【もうすぐ】武装錬金のSS 第9章【アニメ化】

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1名無しさん@ピンキー
〜錬金戦団&超常選民の為のおやくそく〜
◎基本的にsage進行で
◎最終話は8月16日発売の赤マルジャンプに掲載予定。
ネタバレは公式発売日の午前0時以降に! 本気で嫌な人は赤マル発売1週間前くらいから気を付ける
◎次スレは>>950さんか480KBの人ヨロ  ※立てられない場合はだれかに委任して下さい
◎SS投下神(エロス・ラブラブ問わず)はもちろん、プロット書きも大歓迎
◎直リン、私怨厳禁
◎荒らし煽りは徹底放置で。マターリできない香具師は核金没収後ブチ撒けます。

初代スレ【バルキリー】武装錬金【スカート】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10575/1057553474.html
二代目スレ【斗貴子さん】武装錬金のSS 第2章【まひろタン】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1061/10611/1061136195.html
三代目スレ【パピヨン様が】武装錬金のSS 第3章【見てる】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1070195663/
四代目スレ【夏だ!】武装錬金のSS 第4章【海だ!】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083049582/
五代目スレ【とっきゅん】武装錬金のSS 第五章【水着】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1089908924/
六代目スレ【選りすぐり】武装錬金のSS 第6章【ストロベリー】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1097603483/
七代目スレ【カズトキ】武装錬金のSS 第7章【火渡毒島】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111370808/
前スレ【セーラー服を】武装錬金のSS 第8章【脱がさないで】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1121339942/

武装錬金-CXL(140)
http://etc4.2ch.net/test/read.cgi/wcomic/1118143939/
【足りない分は】武装錬金総合萌えスレ52【ここで補え】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1119157662/

2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
2名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 16:11:33 ID:e5Vnp64V
リロードすますた。
3K-ness.:2006/07/02(日) 16:29:32 ID:e5Vnp64V
容量を考えていませんでした。
相方に新スレ立ててもらいました。
ご迷惑かけてすいませんです。
では続き。
4K-ness.:2006/07/02(日) 16:30:09 ID:e5Vnp64V
十分体を温めて浴衣姿で廊下を歩いていると
「俺は王子サーブの達人だっ!」
未来の配偶者の声が聞こえるではないか。
どうやらカズキはまだ顔が緩んでいるボンクラを相手に卓球をしているようだ。
長湯してしまったが優しいカズキは私を待ってくれている、幸せな気分だ。
声を掛ける。振り向いたカズキはしばし私を眺めまた顔を赤く染めた。
「斗貴子さん、浴衣すごく似合ってる……なんか色っぽい……」
そっそうかカズキ!そんな事言われ慣れてないから照れるじゃないか!
少し胸元やうなじを強調してみたのが効果的だったようだな!あぁカズキ!もっと私を見て!
「イイッス!湯上がり美人な先輩、蝶イイッス!!」
見るな変態、訴えるぞ。

うなじにカズキの視線を感じながら部屋に戻ると海やら山やらの幸がてんこ盛り状態で私達を
待っていた。普段宿舎の食事かコンビニなどで買うおにぎりが主食の私からすれば
豪華すぎる品々が並んでいる。カズキも予想外の光景に驚いている。
「すごいよ斗貴子さん、生け作りだよ!伊勢海老もある!」
「蟹もあるし…鮑でかいなおい、うわっ先輩、牛肉霜振ってますよ!」
初めて見たであろう懐石料理に興奮しっぱなしの二人を座らせて食事を開始する。いただきます。
「うまっ!刺身うまっ!なにこれ!なに豆腐?うまっ!この豆腐うまっ!分かんないけどうまっ!」
「すげぇ鮑踊ってるよ!うねうね動いてるよ!あっ肉焼きすぎた!でもうめぇ!ごっさうめぇ!」
えぇい、やかましい。しかし確かに美味いな、自然と溜め息が出る。こんなに豪華なのに
宿泊代金は戦団持ちでいいのだろうか?戦士長はなぜこんな豪華な料理を私たちに……
そういう事か。つまりこの食事でしっかりと精を付けて今夜おこなわれるグラップルファイトに
臨めという事なんですね?そうなんですね戦士長。窓から見える満天の星空の中に笑顔で親指を
立てるブラボー戦士長を見た気がした私は、カズキの茶碗にそっと山芋を流し込んだ。

山ほどあった料理を見事なまでに平らげた私達だが明らかに食べ過ぎた男子二人は
腹を抱えて幸せそうに伸びていた。仲居さんに笑われたではないか、まったく。
しかし満腹状態での激しい運動は体に悪いな。仕方が無いからカズキの体調が
良くなるまでお姉さんが優しく看病してあげよう。もう一人の事など知らん。
「調子に乗りすぎたかな?でも美味かったよね斗貴子さん。」
これからもっと美味しいデザートが待ってるぞカズキ。カズキの頭をそっと
私の膝の上に乗せる。何やら怒鳴り声が聞こえてくるが無視する。
「ありがと。それにしても俺こんなに美味い物があるなんて知らなかったよ、
 でも俺一人で食べても味気無かったんじゃないかな。」
少し癖のある髪を撫でながら、なぜだ?と聞いてみる。
「斗貴子さんが居たから、斗貴子さんと一緒に食べたからあれだけ美味いと感じたんだ。」
カ、カズキッ!! 思わずカズキの頭を抱え込んでしまった。
泣き声の混じった怒号が聞こえるが気のせいだろう。
「斗貴子さん、これから自然に二人の思い出は増えていくけどこれだけは約束するよ。
 必ず斗貴子さんの隣りには俺がいる、二度と斗貴子さんを一人にしないから。」
自分でも顔が赤くなっているのが分かる。これはどう考えてもプロポーズだろう。
嬉しすぎて涙が出そうになったがここは耐えてカズキの次の言葉を待つ。
しかし次に聞こえてきた声は背景と化していた男の物だった。
5K-ness.:2006/07/02(日) 16:31:13 ID:e5Vnp64V
「ムゥトゥオォォォォォォォォッ!!!先輩から離れろこのチンカス野朗!!お前俺が居ること分かってて
 先輩を口説いてんじゃねぇぞゴラァァァァッ!!!」
今いい所なんだから邪魔をするな、唾液を飛ばすな、私も分かっていて口説かれていたが何か?
「武藤は馬鹿か!武藤!!先輩がお前になびくはず無いだろ武藤!武藤、お前な武藤、もっと
 身の程をわきまえろ武藤!!分かってるのか武藤!おい武藤!お前本当に武藤か?武藤!!」
お前こそ身の程をわきまえろ、混乱しっぱなしじゃないか。それにこのカズキは本物だ
私には分かる。だがこのカズキが偽者だとしたらカズキが二人いる事になるな。
………そういうプレイもありだな。
「そいつから離れて下さい先輩!そいつは先輩の貞操狙うウヌャニュペェィギュゥリュ星人なんです!!
 武藤がどうなろうと知ったこっちゃないが俺は騙されないぞ!先輩の処女は俺が守る!!!」
あぁもう面倒くさい、さあカズキあんなド三品の事は気のせずにさっきの続きをしよう。
これはあくまで任務のためなんだ、絆を深めるためなんだ、だから遠慮する事は無い。
愛してくれカズキ、愛し抜いてくれカズキ。

「剛太…そこまで斗貴子さんの事を……!でもこれだけは譲れないんだ!
 俺と斗貴子さんは一心同体!たとえ剛太でも俺達を引き裂く事なんてできないんだ!!
 斗貴子さん、下がってて!ここは戦場になる!!」
落ち着けカズキ!あんなポンコツの言葉なんかに耳を貸すな!ただの雑音だ!
「キサマァ!宇宙人の分際で!お前なんぞに先輩は渡さん!!先輩を懸けて俺と勝負しろ!!」
「たとえ剛太が相手でも容赦しないぞ!その勝負必ず俺が勝つ!!」
何で乗っかってるんだカズキ!勝負などしなくても私達はギシギシアンアンな関係ではないか!
私の為に戦ってくれるのは嬉しいが、この勝負何の意味の無いぞ!
「俺は勝って先輩と相思相愛になるんだ!ズコズコウッドピュゥな関係になるんだ!!
 くたばれウヌャニュペェィギュゥリュ星人!!武装錬金!モータちぶぅっ!!!!」
バルキリースカートが雄犬の急所を的確に貫く。ブチ撒けた訳では無いぞ、明日の朝まで
動けなくなる程度に痛めつけただけだ。

「斗貴子さん!?うわっ!エグっ!!大丈夫か剛太!?ああっダメっぽい!」
カズキ、私の為に無益な戦いはしないでくれ。私はキミが居てくれるだけでいいから。
「斗貴子さん…」
でもたまに不安になるんだ。キミが私から離れて何処かに行ってしまうじゃないかって。
キミはみんなのヒーローだから何処にだって行ってしまうんじゃないかって。
「斗貴子さんを置いて行ったりはしないよ!!」
わかっている。だが私には少し勇気が足りない、だから…私の部屋に行こうカズキ……。

私達は寄り添う様にして男部屋を出た。ビクンビクンッと痙攣し続ける肉塊を残して。


翌日私とカズキはむせび泣く剛太の声で目を覚ました。
この旅館壁が薄いのではないか?えぇい女将を呼べ。
                               第二話WORLDLINER  完
6名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 19:54:02 ID:OUs099XM
こっちが新スレ?
7名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 20:17:04 ID:yQTi+/L6
>>3-5GJ!
剛太…まぁ諦めろ。

>>6
新スレ重複しちゃってるね。
【俺は】武装錬金のSS 第9章【達人だ!】というのも立ってる。
8名無しさん@ピンキー:2006/07/02(日) 20:21:37 ID:eObcU0RL
剛太・・・・・・・


トリックネタワロスwww
9名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 00:13:07 ID:NTaVlvp5
うは、斗貴子さんコワスww
そして剛太カワイソス…
10名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 17:38:59 ID:hk6vBuNT
新作ドンドンどうぞー
華たん千歳たんちーちんさーちゃんまひろ桜花ばっちこーい
11名無しさん@ピンキー:2006/07/03(月) 20:22:50 ID:0kzgJOOg
>>3-5
何がともあれGJです。
ちょwwwwwww剛太哀れwwwwwww
12K-ness.:2006/07/04(火) 13:15:47 ID:KR1aNq9i
旅行から帰ってきた三戦士の様子が変だ。
上手く言葉に出来ないがなんとなくぎこちない。
相変わらずカズトキはストロベリってるし、剛太は哀愁がただよっている。
しかし三人が一箇所に固まると何とも言えない空気が生まれる。
旅行先で何かあったとしか思えん。
3Pか?3Pなのか?若さゆえの冒険心と知らない土地での開放感による一夜の過ちなのか?
いや、それは無いな。斗貴子がカズキ以外の男に体を許すとは思えんし、なにより
へタレの剛太にそんな度胸があるとも思えない。
そういえば二日目の昼にカズキの携帯に電話を掛けた時は心底楽しそうな声をしていたが、
翌日宿舎に帰ってきた時は笑顔の中に影があった。
つまり二日目の昼以降に何かがあったのだろう。
3Pか?やっぱり3Pなのか?押さえ切れない欲望と秋の繁忙期が激しくスパークリングして
大乱交スマッシュブラザーズへとなだれ込んだのか?

考えても分からん。手っ取り早く本人達に聞いてしまえぃ。
しかし斗貴子には「聞かないで下さい」と目を逸らされ、カズキには「俺は黙秘の達人だっ」と
胸を張られて、剛太にいたっては殴る勢いで泣き始めたのでアイスを買ってやった。
これは困った。何があったにせよ戦士としての戦いは待ってはくれない。
この様な状態で戦地に送り出しても戦うこともままならないだろう。
指揮官として早急にこの事態を解決しなければ。
けして面白そうとか何があったのか気になるとかでは無くあくまで任務のためだ。
管理人室で一人頭を抱え、思考がまた3Pへ行きかけた時俺の携帯が鳴った。敏感な内股を
バイブレーションが刺激し、思わず声が出てしまったのはブラボーとキミの秘密だ。

「防人君、私。」
千歳か、ちょうどいい俺の悩みを聞いてくれ。
「そう、私オススメの旅館だったから楽しんで貰えたら嬉しかったのだけど。」
旅館自体はとても気に入っていたぞ。
「でもそうね、プライベートな事だからあまり踏み込まない方がいいんじゃない?」
そうも言ってられん、特に剛太はひどいし。
「何があったのかしら?……もしかして3P?」
お前もか、戦士千歳。
「冗談よ。しばらく様子を見た方がいいと思うわ。時間が経てば自然と解決するかもしれないし、
 防人君には聞かれたくない事みたいだし。無理矢理聞いたりしちゃ駄目よ。」
むぅ、しかしだな
「相変わらず子供には優しいのね。あの子達なら大丈夫よ、しっかり自分の考えを持ってるもの。
 面白半分で首を突っ込もうとしている防人君よりずっと。」
ナンノコトヤラ
「とにかく今は放っておきなさい、きっと大丈夫だから。
 何も変わらないようならその時考えましょう。」
すまんな。それより千歳、そっちの用件はなんだ?
「防人君が悩んでるような気がして。」
…………。
「冗談よ。」
13K-ness.:2006/07/04(火) 13:17:25 ID:KR1aNq9i
千歳にはああ言われたがやはり気になる。そりゃもう気になる。
俺の大事な部下達がやんちゃと言う名の肉欲に溺れているかもしれないんだ、心配にもなる。
脳内で3P説が不動の物になりかけている事に危機感を覚えた俺は、火渡に借りた
AVを見て心を落ちつける事にした。ぶっちゃけ想像で興奮してしまったのだ。
『コスプレ好きのお姉さんが痴女って抜き抜きっ・完全版』
付き合いが長いだけの事はある。こうまで的確に俺のツボを突いてくるとは。
ビデオデッキにテープを挿し込むといきなり本番シーンが映し出された。巻き戻しとけ火渡!
しかし、今回のは良い。実に良い。ここ数年で一番のベストバウトだ。
高ぶった野性を静める為に遠心力を取り入れた方法で伝家の宝刀「ブラ棒」をイジメ抜く。
己の限界を超える事で今この時より漢は強くなっていく。あっもう無理、限界。
AV嬢の喘ぎ声が一段と激しくなったのと同時に、まだ見ぬ子供達が外界に飛び出そうと俺に
訴え掛ける。初めての親子共同作業。ようし、イ、イクぞおぉぉぉッ!!!
「戦士長、来週のせん・・・・っ!!」
ノックくらいしないか戦士斗貴子。

俺は今、十歳ほど年齢の離れた美女の前で正座されられている。下半身丸出しで。
「まったく!戦士長ともあろう者が何をしているんですか!?」
ナニをしていたんだが。
「こんなエロスなビデオにうつつを抜かすだなんて、今いくつなんですか戦士長!?」
ちょっと持て、俺はまだ二十代だぞ。まだ。
「それにいつまでソレを放り出しているつもりですか!隠して下さい!」
だって今すぐ正座しろって言うから。
「カズキといい剛太といい、なぜ男という生き物はこう…いやカズキはいいんだカズキは。」

む、斗貴子は今何と言った?カズキといい剛太といい、剛太?
何故そこで剛太の名前が出てくる?カズキとは常日頃からストロベリっているので名前が出るのは
分かる。しかし剛太は斗貴子に想いを伝える事すら出来ないへタレキャラ、斗貴子にエロスだと
思われる事を何より恐れているはずだ。その剛太を斗貴子はエロスだと思っている、必ず原因が
有る筈だ。クールになれキャプテンブラボー、奴の思考を読むんだ。
「カズキはエロスだが優しくしてくれるからな、何処かのブタ野朗とは大違いだ。
 しかし私とカズキの仲を妬みあんな事を…あの発情犬、去勢してやろうか。」
……目が本気じゃないか戦士斗貴子。なんでこんな子に育っちゃたのかなぁ。昔はあんなに
良い子だったのに、いつの間にかブチ撒け好きになってるし。どこで育て方を間違えた?
「あの粗チンさえ居なければ私とカズキはストロベリーパニックを満喫できたというのに、
 えぇい思い出すだけでも腹が立つ!あの肥溜野朗!!」
事態は大体把握した。つまりカズトキがいちゃいちゃラブラブストロベリー浪漫寄航している
最中に剛太が何か仕出かした訳だ。事件解決、めでたしめでたし。
…いや違う何も解決していない。斗貴子の怒りっぷりを見ても、放っておいてあのギスギス感が
自然解消するとはとても思えない。やはりここは俺が動くしか無いようだ。
とりあえず適当に謝った後、来週の事は後日伝えると言いくるめ斗貴子を部屋から追い出した。
さて、どうしたものか。……とりあえずパンツを穿こう。
14K-ness.:2006/07/04(火) 13:17:55 ID:KR1aNq9i
うっすらと現状を飲み込めたものの、良い解決策が見つからなく俺は再び頭を抱えていた。
思考がだんだん『ゴージャス松野のどの辺がゴージャスなんだ?』など、どうでもいい事に
脱線しかけた時俺の携帯が鳴った。ちゃぶ台の上で踊る携帯を見て
『空気の膨張で勝手に動き出す味噌汁の様だな』
などと思ってしまった事は口外しないでくれブラボーとキミの約束だ。
「防人君、私。」
俺の悩みを聞いてくれ。
「つまり二人の時間を邪魔された津村さんは激怒、剛太君は失恋してしょんぼり、
 優柔不断のカズキ君はオロオロ。こんな所かしら。」
おそらく。
「それこそ大人が首を突っ込んじゃ駄目よ、本人達で解決しないといけない問題だわ。」
むぅ、しかしだな
「あの子は、津村さんは私達にとって特別な子だから入れ込む気持ちは分かるけど、
 過保護すぎるのも良く無いわよ。思春期の女の子は繊細なの。」
その娘にさっきイチモツ丸出しで正座させられたのだが。
「動くにしてもまだ駄目よ。情報が少なすぎるわ。
 具体的に剛太君が何をしたのかを確認してから対策を練りましょう。」
分かった。色々とすまんな千歳。
「いいのよ。私とあなたの仲じゃない。」
ところでそっちの用件はなんだ?
「防人君がパンツ一丁で悩んでるような気がして。」
…………。
「相変わらず制服が好きなのね。」
……………………。
「冗談よ。」
待て切るなっ!見てんのか?どっかから見えてんのか!?俺の痴態を一部始終見てたのかっ!!?

AVの出元である火渡の身を案じながら、俺は寄宿舎の廊下を歩いている。
剛太が何をしたのか、それが問題だ。しかしそれさえ分かれば解決策が見えてくるはず。
もう考えるのが面倒くさくなった俺はカズキの部屋を目指している。
カズキはこの状況に一番不満を持っているはず、切り崩すならまずここだ。
千歳には「無理矢理聞いたりしちゃ駄目。」と言われているが、もう一刻の有余も無い。俺の中で。
カズキの部屋の前に着く。世間話にアメリカンジョークを交えたブラボートークから
それとなく何があったのかを聞き出す。完璧なプランだ。
気合を入れドアノブに手を掛けたその時、部屋の中から何やら声が聞こえる事に気付いた。
「斗貴子さんッ!すごっ、凄すぎるよ!こんな体位あり得ないよ!!うあっ、俺、もう!!!」
「あぁんカズキ!カズキィ!!へそがしゅごいことににゃってるぅ!!イイッ!イイよぉカズキィ!!!」
俺は無言でその場を後にした。仲良き事は美しきかな。
こうなれば剛太に直接聞くしかない。何度も言うがもう時間が無いのだ。俺の中で。
へタレの剛太のことだ、ちょっと痛くすると脅せばホイホイ喋る事だろう。
剛太の部屋が見える。剛太の部屋のドアを蹴破る。たのもう!!

……………………すまん、取り込み中だったか。
いやいいんだ、すぐ出て行く。気にせず続けてくれ。その、そんな眼で見るな戦士剛太。
俺もさっき同じ目に遭ったからな、気持ちは分かる。泣きそうな顔をするな!強い子だろお前は!!
悪かったっつってだろ!出てく、出てくよ!!おじゃましました!!!
話はまた明日に…む、そのビデオは

『スパルタンなSっ娘に縛られて抜き抜きっ・復刻版』

今度貸してくれ戦士剛太。
                          第三話ANOTHERSPACE  完
15名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 14:14:31 ID:OyHSHmMu
GJです。戦士千歳…
16名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 21:06:50 ID:L2xN1OeV
ごーた哀れだよごーた(´・ω・`)
17名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 21:16:26 ID:OyHSHmMu
あ、スレが落ち着いてきたらメル欄にsage入れてね。
18名無しさん@ピンキー:2006/07/04(火) 23:59:00 ID:xPhb44VJ
剛太ムゴス…
19名無しさん@ピンキー:2006/07/05(水) 23:13:12 ID:VHgEFFvr
この年で真夜中に錬金ドットのPV見て、最後のブチ撒ける宣言で恐怖を感じた俺が居る。
20名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 09:47:25 ID:3q6nzjpn
放送が始まるころには、きっとそれがエクスタシーになっているよ。
21名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 14:22:50 ID:UA2jL32W
斗貴子さんのパンツは何色ですか?
22名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 16:38:14 ID:YM6R5lSy
中にパンツなどない
23名無しさん@ピンキー:2006/07/06(木) 18:45:31 ID:NzCC7pmW
あるのはカズキのどう見てもアレだけだ
24K-ness.:2006/07/07(金) 17:15:23 ID:vGHTZ896
剛太弄り最終話投下
25K-ness.:2006/07/07(金) 17:16:00 ID:vGHTZ896
あの、なんで俺こんな所で正座させられてるんですか?
砂利がスネに喰い込んで痛いんスけど、つーか此処どこなんですか?
ちょ、戦士長!?なに俺の手首縛ってんスか!?
……いやっ、違いますよ!縛られるのが好きな訳じゃないっスよ!!
確かに年上のお姉さんに責められるシュチュは好きですけど、
男に縛られても全然嬉しく無いですよ!あっ、女だったら嬉しいって意味じゃないですから!
斗貴子先輩は別ですけどっ!!
てか、ほどいて下さいよ戦士長。何の目的で、……アレ?千歳さんは?

えっ、あぁ、はい。千歳さんに突然呼び出されて銀成駅の近くにあるロッテリやに行きました。
千歳さんとはすぐ合流できたんですけど、何で呼び出されたのかとか、どこに行くのかとか
なんも教えてくんないまま移動し始めたんスよ。
とりあえず後ろついて行ったんですけど、路地裏っつーか人気の無い所ばっかり通るんです。
それで、怒らないで下さいよ?突然立ち止まったと思ったら、
お子様はご遠慮すべき煌びやかなオトナのお城の前だったんです。

千歳さんはゆっくり振り向いたと思ったらいきなり俺に抱き着いて来て
「お願い…寂しいの……」とかおっしゃられた。
フローラルな香りに加え豊満な凶器をぐいぐい押し付けてくる物だから、
俺のリザードンは火炎放射寸前。これがちまたで噂の「あててんのよ」ってやつか?
潤んだ瞳で見上げられて、理性と言う名のサクラん坊が吹き飛びそうになったその時、
愛する先輩の顔が脳裡をよぎった。そうだ、俺は先輩と共に創世の日を迎えると心に誓っていたはず。
経験豊富なクーデレ美人も魅力的だが、先輩を裏切る訳にはいかないんだ!ゴメン、千歳さん!!
「私とじゃイヤ?」
……来たるべき先輩との蜜月に備えて俺はより一層のスキルアップを図る必要がある。
悪魔城の中では今頃、魑魅魍魎による淫靡な宴が繰り広げられている事だろう。
あえてその中に入り込む事によって、俺は貧弱な坊やから強靭なソルジャーへと進化するんだ。
それはすなわち漢を知らぬ先輩に極上のもてなしで初夜を迎えてもらう事に繋がり、
濁流の様に溢れ出る俺のガンダーラへの想いを鎮める結果ともなる。
好きな食べ物も音楽も知らない仲間達と合流する覚悟を決めた俺は千歳さんの腰に腕を回した。
さあ千歳さん、カタストロフを楽しみましょう。
大人の階段を登ろうと一歩踏み出したその時、頚椎に鈍い衝撃が走り俺は意識を失った。

それで気が付いたら戦士長が仁王立ちで俺を見下ろしてた訳なんですけど違うんです。
ホントに違うんです、俺は先輩一筋ですからっ!決して脱・童貞を焦った訳ではないんです!
千歳さんなら優しく俺をオオカミにしてくれるかも、とか思ったりしただけなんです!!
出来心なんです!若さから来る過信が招いた失敗談の一つなんです!!
落ち着いて考えるとやっぱ千歳さんより先輩の方が圧倒的にイイっスもん!
具体的には若げばぁ!!!……っふ、ぬふぅ、スンマセンデシタ千歳サン…。
いやっ、何で千歳さんがいるんですか!?おつかれサマです!!
って違う!この俺を一撃で昏睡させる様な強敵を相手に一体どうやって!?
……え?何言ってんスか、……なんスかその悪女の目は?
俺の事好きって言ったじゃないっスか。週末だけでもいいからって言ってくれたじゃないっスか。
……言ってない?聞こえてましたよ俺には。千歳さんの心の叫びが。

…………………俺を騙したのかッ!!!?
二人して俺の1/3の純情な感情を踏みにじったのか!?弄んだのか!!?
何が目的だ!金か!?身体か!?どっちもたいした事無いぞ!!
何だその哀れむ様な目は!?俺は可愛そうな子なんかじゃ無い!!!

ええ、はい。落ち着きました。失礼な事言ってすいませんでした。
だからこれ以上膝の上に大石を乗せるのやめてください。
重いんです。砂利が食い込むんです。素で痛いんです。
それで何だってこんな事を、……聞きたい事がある?
なに、喋ればいいんスか。……温泉旅行……いや、それはちょっと。
話します。話しますから石はやめて、痛くしないで。
……二日目ですか?………分かりました……。
26K-ness.:2006/07/07(金) 17:16:52 ID:vGHTZ896

目を覚ました俺は見慣れない周囲に戸惑った。
富士山の頂上で先輩と青姦する夢を見たせいだろうか、思考がはっきりしない。
段々と意識が現実に向いてきた時、俺は昨日の惨劇を思い出した。
宇宙人に操られた先輩が俺の事を殺しにかかって来たのだ。
しかし俺の事を想う先輩の強い気持ちが精神操作に打ち勝ち、俺はすんでの所で一命を取り留めた。
俺と先輩との愛の力に感動を覚えるも、先輩が此処に居ない事に気付く。
最悪の状況が脳裡をよぎる。宇宙人の狙いは地球上でもっとも清らかな先輩の身体。
現状から察するに先輩はもう………。
俺は泣いた。ただひたすらに泣いた。愛する者を守り切れなかった悔しさ。
愛してくれた人に謝罪すら出来ない現実。後悔が俺を心を蝕むのを止めるすべを持たない俺は
泣く事でしか今の自分を表せなかった。リットル単位で泣いても涙が枯れる事は無かった。
「うるさいぞ剛太!他のお客に迷惑だろ!」

……先輩?……………先輩っ!!?
生きてた!生きていてくれた!!その事実に再び涙が溢れる。
プライドの高い先輩の事、自分が陵辱されたと知ってショックのあまり精神崩壊してしまったんじゃ
無いかって、でも先輩はそのくらいで壊れたりしないって、ずっと不安だったんですよ!!
でもよかった……どんな形でも、生きていてくれて本当によかった………。
先輩……例え先輩が汚されたとしても、俺は先輩を愛し抜きます。
二人での新しい生活がどんなに辛い記憶だって忘れさせてくれますよ。
赤い屋根の小さな一軒家に子供達と一緒に静かに暮らしましょう。
アハハッ、こらこらノリスケ(仮名)ママのおっぱいはパパの物なんだぞ?
「剛太おはよう。なんで泣いてんの?」
まだ居やがったウヌャニュペェィギュゥリュ星人!!!
てめぇこの野朗、先輩は俺の為に昨日まで純潔を守り続けてきたんだぞ!!
それを、それを貴様なんぞに、…うぅ…えぐ…うっうっ…
「どうした剛太!?まだ昨日の傷が痛むのか!?」
「ほっとけカズキ。それより私は朝食前に風呂に入ってくる。
 まだ少し眠くてな、目を覚まして来る。汗も掻いた事だし。」

先輩が出て行く。部屋には俺と武藤の二人きり。
先輩はこいつをカズキと呼んだ、つまりこいつは本物の武藤なのか?
「傷はもう治ってるみたいだな。核鉄があるから大丈夫だと思ってたけど、
 色々はみ出してたから少し心配だったんだ。」
具体的にナニとナニがはみ出していたのか気になったが、それより今は
俺が倒れている間に先輩がどうなったのかが知りたい。おい、お前本当に武藤か?
「なに言ってんだよ、本物だって。ナントカ星人じゃないってば。」
証拠はあるか?
「こないだブラボーにお気に入りのAV持って行かれたからって、俺にエロ本借りにきたじゃん。
 『Hでキレイなお姉さん 哀・精子』」
OK分かったお前は本物だ間違い無い。俺が言うんだからノープログレムだ。
それで、昨日あの後何があった?先輩はどうなったんだ?
「別に。斗貴子さんの部屋に行ってそのまま寝たけど。」
……?なにを言ってるんだ武藤、先輩の部屋で寝た?二人で?
「うん、斗貴子さんがこのまま此処で寝ろって言ったから。
 別に俺はどっちの部屋で寝てもよかったし、布団も二つあったから此処でいいやって。」
何がどうなっている?先輩が同じ部屋で男と二人で寝る?ハッ、あり得ないねそんな事。
斗貴子先輩は天使だぞ?戦乙女だぞ?神々しいまでに輝く女神様が
汚らしい下々の者共にその柔肌を触れさせる訳がない。触れさせる訳が分からない。
クールになれ中村剛太。なぜ先輩は武藤を部屋に入れたのか、それが勝利の鍵だ。
……なるほど、つまりこういう事か。
27K-ness.:2006/07/07(金) 17:18:31 ID:vGHTZ896
俺が先輩の手により倒されたその時、先輩にかかっていた精神操作が完全に解ける。
倒れている俺にすがり付き、泣きわめきながら俺に謝り続ける先輩。
俺のかたきを討つため立ち上がるものの、愛する者を失った悲しみから足元がおぼつかない先輩。
そんな状態では宇宙人に勝てるはずも無く、善戦虚しく敗れ去る先輩。
先輩の身体に宇宙人の触手が絡みつく。
最初は抵抗していた物の、俺がいない今抵抗する意味が無いと感じた先輩は
その穢れを知らぬ肉体を不気味な触手にされるがまま、ただ悲しみの中で放心している。
触手はまるで一本一本が意思を持っているかのごとく、先輩の身体を這いずり回る。
ついに先輩の秘密の花園に魔の手が伸びようとしたその時、奇跡が起こる。
色々はみ出して倒れていたはずの俺の身体からまばゆい光が溢れ出る。
その光を浴びた宇宙人は断末魔を上げながら灰となり消えてゆく。
俺の元に駆け寄る先輩。しかし俺の意識は回復しない。先輩の視界が涙で滲む。
その時俺は寝息を立てる。寝息がいびきに変わり、それと同時に安堵する先輩。
さっきの光は二人の愛が生んだメイクミラクルだと気付き、一人赤くなる先輩。
その時になって初めて自分がおぞましい体験をした事を思い出し、肩を抱えて震える先輩。
乱暴に部屋の扉が開かれる。宇宙人に捕らえられていた武藤がようやく戻ってくる。
俺の傷は核鉄の治癒力で問題無いと判断した武藤は、先輩を落ち着かせる為に
部屋の移動を提案する。俺から離れたく無いと首を振る先輩を立たせ、
強引にでもこの空間から移動をさせる。もう休んだ方が良いと布団を敷く武藤。
しかし先輩は俺への心配と恐怖体験からなかなか寝付けない。
部屋を出て行こうとする武藤を捕まえて落ち着くまで居てくれと言う先輩。
俺と先輩の仲を知っている武藤は、先輩が寝付けるまでならと下心なく了承。
自身の疲れも手伝って先輩より先にウトウトする武藤。
優しい先輩はこのまま眠って構わないと武藤用の布団を敷く。
泥の様に眠る武藤。その様子を見て安心感が先輩を包む。
瞼が重くなり、明日こそ俺に告白しようと心に決めて先輩は眠りに就くのだった。   f@n

涙で前が見えない。なんて感動的なんだ!?
結果として先輩は武藤とも宇宙人とも関係を持っていない事になる。
つまり先輩は処女。
しかも先輩から俺への告白が確定済み。寄宿舎では人の目がある、キメるとしたら今日しかない。
告白→よろこんで→ボルケーノってことなのか!?今日一日でそんなにイベントがあるのか!!?
いや駄目だいけない、いくら相思相愛でも順序って物がある。まずはキスからだ。
キスってどんな味がするんだろう。甘いのか?甘酸っぱいのか?
そんな事を考えてる内に先輩が帰ってきた。いつの間にか食事も用意されている。

「ではいただこうか。しっかり食べるんだぞカズキ。」
先輩、何で武藤にはご飯よそって俺にはよそってくんないんスか。
あ、そっか。これから毎朝俺にご飯をよそう事になるからその予行練習ですね先輩。
俺には一番美味しくよそえる様になってから、って所ですか。
くはぁ、いじらしいっス先輩!そんなに俺を想ってくれてるなんて!!
「カズキ、ご飯粒が付いてるぞ。慌てて食べる事も無いだろうに。」
「え?どの辺?」
「しょうが無いな、取ってやろう(じゅるり)」
これはあれですね。来たるべき新婚生活で俺に対して照れないように
シュミュレーションしているんですね先輩。でもいいんですよ、
顔を赤くしながらご飯粒を指で摘む先輩なんて想像しただけで、もうっ!!
「斗っ、斗貴子さん!?」
「何赤くなっているんだ、もう取れたぞ(カズキハァハァ)」
………先輩は今何をした?確かに武藤の頬にご飯粒が付いていた。ああ付いていていたとも。
それを何で取った?真珠の如く眩く光る先輩の上の口?何だ今の白昼夢。
やり過ぎっスよ先輩!試してみたいのは分かりますけど、チューは本番まで取っといて下さい!!
いや待て俺。先輩は今『本当は剛太にしたかったのにな』と
センチメンタルになり落ち込んでいるんだ。そうに違いない。
ここは俺が顔にご飯粒を付ける事により、自分を捨てて先輩の望みを叶えてあげるんだ。
さあ先輩こっちの準備はいいですよ、顔中いたる所にご飯粒を付けました。
恥ずかしがる事はありません!カム・ヒア!!
…………結局そのまま食事は終了し、白い髭を生やした俺は「ご飯粒付いてるぞ」と言ってきた
武藤を睨みつけながら顔中の米を摘んで食べ続けた。塩の味がする。泣いてなんかねぇよ。
28K-ness.:2006/07/07(金) 17:19:29 ID:vGHTZ896
「さっき仲居さんに聞いたんだが。」
二人分のお茶を淹れながら先輩が喋り始めた。
そのお茶が俺の前に置かれないのは、先輩なりの照れ隠しだと俺は信じている。
「どうやら今日は一日雨のようだ。強く降る事は無いが小雨が降り続けると言っていたな。」
少し残念そうに先輩は言った。確かに窓の外は小雨がぱらついている。
満天の星空の下で俺に情熱的な告白をするつもりだったんだろう。
おいおいお天道様。うちのプリンセスはご機嫌斜めだぜ、出て来てくれないかい?
「そうなんだ、一緒に恋人岬に行こうと思ってたのにね。どうしよっか?」
「それは残念だが、元々慰安で来ているんだ。何もせずゆっくりするのも悪く無いだろ。」
恋人岬?お前なんか一人でバナナワニ園にでも行っとけ馬鹿!
「じゃゲームでもしよっか。俺、色々持って来てるから。」
武藤は荷物の中からトランプやらボードゲームやら次から次に取り出し始めた。
お前、荷物多いと思ったらそんなもん持って来てたのか。
だが残念ながらどんなゲームを持って来てもお前が俺に勝つ事は無い。俺は頭がイイからな!!


そんな感じでスピードで武藤と無駄に張り合ったり、大貧民で負けた罰で雨の中コンビニまで
パシらされたり、部屋に帰ったらなんか先輩ツヤツヤしてるし、武藤汗掻いてるしで
俺が居ない間に何が?とか考えてたら、今度は武藤が「足りなかった」とか言って近くの薬局に
行くし(何が?)先輩と二人きりのチャンスにこちらから仕掛けようとしたら、何故か先輩は
武藤を追って出て行って、一人取り残された俺は先輩の荷物を漁ろうかどうかモンモンと悩んだり、
相合傘で歩く先輩と武藤を窓から見てしまい、一人血涙を流したりしてました。
……えぇ、はい。そういや武藤に戦士長から電話がありましたね。丁度その時です。
………そのあとですか……別に何も無かった様な………。

はい嘘です、すいません。喋りますからその釘と金づち引っ込めて下さい。何に使う気ですか?
つーかなんでそんな事聞くんですか!?ほっといてくださいよ!!
任務?三人で?……今のうちに解決しとけ?………いや大丈夫ですよ。
仕事はちゃんとやりますよ。もう大人なんですから、気持ちの切り替えくらい出来ます。
……そう言う意味の大人じゃ無いっスよ!チェリーって言うなよチクショウ!!
ホントにもう勘弁して下さいよ戦士長!マジで!!
こないだ買った最新AV貸しまあべしっ!!!……あふっ、はふぅ、スンマセンデシタ千歳サン…。
……四の五の言わずに喋れ?………その前に鼻血拭かせてもらえませんか……。
29K-ness.:2006/07/07(金) 17:20:11 ID:vGHTZ896

オセロで武藤に三連敗した俺は、罰としてジュースを買いに行っている。
くそぅ、何故だ。この俺が何故あんなパンピーに負けるというのだ。
しかし今武藤は先輩とオセロをしている。大方インチキでもしていたんだろうが
先輩には通用しないぞ、確実に五連敗はするね。武藤は落ち込むね。
そして油断した所をドーーン!!
武藤への罰ゲームを考えながら部屋に入ると、先輩と武藤がオセロをしていた。
オセロをしていたんだ。オセロをしてたんだっつってんだろ!!
決してオセロ盤の上で手と手を重ねて見つめ合ったりして無ぇからな!
白やら黒やらひっくり返そうとして手が重なっただけの事故なんだからな!!
ピンク色の波動なんか俺には感じねぇからな!!
いい加減俺に気付けよッ!!!

半泣きで先輩から武藤を引っぺがし、武藤に対して威嚇のポーズを取る。
「えっと、今のはオセロを裏返そうとして。」
先輩はそうだろうな。だがお前は鷹の目をしていた!先輩を狙うハンターの目をなッ!!
俺と武藤の間合いが少しずつ縮まってきた時、トゲのある声で先輩が語りかけてきた。
「随分と時間が経ったが夕食まではまだ時間があるな。剛太、風呂にでも入ってきたらどうだ。」
風呂っスか?そうですね先輩がそう言うのなら入ってきます。先輩は?
「私は夜にもう一度入る。気にせず行ってこい。」
分かりました。先輩の為にしっかり一部を洗っておきますね。
「あっ、俺も行く。じゃあ斗貴子さん行ってくるね。」
「(ちっ)ああ、ゆっくり疲れを取ってこい。」
武藤が疲れている様には見えないが、俺達は先輩を残し大浴場へ向かった。

時間が良いのか男湯にはほとんど客がいなかった。ほぼ貸切状態だなこりゃ。
武藤がパンツを脱ぐ。武藤のチャレンジャースピリッツがあらわになる。
全泣きで引き戸を開ける。水蒸気が目にしみただけだ。
やはり客は少ない。俺と武藤はかけ湯をしたあと温泉に浸かる。
寄宿舎の風呂も足を伸ばせるが、この景色は楽しめない。
武藤と二人で使うには勿体無い程だが、心地よさの前にそんな考えもすぐに消え失せる。
そして俺は温泉を堪能しながら、今夜起こる俺と先輩とのランデブーに思いを馳せる。

完熟トマトの様に真っ赤になった先輩が震える声で『ずっとキミだけを見ていた』と想いを告げる。
普段よりずっと小さく見える先輩の身体をその心ごと優しく包み込む。
自分の意思とは関係なく涙が溢れる先輩。それが幸せによる物だと先輩はまだ気付いていない。
慌てて涙を拭こうとする先輩。しかしそれより先に俺は自分の唇で先輩の涙を拭き取る。
先輩の顔が更に赤くなる。まるで常夏の国ハワイの沈みゆく太陽の様に。
おっと失礼、先輩の方がずっとキレイさ。ハワイの夕焼けが嫉妬しちまうくらいにな。
『キミは卑怯だ。私ばかりキミを想っているみたいじゃないか。……言葉で聞かせてくれないか?』
分かってるさ先輩、その言葉が聞きたくてちょいとイジワルしただけなんだ。
ありったけの想いを最高の笑顔と共に先輩に届ける。再び先輩の瞳が揺れ動く。
『そんな事言われたら、私はキミから離れられなくなってしまうじゃないか。』
おっと、こいつぁとんだ我がままフェアリーだぜ。私生活に困らない程度にしてくれよ?
『剛太……。名前で呼んでくれないか……。もう、先輩じゃ嫌なんだ………。』
俺だってもう先輩なんて呼べないさ。先輩後輩はもう過去なんだから。俺の「斗貴子」
二人を包む一瞬の静寂。もう言葉は必要無い。ただお互いがお互いを求めあう。
愛する事を知らずに育った少女。しかし稽古不足を幕は待たない、恋はいつでも初舞台。
戸惑いの中、重力に引かれあう様に二人の影が重なる。永遠とも思える長い口付け。
甘い蜜の味をずっと味わっていたいと思うが、俺の方から唇を離す。
幸せそうな、でもどこと無く残念そうな表情をした斗貴子と目が合う。
俯く斗貴子。俺は斗貴子の肩にあごを乗せる。両手は斗貴子を抱いて離さない。
斗貴子の耳元で俺は小さく告げる。もっと斗貴子が知りたいと。
ここからじゃ斗貴子の顔は見えない。でも斗貴子が微かに頷いたのを俺は感じた。
俺を信じてくれた斗貴子。そして斗貴子の覚悟。そのカルマを背負い俺は斗貴子に覆い被さった。
30K-ness.:2006/07/07(金) 17:20:51 ID:vGHTZ896
「おい、剛太。聞こえてんのか?」
遂にシリコンでの練習成果を斗貴子にぶつける時が来た。ロマンティックが止まらない俺は
「剛太。おい剛太ってば。」
うるせえな!いいトコなんだよ、今!!
「あ、聞こえてた。のぼせてんのかと思ったぞ。」
へっ、俺はいつでも先輩にお熱だぜ。沸騰するくらいにな。
「明日銀成に帰るだろ。お土産どうしよっかと思って。」
知るか。自分で考えろ。
「ブラボーには何かいい物買って帰りたいよな。
 この温泉もブラボーのおかげで入れてるんだし。何がいいだろ?」
AVでいいだろ、一番喜ぶぞ。
戦士長への土産のジャンルを武藤と議論していると、本当に少しのぼせてきた。
おい、俺はもう上がるぞ。
「俺はもう少し入ってる。斗貴子さんに伝えといて。」
ああ、伝えてやるさ。先輩への燃える様なパッショーネをな。

部屋に帰ると先輩が座椅子にもたれ掛かる様にして眠っていた。
疲れているのだろうか、安らかな寝息を立てている。
どうやら先輩は俺の自尊心を刺激するスキルをラーニングしている様だ。
落ち着け!俺のモーターギア・イン・アウトモード!!
ここで先輩の事を襲ったりしたら、先輩のピュアなハートを傷つけてしまうじゃないか!
俺を信じてくれている先輩を裏切るのか?持て余す若い獣欲の所為にして過ちを犯すのか?
駄目だッ!!俺は先輩を悲しませる為に産まれて来たんじゃ無い!先輩を守る為に、
幸せにする為だけにこの世に生を受けたんだ!パパとママの若気の至りが生んだ伝説!!
先輩の無防備な横顔が眼に映る。
……キスくらいイイよな。うん、イイに違い無い。
だって先輩が望んでんだもん。俺とのキスを望んでやまないんだもん。
少し強引な方がイイんだって偉い人が言ってたもん。
時代はワイルドな男だって筑紫哲也が言ってたんだもん。
フッ、今すぐ起こしてやるぜ白雪姫?お妃様に嫉妬される程の美しさはもう俺だけの物さ。

極度の緊張で酸素が足りないと肺が悲鳴を上げる。
ジョッキ一杯じゃ収まらないほどの汗が全身から流れる。
先輩の顔が近づくにつれ、二人の思い出が走馬灯の様に俺の頭を駆け抜けて行く。
夏の海での再会   深夜の浜辺での鬼ごっこ   二人の未来を守る為の逃避行
親指姫になった先輩   先輩のすっぽんぽん   思い出の学園での新しい思い出創り
強すぎる敵との戦い   失った戦友への嘆きと後悔   先輩のすっぽんぽん
様々な感情が渦巻く中、最後に残ったのは俺と先輩の愛。二人の時代を作る愛。
ラブ・サバイバーとなった俺の唇が先輩の唇に触れようとしたその時、
眠り姫の瞼が予告も無く開いた。
「………何をしている剛太?」
最後に聞いた言葉は恐ろしく冷たい魔法。
最後に見た光景は美しく舞うヴァルキュリアの幻想。
一言も発する事無く俺の身体は深淵へと沈んで行った。
31K-ness.:2006/07/07(金) 17:22:29 ID:vGHTZ896

そのあとの事は覚えてません。目が覚めたら旅館を出る時間でした。
もういいでしょ、話せる事はこれで全部です。
先輩は俺に幻滅して俺の淡い初恋は終わりを告げた、それだけの話ですよ。
どこにでも在るコイバナっスよ、笑いたかったら笑って下さい。
……ホントに笑うなコンチクショウ!!!
ああ振られたよ!全部俺の一人芝居だったんだよ!!分かってたよ!俺は頭がイイからな!!
そりゃ気まずいさ!!振られたもん!俺、振られたもん!怖くて先輩に合い辛いもん!!
そんなに滑稽かッ!落ち込む俺を慰めようとか微塵も思わ無ぇのかッ!!
俺が傷付いてるんだぞッ!悔しく無ぇのかこのゴミ虫共がッ!!
あぁッ!!………これ以上ナニ言えっつーんだよ!もうなんも出てこねーぞ!!
…………先輩が怒っている理由?さっき言ったっしょ。
…………その位じゃあんなに怒らない?……そう言われれば……。

なんスかそのバット、いくら殴られてもこれ以上……………
無理無理無理無理無理無理無理無理無理ッ!!!
そんな太いの入らない!!無理ッ!!裂けるッ!!裂けちゃうッ!!!
お願い許してッ!!もうイヤだよ!……ヤだよぅ……こんなのイヤぁ………ぐすっ…あぐっ…。
……でも本当にもう心当たりが無くて、……ただ気絶してただけだし。
あっ、そういや嫌な夢を見ました。関係無いと思いますけど。
……内容ですか?……あんま思い出したく無いんですけどね…………。
32K-ness.:2006/07/07(金) 17:23:28 ID:vGHTZ896

此処はどこだろう。真っ暗で何も見えない。
俺はどうなったんだ。分からない。何も思い出せない。
これが死ってやつなのか。案外苦しく無いんだな。
遠くから声が聞こえる。いくら聞いていても飽きない大好きな声が。
先輩。先輩が呼んでる。俺の事を呼んでる。叫ぶ様な声で俺の名前を何度も何度も。
起きなくちゃ。目を覚まさなくちゃ。だってまだ先輩に伝えて無い事があるから。

「あはぁ!カズキィ!!気持ちイイよぉ!もっとぉ!もっと突き上げってぇ!!ふああぁぁ!!」
「ほら斗貴子さん、ここがイイんだね!こんなに締め付けて、もうイきそうなんだね!!
 そんなに大きな声出したら剛太が起きちゃうよ!淫乱な斗貴子さんを見られちゃうよ!!」
「いやぁカズキィ!もう云わないで呪文めいたその言葉ぁぁぁ!!
 ひゃうぅぅッ!!らめぇ!らめなのぉぉ!イクぅ!!イっひゃうぅぅぅッ!!!」
なんだこのナイトメア。
俺は何故こんな夢を見ている?まだ目を覚ましていないのは間違い無い訳だが、
この悪夢はいったい何を意味してるんだ?なんかの暗示なのか?
「はあ、はあ、斗貴子さん……良かった?」
「んっ……良かったぞカズキ。ふふっ……本当に元気だなキミは、もう何回目だ?」
「あー、何回目だっけ?忘れちゃた。斗貴子さんこそ元気じゃない。好きだよね、エロス。」
「そんなコト言うな馬鹿ッ!恥ずかしく無いのかキミは!!……まあ、しているあいだは
 私も没頭するし、キミも上手くなってるから苦にはならないし………嫌いじゃ無いが…………。」
おいドリーム、何時まで俺をお前の世界に縛り付ける。
先輩と?武藤が?甘々ピロートーク??俺は病んでいるのか。
「……斗貴子さん可愛いすぎ。………もっかいイイ?」
「まったく、しょうがない子だなキミは。……あっ、コラカズキッ………んんっ!」

お前が何を訴えようとしているのか俺には解らない。
しかしもういいだろう。俺の先輩をこれ以上汚さないでくれ。
もう止めてくれ、もう見たくないんだ。こんなものもう見たくない。見たくない。見たく……
……何だこの感覚は?先輩が陵辱されてるのに、悔しいはずのに、俺は今、興奮している?
先輩と武藤の行為をこのまま見続ける放置プレイに俺はもう耐えられない。
では俺は何を望んでいる?この高揚感の正体はなんなんだ?
再び先輩の獣道に武藤のパトリオットが侵入する。武藤の動きに合わせて腰を振る先輩。
俺は……交ざりたがっている?あのカオスに?

そうさコレは夢。レム睡眠が見せる一夜の幻。
俺の中に眠る新たな性癖を気付かせてくれた、ブレインから俺へ初めてのプレゼント。
サンキュー、ドリーム。お前からの粋な計らい有難く頂くぜ。
重たい身体を無理矢理起こす。全身が痛む。痛みの伝わる夢なんて初体験だぜ。
おっと、これからもっと重要な初体験が俺を待っている。夢の中も大事な訓練場さ。
ズボンとパンツを一気に下ろす。おしりを出した子一等賞。
喘ぐ先輩にルパンダイブ。テンションに任せろ。迷ったら負けだ。
先輩、俺と寝んごろにぃぃーーーーッ!!!
33K-ness.:2006/07/07(金) 17:24:28 ID:vGHTZ896

で、バルスカでブチ撒け寸前にされるって夢なんですけど。
………なに言ってんスか。夢っスよ、疲れた脳が見せたイタイ夢っスよ。
だってあり得ないでしょ。先輩があのブサイクに身体を許す?どんなギャグですかそれ。
…………………嘘だっ!!!
あれはフィクションだ!ファンタジーだ!!渇いた心が見せた蜃気楼なんだ!!
確かに俺は先輩に振られたさッ!!でもあのクサレチンポと先輩がくっつくなんて許され無いんだ!
先輩はいつか必ず俺の魅力に気付くんだ!俺が居ない世界では生きて行けない事実に気付くんだ!!
前世から先輩と結ばれるって決まってんだ!!
先輩は処女じゃなきゃ駄目なんだッ!!!

先輩?どうして此処に。………全部聞いてた?
…………そんなッ!!現実!?あれが!?
嘘だ……あの日、先輩が処女を………武藤なんかに………
え?そんな、そんな前から!!?………嘘だ………うそだ………ウソだ……………

戦士長、千歳さん、俺また振られちまいました。
ああ、大丈夫。男だからな、泣いたりしないさ。
でも、先輩はとっくに、武藤のものだったんスね……。
……戦士長、俺しばらく旅に出ます。先輩を吹っ切る為に。
先輩が思い出になるまで、世界を見て回って来ます。
…………先輩と武藤に、俺の戦友に『幸せに』って、そう伝えて下さい。
じゃあ俺行きます。二人共お元気で。大丈夫ですよ、俺だって、錬金の戦士なんですから……。


数週間後、中国の貨物船に漂流していた日本人の青年が保護された。
彼は自分の名前を泣きながら『ツムラ ゴウタ』と名乗ったと云う。
                                 第四話MESSENGER  完
34名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 19:18:48 ID:xU70ggxL
とりあえず剛太、ご愁傷様。
いろんな意味で。
35名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 19:28:31 ID:yVNKXek9
トロイメントかよ!w
36名無しさん@ピンキー:2006/07/07(金) 21:14:13 ID:nNfhxVVd
かわいそうなゴータ… ちーちんに慰めてもらいなさい
37名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 10:54:01 ID:58R9wB3r
この旅行でカズキのサンライトハートは何回エネルギー全開になったんだろうな
「やりすぎて赤くなっちゃった…いてて」
「そうか、私が責任をとってさすってあげよう…。舐めてもいいぞ?」
(ま、また元気になってきちゃった…)
ドックンドックン
「ふふっ、いやらしいなカズキは(さわさわ)」
38名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 11:38:18 ID:m0gDt0zP
胸にある核鉄のおかげで、治癒力等が常人よりも強力そうだから
やっぱ「回復力」も素晴らしいものがありそうだ

良かったなTQN!
39名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 13:32:08 ID:58R9wB3r
しかし日常生活に支障を来たさないか?

たとえば電車の中でジャンプ読んでたら
(あ…TO LOVEるの春菜ちゃんって、おかっぱ具合が斗貴子さんに似てる…
 ちょっと胸が小ぶりなところも…)
なんて思ってたら拘束のシーンで勢い良く勃起してしまって…
40名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 13:47:12 ID:XeJIV9v+
その場合は「目潰し」「バルスカ」などの単語を小声で10回つぶやいて
股間を沈静化させます。
41名無しさん@ピンキー:2006/07/08(土) 19:40:17 ID:AZbiktDn
>>39
スズメバチの人の方が似てると思う


カズキ(うわ何この戦闘服露出度高過gqあwせdrftgyふじこl)
42名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 17:01:20 ID:6/hkxh7g
>>40
残念ながらカズキのサンライトハートはその単語にこそ全開です。
43名無しさん@ピンキー:2006/07/09(日) 18:16:07 ID:zl/O54EC
斗貴子さんのヘソチラやうなじ、太股とかも反応しそうだなカズキ。
胸は……。まぁ「丸ごと全部好き」だから無問題だな。
44名無しさん@ピンキー:2006/07/11(火) 14:38:26 ID:gwikO1es
何を隠そう、オレは乳揉みの達人だー!!!!
45名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 00:17:09 ID:BJ9H9R9G
>>44
そのわりには小さいままだなw



ザシュグチャ
46名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 00:49:43 ID:7TFGl45e
>>45
大きくしないように気をつけて揉む達人なんだよ。きっと。
47K-ness.:2006/07/12(水) 02:03:57 ID:agLKo1VB
俺の書く剛太はオチ担当でオイシイくせに周りから哀れ哀れと言われているので
だったら幸せになってみやがれこの野朗とあえて自分で救ってみる無駄に長いSS投下。
48K-ness.:2006/07/12(水) 02:04:56 ID:agLKo1VB

私と彼が出会ってから一年が経った。

        Nameless Song


三人娘のめがねっ娘。これで大体の人は私の顔を想像できる。
一部のクラスメイトと親しい友人は、私のことをちーちんの愛称で呼ぶ。

「オハヨー、ちーちん。今日も早いね。」
まひろは今日も私をちーちんと呼ぶ。まだ寝惚けている沙織も同じ、呼び方はちーちん。
「おはよう。ほら、いい加減起きなさい沙織。」
「んあー、オアヨーちーちゅん…」
「言えて無いって。」
洗面所から出て食堂に向かう。途中上の階から降りて来た先輩達と挨拶をする。
「まひろ大変だっ!実は俺達兄妹が韓国人だったって夢を見た!」
「お兄ちゃん私達日本人だよ!だって日本語喋ってるもん!」
朝からこの兄妹はテンションが高い。
いつもなら斗貴子さんがツッコむ所だけど、斗貴子さんは今この寄宿舎に居ない。
「ちーちゃん、さーちゃんもオハヨー。うーさむっ、早く朝メシ食って暖まろう。」
4バカ+三人娘、このグループ内ではみんな私をちーちんかちーちゃんと呼ぶ。
この愛称が気に入っていない訳じゃない。
親しみを込めた呼び方だから、心地よく感じる時もある。
「おはようまひろちゃん、沙織ちゃん、千里ちゃん。今日も冷えるね。」

彼は私をちーちんと呼ばない。
理由を聞いたら「恥ずかしいから」と眉間を掻きながら言っていた。
 中村剛太先輩
武藤先輩と斗貴子さんの戦友。
少し頑固で現実的、でも本当はすごく優しい人。

「おはようございます中村先輩。今日は学校行くんですか?」
「あー、うん。一応俺、受験生だし。」
彼と初めて出会ったのは一年前の冬。
何か痛みに耐えているような顔がひどく印象的だった。
49K-ness.:2006/07/12(水) 02:05:41 ID:agLKo1VB
大人数で食堂に入る。
いつも使っているテーブルで、もう一人の友達が私達を待っていてくれた。
「皆さん、おはようございます。」
一年前、彼と一緒に転入してきた毒島華花ちゃん。
控えめで引っ込み思案、お人形さんのように可愛い子。
武藤先輩は彼女を仲間だと言っていた。
戦友と仲間。私には分からないけど、何か言葉に差があるような気がした。

「オハヨー、はなちゃん!今日もふわふわぁー。」
「ま、まひろちゃん、やめて…」
華花の髪の毛にまひろが頬擦りする。
転入してきた華花に、武藤先輩達の知り合いという理由でまひろはよくまとわり付いた。
始めは戸惑っていた華花も、時間をかけて打ち解けてくれた。
まひろと沙織に振り回される華花を私が保護する。そんな関係。
夏休み、真っ赤な顔の華花から「好きな人がいる」と聞かせてもらった時
私達は本当の友達になれたような気がした。
ちなみに最近では三人娘から四人娘に格上げされているらしい。

「まっぴーズルイ!わたしもー。」
「あっ、あぁ、や、やめて…」
「いつまでやってんの。ほら、ごはん取りに行くよ。華花も早く。」
じゃれ合う三人を連れて厨房に朝食を貰いに行く。
おぼんを持った彼とすれ違う。焼き魚のいい匂いがした。
自分達の分を持って彼が待つテーブルに戻る。
定位置に座り両手を合わせて食べ始める。いただきます。

周りに比べてこのテーブルはあきらかに騒がしい。
話す内容は他愛の無いもの。学校のこと。勉強のこと。次の日曜日のこと。
味噌汁をすすりながら、斜め向かいに座る彼の横顔を眺める。
武藤先輩のボケを冷たく流す彼。
この二人、仲が悪い訳じゃ無い。
武藤先輩は彼をとても信頼している。そして彼も。
上手く言葉に表せない、斗貴子さんを含めた親友同士の関係。
あえて言うなら武藤先輩がボケて、斗貴子さんがツッコみ、最後に彼が仲裁するトリオ漫才。
はっきり言って面白い。彼はちょっと不服そうだけれども。
50K-ness.:2006/07/12(水) 02:07:15 ID:agLKo1VB
朝食をしっかり食べたあと、部屋に戻り作務衣から制服に着替える。
玄関の前でまひろが来るのを待つ。いつもあの子が最後に靴を履く。
登校は女の子四人一緒に、男子達より少し早く寄宿舎を出る。
私達四人は運良く同じクラスになれた。それはもう楽しい高校生活を送ってる。
来年もみんな一緒だといいな。

「ああっ!!今日、日直だったの忘れてた!職員室行かなきゃ!」
学校に着くなり沙織が騒ぎだして、言い終わらない内に走り出した。
「じゃあ教室でねー。」
「まだ時間あるから、走らなくても……行っちゃった。」
ブンブン手を振るまひろと、立ち尽くす華花の前を歩き出す。
「さ、私達も教室行くよ。」

クラスは同じでも席はみんな微妙に離れてる。
いつも真面目に聞いている授業もなぜか今日は耳に入って来ない。
窓の外をぼんやりと眺めながら、頭は勝手に彼のことを考えてる。
51K-ness.:2006/07/12(水) 02:07:44 ID:agLKo1VB
彼の笑顔には影がある。
管理人さんに彼のことを紹介されたとき、まずそう思った。
理由は自分でも分からない。
でもなんとなくそんな気がして、私は彼を目で追うようになった。

彼は誰とでも同じように接する。でもそれは誰にでも壁を作るということ。
まひろと沙織の質問責めにも彼は笑って答えていた。
でも肝心な所ははぐらかし、自分の敷地に他人を入れたがらない。
自分と他人の線引きを必要以上にする人。そう見えた。
そんな彼が武藤先輩と斗貴子さん、管理人さんの三人にはなんにも飾らずに接している。
彼と武藤先輩達に何があったのか私は知らない。
たぶん私の想像も付かない何かがあって、今の彼らの関係があるんだと思う。
でも、少しうらやましい。

私は彼を気にするようになった。
この気持ちが恋なのかどうかは分からない。
でも少しでも彼のことが知りたいと思う気持ちはだけは本物。
まず知りたかったのは彼の痛み。
何がそんなに辛いのか、何をそんなに我慢しているのか。
誰にも知られたく無いことかもしれない。
でももし、もし私が力になれることなら、何かしてあげたい。
そんなことばかり考えている自分に気が付いた。

すぐに私は彼の痛みの正体を知ることになった。
夜、トイレに行く途中彼と斗貴子さんの会話が聞こえてきた。
斗貴子さんの部屋の前で、彼が斗貴子さんに何か言っている。
会話が終わったようで斗貴子さんは部屋の中に入る。
斗貴子さんが入った部屋のドアを見る彼の横顔を見たとき、すべてが判ってしまった。

私はそのまま自室に戻り、ベットに腰掛けマクラを抱いた。
さっきの彼の顔、影の無い笑顔。
……彼は斗貴子さんが好きなんだ。
武藤先輩と斗貴子さんのことは私も知っている。
彼はどんな気持ちで二人を見ているんだろう。
彼はどんな想いで斗貴子さんと話していたんだろう。
頭の中がこんがらがる。何を考えればいいのかすら分からない。
目の前が滲み、マクラに水滴が落ちる。
あれ、なんで私が泣いてるの。本当に泣きたいのは彼のはずなのに。
ああ、そっか。やっと何が知りたいのか分かった。
……私は彼が好きなんだ。

マクラに顔を押し付けて私は泣いた。
一人しかいない部屋で誰にも聞かれないように声を殺して泣いた。
それはスピーカーから流れる歌を、無理矢理押さえ込むようなこと。
どんなに力を込めて押さえても、歌が終わるまで音は勝手に溢れていく。
私の恋は誰にも知られること無く終わりを告げた。
52K-ness.:2006/07/12(水) 02:08:32 ID:agLKo1VB
「明日は小テストするぞー。お前らしっかりヤマ張って来いよ。」
いつの間にか授業は終わっていた。周囲のブーイングが私を現実に戻してくれる。
「うえぇー、なんでテストなんてするのよぉ。最悪ぅ。」
「まぁまぁさーちゃん元気出して!それよりみんな楽しみ、お昼ごはんの時間だよ!!」
「まっぴーなんでそんなに元気なのよぅ。テストだよテスト。」
「何を隠そう私はヤマ勘の達人よっ!!」
「あの、先月もそう言って全部はずしていたじゃないですか。」
昼休みに入り、教室内は一斉に活性化する。
ビニール袋をぶら下げたまひろが近づいてきた。
「ちーちん、ごっはんだよ!早く行こっ!」
「そんなにはしゃぐとまた転ぶわよ。ほらちゃんと前見て!」
私は出来るだけいつも通りにふるまって、屋上に向かった。

屋上のドアを開けると、彼と先輩達が私達が来るのを待っていてくれた。
いつの間にか昼食はみんなで屋上に来て食べるようになっていた。
季節の所為か他の生徒はいない。私達の貸切。
私は彼から少し離れた所でパンの袋を開ける。いただきます。

「はなちゃんこれちょーだい!」
「あ、わたしこのムニエル!前食べて美味しかったんだぁ。」
「どうぞ食べて下さい、あの、良かったら千里ちゃんも。」
小食の華花が多めのお弁当を作ってくるのはこの為。
華花の料理は絶品だからいつも奪い合いになる。華花は嬉しそうにそれを眺めている。
本当にいい子だと思う。
「ありがとう、頂くね。」

「だって剛太授業中寝てたじゃん。」
「うるせぇ、昨日勉強してたんだよベンキョー。」
彼と武藤先輩の会話が耳に入る。
「受験もうすぐだろ?やっぱり斗貴子さんに勉強教えて貰えば?」
「くどい。俺は自分で大学受けるって決めたんだ。先輩の力は借りねぇ。」

私は彼に惹かれている。
それは自分でも分かっている。勝手に一人で終わらせたはずの恋、それも分かっている。
それでも友達として傍に居られたら、後輩として憧れるだけなら、ずっとそう思っていた。
見ているだけで良かった、でも
彼は卒業してしまう。
53K-ness.:2006/07/12(水) 02:09:07 ID:agLKo1VB
卒業後みんなの進路は別々。
4バカは武藤先輩以外は進学、でもみんな違う大学を受ける。
武藤先輩と斗貴子さんは就職。例のナントカって所に雇って貰うらしい。
斗貴子さんの学力なら名門大学にだって行けるのに、少し勿体無い気がしたけれど
「まだ世界には、困っている人や苦しんでいる人がいるから。」
二人はそう言っていた。武藤先輩と斗貴子さんらしい選択。
あと、これは直接聞いた訳じゃないけれど、二人は卒業したら結婚するみたい。
隠しているつもりなんだろうけどバレバレ。
大方、武藤先輩は私達を驚かそうとしていて、斗貴子さんは恥ずかしくて言い出せない。
そんな所だと思う。

彼は進学を選んだ。
理由を私は知らない。武藤先輩達はたぶん知っている。
でも武藤先輩達も始めは驚いていた。
一緒に就職するものだとばかり考えていたんだと思う。
大学に通いながら、武藤先輩達の仕事も手伝うと彼は言っていた。
なぜ大学に行くのか?と彼に聞いてみた。
彼は苦笑いで「なんでだろ?千里ちゃん分かる?」とはぐらかされた。
「若宮さん」だった頃より、私と彼の距離は縮まったと思う。でもまだ遠い。
なぜ彼は武藤先輩達と別の道を選んだのか。
結婚した二人をどんな気持ちでこれから見ていくのか。
それは彼だけが知っていること。知りたいけど、私が知る必要の無いこと。
だって私は、卒業した学校のただの後輩になるのだから。

午後の授業も聞き流し、気が付くと放課後になっていた。
途端にまひろが騒ぎ出す。
「さーちゃんクレープ食べに行こっ!駅前の美味しいトコ!」
「むぅー、今月はもうお金が無いからなぁ。まぁいっか!行こ行こっ!」
「あ、ごめんなさい。私ブラボーさんに呼ばれていて…」
「そーなん?ちーちんは?」
「私もパス。あんた達そんなに食べるとまた」
『言わないでッ!!』
ハモった。
「……二人で行って来なさい。私達はまた今度でいいから。」
「すみません…」
買い食いに行く二人別れ、私と華花はまっすぐ帰路に着いた。

「管理人さんと何か話でもあるの?」
「私と剛太さんに、手伝って欲しいことがあるんだそうです。」
彼の名前が出てきて私は動揺した。
さっきから彼のことばかり考えている。
彼に何の用があるんだろう。三人で何かするのかな。
「…千里ちゃん?どうかしましたか?」
「ううん、ごめん。何でも無い。」
ちゃんと笑えているだろうか。
彼と華花は仲間同士。たったそれだけで華花に嫉妬するなんて、どうかしている。
54K-ness.:2006/07/12(水) 02:09:59 ID:agLKo1VB
自室で机に向かいシャーペンを走らせる。
明日の小テストの予習。でも頭の中は彼のことで支配されている。
今頃何をしているんだろう。
華花と管理人室にいることは知っている。
何をしていたのかは、聞いても教えてくれないんだろうな。

私はよく音楽を聴きながら勉強をする。
最初は集中できると思ったから。科学的な効果が無いことは最近知った。
でも私はこの勉強方を気に入っている。
好きな歌を聴いているだけで気持ちが落ち着く。焦らずに勉強ができるような気がする。
今日はヘッドホンを付けていない。好きな歌も今は聴く気になれない。

機械的にシャーペンを動かしていると、小さく控えめなノック音がした。
「あの……毒島です…」
「華花?開いてるわよ、入って。」
俯いたままの華花が入ってくる。何か申し訳無さそうにドアの前に立ったまま動かない。
「華花……どうかしたの?」
少し小さめの声で華花に問い掛ける。
顔を上げ、何かを決意したように私の目を見ながら華花は言った。
「ちょっと、お話ししませんか…」

ベットに座らせた華花と向かい合う。
話しを聞こうとしたら、また俯いてしまった華花にこちらから語り掛けてみる。
「何かあったの?悩みがあるなら聞くけど。」
微かに顔を上げ、始めは視線を泳がせながら華花は答える。
「あの、違うんです。……私じゃ無いんです。」
そして、その小さな身体からは想像できないほど力強い瞳が私の目を射抜く。
「千里ちゃんこそ、悩みがありませんか。」
55K-ness.:2006/07/12(水) 02:11:04 ID:agLKo1VB
息が詰まる。動悸が激しくなっているのが分かる。
「………どうして?」
私の返事を聞いて、華花は私の手元に視線を移しポツリポツリと喋り出す。
「最近、変だなって思っていたんです…」
「最初は体調が悪いのかもしれない、と考えていたんですが。」
「上の空と言うか、何か考え込んでいると言うか。」
「その、心配…なんです。」

気付かれていた。普段と同じに、今までと同じにしていたつもりなのに。
「間違っていたらごめんなさい…」
そんな顔しないで、華花は悪くない。
悪いのは私。いつまでも自分の気持ちを整理しきれない私。
「その…まひろちゃんも沙織ちゃんも気にしていて…」
そうだったんだ。心配掛けていたんだね。
「話したく無かったらいいんです。…でも、もし…」
華花も悩んでいたんだ。
でも原因は私。私の所為で華花もまひろも沙織も苦しめていた。
「もし私が力になれることなら、何かしてあげたいんです……」

何で相談しなかったんだろう。
華花はこんなに私を気に掛けてくれている。
華花だけじゃ無い。まひろも、沙織も、私が心を開くまで待っていてくれている。
こんなにいい友達が近くにいるのに、笑わずに聞いてくれる親友がいるのに。
何だって、話せたはずなのに…
「……聞いて、くれる?」

ひとつひとつ確かめるように話した。
好きな人がいること。その人にも好きな人がいること。何も告げずに諦めてしまったこと。
その人がもうすぐ離れて行ってしまうこと。……本当は諦め切れていないこと。
「その人って……剛太さん、ですか?」
「なんだ、やっぱりバレてたんだ。」
「えっ、違います…。その、今、解っちゃて…」
「なんで華花が赤くなってんのよ。本っ当に可愛いわねこの子は。」
両手で顔を隠し「うぅ」と項垂れる華花を見て自然と笑顔がこぼれる。

さっきまで、華花は彼と一緒に居たことを思い出した。
華花は私より彼のことを知っている。華花だったら知っているかもしれない。
「華花、中村先輩が大学に行く理由、知ってる?」
突然の私の問いかけに華花は戸惑いの表情を見せた。
下を向いて少し考えた後、弱々しい口調で返事が返ってくる。
「ごめんなさい…私は知りません…」
「誤ること無いって。」
次の質問をするかどうか私は迷った。
聞かない方がいい。聞かない方が傷付かずに済む。でも、今は少しでも
彼のことが知りたい。
「じゃあ、斗貴子さんとのことは?」
56K-ness.:2006/07/12(水) 02:11:37 ID:agLKo1VB
華花の目が大きく見開かれる。驚かせることは分かっていた。
「中村先輩の好きな人、斗貴子さんよね。」
自分で言って傷付いた。心が痛い。
「何か、知ってることがあったら……」
言葉が続かない。涙が出そうになる。
今は我慢しないと、私から聞いたんだから。

「ごめんなさい…それも……私は知りません…」
言葉を選ぶようにゆっくりと華花は答える。
「直接、剛太さんから聞いた訳じゃ無いので…」
「でも…初めて剛太さんに会ったとき…」
「剛太さんは、津村さんのことが好きなんだって…すぐに分かりました。」
華花の言葉が途切れる。俯いたまま顔を上げない。
聞きたく無い。でも、聞きたい。
「……それは、何で?」

「私と剛太さん達は…詳しくは言えませんが、対立していました。」
「対立?」
「はい、事情があって敵同士だったんです。
 本当は仲間同士なんですけれど…ごめんなさい、上手く言えません…」
「いいの。それで?」
「剛太さんは津村さんを身を挺して守ったんです。言葉通り、命懸けで。」
「その時の、剛太さんの表情が全てを語っていました…」
「私は…自分の任務を忘れて、津村さんを……うらやましいとさえ、思いました…」
華花の声が震えている。泣くのを我慢しているような声。
「誰かに、あんなに想って貰えるなんて……うらやましいって………」
華花が口を閉じた。両手でスカートを強く握っている。
全部話してくれたんだ。私の為に嘘を付かずに、最後まで泣かずに。
「ありがとう。華花。」
硬く握られた華花のこぶしの上に、一滴の雫がこぼれた。

「突然お邪魔してすみませんでした。あの、また明日…」
そう言って華花は部屋から出て行った。
悩みを私一人で抱え込まずに、必ず相談することを約束して。
でも今は、一人になりたかった。
華花が聞かせてくれた彼の想いの深さ。
やっぱり彼が好きなのは私じゃ無い。
やっぱり私は斗貴子さんには勝てない。
彼が、私を好きになることは無い。

