔でそう切り出した。いや、訂正しよう。今日の古泉は少々おかしい。
いつもの薄っぺらい笑みでなくなんか、心からの笑顔というか……て何で俺は古泉の
笑顔を必死に読み取ろうとしているんだろうね。誓っておくが、俺にはそんな趣味は
ないぞ。あるハズがない。
「それにしても、やけに楽しそうだな」
「わかります?」
いや、そんな笑みを向けられても気持ち悪いのだが……まあ、古泉が呼ばれるような
事態と言う事は、カマドウマみたいなトンデモ生物が湧いたとしか思えない。こいつ
も最近能力を使うことがなくなったというし、たまには活用したいんだろうかね?あ
んまり気持ち悪い虫は勘弁してくれよと思いつつ目的地に着き謎タクシーを降り、い
つもの事だが支払いはどうなっているのだろうかと思案していると……

「あ、キョンくん……」

振り返ると、冷凍庫の中のような気温の中マンションの前で麗しの朝比奈さんが立っ
ていた。あなたも長門に呼ばれたのですか。

・宇宙人謹製アンドロイド
・地域限定赤球エスパー
・時を翔けるマイエンジェル

SOS団団長以外勢ぞろいだな。これから何が起こるというんだ?この三人が全員必要となる
事態など想像もつかないが……まあ、とりあえず長門の部屋に入れてもらおう。この状況に
説明が欲しいし、何より寒い。
740古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:23:11 ID:D4b7/jWl
「で、長門。今度はどんな事態なんだ?」
長門の部屋に通された俺は、開口一番こう切り出した。
「ジョン・スミスが発生する」
と、端的に答え、液体ヘリウムのような瞳で俺を見つめてくる。……て説明終わり?
「すまん。さっぱりわからん」
いっとくがこう思ったのは俺だけではないはずだ。朝比奈さんは可愛らしいお顔を傾げている
し、古泉もいつも通りの愛想笑いを浮かべているだけ。誰かが続きを促さないといけないなら
俺が聞くまでだ。時間は大切だしな。
「あなたは三年前の七夕に行き、涼宮ハルヒに接触した。情報統合思念体はそれを観測し、そ
の中の過激派が行動を起こそうとしている」
「……というと?」
「過激派はあなたを解析し、あなたと酷似する端末を作製した」
「なるほど。そういうことですか」
古泉は理解したらしく、納得したように頷いた。俺と朝比奈さんはまだ不可解の渦の中だ。
それを機敏に感じ取ったらしく、古泉は笑顔でいつも通り解説を披露した。
「確認しますが、あなたは三年前の七夕の日涼宮さんに会い、その後は高校で再会するま
で会う事はなかった。そうですよね?」
当然だ。あのあと一度目はこの朝比奈さんと三年の眠りにつき、二度目は朝比奈さん(大)と
世界改変前に行って朝倉に刺されたんだからな。痛かったんだぞ?あれ。
「ということは、正しい時間の中では涼宮さんはあの七夕の日にのみあなたに接触し、その後
は決して接触することがなかった。何故なら、その時間軸上にあなたはいないのですから」
わからん。もっと親切な解説が出来ないのかお前は。
「考慮しておきましょう。つまりは、あなたが涼宮さんに接触した後のあなたが存在しない時間
に、その過激派の端末がジョン・スミスに成りすまして涼宮さんに接触をしようと計画している
ということです。ちがいますか?長門さん」
「ちがわない」
741古泉一樹の奮闘:2006/07/09(日) 21:23:51 ID:D4b7/jWl
な……ということは、本来ならいないはずのジョン・スミス(つまり俺の偽者)が当然のように
存在する過去が出来てしまうわけだ。もちろん、ただ観測するためだけにこんな大掛かりなこと
はしないだろう。となると……
「そうです。最悪の場合、涼宮さんはジョン・スミスによって制御されることになります。相手
は望み通りの結果を手に入ことができる。世界の改変も崩壊も望みのまま……ということです」
流石に頭がくらくらしてきた。俺が過去に苦労してきたことを見事に悪用しようって訳だ。沸々
と怒りが湧き上がってくるのを自覚する。いつの間に俺はこんな短気になったんだろうね。
「こちらの不手際」
ぽつりと長門が呟いた。普段通りの抑揚のない声のはずなのに、何故か悲しい響きに聞こえたの
は気のせいだろうか。いや、お前を責めている訳じゃないんだぞ。
「本来ならその時間平面上にいる私が処理すべき問題。でも出来ない」
「なんでだ?」
「エマージェンシーモード」
そうだった。すまんな、長門。ただ、俺は嬉しいんだぜ?お前が俺たちを仲間だと認めて頼ってく
れることが。大丈夫だ。俺たちが束になればなんとかなる。そう思うんだ。

