【涼宮ハルヒ】谷川流 the 15章【学校を出よう!】
1 :
ジョン・スミス:
2 :
ジョン・スミス:2006/06/22(木) 23:59:27 ID:EZ2iJuM3
Q批評とか感想とか書きたいんだけど?
A自由だが、叩きは幼馴染が照れ隠しで怒るように頼む。
Q煽られたんだけど?
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。
Q見たいキャラのSSが無いんだけど。
A無ければ自分で作ればいいのよ!
Q俺、文才無いんだけど…
A文才なんて関係ない。必要なのは妄想の力だけ… あとは思うままに書いて…
Q読んでたら苦手なジャンルだったんだけど…
Aあうう… 読み飛ばしてください。 作者さんも怪しいジャンルの場合は前もって宣言お願いしまぁす。
Q保管庫のどれがオススメ?
Aそれは自分できめるっさ! 良いも悪いも読まないと分からないにょろよ。
Q自分で作れないから手っ取り早く書いてくれ。
Aうん、それ無理。 職人さんにも色々あるのよ。
2げと
4 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:00:27 ID:xgJsL2Zt
2げっと?
5 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:01:41 ID:hZoiyoZW
誰かそこにある銃で俺を撃ってくれ
10 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 00:11:30 ID:txskO6YI
ドソマイ。
俺はいいと思うよ。
わかりやすくて良いテンプレだ。
乙!
じゃ、前スレ埋めようか。
個人的にはキョンのテンプレ?も好きなんだが。
わかった。すごくわかった。SS作るのむずい。よくわかった。
以前のでは「学校を出よう!」のテンプレが良かったな。
宮野が演説する奴。
サッカー終わったので寝る前に投下
エロなし カップリングもオチも なし
17 :
進路:2006/06/23(金) 07:09:26 ID:OX3Bmwiz
期末テストの結果が廊下に貼り出されている。
無論、総合順位でも教科別順位でも俺の名前などどこにもないし、いつでも名前があるやつも当然居る。
『1位 長門有希 500』
2位に20点以上の点差をつけ、問答無用の満点で毎回文芸部の主がトップに君臨し続けている。
今回はかなり難度が高かったためか、2位以下の点数にばらつきが出ているが、高校レベルの問題なんぞ長門の敵ではないのだろう。
『3位 涼宮ハルヒ 465』
こいつも大体この辺だ。2位〜5位くらいの間で安定している。
1位は別格としても、他の鎬を削ってる連中は学年でも有名なガリ勉くん達なので、
まともに勉強してる姿を見たこと無い割には驚異的な成績である。アベレージ93点って、マジかお前。
「有希はさすがねー。なんかもう勝てる気がしないわ」
俺の隣で同じように壁を見上げているハルヒが呟く。廊下は成績を見に来た生徒であふれかえり、ガヤガヤとやかましい。
対照的に目をそらすようにしてそそくさと通り過ぎていく生徒も居たりして、俺は意味もなく親近感を覚えた。
これは文系クラスの順位なので、理系クラスの古泉はいない。隣に貼り出されていたので見たら、古泉は10位だった。
「古泉君もなかなかやるわね。あんた、もうちょっと頑張んないといけないんじゃない?」
ほっとけ。そういや朝比奈さんはどの程度の成績なんだろうか……って、あの真面目で努力家のひとが悪い成績のはずも無いか。
数日後、放課後になり、俺とハルヒが部室に行くと、珍しく朝比奈さんと古泉が既に居て、長門がいなかった。
「あれ、有希は? コンピ研?」
しかし、朝比奈さんはふるふると首を振った。
「今日はまだ来てないみたいです。鍵、わたしが開けましたから」
「へえ……珍しいこともあるもんだな」
少し心配になったが、長門に対しては杞憂もいいとこだ。長門だって掃除当番になったりすることもあるはずだしな。
長門は1時間ほどして、ようやくふらりと部室に現れた。
音も無く扉を開け、指定席に座り、読書を開始する。
「有希、遅かったわね。何してたの?」
ハルヒがすかさず質問した。おそらくまだ一文字も読んでいないであろう本から目を放してハルヒを見、
「職員室に呼び出しを受けていた」
長門が教師に呼び出し? あまりに似つかわしくないそのシチュエーションに、俺は眉をしかめた。
それは他のメンバーも同じだったらしく、みな疑問符を浮かべて長門を注視する。
「……なんで? なんか問題行動でもしたの?」
お前じゃあるまいし。……長門が問題行動ねぇ。教師を無視したとかか?
「……まさか、大人しい有希を脅して、セクハラを働こうってんじゃ……」
なんて失礼な想像をしやがる。長門に対しても教師に対しても。
「違う」
簡潔に否定したのち、
「昨日提出した進路希望調査書について、進路指導の教師と担任教師に呼び出された」
話を要約すると、こういうことらしい。
長門は昨日が提出日だった進路希望調査書を、白紙で提出したそうだ。
大学に行く意志はないのかと聞かれ、今は特に無い、と答えたところ、こんこんと現在の学歴社会の構造の説明をし、
大学に行ったほうがいろいろ有利なんだぞ、と言われ、この成績で大学に行かないのは勿体無い、
頼むからどっか有名大学に入ってくださいと、教師から懇願されたらしい。
まぁ確かに、教師側からすれば、学年トップに進学の意志が無く、かといって明確な進路が決まっているわけでもないと聞けば、
全力でケアしてやろうと思うだろうな。
北高は県内でもそれほど優秀な高校でもないし、成績優良者はなるべく偏差値の高い大学へやりたいと思うのも当然のことだろう。
「有希、大学行かないの?」
「今のところ、特に考えていない」
そう言うと、読書に戻った。本さえ読めればそれでいいんだろうなぁ、こいつは……。
「……そっかぁ……」
ハルヒは何かを考えてる様子だった。
「……そうですよね。卒業したら、みんなバラバラになっちゃうんですよね……」
朝比奈さんが暗い面持ちで言った。そういえば、朝比奈さんの進路はどうなんだろうか。まだ1年以上猶予のある俺達と違い、
この人はあと半年もしないうちに進路を決定しなければいけないはずだ。
「私ですか? 私はまだ漠然と何ですけど、保育か福祉の勉強をしようかと……服飾とか栄養管理とかもいいなって思ったんですけど」
朝比奈さんが保育士になったら、惚れる幼児が続出するだろうな。
「みくるちゃんは大学? 専門学校?」
「まだ決めかねてます……」
そもそも未来に帰らなくていいんだろうか。いや、帰らなくて良いのならいつまでも居て欲しいが、そうも行かないだろう。
少なくともあのグラマーな朝比奈さんに成長するまでの間に帰らなくてはいけないはずだ。
いや、でも、時間を移動できるって事は、例えばこっちで生活しつつ、休みの日にでも未来に帰って、むこうで何ヶ月か仕事をこなしてから、
同じ日に戻ってくることも可能なはずだ。外見が大きく変わらなければ、の話だが。そういうのは禁則事項なのかね。
っていうか、朝比奈さんにしても長門にしても、ハルヒのそばにいるのが任務のはずなのに、そんな適当でいいのか。
と考えていたら、
「でも、大学に入ったら、みんな今より暇な時間が増えるわよね! SOS団の活動にも一層力がこもるわね」
え? と言いたげに全団員が団長を見た。
こいつ、卒業してもこの団を解散しない気か。
……と思ったが、ちょっと納得した。
確かに、大学生ともなればバイクや車も持てるし、暇な時間も高校より格段に多いはずだ。
近ければ大学が違ってもちょくちょく会える。
俺も丸1年この団で活動してきて、今更解散させようなんて思わない。それどころか、あと2年経たないうちに終わりかと思うと、悲しくすらなる。
しかし、いくらなんでも限界があるだろうと考えていたのに、ハルヒはいとも簡単に続行宣言をしやがった。
いや、流石だ。
長門は希望無しだから問題無いし、保育や福祉の学校なんて日本中にあるから朝比奈さんも問題ない。
古泉もハルヒのために北高に転校してくるくらいだから、ハルヒと同じ県に進学するくらいなら問題ないだろうさ。
問題は俺だが、なに、別に大学が違っても良いなら、古泉と条件は同じだ。県だけ揃えて自分の実力にあった大学に進学するさ。
っていうか、もしかすると同じ法則で、就職しても団を続けられるんじゃないか、これ。
朝比奈さんなどは感動してしまって、
「そ、そうですよね! 学校が違っても会うことは出来るんですもんね!」
若干興奮気味でハルヒに同調している。恐らく考え付きもしなかったんだろう。まぁ、俺もだが。
「でも有希、進学するにしても就職するにしても、ノープランってのはいただけないわよ。何か将来の夢とかないの?」
長門に視線を戻し、話題も戻した。確かにこいつの今後の身の振り方って言うのは気になる。
「……夢?」
「うん、夢。展望とかでもいいし。何かなりたいものとかないの?」
「……なりたい、もの……」
長門はしばらく宙に視線を固定させたまままばたきを数回した後、ニンマリ笑っているハルヒと目を合わせ、
続いて興味津々で長門を見つめていた朝比奈さんと目を合わせてびくつかせ、古泉を視線を交差させていつもの営業用スマイルを受け止めて、
最後に俺を見つめながら、ぽつりとこう言った。
「……新妻」
に い づ ま ?
がたんと音を立てて団長机が移動した。
ハルヒが椅子にしがみついていた。
「……新妻」
なんで2回言うんだ。
朝比奈さんも古泉も長門の言葉の真意を汲み取ろうとでもしているのか、何度も口の中で咀嚼するかのようにもごもごしていた。
最初に体勢を立て直したのがハルヒで、
「……に、新妻、ねぇ……ゆ、有希、そこは普通お嫁さんとか言うんじゃ……いや、それより……『誰の』新妻なのよ?」
長門は未だに俺から視線を離していなかった。そんなに見つめられると、目玉に穴が開きそうだ。
「……お嫁さん」
言いなおさなくていいから。
じー、と俺を見つめ続ける長門。ハルヒと朝比奈さんまで俺を見つめ始めた。
助けを求めるように古泉を見たら、こいつも俺を見つめていた。
誰か、助けて。
これで終わり。スレ最初の投下がこんなんですみません
続け続け。
いや、面白いから続き読みたいんじゃー!!w
そ こ で お わ り か !
続きキボンとは言わないがこの後のハルヒの反応が気になるw
しかし新妻て。あまりと言えばあまりの展開に思わず吹いた。
多分前スレで長門ビールを投下した人だと思うんだが
何でもない日常を書くのが上手いな…
>>22 残念ながらコンセプトが長門に「将来の夢は?」「新妻」と言わせたかっただけなので、続きは考えてません
>>23 多分ハルヒは全力で長門を進学する方向へ持って行かせるでしょう
ビール? 古泉と3人で雑談する話を書いたもんです。そっちでは飲んだのはチューハイ
お褒めに預かり光栄です
>「私ですか? 私はまだ漠然と何ですけど、保育か福祉の勉強をしようかと……服飾とか栄養管理とかもいいなって思ったんですけど」
平然と嘘をつくみくるに惚れる。
>>25 未来では時間管理局の正式名称が「保育所」で
エージェントのことは「管理栄養士」と呼ばれている。
>>新妻の人
朝っぱらからこのSS、イイ!アナタの書くヤツ好きです。
「新妻」とか「お嫁さん」とか言ってる長門にハァハァ
多分長門は、高校3年間でハルヒの件のケリがつかなかったらハルヒと同じ大学に行くだろうな。
30 :
nac:2006/06/23(金) 11:24:22 ID:6Qwu5rYU
どっちのスレに投下しようか迷いましたが、こっちに。
始めに、作品内の「浅生」はオリキャラです。
原作とは全く関係ありません。
全国の浅生さん。ごめんなさい。そして投下。
31 :
nac:2006/06/23(金) 11:25:19 ID:6Qwu5rYU
〜何度目かの手紙〜
以前に、突発的に、断続的に続いた「下駄箱に手紙」という現象だが、また「そこ」に「それ」はあった。
また何かの起きる前触れのようなものを感じ、トイレに駆け込み、そっとめくって文面を凝視する。
そこには、恐らく女の子の字だろうと思われるかたちの文字で、
〜放課後、中庭の木の下で待っています。〜
とあった。
筆跡からして、これまで貰った誰とも違っている。
これはつまり、長門、朝比奈さん、朝倉、はもいういないが除外できる。
しかし彼ら以外に手紙ね。以前も考察したが、ハルヒや古泉説は正直却下だし……、誰だ?
今度こそ、谷口あたりのドッキリが有力だな、などと考えていると。手紙の一番下に
『 1年6組 浅生 』 の文字。なんだちゃんと書いてあった。
……いやね、今までの手紙が宛名無いの多かったし、というか朝比奈さんだけだったから見落としたのさ。
しかし、するとこれは、浅生さんって人からの手紙なんだが。まず浅生さんを俺はよく知らない。
6組って事は隣だし、体育も同じだ。ここは、というかここしか出番が無いな。頼む。
32 :
nac:2006/06/23(金) 11:26:02 ID:6Qwu5rYU
「んあ?6組の浅生だと!お前、彼女知らないのか?」
「名前くらいだ、期末考査の上位者に名前があった」
長門とハルヒに挟まれていたからな。なんとなく覚えていた。
「そうじゃない、いやそれもだが」
何が言いたいんだ。谷口よ。
「俺が前話したろ。校内の女子のランク」
あぁ、確か朝倉がAA+だったっけ?
「彼女もAA+だ。これに9組の浅井って奴を含めて一年女子ベスト3だ」
初めて訊いたぞ、それ。
「もういないが朝倉、浅井それに浅生の三人でAAA(スリーエー)って俺は呼んでる、高嶺の花達だ。
しかし、この三人がもっかベスト3だったのに朝倉は転校、はぁ〜参ったぜ」
なんだその80年代のバンドのネームセンスはと思ったが突っ込むのも疲れるので止めた。
「で、その浅生ってのだが、どんな生徒なんだ?」
「キョン……お前もようやく普通の高校生らしくなってきたな」
いやにむかつく言い方だ。他を当たろうか。
「まてまて、そもそも話を振ってきたのはお前だろう。ここは俺の講釈も聞いていけ」
「早くしろ」
「解った、浅生 奈美。成績はお前も知ってるが常に上位。性格はおとなしめ、体育は苦手だな」
「ふむ、他には」
「部活等は入っていない。告白はかなり受けてるな、全部断っているが」
「何か特徴は無いのか」
「AAAの中では大人しい子だったからな。容姿ですぐわかると思うが」
しかし、この次の一言に思わず反応した俺を誰が攻められよう。
「あと、髪は黒で長めのポニーだな」
「何!」
「おっ、お前がそんな反応するなんて。もしかして浅生と何かあったのか?」
「違う。何も無い」
少なくとも、現時点では。
「まあ、そんなところだ、なんか知らんが頑張れよ。キョン」
33 :
nac:2006/06/23(金) 11:26:52 ID:6Qwu5rYU
何よ何よ。キョンの奴、アホ谷口が「ポニー」って言っただけで、ぽーってなっちゃって。
あたしはいつもの調子で、空を眺めていながら、時折キョンを睨んでいた。
6組の浅生、体育のとき同じ女子。とろい感じ、すこしみくるちゃんに似てる子。
休み時間前に戻ってくると、あの二人から出た名前。
あ〜〜〜なんか腹立ってきた。ここは強行的でもキョンに白状してもらうんだから。
あたしは昼休みと同時にキョンをいつもの階段踊り場に連れ出した。
「キョン!白状しなさい」
ネクタイを引っ張り牽制。
「何をだ?」
「6組の浅生がどうしたの?」
「お前やSOS団には関係ないぞ。俺に用事があるみたいだ」
「用事って何?」
「俺が聞きたい」
「ふーん、あんたは知らない女の誘いにほいほい付いて行く男だもんね」
「否定はしないが、お前も中学の時そうじゃなかったか?」
「むっ!きっと、つまらない女よ!それかあばずれね!いえ!そうに決まって……
ぱんっ
あれ?何?今あたし何をされたの?頬にかすかに痛みが走って、意識を戻した。
見上げると、ネクタイを握るあたしの手を物凄い勢いで振り解いたキョンが居た。
その視線は、怒りと悲しみ満ちている。そんな目。普段のキョンが絶対見せない目。
いつものあたしに対しての、あの優しい目じゃないことに、あたしは動揺していた。
こんな感じの目を見るのは、そう、映画の撮影のとき以来かもしれない。
「話は終わりか」
キョンはそう言いながら去っていく。
「あの、キョ、キョン」
キョンは振り返らず、一言だけ返した。
「頼むから、知らない人間の事を悪く言わないでくれ」
34 :
nac:2006/06/23(金) 11:27:34 ID:6Qwu5rYU
さっきあたしは何をしたんだろう?解らない。
ただキョンの口から他の、しかもよく知らない女の子の名前が出て来ただけじゃない。
それだけ、それだけなのに、何だろう。この空白感は……
そ、そうよ、キョンが他の女の子にうつつをぬかしたら、SOS団の活動に支障が出ると思ったからよ。
あたしはそう自分で納得して、行動を開始した。
……
あたしはすぐに6組のところに行き、敵を確認する。浅生、彼女ね。
確かに可愛いわ、みくるちゃんには劣るけど、それでも可愛い方ね。
一体キョンに何の用かしら。まあいいわ、昼休みに動きが無いとなると、恐らく放課後ね。
キョンの後をつけるより、彼女を追跡したほうが、いいかも。
キョンとは……あの後、話をしてないし、またあの目で見られたくないから。
っと来たわねキョン。20分も待ったんだから、草むらでひっそりと、このあたしが!
「あの、俺に何か?」
「すいません、呼び出してしまって」
ペコリとさげてつられて揺れる髪。キョンの萌え要素のポニー……あたしも長いときはしてた時もあった。
あいつったらあたしが髪をばっさり切ってから言ったもんだから、今伸ばしてるのに。ってあれは夢のときか。
「いえ、それで用件は?」
「単刀直入に言います。私は貴方が好きです。付き合ってください」
……最も、可能性の中でも最も嫌な選択肢が現実に起こった、と感じ、それと同時に後悔している自分が居た。
また、簡単な言葉ながらも必死な告白を出来る彼女を少し羨ましくも思った。
そうよね、キョンはああみえて、優しい。物凄い包容力がある。包み込まれる優しさを体験した人は、
キョンの魅力が解る筈だ。事実あたしもその一人なんだから。
でもあたしは言えない。拒絶されるのが怖いから。でも彼女は言った。それを恐れず……
「あの、その、ごめん。」
あたしは耳を疑った。キョンが断った。なぜ?なぜ?どうして?こんな可愛いのに?
「俺は、その、好きな奴が居て。だから、本当に悪いが君と付き合うことは出来ない」
キョンに好きな人が居る!誰?だれ?
有希?みくるちゃん?鶴屋さん?ミヨキチ?……それとも、、あ、あたし?
「そうですか……」
「ごめん」
「謝らないでください。私が一方的に告白したんですから」
「……」
「……」
沈黙が続く。どうしよう、飛び出す雰囲気じゃないから、動くに動けない。
キョンも、迷ってるのだろう。こんなときに自分が慰めることは出来ないと感じていると思う。
「ありがとうございます」
不意に彼女がお礼を言った。
「今、慰められたら、きっと、私、吹っ切れません」
「いや、俺は」
「いいんです。貴方は優しい。この場を去れなかった事で解ります」
彼女はもう一度ぺこりと頭を下げて、去っていった。
35 :
nac:2006/06/23(金) 11:28:14 ID:6Qwu5rYU
正直、憂鬱だ。告白を断るのって、こんなに精神に負荷が掛かるもんなのか。
これを何度も繰り返されてるSOS団の他の四人に俺は同情した。
こんなときは、あいつの極上スマイル……い、いや、朝比奈さんのお茶にありつこう。うん、これだ。
俺は部室棟を目指して歩き出した。
もうすぐ着くかなって時に、見慣れた生徒、ハルヒを見つける。向こうもこっちに気付いたようだ。
昼間は少し言い過ぎたからな。謝っておこうと口を開けると、
「キョン、その、ごめんなさい」
ハルヒが、あの自分勝手でわがままで傍若無人な唯我独尊女が謝ってきた。
「いや、俺も言いすぎた。それに女の子に手をあげたし、悪かった、許してくれ」
「ううん、あの後考えた。もしあたしに、他のSOS団の団員を馬鹿にする事、言われたら許せないって」
「解ってくれればいいんだ。今度の探索は俺が奢るから」
「う、うん。それよりも」
「なんだ?俺に出来ることなら、今ならなんでもきくぞ」
「あの、その、……用事って結局、なんだったの?」
こりゃ、嘘つけないな。仕方ない
「告白された」
「それで?」
「断った」
「何で?」
「う、い、言わないと、だめか?」
「聞きたい」
「他に好きな奴が居るんだって言って断った」
かなり恥ずかしい。なんで一日に二回もこんなセリフを言わなきゃいけないんだ。
「これ以上は許してくれ、頼む、この通り!あと俺先に行くから」
俺は全く解決にならないが、アジトの文芸部室に走り出した。
「あ、こら、キョン。まちなさぁぁい!!肝心なこと言ってない!!!」
言いたくないね、というか普段のハルヒなら気付くはずなんだがな?
俺が「好きな『奴』」って呼ぶのは一人しか居ないだろ。……やれやれ。
完
36 :
nac:2006/06/23(金) 11:29:07 ID:6Qwu5rYU
キョン萌えな奴を、などと頼まれて書いたSSです。
難しいです、主人公なのに、本名解んないし、縛りが多くて。
ここは長門さん比率高いので、自分はハルヒメインです。
また書いたら、投下します。 nac
GJ!
nacさんのハルキョン物は本当に萌えますな
38 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 13:58:13 ID:pTWDTm1t
GJ!!
普段は必死こいて否認してるキョンもこの時ばかりは素直なようで、
それでもハルヒには決して言わない辺りがすごくいい!
ぷりぷり怒ってるハルヒも可愛かった。
古泉じゃないけどニヤニヤしっぱなしです。
好きな『奴』ってことは古泉かw
シャミセンだろ普通は・・・
いやいや妹だろうと思いますが、それはそれとしていつぞやの電波SSの続きでも。
だいぶん間が開いてしまったのであらすじも付けます。
●前回までのあらすじ
SOS団はギャルゲーの世界に放り込まれた。押入れの中に古泉が入っていた。以上。
内容がないよう。
「さて、クローゼット、クローゼット……」
俺が今朝起きたこの部屋は、ドアから見て左手に押入れ、正面にクローゼットがある。
押入れと同様、クローゼットも家の構造の一部になっている収納スペースだ。
空間を贅沢に使った仕様である。というかもはや設計ミスと言って良い様な気もする。
きっとシナリオを書いた奴と部屋を作った奴がきちんと意思疎通できてなかったんだろう。
「その前に部屋の鍵を閉めていただけますかね。
今の僕と一緒にいる所を涼宮さんに目撃されると恐ろしい事態が予想されるので」
閉めたはずの押入れが再び開かれ、そこから古泉が這い出してきた。
その腰には何故か毛布が巻かれていた。
何故かって? 他に何も着るものがないからだろうよ。
そう、こいつは押入れの中で膝を抱えていた時も全裸だったのだ。
そんな状況で鍵を閉めるのもそれはそれで恐ろしい事態が予想されるが、
俺は苦渋の末にSOS団的な友愛の絆に殉ずる決断をせざるを得なかった。
「で、なんでお前全裸なんだよ変態古泉」
「おそらく、『原作』のシチュエーションを再現したのではないかと」
「そうやってシリアスに決めたいんだろうが残念だったな変態野郎せめてパンツ穿け」
「……ごもっともですが、誤解しないでくださいよ? 僕のせいじゃないんですから」
クローゼットからトランクスとシャツを取り出す古泉を努めて無視し、
俺も俺で素材不明のダサいSF風制服(恐ろしい事に学校の制服らしい)を身に着けた。
古泉も俺と同じ制服に着替えていた。ツラの良いこいつが着てさえ神経を疑う服装である。
ふと思ったが、これはひょっとして古泉が俺の下着と服を着ている事になるのだろうか。
仮にそうだとすると心底ぞっとしない話なので、俺はそこで考えるのを止めた。
「で、原作がどうしたって?」
「昨夜プレイした『Misteric Sign』ではこうです。
主人公が押入れを開けると、そこには何故か全裸の美少女がいました。
その美少女は、状況が状況なので主人公の姿を見て黄色い悲鳴を上げました。
そこに主人公を起こしにきた勝気な幼馴染みが悲鳴を聞きつけてさあ大変。
と、そういうシチュエーションだったのですが。覚えてませんか?」
思い出したよ。ところで今回のキャスティングを考えた奴は誰だ。くびり殺してやる。
「そいつを殺して涼宮ハルヒの出方を見るのもたいそうハレ晴レユカイな話でしょうが、
その前にまずする事があります。朝比奈さんと長門さんと、合流しなければね」
そこで会話を終え、古泉は部屋の窓に手をかけた。
「では、変態野郎は退散する事にします。また会いましょう、贅沢者の主人公くん!」
そう言って爽やかに決めて、古泉は器用に窓から出て行き街路に身を投じた。
残念ながらというかなんというか、本当に変態野郎にしか見えない挙動だったが。
今日の朝食はトーストと即席スープだった。どうやらハルヒが作ったらしい。
「……何よ」
そのハルヒだが、俺に負けず劣らずイカれたデザインのセーラー風コスプレ衣装の上に、
何故かエプロンを巻いていた。率直に疑問を述べるが、何故エプロンなのだろう。
いやぶっちゃけた話、この程度の調理で服が汚れるとかいう事を気にする必要もないし、
逆説的に言えばわざわざエプロン巻いといてこの手抜きっぷりって一体どういう事だ、
と問うべき状況だという事でもある。声に出して言いたい。なんだこりゃ。
「文句言うくらいなら食うな。あるだけありがたいと思いなさい。
あんた自分じゃ何もできないくせに。何のために毎日作ってやってると思ってるのよ」
もう一度思う。今回のキャスティングを考えた奴は誰だ。
毎日も何もハルヒに朝食など作ってもらった覚えなど俺には全くないし、
身に覚えのない経緯からノビ太君扱いされるのも正直なところ我慢がならない。
……いや、キャスティングじゃなくてシナリオだろうか、この場合。
幼馴染み役が朝比奈さんだとしても、俺の忸怩たる思いはベクトルが変わるだけだろう。
あのエンジェルボイスで「何も出来ないくせに」とか言われるのもそれはそれでキツい。
「……やれやれだぜ」
「ちょっとキョン、何してんの?」
「料理だ。料理だとも。お前に本当の朝食というものを教えてやる」
奇妙な冒険的ニュアンスで宣いつつ、俺はキッチンに立って包丁を手にした。
何故最初に包丁を取るかと言えば、冷蔵庫の中にパンプキンモンスターがいた時のためだ。
……こういう心配を本気でしなければならないという辺りで俺の心労を察して欲しい。
前後の文脈は全くわからんが、そういうCGを見た事だけは妙に印象に残っていた。
だが幸いな事にパンプキンモンスターは煮付けにされたのが少し余っていただけなので、
俺は心置きなくベーコンエッグとサラダを作り、鼻歌など歌いながら林檎を剥いたわけだ。
「ほらよ。朝食っつってもこれくらいは欲しいもんだろ」
と言って差し出すも、ハルヒは文句を言い返すでもなく、ひたすら憮然としていた。
「なんか……すごい違和感がある……。ねぇ、あたしさ、本当に料理下手だったっけ?
本当はきちんとやれる子じゃなかったかしら、あたし。
毎日これくらいしっかり朝ごはん食べる主義だったような気がするのよね……」
そうだな。お前はきっとそうなんだろうし、俺も今日の朝食はしっかり食べたいね。
これからひたすら疲労を募らせるような一日が始まると知っているだけに。
なお、ハルヒの中の違和感は朝食を食べ終わってもなお続いたらしく、
キャスティングから考えると異常なほど穏やかに俺達は家を後にする事になった。
ちなみにその家だが、閑静な住宅街に佇む瀟洒で白い二階建ての一軒家だ。
前述したように内部設計はかなり狂っているのだが、外観はよく取り繕われていた。
むしろ取り繕われすぎていて生活感がない。よく見ると雨風に曝された形跡もない。
ひょっとして新築なんだろうか。だとすればこの家の所有者はどこにいったのか。
新築の物件に自分で住みもせずガキだけを住まわせる神経というのはよくわからない。
「ほらキョン、急ぐわよ!
朝ごはんの分だけいつもより……いつも? まぁ良いや、遅れてるんだから!」
きっと愛人に億ション買ってやってそこに入り浸るお大尽か何かなんだろう、
といった辺りで『俺の両親の設定』に関する考察を片付け、ハルヒと共に進む事にした。
長い、長い坂道を。異常に長い坂道を。俺達以外の誰も見かけない閑散とした坂道を。
……なんだこのゴーストタウン。都市計画に失敗したとかいう次元じゃないぞ、これは。
「なぁハルヒ。ここは何処だ。そして俺達は何者で何処に向かっているんだ」
「……本当にもう。あんたさっきから何言ってんのよ。
登校よ、登校。学園に行くの。他に何があるってのよ」
その学園って一体何の学校なんだろうね。中学か、高校か、大学か、専門学校か?
制服から考えるとEMP能力者の隔離施設や宇宙船クルー養成所って線も有りそうだが。
きっと全寮制で外出許可も滅多に出ず、自宅から通学する者もほとんどいない閉鎖社会だ。
「馬鹿言ってないの。学園は……あれ、学園は……?」
まるでMIBに脳を研磨されたかのように忘却の彼方に取り残されるハルヒだった。
さて、ハルヒや俺の疑問も虚しく、学園の謎が明らかになる事はついになかった。
というのも、俺達は学園に辿り付く事すらないままストーリーを終えてしまったからだ。
酷いチート行為もあったもんだが、そもそも俺達にはゲーム世界を楽しむ意志などなく、
それ以前にこれがゲームであるという認識も最後まで持てなかったわけなので、
そりゃ終わらせる手段があれば飛び付くに決まってる。どんな反則でも関係ない。
ゲームのルールってのは当時者が反則を厭わなくなった時点で既に破綻しているから、
つまりは最初からゲーム的ストーリーが展開される余地などなかったのである。
それでも、物事が破綻する時には最初のきっかけというものがある。
何がきっかけだったか、言い換えれば誰が最初に確信犯的な反則を始めたかと言えば、
これは確信を持って言える。
朝倉涼子だ。
「おはよう。キョン君に、涼宮さん。お久しぶりね」
そう。
どうでも良い事を(どうでも良い事だっただろ?)考えながら曲がり角を曲がったら、
以前自分を殺そうとした挙句に長門と死闘を演じて果てたはずの女が立っていたのだ。
両手を背中側に隠して。
ここで咄嗟にハルヒを背中で庇ったりすればさぞかし格好良いんだろうが、
あいにくハルヒより俺の方がよほど危険な状況なのでそんな発想は微塵も働かなかった。
「あさ……くら?」
どうか臆病者などとは言わんでくれ。
マジでくたばる五秒前まで追い詰められた経験は後にも先にもあの一度だけなのだ。
……などと思いつつ近い将来に入院沙汰に見舞われそうな嫌な予感もするわけなのだが、
とにかく俺の脳裏を支配していたのは『どうやって時間を稼ぐか』という命題だった。
「えっと。あたし見覚えないんだけど、キョンの知り合い?
ひょっとして元カノとかかしら。あんたいつの間にこんな娘ひっかけてたのよ」
朝倉の存在に何を感じたのか、ハルヒの揶揄も妙な声色だった。
もっとも、当の朝倉はそれに気分を害する様子もない。むしろ面白がっているようだった。
「自我は保全しておくものね。涼宮さんが私に返事するなんて初めてじゃないかしら。
残念ね。こんな状況でなければゆっくりと話し合いたい所だけど、別件があるの。
……ねぇ、キョン君」
笑みを消して、朝倉は俺に問うた。
「この世界の事、どう思ってる?」
「……まだ2時間と滞在してないうちに結論を出すのもどうかと思うが、狂ってるな」
「そう。良かった」
さっきまでよりずっと深い笑みを浮かべる朝倉。
そこには先ほどまでの薄ら寒さはなく、同胞に出会った秘密結社員のような風情があった。
「ゲームデザイナーのグレッグ・コスティキャンはさぁ、
『そもそもゲーマーは良いゲームと悪いゲームの区別も付かない豚なのだ。
ゲームデザイナーとして成功するためには屠殺場を通過する必要がある』
って言ってるでしょ。これ、どう思う?」
「そのコスティキャン氏とやらの経歴や人生観も微妙に気になるが、
あのゲームが豚の血を搾る手段として適切とは思えん……って、そういう問題か?」
「あれは酷いゲームよね、って苦笑しながら話すのもお互いの慰めになるでしょ?
……でもそうね。そろそろ本題に入りましょうか。察しのとおり、私は朝倉涼子。
このゲーム世界を管理するために徴発されたゲームマスターの一人よ」
衝撃的だが、それ以上にスポイルに満ちた告白に、もはや完全に毒気を抜かれた俺だった。
「なんというかさ、もうちょっと仕事選べよ」
「そこを選べないのがヒューマノイド・インターフェースの辛い所なの。
涼宮さんの監視というのもそれはそれは遣り甲斐のない仕事だったわよ?
他にもニュージーランド沖合南緯47度9分西経126度43分の海底探査とか、
1999年のあの夏にバングラディシュで炸裂した遺失核爆弾に関する調査とか、
大いなるヤヌスの十二使徒に属する転生者達にポイズンラジオウェーブを照射するとか、
サボテンエネルギーの可能性について研究するためにひたすらサボテンを育てるとか、
次元と時空を貫通して数多の異世界を焼き払い続けるミクルビームの観測とか、
本当にろくな仕事がないの。上司のセクハラも酷いし、現場はいつも過酷だわ」
俺達の関知しない所で世界に何が起きているのか非常に不安になる種類の愚痴だった。
アメリカ大統領が泥酔しながら前後不覚でわめいてもここまで異様な発言にはなるまい。
「それはそれとして。ごめんなさい涼宮さん。話についていけなかったでしょう?」
振り向くと、ハルヒはなんというか、いわく言いがたい表情で固まっていた。
声に出して言えばこうだろう―――あんたたち頭大丈夫?
ハルヒにだけは言われたくないが、しかし俺達が正気かと問われればそれも疑問ではある。
「ふふ。非常識って嫌? 身近な人が急に理解不能な事をやりだすのって怖い?
私にはあなたの常識の概念がどういうものか未だによくわからないんだけど……」
「……いい加減にしなさいよ!
さっきからわけのわかんない事ばっかり!」
ハルヒが吼えた。
そして吼えかけられた朝倉の笑みは歪に攻撃的に変質する。唇が高速で振動した。
俺は咄嗟にハルヒを背中で庇う。今度はできた。さぞかし格好良かっただろうね、俺。
しかし残念ながらもう手遅れだったので俺の英雄的行動には何の意味もなかったのである。
何が起きたかって?
そうだな、まずは窓のガラスにヒビが入ってフレームが軋んだ時のような嫌な音がした。
といっても何が割れたわけでもない。強いて言えば、空気が割れる、とでも言おうか。
それを本当に『音』という概念として理解して良いのかどうかも実はよくわからない。
「……おっと、危ない危ない」
次いで朝倉がそう呟き、再び超高速言語で何やら詠唱を始め、
それに連動して坂道のアスファルト、民家、果ては空までをCG的グリッドが走り回る。
檻が形成された。世界を軋ませる“何か”から、世界を隔離するための檻だ。
「あ、あ……ああぁぁぁあぁぁぁぁっ!?」
「……っ!?
おいハルヒ、どうした、しっかりしろ!」
ハルヒはうずくまって絶叫する。
端的に述べればハルヒに情報爆発を誘発させた所で空間を封鎖して情報の拡散を防ぎ、
それによって飽和状態に陥った情報の乱流がハルヒの精神に影響を及ぼしていたのだが、
もちろん俺にそんな宇宙のデバッグモード的な裏事情がわかるわけもなかった。
だが幸いな事に混乱はすぐに収まった。
ハルヒは俺の腕を支えに立ち上がり、ふらついた頭で朝倉を見つめて言った。
「朝倉さん……よね。確かカナダに転校したんじゃなかったっけ?」
俺はさぞかしぎょっとした表情を浮かべていた事だろう。そして朝倉はやはり笑っていた。
「おかえりなさい、本当の涼宮さん。幼馴染みごっこは楽しかった?」
「ここは何処? これはどういう事? あんた何者? 今すぐ教えなさい!」
状況も把握できてないのに無駄に強気なハルヒに対して、朝倉はやはり笑っていた。
……益体もない事に、俺は五月頃のまだクラスメイトだった朝倉を思い出していた。
「詳しい事はSOS団の誰かにでも聞いて。私にはそんな時間がないから。
……ほら、空を見て。気付かれたみたい」
俺達三人は雁首そろえて上を向き、そのうち二人は絶句する。
何時の間にやら、天空はよくわからない生き物で埋め尽くされていた。
「なんだ……これは」
「私のせいでプロットが破綻してる事にようやく気付いたんでしょう。
おそらく、原作ハーレムルート終盤の決戦イベントのフラグが立てられたのね。
町中全てのミステリックサインからミステリックシングの大軍が押し寄せてくるわ」
「悪いが言われても因果関係がわからん。原作は序盤だけやって投げ出したんだよ、俺」
「それは羨ましいな。きっと今後一生やらずに済むのよね。私もやりたくなんてなかった。
……本当に、嫌な仕事。次に産まれた時はもっと人情味溢れる仕事がしたいなぁ」
そこでハルヒが悲鳴を上げた。というのも、朝倉の体が分解され始めていたからだ。
「黒幕はご立腹。せっかくの……どこらへんがせっかくなのか私には理解不能だけど、
それはともかくせっかくのストーリーを台無しにした私を許してはおかない。
というわけで、私はここでデッドエンド扱いなのよ。SOS団の勝利を祈っているわ。
……そうそう、これから貴方達が真相に辿りついたら、この言葉を思い出して」
あっという間に首だけになった朝倉が、静かな口調で遺言を言った。
「―――『かみはバラバラになった』」
坂道を沈黙の妖精が駆け抜ける。遠く空の彼方で怪物達がめいめい勝手に鳴いている。
俺達の感傷は一瞬で粉々だが、朝倉はそれに傷つく様子もなく光の粒子に還っていった。
同時に、最後まで背中に回されていた手から何かが取り落とされ、それは必然的に落下し、
その刃でアスファルトを溶けかけのバターのように粉砕しながら地面に突き刺さった。
落下したものの正体は、宇宙的にブーストされていると思しきチェーンソーだった。
「……えーと。ねぇキョン。これ、どういう事?」
昔のジョークだよ。しかも笑えない。宇宙人は共通性質として冗談が下手らしいね。
ところでふと思ったが、ひょっとして今回のキャスティングを考えたのも朝倉か?
今回ここまで。
読み返してみて、最後のネタをプロットに組み込んだのはまずかったかもしれないと反省。
いや本当の反省点はそれ以前の段階にあるわけですが。
ごめん、朝倉が出たあたりから展開がよくわからなくなった。
SaGaかよ!
(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー!! (`・д´・ ;)
>>49 自分は作者ではないが、
美少女ゲーム(エロゲー?)の中でNPCとして登場させられた朝倉が、
ゲームデザイナーの意思に反して、
キョンとハルヒを助けてくれた、という展開だと思う。
ちなみにグレッグ・コスティキャンは
「パックス・ブリタニカ(Pax Britannica)」という名ゲームのデザイナーとして
ボードゲームマニアの間では「知る人ぞ知る」人物。
>かみはバラバラになった
吹いたw
最後がそれかい!
>>48 これはもう、ダメかもわからんね。
モーフィアス、助けてー!
これめちゃくちゃ面白いなあ。
ついていけない人も多そうだけど、そんなの気にしないで驀進して欲しい。
スレが2つあるわけだが・・・
「かみはばらばらになった」の意味を知らない若輩の私は
この言葉に何か深遠な意図があるのかと真面目に考えてしまったぞ
そして検索して食べかけのブドウ吹いた。どうしてくれる!w
>>48 どこまでもおもしろい ひとたちだ!
ところで、あんまり見かけない朝比奈さんの話を投下させてもらいます。
エロじゃないです。カップリングとかでもありません。
全然悲しい話では無いですが、楽しい話でも無いかもしれません。
それでも大丈夫という方、少しの間お付き合いください。
59 :
春風少女 1:2006/06/23(金) 19:00:30 ID:1u7S9Gw+
例年に無く騒がしかった冬も、気づけばいつの間にやら過ぎ去っており、季節は春に移り変わろうとしていた。
春眠暁を覚えずとか言う言葉があるが、それはまったくそのとおりで、俺は最近、授業中もSOS団の活動中もあくびばかりしている。
一方、ハルヒといえばこれがいつものテンションで日々走り回っており、あちこちで騒動を巻き起こしては、いちいち俺の眠気を吹き飛ばしてくれやがる。
長門はいつもどおり本の虫だ。いつもと違うところといえば、風が強くなってきたので、ページを片手で抑える姿をよく目にするぐらいのもんさ。
古泉は別にどうでもいい。どうせいつもどおりニヤニヤしてるだけだろうしな。
そして、去年も美しかったが、今年に入って尚一層の美しさで俺たちの明日を照らしてくれている朝比奈さんは、SOS団の部室に少々不満があるようだった。
「はなぁー?」
ハルヒは、団長席で偉そうにふんぞり返りながら、初めて聞いた日本語をリピートする外人のような声をあげている。
「は、はい。丁度春ですし、この部屋にも花を飾ってみたらどうかなーって思ったりしてるんですけど……」
その前で、お盆を抱いたまま少し恐縮したように佇んでいるのは、常に美しさの最先端を行く朝比奈さんだ。
ハルヒはしばらく考え込むように天井の木目に目を這わせていたが、やがて朝比奈さんの目を見つめ、「却下」と言い放った。
それを聞いた朝比奈さんは、「ひえぇーっ?」と悲しそうな声をあげている。
この野郎、朝比奈さんの幼子のごとくいたいけな頼みごとを無碍に断るなんて、たとえ最高裁判官が許してもこの俺が許しはせんぞ。
「おいハルヒ、いいじゃないかそのぐらい。朝比奈さんはわざわざこの薄汚れた部室に、彩りを加えようとしてくれてるんだぞ」
この湧き水のような優しさが、年中蛇口が外れっぱなしのお前には理解できんのか!
そんなことを考えている俺に対し、ハルヒは虫を見るような目を向けてきた。
「うるさいわよ馬鹿キョン。第一、花ならもう大きいのが一つあるじゃない」
と言ってハルヒは部室の隅を指差す。そりゃ笹だ。ていうかいつまで置いてんだよそれ。
「っさいわね!笹も菊も変わんないわよ!」
いや、大分違うだろ。あと菊ってお前。
しばらく不機嫌そうに目を瞑っていたハルヒは、何故かいきなり目を開くと、うって変わって今度は上機嫌そうに話し始めた。
「でもなかなかいいアイディアかもしれないわね……。探してみれば、ひょっとしたら喋る花とか、犬を食べる花とかが生えてる場所があるかもしれないわ」
ねえよ。
「でかしたわよ、みくるちゃん。よし、来週はそれで行きましょう!不思議な出来事改め、不思議な植物を探し出すわ!」
ハルヒは勢いよく椅子から立ち上がると、仁王立ちになって、窓の方を向きながらそう宣言した。
こいつのアホさは、春になっても衰える事を知らない。
「それに……」
ハルヒは、窓の向こうを見ながら続けた。
「花を飾っても、きっとすぐに枯れちゃうわ」
やれやれ。
60 :
春風少女 2:2006/06/23(金) 19:02:18 ID:1u7S9Gw+
朝比奈さんが着替えている間、俺は部室の前で薬局のカエルみたいに突っ立っていた。
「あれ?キョン君、どうしたの?」
あなたを待っていたんですよ、朝比奈さん。
「花、買いに行きましょう」
「……え?でも、涼宮さんが、ダメだって……」
「大丈夫ですよ。明日にでもしれっと部室に置いておけば、あいつも文句は言ってこないでしょう」
あいつはかなり馬鹿だけど、そういう事はしないタイプの馬鹿ですから。
俺がそう言うと、朝比奈さんはにっこりと笑ってくれた。
「そうですよね。じゃあ、二人で買いに行きましょうか」
ああ、眩し過ぎて直視できない。
そんなわけで、俺と朝比奈さんは一緒に放課後のショッピングに出かけることになった。
言い換えれば放課後デートである。俺の一生をグラフにすると、今日が一つのピークになっているのはもはや間違いようが無い。
俺は心の中で叫び声をあげる。やっほう!
「あ、キョン君!花屋さんありましたよ!」
この日ばかりは、俺は下り坂の短さを呪った。
花屋に入ったのなんて、何年ぶりだろうな。
小さな店舗の中には、色とりどりの花が綺麗に並べられており、軒先にも多くの花が飾られている。
それぞれの花には、名前と値段の他に、軽い紹介も描いてあるポップが添えられていた。
しかし、当然と言うか何と言うか、俺は花の種類なんて、それこそ菊かチューリップぐらいしかわからない。
あと小学校の時育てたアサガオだ。15日目に妹が食った。
そんな俺には、朝比奈さんが唯でさえ輝いている顔を更に輝かせながら花を選ぶのを、初孫に「好きなおもちゃを選びなさい」と言う老人のような心境で見守ることしかできないのであった。
「ねえ、キョン君。この花と、この花、どっちの方がいいと思う?」
そう言いながら朝比奈さんが俺に差し出してきたのは、薄い桜色の可愛らしい花と、清らかな印象を受ける白い花だ。
「いや、俺にはよくわかりませんし、朝比奈さんが好きな方でいいと思いますよ」
朝比奈さんが好きと言えば、俺は人面魚でも好きになれる自信がある。
しかし、朝比奈さんはそんな俺の答えにご不満のようで、少しだけ頬を膨らませている。リスのようでかわいい。
「キョン君、こういう時は、どっちかビシッと選んだ方がかっこいいと思いますよ」
「えー、と、じゃあ、両方買えばいいんじゃないですか?」
俺がそう言った後も、朝比奈さんは少しだけ不満そうにしていたが、結局両方とも購入する事にしたようだ。
代金は俺が持つと言ったのだが、朝比奈さんは頑として聞き入れようとはせず、部室に飾られる花は、朝比奈さんから寄付される形となってしまった。
小さな花束を持って先に店先に出ていた俺に、少し遅れて出て来た朝比奈さんは、照れ笑いのような顔をしながらこう言った。
「さっき店員さんに聞いたんだけど、ちょっと遠くの公園に、小さくて綺麗なお花畑があるんだって。少し遅い時間だけど、キョン君、良かったらこれから一緒に行ってみない?」
ここで「ノー」と言える奴、前に出ろ。全員ケツを三つに叩き割ってやる。
61 :
春風少女 3:2006/06/23(金) 19:06:57 ID:1u7S9Gw+
「ふふ、可愛いお花畑ですねっ」
俺の目にはどう見ても朝比奈さんのほうが可愛く見えるのだが、公園の一角にある小さな花畑、と言うには小さすぎる、大き目の花壇も、たしかに可愛らしかった。
歩道を間にはさみ、いくつかのブロックに分かれている花壇には、規則的にか不規則的にかはわからないが、結構な種類の色を持つ花が植えられている。
案外高い場所から見たら、綺麗なグラデーションになっているのかもしれないな。
朝比奈さんは、どこかいたわるような目で、そんな花々を見つめている。
その中に、いつもには無い少しの寂しさを感じ取った俺は、思わず口を開いていた。
「未来にも、花ってあるんですよね」
朝比奈さんはそんな俺を見て、おかしそうに笑っている。いつもより少しだけ大人っぽい仕草で。
「さあ、どうだったでしょう?……でも、」
朝比奈さんは花壇に目を戻す。
「ここはきっと、無くなっちゃってるんだろうね」
周りを見渡すと、もう空は薄暗く、公園の中は閑散としていた。
「そうかもしれませんね。この公園自体も、いつかは無くなるのかもしれません」
考えてみれば、この辺もずいぶん変わったもんな。昔は駅前も、あんなに立派じゃなかった。
「さっき涼宮さんの言っていた事、すごく分かる気がするの。花を飾っても、いつかは枯れちゃうもんね。そしたら、少し寂しいもの」
朝比奈さんは花壇の方を向いたまま、俺の一歩先へ足を進めた。
「でも、それは仕方の無いことですよ」
「そうですね。仕方の無いことです。きっと、私も、そして私たちも」
同じです、と朝比奈さんは呟いた。
俺だって、考えなかったわけじゃない。
目の前のこの見目麗しい人や、ハルヒ、長門、古泉と出会ってもう一年になる。
俺達はもうすぐ二年生になるし、朝比奈さんは三年生だ。
そして、もう一度春が来れば、朝比奈さんは卒業してしまう。
朝比奈さんは、卒業したらどうするのだろう。未来に帰ってしまうのだろうか。
どうなるにせよ、今のように過ごすのは、難しくなるのかもしれない。
それに俺には、予感があった。
きっと、そう遠く無い未来で、俺達はバラバラになってしまうのかもしれないという予感が。
もしもハルヒの力が消えたら、朝比奈さんも長門も古泉も、ここに留まる理由が無くなってしまう。
きっとその時、皆はそれぞれの選択をするのだろう。ハルヒが消えた三日間の時の、俺のように。
その時。SOS団が無くなる時、一体俺はどうするのだろうか。この非日常的な日常を選んだ俺は、一体どうすればいい?
ハルヒは、あいつはまさに台風のような奴だからな。俺の事なんか忘れて、どこかに飛び出していくのかもしれない。
長門はどうだろう?やっぱりあいつも、宇宙なんとか体の元へ帰ってしまうのだろうか?
古泉は?三年前の、俺達とは関わりの無い、普通の生活に戻るのか?
そして、今。寂しそうな後姿で俺の前に立っている朝比奈さん。
この人は、きっと未来に帰るだろう。
いや、帰らなければならないんだ。本来この時代に生きている人ではないのだから。
きっと、いつの日か。
62 :
春風少女 4:2006/06/23(金) 19:07:55 ID:1u7S9Gw+
どうしてなのかは、俺自身にもわからないが、急に俺は堪らなくなって、口を開いていた。
「いつか」
いつか、あなたも、いなくなってしまうんですか?
いつの間にか、俺の目の前に朝比奈さんが立っていた。
そして俺の手から、ゆっくりと花束を抜き取る。白い花束だけを。
俺の手には、桜色の花束だけが残されていた。
「それは、キョン君にあげる。お家で飾ってあげてね」
朝比奈さんの手には、白い花束が。
「これは、私が明日部室に持っていくから」
そして、俺の後を継ぐように言った。
「いつか」
いつもより、優しい声で
「いつか、また二人で、お花を見にこようね」
涼宮さんには内緒でね、と言うと、不恰好だけど、世界一可愛らしいウィンクを俺に見せてくれた。
そう。そうだな。いつかもし別れる時が来たら、約束をしよう。
人を見る目だけは確かなハルヒが集めたメンバーだ。大事な約束を破ったりする奴はいない。
それに、もし約束を破るような奴がいたら、ハルヒが黙っているわけがない。
喧嘩を売られた蛇もびっくりのしつこさで、例え誰がどこにいたって、必ず皆を見つけ出すだろう。
何の力も無くったって、俺のネクタイを引っ張る事ぐらいは平気でやるような奴だ。
そしたら俺も、いつもみたいに文句を垂れながら、あいつの後ろについて行ってやるさ。
「ええ。いつか、必ず」
風に舞う髪を空いた方の手で押さえながら、朝比奈さんは、本当に楽しそうな顔で笑っていた。
次の日、俺があくびを噛み殺しながら部室に行くと、隅の丸テーブルに小さくてシンプルなデザインの花瓶が置かれていた。朝比奈さんの物だろう。
そこからは、綺麗に揃えられた白い花弁が顔を出している。
ハルヒは、一度それに目を向けただけで、何も言ってくる事は無かった。
長門は最初珍しそうに花を見つめていたが、いつの間にか本を読みだしたようだ。
古泉は「綺麗な花ですね」とか何とか言いながら、近くで観察している。
朝比奈さんは、お茶の葉の具合を、我が子を見守る様に真剣な目で確かめていた。
外は今日もいい天気だな。窓を叩く風の音が、少し強いぐらいか。
こんないい陽気じゃ、まったく、眠くて堪らん。
俺はハルヒにばれないように横を向いて大きなあくびをすると、椅子に深くもたれかかる。
目を閉じる直前、ハルヒが窓際に近づいていくのが見えた気がした。
「ねえ、有希。聞きたいんだけど、枯れた花で押し花って……」
どこからか入ってきた風が、笹の葉をゆっくりと鳴らしている。
いいねぇ。和んだよ。
最後のしめ方が好きだ。
うまい、なんだこれ
情景がリアルに浮かんだし、雰囲気もすごくいい
GJ
そういや、アニメだと部室の壁にドライフラワーらしき物がぶら下がってるけど、原作では言及されてないな。
キョン×坂中
すまん、アサガオ食ったというのを見て牽午子(アサガオの種のこと
下剤に使われる)を思い出してしまった
アニメ12話「ライブアライブ」の、ハルヒが歌った
[God knows]と[lost my music]の歌詞が、
キョンが消える事への伏線、かと思ったのは俺だけか?
関係ないこと書いて、すまない。
>>69 他板のスレ見てると
「God knows...」
一番:ハルヒ
二番:長門
三番:ハルヒ
「Lost my music」
ハルヒ→ジョン・スミス
がテーマ何じゃないかと言われてたりします。
キョンくぅん、アサガオ甘くないよー。
というのが勝手に脳内補完された自分は病気だな
ハルヒってなんでわがままでしょうかね?
憂鬱読んでわからないなら一生わからないと思われ。
>>70 昔のことを言ってる可能性もあるってことか・・・
深いな・・・浅いかもしれんが・・
>>72 ageてる人
定番考察サイトではこう解説されています。
>自分を認めることも捨て去ることもできないまま、
>「自分を変えよう」と意識的に決意したハルヒは、
>では何を変えられたのか。
>「待ってるだけの女じゃないことを世界に訴えようと思ったの。」
>つまりは、待ちの姿勢を攻めに変えたにすぎないのです
ttp://www.puni.net/~anyo/etc/haruhi.html とマジレス。
なお、ここはSSスレなので、
作品に関する質問は別板で行った方がよいですよ。
>>74 「God knows...」は時系列的には後の話、
ハルヒについては憂鬱ラストの閉鎖空間、
長門については消失、
これらも含ませているのではないか、と言われています。
とりあえずアニメの話はアニメ板へ
ここは谷川作品のSSスレ
あと
>>70 前スレでも餓鬼っぷりを発揮してるが、ほんともう来ないでくれないか・・・
せめてsageてくれ・・・そうすりゃスルーすっから・・・
>>76 自分はsageとりますが……
ID:vYDLKYc6の人のことですかね。
わざとやってる人には無駄なので
スルーするのがよろしいかと。
寝すぎた
>>77 アンカー間違いごめんにょろ
これで許して つ旦~
僕はage厨ですから言うだけ無駄ですよ。
つーか、下げる上げるは書き手が決めることです。
命令されることではありませんよ。うっふんww
Q煽られたんだけど?
Aそこは閉鎖空間です。 普通の人なら気にしません。
ハルヒがメジャーになった有名税だと思うことにしよう
そうだ、あきらめろ。バカどもめ。
俺のageはだれにもとめられないのだwwwww
荒れてるな
透明化キョンの話を、待つか・・
Mハルヒの話も終わってなかったと、思うし・・
>>オブスィーンサークルの人
遅ればせながら非常にGJ。あんたは神か?
言葉遊びとか台詞の言い回しも上手いし、
>>端的に述べれば…
でキョン視点で書きながら裏事情を違和感なく表現できる点には脱帽。最後のジョークも谷川氏に近いものを感じる。
正直ネタがわかんないから置いてかれてる感は否めないがパロだから別に文句はないし、途中少しわかりにくくても最後にまとめて解決って傾向は原作にもあるし説明不足とは感じなかった。句読点は知らん。
あんたの二次創作センスに乾杯(-.-)┏C□
長文失礼。
ちょっと話を戻してすまないが、God knowsはキョンの歌だと思うんだ。
1番:憂鬱ラスト
2番:消失
3番:憂鬱ラスト
って具合で。
歌詞「私付いていくよ」、「闇の中でさえきっとあなたは輝いて」は
キョン→ハルヒっぽいし。
?
>>88 SSじゃない質問・考察は他板でやった方がいいと思うよ。
「God knows...」の話しなら、
アニメサロン板のネタバレスレとか。
>>88 なにを言いたいのかよく分からんが設定的には軽音楽部のバンド姉さんたちが作った歌詞で
それにハルヒが介入したってこと?
アニメのネタはアニメスレへ行ってちょ
>>88,91
答えてやりたいが、続きは他所へ池
鶴屋さん語が難しい…
今はっきりとわかる。 煙が出る。
95 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/23(金) 23:16:09 ID:vYDLKYc6
SSはほとんど書いたこと無いけど、キャラの口調を崩さないようにするだけでも、
かなりの労力が要るんだよな・・・ムズカシス
まあ平和なほうさ
>>96 若干の違いは前後の固有名詞でどうにか脳内補正がかけれるけど、キャラごとにかなり口調が違ってるから注意して書けばダイジョブ
それらしい語り口、特に比率的に大きいキョンの地の文なんかをそれらしく書こうとすると、
目の前の比喩表現に気をとられて肝心のストーリーがどっかにいってしまう。
今人いるかな?
「尻」出来たんで投下しようかと思うんだが。
どうぞ。
>>100 あなたが望むなら分裂してでも人増やしますのでどうぞ投下ください
では、投下します。
例によって
「俺の尻をなめろ、以上」
「それはそんな尻だった」〜シークエンス3 長門有希&朝倉涼子〜
いつものように部室の扉をノックする。
返答はない。
扉を開けると長門がいつもように読書中。なんか安心するな、この光景。
「おまえ一人か?」
長門は本から視線をあげずにかくりと頷く。
まあ、そのうちみんな来るだろう。
机に鞄を置いて座ろうとした時、背後で扉の開く音がした。
長門が顔をすっと上げた。
え?
ぱたん、と音を立てて扉が閉まる。
「お久しぶり」
全身に鳥肌が立った。忘れようもないこの声。
俺は振り向きそれを見る。思わず後ずさっていた。
見たものが信じられない。が、それはそこに立っている。
朝倉涼子が、ここにいた。
「なぜおまえがここにいる」
朝倉はくすり、と笑うと俺を見た。
「カナダから帰ってきたの。突然みんなと別れなきゃいけなくて寂しかったわ」
笑顔で話す朝倉の態度は、かつてクラスにいた頃の明るいものと変わらない。
逆にそれが恐ろしい。
「今度は何をしに来た?」
口では強い口調で問い詰めるが、じりじりと後退する俺。
いつの間にか長門が立ち上がり俺の前に出ている。
すまん長門、へたれな俺で。
でも、こいつにはどうやっても勝てそうにない気がするんだ。
ヤークトタイガーと出くわした復員間近のM3の乗員てのはこんな気分じゃないかと思う。
「だいじょうぶ」
長門は朝倉から視線を外さない。
え?