蛇口を捻ったように涙が溢れる。
部屋を出て行く時の華花の辛そうな表情は、私が泣くことを知っていたから。
どんなに泣いても何も変わらない。それは一年前から分かっていた事実。
それでも今は泣きたかった。泣くことで少しでも楽になりたかった。
部屋中に泣き声が広がる。
声だけでも抑えたい、でも抑え切れない。
自分の意思とは関係無く、私は嘆きを歌う。
私はこんな歌を聴きたく無い。
こんな悲しい歌を歌いたく無い。

机の上のヘッドホンを耳に当て、音量を最大にする。
大好きな歌を聴きながら、大嫌いな歌を私は歌う。
私しかいない部屋には、二つの歌がいつまでも流れ続けた。
57K-ness.:2006/07/12(水) 02:12:25 ID:agLKo1VB
一晩中泣いた所為だろうか、頭が痛く身体が重い。
自分の顔を見て絶望した。学校に行けるような顔じゃない。
鏡の前で固まっていると、ノックが聞こえ返事をする前にドアが開いた。
「ちーちん、朝だよってうわぁ!!どうしたのその目!!」
「まひろ…いきなり入って来ないでよ。ビックリするじゃない。」
「ご、ごめん。洗面所にいなかったから、まだ寝てるのかなって…」
そういえば鍵をかけないで寝てしまった。迂闊。

「どうかしたのか?」
半開きのドアから顔を覗かせたのは、今二番目に会いたく無い人。
私達には言えない人助けをする為に、しばらく銀成に居なかった人。
「斗貴子さん……おかえりなさい。」
私の顔を見て斗貴子さんは驚く。自分でも酷いと思える程だからしょうがない。
「……何か、あったのか?」
静かな優しい声。私を気遣ってくれているのが分かる。
「なんでも無いんです。昨日映画見て大泣きしちゃって、酷い顔でしょ?」
苦しい言い訳、私だったら絶対に信じない。

「ちーちん、でも」
「分かった。今日は無理せず休みなさい、学校には私から上手く言っておく。」
やっぱり斗貴子さんは優しい。
「すみません迷惑掛けて。この顔で学校行く勇気はちょっと無くて。」
「いや、いい。……困ったことがあったら何時でも言いなさい、それじゃ。」
駄目だ。この人には敵わない。

「まひろも、早くごはん食べに行きなさい。」
「うん…分かった……」
暗い表情のまま、まひろは部屋を出ようとする。
「ねえ、まひろ。」
ドアノブに手を掛けたまひろが振り向く。
まひろも、私のことで悩ませていたんだよね。
「全部話せるようになったら、私の話、聞いてくれるかな?」
まひろの顔が見慣れた笑顔に戻った。
「当然っ!私達、大親友だもんっ!!」

一人になった部屋で考えることは、懲りずに彼のこと。
私は斗貴子さんのように強くなれない。
斗貴子さんの強さは、戦う力だけじゃない。
心の深さ、誰かの為の優しさ、それが斗貴子さんの本当の強さ。
一人の部屋で惨めに泣き続ける私は、彼の横に立っても何も出来ない。
彼には強い女性が必要で、それは私じゃ無い。
58K-ness.:2006/07/12(水) 02:13:13 ID:agLKo1VB
目が覚めたらお昼を回っていた。ベットに突っ伏したまま眠ってしまったらしい。
鏡を見る。少しは良くなっていたけど、まだ人前には出たくない。
ベットの上であらためて考えてみる。
今、私は初恋をしている。

今まで人を好きになったことが無い訳じゃない。
いいな、と思った男の子が何人か居た。
でもこんなに一人を好きになって苦しい思いをしたことは無い。
一人の男の子で頭がいっぱいになったことなんて初めて。
大切な私の初恋。
どんな形でも、もう終わらせないといけない初恋。
また涙が出そうになる。
こんなに弱い私は、もう彼を好きでいることは出来ない。

夕焼けのオレンジが窓から刺す時間になった時、気付いて欲しそうな小さ過ぎるノックが聞こえた。
聞かなくても分かる。華花だ。
ドアを開けるといつも以上に縮こまった華花が立っていた。
私の顔を見て、辛そうな表情で俯いてしまった華花を部屋に招く。
「どうぞ、入って。」

昨日と同じ。華花はベットに腰掛け、私は椅子に座り向かい合う。
「あの、昨日はごめんなさい…。私が…あんなこと、言ったから……」
思い詰めたような華花の微かな声。
「私……千里ちゃんのこと、傷付けましたよね………」
今にも泣き出しそうに華花の顔が歪む。
「そんなこと無いよ。華花は、私が知りたかったことを隠さずに話してくれたんだから。」
偽りの無い本心を華花に伝える。昨日のお返し。
「苦しかったけど……嬉しかったよ。」
やっと華花の笑顔が見れた。

「諦めるんですか…」
また辛そうな表情に戻った華花からの質問。
華花は全部分かっているんだ。私がどうしようとしているのか。
「うん。……諦める。」
そう、私は諦める。この初恋を過去にする。
華花の顔に更に影がかかる。静かすぎる部屋の中、華花は小さく呟いた。
「私は、諦めて欲しくありません。」
59K-ness.:2006/07/12(水) 02:13:44 ID:agLKo1VB
聞き取り辛い小さな声。でもはっきりとした主張。
「諦めて…いいんですか…」
時間を掛け、絞り出すように華花は続ける。
「好きなんですよね、剛太さんのこと…」
きっと華花は私の答えを知っている。それでも私に問いかける。
「どうして……諦めてしまうんですか……」
「……私は、斗貴子さんとは違うから。」

「斗貴子さんみたいに強く無いから。」
「斗貴子さんと違って弱いから。」
「斗貴子さんには、なれないから。」
私は彼の好きな人になれない。だから彼から好かれることは無い。
それが十分に分かったから諦める。諦めていつも通りの私に戻る。
そうすれば、また四人で楽しい毎日を送れる。

「私は、嫌です…」
華花の小さなこぶしが強く握られている。
「私は…千里ちゃんが好きです……」
その上に大粒の涙が次々と滴り落ちる。
「千里ちゃんが…苦しむのは……嫌、です……」
段々華花の口調が弱まっていく。
「初めて、出来た……友達…だから………」
もう華花は泣くのを我慢しない。
「…大切……な、友達……だから………」
感情のままに言葉を出し続ける。
「……でも……諦めて、欲しく………ない……よぉ………」

遂に華花は大声で泣き始めた。
ああ、そうか。何もしないで彼を諦めたら、私が後で後悔することを華花は知っている。
諦めないでも、私が彼のことで悩み続けるのを華花は知っている。
どっちを選んでも華花を苦しめるんだ。
だったら、私はもう迷わない。
椅子から立ち上がり優しく華花の頭を包み込む。
「ごめんね華花。私、諦めない。」

私の胸の中で華花は泣き崩れる。
私に包まれながら心の中の苦痛と歓喜を華花は歌う。
私の為に作られた、歌詞すら無い歌。
華花の柔らかな髪を撫でながら、私はひたすら華花の歌に酔いしれた。
「私、諦めないから。」
60K-ness.:2006/07/12(水) 02:14:15 ID:agLKo1VB
二人で散々泣いた後、お互いの顔を見合わせて私達は笑った。
華花の綺麗な顔が台無し。私も相当酷いことになっているんだろうな。
「明日、学校が休みで良かったですね。」
「そうね。華花のそんな顔を見ていいのは私達だけなんだから。」
この子が居てくれて本当に良かった。私はまだ頑張れる。

私と華花は二人だけの秘密の約束をした。
お互いの恋を隠さず報告しあうこと。
想いを告げるまで諦めないこと。
どんな結果になっても、後悔しないように最後まで頑張ること。
華花も随分と難儀な恋をしているらしい。
まひろにも沙織にも内緒の約束をして、華花は笑顔で部屋から出て行った。

すっかり暗くなった夜空を窓から眺める。
真っ暗な空を見上げて、これからのことを考える。
諦めない、それは決めた。
でも私と彼の距離は何も変わっていない。
近づけるにしても、あまり時間は残っていない。彼の卒業まであと三ヶ月も無いから。
それまでに、せめて想いを伝えよう。


「雪…」
始めは小雨だと思った。でもすぐにそれが弱い雪だと気付いた。
去年は振らなかったし、この辺りでは振ること自体が珍しい。
窓を開けると冷たい風が入って来る。
「もうみんな、寝てるよね。」
頭を冷やすには丁度いいかもしれない。
作務衣の上に半纏を羽織り、私は寄宿舎の中庭に向かった。

星の無い空から落ちて来る白い結晶。
私はただその光景を見続けた。
粉雪は地面に落ち、土に吸い込まれて消えていく。
私みたいだと思った。
どんなに想っても、彼の心に私は残らない。
どんなに泣いても、彼の心に私は積らない。
消えて無くなるだけ。
思考がまた悪い方向に向いて、自分の肩に両手を回す。
身体の寒さと心の寒さ、その両方を暖めたくて私は私を強く抱きしめた。
61K-ness.:2006/07/12(水) 02:15:28 ID:agLKo1VB
「どうしたの?」
「きゃあ!!」
振り向いた私はそのまま固まる。
会いたかったけど、会いたく無かった人。
「廊下歩いてたら見えたから、驚かせた?」
驚いた。こんな近くに彼が居ることに。
「いえ、そんなことは…」
彼の顔が見れない。何を言っていいのか分からない。
俯いたままの私。…彼の前から逃げ出したい。

「元気無いよね、最近。」
彼が何を言っているのか分からなかった。
「結構前からさ、そんな気がしてて。あぁ、俺の勘違いならごめん。」
「でもさ、千里ちゃんてあんまり人に頼んないじゃん。」
「悩みとかだったら、誰かに聞いて貰うだけでも…」
私と目が合って、彼の言葉が止まる。
今私はどんな顔をしているんだろう。
目が腫れた醜い顔なのは分かってる。でも彼の驚きが違う所にあるのは分かる。

彼は私を見てくれていた。
元気が無いと気付いてくれていた。
悩んでいるんじゃないかと気に掛けてくれていた。
彼の心の中に、私は存在していた。
今の私にはそれだけで十分。

「……俺には言いたく無いことみたいだね。」
笑顔を浮かべたまま、彼はそう言った。
「えっ、違います!……違います…」
それは違う。一番聞いて欲しい人は彼。
私がどんな表情をしていたのかは分からない。
でも彼が読み取った答えは間違い。彼の勘違い。

「話したく無いなら無理に話すことないって。俺も無理矢理聞いたりしないし。」
何て答えていいのか分からない。彼の顔を真っ直ぐに見れない。
「男が嫌なら、女友達に相談するとか。まひろちゃんとか斗貴子先輩とか。」
斗貴子さんの名前が出て、騒ぎっ放しの心臓が凍り付く。
「あ、ごめん勝手なこと言って。誰にだって隠したいこと位あるのに。」
私の気持ちを聞いて貰いたい。でも、振られるに決まっている。
だって彼が好きなのは斗貴子さんだから。
彼の前なのに泣きたくなる。もう、このまま雪と一緒に消えてしまいたい。

頭に浮かんで来たのは華花の笑顔。華花との約束。
頑張るって、諦めないって、そう決めたんだ。
これからじゃ駄目。今、約束を守らないと。
「…中村先輩、聞いて貰ってもいいですか……私の、悩み。」
62K-ness.:2006/07/12(水) 02:16:15 ID:agLKo1VB
彼の部屋に通される。
何度か来たことはあったけれど、一人で来たのは初めて。
凄く緊張しているのが分かる。
「あー、その椅子に座ってて。コーヒーでいい?」
マグカップを用意しながら彼はこちらを伺う。
「はい、御馳走になります。」
小さく頭を下げながら答える。
身体がだいぶ冷えている、温かい物が欲しい。彼の淹れた物なら尚更。

「はい、暖まるから。」
彼からマグカップを受け取る。
彼はブラック、私は砂糖とクリームの入ったホットコーヒー。
「美味しいです…」
「そう?まだ苦かったら言って。」
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」
彼は「いいって」と手を振り、私と向かい合うような形でベットに腰掛ける。
思っていたより距離が近い。更に緊張する、顔が熱い。

マグカップを見つめながら、私は固まっている。
困った、何を話すのか考えて無かった。
聞きたいことも、言いたいことも山ほどある。
でも言葉が出て来ない、……怖い。
不意に彼が口を開いた。
「随分、泣いたみたいだね。」
私の顔を見ながら、作り笑顔で彼は続ける。
「俺に言える範囲でいいから、言ってみて。」
子供を安心させるような口調でそう言って、彼は私の言葉を待つ。
彼の優しい言葉で私は落ち着き、何かが吹っ切れた。
こんな顔まで見られたんだ、もう飾ってもしょうがない。
思うがままに言葉にしよう。
「中村先輩は、何で進学しようと思ったんですか。」

いきなり自分のことを聞かれて彼は戸惑う。
私自身、何でこの質問をしたのか分からない。口が勝手に動いた。
「何でって、……今度はちゃんと答えなきゃ駄目かな。」
前に一度私をはぐらかしたことを覚えていたみたい。
「聞かせて貰えませんか?」
「うん、いいよ。話せる範囲でなら。」
言い手と聞き手が逆転してしまった。

「斗貴子先輩と武藤が就職することは知ってるよね。」
「知っています。」
「二人の就職先がどんな所か、大体は分かるかな?」
「何と無くですけど。何をするのかまでは知りません。」
私が知っているのは、二人が正義の味方だということ。
そして彼も、二人と一緒に戦っていた戦友だということ。それだけ。
「それで、俺も何時かそこに就職するつもりでいるんだ。」
「……何時か、ですか。」
「ああ、今すぐじゃ無い。今の俺じゃ、あの二人の横に立てない。」
63K-ness.:2006/07/12(水) 02:16:55 ID:agLKo1VB
「俺はさ、あの二人に比べたらすげぇ弱いんだ。」
「えっと、腕力とか?」
「いや、喧嘩とかじゃ無くて心が弱いんだ。情け無い話なんだけど。」
まったく悔しく無さそうな顔で、彼は続けた。
「武藤は他人の為に平気で命を賭けられるし、
 先輩は先輩で根が優しいから誰かの為に傷付くことを厭わない。」
一旦間を置く。マグカップを床に下げてから、彼は私に語り出す。

「先輩も武藤も、誰かの為に戦っていた。」
「俺は自分が守りたいものさえ守れれば、それで良かった。」
「それこそ、他人がどうなろうと知ったこっちゃ無かった。」
「あの二人と俺は、根本から違ってるんだ。」
私は彼がどんな辛い戦いをして来たのか知らない。
でも彼が命を懸けてでも守りたかったものを、私は知っている。
「今の俺は、まず二人に追い着くトコから始めないといけないんだ。」
「でないと、俺は此処から先に進んで行けない。」
その言葉を聞いた時に分かった。
彼は、斗貴子さんを諦めようとしている。

「守ればいいじゃないですか。」
彼が私を見つめている。私は顔を上げない。
まるで何かに取り憑かれたように私の口は動く。
「これからも、守り続ければいいじゃないですか。」
斗貴子さんのことを命懸けで守った彼。
斗貴子さんのことが好きなはずの彼。
「このまま、一緒に居ればいいじゃないですか。」
武藤先輩から奪ってでも、諦めず傍に居続ければいい。それなのに、何で。
「何で、諦めるんですか。」

「俺じゃ駄目だから。」
迷いの無い、力強い彼の言葉。
「俺じゃ本当の笑顔にしてあげれないから。」
どうして笑って言えるの。辛いはずなのに。
「それでも俺は、先輩に幸せになって貰いたいから。」

「それが大学に行く理由。今の俺が先輩と武藤の傍にいても、二人の邪魔になる。
 まずは俺が先輩を吹っ切る。二人から離れて、新しい生き方を考える。
 で、心底二人を祝福できるようになったら二人の所に戻る。
 それでやっと、俺は一人でも前を向いて歩ける。」
武藤先輩と斗貴子さんはこれから二人で歩いて行く。

「まあ、離れるって言っても二人の仕事手伝うこと多いだろうから、嫌でも顔合わせるし。
 俺の前であんまりイチャつくようなら、そこは邪魔してやりたいし。」
彼は一人で歩いて行こうとしている。

「それにしても千里ちゃん、俺が斗貴子先輩のこと好きだったの知ってたんだ。
 隠してたつもりなんだけど、もしかして皆にバレ…」
すっかり冷めたコーヒーに、私の涙が混ざった。

「千里ちゃん?」
「知ってます。」
彼は強い。好きな人の幸せを何より望める程に。
「……知ってます。」
でも、彼の好きな人は彼の隣りを選ばない。
「ずっと見てましたから。」
せめて、私が彼の隣りに居てあげたい。
「ずっと、好きでしたから…」

「私、中村先輩のことが……好きです。」
64K-ness.:2006/07/12(水) 02:18:06 ID:agLKo1VB
「ごめん。」
分かっていた。
私は振られる。分かっていたはずなのに、涙が溢れてくる。
せめてこれ以上彼を困らせ無いように、まぶたを強く閉じる。
それでも涙は流れ続け、私の頬をつたい落ちる。
その流れを止めるように、私の左頬に彼の右手が触れた。

「俺のこと、気に掛けてくれてるって知っていた。」
私の前にしゃがみ込み、私の頬を撫でながら彼は続ける。
「全然気付いて無かった訳じゃ無いんだ。」
涙で霞んで良く見えないけど、彼の顔が凄く近くにある。
「俺の所為で、ずっと悩んでたの?」
折角彼が拭いてくれたのに、また涙が出てくる。
彼の所為じゃ無い。でも、原因は彼。
口を結んだまま、私は小さく頷いた。

「ごめん。」
「……謝らないで、ください…」
泣き声混じりの声しか出せない。でも、ちゃんと言わなくちゃ。
「私が…勝手に……好きになったんです。…中村先輩は、悪くありません。」
「いきなり、こんなこと言って………ごめんなさい。」
「そうじゃ無いんだ。」
急に目の前が暗くなった。

何時間か前に私が華花にしたように、彼は自分の胸の中に私の頭を包み込む。
「せっ、先輩!?」
「千里ちゃんの気持ちには答えられない。」
言葉とは裏腹に、彼は私の頭を強く引き寄せる。
「俺が一番好きなのは、斗貴子先輩だから。」
私は何も言えない。ただ彼の胸の中で、黙って耳を傾ける。
「だから、今はごめんなさい。」

「好きな人が居るんだ。」
私の頭を放し、微笑みながら彼は言った。
「俺の中で二番目に好きな女の子。」
「今はまだ斗貴子先輩が一番だけど。」
「いつか、絶対にその子が俺の一番好きな人になる。」
彼と私の目が合う。
「勝手なことだって分かってる。でも、その時が来たら…」

「俺の方から言わせてくれないかな。」
彼の胸に飛び込んだ。
65K-ness.:2006/07/12(水) 02:18:46 ID:agLKo1VB
彼の身体にすがり付きひたすら彼の胸元に染みを作る。
彼は何も言わずにただ私を抱き締めてくれている。
私の喉はもう悲しみを鎮める狂詩曲を奏でない。
今私が歌っているのは初めて歌う恋歌。
彼の為だけに歌う、名もなき歌。

そっと私のめがねを外し、彼の親指が私の目尻を拭う。
目の前の彼は、優しい笑顔で私を見つめている。
彼に想いを伝えたくて、この喜びを届けたくて、
彼の首に両手を回し、触れるだけの幼いキスをした。

「あー、思ってたより早かった。」
「……何が、ですか?」
初めて見る彼の凛々しい笑顔。
この陰りの無い笑顔を見ているのは、私と粉雪だけ。

「俺、千里ちゃんのこと━━━」


彼にだけは聞かせたく無かったはずの歌。
もう彼の前だけでしか歌えなくなってしまった歌。
私はこれからもこの歌を歌い続けるだろう。
でも一人で歌うことは無い。私が歌うのは場所は彼の胸の中でだけだから。


何時までも彼の隣りで彼に捧げる、『名もなき歌』
                                      了
66名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 08:03:22 ID:RbcPuYPN
GJ。朝から感動して泣いてしまったじゃないか!
剛ちー、もっと増えんかなぁ〜(*´д`*)
67名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 12:03:01 ID:t4Bn0cck
ほんとに前二作のギャグ作品書いた人と中の人同じか!?
GJ
68名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 22:04:38 ID:neRiP3t0
剛太・・・・・?

(゚д゚)ポカーソ



GJ!
69名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:06:52 ID:ragE87GE
やばい,泣いた…w
70名無しさん@ピンキー:2006/07/12(水) 23:53:22 ID:BGLBJq5T
せつねぇー!!

GJ!!!
71名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 00:39:49 ID:Qwt9JHUA
切ないけど暖かいSS、GJ!!

ところで、旅館の話は前回でお仕舞いなのかな?
72名無しさん@ピンキー:2006/07/13(木) 06:33:45 ID:Ltv/7XRL
凄いな…久々にここで神を見た。
ギャグセンスも抜群なのにシリアスもここまで上手く書けるって羨ましいわ…。
GJ!!!
73バカップル2on2(中篇):2006/07/14(金) 11:32:44 ID:rRU8Gy7V
 * * *

「いくらなんでも、少し羽目を外し過ぎじゃないかしら」
備え置きの湯飲みに煎茶を注ぎながら、浴衣姿の千歳が背後の男に話し掛ける。
声を掛けられた男───キャプテン・ブラボーこと防人衛は、窓辺の藤椅子に腰掛け、夜食サービスの
握り飯をのんびりと頬張っていた。

あの宴会の後、カズキ達を温泉へと追いやってから、二人とも何とは無しに男性陣の宿泊部屋で
くつろいでいた。
この数ヶ月、とにかく色々な事が在り過ぎた。
武藤カズキの再殺指令に始まって、防人の負傷と入院。ヴィクターと錬金戦団との全面対決。そして
カズキの自己犠牲によって百年越しの戦いに終止符が打たれ、戦団はその活動を縮小、一部凍結する。
その間、防人は常人なら半年はかかるリハビリをわずか数週間で終え(その陰には千歳と看護婦の
献身的支えがあったのだが)、カズキの帰還後は世界中を飛び回って各国間の調整やホムンクルスの
制圧に日々を費やした。
千歳にしても、膨大な書類と格闘しながら事後処理に当たり、時には防人の支援のために別件の調査や
水面下の交渉を行うなど、休む暇も無い忙しさだった。
こうして二人きりの静かな時間を過ごせるのは本当に久しぶりなのだ。

「あの子たちが可愛いのは分かるけど、あそこまで容認するのは良い事じゃないと思うわ」
千歳が丸盆に二人分のお茶を載せ、口をもぐもぐ動かしつつ窓の外を眺める防人の傍に歩み寄る。
「宴会の飲み比べの事なら、あの時も言った通り今夜は無礼講。特別扱いだ」
差し出された湯飲みを受け取り、防人は熱さを気にした風も無く口を付けた。
「それに、斗貴子も桜花もあまり腹を割って話すタイプじゃないからな。酒の力でも借りないと中々
親睦を深めるという訳にもいくまいと、そう思った」
悪戯っぽく笑って、片目を瞑ってみせる。
「そうは言っても、一応貴方は引率者なんだから。たとえ休暇中とはいえ、戦団のメンバーとして
何時如何なる事態にも対応できる心構えを教える必要もあるんじゃない?」
「だからこそ、さ」
向かい側に腰を下ろした千歳に、防人は静かに、しかし力強く答えた。
「一度錬金術の世界に足を踏み入れた者に、平穏な日常など望むべくもない。戦団がどうなろうと、
これだけは動かし難い事実だ」

──錬金術。表向きには現代科学の前身となったオカルト紛いな研究、というイメージが一般的だが、
その実体は表社会で最先端とされる研究さえ及びもつかないオーバーテクノロジーを次々と開発する
“闇の科学”。質量消滅や異空間侵入など、殆ど魔法に近い領域へと踏み込んだ禁断の技術は、時に
社会の常識を覆す恐るべき“異形”を産み落とし、世界に混乱を呼び起こす。
その恐怖を目の当たりにした者に、日常の裏に潜む真実を知った者に、それを忘れて生きることなど
決して出来ないだろう。

「戦団に残ることを選んだ秋水には、きちんとした訓練を受けてもらう必要がある。卒業と同時に
命懸けのプログラムに挑むことになるだろう」
かつて斗貴子やその後輩も経験した、戦士として必要な知識と技能を得るための研修。秋水にも同様の
過酷な洗礼が待ち受けている。
「カズキ達にしたって、このまま普通の生活に戻れる保証は無い。何よりあいつの胸には特殊な核鉄が
二つも埋まっているからな。いずれそいつを狙う者が現れないとも限らん」
ずず…、と再び茶を啜り、防人は窓の外へと視線を戻した。
「だから……少しぐらい躓いたって、転んだっていい。あいつらには今を精一杯生きて欲しいのさ」
「…………防人君……」
月を見上げる男の横顔を、千歳がじっと見つめる。

「……ことわっておきますけど、それと貴方の監督責任とは、全くの別問題ですからね」
「…………随分しっかりしてきたな、千歳。ブラボーだ……」
74バカップル2on2(中篇):2006/07/14(金) 11:34:01 ID:rRU8Gy7V
 * * *

「んぁっ!…………ひっ!?……くぅ…………」
泡まみれの細い裸身を、二つの掌がヌルヌルと這い回る。
立ったまま後ろから抱きすくめられ、斗貴子はカズキに翻弄されていた。
「どうしたの斗貴子さん……。なんでそんなに縮こまってるのさ」
「んはぁ……あ……だ、だって……」
耳元で囁かれ、両腕で胸を隠していた斗貴子は顔を真っ赤にしながら戸惑いの声を漏らす。
「斗貴子さんのお腹、スベスベで気持ちいい……」
「ば、バカッ!」
円を描くように少女の腹部を撫で回していた少年の両手が腰へと回り、脇腹を撫で上げる。
「ふああぁぁぁぁぁん……!」
普段の斗貴子からは信じられないほど蕩けた声を上げ、ぶるるるっ、と身体が震えた。
「…か、カズキ……そこ、駄目ぇ。……エッチなスイッチ、入っちゃう…………」
「それでいいよ。エッチな斗貴子さん、見せて。……俺だけじゃなくて、向こうの二人にも」
「うぅ…………そ、そんな……恥ずかしいコト…………」
快楽と羞恥の狭間で身悶える彼女の正面では、
「ふあぁ……やっ!……秋水くんったら、さっきからそこばっかり……」
「気持ちいい? 姉さん」
向かい合わせに立った桜花が、同じように背後から秋水に弄られていた。

秋水は姉の豊かな双乳を下から掬い上げ、そのボリュームを誇示するようにゆっくりとさすり上げる。
それからやおら掌いっぱいに乳肉を掴むと、指を食い込ませて思うままに揉みしだいた。
「んん…………ふぁ……」
桜花は目を閉じて、胸を捏ね回す秋水の手の動きに意識を集中する。ソープのぬめりに時折ツルリと
逃げる果実をその都度掴み直し、存分になめらかな感触を楽しんだ掌は、再び下から掬うように両方の
乳房を握り直した。
「やんっ!?」
熱を帯びた手が、まるでミルクを搾り出すかのように乳房の付け根から先端へ向かって滑っていく。
胸の先に辿り着いた指が泡を纏った乳首を転がし、また乳房の付け根から同じ動きを繰り返す。
「やぁ、秋水くぅん………いけないわ……武藤君と、津村さんに……ンッ……見られてるぅ……」
桜花がわずかに身体を捻り、潤んだ瞳で頭上にある弟の顔を見上げた。
「何を今さら。見せ付けるつもりで誘ったんだろ」
首筋に舌を這わせながら、秋水は冷たい声音を装って姉の耳元に囁く。
「ひゃうんっ!? ち、違うのぉ。津村さんが秋水くんのコト悪く言うから……ついカッとなっただけで、
そんな……見せ付けるなんて……んむっ!?」
不意打ち気味に唇を塞がれ、桜花が目を見開く。秋水は姉の口内へ舌を割り入れながら右手で濡れ光る
乳房を弄び続け、その間に左手が細いウエストを滑り降りた。
「んむ……チュ………ンッ!」
無意識のうちに弟の舌に応え、自分の舌を絡め合わせていた桜花がくぐもった声を上げる。秋水の指が
下腹を過ぎて手入れされた恥毛を掻き分け、両脚の間に潜り込んだ。
「ンンーッ! …ぷはっ。ま、待って秋水くん、そこは────ひっ!?」
桜花の制止に耳も貸さず、秋水の指は姉の敏感な秘唇に触れる。白い肉の合わせ目顔を覗かせていた
花弁が、軽く撫で上げられただけで待ち侘びていたようにヒクリと蠢いた。
「嫌がっても無駄だよ。姉さんのココだって、期待してるじゃないか」
指先に感じる姉の微妙な変化に、秋水はそっと中へ潜り込む。
「くぅんっ!」
桜花が身を捩り、唇を噛んだ。
「動かすよ…………ほら……」
「あひ、あ……駄目……あぁ……んふぅ……」
雌芯を行き来する愛撫に、桜花が腰を引く。秋水は逃がすまいと背後から自分の腰で逃げ道を塞ぎ、
股間の熱く憤ったものが桜花に押し当てられた。
「ゃ……嘘。さっきイッたばかりなのに、秋水くんの……もうそんなに……ん……チュ」
「ん…………姉さん……舌、出して……」
言われるままに桜花がおずおずと舌を差し出す。次第に従順になりつつある姉の態度にほくそ笑み、
秋水はピンクに濡れた柔肉を口に含んで吸い上げた。
「んんっ……んっ……ひゅうすい、くぅん……んむぅ…………」
75バカップル2on2(中篇):2006/07/14(金) 11:35:29 ID:rRU8Gy7V
「見てよ斗貴子さん、あの桜花先輩の顔……」
「あ…………」
カズキに促されて、伏せていた顔を上げる。
自分たちの目の前で、あられもなく身をくねらせる桜花の姿。
(すご……あんな…………あんなに気持ち良さそうに……)
身も心も秋水に預けて快楽に没頭するさまに圧倒され、斗貴子はゴクリと唾を飲んだ。
「ねぇ、斗貴子さん…………手、退けて……」
胸を隠す斗貴子の腕の下へ、カズキの手が潜り込もうとしてきた。
「……でも…………だって………」
年頃の少女相応の、戸惑う震え声。
「さっきは俺の事さんざん弄ってたじゃない。今さら嫌がるのは無しだよ」
「…………うぅ……」
そろそろと腕が解かれ、水滴を纏った上半身が露わになった。
戦士としての厳しい鍛錬を積み重ねてきたとは信じられないほど、小さな肩。細い身体。
緩やかな曲線を描く乳房は、ボリュームこそ控え目ながらツンと上を向いて瑞々しい魅力を放っている。
「もう、乳首勃ってる…」「い、言うな!」
なだらかな丘陵の先端は、斗貴子自身にも分かるくらい固く充血し、少年の愛撫を待ち焦がれる。
胸を晒した途端、さっきから腰に当たっているカズキの怒張が、ビクンと跳ね上がってお尻の少し上を
軽く叩いた。
(あ、カ、カズキったら……)
自分の胸に少年が興奮したのを感じて、少女は耳まで赤く染まる。
「ふぁうっ!?」
引き締まった腹部から滑り上がった両手が、ヌルリと乳房を撫で上げた。
軽く開いた四本の指先で次々に乳首を弾かれ、思わず声が上がる。
「凄いよ。熱くて、コリコリになってて……。斗貴子さん、ずっとエッチな気分を我慢してたでしょ」
「やぁ……い、言わないでって頼んでるのに……。き、今日のキミは少し意地悪だ…………あんっ!」
耳たぶを舐められて、また甘い声が出る。
乳房を撫で上げたカズキの両手はそのまま少女の膨らみをすっぽりと包み込み、奥の方に固さの残る
白い果肉を、痛くしないよう慎重に揉み解していく。
「んふ…………く……っん…………」
斗貴子は快楽に耐えるように目を閉じて眉根を寄せ、指を噛んで声を押し殺す。同時に、下腹部の甘い
疼きを誤魔化すように両腿を擦り合わせ、華奢な身体がゆらゆらと揺れた。
「我慢は良くないよ斗貴子さん。桜花先輩みたいに、もっと乱れたトコ見せてよ……」
カズキの人差し指が、充血した乳首を転がし始める。
「ひゃぁんっ!? ……カズキ、それだめぇ…………。先っぽが、ジンジンするぅ……」
「駄目なんて、嘘でしょ。斗貴子さんの顔に“いじめて欲しい”って書いてあるよ」
少年の指が両方の乳首を摘み、ギュッと捻りあげた。
「ひあぁぁっ!!」
痛みさえも強い快楽の衝撃となって脳を灼き、膝から力が抜けてまともに立てなくなる。
崩れそうになる身体を支えようと、脇の下を通るカズキの腕に慌てて掴まった。
「やぁ! 駄目ェ! ちくび引っ張っちゃダメェ!!」
容赦ない指は更に肉の突起を責め続け、強烈な刺激を和らげようと反射的に斗貴子の上体が反る。
「涙目で喘ぐ斗貴子さん……可愛い」
乱暴に捻った乳首を指先で優しく撫でながら、カズキは熱にうかされたように呟いた。
76バカップル2on2(中篇):2006/07/14(金) 11:37:03 ID:rRU8Gy7V
(やるな武藤。あの気丈な津村君をそこまでに仕込むとは……)
姉の口内を味わいながら、秋水は視界の隅でカズキたちの遣り取りを見守っていた。
(ならば、遠慮無く次のステップに移らせてもらう!)
桜花から唇を離して、秋水は再び彼女に正面を向かせる。
「武藤。どうだい、僕の自慢の姉さんは」
あらためて背後から掌に包み込んだ乳房をタプタプと揺すりながらカズキに話し掛けた。
「学校じゃ清楚で品行方正な優等生を演じているけど、本当は見ての通り…。
制服の下にこんないやらしい身体を隠して、俺が望めばどこででも身体を開く淫乱女さ」
「そんな!?…………酷いわ、秋水くん」
「間違ってないだろ? 二人きりの生徒会室でしたことだって、一度や二度じゃないしさ……」
白い膨らみを泡と一緒に撫で回していた秋水の左手が、姉の身体をゆっくりと滑り降りていく。
「きゃっ!?」
片膝を抱え上げられて桜花が小さく悲鳴を上げた。秋水は左手で姉の膝を支えたまま、右手を彼女の
大きく開かれた脚の間へと伸ばす。
「ヤッ! 嘘!? ……じ、冗談でしょう秋水くん? お願い、悪ふざけはよして!」
「ほら……綺麗だろう。中学の時に処女を奪って以来ずっと使い込んでるのに、まだ姉さんのココは
こんなピンク色なんだ」
秋水の指が、下草を掻き分けて桜花の秘唇を割り開く。妖しくぬめ光る赤みがかった粘膜が、カズキの
立ち位置からわずかに見て取れた。
「うわ……凄いよ、桜花先輩」
初めて“生”で見る斗貴子以外の少女の花弁に、カズキが興奮気味の声を漏らす。その腕の中では、
「あひっ! あっ!……」
乳首を責められ続けたまま斗貴子が喘いでいた。カズキの指の動きに合わせてビクン、ビクンと跳ね、
身をよじる。

「嫌ぁっ! 見ないで、武藤君! 見ちゃダメ………アウッ!!」
顔を背けた桜花が仰け反った。秋水の指が火照る雌芯の奥へ潜り込み、蠢く。
「目を逸らさないでよ、姉さん。ちゃんと武藤を見て、今、自分が何をされているか伝えるんだ」
姉の膝を抱えていた左手を離し、代わりに顎を掴んで前を向かせた。
右手の人差し指が姉の中に潜り、顎から首筋へ滑り落ちた左手は、豊かな胸を円を描くよう撫で回す。
「あぁ、秋水くん……どうして? どうしてそんな意地悪するの……?」
涙目で問いかける姉に、秋水は応じなかった。
「ほら、言いなよ。どんな風に感じているか、自分の口から武藤に教えてやれ……」
「…………そんな………………ンッ!!」
ためらう桜花に追い討ちをかけるように、姉の敏感な肉芽を粘液まみれの指先で転がした。
「さあ、姉さん………」
「ふあぁ…………あ…………わ、私は……」
朦朧とする頭に、弟の囁きが染み通っていく。
「私は…………私の中、秋水くんの指が……動いてて…………奥で指、曲げられると……感じる所……
当たって……奥の方が…きゅんっ、てなっちゃって……」
目の前で、カズキが斗貴子を弄びながら食い入るように自分の身体を見つめている。答える桜花の声が
自然と震えた。
「感じるのは、そこだけ?」
「そこだけじゃ……なくて…………おっぱい、も……ぎゅってされると、身体中に……びりってきて…
なんだか……心がふわふわになって…………」
桜花の言葉を遮るように、秋水が大きく溜息をついた。
「…がっかりだよ姉さん。そんなつまらない説明じゃ、武藤にちゃんと伝わらないだろう? もっと
よく分かるように具体的に言ってくれなくちゃ」
「お願いよ秋水くん……もう許して。こんなの恥ずかしくて……これ以上……ああぁっっ!!」
秋水が、桜花の中に挿し込んだ指を二本に増やして乱暴に出し入れさせる。
「あぁっ!! やめっ! あひぃぁあああっ! だめぇっ!! 感じすぎて、頭、おかひくぅ!!」
77バカップル2on2(中篇):2006/07/14(金) 11:38:35 ID:rRU8Gy7V
にちゅ、にちゅ、にちゅ、にちゅ……

粘つく水音が広い風呂場の壁と床に反響して増幅される。秋水の指を飲み込む桃色の襞は、石鹸と違う
細かい泡に白く縁取られていた。
「ほら! 言ってよ姉さん!! どこが、どう感じるのさ!?」
「やっ、あっ!…………お、……お、おまんこぉっ!! オマンコがイイのぉっ!! 秋水くんの指、
姉さんの襞々、コスッってるぅ!! 中、掻き回されてるぅっ!!」
ぎゅっ、と目を閉じて桜花が叫ぶ。
「やぁっ! 指、指曲げられると、感じるトコ、当たっちゃうぅぅ!! それ、ダメェ!!
濡れちゃうの! 奥から、エッチなお汁がイッパイ溢れちゃうのぉぉっ!!」
「フフ……。今さら遅いよ、姉さん。こんなに太腿まで垂らしてるくせに……」
「ああああぁぁぁぅ!!」
桜花の膝が震え、秘処を責める秋水の腕に両手でしがみつく。秋水はサディスティックな笑みを浮かべ、
反対の手を姉のお尻へと滑らせた。
「っ!? ま、待って秋水くん。そこは………」
「こっちも好きだろ、姉さん」
指先が、小さなすぼまりを探り当てる。
「やめてっ! お願い秋水くん……そんなの…………んああああああっっ!!」
異物が侵入してくる感覚に、桜花が悲鳴を上げる。
「もっと力を抜いて。そんなに締めたら、爪で傷がつくよ」
中指の先端だけを潜り込ませた状態で、キュッと締まった入り口をくじる。小刻みに指を震わせ、
さらに奥へと沈めていく。
「ヤッ、ダメ! お尻、らめぇっ!! 指がこすれるぅ! 私の中で、アッ! 前と後ろ、指、ンッ!
こしゅれてるぅぅ………」
上体を屈め、ふるん、と大きな乳房が揺れる。
「ひっ……く。やだ…武藤くん……見ないで……見ないでぇ……」

「ダメ……カズキ……わた…………ち、くびぃ……ちくびだけでぇ……ひゃああああん!」
胸を弄られ続けたまま、カズキの腕の中で斗貴子の身体が強張った。桜花の媚態に思わず見入っていた
カズキがハッと我に返る。
「斗貴子さん……胸だけでイッちゃった?」
「ハァ、ハァ…………い、いちいち聞かなくていい!」
達した直後の顔を見せないよう伏せたまま、斗貴子は上手く回らない舌でどうにか言葉を紡ぎ出した。
軽く脱力した身体は、それでもまだ胎内の疼きを満たされることなく焦れ続けている。
「ねぇ、斗貴子さん」
耳元で囁かれ、ぞくり、と快感の余韻が全身を撫でた。
「桜花先輩、さっきから凄いんだ。お尻にまで指挿れられて、大声で喘いでさ。…………でも一人だけ
恥ずかしい思いさせるのも可哀想だから、お返しに斗貴子さん……」
そこでカズキが言葉を切り、斗貴子は息を潜めて続きを待つ。
「…………オナニー、して見せて」
「んなっ!!?」
流石に目を丸くしてカズキに振り向いた。
「ば、ば、バカも休み休み言え! そ、そんなコト、人前で出来るものか!」
「あれ? 嫌なの?」
「あ、当たり前だ…」
カズキの瞳に見つめられるうちに恥ずかしさがこみ上げて、ぷい、とそっぽを向く。途端、
「はぁんっ! やっ! そこ、そこぉ!!」
秋水に責められる桜花の痴態が目に飛び込んできて、うろたえながら視線を泳がせた。
「あれ?……もしかして斗貴子さん、オナニーしたこと無いとか……?」
カズキは斗貴子のお臍の上で両手を組み、後ろから抱き寄せた。熱を帯びた脈打つペニスが少女の肌に
押し付けられる。
「……ぅ……そ、そういう訳じゃ……ない、けど……」
あからさまな質問に当惑し、答える少女の声が少しずつ小さくなる。後ろから押し当てられた熱の形が
肌を通してくっきりと頭の中にイメージされて、斗貴子はやるせなく俯きながら、両手の指先同士を
もじもじと突き合わせた。
78バカップル2on2(中篇):2006/07/14(金) 11:41:09 ID:rRU8Gy7V
「あ、やっぱり斗貴子さんでもオナニーするんだ。どんな時に? 誰かをオカズにするの?」
「そ、それは…………」
普段ならこんな質問をされれば問答無用で目潰しでも喰らわせるところだが、アルコールのせいか、
それとも押し当てられるペニスの脈動にあてられたのか、ピンク色の靄がかかったように頭の中が
ふわふわとしてまともに考える事ができない。
「……………………で……した……」
「え? 何?」
「〜〜〜〜〜〜〜ッ!! だからッ! キミが! 君が月へ行っていた間、…………ずっと寂しくて、
切なくて……だから、その…我慢できずに……君のことを想って………月を見上げながら……してた」
言ってしまってからカァッと顔が熱くなる。頭に血が昇り過ぎて、視界までグルグル回る感じだ。
おまけにカズキが何のリアクションも返さないものだから、益々いたたまれない気分に追いやられる。

「……………………えっと、その……ごめん。辛い思いさせて……」
少しだけお互い無言の状態が続いた後、ようやくカズキが口を開いた。
「いい、謝らなくて。こうして君は帰ってきてくれたんだから」
抱き締めるカズキの手に、そっと自分の掌を重ね合わせる。
「んで、斗貴子さん。その時さ…………。俺の事想って、どんな風にしてたの?」
「え!? だ、だから、そんなの言えないって……」
「でも、俺知りたいな。斗貴子さんが、どれだけ俺のこと想っていてくれたのか」
「そんな…………」
「俺の事好きだから、自分で慰めてたんだよね。その気持ち……ここで見せてよ」
「す、好きな気持ちとソレとは……」
次第にカズキのペースに乗せられていることに気付かないまま、斗貴子の心が揺れる。
「俺が望めば、何でもするんでしょ?」
「…………ぅぅ……」
決定的な一言に、とうとう折れた。
「えと……だから……夜にベッドから月を見上げて……」
「見上げて、それで?」
「……見上げて……こ、こんな風に…………ンッ!」
カズキの手を離れた少女の指先が、ゆっくりと自分の下腹部に伸びる。細い両脚の付け根に入り込んだ
途端、ビクン、と身体が跳ねた。反対の手が、声を出すまいと反射的に口元を覆う。
「口塞いじゃダメだよ斗貴子さん。せっかくなんだから可愛い喘ぎ声、間近で聞かせて」
「!? バ、バカ!! そんな恥ずかしい真似、でき…………ひゃあっ!?」
軽く耳朶を噛まれて、押さえた指の間から甘い声が漏れる。さらに調子に乗ったカズキは、柔らかな
斗貴子の頬を舌で舐め上げた。
「斗貴子さん…………いま、ドコ触ってるの……?」
「……ど、ドコって…………その……い、言わないと、ダメ?」
「うん。できれば言ってほしいかなぁ」
「うぅ…………く……クリトリ、ス……」
人差し指で隠れた肉芽を探りながら、斗貴子が小声で答えた。
「ふぅん……斗貴子さんが自分でする時は、クリトリス触るんだ」
「そ、そう……クリトリスとか……開いた……ピラピラした、所とか…………ん……カズキに……
いっぱい……いっぱい、舐めてもらってるのを想像して……ふぁぁ……」
指の動きが少しずつ速くなり、同時に零れる吐息も甘く、荒くなっていく。目を閉じて指遊びに集中
し始めた斗貴子の横顔を眺めながら、カズキの呼吸が次第に荒くなっていった。

「ねぇ、中に指挿れたりはしないの?」
「んっ……ゆ、指とか……挿れるのは…………はっ、あ……なんだか……怖い、から…………」
「そんな事ないよ。ね、やってみせて……俺の指だと思ってさ……」
「ハァ、ハァ…………あ……君の…………指……?」
潤んだ目を微かに見開いて、斗貴子はカズキを見上げた。
「そ。俺の指。…………ね?」
「………………………………うん……」
ぼんやりと少年の瞳を覗き込んでいた少女の顔が俯いて、小さく頷く。それまで桃色の秘唇や小さな
陰核をなぞるように動いていた指が、ひくひくと息づく花弁の合わせ目の奥へそっと滑り込んだ。
「……んっ!?………ふ、ぅ…」
斗貴子の肩が一瞬だけ震えた。指先は、膣の入り口にほんの少し潜ったところで止まっている。
79バカップル2on2(中篇):2006/07/14(金) 11:43:04 ID:rRU8Gy7V
「あ…………や、やっぱり……怖い……」
「大丈夫。リラックスして少しずつ、少しずつ……」
カズキの囁きに勇気を奮い起こして、斗貴子はわずかに指を前後運動させた。ぞわり、と粘膜を擦る
むず痒い感覚が走る。不快ではない。むしろ止め処ない快楽への呼び水になりそうな切ない甘さ。
「ん……ん……う……」
声を殺すために指を噛みながら、もう片手の人差し指は次第に速さを増していく。
「気持ちイイの? 斗貴子さん」
「……ウン……ウン…………気持ち、イイ……」
カズキの問いに頷きながら、更に奥深くへと指を潜らせる。初めて触れた“自分の中”の感触に微妙な
後ろめたさを覚えながらも、指は貪欲に快感を生むポイントを探り続けていた。

「斗貴子さん……」
少女の火照った身体から立ち上る汗と肌の匂いに、カズキもまた魅了されていた。
さっきから漲りっぱなしのペニスはビクビクと脈動し続け、斗貴子の背中を先走りの汁で汚している。
恋人が自分を想ってオナニーに耽る横顔に興奮しながら、無意識のうちに組んでいた両手を解いた。
そのままゆっくり撫で下ろし、引き締まった太腿を掌に感じる。
「アンッ! カズキぃ! あ、脚は……脚、敏感だから……や、め……ンッ!」
内腿を滑る温もりに、斗貴子が身を竦ませ、震わせる。
「斗貴子さん……斗貴子さん!」
少女の声は、既にカズキに届いていなかった。うわごとのように名前を呼びながら太腿を撫で回し、
後ろから自分の怒張をグリグリと擦り付ける。
「やん! 当たってる……カズキの硬いのが、お尻の谷間……行ったり来たり……ぁぁ……」
「ハァ、ハァ…………」
胸の核鉄はいつにも増して強く激しく脈打ち、ヴィクター化の時と似た高揚感が、腕の中の愛しい者を
犯せと呼び掛ける。
「やぁ……内股やぁ…………ちから……ぬけちゃ……」
斗貴子の手が制するようにカズキの手首を掴むが、それ以上の抵抗は示さない。少年の掌は止まること
なく白い太腿を擦り続け、同時に斗貴子が自身を慰める指先も激しさを増す。

「う……ひっく……かずき…………かずきぃ……」
絶え間ない快楽の波に自分でもどうしたら良いか分からず、斗貴子はポロポロと涙を零した。
「イけない……指じゃ、イけないよぉ……カズキの……カズキの挿れてくれないと…イけないのぉ!」
「斗貴子さん…………」
「ねぇ、挿れてぇ! もう我慢できない! カズキの熱いので……奥の、奥の一番せつないトコ、
いっぱいにしてぇ!!」
耐えかねたように、斗貴子が両手で自分の花弁を左右に割り開く。カズキは荒々しく彼女の腰を掴み、
肉茎を淫液の滴る両脚の間に潜らせた。
「あはぁ……かずきぃ…………」
斗貴子の指がカズキの先端を包み込み、火照った粘膜の狭間へと導いた。亀頭に触れる熱いぬめりに、
若い滾りはそれだけでイッてしまいそうだ。ぐっとこらえ、後はただ押し込めば──

「いかん、武藤!!」
鋭い制止の声に、カズキの理性が呼び戻される。秋水が、姉の二穴をくじりながらこちらを見ていた。
「一時の感情に流されて大局を見失うな! 何のために俺達がこんな真似をしているか忘れたのか!?」
「く……分かってる! ……分かってる……けど!!」
ぎりり、と噛み締めた奥歯が鳴る。
「ぐす……。かずきぃ……どうしてやめちゃうのぉ……ねぇ、ちょうだい……ちょうだいよぉ……」
斗貴子は腰をくねらせてペニスに秘唇を擦り付け、子供のような甘え声でカズキを呼んだ。


(今度こそ後編に続く)
80名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 12:27:14 ID:eoEvG71c
すげーエロいなオイw
ブラボー達のシリアスな会話の後の
カズトキ&桜秋のバカップルぶりにワラタ
GJ!!
81K-ness.:2006/07/14(金) 19:09:49 ID:4Xwy5l1l
沢山のご感想ありがとうございます。
私の書いたSSで感動して貰えたこと大変嬉しく思います。
感謝を込めて前回のSSを見てくれた全ての人に捧げます。
82K-ness.:2006/07/14(金) 19:10:44 ID:4Xwy5l1l
私、若宮千里!ピチピチムチムチプリップリな恋にコイするめがねっ娘!!
私には今好きな人が居るの!一応イケメンな、中村剛太先輩!!キャ、言っちゃたッ(恥)
……こんな自己紹介してる場合じゃ無い。えらい事になってる。

朝「中国に行く」と言って出かけた管理人のオッサンが何故か夜中に帰って来た。
その隣りには行方不明になっていたはずのゴーたんがボロボロな格好で号泣している。
愛しの彼が半月近く居なかったモンだから、思考回路はショート寸前若い身体は暴発寸前。
双手刈りでマウントを取って、いっその事挿入してしまいたい衝動を必死になって抑えこむ。
だってオンナの子だもん♪
「ブ・ブ・ブチ撒け☆ 撒っけルンルン☆」
私と髪型がカブってる貧乳が上機嫌で部屋から出て来た。
これから武藤(兄)の部屋に行くのだろう、顔が緩み切っている。
「ぜぇっ、ぜぇんばうぃいぃぃぃーーーーッ!!」
ゼンマイなのか全敗なのか解らないけど、とにかく絶叫しながらゴーたんは貧乳に飛び付いた。
「誰だ貴様はッ!?キモい!死ねッ!!」
貧乳の無駄に短いスカートから何か色々飛び出して、ゴーたんの身体から何か色々はみ出した。
って違うわよッ!!ちょっとゴーたん!私というステディが居ながらそんな婬売にッ!!
激情に任せてR指定状態の彼の喉元に膝を落とし込む!
まだ収まりが付かない貧乳は彼の頭めがけてサッカーボールキックを蹴り込む!!
何故か流れに乗ったオッサンが全体重を掛けエルボードロップを叩き込む!!!
やったね!R指定から放送禁止にクラスチェンジした!!

我に返ると、はみ出るとかはみ出ないとか以前に何だか分からない物が有った。
ソレが私のゴーたんだと解ったのは二人の愛が成せる技。
でもヤバいわッ!激ヤバいわッ!!私のゴーたんが死んでしまう!!
私とのメモリーを忘れてただのミートになって消えてしまう!!
お願いッ!!姿形は変えても心までは変えないでッ!!!
「何処の誰だか知らんが貴重なカズキとの時間を邪魔しおってからに!
 ああ、くそッ!もう知らんッ!!今行くぞカズキィーーーー!!!」
ドップラー効果を残して、階段をもの凄いスピードで駆け上がって行く貧乳。
「安心しろガール。そいつは誰も望んでいないのにえらく頑丈だ。
 一晩ほど転がしとけばたぶん治る。まあ、心配なら看病してやってくれ。」
小さく「面倒くさいし」と言い残し、管理人のオッサンは去って行った。
作務衣を血まみれにするのは嫌だから、中庭にあった園芸用の手押し車に
ゴーたんだと思われるソレを乗せて、とりあえず私の部屋まで運ぶ事にした。
83K-ness.:2006/07/14(金) 19:11:17 ID:4Xwy5l1l
さて、どうしよう?
今私のベットの上にはゴーたん(原形を留めるまで回復した)が寝ている。
このままゴーたんの寝顔を眺めながらオーガズムを堪能するのも悪くはないけど、
苦しむ彼を優しく介抱するのが今の私に与えられた使命、神からのオラクル。
そこからの私の行動は早かった。
まだ何かはみ出しているかもしれない上半身は無視して彼のズボンを脱がす。
ベルトが強く締まっていて苦しいはずと思ったから。
ベルトだけ取ればいいなんて考えは私の中に無かった。ええ、驚く程に無かった。
パンツ丸出しで私のベットで眠るゴーたん………もう濡れちゃうッ!!

駄目よ私、焦りは禁物。彼のはイチモツ。
ここは献身的な看護でアピールするのよ。
目を覚ましたゴーたんは最初に枕元で眠る私を目に映すの。
体を起こして何で私の部屋で寝ているのかと焦るピュアソウルなゴーたん。
私と何かあったんじゃないかと私の寝顔を覗くジェントルティックなゴーたん。
その時ゴーたんは私の顔に涙の跡がある事に気付くの。
ゴーたんは私を泣かせた事を後悔して、一晩中看病をした私に感謝するはず。
そしてやっと自分が愛してる人が誰なのかに気が付くスローリィヘッドなゴーたん。
そこでゴーたんの哀しい漢の性が牙を剥くの。
寝起き、愛する人の寝顔、成長を望むキャパシティ。
その全てが混合してゴーたんのマグナムエースは己の意志とは関係無く天を仰ぐ。
私を傷付けたく無い、でも身体は私を欲して止まないリアルフーリガンなゴーたん。
遂に鋼のスピリッツがレッドラインを超えたゴーたんは寝ている私に襲い掛かって来ちゃうの。
あぁんダメよゴーたんッ!いきなり寝姦だなんて鬼畜すぎるぅ!!

……何時までトリップしてるの私、しっかり今を感じなさい。
呻き声を上げて苦しがるゴーたん。もうはみ出ていたモノは引っ込んだ様ね。
そこからの私の行動は早かった。
血で真っ赤に染まった彼のアロハシャツのボタンを乱暴に外す。そして脱がす。
シャツが肌に張り付いて皮膚呼吸の妨げになっていると思ったから。
パンツ一丁で私のベットで眠るゴーたん………もう漏れちゃうッ!!

ここまで来たらもう明らかにパンツが邪魔ね。
もしかしたらパンツのサイズが合ってなくて苦しいのかもしれない。
決して下着の中というムー大陸にそびえるバベルの塔が見たい訳じゃない。
だってオンナの子だもん♪
荒い息遣いで彼のパンツをむしり取る。愛する我が子とご対面。
わぁ、おっ……きい?
………子供の頃見たお父さんのはもっと大きかった気がする。
小学生のいとこをお風呂に入れた時に見たのと変わらない様な………。
何言ってるの私ッ!コレはゴーたんの一部なのよ!むしろゴーたん自身と言ってもいいわッ!!
私がゴーたんを理解しないでどうするの!生涯共に生きていくって決めたはずじゃない!!
その短小も何もかもひっくるめて、まるごと全部ゴーたんのコトが好きだからッ!!!
劣情に任せて彼の股間に飛び込む!
仮にゴーたんが目を覚ましたとしても何とでも言い訳できるわ。
こういう場合悪いのは必ずオトコの子、女は何時でも社会の弱者。
お父さんお母さんごめんなさい。でもブルースは加速していくの。
目の前には微かに輝く彼のシューティングスター。今夜は初のミルキーウェイ。
ベルベットアンダーワールドに手を触れようとしたその時
「先輩?……先輩っスか!!?」
私を見ながら彼が何かのたまわった。
84K-ness.:2006/07/14(金) 19:12:03 ID:4Xwy5l1l
「斗貴子先輩ですよね!何故か目が霞んでてよく見えないっスけど俺の斗貴子先輩ですよね!!」
なッ、何を妄言吐いてるのゴーたんッ!?私があのペチャパイ?ふざけんなッ!!
髪型がカブってるからってあんな未発達と間違えるなんて酷すぎるッ!!
「この爽快感の正体は……全裸?そう全裸ッ!!何ゆえに俺は全裸で先輩の眼下にッ!?」
落ち着いてゴーたん!目の前に居るのも全裸にしたのも貴方の千里よ!!
何であのちんちくりんと間違えるの!?私意外とバインバインよッ!!
たしかに武藤(妹)には僅差で負けてるけどゴーたんの頑張り次第ですぐにでも追い抜けるわ!
それにあの貧乳には確実に勝ってるじゃない!今のままでもゴーたん程度なら余裕で挟めるしッ!!
「何か体が動か無ぇから自分で脱ぐ事考え難し!
 それすなわち先輩が氷の微笑で我の衣服を一枚一枚剥ぎ取りし事を推測せしもの也!!
 興奮の極み故に我の半身ベルセルクと成りて一念発起するもの也!!!」
文法が無茶苦茶よゴーたん!頭が弱いんだから無理に難しい事言おうとしないで!!
まだ私の声が届かないの!?どうすれば私だって解ってくれるの!?
身体ね!身体なのね!!あの貧乳との違いをゴーたんの身体に直接刻み込めばいいのね!!?
まだ恥ずかしいから作務衣の下のシャツ越しだけど、くらえ!私のブレストファイヤー!!
ぷにゅ
「ふごおぉぉぉうぅ!!?先輩のW武装錬金ッ!!!
 想像以上にたわわな双丘がココロ、カラダ、狂わせる!!
 もうダメッ!!見ないで先輩!やっぱり見て先輩!!
 お願い見ててッ!!たっちするトコちゃんと見ててえぇぇぇーーーーッ!!!」
「やかましいぞッ!いったい何事・・・・っ!!」
ノックくらいしたらどうなのこの貧乳。

「な、な、な、何をしているんだ!やけに騒がしいと思ったらッ!!」
ナニをする所だったのよ!あんたさえ来なければッ!!
「いやッ悪い事だとは思わんぞ、だが時と場所をわきまえてだな!」
あんたに言われたく無いわよ!今の今まで武藤(兄)とまぐわってたくせに!
「それにその男は誰なんだ?あまり周囲を悲しませる様な相手は……」
こ、この女ッ!今ゴーたんのそそり立つエンジェリックホルンを見て鼻で笑いやがった!!
小声で「はっ」って言ったでしょ!!想定の範囲内だと見下しやがったでしょッ!!?
「駄目っス先輩!棒状でマシーン的な物はヤングな俺には刺激がストロング過ぎますッ!!」
ちょっと黙っててゴーたん!!今はこいつと決着を付けなきゃいけない時なの!!
ナイスバディを保つ為、毎日過酷な荒行を重ねる現役女子高生なめんじゃないわよッ!!
私は生きて獣王になるッ!!!
「……兎に角悪かった、キミの恋路を邪魔する気は無いからな。
 何も見なかったと言う事で許してはくれないか?」
何よ藪から棒に。何だったら言いふらしてくれても構わないけど?
「戦…管理人からキミに渡してくれとさっき預かった物だ。これを渡しに来た。」
あの中年から私に?何よこれ、割りと重いんだけど。
「じゃあ私はもう行く。……それと、エロスはほどほどにしておけ。」
そう捨て台詞を残して貧乳は出て行った。だからあんたに言われたく無いってば!!

「ふあぁん先輩!俺のフロムジャングルをバルスカで剃毛だなんてそんな事ッ!!」
ゴーたん落ち着いて大丈夫よ!危機は去ったわ、今世界は二人だけの物になったの!!
まだ何か叫びながらベットの上でもがくゴーたん(とその一部)が色々心配だけれども、
オッサンからの荷物の中身が気になって仕方が無い。
ゴーたんの心の病を癒すのは、この中を確認してからでも手遅れにならないはず。
黒いビニールの中に入っていた紙袋を開けてみると………荒縄?
……あのオッサンは私に何をさせるつもりなの?そして何を望んでいるの?
85K-ness.:2006/07/14(金) 19:12:37 ID:4Xwy5l1l
「ファ、ファ、ファイナリティブラストォォーーーーッ!!はッ、此処はどこやら俺は誰やら!?」
ゴーたんが首から上を動かして周りを見渡している。どうやら正気に戻ったらしい。
「あれ?えーっと、君は三人娘の…………若宮さんだっけ?」
そんな他人行儀な呼び方しないでッ!!何でいつもの様に「俺の千里」って言ってくれないのッ!?
「俺は確かに甲子園のピッチャーマウンドで先輩と与野党攻防を繰り広げていたはず。
 何故俺はこんな所で寝ている?何故身体が動かない?何故全裸??テル・ミー・ワァイ!?」
何て夢見てんのよこの異常性癖ッ!!ゴーたんが党首討論する相手は私以外有り得ないじゃない!!
浮気を許すのは二回までよ!今回は夢の中だから0.5回にまけてあげる!感謝なさい!!
ちなみに一回許す代わりに恥骨を砕くペナルティがあるから!後腐れ無く!!
「ところでその荒縄は何なの?何に使うの?それを俺に対してどの様に使用するつもりなの?」
怖がらないでゴーたん、これは何でも無いの。そんなに怯えなくても何もしないわ。
「人が動けないのをいいコトに勝手な真似を………イヤぁ、来ないでぇ……」
何もしないってば!そんな泣きそうな声出さないでゴーたん!?
私、ゴーたんの情けない顔なんて見たくないわ!!普段通りの爽やかなスマイルを……
……何この感覚は?この感じは罪悪感?それとも彼への失望感?
違う。これは私が知らなかった未知なる快感。
初めて知った私の体内に眠るメフィストフェレスの存在。
お願いゴーたん、そんな売られていく子牛の様な目で私を視ないで。
私……私……新しい自分に目覚めちゃうッ!!

「やめて若宮さんッ!先輩の肉奴隷の席を予約している俺はこの身を汚す訳にはいかないんだッ!!
 何その初めて目にする程良く熟した母なる果実!?
 神々が護る熱帯雨林の奥に隠された神秘の秘宝!!?」
一糸纏わぬ姿で彼の下腹部に馬乗りになる。
「駄目だいけないッ!愛と言う名の忠誠心だけは守り抜かなければ先輩に合わす顔が無ぇ!!
 でも口では何を言っても身体は正直!!白根山がエレクトロによりフリーダムッ!!!」
大丈夫よゴーたん、痛いのは基本的には私だけだから。
「お願いやめて!もう堪忍して!乱暴なコトしないでぇ!!
 でも、どうしてもって言うならせめて、せめて優しく雄にしてえぇぇぇーーーーーーッ!!!」
ウフフ、ウフフフフフフフッ!!イタダキマァーーーーースッ!!!!