「あのー」
はい、なんでしょう朝比奈さん?
「そろそろ指定された時間ですので……んと、準備はいいですかぁ?」
大丈夫です。立ち上がり朝比奈さんの方へと視線を向ける。朝比奈さんは立ち上がり、ふかふかの
ファーコートを脱ぎ……コートの中は意外にも夏服を着ていた。古泉もブレザーの上着を脱ぎ、中
のシャツは半袖。こいつも夏服仕様になった。
「おや、あなたはそのままの格好で行くつもりですか?あちらは相当暑いと思うのですが」
それは分かってる。でもな、俺は長門から過去に行くなんて電話では聞いていなかったんだ。そん
な準備なんて出来るはずもないだろうが。
「えぇと、あたしは長門さんから聞いて準備してきたんですけど……キョン君聞いてなかったの?」
朝比奈さんの言に古泉も同意するように首肯する。が、俺は確かに聞いていない。現にここで古泉の
解説を聞くまで自分が過去に行くなんて想像もしていなかったからだ。もし聞いていたのなら夏服は
もちろん、酔い止め薬にいざという時のエチケット袋も持参しているはずだ。これはどういうことだ
長門?振り返った先にはいつの間にか夏服に衣替えを済ませたヒューマノイド・インターフェースが
静謐な瞳をわずかばかり大きく見開いて一言。

「忘れてた」
742ケータイから失礼:2006/07/09(日) 21:24:49 ID:URsvsvfz
さてハルヒ作?のゲームはコンピ研と戦う時に少し話していた無茶なつくりでハルヒの宣言どうりいきなり魔王風なハンサム野郎が何の前触れもなく現れた。
さすがに全滅するとどうなるか実験するきにもならずハルヒもヤバいと感じたのか逃走に同意した。
さて逃走後なのだがハルヒが「こんな装備で戦えって方がおかしいのよ。」
おかしいのはお前だ。
古泉の提案で武器防具屋にいった俺達は勇者だと話すと歓迎され最強装備をフルで無料で貰った。
「装備が凄くてもlvが低くちゃね」
さぁメタル○ライムが群れでやってきたぞ。
やれやれ、色々すっとばして俺達は決戦前の宿屋の前にいる。
743名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:51:17 ID:ZWBXCYI6
うまったの?
744名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:52:18 ID:y7v6HHwv
さあ
745名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 21:52:26 ID:eLbxjQm1
まだ、30kある。
746ケータイから失礼:2006/07/09(日) 22:01:12 ID:URsvsvfz
「すいませんが男二人で席を外してもいいでしょうか?すぐもどりますので」
「いいわよ。じゃーんと気合い入れてきなさい」
じゃーんとの意味が分からんがまあすぐもどる。
朝比奈さん、長門はハルヒの「こっちはこっちで気合い入れるわよ」の声についていく。
朝比奈さんがこっちを見て微笑みながらてをふっている仕草に感動していると古泉が「では夕方にまたここで。」とつげる
「さて、少しいいですか?」
嫌と言ったら止めてくれるのか?
「それは困りますね」
じゃあいいから手短に話せ。
「では...宿屋でいいですか?」
そこぐらいしか落ち着けそうな場所もないしな。
都合によりひとまず中断
747名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:04:17 ID:tKm8JIJT
>>625
まだ話は見えないが読み口は良い。面白い話の予感はする。よく書けてると思うぞ。
だから這い蹲ったりしないで胸を張れ。
748名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:06:45 ID:vyiQYhRG
ケータイからだとさげられないの?
>>625 前置き長い、いらない 
749608:2006/07/09(日) 22:10:16 ID:CrpV5DTh
埋め小ネタ投下します。
似たような話なので、コテもつけときます。
750すずみやさん:2006/07/09(日) 22:11:26 ID:CrpV5DTh

「……」
「……なあ、ハルヒ」
「何よ」
「団長の席って、そこだったか?」
「当たり前じゃない」
「……そうか」
「そうよ」
「……で、何で今日はそんな髪型してるんだ?」
「暑いからよ」
「……そうか」
「そうよ」

「……いやしかし、最近暑いよな」
「まったくよ。あんた何とかしなさい」
「だったら、もうちょっと離れ……いえ、何でもないです……あ、そうだ。暑いし、ジュースの一本ぐらいおごってやるよ。何かリクエストあるか?」
「果汁っぽい奴買ってきて」
「わかった。じゃあちょっと購買行ってくる」
「……」
「……」
「……」
「……なあ、ハルヒ」
「何よ」
「離れてくれないと、立てないんだが……」
「じゃあジュースは無し」
「……」
「無し」

「……なあ、ハルヒ」
「きーっとーあなーたーはーかーがーやいてー」
「何で歌ってるんだ?」
「まーいうぇーいかさーなーるーよいーまー」
「聞けよ」
「ふーたーりーにごーっぶれーす……ふ〜」
「……」
「ふーたーりーにごーっぶれーす……ふ〜」
「ゴッドブレスって、そういう意味じゃないぞ」
「……」
「……」
「すーべーてーはごーっのーず」
「……」
「……くんくん」
「それも違う」
751名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:18:30 ID:vyiQYhRG

