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>>260はキャラサロンのD.CU〜ダ・カーポ2〜なりきり&Hスレの
>>260 >>260「―――ん? この風景・・・どこかで・・・?」
ふと、何故だか見覚えのある建物群が目に入った。
それも、デジャヴなどではなく、つい最近 訪れた気が・・・・
>>260「・・・む、もしやここって――――――」
と、未だハッキリしない記憶を辿りながら、
>>260はマンションの一角へと足を向けた。
『405号 桜内 義之
音姫』
>>260「・・・・やっぱりか」
適度な西日が射し込むマンションの4階。
その中央付近に位置する部屋の前に
>>260は佇んでいた。
よくよく思い返してみれば、このマンション街に見覚えがあるのは当然だ。
とある友人・・・と言うか、まんま義之君の引越しがあり、その手伝いをした。
結婚・・・というか、婚約の記念に彼女―――その名を『朝倉音姫』―――
の祖父からプレゼントされたのがこの部屋で、夏休み開始と同時に越してきたのだ。
>>260(しかし、いよいよヤバイな・・・。
いくら暑いとはいえ、引越しまで手伝った義之君の家の事忘れるか・・・? 普通・・・)
などと、呆れ半分でインターフォンへ手を伸ばす。
――――――ぴんぽーん
音姫「はい、お待たせしました〜・・・って、
>>260く――――――」
と、出てきた音姫の言葉をさえぎるように、
>>260(Are you ready?)
目と心で、訴えかける。
音姫(―――Yes of course.I'm ready whenever you may come!)
>>260(All right.Plan『A』 ready―――――)
音姫(action!)
>>260「桜内義之! 警察だ! 貴様のPC内にある巨乳コレクションを証拠として提出してもらおう!」
音姫「あぁ、義之くん逃げてぇ!!」
義之「今、そこにある危機!!?」
―――――――それは、一瞬の出来事だった。
声色を変えた
>>260の声に反応し、必死の形相で外付けのHDDを片手に飛び出す義之。
窓ガラスを突き破り―――――――
マンション横の植え込みにダイヴして―――――――
ノミの様に跳躍。
一瞬の滞空の後、その足で家々の屋根を順々に飛び移り―――――――
時には足を滑らせ流星の如く民家に落下しながらも―――――――
燦然と輝く陽の光が美しい町並みの遠くへと消えていった。
>>260「・・・・いや、仕掛けといてなんだが見事に逃げたな」
と、割れた窓ガラス越しに外を見つめながら、
>>260。
音姫「義之くんは遺伝子レベルの小心者だからね〜。それで、どうかしたの?
>>260くん」
>>260「んーいや、家の全クーラーがぶっ壊れてな・・・涼みに来た。迷惑だったか?」
音姫「ううん、
>>260くんなら大歓迎だよ」
と、汗をかいたグラスを
>>260にさし出しながら、音姫。
中身はもちろん暑い日の定番、
>>260も夢見た麦茶である。
>>260「ッ―――――この喉越しとこの快感! 夏はやっぱ麦茶だよなぁ・・・・」
音姫「麦茶だよねぇ・・・烏龍茶やほうじ茶なんかも乙なものだけど、ここ一番はやはり麦茶だね。
ウチのは水出しでなく煮出してるんだけど、どうかな?」
>>260「いや、美味いよ。程好い渋みが高ポイント。・・・ひょっとして義之君の注文か?」
音姫「うん、義之くんは渋いのダメだからね。昔は麦茶にお砂糖入れて飲んでたよ」
>>260「その飲み方を否定するつもりはないが、義之君のキャラ的に――――どうよ?」
音姫「ドンピシャな感じしない? こう、ヒネてるけど可愛い所もある・・・みたいな」
>>260「すまん音姫さん。それは多分 妻の君にしか分からんと思う」
音姫「そうかな? 本当に可愛いんだけどな。―――落ちる瞬間とか」
ほぅ、と、恍惚とした表情で音姫。
>>260「あー・・うん、えと・・・そ、そういや音姫さん・・・最近、義之君はどうだ?」
音姫「義之くん、色々と忙しいみたいなんだよね」
>>260「忙しい? あの義之君が?」
音姫「うん。この前の日曜日もそうだったんだ。その日、義之くんは私と映画を見に行く予定だったんだけど、
急に『非常に重要な用事が出来た。俺と音姫の幸せな未来を壊さないためにも、俺はその用事をやり遂げなければならん。
音姫・・・お前にはいつも辛い思いをさせて悪いと思ってる。だが・・・分かってくれ!』
なんて、私を思い切り抱きしめて義之くんは――――――!」
と、音姫の言葉を受けて――――――
>>260「この前の日曜日・・・?」
ある記憶に行き当たる。
音姫「うん。どうかした?
