……畜生。
僕は頭をかきむしった。
HDがクラッシュしちまったパソコンはうんともすんとも言わない。
書きかけの文章、そいつの中には、もう完成する寸前のやつもあったんだ。
……僕の、禁断少女が。
くそう。二度と訪れはしない、あの感覚の中、夢中で書いた文章が……。
……ぶうん。
不意に、パソコンの電源が入った。
あわてて文書ファイルを確認するが、案の定、データはパーだ。
だけど……、見慣れないファイルが一つ。
かなしまないで。
かなしまないで。
きっとわたしは、あなたのところにまだ、いっちゃいけないって、
どこかのかみさまにいわれたんだよ。
せかいじゅうをたびして、もっともっとすてきなレディになってから、
あなたのまえにあらわれます。
いつか、きっと。
きんだんしょうじょ
……バッカヤロ。
漢字くらい書けるようになってから、来い。
いつかお前を召喚してやるからな。