752名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:20:42 ID:vyiQYhRG
                           __
                       , ' ´ ̄´     `丶、
                     /   rヘ=,,≠==、、  ` 、
                     〃l  ハl`ヽ       )   ヽ
                     リ l l ゝ      ,,,,从 l  l
                      (l∨ ⌒ヽ   ´   〃 }  l
                       l |   r ‐ - 、⌒ヽ/ l) │ めがっさ埋め〜
                        ,'| |   l   /   / /   |
                      ,'.| | \` ー '  _ / /    !
         _          , -| | - l ` ー < / /    |
 r―――-、-''、 ` ー--‐'' ̄`ー''´  |.│∠  /  / / ヽ   !
   ̄ { `   ヾ }           { | /≠ミ/  ,'  ,'    l  |
    ヾ____ノ ノ    ` ー-____.l | l   /  / /    │ │
        ` ー----‐‐ ̄   / / | l  /   ./ /    │  .l
                     / /  ! l , '   / / {    |  ヽ
                 / /   | l_ . //  ! /|     |   ヽ
                   / /   / ̄ ` ーl   !ー− ヽ  |   ヽ
                / /  /三    i  ! }       }  ヽ ヽ
               / , '  /ーrォrォ - |   |/      l   ヽ ヽ
              /   l  /   | |│| │  !ー┬〜' ´ ヽ   ヽ ヽ
             /  │ / | .│| .| !  ! l |   ヽ    ヽ   ヽ \
            /    | ,'  l  | | | |  | l│   ヽ     ヽ   ヽ. \
           /     !/   !.  | | │|  l ! !     ヽ     ヽ   ヽ  \
          /     /   /  `'  `'   ! .l ゝ     ヽ     ヽ    \ \


753352:2006/07/09(日) 22:22:11 ID:qtDka1mC
埋めに参加。


『フラグの王様』

 本日、俺が一年五組の教室に入ってはじめにやったことは、後ろの奴への挨拶と、その直後仰け反って頭を打つことだった。
 ハルヒ、そのユカイな格好は一体なんだ?
 しかしハルヒはいつぞやの鳩の呪いか、豆鉄砲を喰らったような表情で、
「あんた何言ってんの?」
 何ってお前、そりゃビビりもするだろう。

 体中に旗をおっ立ててる奴なんか見たらな。

 昼休み。結局、ハルヒもクラスの連中も旗のことはついに言い出さなかった。どうやら、あれは本気だ。
 またトンデモパワーを発現させたんだろうが、ありゃ一体何の意味があるんだ。
 長門にはなるべく負担をかけまいと心がけている俺はその辺を練り歩いていた超能力者を呼び止め、癪ではあるが意見を求めた。
 古泉自身も頭部に一本、でっかい旗を掲げていたが、言及はよしておいた。

「旗……ですか。それはそれは」
 なにっ、知っているのか古泉。
「涼宮さんらしい、ストレートな表現ですね」
 と言って古泉は笑う。いつものニヤケ顔とは違い、本当におかしくてたまらないといった様子で。
 しかしハンサムスマイルも頭頂部に旗が立ってちゃあ台無しだな。本人は気にしてないようだから、俺にしか見えないらしいが。
「で、あの旗は何だ。何かのメタファーか」
「ええ、いかにも」
 適当に言ったのだが、当たるものだな。知っているのなら話は早い。早く教えろ。
「それは“フラグ”の隠喩でしょう」
 俺は停止した。
 まんまじゃねーか。隠喩どころか、実直すぎて比喩に分類することすらおこがましい。
「いえ“フラグ”という単語自体が比喩になっているんですよ。そうですね、例えば――」


『ああ、約束だ。必ず守る』

『なあに、すぐ戻る。あとのことは頼んだぞ』

『ここは俺に任せて先に行け!』

『メガンテ』


「――これらを死亡フラグといいます」
 嫌な例を出すな。あと、最後のは何か違うだろ。
「要するに、特定のイベントを起こす為の伏線のことですよ」
 イベント、ねえ。ハルヒの旗は、少なく見積もっても両の指を何度か使いまわしても数え切れないほどあった。
 まあハルヒだしな、あれだけの量の旗=イベントを謀略していても特に不思議は無い。
「あれは貴方が立てたものですよ」


「平たく言えば、恋愛フラグです」
754352:2006/07/09(日) 22:23:55 ID:qtDka1mC
「涼宮さんはいつまでも鈍感な貴方に痺れを切らして――」
 恋愛フラグ――古泉の言葉の意味を理解すると同時に、俺は背を向けて走り出した。決して振り向かずに。
 古泉、その頭に、突っ立ってる、フラグは、違うよな――?
 泣きそうだった。もちろん恐怖で。


「キョンくん、よかったら一緒にお弁当食べませんか?」
 朝比奈さん、誠に感極まる申し出ですが、生憎と今の俺は不特定多数の旗が立っている人と一緒にいると落ち着かないんです。