「彼女から攻撃の意志は感じられない。攻性情報も展開していない」
そうなのか?
「ええ。あなたや長門さんに危害を加える意志はないから安心して」
にこやかに語りかけてくる朝倉。
少し警戒を解く俺。
「おまえは何物だ。消えたんじゃなかったのか?教室で長門に……」
「情報はいくらでもバックアップが存在するわ。復活の呪文を唱えれば、はい、できあがり」
朝倉は胸の前でぱっ、と手を広げた。たとえが古いぞ、メモリーが無い時代じゃねえか、それ。
「ありがたみのない話だ」
「そうね。でもあたしはここにいるわよ」
にっこりと微笑む朝倉。
確かにこいつはここにいる。認めたくはないが認めざるをえないだろうな、これは。
存在の意味なんてのは哲学者に任せておけばいい。
そんなことよりも、だ。
「まだ質問に答えてねえな。何しに来た?」
「ええとね、あなたに用があってまた来たの。ああ、今度は痛くないから安心して」
痛くないって……。よけい不安になるじゃねえか。
「むしろ……気持ちいいかも」
朝倉は小首を傾げて、俺に向かってウインク。
瞬時に部室の壁面が流れるようにねずみ色のコンクリートの壁に変わる。
あの時と同じだ。
朝倉の背後にあったはずの扉も消えている。
「危害を加えないと言ったのは嘘か?」
「ううん、少しのあいだ邪魔が入らないようにしただけ」
朝倉は腕組みをして俺と長門を見つめている。
「うかつだった」
長門?
「確かに攻性情報は展開していない。けれど、こちらの攻性情報も完全に封じられた」
それって。
「この空間では私の情報操作能力は大きく限定される」
大ピンチ?
長門はうなずく。
むちゃくちゃ、やばくないか?これ。
「大丈夫だってば。あなたたちを傷つけるようなことはしないから」
近づいてきた朝倉が長門の腕を取る。素早く体を押さえ、長門の背後に回る。
何をする。
「少しだけ、私のいうことをきいてもらうわ」
朝倉が長門のスカートをまくり上げ、下着に手を指し込んだ。
首筋に舌を這わせ、首筋に歯を立てる。耳たぶを噛む。
「ん……」
長門が微かに声を出す。しかし、朝倉の拘束を解くことは出来ない。
朝倉は長門の腕を持ち上げカーディガンを脱がせる。
「さ、キョン君。あたしたちを犯して」
はあ?
「年頃の男の子だもの、溜まってるでしょ?こんなかわいい女の子を二人も相手に出来るなんて滅多にないわよ?」
自分でかわいい言うな。長門がかわいいのは認める。……ついでにおまえもな。
朝倉は長門のスカートのホックを外し、ファスナーを下げる。
スカートがはらりと床に落ち、白い飾り気のない長門の下着があらわになった。
朝倉は無造作にそれも脱がせ、押し出すように長門の体を離す。
少し、ふらつく長門。俺はあわててその体を抱きとめた。
朝倉は自分も制服のスカートを脱ぎ捨てる。
そのまま薄いピンクのショーツも脱ぐ。薄い茂みがあらわになった。
「死ぬよりいいでしょう?」
当たり前だっつーの。
「長門さんも、抱かれるならあなたがいいみたいよ?」
え。
思わず俺は腕の中の長門を見た。
潤んだ瞳で俺を見上げる長門。
「おい、長門どうした」
「長門さんに性的興奮を持続させる情報因子を注入したわ。中和条件はセックスをすること。出来なければいつまでも長門さんは発情したまま。ストレスでおかしくなるかもね」
おまえ、なんてことを。
「ついでにそれがこの空間閉鎖の開放条件。つまりあなたが長門さんとあたしを満足させなければ、全員ここで飢え死に」
おいおい、なんだそりゃ。
「あなたは孤立無援よ」
選択の余地はないらしい。
俺はUH-1でユエ旧城跡に降下したはいいが、周囲を完全に解放軍部隊に囲まれていたことに気づいた海兵隊員のような気分になった。
その時だった。
長門が素早く朝倉に飛びかかった。
大外刈りをかけて朝倉を押し倒す。
「きゃっ!」
かわいい悲鳴を上げて朝倉が床に倒された。
長門が朝倉の首筋に噛み付いている。
「あっ、いやぁ……」
実に妄想を膨らませる嬌声が朝倉から発せられる。
その上朝倉に乗っかっている長門は下半身丸出し。
白いセーラー服の裾からのぞく、これも白い小振りな尻。
いいね。実にいい……って俺は何を言っているんだ。
長門がふらつきながら立ち上がる。
「おい、大丈夫か?」
「平気。命に別状はない」
いや、まあそうだろうけどさ。でもなあ。
長門は上気した、何かを堪える表情。膝を閉じてもじもじとしている。
ふと太腿に目をやるとそこに流れる透明な筋。
……ええと。
「……やったわね」
朝倉が起き上がる。こっちもまた顔が上気している。
「同じ情報因子を注入するとはね。やられたわ」
と、言うことは。
「私もあなたにしてもらわなければ、このままってことよ」
少し、悔しそうな表情で朝倉は長門をにらんだ。
朝倉は何かを堪えるように両手で自分の体を抱きしめる。
こちらも両足を閉じて膝を動かしている。
「でもその前に、やられっぱなしじゃ悔しいから!」
長門の足下から触手が湧き上がった。長門の手足を拘束し……股間に伸びた。
「あああっ!」
さすがの長門も悲鳴を上げる。でも苦痛の悲鳴ではないような。
「情報操作、触手」
触手ってアンタ。
股間に伸びた触手の幾本かが長門の中に入り込んでいる。
外をまさぐっている一本がクリトリスを締め上げていた。
「長門さん、良く味わって。奥の奥までまさぐってあげるから」
腕組みをして笑う朝倉。
「……情報操作スライム」
は?
長門の口からけったいな単語が飛び出した。
同時に長門に絡みついていた触手がばさりと崩れる。
「いやあああああ!」
朝倉の周りに透明なゼリー状物質があふれ出た。それは意志あるかのごとく朝倉に絡みつく。
ぐちょぐちょと音を立てて、スライムが朝倉を覆う。
「ううっ……」
朝倉の穴という穴に透明な物質が流れ込む。呼吸は出来るようだが。
朝倉の薄い茂みに殺到する粘つくスライム。
……あれはやっぱり入っているんだろうなあ。
びくびくと動く朝倉の下半身。
それを無表情で見つめる長門。
ちょっと怖い。
「やっ!」
朝倉が両手を必死にスライムから振りほどく。
半透明の固まりは床に沈み込むように消えた。
「……もう許さないわ!」
朝倉が長門に飛びかかった。
以前教室で戦闘したときのような機敏な動きではなく、年相応の女の子の動きで。
「あっ!」
不意を突かれたか長門は倒される。
床の上で長門にのしかかる朝倉。
「情報操作、ピンクローター!」
あ゛?
朝倉はいつの間にか手に持っていたローターを長門の中に押し込んだ。
はぁいローター、オン。(←投げやりに言うのがこつ)
「あっ……」
長門は腰を上げようとするが上に朝倉が乗っているため動けない。
「ほらあ、早くイっちゃいなさい」
耐える表情の長門。
「情報操作、アナルバイブ」
ぅえ?
長門の手に握られたアナルバイブ。それが朝倉の剥き出しの尻に突っ込まれた。
はぁいアナルバイブ、オン。
「きゃあ?!」
そりゃ叫ぶよなあ。
「……あなたこそ先に」
ものすごく高度な情報操作で行われる、ものすごく低レベルな戦いを俺は呆然と見ていた。
いつから先にイかせるのが目的になった?
しばらく、くんずほぐれずの恐ろしい戦いが続いた。
「情報操作、浣腸」まで来たところで二人とも体力が尽きた。
実際に使われていたらどんな惨事になったことやら。ああ恐ろしい。
「これじゃ、決着がつかないわ」
床から体を起こせず肩で息をしている朝倉が言った。
「やはり、勝負は公平じゃないと」
いつから何の勝負になった?
「キョン君を多くイかせた方が勝ちってのはどう?」
ヲイ。
「同意する」
ちょっと待て、長門ー!
朝倉がゆっくりと立ち上がり後ろを向き、屈んだ。自分で尻を広げる。
「さ、して」
きれいなピンク色の肉が見えた。
目眩がした。
……
目の前に白い尻がある。
長門と朝倉の尻だ。
二人とも、部室の机に両肘を曲げて置き、上半身をかぶせるように前屈みになっている。
朝倉は微笑みを浮かべ、長門は潤んだ瞳で何かを堪えるかのような表情で俺を見つめている。
「さあ、どちらからしてくれるのかしら?」
朝倉が挑戦的な口調で腰を振る。
なんか腹立つな。
朝倉の尻は肉感的でなかなかそそる。ルックスは元々いい奴だしな。
ほどよいボリュームの尻を朝倉は挑発するように広げて見せた。
ピンクの淫裂は蛍光灯のぼんやりとした白い光に照らされ、潤った透明の雫がきらきらと光を反射する。
一方、長門は何かをこらえるかのような表情で机に体を預けている。
その顔は上気して呼吸も荒い。
いつものクールビューティはどこへやら、その様子はかなり……そそる。
スレンダーな長門は女っぽい朝倉と比べればボリューム感に乏しいが、むしろはかなげな繊細さが魅力となっている。
二人とも制服は着けたまま、下半身のみ裸。
人工の弱い明かりが照らし出す、変貌した部室に並ぶ二つの白い尻。
俺は……興奮していた。
俺は長門の尻に手をかけた。
ぴくりと体を震わせる長門。
「あら、やっぱり長門さんから?」
朝倉が笑いをこらえたような調子で声をかけてくるが、無視。
「長門、いいか?」
「……大丈夫」
長門は視線を合わせようとしない。首筋に差した赤みは羞恥か、それとも興奮か。
尻をなでながら、俺は長門を振り向かせ、キス。いきなり舌を絡めてきた。
俺はそのまま、尻の間に指を差し込む。
指先に流れ出た愛液がからみつく。内腿にまで幾筋も流れ出た愛液。
襞の中に中指を滑らせる。先端の敏感なつぼみをそっと摘む。
「んっ」
口をふさがれている長門は机の上で身をよじる。
しかし俺はやめない。
なぞるようにクリトリスを刺激したあと、そっと中指を差し込んだ。
長門が強すぎる刺激に腿を閉じる。俺は差し込んだ指ごと腕を固定されてしまう。
俺は長門の中を刺激するの続ける。
熱い。
そして狭い。
長門の中は本人の意志とは無関係に、ひくひくと俺の指を締め付ける。
指先を入り口から中を優しく掻き出すように動かす。
「あああっ!」
長門は刺激にこらえきれず、口を離した。
俺はズボンと下着を脱ぎ捨てる。
「……行くぞ」
そっと入り口にあてがう。俺は長門の小さな上半身を抱きしめ、ゆっくりと挿入。
「はっ……」
長門が背をわずかにのけぞらせ吐息をつく。
柔らかく熱い。そして予想以上にきつい締め付け。
「大丈夫か?」
長門は俺の言葉に目を閉じたままうなずく。
長門のこの姿に……俺は強い興奮を自覚する。この小さな体を文芸部の部室で犯している、という事実に。
「動くぞ」
俺は長門の尻に手を当てて、ゆっくりと腰を引く。
俺に絡みついた長門の肉が強い抵抗感と共にもりあがって引き出されてくる。
まるで獲物を逃すまいとするかのように。
ぎりぎりまで引き出し、突き込む。
「うっ……」
入れるときの内壁を擦れる感覚にぞくぞくする。俺はその快感に我慢が出来なくなる。
腰の動きが自然に速くなった。
「あっ、あっ……」
長門の声が俺の腰の動きに重なる。あっという間に限界が来た。
「すまん長門、もう限界だ」
俺は大きく中に突き込んだ。同時に射精する。
「あっ……」
長門も小さく声を出す。
強い快感が頭の中で弾ける。ひくひくと痙攣するかのように続けて俺は長門の中に注ぎ込む。
「うう」
俺も思わず声を漏らしてしまった。それぐらい快感が強かった。
ゆっくりと俺は長門から引き抜く。
長門の中から俺の放った白い粘液が流れ出し、床にしたたる。
「長門大丈夫か?」
「……平気」
潤んだ目で俺を見返す長門。背後でごほんと咳払いが一つ。わかってるよ。うるさいな。
「さ、今度はあたしよね」
あーはいはい。さっさとケツ出せ。
「なによ、ひどいわね」
俺は長門をそっと机の上に横たえると、朝倉に向き直る。
朝倉も机に上半身を預け、尻を突き出す。
その尻を俺は無造作に広げる。こいつに対する感情を抜きにすれば、間違いなく上等な尻だった。
滑らかな曲線はきれいにくびれたウエストから大きく広がり、急速に収束する。
くるりと滑らかな丸みが下へと続く。
広げた尻の間の肉の割れ目。薄茶の肛門の下に広がるピンク色。
俺はなにも言わずに指を差し込む。
きゅっと締められた。しかし中は十分に潤っている。
「もう濡れてるな」
「ええ準備完了よ。入れていいわ」
くそ、わざと素っ気なく言ったのに、効果がない。つーか、それぐらいは見透かされてるか。
もっとも股間おっ立ててたんじゃ説得力はまるでないな。
「いくぞ」
両手で大きく広げた朝倉の尻、その下の秘裂に俺は強く進入した。
「んっ」
さすがに朝倉も声を出す。ちょっと気持ちがいい。ナニはもっと気持ちいい。
強くつかんだ尻の肉を俺はこね回す。同時に腰の動きも早める。
「あっ、そんな急に」
動きを早めた俺に抗議するかのように朝倉は声を漏らす。
突き上げる俺に呼応するかのように肛門がひくひくと動く。
たまらん。
「もう少し足を広げろ」
俺は朝倉の両足を広げさせ、深く突き入れる。
「ひっ……」
その刺激に朝倉は悲鳴のような声を上げた。
おお、これは楽しい。初めてリードを取った。
俺は片手を制服の下に潜り込ませる。ブラをずり上げ、豊かなそれをもてあそぶ。
……すまん、長門。これだけはおまえよりいいかもしれん。
い、いやもちろん小さいのはそれはそれで魅力があってだな。
など、とアホなことを考えていると限界が来た。
その豊かな胸を両手でもみしだきながら俺は大きく突き込む。
「あああっ!」
朝倉は大きく声を上げて達した。同時に俺も射精する。
強い痙攣のような動きが俺を締め上げる。
俺は欲望を残さず朝倉の中に吐き出す。
鼓動のような強い射精のうねりが収まるまで俺は朝倉の中に入れたままにしていた。
「終わったぞ」
肩で息をしている朝倉に俺は声をかけた。
「もう少し余裕を持ったどうかしらね。余韻というものがあるでしょう?」
長門相手ならな。おまえ相手だと気持ちはいいが、余韻を感じる余裕はねえな。
苦笑しながら朝倉は体を起こした。態度は普通に戻っているから情報因子とやらは解除されたようだが。
「でも、まだだめね。長門さんはまだ満足していないみたいよ?」
え。
おれは机の上に横たわったままの長門を見る。
目が合った。すがるような潤んだ瞳。
……まだ満足してなかったのか?
「ほらね」
三回目だぞ、おい。
「仕方がないわね、手伝ってあげる」
そう言うと朝倉は俺の前にしゃがみ込み、まだ粘液で濡れたままの俺のナニをくわえた。
うわ、気持ちいい。
朝倉の下が俺の亀頭の周りをまさぐる。
舌で先端を刺激しつつ、玉の方に微妙な加減で指を這わす。
カリの周りに念入りに舌を這わせ、仕上げに先端を音を立てて吸い込んだ。
「っ!」
あまりの刺激に俺は思わず腰を引く。くそ、うまいなこいつ。
堪えるまもなく俺は再び準備完了となった。
「さ、今度は二人同時にね」
朝倉は机の上の長門に覆い被さった。
体を長門の両足の間に差し込む。
自分も机の上に乗って大きく長門の足を広げさせた。
谷口ランキングAAプラスの少女がAマイナーの少女の上にのしかかっている。
微妙な羞恥と不安の入り交じった瞳で長門はこちらを見ている。
朝倉は相変わらずの笑顔。あんな事がなけりゃ朝倉だって素直にいい女だと思えるんだがなあ。
朝倉は長門の股間に自分のそれをあわせるようにすりつける。二人のクリトリスがこすれあう。
「うっ……」
長門が堪えきれないような声を出し、横を向く。
すぐに粘つくような水音が発った。
「はい、どうぞ」
朝倉に促され俺は二人の後ろに近づく。
俺はどちらにも挿れず二人の間に差し込んだ。
上と下の襞に挟まれた俺の肉棒。
「あら、これもいいかも」
俺はそのまま腰を動かす。つるつるとした襞が俺を擦る。二つの突起が先端に引っかかって強い刺激を生む。
「あっ……」
朝倉はもっと刺激を得ようとするかのように、腰を押しつけてくる。
長門もこらえるような表情で目をつぶっている。
「どっちから挿れる?」
荒い息をつきながらも、からかうような朝倉の声に俺は反発を感じる。
やってやろうじゃねえか。
俺はいきなり長門の上にいる朝倉に突き挿れる。
「あ、そんないきなり……」
俺は乱暴に腰を動かす。
「いや、だめ……」
素直にしてりゃかわいいものを。朝倉の反応を見ながら俺は適当なところで引き抜いた。
「え、まだ」
朝倉の声を無視して今度は長門に挿れる。朝倉の胸をまさぐり、耳たぶをかむ。少しは気が晴れた。
「あああっ」
長門が声を上げる。長門はちゃんとイかせてやらないとな。
ゆっくりと腰を動かす。優しく長門の反応を見ながらゆっくりと。二回も出せば少しは余裕が出るってもんだ。
「朝倉、どいてくれ」
「えー」
不満顔の朝倉をどかせて俺は長門だけを抱きしめる。
「いいわね、もう」
朝倉が頬を膨らませ、長門の横に肘をついて顔をのぞき込む。
「長門、俺の背に手を回してくれ」
俺は繋がったまま長門の体を抱き上げ、パイプ椅子に座る。
膝の上で長門を抱っこ。でも挿れたまま。
「長門……」
長門は俺に体を預けてくる。肩の上から俺の首筋にかかる熱い吐息。
長門の華奢な肩、その上から俺は下をのぞき込む。
白いセーラ服の背、その下にのぞく小さな丸い尻。
俺はそれを両手でつかむ。手の中にすっぽりと収まるかわいい尻。
「いくぞ」
俺は長門の尻を上下に動かす。軽い長門の体が俺の上で揺れる。
「ああっ!」
ひときわ高く響く長門の快楽の悲鳴。
俺はあまり強くならないよう、長門の様子を見ながら動かす。
「……もっと強くてもいい」
俺の耳元でささやくような声がした。
体を起こして長門が俺をのぞき込む。
さっきからいつもは読みにくい長門の表情が肉体の刺激に支配され、はっきりと見える。
快楽におぼれた黒い瞳。
「いいのか?」
うなづく長門。
「あなたとしたい」
そう言うと長門は目を伏せ、俺にしがみついた。
自分から進んで快楽を得ようというように、長門は腰をおずおずと動かし始める。
俺は尻を優しくつかんで動かす。
持ち上げ、下から突き上げる。
「あああっ!」
もうほんの少しの刺激でも、長門は大きく反応する。
首に回された手に力がこもる。あえぎ声が俺の耳朶をダイレクトにうつ。
「いくぞ」
白い丸い尻を俺はつかんで大きく突き込んだ。
「!」
三度目の射精。強く俺を締め付ける長門の中。
痙攣するような動きに俺も脈動するように吐き出す。
長門は大きくのけぞり、腰を痙攣させたあと俺の胸に崩れ落ちてきた。
長門の肩越しに俺の両手がつかんでいる小さな尻。
つき立った俺の肉棒の周りから漏れる白い粘液。
二回の射精に小さな長門は溢れてしまった。熱い息がしがみついた長門から漏れ、俺の首筋にかかる。
腕の中にいる長門が愛しくてたまらなかった。
「はい、おめでとう。これで部屋から出られるわ」
朝倉が、笑う。
その姿はいまだセーラー服の上のみで、下半身にはなにも付けてはいない。
しかも股間から腿に流れるのはさっき俺が放出した精液。
はだけたセーラー服のリボンがいっそう背徳的だ。
なんてえ格好だ。
もっとも俺も長門に挿れたままだから人を非難するようなまねは絶対出来んがな。
「やっとお膳立てが出来たわ」
なんのことだ?
すっと朝倉の背後にドアが復元される。
「私が来た目的」
にっこりと朝倉が笑う。
寒気がした。
俺は嫌な予感を覚え、朝倉を制止しようとした。
間に合わなかった。
「遅れてごっめーん!」
どかん、とでかい音を立てて入ってきたのはわれらが団長様。
死んだ。
終わった。
「え?」
ハルヒは変貌した室内を見回す。
入り口こそ復元されたものの、今だ四方の壁はねずみ色、窓もない。
そして長門を膝の上にのせている俺をみた。
「キョン、何やって──」
ハルヒは途中で気づいた。
下半身丸出しで繋がったままの長門と俺。
床にこぼれた白い精液。
ハルヒの顔から血の気が引く。
「涼宮さん、おいたはだめよ」
すっ、とハルヒの背後に回った朝倉。
首筋に手を絡める。
振り向くハルヒ。
「え、朝倉さん?なんでここに?」
朝倉はハルヒの体を絡め取る。その動きはさながら女郎蜘蛛のようだった。
ハルヒの目がふっとかげる。
「長門さんはキョン君に抱かれたわ。とても気持ちよさそうだった」
朝倉はハルヒのあごに後ろから手を回す。耳元でささやくように話しかける。
「あなたはどうする?長門さんだけにキョン君のことを任せる?それとも……」
朝倉はハルヒのセーラー服に手をかけた。
「あなたもキョン君に抱かれてみる?」
悪魔のようなささやきだった。
「あたしがキョンと……?」
とろりとした目つきで俺と長門を見るハルヒ。
「どうかしら?」
朝倉は俺と視線を合わせるとにやりと笑った。
そうかこれがこいつの目的か。長門とセックスしている俺を見せつけ、ハルヒの感情を大きく揺さぶる。
まんまと罠にはまったな。俺ははめてるが。
「キョン……」
なにをされたのかハルヒもさっきの長門と同じように目が潤んでいる。
まずいなこれは。
「長門」
俺は肩の上の長門に呼びかけた。
ゆったりと体を起こした長門が俺を見つめた。首を振って周囲を見渡す。
朝倉に捕らえられたままのハルヒをみた。
長門は俺を雨に濡れた黒曜石のような瞳で見つめていった。
「4P?」
えー、終わりです。「尻」シリーズ最長になってしまった。
今回のポイントは
「長門の背中越しに見る小さな尻」
です
長門はちっちゃいから膝の上でハアハアというのもいいかと
次はどうしようか、思案中。
リクエストは受け付けますが、あんまり細かいとかけないのでおおざっぱにお願いします。
ネタ振りも歓迎。
ではまたあとで。
>>117 >>「4P?」
そっちかよ!
とか思いつつGJ
エローイ
>「あなたとしたい」
ここら辺で萌え死んだ
よし、エロ分が投下されたので、前スレ
>>623の続き投下します。
エロ分は他者に任せてますので、ご了承ください。
徐々にまたgdgdになってる気がしなくも無いですが、トリアーエズネタ消化していきます
尻好きですね。俺はキスも好きです。
前スレ49の続きを待ちわびつつ、くだらない超小ネタで
チマチマ埋めようと思ったら一晩経っただけでもう埋まっちゃったよ。残念。
5
朝起きると、もう長門の布団はたたまれていた。
夜寝たときと比べて寝てる位置がずれてる気がするが、長門が何かするわけ無いだろうしな。
台所に行ってみると、長門が何か作ってた。 これは… ゆで卵か。
「卵は栄養価が高い」
だが長門よ、これは軽く見積もっても2ダースはあるぞ。
「大丈夫」
一体何が大丈夫なんだ…
その後コタツ机の上に置かれたのはボウル山盛りのゆで卵と−−−なんと−−−マヨネーズだ。
長門はもぐもぐ食ってるが、俺の胃は5個の時点で一杯になった。 長門、後は任せた。
1度トイレに行って戻ってきたころには、見事にボウルだけになっていた。 さすがだ長門。
さて、このまま長門の家に居るわけにもいかないし、とりあえず学校に行くか。
「しかし、学校の休みの連絡をどうするか…」
「まかせて」
「情報操作は得意」
いつか聞いたことのあるセリフである。 俺の代わりのデコイでも出してくれるのか?
「あなたが休むという連絡をしたように貼り紙をする。」
スマン長門、それは俺が昨日やったんだ。 しかもかなり一般的にすますんだな。
「そう」
少しうつむいたように見えるが、光の加減だろう。 本当にそう見える。
「まぁ、1日くらいサボっても文句は言われないさ。 そう悩むことも無いな。」
「わかった」
そう言って長門は学校の準備を始める。 そういやずっとセーラー服だな。 まさか何着もあるとか…
学校まで2人で登校する事になる。 見えるのは一人だが。
強制ハイキングコースは相変わらずキツいが、それ以上に長門の足取りが昨日よりも遅かったと思う。
なんだかんだで遅刻ギリギリでついた俺たちは、急いで下駄箱で靴を履き替える。
「また放課後に…」
「あぁ、またな。」
そう言って二手に分かれる。 振り返ると長門はもう居なかった。 速えぇ…
俺は見えないため出席にはならないのだが、他に行くアテが無いので教室に行くことにした。
2年の教室に行って朝比奈さんの一挙一動を観察してもよかったのだが、勉強の邪魔になりそうなのでやめることにした。 俺のせいで単位を落としたらたまらん。
急いだかいもあって何とかホームルームが始まる前に侵入できた。 昨日みたいに授業が終わるまで待って1−5専属足拭きマットになるのはごめんだ。
中に入ってあたりを見渡しながら端のほうに移動する。 お、谷口がいないな。
とりあえず俺は窓側最後方… つまりハルヒの後ろに陣取った。
ハルヒは相変わらず不機嫌だったが、心なしかさびしく見えたのは気のせいか。
「え〜、みんな揃ってるか?」
お約束の言葉を話しつつ岡部が入ってきた。
「え〜、谷口は昨夜、原因不明の高熱を出して倒れたそうだ。 友達の奴はお見舞いに行ってやってくれ。」
昨日のことを感じ取ったのか。 それとも例のアレのせいか。 どちらにせよご愁傷様というやつだな。
そうこうしている内にホームルームが終わり、授業が始まった。
黒板にはサインとかコサインとか書かれているが、俺にはさっぱり分からん。 今来たわけじゃないが、誰か3行で詳しく教えてくれ。
あまりに暇なので、国木田の様子を見に行く。 うおっ、びっしり書いてあるな。 テスト前に一度見せてもらうか。
そんなふうに教室中をウロウロしているうちにチャイムが鳴った。 教師視点もなかなか面白いな。
えーっと次の授業はっと… げ、体育だ。
見れば他の男子は扉に集まってる。 やばい、俺も速く脱出せねば。
俺は見えてないわけだからそのままいても大丈夫だと気づいたのは、俺が熱暴走を起こした機関車のような速度で教室を出た後だった。
体よ追い出された俺は、仕方無しに2年の教室へと向かった。 仕方ないことは無いんだが、何でそう思ったんだろう…
特に何事も無く、2年の教室に到着。 とりあえず朝比奈さんを探すことにした。
えーっと朝比奈さんはっと… お、いたいた。
教室の真ん中ほどで、机を挟んで鶴屋さんと何か話をしている。 近づいて聞いてみるか。
初、2年の教室に侵入だったが、誰にも見られるわけが無いわけで。
「そういう訳でさぁ、うちの離れでのボヤ事件は解決ってわけさっ。」
「ふぇぇ、そんなことがあったんですかぁ…」
そんな事態をも明るく話す人だ。 この人に嫌な事なんてそう無いんじゃないか?
「で、鶴屋さん、直接の原因はなんだったんですか?」
「誰かが離れに虫眼鏡をおきっぱなだったみたいさっ。 それで畳が燃え出したらしいよっ。」
なんてベタな…
「何か原因不明だったら、ハルにゃんにも捜査してもらおうと思ってたんだけど、あっさりと原因が分かってよかったよっ。」
本当によかった。 鶴屋さんがそんな話を持ってきたら、ハルヒはスルメに向かうザリガニのごとく激しく反応するだろうし、しばらく俺のことなんて忘れるかも知れん。
たとえ元に戻ったとしても、その後ハルヒに振り回されるのがオチだ。
そこで授業開始を告げるチャイムが鳴り、鶴屋さんは慌てて自分の席に戻る。
出るタイミングを逃した俺は、授業終了までここに居ることにした。
授業の内容は… もういうまでもないな。 分からん…
一年の勉強でもチンプンカンプンな俺が、2年の勉強なんて分かるわけが無い。
俺は頭が焼きつきを起こす前に、黒板から目をそらした。
朝比奈さんはというと、一生懸命丸っこい字でノートを取ってらっしゃる。 勉強している姿もいいですな…
それをみていた俺は、ちょっとイタズラしてみたくなった。
朝比奈さんの頬をつついてみる。
「ひあぁっ」
クラスの全員が朝比奈さんの方を向いた。 授業中にいきなり奇声を出せばそうなるであろう一例である。 鶴屋さんは必死に笑いをこらえていた。
朝比奈さんは、顔をあのときの夕日(っていつのだ)のように真っ赤にしてあたりを見渡した。
こりゃ気づかれたかな…
これ以上何かすると、部室で何を言われるか分かったもんじゃない。 下手するとお茶も無しになるぞ。
そう思った俺は、教室の隅で座敷わらしになることにした。 そして俺は、授業終了まで考えるのをやめた…
続く
とりあえずこんな感じです。
ネタを散りばめながら、ストーリーを整え、gdgd感を感じる。
う〜ん・・・
長門で痛いの属性いきます 全10発
この炎天下の中、毎度の不思議探しは今日も絶賛続行中だ。
俺の耐熱性能を試すような太陽は心なしかクスクス笑っているようにも見える。
畜生、とっとと地平線のマットに沈みやがれ。
「まあまあ、今日は珍しい組み合わせですし気分転換にいいじゃないですか」
と涼しげな古泉の声だが、こいつの声は妙に体内温度の上昇を煽る。
黙ってろ、と言わんばかりの俺のオーラを察知したのか大げさに肩をすくめやがった。
隣を歩く長門は相変わらず無表情でそんなやり取りを眺めているように見えた。
「確率を調整している」
俺の視線に気づいたのかぽつりと長門が漏らす。
「この組み合わせは意図的に回避している、今日は例外」
古泉はやっぱりそうでしたか、と水を得た魚のように、
「朝比奈みくるではいざという時の対処に問題がある、違いますか?」
「違わない」
あれやこれやと長門と話を始めた。
二人のやりとりを聞いている限り、こいつらは結構波長が合うんじゃなかろうかと思う。
もし朝倉のような急進派宇宙人やら機関の過激派やらがハルヒに”アプローチ”した際、
長門か古泉(というより機関だな)ができるだけ側にいるべきだろう、ということらしい。
朝比奈さんには聞かせられん内容だが納得できる話ではある。
しかしそうすると今日は例外、というのはどういうことなんだ。
「おい長門、例外ってのは何なんだ」
「話しておきたい事がある」
それで一路マンションへと歩いていたのか。
ひとりごちていると古泉が横槍を入れてくる。
「これは僕も呼んで頂けた、と考えていいのでしょうか」
「そう」
即答で肯定した長門の言葉にあからさまにワクワクし始める古泉。
いい歳こいて童心を振りまくな。
このへん丸々いらない描写だよね
そろそろマンションも見えてくるな、というところで事件の幕は開ける。
──ばちん!
目の前に風を感じた、と思ったら視界の下のほう、アスファルト上に火花が散っていた。
無意識に仰け反っていたらしい、体勢を戻そうとして肩を掴む古泉の手に気がついた。
いやこいつが引っ張ったのか。
「おい、何す──」
古泉の手がさらに強く俺の肩を引き、足は長門のソバットで掬われる。
当然良い勢いで地面に転がされ、その際一瞬だけ見えた光景に唖然とした。
倒れる瞬間の映像、青空とそこに見える黒くて長細いもの。
記憶上で何度もコマ送りしてみるがその物体は1コマしか映っていない。
高速で飛んでいるらしい。
アスファルトにぶつかって火花を散らしたようだ。
それって堅いんじゃないのか。
しかも尖ってるっぽいし。
下腹から心臓のあたりに冷えた圧迫感が駆け巡る。肝を冷やすとはこのことか。
「て、鉄砲!?」
一瞬の事のように思えたが俺はずいぶん長いこと動けないでいたらしい。
気が付くと長門はかなり離れた場所にいて、古泉は険しい顔で辺りを睨んでいる。
一体何なんだこれは。
さっぱり理解不能だ。通行人が立ち止まってハテナ顔をしているのも頷ける。
「狙いは長門さんのようです」
待て古泉、それはどういうことだ。
おい説明しろ、無理やり抱き起こすな、俺は自分で立てる手を離せ。
ぎん、と高い音とを立てて目の前のガードレールに穴が空く。
おおおおおお前いま長門狙ってるっててて言わなかったかおい。
どこか隠れる場所は無いのか!
右左と高速で確認すると森さんが右に、古泉が左にいて二人とも俺の腕を抱えている。
なんで森さんがここに。お久しぶりです。
この状況を誰か説明しやがれこんちくしょう、と叫ぶ間もなく。
俺は目の前に停車した車の後部座席にぶちこまれた。
「涼宮さんの確保を」
ハルヒが朝比奈さんと歩いているはずの駅西側へと車は爆走する。
運転は森さんだ。
車中にてやっと少し落ち着いた俺は古泉の(推測交じりの)説明を聞いた。
どうやら敵対的で過激な何者かの襲撃を受けてしまったようだ。
降り注ぐライフルの雨の中なんとか森さんの到着まで持ち堪えた。
長門がかなり頑張って防御してくれていたらしい。
「どうやら狙いは長門さんのようです」
俺を狙ってる弾もあったぞ。
「おそらく貴方を狙う事で長門さんを牽制していた、と考えています」
長門が攻勢に出ようとする度俺を狙い、防御させていたらしい。
「TFEI端末との戦い方を知っている者の犯行には間違いありません」
古泉曰くTFEI端末、つまり宇宙人が本気を出すと地球上全域を即時攻撃できるらしい。
まともに戦うと勝ち目は無いため攻撃よりも防御を優先させるように仕向ける。
この場合は俺を狙う事で攻撃より守る事の優先順位を引き上げた、ということか。
自分のお荷物さ加減に落ち込みそうになっていたその時。
「ハルヒさんを見つけました」
森さんの声とあわせるように、全く脈絡無く俺の体が物理的に沈んだ。
俺ってこんな落ち込んでいたのか。
いや違う。
「──さんッ!!」
おお古泉、俺を本名で呼んでくれるのか。
車床に引きずり込まれる俺に手を伸ばしているが届かない。
超能力でもっと手を伸ばせ、使えない奴だ。
さすがに見慣れた、という程悟りを開いてはいないが多少は慣れた。
あの感覚の行き着く先と言えば兎に角まともな場所だった試しが無い。
今もそうだ。周りを見渡せども幾何学模様の壁ばかり。
床も複雑な模様が蠢いていて、ともすれば平行感覚すら怪しくなってくる。
先程までの車内の様子はもちろん、町並みも何もありはしない。
ただそこには──
「あーあ、最後の力だったのに。この子何考えてるんだろ?」
やけにフランクな長門がいた。
制服、カーディガン、小柄で華奢な体型。どれを取っても長門だ。眼鏡もかけていない。
しかし表情が違う。愉悦の顔なんぞあいつは浮かべたりしない。
話し方も違う。ぶっきらぼうにも取られがちだが不快感を与えたりしない。
「クエリ使い切ってまで引っ張ってきたのがただの人間って、判断バグってるんじゃない?」
どす、と無造作に足元の何かを蹴り飛ばす。
人の形をした何かがごろりと転がった。
「長門!」
俺の視力が落ちてなければ、それはいつも知っているほうの長門だ。
あちこちに銃で撃たれた傷がありべっとりと血がついている。
湧き上がった自分の殺意に眩暈を覚える。
「てめぇ、何を……」
何をしてやがる。何者だ。
人生2度目の金縛りのせいで最後まで言えなかった。
と同時に大体の事情がわかった気がしてくる。
長門とそっくりなのは理由がわからないが、宇宙人なのは間違いない。
「ま、早い話が当番交代ってやつ?」
うつ伏せに倒れる長門の頭を踏みにじりながら偽長門が講釈を垂れる。
てめぇぶっ殺すぞ! と気迫だけは溢れる俺だがどうしても体は動かない。
動けよヘタレ俺!
「人間なんて70万時間で腐っちゃうのにこの子ったら遊んでばっかり」
偽長門が長門の髪を掴んで引きずり起こす。
「しかも身内殺しの犯罪者。お目付け役が居たんじゃ煩くて遊べないから
3年も尽くしてくれた自分のバックアップを殺しちゃったんだよ? 悪い子でしょ」
偽長門は俺を見てにやりと笑う。
「貴方を殺せばこの子も一寸は反省してくれるかな?」
ぎょっとした。朝倉と同じパターンかよ!
逃げないと、と動かない体で危機感だけが空ぶる。
「と思ってたんだけどね」
にやにや笑いがさらに陰湿さを帯びる。やめろ、長門の顔でそんな笑い方をするな。
「貴方を殺すと涼宮ハルヒがどう動くがわかんないしねぇ」
私あの子みたいに無謀じゃないもん、と小さく付け加える。
くそ、おい長門、なんで動かないんだよ。
そんな撃たれた程度でくたばるようなお前じゃないだろ。
飛び起きてこの偽者をぶん殴れ、いや動けるようにさえしてくれりゃ俺が殴る!
「ギャラリーがいるっていうのも悪くないわねぇ」
引きずり起こした長門を偽長門が膝立ちになって後ろから抱え、服の前を引き裂いて脱がせていく。
「ねね、この子とHした? 可愛いからレイプしちゃった?」
してねぇよくそ野郎!
「黙ってるって事は図星なのかなー」
お前が黙らせてるんだろうが。殺意は山ほど降り積もるがそれでも呪縛は解けない。
アニメみたく強い精神力で打ち破れたりしないのかよ、この金縛りは。
裂かれた制服からあらわになった長門の肢体には銃痕が痛々しく咲いている。
長門が気を失っているのを良い事に、わざわざ俺に向けて足を開かせゆっくり下着を剥いでいく。
見ちゃいかん、とは思うのだがぴったり閉じたスリットに目線は釘付けになる。
「せっかく可愛く作ってあるんだし、すぐ分解しちゃもったいないでしょ」
スリットを指でなぞりながら首筋に舌を這わせる。
ぴくり、と長門が動いた。
やっと起きたか、と期待したのだが。
「目を覚まそうと頑張ってるみたい、かわいいと思わない?」
でも無理なんだよね、と偽長門は言葉を繋ぐ。
「フリーズさせるのに苦労したんだもん。まだまだ眠っててもらわないと」
ぐにっと広げられたスリットは空間の幾何学模様が発する光を少し反射していた。
その深い部分に細い人差し指がそっと差し入れられる。
「やっぱりもっと濡らさないと指一本でもキッツいね」
ぐぐっと根元まで指が納まろうとした時、長門の苦悶の顔を始めて目撃してしまった。
全身を串刺しにされても平然としていた奴なのに。
「あっはっは。やっぱりフリーズしてるとモロに顔に出ちゃうのね。
普段のやせ我慢っぷりはすごいからねぇ」
そのセリフに愕然となる俺。
目の前で長門が串刺しになっているあの光景がフラッシュバックした。
そうだよな、やっぱり痛いよなアレは。
「うーん、なかなか濡れてこないなぁ」
面倒になってきたのか偽長門の手つきがだんだんと粗くなってくる。
膣内の指が暴れる痛みに、長門はじっと耐えているようにも見えた。
「面倒くさい」
ぽつりとそう呟くと容赦なく中指も突き入れ膣内をかき乱す。
「ぃ、ああっ!」
びくん、と仰け反った長門の股間から血が噴き偽長門の腕を伝った。
痛みに収縮した肺の押し出した空気が悲鳴になって漏れ出る。
激しく痙攣する長門の体を体重をかけて押さえ込み、指を曲げてさらに膣内を責め立てる。
ぐちぐちと嫌な音が響き血が泡だって飛び散り偽長門の服に赤い水玉ができていく。
こいつ、まさか中で爪を立てて……!
「ああ、痛がるこのレアな表情がたまらないわっ」
泡を吹く長門の口元を恍惚とした顔で舐め取る。
「死ぬ前にロストバージンできてよかったね。あっちの男の子じゃ期待できそうにないしね」
どういう意味だそれは。
「ついでに2穴責めも体験させてあげる。幸せに昇天してね」
そういって空いていた左手をもう一つの穴へと向かわせ──
やめろド畜生!
と叫んでやりたかったが、やっぱりどうにもできないんだよ。
今数トンのトラックが俺の上に乗っかっていても跳ね除けて長門に駆け寄る自信がある。
しかし指一本動かせない。この呪縛は力の問題では無いんだろう。
「こっちは濡れ濡れだもん、簡単に入るよね」
そう言って偽長門は胸の銃痕に左手の中指を突き込んだ。
「……!!」
全身がかくりと一度大きく痙攣し固まる長門、大きく開いた口からは悲鳴すら漏れない。
いや悲鳴の代わりに、一瞬遅れてゴボゴボという音と鮮血が溢れた。
「ねね、イキそう? イキそうなんでしょ?」
こいつは完全に狂ってる。朝倉みたいに目的意識の結果という感じではない気がする。
子供が玩具を見る目で、胸に突き立てた指を一本、また一本と増やしていく。
盛大に噴く鮮血とどす黒い動脈の血が俺の足元まで飛び散ってきた。
偽長門は右手を膣から胸に移すと、傷痕をこじ開けるように力を混める。
肉の断裂する音、皮膚の避ける音。そしてごきり、という鈍い音。
「ね、見てよこれ、こんだけ体が細いと肋骨もすごく細いでしょ!
でも圧縮テクタイト並に堅いんだよ、これと比べたらダイヤモンドもお豆腐だもん」
赤い線のまとわりついた白くて細いものをぷらぷらと見せびらかす。
そんなものを折ったのか、おまえすごい怪力だな。
違う。
じゃあ長門はどうやっても骨折はしそうに無いな、安心したよ。
違う。
テクタイトって何?
違う。
思考が空回りしている。目の前の光景を理解できていない。
しっかりしろ俺。まだ致命傷じゃないはずだ、今のうちに自分にできることを考え直せ。
長門を助けるにはどうすればいい、どうすれば。
ハルヒの変態パワーの0.001%でもいい、あんな特殊能力が俺にもあれば。
「あんまり遊びすぎてひょっこり起きちゃうと面倒だし、そろそろ分解しちゃおうかな。
あの男の子も情報化して一緒に送信してあげるから安心してね。
私ってばまさに恋のキューピッドよねぇ」
くそ、ハルヒ! 団員が危機なんだぞ、団長様だろうが! 助けにこいよ!
<<そのまま涼宮さんへのイメージを固定して下さい>>
顔が違いなんてレベルじゃない。
網膜に顔、鼓膜に声。古泉、ちょっと離れろ。
<<涼宮さんにもう一度呼びかけて>>
幻聴かもしれないが、この不快感は間違いなく古泉の声と顔だ。
ならばやってみる価値あるのかもしれない。
やってやるから離れろ。
息を吸い込む。どうせ金縛りで声なんて出ないさ。
それでもいい。聞け。聞こえろ。いや聞き取れ。
「 ハ ル ヒ ! 」
声が。
出た。
突如空間の一部に巨大な裂け目ができる。
模様で掴み取れなかったが、裂け目のおかげで壁の高さが数百キロあったことが解かった。
「マジで!? 強制アクセスなんて不可能なはずよ!」
驚いた顔で、すぐさま長門を投げ出して身構える偽長門。
この空間に誰かが裂け目を作って侵入してくるなんざ予想外だったんだろう。
裂け目の奥で赤い光がぎらりと光る。
<<TFEI端末と戦えるなんて光栄ですよ>>
空間に響く古泉の声を尻目に俺は長門に駆け寄る。
痛々しいその体を抱き起こそうとした時、頬に強い風を感じた。
偽長門のほうを見ると、朝倉が武器にしていたような白い槍状のものが生み出されている。
その数は尋常ではない。強い風を伴いながら視界を埋め尽くす程、数千本が次々と出現した。
「あと一言だけ格好つけさせてあげるよ、イケメン特異体さん」
<<ありがとうございます>>
まさに古泉の一言が途切れた瞬間、その数千本の槍が空間の裂け目に飛び込んだ。
どむ、と重い破裂音がして空気が震える。可聴域を越えた爆音がびりびりと鼓膜を振るわせる。
刹那、首から下を分解された偽長門の生首がごろりと転がった。
空間の裂け目とは全く無関係な場所から飛び出してきた火の玉古泉の体当たり。
それが見事なまでに直撃した。
そんなバカな、という形に生首の唇が動く。そこだけはお前に同意してやってもいい。
間髪いれずの2度目の火の玉特攻で偽長門は光の塵となった。
暑い。
気が付くと全身汗だくで俺はビルとビルの間、路地裏に寝込んでいた。
これじゃ浮浪者じゃないか。
さっきまでのあの状況はどうなったんだ。
早く長門を起こして再構成とやらをさせてやらないと死んじまうぞ。
「もうへいき」
「おわっ」
いきなり近い所から声がかかって息が止まりそうになる。
寝転がった俺を膝立ちになった長門が覗き込んでいた。
「ちょっとキョンを見つけたってどこなのよ!」
「キョンくーん!」
遠くからハルヒと朝比奈さんの声が近づいてきた。
路地から大通りのほうを見ると古泉と森さんが手を振っている。
「こちらですよー!」
森さんはハルヒ達に。
古泉は俺達に。キモい。
「もう、自分の住んでる街で迷子なんて信じられないわ!
成績が悪いのは知ってたけどアホとバカは違うんだからねっ!!
こんど団長及び団員に迷惑やら心配をかけたら死刑よ死刑!」
事情がよくわからんままハルヒにこっ酷く怒られてしまった。
「キョンくん、私の家に地図があるから今度部室に置いておきますね」
ああ朝比奈さん、貴方の気遣いが今日は恨めしく思えます。
「童心に返るのも結構ですが迷子には注意してくださいね」
てめぇ古泉、今回はなんとなく命の恩人っぽい気もするがやはり許せん。
「説明しろ」
翌日。部室に俺の不機嫌な声が響く。
タイミング良くハルヒも朝比奈さんも掃除当番だ。長門の仕業で間違いない。
「過激派の一派が私と同じ形態の端末を作成、監視役の交代を図ったのが原因」
街中でわざわざ狙撃なんてややこしい手段を採ったのは、ひとえに長門を封じるためだったらしい。
「一般の人には知覚できないように環境情報を操作しないといけません。
騒ぎにでもなれば涼宮さんが放っておきませんからね、非常に面倒になります。
そのため我々を守りながら周囲を操作し……」
手振りで長門に話を振る。
「狙撃自体に攻撃的な意味は無い。私の処理分散が目的。
攻撃の主体はあの最中、攻勢情報として直接行使されていた」
その後よくわからん二人の説明が延々と続いて、最後のほうのまとめでやっと理解に至った。
「つまりかく乱した後、その隙を突いた強力な攻撃で長門さんを停止させてしまった訳です」
そして停止する瞬間、俺を探し出して空間に引きずり込んだという事か。
なんで俺だったんだとは聞かないでおこう。
たぶん一番近かった、とか何かだろうからな。
「いや、あの時は焦りましたよ。
ちょうどハルヒさんを見つけた所だったのが救いでした」
「なんでハルヒを見つけると救われるんだ。あのハルヒを呼べってのは何だったんだ」
長門がすこし複雑な顔をして説明を始める。
いや、いつもの無表情にも見える、気のせいか。
「古泉一樹は涼宮ハルヒに貴方が迷子になったと伝えた。
その結果貴方を探そうとする強力な意思が働き、彼女の無意識が空間を繋いだ」
「ただハルヒさんとしては『あっちにいるかもしれない』という程度の認識でしょうから。
貴方を閉じ込めた空間を見つけながらも、自信が無いため扉を開くには至りませんでした」
しかし、と古泉が大仰な手振りをする。
「貴方が涼宮さんを呼べば彼女のなんとなく、という気持ちが確信に変わる。
そう思ったんですよ、根拠も何もありませんがね」
「涼宮ハルヒに論的、物理的、情報的、他一切の根拠は通用しない」
その結果空間は繋がり、入り口以外の所から華麗に奇襲した古泉の作戦勝ちで勝利となったらしい。
そうだよ、あの裂け目が唯一繋がった入り口じゃなかったのか。
「空間に置いて入り口出口というのは概念的なものでしか無いんですよ」
さっぱりわからん。というよりはぐらかしてないか?
ただ──長門がちょっと驚いたような表情をしていたように見えた。
TFEI端末に勝ったのがよほど嬉しかったんだろう。
古泉特有の笑顔な鉄火面の下からは嬉しさがにじみ出てるのがよく判ったし、
実際数日たった今でも上機嫌のように思える。
そんなだから、余計に長門の元気が、あれから無いような気がしてならない。
気にするな、俺は何とも思っちゃいないさ。
今頑張って忘れている真っ最中だし、何なら記憶を消してくれても構わない。
あんな姿を見られちゃそりゃ落ち込むのもわかる。
「違う」
視界の端で古泉がやれやれ、と首を振っているのが見えた。
何か言いたいことでもあるのかお前は。
幾ばくかの沈黙の後、長門は視線を本に向けたままで答えた。
「あのとき、私の名前も呼んで欲しかった」
「僕もお願いしたかったですね」
ナイスフォローかもしれんが軽く殺意を覚える。
〜終〜
「そういえば俺はなんであの時声を出せたんだ?」
「愛の力、ですよ」
埋めて欲しい山か沈めて欲しい湾の名を揚げろ。
〜おわり〜
電波受信したらこんなんでました
集え流血属性!流血テラモエス!!!11!!
電波なら仕方ない。痛いけど。
気を紛らわしてもらう為に穴埋め用に思い付いたものを。
「キョン、遅いわよ! 掃除当番くらい光の速さで済ませてきなさい!」
「・・・・・・・・・・・・」
「何固まってるのよ。変なキョン。ほら、さっさと座って。
明日の大事なパトロールの計画を練るんだから」
さて、ここまでで俺が固まってしまうような変な事はあっただろうか。
文字だけならいつもと何ら変わりないのだが、一つ大きな間違いがある。
「あ、ああ。すまん。長門」
「? いつもは名前で呼ぶくせに。変なの」
お分かりいただけただろうか。
家電メーカーの懸賞にある露骨な間違い探しを見せられたような気分になりつつ
部室を見回してみたところ、朝比奈さんは叱られた子犬のような顔で座っていて
古泉も例のイケメンスマイルが激しく引きつっている。
では隅のパイプ椅子には誰がいるかというと、その通りあいつがいた。
あのハレっぷりと真逆の姿はかなり違和感があるが、これはこれで良いかもしれん。
だが惜しい、読んでいるのが漫画でさえなければ。
そういうことじゃない。今日は一日中何事もなくハルヒは俺の後ろで嫌なオーラを
発散していたはずなのに、何で俺が掃除してここに来る間にこうなっちまったんだ?
あと、そもそもの理由は何だ? 誰の意思だ? 長門か、ハルヒか、それ以外か?
「それが僕にも全く分からないんですよ。当然の事ですが、機関も同様です」
ううむ、他に頼れるのは・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・」
お手上げだ。
「キョンくんひどいです! わたしだって好きで役立たずなわけじゃ・・・・・・」
そういう訳じゃなかったんですが。すみません。
「何コソコソ話してるの? いい、明日こそ絶対不思議を見つけるんだから!
夜になったらUFOを探すわよ。宇宙人よ! ロズウェルよ! エリア51よ!」
なあ、俺は一体どこから突っ込めばいいんだ?
以下はだいぶ前に黒みくるネタを書いてた人からインスパイヤ。
翌日。
「おっそーい! このバカキョン! 今日も奢り決定ね!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
今日は朝比奈さんがハルヒになっていた。
「キョンくん、ごめんね」
もしや、俺はこのウィンク娘の苗字をさん付けで呼ばねばならんのか?
これはまた随分性質の悪い話だ。責任者出て来い。
143 :
浜谷太一 ◆yl1SBmcic. :2006/06/24(土) 01:22:23 ID:D298T18U
>>142 なあ、俺は一体どこから突っ込めばいいんだ?
エロ無しTS物投下します。NGワードはメ欄にTSです。
タイトルは『涼宮ハルヒの転換』で。
その日、朝からハルヒは不機嫌だった。
まあ、こいつが不機嫌なのはろくでもないことを考える前兆であり、仮に上機嫌だったとしたら、ろくでもな
いことを考えついた時なのだ。俺としては、自分の負担が軽くなるように祈っておくしかないわけである。
自分に負担がかからないように、と祈る気は無い。こいつがなんかしでかして、俺が無関係であることなんて
ないからな。
これは覚悟なんてかっこいいもんじゃなく、ただのあきらめである。
そう思いながら、俺はその日の授業を受け続けていた。ハルヒの不機嫌オーラで背中を焼かれながらな。
「今日はあたし、このまんま帰るから。皆に言っといて」
そしてHRが終わると同時に、ハルヒは俺にこう言ったのであった。そう話すのも面倒なような、けだるい表
情でな。
だからな、俺は社交辞令として、こう言った。あくまで社交辞令としてな。
「伝えとくけど……体調でも悪いのか?」
体調が悪そうな奴に対して、上記の質問をするのは当たり前のことだろう。統計学的に十分信頼できる結果が
得られるであろう、二千人にアンケート取ったって、そう言うに違いない。
だが、それを聞いたハルヒは顔を真っ赤にし、
「っ変態!!」
と、激昂しやがった。教室どころか廊下や他のクラスまでに響き渡る、でかい声でな。 ハルヒのこの反応で
、俺は事情を察した。保健の授業で習った程度の知識しかないが、これくらいは予想がつく。
だけどな、俺が体調を聞いたのは、他意も何も無い、そのまんまの意味でだ。この季節、風邪とかなんとか、
体調崩す理由はいくらでもあるだろうが。
いくらなんでも被害妄想がすぎるぜ、涼宮さんよ。ほら、おまえが騒ぐせいで周りの女子までもが、俺を親の
仇のような表情で睨んでるしな。
なんて冤罪。司法制度の腐敗、ここに極まれりだ。
「ったく!! あんたってホント、デリカシーってもんに欠けてるわよね!!」
確かに俺は欠けてるかもしれんがな、初めっから持ち合わせてない奴に言われたか無い。
デリカシーとやらをプレアデス星団辺りにぶん投げて生まれてきた女が、言う。
「ったく、女ってほんと不便だわ。あんた、野球部の連中が春の選抜に出られないって知ってる?」
それは知らん。っていうか、そもそも何の話題にも上がっていない時点で、改めて確認しようとも思っていな
かった。
おおかたこいつのことだから、たまたまニュースで春の選抜が取り上げられてたの見たんだろう。で、今日に
なって今更、野球部が選抜に出られないと知ったわけだ。そんなも、秋の地方大会で誰も知らないうちに一回戦
負けしてた時点で決定していたというのに。
「歯がゆいわね。このあたしが助っ人外人として参戦すれば、甲子園の土なんて踏み放題だってのに。高野山っ
て連中は何考えてるのかしらね、女は出れないらしいわよ」
とりあえず二つほど間違いがあるのは無視するとして、だ。こいつが不機嫌なのは、体調が悪いというだけで
は無いらしい。
元々甲子園なんざ大して興味が無いくせに、体調の悪い時、いや日に聞いてしまったもんだから、相乗効果で
不機嫌になってるんだろう。
そんな宇宙一扱いにくい女は、ため息をついてこう言った。
「は〜〜〜ほんと。女なんてつくづく損だわ。男に生まれりゃよかったわよ」
そりゃいいな。おまえが男だったら、遠慮なく殴れるだろうしな。ごくまれに見せる意外な一面に、俺が心掻
き乱される心配もないわけだ。
そんな感想を思い浮かべながら、俺は不機嫌な表情のまま帰るハルヒを見送った。
その後は、部室で朝比奈さんのお茶をいただき、古泉の陣地を陥落させ、長門の本を閉じる音で解散、という
いつも通りのSOS団特有の実のない活動を送る。
さっさと家に帰った俺は、メシ食ってテレビ見て風呂入って寝た。
これからは懐かしい日々となる、『いつもの日常』に感謝することも無く。
149 :
147:2006/06/24(土) 01:38:44 ID:96AtaRje
ごめん、なんか改行が変だ。
一回修正しなおしてきます。
その日、朝からハルヒは不機嫌だった。
まあ、こいつが不機嫌なのはろくでもないことを考える前兆であり、仮に上機嫌だったとしたら、ろくでもないことを考えついた時なのだ。俺としては、自分の負担が軽くなるように祈っておくしかないわけである。
自分に負担がかからないように、と祈る気は無い。こいつがなんかしでかして、俺が無関係であることなんてないからな。
これは覚悟なんてかっこいいもんじゃなく、ただのあきらめである。
そう思いながら、俺はその日の授業を受け続けていた。ハルヒの不機嫌オーラで背中を焼かれながらな。
「今日はあたし、このまんま帰るから。皆に言っといて」
そしてHRが終わると同時に、ハルヒは俺にこう言ったのであった。そう話すのも面倒なような、けだるい表情でな。
だからな、俺は社交辞令として、こう言った。あくまで社交辞令としてな。
「伝えとくけど……体調でも悪いのか?」
体調が悪そうな奴に対して、上記の質問をするのは当たり前のことだろう。統計学的に十分信頼できる結果が得られるであろう、二千人にアンケート取ったって、そう言うに違いない。
だが、それを聞いたハルヒは顔を真っ赤にし、
「っ変態!!」
と、激昂しやがった。教室どころか廊下や他のクラスまでに響き渡る、でかい声でな。 ハルヒのこの反応で、俺は事情を察した。保健の授業で習った程度の知識しかないが、これくらいは予想がつく。
だけどな、俺が体調を聞いたのは、他意も何も無い、そのまんまの意味でだ。この季節、風邪とかなんとか、体調崩す理由はいくらでもあるだろうが。
いくらなんでも被害妄想がすぎるぜ、涼宮さんよ。ほら、おまえが騒ぐせいで周りの女子までもが、俺を親の仇のような表情で睨んでるしな。
なんて冤罪。司法制度の腐敗、ここに極まれりだ。
「ったく!! あんたってホント、デリカシーってもんに欠けてるわよね!!」
確かに俺は欠けてるかもしれんがな、初めっから持ち合わせてない奴に言われたか無い。
デリカシーとやらをプレアデス星団辺りにぶん投げて生まれてきた女が、言う。
「ったく、女ってほんと不便だわ。あんた、野球部の連中が春の選抜に出られないって知ってる?」
それは知らん。っていうか、そもそも何の話題にも上がっていない時点で、改めて確認しようとも思っていなかった。
おおかたこいつのことだから、たまたまニュースで春の選抜が取り上げられてたの見たんだろう。で、今日になって今更、野球部が選抜に出られないと知ったわけだ。そんなも、秋の地方大会で誰も知らないうちに一回戦負けしてた時点で決定していたというのに。
「歯がゆいわね。このあたしが助っ人外人として参戦すれば、甲子園の土なんて踏み放題だってのに。高野山って連中は何考えてるのかしらね、女は出れないらしいわよ」
とりあえず二つほど間違いがあるのは無視するとして、だ。こいつが不機嫌なのは、体調が悪いというだけでは無いらしい。
元々甲子園なんざ大して興味が無いくせに、体調の悪い時、いや日に聞いてしまったもんだから、相乗効果で不機嫌になってるんだろう。
そんな宇宙一扱いにくい女は、ため息をついてこう言った。
「は〜〜〜ほんと。女なんてつくづく損だわ。男に生まれりゃよかったわよ」
そりゃいいな。おまえが男だったら、遠慮なく殴れるだろうしな。ごくまれに見せる意外な一面に、俺が心掻き乱される心配もないわけだ。
そんな感想を思い浮かべながら、俺は不機嫌な表情のまま帰るハルヒを見送った。
その後は、部室で朝比奈さんのお茶をいただき、古泉の陣地を陥落させ、長門の本を閉じる音で解散、といういつも通りのSOS団特有の実のない活動を送る。
さっさと家に帰った俺は、メシ食ってテレビ見て風呂入って寝た。
これからは懐かしい日々となる、『いつもの日常』に感謝することも無く。
その日の朝、俺は不快な感触で目を覚ました。
俺の顔の上に、何かがある。時々、寝床に潜り込んだシャミセンが居ることもあるが、あいつみたいにふかふかした感触ではない。
細く、長い物が何本か、顔にかかっている。鼻先や頬にまとわりつくそれが、不愉快なことこの上ない。
俺は寝惚けたまま、そいつを掴み、引っ張った。
「あだっ!?」
俺の頭に、激痛が走る。ハルヒ関係のストレスによる偏頭痛には慣れているが、これは全く違う痛みだった。
頭の内部ではなく、表面からの痛み。そう、まるで髪の毛を引っ張られたような―――――っと。
『まるで』ではない。俺の顔の上にかかっている黒い物は、確かに俺の頭から生えている。紛う事無き、髪の毛だ。問題があるとすれば、俺の髪はそこまで長くないってことなんだが。
ベッドから体を起こすと、とりあえず眼前に垂れ下がるうっとおしい連中を手で払いのけ、頭の後ろに流した。手で髪の束を掴んで確認してみるが、こりゃ随分長いな、腰くらいまでありそうだ。ちょうどあの時のあいつくらいだな、と思った。
さて、俺の頭に何が起こったのやら。
1.何者かが、俺の睡眠中に植毛を施した。
2.夕飯に出たワカメの味噌汁による育毛効果。
3.どっかのアホのせい
現実的に可能だと思われる順に並べてみたわけだが。俺としては、一番非現実であると思われる、3番を選ぶしかないわけだ。
4.長門の暴走、といった選択肢もないわけではないが、俺の髪の毛増やすってどんなエラーだよ、と思う。
今度はなに考えてんだ、あのアホハルヒめ。俺は、封印しておきたかったはずの言葉を吐くことになった。
「やれやれ……?」
いつもの口癖を吐いた瞬間、気がついた。
「なんだ、この声」
確認するために、敢えて声を出してみる。俺の口から聞こえるのは、俺の声では無かった。
もっと高いっていうか、軽いっていうか……簡単に言えば、女の声だった。
(髪が長くなって、声が女っぽくなった……!?)