翌日私はアイマスクとハンディカムと棒状でマシーン的な物を購入した。
彼はどんな歌声を今夜私に聞かせてくれるのだろうか、それはトップなシークレット。
だってオンナの子だもん♪
                            第五話BLOODGENERATION  完
86名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 21:05:55 ID:2AfTk7Nu
(゜д゜)
87名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 21:33:57 ID:WPiMmpDD
今日はこのスレに神でも宿ってるのだろうか…
あぁ…剛太(合掌)
88名無しさん@ピンキー:2006/07/14(金) 22:40:06 ID:TQlCuZt1
>>73-79
おー!待ってました!とっきゅんも桜花先輩もエロスいな〜。
後編も期待して待ってます。

>>81-85
GJ!! パロネタがすごいすね。ちーちん別人だよちーちん。
個人的にはシリアスの方が好きなので、そっちもヨロ。
89名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 11:32:53 ID:3YDrpCk1
…やはりシリアスは、中の人が違ったのか?
90K-ness.:2006/07/15(土) 11:51:18 ID:OvPVaVkR
今更ですが修正  気になったもんで。
   Nameless Song
>>53 買い食いに行く二人別れ
   買い食いに行く二人と別れ   です。

>>88 シリアスも書きますよ。
   何時になるか分かりませんが。

>>89 同じです。残念ながら。
91名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 19:54:23 ID:p06876IT
>>90
あれだけテンションの違う良作を見せられた後にそんなことを言われても信じられん
まあ、カズキ風に言わせて貰えば「まるごと全部好きだから!」な漏れなので中の人が2人居ようが26人居ようが1人だろうが一向に構わんが


GJ
92名無しさん@ピンキー:2006/07/15(土) 22:22:13 ID:VEuqc6ya
>73-79
絡みの描写がツボだ。直球な表現で恐縮だが、勃起したw
後編も期待してるよ
93バカップル2on2(後編):2006/07/16(日) 21:55:58 ID:EG/2T2ga
(まずい…………)
カズキを叱咤しながら、秋水も内心焦りを覚えていた。
元より無茶を承知の戦いとはいえ、状況は圧倒的に不利。カズキは既に劣情爆発寸前だし、自分だって
これ以上欲望に耐え切れる自信は無い。
いっそこのまま流されてしまえばミンナキモチヨクお風呂場乱交で上手くすれば取っ替え引っ換え〜の
スワッピnいやいや落ち着けオレは姉さん一筋ナニを考えてる────

「んぅ!? あ、ち、ちょっと待って秋水くん!」
不意に桜花が、どこか切羽詰った声音で秋水を押し留めてきた。
「ね、姉さん!? 何かまずかった?」
益体も無い考えに耽っていた秋水は、面食らって愛撫の指を止め、姉の顔色を伺う。
「そ、そうじゃないの。あ、あの……ね? 私たち随分ココに長居しちゃってるじゃない? そろそろ
他のお客さんとか来るかもしれないし、…………だから、えぇっと……こ、この辺でお開きにした方が
いいんじゃないかしら?」
「………………姉さん?」
「それに、あんまり帰りが遅いとブラボーさんたちも心配するし、ね? もう出ましょ秋水くん……」
「…………ああ、成る程」
態度の変わりように困惑していた秋水だったが、そこは流石に姉弟。すぐに原因に思い当たった。
「トイレに行きたいんだね、姉さん。まぁ、あれだけ飲んだら無理も無いよ…………でも!」
今の彼にとって、まさに千載一遇の勝機。ここを逃せば後は無い。冷たく笑って姉の腰を力強く抱える。
「どうせならここで用を足しちゃいなよ。風呂場なんだから、すぐに洗い流せるよ」
「!!!? し、秋水くんッ!?」
ぐっと下腹を押さえられて、桜花が慌てた。
「駄目ッ!! それだけは、それだけは絶対にイヤァッッ!!」
弟の腕から逃れようともがくが、剣道で鍛えられた腕はがっちりとウエストを捕まえて離さない。
「お願い秋水くん! それだけは許して! 武藤君や津村さんだって居るのよ!?」
(だから、好都合なんだよ姉さん)
「やぁ、出ちゃう!……ほんとに出ちゃうぅ…………」
顔を顰め、額に汗の珠を浮かべた桜花が苦しさに上体を屈める。
「我慢しなくていいよ。ほら…………」
桜花を誘いながら、素早くカズキに目配せした。

(秋水先輩…)
カズキも、秋水のアイコンタクトの意味にすぐ気付いた。
「斗貴子さん。斗貴子さんも随分お酒飲んでたけど、そろそろトイレが近いんじゃない?」
「か、カズキ!? やぁ、止め……んうぅっ!!!」
掌で下腹を圧迫され、唐突な尿意と共に斗貴子が我に返る。少年の手が肌越しに膀胱の張りを探り当て、
包み込むように押さえてきた。
「ココ、結構膨らんでるね。相当溜まってる感じがする。無理しないで出した方が身体にいいよ。ね?」
「な、何を考えているカズキッ!? 公衆浴場でそんなハレンチ行為……で、出来るものか!!」
さっきまでの甘え声から一転して厳しい口調に戻った斗貴子だったが、その声にはいつもの凛然とした
強さは無い。おまけに、漏れるのを我慢して両脚を閉じようにも、股にカズキの怒張を挟み込んでいる
状態ではそうもいかない。突っ張ったつま先が、プルプルと震える。
「そんなに嫌がらないでよ斗貴子さん。ほら、旅の恥はナントカって言うじゃない」
「か、かいて良い恥と、良くない恥があるだろう!!」
「強情だなぁ……じゃあ、少し手伝ってあげる」
「んひゃぁっ!?」
下腹を押さえるのと反対の手が、斗貴子の秘唇に伸びた。指の腹で尿道口の辺りをクニクニと刺激する。
「カズキ! よ、止せ! そんな所、触らないでぇッ!!」
(うぅ…嫌だ! いくらカズキの頼みでも……そ、そんな醜態を晒すのは……)
「ほら……斗貴子さん、早く……」
ちょろり、と暖かい雫がカズキの肉茎に滴り落ちた。
94バカップル2on2(後編):2006/07/16(日) 21:57:46 ID:EG/2T2ga
「や、やめろ…………やめてぇ……カズキィィ! 駄目! 漏れちゃうぅ!!」
「し、秋水くぅん……もぉ……もぉ限界よぉ!!」

 ぷしゃあああああああああぁぁぁぁ

二人の哀願と、金色の飛沫が放たれるのは殆ど同時だった。
「イヤアアァァァァァッ!!」
「駄目エエェェェェェーーっ!!」
最後の一線を越えた、絶望の悲鳴が上がる。同時に押し寄せる解放感に、斗貴子と桜花の肌が粟立った。
「いやぁ…ぐす……カズキぃ……見ないでぇ……」
「やだ、止まらない……お漏らし止まらないのぉ……」
勢い良く迸る小水はパタタタ、とタイルの上で跳ね、太腿から足首へと流れ伝う。秋水とカズキの手や
下腹部をも濡らし、飲酒後独特のすえた尿の匂いが湯気の篭る浴場内に広がった。
金色の流れは尚も止まることなく、次第に勢いを弱めていく。
「…………う……」「ああ…………」
そして最後の一滴まで排尿を終え、少女達は力無く膝を突いて、ついにゆっくりと洗い場に倒れ伏した。

「やったな、武藤!」「秋水先輩!」
カズキと秋水は、お互いの健闘を称え合うようにピンコ勃ちのままガッチリと握手を交わす。
「長く、そして馬鹿馬鹿しい戦いだった……」
秋水が、万感の想いを胸に呟いた。
「でも先輩。これで本当に、二人とも意地の張り合いを止めてくれるのかなぁ?」
「そう願いたいな。なんにしろ、こんな恥ずかしい勝負はもう御免だ」
「…………そうだね。とりあえず、この後始末どうしよう?」
眼前の惨憺たる光景に、二人して苦い勝利を噛み締めた。

「……フ」
「……フ」
「「フフフフフフフフフフフフフ!!」」

突如湧き起こった笑い声に、少年達の心臓が凍り付く。
「フフフフフ……。漏らしてしまうタイミングまでほぼ一緒とは……。あきれる程にしぶといですわね、
ゼェゼェ…」
「フフフ……。貴様こそ、あのあざとい恥じらい演技。往生際が悪過ぎるぞ腹黒女め、ハァハァ…」
ゆらり。
意識を失っていたはずの桜花と斗貴子が幽鬼のようにその身を起こした。
「って、嘘ーーーーーーーーーッ!?」
「まさか!? あれだけ弄られ倒して、まだ立てるというのか!!?」
驚愕する秋水達を尻目に、不屈の闘志で立ち上がる。
「ここまで決着が付かないとなると(ゼェゼェ)、残された方法は(ゼェゼェ)、唯一つ!」
「よ、よろしくてよ(ハァハァ)! こうなったら(ハァハァ)、トコトンやってやろうじゃないの!」
既に彼女達には恥も外聞も無い。あるのは“コイツなんかに負けたくない”という妄執のみ。
「どちらがより深い絆で結ばれているか、ガチンコの愛の営みを!!」
「今!! この場で見せ付けて差し上げますわ!!」
「エエエエエエエエエエエエエエエエエッッッ!?!?」
「………………姉さん……」
数センチの距離まで顔を突き合わせ睨み合っていた斗貴子と桜花が、呆然と立ち尽くすカズキと秋水に
同時に振り向いた。
「カズキ! 君のサンライトハートで、今こそ私を貫け!!」
「秋水くん! 貴方のソードサムライX、存分に振るってちょうだい!!」

「「なんでそうなるのおおぉぉ!?!?」」
95バカップル2on2(後編):2006/07/16(日) 21:59:53 ID:EG/2T2ga
 * * *

その頃。
混浴場からやや離れた貸し切り小露天風呂にも、別の泊り客の姿があった。
夜気に濃さを増す湯気の向こう。岩場を掘り抜き、檜で四辺を囲った湯船で身を重ね合う若い男女の姿。
否、その体格差は大人と子供。

「あんっ。あんっ。あんっ。あっ!」
膝上辺りまでを湯に沈め、檜の縁に両手をついた少女が、背後から犯されていた。
濡れた金髪。陶磁器のように滑らかで白い肌。わずかに膨らみかけた胸の先には、小さいながらも性の
悦びに淡く色づいた突起。その肢体は斗貴子より更に細く小柄で、顔の輪郭や指先に見て取れる幼さの
名残は、少女が肉体的に未だローティーンである証だ。
殆ど無毛に近いピンク色の秘唇は、血管の浮き出た赤黒い剛直によって無残に押し広げられている。
突かれる毎に甘い啼き声を上げ、その一方で、男によって開発された蜜壺は懸命に剛直を包み込む。
そして、年端も行かぬ少女の腰を両手で掴み、荒々しく突き上げる痩身の男。風呂場だというのに
トレードマークの蝶々マスクを外そうともせず、薄笑いを浮かべて久々に触れる柔肌を愉しんでいた。

「どうだ、やはり地球は良いだろう。こうして大自然の懐に抱かれていると、母なる星の鼓動と魂とが
一体化して涅槃の境地へと旅立ち、恍惚の内に身も心もリフレッシュできるというものだ」
ゆっくりとしたストロークで抜き挿しながら、男──パピヨンが少女に話し掛けた。腰の動きに合わせ
波立つ湯の上で、ゆらゆらと月も一緒に踊る。
「な、何がリフレッシュよ! んっ。こんな……こんな誰かに見られちゃうかもしれない場所でエッチ
するなんて……。あふっ。ヘンタイよ、ヘンタイ!」
切ない表情のままパピヨンをなじるのは、父とともに月面へ移住したホムンクルス・ヴィクトリア。
新たなホムンクルス移民団を迎える使者として地球に戻ってきており、タイトなスケジュールの合間を
縫っての二人きりの逢瀬だった。
「やれやれ、侘び寂びの分からんヤツめ。貴様が食人衝動を気にしているというからこそ、こうして
わざわざ鄙びた温泉宿を選んでやったのだぞ」
「あぅんっ! …でも、一度くらいディズニーランドとか行ってみたかったもん! んっ……その後で、
夜景の見えるホテルのレストランでお食事して……スイートに泊まって……もっと、優しく…ひあぅ!」
「食事なら、ここの宿だって結構なものだったろう」
「んっ…。んっ…。だって……私、日本食あんまり好きじゃないし……」
「船盛りのッ! マグロと鯛を独り占めしておいてッ! 何を言うかッ!」
「やぁんッ!? 激し、んっ! か、替わりに、タコとイカ、あげたじゃない」
「そんなレートで釣り合うかたわけ!! ククク、どうやら貴様にはオ・シ・オ・キが必要だな」
ヴィクトリアの中に怒張を根元まで突き入れて、パピヨンは円を描くように腰を捻る。
「!? ひぁああっ!! やめてぇっ! お腹の奥、グリグリされるぅ……んあああぁっ!!」
金髪の少女は、ここが屋外であることも忘れて大声で喘いだ。パピヨンは口の端を笑みの形に大きく
歪めながら出し入れと円運動を交互に繰り返し、次第に責めるピッチを速めていく。
「ダメッ! そんなにされたら、んぁっ! 私! もうイッっちゃう……イッっちゃうよぉ!」
白いお尻に男の腰がぶつかると自然とヴィクトリアの身体も前後に揺さぶられ、湯船の波紋が幾重にも
ぶつかり合ってチャプチャプと飛沫が跳ねた。
「食い意地の張った貴様の事だ、こっちの口も物欲しかろう。たっぷりと受け取れ!」
言うと同時に、パピヨンは一際深く怒張を捻じ込んだ。
「や、バカ! 中は……中は嫌だって言ったのにぃ……ん……」
胎内に広がる熱い感覚に、ヴィクトリアが身を震わせる。少女の一番奥で射精したパピヨンは、名残を
惜しむかのように二度、三度とヴィクトリアの膣内を行き来して、それからゆっくり剛直を引き抜いた。
96バカップル2on2(後編):2006/07/16(日) 22:02:22 ID:EG/2T2ga
「………………………………ふう…………」
一瞬駆け抜けた風が心地いい。
大きく息をついて、湯船の端に腰掛ける。温泉の効能か、体力を使った割には特に病魔の兆候も無く、
パピヨンは満足げに夜空を仰いだ。
その隣ではヴィクトリアが上体をぐったりと投げ出し、トロンと潤んだ瞳で荒い呼吸を整えていた。
少し息が落ち着いたところで起き上がり、男の両脚の間に身を割り込ませる。そして、二人の粘液に
塗れたまま、まだ半勃ち状態を保つペニスに顔を寄せた。
「────ん……」
小さな舌を伸ばし、肉茎の先端から垂れる精を零さぬよう、そっと舐め取る。両手を軽く添え、子猫が
ミルクを舐めるようにチロチロと、満遍なくペニスに舌を這わせて性交の名残をこそげ取っていく。
パピヨンはそんな少女の奉仕を満足げに見下ろしながら、優しく彼女の頭を撫でた。
「いい子だ。よ〜く味わって舐め取れよ。…………それにしても……」
顔を上げ、耳を澄ます。人間の聴覚を上回る“蝶・パピヨンイヤー”に、先刻からあられもない女の
嬌声が届いていた。
「方角からすると混浴場からか……しかも複数。やれやれ、公共の場でお盛んな事だな。もう少し
マナーという物をわきまえてもらいたいものだ」
(………人の事、言えないと思う)
軽く先端に口付けて中の残りを吸い上げながら、ヴィクトリアは心の中で呟いた。

 * * *

「んあぁっ! あひっ! あひっ! あっ! か、カズキぃ!!」
「んふぅっ! んあっ! んあっ! 秋水くぅん!!」
湯船の中央で、妖しくくねる二つの裸身。
桜花と斗貴子が、立ったまま向かい合わせに抱き合っていた。

斗貴子の右手と桜花の左手。互いの掌を合わせ、指を絡ませて、反対側の腕を互いの腰に回して。
桜花より幾分背の低い斗貴子の額は、桜花の肩に。桜花は斗貴子の頭に自分の頬を押し当て、喘ぐ。
そして二人の後ろから、
「まったくもう! 斗貴子さんはッ! 酒癖悪いんだからッ!」
「姉さん! 悪ふざけもッ! 程ほどにしてくれよッ!」
カズキと秋水が、少女達のトロトロに熱くなった花弁の奥へ、容赦なくペニスを突き入れていた。
「んぁうぅん! ら、らってぇ、桜花が先に挑発するんだもの……」
「人のせいに、しない!!」
「あぅんっ!?」
幾重もの襞がぬるぬると絡み付く膣の奥までカズキの先端が届く。いつもと違う立ったままの行為で、
当たり所の違う怒張が斗貴子の行き止まりを小突いた。
「やぁ! それ、スゴ……んん! カズキので、お腹の中身……持ち上げられてるぅ!」
倒れそうになる身体を、桜花の腕が支えてくれた。
「はぁん、秋水くぅん!」
「姉さんはホントに! 次から次へと俺に面倒事を押し付けて! 俺が困るの見て楽しんでるだろ!」
「あんっ! んっ! ゆ、許してぇ! 姉さん、秋水くんに構って欲しかっただけなのぉ!」
単純な突き上げとは違う、捻りを加えた秋水の切先は、膣の内壁を右、左と擦り所を変えながら抉る。
「あん! ソコぉ! ソコ、もっとしてェ!」
膣壁の一番感じる部分を、カリの部分が擦り上げる。あまりの気持ち良さに意識が飛びかけるのを、
絡め合った斗貴子の指が強く握って引き留めた。
97バカップル2on2(後編):2006/07/16(日) 22:06:47 ID:EG/2T2ga
「斗貴子さんも、桜花先輩も! どうしてもう少し仲良く出来ないのさ!」
「武藤の言う通りだよ! 出会いの経緯はともかく、一緒に戦った仲間だろう!?」
「はっ。はぁっ。ん、そ、そんなコト言ったってぇ…」
「んぅっ! き、気が合わないものは……合わない──ひゃああぁん!! 秋水くん駄目ェ!」
乱暴気味な少年達の腰使いに揺さぶられる度、桜花と斗貴子は相手の身体に縋り付き、支え合う。
「っく! そうやって、最初から無理って決め付けるなんて……ん……斗貴子さんらしくないよ!」
「!? んああああっ! やめ、あ、あ、あ、あ、あ、…………」
 にちゅ、にちゅ、にちゅ、にちゅ、
小刻みなカズキの動きに合わせて、斗貴子が切れ切れに啼く。二人の繋がった部分が粘ついた音を立て、
無意識のうちに斗貴子も自分から腰を動かし始める。
「ハァハァ……姉さんも、もう少し素直になりなよ。……っふ! どっちも、似た者同士じゃないか!?」
「う、嘘……わ、私と津村さんが……似た者同士なんて……どこを見たら……ヤァッ!! クリちゃん
弄らないでェェェェッ!」
姉の膣を自分のペニスで一杯にしたまま、秋水が敏感な芽を指先で転がした。刺激に呼応するように
入り口が締め付け、奥がうねって亀頭部分を吸い上げる。
「探せば幾らでも似てるじゃないか! そうやって意地っ張りなところとか!」
 パシン!
「ぃやぁんっ!?」
桜花の桃尻に、秋水が腰を叩き付けた。
「斗貴子さんだって、目的の為には手段を選ばないところとか!」
 パシン!
「っんあぁ!!」
カズキも同様に、斗貴子を突き上げた。
「なかなか他人を信用しないところとか!」
「真面目ぶってて計算高いところとか!」
「孤高ぶってるけど、ホントは寂しがりやなところとか!」
「そのくせ一度心を許した相手にはベッタリ甘えるところとか!」
 パシン! パシン! パシン! パシン!
「あはぁっ! あはっ! あっ! あっ!」
「やっ! んぅんっ! んっ! んんっ!」
一層激しく揺さぶられ、少女達はより強く抱き合い、手を握り合う。まるで互いを庇い合うように。
(そんな……わ、私と……津村さんが…………似てる?)
「近親憎悪ってヤツだよ姉さん。自分自身の嫌な部分を、相手の中に見てしまう……」
(ま、まさか……確かに桜花とは……子供時代の境遇とか…………似通った部分はあるけど……)
「ただ嫌いなだけの相手なら、無視すればいいだろ!? そう出来ないってことは、斗貴子さん自身が
桜花先輩を気にしてる証拠じゃないか!!」
カズキの言葉に、斗貴子が顔を上げた。ぼやけた視界の中で、桜花も同様に斗貴子を見つめている。

「はぁ、はぁ、はぁ………………お……桜、花……」
「はぁ、はぁ………………津村、さん………」
同じように上気した目元。熱い吐息。上下する肩。相手の瞳の向こうに、自分と似た何かを覗き込む。
「はぁ、はぁ………──んむっ!?」
突然唇を塞がれて、斗貴子が目を白黒させた。ふっくらと温かい、桜花の感触。
「ん、んん────ぷはっ。よ、よせ桜花! 女同士で何を────んん〜〜っ!?」
顔を背けて逃れるが、桜花は執拗に斗貴子の唇を追い掛けて再び自分のそれと重ね合わせた。同時に
慣れた調子で斗貴子の口を割って舌を挿し入れる。
「んんんんんっ!?」(!? え? 嘘!? なんで?)
桜花の舌にそっと自分の舌を撫でられただけで、斗貴子の力が抜けた。桜花は戸惑う斗貴子の口蓋を
くすぐり、唇を啄ばみ、的確に斗貴子の感じる部分を探り当てながら、より大胆に舌を絡み付かせる。
98バカップル2on2(後編):2006/07/16(日) 22:08:29 ID:EG/2T2ga
「ん、ぷ………津村さん………んむぅ」
「ぷぁ……ふはぁ………桜、花……んん」
いつしか斗貴子も陶然とした顔つきになり、自分から進んで舌を絡ませ始めた。
鼻に掛かった甘い声と共に、少女達は唾液を交換し、啜り合う。寄り添うように上体を密着させて、
乳房と乳房が擦れ合い、高鳴る鼓動さえも一緒に感じ合う。
「んぁ────桜花ぁ! あ、私………わたしぃ……」
「ん、ふぁ。……大丈夫よ、津村さん。大丈夫……」

姉と斗貴子の痴態に背後から見入っていた秋水だったが、その間にも蠢く蜜壺に包まれていた剛直は
そろそろ限界に近付いていた。
「姉さん。取り込み中悪いけど、こっちも動かせてもらうよ」
「ひっ、ん!! やだ、秋水くん……ん! さっきより、中で大きくなってるぅ! あはぁ!!」
斗貴子とのキスを解いて、再び桜花が喘ぎ乱れる。
「斗貴子さん! 俺も、今の桜花先輩との絡み見てたら……くぅ!」
「ああああぁん! カズキぃ! 凄っ! 大きいよぉっっ!!」
既に四人とも汗びっしょりで、飛び散る雫がポタポタと湯船に散る。
加えて斗貴子と桜花の秘唇から溢れた愛液が内腿に筋を成し、湯の中へと溶けていった。
「そろそろキメるぞ、武藤。タイミングは任せる!」
「応ッ! エネルギー全・開!! サアアァァァンライトォォオオオ!!!」
「ソオオォォォウドサムライィィィ────」
「アッ! ダメッ! カズキ、飛んじゃう! 私、飛んじゃうぅぅ!!」
「ンッ! いいのよ、津村さん! それでいいの!! 私も……私もぉ!!」
身体を貫き暴れる恋人の体熱を感じ取りながら、斗貴子と桜花は一緒に昇りつめていく。繋いだ手に、
我知らず力を込めて。

「「X(クロス)ハートオオォォォォッッ!!!!!」」
「「アアアアアアアアアアアァァァァッッッ!!!!」」
昂りが弾け、胎内に迸る。
熱い精を膣に浴びて少女達が果てるタイミングも、やはり同時だった。

 * * *

「まったく…………何を考えているのかしら」
腕組みを解き、こめかみを指で押さえながら、千歳は一つ溜息をついた。
普段あまり感情を表に出さない“クールビューティー”は、今は珍しく柳眉を寄せて半ば困惑、半ば
あきれた風に少年二人を見下ろしている。
「はぁ、その……なんと言うか……」
「面目次第もありません」
彼女の前で、神妙な顔で正座している浴衣姿のカズキと秋水。そして彼らの後ろでは、濡れタオルを
額に乗せた斗貴子と桜花がそれぞれ布団に寝かされ、ウンウンと唸っていた。

女の意地とプライドをかけたバトルは、『深酒』『風呂』『激しい運動』のトリプルアタックによって
両者とも湯当たりノックダウンという何とも締まらない形で幕を下ろした。
絶頂と同時に失神してしまった二人にカズキと秋水は大慌てとなり、風呂場から抱きかかえて連れ出し
身体を拭き、苦労しながら浴衣を羽織らせて、それから血相を変えて千歳に助けを求めに来たのがつい
先程の事。
それから千歳が急いで二人の容体を診て宿の従業員に連絡すると、こちらは流石に慣れているらしく
てきぱきと薬や氷枕を用意してくれて、取り合えず一段落着いたところだった。
99バカップル2on2(後編):2006/07/16(日) 22:09:49 ID:EG/2T2ga
「お風呂で気分転換なさいと言ったのは私だけれど、それで混浴に入っちゃうのは問題でしょう。
思春期だからいろんな事に興味あるのも分かるけど、もう少し節度をわきまえてちょうだい」
いろんな意味で見透かされている状況に反論の余地も無く、秋水とカズキはただ畏まって頭を垂れ、
千歳の小言に耳を傾けるしかなかった。
「はっはっは。まぁ、若いうちは多少の無茶も経験のうちさ。そうしょげこむな。俺がお前らぐらいの
年頃には、それこそ千歳と抜かずの七発────ふぐぉっ!!!!」
鳩尾に的確かつ鋭い肘打ちを食らい、フォローに入ろうとしたブラボーが崩折れた。
「とにかく! 今後は錬金戦団関係者という自覚と責任をしっかり持つこと。特にこういう集団行動の
時は周囲に迷惑を掛けないよう慎重に! いいわね!?」
心なしか頬を赤らめた千歳の締めの言葉に、少年二人は「ハイ」と真摯に頷いた。

「いよぉし! 千歳の説教も終わったようだし、少し早いがそろそろ就寝時間とするか」
それまで腹を押さえてうずくまっていたブラボーが、何事も無かったかのようにすっくと立ち上がる。
「とはいえ、斗貴子達にはまだ看病が必要だろうな。そんなワケでカズキ、秋水。お前達はこっちの
部屋で休め。俺と千歳は向こうの男部屋で寝ることにする。二人を頼んだぞ」
「えぇ!? 斗貴子さん達と一緒に?」「しかし、それでは……」
「防人君! 私が注意した端から貴方がそんなじゃ、この子たちに示しが────きゃあッ!?」
問答無用で腰から抱き上げられ、千歳が可愛らしい悲鳴を上げた。
「フッフッフ……。せっかくの慰安旅行だ。千歳には日頃の感謝を込めて、幻の十四番目の必殺技
“昇天! ブラボーマッサージ”を存分に堪能してもらおうか」
ブラボーは鼻息も荒く千歳の身体を肩に担ぎ直し、浴衣の上から柔らかな丸みを描く尻を撫で回す。
「ば、バカ! 子供たちの前で何言ってるのよ。貴方もまだ酔ってるでしょ!? ねぇ、ちょっと!
降ろして、降ろしてってば」
ポカポカと背中を叩かれるのを意にも介さず、彼女の鞄を左手に提げて部屋の出入り口に。
「お前達の鞄と足りない分の布団は、後で届けてやる。朝食の時間には遅れるなよ」

──バタン。

ドアが閉まり、静寂の訪れと同時に、ようやくカズキと秋水は肩の力を抜いて息を吐いた。
「なんか、もう……ドッと疲れた…………」
「姉さん、大丈夫? 水とか欲しくない?」
のろのろとした動作で立ち上がると、思い足取りで少女達の傍まで歩いて座り直す。カズキは斗貴子の
首筋を濡れタオルで拭いてやり、秋水は団扇で桜花を扇いだ。

「……フ」
「……フ」
「「フフフフフフフフフフフフフ!!」」

再び沸き起こった笑い声に、またしても少年二人が凍り付く。
「き、今日のところは痛み分けですわね、津村さん。…………でも、覚えてらっしゃい。
いつかきっちり、勝負を付けさせてもらいますわよ!」
「ふ、フン! こ……こちらこそ、望むところだ。…………その時になって吠え面かくなよ桜花!」
互いに横になったまま相手を睨みつけ、火花を跳ばし合う。

「「もう勘弁してください!!」」
カズキと秋水は、そろって枕元で土下座した。

(おわり)
100名無しさん@ピンキー:2006/07/16(日) 22:14:13 ID:EG/2T2ga
前編から間が開いてすいませんでした。
あと遅ればせながらK-ness.さん、小ネタ満載ハイテンションでおもろかったです。
GJ!
101名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 02:24:12 ID:SPlrKxjm
両作者様GJ!エロい上に笑わせていただきました。自分はこういうパロディっぽいのが好きです。次回作も期待してます!
しかしちー剛、カズトキ、秋桜、パピヴィク、さらにちらっとブラ千。これだけのカップリングが一気に見られるとは何と豪華な!あとは火毒?
102名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 10:50:00 ID:wFD6xBTn
103名無しさん@ピンキー:2006/07/17(月) 14:13:19 ID:0cCMtjEV
在りし日のヴィクター×アレクが読みたい
104K-ness.:2006/07/17(月) 14:41:30 ID:7lzd4Z3p
>>93-100
 あんたの作品を見ていると俺の中の何かが溢れようとするんだ……
 エロもギャグもこんなに上手いなんて…お父ちゃんあたい悔しいよ!
 こんなしゅごいの見せつけられて何も言えないなんて悔しいよ!きいぃぃぃ!!

 そしてシリアス書こうと思ったらギャグが出来てしまった俺を誰か暖めてくれ。
105K-ness.:2006/07/17(月) 14:42:11 ID:7lzd4Z3p
『真夜中の軍縮会議・迷彩服を脱がせないで〜リターンズ〜』
防人君の部屋からまた卑猥なビデオが出てきた。
今度の隠し場所は予備の枕カバーの中、ご丁寧にハンドタオルで包んであった。
どれだけ上手く隠したつもりでも私には全てバレている現実を何時になったら彼は気付くのだろう。
その三十前の男性にしては凄まじい性欲に私は感謝してるけど、何故かぶつけ所を間違えている。
そんじょそこらの小娘どもには負けないプロポーション。
連戦と激闘の日々を生き抜く為に自然と身体に沁み込んだシャドウスキル。
園児服からブラジル水着まで世界が認める完璧な着こなしコスプレ・オブ・ザ・イヤー。
これだけの潜在能力を秘めている私のどこに不満があると言うのだろうか?
確実に防人君好みの女に成長した筈なのに。むしろ成長させられた筈なのに。
……とりあえず罰として彼の右手首の関節を一週間ほど外す事にしよう。

腑に落ちないのは、彼がこのビデオを何処から入手したのか。
購入物でもレンタルビデオでもない事は毎日防人君の全ての個人情報を洗っているから知っている。
誰かから借りるにしても大体の出元は抑えているはず。
最大の出元こと火渡君は、援交しようとした女子高生に財布の中身をパクられて
ビジネスホテルのフロントのおばさん相手に平謝りしている所の写真で脅しているし、
もう一つの大きな出元である剛太君は、最近出来た彼女(推測)にハンディカムを構えられ
「キレイに撮ってあげるから一人でイキなさい。」
と自慰を強要させられている所の動画映像(私が別に撮った物)で脅しているから考えにくい。
カズキ君は雑誌派だし、他の心当たりも全て調べたはず。
私がまだ把握していない入手先が在るのだろうか?

この寄宿舎にもう一人情報収集が得意な人物が居る事を思い出した。
「千歳さん?どうして此処に居るんですか?……それに、その格好は…………」
彼女、戦士毒島の協力を得られればこのビデオの出元が判るかもしれない。
と言う訳で手伝って毒島さん。ちなみにこの格好は変装よ。
「な、何故そんな事を調べる必要があるんですか?錬金の力を私用で使うのはちょっと……」
おねしょを怒られて半泣きな火渡君(10)の貴重な動画映像。
「御任せ下さい。」
結論から言うと私と毒島さんは直ぐにビデオの出元である人物を付き止めた。
しかしその人物に毒島さんは困惑し、私は首を捻るばかりだった。
そして私は全てを知るために、防人君に罠を張る事にした。

管理人室に戻ると防人君が冷蔵庫を漁ったり畳を引っくり返したりしていた。
何をしているの。
「うおぁふッ!ち、千歳サン!?何故俺のネバーランドに!?」
防人君が無くした過去を探してるような気がして。
「お前か?またお前なのか!?またお前は俺が物語の主人公になるのを阻むのか!?
 何故お前はいつも俺の前に立ち塞がるッ!!?」
少子化対策よ。
「つーか何だその格好は!?何で銀成学園の制服着てんだッ!!?
 鏡を見たのか!?自分が危険な状況下に置かれている現実を理解しているのか!?
 お前には後悔する位なら目覚めなければいいと夢を見続ける事を選ぶ夜は無いのかッ!!?」
変装よ。
「一言で片付けんなッ!!下宿生達に聞かれたら何て説明すりゃいいんだよ!?
 お前は新しい銀成学園七不思議にでも加わるつもりなのか!?
 突如現れたコスプレ女の謎を解き明かせる名探偵の孫はこの学園には居ないんだぞ!?
 明智似のメガネだったら居るがなッ!!」
ところで探し物はコレかしら。
「すみませんでした。」
106K-ness.:2006/07/17(月) 14:44:20 ID:7lzd4Z3p
パンツ一丁姿になった防人君に土下座をさせる。この格好なら簡単に逃げられないから。
あえて全裸にしないのは意外とMっ気がある防人君の事、
変に興奮してシルバーじゃない方のスキンが必要に為り兼ねないから。
ちゃぶ台の上に座り彼の後頭部を踏み付けながら聞いてみる。
コレは何かしら?
「世間一般ではロマンポルノと呼ばれる物でして…」
はっきりAVと言いなさい。映画館で上映できる様な物じゃ無いでしょ。
「若さが生んだトラップに引っ掛かったと言いますか自分から突っ込んだと言いますか。」
三十前のオッサンが若さとか言ってんじゃないわよ。
私も気が付けば二十代半ばなのよ?貴方もそろそろ責任ってモノを考えてもいい頃じゃないかしら?
「俺はもう成人男性だからAVを鑑賞してもダディに怒られる事は無い筈だが?」
その責任じゃ無いわよ。解ってて言ってるでしょ貴方。
まあ、今回の一件は特別に無かった事にしてあげるわ。
「……ホンマに?ホンマに見逃してくれはるの!?」
但し今日中にコレを持ち主に返す事。
「グッ!致し方有るまい、その要求受け入れよう。」
それと右手を出しなさい。
「待て千歳愛してる。ガチで愛してる。だから考え直してくれないか?
 今はほら大事な時期じゃないワークとか、利き腕が使えない生活ってブラボー的にも困るし。
 俺が悪かったから、非行に走った俺が悪かったから、だからもう一度アリスの微笑みを俺に」

右腕を抱えてうずくまる防人君を残して管理人室を出る。
向かう先は再び毒島さんの部屋。
「本当に上手く行くのでしょうか?」
大丈夫よ。防人君の鮒並みの脳味噌じゃ私達の計画を読めるはず無いもの。
「ブラボーさんは兎も角、相手の方は一般人ですし…」
危害は加えないわ。ただ真相を知って対策を講じるだけよ。
二度と防人君が過ちを犯さない世界を私が創る必要があるの。
「……と、とりあえず時間が経つのを待ちましょう。」
ええ、夜間強襲は篭城崩しの鉄則よ。

「いや、マジ良かったよコレ。ちょっとした邪魔が入って後半今日の夕方に大急ぎで見たんだけど、
 あまりのクオリティの高さにブラボークロニクルに新たなレジェンドが刻まれちまったよ。
 右手?あぁ、俺が生きている証の様な物さ。心配してくれるのかい?ありがとよ相棒。
 それよりこれからもグローバルなアイテムを頼むぜ?報酬はスイス銀行の口座に」
其処までよ。
「うおおあぁぁふッ!!ち、千歳サン!?何故俺のピンキーマーケットに!!?」
防人君が重すぎる十字架を背負う覚悟でいるような気がして。
「何故此処で取引が行われる事を知ってるんだ!?誰にも言って無いのに!!」
管理人室の前じゃない。
「グウゥッ!逃げるんだ相棒!!此処は俺が命に代えてでもAVを」
「その必要は無いみたいですよ、管理人さん。」
私は楯山千歳、近い将来防人千歳になる女よ。初めまして、若宮千里さん。
107K-ness.:2006/07/17(月) 14:45:09 ID:7lzd4Z3p
このビデオは貴女の物では無いわね。
「中村先輩の部屋から押収した物です、ある意味それは私の物ですよ。」
では何故防人君にこのビデオを?
「恩返し、ですね。今の私の生活があるのは管理人さんのおかげですから。」
剛太君との生活?
「良くご存知ですね。管理人さんは私と中村先輩の仲を後押ししてくれたんです。」
どういう事?
「いや、あいつ縛れるのとか好きそうだったから。」
「私が生まれ変わる為のプレゼントをくれたんです。」
……剛太君の事はこの際どうでもいいわ。
もう防人君にAVを貸さないで頂戴。それでこの話はお仕舞いにしましょう。
「そんなッ!?俺の桃源郷がッ!!?」
お黙り。
「分かりました、但し一つだけ条件があります。」
あまり私を侮らない事ね。その気に成れば貴女の弱み位簡単に、
「お二人にご迷惑を掛ける様な事ではありませんよ。欲しい物があるだけです。」
……言ってごらんなさい。内容に依るわ。
「ありがとうございます。……それと、其方こそ私を侮らない方がいいですよ?」


私は彼女に要求通り一本のビデオテープを渡した。
「ほらゴーたん?私以外にもゴーたんの一人剣道を撮っていた人が居るのよ!?
 もしかしたらこの恥ずかしい映像が世界中に流出しているかもしれないのよッ!!?」
こうして防人チルドレン・シードは守られた。
それにしても彼女、あの時私が窓から覗いていた事に気が付いていたなんて……
大戦士長にスカウトしたい人物が居ると報告しよう。

「今も見られているのよ!?何処かの中南米でゴーたんの一人関ヶ原が民放で流されているのよ!?
 ほら!ガチホモ達に見られながら一人でイキなさいッ!!!」
                                 第六話BIBLE  完
108名無しさん@ピンキー:2006/07/18(火) 12:39:02 ID:7sS2OYGD
投下SS、丸ごと全部GJだぜヒャッホウ
109名無しさん@ピンキー:2006/07/18(火) 21:24:00 ID:1b4h8TpV
(゜д゜)
110名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 17:06:10 ID:h/kIgREd
このテンションの差…未だに同一人物と思えん…
ともあれGJです。すっかり躾けられるとは、剛太も哀れよのうwwww
111名無しさん@ピンキー:2006/07/19(水) 19:54:56 ID:IJa2brFe
>>98
カズキと秋水の重なる叫びが無駄に熱くてカッコイイなw
112救済 ◆Tt.7EwEi.. :2006/07/20(木) 04:15:18 ID:SL4F2Uki
猟奇スレに新作『水まっぴー』を投下したよ(゚∀゚)アヒャ
113名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 17:26:19 ID:oTIDzqAW
>>112
報告乙です
114名無しさん@ピンキー:2006/07/20(木) 18:00:21 ID:MdB5x7Lb
鬼畜じゃないまっぴーエロが読みたいよ
115K-ness.:2006/07/22(土) 15:23:40 ID:C/9P7+2l
金よりも愛よりもシリアスを上手く書けるようになる
進化の秘宝が何処かに落ちてないかなぁと思いながら投下

ひほうをよこせ!おれはかみになるんだ!
116K-ness.:2006/07/22(土) 15:25:17 ID:C/9P7+2l

私はこの日々を、棄てる事が出来るのだろうか。

      Beefsteak geranium


日の暖かさが心地よい晩春、私達は通い慣れた通学路を歩いている。
「今日こそは四人で遊びに行くの!絶っ対に遊びに行くのっ!!」
「中間テストが終わった私達に怖いものは無しっ!
 やっと、やっとみんなで甘い物とウィンドウショピングを楽しめる!!」
「まあ二人とも頑張ったしね、久しぶりに思い切り遊ぼっか。」
いつもと変わらない朝の風景の中、いつもと変わらなく騒ぐ私達。
何も変わらない様な日常。でも確かに変化している毎日。
この春、武藤さん達は無事に学校を卒業して、私達は最上級生になった。

初めの内は武藤さん達の居ない新生活に、私達四人だけが取り残された様な寂しさがあった。
まひろちゃん達と違って、卒業後も武藤さん達と頻繁に会っている私でさえそう感じていた。
私が戦団から武藤さんと津村さんのサポートをするように命じられたのは卒業式の翌日の事。
泣いてしまったお別れ会の数十時間後「これからもよろしく」と笑顔で二人と握手をした。
今迄と違う新しい環境。今迄と違う新しい任務。
緩やかに変わり行く日常を、私は自然に受け入れる事が出来ていた。

もう一つ大きな変化があった。
「まぁちーちんさんはぁ、剛太先輩とじゅーぶんに羽目を外してたみたいですけどぉ?」
「私達がテスト勉強している間にぃ、彼氏と二人でどぉんなおベンキョーしてたのかなぁ?」
千里ちゃんとの秘密があっさりバレた。
「なっ、あんた達いい加減にしなさいっ!!
 何にも無かったって言ってるでしょ!?いっつもいっつも同じこと言って!」
「いっつもいっつも赤くなるぅー!」
「きゃーーー!ちーちんのエッチィーーー!!」
「あーもうっ、二人とも置いて行くからね!行くわよ華花っ!」
「え、えっちなコトしたんですか?」
「してないってばッ!!」


千里ちゃんが剛太さんに想いを告げた事を知ったのは、千里ちゃんと二人で大泣きした翌日。
動揺しながらも全てを教えてくれた千里ちゃんに、私はすごく淡白な相槌しか返せなかった。
静寂の中、微かに頬を赤らめる千里ちゃんに「よかったですね」と言うのが私の精一杯だった。
一晩で一気に進展していた夢物語を、私の脳が理解し受け入れるまでには相当な時間を要していた。

「それで………これからのこと、なんだけど…………」
まだ正式に剛太さんと御付き合いを始めた訳では無いので、
まひろちゃんと沙織ちゃんには暫く秘密にして欲しいと言われた。
二人に話すのが恥ずかしいのと、騒がれるのが嫌なのだと言っていた。
御付き合いを始めた後、私も交えて二人には全てを打ち明ける事をこの時私達は計画していた。

私達の目論みは直ぐに崩される事になる。
その日の夕食時、食堂で私達四人と剛太さんが顔を合わせたのが事の発端だった。
赤面してうろたえる千里ちゃんと、照れ笑いでなだめる剛太さん。
その場景を見て、あの二人が黙っている筈が無い。
想像通り大騒ぎとなり、二人にどころか食堂に居た全員に昨夜の事が知れ渡る事となった。

こうして人生初だった私と友達の二人だけの秘密は、たった二日で周知の事実となってしまった。
117K-ness.:2006/07/22(土) 15:25:53 ID:C/9P7+2l

「じゃあ後でねぇー。」
「あ、はい。また後で。」
教室に入る前に私達は二組に別れる。
まひろちゃんと千里ちゃん、沙織ちゃんと私。
口を揃えて同じクラスになりたいと羨望していた、桜が咲く頃の私達。
蓋を開けると期待も虚しく、残りの一年間を私達は別の教室で過す事になってしまった。
唯一の救いは完全に四人が離別しなかった事。
もし私が一人だけ違うクラスで授業を受ける事になっていたら、あまり考えたく無い。

「はなちゃん今日行きたい所とかある?」
鞄を机の脇に掛け、椅子に座る。
「いえ、私は特に。皆さんに御任せします。」
「じゃあさ、久しぶりにカラオケ行かない?はなちゃんの歌もう一回聞きたい!」
私の席は、沙織ちゃんの席の斜め後ろ。首をずらせばお互いの顔が見える。
「カラオケはいいですけど、歌うのはちょっと…」
「何でぇ、すっごい上手かったじゃん!」
「すごく恥ずかしかったんですぅ……」
担任教師が入って来て、教室内が静まる。
「お前ら席着けー、はい号令。」

クラスが別れたからといって、私達の交友関係が変わる事は無かった。
それは人と接する事を不得意とする私にとって、とても大きな救いとなった。
新しいクラスメイトも私に良く接してくれている。
良い環境に恵まれ、良い友人達に支えられ、今の私は優しさの中に包まれている。
知らない人と話すのは苦手、それは変わらない。
でも、それすら苦に為らない毎日を私は送っている。
変わり行く日々の中、このまま何も変わらなければ良いとさえ思っていた。


千里ちゃんの変化は、少なからず私にも影響を与えた。
剛太さんとの御付き合いを始めた当初、千里ちゃんは不安を漏らしていた。
それは剛太さんが津村さんに想いを寄せていた過去を知っていたから。
自分が剛太さんの一番に本当になれるのか、剛太さんが自分を一番好きで居続けてくれるのか。
剛太さんが本当に好きだから、何時までも剛太さんの傍に居たいから。
現在が崩れ落ちる瞬間を、何より千里ちゃんは恐れていた。

「信じることにした。」
そう言って笑う千里ちゃんの目は、少し赤くなっていた。
二人に何があったのか、私は聞いていない。
気が付いた事は二つ、千里ちゃんがあまりに綺麗で大人びた表情をする様になった事と
「まだちょっと不安だけどね、剛太さんすぐ仕事で何処か行っちゃうし。」
「中村先輩」から「剛太さん」に変わった事。

剛太さん以外の誰もが千里ちゃんの本当の笑顔を引き出せなかった。
大好きな友達を盗られた様な気がして、ちょっとだけ剛太さんのことを恨んだ。
118K-ness.:2006/07/22(土) 15:26:25 ID:C/9P7+2l

もう一つ、とても心に残る出来事があった。
武藤さんと津村さんが結婚した。

三年生全員の高校卒業が確定した二月の半ば、まだ二年生だった私達も含めて、
学園内で武藤さんと津村さんの二人と親交があった全ての人が談話室に呼ばれた。
「俺、斗貴子さんと結婚します!!」
全員が溜め息を付いた。
「まあ、予想はしてたけどね。」
「みんな知ってるよお兄ちゃん。」
「お前、隠し切れてると思ってたのか?」
真っ赤な顔で俯いていた津村さんが見せた口を大きく開けた驚愕の表情と、
あまりの反応の薄さを理解出来て無い武藤さんの間抜けな表情を、私は忘れる事が出来ないと思う。

二人の結婚式が行われたのは三月最後の週、卒業式が終わった直後。
式場は銀成市内の英国式教会。
ブラボーさんや千歳さん達が、戦団に働き掛けて費用を捻出させたらしい。
武藤さんの両親も海外から一時帰国した。家族が増える日を心待ちに過ごしていたそうだ。

本当に素敵な結婚式だった。
着慣れないタキシードに身を包んだ精悍な顔付きの武藤さん。
純白のウエディングドレスに美しい御身を守護され、
ヴェールの下に赤みの掛かった優美な微笑を隠す津村さん。
寄り添いながら薄紅色の絨毯を歩く二人の後姿は、ステンドグラスから断続的に射し込む
閃光で煌いて、未来を司る女神が二人の行末を祝福している様だった。

神前で永久の愛を誓い合い、二人はお互いへと向き直る。
ガラス細工を扱うかの様にヴェールを摘み上げた後、武藤さんの掌が津村さんの深傷をなぞる。
驚きから安らぎへ。津村さんは笑顔のまま武藤さんの指の感触と温りに陶酔していた。
そして二人の顔が、全ての情感と共に交錯した。

私はこの時、世界中で最も美しい一瞬の光景に瞳ごと心を奪われた。

その後はもう大騒ぎだった。
津村さんの投げたブーケを受け取った千里ちゃんを、私達全員で盛大に冷やかしたり
シックなドレスに着替えた津村さんの前で、ブラボーさんが感極まって泣き出したり
突然パピヨンさんが乱入して、一般の方々が一時騒然となったり。
ただ、そこに居た全ての人達が、本当に幸せそうな二人の笑顔を心から喜んでいた。
そして私はこの日から、津村さんのことを斗貴子さんと呼ぶ様になった。

千里ちゃんは、勇気を出して想いを叶えた。
斗貴子さんは苦難の中、武藤さんと二人で力を合わせて幸福を掴み取った。

いつか私にも、千里ちゃんや斗貴子さんのように、
幸せに笑える日が来るのだろうか。


「と、言う訳で今日は古着屋さん巡りをします!」
屋上でお弁当を食べる私達に、仁王立ちで宣言するまひろちゃん。
「分かったから座って食べなさい。」
「私、アクセも見たいかも。」
私のお弁当箱が、三人の手により軽くなっていく。
「新しく出来たブティックにも行きます!」
「駅前のですか?」
「まだ行って無いもんね。」
サンドウィッチを高々と掲げて、まひろちゃんは絶叫した。
「そしてちーちんのウエディングドレスを選びに行くんです!!」
「ぶほぉっ!」
千里ちゃんがお茶を噴いた。
119K-ness.:2006/07/22(土) 15:26:58 ID:C/9P7+2l
「だ、大丈夫ですか?」
「ケホッ、あ、あんた何言ってんのよ!?」
「だって次に結婚するのちーちんだから。」
当然の事の様に言うまひろちゃんに、にやけ顔の沙織ちゃんが続く。
「そうだよねぇ、下見は大事だよねぇ?もしかして剛太先輩と見に行っちゃたとかぁ?」
「行って無いっ!…もうやめて、お願いだから。」
「じゃあホントのことを言いなさいっ!」
「この前のデート、何処に連れてって貰ったのっ!?」
二人に詰め寄られ、千里ちゃんは私に救いの眼差しを投げ掛ける。
千里ちゃんごめんなさい、私も聞きたい。

「あー知らないっ!何も知らないっ!私は何も憶えて無いッ!!」
私達三人と屋上に居る他の生徒達の視線に耐え切れなくなった千里ちゃんは、
救難信号を無視した私に矛先を向けた。
「そうだ華花っ!就職するか進学するか決めたの!?迷ってるって言ってたよね!?」
「ふえぇ!あ、えっと、その…」
急に私に視線が集まり、変な声が出てしまった。
「騙されないわよちーちん!さあ、真実を語りなさいっ!!」
周りの視線が千里ちゃんに戻り、また二人の尋問が始まる。
普段より少し騒々しく、今日のお昼休みは過ぎていった。


午後の授業、教科担任が口にする数式は私の耳を通り過ぎる。
机の下で携帯電話を開いて、アドレス帳から画面に一人の名前を出す。
 火渡 赤馬
もう一年も、掛ける事も掛かって来る事も無い電話番号。
最後に会ったのは二ヶ月前、顔を合わせて挨拶をしただけ。
ずっと想っている、大好きな筈の人。
本当に好きな筈なのに、私は火渡様を選んでいない。

好きな人と好きな今を、私は天秤に懸けている。

高校卒業と同時に戦団に本格復帰する。
一年前の私なら、躊躇無くそう答えていた。
武藤さん達の様な使命感や正義感では無く、私はあそこでしか生きていけないから。
そして、火渡様が居るから。

銀成学園に転入した後、私は戦団に残留を申し入れた。
当初は火渡様のサポートの為に戦団で働いていた。
少しでも火渡様の手助けになればと思ったから。
しかし在学しながらの後方支援には限界があり、直ぐに私は火渡様の部下から外された。
銀成学園を卒業してから、再度火渡様に尽くそう。そう思っていた。

でも私は知ってしまった。
私を受け入れてくれる世界があったことを。

戦団で生きる事を選べば、私が一般社会からある程度隔離される事は免れ無い。
世の中に錬金戦団の存在を認識させる訳にはいかないから。
この地球上から全てのホムンクルスが消滅した訳では無い。
未だにホムンクルスの被害に遭っている人達が居るのだ。
誰にも知られる事無く、秘密裏に動かねばならない事態も数多くある。
戦団に残る、その決意は変わっていない。
戦団に残る事は、今の生活を棄てる事になる。
今の暮らしが心地良くて、もう少しだけ此処に居たくて。

本来居続けるべき場所と、本当は居続けたい場所。
火渡様が居る世界と、千里ちゃん達が居る世界。

確実に変化を遂げる日常という迷路の中で、私は未来の方向を詮索し続ける。
私が生きるべき世界は、私が生きていきたい世界は、一体どちらなんだろう。
120K-ness.:2006/07/22(土) 15:29:00 ID:C/9P7+2l
金曜日の夕方という事も手伝ってか、駅前の混雑は目に瞠るものがあった。
その中でも私達四人存在は際立っていたかもしれない。
「はなちゃん次はコレ着て!」
「あ、はい…」
「その次はコレね!はなちゃんにはフリフリが良く似合うから!」
「え、はい…」
「ワンピースもいいけど華花ならキャミも映えるわよ。次コレね。」
「あの…ちょっと休ませて……」
散々着せ替え人形にさせられて、何も購入せずにお店を出て行く。
もう三軒のお店に迷惑を掛けた。……まだ次があるらしい。

五軒目の洋服店の入り口で、私は三人を眺めている。
一人ファッションショーと人ごみに少し疲れてしまったから、休憩を取らせて貰った。
ぼんやりと三人を観察していると、やっぱり目立っている事に気付く。
気が弱くて人付き合いが苦手な私が、普段あの輪の中に居るなんて信じられない。

近い将来、私はあの輪から離れていく。
初めて出来た大切なお友達。
大切だから、余計な事に巻き込みたくは無い。
私を大切に想ってくれているから、私から離れないといけない。

俯いた私の目に入ったのは、影に隠れた緑色。
建物と建物の間にひっそりと根を張る、赤みの掛かった白い花。
何故か、私に気付いて欲しくて無理に上を向いている様な気がした。

「お待たせ。華花、何見てるの?」
「お花?こんな所に生えてるなんて珍しいね。」
何時の間にか、私の後ろからみんなが花を覗いている。
「ユキノシタです。この時期に咲く花なんですよ。」
「はなちゃん知ってるの?」
「はい。植物とか、詳しくて。」
何処にでもある多年草。
少し地味で、色の濃い花の後ろに隠れてしまう様な小さな花。

「なんかさ、はなちゃんみたいだね。」
沙織ちゃんの言葉に私は振り向く。
「…私、ですか?」
「うん。ちっちゃくて白いトコとか、芯がしっかりしてそうなトコとか。」
「目立たないけど綺麗な所とかも似ているかもね。」
「あ、分かるかも!はなちゃんは真っ白でキレイでかわいいーっ!」
「きゃ!ま、まひろちゃん…」
後ろから抱き着かれて身動きが取れなくなる。
「ほら、イチャついてないで次の店行くわよ。」
私を拘束したまま立ち上がって、まひろちゃんは私の耳元で叫ぶ。
「ウエディングドレスッ!?」
「行かないって。」

歩きながら考える事は、儚く健気に咲いていた花の事。
水も光も足りないのに、一生懸命に生きていた花。
誰にも気付かれる事無く、それでも蕾を開かせた強い花。
私はあんなに逞しく生きているのだろうか。
ひとりぼっちになっても、強く空を見上げて生きていけるのだろうか。
121K-ness.:2006/07/22(土) 15:29:32 ID:C/9P7+2l

翌日の早朝、私は剛太さんの運転する車で戦団本部に向かっている。
剛太さんと共に事務仕事をする事になっているので、同乗させて貰った。
「何か昨日、大変だったらしいな。」
十分な睡眠のおかげで、疲労は残っていない。明確な思考で返事をする。
「いえ、そんなことは…千里ちゃんですか?」
「ああ、うん。昨日メールで。」
眠たそうな目で右前方を見詰めて、ハンドルを切る。
「晩メシの時間ギリギリまで遊んでたって。」
「私は付いて行っただけですけれど、楽しかったですよ。」
「元気だもんなぁ、あの子等は。」
疲れた様な声で呟く剛太さんに、少し意地悪してみる。
「千里ちゃん用のウエディングドレスを見に行こうって言ってましたよ?」
「………勘弁してくれよ。」
ハンドルに額を押し付けて項垂れてしまった。

「やっぱソレ着けんのか…」
到着するなり鉄仮面を被る私に、呆れた様な剛太さんの視線が刺さる。
「コレを着けていると、落ち着くので。」
「まあ、いいけど。んじゃチャッチャと終らすか。」
ファイルを開いて、早くも剛太さんは仕事に取り掛かる。
私も剛太さんの向いに座り、作業を始める。

本当は常にこの格好で過ごしたい。
流石に一般社会で生活するには、この鉄仮面は異形すぎるので自粛している。
仮面を着けいる方が注目される事は解っているけれど、コレは私の一部の様な物。
この格好なら恥ずかしがらずに人と話せるので、少し残念だと思っている。

週に数回程度の書類整理と、前線で体を張る武藤さん達のアシスト。
学校と兼業しながら出来る仕事は、この程度が限界。
もし、このままの生活が続けば、私は両方の世界に居られる。
戦団で働いて、千里ちゃん達と学校へ行く。
進学を選んだら、あと四年この毎日が続くのではないか。
でもそれは、火渡様が居る場所に少しも近付けない事に繋がる。

私が火渡様の御傍に戻っても、本当に御役に立てるのだろうか。
私が進学を選んでも、まひろちゃん達に何かしてあげられるのだろうか。
私を本当に必要としてくれる世界は、何処にあるのだろう。

私はまだ、地面に植えられていない種の様なもの。
どこに植えれば大きく育つのか、どんな環境が綺麗な花を咲かせるのか。
撒いただけでは直ぐに枯れてしまう、水が多くても腐ってしまう。
でも、種を植えないと蕾は出来ない。
何処かに種を撒かないと花は咲かない。

私が花の種で、何時か芽を出し息吹くなら、私は何処の地面に種を撒くべきなのだろうか。
昨日私があの花を見付けた様に、花を咲かせた私に気付いてくれる誰かが居るのだろうか。


黙々と作業を続けながら時計を見る。
このペースなら日没前には寄宿舎に帰られるかもしれない。
不意に、ずっと剛太さんに聞いてみたかった事を尋ねてみようと思った。
仮面のおかげで、恥ずかしがらずに聞けたのかもしれない。
「あの、休憩しませんか。」
122K-ness.:2006/07/22(土) 15:33:45 ID:C/9P7+2l
剛太さんから缶ジュースを手渡される。
「ありがとうございます。」
「ソレ着けっぱでどうやって飲むんだ?」
机の引き出しからストローを取り出し、何本も連ねて缶に差し込む。
「こうやって飲んでます。」
「へぇ。」
特に感想も無く、剛太さんは自分の缶コーヒーに口を付ける。
「聞いてもいいですか?」
「ん、何?」
一旦間を置き、言葉を探す。
「えっと、将来の事と言いますか…」
「相談事?俺に?」
相談と言うより質問。彼女をどう想っているのか。
「千里ちゃんのことで、少し。」

明らかに剛太さんの表情が変化した。
不快という訳では無いが、居心地が悪そうな顔をしている。
「もしかして、不満か何か言ってた?」
「いえ、そんな事は。千里ちゃん、剛太さんの話しをする時嬉しそうですし。」
口元を押さえて私と逆の方向を向いてしまった。照れているのだろか。
「本当ですよ。千里ちゃん、幸せそうです。」
「……毒島が言うんなら、そうなのかもな。」
缶コーヒーを一気に飲み込む。やっぱり照れている様だ。
この姿を見ていれば、本当に千里ちゃんのことが大事なんだと分かる。
だからこそ、どうしても聞いてみたい。

「千里ちゃんは、何時までも剛太さんの御傍に居続けたいと思っています。」
「高校を卒業して、大学に入って、その大学を卒業してもずっと。」
「剛太さんは、どうなんですか?」
戦団に居続けるという事は、常に危険と隣り合わせな生活を強いられるという事。
剛太さんは、千里ちゃんを残して戦場に駆り出される事になる。
それを理解した上でも、千里ちゃんは剛太さんの隣りを選ぶと思う。
剛太さんの帰りを待ち続ける千里ちゃんを、剛太さんはどう思うのだろうか。
二度と戻って来ないかもしれない剛太さんを、千里ちゃんはどんな気持ちで待ち続けるのだろうか。
違う世界で生きる二人が、何時までも笑顔で暮らして行けるのだろうか。

缶コーヒーを飲み干して、剛太さんは静かに胸の内を語りだす。
「それさ、すっげぇ悩んだ。」
缶をゴミ箱に抛り、膝の上で両手を絡める。
「俺は戦団に残るから、一緒に居ない方が良いんじゃないかって。」
寂しそうに言った剛太さんの顔が、優しく緩む。
「で、千里ちゃんにそう言ったらえらい泣かれた。」
心当たりがあった。千里ちゃんが目を赤くして帰って来た日。
「俺の傍に居られれば、それでいいからって。」
「俺が千里ちゃんの事を嫌いになっても、それでも傍に居たいって。」

私は火渡様の御傍に居られたらそれだけで十分だった。
火渡様に想って頂かなくても、後ろから眺めているだけでも。
好きな人の近くに居られる時間が、何よりも至福の時だった。
千里ちゃんも同じ気持ちだったんだ。
千里ちゃんは、何よりも剛太さんを選んだのだ。
今の世界を放棄してでも、剛太さんと生きることを選んだのだ。
123K-ness.:2006/07/22(土) 15:35:55 ID:C/9P7+2l
「…それで、剛太さんは……」
「謝りながら押し倒した。」
「お、押しっ!?」
思わず後ずさってしまう。仮面の中が沸騰したかと思った。
「何もしてないって。………いや、してないことも無いけど。」
恐らく私が想像した様な事は無かったと言いたいのだろう。
「何かさ、つい抱き付いちまったんだよな。」
そう言った剛太さんの顔は本当に嬉しそうで、それでいてどこか辛そうで。
「酷い事言ったなって、後悔した。」

剛太さんの過去は私も知っている。
ホムンクルスの被害者で、家族の愛情を受けずに育った人。
剛太さんも泣いたのだと思う。
初めて誰かに、千里ちゃんに愛されて、嬉しくて、哀しくて。
「もう二度と泣かせたく無いって、そう思った。」

「んで、まあ、色々あって。」
そこだけ言葉を濁して話を続ける。
「先の事は分かん無ぇけど、泣かせる事も多いだろうけど、頑張っていこうって。」
頑張っていこう。その一言を千里ちゃんはどんな気持ちで受け留めたのだろう。
「こんなトコでいいか?あー、やっぱ恥ずかしいわ俺。」
「はい、ありがとうございました。」
私が心配する事は何も無かった。私の友達は、必ず幸せになれる。

千里ちゃんは千里ちゃんの世界に種を撒き、小さな恋を実らせた。
違う世界に生きる剛太さんに十分な光と栄養を与えられて、大輪の花を咲かせた。
二人は同じ世界に居なくても、二人だけの居場所を見つけて生きていく。

私が千里ちゃん達と同じ世界に種を植えても、火渡様は私の蕾を見つけて下さらない。
火渡様の世界に私の花が咲いたとしても、気付いて頂けるとは限らない。
誰にも気付いて貰えずに、私の花はひとりぼっちで枯れてしまうのだろうか。


作業も後半に差し掛かり終わりが見えてきた頃、武藤さんが部屋を尋ねて来た。
「二人ともお疲れさま。手伝いに来たんだけど…」
「もう終わる。つーかお前今日休みだろ、先輩は?」
剛太さんの隣りの椅子に座り、武藤さんはファイルを開く。
「斗貴子さんは家に居るけど。……ホントにもう終わっちゃてるな。」
「何しに来たんだお前。」
「本部に用事でも?」
ファイルを閉じて私の方に顔を向ける。
「ちょっと千歳さんに呼ばれたんだ。」
124K-ness.:2006/07/22(土) 15:36:36 ID:C/9P7+2l
剛太さんが始末書を書きながら呆れた口調で訊く。
「ったくお前は。また何か無茶でもしたのか?」
椅子の背もたれに身体預け、天井の蛍光灯を眺めながら武藤さんは返事を返す。
「無茶はして無い。斗貴子さんをもっと大事にしろって言われて来た。」
その言葉に剛太さんと私の手が止まる。
「……どういう事だ。」
「千歳さんがそう仰ったのですか?」
目線を私の方へ戻して、顎に手を当て考えながら武藤さんは答える。
「それがさ、斗貴子さん連れて何処か旅行に行って来いって。」

「意味が解らないんだが。」
私も解らない。コクコクと何度も頷く。
「いや、だから新婚旅行。休み取って二人で行けって。」
剛太さんが武藤さんを見たまま固まってしまった。
「い、今まで行って無かったって事ですかっ!?」
普段より大きい声を出した私に武藤さんが驚く。
「え、うん。任務もあったし。」
剛太さんが机に突っ伏してしまった。
「その、もう二ヶ月以上経ちましたよね?」
「そうだね。もうそんなに経ったのかぁ、早いなぁ。」
剛太さんが変な声を出し続けている。
「…結婚式の後、戦団から休暇を貰うと津村さ…斗貴子さんから伺っていましたが……」
「四月の大変な時期だったじゃん。まとまった休みは今度貰うって事で」
バンッ!!
剛太さんが机を強く叩き、立ち上がって怒鳴った。

「馬鹿かお前はっ!?いくら先輩でもハネムーンくらい行きたいに決まってんだろっ!!」
私もそう思う。コクコクと何度も頷く。
つまり武藤さんは何時でも休暇が取れたにも関わらず、
斗貴子さんとの新婚旅行を後回しにして、働き続けていたという事になる。
「でも斗貴子さんは急がなくていいって。」
「普通は式後すぐにでも行くんだよ!それにおめぇも先輩もまとまった休暇取ら無ぇじゃねえか!」
「斗貴子さん可愛そうです…」
つい口に出た私の言葉に武藤さんが反応した。
「えっと、俺達が休んだらみんなに迷惑掛かるかなって、斗貴子さんと話し合って…ダメだった?」
「本当は斗貴子さん、直ぐにでも行きたかったと思います。」
「そ、そうなのかな?」
「戦士の前に、斗貴子さんも女性ですから。」
ガックリと項垂れてしまった武藤さんに、剛太さんが追い討ちを掛ける。
「お前、先輩を幸せにする気無いのかよ。」


その後武藤さんは直ぐに家に電話をして、一週間の休暇を戦団に申請した。
「斗貴子さんも明日、休み貰いに来るって。」
笑顔で戻って来た武藤さんに、精根尽き果てた様な剛太さんが呟く。
「結婚して少しは落ち着くと思ったら……相変わらずの天然っぷりだな。」
「斗貴子さんには帰ったらちゃんと謝る。」
今度は私の隣の席に腰を掛た武藤さんから笑顔が消える。
「俺、斗貴子さんのこと何も考えて無かったな。」
「まったくだ。お前もっと先輩に気ぃ使え。そして先輩を悲しませるな。」
剛太さんの言葉に、武藤さんはしっかりと答える。
「ああ、もう斗貴子さんを泣かせるのは嫌だからな。気を付ける。」
その返事を聞いて、やっと剛太さんは笑顔を浮べる。
「次お前が先輩を泣かせたら、俺が先輩を奪うからな。」
「その時は剛太が相手でも容赦しない。」
武藤さんにも笑顔が戻った。
125K-ness.:2006/07/22(土) 15:37:16 ID:C/9P7+2l
冗談だと判っていても、言わずにはいられなかった。
「剛太さんには千里ちゃんが居るじゃないですか!」
声を荒げる私に剛太さんは驚愕の表情を向け、そして青ざめた。
「いやいやいやっ!今のはそういう意味じゃ」
「そーだよ!剛太にはちーちゃんが居るじゃん!どうなったのちーちゃんと!?」
物凄い笑顔で武藤さんが詰め寄る。私も詰問を止めない。
「千里ちゃんが聞いたら悲しみます!二度とそんな事言わないでください!」
「悪かった、本当に悪かった。冗談でももう言わないんで許してください。
 そして出来ればこの事は千里ちゃんには内密に」
「それでちーちゃんとはどうなったの?」
「勘弁してくれ!」

「でもさ、華花ちゃんが大声出して怒るなんて思わなかった。」
落ち着いた私に武藤さんが話し掛ける。
「千里ちゃんは大切なお友達ですから…つい……」
「俺が悪かったんだから、気にすんな。」
私以上に落ち込んでいる剛太さん。千里ちゃんへの罪悪感が強いのだろう。
「ちーちゃん愛されてるな。華花ちゃんからも、剛太からも。」
「うるせぇ。」


「あの、武藤さんはお友達と会ったりしていますか?」
武藤さんにも、付き合いの長い大切なお友達が居る。
戦団で生きる事を選んだ武藤さんは、お友達との別れをどう思っているのだろうか。
「六舛達?一ヶ月位前に会ったよ。みんな元気そうだった。」
「………寂しくないですか、稀にしか、会えなくて。」
余程不安そうな声をしていたのだろうか、武藤さんの雰囲気が変わる。
「うん、少し寂しいかな。でも俺には斗貴子さんが居てくれるから。」

「それに、あいつ等は俺の友達だからさ。」
とても優しく、そして誇らしい声で武藤さんは友情を語る。
「確かに前みたくあいつ等に会えなくなったけど、あいつ等との関係は何も変わってない。」
「近くにいても離れていても、あいつ等と過ごした過去は変わらない。」
仮面越しに私の目を見て、武藤さんは微笑む。
「ホントの友達だから、会えなくったって友達だよ。」

「千里ちゃんは、毒島のことすげぇ大事に想ってるぞ。」
今迄黙っていた剛太さんが口を開く。
「笑いながらさ、華花が華花がって何時も。聞いてたら分かるんだよ、毒島のこと好きだって。」
照れ隠しなのか額を掻きながら、自分が聞いた事を私に伝えてくれる。
「言ってたぞ、親友だって。毒島が居なけりゃ今の自分は無いって。」
「まひろもさーちゃんも同じだよ。見てれば分かるもん、仲のいい友達だって。」

「……私は何時か、戦団に残ります。それでも、私は友達で居ていいのでしょうか?」
「聞いてみればいいよ。真剣に答えてくれるからさ。」
「聞くまでも無い様な気もするけどな。」
やっぱり私は、泣き虫だと思う。

私がどちらの世界を選んでも、千里ちゃん達は友達で居続けてくれる。
どちらの世界に花が咲いても、きっと私の友達は見付けてくれる。
後は、私が選ぶだけ。
私が居るべき世界に、火渡様が居る世界に、何時、種を植えるのか。
火渡様に気付いて頂け無くても、千里ちゃん達が必ず気付いてくれるから。
126K-ness.:2006/07/22(土) 15:37:54 ID:C/9P7+2l

残っていた作業を全て終え、剛太さんが報告書を提出する。
これで本日分の業務は終了。
「俺、全然手伝って無いんだけど…」
「いいんだよ、只でさえお前と先輩は働き過ぎなんだ。ちょっとは休め。」
「私達の仕事ですから、御気に為さらずに。」
簡単に机の上を片付けて、ファイルを収納する。
「武藤も一緒に帰るか?車で来たから、ついでに送ってもいいぞ。」
「いいの?じゃあよろしく。」
忘れ物が無いか確認して、武藤さん達の後に続く。
扉から一歩出ようとした瞬間、片時も忘れた事の無い頑強な声が私の鼓膜を衝いた。
「よぉ、ガキ共。」

「あっ、火渡戦士長。」
「テメェ等も来てたか。ちったぁ働ける様になったのかよ、クソガキが。」
「…火渡様?」
室内から姿を見せた私に、火渡様は一瞥する。
「おう、オマエも居たか。」
「………御久し振りです。」
私を気に留めること無く、火渡様の関心は再び武藤さんへ向かう。
本当に久し振りの再会なのに、私は声を掛けられない。
それでも私の心臓は、火渡様が目の前に居る幸福を煩く告げる。
黙って火渡様と武藤さんの会話を見詰める私の頭を、剛太さんの拳が軽く何度か叩いた。

「戦士長は前、毒島の上司でしたよね。」
仮面の中で小さな音が反響していたが、剛太さんの声は確かに聞こえている。
「あぁ?それがどうした。」
「こいつの話、聞いてやって貰えませんか?悩んでるらしくて。」
「ふええぇぇぇぇっ!?」
予想外の言葉に素っ頓狂な悲鳴が仮面から溢れる。
明らかに面倒臭そうな表情になった火渡様が私を睨んだ。
「悩みだぁ!?何で俺がそんなモン」
「じゃあ、よろしくお願いします。毒島、俺達は車で待ってるから。行くぞ武藤。」
「え、何で?俺も話聞いても…」
武藤さんを引き摺りながら、剛太さんは手を振り消えて行く。
「……何だってんだ。」
火渡様と私、二人だけが廊下に残ってしまった。

近くのベンチに腰掛けて、私は置物の様に固まっている。
隣りを見ると火渡様が不機嫌そうな顔で煙草を吸っている。
突然降って湧いた状況に、頭が真っ白になり更に鼓動が速まる。
火渡様の近くに居られるのは嬉しいけれど、私は狼狽える事しか出来ない。
「で、悩みってのは何なんだよ?さっさと言いやがれバカ。」
何も言わない私に業を煮やした火渡様が、責める様な口調で私を促す。
悩み?私は何を悩んでいたのか、混乱していて良く思い出せない。
私の悩みは、何か言わないと。
「あの、その、……進路のこと、なのですが………」
127K-ness.:2006/07/22(土) 15:38:28 ID:C/9P7+2l
朧気に将来への不安と、戦団への復帰時期を確定しきれない現状を話す。
はあ?とか、ああ?とか反応を返してくれていた火渡様も、終盤は何も言わなくなった。
あまりにも胡乱気な私を、呆れた様な目で眺めている。
仕事以外の事で、火渡様にこんなに言葉を掛けたのはこれが初めて。
今の私が言葉に出来る事を何とか引出し、火渡様を窺う。
言葉が途切れ、私が返事を欲している事に気付いた火渡様は抑揚の無い声を放った。
「オメェやっぱバカだろ。」

「俺が知るかよ、テメェで決めろ。」
「……そう…ですよね。」
新しい煙草を取り出し、まるで無関心に火渡様は続ける。
「オメェはオメェの為に生きてるんだろぉがこのバカ。」
「誰の為とか誰の役に立つとか、んなこたぁ関係ねぇ。」
「オメェが戻りたい時に戻ってくりゃいいんだよ。」
「…私が戻りたい時、ですか?」
煙草を吹かしその煙を目で追いながら、疲労困憊といった声色で火渡様は語った。
「オメェが戦団に残るのはオメェの為だろ、他の誰かの為じゃねぇだろうがバカ野朗。
 周りのコトなんざ気にしてたら何も出来ねぇだろぉがよ。
 大学に行くのか行かねぇのか知らねぇが、好きに決めりゃいいんだよこのクソッタレが。」

誰の為に私は戦団に残るのか。
火渡様に尽くす為に。千里ちゃん達を危険から遠ざける為に。
それは全て、私の為。
私が火渡様の御傍に居たいから。私が千里ちゃん達を守ってあげたいから。
だから私は戦団に残るの。私の為に、この世界で生きていく。
「私の、好きなように……」

「俺ぁもう行くぞ。つまんねぇコト聞かせんなっての、じゃあな。」
心底退屈だったのか、苛立たしく腰を上げる。
毒突きながら歩いていく火渡様の背中に、私の声が飛ぶ。
「火渡様、私決めました。」
足を止め、火渡様の顔が私の方を向く。
「高校を卒業したら戦団に復帰します。」
仮面の中の笑顔を、火渡様は気付いてくれているだろうか。
「此処に帰って来ますから、待っていて下さい。」

ほんの小さな、私にとっては本当に大きな勇気を出して、真っ直ぐな気持ちを伝える。
「私のこと、待っていて下さりますか?」
今出来る精一杯の背伸び。
初めて口にした、火渡様への懇願。
呆気に取られた表情の火渡様が、煙草の煙と一緒に小声で返事を返してくれた。
「…………おう。」
128K-ness.:2006/07/22(土) 15:40:26 ID:C/9P7+2l
話を聞いて頂いたお礼をして、去って行く火渡様の背中を見続ける。
火渡様の姿が見えなくなった途端、身体中の精気が抜けてしまった様にベンチに崩れた。
とんでもない事を言ってしまった。告白だと思われても仕方が無い様な事を。
……恥ずかしくて死にそう。
仮面に隠された私の顔を私は見る事は出来ないが、多分凄い顔をしていると思う。
火渡様は私の言葉をどう受け取ったのだろう。
告白だとは思わなかった筈。火渡様は鈍感だから。
でも、確かに返事をくれた。待っていてくれると言って下さった。
少しは距離が縮まったと、そう思ってもいいですよね。

ベンチから立ち上がり、剛太さんの車がある駐車場へと歩き出す。
帰ったらまず、今日のことを千里ちゃんに隠さず話そう。
それからまひろちゃんと沙織ちゃんにも、進路が決まったことを伝えよう。
私が私の道を選んでも、きっと親友達は理解してくれる。
私はもう迷わずに、私の世界を歩いて行ける。
火渡様の居る世界で、生きていける。


私は今日、光の少ない世界の大地に花の種を植えた。
地面に根付いて芽を出すのか、緑の葉っぱが生えるのか、それすら今は分からない。
でも、心配することは何も無い。
雑草が絡んで成長の妨げになっている時は、武藤さん達が取り除いてくれる。
水や栄養が足りなくて元気が無い時は、千里ちゃん達が見付けて潤してくれる。
大好きな人達に支えられ、何時か茎には蕾が付くだろう。

綺麗な花が咲くとは限らないけれども、一番最初に見て貰いたい人は決まっている。

小さな恋心がこの世界に咲いて、一生懸命に上を向いて育ち続けたその時。


貴方は私に、気付いてくれますか?
                     了
129名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 16:08:35 ID:hwx8DzuM
うそつき!シリアスもバッチリ書けてるじゃない!
130名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 16:36:27 ID:Df7Kg080
K-ness.氏GJでした。
少し前までここのスレ酷い過疎っぷりだったんで
シリアスもギャグもこなせる良職人が定着してマジ嬉しいっす。
次も期待。
131名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 19:50:52 ID:SztJYoJe
やばい…また泣かされたw
132名無しさん@ピンキー:2006/07/22(土) 23:31:43 ID:DhainYDk
GJ!最高だ…最高としか言いようがない
なんつーか言葉がでないくらい
133おにぎり:2006/07/23(日) 23:22:35 ID:E+2RuQlB
「アレから、1年だな」
「そうだね」
私たちは、去年と同じ海豚海岸に海水浴に来ていた。
そして、いつまでも続きそうな花火大会を2人で抜け出し、
宿から少し離れた浜場を歩いている。

気がつくと、ここは戦士長から負ったキズを治療した場所だ。
あの時と同じように流木に腰を下す。
「このあたりは変わらないな」
「そうだね。
 あの頃は死んだり生き返ったり、生き返ったり死んだり…
 ところで!」
「なんだ?」
私の横に腰を下したカズキが、体ごと、こちらを向いた。
「この服も去年と同じだね!…1.最初にここをひっぱる」
そう言って、私の服のジッパーを下げ始めた。
歓迎すべき行為だが、言葉の意味がわからない。
「コンビニのおにぎりはアタリハズレがあるけど、
 斗貴子さんはいつもアタリでうれしい…あっ!」
腰あたりで手が止った。
ヘソを見てるのかと視線を追うと、胸を向いている。
ブラをしてないことに気づいたようだ。
私もこんな展開を期待していたのだ。
コンビニおにぎりとの比較は予想外だが。
134おにぎり:2006/07/23(日) 23:23:32 ID:E+2RuQlB
軽く固まっているカズキに抱きついて唇を重ねる。
硬直から解けたカズキが、スカートのウエストを掴みながら言った。
「いいの?」
もちろん否はない。小さく頷く。
「いただきます」
冗談めかした笑みを浮かべ、手を下していく。
それに合わせて、足を片方ずつ上げ、スカートから抜いた。
カズキを見つめる自分の顔が緩みきっているのがわかる。
こんな顔を見せるのはカズキだけだ。

下半身を裸にし終えたカズキは、再び上半身に手をかけた。
「2…3…」
そんな言葉の度に、体が顕になっていく。

(続かない)
135名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 00:54:03 ID:Y+VRSJHw
>>134
あの服は確かに脱がせやすそうだよなw
斗貴子さんは貧乳なので「おにぎり」するのにいつも苦労するって
カズキが言ってました
136名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 01:07:07 ID:T7n6Wc0i
>>134 ナニそのあまたm
137ぶらとき:2006/07/24(月) 09:48:36 ID:dLQ5tQlw
かなり前に書かせてもらっていたもの
ttp://red.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/r/rennkinn168.html
の続きです。
…今更ですが、久しぶりに見つけて書きたくなったので…

「辛いかもしれない。否、辛いはずだ」
防人はそう言いながら、斗貴子の体を抱き上げ器用に己のズボンを脱いだ。
斗貴子の目が大きく見開く。
「…珍しいか?」
己の股間に痛い程視線を受け、防人が苦笑する。
「す、すみません」
視線を外し、謝る斗貴子。
「別に構わない…お前の中に入るものだ。触っておくか?」
防人の言葉に他意は無かったのだが、斗貴子はあからさまに動揺し、体を震わせた。
「あ…あの」
どうしていいかわからずに、それでも指はゆっくりとそれに近づく。
一端の少女らしい好奇心は、彼女の中にも存在していた。
二人の間に挟まれた形でそそり立っているそれに遠慮がちに指が届く頃には、その独特の青い匂いがふんわりと充満していた。
そっと先に触れ、それからおずおずと指で形をなぞる。
その柔らかな感触は防人にもどかしい快感を与えてはいたが、彼は深く息を吐き、耐えた。
「なんだか、いえ、その…そんなに大きなものが、本当に…入るものなのでしょうか」
几帳面に切りそろえられた彼女の髪が不安気に揺れる。
顔を真っ赤にして見上げるその目の色は、歳相応だった。
「まあ、一般的な女性なら…大丈夫だろうと思うが」
そう答えながらも、彼女の華奢な体は防人に不安を抱かせる。
僅かな茂みに守られる彼女の女陰は、成熟しきっているとは言い切れないような気がする。
138ぶらとき:2006/07/24(月) 09:49:14 ID:dLQ5tQlw
「…それかやっぱり、また次回に」
「戦士長!」
つい口から零れた言葉を、斗貴子が叱咤した。
強い目の輝きが戻る。
戦士の目だった。
(セックスしている時にそんな目をする女はどうかと思うがなあ…)
心のどこかでそんな風に感じながらも、防人は何か清清しいものを感じていた。
「それでは、斗貴子」
今の会話で少し勢いを失った雄を持ち、ゆっくりと摩りながら、防人は斗貴子の尻の辺りを撫でた。
見慣れないその行為にどぎまぎしながらも、それが合図だと、斗貴子も腰を浮かせた。
「いいか?」
防人は深く、強く、優しい目を持っている。
「はい」
彼がいるから、自分はここまで来られた。
未知への恐怖や、己の今まで短い間で培ってきたもの、防人への思いなどが、斗貴子の小さな体からあふれ出そうだった。
「ゆっくりでいいぞ。腰を落とせるか?俺に座るように…」
手を添え、己を入り口にあてがう。
ぬるりとした感触に、少し安心した。
「はいっ…はいッ」
139ぶらとき:2006/07/24(月) 09:49:56 ID:dLQ5tQlw
防人の肩にかかった斗貴子の細い指先は、まるで子猫のそれのように彼の肩に食い込む。
辛いのか。
細いからだがびくびくと震えている。
防人は身が裂ける思いであった。
己の手で、愛する子を傷つけている。
特訓などでさせる辛い思いなどではない。
「せ、んしちょう…」
心の淀みを掬うように、斗貴子が声を絞り出した。
「ありがとう、ございます…私は、へい…きです」
顔を歪め、苦痛を享受する斗貴子。
それでもいつもの彼女らしくなく必死に微笑もうとしているのが、酷く健気であった。
「あぁ…う」
みちみちと、狭い肉を己が裂いていく。
その感触は紛れも無く強い快感であった。
しかし、それが斗貴子に苦痛を与えているのだ。
ともすれば突き上げてしまいそうになる腰を必死に抑えながら、彼は彼女の体を撫で続ける。
「辛い顔を…しないで」
細い指が、己の眉間に寄せられた皺をそっとなぞる。
同時に全てが彼女の中に収まった。
目の前の少女が、酷く愛しく感じた。
恋愛感情とは違う、親が子を思う気持ちにも似た、純粋な愛に近かったのだが、この状況で防人はそこまで考えられ

なかった。
「斗貴子」
防人が腕を伸ばし、小さな彼女を体を強く抱き締めた。
「あ!」
体が動かされる刺激に声を上げる斗貴子であったが、直に大人しく彼の背中に腕を回した。
「大丈夫か?」
先ほどと比べたら斗貴子の体の強張りは幾分か抜けている。
「平気です。あッ、その…痛くなくは…無いですが…ッ、大丈夫、耐えられます」
彼女にとってこれは「耐える」行為なのだ。
防人は何故だか無償に切なくなった。
140ぶらとき:2006/07/24(月) 09:50:51 ID:dLQ5tQlw
今日はここまで。
アニメ化やっほう。
141名無しさん@ピンキー:2006/07/24(月) 20:44:16 ID:h37tfS0c
>>133
ビキニと聞くとまず何を思い浮かべる?





