或る一室にて――怜華と恭助の奇妙な(ある意味)冒険
「恭助クン。起きておくれよ、恭助クン。ふふっ」
……ん、ふぅん、んんっ。……ん? んんっ!? ふぁんふぁ!?
「ふふっ、カワイイカワイイ恭助クン。どうだい、びっくりしたかい?」
ふぁんんっ!? ふぁんふぉえ!? ふぇえははん! ふぁっふぁぁっん!?
「それかい? それはね、ギャグボールって言うものだよ。SM用のおもちゃさ。
他の拘束具とセットになって1,9800円。送料込みでお買い得だったよ」
ひあひあ、ふぉ〜ららふぅれ! ふぉろろうふぉう、ろうふぁいっ!
「ああ、その状態か。ッフフ、とってもかわいいよ。裸で、ベッドの上に磔なんてね。
ほらほらっ、そんなに暴れるとお魚みたいだよ。ふふっ、まさにまな板の鯉、だね。
キミの恥ずかしい所が、ンフフッ、まるみえだよ」
ふぁんを……ふぉひへほんら。ほんらふぉふぉを。
「……恭助、キミが好きなんだよ。キミのことが大好きなんだ。死にそうなほど好きなんだよ。
こんな、に。こんなに、こんなにこんなに好きなのにぃ。 すきなのにぃ! あいしてるのにぃ!
愛してる! 誰よりも、この世界の誰よりも。それなのに……それなのにキミはまるで相手にしてくれない。
ゴハンに誘っても、デートに誘っても、電話しても、家に呼んでも、胸を押し当てても家に行っても
待ち伏せしても盗聴しても裸で誘ってもぉぉぉ……ッ! キミの隣には! ワタシじゃない!
キミの隣にはいつもアイツがいる! ワタシじゃなくてアイツが……久坂未希が。ワタシじゃ、ない」
……ふぇえははん。ふぉれはほんふぁんら、みふぃとふぁ
「やめてぇっ!! やめてくれ! いいわけなんて聞きたくない! アイツを守る為のいいわけなんて!
キミはいつだって自分のせいにしてアイツを庇うんだ。……ちがうのに。悪いのは恭助じゃないのに。
悪いのはアイツなのに。未希なのに。ぜんぶぜんぶアイツが悪いのにぃ、未希なのにぃ! 未希がぜんぶ悪いのにぃぃ!」
ふぇ、ふぇえははん、おひふいふぇ。あいふふぉおえふぁ、おえふぁひみのほほを。
「わかってる。全部アイツのせいだ。恭助がワタシを受け入れられないのも、アイツが洗脳したからだ。
アイツは幼馴染なのをいいことに、小さな頃から恭助を洗脳していったんだ。
まるで、母親がお箸の持ち方やエンピツの握り方を教えるように。恭助を洗脳した。自分のモノにするために!
だから恭助はわかってないんだ。アイツといっしょにいることが普通だとおもってる。アイツの言葉は真実だとおもってる」
ほんらわふぇふぁいほ。ひゅーは、ほえふぉっふぇほ。ひゃべえはひふぉ、ふぉっふぇほ。
「恭助。ワタシの恭助。解き放ってあげる。アイツの忌まわしい呪縛から。ワタシの愛で。
二度と、もう二度とアイツの言葉に惑わされないように。愛して愛して、愛してあいしてあいしてあいしくるってぇ!!
ワタシだけの! ワタシしか感じられなくなるまで! 愛しつづけるのっ! ア イ ツ なんか 忘 れ る までぇぇ!!」
ひょっ、ほわいよほわい! おひふいへぇ! はらふぇはわふぁる! ひゅーは、はふへへふらふぁい! ほえふぁいひまひゅ!
「きょうすけはワタシの、ワタシだけの! アイツには……わ た さ な い 」
ひやーー! ひやぁぁっーー! おまはりふぁーーん!! ふぁれはーー! はふへへぇぇ〜〜〜〜!!
或る一室にて――怜華と恭助の奇妙な(ある意味)冒険 〜 恭助クン地獄変〜