ある可能性に気がつき、掌を見る。SOS団の力仕事担当、にされている俺の掌は、ガサガサだしボロボロだ。だが昨日、寝る前の俺の手に比べ、細く、華奢になっていることに気がつく。
俺はその手を、自分の胸元へと滑らせた。そこには、大してでかくも無いが、俺には決して無いはずの膨らみがありやがった。
ふにふに、と指先で形を変えるそいつの感触に心奪われながらも、俺は必死で考えていた。納得できる理屈………っていうか現実逃避だな。
落ち着けよ、俺。胸のこいつが別にアレだって決まったわけじゃないだろうが。たとえば中学の時の同級生だった、ぽっちゃり系の伊集院君なんてもっとでかかっただろ。俺もよく揉んでやったもんだ。
こんな時しか思い出さない中学時代の旧友によって、俺は心の落ち着きを取り戻す。そうそう、昨晩は寝る前にピザポテトなんて食ったもんだから、そいつのせいで部分的な激太りになったのかもしれん。一晩で。
そう、自分を納得、いや騙し通した瞬間、あることに気がついた。
毎朝起きたら、自己主張してる奴。そう、ウチのバカ息子だよ。
なんか、今日はそいつが随分おとなしいんだ。いや、もしかしてさ、これって。
俺は死地へ赴く特攻隊の心境で、パジャマのズボンを、それに重ねてパンツのゴムを掴んだ。英霊を侮辱する気は無いのだが、既に俺はそれくらいの覚悟をしていたということを、わかってほしい。
さて、俺を生んでくれた両親とエンジェル朝比奈さんにありがとうといいつつ、パンツの中を覗き込んだ。このパンツが、どうみても男物じゃなかった時点でわかってたんだけどさ。
マイサンは家出中でした。
俺はようやく理解した。いや、あきらめた。
俺の体は、女になっていた。理由はともかく、原因だけははっきりしてるけどな。
おかげさまで、絶叫したり気絶したりってことはなかったのだが―――――
「キョンくーん、あっさだよー!!」
「!?」
聞きなれた妹の声で、心臓止まりかけた。
まずい、朝起きたら兄貴が姉貴になってたら、大事件だろ。いっそ、他人のフリするか? 『はじめまして、キョン君の恋人です』って……絶対いやだ、文字通りの自作自演じゃねえかよ。
そんな俺の葛藤を無視して、妹はドアを開けて部屋に入ってきた。動揺してた俺は布団を被ることもできず、妹の前に自らを晒すことになった。
さて、どう言い訳するか、と思った瞬間、
「なんだー、もう起きてるじゃん。つまんないのー」
と、妹はいつも通りの反応を見せた。その表情には、俺を叩き起こせなかったことによる不満はあるものの、俺が俺であることに、何の疑いも抱いていない。
さらに妹は、床で寝ていたらしいシャミセンを抱き上げると、こう言ったのだった。
「お父さんが、朝御飯できたから呼んでこいって。シャミも行こうにゃー」
当然、いつも俺の飯を作るのは母親で、妹を使って俺を叩き起こす黒幕も母親の役目のはずだ。それを、今日は『お父さん』だと。
その時、俺は初めて気がついた。妹の頭に、目印代わりのボンボン付髪ゴムが無かったのだ。もしかして、これは。
「……なあ、おまえリボンとかほしいか? 買ってやってもいいぞ」
俺の質問に、妹はキョトンとした表情を見せる。いつものこいつなら、走り回って喜ぶだろうが、
「いらないよーそんなの。ボク、女の子じゃないもん」
そう言い残し、シャミセンを振り回しながら俺の部屋から出て行った。
妹が、いや弟が。ダイニングで待っているのも、母親ではなく父親らしい。
なるほど、俺が女になったってわけじゃなく、周りの人間まで男女が入れ替わってるわけだ。しかも、それが当たり前の状態として受け入れられているらしい。
くそ、あの時、あの世界のように、気がついてるのは俺だけってことなのか。言葉は通じるのに話が通じない、あんな感覚は二度とごめんだ。
ただ、わずかな希望はあった。この改変のアホらしさから言って、長門の仕業ではないと思う。こーいうアホなのは、間違いなくハルヒの仕業だ。だったら、長門の協力が期待できると思う。毎度毎度、頼ってばっかりでごめんな長門。
そうと決まれば、とりあえず学校に行ってからだよな。俺は、制服の入ったクローゼットを開き、制服を取り出した。そこにあるのは、見慣れた色のブレザーだ。
スカート付だったけどな。当たり前か。
俺は、スカートを前にして、数秒ほど考え込んだ。まず、着ること自体が嫌だ。さらに、着た姿を見られるのも嫌だと思った。こんな防御力低そうな装備を着ている人を、尊敬するね。女ってすごいよ。あと、スコットランドの男達も。
だが俺の性別が変わっても、こんなとこでダラダラしていたら遅刻するという事実は変わらないだろう。俺は覚悟を決め、スカートを履いた。まあ、気休め程度の防御策はしたけどな。
部屋を出て階段を降りるが、それだけでヒラヒラ揺れるスカートが気になって仕方がない。こんなもん着けて走り回ったり飛び蹴りしたり、ハルヒはよく平気でできるもんだ。
洗面所で顔を洗い、俺は初めて自分の顔を見た。男の俺とは違う顔だが、特徴のない、平々凡々としたツラって点では同じだ。
それ以上に、やはりこの髪の毛が気になる。動くたびに顔に触れて、うっとおしいったらありゃしねえ。
性別は変わってても俺は俺なんだから、こんなうっとおしい髪型耐えられるはず無いんだがな。切るとかしなかったのか?
その時、俺は洗面所の脇にある物が置いてあるのに気がついた。
くしゃくしゃに丸められた、白い色をしたそいつは、どうもリボンらしい。誰のか知らんが、もっと丁重に扱えよ。
いや、この家でリボンを使うような奴など居ない。妹は弟、母親は父親だ。ってことは、俺のリボンだってことか。女の俺は、これを使って長い髪と共存してきたってトコかね。
さて、こいつをどうやって使おうか。そう思いながら鏡を見た瞬間、あることに思い立った。
今の俺の髪は、腰くらいまである。そう、ちょうど初めて会ったときのあいつと同じくらい。この初めてってのは、時間としての初めてってわけではない。俺自身にとっての初めてってことだ。
三年前の七夕ではなく、今年の入学式の日な。自己紹介でとんでもないことぬかした時のハルヒと、同じくらいの長さだった。一週間、毎日曜日にあわせて髪型を変えていたハルヒと。
そういえば、俺はあの時のあいつの髪型で、アレがお気に入りで―――――
「……ちょっと待て」
俺はリボンを手にし、片手で束にした髪へと近づける。すると、俺の手は『毎日やっている』ような慣れた様子で、リボンを結んでいった。
数秒後、鏡の向こうに居るのは、リボンで髪を纏めた俺の姿だ。まあ、これなら髪の感触もそれほど気にならないかな。
だが、問題はそこではなかった。
あのな、たしかに俺はこれが好きだって言ったよ。でもな。
「さすがに、自分でやるとは思わなかったぜ……」
鏡に映っているのは、ポニーテール姿の俺。
ハルヒほどじゃないが、けっこう似合っていた。
さて、俺は父親が作ってくれた朝食を食べ、学校へと向かった。
いつもの上り坂でスカートを気にしつつ、登校する俺。ちなみに、山の下にある光陽学園は、男子校になっていた。なんか、もうどうでもいいな。
しばらくてくとくと歩いていたが、不意に後ろから肩を叩かれた。振り返れば、そこに居るのは一人の少女。
「よー、キョン」
顔に覚えは無かったが、そのバカっぽい面でなんとなくわかった。たぶん、谷口だろう。
ちなみに俺の名前だが、生徒手帳を見ると女の名前に変わっていた。それでも、キョンって呼ぶには無理の無い名前だったけどな。性別変わっても、俺は『キョン』から離れられないらしい。
「よう、谷口」
俺の返答を当たり前のように受け入れているし、やっぱりこいつは谷口らしい。
とりあえず、いつもの調子で話しながら、校舎へと続く坂道を登ってゆく。こいつとの会話はあまり考えないでいいから、気が楽だ。男でも女でも、こいつがバカだってのはあまり変わってないようだしな。
ちなみに、一人称『俺』じゃ変かと思って、ちょっとばかし女っぽい口調で喋ってみたのだが。谷口はいつも以上にバカそうな顔して、『頭でも打った?』とか言ってきやがった。
どうやら、俺は『俺』って言っても違和感の無いようなキャラにされていたらしい。とりあえず、喋る分には気を使わなくてもよさそうだ。
校舎に着き、教室に入れば、昨日まで男子の居た席には女子が、女子の居た席には男子が、と上手いこと入れ替わっていた。制服は女子がブレザー、男子が学生服、と、あの世界での光陽学園と同じ組み合わせだ。
国木田辺りは俺や谷口と違って、女になっても顔自体はあんまり変わってなかったがな。そういや、声変わりもまだしてない妹も同じだったか。
で、いつもの自分の席、その後ろの席には。
惑星ベジータを破壊したバイキンマンのような笑顔をした、ガキが座っていた。そいつは俺の顔を見ると、さらに口元を歪め、癪に障る笑顔を見せる。
こんな笑顔をする奴は、俺の知り合いには一人しか居ないんだ。古泉の笑顔は同じくらい気に入らんが、別系統だと思う。
「おっはよーキョン!!」
「よう、ハルヒ」
俺みたいに名前変わってるかも、と思ったが、こいつはそう呼ばれても、特に変な反応は見せなかった。ま、『ハルヒ』なんて元々男か女かわからん名前だしな。そういう奴は、名前が変わってないのかもしれん。
そんな諸悪の根源に、俺はいつもの調子で話しかける。
「ずいぶん、機嫌いいじゃねえか」
「はー、わかる?」
そう言ってニヤニヤ笑うハルヒの姿は確かに少年の物になっていたが、ちょっとそいつを知ってる人間からすれば、『涼宮ハルヒ』であることは全く変わってない様に見える。ああ、トレードマークのカチューシャは、同じ色のバンダナに変わっていた。
「いやー、なんか朝起きたら心配事無くなったって言うか、願い事かなったって言うか、なんか気分いいんだよ」
ほんとにこいつは無自覚なのか、わかっててやってんじゃねえんだろうな。今ならこいつは男だし女の俺が思いっきり殴ったって文句つかないだろう。いや、女としては平手打ちすべきなのか? いや、こんな状況でビニャしたら、色恋沙汰って勘違いされるか?
そんなこと考えてる間に、女教師となった岡部がやってきた。俺は、背後に上機嫌でいつも以上にアッパーなハルヒ(男)の視線を感じつつHRの進行を見守っていた。
ああどうでもいいが、岡部のハンドボールバカは変わってなかったぜ。本当にどうでもいいけどな。
背後にやたらうるさいハルヒの存在を物理的に感じつつ、俺は午前の授業を終えた。ハルヒの姿はとっくに無い。昼休みになると同時に、どっかに消えるのは男でも女でも変わらないようだ。
俺は谷口と国木田の誘いを断り、弁当を持ってSOS団の部室へと向かった。今は連中とバカ話してる場合じゃないからな。
いつもの習慣で部室のドアをノックすると、『どうぞ』という声が聞こえてきた。その声が、聞きなれた舌ったらずな朝比奈ボイス出なかったのは気になったが、俺はかまわずドアを開ける。
部室に入り、俺の視界に一番最初に移りこんだのは、一人の少女だった。
いや、少女と言うには美しすぎる。だが、ただ女と呼ぶには、まだ青い部分を兼ね備えていた。
スラリとした長身に、それに見合う美しさを持ったロングヘア。ブレザーの上からでもわかる抜群のスタイルを誇るが、それは全体のバランスを崩す物ではない、芸術品とでも言うような美しさを誇っていた。
昨日まで男だったのだから当たり前だが、女の俺ですら思わず息を呑むほどだった。
だが、その美麗な顔に浮かぶ『ニヤケ面』で全て台無しにされたような気分になる。
「おや、貴女も随分と可愛らしい姿になっているようですね」
俺にとってのニヤケ面の代名詞、古泉の野郎はそう言った。畜生、俺のトキメキ返しやがれ。
そう心の中で毒づいた瞬間、俺は気がつく。今のこいつの発言から、『俺が女になっている』ということを理解しているということがわかった。それなら、こいつも自分が置かれている状況を理解しているということだろう。
「SOS団員、涼宮ハルヒを覗く四人には、情報改変保護フィールドを展開させた。ただ、展開に時間がかかったために体組織の改変は防ぐことが出来ず、保護できたのは個人の記憶情報のみだった」
と、いつも通り抑揚の無い声が聞こえる。気がつけば、長門がいつもの指定席に座っていた。こいつは、制服が学生服になったこと以外何も変わっていない。こいつにゃ悪いが、元々起伏に乏しい体だったからな。
「………」
心を読まれたような気がして、三点リーダで俺を見つめる長門から目をそらせば、そこには一人の少年が居た。その小動物チックに半泣きでオロオロしている様子を見れば、一目で誰かわかるってもんだ。
「キョン君、あたし、あたし、男の子になっちゃいましたあ……」
男になってもなお、護ってあげたいオーラをビュンビュンぶっ飛ばす朝比奈さんが、そこに居た。それにしてもやっぱり朝比奈さんは男になってもかわいいと思う。俺が今女であることとは関係無しにだ。
ああ、こういうのショタって言うんだっけな? よく知らんけど。
ちなみに朝比奈さんの恰好はメイド服ではなく、タキシードに蝶ネクタイという、荒川さんそっくりな執事の恰好だ。
メイドと執事では随分違うと思うのだが、ハルヒ的な短絡思考では『女ならメイド、男なら執事』程度の認識なんだろうな、と思う。
さて、現状は認識できた。とりあえず、俺と朝比奈さん、長門、古泉については、自分の性別が変化した、と認識しているということ。話が通じるだけでも、前回のアレより
マシだと思うね。
さて、長門。今回は俺達、いや人類になにが起こったんだ?
「涼宮ハルヒが、女という性に対して不満を覚えたことが今回の原因だと思われる」
ああ、そういえば昨日言ってたよな。
『女なんてつくづく損だわ。男に生まれりゃよかったわよ』
その結果ハルヒは望み通り男になったわけだ。それは、俺もなんとなくわかっていた。
問題は、ハルヒ以外の人間についてのことだ。
「だからって、なんで俺達、いや全人類の性別を丸ごと転換させる必要があるんだよ。性転換したいなら一人でやっておけばいいだろうが」
あいつ一人性転換した程度なら、俺は正直どうでもいいと思うね。あいつがあいつであることには、変わりないんだからな。
でもな、俺自信は別だ。俺は性転換した自分を、そのまんま自分として受け入れられるほど、悟ってるわけでもないんだ。
「そこが、涼宮さんの常識的な所なんですよ」
古泉が言う。男のときに持ってた爽やかハンサム面を、そのまんま女としての美しさへ開花させた顔で。くそ、中身が古泉でさえなければな。
「自分ひとりの性がいきなり転換するなんて常識では考えられません。ですから涼宮さんはその常識そのものを転換させたわけです。全人類の性別が最初から逆だったとしたら、自分の性別が変わっていても不自然なことではない、涼宮さんの無意識がそう判断したのでしょう」
俺は、それを聞いて絶句した。自分ひとりのために世界丸ごととは、なんて迷惑な奴だ。
それに改変された人類の中には百歳以上の爺さん婆さんもいるわけで、その性別をも転換したということは、百年以上の年月をも改変させたということになるじゃないか。
かっての長門による改変がせいぜい三年程度だったことを考えるとやっぱり本家は一味違う、ということらしい。
ま、ハルヒのアホパワーに驚くのはここまでにして、だ。
「で、こいつをどうにかする方法は?」
「特に問題は無い。放っておけばいい」
と、学生服着た宇宙人はそう言いやがった。
この状況をが、ほっておいてどうにかなるもんだってのか。俺の朝からの葛藤をどうしてくれる。
「数十年前ならともかく、この国、現在の時代において、男女間の格差はそれほど無いと思われる」
俺の気も知らず、長門は言う。ただ、このクールさには救われる気がするが。
「確かに男性の方が有利という状況はある程度残っているものの、それは涼宮ハルヒの求めるようなレベルの話ではない。男性にとっての不都合な面を経験し、自覚すれば、自動的に情報の修正が行われると思われる」
つまり、男だからっていいことばかりではない、ってハルヒが理解すりゃそれでいいわけだ。そんなこと、実際に昨日まで男やってた俺が一番よく知っている。
「なるほど、意外と簡単な問題かもしれませんね。もしかすれば、明日には戻っているかもしれませんよ」
ハルヒの気紛れは今に始まったことじゃないからな、古泉の言う通りかもしれん。飽きればさっさと終わるのがあいつだ。
「ほ、本当ですかぁ? 本当にすぐ戻れるんですかぁ?」
ショタっ子朝比奈さんが、すがりつくような目で俺を見てくれる。いやあ、たまらんね。朝比奈さんの新しい魅力に気がついたってことだけは、ハルヒに感謝したいくらいだ。
「心配ないですよ、朝比奈さん。あいつの気紛れと飽きっぽさはよく知っているでしょう」
朝比奈さんをなだめながら俺は思った。
世界修正の前に、この朝比奈さん画像をみくるフォルダに保存しておかなければ、と。
……ま、こんな気楽に構えてられるのも、このときだけだったんだがな。
続く
160 :
147:2006/06/24(土) 01:54:34 ID:96AtaRje
>>160 全部変えてしまうとは、規模がでかすぎてその発想は無かった。次回に期待
ついでに
>>141-142を見て触発されたので小ネタ書いてみた。
乙
ショタっ子朝比奈さんはやはり巨こ(ryなんだろうか。
小ネタ また入れ替わりか…
「我々の内で最も遅い。 定刻前とはいえ、もう少し迅速に行動していただきたい。」
「…………」
今日は誰だ… 思い出した。このしゃべり方はシャミか。 撮影以来だな…
そういえば今日はシャミが晴れハレにテンションが高かったな。 引っかかれたけど。
まずいな。 このまま行くとどんどん変な奴と変わっていくぞ。
「…」
相変わらず長門は無表情だし、朝比奈さんはなぜかネコジャラシを用意してる。
「あ、あのー、今日はこれをもって行くようにと未来から連絡がありまして…」
朝比奈さんは小声で俺にそう伝えた。 そのネコジャラシで俺も弄んで下さい。
「これはこれは…」
そういう古泉はというと、オペラ座の怪人のようなスマイルを貼り付けながらも、内心かなりあせっているようだ。 行動で分かる。
俺にどうしろというんだ…
「どうした? 私の顔に何かついているのか?」
やれやれ…
>>160 長らく身を潜めていたTS好きが再燃したぞ
どうしてくれる! GJとでも言ってやるわ!
(´-`).。oO(誰か入れ替わった絵描いてくれないかな…?)
SOS団のメンバーがハレハレユカイを踊ることになった理由みたいなSSキボン
ハルヒが提案したときのキョンの反応とかみたい
よそでやってくれ、頼むから。
確かにリク受付けとかはやってないが、そんな不愉快なレスでもなかったろうに。
許容量の極端に低い人間てのもいるんだな。
>>169 まじか。あさってくる
かさねがさねスマンかった
もし、朝倉涼子と長門の立場が逆で、文芸部室に居たのが朝倉で、統合思念体の
過激派に属するのが長門だったら。そんな思いつきだけで書いた話。後悔はしていない。
『放課後。一年五組の教室で待つ。』
そこには、まるでワープロで打ったような綺麗な字が書いてあった。
さて、これをどう解釈してくれよう。最初に朝比奈さんというセンが浮かんでくる。
いや、朝比奈さんならもっと女の子らしい丸っこい字を書くに違いない。
ハルヒもこんな字は書かんから却下。そもそも、あいつならこんなに回りくどいことはしない。
階段の踊り場にでも引っ張っていって、強引に話をつけるだろうね。
じゃあ、俺の知らない人物からのラブレターか?
いやいや、冷静に考えろ。谷口とか国木田あたりの性質の悪いジョークと考えるのが
一番妥当なセンだ。いかにもアホの谷口がやりそうな臭いがぷんぷんする。
教室にのこのことやって来たところを谷口に笑われるのは癪だ。
ある程度時間を潰してから教室を覗いて見るのが妥当だな。
俺は暫く考えてそう結論づけた。
SOS団の活動終了後。俺は、一年五組の教室へと足を運んだ。
「長門・・・か?」
「そう」
果たして待っていたのは、確か、隣の隣のクラスだったか?谷口曰く、Aマイナーである
長門だった。決して目立つ感じの少女ではないし、俺は谷口のように他のクラスの女子の
顔と名前までいちいち覚えているわけではないが、無口で無愛想で、いつも本を読んでいる
少女というのはどこか神秘的であり、俺は個人的に興味を持っていたのだ。
こいつか―――。俺的ラブレターで呼び出されたいランキングの上位に食い込んでいた
女子であった事に心を昂ぶらせつつ、しかし俺は表面上は冷静に尋ねた。
「用件は何だ?」
「あなたの」
「命が欲しい」
「…何の冗談だ」
「冗談ではない。涼宮ハルヒに行動を誘発させるために、あなたをこの世から抹消する」
いつの間にか、長門の手には銀色に光るものが握られていた。ナイフ。
これはまずい。俺は長門に恨まれる覚えもなければ、そもそも話した事すらない。
しかし、どうやらこいつは本気だ。考えるよりも早く、俺は後ろにあるドアに手をかけ…
ようとしたが無理だった。何故なら、そこにはドアは存在せず、まるで最初から
そうであったかの様に、灰色の壁で多いつくされていたからだ。…何なんだこれは。
「無駄」
「この空間は、わたしの制御下にある。抵抗は無意味」
長門は、ゆっくりと、一直線に俺に向かってくる。俺は横に逃げようとして―――
足どころか、指先すら動かないことに気づいた。何だこりゃ?反則だろ!
「死んで」
空気が動いた。銀色に光るナイフが、俺の心臓を一突きにしようと迫ってくる。
その時。
天井をぶち破るような音と共に瓦礫の山と―――
朝倉涼子が降ってきた。
「大丈夫か、朝倉?」
「平気よ」
「肉体の損傷は大した事ないわ。それよりも、今必要なのはこの空間の正常化ね」
見る間に教室が再構成されていく。まるで、CGの逆再生を見ているかのようだった。
「終わり」
息をついて、立ち上がろうとする朝倉。大した事ないとは言っていたが、
その体はやはりまだふらついている。俺が手を伸ばすと、朝倉は素直にその手を掴んできた。
俺には未だにさっき起こった出来事がよく理解できていないが、お前に命を助けて貰った
事くらいは分かる。だから、これくらいの事はさせてくれ。
「ふふ…ありがと」
俺は、朝倉を家まで送る事にした。朝倉は遠慮したが、
こんな状態の彼女を放って置いたら、俺が自分自身を許せなくなりそうだ。
「それじゃあね。また明日」
朝倉とはマンションのロビーで別れた。俺は、エレベーターに乗ろうとする彼女の後ろ姿を、
ぼんやりと見つめていた。
よく見たら、何の面白味もない文章書いてるな。
もっと頑張らんと。
>>174 GJ
その設定でおもしろそうだから脳内で進めてみたものの、射手座あたりで違和感が出て、消失で頭がバグッた。 どうしても長門と朝倉の2トップで刺されるキョンが…
>>176 逆に考えるんだ
「朝倉がキョンを好きだからこんな風に世界を改変した」
そう考えるんだ
もちろんキョンの記憶は消してな
どこがGJなんだよ。
名前差し替えただけで替える意味ないじゃないかこんなの。
なーんにもない。
うん
この時点では、そうだな。
しかし、この後のイベントが長門ではなく朝倉だったら、と考えると想像は大きく膨らむ。
でも、無色透明な長門だからこそ映えるってこともあるしなぁ。
おおよそ思慕の感情からは程遠いと思われていた長門が消失事件を起こしたからこそ
インパクトがあったとも言えるし。
とりあえず、朝倉版のエンドレスエイトとか消失とか見てみたい気もする。
でも、最大派閥の長門派には辛いかもしれないな。
喜緑さんに置き換えてもあんまり変化しそうもないけどw
試み自体はいいと思うよ。でも面白くするのは難しそうだな…
朝倉派で書ける人が居たら是非頑張ってくれ
しかしあれだな、きっと朝倉だとエンドレス3回目くらいで終わりそうだなw
遠坂凛の憂鬱
「ただの人間には興味ありません。
この中にマスター、サーヴァント、聖杯がいたら
あたしのところに来なさい。以上」
入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた遠坂凛。
そんなFate stay nightじゃあるまいし・・・
と誰でも思うよな。俺も思ったよ。
だけど遠坂は心の底から真剣だったんだ。
それに気づいたときには俺の日常は、
もうすでに聖杯戦争になっていたーー。
1.続きを読む
2.読むのをやめる
確実に地雷なのは分かっているけど、あえて 1. とかどうよ。
U-1物は勘弁。
3.スレ違い
2
Fateのスレでやってくれよ。
こんなところにまで沸くんだ・・・怖いね、月厨って
4.どっか行け勘違い馬鹿。
5.おいおいお前らスルーパワーがなくなったのかよ
6.華麗にNGワード
>>178 うん、俺も今考えるとその通りだと思う。
だが、続きを書いてしまえば良いのだろう?下手クソだが。
皆でいっせいに、ハルヒの持っている爪楊枝を引く。
俺と朝倉が、目印のついている物を引き当てたようだ。今度はこいつとか。
「ふふ。よろしくね、」
視界の端に見えたハルヒの顔が露骨に歪んでいたが、気にしないことにする。
俺たちは喫茶店を出た。そしてそのまま別行動を取ることになる。
「ちょっとキョン!これはデートじゃなくて、街の不思議探しよ!
それを忘れて遊び呆けてたらタダじゃすまさないわよ!」
ハルヒはそう喚き立てるが、俺には不思議探しなんていう内角の和が180°にならない
三角形をひたすら探し続けるような無駄な作業をするつもりは毛頭なかった。
そうだな。とりあえず、ショッピングにでも行く事にしよう。
「ね、このイヤリングなんてどう?可愛くない?」
片耳にイヤリングをつけた朝倉がその場で回転し、その長い髪がくるりと揺れる。
俺たちは、暫くいくつか服屋を冷やかした後、あまり目立たないところに位置しているものの、
隠れた名店であるかのような雰囲気を醸し出している雑貨屋に足を運んでいた。
「ああ、悪くないんじゃないか?」
年齢のわりに大人びて見える朝倉には、正直、それはもんのすごく似合っていたが、
俺はつい素っ気無い返事を返してしまう。
「えー。これにはビビっと来るものがあったんだけどなあ…」
「…でもまあ、お前が良いと思うんならそれでも」
「買ってくれるの?」
「……」
「買ってくれるの?」
そんな普段は見せないような甘えた目で見るな。ああちくしょう、買えばいいんだろ買えば。
「へへ。ありがと」
だから、クラスの連中には絶対見せないような満面の笑顔を向けるな。こっちまで恥ずかしいじゃないか。
ほら、店員さんも何か微笑ましい顔してるし。勘弁してくれ。
「4980円になります」
しかも高い。
その後、朝倉の提案で図書館に行った。部室内で本を読んでいる姿を見たことはないが、
朝倉もれっきとした文芸部員であるからして、本は好きなんだろう。
「キョン君は、普段どんな本を読むの?」
「最近は読んでないな。小学生くらいの時は、シュブナイル小説なんかをよく読んだが」
「ふーん…じゃ、こんなのはどうかな?」
そう言って、本棚から一冊の本を取り出す。俺も名前くらいは聞いた事がある、有名な小説だ。
俺は礼を言ってその本を受け取り、図書館備え付けのソファーに腰掛けて読み始めた。
ほう、これは…
流石朝倉が薦めてくれるだけの事はある。すぐに話に引き込まれた俺は、
久しぶりに文章に没頭する感覚に浸っていた。
とすん。
ソファーが沈み込む感覚。横に誰か座ったか。反射的に隣に目をやる。
座って居たのは朝倉涼子だった。
まずい。これはかなり恥ずかしい。なんだって、こいつはわざわざ隣に座ってくるんだ。
そこからはもう駄目だった。文章に集中するなど出来る訳もなく、何秒か置きに
チラリと隣に座っている朝倉の横顔を盗み見ては、すぐに目線を本に戻す。
結局、それから数十分かけて進んだのはたったの10Pほどだった。
「キョン君って、けっこうゆっくり読むタイプなのね?」
お前、わざとやってるだろう。そう言うと朝倉は、クスクスと笑った。
>>190 続きじゃなくてもいいんじゃね? どこでも好きなシーンで長門の代わりに朝倉使えばいいだけだし。
俺は
>>173-174に限っては、交換するって発想が全然意味がなかったからケチつけさせてもらった。
こういうのなら別にケチつけるとこはないな。
192 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 05:55:06 ID:q4Avk2mX
スマン。
すまんがそこにあるライフルで俺の額を撃ってくれ
謝る位なら書き込むをクリックする前に
一度でいいからメ欄を確認して欲しいのココロ
「ああ、そう言えば、朝倉涼子から伝言を預かっています。
…パソコンの電源をつけてくれ、だそうです。確かに伝えましたよ」
そう言って、既に輝きをほとんど失っていたピンポン球のような光は完全に消え失せた。
ちくしょう、何が閉鎖空間だ、何が世界改変だ。
俺は、あの世界でやり残した事がまだまだたくさんある。
ハルヒがどこからともなく持ってくる衣装に身を包んだ朝比奈さんをもっと見ていたいし、
古泉とはあの時のボードゲームの決着がまだついていない。あれは珍しく白熱した良い勝負だった。
それに、俺は、まだ朝倉のことをよく知らない。全く知らない。
休日は何をして過ごしているのかとか、好きな音楽は何かとか、好きな本とか、
好きな人は誰か、とか。
とにかく、俺は元の世界に戻るんだ。その為なら、何だってしてみせる。
―――頼むぜ、朝倉。お前だけが頼りなんだ。
俺は祈りながらパソコンの電源を入れる。いつもこちらが頼まなくても勝手に立ち上がる
OSは幾ら経っても立ち上がらず、ディスプレイには白いカーソルが点滅しているだけだ。
それが動き出し、文字を紡いでいく。
RYOKO.A>見えてる?
ああ。
RYOKO.A>この状況をどうにかできるのはあなただけ。あなたに全てをかける。
そうか。俺も、このままこんな世界に強制移住させられるのはごめんだ。
元の世界に戻れるんなら、どんなことだってするぜ。
RYOKO.A>……そう。私も、元の世界に戻る事を望んでいるわ。あなたと、もっと一緒に居たい。
RYOKO.A>…一緒の時間を、過ごしたい。
文字が薄れてくる。
RYOKO.A>また、あの日みたいにd
そして、最後の力を振り絞るように表示されたメッセージがこれだ。
RYOKO.A> sleeping beauty
俺は、以前朝比奈さんから聞いた言葉を思い出す。白雪姫。それとこの言葉の共通点を
考えれば、俺が何をすればいいのか、答えは明白だ。
しかし、その行動を取りたくないと思っている俺がいる。節操観念という奴だろうか?
未だ彼女居ない暦15年の俺には、キスの経験などない。そして、俺は標準的な高校一年生であり、
ファーストキスは好きな人としたいという当然の願望を持ち合わせているのだ。
しかし、このままではその好きな人と会う事すら、永遠に奪われかねない。
元々、俺には選択肢などないのだ。それは分かっている。だが、感情が理性を許さない。
「ちょっとキョン!何か出たわよ!」
うるせえ、そんなことはどうでもいい。お前の望みは分かってんだよ。
「ハルヒ」
「…なによ?」
「………好きだ」
「!な、な…っ!」
「…ハルヒ」
呟き、俺はハルヒに近づいていく。ハルヒは一歩も動けず立ちすくんでいる。
その唇に、俺はそっと自分の唇を重ねた。
ここまで書いて分かったのは、
朝倉涼子のキャラよりも、長門のキャラの方が遙かに勝っていると言うこと。
こんな当たり前のことを、何時間か悩んでようやく気づくから困る
確かにつまらんね朝倉SS
あぼーん
>>195 エロ無し却下。ここは21禁板だ
出て行け
>>199 気に入らなければ出てけばいいじゃん
無理してここにいる必要はないからさ
スルーしないか?21以上なら……。煽りも調子付いてるしさ。
なんか昨日の夕方から芳ばしいですね
ここのSSは楽しみにしてるが
正直SSスレってのは大抵が低年齢化を招くもんだ。
煽りも、煽ってるつもりじゃなくて本音をなーんにも考えもせず書いちまってるんだけだと思うよ。幼いことこの上ないが。
みんな、テンプレ
>>2読んでおいてね!
職人さん引いちゃうよっ!
今日は土曜だからな。
中学生の皆さんも思う存分にパソコンができるからじゃないの?
ま、エロパロ考えている時点で精神年齢低いけどなw
荒らしはスルーっと。
354 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/06/24(土) 12:39:30.67 ID:nIiVGWIhO
ややエロですみません
『君のためならたとえ火の中でも水の中でも入って行って護ってみせる
だから今は、君の中に入っても・・・いいかな?』
リク投下だけしてバイトに向かうもどかしさorz
355 :家ジャケ:2006/06/24(土) 12:44:41.07 ID:i7WoFa5P0
>>354 http://3gpa.updoga.com/mpv2wp/
>>199 過去ログと
>>1見れば解ると思うけど、
このスレはエロ無しOKだよ。
と煽りにマジレス。
ちょっと気になったから質問。保管金にあったデイジー・ベルの歌詞ってどんな内容なの?なんで長門が歌うと洒落にならないのかkwsk
関係ない質問
涼宮ハルヒの憤慨、編集長★一直線の最後、「記憶を失いでもしない限り、な」と
ありますが、これは、伏線?
>>214 スレ違いですね。ただ、伏線とは、回収されてこそ伏線と言えるのです。そうは思いませんか?
>>214 スレ違いなのでライトノベル板の谷川スレに行くのがいいにょろ。
>>196 SS自体は面白いし、
朝倉のキャラもうまく生かされている。
ただ、それ以上に原作の長門が強力すぎるのが否定できない。
>>118 「動くものは……すべて犯す」
ささやくように長門が言った。
レディ、ガン。ふたなりモード。再朝倉攻撃。
あぼーん
スルー推奨
ハルヒの上を通って行った唯一人の男・・・
毎晩毎夜、その男の黒く太いチ○ポを入れられ、男の背中に手を廻し悶えていた日々。
アナルまで見せながら尻を掴まれバックで犯されていた。鮮明に想像してみて下さい!
その男がキスをしたハルヒの口唇・舌はその男のチ○ポを舐め回していた汚れた口唇。
過去にハルヒにたっぷりと死ぬほどの回数セックスを仕込んだその男との営みを考えると
胸が熱くなりませんか?興奮しませんか?
あなたの愛する大切なハルヒは、あなたと出会った時には紛れもない新品でした。
これは、あなたのハルヒの処女膜を破った一番幸運な男のみならず、
あなたがハルヒに出会ってから、あなたのハルヒを抱いた男のすべてが
あなたが、あなたのハルヒを「初めて抱いたあの時」よりも遙かに良い状態のハルヒの肉体を
死ぬほどたっぷり何千回以上も弄んでいるのですよ。これが紛れもない現実なのです!
あなたと出会う前より遙かに開発された状態の良い肉体をその男は弄んでいったのです。
あなたは、その男に調教され、その男の唾液や汗や精液を体細胞に浸透させられ、
しかも成長が更に進行してしまっていたハルヒを奥さんに貰ったのです。
ひょっとしたら、修羅場も何回か経験しているかもしれません。
あなたのハルヒは、その男の子供を体内に宿している可能性も有ります(その内わかるでしょう)。
あなたは、一人の男として、激しく感慨深くはならないのでしょうか?
一生の大切な伴侶である貴方のハルヒが唯一人の男だけのものであった事実を・・・
嬉しさで胸が張り裂けそうになりませんか? キョン君。
みくるの上を通って行った唯一人の男・・・
毎晩毎夜、その男の黒く太いチ○ポを入れられ、男の背中に手を廻し悶えていた日々。
アナルまで見せながら尻を掴まれバックで犯されていた。鮮明に想像してみて下さい!
その男がキスをしたみくるの口唇・舌はその男のチ○ポを舐め回していた汚れた口唇。
過去にみくるにたっぷりと死ぬほどの回数セックスを仕込んだその男との営みを考えると
胸が熱くなりませんか?興奮しませんか?
あなたの愛する大切なみくるは、あなたと出会った時には紛れもない新品でした。
これは、あなたのみくるの処女膜を破った一番幸運な男のみならず、
あなたがハルヒに出会ってから、あなたのハルヒを抱いた男のすべてが
あなたが、あなたのみくるを「初めて抱いたあの時」よりも遙かに良い状態のみくるの肉体を
死ぬほどたっぷり何千回以上も弄んでいるのですよ。これが紛れもない現実なのです!
あなたと出会う前より遙かに開発された状態の良い肉体をその男は弄んでいったのです。
あなたは、その男に調教され、その男の唾液や汗や精液を体細胞に浸透させられ、
しかも成長が更に進行してしまっていたみくるを奥さんに貰ったのです。
ひょっとしたら、修羅場も何回か経験しているかもしれません。
あなたのみくるは、その男の子供を体内に宿している可能性も有ります(その内わかるでしょう)。
あなたは、一人の男として、激しく感慨深くはならないのでしょうか?
一生の大切な伴侶である貴方のみくるが唯一人の男だけのものであった事実を・・・
悔しさで胸が張り裂けそうになりませんか?
有希の上を通って行った唯一人の男・・・
毎晩毎夜、その男の黒く太いチ○ポを入れられ、男の背中に手を廻し悶えてい「そんな男はいない」
うわあ。あなた誰ですか。
「私はまだ男性経験がない」
聞いてませんって。せっかく人がスレ荒ししてるんだから出て行ってくれませんか。
「性交の相手となる可能性のある男子生徒が一人だけいる」
いやだから聞いてねえって。
「彼との性交をシミュレーションするのにこのスレッドは大変有用」
「荒らされると彼との性交の可能性が狭まる恐れがある」
「だからあなたを」
くぁwせdrftgyふじこlp;
>>190 俺は萌えたよ
もっと朝倉SS書いてくれ
鶴屋の上を通って行った唯一人の男・・・
毎晩毎夜、その男の黒く太いチ○ポを入れられ、男の背中に手を廻し悶えていた日々。
アナルまで見せながら尻を掴まれバックで犯されていた。鮮明に想像してみて下さい!
その男がキスをした鶴屋の口唇・舌はその男のチ○ポを舐め回していた汚れた口唇。
過去に鶴屋にたっぷりと死ぬほどの回数セックスを仕込んだその男との営みを考えると
胸が熱くなりませんか?興奮しませんか?
あなたの愛する大切な鶴屋は、あなたと出会った時には紛れもない新品でした。
これは、あなたの鶴屋のめがっさ処女膜を破った一番幸運な男のみならず、
あなたが鶴屋に出会ってから、あなたの鶴屋を抱いた男のすべてが
あなたが、あなたの鶴屋を「初めて抱いたあの時」よりも遙かに良い状態の鶴屋のにょろを
死ぬほどたっぷり何千回以上も弄んでいるのですよ。これが紛れもない現実なのです!
あなたと出会う前より遙かに開発された状態の良い肉体をその男は弄んでいったのです。
あなたは、その男に調教され、その男の唾液や汗や精液を体細胞に浸透させられ、
しかも成長が更に進行してしまっていた鶴屋を奥さんに貰ったのです。
ひょっとしたら、修羅場も何回か経験しているかもしれません。
あなたの鶴屋は、その男の子供を体内に宿している可能性も有ります(その内わかるでしょう)。
あなたは、一人の男として、激しく感慨深くはならないのでしょうか?
一生の大切な伴侶である貴方の鶴屋が唯一人の男だけのものであった事実を・・・
悔しさで胸が張り裂けそうになりませんか?
>>230 鶴屋さんは「さん」づけじゃないとなんだかなぁ…
時々、ハルヒは中古って妄想をするけど、それはそれで有りな俺がいる。
ハルヒが中古と知って逆上してレイープするも泣き顔を見てキョン後悔。
その後は二人して懺悔→甘々なセックル→只今後戯中。そんな小ネタ。
「興味があって行為をしたことあるけど、ただ痛かっただけだった。
本当に若気の至りよね。どうしてそんなことで処女を捧げてしまったのかしら。
別に隠すつもりじゃなかった。ただ、そのことでキョンを傷つけたくなかった」
せっかくこの行為が気持ちいい物なんだとアンタに教えてもらったのに。
ごめんね、キョン。できればあなたに私の『はじめて』をあげたかった。」
そのままハルヒは布団を被って声を噛み殺す。
気落ちした俺に懺悔するハルヒを見てて俺はいたたまれなくなった。
そんなハルヒを誰が中古女と責められよう。
コイツは悪意を持って人を騙す奴ではない事は誰よりも知っている。
俺は、このままじゃまたハルヒが世界をリセットしてしまうかもしれない。
なんて、好きな女が不安定な時にそんな事かまってられるか。
3次元の事情をなんて重箱の隅に追いやって俺はハルヒを抱きしめた。
「なあ、ハルヒ」
「………」
「お前は俺が好きなんだろ。だったらそれだけで十分だ。
過去に誰と付き合って、どこまで行ったかなんて俺たちには関係ないだろ。
だからよ、さっさと顔上げろって。俺はもう気にしてないからさ」
沈黙が俺の部屋を制する。
俺は何を考え、ハルヒ何を考えていたのだろう。
願わくば同じことであって欲しい。
そして、
「……うん。」
小声ではあるが、全ての重みを預けるようにハルヒは答えてくれた。
俺は頼られるという嬉しい気持ちで、その綺麗な黒髪をそっと撫でた。
なあ、ハルヒ。今後はお前を俺色に染めてやる。
何、私だけじゃ不公平だって。
心配するな。もう俺はハルヒ色満点に染め上げられているんだからな。
それから、何のしがらみもなく俺たちは今まで通り付き合っているのだが
「さあ、キョン、準備はいいっ!
わたしの小遣いはたいて処女膜を再生してあげたんだから、
さっさとわたしの『はじめて』を味わうのよ!」
そこの女子高生。健全な学び舎でそんな言葉使うもんじゃありません。
「何、嬉しくないの?」
ええ、とっても嬉しいです。はい。
>>232 それならそれでありなんじゃないかと思う。
つーか、
>なあ、ハルヒ。今後はお前を俺色に染めてやる。
>何、私だけじゃ不公平だって。
>心配するな。もう俺はハルヒ色満点に染め上げられているんだからな。
これいいわ、やられたw
このスレ強いわ。
降参
>>232 膜再生するハルヒとそれに素直に喜ぶキョン萌え。
いい歪みっぷりだ
その後、ハルヒが処女捧げた相手がジョン・スミスだった流れで誰か頼む
以下、エロ無し短めのSSを投下します。
茉衣子は宮野に向けて叫んだ。
「班長! なんとかおっしゃってください!」
「ああ、茉衣子くん」
宮野はわざとらしく溜息をついた。
「正直に答えよう。模範解答の一つをだ。それはだな、このまま何もせずに放っておく、という選択肢だよ」
茉衣子はスレが荒らされていくような既視感に襲われた。
本気ですか? このままでいいはずなどありません。あっては……。
「何故かを教えよう。いいかね、茉衣子くん、荒らしのモチベーションの源はスレ住人の直接的な反応だと思われる。
計らずも
>>226殿が証明してくれたな。荒らしに直接反応せず機知に富んだSSを投下した
>>226殿は、
その通り、スレが荒らされても、無駄に反応してさらにスレを荒らしたりはしておらん」
それがどうしたのだ。
「SSスレの住人がこのスレにいる理由を考えてみたまえ。なぜSSスレの住人がここにいるのか?
そしてこのスレを出て行ける時、SSスレの住人はどのような条件下にいるのか。そこまで思いつけば解答は目の前だ」
わからない。
「私の本心を言おう。スレ荒らしなどどうだってよい。それらはただの気違い。エラーだ。マッドでお花畑な現象に過ぎん」
真琴は素知らぬ顔をしている。何か言って下さい。何か……。
「理由だよ。なぜ2ちゃんねるのこの板にSSスレがあるのか、なぜスレ住人がSSをここに書いてしまうのか。その理由に私は思い至ったのだ。
そして、なぜ『涼宮ハルヒの憂鬱』や『学校に出よう!』をモチーフにしたSSが氾濫しているのか、
なぜスレ住人がそのようなSSを好んで生み出すのか、エロパロやキャラ入れ替えや性別反転ネタといった存在するはずのない作品があるのかも」
宮野は言う。
「すべては礎となるために存在する。正確を期すならSSスレの住人というのもおこがましい。
必要とされるのはキミや私を元ネタにしたSS作品だけなのだ。器はどれでも良かったのだよ。
何のためか? それは谷川流がこのスレを元ネタに
<アスタリスク>
介入する。
実行。
終了。
>>232 中学の時の男をとっかえひっかえしていたというエピソードをどう解釈するかだな。
ハルヒの処女論争はラノベスレでもたまに出ているが、さすがに本編で言及されることはないだろう。
学校を出ようならまだそういう話をする余地はあるのだろうが・・・
キョンがハルヒが元ヤリマンと知ってひと悶着あって・・・
という妄想は俺もしたことがあるが、文章までは昇華出来なかった。
小ネタでもGJ!
曰
| | ∧_∧ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ノ__丶(〃´Д`)_ < うぃ〜、ひっく
>>237いいね、それ。
||日||/ .| ¢、 \______
_ ||本||| | .  ̄丶.)
\ ||酒||L二⊃ . ̄ ̄\
||\`~~´ (<二:彡) \
||\|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|| ̄
. || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||
ついでに漏れも多分だがBUNP系のSS書くかもしれない・・・。
もちろんエロなし。
*
「班長……」
呼びかけていた茉衣子に、待てと言うように手を掲げ、宮野は真琴に挑発的な顔を向けた。
「さて、会長代理。思っていたより事態は急速に進行しつつある。認めるかね?」
「そうねえ」
真琴は宮野の視線をまともに受け止めつつ、
「もう一度、全荒らしを徹底スルーしないといけないみたいね。それも今度は徹底的にさ」
真琴は荒らしのIDをNGワードに登録しながら、
「連中にすっかり釣られたわ。スレ住人には悪いけど、これでようやく見えてきた。
荒らしている奴だけがスレが荒れる原因じゃないのね。他にもあるんだわ」
「そうだ。荒らしの持つ”反応されると喜ぶ”という特徴が荒れる原因となる以上、荒らしの種類は一定することがない。
ひたすらSS作者をけなすことしかできないものもいれば、無内容なコピペを貼り付けるものもいる。そして、」
宮野はSSスレの映るモニターを見下ろして、
「昼夜のいずれだろうと荒らし続けることが出来る暇人もいるというわけだ。
荒らしに直接反応することは伝言ゲームのようにさらにスレが荒れ続けることになる。
>>226氏のように機知に富んだ進化したSSを書き混んだり、
荒らしを完全にスルーして作品を投下し続けるのがスレの正常化につながるのかもしれないな」
茉衣子は無意識に今書きおえたSSをスレに投下した。
以上、エロ無しメタネタでした。
それ単なるコピペじゃね?
>>128透明のやつ
亀だがおまいさんの期待してるよ。がんがれ!
>>245 ろくに感想も言わないお前が文句を言うか・・・
>>244 ワロタw
つーか上手い。この状況をネタにするとは…拍手
>>249 そこのスレに比べたらここのスレの荒れっぷりはまだマシな方なのかも知れんなw
>>242 BUMPをBUNPと間違えている所がどうみても21歳未満です
本当にあり(ry
GJ!!
>>249 こいつはヒデェwwww
SSも酷けりゃ、荒れっぷりも凄まじいなwwww
>>232 はいはい、同人サイトに上がったばかりのエロ漫画をパクリ乙。
最低だなお前。
なんか荒れてるんでしばらく別のスレに非難してるわ
適当に収まったら呼んで
どうやって…
みんな何歳?
カキコしてくれ。
俺22歳
43
スレ違い
職人が少なくなるわけだ
↑そういう排他的なことしてるから
職人が少なくなるんだよ。
スレ違いに排他的なのは普通じゃね?
そうやって構ってやるから
職人が少なくなるんだよ
すマンコ
! ! :. ;小、.:::::{ 代ート、 ヽ ..::l >七´__,ィ=-、.」 :::::::::j::::::::;::: l:,'
', :::: l:: \::ムx≠于=ミ、\ヽ x=≠旡丁 `ドレ! ::::::::;イヽ ::i:::::リ
ヽ:::::lヽ::::\<ヾハ{.::::ヽヽ _ { V、::::::.}├| :::::∧ l:::,' .::/
\l ∨::{!ハ Vzイ} {!⌒ヘ} r'zィリ / l .:::/ } ,ノ/l:::/
` ',:::ゝム ー' / ヽ、  ̄ノ' | ::/ フ´::/ ル′
ヽ::::`ヘー ‐ '´ '  ̄ |.::/´;::〃/
ヽ::::{\ ャ‐、 jl:/::/:/ NGワード登録開始
\:ヘ ヽ 、 ¨ //イ::/V
\! ヽ>,、 , イ 〃:|::ト、
::::::::: !:::.:::::.::|、:::: _!,ィー:jト::!, !イ!::ノカへ!::j/::::l::.ノ l::::ノ
::::::::::l!::::::::::::ゞィ_:::ォ''ゝ-`- , == 、, ハ:::ノ´ '^´
:::::::!::::ヽ::::::/jゝー'_ __、 イj^:::!ヾ! !:.:Y
:::::::ゝ::::、ゞrテ', ィ'f ´:::T ゙ l:::::ィ!W l!:::|
:::::::r-!::::::::::.:lヾf lイ::::r! `'ニ' !:.:.|
:::::::l r|::: ! ::.│ ゝ'.ソ ヽ ,l::. | そんなっ!
:::::::ゝ|!::::!:.: |! _ /::.:ノ、
::::::::::::ゝ:::::.:.:ヾ r ´ ン .イ:::..::∧!
スルーできないスレだから
職人がいなくなるんだよ
アニメ終わったら人減りそうだな
17
早くSS投入しろよカス
よ〜く考えよ〜スルーは大事だよ
人減った方がいいよこのスレは。
アニメかぶれのガキがいなくなっていい感じになるだろ。
書きたい人は書くし、どうせ残るのはうまい人だけだろうしね。
>スルーできないスレだから
>職人がいなくなるんだよ
いつもこの手のこと言う奴って、そいつ自身がスルー対象であることに気付いてない気がす。
この悪い流れを断ち切るために、
職人さん、投下よろしくおながいします
だが、この流れを断ち切れるほどの作品が書けないから困る
呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!
古いですか。そうですか。長門有希の狼狽です。
さて翌日。今日から十日間、なんと240時間もの間俺はハルヒの下僕というこの世で一番就きたくない役職に
任じられる事になった。身から出た錆びってことか。それにしたって気がめいるぜ。
大体だ、どうやってハルヒは俺のお袋に泊りがけなんてむちゃくちゃな条件を飲ませる気なんだ?
そのあたりを考察するだけでも朝飯の消化が悪くなる事請け合いだ。
ストレス過多の牛のように気もそぞろに朝飯を腹に収めて、俺はとにかくハルヒに会って確かめてみることにした。
長門との一件で一人で悩む愚かさってやつを学んだもんでね。
そう言えば長門の奴、俺がハルヒの家に……アイツの事だからまずしくじる事は無いだろうから泊り込みは確定として、
ハルヒの下僕になるなんて知ったらどう思うだろう。無表情を貫くんだろうか。それとも……
「おっすキョン」
毎度お前は計ったようなタイミングで声をかけてくるな。
「今日も今日とてさえない顔だな、ん?」
谷口の品の無いにやけ顔を見ても、今はなんとも感じない。俺の精神もどうやら安定を取り戻したようだ。
「まあな。当分は憂鬱な日が続きそうだよ」
「ふん。その割にはだいぶ余裕があるな。なんか隠してるんじゃないか?」
ああ、いやだ。長門といいコイツといい、最近はハルヒ菌でも拡散してるんじゃないか?ちょっとしたバイオハザードだ。
谷口を適当にあしらいつつ、のこのこ教室にやってきた俺を待ち受けていたのは、独裁者を思わせる邪悪な笑みを浮かべる
ハルヒだった。
「来たわね」
そりゃあ来るだろうよ。学校だし。
「へえ? ご主人様相手にその態度?」
おいおい。クラスメイトの前でもやり続けるのか?
「当たり前でしょ。ま、あんたが従順であればそれ相応の対応をしてあげるけど?」
いきなりノリノリだな。そんなに楽しみにしてくれてたのか。
「ああそう、そういう態度で来るなら……」
申し訳ございませんハルヒ様。
頭を下げつつ言ってみると、ハルヒの動きが止まった。上目遣いに様子を見ると、怒った様な、どういう表情をしていいか
分からないときの顔で眉が震えている。どういう反応なんだ?
「そうそう、それでいいの」
口元をひくつかせて、笑いをこらえているようだった。そんなに面白かったかね。
それから、早速ハルヒは俺をこき使い始めた。
「キョン、お茶」
当然俺のおごりだ。
「その玉子焼きおいしそうね。ちょうだい」
わざわざ弁当を用意してきやがった。
クラスメイトの前ではやらないんじゃなかったのか? と思っていると、国木田が見かねたのか声をかけてきた。
「ねえキョン、どうしちゃったの?」
ああ、まあ、借りを返している最中でな。
「ふーん。ボクはてっきり……」
てっきり?
「何よ?」
ハルヒだ。
「ああ涼宮さん、キョンの様子がおかしかったからさ、そのことを聞いてたんだよ」
「ああ、それね。キョンは今、身も心も私の奴隷だから」
俺は品性まで売った覚えはない。それに奴隷じゃなくて下僕って話だったが?
「変わらないでしょ」
言葉の響きってやつをもっと重視してくれませんかね。ほれ、国木田たちも目がまん丸だ。
「知ったこっちゃ無いわよ」
ごもっとも。
そんなこんなで割合穏やかに奴隷一日目は過ぎて行った。ようやく部室で落ち着けるな。
ノックしてみると、
「入って」
長門か。やっぱり早めに言っておくべきだよな。うん。そうしよう。俺は扉を開けて、
ナース服で仁王立ちする長門を目撃した。
……何をなさってらっしゃるんでしょうか。
「似合う?」
そんな事聞かれても。俺はナース服ってあまり趣味じゃないんだよな。長門ならむしろ女医って感じか。
しかしなあ、それは朝比奈さんのものだぞ?お前が着るとある特定の部位がぶかぶかになっちまう。
なんて事は口に出さずにピンクがかった服と白い太ももとのコントラストを楽しんで、
「ああ。似合ってる。しかしなぜいきなりそんなものを着込んだんだ?」
長門が静止する。あれ、俺何かまずい事を言ったか?
しかし何事も無かったかのように、
「なんでもない」
と答えた。なんでもないだって?そんなわけ無いだろ。お前がコスプレに挑戦するなんて事は統計学的確率論で言えば
ハルヒが関与しない限り有り得んことだぞ。
「着替える」
言うなり長門は背を向けて背中のファスナーに手をかけ、ゆっくりとその下の白い素肌が、
ちょっと待て。素肌? 下に何も着てないのか? っつーか俺はまだ出て行ってないんですよ長門さん?