>>260くん」
>>260「音姫さん、義之君が「バスト80以下は受け付けない」とか言って、由夢や小恋やななかのおっぱい揉みに旅立ちました」
音姫「え・・・・?」
>>260「俺はちらっと見ただけなんだが、義之君そりゃあもう楽しそうに――――――」
音姫「・・・へぇ・・・そうなんだぁ・・・・義之くんが、そんな事を・・・・」
>>260「お、音姫さん・・・?」
【BGM】怪しい足音
音姫「ん?
>>260くん・・・何か・・・?」
一瞬、そう応えた音姫の周りに、漫画表現でよくあるような黒いバックに電撃が奔った―――――ような気がした。
それはまるで、『ダーリン、浮気は許さないっちゃよ!』と某鬼娘よろしく、
その後の展開が容易に想像できるくらい、見事なキレっぷりであった。
>>260「い、いや・・・なんでもない」
音姫「そう・・・あ、ごめん少し席を外すね。準備があるから」
>>260「・・・一応聞いとく。何の準備だ?」
音姫「『妻誅』のだよ。義之くんには迅速な道徳的かつ倫理的な躾が必要だと判断したの。
お母さんから受け継いだ粛正奥義で、どんな駄目亭主でも一撃で新婚当初の誠実さを取り戻すんだ」
>>260「それは既に道徳的でも倫理的でもないような・・・・?」
音姫「そんな事ないよ。自分の所有物を壊したところで器物破損の罪には問われないもん」
>>260「・・・二つ言う。壊すな。そして多分 罪に問われる」
音姫「ふふ・・・お母さんはこの奥義をやはり同じようにおばあちゃんから受け継いだみたいなの。
この奥義を受けた直後のおじいちゃんはまるで従順な軍用犬だった。おばあちゃんの望むモノを全力で調達し、
おばあちゃんの一挙手一投足に過剰反応するんだ」
>>260「さり気に笑って誤魔化したな? ―――て言うか、お祖父さん・・・・よく耐えてるな」
音姫「まぁ、次の日には決まっておじいちゃんの部屋の押入れからすすり泣く声が聞こえるけど・・・・悪いのはおじいちゃんだから」
>>260「翌日もかい。意外に打たれ弱いな・・・。でも、どうするんだ? 義之君の居場所が分からない以上、
帰ってくるのを待つしかないだろうし・・・・」
音姫「ううん、分かるよ。義之くんの居場所を探るのなんか、私には造作もないことだよ」
と、自信満々に音姫。半信半疑の
>>260に向けて――――――
音姫「義之くんの体の中には超小型の発信機を埋め込んであるから♪」
事も無げにそう言い放った。
>>260「――――――はい?」
音姫「一定時間ごとに電波を出してこの受信機に知らせる仕組みなんだ。
殆どの部品が探知され難い材質で出来ているから、見つかる確立は皆無だよ」
>>260「い、いや、そう言う事でなく・・・・」
音姫「じゃあ、インプラントした場所? 一応、私的トップシークレットなんだけど、
>>260くんには特別に教えてあげるよ。実は、義之くんのこ――――――」
>>260「まて音姫さん。それは秘密にしとけ。できれば生涯、さもなくば一生。『壁に耳あり障子に目あり』との格言もある。
どこで義之君が聞いてるか分からんぞ。義之君だけに」
音姫「そうだね・・・そうするよ。それで、
>>260くん・・・ごめん、私・・・今から出かけなくちゃいけないの。
お客様である
>>260くんに留守番をさせてしまうのも心苦しいから、今日の所は帰ってくれるかな?」
と、優しく静かな声で音姫。
その有無を言わさぬ迫力を前に異存があるワケもなく、
>>260「あ、あぁ・・・はい、そ、そうだな・・・」
最後の一口を一気に飲み干し、
>>260は素直に立ち上がった。
音姫「バイバイ
>>260くん。また来てね」
>>260「あぁ。またな、音姫さん」
と、マンション前で別れる音姫と
>>260。
音姫は少し進んだところで振り返り一礼すると、夫と同じように燦然と輝く陽の光が美しい町並みの遠くへ猛スピードで消えていった。