「やあっ、キョンくん! んん? 元気がないなあ、どうかしたのかいっ?」
 鶴屋さん、あなたもでしたか。だがおかしい、俺はこの人とそんなに親密に関わった覚えは――

「あれ、キョン、早かったね。弁当食べてないの?」
 国木田、その控えめに立ってる旗をどっかにやってくれ。明日も同じ調子で会話する自信が無くなる。

「忘れたのか? ノロノロしてたらめぼしい学食も売り切れちまうぜ」
 ……何故だろう。谷口のアホ面でも、旗が立ってないというだけで物凄く安心する。

「キョンくん? 涼宮さんなら、まだ帰ってないのね」
 ……驚いた。大穴だよ阪中、うん、驚いた。自暴自棄になりそうだ。


 もう限界だ。憑かれた。決して誤変換ではなく、間違いなく俺はフラグの化身的なモノに憑かれている。
 あんなに多くの伏線、回収できるわけがない。
 無自覚だったとはいえ、自分の無節操さを大いに悔いた。
 だがしかし、奴なら、奴ならなんとかしてくれる。ついさっき負担はかけまいとか言ってたりしたが、背に腹は代えられない。
 正直に自白してこれは俺の手に余る。ここは宇宙規模の掌でないと事態を丸く収めることはできないだろう。
 よし、言い訳もバッチリだ。
 深呼吸して、俺は文芸部の部室の扉を――
 開けた。
 閉じた。


 長門がハリネズミになっていた。
 俺は、あんなになるまで、伏線を、放置し続けたと、言うのか――!

 頭を抱えてうずくまっていると、部室のドアが音も無く開き、長門が顔を覗かせた。
 寡黙な宇宙人は「いつでも攻略可能」と、俺を部室に入るように促した。
 ――誘われてます?


                          埋めネタなので特にオチなし。
755名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:28:52 ID:eLbxjQm1
>>752
AA貼るな。埋めるならネタもってこい。
756名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:30:44 ID:/74tk7zw
梅ネタ投下
BADEND風味で
757名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:31:11 ID:XEDhFh1p
>>753
ナイス。モテモテだな、キョンw
758名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:31:20 ID:/74tk7zw

「好き」

はっきり言って、俺は恋愛の経験もスキルもレベル1の、まぁ標準的な高校生男子なので、
いきなりそんなことを言われて、まったく動揺しないでいられるわけがない。
思わず目を限界まで見開いてしまったし、「ひっく」とかついしゃっくりのような情けない声を上げて息を詰まらせたし、
ぐびりとかつてない大きな音を立てて生つばを飲み込んでしまった。
じわりと汗がにじんだのがわかった。今日はどちらかというと涼しいと言える気候だが、俺の身体は緊張し、
わきの下やらひざの裏やら背中やらに衣服が貼り付いている感じがするので、多分汗をかいているのだろう。

「好き」

俺があまりにも反応を返せずにいるので、聞こえなかったとでも思ったか、もう一度その言葉をそいつはつぶやいた。
鈴の音のような細い声。夕日を背に立っているそいつの、アスファルトに伸びる影は長い。……と思う。
何故わからないかと言うと、俺はそいつに対面してるし、影の長さを確認するには背後を向かなければならない程度の距離に居るからな。
雲の少ない空は橙と藍とその中間のグラデーションで覆われていて、ところどころに星が見えてきていた。
小学生の集団が喚きあっている。車のクラクション。自転車のベル。
そんな遠くの雑音がはっきりと聞こえるほど俺とそいつの周りは静かで、人の気配もしない。

「……好き」

三度目。少し不安そうに顔を歪めた。やめろ、お前のそんな顔は見たくない。
先ほど俺の経験が足りないから動揺してるとか言ったが、あれは嘘だ。
といっても、実は動揺してないって意味じゃないぜ。その証拠にほら、俺の心臓はどくんどくんと激しい音を立ててるし、
呼吸も困難になってきた。心臓を掻き毟りたくなるような不安にも襲われている。

俺が動揺している原因は、まぁこいつを知ってる奴なら、問題なくわかるよな?

「で、今度は何が原因でエラーが溜まったんだ? 長門」

長門は何も言わず、たった1歩に満たない距離を気が遠くなるような時間をかけて埋め、正面からそっと俺に寄りかかった。

「……っと、おい」
「…………エラーでは、ない」
「なに? それはどういう……」

俺が手をどうしようかと宙をさまよわせていると、不思議なことに手が勝手に長門の両肩を掴み、
長門は珍しいことにびくんと身体をふるわせ、俺を見上げた。

(なんだ、これは)

長門は頬を染めて、瞳を潤ませていた。(ありえない)

俺と長門の距離が短くなっていく。(やめろ)(何で)(何でも糞もあるか)

長門が目を閉じた。(やめろってば。おい、やめろ!)