しかし長門の手は止まらないし、俺だって視線がはずせない。
こちらをちらりと伺うように横目で……信じられんが長門の流し目だ……見つめながら、あくまでもゆっくりとファスナーをおろす長門は
信じられないほど扇情的だ。
ああ、好い。いいですナース服。実にこう、イケナイ感じがする。
ぱさり、という音で我に返った。これ以上はやばい、と本能からの警告だ。
後ろを向くと、なんと壁しかなかった。嫌な記憶がよみがえる。あれは去年の初夏だったか、俺は
教室に呼び出されて今と同じような光景を目にした。初めて死を意識した思い出だ。
「昨日の続きがしたい」
ばっちり最後までやった記憶があるんだが。
「エラーコードが増大している」
なんだと!? またなのか! 原因は?
「一週間前にシャミセン二号の記憶情報を取り込んだ時点から、あるエラーが起こり始めた。
シャミセン二号とあなたの、」
言葉を切る。俺は思い出して赤くなった。あれか。
「行為、を回想するという欲求を抑えられない。結果、普段とは比較にならない速度でエラーコードが蓄積し始めた」
エラーコード。嫌な響きだ。聞くたびに去年の十二月を思い出すぜ。……あっちの長門もな。
「その後あなたとの接触が耐え、エラーコードの蓄積も危険域に達していた。だから敢えて
涼宮ハルヒにあなたとの折衝の場を設ける事を依頼した。
実を言えば、昨日抑えがたい性的衝動を覚えていたのはあなただけではなかった。私も」
長門も俺と同じように、あの日のことを思い出していた?
「私はあなたと交わる事でエラーコードを完全に抑えることが出来る。あなたは私と交わる事で
あらゆる性的願望を満たす事が出来る」
あらゆる。性的願望。俺にどんな性的願望があると思ってるんだ?
「それは解らない。ただ、性的願望は個体差が非常に強く反映され、人そのものだけでなく
特定の状況、行動、あるいは動植物、有機無機物問わず性的欲望の対象となりうる」
ずいぶんとマニアックな意見じゃないか。それは統合情報思念体に教えてもらったのか?
「あなたは『性知識に関する全ての情報を廃棄せよ』と言った。だから本で調べた」
今地面が揺れなかったか? 気のせいか? 俺が長門の台詞に酔っただけだろうか。
俺は長門が書店でありとあらゆる性的願望について記された、ビニールに包まれているような本を
買っているところを想像して、どうしようもなく俺の息子がはりきりだすのを押さえられなかった。
だが俺よ。今は我慢だ。今長門を襲うのは無しだ。ハルヒがもう背後に来ているはずなんだからな。
「お前の意見は非常にありがたいんだがな、長門。やはりその、そういうことはもっと
人に見つからないところと言うか、人に見られない状況下でやるべきであってだな、
ハルヒや朝比奈さん、古泉がここに向かっているのにそんな破廉恥な行為をするというのはいかがなものかと……」
情けない事だが、すでに長門とそういう行為に及ぶ事には反対できていない。
長門は背を見せたまま答えず、ぱさりとスカートを落とした。その下にも何も無かった。今長門は全裸になっている。
「お、おいおい! 聞いてるのか長門!?」
「問題ない。SOS団メンバーは全員ここにいる」
バカな。さすがに俺も気づくはずだ。
「長机の下と団長机のむこう」
ゲエーッ! っと漫画的なリアクションを赦してくれ。長門のコスプレストリップショーに気を取られて
本気で気づかんかった。
確かに(腹立たしい事に)古泉と朝比奈さんは横にならんで目を閉じているし、ハルヒは壁にもたれかかって
すやすや寝こけている。
「私にはあなたの持つ性的願望はわからない。だから、」
一糸まとわぬ姿の長門が、こちらを向く。
「ありとあらゆる状況で性交し、あなたの好みを理解する」
どうやらコイツは、俺の理性の存在を尊重してくれはしないようだった。
俺は滑るようにこちらに近寄ってきた長門に反応する前にジッパーを下ろされ、元気満点の息子を外出させた。
両方ともたったまま、長門は左でさおを、右で先端を刺激してくる。さっきから外に出たくてうずうずしていたところに
こんな事をされて、いきなり抵抗する気がうせてゆく。
だめだ。さすがにこの状況でやるのはやば過ぎる!
しかしそんな事を言ったところで息子の元気のよさが消えるわけでなし、説得力も無かった。袋が張ってくるのを意識しだしたところで、
長門が袖を引っ張って、窓際に俺を導く。そこには当然、寝ている
「ハルヒ……」
が居る。長門は団長机の上にあるモニタとキーボードをどけて、ぺたんと胸をつけた。ほんのり赤みがかった
つややかな桃尻を持ち上げて、すでに果汁滴る秘裂を自ら広げてみせる。
「早くしたほうがいい。あまり時間をかけると情報操作でもごまかしが難しくなる」
肩越しに潤んだ視線を投げかけながらナチュラルに脅迫されているような気がするが、いきり立ったものを
まさに入れようとしている奴が、まさかこれで「脅された」なんて言える筈も無い。
一気に全部いれた。
「ぁあうっ!」
昨日体験したばかり立ってのに、まだこれだけで達しそうになる。長門が凄いんだって事にしといてくれ。
実際、バックから長門をついてみると、これまでとは違った趣があった。まず顔が見えないから、俺の想像の内で
長門に表情をつけてしまう。このつやのある声に似合う表情を。二つ目、伸ばした手に長門の乳房がすっぽりと収まって、
心ゆくまでその感触を味わう事が出来る。三つ、長門の尻を思う様鑑賞できる。
胸を愉しんでいた両手を、尻に持ってくる。左で薄いながらも引き締まった美尻を撫で回し、右で菊門をそっとくすぐってやると、
それにあわせてひときわ大きな声を上げ、膣を収縮させる。
この光景は実に刺激的だった。だってそうだろ? 長門のケツの穴だぞ? 俺がケツの穴を撫で回して長門が興奮してるんだぞ?
夢中にならない奴は男じゃないだろうが。
どうやらそこは右太もも以上の長門の弱点らしい。ここをもっと攻めてみたいと思った俺は、迷わず棒を引き抜いた。
なぜやめるのか問いたげな目で見つめてくる長門を見返しつつ、しゃがみこんで直接菊門に舌をいれた。
「ひゃうっ!?」
良い反応してくれるぜ。舌先のぴりぴりした感触を愉しんで、さらに乱暴に掻き回す。同時にクリトリスを
きつめにつまんでやる事も忘れない。
「ん゛ううぅぅううぅうう」
長門は声を押し殺して震えている。摘んだまま膣内に指を入れ、眼前にかざしてみると、予想通り粘液は白くにごっていた。
長門がしりの穴を掻き回されて感じている。どす黒い欲望がわきあがってくるのを感じる。
立ち上がって、ぷっくりと膨らんだしりの穴を見下ろす。充血してしわ一つ無い、綺麗なピンク色だ。
「有希。挿れるぞ」
膣にいきなり入れて白いものの混じった愛液を満遍なく付けてから、いきなり引き抜く。
長門が疑問に思うよりも早く、俺は尻の穴に突っ込んだ。
声ならぬ声。千切れるほどの締め付け。ざらざらした、長門の直腸。瞬間、俺は果てた。奥に流し込む。
長門はこれを消化吸収するんだろうか。思うだけで、さらに欲望は大きくなる。
長門がのけぞった。ほとんど立つような姿勢で、後ろに居る俺の首に腕をかける。すると必然、俺は始点が水平に近くなって、
ハルヒの寝姿を目の当たりにした。
自分の中で何かが千切れた。
真上を見る有希と、真下を見る俺。舌を絡めあい、唇を貪り合った。両手を使って、クリトリスをしごき
膣に指を三本入れてむちゃくちゃに掻き回した。
有希はイく時に一瞬目の焦点が合わなくなる。その変化をつぶさに見届けてから、俺はまた精液を注ぎ込んだ。
少しだけ余韻に浸った後、
「情報を再構成する」
言った瞬間に俺は服を着ている自分に気がついた。有希はすでに自分の席で読書の体勢に入っている。
と思いきや、閉じた。終了の合図だ。
「ばっかキョン!何ボーっとしてんのよ!」
ハルヒが机越しにがなる。
「キョン君、早く帰る用事でもあるんですか?」
「先ほどから棒立ちになってましたが……どうされました?」
長門がやったらしい。どうやら俺たちは、やっぱりと言うべきか長い間まぐわっていたようだ。
ハルヒは怒鳴ったものの自分の行動になんぞ疑念を抱いたようで、首をかしげた。
「……あれ? あたし……ま、いいわ。帰るわよ。付いて来なさい」
有希の気配が変わる。
「え? なんでキョン君が涼宮さんについて帰るんですか?」
朝比奈さんの声だ。頼むからそれ以上は訊かないでください。俺の命にかかわりかねない。
「んー? おっかしいわね。言ってなかったっけ? キョンは今日から十日間私の奴隷になるのよ」
古泉がかすかに震えるのを、俺は見逃さなかった。見間違いで無い証拠に、今も口の端がプルプル震えている。
笑いをこらえてやがるな、ちくしょう。
朝比奈さんは顔を真っ赤にして手をばたつかせ、そんな、とかまだその年齢じゃ早いです、とか過激すぎます、とか
良く分かるようなわからないような事を言っている。誤解なんです。判って下さい……って、
この台詞はいま朝比奈さんよりあいつに向けた方がいいな。
「奴隷、とは穏やかではありませんね。どういう事情なのですか?」
良くぞ訊いてくれた、とばかりハルヒは胸をそらした。
「皆も知ってる通り、最近キョンのバカが有希とギスギスしてたでしょ? それを憂えた私が寛大にもキョンに弁明のチャンスを与えて、
見事有希と仲直りさせたの。で、キョンはそのことに恩義を感じて偉大なる団長に十日間身も心もささげると……」
またんかい。俺が志願したみたいに言うな。
「なんですって?」
やおらハルヒは立ち上がって、俺の目の前まで来た。至近距離からエネルギーたっぷりの視線で射抜かれて、折れた。
「すみませんでした」
朝比奈さんは赤い顔をさらに赤く、古泉は眉を持ち上げた。有希は俺を見つめて……いや、睨みつけている。
ある意味宇宙レベルのメンチ切りだ。
「ま! そんなわけだから、また明日ね!」
一方的に勝利宣言を下したハルヒが、俺のネクタイを引っ張って颯爽と歩き出す。
俺は有希の視線を背後に感じながらハルヒの後を歩いた。
下駄箱でも、
通学路の帰り道でも、
まず立ち寄った俺の自宅でも、
こんなときになって初めて眼にするハルヒの自宅に着いても。
ハイここまで。どうでしょうか。ホラー要素が混じってきたような気がしますが。
『深紅のロマンホラー!紅の秘伝説』、みたいなのだったらいいんですが……
DEND
>>280 あなたの作品は安定して上手いのでいつも楽しみにしてます
続きも期待してますね
>>275 GJ!これからは長門の豊富なHバリエーションが拝めるわけですな。
情報操作しつつ、ハルヒの部屋のベッドで…とか。
期待しております。
つか、長門オヤシロ様化恐ろしスw
流れは淀みを越えた……っ!
後は本流……ただ流されるのみっ……!
285 :
前685:2006/06/24(土) 22:27:20 ID:B0aCW7ti
>>85 あんときはあげちゃってなんか申し訳なかったんで・・
いきなり続き書き始めてもとんじゃっててわかんないと思うんで冒頭マルチを
許して、あと朝倉さんはフツーに生きてるってことにしてください
翌日、ハルヒは学校に来ていた。俺が入ってきた時、ちょっとこっちをみたようだが、
すぐにうつむいた。俺はやっぱり昨日は言い過ぎたかと思った。
俺が どうにかこいつをマトモにすることは出来ないだろうかとも考えた。
しかし朝っぱらからこんな気まずいムードじゃ取り付くしまもない感じ。
結局一言も言葉を交わすことはなかった。
昼には谷口に「お前涼宮と痴話ゲンカでもしたのか」とからかわれた。
あながち外れてないだけに胸が痛い。
放課後部室に走ってゆくのを見ると本当にまだ朝比菜さんに虐められているよ うだ。
長門や古泉に尋ねることもできただろうが、やめておいた。とりあえず
気持ちを整理したかったからだ。
そんな風にして約一週間が過ぎた。
放課後、俺は古泉に九組の部屋に呼び出された。
「実は涼宮さんに部室に来いと言うよう頼まれましてね」にやけ面でやつは言った
「なあハルヒってその・・・」
「お察しのとおりです。僕もびっくりしましたよ、だんだんプレイがエスカレ
ートしていって・・まあ長門さんは無関心でしたがね」
「閉鎖空間とかは大丈夫なのか?」
「それが妙なんです」
「妙って?」
「最初のうちは閉鎖空間の出現がなくなり、われわれ機関もプレイによるカタルシス
を涼宮さんは感じているのだと思いました。でもつい昨日閉鎖空間が出現しました
それも大きめのね」
「どういうことだ」
「これは予想ですが、あらかたのプレイはやりつくして飽きたのだと・・」
「じゃあそれって」
「ええ朝比菜さんとも何か相談していたようですし・・」
「マトモっていうか普段のハルヒに戻ってくれるってことか!」
「きっとその告白なんじゃないかと思いますね。」
それを聞いて俺は本当に良かったと思った。湿っぽいハルヒをみてるのは心が
痛かったからな
「今日は二人きりで話したいということですから僕は失礼しますよ」
そういうと古泉は俺に笑顔を向けて手を振り帰っていった。こいつの笑顔が
こんなに爽快に感じられたことはない。
部室に入るとハルヒは団長机に腰掛けていた。俺を見るやいなや飛び上がって
抱きついてきた。
「キョン!ごめん・・あたしちょっとどうかしてた。もうあんなこと・・」
「もういい」
上目遣いで見つめるハルヒに俺は言った。
「再入団って可能だよな」
286 :
前685:2006/06/24(土) 22:29:31 ID:B0aCW7ti
次の日のことだった。まさか事態がこうも暗転しているとは思わなかった。
禍福の転じて相生ずるは・・だ。
教室に入るとすごい光景を目にした。
ハルヒがクラスメイトほぼ全員に囲まれていた。今にも泣きそうな表情で。
「返して!お願い」ハルヒの叫び声は同じく人ごみの中心にいる朝倉に向けられていた。
「どうしよっかなあ」朝倉がおどけてみせると周囲は盛り上がる。
俺はわきの方にいた谷口と目が合った。
「おうキョン、お前のフィアンセとんでもない変態女だったらしいぞ」
横から顔をだした国木田も
「二年の朝比奈さんが今日朝倉に泣きついてきたんだよ、
あんな変態パーティーみたいな部活はもうこりごりなんですって、それであの紙おいてったんだ」
朝比奈さんはハルヒがもうやめると言ったのを受け入れたんじゃなかったのか
「あっもしかしてお前がアイツと縁切ったつってたのもそれか!
そりゃ同情に値するぜえ」
「お願い!」ハルヒは朝倉の脇にしがみつき必死で朝倉がてにもつ紙を奪い取ろうとしていた
まさか写真でも撮られたんじゃないだろうな。
朝倉はひらりひらりと紙を持ち替えマタドールよろしくハルヒを翻弄した。
そしてハルヒの足を引っかけて転ばすとその上にでんと座った。
「ン〜。でも委員長としてはやっぱ風紀を乱した者には厳しい罰を!よね」
ギャラリーがいっせいに相槌をうつ。そこで朝倉は呆然としている俺に気づいた。
「ああこれでクラスみんなそろったようね。
今からこの涼宮さんのとんでもない正体をみんなにつまびらかにしようと思っているのよ。」
「・・キョン」悲しげにハルヒが俺を見た。とんでもないことになった。朝倉をとめることは俺にはできなかった
朝倉は高々と、紙を予想通りハルヒの写真であったその紙をかざした
「さあみなさん、まずはこの写真を見てください!」
オオー ギャラリーがどよめく。ハルヒが自分で股を大きく開きマン○が丸見えになっている画像だ。
「涼宮さんが最近始めたあの怪しげなクラブの正体、それは独演ストリップクラブだったんです!」
爆笑がおきた。心ない言葉がハルヒに浴びせられる、うっわー 頭おかしくねえ いや元からじゃん
ハルヒはプルプル震え始めた。
朝倉は勢いに乗って手に持っている引き伸ばされた写真二枚目を手にした
「さあ次の一枚はさらに衝撃的です。なんと涼宮さんは高校生にもなっておまるで用をたすんです!」
ガチョウのおまるにまたがっていきむハルヒが写っていた。
ぷっ変な顔 みっともねえ・・そんな声が聞こえてきた
ハルヒはときおりヒッとしゃくりあげ手で目をこすっていた。
「さあいよいよ最後の一枚だけど、ついにこれで涼宮さんの正体が分かります。
涼宮さんもみんな早く見てもらいたいわよね」
朝倉がハルヒの前髪を鷲づかみにして無理やり顔をあげさせた。頬を涙がつたっていた
「涼子ちゃん、ちょっとやりすぎじゃなあい?w」心にもないことを朝倉のとりまきの女子が言った
「ううん、そんなことないよ、朝比奈先輩さっき言ってたじゃん、泣き出してからがスゴイってw
そうよねえ涼宮さん。」
「ヒッヒッちが」
「涼宮さん日本語もしゃべれないのう?w」爆笑がおきた。
「まあでもきっとこの写真みたらみんな涼宮さんがなんで日本語満足にしゃべれないか分かるよ
ほら!」
掲げられたその写真は、ああなんてこった、首輪をつけられ、ドックフードの入った餌箱に四つんばいで首をつっこむハルヒの姿、
おまけにその尻には尻尾のようなものが入れられていた。
「涼宮さんは人間のように見えるけど実はわんちゃんだったんです!」
とりあえずここまでにします
なんだかよくわからないが、どう収拾をつけるのか見物だ。
投げっぱなしendにならないように祈ろう。
せっかくだから途中で流血もお願いします
キョンが救助に行くことを所望したい・・・
ハルヒスキーだからな・・・
ハルヒ丸投げで良いから、長門trueエンドにしない?
292 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 22:50:58 ID:99WUjXze
>>287 間隔あけて落としちゃって前スレに前半があるから分かりにくくて
ごめん とりあえず保管庫に入らなかった部分だけ冒頭にたして落とした。
保管庫予備のほうで青春タンデムの前後にあるから気になったらそこ見て
293 :
ジョン・スミス:2006/06/24(土) 22:54:17 ID:/uvtRMms
「古泉の日常」ッてのを書いてみたいと
思う人がいたら書いちゃってください!
オレッチのimaginationじゃ
無理っぽいぜ!
恋のミクル伝説を聞いてて思ったんだが
みくるビームって、かけられる物なのか?
白濁なんだろうか?
>>294 一応質量はあるからから死ぬ気で頑張ればなんとか……
>>294 ハルヒがそう望めば、白濁液が飛び出してきます。
キョンとハルヒの娘
の視点から見た、SSが書いてみたい・・・
「いい年になって、まだ新婚みたいに母さん達いちゃついてるし、やれやれね・・」
とかいう、妄想まではできたんだが・・・文章にできないな・・。
>>297 「人前じゃくっつかないのに、あたしがいないとor寝てると思うとすぐ〜」
ってな感じもあり?
16歳あたりに、設定にしても面白そうだなって思ってた。
301 :
浜谷太一 ◆yl1SBmcic. :2006/06/24(土) 23:16:06 ID:D298T18U
>>143でも指摘したとおりこのすれは監視されています
>300
おい!それなら最低二人は32才以上だぞ!
303 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/24(土) 23:21:34 ID:dV7rCx6b
キョンは娘にもキョンと言われそうだな。
いいじゃないか熟れたハルヒも。
娘主体にして、娘は非日常じゃなく日常を望むって
、とこまでしか妄想してないしな・・・
あまり深くは考えていなんだ・・
>>303 俺の脳内では孫にもキョン爺ちゃんと呼ばれています
娘と母親が父親を取り合う姿が見える。
大人になったハルヒってどんな容貌なんだろう
310 :
ジョン・スミス:2006/06/24(土) 23:40:12 ID:/uvtRMms
ハルヒ→キョンorあなた
息子、又は娘→キョンorパパ
孫→キョン爺ちゃん
ご近所サン→キョンさん
と呼ばれそう(笑)
>>309 背も手足も伸びて髪もロングで
さすがにポニーは辛いからちょっとゆるめに肩下くらいでまとめてて…
妄 想 が 止 ま ら な い
マタニティ服のハルヒを想像しただけで勃起しました
自分はハルヒとキョンの子を想像したら知らぬ間に妹ちゃんに変身した
ハルヒの娘は双子でみくるとゆき
ハルヒ…元気な母さん
キョン…いつもハルヒに振り回される夫
みくる…2人の長女
いつき…2人の長男
有希…寡黙なおばあちゃん
妹ちゃん…2人の次女
幼稚園戦記ハルヒ、という単語が頭に…
317 :
無断転載:2006/06/25(日) 00:07:17 ID:T86hsmzi
○月▲□日
今日は新しい衣装を買ったのであたしとみくるちゃんとで着てみせた。
新しい衣装はチャイナドレス。太腿の辺りが大きく開いてるやつ。
サイズをちっちゃめにしたおかげでみくるちゃんのボインッ♪な胸もよりひきたっていい感じだったわ。
でもね、
古泉くんは「涼宮さんも朝比奈さんも何を着ても似合いますね」なんていつもの笑顔で言うし、
有希は一瞬だけあたしとみくるちゃんを見て「……」て何も言わずまた本を読み出すし、
なんかみんな反応が普通すぎなのよ!衣装代も馬鹿になんないのよ!?
……それにしてもあのアホのバカキョンよ。
あたしが「どう?そそるでしょ?」なんてナイスなボケをかましてあげたっていうのに、
ツッコミもなしで見ちゃいけないものをみちゃったような顔してから「まったくお前は……」とか呟いてから顔を逸らして
あたしを見ようとしないのよ!?
なによ!みくるちゃんには「着るのが嫌だったら嫌って言っちゃってくださいね」なんて優しく言ったクセに。
「だが、そんなチャイナな朝比奈さんも全然OKだ」
何よ、そのモノローグが口に出ちゃったような台詞、バッカじゃない!?
そのあとのキョンはだらしない顔してみくるちゃんばかり見てた。
あたしは見てくれないのに……。胸なの?あんたも胸に惹かれるの?
あたしだって小さいほうじゃないわよ、形だっていいんだから……、
だからちゃんと……、
って何書かせるのよ、このエロキョン!
あー、何だか他人には見せられない日記なっちゃったわね。
まぁいっか。明日もSOS団の活動があるし今日はもう寝よう。
追記
エロキョンへの制裁もちゃんと考えてある。学校でちゃんと執行しよう。
ふふっ、明日が楽しみね♪
そして、いつまでも妹と呼ばれるキョンの妹
どうして息子じゃないんだろう…
320 :
8-710:2006/06/25(日) 00:13:52 ID:sYv1mIKt
キョンとハルヒの娘なんていうから、例によって明日大変な事が待ってるのに
こんなものを書いてしまったではありませんか。
321 :
8-710:2006/06/25(日) 00:14:28 ID:sYv1mIKt
Goddard Syndrome
フィルターを通して吸い込んだ紫煙を細く吐き出して、押しつぶすような曇天を見上げた。
人もまばらな公園に居ると、遠慮なくタバコがすえていい。この公園は俺の思い出にあるものとは
ぜんぜん違うが、それでも今や公園というだけでくつろげる場所だと言う事ができた。
もう一度吸う。非常に有害な煙をろ過して、それなりに有害な煙を肺の中に吸い込むと、ささくれ立った心にも
少しばかりの落ち着きが戻ってきた。肺のほうは逆にささくれ立っていくのだろうが。知った事ではなかった。
もう何度目だ。何度目の再就職。何度目の離職。こんな事を繰り返していれば状況はどんどん悪化するばかりだが、
今の自分にはどうしようもない事が原因で辞職した……させられたのだ。どんな中傷や冷遇にも耐えるつもりだったんだが。
くそっ。思い出しただけでもはらわたが煮えくり返る。まさか……身元を調べてあんな脅し文句を吐きやがるとは。
あれはやめて正解だった、と自分に言い聞かせ、のろのろと立ち上がると、寝る場所に向かって歩き始めた。今俺は、
谷口の家に厄介になっている。家といってもアパートだ。俺の故郷ははるかに遠い。またしても職を失ったと知れたら、
なんと言われるか。考えるだけでも煙がまずくなった。灰皿になすりつけ、公園を出る。アパートはすぐ近くだった。
当然谷口はまだ帰っていない。今やアイツもまっとうなサラリーマンだ。ただしモテない様だが。あいつに女っ気がない
おかげで俺は居候させてもらえるとも言えるし、夜通し愚痴を聞かされる羽目になるともいえる。俺はおとなしく待った。
「何だと? またか?」
帰宅一番、谷口の発言に重くのしかかるものを感じつつ、
「ま、すぐに次の職場を探すさ」
谷口はふん、と鼻を鳴らし、
「当たり前だぜ。お前な、本当に責任ってもんが分かってんのか? 女房子供に申し訳が立たないとか考えないのか?
大体な……」
だんだん親父さんに似てきているらしい谷口は、最近とみに愚痴っぽい。俺は適当に聞き流す事にした。不誠実だと言わば言え。
もう身にしみすぎて飽和状態の俺に、これ以上の説教は無意味だ。
いつからこうなっちまったんだか。考えるまでも無い。あれは、もう七年前の話だ。全て狂った。十五年ほど前、
高校時代の輝かしい記憶は、輝かしいがゆえに思い出すだけでも苦痛を伴うようになってしまった。
ハルヒと俺は、紆余曲折の末、という言葉が似つかわしくないほどにすったもんだのあった後、愛し合った。
結婚し、いったん認めてしまえばあとはもうなすがまま、俺とハルヒの蜜月は……そう、子を設けてしばらくまで続いた。
ああ、声を合わせて『有希』と名づけたのが自分とハルヒだったなんて、今はもう信じられない。あの頃の俺は
新米の高校教師として、ハルヒは、アイツらしい事に鳴り物入りの天才建築家としてそれぞれ仕事にも精を出していた。
だが、有希が三歳になるかならないかという頃、俺は……到底赦されない罪を犯した。そこからだ。
ハルヒは有希を引っつかんで、当時フランスからの仕事の話に乗ってあっちに定住する決断をした。俺になんの断りも無く。
簡素な置手紙一つを残して。離婚はしていない。そんな話すらしていない。今も、連絡は無い。有希の声が聞きたい、という
願いは常に却下されている。どうやらお手伝いさんを雇っているようだ。ワケのわからないフランス語でまくし立てられた後、
容赦なく切れる。
それからというもの、自分の不始末ゆえの離職と、必死で掴んだ再就職と、更なる離職。解雇のときもあった。いつまで続くのか、
全く分からない。闇は何も答えてはくれず、俺の体力と気力と、時間を奪っていくだけだった。そう、谷口の愚痴も、もっともなことだ。
こんな生活が続けば、誰だって俺に文句を言いたくなるに決まってる。
「ああ、そうだ。お前に手紙が来てたぞ。」
愚痴り終わった谷口が差し出したのは、エアメールだった。差出人は……ない。何だこれは。開けてみる。一枚の紙。
ふたたび鍵を集めよ。期限は30日。
どうやら俺の運命は、まだ転がり続けているらしい。
続かないかも知らん。
>>320 スマナイ・・・
なんか、いい感じの締め方だ・・・、
続きがあることを期待する・・・
>>322 ちょ、また改変世界か!?
続きwktk
ハルヒはサザエ化、キョンはマスオ化しそう
ならば、長門はタマとなってキョンのそばにいるのだろうか・・・。
やっぱハルヒはブルマ化するかもなあ
>>320 >例によって明日大変な事が待ってるのに
公務員試験か?
ともかく、続きが気になる終り方だ。無理しない程度に続き頑張ってくれ。
ブルマみくるは書いたがブルマハルヒに需要はあるかなぁ……
あるだろうな、やっぱり
アニメのオープニングに並んで出ている長門もかわいいし
長門ブルマもありか
そういう意味で言ったんじゃないんだけどwww。ブルマハルヒは大好き。
ちょwwwブルマ違いwww
この前の
>>127の続きができたので投下します。
いつもより若干短い気がしますが、仕様です。
ずっと書いていってますが、前の方のストーリーを直したいという欲望が…
みてください
333 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/25(日) 01:15:35 ID:XXO1WG4G
きたこれ
ろ(ry
チャイムが鳴り響き、俺は目を覚ました。 いつのまにか眠っていたようだな。
えーっと、時間は… げ、もう12時半か。
軽く2時間は寝ていたようだ。 いくらなんでも最近寝すぎだぞ、俺。
朝比奈さんはいなくなっていた。 大方鶴屋さんとどこかでご飯を食べているのだろう。
とりあえず教室を出て、部室棟に向かうことにした。
何か移動が多いなとか思いながら、流星のごとく部室棟に着いた。 我ながら早かったな。
ドアの前で忘れずにノック。 ラブコメでもないのに着替えシーンにでも出くわしたらかなわん。
「…」
うん、長門だな。 聞こえないはずの三点リーダを聞き取り、直感した。
ドアを開けると、そこにはハルヒがいた。 やべぇ、普通にドアをあけちまったよ。
「誰!?」
おもっきし警戒されてるな。 そりゃドアが開いても誰もいないんだし、警戒しない方がおかしいか。
ゆっくり(内側から)ドアを閉め、すぐさま音も無くドアから離れる。
そこにカタパルトに乗せたネズミ花火のような勢いでハルヒが突っ込んでくる。
そしてドアを開けて廊下を見渡した。
「何よ、これが噂のノックダッシュってやつ?」
何じゃそりゃ。 噂どころか名前すら聞いたことも無い。
乱暴にドアを閉め、いつもの団長席に戻っていくハルヒ。 そもそも何でお前がそこにいるんだ?
1分ほどした後、再度ドアがノックされた。 俺じゃねぇぞ。
「お待たせしてすみません。」
そんな声とともに現れたのは、古泉のニヤケ面だった。 お前こそ透明になってくれ。
いまだ不機嫌な顔で、ハルヒが問いただす。
「さっきノックしたの古泉くん? 冗談にしては悪質ね。」
「いえ、今ついたばかりですが、どうかされましたか?」
そういってスマイルを2割り増しにしてあたりを見渡している。 うん、気づいたな。
「今日呼んだのは他でもないわ。 古泉君、あなたキョンの家に行ってキョンの様子を見てきなさい!」
冗談じゃねぇ、俺の家に上がれるのは、朝比奈さんと、あと……長門か。 くらいしかダメだ。 地軸が逆転しても古泉は家に上げん。
「ですが涼宮さん、気になるのでしたらご自分で行けばよろしいかと。」
「い、いや、会いたいって訳じゃないんだけどね、2日も休んでると気になるじゃない。 ほら。」
休まなきゃならんのは誰のせいだ。
ん? 今気づいたんだが、何かうっすら体が見えてるような…
不意に古泉と目が合った。 その0円スマイルがさらに三割り増しになる。 間違いない見えている。
「やはり一昨日のことですか? そろそろ顔が見たいとか。」
何を言いやがる古泉。
「そんなんじゃないわよ。 あいつの顔なんて100均で売ってても見たくないわ。」
俺の顔は99円以下かよ。 ってまた体が見えなくなってるし。
「そうですか、どちらにせよ今日はアルバイトがあるんです。」
「そうなの… じゃあ仕方ないわね。」
そう言ってハルヒが部室から出て行く。 その直後、俺は古泉に迫った。
「古泉、せっかく見えかかってたのに、何でまた見えなくさせるんだ?」
「今見つかると、色々話がややこしくなるじゃないですか。 それに半透明ですよ。 あなたまで不思議の対象にさせるわけにはいきませんよ。」
なるほど。 言われてみれば納得だ。 古泉もたまにはいいことを言うな。
「たまにはではなく、いつも言ってるつもりなんですけどね。」
前言撤回、やっぱりコイツはミトコンドリアの質量程も、いい事を言わないぞ。
そこでチャイムがなった。 昼休みの終わりのチャイムだ。
「それでは僕は、授業があるのでこれで退散します。 それでは放課後に。」
本当は放課後にまた会うのも苦痛なんだがな。
またしてもすることが無くなった俺は、しばらく部室で寝ることにした。 ってまた寝るのか俺!?
続く
何か毎回学校パートがシャッキリしないような
さすがに二連続で長門マンション使うわけにも行かないし、素直にかねてからの予定通りに進めるか。
誤爆した上にage
申し訳ないorz
前スレ550と560(同一人物?)も待ちわびながら小ネタ。
何かの箸休めにでもなれば幸い。箸だけに。
なぜかハルヒが部室で一人カップメンを食っていた。
「お腹がすいたからに決まってるじゃない。
今日は体育で思いっきり走り回ったから、お昼だけじゃとても足りないわ」
「そうか。だが間食は太るぞ」
まあ、こいつならラーメン一、二杯分のカロリーくらいあっというまに消費するだろう。
毎日毎日俺たちを引っ張りまわすテンションを保つには丁度いいくらいかもしれん。
「・・・・・・キョン。これあげるから食べて」
「は?」
「いいから食べなさい。それとも何? 世界には恵まれない子供達が
毎日何人も飢え死にしてるというのにあんたは食べ物を粗末にするの?」
素直に太るのが怖くなったと言えばいいのに。いや、言わないか。
世界を引き合いに出されるとは思わなかったが、確かに捨てるのはもったいない。
それに伸びたラーメンほど不味いものはないからな。
「分かった分かった。食う。そう言えばいいんだろ」
「そうそう。最初から素直に聞けばいいのよ。じゃあ割
俺は早速ハルヒの前に置かれていたカップを取った。
好きな物は先に食うタイプらしく、チャーシューだけ消失しているのが実に残念だ。
その上割り箸の片方が何故か半分の所で折られていたので実に食べにくかった。
「ふう、ごちそうさん」
「・・・・・・・・・・・・」
「ハルヒ、机に突っ伏してどうしたんだ。具合でも悪いのか?」
「なんでもない・・・・・・」
>>337 キョンの喰いかけの弁当を、同じ箸で勝手に喰ってしまうハルヒにしてみれば、
自分が使ってた箸をキョンが使ったくらいでは、何の問題にもならないと思うんだ。
だが萌えたので無問題
>>330 >>331 いや、何となくわかってはいたんだよ……orz
眠かったんだ、勘弁してくれ
そのうちブルマでなんか書くからさw
■0■
悪夢を見た。
タイトルバックに軽快なタッチのメロディが流れ出すと、
口頭で『オレは○○学園に通う普通の男子生徒だ』などと軽く頭蓋内の脆弱性を疑わずにいられないモノローグ風自己紹介が始まり、
おそらく登校途中だと推察できる景観をバックに、
俺(の姿をした男だが、それは俺を貶めようとする仮初で、その実態は裏社会の闇市場で香港マフィアとバイヤー間を斡旋する黒い組織の一味っぽい誰か)が制服を纏い溌剌と闊歩していた。
鼻歌をハミングする姿など見ているこちらがいたたまれなくなってくる。
俺(見てる側)は序盤早々凶悪な一発を頂いて再三インターバルの導入を訴えているというのに、前方の塀の影に身を潜めていた学生が現れると至ってナチュラルに流れに乗って合流したりして、その人物と親しく挨拶を交わしつつ
『こいつの名前は古泉一樹。世話好きでおせっかいな幼馴染だ』
と古泉(♂)を素面で俺(♂)は解説などしちゃうという、まあ世間一般で言うところのラブコメに部類されるものを展開された日には、
俺としては百万回首吊りを行ったあと多少エスプリをきかせて服毒や練炭なんかも時たま交えたバミューダトライアングルで永久の休息をとるってのもありかなぁ、と今年のエイプリルフールネタを本気で視野に入れつつあるわけさ。
夢とはいえあんまりではなかろうか。
俺には芸の道ならまだしも、ゲイの道を登り詰める将来設計を選択肢の一つに組み込むつもりも性癖も毛頭無いのだ。
当レム睡眠中におきまして、本人の意思を介さず発生する世界で好き勝手立ち振る舞われる物語は1000万回に1回のサマージャンボ宝くじ並みの空想や偶然の産物であり登場人物・建造物などは実在のものとは一切関係ありません。
とそう信じたい。
まだ劇もたけなわであったが、コンポネーションが崩壊したあんまりにあんまりな三文純愛モノを見せられ、
これ以上こみ上げてくる吐き気とやるせなさを宥め賺せる自信がなく、お日様もまだ5合目くらいまでしか登りきらない内だというのに夢に三行半を叩きつけて跳ね起きてしまった。
カーテンと窓の三cmの隙間に切り拓かれた世界の数々の色が混ざり合い才色兼備に染まる瑠璃色空から舞い降りた朝影などは
まるで傘下で生を育む民や、北半球のしがない島国の庭付き一戸建てに居住区を構え、今さきほど危うく古泉一樹と友だちからホモダチ関係へ、人類史には残らないが俺のトラウマには確実に残るであろう革新的な二段ジャンプを踏み出し、
先に設けられた世間体という名の棺おけに片足をつっこみかけていた愚かな高校男児にすらも祝福のハンドベルを響かせドンマイベイビーと身に余る励ましを授けてくださるようだ。
だがしかしそれで収まりがつくほど精神的に負った損傷は浅くはなかったらしく、
声に出して言い表せないもやを数時間じわじわ冷蔵して膠化させた憂鬱感の凝縮体のような不快感極まりないものが表皮の上にねっとりと塗布されてるみたいに気だるい。
忌々しい……できれば起きたくないのだが、二度寝してあっちで古泉と甘い蜜月を過ごす勇気は俺の矮小な脳裏に微塵も湧き上がるはずがないのであった。
ていや、と目には見えない枷を断ち切り進軍を開始する。
普段、ベッド上で身を起こすのに微速前進、前進の筋肉をほぐしつつ足底を床につけるのにじっくり10分を要し、
着替えは焦らず20分かける、慎重屋を自負する俺と比較すると異例のハイペースで事が進む。なんといっても今日は土曜日。
それは涼宮ハルヒという高度経済成長の結晶体のような女とはずみで深い関係を築いてしまった者たちならば、少なからず何らかの感慨を覚えずにはいられない光景である
【俺 朝比奈みくる 長門有希 古泉一樹】
上がその可哀想な子羊たちリストである。
番付をすると被害がデカイ順に俺52% 朝比奈さん28% 長門10% 古泉6% その他4%(今年度決算)となっている。
自己評価にも関わらず、まるで追随を許さぬぶっちぎりの支持率をたたき出し、さらに誤差はプラマイ1以下であろうと確信できてしまうことが当方にとってはまことに遺憾である。
古泉に恵んでやろう、気持ち40パーぐらい。
可哀想?いやいや心配要らない。古泉は普段の薄っぺらい笑みとは裏腹に万博の天水皿も裸足で逃げ出すほど寛大な器量を持ち合わせた人物なのだ。
むしろ遠慮がちな態度の俺を「馬鹿ヤロウ!」と叱咤し、「気兼ねなんてするなよ!俺たち親友だろ!」とキャラをぶち壊してまで爽やかに微笑んでくるのだ。たぶん。
逆に朝比奈さんは気が小さい。なんだ貴様、そのデカ乳は飾りか、エロイ人にはわからんのか、とわけのわからん野次を飛ばしたくなってくるぐらいノミの心臓だ。
矮躯ながら内に秘めたる実直なその性格は大変いじりやすく、五人組の中でオモチャ的象徴として君臨なさっている。
彼女もこんな生け贄みたいな青春の一ページを送るために生まれてきたわけでもあるまいに。
でも安心してください。あなたという高嶺の花が、たとえハルヒによって谷底に引き摺り下ろされて、
十年後どこぞのローカル放送で地域密着型ヒーロー戦隊のピンク役でお肌の曲がり角を迎えるまでに成り果てていようとも、俺はさらにその下に穴を掘って見上げ続けますよ。
長門有希。
名前から世界大戦前の大日本帝国の重厚さと淡雪のような読書趣味の気高き姫君を軽佻に想像しやすいのだが、まったくそのとおり。捻りなどまるでなし。
あの少女のことを思い浮かべるときは、常に漠然とした疑問を抱いている。
それが何なのか、長門のミステリアスパロメータの針は常日頃MAXを易々と振り切っているので、いまだ解答の糸口を見出せずにいる。
現状では、俺が長門有希を理解するには、彼女からの歩み寄りがなければどれだけの時間があっても足りないだろうという客観的視点で見た感想と、
彼女に少なからず庇護心をくすぐられている俺の感情論を語るに過ぎない。
だがこの場では割愛しておこう。
一日の始まりにヘヴィーな思考など不協和音以外の何者も醸し出さないのだから、
と賢しく説く俺は朝っぱらから揚げ物系統には手をつけない主義なのだ。
閑話休題。
着替えまですませた俺は最低限分エネルギーを摂取するためにリビングに向かうと、一角に小スペース設けられた、おそらくキッチンだと認識されるであろう場所に赴き、
棚の奥から「食パン??」と思わずクエスチョンマークをサービスで二つつけたくなる気持ちを抑え切れないほど奇天烈な固形物を一枚取り出しトースターに放り込みダイヤルを回す。
……ジジジと一応音はするが直方体に切り取られた空間の上下に具備された電熱線は微弱な熱すら発しようとせず、完全に職務を放棄していた。
おいおい、性根の悪い冗談はよせTS−4000GT。
フリーマーケットで出会ったフレンチ商人に二時間かけて洗脳…元い、その我が侭なボディーに心奪われヨンキュッパはたいてお前を購入したんだぞ、
と未練たらたらに縋りついて、揺すり、叩くが、依然容態はお変わりなく安らかな眠りについたままうんともすんともしないので、俺は早々に見切りをつけて切り上げた。
そもそも接触の問題というより構造設計からして怪しいものがある気がしてならないから。
もしもこの推測に誤りがなければ、電気工学系の知識に何の縁もゆかりもない俺に出来ることといったら、
@おとなしく修理に出す Aフレンチ商人に返品 B実はそのフレンチ商人は古泉
といった至ってノーマルな選択肢を思い浮かべるくらいなものだろう。
候補@は普通過ぎるし、かといってフレンチ商人を表面積5億9百95万平方キロメートルの広い広い地球上から探し当てるなどと徒労に帰す恐ろしい案も御免こうむりたい。
というわけで、おめでとう古泉、消去法で候補Bが満票可決したよ。
人というのは総じて悪を裁くときに得られる正義感という名の大麻に浸かりたいが為に、迫害の対象を仕立て上げる面倒な生き物なんだ、魔女裁判然り。
それはさておいて、そろそろ胃の催促する周期が短くなってきて頻繁に低音を響かせていた。もう限界だ、パンを揚げてしまえ。
さっきの「俺は揚げ物を〜」の主義はどうした、いきなり矛盾かますなよといった批判を受けそうな俺の論理を逸した行動だが、所詮煩悩の前に人一人のエゴなど無力なものだよ。
4000年という遥か遠き幾星霜に刻まれた古人たちの歴史に思いを馳せつつ中華鍋に天ぷら油を注ぎ、次に近代科学を結集した材料の確認だ。新旧両雄の夢のコンビネーション、ここに極まれり。
小麦粉はないしタマゴもない、だがパン粉―――というかパン本体なんだけど―――があるからオーケーだろう。
するとなんだ、食材はパンと油のみという最高の省エネさ。この限られた食材の中でどれだけの創意工夫がなされるというのか?
調理する側の俺にすら1ナノ程の想像もつきません。
ガスコンロを点火し、一時にパンを油の中に落とした。
するとどうしたことか、ぼちゃん、と音がしただけで、あの揚げ物につきものな猛々しい炸裂音は鳴りを潜めている。
気泡を放散し沈み行くパン。摩周の湖畔のように静まり返る凪の天ぷら油。俺が数秒せずとも失敗を悟るのに充分な要素を眼前のワンシーンは内包している。
同時に、ああ今日は朝食は抜きなんだな、と軽く笑みを湛える自分がたまらなく嫌だった。
いやいやその決断はまだ早計というものだろう。
奇跡というものは予期しない展開から、突如として我々を窮地から救ってくださるものだ。
いやこの言い方は正しくはない、なぜなら奇跡に関わらず出来事一般は突発的に起こるのではなく、そこに至るまでの経緯には何かしらの痕跡や予兆となるものが残っているものだ。
まあ御託を並べてないで、とっとと奇跡を祈りやがれよ俺。
「揚がれー揚がれー」
油面までパンが上がってきた。
「OH・・・、イッツミラクル」
それから色々と手を施しているうちに五時間弱が過ぎ去り、時計の短針も一日の折り返し地点を曲がったあたりで我に返った。
むせかえるアンモニア臭と退廃的な終末の空気が交差する一般家庭の台所に永別の念を綴った口上書きを申し述べて、部屋に舞い戻り厚着の服装をこしらえる。
俺は敷居を跨ぎ、新雪の降り積もる路上へと足を踏み進めた。
勢いで導入部分だけ書いた。今は反省している。
>>344 比喩、皮肉、がめがっさおもしろい
続きを楽しみに待つ・・・
改行はちゃんとした方が良い
>>346 元は改行してない一続きの分を、入りきらなかったから無理やり改行したんでこうなってしもうた。
読みにくくてスマン。
面白いが、原作の倍くらいクドいな(W
そのクドさが良いw
>>344 くどい。それが狙いなのかもしれないけど、話が進まないから、だたくどいだけの文章。そんな印象。
>>326 お前は適当に言ったのかもしれないが
俺には無限の可能性に感じられてしまった。
改行ほしい。読みにくくて2行でやめた。
面白いのかもしれんが(ry
>>344 くどい、何度か途中で読むの辞めようかと思ったよ。
普通のSSならもう完結しそうなくらいの文章の量だ。
でも好き。
くどい。
赤き壁より降りて漢土の巷間を這い、人に塗れて出直して来い。
比喩表現過多だが独特の個性の表れと捉える。
続行を希望。
……
……私は、好きな文章。
改行とか行あけの具合っていつも悩むんだけど、どの程度するのが具合いいかな
あと地の文と会話文の割合
過去に投下されたSSでこれは読みやすい、っていうの挙げてみてくれ
俺個人の感覚だと、とりあえずこのスレだと、
>>17 >>31 >>59 >>337が読みやすかったが
>>338 片方だけ半分ってことは単に雑に割った結果じゃない?
改行は、だいたい文単位。
二行以上またがる文は、俺はほとんど書かない。
どうしても会話文で話が長くなりそうなときは、
「端的に申し上げることができれば、どれだけよいことでしょう。ですが」
古泉はいつもの笑みに苦さをにじませた。
「人は往々にして長々と話してしまうものです。だから僕は語るのでしょう」
こうやってふたつに分割してる。
行あけは、時間的に間があるときや、間をあけたいときに置く。
三行であけるときもあれば、二十行であけないときもあり。
でも一レスに必ず一回はあけるようにしてる。
会話文は、掛け合いのとき以外、四行以上連続しないように地の文を挟んでる。地の文は何行でも。
割合は、作品によって違うけど会話:地の文=1:2ぐらい、きっと。
これが一例だけど、自分が読みやすい文章なら、だいたいはオッケーしょ。
>338
借りるのと貸すのでは感覚が違うんじゃないかなと。
例えば人のノートを見せてもらう場合は何でもないけど、
人に自分のノートを見せる場合は字が汚くて読めないんじゃないか、とか
ちゃんと纏まってるだろうか、とか余計な事を考えてしまうと思うんだ。
ま、所詮後付けの考えです。
361 :
341:2006/06/25(日) 10:57:23 ID:XWjR+WBC
■1■
駅前。
マフラー、帽子、ジャンパー、手袋、マスク。
とにかくできる限りの防寒具をつぎ込んでの出で立ちが、先ほどから道を行き来する子供に只ならぬ恐怖を与えている、イヌイットも吃驚仰天男――俺――は夕日が傾く頃になってようやく自分に科せされた非道な処遇の全貌を嚥下した。
これまでの経緯を至極簡単に述べるとする。
いまや俺たちの内輪で、西郷隆盛像を押さえるまでに巨大派閥として成長し、待ち合わせのメッカである駅前を訪れると、なんと俺が一番乗りだったらしく、いつもしたり顔で待ち構えている姿が駅前のどこにもない。
適当に草葉の陰から乙女のインスピレーションだとか現代科学で目視不能な選抜法を駆使して選りすぐった三毛猫がオスであった確率には遠く及ばない数値であっても、
商店街の新井式回転抽籤機をひと回りさせて新型電動アシスト自転車を持ち帰る確率よりは難易度は高いみたいな、
そんな微々たるプレミアムイベントに湧き上がる興奮を機が熟すまで押し殺し、俺は余る時間で近場の喫茶店で優雅にモカでも口に含みつつ迎えてでもやろうかと思ったわけだ。
だが、待てど暮らせど来ねー来ねー。
俺に物理的な温もりの大切さを教授してくださっていた駅の向かいの喫茶店からは、
『コーヒー一杯で何時間粘るんだ早く出ていけ』
という非人道的だが社会的な視線を四法八方から浴びせかけられて、居心地の悪さに店を出たときには16時を回り、数十分後にあたる現在の濡れ鼠状態に至るというわけだ。
「わっはっはっは、すっぽかされるとは、こりゃ父さん一本とられたぞ」
きわめて明るく努めてみる。
「怒りのジャーマンスープレックス!」
寝転がった。
天を仰げば、鈍色の雲は程度ってもんを知らないらしく、次々と雪を排出するのが目についてうんざりとしたが、ダウナー気分引きずっていても、ニット棒で蒸れた頭がストレスで余計寂しくなるというものだ。
明るい未来。レッツ 将来設計。
敗因は携帯電話を携帯せずに外出しただけで、通信のメディアの一切を封じられてしまう俺というの男のファイヤーウォールを切って中身を見てみると、レンコンのようにスカスカでしたみたいな、
蜂の巣ごときセキュリティーホールを弱点と見抜き、そこを巧妙についた敵がアッパレであったという可能性についても捨てきれない。
「最大の敵は無意識であったか」
実は昔、精神分析学を少しかじっていたことがありまして、なんて、どことなくできるヤツのムードを匂わせたいばかりに、インターネットで得た知識をそのまま引用するフロイトの似非愛好家みたいな言い草である。
自分虐めも心が疲弊するばかりだし、帰るとするかね。
新雪と苦渋をざくざく噛みしめるように帰路を辿る。
ま、所詮後付けのageです
363 :
341:2006/06/25(日) 10:59:28 ID:XWjR+WBC
途中、見知った後姿に出くわした。
「朝比奈さん?」
小さい体躯のせいか、背中がひときわ大きく跳ねたように思えた。
「キョン君……」
様子がおかしい。
気まずそうに目線を足元に漂わせているから一目瞭然だ。
「ひどいですよー」
だから俺は喜劇を演じるように眉を寄せて、大げさにかぶりを振る。
「え?」
「駅で一人で待ちぼうけですよ。おかげで子供からは『駅前に住み着く小林幸子の亡霊』なんて失礼な都市伝説で怯えられるし、駅員さんの視線が進行方向固定のまま俺をちらりとも見ず通り過ぎるし」
オール事実だった。
サバサバとした口調だから面白おかしいがな。
「ごめんなさい……ちょっと、今日は度忘れしちゃってて」
なんか余計凹んだぞ。
「あー、朝比奈さん」
落ち込んでる女性をいかにして立ち直らせるか、ここでの機転が男の手腕の見せ所だぞ俺。
「みくる」
何故か下の名前、しかも呼び捨て。
「へ?」
「泣くのはおよし」
沈んだ顎をくっと指先で持ち上げてやる。
眩暈がするほどワイルドだ……。
「みくるって名前、俺は好きだな。読み間違えてみるくって言っちゃいそうなところが」
なんだそりゃあああ!?
俺ってヤツは、なんて頭を抱えずにはいられないイカレたバカブレインを搭載してやがるんだ。
「ぷっ」
朝比奈さんは吹き出した。
「あれ?予想外に受けました」
「はい、受けました」
いつもの二人の関係に戻れた気がした。
でも泡沫だった。
「今後気をつけますね」
「いえいえ、こちらこそ気をつけられます」
相互に礼をした後、二人は別れた。
朝比奈さん……化粧してたな。
わだかまりが残った。
364 :
341:2006/06/25(日) 11:02:19 ID:XWjR+WBC
くどいすぎるという指摘がありましたので、できるかぎり薄めにしときました。
しかし、ほんとにくどいな……。読み返したら胸焼けが止まらない。
あぼーん
頼む、改行してくれ
あぼーん
あぼーん
>できるかぎり薄めにしときました。
薄くしてコレかよ
もうイイ。好きに書けwww
あぼーん
あぼーん
キョンがパワーアップした感じで俺は好きだな。こういうの。
>>341 くどいって言ってる人がいるがこれ、ハードボイルド文体のパロディじゃないか?
比喩表現などのくどさは欧米推理小説を思わせるね。改行に関してもそんな感じ。
改行に関しては特に気にしなくてもいいと思う。
ガルシア・マルケスの「族長の秋」とか読んでみろひっくり返るぞw
ライトノベルなどすかすかの本読んでるとびっちり詰まった活字で
拒否反応を示す人もいるけど気にしなくてもいいと思う。
何か先が楽しみ。完結させてね。
もうわけわかんないです
あぼーん
あぼーん
ま、所詮荒らしのageです
ま、所詮荒らしのageです
ま、所詮荒らしのageです
ま、所詮荒らしのageです
ま、所詮荒らしのageです
土日は諦めることにした
レスの半分以上あぼーんな件について
あぼーん
>>341さんの文章、状況がよく分からない・・・
誰か教えてくれませんか?
>>382 古泉の夢を見た。起きた。朝比奈さんと長門のことを考えた。朝飯食った。外に出た。
駅前に行った。すっぽかされた。帰ろうとしたとき朝比奈さんに会った。わだかまりが残った。
GJ
あー、読み返してみたらなんとなくわかったような気がする
>>383さん、どうもありがとう
>>341 こういう本格的な文体エロパロスレでは初めて見た
ハードボイルドはよく読むので特に拒否感はなく
むしろwktkしながら読ませてもらったよ
5-409氏が言うようにマルケスなんかに比べたらずっと読みやすい
ただ21歳以下にはキツイかもしれんがwww
めがっさGJ
そして今後の展開に期待
谷川も最初はこれくらいみっちり書いてて、削って削って今の形にしてるんだろうなぁ。
段落で字下げか改行、文のヘンなところで改行しないとかすれば読みやすくなる。
文体をどうこう言う前にリタイアだ。
21禁をわかってない香具師が多すぎる
>>341 俺は好きだな、こういう文体。
なんつーか、普段生活してる上での思考や妄想をそのまま文体にした感じ?
あぼーん
>>334 2重連続マンションでも長門と進展させられそうだけどな。GJ!
>>341 SSとしては重いかもしれんが俺はこういうの好きだ
あと5-409のブルマ期待www
内容云々より読みにくいからもっと考えて書いてくれ
本をきちんと読んでい人が多すぎる気がするわね
読解力というのは年齢に関係ないと言うのもね
ガルシア・マルケスとは言わないけどw
国産の推理小説ぐらいは読んだほうがいいと思うの
>>396 人の事とやかく言う前に、日本語を勉強しろ。
本に国産て表現はどうなのか。
改行に関しては文体がどうとかの話じゃないと思うんだが・・・
>>364 くどいと思ったけど、みくるが出てきたら急にすっきりしだした。
あのくどさはキョンの不快度を示すものだったんですね。
現金な話だけど、この調子で続きを希望。
× 現金な話だけど、この調子で続きを希望。
○ 現金な話だけど、ちゃんと改行して続きを希望。
谷川らしい比喩表現を目指してる?割にはキョンの独り言が似ても似つかないのはどういうわけか
>>400 >あのくどさはキョンの不快度を示すものだったんですね。
あまりの批判の多さに慌てて削っただけだ馬鹿。
レスくらい読め池沼。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
http://info.2ch.net/guide/adv.html#saku_guide 削 除 ガ イ ド ラ イ ン
6. 連続投稿・重複
連続投稿・コピー&ペースト
連続投稿で利用者の会話を害しているものは削除対象になります。個々の内容に違いがあっても、
荒らしを目的としていると判断したものは同様です。 コピー&ペーストやテンプレートの存在するものは、
アレンジが施してあれば残しますが、全く変更されていない・一部のみの変更で内容の変わらないもの、
スレッドの趣旨と違うもの、不快感を与えるのが目的なもの、などは荒らしの意図があると判断して削除対象になります。
前スレ711です。あれの続きです。
お付き合いお願いします。
面白くないクソストーリーを投稿して叩かれた作者が逆恨みで荒らし依頼。
愉快なスレだ。
伊藤キター!
徹の席は、ハルヒの席の後ろになった。
何だってこいつの後ろにするか分からないが、
ハルヒにとっては好都合だろう。まあ彼にとっては災難だがな。
一限目の終わりの号令とともにハルヒは後ろを振り向いた。
そして伊藤の顔をまじまじと見つめている。
ハルヒ、伊藤は珍しいか?
「・・・・・・・」
ハルヒが見つめてるのに気づいた伊藤は、ハルヒを見つめ返す。
そのとき、伊藤は微かに生き生きしているように見えた。
「・・・・・・・・・」
長い沈黙が訪れた、かのように見えた。
二人の間は時が止まっているのかと思えるほど静かだった。
そしていきなり、ハルヒはこう叫んだ。
「決めたわ!」
何を。
「あなた、SOS団に入りなさい」
・・・・・なんだって?
「ああ、かまわない。」
「ちょ、ちょっと待て!」
俺は止めに入った。
ハルヒが入団させるなんてこと、古泉以来なので驚いた。
まあこいつにとってはなぞの転校生なんだろうけどさ。
伊藤よ、そう簡単にOK出すのはどうかと思うぞ。
「伊藤、お前SOS団が何をする団か知っているのか?」
「知らん。だが面白そうだ」
興味本位で入ってはいけない。取り返しがつかなくなる。
「俺が決めたことだ。二言はない」
あーあ。だめだな、こりゃ。
「じゃあ決まり!放課後部室棟、SOS団本部へ来なさい」
「ああ、分かった」
結局俺の忠告は無視され、めでたく伊藤はSOS団の団員となった。
俺は知らんぞ。
長門「情報結合の解除を申請する」
1)【ターゲットネーム】朝倉涼子
2)【対象のaddress】tfei:/nihon/nishinomiya/kitako/11253485
3)【削除対象】>>全部
4)【削除理由】キョン君がピンチ
5)【(荒らしの)ホスト】hamonodaisuki.tfei
統合思念体「(;´ω`)」
放課後、伊藤はハルヒより先に教室を出た。
俺はハルヒを呼び止め、聞いてみた。
「何で入団させたんだ?」
「わからないの?」
ああ、さっぱり分からん。
「彼、伊藤君だっけか。他の人と違うような気がしたの」
「どのようにだ」
「そうねぇ、うまく話せないけど、彼は必ず何かあるわ」
「その必ずを信用しろというのか」
だが、俺の最後の言葉は聞き流され、ハルヒは部室棟へと駆けていった。
俺は仕方なくハルヒの後を追った。
部室に入ると、いつもどおり朝比奈さんがメイド姿でお茶を入れていた。
長門は読書中。古泉は一人オセロをしていた。
だが彼、伊藤の姿はなかった。
「何で来てないのよ!」
ハルヒのイライラ声。
「迷ったんじゃないか?今日来たばかりなんだろ?」
「こんなことなら腕引っ張って、
いや、首根っこ捕まえてでも一緒に行くべきだったわね」
来たくなくなるのではないだろうか。
「あの・・・何のお話ですか?」
朝比奈さんが首を傾げる。
俺は自分専用パイプイスへと行き、腰をおろした。
「今日転校生がうちのクラスへ来たんですよ。
そいつがこの団に入ることになって、どうやら校内で迷ったようで」
「有希や古泉君は何か見てない?」
「何も」
と長門。
「僕もそのような方は見ていませんが」
古泉も続く。
「そう・・・・・」
不機嫌そうなハルヒ。まあすぐ直るだろう。
今日はここまでです。
またいずれ書きます。
>>409 書きながら投稿するのはやめたほうが良いですよ。
とりあえず終わったのか継続中なのか判断できなくて次の人が投下しづらくなるから。
メモ帳などに書き溜めてから投下しては?