俺は勿論さーちゃんだ
142名無しさん@ピンキー:2006/07/25(火) 05:39:06 ID:NArLMRdT
あげ
143名無しさん@ピンキー:2006/07/28(金) 22:06:53 ID:BkaRcLs2
保守
144K-ness.:2006/07/29(土) 00:43:44 ID:kw+0gx72
今度こそ本当に剛太弄り最終話投下
145K-ness.:2006/07/29(土) 00:44:16 ID:kw+0gx72
全国二千万弱の私ファンのみんなにビックバン驚くニュースがあるんだ!
この前、ちーちんに彼氏が出来たって噂が私の耳に入って来ちゃたの。
まっぴーも知らないって言うし、私もそんなコト聞いてないからデマだって思ったんだけど、
何でも賛否が分かれるようなイケメンと腕を組んで商店街を歩いてたって目撃情報があったの!
むぅー、三人娘のヘッドとしては放っておけないなぁ。
確かに最近一緒にいてもボーッとしてるし、お昼休みに虚ろな瞳で遠くを眺めながら
「バイブが弱い……」
とか呟いたと思ったら、何かを想像して一人でケタケタ笑い出したりどこか変ッ!って言うか怖ッ!
前にくらべて付き合い悪くなったし、ホントに彼氏が出来ちゃったのかなぁ?

もし噂がホントでちーちんに彼氏がいるなら、ちーちんは三人娘からフェードアウト?
それはダメッ!なぜ先の見えないトゥモローを選ぶと言うのちーちんッ!?
ちーちんは三人娘のクールでアガペーなめがねっ娘、そして唯一のツッコミキャラじゃない!
ち−ちんのいない三人娘なんて、名倉のいないネプチューンと同じなんだよ!?
行かないでちーちんッ!私一人じゃホリケンの暴走を抑えきれないよッ!!
それに彼氏が出来たなら、何で私とまっぴーに教えてくれないの?
やっぱりその男の人は彼氏じゃなくてお友達?生き別れの双子の兄との運命的再会?
腕を組んでたってコトは親しい人のはずだし………。
でも、ケータイの振動が弱くて何か困るのかな?
それよ私ッ!何気なくちーちんはヒントを残してたんだよ!私にヘルプを求めていたんだよッ!
ちーちんはケータイに関係したトラブルがトラベラーで虎舞竜なのッ!!
何でもないような事が幸せだったと思っちゃうんだよ!二度とは戻れない15の夜ッ!!
考えるの私ッ!ちーちんと一緒にいた男がいったいナニ者なのか!
頑張って右左脳ッ!ケータイに隠されたミステリーをオープンゲットするの!
……なるほど、つまりこういうコトね。
146K-ness.:2006/07/29(土) 00:45:16 ID:kw+0gx72
銀成学園に入学してからもうすぐ一年、ちーちんは私達と楽しい学園生活を送っていた。
私とまっぴーに手を引かれ遊びに出る。こんな日常が続く事を誰よりも願っていたちーちん。
でも時は確実に流れ、気が付けば入学後二度目の桜も近い。
真面目なちーちんは受験と言う名の社会戦争に備え日々勉強に精を出す。
しかし元来の努力肌が災いしてか、ちーちんの精神は序々にストレスという魔物に蝕まれていく。
我慢強いちーちんにも、限界というものは当然ある。それは私達が気が付くずっと前に訪れていた。
ほんの少しの息抜き。軽い気持ちでちーちんは刺激を求め携帯電話を開く。
出会い系サイト。
誰でもやってる事。それ程危険では無い事。根拠の無い安心感から恐怖心も無くメールを打ち込む。
遊楽の少ないゆとり教育の代償が産んだ現代社会の闇に飲み込まれて行くちーちん。
段々と目に見えない相手との会話をちーちんは楽しむ様になっていく。
それが禁じられた遊びだという事に気付かずに。
ある日、何度かメールのやり取りがあったマサシ(19)から誘いが来る。二人で会わないかと。
純粋なちーちんはメールの文面を信じ込み、自分が初めてデートに誘われたと動揺する。
決して不快では無い驚きにちーちんの顔はほころび、喜びと戸惑いが混合した様な内容の文を送る。
声の無い会話を繰り返し、マサシ(19)が時間と場所を提示して来た時、ちーちんは決断する。
『よろしくおねがいします』
まだずっと先だと思っていた密会当日、待ち合わせ場所は銀成駅前。
逸る気持ちを抑え切れずに、約束の時間より一時間以上早く駅前に来てしまったちーちん。
改札から溢れ出る人ゴミを見詰めながら、待ち人への期待と不安がちーちんを包み込む。
時間を確認しようと腕時計に目をやったその時、背後から肩を二度叩かれ振り返るちーちん。
細身で長身、軽い茶髪の若い男性がちーちんに声を掛け挨拶をした。
驚いたちーちんはつい大声でハンドルネームを名乗り、深々と頭を下げる。
幼さの残る爽やかな笑顔から、ちーちんを気遣う優しい言葉が掛けられる。
恥かしさから頬を赤く染め、上目使いでマサシ(19)の顔を覗き見るちーちん。
予想以上に整った顔立ちと、屈託の無い笑顔にちーちんの心は一瞬で奪われる。
立ち話もなんだからと喫茶店に移動した二人は、改めて自己紹介をする。
弾む会話。美味しい紅茶に舌鼓を打ちながら、ちーちんの緊張は解けて行く。
店を出る時、然り気無く飲食費を全額払ったマサシ(19)の背中で微笑むちーちん。
二人が向かったのは、マサシ(19)が割引券を持っているというカラオケ店。
何の疑いも無く好きな歌の話や最近流行っている曲の話題で笑顔を作りながら付いて歩くちーちん。
しかし、そのカラオケ店にはマサシ(19)の仲間達が獲物の到着を群れを為して待ち構えていた。
何人もの少女達が犠牲になってきた店ぐるみの犯行。ちーちんは都会の悪意に気付かない。
まるで月の消えた夜のような暗黒の世界に、悲鳴を上げる事すら無くちーちんは沈み落ちていった。
147K-ness.:2006/07/29(土) 00:46:15 ID:kw+0gx72
………………………ダメじゃんッ!!!
ダメじゃんそれ!?それダメじゃんそれ!えらいこっちゃ!!
汚された!ちーちんの綺麗なお花が穢されたッ!マン開の夜桜を大所帯にお花見された!!
ボク達ワタシ達のちーちんが奪われた!パパより優しいテノールで奪う覚悟がヤツらにあった!!
何でちーちんがそんな酷い目に遭わないといけないのッ!?
独裁者の楽園でノーリーズンな色欲マスカレイドが一触即発なうえにフライ・ハイだなんてッ!!?
…落ち着いて私。まだちーちんが黒き獣に明日を狩られたと決まったわけじゃ無いはずでしょ。
なぜちーちんはケータイの振動が弱いコトに不満を持ってるの?
それはマサシ(19)とのメールがまだ続いてるって証拠だよ。
メールが来たらすぐに返信を送りたいから文句を言ってたんだよ。
…………これからヤツらに襲われるってコトじゃないッ!!
このままじゃちーちんの嬉し恥ずかし青春ハイスクールララバイが乙女のピンチでSOS!!
ちーちんは騙されてるの!基本的にマサシ(19)に騙されてるの!!メールも神田が打ってるのッ!!
最終的には216年に一度の降魔の儀により使徒の餌になるんだよ!?誰が覇王の卵を手にしたの!?
目を覚ましてちーちん!白馬の王子様なんて信じてるわけじゃないでしょ!?のぼせんなッ!!

…落ち着いてってば私。まだちーちんの柔肌に獣人共の海蛇が食い込んだってわけじゃ無いでしょ。
ちーちんが危険密集地域にいるのは確かだけれども、今からでも助けるコトは出来るはずだよ。
まず今日から私が四六時中ちーちんにくっついて、ヤツらとの接触を阻止する必要がありそうだね。
何とかしてちーちんとヤツらを遠ざけて、目覚めても決して覚めない夢の中から救い出さないと!
こういう場合まっぴーは確実に役に立たない、むしろ邪魔だから今はシカトしておこう。
ヤバそうなヤツらだし、平成に甦った電光超人斗貴子さんにこのコトを話して協力して貰って………
あッ!そう言えば斗貴子さん、今日カズキ先輩とどっか行くって今朝言ってたんだった!?
この一大事に東日本ストロベリー行脚?東海道五十三連戦宿巡りの旅?
何考えてるのあのアガシッ!!これだから近頃の若いモンは!若いモンモンはッ!!
こうしてる間にも純然なちーちんの歩行者天国をサラマンダー達が狙っているんだよ!?
キマイラ共が虚無の空間からメルヘブンに向かって総攻撃しようと牙を研ぎ澄ましているんだよ!?
平成に甦ったグラディエイター斗貴子さんが殺らないで誰が殺るって言うのッ!!
しかたない、取りあえず私だけでもマリア様に代わってちーちんを見守らないと!!
あれ、もう放課後?ちーちんは……あ、待ってちーちん!どこ行くのちーちん!?
そっちに行っちゃダメ!戦場では私から離れんなって言ってんでしょッ!?
148K-ness.:2006/07/29(土) 00:46:47 ID:kw+0gx72
「何でそんな強く腕に絡み付いてくるのよ?」
ちーちんをまもって守護するためなのッ!それよりちーちん、このあと予定とかある?
「えっと、人と会う約束があってね。だから今日は沙織に付き合えないんだけど。」
ま、まさかヴードゥー教のサバト決行日が今日だって言うの?
そんなトコにちーちんを行かせられ無いって!ダレに会うつもりなのか言いなさいちーちん!!
「だ、誰でもいいでしょ!先輩よ、二年生の先輩。」
あいつら学園内部にも仲間を送り込んでやがったの!!?
何て高度な計画性!そして想像以上の資金力!ヤツら初めっからちーちんだけを狙ってたんだね!?
そいつに会わせてちーちん!思い付く限りの拷問に掛けてアジトを吐かせたあと蹴り殺すッ!!
「……まあ、いいけど。………変な事言ったりしないでよ?」
大丈夫!何も言わずに背後から近づいて脊髄を狙うからッ!
どんな手段を使ってでも雇い主をゲロさせるの私!例え嘆きのロザリオを背負うコトになろうとも!
あとは斗貴子さんにマサシ(19)一味の居場所を教えればサーチ&デストロイ!!
首を洗って待ってなさいマサシ(19)、あんたは決して越えちゃいけない境界線に踏み込んだ。
御上があんたを赦しても、私と斗貴子さんはあんたに神罰を与えるための鬼になるコトを選んだの!
あんたの網膜に太陽が映るのもあと僅か、産まれ立ての小鹿のように震えて眠りなさいッ!!

「お待たせしました。」
ちーちんに後ろから声を掛けられたキンパツ頭は、大きく肩を跳ね上げてゆっくりと振り返った。
「いや、全然待って無いよホントに。……むしろ何時までも待ち続けていたかったくらいで………」
剛太先輩?前見た時より少しやつれて真っ青な顔してるけど、間違い無く剛太先輩だよね。
「今日は沙織も一緒なんですけれど、構いませんか?」
「マジッ!?いいよ大歓迎!むしろ居てくださいッ!!」
よかった、今日会う人って剛太先輩だったんだ。じゃあ今日は安心かな。
…お待ちなさい私。私は剛太先輩のコトを何にも知らないよね?
カズキ先輩や斗貴子さんと仲が良いからって安心出来るような相手なの?
「何処かお店にでも入りましょうか。」
「あ、はい。喫茶店にでも。あッ!もちろん奢りますから沙織サンもご一緒にッ!!」
剛太先輩がヤツらに関わってるってコトは?何か目的があってちーちんに近づいてるって可能性は?
……なるほど、つまりこういうコトね。
149K-ness.:2006/07/29(土) 00:47:17 ID:kw+0gx72
剛太先輩には歳の離れた可愛い妹が居る。名前はノゾミ(9)。
ノゾミ(9)は生まれつき病弱で、入退院を繰り返す様な身体の弱い子だった。
大切な妹が苦しむ姿を、沈痛な面持ちで見守り続ける剛太先輩。
何時か必ずノゾミ(9)は元気になる。そう信じて剛太先輩はノゾミ(9)の前で笑顔を絶やさなかった。
しかしこんなにも愛すべき兄妹を、神は無慈悲にも見放した。
ある日ノゾミ(9)が学校で倒れたという知らせが剛太先輩の耳に届く。走り出す剛太先輩。
息を切らせて掛かり付けの大学病院に飛び込む。病室の前に掛けられた面会謝絶の札。
主治医を捕まえ、此処が病院である事を忘れ声を荒げる剛太先輩。
主治医の口から絶望的な言葉が次々と流れ出る。まるで本を読み上げるかの様な無感情な声で。
その場に膝を着き、頭を抱える剛太先輩。絶望が己の全てを支配する。
ノゾミ(9)が助かる道が無い訳ではない。アメリカの病院で手術をすれば可能性は残る。
だが、手術には三千万の費用が掛かる。
決して裕福とは言い難い中村家、これ以上の借金は家族全員の身を滅ぼす。
ノゾミ(9)を助けたい、でも金が無い。
金さえあれば、ノゾミ(9)は助かる。
自分の今も、未来も、何もかもを捨ててでもノゾミ(9)を助ける事を選んだ剛太先輩。
たった一人の妹を日の当たる世界で生かす為、剛太先輩は日の当たら無い世界に落ちて行く。
剛太先輩がマサシ(19)と出会ったのは約二ヶ月後。共通の知り合いを通しての事だった。
金策に苦しむ剛太先輩の姿を見て、マサシ(19)は悪魔の様な提案を剛太先輩に持ち掛ける。
剛太先輩の役目は被害者の調査。確実に落とせる相手かどうかの思考及び周辺調査。
恋愛経験の少なそうな、まだ男を知らなそうな少女に狙いを定め剛太先輩は近づいて行く。
相手を掌握し、自然な形でマサシ(19)と接点を持たせる。そこまでが剛太先輩の仕事。
その後少女達がどうなったか、もちろん剛太先輩は知っている。
激しい後悔と自己嫌悪。だが時間が経てば経つだけノゾミ(9)の助かる確率は下がって行く。
ノゾミ(9)の為に、ノゾミ(9)を救う為だけに自分と他人を犠牲にし続ける剛太先輩。
そして闇の住人は遂にちーちんにその手を伸ばす。
もう慣れてしまった方法でちーちんに近づく剛太先輩。心の中で謝り続けながら。
ちーちんは剛太先輩からある出会い系サイトの話を聞く。
同じ手口、同じ人物達による凶悪犯罪。ちーちんは二度と這い上がれない谷底の前に佇んでいる。
しかし後ろからちーちんの手を掴む者が居た。河井沙織、つまりは私。
この状況を打破すべく、マサシ(19)に連絡を取る剛太先輩。邪魔者が居るが、どうすればいいかと。
マサシ(19)から、あまりに凄惨で残酷な返事が剛太先輩に返って来る。
二人共谷底に突き落とせばいい、と。
震え上がる剛太先輩。改めて自分が居る世界の救いようの無さを思い知る。
今更悔やむくらいなら、最初から何も望まなければ良かった。
だがもう後には引けない。もうノゾミ(9)と一緒に居た世界には戻れ無い。やるしか、ない。
謝罪の言葉を繰り返しながら、剛太先輩は崖の前で手を繋ぐ二人の少女の背中を、弱々しく押した。
150K-ness.:2006/07/29(土) 00:48:13 ID:kw+0gx72
………………………私もダメじゃんッ!!!
ダメじゃん私!?私がダメじゃんそれ私!えらいこってす!!
喰われる!殺る前に犯られるッ!助けて斗貴子さんヘルプ・ミー!セイブ・ミー!!
私一人じゃ何の抵抗も出来ないよ!ちっぽけな自分を思い知らされる生暖かい日の夕暮れだよ!!
誰でもいいから助けてよ!来てよまっぴー私のところへ!?やっぱ来ないで!来るなら兄が来て!!
剛太先輩の自責の念もノゾミ(9)ちゃんが置かれてる現状も解るけど我が身はやっぱり可愛いし!?
どうしようちーちん!?私達これからすごいエロスなコトされちゃうよ!?
おっぱいとか触られちゃうかもしれないんだよッ!!?
「じゃ、あの店入ろっか。」
入ったらもう終わりじゃん!!デットエンドじゃん!!
あの喫茶店の中には何が先祖なのかも解らないような地球外生物がわんさか溢れ返ってるんだよ!?
ヤードラット星人っぽいのとかが潜んでるんだよ!?私のでっかい宝島がアドベンチャーされる!!
ゆとり教育が産み出した社会の汚物共の古いアルバムの中に思い出がいっぱい!主に私のッ!!
ってちーちん!?何ノコノコ付いてってんの!?そっちに渇いた喉を潤すオアシスは無いってば!!
「沙織?ほら、行くよ。ご馳走になっちゃいなって。」
私達がゴチソウにされちゃうよ!!喰べごろマンマのメインディッシュに調理されちゃうんだよ!?
とにかく逃げなきゃちーちんッ!カズキ先輩も斗貴子さんもココにはいないんだよ!?
今は身を隠すの!復讐の鐘の音を待つの!生きて生きて生き延びて最後にヤツらを殺せばいいッ!!
「あと、私から話したい事もあるし。」

……どうしよう、ムリヤリちーちんに店の中に押し込まれて席に着いちゃった。
怪しい人影とかチーマーっぽい集団とか極楽とんぼの太った方とかは見当たらないけど……。
気を抜いちゃダメだよ私、常に周囲を警戒してヤツらのレイドアタックを阻止しないと。
殺気を出し続けるの私。拳を握り腰を浮かせ、いつでも敵に飛び掛れるように闘志を滾らせるの。
「隠すつもりは無かったんだけどね。」
私は一人でも殺れるはず、己に勝つため己を削りバーニングった野性の本能をさらけ出しなさい。
私は殺れば出来るコ、言いたいコトも言えないこんな世の中でロンリーウォーリアートゥナイト。
「付き合ってる人が居てね、ちゃんと報告しようと思って。」
闘争が戦争となった今、もう二度とあの頃のような笑顔には戻れ無いけど堕天使と悪魔が心を支配…
……………今、何てったのちーちん?
「だから、恋人が出来たんだってば。」

「黙っててごめんね、何となく言い出せ無くって。」
マサシ(19)?マサシ(19)なの!?遂にマサシ(19)がその醜悪な姿を現しやがるのね!?決戦だッ!!
「誰よマサシって。………気付いてよ、私が待ち合わせしていた相手は?」
ちーちんの隣りの席を見ると、怯えた表情でスプリンクラーのように汗を噴き出してるキンパツ頭。
それって、もしかしなくても……剛太先輩?
「うん、もうすぐ一ヶ月くらいになるかな。」
剛太先輩はちーちん陥落のため銀成に送り込まれて来たファーストエージェントのはず。
その剛太先輩が何ゆえちーちんとラブ・ミー・テンダー?愛ジャスト・オン・マイ・ラブ?
「まひろにもまだ言って無いのよね。ほら、あの子頭が弱いから下手な刺激与えたく無かったし。」
まっぴーのコト何だと思ってるのちーちん!?そりゃ頭の中に小人が住んでるって有名だけど!
ナニがどうなってんの!?マサシ(19)は!?ノゾミ(9)ちゃんの安否はッ!!?
一から百まで全てを話しなさいちーちん!詳細に、鮮明に、TIPSすら含めて聞かせなさい!!
151K-ness.:2006/07/29(土) 00:49:00 ID:kw+0gx72
……この目から流れる温かい汁は何?心の奥底から湧き上がる優しさに似た気持ちの正体は何なの?
ちーちんの口から語られた二人の第一歩、もう誰にも知られるコトの無いトゥルーラブストーリー。
ごめんねちーちん。私、何にも気付いてあげられなかった。苦しんだんだね。切なかったんだよね。
さっきから金魚のように口をパクパクしながらちーちんを見詰めている剛太先輩に向き直る。
剛太先輩、ちーちんのコト大切にしてあげてね。二人で必ず、幸せになってください……。
「通ったの?今の話通ったのッ!?色々ありえ無ぇっしょ!?だって俺若…千里ちゃんに無理矢理」
「何ですか、先輩?」
「イエス……マイ・マスター………」
何かよく解らないけど、二人共幸せそうに笑ってる。剛太先輩は唇にチアノーゼ現象が出てるけど。
私の勝手な勘違いで付いて来ちゃったけども、今日ってやっぱデートするはずだったんだよね?
おジャマ虫は消えた方がいいよね、ホースメンに蹴られて死んじゃいたく無いし。
話してくれてありがとねちーちん。私もう行くから、あとはお二人でごゆっくり。
「行っちゃうのッ!?いやそんな事言わずに三人で、三人で何処か遊びに行ったりいっそ俺だけ帰」
「待って沙織、お願いがあるんだけれど。」
え、何?
「沙織からみんなに私達の事、それと無く伝えてくれないかな?自分から言うの恥ずかしくて。」
みんなってまっぴーとかカズキ先輩とかでしょ?
「あと、斗貴子さんにもお願い。」
おっけー!お安い御用だよ。それじゃ今夜寄宿舎でね、ラブラブしすぎて遅くならないようにッ!
剛太先輩が何かこっちに向かって叫んでたけれどきっと照れてるのねイヤン先輩の初々ラブリー!!
お二人さんが帰って来る前に愛の伝道師コト私が新たな時代の幕開けをみんなに広めとかないとね!
疾風になって寄宿舎へ!今夜は剛ちーナイトフィーバーでHAPPY READY GO!!


結局その日、消灯時間になっても二人は帰って来なかった。
次の日の朝、両手に謎の荷物を持ったちーちんとなぜか昨日と違う服を着た剛太先輩が帰って来た。
更に次の日、まっぴーからこんな怖い噂があると聞かされた。
深夜誰もいないはずの私達の教室から、男性の叫び声と女性の笑い声を警備員さんが聞いたらしい。
『これで私達の関係がみんなに知れ渡ったわ!あの貧乳にも筒抜けになったのよゴーたん!?』
私は何も知らない。剛太先輩の目に涙の跡があったコトなんて。
『嬉しいでしょゴーたん!?ゴーたんが帰って来れる場所は私の胸の中だけになったのよ!!』
私は何も知らない。ちーちんの荷物の中から懐中電灯がこぼれ落ちたコトなんて。

『私以外の雌共に気を許しちゃ駄目だからね!!?私の私だけの私のゴーたんッ!!!』
やっぱり全部マサシ(19)が悪いんだよッ!!
                              第七話LASTFALCONIR  完
                            第一章 迷走の果ての聖域編  了
152名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 08:17:01 ID:KZyE92Cq


>パパより優しいテノールで奪う覚悟
( ´д)ヒソ(´д`)ヒソ(д` )
153名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 16:33:52 ID:F/alzAfG
さーちゃんまで壊れて…ごうたんの明日はどっちだ。
154名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 19:44:59 ID:afH+4VY0
(゜д゜)
155名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 22:31:16 ID:Z+TpQ5+A
>>153
ある意味じゃなく地獄である意味天国
156名無しさん@ピンキー:2006/07/29(土) 23:42:47 ID:G57Z4vD+


さーちゃんアリプロとか好きだろw
157名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 00:44:43 ID:Po/JgjMT
あの感動的なちーちんのシリアスSSを
ちーちんの語りと考えて>>150>>151の間に入れると……

そうだね、なにもかも台無しだね。
158名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 00:52:20 ID:hD2dKzyw
とりあえず、南無阿弥陀仏
159名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 01:38:38 ID:ykFzwQxb
>151
ぶっ壊れてて良いですね。
ジェットコースターみたいだ。
続きも期待
160名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 07:34:42 ID:1KYa4gmU
>トラブルがトラベラーで虎舞竜

死ぬかとオモタwwwwwwwww
Youの言語センス 最凶
161名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 12:52:17 ID:diB1dV8F
そろそろ…カズトキが読みたくなってきた…
162名無しさん@ピンキー:2006/07/30(日) 21:40:37 ID:pH2JagQY
>>161
つビキニマン公式サイト
163名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 01:44:21 ID:Qfsd6BW6
>>162
ちょwww
ビキニマンの汚染ここまできてんのかよwwwww
164名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 05:49:36 ID:BBkn68P8
ビキニマンはともかく、確かにカズトキ新作は読みたいな。
165名無しさん@ピンキー:2006/07/31(月) 12:28:54 ID:ERLLjQck
いざ書き始めてみると、エロス描写って思ってた以上に難しいんだね
職人さん達のすごさを実感
166名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 00:50:35 ID:txE+wiZg
>>165
エロスが無理ならネタに走れ!
167名無しさん@ピンキー:2006/08/02(水) 16:39:49 ID:kJUoDsR3
>>166
こうですか?分かりません(><)


今、元に戻る方法を求めて全力疾走している僕は錬金戦団に追われるごく一般的な男の子
強いて違うところを上げるとすれば胸に黒い核金があるって事かナー
名前は武藤カズキ
そんなわけで神奈川県にあるニュートンアップル女子学院に来ていたのだ
ふと見るとベンツに一人の蝶人変態が乗っていた

ウホッ!いいパピヨン・・・・

そう思っていると突然その男は僕の見ている目の前で股間からスーツとパピヨンマスクを出し始めたのだ…

着ないか

そう言えばここの学園は男慣れしていない女生徒が多く居ることで有名なところだった
斗貴子さんが心配な僕は言われるがままホイホイとマスクを付けちゃったのだ

彼〜〜ちょっと危なげな蝶人で本名は蝶野攻爵
他人にこんな格好をさせるのも慣れているらしく、着替えをわたされるなり僕達は蝶人になってしまった

「よかったのかホイホイこんな格好して。俺はノンケだって構わず吐血させちまうホムンクルスなんだぜ」
「こんな格好初めてだけどいいです。僕…このマスクオシャレだと思ってますから」
「うれしいこと言ってくれるじゃぁないの。それじゃあとことん妖精になってもらうよ」

言葉通りにこれは素晴らしくオシャレだった
剛太はというと全身を覆うスーツに身を通そうと悶えていた

しかしその時予期せぬ出来事が…





もうむりぽor2
168名無しさん@ピンキー:2006/08/03(木) 23:03:38 ID:RD+P+etK
カズトキ分が不足しております
169名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 22:53:57 ID:Gh5m1h4R
萌えスレによると8月6日〜8日はお祭り決定らしいです。
ここでも素晴らしいssがたくさん投下されるコトを祈って…
170名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 23:14:18 ID:aAsXZNXJ
そいつは良い事を聞いた
それまで全裸+サンライトハートのメタルしおりの状態で
正座しつつ待機します
171名無しさん@ピンキー:2006/08/04(金) 23:19:10 ID:Gh5m1h4R
では私は素敵マスク+スーツで待機しているとします。
172名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 06:15:25 ID:cly5xPN2
キャラの誕生日3連続なのよね
wktkwktk

1/10 鷲尾 1/13 さーちゃん 1/25 六枡 2/2 ムーン&アレキサンドリア 2/29 まひろ
3/7 犬飼 3/14 照星さん 3/21 陣内 4/4 円山 4/19 剛太 4/21 金城 4/28 ちーちん
5/23 桜花&秋水 5/26 ブヒ朗 6/26 パピヨン 6/28 バタフライ 7/4 千歳 7/27 戦部
8/6 火渡 8/7 斗貴子さん 8/8 岡倉 8/28 毒島 9/14 大浜 9/30 ヴィクター
10/10 ブラボー 11/9 震洋 11/11 ヴィクトリア 12/1 カズキ 12/22 根来
173名無しさん@ピンキー:2006/08/05(土) 15:18:35 ID:DzQa6gCX
では私は激戦で待機しているとします。
174名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 11:27:53 ID:vunv8DQW
ヒワタリンの誕生日来たー!
ケーキよりビールより先に毒島たんをいただくヒワタリン
175名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 11:33:36 ID:x1EFU/qc
火渡への誕生日プレゼントに「女の子の一番大切なモノ」をあげようと決意する毒島

でも朝からずっと二日酔いで機嫌の悪そうな火渡が怖くて結局言い出せない毒島
176K-ness.:2006/08/06(日) 13:12:09 ID:5hbDfuZE
祭りじゃぁ!祭りじゃぁ!男根祭りじゃぁぁッ!!
祭りの開始にふさわしくドンチャン騒ぎの剛太総受け乱交SSをド派手に

…………あれ?どこで間違えた?
177K-ness.:2006/08/06(日) 13:12:51 ID:5hbDfuZE

貴方は時間を掛けて彼を疵付け、そして私を傷付けた。

      The continuous rainy against You.


空気の籠もった室内で平積みの資料とデスクトップパソコンを交互に睨み付ける。
もう何時間座り続けているのか、腰と肩が痛い。
随分前から湯気の立たなくなったコーヒーを一口含み、文字の羅列に目を落とす。
あと半刻程でこのデータ集計も終了。気を入れ直し、再び青白いディスプレイを凝視する。
キーボードを叩く音が支配する無音の空間に、着信を知らせる振動音。携帯電話を開く。
 防人 衛
スライド式の椅子を身体ごと横に回し、目の前のグラフから通話相手に意識を向ける。
特段、動揺したと言う訳では無い。只、珍しいと思っただけ。

「はい、千歳です。」
『俺だ。あー、今大丈夫か?』
前に貴方の方から電話を掛けて来たのは何時だったかしら。
「平気よ。でも仕事中だから、手短に。」
『明日の事なんだが、管理人の方の用事が入ってな。俺が戦団に行くのは午後からになった。』
「そう、わかりました。」
特に明日、連れ立って戦団本部に向かう様な約束はしていない。
私は通常業務、彼は事後報告。明日会わなくてもお互いの業務に差し障りは無い。
会わなくても、何も困らない筈なのに。
「私は自分の個室に居るから、良かったら顔を出して。」
『ああ、明日メールでも入れる。じゃあまた明日。』
「ええ、明日。」
短い通話時間が表示されている液晶画面を、私は暫く眺め続ける。
何を喜んでいるの?
彼と会う、それだけの事なのに。子供じゃ在るまいし。

完成した何枚かの書類をファイルに収め、パソコンの電源を落とす。
廊下で擦れ違う同僚達に簡単な別れの挨拶を告げながら、自家用車を停めてある駐車場へ向かう。
車に乗り込みキーを回す。聞き慣れたエンジン音が耳に入ると同時にアクセルを踏み込む。
薄暗い地下駐車場から屋外へ。
車が外へ出て初めて気が付いた。
強い雨が降っている。
大量の水礫が降り注ぐフロントガラスを、一定の間隔でワイパーが往復する。
一瞬だけ広まる視界、それも直ぐに次の雨粒で狭められる。
…あの日もこんな雨が降っていた。
八年前の、あの日も……。


照星部隊、唯一の失敗任務。未熟だった私達の、決して忘れる事の出来無い過去。
大勢の罪無き子供達の命が無残にも奪われ、自分の幼さと弱さを露呈する事しか出来なかった夜。
あの嵐の夜から私の世界は変わった。
照星部隊は程無くして解散。私は別働隊に組み込まれ、新たな任務を与えられた。
彼は、防人衛は防人衛で在る事を棄てた。弱者である防人衛を過去に放置する事を選択した。
其れは彼の悲壮なる覚悟。喪われた魂達へのせめてもの償い。
防人衛は名を換え、守り切れなかった者達へ赦しを請うかの様に激化する戦渦に身を投じて行った。

会おうと思えば、私は何時でも彼に会えた。
会いたかった、会いに行けなかった。
彼は自らの過去をあの日に置き去る事で、一つでも多くの未来を守ろうとしている。
私は彼の過去の一部、彼の決意を鈍らせる原因に為り兼ねない。
それに、防人衛はもう居ない。
過去の傷を癒し、彼を忘れる事で、私は私の未来を目指そう。あの頃は、そう考えていた。
でも、防人衛は消滅していなかった。彼は彼の侭、一人で業を背負い続けていた。
誰にも知られる事無く癒えない古疵を隠して死地へと向かい、その身体に新しい疵を付けていた。
178K-ness.:2006/08/06(日) 13:13:21 ID:5hbDfuZE
知っていたのは私だけ。
謝罪の涙を、繰り返し口から洩れる懺悔の言葉を認識していたのは私だけ。
私はもう、八年以上も彼を遠くから見ている。
声を掛ける事も、胸の内を聞く事もせずに、ただ離れた場所から傍観している。

貴方が防人衛を棄て切り、別の誰かとして今を生きていたならば、
私は貴方を、過去にする事が出来ていた。

貴方を愛した私をあの日に置き去りにして、別の私として生まれ変わる事が出来ていた。


目覚まし時計が鳴るより早く、窓を激しく殴打する雨音に起こされた。
カーテンを開けても、漆黒に染まる闇の空から私の部屋に光が差し込む事は無い。
身体が重く感じる。
疲れの所為じゃ無い事は、自分でもわかっている。
軽めの朝食を取り身支度を済ませ、私以外の帰りを待たない静寂な部屋に出発を告げる。

台風でも来ているのだろうか。
昨晩より確実に雨量が増し、排水が追い付いていない道路を車で駆ける。
早く止んで欲しい。
そう思いながら戦団本部の駐車場に入り、昨日と同じスペースに車を止める。
彼は何時頃、此処に来るのだろう。
彼の事ばかり考えようとする思考に嫌気を差しつつ、私はエレベーターに足を踏み入れた。

幾つかのデータを一つに纏めて保存する。そこから必要な分だけをプリントアウト。
随分と早く報告書が完成してしまった。まだ正午にもなって無い。
早急に処理すべき課業は、今の私にはもう無い。
一冊のファイルを開き、後回しにしても構わない潜入調査資料の整理を始める。
帰宅しても良い筈なのに、私は彼の来訪を待っている。
何を期待してると言うのか。自分が無様に思えて来る。

日暮れ間近の時間になった頃、左手にビニール袋を提げた待ち人が部屋を訪れた。
「よう、お疲れ。」
久方ぶりに見た彼の顔。
直ぐに視線をファイルに戻し、短く答える。
「いらっしゃい、適当に座って。」
「土産買って来たんだが、食うか?」
ビニール袋から数種類のおにぎりとペットボトルの緑茶、一房のバナナを取り出して笑顔を向ける。
「もう少し、色気のある物を選んで来たらどうなの?」
貴方らしいと言えば貴方らしい補給品。栄養分とエネルギー効率重視。
「そう言うな、ほれ。」
私の目の前に緑茶を突き出す。
「……いただくわ。」

「それで、今日はどうしたの。」
質素な間食を終え、一息付いた頃に私から発せられた質問。
何の目的も無く貴方はこの部屋に来たりしない。それは誰より私が知っている。
多分、貴方よりも。
「斗貴子の件で礼を、と思ってな。」
その一言で貴方が何故此処に来たのかを理解した。
でも、敢えて聞いてみる。
「お礼を言われる様な事はして無いと思うけれど。」
「それでもだ。ありがとう千歳、あいつ等の為に。」
お願い。私の前でその顔をしないで。
179K-ness.:2006/08/06(日) 13:14:43 ID:5hbDfuZE
「俺はずっと学園の方に居たからな、何も知らなかったんだ。」
貴方は気付いているの?貴方が今、どんな顔をしているのか。
「あの二人が新婚旅行にすら行かず、任務に明け暮れていたと聞かされた時は呆れたぞ。」
貴方は気付いているの?貴方は今、あの頃と変わらない笑みを浮べている事を。
「カズキ君には、私から確り御灸を据えておいたわ。」
「幾らでも叱ってやってくれ。カズキには斗貴子を幸せにする義務が有るからな。」
カズキ君の話をする時の貴方は、八年前の貴方と同じ顔をする。
あの日捨て去った筈の涙を、春先に行われた結婚式の日に斗貴子さんの前で貴方は見せた。
私ではあの頃の貴方を引き出せ無いの?
あの子達だけが、貴方を防人衛に戻せるの?

私は知っている、あの日に創痍した貴方の疵痕から時折鮮血が流下している事を。
私は知っている、その疵を貴方が癒そうとしないのは過去の罪を忘却しない為の枷だという事を。
私は知っている、その罪を貴方自身が赦す刻は永遠に訪れ無い事を。
私は知っている、世界中の誰もが貴方を赦しても貴方は罪人として生き続ける道を選ぶという事を。

「防人君はどうなの?」
冷気を帯びた声が、彼の耳に進入する。
「誰かを、幸せにしたいって……思わないのかしら。」
僅かに表情が変わった彼。
その笑顔の変化に気付くのは、恐らく私だけ。
防人衛からキャプテンブラボーへ、現在の自分に戻った彼が何も無かったかの様に話し出す。
「俺は一人でも多くの命を守る事で、一人でも多くの人達が幸せになれると、そう信じている。」
そう、何も無かったのだ。
彼は自分の変化に気付いていない。
自分があの頃と変わらない笑顔をあの子達に向けている事実を、彼自身が一番気付いて無い。

「私が貴方の目の前で、大勢の民間人を手に懸けようとしている。貴方ならどう対処するかしら。」
私が知りたいのは、この問い掛けに対する回答では無い。
「……止める。全力で。」
「止まらないわ。私を殺めるしか、止める方法が無いのよ。」
一年前の夏、一つの命を犠牲にする事で一つでも多くの命を救う事を貴方は選択した。
「その場で決断しないといけない…貴方の、答えは?」
仮にあの時の再殺対象がカズキ君では無く私だったとしても、貴方の決断は変わらない。
私がカズキ君と同じ状況に陥った時、貴方は何方の貴方で私の前に立つ言うの。
「その時は俺がお前を、楯山千歳を、この手で葬る。」
………どうして…………防人衛の顔になるの?

何故今になって私が防人衛を引き出せたの?
貴方にとって私は守るべき大多数の一部じゃ無かったの?
何故今になって貴方が私に防人衛を曝け出す必要が有るの?
貴方にとって私はカズキ君や斗貴子さんと同じ特別な存在だとでも言うの?

私は今でも、防人衛を女として愛しているのよ?
180K-ness.:2006/08/06(日) 13:16:24 ID:5hbDfuZE
彼の座る椅子の前まで歩を進め、彼の首を抱き込む様に両腕を絡める。
彼が言葉を発する前に、屈み込む様にして彼の唇に自分の唇を押し当てる。
一旦顔を離し、もう一度彼に覆い被さる。
今度は吐息を混合させる様な、唇同士の愛撫。

二回の口付け。
八年前は羞恥から躊躇していた、私から彼を求める時の合図。
私達二人だけしか知らない密事の中から生まれた、抱いて欲しいと言う沈黙の台詞。
より深く彼の身体に体重を預けようと、彼の膝の上に座ろうとしたその時、
彼の両掌が私の両腕を解き、そのまま私の両肩を微弱に押し返した。

「千歳……」
八年越しで初めて経験した、貴方からの拒否。
「…どうして?」
貴方がどう返答するのか、私にはわかる。
「あんなに愛してくれたじゃない。」
だから貴方の言葉を誘導する事も、私には出来る。
「……俺はもう、昔の俺じゃ無い。」
「嘘」

貴方は嘘を付いた訳では無い。ただ、貴方は無知なだけ。
「何故貴方は、私が貴方を防人君と呼ぶ事を認めているの?」
何も言わない貴方に、私は自論を質問に変化させて貴方に投げ掛ける。
「何故一年前、貴方は防人衛として武藤カズキの前に立ち塞がったの?」
貴方の表情は変わらない。でも私には、貴方の心裏が手に取る様にわかる。
「貴方が防人衛では無いのなら、何故そこまで武藤斗貴子の幸せを切望するの?」
反論しようと口を開けた貴方より速く、私の喉から貴方の知らない真実が述べられる。
「貴方はキャプテンブラボーというコートを着込んだ、防人衛なのよ。」


「千歳、俺は」
「わかっているわ。」
貴方の事なら、何でもわかる。
「貴方の痛みも、苦しみも、哀しみも。」
貴方の事なら、何でも知っている。
「でもね、あの日心に傷を負ったのは、貴方だけじゃ無いのよ。」
貴方は私の、何を知っていると言うの?

貴方は知っているの?私がどんな気持ちでこの八年間貴方だけを想い続けて来たのかを。
貴方は知っているの?一年前再会した夏の日私がどれだけ冷静を装い貴方と接していたのかを。
貴方は知っているの?私が心底に隠蔽した瘡蓋をこの一年間で何度貴方の笑顔が剥ぎ取ったのかを。
貴方は知っているの?穢れてく精神の鈍痛に耐え切れず私がどれだけ多く枕に滲跡を造ったのかを。

あの日貴方と同一の個所に負った私の傷口を、貴方は無意識に抉り拡げて化膿させた。
止血も消毒も受けずに放置された傷口は、雑菌の侵蝕を容易に許し腐朽した。
そしてその紅く爛れ膿んだ傷口を、私は今貴方の目の前に突き付けている。
「私の傷も、貴方と同様に癒されていないのよ。」
181K-ness.:2006/08/06(日) 13:17:41 ID:5hbDfuZE
「……すまない。」
その辛辣な表情も予想していた。
私から視せ無くても、貴方は何時かこの傷に気付きその原因を知った筈。
貴方は今、この傷を自分が負わせた物だと理解し過去の防人衛を非難しているのでしょう。
これ以上自分を責めないで。
防人衛はあの日に残留して、止まない雨の中慟哭し流涕し十分に罰を享けた。
それでも貴方は自分を赦さ無い。
天国からの涙を全身に浴び、震える防人衛に罵声を浴びせ続けている。

私は防人衛を愛している。嘘偽り無く言える。
だからあの日に取り残された防人衛を、雨と孤独の寒さから護りたい。
そして今迄の八年間を否定せずに、大切なあの子達に貴方が向ける無垢な笑顔を守りたい。
叶う事なら、雨具と成って貴方を包み込んでしまいたい。


「止めて。」
私の首筋に触れようとした彼の右手を払い除ける。
八年前の私では想像も付かない、貴方への拒絶。
「…………すまない。」
「いいの、わかっているわ。」
今私を抱けば、貴方は必ず後悔する。
彼の右胸に顔を埋め、体温と男性の匂いを堪能した後、ゆっくりと彼から離れる。
もう二度と、彼の鼓動を感じる事も無いだろう。

これが私の選択。
今の私が貴方と、防人衛の為に出来る事。
ごめんなさい。私は何もかもわかっていて、貴方の苦悩を増大させた。
でも、これだけは約束する。
貴方以外になら、何にだって誓う。
「忘れて。私は、大丈夫だから。」

貴方が貴方を赦さ無くても、私は貴方の全てを赦す。
182K-ness.:2006/08/06(日) 13:18:29 ID:5hbDfuZE

その後何の会話も無く、時間は流れて行った。
私は自分の椅子に戻り形だけペンを走らせる、彼が居る方向には一切目線を移す事無く。
暫く微動だにせず座っていた彼は、無言のまま立ち上がり廊下に続く扉へと足を動かす。
「また、会いに来る。」
反射的に顔を上げ、扉の前で振り返る彼と瞳が合う。
私の返事を待たずして、彼は踵を返し私の視界から消えて行った。

右前腕で目元を覆う。
確りしなさい。この程度の痛み、慣れている筈でしょ。

貴方を想う事で私の傷は熱を帯びる。
防人衛が私にとって過去では無い証拠。
私は貴方への想いを棄てる事は出来ない。
どんな苦痛にも耐え防人衛を愛する事を放棄しない。

私の想いは貴方を悲しませる結果となった。
この傷を作ったのは貴方だから、この痛みをここまで悪化させたのは貴方だから。
人一倍責任感の強い貴方がこの傷を知ったらどうなるか、私にはわかっていた。
この傷の治療法を知らない貴方は、私の傍から距離を置く事を選ぶだろう。
私に貴方を忘失させようと、私の周囲からの断絶を考思しているだろう。

だから私から遠退いた。
楯山千歳は防人衛を愛し続けるから。
病的なまでに私は貴方を渇愛しているから。
貴方の疵を塞ぐ為にも、私の所為で最愛の笑顔を消失させ無い為にも、私から貴方に別れを告げた。

わかっていた。貴方の痛みは私の其れと比較出来無い程重度で深刻だと言う事を。
わかっている。貴方は痛みを容受する事で現在の貴方を創出し悔恨の中で生涯を終え様としている。
わかって欲しい。貴方の痛みを和らげる為なら、貴方以外の全てを犠牲にしても私は後悔しない。

貴方が望んで自ら拡張した疵を、私は無理矢理縫い合わせる。
貴方に怨まれも、拒絶されても、愛され無くても、貴方の疵を治せるのなら私は一向に構わない。

また貴方の顔が見れ無くなってもいい。
貴方が何処かで、新しい大切な人とあの子達に笑顔を向けているならそれで構わない。
また貴方に会え無くなってもいい。
時折顔と名前を思い出し、昔の女と懐かしんでくれる時が来るならそれで構わない。
私の傷なんて、どうでもいい。貴方の疵さえ癒せるのなら、本当にどうでもいい。
183K-ness.:2006/08/06(日) 13:19:00 ID:5hbDfuZE

日が落ち外の空間が昏黒した頃、パソコンの電源を落とし帰り支度を始める。
自宅に帰っても私は一人、それでも戦団内よりは残心の整理が付くだろう。
昨日と違い誰も居ない通路を闊歩し、エレベーターの前で立ち止まる。
扉が開いたが、私の待つ下り行きでは無い。
「戦士千歳。」
降りて来る人影を避け様とした時、正面から憶えの有る声がした。
「……津村さん。」

あの日、無情なる殺戮の中たった一人生存者が居た。
それがまだ子供だった津村斗貴子。
一番苦辛な経験をしたのは、彼や私よりホムンクルスの被害に遭った彼女だろう。
彼が発見した時は身心共に衰弱し、戦団が保護した物の非常に危険な状態だった。
それでも、心底と顔面に深傷を刻まれ、記憶の一部を失ってでも尚彼女は生き延びた。
そして今彼女は大人に成長し、戦士として弱者の救済に勤めている。

「現在は、津村では在りません。」
成熟した女性の雰囲気を漂わせながら、斗貴子さんはそう言って微笑んだ。
「ごめんなさい、もう随分経つのにね。」
「御気に為さら無いで下さい。私自身、未だ間違う事がありますから。」
二十年近く慣れ親しんだ姓が替わるとは、どの様な心境なのだろう。
「では此れで、失礼します。」
エレベーターの前だという事もあってか、彼女は頭を垂れ早々に立ち去ろうとする。
その凛とした後姿を見た瞬間、あの頃の面影が私の瞳に投映された。
「待って。少し、いいかしら。」

数分前無人に成った筈の個室に主が戻る。
彼との痛酷な会話の名残だろうか、初夏なのに気温が低く感じる。
調査報告に向かった斗貴子さんを、二杯のアイスティーと共に待つ。
呼び止めたは良いが、当然彼との情事は話せ無い。
只一つだけ、彼女の口から教えて欲しい事が有る。
あの日を経験した彼女から、どうしても聞きたい言葉がある。

「失礼します。」
考えが纏ら無い内に、斗貴子さんが室内に踏み込んで来た。
「ごめんなさいね、突然付き合わせちゃって。」
「いえ、特に予定がある訳では無いので構いません。」
着席しようとしない彼女を正面に座らせる。
彼女と二人切りになる事など、そう多くは無い。
どう切り出せば不審がられずに済むかと思案していると、意外にも彼女の先手で対話は開始した。

「そう言えば、まだお礼を言っていませんでしたね。」
飲んで、とカップに掌を向ける。
「カズキに提言して下さり、ありがとうございました。」
目を伏せ、旋毛を見せる。
「いいのよ。女として、放って置け無かっただけだから。」
楽しめた?と問うた私の網膜は、静穏で美艶な微笑を返す彼女に魅了された。
「御蔭様で、有意義な休日を堪能させて戴きました。」

もしあの日彼が彼女を発見して無かったら、私はこの笑顔を見る事は無かった。
「聞いてもいいかしら。」
幾つもの死地を渡り乗り越え、彼女はカズキ君と出会いそして結ばれた。
「貴女は今、幸せ?」
過去を過去として、あの日の悪夢に呑まれずに現在を過ごしている。
「………幸せです、怖い位に。」
彼の信念が救った命は、今こうして眩いばかりに輝いている。
184K-ness.:2006/08/06(日) 13:19:32 ID:5hbDfuZE
彼は斗貴子さんの幸せを八年間ずっと渇望していた。
あの日平穏を奪われた彼女が、何時か幸せな日常を取り戻せる様にと常に尽力していた。
カズキ君と言う伴侶を得て、彼女は至福の絶頂に居る。彼の切願はようやく叶ったのだ。
今度は私が、彼の為に最大限の努力を試みる番。
きっと彼も、彼の疵を理解し、彼の痛みを和らげる事の出来るパートナーと必ず巡り合う。
あの日から一歩でも前に進めば、彼自身が幸福を体感する時は必然的に訪れる。
だから、彼の為に出来得る限りの微力を尽そう。


他愛も無い雑談だったが、斗貴子さんとの会話は思いの他盛り上った。
カズキ君の愚痴でも出るかと新婚生活を尋ねてみたが、次々と襲い掛かる惚気に私は白旗を揚げた。
カップの底に転がっていた氷が完全に溶け消えた頃、名残惜しそうに彼女は席を立った。
「私はそろそろ御暇しますが、何か用件があったのでは…」
「良いの、十分にわかったから。」
貴女はもう、あの日を乗り越えたと言う事が。
私にとっても、貴女は特別な存在だと言う事が。

車で送ろうかと提案したが、彼女は「寄る所がある」と丁寧に断り帰路に付いた。
机の上の水滴を拭き、今日二度目の帰り支度を済ませる。
沈下していた希望も、少しだけ浮かんで来た様な気がする。
無人のエレベーターに乗り込み、地下に着く僅かな間瞼を閉じ改めて私自身を諭す。

彼は近日中に、もう一度私の前に顔を見せる。
防人衛としてか、キャプテンブラボーとしてか、何方の彼で会いに来るかは私にもわからない。
彼は私に、赦しを請うたりはしない。
ただ自身を叱責し、私からの厳罰を要求するだろう。
私は彼を恨んだりはしない、あの日亡くなった全ての子供達の代弁者として彼の総てを認容する。
そしてどんな手段を使ってでも、彼をあの日から先へ進ませる。

彼を斗貴子さんと同様の未来へ歩かせる為、彼の背中を無理矢理にでも押しあの日から動かそう。
二度と過去を振り返ら無い様に、彼の旅立つ後姿を土砂と瓦礫の上から見送り視覚に焼き付けよう。
一度未来を見据えて歩き出せば、昨日に引き摺られる事無く防人衛として明日を目指すだろう。

彼があの日から去り足跡が雨捌に梳られ泥濘になった頃、私は彼への想いを心の奥底に封印しよう。
でも私は彼を愛さずには生きて行けない、楯山千歳は防人衛の居ない世界では生存出来無い。
だったら私は楯山千歳以外の何者かに成る。
彼の疵口が再び裂開せぬ様に、私の傷痕を見て過去の深痛を呼び起こさせ無い為に、
彼への想いを胸に秘めながら、私は私で在る事を棄てよう。
185K-ness.:2006/08/06(日) 13:20:02 ID:5hbDfuZE

今朝より雨脚は弱まった様だが、ボンネットを弾く雨礫の喧しさと視界の悪さは相変らず酷い物だ。
雨跡によって彼方此方に造られた水溜りの集合が、川となり車道を飲み込んでいる。
スピードの上昇が事故に繋がる危険な道路と化した勤務路を、私の車は低速で進んで行く。
月は雨雲に隠滅され、僅かな街灯と私の前方を照らすライトだけを頼りに車輪は廻る。
信号の赤が車の動きを停め、私は雨垂れる窓越しに夜の帳を眺める。
曾て飲食店が取り壊され、長い期間廃墟と化していた空地に、豪雨の中立ち尽す人影が見て取れた。
薄暗さと距離で顔は確認出来無い。でも、私には誰だかわかる。
私が彼を見間違える筈が無い。

「防人君。」
雨声に相殺されぬ様、強い声量で言葉を掛ける。
「………千歳。」
雨空を見上げ続けていた彼の顎が緩やかに下がり、私と彼の視線が絡み合う。
彼の鎮痛な眼差しで直ぐにわかった。
彼は今、防人衛だ。

「こんな天気の中傘も差さずにいたら、幾ら貴方が頑丈でも風邪を引くわよ。」
「お前こそ、風邪引くぞ。」
車から降りて数分で全身が水浸しになった。
彼はもう何時間この場所に居るのか、問ても返答は無いだろう。
「私の車に乗れば?…此処で話すのも、何だから。」
わかっている。彼は此の儘、私から逃避したりしない。
今直ぐ私に対して、けじめを付ける。
「いや、此処で良い……此処が良い。」
私が風邪を引いても構わないのね。

私はあの日から八年以上自分を譴責し続ける彼に、私が既知する全てを詳明に語った。
何時迄も己を厳責し、喪亡した子供達の供養になればと疼痛に耐える彼に私の痛みの全容を告げた。
陳謝する彼を宥めながら、私も、墓石に眠る子供達も、誰もが彼を赦している実状を伝えた。
「自分を赦せとは言わないわ。」
「でもこれだけはわかって。私も、天国に居る子供達も、防人君の善行を見続けて来たのよ。」
「皆、貴方を赦したの。恥じる様な生き方は、して無い筈でしょ?」
わかっている、其れでも貴方は赦宥しない。
「俺は、あの罪を過去には出来無い。」
世界が貴方を善と言っても、貴方は悪と首を振る。
「だったら、私も貴方と同罪よ。」

私の言霊を切っ掛けに、寄り一層雨勢が強まった様な気がした。
「防人君一人の責任じゃ無い。私にも火渡君にも責任は有る。」
「わかっているでしょう。あの任務が失敗した原因は、私のミスが大半を占めている事を。」
「貴方が自分を罰すると言うのなら、私の事も断罪して。」
これが私の切り札。私自身が目を背けて来た過謬。
186K-ness.:2006/08/06(日) 13:20:46 ID:5hbDfuZE
彼の爪が、自らの掌低に食い込んでいる。
「俺は…疾うの昔にお前を傷付けた。」
「ええ、痛かったわ。今でも、痛いもの。」
歯を喰い縛る彼。悔恨が渦巻いているのがわかる。
「……もう一度言うわ。自分を赦せとは言わない…私には、言う資格が無い。」

これで、彼があの日から解放されると信じている。
「それでも私は貴方を赦す。私を傷付けた事も含めて、自分を赦さ無い防人衛を赦すわ。」
埃塗れの雨下から、やっと彼を今日に連れ戻せる。
「だから一つだけ、貴方を赦す代わりに、私の願いを聞いて頂戴。」
あと一言で、永かった貴方との縁も事切れる。
「これから絶対幸せになるって、約束して。」
今出来る最高の笑顔を、最後に貴方に見せよう。


「分かった、約束する。」
祈る様に胸の前で指を絡め、声を出さずに歓喜する。
ようやく、彼は報われるんだ。
「だがその前に、為すべき事がある。」
私の小さな拳を、彼の大きな両手が包容する。
指頭の冷たさに驚く間も与えず、彼は私の心臓を氷結させた。
「俺は、千歳をあの日から引き摺り戻す。」

わからない。
「お前は俺の所為で、あの日に取り残されたんだ。」
貴方が何を言っているのかわからない。
「俺があの日に残ったから、お前は俺の後ろから動けずにいるんだ。」
何故私の知らない事を貴方が知っているのかわからない。
「今でもお前は、俺の背中で泣きじゃくっているんだよ……千歳。」

唖然と呆ける私の身体を彼は強引に懐抱し、強靭な両腕で締め付ける。
「この八年間、お前はずっと俺の近くに居てくれた。」
「散々お前を傷付けた俺は、早くお前の傍から離れないといけない。」
「解っている、判っているんだ。」
固着した状態の儘、予想外の状況に混乱する脳中で彼の言葉を理解しようとする。
「お前の痛みを緩める事が出来るなら、喜んでお前の前から去ろう。」
「しかし俺が居無くなる事でお前が苦しみ続けるのならば、俺はお前から離れたく無い!」
私の知らない縋る様な彼の叫号は、暗雨の中を響き渡り、真っ先に私の元へ届いた。
「愛しているんだ!お前を……楯山千歳を心からっ!」

ああ、わかった。
彼は私と同じだ。
同情でも惜別でも無く、底意から私を求めているんだ。
未だに私の事を想っていて、他の誰でも無く切実に私だけを必要としているんだ。
彼は八年間も、私を愛し続けてくれていたんだ。
187K-ness.:2006/08/06(日) 13:22:06 ID:5hbDfuZE
「私では、貴方の疵を癒せないのよ。」
顔を覗かれ無い様に、彼の喉仏に額を密着させる。
「俺もだ、お前の傷を癒せない。」
両手で私の頬を固定し、見せたく無い顔を彼は熟視し堪能する。
「酷い人ね、貴方は。」
お互いを慰め合うだけの関係でも、貴方が私を傍に置いてくれるのならそれ以上私は何もいらない。
彼の指甲を伝った水滴が、雨雫なのか私の涙なのか、それ知っているのは私だけ。

凍えた彼の唇からは、雨水の味以外何もしなかった。


「私が、防人君の罪を半分背負いたいと言ったら、貴方はどうするのかしら。」
無精髭の感触も、あの頃の私は知らなかった。
「千歳にだけは背負わせ無い。例え今以上の罪を背負う事になっても、お前の為なら後悔しない。」
雨曝し中、誰よりも罪を嘆く彼が語った本当と嘘。
「本当に、酷い人ね……残酷な程、優しい人………」


私が貴方の盾に成っても、シルバースキンを身に纏う貴方の役には立て無い。
私が貴方の剣に成っても、貴方は戦場で私を握る事無く安全な場所に収納してしまう。
私が貴方の傘に成ったとしても、貴方は私を差さずに自ら濡れる事を選ぶ。

だったら私はあの雨に成る。
慈雨に成り貴方の頭上に降る事で、不治の心痛から流れる貴方の涙を隠してしまおう。

だからお願い、貴方の身体に降り注ぐ本の少しの雨粒だけでいいから、
コートの隙間から入り込む微量の雨滴分だけでいいから、


どうか、私の愛と痛みを受け容れて。
                                     了
188K-ness.:2006/08/06(日) 16:48:58 ID:5hbDfuZE
修正
>>187 最後の一行。

どうか、私の愛と痛みを受け容れて。
どうか、私の想いと痛みを受け容れて。  
                   です。
確認したつもりだったんだが……。
でもまだ祭りは続くよ8日まで!よぅしギャグを書いて挽回だ!!

189名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 18:01:54 ID:uyQQrZl0
>>188
(゚д゚)ポカーソ

オメー、ホントに何者だ!・・と、しか言いようがない。
GJ!

190名無しさん@ピンキー:2006/08/06(日) 21:20:00 ID:6ioyrh6g
あぁ、まさに現人神。
ありがたやありがたや・・・
191名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 00:50:47 ID:74vNzHx7
何という超越神なのか…蝶蝶蝶GJ!!!!!!!!!!!!!
…このレベルの文章力を真似るようなことはそうそう無理とは思いますが、
そろそろトリップをつけるようにしたらいかがでしょうか?
そうすればギャグとシリアスが同一人物なのかという住民の疑いも晴れますしw
192TQN生誕記念(カズトキ):2006/08/07(月) 14:39:23 ID:r1fcibjK
夏休み。
銀成学園の寄宿舎は、この時期生徒の数が減って格段に静かになる。
とはいえ帰省しない居残り組も当然存在する訳で、
「斗貴子さ〜ん。何か小包が届いてるよ」
人目に付きにくいのをいいことに、斗貴子はカズキの部屋に入り浸って殆ど同棲状態だった。
「私宛に? 珍しいな、一体誰からだ?」
タンクトップにショートパンツの軽装で、斗貴子が菓子折大の包みを受け取った。手渡したカズキの方は
Tシャツにハーフパンツの出で立ちで、斗貴子の隣で興味深そうに包みを眺めている。
「差出人は……あれ? 蝶野からだ……て、うわっ! 斗貴子さん待って、一体何を!?」
開け放ってあった窓から包みを放り投げようとした斗貴子を、カズキが慌てて羽交い絞めにする。
「アイツから私に荷物など、あからさまに怪しいだろう! こんなものとっとと廃棄処分にして──」
「す、ストップ、ストップ! 取り敢えず中を確認してからでも遅くないから!」
「甘いぞカズキ! もしこれが爆発物や細菌兵器の類だったら……」
「蝶野が斗貴子さんに危害加えるつもりなら、わざわざ回りくどい真似しないで直接乗り込んでくるよ。
勿論そんなこと俺がさせないけど、とにかく開けてみよう? ね?」
カズキに説得されて、渋々斗貴子は包装を解きにかかった。中には紫の地色に白い蝶々がプリントされた
紙箱と、一枚のカードが添えられている。
「ねぇ、これってバースデイカードじゃないかな?」
「パピヨンが私に誕生日プレゼント……どういう風の吹き回しだ?」
訝しげにカードを裏返したり光に透かしたりした後、斗貴子は箱の蓋に手を掛けた。僅かな不審点も
見逃さないよう、慎重に持ち上げていく。

「………………なんだ、これは?」
中に入っていたのはファー付きの黒革リストバンドと、箱と同じ紫に白い蝶柄のアイマスク。そして、
化粧水のボトルに似た、透明な液体に満たされた円筒形の瓶だった。
「あ、説明書が入ってる。えーっと『通信販売専門アダルトショップ“ムーンフェイス”では、この度
恋人たちの夜をお洒落に演出するセクシャルヴァイオレットな新ブランド“モード・パピヨン”を新設
いたしました。つきましては商品モニターをお願い申し上げ──』うわっ!? 斗貴子さん待って!!」
再び箱を投げ捨てようとした斗貴子の腕を、カズキが慌てて押さえる。
「待つまでも無い! こんなもの、速攻で窓から放り出す!!」
「お、落ち着いて!! 寄宿舎の外に投げ捨てたら余計にヤバいって!!」
「ったくパピヨンの奴め、くだらない悪戯を……」
カズキに箱を取り上げられ、斗貴子は忌々しげにベッドへ腰掛けた。窓辺の風鈴が微風にリン、と響く。
その間にカズキは箱の中身を取り出して、興味津々にあれこれ調べ始めた。
「うぅ〜ん……。お!? こ、これは……見て見て斗貴子さん! このリストバンド、真ん中の留め金で
繋がるようになってるよ!」
革手錠をかざして、カズキが満面の笑みで振り向く。
「いちいち報告しなくていい!」
「むぅ、これは中々………………………………ね、斗貴子さん」
「断る」
何かを言いかけたカズキを遮って、斗貴子は即答した。
「例えカズキの頼みだろうと、そんな破廉恥なモノ、私は絶対に着けないぞ」
「えぇ〜〜!? でも、せっかく蝶野が誕生日プレゼントに贈ってくれたんだし、好意は受け取らないと」
「どこが好意だ、どこが!!」
「それに、俺もいろんな姿の斗貴子さん見てみたいなぁ…………ね?」
「う!? ……よ、止せ。そんなボールを咥えた犬みたいな目で私を見るな!」
「ね、斗貴子さん?」
「……………………うぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
193TQN生誕記念(カズトキ):2006/08/07(月) 14:40:34 ID:r1fcibjK
 * * *

 ぱちん。

革バンドの巻かれた細い手首を金具で繋ぎ合わせると、カズキは斗貴子の前に回って数歩退がった。
「ほ、本当にこれっきりだからな! 二度はやらないぞ!」
後ろ手に拘束され、床板の上にぺたりと座り込んだ斗貴子が真っ赤な顔でカズキを睨む。
「うわぁ、これって…………なんか凄くエロいかも……」
一方のカズキは斗貴子の声にも上の空で、こちらも顔を赤らめて少女の全身を舐めるように見回している。
少年の熱っぽい視線に晒されるのに耐えられず、斗貴子はプイ、と顔を背けた。
「そうだ。斗貴子さん、これも一緒に着けてみようよ」
カズキの手にした物を、斗貴子がちらりと横目で見た。
「あ、アイマスクはいい! 遠慮する!」
「まぁまぁ、せっかくだから」
「いい! コラ、よせ! せっかくもへったくれもあるか! んっ!?」
髪をかき上げられて、思わず斗貴子は身を竦めた。カズキの指が桜色の耳に触れ、ゴム紐を掛ける。
 ごくり……
後ろに退がり、あらためて斗貴子の姿を見たカズキが生唾を飲み込んだ。
細身だが健康的な、軽く日焼けした少女の肢体を束縛する革手錠。意志の強さをにじませる瞳を覆い隠す
アイマスク。いつもの部屋の、見知った恋人を、まるで知らない誰かのように思わせる非日常的な光景。
毅然と胸を張り、男勝りの言動でクラスでも一目置かれている少女が、今は自由を奪われて自分の前に
しおらしく俯いている。
そのギャップと征服感が、少年に昏い感動と興奮をもたらした。

(まったく、こんな格好をさせて何が楽しいんだか…………)
カズキの行動に半ばあきれつつ、斗貴子は緊張している身体を解すようにゆっくり息を吐いた。視覚を
奪われたことで無意識のうちに耳が鋭敏になり、言葉少なになっている。
ふと、離れていたカズキが歩み寄ってくる気配がして、自分の前で立ち止まった。ごそごそと衣擦れの
音がして、
 ぺたり。
唇に熱い何かが押し当てられる。
「こ、コラァッ!! カズキ!!」
独特の磯臭い匂いを嗅ぐまでもなく、それが勃起したペニスだと気付いて斗貴子が声を荒げた。
「昼間っから何を欲情してるんだ君はっ!?」
「いや〜、斗貴子さんのそんな格好見たら治まりつかなくなっちゃって」
ノー天気なカズキの声。
「ね。お願い、斗貴子さん」
「調子に乗るな! こ、こんな女性を辱める格好でそんなこと要求するなんて、どうかしてるぞ!!」
「だって、斗貴子さんがあんまり魅力的だから……」
「……都合のいい時だけお世辞を言うんじゃない」
「それに斗貴子さん、この格好二度としないんでしょ? ならこんな機会は今だけなんだし」
「だ、だからって、そこまでするつもりは……私は……」
(んぁ、やだ…………カズキのニオイが……)
目隠しのせいで嗅覚まで敏感になっているのか、口論の間も鼻先に突きつけられている熱い強張りを
嗅ぎ取って、斗貴子の胸が早鐘を打つ。。
「お願い! なんだか自分でも信じられないくらいギンギンになっちゃって、オレ我慢できないよ……」
「…………うぅ……」
194TQN生誕記念(カズトキ):2006/08/07(月) 14:41:44 ID:r1fcibjK
「ほ、ホントに……ホントにこれっきりだからな…………」
呟いて顔を上げ、斗貴子がおずおずと口を開いた。差し出された舌に、カズキが先端を擦り付ける。
「ん……」
亀頭の先っぽに触れた舌を頼りに、斗貴子は首を伸ばしてそっと吸い付いた。カズキの味が口に広がる。
ゆっくり少しずつ、口いっぱいになるまで剛直を頬張っていく。
「ん……んぷ………んっ………」
収められるだけの肉塊を含んで、斗貴子が顔を前後にスライドさせ始めた。
手が使えないため、口からペニスが飛び出さないよう小刻みなストロークで。替わりに精一杯舌を絡めて、
少しでもカズキが気持ち良くなるよう懸命に口戯を凝らす。
「うわっ……斗貴子さん、なんだか……いつもより凄い……」
カズキの感嘆の声に、顔が熱くなるのが自分でも分かる。
(んん……やっぱり、目が見えないせいで……触覚まで敏感に……)
口内を満たす熱くて固いカズキのモノ。探るように這う舌や頬の内側は、亀頭の丸みやエラのくびれ、
肉茎に浮かび上がった血管の形までつぶさに感じ取っていく。

「う……斗貴子さん……それ、気持ちいい……」
「んふ…………んん……」
ねっとりと裏筋をなぞる舌の動きに、カズキは思わず呻いた。激しさは無いものの普段以上に念入りで
繊細なフェラチオに、アイマスクの視覚的効果も相まって早くも射精感が湧き上がってくる。
気を紛らすように背を屈め、斗貴子の胸に手を伸ばした。ブラは着けていなかったらしく、タンクトップ
越しに“ほよん”と小ぶりな乳房の弾力。優しく撫でさすると、先端がゆっくりと勃ち上がってくる。
「ん!?」
布地に浮かび上がった乳首を強めに摘むと、一瞬斗貴子が身を固くした。が、すぐに口唇奉仕を再開する。
特に拒絶の素振りも無いので、カズキも遠慮なく乳房をまさぐり続けた。布地ごとやわやわと弄ぶ。

 かぷ……ちゅる、ずずっ…………ちゅっ……

フェラチオの水音と熱い息遣い。時折り漏れる、吐息混じりの斗貴子の声。
「駄目だ……斗貴子さん……俺、もうイキそう……」
カズキが屈めた背を起こして、きれいに切り揃えられた斗貴子の髪を撫でた。
「──────んぷぁ!」
それを合図にしたように、斗貴子がペニスから口を離した。そして口を開けたまま、舌を伸ばして唾液に
濡れた赤い先端をチロチロとくすぐり続ける。意図を察したカズキは、反り返る肉茎の根元を指で押さえ
斗貴子の口に狙いを定めた。
「斗貴子さん…………出る、出るよ!」

 びゅるっ びゅっ ぴちゃっ

迸った精液が斗貴子の口内に叩き付けられる。射精の勢いが強過ぎたか、白濁の一部は口を飛び越えて
アイマスクや斗貴子の前髪を汚した。
「っはぁ、はぁ、はぁ……!」
荒い息を整えながら、カズキは自分のペニスを扱き上げ、残った精液を恋人の口内へ注ぎ落とす。
斗貴子はポタポタと滴る精液を舌の上に受け止め、再びカズキに頭を撫でられて口を閉じた。
 くちゅ、くちゅ………
惜しむように少しの間口の中で転がし続け、それから“こくん”と飲み下す。
マスクで隠しきれない頬の端が紅潮していた。
195TQN生誕記念(カズトキ):2006/08/07(月) 14:43:25 ID:r1fcibjK
「こ、これで満足したろうカズキ。イケナイ遊びはもう終わりだ。さぁ、この拘束を解いてくれ」
発情の兆候を悟られまいと、努めて冷静な口ぶりで斗貴子が正面を向いた。
「………………………………」
カズキは、いまだ興奮冷めやらぬまま無言で斗貴子を眺めている。欲望の残滓に汚れた少女の姿に、
股間のきかん棒は再び天を仰いでいた。
(そうだ。確かまだ箱の中に…………)
「……………………カズキ?」
返事をしないカズキを不審に思って、もう一度斗貴子が呼び掛けた。
「ごめん、斗貴子さん。もう少しだけ付き合ってよ」
「な!? ま、まだ何かする気なのか? きゃっ!?」
言うが早いかカズキは斗貴子の身体を抱きかかえ、ベッドの上に投げ出してタンクトップをたくし上げた。
細く締まったウエストと、愛撫を受けてピンクに色づいた乳房が露わになる。
「コラッ! やめないかカズキ! 悪ふざけもいい加減に────んひゃあっ!?」
胸元にトロリと冷たい感触が垂れ落ちて、斗貴子の肩が跳ねた。
「な、何!? いま一体何を…」
「ローション。箱の中に入ってたでしょ」
胸からお臍まで甘い香りの液体をたっぷりと垂らし終え、カズキが両手で塗り広げていく。
「やぁっ!……んはぁ……カズキの、ばかぁ……んっ……こ、こんなこと、どこで…………んんっ!?」
目の見えない斗貴子はカズキの指の動き一つ一つに過剰に反応し、声を上げる。
少年の手が斗貴子の胸を包み込み、プルンと弾いた。つやつやと光沢を放つ膨らみを、ぬめりに任せて
少し乱暴に揉み込んでいく。
「やあぁぁぁぁん!」
斗貴子が切なげな声とともに背を反らせ、腰を浮かせる。カズキの掌が腹へと滑った。
「斗貴子さん……。今の斗貴子さん、凄く色っぽい。っていうか、エロい」
「だ、誰のせいだと────や、コラ! そ、そんな臍ばかり弄るなァ!!」
腹筋がうねり、腰がくねる。体温に温められたローションは一層強く甘い香りを放ち、カズキの思考を
麻痺させていく。

(こ、こっちの方も────)
カズキはショートパンツに手を掛け、難なく腰から引き抜いた。白いショーツが目に眩しい。
「!? か、カズキ、待って! そっちは駄目だ!!」
続いてショーツも脱がそうとすると、斗貴子が両脚をぴっちりと閉じて抵抗を示した。
「ハァ、ハァ…………。斗貴子さん。脚、開いて……」
「ハァ……ハァ……。駄目だ。これ以上は、もう…………」
このままいけば、冷静さを失ったカズキに間違いなく犯される。レイプ同然の状況に、少女が怯えた。
じっと身を固くしていると、ショーツの上からまたしても冷たい感触。
「や!? う、嘘!!」
ショーツに液体が沁みこんでいく。続けて両の太腿へと、止まる事無くぬめりが注がれていく。
「ごめんね斗貴子さん。今日だけだから」
カズキは少女の左太腿を両手に抱えた。そして膝まで撫で下ろし、ローションを伸ばしていく。
「ふあぁぁぁ!?…………あ、……あ、……」
斗貴子が震え、ぷつぷつと全身に鳥肌が立った。
「かずきぃ……ダメ……脚……脚は……弱い、から……」
カズキは構わず脛とふくらはぎも撫で回し、足首までローションまみれにしてしまった。続いて同様に
右太腿にもローションマッサージを施していく。
「や……だめ…………んはぁ……」
「斗貴子さんの脚、凄くすべすべで……俺、触ってるだけで気持ちいい……」
196TQN生誕記念(カズトキ):2006/08/07(月) 14:44:56 ID:r1fcibjK
すっかりローションを塗り終え、カズキはあらためて斗貴子の全身を眺めた。
艶やかに輝き瑞々しさを増した全身は、少年の愛撫に翻弄されてぐったりと力を失っている。
荒い呼吸にツンと張った乳房が上下し、いまだ目隠しされたままの横顔に乱れた黒髪が貼り付く。
たっぷりとローションを吸ったショーツは半透明に濡れて、恥毛が透けて見えていた。
「斗貴子さん…………」
カズキは横たわる少女の隣に並んで寝そべり、上体を覆い被せる。片手が少女の太腿の付け根に伸びた。
「んっ!」
股間に触れられ、少女の身体が緊張した。カズキの指は濡れた布の上から熱くて柔らかい花弁を探り当て、
形をなぞるように優しく上下する。
「ね、いい?」
「…………ここまでしておいて、今さらそんな質問をするな」
顔を背けたまま斗貴子が呟いた。
「キミは自由のきかない私を思うまま嬲りたいのだろう? ……だったら、好きにすればいい」
拗ねた口調だが、本気で怒っている訳ではないらしい。
カズキは身を起こすと汗に濡れたTシャツを脱ぎ、斗貴子の両脚を押し開いた。指でショーツの股布を
横にずらし、先走りの汁を垂らすペニスをひくつく花弁に押し当てる。

「ん……あはぁあああああ」
熱い猛りの侵入に斗貴子が甘く啼いた。同時に少年の身体がのしかかり、乳房に胸板が押し付けられる。
「うあぁぁ……トキコさぁん……」
カズキの呻き声が耳元をくすぐり、それだけで秘唇が自然とわなないた。
「すご……斗貴子さん、いつもよりキュンキュン締め付けてくる!」
「わ……私も……私も、いつもよりずっとカズキを感じる!」
膣の中を行き来するカズキの形。襞々を分け入る動きを、少女は身体の奥でハッキリと知覚する。
お互いの身体を密着させ、肌と肌がニチャニチャとローションに滑り合う。

(うわぁっ!? な、何だ?)
グッと奥深くまで突き入れたところで、亀頭が吸われるような感覚にカズキが驚いた。
「と……斗貴子さん。もしかして、いま俺のが斗貴子さんの子宮の入り口、当たってるかも……」
「!?…………う、嘘?」
「よく、分かんないけど……コリコリしたトコ当たって……先っぽにキスされてるみたいな感じ……」
腰の動きを止めて、カズキが斗貴子の中の感触に神経を集中する。
斗貴子も同じように、暗闇の中で胎内のカズキをイメージする。
「ほら、また……」「あっ!?」
独立した生き物のように蠢く膣内に、少年少女は同時に身震いした。
「う、そ……ほんとにカズキのが……当たってる?」
「ヤバ……なんか、もう俺……限界かも……」
「!! ま、待てカズキ! 今日はダメだ! そ、外に……」
カズキの腰の動きが一気に速まった。
「斗貴子さん!!!」
「んんっ!!!」
ギリギリまで膣内を擦り上げ、精液のこみ上げる感覚と同時にペニスを引き抜いて、カズキは少女の
腹の上に白濁を噴き出した。
197TQN生誕記念(カズトキ):2006/08/07(月) 14:46:37 ID:r1fcibjK
 * * *

開けっ放しの窓の向こうは憎らしいぐらい青い空。
少年と少女は並んでベッドに仰向けのまま、性交後の激しい呼吸を整える。
「…………満足したか」
先に息を整え終えた斗貴子が、不機嫌そうに問い掛けた。
「ん〜〜、最後は中に出したかったけど、概ね満足かな」
カズキが上体を起こし、アイマスクを取る。しばらく眩しそうに目を細め、それから斗貴子はムスッと
少年の顔を睨み付けた。
「くどいようだが、本当にこれっきりだからな!」
「うん、分かってる。俺も斗貴子さんの嫌がる事はしたくないし、約束するよ」
「ならいい。さぁ、この戒めも解いてくれないか」
斗貴子がベッドの上でゴソゴソと身を捻って、後ろ手の革手錠を少年に向ける。
「あ、ちょっと待って。その前に……」
「こ、これ以上何をする気だ!?」
怯え声の斗貴子を放ってベッドを飛び出し、カズキはバスタオル片手に戻ってきた。
「斗貴子さんにはイッパイ酷いことしちゃったからね。お詫びに俺がローション拭いてあげる」
「!? いい!! 自分でやる!! だから早く手錠を……んあぁっ!? か、カズキ! 君、わざとやって
…………ああああああぁぁぁぁぁん……」

 ちりりん。

風鈴が、微風に揺れた。

(おわり)
198名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 14:59:12 ID:pMQlFmoD
なんとエロい誕生日か!