湿った感覚が唇に伝わった。
759名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:32:29 ID:/74tk7zw
世界が補色反転した。
俺はジェットコースター酔いを何十倍にも激しくしたような不快感に襲われ、立っていられなくなった。

アスファルトに身体がぶつかったが、衝撃は無かった。ぐるりと回転した視界の隅に、走り去る人影が見えた。

アスファルトが泥のようになり、俺の身体はゆっくりと沈んでいく。身体が痺れて動かない。
空はマーブル色になっていた。電柱は鉛筆の端を持ってぐにゃぐにゃさせたようにひん曲がり、
地面は盛り上がり、抉られ、塀はぺらぺらの紙のようになり、その全てが奇怪な色に変貌していた。
住宅街の様子は妹の作った粘土細工のようになっていった。唯一動かせる視線で長門の姿を探すと、
長門はいつもの無表情に戻っているものの、いつかの山荘での一件のときのように横倒しになり、
俺と同様ずぶずぶと地面に沈んでいった。



……………………。
…………。
……。
…。



その日は珍しくハルヒは病欠していた。といっても、俺はそこまで不思議に思わなかった。
授業中の教室の中を見渡すと、ちらほらと人の海に穴が見える。
風邪が流行っているらしいな。

「キョンはバカだからなー。関係ないんだろうよ」

昼休み、マスクの隙間から牛乳をちゅーちゅー吸ってる谷口がそう言った。
お前にだけは言われたくないと思ったが、事実俺は健康体そのものだし、
谷口は風邪をひいているので、特に反論もせず黙っておいた。

「さすがの涼宮さんも病気には勝てないか」
「まぁ昨日とか教室の中ひどかったからな」

国木田と二人で空の机を見やった。谷口は菓子パンをむしゃむしゃ食っている。
昨日は比較的このクラスは出席率が高かったが、その分教室内に蔓延する病原体の数は
今日の3倍から4倍といったところだっただろうか。無理して来るくらいなら最初から休めよと思った。

「学級閉鎖とかってあるのかな」
「さぁ……」

インフルエンザならまだしも、風邪で学級閉鎖ってあるのか。

「何人休んだら閉鎖とか決まってるんじゃないか」

谷口が鼻をずるずるとすすっている。俺は教室を見渡しながら、学級閉鎖も遠くはないなと思った。
760名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:33:02 ID:/74tk7zw



文芸部室に行くと、長門がいつも通り読書をしていた。なんとなく安心する。

(まぁ、こいつが風邪を引くとは考えられないが)

はー、と息をつきながらいつもの席に腰を下ろす。
無言。
なんとなく身体がだるかった。俺も風邪をひいたのかも知れない。

しばらく机にぐったりと突っ伏していると、こんこんと控えめなノックがされた。

そこに現れた朝比奈さんは、見てるほうが可哀想な気分になるほど目をうるませ、顔を紅潮させて、
顔の小ささの割りに大きなマスクをして、けほけほと咳をしていた。

「……朝比奈さん、帰ったほうがいいですよ」
「けほ、え? で、でも……」
「今日はハルヒも休みですし、大丈夫ですってば。ほらほら」
「……はい」

若干あっけなく、朝比奈さんは帰っていった。やっぱり本気で辛かったんだな。

それから30秒もしないうちに古泉がやってきた。

「今途中で朝比奈さんに会いましたよ。とてもしんどそうでしたが」

風邪をひいたらしいから帰らせたよ……と言おうとし、古泉の顔を見て俺はつい絶句してしまった。

「……お前も風邪か?」

古泉は土気色というか、青白い顔をしていた。夜道では絶対に会いたくない顔である。

「いえ、……いや、まぁ、今は風邪かもしれません。衰弱したところでクラスメートの風邪をうつされたのかも知れませんね」
「衰弱?」
「昨晩、珍しく大規模な閉鎖空間が発生しまして。夜っぴて対処に追われていたもので」

久々にその単語を聞いたぜ。今日はハルヒは病欠しているが。

「悪夢でも見たのでしょうね。体調の悪いときは嫌な夢を見やすいものらしいですから」

古泉は俺の対面、いつもの指定席に座ろうとしていたが、手元と足元が若干怪しかった。
761名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:34:05 ID:/74tk7zw
「……お前も帰ったほうが良いんじゃないか」
「……すいません、実はそう言われるのを少し期待していました」

別に病人に追い討ちを掛けるつもりは無い。良いからさっさと帰って養生しろ。

「申し訳ありません。明日には全快してますので。では」

古泉もふらつきながら帰った。寒気がする。
たかが風邪と言えど、病気は怖いな。



その後、しばらく長門と共に黙々と読書に励み、空が赤みはじめた辺りで帰宅することになった。

夕暮れの町並みを横目に、女の子と二人で下校するなんて夢のようなシュチエーションだが、いまいち俺の気分は晴れなかった。
とはいえ、その不機嫌さをわざわざ顔や態度に出すほど俺は子供ではない。
長門とのだんまりの下校も慣れたもので、基本沈黙、たまに俺が思いついたことを話しかけてはぽつぽつと長門がそれに答える。

校門を出た頃には同じように部活帰りの生徒達がちらほらと周りに居たが、次第にまばらになり、
いつのまにか目の届く範囲に居るのは俺と長門の二人だけになっていた。

何度か上りと下りを繰り返し、何度目だったか忘れたが、ある坂を上りきる少し直前、長門が急に立ち止まった。
俺も足を止める。長門の無表情なその顔を……いや、逆光になっているため、その表情を判別することはできない。