話の展開とろすぎじゃね
漫画みたいな展開だな
ところでオリキャラ賛否は結局どうなったんだっけ?
伊東?君のセリフ回しがなんか痛い。
漫画の読み過ぎで壊れちゃったノイローゼ少年みたいだ。
正直嫌な予感がする。
既存キャラが凄いオリキャラに対する驚き役にされそうで。
オリキャラは立たせすぎず、他のキャラをひきたてるのに使え、みたいな
感じじゃなかった? まあこの話にいたってはまだ何もいえねえ、
完結する時生きてるかな俺
>>420 新参者に主導権握られハルヒ一同ペコペコ・・いやじゃあ
オリキャラとクロスオーバーはSSにとって鬼門ぜよ
かなり上手くないとグダグダの厨設定になるし、そもそもそれ自体が嫌いな奴が多い
大体は
>>417に同意なんだけど、「全体的には展開が遅いのに、部分部分は展開が早過ぎる」ように感じる。
ハルヒと伊藤君の会話とそこからSOS団に入る流れとか。
伊藤君の賛否については、ここまでじゃなんとも言えないな。まだどんな人物なのかサッパリ分からんし。
ただ、作者の人にはオリキャラは扱いを間違えたらとんでもない地雷になる事を留意しておいてほしいと思う。
……いや、俺がそういう地雷を踏み過ぎて過敏になっているだけかも知れないが。
揚げ足取りっぽいけど、一人でオセロって吹いたw
>>425 いつだったか原作でも古泉がやってなかったか?
ここでもこういわねばならないのか。U-1乙と
一人でダイヤモンドゲーム・・・
オリキャラ(笑)
自己投影なんだろ?U-1乙!!
伊藤君は実は宇宙人で未来人で超能力者で本当はSSSクラスだけど申請するのが面倒くさいからBクラスの神だったりするのかな。
オリキャラはこの間あったキョンに告白する子くらいの扱いでいいよ。
じゃあ俺は異星人に一票
つまりこのオリキャラは、某スーパ○ンジや某逆行ア○トと同類ということですね。
うわ、dendクオリティ炸裂……何回皆に不快な思いさせれば気が済むんだよお前。
マジ消えろ。
みんないくらなんでもU−1認定早過ぎだろw
まだほとんど何もしてないのにw
>>432 ならば俺は吸血鬼に一票だ!
437 :
435:2006/06/25(日) 20:07:20 ID:o7Axc5nO
絶対異世界人だって!
も り あ が っ て ・ ・ ・ きたのか?
>>437 初期Lvが8…。しかも、その時点で覚えている技がありすぎ。
むしろつっこむべきは身長、体重、暦の単位
>>441 本当だ。身長と体重がみたことない単位だ。しかも、誕生日がノストラダムスの予言みたいな日付…。
じゃあ俺流血用に間に合わせで用意したオリキャラに一票!
>442-443
....俺はダッシュで実家帰って机の中身燃やしてくる!
>>442 意外と多いみたいだな、そういう人。
俺もはっきりとしたブツを残したわけじゃないとはいえ…
>>435の下側、読んでて渇いた笑いが止まらない俺がいる。
『涼宮ハルヒの妄想』の続き。
設定なかったのに作ってしまった。でもまずエロありきの設定なので
「キョン、体育サボリか?」
「ああ、ちょっとな」
結局、鶴屋さんとは五時間目が終わるまでずっとしてた。
女子のバレーが終わってから、こそこそ服を回収して戻ったのがさっきだ。
トランクスだけ見つからなかったのは、さてなぜだろうな?
おかげで腰周りが心もとないぜ。
ハルヒの席が空席になってるのを横目で見ながら、俺は自分の席についた。
今、ハルヒと顔を付き合わせて冷静でいられる自信はなかったから、僥倖と言ってもいい。
制服の裏地から俺の名前は割り出してるはずだしな。じゃなきゃ、あんなことしないだろ。
ハルヒの声を思い出しかけ、慌てて振り払っていると、肩を指でつつかれた。
振り返ると、女子がいた。というか、クラスメイトの阪中か。
「あのね、涼宮さんのことなんだけど」
「ハルヒがどうかしたのか?」
「うん。涼宮さん、また調子が悪くなって保健室で休んでるのね」
阪中は、あまり深く考えてないような顔で、
「だから、今日の活動には行けないかもしれないって」
「わかった。サンキュ」
俺も軽く返す。
「あ、もうひとつあるのね。もしあたしが今日休んでも、明日は行くからちゃんと来なさいよ、だって」
「ああ。わざわざありがとな」
「ううん。それにしても涼宮さんが体調を崩すなんてめずらしいのね」
それはそうだが、俺は誰かにメッセージを託すこともめずらしいと思うぞ。
「わたし、けっこう涼宮さんと仲良くなったから、それでかも」
柔らかくはにかむ阪中には、さすがお嬢様育ちだけあって、気立てのよさを感じた。
「それじゃ、たしかに伝えたのね。よろしく」
そう言って、阪中は俺の頬に唇を軽く当ててきた。ん?
「阪中?」
「え?」
阪中は、なぜ呼び返されたのかわからないような表情をしてから、
「あっ、あれ? なんでわたし……ごめんなさい、忘れて!」
みるみる顔を赤くし、走り去っていった。
事態はどんどんマズい方向へ爆走しているような気がする。
いや、歓迎する人間にとっては歓迎すべき事態なのかもしれん。
同級生や先輩が迫ってくるなんて、普通はない。健全な男子高校生として嫌なわけがない、妹を除いて。
だが俺はこんなのは望んでない。望んでないぞ。
なし崩しに巻き込んでくるのは、ハルヒだけでもうたくさんだ。
長門は数日で治ると言っていたが、そんなに待ってられん。
俺はホームルームが終わるや否や、かばんを持って部室へ駆けた。
出掛けに阪中の席に視線を送ると、阪中はしょんぼり肩を落としていた。
「はあい、いま開けますね」
部室の扉をノックをすると、朝比奈さんの声がした。とっさにかばんで顔を隠してしまう。
「あ、大丈夫ですよキョンくん。長門さんから話は聞きました」
扉の向こうから、俺の行動を見透かしたように声が届けられた。
話は聞いたって、もしかして、全部?
「ええと、その、そうですけど」
「すみません、今日は早退します」
さて帰るか。帰って寝よう。寝て何もかもなかったことにしよう。
「ハルヒも早退するかもしれないって言ってました。明日はパトロールだそうです。それでは」
たまには現実逃避のひとつやふたつもしとくべきだな、うん。
心の中の大事な部分が砕けてしまった俺は、無感動にすたすたと歩き去った。
「えっ? キョンくん? 待ってくださいキョンくーん!」
「長門、頼む! 俺の記憶を抹消してくれ!」
数分後、朝比奈さんの要請で出動した古泉に捕まり、部室へ引きずり込まれた俺は
全身全霊を懸けて長門に懇願していた。笑いたい奴は笑え。情けないと思う奴は蔑むがいい。
だが朝比奈さんだけには知られたくなかった。俺は天使を自らの手で汚してしまったんだ。
心の底から沸き起こる良心の呵責に俺は耐え切れない。こんなことならいっそ記憶を、
「いや」
無常なる審判は下された。俺は永遠に罪を背負って生きていくのだ。
健やかなるときも病めるときも、喜びのときも悲しみのときも、富めるときも貧しきときも
これを懺悔しこれに煩悶しこれと相対す、死が俺を別つそのときまで!
「何をそんなに気に病んでおられるのですか?」
のた打ち回る俺に、涼しげな顔で古泉が問いかけてきた。
「どうもあなたは朝比奈さんを偶像化しすぎる嫌いがありますね」
して何が悪い。朝比奈さんはまさしく俺の女神様だ。
古泉は首を振り、肩をすくめると、
「朝比奈さんは未来人ですが人間ですよ。性行為もご存知ですし、性欲もあります。でしょう?」
朝比奈さんに流し目を送った。なんてこと言いやがるんだコイツは。
「こっ、古泉くん、それセクハラですよう」
見ろ、朝比奈さんも顔を赤くして困ってらっしゃるじゃないか。
「これは失礼。ですが朝比奈さんを初潮も迎えていないように扱わずともよいのではないかと」
さわやかな顔できわどいことをのたまった古泉は、それで話を切った。
古泉の話がでたらめ過ぎて、逆に俺に冷静さが戻ってきたようだ。
「長門、俺は数日も待てん。なんとかならないのか?」
部屋の壁を見ながら長門がいると思われる方向へ声を送る。
「わたしにはできない」
ぽつんと答えが返ってきた。
「侵食を抑えるので精一杯」
「侵食だと?」
なんだそれは。
「情報生命素子。うかつだった」
長門の話を統合すると、俺に感染しているのは、シャミセンの中に封印された
なんとか体とは別の情報生命素子だそうだ。それは相手が持つ感染者の情報を
媒体として中枢神経に侵食し、感染者に対して行動を起こすよう働きかけるらしい。
その際、本人の知識や感染者に対する情報量の度合によって症状に差が出るんだと。
そして顔も見せていないのになぜ長門が侵食されているのかと言うと、
「一度侵食された相手は、条件が感染者の瞳を覗くことから感染者との距離に変わる」
長門はの説明によると、こうだった。
「じゃあ、距離をとってから情報生命素子とやらを取り出せばいいんじゃないのか?」
俺の案に長門はあっさりとダメ出しをしてきた。
「対抗処置を施すためには近寄らなければならない」
「そうか」
長門がダメとなるとお手上げだぜ。わらにもすがる思いで古泉にも声をかける。
「古泉、なんとかならんのか」
「長門さんができずに僕ができることなど、そう多くありません」
視界の隅で両手を上向ける古泉が見えた。
「そしてこの件は、大半のほうですね」
できないのならできないと、ストレートに言え。とするとあとは、
「朝比奈さん、は、ムリか」
「……そのとおりですけど、キョンくんって、けっこう容赦ないんですね」
うっ、つい口に出てしまった。
顔は窺えないが、声がとにかく低い。もしかして怒ってらっしゃるのでしょうか。
「あたしのこと天使とか女神とか持ち上げてるくせに、本心はそうなんですか」
「い、いや、これは、その」
「もういいです。それより先にすることがあるでしょう?」
弁明する機会すら与えられなかった。当分、朝比奈さんの笑顔は拝めないかもしれない。
治ったとしてもさ。
とはいえ、一体どうすればいいんだ。
「推奨はしないが、ひとつ方法がある」
この声は、長門か。
「別のインターフェースを呼んで、それに任せる」
たしかにそれは、あまりやりたくないな。
「しかし背に腹は変えられないか。別のインターフェースってあの人だろ?」
「そう」
「じゃあ、頼む。呼んでくれ」
「了解した」
長門の声が微妙に不服そうだったのは、気のせいということにしておこう。
「こんにちは」
しばらくして扉がノックされ、古泉か朝比奈さんが開けると澄んだ声が俺の耳に入った。
「先日は失礼いたしました」
最初に会ったときは、夏休み前、朝比奈さんに頼んで部室に来たんだったよな。
朝比奈さんとは隣のクラス同士。部長氏行方不明事件のときは、部長氏の彼女役だった。
それが年が明けてみれば、いつの間にか生徒会の書記におさまっていた。
古泉曰く、長門のお目付け役とのことだが、さて。
「喜緑さんですか?」
いちおう確認の誰何をした。
「はい、喜緑江美里です」
返事は微風のように穏やかなものだった。
「状況を説明す――」
「けっこうです」
発言しかけた長門を喜緑さんはさえぎった。
「長門さん、あなたは気付いていない、いいえ機能に制限を受けているのかもしれませんが」
前置きとともに、喜緑さんが話し始めた。
「あなたはすでに情報生命素子の温床となっています。素子はあなたが発する情報を介して
情報を認知した人へ進入し、一定量を超えると、同様の作用をもたらすようです」
「……」
「どうやら核はこちらの方にのみ存在するようなので、増殖の心配はありませんけれど」
とんでもない存在だ。長門がウイルスと言い換えたのがよくわかる。
「あ、あのう。それじゃ、わたしは……」
おずおずと朝比奈さんが声を出す。そういや、朝比奈さんは長門に説明を受けたんだった。
「まだ温床にはなっていないようですが、時間の問題でしょう」
「ひええっ」
先程まで怒っていたことも忘れ、慌てふためく。
「朝比奈さんから先に治療すると侵食される可能性があるので、こちらの方からします」
喜緑さんらしき手が俺の肩に添えられた。
「そうでした。始める前に、念のため男性の方は席を外していただけませんか?」
手を添えたまま、喜緑さんの口から鈴の音のような声が出た。
ふんわりいい香りが、俺の鼻腔をくすぐる。
「処置を行う際、素子は本能的に宿主を変え、生き延びようとするかもしれません。
その場合、危ないのは、既存情報から類推すると男性の方です」
治療を受ける俺が退席する必要は当然なく、この言葉が指す対象は、
「わかりました。僕は涼宮さんの様子を確認しに保健室へ向かうとしましょう」
古泉だった。古泉は部室の扉に手を掛け、俺のほうにいつもの微笑をたたえた顔を向けた。
「ご健闘をお祈りします。それでは」
古泉が去り、場に静寂が満ちた。
「では、早速治療を始めます」
喜緑さんの声に、どことなく緊張の色が見え隠れしている。
「わたしにもあなたの情報は相当量、蓄積しています」
俺からは上靴の先しか見えない喜緑さんの声は、少し早口になっていた。
「まだ侵食されていないからあなたに近寄れる。それだけのアドバンテージしかないんです」
そう言い切ると、一気に速度を上げ、俺の耳には聞き取れないつぶやきを始めた。
長門が何度かやってたやつだな。朝比奈さんは呪文と呼んでいた。
「保存するんですか?」
阪中の飼い犬、ルソーに憑いていた情報生命素子は、有益だからと削除の許可が長門に下りなかった。
「いいえ、この素子は悪性です。削除の許可も出ました」
高速で声を漏らす合間に答えてくれた。
「いきます」
準備が整ったのか、俺の右腕にそっと手を添え直角まで持ち上げると、喜緑さんは膝を着いた。
俺の視界に、喜緑さんの真ん中で分けられた髪が見える。
喜緑さんは顔をうつむけたまま俺の腕に唇を近づけ、口を心持ち開き、
「うあ」
耳たぶを噛むように甘くはんできた。皮膚に犬歯の当たる感触がする。これも長門以来、久々だ。
そのまま喜緑さんはじっと動きを止めていた。
数秒であったような気がするし、もっと長かった気もする。
顔を離した喜緑さんは、摘んでしまえるような微笑みを見せてくれた。
「素子を一時凍結しました。これから摘出に移ります」
そんな喜緑さんに俺は礼を言おうとしたが、しびれが走っていて口が動かない。
「ごめんなさい、一時凍結の影響だと思います。もう少し待っていてください」
説明すると、喜緑さんは中腰のまま、俺のズボンに手を伸ばした。
何をするのかと思っていると、おもむろにチャックを下げてきた。
「きゃああぁっ!」
朝比奈さんの叫び声が部室内に響き渡る。
おそらく、赤面して顔を覆っておられるにちがいない。
喜緑さんが社会の窓に手を差し伸べ、取り出したものは、俺のお子さんだったからな。
トランクスをはいてなかった分、あっさりと出てきたお子さんは
喜緑さんの手の感触に、自己主張を始めていた。
口が動けば、俺はうめいていたと思う。
それだけ、喜緑さんの柔らかな手は心地よかった。
しびれは口だけではなく全身に及んでいたが、その分、全神経が集中したかのように
俺のペニスは熱を持って、鋭く首をもたげていった。
「失礼します」
職員室に入るときの掛け声のような音調とともに、喜緑さんは顔を再び近づけてきた。
吐息がそっと包みこむ。おずおずと舌を這わせ、亀頭をひと舐めした。
その感触は、むしろ口が動かないことを感謝したくなるぐらいに、気持ちよかった。
喜緑さんはぎこちなくぺろぺろと舐め続け、時折脈打つ俺のペニスにびくっ、と
身をすくませたり、先走り液が出るのを見て首を傾げたり、ひとつひとつの行動が
すべて新情報との遭遇のようだった。
先走り液を舐めた喜緑さんは少し笑みを崩し、舌に残る味に戸惑っていたようだが
職務を果たそうとする使命感が動かすのか、今や完全に勃起したペニスを両手で包み込む。
そして、口を大きく開け、含んだ。
「んむっ」
一気に中頃まで咥えた喜緑さんは、詰まった声を漏らした。
狭い口腔中に俺のペニスがうずもれる。喜緑さんは平熱がお高い方なのか
熱を持ったペニスが溶かされるような感覚さえした。粘膜が絡みつき、清楚な喜緑さんには
似つかわしくない卑猥な音が部屋に広がり、喜緑さんの瞳が見開いた。
喜緑さんはそのまま、しばらくじっと耐えるように身を固めていたが
喉の奥にまで咥え込み過ぎたのか、苦しそうにうめきをあげ身をよじり、顔を離すと
「けほっ、けほっ!」
猛烈にむせ始めた。よだれが口の端からしたたり落ちる。
目尻に浮かんだ涙も、よだれの痕を追うように流れ落ちた。
何か声をかけてあげたかったが、力を込めても、口は動かなかった。
「けほっ、ご、ごめんなさい。あまり情報を持ち合わせていなくて」
ひとしきりむせ通した喜緑さんは、目尻を拭いながら弁解してきた。
そして改めて、よだれにまみれたペニスに手を添えてくる。
そのいじらしい姿に、わけもなく熱くなった。
今度は無理をせずに、先端に唇を押し付けてから、口を開いていく。
敏感になっている亀頭を飲み込むと、喜緑さんは舌をすぼめたり巻き舌にしたり
あれこれ試行錯誤しながら、亀頭を刺激してきた。苦しそうに息を継ぎながらちゅうちゅう
ペニスを真剣にしゃぶっている喜緑さんを見てると、俺もなんだか申し訳なくなってきて
さっさと射精しないのかとさえ思ったが、今のところ、臨界点を突破しそうな感じはしなかった。
快感は伝わってくるのだが、しびれていることが一要因かもしれない。
「ええっ!?」
俺が贅沢な悩みにふけっていると、突然驚きの声が部室を占めた。
「そ、そんなことあたし知りません!」
朝比奈さんの声だった。
朝比奈さんと会話できる人物は、この場には一人しかいないはずだ。
先程、喜緑さんに言われたことを配慮してか、俺たちの耳に内容が聞こえない程度に
小さい声でぼそぼそと話しているのは、おそらく長門だろう。
「そっ、そんなこと言えないです」
上ずった声が気になって仕方がない。何を話してらっしゃるのかわかりませんが
喜緑さんに集中できるよう、朝比奈さんも小声でしゃべってもらえませんか。
「うう……わかりました」
俺の心の声を悟ってわかったと言ったのではない証拠に、朝比奈さんは思い切り声を振り絞った。
「きっ、喜緑さん!」
「じゅる?」
ペニスを口に含んだまま、器用に首を傾げ、喜緑さんは朝比奈さんに視線を送った。
ぼそぼそ長門の声がしたあとに、朝比奈さんの声が再び聞こえてきた。
「そ、そのですね、い、い……陰嚢を手で刺激しながらすると良いそうですっ!」
自棄になったように叫んだ内容に、俺は驚愕するとともに、快感も走った。
喜緑さんが従順に陰嚢を優しく揉みほぐしてきたからだ。
「くっ、口の中で転がすだけじゃなく、裏筋も舐めてあげてください!」
ペニスを心持ち奥まで咥え、丁寧に裏側を舐めてくる。
「雁首に舌を絡めるのも効果的ですっ!」
舌でカリをつついたあとに、包み込んできた。
「もう片方の手で、陰茎をこすってください!」
根本に当てていた手を上下しだす。
「あとは顔を動かして、挿入感を出せば完璧ですっ!」
生徒として優秀らしい喜緑さんは、言いつけを守って、ゆっくりピストンを開始した。
唇の感触とともに、ペニスが喜緑さんの口腔のあちこちに擦れ、心の中でうめき声が出る。
喜緑さんは苦しそうに涙を浮かべながらも、徐々にスピードを上げていき、それに伴って
俺の射精欲にもようやく火種がついた。
「キョンくん、口の中にたくさん出してください!」
朝比奈さんが後押しするかのように、淫らな言葉を吐く。
朝比奈さんの口からそんな言葉が飛び出してくるという背徳感は、俺をたまらない気分にさせた。
「出して! キョンくん出してえ」
もうダメだ。頭の中は朝比奈さんの求める声と喜緑さんの感触でいっぱいになって、すぐに弾け飛んだ。
「うあああっ!」
いつの間にか自由になっていた口から叫び声を上げると
俺は両手で喜緑さんの頭を押さえ、精子を喉の奥へ大量に叩き込んだ。
「っ!?」
瞳孔を見開いて、喜緑さんは精子を受け入れた。
何度も喉が上下して、こくこくと精子を飲み込んでいく。
「っ、げほっ!」
あまりにもの量に、喜緑さんは射精が収まると、顔を仰け反らせて咳き込んだ。
それでも、精子を漏らすまいと、両手を口に当てつつ背を丸める。
「ごほっ、げほっ」
「大丈夫ですか!?」
俺は慌てて、自由になった体を確かめる意味合いを込め、喜緑さんの背中をさすった。
ちゃんと自分の意思どおりに動く。しびれはどうやら完全に消えていたようだ。
しばらく背中をさすっている内に、咳き込みは落ち着いてきたらしい。
「けほっ、さすってくれて、ありがとうございます」
「いえ、こんなことをさせてしまって、すみません」
まさか摘出方法が射精だとは、夢にも思わなかった。
そうであれば、俺は喜緑さんを連れてくるよう、長門にあっさり頼んだりしなかっただろう。
「いいえ、大丈夫です。素子の摘出にも成功しました」
喜緑さんは綿毛よりふんわりした髪をなびかせ、微笑んでくれた。
穏やかだった喜緑さんと対照的だったのは、
「ぐすっ、キョンくん……あたしもうお嫁に行けません……」
体育座りで顔をふとももにうずめ泣き暮れる朝比奈さんだった。
俺と半ば仲違いになっていたこともすっ飛んでいたようだ。
「ひっく、キョンくん、あたしをお嫁にもらってくれますか……?」
魅惑的な申し出をしてくれる。前のときより本気かもしれない。
朝比奈さん的に、一連の発言は許容の範疇外だったにちがいない。
燃え尽きてしまわれたようだ。時間が傷を癒してくれることを待とう。
卑猥な言葉を朝比奈さんに代読させた長門は、涼しげな目で俺をじっと見つめていた。
その目を見返すと、まるで何日も視線を合わせていなかったように目をしばたたかせる。
その淡々とした色の瞳を覗き込むことで、俺はようやく安らぎを得た気になった。
ともかく、これで終わりなんだな。ハルヒの様子を俺も見に行ってくるか。
しまいこみ、チャックを上げながら、俺はそう思った。
まさか、この事態に続きがあるなんて思うわけないだろ、な?
あぼーん
あぼーん
常に続かない
あぼーん
遅レスだけど、
>>413はなんか笑ったよw
>>462 (救世主が)来たか。
(喜緑さんも)来たか。
NGワードですっきり解決
ハルヒのところに行ったら古泉とやってましたという展開か。
>>465 了解した
>>462 もう書いてくれないのか心配してたよ
466の展開はみたいようなみたくないような・・・
またよろしく!
朝比奈さんに何が起きたかがバレたキョンの狼狽振りが最高ですw
続きも期待してます(常に続かないけど)。
>>466 それやったらスレが荒れそうだな……。
469 :
341:2006/06/25(日) 21:21:30 ID:XWjR+WBC
■2■
ハルヒのヤツがイベントをやると言い出した。
『千羽鶴、打ち上げ作戦(ポロリもあるよ!)』
主語の完全に省かれ、まるで要領を得ない焦りのみが先行した戦国の足軽大将のように紡がれていく演説の一部を口述筆記し、それをハルヒ専用再構成フィルタにかけたところ要するに、
大晦日の夜に風船にくくりつけた千羽の鶴を、いつの間にかサポーターになっていたらしい野球部全面協力の元、来年度を迎えた瞬間に一気に照明に照らし出された暗淡色の空へと解き放とうというものらしい。
きっと、ハルヒの言ってるサポーターってのはあれだ。ほら、サッカー選手の脚に装着して、スライディングでがりがり削られてるアイツ。なんて的確なたとえだ。可哀想に。野球部なのにサッカーに例えられてしまうところが特に。
しかし、そんな非生産的な行為をよりにもよって年明け早々に開催してくれなくてもいいだろうに。
受験生の朝比奈さんなどは、骨折り損という言葉のみが脳裏を疾走する唯我独尊ぶりに加え、さらにポロリまで献上しなければならないかもしれない薄幸な未来像に、
すでにあたし諦めちゃってます、というマジで閉鎖病棟に措置入院させられる5秒前みたいな、緑黄色野菜だけでミックスジュースを作ったときのごとき色合いの引きつり気味な笑顔を浮かべている気がしてならないので、
俺はそちらを振り返ることをせず、長門のほうを見やった。だって怖いんですもん。
長門は自前のポーカーフェイスを貫いて、ハードカバーの面積分だけに視線を走らせていた……が、俺のトロピカル光線に篭った熱感を感じ取るサーモグラフィ機能でもあるのか、唐突に顔を上げ、こちらをちらりと見やった。
!
それは俺が望んだゆえに生まれた錯覚なのか、一文字に結ばれていた長門の口端がほんの一瞬だけ、くの字に吊り上げられた気がした。
笑った?
まさかな……と心の中で皮相的に否定はするものの、深層ではあたりの来ない釣竿の浮きさながらに、さてどうしたものか、と着陸地点を探して虚空をうろうろ彷徨っていた。
そして俺の横顔10cmまでニヤケ面を接近させていた古泉のオトガイに掌底をお見舞いして、今日も朝比奈さんの温もり満載のお茶を流し込むのであった。
470 :
341:2006/06/25(日) 21:22:37 ID:XWjR+WBC
今日も何事もなく覚醒する。
いつも見ている天井がやたら広く無機質な長方体の部屋に伸びている。
「……広すぎる」
調子が狂う。脳のどこかが言い知れぬ漠然とした懐疑心を抱いて、不安に警鐘を鳴らしている。
こんなにも幸せな気持ちだというのに、何を恐れる?
仲間。
幸せを想起させる言葉を、何度も自分に言い聞かせた。
だけど、手繰り寄せる紐に手ごたえはない。
すれ違っている気がした。
未だ視切れてない綻びを感じるのだ。
身を起こすと、ベッドが大げさと取れるほど派手に軋んだ。
外が明るい。
朝になっていた。
起き上がり、着なれた制服に袖を通し、朝食を摂ろうと冷蔵庫を見ると、ウインナーがあったので玉子と一緒にボイルする。
食欲があまり湧かないので景気づけに梅干を口に含んだ。
「ところで梅干の種の中身って有毒なんですって?」
しらねえよ。
そうこうしているうちに登校時刻がやってくる。
「あ、冬休みだっけ……?」
また狂う、くるくるくるくると。
俺は思考を停止させて、玄関を出た。
12月26日。
大晦日まであと5日。
ID:av9bdykGよ、悪い事は言わんから[sage オリキャラ]とでもしておいてくれ。
472 :
341:2006/06/25(日) 21:25:03 ID:XWjR+WBC
>>400 書いててわかったんだけど、どうやらキョンが余裕のあるときくどくなるらしい。
疲れたんで寝ます。
>>462 喜緑さん分供給感謝。
この方は絵もSSもそう多くないからなぁ・・・
>>437 いまさらだけど、メイン技に同じのがいくつもあるのはなんでだろ
>>474 あまりに書きすぎて、自分でもなに書いたか忘れちゃったんじゃないの?
>>474 意図的に作ったんじゃね?痛くさせるために。
喜緑さんはたぶん内面は黒いはず、と期待している
あー無口で無表情な女の子に放課後屋上に呼び出されて
ちょっとどきどきしながら行ってみたらじっと見つめられたり目を逸らされたり何だかこっちも落ちつかなくて
頬が仄かに染まっているのは夕日のせいだと信じたいね
でもってとうとう意を決したように
「……上手く言語化できない。でも、聞いて」
とか言われてーなー
……疲れてんのかな、俺
コネタ
ある日キョンがアニメのキャラがいっぱい載ったなんとか大全って本を読んでた
「うわっ部室で何なんか読んでんのよ!このエロキョン」
「ハルヒ、実はこれツンデレに関する本なんだが・・」
「ツ、ツンデレですって?き聞いたことないわね!」
「そうか?いま社会現象化しつつあるぞ」
「し、知らないわよ!それがあたしに何の関係があるってゆうのよ!」
「今お前が俺に言った言葉に類するものがことごとく記載されてるのだが・・」
「バカ勘違いしないでよ!」
「ほら、いまのなんかズバリこのページに出てるぞ」
「・・・・ナンノコトカ、ワタシワカラナイヨー」
「お前は都合の悪いときのビビ○ンスーか!?」
「あなたの言動を私は理解し得ない」
「長門の真似するなー!」
「えぇ〜じゃあどうしたらいいんでしょうかあ?」
「朝比奈さんは二人もいらん!」
「やれやれ困ったことになってしまいましたねえ」
「古泉はもっとにやけて言うぞ!」
「ジャアイッタイ、どのような手段による意思疎通を、キョン君はのぞんでるのかなあ?
残念ながらわかりかねます。」
「四種混合キメラ語かよ!」
「もうじゃあどうすりゃいいのよ!」
「・・・素直になればいいんじゃないのか」
「・・・・」ばかっ。キュンとしてんじゃねえよあたし。
テラモエス!!!
コネタ2
ハルヒ「暇だし、しり取りしよ、じゃあたしからチュパカブラス!」
キョン「すし」
古泉「んーそうですね、死体。」
みくる「怖いこといわないでくださいよもう、イグアナ」
長門「・・・」
ハルヒ「ちょっとちゃんと参加しなさいよ!」
長門「・・・」
キョン「まかせとけ、いい考えがある。」「おい長門!」
長門「何?」
キョン「ナニの二だからニカラグア!」
ハルヒ「キョンうまい!みくるちゃん座布団もってきなさい!」
みくる「ええ〜用意してないですよ〜」
長門「・・・・・・(ナウマンゾウと言ってみたかった・・・)」
言えばいいじゃねーかよ長門wwwww
486 :
ジョン・スミス:2006/06/25(日) 22:36:23 ID:qzWCbuAi
>>483 >キョン「まかせとけ、いい考えがある。」「おい長門!」
>長門「何?」
>キョン「ナニの二だからニカラグア!」
爆発的笑動
略して、爆笑!
キャラを気にしやがって、長門・・・
最後が上手いな。
あぼーん
そして>あえて今437に突っ込みを入れる
このキャラの身長は173メートルあるという点に。
おはようございます。俺はマイスイートエンジェルに朝の挨拶をした。
「おはようでござる、キョン君」
ああ、駄目だ。こんなの朝比奈さんじゃない。
朝比奈さんのセリフ意外と難しいな、どうやって書き分けたらいいんだ。
馬鹿丁寧にすると古泉の奴とかぶってしまう。
かといって、……を使ったらそれじゃあ長門じゃないか。
スイートエンジェルは口調までも簡単にはいかないのですね。
「キョン君、思うように書いていいんだからね?」
朝比奈さんはそう言ってくれるが、朝比奈さんのお茶を毎日飲ませてもらっているこの身が口調を間違えるわけにはいきません。
しかし、困ったな。
長門、どうすればいいと思う?
「推奨される提案がある、耳を貸して」
あ、ああ。
俺は皆の目を気にしながら長門の口元に耳を寄せる。
朝比奈さん、そんな顔を赤らめながら見ないでください。
古泉、そんなニヤニヤしながらこっちを見るな。
で、長門その提案とはなんだ?
「朝比奈みくるの出番を私の出番に書き換えるといい。私の出番も増えるし、貴方も困らない。一石二鳥」
おお、それはナイスアイデアだ。
……ってそれは却下だ、却下。
こら、そんな残念そうな顔しない。
「では、こういうのはどうでしょう」
あまり聞きたくはないが、言ってみろ。
「彼女のセリフのところをこの本から選んではどうでしょう?」
その本とやらを見せてみろ。
これか……まあやってみるか。
俺は朝比奈さんのセリフのところに適当に開いたページからよさそうな物を入れてみた。
次のが修正文だ。こんな方法でうまくいくのかね。
おはようございます。俺はマイスイートエンジェルに朝の挨拶をした。
「ごめんなさい、言えないんです」
朝比奈さんの柔らかい唇が俺に挨拶を返す。
朝から言葉を交わせるなんて今日の俺はラッキーなんだろう。そうに違いない。
「わたしこそ、いつも恥ずかしいところばかり見せちゃって……」
そんなことはないですよ、ではまた放課後に会いましょう。
そして放課後になった。授業中? そんなものは思い出したくもないね。
俺は部室のドアをノックする。朝比奈さんの着替えを除かないための防衛策さ。
「い、いやです!」
いつもの声を聞いてドアを開けて中に入る。
中では朝比奈さんがお茶を入れているところだった。
そのお茶もこの前買ったやつですか?
「禁則事項です」
「見事に支離滅裂ですね」
「……」
「キョン君、ちゃんと選んで下さいよぉ」
すいません、朝比奈さん。俺にはわかりません。無理です。
けどきっと俺に教えてくれる人がこのスレにはいるはずです。
少し待っていてください。このスレで勉強してきますから。
ここで
>>483のしりとりの順番が変わってるというツッコミ。
ハルヒはお腹いたくなって帰ったんだよきっと!
超コネタ
みくる「新茶入れてみたんですけど、どうですかあ〜?」
キョン「いやあとってもうまいですねえ(ニヤニヤ)」
長門「・・・(!キョンがぐっとくる長音の長さは1.2秒)」
長門「・・・〜(1.2秒にしてみたけど反応が・・・)
「毛虫」
「しー……塩ジャケ」
「け? け……け〜〜〜……。けんばん…ハーモニカ!」
「かみのけ!」
「まーた『け』かい!」
「もうないでしょ?」
「あるよ」
「?」
「結婚しよう」
「……」
「『う』だよ?」
「……うん」
「よっしゃ、おまえの負け」
なにそのプラテネス
だがそこがよい
アニキャラハルヒスレで同じネタがあった気がする。
1/7
思春期男子に共通の話題として、エロいブツの保管場所というものがある。
もしこの話題に乗ってこない奴がいたら、そいつは思春期でないか、男子
でないか、あるいはその両方であろう。
「中学ん時のカバンに入れてるけどよ、それで見つかった事無いぜ」
嘘だ。それはもはや本人以外の谷口家の周知事項になっているに違いない。
家族って奴は多少隠したところで、あっさりとそれを発見しちまうように
出来ているのだからな。
「マジだって。お前らも試してみな」
鳥肌の立った腕をさすりながら、谷口の御説を拝聴していたが、うぅ、
なんて寒さだ。
体育のマラソンなんて、極端に生真面目な奴か、元気の有り余っている奴
だけが最後まで走り通し、他の連中は体育教師の目が届かなくなると途端に
ダレて、コースのショートカットの口裏を合わせたりするのが普通だ。他の
学校ではどうかは知らないが、少なくとも北高ではそうなっている。
俺程度に多少の真面目さを持ち合わせていたとしても、学校周辺の起伏は、
そういう気持ちを容易に打ち砕いてくれたよ。
「僕は角封筒に入れて、ほかの角封筒の中に混ぜているよ」
だらだらとした坂道を下りながら、国木田は自分の隠蔽テクニックについて
説明してくれた。
「テスト前のプリントとかさ、みんな取っておくでしょ。あれ全部教科別、学期
別に分けておいて角封筒に入れているんだけど、そのなかの一つに」
ほほぅ。流石勉強している奴は違うな。俺はプリントなんて速攻で捨ててるぞ。
というか、国木田もエロい本とか持っているんだ。成る程なぁ。
「ところでキョン、お前はどうなんだよ」
「僕も興味あるな」
そこで俺はわざと一息置いて、
「俺は全部ディジタル化してるから」
谷口のアホに当てつけるために、わざと難しそうな単語を使ってみた。
「なるほど、パソコンね」
国木田は感心してくれたが、
「けっ、難しそうな単語使いやがって。つまりエロサイトだろ」
こちらの意図を全部汲んでくれて嬉しいぞ。だがちょっと違う。高校入学の
際に親に買ってもらったノートパソコンに、ネットは繋がっていない。
我が家には、なんの弾みでか親が契約したADSLと繋がったパソコンが一台別
にあって、まぁ俺以外は全然使っていないのだが、それは居間にあってエロ
サイト巡りは正直問題外だ。
俺がハルヒに優越する唯一の技能である電子機器の取り扱いは、そこで鍛えた
ものだ。そうやって地道に実績を積み上げたおかげで、自前のノートパソコンを
買って貰えた訳で、その時の方便の一つ、勉強用って奴を親はまだ信じてくれて
いるようだ。
そういえば、万能選手ハルヒにも苦手なものがあるって言うのは、よく考えて
みれば意外な気もする。ハルヒの要領の良さなら、何でもあっという間に習熟
しちまいそうなもんだが。
思うにハルヒは直感というか、とにかく飛躍でもって正解に飛びつくように
出来ているのであって、手順を踏まないと使えないような代物は、かったるくて
仕方が無いのだろう。もしかするとあいつは、途中の計算式も一緒に書かせる
ような数学のテストは、案外苦手なのかもな。
2/7
そう考えると体育の後の、元気が有り余っているハルヒを眺めても、心安らか
でいられる気もする。まぁ、そういう気がするだけなのだが。
その勢いのまま放課後の部室へと直行するハルヒを見送ってから、俺は
ゆっくりと腰を上げた。
部室棟の廊下に出たところで、なんとなく予感がしてコンピ研の部室に寄る。
いた。
軽快な打鍵音を響かせているのはやはり長門だ。
長門は、こないだから専用のPCをそこに確保していた。たまにしか来ないの
だから部員のを使わせてもらえば良いんじゃないかと思ったが、部員曰く、長門
専用機は今時コマンドラインコンソールオンリーのLinuxマシンで、キーバインド
を滅茶苦茶に弄られていて、他人にはちょっと扱えないのだそうだ。
顔見知りになった部員に手を挙げて挨拶してから、長門に声をかける。
「よう」
長門はそこで手を止めて、俺を見る。表情の無い顔が少しだけ動き、指先だけが
打鍵を再開した。手元はおろか画面も見ていないその芸当を眺めていると、どう
やら今日のコンピ研出張は終わりらしい、PCの電源の落ちる音がした。
「何してたんだ」
「デバッグ」
何のだ。
「"The Day of Sagittarius 4"の簡易物理演算を汎物体表示オブジェクトに統合
したが、予想よりも早く精度を失う自体が発生した。原因はOS。問題は回避した」
よく判らんが、コンピ研がこないだSOS団にボロ負けした、あのゲームがいつ
の間にかポリゴンに進化しているのは長門のおかげらしい。
ほぉ、と、他のPCで動いている画面を眺めているうちに、長門はさっさと
コンピ研部室を出て行った。
さて、俺も行くか。そこで知り合いの部員が、紙袋を手渡してくれた。
「約束……」
ああ、判っているさ。鞄から封筒を取り出して渡す。中身は極めてレアな代物、
何時ものように本を読む長門の、私服バージョンの写真だ。夏のあのSOS団合宿
の際に朝比奈さんが撮ったものの中から一枚、写真屋でプリントしてきた。
そいつは中身を確認すると、小躍りして他の部員達のところへと戻ってゆく。
マニアックな連中め。
3/7
さてここまでは所謂前振りって奴で、本題はこの紙袋の中身だ。
家に帰った後、自分の部屋で袋を開けると、中にあったのはCD-ROMが三枚。
三枚組って奴だ。
エロいブツの入手先として、エロサイトが有り得ないなら、代わりは何だ。
インストーラが答えを告げる。
……まぁ、要するにエロゲだ。
ちょっと待て。これがなかなか馬鹿にはできんのだ。アニメ絵イコールオタ、
キモイってのは短絡的に過ぎるぞ。大抵は漫画がオッケーなら許容できる絵柄
だし、それにストーリも馬鹿にしたもんじゃない。すっげぇ感動できる良い
作品もあるんだぜ。
……
言い訳の練習はこれ位にしとくか。
エロゲはやっぱりエロスがあってなんぼだ。エロゲに萌えは要らんよ。そも
そも朝比奈さんを超える萌えキャラが有りうるとは思えないね。
最近はツンデレってのが流行りらしいが、そんなものの何処が良いんだ?
考えてもみろ、例えばハルヒが朝比奈さん互換のラブリーさを身に付けたと
してだ、それは本当にハルヒか?
傍若無人だけがハルヒじゃないかも知れん。しかしだ。デレっていう奴は
リアリティ無いだろ。無さ過ぎだ。
さてと。フルボイス作品だったが、音声は切らざるを得ない。これは家族と
一緒に生活している事の、受け入れざるを得ない代償って奴だ。
以前イヤフォンでプレイしていて、
「キョンくん、それなーに?」
ってやられたときは、朝倉涼子に殺されかけた時並に走馬灯がぐるぐる脳裏
をよぎったね。幸いな事に、非エロの通常イベント中だったので助かったが、
それ以来俺は、音には気を付けていようと心に決めたのさ。
妹はしつこく、
「ゲーム?それゲーム?」
とうるさかったが、とにかくゲームじゃない、これはクラブ活動のむにゃ
むにゃと煙に巻いた。しかし妹は多分まだ疑っているだろう。
しかし、だ。ゲームはディスクイメージ化して外付けHDDに収めているし、
その外付けHDDはアカウントとパスワードで二重に守っている。暗号化までは
要らないと信じたいが、それは今後の課題だろう。
4/7
こいつは学園伝奇ものでそれなりにエロいという話だった。学園伝奇って
時点でシナリオの出来は諦めているが、確かにエロい絵だ。
以前コンピ研の部長が薦めてくれたエロゲ、なんて言ったっけ、いとうのいぢ
とかいう絵師だったが、見てると何だか落ち着かん。ああいう絵が好きなんて、
部長さんは正直ダメすぎると思うぜ。
気の利かないインストーラがデスクトップに作りやがったショートカットを消し、
スタートメニューの中を少し整理する。
評価してくれと言われてインストールしていた"The Day of Sagittarius 4"の
フォルダの下には、キャンペーンデータ用のフォルダがあって、更にその下、
"backup"という名前のフォルダ-俺が作った-に、これまでインストールしたエロゲ
のショートカットが集まっている。
こないだみたいに、
「ねぇ、”ねーこねこソフト”ってなぁに?」
何て事にならないように、気をつけているのさ。
くどい文章を適当に読み飛ばしながらおよそ一時間後、最初のエロシーンに
辿り着いた。
ゲーム開始後5分辺りにもエロシーンっぽいのは有るには有ったが、どちらか
と言えばそれはグロシーンで、実用に供するには無理があった。つまり、これは
待望のエロシーンなのだ。
俺は耳を澄まして、ドアの外に物音が無い事を確認すると、テイッシュの箱を
引き寄せた。セーブは済ませた。さてクリック。
”アプリケーションエラー”
おい。
そのWindowsメッセージは全然エロくないぞ。こら、勝手に落ちるな。
「何その顔」
ハルヒにも呆れられる程の寝不足顔を晒して教室の席につく。
あれから死闘4時間。
インストール三度目の結果も、やはり同じだった。CD-ROMが壊れていたか、
バグか。まぁバグなんだろうなぁ。パッチどうやって落とそうか。
必死になるのには理由がある。エロゲは今や俺の死活線なのだ。
ぶっちゃっけ告白するとだな、俺は、こないだから三次元で抜けない身体に
なってしまったのだ。
例えば、肝心なところで、背中を突付かれているような、そういう感覚に
襲われたり、あの不機嫌オーラを一瞬感じて背中にじっとりと嫌な汗をかいたり、
そして一番のヤバいのはアレだ、ブルズアイ。呪いの二本角。
5/7
そもそもきっかけはひと月前に遡る。
放課後の階段で、中庭の掃除だと言う朝比奈さんに挨拶して、そのまま鼻歌を
歌いながら部室のドアを開けたら、まぁ、ハルヒがメイドコスプレに挑戦していた。
ワンピースになったそれを被ろうとした辺りだったらしい。あと何か言いかけ
てた。多分、俺がドアをノックするものと思っていたのだろう。しかし俺はさっき
朝比奈さんに会って、だから今部室で着替えシーンを目撃するとは思っちゃ
いない。
不幸な事故だな。
……俺が一番不幸な目に会いそうな気がするが。
ハルヒの下着は白かった。これだけは特筆すべきだろう。スタイルの良さは
知ってはいたが、ほとんど裸の状態を見るのとでは話が違う。肌も白く、そして
顔が赤くなっていた。
互いに凍り付いていたのはどのくらいの間だったのだろう。先に正気に戻った
のはハルヒで、俺はそれから少し遅れて、ハルヒに目潰しを食らいそうになって
ようやくだった。
いきなり目潰しなんてやるかよ。中指と人差し指を突き出して、躊躇無く俺の
目を狙ってきやがった。マジの紙一重でかわした俺は姿勢を崩して尻餅を付き、
仁王立ちのハルヒを見上げる格好になった。
つまりパンツ一丁、いやブラもあるか。ハルヒは親の買ってきた服が物凄い
センスだったのに、それを着るしかないと知ったときの妹のような表情で一瞬
こっちを見て、そしてドアが閉じられた。
ドアに鍵がかかる音が聞こえた。
俺はそれから古泉がやって来るまで、その場に阿呆のように座り込んでいた。
「おやおや、どうしたのですか」
うるさい。
ハルヒはそっぽを向いたまま、その日一日俺をエロキョン呼ばわり続けた。
朝比奈さんがその理由を聞くと、でっち上げの犯罪ストーリーまで語って聞か
せる徹底ぶりだ。
「駄目ですよキョンくん。女の子にそんな事しちゃあ」
ハルヒの与太話なんて信じないで下さい朝比奈さん。そもそも俺が、
「ぐへへへ、おじょーちゃんのぱんちーは何色かにゃ?」
なんて言いながらハルヒに迫るなんて、リアリティの欠片も無いでしょうに。
「みくるちゃん、エロキョンの言う事に耳貸しちゃ駄目よ。犯されるわよ」
くそっ、無茶苦茶言いやがって。
6/7
異常に気が付いたのはその晩のことだ。
部屋の片隅、円筒形のゴミ入れからゴミ袋を引き出し、ゴミ入れの内側に
弾性で張り付いた内張りを取る。内張りはポスターを切って作ったもので、
更にゴミ入れの内側には、同様に弾性で張り付いた、薄いエロ雑誌がある。
こうやって隠している訳だが、しかし労力に見合った結果が出ている気が
しないぜ。さぁて。
可愛さゲージで朝比奈さんを100とすれば、せいぜいが15って所だな、等と
グラビアを評価しつつも、肉体は正直なもので、俺のエロスなインターフェース
はもう使用可能状態だ。
やっぱ裸というのは強い。逆説的に衣類の偉大さも同じように導き出せるの
だが、そっちに今は用は無い。気が向いたら朝比奈さんのお召し物を主題に
して、そっちの方も論じてやろう。
そいえば裸と言えばハルヒ。いやいや今クライマックスに出てきて貰っては
困る。とにかく困る。エロスの質で言えば、昼間の光景は群を抜いてはいるが、
そのままハルヒで抜いては、明日どういう顔をしたものか。
駄目だ駄目だ。妄想に戻ろう。
静止画で妄想するコツは部分を見る事だ。それで脳内妄想とリンクさせるのだ。
妄想設定を説明しておこう。俺はとある喫茶店でバイト中で、バイトの先輩
である女子大生に肉体的誘惑を仕掛けられている真っ最中だ。
「キョン君は大事なお客様だからぁ、ふふ」
バイトか客かもはや曖昧だが、それよりも妄想の相手にすら渾名で呼ばれる
のがショックだ。おなかの肉は見ない振りをする。おっぱいが揺れた、という
事にしておこう。柔らかい肉を、肌を、想像する。
童貞が想像するところのクライマックスに到達しかけたところで、それが来た。
目をつぶる。もう考えられない。視野が全てが白く、いやあれはハルヒだ。
すると必然的に、真っ赤な顔で目潰しをしかけてくる訳だ、奴が。
死ぬかと思った。
その日から、俺のオナニータイムはハルヒの執拗な妨害に会うようになった。
突破口は漫画で抜けた事。どうやらハルヒは二次元の世界までは追って来る
事は無いようだった。しかしエロ漫画は入手よりも保管が問題だ。
俺は冷やかしで入れたエロゲを試して、これで行くことにした。ディジタル
の利点は前述した通りだ。そしてもうかれこれ半月が経っていた。
パッチはまだ出ていなかった。俺は履歴を消すと、居間のパソコンの電源を
落として部屋に戻った。階段前で妹に出くわす。
「もう水飲むんじゃないぞ」
もう夜中じゃないか。小学生は寝る時間だ。
「水じゃないもーん。麦茶だもーん」
同じだ。
部屋に戻ると、ノートパソコンの電源を入れる。あのゲームはさっくりと諦め
よう。少なくとも今は。代わりに他のゲームでも、と。
お気に入りのエロシーンに飛ぼうと、セーブデータを選ぶ。さて。
”アプリケーションエラー”
こりゃ一体何だ。
6.5/7
ドアをノックする。反応は無い。ドアは開いている。とすると、目指す人物は
中に居るらしい。
俺は昨日に引き続いて寝不足だったが、頭は妙に冴えていた。ちょっとばかし
ハイになってるのであろう。
中には確かにいた。
「長門よ」
あの後、セーブデータを全て試した。正常なセーブデータもあった。駄目なのは
全てエロシーン。正常なセーブデータも、全てエロシーン手前でコケた。
これが、チェックした全てのゲームで繰返されれば、大体どうなっているか、
原因は置いておいても現象はつかめるだろう。
さて、原因だが、少し考えてウイルスやワームの類いは除外した。どうやって
エロシーンだけを判別するのか。そりゃ無理だろ。
但し、超常的技能の持ち主を想定に入れなければ、の話だ。
「……何故こんなことをした?」
長門は、膝の上の本を閉じると、俺を見上げた。
「あなたは、すべきでは無かった」
長門は隠すつもりは無いらしい。ひっかけ気味の質問だったのだが、長門には
全然影響しなかったらしい。しかし本当に、何故だ?
そこで、長門は、以前見た事の有る表情を浮かべた。
「恐らくうまく言語化できない。正しい文脈を構成できる自信が無い。でも、聞いて」
そしてまた黙ってしまった。こっちがちょっと焦れて、お茶でも用意しようか、
等と思い始めた頃、長門は口を開いた。
「あなたは極めて原始的な抽象化擬似人格と擬似的な会話を交わし、性的交渉を
シミュレーションしようとした」
なんの話だ。
「私は"The Day of Sagittarius 4"を、貴方のユーザアカウント下で駆動する
ソフトウェアプラットフォーム上の、擬似人格を制御するスクリプトの状態
遷移を、性的交渉開始時点でフリーズするよう改修した」
お前がコンピ研のゲームに手を入れて、エロゲに干渉したのは判った。推測
していた通りだ。しかし、何故だ?
また口篭もったかと思うと、
「あなたは極めて原始的な抽象化擬似人格と擬似的な会話を交わし、性的交渉を
シミュレーションしようとした」
また同じ事を言った。だから、何故なんだ。
「……言語化できない。でも、駄目」
そうか、駄目なのか。
「そう」
そして、
「いかなる情報システム上の人格シミュレーションとも、シミュレーションで
あるかを問わず、性交を行なうべきではない」
実にきっぱりと言い切った。
7/7
俺は机の向こうのパイプ椅子に座り込みながら、もしかすると、と考える。
もしかして、長門よ、おまえエロゲキャラに嫉妬してるのか?
嫉妬と言うのはつまりアレの結果であり、うーむ。嬉しいと言うか何と言うか。
但し本人は気付いていない訳だ。
そりゃ言語化できないだろう。それは長門にとって全く新しい概念の筈だ。
恋、か。
そういう訳で難しい表情をしているであろう、そんな俺を見かねたのか、気が
付くと長門が一冊の本を差し出していた。
「読んで」
今か?
「あとで」
そして、
「その本の存在も、内容も、誰にも言ってはいけない」
どうやらこれは、長門謹製のエロ小説らしい。
自室のベッドの上で暫く唸った挙句、暫定だがこういう結論に達した。
どこか異星の軟体動物の生態についての記述かも知れんし、コンピュータの
ありように関する哲学的な内容なのかも知れん。しかし、文脈から判断すると
これはエロ小説だ。最初こそ以前読んだあのふわふわした文体だが、どうも
俺が出演している。
それにしても、多重継承ってそんなにエロいのか?ゼロで数を割る事がそんな
恐ろしい残虐行為だったなんて。以後気をつけよう。
まぁ、そんな塩梅だったので、あっという間に俺は寝てしまった。寝不足
だったしな。
そして、
俺にとっての肝心の問題は全く解決されないまま、一つの物語が終わりを告げた。
なんか、SS書いててふと気づいたんだが、ここですばらしいSSができるたびに、谷川氏は新しいネタを潰されるわけか?
が、その辺は氏のクオリティの問題かな。(自己完結
とりあえず透明の続き書いてくる。 またかとはいわんでくれ。泣くから…
>508
うは
長門萌エス
それにしても、上手いね。
谷川の真作だと言われても違和感全然ないですなあ・・・・GJッ!
>>509 寝れなくなっちまったじゃないか。
べっ、別に楽しみなんかじゃ、ないんだからっ!勘違いしないでよっ!
>多重継承ってそんなにエロいのか
一部の人間達にとっては著しく非倫理的だな。
GOTO乱用はほとんどの人間に大して激しいショックを与えるアブノーマルプレイ。
ヌルポインタに代入するとかは嗜好云々以前に生死に関わる危険なプレイだし。
近年はオープンソースなどと言って野外露出プレイが流行ってるが、
保守的な層は社会的な影響力を行使してこのような風潮を止めようとがんがっているな。
それはともかく上手いね。
グダグダな言い訳っぷりとか、「いかにも」だなぁ
whileプレイでいい感じになってきたのにlastとかcontinueとかで早漏されると遺憾だわ(朝倉)
>>508 なんというか、キャラの動かし方に感嘆する。
例えばキョンのモノローグ。これも個人的な主観だが
イメージの範囲内で繰り出される。非常に読みやすい。
ま、当方、ことごとく勘のいいキョンモトと、そのセリフ
「ねぇ、”ねーこねこソフト”ってなぁに?」で臨界点突破したのだが。
>>509 激しく期待している。だがあせらず投下してくれたらうれしい。
あまいらバカの俺でも分かるように会話してください・・・orz
キョン「朝比奈さん、にゃう〜んって言ってみてください」
みくる「な、なんですか、急に〜?」
キ「訳は聞かないでください、とにかくお願いします!」
み「よ、よくわかんないけど、えと…そ〜れ、にゃう〜ん☆」
キ「…わかっててやってませんか!?」
ハルヒにアベマリア歌って欲しい
ねこねこか、懐かしいな。
思えばみくるとの縁はここから始まったのかもしれない…
>>509 ゼロ除算は確かに危ないな……ってどんな小説だよ!w
>>513-514 GCについてどう思う?
何もしなくてもイってくれるんだぜ
のいぢ絵キャラのくせにのいぢ絵はだめなのかキョンw
あれか、俺らが現実の女を見てるようなものなのか
>>509 谷川氏が「長門有希の喪失」を読んでいないことを切に願うのみだ
>>521 どうでもいいが
「胸キュン!はぁとふるCafe」
って、のいぢ絵だっけ?
>>523 ゲンガーは藤原々々だな。
今は別の会社に居るが…
声優テロップが、ハルヒ一人(つω;`)
(キョンすらはじかれる。5話予告とは正反対)
ホントに閉じこもっちゃったな…
>>524 違うのか、残念
SSを書くコツとかってある?あるなら教えて。
当たり前だけど普段本読まない人が(ライトノベルやマンガ除く)SS書いて載せるとバレバレってのはある。
新聞でさえ読んでないんだろうなってのは。
新聞は読んでないけど、2ちゃんのニュースは見てる…
ひょっとして、新聞的なコラムとか社評を読まなきゃだめかな?
まず二次創作なので、原作を読む。繰り返し読む。
で、「小説の書き方」みたいなサイトを見に行く。句読点とか記述のルールについて解説してるサイト。
体裁を整えられるようにすると、断然読みやすく出来る。読みにくい文章はそれだけでアウト。
読者は学校の宿題をチェックする先生じゃないので、最後までつきあう義務は無い。
内容や文章の出来についてはそれからだなぁ
>528
いや、527の意図するところはおそらく時事ネタについてというより日本語についての問題だろうから
キョンの言い回しなんかは結構難しいぞ。
本を読めといっても、どうゆう本を読めばいいんだろうね。
純文学とか?確かに語彙は増えるけど、それだって二次的なものだよね。
文を書くってのを前提にするなら、学習に際しライトノベルも漫画も変わらない気がす。
そもそも、描写以前に一般的な台詞ってのが浮かばんので、俺はSSなんて書けねーです。
どうしても不自然な言い回しになるのはきっと、俺がヒキry
>>451 キョンが阪中を慰めてあげるシーンがあったらいいなぁ。もちろん性的に。
>>528 >2ちゃんのニュース ・・・
・・あ、いや、マジメに答えるけど、2ちゃんのニュースって
>>1とかあるいはリンク先のこと?