エネルギー全開でGJです。ってかエロいw
199名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 15:17:29 ID:MkJQyb66
物凄くツボです。これはエロイ、GJ
200名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 17:18:10 ID:47cTqUDX
これは絵に描きたいくらいエロスいバカップルですね
201名無しさん@ピンキー:2006/08/07(月) 22:11:05 ID:iCgLJekj
祭りか!!!
202名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 14:25:49 ID:nL3AEZB9
最高。「ボールを咥えた犬みたいな目」にワラタ。
みんな文章上手いなぁ…。
203 ◆pQW7IpFa7. :2006/08/08(火) 14:33:06 ID:dxmHQI5n
>>191 オーケーサンキューやっといた!こんなシステム知らなかったよ。
    しかしもうこれでお前等が俺の正体に怯え
    ガタブルしてんのをハァハァしながら眺められないんだな。

>>192-197 お前は俺の休火山を何故刺激する?噴火するぞマジで?

祭りも今日で終わりだね!仕上げに山神様への生贄を用意しなくちゃ!
と言うわけで剛太だ。悪く思うな、長老の言葉は絶対なんだ。

あと岡倉誕生日おめでとう。
俺のSSにお前が出ることはおそらく無いがな。
204K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 14:34:34 ID:dxmHQI5n
千切れそうな手足を引きずりながら自室に戻る。
目の前が歪み意識が飛びかけるが、気力で耐えベットまでの距離を這う。
ようやく辿り着いた安堵の地。微かに憶えている母の温もりに似た寝台が俺を安らぎへと誘う。
ブラックアウトする前に震える指先で枕元に置いてある先輩人形(手製)を手に取り帰還を告げる。

斗貴子先輩。俺、今日も一日耐え切りました。満身創痍ですけど、何とか生き残りました。
心配してくれてんスか?大丈夫ですよ。誰よりも俺がタフガイな事、先輩が一番知ってるでしょ。
でも、ゴメンね先輩。俺まだ、先輩を迎えに行けないよ。今のままじゃ、先輩を抱けないよ。
だから、もう少し待ってて。もう少し……あと………少しだけ……我慢、して……うっ…ひっく……
………穢された…また…穢されちゃったよぉ………あの女……嫌がる俺を…何度も……何度も……。
お尻痛いよぉ……あんな、あんなコトまでされたら………もう…先輩のお婿に行けないよぉ………。
……チクショウ………チクショウッ!あの女が、あの女が全てを狂わせたんだッ!!
あの女さえいなけりゃ俺と先輩の愛の劇場は超満員札止めの千秋楽を向かえるはずだったんだ!!
先輩と二人で誰も知らないおとぎ話の続きをブロードウェイで演じていたはずだったんだッ!!
復讐してやる、逆襲に臨んでやる!女だからって一切容赦せず残酷な天使のテーゼを聞かせてやる!
ヤってやる、殺ってやるぞ!俺はゴキゲンな蝶になって先輩とのフロンティアを取り戻すんだッ!!
あの女をヘルに葬り去るべくあの日封印した幻の必殺技バハムートシャングリラを奴の頚動脈に
「入るわよゴーたん。」
どうしたんだいハニー?さっき別れたばかりじゃないか。
「忘れ物よ、ベットの下に財布が落ちてたの。」
わざわざ届けてくれたのかい?こんな気立ての良い子に好かれるなんざ俺ぁ三国一の幸せ者だぁ。
「あ、その人形……ふふっ、それを抱いて寝るつもりなの?ゴーたん。」
へっ、俺だって本当はそのプリティな寝顔を眺めながら瞳を閉じてキミを描きたいさ。
でも寄宿舎じゃそうもいかねぇ、バレたら俺の大事な子猫ちゃんの将来を台無しにしちまうからな。
「ゴーたんが高校を卒業しても、私はもう一年あるしね。…早く二人の新生活を始めたいのに。」
おいおいそんなに焦らなくても二人の桃園は逃げたりしないぜ?
俺のエンジェルが学園を卒業するまで一年間待つさ、キミの歩幅に合わせてゆっくり進んで行こう。
俺達は禁断の果実を貪り合うエデンへの片道切符を購入したんだ、二代目アダムとイヴになろうぜ?
「うん、私ゴーたんと一緒なら何処にだって行けるよ。…じゃあ私、部屋に戻るね…また明日……」
あぁ、お休み。怖い夢を見たらすぐに俺の所へ来るんだよ怖がりなスィートベイビー?
キミが俺だけの夢を見られる様に、朝日が昇るまで耳元で愛を囁き続けてあげるから………。
205K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 14:35:31 ID:dxmHQI5n
…………………………脅かすんじゃ無ぇよ馬鹿野朗ッ!!?
ビックリしすぎてアンモニア臭漂う液体がピャッピャしたじゃねぇか!プシャァァしたじゃねぇか!
何だよアイツ!なんで数時間前とキャラ変わってんだよ!?ちょっとカワイかったじゃねぇかッ!?
ベットの四方に俺の両手足を縛り付けて踏んだり踏みにじったりしたオメェは何処に行ったんだ!?
フナ虫を見る様な冷瞳で俺の菊門を弄ったり弄り尽したりしたオメェは何処に旅立ったってんだ!?
あの変わり様、これがちまたで噂の「ツンデレ」ってやつか?
全然嬉しく無ぇよッ!ツンの部分をベットで出すなよ!?デレを出せよデレを!逆だろが普通ッ!!
……しかし危なかったな、下手すりゃこの先輩人形(着脱可)の正体がバレる所だった。
この先輩人形(穴完備)は顔のキズを取ってめがねを着ける事で若宮さん人形へと変貌するんだ。
一瞬の間に俺の器用すぎる指先がメイクアップしたから何とかクライシスを回避するコトは出来た。
だがこの秘密がバレたら骨折どころじゃ済ま無ぇ、今は隠れキリスタンとして生き続けるしかない。
毎晩先輩への敬愛と想望を祝詞に変えて窓から射し込む月光に祈りを捧げる事しか出来ないなんて…
このままじゃダメだッ!俺と先輩のメモリーズオフが遠ざかる一方じゃねぇかッ!!
こうしてる間にも先輩は下劣な武藤からの陰湿な羞辱に苦しんでいるんだ!耐え忍んでいるんだ!!
俺というナイトが迎えに来る瞬間を信じて薄暗い牢獄の中涙を流さず気丈に振舞ってるんだぞッ!?
一刻も速く現状から抜け出すんだ!エスケープするんだ!ロープに足が掛かってんだろレフリー!?
今すぐ助けに行きたいッ……でも、若宮さんに知られたら硫酸どころじゃ済ま無ぇ………。
怖い訳じゃ無ぇぞ!?ただ真正面から若宮さんを潰しに掛かろうにも弱みを握られすぎてんだ!

俺と若宮さんの間に愛は無いが肉体関係があるのは消えない事実、積み重なる後悔とトラウマ。
奪ったのか奪われたのか分かん無ぇけどヤっちまった以上俺にも責任はあるのか?いや無い。
俺は被害者だ。あの女に犯されたんだ。男女平等社会の闇の部分に喰い千切られたんだ。
今日だって結局入れさせて貰えなかったし、脱ぐどころか片乳すら見せてくれなかったのが証拠だ。
いや、もう少しで見えたんだ。俺を挑発するかの様に作務衣の隙間から双谷をさらしていたから。
首の角度さえずらせば苺ましまろを覗けたんだ。でも俺、大の字で動けなかったし。
………なに残念がってんだよ俺!?なに思い出して反応してんだよ俺のバルバロイ!!?
あれだけ酷い目に遭わされて、罵声を浴びせられて、恥ずかしい思いをあんなにしたのに………
求めてなんか無ぇぞッ!気持ちよかったけど……身体は許しても心までは触れさせ無ぇからなッ!?
この若宮さんとの間違った関係を終わらす事が出来れば俺と先輩は夢色チェイサーになれるさ!
だがあんなに屈辱的でアブノーマルな舞踏会を先輩に聞かれたら二人の未来に亀裂が走るんだぞ!?
下手に若宮さんを刺激せずに先輩の元へ帰る方法を早急に想像して創製するんだ!
頭の中の歯車がガチッと噛み合った時の俺に解けない謎なんて無ぇんだ!俺は頭がイイからな!!
206K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 14:36:08 ID:dxmHQI5n
結局一晩中考えてもナイスなアイデアは出て来なかった。
っていうか途中から数少ない若宮さんとのガチンコバリバリバリューを思い出して、
俺のグロ可愛いミュータントタートルがおっきくおっきくなってしまい、
先輩に対して申し訳ない気持ちでいっぱいの中、間欠泉が噴き上げ夜空を駆け抜けてしまった。
…先輩…先輩に会いたい……先輩に会って昨日のコトを謝りたい……昨日のコト先輩知らないけど。
二人の絆が確かなら俺が念じれば先輩は俺の前に現れるはず。……先輩…………斗貴子先輩ッ!……
「あ、剛太オハヨー。」
何でオメェなんだよッ!!?
よりにもよって武藤かよ!?一番見たく無ぇよお前の顔なんて!失せろこの糞味噌野朗ッ!!
「朝から何怒ってるんだよ?うわっ、凄いクマ出来てるぞ。」
ああ、昨日ちょっとミッドナイトシャッフルしちまってな。寝不足なだけだ。
「えーと、もしかして彼女と?」
あ?……彼女?
「ちーちゃんと付き合ってるんだろ。」
付き合って無ぇよッ!!毎日会って毎晩好き勝手ヤられてっけど付き合ってる訳じゃ無ぇよッ!!
あの子か!?先輩より胸の薄いあの子に聞いたんだな!?それは歪曲された真実だ武藤ッ!!
「違うの?みんなから最近いつも一緒にいるって聞いてるぞ?」
お前にゃ見え無ぇ透明な首輪で繋がれてんだよ!逃げようとするとご主人様に折檻されるんだよッ!
つーかみんなって何だよみんなって!?もうそんなに広まってんのかよ!?
俺らがデキてんのはお前らに取って既成事実なのかよ!?既成事実だけどもッ!!
「何だ、剛太にもやっと春が来たと思ってたのに。早く恋人作れよな。」
グオオォォォオゥゥッ!!!テメェぶっ殺すぞ武藤ぉォォッ!!
俺の真の恋人である先輩をたぶらかしローザミスティカを奪ったのはオメェだろぉぐあぁぁッ!!?
やはり何よりも優先してお前の息の根を止めておく必要が今の俺にはありそうだなぁぁぁ!!?
リミッターの外れた俺はナニするか判らんぞッ!?伝説の必殺技イズミノカミカネサダがお前の膝を

その時突然、俺の脳内で恐ろしく狡猾で秀逸なプロジェクトが重役会議を通過した。
不本意だが今先輩に一番近い人物である武藤なら若宮さん恋人説の誤解を先輩に説明出来るだろう。
そして武藤を味方に付ける事が出来れば俺、先輩、武藤の戦団創設以来最強のトリオが完成する。
いくら若宮さんが抵抗した所で屈強な錬金戦士達の圧倒的な暴力の前には為す術も無いだろう。
単純に力で押え込む。傷を付けたりはしない、ただ俺達を怒らせたらどうなるか、それを解らせる。
武藤さえ此方側に取り込めれば、このスクールランブルは俺の勝利で終結する。
207K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 14:36:45 ID:dxmHQI5n
「……剛太?何で笑ってるんだよ………気持ち悪いぞ。」
ふっ、気にすんな。ちょっと自分の才能が怖くなっただけだ。それより武藤、頼みがあるんだが。
「いいけど、早く学校行かないと遅刻するぞ。」
別に放課後でも構わないんだ、先輩に俺と若宮さんは付き合って無い事を言っといてくれないか?
「別にいいけど、剛太が直接言えばいいんじゃん。」
おいおい武藤友達だろ?察してくれよ。噂の当人が言って回るなんて恥ずかしいじゃ無ぇか、だろ?
「そっか、そうだな。分かった、斗貴子さんには俺から伝えとく。」
掛かったな武藤、その一言でお前は俺の掌の上で死ぬまで踊り続けるピエロになったんだ。
せいぜい滑稽なダンスで俺を楽しませてくれよ?
「でもさ、俺ちーちゃんは剛太のコト好きだと思うぞ。何て言うか、オーラを感じる。」
…………確かにそうかもしれん。だがな武藤、若宮さんは先輩を不幸にする邪教徒その物なんだぞ?
先輩に取ってナニが幸せなのかを考えろ。先輩の望みは何だ?俺とのロマンシング性だろう?
お前は今、先輩を幸せにする最後のチャンスを掴んだんだ。何故それを活かそうとしない?
お前は先輩に惚れてるんだろ?だったら先輩の為に頑張れよ。努力しろよ。努力してみせろよ。
いいか、自分の為だと思うな。俺と先輩の為だと思い俺に尽せ、奉仕しろ。俺を救ってみろ。
「そ、そんなに睨むなよ。ちゃんと言っとくってば。」
頼んだぜ武藤、これで先輩は至福の感涙を流すだろう。お前に取って良い方であれ悪い方であれな。
先輩、随分待たせちゃったね。でも、あの神聖なる亡失都市に、やっと俺達到着するんスよ。

冬のニセコ高原の様に顔面蒼白な先輩が弱々しい口調で俺に勘違いを詫びる。
『すまなかった剛太。何も知らぬまま、噂を鵜呑みにしてしまった。』
いいんスよ先輩、分かってくれたらいいんです。怒っちゃいませんから、そんなに謝らないで。
俺の優しさに触れ、先輩の目頭は熱くなる。だが沈んだ表情は変わらない。
『……最低だな、私は。………剛太の事を信じずに、勝手に軽蔑したりして…』
そんなに哭かなくても、そんなに自分を責めなくていいんだよ涙色のヴィーナス?
慰めようとした俺より速く、決意と躊躇が入り混じった様な先輩の懇願が飛ぶ。
『責任を、取らせてくれないか?……許して貰えるなら…剛太の望みを、何でも聞き入れる……』
ダメだよ先輩、そんなのダメだ。責任とか、償いとか、そんな事で自分を傷付けちゃいけない。
拒まれたと思い崩壊しそうな先輩の身心を引き寄せ、消えてしまわぬ様に力強く抱き締める。
おでことおでこがごっつんこ。驚く先輩に、愛情も欲望も全て隠さず打ち明ける。
そんなの抜きにして、大好きだから、愛してるから先輩の事を抱きたいと。
最高にチャーミングな笑顔が俺の網膜を焼き尽くす。二人のシルエットが重なり、そして離れる。
『…こんな幸せが、あっていいのか?……私は、夢の中に居るんじゃないのか………』
夢の中でもいいさ。こんなドリームなら何時までも見続けられる、そうだろティンカーベル?
キミが望むなら俺はピーターパンになって、キミをこの永久の世界に閉じ込めたって構わないんだ。
時代から隔離された二人だけの幽世で、いつまでも愛を慈しみ合おう。
『………来てくれ…剛太…………私を………キミだけの、物に……』
OK大丈夫、ちゃんと伝わっているさ。顔を真っ赤にしなくていいんだよ俺のリトルマーメイド?
キミが一人で泡になる事は無い。二人で一緒に、愛欲と言う名の海に溺れよう。
細くしなやかな先輩の肢体をベットに押し倒し、紅潮した耳たぶにそっと俺は息を吹き掛かった。
208K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 14:37:19 ID:dxmHQI5n
「おーい剛太ー?」
遂に俺だけに許されてる伝説が今始まる!嘆きの中希望の中命の意味を覚えてブラックハウリング!
「剛太、確りしろって剛太。」
今こそ立ち上がれ運命の戦士よ!!ギンギラギンにさりげなくその性義呼び覚ませ!命をかけて!!
「剛太!帰って来いってば剛太ッ!」
だあぁぁッ!!何だよ武藤ッ!?オメェは俺の邪魔をするのが趣味なのかよぉッ!!?
「いや、後ろ。」
ああんッ!?俺のバックを捕れるのはディルドを着けた先輩
「おはようございます中村先輩。」
イヤあぁぁァ!!?出たああぁぁぁぁァァァッ!!!
「オハヨーちーちゃん。今日はまひろ達と一緒じゃないの?」
「日直の仕事があって、少し早く先生の所に行かないといけないんです。」
嘘だッ!!俺の後を着けて来たんだ!粘着質なストーカーの如く俺の背中に張り付きヒタヒタと!!
ココは退くぞ武藤!先輩と合流して今一度迎え撃つんだ!無様でも今は逃げ体制を整えるんだッ!!
「こんな所で何を話してたんですか?」
「ああ、今聞いたんだけどちーちゃん剛太と付き合って無いんだってね。」
ムゥトオォォぉぉーーゥ!!?止めろ馬鹿それは核ミサイルのスイッチだぞぉぉォ!?
「…………………中村先輩が、そう言ったんですか……?」
「え、うん。剛太がさっき……教えてくれた………んだけ…ど…………」

この全身から流れ出る汗が夏の陽射しから来るものでは無い事くらい、俺は自分で理解している。
三人を包む沈黙。セミの鳴き声だけが五月蠅く響く開かずの森から、後戻りはもう出来ない。
怖くなんか無ぇ!ひぐらしがないてるからって怖くなんか無ぇからなッ!!
「………話しがあるわゴーたん。」
それは違うんだ、俺の話を聞いてくれないかい?おっちょこちょいなシュガシュガルーン。
ほら最近猛暑が続いただろ?それでちょっとマイコンピュータがオーバーヒートしちまったのさ。
俺がキミを手放す訳無いじゃないか。一番解っているのはキミだろ、じゃじゃ馬ドルヴァドール?
だから笑っておくれ。キミにそんな顔は似合わない、太陽を真っ直ぐに見上げる向日葵の様な笑顔が
「武藤先輩、私達今日休みます。」
ま、待ってよ若…千里ちゃん、早まっちゃいけない。もっとよく考えてから決断しよう?
今夜ベットの中でキミの上と下から流れる涙を俺が拭う為にもこの身体は大切に扱うべきだろ?
とんでもなくいいコトを全身全霊でキミのテロリシズムに……あ、スンマセン……痛ッ…や、やめ…
トーキックはやめて痛いからソコ痛いから…がッ……武藤見てないで助けろよ!?俺を救ってみろ!
冗談、冗談だって!いいコトって老人ホームでのボランティア活動の事で…ちょ……ご慈悲をッ!!
「……………何をしてるんだキミ達は。」
209K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 14:37:59 ID:dxmHQI5n
せ、先輩ッ!?どうしてこんな辺境の樹海に!?
「通学路じゃないか。おはようカズキ、昨晩は良く眠れたか?」
「オハヨー斗貴子さん。俺はよく寝れたけど、晩くまでおジャマしちゃってゴメンね。」
「いいんだ。…その……私から、誘ったのだから………」
武藤ッ!?キィサマァァァッ!再びそのロシアンラストエンペラーで先輩の稲畑をぉぉォォッ!!
「………斗貴子さん……私………私ッ!!」
え?ナニ?何で泣いてんの若…千里ちゃん?
「ど、どうした!?何かあってのか!?」
「私、中村先輩の事が好きでッ!でも、中村先輩に、たった今棄てられちゃってッ!!」
…………………ワッツ?
「す、棄てられだとッ!?どう言う事だ剛太ッ!!?」
待って先輩!?俺は基本フェミニストな上マゾだからそんな鬼畜米兵な真似出来る訳無ぇってばッ!
「中村先輩を責めないでくださいッ!私が、私が勝手に好きになって…先輩は……悪く無くて……」
な、何だ今の若宮さんの眼は?一瞬だけ俺に見せた地獄の様に深く雷光の様に鋭い覇者の眼光は!?
俺はあの眼を、何処かで見た事がある……そう遠く無い過去、俺はあの邪神の瞳を………。
「…中村先輩の命令なら何でも聞いたのに………すごく怖かったけど、必死で我慢したのにッ!」
そうだ…あの時だ。かつてたった一度だけ、若宮さんが俺より先に絶頂を迎えたあの夜に見たんだ。

俺の上で跳ね廻りそのまま達した若宮さんは荒い吐息を俺の首筋に掛ける様な体勢で動かなかった。
例の如く拘束されていた俺は刺さりっぱだわフタコブ山が当ってるわの状況に混乱し興奮していた。
可能な限り身体を動かし首を横に向ける、映り込む若宮さんの艶めいた赤ら顔。
その瞬間、俺の中でなにかが弾けた。って言うか息子が弾けた。ヤベェ!!な、膣内にッ!!?
ゆっくり瞼を開き俺の目を覗き込む若宮さん。まどろむ様な瞳が段々と色を変え俺を凍り付かせる。
その後はもう土下座だ。ただひたすらに土下座だ。ひたいの骨が剥き出るほどに。
若宮さんの脚を舐めて、子供が出来たら責任を取るという血判状を書き挙げて何とか俺は赦された。
だが罰として衣服を全て剥ぎ取られ、国家が推奨するクールビズを強制的に体験させられた上に
「全裸のまま自分の部屋まで戻りなさい。」
と命ぜられ不覚にもゾクゾクしながら見上げた満天の星空がとてもキレイだったあの夜に見たんだ。
そう、あの時の眼と同じなんだ。俺に罰を与える時と同じ、冷徹なエクスキューショナーの眼と…。

「…………剛太、貴様と云う醜男はぁぁッ!」
若宮さんは、俺の産まれ持っての頑丈さと核鉄の治癒力が合さった脅威的な生命力を知っている。
「斗、斗貴子さん!?落ち着いてよ、チキンの剛太にそんなコトする度胸は無いって!」
「止めるなカズキッ!!か弱い乙女の聖少女領域を穢す様な下郎はこの世には要らんッ!!」
惚れた弱味で、俺が先輩になにをされても反撃出来ない事も知っている。
「楽には死なせんぞッ!己の愚行を後悔しながら生死の境を彷徨い続けるがいいッ!!」
先輩を彼方側に取られた今、俺がこのランブルローズを制する確率は、ゼロ。
「睾丸をぉ!ブチ撒けろぉぉぉォォーーーッ!!!」

………へへッ、身体の感覚が無くなってから随分経っちまいやがった。こいつぁもう無理そうだ。
しかし、俺もとんでも無ぇアバズレに惚れられちまったモンだ。色男は辛ぇなぁオイ。
自分で勝てなきゃ他人を使う、か。人の振り見てナンとやらってか?笑え無ぇジョークだぜ。
眼の前が霞む。何だか、暖かくなって来やがったぞ………いよいよ、お迎えか。
でも…先輩の手で殺されたのなら、満足かもな。……愛する人に、死を看取って貰ぇたんだ。
……クソッタレ!っんな訳無ぇだろ!?先輩は、俺を殺した事を一生後悔して生きるんだぞッ!?
俺はもう、先輩を慰めてやれ無ぇ!先輩の傍にいる事すら出来無ぇんだ!!クソッ!クソォォッ!!
…………あの女……あの女さえいなけりゃ……こんなコトには…………ッ!!
恨んでやる……あの世で呪ってやるッ!!あの女、あの女絶対ぇ許さ無ぇェッ!!!
210K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 14:38:35 ID:dxmHQI5n
こ、此処はドコだ?…俺は、死んだんじゃ無ぇのか?
何だ?このドでかい扉は。…………うおぉッ!!?誰だアンタッ!?何時からソコにいた!?
………イズコ?アンタの名前か。………怨みの門?……何だそりゃ?
イズコと名乗る女(割と美人)は俺が魂だけの存在になったと告げた。
そしてイズコ(先輩並みに貧乳)は三つの選択を俺に突き付けた。
天国に逝くコト。幽霊になるコト。そして、誰かを呪い殺すコト。
俺は歓喜に打ち震えた。何故なら、あの女を呪い殺せるんだ。全ての元凶である、あの女を…………

……なにを、迷っているんだ?アイツさえ……あの女さえ………いなけりゃ……………。
は、ははッ………ドラマみたいだぜ…………死んでから、気付くなんて…………。
思い出してみろよ?あの子は、本気で俺を苦しめようなんて、そんな事考えて無かったじゃねぇか。
……ただ、俺に喜んで貰おうと………振り向いて貰おうと…………必死、だったんだ…………。
ゴメン、ゴメンよ。俺、本当はキミに惹かれてたんだ。若宮さん……いや、千里…ちゃん。
今更解っても……もう、遅ぇのにな?せめて、千里ちゃんの為に、俺が最後に出来る事を…………。
イズコ(多分処女)、決めたぞ。俺の、俺の逝くべき道は━━━━━


その時、空間を超越して乱入して来た千里ちゃんがイズコ(凄ぇ顔してた)を殴り倒した。
俺の襟首を掴みまた空間を無視して光速で寄宿舎の自室まで俺を連れ帰ってベットに押し倒した。
片乳を見せる事で完全勃起させた俺のルーザーを老獪なテクニックを駆使して約8秒で締め倒した。
「殺したって死なせない」とか訳分からんコト言いながら何かもう出なくなるまで俺を攻め倒した。

こうして俺は救われた。
                             第一話 LIGHTNING SPIRAL  完
211K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/08/08(火) 15:13:04 ID:dxmHQI5n
また訂正だよちくしょう

>>209「ど、どうした!?何かあってのか!?」
   「ど、どうした!?何かあったのか!?」
                       です。
やっぱ剛太は書きやすいなぁ。
212名無しさん@ピンキー:2006/08/08(火) 19:40:37 ID:uruacZL0
(゜д゜)
213名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 11:40:53 ID:v2YWkXDb
まぁ、なにはともあれ、ご愁傷様。
剛太、もういいかげん斗貴子さんはあきらめろ。

>>212
こっち見んなw
214名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 12:53:28 ID:xi1jEGjt
>>213
いや見てないと思う。
そっちを見るというのは










( ゚д゚ )

こうだ
215名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 14:21:41 ID:WCXdpk++
うーん、面白かった。かなり大爆笑。(冷めた目)
216名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 15:31:46 ID:iBjIwvhw
おまいらみんなエッチだな!
もちろん俺もだがな!
217名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 17:14:33 ID:EBa5+N6s
ちーちんはこんな子じゃないやい!
218名無しさん@ピンキー:2006/08/09(水) 23:51:18 ID:73wjwrvN
シリアスとギャグ、それぞれのちーちんの対比が楽しいんだよw
219名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 15:27:19 ID:SMmzY8KM
>ビックリしすぎてアンモニア臭漂う液体がピャッピャしたじゃねぇか!プシャァァしたじゃねぇか!

もう哀れすぎるよゴウタン…きっと失禁した姿も隠しカメラで抑えられてるよ…
220名無しさん@ピンキー:2006/08/11(金) 17:59:52 ID:fSWzoHKh
一回上に行きましょう
221名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 14:39:56 ID:LgBLShpJ
千歳さんメス豚モードはまだですか
222名無しさん@ピンキー:2006/08/12(土) 21:01:58 ID:KTZzBpxp
個人的にメスブタよりメスネコの方がしっくりくる
223名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 02:07:19 ID:qNRISQk4
>>222
自分から絡み付いて来るくせに、油断すると爪が…てな感じか?
224名無しさん@ピンキー:2006/08/15(火) 13:40:38 ID:xwN1ncCS
>>222
いつもはすましてるけど、ベットの上では積極的とか
225名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 15:03:25 ID:4nm8cN2O
どっちにしろ、発情期になると手がつけられないってことでおK?
226名無しさん@ピンキー:2006/08/16(水) 21:02:36 ID:9GYXNY4G
>>225
ブラボーは手をつけてるだろうけどな
227名無しさん@ピンキー:2006/08/18(金) 16:19:48 ID:AJaekwt/
うまいな
228名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 02:10:45 ID:7hkpJXBG
でもブラボーも油断すると…
229救済 ◆Tt.7EwEi.. :2006/08/20(日) 08:21:16 ID:3Fzt9bmH
猟奇スレに『水まっぴー』の続き(完結)を投下したよ(゚∀゚)アヒャ
230名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 13:33:04 ID:sWe2kCYb
>>229
乙です
231名無しさん@ピンキー:2006/08/20(日) 20:53:02 ID:cw4zoiHm
グロじゃないまっぴーのエロはげしく希望
232名無しさん@ピンキー:2006/08/23(水) 08:22:57 ID:pAAGyI+N
233名無しさん@ピンキー:2006/08/28(月) 01:28:37 ID:AdoiCyKl
保守しとこう
234名無しさん@ピンキー:2006/08/29(火) 22:03:08 ID:x9ZtSK4O
ほす
235名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 00:44:15 ID:FoDYA7n1
  、、、、
 ミ・д・ミ<ほっしゅ
  """"
236名無しさん@ピンキー:2006/08/31(木) 23:24:18 ID:SfRkhSVE
K-ness.氏急に来なくなったな…
折角早い、巧い、エロイの三拍子揃ったネ申職人が定着したと思ってたのに…
237名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 12:48:48 ID:i0DoMpvP
>>236
早いって言うなよ。せめて「筆が」をつけろ
238名無しさん@ピンキー:2006/09/02(土) 20:40:52 ID:X01e9oKa
早いのは剛太のほうだろ
239K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:03:52 ID:SN6C+Q20
アタイの為に争わないでッ!!
って言うかゴメン、最近ちょっとゴタゴタしててSS書く時間が無いんだ。
とりあえずギャグ落としとくけど次に来れるのはかなり先だと思う。
でも必ず帰って来るから!帰って来てシリアスとかも書くから!!
だからアタイを忘れないでッ!アタイッ…アタイあんたが居ないとダメなのぉ!!
240K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:04:23 ID:SN6C+Q20
あのさ、オメェ俺にナンか言うべき事があんだろ?なぁ武藤。
分かるべ?分かってんだべお前?目ぇ逸らすな。俺の眼を見ろ。
しゃーねぇよな、何時までも過ぎちまったコトをグチグチ言ってもよぉ。時間は戻せ無ぇんだしな。
あッ?いいってんなコト、言い訳は聞きたか無ぇよ。世の中結果が全てだろ、だから目ぇ逸らすな。
何つーの、お前に悪気が無かったって事ぁ理解してんだよ。俺だってもうガキじゃ無ぇんだし。
でもよ、あの場合原因はやっぱお前だろ?お前が軽口叩かなけりゃあんな悲劇起こっちゃ無ぇだろ?
お前の一言が切っ掛けで絢爛豪華な惨劇が始まっちまったなぁ事実じゃねぇか、そうだべよ武藤。
なのにお前は謝罪も無しか?チビっ子でも言えるゴメンナサイをド忘れする程のアホっ子か武藤は?
凄ぇ痛かったんだぞ?血ぃやらナンやら飛び出すわはみ出るわしたんだぞ?何かちょっと死んだし。
ほら気持ち?自分が悪かったっつー気持ちが伝わっちゃ来ねぇんだよな。武藤よ、誠意って何かね。
……………オメェ今、俺のコトうぜぇと思っただろ。
思ったよな、今一瞬何だコイツって目で俺を見たよな?あぁ違う違う、怒ってる訳じゃ無ぇって。
だから言ってみ?正直にどう思ったか言葉にして語ってみ?目ぇ逸らすなっつってんだらぁがッ!!
うぜぇんだろ!?分ぁるよ俺さっきから蝶うぜぇんだろ!?便器にへばり付く陰毛ぐらいによぉ!!
でもなぁ陰毛だって一生懸命生きてんだよ!散っても散っても新たな命を精一杯創り出すんだよ!!
それを何だお前は!陰毛ってだけで俺を見下すのか!?って違う!!俺は陰毛なんかじゃ無ぇッ!!
俺を殺しかけた上にチン毛呼ぶぁりか!?俺よりMr.BIGだからって取巻き呼ぶぁりかッ!!?
お前が望むならココで決着を着けてもイイんだぞクソファッキンガッデムクレイジージャップッ!!
オラ掛かって来いよ!怖ぇか?怖ぇんか!?ビビってんじゃ無ぇぞおくびょうなカーレッジくん!?
何だそのばっちいモノを眺める様な軽蔑の眼差しはッ!?俺は不憫な子なんかじゃ無いッ!!!

…あぁ済まねぇ、もう落ち着いた。ちょっとラバウルで傭兵やってた頃の血が咆いじまっただけだ。
………いや、いいって。本当にもう怒っちゃいねぇよ。こっちこそいきなり怒鳴って悪かったな。
あの失言は俺のオホーツク海並みに広大で深厚な恩情で赦してやる、感謝しろ。敬え。俺を崇めろ。
で、その代わりって訳じゃ無ぇんだけどよ、頼みっつーか協力して欲しいコトが一個あんだよ。
先に言っとくがお前に拒否権は無いからな。俺がキズモノになったのはお前の責任なんだからな。
お前がもっと確り止めに入ってれば先輩の両手は、もとい両足は血(俺の)に染まらずに済んだんだ。
だからお前が悪い。九割方お前が悪い。ちなみに残り一割は先輩じゃ無ぇぞ千里ちゃんだ。
…呼び方?べッ、別に深い意味は無ぇぞ!何て呼ぼうが俺の自由だろうが民主主義社会ナメんなッ!
てかお前この変化を先輩に喋ったりすんなよ!?絶対ぇ洩らすなよ!お願いだから言わないでぇ!!
俺が先輩以外のオンナの子を下の名前で呼んでるなんて事がバレたら今度こそ先輩に滅殺されるッ!
ほら先輩って意外と独占欲強ぇじゃんよ?よそ見をするのはやめてよ私が誰よりいちばんじゃんよ?
その愛らしいほっぺをハリセンボンの様にプックゥーと膨らませる程度のヤキモチなら大歓迎さ。
だが浮気が発覚した途端に刺されるなんざぁマーチやらオーケストラやら某行軍歌だけで十分だ。
今回俺を灰にしかけたのだって、俺と千里ちゃんの間にナニかあってんじゃねえかって嫉妬からだ。
俺を自分だけのモノにしたいと願う乙女のポリシーを暴走させた先輩が起した理由無き反乱なんだ。
だから先輩は俺の事を嫌っていない。むしろ好きだ。愛してるんだ。AIが止まらないんだ。
解るんだ。不思議と解るんだ。先輩のコトなら何だって解るんだマジで。俺には超能力があるんだ。
先輩が俺との血族を残す気満々なのだってお見通しだ。目を瞑れば勝手にビジョンが浮かぶからな。
先輩はヤる気満々なんだ。……マンマンなんだ………それなのに俺は……俺は……どうして…………
241K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:05:00 ID:SN6C+Q20
………何だよ武藤?……自分は何をすればいいのか?悪ぃ、まだ話してなかったな。
そうだな、まずコレだけは絶対ぇ忘れんな。このプロジェクト"G"のキーパーソンは武藤、お前だ。
俺に劣るとは言えお前も錬金の戦士、あの激しい戦火を潜り抜けて来た影の実力者ってヤツだ。
そんなお前だからこそ、この過酷な任務を任せられるんだ。戦友である俺を失望させんなよ武藤?
あと……今回のオペレーションは極秘中の極秘、他言無用なハイブリティシークレットってヤツだ。
この前と同様に天然丸出しで迂闊にも口を滑らせたその時は……分かってんよな武藤?
今度ばかりはうっかりミステイクじゃ済まされ無ぇ、お前だって俺の本気を体感したくは無ぇだろ。
お口にチャックだぜ?お前が同じ過ちを二度も犯すこまったちゃんじゃ無ぇコトを信じてるからな。
そんじゃ改めてお前の役割を説明する、耳の穴ダンボにして一言一句逃さず聴きやがれ。


皆、良く此処迄生き延びた。これがラストミッションだ、最後に我等妖精帝國の意地を見せ様ぞ。
では、現時刻を持ち作戦名『自分探しのルフラン』開始を宣言する。……諸君、地獄で再び逢おう。
「あ、うん。行って来る。」
軽ぃなお前!ホント計画通りやってくれよ!?お前の働き次第で大きく戦況が変わるんだからな!
「だから一日中ずっと斗貴子さんと一緒に居ればいいんだろ?」
あくまでも足止めだからな!俺に会いたがる先輩を夜になる迄引き離すのがお前の役目だからな!?
毎日俺の美顔を見るのを日課としてる先輩の事だ、俺の姿が何処にも無いのに気付き不審に思う筈。
俺の身にナニかあったんじゃないかと戸惑い、不安はやがて疑心暗鬼へと変貌を遂げてしまうんだ。
焦った先輩は取り乱しながら二人か三人ぐらい殺す勢いで俺を探し求めるんだ。本能に身を任せ。
そこでお前の出番だ武藤。俺の無事を報せ先輩を落ち着かせて、数時間だけ俺との接触を阻むんだ。
「分かってるってば、片時も斗貴子さんから離れない。」
何だその一心同体宣言ッ!?お前絶対ぇ先輩に手ぇ出すんじゃ無ぇぞ!柔肌に触れるんじゃ無ぇぞ!
少しでも先輩にセクシャルハラスメンタルな事してみろ!俺の身体が俺の意志とは関係無く動くぞ!
自我を解き放ちアドレナリンを垂流しにした俺の神懸り的なアタックコンボでお前のライフゲージを
「それで結局俺が斗貴子さんと居る間に剛太は何をするんだ?」
いやぁそれにしたって今日もおっとどっこい日本晴れだなぁ武藤?悪意すら感じる程の暑さだぜ。
「いやだから、この後剛太はどうする…」
ヘイ、サン!何がそんなにオマエを熱くさせるんだい!?オマエも誰かに恋心を懐いてるのかい!?
情熱だけじゃ愛しのあの娘は落とせないんだぜ兄弟、時にはクールな顔をして男と女のラブゲームを
「………分かったよ、聞かなきゃいいんだろ。じゃあ俺は行くからな、また後で。」
恋なんてタイミングさ、だがオマエも俺もその感覚ってヤツを何時迄経っても掴め無ぇから聖杯が…

……ふぅ、どうやら行ったみてぇだな。アイツと一緒ってだけで常にヒヤヒヤ物だぜ、ったくよぉ。
取り敢えずコレで先輩へのジェラシー対策はパーペキだろう、武藤に任せるってのは癪だがな。
本当は武藤の力なんか借りたく無ぇんだ。武藤は先輩に害を及す蛆虫だからな。ゴキブリだからな。
だが背に腹は変えられねぇ、もう切羽詰まってんだ。今この瞬間も刻は残酷に流れてんだ。
ってもあの愚低民はブリキの脳味噌だからな、ナニも考えず俺が言った通りに行動してくれる筈だ。
アイツを捨て駒にするコトで俺は自分の使命を果たせる。せいぜい骨の髄まで利用させて貰うぜ。
己のノータリン加減を恨むんだな武藤、お前は無自覚の侭俺のラブフューチャーへの糧と成るんだ。
全部終わったら角砂糖でもくれてやる、だから俺の為に一生懸命務めろ。頑張れ。俺を救ってみろ。
おっと、こうしちゃいられねぇ。俺もマイアクションをクイックネスにレッツビギンだぜ。
242K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:06:01 ID:SN6C+Q20
……目標捕捉………どうやら昨日聞いた三人娘でのお出かけは変更無く行われる模様だな……。
さぁココからが勝負だぜ、五感を研ぎ澄まし集中力を高めターゲットの追跡に全神経を注ぐんだ。
目的は遠くから千里ちゃんを眺め、暗がりの中見せる狂気を含んだ乱り顔以外の表情を知るコトだ。
よし行くぞ、隠密顔負けのステップワークで気配を消し千里ちゃん達三人の後方で息を潜めるんだ。
落ち着けよ俺。あの子等に気付かれたらゲームオーバーだ、コンティニューが無ぇコトを忘れんな。
商店街に向かうのか?好都合だぜ、人ゴミに紛れ都会に身を隠せば尾行もスムーズに出来るだろう。
フッ、勝利の女神は俺に微笑んでる様だぜ。慎重に行けばバレる事ぁ無ぇ、一撃でクリアーだ。
……楽しそうにお喋りしているが、流石にこの距離じゃ会話の内容までは聞こえて来無ぇな。
まあいい、これ以上近づくのはキケンだ。一定の間隔を保ちながら後姿を視るだけでも十分だろう。
………こう、改めて見るとやっぱ普通の女の子だよなぁ………ぶっちゃけ、かなり可愛いと思うし。
でもあの子は夜が来ると飢えた獣の様に俺の身体と言うどうぶつの森+を不逞な迄に蹂躙するんだ。
月が闇を照らすとき冬の狼が爪牙で獲物を捕えるかの如き勢いで怒りの獣神もののけ姫と化すんだ。
……何だかやけに背中の引っ掻き傷が疼きやがるぜ、昨晩珍しくピット・インさせて貰えたからか?
どうやら八回も寸止めを喰らいながらも挿入に漕ぎ着けた瞬間の感動を身体が記憶している様だぜ。
……凄ぇよかった、心底気持ちよかったんだ………あんなに……あんなに嫌だった筈なのに…………

初めの頃は絶望感さえ感じていた千里ちゃんに拠る凌辱劇、俺が服従を誓う迄行われる無観客試合。
毎夜毎晩繰り返されるデザイアカーニバルは過激の一途を辿り濁流の様に俺を呑み込んで行った。
終演を迎え無い情慾の日々、だがそれは俺との絆を繋ぎ止める為に少女が考案した苦肉の策だった。
あの子は純粋に俺を愛している。俺の消失こそが何よりの恐怖、故に肉体と精神を俺に捧げ続ける。
正しく無い行為だとしても俺と二人だけの秘事を共有したい、自分を傷付けてでも俺の傍に居たい。
そんな千里ちゃんの気持ちを、俺は無下にしたくは無い。千里ちゃんの想いに、応えてあげたい。
しかし俺には先輩が居る。ただひたすら健気に俺の帰りを待ち続けている大切な婚約者が居る。
俺の中で千里ちゃんと云う存在が拡大してるのは事実、でも俺には先輩を裏切る事なんて出来無い。
そうさ俺は二人の女性を同時に愛してしまった愚かなジプシー、道徳に背いた哀憐なる放浪民族。
ヘイ、ゴット!教えてくれ!何故アンタは運命の紅い糸を二本も俺の小指に括り付やがったんだ!?
ちゃめっ気だったら掠りもして無ぇぞゴラァ!!例え神サマが相手でもあの二人の為なら俺は究極の
ってヤベッ!見失っちまう!?余計なコト考えずにコンセントレーション維持しとけや俺ぇッ!!

…彼此一時間以上後を付けている訳だが、俺は千里ちゃんの魅力を見誤ってたんじゃ無ぇだろうか?
友人に見せる飾り気の無い天真爛漫な笑顔にもうノックアウト寸前。むしろ沈んだ好きだ大好きだ。
先輩一筋の俺をこうもあっさり堕とすなんて、やはり俺に取っての運命のキミは千里ちゃんなのか?
いや待て、いくらなんでもこの段階で決め付けるのは時期尚早なスピードグラファーってヤツだ。
何故こんな世知辛く渇き切ったビルの谷間で休日すら返上して特命リサーチに邁進してんだ?
それは不可知なる物を学ぶ為、まだ見ぬあの子の一面を捉える為にみつめてナイトをやってんだろ。
もっと千里ちゃんの事を良く知りてぇから影に潜みお前を盾にしてんじゃねぇか、そうだろ電信柱?
俺が本当に愛してるのは先輩なのか千里ちゃんなのか…難解なミステリーを抱えちまったモンだぜ。
…しかし俺ぁ随分と変わっちまったな、一昔前の俺ならノーシンキングで先輩を選んでた筈なのに。
ゴメンよ先輩、何時迄も俺がハッキリしないから今日だって寂しい思いをさせてるんだよね。
でも俺の心に千里ちゃんが介入して来て、フィフティフィフティ状態の侭決意出来ずにいるんだ。
もちろん今でも飽きれる程にそうさ傍に居てあげたい、小さなその胸エンジェルハートに戻りたい。
だが俺のボディは肌と肌とのぶつかり合いを、千里ちゃんとのブルージェンダーを記憶しちまった。
段々と積極的な千里ちゃんに惹かれていく俺、恋愛に対し消極的な先輩を幸せにしたいと願う俺。
二つのペルソナを身に纏いながら俺は途方に暮れている。俺の終着地点は一体何処なんだ………。
243K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:06:58 ID:SN6C+Q20
ん?今一瞬あの三人の中で一番貧相な身体をしている…沙織ちゃん?がこっちを見なかったか……。
気の所為だよな、あの恐ろしく鋭い勘を持つ千里ちゃんが武藤の妹と一緒にはしゃいでる位だし。
それにしてもマキシマムパワーで遊んでんな、通りすがりのサラリーマンが引いてらっしゃるぞ。
特に千里ちゃんだ。昨日もあんだけ俺の上でロデオボーイったのに何であんなにゲンキ百倍なんだ?
女子高生のポテンシャルってヤツぁ侮れ無ぇな、恐らくアレで一晩分のスタミナを残してあるんだ。
まぁでも連日のはりもぐハーリーで疲れが溜まってるだろうからな、今夜は抑え気味に五発程度で…
………な、何で俺はこれ程重要で驚愕な真理を今迄認識せずに見過ごして来たってんだ?
もう既に千里ちゃんとのトレイントレインは生活リズムの一部として組み込まれてんじゃねぇか!?
星屑の下で千里ちゃんの思うまま我がままにファラウェイされんのを心待ちにしてんじゃねぇか!?
俺の身体は千里ちゃん無しじゃ存在出来無くなってる!世界が終るまでは離れる事もなくなってる!
俺は…何時に間にか蜘蛛の巣に引っ掛かってたんだ……ハングリースパイダーに捕食されてたんだ。
千里ちゃんはいいさ、俺と永遠のドリーマーになれるんだからな。ドリームズカムトゥルーだろう。
だが先輩はどうなる?先輩に安らぎを与えられんのは孤独なんかじゃ無ぇ、俺の愛情だけなのに…。
そして何より怖ぇのは、このスったモンだが先輩の耳に届いたりしたら……想像したくも無ぇが……
そうもし仮に先輩が俺と千里ちゃんの徒ならぬプロミスを知ったらどうなってしまうのだろうか。
244K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:07:43 ID:SN6C+Q20
激昂から飢えたハイエナの様に眼球を血走らせた先輩の怒鳴り声が室内に響き渡る。
「質問に答えろ剛太ッ!!キミ達二人は一体どう言う関係なんだ!?」
俺に怒号を浴びせながらも、先輩の目線は俺の右隣で妖艶な笑みを浮べる千里ちゃんから離れない。
「私とゴーたんは恋人同士です。とっても親密な間柄なんですよ、斗貴子さん?」
だが千里ちゃんは先輩の眼光に臆する事無く俺の腰にしがみ付き、俺を自らの所有物だと誇示する。
「沙織から何も聞いて無いんですか?私達卒業したら籍を入れるんです。ゴールインするんです。」
「そんなッ!?信じないぞ私は!!お願いだ剛太!嘘では嫌好きと言って純潔のくちびるでッ!!」
悲鳴に近い先輩の絶叫。俯き何も返さ無い俺を目の当たりにして、先輩の全身から力が抜けて行く。
先輩の様子と俺の表情を見詰め、千里ちゃんは何かを決意した様に強い口調で先輩を責め立てる。
「兎に角、これ以上私達彼氏彼女の事情に首を挿むのは止めてください。
 他人にとやかく言われる筋合いは無いんです、こんなコトだって自然に出来る仲なんですから。」
そう吐き棄て千里ちゃんはズボン越しに俺のゲットワイルドを慣れた手付きでこねくり回し始める。
「や、止めなさい破廉恥な!!人前でそんなコトッ…キミも抵抗しないか剛太ッ!?」
予想外の状況に声が上擦る先輩。そんな先輩を勝ち誇った様に眺めながら千里ちゃんは掌を動かす。
先輩に見られてる羞恥も手伝ってか、俺のめっけモンは熱の帯びグリーエンへと加速し続ける。
そして俺の性感帯を熟知してる千里ちゃんの指捌きでビックモスはアグレッシブモードへ移行した。
「フフ…ほら、私と気持ち良くなりたいってこんなパンパンに腫れ上がってる……。
 これで解ったでしょう?ゴーたんが求めているのは私。私が相手だからこんなになるんですよ?」
唖然と立ち尽くしていた先輩だが、挑発とも取れるその言葉に眉を顰め大声で反論し始める。
「そんな事は無いッ!私だって剛太を悦ばせられる筈だ!……私だって…私も、剛太のコトがッ!」
「ゴーたんは渡しませんッ!いくら斗貴子さんでも、これだけは譲れ無いんですッ!!」
木霊が止み、静寂と重苦しい酸素だけが沈澱する一室。二人は睨み合った侭微動だにしない。
不意に千里ちゃんが俺から離れ、険しい形相でガンを飛ばす先輩の方向に歩み寄って行く。
「……こうしませんか?私と斗貴子さん、どっちが彼に相応しいか、彼自身に決めて貰うんです。」
言葉の意味が理解出来ず真意を問おうとした先輩を、千里ちゃんは強引に俺のベットへ押し倒した。
「何をするんだ!?そこを退きなさいッ!コ、コラッ!?何処を触って!?や、止めてッ!!?」
千里ちゃんは先輩の上に圧し掛かると、短いスカートに手を入れ下着を剥ぎ取ると言う暴挙に出た。
「身体の相性が良いのは何方か、確かめて貰うんです。ゴーたんもこの侭じゃ辛いでしょうし……」
自らもショーツを脱ぎ捨てる千里ちゃん。先輩は顔を真紅に染め千里ちゃんに常識を諭そうとする。
「自分が何を言ってるか分かってるのかッ!?身を重ねると言うコトはとても重要で簡単な事では」
「私には自信が有ります!私がゴーたんの一番なんです…誰にも……斗貴子さんにも負けません!」
美しく繊細に作られたガラス細工程、脆く壊れやすい物は無い。
「…私だって…負けんッ!私はもう何年も剛太を想い続けているんだ、この恋が…叶うのなら……」
とても微弱な衝撃で、硝子の靡風は崩れ落ちてしまう。
「……剛太…………キミが私を、選んでくれるのなら……私は………どんなコトだって………」
仰向けの先輩は潤んだ瞳で俺の双眼を眺めながら、より一層大きく脚を開き切願の意志を示す。
「ゴぉーたぁん………はやくぅ……いつもみたいにしてぇ……オチンチンしてぇぇ………」
俯せの千里ちゃんは顔だけを此方側に向け、桃尻を突き上げ左右に腰を振り懇願して魅せる。
錯乱する感情の中淫欲に負けた俺は、ただ貪汚な本能に身を任せ少女達の恥丘に躙り寄って行った。
245K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:08:23 ID:SN6C+Q20
遂に俺のライジングソウルが二人のマンホールにイングリモングリ潜入調査!まんッ!掘ーるッ!!
イきヌく者の定めよ死に行くモノの定めよ!脈打つ維新の風と散って護国の戦花ビラ咲き誇れッ!!
バ、バァ、バーニングプレッシャャァーーーーッ!!……あ?…あ、ああッ!!ちょっと出てるッ!
いけねぇ…俺とした事がまた心のシュピーゲルが映し出すイリュージョンに閉じ込められちまった。
………し、しかしこの発想は無かったぜ。1+1がインフィニティなこの世の天国、学園ヘブン!
青少年の憧れ誰もが夢見る心の小宇宙(コスモ)ペガサス幻想!吹き荒れる嵐メンオブデスティニー!
例え俗世から隔離され脱出不可能常態な迷宮のプリズナーであろうとも僕の地獄に音楽は絶えない!
国が一夫多妻を認めなくたって構わねぇ!本人達が幸せなら世論なんざぁ二階の窓から投げ捨てろ!
ほどばしる熱いパトスはもう誰にも止められ無ぇんだッ!!あぁんもう二人共愛してるぜベイベ☆☆
つまり俺はわんぱくでも逞しくトリニティブラット始動へのムーブメントを起こすべきなんだな!?
そうすりゃ二匹のムンムラプッシーキャットが俺のホットミルクを奪い合いせめぎ合うんだなッ!?
よぅし!そうと決まれば早速ファラオのように淫らな匂ひを侍らせて姫胡桃の熱い歓びをこの手に…

んあ?何だアンタ達……警察?……話しがある?悪いが後にしてくれ、俺は今多忙を極めてるんだ。
……しつけぇな!国家権力にしっぽを振るワンちゃんがこの俺に何の用だってんだよ!?ええッ!!
………ストーカー?……ナニを言ってるんだアンタ。はぁ?通報があったって、どちら様から………
こっち見てる。何か凄ぇ俺を見てる。睨む様な眼付きで唯ひたすらに俺の方をウォッチングしてる。
惨めな胸をしたお嬢さんが惚れてんじゃねぇかって位俺の事を凝視してる。視姦と勘違いする程に。
視線が合ったからって後退るな!恐れるな!誇りを捨てるな!!チクショウ間違い無ぇあの子だッ!
またあの子がヤらかしやがった!一度ならず二度迄もトラブルチョコレートを持ち込みやがったッ!
オイ警官!やっぱ俺はナンもして無ぇぞ無罪確定だ!自意識過剰なあの子の妄言に惑わされんな!
……犯人はみんなそう言う?違ぇよ俺は潔白なんだってッ!アンタそりゃ見込み捜査ってヤツで……
署までご同行だぁ!?冗談じゃ無ぇ!おい止めろ触んな!肩を掴むな!ドント・タッチ・ミーッ!!
俺の自由を奪えるのは先輩と千里ちゃんだけだ!アンタは二択に含まれちゃいねぇぞポリスメン!?
「あれ、剛太じゃん。もう用事は済んだ……え、お巡りさん?………え?いや、ナニこの状況?」
おおッ武藤!?丁度イイ所に来てくれた!見ての通り俺がピンチで危機的状況だ!俺を救ってみろ!
つーかお前今どっから出てきたんだ?………ホテル・カリフォルニア?む、武藤……お前、まさか…
「どうしたカズキ、何をそんなに慌てている?」
読めてたオチだけど武藤ォォぉーーッ!!あんだけ釘を刺しといたってのにキサマはぁぁぁッ!!?
俺の信頼を最悪な形でブチ壊してくれたな武藤!?よくも先輩をその天井知らずな獣性の毒牙にッ!
先輩を辱めたお前の業は万死に値するッ!直ちに若さ故の過ちを月に変わってお仕置きしてやらぁ!
俺の忠告を無視し先輩をモーテルに連れ込んだ重罪を冥府の底で号泣しながら懺悔するがいいッ!!
…ああ!?何だよ邪魔すんな!俺達の血税で働く犬っころが…暴力行為!?これは正義の鉄槌だ!!
俺は法に変わりそこに居る諸悪の根源を葬り去るんだ!守るべき未来と愛を信じて永遠へ!永遠へ!
だからゴチャゴチャ言ってねぇで速やかにこの場から撤退しやがれ不誠実な税金ドロボーが………
所で先程からアンタの後ろで柔軟体操してるアドンとサムソンみたいなスキンヘッズは何者なんだ?
何て威圧感を醸し出してんだ……いやいや身を乗り出すなよ……こっち来んな!胸板を動かすなッ!
テメー等何するつもりだ!?増援呼んで迄……痛て!痛てて!た、たんまストップブレイキング!!
痛ぇっつてんだろ!?間接、間接が!卑怯だぞコノヤロウ俺一人にこんな大勢で!恥を知れ恥をッ!
オマエ等は小さなお子様達の憧れ弱者を救う鋼のメシア、夢のヒーローだった筈じゃねぇのか!?
それにお得意の民事不介入はどうした!?これは俺達ティーンエイジャーの次世代闘争なんだぞッ!
ロートルは下手にしゃしゃり出ず縁側で茶ぁでも啜ってりゃいいんだ!解ったらさっさと俺を解放…
ちょ、ちょっと待ってそんなムリヤリ!ひゃッ!?ヤぁぁ!ら、らめぇぇ!らめなのぉぉぉォッ!!
246K-ness. ◆qKu5lM5bao :2006/09/03(日) 01:09:25 ID:SN6C+Q20

…………あ、ブラボー戦士長ッ!!来てくれたんスね!?おつかれサマですッ!!
……あの、怒っておられますか?違うんスよ、俺は無実なんです。コレは誤認逮捕なんです。
無能な国家公務員共がまた一つ冤罪を作り上げたんです。加害者どころか被害者なんスよ、俺は。
俺が犯罪なんて無様な真似をする訳……濡れ衣だった自分で何とかしろ?それは…そうっスけど。
俺も次期戦士長候補と噂される戦団のエースですからその気になりゃあんなヤツ等瞬殺ですよ瞬殺。
でもアイツ等…言う事聞かないともっと酷い目に遭わせるって……いやらしい眼付きで俺の身体を…
……あの蛮族共は何て言ってるんスか?何時迄俺をこんな所に拘束してるつもりなんスかね?
………ええ、はい……じゃ俺はお家に帰れるんっスね!?ラブリーエンジェルズの待つ我が家にッ!
そんじゃ早速バミューダトライアングルな楽園で先輩に癒され千里ちゃんからは刺激を……戦士長?
……ナニか言うべき事があるだろ?そ、そうっスね、ワザワザご足労頂いたってのに。えーっと……

俺を救ってみろ。
                               第二話 FLASH BASK  完
247名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 01:27:26 ID:fxAYK1Vc
だから剛太よ妄想はよそでやれ…ハァ…。もういい。俺は知らん。
248名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 10:08:25 ID:LtlZmpcy
GJ!
恐ろしくちりばめられている元ネタたちにも敬意を。
249名無しさん@ピンキー:2006/09/03(日) 19:38:38 ID:e/zljJ/g
ごーた・・・
250名無しさん@ピンキー:2006/09/04(月) 00:47:33 ID:8bLCDdkw
GJ。

ギャグもいいんだけど、エロスで勝負!な作家さんがきてほしいなあ…
カズトキ&秋水桜花の人はエロかったなあ…
251名無しさん@ピンキー:2006/09/05(火) 17:40:33 ID:I9NgGhnY
千歳さんが戦団の諜報部に入るために
照星部隊の3人相手でベッドテクを仕込む…なんて設定を考えている。

うまく書ける人がいたら書いてくれい。
252名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 20:39:22 ID:BIs6AyFD
保守
253名無しさん@ピンキー:2006/09/08(金) 22:50:25 ID:V52UH1qx
今日、会社でネタを思い付いた。













今、帰ってきたら全部忘れてたorz
254名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 20:10:34 ID:Mo+evZQI
あるあるwww
255名無しさん@ピンキー:2006/09/10(日) 22:55:30 ID:wS9F72iH
秋水「武藤、握力を鍛えるだけでは女性の胸を豊かにすることはできない。
   性感帯を刺激し、女性ホルモンの放出を活性化させることが重要なんだ。」
ブラボー「しかし向上心はやはり大切だな、諦めたらパートナーは一生貧乳だよ…。
     よし、特訓には付き合うぞ。」
カズキ「秋水先輩、ブラボー、ありがとう!
    俺きっと斗貴子さんのブラを1サイズ上げて見せるからね!」



あまたま?ビキニマン?何のことです?
256名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 12:30:15 ID:4ZvNOn4e
今度はTQNの胸を触りたくなって仕方ないカズキ
257名無しさん@ピンキー:2006/09/11(月) 21:54:31 ID:X5XNp887
無い物に触れることはあたわない
258名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 03:32:15 ID:2pdmR50N
あまたまネタ不快
259名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 12:09:23 ID:+I/iw+6z
昨日、書き途中のSSを妹にみられた。orz
260名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 20:28:58 ID:/7il0+4a
あるあるwww
261名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 20:48:00 ID:2aCxcOuf
>>259
うどん奢ってやるよ
262名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 23:17:17 ID:vQRYOuS/
>>259
まっぴーネタを書けとの神の思し召しかもな
263名無しさん@ピンキー:2006/09/12(火) 23:43:23 ID:a8chy1X3
UDONのチケット奢ってやるよ
264名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 20:21:44 ID:GQMSyO1/
>>262
まっぴー(近親相姦)ネタを259氏が書いていたとしたら…
それを妹にみられたとしたら…

全米が泣いた
265名無しさん@ピンキー:2006/09/13(水) 21:37:44 ID:75R12Xt5
259氏…イ`
266名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 00:22:14 ID:KDEHaWoy
>>256こんな感じ?