長門が何か言いたそうにしているのを感じ取り、俺は待った。

沈黙。時間にしては20秒もなかったのだろうが、果てしなく長く感じた。

「……あなたに伝えることがある」

何だ。

「好き」



……………………。
…………。
……。
…。
762名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:34:57 ID:/74tk7zw



夢は人間の無意識の中に閉じ込められ抑圧された願望が形を変えてあらわれたもの……という話は誰でも聞いたことがあるだろう。
ハルヒがその話を知っていたかどうかも、知っていても信じているかどうかも知らん。
ハルヒがどんな悪夢を見たのかも俺には知りえない。
願望を叶えてしまうハルヒの能力がどう屈折されてこうなったのかも。
人の気配が一切しなかったのに、先ほど確かにいた走り去る女が誰だったのかも知らない。

古泉がこの場にいればいかにもそれらしく説明してくれそうなんだがな。奴は今頃家で寝てるのだろう。

長門はアスファルトの中に沈んでしまい、もう見えなくなっていた。俺ももう頭の半分を残して沈んでしまうところだ。

世界が再構成されても、この記憶は持ち帰りたくないな。
と思ったところで、俺の意識はぷっつりと途絶えた。



……………………。
…………。
……。
…。



「よう、ハルヒ。今日も元気そうだな」
「あたしが風邪なんかひくわけないでしょ。悪いけど、夢見が悪くて少しイライラしてんのっ。話しかけないで」

俺は窓の外を見た。快晴。
世界は今日も平和だ。
763名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:37:45 ID:/74tk7zw
終わり
まぁ根本的な原因は風邪引いて悪夢見ただけなんだけど、
そこから発展して世界を終わらせたりするだけの力がハルヒにはあるんだなー、というのがコンセプト
以上梅ネタでした
764名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:40:30 ID:WJn7rhMf
なるほど。
単純にフラグ潰ししてるハルヒの話かと思ったぞ。
765名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:47:43 ID:h6ODEOu6
アシモフの三原則ネタがあったからファウンデーションネタを2ネタほど
「困った事態が生じた」
「どうした長門」
「涼宮ハルヒが私の正体に気づき始めた」
「何だと?そうだ、長門、お前がロボットらしくない行動を起こしてごまかすっていうのはどうだ?」
「この場合、どのような行動をとればいいかわからない」
「笑えばいいと思うぜ」
766名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:50:41 ID:h6ODEOu6
心理歴史学ネタ
「・・・情報統合思念体にとって、人類の行動は心理歴史学の予想される範疇に収まっていた」
「すまん、心理なんちゃらってどういう意味だ」
「通俗的な言語を使用すれば、いわゆる予言のこと。惑星上に含まれる全人類に対して
確立論的に行動パターンを予想する」
「しかし、心理歴史学は個人には適用できない、情報統合思念体にとって涼宮ハルヒの存在は想定外だった」
「また、心理歴史学の理論の応用による予想は人類にとって秘密でなくてはならない、人類がその予想に従わず
に行動するおそれがあるから」
「そこで私たち対有機生命体インターフェイスによって人類に対する介入を行うことにより、心理歴史学の予想
との齟齬を埋める必要性があった」
「ただし、ここにひとつの矛盾点が生じた。心理歴史学には大きな前提を内包していた。
それは、人類が現惑星上での唯一の知的生命体であるという前提。私たちの存在こそが
心理歴史学の計算を妨げる因子であると情報統合思念体は判断した」
「・・・ところで、そんな話を全然理解できない俺にして、一体どうしろっていうんだ?」
「あなたは涼宮ハルヒに選ばれた唯一の人間。情報統合思念体はあなたの選択を通じて涼宮
ハルヒに世界改変を行わせることを決定した」
「あなたはどちらを選択する。心理歴史学のみに支配された世界か、情報統合思念体によって
絶えず介入が行われる世界、それとも全人類や情報統合思念体をふくめて一体となって存続する世界か」
「・・・なんか最後のが一番まともそうだな」
「では、私はあなたを同化することにする」
「ちょっと待て長門、サイボーグ化してるぞ」
「あなたは人類と情報統合思念体の一体化を選択した。我々情報統合思念体は全人類を同化する。
我々は情報統合思念体。抵抗は、無意味」
767名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 22:54:55 ID:/74tk7zw
>>764
そういうありがちなネタに収束させても面白かったかもしんないwww
まぁそれはまた今度
768名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:06:44 ID:eLbxjQm1
>>766
ファウンデーション世界なら、長門はブリスにあたるのかね。で、キョンが、トレヴィズ。
さて、どちらを選ぶ?
769名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:10:54 ID:h6ODEOu6
>>768一応二番目のネタは、長門=ブリス、情報統合思念体=ガイア(ついでにファウンデーション1,2)
キョン=トレヴィス
最初のネタはキョン=セルダン、長門=ダニールで
770名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:14:24 ID:eLbxjQm1
>>769
古泉を第一ファウンデーション、みくるを第二ファウンデーションって考えると、
結構面白いSSが書けるかも。や、これ以上はスレ違いか。
771名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:17:04 ID:h6ODEOu6
>>770
永遠人ネタ
「それでねキョン君、私たち永遠人とセックスするとキョン君も永遠人になれるんです」
「待ってください朝比奈さん。これじゃ元ネタと立場が逆ですよ」
772名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:20:41 ID:zUF+e08W
試合前、たいてい部室でミーティングが行われます。今日はなぜか犬がいました。
犬といえばハルヒ(監督)。
主催するARF(アニマル・レスキュー・ファウンデーション)の関係者に違いありません。