紙面に寄らない情報って目の追い方がかなり恣意的になるような気がして文章としてイマイチ信用ならない・・・ってのは
おっさんな考え方なのかもしれないけど、でも、なあ。
ハルヒ原作をそれなりに再現しようとすると、そこそこ読書量が必要だと思う。
そこまで求めずとりあえずSS書きたいってなら、
その辺のラノベ読んで活字慣れしとけばいいんでないかな。
ただその場合ハルヒ自体がお勧めできんw 特徴的な文体だからなぁ
>>533 >紙面に寄らない情報って目の追い方がかなり恣意的になるような
よくわからない。
新聞社の思想体系によって記事は根本的に恣意的か偏向的に歪められるものだと思うし。
朝日新聞とか。
って、多分そういうことが言いたいんじゃないんだろうけど。
ごめんよ、読解力無くて。
あと、よく言われることだけど、恥ずかしがらずに自分の思う文体で日記を書く。
めったに文章を書かないのにいきなり創作SSなんて書き記してみても上手くいくはずがないし
苦労して書いたもの、或いは描いたものに作者本人が惚れこんで盲目的?になってしまうのは良くあることでもある。
日記を読み返すのは恥ずかしくもなるが、SSだって時間を置いて読み返して推敲するくらいの余裕があっても
いいんじゃないかと思う。別にこういったSS発表の場が今日や明日いきなり閉鎖されるわけじゃないんだし。
エロゲは参考にならない?
部屋に沢山あんだけど。
>526
1:メモ帳か何かに先に、出来れば全部書いて推敲してから投稿する。
2:句読点は多めに。杉田声で脳内朗読を推奨。
3:主語は明確に。主語は省ける場合もあるが、それは主語が容易に推測できる
場合のみに限るべし
4:会話は省略の塊。口調で発言者を、前後の文脈で相手を推測させる。
5:二次創作なら、読者は元ネタを知っている筈なので、多くの描写が省ける。
というか、積極的に省くべき。
6:文脈制御がSS書きのキモ。主に省略を使って、意味を多重的に文章に
乗っけてゆく。結論、オチに巧く誘導できれば大成功。
本については、まぁ長門有希の百冊読んどけ、というのがこのスレ的には
正しいのだろう。個人的には短編集を推奨。80年代SF傑作選でも読んどけ。
539 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 02:42:22 ID:wCqqCJJx
>>469 亀だが、アンタ町田康だろ!
このパンク侍めw
>>528 SSに限定するなら原作読むしかないんじゃね?
あとは新聞やらラノベ以外の小説、エッセイなんかかなぁ。
海外物は変な言い回しが多くていいかも。ってスレ違いか。
レスありがとう。
とりあえず日記書いたり他作品を読んだりしてみるよ。
捻くれた言い回しって好きだけど、思いつかない。
最近見た中で一番のヒットだったのが、
「男の子のポケットモンスターを 女の子の花園に イン・アウトすることで子供ができるのよ」
関係無いけど、「時計仕掛けのオレンジ」て映画が好きだ。
542 :
13-345:2006/06/26(月) 02:51:17 ID:JYeWIyl1
よし、流れが緩やかになったところでこっそりと投下しよう。
前スレ45の続き、ちょいエロ有
誰も待ってなかったと思うけど遅れてごめんなさい
543 :
13-345:2006/06/26(月) 02:52:09 ID:JYeWIyl1
俺と朝比奈さんの間には、互いに暗黙の了解の内に定められた境界線のようなものがあった。
俺は朝比奈さん(大)に釘を刺されていたこともあったし、朝比奈さんも未来人の規則なのか決して一定以上の関係に踏み込むことは無かった。
勿論、心情的なものもあるだろう。未来人にとっての最重要人物である涼宮ハルヒの最も近くに配置された以上、彼女はそれなりに優秀なエージェントなのだろう、とてもそうは見えないが。過去への派遣だって初めてでは無いかも知れない。
別れが決定された人間と深い親交を持つことは辛いことだと、彼女だって知っているはずだ。ましてや、それ以上の関係を持つなど―――
「駄目、ですよ。朝比奈さん、これ以上は・・・」
俺はとてもそんな無責任な真似は出来ない。ただ乳繰りあうのとは訳が違う、これ以上進めば絶対に互いの心身に決して消えない痕跡を残してしまう、そんな確信があった。
一度射精したからこその冷静な判断であることが情けないが、ここで踏みとどまれただけでも僥倖というものだろう。奇跡だと言ってもいい。
しかし、俺の矮小な思惑は―――
「・・・キョン君は優しいですね・・・・でも」
真っ向から―――粉砕された。
「とっても、残酷です」
後頭部に衝撃。目の前に火花が散った。鼻先をくすぐる栗色の髪に、自分が目の前の女性に押し倒されたことを理解する。
「あ、さひな、さん・・・?」
髪に隠れてその表情は見えない。ただ、こちらの胸元に置いた手が震えるほどきつく握りしめられている事に気付き、何もが言えなくなる。分かる。朝比奈さんは、何かとんでもないことをしようとしている。
「キョン君は―――」
押し殺したような声。
「キョン君は、私の気持ちを考えてくれた事ってあるんですか?いつも何も考えずにニコニコしてるとでも思っていたんですか?」
544 :
13-345:2006/06/26(月) 02:53:09 ID:JYeWIyl1
口が縫い合わせられたように開かない。誰か糸切り鋏持ってきてくれ、大至急だ。
「知らないですよね?あなたが涼宮さんと話をしている時、あなたが長門さんに優しくする時、私がどんなに嫌な事考えているかなんてキョン君は考えたこともないですよね?」
自嘲するように首を振る朝比奈さん。先ほどまで髪に隠れていた表情が露わになる。
「私、本当は凄く汚いんです」
それは、俺が初めて見る朝比奈さんの表情だった。嫌悪。それも、恐らくは自分に対しての。
「・・・・・ねぇ、キョン君は初めてですよね?」
震える声で俺に脈絡無く問いかける朝比奈さん。危うい。今の朝比奈さんは何か、危うい。感情のバランスが上手く取れていないように見える。
「―――だとしたら、何ですか」
探るように答える。ここから一手でも間違えたら、多分ロクな事にならない。
「私も処女ですから、許してくれますよね?」
何を、と疑問を口に出す暇も無かった。朝比奈さんは普段の5割増くらいの素早さで俺のみっともなく腫れ上がったイチモツを手に取り、自分の秘部に宛がうと、
「んぅ・・・・ッ!」
そのまま、一気に腰を落とした。
ぶつ、という何かを突き破るような感触。朝比奈さんは痛みに眉を寄せるがその動きを止めることはなく、そのまま重力に任せて陰茎を秘部へと迎え入れていく。
十分に濡れていたことも幸いし、間もなく朝比奈さんの柔らかなお尻が俺の腰に落ちると同時に亀頭が朝比奈さんの最奥をこつん、と叩いた。
「えへへ・・・・ぜんぶ、はいっちゃいましたね・・・」
そう言って、本当に嬉しそうに微笑んだ。
申し訳ないのだが、ここからは記憶が飛んでしまっているので詳細は説明が出来ない。
だから、後ろから朝比奈さんの形の良いお尻を鷲掴みにしながらめちゃくちゃに突いて泣くまで鳴かせた事も覚えていないし、
正常位で手を握りあって、名前を呼び合いながらSEXをしたことだって覚えていないし、
もちろん対面座位で抱き合って口元がぐちゃぐちゃになるまでキスをしながら朝比奈さんの膣奥を突き上げたことだって覚えちゃいない。
・・・何だよ。笑いたきゃ笑えよ。冒頭で境界線云々言ってた奴がなんて体たらくだ、って指さして笑ってくれよ。俺だって自分が情けなくて仕方がないんだ。
だが、あんただって俺と同じ状況に置かれたら人の事言えなくなるはずだぜ?いや、あんたがホモだって言うなら話は別かも知れないけどね。
545 :
13-345:2006/06/26(月) 02:55:06 ID:JYeWIyl1
で、今現在。朝比奈さんは丁度挿入した時と全く同じ体勢で、俺の上で腰を振っている。ぬちゃ、ぬちゃという粘着質な音と、ぱちん、ぱちんという肌を打ち合わせる音が交互に響く。
「キョンくん、すご、い、ですぅ・・・っ、私のいちばん奥、こつん、こつんってしてます・・・・ッ!」
何というのか、気持ちいいのだ、これがまた。このために金を払ったり、さらには犯罪に走ったりする人間が後を絶たないのも納得できる。
性行為とは取りも直さず生殖行為とイコールである。人間の場合は愛情を示す手段としての側面も持つが、避妊しなければその気がなかろうとも当然子供は出来る。
つまり何が言いたいのかというと、性行為というものはこの上ない快楽を得られる行為として人間の根幹にプログラミングされているのだ、間違いない。
だから俺が溺れてしまうのも仕方がない訳で。ああ、仕方がないんだ。
目の前で掴んでくれとばかりに揺れている実にわがままなオッパイを両手で捕まえる。
「っひ!キョン、くん、おっぱいさわってるぅ・・・」
胸を掴むと、それと連動するように膣が収縮する。信じられないほど柔らかな何かに陰茎をきつく締め上げられる、矛盾した感覚。ぶるぶると自分の腰が震える。もう少し、もう少しだけこのままで―――
こちらの都合などお構いなしに俺の上で跳ね続ける朝比奈さんに対抗するべく、今度は秘部に手を伸ばし、
「ちょっ、キョンくん、待ッ・・・」
陰核を摘み、軽くつねった。
「――――――――っあ・・・・!」
言葉もなく朝比奈さんが仰け反り、口元から小さな舌が覗いた。同時に、膣内が激しく伸縮する。射精を促し、受精するためのオンナのメカニズム。
不味い、と思った時にはもう遅かった。
朝比奈さんの一番奥に挿入した状態で、俺はありったけの白濁した欲望をブチ撒けた。
膣に絞り上げられ、性器が生殖行為という本来の役割を果たすべくびゅく、びゅくっ、と精液を吐き出す。
それこそ妊娠させかねない行為に、果てしない歓喜とどうしょうもない後悔が伴う。
そして体内の生気をあらかた放出してしまうような途方もない疲労感。俺が射精する度に俺の上で「あ、あ」とふるふると震える朝比奈さん。
射精が終わると同時に朝比奈さんは糸が切れたようにぱたん、とこちらに倒れてきた。
『・・・・・・・』
目が合う。何か答えを求めるような、そして同時に許しを求めるような視線。でも、何も言えない。気の利いた文句の一つも出てこないのか、俺は。
互いの荒い息づかいが部屋に響く。朝比奈さんのぐったりと脱力した体を抱きしめる。何となく、そうするべきだと感じた。
力なく、それでもしっかりとこちらの首に回される朝比奈さんの細い腕に、どうやらそれは間違いではなかったらしいことを悟る。
546 :
539:2006/06/26(月) 02:55:08 ID:wCqqCJJx
アー!うっかりアゲちった。申し訳ない。
>時計仕掛けのオレンジ
ホームレス蹴っ飛ばすヤツ?
547 :
13-345:2006/06/26(月) 02:55:48 ID:JYeWIyl1
先に口を開いたのは、情けないことに朝比奈さんだった。
「・・・・キョン君、ごめんな」
これは別に誤植でも、ましてや朝比奈さんが突如として男言葉になったわけでもない。俺の手が口を塞いだのだ。
なんというか、この状況で謝罪をしてしまうのは間違っているような気がしますよ、朝比奈さん?
「・・・・んぅ」
口を塞がれながら、不承不承といった感じで頷く朝比奈さん。こういう場合は非は男性側にあるというのがセオリーなのだが。
どうも朝比奈さんの中では、自分が悪いことになってしまっているらしい。そういう考え方だと人生苦労しますよ?
ハルヒ程とは言わないが少し図々しさを持った方が良いかもしれない。
「むーーー」
と、何か明らかに不機嫌そうな視線でこちらを見ている朝比奈さん。少し怖い。な、なんでしょうか?
「今、涼宮さんの事を考えていましたか?」
―――俺はそんなに分かりやすいだろうか?どちらかと言えばポーカーフェイスの部類に入ると自負しているが。長門ほどとは言わないが―――
と、ここまで思考を進めたところで朝比奈さんの普段は穏和な曲線を描いている眉が逆ハの字につり上がるのを見てしまい、慌てて思考をストップする。
どうやら感情を隠せていると思っていたのは自分だけだったらしい。
だが、怒りながらも少し楽しげだった朝比奈さんの表情にふと影が落ちる。
「・・・・・ごめんなさい、キョン君。私、してもらえたからって、調子に乗っちゃって・・・私には、キョン君に文句を言う資格なんて無いのに・・・・」
それは多分、この先は無いであろう自分たちの関係とか、いずれ未来に帰るであろう自分の身分についてとか、(朝比奈さん視点では)なし崩し的に関係を結んでしまった事に対する、謝罪。
さっきまでの、どこか微笑ましい、凪のような雰囲気がかき消える。
俺は、やっぱり何も言えなかった。
「朝比奈さん」
「はい?」
腕の中にすっぽりと収まった朝比奈さんが答える。俺が朝比奈さんを後ろから抱きしめ、座り込んだような格好だ。実際その通りの経緯で今のような体勢を取っているのだが。
548 :
13-345:2006/06/26(月) 02:56:22 ID:JYeWIyl1
あの後、重苦しい空気の中互いの体に付着した諸々の汚れを拭き取り、服装を整え、帰り支度を済ませたところで、朝比奈さんは、俺に背を向けて、突然口を開いた。
「今日の事、忘れてくださいね?」
―――予想しなかったと言えば嘘になる。どうやら未来の方々は俺とハルヒをくっつけたがっているらしく、ならば朝比奈さんの今回の行動はとびっきりのイレギュラーなのだろう。
そう、こう言われることは予想していなかった訳ではない。だが、それでもかなり堪えた。
・・・・もちろん、はいわかりましたと頷くつもりなど、毛頭無い。
「ほら、私だって女性ですし・・・やっぱり、Hな事がしたくなっちゃう事ってあるんですよ」
処女なのにですか?
「でも、知らない人にこんな事頼むわけにはいかないじゃないですか?」
どちらかというと襲いかかったのは俺の方だと記憶していますが。
「その点、キョン君ならこういうことでも黙ってくれるかな、って」
その場限りの相手として適当だった、というわけですか。不名誉極まりないですね。
「そ、そんなつもりで言った訳じゃ無いです・・・」
大丈夫、信じてませんよ。
「え?」
「そんなに震えた声で、泣きながら言われても信用する奴なんていません」
俺は、涙で顔をぐちゃぐちゃにして、スカートの裾を手の平が真っ白になるほどきつく握りしめていた朝比奈さんを、そのまま後ろから抱きしめた。
「ひ、えぐ・・・う、うぇ、うぁぁぁぁっ!ああああぁぁぁぁぁっ!」
子供のように泣きじゃくる朝比奈さんを、俺は何も言わずに、抱きしめ続けた。
549 :
13-345:2006/06/26(月) 02:57:51 ID:JYeWIyl1
髪や頬を撫でられる度にぴくりと肩を揺らす朝比奈さんはとても可愛らしかった。
「泣き顔きっとへんですから」という朝比奈さんのたっての希望で、後ろから抱いて座っている体勢の為その表情までは見えないが、時折首もとをくすぐる朝比奈さんの柔らかな髪や、俺の腕にそっと添えられた小さな手の感触はとても心地よかった。
―――いつまで、自分達はこうしていられるのだろうか。
「・・・・朝比奈さん」
「はい?」
いつ、帰ってしまうんですか?とは聞けなかった。返ってくる答えは、多分、想像通り。そして、俺はそれを聞きたくはなかった。
『禁則事項です』
幾度となく聞いた言葉。でも、今それを聞かされたら、朝比奈さんとの距離を否応なく認識させられてしまうような、そんな気がした。
「いえ、何でも、ないです・・・」
「・・・・・キョン君、あの、さっきのマフラー・・・すごいお気に入りだったりしますか?」
「え?いえ、そんなことは無いですけど・・・」
唐突な話題転換。朝比奈さんの意図が読めない。
「だったら、私に貸してもらえませんか?」
「構いませんが・・・」
「よかった。“いつになるか分かりませんけど、必ずキョン君に返しますから”」
言って、にっこりと、でも少し寂しげに笑う朝比奈さんに―――唐突に理解した。朝比奈さんはこう言っているのだ。
『いつ帰るかは分かりません。でも、帰るときには必ずキョン君に言いますから』
ぎり、と奥歯を噛み締める。
悔しかった。
自分が超能力者でなく、万能宇宙人でもなく、全てが思うがままの神でもないことを、俺はこの時、初めて悔しいと思った。
本当に、帰ってしまう事は必然なのか。本当に、俺には何も出来ないのか。
そして、何より―――朝比奈さんが、別れを必然として受け入れている・・・いや、諦めてしまっていることが何より悔しかった。
―――俺はこれから先の自分の言動をこの先何度も思い出し、羞恥のあまり何度となく転げ回る事になる。当然、当時の俺にはそれを知る由も無い訳だが。しかし、これだけは信じて欲しい。俺はこの時、正気じゃなかったんだ。本気ではあったが。
550 :
13-345:2006/06/26(月) 02:58:26 ID:JYeWIyl1
「朝比奈さん」
「はい?」
「朝比奈さんの上司の方達は、かなり非道だったりしますか?」
「え、えぇ?」
「具体的には、例えば規則や機密のためならば生まれたばかりの子供をその親と引き離してしまうこともやむなしとしてしまうような方達ですか?」
「ええと、そんな、ことは、ないと思いますけどぉ・・・」
尻すぼみに小さくなっていく朝比奈さんの声。俺の意図が全く理解でいないのだろう。ならば教える必要がある。
「俺と結婚して俺の子供を産んでくれませんか?」
朝比奈さんが停止した。
表情は後ろからで見えない。きっと呆れているのだろう。こんな方法、上手くいくはずがない。俺だってそう思う。
絵空事にも程がある。サラリーマンが出張先で結婚するのとは訳が違う。戸籍は。実家は。任務は。
朝比奈さんの向こうの生活はどうなる。俺が突然江戸時代に放り込まれたら耐えられるか。無理に決まっている。
考えられる障害は数え切れないほど。
大体、俺は一人で浮かれ上がっているがよく考えたら朝比奈さんに「好きです」とかそういった類の言葉を貰ったわけでもない。
心情的にも現実的にも怒濤の如き空回りである可能性は高い。
朝比奈さんは先ほどから微動だにしない。
ああ、やはりこんな馬鹿なことを言うべきでは無かった。気の迷いにも程がある。どう考えたってこんな理屈通るはずがない、ウチの妹にだって分かる道理だ。
よし、冗談だった事にしよう。今ならまだ間に合うかも知れない。笑いながら「なーんちゃって」だ、タイミングを外すなよ、3、2
と、朝比奈さんは突然振り返り、俺に抱きついて、俺の耳元で蚊の鳴くような声で
「 」
朝比奈さんは最後に何て言ったかって? そりゃ秘密だ。
何故かって?
だって、他人のノロケ話なんて聞きたくないだろう?
551 :
13-345:2006/06/26(月) 03:00:54 ID:JYeWIyl1
これで一応完結です。
もっと早く投下するつもりだったんだけどなんか流れが怖くて投下できなかった、スマン。
ハッピーエンドは無理でもハッピーっぽくさせたかった。成功したでしょうか?
あんまりエロが無くて申し訳ない。保管庫の13-345に前話を置いていただいてるのでもし良ければそちらからどうぞ。
実は今回の話の前話にあたるものが既に保管庫にあるのですが(朝比奈さん視点、エロ無し)
恥ずかしいので気付いた方は内緒にしてください。
疲れたのでしばらく読者になります。
他の職人さん、頑張ってください。影ながら応援させていただきます。
>>551 GJ!!初々しさ?がみくるスキーには堪らん出来ですな。
今後とも頑張ってください。
…でも改行の多さが気になった。
こんなもんかな?普通。
タイミング悪いにも程があるOrz
>>13ー345ぶったぎってごめん。
吊ってきます。
で、あの終わり方なかなか狡いw良いもの読ましてもらいました!
ホームレス蹴ったような気がしなくも無い。
555 :
13-345:2006/06/26(月) 03:14:19 ID:JYeWIyl1
>>552 気付いたので即レス。
改行がむやみに多いには偏に自分の技術不足によるものです。
文章のみで表現しきれない部分を改行により読み手に読むテンポを与えて
好きな部分を感覚的に強調しているつもりです。
どちらかと言うと小説よりも絵本などにみられる手法です。
本当に上手い人は改行を殆どしなくても読みやすく、それでいて起伏に富んだ文章を書くことが出来ます。
はぁ、うらやましい・・・
>>555 好き好き大好き愛してるGJ
…すいません取り乱しました
ところで、いつだったかキョンがコンピュータを擬人化してエロ語りをしたら、
長門が思いがけずツボって興奮してしまったとかいうよーなネタがあったよな。
アレって何スレ目のなんだっけ。もう一回読みたいんだが保管量が膨大でどーも。
これほどみくるとキョンが純愛してるSSも珍しい……。
何故か妙にキョンとシンクロした。
>>555 全然改行多くないからな。
いちいち周りの言動に振り回されるなよ?
俺が高校に入ってからかなりの月日が経った。
この前モミジの落ち葉を掃除したと思いきや昨日は初雪だ。
時間が流れるのはこんなにも速いものなんだろうか。
ハルヒと俺の関係ももう長い。
と言っても恋人同士とかではなく普通の団長と下っ端団員の関係だが。
高校入学と同時に俺はハルヒに強制的にSOS団に入部させられ、
その頃俺はハルヒにほとんど嫌悪感しか抱いていなかった。
しかしその内に俺は色々なハルヒの内面を知ることとなり、次第にハルヒに対する見方も変わっていった。
そして今。
俺はハルヒに恋愛感情を抱いてしまっている。
その所為か最近はろくにハルヒの事を直視することも出来なくなっていた。
気がつけば俺は部活を休む事は無いまでもハルヒの事を自然と避けるようになっていた。
そして次第にハルヒの機嫌も数年前の日本の景気のごとく着実に下降の一途をたどっていた。
━━━━━━━
「―――あーなんかもうムカツク!今日はもうおしまい!帰るわアタシ」
「は、はい!」
「お疲れ様です」
「・・・・・・」
団長様が帰るというのに長門は一瞥もくれず黙々と本を読んでいる。
まあ俺も人の事は言えないのだが。
「最近特に機嫌悪いですね涼宮さん」
「以前のように私に抱きついても来ないです」
「キョン君、あなたは最近団長に冷たい感じがします」
「そ、そうか?古泉」
「ええ、何か意図的に顔をあわせまいとする感じです」
「そう言えばそうですね、最近キョンくんと涼宮さんが2人で絡んでることが少なくなった気もします」
「長門さんはどう感じますか」
「・・・空気が停滞している、すなわちこの部の活動の活発性が無くなっている
その一番の原因は貴方と涼宮ハルヒの関係の悪化」
やっぱりこいつらも薄々気づいてはいたらしい。・・・当然か。
「何故キョンくんは涼宮さんを避けてるんですか」
「いえ朝比奈さん・・・ 僕は別にハルヒの事を避けようと思って避けてるわけじゃ」
「ではなんで・・・」
「キョン君は涼宮さんに恋をしてしまった」
「!! 古泉!」
「違いますか」
「・・・・・・まあお前には隠し通せないよな、
そうだ、俺はハルヒが好きだ」
「キョンくん・・・」
「同じように涼宮さんはあなたを愛しています」
「何だと!? ハルヒが俺を!?」
「ええ、ここ最近部活が早く終わってたり時には休みになったりしてましたが
それは貴方同様涼宮さんも貴方に顔をあわせるのが恥ずかしかったからですよ」
「・・・・・・」
「じゃあキョンくんと涼宮さんは両想いって事なんですか」
「そういう事ですね」
「俺と・・・ ハルヒが・・・ 両想い・・・・・・」
「ええ、告白は早い方が良いですよ」
古泉!お前は何を言い出すんだ!?
「そのまんまの意味ですよ、では僕達は失礼します」
「キョンくん、頑張ってくださいね」
「私は貴方と涼宮ハルヒの恋の成就を応援している」
「お、おい!お前ら!」
出て行ってしまった。
夕日の差し込む文芸部室には俺一人が残された。
・・・・・・俺も帰るか。
━━━━━━━
「ただいまー」
「キョンくんおかえりー」
「あー疲れた」
そう言って俺は椅子に腰掛ける。
たまたま掛かっていたテレビは再放送のサスペンス劇場。
俺はそんなものには全く見向きもせずさっきの事を考えていた。
「キョンくん、冷たいお茶だよー」
「お、気が利くなお前」
「ねーキョンくん、ほかのテレビに替えていいー」
「俺は別に見てないから構わんぞ」
「わかったー」
妹はリモコンのボタンをポチポチと押し始めた。
アニメでも見たいのか知らんが今の時間はそんな物やっていない。せいぜいドラマと生番組と通販くらいだ。
しばらくチャンネルを替えまくっていた妹だったが、
自分の見たい番組はやってないと悟ったのだろうかどうも普通の情報番組で我慢するようだ。
まあサスペンス見るよりは良いか。
《では次は『お宝中継』のコーナーです》
「・・・・・・『お宝中継』?」
「ああ、いつもこの時間にやってるんだよ」
「そうなのか」
《毎日この時間は視聴者の皆さんのお住まいの地域にお邪魔し、
地元の人にその人が大切にしている『お宝』を持って皆さん集まってもらい、そのお宝の凄さを競うものです
そして見事『大賞』に選ばれた人は素敵な記念品を差し上げます》
「ほう、なるほどお宝」
「ねえねえキョンくんのお宝って何かあるー?」
「俺のお宝か・・・ お宝お宝・・・
・・・おいお前、ここで言うお宝ってどういう物を指すんだ」
「んーとね、別に何でも良いんだって、
キョンくんの大切にしているものとかずっと捨てられないものとかー そうそう、願い事でも良いみたいだよ」
「・・・ホントに何でも良いんだなオイ」
「そうだよ、例えばあたしとずっといたいとかー」
「きっぱり言う、それは無い」
「うわーんキョンくんがいじめたキョンくんがいじめたー!!うわーん!!」
「おいコラ泣くな泣くな!!すまん俺が悪かった、お前も俺の大切な宝物だ、だから、な」
「ほんとー?」
「ああホントだ」
「わーいキョンくんだいすきー」
「・・・やれやれ」
サリン並みに扱いに困る妹だ。
テレビを見ると先ほどの『お宝中継』が続いていた。今日はどこか山間の村にお邪魔しているらしい。
カメラの前には手ぬぐいを掛けたおじさんや
赤ちゃんを負ぶったおばさんらが壷や大根やアルバムなどを持ち寄って自慢していた。
・・・なるほどこういうものなのか。
《では今日の大賞は3番のお母様方が持ってきて下さったこちらの木彫りの人形に決定しました!
えーお母さんにはこちらの番組特製ど○も君人形をプレゼントします》
出た!N○Kの板こんにゃくお化け!
「キョンくんあれ欲しいー」
「無理だと思うぞ、だってあれあのコーナーに出てしかも一番にならなきゃいかんのだろ
そもそも中継がこの街に来ること自体」
《えー明日のお宝中継は北口駅前商店街にお邪魔します、では以上中継でしたー》
・・・来た。
「キョンくんキョンくん北口駅に来るよーキョンくん人形欲しいー」
「幾ら中継来たって無理なものは無理なの!良い子だから諦めなさい」
「つまんなーい」
部屋に上がった俺は部室での出来事を思い出していた。
「・・・俺とハルヒは両想いなの、か」
でもまあ超能力者が言うんだからこれは間違いないんだろう。
「ハルヒも俺に告白したいのかな」
実際俺自身何度もハルヒに告白しようとした。何枚も手紙を書きかけては丸めて捨てた。
しかし宇宙人未来人超能力者をこよなく愛する"あの"変わり者のハルヒだ。
一般人の並の告白では受け入れてもらえないだろう。でもまあ向こうも俺の事を好きなのなら関係ないか。
―――もう一回手紙を書くか。
・・・しかしどうも俺は手紙を書く気にはなれなかった。
その時俺はさっきの番組を思い出した。
「そういや明日駅前の商店街に中継が来るって言ってたな・・・ ―――そうだ!!」
その時点と点は線でつながった。
━━━━━━━
翌日の放課後。
「ああキョン、今日SOS団休み、もうみくるちゃん達には言ってあるから」
「そうか、分かった」
俺はハルヒに言う。
「・・・なあハルヒ、今日この後用事あるか」
「用事・・・? 無いわよ、ってかキョンからあたしに話し掛けるなんて珍しいじゃない」
「ああ、そうだな」
「で、用事無かったらどうなるのあたし」
「ちょっと一緒に来て欲しい所がある」
「何よ、山の中にでも連れ込んで変な事でもする気?」
「心配するな、そんな人の少ないところには行かない、むしろ人が大勢居るところだ」
「じゃあどこなのよ、言いなさい」
「北口駅前の商店街だ」
「・・・分かった、ついていってあげる、感謝しなさいよ」
「ああ、大いに感謝する」
◇
俺とハルヒが商店街に向かうと既に局の中継車が到着して中継の準備を行っていた。
「あらテレビの生中継!?
まさかキョン一人でテレビに映るの恥ずかしいからあたしを連れてきたってわけ? ・・・じゃあたし帰r」
「違う!断じてそんな理由じゃない」
「じゃあ何なのよ!」
「良いだろ、とにかく来てくれ」
「あ、ちょっと、キョン引っ張らないでよキョン!コラー!!」
俺は嫌がるハルヒを何とかなだめて中継車の所へ向かった。
そこで中継に出たい人の受付をやっているのだ。
先着順で4組までと言う事だったが俺達は何とかその4組目に滑り込むことが出来た。
「へえ、『お宝中継』ね、
でキョンはどんなお宝持ってきたのよ、見せなさい」
「別に今見せなくったって良いだろ、その時が来りゃ見せるさ」
「良いじゃないの見せなさい」
「すまんハルヒ、今はどうしても見せられないんだ」
「・・・何よ、もうしょうがないわね分かったわよ」
━━━━━━━
「後3分で中継来まーす」
スタッフの声が響いた。
既に周りには店の店主や通りがかりの人たちの輪が出来ていた。
ちなみにこの番組はこの地方は全域で流れているらしく視聴率はそこそこ高いらしい。
俺は心なしか緊張してきた。
「キョン大丈夫?」
「ああ大丈夫だ」
[ 料理コーナー終了まで後15秒 ]
スタッフのスケッチブックが捲られた。ちなみに料理コーナーとはこの中継の直前のコーナーである。
「すぅーー はぁーーー すぅーーーー」
「・・・もうキョン、なんであたしまで緊張しなくちゃいけないのよ・・・」
「料理コーナー終了、スタジオからこちらに中継来まーす」
《はい、松茸の天ぷら美味しかったですね、
では次はお宝中継、略して『おたチュー』のコーナーです》
・・・俺は思わずコケそうになった。そんなふざけた名前が付いてたのか。
《今日は北口駅の駅前商店街からです、呼んでみましょう、谷川さーん》
「・・・はい、こちら北口駅前商店街です、今日は私達の周りこーんなに人が集まってくれています」
野次馬が歓声を上げる。
「そして今日お宝を持って集まってくれたのはこちらの4組でーす」
俺達に最新鋭であろう真新しいハイビジョンカメラが向けられた。
この瞬間この地方のお茶の間に俺とハルヒのハイビジョン撮影の高画質の映像が流れている事であろう。
「では早速紹介していきましょう、まずはこちらのお父様です、
お父様はこの商店街で魚屋を営まれているとかで」
「は、はいそうです、はい」
俺以上にかなり緊張しているようだ。ちなみに俺達の出番は受け付け順に4番目、つまり最後だ。
「そしてお父様のお宝はなんでしょうか?」
「ええ、この赤ちゃんです、2ヶ月前に生まれたばかりなんですよ」
《可愛い赤ちゃんですねー、すやすや寝てますね、あっ?起こしちゃったかな》
俺以外にも人間を出してくる所があったか。
「何か言った? キョン」
「いーや何にも」
「えー可愛いまさに『子宝』でしたね、次はこちらのお母様です
お母様は今日はどんなお宝を持ってきてくれたのでしょうか」
「はい、梅の盆栽です、今は花つけてませんけどね、ウフフ」
「この盆栽には何か思い出とかでも」
「ええ、去年亡くなったおじいちゃんが大事に育ててたんですよ、今は私が仕事の間に大事に育ててます
天国のおじいちゃーん!見てるー!?」
泣き落とし作戦か。・・・ってかハルヒも涙目だし!!
「ええ、感動できるお宝でしたね、次はこの男の子です、ボクは何を持ってきてくれたのかな」
「このサッカーボール!」
「サッカーボールかー、結構使い込まれてるね、あ、誰かのサインが入ってる」
「大黒選手のサイン」
「すごーい!大黒選手のサイン、どうやって貰ったの!?」
「この前の公開練習のときにもらったの」
「凄いねぇー、えー、まあ日本代表は残念な結果に終わっちゃいましたけどこれからも頑張って欲しいです」
《そうですね、あと代表監督の後任人事も気になるところですがね》
「キョン私達の番よ」
「そうだな」
「では最後はこちらのお兄さんにお姉さんです」
「「こんにちは」」
「こんにちは、今時珍しい礼儀のいい二人ですね、
お二人は私達スタッフにも事前にお宝の内容を公開して下さらなかったのですが、
今日はどんなお宝を持ってきて下さったのでしょうか」
「あのねオジサン、キョンってばあたしにも教えてくれないのよ『お宝』の内容」
「なるほど、付き添いにも教えてないと言うお宝とは、一体何でしょうか、ではどうぞ!!」
「ハルヒ」
「・・・何よキョン、早く見せなさいよ、そのお宝」
「そこにある」
「どこよ」
「俺の目の前」
「キョンの目の前・・・? ・・・・・・って!!?」
「ハルヒ、お前は俺を愛してる、ずっと愛してきた」
「ちょっと何言い出すのよバカキョン!これテレビで生中継なのよ!」
「ああそうだ、つまり俺のお宝はお前、ハルヒだと言いたいんだ」
「ちょ・・・ ちょっと・・・ そんな・・・ そんなの・・・・・・!!」
リポーターも中継クルーもモニターの中のキャスターも野次馬もキョトンとしている。・・・が、俺は続ける。
「思えば今年の春、俺はお前に強制的にSOS団に入らされて」
「バ、バカ!テレビの前で言わないで、あたしの品位を下げるような事!」
「その頃は俺はお前を迷惑な存在としか見ていなかった、長門はその場に居ただけで部員にされたわ
朝比奈さんを無理やり部室に連れて来てはとんでもないコスプレばっかりさせるわ
・・・ああ古泉は別だ、やめとこう、
しかしお前と一緒にいるうちにいつの間にかお前の事が頭から離れなくなってな、もちろん良い意味でだ」
「キョン・・・」
「そうそう改めて言う、この前の文化祭のライブとても凄かったぞ、シビれた」
「あ、アレは・・・」
「自信持てハルヒ、お前はちょっと強引過ぎるだけで本当はとても優しい人間なんだ、
しかも何やらせても上手いときた、ハルヒみたいなマルチな凄い人間はこの世のどこを探してもいない
・・・俺が断言する」
「キョン・・・ あたしも・・・」
「だから俺みたいな平凡な特にとりえもない人間がお前なんかに告白しても良いのかとさえ思った、
他にもまあ色々理由はあるがその所為で俺は今までお前に告白できなかった、
でも今日は言わせてもらう、もうさっき言っちまったがな
俺はハルヒが好きだ!! お前は俺の一番の宝だ!!」
「あたしも!! あたしの一番の宝はキョンよ!! あたしも愛してるのキョンの事!!」
「ハ、ハルヒ・・・!」
商店街のアーケードにハルヒの大声が反響した。その声は商店街の雑音を一気に消し去った。
《ええ・・・ なんかそっちは凄い展開になってますね・・・ お宝中継始まって以来と言って良いでしょうか・・・?》
《良いと思います・・・ 中継の谷川さん!》
「はい!ええと・・・、よろしいでしょうかお二人さn」
「待って!!」
「はい待ちます!!」
「ごめんねキョン・・・ この所ほとんどあたし達会話してなかったよね、
あたしも、キョンの事見る度に胸が締め付けられる感じで・・・ だからさっさと告白しようと思ってたの、
でも出来なかった・・・
そしたら今日さっきアンタがあたしをここへ誘ってくれて・・・
その時にあたし言っちゃったわよね、
『キョン一人でテレビに映るの恥ずかしいからあたしを連れてきた、あたし帰る』って・・・
そんな事口走ったあたしが情けないわ、
・・・・・・あたしもキョンの事が好きだった・・・
もう一度言うわよ、
あたしの一番のお宝はキョン!!こいつよー!!! あたしはキョンを誰より愛してるのーー!!
テレビの前の皆さーん!! こいつはあたしの彼氏なのよー!!」
「俺も愛してる!ハルヒ!」
「キョン!愛してる!!」
「・・・ええー、よろしいでしょうかお二人さん」
「「は、はい」」
ようやく現実世界に引き戻された。
「・・・こうして二人は見事結ばれました・・・ と、
では以上4組のお宝を紹介し終えました、スタジオの皆さん判定お願いします」
《はい、ではええと・・・
――1番から3番のお宝って何でしたっけ》
《1番赤ちゃん、2番おじいちゃんの形見の梅盆栽、3番大黒選手のサッカーボール》
《ああそうでした、・・・でも4番の印象があまりにも凄すぎて正直》
《私もです》
《まさかこのコーナーを告白の場に使うなんて・・・ その発想にびっくりです》
《俺のお宝は彼女ですーなんてなかなか言えませんよ、しかも公共の電波で》
《そういう意味ではこの男の子にはガッツがありますね、
では世の中のなかなか相手に告白できない男女へのエールという意味もこめて》
《もう4番で良いですね、はい》
《では全会一致で4番で!!》
「はい!!決定しました4番です!
今日の大賞は4番の先ほどカップルになったばかりのお二人に贈られます!!」
パンパカパーンと言うトランペットの音楽がなった後にくす球の紙吹雪が降ってきた。
「おめでとうございます、ではお二人にはこちらのど○も君人形を差し上げます」
「「有難うございます」」
「はい、では観客の皆さん、見事結ばれたこのお二人に盛大な拍手を!!」
商店街のアーケードに新幹線のガード下並みのうるさい拍手音がこだました。
「では以上北口駅前商店街から中継でした!! ・・・あとで僕も好きな女の子に告白しよ」
「でもキョンもバカよ大バカよ」
「スマンかった、恥ずかしい思いさせて」
「・・・でもまあ良いわ、これであたしとキョンはこの地方全域で公認のカップルなんだから」
「でもこの後数日間は覚悟しておいた方が良いな」
「そうね、
でも恥ずかしい事じゃないじゃない別に」
「そうだなハルヒ」
俺とハルヒはアーケードの真ん中で熱い口付けを交わした。
その後俺とハルヒがどうなったか。
まあ容易に想像できる事ではあるが、翌朝、教室の俺とハルヒの机が向かい合ってくっつけられ、
黒板には『ハルヒ|キョン』の馬鹿でかい相合傘が書かれ、更に谷口と国木田の野郎には散々冷やかされた。
そしてそのバカ谷口がスポーツ新聞を持ってきたのだが、
そこには『公共放送の夕方ワイド中継コーナーでバカップル電撃告白!!』という見出しが躍っていた。
それによるとその後局にはこの件に関して数百数千という電話が殺到し回線がパンクしたらしい。
俺達は見ていなかったが昨日の番組の後でお詫び放送まで流されたという。
また記念品のど○も君人形だがあの後番組を見ていた妹にあっさり取られてしまった。
折角俺とハルヒの愛の証にとっておこうと思ったんだがな。まあ欲しがってたんだから良いか。
放課後2人で手をつないで部室へ行くと古泉と朝比奈さんと長門が昨日の中継コーナーの録画DVDを見ていた。
「おめでとうございます」
「おめでとうございます!」
「おめでとう」
すまん、某何とかゲリオンのネタはやめてくれないか。
何かむかついたので3人に抱擁ディープキスシーンを見せ付けてやった。 【終】
以上です。
途中で連投規制が出たのでどうしようかと思ったが何とか書けて良かったです。
青臭い、展開早い、セリフがキャラにあってない。
でもこういうバカップルでハッピーエンドなのって嫌いじゃないんだよなぁ。
ニヤニヤしながら読ませてもらったGJ!
保存庫の作品、タイトルだけじゃなくてカップルの表示もつければいいのに
>>544 >口が縫い合わせられたように開かない。誰か糸切り鋏持ってきてくれ、大至急だ。
さりげないけど上手いなぁ
つまらん。
キャラに違和感を感じる。
>>562の10行目で読む気をなくした
二次創作であるからにはキャラクターの把握に労力を割いてほしいな
578 :
9-27:2006/06/26(月) 08:55:00 ID:UkJSV5W8
鏡の中にいる野郎が、間抜けな顔で大きな欠伸をしていた。まぁ、どう見たって長年連れ添ってきた俺以外何者でもないが。
顔を洗って、メシを食った後で部屋に戻る。窓の外は、やや薄暗く曇っていた。今日は昼過ぎから晴れてくると、見知らぬオッサンがテレビの中からこんにちはしてたし、有希とデートの最中は雨が降ったりとかそんなこともないだろう。
俺はクローゼットの中にある、少ない服の中からもっともマシだと思われるものを選び出した。ついでだからトランクスも、ほつれたりしてないマトモなものを選んでおく。
朝っぱらから、夜の間しか履いてないパンツを洗濯カゴに放り込むという怪しげな行為を済ませ、洗面所で最近はロクに使ってもいなかったワックスで髪をラフに仕上げてみる。
髪型をセットしてみたところで、いつもとなんら変わりないのはどういうことだろうね。
「さて、行くか……」
「あれー? キョンくんもう行くのー?」
「ん? なんだよ」
妹はシャミセンの前足の下から抱えあげたまま、こっそり出ようとしていた俺に声をかけてくる。
まだパジャマ姿だから、ちょっと前に起き出してきたんだろう。シャミセンは不満そうに伸びながら金玉を揺らしている。数万分の一確率で生まれるオスの金玉か。
「もしかしてデート? ねぇ、誰と?」
「……違う」
「わかった! みくるちゃんとデートだ!」
そんな嬉しい展開ではない。って、違うぞ俺。有希とデートできるんだから、これ以上幸せなこともない。
「違うっつの。古泉と釣りだ。明日の夕方くらいには帰ってくるからな」
母さんを説得するために考えついた嘘を、妹に言うハメになるとは。
実は古泉は釣りマニアで、50センチのチヌを釣りあげたこともあるんだとか、親戚が経営してる釣り船でよく夜釣りに行くだとかむちゃくちゃな設定をデッチあげていた。
友達のいない古泉にしょっちゅう誘われていたが、さして釣りに興味が無かったので今まで断っていた。けど、あまりにしつこいものだから、一回くらいは行ってもいいだろうとか。
色々考えていたというのに母さんは、気をつけてね、とだけしか言わなかったが。
「とりあえず、俺は行くからな」
「あ、そーだ。お母さんがね、ハンカチとゴムくらい持っていきなさいって言ってた」
「……」
「ねーねーゴムって輪ゴム?」
「ああそうだ。魚を釣ったら輪ゴムで縛っておくんだ。そしたら、魚が美味しくなるんだ」
ふーん、と関心している妹を背に、俺はちょびっと泣きそうになりながら家を出た。
約束の時間、ほぼ15分前。俺はあの公園に来ていた。有希は、ベンチに座ってじっとしている。寒くないんだろうか。
最近よく着ているダッフルコートで、すっぽりと頭まで覆っている。それじゃかわいい顔がよく見えないじゃないか。
「よぉ、待ったか?」
「……7分50秒待った」
「そりゃ済まない。つっても、まだ約束の時間までちょっとあるけどな」
こいつなら、いくらでも時間に合わせて来れるというのに、わざわざ待ってくれるとはね。
いつもの無表情だが、なかなかにかわいらしいじゃないか。
昨日の夜中、いくつものシミュレーションを重ねまくった結果、とりあえず女の子が喜びそうな喫茶店で軽い昼食をとろうという考えに至っていた。
いつだったか、妹の友達と行った店が、なかなかにシャレていた覚えがある。ついでに買い物なんかにも出かければいいし、街には大きな本屋もあったはずだ。
「とりあえず、軽くメシでも食うか? いい店知ってんだ」
「いい」
「それは、行ってもいいって意味か? それとも拒否するという意味か?」
いまいち判り辛い言い方をするヤツだ。
「後者。つまり、わたしはそのお店に行きたいとは思わない」
「……なんでまた?」
ちょっと意外だった。俺が言えば、ほいほい着いてくるんじゃないかと、そんな気がしていたから。
しかし、有希は別に気が弱いわけでもないし、嫌なことだったら嫌とは言うだろう。けど、そんなすぐ拒否するようなもんだろうか。
「わたしは、図書館に行きたい」
有希らしいといえば、らしいのだろうが、初デートで行くところがそこか……。
もちろん、デートコースのシミュレーションの中でも、図書館という選択もあったが、あまりに色気が無かったので廃案にしたのだ。
せめて普通の人っぽいデートもしてみたかったのだが、そこらへんは仕方ないのかもしれない。
「けど、それじゃ昼飯どうすんだ? 俺は腹減るし」
「大丈夫。持ってきたから」
そう言って、有希がベンチに置いてあった包みを指差す。重箱でも入っているのか、高さが20センチ近いんだが。
「わたしの、手作り」
「よし、食わせろ。今すぐにだ」
「ダメ」
手作り弁当だと? 俺が何十と考え付いた今日のデートシミュレーションも、有希の一言でアッサリ粉砕だ。もちろん良い方向に。
朝起きて、有希が俺のことを思いながら作ってくれたのだろう。やたらと量が多そうだが、そこらへんは愛の力でなんとかなる。
「じゃあ、何処で食うんだ? まぁそんなに寒くはないが……」
空を覆っていた雲も、俺たちの愛の前に立ち去って今は輝く太陽が天井で煌いている。この分だと、ちょっと暑くなってくるんじゃないだろうな。
「食べるのは、図書館の外の公園」
「そんなとこあったっけか?」
「ある」
有希があると言ったらあるんだろう。図書館の旧館なら、子どもの時によく行っていたが、新館のほうはよく知らない。
立ち上がった有希は、手に提げた包みを軽く揺らしながら歩き始めた。おいおい、俺を置いていく気か。
580 :
けれど投稿:2006/06/26(月) 08:56:31 ID:UkJSV5W8
土曜ともなれば、図書館も随分と混んでいるらしく、というかガキどもがやかましいわけだが、随分と盛況な様子だった。
これが商売なら笹でも持ってきたくなるだろうが、どうにも市民への無料サービスだから司書のみなさんは大変だ。部室の蛍光灯も見習ってほしいばかりの明るさに満ちた館内で、有希は夢遊病患者のごとくふらふらと奥の書架のほうへと吸い込まれていった。
あのコート着てたら、相当暑いんじゃないかと思うんだが。
ジャンルごとに区別された書架の合間を縫って、俺は有希の後ろへ続く。中学生らしき女子生徒数人が、何かを読みながら談笑していたり、渋い顔をしたオッサンが歴史書か何かを読んでいる。
奥のほうまで来ると、ガキどもの姿も消えうせた。そりゃそうだろう、こっちには子ども向けの本はないし。
有希はふらふら歩いて、そして転んだ。何かに躓いたわけでもなく、まるでベッドがそこにあるから倒れるんだという感じの倒れ方だった。
「お、おいっ、大丈夫か?!」
「……へいき。それよりも……」
何事もなかったかのように起き上がった有希は、手に持っていた弁当の包みをじっと見つめていた。
その姿が、ネコパンチ並の鋭さで俺の胸を引っ掻く。
「大丈夫だ、どんなに弁当の形が崩れても、有希の気持ちは崩れたりしないから」
「そう」
あっさりとそれだけ言って、有希は書架に目を移した。おいおい、もうちょっと感動してくれてもいいんじゃないのかい? それもかわいいからいいんだけどさ。
まるで最初から借りる本を決めてあったかのように、有希は本を引き抜いていく。どれも分厚いのは趣味だろう。
貸し出し冊数の上限5冊を片手に抱えると、すたすたとカウンターへ向かっていく。そんなに読みたかった本なんだろうか。
俺も今度借りることにしよう。どれが面白かったか、有希に感想聞かなきゃな。
どうでもいいが、その本はそのまま持って帰るつもりなのか。
バッグか何か持ってくればいいのに。
カウンターで貸し出し手続きを終えた有希は、俺がついてくるのを確認するためか、一度振り向いた。
無表情で俺を見つめたまま、
「……持ちにくい」
と、実に普通なことを言い出した。俺が100年かかっても解けないような数学の難問を一瞬で解けるだけの頭がありながら、抜けているのは何故だろう。
「……俺が持ってやるよ」
有希が持っていた本を両手で抱えあげる。重いなおい。こんなもんを片手で持ってたのか。
図書館から出ると、ふっと肌寒い空気に頬を撫でられる。有希は図書館を出ると、道路沿いに歩き出した。
ほんの少し歩くと、図書館と同じ側にベンチが数脚置かれた公園があった。木が頭上にせり出していて、夏になればちょっとした避暑ができそうだ。
有希は設置されていた丸テーブルの上に、弁当の包みを置いた。遊園地か何かにありそうな、白い丸テーブルの中央には、パラソルでも差すためか穴が開いていた。
椅子に隣り合って座ると、有希は弁当の包みを開いて中の重箱を取り出した。って、やっぱり重箱だったか。
一度転んで落としたにも関わらず、特に弁当の中身が片寄っているということもなく、見た目は綺麗だった。
有希もちゃんと料理ができるんだな。まぁ有希に出来ないことがどれほどあるのかはわからないが。
卒業証書を入れる筒をミニサイズにしたようなものから、お絞りを取り出して俺にひとつ渡す。手を拭き終えると、割り箸を渡された。
「さー、食うぞ。ガンガン食うぞ」
「どうぞ」
弁当の内容はというと、丸々白米が詰まった下段と、唐揚げやミニトマトにエビフライや焼き鮭などが詰まった上段に分かれていた。
ひとくちサイズに切り分けられたトンカツの、濃厚なソースが食欲をそそる。
しかし、ひとつの弁当を二人で食べるとは、有希も随分思い切ったことをするな。普通、ご飯くらいは別にしようと思うものだろうに。
店で買った惣菜もかなり紛れ込んでいたが、全体で見れば有希の手作りには違いない。きっと、朝から用意してくれたのだろう。
俺のことを思いながら米を研いで、炊いてる間に鮭を焼いたりとか。
「うん、美味いぞ」
味を褒める言葉というのは、何故こんなにも少ないのだろうね。
「有希が作ってくれたんだからな。美味いに決まってる」
もくもくと食べ続けている有希に、俺は何度も声をかけた。反応は鈍かったが、きっと喜んでくれているだろう。
時折、食べている俺のほうをちらっと横目に見ている姿がキュートだ。
さて、恋人が一緒にお弁当を食べていれば、こういうことを期待しても不思議じゃないと思う。
そうだ。はい、あーん。とかいうヤツ。おそらく他人がやってたら、石のひとつやふたつやみっつかよっつかいつつくらい投げつけたくなる行為だが、是非ともやってみたい。
俺は有希の肩を軽く叩いてから、あーんと口を開けてみた。
有希は怪訝そうに俺の顔を見ていた。ほら、その箸で掴んでる唐揚げを俺の口に放り込むんだ!
なおも無感情に俺を見る有希。おいおい、こんな間抜けな面で固まってるのもなかなか恥ずかしいんだぞ。
ふっと有希は俺の首に手を回すと、ぽかーんと開けた俺の口に、自分の口を重ねてきた。
さらに舌まで割り込ませてきてくる。唐揚げのニンニク臭さが、有希の口内から伝わってきた。
ちゅぱ、と唾液が爆ぜる音が頭蓋で響く。
「って、違うぞおい!」
突然の行為に、恥ずかしさがスティンガーミサイル並の勢いで打ち上がる。
「……」
「いや、別にキスするのが嫌っていうわけじゃなくてだな」
「……」
「ただ俺はその、あれだ」
そもそも、有希にこういう普通の恋人っぽいことを期待したのが間違いだったのだろうか。
はいあーんなんてシチュエーションを、有希が知っているとは思えない。少なくとも、有希が読んでいるSF本にはこんな記述なんかないだろう。
「いや、なんでもない……」
「……あなたが何を望んでいたのかわからない。聞かせて」
「たいしたことじゃないんだ」
「それでもいい」
いやに食い下がるな。有希はまるで実験動物の反応を見るような目つきで、俺をじっと見ていた。
そういや、俺も有希の観察対象にあたるんだっけか。今は関係ないだろうけど。
「つまりだな、普通の恋人がこうやって一緒にお弁当を食べる。その時、女の子が箸で弁当のおかずを摘んで、男の口に運ぶんだ」
「……それにはどういった意味が?」
「いや、だから……。それくらい仲が良いってことだ。二人は仲良しなんだ」
言っていてわけがわからない。有希風に言うなら、上手く言語化できないといったところだ。
「なら……」
そう言って、ヘタを取って半分に切られたプチトマトを箸で掴み、俺の口元へ寄せてくる。
「食べて」
「お、おう」
ひょいと口でそれを咥える。トマトの酸味が舌で踊った。
「うん、美味いぞ」
「そう」
有希は唐揚げをつまむと、また俺の口元へ運んだ。それも咥える。噛み締めている間に、有希はエビフライを口元へ持ってきた。
ちょっとペースが早くないか……。急いで唐揚げを喉の奥へ押し込んで、エビフライを咥える。憧れるシチュエーションだったが、これはこれで意外と食べにくい。
わんこそばのような勢いで、有希が次々と俺におかずを放り込む。そろそろ腹が苦しくなってきた。
「いや、もういいって。有希も食べろよ」
有希の表情からは、満腹感はまったく量ることができない。こいつはこいつで、よく食べるからな。
箸を持ったまま固まっていた有希が、軽く口を開いて俺のほうへ向けた。およそ俺が見ている時の9割が閉じられている口が、俺に向けて軽く開かれていた。
思わずキスしてしまった。
「違う」
怒られた。
>>572の初々しさが逆にこういう話のこっ恥ずかしさを引き立てている気がして、俺には良かったよ。
>>582 今回はバッドエンドの香りがしないw
先が楽しみです。
>572
勢いがあっていいと思うけど、
> 「ハルヒ、お前は俺を愛してる、ずっと愛してきた」
ここは笑う所?
SOS団の仲間にけしかけられているとはいえ、キョン超強気だなw
>>582 全然長くないしくどくもないと思う、GJ!
>>582 変に引っ張らないオチのキレが好みだ
から揚げ臭いキスとか良いねw
589 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/26(月) 11:32:53 ID:8ifeNaVA
>>582 GJ
後、
>>242の部分ヾ(゚д゚;) スッ、スマソ。
タイプミスですた。
まだ製作中なのでしばらくお待ち下さい。(m´・ω・`)m ゴメン…
>543-550
寝てる間に来てた!
前に(大)に記憶を消されて終わる話を読んで以来、朝比奈さんには
バッドエンドしかないのかと半ば諦めてた。良かったよ。
なにも昼寝てるからってニートとは限らんだろう。
最近暑くなってきたので、涼しくなりたい願望を込めて投下。
長門もの、エロ無しです。
595 :
行水日和 1:2006/06/26(月) 15:33:51 ID:N9IZ1iIV
それは夏の色が強くなった、というかもう既にクソ暑い六月も終わりに差し掛かったある日曜日の午後。
昨日の定期パトロールは運悪く午前、午後の共にハルヒとペアになっちまってヘトヘトであった。
古泉曰く「それは涼宮さんがあなたと行動したいという意思の現れでしょう。良かったじゃないですか」だとさ。
あの灰色の世界での出来事を一刻も早く忘れたい俺にとっては、まさに地獄の行脚だったのは言うまでもない。
ともあれ、そんな疲れを扇風機に当たりながらベッドでゴロゴロとして癒していた。
一階で電話が鳴ったかと思うと、妹の声が響く。
「キョンくーん、お友達から電話だよー」
友達? 谷口か国木田だろうか。
まあ間違ってもハルヒではないだろう。あいつには携帯の番号は教えているが家の番号は教えていない。
のろりと体を起こし、伸びを一回。そして一階へ降りて妹から受話器を受け取る。
「誰からだ?」
「知らなーい。でもなんかすっごく無口な女の子だよ」
了解だ妹よ。それがわかれば対応の前構えができる。
しかし電話でも無口ってのはどうなんだろうね。流石に問題があると思うぞ。
妹に手で追い払う仕草を見せる。肉親の妹といえど、電話の内容を聞かれるのはいい気分じゃないしな。
妹は風船のような膨れっ面をすると、居間へと消えて行った。
それを確認すると俺は受話器を耳に当て、確実にこいつだろうと思っていた名前を口にする。
「長門か?」
『そう』
予想は正しく、電話の主は我らがSOS団無口キャラ担当こと長門有希だった。
今こいつは受話器の向こうで三ミリほど頷いたはずだ、多分。
ところで俺、長門にも自宅の電話番号を教えた覚えはないんだがね。深入りすると我が家のセキュリティが崩壊確定となるので追求しない方がいい、そうしよう。
『緊急事態』
長門の緊急事態は大抵ハルヒ絡みであり、俺は深い溜息を漏らした。
となると古泉のニヤケ野郎は現在閉鎖空間でバイト中という事になるだろう。がんばれエスパー一樹。
朝比奈さんはどうだろう。大変申し訳無いのだが、朝比奈さんは戦力としては数えられないのが事実だ。
朝比奈さん(大)ならそれなりに力になってくれそうではあるが、いないものはどうにもならない。
「それは相当ヤバい事態なのか」
『可及的速やかに対処する事が最善』
こいつがこう言うんだ。こりゃマジでヤバい事態なんだと思い知らされる。
まさか、また朝倉みたいな過激なやつがハルヒを刺激して情報フレアがなんたらとか言ってるんじゃないだろうな。
『違う。朝倉涼子のような急進派は現在、情報統合思念体に常時監視されている。行動を起こすのは難しい』
「ならまた閉鎖空間か?」
『閉鎖空間の発生は確認されていない』
それなりに超常現象に不本意ながら慣れてしまい、何が起きたか察しがつくようになってはきたのだが、今回は検討もつかなかった。つーか、
「長門、お前なんか意図的にその事態ってやつの真相をはぐらかしてないか?
それってやっぱりハルヒ絡みだったりするのか?」
『……来ればわかる』
そう言い残すと電話は切れてしまった。なんともわかり易い反応だな、おい。
しかし、どこに行けっていうんだと思っていると再び電話が鳴った。
『市民プール』
とりあえず用件は一度に言ってくれ。
596 :
行水日和 2:2006/06/26(月) 15:35:08 ID:N9IZ1iIV
なんでも水着持参で市民プールに来て欲しいとの事だ。
つまりはあれか。ハルヒのやつが暑いから、プールで騒ごうって言い出したのだろう。きっとそうだ。
たまにはハルヒもいい事を考えるじゃないか。今日みたいなむかつくくらいの晴天で暑い日は、絶好のプール日和といえるだろう。
それに朝比奈さんの麗しい水着姿が拝めるのだ。今の俺ならハルヒを土下座して崇拝できる自信があるね。
しかしなんで長門に電話させたのだろう。そこだけがわからなかったが、些細な問題である。気にしない。
自転車をぶっとばして市民プールの入り口前に到着すると、水着が収められているであろうバッグを持った長戸だけがぽつんとそこにいた。せめて日影に行ったらどうだろうか。
己の欲望のあまりとばし過ぎただろうか。
入り口横に設置されたの駐輪場に自転車を止めると、長門の元へと向かった。
「他の皆はまだなのか?」
「……涼宮ハルヒ、朝比奈みくる、古泉一樹はここへは来ない」
流石に意味を測り兼ねる。つまりなんだ、ここに呼ばれたのは俺だけってことか?