ガチャリ。部屋の扉がゆっくり開き、斗貴子が顔を覗かせる。
その途端、カズキの顔に笑顔が宿った。
「あ、斗貴子さん!待ってたよ!さぁ早く早く!!今日も訓練だよ!」
「カズキ…それなんだがなぁ……」
斗貴子の方はどこか落ち着きがない。何か得心がいかないといった様子だ。
斗貴子は扉を閉めると同時に施錠して、カズキと同じ様にベッドに腰掛けた。
「その…もうヤメにしないか?」
「えぇっ何で?」
「だ、だって……別に大きくなくてもいいじゃないか…胸なんて……」
実はここ数ヶ月間、友人やら先輩やらに唆されたカズキの主導によって、
斗貴子の胸を少しでも増量するための「訓練」が行われていたのだった。
当然それは斗貴子が望んでいた事でも何でもないので、斗貴子にとっては余計なお世話だ。
しかし、斗貴子の戸惑いはそれだけでは無かった。
「そりゃあ斗貴子さんがそういうなら止めるけど…けどなぁ……」
ううんとカズキが唸る。斗貴子はさらに言葉を続けた。
「何よりカズキ…キミの事が問題だ」
「え?俺?…何か悪い事した?あ、もしかして触り方が乱暴で痛かったり?」
「そうじゃなくてだな」
斗貴子にしては歯切れが悪い。カズキは少し不安になってきた。
「斗貴子さん、はっきり言ってくれていいよ。いつもみたいに単刀直入にさ」
「…そうか?なら言わせて貰うが…カズキ、最近のキミは訓練の名目で…
 ただ単に私の胸に触りたいだけなんじゃないのか?」
ぎくり。カズキの顔色があからさまに変わる。勿論斗貴子はその変化を見逃さなかった。
「いっいやあまさかそんなことは…その」
「やっぱりそうなんだな…おかしいとは思ってたんだ、訓練中の様子とか」
「うぅ…だって……斗貴子さんの胸触るの気持ちいいんだもん…」
「…キミがそう思ってくれてるのは嬉しいが…」
斗貴子は気恥ずかしそうに視線を逸らした。
「その…そんなに触りたいモノなのか?」
267名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 00:23:09 ID:KDEHaWoy
カズキは大きく頷いて、捲くし立てるように喋り出した。
「うん!前から好きだったけど、訓練する様になってからもっと好きになっちゃったよ。
 確かに小さいけどさ、すべすべでむにむにしてて、斗貴子さんがドキドキしてるのも
 メチャクチャよく分かるし!」
「そ、そう…かな?まぁなんにせよキミが喜んでくれてるなら、悪い気はしないな」
「えへへ、でも何より一番なのは…触ってる間、斗貴子さんが………」
「?」
カズキはほんの少しはにかんで微笑む。
「…斗貴子さんがすごくヨロコんでくれてて、その時の表情がさ…とっても可愛いんだよ」
「なっ…!!」
斗貴子は耳さえも朱に染めて、大袈裟に否定した。
「べ、別に私はヨロコんでなんかっ!!」
「え、そーなの?俺てっきり」
「そりゃあ勿論全然ヨロコんでない訳でも…ってちがう話が逸れてる!
 とにかくだな、キミがそんな調子だから訓練の目的を見失っているんだ!!」
「どういう事?」
「つまりだ、最初の頃こそキミが胸を触るだけだったのが、最近ではその流れのまま……
 …要するに…シてしまっているだろう!」
「それは不可抗力と言うか何と言うか…」
カズキは申し訳なさそうに笑いながら、軽く頭を掻く。
「何が不可抗力だッ!そもそも私達は回数が多いのに、余計に増えてるじゃないか!
 エロスは程々にと言ってるのに全く!」
「でもそれって俺だけのせいじゃ無い様な気が――」
斗貴子はカズキの声に被せる様に言葉を発した。
「と・に・か・く!!あんまりそういう事をしすぎるのも良くない!
 キミが程々にすると言うならこれからもちゃんと私が相手するから、
 訓練はもう中止という事にしないか!?」
「う〜ん…さっきも言った通り、斗貴子さんが止めろって言うならそりゃあ止めるよ。
 けど――」
カズキは斗貴子の肩をギュッと掴み、出来るだけ優しく押し倒した。
「あ、コラァ!」
「今日、今日で最後にするから!泣きの一回って事で、ね!?」
「…ハァ、ホントにキミはもう…………今日でお仕舞いだぞ?」
「ありがと斗貴子さん!!それじゃあ早速……」
カズキの手が、斗貴子の服の中に素早く滑り込んでいく。
「あッ…カズ


つづきだれか たのむ
268名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 07:37:59 ID:SfZMmVyN
朝から良いSSを堪能したぜよハァハァ
しかしまさにここからがいいところじゃないかw
生殺しだぜ
269名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 11:20:37 ID:1NCag5uB
揉みまくりのヤりまくりだな
コンドームがいくつあっても足りないぜ
いや、ピル使って中出しかな?
カズキのはでかいから斗貴子さんもうガバガバだな
乳揉まれただけでお漏らししたくらいヌレヌレになるから普段からタンポン必要なんじゃないかな
270名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 15:20:32 ID:7rqX8Z+c
ところで・・・今日はスク水神の誕生日だっけか?
271名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 15:48:20 ID:1NCag5uB
スク水神様のアレは黒人並み
272名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 22:44:18 ID:ZVxIFpbi
むしろ一番小さいんじゃないか?
そしてドリル
273名無しさん@ピンキー:2006/09/14(木) 22:51:30 ID:1NCag5uB
>>272
銭湯の回100辺読み直せ
274びちょびちょ斗貴子さん:2006/09/15(金) 14:26:00 ID:/RRbtpAz
二人はカズキのベッドの上でいつものように前戯に勤しんでいた。
服を脱ぐ前なのに、アソコがジュクジュクヌレヌレびっちょびちょになってしまった斗貴子さん…
「お漏らししちゃったの?スカートまでびっちょりだよ?」
「ち、ちがうんだ、これは愛液だ、わかってるくせに…」
「乳揉みの特訓の成果がこんなところに…おそるべし、オレ!」
むぎゅう、と斗貴子さんのおっぱいをわしづかむ。
「はぁぁぁぁん…」
じゅわわわわ…
パンティの給水量の限界をを超え溢れ出す愛液に、斗貴子は羞恥心で真っ赤になる。
こんなにいやらしい身体…カズキに愛されただけでお漏らししたようになるみっともない身体…
『あらあら、津村さん、オシッコまで漏らしたんじゃありません?』
『日ごろブチマケで通っているくせに、まったく淫乱なメスだな。おしめを当てたほうがいいんじゃないか?』
誰かに知られたら自害するしかない…

(オレのベッドの上でワールドマップお漏らしを作っていく斗貴子さん…ハァハァ)
カズキの雄が、ムクムクと頭を擡げていく。
「斗貴子さん!ひとつなぎの財宝を探しにいこうっ!」
トランクスをルパン脱ぎするカズキ!
「ああっ、カズキっ!生はダメぇーっ!!」

ピルとコンドームのご使用は計画的に。

翌朝、ベッドでうつぶせに尻をあげて(ようするにバック位)精液まみれのマ○コ丸見え状態で力尽きている斗貴子さんを置いて、
カズキは洗濯物を洗いに行った。(…放置プレイ?)
「昨日も『特訓』は充実していたようだな、カズキ?」
「ブラボー、うん、充実充実!わかる?」
「そりゃ、そのシーツを見ればな…」

ココのところカズキは毎日シーツを洗っている。
干されたシーツの真ん中には、大きな黄色いシミが地図を作っている。
始めのうちは、おいおい、この歳で寝小便か?と思っていた者もいたが、斗貴子が毎日『特訓』と称して
カズキの部屋に入り浸っていることが知れたので、寮の者はみな原因を察した。

要するに斗貴子の体質のことは寮のみんなにバレバレなのだが、みんな言わぬが花とわかっている。
「あらあら、あのシーツを見て。まーた津村さんが汚してるわ。まっ黄っ黄ね。」
「まったく盛りのついたメス猫だな。下品すぎてからかう気も起きんわ。」
知らぬは本人ばかりなり…。
275名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 11:19:17 ID:k+/VgYmc
エッチの終わった後の打ち捨てられたオモチャみたいな斗貴子さん萌え
276名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 13:41:00 ID:eMjW+AZK
なんかカズキを恐ろしく感じてしまうのは俺だけ?www
277名無しさん@ピンキー:2006/09/16(土) 23:12:51 ID:NLOY/Z77
「ファイナル」でカズキ斗貴子の2人がキスする瞬間をみて
大喜びのまっぴーが可愛いすぎる。つまり、俺の嫁にしたい。
278名無しさん@ピンキー:2006/09/17(日) 09:10:37 ID:pjlKljZE
いい嫁だな 俺にもヤらせろよ
279名無しさん@ピンキー:2006/09/19(火) 11:22:32 ID:+AEDxEi0
まっぴー好きがあつまって5人くらいでリンカーンしないか?
まず↓のかたから。
280名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 06:49:37 ID:8cJoDEXI
カズキは天然ドS
281名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 10:22:09 ID:SD72azsH
ヤリマンを公衆便所というなら、斗貴子さんはカズキ専用携帯トイレ
282名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 13:00:49 ID:KDso76pt
カズキの押し(倒し)には滅法弱い斗貴子さん

火渡と毒島さんってエッチの時には主従関係が逆転してたりして
283名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 20:48:52 ID:OYYC1ZYA
>>282
毒島に責め立てられて悶絶する火渡想像すると何故だか無性に涙がこみ上げてくるんだが
284名無しさん@ピンキー:2006/09/23(土) 23:47:11 ID:ihb5jIla
×涙
○根性汁
285名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 13:36:46 ID:Ik2x9GiF
×根性汁
○カルピス
286名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 15:27:13 ID:3g1Cx6xx
×カルピス
○原液
287名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 15:39:00 ID:0I75dv3I
無駄に濃そうです、火ワタリンのは。
288名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 17:07:52 ID:RncAAmNJ
百発百中
289名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 18:18:58 ID:fQ3vBIyz
毒島さんのガスで薄くします
290名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 18:35:34 ID:3g1Cx6xx
ガスを抜けてパワーアップ。
少数精鋭で卵子に食らいつきます。
291名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 20:33:11 ID:cLaEMtex
毒島「火渡様…、責任取って下さいね(はぁと」
292名無しさん@ピンキー:2006/09/24(日) 22:19:24 ID:RP3zEGj3
毒島たんの服を脱がせつるつるたまご肌を見ただけでもっこりビンビン辛抱たまらんの火渡さま
真性のロリコン変態です ありがとうございました
293名無しさん@ピンキー:2006/09/26(火) 13:42:10 ID:QvwRnoir
毒島さんじゃなきゃ勃たない火渡
294名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 07:47:32 ID:wOng71HP
むしろ毒島タンに立たせてもらわないと立たない火渡。
295名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 16:37:56 ID:2JsoMvn4
毒島たんがピンクローターを挿れて火渡さまのお世話をするシチュ。
ぶぃぃんんっ…と振動する玉子型のローター。
「……………………ううぅ…」
初めは微弱な刺激で恥ずかしがる毒島たんを楽しみます。
「…………っ、あぁ…」
「おい…早く茶ぁ入れろ!」
ご主人様はわがままです。唯我独尊です。
「…っ、ぁ…はい」

火渡さまはすましていますが、悶える毒島たんの観賞でアソコはもうビンビンです。
「はぅ…くぅぅ…。はぁ、はぁ、はぁぅ…」
(ああっ…こんなピンクのおもちゃより、火渡さまのが欲しいのに…火渡さまのイジワル…っ)
毒島たんの中で、蠢く物体がじっとりと濡れている。おそらく本人自身の身体の働きで…
「…ど、どうぞ…」
「…ん」
二人の手が触れ合った瞬間。
「…あっ!」
バチャッ!
毒島たんは、火渡の股間に思いっきりお茶をぶちまけてしまった。
「…おい。」
不機嫌そうに、火渡は毒島たんを睨みました。ひっ、と毒島たんは声を上げました。
火渡さまが、ローターのリモコンを取り出したのです。
カチッ
「…っ、ぁ!」
中に入ってるモノが、一段階激しく動き始めました。
296名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 18:38:08 ID:2JsoMvn4
「舐めろ。舐めてきれいにしろ。毒島」
「!!!」
自分の股間を指して、火渡さまは言いました。
お茶を浴びた、パンパンに膨らんだズボン。
無機質なピンクローターは毒島たんの中で止まることなく緩い振動を伝えている。
「…早くしろ」
「は、はい…っ、火渡さま…」
毒島たんは涙目で火渡さまの前に膝まづきます。
ズボン越しに、火渡さまのモノをくわえ込み、ズボンをきれいにします。
「…ん、む…」
毒島たんを見下ろし、満足そうに火渡は微笑むと、またリモコンのスイッチを弄ります。
ローターの微細な振動音が、また僅かに強くなりました。
「…きゃ!?あっ……っっ!あ…っぁああ…んんっ」
ぶぃぃんんっ…………っっ!!
「あ…ぁ…っ火渡さま…わたし…わたし…っ!」
「口が休んでるぞ…しっかり綺麗にしろ!」
「は…っ、…はいっ…、ご…、めん、なっ…、さい…!」
ちゅく、ちゅく。ちゅっ。
振動に膣内を掻き回されながら、毒島たんは火渡さまのズボンをキレイキレイします。
でも、いくら太いモノをズボン越しに咥えても、火渡さまの味はしません。毒島たんの舌に届くのはさっきこぼしたお茶の味だけです。
「……………うぅっ…」
(火渡さま…火渡さまが欲しいです…ズボン越しじゃない火渡さまが…)
毒島たんの目から涙が零れ落ちました。
「テメーでズボン汚しておいて、テメーで泣いてりゃ世話ねぇな」
股間をガチガチに硬直させながらも未だイってはいない火渡さまは、嗜虐心たっぷりにつぶやきました。
カチチチチッ!
火渡さまは、いきなりローターのリモコンのスイッチを最強に設定しました。
「あぁあああ!!!」
ブブブブブブブブブブブブブブブブブブ…
ぐりんぐりん激しくうねる音がうるさいほど鳴り響きます。
毒島たんは床に突っ伏し、アソコを押さえて悶えました。
「ひゃぁぁぁぁ!!あっあっあぁぁあぁぁ!!いやぁ!!許して火渡さまぁ!」
ブィンブィンブィンブィンブィンブィンブィンブィン…
「…っっ! あ…っぁああ…んんっ!!あああんっ!あんっ!」
毒島たんの膣内で、ピンクローターは縦横無尽に暴れまわっていた。
市販されているローターにここまでの機能は無い事に、彼女は気づいているか否か。
身体を小刻みに震わしながら、火渡さまにすがり付く毒島たん。
「とめてっ…!火渡さまっ…!早く…!ぅううっ…んぁ…っ…は…ぅ…!」
下半身に力が入らないのか、毒島たんは立ち上がれない。
「戦団の新作調教具、たっぷり味わえ」
「そんなっ…!」
顔が赤く膝をガクガク震わせている毒島たんは、熱い肌と対照的に体の芯が絶望感に寒くなった。
ブィィィィィィン…。
毒島たんは腰を突き上げ、ぱんつ丸見えでアソコを押さえています。グチョグチョになったアソコが毒島たんのぱんつを濡らしています。
「ふあああぁぁ…あ…ぁ…!……あ、も、もう…!だめ…っ!いっちゃうぅぅ…」
ビュクッ!
「!!!」
ついに毒島たんのアソコは決壊しました。
「あうっ…うううううう…!!!くふぅ…」
びくっ、びくっ、びくっ…
あっけなくイッてしまった毒島たんは、ぱったりと倒れふして気絶してしまいました…。
297名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 18:39:27 ID:2JsoMvn4
気をうしなったままの毒島たんのぱんつを脱がし、ピンクローターを取り出してやった火渡さまは優しいので、
毒島たんのアソコを温かいシャワーでキレイキレイしてあげました。膣内も指で奥まで洗ってあげました。
ふと自分のパンツを見ると、中に精液がべっとりでした。
毒島たんの狂態を見ていた間に、いつのまにか射精してしまったようです。
洗濯物をかごに放り込むと、火渡さまは電話をかけました。
「ああ、照星さん?例のアレ、すごくよかったぜ。
  自分のパートナーを思うままの状態にできる。あれさえあれば、戦士達の志気も上がるってもんよ。」
「…その声では、十分楽しんだようですね。よろしい。是非あれをパートナーのいる戦士達全員に支給しましょう。」
(終わり)
298名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 19:37:48 ID:fD759Xpb
>>295
GJ!
天然ドSのカズキ編も見たい!w
299名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 19:46:52 ID:t3EzXbpG
火渡…w
300名無しさん@ピンキー:2006/09/28(木) 20:11:46 ID:sepFoAAH
武装錬金 キャラ人気投票
ttp://www.37vote.net/anime/1159441344/
301名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 01:39:26 ID:VW2MaEHC
もう青年主人公役は全部福山潤でいいじゃん
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/voice/1158216715/1-100

他声優はクズ同然
みんな死ねばいいよ
302名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 01:40:03 ID:VW2MaEHC
もう青年主人公役は全部福山潤でいいじゃん
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/voice/1158216715/1-100

他声優はクズ同然
みんな死ねばいいよ
303名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 01:47:48 ID:F0MckY7p
かりんでの福山潤を聞いて皇国の守護者の天霧冴香をやってほしいと思った。
304名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 01:53:48 ID:R96YXGMI
>>295
毒島タンハァハァハァハァハァハァ!!!
305名無しさん@ピンキー:2006/09/29(金) 07:43:03 ID:j/a9/iLw
カズトキに支給された場合は何となく想像できるが、ブラ千に支給された場合は…なんか怖いことになりそうな気がする…
306名無しさん@ピンキー:2006/09/30(土) 15:50:26 ID:0uEBm5Xz
斗貴子さんを玉子型のローターでカズキに弄んでもらうとしますか。
脚ガクガクさせる斗貴子さん見ながら二人でコンビニに行くとか。
コンドームや精力剤いっぱい斗貴子さんに買わせるとか。
307犬飼の奇妙な冒険 1/8:2006/10/01(日) 07:47:04 ID:j70dW2Oe
武藤カズキとヴィクターが月に翔んでいってから何週間経ったろうか?
関東某所にある錬金戦団の待機所のロビーで僕はソファーに座ったまま苛立っていた。
その原因はあの日以来、毎夜見る悪夢で寝不足の所為ばかりじゃない。何よりも――
「オウ、負け犬!何シケたツラァしてんだ?」
火渡戦士長だ。
僕の名前は犬飼倫太郎、『負け犬』じゃない。けど、いつも言い返せない。
「夜、寝られなくて…寝不足なんです」
「んなモンは酒かっくらって寝ちまいな」
僕は酒に弱い。それは戦士長も知っている。酒を無理強いされたことはないから。
だから今の言葉に深い意味は無い。それは判っていたのに、その時は何故か――キレた。
「酒なんて飲んだって寝られないですよ!ヴィクターの娘が戦団の手で無理矢理、化物
 にされたって、ヴィクターの言っていた事は本当なんですか!化物を斃す筈の戦団が
 その化物を作るって何なんですか!!」
化物――錬金術により作り出された人喰いの怪物、ホムンクルス。奴らを斃すために、
錬金戦団と僕達、錬金の戦士は存在する。なのに。
「だから今、照星サンがイギリスの錬金戦団に行ってンだろうが。下っ端はそんなこと
 考えなくていーんだよ」
本当にイカレてたんだろう。
「じゃあ、アンタはどうなんだ!アンタは何も感じないのか!」
火渡戦士長にそういう言い方をしたらどうなるかは判っていた。
胸倉を掴まれてソファーから乱暴に立たされた。戦士長の顔がアップで迫る。
「今更どうこう考えても仕方ねえンだよ。俺達は不条理の中で生きているんだ。
 あのクソガキがテメェひとりでケリつけちまったこともな!」
クソガキ――武藤カズキの名が出たことで更におかしくなったのだろう、僕は。
「不条理?不条理、不条理、不条理!いつもアンタはそれだ!!アンタの不条理は
 ただ答えを出さずに逃げているだけじゃないのか?!」
思えばその日、火渡戦士長は機嫌が良かったのかもしれない。返ってきたのが拳では
なく怒声だったのだから。
「喚くな。ヒステリー起こすんじゃねえ、殺すぞ!」
「あぁ、殺すなら殺せ!いっそ、その方が楽だ!あんな悪夢を見る位なら――」
僕は本当に狂っていたのだと思う。そしてやはり火渡戦士長は機嫌が良かったのだろう。
僕は生きたまま、ソファーに叩きつけられた。
そしてあり得ない位、静かな声でこう言い残すとロビーを出て行った。
「あのクソガキならどうする?」


武藤ならどうするか。戦団がヴィクターの娘に対してやった――やってしまったこと。
彼はヴィクターの告発を知らない。その場にはいなかったし、ヘリでやってきたと思ったら、
そのままヴィクターに突撃、そして――
「戦士・犬飼」
いつの間にか戦士・毒島が脇に立っていた。気付かないとは戦士失格だ。
「今日はドッグショーをやっていたのではないですか?気分転換に行ってきたらどうです?
 外出届は私が代わりに出しておきますから」
きっと火渡戦士長に言われてきたのだろう。
確かに今日は非番で、届さえ出せば外出可能だ。
「そうだな…そうしよう。じゃあ悪いけど外出届よろしく。……それからありがとう」
本当に今日はイカレてる。けど、いつからイカレてるんだ?
308犬飼の奇妙な冒険 2/8:2006/10/01(日) 07:48:06 ID:j70dW2Oe
一旦部屋に戻り、私服に着替えた。携帯電話、財布、ハンカチ代わりの大き目の
バンダナ、ティッシュを何度も確認。核鉄はベストの内ポケットに入れた。
持ち物をしつこく確認するのは子供の頃からの癖だ。
残暑の所為で汗をかく可能性と、有り得ないが犬になめ回されてベトベトになった場合を
想定して着替え一式を入れたザックを背負うと、待機所を出て駅に向かった。
運良く電車内は空いていたので、7人掛シートの端に座る。
車窓を流れる景色をボンヤリと眺めながら考えるのは、苛立ちの原因。
武藤カズキ。
ヴィクターIIIとして再殺の対象となったアイツと、僕は奥多摩で戦い、負けた。
こんなことは認めたくはないけれど戦いばかりでなく、人としても負けた。
それは僕から核鉄を取り上げなかったことじゃない。確かにあの時、核鉄の治癒能力が
なければ僕は確実に死んでいただろう。でもそうじゃない。
アイツは言った。
『武装錬金は人に害をなす化物を斃すための力で、人を守るための力』
そのとおり。かつては自分もそう考えていた。
いつからだろう、『守るため』ではなく『狩りを楽しむため』になったのは。
でも、それでも僕はその行為自体は正義だと信じていた。


決戦の時、自分が人間に戻れる手段――白い核鉄をヴィクターのために使った。
人型ホムンクルスのパピヨンとかいう奴が白い核鉄を新規に作り、それが出来るまで
冷凍睡眠でヴィクター化を抑えるつもりだったらしいが、あまりにも不確実だ。
下手をすれば、いや高い確率で永遠に眠ったままになるというのに。
そしてヴィクターが白い核鉄の力を持ってしても人間に戻らないと判るや、躊躇いもなく
月へ向かって翔んでいった。あの少女を置き去りにして、もう戻れない片道の飛翔。
あの少女、津村斗貴子。
多分、恋人なのだろう。
恋人。年齢=彼女イナイ暦な僕には正直、どんなものか判らない。
けれども再殺命令に背いてアイツの逃亡を助けたこと、それに戦士・戦部がわずかに
洩らした事から考えて、とても深い繋がりだった、のだろう。

その恋人を置いて、人のために自分を犠牲にする。

武藤、お前は恋人も犠牲にしたんだ。それしか手は無かったとしても。
あの時の彼女の慟哭を毎晩、夢に見て目が覚める。多分、死ぬまで見続ける悪夢。
だが彼女にとっては悪夢ではなく現実。寝ても覚めても一生続く残酷な現実。
斜向かいに座って、さっきからいちゃついているバカップルもそんなに深い繋がりを持って
いるのだろうか。
そして考えはヴィクターの娘のことに至る。100年前、戦団は何故そんな真似をしたのか。
まだ幼い少女を化物にし、その父親の討伐部隊のリーダーにする。
それじゃホムンクルスを製造する悪党共と変わらない。
僕も錬金戦団が正義だと信じていた。それが裏切られた。
なによりその事実が何故、大戦士長にさえ伝わらなかったのか。
そこで思考は中断された。
停車した駅から乗り込んで来た乗客の中に化物がいた。
309犬飼の奇妙な冒険 3/8:2006/10/01(日) 07:49:19 ID:j70dW2Oe
錬金の戦士なら化物――ホムンクルスの存在は必ず察知出来る。
臭いとか仕草じゃない。眼だ。奴のようにサングラスをかけていても判る。
歳は40前後、2m近いがっちりした筋肉質の身体に刈り上げた短い髪。
健康のために鍛えていたのなら無駄になった訳だ。
正直、最初は見逃そうと思った。
今の僕にホムンクルスを斃す正義は見付けられない。
けれどその時、武藤の『人を守るため』、『人に害をなす化物を斃す』、その言葉を
思い出してしまった。
……いいだろう。追跡し、共同体へ戻るようなら確認の上、本隊に連絡。
孤立した奴なら僕が片付ける。


数駅先で奴は電車を乗り換えた。
そのローカル線を降り、改札で奴が駅員に渡した切符を掏り取る。
これがあれば見失っても僕の武装錬金、軍用犬の武装錬金キラーレイビーズで追跡
できる。
駅前から路線バスに乗り換えた。バスは山の中へと入っていく。乗客も少ない。
つまり奴がどこで降りるにせよ、一緒に降りればとても目立つということだ。
仕方ない。奴が降りたバス停のひとつ先で降り、ひと停車場分走って戻ることにする。
奴の降りたバス停にはすぐに到着した。
錬金の戦士の脚力を以ってすれば容易い。
携帯の電源は切っておく。不意に音や振動を出されてはたまらない。こんな山奥では
圏外の筈だが念のためだ。
そこからキラーレイビーズで追跡を開始。さっき掏り取った切符が役に立つ。
更に山の奥へと進んで行く。
車一台分の幅しかない道は舗装されているものの、周りに人家も人の気配すらない。
まあそのおかげで堂々とキラーレイビーズを発動できるのだけれど。
時刻は既に午後4時を回っている。
充分警戒していた筈だったが、背後の木々の中から奴が飛び出してきた。
しまった!
だが攻撃に転じようとしたその矢先、そのホムンクルスが話かけてきた。
「君は錬金の戦士だろう。相手なら後でする。今はやめてくれ。急いでいるのだ」
「お前の都合は僕には関係ないね。ホムンクルスは全て殺す!人々のために!!」
人々のために、か。そのためには小さな女の子を化物にすることも厭いません?
密かに自嘲する僕に、奴は意外なことを言い出した。
「ならば尚更、私の邪魔をするな。これはその人々のためだ」
310犬飼の奇妙な冒険 4/8:2006/10/01(日) 07:50:29 ID:j70dW2Oe
奴は話を続けた。
子供を誘拐し、人身売買やその他、口にするのもおぞましい行為の対象としている連中
がこの世の中には腐る程、存在する。
自分が向かっているのはそんな連中のアジトのひとつだ。
これからそこを襲い、子供達を解放、そして連中を皆殺しにする。
「そして今夜中に助けないと『迎え』が来て子供達が別の場所へ連れていかれてしまう」
なるほど。だが。
「そんな話を信じろと?警察に電話一本で済む事じゃないか」
「連中は警察やマスコミに協力なコネを持っているらしい。おそらく『顧客』のコネだろう。
 余程の証拠がない限り、握り潰されて終わりだ」
「ふ〜ん、良く出来た話だ。……信じると思うか?それにもし事実だとしても子供は
 お前達ホムンクルスの大好物だろう。どこに『開放』する気だ!」


突然、奴は変形を始めた。人型ホムンクルスではなかったのは意外だった。
だがそれでこそ化物だ。本性をあらわしたな。キラーレイビーズに攻撃の態勢を取らせる。
しかし奴は変形を終えると再び話し掛けてきた。
「この姿、なんに見えるね?」
「狼?……いや犬だな」
元になった動物を戯画化したような姿は大型犬―猟犬か闘犬―の特徴を残していた。
とはいえ、その大きさはキラーレイビーズの数倍はある。
アラスカにいるグリズリー、すなわち灰色熊は500kg近くになる個体もあるというが、
その位だろうか。
奴は話を続ける。
かつて自分は猟犬だったこと。だが歳を取り、山に捨てられた。
やがて野犬として人間に狩られ、全てが信じられなくなったとき、『御主人様』に出会った。
収容施設でただ死を待っていたとき、御主人様―幼い少女―とその家族が自分を
引き取ってくれた。他にも犬がいる中で彼女は年老いた自分を選んでくれた。
穏やかで平和な日々。
だがそれは奴ら―これから襲撃する連中と同じような奴ら―により破壊される。
御主人様の心と身体は汚され、命を奪われた。
その後、始末された自分がどういう経緯で今の姿になったのかは判らない。
『創造主』は確かにいた。力と機会を与えてくれたことに感謝はするが、そいつに従う
つもりは無かった。
「我が主は御主人様ただ一人だ」
動物型ホムンクルスで、と僕は思い出す。
人間の一番身近な生き物でありながら、犬型と猫型のホムンクルスは殆どいない。
それは、犬は元の主人又は群れのリーダーへの帰属意識が創造主への刷り込みより
強いこと、逆に猫は主を持たない性質から創造主を支配者として認めないことが原因
だと、戦士見習い時の座学で学んだ。
例外的に創造主が元の犬や猫の飼い主だった場合、ホムンクルスは創造主に従う。
だがその場合、目的は犬や猫の代償的延命であり、結果は悲劇でしかない。
そう語った教官も犬か猫が好きで、そして失ったことがあるのだろう。
「私は自分の真実を全て話した。信じるかどうかは君次第だ。信じてくれるなら今晩だけ
 は邪魔しないで欲しい。時間が無いのだ」
311犬飼の奇妙な冒険 5/8:2006/10/01(日) 07:51:28 ID:j70dW2Oe
「…判った。ただし僕も同行する。お前の話が嘘なら即座に攻撃する。それと全て本当
 であっても僕は手を貸さない」
考えた結果、奴についていくことにした。
奴の言ったことを全面的に信じた訳じゃない。ただそういう手合いのことを聞いたことは
あったし、そんな連中への嫌悪感があったのも事実だ。
それに子供達―いればだけど―も守らなくちゃいけない。
まあ僕が犬好きで、ホムンクルスとはいえ犬型の奴の言うことを信じたかったのもあるが、
なにより武藤ならそうしただろう、ということもあった。認めたくはないけれど。
僕はキラーレイビーズを武装解除した。
人間体に戻った奴の案内で歩き出す。
「邪魔をしないのならば好きにしろ。ただし言っておくが、奴らは武装しているぞ」
「どうせ鉄パイプか、良くて拳銃、トカレフだろう?」
「同業者がいくつも正体不明の相手に消滅させられている。対物ライフルやRPG――
 ロケットランチャー位は持っていると考えておくべきだ。奴らの資金は潤沢だ」
やれやれ。
「……今まで何人……片付けた?」
振り向いた奴は僅かに笑ったようだった。
「私の復活の犠牲になってしまった男の記憶にあるセリフを応用させてもらえば、
 『何匹というべきだ、人間以外のものは』だ」


やがて舗装された道を外れ、中の見えない塀に囲われた門が望める所に出た。
聞いたこともない建設会社の看板を掲げている。単なる資材置き場です、という訳か。
お決まりの『私有地につき立入禁止』の札と、あれで隠したつもりなのか監視カメラも
しっかりとある。
持っていたバンダナを三角に折り、顔の下半分を隠す。昔の西部劇の銀行強盗か
列車強盗といったところだ。
監視システムの隙をついて迂回し、塀を乗り越え、速やかに侵入する。
あらかじめ構造・配置等は調べてあったようだ。
調査方法については聞くまい。
『迎え』が到着したのを確認し、建物内部に突入。
幾つもある部屋をひとつずつ、だが速やかに制圧していく。
そうしてある部屋の中で見たものについては――断じて話したくない。
けれど二つだけ言っておこう。
ひとつは残念ながら子供達の全員は助けられなかったこと。
もうひとつは死ぬまで見続けるであろう悪夢が更に一個増えたこと。
312犬飼の奇妙な冒険 6/8:2006/10/01(日) 07:52:36 ID:j70dW2Oe
その後のことはあまり覚えていない。気がつくとキラーレイビーズは発動していて、後は
奴らが転がっていた。
残った子供達は全員無事。『出荷』に備えてか全員眠らされていて、この惨劇を
見ないで済んだようだ。この様子なら朝まで眠っているだろう。
外国人らしき子供も多い。不法滞在者・入国者なら警察に届けにくいと踏んだか。
それと奴、いや彼の予想は正しかった。
対物ライフル―体重500kgの灰色熊でもイチコロだろう―があった。
射撃前にキラーレイビーズに始末されたが。
装備品を見る限り、なるほど資金は潤沢なようだ。
キラーレイビーズが相手をした連中は戦う意思と力を失い、出血も多いものの、意思の
疎通は出来る程度に『処理』されていた。
戦士としての理性がそうさせたのか、あるいは武藤――アイツがやりそうだからか。
それとも奴らに、この後に続く恐怖を噛み締めさせたい僕の残酷さか。


奴らの首脳部は奥の一室に固まっていたところをキラーレイビーズが処理した。
どの顔にも驚愕が貼り付いている。彼が入ってきたことでそれが恐怖に変わったようだ。
「我が御主人様の尊厳と鎮魂のために!!」
彼が牙を剥く。
錬金の戦士としては阻止すべきだろう。こんな奴らでも人間であり、人間を守るのが
錬金の戦士だ。
だが
子供を無理矢理ホムンクルスにして、その父親を討たせようとし、更にその事実を隠蔽、
そのためなら、組織を守るためなら新たな犠牲者を出すことも辞さない組織の、
正 義 の 戦 士
正義?
それが正義なら――そんな正義ならいらない。
僕は悪で良い。
悪ならこの連中を助ける必要は無い。何もせず見ているだけで、彼が始末をつける。
悪で悪を滅する。不条理。――火渡戦士長。
「あのクソガキならどうする?」
武藤――お前ならどうする?
報告書で読んだよ。
自分を殺そうとした敵でも自らを盾にして守り、助けられなかった敵のために涙を流す。
『偽善者』と罵られ傷つきながら、心も身体も傷だらけになりながら、それでも人々を守る
ために戦い続けようとするのか。戦う力を持っているからという理由だけで。

武藤、僕はお前がキライだ。どう足掻いても僕はお前にかなわない。追いつけない。
僕はお前のようにはなれない。

だから

313犬飼の奇妙な冒険 7/8:2006/10/01(日) 07:53:33 ID:j70dW2Oe
「待てよ」
「……邪魔をするのか」
「もっと良い方法がある」
机上の有線電話の受話器を取る。やった、壊れていない。こんな山奥では携帯電話は
繋がらない。
最悪、携帯の繋がるところまで行くことも考えていたが、この連中に時間を与えてしまう
ことを考えるとあまり良くない。
「これから警察とマスコミに電話を入れる。捜査の手が入れば芋蔓式に、この連中の
 顧客や同業者が摘発されるだろう。これだけ証拠があれば隠蔽も無理だ。そして」
突然の事態の変化に眼を白黒させている奴らの顔を見回し、キラーレイビーズを
示しながら続ける。できるだけ薄情に冷酷に聞こえる声で。
「この事件と派生して起きるであろう事態をもみ消そうとかしないことだ。
 この犬達はお前達全員の臭いを覚えた。どこへ逃げようと何年かかろうと、例え地球
 の裏だろうと追いかける。そしてその時がお前達の最後になる。
 こいつらの牙や爪は戦車の装甲だって切り裂く。どんな防御も無意味だし、攻撃が
 もっと無意味なのは実感した筈だ。」
この部屋のスチール製の扉を容易に引き裂いているので説得力はあるだろう。
さすがに主力戦車の装甲を切り裂くのは無理だが、真実を告げる必要はない。
「だからそんなことは考えないことだ。お前達の顧客や同業者が同じ事をしても、お前達
 がやったと見なす。だからそうならないように…頑張ることだ」
そして彼にだけ聞こえるような声で言った。
「お前だって復讐だけでやっている訳じゃないだろう。他の子供がお前の『御主人様』と
 同じ目にあわない様にするなら、このほうが良い。それでもどうしてもと言うなら」
キラーレイビーズを構えさせる。
「……判った」
武藤、これが僕のやり方だ。


まずデスクトップPCの電源ケーブルを全て外し、キラーレイビーズに噛み砕かせた。
ノートPCはまとめて無人の部屋に入れ、鍵をかけておいた。
これでデータを削除するのは不可能だろう。
あれだけ脅しておいたし、動ける状態ではないので大丈夫だと思ったが用心に越した
ことはない。
次に警察とマスコミに電話をしてから電話機を破壊、立ち去り際に電話線も切断した。
自称社会の木鐸からイエローペーパーまで数社、その辺にあった新聞・雑誌社に電話
した。奴らも自分達の愛読紙に取材されるなら本望だろう。
念のため、携帯電話はキラーレイビーズに探させて全部破壊しておいた。これで奴らは
独自に助けを呼べない訳だ。
そうしてからやっとその建物を後にした。あと数時間で日付が変わる。
314犬飼の奇妙な冒険 8/8:2006/10/01(日) 07:54:33 ID:j70dW2Oe
近くの木々に隠れ警察が来るのを待ちながら、今になって気がついたことを彼に訊いた。
「何故、襲撃前に電話を使えない様にしておかなかった?」
外部との連絡を取れない様にするのは、襲撃の際の基本だ。
人間体に戻っていた彼は少し笑うような感じで言った。
「奴らが警察を呼ぶとは考えらない。仲間に連絡した所でまず救援は間に合わない。
 奴らの仲間は電話越しに地獄を聴くことになる。…もし間に合ったら始末するだけだ。」
やはりホムンクルスだな、そう思っていると警察が到着した。思ったより早かった。
臨場感溢れる演技が功を奏したようだ。
彼の声のトーンが変わった。
「さてどうする、約束通り今から君の相手をしようか」
「警察が来てるんだぜ。ここで戦う訳にもいくまい。戦いはいずれ日を改めて」
「判った。……終バスはもう出てしまったぞ。街まで背中に乗っていくかね?」
「これでも錬金の戦士だ。街まで歩く」
「そうか。では…ひとまず、さらばだ」
そういって更に奥の木々の中に飛び込む。そして姿が見えなくなる寸前、振り向いて
何か言いたそうだったが、結局無言で立ち去った。
彼の姿が消えてから僕は言った。
「いつか、また」
そして月を見上げる。もうすぐ満月だ。


街に出たのは日付がとっくに変わってからだ。
背負ったザックの中の服に着替えると、遊び過ぎて終電を逃した間抜けを装い、
タクシーを拾った。待機所に戻った頃にはもう太陽は昇っていた。
ロビーに火渡戦士長がいた。
「この負け犬!!携帯の電源切ったまま、どこほっつき歩いてやがった?!」
忘れてた。据付の灰皿は吸殻でいっぱいだ。――待っていたのか?
とりあえず謝っておこう。灰皿が床に固定されていることに感謝しつつ。
「すいませんでした。……それから昨日のことも、すいませんでした」
「…ケッ、間抜けが!照星サンがイギリスから戻ってきて、全戦士に招集をかけた。
もうすぐ迎えがくるからサッサと用意しろ」
いつもの調子で言い捨てて出て行こうとする火渡戦士長を引き止めて、言った。
「それと昨日の質問の答えですが」
「アン?」
「武藤カズキならそれでも戦います。……それと僕は負け犬じゃない」
「……ああ、そうだな。……犬飼、遅れんなよ!」
そう言い残して火渡戦士長は今度こそ出ていった。
頭を切り替えて部屋に戻り準備を済ませる。大戦士長が全戦士の招集――なにやら
大事のようだ。
後で判ったことは『その時点で確認し得るホムンクルスの完全制圧』と更に『錬金戦団
の段階的活動凍結』だった。
それとそれに伴う結果については別の機会に譲るとして、でも二つだけ言っておこう。
ひとつは制圧されたホムンクルスの中に彼はいなかったこと。
もうひとつは、悪夢のうちのひとつは見なくて済む様になったこと。

―終わり―
315名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 10:12:43 ID:Oqw/bE1/
これはまた意外な人に焦点をあてたSSですな
こういうのも良いね、GJ
316名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 10:38:35 ID:6K7WQqDr
これは4/8で軽く匂わせる描写があるからこっちに投稿したのかな?
個人的には萌えスレでも通じると思ったけど
何はともあれGJ!!
犬飼のこんだけシリアスな直球作品は初めて見たよ
317名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 11:44:53 ID:tkG+YLqO
エロくないがGJ

こういう話もまたいいもんだな
318名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 15:05:02 ID:rWJTnZcx
大作GJ!犬飼のシリアスもいいね!

で、シリアスの次に思い付きネタを。ちょっと前に話題になってた「濃さ」を独断と偏見でランク付けしてみる。

濃い


薄い

カズキ、ヴィクター
火渡
パピヨン
戦部
ブラボー
岡倉、六舛、大浜
秋水、剛太
大戦士長
根来、犬飼
バタフライ
蝶野攻爵

一般的な平均は岡倉達のあたりで。円山姐さんが最後まで分からんかった…
319名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 16:35:23 ID:y4ZiGsae
>>307-314
GJ!
いいねー。犬かわいいよ犬。
320名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 19:07:49 ID:tkG+YLqO
>>318
平均が高杉
321犬飼の奇妙な冒険 8/8:2006/10/01(日) 21:30:04 ID:j70dW2Oe
どうも皆様、犬飼の母でごさ……じゃねえ、>>307です。
微グロっぽいので「スレチだ、カエレ」と言われるんではないかとヒヤヒヤしておりましたが、
ありがとうございます。あとエロ無くてすいません。
こちらと萌スレの過去ログを読ませて頂いて、犬飼はたいてい消し炭なので、
こいつはレアだと思い、この様になりました。

…でヴィクター化の説明を入れ忘れた。何度もチェックしたのに…prz
322名無しさん@ピンキー:2006/10/01(日) 21:33:41 ID:j70dW2Oe
タイトル消してねえ……スマソ
323名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 00:09:41 ID:GFylkOAz
萌えスレではいつも消しズミの犬飼くんもたまにはここでいい思いをしてほしいもんだ
でも相手、円山姐さんしかいないか?(スレ違いだ)
じゃ、千歳さんが若いツバメに手を出して…とかどうかな?
324名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 10:57:37 ID:sbUHbG4W
>>323
バールのような物で殴られたくなかったらその辺nqあwせdrftgyふじこlp;
325名無しさん@ピンキー:2006/10/02(月) 15:45:50 ID:L2Bn+qtG
>恋人。年齢=彼女イナイ暦な僕には正直、どんなものか判らない。

電車男(映画版)…!?

>じゃ、千歳さんが若いツバメに手を出して…とかどうかな?

自分はありだと思うぜ。ブラ棒だけじゃ欲求不満だろう…。
326名無しさん@ピンキー:2006/10/03(火) 22:44:31 ID:g13ywvTA
>>325

>ブラ棒だけじゃ欲求不満だろう…。


激戦で臨戦態勢なブラボーを想像したのは俺だけ?
327名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 18:01:48 ID:uXOG2IY+
ゆっさゆっさビクンビクンの場面とか、アニメではどんな感じになるんだろうw
328名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 20:59:38 ID:5w16bjsZ
エロかっこよく
329名無しさん@ピンキー:2006/10/04(水) 23:08:29 ID:Nwd1TRM9
苺畑
330名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 09:48:02 ID:Q89fZdCz
ドラマCD二巻にて
火渡もロリコンであった事も確定した件について
331名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 13:39:51 ID:lunesXy4
>火渡も

ほかにロリコンキャラがいたか?俺たちのことか?
332名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 19:10:23 ID:5u5Vcln0
>>331
モチケツ


もしかしてパピヨンのことを言ってるんだろうか
と、保管庫を見ながら予想してみる
333名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:12:12 ID:XeI1yS8X
アニメでカズトキはセクロスすんのかな。

原作になくても深夜枠なんだしやってもいいじゃん。
ギシギシアンアンまでいかなくてもそれとな〜くやったっぽいと
匂わせるような描写とかでいいからさ。

つかそれぐらいあってもいいと思うんだ。
連載中さんざんヒヤヒヤさせられてついに原作打ち切りの憂き目に会い、
アニメ化まで耐え続けた我々には。





まあやったところでうちの地方では観られないんだけどな。
334名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:14:45 ID:5u5Vcln0
>>333
やあ俺

アニメ版デスノートでもちょっときわどいシーンあったしな……
335名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 20:23:40 ID:lunesXy4
つまり斗貴子さんがカズキをコンビニ前で逆レイプ…
336名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:00:37 ID:YxAs0n9q
渋井丸カズキ 事故死

さぁ どうなる!?
337名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 22:55:51 ID:UYBejRNU
>>331
マジレスすると大浜
338名無しさん@ピンキー:2006/10/06(金) 23:33:08 ID:iZ+B7COr
あの和月が生み出したってのも個人的にかなり意外だが、カズキとトキコって
良いバランスのカップルだな。何かすごい応援したくなるというか。
エンバとか次回作でもこういった好きになれる主人公&ヒロインを
つくっていって欲しいな。
339名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 12:46:48 ID:D8m+Qxh0
しかし今回の和月はっちゃけたよな
カラー2ページ目でヒロイン激戦ってヤバいだろ


所であのドレス一瞬パピヨンのじゃないかと思ったの俺だけ?
340名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 12:53:13 ID:4nV4UVjN
>>336
そこは渋井丸斗貴子で
341名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 20:06:49 ID:ScNBYKN0
>>339
胸のとこ開いてるように見えるよな、アレw
342名無しさん@ピンキー:2006/10/07(土) 23:17:22 ID:D8m+Qxh0
>>335
Kの人辺りがマジでやりそうで怖いよなwwwww
343名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 17:44:09 ID:Fl1aCyjA
>>339
あの裸包帯シーンの顔だけを斗貴子さんに差し替えると
上等のアイコラに
344名無しさん@ピンキー:2006/10/08(日) 20:33:54 ID:ZHJApHdH
>>343
7巻と8巻読んでもまだ足りないのかよwwwwwwww
345名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 10:07:21 ID:YkxIMB9m
エロスへの欲求は尽きることなき泉よ!
\     、 m'''',ヾミ、、 /
  \、_,r Y  Y ' 、 /';,''
  、 ,\ヽ, | | y /、 ,;;,,'',
   \、\::::::::::/, /,, ;;,    貫け!!
   ヽ\ o 、 ,o / { ;;;;;;;,,   俺のサンライトハート!!!
   丿 [ \|:::|/ ]  >"'''''
   >、.>  U   <,.<      
  ノ  ! ! -=- ノ!  ト-、    
..''"L  \\.".//_ |   ゙` ]
346名無しさん@ピンキー:2006/10/09(月) 12:02:38 ID:Su8r5kH0
>>345
ガリwww
347名無しさん@ピンキー:2006/10/10(火) 19:12:08 ID:aA7XVKCf
>>345
裏切りの戦士・・・・カインンンン!!!!
348名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 20:16:43 ID:bIVJVl2F
アニメ見れねぇorz
349名無しさん@ピンキー:2006/10/12(木) 23:39:06 ID:yAiXZ/EE
奇遇だな、俺もだorz
350名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 13:40:11 ID:gdyHZ0PU
まっぴーは土下座して一生懸命頼み込めば
優しいから一回くらいやらせてくれそうだ
んで、その後も哀れさムンムンで泣きつけば
優しいから何回もやらせてくれそうだ
351名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 19:17:24 ID:/s6wbqV6
いや、ドラマCD2での彼女は結構ムードとかにうるさい。
経験はないけどドリームは大きいタイプ。

しかもカズキと斗貴子さんをさんざ煽っておいて
「二人っきりのお泊りなんて…いいの?二人はまだ青少年…大人の階段登るには二人はまだ若すぎるの!」
じゃねーだろ!

だがまっぴーの心配をよそに、カズトキはもう大人の階段を上りきってしまっているな…
352名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 22:04:58 ID:ppLORLZs
彼女はまだシンデレラなのさ。
353名無しさん@ピンキー:2006/10/13(金) 23:29:55 ID:gUE0WacQ
大人の階段を登ったTQNはツンデレラというわけだな
354名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 21:04:51 ID:7KDKIP4N
じゃあカズキはデレデレラかな?
355名無しさん@ピンキー:2006/10/14(土) 21:55:50 ID:INGDcl1P
カズキと斗貴子さんは一日に必ず一回はキスしてそうだ。
というか一回で済まないかもしれんが。
356名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 01:18:52 ID:2+GKILuo
×一日に一回
○一秒に一回
357名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 01:38:59 ID:RSN8frRL
いや、一日に一回だが、長い。時間が。じっくりと。ねっとりと。
358名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 03:55:48 ID:kWoGLzm5
そしてそのまま本番に突入
359名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 07:21:50 ID:NjFOBwjz
そしてそっちも一回じゃ済まない
360名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 14:04:28 ID:8ZzCDO9u
カズキはタフそうだから斗貴子さんは大変だろうな
361名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 15:09:50 ID:YbX1MU7V
>>353->>360
そんな内容で一本、はげしくエロイのをお願いします
362名無しさん@ピンキー:2006/10/15(日) 22:37:13 ID:QthAewva
とっきゅん喘ぎすぎで声掠れちゃうな…ハァハァ(*´Д`*)ハァハァ
このストロベリーズめ
363体育館倉庫で…:2006/10/16(月) 16:26:25 ID:66ZQQn8i
ドラマCD2のまっぴーの会話から…

体育館倉庫の裏。ストロベリーな二人の妖しい声。
「こ、こら、だれか人がきたら…ン…」
カズキの口が斗貴子さんのしっとりした唇を塞ぐ。最近とみに強引なところも見せるようになってきた。
くちゅ…「ンンッ…」
カズキの熱い息。身体が歓喜して受け入れる。
じんわりと、頭の芯がしびれるキス。いかに斗貴子が気丈な戦士であっても、このときはただの女になってしまう。
(あ…カズキの舌…)
私の中に、入ってくる。熱くて、湿って、甘い。
私の舌と触れ合う。唇もお互いを求めるのを止めない。
「ときこさぁん…ひょろこんでる?」
1分ほど続いた営みを中断したのはカズキの一言だった。
「ぶっ!」
…キミってやつは!
「ヨロこんでない!」
「ヨロこんでる?」
「ヨロこんでない!」
「俺は…ヨロこんでるけど。」
ぎくり、と斗貴子は身を強張らせた。
…あたっている。いや、その、なんだ、カズキのナニが。
下半身に血が集まって、。キスだけだというのにありえないほどに滾っている。
放っておいたらそのまま斗貴子を貫きあげてしまうだろう…
「と、とにかく来い!」
364体育館倉庫で…:2006/10/16(月) 17:33:15 ID:66ZQQn8i
斗貴子がカズキを連れ込んだのは、体育館倉庫の中だった。
結構な広さがあり、薄暗いが、さほど汚くもない。
「と、斗貴子さん、大胆…」
「仕方ないだろ!ここが一番近いんだから!」
鍵は斗貴子が持っているし(くすねてきた)、内からつっかえ棒をすれば邪魔は入らない。
「斗貴子さん…」
後ろからカズキに抱きつかれる。だからあたってるんだが。キミの卑猥な棒があたってるんだが。
すっかりカズキは興奮してしまっている。…ああ!
「これだけはちゃんと付けてくれ…」
一枚の銀紙に包まれたコンドームを取り出す。カズキ愛用の大きいやつ。
忘れられてはたまらないので、いつも斗貴子がカバンに持ち歩いている。
しょっちゅう必要になるので、箱単位のコンドームが斗貴子のカバンに入っているわけだが…
しかもカズキも持っていてその量である。使用頻度は押して知るべし。
「うん、本番はちゃんと斗貴子さんを俺の両親に会わせてからだよね。」
斗貴子のセーラーのスカーフが外される。体操用マットに腰掛けた斗貴子はカズキのズボンのベルトに手を掛ける。
(うう…いつ見ても思うが…大きい)
ベルトを外すだけでも膨らみに手が当たってしまう。カズキがまたそれに反応して小さく身体を振るわせる。
自分の顔が熱くなってきた。なんというか、私もうずうずしてきたというか…早く挿入してほしいというか…
カズキの股間のチャックを何とか下ろす。特大のぴちぴちもっこりの中のカズキのアルトリコーダーが準備万端だ。
「斗貴子さん…」カズキの手が私のブラのホックを外す。
勃ってしまった乳首をコロコロと転がされる。
「ンンっ…!」
「好きだよ…」
ついに私はカズキに寝かされてしまう。へそから胸にかけて、カズキの唇が、舌が触れる。
「はぁん……カズキィ…ッ!」
自分では信じられないくらいの甘い声が、口からついて出た。
パンツを脱がされて、丸出しのお尻を愛撫される。陰毛がもういやらしく湿っている。
「斗貴子さん…お尻すべすべだね。気持ちイイ!?」
「ああ、気持ちイイ…」
ああ、でも、カズキが触れてくるたびに、もっと刺激が欲しくなる。もっと大きな快感を求めてアソコが湿る。
「カズキ…ッ!」
その声を聞いて、カズキは私を押し倒した姿勢のまま、ごそごそと自分の分身にコンドームを装着し始めた。

365体育館倉庫で…:2006/10/16(月) 17:58:41 ID:66ZQQn8i
プリーツスカートが皺にならないように、カズキはゆっくりと自身を斗貴子に挿入する。
広がったスカートがふわりと覆って、結合部が見えなくなるが、斗貴子の中にカズキの質量がゆっくりと入っていくのを感じる。
「うぅっ、つっ、あ、固い…」
「斗貴子さぁあん…」
すりすりとカズキの体が動く。ズンズンと進入するえも言われぬ快感の虜になる。
「カズキ、…ったった、ら、…あまり、急かないで…ん」
「斗貴子さぁん、ヨロこんでる?ねぇ」
また、あの言葉だ。意外としつこいのだ、カズキは。
「ばっ…よ、ロコ、…でない!」
「ヨロこんでるよ?」
カズキは腰を動かす。結合部がぐちゅぐちゅ音を立てる。
「ち、ちが…あああっ、んっ、カズ…キっ」
ああ、もう頭の中が真っ白になる。激しい、激しいぞカズキ。
「……ぅ、あぅ、んっ、…ああっ、よ、ヨロこんでる!…っああんっ!」
「…………そんなに喘いで。えっちだなあ斗貴子さんは…」
(…………ブチ撒ける!)

そんなこんなでこの日私はは5回もイッてしまった。いや、イかされたというべきか…
終わった後、カズキが私の「ヨロこんでる!」発言を蒸し返したので、とりあえず抜き手をかまして倉庫に転がしておいた。

(終わり)

366名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 19:23:28 ID:j9jLFcV3
GJです。斗貴子さんヒドイ…w
給水塔の他にもストロベリーポイントを確保しつつあるのか2人は。
367名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 19:39:38 ID:gXLJf4iU
苺エリア拡大中

368名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 20:14:45 ID:iDbGDyuw
5回もwGJです!苺いちご
369名無しさん@ピンキー:2006/10/16(月) 21:24:08 ID:wRRzGBJl
>>367
×拡大中
○侵食中

GJ!
370名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 00:46:57 ID:qDdHrKYW
ウォオオ-オオ♪ ウォオオ-オオ♪ ヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ  GJ
371名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 05:51:48 ID:ZETZhDN0
抜き手を手こきと勘違いしたやつ
正直に手を上げなさい
372名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 07:20:02 ID:2s59xLIF
ノシ
373名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 19:46:24 ID:voSmrmuQ
もうセックスだけでカズキの性欲が解消しきれないから、手でヌイてくれるんですか
374名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 20:42:24 ID:CYoe3AHZ
セックスだけでカズキの性欲に対応していると際限がないので
さすがのTQNも身がもたない→手こき
375名無しさん@ピンキー:2006/10/17(火) 22:39:14 ID:JdNvwM25
>>365GJ
俺もヨロこんでるよ〜
376名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 00:50:40 ID:BV7F4dVW
なにこの流れワロスwwwとっきゅんの腰揉んであげたいわー。
>>365 蝶サイコー!
377手コキカズトキ:2006/10/18(水) 12:25:15 ID:ozSFEf0E
手こきってあんまりないな、と思ったので。


「斗貴子さん…なんていうか俺…溜まってるんだ…」
なんだかアニメ版のカズキのような悶々とした顔で、カズキは言った。
「だ、だめだぞ今日は。というか無理だ!2日目だから…」
そう、今日は斗貴子は生理の日だった。一般的には女性が生理の日はセックスはできないものである。
いや、できなくはないだろうが、雑菌とかが入ることを考えると好ましくないと言われている。
「た、たまには自分で処理するんだ、いいな。というか、溜まるたんびに私で性欲処理されていては身が持たない!」
「でもオナニーじゃ満たされないんだよぉ…斗貴子さぁん…」
ぎゅうっ、と斗貴子は抱きしめられる。カズキの甘い息が耳にかかる。
じわっ、と斗貴子の下半身から血液以外のものが溢れてくる。
(こ、このままではなし崩しに…!!!!)
「わ、わかった!手でシてやるから!」
大声で言った斗貴子の提案に、カズキの目が点になる。
「え…、斗貴子さん、今なんて?」
「だ、だから手で…////。二度も言わせるな、バカ!」
378手コキカズトキ:2006/10/18(水) 12:50:26 ID:ozSFEf0E
「ほんとにいいの?斗貴子さん…手でしてくれるって…」
「い、いいから…ズボンのボタンを外すんだ。」
カズキはベッドに腰掛け、ズボンに手をかけた。
「…というか、もう持ち上がってるじゃないか!」
カズキはもっこり膨らんだ前を押さえる。
「あ、あはは、なんか興奮しちゃって…」
「パンツはそのままでいいからな…」
斗貴子はカズキの後ろに回りこむ。斗貴子が後ろからカズキに覆いかぶさるような形になる。
いつもと違う体勢に、カズキはドキドキした。
そっ、と斗貴子はカズキのトランクスのなかに、白魚のような手を滑り込ませた。
ピクン
「あっ…////」
斗貴子の手に包み込まれた感覚に、カズキは反応する。
斗貴子はゆっくり手を上下させる。むくむくとカズキのモノが固さを増し反り返る。
「と、斗貴子さんの右手…気持ちいい…」
自分の手と違って、なんて柔らかくて、すべすべで、指が可愛らしいのだろう。
トランクスに収まりきらなくなったモノが、ぴょこりと顔を出す。
すると今度は亀頭のほうを斗貴子さんの手が包み込み、愛撫してくれる。
「き、気持ちいいか…?カズキ…」
379手コキカズトキ:2006/10/18(水) 13:21:28 ID:ozSFEf0E
あまりの快感に腰が震える。自分でシコシコしているのとは比べ物にならない。
「斗貴子さん…すごく上手…上手すぎて、困る」
汗ばみ、息も荒くカズキは言う。
「は、初めてなのだがな…」
恥ずかしいのか、消え入りそうな声で斗貴子が答える。
(こんな浅ましいことまでして…カズキをヨロこばせて…なんでもご奉仕して…
  自分だけのモノにして…カズキを独占したいのか…私は…)
斗貴子の右手はいっそう情熱的にカズキの分身を愛撫する。
おなかに巻きついた斗貴子の左手も、背中に触れている斗貴子の体温も…すべてがカズキを高みに押し上げてくれる。
自分の陰毛の茂みを掻き分けて、袋を刺激している指のすべてが愛しい。
「斗貴子さん…、俺、もうイきそう…!出ちゃう…」
「あ、待ってくれ、このタオルの中に…」
びゅぴゅるぴゅっ!
カズキの精液は、斗貴子の手の中にブチ撒いた。
「あ………」
ねっとりと、べっとり精液まみれになった哀れな自分の手を斗貴子はジト目で見た。
「………キミってやつは!」
「申し訳ゴザイマセンでした…」
カズキは平伏した。なんだか申し訳なさでアッチのほうもしょんぼりしてしまったようだ。
「うう、まだ修行が足りないな…」
「きょ、今日はこれで終いだ!寝ろ!しっかり!」

カズキが出て行った部屋で一人、斗貴子は自分の右手(洗った)を見た。
(手でしたのは初めてだが…思っていたより…ずっと大きかったな…カズキの××××…)

(終わり)
380名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 13:43:19 ID:LsXdWgeB
くあー、GJです。
SSタイトルが微妙に韻を踏んでてワラタ
381名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 19:40:28 ID:PNFvksIM
ホントにこのバカップルときたらもう…最高w
382名無しさん@ピンキー:2006/10/18(水) 20:34:45 ID:d3B0jzSA
いいぞもっとストロベリっちゃえw GJ!
383名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 10:51:34 ID:aBPQn8KB
5秒後、カズキにバックからズコズコ突っ込まれる斗貴子さん

.          ノ:;、 '´.:./.:.:.:.:.::.:.::〃.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:::|.:.:.:.:l:::',
=========/ '´.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.';.:.',=======
     ∠-―、_,;∠_.:.:.:.::.:::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:::,:.:',
    (:(:::::::::人_レ::l  `'‐、/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.il.:.:.:.:.:.:.l.:.:.,
    ヽ`) ':::::::::::::|: : : : : : V ̄ヽ、.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:il.:.:.:.:.:.:.',::.:.〉
____ヽ:ヽ、_;::::::|      : : : ヽ,:.〃.:.:.:.:.:.:.:.:.:fj.:.:.:.:.:.:.:ト./___
――――‐ヽ∠二.|            `┬-、_.:.:.:.〃.:__/――――
           l             |: : : : :  ̄:  ̄: /
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_________!        八.、_    /________
              ',         l .|    ̄ f
384名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 12:29:41 ID:i4sL2xoP
>>383
その一時間後、今度はカズキがバルスカでズコズコお仕置きされます
385オバケ工場にて。:2006/10/19(木) 16:04:07 ID:aBPQn8KB
「あっ、は、あん…っ!」
ぐちゅ、ぐちゅ、くちょ。カズキの指が斗貴子の中をかき混ぜる。
とろりとした蜜が、斗貴子の脚をつたう。
「斗貴子さん…可愛い」
カズキは自分の息子が固く熱を持ち始めるのを感じていた。
クリトリスをきゅっ、とこすると、びくん、とひときわ大きく斗貴子は身をよじる。
「ひぁっ…!」
カズキはすっかりのぼせ上がり、恥部に挿入した指を、二本に増やす。
「ぇ…はぁ、えっ、な…何を…!?…ひ、ふぁっ、あ、ちょっ…ダメ…」
カズキはためらいもなく指を三本に増やす。
「何が、ダメ、なの?全部入ったよ?」
ぐちゅ、と音を立て、斗貴子の秘められた奥に指を突きたてる。
「ひゃあぅっ!、ふぁっ、あ、ちょっ…指、曲げ…ないでぇ…」
生暖かい斗貴子の恥部がカズキの指をきゅうきゅう締め付ける。
カズキは斗貴子のセーラー服をたくし上げ、そのまま、小さな作りのブラジャーも上にずりあげる。
あらわになった白い胸には小さな双丘と、淡いピンク色の突起。
あむ、と突起を軽くついばむ。
「ひゃあぁんっ!!」
斗貴子の甘い声が漏れる。
舌と空いた手でひたすら乳頭を触り、舐め、こねくり回す。
スカートの下へと伸ばされた手もくちゅくちゅと動いている。
カズキは、ずちゅり…と三本の指を引きぬいた。ソコはもうぐちょぐちょに蜜が溢れて、いやらしくヒクついている。
「ぁ……」
解放された斗貴子は、物足りなさに戸惑う。
「斗貴子さん」
「…ぇ…?」
「これが、欲しいんでしょ?」
そういうとカズキは斗貴子のパンツを下ろす。ぷりん、と斗貴子のおしりが揺れる。
そしてカズキはズボンのジッパーに手をかけた。



386名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 18:16:30 ID:jKV6hApl
>>385
続き!続き!
387オバケ工場にて。:2006/10/19(木) 18:54:34 ID:aBPQn8KB
グッ、とカズキは自分のモノを斗貴子に押し込む。
「あッ!?ああーっ!!!」
ぐちゅりと湿った音が響き、カズキのペニスは抵抗なく奥へと進んだ。
カズキはピストン運動を始め、斗貴子の女の子の大事な部分をクチュクチュと掻き回す。
途端、斗貴子の口から歓喜の叫びが上がる。
「ん、ふぅ…………カズキぃ…」
胸元に滑り込んだ指が、白い膨らみの先端、赤みの差した突起を、そっと、何度も扱き立てる。
じゅわわ…
それだけで斗貴子の全身に快楽の波が押し寄せ、淫らな液が奥から溢れてくる。
「ふぁっ………」
「斗貴子さぁん…」
膣がギュッ、とペニスを締め付け、いやらしい液が溢れる。
ずぷちゅっ。ずぷっ。ぷちゅっ。
「あ、はっ……んっ……くふぅ……」
斗貴子は窓に両手をついて、バックの体位でカズキを受け入れている。
がっちりと腰を押さえ込まれ て執拗に欲望を打ちつけられる。
ぷっくり膨らんでジンジンと疼く二つの突起。斗貴子の下腹部に淫らな疼きが広がる。
「か、カズキ…もっと…めちゃくちゃにして…」
「じゃ、斗貴子さん…自分で…腰を動かして」
「…ぇ…////」
頬を染めつつも、斗貴子は自ら腰を前後させ始めた。じゅっぷじゅっぷと結合部が音を立てる。
「くぅぅぅっ…イイよお…斗貴子さぁん…」
カズキが気持ちよさそうに甘い声を出す。
(自分から尻をくねらせて腰を振って……なんてイヤらしい女なんだ…私は…////)
斗貴子は羞恥で真っ赤になりつつも、カズキを悦ばせる腰の動きは止められずにいた。体の中で熱と淫欲が溢れてしまって
いる。
なんというか、すっごくキモチいい…
中から溢れてきた愛液がとろりと流れ落ちて腿まで濡らしている。
「あ、あんっ、あぁああっ…!ダメ、もう、ダメえぇっ!!…」
斗貴子が絶頂に達したとき、カズキも射精した。
びゅるっ、びゅっ、びゅくっ…

(中出しされてしまった…ピルを飲んでおいて良かった…)
「自分からお尻を振ってくれる斗貴子さん…とっても良かったよ…」

おしまい



388名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 20:20:58 ID:isjAu43i
苺!GJ!
389名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 20:35:40 ID:cWO5RiKM
>385
GJ!
やらしーのはやらしーのでも愛に溢れたやーらしさなのでカズトキが好きだ!
陵辱系もなんだ、その萌えるのは萌えるが、後味がなー
390名無しさん@ピンキー:2006/10/19(木) 23:13:18 ID:PWkydJyA
カズキに生で突っ込まれて腰振ってヨロこんじゃう斗貴子さんはエロスいなあ…
ホントにカズキが頼めばどんなプレイでもしてくれそうだなぁ…
「斗貴子さん、今日はブルマー穿いてセックスしない?」
「キ、キミがそうしたいなら…いいぞ」
「斗貴子さん、スク水着てみない?」
「キ、キミが見たいなら…いいぞ」
「斗貴子さん、今日は斗貴子さんの一人えっちが見たいな…」
「ハ、恥ずかしいケド、キミが見たいなら…////」
391名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 02:05:41 ID:U8XAAGuz
どんなプレイでも、ミルクぶち撒ける準備万端でお待ちしてますよTQN
392名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 05:41:01 ID:GGsn35JK
いつもの様に、俺は斗貴子さんを抱きしめて、斗貴子さんにだけ聞える様に呟いた。
「だいすきだよ」



そう言った途端、斗貴子さんは俺の腕の中で俯いてしまった。
「……どうしたの?」
「…別にどうもしない。ただ…」
斗貴子さんは顔を隠したまましゃべり続けた。
「ただ、キミが、毎日の様にそう言ってくれるのが……嬉しくて」
「なら…顔を上げてそう言ってくれると、俺も嬉しいんだけど」
「……………」
斗貴子さんは顔を上げてはくれない。きっと、恥ずかしいんだ。
俺だって恥ずかしくない訳じゃないけど、好きという想いを伝えたい気持ちの方が強い。
「斗貴子さん。顔、上げて?」
俺は斗貴子さんにそう催促した。多分、耳まで真っ赤にしてるんだろうけど。
「…もう……」
下からの斗貴子さんの視線が、ゆっくりと俺を捕らえた。
……あぁやっぱり。
「顔、だいぶ赤いね。…かわいい」
「やめてくれ……」
斗貴子さんがまた下を向こうとしたから、思わず斗貴子さんの後頭部を押さえて、
くちびるを重ねた。
「あ、コッ……んっ」
俺が舌を入れようとすると、斗貴子さんはすぐに受け入れてくれた。
斗貴子さんは、ホントにキスが好きだ。
ちゅ、ちゅう、ちゅぶ。くちゅ、ちゅ。
俺と斗貴子さんの唾液が混じり合って、だんだん区別がつかなくなっていく。
393名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 05:41:52 ID:GGsn35JK
くちびるを離したのは、カズキではなく私。
お互いに恍惚となっていたので、どれ位の間くちびるを交わしていたのかよく分からない。
ただ、口の中に残る粘つきから考えて、興奮しているという事だけは分かる。
……このコも、私も。
「斗貴子さん、鼓動が速くなってる」
「人の事言えないだろう、キミも」
二人とも紅潮した顔で、二人ともクスクスと笑った。
本当にただそれだけだったのだが、それは私にとってこれ以上無い幸せだ。
「本当に嬉しそうだね。ね、斗貴子さん……」
カズキが再び顔を近づけてきて、よく通る声で囁いてきた。
「その………イイ…かなぁ?」
……こんな状況でなければ、言葉を省きすぎていて意味が通らなかっただろう。
「……しょうがないな、キミは」
「エヘヘ、ゴメンね。でも、斗貴子さんがイヤだって言うんならしないよ?」
カズキが心配そうな瞳を寄越してくる。
本当は嫌なのだが、カズキの為に耐えているとでも思っているのだろうか。
「別に…イヤなんかじゃないぞ?キミとなら……の話だがな」
「ホント!良かったぁ!!それじゃ、斗貴子さん………」
カズキのくちびるが、また私のくちびるを塞いだ。
衣擦れの音と相まって、私は次第に高まってゆく。
394名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 05:42:58 ID:GGsn35JK
「はぁぁ……カズキ…」
皮膚と皮膚が触れ合って、斗貴子さんがそんな声をあげる。
露になった斗貴子さんの肌はすっかり上気していて、桜色だった。
もう何度見たか分からない。けれど、心底『綺麗だ』と思う。
「すっ……ごくキレイだよ、斗貴子さん」
「……またそういう事を言う…」
そう言って斗貴子さんはそっぽを向いてしまった。本当の事を言っただけなのに。
何だ少し寂しくなって、斗貴子さんの胸にしゃぶりついた。
斗貴子さんの体がぴくん、と跳ねる。
「ひゃうっ!…きゅ、急に何をっ……!!」
ちゅむ、ちゅむ、くちゅ。
わざと音を立てて、乳房を舐め回す。決して歯を当てない様に細心の注意を払いながら。
俺に出来る限り優しく接して、斗貴子さんを気持ちよくさせる。
ちゅうう、ちゅっ、ちゅっ。
「ンン、あっ…カズキぃ……」
斗貴子さんが俺の頭を注視しているのが分かる。
乳首から口を離さず斗貴子さんを見つめ返すと、そこには蕩けた瞳があった。
「カズキ…」
気持ち良くなってくると俺の名を連呼するのは、斗貴子さんのクセだ。
甘い、甘い声は、より一層斗貴子さんをいとおしく思わせる。
我慢できなくなった俺は、斗貴子さんの一番大切な場所に触れた。
くちゅり。
「ひゃぁあん!あぁ…あん!ダッ、ダメだカズキ…ッ!!」
「ダメ…なの?こんなに濡れてるのに?」
シーツが湿っている事が見なくても分かる程、斗貴子さんは感じてくれているのに。
「だ、だって、もうそんな所さわられたらぁ…私はっ……!」
傷の場所が分からなくなる程、斗貴子さんは真っ赤になってるのに。
「斗貴子さんは……どうなるの?俺にだけ、教えて?」
「バカッ…それが一番、恥ずかしいんだぞっ……」
自分の顔も真っ赤になっている事は、重々承知だ。
―――ああ、俺はこんなにもこの人の事が、すきなんだ。
395名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 05:43:57 ID:GGsn35JK
ぢゅ、ぢゅぅう。ずちゅ……
カズキが私を抱きしめたまま、カズキ自身をゆっくりと挿入してくる。
もう声を堪える事も難しくなってきた。
「ン、あ、カズキ、カズキィ……」
情事の最中、気が付くと私はこのコの名前を呼んでいる。
私の中に収める事を終えたカズキは、にこりと笑って、軽いキスをくれた。
「なあに?心配しなくても、俺はここにいるから…ね?」
そう言って、また私のくちびるを奪った。今度は、舌も交わす。
それと同時にカズキが腰を動かしだした。
ちゅっ、ぐちゅう、ちゅば、じゅっ……
決して乱暴にではなく、まるで頭を撫でているかの様に優しく心地よく。
唾液と蜜、二つの粘液の音があまりにもいやらしい。
眩暈を起したかの様に、頭の中がくらくらと揺れる。
それでも、目の前にいるこのコだけははっきりと見えている。
じゅ、ちゅぢゅう、じゅぷ……
塞がった口から零れるのは、言葉ではなく水音だけだ。
だが唐突に、彼に伝えたい想いが私の中に生まれてきた。
快感に打ち震えている所為か、上手く力の入らない腕を動かし、キスを中断させる。
「ハァ、ハァ…どうしたの?斗貴子さん…?」
カズキも息が上がっている。もう絶頂が近いのだろう。まぁ、それは私もだが。
「あぁ……っは……ん………きぃ……」
「え?何て言ったの?」
上手く舌が回らない。更に言うなら、恥ずかしいという事もある。
それでも何故か、私はこの言葉を『今』彼に伝えたかったのだ。
「……す………きぃ……」
「…え?」
「はぁん、あ、すき…だっ………キミの…ぉ、事がぁっ!!」
396名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 05:44:46 ID:GGsn35JK
斗貴子さんが、俺の事を好きだと言ってくれた。
勿論、分かってた事なんだけど。俺達は恋人同士なんだから。
それでも―――
泣きたくなる程、嬉しかった。
「斗貴子さん、俺も、俺も斗貴子さんの事だいすきだよ!斗貴子さん、斗貴子さぁん!」
意図せず、腰の動きが速くなっていた。斗貴子さんの嬌声が、更に上擦る。
「あひゃああん!!カ、カズキィ、んぁ、あぁぁ!」
じゅぽ、じゅぽ、じゅぷっ、ぐちゅちゅ……
ただでさえ強い斗貴子さんの締め付けは、今や俺のモノを潰さんばかりとなっている。
斗貴子さんももう限界なんだろう。
「斗貴子さん、俺、そろそろ…っ」
「カズキ、わ、私もぉ……んぅ、い、一緒に!」
「分かってる、大丈夫だよ斗貴子さん!」
俺は、斗貴子さんの一番深い部分を思い切り強く突いた。
「あっ、ひゃあぁっ、カッ、カズキィイイイ!!」
「んんっ…斗貴子さんっ……!!」
斗貴子さんが俺にしがみ付いたまま痙攣している。
びくん、びくびくびくん―――
俺も斗貴子さんを抱きしめて、斗貴子さんの中に大量の精を解き放つ。
びゅくっ、びゅるるるる―――
「カ、カズキの………あったかい…」
俺と斗貴子さんは、余韻のままに、しばらく抱き合っていた。
397名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 05:45:35 ID:GGsn35JK
「それにしても、本当に元気だなぁキミは…」
「えーと……その…ゴメンナサイ……」
昨日も、一昨日も、そしてその前日も、このコと一緒に寝たというのに。
「まさか、性欲の任せるままに、他の女の子に手を出すなんて――」
「そんな事しないよ!」
私が全てを言い切る前に、カズキは反論を始めていた。
「俺のパートナーは斗貴子さんだけだって!
 って言うか、斗貴子さんがいるのに、斗貴子さんを蔑ろにしたりしないよ!!」
「そ……そうか。すまない…」
私は冗談半分で言ったのだが、彼のあまりに強い思いにどきりとさせられる。
「でも……斗貴子さんも…俺だけ、だよね?」
さっきとは打って変わって、弱弱しい声でカズキはそう言った。
私は、出来るだけ優しい声で彼に答えた。
「私も…だぞ。キミ以外の男に、私が体を開くと思うか?」
「…ううん。思わない」
カズキは眩しい程の笑顔を湛えながら、私を抱き寄せた。
「あ、そうだ、斗貴子さん!」
思い出した、という風にカズキが喋り出した。
「斗貴子さんさっき、俺の事『すき』って言ってくれたよね?」
……覚えていた。珍しい事だからだろうか?
「ん、まぁ、な」
「えへへへへ」
ぎゅう、とカズキの腕に力がこもり、彼と密着した。彼の鼓動と体温が伝わってくる。
こうされると日の光を浴びているかの様に心安らぐのは、何故なんだろう。
彼が、私にだけ聞えるように語り掛けてくる。



「だいすきだよ」






腕の中の人へ―――了(始めに戻る)
398名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 06:14:45 ID:6P2TzBrw
>392-397
GJ!うおー朝っぱらから萌えちまったい
399名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 09:34:52 ID:BU2SrKig
>(始めに戻る)
今は「何回目」だったんだろう?w
ラブラブだな。GJ
400名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 09:43:45 ID:kxqrMUxi
朝からエロスだな…
401名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 11:23:30 ID:2WH2ruvp
まっぴーLOVE祭り

「ん……ふぁ……」
夜。布団の中で甘い少女の喘ぎが漏れる。
少女、武藤まひろは大きくてボヨヨンな胸の膨らみをむにゅむにゅとパジャマの上から撫で回し、
そろそろと指先をぐっしょりと濡れそぼっているショーツに押し当てた。
「ひゃんっ…」
もう我慢出来ない。思う存分に疼くそこを掻き回す。
「むふぅ……お兄ちゃん…………お兄ちゃん……」
恋しい兄の名前を呼ぶ声は甘く、切ない。
「お兄ちゃんが、斗貴子さんとばっかり仲良くしてるの………見てられないよぉ……」
全身を火照らせ、いけない指遊びに没頭するまひろ。
右手はパンツの中に潜らせ、女の子の大事な部分をクチュクチュ掻き回す。
秘部をまひろの中指がせわしなく出入りし、零れた蜜がショーツをとろとろに濡らす。
「あ、あん、あはんっ…」
一旦両手を自由にし、自分の豊満な乳房を直に揉み揉みする。
豊かなおっぱいの中心にある、ポンポンに膨らんだ乳首を、二本の指でクリクリと弄くる。
「ふあぁ……。お兄ちゃんに…おっぱいいじられてるぅ……」
まひろは枕もとに置いてあった太くて固いものを取り出す。バナナである。
「えへへ…」
太くて固いそれは、兄も大好きな種類のもの。
ずぷり、と膣の中に挿入する。
「ひゃっ、……大きい。…お兄ちゃんのみたい」


402名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 12:10:39 ID:2WH2ruvp
続き

ズブズブとバナナを沈めると、ずいぶん奥まで埋まった。
「はぁ、はぁぁん…」
ぬるぬるの穴にバナナをぐちゅぐちゅ出入りさせる。
ぐちゅ、ぐちゅ、くちょぷ。
「あはっ、んっ、ふぅう……」
処女であるとは思えないほど夢中で腰を振るまひろ。みだらな蜜がいっそう秘部から溢れる。
「ふぁ、ああんっ!ふゃあぅうっ!」
はぁ、はぁ、はぁ。
軋むベッドと、荒がるまひろの吐息。
「やっ、やぁ、あん、あぁ…は…!」
バナナで自分の最奥をぐいっ、と突く。そのまま円を描くようにくりゅくりゅ動かす。
「あぁあ…ダメ、ダメっ…お兄ちゃんっ…」
ベッドの上にぐったりと体を預けて、まひろはひたすら喘ぎ続けていた。
「…あ、も、もうっ…」
寸前、無邪気に微笑む兄の姿が、まひろのまぶたの裏に浮かんだ。
「あっ!!お兄ちゃあん…お兄ちゃあんっ!!!」
まひろは絶頂を向かえ、ヒクヒクと痙攣する。
「はぁ……はぁ……」
荒い呼吸を落ち着け、まひろはバナナを自分の蜜壷から抜き出した。いやらしい液でべとべとに濡れている。
「私が、こんなにエッチだって知られたら……お兄ちゃんに嫌われちゃうよ……」
ポツリとつぶやいたまひろの声は、だれの元へも届くことはなかった。
403名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 12:13:11 ID:2WH2ruvp
以上。カズトキ好きなんだけど
アニメのまっぴーのあまりのエロさに一本書いてしまいました…
404名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 12:25:09 ID:0pUf/lcW
乙ですハァハァ
アニメまっぴーって何か無防備だよね。
俺が守ってやらないと。
405名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 14:35:47 ID:4gR2hzPr
>>404
お前襲う気だな?
406名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 18:41:52 ID:lKVmQosW
ちょっと来ないでいたら、なんかスゴイ事になってる!!
皆様GJ!
で、「苺の練乳掛け」という言葉が浮かんだオイラを
時々、遠くで、ののしって。
407名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 18:58:57 ID:/wihQoJr
まっぴーSSやラブいカズトキSS、堪能した。誠にGJであった。
408名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 19:26:35 ID:2WH2ruvp
>「苺の練乳掛け」