何の種類やらさっぱりわからないその子犬と、飼い主と思われる男性は、
ハルヒの隣に立って団員たちを見渡しています。
(いったい何が始まるんだ・・・?)ナゾの緊張感に包まれる団員たち。
するとその男性が前ふりもなく、
「ではこれから、うちの犬が数を数えます。野球はストライクがいくつでワンアウトかな?」
「ワン!ワン、ワン!」(犬)
「おおお〜」(団員一同)
「じゃあ、ボールいくつで一塁に行ける?」
「ワン、ワン、ワン、ワン!」(犬)
「おおお〜」(団員一同)
更に、
「では誰か、犬に質問してみてください。そこのあなた」
指名された古泉(投手)が、
「・・・ゴルフは全部で何ホール回る?」
「はい、じゃあまず10の位は?」
「ワン!」
「1の位は?」
「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン・・・ワン?ワン?」
途中、男性の顔色をうかがいながら、それでも8回吠えた犬に、団員たちはまたしても「おおお〜」。

その後、何人かの団員が指名されては質問し、犬が吠え、
それだけでミーティングの終了時間となってしまいました。
するとハルヒがパン、と手を叩き、
「よーし、行こう!」

試合は負けました。
773名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:22:07 ID:sYX85uC+
埋めネタ ヒトメボレLOVERより

「告白が間違いだったと解って、少しは残念だと思わなかったか?」

「……少しだけ。……わたしもひとつだけ訊きたい」

「なんだ?」

「告白が間違いだったと解って、少しはほっとした?」
774名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:25:42 ID:eLbxjQm1
埋めネタ。


その日、部室には、俺とハルヒ、そして、いつものイスに腰掛け、いつものように
窓際でハードカバーを黙々と読んでいる長門がいた。
朝比奈さんは進路指導。古泉はバイトらしい。大方、例の機関とやらの用事だろう。

ハルヒは、パソコンに向かって何かしている。ネットサーフィンでもしてるのだろう。
静かなのはいいことだ。
で、俺は、他に何もすることがないので、長門から勧められた文庫本を本棚から取り出して
読んでいた。SFだがこれが中々面白い。

「ねぇ、キョン?」

邪神が目覚めたようだ。

「……なんだ?」
「テレパシーってあったら良いと思わない?」

テレパシーだって? こいつはいきなり何を言ってるんだ?
そう思いつつも、しかし、ハルヒの考えそうなことだ、と思い直す。

そうさ、こいつはいつも超常現象を捜し求めてる。
だから、超能力に興味を持つのも、当たり前って言えば当たり前のことだからな。

しかし、テレパシーね。そんな能力に、その辺の人間がほいほい目覚めたら
とんでもないことになるじゃないか。それをハルヒが望まないことを祈ろう。

「テレパシーがあれば、人の心が読めるのよ? とても便利だと思うわ」
「だが、相手もテレパスなら、お前の考えていることも、筒抜けになるんだぞ」
「うーん、そうね。じゃあ、あたし一人だけがテレパスってのがいいわ。
こう心で念じて相手を見ると、相手の考えていることが解るわけ」

そう言って、ハルヒは唇を片方だけ吊り上げ、レーザー光線でも出しそうな瞳で俺を睨んだ。

まずい。よく解らんが非常にまずいような気がする。
ハルヒよ、まさか本気でそれを望んじゃいないよな。
そんなことを望んだら、俺の、あーんな朝比奈さん妄想や、こーんな朝比奈さん妄想を知ることに
なるんだぞ。お前はそれでいいかも知れんが、俺は困る。非常に困る。
つか、そんなのをハルヒに知られたら、生きてここから出れないような気さえする。
長門、何とかならんか?

「あ、キョン? 今、有希のこと考えたでしょ。いやらしい」

なぜ解る? 俺は一度もハルヒから視線を外してないだろうが。
むむ、事態は悪化の一途を辿っているな、たぶん。

これ以上、ハルヒがテレパシー能力の獲得を望まないようにしなくてはならない。
ハルヒテレパス化、それは断固否定せねばなるまい。そうしないとたぶん俺の身が危険にさらされる。

「あのな、ハルヒ」
「なによ?」
「テレパシーってのは、精神感応ってやつだろ?」

それは、つまり、相手の心を感じるってことだ。心なんてものは自分でもよく解らない、
曖昧模糊なものだ。他人の心ならなおさらだ。だから、他人の心を、自分が理解できる
ように知ることは、たぶん不可能だ。本を読むようなもんじゃないだろうからな。

仮に、他人の心を感じたとする。それは、どう感じるだろう。自分とは違う自我意識。
他人の思考、記憶、それらが自分の心に流れ込んできたとき、何を持って区別できる?
775名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:26:04 ID:XEDhFh1p
>>773
ちょっと萌えた。
本編でそう言い返してたらなぁ……
776名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:26:35 ID:eLbxjQm1
お前が、テレパシー能力を発揮して、俺の心を感じたとする。そうすると、お前の中に俺の意識が
入り込む。それは、お前の中に、お前の意識と俺の意識が同時に存在するようなものだ。
さて、お前の能ミソは、どちらの自我意識を自分の自我だと認識するんだろうな?