「そう」
おいおい、どういう風の吹き回しだ。
閉鎖空間が発生していないという事は古泉はもちろんハルヒもフリー。
朝比奈さんはどうだろう。わからないけど、来るかと言われればきっと来てくれそうな気がする。そんな人だ。
朝比奈さん、ついでにハルヒの水着姿を見られない事を落胆しつつ、俺はいい加減に何が起こったのかを教えてくれないかと長門に問う。
「……上手く言語化できないかもしれない」
構わん、言ってみてくれ。
「……夏季における高校生活において重要かつ回避不能な事態に遭遇した。
これを回避する事は情報統合思念体の意思にはあらず、また明確な回答を提示しない。
よって私自身が事態への対処法を取得するのが最善と判断。そしてあなたをここに呼び出した」
何を言ってるのか理解できたやつがいるなら是非ご教授願いたいね。いないだろうけどさ。
俺もがんばって言語化を行ってくれた長門には申し訳ないのだが、まるで理解できなかった。
すまん長門。やっぱり、俺の一ギガバイトあるか危うい脳味噌にも理解しえる形状で言い直してくれないか。
「……」
長門は数秒思案した後、口を開いた。
「私は泳げない」
一匹だけ声高に鳴くフライングしたセミの声がやけに遠くに感じられた。
597 :
行水日和 3:2006/06/26(月) 15:37:34 ID:N9IZ1iIV
つまりはこういう事だ。
先日から始まった体育での水泳なのだが、明日から長門のクラスでも始まるらしい。
しかし長門は泳げないので俺に水泳のコーチをして欲しい、と。
はっきり言おう。意外なんてもんじゃない。長門の事だ、泳いで地球を一周しても「問題無い」とか言いそうなんだがね。
それともなにか? アンドロイドだから水に浮かないとかベタな展開じゃないだろうな。
ともあれ、水着に着替えた俺はプールサイドへとやって来た。
休日とあって目立つのは妹くらいの年頃の子供達であった。元気でよろしいね。
すると、つんつんと肩を突つかれる。まあこういう呼び方をするのは現状だと一人しかいないのだが。
「おう来たか……って、なんだそれは」
「……?」
「訂正だ。なんだその水着は」
「スクール水着」
いやいやいや長門さん。それは見ればわかりまくるというかどう見てもスク水ですよ。
それに似合っているかどうかと言われれば、それはもう脳内審議会会場が満場一致でスタンディングオベーションするほど似合っているんだけど。異論は却下だ。
普通こういう場所というか、公衆の面善に来るなら市販されている流行りの水着とかじゃないのか?
「スクール水着は学業としての水泳を行使するにおいて最善の形状と言える。
また、スクール水着には変質的な思考を抱く者も多く、需要が多いとされている」
後半の情報はいらんと思うのだがな。
「そう」
何故かいつもの無表情が寂しそうに見えたのは俺の気のせいだろうか。
……まさか長門は俺がスク水フェチだとか思ってたんじゃないだろうな。
それは好きか嫌いかで聞かれれば大好きではあるんだけどさ。谷口からその手の本を数冊借りた事もあるし。
でも、俺をそういう風に見られていたかと思うと少なからずショックなのも事実だ。
いやいや待てよ。すると長門は俺を喜ばせようとしてスク水を着てきたという事なのだろうか。
嬉しいやら悲しいやら。……すまん、嬉しいの方が圧倒的なのは認める。
「それで、お前はどれくらい泳げないんだ? まさか浮かないとか言うのか?」
「浮く」
最初の懸念はどうやらいらん心配だったらしい。
「一般的な泳法をしても前進しない」
「一般的な泳法ってなんだよ」
「バタ足」
俺は必死にバタ足をするも前に進めない長戸を想像してみた。とてつもなくシュールだ。
というか、泳げないっていっても親玉から情報を仕入れて泳げるようになるようにはならんのか。
「理論的には可能。しかし情報データ通りに泳法を試みてもうまくいかない」
もしかしたら『身知る』ってやつだろうか。
自転車で考えてもらえばわかり易いだろう。自転車は一度乗れてしまうと、逆に乗れなかった頃のようにバランスを崩せはしないはずだ。
それは体が無意識にバランスを取っており、体が自転車を乗るという行為を実践しているからだ。
早い話が、体に叩き込むしかない、ってやつか。
なんか女の子相手にこの言葉を使うと妙なエロさを感じるのは、俺が正常で健全な男の子だからだろうな。
とりあえず俺は長戸の手を持って後退、長門はバタ足という具合にしてみる事にした。
プールの水位は俺にしては低かったが、長門から見れば調度いいくらいだった。
比較的空いているコースを見つけるとそこまで移動、早速実践である。
598 :
行水日和 4:2006/06/26(月) 15:38:30 ID:N9IZ1iIV
「ほら長門、始めるぞ」
頷く長戸。なんか気のせいか顔赤くなってないか? まあ今日は暑いしな。
「……そう」
差し出された長戸の手を持ち、後方を確認しながら引っ張る。
長門はというと、いつもの面持ちでバタ足を、
「うおっ!? 待て待て長門!」
ピタリとバタ足と、それにより発生していた二メートルはあろうかという水柱が止まる。
長門本人にしては何故静止させられたかわからないのであろう。小首をかしげてこちらを見つめている。
とりあえず周囲の視線に気づいて欲しい。あれだけ豪快な事をしていればそりゃ嫌でも目立つよな。
水柱のせいで潜ってもいないのに、俺も長門も頭からずぶ濡れになっていた。涼しいからいいんだけどさ。
「長門よ。お前の仕入れた情報とやらにはどんなバタ足のやり方があったんだ」
「……力強く両足で水を蹴る」
いやまあ、合ってはいるんだけど。
ものには限度ってもんがあるってわからんかね、このお嬢さんは。
体育の教科書なんてもんがまず見ない理由がなんとなくわかった気がする。
「あのな、まずは体の力を抜いて力強くっていっても……そうだな、水面を蹴るくらいの感覚でいいんだよ」
首肯する長門。本当にわかってくれたんだろうな。
まあその考えは杞憂だったわけだが。長門は先ほどの水柱が嘘のように静かで、且つ前進を始めたのだ。
情報があった為か、教えてもいない息継ぎも完璧だった。
顔を上げた長門も心なしか嬉しそうな面持ちに見える。とりあえずこれで目標達成ってところか?
ふるふると首を横に振り否定。
「まだ。実技の試験では自由形をしなくてはいけない」
そういや俺も「泳げ」って言われれば間違いなくクロールで泳ぐな。
試験に出るとなれば軽視もできないし。
「よし、それじゃあ今日中にクロールをマスターしちまおうぜ」
長門はいつものように三ミリほど首を縦に振ってみせた。
599 :
行水日和 5:2006/06/26(月) 15:40:28 ID:N9IZ1iIV
結論からいえば、長門はあっというまにクロールをもマスターした。
というかこいつ最初から泳げたんじゃないのか? 最初の水柱はご愛嬌って事でさ。
さっきなんて、それこそ世界新記録を樹立できそうな勢いで五十メートルを泳ぎ切っていたぞ。
愚直に聞いてみたら「あなたのアドバイスが的確だった為、私の持つ情報と自己判断・分析のラグを解消できた」らしい。
一応、日本の高校生女子の平均タイムを覚えておくように言っておいた。余計な波風は立てないに限る。
俺達はプールから上がり、俺は更衣室のロッカーに収めていた財布を取り出して、ソフトクリームを二個買った。
その片方を白いベンチに腰を下ろしていた長門へと差し出す。
「ほら、疲れた時は甘いもんがいいんだぞ」
「水泳中の飲食は、体調の変化をもたらす恐れがあるので好ましくないといわれている」
「なら食った後はちょっと休めばいい、それだけだろ」
「……そう」
そう言い納得したのか、ソフトクリームを受け取るとちろちろと舌で、まるで子犬がミルクの注がれた皿を舐めるかのように食べ始めた。
なんというか、意外だ。いつもの食いっぷりを考えるともっと猛スピードで食べそうな気がしていたんだがね。
それはさておき、そんな普段が普段なので至極女の子的動作をされると対応に困る。
無論、かわいいのは間違いないだろう。朝比奈さんとはまた違ったベクトルのかわいさだ。
こちらの視線に気づいたらしく「なに?」と言いたげに俺を見つめる。
「あー……ええと、うまいか?」
無難に逃げる俺をヘタレと罵ってください、皆さん。
「美味しい」
そして再びソフトクリームに視線を戻し、舐め始める。
俺はソフトクリームにかぶりついた。想像以上に甘ったるい味であったが、なんだか今はうまく感じられた。
はてさてなんでだろうね。理由に検討はついているのだが。
そういえばと今更ながらひとつの疑問が浮かんだ。
600 :
行水日和 6:2006/06/26(月) 15:41:54 ID:N9IZ1iIV
「ところで長門。なんで俺に水泳のコーチを頼んだんだ?」
ハルヒなんか運動系に関してはズバ抜けた能力を持っている。水泳だっておそらく俺以上の腕前はあるだろう。
そう考えると俺は平平凡凡で可も無く不可も無く、決していいとはいえないのが事実だ。
長門はソフトクリームを舐めるのをやめ、こちらへ向き直った。
「涼宮ハルヒの場合、高確率で練習にはならなくなると推測された」
「……確かに言われてみりゃそうだな」
ハルヒの事だ。練習と称して全員を召集。あとはいつもの馬鹿騒ぎに成り果てるのがオチだろう。
それはそれで楽しいだろうが、水泳をマスターしたい長門にしてみれば迷惑この上ないに決まっている。
「じゃあ朝比奈さんはどうだ?」
「朝比奈みくるは運動能力を考慮すると論外」
うわっひでぇ。しかし、悲しいかな朝比奈さんは生まれてくる時に、神様が運動能力を渡し忘れたと思えるくらい鈍いんだよな。
「古泉は?」
「閉鎖空間が発生する度にいなくなる。閉鎖空間はいつ発生するか予測不能。
よって古泉一樹も妥当ではないと判断」
つまり何か、俺は消去法で残ったからという理由で選ばれたという事なのか。
てっきりいつものように首肯されると思っていた。
長門は珍しく言葉で否定してみせたのだった。
「言葉が正しくなかった。他三名が妥当ではないというのは事実ではあるが、最大理由ではない」
それってつまりどういう意味だ。
いつもよりやや長い三点リーダの後、ぽつりとつぶやいた。
「…………あなたを選んだのは私の意思」
決して消去法で俺を選んだのではない、と長門は言いたいらしい。
俺の次の言葉も待たずに、長門はソフトクリームを再び舐め始めた。もしかして照れ隠し?
そんな態度をされると、俺もなんだかこそばゆいじゃないか。
ソフトクリームを食べ終えた俺達は、プールサイドに設置されたパラソルの影がかけられたビーチチェアに横になった。
水辺という事もあってか、風が吹くとひんやりとした空気が流れ、なんとも眠気を誘った。
というか長門はもう寝てないか? 確認してみると完璧に寝息を立てていた。
いくら宇宙人製のヒューマノイド・インターフェースとはいえ、疲れる事もあるんだなと感慨深く思った。
俺は長門の無垢な寝顔を脳裏に焼き付けつつ、自身も襲われていた睡魔に身を委ねた。
たまにはこういう休日もいいもんだな。
「今週の土曜日は予定を変更、プールに行くわよ!」
翌日。日焼けした俺を朝から怪訝に見ていたハルヒだが放課後、同じように日焼けをして定位置で本を読み始めた長門を見て合点がいったらしい。
全員が部室に揃うなり、そう高らかに宣言した。微妙に怒っている。
どうやら俺と長門が抜け駆けして遊んでいたと思われてしまったらしい、やれやれ。
古泉は「それはいいですね」などと恒例のニヤけ面。
朝比奈さんは目に涙を浮かべ「ふえぇ〜」と露骨に怯えている。もしかしないでもあなたまで泳げないとかおっしゃらないでしょうね。
そうそう、長門の水泳初日は概ね無事終えたという話だ。
概ね、というのは珍しく最後に部室へやってきた長門から直に聞いたからなのだが。
それにしても長門、今日は遅かったが何かあったのだろうか。
「情報にエラーがあった。それに伴いやって来た第一波を断るのに時間を要した」
そりゃどういう事だと聞こうとすると、ふいにドアがノックされる。
朝比奈さんがドアを開けると、そこには俺や長門のように日焼けした数名の女子生徒がいた。
「すいません、水泳部の者ですが一年の長門有希さんはいますか?」
俺はじと目で長門を睨む。
「……失敗」
ハルヒのやつが長門を賭けて水泳部と勝負とか言い出さない事だけを切に願う。
一回ageちまってる、すいませんorz
テラGJ。読みやすくて良かった。
GJ!
長門らしさが出てるし、素直に面白いよ。
スク水の後半の情報にわろすw
だが原作ではスイスイ泳いでたような気が・・・
あっ、その前の時間軸の話か?
読んでて楽しかった
長門はたして日焼けするのかとか水泳程度で眠くなるのかとかは置いといて、GJ!
>>606 日焼けは「キョンとペアルックがしたい」みたいな意識があれば自覚的に行うかも。
睡眠については、雪山症候群でキョンが「長門は眠る必要があるのだろうか?」と
疑問視していたけど詳細は不明。
>>13-345 キョンとみくるってのは一番障害多そうだ。よかった
また作品投下してください
>>572 ベタなんだがこれはいい。キョンはそんな勇気はもてんだろうがな
>>9-27 キョンモトは本当に勘がいいというか。この無邪気さにはやられる・・・
しかしそれ以上に長門がいい。
>>602 個人的に日焼けしたキョンと長門を見たハルヒの様子も書いてほしかった。
だが、そうすると焦点はキョンと長門だからちょっとしつこくなって
こうもうまくはまとまらんか。非常によかった
609 :
341:2006/06/26(月) 17:55:01 ID:IEJfDecQ
■3■
学校。
冬休み真っ只中なのに、なぜ俺はこんなところをうろついているのかと不思議に思うかもしれないが、ようやく限られた学生生活の貴さに気づき勉学に勤しみだす俺でないことはすでに定期テストのペケマークフェスティバルにおいて実証されている、
ということで確率1パーにすら及ばない仮説その1を華麗にフェードアウトしたところで、残りの9割9分について議論していくことになるのだが。
仮説その2。
きっとそういう設定なのだよ説。
『日本の東京都という限局した土地ばかり攻めたがるローカリズムの怪獣が不自然なくらいに多いからといって、良い子の皆はそれを指摘してはいけないんジョワ!』
ダメトラセブンがそう教えてくれた。
ダメトラセブンはM78星雲関西支部からやってきた伸縮自在の圧縮袋型変身ヒーローである。カラータイマーは不携帯(再三の出頭命令も無視)のため基本的に時間制限は無いが、
ナイターが始まれば怪獣そっちのけ。テレビ前にステテコパンツで胡坐をかき、ビールを片手に今夜もつまみのカクテキに箸を伸ばす。負けると暴れる。勝っても暴れる。星に帰ってくれ。
いつだったかハルヒに身売りされたときに駆り出された、ヒーローショーのバイトを思い出す。
思えばこんがりきつね色を目論んだ夏。
正気かと。
炎天下に着ぐるみなどという愚考、自殺願望者のすることだ。
しかし給与がよかった。
そして俺らは火の車だった。
610 :
341:2006/06/26(月) 17:55:43 ID:IEJfDecQ
可決。
その鶴の一声で。
活動場は遊園地かデパート屋上。
焼くというより蒸らされる日々。
シュウマイか。
いつか餃子になりたい。
進化だ。
そうだ幼児向けとはいえ、一辺倒ではなく、ストーリーにウィットに富む変革を起こすべきだ。
たとえば海岸線の近くで短パンからスネ毛まじりの脚を出し、マントの代用にアロハシャツをなびかせた改造人間と悪の怪人の一家が焼きソバを租借するというアットホームな感じで導入部は如何かな。
よくよく訪れる息子・娘たちの大学センターからも目が離せない。
戦争は受験戦争へと名を変え机上ですべて執り行われ、挫折・不安・苦悩・逃避・軋轢・対立。
さまざまな暗鬱な感情が長方形の世界で入り乱れる様に視聴者のフラストレーションは頂点に達し、クライマックスでついに生まれる和解によって、途端オーディエンスはリビドーの鎖から解放されたとき、
ブラウン管越しで生まれるのは、友情や家族のかけがえない絆なくして何がありえるというのか。
カミングスーン!!(黒背景にど派手に輝くテロップ・サウンドエフェクトについては各々キャパシティーをほとばしらせてください)
もう支離滅裂だ。
611 :
341:2006/06/26(月) 17:57:04 ID:IEJfDecQ
部室前。
「……………わお」
いつの間に。
無意識だろうと、何がなんでもここに足を運んでしまう俺は、フクロムシにでも神経を乗っ取られているのだろうか。
「でも、なんか何年越しかに昔なじみと再会したときみたいな感じだな」
ドアノブをまわすと日常がひどく懐かしかった。
暖気が扉から廊下への狭い隙間を通り抜けた。
ストーブ。
先ほどまで点けられていたらしく、ほのかに残滓があった。
「もしもしぃ?」
へんじがない。
「どなたかいらっしゃいませんか?」
へんじがない。
「三河屋ですがー」
酒屋を装った。
誰か隠れていれば、思わず財布を持って出てきてしまい、『あら三河屋さんご苦労様、代金は福沢とワ・タ・シ』と若妻と金銭を一挙にゲットする一石二鳥の計略だ。
「ノンストップララバイ!!」
想像をたくましくしている際に出る鼻血というのは、ご婦人方に粗相のないよう自己主張の強いご子息をなだめすかす、紳士特有の一種の生体防御反応である。
なんて嘘薀蓄では切り抜けられなかった。
ほーらね。
近づいてくる。
椅子に倒れこみ、そのまま頭を垂れた。
「あいたたた……」
胸を押さえる。
痛い。
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ
イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ
喉はからからに渇いているのに、叫びだしそうになる。
助けてくれよ―――
「大丈夫だから」
「え………?」
水音のように清廉と透き通った大人びた印象に反して、無垢な幼さの残る声色が、反響を繰り返し、連続的に内耳に届き脳へと伝達される。
認識まで長くを要し、同時に心拍数が跳ね上がるのを感じた。
頭蓋は戸惑いの感情に満たされる。
揺さぶられて、振り向いた。
窓より入り込んだ長方形の青空の一片が、埃を積もらせた地面の灰褐色を照らす場所。
「………?」
―――塵だけが舞っていた。
612 :
341:2006/06/26(月) 17:59:43 ID:IEJfDecQ
つづく……?
>>341の人
あんた馬鹿だwww
賛辞の意味で。
爆笑させていただきました。このスレだと中々受け入れられないタイプだけど、
俺は好きだ。
続き期待してます。
誰が、馬鹿な俺に
>>341の内容をダイジェストに教えてくれorz
アニメでハルヒさんが歌った歌なかなか良かったね。
まぁそれだけなんだけど。
SOS団がバンドを組めば……
ハルヒ(Vo&Gu)、長門(Gt)、朝比奈さん(Key)、キョン(Ba)、古泉(Dr)が一番妥当な気がする
バンド名は勿論、SOS団
例によってキョンが長門やみくるを欲望の眼差しで眺めていることに腹を立てたハルヒが
団長として女性団員を守るためにキョンの性欲を解消する、
という名目でキョンを逆レイプするような展開を希望しようとしたが、
そういうシチュが好きなだけでハルヒでやる必然性が無かったので
「望んだエロゲ/エロ漫画/エロ小説を教えてくれるスレ」に行って来る。
まあ、朝比奈さんはタンバリン持たせないんなら、キーボードだろうな。
長門はベースの方が良さげ。古泉はドラムで良いと思う。
長門古泉はSOSの屋台骨だし、バンドはリズム隊がしっかりしてないと。
ハルヒはボーカル専念、キョンがギターで。
朝比奈さんはカスタネットとかハーモニカとかが似合うと思うんだ
タンバリンは?
ハーモニカはきちんとやろうとすると結構難しいぞ…。
間違えた…
>>623 おそらくアニメサロン板なのでは・・・?
>>624 だよな。ベンディングで挫折した俺がいる
超コネタ
キョン「長門って何でいつも、つまんなそうなんだ?」
長門「・・・・・(てめえが三年前の七夕に二回もやって来て、今後の成り行きネタバレしやがったからじゃあボケエェ!!)」
>>630 その長門の感情、幼なじみが照れ隠(ry
いよし、
>>334のつづきが完成っと
ストーリーはある程度できているのにネタ切れというなぞの状況に
こっからどうしようか… また長門か、いいかげんハルヒか、いっそこいず(却下
というわけで投下します
7章
部室の端に行き、椅子を並べてその上に仰向けになる。 本をマクラ代わりにしたが、後で長門に怒られるかもな。(それはそれで見てみたいが)
さすがに寝すぎたのか、目をつぶってもなかなか眠れず、そこら辺にある本を読んでみた。
……内容がぜんぜん分からんな。 やっぱ最初から読むべきだった。
そんなことを考えてたら眠く……
…
……
ん、何かやわらかいものが頭の下にあるな。 寝返りでイスから落ちなければ本があるはずだが…
俺は目を開けてみた。 視界には分厚いハードカバーと… 長門と目が合った。
「長門、何をやってるんだ…」
「読書」
「いや、そうじゃなくてな、俺の頭の下にあるのは何だ?」
「膝」
なるほど、どうやら俺は【ひざまくら】という奴をされているらしい。 って何やってんだ長門!?
「これ…」
視点を横に向けると、本の束があった。 どうやら俺がマクラにしてた本のようだ。
「急に頭の位置が変わると、睡眠状態に支障が出る。」
なるほど、俺を起こさないためにしてたのか。 だからといって膝に乗せる必要も無かったと思うが…
これは素直にお礼を言っておくか。 ありがとうな。
「別にいい」
とりあえず長門にずっと頭を預けるわけにはいかないからな。 起きるか。
とりあえず起きてみたものの、今は何時だ。 まだそれほど寝たつもりは無いんだが。
俺は携帯を取り出し、時間を確認する。 ふむ、放課後になったとこか。
「キョン君いますかぁー?」
まるで今まで覗いてたかのようなタイミングで朝比奈さんが入ってきた。 ま、実際この人なら覗く事は無いだろうが…
「いますけど、どうかしましたか?」
こちらに歩み寄ってくる。
「も、もしかしてキョン君、朝に私のクラスにいました?」
「いえ、ずっとここにいましたが。」
しらを切ることにした。 バレたらどうなることやら。
「朝比奈さん、クラスで何かあったんですか?」
「いえ、なんでもないですぅ…」
顔を赤らめ、恥ずかしがる朝比奈さん。 くぅー、やっぱいつも可愛いです。
「ほんと、あそこまで笑われたのは初めてですよぉ…」
「鶴屋さんも必死に笑いをこらえてましたね。」
「やっぱり…」
あ、しまった! しっかりとカマをかけられてしまった。
いつも俺はこういうときにヘマをするな。 赤壁で火計を受けて敗退した曹操も、ここまであせったことはあるまい。
誰かシールド削掘装置を貸してくれ。 今すぐ穴を掘って入りたい。 そんな心境である。
「キョーンくーん…」
鉄仮面を被ってる様に表情を崩さずにさらに寄ってくる。 近い近い近いって!
「まったく大恥かいたんで、きゃっ!」
俺が朝比奈さんに押し倒される形になってしまった。 長門がチラッとこちらを見た気がする。
「キョ、キョン君だ、大丈夫ですかぁ?」
「だ、大丈夫です」
とはいえ、朝比奈さんの全体重を体で受け止めたわけである。 うれしいのと、痛いのが7対3で入り混じっている。 9対1でもいい。
「けだもの…」
ん、なんか言ったか?長門。
「何も…」
ふむ、なんなんだ一体。
続く
グジョーッブ!!
5人とも歌ったら良いんだよw>もしもSOS団がバンドを組んだら
朝比奈さん=「禁則事項です」
長門=「……けだもの」
が規定事項の様になってきてるな
「けだもの」って元ネタあるの?
寒いんですけど?
原作でけだものなんて言ったっけ?
最後長門が「けだもの」って言う小説読んだ!
すげーよかったww
>>639 このスレのあるSSが発端。原作では言ってなかった(と思う)
643 :
341:2006/06/26(月) 22:20:46 ID:IEJfDecQ
ぐふぅ……。
同じ膝枕モノでかぶってしまった。
しかもこっちは萌え要素0。
>>642 に、しても「けだもの・・・」は似合いすぎてるw
はじめに言ったやつGJだ。
>>643 うちのキョンはそんな露骨なモーションかけても気づかない超鈍感ですがw
(´・ω・)長門カワイソス(自分でかいときながら何を)
>>642 最初のはたしか長門の小説(キョン字体)オチだったやつであってたっけ?
よく憶えてない
あと昨日気づいたけど、句点3つでも3点リーダでるな(特に意味なし
中点三つでも三点リーダに変換できると思う。MS-IMEなら(特に意味なし
>>647 あんたも >2 読んだ方がいいな。あんたも書き手なんだからさ。
>>648 >>638の書き込みは幼馴染が照れ隠しで、というよりは
女の腐ったのみたいな口調(腐女子とは違うよ)みたいに見えたからさ、
…てかまあ良いや、スマソ
エロにも多種にわたってのジャンルがあるわけだから、グロだけに嫌悪を丸出しにするのはおかしいぞ?
近親相姦のほうがグロさを感じる事だってあるはず。
兄と妹なら萌ってのがわからん。
>>649 自分も100回読み直してきます(_ _)
>>652 100回も読まれると、俺の文才の無さが暴露される・・・
ヒント メル欄 NG
キョン、窓を開けて空気を入れ替えなさい!
窓がなくなっている!朝倉またお前の仕業か!
小ネタ投下
「・・・長門さんとはどういう関係なんですか?」
「ピンチの時はいつも長門が助けてくれた。俺が今ここにいられるのも長門のお陰だ。」
「・・・好きなんですか?」
「そうじゃない。」
「なら、嫌いなんですか?」
「好きか嫌いかそのどちらかでないといけないのか?」
「そうです、特に男性と女性の関係は・・・ね。」
なぜかしっくりくるこの会話。
お陰でキョン=スネークのイメージがついてしまった。
俺もこねた
キョン「長門お前の分析力を信頼して聞くが朝比奈さんのドジッ子キャラは天然だよな?」
長門「・・・・計算(と言っておけば朝比奈みくるへの熱も冷めるはず・・)」
キョン「・・うわまじかよ〜」
長門「・・・・(YES!!)」
>>658-659 窓持ってきた
━━━━━━━━━━━━
┏━━━━━━━┓
┃ _ . .┃
┃ , ^ `ヽ ┃
┃ イ fノノリ)ハ ,┃
┃ リ(l|゚ . ゚ノlリ ...┃
┃ /つ{⌒l^0 . ┃
━┻━━━━━━━┻━
────────────
ゲコゲコ…
さて、ちょっと投稿。
もはや、ハルヒの名を冠しただけのオリジナル小説かもしれん。
まぁ、自己満の塊(おまけに途中まで)だが、よかったら読んでやってくれ。
6月に結婚した花嫁は幸せになれる。
そんな、西洋の格言だかことわざだか言い伝えだか分からないものは、この宗教も食文化も何もかもごちゃまぜにしてしまうこの国にも伝わっていた。
最も、俺はそんなことを信じてもいないのだが、残念なことにあいつはそういう言い伝えを信じてしまうのだ。誰かって?決まってるだろう。涼宮ハルヒだ。
始まりはどこだったのだろう。運命の歯車は、いつまわりだしたのか?
時の流れのはるかな…(ry
まあ、昼休みのくだらない会話がおそらく原因だろう。
それは、“この国が銃社会でない事に感謝させられたあの日”や、“団長殿の我侭に付き合わされた野球大会”も過ぎた六月のある日のことだったと思う。
俺はなんとまたまた珍妙な事件に巻き込まれる破目に陥ったのだった…やれやれ、巻き込まれ体質ここに極まれりってやつだな。これだけは、他のSOS団の連中に俺が勝っているかもしれない。
そう、それは梅雨入りが発表されて何日か後。久しぶりにあいつの笑顔のような晴れ間が姿をあらわした日のことだった。
その日は外国人ならサウナと勘違いするんじゃないかと思える程に蒸し暑さを全開にしたような陽気で、俺は汗をかきかき授業を適当に受け流して、何とか憩いの昼休みを迎えていた。
「やっぱ、結婚するなら料理が上手い娘だな」
何の脈絡もなく昼食の最中話し出したのは谷口だ。この阿呆にとっては前後の文の繋がりというものに意味はないらしい。
確かつい先程までは午後の体育の授業について話していたはずだ。
「そうだね、料理は毎日食べるものだし、美味しい方がいいかもしれないね」
国木田も谷口と同意権らしく首を縦に振っている。
まあ、しかし、だ。その意見には俺も同意させてもらおう。
俺が毎日母親の弁当を文句も言わないで食い続けているのは経済的な理由以外に美味いからという理由も含まれているのだ。
一度、朝比奈さんのお弁当を見せてもらったことがあるが、何と手作りらしい。やはり料理が上手い女の子ってのはいいものだな。
「あとは、やっぱ見た目だろ」
「見た目もいいけど、僕は頭のいい娘がいいかな、その方が話してて楽しいと思うし」
「かぁっ、これだから国木田は」
谷口が同意を求めるようにこちらを見ている、しかしだな、谷口よ。これには反論を唱えさせてもらおうか。
頭の良い娘も悪くないというのが俺の意見だ。最も、それは俺にはとても理解できないような変な事をわめき散らしたり、辞書から適当な単語を並べ立てたようなややこしい話をしてきたり、いきなり俺をナイフで刺そうとしないような娘に限るが。
「キョンはどんな娘が良いんだ?」
─俺は…
「キョンが好きなのは変な娘だろ?」
何度でも否定するぞ、国木田よ。
それは純然たる誤解であり、俺がいとおしいと思うのは部室のエンジェルにして、北高男子憧れの的、朝比奈さんのような人なのだ。
「キョンよ、やせ我慢ってのは体に良くないぜ。言っちまいな、素直に涼宮が良いってよ」
キシシと不愉快な音で谷口のやつが笑いやがる。
いいか、俺はどうあってもハルヒとくっつく気はないね、確かにあいつにひっぱられ続ける高校生活というのもそんなに悪くないものだが、高校を卒業したらあいつとはオサラバだ。できればそれ以降関わりたくないね。
「あとだな、結婚式はやっぱりウェディングドレスだよな。」
「いや、でも白無垢も良いんじゃないかな。」
どうやら俺の考えは無視らしい、2人の熱論は花嫁の衣装へと移行しているようだ。
言えた立場じゃないかもしれんが、そもそも結婚できるのか。お前達、特に谷口。
さて、谷口と国木田の衣装討論を聞いて表情を変えている奴がいた。
誰かって…決まってるだろう。涼宮ハルヒだ。
“DONTWALK”から“WALK”へ変わった信号のように、何か面白いものはないかと探している憂鬱顔は、何かを企んでいる時の笑顔へと変化していた。
そして、このイカレた女がその表情を見せた時、俺には必ず不幸に舞いこむと相場が決まっているのだ。知り合って2ヶ月の経験則だが、ハッキリ言わせてもらおう。この予想は当たるね。
所かわって放課後の部室、掃除当番で遅れてきた俺が理由のある遅刻には罰金はないよな?と考えつつ、部屋のドアを叩くと
「どうぞ、お入りください」
最も聞きたくない声──といっても返事をするのはこいつか、朝比奈さんくらいなんだが──が聞こえてきた。しかし、ノックをした以上は入らないわけにはいかないだろう。
「他の3人は、どうしたんだ?」
「先ほどまでお見えだったんですが、涼宮さんが何かを思いついたようで、3人でお出かけになりましたよ。」
チェス板から顔を見上げ、こちらに向き直りつつ古泉が答える。相変わらずムカツク程のニヤケ顔だ。
「どうせまた、何かろくでもないことを思いついたに決まっている」
ハルヒの突飛な考えというのは大概、俺か朝比奈さんを不幸に陥れるのだ。現在、俺が現在対象になっていないということおそらく朝比奈さんが被害者になっているのだろう。ハルヒの一挙一動にあわあわとしているだろう部室のエンジェルに俺は思いを馳せ、溜息をついた。
「どうやら、何かの手伝いをされるようですよ」
古泉は、チェス盤の駒を動かしながら答える。どうでもいいが、一人でやって楽しいのか?
「手伝いだと?」
「ええ、なんでも何かのパンフレット作りを手伝うとか」
パンフレットね…パンフレット?そんなものを作りたがるのはどこのどいつだ?
一月前ハルヒがSOS団のパンフレットを作っていたが、それはあいつの頭がおかしいからだ。
一般的に言って、パンフレットなんて普通の商店やら何やらでも必要がないだろう。
その時だった。
「じゃーんっ!」
全てをふき飛ばすような勢いで部室のドアを開けたのは、制服姿の涼宮ハルヒだった。
ハルヒが制服姿なのは高校生なのだから当たり前だ。そんなことをわざわざ俺が述べているのは、朝比奈さんと長門、残りの二人が制服を身につけていなかったからだ──いや、勿論服は身につけてるぞ、一糸まとわぬ姿って意味じゃない──
「に、似合いますかあ?」
恥ずかしそうにこちらに尋ねる朝比奈さんは、純白のウェディングドレスを身につけていた。どこの国のお姫様がお城を抜けてきたんだろうか?いや、絵本から御伽噺のお姫様が抜け出てきたのかも知れない。
純白のウェディングドレスが俺には眩しすぎる。今すぐにでも「うおっまぶし」と叫んでしまいたい。
似合いますとも、似合いますとも!お昼はいいとも、主人公の兄の台詞はいいですとも。
というか今すぐにでも結婚してください。不束者ですがよろしくお願いします。
いや、むしろ式場の教会に乗り込んで行ってすぐにでも奪い去りたいね。花嫁衣裳に身を包んで微笑む朝比奈さんにはそれ以降全ての人生を投げ打つ価値さえあるのだ、断言できるね。
「………」
そしてこちらは、この国伝統の白無垢衣装に、白い…─角隠しと言うんだったか─が頭を覆っている。
舞い散る雪の様に清らかなこの格好は長門有希の聡明さや、清純な雰囲気、無垢な美しさ、長門の良さの全てを引き出していた。
こうして改めて見ると、このナントカ思念体から送られてきたヒューマノイドインターフェースに隠れファンが多いのも自明の理だろう。長門有希は確かに可愛いのだ。
さてこいつには衣装がきついという感覚はないのだろうか?長門はいつもの無表情でそのまま指定席へと着席すると分厚い本を取り出して読み出した、本を読む花嫁という一風変わった姿の完成だ。もっともそれはなかなかのミスマッチでいい味を出していたのだが。
「どう、キョン。なかなかのコーディネートでしょ」
ああ、文句のつけ様がないね。常に俺を不幸に陥れてくれるこの女もたまには俺に幸運をを与えてくれるらしい。
そもそもこいつのコーディネートというのはなかなかのセンスがあって、来ている人間の魅力を最大限引き出すことが出きるようだ。
「先程言っていたパンフレットというのは、ひょっとすると結婚式場のパンフレットでしょうか?」
古泉がハルヒに聞く。
「そうよ。この間モデル募集のチラシを見たんだけど、今日昼休みに偶然思い出したのよ。」
谷口よ、俺は今お前に感謝している。こんなに谷口に感謝することは多分もう死んでもないだろうな。
「でも、ウェディングドレスって高いんじゃないのか?」
俺はハルヒに聞いてやる。
「うん、だから一日だけのレンタルよ。今日の帰りには返すわ。向こうは二日三日なら貸してくれるって言ってたからそれくらい借りててもいいけど」
残念、一日限りの花嫁姿か。うーん、メイドよりも更にこっちの朝比奈さんの方が俺は好きなんだが。
さて、その後の活動はまさに幸せそのものだったと言っておこう。おそらく竜宮城へ行ってみた浦島太郎ってのはこんな気分だったんじゃないかね。
ウェディングドレス姿で朝比奈さんの淹れてくれたお茶は、まさに甘露と呼ぶのに相応しかったね。ただでさえ美味いものが衣装効果で何倍にも美味くなってるんだから当然だろう?
「美味しいです?」
可愛らしく微笑む朝比奈さん。心なしか他の衣装を着せられた時よりも嬉しそうだ。
「それは…ウェディングドレスは女の子の憧れの一つですから」
恥ずかしそうに頬を赤らめる朝比奈さん…何にかえても守ってあげたい、誰もがそう思うだろうね。
任せてください!どんなに俺が安月給だろうと、その時は一番良いモノを選びましょう。
また黙々と本を読み続ける白無垢姿の長門というのも美術品のような美しさを放っていた。某骨董品鑑定家も必ずそのイイシゴトを認めるだろう。
俺は古泉と盤上での戦いを繰り広げる最中チラチラと長門の方を見て英気を養わせてもらった。
幸運ついでに言わせてもらえば、目の前のニヤケ面のキングに俺のビショップは簡単にチェックをかけさせてもらったが、これはいつもの事だし、さして述べるような事でもないだろう。
さて、夢のような時間はあっという間に過ぎ、浦島太郎は地上に…もとい長門が本を閉じる音で今日の俺達の活動は幕を閉じた。
「ねえ、キョンはどっちが良い?」
俺と古泉が着替えるであろう2人を気遣って外に出ようとする時、ハルヒが振り向くと俺に疑問を投げかけてきた。
──考えるまでもない、朝比奈さんだな。長門も確かに捨てがたいのだが、すまん。俺は朝比奈さんを選ばせてもらう。
「そういうんじゃないわよ、馬鹿キョン!ウェディングドレスと白無垢、どっちがいいかって聞いてるのよ」
モデルなしの美しさね。これは難しい問題だな。まあ、結論から言っちまえば
「ま、どっちでもいいんじゃないか」
「ふんっ…やっぱりみくるちゃんだから選んだのね。モデルだけで選ぼうなんて最低よ」
ハルヒの怒り顔、これも見慣れた表情なのだが何かが少し違う、そう何かが混じっている…悲しみ…?
「ほら、とっとと出ていきなさい!着替えられないでしょ、このエロキョン!」
ハルヒの見慣れない表情を観察できないまま、俺は楽園を追われる最初の人間のように部室の外に押し出されてしまった。
…やれやれ
さて、その夜のことだった。明日の学校の為に英語の予習をし、明日の学校の為に体操服とジャージを閉まっていた箪笥から取り出し、明日の学校の為の時間割をした。
そして、明日の学校の為にもう眠ろうと、目蓋に焼き付けた朝比奈さんと長門の花嫁姿を思いながら眠りについた。
俺は今まさに幸せそのものの健全なる男子高校生で、そこに涼宮ハルヒの介在する余地は無かった
…はずだったんだがな……
閉じた目蓋に光が当たっているを感じる。くそっ、もう朝か。朝の奴早く来すぎだぜ。
もうすぐ妹がいつものように俺を起こしに来るんだろう。
「…キョン」
なんだ、妹よ。兄はまだ眠いのさ、もう少し寝かせなさい。
「…キョン、起きて」
柔らかな手が俺を起こそうとゆさぶりをかけてくるが、覚醒にはまだベガとアルタイルくらいの距離があった。
「起きなさいって」
ああ、でもそろそろ起きてやらないとボディープレスが来るな…
「とりゃぁーっ!」
ぐぉっ!普段食らっているダメージより幾分か重い負荷が体にかかる。妹よ、腕を上げたな。お兄ちゃんは嬉しいよ。
「おはよっ、キョン」
開いた目に飛び込んできたのは、見慣れぬ天井。
そして、俺だけが見たことあるのかも知れしれない百ワットの微笑みを浮かべた涼宮ハルヒの笑顔だった。
──何でお前がここにいるんだ?
「あたしの家だからでしょ」
──何で俺がここにいるんだ?
「あんたの家だからでしょ?寝ぼけてるの?」
さて、今俺を客観的に見たら世にもマヌケな表情をしているはずだ。何で俺の家にハルヒがいるんだろうか?
何をされたのかわからなかった…。頭がどうにかなりそうだった。催眠術…(ry
「おいハルヒよ、どうやら俺は寝ぼけてるらしい。頬でもつねってみてくれないか」
「ったく、しょうがないわね」
ハルヒが俺の顔を引き寄せる…
不覚にもクラっと来たね。頬に残ったのはつねられた痛みとは明らかに違う柔らかい感触だった。
「ほら、もう目は覚めたでしょ。早くしないと遅刻するわよ!」
クローゼットを開くと、俺のと思われるカッターシャツを取り出すハルヒ。
振り向き様、軽く揺れたポニーテールがイヤになるくらい俺好みで、大輪の花を咲かせたようなあの笑顔を更に美しく彩っていた。
しかしそれもそうだ、とかく早く着替えるべきだろう。遅刻しちまったら岡部にどやされるしな。
「誰それ?あんたの新しい上司?」
誰ってお前、俺達の担任だろ。クラスメートならともかく流石に担任の教師の名前くらい覚えてるだろう。
っていてて…ほほを強くつねられた。何しやがる!
「やっぱ、寝ぼけてる?」
きょとんとした表情でハルヒは俺を見つめていた。
「岡部なら覚えてるわよ。キョンと出会った時のこと忘れるわけないじゃない!でも、なんでいきなり岡部の名前が出てくるわけ?あんたの上司は…えーっと名前は忘れたけど、岡部って名前じゃなかったはずよね?」
ジョウシね…上肢上梓情死……上司?その言葉に俺達SOS団の中で関係がありそうなのは朝比奈さんくらいのものだ。
少なくとも俺には我侭な団長殿を除けば、上司なんていないはずだがね。だいたい高校生活に上司なんて言葉は……
考えているうちに口元に手を当てていたらしい、手の甲に髭がちくちくと突き刺さる。
いや、待てよ。髭なら昨日の朝に剃ったばかりのはずだ。一日でこんなに伸びるわけはないと思うんだが…
ハルヒの方を向き直る。長い黒髪を後ろで綺麗にまとめている。いわゆるポニーテール、俺が一番好きな髪型だ。
さて、ここで俺は一つの仮説にたどりついた。
そう、俺の髭とハルヒの髪の毛が一夜にして馬鹿みたいに伸びたのだ。んなわけねえだろ!!!いくらハルヒがアホでもそんな世界改変を起こすとは思えない。いや、思うかもしれんけどな、このアホは。
改めて仮設(前半)を述べよう。
ここは未来じゃないだろうか?といっても朝比奈さんがやってきたような遠い──どれくらいか知らないが──未来じゃない、近未来だ。
うん。この部分は認めてやろう、精神的な害もないしな。
「それとも、何か隠し事してるわけ?夫婦の間に隠し事は無しでしょ!」
こら、ハルヒ!今、人が考えている仮説(後半)を勝手に声に出して言うんじゃない!俺はまだその事実を認めたくないのだ。
さて、最初の方で述べたのだが、俺は結婚するなら料理が上手い娘の方が良いと思っている。
寝間着を無理やり引っぺがされ、そのままネクタイをハルヒに結んでもらい、更にそのままひっぱられて連れまわされた俺が今どこにいるかというと、なんてことはない食卓テーブルだ。
「ほら、ダッシュで食べなさい!」
食卓の上に並べてるのは、ご飯と味噌汁、そして卵焼きに、塩鮭、お浸しと一般的な和食メニューだった。
ふっ、なめるなよ涼宮──今は俺と同じ苗字だったか…──ハルヒよ。俺を篭絡させようたってそうはいかないぜ。
俺は料理の味にはうるさいのだ、なんせ母親の料理に文句を言いまくって飯抜きを言い渡されたことがあるくらいだからな。
…くそっ、完璧だ。塩加減まで俺好みとはやりやがる。
そもそもこいつは何をやらせてもだいだい上手いというムカツク奴で、考えてみれば料理も上手いのも当然だろう。
「はい、お茶」
ハルヒがKyonと彫られた湯のみを俺に手渡してくる。
ふっ、抜かったな。前に朝比奈さんがいなくて、し方なしにこいつが淹れたお茶──正確に言えば急須に残ってたのを勝手に飲んだんだが──を飲んだんだが、朝比奈さんの淹れたものとは比べ物にならなかった。愛情というスパイスがこいつには欠けているのだ。
きっと通販で買い漁った健康食品を詰め込んだ汁のような味がするに違いない。
手渡されたお茶を一口口に含む。「なんだこれは女将を呼………ばなくていいです」…くそッ玉露か何か使いやがったのか?朝比奈さんの淹れてくれたお茶と同じくらい美味いじゃないか。
ずずっとHaruhiと彫られた湯飲みからお茶を一息で飲みきるハルヒ、その姿は俺が部室でよく見かけるものと変わらなかった。もったいないぞこんな美味いのに。
…あわてるな、これはハルヒの罠だ!いかんいかん危うく引っかかるところだったぜ
「お弁当は鞄の中に入れておいたから」
さて、場面は玄関へと移る。
どうやら『俺』が、会社に行くにはもう家を出ないといけない時間らしく俺とハルヒは玄関にいた。
「いってらっしゃーーい」
にこやかな笑顔で手を振るハルヒ
「あぁ、行ってくる」
靴──といっても俺達が普段二つの意味でお世話になっている運動靴ではなく革靴だが──をはいて、ハルヒの方を振り向く。
こっちを向いて軽く目をつぶっていた。
えーっと…これはあれですか、俗に言う“いってきますのちゅう”とやらを求めてるのでしょうか、ハルヒさん?
さて、あの時のことは俺にとって忌々しい出来事であり、親に先立つ不幸を謝って縊死しようかと思えるような事態だったわけだが。
やばいね、このハルヒにならもう一度してもいいような気分になってきた。
エーゲ海の島のドイツ軍の基地並を誇っていた俺の心も、いまやガキの頃作った秘密基地程度の防御力しか残していないようだ。
俺はハルヒを引き寄せると軽くデコにキスしてやった。
ハルヒのやつは「ちゃんと唇にしなさい!!」と怒っていたが、ハッキリ言っちまおう。今そんなことをしてしまったらヤバイね。俺が壊れそうだ。
〜続く〜
ハルヒ「ああ、なんと名状しがたきものが外に居るというのだろう。
ああ、窓に! 窓に!」
イイヨイイヨー
小ネタが多いし読みやすかった
ハルヒスキーAは
興奮しはじめた。
ハルヒスキーBは
興ふ(ry
あぶねー。あと4秒で投稿に気付かず途中で邪魔する寸前だった。
禿げしくGJ
682 :
676:2006/06/27(火) 00:20:45 ID:IrhQ+YKh
やたら長い上に続く…あぁ、ちなみに非エロ、あったとしても微エロの予定。
しかもこの前半部は、まだ自己満のネタ押さえ気味となっております。
まぁ、よろしければお楽しみ下さい。なんとか6月中に書き上げたいなとおもっとります。
あと、2度目の投稿だけど、作品番号(?)を示したほうがいいのかね?だとしたら13-73です。
>>682 エロなくても面白そうだこの展開は
楽しみにしとる・・・6月までとはいわず、
いつまででも待ちたくなるな。
続きが気になって眠れないじゃないか!
…GJ!
ドレスか白無垢か、それが問題だ
想像する余地を残す作品こそ極上であると!!!!
続きがんばってくれ
>>686 煮え切らない思いが、残ることもあるがなw
いいねえ(´ー`)GJ!
やべぇ、嫁ハルヒにここまで萌えるとは思わなかった
ちょろんと質問です。朝倉涼子って胸の大きなキャラ、それとも普通?
普通
眉毛が太いキャラだよ!
嫁ハルヒとかヤヴァイって。
マジ悶え死ぬ。
眉毛じゃないよまゆげだよっ!!
フトマユでフトモモもムッチリが涼子ちゃんだよ
荒川と新川、どっちが正しいんだっけ?
>>691-692、
>>696 thxです。エロシーン書きだしたら身体情報が少なくて難儀してました。
眉が太いのか・・・エロには生かしにくいですね。
>>682 ありがとう。今最高の気分です。
続き待ってます!
嫁ハルヒ・・・イイ!
今まで本格的にSSになってないよね?
楽しみだ。
もう700オーバーなの・・・たまには1000まで生き長らえますように。
>>682 やべー、嫁ハルヒ素晴らしすぎるよ
こんなに続きが気になる作品は久しぶりだ
まじで続き楽しみにしてるぜ
724 名前:名無しさん@ピンキー[sage] 投稿日:2006/06/04(日) 19:50:15 ID:lY280+1u
>>710 何万年後の地球に飛ばされたキョン。
あたりは半ば砂と化した瓦礫。一面の瓦礫。
人間の気配すらない、その荒野のなかに
奇跡のように建っている、北校の旧校舎。
キョンは目を疑いながらも、校舎に入り文芸部の部室ドアを開ける――――――――――――――
「………長門」
「……」
長門有希が、そこにはいた。いつもの制服姿で、いつものように本から視線を上げて。
「お前、なんで……」
「一万二千年」
「え?」
「ずっと待っていた」
「一万…二千年…って、その間…ずっとか?」
「正確に言うと、一万二千百二十二年と六ヶ月と十四
最後まで言う前に、俺は長門に飛びつくように抱きついた。一万年!一万年だぞ!
「なんで…長門、お前……」
俺の言葉はうまく出てこない。
「それしか方法がなかった」
淡々と、しかしどこかしら感情を思わせる声で長門は俺の胸元で言った。
「長門……俺が今日ここに来ることが判ってたのか?」
「あなたがいつに飛ばされたのかは私にはまったく不明だった。おそらく100年から10万年の
オーダーのいつかだとしか判断することが出来なかった。だからあなたが、この校舎を
見つけたならば必ず入ってくると想定してこの校舎に時間停滞の属性を付加しておいた」
「じゃあお前も……」
長門は首を振る。
「時間停滞を固定化することは出来ない。プログラムの実行体として私は時間の流れの中に
存在していた」
「お前……ずっと、待っててくれたのか……一万…二千年も……この部屋で……」
クソ。なにやってんだ俺。こいつが、長門が、ずっと待っててくれたってのに、さんざん
待ちぼうけ食らわして……
腕の中で長門がびくり、と身体を震わせた。
「長門?」
「毎日、あなたが来てくれるかと楽しみに待っていた。
今日は来なくても明日こそ来てくれるか、と。
……ごめんなさい。なぜだか、感情の、抑制が、うまく、効いていない……
……ドアノブが、動くんじゃないか、と、それだけを、楽しみに……」
どこか熱に浮かされたような長門の声。無理もない。ずっと、待っててくれたんだ。
「いいんだ。ゴメン。ゴメン。長門。待たせて、すまなかった。本当に」
長門の小さな身体に廻した腕に力を込める。こんな小さな身体で、ずっと俺のことを
待っていてくれた。一万二千年も。気が遠くなるほど、毎日、毎日……ずっと、この部室で、
俺がやってくるのを待っていてくれた。
「……あなたが、謝る……ことでは、ない」
----------------------------------------------
「……あなたが、謝る……ことでは、ない」
長門の細い体を抱きしめてる。ほんのりと女の子の匂いがする。
俺はその身体がふるふると小さく震えているのに気がついた。
「あっ、ス、すまん……長門」
謝りながら身体を慌てて離す。
そうせずにはいられなかった。長門が、この宇宙人のアンドロイドが一万二千年もこうして
待っていてくれた、という事に感極まって抱きしめてしまっただけであり、そもそも
俺と長門はそういう関係ではないのだ。残念ながら。
「……嫌ではない」
俺は目を疑った。あの長門が、頬を染めている?
いや、何でもありだ。俺を待っててくれたんだから。
長門は書棚の一冊の本の間から一枚の栞を取り出してきた。それを俺に渡す。
「これは?」
長門曰く『ラベンダーの香りのする栞』だそうだ。
「あなたを元の時間線に戻すアイテム」
「これで、俺とお前は過去に戻れるんだな?」
俺はただ確認しただけだった。しかし長門は信じられないことを言った。
「いいえ。あなただけ」
「……な ん だ っ て ? 」
「私は時間線を超えられない」
いつもの無表情で、それが当たり前であるかのように。
「…なんだよ、それ!?」
「あなただけが元の時間線に戻ることになる」
「お前はどうするんだよ?」
「どうもしない。これをあなたに渡すのが私の使命」
怒りを感じた。殺意を覚えた。
そうしろと命じた誰かに、だ。そして長門をこんな目に遭わせた俺の無様さにも。
「一万…一万二千年も待ってて、なんだよそれは!!!!」
俺にこんなモンを手渡すためだけに一万年以上も…ずっと、待ち続けただと!?
「帰らない」
俺は栞を投げ捨てた。栞が床にひらひらと舞い落ちる。
「俺は帰らない。俺はお前とここに残る」
一万年も待たせた挙句、こんなもんだけ受け取ってさよならなんて、そんなことあるか!
ずっと、長門と一緒にいてやる。
一万二千年の寂しさを埋め合わせてやる。
話し相手になってやる。長門は聞くだけかもしれないけど。
いろんな話をしてやるんだ。
晴れの日も、雨の日も。
そして畑を作って、漁でも釣りでもなんでもして、この時代で長門と一緒に生きる。
雨の日には背中合わせで寄り添いながら、一緒に本を読むんだ。
そうじゃないか。
そうでもしないと、コイツの待っててくれた一万二千年に埋め合わせがつかない。
デートの待ち合わせだって、三十分も遅れたらなんかしらプレゼントあげたり
奢ったりして埋め合わせをするだろ? それが一万二千年分じゃ、一生側にいてやっても
釣り合わないくらいのでかすぎる遅刻じゃないか。
でも、長門はいつもの無表情でさらりと言った。
「あなたがそういう決断をするであろうことも想定されていた」
白い頬の中の唇が重大な事を言ってのける。
「だから、私はあなたがこの校舎を訪れた翌日に情報結合が解除されるようプログラムされている」
理解できなかった。
情報結合の解除……
思い出したのは、朝倉涼子が拡散していく姿だった。
「なんだよ……なんなんだよ! それって、なんなんだよ!!」」
俺は長門の両肩を掴んで問いただす。冗談を言っている顔じゃない。
「死ぬわけではない。消失するだけ」
「同じことだッ!!」
俺の大声にビクッと身体を震わせる長門。
「……スマン」
透き通るような白い頬をかしげて俺を不思議そうに見ている長門。
その身体を抱きしめると、長門は一瞬だけぴくりと身体を震わせた。
「長門……お前、何万年も……ただひたすら……待って、待って、待ち続けて……」
長門は不快ではないのか、抱かれながら俺の肩に顔を預けてくる。
「俺……俺に、なにができる?」
一分近く、長門はじっと考え込んでいる。
無表情の中に迷うような色をかすかににじませながら、ぽつりと言った。
「三つだけ、お願いがある」
「いくらでも聞いてやるよ。俺にできることなら、なんでも、いくらでも」
長門の小さな唇が動く。
「一つ目は……私が消失するまで、一緒にいて欲しい」
ああわかった。お安いご用だ。
そんなことでいいのか。
「二つ目は、私を女にして欲しい」
「……………………………………」
「――すまない。あなたはあまり直接的な言い方を好まないと思っていた。言い直す。
私とセック「わわわかったっ」」
そんな澄ました顔でそんな……なことを平然と言ってくれるな。
ドキドキするじゃないか。
薄暮の文芸部室。
その床に長門が毛布を何枚も重ねて敷いている。
あ、コレは文化祭のときに手芸部かどっかから強奪してきたやつか。
一万二千年間もここにあったのか。
「校舎とその付属品は時間停滞の影響で実時間にして十五秒しか経っていない」
そう言いながら、長門はどこからともなく取り出したシーツを毛布の上に広げて
即席のベッドを作り上げる。
「それは?」
「校旗。清潔だから安心して」
そう言えば黒い校章がみえるな。
そのベッドの横に立ち、俺のほうを真っ直ぐ見る長門。
やばい。なんか、緊張してきた。なんか言わないと。
「……長門はずっと本読んでたのか?」
こくりと長門はうなずいた。
一万二千年の間ずっと。
考えただけで胸が痛くなる。
「……そしてその合間にあなたの事を考えていた」
薄いきれいな唇が薄闇のなかでそう動く。
ん? なんだこの違和感は?
長門の表情が、ほんのすこしだけなんか違う。
突然、長門が俺の首に腕を回してくる。
そのまま顔が近づき。そして。
唇に生まれた暖かくて柔らかい感触。
世界で一番柔らかいもの。俺はそう思った。
……キスされた?長門に?
「……」
「……長門」
キスしてわかったのは、長門の唇がめちゃめちゃ柔らかい、ということだった。
なぜだろう。長門がかすかに微笑んでいるように俺には見える。
長門のその表情を見てるだけで身体の奥から沸いてくるこの感覚はなんだろう?
長門がセーラー服をまるで無造作に脱ごうとしたので俺はそれを止めた。
「脱がないとできない」
長門は抗議してくる。
「俺に脱がさせてくれ」
「……あなたがそうしたいのなら」
「ああ。したい。長門のセーラー服を脱がせたい、とずっと思ってたんだ」
長門は不思議そうな顔で俺の事を見ると
「あなたに関する認識を改める必要がある」
と言った。
「幻滅したか?」
「……いいえ。…………あなたにそうされる事は、不愉快ではない」
ベッドの上に女の子座りしている長門。その制服のカーディガンのボタンを外していく。
いつだったかの冬の日、コイツはこれを寝てた俺に掛けてくれたっけな。
そのとき長門はどういう顔をしてたんだろう?
さっきみたいな表情だったらいい。なんとなくそう思った。
セーラー服の下の肌は驚くほど白かった。
つくづく眺める。ホントに、長門は白い。白磁の人形みたいだ。
でも人形と違うのは、透けそうなほど白い肌が柔らかくて暖かいことだ。
暮れゆく文芸部室の中、暗がりの中にぼおっと浮かび上がる長門の裸身。
真っ白い肌は透明感すらあって、近くで見てるだけでドキドキしてくる。
その長門がつけてるのは特徴の無い白い下着。
なんか中学生みたいだな、と思いながらそれを外す。
控えめな真っ白い膨らみが目に飛び込んでくる。
慎ましげだが、それでも女の子であることを精一杯主張している部分だ。
背筋を掌でゆっくりと撫で続けると、かすかに視線を泳がせながら眉を上げ下げさせる。
「こうされるの、嫌いか?」
「わからない」
平らな下腹部を撫でる。無造作なショートカットの襟足を撫でる。
肋骨の浮き出たわき腹を撫でる。ん。もっと長門は食ったほうがいいな。
……いや今でも十分食ってるか。あ、今ってのはおかしいな。一万二千年の間、
長門は何食ってたんだろう?