カズキの練乳が斗貴子さんの苺な部分にぶっかかる絵が浮かんでしまったではないか!
409名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 20:26:49 ID:RohKD89F
苺の練乳掛け、今夜のデザートにケテーイ
ということで食卓に準備のほどお願いしますよカズキくん

まっぴーとカズトキ、どっちもGJGJGJ!
410名無しさん@ピンキー:2006/10/20(金) 22:25:33 ID:Uus0yjjH
デザートまだですか?蝶腹減った
411名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 10:22:44 ID:656PMwSY
練乳がかかっちゃうシチュというと、やっぱりおフェラの後…
斗貴子さんの口からは白い液が溢れ、胸元は白く染まり、苺色の乳首にも練乳が…
「すまない…キミのミルク、こぼしてしまった…」
412名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 10:23:16 ID:656PMwSY
エロ専用絵板も作ってほしいところだな
文才がない人もぜひエロ絵をうpってくれ
413名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 20:21:23 ID:5Axn8/tP
文才がない人…俺様のことか!ちなみに絵心もない!
俺は才能皆無の達人だ!オソルベシ、オレ!
414名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 21:15:11 ID:DXl5W1Tt
お前は独りじゃないぜフレンド
俺もだ!!
415名無しさん@ピンキー:2006/10/21(土) 21:41:46 ID:5Axn8/tP
>>414
この手を離すもんか!真赤n(ry

文才ないなりにネタでも投下するべ、フレンド
416名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 09:10:12 ID:99YrIYZn
熱いなおまいらw
417名無しさん@ピンキー:2006/10/22(日) 19:33:52 ID:X7suusR0
熱いエロスを展開するSS希望です!
418湯上がり斗貴子さん:2006/10/23(月) 11:47:12 ID:7DFZOVTb
湯上がりで上気した肌…せっけんの匂いが斗貴子さんからした。
柔らかくって温かくて、すべすべしてる太ももをカズキは撫でる。
斗貴子さんの下半身はもうパンツ一枚だった。
「この下着、可愛いね。斗貴子さんの肌が生えるし」
「…そういってもらえると、悩んで買った甲斐がある」
ほんのり頬を染め、斗貴子さんが言った。斗貴子さんは細かいところがけっこうオシャレなのだ。
斗貴子さんはもぞもぞとミャミソールの下のブラの背中のホックを外した。
ふっ、とカズキが斗貴子の耳元に息を吹き付けた。
「あっ」
思わずびくっとして斗貴子はのけぞる。
「コラ!いきなりキミは…」
「えへへ…斗貴子さん、可愛い」
「もう…」
カズキは左手を胸に伸ばした。
湯上がりでしっとりと落ち着いている、ブラの下のささやかな膨らみ。
「あっ…」
斗貴子はまたぴくんと反応した。
たちあがった乳首がだんだん固まっていく。
揉みしだかれる乳房は、刺激でうっすらとしたピンク色に変わりはじめる。
カズキはキャミだけを残し、斗貴子のブラを外す。
ちゅ、ちゅっと柔らかなキスが斗貴子の胸元に降り注ぐ。
419湯上がり斗貴子さん:2006/10/23(月) 12:41:39 ID:7DFZOVTb
「斗貴子さん、…乳首、すっかり勃ってる」
カズキの言葉に間髪入れずに怒声が起こった。両方の頬をつねられる。
「…そういうことは声に出すな!」
「いひゃいいひゃいひょきこさん…」
頬を解放される様、カズキは斗貴子のお尻に手を伸ばす。
「ひゃうっ」
穿いたままのパンツの上から、指をゆっくり、アソコの溝に沿わせ…
「あん……!」
斗貴子は片手で、カズキの手を止めようとレース付きのパンツに覆われた大事な場所を抑えた。
「…ん?なんだか透けてる……?」
「み、見るな!」
カズキの指先がクリトリスに軽くめりこみ、そこから走った電流のような快感に斗貴子は悲鳴をあげた。
「きゃうっ!」
「斗貴子さぁん…中に指、入れていい?」
「う、ううう……!」
斗貴子は底なしの恥ずかしさから、涙が出そうだった。じんじんと不穏な股間。
「入れて…カズキぃ…っ!欲しい…」
カズキは斗貴子のお尻の間から手を滑らせて、ゆっくり指をワレメに沿わす。
とたんに斗貴子の息が荒くなった。
「斗貴子さん…ここ摘むと、気持ちいい?」
「あっ、ちょっ…!ダメ……」
(き、気持ちいい…………)
カズキの指を受け入れる斗貴子の秘所はもうぐしょぐしょのぬるぬるで、カズキの雄を迎える準備は整っていた。
カズキはそれを見て、トランクスを膝までずり下げ、斗貴子のパンツを剥いた。
「いくよ、斗貴子さん」
「って、あ……あ…あ、ああああっ…ん!」
凄まじい質量であるカズキのペニスが挿入される。
「…ああっ…あんっ……!」
何度となくカズキとセックスしても、この大きさには斗貴子はいつも舌を巻く。
頭がくらくらする。自分が自分でなくなってしまう。
「……ごめんね、斗貴子さん」
「……んっ、んんっ、うう……」
掌で髪を撫でられ躯を愛撫されながら、斗貴子は潤んだ瞳でカズキを見る。
それでもやはり斗貴子は処女ではない。躯が馴れるに従って、徐々に身も心もカズキを受け入れ、自ら動く。
「カズキ…大丈夫、だ…」
ゆっくりと一番奥に押し付けられる、甘い快感。

二人の夜は終わらない。

(END)
420名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 17:47:05 ID:UMWSzKSh
GJ!!斗貴子さぁん(はぁと)
421名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 20:13:44 ID:DUMKvys4
まっぴーがこのスレみたら
鼻血出して倒れそうだなw
422名無しさん@ピンキー:2006/10/23(月) 21:53:42 ID:yCnFflf1
5秒後、カズキに駅弁でズコズコ突っ込まれる斗貴子さん

.          ノ:;、 '´.:./.:.:.:.:.::.:.::〃.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:::|.:.:.:.:l:::',
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     ∠-―、_,;∠_.:.:.:.::.:::::/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:.:::,:.:',
    (:(:::::::::人_レ::l  `'‐、/.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.il.:.:.:.:.:.:.l.:.:.,
    ヽ`) ':::::::::::::|: : : : : : V ̄ヽ、.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.:.:.:.:il.:.:.:.:.:.:.',::.:.〉
____ヽ:ヽ、_;::::::|      : : : ヽ,:.〃.:.:.:.:.:.:.:.:.:fj.:.:.:.:.:.:.:ト./___
――――‐ヽ∠二.|            `┬-、_.:.:.:.〃.:__/――――
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_________!        八.、_    /________
              ',         l .|    ̄ f

423名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 00:11:10 ID:kZCGnnd1
>418-419
蝶・乙!
湯上りTQNはええのう……雨のそぼ降る寒い夜に一瞬の幻影を見たぜ
424名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 14:03:02 ID:VKacox50
斗貴子さんの美脚をじっくり味わうカズキン
425名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 16:58:41 ID:/8yb3/Ic
やはりあの階段のシーンでカズキは見たのだろうか?
絶対領域の向こう側を。
426扉をあけて P1/13:2006/10/24(火) 18:55:54 ID:8BTJ6Dfc
せっかくエルォ〜スなSSがいっぱいきて、練乳苺祭になっているのに、
空気を読まず、力量を省みず、エロスもなしに書き込むから
しかも長い上に、微妙なモンを。……13レス頂きます。スンマセン

七月も終わりに近いその日、俺は、とある山中を歩いていた。
今日の目的地の町まではあと少しの筈だ。
『では秋水君。身体に気をつけて』
そう剣術の師匠に見送られて修行の旅に出た俺は、足腰の鍛錬の為、敢えて山道を
選んで歩いてきた。今日も上り下りの繰り返しで、かなり汗ばんでいる。
しかし国道沿いを歩けば、アスファルトの輻射熱と自動車の排ガスでもっと酷い目に
あっただろう。まだこの山道の方が涼しい筈だ。
この時期だと学校はもう夏休み、皆は何をしているだろう。そんなことをふと思う。
桜花姉さんは元気だろうか。それに武藤カズキも。
病院を退院して直ぐにこの修行に出てしまった為、武藤にはあの夜以来、会っていない。
――いや、顔を合わせられる立場じゃないな。
もちろん携帯電話は持っているが、あの日以来、姉さんを含め誰にも電話をしていない。
表向きは里心がつくから。実際は――
そんなことを考えていた所為だろうか。道に迷ってしまった。

日が沈むまであと2〜3時間だろう。未舗装路の両脇は木ばかり。通る人もいない。
そういえば今までの山道では大抵何人かとすれ違ったものだが、今日は覚えがない。
仕方ない、最悪は野宿だ。山とはいえ、高山では無い。懐中電灯もあるし、荷物の中の
着替えや剣道着をかき集めれば、夜の冷え込みも越せるだろう。
なまじ夜道を歩いて崖下に転落、となったら目も当てられない。
心配なのは野生動物、特に熊や野犬だが、そのときは木刀を頼るとしよう。
歩きながら、そう腹を括った時だ。
前方に廃墟とも思える門が現れた。
きちんと手入れがされていれば随分、立派なものだったろう。
それはやがて見えてきた門内の洋館にも言えることだ。
人が住んでいるか怪しいところだが、道を教えて貰えれば野宿を避けられるかもしれない。
とはいえ門に呼び鈴らしき物も無く、といって門内に入るのもちょっと躊躇われる。
それに――嫌な感じがする。俺はこの感じを知っている。
そのときだ。後ろから声を掛けられた。

振り向くとそこに声の主である男の子がいた。まだ八歳位だろうか。
こんな子供が近寄ってくる気配に気付かないとは。修行が足りない。
密かに絶望する俺にその子は同じ言葉を繰り返した。
「どうしたの、お兄ちゃん?」
にっこりと微笑んだ。可愛い声。
「道に迷っちゃってね。町まで行きたいんだが――君はこのおうちの子かい?」
つられて俺も微笑を浮かべて答えた。
人が住んでいるならラッキーだ。それに会えば嫌な感じが当たっているか判るだろう。
「それならこっち――ついて来て」
「おっ、おい?」
返事も待たずに駆け出していった。案外、早い。俺も慌てて後をついて行く。
427扉をあけて P2/13:2006/10/24(火) 18:56:37 ID:8BTJ6Dfc
「おい、そんなに走ると転ぶぞ」
「平気ッ!」
やれやれ。では
「実は荷物が重くて走れないんだ。ゆっくり歩いてくれないかな?」
お願いしてみた。――通じた様だ。
それでも俺の周りをぐるぐる回っている。まるで仔犬に懐かれた様だ。悪い気はしない。
黒目勝ちの大きな眼が好奇心でキラキラしている。
「お兄ちゃん、どこの人?」
「埼玉県。東京の北の。知ってる?」
「うん!」
「君はあのお屋敷に住んでるのかい?」
「…うん」
「おうちの人は?」
「…お母さんは僕が産まれた時に死んじゃったって。お爺ちゃんがいたけど、何年も前に
 やっぱり死んじゃった。今は世話をしてくれる人達がいるけど」
悪いことを訊いてしまったようだ。では父親は?――いや、訊くまい。
「お兄ちゃんは?」
「お姉さんが一人。双子だから同い年だけどね。お母さんは俺達が君よりも小さい時に
 死んじゃったよ。病気でね」

俺達の母は産みの親ではない。
父親と不倫関係にあったらしい。別れ話のこじれからか、まだ乳児だった俺達を誘拐
した。どうしてそんなことをしたのか、もはや判らない。
判っているのは、唯一つ。俺達を愛してくれたこと。
朝から晩まで働いていた。おそらく身元を隠した為、低賃金の仕事しかなかったのだろう。
その結果が、過労による心不全で死亡。俺達三人家族の世界は崩れ去った。
母がアパートの扉に幾重もの厳重な錠前をつけた為、いや何より周囲の無関心の所為
で残された俺達姉弟は死にかけた。
すんでの所で救出された俺達は、だが収容された病院を抜け出した。
誰も信じない。俺達二人だけで生きていこう。だが幼児二人にそんなことは出来なかった。
結局、俺達はL・X・E―超常選民同盟―の最底辺の構成員、信奉者となり生き延びた。
共にホムンクルスになることだけを目的として。
錬金術により作り出された人喰いの怪物、ホムンクルス。
同じ錬金術の産物である武装錬金か、ホムンクルスによる攻撃でしか葬り去れない
半不老不死の怪物。L・X・Eはそのホムンクルスの共同体だった。
手柄を立てれば、俺達は望みを叶えてホムンクルスになれる。
やがてその機会は訪れた。
ホムンクルスと敵対する錬金戦団の戦士が、俺達が通う学校――私立銀成学園高校
に潜入してきた。それを排除すれば!
そして俺達は錬金の戦士――武藤カズキ達に武装錬金で戦いを挑み、敗れた。
敗北は死を意味する。筈だった。
だが武藤は
「かわいそう……寂しかった?」
あの子に話し掛けられて我にかえった俺は答えた。
「……うん。でも俺には姉さんがいたし…それに助けようとしてくれた人もいた」
428扉をあけて P3/13:2006/10/24(火) 18:57:18 ID:8BTJ6Dfc
助けようとしてくれた人。武藤のことだ。
だが俺は彼を、俺達姉弟の『扉』をあけようとしてくれた彼を後ろから刺した。
「でも俺は自分の弱さから、その人を傷つけてしまった」
「…お兄ちゃん…」
いかん。子供に聞かせる話じゃない。
「だから、その弱さを断ち切る為に、こうして剣の修行をしているのさ」
担いだ袋入りの木刀を示しながら、出来るだけ明るい声で告げた。
「…でもいいな。お兄ちゃんにはお姉さんや友達がいるんだ」
友達。彼は俺をそう思ってくれるだろうか、この俺を。
「君にだって学校の友達、いるだろう?」
「ううん、学校は行ったこと無い。絵本やマンガで見たことあるけど」
何か理由があるのか、それともさっきの嫌な感じが――
「…それに学校に行ったって、きっと僕は一人…」
「そんなことはないさ。必ず誰かが君に手を差し伸べてくれる。武藤のような――」
そのとき、周囲の木々の中にホムンクルスの気配を感じた。三体、いや四体はいる。

武装錬金を発動しようにも核鉄は持っていない。退院時に錬金戦団に渡してしまった。
どうする?背負った木刀では役に立たない。
この子を抱えて逃げるか?無理だ、追いつかれる。
そう考えながらも、奴らに気付いたことを悟られぬ様、何よりこの子を怯えさせない様、
歩く速度は変えない。
すると道を遮る様に大男が立っていた。――こいつもホムンクルスだ。囲まれたか。
自然、足が止まり、その大男と睨み合うことになった。だが
「このお兄ちゃんが道に迷ったから案内してただけ」
脇にいたあの子が俺の前に飛び出すと、大男へ言った。
「もうちょっと行った所に大きな木の生えてる別れ道があって、左の道を行けば町に
 出られるから。……さよなら」
振り返り、今度は俺にそう言うと返事も待たず、今来た道を小走りに戻って行く。
大男の動く気配にそちらに眼をやった。
こちらへ歩いてきたが、俺の方を見ることなく脇を通り過ぎた。
まるで俺がいないかの様な振る舞いだ。
そして木々の中のホムンクルスの気配も消えた。
数歩進んでから振り返った。あの子も一瞬振り返ったが、そのまま戻ってしまった。

あの子の指示通りに歩き、なんとか日暮れ前に町に着くことが出来た。
運良く宿―小さいが感じの良い民宿―も取れた。学生はもう夏休み時期なので心配
していたのだが。
風呂に入り、夕食を済ませて部屋に戻り、一息つく。
やはり気になるのは、山道で会ったあの子のことだ。
あの大男はホムンクルスだ。俺は長年L・X・Eで間近に見てきた。間違える訳がない。
そして、あの子の言っていた『世話をしてくれる人達』とは奴らのことだろう。
奴らの雰囲気からして『心優しきホムンクルスが身寄りのない子供を育てている』という
美談ではない。
考えた挙句、俺は携帯電話を取り出した。銀成学園高校・寄宿舎の管理人室の番号
を呼び出す。キャプテンブラボーに相談しよう。
429扉をあけて P4/13:2006/10/24(火) 18:57:58 ID:8BTJ6Dfc
キャプテンブラボー。武藤達の直接の上司。戦士長という役職らしい。
そして武藤達との戦いの結果、入院した俺と姉さんの事情聴取と、おそらくは護衛も
してくれたのだろう。L・X・Eが口封じを考えない訳がない。
いつも身に着けている目深に被った帽子と襟が目元まで覆うコートの所為で、顔貌も
表情も判らないが、信奉者であった俺達姉弟を親身に扱ってくれた。
そして俺が退院した朝のことだ。挨拶をして出て行こうとする俺を呼び止めた。
帽子を取りコートの襟を下げ、素顔を見せて言った。
「俺の表の顔は寄宿舎の管理人だ。もし困ったことが起きたら連絡をくれ。
 ただしこのことは他言無用だ。――何故ならその方がカッコイイから!!」
組織としては俺達信奉者崩れに正体を明かしてはならないのだろう。
そのとき、武藤に似ている気がしたのを覚えている。顔ではなく、人柄が。

だが電話に出たのは別の声。その声が管理人は都合により長期不在と告げた。
礼を言って電話を切ると、俺は途方に暮れた。
仕方ない。俺は定期連絡を入れる戦団の電話番号を呼び出した。
俺を尋問した戦士に言い忘れたことがある。直接、話したいので連絡して欲しい。
既にL・X・Eが壊滅したことは、以前の定期連絡時に聞いていたので無理があるとは
思ったが、他に手が無い。
幸い途中で電話を替わった女性―若いが少し冷たく感じる声―が約束してくれた。
俺は念の為、この民宿の名前と電話番号を伝えておいた。

翌朝、もう一泊する事と電話があるかもしれない事を頼んでから宿を出た。
町であの子と洋館について尋ね歩くつもりだった。こんな時、L・X・Eの信奉者時代に
身に付けた人を惹きつける力が役に立つ。所詮、上っ面の力だが。
だが日暮れまでかかって判ったことは、そう大したものではなかった。
まず、あの子については存在自体、誰も知らない。
洋館についても戦争前からあり、それでも10年位前までは人が住んでいたようだが、
今は判らない。
そもそも、あの洋館へ至る山道は現在では全くといって良い程、使われていない。

収穫の無さに疲れて民宿に戻ると、なにやら奥の方が騒がしい。そこへ宿のおばさんが
通りかかり、俺を訪ねてきた人がいると告げた。
後をついて行くと、ツナギ姿のキャプテンブラボーと宿の主人や他の泊り客達による宴会
の真っ最中だった。なんか盛り上がってるし。
本当に武藤に似ている。真に人を惹きつける力とはこれだろう。

部屋に戻ると、挨拶抜きでブラボーにあの山道での出来事を説明した。
先程とは打って変わり、真剣な表情で話を聞くブラボー、だが妙な翳りを感じる。
何かあったのだろうか?
「――以上から理由は不明ですが、あの子が危険な状態にあることは間違いないと
 考えます。至急、助けに向かうべきです!」
俺はそう話をまとめた。
だがブラボーは頷きつつも、こう言った。
「成る程。だが秋水、その子供もホムンクルスである可能性は考えたか?」
430扉をあけて P5/13:2006/10/24(火) 18:58:34 ID:8BTJ6Dfc
「その可能性はありません」
俺は即座に否定した。
「俺はL・X・Eでホムンクルスを散々、見ています。見間違いはありません。
 それにあの子がホムンクルスなら、囲まれた際に襲われていたでしょう。
 お願いです、助けたいんです!!例えあの子が俺達みたいな信奉者であっても」
そう言うと俺はブラボーの眼を見詰めた。
しばしの間の後、ブラボーはにっこり笑った。
「判った。実は、最近あの場所にホムンクルスの共同体があるという情報を掴んでな。
 最も子供の情報は無かったが。その為、こうして直接来たんだ。
 …それにしても千歳の情報は無駄がない。たまたま戻っていた時で良かった」
最後の千歳という名に覚えは無かったが、きっと電話を受けてくれた女性のことだろう。
「ブラボー、もう一つお願いがあります。
 俺も連れて行って下さい。核鉄が無くても、陽動位は出来ます。
 俺はあの子を助けたい。……武藤が俺達にしてくれた様に」
そういって俺はその場に平伏した。
ブラボーは黙って懐から何かを出した様だ。核鉄だった。シリアルナンバーはLII(52)。
「宿の人達が寝入ってからここを出る。それまで少しでも身体を休めておけ。
 …さてと、先に風呂に入らせてもらうぞ」
「ありがとうございます!」
俺は再度、平伏し礼を述べる。そしてふと思いついた事を訊いた。
「そういえば武藤は元気ですか?あれ以来、姉さんにも連絡を入れていないもので」
翳りが濃くなった気がした。
「さあ、俺もしばらく戦団本部にいたので判らないが、あいつらのことだ。…大丈夫だ」

洋館の門前についたのは午前三時少し前だった。
建物の構造や相手の人数が判らないままでは危険だが仕方ない。
まず周囲を一回りして僅かでも情報を集めようとしたときだった。
玄関が開き、誰かが出てきた。俺とキャプテンブラボーは即座に物陰に隠れる。
大人が8人。全員かなり大柄だ。
前から3番目の一際大きな男―あの山道で会った男―が何かを肩に担いでいる。
あの子供だ。動かない。――眠っているだけだと思いたい。
そして最後尾の二人は大きな箱―事務机位の大きさ―のようなものを運んでいる。
大きさの割に重くはなさそうだ。あるいは運び手の体力の問題か。
彼らは門を出ると、町とは反対方向に歩いていった。もちろん追跡だ。
やがて道を外れて森の中へ、斜面を降りていく。着いた先はかなり広い窪地だった。
草野球位なら出来そうだ。周囲は木々に囲まれているが、妙なことにその窪地だけは
雑草も生えておらず、土が剥き出しになっている。
彼らは窪地に出ると、そのまま真っ直ぐに進み、ほぼ反対側の端に生えている大木
の手前で停止した。
大男がその肩に担いでいた子供を降ろし、木に縛り付ける。
そして最後尾の二人が運んでいた箱が、その手前3m位のところに置かれた。
運んできた二人以外の者も手伝って箱を開けようとしている。
そのとき、肩に手が置かれた。
431扉をあけて P6/13:2006/10/24(火) 18:59:22 ID:8BTJ6Dfc
キャプテンブラボーだった。小さな声で言った。
「秋水、お前は森の中を迂回して、あの木の後ろに回りこめ。俺がここから飛び出して
 奴らの注意を引く。その間にあの子を助け、後はかまわず逃げろ。奴らは俺が全て
 始末する」
「いえ俺が囮になります。森の中の移動はあなたの方が早いでしょう?」
同じく小さな声で答えた俺にブラボーは一拍の後、静かに頷く。行動開始だ。

キャプテンブラボーが移動してから、木々に隠れるギリギリまで前進する。
少しでも早く飛び出す為、また体育館や校庭と違い、地面から露出する木の根の凹凸
に脚を取られる危険を防ぐ為だ。
次に俺は核鉄を右手に握り、武装錬金を無音発動させた。
核鉄が異なるので、武藤達と戦った時の物とは若干デザインが異なる。
日本刀の武装錬金、ソードサムライX・アナザータイプ(SSX・AT)。
そのとき、大きな音が響いた。箱は側面が開いて倒れる構造だった。
その為、中の物が丸見えになった。だがそれは―

まさか。あれはホムンクルス本体の培養器?しかしL・X・Eで見た同じ目的の装置と比べ、
大き過ぎる。
ホムンクルス本体。それは胎児を戯画化したような外観を持つ全長3cm程度の物だ。
生物の細胞をベースに作られる。
それを人間の脳に寄生させ、ホムンクルスへと変貌させる。
寄生された人間はその精神を殺され肉体を乗っ取られる。唯一つの例外を除いて。
それはベースに自分の細胞を使うことだ。その場合のみ精神は殺されない。

俺と姉さんはホムンクルスになろうとして、L・X・Eの手先となり武藤達と戦った。
二人ぼっちの世界が死で壊されるのが怖かったから。
世界から見捨てられた二人が、二人だけで、永遠の命で永遠の時を生きる。
だがそれは自分の弱さを『相手を庇う』ことで誤魔化していたに過ぎない。
俺達は傷つけられるのが嫌で怖くて、扉に鍵を掛けて部屋に閉じこもっていた。
扉はあかなかったのではなく、あけなかったのだ。
その扉をあけて手を差し伸べてくれたのが、戦っていた武藤だった。
扉の外には冷たさだけではなく、暖かさもあることを教えてくれた。
だが俺はその武藤を殺そうとした。
彼の仲間である錬金の戦士から俺達を守ろうとしていた彼を背中から刺した。
負けるのが、扉をあけられるのが、二人だけの世界を壊されるのが嫌だったから。
だがそうなってもまだ、彼は俺達を助けようとしてくれた。
――負けた。弱い心が打ち据えられた。
だから自身を鍛え直し強くなる為に、弱い自分に勝つ為に、この修行の旅に出た。
武藤に勝つ為じゃない。俺も彼と同じ世界で生きたい。そして苦しむ人々を助けたい。
だから俺もあの子に手を差し伸べる。武藤が俺達にしてくれた様に。
扉をあけて、この世界で一緒に生きていこう!!
432扉をあけて P7/13:2006/10/24(火) 19:00:04 ID:8BTJ6Dfc
先程の箱が開いた音で、あの子も眼を覚ましたようだ。あの大男―奴がリーダーらしい―
もそれに気付いた。
妙に芝居がかった動作と、俺にまで聞こえる大声で喋りだした。
「おお、眼を覚まされましたかな。丁度、準備が整った所です。
 これより我らが創造主復活の儀式を執り行います!」
右手を胸の前に置き、上半身を軽く前傾させる。
「創造主、すなわちあなたのお爺様により作られた我々が命じられたことは唯一つ。
 若き肉体を用い、復活せしめるよう万全の手配をすること。
 本来ならもう10年程と思っておりましたが、どうやら錬金戦団に嗅ぎ付けられた模様。
 そこで今宵、御言い付け通り、この呪われし不毛の『荒野』にて儀式を執り行う次第に
 ございます!」
そういうと箱の中にあった装置から何かを取り出した。フラスコと核鉄。間違いない。
だが復活とは?
大男が右手のフラスコを高く掲げる。
「このフラスコの中のホムンクルス本体は我らが創造主の細胞により作られております。
 これを今からあなたに寄生させます。さすれば我らが創造主は復活します。
 あなたの身体に創造主の魂が宿るのです!!」

「ふざけるなッ!!」
貴様ら大人の都合で子供の生命を弄ぶな!
先程の手筈も忘れ、気付いた時には大声で叫び、奴らの前に飛び出していた。
手前の四人が変身した。動物型―熊型のようだ。胸部に人間の頭部が残っている。
手近の一体の、額にある章印を目掛けて掠めるように斬る。
ここがホムンクルスの急所、動物型は人頭部の額に、人間型は左胸にある。
ここを破壊されるとあっけなく分解、というより蒸発してしまう。
まず一体!
こいつを踏み台に、右手から突っ込んでくる一体を跳んでかわし、その背後に降りる。
振り向いたソイツの懐に飛び込み頭を横に薙ぎ払う。
蒸発しながら倒れてくる残骸を避けながら、残りを探す。
左手から咆哮が轟き、一体が突進してくる。章印目掛けて突きを繰り出す。
が、直前で身体を沈められ章印の上、熊の喉部にSSX・ATが突き刺さる。
引き抜く前に熊型ホムンクルスの強力な両腕でSSX・ATを掴まれた。
反対側からもう一体が突っ込んでくる。
「かかったな、アホが!」
喉にSSX・ATが刺さったままの熊が吠えた。
だが
「武装解除!」
SSX・ATを核鉄に戻す。
何が起きたか理解できない相手の章印の前に核鉄を握った右手をかざし、
「もう一回!武装!!」
再発動されたSSX・ATがそのまま章印に突き刺さる。
そして反対側から突っ込んでくるもう一体の頭部を、引き抜き様に斬り捨てた。
残り四体!
433扉をあけて P8/13:2006/10/24(火) 19:00:43 ID:8BTJ6Dfc
ここでやっと作戦を思い出した俺は残りの奴らに気付かれない様に子供の方を窺う。
闖入者にあっという間に半数の仲間を倒され呆然としていた。あの大男もフラスコと
核鉄を持ったまま、こちらを向いてあんぐりと大口を開けている。
あの子は?やはり呆然としている。
そのとき、後ろの木立からキャプテンブラボーが飛び出し、大男を蹴り飛ばした。
10m以上は飛ばされただろう。
あの子を木に縛り付けている縄を木ごと叩き切り、戒めを解いた。
あのシルバースキンというコート状の物がブラボーの武装錬金らしいが、一体どんな特性
なのだろう?SF小説に出てくるパワードスーツのようなものなのだろうか?
そんな疑問を持ったことが隙を生んだ。
一体が俺に突進してくるのに気付くのが遅れた。
逆方向に自ら跳んで衝撃を和らげるのが精一杯だった。
「秋水!!」
キャプテンブラボーがあの子を小脇に抱えながらこっちへ走ってくる!
来るな!その子を連れて逃げて!!だが叩き付けられた衝撃で声がでない。
残る二体が進路上に立ち塞がった。
まずい!
だが次の瞬間、その二体は既に蒸発し始めていた。片手の突きだけで仕留めたようだ。
……戦士長とは凄いな。目の前にいるホムンクルスのことも忘れ、そんなことを思った。
だがそのホムンクルスも俺のことを忘れたようだ。あるいは当面の敵はキャプテンブラボー
と判断したのかもしれない。
そのとき、視界の隅で動くものに気がついた。ブラボーに蹴り飛ばされた大男だ。
こいつはまだ人間体のままだ。
執念というべきか、ホムンクルス本体の入ったフラスコは無事のようだ。
目の前のホムンクルスがキャプテンブラボーに飛び掛る。同時に大男が何かをブラボー
目掛けて投げつけた。
あれは……フラスコ!!
ブラボーが突きを打ち込むのと、その反対側の肩でフラスコが砕けるのが、同時だった。

その瞬間に何が起こったのか、良く判らない。
気付いた時には、キャプテンブラボーは弾き飛ばされ、あの子がこちらに背を向けて
立っていた。
「創造主よ!お受け取り下さい!!」
大男がもう一度、投げた。核鉄だ。
あの子が右手を伸ばし、受け取った。そしてあの子の声のままで叫んだ。
「武装錬金!」
絡み合う茨の卵形の檻。それが第一印象だった。
その檻の中心にあの子――いやあの子だったものがいる。
そこに駆け寄ろうとしていたホムンクルス―あの大男が変身したもの―の足が止まる。
「なんだこれは…?違う」
それが奴の最期の言葉だった。素早く伸びた茨の一本が奴の章印を貫いた。
「お母さんの仇……それとオマエラ、嫌いなんだよ。獣臭くて」
嘲りを含んだその声は、それでもやはりあの子だった。
434扉をあけて P9/13:2006/10/24(火) 19:01:29 ID:8BTJ6Dfc
そして振り向いた。
「有刺鉄線の武装錬金、エクスパンション・マッドネス」
そう言って、にっこりと笑う。笑顔も変わらない。
「お爺ちゃん、いや同時にお父さんでもあるのかな……失敗したみたいだね。
 僕の精神を殺せなかったみたい。でも記憶と知識はちゃんともらったよ」
そして俺とブラボーを交互に眺めると続けた。
「お兄ちゃん達、錬金の戦士でしょ、錬金戦団の?
 お爺ちゃんも錬金戦団にいたんだよ。
 ホムンクルスの研究をしてたんだけど、永遠の命に取り付かれちゃったみたい。
 戦団を抜けて研究を続けて、けど完成した時には歳を取り過ぎていて。
 それで僕がもっと大きくなるのを待って蘇るつもりだったみたい。僕の身体を使って」
笑い顔を収める。
「結局――錬金術に進んで関わる者もまた、悪人か狂人のどちらかだけ」
そして再びにっこりと笑う。
「今でも人間に戻ることは出来ないんでしょ?だから、お兄ちゃん達。僕を退治しないと。
 さもないと、これから町へ降りていって……食事をするよ?お腹空いちゃったし。
 ――さ、 ど う す る ?」

一度ホムンクルス化した人間を元に戻すことは出来ない。そんなことは俺でも知っている。
そしてホムンクルスは人間を喰らう。それは止められない。それも知っている。
だから――だから人間に害を成すホムンクルスは殺さねばならない。それは判っている。
けれど
この子を殺す?自分の意思でホムンクルスになった訳じゃない。この子も犠牲者だ。
しかし、このままではこの子は人間を襲うだろう。その人達を守らなければならない。
俺はその力を、戦う力を持っている。でも
逃げられない、檻の中に閉じ込められた子供。この子には扉すら無かった。
……俺は、どうしたら良い?武藤、お前ならどうする?

「秋水」
キャプテンブラボーの声。
「後は俺がやる」
決意を込めた声。そしてあの子に向けて言った。
「キミの所為じゃない。だがキミはもはや人々に死と恐怖を与える存在になってしまった。
 一人でも多くの命を守ること。その為に俺は戦っている。だから――キミを殺す」
声が泣いている。
「待って――」
俺が言い終わる前に、彼の姿は消えていた。
上空より声が響く。
「流星・ブラボー脚!!」
おそらく落下速度により破壊力を増した蹴り技。それが茨の檻を目掛けて打ち込まれた。
猛烈な衝撃に檻がたわむ。
「なにッ?!」
だがそれだけだった。たわむことで衝撃を吸収したのだろう、檻の中のあの子は無傷だ。
そしてブラボー目掛け、無数の茨―通常の数倍の太さの有刺鉄線―が飛びかかった。
435扉をあけて P10/13:2006/10/24(火) 19:02:06 ID:8BTJ6Dfc
ブラボーはその全てを弾き返した。
が、突然地面を割って出た別の茨に手足と胴体を絡め取られ、持ち上げられた。
即座に茨を引きちぎろうとしたブラボーだったが、様子がおかしい。手足を動かすことは
出来るのだが、動きが鈍い。先程までの眼で追いきれないスピードが嘘のようだ。
「この人の攻撃は純粋に物理的な、って言い方でいいのかな?パンチやキックだよね。
 それなら緩く押さえればOKだよね?がっちり押さえると引きちぎられちゃうけど。
 身体が浮いているからさっきの猛烈なジャンプも出来ないし。
 いわば『北風と太陽』、はちょっと違うか」
そして俺に顔を向けた。
「さあ後はお兄ちゃんだけ。
 その刀ならこの有刺鉄線を切り裂けると思うけど、捕まらずにここまで来れるかな?」
そういって自分の左胸を軽く叩いた。章印の位置だ。
……やるしかないのか。もう俺しかいない。この子を止め――殺せるのは。
無数の茨が、鎌首を持ち上げ獲物を狙う蛇の様にこちらを向く。SSX・ATを構えた。

襲い掛かる茨の群を凌ぎながら、それでもまだ迷っていた。
あの子も疲れてきたのだろうか。有刺鉄線どもの動きは鈍い。とはいえ俺の方も先程
叩き付けられた衝撃から回復していない。仕掛ける機会は一度だけだろう。
「どうしたの、お兄ちゃん?さっきアイツラと戦っていたのと随分違うじゃない?
 手加減して僕を殺し損なったら大変だよ。町へ行って大暴れしてやる。
 僕の居場所のない世界だ、みんな壊してやろうか?!
 そして何もない誰もいない世界で唯一人、嘲笑ってやる。この世界の全てを!」
あの子の声に怒りと――悲しみが満ちる。
「…さっきアイツを突き刺した時、『お母さんの仇』っていったけど、あれは嘘。
 お爺ちゃんの記憶にあったけど、お母さん……僕なんて産みたくないって。
 こんなの自分の子供じゃないって、ずっと言ってた!!」
その言葉がきっかけになった。俺はあの子目掛けて切り込んでいった。
同時に心の奥に捻じ伏せていた声が蘇る。
『もう私の子供じゃないわよ!!』
俺達が早坂の扉を出てから聞いた産みの親の言葉だ。
そうだ。その通り。俺は、俺達姉弟はお前らの子供じゃない。
お前らのことは知らない、知りたくもない。俺達の親は早坂の母さん唯一人だ。
最初の理由はどうあれ、母さんは俺達を愛して、抱きしめてくれた。
あの扉の錠前は俺達を閉じ込める為じゃない。
俺達母子を引き裂こうとする手から守る為のものだ。
最後の檻を左下から袈裟斬りにし、跳び込む。もう俺とあの子の間を遮るものは無い。
おだやかで素直な笑みを浮かべて、あの子が言った。
「もう――殺して」
俺はどうすればいい?
俺はどうしなければならない?
誰か助けてくれ!……お母さん!!

違う。
俺がどうしたいのか。それが全てだ。人間もホムンクルスも錬金術も、善も悪も関係ない。
だから
436扉をあけて P11/13:2006/10/24(火) 19:02:45 ID:8BTJ6Dfc
SSX・ATを核鉄に戻した。
「それは、出来ない」
俺は答える。
「君は町へ行く気も、俺達を殺すつもりもないだろう。
 例え、どんな姿になろうと、君が君である限り、君にそんなことは出来ない。
 なにより俺は君を殺したくない。だから……
 だから、一緒に生きていく方法を探そう!
 きっとある。どれだけ時間が掛かろうと必ず見つかる、いや見つける」
あの子の顔に戸惑いが浮かんだ。
「……ありがと。ありがと、お兄ちゃん」
そして今にも泣き出しそうな顔になる。
「でもね。誰も殺さなくても、何も壊さなくても、例え人間に戻っても、
 僕に居場所は無い。
 誰も僕を必要としない。
 ――だから」

そのとき、俺の脳裏にある光景が浮かんだ。懐かしい匂いと共に。
だから俺は右手を伸ばし、それを掴んだ。
あの子の左胸の章印を打ち抜こうとした有刺鉄線、あの子自身の武装錬金。
棘が右手に食い込み、血が流れてきた。
「!お兄ちゃん?!」
有刺鉄線が消えた。武装解除した様だ。
「ごめんね、ごめんね!痛かった?!」
駆け寄ってきたあの子を、俺はひざまずいて抱きしめた。
「大丈夫」
こんな痛み、たいしたことは無い。君が、いなくなってしまうことに比べれば。
「君を必要とする人間はここにいる。――俺がいる」
あの子が泣き出した。

何時の間にか、太陽が昇り始めていた。足音が近付いてきた。
あの子から身体を離して立ち上がり、そちらを向く。
「キャプテンブラボー。お願いです、この子を助けて下さい!
 ホムンクルスを野放しに出来ないのは判っています。
 俺も人々を守りたい、でもこの子の命も守りたい!どちらかを選ぶなんて出来ない。
 何かを守る為に、別の何かを犠牲にするなんて、出来ない!
 俺達――俺と姉さんは、武藤が助けてくれた。扉をあけて新しい世界を見せてくれた。
 だから今度は俺がこの子の扉をあけて、新しい世界に連れ出してあげたい!!」
その場に平伏した。
「お願いです!キャプテンブラボー!!」
長い、沈黙。
「秋水」
苦しげな声が聞こえる。
「キミ達姉弟は人間だ。だが、その子はもう――ホムンクルスだ」
「――ブラボー……」
俺は力無く顔を上げた。そんな……
437扉をあけて P12/13:2006/10/24(火) 19:03:27 ID:8BTJ6Dfc
「大丈夫。まかせて」
思いも寄らぬ方向から声がした。
俺達は声のした方を向いた。神父のような格好をした男が歩いてくる。
「照星さ――いや、大戦士長!!」
ブラボーが驚きの声を上げた。そして俺に説明するように続けた。
「錬金戦団の戦闘部門の最高責任者だ」
そんなお偉いさんが何でこんな所に?
俺がその疑問を発する前に、大戦士長は言った。
「ホムンクルス本体に精神を殺されなかったのは興味深いことです。
 戦団で保護しましょう。研究中のホムンクルスの再人間化に何らかのヒントをもたらす
 かもしれません。……表向きは、ね。私を信じて下さい」
最後の一言でウィンクしたかも知れない。サングラス越しなので良く判らなかった。
「何故、ここに?」
ブラボーが問う。
すると大戦士長は俺の方を向いた。
「彼に用がありましてね。……早坂秋水君ですね?キミに尋ねたい事があります。
 丁度良いので、キミもその子と一緒に来てもらえますか?」
一応、要望の形だが、選択の余地はあるまい。黙って頷く。もとより断るつもりも無い。
「宜しい。少し歩いた所にヘリを待たせてあります。宿の方は心配なく。
 それとあの装置も回収しておきましょう。しかし随分大きいですね」
「あれはホムンクルス本体を20年近く保存するつもりだったから、その為の補器類が
 嵩張ったみたい。
 それとここは早く離れたほうが良いよ。ここは良くない場所。
 お爺ちゃんは復活したらここで何か呼び出すつもりだったみたい」
何時の間にか俺に隠れる様に立っていたあの子が答える。
「成る程。『良くない場所』か…。
 …ああ、装置は私がヘリまで運びますから。大型ヘリにしておいて良かった」
大戦士長のその言葉と同時だった。巨大な腕としか言いようのない物が中空に現れ、
例の装置を掴み上げ、運んでいった。
きっと俺は阿呆のように大口を開けていたのだろう。説明してくれた。
「あれは私の武装錬金です。それと、防――キャプテンブラボーに核鉄を返して、
 代わりにその子の核鉄を預かって下さい。キミの傷も治さないといけませんし」
さっき有刺鉄線を掴む時に落とした核鉄を拾い、ブラボーに返した。
「ありがとうございました。……色々と」
「いや、俺は何もしていない。……出来なかった。全てキミの働きだ。ありがとう」
そう言って、軽く俺の肩を叩く。
「では元の任務に復帰します」
そう大戦士長に言って立ち去った。二人の顔に表れた哀しみは何だったのだろう。
後ろから手を突付かれて振り返ると、あの子が核鉄を差し出していた。
それを右手で受け取り、左手を差し出す。
手を繋ごう。
438扉をあけて P13/13:2006/10/24(火) 19:04:01 ID:8BTJ6Dfc
俺達は大戦士長の後に続き、ヘリまで歩いていった。
「俺に尋ねたい事とは?」
かつて俺の所属していたL・X・Eの件だろうか。だが俺の知っている事は全て話してある。
「……武藤カズキについて、キミの口から聞きたいのです」
その言葉の真意が判ったのは後になってからだった。

ヘリは瀬戸内海・某島の錬金戦団の施設に到着した。
そして大戦士長は嘘をつかなかった。
俺はあの子に言った。
「そういえば名前を聞いてなかった。俺は早坂秋水。君は?」
「僕の名前は――」

あの時、俺の脳裏に浮かんだ光景は
  遺体の無い墓に刻む名前を知らず、立ち竦む俺の姿。
そして匂いは――母さん。俺と姉さんを抱きしめてくれた時の母さんの匂い。

それから大変な事態となり、だが武藤のお陰で錬金戦団100年の闇が払われた。
その結果、錬金戦団は『ホムンクルスの再人間化の研究』、『核鉄の管理』の二つを
残して活動を凍結した。
そしてその時点で残ったホムンクルスはかつての大戦士ヴィクターと共に月へ渡った。

翌年の一月。部活を終え、姉さんと家路についた。
夜空にあれから何度目かの満月が浮かぶ。
あの子も月へ行ってしまった。
「仲間がいるから大丈夫」
元気に笑うあの子に、それ以上の言葉は不要だった。
しかし――ヴィクターの娘のヴィクトリアという少女、えらく気が強そうだったが、
あの子は大丈夫だろうか。
だが、まあ――
「どうしたの、急に笑って?」
姉さんに訊かれた。
「いや……女性の尻に敷かれた方が幸せなのかな、って」
「アラアラ。――どういう意味かしら?」
……まずい。
「いや別に深い意味は……」
「本当?どういう意味なの?」
「いや別に……」
「そう。――どういう意味?」
「いや……」

―了―
439名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 19:36:13 ID:wPTF1CFZ
力作だな、乙です
エロースが有っても!無くても!
最後まで書き通したSSに乙を惜しむコトなどない!
440名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 19:51:49 ID:4Oow89v0
>「かかったな、アホが!」
ここで熊型ホムがサンダークロススプリットアタックを
するのかと思ったのは俺だけでいい。

GJ!
441名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 21:08:03 ID:QEqCwDsf
GJです。ぜひ次は桜花の尻に敷かれる秋水を。
442名無しさん@ピンキー:2006/10/24(火) 23:52:37 ID:QF5lVmbC
桜花の尻でいたす秋水とな?
443名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 04:18:21 ID:/HE9FppB
秋水GJGJ!次は桜花と、パイズリならぬ尻ズリですねヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノ

そして練乳たぷーり苺も楽しみに待ってる
444名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 12:54:40 ID:oUfKhAof
12月××日
ベッドに両手首を拘束された秋水クンはキレイな桜花お姉さまにお仕置きを受けていました。
「あぁ……っは…、…ね…さん…」
秋水クンの綺麗なオチンチンはぷっくり膨らんで先っぽがピンク色になっています。
私の太ももから柔らかなお尻にかけてすりすりっとさせてその綺麗なオチンチンを弄びます。
「あぁ……!!!かんべんしてよ…姉さん…」
気持ち良いのに、イクには足りない刺激に耐えかねて、秋水クンは涙を流しています。
でもまあ嬉しそうなのでイイわよねv
イクにイケないのは、根元をゴムで縛ってあるからでもあるんだけど…

「く、黒い、黒すぎるぜ桜花…」
「ご〜ぜ〜ん〜さ〜ま〜…」
「ヒィッ!」
「私の裏・日記帳、こんなところにあったのね…」
「お、桜花!これにはわけが!」
「とりあえず、こっちにいらっしゃい」

新ドラのような御前さまの断末魔の声が、大きく響き渡った…
445名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 18:19:23 ID:wtPcJ5Yg
ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
雰囲気がwwwwwwwwwwwwwwww
446伏字でGo! P 1/4:2006/10/25(水) 21:31:45 ID:lGYjjx0X
エルォ〜スは無理なんで、ネタに走りました。でもまた無駄に長い…prz
4レス頂きます。
あと肩赤ですが、野球中継の影響で、本日アニメ放送の地域の人は放送時間に注意!



皆さ〜ん、お待ちかね、ここは銀成学園高校寄宿舎の女子風呂ォォォッ!!
珍しく斗貴子さんがまひろちゃんと一緒に入浴しています。
「珍しく」というのは、斗貴子さんが風呂嫌いという訳でも、もちろんまひろちゃんのことが
嫌いな訳でもありません。未来の義妹ですし。
ただ「すべすべー」攻撃をリアルスキンでやられるのは流石に辛いと。
で、今は二人仲良く洗い場に並んで身体を洗っています。
従って斗貴子さんが横を見ると、そこには当然、まひろちゃんがいます。
同性ながら、そのスタイルの良さに思わず見入ってしまいます。声に出さずとも心の中で、
「しかし本当、このコはスタイルがいいな。
 胸なんか『ビルの街にガオー!』だし、『夜のハイウェイにガオー!』だし」

……えっ?何だこの鉄人2○号の歌は、ですか?
そりゃあなた、「スッポンポンより着衣がエロス」と昔の偉い人の言葉にもありますように、
想像力によるエロスこそが全てのエロスの王です。
つまり伏字の代わりですね。
××××とか△△△△とかじゃ芸がないでしょ?
それに、この位ならJASR○Cから暗闇仕留人が送り込まれることもないでしょう、きっと。
まあ歌が古いのはご愛嬌。では現場に戻りましょう。

「それに引きかえ、私の胸は『貧しさに負けた』で、『いいえ、世間に負けた』だし。まあ脚には
 ちょっと自信があるが。…ええい、カズキが気に入ってくれてるからいいんだ!!」
と、その時。まひろちゃんと反対側の横、つまり今、斗貴子さんの後頭部の方向から
突然の悪寒が!
大体どういう展開か、既に斗貴子さんにも読めましたので、いやいや振り返ります。
「アラアラ、津村さん。お久し振り」
「(やっぱり…)早坂桜花!!なんでお前がここにいる?
 お前は寄宿生じゃないだろうが!」
「いえ、自宅のお風呂が壊れまして。困っておりましたら管理人のブラボーさんが、寄宿舎の
 お風呂の使用を許可して下さいまして。今、秋水クンも男子の方へ」
「(戦士長ッ〜!!)銭湯に行けば良いだろうが!」
「それが最近、蝶々スタイルの人が出入りしているようで、なんだか怖くて」
「お前、顔見知りだろうがッ!」
「あっ、桜花先輩だ〜」
まひろちゃんが桜花先輩に気がついたようです。
「うわ〜、桜花先輩、スタイルいい〜!『身長57メートル体重550トン』で、
 『巨体が唸るぞ 空飛ぶぞ』なんて〜!うらやまし〜」
「アラアラ、そういうまひろちゃんだって『空にそびえるクロガネの城』な
 『スーパーロボット マジ○ガーZ』で『無敵の力は僕らのために』じゃない」
「それに引きかえツムリン、おめぇ…『この世で一匹!平面ガエ』ルゴァ!!」
「あっ、ゴゼン様だ〜」
まひろちゃんが洗面器に押しつぶされたゴゼン様に気がついたようです。
「もう出る!!」
斗貴子さんはお湯を浴びると、さっさと脱衣所に戻ってしましました。
447伏字でGo! P 2/4:2006/10/25(水) 21:32:37 ID:lGYjjx0X
さて脱衣所に付き物といえば、体重計。乙女の強敵(とも)。
ここにも当然あります。しかも柱の頭に丸型の表示部がつくタイプです。
「そういえば最近、量ってなかったな」
そう思って斗貴子さんが体重計に乗りました。
で、表示部を見ると――
「アラアラ、『思い込んだら試練の道を』kgfですか?」
「!"#$%&'() 桜花ッ!何を覗き込んでいる!っていうか、読むなっ!」
「それよりキャラクターファイルのスペックより随分…」
「言うな!…きっと壊れているんだ。間違いない!」
「じゃあ私が…変ですね?ほぼデータ通りですけど。
 あぁ、まひろちゃん。あなたも量ってみて?…う〜ん、別に壊れてないようですが?
 …こらこら、壊そうとしない」
と桜花先輩が斗貴子さんを取り押さえます。
「ふふふ…幸せ太りですか?」
「うっ、うるさいッ!!」
斗貴子さんはそう言い捨て、得意の早着替えで服を身につけると部屋に戻ってしましました。
途中、泣きながら男子浴場から飛び出したゴーチンとすれ違いますが、気にする余裕が
ありません。
桜花先輩。アンタ、何かやったでしょ?
「アラアラアラ…」

さて皆揃って楽しい夕食。
カズキ君達も、いつものメンバーで集まって…おや?
「あれ、剛太は?」
「剛太君なら、地獄を見れば心が乾く、そっとしておいてくれ、って」
「具合でも悪いのかな?風呂場で秋水先輩と話してたときは元気そうだったのに」
「いやその直後、飛び出していったぞ、アイツ。何か泣いてたよーな」
「比べたんじゃないかな」
「…そうだね…」
「?後で私が様子を見に…」
「悪いね。頼むよ、ちーちん。…あれ、斗貴子さん、どうしたの?
 全然食べてないじゃない。斗貴子さんも具合悪いの?」
「いや、そういう訳じゃないが…」
「斗貴子氏、レモンとか酸味のあるものを少し舐めたら?刺激になって――」
「酸味〜?つまりは酸っぱい物!酸っぱい物が欲しい、つまりツワリ、ってことは〜!
 カズキィ!!貴様、高校生の身でありながら『さあ立ち上がれライ○ィーン、ライデ○ーン』
 で、『フェードイン、フェードイン』になって、『たちまち溢れる神秘の力』をし」ボギャ
「黙れエロス!もういい、カズキ、先に戻るぞ!」
ほうじ茶の入ったヤカンが命中しました。斗貴子さん、飲食物と備品は大事に扱わないと。
ところで先に戻るって?お二人の部屋は別グドブリャ
448伏字でGo! P 3/4:2006/10/25(水) 21:33:16 ID:lGYjjx0X
ああ、すいません。身体の一部と気を失ってまして。
今はえ〜と、翌日のお昼休みですね。
屋上にいつものメンバーが集まって、お昼ご飯ですか。今日はゴーチンもいますね。
「でも斗貴子さん、今朝も食べてないじゃないか。どこか具合が悪いなら病院に」
「いや、何でもない」
「でも」
「大丈夫だといっている!少し黙っていろ!!」
「ヤだよ。こういうコトはちゃんと言う、って言ったよね?」
「………すまない。つい…イライラして」
ああ、ま〜た二人だけの世界を作っています。別名:苺時空。
「実は、な。体重が…その…少し…増えたみたいで…。
 トレーニングは以前と変わらずやってるのに…」
「見た感じ、変わってないと思うけど?…どれ」
というや否や、カズキ君が斗貴子さんをお姫様抱っこしました。全読者を狂喜乱舞させた
ピリオドのタイトルバックのポーズですな。
えっ?この場合、ミニスカートだから、見えちゃうだろうって?大丈夫、ちゃんとカズキ君が
手でスカートの裾を押さえています。
ただこの場合、自動的にお尻の部分に『ぼうや 良い子だ ねんねしな』となりますが、
まあ『今も昔も変わりなく』だから大丈夫でしょう、多分。
「…ちょっ、カズキ!そこ触らない!!///」
「変だな、前と変わらないよ?
 それに毎晩、『夜は墓場で運動会』で『楽しいな 楽しいな』で充分だと思うけど。
 それとも『白いマットのジャングルに』で『今日も嵐が吹き荒れる』な状態で
 『ルール無用の悪党に』のまま『正義のパンチをぶちかませ』にする?」
「誤解を招くようなことをいうなッ!
 大体キミは『涙 キスで拭った』まだキスだけだ!!私はいつでもOKなのに『ロンリーウェイ
 この僕の』、って、なんで肝心の部分に歌入らない?!」
あ〜ごめんなさい。TVオープニングVer.使っちゃいました。はしーれエロスのよおにー♪てか。

「って、カズキィ〜ッ!!お前、以前からそんなことしてんのかーッ?!」
「お兄ちゃん、きゃーっ!!」
「まっぴーのお兄ちゃん、凄すぎるー!!」
「…あうあう…」
「なんか…凄く恥ずかしい気が…って、中村先輩?!」
「うん、泡を吹いてひっくり返っているね。何か余程のショックを受けたみたいだな」
「いや冷静に観察してる場合じゃないって!保健室、連れていかないと!」
やっと皆も我に返りました。
449伏字でGo! P 4/4:2006/10/25(水) 21:33:50 ID:lGYjjx0X
「お昼休みだからって、何を騒いでいるんです?あら、武藤クン達でしたの」
桜花先輩がやってきました。
「一体、何の騒ぎです?下の教室まで響いてましたわよ」
「桜花先輩、実はお兄ちゃん達が、『赤く赤く赤く唸る翼』で『燃える燃える燃える
 太陽のある限り』になっちゃって」
「いやU○ードなんて誰も知らないから!」
「歌っていたのはフォー○ーブスだね」
「本当に何者だ?」
「アラアラアラアラ…。ごめんなさい、津村さん。実は…後ろから覗き込む時、体重計の上に
 脚を乗せて、ちょっと押したんですの。
 軽い冗談で」
「……冗談で済むかァァァァっー!!」
「ダメだよ斗貴子さん、食べてないのに暴れちゃ!ほら、おにぎりを」
「待てカズキ。夕べから何も食べていないのに、いきなり固形物はまずい」
「そっか。じゃあ…この青汁DXを!」
「あぁ、いや、私は…青汁は…ちょっと…」
「えっ、飲み物も喉を通り辛くなっちゃったの?…よし、じゃあ口移しで」
「///待てッ、待て〜!!///」
「嫌なの?う〜ん…
 それじゃあ『どんな敵でも味方でも構わない』にして『この手を離すもんか 真赤な誓い』
 にする?」

   「「「 きゃあ〜〜!!!」」」

〜おわり〜
450名無しさん@ピンキー:2006/10/25(水) 21:53:51 ID:BBxDaksc
ネタが三分の一くらいしかわからない、だがGJ!
451名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 00:17:39 ID:++Eyk6OG
大半がロボットモノだな。
最後は真赤な誓いで締めるのがイイ!乙!
452名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 09:30:36 ID:IIixn/6w
最近にぎわってきたな。
求めよさらば与えられん、と言ったところか。

斗貴子さん、ダイエットすると胸の上部から張りが無くなるのでやめたほうがいいですよ。
453名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 21:37:40 ID:9V2W37Ql
あんまり変わんないんじゃない?
454名無しさん@ピンキー:2006/10/26(木) 23:04:40 ID:xoPt/4x/
その後>>452-453の姿を見たものはいない…
455名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:30:19 ID:giCqUH6F
海外にいる父さんと母さんが、俺とまひろにウィスキーボンボンを贈ってきてくれた。
どうも今はスイスにいるらしい。中々上等なチョコレートだった。
………早く父さん達に斗貴子さんの事紹介したいなぁ…。
そんな事を思いながらボンボンを味わっていると、斗貴子さんが部屋に入ってきた。
「居るかカズキ?入るぞ」
斗貴子さんは後ろ手に扉を閉めて、そのままカギをかける。
「あ、斗貴子さん!丁度良かった!!一緒に食べない?」
俺は斗貴子さんにボンボンの箱を見せた。
「ん、チョコレートか?おいしそうだな、どうしたんだ?」
「うん、父さん達、今スイス辺りに居るらしくってさ。それで」
「へぇ。……本当においしそうだな」
やっぱり食いついてきた。斗貴子さんが甘党だという事を俺はよく知っている。
夏祭りの時なんか、綿飴と林檎飴を一緒に食べていたぐらいだ。
「好きなだけ食べていいよ」
「い、いや流石にそれは悪い…でも、一つ貰おうか」
遠慮しなくてもいいのになぁ。奥床しくって素敵だけど。
斗貴子さんはきっといいお嫁さんになってくれるだろう。
「それじゃ…いただきます」
斗貴子さんがボンボンの包み紙を開いて、丸い塊を柔らかなくちびるに触れさせる。
…うん、可憐だ。その仕草を見ているだけで、笑みが零れてきた。
「…何を笑ってるんだキミは?確かにこのチョコはおいしいが、そんなに満面の笑みで…」
違う違う、と俺が説明しようとしたその瞬間。斗貴子さんの表情が固まった。
「…?ど、どうしたの?斗貴子さん?」
「こ…これ、まさか……お酒…」
斗貴子さんは小刻みに震えている。もしかしてお酒が駄目だったのだろうか?
「だ、大丈夫!?斗貴子さん!?」
「だ……だいじょっ…けど」
最早何を言ってるのかも分からない。
俺があたふたしている内に、斗貴子さんはこくんと一息で飲み込んでしまった。
そして、まるで気を失ってしまったかの様に俺に胸に倒れこんできた。
俺は斗貴子さんの両肩を支えて、少し揺すりながら話しかけた。
「と、斗貴子さん?しっかりして斗貴子さん!!」
「う…うん……」
斗貴子さんがこちらを見つめ返す。一応、平気な様だ。…って、あれ?
456名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:31:08 ID:giCqUH6F
…瞳が潤んでいる。頬を赤く染めている。
「…カズキ?カズキか?」
声に甘いトーンが掛かっている。……もしかして酔っているんだろうか?
いやいやそんなまさか。だってあんなチョコレートの中に入るウィスキーの量なんて……
「……カズキィ」
斗貴子さんの両手が、俺の両肩に置かれる。斗貴子さんは更に重心を俺寄りにしてきた。
もうしなだれかかっているといった状態だ。
……やっぱり酔ってる…。
いつもの斗貴子さんは自分から甘えてきたりしない。極稀にあるけど。
「なぁ、カズキ………」
斗貴子さんが、徐々に徐々に体重をかけてきている。斗貴子さんの顔も近づいてくる。
「………しよう?」
待って、待ってください斗貴子さん。そんな表情で、そんな声で、そんな事囁かれたら。
赤面するとか心臓が早鐘を鳴らす様とかそれだけの事じゃ終わらないですよ。
とうとう、斗貴子さんは俺の体を押し倒してしまった。
「斗貴子さん…まだ昼間なんだよ……?」
「関係あるものか…キミとの時間の方がずっとずっと大事なんだから…」
いつもの斗貴子さんなら絶対に口にしないだろう台詞を、簡単に言ってくれた。
なんと言うか、感無量な気分。
俺の太腿辺りに馬乗りになった斗貴子さんは、桜色の顔で微笑んでいる。
「私が…ヨロコばせてあげるからな、カズキ……」
斗貴子さんは慣れた手付きでベルトを外しズボンを脱がし、俺をパンツ姿にしてしまった。
もちろん、そこには既にみっともないテントが張られている。
「フフ…いつも程々にしておけと言ってるのに、キミときたら……」
そう言いながら一気にパンツを引き剥がす斗貴子さんも、相当エロスだと思うんだけど。
とうとう斗貴子さんの目の前に、俺のものが何の隔ても無く現れてしまった。
斗貴子さんは躊躇いもなくそれに触れる。
「うわぁ…斗貴子さんの手、あったかい…」
「気持ちいいか?」
「うん、すごく…」
斗貴子さんの指は、竿と言わず袋と言わず、全体をくまなく刺激している。
優しく柔らかな愛撫は、簡単に俺を追いつめてゆく。
「斗貴子さぁん………」
「まぁもう少しだけ我慢しなさい…」
斗貴子さんはそう言いながら婀娜っぽく笑った。
…何をする気なんだろう。
俺がそう思った瞬間、斗貴子さんは、俺の先端を軽く口に含んだのだった。
457名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:31:51 ID:giCqUH6F
その突然の行動で、俺の全身に電気の様な快楽が走ったのは言うまでも無い。
ちゅ、ちゅう。ちゅぅう…
斗貴子さんのぷるんとしたくちびるが、俺の亀頭を吸い上げている。
「ちょ、斗貴子さん、それはっ……!」
俺は静止の言葉を口にしようとしたのだが、興奮で舌が縺れてしまった。
斗貴子さんは更に深く深く、俺を飲み込んでいく。
「んむぅ…」
苦しそうな声が斗貴子さんの口から漏れた。その直後、斗貴子さんの頭が上下し始めた。
歯が当たらない様に接するのは難しいという事は、俺もよく知っている。
それでも、斗貴子さんのフェラは歯が当たらないどころか、舌の動きが止まる事すらない。
じゅ、じゅう…じゅむ、ぐちゅ。
唾液の音はいやらしく、それでいて心地いい。
何より、斗貴子さんが進んでそれをしてくれているという事実に、俺の心は揺さぶられていた。
「とっ……さん、俺、もぅ…」
自分でも悲しく思えるくらいに情けない声が口をついた。ホント、もう限界。
それを聞いた斗貴子さんは、目だけで妖しく笑っていた。口の動きを止める気配もない。
…え?斗貴子さん?
「ちょ、ちょっとぉ!そのままじゃ喉の奥に出しちゃうって!斗貴子さぁん!?」
「む、んん!」
俺のペニスを咥えた、というか飲み込んだまま喋られても何言ってるのか分かんないよ!
あぁ、これ以上の我慢は無理………。
「も、もう出るよ斗貴子さん!」
びくっ、びゅくぅ、びゅくん!
「ンンッ!む、んっ…」
斗貴子さんは目を瞑って、断続的に喉を鳴らしていたが、やがて俺から口を離した。
「ぷはぁっ!ふぅ、ふぅ…」
「ゴメンね斗貴子さん、苦しかったでしょ?」
「……キミが謝る事じゃない、私が勝手にやったんだから。それに…」
「それに?」
「キミの気持ち良さそうな顔見てたら…止めたくなくなった」
少しはにかみながら斗貴子さんはそんな事を言った。……すっごく嬉しい……。
やっぱり酔ってるんだろう、普段の斗貴子さんならそんな事思ってても口には出さない。
…まぁ、仕草とか表情とかでバレバレだったりするんだけど。
「さぁ、次だぞ…カズキ」
458名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:32:41 ID:giCqUH6F
斗貴子さんは、ホックを外してスカートを脱いだ。
寝そべってる俺からでもショーツが湿っている事がハッキリと分かった。
「カズキ…私、キミにあんな事しただけで、こんなに……」
斗貴子さんがショーツのゴム部分をぐっと引き上げた。
すると、ショーツの許容量を超えた愛液が太腿を伝って垂れ落ちてきた。
エロス過ぎるよ斗貴子さんっ!濡れやすい体質なのは知ってるけどさぁ!
「もう我慢出来ないんだ………構わない、だろ?」
……俺が斗貴子さんのお願いを断れるワケないじゃないか。
「うん…いいよ。いつでも来て」
「すまない、それなら早速…」
とうとう斗貴子さんは下半身を露にしていった。
すらりとした足から引き抜かれていくショーツは、べとべとどころの話では無い。
斗貴子さんの秘所からは絶え間なく蜜が流れ出しているんだから。
斗貴子さんが、俺の屹立の真上に腰の照準を合わせた。
「カズキ、いくぞ…」
斗貴子さんの体の中に、俺が埋まって行く。
じゅぷぷぷぷ……
「ぁああああっ!」
斗貴子さんの下降が終わったのは、俺を全て飲み込み終わった時だった。
斗貴子さんの股間と俺の股間がぴったりとくっついて、
怒張の先端はしっかりと子宮口に触れている。体内の熱が独特の気持ちよさを与えてくれる。
「カズキイィ…すごく熱い…」
「斗貴子さんの中も……」
焼け爛れたかの様に潤んだ斗貴子さんの瞳が色っぽい。
卑猥な音を立てつつ、斗貴子さんの腰が動き出した。
ぐちゅっ、ちゅちゅ、じゅぷ、ちゅっ……
「と、斗貴子さんスゴイ…スッゴク気持ちいいよ……」
上下だけでなく、前後左右、円運動も加えた斗貴子さんの動きは圧巻の一言だった。
バルキリースカートの訓練によって鍛えられた足腰は伊達ではないといった所か。
「はぁ、私もぉ…動く度にキミのが奥に当たって………っ」
斗貴子さんがドコが感じるとか言う事って珍しいなあ。
そうだ、と俺は思いついた。せっかくだから斗貴子さんの性感帯について聞き出そう。
酔ってる今なら話してくれるかも!もっと斗貴子さんをヨロコばせるためにも必要な情報だ。
「ねぇ、斗貴子さん、どこがイイの?どういう事されたら一番気持ちいい?」
斗貴子さんの太腿に手を掛けながら、俺はストレートにそう質問した。
「そ、それはぁぁ…」
流石にこれは言い難いのだろう、斗貴子さんの顔には本日最高の赤みがさしていた。
「……どうしても…聞きたいか?」
自身の上下を止める事無く、斗貴子さんはそう言った。
459名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:33:43 ID:giCqUH6F
「うん、聞きたい」
俺がそう言うと、斗貴子さんは意を決した様に喋り出した。
「私は……キミのが私の中に全部収まって、私の一番深い場所に当たってる時に、その…」
「その?」
「だ、だっ出されるのが………すごくいい……」
……それって。
「…出されるって、えーと…射精の事だよね?」
斗貴子さんはほんの少しだけ頷いた。
……それってつまり。
「……斗貴子さんって中出しが好きなのぉ!?」
「そんな風に言うなぁ!だから言いたくなかったんだ!!」
「で、でもそういう事でしょ!?」
「しょうがないだろっ!キミの脈動とか、温かいものが入ってくる感覚とか、キミの表情とかっ!
 そういうの全部が私を気持ち良くさせるんだからぁっ!!」
斗貴子さんはまるで叫ぶかの様にそう言った。
俺から聞いておいてなんだけど、正直恥ずかしかった。
自分の頬が紅潮しているのが、はっきりと分かる。
「じゃあ、斗貴子さんもうすぐ気持ちよくなれるよ…」
「…正直に出そうだと言わないか」
こんな話をしながらも斗貴子さんは動き続けていたので、俺はもうギリギリだったのだ。
「まぁいい。…いつでも好きな時に、好きなだけ出しなさい」
さっきとは百八十度調子を変えて、優しくも艶っぽい声で斗貴子さんは言った。
「斗貴子さんってやっぱりエロスい…」
「キミにだけは言われたくなかったんだがな」
斗貴子さんはくすくす笑いながら腰の動きを加速させた。
じゅぽっ、ぐぷ、じゅぷっ……
「うぁぁぁ……斗貴子さん…」
俺も何とか斗貴子さんを突き上げようしているが、斗貴子さんの動きが複雑すぎて叶わない。
普段なら有り得ない、斗貴子さんによる完全リード状態だ。
「…カズキ…気持ちいいか?」
斗貴子さんの声が俄かに震えている。斗貴子さんも絶頂が近いらしい。
「気持ちよすぎだよ斗貴子さん、俺もう…もう!」
「いいぞカズキ、いつでも出せっ……」
斗貴子さんがそう言い終わった瞬間、俺はあっけなく達してしまった。
「と、斗貴子さん、斗貴子さぁあん!!」
びゅるっ、びゅくぅ、びゅるるっ!
狙い澄ましたかの様に斗貴子さんの腰が降りてきて、放たれた精が子宮口を打つ。
「ひゃあっ、ひゃああああん!!」
斗貴子さんの体が俺の上で大きく反り返って、びくびくと痙攣した。
「………はぁぁぁぁ」
快感の余韻の所為か力が抜けた斗貴子さんは、俺に抱き付く様に倒れこんできた。
「良かったよ、斗貴子さん」
「……私も…」
俺が斗貴子さんの頭を撫でてあげると、斗貴子さんは恥ずかしそうに笑ってくれた。
460名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:34:49 ID:giCqUH6F
――翌朝――


「斗貴子さんの酔い癖、もうホントに凄かったよねー」
「だ、だからもう止めてくれぇ!!」
斗貴子は顔を真っ赤にしている。
「あ、あれはあくまで、本当に酔ってしまったからで…いつもは」
「いやぁそれにしても、まさか斗貴子さんがあそこまでエロスだとは」
「止めろぉおお!!」
斗貴子は腹の底から絶叫した。
斗貴子が目覚めた時、酔いが綺麗さっぱり覚めていた事は彼女にとって幸運だった。
しかし、昨晩の自分の行いをはっきり覚えていた事は彼女にとって大きな不幸だった。
カズキは目覚めてからずっとこの調子で斗貴子をからかっているのだ。
「イヤイヤ、別に悪い事だなんて言ってないよ?昨日の斗貴子さん、滅茶苦茶かわいかったし」
斗貴子は彼のこの発言に少しムッとした。
(何だかそれじゃあいつもの私がかわいくないみたいじゃないか!)
斗貴子がそう考えた瞬間、カズキが口を開いた。
「違うって。いつもの斗貴子さんも滅茶苦茶かわいいけど、ああいう一面も、っていう意味」
まるで心を読んだかの様な彼の発言に、斗貴子は思わずどきりとする。
「な、何を言っている!私はそんな事思って――」
ぎゅう。
突然、カズキの腕が斗貴子の腰に回され、彼女を抱き寄せた。
「うわっ…」
「えへへ。やっぱりこの方が落ち着くよね」
カズキは勝手な事を言いながら、一人で愉快そうに笑っている。
「……もう」
彼の眩しい程の笑顔を見て、斗貴子の怒る気もどこかに飛んでいってしまった。
斗貴子は仕方なく、彼の背中に腕を回した。
そして、にこやかに微笑んでこちらをみているカズキに向かって、こう言い放つのだった。
何だかんだでいつもやり込められてしまう、最愛の人に向かって。



「……もうキミの前では絶対にアルコール類は飲まない!」






愛する人はお酒に弱い―――了
461名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:36:31 ID:GjIQramw
リアルタイムキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
久々にお姉さんなTQNを見た気がする GJ!
462名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:36:59 ID:giCqUH6F
どうも。前作「腕の中の人へ」>>392-397 にコメントして頂き有難う御座います。
今回もカズトキで。この二人大好きなんですよホント。
なんだか上質なSSが集まってる所にスレ汚しかとも思いますが、
枯れ木も山の賑わいと思っていただければ幸いです。
463名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 00:46:05 ID:WRVoitK0
蝶・GJ
エロいのはもちろんだが、なんか2人が幸せいっぱいな様子が
読んでて嬉しくなるな>カズトキSS
464名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 12:37:35 ID:HdayHPa5
465名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 12:39:04 ID:HdayHPa5
途中送信スマンorz
ラブいな。そしてエロい。良いもの読ませてもらったぜ、GJ!
466名無しさん@ピンキー:2006/10/27(金) 15:35:03 ID:W74Hx5oB
GJ
二人はラブラブ
オイラは ゴロY⌒Y⌒(*゚∀゚)⌒Yゴロ⌒(。A。*)⌒ゴロY⌒(*゚∀゚)⌒Y⌒Yゴロ !!!
……('A`)
467一年後の春の夜:2006/10/28(土) 00:20:47 ID:XWrWOaX7
眼が覚めてしまった。
窓のカーテンが少し開いている。そこから差し込む月光の所為だ。
閉め忘れた。だが、ここは二階だ。向き合って眠る二人が、外から覗かれる心配は無い。
腕枕をしてくれている彼を起こさぬよう、眼だけを動かして見た枕元の時計は午前四時過ぎ。
腕が痺れるだろうとは思うが、止めたくない。
少しでも多くの時間、彼に触れていたい。
朝起きて、腕の痺れを詫びても彼はただ微笑んで、大丈夫、軽いから、という。
それは私の脳みそが軽いという意味か、と少し拗ねた振りをする。他愛無い、いつもの会話。
そんな会話も、その後の彼の少し困ったような笑顔も、すべて愛しい。
静かな寝息を立てる彼の肩越しに、窓の外の月を見る。
舞い散る桜の花びらをきらめかせる、満月。

月を見るのは…嫌いだ。カズキが行ってしまったときのことを思い出すから。
少しでも運命の歯車が狂えば、この愛しいすべてを永久に失っていた。あの月に奪われて。
そして、その原因は――私だ。
一年前の春の夜、化物に心臓を貫かれた彼の、その心臓の代わりに私が与えてしまった
核鉄。いや、元々そんな事態を招いたのも私。
それが彼を日常―穏やかな日々―から、非日常―戦いの日々―へと引きずり込んだ。
でも彼はそれに立ち向かい、日常に戻ってきた。私を連れて。
月あかりに浮かぶ、彼のまだ幼さの残る寝顔を見ながら、数時間前の熱い抱擁を思い出す。
…また身体の奥が熱くなる。
もう何度、口唇と身体を重ねたろう。でも
「愛してる」
の言葉は、まだ口に出せない。
言わなくてもわかっているだろう、というのもある。でも
…言いたい、でも恥ずかしい。結局は、唯それだけ。

以前の私、修羅の世界に身を置いていた一年前の私が、今の私を見たら何と言うだろう?
暗闇の中で殺戮と破壊に、化物共との戦いに明け暮れていた私。
そこに日常という光を投げかけてくれたのが、彼。
――きっと黙ってソッポを向くだろうな、顔を真っ赤にして。

ふふっ。
洩らした笑い声が彼の眼を覚ましてしまったようだ。
「…ごめん。起こしてしまったようだな」
いつも謝る彼の先手を取って、私が謝る。
「大丈夫。気にしないで」
彼が微笑む。太陽のような、暖かい優しい微笑み。
そう、彼は太陽。すべてに暖かい光を投げかける。そして私は――月。
彼の光で私は闇を抜け出す。一人ぼっちの何も無い闇を。
だから彼の眼をみつめて
「どうしたの、斗貴子さん?」
「カズキ……愛してる」
太陽が輝く。
「オレも。愛してる」
口づけを交わす。
月が見ていた。

―オワリ―
468名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 00:55:49 ID:2bMcvExQ
いいねえ
GJです
469名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 01:03:34 ID:k5hFJtbg
心情描写が良い感じ。読ませるね。GJ!