我ながら詭弁だな、そう思いながら、俺は思いついたことをそのまま喋っていた。

「そんなの決まってる……」

そう言ったハルヒの声を聞いたような気がした。

次の瞬間、立っていられないほどの眩暈を感じて、慌てて、その辺に手を置く。
なにか物凄い違和感だ。胸や尻に妙な圧迫感と痒み。そして、身体が思うように動かせない。
どうしたんだ、そう思って顔を上げると、視線の先に俺がいた。
なぜ俺の眼前に俺がいるんだ?

その俺は心配そうに俺を見ている。やばい、パニックになりそうだ。

目の前の俺は、心配そうな表情を浮かべつつ、言った。

「どうした? 大丈夫か、ハルヒ」

ハルヒ? 何を言ってるんだ? 俺は俺だ。
そう思いながら、自分の身体を見下ろし、目を疑った。
なんてことだ。俺はセーラー服を着てるじゃないか。これは一体どういうことだ。
何が起きたんだ? 俺以外に俺がいて、俺がセーラー服を着ているだなんて。
まさか、また、ハルヒが何かしでかしたのか?

思わず、長門の姿を探し、声を掛ける。長門は、椅子に座ったままで俺を見つめていた。
ハルヒに聞かれちゃまずいのかも知れないが、そんなことを気にする余裕はない。

「おい、長門。これは一体……」

最後まで言葉が出なかった。これはハルヒの声だ。

「あー、ああ。あ、い、う、え、お」

間違いない。聞きなれた声とちょっと違うように感じるが、これはハルヒの声だ。
と言うことは、まさか……。

「おい、本当に大丈夫か? どうしたんだ一体?」

目の前の俺が心配そうに寄ってくる。慌てて両手を前に突き出し、目の前の俺を制して言う。

「待て、ちょっと待て。俺はハルヒじゃない」
「何だって?」

きょとんとした顔、間の抜けた声を上げて、目の前の俺が立ち止まる。

「思い出せ、さっきまで俺が言ってたことを。いや、お前が言ってたことか」
「俺が言ってた? 何だ? テレパシーの話か?」

ぽかんとした表情の俺。その、目の前の俺の表情が徐々に変わっていく。驚愕の表情へ。

「World of Ptavvs」

そう言ったのは長門だった。って、ラリー・ニーヴンかよ。
777名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 23:27:49 ID:PeGBMzjd
SSS
「東中学出身、涼宮ハルヒ」
ここまでは普通だった。 真後ろの席を身体をよじってみるのもおっくうなので俺は前を向いたまま、その涼やかな声を聞いた。
「ただに人間には興味ありません。 この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。 以上」
流石に振り向いたね。

いきなり右前の方から椅子が動く音が聞こえた。 誰かが立ったのは分かった。
「厳密に言うと宇宙人に作られたインターフェースだけど、どうしたの?」
えーっと朝倉だっけな? 何話を合わせてるんだよ。

俺と同じ中学だった国木田も立ち上がり、
「それは奇遇だね。 僕は実は未来から来たんだよ。」
国木田、いつの間にそんな怪しい属性を手に入れたんだ?

「涼宮、俺も実は超能力者なんだぜ。」
涼宮の後ろの谷口とか言う奴も妄言を吐き出した。

ここ笑うとこなのか?
これには涼宮もあっけにとられたらしく、死神に魂を抜かれたように立ち尽くしている。

俺はこんなクラスで一年を過ごすのか? 変われるなら誰か代わってくれ。 今ならすぐにでも代わってやる。

こうして俺たちは出会ってしまった。
しみじみと思う。 偶然だと信じたい、と。

埋め用にあわてて書いた。 山なしオチなし意味なしだが少し公開はしている
778名無しさん@ピンキー
                   __ __
                  /:::::::::::::::ヽ
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                 ~|::::l:::::/:::::::::l:::;;l;;i:!」 
                ヽ:{::::{:::::::::/;;;;/;;;:リ       後ろもだめ
                ,,.-ト{八::::/リj/V-..,
               (     `''     lヘ
                1.,   ノ ヘ,.   //
                {ヘ ^~      /;ノ
             ,-―-ゝヘ   :   ;{ノ..,___
            {   >-入     人-<  ヽ
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      /      \      ` ´      /  _,,..i'"':,      ヽ、
     /         ヽ      : !     /   |\`、: i'、      ヽ、
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         /|ノ (\j ̄ ̄  //   ヘ ヽ、                           ヽ
         L..,, /~l    / /    | ゝ ノ     
           / ̄! ̄"'-="''へ_,,....ノ^ヘ_,,._ノ