撫でていた掌から肋骨の感触がなくなる。ここはもう胸か。
薄桃色の乳暈の中で、乳首は長門の心臓の鼓動がわかるくらい固く立ち上がっていた。
長門の胸の中で、心臓がとくん、とくんと鳴っている感触がする。
コイツにもやっぱ心臓はあるんだな、と感動に近い思いがする。
薄い桜色をした可愛い蕾に唇を押し当てる。
唇に感じる乳首の鼓動。
舌先で舐め上げながら、乳首全体をしゃぶる。
「……」
こいつは表情を変えないように努力しているんじゃないか?
そう思った。
薄い乳房に掌を伏せる。
手全体で乳を撫でるように。
小さな胸全体を動かすように。
汗ばんだ肌がぬるり、と長門の乳を掌から逃がす。
そうして胸の感触を楽しんでいると、視線を感じた。
吸い込まれそうな長門の瞳。
それがすこしだけ負の感情を帯びる。
「すまない。朝比奈みくるくらいの大きさがあれば――」
俺はなにか言おうとする長門の唇を自分の唇でふさいだ。
唇を離すと、
「長門の胸は、可愛いな」
そう言ってやる。
「……そんなことはない。大きさは平均以下で――」
「大きさとか、そういうのは関係ない。俺は長門の胸が好きだ。大好きだぞ」
厚みのあまりない長門の乳房に唇を向ける。
唇で押す。舐める。
大きく開けた口を押し付け、歯を這わせる。
そのたびに、長門の息が大きくなる。
なにかをこらえているかのような殺した吐息を感じる。
「ホント、可愛い。長門は全部可愛い」
長門の目の色が変わっている。どこかとろんとした色。
そして驚いたのは、長門の口元に浮かんだはにかむような笑み。
長門はほのかな微笑を浮かべている。
……長門が笑ってる?!
他のヤツが見てもわからないかもしれない。
でも俺にはわかる。唇の端をわずかに緩めて、目元がほんのすこしだけ
柔らかくなっている。これは笑ってるんだ。
お前、笑えるようになったんだな。
「あまりにあなたが待ち遠しくて、練習してみた」
「あなたが消えて八千年後、正確には八千六十五年後にあなたの声を思い出していたら
顔面の筋肉が緩むことに気がついた」
「知識では知っていた。それが笑みというものだということに」
笑みを不安そうに揺らがせると、長門は俺に尋ねる。
「私は……ちゃんと笑えている?」
ああ。長門、お前笑った顔のほうがずっともっとすげえ可愛いぜ。
そう言うと、一瞬だけ長門の瞳が大きく開かれる。驚いているのか喜んでいるのか。
透き通るような白い顔がほんのりと赤くなる。赤くなっているように見える。
「長門。俺はお前の事が好きだ」
「俺の事をずっと、一万二千年も待っててくれて。それだけじゃなくて、俺は、その、
長門が俺を朝倉から守ってくれたときから……いや、実は、もっとずっと前から好きだったんだ」
スキ、という俺の発音の度に長門の身体はピクッ、ピクッ、と小さく震える。
長門は酔ったような顔で俺の唇にキスをしてくる。
「……んぅっ」
長門の小さくて薄い舌が俺の唇を割って入り込んでくる。
細い舌先が俺の歯茎をなぞるように動く。
ななななんだコレ!?
生まれてはじめての経験に腰の裏がざわめきだす。
俺の顔にかかる長門の鼻息。
「……ん……ふぅっ……んちゅ……」
薄くて熱い長門の舌が俺の舌を擽る。
舌の裏側を熱い肉がこそいでいく。
頬の粘膜を、口蓋の裏を、長門の舌が撫でていく。
押し入ってくる長門の柔らかい舌肉を舌で受け止め、押し合うことしか出来ない。
数時間にも感じられる数十秒の後、唇がゆっくりと離される。
………どこでこんなテクニックを?
「……本で読んだ」
な、長門……なんて本を。
「最近のこと。五百年ほど前」
ほんのすこしだけ頬を染めながらそう言う長門が愛しい。
大好きだ。超好きだ。銀河系一好きだ!
紺色のソックスだけを身に着けた長門が、俺の身体の下でくったりとしている。
俺は肩に掌の後が付くくらい固く抱きしめた。
長門はしばらく考え込むような顔で、そして
「だいすき」
と俺に囁いてくる。
その昔、長門がハルヒに無理矢理言わされたセリフだ。
同じだけど、全然同じじゃない。
「だいすき」
そう言ってくる長門を抱きしめる。
肋骨がきしむほど強く。
「あなたが、大好き」
俺の腕の中で、長門がそう言っている。
長門の息の匂いがする。
触れ合ってる肌が声の響きでかすかに震えるのを感じる。。
「長門……」
この気持ちを伝えるのに、どんなに強く抱きしめても、全然足りない。
腕が二本だけじゃ足りない。
俺はいつの間にかその思いを口にしていたらしい。
「私なら腕を増やす事も可能」
……それはいらない。
「あなたがそうして欲しいのであれば」
いや、しなくていいぜ長門。俺は今のお前のことが好きなんだからな。
そう耳元で囁いてやると、長門は声にならない喘ぎを漏らす。
掌で長門の背中を触る。
しっとりと柔らかい皮膚はかすかに汗ばんでいるが、滑らかでしかも暖かい。
泣きそうだ。
俺は極限まで固く上を向いたマイ・バズーカを握って言った。
「長門、いいか?」
「いい」
すごい。真っ白だ。
長門の太股の内側は、俺が今までに見たどんなものよりも真っ白だった。
そしてその中心には、わずかばかりの薄い毛の陰りと
充血しきった赤い粘膜が鎮座ましましている。
ドキドキしてくる。心臓が口から飛び出しそうなくらい、激しく暴れまわっている。
「な…がと……」
「……」
長門は何も言わずコクリと頷いた。昔だったら、といっても俺の体感時間的には数時間前、
長門の時間では一万二千年前だったらこんな関係になるなんてのは思いもよらなかったことだ。
俺が躊躇していると思ったのか、長門は落ち着いた口調で言ってくる。
「避妊の必要はない」
馬鹿。
そんなんじゃない。
そういうときは「……きて」とか言うんだよ。いや俺もエロマンガでの知識しかないんだが。
「きて」
俺はそんな素直すぎる長門を可愛いと思う。
すこしでもコイツに暖かい感情のようなものを味あわせてやりたい。
もう数時間で消えてしまうコイツに。
狭い。ここでいいのか?と聞くと長門は
「いい」
そう言っている長門の頬はまぎれもなく、赤く紅潮していた。
きつい。
脳を直接削がれるような刺激と快感。
プツリという感触。
それが長門の処女膜の感触だというのに気づいたのは、俺がこの宇宙人の、
有機ヒューマノイドインターフェースの一番奥深くまで突き入れてあまりの快感に
情けない声をあげ終わったあとだった。
「スマン、長門。痛くないか?」
「痛くないわけではないが許容範囲内。むしろ幸せ」
なんだよそりゃ。そんな微妙な嬉しがり方はねーだろ。
「長門の中、すげー熱いぜ。ぬるぬるしてて、きつくて、すげえ気持ちいい」
そう言うと、長門の視線が泳ぐ。
照れているのか、嬉しいのかわからない。
その微妙な表情の変化が面白くて、もう一度言ってみる。
「熱くて、溶けそうだ。長門」
なにかをガマンしているかのような微妙な表情の変化。
無造作に切られた前髪は眉に掛かるか掛からないかの長さで。
やはり無造作な眉の下の闇色の瞳は吸い込まれるような色で俺を見つめている。
微妙に桜色を帯びてきた真っ白いほほ。その中心にある小ぶりな唇が
救いを求めるかのようにすぼめられる。
……いや、それは俺の勘違いか?
まあいい。
俺と長門にキスをした。
唇を離すときにはちゅぽ、と音がしそうなくらいの熱い吸いあうような激しいヤツをだ。
長門の呼気を胸に吸い込むだけで。
長門の皮膚の柔らかさを全身で感じるだけで。
俺の心の奥底から嬉しくて切ない波動が溢れてくる。
「長門」
「……なに」
「動いていいか?」
長門は顔色一つ変えない……わけではない。
無造作だが形のいい眉の間に愛らしい皺を寄らせて、そっと囁いてくる。
「そうして」
俺の全神経が長門の内側で擦られる感覚。
ヤバイ。気持ちいい。気持ちよすぎる。
俺は数回出し入れしただけで、腰の動きを止めてしまった。
長門は俺の目を真っ直ぐに見ながら言ってくる。
「あなたのペニスが入ってくると充足感を覚える」
女の子がペニスだなんて言っちゃいけません。
「そして引き抜かれるとなにか不足した感覚がする」
「きもちいいか?」
「……いい、のだと思う」
なんだよそれ。
ドクン、ドクンと俺の心臓が肋骨の中で跳ねる。
押し込む。深く繋がる。
長門の狭くてぬるぬるした体内が俺の勃起を食い締めてくる。
「長門……」
長門は顔を赤くしながら浅く息をしている。
「長門、辛いのか?」
「……駄目。声が、勝手に出てしまう」
「いいんだ」
「……」
「長門の声、聞かせてくれよ」
瞳が開かれる。
「俺は、長門の声も好きだから」
血色の良くなった長門の頬を撫でながらそう言う。
一瞬だけ、小動物のような表情をみせる長門。
そんな長門に対して腰を引き、俺の勃起をゆっくりと引き抜く。
長門の眉が切なげに寄せられる。
そんな顔もできるんじゃないか。
そうして、数秒その抜けかけた状態を維持してから一気に奥まで突き入れる。
「…ふぅっ」
俺の口から無意識に声が漏れる。
「……ぁっ」
同時に長門も可愛らしい喘ぎを漏らしている。
「……可愛いぞ」
長門は焦っている。
自分の出した声に戸惑ってるみたいだ。
長門の内側があまりに熱くて、そんな愛らしくて。
どうしようもない。
俺の視界はこの長門で多い尽くされる。
突き入れて。長門がかすかに甘い色の喘ぎを漏らして。
引き抜いて。長門の皮膚から汗が分泌されて。
突き入れて。長門の瞳がわずかに潤み始めて。
また引き抜いて。長門の唇が愛しくて。柔らかくて。大好きで。愛しくて。
「な……がとっ」
「……あっ……」
脳裏が真っ白になるくらいの快感とともに、俺は長門の一番奥深くに向けて
熱い体液を噴射していた。
二人の身体の間は汗でどろどろになっている。
汗をかいてるのは俺だけかも……いや、長門もうっすらと汗をしぶかせてる。
コイツも汗かくんだな。なんだかそれだけで嬉しくなってくる。
抱き合ったまま、俺は長門を身体の上に抱え上げる。
体重をかけたらつぶれそうなくらい細いからな。長門は。
俺の身体の上で、長門は囁くような小さな声で言う。
「ずっとあなたのことを考えていた。あなたが成長し老化したらどんな姿になるのかと」
「顔や声がどんな風に変わるか、シミュレーションしてみた。条件を変えて何度も計算した。
97.5%の確率で合っている筈。それが確認できないのが残念」
全裸で抱き合いながら、部室の窓から空を。月を見上げる。
奇妙な色のついた月。一万二千年の間に変わってしまった月。
長門は、この月の変化をずっと見ていたのか
そう考えると胸の奥が痛くなった。
「そういえば長門。三つ目の願いはなんだ?」
「あなたが元の時間線に戻ったら――」
長門は珍しく、言い辛そうにしている。
「……私に優しくして欲しい」
なんだって?
「もちろん強制するつもりはない。
それにあなたと涼宮ハルヒとの関係も悪化させるわけにはいかない」
「強制されなくたってそうするさ」
俺は考えるまでもなくそう応えていた。
長門の唇は動き続ける。
「一万二千年の間、ずっと考えていた。あなたのことを考えるたびに覚える感情がなんなのか」
そう言う長門の表情は嬉しそうだ。
「さっき判った。私はあなたのことが好き」
…長門。お前、笑えるようになったんだな。
「それは一万二千年前から変わっていない。ただ気づかなかっただけ」
そう言っている長門の顔は明らかに微笑んでいる。
「気づくのに時間が掛かってしまった」
なんて不器用な。そんな長門がただ愛しい。
数時間もそうして抱き合っていただろうか。
無常にも時計の針は12時を過ぎていく。
長門の身体は薄く発光を始めた。
「視覚情報が停止した」
長門、お前目が?
「あなたが、もう見えない」
虹彩の消えかけた瞳が俺の顔の彼方で焦点を結んでいる。
拡散を始めた長門の掌が俺の頬を撫でる。
「長門! おい長門!!」
「消失するのは怖くはない」
焦点の合っていない目で俺を見つめながら、長門は囁く。
「情報を失うことに恐怖はない」
こくりと長門の喉が動く。
「ただ、あなたに対する思慕が失われることだけが……哀しい」
驚くべきものを目にした。
長門が、泣いている。
もう見えない目からぽろぽろと涙を溢れさせている。
違う!俺が幸せにしたいのは過去の長門じゃないんだ。今現在の、長門有希。お前なんだ。
「あなたが元の時間線に戻るのはあなたが消失して三日後のこの場所」
長門はそう離し続ける。見えない目で俺を見つめながら。
「過去の私はあなたが消失して心配しているはず」
なんで。なんでそんな、柔らかく微笑めるんだよ!?
「会って私の心配を解消してあげて欲しい」
澄んだ笑顔が俺の心臓を撃ち抜いた。
「な……長門っ!……有希っ!!!」
俺は初めてコイツの名前を叫んだ。
そのとき長門の顔に浮かんだ表情を、俺は決して忘れないだろう。
なによりもキレイで、純粋で、無垢な微笑み。
まっすぐに俺に向けられた微笑が俺の視界を覆い尽くす。
長門の唇が動く。ものすごい速さで何かを唱えている。
「なんだって?」聞こえない。
長門の唇がまた言葉を紡ぐ。
「あなたは泣かないで。笑っていて」
長門の頬の上に俺の涙が落ちている。
なんでだよ。なんで長門が、消えなきゃなんないんだよ。
せっかく何世紀も、何十世紀もの孤独を耐えて待ってたのに。
微笑を浮かべる長門。
「俺はお前が好きだ! 何度だって言ってやる、好きだ! 好きだ長門!」
そう言ってやると、長門はぎこちない薄い笑みを浮かべる。
「長門……有希……有希……」
そう俺が囁くと、長門は目を閉じて唇を軽く突き出す。
俺は迷うことなく、その唇に自分の口を押し当てた。
唇だけが触れ合うキス。
熱い。熱い。唇が灼けそうなほど熱い。
腕の中の感触が淡くなっていく。消え去っていく。
肌に感じていたぬくもりがなくなる。
そして俺の唇に熱だけを残して、長門有希は空気に溶けるように消失した。
……
泣いた。啼いた。嗚咽した。子供のように。赤ん坊のように。
どうして。どうして長門がこんな目に遭わなきゃならないんだ。
まるで渋谷駅前の銅像の犬みたいに、永遠に近い時間を。俺を待つためだけに。
俺はまるで壊れた蛇口のようにボタボタと涙を流して長門のために泣いていた。
一時間もそうしていただろうか。
帰りたくはなかった。
そうすることで、長門の一万二千年が一瞬で無意味なものになってしまいそうで。
でも、この世界には長門がいない。
戻った先の過去には長門がいる。俺を救うために一万二千年間孤独に耐えてきた
あの長門ではないけど。
だから俺はアイツに会いに行く。
不器用で、愛らしくて、いじらしいアイツに会って。
アイツは一万年以上も待ち続けた長門ではないけれど。
それでも、俺は俺に出来る全てのことをしてやる。
それが長門の、一万二千年も俺の事を待ち続けてくれた女の子に応えてやることじゃないか。
-------------------------------------------------------------
深夜の文芸部室。
窓の外を見る。街灯が転々と道沿いに並び、遠くの町の明かりがうす曇りの空を
ほのかに照らしている。
戻ってきたのか。元の時代に。
荒く溜息を吐く。
部室の空気が冷たい。
俺は戻ってきてしまった。
長門を犠牲にして。
俺にそんな価値があるのか?
長門が、ひとりぼっちで一万二千年も待っていてくれるような価値が。
一人きりだと思っていた部屋の片隅から声がする。
「あなたはいつから来たの」
うわあぁぁっ!?
この時代の長門有希が、パイプ椅子に座って俺の事を見ている。
ついほんのすこし前に。この時間軸で言えば一万二千年後に。
俺の腕の中で拡散して消失した長門がそこに座っていた。
同じ瞳の色。同じ無造作なショートカット。同じ真っ白な頬。
でも浮かぶ表情は同じではない。
普段通りの、無表情な宇宙人製アンドロイドがそこにいた。
この長門は不思議そうに俺の顔を眺めている。
コイツは長門だけど、あの長門じゃない。
そういえば……アイツはなんて言っていたっけ?
最後の願いの言葉が脳裏に蘇る。
口調も、表情も、全てが鮮明に。
「長門」
俺は長門の両肩を掴むと、顔を覗き込むようにして言った。
「今からする俺の行動がイヤだったら、言ってくれ」
心なしか見開かれたような気がする瞳で、長門は無言で頷く。
しっとりと、薄くて柔らかい長門の唇に口づける。
長門の唇は冷たくて。しっとりと、ひんやりとしていた。
なんだかキスしてるだけで熱が長門の唇に移っていくようだ。
「長門!?」
くたりと力が抜けたように崩れ落ちる長門。
長門は熱病にかかったかのようにぴく、ぴく、と身体を痙攣させている。
「おい、長門?! 大丈夫か?」
熱に浮かされたような表情の長門は俺にしがみつくように抱きついてきている。
熱い吐息が胸元に掛かる。
吐息?
顔色一つ変えない長門が?
俺は長門の顔を覗き込む。
少しだけ違った瞳の色。
その長門が俺の顔に近づく。
唇が俺の唇に押し当てられる。
唇を割って入ってくる長門の舌。
薄くて、でも熱い長門の舌が俺の歯茎を舐めあげ、歯をこじ開けて舌の裏側をくすぐり……
長門……?
なんで?
このキスは?
俺の感覚では数時間前の、一万二千年後の北高の旧校舎で交わしたキスと同じキス。
必死に長門の身体を引き剥がすようにすると、俺は疑問を口にする。
「お前…あの長門なのか? 一万二千年、ずっと待っててくれた長門なのか?」
長門はちょっとだけ考え込むようなそぶりを見せると
「厳密に言えばそうではない。私はこの時間線の私自身」
と、そう答えてくる。
そう言う長門の……表情には微妙なゆらぎがあった。
「あなたの唇に込められていた一万二千年分の「私」の記憶と同期させてもらった」
「……唇?」
「一万二千年後の私は一万二千年間の記憶を外部化しあなたの唇の上にそれを一時的に固定化した」 なんのことだ?
「キス」
真顔でそう言ってくる長門の唇をついマジマジと見てしまい俺はドキリとする。
「未来の私はあなたの唇に、一万二千年間の記憶を乗せた」
そうか。最後のキスの熱い…感覚は、長門の記憶だったのか。
長門の説明によると、俺がこの時間線に戻ってから三十分以内に触れた異性の唇が
長門のものだった場合にのみ、情報転移は発動するのだそうだ。
なんなんだその条件は。
「じゃあお前は……どっちの長門なんだ?」
「本質的には同一。未来の私はより多くの情報を元に思索を重ねたという違いしかない」
安心した。
長門の一万二千年は無駄にはならなかったんだ。
「ごめんな……長門」
「謝らなくていい。最後にあなたに会えて「私」は幸せだった」
ほんの一時間前に消失した長門がそこにいた。
かすかに緩んだ口元は、お前笑ってるのか。
「たとえ消失するとしても」
どことなく恥らってるような口調で。その口調も可愛いぞ。
「幸せな記憶を喪いたくなかった。だから私はあなたに自分の記憶を託した」
あの長門はいないけど、あのときの長門はこの長門で……
この長門はあのときの長門?長門でありながら長門で……
だんだんわからなくなってくる。
「あっ?! じゃ、じゃあ、あ、あのこと……も……覚えてるのか?」
あのとき、腕の中でかわいく悶えた長門の表情を思い出してしまい俺の顔は真っ赤になる。
「あなたとのセッ「わわああああ」
慌てて遮る。女の子がそんなこと言っちゃいけません。
「……情交のことならば、記憶している」
いやいや言い直せばいいってそういう意味じゃなくて。
まあ、いいんだ。あの約束はまだ有効だからな。
俺はお前の事が好きだ。
お前の事を幸せにしてやりたい。
俺に抱きしめられて幸せを感じるんだったら、いくらでも抱きしめ続けてやる。
いやむしろ、抱きしめさせて欲しい。
「あなたに言っておくことがある」
なんだ?
「あなたの唇は莫大な量の情報輸送因子に汚染されている」
……なんだって?
「一万二千年後の私は一万二千年に渡る「私」の思考記憶感情の生データに多次元圧縮を掛けて
あなたの唇の粘膜細胞に移植した。その大部分は先ほど私が摂取したが一部のデータが未だに
粘膜細胞には残留してしまっている。……通常ではありえないほどの高密度データは
通常の人間にも影響を与えてしまう可能性がある。
もし普通の人間が粘膜での接触を図ろうとした場合、人間では処理しきれないほどの
情報流入を受ける可能性がある」
それって、具体的にどうなるんだ?
「わからない。ただ、あまりよい影響を与えない事は確か」
これって、いつかもとに戻るのか?
「それもわからない。ただ、私と繰り返し接吻を交わす事により
あなたの唇に残る情報データの密度を薄くする事は可能」
……なんだか読めてきたぞ。可愛いじゃないか長門(未来)。
俺と沢山キスしたくて、俺を独占したくて、そんな呪文を俺に掛けてくれたのか。
そう考えると胸の中心あたりがほっこりと暖かくなってくる。
長門はロッカーを開けると中から文化祭のときに手芸部から強奪した毛布を取り出す。
床に敷く。敷き重ねる。長門さん何をやってるんですか?
「私にはあなたとの情交の記憶はある」
「ああ」
「でも私自身の経験ではない」
「……そうだけど」
「私は記憶ではなく実体験として体感したい」
おい長門。毛布の上に何を敷いているんだ?
「校旗」
……。
「清潔だから安心して欲しい」
そういいながら長門はカーディガンのボタンに手を掛ける。
ちょっと待った!
俺はどうしたらいいのかを知っていた。
だから長門のちっこい掌を掴んで、こう耳元に囁いてやる。
「長門。俺にお前のセーラー服を脱がさせてくれ」
終わる
---------------------------------------------------------------
以上、駄文にて失礼。
長門スキーの発露ですた。
すごい良かった…
嬉し泣きした俺マジキモイ
>>721 あんた最高だよ!
いやもぉ、途中切なくてちょっと泣いて
最後ハッピーエンドで更に泣いたよ。
これは良い…
泣きながらエロシーン読んだのは初めてだ。
セックスの描写からエロさよりも愛を感じた。
やっつけの取って付けたようなエロでもなく、なくちゃいけないエロくないエロ描写とでも言うか。
まいった。ハルヒスキーな俺だが心の底からまいった。降参。
長門スキーの俺はもう神作品、
印刷して永久保存しとくぜ。
今日はいい気分で過ごせそうだ
727 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 05:07:21 ID:UDeBYvno
あえて言おう。長門作品の白眉である!
そういや、前スレに別パターンで「キョンを凍結してずっと一緒」ってのもあったな。
730 :
nac:2006/06/27(火) 05:56:34 ID:huXSszYy
詰め合わせの曲+OP+EDを永延とリピートしながら執筆中の自分です。
♪大きな夢、夢好きでしょってことで夢のSS投下します
多少のネタのかぶりはこのさい保留して下さい。6月だし、ねっ。
というか前の方凄い!長門続きですけど比較しないでもらえると助かります、なんて。 nac
731 :
nac:2006/06/27(火) 05:57:09 ID:huXSszYy
〜ユメ、ゆめ、夢〜 1話
はい、ここはSOS団のあじとの文芸部室です。
今ここには、本を読む長門さん、いつものようにネットをする涼宮さん、それにあたししかいません。
キョンくんは進路指導とかで先生に呼ばれているらしく、古泉くんは、よくわかりません。
つまり女の子だけです。こんなときのここはというと……
「つまんないわね」
「……」
「え、えっと……」
はっきり言うと、空気重いです。キョンくん達のありがたさがよく解る時間です。
でも、私だって、たまには話題を振りたいなと思って、思い切って鞄に入っていた雑誌を取り出しました。
ぱらぱらとめくり目的のページを発見、こうやっていつもと違うことすると、大抵は、
「あれ?みくるちゃん。なに読んでるの?」
よかった、これでダメならどうしようかと思っていたんですよ。
「これですか?今巷で流行っている、占いの雑誌ですぅ」
「占い?ふーん、ねえ!暇だし、占ってよ」
涼宮さんは奇抜なことが大好きですが、こういった女の子っぽいのも実はかなり好きなんです。
「じゃ、じゃあ、このグループ占いなんて、どうですかぁ?」
「グループ占い?何それ?」
「文字通り、女の子のグループで占うんです。例えば、共通ラッキーカラーとかアイテムや
えっと、気になる異性の子の夢を見れる方法なんてのもありますよ」
「へぇ、面白いわね。そのグループは三人でもいいの?」
「はい、最低三人なんで、いいと思います」
「それじゃあ、有希!ちょっと、こっち来て」
本を閉じて、こちらに向かってくる長門さん。この無表情からくる雰囲気は、あたしは苦手です。
嫌というわけじゃなんですけどぅ、あぅぅぅ。威嚇されていそうで、ちょっぴり怖いです。でも内緒。
「それじゃあ!占ってみましょう!」
……
…………
「ふむふむ、こうすると……」
「気になる男の子と貴方との新婚生活を見れます、ですかぁ」
「続きが書いてありますね……」
「……」
あれ?いつのまにか長門さんが真剣な表情に。貴方は宇宙人さんですから未来予測なんて、って私も未来人でしたね。
でもでも、こういうのって気持ちが大事なんですよ。きっと。
732 :
nac:2006/06/27(火) 05:57:43 ID:huXSszYy
〜第一夜〜
俺は深い眠りの中に居た。
「……きて」
ん?誰かが俺を呼んでいる。
「起きて」
大きくは無い。しかし透き通ったその声に触発されて、目を醒ます。
俺が目を開けると、目の前に両手を胸に組んで立つ一人の女性、
長門、いや、有希がそこに居た。
「おはよう。有希」
「おはよう」
「今日は早くないか?」
「無い、あなたが遅いだけ」
「ははっ、手厳しいな」
「早く起きて。今日は…………力作……」
733 :
nac:2006/06/27(火) 05:58:20 ID:huXSszYy
俺と目の前の有希、旧姓長門有希は。高校一年の時知り合い、三年間の交際を経て結婚した。
涼宮ハルヒの力は、日を増して弱くなり、最後には全く感知されなくなったそうだ。
それを機としたのか、俺は統合思念体に召集された。
「長門有希は役目を十分に果たした、これからは彼女の好きにさせる。君も協力してくれ」
俺は二つ返事で返した。断る理由なんて無いだろ。俺は長門が居たから生きてられんだし。
それに……俺は長門、いや、有希が好きだった。
ハルヒは始め納得していなかったが、有希の幸せそうな顔を見て、祝福してくれた。
あいつが他人の幸せをねぇと驚いたが、人間的に成長したんだと思って納得した。
それから卒業と同時に入籍。身寄りが無い有希だったが、俺の両親は快く承諾した。
それから、俺は実家を出て有希の家に住むようになったって訳だ。
「……あなた?」
どうやら、箸の進め方がいつもより遅いのに気付いたらしい。
「病気?」
「いや、体は健康そのものだ」
「今朝の料理……その、おいしくない?」
俺は目の前の煮物をつまみ、有希の口に持って行く。
「???」となりながらも、小さな口を心持ち広げ口に入れる有希。
「美味しくないわけ無いだろ。今日はあまりの旨さにいつもより味わってるんだ」
「…………よかった」
「ん?どうした?」
見ると、心底ほっとした表情を浮かべる有希。一応弁解もしておこう。
「実はさっき、高校時代の事を思い出してな。昨日見た夢のせいだな」
「私達の出合った頃の事?」
「も、含めてだ。あの頃はなんやかんやで楽しかった。色々やらかしたんだなぁ、なんてな」
こういう話をすると、有希は少し寂しそうな顔を見せる。だからちゃんとこうも言っておく。
「もちろん今の方が何倍も幸せだ」
「っ……//」
はっ、となった表情も愛らしい。いかん、朝なのに、もうむらむらぁっときた。昨晩もあんなに愛し合ったのに……
でもそんな提案を出そうものなら「今からでも」なんて平気で言ってくるからな。
肌を重ねること、それ自体に有希は幸福以外の何かを感じているのだろうか?今度軽く訊いてみるか。
と、有希は煮物を欠片を持ち、こちらに突き出してきた。
新婚なら当然の「あーん、して?」攻撃だが、有希がそれをしてくるとは。今まで無かったはずだ。
「どうした?」
訊くと、目の前の新妻は、昔、記憶の中で入部届けを渡した時のような、そんな表情でこう言った。
「…………お返し……」
734 :
nac:2006/06/27(火) 05:58:55 ID:huXSszYy
いつもより長く時間を割いた朝食を終える二人。
「さて、今日はどうする?」
「あなたの好きに」
「じゃあ、有希のしたいことに俺が付き合う日にするな」
「……いじわる」
「で、有希は、何がしたい?」
「また、いつもの所に」
「あぁ、図書館だな」
もう、幾度と無く向かった図書館に歩いて向かう。俺たちのお決まりのデートスポットだ。
着いた途端、つつつぅぅっと本棚に引き込まれていく有希の光景も変わらない。
俺も適当に本を探して見る。高校のときに比べて格段に本に触れるようになった。
漫画ばかりじゃないぞ。これも有希のおかげだ、なんて思っている。
くぃっくぃっ
「これ」
「よし、じゃあ借りて、いつものところで読むか。今日は天気もいいし」
こくっ、と頷く有希を横に連れて本を借りにいく俺達。さしづめ文学夫婦と言ったところか。
それから、しばらく歩き目的の場所に着く、いつもの公園だ。
ここは見た目以上に広く、なだらかな芝生の絨毯の向こうでは、親子連れと犬がわいわいはしゃいでいる。
そこの中央に大きな木。雨宿りにもなりそうな樹齢何百年クラスの木に隣り合わせで座る。
「今日も、風が気持ちいいな」
「いい」
「また気持ちよくて、眠っちまうかも」
「構わない、夕食前には起こす」
「そうか」
「そう」
こうして並んで本を読む二人、夫婦というより恋人みたいだ。初々しくていいな、なんて解釈している。
「……」
「……」
次第に瞼が重くなっていく。仕方ないだろ、こんなにいい天気で、傍には有希が居て、幸せなんだ。
「眠い?」
昨日の睡眠時間は、少なかったしな。っと後悔は全くしてないがね。
「けだもの……」
こういう皮肉的表現も使えるようになったんだぞ。ハルヒはもちろんだが有希も同じくらい成長したんだ。
「また昔の夢を見そうだ」
「夢?」
「あぁ、高校一年の、あの頃の……」
と静かになる、有希は俺にはもう見えていないが、恐らくにっこり微笑みながら、小さな声で、囁いたんだろう
「どうか、良い夢を……」
続く
735 :
nac:2006/06/27(火) 05:59:25 ID:huXSszYy
まず、書き手の皆さん、GJ!!しか言えない自分を許して。でもGJ!
新婚さんいらっしゃぁい!でもまた構成考えてる間に、似たSSを発見。はわわぁ
といっても自分の文章力じゃ夫婦と言うよりこいび(ry
というわけで、続きます。
まあ、他の職人さんのSSが何百倍もエロくていい!のでそっちで nac
こうも長門ものが多いと、なんか投稿しにくい……。
もっと頑張らねば。
このnacって人、ひたすら痛い。うざい。
自分語り多すぎ。誰もあんた個人になんか興味ないっての。
…みんなが言いたいけど我慢していた事をあっさり言ってのけやがった
とんでもねえヤロウだw
その思いをどう殺すかが肝
nac 名前の由来は何なのだ
742 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 08:41:36 ID:QsmqgH9F
こうも長門ものが多いと、なんか投稿しにくい……。
もっとみくるはないのか。
>>741 nagato no
aru bubunn ni
chu
こういう意味に違いない。
そろそろコテ外した方がよさそう >nac
前から構ってオーラ出しっ放しで学生なんだろうなあと生暖かく見ていたけど、
今の雰囲気だと標的にされそうな気がしてきた。
と言うかやっぱり空気読めない子なのかな。
自己主張激しそうだし、自分がどれだけ美味しいエサなのか全然気付いてなさそうだ。
745 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 09:05:31 ID:QsmqgH9F
自己主張激しいからコテやってんでしょww
きっとコテ付けてなくてもうざい。2chに友達探しに来てるのかよってくらい痛い。
レスの最後にいちいち署名してるのもキモイ。いったい何を期待してるんだこいつは。
「書き手の皆さん、GJ!!」
書いてる人間はなんでもGJか。こんなにGJしてるんだから俺にもしてよってか?
痛い。
痛い。
痛い。
うざい。
そろそろやめとこうぜ
痛いと図星を突くよりもすすんで妄想語りましょう ◆◆◆
たしかにかまってちゃん全開でウザイかもしれんが
そう分かってるならスレの雰囲気のためにスルーすべし
いちいち反応するお前らもウザイよ
751 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 09:53:05 ID:QsmqgH9F
一番スルー出来ない人
ID:kz9893fD
まて、21以上であるここの住人がスルーできないわけがない。
ID:kz9893fDはいつものアレってことで。
>>750 同意
俺ら読み手は次の神の降臨を期待するだけ
放課後、鶴屋さんに呼び出された俺(キョン)は
2年の教室に入った。明日から修学旅行なので
みんな早く帰ったのだろう、窓から運動場を見ている鶴屋さんだけだった。
「やあ来たねキョン君!ドアしめてもらえるかな?」
「ああ、はい」
そういって俺がドアを占める間に彼女はカーテンを閉める。
窓は開けたままだ。
「こっち来て。」
俺が窓際に来ると鶴屋さんが左手を出して
「舐めていいよ」
なんと言ったか分からなくなった
舐めていい?手を?爪は切ってあるな。
そういう疑問符を頭に浮かべて、次の瞬間、記憶がとんだ。
いつのまにか俺は鶴屋さんの人指し指を丁寧に舐めていた。
鶴屋さんはいつの間にか椅子に座っていて。俺は膝まずき、指のはらの感触を楽しんでいた。
思わず飛び退き、とんだ記憶を思い出す。
思い出す事に明確な記憶に混雑する
俺は鶴屋さんの手をとりまず甲にキスをし唇を這わして指を選ぶ。
鶴屋さんは右手で座りやすい位置に椅子を寄せ座る。
俺はその内に人指し指を…
755 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 10:35:37 ID:QsmqgH9F
放課後、鶴屋さんに呼び出された俺(キョン)は
2年の教室に入った。明日から修学旅行なので
みんな早く帰ったのだろう、窓から運動場を見ている鶴屋さんだけだった。
「やあ来たねキョン君!ドアしめてもらえるかな?」
「ああ、はい」
そういって俺がドアを占める間に彼女はカーテンを閉める。
窓は開けたままだ。
「こっち来て。」
俺が窓際に来ると鶴屋さんが左手を出して
「舐めていいよ」
なんと言ったか分からなくなった
舐めていい?手を?爪は切ってあるな。
そういう疑問符を頭に浮かべて、次の瞬間、記憶がとんだ。
いつのまにか俺は鶴屋さんの人指し指を丁寧に舐めていた。
鶴屋さんはいつの間にか椅子に座っていて。俺は膝まずき、指のはらの感触を楽しんでいた。
思わず飛び退き、とんだ記憶を思い出す。
思い出す事に明確な記憶に混雑する
俺は鶴屋さんの手をとりまず甲にキスをし唇を這わして指を選ぶ。
鶴屋さんは右手で座りやすい位置に椅子を寄せ座る。
俺はその内に人指し指を…
ナニコレ
757 :
13-150:2006/06/27(火) 10:51:40 ID:swAUoH/v
流れがよくわからないけど、ラッシュが来ないうちにひっそり投下
ほのぼの長門物
「食後すぐに入浴するのは、消化吸収の妨げになる」
との忠告を受けて、風呂までの腹ごなしに時間を潰すことにした。
まあ食後すぐに『行為』に移ってもいいんだが、それじゃ長門に失礼だ。
成人君主を気取る訳でもないが、別に長門の身体だけが目あてなわけじゃないしな。
んで、ゲーム関係は勝負にならないので(主に俺が)ビデオでも見ようかという話に。
毎週日曜夜に長門の部屋に上がりこむようになってから3週間目あたりだっただろうか。
最初のうちは部屋に上がるなり欲望に任せ、長門と身体を重ねる時間ばかりが多かった。
だが、しばらくして冷静になった俺は欲望オンリー思考に反省し
「普通の恋人同士がする事」を積極的にしていこうと誓ったのさ。
そして次の週のパトロールで運良く長門とペアになった俺は
安物の16型ビデオ一体型TVを買い付け、この部屋に運び込んだって訳だ。
まあ実際に使うのは今回が初めてなのは多目に見て欲しい。
結構大変なんだ、ムード作りのビデオチョイスって。
「……何を見るの?」
「ん、見る前に一つ長門に約束してもらいたい事があるんだ」
小首をほんの2ミリほど傾げる長門に軽く萌えながら、少々大げさに答える。
「今日はお前の持っている情報を自由に出来る力や、例の情報何とか体のサポートとか
そういったものを一切OFFにして作品を見て欲しい」
「その場合、突発的事象に対応できない可能性がある。その提案は推奨できない」
「命に関わるような緊急事態になった時には使ってくれてもかまわんが…
とにかくこれから見る映画のデータを先に確認したりしないこと」
「……それだけなら」
「必ず守ること」
「……厳守する」
「よし。で、見るビデオはコレだ」
『サイコ』
アルフレッド・ヒッチコック監督の傑作サイコスリラー映画だ。
巨額の横領をした女性が逃亡中に立ち寄ったモーテルのシャワールームで惨殺される。
失踪した女性を追ってきた恋人の男性と妹が恐怖と狂気の事件に巻き込まれて…
というのが大まかなあらすじ。
詳しい内容については割愛させていただく。なぜなら俺の楽しみはそこではないからだ。
念の為に長門がこの映画や原作の本を見たり読んだりしてない事も事前に確認済みだ。
クライマックスやオチが判っているこの手の映画は「楽しみ」も半減以下だしな。
フローリングに直接置いたビデオTV。少し距離を置いて並べられる2つの座布団。
お茶と音の出ないお茶請けを用意して、いざ視聴開始。
最初の数分でバッチリ効果が現れはじめた。
座布団の上にきちんと正座し、モノクロの映像を凝視する長門。
その体中の筋肉が、俺にしか判らないLVで微妙に硬直し始めたのだ。
湯飲みを膝元に固定したまま石像のように微動だにしていない。文字通り微動だに、だ。
普段なら呼吸で胸が上下するのを確認するのは簡単だが今はそれすら難しい。
そして表情も…
「……っ」
よしよし怖がってる怖がってる。そのくせ内容に目が離せなくなってる。
ショッキングなシーンが映る度に
「……っ」
とか
「…っ…っ」
とか
「………っっ」
と、息を飲む反応が嬉しくてたまらない。
それだよ長門!
朝比奈さんのような女の子女の子したリアクションじゃなくてもいいんだ。
俺は長門の『それ』が見たかったんだ。
表面上は冷静にTV画面を見つめつつ、心の中でガッツポーズする俺。
そんな俺に気付かず長門は映画に夢中になって行く。
そして中盤、物語がクライマックスに入る前の「溜め」のシーンが来ると
俺はあらかじめ脳内でイメージしておいた通り、不意に席を立つ。
「っ……何?」
「ん、映画が終る頃、ちょうど風呂が沸いてるようにスイッチいれてくる」
あからさまにビクッとした長門に内心激しく萌えながらバスルームへ。
そして意地悪くも、ちょっと時間を掛けて風呂の準備をする。
すまんな長門。これもお前と俺の為なんだ。
数分して部屋に戻ると、一時停止画面を凝視したまま長門が固まっていた。
待っててくれるのはいいんだが、まばたきくらいしなさい。
「何だ、別に1人で見ててもかまわなかったのに」
「……できれば」
「できれば?」
「……できれば……2人で見たい」
画面を凝視したままの長門の横顔が、僅かに怯えの色を見せていたのを見逃す俺じゃない。
だがしかし、押し倒したくなる衝動に全力でブレーキをかける。
まだだ! まだ終っちゃいない!
「……何が?」
いやなに、こっちの話だ。
「さて長門さんや」
「……」
「なんでさっきまで横に並んでいた座布団が『縦に』並んでるのかな?」
「……」
「いや座布団ポンポンってされても」
「…………」
「それじゃ長門が画面見えないだろ?」
「………………」
「…長t」
「座って」
「はい」
2両編成の田舎列車のような構図で視聴を再会する俺達。運転手は俺だ。車掌は長門。
違う! 違うんだよ長門!
本来ならばこの後のクライマックスで、お前の肩をそっと抱き寄せる予定だったんだよ!
「……っ」
そんな俺のラヴカップルヴィジョンを尻目に、長門は映画を楽しんでらっしゃるご様子。
俺の右後ろから顔を半分だけ覗かせてクライマックスシーンを鑑賞なさっている長門さん。
その宝石のような黒い瞳にモノクロ画面がキラキラと反射している。
…いやまてよ? これも結構可愛いのではないか?
いつもより猫背気味になり、真っ白で小さくて柔らかい手が俺の右袖をそっと摘んでいる。
うむ、そこはかとなくキュートだぞ長門。
しかしなんだろう、この既視感…
ちくり、と少しだけ胸が痛む。
ああそうか、この摘み方… あの長門と同じなんだ…
俺が長門に好意を寄せていると気付いたのは、繰り返された夏休みの後。
その気持ちが確信にかわったのは、改変された世界での長門との「再会」
あの時は辛い思いさせて本当にごめんな?
決して「あの長門有希」を嫌っていた訳じゃないんだ。
むしろ長門の見たことの無い面、そして長門の俺への想いを感じる事が出来て
心の中じゃバカみたいに踊り狂うほど嬉しかったさ。
でもな、違ったんだよ長門… 俺が本当に側にいたいと思ったのは…
心から大好きだと思ったのは…
「………ふ…」
長門の小さな溜息で、二転三転する映画のクライマックスシーンを大幅に越え、
スタッフロールが始まっている事に気付いた。
いけね、ラヴカップル計画遂行中なのに脳内回想ムービー(スキップ不可)に見入ってしまった。
どこぞのゲームの凄腕潜入工作員か俺は。
「どうだ、面白かったか?」
長門はこくんっ、とぱっと見でもわかるくらい大きく頷いてくれた。
用意していたお茶もお菓子も結局手付かずのままだ。
本当に楽しんでくれたようだな。映画を選んできただけとはいえ俺も嬉しいよ。
「そいつは良かった。来週もなにか借りてこようか?」
「……できれば」
瞬きを忘れた瞳が、いまだ流れていくスタッフロールを興味深く見つめている。
きっと明日からスタッフや原作者の関係書物を漁るんだろうな。
外れる事の無いであろう予想を胸に一人ほくそえむ。
次はどんな方向から攻めようか、俺自身楽しみでしかたない。
「さて、風呂沸いてるだろうから、先に入っていいぞ。俺は布団とか出しとく」
「……わかった」
一切無駄の無い流れるような動作で立ち上がる長門。
約2時間正座しっぱなしだったのに足とか痺れないもんなのかね。
コツがあるなら教えてもらいたいもんだ。
トテトテと可愛らしい足音を立ててバスルームに向かう小さな足を見て思う。
と、ふいにその足がバスルームの扉の前で止まる。
視線をドアノブに集中したまま、長門はフリーズしたPCのように固まってしまった。
「どうした?」
「……」
10秒経過。 長いな。 でも待つぞ。 そして期待してるぞ。
「………に………ぃ」
「うん?」
「……できれば」
「うん」
「……お風呂に」
「うん」
「…………一緒に入って欲しい」
YES!!
ここで一区切りさせて下さい
次から同じくらいの文章量でエロシーンに突入
>>762 次は風呂場?
かなり待ち遠しい。GJ!
そろそろ容量ヤバくない?
残り35KB。
やばいってほどでもないがそろそろ用意しておいた方が無難。
AA埋めとかしなきゃ余裕。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
スレ立てしてくるノシ
あぼーん
なんか変なの沸いてんぞ
あぼーん
乙。
って早々に粘着されてるな。
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
ID QsmqgH9F キモスギ
あぼーん
785 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 14:06:40 ID:QsmqgH9F
飽きたwwwwww
俺の荒らしたスレと次スレを使っていいよ〜www
中古だけどなwwwww
ID:QsmqgH9Fは日本語が不自由なのが良くわかった
日本語でおk
もし、中学生以上でこの程度の頭だとしたら、とことん哀れだな
あぼーん
あぼーん
ただコピペしてるだけだし幼稚園児Lv
あぼーん
削除依頼出すときに、会話が成立してると透明アボンしてもらえなくなるから
かまわないでくれ
彼は駄目SSでは邪神どころかただの荒らし基地外で流されてるアレだから。
そっとスルーしてあげるのが人の優しさだよ。
795 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/27(火) 14:11:57 ID:QsmqgH9F
あああ、スレがつぶれてしまう
ID:rVyQRHaj
ID:pHJJqy8l
ID:f5j1Ssfp
も何にもできないのかあああwwwww
口ばかりだぜwwwww
お前らスルーしれ
削除できなくなる
あぼーん
あぼーん
ここはスレの更新早いな
むう。
らふらが
なんか容量が一気に減ったので会話だけのしょうもない小ネタ。
「キョンくん、お茶をどうぞ」
「みくるちゃん、どうも」
「ちょっと待ちなさい」
「何だ」
「どうしてあんたがみくるちゃんをみくるちゃんって呼んでるのよ。
おかしいわ。変だわ。ううん、絶対不自然よ」
「そう呼んでいいと言われたから呼んでるだけだ。
お前にどうこう言われる事じゃないだろ」
「むぅ・・・・・・みくるちゃん、本当なの?」
「えっ、えっ? あ、はい」
「だったらあたしも名前で呼びなさいよ。
勿論最後には『様』を付けるのを忘れないようにね」
「・・・・・・有希」
「・・・・・・」
「でしたら僕の事も一樹と」
「断る」
削除はじまってる?
そのようだ
805 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 03:04:50 ID:Bm+zIucS
な
806 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 03:31:06 ID:5qSbKpmB
1000
807 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 04:03:03 ID:Bm+zIucS
あ
ume
梅
てす
残30KB
結構な量だが梅
そろそろ黒みくるとか、ハイテンションユッキーとかこないかな?
あと個人的に、乙女ハルヒなんかどう?
814 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 17:27:18 ID:5qSbKpmB
a
815 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 17:28:11 ID:5qSbKpmB
b
一々削除依頼出すのやめてくんない?
専ブラ使ってれば荒らしのレスなんて片っ端から消せるんだから、
ログ壊されたり再取得させられる方がよっぽど迷惑なんですけど
いい加減スルーくらい覚えろよ
817 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 17:43:05 ID:fOv349NB
↑専用ブラ持ってない人のことを考えれない自己厨はほっといて
じゃんじゃん削除依頼を出しましょうwww
確かに!
>>816 削除した方が、スレ消費量が減るので
スレが長持ちするよ。
ああ、それと、アクセス禁止は
削除依頼でチェックされて行われる。
荒らしのアクセス禁止を望む人は
積極的に削除依頼を出すのがよい。
削除されなくてもアクセス禁止対象として考慮される。
言い忘れてたけど・・・。
ここって1回501KB超えてたっけ?
専ブラ入れたって金取られるわけじゃないんだから
いれればいいじゃん
>>819 次スレも立っててhtml化待ちのスレ長持ちさせてどうすんだよ
混乱してるじゃないか。馬鹿じゃないのか。
>>823 このスレの削除依頼は次スレが立つ前にされたもの。
削除されるタイミングは削除人次第。
825 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 18:55:02 ID:fOv349NB
専ブラ入れたって金取られるわけじゃないんだから
いれればいいじゃん
お前に指図されたくないな
削除依頼に否定的なレスの人たちが単発IDな件について
あっちに書いてるよ。
つうか子供じゃないんだから黙ってりゃいいことわざわざ書くなよ。歳いくつだ。
民度低すぎる。
828 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 19:49:01 ID:fOv349NB
別に削除依頼はいいよ、じゃんじゃんだそうぜ。
どうせなら雑談レスも削除してもらいたいものだな
830 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/28(水) 20:37:26 ID:fOv349NB
じゃまずID:ETfm/35Gの発言から削除だね。
余ってるならリレーでもやれば?
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:. ,'./ i ヽ:. ヽ:.:.. ヽ.ヽ
,'/ / .ハ ヽ ヽ:.:.:.:. ヽ::.. ヽヽ :.
:. |i .i i .i / ヽ ト 、 \、:.:.:. ',:.',:.:.lヽ}
|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ,ィjモト \ イjミトイイV :. な…
.| :メヽ.', `ozZ} izN。ハ::{ なんなんですか?
:. | :ヾ_! ゝ "゙゙ ' `゙ ハ.:', :. ここ、どこですか?
| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんであたし
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. 貼られたんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
:. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
/ / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
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|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:}
:. |i∧ ', :{ ー:ェェヮ;::) f';-ェェ-イイV :. 久々に…な
.| :メヽ.', `ozZイ;:' l u。ハ::{ なんなんですか?
:. | :ヾ_! ゝ/" ゙'''=-='''´ ゙ ハ.:', :. ここ、どこですか?
| :.:_イ .:.ヽ. ´~===' '=, イ :.:.:!:.ヽ なんであたし
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. 困ってるんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
:. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
/ / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
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V | .:.:/:.:|_,ィ' ̄ ヽ三{ `ー-ノ : イ : : :/:.:i.:{ リ
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/ rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\ 貼られたんですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
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r'゚'=、
/ ̄`''''"'x、
,-=''"`i, ,x'''''''v'" ̄`x,__,,,_
__,,/ i! i, ̄\ ` 、
__x-='" | /ヽ /・l, l, \ ヽ な・・・・・・
/( 1 i・ ノ く、ノ | i i, なんなんですか?
| i, | {, ニ , .| | i, ここ、どこですか?
.l, i, | } 人 ノヽ | { { なんであたし、こんな風に
}, '、 | T`'''i, `ー" \__,/ .} | 描かれたんですか?
.} , .,'、 / :ヾ_! }, `ー--ー'''" ハ.:', } i,
| ,i_,iJ / :.:_イ .:.`x, _,,.x=イ :.:.:!:.ヽ .| ,}
`":. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:iiJi_,ノ
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ//ハ.:\
:. / .{. ',ヾ、ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:.//: : :.}: . ヽ.:.
/ / ) ヽ ヾ、ヽ:.ハ ヤ{ ∧/.-‐'": : |:.:. i ',
./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ : : :i Y {ヾ`Yヽニン'ノ}: : } : : : :/:.:.:/ }:.}
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:. | :ヾ_! ゝ `ヽ.___´, ハ.:', :. な、なんで うおっまぶしっ
| :.:_イ .:.ヽ. `ニ´ , イ :.:.:!:.ヽ
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./ .,イ .:..} : :\ヾレ'ハ ∧__ノノハヾ、 : : : l:.:.: .ハ ',
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| :.:_イ .:.ヽ. (二フ , イ :.:.:!:.ヽ なんなんですか?
:. / rィイ | :.:.ヽ: >r/`<ノ .:.::.}ヽ、\:. ここ、どこですか?
/ ∧l;l ! :.:.:.://{二 ̄ .} ..:..::リ \.:\ なんであたし
:. / . / ヽi .:.:.{ /(^` |.:.:.:./ }: . ヽ.:. 裸になってるんですか?
/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i ',
./ .,イ .:..} / l ! レ l:.:.: .ハ ',
{ /| .:.:ハ / l i i /:.:.:/ }:.}
V | .:.:/:.: ', / iノ :i ! /:.:i.:{ リ
ヽ:.:{、.:.:.l | | |. /:.::∧|
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|i .i l :N_, -弋 \弌弋ナ:}:.:} ここ、どこですか?
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.| :メヽ.', /// トェェェイ /// ハ::{ 裸なんですか?
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/ / } ヽ:.ハ ヤ{ !.:./ |:.:. i '
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な… ''';;''';;';';;'';;;,.,
なんなんですか? ''';;''';;';'';';''';;'';;
ここ、どこですか? ;;''';;''';;';'';';';;;'';;'';;;;
なんであたし ;;'';';';;';;'';';';;'';;';'';';';;;'';;'';;;;;
増えてるんですか? ,.- ; ,.- ;,.- ;,.- ;,.- ; ,.- ;- ;,.- ;.-;-
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/ ̄ ヽ, / ̄ ヽ, / ̄ ヽ, ̄ ヽ,/ ̄ ヽ,
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/ ', ', / ', ', / ', な…
{0} /¨`ヽ {0}',/¨`ヽ {0}', {0} /¨`ヽ {0}',/¨`ヽ {0}', {0} /¨`ヽ {0}', なんなんですか?
l トェェェイ ヽェェェイ 'l トェェェイ ',トェェェイ ',l//トェェェイ/// ', ここ、どこですか?
ノ `ー'′ ',ー'′ ノ `ー'′ ',ー'′ ノ `ー'′ ', なんであたし
,',ノ 斗ャ fて`Y トミヽ ,',ノ 斗ャ fて`Y トミヽ ,',ノ 斗ャ fて`Y トミヽ 貼られたんですか?
/ {トミトv|'´ゝ } ノノ:l }: / {トミトv|'´ゝ } ノノ:l }: / {トミトv|'´ゝ } ノノ:l }:
:/イ { ゝィVr-ヘト、 ! ハ :/イ { ゝィVr-ヘト、 ! ハ :/イ { ゝィVr-ヘト、 ! ハ
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- - 、 な…
/ ノハ.!, i なんなんですか?
ノ(;゚д゚|| | ここ、どこですか?
レV) レ なんであたし
<< 貼られたんですか?
な…
_, ,_ なんなんですか?
(;゚д゚) ここ、どこですか?
レV) なんであたし
<< 貼られたんですか?
な…
_, ,_ なんなんですか?
(:;@u@) ここ、どこですか?
レV) なんであたし
<< ふざけてるんですか?
\ な… /
\ _, ,_ なんなんですか? /
\ (;@u@) ここ、どこです/
\ レV) なんであた /
\ << ふざけて / な…
な… \ / _, ,_ なんなんですか?
_, ,_ なんなんで\∧∧∧∧∧/ (;@u@) ここ、どこですか?
(;@u@) ここ、どこで< 朝 > レV) なんであたし
レV) なんであた< だ 比 > << ふざけてるんですか?
<< ふざけてる<. け. 奈 >
──────────< の ね >───────────
な… < 予. ば >
_, ,_ なんなん < 感. る >
(;@u@) ここ、ど < !!!! >
レV) なんで/∨∨∨∨∨\ な…
<< ふざ/ \ _, ,_ なんなんですか?
/ な… \ (;@u@) ここ、どこですか?
/_, ,_ なんなんですか? \ レV) なんであたし
/(;@u@) ここ、どこですか? \ << ふざけてるんですか?
/ レV) なんであたし \
/ << ふざけてるんですか? \
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_人 {二ニハ l }: : : : }
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てす
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; |!ヘ cモリ lモ!oV なんであたし荒らされてるんですか?
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,',ノ 斗ャ fて`Y トミヽ
/ {トミトv|'´ゝ } ノノ:l }: ・・・わかりました
:/イ { ゝィVr-ヘト、 ! ハ
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853 :
名無しさん@ピンキー:2006/06/29(木) 02:41:46 ID:J7RKY2jQ
「キョン……大好き……」
「ああ、俺もだ……長門」
umeeeeee
美味ぇーー
梅
結局、無意味に埋められるのか。小ネタかリレーSSの投下を期待したんだけどなぁ。
さっきまで教室だった空間は、いつの間にか閉鎖された空間になっていた。
あれだ、思い出したくもないが、朝倉との一件があったときと同じだ。
「後ろに」
俺を庇うように立ちはだかり、前を睨む長門の姿も、あのときを思い出させる。
違うのは、相対しているのが朝倉ではなく、喜緑さんであることくらいだ。
「あなたは間違った方向へ進んでいます。矯正しなければなりません」
そう喜緑さんが長門に向かって言い放ち、何やら高速で呪文を唱える。
これはヤバイんじゃないかと考えた瞬間、いきなり槍のようなものが現れ、
ものすごいスピードで飛んできた。
「わっ!」
思わず叫んでしまう。何もない空間に物質を具現化させるとは質量保存則を無視しているんじゃ
ないのか、いや違う、物質変換だ、などと、現実逃避気味に意味不明なことを頭に浮かべながら、
それでも反射的にしゃがみこんだ俺はブスっと言う嫌な音を聞いて現実に意識を戻した。
反射的に見上げると、腹部に刺さった槍を両手でつかみ、何かを唱えている長門の姿があった。
「大丈夫か!」
思わず後ろから肩を掴む。
「大丈夫……だと思う。修復プロセスに問題がある。リカバリーモードへ移行」
長門が両手で掴んだ槍は、ゆっくりと霧になって消えた。
「キャッシュ強制退避。各系ノード切断。全ステータス退避。待機伝達系、現用化開始……」
長門は何か呟いてたが、そのまま力を失ってずるずると床に倒れこむ。
「な、長門!」
この世でもっとも信じたくない光景を目の当たりにして、俺は、完全に冷静さを失っていた。
「その槍の先端には、矯正プログラムが塗布してあります。なにも問題はありません。
再起動は正常に行われるでしょう」
崩れ落ちる長門の腹部が真っ赤に染まっている。思わず俺は長門を抱きかかえた。
何度か見たことのある修復も、今回は間に合っていないようだ。
「しっかりしてくれ!」
「待機伝達系への移行に失敗。制御不能なリカージョン検出。状態遷移追跡不能。現用系強制停止」
「何も言うな。すぐ救急車を呼ぶからな」
俺は思わず長門を抱きしめ、その耳元で大声で叫んでいた。
救急車を呼んで何とかなるとは思えない。そうさ、それくらいは解っている。
でも、それ以外に何が出来るって言うんだ?
「わたしは、あなたを……」
そう呟く長門の瞳が、徐々に輝きを失っていく。
俺は、俺の腕の中で長門の両目がゆっくりと閉じていくのを、信じられない思いで見つめていた。
床も俺の制服も、血に染まっている。
なんてこった。なんでこんなことになったんだ?
「それは、機能障害状態にありました。涼宮ハルヒの観察、それがそれに与えられた使命でした。
しかし、それは障害を起こし――」
やかましい! そんなことを訊いているんじゃない! 俺の長門を“それ”呼ばわりするな!
俺はぐったりした長門を抱きかかえたまま、喜緑さんと対峙した。絶体絶命ってやつか。
思考がまとまらない。でも俺は、考えをまとめてから行動するタイプじゃないんだ。
だから、思ったままに行動させて貰おうじゃないか。
――――
機会があれば、何れ前編と続きを投下します。誰かがリレーしてくれると嬉しいんだけど。
で、これで埋まったかな?