投下SSが豊作の秋状態でSS好きとして
とても嬉しい
470名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 02:11:40 ID:YxLdjXzt
なんか単行本読んでたらムラムラしておにゃのこ犬飼とか火渡とか描いてたよ。
471名無しさん@ピンキー:2006/10/28(土) 02:37:29 ID:y8sOieLn
>467
GJ!
タイトルで既にやられたーって感じ 「1年前の春の夜」っていいよね
あっちは絶望的な思いが込められてたけどこちらは希望に溢れた暖かさが(゚∀゚)イイ!
ほんにカズトキは幸せよのう
472名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 11:20:41 ID:Yqfrnqst
おまいらGJ!
しかし日曜の朝から武装エロパロSSを読みまくる俺ってホントに末期だな。だがそれがいい。
473名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 23:06:51 ID:TY1cfBkT
流れを読まずに落描き投下。





※女体化注意!!

http://kjm.kir.jp/?p=66093
http://kjm.kir.jp/?p=66089

ごめんなさいorz
474名無しさん@ピンキー:2006/10/29(日) 23:09:45 ID:HY2ZD4pj
火渡巨乳だなー
犬飼はオカマにしか見えないw
475名無しさん@ピンキー:2006/10/30(月) 00:24:58 ID:WBqeglqk
ずいぶんと不条理なオッパイだなw
476名無しさん@ピンキー:2006/10/30(月) 16:02:03 ID:ezKSZtK4
//のネタでエロス書きてぇ。
そのくらい萌えたし面白かったぞダブルスラッシュ!黒崎GJ!
477名無しさん@ピンキー:2006/10/30(月) 20:21:33 ID:+S6qz3yk
>>476
つ170
478名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 00:48:16 ID:LgwiE8+v
>>473
見れんorz

しかし//の若き千歳さんのおっぱいもかなり不条理だな…あれでSS書きたいが何も思い浮かばない…
479名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 10:49:38 ID:DS2g0TKH
あの挿絵のところに濃い目のぶっ掛けてもう一冊ダブルスラッシュお買い上げしなくちゃならんやつが出てくるかな
480名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 19:31:59 ID:POYlhnOE
逆に考えるんだ
『7年前があれなら今はもっと不条理な筈だ』
こう考えるんだ
481名無しさん@ピンキー:2006/10/31(火) 21:02:56 ID:qrFIukEk
7年前の千歳さんはピチピチ
現在の千歳さんはムチムチ
482名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 01:43:54 ID:RkKWnLr1
それか!
483名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 02:54:08 ID:+4Mq5u7f
ブラボーと千歳が好きなんだぜ
484名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 04:09:07 ID:qKklXib+
>>478

描いたやつどっか行ったので別の。






※女体化注意!!

火渡
http://kjm.kir.jp/?p=67031
ブラボー
http://kjm.kir.jp/?p=67032
485名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 14:18:38 ID:uvJlzjBn
防人はあの夜千歳さんのビキニ姿を思い起こして一発ヌキました
486名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 14:43:56 ID:OjMGwFF8
>>481
「現在の千歳さんはムキムキ」だったら嫌だな。
487名無しさん@ピンキー:2006/11/01(水) 17:01:50 ID:uvJlzjBn
千歳「最近ダイエットしてるんだけど、腰周りと太ももあたりが気になって…今の私の体どう思う、防人君?」
防人「(ゴクッ)…今夜一発お願いしていいかな。きっといい運動にもなるし」
488名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 14:29:51 ID:OcyicWBI
アニメ見たけど「ゆっさゆっさビクンビクン」がなかなかエロかったw
489名無しさん@ピンキー:2006/11/02(木) 17:06:47 ID:FEijcXq0
言葉聞き取れなかったけどな…
490若ブラ千歳:2006/11/02(木) 18:22:48 ID:FEijcXq0
赤銅島の惨劇から数ヶ月の時が過ぎ…
防人…彼はもうその名を捨てたが…と千歳は、お互いの気持ちに気づき、
世間様でいう、「お付き合い」をしていた。
しかし、両者共に純情で奥手であったため、幸か不幸か健全な付き合いが進んでいた。
デートもしたし、キスも…したが、なんとかその先に進みたい。防人はそう思っていた。
そしてある任務で、二人はホテルに泊まることになった。
当然、シングルを二部屋あてがわれていたのだが…
「ち、千歳、俺の部屋…こないか?」
「え…」
千歳も18歳の乙女。それが何をするかわからないほどウブではなかった。
コクン、と首を縦に振る。顔は哀れなくらい真っ赤になっていた。
千歳が入浴に行くのを見送る防人は妄想逞しくシュミレーションする。
二人きりの部屋。これから行われる行為を想像し、防人は頬を上気させる。
千歳が風呂から上がって来ていた。濡れた髪に上気した肌。
ゴクン、と生唾を飲み下す。
「ほ、本当に…いいのか?」 
「…うん」
「無理は、しなくていいんだぞ」
「本当、大丈夫…だから…抱いて」
そう言って、うるむ瞳で、防人を見つめた。防人は意を決し、千歳のバスローブに手をかける。
「すごく…綺麗だ」
千歳の湯上りの素肌は綺麗だった。ふっくらして、柔らかで。
「もう…」
千歳が恥ずかしそうな表情を浮かべる。あの水着を見られたときのような複雑な…そそる顔を。
男性器にドクドクと血が集まり始めた。
防人は本能のまま千歳をベッドに押し倒した。

491若ブラ千歳:2006/11/02(木) 18:40:32 ID:FEijcXq0
「さ、きもり、くんっ…」
防人は千歳の胸元に小鳥がついばむようなキスをした。チュッ、チュッ、と音を立てる。
「ひゃうっ…」
なんだかくすぐったい。千歳は体をよじる。最初は抵抗しようとしていたが、やがてされるがままになった。
しばらく舐め続けると、乳首が固くなりだして、防人は彼女の先端を唇でコロコロと転がした。
「や、やだぁ…なんか…変…」
「変じゃないよ、千歳…可愛い」
乳房を舐め上げた口で、そのまま千歳とキスする。甘く、濃厚なディープキス。
「ん〜っ!!」
千歳は目を見開く。やがて熱い舌を受け入れ、されるがままにうっとりと目を閉じる。
防人は興奮し、欲望の赴くまま彼女を味わう。口だけでなく手も休めず体をまさぐる。
たっぷりキスしていたが、息が苦しくなってきたのでプハッ、と口を離す。
とろ〜ん、とした顔で、千歳がつぶやく。
「防人くんって…すごく情熱的なのね…」
「ハァッ、ハァッ…千歳も、すごい綺麗で、情熱的で、エッチだ…」
492若ブラ千歳:2006/11/02(木) 19:03:52 ID:FEijcXq0
「ここ…触るよ?」
「えっ、あっ!!いきなり、そんな…んっ」
女性の大事なところに触れられて、千歳は敏感に反応した。
防人が手を動かしている内に、何度かクリトリスの先端をさすり、千歳を攻める。
「あっ!…か、感じ、ちゃうよ…」
「ち、ちとせ…っ!」
防人は、顔を千歳の濡れた秘所に近づける。まさか、と千歳が思ったときに防人の舌が触れた。
「や、やぁん…そこぉ、ふあぁっ、舐めないでぇ…」
ぴちゃぴちゃという音が聞こえ、そのあられもない行為を実感させる。
「んっ、んっ、ふむっ…」
防人の頭は千歳の太ももに挟まれ、頭髪は快感に耐え切れず涙を流す千歳にグシャグシャにされる。
「あっ!!あ、うぅ…ちょ、だめ…くぅん、さ、きもり君…もうやめて…ふ、あぁん!」
泣きそうな声でーいや、実際に涙声で千歳は行為を止めるよう懇願する。
頭髪をひきむしられそうになってようやく防人は千歳を解放した。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
「い、痛たた…」
ぐったりと千歳は倒れ伏す。そうとうクンニがこたえたようだ。
「…ゴメン、調子に乗りすぎた」
千歳の体を気遣う。のぼせ上がっていた頭の芯が少し冷える。
しかし千歳は言った。消え入りそうな声で。
「防人くん…私、欲しい…の。もう、治まらない…」
493若ブラ千歳:2006/11/02(木) 19:23:55 ID:FEijcXq0
「入れる…ぞ」
精一杯気遣う。もう千歳を苦しめたくはなかった。
「……う、うん。いいよ」
照れくさそうに、千歳は言う。ああ、なんと甘美な笑顔なのだろう。
くちゅ…という音と共に、先っぽから入っていく。あ、固いな、と千歳は思った。
挿入れていく度に肉棒に纏わりつく膣の感触。
「ち、ちとせ、辛くないか…?」
「………!!」
千歳はイエスともノーとも言えない。押し入ってくる防人の感覚を追うだけで精一杯だ。
もう先端に膜が当たる所まで来てしまった。防人は勢いをつけ、処女膜を一気に破った。
ブツッ…
「あ、ああっ…!!!」
千歳は突然襲ってきた激痛に、悲鳴を上げ…



「ちとせ…千歳!」
千歳が意識を戻した時、バスローブを着せられ、頭にタオルを置かれていた。
ポカン、と千歳は防人の顔を見る。
「…ヤダ。私…気絶しちゃったの!?」
「…ん」
「ウソ…ゴメンナサイ」
千歳はしょんぼりとうなだれた。防人は複雑そうに笑みを浮かべる。
「謝るのは俺のほうだよ。ゴメンな…痛かっただろう」
「もう一度…する?」
「いや…無理しなくていいんだ」
防人は千歳の耳元でささやいた。
「俺たちの未来はまだまだ長いんだから…」

(END)
494名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 09:07:15 ID:ZEBMklEr
もう飛ぶまいぞこの蝶々 夜も昼も休まず
花の心さわがす罪つくりな蝶々 羽もとりあげられた
だてな帽子もないぞ髪も長くせまいぞ
紅もさすことならぬ 羽はならぬぞよ 帽子も粋なみなりはならぬ
495名無しさん@ピンキー:2006/11/03(金) 18:27:04 ID:W0oPjNDe
>>493
千歳さん健気だなぁ…
ブラボーはタフそうだから、これから千歳さんも大変だなハァハァ
496名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 00:00:37 ID:L1Se/ym5
ヘルメスドライブのペンを使って防人のあんな場所やこんな場所を責め立てる千歳さん
497名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 04:00:38 ID:BKQPQh5B
ブラ千良いよ。
//どこにも売ってないよorz

寝る前に落描き投下。





※女体化注意!!
http://kjm.kir.jp/?p=67910
おにゃのこ犬飼
498名無しさん@ピンキー:2006/11/04(土) 11:37:46 ID:dG4V3dDr
>>495
しかし7年の間に立場が逆転し、
ブラボーが千歳さんに「もう果てちゃったの?だらしないわね」と言われる始末
そしてブラボーは十三のブラボーアーツ(夜用)を開発したり赤マムシを常備したりして
すっかり女豹になった千歳の女を満足させるため心血をそそぐのだ。
499名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 03:01:21 ID:UbF/Kp1+
今回は、ある歌をモチーフに作られています。
そういうの苦手とか言う人は回れ右でお願いします。
あと、エロ無しなんで萌えスレでもいいかなとも思ったんですが、
折角こちらが賑わって来たのにその火を絶やしたくないので…まぁ嘲笑って読んで下さい。






スーパーのすぐ前の道路で、信号待ち。
武藤カズキと武藤斗貴子は、夕食の買い物を終え帰路につこうとしていた。
「斗貴子さん、俺が荷物持とうか?」
「いや、構わない。これ位平気だ」
「じゃあ半分だけでも」
いや本当に構わないから、と言う斗貴子の制止を無視して、カズキは袋の持ち手を片方だけ握った。
「おかしな事を…」
斗貴子はくすくすと笑う。
「私はキミと手を繋ぎたかったんだがな……」
「え?そーだったの?」
それなら、とカズキは斗貴子の手を取った。持ち手は両方とも二人の手の間にある形だ。
「これならいいよね!」
「…どうして最初にこれを思いつかなかったんだか」
斗貴子はまだ笑っている。鈴を転がす様な笑い声を聞いて、カズキの心は大いに安らいだ。
――斗貴子さん、結婚してからよく笑う様になったな。
そんな事を思う。
「ねぇ斗貴子さん、今日の夕飯は結局何にするの?」
「秘密だ」
斗貴子はきっぱり言った。
「えぇー?教えてよ、ヒントだけでも!」
「駄目だな。帰ってからのお楽しみという事にしておけ」
カズキはやや不服そうにはーい、と返事を返した。
もう陽は傾き、夕暮れに染まる町並みが美しいと感じられる様な時間帯である。
手を離すことなく、ゆったりと歩いている二人を、自転車が追い越していく。
外苑沿いの道はレンガで出来ていて、踏みしめた感覚も心地良いとカズキは思った。
――このレンガ道を、もう何度斗貴子さんと歩いたのかなぁ?
ふと、彼の脳裏にそんな疑問が浮かんできた。
二人が祝言をあげたのは高校卒業時なので、もう七年程が経っている。
現在彼らが生活を営んでいる銀星市内のマンションに越してきたのも同じ時期だ。
カズキの仕事が休みである土日は、必ずと言っていい程一緒に買い物をしている。
――家事は斗貴子さんに任せっきりなところがあるからなぁ。
  休みの日ぐらいは、ね……
それでも斗貴子さんに付いて来てもらってるんだから一緒か、などと思い直して
カズキは一人、空を見上げて小さく笑った。
そうすると、いつもは気にしない電柱に吊下げられた電線が視界に飛び込んでくる。
――何だかアレ、音符書くときの線みたいに並んでるな……
カズキが思い浮かべているのは所謂「五線」の事だが、彼はその名を知ってはいなかった。
それもそのはず、彼は音楽関係の趣味を持ち合わせてはいないのだ。
精精カラオケに行く程度、そんなカズキが電線を見て五線を連想したのは、全くの偶然だった。
――もし俺が作曲とか出来たら、どんなの作るだろ……
カズキの連想ゲームは続く。
――やっぱり…最初に、斗貴子さんへ向けた歌かなぁ……
  って事になると、ラブソングか……
「ちょっと気障っぽいかな…」
500名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 03:02:14 ID:UbF/Kp1+
「何が気障っぽい、だ」
思わず出たカズキの独り言に、斗貴子は幾分棘の目立つ口調で言い放った。
「さっきから黙ってばっかりかと思ったら…急に何を言ってるんだ?」
どうやら、カズキが思いつきで遊んでいる間も、斗貴子は何事かを語っていた様だ。
「キミが私を無視するだなんて、珍しい事もあるもんだな」
斗貴子の方も、珍しく嫌味たっぷりな言葉を発する。
勿論彼女の不機嫌は飽く迄も表面的なもので、別に本気で怒ってなどいないのだが。
それでも、ここまで言う彼女に気圧されたカズキはかなり慌てふためいていた。
とことん素直で単純な男である。
「ち、違うよ斗貴子さん!今日は偶々、斗貴子さんの事考えてただけだって!」
斗貴子の顔が疑問に歪む。
「…それはどういう意味なんだ?」
「何て言えばいいのか俺もよくわかんないけど…とにかく、ちょっと考え事してただけだよ。
 別に斗貴子さんの話を聞きたくなかったとか、話したくなかったとかじゃ無いんだって!」
「………まあ、今日はそういう事にしておいてやろう。今度こんな事があったら…」
わざと意地悪を言う斗貴子に、カズキは斗貴子さぁんと情けない声を上げた。
「ほんと、本当にゴメン!もうこんな事絶対にしないからさ!機嫌治して?ね!?」
真摯な眼が、斗貴子の瞳を射抜いてくる。
斗貴子は自分の負けを悟った。彼女はこの眼差しに恐ろしく弱いのだ。
「…分かった、分かった。もう言わないから、ショボくれた顔するのは止めなさい」
それを聴いた瞬間、光が射したかの様な笑顔がカズキの満面に宿る。
「ありがと斗貴子さん!!」
つられて斗貴子も笑い出した。先程と同じ様に、心底楽しそうな声を上げながら。
握り合う指先には、先程以上の力を込めあいながら。
――そうだ。
カズキの中に、不思議な確信が生まれた。
――これからずっと、斗貴子さんと一緒に生きていくんだ。暗い顔なんかするべきじゃない。
  それよりも……
「ねぇ、斗貴子さん」
「どうした?」
「これからもさ、沢山の思い出を作っていこうね!」
やっぱりキミは唐突だ、と前置きをしてから斗貴子は続けた。
「無理に思い出作りなんかしようとしなくても……私は幸せだぞ?
 今、キミがそばにいてくれる瞬間が…な」
「……斗貴子さんっ!」
斗貴子の言葉に感極まったカズキは、人目も憚らず斗貴子に抱き付いた。
「あ、コッコラ止めなさい!!」
真っ赤になって抵抗する斗貴子だったが、こうなっては彼の独壇場である。
「斗貴子さんキレイ!かわいい!」
「だから止めなさぁい!公衆の面前なんだぞ!?」
しかし、当の『公衆』の方は特に彼らを気にしていなかった。
もうこの二人の事は、銀星市民ならば周知の事実なのである。
「もうっ!」
カズキの両腕を振りほどいた斗貴子は、一人さっさと歩き出した。
「あ、待ってよ斗貴子さん!!」
「知らん!」
カズキが追いかけようとするが、斗貴子はどんどん足を速めていく。
紅い住宅街に、カズキの声が響く。
「斗貴子さぁん、斗貴子さぁーーん!お願い、待って斗貴子さぁーーーん!!」



その日の夕飯は、牛肉と野菜たっぷりの斗貴子特製のカレーだったそうだ。





Million Films―――了
501名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 03:21:03 ID:GGQgToFz
>499-500
蝶GJ!
あ〜シャーワセ!なSSを寝る前に読んでテンション上がってきちゃったぜw
姐さん女房な斗貴子さんが良い
きっと一生こんな風なんだろなwもっともカズキは天然サディストだがww
502名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 03:28:48 ID:aUC6Xnl5
    _  ∩
  ( ゚∀゚)彡 カレー!カレー!
  (  ⊂彡
   |   | 
   し ⌒J
503名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 15:25:56 ID:ZgkDIKjG
アニメ始まって、このスレのSS過去ログからざーっと見たんだが……
初代151氏の凄さに改めて気付かされたよ。エロイ泣ける爽やか感動。
タイトルの「君が、好きだから」も錬金アフターを先読みしたかのようなセンスだし。
新作マダですか、とこっそり期待してミル。
504名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 22:48:32 ID:JS+VOOWL
>>499-500
あ〜GJ!!
なんか最近、ほのぼの系が好きになってきた。歳か…
にしても市民の皆さん、(色々と)受け入れ過ぎだ!
505名無しさん@ピンキー:2006/11/05(日) 23:20:33 ID:I8Gvxsim
>>504
「変人バーガー」などというものが受け入れられるほど耐性ができあがってて
この程度じゃたいして動揺もしなくなってるんでしょう。
506名無しさん@ピンキー:2006/11/06(月) 21:05:42 ID:4SgKlkEQ
偽善くんとぶちまけ女も大人気だし
そのうちパピヨンが気をきかして
「偽善くん&ぶちまけ女第10段ウェディングバージョン」とか
作ってくれるかもしれん
507名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 02:43:13 ID:WZpEXS24
はぁ、はぁ、はぁ………
カ、カズキ、私の事はもういいから、そろそろキミの方も――
ひゃうん!
あぅう、せめて触る前に一言断ってくれ!!
あ、あっ、やぁっ止めなさい!さ、さっきキミにイカされたばっかりなのに…
だだだから駄目ひゃぁ、ぁあ、ひぁぁん……………



…キミはずるい。
何がどうして?だっ!
キミは私と寝る度に、好きなだけ私をイカせてしまうじゃないか!
そ、そりゃあ男の人には限界があると分かってるが…
他の人と比べればキミも多い方だとは思うんだが…
それにしたってあんまりだと思わないのかっ!?
…リアクションが薄いな。
本当にキミという奴は、私が恥を堪えてハッキリと言葉にしなければ理解出来ないんだな。
いいか。キミは大体、一晩に三〜四回ぐらいだろ?
つ、つまり、それぐらいの頻度で射精してるって言ってるんだ!分かってくれ!!
はぁ……確かに私が殆ど毎日キミの部屋に来てる事を考えれば、元気すぎるぐらいだが…
しかし!!対して私は、一晩で平均八回だぞ!?それも私が記憶してる分だけで!
要するに、キミは私に尽くしすぎなんだ!
イ、イヤ…悪い事だと言ってるんじゃない。それにしたって、キミはやりすぎだろう。
そう言えば、逆に私がキミに何かしてあげようとすると抵抗する時があるが、あれは何故だ?
…私がキミの為なら何でも我慢しちゃうから、って…別に我慢なんかしてないぞ?
むしろ…その、キミに奉仕できるのなら……何と言うか……
や、やっぱり何でもない。…話を戻そう。
とにかくだなぁ、キミはそんなに頑張らなくてもいいんだ!
別に何回もそういう事する意味なんか――
ん?何だ?キミにも言い難い話なんかあるのか。大丈夫だから話してみなさい。
………………………………。
このバカッ!!エロスの権化め!!
わ、わた、私が達した時の全部がキレイでカワイイからだなんて、ホンットにキミは!
う、ううるさい!はにかんだ顔でそんな事われれば真っ赤にもなって当たり前だろう!
…だ・か・ら!一心同体だから斗貴子さんが気持ちいい時には
俺も気持ちいいんだよなんて言うなぁ!
もういいっ!この話はお仕舞いだ!柄にも無い事を言い出した私がバカだった!
はやく寝なさいっ!



…は?
私が?イクとか?射精とか?達するとか?
いつもは簡単には言わない様な淫語を何回も口にしたから?
また興奮してきただとぉ!?
や、止めろ!イッイヤするのは構わない、構わないから私を気にせず――
うひゃぁん!
コラ、いきなりどこ触ってるんだ!私はいい、私はいいから!
はぅう!やぁあ、そんなに優しく触るなぁ!
やぁ、ひゃあ、ぁああん!
あぁあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!






「言わなきゃ良かった」―――了
508名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 05:56:57 ID:13h8lcvd
>507
うひ、朝っぱらから熱くてビンビンな話を読んじまったぜ
蝶グッジョブ!
カズキはナチュラルサディストだからありえそうで笑ったw
509名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 10:43:59 ID:ofOFpDcb
今日も元気にバカップルだなw
510名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 12:15:58 ID:JNIemIcc
>>507
まだ昼なのに…
え〜な。GJ!
511名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 19:31:08 ID:gM/UAc2f
>>507
これはカズキがどうこう以前に
自爆しただけでしょう。斗貴子さんが。
512名無しさん@ピンキー:2006/11/07(火) 21:44:13 ID:2ET4I/QY
>>507
モノローグ形式って面白くていいな。
グッジョー!
513窓の外から P1/2:2006/11/08(水) 00:22:18 ID:v9im6rZG
ED曲のCDを聴いて感銘を受けて書き出した筈なのに、何故こんなことに……prz
2レス貰います。


汗をたっぷりとかいた。嫌な汗だ。
夢の所為だ。お陰で眼が覚めてしまった。
外はまだ暗い。起きる時間まで、まだ充分ある。だがあの夢を見たときはもう眠れない。
もう随分、見ることは無かったのに。
またあの夢。カズキが月へ行ってしまう、私を置いて。

嫌な夢だ。カズキは今ごろ自分の部屋で高いびきだろう。
朝になれば、いつもどおりの一日が始まる。
でも…予知夢とか虫の知らせとかを信じたことは無いが…
とにかくまず着替えないと、風邪を引く。
着ている物を全部脱いだ。替えの下着に手を伸ばしたところで、ふと自分の胸を見る。
……小さい。
まひろちゃんや腹黒女は例外としても、標準的にはどうなんだろう。
世間一般では大きい方が喜ばれることは判っている。まあ、世間はどうでも良い。問題は…
カズキの持っていた『Hでキレイなお姉さん』シリーズに登場する女性は皆、大きかった。
ああいう本を見る位だから、カズキもやはり大きい方が好きなのだろうか。
…形は良いほうだと思うんだが。
「くしゅんッ!!」
クシャミで我に返った。こんな格好でいたら本当に風邪を引いてしまう。

着替えを済ませ、眠れなくても横になろうとベッドに潜り込んだ。
が、やはり夢が、というより夢を見たことが気になる。
しばらく悶々とした挙句、掛布団を叩き着けるように跳ね除けると、廊下に出た。
カズキの部屋を覗いてこよう。それで安心できる。
誰とも出くわさないように移動するなど元・錬金の戦士なら簡単だ。
舎監のキャプテンブラボーに出くわすと厄介だが、その場合は――正直に話そう。
ブラボーなら判ってくれる。

幸い、誰にも出くわすことなくカズキの部屋の前に着いた。
扉に手を掛け、音を立てないように少し開けた。カズキが夜、鍵をかけないのは知っている。
ベッドには無防備な寝顔を晒したカズキが――いない?!
頭の中が真っ白になる。どうする?ブラボーを起こして相談?いやその前に中を調べて――
「どうしたの?」
その声に飛び上がりつつも、驚きの声を発しなかったのは戦士の訓練の賜物だろう。
「カッ、カズキッ!どっ、何処に行っていた?!」
何とかそれだけの質問をした。
「何処って、トイレ。それより斗貴子さん、なんでこんな時間に?」
…そう。その可能性をすっかり忘れていた。
「いや、その何だ…」
これじゃ逆夜這いだ。まさか夢見が悪かったとはいえない。何と言って誤魔化そうか?
「とにかく、部屋に入ろうよ。まだ夜は寒いから」
そう言って中に招き入れられた。
514窓の外から P2/2:2006/11/08(水) 00:23:01 ID:v9im6rZG
「灯りは点けないでくれ。他人が通ったら何事かと思われる」
「んー、じゃあカーテンを開けるよ。少しは明るくなるから」
ベッドの上に二人並んで座る。…沈黙が重い。
「どうしたの?」
「実は、な…夢を見たんだ。キミが月へ行ってしまったときの。…ここしばらくはそんな夢を
 見なかったので、何か嫌な予感がして。それで…様子を見に来た」
結局、他に理由も思いつかなかったので本当のことを話した。
笑われるだろうな。『怖い夢を見ちゃったの』。まったく、子供じゃあるまいし。
「…ゴメン」
カズキの口から意外な言葉が洩れた。
「?キミが謝ることじゃ…」
「ゴメン。オレが斗貴子さんを傷つけたから、そんな夢を」
「違う!そんなつもりで言ったんじゃない!!あのときは仕方が無かった。…判っている…」
そう。判っている。あの場合、ああするしかなかったことを。
いやキミならそうすることは、私なら判っていた筈。
ただその判断を受け入れたくなかった、それだけ。
もう一度、いや何度でも、あんなことになれば、キミは同じようにするだろう。
私や妹や友達を置いて、たった一人で、すべてを背負い込んで。
それでも私はキミを待っている。何度でも。いつまでも。――信じているから。
だから

「だから…だから謝るな…謝らなくて良い…」
「斗貴子さん…ゴメ」
言葉の残りをキスで塞ぐ。
「謝るな、と言った筈だぞ」
ややあって口唇を離し、言った。
「…うん、斗貴子さん」
そういうと私を抱きしめて……ベッドに押し倒した。
「!カズキ…私は寝汗をかいてて…汗臭いから…」
「大丈夫!斗貴子さん、イイ匂いだから!!」
「バカ……」
もう一度、キス。今度は深く。
やがてカズキが上着のボタンに手を掛けた。ふと思い出す。
「カズキ、キミは…」
「?なあに?」
「…いや、なんでもない」
訊くまでもない。胸の大きさなんて…カズキにとって重要なことではない。
そう、信じてる。

肩越しに見える窓から、月無き夜空に幾多の星が輝いて見える。
窓の外から、ホシアカリ。
照らされて、抱き合う二人。

―オワリ―
515名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 00:28:40 ID:mHAC89r0
あああああああああああああああああぁgj!

今ちょうどホシアカリをヘッドフォン着けて聞いてたから臨場感バリバリ
涙出てきちゃいそうだぜ
何はともあれgj





……ちっちゃい胸を大事に大事にもみもみして育て上げるのも男の甲斐性だと思うんだ……
516名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 01:16:36 ID:mZczXuwP
「ホシアカリ」も「真赤な誓い」も、原作の展開知ってると
泣かせる歌詞とかあるんだよな。俺もホシアカリ好きだわ。
そのうちパピヨンをイメージした歌とかも出てくるんだろうか?
517名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 01:23:37 ID:8Xy0VfsD
>>515
萌えスレで良く言われてるが
ゼロのものを育てるのは大変厳し…
あれ?何か腹に刺さっ(ry
518名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 12:42:19 ID:SjaGUEMi
>513-514 TQNかわいいな。乙です!
原作知ってるせいか、出会ったばかりの頃のカズキとTQNが夜空の月の下で
会話してる場面をアニメで見ると、FINALのあの展開を思って、ちょっと感慨深いものがある。
519名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 21:06:39 ID:GOVpJbu0
>518
そもそも夜の場面が多いから月が出てくるのも当たり前なんだけど
スタッフがちゃんとFINALを意識して演出してくれてるんだなって思える
幸せなことだよね



…だから今夜の出来がどうであろうとアニメスタッフへの感謝は忘れないぜベイビー
とりあえず斗貴子さんが可愛ければw
520名無しさん@ピンキー:2006/11/08(水) 23:24:55 ID:ER61Opa9
ヴィクトリアは来ないのかな
521名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 00:33:36 ID:ElrGozBF
>>516
本編のBGMでOPやEDのアレンジ曲(ピアノの独奏とか)が流れるとうれしいが、
作曲が別だから無いだろうな。
もし放送期間が夏を挟んでいれば「パピヨン音頭」とかあったんだろうか。
見たいような、見たくないような……
522名無しさん@ピンキー:2006/11/09(木) 01:20:21 ID:If8k1cN0
>>521
本編の音楽担当とOPやEDが別の人でも
OPやEDのアレンジヴァージョンが流れることは珍しくないよ。
権利関係どうなってるのかよくわからないけど。スレチごめんな
523まっぴーと桜花。ブルマでGo!:2006/11/10(金) 17:55:34 ID:O5ghGGjB
私立銀成学園高校はバレーの授業時には女子のブルマー着用が義務付けられている。
理由は学園長のこだわり…だとか。

バレーコートにて…
「あら、まひろちゃん。次授業?」
「あ、桜花せんぱ〜い。」
「まっぴー、着替えるの早い!」
「…………」
ちーちんは、さーちゃんがまひろと桜花先輩を見て愕然としていたのに気づいた。
「沙織、どうしたの?」
「お、大きい…」
「え?」
それは、明らかにまひろと桜花の体操服の下の胸の膨らみのことだった。
特に桜花は運動後で汗ばんでいたので、服はぺったりと張り付き、豊かな胸の形をあらわにしていた。
ドン、としたふっくらもちもちのおっぱいはうらやましい限りだ。
なんというか、テレビで見たFカップ肉まんを二つ抱えているみたいな…
「…………」
「沙織、無いものねだりしても報われないだけよ…。」
ちーちんよ、けっこうその一言はキツイぞ。
しかし桜花は胸だけでなく全体的にナイスバディだ。
ブルマーからはちきれんばかりのお尻(ブルマー好きは生唾を飲み込むだろう)、そこから伸びるすべらかな脚。
まひろもそのスタイルの良さにはため息が出た。
「ほんと桜花せんぱい、私よりおっぱい大きいかも!」
むにゅっ。
まひろが桜花のおっぱいを後ろからつかむ。っていうか揉む。
「きゃっ!!」
「ちょ、ちょっとまっぴー!!」
ちーちんが慌てる。
「うわっ、やわらか〜い!!」
「もう…まひろちゃんったら!」
桜花はさほど気にしてない様子だ。オンナノコ同士のおふざけ、だからか。
「うわ〜。やっわらか〜い!ふかふか〜」
もみもみもみもみ……
「あっ……!」
桜花の身体が敏感に反応して震えた。本格的に気持ちよくなってきたみたいだ。
もみもみもみもみ……乳揉み悶絶地獄に桜花は耐え切れず笑い出す。
「っく…くっくっ…あっ……ふふ……!も、もう止めて…次の授業あるから…」
桜花の目から笑いすぎて涙が出てきた。心なしか気持ちよさに潤んでいるようにも見えた。

桜花は結局着替えるのに遅れ二分ほど遅刻したが、怒られることは無かった。
剣道をしていた同じクラスの男子が半数以上トイレなどを理由に遅刻し、授業を始められなかったからだ。
ちなみに、剣道場から教室に男子が戻るにはバレーコートを通らなくてはならないことになっている。
524名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 19:47:39 ID:hSduRv42
ま、まっぴーwwwGJ!
525名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 20:27:26 ID:RRif20KG
>>523
GJ!
IDもGJ!!
526名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 21:08:33 ID:RYbMEWoV
>>523
GJ!
男子の気持ち、わかる…ところでトイレで何を
527名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 21:23:55 ID:ngdGeqtt
何って…ナニに決まっている
528名無しさん@ピンキー:2006/11/10(金) 22:12:01 ID:sj8BhDfg
半数以上の男子がおっきしちゃったんだね(^ω^)
529名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 09:57:32 ID:NOmlWnMF
天然なままに相手を翻弄するさまは、まさに「女カズキ」だな,まっぴーw
530名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 13:06:58 ID:wRYQwB14
両手からこぼれそうな巨乳をむにむにっ、として
感じさせちゃうまっぴーのププッピドゥなテクに、
桜花は敏感に反応してしまい、汗ばんで、ブルマーがしっとりと湿ってしまいました。

そしてそれを見た男子たちは皆、おっきしたものを隠しながら前かがみでトイレに向かいました。
×××はなかなかしぼんでくれませんでした。
531名無しさん@ピンキー:2006/11/11(土) 19:08:46 ID:+EKrYk9p
誰か523を巨乳からブルマーまでしっかり描写してうpってくれぬか

おっきした男子のなかにはもちろん秋水もいたんだよな?
532P1/2:2006/11/12(日) 00:38:06 ID:Hh+RoKpq
>>523に刺激を受けて(性的な意味で)、書いてみました、のにエロ〜スじゃない…
でも本当のところ、どうなんでしょ?2レスいただきます。


11月も終わりに近いその日。
今日もまた、桜花先輩が武藤先輩にちょっかいを出して、斗貴子さんがキレてます。
武藤先輩達が学校に戻ってきてからほぼ毎日、放課後に繰り広げられるその光景は、
既に学校全体の名物と化していました。

「あのー、桜花先輩」
「あら、若宮さん。なにかしら?」
私、若宮千里はその日も放課後の名物を済ませて駆け抜けていく勇士、じゃない
桜花先輩になんとか追いついて、呼び止めた。
考えてみれば男子生徒ばかりでなく、女子からも憧れの的である桜花先輩に
こうやって気軽に声が掛けられるのも、武藤先輩達のお陰だろうか。
とはいえ、全く緊張していなかった、と言えば嘘になる。
「少し、お話したいことが。お時間よろしいですか?」
「かまいませんよ。…でも立ち話もなんですから、生徒会室にいきませんか。
 もう誰もいない筈ですから」
にっこりと笑って返事をした桜花先輩はそう言ってくれた。
そのときの私は緊張からか、深刻な表情をしていたようだ。

「それで。なにかしら?」
ここは生徒会室。話の通り、私達二人以外はいない。
インスタントで悪いけど、と断りながらコーヒーを入れてくれた。
「あの、実は武藤先輩のこと…」
喋りだした私に、だが桜花先輩は全部を言わせなかった。
「駄目ですよ、武藤クンには津村さんという歴とした彼女がいるんですから」
「へっ?」
「私が入院中の、あの事件のことは聞いています」
桜花先輩は声を潜めた。
学校が変な髭の怪人と化物共に襲われた時のことだ。
武藤先輩と斗貴子さんが、私達―銀成学園高校の皆―を守ってくれた。
あのときパニックを起こした私の所為で、まひろや沙織まで危険な目に合わせてしまった。
そこへ助けに来てくれたのが武藤先輩。
「そのとき守ってくれた人に憧れるのは判りますが…
 あなたが告白しても、あの人の心は動きません。いえ、あなた以外の誰でも同じ。
 あの人には津村さん以外いないの、残念ですけどね。
 だけど、あなたが傷つくのを恐れて、どう言えば良いか答えに詰まるでしょう。
 自分より人のことを心配する人だから。
 でも、どうしようもないわよね。皆まとめて、って訳にはいかないし。
 結局、あなたもカズキ君もつらくて、苦しくて。
 それにそんなことになれば今の関係、カズキ君とばかりでなく、周りの人達との関係も
 壊れてしまうわ。
 だから――酷いことを言うと思うだろうけれど、その想いは胸の奥に秘めておいて、ね?」
そういって微笑むと、カップのコーヒーを一口飲んだ。
「本当、優しいのも罪よね。いっそ、あっさり断ってくれたほうが楽なのに」
哀しげな微笑み。
533P2/2:2006/11/12(日) 00:38:42 ID:Hh+RoKpq
「あの、桜花先輩?」
やっと口を開くチャンスが来た。
「そうじゃなくて…私が武藤先輩にどうこうという話ではなくてですね。
 なんでいつも桜花先輩は斗貴子さんが怒るような方法で武藤先輩に絡むのかな、って」
一拍をおいて、桜花先輩が真っ赤になった。
「えっ?――あ、アラアラアラアラアラ、私としたことが早とちりを…
 そ、そう。それはね、ホラ、津村さん、そういうことに免疫が無いというか、照れていると
 いうか。だから、からかうと面白くて可愛くて、つい。
 それにカズキ君って、なんだか年下の弟みたいで。いえ秋水クンも弟ですけど、双子で
 同い年だから。まぁ年下の弟、って言い方も変ですけどね」
と、一気にまくし立てた。いつもと違う。なんか必死だ。

なるほど。
「判りました。そういうことなら安心しました。これからも思いっきり、やっちゃって下さい。
 真昼間から公然とストリベリってる二人には良いクスリです。
 どうもありがとうございました。
 あっ、コーヒー、ご馳走様でした。では失礼します」
そう言って、まだ顔の赤い桜花先輩一人を残し、生徒会室を後にした。

なんだ。そういうことか。
確かに一時期、少し憧れていたのは事実だけど。でもそれはあの事件の前。
斗貴子さんが転入してくるまでのこと。
寄宿舎でのあの二人を見ていたら、嫌でも判る。少しの憧れ、では無理。
でも桜花先輩は――。
武藤先輩の前では『武藤クン』としか言わないのに、今は『カズキ君』になってた。
罪な人だな、武藤先輩。

けれど数ヵ月後、斗貴子さんも罪な人だということを身に染みました、ハイ。
え〜い、あのバカップル!

―おしまい―
534名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 01:15:22 ID:xCutKJz/
>>532-533
GJ!
実際、桜花がカズキを好きなのかどうかって微妙だよね。
ドラマCD2のアフターを聞く限り、そうでもないのかも?
535名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 03:18:23 ID:IBt1fRMd
甘酸っぱいですなぁ、乙です

恐らくはカズキを自分達姉弟の命の恩人として、とても大事に思っている、って感じだろうけど…

…核鉄無しで単身パピヨンのもとへ共闘を提案しに赴く覚悟と献身っぷりをみるに、
桜花もなかなかの凛とした「イイ女」な訳で、ダブルスラッシュで斗貴子さんが無意識に
彼女を警戒したりするのも無理はないかな。恋する乙女の勘だな、うん。
536名無しさん@ピンキー:2006/11/12(日) 22:01:42 ID:mEilDSiz
桜花も良いお姉さんキャラだよなぁ。GJ!
537名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 01:05:21 ID:zWdlBF5s
毎度毎度、有難う御座います。
今作は前作「言わなきゃ良かった」>>507の続きとなっております。
一応今作だけでも理解できる筋書きにはしたつもりですが、お暇なら前作からどうぞ。

今作で私のカズトキは五作目……。
これからも折を見てカズトキSSを投下出来たらいいなと思っております!





斗貴子は、一人自室にてラジカセの電源を入れた。
音楽を聴く為ではない。
斗貴子は何も録音されていない真新しいカセットを入れ、録音のボタンを押した。
「あ、あぁー…本当に録音されてるのか?…まぁいい。
 とりあえずは、言いたい事を言ってしまえればそれでいいんだからな」
そう言うと、脇に置いてあるペットボトルの栓を開けた。しかし、開けただけである。
ただ手慰みにしているだけらしい。
「さて、何から話したものか………矢張り一番吐き出したいのはカズキの事、だな。
 あのコは何であんなに気ままなんだ?急に飛びついてくるし、好きだなんて平気で言うし!
 そういえば、この間一緒に買い物に行った時だってそうだ。
 『斗貴子さんってやっぱりオシャレだよね』だなんて……回りを見て言え!
 やっぱりカズキには自由すぎる嫌いがある!…もうちょっと何とかならないものか。
 いや、自由というのとは少し違うな。天然……か。迷惑なものだ」
ここまでほぼ一息に喋って、やっとボトルに口をつけた。中身はミネラルウォーターだ。
「…ぷは……それに、あのコは私に対して甘すぎる!
 どうして、いつでもどこでも私が望むだけでキスも抱っこもしてくれるんだ!
 キミを困らせようと思って言ってるのに、まるで意味が無いじゃないかっ!」
斗貴子は苛立ちにまかせて、ベッドの枕を膝の上まで引き寄せばふばふと叩いた。
小さな埃が部屋中を舞う。
「ふぅ、ふぅ…その癖、私から直接キスすると真っ赤になるなんて………
 ウブなのか熟れてるのかハッキリしろ!
 『と、斗貴子さんからこういう事してくれるって珍しいね』だと?
 わ、私がやられっぱなしだとでも思っているのか!その後も『何か感激…』なんて言うし!
 私に仕掛けられたのがそんなに嬉しいなら、これからはそうして欲しいと言えばいいんだ!
 …カズキの為なら、私だって………」
さっきまで殴り続けていた枕を、今度は強く抱き締める。
「……そうだ。カズキといえば、夜の事もあるな。
 まぁ……あのコが毎日の様に求めてくる事自体は別に構わないんだ。
 ちゃんとピルも飲んでる上に、元戦士の私はあれぐらいで疲れたりしないからな。
 …それに、何だか目一杯愛されてる様な気分に……なる………事も…………。
 そ、それにしたってカズキの私に対する態度は常軌を逸している!!
 普通ああいう時は、自分の快楽を優先させるものじゃないのか?
 他の男と関係を持った事が無いから分からんが…まぁあのコなりの思いやりなのかもな。
 …でもなんであんなに私を気持ちよくさせようと躍起なんだろうか?
 彼の所為で今まで一体何回……そ、その、イッて……いるのかさえもう分からん!」
誰が見ている訳でも無いのに、斗貴子は枕で自分の表情を隠した。
538名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 01:06:31 ID:zWdlBF5s
「全く…」
枕の御蔭で声がくぐもってしまっている事も気にせず、斗貴子は続ける。
「……極稀に私が主導権を握ったりした時でも…カズキはちゃんと楽しめてるみたいだし、
 毎回毎回あんなに張り切らなくてもいいと思うんだがなぁ」
ふと天井を見上げるが、疑問の答えはどこにも無い。
「私の腰使いが巧みだという様な事も言っていたのに…」
すべてを言ってしまった後にその意味を理解して、斗貴子は耳まで真っ赤になった。
「べ、別に私がカズキの為にそういった練習をしたとかいうのでは無いんだがな!
 ただ単に、戦士だった頃の訓練とか…そっそうだ私の武装は腰の動きも必要だったから、
 そういう関係もあるんだろう!それだけの話だ!うん!」
本当にそういった『練習』などしていないのだが、何故か疾しい気分になった斗貴子は、
よく分からない言い訳をして早々に話題を変える事にした。
「えぇ〜っと…か、カズキは、感じてる時の私がかわいいなんて言ってたな……確か。
 ………でも、それってどうなんだろう。
 『一心同体だから斗貴子さんが気持ちいい時は俺も』とも言ってたなぁ。
 もしかしたら、遠回しに私がエロスな女だと言ってたのか?
 いやまさか。カズキがそんな回りくどい事する筈が無い…と言うか…出来ない!
 あのコは直球、それも疑いなき剛速球しか投げないからな。…という事は……本心か」
ホントに困ったコだ、と斗貴子は呟いた。
何に困ったのか、と問われれば答えに窮するであろう事は目に見えているが、
ともかく斗貴子はそう言い、又本心からそう思っていた。
彼女はホントに困ったともう一度言ってから、鼻から大きく息を吐いてベッドに倒れ込んだ。
「………………会いたいな」
斗貴子の口からそんな言葉が漏れた。
最初から最後まで話題の中心だった最愛の人は、今何をしているのだろうか。
そんな疑問が、頭の中をループし始めている。
斗貴子の体の芯はすっかり火照っていたのだ。とはいえ、別に彼と性行為がしたい訳では無い。
いつもの様に抱き締められれば、それだけで斗貴子は満足するだろう。
頭を撫でてもらったり、他愛ない会話の一つも交わせたなら、きっと眠るまで笑っていられる。
斗貴子はそんな気持ちになっていた。
何だかんだと言ってはいるが、結局彼の事が好きなのである。
枕を投げ捨てて斗貴子は言った。
「…まだ四時半。カズキは自分の部屋にいるだろうか?」
矢も楯もたまらなくなった斗貴子は、とうとう自分の部屋を飛び出してしまった。
そして、この時。立ち上がった同時にラジカセの停止ボタンは押したのだが――
テープを取り外さなかった事は大いなる失敗であったと、斗貴子はまだ知らない。
539名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 01:07:27 ID:zWdlBF5s
「斗貴子さん、居る?」
斗貴子が自室を出て一分後、カズキがその部屋を訪ねてきた。丁度入れ違いの形である。
「…あれ、いない……?」
扉を開けたカズキの目に飛び込んできたのは、誰も居ない殺風景な部屋だった。
しかし、そこには一つだけいつもと違う、異質な存在もあった。
「…あ、斗貴子さんラジカセなんか買ってたんだ!」
扉を閉めて、カズキはラジカセに歩み寄った。見るとカセットが入っている。
電源を入れるて調べてみると、それ以外は何も入ってはいない様だった。
「へぇ〜、斗貴子さんも音楽聴いたりするんだぁ」
ちょっと意外、とカズキは言った。そして、恋人の趣味がどんなものか気になった。
「ちょっと聴いてみようっと」
とりあえずテープを巻き戻し、再生する。
ジィーーーー…というカセット独特の機械音が響きだす。
その後、スピーカーから人の声が流れてきた。



バタンと大きな音を立てて、カズキの部屋の扉が開いた。
「斗貴子さん!」
「カズキ!?」
斗貴子は、カズキの部屋で彼の帰りを待っていた。
しかし、カズキは彼女が待ち惚けている事など知らない筈である。
「ど、どうして私がここに居ると――?」
「うん、テープ聴いた!」
斗貴子が彼の言を理解するために、ゆうに三十秒はかかっただろう。
「テープ…って……まさか私の部屋に行ってたのかぁ!?」
「うん、そうだよ。それと、テープの最後の方で時刻とか言ってたでしょ?
 それで、あれ録音したの今日なんじゃないかなーと思って。
 ラジカセも今まで見たこと無かったし」
そう言いながらカズキは、半ば絶望している斗貴子を抱き締めた。
「もう、ああいう愚痴なら俺に直接言ってくれればいいのに。いつでも聴くよ?」
「で、でも……」
斗貴子はその性格上、他人に愚痴を零す事を嫌っている。
男女の機微が分からない故に剛太らに相談する事はあっても、その手の話は一切しない。
彼女は面倒見がいいので聴かされる事は多々あるのだが、彼女自身が聴かせた事は無いのだ。
とはいえ、吐き出したい感情は流石の斗貴子でも蓄積していく。
だが、斗貴子は他人相手に愚痴を話したくは無かった。
そこで――思いの丈を録音する事にしたのだ。
こうすれば、誰に聴かせる事無く好きなだけ愚痴を垂れられる。
加えて、暇な時にでも再生すればある程度客観的な『反省』も可能だろう。
これを思いついた時、悪くないアイディアだと斗貴子は思った。
だが、まさか初めて録音した愚痴を他人、それも選りに選って
カズキその人に聴かれるとは思ってもいなかっただろう。
540名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 01:08:26 ID:zWdlBF5s
「…い、嫌な気分にならなかったのか!?私、キミの悪口みたいな事をいっぱい――」
斗貴子の言葉はカズキの言葉に遮られた。
「別に気にならなかったけど?寧ろ、斗貴子さんの本音っぽいのが聴けて嬉しかったかな」
「な……」
斗貴子は呆気に取られてしまった。
「何を言ってるんだキミは!?」
「だ、だって、斗貴子さんって痛いのとか辛いのすぐ我慢するじゃない。
 いつも心配なんだよ、また黙って苦しんでないかって」
だからさ、とカズキは続ける。
「いつでも喋って欲しいんだよそういうの。どんな些細な事でもいいから」
「ほ……本当に?本当に嫌じゃないのか?」
「全然!」
斗貴子は気が気では無かったのだが、快活に笑うカズキを見てやっと安心出来た。
「そうか………なら…聴いて、くれるか?」
「勿論だよ!」
カズキの腕の中で、斗貴子は俯きながら話し出した。
「…テープを聴いたなら分かると思うが、好きとか言う前にもう少し回りの目を気にしなさい」
「して無い事は無いんだけどさぁ。つい、うっかり」
「うっかりが多すぎる!気を付けてくれ」
「ん、分かった」
「後……私の言う事を素直に聞きすぎだ」
「って言うか、聞きたいんだよ斗貴子さんの言う事なら」
「それでもだ!キミは私に対する奉仕の精神が強すぎる!……夜もそうだぞ」
「ああ、そんな事も言ってたね。折角なんだから斗貴子さんも気持ちよくって思って」
「その言い分は分かるし、確かに……何と言うか……気持ちいいんだがな…」
「気持ちいいならいいんじゃないの?」
「私は良くてもキミが――」
「ホラ、俺達一心同体だし!!斗貴子さんが気持ちいい時は――」
「恥ずかしいから止めろ!前にも聞いたし!」
「うん、分かってて言った」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
「あ、痛い痛い斗貴子さん!両腕に力込めないで!!ち、千切れる!胴体が千切れるぅ!!」
「わ、私を楽しませるだけで無く、キミも楽しんだらどうだと言ってるんだが?」
「はぁ、ふぅ…お…俺は、俺なりに楽しんでるよ?さっき言った事もあながち嘘じゃないし」
「はぁ?」
「…斗貴子さんがヨロコんでる時の顔見てるとさ、有り得ないぐらいドキドキするんだよね。
 それに、斗貴子さんキレイとか、好きとか、離れたくないとか、色々思うんだ。
 だから余計斗貴子さんをヨロコばせたいのかな」
「…そういう事を軽々しく言うなとさっき言っただろう?」
「『回りの目を気にしろ』でしょ?この部屋には……俺達しかいないけど」
カズキは満面に笑みを浮かべた。斗貴子は、あえて視線を逸らしていた。


その後、斗貴子がラジカセを使う事は無くなった。
週に一回程度は、カズキが斗貴子の愚痴を聴くという習慣も生まれた。
又愚痴を聴く日は、いつまで経っても恋人の愚痴しか言わない斗貴子に可愛さ余ったカズキが、
いつにも増して彼女をよろしくしてしまう日である事は想像に難くない。







「言って良かった……のか?」―――了
541名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 01:10:52 ID:zWdlBF5s
あちゃ、480KB超えちゃいましたね。
スレ立てはちょっと出来そうに無いので、代わりに誰かお願いします。
542名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 02:23:25 ID:7cpQvKkp
GJ!
スレ立ては自分も無理なので次の人にお願いしたい。
543名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 05:52:57 ID:TdFRRm22
グッジョォォォォォォォオオオオオブ!
前作の「言わなきゃ良かった」と書き方が違って面白かったですよー
ほんっとカズトキはらぶらぶでいいね 寒い初冬もぽかぽかだ!

ところで自分もスレ立てられないのでせめてテンプレを整理してみました
宜しければお使い下さい



〜錬金戦団&超常選民の為のおやくそく〜
◎基本的にsage進行で
◎単行本全10巻発売中!
◎小説 『武装錬金//(ダブルスラッシュ)』(黒崎薫著 絵・和月伸宏)発売中!
◎・ドラマCD 武装錬金 発売中!
 CD第1巻:完全オリジナルの学園祭エピソード!
 CD第2巻:原作「武装錬金アフター」をボリュームUP!

◎テレビ東京系にて水曜深夜(25:00〜)よりアニメ好評放映中!
※放映時刻が違う地域がありますので注意
※実況(放送時間中の書き込み)は実況板で

◎次スレは>>950さんか480KBの人ヨロ  ※立てられない場合はだれかに委任して下さい
◎SS投下神(エロス・ラブラブ問わず)はもちろん、プロット書きも大歓迎
◎直リン、私怨厳禁
◎荒らし煽りは徹底放置で。マターリできない香具師は核金没収後ブチ撒けます。

初代スレ【バルキリー】武装錬金【スカート】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1057/10575/1057553474.html
二代目スレ【斗貴子さん】武装錬金のSS 第2章【まひろタン】
http://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1061/10611/1061136195.html
三代目スレ【パピヨン様が】武装錬金のSS 第3章【見てる】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1070195663/
四代目スレ【夏だ!】武装錬金のSS 第4章【海だ!】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1083049582/
五代目スレ【とっきゅん】武装錬金のSS 第五章【水着】
http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1089908924/
六代目スレ【選りすぐり】武装錬金のSS 第6章【ストロベリー】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1097603483/
七代目スレ【カズトキ】武装錬金のSS 第7章【火渡毒島】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1111370808/
八代目【セーラー服を】武装錬金のSS 第8章【脱がさないで】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1121339942/
前スレ【もうすぐ】武装錬金のSS 第9章【アニメ化】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1151823456/

【アニメ関連】
武装錬金 〔XXIV〕 -24-
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anime/1163089554/l50
武装錬金 ネタバレスレッド 〔V〕
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/asaloon/1163102208/l50
【原作関連】
武装錬金 -CLIII(153)
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/rcomic/1158382905/l50
【斗貴子さん】武装錬金総合萌えスレ64【レーダー】
http://comic6.2ch.net/test/read.cgi/cchara/1161352063/l50


2chエロパロ板SS保管庫
ttp://sslibrary.gozaru.jp/
544名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 12:12:08 ID:cPmbv3Vg
最近保管庫の更新がないので別にログ取りも必要かと。
545名無しさん@ピンキー:2006/11/13(月) 22:25:57 ID:TdFRRm22
新スレ立っちゃいました

【ほどほどにな】武装錬金のSS第10章【いろいろと】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163419290/l50

駄目元で試したら立っちゃったよ斗貴子さん
546名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 07:14:30 ID:hxK+UtwY
>>545
乙をぶち撒けろぉぉぉぉ
547名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 11:08:12 ID:uwAzlbN0
乙カレ!タイトルもブラボーだ!
548名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 18:14:17 ID:7cHh1vFl
残りの埋めを
    ブチ撒けろ!
549名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 21:36:14 ID:No/0Nei+
ブチ撒けはほどほどにな
550名無しさん@ピンキー:2006/11/14(火) 23:19:45 ID:GBEQDxyA
貫け、オレの武装錬金!!
551名無しさん@ピンキー:2006/11/16(木) 16:00:07 ID:55nTrJKX
7話のパピヨンスーツ登場のテーマ曲がセクシャルバイオレットすぎて吹いたぞコンチクショウ!
552名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 14:52:28 ID:jpewfRR/
斗貴子さんはひんにゅー
553名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 15:39:59 ID:ai3pZmUQ
だがそれがいい
554名無しさん@ピンキー:2006/11/18(土) 20:01:03 ID:nrsqH/2e
だからお前ら惨劇はよそでやれ…ハァ…もういい。俺は知らん。
555名無しさん@ピンキー:2006/11/19(日) 14:58:29 ID:Q4PBnEXR
さて、埋めついでに書いてほしいシチュをあげていこう
毒島たんの裸エプロン
556名無しさん@ピンキー:2006/11/20(月) 11:40:12 ID:9+KseMbI
靴下はオプションで付けて
557名無しさん@ピンキー:2006/11/21(火) 08:24:46 ID:AqIZGZrM
裸エプロン反応いろいろ

毒島「火渡様のお願いなら…、で、でも恥ずかしいのでマスクを被ってもいいでしょうか…?」

斗貴子さん「カ、カズキ…そういうコトを妹の前で頼むなと…わかった!わかったから場所を変えるぞ
来い!!」

千歳「いろいろあるけど、どのエプロンがいいかしら?防人君」

アレク「それずいぶん変わったエプロンね…フンドシって言うの?東洋チックな名前なのね」

ヴィクトリア「バッカじゃないの? ………フン。」
558名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 10:44:04 ID:hb1DH6Ho
>>557
なんか違うの着せようとしてる奴がいるww



桜花バージョンも頼む
559名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 10:53:45 ID:muuClVow
>>540
うおおおおおおおおおおおおおおグッジョブ!!!
560名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 11:08:15 ID:T8hkvBbu
斗貴子「今夜何回くらいしたい?俺は3回くらいなんだけど〜wwwwww」
カズキ「10回だ」
斗貴子「・・・え・・・!?」
カズキ「10回精液をぶちまけろ」
斗貴子「・・・う、うわあ・・・ああ・・・ああああああああああ(イスから転げ落ちる)」
カズキ「どうかしたか?」
斗貴子「ああ、あふゥッ・・・ひいいい・・ガクガク(足が震える)」
カズキ「やだな、そんなにびびらないでもいいだろ?。ちょっとキミが早漏なだけだ
  から^^」
カズキ「ああ・・あ・うんっ・ああ・・・ビクンビクン(小水を漏らす)」
斗貴子「ちなみにこれから毎日だ。」
カズキ「あんっ!ああん・・らめ・・・もうらめえ!ビクンビクン(射精する)」
斗貴子「もうぶちまけたのか。」
561名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 12:11:29 ID:kQYe5Rr2
>>560
こ れ は ひ ど い
562名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 12:14:05 ID:y7dK4sIn
>>560

氏ね
563名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 12:36:38 ID:FaYfpU9l
>>558
桜花「秋水クン、このエプロン着て欲しいの?…でもちょっとこのサイズでは胸のあたりが窮屈ね」
564名無しさん@ピンキー:2006/11/22(水) 14:07:34 ID:rbdAOAGk
まひろ「裸エプロン?オッケー!」


アニメ版まっぴーです
565名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 13:50:43 ID:rsOoI4xR
ごはんよりお風呂より裸エプロンのまっぴーを先にいただきたいです!
566名無しさん@ピンキー:2006/11/23(木) 21:15:13 ID:/v4kic6W
裸えぷろんのまっぴーに刺激の強いローション塗ったくってアソコをもじもじさせたい
「なんかムズムズする…がまんできないよ…」
「あっ、そこそこ、気持ちいい〜。もっと激しくてもいいよ?」
「中にいっぱいえっちなお汁出してほしいな…」
567名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:40:26 ID:dlawefSW
ヴィクトリアの裸エプロンは英国クラシック調で
568名無しさん@ピンキー:2006/11/24(金) 21:53:06 ID:eyjNlm3w
は…裸メイド服…ゴパァ(吐血
569名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 08:25:27 ID:km23+uOu
>裸メイド服
何気に恐ろしく矛盾した表現だな
570名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 10:42:55 ID:Hhyj7GGL
 は、裸バルキリースカート・・・ゴパァ(吐血
571名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 11:40:46 ID:O5CoFzMO
少年誌的事情により三つほどの部分は刃・関節・血しぶきで隠されます
572名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 12:26:07 ID:f2/uXNpr
裸メイドエプロンのヴィッキー
ハァハァ
573名無しさん@ピンキー:2006/11/25(土) 21:09:29 ID:yoiATizm
裸メイドエプロンの蝶人パピヨン・・・ゴプッ(吐血)
574名無しさん@ピンキー:2006/11/26(日) 12:32:22 ID:a7w9HWtw
野郎のがっかりエプロンはいらねえ…
575名無しさん@ピンキー:2006/11/27(月) 20:42:16 ID:PLGji+06
青年誌の絵柄で荒々しいセックスをする防人と千歳が見たい
576名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 13:18:02 ID:KesvzElr
今の絵柄のままでカズキと斗貴子さんの激しいセクロスが見たい

生め
577名無しさん@ピンキー:2006/11/28(火) 21:17:13 ID:MzvvpV7b
和月絵でセックス画が見れる日はくるのだろうか…
578名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 13:59:20 ID:MI3cXsRB
アヌメでおなごたちの入浴シーンが…
579名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:13:31 ID:BcRFZPds
まひろと桜花の胸は反則


特にまひろ、お前妹キャラにしておくのもったいないよ…w
580名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 20:24:42 ID:g+oHcxBo
アヌメ版のまっぴーが百合娘にしか見えない件に付いて
581名無しさん@ピンキー:2006/11/30(木) 21:07:36 ID:MI3cXsRB
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 まっぴーのおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 桜花のおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
  _  ∩
( ゚∀゚)彡 斗貴子さんのおっぱい!おっぱい!
 ⊂彡
582名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:24:22 ID:qmDymP3v
カズキ誕生日か。斗貴子さんからプレゼントもらえるんだろうな。
というか斗貴子さんを丸ごと全部もらうのか。
583名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:51:17 ID:rWK6UD6p
とっきゅんを


嘗め尽くせ!
584名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 00:59:49 ID:0H27hBjp
バースデイケーキの蝋燭の火を吹き消すように
斗貴子さんの乳首をフーフー責めるカズキ
585名無しさん@ピンキー:2006/12/01(金) 11:55:46 ID:N4Jhn8dr
プレゼントのおかえしに斗貴子さんをヨロコばせるカズキ
586名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 12:51:17 ID:nvFbIyNK
斗貴子さんがカズキに奉仕しなくてはプレゼントにならないではありませんか
587名無しさん@ピンキー:2006/12/02(土) 14:17:23 ID:22mkka0c
天然Sを発揮して斗貴子さんを赤面させたりヨロコばせる事がカズキの喜び
588名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:10:13 ID:KoiCt3FA
TQNとHしたい時ってカズキはどんな感じでアプローチするんだろう
やっぱ両肩をつかんで熱く口説くのか
589名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 01:55:11 ID:vfaunPFv
「斗貴子さん!…や ら な い か ?」
590名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 03:37:46 ID:ZBeNHl3J
ウホッ(ry

FINALでカズキにキスをおねだりされた時、目を丸くしてすごい赤面っぷりだったからな
抱きたいって言われたら、もう沸騰したヤカンみたいに顔から湯気とか出そうだ
591名無しさん@ピンキー:2006/12/03(日) 16:45:25 ID:RuRQR5pI
「ゴホン…////。場所を替えるぞ、カズキ」
592名無しさん@ピンキー:2006/12/05(火) 21:05:29 ID:o1RjYDAO
カズキ「早く 早く」
593名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 15:16:34 ID:JakobGop
アニメの早坂姉弟の結婚式ごっこ
やっぱりヤバス!
594名無しさん@ピンキー:2006/12/07(木) 20:47:38 ID:RVc9V6hv
【福山】 武装錬金RADIOスレ #1 【柚木】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/voice/1165491552/
595名無しさん@ピンキー:2006/12/09(土) 14:32:37 ID:9ALSqxPa
近親相姦姉弟
596名無しさん@ピンキー:2006/12/10(日) 12:49:51 ID:oCkPyYPs
やっぱりあの姉弟はヤリヤリなんでしょうかねえ?
まさしく罪に濡れたふたり
597名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 11:43:46 ID:XxeiXsEI
需要がないかも試練が
真由美ママンのエロスなお話が読みたい
598名無しさん@ピンキー:2006/12/11(月) 15:03:04 ID:UkcA8Z/Z
「お外に出しちゃだめよ?」
599名無しさん@ピンキー:2006/12/14(木) 17:27:53 ID:BMRfGYP8
風俗で二人の子供を養うためがんばる真由美ママン
「お仕事いっぱいください、何でもします」
ビデオ出演に3P4P外人相手はあたりまえ、SMやアナル責めや失禁プレイ物も…
600:2006/12/15(金) 20:16:57 ID:+SbOAl2o
600ゲトー!
601名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 21:28:51 ID:3SeKX+5T
次スレの方の雰囲気を悪くしたくないからここで。
ここ数日連続でSS投下してくれてる職人さん達、
SS投下してくれるのはいいんだけどさ、正直もっと文章力をつけて欲しい。
早く落とさなくてもいいから、ちゃんと推敲してくれよ。
602名無しさん@ピンキー:2006/12/15(金) 21:38:42 ID:ZaGthCQw
プロじゃないんだから文章力についてはいいんじゃないか?
それ言い出したらどのレベルならいいんだって話になるし
SS書くの自体はじめての人もいるだろうしね
誤字や人名の間違いもあるから推敲は必要でしょうけどね
603名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 13:10:07 ID:7A2mmjok
千歳さんと千里(ちーちん)を間違えるのは許さん
604名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 18:00:00 ID:7A2mmjok
あとあのキャラクターはこんな陰湿なことはしない!
ってのをいろいろと言いたいのだが。
なんだかなあ。
605名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 18:33:04 ID:0Vpt9Iia
個人的に連投はいかがなものかと思う。
GJ言う暇も無く他のが投下されると、前の人を労える雰囲気じゃなくなるし
職人さんは皆頑張って書いてくれてるんだから、皆に声援を送りたい・・・
606名無しさん@ピンキー:2006/12/16(土) 19:03:20 ID:SiQchWon
投下タイミングとかは結構悩ましい問題かもな。
個人的には投下が続くのは賑わいがあって嬉しいけど、>605さんの
戸惑いもわかる。そこらへんは職人さん側でペース調整してくれると良いな。
607名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 14:32:36 ID:aABSrim2
こっちもいいかげん埋めないとな

「片手に」
608名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 14:48:14 ID:70gUOmCq
「ピストル」
ユ\_______________________/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄厂||
二二二二エニニニエニニニエニニ_ -−| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄    |      γ⌒ヽ AUTO MAG    |||||||||||||/つ
|______________    |       ヾ___ノ fgicb    ||||||||||||||/
                      ̄ ー -.|二二二二二二二二二二二二二二二二二二二)
                         八_⊂〇___( ̄ ̄冖 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄匸ンラ) \
                         \   / ̄ ̄| ̄\\            し/ ̄
                           \ |    ノ  / )\1\    (从) /   
                             \ _く_んノ〇〕 \ \(+)   (
                                ̄ ̄ ̄ ̄\\  \____ \
                                      \\ 爾爾爾爾爾\ \
                                       \\ 爾爾爾爾爾\ \
                                        \\ 爾爾爾爾爾\ \
                                         \\ 爾爾爾爾爾\ \
                                          \\ 爾爾爾爾爾\ \
                                           \\ 爾爾爾爾爾\ \
                                            \\ 爾爾(+)爾爾\ \
                                             |   ̄ ̄   ̄ ̄ ̄  \
                                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

609名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 16:03:26 ID:SwnW+It3
「心に」
610名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 16:57:28 ID:H8IS55s6
「花束」
         ..◇・。..☆*。
   ゜゜・*:..。.。★◎@ ○☆。..:*・゜
 ゜゜・*:..。.。◇@☆*・゜★。。.:*・☆*・。..:*・゜
。..:○★◎☆。∂∇。★◎*・゜゜。◎★
   ◎☆◇☆。*・.。..☆◎。.:☆◇*.....。
  ゜゜・*:..。.*・☆◎。__☆◎*・。..:*・゜ ゜
        \       /
          \    /
     . ∧_∧\ /
      ( ・∀・) ∞  
      / つ つ△       
    〜(   ノ
       しし'
611名無しさん@ピンキー:2006/12/18(月) 22:30:36 ID:vQGVLm+D
「唇に」
612名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 11:50:11 ID:7xUmlZND
   「火の酒」


   ̄ ̄ ̄|/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ヽ .-┬┬-
  ヽ┌┼┼┐
   |.│´ー`│
  ノ └----┘
613名無しさん@ピンキー:2006/12/20(水) 18:41:18 ID:inMLRL9k
「背中に」
614名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 05:10:47 ID:3V6CXIog
「人生を」 _
      /  `j
    /  /`ー'
    〈  `ヽ
     `、  ヽ∧_∧
       〉      )     ,-、、
       / ノ    ̄⌒ヽ   「  〉
      ノ  ' L     `ヽ./  /
    / , '    ノ\  ´  /
    (     ∠_   ヽ、_, '
    i  、      ヽ
 _,, ┘  「`ー-ァ   j
f"     ノ   {  /
|  i⌒" ̄    /  /_
ヾ,,_」       i___,,」
615名無しさん@ピンキー:2006/12/21(木) 16:17:01 ID:6w247/ua
合言葉をやってもまだ埋まりきってないし
616名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 12:10:44 ID:X7sKfIRE
: : : : : : : : : ο: : : : : l:::::;: '"、
、: : : : : : /: : : : : : ; '"   l
.ヽ: : : : /: : : : : ; '"     / /
 ヽ  /   ./   _,. r:::::l':シ
、. /ヽ. /   , _'" __|::::::lヽ
  i l::l.l '  /'" ,.r‐'""|:::::l/
  | V | / ./; -っ: :|:ツ:o:ゝ
.ヽ.l o.l,/l/∠: ー'_´_;/.//
'" i. i  `'ー.、._    /::o:::ニャ:
'"/ V:ヽ`'ー、::::::o::``r'"  /:/
'"  | : ヽヾ`ー`::、:::::::::::::::ィ''": :
   |: : :リ ヾ:`ェェ-`ヾ-::ヾ、:/
  λ:ン     ,/`l:ヾ:::::ゥミ
、_`' '___, '" .,ッ/:::::::::ヾヽ'
_____, ./i/"/::::::::/ `'
i  : ::: :.  ,、V/ /::::::/ヘ、   蝶、
.i      ////::::/: :i  7    サイコー!
ヽ二二二ノ.///: : : i.  //
`ー──一'"//: : : :i.  /./
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: `ー-  - ': : : :   ir-ミ{
  : : : : : : :      ./_ぐ ./
           ./ `ヽ  ,r
           ゞミv' / .,
617名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 12:11:35 ID:X7sKfIRE
a
618名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 12:12:28 ID:66yrEfom
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【ほどほどにな】武装錬金のSS第10章【いろいろと】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163419290/
619名無しさん@ピンキー:2006/12/22(金) 15:12:45 ID:5q389LN5
ume
620名無しさん@ピンキー
: : : : : : : : : ο: : : : : l:::::;: '"、
、: : : : : : /: : : : : : ; '"   l
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: `ー-  - ': : : :   ir-ミ{
  : : : : : : :      ./_ぐ ./
           ./ `ヽ  ,r
           ゞミv' / .,